以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/17(金) 19:18:42.63 ID:1EKw6gjN0<>ダンガンロンパ

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グレゴリーホラーショー


◆タイトル通り安価はない

◆一話完結

◆すぐバレそうだけど一応主人公は伏せときます


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510913922
<>【クロス】ダンガンホラーショー【安価なし】 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/17(金) 19:19:00.47 ID:1EKw6gjN0<>

<チャラーンッ


私はどうして、この霧の立ちこめる森の中を
さまよっているんでしょう……?


……たしか、教室を出て、食堂に向かっていたはずなのに……。

あれ?あんな所に明かりが……?


<ギィィィ…



DANGAN HORROR SHOW

第一夜


<キャァァァーーッッ
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/17(金) 19:19:29.32 ID:1EKw6gjN0<>



中へ入ると、そこはホテルのようだった。

磨き上げられたローテーブル。ほの暗い蝋燭の明かり。革張りのソファ――。


???  「……お泊りですか?」


だしぬけに声がして、私は思わず悲鳴をあげる。

カウンターに座って帳簿をめくっていたのは、
眼鏡をかけたおじいちゃんネズミだった。


???  「これは失礼。驚かせてしまったようですねぇ…」ヒッヒッヒッ

グレゴリー「わたくしはGregory(グレゴリー)と申します。
      当ホテルの支配人をしておりまして」

グレゴリー「このような霧の深い夜ふけに、お美しい女性が森の中を独り歩きとは……
      道にでも迷いましたか?それとも……"人生"にお迷いで?」


ビカッ、ガシャーーン…ゴロゴロゴロ……


青い稲光が、グレゴリーの顔を不気味に照らし出す。


グレゴリー「……戯言でございますよ。鍵は……おお、あったあった」ジャラッ

グレゴリー「ただ今、お部屋のご用意をしてまいります」ヒッヒッヒッ



コツンッ、コツンッ、コツン……


支配人の背中が見えなくなると、私はソファに座った。

くたくたに疲れている……足もまぶたも、死ぬほど重い……。
ここがどこかは知らないが、早く眠りたい。

静かなホールに、柱時計の秒針だけが音を刻む。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/17(金) 19:20:37.06 ID:1EKw6gjN0<>

<ギャァァァァァーーーッッッ!!!




絶叫。

私は、ソファから転げ落ちた。

絹を裂くような断末魔が消えて、嘘のように静けさが戻ったホール。

見回しても、誰もいない。

……ほっと、息を吐いた瞬間。


グレゴリー「ハァ……ハアッ、ハアッ……」ボタボタ


血まみれのグレゴリーが、視界いっぱいに広がっていた。


グレゴリー「おきゃくさまぁ……お部屋のご用意ができましたので、
      ご案内いたします……」ヒッヒッヒッ


ヒヒヒヒヒ…

ヒーッヒッヒッヒッ……

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/17(金) 19:22:22.15 ID:1EKw6gjN0<> 次回は明日。

地の文の話し方が普通というか、個性がないのは
主人公が誰だか分からないようにするためです。
ちょっとでもバレる瞬間を先延ばししたくなる、>>1の悪い癖 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/17(金) 23:20:05.06 ID:RCtCVOWpo<> 乙

主人公隠すことにも何か意味があるのかな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/18(土) 13:06:03.20 ID:yBlw1gpn0<>
私がこのホテルに泊まるために、お客さんが一人消えました……。

……次のお客さんが来た時は、誰がいなくなるのでしょう……?


<ギィィィ…



DANGANHORROR SHOW



第二夜


<キャァァァーーッッ



【205号室】


グレゴリー 「こちらのお部屋を、お使いください…」ギィィ


右手には小さなベッド。なぜか固く閉ざされた窓際には小さな机。
クローゼットが一つ。これだけの部屋だった。


……床に、赤い染みがある……。


グレゴリー 「なにぶん急だったもので、掃除が行き届かず申し訳ございません。
       断じて、"血痕"などではありませんので、悪しからず……」


木造なせいか、かなり寒い部屋だ……クローゼットに毛布でもないだろうか。


グレゴリー 「お開けにならない方がよろしいかと」


なんで窓は閉じているんだろう?


