以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:39:19.07 ID:kyHWC2Aw0<>曜「ん〜……やっぱ千歌ちゃんいい匂いするなあ」クンクン

千歌「わ、ふふ。くすぐったいよー」ワシャワシャ

曜「むぅ、やったなー!ほれほれ!」

梨子「……ごほん」

千歌「アッ、ハイ!」ビクッ

曜「申し訳ありませんでしたぁ!」

梨子「もう。仲良しなのはいいけど……歌詞、早く作ってね?」ニコッ

千歌「笑顔が怖いよ……」

梨子「ん?」

千歌「なんでもないです!」

曜「あ、飲み物切れてるね。持ってくるよ!ついでにお菓子なんかも!」

梨子「あ、ごめんね。ありがとう」

曜「梨子ちゃんはアイス?ホット?」

梨子「アイスでお願い」

曜「ヨーソロー!千歌ちゃんはみかんジュースだよね?」

千歌「うん!ありがとー!」

曜「はいはーい」スクッ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532425158
<>千歌「――それが私の戦い方だ」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:47:05.79 ID:kyHWC2Aw0<> 千歌「ん〜……あと一歩って感じなんだけどなあ」

梨子「サビの入りは大事よね。インパクトのある感じで……」

千歌「んー……あむっ」モグモグ

梨子「ふふ、糖分補給?」

千歌「体が欲しているのだ。梨子ちゃんも食べる?」

梨子「ううん。私はいいよ」

千歌「そ?」

ガチャッ

曜「おっまたせー!みかんあったから持ってきたよー」

千歌「わーい!あ、曜ちゃんチョコあげる!」

曜「ん、ありがと。あーん……もぐっ」モグモグ

梨子「曜ちゃんもみかんジュース?」

曜「……ごくんっ。うん!やっぱり冷たーいみかんジュースがおいしいよねぇ!」

千歌「うんうん!コーヒー、千歌には信じられないよ〜!苦いだけなのに……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:47:42.69 ID:kyHWC2Aw0<> 梨子「一度飲んでみる?おいしいのに。とくに、曜ちゃんは淹れ方上手だし……」

千歌「うぇえ……だってブラックでしょ?あまーいのなら飲みたいけど」

曜「あっはは、まぁたまーに喫茶店でバイトしてるからね!淹れ方には自信アリであります!」

千歌「あー、パパさんのお友だちがやってるとこ?前に言ってたよね」

曜「そうそう!おかげでおうちで本格コーヒーが楽しめるんだよ〜!」

千歌「曜ちゃんもコーヒー飲むんだっけ?」

曜「うん。私はブラックより角砂糖入れる派だけどね」

梨子「こら。そろそろ作業に戻りましょう?」

千歌「はーい……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:48:50.15 ID:kyHWC2Aw0<> ***

千歌「こんな感じでどうかな?」

梨子「うん。いいわね。この最後を繰り返す感じにして〜っと、こうしたらどう?」

千歌「あ、それいい!さすが梨子ちゃん!」

曜「二人とも、今日はどうする?泊まってく?」

千歌「……わ、もうこんな時間!?ごめんね遅くまで……」

梨子「つい熱中しちゃってたね……ごめんね?」

曜「ううん。いいよ。どうせしばらくパパもママもいないし!」

千歌「あ、今ママさんとパパさんでヨーロッパに行ってるんだっけ?」

梨子「そうなの?」

曜「そうそう!いつまでもラブラブだよね〜」アハハッ

梨子「うーん、私は帰るね。いい曲が浮かびそうだから……」

千歌「千歌は泊まろうかな。曜ちゃんと二人っきりって久しぶりかも!」

曜「じゃあ梨子ちゃんはまた明日!であります!気を付けてね〜」

千歌「ばいばーい!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:50:03.78 ID:kyHWC2Aw0<> 梨子「うん、また明日!それと曜ちゃん……」

曜「ん?」

梨子「この前お願いしたやつ、忙しいとは思うけど、おねがいね?」コソッ

曜「あぁ、うん!任せてよ!案は浮かんだからさ」

千歌「えー?なになに、なんの話〜?」

曜「梨子ちゃんとの秘密であります!」ニシシッ

梨子「じゃあ、また明日ね」ニコッ

バタンッ

千歌「むぅ……いつの間に梨子ちゃんとシンボクを深めてたのー?」

曜「秘密〜♡」ツンツン

千歌「あー!もう!からかってるなあー!?おりゃっ」グイッ

曜「わわっ!?」

ドサッ

千歌「ちかっちの抱き枕の刑なのだ〜!おりゃおりゃ!」ムギュッ

曜「ふふっくすぐったいって、あははっ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:50:53.09 ID:kyHWC2Aw0<> 千歌「曜ちゃんあったかーい!このまま寝れちゃいそうだよ〜……」

曜「……ん」クンクン

千歌「あ、また匂いかいでるでしょ」

曜「なんか千歌ちゃんって……すごい、いい匂いするんだもん」

千歌「えー、そうかなあ。普通だと思うけど……」

曜「すっごい……安心する」ギューッ

千歌「わ、恥ずかしい、ってば///」

曜「ふふ、これじゃ千歌ちゃんが私の抱き枕になっちゃうね……よっと。夜ご飯どうしよっか」

千歌「あー、そうだ。どうしよっか〜……お腹すいたね」

曜「うん……お腹すいたね」

千歌「コンビニでも行く?千歌、アメリカンドッグ食べたいなあ〜」

曜「あ、いいね!いこ!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:51:21.51 ID:kyHWC2Aw0<> ***

千歌「カップラーメンとかジャンクなのも食べたい!」テクテク

曜「……」ピタッ

千歌「んあ?どしたの?」

曜「こっちからいこ!なんかそういう気分!」グイッ

千歌「……?うん、わかった……」

曜「……」クンクン

千歌「ねぇ、どうしたの?なにかあった……?」

曜「んー?大丈夫、なんにもないよ。いこ?」

千歌「う、うん……」

曜「……なんにもない、よ」フゥ…

曜「あ、みかんジュースもうないから買わなきゃ」グイッ

千歌「い、たい……よ」

曜「っ!ご、ごめん」

千歌「どうしたの?なにかあったんだよ、ね?」

曜「なんでもない、なんでもないの」スタスタ

千歌「曜ちゃん……?」スッ

曜「やめてッ!」

千歌「っ」ビクッ

曜「あ、ちが、その……ちが、くて」フラッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:52:00.94 ID:kyHWC2Aw0<> 曜「ふーっ……ふーっ……ぅ、うぅッ」

