VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 22:27:31.29 ID:FGcF.AAO<>これは、歪んだ歪んだ物語。
歪んだ世界の、物語。<>偽善使いさんが入室されました VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 22:32:06.04 ID:isFQy3c0<>戯言だけどね<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 22:42:06.64 ID:FGcF.AAO<>甘楽【だからね、今第7学区では『ダラーズ』ってチームが凄いんですよ!】

偽善使い【俺は見たことないんですよね、『ダラーズ』、噂は凄い聞くんですけど】
セットン【私も見たことはないですね】

甘楽【地下に潜ってるっぽいですからねー!】

田中太郎【へえー、甘楽さん、学園都市に詳しいんですね】

甘楽【それほどでもないですよ!】

甘楽【あ、じゃあじゃあ黒いバイクの話って知ってます?】

田中太郎【黒いバイク?】

セットン【あー】

甘楽【最近学園都市で話題の奴ですよ】

偽善使い【昨日ニュースでやってましたね】<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 22:55:54.44 ID:FGcF.AAO<>「この……化け物がぁぁぁぁぁぁッ!」

怒声を上げた男は一目散に立体駐車場から逃げ出した。

周囲には人影も無く、乗用車が停まっているだけだった。
周りからは音が綺麗に消え去り、自分の足音と荒い息遣いだけが聞こえる。

「……く……くくくッ糞ッ!糞ッ!やってられっかよ糞が!」

恐怖に脅えるチンピラ風の青年の首筋には、対峙する者を恐れおののかせる刺青が刻んである。
しかし自信が恐怖していてはその刺青にも意味がない。
そして大した信念も無く入れたその紋様に




漆黒のブーツが叩きこまれた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 23:19:49.39 ID:FGcF.AAO<>甘楽【前から都市伝説みたいな感じだったらしいんだけど、最近写メで撮れたって人が増えてきて一躍有名になった感じですー】

偽善使い【あーそういや、友達に見せてもらったことあります】

セットン【っていうかあれは都市伝説でもなんでもないですよ。スキルアウトっていうか暴走族っていうか、でも珍走してるってわけでもないし】

偽善使い【二輪でライトつけないなんて十分アホですよ】

甘楽【それに画像解析でも意味不明な点が多いって】

田中太郎【あの、話が見えないんですが】
甘楽【ああ、えっとねー……ぶっちゃけ、化物みたいなもんです!】

田中太郎【化物?】

偽善使い【化物ってどういう意味ですか?】

甘楽【偽善使いさんも知らないんですか?、じゃあ教えますけど】

甘楽【黒バイクに乗ってるのは人間じゃないの】

偽善使い【?】

田中太郎【じゃあなんなんですか】

セットン【ただのバカですよ】

甘楽【ドタチンは死神だって言ってたなあ】

田中太郎【ドタチン?】

甘楽【実はわたしも見たことあるんだけど、なんていうか、あんなもの持ってる時点で普通じゃなくて】

田中太郎【ドタチンって誰】

甘楽【最初はよく解らなかったんだけど、あいつの身体から】

田中太郎【……スルー?ドタチンって誰!?】<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/03(土) 23:25:47.47 ID:FGcF.AAO<>田中太郎【……】

偽善使い【?】

田中太郎【甘楽さん?】

偽善使い【もしかして……落ちた?】

セットン【落ちたっぽいね】

偽善使い【ええ!?いろんな話が中途半端なのに!】

田中太郎【身体から何が出てくるの?そしてドタチンって誰なのー!?】

偽善使い【不幸だー!】<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 23:40:39.20 ID:FGcF.AAO<>甘楽さんが入室されました

甘楽【ごめんねー、落ちてたよー。っていうかなんか接続悪いからそろそろ寝ますー】

セットン【おやすー】

偽善使い【おつかれー】

田中太郎【話の続きは?ドタチン……】

甘楽【また今度話しますよ。ふふっ、最後に一つだけ】





甘楽【黒バイクに乗ってる奴にはね】





甘楽【首から上が無いの】





甘楽【首が無いのに、綺麗になくなってるのに動いてるんだって】

甘楽【じゃあ、おやすみなさーい】

甘楽さんが退室されました

偽善使い【首なしライダーってやつですか】

偽善使い【まあ、都市伝説とかになるのも分かりますね。科学が溢れかえってるこの街に、そんなオカルトが現れたら】

田中太郎【そういうものですか】

偽善使い【そういうものですよ。俺も明日早いんで寝ます】

セットン【おやすー】

田中太郎【おやすみなさいませー】<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 23:53:35.87 ID:FGcF.AAO<>内緒モード田中太郎【セットンさん。確認しておきたいですけど】

