◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:37:09.48 ID:A9B+v+y90<>日菜「お姉ちゃーん」

紗夜「どうしたの?」

日菜「今日ね、彩ちゃんが『千聖ちゃんってあんまりノンケって感じはしないよね』って言ってたんだ」

紗夜「『ノンケ』…?聞いたことがない言葉ね」

日菜「うん、リサちーとかと話してるから流行りの言葉なら一通り聞いてるはずなんだけど。彩ちゃんに意味を聞いても教えてくれなくて」

紗夜「確かに…日菜や今井さんでわからないとなると、業界用語かしらね。言われた白鷺さんは喜んでいたの?」

日菜「それが千聖ちゃん、にっこり笑いながら彩ちゃんにアイアンクローしてたんだよ!」

紗夜「となると『ノンケではない』っていうのは誉め言葉ではなさそうね」


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<>【バンドリ】紗夜「ノンケ…?聞いたことがない言葉ね」
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:38:34.24 ID:A9B+v+y90<> 日菜「っていうことは誉め言葉なんだ!『ノンケ』!」

紗夜「いえ、断定するのは早いわ。例えば女性に『かっこいい』『勇ましい』っていうのは必ずしも誉め言葉にならないもの」

日菜「あー!確かに!やっぱりお姉ちゃんはすごい!」

紗夜「当然でしょう。とりあえずネットで検索して正しい意味を…」

日菜「それはダメ!」

紗夜「どうして?」

日菜「麻弥ちゃんがね、『ネットには間違った知識や偏った知識も多いから、人に聞くことも大事』って言ってたの!」

紗夜「……確かに、意味をおぼろげにすら想像できてない状況だものね。交友関係が広く博識そうな人に聞いてみてから検索したほうがいいわね」

日菜「やっぱりそうだよね!できたらお姉ちゃんも誰かに聞いてみて欲しいんだ!『ノンケ』の意味!」

紗夜「わかったわ。……私たちが二人ともわからないなんてこともあるのね」

日菜「うんっ!こんなこと初めてだよ!るんっ♪ってしてきた!」 <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:39:26.94 ID:A9B+v+y90<> 紗夜の部屋


紗夜(さて、誰に聞いてみようかしら)

(こういうのは今井さんが適任だと思うのだけれど、既に日菜が接触済み)


紗夜「つまり今井さんのような最先端オシャレ麗人タイプには縁がない…と」

(となってくるとやはり業界用語。アイドル業界で使われている言葉ね)

(アイドルに直接聞くのは日菜に任せるとして…私はこういうことに詳しそうな、もしくは詳しい友人が居そうな…) <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:40:24.53 ID:A9B+v+y90<> 紗夜「羽沢さん…」

(そうだ…喫茶店で若宮さんをはじめとした業界人にも接点があり、青葉さんや上原さんのような手広く知識がありそうなバンドメンバーもいる)

(もう羽沢さん以外に正解を考えられないわ。素敵な友人を持てたことに感謝ね。早速電話を…) <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:42:57.68 ID:A9B+v+y90<> PPP……



つぐみ「はいもしもし、つぐみです」

紗夜「もしもし、紗夜です」

つぐみ「紗夜さん!紗夜さんから電話してくれるなんて嬉しいです!」

紗夜「そこまでのことでは…いえ、そもそも私が誰かに電話することが珍しいものね」

つぐみ「そうなんですか?えへへ///」

紗夜「どうしたんですか羽沢さん?とても嬉しそうな声色ですが、なにか今日は良いことがありましたか?」

つぐみ「はい!とっても!」

紗夜「それは何よりだわ。今度またお邪魔したときに聞かせてちょうだい」

つぐみ「それは恥ずかしいかな……あっ、話を逸らしちゃいましたね。何かご用ですか?」

紗夜「ええ、羽沢さんに聞きたいことがあって」

つぐみ「私にですか?(あっ、お菓子関連のことかな)」

紗夜「『ノンケ』って何のことかわかりますか?」

つぐみ「!!?!?!?!?!?!?!?!!?」ガタッ <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:43:49.95 ID:A9B+v+y90<> 紗夜「羽沢さん、何か音がしたけど大丈夫ですか?」

