以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:12:11.42 ID:tCxFoAAT0<>
●全35レス前後(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●わたモテ青学編アニメ化決定(嘘
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531491131
<>【わたモテ】モテないしペアルックする【かともこ】
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:13:24.31 ID:tCxFoAAT0<>
「はい、加藤さん。 今日もトップですよ」
ありがとうございます、先生。
「明日香ちゃん、すごいなあ・・・ わたしぜんぜんダメだったのに」
・・・そんなこと、ないよ。
「中学、別になっちゃうね。 明日香、頭いいもんね」
そんなこと、ない・・・
「明日香は、高校どこにするの? ・・・やっぱり、すごいね」
・・・・・・・・・・・・・・・
「できるかぎりの高みを目指しなさい。 そうすれば、分かりあえる人も増える」
「思い出のあるこの街を、去りがたいのはわかるけれど」
「いずれはあなたも巣立っていかなくてはならないのですよ」
・・・うん。 やってみるよ、お母さん。
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:16:48.71 ID:tCxFoAAT0<>
「加藤、志望校はどうするの?」
志望校は・・・青山学園大です。
学科は、国際イノベーション学部を志望しています。
「うん、加藤なら十分狙えるわ。 がんばりなさい!」
・・・・・はい、先生。
「へー、セイガクかあ。さっすが加藤さん!」
うん。 世界中の人たちと、深くかかわってみたくて。
いろんな国へ行って、いろんな人に会って、いろんなことをしてみたくて・・・
「世界かあ。 明日香ならほんとうに、行っちゃえるんだろうな」
「なんか、遠い世界の人になっちゃうみたいだな・・・」
そんな、こと・・・・・・・・・・・・・・・
「志望校? ・・・青山学園大学かな」
! わたしと、同じ・・・! <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:19:02.50 ID:tCxFoAAT0<>
…… … ────────────── … ……
チュン チュン チュン
チ チ チ チ チ チ …
・・・緑がまぶしい。
ああ、いい天気。
サ ワ サ ワ サ ワ
サ ラ サ ラ サ ラ …
気持ちいい風。
木漏れ日がゆれてる。
「い、いい天気、だね」
そうだね、黒木さん。
・・・・・・・・・・・・
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:19:39.20 ID:tCxFoAAT0<>
「な、なに、じーっと見てるの?」
ふふふふ。 すっかり黒木さんも、青学ガールだね。
「な、なに言ってるの。 加藤さん・・・」
昨日、見てたよ。 結構モテモテでしょ?
「・・・加藤さんのメイクのおかげだよ」
えへへ。 ・・・あのとき、思い切ってがんばってみて、よかったでしょ?
「うん。 こんなにがんばれて、こんなにモテるなんて思わなかった」
あなたはもともと、それだけ頭が良かったし、綺麗だったんだよ。
ありがとうね、黒木さん。
「な、なんでお礼なんか・・・」
あなたが来てくれたおかげで、わたし、さびしくなくなった。
だから、ありがとう。 ほんとうに、ありがとう・・・
「アハハハ!」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:20:12.38 ID:tCxFoAAT0<>
― え っ ?
「 ふ っ 」
え・・・ な、なぜ。
「青学?! ははっ!」
茜。 あなたも? あなたもなの・・・・・・
「ひひひひひ! いーひっひっひっひっ!」
・・・やめて! 笑わないで、やめて!!
「冗談だよ」
え ―
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:20:50.80 ID:tCxFoAAT0<>
「冗談で言っただけで、本気じゃないよ」
そ、そんな。 そうかもしれない、けど。 でも・・・
「青山とか、さすがに場違いだし」
場違いだなんて、そんな。
黒木さんはきっと・・・
「場違いだし」
・・・黒木さん? どこ行くの?
ま、待って。 行かないで!
「 場 違 い だ し ― 」
・・・行かないで! いや! 黒木さんっ!