グレゴリー 「お開けになるなら、お覚悟を。…おやめになりますか?」


……やめておこう。


グレゴリー 「その方がよろしゅうございますよ…」

グレゴリー 「ご用がございましたら、グレゴリーまで。
       それでは、よいご滞在を。……永遠に」


バタン…コツ、コツ、コツ……
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/18(土) 19:44:33.86 ID:LJHODpGf0<>
緊張しているのだろうか。
さっきまではあんなに眠かったのに、すっかり目が冴えている。

支配人はああ言っていたが……


再び窓に目をやる。

私は立ち上がって、窓枠に手をかけた。

……!


虫だ!蟻が一匹飛び出してきた!

私はそこまで虫嫌いではないが、いきなりだったので驚いてしまった。


グレゴリー 「お客様」


心臓が跳ね上がる。


グレゴリー 「喉が渇いておいででしょう。水差しを持ってまいりました」


トレイに乗ったガラス製の水差しとコップを、支配人が机に置いた。


グレゴリー 「当ホテルは、お客様におくつろぎいただけるよう最高のサービスを提供いたします…ところで、
       なぜあわてておいでなのです?」

グレゴリー 「ほう……蟻が出た、と。申し訳ありませんお客様。なにぶん古い建物ですので……ヒッヒッヒ」


バタン…


歩きつかれて喉が乾いている…私は水差しに手を伸ばす。

……コップの中に、蟻が一匹浮かんでいる。私は外へ出してやろうと指を入れた。

!!

蟻が、思い切り私の指に噛みついた!!


「あれれー?掃除したはずなのにドブ川みたいな匂いがするよー?」


どこからか声がする。


「ここかなぁ〜?それともぉ〜」

「みぃーつけたっ!」


蟻がどんどん膨らんでいく…とうとうコップを突き破った!!
いまや私の半分ほどになった蟻は、その大きな顎をガチガチと咬み合わせる!!
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/18(土) 20:03:20.93 ID:7LQKLcEh0<> グレゴリーホラーショウ懐かしい
携帯電話で2番目辺りにダウンロードしたアプリだった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/18(土) 20:18:08.83 ID:LJHODpGf0<>
「ダメだよー。虫の分際で人間様に逆らっちゃー」

ブォンッ!

頭を噛みちぎられそうになったのを、なんとか避ける。

「逃げてもムダだっつーの!!」

「おらっ、死にたくなきゃ命乞いでもしてみなよ?」

「きゃははっ!自分より弱いやつを潰すのってサイッコー!!」

バターンッ!!


私は廊下に転がり出た。

部屋の中からはまだ蟻の罵詈雑言が聞こえてくる。


グレゴリー 「お客様、どうなさいましたか!?……なんと、蟻が!」ギィッ

グレゴリー 「小さく弱い虫ほど、己を守るために力をつけるものです。
       しかし、己が弱いことを知らぬまま生きる虫ほど、厄介なものはございません…」

グレゴリー 「人は己の罪によって、次の生を決めると言われております……この蟻は、己の
       身が人でなく、小さな蟻であることに気づけなかったのでしょう」

支配人は小さくなっていた蟻を摘まみ上げると、プチンッと潰してしまった。


グレゴリー 「このホテルに出る虫は、ほとんどが小さく
       害のない、哀れな生き物たちでございます。お客様も、どうかお慈悲を……ヒッヒッヒ」バタン





コツンッ…コツンッ…コツンッ


グレゴリー 「人はなぜ、何の害もない小さな蟻さえ踏みつぶしてしまうのか……」

グレゴリー 「汚い?恐ろしい?気味が悪い?いいえ、理由はただ一つ。"己より弱いから"でございます。
       おや、カウンターに蟻が……ええい、邪魔だ!」プチンッ
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/18(土) 20:19:57.84 ID:LJHODpGf0<> 第三夜は明日の予定

