以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 01:11:25.57 ID:AXqqQVBeo<>
このスレッドは、1000行った前スレ
エリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476122790/
の続きにあたります。

【注意】
・映画『君の名は。』のネタバレがほんのりあるかもしれません
・地の文も少しですがあります
・戦車は火砕流の中だって突き進むように、多少の矛盾点があってもこのスレは突き進みます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507565485
<>W号戦車「ドゥルルルルルルン……!?」 エリカ「貴女の名は」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 01:12:31.28 ID:AXqqQVBeo<> 人そんなにおらんし感想も全然つかないから余裕やろ、と思ったら埋まっていたので次スレ立てました
これだけなのもなんなので、少しだけ投下します(眠いので値落ちしたら申し訳ない) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 01:13:42.37 ID:+iFESrnwo<> 期待 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 01:31:36.00 ID:AXqqQVBeo<>
エリカ「……」

エリカ「まあ、何か――って言えば、廃校阻止とかなんだろうけど……」

エリカ「それなら、このタイミングも理解できる」

エリカ「やり取りを経て、助けたいって思ったとして……」

エリカ「何故また私と?」

エリカ「私と入れ替わったとして、何が出来るっていうの……?」

エリカ「聞いてる限りじゃ、私に入ったW号じゃ何も出来ないと思うけど……」

エリカ「じゃあ私に何かをさせたいってーの……?」

エリカ「一体何を……」

みほ「あー、楽しかったあ〜」

沙織「転校してきて一番の笑顔だねみぽりん」

みほ「大洗にこんなところがあったなんて……」

みほ「転校なんてやめて、このまま退学してずっと大洗にいようかな……」

優花里「ちょ、西住殿!?」

麻子「目がマジすぎるぞ……」

エリカ「……これを止めろって可能性も出てきたけど、これこそどうしようもないわよ私には……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 01:38:32.50 ID:AXqqQVBeo<>
エリカ「……はあ」

エリカ「結局、考えてもどうしようもないって結論になるわよねえ……」

エリカ「なんだかんだでこの子達も嫌々ながら現実を受け入れてるし……」

エリカ「W号、アンタも受け入れなさいよ」

エリカ「……私達には何も出来ないわ」

エリカ「こっちには、守らなきゃいけないものがあるのよ」

エリカ「大洗のために、大切な身内に無駄に敵を作るわけにはいかないでしょ」

エリカ「……」

エリカ「夜がくる……」

エリカ「今日も、元の身体には戻れないのかしら……」

エリカ「……」

エリカ「私の身体……どうなってるのかしら……」

エリカ「不安でしょうがないわ……」

エリカ「せめてあまり暴走せずに、大人しくしてくれているといいんだけど……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 01:39:02.11 ID:AXqqQVBeo<>





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 01:45:30.55 ID:AXqqQVBeo<>
エリカ「ん……」

エリカ(あれ……)

エリカ(また見慣れぬ天井……)

エリカ(寝てる間にどこかに移動されたのかしら……)

スッ

エリカ「……!?」

エリカ(視線を移動しようとした時のこの感じ……)

エリカ(まさか――)

ガバッ

エリカ「お、起き上がれる……」

エリカ(戻ってる……元の体に……)

エリカ(でもじゃあなんで見慣れぬ天井……)

エリカ「一体どうなって……」 キョロキョロ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:09:14.23 ID:AXqqQVBeo<>






┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃           . . . -. .――. .-. . . . . .             .....┃
┃        . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .         ......┃
┃      /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \        ..┃
┃     /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\        ┃
┃    /. . . . . . /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ, . . . . . ヽ.      ┃
┃.   /. . /. . . /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . l . . . l . . . . . ..ハ     .┃
┃  /. . /. . . /. . . . . . . . . . . . . l . . . . . . . . l . . . l . . . . . . . . .    ┃
┃  . . . /. . . /. . . . . . . . . . . . . . l . . . . . . . . l . . . l . . . . . . . . .l    .┃
┃ . . . l . . . l . . . . . . . . . . . . . . . l. . . . . . . . .l . . . l. . . . . . . . . l  ......┃
┃ l. . .l . . . l . . . l . . . . . . . . . . . l、. .l . . . . . .l . . . . . . . . . . . . .l   ..┃
┃ !. . .l . . . .l . . ..l . . . . . . . . . .l、.l l. l , . . . /.. . . . . . . . . . . . . |  .....┃
┃ !. . .l . . . .l . . ∧. . . . . . . .l. .l l.l l. l l. . ./|. . . . . . . . . . . . . . |  .....┃
┃ ! . . l . l .∧ . l ', . . . . . . .l../ リ レ'  !/_,.! . . . . . . . . . . . . . |  .....┃
┃ | . . lヽ|/.ー\l  、. . . . . . /  ,.ム,斗宍〒ォ. . . . . | . . . . . . . .|  .....┃
┃ | . . . . .l ヽ弌ュx、;_\. . ../‐'゙´ィ´ヒ´zzタ /. . ./. . l . . . . . . . .|  .....┃
┃ | . . . 、. ヽ. 弋zタ` }/         /. . /. . . l . . . . . . . .|  .....┃
┃ | . . . . \. '、               /. /. . . . l . . . | . . .l !    .┃   チーーーーーン
┃ | . . .l . . . \_、   、           //.. . . . . ..l . . . | . . .|.|   .┃
┃ | . . .| . . . .ヽ,               / ! . . . . . . l . . . | . . .|,'  .....┃
┃ | . . .| . . . . . . 、     ‐ 、        ,| . . . . . . l . . . | . . .|    ┃
┃ | . . .| . . . l . . 个 .           < j . . . . . . l . . . | . . .|   ....┃
┃ | . ./| . . . l . . . ! . . .>  _   ≦    l . . . . . . l . . . | . . .|     .┃
┃ | ./ .| . . . l . . . ! . . . . . . ._, l    ,. -/. . . . . . /. . . ..| . . .|    .┃
┃ |/  l ./l. .l . . . ! . . . . ./::::l   /::::/. . . . . . /. . . . / . . /   .....┃
┃    l/ l. l . . . ! . . . /::::::::::l /:::::::/. . . . . /`゙' 、. . . ./     .┃
┃      |/l . . . !,.-‐/::::::::/ \::::::/. . . . /      ̄ ー 、  ......┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛






<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:10:54.81 ID:AXqqQVBeo<>

              /                \
                                 ヽ
           /
.           ′             .}
         {  {:    .::}:::ハ:::}、.  :}     }     |
         {  {:::.   .::/}/ xf千:: .:     }     |
          ,  .:ハ:}:. .:::/ ィf≠斧芹::/.    }     |
             i ::|云ミ、 ′ 乂ヒリノ}/} :     }     |   「……………………」
             |ハ小Vリ         }.:   .:::}     |
             | ::   '        /::  .::::::       |
             |  i圦   __    ノ 7  .:::::::{:::.     !
             |  ::l ::\ ー       /  .:::::/i}::::::.   ;
             |  ::| ::::::::\ _   /  .:::::/::::}:::::::::.   :,
             |  ::|:∨::::::::::::::::: | ′.::::::∧::::::::::::::::::. 从
             |  ::| ∨::::::::: ,r≦{  ::::{::{i:i∨::::::::::::::}、:::} \
.              ::|  ヽ::::::∧i:i:从 .:::ハ:{r≦ 、:::::::::: } }:i}
.            丶::|    yo=マi:i:i:マ:{ニニニニ\:::::リ }:リ
              `   ノニニi〔ニニニニニニム:/ '
                /ニニニニニニニニニニニ}

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:11:20.01 ID:AXqqQVBeo<>
              ┗0=============0┛
     \===========[_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_]===========/
     /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
    0 │ |∞∞∞ |::|∞∞田田田田田田∞∞|::|∞∞∞ | ::|  0
 ...[二] | ::|       |::|┏━━━━━━━━┓|::|       | ::l [二]
........|□|.│ |┌┬┐ |::|┃  /        \  ┃|::| ┌┬┐| ::|. |□|
  )三(...| ::|├┼┤ |::|┃/            \┃|::| ├┼┤| ::|`)三(´
   | ::| | ::|└┴┘ |::|┃    ┌‐ヘ    ┃|::| └┴┘| ::| | ::|
   | ::| | ::|┌┬┐ |::|┃    ,ヘ_+.ノ`ヽ.  ┃|::| ┌┬┐| ::| | ::|
   | ::| | ::|├┼┤ |::|┃    { ((从从)) .┃|::| ├┼┤| ::| | ::|
   |: :| | ::|└┴┘ |::|┃    ノj、ゝ゚−゚ノリ  .┃|::| └┴┘| ::| | ::|
   | ::| | ::|┌┬┐ |::|┃   イノ/ヘ黒》i、  ┃|::| ┌┬┐| ::| | ::|  チーーーーーン
   | ::| | ::|├┼┤ |::|┃    `()く/」_|J   ┃|::| ├┼┤| ::| | ::|
   | ::| | ::|└┴┘ |::|┃.      しし'    ┃|::| └┴┘| ::| | ::|
.....┏━━━━━┓| .|┃            .┃|::|┏━━━━━┓
.....┣┳┳┳┳┳┫|: |┗━━━━━━━━┛|::|┣┳┳┳┳┳┫
     ○    ●        ∫∬∫∬        ●    ○
     ○○  ●●      iiiii iii ii iiii       ●●  ○○
    [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]   ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)    [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]
    |_○_|  .|_○_|     |_____|     |_○_|  .|_○_|
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:15:19.62 ID:AXqqQVBeo<>





エリカ「死んでるーーーーーーーーーーっ」 ガビーーーーーン






  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:19:45.31 ID:AXqqQVBeo<>
直下「う、うわああああああああああああ!」

直下「い、逸見さんが蘇ったッ!」

ドドメ色星「ひぃぃぃぃぃ!」

黒星「し、し、し、し、塩! し、塩〜〜〜〜〜!!」

小梅「え、刀に火を点けて今すぐ火葬するの?」

マウス車長「そ、そうじゃなくてソルト! ソルト!」 ババッ

エリカ「ちょ、まっ、何ぶっかけt――いった! 誰今ダマでぶん投げてきたやつ!?」

しほ「お、おおお、落ち着きなさい貴女たち……」

小梅「誰よりガタガタ震えてます家元!!」

まほ「お、落ち着けお前たち!」

まほ「死んだ人間は生き返らない!」

まほ「つまりエリカは……」

まほ「信じがたいことに、呼吸を止めて複数日放置されてなお生きていたということだ!」

エリカ「!?」

しほ「何を言っているのですか」

しほ「さすがに呼吸が止まって動きも止まって数日経ってたら普通は死んでいるに決まっています」

エリカ(……否定できない……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:25:58.59 ID:AXqqQVBeo<>
エリカ「っていうかなんでこんな大事――」 フラッ

まほ「エリカ!」

小梅「逸見さん!?」

直下「よ、よし、弱ってるわ!」

マウス車長「い、今の内に追撃を・・…!」

小梅「ま、待ってみんな!」

小梅「少なくとも死体だと思ってたものが動いたんだし……」

小梅「万が一ゾンビかなにかだとしても、逸見さんは逸見さんだよ!」

直下「そうかもしれないけど……」

直下「でもあの態度だけ大きくプライドも高い副隊長なら、ゾンビになって外に出るよりもここで殺されたがるって!」

小梅「確かにそうかも……」

エリカ「ちょ、何早々に丸め込まれかけてんのよ馬鹿!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:36:54.81 ID:AXqqQVBeo<>
エリカ「大体なんでこんな――」 フラッ

まほ「エリカ!」

ガシッ

エリカ「隊、長……」

まほ「……無理するな」

まほ「例の病気が発症して以来、何も口にしていないんだ」

小梅「にも関わらず井の中のものはポンポン射出してたし、栄養不足だと思うから、あまり無理して動かない方が……」

エリカ「……何やってたのよ私は……」 ゲッソリ

まほ「……何も」

エリカ「え?」

まほ「途中まではいつもの暴走だったのだが、途中から燃料が切れたかのようにピタリと止まってな……」

まほ「息もしていないし、乳首を何度触れてもつねっても押し込んでみても反応がなくて、本当に死んでしまったかと思ったぞ……」

エリカ(悲しんでくれてるっぽい顔なのに発言のせいで全然うれしくない……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:41:35.33 ID:AXqqQVBeo<>
まほ「何にせよ、生きててよかった……」

小梅「とりあえずベッドに運んで、栄養も取らなきゃいけないだろうし病院に……」

エリカ「……」

エリカ(栄養不足、か……)

エリカ(本当に文字通り、エネルギーが切れてW号が動かなくなったってことかしら)

エリカ(だとしたら、本当にW号が私の中に入ってもやることなんてないわね……)

エリカ「……」

エリカ(この入れ替わりに何か意味があるとしたら……)

エリカ(やっぱり私に何かをさせたいのかもね……) スゥ

まほ「エリカ。エリカ」

まほ「……眠ったのか……?」

小梅「あ、でも、今回は息してる……」

まほ「そうか……」 ホッ

しほ「とりあえず保健室に運びましょう」

しほ「……こうなった以上、彼女の葬儀は途中ですが取りやめます」

しほ「各自学校に戻り、授業や戦車道に取り組むように!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 02:42:27.03 ID:AXqqQVBeo<> 眠いので寝ます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 08:56:06.12 ID:t3qU2Ul/O<> 新スレ乙です。

これはひどいwwwwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 15:08:24.93 ID:CWXJLQMD0<> 乙
滑り出しからもうひどい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 16:01:48.03 ID:GdZ9KQTjO<> おつおつ、990の時点で新スレ建てた方が良かったね
エリカは乳首さわんなきゃそうそう有事になんないんだから最初から寝かせとけば良かったのに… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/11(水) 01:37:27.29 ID:xVb0nMvWO<> 君の名はって、こんな話だったのか……(驚愕) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/14(土) 02:15:20.78 ID:36iVTZAto<> 眠たいので短めになると思いますが投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/14(土) 02:39:01.84 ID:36iVTZAto<>
エリカ「ん……」

小梅「あ、起きた?」

エリカ「ここ……」

エリカ(部屋に戻ってる……)

小梅「あれから大分寝てたんだよ、逸見さん」

エリカ「うっそ」

小梅「ほんとだよ」

小梅「どうせ起きるならもうちょっと待ってくれたら布団に潜り込んで添い寝してたのに」

エリカ「この瀕死の起き抜けに右ストレートさせるのやめてもらえる? 疲れるから」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/14(土) 03:27:00.25 ID:36iVTZAto<>
エリカ「……」

エリカ「まだちょっとクラクラするわ」

小梅「今回、いつもより長かったもんね……」

エリカ「……そうねえ」

エリカ「別に責めるわけじゃないけど、もうちょっと早めに何とかしてくれてたら、とは思うけど」

小梅「もう、しょうがないじゃん……」

小梅「乳首ッション入れたらすぐ走り出しちゃうし……」

エリカ「イグニッション入れるのやめたら?」

小梅「でもじゃあ呼吸が止まってるのに放置できるかって言われると……」

エリカ「そりゃそうなんだけど、冷静に考えたら呼吸が止まってるから乳首弄るっておかしな話よ?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/14(土) 03:49:04.27 ID:36iVTZAto<>
エリカ「……」

小梅「起きて速攻スマホ?」

エリカ「いいでしょ」

エリカ「どうせ今日はもう学校に行くのも難しいし」

エリカ「ネットサーフィンは日課だから、欠かすと落ち着かないのよ」

小梅(病気だなあ……まあ例のアレの方がよっぽど病気だけども

エリカ「……」

エリカ(まだ大洗の廃校についてはニュースになってない、か……)

エリカ(……)

エリカ(これじゃあどうしようもないわね)

エリカ「……」

エリカ(私は黒森峰の副隊長)

エリカ(何の勝算もないのに、変に肩入れして戦車道連盟を敵に回すことはできない)

エリカ(副隊長の私がそんなことしたら、赤星や、他の黒森峰の皆にも迷惑がかかっちゃう……)

エリカ(……私は、何にも出来ないわよ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/14(土) 04:02:09.20 ID:36iVTZAto<>





ズドーーーーン

ルミ「うひゃあああああ!!」

アズミ「もうっ、今度は何!?」

メグミ「今度も寝返り発生!」

アズミ「もう、なんなのよこの試合は!」

アズミ「せっかく事前に潰せる分だけ潰したのに、まだ湧いてくるっていうの!?」

ルミ「うーん、折角頭脳派知的なお姉さんアピールをするために相手に裏切りを唆してたのに」

ルミ「何だか埋もれて全然アピールにならない気がするわ」

アズミ「……ほんと、多いわねえ、今日

メグミ「……そりゃあ、今日は、本格的に“あの”お子様隊長が陣頭指揮を取る日だもの」

ルミ「まあ、オトナとしちゃ負けられないもんねえ」

アズミ「子供だとどうしてもナメられちゃうしねえ」

メグミ「私達だって色々と疑問や不満を抱いてるものね」

ルミ「……お子様隊長がこのカオスみたいな盤面をどうするか、お手並み拝見といこうかしら」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/14(土) 04:02:39.31 ID:36iVTZAto<> 急に眠気が来たので寝ます、申し訳ない
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/14(土) 09:00:01.11 ID:avIDQmAQo<> 島田、統制取れてないのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/15(日) 22:39:07.01 ID:KMYEftb8o<> キン肉マンがあるし、スローペースになりますがちょっとずつ進めます
2017年内には絶対終わらせたい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/15(日) 22:49:46.70 ID:KMYEftb8o<>
アズミ「裏切り者を粗方始末して、敵方も追い込んだまではよかったけれど……」

明智「くっそー!」

明智「それ以上近づいて来てみろ!」

明智「来賓席に主砲をぶち込んで、全員まとめて二度と戦車道で日の目を見れなくしてやる!!」

アズミ「……ちょっと追い詰めすぎたかしら」

ルミ「まさか撃破された自分の車輌から出て仲間の戦車に乗り込んで立てこもるとは……」

メグミ「いくら変幻自在であらゆる戦法に対する対処を学ぶ島田流とはいえ、仲間が戦車に乗り込んできた時の対処なんて教えてくれなかったものねえ」

明智「あーもう!!」

明智「こっちは内定が取り消されるかどうかの瀬戸際なのよ!」

明智「オラ近づくんじゃないわよ!!」 パララララ

ルミ「だああ、機銃撃ってきた!

メグミ「そんなことしても、完全に包囲されてるし、来賓席にぶち込んだら貴女もただじゃすまないわよー?」

明智「うるさい! とっくにただじゃすまなくなってるのよ!」

明智「制限時間はないし、このまま私の入社式の日まで試合を長引かせてもらうわ!!!!」

ルミ「どんだけ長期計画なんだ……」

メグミ「完全に冷静さを欠いてるわね……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/15(日) 23:16:13.56 ID:KMYEftb8o<>
ルミ「あれの暴走を放っておいたら、私達の進路にも響くわよね……」

アズミ「そうねえ」

メグミ「もうとっくに響いてる気もするけど、ここは問題処理能力をアピールしましょう」

ルミ「よし、ならばバミューダ一の知性を誇る私が!」

ルミ「あー、明智さん、馬鹿な真似はやめてください」

メグミ「おお、ネゴシエーション」

ルミ「なんだかんだで今は労働力が重宝される時代じゃないですか」

ルミ「別に一社の内定が消えたからって死にはしません」

ルミ「別のところに受かればいいじゃないですk」

パララララ

明智「じゃかあしい、就活も知らないクソガキがあ!」

明智「こちとら50社落ちてやっと掴んだ内定なのよ!」

ルミ「えっ」

ルミ「戦車道実績とかいう強力なカードを所有してるのに……?」

パララララララララ

ルミ「何故かどんどん逆上してるわ」

アズミ「眼鏡のくせに頭悪いわよね、ルミ」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/15(日) 23:22:03.21 ID:KMYEftb8o<>
メグミ「まったく……」

メグミ「変に理屈を使ってねじ伏せようとするからよ」

ルミ「ぐっ……」

メグミ「こういう時に心にもないことを言うのは逆効果」

メグミ「バミューダ三姉妹のリーダー格と呼ばれる私のカリスマ的交渉術を見せてあげるわ」

ルミ「おお、さすがはメグミ!」

アズミ「就活時にリーダーやってましたとかいうテンプレトークを喜々として喋りだすタイプは伊達じゃないわね!」

メグミ「アズミは後で殴るとして」

メグミ「こういう時は、素直な気持ちで対峙するのよ」

明智「ぐっ、く、来るな!」

明智「こっちには車長らの人質もいるし、来賓席を砲撃することもできるのよ」

アズミ「黙れ馬鹿」

パララララ

アズミ「うーん、素直な気持ちで真摯にやろうとしたのに、交渉前に追い払われたわ」

ルミ「大雑把かつストレートすぎでしょ……」

アズミ「サンダースの悪いところの化身みたいね……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/15(日) 23:32:29.21 ID:KMYEftb8o<>
アズミ「やれやれ」

アズミ「やっぱりここはバミューダで最も冷静な私が……」 スッ

パララララ

アズミ「ちょっと!? まだ何も言ってないんだけど!?」

明智「やかましい!」

明智「元はと言えばアンタが行動前に叩き潰しやがるから!!」

アズミ「えー……」

アズミ「だって明智さん、すぐ顔に出るから、絶対何か企んでるなあって……」

明智「お前はいっつもそうやって当然みたいな顔して見下して!!」

明智「散々男くわえこんでるくせに、人のも盗りやがって!!」

明智「そういうところが前からムカついてたんだよ!!」

ルミ「え、そんなことしてたの?」

メグミ「引くわー」

アズミ「勝手に言ってるだけよ」

アズミ「大体向こうが勝手にアプローチかけてきただけで、私は何もしてないというか」

アズミ「彼氏にとって私より魅力がなかったってだけの逆恨みじゃ」

パララララ

アズミ「うーん、等々威嚇射撃でなくマジで銃弾打ち込もうとしてきたわね」

ルミ「近付けないわこれ」

メグミ「どうすれば……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/15(日) 23:35:50.64 ID:KMYEftb8o<>
???「やーってやるやーってやるやーってやるぜ」

ルミ「!?」

アズミ「この意味不明で上級生が陰で色々ディスってる歌声は……!」

メグミ「た、隊長!?」

ルミ「な、何しにここに……」

愛里寿「……全然進展がないようだから」

アズミ「うっ……」

メグミ「ですが隊長がわざわざいらっしゃらなくても……」

愛里寿「これ以上長引かせても益はないと思うけど」

ルミ「そりゃそうなんですけど……」

アズミ「いくら隊長が強くても、この状況ではどうしようもないかと……」

メグミ「人質も取られていますし、何せ何故か近付こうとするだけで撃ってきますし……」

愛里寿「……」

愛里寿「何でそこまで怒ってるんだろう……」

ルミ「さあ……」

アズミ「なんででしょう」

メグミ「私にはさっぱり」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/15(日) 23:43:42.56 ID:KMYEftb8o<>
アズミ「まあでも、そんなわけですから、隊長でもどうしようもないかと」

ルミ「何せ大学選抜の全員に敵意を向けてますし」

メグミ「その隊長相手ともなれば、本当に体を撃ち抜いてくるかも……」

愛里寿「……」

愛里寿「アズミ」

愛里寿「このペンキは黒だよね」

アズミ「は、はい……」

ルミ(あれは、アズミが陰に紛れるカモフラ車輌を作って奇襲するために用意した黒ペンキ……)

ルミ(そんなもので一体何を……?)

愛里寿「……」 ビリッ

ルミ「!?」

ルミ(戦車道履修者にとってパンツァージャケットは命ともいえるくらい大切なもの)

ルミ(それをやぶってしまうなんて……)

愛里寿「……」 バシャッ

ルミ「おお、今度はペンキに浸したわ!」

愛里寿「……」 バサッ

メグミ「な……なんなのあれは」

メグミ「牧師の格好じゃない!」

アズミ「あんな格好してどうしようというの!?」

ルミ「そうか!」

ルミ「大学選抜の者なら明智さんを刺激するかもしれないけど、神の使いである牧師なら明智さんも気をゆるしてしまう!!」

バミューダ3姉妹「「「なんという冷静で的確な判断力なんだ!!」」」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/16(月) 00:55:57.15 ID:XCceYp5TO<> >>1はこのネタ書きたかっただけじゃねぇか! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/16(月) 00:57:17.14 ID:n0hPTifbo<> めちゃくちゃ眠くなってきたのですみません投下中断します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/16(月) 17:24:05.86 ID:MmIYSFcL0<> さすがに適当すぎだろwwwwww
せめて元ネタまんまの牧師じゃなくシスターにしてあげるべき <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/16(月) 18:26:45.25 ID:4CBrMFeYO<> キン肉アリス <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/10/16(月) 23:53:08.35 ID:jN3AwEPzO<> 前振りがなげえよw <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/17(火) 00:31:55.42 ID:tf3qyPKkO<> ミミミが一人一人ボケる流れかと思ったらただの前振りだった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/17(火) 23:41:02.59 ID:AQnpm5vuo<> 明日クソ早いのでちょっとだけですが、明日からしばらく投下途絶えそうなので少しでも進めておこうと思います <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/18(水) 00:08:32.83 ID:j/xWl+VFo<>
明智「な、なんだァーお前ェー!」

明智「大学選抜のヤツは近づくんじゃない!」

明智「私は本気だぞ!」

明智「このまま春を迎えて決着を有耶無耶にしたまま、負けさせなかったという功績を引っさげて入社式を迎えてやるう〜!」

愛里寿「落ち着いて」

愛里寿「私は通りすがりの牧師」

愛里寿「春まで戦車に立てこもるなら、食料がいるだろうと思って持ってきた」

明智「何ィ」

愛里寿「神に仕える者として、餓死しようとする者を見捨ててはおけない」

愛里寿「ここに、ほんのり塩味のポテトチップスとコーラがある」

明智「ぐむーっ、それさえあれば永遠に引きこもれそうな2大アイテムッ」

愛里寿「これを渡したいから戦車に入れてほしい」

明智「グヘヘヘ……」

明智「神の使いである牧師さまの言うことだ、信用してもいいだろう」

ルミ(すごいっ! 完全に相手の懐へと潜り込んだ!)

ルミ(こ、これが島田流後継者・島田愛里寿……!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/18(水) 00:30:35.32 ID:j/xWl+VFo<>
明智「……ん?」

愛里寿「……?」

明智「なんだァー、その薄い胸板は!」

明智「聖人のような性格の神に仕える美少女キャラが、巨乳じゃないわけないだろうが!」

愛里寿「!」

明智「なのにその幼児としか言えない体型……」

明智「さては大学選抜チームの人間だなテメー!」

愛里寿「チッ……」

シュバッ

明智「!」

明智「あ、あの偽牧師はどこに……」

バタン

バタバタバタ

明智「なっ!」

明智「い、いつの間に人質の開放を……!」

愛里寿「柔軟に立ち回り、相手の心の隙を突いて雷のような速さで仕留める」

愛里寿「それが島田流の極意」

明智「!」

明智「ま、まさかお前は、た、隊長……!」

愛里寿「島田流忍法・順逆自在の術によって形勢は逆転した」

愛里寿「大人しく投降すれば、内定だけは取り消されないように働きかけてあげる」

明智「う、うううううう」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/18(水) 00:34:47.88 ID:j/xWl+VFo<>
ルミ「すごい……一瞬で全てを丸く収めた……」

アズミ「ただの七光じゃないのは分かっていたけど……」

メグミ「車長としての腕だけじゃなくて、隊長をやるに足るカリスマ性がたしかにある……」

ルミ「可愛らしいだけじゃない、ただの贔屓とは異なる確かな実力を感じる……」

愛里寿「ふう……」

愛里寿「予想より長引いちゃった……」

メグミ「更に時折見せる子供らしい表情……」

アズミ「ふっ……完敗ね……やられちゃったわ……身も心も……」

ルミ「そうね……私達は見つけてしまったわ、支え甲斐のあるリーダーを……!」

愛里寿(やっぱり間に合わなかった……録画しておいてよかった・・・・・・) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/18(水) 01:14:00.88 ID:j/xWl+VFo<>
ルミ「しかし改めて、とんでもない隊長だわ」

アズミ「私達は勿論、他の皆も、もう認めざるを得ないでしょうね」

メグミ「元レギュラーチームを速攻でボコボコにして実力は認められてたけど、残虐すぎるとか年功序列がって意見も今まではあったもんねえ」

ルミ「元バミューダ四姉妹だったナルミが子供の悲鳴でブチ切れるタイプだから、直接的いじめとかはなかったけど」

ルミ「ナルミがサハラに留学してからは結構居場所なかったっぽいもんねえ」

メグミ「これを期に、皆との距離がグッと縮まるといいんだけど」

アズミ「まあ、まずは私達が歩み寄って、距離を縮めるべきよね」

ルミ「あ、電話終わったみたいよ」

メグミ「……あら……あの表情……」

アズミ「たまに見せる、“マジで戦う時”のソレね……」

ルミ「よく分からないけど……さっきの電話が理由っぽいし……」

メグミ「どこかと試合でもするのかしら」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/18(水) 01:14:29.59 ID:j/xWl+VFo<> 眠いので寝ます。劇場版は巻いて進行します。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/18(水) 11:52:14.01 ID:MyRLVhC30<> ナルミで草 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/10/18(水) 12:19:45.78 ID:gpsa2en6O<> ナルミってあいつかよw <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/18(水) 12:27:30.44 ID:waQ4NgNho<> >>48
うるせぇsageろks <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/18(水) 18:20:23.01 ID:LlPLpfsdO<> 悪魔が敵にいなくてよかった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/18(水) 19:59:45.84 ID:/Wj6aO0J0<> 追いついた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/22(日) 23:36:27.78 ID:3Vu9QBK1o<> またもキン肉マンの時間に投下頻度がグッと落ちるでしょうが投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/22(日) 23:38:54.44 ID:3Vu9QBK1o<>
千代『徹底的に叩きのめしなさい、西住流の名が地に落ちるように』

愛里寿「……」

千代『かつては王道の西住流、柔軟さの島田流とある種の住み分けが行われていたけれど……』

千代『よもや人間戦車などという超のつく絡め手をあの黒森峰で作ってくるとは……』

千代『それであの継続高校に勝利までされたとあっては、島田流の名折れ』

千代『本当の変幻自在の忍者戦法とは何か』

千代『日本の戦車道此処にありと言わしめた島田流の本気を見せつけなくては』

愛里寿(人間戦車……???)