わ た し を お い て い か な い で ぇ ー っ !!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:21:30.03 ID:tCxFoAAT0<>
…カッチ コッチ カッチ コッチ
「・・・・・・・・・・・・」パ チ リ 。
カッチ コッチ カッチ コッチ
「・・・・・・・・・・・・」…ゴロン
カッチ コッチ カッチ コッチ
「夢・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴロ…
カッチ コッチ …
加藤「・・・いやな、夢」
[アハハハ] [ セイガク?! ] [ フッ ]
加藤「・・・眠らなくちゃ。 明日も早いし」ゴロン
… カチ コチ カチ コチ <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:22:15.05 ID:tCxFoAAT0<>
カチ コチ カチ コチ …
(・・・眠れない)
(目がさえちゃってる。 気持ちが、高ぶってる)
(・・・ひどいことをしちゃった)
(せっかく、みんなでお茶してたのに)
(あんなに空気悪くしちゃって)
(ギスギスさせちゃって)
(いままで、あんなこと、したことないのに)
(わたし、最低・・・)
ゴ ロ ゴ ロ ゴ ロ ン …
(・・・・・・・・・・・・・・・)
[ なぜ笑うの? ぴったしじゃない ]
― なんで笑うの?! 黒木さんが来てくれたら、わたし、とっても嬉しいのに! <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:23:06.73 ID:tCxFoAAT0<>
わかってる。 黒木さんだって、笑ってほしくて言ったんだってこと。
みんなだって、黒木さんのこと、バカにしたわけじゃないってこと。
でも・・・・・・・・・・・・
[ 私や周りの人が、誰もできなかったことしたんだよ ]
― それだけじゃない! あなたには、いっぱい、いっぱい、すばらしいところがあるの!
えっと、えっと、ああ、言い切れない、伝えきれない・・・
[ 絶対青学って感じじゃないよ、行っても無駄だよ ]
[ 根元さんは黒木さんのこと、そんなに知ってるの? ]
― 根元さん。 じゃあ、あなたには黒木さんの何が分かっているの?
(本当に最低だ、わたしって)
(もう、わかんない・・・)
… コ ロ ン 。
(・・・明日から、どんな顔してみんなに会えばいいの?)
シ ャ ラ ン ♪
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:24:09.28 ID:tCxFoAAT0<>
「ん・・・ライン?」ヒ ョ イ
≪ 黒 木 さ ん ≫
「・・・黒木さん? こんな時間に・・・」ピッ
≪夜分遅くにごめんなさい。 相談したいことがあって≫
≪今度のオープンキャンパスの件ですが≫
「・・・相談?」 ド キ リ 。
青山学園なんて、場違いだし。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」トクン トクン…
≪青山学園みたいな場所に来ていける、おしゃれな服がなくて≫
「・・・服?」… ホ ッ 。
≪時間のある時に、相談に乗ってもらいたくて≫
≪できれば買い物に一緒に来てもらえると≫
「服かあ。 ・・・・・・・・・」
ピッ ピッ ピ … <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:25:46.59 ID:tCxFoAAT0<>
【青山キャンパス】
… シ ト シ ト シ ト
パ ラ パ ラ …
黒木「…うう、寒っ」テクテク
テ ク テ ク テ ク
黒木(ちょっと早めに着いちゃったな)
黒木(・・・ここで待つか。 寒いけど)
… パ ラ パ ラ パ ラ
黒木(これだけ寒くなったんなら、この服でちょうどよかったな)
黒木(さすがは加藤さんだ)
≪おしゃれな服なら、いいのがあるでしょ≫
≪修学旅行のとき来てた、カーディガン≫ <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:26:44.61 ID:tCxFoAAT0<>
≪うん、連休中、雨ふるって予報だし。ちょうどいいと思うよ≫
≪下に着る服? とりあえず、持ってる服写メしてみて≫
黒木(アドバイス通りにコーデしてみたらえらいことになった)キラキラ
黒木(やっぱりセンスのある人は違うんだな)
「黒木さーん♪」
黒木「あ、加藤さん・・・」ク ル リ 。
「お待たせー。 待った?」