内緒モードセットン【はいはい、何でしょう?他人に見られちゃまずい話ですか】

内緒モード田中太郎【甘楽さんて、結構アイタタタな人?】

内緒モードセットン【結構どころじゃないくらいアイタタタかと】

内緒モード田中太郎【いやいやww私このチャットルーム、甘楽さんに誘われて来たわけでして】

内緒モードセットン【私もです。まあ、調子いい人ですが、憎めないですしね】

内緒モード田中太郎【それに、私達の知らない事を色々知ってますからね】

内緒モードセットン【どこまで本当か解らないですけど。あ、でも私からも一つだけ】

内緒モード田中太郎【何でしょう】

内緒モードセットン【黒バイクには関わらない方がいいですよー】

内緒モードセットン【では、おやすー】

セットンさんが退室されました

内緒モード田中太郎【おやすみなさいませー】

内緒モード田中太郎【あれ、間に合わなかったか】

内緒モード田中太郎【まあいいや】

田中太郎さんが退室されました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/03(土) 23:53:57.30 ID:T8S4DPYo<>vipじゃないからもう少し投下ペース早くてもいいんだぜ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 00:12:27.66 ID:dP1M4wAO<>駐車場の入り口、己の用事───家出少女や不法入国者を対象にした人間狩り集団の掃除───を済ませた首無しライダーは静かにその場を後にする。
路上では数人のチンピラが横たわったままで周囲に誰も通りかからなかったようだ。

闇の中に佇む漆黒のオートバイが主人を出迎えるようにエンジンを震わせる。走行中でも鳴らないエンジンが、今はキーも差していないのに鳴り響いた。

首無しライダーはその様子を見て、愛馬を愛でるようにエンジンタンクをなでると静かにシートに跨った。

そして、ヘッドライトの無い漆黒のバイクは首無しの主人を乗せて走り出す。

何故か、外は雨も降っていないのに時折雷鳴が鳴り響いていた。

不思議に思いながらも星の見えぬ空の下。

黒バイクは音も無く、闇の中に溶け込むように消えていく───<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 00:20:30.60 ID:dP1M4wAO<>見てる人がいたら今晩は

これから禁書×デュラのSSを書いていきたいと思っています

なんと書きためをしていない大馬鹿野郎なので投下ペースはこれ以上早まらないのであしからず

1日置きかできれば毎日更新しようと思います

今日はこれで終わりですいません

ではノシ

P.S.初めてかくので至らなかったらすいません<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/04(日) 00:22:15.83 ID:brv4PTg0<>1巻以前の上条さんかと思った<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 00:26:15.59 ID:dP1M4wAO<>>>12

自分の中ではデュラ1巻→禁書1巻の時系列なんで上条さんは1巻以前の上条さんです<> 12<>sage<>2010/07/04(日) 00:47:00.62 ID:bKi/DBs0<>>>13
ごめん、>>2を1と間違えてた
頑張ってくれ<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 01:46:56.34 ID:iEVM2QAO<>>>2のせいで戯言クロスかと思った
先にやられたかと思った<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 17:31:54.56 ID:EdA/7Zso<>ここまで偽善使いのルビなし


フォックスワード<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 21:41:14.79 ID:dP1M4wAO<>第7学区駅改札前

「帰りたい……」

少年は呟いた。

改札前で待ち人を探す少年の目の前に広がるのは、とりわけ学生と呼ばれる人。人、人、人。時々ロボ。

どうしようもない程に、制服を身にまとった人々が彼の視界に溢れ返っていた。

時刻は5時を過ぎたところだ。最終下校時刻も近づき、交通機関がストップする前に帰ろうとする学生達で駅で溢れ返るのも当たり前のことだった。

しかし、今日からこの街で暮らし始める少年───竜ヶ峰帝人にはそんなことこれっぽっちも知らない訳で、帝人は学園都市の雰囲気に圧倒されていた。

「失敗したかもなぁ……」

小学校の時に学園都市に入った親友からの誘いでやって来たはいいものの、この街でうまくやっていけるかという不安が心の中でずっと渦巻いていた。

五度目ぐらいの溜息をつきながら帝人は呟く。

「はぁ……こんなところでやっていく自信ないよ……不こ「不幸だぁぁぁぁぁ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:04:17.03 ID:dP1M4wAO<>「!?」