千代『我々に出来なかった発想を有効だと思わせてはいけないわ』

千代『なんとしてもあれはただの愚行だと思わせるのよ』

愛里寿「はあ……」

愛里寿(言われなくても普通は愚行だとわかるんじゃ……)

千代『さもないと、下手したら人間戦車が流行るようになるわ』

愛里寿(お母様は何と戦っているんだろう……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/22(日) 23:46:01.82 ID:3Vu9QBK1o<>
エリカ「……」

エリカ(戦車道で学校を守った少女たち裏切られる――)

小梅「何見てるの?」

エリカ「ッ!」

小梅「逸見さんボクササイズの効果か咄嗟に出る右ストレートが日に日に威力上がってるよね……」 イテテ

エリカ「……悪かったわよ」

エリカ「でもいきなりケータイ覗くのやめなさいよね」

小梅「?」

小梅「なんで?」

エリカ「ちっ……これだから携帯の中身を人に見せられる健全極まるクソ一般人は……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/22(日) 23:51:28.80 ID:3Vu9QBK1o<>
小梅「……大洗の記事だったよね、さっきの」

エリカ「しっかり見てたのね」

小梅「……私もさっきまで見てたから、写真見るだけでわかったよ」

小梅「残念だよね……」

小梅「みほさん達、あんなに頑張ってたのに……」

エリカ「……そうね……」

エリカ(まあ、廃校阻止のためにって理由で頑張ったのって、準決勝以降だけど)

直下「あ、大洗の話?」 ヒョイ

ドドメ色星「まったく酷い話でゴンス」

エリカ「ええい、揃いも揃ってなんで私の周りでその話するのよ」

直下「え?」

直下「だって一番気にかけてそうなの、逸見さんだし」

エリカ「はあ?」

マウス車長「毎日ウェブニュース見てたよね」

小梅「続報、気になってるんでしょ」

エリカ「そ、そんなことは……」

エリカ「……」

エリカ(ない、とは言えないか……)

エリカ(また入れ替わりが起きないから、さっぱり情報が入ってこない……)

エリカ(なまじ入れ替われば情報が入るとわかってるからこそ、ヤキモキするわね……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/23(月) 00:00:10.17 ID:zDe5U/E7o<>
ブロッケンJr「それにしても政府の連中は許せねえぜ!」

黒星「公平な立場であるべき組織がそんなんじゃあ……」

エリカ「……まあ、正直、そうね」

エリカ「あの子達が廃校になると、リベンジも出来ないもの」

エリカ「……」

小梅「私達で何とか出来ないかな」

ブロッケンJr「ああ、そうだ! 黒森峰の今まで築いた地位がありゃあ、多少は物申せるんじゃあないか!?」

エリカ「……ダメよ」

エリカ「もうあの子は黒森峰の生徒でもなんでもない」

エリカ「……もう仲間じゃあないのよ」

エリカ「私たちに出来ることなんてないわ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/23(月) 02:25:17.57 ID:zDe5U/E7o<>
小梅「でも……」

エリカ「それに、黒森峰が今まで築いた地位があればそりゃ発言権はあるでしょうけど――」

エリカ「それは全て、黒森峰のために使われるべきものよ」

エリカ「……黒森峰を捨てたあの子のために、これまで築いたものを使えるわけないじゃない」

エリカ「下手に首を突っ込んだら黒森峰の評価にも関わるし、手は出せないわよ」

ブロッケンJr「何でぇ、さっきから聞いてたらグチグチグチグチ言い訳を」

ブロッケンJr「どこの学校だなんて関係ねえ、助けたいから助ける」

ブロッケンJr「それが友情パワーじゃねえのか!」

小梅「そうだよお」

小梅「副隊長仲間だったんだしさあ」

エリカ「でも……あの子はもう……」

ブロッケンJr「でも、じゃあねえ!」

ブロッケンJr「お前は逸見エリカで」 サッ

ブロッケンJr「あの子は西住みほだ!」

ブロッケンJr「そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!」

エリカ「違うのよ!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/23(月) 02:26:25.61 ID:zDe5U/E7o<> カナディアンマンに夢中になってたらこんな時間で舟漕ぎだしたので中断します申し訳ない・・・ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/23(月) 11:19:37.41 ID:cLAA8WcA0<> このまま戦車でLの陣形を作りそうな勢い <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/23(月) 20:36:04.42 ID:IJwhUjEf0<> 乙です。
薄い胸板でもパンツァージャケットを破く膂力を誇る愛里寿。
でもゆで理論なら許せてしまう。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/23(月) 23:03:27.15 ID:8gSFlVSpO<> 君の名は要素よりキン肉マン要素の方が多い <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/23(月) 23:25:54.85 ID:Iv6z02bbo<> 下手するとガルパン要素より多い <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/24(火) 19:02:38.12 ID:locrF/LwO<> 冷静に考えて、ガルパンと君の名はのクロスオーバーで平然とブロッケンが居るのはおかしい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/25(水) 23:38:43.21 ID:fd/OcNalo<> ここからドンドン君の名は要素が強まるからセーフ
のんびり投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/25(水) 23:45:58.42 ID:fd/OcNalo<>
エリカ「……もうあの頃とは違うの」

エリカ「あの子だって……」

エリカ「ううん」

エリカ「あの子の方こそ、もう、あの頃とは全然違う」

エリカ「……あの子は、全く別の場所で、全く違う形で戦車に乗り、全く違う生き方をすることを選んだ」

エリカ「それは揺るぎない事実よ」

エリカ「……それだって、楽な選択肢なわけがない」

エリカ「今更何もかも元のように、なんてこと、出来るわけないじゃない……」

エリカ「違えた道に真剣であればあるほど……」

小梅「逸見さん……」

小梅「ちょっと真面目すぎるっていうか、やっぱり戦車になると頑固だよね」

エリカ「るっさいわね……」

小梅「でもまあ……逸見さんがそう言うなら、私もそれに合わせるよ」

エリカ「はあ?」

小梅「みほさんのことは今でも友達だと思ってるけど、でも……」

小梅「昔も今も、逸見さんの方が、よっぽど私よりみほさんと繋がってるって思ってるから」

エリカ「何言ってンのよ、そんなわけ――」

小梅「勿論、ベタベタとした仲良しこよしってわけじゃないのは分かってるし、そういう意味じゃないよ」

小梅「当然、しっぽりねっとり的な意味でもないし」 グッ

エリカ「親指を人差し指と中指で挟むな」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 00:36:52.30 ID:+nAf7Zmdo<>
小梅「実際さ」

小梅「こう、ウェットな感じじゃないけど、すごく互いに理解し合ってるなあって」

エリカ「買いかぶり」

エリカ「……それに万が一そうだったとしても、アンタが私に合わせる理由はないじゃない」

小梅「まあね」

小梅「……でも、みほさんも逸見さんも、大切な友達だから」

小梅「私は、どんな形であれ、二人がまた関係を始められたらなって思うんだ」

エリカ「……」

小梅「逸見さんも、前の大会で何か変わろうとしているし、見守りたいなあって」

小梅「……例えその選択の結果、二人が絶交しちゃったとしても」

小梅「過去ばっかり見て怯えたり懐かしんだりするだけより、いいかな、なんて思ってさ」

小梅「だから、黒森峰の副隊長として、成り行きを見守るって言うなら、私はそれを尊重するよ」

エリカ「赤星……」

小梅「そんなわけで、逸見さんは助けに行くのかどうかの結果は、『いかない』でしたー!」

マウス車長「よーっし、儲け!」

直下「ぐあーっ! やっぱり手堅く賭けておくんだったー!」

小梅「なかなか綺麗に割れたよねえ」

小梅「それじゃあ配当するから並んで並んでー」

エリカ「赤星!!!!!!!!!!!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 01:05:45.32 ID:+nAf7Zmdo<>
小梅「あはは、冗談冗談」

エリカ「そういうセリフは配当する手を止めてから吐きなさい」

小梅「まあ賭けてたのは本当だけど……」

小梅「でも、さっきの言葉も本心だよ」

小梅「ブロッケンJrちゃんなんて、ギャンブルに参加してもいなかったし」

エリカ「ったく……」

エリカ「鬼の副隊長と呼ばれたときを思い出させてやろうかしら」

小梅「みんなちゃんと覚えてるよ」

小梅「練習中は相変わらず意識が高すぎて怖いだけで」

小梅「怖い理由も、根っこにある信念も、皆分かってきたからグッと距離が近づいたんだよ」

エリカ「距離の詰め方間違ってンのよアンタは」

エリカ「……ま、それでも少しくらいは、感謝しておいてやってもいいけど」

小梅「逸見さん……」 ジーン

エリカ「色々面倒かけてる自覚くらいあるわよ」

小梅「そうだよね、エリカさんの射出したハンバーグとか濡らした布団とか全部片付けてあげてたもんね」

エリカ「感謝じゃなくて謝罪しなきゃいけない気持ちにさせるのやめろ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 01:17:56.02 ID:+nAf7Zmdo<>
小梅「皆も大分打ち解けて逸見さんを分かってきたし……」

小梅「逸見の森はもう封鎖してもいいかもね」

エリカ「何ちょっぴり寂しいけどみたいなツラしてンのよさっさと潰せそんなクソみたいな森」

小梅「うん、じゃあ今夜焼き払うね」

エリカ「結構急ね……いや早いに越したことはないけど」

小梅「ゲリラ的に森が燃え広がったってことにしようかな」

小梅「最後は皆でお祭り騒ぎ」

エリカ「森焼けてるのになんでキャンプファイアー気分」

小梅「皆で炎に焼かれ悶え苦しむ逸見さんのロールプレイをして遊ぶの」

エリカ「キャンプファイアーの方がマシなの出してきやがったわね……」

小梅「最後だし、思い思いの焼死を演出し、最期を彩る盛大な花火にしなくちゃ」

エリカ「狂気」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 01:49:54.46 ID:+nAf7Zmdo<>
エリカ「……」

エリカ(ほんと、冷静になればなるほどどうかしてるノリね)

エリカ(黒森峰のお硬いイメージとも離れているし)

エリカ「……」

エリカ(でも……)

エリカ(不思議だし腹立たしいけど、慣れてきちゃった自分もいる……)

エリカ(……案外……変わるものね……)

エリカ「……」

エリカ(あの子は、大洗にいって、驚くほど上手くいった……)

エリカ(最初は渋々駆り出されてたみたいだけど、最終的にはとんでもなく馴染んでいたし、大洗が居場所になってた……)

エリカ(きっと……)

エリカ(このまま廃校になったとしても、あの子なら大丈夫)

エリカ(入れ替わった時に見た表情は、もう諦めて受け入れていたように見えるし)

エリカ(あの子の愛したクマのぬいぐるみみたいに、きっと今回も、しれっと立ち直るわよ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 02:36:02.62 ID:+nAf7Zmdo<>





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





 
  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 02:42:07.10 ID:+nAf7Zmdo<>
エリカ「ん……」

エリカ「この景色……この感覚……」

ツチヤ「今日は頼んだぞー」 カチャカチャ

エリカ「やっぱり戦車……」

エリカ「んあっ、ば、どこ触って……!」

エリカ「あひいっ!」

エリカ(こンのアホボケカスぅ……!)

エリカ(整備ならもっと違うタイミングあるでしょーが!)

エリカ(なんでこんな朝方にやってンのよ……!)

エリカ「……って……」

エリカ「今日は頼んだって……試合でもするつもりかしら」

エリカ「まあ最近聖グロとやって、知波単のポンコツどもに足引っ張られて無様晒したっていうし、やっててもおかしくはないわね……」

エリカ「っていうか、私たちに負ける前に聖グロなんかに負けるんじゃないわよっ……んあっ、そこはダメだってっ……!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 02:48:53.89 ID:+nAf7Zmdo<>
エリカ「あー……朝からとんでもない目にあったわ……」

エリカ「……それにしても、気合の入った整備だったわね……」

エリカ「廃校になるけど、最後の思い出に目一杯みたいなやつかしら」

エリカ「……ってわりには広いわね……」

エリカ「っていうか、戦車道連盟でちらほら見かける顔ぶれが……」

エリカ「うわっ、っていうかあの観覧席にいるの、もしかして……!?」

エリカ「いやでもそんな……」

エリカ「一応、サンダースの連中の話じゃあ、戦車はなくしたことにして隠したってことだったわよね……」

エリカ「いくら練習試合でも、こんな大掛かりにやったら問題になるんじゃあ……」

エリカ「……」

エリカ「!?」

エリカ「相手……もしかして最近話題の大学選抜!?」

エリカ「ちょ、何なのよ、この試合は……」

蝶野「整列!」

みほ「……」 ゴクリ

優花里「西住殿……」

みほ「……いってきます」

エリカ「あの表情……ただの練習試合のソレじゃない、わよね……」 ゴクリ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 02:56:37.54 ID:+nAf7Zmdo<>
沙織「うう……大丈夫かな、みぽりん……」

麻子「……なるようにしかならんだろう」

沙織「そうだけどさあ」

華「私たちに出来ることと言えば、少しでもみほさんの負担を軽減してさしあげることだけです」

エリカ「何やらいつになく真面目なのが怖いわね……」

沙織「そうだよね……」

沙織「みぽりんのことだもん、今だってどうしようか考えて悩んで苦しんですはずだもんね」

沙織「少しでも私達が負担を減らしてあげなくちゃ!」

優花里「そうですよ!」

優花里「そりゃあ、確かに8対30の殲滅戦なんて無謀極まりないですけど……」

優花里「でも、西住殿なら――」

優花里「いえ、我々なら、きっと何とか出来ます!」

エリカ「い、今しれっと無謀と阿呆を両方極めたみたいなこと言わなかった???」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 03:02:03.32 ID:+nAf7Zmdo<>
華「そうですね。一撃一撃集中して、少しでも沢山減らさなくては」

沙織「こっちが一輌でも残っていればいいんだし、麻子、頑張って避けてよね!」

麻子「めんどい……」

エリカ「ほ、本気でやるつもりなわけ?」

エリカ「8対30を????」

エリカ「1輌につき4輌くらい倒さないと勝てない計算なの分かってる?????」

麻子「……が、今回ばかりはそうも言ってられないか」

優花里「そうですよ!」

優花里「ここで勝てば、廃校を撤回させられるんですよ!」

沙織「うん!」

沙織「皆で大洗に戻るためにも、絶対勝たなくちゃ!」

エリカ「はあ!?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 03:15:46.40 ID:+nAf7Zmdo<>
エリカ「何? つまりこいつら……廃校を賭けて試合するわけ!?」

エリカ「社会人チームにも勝ったとかで、今一番ホットな大学選抜チームと!?」

エリカ「それも8対30の殲滅戦を!?」

エリカ「ばっっっっっっっっかじゃないの!?!?!」

エリカ「……」

エリカ「いや……」

エリカ「でも、その条件を取り付けるのも苦労した、ってところかしら……」

エリカ「堂々と黒森峰全体では手助けできなくても、戦車道連盟の“後ろ”にいる一個人としてなら別だし……」

エリカ「多分、持ってるカードを全部切って、この状況……」

エリカ「……」

エリカ「普通なら逃げてるし、無謀の極みで逃げ出したっていいくらいなのに……」

エリカ「アンタは震えながらも……それでも諦めず、整列するのね…・・」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/26(木) 03:18:10.62 ID:+nAf7Zmdo<> もうこんな時間なので投下を終了します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/26(木) 04:21:28.08 ID:sS7jN1fZ0<> 乙
始まっちゃうけどエリカどうするんだこれ?まさか・・・ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/26(木) 09:07:13.40 ID:fqRn2bkY0<> エリカ不在か(´・ω・`) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/26(木) 11:25:59.67 ID:zvIHSDHdO<> エリカは戦車として参戦してるだろ!! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/27(金) 00:49:18.41 ID:RQCt9eLQO<> 生身のエリカ(中身は4号)に落とされるバミューダか…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/27(金) 12:32:32.96 ID:qNPPEeDhO<> ラストのアレをエリカが受けたらどうなってしまうんや… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/27(金) 19:36:24.66 ID:nieR52vsO<> アナルが壊れて小さい方だけじゃなく大きい方まで…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/28(土) 22:09:55.60 ID:pMImErVXo<> たまには早い時間に投下を始めます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/28(土) 22:17:25.84 ID:pMImErVXo<>
エリカ「……逃げない、か」

エリカ「黒森峰からは、逃げ出したのにね」

エリカ「……」

エリカ(……分かってる)

エリカ(そうさせたのは、私だ)

エリカ(そして――今回逃げ出さなかったのは、どれだけキツくても守りたいと思わせる存在があったから……)

優花里「とにかく、まずは有利な位置を陣取ることです!」

沙織「確かに、黒森峰との試合でも、地形を活かしたり色々やったもんね!」

麻子「……どこへだろうと行ってやる」

沙織「頼りにしてるよー、麻子」

華「私も、どこでだろうと絶対に命中させてみせます」

沙織「ち、近い近い!」

優花里「頑張りましょうね、みなさん!!」

エリカ(私は、あんこうチームにはなれなかった――)

エリカ(それだけのことよ……)

エリカ(そんなことは、分かっている。何度でも思い知ってる)

エリカ(なのに――)

エリカ(変ね……この胸の疼きだけは、いつまで経っても慣れそうにないわ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/28(土) 22:23:18.86 ID:pMImErVXo<>
エリカ「……」

エリカ「しっかしまあ……」

エリカ「島田流も大人げないわね……」

エリカ「たかが8輌相手にこのオールスターとは」

エリカ「……あの子の常識にとらわれない発想」

エリカ「それが本家忍者戦法の虎の尾でも踏んだのかしら」

キュラキュラキュラキュラキュラ

エリカ「……っと、ついたわね」

エリカ「久々だと、やっぱり変な感じね、自分の意識とは別に体を動かされるって……」

エリカ「まあ、さんざん変な所いじられた影響か、体はすっごく軽いけども」

エリカ「……」

エリカ「あの車輌の砲撃お尻に食らって、私明日から生きて行けンのかしら……」 ゾゾゾ

エリカ「ま、まあ、今そんなことを考えても仕方ないわよね」

エリカ「来ちゃったモンはしょうがないわ」

エリカ「折角だから、特等席でしっかり観戦させてもらうわよ」

エリカ「……島田流の戦いと、大洗の戦いを」

エリカ(……今の私じゃあ、隊長にとっての“あんこうチーム”にすらなれていない……)

エリカ(ムカつくけど、アンタらの戦いを見て、参考に出来る所はさせてもらうわ……!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/28(土) 23:14:22.79 ID:pMImErVXo<>
エリカ「……とは言ったものの……」

エリカ「高所を取って有利を得る、なんていう極々普通の戦法ねえ……」

エリカ「ポルシェティーガーを引っ張り上げる奇策も相手にはバレてそうだけど、特に茶々入れもなし、と」

エリカ「……」

エリカ「何でもかんでも奇策ってわけじゃないのは、強みなのかもしれないわね……」

エリカ「腐ってもあの黒森峰に1年居て、西住流を長年仕込まれてたわけじゃない、か」

エリカ「……」

エリカ(何か奇策を仕掛けるとしたら、完全に包囲された後で、ってところかしら)

エリカ(でも相手も、何をしてくるか分からない島田流……)

エリカ「どうするつもりかしら……」

ツチヤ「よーしよしよし、いい子だー」

ホシノ「今の内にしっかり整備し直さないと」

エリカ「あの無能戦車はあの程度の高所でまーた煙を吐いてるし……」

エリカ「ノンキに表出て整備までしてるし、ホントなんでこんな連中に負けたのかしら……」

エリカ「……ん?」

エリカ「何かしら、あれ……」

エリカ「流れ星……?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/28(土) 23:21:35.60 ID:pMImErVXo<>
油断していたわけじゃない。

だが――皆、眼下の敵しか見ていなかった。

最初に気付いたのは、傍観者に過ぎないが故に、あれこれ見合わせていた私。

それから少し遅れて、上半身を出したあの子。

私の叫びは届かない。

誰にも聞こえない。

あの子の声も、間に合わない。

流れ星は真っ直ぐにこちらに向かい、そして―― <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/28(土) 23:22:08.81 ID:pMImErVXo<>  





絶望と爆炎を乗せて、203高知へと着弾した。






  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 00:23:28.63 ID:v++O7ijAo<>
一体どこで間違えたのか。

一体何が悪かったのか。

一言で言えれば、何か一つに押し付けられたら、きっともっと楽なのだろう。

今まで使用が禁止されていたものを、ロクに練習もせず軽率に持ち出したことも悪かった。

今まで使われなかったのも納得な高すぎる威力もいけなかった。

一応危険性は認識し、発射前にこちらの様子を双眼鏡ででも見て、それから着弾点を決めたのだろう。

それでも発射から着弾までラグはあるだろうし、双眼鏡で見ている人間と発射した人間もしくはその護衛が別人なら、更にラグは大きくなる。

それも、きっとこの悲劇の一因だ。

だが、まあ――一番の原因は、自動車部の連中の存在だろう。

試合中、高所を陣取った状況で、突然車外に出て整備を始める。

まともに動く戦車を使っている大学選抜チームには、出てこない発想だ。

移動中何か起こって足を止めたわけでもないのに、整備が必要となり外に出て来るなど、想定していなかったのだろう。

だから、工具を取ろうとしていてか、キューポラから身を乗り出してなかったポルシェティーガーが狙われたといったところか。

他にもM3など顔を出してない戦車はあったが、真っ先に潰すならポルシェティーガーあたりだろう。

まあ、だから、一言で言うと、不運が重なりすぎた。

そんな簡単な言葉で片付けられないけど。

いや、そもそも、言葉なんて何も出なくて、ただ叫び声を上げるしかできなかったのだけど。

とにかく、私の目の前で――



ポルシェティーガーに跨った自動車部の連中が、爆炎に巻かれ、何か言葉を発することもなく肉塊へと成り果てた。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 00:24:15.16 ID:jARwkN5eo<> ええ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 00:31:23.77 ID:v++O7ijAo<>
麻子「っ!」

麻子「よせソド子!!!」

最早誰だか分からない、炎に巻かれた人間の悲鳴で我に返った。

きっと他の連中もそうだろう。

不幸にも、大洗の連中は、人が良すぎた。

区別のつかないおかっぱの奴らが戦車を飛び出し、炎に巻かれた人間を救おうとする。

他にも何人か、反射的に飛び出したヤツがいたようだった。

みほ「ダメ……」

みほ「戦車から出たら――――」

声は届かない。

空から降ってきた流れ星は、あまりにも威力が高すぎた。

爆発による土煙は、肝心要の爆心地を覆い隠す。

恐らく想定していなかったであろう地獄が展開されていることも。

あの爆発を見てなお戦車を飛び出す阿呆がいるということも。

全て全て、覆い隠してしまう。

そして――二発目。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 00:33:05.47 ID:vTQuqJbCo<> という夢を見たとかだったらつまらんぞ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 00:41:03.30 ID:jARwkN5eo<> 唐突な君の名は要素 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 00:41:29.62 ID:jzgCx/GxO<> ワロタ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 00:44:06.87 ID:v++O7ijAo<>
悲鳴。絶叫。また悲鳴。流星。悲鳴。爆音。悲鳴。

みほ「あ、ああ……」

助けようとする者。逃げようとする者。動けない者。

様々だった。そして、例外なく、地獄であった。

優花里「に、西住殿!」

沙織「ど、どど、どうしたら……」

血と、死と、絶望の臭い。

戦車道では無縁のはずだった、肉が焼けるような臭い。

もう、どうしようもない有様になってしまっていた。

それでも。

エリカ「――――――っ!」

エリカ「また次が来るッ……!」

エリカ「次はこっちよ、早く中に入――――」

せめてあの子には。

自分に乗っている連中くらいは、生かしてやりたかった。

それでも。

優花里「西住殿――?」

みほ「……ごめんね……」

最後に見たあの子の顔は、黒森峰から消える日の前日と同じ、諦めと絶望に満ち溢れていた。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 00:56:32.71 ID:v++O7ijAo<>
何を言えばいいのか分からなかった。

どうすればこの絶望から一時でも立ち直らせてあげられるのか分からなかった。

何かを言った所で、あの子の耳には届かなかったのだろうけど。

エリカ「――――――――」

轟音と共に、全身が引き千切れたかのような痛みに襲われる。

きっとこれが人間の身体なら、痛みだけで泡を吹きのたうち回っていただろう。

カーボン加工されていても、痛いものは痛いのだ。

エリカ「…………!」

でも――カーボン越しの爆破なんかよりもずっと。

胸の辺りで引き千切れ、炎を纏ったあの子の体を見せられた時の心の方が、ずっとずっと痛かった。

みほ「…………」

炎の隙間から覗く、生気のない、絶望に満ち溢れた瞳。

それが、更なる一発による痛みで意識を失う直前に見た、最後の光景となった。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 00:56:43.37 ID:3bhB0X3RO<> 始めて生で見たけどやっぱ面白いな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 00:57:53.00 ID:v++O7ijAo<>





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 01:02:55.11 ID:v++O7ijAo<>
エリカ「あああああああああああああああああああああああああっ!!!」 ガバッ

小梅「うわあっ!」 ビクッ

エリカ「……はあ……はあ……」

小梅「……大丈夫?」

小梅「うなされてたけど……」

飛び起きると、見慣れた自分の部屋だった。

……特殊カーボンに守られ、いつものように、私一人だけ生還したのだ。

W号戦車が守ってほしかったであろう大洗女子学園どころか、あの子達の誰ひとりとして守れずに、一人だけ。

エリカ「……っ!」

最後の光景がフラッシュバックする。

せり上がってくる胃液に絶えられず、弾かれたようにベッドを飛び出した。

足に力が入らずに、ガクリとその場に崩れ落ちる。

激痛の記憶がまだ残っている。

体にはダメージがないはずなのに、意識としてダメージを認識してしまっているため、肉体的にもダメージが現れてきたということか。

エリカ「うっ……うぇぇぇ……」

せり上がってきたものを、堪えきれずカーペットへと撒き散らした。

入れ替わり中に散々吐いていたのか、出てきたのは透明な液体が少々だけだった。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 01:10:43.72 ID:v++O7ijAo<>
小梅「だ、大丈夫……?」

大丈夫なはずがない。

それは赤星にも分かっているのだろう。

普段ならあんな花京院みたいな飛び起き方をしてたら小ボケでも挟んでくるところだ。

それをしないということは、それ相応に大丈夫そうじゃない顔をしているのだろう。

エリカ「……」

全身が痛い。

記憶も鮮明。

胃袋の中身も恐らく空っぽ。

激痛のあまり緩んだのか、恐怖のせいか、パジャマとぱんつもぐっしょりだ。

何もないのに、そこまでの醜態を晒すはずがない。

エリカ「……テレビ……」

――間違いなく、あの惨撃は夢じゃない。夢じゃないのだ。

エリカ「テレビを……つけて……」

ならば――確認しなくては。

あの子は死んでしまった。

それでも、W号の中には、まだ四人もいたはずだ。

私は――W号は、せめてその四人だけでも守れたのだろうか。

確認しなくては。逃げずに、確認、しなくては。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 01:31:27.97 ID:v++O7ijAo<>
テレビ『パワフルニュースの時間です』 ティロリーン

テレビ『本日の試合は10対1で横浜ベイスターズが33−4へと一歩近づく結果となりました』

テレビ『注目選手となっていたパワプロ選手は5打数4安打2HRと絶好調も、打率を下げています』

エリカ「ちゃ、チャンネル……」 ピッ

テレビ『今日のわんこ♪』

テレビ『今日のわんこは、秋田県の銀ちゃん』

テレビ『凶暴な人食い熊・赤カブトに立ち向かうほど、とってもわんぱく』

エリカ「……」 ピッ

テレビ『次のニュースです』

テレビ『不動高校で起きた殺人事件に関して、校長は』

エリカ「……」 ピッ

テレビ『本日の天気予報です』

テレビ『福岡県は晴れ、佐賀県と長崎県では曇り、熊本県は曇りのち雨、思い出はいつの日も雨となることでしょう』

エリカ「……」 ピッ

小梅「……」 オロオロ

エリカ(……テレビではやってない……) 

エリカ(ネットニュースなら……) スッスッ

エリカ「……」

エリカ「……」

小梅「あ、あの……」

エリカ「……どういうことなの……」

小梅「……え?」

エリカ(あの事件が……記事になってない……?)
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 01:38:01.43 ID:v++O7ijAo<>
エリカ(もみ消し……?)

エリカ(いや、それが可能な規模なんかじゃない)

エリカ(少なくとも、試合を観戦していて、戦車道のお偉方とも密接な関係にあり、被害者の保護者である家元には伝わっているはず……)

エリカ(家元正式襲名前から影響力を持っていたのに、今では名実ともに西住流の家元よ……)

エリカ(もみ消すとしても、家元には絶対に伝わる……)

ガチャッ

小梅「あ、た、隊長!」

まほ「……ん。なんだ、起きたのか、エリカ」

エリカ「隊、長……」

エリカ(家元に伝わった以上、隊長にも何らかの形でアクションは絶対にあったはず……)

エリカ(そして、隊長は、そんな大事なことを、一人隠し通す人間じゃあない……)

エリカ(隠した方がいい、と判断するには、規模が大きすぎるもの……)

エリカ(絶対に……切り出してくるはず……)

まほ「……ひとまず、着替えるか?」

まほ「腹も減っただろう、朝食を持ってきた」

まほ「……相当うなされていたらしいからな、心配したんだぞ」

エリカ「……っ」

エリカ(この反応……)

エリカ(まるで、あの惨撃を知らないかのような……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 01:45:23.15 ID:v++O7ijAo<>
エリカ「……」

エリカ(あれは、夢……?)

エリカ(いや、そんなわけがない……)

エリカ(痛みはしっかり刻まれてる……)

エリカ(それに、入れ替わりの時特有の状態だったのも間違いなさそう……)

エリカ(じゃあ、これは一体……)

エリカ(まず食事をさせて落ち着かせたら話を切り出すつもりかしら……)

エリカ(さすがに、秘密にされることは、ないと思う……)

エリカ(今はきっと嫌われてるし、こちらだって敵対しちゃっているけど……)

エリカ(それでも、去年は同じ釜の飯を食った、同じ副隊長なのだもの……)

エリカ(通夜は無理でも、葬式に顔を出させてくれるくらいは……)

エリカ「……」

エリカ「……」

エリカ「葬、式……?」 ハッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 01:49:36.37 ID:/BEFeI2DO<> Deファンのワイ、憤怒と共に糞でかため息
今日こそはネタにされんよう勝ってほしい… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 02:03:25.17 ID:v++O7ijAo<>
そこに思考が至ったのは、全くの偶然だった。

ひょっとすると、W号戦車に宿る魂のようなものが、そこに導いたのかもしれない。

エリカ「……隊長」

エリカ「ひとつ、お伺いしてもよろしいでしょうか……」

まほ「?」

まほ「なんだ?」

エリカ「……以前、私が長期的にこの病気で倒れた際……」

エリカ「お葬式をする所にまで、発展してしまってましたよね……」

まほ「あ、ああ……」

まほ「……お、怒ってるのか?」

エリカ「いえ……」

エリカ「ただ……」

エリカ「死んだと思った人間が生きていたので葬式中止、なんてことしたら、大事になったんじゃないかと思いまして……」

まほ「……まあ、そうだな……」

まほ「死因が死因だから黒森峰の関係者しか呼んでなかったから、外には漏れていないが……」

まほ「それでも各方面に訂正の連絡を入れたりで、しばらく大変だったらしい」

エリカ「……そうですよね」

エリカ「しかも学内で死んだと思われてたわけですし、家元としては、黒森峰のメンツに関わる問題なのもあって、色々大変だったと思うんですよね……」

エリカ「……」

エリカ「家元って……」

エリカ「その騒動があったのに、翌日お家に帰れたのでしょうか?」

エリカ「死亡届の撤回やらもあったでしょうし、私の親にも多分改めて事情説明なんかに行ったと思うんですけど……」

まほ「……そうだな」

まほ「まず各方面に頭を下げて、エリカのご実家にも頭を下げに行って――」

エリカ「……」

エリカ「かなりバタついてたみたいですけど……」

エリカ「その状況で、その――」

エリカ「廃校で転校手続きをしなくちゃいけなくなったあの子が帰省した時、ちゃんと書類にサインできたんでしょうか……?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 02:06:00.42 ID:v++O7ijAo<>
まほ「…・…?」

まほ「何を言っているんだ?」

まほ「……まあ、たしかに、色々とあって二人は顔を合わせてはいないが……」



まほ「みほが帰ってきたのは、 あ の 葬 式 の 翌 日 じ ゃ な い ぞ ? 」



エリカ「――――――――!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 02:34:44.70 ID:v++O7ijAo<>
一度至れば、後はすぐだった。

それまで何となくの引っ掛かりにすぎなかったものが、次々と繋がっていく。

一つ一つが、やたら鮮明にフラッシュバックする。

エリカ「……隊長」

エリカ「以前、大会の反対のブロックの視察、みたいなことを言って私と飛行船に乗ったことがありましたよね……」

エリカ「あの後入院したりでバタついて……結局聞き損ねましたけど……」

エリカ「あれって、反対のブロックの、どこの偵察に行っていたんですか……?」

まほ「……ああ、言っていなかったか?」

まほ「大洗と、サンダースの試合だ」

まほ「みほがどんな戦いをするのか見ておきたかったし、決勝まで来る本命であるサンダースのことも調べられる試合だったからな」

エリカ「……」

エリカ(くそっ、もっと早く聞いていれば、もっと早くに気付けたのに……!)

