以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 20:16:59.93 ID:9LtXgg2lO<>勇者「この入り口の狭さでは武器は持って入れないか」

戦士「ここまで来て引き返すわけにはいかん。武具を外そう」

僧侶「仕方ありませんでしょうな」

勇者「では、いざ参る!!」

入室!

魔王「ようこそおいでやす」

勇者「貴様を倒す!」

魔王「威勢のよろしいことで。ここまできて急いで決着つけることもありまへん。まずは座りやせ」

勇者「うむ」
戦士「邪魔するぞ」
僧侶「よっこらせ」

魔王「今、お茶を立てますよって」

勇者「かたじけない」

戦士「おい勇者よ。これは完全に魔王のペースに呑まれてるぞ!危険だ」

勇者「確かに…。こちらからも攻勢に出るべきだな。よし僧侶!」

僧侶「心得た。さて魔王さん。我々も手ぶらで来るほど不躾ではない。まずはこの土産を検めて頂こうか」

魔王「これはこれは、虎屋の羊羹とは、あな嬉しや嬉しや」

勇者(よし!反応は上々だ!)

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<>勇者「魔王の部屋の入り口がクソ狭い」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 20:18:49.71 ID:9LtXgg2lO<> 戦士「やはり虎屋の羊羹で正解だった。贈り物で喜ばれるもの鉄板だからな!」

魔王「こんな高級なもの、私一人で頂くなんて身に余りますどすえ。丁度ええし、茶菓子で今皆さんで頂きましょか」

僧侶「くっ!流石は魔王。この搦め手を正攻法で返してくるか…!」

勇者「だが、あの羊羹は俺たちも実は食べたかったんだ。逆に考えよう。これはチャンスだと!」

戦士「そうだな。だが、この正座という体勢…なかなかにキツイ」

魔王「ああっ。足は崩して構わへんどす。どうか楽にしてくれやす」

戦士「では、お言葉に甘えて…よいしょっと」

勇者「情けないぞ戦士…!」

僧侶「おのれ魔王!こうも安々と戦士の正座を崩すとは…」

魔王「おっと、湯が沸きましたな。では淹れましょか」

勇者「ではその間、羊羹を切り分けておきましょう」

魔王「いえいえ、それには及びまへん。お客はんはドシッと構えといてくれやす。『ダークネスカッター』」指クイッ!

シュパン シュパン シュパーン!

勇者「羊羹が一瞬で切り分けられた…!?」

僧侶「呪文詠唱もなしにこの威力とは……恐ろしい」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 20:20:33.78 ID:9LtXgg2lO<> 魔王「今淹れますよってな」

トポ トポ トポー

勇者「ふーむ。抹茶の良い香りが漂ってくるな」

魔王「勇者さん一行が来られるて聞いて、宇治のほうにええ茶葉を買いに行かせましたきに」

僧侶「それはわざわざ」

戦士「お心遣い感謝する」

魔王「ええってことです。こんなん趣味みたいなもんですから」

勇者「でしょうね」

魔王「買い付け行かせたルシアドはんも、あのへん出身やから、帰りに田舎寄れてよかった言うてはったりましたよ」

勇者「ルシアドと言うと四天王のルシアドか」

戦士「魔王城10階で奴とは死闘を繰り広げたな」

僧侶「勇者の機転で弱点を突けたのが勝利の鍵でしたね」

勇者「でもわざわざ茶葉買いに行ってくれたのが彼だったなんて、悪いことしたなぁ」

魔王「ほなら、ルシアドはんの入院の土産に、余った羊羹包んで持ってきましょかね」

勇者「かたじけない」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 20:22:13.49 ID:9LtXgg2lO<> しゃっしゃっしゃっしゃっ

魔王「どうぞ」

勇者「ほう。綺麗な抹茶の色だ。それに茶を立てるのも御上手ときた」

魔王「そんな。まだまだ未熟者やさかい」

勇者「ははは、ご謙遜を」

戦士「しかし、茶というのはどうやって飲めばいいのだ…?」

僧侶「確か二週半…いや三回だったか?回してグイッと……だった気がします」

魔王「そう肩肘張らず好きに飲んでくれてええどすよ。形式に囚われんと自由に楽しんで頂くんが一番やき」

戦士「重ね重ね心遣い痛みいる」

勇者「では!」

ゴッキュ!ゴッキュ!ゴッキュ!

勇者「ふぅ……。結構なお手前で」

魔王「おおきにや」

戦士「抹茶というのも中々わるくないな。美味かった」

僧侶「この茶室の静謐と相待って心が洗われるようだ」

魔王「花鳥風月、明鏡止水。茶によって自然と一体になるんはええもんです」

勇者「侘び寂びですなぁ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/10/10(火) 20:24:03.08 ID:9LtXgg2lO<> 魔王「茶ぁの苦味と、この羊羹の甘みが調和して、大変にええ塩梅どす」

勇者「お口に合って何よりです」

僧侶「今日は貴重な時間を割いてもてなしていただき、ありがとうございました」

戦士「機会があればまたやりたいものですな」

魔王「そう言って頂けて嬉しいですわ。こっちも張り切った甲斐がありますよって。
では、そろそろ上に参りましょか」

勇者「うむ。では後ほど」
僧侶「一旦失礼する」
戦士「邪魔したな」


魔王城の屋上


魔王「ふははははは!!よくぞここまで来たな勇者ども!!」

勇者「貴様を倒して世界に平和を取り戻す!!」

僧侶「すべては子供達の笑顔を守るため!」
戦士「例えこの身砕けようと、貴様を地獄に送ってやる!」

魔王「ニンゲン風情が笑わせる!!さあ、かかって来い!全てを賭けて!!」

勇者達「「「うおおおおー!!」」」


   カッッ!!



おしまい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 20:24:40.41 ID:9LtXgg2lO<> ありがとうございました。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 20:28:13.18 ID:+iFESrnwo<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 22:19:13.64 ID:WD555RP5o<> まさに茶番 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/11(水) 00:08:25.08 ID:VCinLroDO<> このSSは>>8で完成したような気がした <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/10/11(水) 06:17:32.39 ID:Tg+EAOT8O<> 変な時間に見たからフフってなった
>>8まで乙 <>