声は自分の寄りかかっていた柱の向かい側から聞こえた。慌てて顔をあげると、ツンツン頭の少年が頭を抱え込みながら身体を悶えさせている。

どうしたんだろ、財布でも落としたのかと少年を不思議そうに見つめていると、ツンツン頭の少年はこちらに気づき苦笑いしながら近づいてきた。

「あのーすいません、緑色でこれくらいの大きさの来良学園って印刷してある封筒見ませんでした?」

「い、いえ、見てませんけど……」

「そうですか……不幸だ……」

少年は帝人の言葉を聞きいっそううなだれた。

「あの……来良に入学されるんですか?」

「ええ、まあ、そうなんですが……あの封筒がないと、このまま入学もせずに花の高校生活がエンディングを向かえそうです……」

「えっと、そんなに置きを落とさずに」

帝人は少年をつたない言葉で励ましてみるが、封筒が見つからないことにはどうにもならそうだ。

どうしたものかと悩んでいたところで、聞き覚えのない声がかけられる。

「よッ、ミカド!そして知らない人!」

「!?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 22:28:39.78 ID:dP1M4wAO<>慌てて顔を振り向くと、そこには髪をほぼ金髪に近いような茶色に染めた青年が立っていた。顔にはどこか幼さが残っていて、髪やピアスとのアンバランスさが目立つ。

全然知らない顔だったが、自分の名前を呼んだ相手をまじまじと見てみると、その顔の中に幼なじみの面影を感じ取った。

「もしかして……紀田君?」

「疑問系かよ。ならば応えてやろう三択で選べー、@紀田正臣A紀田正臣B紀田正臣」

「うわあ、紀田君!紀田君なの?」

「俺が三年かけて編み出した渾身のネタはスルーか……久しぶりだなオイー!」

「昨日チャットで話したじゃんか……でもすんごく変わってるからビックリしたよー」

「お前が変わらなさすぎなだけだっつーの。こいつだってこんな頭ツンツンになってるって言うのに」

「え、俺?」

若干置いてけぼりだった少年は、正臣にいきなり話を振られてしどろもどろになってしまう。だが、そんなことを紀田正臣は気にしない。

「お前以外に誰がいるんだよー。昔はあーんなマジメそうな頭しちゃってたのに、何ですか?高校デビューでモテモテプロジェクトですか?」

「いや、あの、別にそんな訳じゃ……」

「わかってる、わかってるって!お前も俺みたいなナイスガイになりたかったんだよな!うんうん、わかるぞーその気持ち」

「……」

「……」

沈黙が訪れた。

「……あれ?」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:10:59.24 ID:dP1M4wAO<>「紀田君、寒いとかじゃなくてさ、なんというか……痛い」