エリカ(継続との二回戦の時に、大洗のプラウダ戦と入れ替わったときも、おかしいとは思っていたのに……!)

エリカ(二回戦と二回戦ならともかく、二回戦と準決勝が同じ日にあるってスケジュールはさすがにガバガバすぎると思ったのよ!)

エリカ(今思えば、私の視点じゃとっくに決勝は大洗って決まってたのに、赤星あたりがそれを知らないかのような口ぶりのことがあったり……)

エリカ(細かな部分がおかしかった……)

エリカ(やっぱりアレは夢じゃない……)

エリカ(入れ替わって、実際に起きていたこと……)

エリカ(でもそれは、今日起こっていることじゃあないッ!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 02:36:19.40 ID:v++O7ijAo<>





エリカ(私は、“未来の時間のW号戦車”と入れ替わっていたんだッ……!)






  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/29(日) 02:37:30.97 ID:v++O7ijAo<> ようやく君の名は。要素が始まったので、きりもいいので寝ます
君の名は。ネタバレ回避で人が死ぬシーンがあることを伏せてたけど、描写を削りに削ってマイルドにしたから勘弁してください <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 02:40:28.79 ID:Jy96IDgzO<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 08:33:56.97 ID:8vzxwIhD0<> もっと丁寧に描写してよかったんやで

エリカみほ死んだのに割りと冷静やな(´・ω・`) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/10/29(日) 08:51:53.69 ID:8QwssI6C0<> 203高知…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 10:50:43.87 ID:gEQaJXlSO<> >>88
高知に203号線なんてあったっけ(目逸らし) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 12:00:05.41 ID:1+pdhXnYO<> おつ
普通に負けて廃校決定とかいうレベルじゃなかった… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 12:08:33.35 ID:vTQuqJbCo<> でも未来変えちゃうんでしょ? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 15:45:28.38 ID:uaUmpGPJ0<> な阪関無
なDe関無 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 18:34:54.19 ID:JD1dJJfZ0<> 盛り上がってまいりました <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/29(日) 18:48:24.60 ID:0mdKSOnGO<> ようやく本編か <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/11/11(土) 05:22:54.58 ID:T3mqf/Oho<>
「何だ、なんて言い方をされては、さすがの私も少々傷ついてしまいます」

そう言うニルギリの表情は、どこか楽しげに見える。
それでも、遠巻きにきゃあきゃあと騒ぐファンの少女達とは違い、どこか凛とした雰囲気を纏っていた。
オレンジペコからは大きく遅れたとはいえ、さすがは一年坊にして紅茶の名前を賜る未来の幹部候補と言った所か。

お上品極まりないお嬢様にとって細やかな楽しみが幹部の追っかけなのか、試合を応援し、その時だけは目一杯はしゃぐ生徒は多い。
ちやほやされるのは悪い気はしないし、紅茶の名を賜る前から応援してくれた生徒には感謝もしている。
本当にルクリリを慕っている生徒は勿論、単にルクリリの経歴を見て映画でも眺める気分で応援しているような生徒も、変わらず感謝の対象であった。
そんな存在に苛立ったこともなくはないが、今では素直に感謝出来ている。

そんな追っかけ連中に、ニルギリも含まれていたのだが――しかしながら、彼女は異質な存在であった。

紅茶の名を関する少女を追っかける者の大半は、一般生徒か或いは戦車道を半ば諦めている二軍以下の連中だった。
自分には出来ないことをする姿に憧れているのか、自分自身では見ることすら叶わぬ夢を託しているのかは分からない。
だがとにかく、追っかけから幹部になれる者なんて、早々存在していない。
居るとすれば、それこそオレンジペコのように、憧れの背中を冷静に着実に追いかけられる者くらいだ。
ただ騒いでいるだけの少女にソレは出来ない。
ニルギリも、オレンジペコと同じタイプなのだろう。
その憧れの対象が、よりにもよってルクリリであるせいで、かなり異質な存在となってしまってはいるが。

「あー悪い悪い。でもほら、他の娘だったら、言葉遣いとか態度とか気をつけなきゃいけないしさ」

言葉遣いが未だに完璧ではないような平民丸出しの身ながら、紅茶の名前を冠した。
再三言っているように、ファンの大半はそこに惚れ込んでくれたのだろう。
少なくともルクリリはそう思っている。

しかしながら、大股を開いて空を仰ぐ姿を見せられるかと言うのは別問題だ。
物には限度というものがあるし、コレがファンの許容範囲を越えているであろうことくらい自覚している。
それに、「じゃあやるなよ」と言われると「この姿勢が楽だし、醜態晒した直後に姿勢まで気を使えるかよ」と思ってしまうルクリリだって、出来ることなら優雅にやりたいとは思ってるのだ。
今でもダージリンの姿には憧れるし、聖グロリアーナらしからぬ態度も改めたいとも考えている。
こういう姿は、隠すべきものであり、決して自ら見せていくものではないのだ。

「今ちょっと気分的に取り繕うのしんどくって」

それでもニルギリの前でだけならいいかと思えるようになったのは、ニルギリの前で醜態を晒し慣れたからか。
同じ小隊で無様な姿を見られたことだってあるし、偉そうに先輩風を吹かせていた相手が瞬く間に追いついてきた焦りでおかしな態度を取ってしまったこともある。
言葉遣いだって、先輩相手なら敬語を使わざるを得ないのでどうとでもなるが、後輩相手だとどうしても砕けてしまう。
にも関わらず同じ紅茶の名前を関する者であるせいでやりとりする機会が多く、淑やかさに関してもニルギリの前ではボロを出しまくっていた。
それどころかフォローされてしまうことが度々あり、自分のプライドを保つためにも、何時しか「ニルギリなら、まあいいか」になっていたのだ。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/11/11(土) 05:23:30.06 ID:T3mqf/Oho<> 誤爆しました申し訳ない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/22(水) 09:14:13.50 ID:mxugDhwe0<> >>1の生存報告がほしいな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/11/23(木) 18:40:17.86 ID:deaM9/rAo<> すみません生きてます
劇場版のテレビ放送の合間にでもちょっとだけ進めます(概ねCMでしか目を切れない名作なので投下ペースはお察しでお願いします) <> CM少なすぎない?<>saga<>2017/11/23(木) 19:52:31.19 ID:deaM9/rAo<>
エリカ「……」

エリカ(未来の自分と入れ替わっていたとして……)

エリカ(猶予は一体何日ある!?)

エリカ(というか、私に何が出来る……?)

エリカ(W号戦車が私にコレをなんとかさせようとしたのだとして……)

エリカ(私に何が……)

エリカ「……」

エリカ(試合開始前に廃校を決定させる?)

エリカ(いや無理だ)

エリカ(あの子は諦めつつあったけど、あのクソむかつく会長がおそらく諦めるわけない)

エリカ(じゃあ、どうすれば……) <> CMなかった。申し訳ない。<>saga<>2017/11/23(木) 20:28:36.30 ID:deaM9/rAo<>
まほ「……エリカ?」

エリカ「あ、ええ、と……」

小梅「……」

小梅「逸見さん、お疲れでしょうし、隊長はお部屋にでも戻っていてください」

まほ「む、そうか?」

小梅「逸見さん、隊長が居たら見栄張って気も張るでしょうから……」

まほ「……そうだな」

まほ「確かに、同輩しかいない環境の方が落ち着くということもあるかもしれないな」

エリカ「え、あ、いや、その……」

まほ「何かあったら連絡をしてくれたら駆けつけるからな」

エリカ「……ありがとうございます」

まほ「それじゃあな」 ガチャ

バタン

エリカ「……」

エリカ(いくら隊長といえど……この状況をどうにかできるはずがない……)

エリカ(そもそも大洗廃校となっても動かずに見守ってる隊長を動かせるはずが……)

小梅「……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/11/23(木) 20:44:41.86 ID:deaM9/rAo<>
小梅「……何か手伝おうか?」

エリカ「え?」

小梅「またいつもの顰めっ面してる」

エリカ「……それは……」

小梅「何でも自分で解決しようとするのはすごいことだけどさ」

小梅「たまにはチームメイトを頼るのも大事だよ?」

小梅「……隊長だって、チームメイトをちゃんと頼ってる」

小梅「仲間に仕事を任せ、きちんとこなすと信じたうえで、隊長は自分にしか出来ないことをやってるんだなーって、最近思うんだ」

小梅「……私には、隊長みたいに、他の人には出来ないことをする能力なんてないけど」

小梅「頼りにされた分に応えるくらいは、するつもりだよ」

エリカ「……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/11/23(木) 20:45:28.17 ID:deaM9/rAo<> 予想外に劇場版がノーカットで全然透過できてないんですが、ちょっと用事があるので一旦投下を終了します申し訳ない
今月はばたついてるので、次に投下できても日曜日かな、と思います <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/23(木) 20:46:37.09 ID:WpYSyp8jo<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/23(木) 20:49:38.96 ID:lfiexg5io<> おつー
待ってるぜ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 10:05:07.10 ID:2Akfzvuq0<> 果たして風呂シーンカットをノーカットと言えるのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 21:54:44.12 ID:FXss+KB8O<> (ボン)ノーカット <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/21(木) 04:08:24.98 ID:EC1dGWv9o<> 最終章めちゃ面白かったので、今めちゃ多忙ですが気合で進めます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/21(木) 04:24:55.24 ID:EC1dGWv9o<>
エリカ「……」

エリカ(わかってる……)

エリカ(赤星の気持ちは有難いけど、でも、受けるわけにはいかない……)

エリカ(こんなこと、言っても分かってもらえるわけがないし……)

エリカ(黒森峰の影響の大きさを考えると、軽率な行動を取るわけには……)

小梅「……」

小梅「黒森峰の看板とか、そういうこと、気にしてる?」

エリカ「……」

エリカ「そりゃあ……そうよ」

エリカ「私達はあの黒森峰の一員なのよ」

エリカ「その名前に泥を塗るような行動を、軽率に取るわけには……」

エリカ(そう……泥を塗ると、私だけでなく、隊長を始めかなりの人に迷惑をかけちゃう……)

エリカ(だから……だから……)

小梅「……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/21(木) 04:50:06.31 ID:EC1dGWv9o<>
小梅「私はとっくに泥を塗りたくっちゃったよ」

エリカ「うっ」

小梅「……私だって、みほさんみたいに転校したかった時期がある」

小梅「今では直下さんとかと普通にお喋り出来るようにはなったけど、それでも当時はとてもつらかったよ」

エリカ「……」

小梅「……今だって、やっぱりどこか居心地が悪いときもある」

小梅「どうしても、泥を塗ったって事実は消えないし」

小梅「やっぱりまだ恨みの目線や蔑みの視線を感じる日もある」

小梅「……他の皆や逸見さんも、後援会の人やファン、OGやその他の人からそういう視線を感じてたのかもね」

小梅「私は、学園艦の中ですら視線に晒されて、外になんて出られなかったからよくわからないけど」

エリカ「……」

小梅「そういうのがあるし、もう黒森峰の看板に傷をつけられないっていうなら、気持ちは分かるし無理強いはしないよ」

小梅「でも――」

小梅「黒森峰とは無関係で、私個人として、相談に乗ることは出来る」

小梅「……一度は逃げ出そうとしてたし、みほさん見てると、新しい地でやり直すのもありかなあ、なんて思うし」

小梅「だから、最悪黒森峰の看板を外して何か助けてほしいなら、言ってくれたら、私はいつでも力を貸せるよ」

小梅「……逸見さんは嫌味だし、みほさんみたいに優しくないし、怖いし、気難しいし……」

エリカ「……うっさいわね」

小梅「隊長に媚びてる感じがあるし、意識高すぎて面倒臭いし、他罰的だし、見下してくるし、気分がすぐ顔に出るし」

エリカ「待って長くない?」

小梅「上から目線の指示が多いし、そのくせ1を聞いて10を知るよう求めてきて10を教えず1しか指示を飛ばさないし、生理のとき超不機嫌そうだし」

エリカ「何かの前フリにしても長すぎない? ねえ?」

小梅「ハンバーグ吐くし、アンモニア臭いし、役立たずと罵られて最低と人に言われて要領良く演技できず愛想笑いも作れないし」

エリカ「赤星!!!!!!!!!!!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/21(木) 05:17:39.76 ID:EC1dGWv9o<>
小梅「……それでも、誰より真面目なのを知ってるよ」

小梅「黒森峰と西住流と、隊長のことが大好きなことも」

小梅「……その“大好き”のためだったら、どんな努力も出来ちゃうことも」

小梅「周りを小馬鹿に出来るくらいの努力を重ねてきたことも」

小梅「だから、逸見さんが本当に困ってたら、力になりたいなって、思うんだ」

エリカ「赤星……」

エリカ(私だって……知ってるわよ)

エリカ(逃げ出したくなるであろう環境でも、アンタはあの子と違って逃げ出さなかったことを)

エリカ(おどおど辛そうにしながらも逃げず、今までしがみつき、レギュラーに返り咲いたことを)

エリカ(……アンタのそういうところは、評価してンのよ……)

エリカ(……)

エリカ(とっくに看板に泥を塗った自分だったら大丈夫? 最悪転校すればいい?)

エリカ(そんなわけないじゃない……)

エリカ(そんな気持ちの人間が、ここに戻ってこれるほど、黒森峰は甘くないわよ……)

エリカ(あんたにだって、迷惑なんか……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/21(木) 05:45:50.05 ID:EC1dGWv9o<>
小梅「……それにさ」

小梅「私は、逸見さんの友達だから」

小梅「……逸見さんは、どう思ってくれてるのかわからないけどさ」

小梅「少なくとも私は友達だと思ってるし、だからこそ、困ってるなら言ってほしいんだよ」

小梅「副隊長から平隊員への命令とかじゃなくて、友達として言ってほしいの」

小梅「……無理だと思ったり迷惑だと思ったら、友達としてはっきり言えるし」

エリカ「……」

エリカ(馬鹿ね……)

エリカ(どうせ……そんなこと言っても、断ったりしないんでしょ……)

エリカ(ほんと、馬鹿だわ……あの子に当てられて……お人好しになりすぎなのよ……)

エリカ「……」

エリカ「……」 ギュウッ

エリカ「……赤星……」

小梅「……うん」

エリカ「……」

エリカ「……ごめん」

小梅「……」

エリカ「……」

エリカ「…………助けて……」

小梅「……うん」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/21(木) 05:48:20.45 ID:EC1dGWv9o<> 気付けばこんな時間ですし、一旦中断で
また夜にでもやります <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/21(木) 21:30:59.21 ID:vzkLuo+q0<> 乙です
更新あって良かった
いつも楽しみにしてる <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 01:29:14.80 ID:dV83WEFGo<> 有難いことです。投下します。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 01:32:46.30 ID:dV83WEFGo<>
小梅「……それで、一体どうしたの?」

小梅「って聞いてペラペラ喋れるなら苦労してないか」

エリカ「……そうね」

小梅「じゃあ、どうしたらいい?」

小梅「何をしてほしいの?」

エリカ「……」

エリカ(未来のW号と入れ替わってるなんて話をしても、ぽかんとされるだけよね……)

エリカ(……)

エリカ「……大洗を、救いたい」

小梅「ふえ?」

エリカ「あ、いや、その……」

エリカ(くっ、思わず頭に浮かんだ言葉をそのままっ……!)

小梅「……そっか、うん、そうだよね」

小梅「私も何とかしてあげたいなって思ってたし」

小梅「救おうよ、大洗」

小梅「廃校の危機から、私達で!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 02:06:20.72 ID:dV83WEFGo<>
エリカ「……でも具体的にどうすればいいのかさっぱりで……」

小梅「あー……」

小梅「逸見さん、盤外戦術苦手だもんねえ……」

エリカ「……西住流にそんな邪道必要ないし……」

小梅(皮肉とか威圧って点は得意っぽいのになあ……)

小梅「……よし、ここは私に任せて」 スチャッ

エリカ「スマホ……?」

小梅「私達じゃどうにもできそうにないから助けを求めようかなって」

エリカ「待て待て待て待て待て」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 02:09:42.38 ID:dV83WEFGo<>
エリカ「え、あんな大口叩いてもう外部に助け求めるの?」

小梅「みほさんの件なら、時間も限られてるし……」

エリカ「そ、そりゃあ、そうだけど……」

小梅「それに、みほさんを助けたいって気持ちは他の人も同じだろうし」

エリカ「でも黒森峰の看板に――」

小梅「傷をつけたくないんでしょ?」

小梅「だから、黒森峰以外の人に助けを求めるんだよ」 スッ

エリカ「この紅茶のアイコン……」

小梅「そう、ダージリンさん達にね!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 02:12:14.44 ID:dV83WEFGo<>
エリカ「…………」

小梅「あれ?! なんか微妙な顔、っていうかむしろ嫌そう!?」

エリカ「アンタ私がその連中見て『おお!』なんて言うと思ったわけ?」

小梅「いやあ……思わないけどさ……」

エリカ「大体、あのいけ好かない連中は、私達のことを下品で野蛮だの散々のたまってるじゃない」

エリカ「手なんて貸してくれるわけ?」

エリカ「そんな善人にはとても見えないわよあの女は」

小梅「そんなことないよ」

小梅「絶対力になってくれるって」

小梅「精々頼った逸見さんに皮肉めいたジョークを言いつつ含み笑いをしたり言葉の端々で小馬鹿にするかも、くらいだよ!」

エリカ「それが嫌なのよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 02:50:08.46 ID:dV83WEFGo<>
小梅「まあ、それなら、ほら、逸見さんの話は出さないでおくしさ」

小梅「ダージリンさん、みほさんのこと気に入ってるみたいだから、みほさんを助けたいって言うだけで手伝ってくれるだろうし」

小梅「逸見さんの名前は伏せてても問題ないんじゃないかな」

エリカ「……そこも気に入らないのよね」

エリカ「黒森峰に居た時は評価してなかったくせに大洗に移籍した途端べた褒めって何よソレ」 ブツブツ

エリカ「そのくせ理解者ヅラってのが納得いかないわ……」 ブツブツ

エリカ「大体やたらと黒森峰に突っかかってくるのはなんなのよほんと」 ブツブツ

エリカ「うちには連戦連敗のくせに、大洗に負けなしだからって自慢げなのもムカつくわ」 ブツブツ

エリカ「エキシビションごときで勝利したからってドヤりにわざわざやってくるし、ほんっと聖グロの連中は……」 ブツブツ

エリカ「W号時代に散々痛い目にあわされたし……」 ブツブツ

小梅(よく聞こえないし聞こえる部分もよく分からないけど、私怨すごいなあ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 03:16:05.38 ID:dV83WEFGo<>
エリカ「大体、あいつら役に立つとは思えないのよね」

エリカ「そりゃ多少は諜報活動に力を入れてるかもしれないけど……」

エリカ「例えば影響力ならウチが頭抜けてるじゃない」

エリカ「太いパイプも持ってるし、OGからいろんな情報が貰える」

エリカ「それに、本気を出せば色んな所に融通をきかせられるくらいの力を持ってるわ」

エリカ「……でも聖グロはそうじゃない」

エリカ「OGはそりゃ多少顔がきくかもしれないけど、あそこはOGが強すぎる」

エリカ「派閥争いでまともに戦車の運用が難しかったり、現役生がOGに屈してるようなとこよ」

エリカ「OGに屈した連中に、OGの持つパイプを利用できるようには思えないんだけど」

小梅「うーん、そうかもしれないけど、でもやっぱり盤外戦術だとかなり頼りになると思うんだけどなあ」

エリカ「はあ?」

小梅「例えばこの状況で誰かに助けを求めるとして――」

小梅「人格には問題なくてたくさん貸しもあるし二つ返事で来てくれそうなアンツィオに、真っ先に相談できる?」

エリカ「ぐっ……それはずるいでしょアンツィオと比べたらどこだって、そりゃ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 03:26:37.32 ID:dV83WEFGo<>
エリカ「……っていうか、アンタいつあの女と繋がったのよ」

エリカ「やけに肩持つし、連絡先知ってるし、何かあったわけ?」

小梅「ああ、うん」

小梅「えっとね、ダージリンさんも逸見の森に」

エリカ「ああ分かったわもう言わなくていい」

小梅「そう言わないでよ」

小梅「前話した通り、逸見の森はもうなくなっちゃったんだしさ」

エリカ「ああ、本当に閉鎖したのね」

小梅「最後だから色んな人に声かけてもらって、皆で焼け落ちる逸見の森から逃げ惑う逸見さんごっこをして遊んでたんだけど」

エリカ「私のメンタルが弱かったらイジメ問題になってるようなことを平然と言ってくるわね」

小梅「指折りでノリノリな悲鳴をあげて書き込んでたのがダージリンさんだったんだ」

エリカ「あのアマ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 04:16:10.79 ID:dV83WEFGo<>
小梅「そんなわけでダージリンさんの連絡先も分かるし……」

エリカ「余計なこと聞いて更に好感度下がったから頼みたかないけど……」

エリカ「でも背に腹は代えられないか……」

小梅「うわぁ心底嫌そう」

小梅「でも逸見の森って結構貢献してくれたんだよ、交流に」

小梅「これまで各校の横の繋がりあんまりなかったけど、他校の人の連絡先手に入れたり出来たし……」

エリカ「もっとまともな形で交流しなさいよ……」

小梅「逸見さんだってまともな形で他校と交流してないような」

エリカ「……アンタほんと言うようになったわね……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 04:25:28.42 ID:dV83WEFGo<>
小梅「……さて、これでよしっと」

エリカ「……本当にあの格言女に任せて大丈夫なの?」

小梅「大丈夫だよ」

小梅「逸見さんが思ってるより、ずっと有能なんだよ、ダージリンさん」

小梅「それに、言ったでしょ。誰かを信じて頼るのも、必要なことだよ」

エリカ「……そうだけど……」

小梅「どうなるかわからないけど、でも」

小梅「今は私達に出来ることをするしかないと思うから」

小梅「何を言われても大丈夫なように、病み上がりの逸見さんを本調子に戻さないとね!」

小梅「自習って言って、戦車動かす許可、取ってくるね」 パタパタパタ

エリカ「……」

エリカ「ほんっと、言うようになったし、強くなったわね……」 フフ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/22(金) 04:27:47.81 ID:dV83WEFGo<> 寝ます。試合はサクサク終わらせたいです。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 09:34:14.57 ID:Gy9XdvGMO<> 乙。ダー様何やってんのw <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 09:25:33.23 ID:MaY3IuzN0<> 乙
ここにきて「逸見の森」がかなりのキーポイントになってきたw <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 01:43:45.54 ID:VKiwW/K7o<> メリークリスマス、少しだけやります <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 01:50:29.35 ID:VKiwW/K7o<>





エリカ「あの紅茶馬鹿からはまだ連絡がないの……!?」

小梅「うーん、やっぱり早々すぐにはなんともならないのかなあ」

小梅「リハビリ急ピッチで進めてるのに」

エリカ「リハビリって言うかわけの分からない特訓みたいにしか見えなかったんだけど」

小梅「そんなことないよ」

小梅「これは万が一素手でエレファントと戦うことになってもビッグタスクにひるまないために必要な竹槍訓練で」

エリカ「挑まないわよ!!!」

小梅「え? でもなんだかんだで生身の方が戦車に乗るよりも――」

エリカ「んなわけないでしょうが!!」

エリカ「私は戦車乗りよ、戦車に乗るに決まってるでしょ!」

小梅「でもいざってときには……?」

エリカ「しないわよ!!!!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 02:02:03.63 ID:VKiwW/K7o<>
エリカ(大体それでどーにかできるなら苦労は――)

エリカ「……って、何よコレ」

小梅「水だよ」

エリカ「は?」

小梅「お水」

エリカ「それは分かるけど、バケツに水溜めて何しようっていうのよ」

小梅「10リットルあるから、飲んで」

エリカ「は??????????」

小梅「まあ、そのままでは無理だろうから……コイツを混ぜるの」 スッ

エリカ「なによそれ……」

小梅「果糖」

小梅「デンジャラスレオポンじゃないよ」

エリカ「???」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 02:24:18.14 ID:VKiwW/K7o<>
小梅「果実を精製した純粋な甘味料で、量は多いが吸収率は無類なんだよ」

エリカ「へえ……」

小梅「つまり太る」

エリカ「ねえそれ今から吸収させようとしてるのよね???」

エリカ「太るとか言いながら吸収させようとしてるわよね!?????」

小梅「約4キロある」

エリカ「まさか全部食べろなんて言わなわよね!?」

小梅「今の逸見さんはまだまだ完全じゃない……」

小梅「本来ならタンパク質やデンプンが望ましいんだけど……」

小梅「今はそうしている時間もないから」

エリカ「確かに時間はないけれど……」

小梅「これをバケツの水に混ぜる」

エリカ「飲まないわよ」

小梅「さ、おあがりよ」

エリカ「飲まないっつってんでしょ!!!!」

小梅「なんで?」

エリカ「むしろなんで飲むと思ったの」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 03:06:24.36 ID:VKiwW/K7o<>
小梅「あっ、連絡来た!」

エリカ「うえっぷ……胸焼けで吐きそう……」

小梅「はいもしもし」

小梅「……はい。はい」

小梅「……なるほど……」

小梅「いえ、しましまみたいなあざといやつでなくスポーティーなやつの白色ですね」

小梅「……はい」

小梅「わかりました」

小梅「逸見さん、電話変わってってさ。はい受話器」

エリカ「アンタ今途中で全然関係ない話してなかった?」

小梅「そんなことないよ」

エリカ「気のせいじゃなきゃあの紅茶馬鹿と私の下着の話してなかった?」

小梅「そんなことより早く出てあげてよ」

エリカ「あんた本当に覚えておきなさいよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 03:18:30.79 ID:VKiwW/K7o<>
エリカ「……もしもし」

ダージリン『思ったより元気そうね』

エリカ「おかげさまで」 ハン

ダージリン『寝たきりになって、帰ってこないんじゃないかと思っていたのよ』

ダージリン『何にせよ、戻ってきたのはいいことだわ』

エリカ「そりゃどうも」

ダージリン『本当によく戻ったわね……ンフッ……おかエリカ』

エリカ「…………あ?」

ダージリン『プフーーーーーッ』

ダージリン『そこは「ただいまほ」と返すのが、ンフッ……い、逸見の森の礼儀作法なのではなくて?』 ククク

エリカ「…………ッ!」

小梅「わーーーーっ、逸見さん待って!! 何言われたのか知らないけど待って!! そのスマホ買ったばっかりだから! お願い振りかぶらないで!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 03:34:16.88 ID:VKiwW/K7o<>
エリカ「クソみたいな問答しかしないなら切るわよ」

ダージリン『切ったら困るのは貴女の方でしょう?』

オレンジペコ『ダージリン様、さすがに少し可愛そうですよ』 ヒソ

ダージリン『……まあいいわ』

ダージリン『今回は大人である私の方が折れてあげましょう』

エリカ「腹心に苦言呈されたの聞こえてたわよ」

ダージリン『……とにかく、アッサム達に調査させて、いくつかの知られざる事実が分かったわ』

エリカ「!!」

ダージリン『大洗が廃校の危機にあることは知っているわよね?』

エリカ「勿論よ、知ってるわ」

ダージリン『……その大洗なのだけど……』

エリカ「……」 ゴクリ

ダージリン『廃校を賭けて、なんとあの大学選抜チームと試合をするらしいのよ』

エリカ(あ、知ってるやつだ……)

ダージリン『それもなんと、殲滅戦でやるらしいわ』

エリカ(それも知ってる……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 03:42:07.80 ID:VKiwW/K7o<>
エリカ「その、言い難いんだけど、他にもっとないかしら」

ダージリン『……あら、この程度なら貴女達でも調べられたかしら』

ダージリン『ではこんな情報はどう?』

エリカ「……」 ゴクリ

ダージリン『実はテントウムシは幼虫の時に棘が生えている』

エリカ「へぇ……」

ダージリン『また、よく見ると硬い体毛で覆われたテントウムシが居て、名を『テントウムシダマシ』と言うそうよ』

エリカ「知らなかったけど、その情報関係なくない?」

ダージリン『厳しい家庭で育ったせいで西住まほの自慰行為は特殊であり……』

ダージリン『っと、確かに脱線してしまっていたわね』

ダージリン『話を戻しましょうか』

エリカ「ちょっと待ちなさい一回頭を整理するわ」

エリカ(聞きたい〜〜〜〜言いかけたなら最後まで言いなさいよお〜〜〜〜〜〜!!!!!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/12/26(火) 03:44:06.63 ID:VKiwW/K7o<> 眠くなってきたので半端なとこですが投下を終了します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 13:33:08.09 ID:AJEQIKX2O<> マリキータマンはオメガ・ケンタウルス星団にお帰りください <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 19:27:00.99 ID:ddhG/K1+O<> お姉ちゃんの特殊訓練詳しく話せよダーさん <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 09:31:53.82 ID:idiKtI7So<> 逸見でも知らない性事情を知るダー様…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 02:26:15.62 ID:G8tufJ4Yo<> あけましておめでとうございます、今年こそ完結させないとやばいので少しだけでも投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 02:49:01.19 ID:G8tufJ4Yo<>
エリカ「……」

エリカ(隊長は特殊な性癖……) ムラッ

小梅「逸見さん、何でズボンに手を入れようとしてるの」

エリカ「おっわっふぉあ!?」

エリカ「いかんいかん、疲弊しすぎてて頭が死んでたわ」

エリカ(そうだわ、今別に一人きりじゃないじゃない落ち着け私)