千歌「よ、う、ちゃ……具合悪いの?大丈夫……?」ギュッ

曜「はな、れて……おねがい、だから……すぐ、治るから」

千歌「ごめん、なさい……っ」

曜「大丈夫大丈夫私は我慢できる大丈夫私は強い強い強い強い……」ブツブツ

千歌「よ、ぅちゃ……」ゾクッ

「――どうしたの?」

千歌「ぇ……?あ、よしこ、ちゃん」

善子「……うずくまってるの、曜?」

千歌「う、うん……その、いきなり……」

曜「よ、しこちゃん……」

善子「はい。飲む?砂糖入り」

曜「ご、めん……助かるよ……っ」ゴクッ

千歌「それ……?」

善子「別になんてことないコーヒーよ。砂糖の入った……ね」

曜「ふっ、ふぅ……ちょっと、おちついてきた、かも」

千歌(コーヒー。そんなので、なんで、落ち着くの……?さっきまでの、どう見ても普通じゃなくて。なのに、なんで。千歌はなにもできないのに、善子ちゃんは、曜ちゃんのこと助けてあげられて、それで)

曜「千歌ちゃん?」

千歌「ぇ、あ……だい、じょぶ?」ハッ

曜「うん、ごめんね……ちょっと立ちくらみがね。でも水分取ったから大丈夫だよ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:52:31.25 ID:kyHWC2Aw0<> 千歌「えと……善子ちゃんは、なんでここに?」

善子「なんでって、コンビニ帰りにうずくまってる人がいたから寄ったらたまたま知り合いだったってわけよ」

千歌「そ、そっか」

善子「曜……誤魔化すだけじゃ、無理よ」

曜「……わかってるよ、でも」

善子「別に口出ししたいわけじゃない。けど、それに意味があるとは思えない。私は正直――諦めた方がいいと思う」

千歌(なんの話だろう……?)

曜「もうすこし、考えるよ……ごめん」

千歌(千歌は……おいてけぼりだなぁ)

善子「……フッ、そろそろヨハネは魔界へ帰るとするわ。じゃあねリトルデーモンたち」

千歌「う、うん!また明日ね、善子ちゃん」

善子「ヨハネ、よ!」

曜「ありがとね善子ちゃん」

善子「ヨハネだって言ってるでしょー!?」

曜「……私たちも、いこっか」ギュッ

千歌「ぁ……うん、そうだね」

千歌(千歌には、なにも……)

千歌(千歌、は……)

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:52:58.88 ID:kyHWC2Aw0<> ***

曜「んー!食べた食べた〜!」

千歌「そ、だね」

曜「お風呂はいって、もう寝よっか。ね?」

千歌「うんっ!先、はいっていいよ……てか、曜ちゃんちだしね」エヘヘ

曜「じゃ、お先に〜!」

千歌「うん」

バタンッ

千歌「……」ゴロンッ

千歌(千歌じゃ、だめなのかな)

千歌(曜ちゃんのこと、千歌、なにも知らない。みんなの知ってること……たぶん、なにも)

千歌「幼なじみなのに……」

チカッ

千歌「っ……?」

千歌(いまの、なに……?一瞬、目が…………もう、なんともない、や)

千歌「ぅ〜もう!わかんないよ〜〜ッ!!」ウガーッ!!

千歌「……はぁ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:53:34.20 ID:kyHWC2Aw0<> ―――

曜「っ……ふ、ふっ」

曜「あんな近くに、喰種のなわばり、あるなんて……っふ、ふっ、ん……」

曜「治まれ治まれ治まれ治まれ……ッ」

曜「治まれ、よッ……!」ガンッ

曜「ぜったい、そんなこと、しない……私は、負けない……ぜったい、お前なんかに負けるもんか……」

曜「あはは……そうだよ、ふふ……ちかちゃんまもるためにほかの食べればいい、かんたんなことじゃん、そうだよそうだよ……」

曜「ちがう、ちがう、わたしは、そんなの……でも、だって、おいしそうなの、いるじゃん」

曜「うぅぅう……だめだ、だめ、むり……ッ」

曜「そうこ、もらったの、残ってるはず……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……ッ」ダッ

ガチャッ

曜「ふ、ふ、はやく、はやくはやくはやく」ゴソゴソ

……グジュ

曜「あ、は……」ゾクゾクゾクッ

曜「は、はっ……おいし、おいしい……クソ、クソッ……」ボロボロ

曜「なんで、私は……」

曜「――喰種になんて、うまれたくなかった」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:54:05.75 ID:kyHWC2Aw0<> ―――

善子「……それで?」

「ふふ、面白くなりそうね……♡」

善子「悪趣味……ほんと、あんたのことわからないわ」

「いいじゃない、お互い……似た者同士でしょ?」

善子「……一緒にしないで」

「いつバレるかと思うと……ヒヤヒヤドキドキ、よね!」

善子「あんたとは違うの……鞠莉」

鞠莉「もー♡ツレないわねぇ……So cool♪」

鞠莉「それにしても……久しぶりに見れるかもね!……例のア・レ♡」

善子「言っとくけど、そうなったときは全力で止める。鞠莉の好きなようにはさせない……あんたのオモチャじゃないのよ」

鞠莉「ふふ、それはそれでマリー楽しみ!」

善子「……変態」ハァ…

鞠莉「えー?マリーはボスに従ってるだけよ?」

善子「ボスって……誰なのよ」

鞠莉「ふふ、secret♡でも、ひとつ言うなら……真実はすぐそばにあるってことかしら!」

善子「すぐ、そばに」

鞠莉「じゃあ、これからもよろしくね……カラスさん♪」

善子「……今だけ、だから。私の目的が達成するまで。それだけよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:54:34.89 ID:kyHWC2Aw0<> ―――

曜「千歌ちゃんおっまたせー!……て、あれ?」

千歌「すぅ……」

曜「寝ちゃった、か……」ギシッ

曜「千歌ちゃん、私が守るからね……」ギュッ

曜「……千歌ちゃんのためなら、私」

曜「…………そうだよ、ね。人よりは」

曜「そうだよ、だって……」フラッ

曜「強く、ならなきゃ」

ガチャッ

千歌「よう、ちゃん……?どこ、に……」

千歌(…………お風呂、借りよう)

千歌(千歌じゃ……わかってあげられないんだ、きっと)

千歌「あ、はは……さみしいなあ……なん、て」

千歌「……はは」ポロッ

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:55:07.96 ID:kyHWC2Aw0<> ***

千歌「ん、ぅ……」

曜「ん、起きた?おはヨーソロー!」

千歌「おはよ……きのう、どこ行ってたの?」

曜「ぇ、あ……気付いてたんだ。夜のジョギングに、ちょっとだけね」

千歌「……そっか。曜ちゃん出かけた音で起きて、シャワー借りたんだ」

曜「そうだったんだ。起こしちゃったのかな。ごめんね」

千歌「ううん。むしろありがとうだよー!シャワー浴びないで寝るの、やだもん」

曜「ふふ」ナデナデ

千歌「む、なにさー」

曜「なんでもないのであります」ギューッ

曜(やっぱり全然違う……)クンクン

千歌「またかいでる……」

曜「相変わらずいい匂いであります!」ビシッ

千歌「もー……普通だってば!」

曜「へへ、そろそろ起きよっか」

千歌「うん、そうだね!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:55:46.93 ID:kyHWC2Aw0<> ―――