黒木「・・・・・・・・・・・・」アングリ
加藤「どうしたの?」
黒木「そ、それ・・・」
加藤「えへへ。 似合う?」ニコッ
黒木「わ、わたしと、おそろ・・・?」
加藤「かわいいでしょ」ニッコニコ
黒木「な、な、な・・・」ピクピク
加藤「下の服も合わせてみたんだよー」フリフリ
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:28:57.01 ID:tCxFoAAT0<>
… シト シト パラ パラ
「やっぱり降っちゃったねー」
「 は い 」
「それにけっこう冷えちゃったね。 黒木さんは大丈夫?」
「 は い 」
「あったかくしておいて正解だったね」
「 は い 。 ・・・・・・・・・ 」
黒木(なんちゅう公開処刑だ・・・)
加藤「黒木さん?」
黒木「(同じ服来てるのに、なんだこの差は)」
加藤「・・・・・・・・・?」
黒木「(まるで大人と子供・・・ いや人類と類人猿・・・)」ガックリ
加藤「あ、黒木さん。 あれ飲もうよ」
… ラ ッ シ ャ ー セ ー ア リ ア ト ア シ タ ー
加藤「んー、おいし」コク コク
黒木「・・・・・・」ジュルジュルジュル
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:30:16.81 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「(・・・傘越しに見える人の視線が痛い)」ジュル…
黒木「(こういう天気なら普通、あまり人目はとどかないものだけど)」
[ スゴイ ] [ ダレ アレ ] [ マジカヨ ]
黒木「(加藤さんの美貌とスタイルが、容赦なく人目を引きつけてる)」
黒木「(ここに集まってる誰にも負けてない、むしろ勝ってる・・・)」…ジュル
加藤「お口のなかがさっぱりするー」ニコニコ
黒木「(…むしろわたしのことなんて、誰の目に入ってないな)」ガックリ
加藤「・・・・・・・・・?」
黒木「(あ ん ま り だ ァ ァ ァ ァ ・・・)」ブスー
加藤「黒木さん」
黒木「はい?」
加藤「これ、おいしいよ」スッ
黒木「へっ」
(ままままままままじですか)
加藤「ひとくち、あげる」ニコッ
黒木「(いやいやいやあげるって、ストローでしょそれ?!)」
黒木「(か、かっ、間接キスっ?!)」
加藤「・・・・・・?」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:31:07.45 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「(ネモといい加藤さんといい、陽キャって貞操観念無いの?!)」
黒木「(いいの? ほんとにいいの? しゃぶっちゃうよ?! ねぶっちゃうよ!!)」ジュルリ
加藤「・・・・・・」
「ごめんね」 ス ッ
黒木「ふえ?!」
加藤「・・・汚かったよね」
黒木「そ、そんなっ!」
加藤「気、使わなくっていいよ。 ごめんなさい」…シュン
黒木「(ち、ちがうっ! 断じて違う!! 違うのに!!)」ムキー!
(こんなチャンス、もう二度とないかもしれないのに! うわああああ!)
(どうしよ? どうしよ?! いっそとびかかってひったくって・・・ ばっ、バカ野郎!)
黒木「 」ムラムラムラムラ
加藤「・・・・・・」
黒木「 」モンモンモンモン
加藤「行こっか、黒木さん」
黒木「 」ズイッ
「 こ こ れ ひ と く ち ど う ぞ 」
加藤「・・・・・・えっ」 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:33:26.14 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「・・・・・・・・・・・・」
加藤「・・・・・・・・・・・・」
ジ ー ッ …
黒木「(・・・・・・!! ななななっ、わたしなんてことっ!!)」
加藤「・・・・・・・・・」
黒木「(わたしのよだれでべちょべちょのストローを加藤さんに突きつけるなんて!!)」
加藤「・・・・・・・・・」
黒木「(これもう、強制わいせつ! 通報されちゃう! 検挙される!)」
加藤「・・・・・・・・・・・・」 ニ ッ 。
ニ ッ 、 コ 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 w
黒木「(クサい飯食わされる! 性犯罪者だからイジメられるぅぅぅぅ)」
加藤「んっ」 パ ク 。
黒木「え」
加藤「ん、んく、んんっ」チュ チュ チュッ。
黒木「 」
加藤「ん、ふふ」チュポッ!