「痛い!?寒いじゃなくて!?」

久しぶりに会った親友に帝人は痛烈な言葉を投げかけた。

「まあ、痛いのは我慢してやろう。痛みを乗り越えて人は強くなるッ!」

「Mなんだね」

「Mではないッ!むしろソフトSだ。てなわけでこの人誰?」

「どういうわけかは全然わからないけど、この人はさっき来良の入学案内の封筒を落として困ってる、えっと……」

「上条当麻です。すいませんが緑色の封筒見ませんでしたか?」

上条は暗い表情ながらも正臣に笑いかけながら挨拶した。まるで疲れきったサラリーマンのようだった。

「正臣、くる途中に封筒見なかった?」

「ああ、緑色の封筒ならさっき拾って駅員に届けたけど」

「そっか……!?」

「そうですか……はあ……不幸……!?」

お馴染みのパターンのように、鮮やかな流れ作業で不幸と呟こうとした上条と帝人は、目を大きく見開いた。

「それ本当だよね!嘘じゃないよね?」

「当たり前だ。このジェントル紀田が嘘なんてつくか」

「よっしゃあぁぁぁぁぁ!これで花の高校生活が待っている!どっちの駅員ですか?」

「あっち」

そう言って、正臣が東口を指差すとほぼ同時に、上条はダッシュで走り去っていく。

「ありがとなぁぁぁぁぁぁ!またどこかで!」

「案外面白そうな奴だったなあ」

「来良に入学するみたいだったし、また会えるかもね」

「だな」

「じゃあ、ぼちぼち俺達も外へ出るか。気分はまさしくGOウエストってか?」

「西口なんだからそりゃそうだろうね」

ものすごいスピードで走り去る上条を見送りながら帝人達もゆっくり外へと歩き始めた。正臣が届けた封筒は上条が落とした物ではなく、この後小一時間上条が封筒を探したことなど知らずに。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/04(日) 23:15:21.27 ID:dP1M4wAO<>投稿少ないし展開が雑な気がして申し訳ないが本日はこれまで

また明日頑張ります

さあテスト勉強しなければ

P.S.自分には西尾ワールドを書く実力は無いので安心してください<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 20:54:29.67 ID:nQ8wbQAO<>第7学区駅西口通り

「帝人はどっか寄っておきたい場所とかあるか?ほら、生活必需品とか」

「そういう物を揃えるのは明日以降にするよ。最終下校時刻……だっけ?それも過ぎちゃいそうだし」

「別に最終下校時刻は絶対帰らなきゃならないわけじゃないから、全然大丈夫だぞ」

「で、でも、その時間にはみんな帰ることになってるんだから、街に残るのは危ない人達ばっかりだよきっと!カラーギャングとかスキルアウトに会ったら殺されちゃうよ!」

「殺されって、おいおい……」

正臣は帝人の言葉に対してやれやれといった感じの笑顔を見せ、人ごみの中を歩いて行く。

改札の前と比べて随分と人の密度は減ったものの、駅前通りには夜遊び上等な連中が行き交っている。

歩きなれない帝人にはぶつからないように歩くのがひと苦労だった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/05(月) 21:12:12.10 ID:nQ8wbQAO<>「最近はカラーギャングも減ったし、スキルアウトもなりを潜めてるよ。去年あたりに目立つとこ同士で抗争やって何十人もパクられてさ。それからは、同じ色の服着た連中が少しでも集まろうもんならすぐ警備員が飛んでくるようになっちまったのよ」

それを聞いた帝人は安心したように息を吐いた。

「じゃあ、夜出歩いてても安全なの?」

「いや、俺も半分知ったかだからあんまし詳しい事情はわからねえんだけどさ。数自体は結構いるはずだし、別にカラーギャングやスキルアウト以外にも危ない事は山ほどあるしな。それに一般人の中にも"絶対に手を出しちゃいけない奴"が何人かいるから……っつっても、お前は自分から喧嘩売ったりするような奴じゃないし、ひとまず安全だろ」

「そうなんだ」

『絶対に手出してはいけない人間』というのが気にはなったが、帝人は特に突っ込んで尋ねる事はしなかった。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:21:07.85 ID:8pv6zcDO<>期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:32:51.80 ID:nQ8wbQAO<>セブンスミスト前

帝人と正臣の二人は駅前通りをまっすぐ歩きながら帝人の借りた学生寮へと向かっていた。

「そういや、今日はサイモンも静雄もいなかったな。遊馬崎さんと狩沢さんはゲーセンだろうけど」

「だれ?」

それは明らかに正臣の独り言と思えたが、突然出てきた人名の羅列に帝人は思わず尋ねてしまう。

「あー、遊馬崎さんと狩沢さんは俺の知り合い。サイモンと静雄ってのは……さっき話したろ、敵に回しちゃいけない奴の内の二人だよ。まあ、平和島静雄は普通に生きてりゃ話しかける機会もないだろうし、見かけたら逃げるのが一番だ」

その言葉から、帝人は正臣が『静雄』という人間をあまり快く思ってないと判断した。

正臣はそれ以上語ろうとしなかったので特には突っ込みを入れなかったが、他に気になった事ができたので思い切って尋ねてみた。

「敵にしちゃいけない人って他にはどんな人がいるの?」

帝人の無邪気な問いかけに、正臣は何か考え込むように空を仰ぎながら、意を決したように答えを吐き出した。

「まずはこの俺だ!」<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 21:58:29.78 ID:nQ8wbQAO<>「……√3点」