花丸「……眠いずら」

果南「んん……っ」グイーッ

花丸「もう朝です、松浦一等」

果南「そうだね、国木田三等」

花丸「……練習が午後からで良かったずら」

果南「あはは……終わるかなあ、これ」

花丸「一晩でこんなに……赫子痕は、一致するのはなかったんですよね。たしか、二種類見つかったって……」

果南「うん。つまり……遠方からはるばるやってきたか……それか、新しく捕食を始めたか」

花丸「新しく……?」

果南「なんて、それはないか。うぅん、さすがに全国のデータと比べるとなると……終わらないよね」

海未「お疲れ様です。松浦一等、国木田三等」

果南「園田上等、お疲れ様です!」

花丸「お疲れ様です!」

海未「Q 's、期待してますよ。もっと人数がいれば安定して活動できるとは思いますが……班長が不在の今はどうにも……」

果南「うちの班長は忙しいですからね。私が代理やってる時間の方が長いくらいで」

海未「まったく……希には言っておきます。ただ、希もお二人に期待してのことでしょうから。腕も上がってきてますし」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:56:19.78 ID:kyHWC2Aw0<> 花丸「昇格に期待したいところですね」アハハ

海未「ふふ。花丸は筋がいいですから、磨けば光りますよ。また剣を交えましょう」

花丸「お、お手柔らかにお願いします……」

花陽「あ、いました!おーい、国木田さーん!」

花丸「えっと……あ、クインケの……!」

花陽「はい!完成したので待ちきれなくて持ってきちゃいました!」

花丸「おぉ……マルのクインケ……!」

花陽「さっそく開けてみてください!」

花丸「わ、日本刀……?すごい、黒く輝いてて……ほ、本当にこれ、マルが……?」

花陽「ふふ、甲赫で出来てるので耐久性はバッチリですよ!赫子と合わせて使えばきっと役に立つはずです!それに花丸さんの尾赫はコントロール性に優れていて……っは!す、すみません!ベラベラと……!」

花丸「ううん、ありがとうございますずら、花陽さん……!」

海未「すごいですね、花陽……これはいい日本刀です」

花陽「えへへ、頑張っちゃいました!……あ、あと!真姫ちゃんから解析の結果も伝えるように言われてたんだった……す、すみません。夢中になっちゃって」

果南「あはは……忙しそうですね、花陽さん」

花陽「今回の被害者は……喰種がほとんどでした。すぐに判明しなかったのは損傷が激しくて……赫包がごっそりなくなってたみたいです」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:56:56.80 ID:kyHWC2Aw0<> 花丸「ほとんど?どういうことですか?」

花陽「最初に一人……人間の犠牲者が。そのあとに続いたものはすべて喰種だったんです」

果南「それって、つまり……共食いってことですか?一人人間を食べて……それから、喰種に?」

花陽「……はい。半赫者の暴走には気を付けてくださいね」

果南「ありがとうございます。そのときはきっと私たちの出番になるでしょうし」

花丸「それにしても……この辺りで共食いの報告はなかったんですよね……?それって……なにがきっかけで始めたんでしょうか」

果南「うぅーん……資料にない赫子痕、突如表れた共食いの喰種……」

海未「現場の調査はやっておきますから、着替えてゆっくり休んでください。夜からずっとでしょう?」

花丸「すみません、後お願いします……」

海未「えぇ、お疲れ様です」

トコトコ

花丸「うーん、損傷が激しいってことは、余裕がなかったんですかね。飢えてたとか……?それならさっき松浦一等が言ってたように今まで捕食をしていなかった、とか。なにか理由があって……むむむ」

果南「こら、お仕事はもう終わりだよ、マルちゃん」

花丸「あ……ごめんね、果南ちゃん」

果南「よろしい!じゃあハグしよっか」ギュム

花丸「なんでずら」

果南「よーし、練習頑張るぞー!」

花丸「マルはもう寝たいずら……うぅ」

果南「じゃ、パパッと報告終わらせて行こうか」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 18:59:22.31 ID:kyHWC2Aw0<> ***

曜「ごめんね、私の買い物に付き合わせちゃって」

千歌「ううん。練習は午後からだし、それまで暇だもん!曜ちゃんのバイト先、行くの初めてだなあ」

曜「ふふ……あ、ついたよ」

Μοῦσα

千歌「なんて読むの……?」

曜「ムーサ、だよ」

千歌「むーさ……?」

カランコロン

ことり「いらっしゃいませー……あ、曜ちゃん!久しぶり〜!」

穂乃果「おぉ、曜ちゃん!と……お友だちかな?」

曜「うん。幼なじみの千歌ちゃんだよ」

千歌「はじめまして。高海千歌です!」

ことり「はじめまして〜!私は南ことりだよ」

穂乃果「私は高坂穂乃果!よろしくね」

千歌「……え、もしかしてあのμ'sの!?」

穂乃果「あ、知ってたんだ!えへへ、そうだよ〜!今はことりちゃんとこっそり、知る人ぞ知る隠れ家的カフェをやってます!」ニシシッ

千歌「まさかこんなところで会えるなんて〜!……ん?ていうことは、曜ちゃんもしかして……」

曜「あ、うん。知ってたけど言わなくていいかなーって」

千歌「言ってよ!もーぉ!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/24(火) 18:59:38.13 ID:AR9L5WVSO<> 千歌「これはきっと、悲劇だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507730266/ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:00:08.87 ID:kyHWC2Aw0<> ことり「あはは。まぁまぁ♪曜ちゃん、今日はどうしたの?」

曜「え、と……例のアレをわけてほしくて」

ことり「そっかぁ。じゃあ穂乃果ちゃん、お願いね!ことりは千歌ちゃんとお話してようかなぁ♪」

穂乃果「はーい!じゃあ曜ちゃん、いこっか!」

曜「うん、ありがとう穂乃果ちゃん!」

バタンッ

ことり「ふふ♪そんなに緊張しなくていいよ?あ、コーヒーでも淹れよっか」

千歌「あー……えと、コーヒー苦手で……」

ことり「そうなの?じゃあことりの淹れるコーヒーで苦手を克服してもらおうかな♪えへへ、自信あるんだよ〜」

千歌「じゃあ……お願いします」

ことり「は〜い!ちょっとまっててね〜!」

コポコポ…

ことり「〜♪」

『次のニュースです。昨夜、静岡県五区にて喰種による事件が〜〜』

ことり「喰種かぁ……ねぇ、千歌ちゃん」

千歌「はいっ!」

ことり「ふふ、かたくならなくていいのに♪……喰種って、本当にいると思う?人間を食べちゃう生きもの……なんて」

千歌「う、うーん……千歌は、見たことないし……なんていうか、遠い世界でのことみたいで……でも、五区ってすぐそばだし、信じられない……って感じ、です」

ことり「そっかそっかぁ。ことりも喰種さんはよくわからないんだよね……でも、毎年多くの人が犠牲になってて……ほんと、信じられないよね」

千歌「そう、ですね」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:01:13.30 ID:kyHWC2Aw0<> 穂乃果「たっだいま〜!」