つぐみ「いえ、すいませんちょっと不注意で椅子につまずいちゃって」

紗夜「怪我はない?」

つぐみ「はい、なんとか……え〜っとノンケですか……」

紗夜「ええ、日菜が仕事の関係で耳にすることがあったらしくて」

つぐみ(仕事の関係で!?なんで!?アレかな、百合営業とかそういう関連の話でかな)

紗夜「羽沢さんなら店で若宮さんがバイトしていますし、友人も多いので心当たりがあるかと思いまして」

つぐみ(なるほど〜!よかった〜!変な知識持ってそうとかの指名理由じゃなくって!!) <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:44:58.20 ID:A9B+v+y90<> 紗夜「もし知っていたら、知識を貸してくれると嬉しいわ」

つぐみ(紗夜さんに頼られてるんだもん!しっかり正しく意味を伝えなくちゃ!)

つぐみ「そうですね…ノンケっていうのは単純に『異性が好きな人』のことです」

紗夜「異性が好きな人…?至って普通の人のことなのでは」

つぐみ「はい、あんまりこういう言い回しは普通の人はしませんよね」

紗夜(やはり業界用語だったというわけね。読みは冴えわたっているわ)

紗夜(となってくるとなぜ白鷺さんが『ノンケではなさそう』と評されて怒ったのかについてを考える必要があるわね) <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:45:49.03 ID:A9B+v+y90<> 紗夜「羽沢さん、もしあなたが『ノンケではなさそう』と言われたらどう思うかしら」

つぐみ「えぇっ!?」

紗夜「!?」

つぐみ「い、いえ…どうしてそんなことを…?」

紗夜「いえ、日菜の友人がそう言われて怒ったそうなのよ。だから何故怒ったのかを知りたくて」

つぐみ「なるほど…(よかった…)」

紗夜(ノンケではない…つまり『異性が嫌い』ということよね)

つぐみ(ノンケではない…たぶん『同性が好き』ってことだよね) <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:47:12.20 ID:A9B+v+y90<> つぐみ「私が言われたら…うーん、怒ることはないです」

紗夜(そもそも羽沢さんが怒ってるところが想像できないわ)

つぐみ「でも例えば『ノンケじゃなさそうだよね』って言われて本当だとしたら、恥ずかしかったりとか隠したくなっちゃうと思うんです」

紗夜「確かに、個人個人のノンケではない理由にもなんてことはないものから重大なものまで…幅広そうだものね」

つぐみ「そうですね。きっと最初のきっかけは小さいことだと思うんです」

紗夜「きっかけ…」

つぐみ「最初に話したとき…最初に触れ合ったとき…何かを一緒にやり遂げたとき…どんな小さなことでも人によっては特別になると思うんです」

紗夜(なるほど…第一印象で苦手と思ってしまうとどうしようもないものね。そして共通の作業を一通り終えるころには確固たる苦手意識が生まれていると)

紗夜(つまるところ、苦手な人がいるをもっと広く解釈した感じなのかしらね。男はこうだから嫌、女はどうだから嫌といった感じかしら)
<>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:47:54.28 ID:A9B+v+y90<> 紗夜「ありがとう、羽沢さん。とても参考になりました。羽沢さんに聞いてよかったです」

つぐみ「いえいえ、ちゃんと伝えられてるかどうか……」

紗夜「バッチリ伝わってますよ。もう完璧です」

つぐみ(きっと、こういう話題にはなかなかならないだろうし…!よし!)