「√!?√って何だよ!?65点は固かったろ今の!それを√って……せめてマイナス20点とか分かり易い突っ込みにしてくれよ!馬鹿な……俺のセンスは平方根を知らない小学生には理解できないってか!?くそ、言ったそばから俺を敵に回しやがったな!いつからそんな理解力の乏しい奴になった!ゆとりか?ゆとり教育がお前を変えちまったのか!?」

「意外な弊害だね」

帝人は表情一つ変えずに、正臣のくだらない話に相槌を打つ。いい加減に自分でも寒くなったのか、やっと正臣は真面目に言葉を紡ぎ出した。

「んー……ヤバい奴は何人もいるけど、学園都市なのに如何にも大人なヤーさんみたいな奴とかギャングみたいな奴は言うまでもねえとして……帝人が関わりそうな奴だと、レベルが5とか4とかの高位能力者には案外危ねえ奴がいるらしいし」

「能力者かぁ……」

「一般人だとさっき言った二人ともう一人、折原臨也って人がいるんだけどよ、こいつは本当にヤバイから絶対に関わるなよ。まあ、この学区が主体の人じゃないからまず会わねえだろうけど」

「オリハライザヤか……変わった名前だね」

「お前が言うな」

「そうだね」

ちょうど話しが一区切りついたところで信号が青に変わった。二人は渡りながら話しを続ける。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:10:27.58 ID:nQ8wbQAO<>「そうそう、敵に回しちゃいけないっていやー……“ダラーズ”って連中には関わらない方がいいらしいぜ」

「……ダラーズ」

「おお。ミリオンダラーズのダラーズ」

「それミリオンダラーの間違えじゃない?……それってどんなチームなの?」

先刻までは会話に消極的だった帝人が、珍しく乗り気になって話の続きを促した。

「俺も詳しい事はわからねーんだけどな、とにかく人数が多くて線が一本ぶちきれた連中らしい。カラーギャングらしいんだけど、どんな色かもわからねえ。まあ、今はカラーギャングも迂闊に集まれないし、もう解散しちまってるかもな」

「そうなんだ……」

帝人の言葉を最後に、何故か二人の間にぎこちない空気が流れる。

二人は暫し無言でシャープなデザインのビルの横を歩いていると───不意に、奇妙な音が聞こえてきた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:39:22.04 ID:nQ8wbQAO<>最初に聞いた瞬間は、何か猛獣の嘶きのように感じられた。だが、注意して聞いてみると、その音は大通り、車線上の遙か彼方から聞こえて来る。

そして二度目にその音が響いた時、帝人はその音がエンジン音であると判断した。

やはり動物の嘶きのように聞こえたが、道路上から響いているのだから車かバイクの排気音なのだろう。

思わず立ち止まって様子を窺う帝人に対して、正臣は冷静な表情のまま淡々と告げた。

「帝人は運がいいなあ」

「え?」

「初めて“科学の街”に来たその日の内に、今一番話題の“都市伝説”を目の前で見れるなんてなあ」

正臣は無表情のままだったが、その目にはどこか期待に溢れるように輝いていた。

前にも何度か見たことがある目だった。

ちょっとした非日常を垣間見た時の目だった。

何か声をかけるべきか迷っている内に───





彼らの前に、その存在が現れた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/05(月) 22:41:41.75 ID:nQ8wbQAO<>駄文ですまないが本日はここまで

また明日頑張ります

テストが終わったらもうちょい1日に書く量を増やしたいと思います<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/06(火) 23:31:35.99 ID:CcK2vkAO<>ヘッドライトの無い漆黒のバイクに跨った、人の形をした『影』。

それは車の間を縫って───音も無く走り去っていく。

「!?」

数秒の間を置き、再びエンジンが唸りをあげるが、次の瞬間にはまた無音となる。タイヤの擦れる僅かな音しか聞こえてこない。

エンジンが完全に停止しているとしか考えられない無音の中で、バイクはあまつさえ加速をしているようにも見える。

学園都市の突出した科学技術でさえ説明できない。

それは明らかに異常な存在であり、まるでそのエンジン音が響く範囲だけ現実から切り取られたような違和感さえ感じさせる。

帝人は全身が小刻みに震えている事に気が付いた。

恐怖ではなく、ある種の感動が全身を支配している。───凄いものを見た。

すれ違う瞬間、帝人はヘルメットの奥に目を向けた。そのヘルメットの中は窺い知れなかったが、微動だにしないその頭からは、まったく目線というものが感じられない。

まるで───ヘルメットの中には何も存在していないかの様に。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/07(水) 00:03:00.35 ID:EYeGusAO<>チャットルーム