エリカ「えーっと、それで、なんだったかしら」

ダージリン『まったく何をしていたのか……まあいいわ』

ダージリン『ご存知の通り、みほさんは今危機に瀕している』

ダージリン『けれども私達には、体裁もあって手出しが出来ない』

エリカ「……そうよ」

エリカ「とうとうネットニュースにまでなってるこの大問題」

エリカ「隊長格・副隊長格が軽率に首を突っ込もうものなら、それはもう学校単位の意見として取られかねない」

ダージリン『少なくとも、ネットニュースなんかでは、黒森峰や聖グロリアーナが大洗の廃校反対を訴えたとして報道されるでしょうね』

エリカ「……私一人のわがままで、そんなことは出来ないわ」

ダージリン『そうね。ましてやみほさんはこちらに助けを求めてもいない』

エリカ「……ええ……」

ダージリン『……こんな制度を知ってる?』

エリカ「?」

ダージリン『短期転校制度』

ダージリン『交換留学のような形で、他校のことを学び取り入れるための制度よ』

ダージリン『今ではほとんど使われなくなったけどね』

エリカ「それがどうしたっていうのよ」

ダージリン『……分からない?』

ダージリン『聖グロリアーナの隊長や黒森峰の副隊長が大洗の揉め事に自ら首を突っ込むわけにはいかない』

ダージリン『けれども、大洗の生徒が自校の危機に立ち上がったという形ならば?』

エリカ「…………!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 03:12:40.39 ID:G8tufJ4Yo<>
ダージリン『そう』

ダージリン『私達が、短期転校の手続きを取り、大洗の生徒となる』

ダージリン『それで、一応の体裁はとれるはずよ』

エリカ「……そ、そう……なのかしら」

ダージリン『少なくとも、試合に出る事はできるようになるわ』

ダージリン『大洗の生徒ならば、試合に参加出来るはずだもの』

エリカ「……でも、私達が参加できたとして、大洗には戦車が――」

ダージリン『あら、おかしなことを言うのね』

ダージリン『私は枕が変わると眠れないから、大洗に転校する際は枕を持っていこうと思うの』

エリカ「はあ?」

ダージリン『お茶っ葉も変わると落ち着かないから持っていきたいわね』

エリカ「それがなんだっていうのよ」

ダージリン『あと、ペコもお気に入りのぬいぐるみがないと安眠出来ないから、持っていくべきね』

オレンジペコ『ダージリン様!!!!!!』

ダージリン『それと、寝間着も変わると落ち着かないでしょうし、この前着ていたピンクのネグリジェを……』

オレンジペコ『〜〜〜〜〜〜!!』

ドッタンバッタン

エリカ「こっちはアンタらのしょうもない漫談に付き合ってる余裕はないんだけど」

アッサム『こほん。電話代わりました』

アッサム『単刀直入に言うと、こういうことです』

アッサム『枕や茶葉やぬいぐるみという私物を持って転校するように――』

アッサム『我々の戦車も、私物として持って転校すればいい、と』

エリカ「!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 03:15:47.22 ID:G8tufJ4Yo<>
ダージリン『私物を持ち込んではいけない、なんてルールはない』

ダージリン『異議申し立てはしようがないのよ』

アッサム『……一応隊長が電話を奪ったので、下がらせてもらいます』

エリカ「ああ待って、回りくどくなくサクサク話を進めてお願い」

ダージリン『まるで私が回りくどいみたいな言い草だけど……まあいいわ』

ダージリン『こんな格言を知ってる?』

エリカ「それをやめろっつってんのよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 04:23:42.76 ID:G8tufJ4Yo<>
小梅「あのー」

ダージリン『何かしら』

小梅「音声漏れてきてたんで大体聞いてたんですけど……」

小梅「短期転校の手続きって、そんなにすぐに承認されましたっけ?」

ダージリン『いいえ、相当ギリギリね』

ダージリン『今日中に書類を纏めて、それでも当日の朝イチで承認されたらいい方よ』

エリカ「はあ〜〜〜〜!?!?」

ダージリン『まあ、間に合わない可能性も高いでしょうね』

エリカ「ちょ、なによそれは!」

エリカ「期待させるようなことを言うんじゃないわよ!!」

ダージリン『そう言うと思って、予め大洗の事務局には話を通しておいたわ。99%書類は当日朝に上がって間に合うわね』

エリカ「〜〜〜〜!!」

小梅「落ち着いて逸見さんキューピー三分間クッキングみたいなものだから!!スマホ叩きつけようとしないで!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 05:26:35.76 ID:G8tufJ4Yo<>
ダージリン『人はこうして事前に聞いた話が狂うとがっくり来るもの』

エリカ「あ?」

小梅「落ち着いて逸見さん、ガックリきてあげようよそこまでキレなくていいと思うから!」

エリカ「単純にコイツ嫌いなのよ」 チッ

ダージリン『聞こえてるわよ』

エリカ「聞こえるように言ってンのよ」

ダージリン『……とにかく、人は話が違うと怒ることもある』

ダージリン『事前に援軍に行けるなんて伝えて、やはりダメでした、なんてのは最悪』

ダージリン『それならばサプライズでいたほうがいいでしょう?』

オレンジペコ『……さすがに、大洗の事務局には一声かけてますけどね』

ダージリン『ただし、みほさん達には何も言っていないわ』

ダージリン『サプライズの方が、喜ばれるでしょう?』

アッサム『そーやってまた見えないからって心底楽しそうな意地の悪い笑みを浮かべる』

オレンジペコ『だから嫌われるんですよ』

小梅「そこはもっといじってあげてください逸見さん素直じゃないから」

エリカ「赤星」

小梅「実際サプライズしたら、みほさん泣いて喜んでくれるかもねっ」 グッ

エリカ「赤星!!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 05:47:46.07 ID:G8tufJ4Yo<>
ダージリン『ちなみに試合開始時間も聞いておいたわ』

ダージリン『なので、試合開始直前に乱入しましょう』

エリカ「はあ?」

ダージリン『こんな格言を知ってる?』

ダージリン『ヒーローは遅れてやってくる』

ダージリン『ギリギリの方が格好いいでしょう?』

エリカ「五分前行動って知ってる?」

ダージリン『勿論』

ダージリン『だから、貴女達黒森峰だけ、5分早く行っていいわよ』

エリカ「は?」

ダージリン『一番乗りで駆けつけてあげたいでしょう?』

ダージリン『他の援軍候補にはぴったりに行くように伝えておくわ』

エリカ「な、ちょ、ま」

ダージリン『どうかして?』

エリカ「別に一番乗りしたいなんてことは……」

ダージリン『あら、そんなことはないでしょう?』

ダージリン『今回誰よりみほさんを助けたいと思っているのは貴女』

ダージリン『そうでなければ、私はこうして動いていないわ』

ダージリン『私は、むしろ追い込まれたみほさんがどう動くのか見たい側の人間ですもの』 フフ

エリカ「……」

エリカ「ほんっとアンタ、性格悪いわよね」

ダージリン『貴女には言われたくないわね』 フフ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 06:07:59.88 ID:G8tufJ4Yo<>
エリカ「一番乗りするのは、まあ、姉である隊長がいるのこそ自然だからいいけど……」

小梅「素直になればいいのに」

エリカ「うるさい赤星」

エリカ「兎に角、一番乗りするにしても、ギリッギリってどういうことよ」

エリカ「アホのアンツィオとかガキのプラウダとか、普通に遅れて来かねないわよ」

ダージリン『それはそうね』

オレンジペコ『否定しないんですね……』

ダージリン『でも、これには理由があるわ』

エリカ「理由?」

ダージリン『当初8輌予定だったチームが突然大増員しました、なんてことがそう簡単に通ると思う?』

エリカ「う、そりゃあ……」

ダージリン『普通に考えれば通らないわね』

ダージリン『何せ、圧倒的な戦力差のある殲滅戦を推し進めてまで大洗を廃校にしようとする存在があるんですもの』

ダージリン『事前に気取られてしまえば、その存在により私達が使う抜け道を防がれてしまう』

ダージリン『……きちんと増援を断るように、大学選抜チームの隊長に言い聞かせるかもしれないわ』

エリカ「……なるほど……」

ダージリン『直前のオーダー変更ならば、そうはならない』

ダージリン『試合開始直前ならば、異議を唱えられるのは隊長のみ』

ダージリン『大洗を廃校にしようとしている黒幕が隊長に何かを言う時間はない』

ダージリン『大洗を廃校にしようとしているのが隊長そのものでもない限り、相手の隊長はこの増援を受け入れるはずよ』

エリカ「何でアンタにそんなことが言えるのよ」

ダージリン『あら、もう少しくらいは察しが良いと思っていたけど、買いかぶりだったかしら』

エリカ(こいつホント一発殴っておきたいわね……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 06:27:50.91 ID:G8tufJ4Yo<>
ダージリン『自分の立場になれば分かるわ』

ダージリン『貴女、黒森峰の実力には誇りを持っているでしょう?』

エリカ「当たり前でしょう?」

ダージリン『例えば、相手が中学大会の優勝校だとして……』

ダージリン『どう考えても自分達贔屓のようなルールをしかれたらどう思う?』

エリカ「……ナメられてる、とは思うわね」

小梅「ちょっとつらいかも……」

エリカ「っていうか、何かの罰ゲームかって思うわね」

エリカ「負けたらネットでボロクソ叩かれるだろうし」

ダージリン『そうね』

ダージリン『勝っても当然と思われ、負けたら永遠に叩かれ続ける』

ダージリン『それどころか、勝っても叩かれるでしょうね』

ダージリン『格下相手に圧倒的有利なルールで戦うんだから』

アッサム『一応、試合は大洗の人間と関係者のみの観覧に限っているようなので、メディアには結果のみ淡々と記されるんでしょうけど』

ダージリン『いずれにせよ、相手の選手たちだって、気分がいいものではないわ』

ダージリン『だからこそ――餌を与えてあげるのよ』 フフ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 06:37:48.89 ID:G8tufJ4Yo<>
ダージリン『こんな話を知っている?』

ダージリン『人は追い込まれたあとで逃げ道を与えられると、そこに安易に飛びついてしまう』

ダージリン『……この場合、追い込まれているのは大洗の面々だけじゃない』

ダージリン『オトナの都合で楽しくもないワンサイドゲームを強いられている大学選抜チームもそう』

ダージリン『そこに、対戦相手の数が揃いそれも高校オールスターという甘い逃げ道を与えてあげるとどうなると思う?』

ダージリン『必ず飛びつく。自分達の力を確信していれば、必ず』

アッサム『それに、仮に万が一を考えられる冷静な隊長であったとしても、問題はないでしょう』

オレンジペコ『どう考えても、実際に戦う面々からは不満が出ているでしょうからね』

オレンジペコ『その不満を少しでも軽減したいと思っているはずです』

アッサム『ましてや大学選抜チームの隊長は新入りにして飛び級の少女』

アッサム『コレ以上チームメイトと溝を作りたくはないはず』

アッサム『一定以上の知能があるなら、この提案を受け入れて、チームメイトの不満を解消しない手はない』

ダージリン『よって、ギリギリに現れしれっと転校手続きをした旨を伝えることこそベスト』

ダージリン『おわかりいただけたかしら?』

エリカ「……そうね」

エリカ「確かに、あからさまに弱い相手がパワーアップしてくれるというなら、私でも受けるわ」

エリカ「黒森峰も西住流も、そのうえで相手を倒せると信じているもの」

ダージリン『だからみほさんに負けたのでしょうけど』 フフ

エリカ「そうやって私達には全敗なのにすぐ対大洗の成績でイキる点が最高に嫌いなのよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/03(水) 09:50:38.97 ID:G8tufJ4Yo<> 寝落ちていてこんな時間なので寝ます。テレビ放送の時期まで終わらないなんて・・・ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 20:15:03.27 ID:gf1Z49n8O<> 乙 いつも楽しみにしてるから敢えて言うがこの量をどうやって去年中に終わらすつもりだったんだよw <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 20:19:15.77 ID:Lddtu1DS0<> 乙ー
この無駄なやり取りが最高に好きだから戦車戦も端折るなんて言わないでまったりやってほしい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 03:00:28.18 ID:CpDAdZkqO<> 去年どころか一昨年で終わるみたいなことを言っていたよーな…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 04:56:21.25 ID:wPPj1Asyo<> 有難いお言葉ありがとうございます、当初はもっとサクサク行くと思ってたので、もう尾田栄一郎先生に何も言えない……

投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 05:10:15.61 ID:wPPj1Asyo<>
ダージリン『まあ、そんなわけだから、きちんとギリギリに現れて、その旨を説明なさい』

エリカ「ちっ……」

エリカ「まあ、その辺は隊長なら上手くやってくれるだろうけど……」

小梅「口下手なのに、こういうのはお上手ですもんね」

エリカ「西住流後継者として色んな政治的なやり取りを経験してるからね」

ダージリン『あらあら、結局愛する隊長さんに甘えるのね』

エリカ「……ほんと癪に障る言い方ね」

ダージリン『まあいいわ』

ダージリン『私は他の隊長達に声をかけるから、貴女は愛する隊長さん(笑)にちゃんと説明しておきなさい』

エリカ「何か今ムカつく言い方しなかった?」

エリカ「っていうか、はあ!?」

エリカ「アンタの提案なんだから、隊長にはアンタから……」

ダージリン『嫌よ』

ダージリン『それでは面白くないでしょう?』

エリカ「おもっ……」

ダージリン『愛する妹さんを助けたいから一緒に転校してくださいと、貴女の口から伝えてちょうだい』

ダージリン『出来れば、うぷぷ……動画もよろしくね』

ダージリン『忠犬からの初めてのお願いにどんな顔をするのかしら』

エリカ「……!」

小梅「やめて逸見さんスマホを事あるごとに投げようとしないで動画とらなきゃいけないんだから」

エリカ「撮るなっつってんのよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 05:30:41.13 ID:wPPj1Asyo<>
エリカ『いや、隊長にそんなこと言うのは恐れ多いというか……』

エリカ『誰よりいろいろな重責を背負ってる方なのに、大洗に転校しろだなんてとても……』

エリカ『ましてや西住流の象徴』

エリカ『黒森峰以外の学校に所属するなんてこと、ありえない……』

ダージリン「あら、それは本人がそう言っていたのかしら?」

エリカ『そ、そういうわけじゃ……』

エリカ『でも、隊長は――』

ダージリン「そう、貴女の中の西住まほ像にすぎないうえに、その体現者であることを求めているのね」

エリカ『なっ、私は別に、自分にとっての隊長像を強要したりなんて……!』

ダージリン「そういう盲信が、西住まほを偶像に縛り付けてしまっているのではなくて?」

ダージリン「あるいは、西住みほという存在にも――」

ブツッ

ダージリン「あらあら、切られてしまったわね」

オレンジペコ「そういうことを言うから敵が増えるんですよ」

ダージリン「思った言葉を飲み込んでぬるま湯のような関係になるよりはマシよ」 フフ

オレンジペコ「そうだとしても、ぬるま湯から地獄の釜茹でじゃ極端すぎるんじゃないかと」

ダージリン「そうでもしないと動かなさそうですもの」

ダージリン「……戦車道も人間関係も、今後続いていくものよ」

ダージリン「どうせなら、みほさんのように、余計なことに縛られず本領を発揮した姿で相対したいじゃない」

オレンジペコ(今後も続くんだから、もうちょっとやり方をどうにかしたほうがいいような……)

オレンジペコ(口にしたら変な格言言われそうだから言わないけど……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 06:16:44.93 ID:wPPj1Asyo<>
ダージリン「さて、私達は早速支援要請と書類作成に移りましょうか」

アッサム「詳細を話す前に煽って切られてしまったけど、黒森峰から転校する人間の情報はどうするつもりで?」

ダージリン「ラインで赤星小梅さんにでも聞けばいいでしょう」

ダージリン「それよりも問題は援軍ね」

アッサム「プラウダからはもう返信がありましたね」

アッサム「4輌で向かってくるそうです」

オレンジペコ「サンダースも多分大丈夫だとは思いますけど……」

アッサム「真っ先に私達に廃校の情報を流してきたのはサンダースだものね」

ダージリン「サンダースは戦車を大洗から預かったときからいつでも殴り込みが出来るように準備していたと返信があったわ」

オレンジペコ「寝坊さえしなければアンツィオも来てくれるかと」

ダージリン「問題は継続高校ね」

アッサム「実力的に十分で、援軍に来てくれる可能性もあるとすればここですからね」

アッサム「まあ、色々と気分屋なので、来るかどうかは五分五分ですが……」

オレンジペコ「スマホどころかケータイ電話を持っているかも怪しいですからね……」

ダージリン「ふむ……」

ダージリン「カチューシャに連絡して、プラウダに食料を使ったトラップでも仕掛けさえようかしら……」

アッサム「伝書鳩のサヴェジ・ガーデンならば連絡可能なのでは?」

オレンジペコ(うーん、不安……)

ダージリン「更に言うと、頭数を揃えるなら、残りは知波単学園ということに……」

アッサム「……無理して頭数を揃えない方がマシなのでは?」

ダージリン「…………」

ダージリン「それは、えー……」

ダージリン「あっ、こんな格言を知ってる?」

ダージリン「枯れ木も山の賑わい」

オレンジペコ(ふ、不安だなあ……)
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:21:10.23 ID:wPPj1Asyo<>
エリカ「……思わず切っちゃったわ……」

小梅「あーあ……」

小梅「まあラインでやり取り出来るからいいけど……」

エリカ「つっても、ラインってアレでしょ」

エリカ「逸見の森のグループも解散したわけだし、友達登録とかしてないと連絡取るの難しいんでしょ」

小梅「え? グループ自体はまだ残ってるよ」

エリカ「は?」

小梅「森は焼いたけど、ゲストで来てくれた他校の人とやり取りできなくなるの不便だし……」

エリカ「いやまあそりゃそうだけど……」

小梅「でも折角森を焼いたわけだし、そのまましれっと交流するのも憚られたから……」

エリカ「まず森を作る段階で憚れ」

小梅「跡地に逸見さんのテーマパークを作ったの」

エリカ「何言ってんだお前」

小梅「これによって誰しもがキャストとして逸見さんになれるし、素の自分でお客さんにもなれる夢の国が誕生したんだ」

エリカ「何言ってんだお前」

小梅「題して、増長・逸見ーランド」

エリカ「ウォルトに叩き潰されろ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:23:20.40 ID:wPPj1Asyo<>
小梅「まあそんなわけで一緒にみほさんを助けに行ってくれるメンバーを探さないとだよ」

エリカ「……大洗の生徒になるという大義名分があるとはいえ……」

エリカ「立場とかリスクとか色々あるし、時間制限もきつい」

エリカ「結構厳しいことになりそうね……」

小梅「そう?」

エリカ「私は勿論行くつもりだけど……」 チラッ

小梅「ん〜?」

エリカ「……」

小梅「……」 ニコニコ

エリカ「……」

小梅「……」 ニコニコ

エリカ「……私が何を言いたいかわかってるくせに黙ってるでしょアンタ」

小梅「あ、ばれた?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:27:28.47 ID:wPPj1Asyo<>
エリカ「いい加減アンタのふざけた部分が分かるようになってきたわ」

小梅「えへへ……何か嬉しいなあ」

エリカ「……で、どうなのよ」

エリカ「アンタは手を貸してくれるわけ?」

小梅「んー」

小梅「私も逸見さんの口から直接どうしてほしいか聞きたいなあ、なんて」

エリカ「…………」 チッ

小梅「ああっ舌打ちッ」

エリカ「あんた最近ほんと面倒臭いわね」

小梅「自分で言うのもなんだけど、大事な試合で水没し生命の危機に瀕したのに大半の仲間から見捨てられて」

小梅「そのうえに周囲から責められ続けたら嫌でも面倒臭い性格になっちゃうよ」

エリカ「重い重い重い重い重い」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:29:59.29 ID:wPPj1Asyo<>
小梅「……私も本当は、軽い感じで付き合っていけたらなあ、なんて思ったりするんだけどね」

エリカ「いや別に勝手にやればいいじゃない、誰も止めないわよ」

小梅「それこそ、その、下の名前で呼んだりあだ名で呼びたいなー、なんて思ったりなんかしちゃったり……」

エリカ「だからたまに唐突にエリカとか呼んできたのね……」

エリカ「くだらないわねえ、呼び名なんて何でもいいじゃない」

小梅「じゃあ今から逸見さんのこと、『西住みほの補欠合格副隊長』って呼ぶね」

エリカ「ぶっ殺すぞ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:43:03.90 ID:wPPj1Asyo<>
小梅「……でもさあ、なんていうか、呼び名って安定しないことってあるじゃない」

エリカ「まあ、あだ名とかあるヤツはそうなるかもね」

エリカ「あとはTPOでも異なるだろうし」

小梅「隊長のことを戦車道の時間は隊長としか呼ばないけどベッドではまほたんって呼んでる、みたいな?」

エリカ「その例えやめろ」

小梅「……それにさ」

小梅「逸見さん、昔はみほさんのこと、下の名前で呼んでたよね」

小梅「……今も呼べる?」

小梅「あの時と、同じ感情で」

エリカ「…………」

小梅「……難しいよね。呼び方一つで、距離感みたいなものが出ちゃうし」

小梅「嫌われてるかもしれないって思うと、怖くてなかなかね」

エリカ「……不器用で、コミュニケーションが低いヤツに限る話でしょ」

小梅「かもね」

小梅「でもほら、私も逸見さんも。ついでに隊長やみほさんも、そういうスキル、ダメダメだからさ」

エリカ「……ソレは、まあ、確かに」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:46:51.62 ID:wPPj1Asyo<>
エリカ「でも、ま、私相手にはそんなに畏まらなくてもいいわよ」

エリカ「……いや少しは畏まれと思うけども」

小梅「本当?」 パァァァァ

エリカ「エリカでも何なり好きに呼べばいいわ」

小梅「じゃあ、人間タンク逸見で」

エリカ「やめろ」

小梅「それじゃあ私は他の協力者を探すから、人間タンク逸見さんは隊長に話を――」

エリカ「やめろっつってんでしょ!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:51:22.64 ID:wPPj1Asyo<>
小梅「じゃあ、エリカさん」

エリカ「そうしときなさい」

小梅「えへへ……エリカさんエリカさんエリカさん」

エリカ「何を急に、怖いわね」

小梅「何か、本格的にお友達になったなーって感じが……」

エリカ「意味分からないわね」

小梅「またまたあ〜」

小梅「突然西住隊長が期待のルーキーを『逸見』でなく『エリカ』と呼ぶようになってたじゃないですか」

小梅「隊長の性格的に自ら下の名前で呼びたがったってことはないでしょうし、つまり――」

エリカ「ば、馬鹿な話をしてないで他に援軍を探すわよ一分一秒が惜しいのよ1!!!!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/01/05(金) 07:55:57.44 ID:wPPj1Asyo<> まほエリパートを終わらせる予定だったのにズルズル眠気と戦ってたらこのザマ
眠いので寝ます、申し訳ない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 11:00:40.13 ID:6nA0VG9hO<> 乙。まったくいい性格してやがるなここの赤星はw
エリ小梅の掛け合いほんとすこ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 11:46:59.91 ID:N+KQiNEOO<> 乙 可愛いなぁ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 14:52:01.61 ID:3Tw60s/a0<> エリ小梅もありやな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 00:28:09.38 ID:H2Ul9Eq/O<> みほ、まほ、小梅、W号と、カプ相手には困らないな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 09:15:31.89 ID:O7GJ3FnD0<> >>188

そろそろ起きてほしい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 15:28:28.27 ID:O55nFjZnO<> 起きました、ちょっとだけですが投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 15:46:05.37 ID:O55nFjZnO<>




まほ「――なるほど、短期転校、か」

エリカ「はい」

まほ「……他に誰を呼ぶか決めたのか?」

エリカ「いえ……」

エリカ「赤星の所の連中と、うちの連中は全員来てくれるとのことでしたが……」

まほ「うちからは4台出せる」

まほ「マウスやエレファントは輸送が間に合わないが……」

エリカ「あれだけの戦力を持っていけたら上等かと」

まほ「……赤星はどうしている?」

エリカ「赤星車のメンバーや私の戦車のメンバーに色々説明してくれてます」

まほ「そうか」

まほ「……エリカ」

エリカ「はい」

まほ「……これは西住まほ一個人として、西住みほの姉としての言葉だ」

まほ「ありがとう」

まほ「……これで、あの子の力になってあげることができる」

エリカ「隊長……」

まほ「これは隊長としての言葉じゃないと言ったはずだぞ」

エリカ「はっ、し、失礼しましたっ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 15:52:59.91 ID:O55nFjZnO<>
まほ「……エリカ」

エリカ「……はい」

まほ「意外だったか、私の口からあんな言葉が出てきたのが」

エリカ「あ、いえ、その……」

まほ「……いいんだ」

まほ「黒森峰隊長として、そして西住流後継者として、似つかわしくないことを言った」

まほ「その自覚はあるし、普段なら口にしていない」

まほ「……表面上でも、甘い考えで学校全体に影響を及ぼしかねないことをしたことを諌めていたかもしれない」

エリカ「……」

まほ「それも私だ。隊長として、チームのためを想い、心を鬼にして厳しく振る舞う」

まほ「紛れもなく、それも私」

まほ「だが――みほのことを心から心配しているのも、また事実だ」

エリカ「隊長……」

まほ「……責任があるというのは大変なことだ」

まほ「シンプルには生きられなくなる」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 15:57:17.12 ID:O55nFjZnO<>
まほ「いや――責任は関係ないのかもしれないな」

まほ「それなりに心が成熟してきた人間なら、きっと誰だってそうだ」

エリカ「……」

まほ「人間とは非常に複雑で不思議なものだ」

まほ「一言で評するなど出来ようはずもない」

まほ「私が戦車一筋で自戒的な誰より厳しい隊長というのは間違いではない」

まほ「だがそれが100点満点の真実というわけでもない」

まほ「私だってもっと距離を詰め、フランクなチームにしたいと思うこともある」

まほ「では『西住まほは現在の黒森峰戦車道チームを変えたがっている』までいくかと言われるとそうでもない」

まほ「……人間は複雑で多角的だ」

まほ「一方向から見るだけでは、分かったつもりになれるだけで、その人のことを何も分からない」

まほ「どれだけ多面的に見たって、見落としている面が出てきたりする」

まほ「大洗に行き成長したみほもそうだし、こうしてみほのために他校と手を取るエリカの今の姿だってそうだ」

まほ「私には知りもしなかった、とても素敵な一面だ」

エリカ「す、素敵だなんてそんなっ……///」 テレテレ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 16:06:37.55 ID:O55nFjZnO<>
まほ「……」

まほ「人には色んな面があるし、一言で表すことは出来ない」

まほ「それでも敢えてエリカを一言で表すなら、『真面目で純粋過ぎる』だと、今は思う」

エリカ「純粋……ですか……?」

まほ「ああ」

まほ「黒森峰戦車道に対する憧れや、その隊長・副隊長という存在に求めるもの」

まほ「どこまでも純粋で、悪く言えば悪意のない偏見に満ちてしまっている」

エリカ「そ、そんなことは……」

まほ「そして真面目が故に、その水準に満たない弱さを許せない」

まほ「他者に対しても、自分に対しても」

エリカ「……」

まほ「みほへのあたりの強さも、きっとそういうことなんだと思っている」

エリカ「それは……」

まほ「だが……一口にソレを治せとは言わない」

まほ「その真面目さと純粋さが、今のエリカの強さを築き上げたのも事実だ」

まほ「長所でもある部分を捨てろとは言えない」

まほ「だから――もう少しだけでいい。心にゆとりを持って欲しいと思う」

エリカ「ゆとり、ですか……」

まほ「ああ」

まほ「闇蜘蛛に寛大になれ、と言っているわけではない」

まほ「負の側面を見て、即座に駄目だと切り捨てないでほしい」

まほ「角度を変えれば、そこは長所の可能性もある」

まほ「……私では、西住流の規範に縛られて、異なる角度を取り入れられないことも多い」

まほ「そのスキルが高いみほに敗れたこともある」

まほ「……エリカはまだ、ただの一門下生だ」

まほ「そのことを活かして、広い視野で世界を見てほしい」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 16:16:37.58 ID:O55nFjZnO<>
エリカ「私に、出来るでしょうか……」

まほ「あまり難しく考えることはない」

まほ「そんなに複雑なことでもないさ」

まほ「……例えば、ダージリン」

まほ「エリカはダージリンをどう思っている?」

エリカ「いけ好かない上品ぶった格言女、ですかね……あと紅茶」

まほ(思った以上にボロクソだ……)

まほ「そんな女、こんな緊急事態に頼れると思うか?」

エリカ「う、それは……」

まほ「大方赤星が言い出したのだろう」

まほ「赤星はダージリンを評価しているからな」

まほ「……ケイのようなノリが出来るタイプでもないし、かといって私やカチューシャのような振る舞いが出来るタイプでもないからな」

まほ「ダージリンのようなトップになりたいと思ったんだろう」

エリカ(だから最近癪に障るトークが多いのか……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 16:22:00.18 ID:O55nFjZnO<>
まほ「どちらのダージリンも、嘘偽りなくダージリンだ」

まほ「赤星から見た『頼りになってジョークも言える優雅な戦車乗り』としてのダージリンも」

まほ「エリカから見た『クソいけ好かない格言がウザい癪に障る紅茶女』としてのダージリンも」

エリカ「……」

エリカ(そこまで言ったっけ……)

まほ「どちらの側面もダージリン」

まほ「一方向だけ見て盲信することも、一方向だけ見て遠ざけるのも、勿体無いことだと思う」

エリカ「……」

まほ「みほを遠ざけるのもそう」

まほ「……私を崇拝するのもそうだ」

エリカ「隊長……」

まほ「視野を広げて、客観的に私を見て、自分だけの戦車道を見つけてくれ」

まほ「……私の劣化コピーなんか目指さなくていい」

まほ「その道の先は、10連覇を逃したうえに2年連続王座を逃す無能の将だ」

エリカ「そ、そんなことは……!」

まほ「事実だ」

まほ「……だが、違う角度で見れば、私にだって歴代隊長に勝る点があると思っている」

まほ「だから、一方向だけ見て盲信せず、きちんと私を見た上で、見習える点だけを見習ってほしい」

まほ「来年黒森峰の手に名誉をもたらすのは、お前なのだから」

エリカ「隊長……」

まほ「それに私だってエリカがハンバーグ吐き出すとか知らなかったからな、人間は本当に多面性を持っている不思議なものだ」

エリカ「折角めちゃくちゃいい話風だったのに!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 16:31:32.77 ID:O55nFjZnO<>
まほ「あとは、ほら、あれだ」