ことり「あ、おかえり♪」

曜「お待たせ!あ、ことりちゃんのコーヒーだ!私も飲みたい!」

ことり「もちろんっ♪ほら、座って座って!」

千歌「わ、いい匂い……」

ことり「角砂糖いれよっか」トポンッ

曜「えっ!?ことりちゃん、それ……」

ことり「ん?普通の角砂糖、だよ」

曜「あ、そっか、そうだよね……ごめんごめん」

千歌「?」

穂乃果「穂乃果も飲むー!」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「アッ掃除が途中だよね、ごめんなさい!」

ことり「えへへ、冗談だよ?穂乃果ちゃんも角砂糖だよね。あ、千歌ちゃんミルクいれる?」

千歌「じゃあ、ちょっとだけ」

ことり「はーい」コポポ…

千歌「ん……ごくっ……あ、おいしい!」

ことり「えへへ、よかったぁ♪」

千歌「なんか、今まで飲んだコーヒーと全然味が違う……匂いも、すごくいいし」クンクン

穂乃果「ことりちゃん、豆にすごくこだわってるからね」

曜「私もことりちゃんくらいおいしく淹れられるように練習しなきゃ……はぁ、おいしーい!」

ゴクッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:01:44.65 ID:kyHWC2Aw0<> 曜「あ、そろそろいかなきゃ……このあと練習があるんだ!」

穂乃果「そっかそっか!また今度ゆっくりきてね!」

ことり「なにか困ったことがあったらいつでもおいで♪もちろん、ただお話するだけでも大歓迎だよ〜!」

千歌「はい!またおいしいコーヒー、飲みに来ます」エヘヘッ

ことり「あ、曜ちゃん、いいかな?」

曜「ん?」

ことり「千歌ちゃんって……なんだか、すごくいい匂い……だねぇ♪」コソッ

曜「……ことりちゃんも、思った?なんでだろう……」

ことり「ふふ、それだけ!引きとめてごめんね?じゃあ、またね!」

曜「うん、また!」

カランコロン

ことり「……なんでだろうねぇ」ニコニコ

穂乃果「穂乃果も千歌ちゃんとお話したかったなー」

ことり「またすぐ会えるだろうから大丈夫だよ、穂乃果ちゃん♪」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:02:12.83 ID:kyHWC2Aw0<> ***

千歌「いやー、コーヒーがあんなにおいしいとは……!感動だよ!」

曜「えへへ、気に入ってもらえたようでよかったであります!また一緒にいこうね!」

ドンッ

千歌「あ、ごめんなさい!」

??「あぁ、ごめんねおねーさん!ちょっとぼーっとしてたよ!」

千歌「いえ……こちらこそ、ごめんなさい!」

??「ここで会ったのも何かの縁っしょ!アタシは宮下愛。よろしくね〜!」

千歌「ぁ、えっと、高海千歌です」

愛「ふむふむ。千歌ちゃんか!覚えとくよ」ポンッ

愛「じゃあまったね〜♪」

曜「……?なんか、不思議な人だったね……悪い人では、なさそうだけど」

千歌「この辺りで見ない顔だったよね。観光の人とかかなぁ……って、曜ちゃん!そろそろいかなきゃ!」

曜「わわっ、全速前進でありますっ!」

バタバタ

愛「千歌ちゃんと曜ちゃん、かぁ。いいねいいね〜」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:02:59.83 ID:kyHWC2Aw0<> ―――

千歌「みんなおっはよー!……てあれ?まだ半分くらいしか集まってないや」

曜「ほんとだ。ダイヤさんルビィちゃん花丸ちゃん果南ちゃん……が、いないね」

鞠莉「Oh!堅物ダイヤが遅刻〜?」

善子「珍しいわね……」

ガチャッ

ダイヤ「ふー……ふーっ……セーフ、ですわ!」

ルビィ「お、おねぇちゃあ待ってよ〜……!」

曜「あっはは!走ってきたの?お疲れ様!」

梨子「これであとは花丸ちゃんと果南さんね」

花丸「お、お待たせしましたずら〜〜!」

果南「ごめんね、おまたせ!」

ルビィ「花丸ちゃん、その紙袋は……?」

花丸「これは朝ごはんずら!食べてる時間がなくて……」

ダイヤ「それはいけませんね。しっかりと朝食を摂り、一日を健康に過ごさなければ。花丸さんが食べ終えましたら練習に入りましょうか」

善子「御意!」ギランッ

梨子「あ、これ中須ベーカリー?八区にある……」

花丸「もぐもぐ……ごくん。うん、そうずら!ここのパンは絶品なんだ〜!」

善子「あんた、わざわざ八区まで朝ごはん買いに行ってたの?まさかそれのせいで遅刻ギリギリなわけじゃ……」

花丸「ち、ちがうよ!昨日買っておいたやつを持ってきただけずら!」

鞠莉「八区と言えば……CCG支局がある区ね!」

曜「一番安全そうだよね〜!おいしいパン屋さんもあるし!」

花丸「ごくんっ。よーし、練習いくずら〜!」

千歌「わ、もう食べたの!?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:03:35.88 ID:kyHWC2Aw0<> ―――

希「わっ!」

絵里「きゃあ!?……って、希!帰ったのね。おかえりなさい」

希「ただいまえりち!ところでうちの可愛い可愛い後輩ちゃんたち知らん?」

絵里「一時間ほど前に帰ったわよ」

希「あっちゃー、すれ違いかぁ。驚かせたろ思ったのになぁ……」

絵里「希、ドイツはどうだった?」

希「んー、まぁまぁやね。こっちの方が楽しいよ。ピリッとした感じやったし……ちょうど、赫者の事件があって大忙しやったんよ」

絵里「あら。それはそれは……こっちもちょうど事件があるのよ。共食いの……ね」

希「……共食い?それ、聞かせてくれる?」

絵里「えぇ、資料を見ながらゆっくり話しましょうか」

希「うん。そうしよか」

??「希せんぱーい!」

絵里「……あの子は?知らない顔ね」

希「あぁ、Q'sの二期ちゃんやよ。かすみちゃんこっちこっち」

かすみ「お話は聞いております!絢瀬特等!」

絵里「いや、私はなにも聞いてないわよ!?Q'sの二期!?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:05:02.25 ID:kyHWC2Aw0<> 希「Q'sの適性がバッチリだったんよ。ね、かすみちゃん?」