黒木「 」
加藤「おいしーい。 さんくちくらい、もらっちゃった」ニッコニッコ
黒木「 」…アングリ
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:34:31.67 ID:tCxFoAAT0<>
ワイワイ ガヤガヤ
ザワザワ ガヤガヤ …
加藤「んー、おいし」ハム ハム
黒木「・・・・・・・・・・・・」…パク
加藤「やっぱり、せっかく青学に来たんだから」モム モム
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ク チ ャ
加藤「チェーン店より学食に来て正解だったね」
黒木「うん・・・・・・・・・(味なんてわからない・・・)」 メ ロ …
(さっきの衝撃から、いまだに立ち直れない)
(加藤さんが、わたしがしゃぶってねぶったストローを・・・)
加藤「ごちそうさまー。 んっ、ん・・・」コク コク
黒木「(あれから加藤さんもまた、自分の飲みものわたしに飲ませてくれた)」ズズ…
加藤「ん、ふふ。 おいしかった」 コ ク ン 。
黒木「(遺伝子交換しちゃった… あ、なんか急にはじまったきた)」ムラムラ
加藤「ん・・・・・・」
・ ・
黒木「(加藤さん、あ れ持ってるかなあ・・・)」ムラムラムラムラ
加藤「黒木さーん」
黒木「は、はひっ?」
加藤「それ、もらっていい?」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:35:30.91 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「こ、これ?(ミニトマト?)」
加藤「好きなんだー。 ダメ?」
黒木「い、いえ。 どうぞどうぞどうぞ」
加藤「あーん」
黒木「はへっ?」
加藤「…あーん」
黒木「 」…ヒョイ
「・・・ ん っ 」
パ ク ッ 。
加藤「ん、んっ・・・ んむ」モム モム
黒木「(口の中に突っこむかと思った・・・・・・)」ガクガクブルブル
加藤「…ん。 ふふ、ごちそうさま」ニッコニッコ
黒木「(さ、さっきから、なんなんだろ、いったい・・・)」
加藤「黒木さんって、育ちがいいでしょ」
黒木「へ?」
加藤「お箸の使いかたがすごく綺麗」
黒木「そ、そんな」
加藤「食器にも、ごはんつぶひとつ残ってない」
黒木「く、食い意地張ってるから」
加藤「そんなことないよ。 実は、いいところのお嬢様だったりする?」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:36:36.93 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「・・・そ、そんな。 田舎の本家はりっぱだけど、うちは別に」
加藤「やっぱりそうなんだ。 すごいねー」
黒木「か、加藤さんこそ」
加藤「うちはそんなんじゃないよ」
黒木「でも、家とかすごくおっきくて」
加藤「お父さんとお母さんが、頑張ってくれたから」
加藤「それは私の自慢だけど、お嬢様って言われたらちょっと違うかなー」
黒木「で、でも、すごく行儀良くて」
加藤「お母さんがすっごく厳しかったの」
黒木「そ、そうなの?」
加藤「うん。 みっともないことしたら、すぐピシャリってされた」
黒木「・・・そ、それなら、わたしといっしょだ」テレテレ
加藤「え? そうなの」
黒木「わたしはゴツンだったけど」
加藤「ふ、ふふふふっ。 ・・・・・・」
黒木「えへへ」
加藤「・・・・・・・・・」