田中太郎さんが入室されました

田中太郎【こんばんわー】

セットン【ばんわー】

偽善使い【ばんわ】

田中太郎【あ、セットンさん、偽善使いさん。今日、見ましたよ!】

偽善使い【何を?】

田中太郎【例の黒バイク!】

セットン【?田中太郎さん、学園都市に来たの?】

田中太郎【ええ、実は私、今日から学園都市の第7学区に住む事になりまして】

セットン【へえ、おめでとうー。一人暮らし?】

田中太郎【はい】

偽善使い【田中太郎さんおめでとー。俺も第7学区の学生寮入ってるけど、慣れるまで大変だから頑張って】

田中太郎【ありがとうございます。頑張ってみます】

セットン【一人暮らしかぁー。……あ、黒バイク見たのって7時前ごろ?】

田中太郎【あ、知ってるんですか?私はセブンスミストってお店のそばで見たんですけど】

セットン【うん、まあ。私もそこに居たから】

田中太郎【!?】

田中太郎【本当ですか?うわ、じゃあ知らない間にすれ違ったりしてたかもしれませんね!】

セットン【そうかも】

偽善使い【なんかいいなー、そういうの。俺、7時前はずーっと駅で落とし物探しですよ。はあ……不幸だ……】

田中太郎【偽善使いさん、どんまいです】
セットン【お疲れ様】

偽善使い【ありがとうございます】

セットン【皆さん色々あったみたいですが、何はともあれ、田中太郎さん学園都市へようこそー。……第7学区へようこその方が良いかな?なんか聞きたいことがあったら遠慮なく聞いていいっすよー】<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sagesaga<>2010/07/07(水) 01:04:38.00 ID:qWGEUzU0<>俺は見てるよ。期待<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/08(木) 23:08:45.65 ID:WR6PUQAO<>田中太郎【ありがとうございます!では早速なんですけど】

セットン【はいはい】

田中太郎【オリハライザヤって人、知ってますか?】

田中太郎【友達に聞いて、近づかない方がいいと言われたんですけど】

田中太郎【怖い人なんですか?って知ってるわけないですよね。すいません】

セットン【……】

偽善使い【田中太郎さんの友達って、もしかしてその筋の人?】

田中太郎【あ、いえ、普通の奴ですよ。偽善使いさんは何か知ってるんですか?】

偽善使い【話を聞いた事があるだけで、あんまり詳しくないんだけど、めちゃめちゃヤバイ奴らしいですよ】

セットン【偽善使いさんの言う通り、折原臨也はマジでヤバイから関わらない方がいいよー】

田中太郎【分かりました。気をつけます】<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 23:28:01.36 ID:WR6PUQAO<>甘楽【あー!田中さんこんばんは!】

田中太郎【あれ、甘楽さんいたんですか?】

甘楽【ちょっと電話しててね−。今ログ読んできたけど、学園都市来たんですね!おめでとー!今度オフ会でもやってみますか?】

偽善使い【楽しそうでいいかもしれませんね、オフ会】

田中太郎【あー、オフ会やりたいですね】
甘楽【そうでしょそうでしょ?】

甘楽【あ、そうそう、オフ会と言えば自殺オフってあるじゃないですか】

セットン【あー】

セットン【去年流行りましたねえ。ネットで知り合って心中】

田中太郎【嫌な話ですよね】

偽善使い【本当嫌な話ですよ。でも、最近はあまりニュースになってませんよね】

セットン【未遂で終わってるのか、珍しくもなくなってニュースにならないのかもね】

甘楽【あるいは沢山あっても誰も気付いて無いとか】

甘楽【もしかしたら、まだ死体が見つかってないとかもあるかもね】

田中太郎【うわぁ】

偽善使い【不謹慎ですよ】
<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 23:44:51.59 ID:c1L1JoAO<>おお、来てる

支援<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/08(木) 23:49:07.35 ID:WR6PUQAO<>甘楽【そういや、最近失踪事件多いし】