まほ「助っ人ならアンツィオとか頼みやすいだろう?」

エリカ「あー確かに」

エリカ「気兼ねはいらない感じしますね」

まほ「それに、義理人情に厚く頼りになる」

まほ「ああ見えて、安斎は戦車乗りとしてはピカイチだからな」

エリカ「まあ、隊長が評価するだけはある技術は持ってますね……些か甘い所がありますけど」

まほ「モチベーターとしては優秀だし、実は悩みを相談したこともある」

エリカ「!?」

まほ「口は固いし、真剣に悩みを共有してくれるからな」

エリカ「た、確かにそんな気はしますけども!」

まほ「だがこういう策謀系の相談をアンツィオに出来るか?」

エリカ「絶対無理ですね」 スッパリ

まほ「即答だな」

まほ「だがその通りだ」

まほ「合同練習やらで色んな面を見てきたからこそ、そう言える」

まほ「こういう相談は安斎でなくダージリンだと」

まほ「……だが、決して安斎を無能と思っているわけではない」

まほ「駆けつけてさえくれたら、存分に役立ってくれるだろう」

エリカ「そうですかあ?」

エリカ「腕はともかく、戦車がアレじゃあ……」

まほ「その“アレ”でマジノを倒したのが安斎達だ」

まほ「……物事を多角的に見た上で評価をすることで、一律で無能・有能とレッテルを貼るだけでなく、適材適所を見極められるようになる」

まほ「……まだ難しいかもしれないが、心に留めておいてくれ」

エリカ「……はい」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 16:34:44.93 ID:O55nFjZnO<>
まほ「さて、それじゃあ残りの1輌のメンツはエリカに任せるとしよう」

エリカ「えっ」

エリカ「きょ、今日中には最終確定メンバーを連絡しないと書類の関係もあるんですけど……」

まほ「だからこそだ」

まほ「私は信頼が厚いという側面もあるが、逆らえないような存在であるという一面が悲しいがある」

まほ「私が言ってしまえば、不本意ながら参加せざるを得なくなる者も出てくるだろう」

まほ「こんなリスキーな闘いに、そんな形で巻き込まれる人間はなくしたい」

まほ「それに、立場を使って参加させる形になってしまえば、それこそ黒森峰単位での助っ人になってしまうからな」

エリカ「かといって、私なんかじゃ……」

まほ「出来る」

まほ「エリカなら、出来る」

まほ「……最近のエリカは、以前よりいい顔で輪の中にいるようになった」

まほ「今のエリカになら、出来る」

まほ「それに、来年からはエリカが皆を率いるんだ」

まほ「こんな所で躓いていられないだろう?」

エリカ「……っ」

エリカ「はいっ……残りのメンバー集め、おまかせ下さいっ……!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 16:37:36.88 ID:O55nFjZnO<>





直下「へえ……短期転校ねえ……」

エリカ「……無理にとは言わないわ」

エリカ「リスクだって大きいし」

小梅「同調圧力とかには屈してほしくないよね」

直下「ところで、何で私なの?」

エリカ「……あんたは比較的色々軽いヤツだから」

直下「え、それ褒めてる?」

エリカ「半々よ」

エリカ「黒森峰らしからぬ軽さとか、自覚の薄い感じとか、正直前から気に入らないポイントだったし」

直下「うわあハッキリスッパリ」

エリカ「……でも、そういう世間体とか黒森峰らしさに固執してないあんただから頼めるの」

直下「気に入らない相手なのに?」 ニヤニヤ

エリカ「……そうね」

エリカ「今でもムカつくことはあるわ」

エリカ「でも――嫌いってわけじゃない」

小梅「わお」

エリカ「許しがたいラインというのはある」

エリカ「でも――そのラインが高すぎたのも、今は認めているから」

エリカ「あんたはあんたなりに2年間頑張ってきた」

エリカ「私はそれを、同じ部屋で見続けていたのよ……」

エリカ「だから、今なら分かるわ」

エリカ「あんたは隊長や私、他校の隊長連中ほど強くない」

エリカ「だけど――決して弱くなんてない」

エリカ「それに、形は違えど、戦車道には真剣」

エリカ「だから、しがらみに縛られてないこともあって、頼みたいのよ」

エリカ「……力を貸して」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 17:08:06.67 ID:O55nFjZnO<>
直下「……まァ、全国大会じゃ履帯壊されていいとこなかったしなー」

直下「ここいらでちょっとくらい目立っておくのも悪くないかな」

エリカ「あんた……」

白星「私達もいますよ」 バーン

エリカ「あ、アンタ達……」

黒星「もう聞いてるかもしれませんけど……私達は皆、力をお貸ししますよ」

逸見者砲手「へへ……皆にばっか、いい格好はさせられないもんね」

ジェイド「直下さんの搭乗員は三年生で予備校の授業が有り参加できないようでしたし……力を貸しますよ」

ブロッケンJr「へっ、寄せ集めチームでもやれるってことを教えてやるぜ」

エリカ「……本当にいいんでしょうね」

エリカ「勝てたらいいけど、負けたら恐らく相当惨めな日々が待ち受けてるわよ」

直下「やる前から負ける後のことを考えるアホはいないって」

ジェイド「シュトロハイム先輩も、謹慎じゃなきゃ駆けつけようとしてたみたいですしね」

エリカ「あんたら……」

エリカ「あの子のために、そこまで……」

小梅「……まあ、私はみほさんのためっていうのが大きいし、少なからずそれもあるだろうけど……」

小梅「皆、みほさんのためじゃなくて、エリカさんのために、力を貸してくれるんだよ」

エリカ「え……?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 17:17:57.25 ID:O55nFjZnO<>
黒星「元副隊長のみほさんにもお世話にはなりましたけど……」

白星「引っ込み思案な人だったから、交流は少なかったし……」

逸見車操縦手「まあ、逸見さんも交流多くはなかったけどさ」

逸見車装填手「でも、そばにいて、力にはなってあげたいって思ったんだ」

直下「ハンバーグ吐き出してから、なんか憎めなくなったしね」 ケラケラ

エリカ「あ、あんたねえ……!」

ブロッケンJr「お前は自分を顧みず西住みほを助けたくて……」

ブロッケンJr「俺達はそんなお前を助けてやりたい」

ブロッケンJr「そこに何の違いもありゃしねえだろうが!!」

エリカ「違うわよ!」

エリカ「ったく……バカね……ほんと……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 17:20:22.25 ID:O55nFjZnO<>
エリカ「……」

エリカ「焼肉」

小梅「え?」

エリカ「きっちり勝って、焼肉で打ち上げをするわよ」

直下「え、おごり〜?」

エリカ「ええ」

白星「うそ、ほんと!?」

エリカ「……それで貸し借りはなしよ」

小梅「もー、貸し借りなんかじゃないからいいのに」

小梅「……まあ、素直に受け取っておこうかな」

小梅「皆も盛り上がってるし」

エリカ「……ふん」

小梅「楽しい焼肉の席になるといいね」

エリカ「……そのためには、絶対勝つわよ」

小梅「うん……」

エリカ「ほら、そうと決まれば準備をするわよ!」

エリカ「今夜発たないと間に合わないんだからね!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 17:46:21.33 ID:O55nFjZnO<>
ダージリン「それじゃあペコ、通信をお願いするわ」

オレンジペコ「はい」

ダージリン「秋の日の、ヰ゛オロンのためいきの」

オレンジペコ「ポール・ヴェルレーヌですか」

ダージリン「船漕ぐ浦の朱の鳥」

オレンジペコ「悲報島殺人事件ですね全然関係なくないですか」

ダージリン「冗談よ」

ダージリン「……サンダースもプラウダもまともに読んでくれそうにないから小粋なジョークでも仕込もうかと」

オレンジペコ「やめてください真面目に読みそうな知波単あたりが混乱したらどうするんですか」

ダージリン「…・…それは……困るわね……」

オレンジペコ「深読みして迷走しかねませんからね……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 17:47:29.32 ID:O55nFjZnO<>
エリカ「……熱い紅茶ですね」

まほ「ああ」

まほ「だが、紅茶を熱くさせたのは、お前だよ、エリカ……」

エリカ「隊長……」

ティーパックマン「紅茶はHOTに限るぜ!」

エリカ「誰だ今の」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 17:51:45.87 ID:O55nFjZnO<>
アンチョビ「よーし行け行け行け行け〜!」

アンチョビ「私達の壮行会で盛り上がりすぎて遅れましたじゃシャレにならないぞー!」

ペパロニ「屋台置いてまで来るなんて、マジっすねー」

アンチョビ「当たり前だ!」

アンチョビ「……私は、大洗の連中が好きなんだ」

アンチョビ「こんな形で、あの子達の夢を奪わせてたまるか!」

ペパロニ「気負いすぎない方がいいんじゃないっすかー、撃墜とか出来る戦車じゃないんですし」

アンチョビ「おまえなー!」

カルパッチョ「撃墜は名門校に任せて、私達は私達に出来ることをしてたかちゃんを救えばいいんです」

アンチョビ「そうだそうだ」

アンチョビ「サンダースは気合十分らしいし、プラウダも風格を見せつけて多分今頃カチューシャは優雅に飯でも食べてるだろうしな」

アンチョビ「私達は弱くない、いや強い!」

アンチョビ「だがプラウダ達と同じ土俵に上がることはない」

アンチョビ「同じ土俵に偏るより、私達にしか出来ない形で協力する方が大事なはずだ!」

ペパロニ「おおー、なんかそれっぽい」

カルパッチョ「さすがです」

アンチョビ「だろー?」

ペパロニ「ドゥーチェ! ドゥーチェ!」

アンチョビ「はーっはっは!」

ペパロニ「ドゥーチェ! ドゥーチェ!」

カルパッチョ「ちょ、狭いんだからあまり動きは……」

カルパッチョ「って、前、前! 操縦桿から手を離さないで〜!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 17:53:43.44 ID:O55nFjZnO<>
絹代「紅茶って飲んだことないんだよなあ……」

絹代「……」

絹代(でも闘いに行くって聞いてたのに、紅茶ってどういうことだろう……)

絹代「……」

絹代(まあ、行けば分かるか)

絹代(様々な可能性を考慮した結果、どうあれ突撃するしかないもんな!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 18:01:44.38 ID:O55nFjZnO<>
アキ「お茶会、楽しそうだよ?」

ミカ「刹那主義には賛同できないね」

アキ「助けてあげようよお」

ミカ「……」

アキ「ねえミカったら〜」

ミカ「……黒森峰」

ミカ「この件には、黒森峰が噛んでいるそうじゃないか」 ポロローン

アキ「もー、なんだかんだで調べてるんじゃん」

ミッコ「……ん? 黒森峰って……」

アキ「うっ……ハンバーグを吐き出して戦車を倒す……」

ミカ「……刹那主義には賛同できないね?」

アキ「そうかも……」

ミッコ「……でもあのヤバいヤツがいるところに恨まれたくもないような……」

ミカ「……」

アキ「……」

ミッコ「……」

ミカ「……」 ポロローン <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/02(金) 18:02:16.36 ID:O55nFjZnO<> きりがいいので投下を終了します。
ようやく大学選抜戦がやれる……気長にお付き合いお願いします。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/02(金) 21:02:46.39 ID:tVaVq4RGO<> 乙
某同人じゃ継続参戦の理由が過去にみほのからあげ弁当を喰い散らかした借りを返すためって酷いネタがあったけどこっちの継続も大分酷いな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/02/03(土) 04:49:32.61 ID:14sSVgrf0<> 乙
確かにハンバーグを砲撃してくるヤツに恨まれたくないから出るってのは字面だけでもヤバい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/03(土) 04:50:16.26 ID:14sSVgrf0<> sage忘れてたスマヌ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/03(土) 15:58:11.44 ID:bWH6m4j9O<> ちゃんとシリアスな話をしているのに、そのうらでボロクソな扱いを受けるエリカ…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:08:58.43 ID:0xPhTGs8o<> まとまった時間が取れてなさすぎるので、数レスでもいいから空いた時間に投下しようと思います <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:14:30.10 ID:0xPhTGs8o<>
まほ「これを」 スッ

エリカ「……なんですかこれ」

まほ「大洗の制服だ」

まほ「一応短期転校扱いだからな、きちんと着たほうがいいだろうとのことだ」

エリカ「多分ほとんど着てみたい、くらいの軽いノリですよそれ……」

まほ「……幼いときから、黒森峰の制服に袖を通すものだと思っていた」

エリカ「そりゃあそうですよ」

エリカ「私だって、黒森峰ではない隊長は想像がつきません」

まほ「……昔は、私もみほに対してそう思っていたよ」

エリカ「隊長……」

まほ「まったく、人生とは分からないものだな」

まほ「それなのに、今はこうしてみほと同じ他校の制服に袖を通している」

まほ「……分かりきっている人生より、こうして予想のつかない人生の方が、いいのかもしれないな」

エリカ「隊長……」 タパタパタパ

まほ「どうしたエリカ滝のように鼻血が」

エリカ「いえあのまさかここで着替え始めるとはいえなんでもないですありがとうございます」 タパタパタパ

まほ「?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:26:30.05 ID:0xPhTGs8o<>
エリカ「それにしても、よく間に合いましたねこの制服」

まほ「そんな恥ずかしそうに脱ぐなら別室で脱いでもいいぞ……?」

エリカ「あ、大丈夫です照れ臭いですがこの場で脱ぎます」

まほ「そ、そうか……」

エリカ「急遽参戦が決まった奴らの分まで入っていたし……」

まほ「ああ、宅配便じゃなくて、先回りした聖グロの機動部隊が宅配してくれたんだ」

エリカ「へえ」

まほ「早めに現地近くに陣取っていたらしくてな、近づく私達に対して差し向けてくれたんだ」

エリカ「まあ、到着がギリギリになりそうな連中もいますし、出欠確認兼ねて差し向ける方がいいか……」

まほ「今回の騒動を表面上取り仕切っているしな」

エリカ「ひょ、表面上って……」

まほ「裏では誰よりみほ達を助けたがってダージリンを動かした奴がいるんだろう?」 フフ

エリカ「……あっ、そ、そろそろ着きますし、ちょっと休みましょう!!」

エリカ「ここからが本番ですし!」

まほ「ああ、そうだな」 フフ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:28:12.55 ID:0xPhTGs8o<>


エリカ「ちょっと赤星!」

エリカ「これ間に合うんでしょうね!」

小梅『足回り弱いから思ったより時間かかっちゃった……』

直下『ギリギリのギリをついたのがいけなかったんじゃ……』

エリカ「ど、どうしましょう隊長!?」

まほ『やむを得ないな』

まほ『拡声器を取ってくれ』

エリカ「た、隊長……?」

まほ『待ったーーーーーーーーーーーーー』

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:45:11.31 ID:0xPhTGs8o<>
みほ「あ……」

小梅『あ、こっち気付いたみたい!』

エリカ「危うく間に合わないところだったわ……」

小梅『見て見てエリカさん、こっち見てるよ!』

小梅『みほさんがこっち見てる!!』

エリカ「だから何よ!!」

小梅『エリカさんがなんとしても救いたかったみほさんがこっち見てるよ!!!』

小梅『よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! きゅんきゅんきゅい!!』

エリカ「ちょっとは黙って移動できないの履帯ぶっ壊すわよ!!」

逸見車操縦手「お、落ち着いて逸見さん……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:47:47.59 ID:0xPhTGs8o<>
みほ「お姉ちゃん……」

小梅『状況確認、みほさんの口の動きから、隊長のことを思わず口にした模様!』

直下『こちらでも確認、あの口の動きは恐らく「お姉ちゃん」かと!』

エリカ「あんたら、何がしたいのよ……」

小梅『どうしよう、呟いてもらってないっぽいよエリカさん!!』

直下『あれだけ必死に助けようとしているのに呼ばれてないよ!!』

エリカ「うっさいわね!」

エリカ「仕方ないでしょ、隊長は姉妹なんだから!」

小梅『んっふっふー』

エリカ「何よ気持ち悪い」

小梅『仕方ないって言ったよね〜』

小梅『当たり前、じゃなくて、仕方ない、って』 ウププププ

エリカ「……っ!」

小梅『やっぱ仕方がないって自分を納得させてはいるけれど、呼ばれないとショックだよね』

エリカ「ち、違うわよ、そんなんじゃ――!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:53:06.35 ID:0xPhTGs8o<>
小梅『降りちゃえ降りちゃえ』

エリカ「は?」

小梅『書類を見せつけるために隊長が降りるでしょ?』

小梅『一緒に降りなよ』

エリカ「な、そんなこと――」

まほ『……ふっ』

まほ『行くぞエリカ』

エリカ「た、隊長!?」

まほ車通信手『ああほら、隊長出ちゃったよエリカちゃん!』

エリカ「う、うう〜! もう!」 ガチャッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:55:06.64 ID:0xPhTGs8o<>
まほ「大洗女子学園、西住まほ」

エリカ「同じく、逸見エリカ!」

エリカ(やば、今声裏返ったかも……)

まほ「以下18名、試合に参戦する」

まほ「短期転校の手続きは済ませてきた」

まほ「戦車道連盟の許可も取り付けてある」

みほ「お姉ちゃん……」

エリカ「……」 ドキドキドキ

みほ「ありがとう……」

エリカ(いやいいわよ別に期待していたとかそんなわけじゃないわけだしああでもムカつくわ助けに来てあげたってのにコイツは) イライラモヤモヤ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:57:16.91 ID:0xPhTGs8o<>
ケイ『私達も転校してきたわよ!』

ナオミ『今からチームメイトだから』

アリサ『覚悟なさい』

典子「サンダースが来たぁ!!」

まほ「……」

みほ「お姉ちゃん、これ……」

エリカ「……」

エリカ(戦車から降りたけど、これまだまだ眺めてないといけないのよね……)

エリカ(微妙に何していればいいか持て余すわ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/16(金) 12:57:46.97 ID:0xPhTGs8o<> きりよく乱入まで終わったので投下を終わります <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/16(金) 13:17:03.62 ID:Tqu7TzQ3O<> こんな立役者なのにあらゆるところでまほにいさめられるのか… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/17(土) 19:02:28.40 ID:94kU1c01O<> ちょいちょい変態性欲向けてるし、そら風当たりは冷たいだろうなあ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/18(日) 11:12:53.61 ID:nCbnRjTT0<> 口からハンバーグ発射する奴と作戦会議とか継続は恐怖しかないな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 01:54:28.83 ID:mPWkhxDCo<> 寝付けないから少しだけ投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 02:06:10.88 ID:mPWkhxDCo<>
エリカ「……あ、どうやらアンツィオも間に合ったみたいですね」

まほ「ああ」

まほ「……なんだかんだで安齋もみほのことは気にかけていたようだしな」

エリカ「あの豆戦車で役に立つんですか?」

まほ「使いようだ」

まほ「……弱い戦力を有効活用する技術に関しては、安齋から見て盗んだ方がいいかもな」

エリカ「そうは言っても、うちに弱い戦力なんてありませんが……」

エリカ「ですが、隊長がそう言うなら……」

カルパッチョ『カバさんチームのたかちゃーん』

エリカ「うわっ、何あれ恥ずかしい……」

小梅「エリカさんもアレやったらよかったのに」

エリカ「それ言うためだけにわざわざ戦車から出ないで」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 02:20:47.79 ID:mPWkhxDCo<>
ダージリン『増援は私達全部で22輌だって言ったでしょ! 貴女の所は6輌!!!』

絹代『すみません、心得違いをしておりました!』

エリカ「ホントにあのアホの化身が役に立つんですか?」 ハァー

まほ「そう言うな」

まほ「アレでいて、ただの阿呆というわけでもない」

エリカ「そうですかあ……?」

まほ「ただの阿呆には隊長など務まらない」

まほ「……それに、制服はダージリンが揃えたと言っただろう?」

エリカ「ええ」

まほ「22輌分も用意したと思うか?」

エリカ「……それは……」

まほ「……おそらく、制服は6輌分だけ揃えられたんだろう」

まほ「普通は、そこで気が付く」

エリカ「……普通じゃないくらいアホという可能性も……」

まほ「……」

まほ(ありえない、とまでは言えないな……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 02:34:09.23 ID:mPWkhxDCo<>
まほ「まあ……分かって連れてきたんだと思いたいな……」

エリカ「……それはそれで何がしたいかよくわかりませんが……」

まほ「……私達は遠方だし、出せる人員も限られていた」

まほ「所謂補欠を連れてくる余裕などないほどにな」

まほ「……ある程度の名門であればあるほど、そうだっただろう」

まほ「アンツィオも資金繰りに人員を割かないといけない時期らしいしな」

エリカ「つまり……補欠を連れてきてくれたと……?」

まほ「決勝の応援に遅刻したアンツィオの例もある」

まほ「寝坊せずとも、エンストなどで遅れてしまったり、病気や怪我、土壇場で怖気づくなど様々あるだろう」

まほ「数が足りない状態で試合するくらいなら、知波単の雑兵であれど居る方がずっといい」

エリカ「そうですか?」

エリカ「エキシビション見る限り、居ないほうがマシなケースもあるような……」

まほ「既にみほは知波単学園の駄目な部分を身をもって体験している」

まほ「仮に知波単率が上がったとしても、失敗されたら困る要には起用せず、上手く活用するだろう」

まほ「……素人の肉壁が思わぬ貢献をすることは、私達がよく知ってるだろう?」

エリカ「うぐっ……それはまあ、確かに……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 02:44:34.12 ID:mPWkhxDCo<>
まほ「……勿論、真偽はどうかわからないが……」

まほ「一見ただの阿呆のようでも、実は表に出さないだけで彼女なりに気を使いサポートしてくれようとしている可能性はある」

まほ「心得違いと言っていたのも、気を使わせまいとする彼女なりの優しさなのだろう」

まほ「……これも、阿呆という一側面からしか見てないと気付けない、彼女の素敵な」

エリカ「……隊長は、いいところばかりを見ようとしすぎですよ」

まほ「……そうかもしれないな」

まほ「エリカのことを評価しすぎていたり、な」

エリカ「え、あ、その」

まほ「ふふ……冗談だ」

まほ「だが――過大評価じゃないことを、この試合で証明してくれるんだろう?」

エリカ「……!」

エリカ「勿論です」

エリカ「それに……そのため以外にも、負けられない理由がありますから」

エリカ「もし無様を晒すようなことがあったら、戦車の砲撃をお尻で受けて尾てい骨粉砕骨折してもいいです」

まほ「よくわからないが万が一を考えてそううことを言うのはやめた方がいいと思うぞ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 02:53:11.74 ID:mPWkhxDCo<>
アキ「なんとか受け入れられてよかったねー」

ミッコ「ここまで来て乱入認めません、とか言われたら困ってたもんなー」

ミカ「乱入許可……それは戦車道において本当に大切なことなのかな?」 ポロローン

アキ「大切だよ!」

アキ「っていうか、こんなところにまだいていいの?」

アキ「作戦会議があるんじゃあ……」

ミカ「それは本当にた――」

アキ「いせつだよ!!」

アキ「もう、ちゃんと聞いてこないと駄目でしょ!」

ミッコ「ミカは人見知りだもんなあ……」

ミカ「ミッコにはあまり言われたくないね」

ミッコ「何なら代わりに行ってこようか?」

アキ「珍しい……どういう風の吹き回し?」

ミッコ「いや、ここ居るよりは、作戦会議に出る方が絶対気が楽だなって」

ミカ「……?」

ミッコ「いやだって、隊長会議なんだよね」

ミッコ「でも、ハンバーグ発射する子って、隊長じゃなかったはず」

アキ「そっか……この辺にいるとハンバーグで戦車倒しちゃう子にばったり会いかねないけど、隊長しかいない参戦会議の席なら安全なんだ!」

ミカ「……!」

ミカ「仕方がないね、いってくるよ」 ポロローン

ミッコ「こいつ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 02:55:08.31 ID:mPWkhxDCo<>


みほ「ではこの通り、三個中隊の編成で行きたいと思います」

ミカ「……」

エリカ「……」

ミカ「……」

ミカ(おるがな) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/02/25(日) 03:04:37.91 ID:mPWkhxDCo<> 眠気きたうえに朝クソ早いことを思い出したので寝ますもうしwかえない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/25(日) 03:21:21.64 ID:E2MgJ7AWo<> エリカが苦手になってるじゃないか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/02/25(日) 07:51:22.05 ID:TDSTqhGVO<> 自らフラグをビンビンに立てていくスタイルの逸見であった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 02:47:10.27 ID:KlKcApYjo<> ドリームタンクマッチがどんどん劇場版を補完していて矛盾が出る可能性が出てきてますが、気にしないスタイルで行きます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 03:01:29.89 ID:KlKcApYjo<>
エリカ(しっかし、まあ……)

エリカ(錚々たるメンツが集まったもんね、改めて……)

エリカ(いけ好かないけど、実力は確かな連中ばかりだわ……)

エリカ(正直、これなら簡単に負ける気はしない……)

エリカ(とはいえ……目下の問題はあの謎の急降下爆撃)

エリカ(作戦決定権をある程度こっちらで握れたらいいのだけど……)

桃「……」

桃「なあ、何でちょこちょこ副隊長が混じってるんだ?」 ヒソヒソ

柚子「ノンナさんは、カチューシャさんから離れるって発想がそもそもないみたいで……」 ヒソヒソ

柚子「黒森峰の人も、多分そうじゃないかなあ……」

桃「全く、これだからくっつくしか能がない金魚のフンは……」 ブツブツ

柚子(桃ちゃん、相変わらずブーメラン遊びが上手いなあ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 03:32:02.75 ID:KlKcApYjo<>
みほ「西住まほ選手、ケイさん――」

エリカ(よし、まずは中隊長に隊長がなったわ)

エリカ(……ややこしい字面ね……)

エリカ(まあとにかく、これである程度指示が出せるようになる)

エリカ(隊長が中隊長に選ばれるのは当然といえば当然だけど、地味に助かるわ)

エリカ(隊長の右腕たる私の発言力も少しは上がるだろうし)

まほ「大隊長はみほだな」

エリカ「……」

エリカ(相変わらずどこか抜けたセンスだったり、ポワポワしてるけど……)

エリカ(それでも強いことは、もう嫌ってほど知っている)

エリカ(……果たしてこれだけのメンツをどうさばくのか、見せてもらうわ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 03:40:11.21 ID:KlKcApYjo<>
アンチョビ「作戦はどうする?」

エリカ「!」

ダージリン「行進間射撃しかないんじゃないかしら」

エリカ(あの子がどうするのか見たいけど、でも、島田流と戦うなら……)

ダージリン(……全然聞いてないわね……)

エリカ「楔を打ち込み浸透突破でいくべきよ!!」

エリカ(西住流の凄さを見せつけてほしいっ……!)

みほ「えっと、ひまわりチームを主力として、朝顔とたんぽぽが側面を固めてください」

エリカ「!?」

みほ「連携が取れる距離を保ちつつ、離れすぎないよう注意して下さい」

一同「「「「オーケイ」」」」

エリカ「……」

エリカ(らしくない……)

エリカ(奇手奇策でもなければ、力強さも感じない、普通の戦法……)

エリカ(そりゃ、いつも追い込まれてからが強いタイプだけど……)

エリカ(急造チームだからって、無難なことしてるんじゃないの……?) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 03:52:33.84 ID:KlKcApYjo<>
ダージリン「それで、ここからが肝心なのだけど……」

エリカ(ほぅ)

ダージリン「作戦名はどうする?」

エリカ(このクソ紅茶女……)

エリカ「そんなのどうでも――」

アンチョビ「三方向から攻めるんだから、三種のチーズピザ作戦!!」

エリカ「!?」

まほ「ほう……三方向という点を綺麗に絡めてるな……」

カチューシャ「ビーフストロガノフ作戦がいいわ!!」

カチューシャ「玉ねぎと牛肉とサワークリームの取り合わせは最高よ!」

エリカ(またこいつらは……今後命がかかるかもしれないってのに……)

エリカ(……)

エリカ(でも……コイツラはコイツらで真面目に考えてるし、下手をすると私よりも技量があるのよね……)

エリカ(隊長も人間は多面的って言っていたし、こういう側面があるからって不真面目なわけでも真剣じゃないわけでもない……)

エリカ(……ならば……)

ダージリン「フィッシュアンドチップスアンドビネガー作戦と名付けましょう」

エリカ「……グリューワインとアイスワイン作戦!!」

まほ「エリカ……」

まほ(そうか……真面目すぎる故にこういう場から常に距離をおいていたのに……)

まほ(そうやってワイワイ出来るようになったんだな……)

まほ(それはそれとして)

まほ「好きな食べものと作戦は関係ないだろう」

エリカ「……はい……」

エリカ(空気を読み間違えた……) ショボン <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 03:55:30.83 ID:KlKcApYjo<>
カチューシャ「じゃあ何がいいのよ」

まほ「……ニュルンベルクのマイスタージンガー作戦はどうだ?」

エリカ「……????」

エリカ(ニュル……なんて? オイスターシンガー作戦……?)

まほ「これは三幕からなるオペラで……」

桃「長いッッッ」

まほ「……大隊長、決めてくれ」

エリカ「わ、私は素敵だと思いますよ非常に知的って感じですし!」 アセアセ

ケイ「多分だけどフォローすればするほどダメージになってるわよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 04:05:53.84 ID:KlKcApYjo<>
みほ「コッツン作戦で」

みほ「相手を突き出して、えいってやる作戦なので」

エリカ「何よソレ、迫力ないわねえ」

まほ「それでいこう」

エリカ「えっ」

エリカ「……」 ズーーーーン

アンチョビ(なんかめちゃくちゃ凹んでるなあ)

アンチョビ(継続の連中も最初にカンテレの音怒られてからずっと隅っこに座ってるだけだし……)

アンチョビ(これから試合だっていうのに、大丈夫なのかな……)

みほ「パンツァー・フォー!」

エリカ(私の意見にはツッコミすらくれなかったのに……やっぱり隊長にとって一番大切なのは……) ズーーーーン

ミカ「……」

ミカ(早くカンテレ弾きたい……黒森峰の人達早く行ってくれないかな……) ズーーーーン

アンチョビ(大丈夫なのかなあ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/01(木) 04:09:17.17 ID:KlKcApYjo<> 眠すぎるので寝ます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/03/04(日) 17:26:23.05 ID:RMt+Zx/S0<> ようやく選抜戦がみれるな楽しみ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 03:28:21.56 ID:FjwRHXZ8o<> ドリームタンクマッチで色んな赤星さんが見えてきたけどスレの赤星は据え置きで進行します(少しだけ投下します) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 03:46:35.44 ID:FjwRHXZ8o<>



エリカ「はあ……」

エリカ(あの子の凄さはいい加減認めてるけど、それでも隊長の寵愛を受けてる事実はこたえるわね……)

エリカ(悔しいわ……) ギリ

杏『頂上に敵はいないみたいだよー』

カチューシャ「だったらすぐに取るべきよ!」

まほ「大隊長の判断を乞う」

エリカ「……」

エリカ(上下関係は絶対だから大隊長のあの子に指示を乞うのは妥当なんだけど……)

エリカ(あの隊長が下についてる姿、なんだろう、モヤモヤするものが……)

みほ「罠かもしれませんから、十分警戒して下さい」

エリカ(罠なうえに、警戒してもどうしようもないのが降ってくるっての)

みほ「退路を確保しつつ散開しながら前進、敵に遭遇した場合は無理しないようお願いします」

まほ「有利だが、包囲分断される危険性がある」

まほ「他のチームとの連携が取れなくなるかもしれない」

エリカ「……」

エリカ(さすがの隊長も、山頂にとんでもないものぶち込まれて大爆発は想定してないようね……そりゃそうよね……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 03:53:26.63 ID:FjwRHXZ8o<>
カチューシャ「M26なんて登るの遅いし、ここは行くしかないわよ!」

ノンナ「取れれば戦術的に優位に立てますね」

エリカ「……」

エリカ(取れないから困ってるんだけど、それはさておき……)

エリカ(ホイホイ外に出て修理を始める自動車部の連中がこっちにいるときは焦ったけど、あのチビッコの言う通り、M26は登るのが遅い)

エリカ(黒森峰の決勝の時のように少しでも早く登らないといけないなんて焦る必要はないし、今回は比較的遅い戦車も多い)

エリカ(無理してポルシェティーガーが悲鳴をあげて、山頂で突然メンテナンスなんてことになる恐れは少ないのが幸いね)

まほ「確かに優位だが、わざと山頂をあけているのかもしれない」

エリカ(おっしゃるとおりです隊長)

カチューシャ「だーいじょうぶよ!」

カチューシャ「あなた、なんだかんだ言って妹のこと信じてないのね!」

カチューシャ「ノンナなんてどれだけ私のことを信じているか」

カチューシャ「私が雪を黒いと言えばノンナも黒いって言うくらいよ!」

カチューシャ「ね?」

ノンナ「はい」

エリカ「私だって隊長がカラスは白いと言えば葉隠覚悟になるくらいの気持ちでいるわよ!」

小梅「そうだよ、実際に隊長が戦車と言えば戦車になってハンバーグを吐き出せるくらいなんだから!」

まほ「……信じるのと崇拝するのは違う」

カチューシャ「うう……」

エリカ「うう……」

小梅「ふふ……」

エリカ「何笑ってんのよぶっ飛ばすわよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 04:21:21.68 ID:FjwRHXZ8o<>
まほ「確かに試合が長引くと経験が多い相手が有利だ」

エリカ(経験なら隊長の右に出る者なんて早々いませんよ!)