黒木「・・・加藤さん?」
加藤「黒木さんって、面白い人だよね」
黒木「そ、そうかな」ポリポリ
加藤「黒木さんのまわりでは、みんないつも笑ってる。 ・・・・・・でも」
「嫌だったりは、しない?」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:37:47.51 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「え?」
加藤「わたしもさっき、笑っちゃったけど。 笑われて嫌だってことは、ないの?」
黒木「嫌だなんて、別に。 …笑ってもらえないほうが、つらい」
加藤「笑われないほうが?」
黒木「うん。 笑わせようと思ってスベったら、かなりきつい」
加藤「すべる? 失敗するってこと?」
黒木「うん。 もう本当に、消えてなくなっちゃいたくなる」
加藤「・・・・・・・・・」
黒木「わたし、今まで何回も、スベったことがあって」
加藤「…うん」
黒木「どうしようもないくらい落ちこんだりしたけど…」
でもあの紙、白紙だったよねー。
加藤「…根元さんが?」
黒木「うん。ネモ…とさんだけが、わかってくれてた」
加藤「そうなんだ…」
黒木「いまは田村さんも岡田さんも、わたしのギャグに気付いて笑ってくれる」ニ マ ー 。
加藤「すごいな、黒木さんは。 ・・・・・・」
― 根元さんには、黒木さんの何が分かっているの?
― ネモだけが、わたしのこと、わかってくれてた。
(わたし、ほんとうに最低だ…)
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:42:25.32 ID:tCxFoAAT0<>
シト シト シト
パラ パラ パラ …
黒木「・・・・・・」
加藤「・・・・・・」
黒木「(・・・加藤さん、あれから急にしょんぼりしちゃった)」
加藤「・・・・・・」… シ ュ ン
黒木「(わたしなにか、まずいこと言ったかな)」ビクビク
ザワザワ ガヤガヤ
オオー ワー アハハハ…
黒木「ん? …なんだろ、人が集まってる」
加藤「ちょっと、見てみようか」
ワイワイ ガヤガヤ ザワザワ
スゲー ヤッター ハハハハハ…
黒木「(ピエロ? 大道芸人か)」
加藤「パフォーマーの人だね」
ウフフ ハハハ オオー …
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:44:40.47 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「(パントマイムにジャグリング。 なかなか本格的)」ジーッ…
加藤「こんな天気なのに、大変だね。 ・・・・・・」
アハハ ワァー フフフ オオー …
黒木「(見てて飽きないなー)」… ジ ー
加藤「・・・・・・・・・」
ヒョイ ヒョイ クル クル クル
― ド ッ テ ン !
黒木「お、おっ。 あ、はははっ」
加藤「わあ・・・ あっ! ふ、ふふっ」
ペコ ペコ ヒョイ ヒョイ ヒョイ
クル クル クル クル クル クル クル クル
黒木「おお、今度はうまくいった。 …雨の日なのに、よくやるよ」
加藤「(衣装が泥だらけになってる…)」
黒木「すごいなー」
加藤「すごいね。 ………」
(黒木さん、みたい…)
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:46:04.90 ID:tCxFoAAT0<>
チャリン チャリン ピッ
ガチャン ガチャン !