かすみ「はい!かすみは即戦力間違いなしですよ!……あ。改めまして、正式には明日から勤務させていただきます、中須かすみです。よろしくお願いいたします!」

絵里「中須……って、もしかして中須ベーカリーの?」

かすみ「そうなんですよ!絢瀬准特等もご存じでしたか!小麦粉からこだわって作っていまして、ひとつひとつ品質チェックをして、使う水の温度や硬度なんかにもこだわっていてですね!」ズイズイッ

絵里「これはまた……扱いにくそうな新人が増えたわね」

??「こんにちは〜……」

希「あ、彼方ちゃん。仮眠室で寝てたん?」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:05:36.33 ID:kyHWC2Aw0<> 彼方「あと十時間くらい寝てたい……眠い……うぅう……」

絵里「お疲れ様、彼方。解析はどう?」

彼方「あ〜うん、だいたい終わったよ〜……一件目のは二区のカラスだね。他のは全国どこの赫子跡にも一致するものはなかったよ〜……ふぁ、ねむい……」

希「あぁ、さっき言ってたやつ?うちにも見せて〜」

彼方「どうぞ〜……彼方ちゃんはもう一眠りしてきます……」

絵里「おやすみ、彼方。ありがとね」

彼方「ふぁ〜い……」

希「……ん、なんとなく覚えがある、ような……」

絵里「覚えが?」

希「もしかして、これ……ごめんえりち、うち解析室こもるから後輩ちゃんたちによろしくな」バタバタ

絵里「え!?ちょっと希!」

かすみ「希せんぱい行っちゃいましたね」

絵里「……どうするのよ、この子」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/24(火) 19:08:17.73 ID:kyHWC2Aw0<> 現在の情報

渡辺曜
喰種
レート ??
赫子 ??

津島善子
喰種(カラス)
レート ??
赫子 ??

国木田花丸
三等捜査官 Q's
クインケ マルちゃん二号(甲赫)
赫子 尾赫

松浦果南
一等捜査官 Q's
クインケ ??
赫子 ??


高坂穂乃果
カフェΜοῦσαを経営

南ことり
カフェΜοῦσαを経営

園田海未
上等捜査官
クインケ ??

小泉花陽
CCG局員
クインケの製造

絢瀬絵里
准特等捜査官
クインケ ??

東條希
??等捜査官 Q's班長
クインケ ??


宮下愛
??

中須かすみ
??等捜査官 Q's二期生
八区にて中須ベーカリーを経営
クインケ ??

近江彼方
??等捜査官
クインケ ??

※こちらに名前のないキャラクターは今後追加されていきます。
※去年にエタった、千歌「これはきっと、悲劇だ」の作者です。キャラクターの追加、設定の見直しをしました。
※更新は不定期になります。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/25(水) 00:34:26.59 ID:+agpbOOX0<> グール最初の方しか読んだ事ないから用語がわからん <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/26(木) 08:57:54.04 ID:rQ87d3KIO<> どうせまたエタる <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/28(土) 23:13:28.00 ID:FW/mkZAV0<> 楽しみにしていますね <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/07(火) 00:52:03.96 ID:kKXjF9ku0<> ***

千歌「ぅう〜!お腹すいたー!!」

梨子「ふふ、練習頑張ってたもんね」

曜「うんうん!いつもに増してキレが良かったと思う!」

千歌「え、ほんと!?なんか今日すごい調子良かった気がするんだよね!」グルグルッ

曜「あっはは!まだまだ元気が有り余ってますな、千歌ちゃん船長!」

花丸「みんなごめんね、マルは一足先に帰らせてもらうずら」

千歌「あーうん!お疲れ様ー!」

花丸「お疲れ様ずらー!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/07(火) 00:52:42.19 ID:kKXjF9ku0<> 鞠莉「あら?マルはもう帰っちゃったの?おいしいクッキーを買ってきたのだけど……まぁ明日でもいっか!」

果南「あれでしょ、お母さんのお見舞い」

鞠莉「あぁ、なるほどなるほど……それなら仕方ない☆ちかっちー、はいあーん!」

千歌「やったぁ!あー……ん」パクッ

千歌「ぅっ!?」

千歌(なにこれ!?パサパサしてて砂を噛んでるみたいだ……味は例えるなら乾ききった粘土みたいな……つまりは、まずい……っ!?) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/07(火) 00:53:13.13 ID:kKXjF9ku0<> 鞠莉「私もたーべよっと……うーん、delicious!ほら果南も!あーん」

果南「んあ……ん、ほんとだ。おいしい……って、あれ?千歌?」

ガチャンッ

曜「あ、あれ……どうしたんだろ」

鞠莉「お口に合わなかったのかしらね……?」

千歌「は、はぁ……ご、ごめんね。むせちゃってさ」アハハッ

鞠莉「それじゃあ中で美味しいcoffeeでもいれましょうか♪」

ルビィ「ご、ごめんなさい!ルビィはおうちの用事があって……」

善子「リトルデーモンたちへの施しをせねばなるまい……!」ギランッ

花丸「ほどこし……どうせまた、生放送ってやつずら」

善子「う、うるさいうるさいっ!とにかくヨハネは忙しいの!じゃあね!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 00:54:07.65 ID:kKXjF9ku0<> 梨子「あ、善子ちゃん……タオル、忘れてるし」

曜「私、方向同じだし渡しにいこっか?」

梨子「ううん。私、帰りに沼津まで買い物に行くからそのときに持っていくわ」ニコッ

曜「……そ?じゃあ、お願い」

鞠莉「むー……みんなbusyなのね……」

果南「ま、今日は大人しく帰ろうよ。遅くなったら危ないし」

鞠莉「もーう!つまんないつまんない!」

千歌「……けほっ」

千歌(あじ、まだ残ってる……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 00:54:43.29 ID:kKXjF9ku0<> 曜「……大丈夫?」

千歌「ん、へいき。お腹すいててがっつきすぎちゃった」エヘヘッ

曜「…………」

千歌「曜ちゃん?」

曜「それならいいんだけど……」

果南「じゃあそろそろ帰るよ。鍵は私がやっとくから!」

曜「あ、ごめんね果南ちゃん。お願いします!」

鞠莉「ちぇー。まぁいいわ!また明日遊べば……」

果南「こら。練習もちゃんとしなきゃだめでしょ?」

鞠莉「果南ってばママみたい!」

果南「はいはい、行くよー」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 00:55:31.76 ID:kKXjF9ku0<> 曜「あはは……私たちもいこっか」