小梅(……とか思ってるのに流れが流れだから黙ってるんだろうなあ)

まほ「……序盤で戦果を挙げておきたい」

まほ「行くか」

エリカ「はいっ」 キリッ

小梅(めちゃくちゃ気合入ってる……)

直下(忠犬だなあ……)

カチューシャ「さあ行くわよ、203高知よ!」

エリカ「……」

エリカ(はい、っつっちゃったけど、どーしよう……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 04:37:33.61 ID:FjwRHXZ8o<>
カチューシャ「ちょっとニーナ!!」

ニーナ「スミマセーーーン!!」

エリカ「……」

エリカ(まあ、ノロマが多いおかげで、今のところポルシェティーガーも無理をしてはいない……)

エリカ(このまま謎の爆撃にやられたとしても、きっと、死者は出ない)

エリカ(私の目的は……それで達せられる……)

エリカ(……)

エリカ(……ま、でも、あれよね)

エリカ(私の願いはそうだとしても、W号の願いは、きっと――)

エリカ「……この勝負、絶対勝つわよ」

逸見車操縦手「ふえ?」

逸見車砲手「どーしたンですかいきなり……」

エリカ「負けっぱなしなんて、王者黒森峰として許せないから、大洗を廃校にさせるわけにはいかないって話よ」

逸見車通信手「?」

逸見車装填手「勿論、そのつもりですけど……」

エリカ「……」

エリカ(私だって、W号として過ごした日々のせいで、ちょっとくらい愛着はある)

エリカ(もしもW号に魂というものがあるなら、きっとW号は私の何万倍も大洗に愛着があるはず)

エリカ(借りっぱなしはキライなのよ)

エリカ(私の願いのため散々入れ替わったんだもの)

エリカ(アンタの願いも叶えないとスッキリしないわ)

エリカ(だから……私は、別にこのまま負けたってよかったけど、でも――)

エリカ(この試合に勝って、大洗を存続させるまでしてやるわよッ……!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 04:58:56.95 ID:FjwRHXZ8o<>
エリカ(さて、とはいえどうしよう……)

エリカ(隊長なら、あの砲撃でも冷静に対処してくれると信じたいけど、でも……)

エリカ「……」

テンテレテンテンテンテレテレテレ

エリカ「ちょっと、何よこの音」

逸見車通信手「着信音……?」

エリカ「ったく誰よ、緊張感ないわね!!」

逸見車通信手「わ、私じゃないよ」

逸見車砲手「ちゃんとマナーに……」

エリカ「じゃあ誰よ!」

逸見車操縦手「あ、あのさ……」

逸見車操縦手「その……」

エリカ「何よ指差して」

エリカ「……」

エリカ「ゲエーッ、私のポケット!?」

エリカ「こ、こんな曲入れた覚えないわよ!」

逸見車装填手「……赤星さんが入れたんだろうなあ」

エリカ「は?」

逸見車通信手「ほんとだ、この番号赤星さんだし……」

逸見車砲手「ご丁寧に着信時の動画も入ってるし、着ムービーってやつかなこれ」

逸見車装填手「前進ピカピカした逸見さんがエレクトリカルパレードに合わせて横移動してる動画……」

逸見車通信手「こわっ……」

エリカ「あのアマ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 05:03:31.71 ID:FjwRHXZ8o<>
ピッ

エリカ「何考えてんのよこのバカ!!」

小梅『わわ、声が大きいよ逸見さん!』

エリカ「何なのよあの気色悪い動画は!」

小梅『えへへ、気合い入れて作成したんだ』

エリカ「褒めてないわよ……!」

小梅『気に入らなかった?』

小梅『あのエリカトリカルパレード、イツミーランドの目玉の予定だったのに』

エリカ「破産してしまえそんなクソランド」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 05:13:15.90 ID:FjwRHXZ8o<>
小梅『まあでも、これくらいしないと、試合中にケータイとか見てくれなさそうだし……』

エリカ「当たり前でしょうが」

小梅『だからやったんだよ』

エリカ「あのねえ、言いたいことがあるなら通信手に――」

小梅『それじゃ駄目だよ』

エリカ「……なんでよ」

小梅『……だって、あんまり沢山の人に話したくはないみたいだし』

エリカ「……」

小梅『大洗を助けに行くだけが目的なら、あんな風に考え込んだ顔してないよね』

小梅『……助けることだけが目的なら、きっとまほ隊長を盲信してドンと構えてたと思うし』

小梅『他にも何かしないことがあるなら、言ってよ』

小梅『手伝うから』 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/06(火) 05:15:05.44 ID:FjwRHXZ8o<> グッと眠気が来たので寝ます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/03/06(火) 05:41:06.23 ID:1dd4l4r60<> おつおつ
誕生日に更新とは分かってるな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 03:38:26.58 ID:1UDQVU0Wo<> 微速前進 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 03:47:19.67 ID:1UDQVU0Wo<>
エリカ「……」

エリカ「どうせ信じちゃくれないわよ……」

小梅『……それでも、話してみてよ』

小梅『例えそれがどれだけ荒唐無稽で信じがたいことだとしても、私はエリカさんを信じるよ』

小梅『……その内容が信じられなかったとしても、ここまで必死になってたエリカさん自体を信じる』

小梅『そのくらいの気持ちがなきゃ、こんなこと、最初から付き合ってないしね』 フフ

エリカ「……」

エリカ「……勝手に誤解して軽蔑されたくないから先に言うわ」

小梅『?』

エリカ「別に相手の誰かと癒着をしているだとか、そういうことじゃあないわよ」

小梅『え、うん。エリカさんは、そういうの、嫌いそうなのは知ってるけど……』

エリカ「そのうえで、言うわ」

エリカ「……私には、次の大学選抜チームの一手が分かってる」

小梅「…………え?」

エリカ(大洗連合軍の戦力を考えると、真っ先に潰したいのは間違いなく私達ひまわり)

エリカ(あのクソデカイ爆撃の射程に203高地が入っていることを思うと、砲撃があるのは間違いない)

エリカ「とんでもない大爆発が引き起こされるわ」

エリカ「……キューポラから体を出してたら間違いなく命を落とすレベルのやつが、ね」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 04:10:53.95 ID:1UDQVU0Wo<>
小梅『そんな……』

直下『そ、そんなものを、高校生相手に……?』

エリカ「……っと、あんた達も聞いてたわけ?」

エリカ「……」

エリカ「信じられないでしょ、私の言ってることなんて」

エリカ(私自身……あれだけ色々重なってなきゃ、多分信じられなかったもの……)

小梅『まあ、信じがたいけど……』

小梅『うん、でも、信じるよ』

小梅『その話の内容云々よりも、私はそこまでして話してくれたエリカさんのことを信じる』

エリカ「……小梅……」

ブロッケンJr『へっ、元から俺らはお前のために来てるようなモンだしな』

直下『しょうがないなあ、信じるよ』

エリカ「あんた達……」

小梅『それに、エリカさんがこういう場面でそんなジョークを言える人間とも思えないし』

直下『確かに、あのカチカチに固まった頭でそんなこと思いつくとも思えないよね』

エリカ「あんた達……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 04:14:34.42 ID:1UDQVU0Wo<>
小梅『でもどうするの?』

小梅『……深刻な顔をしてた理由は、大体わかったけど……』

小梅(命を落とす、って言ってたし……)

小梅『それ、もう、解決してるの?』

エリカ「……」

エリカ「まだよ」

エリカ「確かに、この面々なら誰も死なずに終われるだろうけど……」

エリカ「でも、それじゃあ、勝てない……」

小梅『……じゃあ駄目だよね』

小梅『私は、みほさんも、助けたいもん』

小梅『今度は私が、助けたいもん』

エリカ「……」

エリカ「言っておくけど、私に便利な予知能力があるとは思わないで頂戴」

エリカ「もう未来は見えないし、あれこれ試して未来をカンニングなんて出来ないわよ」

小梅『……そっか』

小梅『それじゃあ、確実にどうにかする方法なんて、ないんだね……』

エリカ「……ええ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 04:44:01.61 ID:1UDQVU0Wo<>
エリカ「……」

小梅『でも、確実じゃないやつなら、何かしらあるんでしょ?』

エリカ「……えっ?」

小梅『あれ、違った?』

小梅『私の知ってるエリカさんなら、誰よりストイックで勉強家なエリカさんなら、そうだと思ったけど』

小梅『確実に上手くいくわけじゃなくても、それでも何かを考えつける』

小梅『そして表に見えなくても、何度もトライアンドエラーができる』

小梅『そんなエリカさんは、私から見たら、十分凄い人だよ』

エリカ「……」

小梅『だから、教えて』

小梅[私はどうしたらいいの?] <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 05:03:35.34 ID:1UDQVU0Wo<>
エリカ「それは、その……」

エリカ「……」

エリカ(あるには、ある……)

エリカ(でも……これは……)

小梅『……あるんだね、策』

小梅『黙るでもなく適当にスラスラ言うでもなくその反応、あるにはあるんだ』

小梅『……成功率を気にして言い淀むタイプじゃあないよね、エリカさん』

エリカ「……うっさいわね」

小梅『……私、ろくでもない役どころなんでしょ』

エリカ「……」

小梅『それでもいいよ』

小梅『みほさんとエリカさんを救えるなら、何だってやる』

小梅『パンを尻にはさんで右手の指を鼻の穴に入れて左手でボクシングをしながら「いのちをだいじに」と叫ぶことだって出来る』

エリカ「やらなくていいわよ」

小梅『エリカさんだって全裸で校内を爆走してたんだもの、私だってそのくらい』

エリカ「あーあーあーあーあーあ!!!聞こえない!!!!!!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 05:25:33.36 ID:1UDQVU0Wo<>
エリカ「……まあ、そんな恥ずかしいことしたら、ネットで一生言われると思うわよ」

小梅『大変そう』

エリカ「……でも、今頭にある作戦を実行しても、下手したら同じくらいずっと言われるわ」

エリカ「ここまでわざわざ来てくれたのに、何も出来ず無様な形で舞台から下ろしてしまう」

エリカ「……それに、これは決勝のあの子達を思い出して出てきたアイデアだし、西住流としてもみっともない行為になってしまうわ」

小梅『もう、エリカさんったら』

小梅『私達はフツーの女の子なんだよ』

小梅『良くも悪くもエリカさんみたいに西住流に入れ込めてないし、ネットで言われるのは辛いよ』

エリカ「……」

小梅『……でも、フツーの女の子だから、ちょっと短絡的にだってなるの』

小梅『どうせ晒されてるなら変わらない、なんて言ってみたりね』

小梅『それにさ、無様に舞台を降りるだけでいいんでしょう?』

小梅『なら、やるよ』

小梅『ううん。むしろやらせて』

エリカ「……でもアンタ、みほと一緒に闘いたいんでしょう?」

小梅『……そうだね』

小梅『ただ一緒のチームで戦うってだけじゃなくて、本当に、隣に立って闘いたかったよ』

小梅『でも――それ以上に、エリカさんとみほさんが隣に立って戦う姿が見たいかなって』 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 05:30:32.19 ID:1UDQVU0Wo<>
小梅『だから、そのためなら――やるよ、私』

小梅『派手に散るよ』

ブロッケンJr『へっ、仕方ねえな』

直下『ちょっとはいいとこ世間にアピールしたかったけど、しょうがないかあ』

小梅『今度、何か美味しいハンバーグでもご馳走してよ』

エリカ「……っ」

エリカ「バカね」

エリカ「今度、なんて曖昧なこと言わないわ」

エリカ「今夜食うわよ!」

エリカ「祝勝会で、うまいハンバーグを!」

エリカ「……」

エリカ「ありがとう、小梅」

小梅『……!!!』

エリカ「作戦を伝えるわ」

小梅『今、ありがとうって!! 小梅って!!!』

小梅『エリカさんもう一回!! 今度はちゃんと動画取るし録音するから!!!』

エリカ「作戦伝えるっつってんでしょーが感謝の言葉返しなさいアホ!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/14(水) 05:31:50.20 ID:1UDQVU0Wo<> 眠くて意識飛ぶレベルなので寝ます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/03/14(水) 13:45:20.67 ID:equSsFBxO<> 乙 なるほどそう繋げるのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/03/14(水) 15:19:04.90 ID:ZGJsoM/70<> なるほど小梅のあれはそういうことか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/03/15(木) 14:57:19.97 ID:6fR5omTKO<> 小梅ちゃん…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 05:13:01.01 ID:XLod00Eio<> ガルパン博が大変良かったので少しだけでも投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 05:17:58.72 ID:XLod00Eio<>
直下『あーあ、損な役回り引いちゃったなあ』

小梅「今日のネットニュース、勝っても負けても見るの怖いよねえ」

直下『あー、まとめブログで好き勝手叩かれそうでムカつくー』

小梅「まあ、しょうがないよ。普通、わざと即やられるように動いてるなんて思わないだろうし」

小梅「……」

小梅(誰かは絶対にやられないといけない威力がやってくる、かあ)

小梅(怖いなあ、格好つけるんじゃなかったかも)

小梅「……」

小梅(でも……)

小梅「エリカさんの、お願いだもんなあ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 05:30:33.06 ID:XLod00Eio<>
エリカ(最初にあのクソでっかいのをブチこむなら、当然ターゲットは重戦車)

エリカ(機動力のせいで外そうものなら、せっかくの切り札が無駄になる)

エリカ(ここは確実に戦力を削ぎ、また奇襲による戦果によってこちらのパニックを促進したいはず)

エリカ(戦力を確実に削ぐなら隊長か、プラウダのノンナあたりを狙ってくるだろうけど……)

エリカ(外した時のリスクが大きい)

エリカ(あの二人は狙われた直後に瞬時に切り替えて反撃の手を考えそうな怖さがある)

エリカ(でも……悔しいけど、私や他の連中にはそんな技量はない)

エリカ(洒落にならない爆発で襲われ、友軍が撃破され、次は自分だとなったら、途端に浮足立ってしまう)

エリカ(自分が狙われただけなら「大丈夫だ」の一言で事態を収められる隊長でも、私達木っ端が揃ってパニックに陥ったらどうにもできない)

エリカ(大学選抜があのクソデカボンバーを有効活用するなら、少しでも多くの獲物を――それも出来れば重戦車を倒したいはず)

エリカ(ならば餌を与えてやればいい)

エリカ(格好の獲物としかいいようがない位置に、黒森峰の重戦車という美味しい餌を二つぶら下げておく)

エリカ(これならば――――) <> このスレッドは戦車戦のシーンはふんわり適当にお送りしておりますので各々都合よく解釈して下さい<>saga<>2018/03/21(水) 05:32:09.49 ID:XLod00Eio<>           ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
           ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i
                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:09:09.63 ID:XLod00Eio<>
エリカ(きた――――ッ!)

カチューシャ「何なのよぉ!!」

エリカ(アホ丸出しのチビッコ隊長は体を出してたみたいだけど、何とか無事!)

杏『あー、こちらひまわり』

杏『上から飛んできたっぽいぞ』

エリカ(ここまでは想定内)

エリカ(あとはこのパニックを最低限の犠牲で乗り越えるッ)

杏『すっごく大きいやつだと思うけど、気のせいかな』

桃『気のせいじゃありませぇん!!』

エリカ(あのアホはパニックになってるのか逆に冷静なのか……)

エリカ(まあ、平常運転か) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:14:15.74 ID:XLod00Eio<>
エリカ(……赤星からの最後の通信は、「射点につきました」か……)

エリカ(多分、二人とも――)

ズドォォォォォォン

エリカ(一発目を耐えていたとしても、もう――)

小梅『パンター1号車、撃破されました!』

直下『2号車行動不能!』

エリカ「……」

エリカ(……ごめん……)

エリカ(他の誰が分かって無くても、私だけはアンタらの頑張り、しっかり覚えておくから……)

まほ『3発目が来る前に前進しろ!』

エリカ(今は、アイツラがくれた命を守って、ここを切り抜けるッッ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:20:14.64 ID:XLod00Eio<>
エリカ「前方の敵、攻撃開始!」

まほ「後退ッ!」

桃『勿体無いけど戻るぞっ』

エリカ「……」

エリカ(酷いひっくり返り方……赤星、怪我とかしてなきゃいいんだけど……)

桃『駄目だ、戻れ戻れェ!』

杏『あれ、これって……』

柚子『包囲されてる……っ!』

まほ「……」

まほ「後方からの半包囲、上から謎の砲撃」

まほ「しかも前からは敵本体」

エリカ(隊長……お願いしますッ……)

エリカ(悔しいけど、私一人じゃあの砲撃はどうにもできそうにありません)

エリカ(どうか、この状況を、なんとか……!)

まほ「……」

まほ(不安そうな顔だな……)

まほ(安心しろ、まだ慌てるような時間じゃない) フルフル

まほ「前方斜面をこのまま降りる」

まほ「中隊全速前進、たんぽぽと合流するぞ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:25:01.39 ID:XLod00Eio<>
カチューシャ「見てごらんなさい、私には当たらないわよっ!」

エリカ(アホか当たったら大惨事なんだっつーーーーの!!!)

エリカ(これだからガキは嫌なのよすぐ調子のって!)

エリカ「……って……」

エリカ「隊長、あのチビッコ隊長の車輌が……!」

まほ「狙われている、か……」

まほ(どうするか……)

まほ「む?」

クラーラ『カチューシャ様、お先にどうぞ』

クラーラ『それでは、ごきげんよう』

エリカ「あいつ日本語喋れたの……って――」

カチューシャ『クラーラ!?』

エリカ「まさか、あのロシアン……」

クラーラ『カチューシャ様、一緒に戦うことができて、光栄でした』

エリカ「……」

エリカ(そこまで言われるほどの存在、か……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:29:23.38 ID:XLod00Eio<>
エリカ「隊長、またプラウダの連中が……!」

まほ「……」

まほ「非情な言葉になるが……正直、助かる」

まほ「カチューシャは実際この先必要になる」

エリカ「……」

エリカ(隊長、あのガキのことをそこまで……)

エリカ「って、あのブリザードのノンナまで!?」

エリカ「あの馬鹿、自分がどれだけの戦力かの自覚を――」

まほ「……させてやれ」

まほ「これが、ブリザードのノンナなりの敬愛であり、闘いなんだ」

まほ「私達に出来るのは、その想いを背負い、倒れる彼女の分まで前に進むことだけだ」

まほ「……勿論、彼女の分だけじゃない。赤星達の分も、だな」

エリカ「……はい」

まほ「……」

まほ「カチューシャ、何をしている」

カチューシャ「…………ッ」

カチューシャ「撤退、するわよっ……!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:38:10.81 ID:XLod00Eio<>
エリカ「……」

エリカ(半数が犠牲になったけど、死人は出ていないはず……)

エリカ(ブリザードのノンナを失ったのはヤバイけど、あの強烈なパーシングを道連れにしてくれた……)

エリカ(良くはないけど、最悪でもない……だけど……)

エリカ(あの砲撃を、どうすれば……)

ヴヴヴヴヴ

エリカ(ケータイ……バイブってことは、メール……?)

エリカ(こんな時に……)

エリカ(でも、あの子も試合中に敢えてメールで作戦やり取りしてたこともあるっていうし、見ないわけにはいかないわよね……) ピッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:39:19.75 ID:XLod00Eio<>
From:赤星

件名:無事だよ!

本文:戦車は無事じゃないけどね!笑

ドロップ・アウトしたら連絡できなくなるから、皆怪我はないってことだけ取り急ぎ報告しておくね! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:46:53.51 ID:XLod00Eio<>
エリカ「赤星……よかった……」 ホッ

エリカ(あ……添付ファイルが……)

エリカ(車内の連中の写真……?)

エリカ(よかった、ちょっと薄汚れてるけど、大怪我はしてなそうね……)

ヴヴヴヴヴ

エリカ(っとと、直下からも……)

エリカ(よかった、こっちも無事みたい……)

エリカ(それにしても、なんでどいつもこいつも真顔で座って……)

エリカ「……!」

エリカ(座っている位置が不自然……)

エリカ「あ、ああ〜〜〜〜〜〜っ!」

エリカ「これは――――Lの陣形ッ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:51:56.20 ID:XLod00Eio<>
エリカ(通信傍受などを警戒する為作られた、黒森峰独自の通信手法……)

エリカ(座り方で意図を伝える斬新な通信……)

エリカ(西住流にも黒森峰にも憧れていたし……そういうの、なんだかすごく格好いい気がしてたから……)

エリカ「フフ……わかっているわよ」

エリカ(Lの陣形は 最後まで望みを捨てずに戦え! だったわね!!)

エリカ「バカね……言われなくても、この程度で音なんてあげるつもりはないわよ」

エリカ(あの子のため、アンタ達のため、そして何より私自身のため――最後まで足掻き続けてやるっての!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:55:20.77 ID:XLod00Eio<>
エリカ「……大隊長」

みほ『ひゃ、ひゃいっ!』

エリカ「ビクビクしないで頂戴」

エリカ「……クソむかつくけど、アンタに頼むわ」

エリカ「こっちはようやく振り切ったけど、どうこう策を弄せるような余裕がない」

エリカ「私にもそうだし、隊長やチビ――カチューシャもそう」

エリカ「だから――」

エリカ「アンタが何とかしなさい」

エリカ「……アンタなら、出来るでしょう?」

エリカ(クソむかつくけど――それでも、諦める方が数倍むかつくから)

エリカ(今だけは、クソ忌々しいアンタに賭けるッ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/03/21(水) 06:56:17.35 ID:XLod00Eio<> 今日は別に仕事休みとかそんなことはないと気付いたので寝ます
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/03/24(土) 00:14:47.30 ID:AUrTv3tuO<> アタル兄さんはどうなるのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/04(水) 12:19:59.97 ID:YdFvU9DX0<> 続き会ってます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/14(土) 09:05:47.38 ID:GAmWfz3K0<> ひょっとしてこれで完結したのか? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/18(水) 23:20:22.63 ID:F5vkVy/u0<> 年度切り替わるドタバタでコレてない間に1ヶ月すぎてますね、申し訳ない
もうちょっとだけ続くんぢゃ…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/18(水) 23:25:28.92 ID:F5vkVy/u0<>
ミカ「〜♪」

アキ「もう、さっきまでは借りてきたネコ状態だったのに、急に元気になるんだから」

ミッコ「まあ、気持ちはわかるけどなー」

ミッコ「ただでさえ知らない人ばかりだったのに、ハンバーグで戦車潰す人間まで居たんだし」

アキ「もー、仲良くしとけば色々プラスになったかもしれないのにー」

ミカ「……それは本当に必要なことかな???」

ミッコ「しかし、このメンツであの砲撃の主を探し当てる、ねえ……」

ミカ「……あくまで敵の捜索がメイン」

ミカ「とはいえ、私達で撃破に向かうのもいいかもしれないね」 ポロローン

アキ「ええ、無茶だよそんなの〜」

ミカ「……ふふ」 ポロローン

ミカ(適当に役に立って、相打ちになってここを出られたら上出来、かな……)
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/18(水) 23:48:32.81 ID:F5vkVy/u0<>
エリカ(……しかしあの砲撃……)

エリカ(威力的にシュトゥルムティーガーが最有力候補だと思ってたけど……)

エリカ(それにしてはロケット推進音がなかった)

エリカ(……とすると……)

エリカ「まさか……カール自走臼砲……!?」

逸見車操縦手「ええ!?」

逸見車砲手「あれって使用可能車輌なの……!?」

エリカ「サンダースのバカどもがやりかねないから調べたときはまだ競技中だったけど……」

逸見車通信手「でも、多分それであってると思う!」

逸見車通信手「逸見さんが言うより若干先に、みほさんの所の通信手から通信入ってたし!」

逸見車通信手「あとサンダースの人達も逸見さんより早くその結論に至――」

逸見車通信手「いたっ、いたたたた!」

エリカ「いちいちどちらが早かったなんて言う必要ある?」 ギリギリ

逸見車通信手「め、目がマジで怖いよ!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/19(木) 00:01:06.07 ID:KuYcTXM40<>
逸見車砲手「まあまあ……」

逸見車砲手「最近逸見さん弄られキャラとしてやってるみたいだからっていう気遣いなんだし……」

エリカ「小さな親切大きなお世話の例文にできるレベルで巨大なお世話よ」

逸見車操縦手「それにしても、カールって聞いてすぐさまカール自走臼砲が連想できるんだから、黒森峰ってすごいよね」

エリカ「はあ? このくらい普通でしょ」

逸見車装填手「いやあ、普通は『カール』って聞いたらお菓子が出てこないかなーって」

エリカ「あのねえ……素人じゃないんだから……」

エリカ「大体お菓子のカールであの爆発とか非現実的にも程があるでしょ」

逸見車通信手「でもハンバーグで戦車倒すような人もいるし……」

エリカ「あーあー聞こえない。あーあーあー」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/19(木) 00:12:34.69 ID:KuYcTXM40<>
エリカ「それにしても……」

エリカ「いくら相手を見つけるのが再優先とはいえ、あの連中で大丈夫なのかしら」

エリカ「全員豆戦車だし……」

エリカ「戦闘になったら為す術もなく蹂躙されるわよ」

逸見車通信手「……でも、意外と何とかするかもよ」

逸見車操縦手「確かに、アンチョビさん達って、何かやってくれそうなものを感じるよね」

エリカ「そう?」

エリカ「そりゃまあ、たまにハッとするような作戦は立ててるけど……」

エリカ「結局毎回うちと練習試合する度にスペック差の前に屈してたじゃない」

逸見車砲手「あと、継続の人達も、伊達に私達を追い込んだわけじゃないって感じの練度だよね」

逸見車操縦手「逸見さんのハンバーグ射出がなきゃ負けててもおかしくなかったもんね」

エリカ「忘れろアノ時のことは」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/19(木) 00:20:45.38 ID:KuYcTXM40<>
逸見車通信手「それに、大洗の子たちも凄いよね」

逸見車通信手「あの二人、確かマウスを倒した人達だし」

逸見車通信手「それに、あの大洗の副将までいるんだよ?」

逸見車通信手「きっと何とかなるって」

エリカ「……気持ちはちょっとだけ分かるけど、向こうの副隊長って期待できない置物よ」

逸見車砲手「え、そうなの?」

逸見車砲手「でもすごい賢そうな顔してたけど……」

エリカ「顔だけよ、あんなやつ」

エリカ「少なくとも知性なんてひとっつも無いわ」

エリカ「口先だけで煽ることしか出来ない哀れな存在よ」

エリカ「不意をつれるとすぐテンパルし、平気で和を乱すし、役職がそもそも向いてないのよあの子は」

逸見車操縦手(ツッコミ待ちかな……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/19(木) 00:36:18.23 ID:KuYcTXM40<>
エリカ「まあ敵の位置情報はわかったし、なんとか強力な戦車を送るより他手はないわ」

エリカ「あの小隊じゃ倒せないのは火を見るよりも明らかだもの」

逸見車通信手「うーん、そうなのかなあ」

エリカ「当たり前でしょ」

エリカ「どんぐり小隊とカールってだけでも絶望的な差があるのに、絶対護衛ついてるのよ」

エリカ「その戦力差はひっくり返せる域を越えてる」

エリカ「まだ人間がワニと素手ゴロした方がマシなほどよ」

逸見車砲手「そこまで言わなくても……」

エリカ「いーや言うわ」

エリカ「私達は王者よ、客観的に戦力差を見れなくてどうするの」

エリカ「もしあの貧弱な小隊がカールをぶっ倒そうものなら、ワニと素手でだって闘ってやるわよ」 フン

逸見車装填手「す、すごい自信だ……」

逸見車砲手「万が一のことを考える気0なんだ……」

エリカ「やる前から駄目だったときのことを考えるヤツなんていないわよ」

逸見車通信手(そうかな……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/19(木) 00:37:43.07 ID:KuYcTXM40<> もっとやりたかったのですが意識飛び始めたのでごめんなさい早いですがここまでにします <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/19(木) 05:54:30.88 ID:zLA5qPbm0<> 乙 生きていたか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 06:25:56.02 ID:U6aQRrUN0<> 数レスですが、死なないように少しでも投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 06:40:25.73 ID:U6aQRrUN0<>
まほ「カール自走臼砲を撃破、か……」

アンチョビ『代わりに継続が撃破されちゃったけどなー』

まほ「いや、上出来だろう」

まほ「……さすがはエリカが奇策に出ねば倒せなかった相手、か」

アンチョビ『いやー、全て終わったらピザでも振る舞って労ってやらないとなー』

まほ「そのためにも、気を引き締めて勝利で終わらなくてはな」

まほ「まもなくたんぽぽと合流する」

エリカ『……』

まほ「……どうしたエリカ、大人しいが……」

まほ「先程の砲撃でどこか不調でも発見されたか?」

エリカ『いえ……』

エリカ『ワニと闘うならどう闘うべきかをちょっと……』

まほ「……」

まほ「よ、よくわからないが、噛む力に対して口を開く力は大したことがないと聞くし、口を押さえつけることが求められると思うぞ」

アンチョビ(あ、答えるんだ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 06:46:49.78 ID:U6aQRrUN0<>
絹代「西住さん」

絹代「わが校は2輌も戦列を離れてしまい、誠に申し訳ございません」 ペコリ

みほ「いえいえ……」

カチューシャ「うちはカチューシャだけになっちゃった……」

ダージリン「大丈夫」

ダージリン「まだ貴女が残ってるわ、カチューシャ」

カチューシャ「わ、わかってるわよ!」

絹代「……」

絹代「知波単は2輌撃破されたのに対し、黒森峰も2輌……プラウダに至っては3輌も……」

玉田「おおっ、つまり我々はプラウダ以上であり、あの黒森峰にも並んだということでは!?」

カチューシャ「は???」

エリカ「あ?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 07:27:35.41 ID:U6aQRrUN0<>
アンチョビ「お、おいおい……」

アンチョビ「そういう言い方はよくないぞ……」

ダージリン「でもその理屈だと、1輌も撃墜されていない私達とアンツィオ高校、そして大洗が三強ということになりますわね」

アンチョビ「さ、三強!?」

アンチョビ「三強か……」

ペパロニ「なんかかっこいい響きっすね姐さん!」

カチューシャ「今すぐ被撃墜数を増やしてあげようかしら!?」

エリカ「いいわね、あんなクソ戦車、秒でぺちゃんこにしてやるわ!!」

アンチョビ「な、バカバカ、こっち向けるな〜っ!」

ケイ「ウチも撃墜されていないけど、履帯やられたり知波単ズを守りそこねたりはしちゃったもんね〜」

ダージリン「こんな格言を知ってる?」

ダージリン「ヤツは四天王の中でも最弱」

ケイ「ワオ、四天王にしてくれるのね。エキサイティング!」

アリサ「意味わかりません隊長ッ」

まほ「大隊長、脱線著しい上に不快感故に連携に難が出かねない。何とかしてくれ」

みほ「え?」

みほ「ええと……」

みほ「……」

みほ「すみません、私の責任です……」

沙織「諦めて全部責任背負って終わらせようとしないでみぽりーーーーーん!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 07:31:51.43 ID:U6aQRrUN0<>
みほ「でも……実際私のせいで、これだけ被害が出たようなものだから……」

まほ「定石通りやりすぎたな。らしくもない」

みほ「……」

エリカ「まったく……準決勝でもだけど、不利になるまで本領発揮しないのは悪いクセね」

まほ「みほの闘いをすればいいんだ」

みほ「……!」

ケイ「ここからの作戦は? 大隊長」

みほ「局地戦に持ち込んで、個々の特性を活かしチームワークで戦いましょう」

エリカ「急造チームでチームワークぅ?」 プップクプー

エリカ(ほんっと、甘ったるい考えが大好きねえ……)

まほ「急造でもチームはチームだ」

エリカ「……」

まほ「互いに足りないものを補うしかない」

エリカ「……」

逸見車操縦手(誰かエリカさんのメンタルケアっていう必要なのに今足りてないポジション埋めてくれないかな……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 07:37:57.68 ID:U6aQRrUN0<>
エリカ「……」

逸見車操縦手「わ、わあ、遊園地跡だあ、興奮するなあ」

エリカ「……」

逸見車砲手「……」

逸見車装填手「そのトークは絶対違うって……」 ヒソヒソ

逸見車通信手「ええと、アンツィオの人達ジェットコースターのレールに乗ったんだって!!」

逸見車操縦手「へ、へえ! すごい!」

逸見車装填手「便利なGPSになるかも!」

エリカ「……」

逸見車装填手「……」

逸見車砲手(……き、気まずい……)

逸見車操縦手(こういう沈黙を平気で生むし時折キレ出すし、やっぱり逸見さんって面白い人ではあるけど怖さもあるなあ……)

まほ『……撃て』

エリカ「撃て……」

逸見車砲手(て、テンションが低い……!)