加藤「・・・」コクン
黒木「・・・」グビッ
加藤「ありがと、おいしいねこれ」スッ
黒木「こ、こっちも… ふひ」…ス
加藤「ありがとー。 ・・・ん」コクン コクン
黒木「(ああ、慣れていくのがわかる・・・)」グビグビ
加藤「さっきのピエロ、すごかったね」
黒木「うん、面白かった」
加藤「人を笑わせられるのって、やっぱりすごいことだと思う」
黒木「・・・そうだね。 わたしも、いっつもスベってる」
加藤「そんなことないよ。 いつも、みんな笑ってるでしょ」
黒木「か、加藤さんこそ。 加藤さんの前じゃ、みんな笑顔で・・・」
加藤「・・・・・・・・・」
黒木「加藤さん?」
加藤「・・・わたし、笑われちゃうの、ダメなんだ」
黒木「ダメ?」
加藤「うん。 笑われちゃうと、すぐにかーっとなっちゃう」
加藤「それですぐ怒っちゃったり、すねたりしちゃうの」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:50:47.69 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「加藤さんが笑われることなんて、ないでしょ」
加藤「そんなことないよ。 わたし、バカだもん」
黒木「・・・・・・」
加藤「だから思うんだ。 黒木さんって大人だなって」
黒木「・・・・・・そんなこと」
加藤「ある、よ。 きっと。 ・・・」
(やっぱり、黒木さんも、一緒に青学に来てほしい)
(そばにいてほしい。 黒木さんみたいに、強い人に )
加藤「(・・・・・・ダメかな。 きっと、ぴったりだとおもうんだけどな)」
黒木「・・・・・・」
加藤「(わたしだってきっと、黒木さんの力になってあげられる。だから・・・)」
黒木「・・・・・・加藤さん。 わたし、大人じゃないよ」
加藤「えっ?」
黒木「いっつもムカついてるし、怒ったりもしてる」
加藤「・・・でも」
黒木「わたし、慣れてる、ってだけ」
加藤「慣れてる?」
黒木「笑われ慣れてるから、平気だってだけ」
加藤「・・・・・・そんな」
黒木「いっつもバカなことして、空回りして、大失敗して笑われて・・・」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:52:25.76 ID:tCxFoAAT0<>
加藤「そんなこと、ない」
黒木「あるってば」…スッ
ズ イ 。
加藤「黒木さん?」
黒木「耳、かして」 ズ イ ッ
加藤「う、うん」
黒木「わたし・・・」ヒ ソ ッ
中学生の、ころ・・・
「 傭 兵 っ ?! 武 器 商 人 ?!!」
黒木「ちょ、ちょっ! 加藤さんっ、声!」アセアセ
加藤「ご、ごめんなさい。 で、でもそれが、中学生のころの・・・ 夢?」
黒木「うん、友達にも話してた。 …かっこいいって思って」 カ ー ッ …
加藤「…そう、なんだ」
黒木「おかしいでしょ。 笑っていいよ、加藤さん」
加藤「・・・・・・」
「笑わない」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:55:15.18 ID:tCxFoAAT0<>
黒木「うそ」
加藤「うそじゃないよ、笑わない」
黒木「加藤さんは優しいから」ブスッ
加藤「違うよ。 ・・・だって、笑えないもん」…ギュッ
わたしだって、いっしょなんだもん…
黒木「いっしょ?」
加藤「…誰にも、言わないでね」ヒソッ
黒木「う、うん」ドキドキ
加藤「わたし、国際イノベーション学部、志望したのって…」
黒木「…『世界中の人と関わりたい』、だっけ」
加藤「そうなんだけど…」ヒソ ヒソ
ずっと、ずっと、あこがれてたの。
世界をまたにかけて活躍するヒロインに。
誰、って。 その、ボンドガールとか・・・
あと、その・・・
「 峰 不 二 子 ぉ ? ! 」 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:57:41.66 ID:tCxFoAAT0<>
加藤「黒木さんっ、声!」バッ!
黒木「むぐっ」
加藤「(・・・やっぱり、おかしいよね。 でも、今でも大好きなんだもん)」 カ ー ッ …
黒木「・・・・・・・・・」モゴモゴ
加藤「(美人でスタイル抜群で、大人っぽくてセクシーで…)」
加藤「(警察だって大泥棒だって、目じゃないでしょ?)」
黒木「(そうだったんだ。 加藤さんが…)」
加藤「…笑ってよ、黒木さん」
黒木「わわわわいよ」モゴモゴ
加藤「ウソ」 パ ッ 。
黒木「笑わない。 びっくりしただけ」
加藤「…おかしいでしょ」
黒木「わたしに笑えるわけないよ」
加藤「ほんとに?」
黒木「うん、笑わない」キリッ!