つぐみ「わ、私は…その…」

紗夜「?」 <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:49:12.39 ID:A9B+v+y90<> つぐみ「紗夜さんとのお菓子作り…そして今こうやって話してることが、特別です」

紗夜「…………!」

紗夜(羽沢さん……!そうよね。苦手意識のきっかけについての話でしたが、人と人が繋がる『きっかけ』というものも存在している)

紗夜(たとえ異性が嫌いだとしても、そうでないとしても。私と羽沢さんのようにふとしたことから親しくなれる……そういうことが大切なんだわ)

紗夜(聞いたことだけじゃなく、本当に大切なことも伝えてくれる…。羽沢さんには敵わないわね)

紗夜「ありがとう羽沢さん」

つぐみ「紗夜さん……」

紗夜「私も、羽沢さんとの時間は特別なものです。あなたと出会えて本当に良かった」

つぐみ「っ///!!!!!!!!」

紗夜「これからもよろしくお願いするわ。また(日菜がわからないことを持ち込んできたら)こうして電話してもいいかしら」

つぐみ「は、はい…///喜んで…///」 <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:49:44.68 ID:A9B+v+y90<> 紗夜「ありがとう。…そろそろ夕飯の時間ね。そろそろ切るわね、近いうちに店にも顔を出すわ」

つぐみ「ありがとうございます…っ///あの…最後に一つ…ちゃんとした言葉で…///」

紗夜「はい、なんですか?」

つぐみ「紗夜さん……好きです!!///」

紗夜「? 私も羽沢さんのことは大好きですよ」

つぐみ「!!!!!///」

紗夜(改めて言葉で伝えてもらうと嬉しいものですね…すぐにとはいきませんが家族にもきちんと伝えたい)

つぐみ「そ、それではまた……///」

紗夜「はい、また」 <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:50:22.84 ID:A9B+v+y90<> 氷川家 リビング

日菜「へ〜!ノンケって異性が好きな人のことなんだ〜!」

紗夜「そうみたいね。羽沢さんに聞いたあとに検索してみたけど同性愛者から見て『その気がない』ってところから転じた異性愛者を指す言葉なのね」

日菜「じゃあ千聖ちゃんはノンケじゃないって言われて怒ったのは『異性が嫌い』だからかな?それとも『異性が嫌い』って誤解を解くために怒ったのかな?」

紗夜「白鷺さんは誤解なら怒らずにきちんと諭して誤解を解こうとすると思うけど」

日菜「そうだね〜。千聖ちゃんでも怒ることはあるけど、単純な好き嫌いの話ならそこまではしなさそうだし」

紗夜「だとすると『異性が嫌い』でその理由が恥ずかしかったり、人には知られたくなかったりしたんじゃないかしら?」

日菜「そうかも!千聖ちゃん、彩ちゃんのこと大好きだもん!好きだから恥ずかしいところ見せたくなくて照れ隠ししたんだよ!」

紗夜「間違いないわね。真実にたどり着いたわ」

日菜「ん〜〜!すっきりした!私にも少しずつ他人の気持ちがわかるようになってきたよ!」

紗夜「私も人の気持ちを汲み取ることに自信はないけれど、こうやって二人で考えればなんてことはなかったわね」

日菜「うん!やっぱり姉妹で補いあえば最強だよね!」

紗夜「ええ、もちろんだわ」

日菜「またるんっ♪ってするわからないことがあったら一緒に調べようね!お姉ちゃん!」 <>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:51:30.10 ID:A9B+v+y90<> 紗夜(……そういえばこんなことまで知ってる羽沢さんって……もしかして)










紗夜「とっても博識なのね」

<>
◆HbpyZQvaMk<>saga<>2017/11/21(火) 11:52:09.61 ID:A9B+v+y90<> おわり <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/22(水) 01:46:49.21 ID:58MRfzUf0<> さよつぐ尊い <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/11/23(木) 14:04:13.49 ID:eTifB+ms0<> 最後のオチで笑ったww さすが紗夜さん <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/12/04(月) 07:33:53.28 ID:I1QweFIlo<> つぐが可愛すぎた <>