梨子「そうね。千歌ちゃんも大丈夫?」

千歌「ぇ?あ、うん。平気平気!いこ!」ダッ

梨子「わ、千歌ちゃん!」

曜「梨子ちゃん……例の、できたから」ボソッ

梨子「!……了解。ありがとね」

曜「ううん。沼津行くんだよね?ついでに取りに来てよ」

梨子「そうさせてもらうね。それと、曜ちゃん」ポンッ

曜「ん?」

梨子「ご飯はちゃんとしたもの、食べなきゃ……ね?」ニコッ

曜「……」

千歌「おーい、遅いよー!二人とも!」

曜「あ、ごめんごめん!今行くよ!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 00:56:30.51 ID:kKXjF9ku0<> ―――

コンコン

花丸「お母さん、遅くなってごめんね」

花丸「……今日はね、スクールアイドルの練習してたんだよ。みんないい人たちずら。ダンスもマル、上手になったんだ」

花丸「えへへ、筋肉もついてきたよ!捜査官である以上、ちゃんとつけなきゃって、苦手な筋トレもしてるずら!」

花丸「…………だからね、今度はマルが」

花丸「マルがお母さんのこと、守るから」

花丸「……そろそろ行くね。これからシャトーで特訓ずら!」

花丸「お母さん、また明日ね」

…バタン <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 00:58:02.03 ID:kKXjF9ku0<> 花丸「……なんでいるずら」ジトーッ

果南「睨まない睨まない。マルのお母さんにと思って花買ってきたんだよ」

花丸「ガーベラ、ずらか」

果南「うん。よくわかんないけど、なんか綺麗だなあと思ってさ」

花丸「ありがとう果南ちゃん。この花の花言葉は――」


―――希望。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 00:58:48.79 ID:kKXjF9ku0<> ***

千歌「――あれ、梨子ちゃん降りないの?」

梨子「さっきの聞いてなかった?私、沼津に買い物行くんだ」

千歌「あ、そーだったんだ!聞いてなかったよーえへへ、じゃあまた明日ね!ばいばーい!」

梨子「うん、ばいばい」

曜「また明日であります!」

ブロロロロ…

梨子「……ねぇ、千歌ちゃんって」

曜「違う、はず……なんだけど」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 01:00:01.23 ID:kKXjF9ku0<> 梨子「昨日も美味しそうにチョコ食べたりみかんジュース飲んだりしてたもの。だけど……」

曜「どういうこと、なんだろう。本当に、ただむせちゃっただけなのかな」

梨子「でもあの反応、まるで……」

ルビィ「こんにちは、さっきぶりです」ニコッ

曜「わわっ!?ルビィちゃん?……びっくりした」

梨子「どうしたの?こっちの方向じゃなかったよね」

ルビィ「えへへ、ルビィも用事があって」

曜「……いつから、いた?」

ルビィ「へ?」

曜「…………ううん、なんでもない。沼津に行くの?」

ルビィ「うん、CCG支局に」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 01:00:49.68 ID:kKXjF9ku0<> 梨子「……どうして?」

ルビィ「ふふふっ、なんでだと思います?」

曜「え、なんでって……喰種を目撃したから?」

ルビィ「あ、曜さんとこのバス停ですよ!」

曜「ルビィちゃん!」

ルビィ「ぴぎっ……大きな声出さないでください……ほら、昨日の事件知ってます?それで知ってることがあるので情報提供に行くんです」

曜「……昨日、の」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/07(火) 01:01:24.90 ID:kKXjF9ku0<> ルビィ「あーあ……バス停、過ぎちゃいましたね」

梨子「あはは、次で降りればいいよ。ごめんねルビィちゃん。ついつい気になっちゃって」

曜「そうだよ……無事で良かったけど、昨日のってことは夜中だよね?気を付けなきゃダメだよ?」

ルビィ「はぁーい」

ガタンッ

梨子「あ、着いたみたいだね。じゃあルビィちゃん、また明日ね。帰り道も気を付けるんだよ」

曜「また明日ねー!ばいばーい」

ルビィ「うん、ありがとうございます」ニコッ

ルビィ「…………」

ルビィ「“夜中”なんて情報、ニュースには出てないんですよ、曜さん」

ルビィ「あ、降ります降りまーす……っ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/07(火) 01:02:52.09 ID:kKXjF9ku0<> 今日はここまで。また近いうちに更新します。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/14(火) 23:22:27.38 ID:farlhp1n0<> ―――

絵里「あなたたち」

花丸「ひゃいっ!……あ、絢瀬准特等……!お疲れ様です!」

果南「お疲れ様です!」

絵里「お願いがあって……」

果南「お願い?」

かすみ「この人たちがかすみの先輩ですか?」

絵里「そうよ。私より直属の先輩を頼りなさい」

花丸「えー……と、こちらは?」

かすみ「はいっ!かすみは中須かすみです!中須ベーカリって知ってますか?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:23:30.54 ID:farlhp1n0<> 花丸「中須ベーカリ!マルも大好きなパン屋さんずら!」キラキラ

かすみ「!本当ですか!先輩、お名前は!?」ガシッ

花丸「マルは国木田花丸ずら!」

かすみ「花丸せんぱーい!」ギュッ

果南「あっはは……ずいぶんと個性的な……」

絵里「このテンションにはついていけなくて……ごめんね、任せちゃって」

果南「いえいえ、直属……ってことは、この子もQ'sってことですよね?」

絵里「えぇ、さっき希が連れてきて……」

花丸「東條上等帰ってきてるんですか!?」

果南「いつの間に……」

絵里「二人が帰って一時間後くらいかしら。今は解析室にこもってるわよ?」

果南「解析室……希さん集中すると満足するまで続けるからなあ……絢瀬准特等、程々のところで止めてくださいね」アハハ…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:24:00.15 ID:farlhp1n0<> 絵里「後輩のあなたたちには苦労をかけてるわね……ごめんなさい……」

果南「いやいや、そんな……いろいろと体験できて糧になります」

花丸「松浦一等、マルとかすみちゃんはシャトーで一緒に訓練をするずら!」

かすみ「です!」フンスッ

果南「うん、わかった。私は支局で調べものをしてるから何かあったら連絡してね」

かすみ「了解です果南先輩!花丸先輩、終わったらかすみの特製コッペパンを作ってあげますよ!」フフーンッ

花丸「コッペパン!楽しみずらぁ〜!」キラキラ

タッタッタ…

絵里「ふふ、仲良くなれたみたいで良かったわ。そうだ、希から頼まれていたことがあるの」

果南「希さんから?」

絵里「えぇ、昨日の……例の事件。第一発見者なのだけど――」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga sage<>2018/08/14(火) 23:24:41.13 ID:farlhp1n0<> ―――