加藤「黒木さん…」グスッ
黒木「笑わない。 笑わないよ…」カ チ ャ 。
コ ク ン 。 コ ク コ ク …
加藤「黒木さん。 ありが…」
黒木「 」ゲ フ ッ
ブ バ ッ !! <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/13(金) 23:58:59.41 ID:tCxFoAAT0<>
加藤「きゃあ?!」
黒木「・・・・・・・・・」ポタ ポタ
加藤「く、くっ! 黒木さん!?」
黒木「…ぐふ えふっ」ゲホゲホ
加藤「も、もう! 黒木さんったら!」
黒木「笑ってない。 笑ってないよ(キリッ 」ダラダラダラ
加藤「笑ってないけど! 笑ってないけど、もう!」
黒木「笑ってないってば(キリッ 」ゲフゲフゲフ
加藤「真面目な顔しないで! みんな見てるし! 鼻からもでてるし! もう最低っ!」シュッ フキフキ
黒木「ごめんね、加藤さん」
加藤「いいけど別に! でもバカ! バカバカ! 黒木さんのバカ!」ニコニコ
黒木「…加藤さんこそ、笑ってる」ニヤニヤ
加藤「笑うよ、もう! あー、もういや!」ニッコニッコ
黒木「へ、へへへ」ニマー
加藤「ほら、上向いて! のどまでたれてる!」ニコニコニコ
黒木「ごめんね。 ・・・・・・・・・」ニヤニヤ
ホ ラ 、フ ク モ ! シ ミ ニ ナ ッ チ ャ ウ ヨ !
キ ャ ー ヌ ガ サ ナ イ デ ー
モ ウ バ カ ッ !!!
ア ハ ハ ハ ハ フ フ フ フ フ …
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:00:37.51 ID:ff8bNmQ30<>
…… … ────────────── … ……
…カッチ コッチ カッチ コッチ
加藤(…もう、黒木さんったら)
加藤(せっかくのオープンキャンパスが台無しだよ)
カッチ コッチ カッチ コッチ …
加藤(あちこち見て回ったのに、もうなんにも思い出せない)
加藤(あのときの黒木さんの顔しか・・・)
[ 笑 っ て な い よ (キリッ ]
加藤「ぷ、ふふっ! …もうっ!」カリカリ
[ わたし、慣れてるってだけ。 ]
[ 笑われ慣れてるから、平気ってだけ… ]
加藤「・・・・・・・・・」カリカリカリ
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:01:21.48 ID:ff8bNmQ30<>
(ああ、わたし、やっぱりバカだ)
(なにをあんなに気にしてたんだろう)
…カリ カリ カリ カリ カリ
(黒木さんが青学に来るとか来ないとか、みんなが笑うとか笑わないとか)
(そんなこと、最初から気にする必要なんかなかった)
(わたしが、強くなればいいんだ)
(ひとりででも、さびしくても、笑われてもへこたれない)
(目の前の人が笑っているのを、心の底から喜べるような人…)
― 黒木さんみたいな人に、なればよかったんだ。
[ えへへ。 似合う? ]
[ わ、わたしと、おそろ・・・? ]
(さあ、がんばるぞ。 甘えてなんかいられない)
(わたしも、黒木さんみたいに強くなる。 強くなるんだから)
カッチ コッチ カッチ コッチ … <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:02:19.70 ID:ff8bNmQ30<>
… カッチ コッチ カッチ コッチ
黒木「・・・・・・・・・」カリ カリ カリ
(・・・また、やらかしちゃったなー)
(加藤さん、笑ってくれてたからいいけど)
[ 笑 っ て な い よ (キリッ ]
[ 鼻からもでてるし! もう最低! ]
(嫁入り前の乙女が、人様の前でなんちゅう顔を・・・)
(智子の黒歴史がまた一ページ)ガックリ
(・・・・・・・・・)
[ はい、あーん ]
[ あーん。 …ふふ、おいし ]
黒木「(どうしてあそこまで可愛がってくれるのか、ぜんぜんわからないけど)」
黒木「(でも、悪気とか、おかしな考えじゃないってのは、わかったような気がする)」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:02:55.13 ID:ff8bNmQ30<>
黒木「(少なくともきーちゃんとは全然違う。 ペット扱いって感じじゃない)」
黒木(わたしと本気で、友だちになりたいって思ってる? ・・・まさか)