逸見車通信手(もう急造チームの誰でもいいから何とかしてえ〜!)

逸見車操縦手(年単位でチーム組んでても話が盛り上がらないことくらいあるもんなあ……)

逸見車装填手(隊長、こういう気まずい空気を察して和ませたりは絶対してくれないしなあ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 07:44:28.20 ID:U6aQRrUN0<>
エリカ「……」

エリカ(隊長に怒られた……だって実際急造チームなのに……) シュン

カチューシャ「……4輌しかいないみたいね」

カチューシャ「私達を引きつけておくだけみたいだけど、どうする?」

まほ「……分かった、いこう」

まほ「エリカ、頼む」

エリカ「!!!!!!!!!!!!!」 パァァァァァァ

エリカ「はいっ!!!!!!!」

逸見車通信手(隊長相手のときだけちょろすぎてちょっと見ていて心配になるなぁ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 07:46:49.79 ID:U6aQRrUN0<>
エリカ「んふっ……んふふふふふふ!」

逸見車操縦手(こわい……)

逸見車装填手(きもい……)

エリカ「オッケーですよ隊ッッ長!!」 ダパパパパパ

逸見車通信手「うっきゃーっ、滝のような鼻血がっ」

逸見車操縦手「うえっ、ちょ、かけないでえっ!」

エリカ「ほらそんなこと気にしないでちゃんと前見てドリフトしなさいドリフト!!」

エリカ「大学生がなんぼのもんじゃーい!!よ」

逸見車砲手(久々にハンバーグ吐き出すわけでもないのに狂った姿を見ている気がする……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 07:56:20.87 ID:U6aQRrUN0<>
エリカ「そらそら、バンッバン落とすわよ!!」

逸見車操縦手「元気だなー逸見さん……」

逸見車操縦手(ちょっと引くわ……)

逸見車砲手「さっきまでは頭上の砲撃に怯えてたのにねえ」

エリカ「うるさいわね」

エリカ「飽きたのよ、ビクビクしながらトラウマの砲撃に背を向け逃げ出すような真似は」

エリカ「それにねえ……今の私はさっきまでの私とは違う」

エリカ「守りたくて、守らなくちゃいけなくて、一人で闘ってたときとは違う!」

エリカ「仲間の犠牲という大きすぎるものに応えなくちゃいけないプレッシャーがあったさっきまでとは!」

エリカ「私は……私は隊長に『エリカ、頼む』と言われたのよ!」

エリカ「私は、信頼と共に言われたのよ!!」

エリカ「エリカ、頼む――って!」

エリカ「強すぎる故に何でも一人で出来てしまうような隊長が、頼むって私に……」

エリカ「大事な決勝戦ですら完全には頼ってくれなかった隊長が、あの時守りにいくことが出来なかった私なんかに……頼むって……」

エリカ「こんな、こんな私によ!」

エリカ「黒森峰という最高峰から逃げ出して弱小校でエースを張り大学選手に選ばれただけのヤツらには分からないでしょうね!」

逸見車砲手(私達にもそこまでテンション上がる理由はいまいちわからん) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/04/26(木) 07:56:47.09 ID:U6aQRrUN0<> 時間なので終わります、申し訳ない
サクサクやって終わらせにかかりたいところです <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/26(木) 11:35:14.53 ID:cwW7MHQSO<> 逸見わに(素手)対ワニ(空腹) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/04/26(木) 12:58:36.19 ID:h1SfaMPh0<> 乙 エリカが楽しそうでなによりです <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 04:58:02.10 ID:/f890eT80<> また少しですが投下します
夏までには終わらせたい・・・ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 05:23:48.47 ID:/f890eT80<>
エリカ「ふうー……」

逸見車砲手「わあ、やった!」

逸見車操縦手「あの大学選抜相手に撃墜数ゲット!!」

エリカ「ふっふっふ」

エリカ「隊長に信頼し託されたらこんなものよ!」 ドヤッ

エリカ「まっ、継続が異常だったとはいえ、あの大学選抜相手にこうもやれる私達はやっぱりすごいってことね」

エリカ「プラウダの連中をもってしてもブリザードのノンナしか撃墜数を稼げなかったんですもの」

エリカ「やはり胸を張って黒森峰のナンバー2を名乗るべきね」

逸見車通信手(知波単から撃破の報告来たことは黙っていよう……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 05:52:44.20 ID:/f890eT80<>
エリカ「……隊長がチャーフィーの動きに仕組まれたものを感じると言ってたけど……」

エリカ「見事なまでに包囲されてやがるわね……」

逸見車砲手「うっ、めちゃくちゃいっぱいいる……」

逸見車操縦手「1体倒したところで包囲に大きな穴開けられないし、と、とりあえずこっちが撃墜されないようにしないと……」

逸見車通信手「確かに私達までやられたら本当に終わりだけど、でもどうするの!?」

逸見車装填手「このままだと、他の皆は――」

エリカ「……ッ」

エリカ(くそっ、さすが大学選抜……)

エリカ(このままじゃここでほとんどの戦車がやられる……)

エリカ(そうなったら本当に終わりよ……!)

エリカ(何か……何でもいいから打開策を……)

ゴロゴロゴロゴロ

エリカ「……ん?」

観覧車先輩「」 ゴロゴロゴロゴロ

エリカ「」

逸見車砲手「……なに、あれ……」

逸見車装填手「さあ……」

逸見車通信手「うわっ、こっち来た!!!」

エリカ「はあ!? ちょ、逃げるわよ!」

エリカ「他の連中と合流!!!」

エリカ「こ、こんなところであんな意味わかんないものにぶつかって白旗上げましたなんてことになったら一生の恥よ!」

逸見車通信手(でもハンバーグ吐き出す生身の人間にやられるよりはマシだよなあ……)

エリカ「ちょっと何よその目は」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 05:58:51.84 ID:/f890eT80<>
みほ『相手以上にこちらが分散するので、見えない仲間の把握に心がけてください』

エリカ「……急造チームに本当にチームワークを求めるわねえ……」

逸見車通信手「でも意外となんとかなるんじゃない?」

逸見車通信手「隊長クラスの人大勢いるし……」

逸見車通信手「皆協調性あって、自分で判断もできるから柔軟性もあるし……」

エリカ「……協調性ある?」

エリカ「あの格言紅茶馬鹿や傲慢ちき幼児体型に突撃チンパンジーに」

逸見車通信手「……判断力があって柔軟性があるからそのへんは、こう……」

逸見車砲手(協調性……無い人の方が多いかもなあ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 06:03:56.85 ID:/f890eT80<>
エリカ「ったく……ようやく観覧車もいなくなったわね」

逸見車通信手「バイバイ観覧車先輩〜」

エリカ「ちょっと、大洗のアホなノリに感染しないでよみっともない」

逸見車通信手「あはは……駄目?」

エリカ「駄目に決まってるでしょ」

エリカ「黒森峰はもっとこう、ピリピリとした緊張感に包まれてなきゃいけないのよ」

エリカ「そんなんじゃ、これからのプランFで何一つ戦果をあげられないわよ」

エリカ「あの脳天気な連中はあてにならないし、こっちがバシバシ戦果を上げなきゃいけないんだからね!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 06:15:52.39 ID:/f890eT80<>
エリカ「……」

逸見車砲手「……」

エリカ「……」

逸見車操縦手「……」

エリカ「……」

逸見車装填手「……全然撃墜数増えないね」

エリカ「し、仕方ないでしょうが」

エリカ「こういうのはタイミングとかの問題も……」

逸見車通信手「あ、大洗の人達や、よりにもよって知波単の人達まで撃墜報告あげてきてる……」

エリカ「な、なんですって!?」

エリカ「ええい、探せ! 獲物を探すのよ!」

エリカ「あんな連中に負けてられないわ!!」

逸見車通信手(人間が小さいなあ……)

逸見車装填手(最初はあんなに殊勝だったのに、すっかりいつもの人間性の低い逸見さんになっちゃったなあ……)

逸見車通信手「っと、どうやら向こうのセンチュリオンが出てきたらしいよ!」

エリカ「……!」

エリカ(センチュリオン……現代最強のニンジャ戦法を使う島田愛里寿、ね……)

エリカ「相手にとって不足はないわっ……!」

逸見車通信手(どこにいるかもまだふわっとしか分かってないのにもう倒す気でいるとか、不足してるのは計画性じゃないかな……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 06:54:13.36 ID:/f890eT80<>
逸見車通信手「……えっ?」

エリカ「今度は何!」

逸見車通信手「嘘……」

逸見車通信手「各所からドンドン撃破されたって報告が来てる……」

エリカ「なんですって!?」

逸見車通信手「さっきまでは圧倒的に優位に立ってたはずなのに、たった一台のセンチュリオンで、ここまで……」

エリカ「……」 ゴクリ

逸見車砲手「……」

逸見車砲手(目の色が変わった……みほさん達の命運がかかってるもんねえ)

逸見車砲手(追い込まれてる時の方が強いのかも、なんて)

逸見車砲手(……みほさんもそうだから、口にしたら怒られそうだしいわないけど)

エリカ「……」

逸見車装填手(どうしたんだろう、さっきから何を考え――)

エリカ「センチュリオンに挑むのは一旦中止」

エリカ「それより、どこか適当な連中と合流するわ」

エリカ(クソッ、なんで一瞬でひっくり返されそうになってるのよ……!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/05/11(金) 06:54:41.86 ID:/f890eT80<> 終わり見えてきましたが眠気ひどくて何書いてるんだかわからなくなってきたので中断しますもすいわけない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/05/11(金) 07:42:53.03 ID:/S6xuRAUo<> 代わりに寝てやるから続きはよ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/05/11(金) 10:52:25.17 ID:LefrV9B7O<> 乙。ぐっすり寝ろよ

いよいよ終盤だな。試合後の逸見vsワニも楽しみだw <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/05/28(月) 09:51:12.80 ID:PlPy7wsr0<> もうすぐ6月だ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 02:49:48.38 ID:7UtrLC770<> のんびりしてたら地震食らったし、何が起きるかわからないので生きてる内に終わらせに向います <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 03:09:52.56 ID:7UtrLC770<>
カチューシャ「くっ……」

カチューシャ「どーなってるのよ、次から次へとやられてるじゃない!」

エリカ「無事!?」 ザッ

カチューシャ「!」

ナカジマ「黒森峰の……!」

カチューシャ「当たり前でしょ!」

カチューシャ「カチューシャが簡単にやられるわけないじゃない!」

エリカ「……」

エリカ「わからないでしょ」

エリカ「通信聞いたでしょ、あのサンダースが一瞬で全滅したのよ」

カチューシャ「……」

エリカ「まあ何にせよ無事で良かったわ」

エリカ「……癪だけど、今の状況じゃアンタらと合流出来るにこしたことはなかったからね」

カチューシャ「ふん、そうでしょうそうでしょう」

カチューシャ「なにせ黒森峰を破ったプラウダの隊長なんだからね!」 フッフーン

エリカ「……」

エリカ(確かにチビッコもそうだけど、ソレ以上に……) チラリ

ナカジマ「はは、頼りにしてるよーカッチャン」

エリカ(狂った程の整備技能を持つ自動車部……)

エリカ(あのサンダースの連携すら敗れる相手に勝つには、一瞬でも相手の虚を突く必要がある……)

エリカ(まっとうな戦車乗りとは違うアプローチにすがるしかない……)

エリカ「……」

エリカ(……こんな、邪道みたいな手に頼るはめになるなんてね……)

カチューシャ「……って、アンタ“ら”ってなによ」 ムスッ

ルクリリ「はっはっは」

ルクリリ「このルクリリ、聖グロの誇る秘密兵器として、その期待に応えてさしあげますわっ!」

エリカ「……」

エリカ(いたのか……アレは別にどうでもいいや……聖グロの連中気に入らないうえに隊長格と比べて大分落ちるし……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/06/21(木) 03:10:05.45 ID:zHAG3MUp0<> 速くアリスぶち殺してみほと百合百合させろよ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 03:23:46.01 ID:7UtrLC770<>
ナカジマ「それで、どうするの」

ナカジマ「アンツィオの人達からも連絡が途絶えたけど」

ルクリリ「どうやらセンチュリオンが暴れまわってるらしいけど……」

カチューシャ「……」

カチューシャ「センチュリオンは遭遇しない限り無視するわよ」

ルクリリ「え?」

カチューシャ「……知波単とか、集団で挑んで返り討ちにあったって報告が入ってるわ」

カチューシャ「所詮知波単だからっていうのはあるだろうけど……」

カチューシャ「まともに連携の練習もしてないカチューシャ達で簡単に勝てる相手とは言えないわ」

カチューシャ「……それに、向こうにはサンダースが三人がかりでやられた中隊長三人組がいる」

カチューシャ「最悪の事態は、その両方が健在なこと」

エリカ「……随分弱気な考えなのね」

カチューシャ「勿論負けるつもりなんてないわよ」

カチューシャ「でもね、ノンナが教えてくれたの」

カチューシャ「勝てないなんて許せないし屈辱的だわ」

カチューシャ「だけど――何にも残せず舞台を去るなんて許されない」

カチューシャ「カチューシャは、未来に繋ぐために散ったノンナ達の分も戦う責任がある」

カチューシャ「……私の手で万が一にも終わらせられないなら、そのバトンを繋がなくちゃならないの」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 04:10:38.21 ID:7UtrLC770<>
カチューシャ「……センチュリオンと中隊長三人が同じくらい厄介だとして」

カチューシャ「万が一だけどカチューシャ達が全滅するとするでしょ」

カチューシャ「……センチュリオン相手だと、どれだけ抵抗したところで、倒せなくちゃほとんど意味がないわ」

ナカジマ「確かに、履帯とか一部を壊しても直されたらおしまいだもんねえ」

エリカ「いや、アンタらが異常なのよ……普通試合中にあそこまで直せないからね?」

カチューシャ「まあ、それでも直されるリスクは大きいわ」

カチューシャ「よしんば直されなかったとしても、後から対峙する人間がどこがおかしいか瞬時に見抜いてくれなきゃいけない」

カチューシャ「勿論カチューシャになら余裕だけど!」

カチューシャ「……まあ何にせよ、何もダメージを与えられないよりマシとはいえ、そこまで効果は見込めないわ」

カチューシャ「その場合、このカチューシャが率いているのに全滅するような相手がほぼ無傷で相対しちゃうのよ」

カチューシャ「もうそうなれば一巻の終わり」

カチューシャ「……だけど、中隊長の場合はそうじゃない」

エリカ「……白旗を上げさせたら修理復帰は出来ない、か」

カチューシャ「ええ」

カチューシャ「三体揃ってはじめて強力なコンビプレーで立ち回れるみたいよ」

ナカジマ「サンダースの最後の通信でそんなこと言ってたねえ」

カチューシャ「逆に言えば、一体でも落とせばその戦力は大幅に落ちる」

カチューシャ「……勿論完勝を目指しにいくわ」

カチューシャ「でも――最悪の場合、一輌を落とせればいい」

ナカジマ「その小さなキズで、中隊長という強敵は瓦解する、かあ」

ナカジマ「カッチャン、賢いなー」

カチューシャ「だーかーらー、そのカッチャンっていうのと子供扱いをやめなさいよ!」 プンスコ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 04:26:13.03 ID:7UtrLC770<>
エリカ「厄介といえば、搭乗員の技量の差で若干落ちるとは言え、T28も十二分に警戒対象だったけど……」

逸見車通信手「そういえばいつの間にか落ちてましたね」

ルクリリ「……それならダージリン様がなんとかしてくださった」

エリカ「あの紅茶格言馬k……ダージリンが?」

ルクリリ「言いとどまるの大分遅くない?」

カチューシャ「……ダージリンは自分達の白旗と引き換えにT28を落としたそうよ」

エリカ「……あの女が自己犠牲なんて……」

ナカジマ「私としては、エキシビションでカッチャンが身を挺してダージリンさんを庇ったことにも驚いたけどねー」

カチューシャ「あれはそうするのが最善だったし、あっちがフラッグなうえに身を挺したら即座に勝てると分かってたからよ」

カチューシャ「その後どうなるか分からなかったら身を挺したりなんてしてないわ」

カチューシャ「このカチューシャが脱落したら不利になるのは目に見えてるんだから!」

エリカ「……」

エリカ(そう……遠くの地で、最終決戦よりも前に強敵を倒したところで、勝ちに即座に繋がるわけじゃない……)

エリカ(……だから、ずっと、隊長の傍にいたんだ……)

エリカ(隊長の傍でなら、隊長の勝利に直接貢献出来るような気がしたから)

エリカ(……決着をつけてくださる隊長から離れた場所では、どれだけ奮起してもどれほど効果があるのか実感しにくかったから) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 04:41:04.82 ID:7UtrLC770<>
エリカ「……」

エリカ(カチューシャは、成長してるのね……)

エリカ(相変わらず腹立つクソチビではあるけど……)

エリカ(……今なら、良いところも見ることが出来る……)

カチューシャ「サンダースからの最後の通信を信じるなら、そろそろかち合うはずよ!」

エリカ「……」

エリカ(ノンナの姿を見て軟化した、ってところかしらね……)

エリカ(……少しだけ、それも分かるわ……)

エリカ(私だって――――)

ナカジマ「!」

ナカジマ「発見したよ!」

ルクリリ「3輌ってことは――」

カチューシャ「体当たりでもいいから、センチュリオンとの合流を阻止するわよ!」

エリカ「言われなくてもそのつもりよ!」

エリカ(別個でもヤバいっていうのに、合流なんてさせられないッ)

エリカ(センチュリオンの出現報告的に、明らかに合流に向かってるし、猶予は無――――)

ドンドン
 ガンッ ギャインッ

シュポッ

ルクリリ「ああっ、クソォ!!」

エリカ「なっ――!?」

エリカ(体当たりもよけられたうえに、1輌落とされた?!)

エリカ(こ、これが大学トップクラスの実力――――――ッ!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 04:46:53.52 ID:7UtrLC770<>
ナカジマ『……このままじゃあ追いつけないから、パワー出すよ!』

ナカジマ『スリップでついてきてね、よろしくぅ!』

エリカ『……スリップするのか???』

カチューシャ「スリップストリームね!」

エリカ「……」

逸見車砲手「スリップストリームって分かる?」

エリカ「わ、わかるわよ! あったりまえでしょ!!」

逸見車装填手「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥って言うけど」

エリカ「わかってるけどピンときてなかっただけよ!!」

逸見車通信手「こっそり聞いてあげようか?」

エリカ「やめろ!!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 04:58:21.43 ID:7UtrLC770<>
ルミ「そんなんじゃいつまで経っても追いつけないよーノロマさん達ぃ〜」

エリカ「……」

エリカ「なんだろう、猛烈にナメられてるような予感が……」

逸見車装填手「おお、さすがナメることのスペシャリスト……」

エリカ「おい」

逸見車砲手「他人は平気で見下すくせに、自分や黒森峰へのディスには敏感なだけあるよね……」

逸見車通信手「荒れてるスレとかで勝手に深読みして勝手にキレるタイプかあ……」

逸見車操縦手「シャドーボクシングにならないようちゃんと操縦してあげるのが同じ戦車に乗る私達の役目なのかもね」

エリカ「アンタらほんと最近私のこと馬鹿にしてるわよね? ねえ?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/06/21(木) 04:58:56.52 ID:7UtrLC770<> 労働が迫ってるので一旦中断
あんまり引っ張らずにとりあえずまた当歌詞にきます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/06/21(木) 05:02:01.58 ID:D2XC7jq10<> 乙
劇場版での逸見の最活躍シーンだな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>age<>2018/06/21(木) 09:25:37.05 ID:Nn4J21Kl0<> 乙
劇場版所見ではかっちゃんの活躍がわかってなかったなぁ
色々めまぐるしかったのと観覧車先輩のインパクト強すぎた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/06/21(木) 10:20:44.29 ID:NknUMe9i0<> >>332
うるせぇsageろks <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/06/22(金) 19:12:57.97 ID:ks5uZyKS0<> さっさとエリみほ出せよ
わかってねーな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/06/22(金) 20:06:49.23 ID:pg7opeS60<> >>334
カップル厨はよそへ逝ってください <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/03(火) 03:51:43.06 ID:KTvtY1U90<> ワールドカップの合間合間に透過します <> 先制したり追加点入れたり思ったよりテレビにかじりつきそうで申し訳ない<>saga<>2018/07/03(火) 04:21:37.41 ID:KTvtY1U90<>
カチューシャ『……それで、アンタはこれでいいの?』

エリカ「……は?」

エリカ「何よ今更」

カチューシャ『カチューシャはカチューシャのことを信じているし、カチューシャのことを信じてくれたノンナ達のことも信じてる』

カチューシャ『私は自分の判断を信じて、自分にやれることをやるわ』

カチューシャ『だからここは、自分の命に替えてでも誰かを落とすつもり』

カチューシャ『……でも別に、ムリに付き合えとは言わないわよ』

エリカ「……え?」

カチューシャ『カチューシャのことは他の誰よりノンナが理解してくれてるように』

カチューシャ『ミホーシャと、それに西住まほのことを、誰より分かってるのはアンタ』

カチューシャ『……あの二人のために、どうするのが最善なのか』

カチューシャ『それと、自分自身がどうしたいのか』

カチューシャ『それだけを考えて行動しなさい』

ナカジマ『お二人さん、お喋りしてると舌噛むよ!』

カチューシャ『二番手は私がつくわ、コバンザメは最後尾について、やりたいようにやればいいわ!』

エリカ「コバンザ……私のことかこの野郎!!!!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/03(火) 04:42:56.29 ID:KTvtY1U90<>
ナカジマ『ツチヤ!』

ツチヤ『はいはい!』

ツチヤ『エンジン規定はあるけど、モーターはないもんねぇっ』 ポチー

エリカ「うわっ」

逸見車操縦手「ひえーっ、なにあれ!」

逸見車通信手「ね、ねえどうするの逸見さん!」

エリカ「……」

エリカ「私は……」 <> 日本おしかった・・・<>saga<>2018/07/03(火) 04:59:23.35 ID:KTvtY1U90<>
エリカ(私は……どうしたかったんだろう……)

エリカ(あの娘を助けたい?)

エリカ(勿論そうだ。今回は、そのために……)

エリカ(……いや、でも、それだけじゃない……)

エリカ(成長したのはアンタだけじゃないってことも見せつけたいし、今度こそ隊長を守りたい)

エリカ(隊長と一緒に戦いたい……)

エリカ(ううん……あの娘と、隊長と、3人で……)

エリカ(……)

逸見車装填手「い、逸見さん……?」

エリカ「……ふふ、馬鹿ね」

エリカ「あれはもう……二度とは叶わないただの夢なのに」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/03(火) 05:19:24.85 ID:KTvtY1U90<>
エリカ「……どうするも何も、さっきと一緒よ」

エリカ「あの二人と協力して、体当りしてでも絶対止める」

エリカ「それだけよ!」

逸見車操縦手「……いいの?」

エリカ「……いいのよ」

エリカ「あの二人の横に並び立てる実力は、今の私にはない……」

逸見車装填手「そ、そんな、ことは……」

エリカ「いいのよ」

エリカ「いいの」

エリカ「だからって、諦めたわけじゃないもの」

エリカ「……いつか絶対並び立ちたい」

エリカ「だからこそ――ただ尻尾振ってついていくだけじゃ駄目なのよ……ッ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/03(火) 05:20:56.26 ID:KTvtY1U90<> シリアス語りくらい終わらせようと思ってたのに一気に眠気がきて何書いてるんだかわからなくなったので中断島s申し訳ない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/03(火) 09:25:01.07 ID:PDvPVSOsO<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/03(火) 12:48:24.38 ID:mp3XCKs20<> 更新乙
いい葛藤だ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 00:02:22.58 ID:pjnV+iJf0<> サクサクっと書けるとこまでシリアス書いていきます
終わりは見えてるんだよ、信じて <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 00:43:24.27 ID:pjnV+iJf0<>
ずっと、遠くから見てるだけだった。

ずっと、届かない背を老い続けるだけだった。

空っぽの土台に、憧れだけを積み上げて。

何とかしがみついた場所は、空っぽの私には分不相応で。

――待っててください、隊長!