曜「じゃあこれ、約束の」

梨子「これ、曜ちゃんが……?」

曜「うん。梨子ちゃんの赫子の形状的にトカゲが近いかなあって。それにしても……なんで真ん中で黒と白にわけたの?なにかのチーム……とか?」

梨子「ふふ。そっちの方がおしゃれでしょ?」

曜「たしかにかわいいけどさあ……」

梨子「ありがとね、曜ちゃん。東京で使ってたのは使えないから助かったよ」

曜「赫子でバレるとは思うけど……」

梨子「ううん、いいんだよそれで」

曜「いったいどういう……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:25:16.14 ID:farlhp1n0<> 梨子「ちゃんとお礼はするね。例えば…………ご飯、とか」

曜「はは、わかって言ってる?さっきのもだけど」

梨子「なんとなく察しちゃった」

曜「悪い冗談だなあ」

梨子「でも、ほんとに。ちゃんとしたの食べなきゃおかしくなっちゃうよ」

曜「うぅん……心配してくれてるのはありがと。でも私は私の生き方で生きるよ」

梨子「生き方……ね」

曜「なあに?」

梨子「それは千歌ちゃんのためなの?」

曜「そう……なのかなあ。千歌ちゃんが人間だから、他の喰種に取られないように……って意識はあったけど。だからって自分で狩らないのは、また違う……かな」

梨子「そういえば……曜ちゃんの赫子、見たことないかも」

曜「……私は平和でいたいんだ。なにかを守るときにしか、使いたくない」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:25:47.34 ID:farlhp1n0<> 梨子「だから、特訓してるんだ?」

曜「弱くてなにも守れないなんて……嫌だもん」

梨子「……曜ちゃんはすごいね。私はもう、汚れちゃってるもの」

曜「そんなこと……」

梨子「こんなに手を血で染めて……平和に生きたいだなんて……言う資格なんてないよ」

曜「Sレート……だっけ」

梨子「私はこれからも戦って生きていく。それが私の生き方だから」ニコ…

曜「りこちゃん……」

梨子「じゃあ私は行くね。善子ちゃんに届けてあげなくちゃ」

曜「あ、まっ……!」

バタンッ

曜「……なんで、そんな悲しい顔」

曜「梨子、ちゃん」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:26:16.08 ID:farlhp1n0<> ―――

千歌「ふーっ……ふーっ」

千歌(だめだ、おなか、すいて……)グゥゥ

千歌(……クッキー。みんな普通に食べてた。おいしそうに……だけど、私には)

千歌「…………走ろう」

千歌(なにか、気を紛らしてないとおかしくなっちゃいそうだ……)フラッ

千歌「っふ、ふ……」タッ

タッタッタッ

フワッ

千歌「っ!?」スンスン

千歌「なに、このにおい……」

千歌「いいにおい……ッ」ダッ

千歌(なにか、なにかある。なにか食べられるもの、おいしいもの、なにかが!)

千歌(この、先……ッ!)

千歌「……え」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga sage<>2018/08/14(火) 23:26:48.51 ID:farlhp1n0<> 「……あら?」

千歌(赤、これ、血……?このひとは、なにを、して、えと、これは、つまり)

果林「悪い子ネズミちゃんかしら」クスッ

千歌「……っ」ゴクッ

ポタッ…

千歌「は、はっ……はっ……」

果林「…………半分、だけ?」

千歌(近付いてきて、ころされる、逃げなきゃ、でもおいしそう、いいにおいする、半分、半分って、なにが)

果林「そんなに物欲しそうに見られたら……ちょっぴりお仕置きしてあげるつもりだったけど……いいわ、お腹が空いてるのでしょう?」

千歌「おなか、すいてる……け、ど」

果林「それにしても、どうして半分だけ……本当に喰種なの?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:27:41.12 ID:farlhp1n0<> 千歌「ぐーる……ちが、私、ぐーるなんかじゃ……」

果林「赫眼出して言うセリフではないわね。どういうこと?単純に気になってきちゃった」

千歌「私は、人間で……でも、なに食べても吐いちゃって……それで」

果林「食べ物がとてもまずく感じた?」

千歌「っ!っ、!」コクコク

果林「うぅん……それまでは?普通に食べれたの?」

千歌「いつから、だろう……今日……なの、かな……っは、は……んぐっ」ゴクッ

果林「お腹空いておかしくなりそうでしょ?助けてあげましょうか」

千歌「たす、け……っ」

果林「お腹が空いてるならご飯を食べなきゃ……ね?お姉さんが手伝ってあげる……うふふ♪」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:28:53.49 ID:farlhp1n0<> ―――
ルビィ「……」テクテク

「おいあれ……」

「ルビィ“二等”な。黒澤家の純血なのに……」

「姉は特等って言うのに……とんだ一族の恥さらしってやつか?」

ルビィ「……はぁ」

ルビィ「ルビィだって……」ボソッ

果南「ルビィちゃん、もう来てたんだ!」

ルビィ「ぇあ……か、果南さん……」

果南「昨日の事件で話したいことがあって……ん?」

「人間モドキがよ……」

果南「あ?」ゴコゴ…

「っ!やっべ……」

果南「のうのうと生きてるだけのやつに言われたくない……腰抜け」ギロッ

「チッ……行くぞ」

果南「……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:29:41.33 ID:farlhp1n0<> ルビィ「あの、果南さん……」

果南「ルビィちゃんもあんなやつらのこと気にしなくていいんだよ?ダイヤはダイヤ。ルビィちゃんはルビィちゃんなんだし!」

ルビィ「そう、ですよね……ありがとうございます。えっと、それでお話って……?」

果南「五区の……あれについてなんだけど。最初に発見したのがルビィちゃんなんだよね?」

ルビィ「はい、そうですよ」

果南「聞きたいんだけど……喰種の姿は確認してない?逃げるところでも」

ルビィ「ううん、それが見てないんです。ルビィが行ったときにはもう遅かったみたいで」

果南「そっか、そうだよね……」

ルビィ「どうしてですか?」

果南「……いや、もし後ろ姿だけでも見てたらな、って思っただけだよ。ありがとね」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:30:40.31 ID:farlhp1n0<> ―――

ピンポーン

善子「……梨子さん?どうしたのよ」

梨子「タオル忘れてたから届けに来たの」

善子「ありがと……まさかこのためだけに?」

梨子「ううん、五区の方に行こうとしてたから」

善子「五区?昨日の事件で捜査官だらけじゃない……一体何をしに?」

梨子「ちょっと……遊びに、かな」クスッ

善子「……悪魔ね」

梨子「堕天使さんには言われたくないなぁ……ふふ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2018/08/14(火) 23:31:16.22 ID:farlhp1n0<> 善子「私が戦ってるのは……」

梨子「わかってるよ?その理由も。私は違う。楽しくしたいの……地味で目立たない私が主役になるのは、楽しいんだよ。ほら、幼稚園とかのお遊戯会で拍手喝采をもらうみたいな」