田中太郎【そうなんですか?】

甘楽【えーと、置き去りの子とか学校に行かないで使われてない研究所とかに住み着いてる子とか、第7学区でも多いみたいだよ。非公式の研究に使われてるとか『ダラーズ』が取って食ってるなんて噂もあるみたいですよ?】

田中太郎【あ、やっぱりダラーズって有名なんですね】

甘楽【ダラーズは凄いんですよ!こないだは統括理事会の人と話をつけたらしいし、先日の書庫のハッキング事件もダラーズの仕業なんだって!】

偽善使い【甘楽さんってどこからそんな情報仕入れてくるんすか?】

甘楽【知り合いに詳しい人がいてね、そこからですよ】

田中太郎【ああ、話が聞きたいけど、明日は朝早いので今日はこの辺で!】

偽善使い【そういや俺も明日早いんだった!ということで落ちます】

甘楽【あ、お疲れ様でっす!】

セットン【二人とも、おやすー】

セットン【じゃあ私も今晩はこれくらいでー】

田中太郎【あー、今度の時はドタチンって人の事教えてくださいね】

田中太郎【ではではー】

甘楽【今日はこれで解散かな?他に誰もこないですし】

甘楽【オヤスミなさーい☆】

田中太郎さんが退室されました

偽善使いさんが退室されました

セットンさんが退室されました

甘楽さんが退室されました<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/09(金) 00:11:42.58 ID:ho29xcAO<>来良学園は、第7学区にある共学の高校だ。

敷地面積はそれほど広くないものの、限られた面積を最大限に利用した造りは、在学生に狭さを感じさせることはない。

立地条件が中々良く、第7学区の中心街に近いので近年人気が高まり始めている。

能力開発、偏差値、スポーツなどの分野で突出しているものはないなが全体的なバランスはほぼ平均値と言えるだろう。

要するに、どこにでもありそうなちょっと人気の高校だった。

高い校舎からは周囲が一望できるが、眼前には校舎よりも高い中心街のビル群が立ちはだかり優越感を与えてはくれなかった。

入学式はあっけないほど簡単に終わり、帝人と正臣はそれぞれのクラスに別れて、簡単なHRを行うところだった。

ちなみに、この学校は個性豊かな先生が沢山いることもウリの一つなのだが、

「みなさーん、初めまして。このクラスを担当することになった月詠小萌です。今から簡単な自己紹介をみなさんにしてもらいますが、準備はおーけーですか?」




個性が強すぎるのもどうかと帝人は思っていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<><>2010/07/11(日) 23:37:15.12 ID:jkhlskAO<>「竜ヶ峰帝人です。宜しくお願いします」

自分の自己紹介は滞りなく終わった。自分の名前の事で何か言われるのではという不安があったが、名乗った後も特に反応は無い。

どうやら同世代の人間は、帝人の予想以上に他人の名前に無関心だったのだろう。それに、このクラスでは珍しい名前など個性の欠片にも成りそうにない。

クラスメイトの自己紹介を聞き入っていた帝人にはそんな雰囲気をひしひしと感じた。

例えば、

「皆さん、お初にお目にかかります。ボクぁ青髪ピアスちゅうもんです。以後よろしく。あ、ちなみに本名は秘密の方向でお願いします。何故なら、自分の本当の名前なんて愛し合う者同士がラブラブムードの時以外で呼ぶもんやないと思っとるんで。だから、調べ上げて名前で呼ぼうなんて考えんなよ野郎共!女子はどんどん調べ上げて名前で呼んでください!一緒にラブコメしましょ!以上です」

と、180センチはあろう大柄で青い髪にピアスの男は関西弁で流暢に言い放っていた。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/12(月) 00:07:44.91 ID:eud9cgAO<>例えば、

「土御門元春だにゃー。特に言って起きたいことはないんだけれど、あえて一言言っておくなら、メイド萌えで妹萌えの方がいたら語り合いたいぜよ。以上」

と、ガラの悪いボクサー崩れの用心棒みたいな男が奇怪な猫ボイスで言い放った。

そして例えば、

「上条当麻です、えーっと……なんつーか……とりあえずよろしくっ!」

と、ツンツン頭をした少年はどんな原理なのかは分からないが、女子に好印象を与えながら言い放った。<> VIPにかわりましてGEPPERがお送りします<>sage<>2010/07/13(火) 01:47:51.68 ID:QzHnkvo0<>この上条さんは雲川とのパイプがあるのかな<>