待っててもらえるような存在になれなかった。

間に合えるような存在にもなれなかった。

隊長の役に立つことも出来ない、少し目立つだけの雑兵。

所詮私は、あの人に憧れ、あの娘に嫉妬する、ただの凡人だったんだ。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:15:38.69 ID:pjnV+iJf0<>
W号戦車になってわかった。

私はあの娘にはなれない。

……あの娘の代わりになるなんて、最初から無理だったんだ。

それに、私じゃあの娘に敵わない。

認めたくはなかったけれど、どうしようもなく大きな才能の壁がある。

腐っても西住流の血だ、邪道に行ってもその才能は揺らいでいない。

……隊長は、最初から全部分かっていたのだろう。

あの娘の幻影を追っても、あの娘と張り合っても、私に先などないって。

だからずっと言われていたのに。

お前の戦車道を見つけろと、言われていたはずなのに。

結局私は、空っぽのハリボテのままだった。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:17:05.65 ID:pjnV+iJf0<>
W号戦車になってわかった。

私はあの娘にはなれない。

……あの娘の代わりになるなんて、最初から無理だったんだ。

それに、私じゃあの娘に敵わない。

認めたくはなかったけれど、どうしようもなく大きな才能の壁がある。

腐っても西住流の血だ、邪道に行ってもその才能は揺らいでいない。

……隊長は、最初から全部分かっていたのだろう。

あの娘の幻影を追っても、あの娘と張り合っても、私に先などないって。

だからずっと言われていたのに。

お前の戦車道を見つけろと、言われていたはずなのに。

結局私は、空っぽのハリボテのままだった。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:17:31.42 ID:pjnV+iJf0<> ぐえっ、書き込みエラーが出たから再送信したら重複……片方は見なかったことに <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:30:47.34 ID:pjnV+iJf0<>
だけど、それでも。

エリカ(それでも、私は――――)

貴女の後ろをついていきたい。

貴女の右腕になりたい。

貴女の右腕として、あの娘と張り合っていたい。

エリカ「今ッ!」

金魚のフンと罵られようとも。

自分がない空っぽの存在と嘲られようと。

それでもこれが、目指し焦がれて歩んできた道。

無謀だろうが、虚ろだろうが、誤っていようが、無様であろうが、それでも――――

エリカ「ッてぇ!!!」 ズドムッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:34:25.54 ID:pjnV+iJf0<>
逸見車操縦手「うーん、見事にやられたなあ」

逸見車砲手「それでも何とか1輌は倒せてよかったわ」

エリカ「……」

逸見車通信手「……やっぱり、この程度で満足してちゃまずい、かな?」

逸見車装填手「……結局今回も、隊長の援護行けなかったもんね……」

エリカ「……いいわよ」

逸見車通信手「ふえ?」

エリカ「これで十分」

エリカ「きっとこれが――分相応なんだわ」

逸見車砲手「逸見さん……」

エリカ「何も、隊長の隣で、隊長と一緒に戦うだけが右腕の仕事じゃない」

エリカ「……前と違って、ちゃんと右腕の仕事を成し遂げられたんだもの」

エリカ「満足よ。私は」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:46:32.27 ID:pjnV+iJf0<>
逸見車装填手「……おお……」

逸見車砲手「なんだか逸見さんが……」

逸見車操縦手「つきものとれた、みたいな顔してる……」

逸見車通信手「逆に怖い……」

エリカ「アンタラね……」

エリカ「言っておくけど、今回はこれで満足ってだけで、今後はもっとバシバシ上を狙うわよ」

エリカ「少しでも隊長のお役に立てるようにするんだからね!」

逸見車砲手「ひえ〜っ」

逸見車通信手「うう、隊長もあと半年で引退なのにぃ」

エリカ「……それでもよ」

エリカ「まあ、情けない話だけど、私にはその道しか知らないし――」

エリカ「何より、あの人のために動いているときが、一番楽しい」

エリカ「あの人の力になりたい――って、思うんだから」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:54:51.47 ID:pjnV+iJf0<>
逸見車砲手「ひゃー、愛ですなあ」

逸見車通信手「こりゃ来年また私達苦労しますねぇ」

エリカ「う、うっさいわね!」

逸見車操縦手「まあ、でも仕方ないから付き合ってあげますか」

逸見車装填手「前より付き合いやすくなったしねえ」

逸見車砲手「実際、隊長の腰巾着が板についっちゃってるしね、私らも」

エリカ「腰巾着じゃなくて右腕って言いなさいよ!」 プンスコ

エリカ「……」

エリカ「不満があれば……」

エリカ「来年の再編成で、別の車輌に行ったっていいんだからね……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 01:57:53.23 ID:pjnV+iJf0<>
逸見車面々「…・………」

逸見車面々「ブフッ」

逸見車装填手「あっはっは、なにそれ」 ゲラゲラゲラ

逸見車操縦手「ガラじゃなさすぎるよっ」 ゲラゲラゲラ

エリカ「ッさいわね!」

エリカ「自分がかなり情けないこと言ってるって自覚してるから、一抜けするチャンスをあげたんでしょうが!」

逸見車砲手「いやいや、付き合うってば」

逸見車操縦手「今更他っていうのもねー」

逸見車装填手「それに、私達だって腐っても西住流だもん」

逸見車通信手「そうそう、隊長のお役に立ちたいって気持ちは持ってるんだから」

エリカ「ったく……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 02:20:04.53 ID:pjnV+iJf0<>
エリカ(腐っても西住流、か――)

何処まで行っても、やっぱり貴女を追うことはやめられない。

どれだけ割り切ろうとしても、あの娘と張り合うことをやめられない。

二人に依存せず、自分だけで成り立てる、確固たる道を見つけられたらよかったのに。

エリカ(そうね。例え、望んでた形じゃないとしても)

それでも、そうやって歩いてきた道だから。

だからこそ、ここまでやって来れたのだから。

このままずっと、この道を歩んでやる。

本物には遠く及ばないハリボテの実力で、いつか空っぽの土台を満たしてやる。

エリカ(これが、私)

それが――今の私の、自分自身が歩みたいと思った戦車道だ。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 02:23:37.84 ID:pjnV+iJf0<>
カチューシャ「ちょっと、何ぼんやりしてるのよ」

エリカ「……クソチビ……」

カチューシャ「カチューシャは小さくないわよっ!」

エリカ「はいはい……」

エリカ「まあ確かに、いつまでもここに居てもしょうがないわね」

エリカ「さっさと移動しましょ」

エリカ「隊長の勇姿を見逃しちゃうわ」

カチューシャ「……」

グイッ

エリカ「っ!」

エリカ「ちょっと、急にスカート引っ張らないでよ!」

エリカ「ストンと落ちたらどうするのよ!」

カチューシャ「どうするって……爆笑しながら写真を撮るけど」

エリカ「このガキ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 02:27:28.23 ID:pjnV+iJf0<>
カチューシャ「カチューシャは疲れてるのよ」

カチューシャ「それに、黒森峰の番犬風情が頭が高いのも気に入らないわ」

カチューシャ「肩車しなさい」

エリカ「……」

エリカ「はあ〜〜〜〜〜???」

エリカ「遊園地で疲れた四歳児までよ、そんなワガママが通るのは!」

逸見車通信手「まあ、でもここは遊園地ではあるしね」

逸見車砲手「逸見ママ……」

逸見車操縦手「今夜のおかずはハンバーグよ、はぁと」

逸見車装填手「口から出して来そうでやだー」 クスクス

エリカ「アンタら〜〜〜〜!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 02:30:52.83 ID:pjnV+iJf0<>
カチューシャ「光栄に思いなさい」

カチューシャ「カチューシャはそれなりに認めた相手にしか肩車をさせてあげないんだから」

エリカ「はあ?」

エリカ「ったくどれだけ傲慢なのかしら」

エリカ「大体アンタなんかに褒められたって嬉しくないわよ」

逸見車通信手「と、言いながらもしゃがむんだ……」

逸見車装填手「めちゃくちゃ嬉しそう……」

逸見車砲手「笑顔を隠せてないよね……」

逸見車操縦手「常に叩かれっぱなしで、全然褒めてもらうことなかったもんねえ……特に他校からは……」

エリカ「アンタらそういう陰口はせめて聞こえないようにやりなさいよ全部聞こえてるわよコラ」

逸見車砲手「じゃあまた逸見の森復活させる?」

エリカ「やめろ」

逸見車通信手「種籾を植えようか……たねも見エリカさんが、やがて立派な逸見の森になるように……」

エリカ「…………っ!」

カチューシャ「ちょ、ちょっと! カチューシャを投擲武器にしようとしないでよっ!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 02:39:37.27 ID:pjnV+iJf0<>
エリカ「ったく……」

カチューシャ「……」

カチューシャ「まあ、でも、少しはマシになったんじゃない」

カチューシャ「ただキャンキャン吠えてしっぽ振るだけの犬じゃなくなったみたいだし」

エリカ「何よソレ」

カチューシャ「少なくとも、虚栄にしか使ってなかったその首輪、前よりは立派に見えるわよ」

エリカ「……はあ?」

エリカ「もうちょっとわかりやすく言いなさいよ」

カチューシャ「そうね……」

カチューシャ「ほんのちょっぴりだけ、ノンナみたいになったわねってことよ」

カチューシャ「肩車をさせてもいいくらいにね」

エリカ「!」

カチューシャ「まあ、射撃の腕は足元にも及ばないし、人間性から忠誠度まで本当に比べるべくもないけれど」

カチューシャ「言うならば超絶劣化ノンナね」

カチューシャ「ノンナをSSR腹心とするならNの腹心くらいにはなれたわよ、よかったわね」

カチューシャ「課金したら出てこなくなるレベルの存在とはいえ、ようやく比べてあげてもいいくらいにはなったわ」

エリカ「このままパワーボムにでも移行してやろうか」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/23(月) 02:40:08.25 ID:pjnV+iJf0<> 明日早いことを思い出したので寝ます
最終章2話までにはなんぼなんでも終わるはず <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/25(水) 23:59:27.20 ID:FQa5Qfe60<> エリみほまだです? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/26(木) 00:18:53.69 ID:ekbvHXWZ0<> カチューシャは投げるものではありません愛でるものです <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/23(木) 16:26:06.58 ID:lPi4Qc4u0<> 続き待ってます! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/09/01(土) 17:14:31.95 ID:Joyrw7Hv0<> まだ二話まで時間はある
慌てなくて良い <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/10/15(月) 09:14:28.61 ID:gvBRgTba0<> おお復活したか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/10/27(土) 03:28:47.83 ID:fryFPQYS0<> いつのまにかSS速報復活しとるやんけ、また暇なタイミングで更新します…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/10/27(土) 06:34:34.33 ID:+LikDUIEo<> やったぜ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/11/05(月) 08:56:34.40 ID:kYmOzZja0<> >>365
やったぜ
待ってます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/01(土) 12:11:43.22 ID:8NBaMj2e0<> 12月なっても待ってます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/18(火) 20:48:58.56 ID:N1rZTuBD0<> 待たせて申し訳ない、いい加減終わらせたいので、ちょっと自分で読み返してから投下します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/18(火) 21:15:49.19 ID:Q2Wqj9qmO<> 待ってた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/19(水) 01:35:15.49 ID:yweZSe7+0<> 予想の数倍ボリューミーで読み返すうちに眠気まで着たので投下自体は明日します申し訳ない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/19(水) 17:22:18.21 ID:44k122Cm0<> 待ってた。そりゃ1スレ以上あるからボリューミーで仕方ない
投下楽しみです <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/20(木) 08:43:19.75 ID:dIQjRC5y0<> 寝落ちてましたごめんなさい。週末には、必ず透過するんで許して…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/24(月) 20:09:22.96 ID:1qPV23730<> というか本当に作者か
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/24(月) 20:51:37.38 ID:1qPV23730<> ずっとやるやるいっててすぐできなかったレスばかりだから心配
最後どうなるか期待している <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/25(火) 22:16:25.08 ID:cNUWCSvW0<> 気付けばクリスマスも終わりますし、今夜の投下で終わりくらいにしたいので投下します
待たせて申し訳ない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/25(火) 22:19:22.90 ID:cNUWCSvW0<>
カチューシャ「……それにしても……」

カチューシャ「意外と乗り心地が悪くないわね……」

カチューシャ「体幹がしっかりしてるからかしら」

エリカ「ふん、これでも黒森峰の未来を背負う副隊長よ」

エリカ「体力だって必要だし、ボクササイズで体を引き締めてるんだから」

カチューシャ「ふーん……」

カチューシャ「まるで戦車に乗ってるみたいな安心感は確かにあるわね」

エリカ「だ、だだ、誰が戦車よ!」

カチューシャ「うわあっ、ちょ、暴れないでよ危ないでしょ!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/25(火) 22:26:44.84 ID:cNUWCSvW0<>
エリカ「んなことより隊長達よ!」

エリカ「……勝ってくれると信じてはいるけど……」

エリカ「あっ、やった! パーシング撃破!」

カチューシャ「……ふふん、カチューシャ達が一輌落としておいたおかげね!」

エリカ「はあ? 私の功績が一番大きいでしょ」

エリカ「……」

エリカ(あいっかわらず、理解を超えた動きをするわね、あの娘も……)

エリカ「……っ」 ズキッ

エリカ「……?」

エリカ(何かしら、今の……少し頭が……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/25(火) 23:07:36.09 ID:cNUWCSvW0<>
エリカ「……」

エリカ「ここで急旋回」 ボソ

カチューシャ「?」

エリカ「……」

カチューシャ「……ほんとに急旋回したわね」

カチューシャ「読んでたわけ? やるじゃない」

カチューシャ「まあ! 勿論カチューシャだって読めてたけど!」

エリカ「……」

エリカ(いや、読めてたっていうか……)

エリカ(デジャヴ?)

エリカ(なんだか、細かい動作一つ一つが頭に浮かぶっていうか……)

エリカ「……」

エリカ「あ……」

エリカ(浮かんでくる映像、全部戦車視点……ってことは……)

エリカ(W号のときの記憶……?) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/25(火) 23:11:20.12 ID:cNUWCSvW0<>
エリカ(いや、でも、私がW号になってたとき、ここまで来られなかったわよね……)

エリカ「……」

エリカ(あ、でも……)

エリカ(今の時間のW号と入れ替わっていた私が居るのは確かなわけで……)

エリカ(未来が変わった今、あのW号はどうなってるのかしら)

エリカ(少なくとも未来が変わる前は、あの中に私がいたはずだし、W号の魂は入ってなかったはずだけど……)

エリカ(……こーいうSF的なの、正直さっぱりなのよね……)

エリカ「…………」

エリカ「ねえ、パラレルワールドとか詳しかったりする?」

カチューシャ「は?」

エリカ「……なんでもないわ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/25(火) 23:13:59.18 ID:cNUWCSvW0<>
エリカ「……」

エリカ(そういえば、今までは、戦車の中に私が居るときは、常にその時間でも入れ替わりが起きてたのに……)

エリカ(今回は起きないのね)

エリカ(……これが最後だからってことかしら)

エリカ(まあ、大洗も救えたんだろうし、十分よね……)

エリカ(W号の中に居たおかげで、色々なことを知れたし……)

エリカ「……っ」 ズキッ

エリカ(また頭痛……まったくなんだってのよ……)

エリカ「…………あれ?」

エリカ(W号の中に入って、色々知って……)

エリカ(知ったはずよね……)

エリカ(私……何を見て、何を知ったんだっけ……?) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 00:54:43.81 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「……?」

エリカ(何……何なの……なんだか、頭にモヤがかかって……)

エリカ(何か大切なことを学んだ気がするのに……)

エリカ(イマイチ思い出せない……?)

カチューシャ「……」

カチューシャ「どうかした?」

エリカ「……」

カチューシャ「まったく、あの忠犬がご主人様の試合に集中しないなんて」

カチューシャ「よほどのことがあったのね」

エリカ「な、しゅ、集中してないなんてことは……」

カチューシャ「……」

カチューシャ「あのさ」

カチューシャ「噂で聞いただけだし、違ったらスルーでいいんだけど」

カチューシャ「それ、戦車みたいな奇行してたことと関係があるわけ?」

エリカ「っ!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 02:35:15.91 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「な……」

エリカ「……」 ジロリ

小梅「何かこっち睨んでるけど、私じゃないからね!?」

カチューシャ「言っとくけど、諜報活動が得意なのは聖グロだけじゃないんだから」 フフン

小梅「ほら、冤罪」

小梅「その情報はあんまり漏らさないようにしてたんだから」

エリカ「……悪かったわよ」

小梅「そりゃあ、他の情報は逸見の森で積極的に流してたけど……」

エリカ「気になるけど聞きたくないわね何流してたのか……」

直下「生理重くてすぐ不機嫌になるからそのへんの情報は皆で共有してたよね」

小梅「森の仲間達総出でチェックしてたらそのへんすぐ分かるもんねえ」

エリカ「物量を活かしたストーカー行為ほんとやめなさいインターネットじゃないんだから」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 02:37:20.64 ID:JaX/Ez/c0<>
カチューシャ「……特別に、話してあげるわ」 コソ

エリカ「……?」

エリカ「何よ、急にヒソヒソと……」

エリカ(……顔が近い……肩車のせいでただでさえ密着してるのに……)

エリカ(ブリザードのノンナがここにいなくてよかったわ……)

カチューシャ「……カチューシャも、昔、似たようなことがあったのよ」

エリカ「………………は?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 02:41:14.84 ID:JaX/Ez/c0<>
カチューシャ「とは言っても――カチューシャにその記憶はないわ」

カチューシャ「でもね」

カチューシャ「ノンナが記録をつけてたのよ」

エリカ「……はあ……」

カチューシャ「身長が3ミリ伸びた気がして、確認するためにノンナに聞いたところ……」

カチューシャ「毎日記録をつけてるっていうから見せてもらってたんだけど」

エリカ「え、毎日記録付けてるの? 身長の?」

エリカ「アンタのとこの副官、どうかしてるんじゃないの?」

カチューシャ「ちょっと、ノンナを馬鹿にすると許さないわよ!」

カチューシャ「大体、どうかしてる具合で言うと、アンタも大概なんだからね」

エリカ「はあ〜??? 私の隊長への想いはもっとピュアネスですぅー!」

小梅(試合佳境なのに、何か楽しそうだなあ二人とも……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 03:18:41.54 ID:JaX/Ez/c0<>
カチューシャ「まあとにかく、つけてた記録を見せてもらってたんだけど……」

カチューシャ「結構細かく記録がつけられてて、懐かしむように読み漁っちゃったのよね」

カチューシャ「そしたら、書いてあったのよ」

カチューシャ「……1年くらい前に、私が何かおかしくなったって」

エリカ「今でも十分おかしいでしょ」

カチューシャ「そこには色々調べた結果が記されていたわ」

カチューシャ「どうやら私がまるで戦車みたいになったって書いてあった」

エリカ「く、苦し……あ、足を首に絡めるなっ……おえっギブ! ギブ!」 バンバン

小梅(何喋ってるのかあんまり聞こえないけど楽しそうだなあ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 03:32:49.38 ID:JaX/Ez/c0<>
カチューシャ「……おかしなことに、そのあたりの記憶、まったくないのよ」

カチューシャ「私には勿論、ノンナにもね」

エリカ「……え?」 ケホッ

カチューシャ「そのあたりの記憶が、どーにも皆朧げなのよね」

カチューシャ「ノンナなんて、思い出せないことを悔やんで柱に何度も頭を打ち付けてたわ」

カチューシャ「そのせいで校舎の柱が一本砕けて大変だったんだから」

エリカ「あんたんとこの副官こそ体が戦車で出来てンじゃないの?」 <> 細かいところにミスが出てるけど脳内修正してもらえると助かるなって…<>saga<>2018/12/26(水) 04:00:18.41 ID:JaX/Ez/c0<>
カチューシャ「だからまあ、アンタが戦車っぽくなったって聞いて、少し気になってたのよ」

カチューシャ「……カチューシャに何が起きてたのか、何か知るヒントになるかもって」

エリカ「……私は……」

エリカ「…………」

カチューシャ「……その調子じゃあ、アンタももう、忘れつつあるみたいね」

カチューシャ「プラウダの工作員を総動員しても全然分からないし、まったくどうなってるのかしら」

エリカ「忘れる……」

エリカ「……そんな馬鹿な……」

エリカ「だって、あんなに強烈な……」

エリカ「強烈な……」

エリカ(あれ……何があったんだっけ……?) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 04:09:49.52 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「……」

エリカ(何か……学んだはずなのに……)

エリカ(とても大切な何かを……)

エリカ(なのに……思い出せない……!?)

エリカ「そんな……」

ワァァァァァァァ

小梅「すごいすごい、すごいね!」

エリカ「えっ?」

小梅「えっ、見てなかったの?」

小梅「隊長がものすごく格好良く単独でパーシング倒してたのに……」

エリカ「はああああああああああ!?」

エリカ「うっそ、そんな大切なシーンを私は……!」

エリカ「ぐあーっ、録画っ、誰か今の映像に残してないの!?」

カチューシャ「だあもう! キョロキョロしないで、カチューシャが上に乗ってるのよ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 04:34:10.79 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「はぁ……」

エリカ「残りの勇姿だけでもしっかり目に焼き付けておこ……」

エリカ「……」

エリカ(しっかしほんと、ムカつくくらい完璧な連携だわ)

エリカ「……」

エリカ(でも、どうしてかしら)

エリカ(前ほど嫉妬に狂わない……)

エリカ(何故かは分からないけど、受け入れたうえで、爽やかな感じで乗り越えたいって気持ちになってる……)

エリカ「…………」

エリカ「ひっ!」 ビクン

カチューシャ「どーしたのよ」

エリカ「え、あ、な、なんでもないわっ」

エリカ(な、なんでかしら……空砲の奇策を見たら、おしりがジンジンと痛くなってきた……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 04:55:46.13 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「……」

エリカ「勝ったのね……」

エリカ「……よかった……」

カチューシャ「ふうん……」

カチューシャ「……W号を見て、そう言うのね」

エリカ「えっ?」

エリカ「あ、いや、その……」

カチューシャ「いいんじゃない。何故か気になる戦車ができるの、気持ちは分かるもの」

カチューシャ「……カチューシャも、かーべーたんのこと、不思議と他人と思えないし」

エリカ「……」

カチューシャ「多分、何かしら大きな転機を迎えた戦車乗りには、そーいうのがあるんじゃないの」

カチューシャ「カチューシャも、かーべーたんが気になるようになった、記憶朧げな時期くらいから、隊長として急成長出来たもの」

エリカ「いや、他人と思えないもなにも、あんたとCV-2じゃあ高さが全然違……」

カチューシャ「首に足絡ませたまま全体重後ろに傾けるわよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 04:58:33.87 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「……」

エリカ(よくわからないけど……まあ、いいわ)

エリカ(考えても分からないのに、考えたってしょうがないもの)

エリカ(今はただ――)

エリカ(胸に感じる暖かさに身を委ねて、素直に喜ぼう)

エリカ(隊長の勝利と、そしてあの娘達の道が途切れなかったことを)

小梅「あは……」

小梅(やったね、エリカさん……)

小梅(らしくない大喜びしちゃって……)

小梅(でも、いじるのはやめておいてあげよ)

小梅(……本当に……誰より願ってたもんね……)

小梅(おめでとう、エリカさん……!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 05:07:13.11 ID:JaX/Ez/c0<>  





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 05:24:33.20 ID:JaX/Ez/c0<>
あの後――結局私は、あの娘と何か話すでもなく帰路についた。

あの娘がいろんな人に囲まれていたというのもあるし、

隊長とのやり取りを邪魔したくないというのもあった。

それに、何か大切なことを忘れたような感覚に陥って、

不思議と涙がこぼれ落ちていたというのもある。

とにかく――そんなこんなで、大洗女子学園の生徒としての一日は終わった。

あとは、これまで通り、黒森峰の逸見エリカとして精進するのみ。

隊長の右腕となれるよう、自分の足でしっかりと自分が選んだ道をゆく。

そしていつかは、胸を張って、隣に歩けるような存在になる。

そう思っていたのに――

エリカ「あああああ……なんで隊長ドイツにいいいいいい……!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 05:30:22.30 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「いやおめでたいことだけども! だけども!!」

エリカ「あああああああ……胃が痛い……」

エリカ「まだまだ教わりたいことがあったのに……」

エリカ「ううう……私の在学期間だけ全部V逸の暗黒期とか絶対イヤよ……うう……」 キリキリ

小梅「そのときはネットで延々一緒に叩かれようね」

エリカ「おわーーーーーーっ!」

小梅「わっと……ほんと驚かせると反射的に手が出るのよくないよ……」

小梅「もう慣れたからスウェーで回避できるようになったけど」

エリカ「……も、もしかして聞いてた……?」

小梅「まあね」

小梅「夏くらいから、何か独り言多くなってるし」

エリカ「う……なんでか分からないけど、くせになっちゃってるのよね……」

小梅「……やっぱり不安?」

エリカ「べ、別にそんなことないわよ」

小梅「もう……私にくらい本音を話してくれてもいいのに……」

小梅「そうやって抱え込むと、いざV逸見さんとか影で言われ始めた時潰れちゃうよ?」

エリカ「まあまあリアルにネットで将来使われそうな蔑称スラスラ挙げるのやめてくれない?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 05:37:07.10 ID:JaX/Ez/c0<>
小梅「まあ、今の黒森峰、新体制以降で色々大変な時期だもんね」

小梅「隊長がいなくなってから、無限軌道杯復活しちゃったし」

エリカ「他校は隊長まだ残ってるとかほんっっと勘弁してほしいわ」 キリキリキリ

小梅「でも大洗は替わったらしいし……」

エリカ「それが特に不可解なのよ」

エリカ「なんでまたあの娘じゃなくてあのクソ無能片眼鏡に……」

小梅「ソレ、この前も言ってたけど……」

小梅「あの頭良さそうな人、そんなに無能なのかなあ」

エリカ「……」

エリカ(何故かは自分でも分からないけど、あいつは無能って感覚が刻まれてるのよね……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 05:48:32.63 ID:JaX/Ez/c0<>
小梅「でもほら、諦めたらそこで試合終了だよ」

小梅「それに戦力だって、うちはトップクラスなんだから」

小梅「あふれる武力で返り討ちにしてあげようよ」

小梅「例えばほら、くまのぬいぐるみを人質に取るとか……」

エリカ「奇策も奇策じゃないの!」

エリカ「それに、ボコ――あのクマ、ボコボコにされるのがアイデンティティなのよ」

エリカ「あれを人質に取っても喜ばれるだけだわ」

小梅「わあ、詳しい」

エリカ「……そんなことないわよ」

エリカ「ちょっとググったら出てくる程度の知識しかないから」

小梅「ふう〜ん、なんでググったのかなあ」 ニコニコ

エリカ「…………うるさい」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 05:54:24.83 ID:JaX/Ez/c0<>
小梅「でも、みほさんと同じあのクマさんを愛好してる島田愛里寿ちゃんは……」

エリカ「……ああ、そういえば、あの試合の時一瞬止まってたわね……」

小梅「本人はコメントを控えてたけど、あれってやっぱり、そういうことだよね」

エリカ「……まあ……」

エリカ「本人も無自覚の内に、何か思い入れがあるとかしたんじゃない」

エリカ「知らないけどさ」

エリカ「……物にも魂はあると思うし」

エリカ「何かそう考えると、無実のボイテクを撃ったりできなかったんでしょ」

小梅「……」

エリカ「……何よその顔は」

小梅「いやあ、エリカさんが、物にも魂が宿るなんてロマンチックな考え方をするなんて……」

エリカ「あーーーーもう、その顔ムカつくのよ」

エリカ「さっさと行くわよ、試合始まっちゃうし」

小梅「ふふっ……そうだね」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 05:58:12.35 ID:JaX/Ez/c0<>
みほ「あ……」 バッタリ

エリカ「……」

小梅(う、うわー……)

小梅(私個人としてはこのままお茶でもしたい顔ぶれだけど……)

エリカ「……」

小梅(隊長になったばかりでピリこいてる状態だと無理だよねえ……)

みほ「……」

小梅(み、みほさんも萎縮しちゃってる……)

小梅(どうしよう、ここはいっちょ小粋な腹話術で場をなごませるべきかな……)

小梅(水没後談笑相手が枕くらいしかいなかったときに培った一人芝居芸なら、きっとこの空気も――)

エリカ「小梅」

小梅「ひゃいっ」

エリカ「悪いんだけど、先に言っててもらえる?」

エリカ「ミーティング、はじめておいて」

小梅「え、でも……」

エリカ「……お願い」

小梅「……」

小梅「うん、わかった」

小梅「みほさん。それじゃあ、またね」

みほ「あ、うん……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:06:49.99 ID:JaX/Ez/c0<>
みほ「え、えと……」 オドオド

エリカ「……」

エリカ「言いたいことがあるのならハッキリ言えば? 大洗の隊長サン」

エリカ「……ああ、“元”でしたね」 ハン

みほ「……えっと……」

エリカ「かといって……」

エリカ「副隊長、と呼ぶつもりはないわよ」

エリカ「それこそとっくに“元”って感じだし」

みほ「うう……」

エリカ「……とはいえ……」

エリカ「名字は名字で、隊長とかぶるから呼びたくないのよ」 ハァ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:10:54.91 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「言っておくけど、私はこのまま終わるつもりはないわよ」

エリカ「どこまでだって隊長の背中を追いかけるし、いつかは西住流を極めてみせる」

エリカ「……アンタとだって、ずっと戦って、そしてねじ伏せ続けるつもりよ」

みほ「エリ……逸見さん……」

エリカ「……だからまァ……なんていうか……アンタの呼び名がないと不便なのよ……」

エリカ「黒森峰の元副隊長でもなく、大洗の元隊長でも副隊長でもなく」

エリカ「そーいった肩書を全部取っ払ったアンタという個人相手に、勝ち続けるつもりだから」

みほ「……うん……」

みほ「私も……」

みほ「今は、戦車道が、とても好きだから……」

みほ「ずっと続けていきたいし……逸見さんとも、その……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:17:49.12 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「……アンタは入学当時から有名だったし……」

エリカ「引っ込み思案なアンタにかわって、隊長がアンタのことを紹介してたわよね」

みほ「そ、そうだっけ……」

エリカ「そうよ」

エリカ「だから私は……アンタのことを何も知らないのよ」

エリカ「……何故だか、すぐ傍でずっと戦った間柄みたいに感じるのに」

みほ「え……?」

エリカ「……なんでもないわ」

エリカ「とにかく、肩書抜きの素のアンタのこと、私はアンタの口から一度も聞いたことがないの」

エリカ「だから、その、聞かせてくれない?」

エリカ「生涯を賭けてぶっ倒さないといけない相手の名前を」

エリカ「……これから、貴女を、なんて呼べばいいのかを」

エリカ「……ほら、数年越しだけど、自己紹介しなさいよ」

エリカ「小梅が待ってるんだから、早く教えなさい」

エリカ「貴女の名は?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:21:07.68 ID:JaX/Ez/c0<>
みほ「あっ……」

みほ「みほ……西住みほ……」

みほ「好きなものはボコで、えっと……」

みほ「……みほって、呼んでほしいな、なんて……」

みほ「……」

みほ「逸見さんとも、今度こそ本当に、お友達になりたいから……」

エリカ「……フン」

エリカ「今まで友達じゃなかったってのは、腹立たしいけど、まあ事実だからいいわ」

エリカ「仲良し小好しをする気はないけど……」

エリカ「楽しく戦術の話をしたいって思わせるくらいの凄さ、見せつけなさいよ」

エリカ「……みほ」

みほ「…………!」 パァァァァ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:24:45.57 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ「とりあえず、互いに勝ち進んでからね」

エリカ「事前に話しすぎると談合とか疑われかねないし」

みほ「あ、うん、そうだよね」

エリカ「……全部終わったら、W号の中ででも話さない?」

エリカ「何故か分からないけど……あんたのW号、見てるとどこか懐かしい気持ちになるのよ」

みほ「……?」

みほ「よく、わからないけど……」

みほ「エリ……逸見さんと一緒に、W号でおしゃべりできるのは、すごく嬉しい……」

みほ「W号にも、感謝しないと、かな」 アハハ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:37:38.58 ID:JaX/Ez/c0<>
エリカ(……下の名前で呼び合いたい、か……)

エリカ(小梅といい、みほといい、些細なことに拘るわよね)

エリカ(まあ、私も人のこと言えないけど……)

エリカ「……そういえば……」

エリカ「私も、自己紹介は隊長にだけ向けてしてたっけ……」

エリカ「真横にいたアンタはたまたま聞いてたかもしれないけど……」

エリカ「言ってなかったわよね」

エリカ「西住流の猿真似でしかなかった、黒森峰のプライドが高い副隊長候補」

エリカ「もしくは副隊長か」

エリカ「……そんな存在じゃあない、素の私のこと、アンタには、一切見せてなかったものね……」

みほ「……うん……」

みほ「これから……その、いっぱい知っていきたいな……」

みほ「何が好きかとか、戦車道以外の部分も……」

みほ「それに……戦車道の部分でも、もう目をそらさず、真正面から向き合いたい……」

エリカ「……そうね」

みほ「だから、その……」

みほ「私にも、教えてください」

みほ「好きなこととか、戦車道のこととか……」

エリカ「……仕方ないわねえ」 フン

エリカ「耳の穴かっぽじって、その小さい脳みそにしっかり刻みつけなさい」

みほ「うん……」

みほ「今度はしっかり、1から全部、刻みつけるから」

みほ「だから、その……できれば、お友達として、下の名前で呼びたいなって思うんだけど……」

みほ「なんて、呼んだらいいかな……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:38:28.21 ID:JaX/Ez/c0<>  





みほ「貴女の名は」






fin. <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/12/26(水) 06:39:57.39 ID:JaX/Ez/c0<> くぅ疲。

映画のパロなのに、ここまで無駄に引っ張ってしまって申し訳ないです。
長期間お付き合いいただきありがとうございました。
細かな部分にミスがありますが(呼称とか)脳内補完していただけたら幸いです。
また何かスレを立てることがあれば、そのときはもっと手早く畳めるようがんばります。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/26(水) 09:11:53.22 ID:BQ8Yvn7KO<> 乙
次回作にも期待したい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/12/26(水) 12:34:03.18 ID:/AbpsdfAO<> 乙〜
よかった、○ナル直撃は体感しなくて済んだのか… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/26(水) 12:34:36.40 ID:sHuCXUixo<> 完結乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/12/26(水) 22:36:06.48 ID:NK0zL5UzO<> ◯ナル空砲はケツにコンプレッサーやる並にヤバそう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2019/01/01(火) 14:19:41.29 ID:idzFgTcbO<> 君の名はってこんな話だったのか… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2019/01/05(土) 04:02:12.66 ID:PQ8Bpqwe0<> おおー!!完結してる!スレ落ちたり色々あったけど乙乙 <>