[ 黒木さんって、やっぱり、すごいなあ・・・ ]
黒木(こんなのの、どこがいいんだろ)
黒木(もの好きなのかな)
[ なぜ笑うの? ぴったしじゃない ]
黒木(ぴったし、って。 ・・・・・・・・・)
[ えへへ。 似合う? ]
[ わ、わたしと、おそろ・・・? ]
黒木(・・・・・・・・・)
カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ …
黒木(・・・まあ、いいネタにはなるか。 わたしが青山を目指してみるってのも)
黒木(ウケはとれるかもしれないな)
カッチ コッチ カッチ コッチ …
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:03:53.48 ID:ff8bNmQ30<>
…… … ────────────── … ……
あ、加藤さん。 ・・・待ってないよ、えへへ。
わたしもいま来たばっかり。
…うん。 全部、加藤さんのおかげだよ。
ほんとうに受かるとは思わなかった。
うん、毎日、本当に楽しい。
リア充ってこういうもんなんだなって。
・・・はい、あーん。 むぐむぐ。
ああ、おいしい。 へへへ・・・・・・・・・・・・
む ぐ っ ?!
う、動けない?! 体が、動かない!!
か、加藤さん?! なに脱いでるの、脱がせてるの?! やめて!!
ら め え え え え え え え え え ・ ・ ・ <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:05:10.28 ID:ff8bNmQ30<>
はい、あーん。 ・・・やだー。 黒木さんがいいー。
自分じゃ食べたくなーい。 黒木さん、食べさせてー。
あむっ。 んん・・・ えへへ、ありがと。 おいしー♪
いいじゃーん。 甘えたーい。 わたし、ひとりっこだったんだもん。
うーん、妹みたいだし、お姉ちゃんみたいでもあるかな?
黒木さんって、なんだかお得。えへへ。
黒木さん、やっぱりすごいよねー。 奨励賞とっちゃうし、学園一モテモテだし。
なんだか、遠い世界の人になっちゃったみたい・・・
・・・そういうふうに言われるの、嫌なんじゃなかったのって?
うん、だからいま黒木さんに言ってるんでしょ。 八つ当たり? そうだよ♪
でも、ほんとに、遠くになんか行かないでね? 約束だよ?
どこにも行っちゃ、嫌だからね?
うん、いい子にする。 がんばる。
だから、ね。 だから。 黒木さん。
黒 木 さ ん ・・・
…… … ────────────── … ……
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:06:17.74 ID:ff8bNmQ30<>
…カッチ コッチ カッチ コッチ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パチリ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パチッ
カッチ コッチ カッチ コッチ …
「なんちゅう夢だ」
「・・・なんて、夢」
[ らめええええええええええ ]
[ 甘えさせてー 甘えたーい ]
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
「「やっぱりダメだなあ、わたしって・・・」」
※おしまい※ <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 00:58:58.69 ID:6Ell7ErOo<> よかった <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 10:05:16.24 ID:v5C73zSxo<> オリジナルの人か。今回は蠱惑さが足りないな。外面の小心と内側のゲスさにギャップがない。 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/14(土) 13:22:25.79 ID:7QlYs1j+O<> >>38
こういうやつっていつまで初期の話から進めないでいるんだろうな?最新話あたりじゃ随分と丸くなってるぞ? <>
>>1<>sage<>2018/07/14(土) 14:13:11.26 ID:ff8bNmQ30<> 男はだまって透明あぼ〜ん <>