>>6
最後で「ええー」って言わせたいからです
それまでにバレたら諦めます

>>9
最初は日向が安価とコンマで魂集めるやつに
しようと思ったけど、システム周りめんどくさくて投げました
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/18(土) 23:13:52.13 ID:mHGptCOSO<> 乙
グレゴリーホラーショーの世界観とか設定とか知らないからアレだけど、お化け蟻の正体は西園寺か?
だとしたら主人公も2キャラの誰かかな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/19(日) 07:26:15.14 ID:T9coIF1DO<> 地獄のシェフとかキャサリンとかいたよな、懐かしい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/20(月) 18:48:26.55 ID:VeyfBloo0<> ……彼女は気づいていないのですよ
自身がアリだという事に <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/22(水) 16:18:22.16 ID:1fe2YrT10<> お腹が空いて眠れない……

だけど、あのスープは……決して飲んではいけないものだった……。



<ギィィィ…


DANGAN HORROR SHOW


第三夜


<キャァァァーッッ


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/22(水) 16:23:56.42 ID:1fe2YrT10<> ???「ンフフ…ここが新しいお客さんのお部屋だね…?」

???「こんにちは!夜食はいかがですか?」ガラガラ


入ってきたのは…豚さん。

コック服を着た豚さんが、カートを引いて入ってきた。


カトレット「僕はカトレット.クック(Cutlet Cook)。このホテルの料理人さ。
      森の中を歩き通しでお腹もペコペコだろう?さあ、僕の特製スープをお食べ!」

カートに乗っていたのは、湯気のたったスープだった。

真っ赤なスープ…私は空腹に耐えかね、スプーンを取る。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/22(水) 16:32:34.85 ID:1fe2YrT10<> ボコボコと泡だつスープ。

正直食べたくない……でも、空腹には代えられない……。


カトレット「あれ?どうしたの、もしかして……食べたくない?」

カトレット「好き嫌いはよくないよ」

カトレット「君のむっちりした手足や豊満な胸は素敵だけど…それがやせ細っていくのは
      見ていられないなあ……」

カトレット「よかったら、君がホテルにいる間、僕が専属シェフになってあげようか?
      一日三食、おやつも……長い夜を乗り切るためのあまぁ〜いスイーツも……」


なんだろう。

ぞわっと背筋が泡だつ。仲間のうちにこんな人がいなかっただろうか?


グレゴリー「これ、カトレット。あまりお客様を困らせてはいかん」

グレゴリー「しかし、困りましたなあ…以前にも、スープを呑むのを拒否したお客様がいらっしゃいまして。
      なんでも"血の味がした"とのことでしたが」

グレゴリー「そのお客様は何を食べたのかって?……いえ、その後は何もお召し上がりになりませんでした。
      その夜、お客様は忽然と姿を消してしまわれたのです」


そこで、カトレットの目がギラリと光った。


グレゴリー「いえいえ…もちろん、"偶然"でございますが……ヒッヒッヒ」


……私はもう一度スプーンを取った。



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/22(水) 16:41:52.00 ID:1fe2YrT10<> 「……」ズズッ


やや鉄くさい味がする。だが、食べられないほどではない。


「……」ズーッ

私は淡々と、スープを口に運ぶ。


グレゴリー「いかがですかな?」

グレゴリー「当ホテルの料理長、カトレットが100時間煮こんだ自慢のスープでございます。
      お客様にもご好評でして……」


ガキンッ!


!?

私は思わず、口の中のものを吐き出す。
奥歯に当たった固い感触……それの正体が、床に転がった。


……ピアス。

ひびの入った、リングピアスだ。


グレゴリー「おや、どうなさいました?お客様」


支配人の顔が歪む。視界が、ぐらぐらしている……。

ガタンッ!

私は耐えきれず、床に倒れこんだ。


グレゴリー「おや。味がお気に召さなかったご様子で」

カトレット「ちょうどスープストックが足りない所だったんだよね…ンフフフ」

グレゴリー「おやめなさい、カトレット。素材の新鮮さも大事だが、まずは」


二人の声が反響して聞こえる……まるで水中を漂うみたいな視界……。


グレゴリー「下ごしらえがいるだろうな」

カトレット「……下ごしらえ?」

グレゴリー「そう。"恐怖"という名の、下ごしらえがね……フォッフォッフォッフォ」



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/11/22(水) 16:42:50.64 ID:1fe2YrT10<> 今日はここまで
>>1は審判小僧が好きです
<>