善子「相変わらず嘘が上手いのね。そんなこと、思ってもいないくせに。あなたが戦う理由は……」

梨子「そんなものないよ」

梨子「言ったでしょ、楽しければいいのよ。それ以上でもそれ以下でもない……じゃあ、そろそろ行くね?」

タッタッタ…

善子「……うそつき」

善子「梨子さん、あなたも私と同じ……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/14(火) 23:41:13.34 ID:farlhp1n0<> 現在の情報

高海千歌
喰種(?)
隻眼

渡辺曜
喰種

桜内梨子
喰種
レート S

津島善子
喰種(カラス)

国木田花丸
三等捜査官 Q's
クインケ マルちゃん二号(甲赫)
赫子 尾赫
母親が入院中

黒澤ルビィ
二等捜査官

松浦果南
一等捜査官 Q's

黒澤ダイヤ
特等捜査官

小原鞠莉
喰種


高坂穂乃果
カフェΜο?σαを経営

南ことり
カフェΜο?σαを経営

園田海未
上等捜査官

小泉花陽
CCG局員
クインケの製造

西木野真姫
CCG局員

絢瀬絵里
准特等捜査官

東條希
上等捜査官 Q's班長


宮下愛
??

中須かすみ
三等捜査官 Q's二期生
八区にて中須ベーカリーを経営

近江彼方
??等捜査官

朝香果林
喰種

※こちらに名前のないキャラクターは今後追加されていきます。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/14(火) 23:41:56.96 ID:farlhp1n0<> 今日はここまで。
週一くらいのペースで更新になります。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:54:52.32 ID:2kvLsIrN0<> ―――

千歌「ん、ぐっ……やめ……っ!」

果林「どうしたの?食べなきゃ……」

千歌「違……わたし、わたしは!っ……人間だッッ」バッ

果林「あらあら……本当に?ほら、鏡を見て?」

千歌「っ……!?」

千歌(目、あか……なに、これ……こんな、人の肉なんて見て、よだれ…………なんで、なんでわたしが、なんで)

千歌「ちがう!わたしは喰種なんかじゃない!にんげん、にんげんだ!」

千歌「こんなの、ぜったい、たべるもんか……ッ!」

「やり方、性格悪い……」

果林「……だあれ?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:55:24.49 ID:2kvLsIrN0<> 璃奈「私は、天王寺璃奈」

果林「そのマスク……見たことがあるわね。どこでだったかしら……」

璃奈「その人……本当に喰種?私には、ヒトに見える」

千歌「わたし、は……っんぐ……は、はっ……」

璃奈「そばにカフェがある……喰種のやってるとこ。そこに助けを求めるのも、いいと思う」

果林「カフェ?」

璃奈「そこには、元人間がいる」

千歌「けほ、んぐ……もと、にんげん…………?」

果林「元人間……気になるわね♪ごめんね、大丈夫?」

千歌「ふ、ふ……」コクコク
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:56:04.37 ID:2kvLsIrN0<> 璃奈「……あなたに悪気がないのはなんとなく、わかる。でも、いいやり方とは思えない……かな。名前はなんて言うの?」

千歌「わ、たしは……高海、千歌…………にんげん、私は……人間、のはず……なのに」

果林「私は朝香果林よ。見ての通り……喰種。食事をしてたらたまたまこの子が来て……ね」

璃奈「……千歌さんと果林さん。覚えた。じゃあ、行こう。すぐそばだから……大丈夫」

璃奈ちゃんボード『にっこりん』

千歌「!」

果林「顔が変わった?どうなってるのかしら、それ……機械?」

璃奈「これは、デジタル璃奈ちゃんボード……戦うときは違うやつに変える。けど、普段はこれの方がカオを変えやすい」

千歌「ふしぎな、ひと……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:57:16.43 ID:CRNBJ/930<> 璃奈「そう、かな。私にとっては、あなたの方がふしぎ……どうなってるのか、わからない。未知の存在」

千歌「わたし、は……」

璃奈「……ここ。大丈夫。中にはほとんど喰種しかいない。ちょっと中を確認してくる」

カランコロン

璃奈「……うん、大丈夫。入っていいよ。喰種のお客さんしかいない」

千歌「あれ、ここ……」

果林「知ってるの?」

千歌「たぶん、ここは……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:57:50.96 ID:CRNBJ/930<> ことり「いらっしゃいませー♪……って、千歌ちゃん、だよね?目が……」

璃奈「店長さん、裏に……いい?」

ことり「うん、もちろん。穂乃果ちゃん、ちょっと来てー!」

穂乃果「はーい!……千歌ちゃん!?どうしたの……?」

千歌「っふ、ふ……ことり、さん……ほのかさん」

穂乃果「かく、がん」ゴクリ

果林「お腹がすいてるみたいなの。まぁ……食べようとしてくれなかったけど」

ことり「とりあえず、このソファに寝転がって。うん、ゆっくり……」

ポフンッ

ことり「今コーヒー淹れてくるから、少しだけ待っててね」

千歌「っ、」コクコク <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:58:24.95 ID:CRNBJ/930<> 穂乃果「……えと、もしかして千歌ちゃんって」

璃奈「たぶん、穂乃果さんと同じ」

穂乃果「私と……同じ?」

璃奈「あ、でも、なった経緯というか……それは違うと思うけど」

ことり「おまたせ〜!千歌ちゃん、起き上がれる?ちょっと楽になるからこれ飲もうか」

千歌「っんく……ごく、ごく…………あ、れ」

千歌「ほんと、だ……楽になった……」

ことり「うん。でも……一時的なものだから、ちゃんと食事をとらないとだよ」

千歌「ありがとう、ございます……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:58:55.43 ID:CRNBJ/930<> 穂乃果「千歌ちゃんって……えと、人間……だよ、ね?でも隻眼で……えーと、どういうこと!?」

千歌「わ、かんない……わかんない、よぉ」グスッ

ことり「……」ナデナデ

千歌「わたっ……わたしっ!人間だった、のに!いきなり、こんな、人の肉みて……お、おいしそうって……思っちゃって……っ!」

千歌「も、わかんない、わかんないよ……なんで、なんで私が……」

穂乃果「……いきなり、なったってこと?」

千歌「……」コクン

穂乃果「どういうことなんだろう……いきなり、人間が喰種になるって……そんなの……」

ことり「そういえば……千歌ちゃんはなんだか不思議な匂いがするよね♪あまーい……いい匂いが」

果林「匂い?すんすん……ほんとね、なんていうか、すごく……おいしそう?」

千歌「くんくん……んー……自分じゃ、わかんないや……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 21:59:29.43 ID:CRNBJ/930<> 璃奈「……それにしても、ご飯どうするの?このままじゃ、ほんとにおかしくなっちゃうよ」

千歌「たべ……るん、だよね。その……ヒ、ヒト、を」

果林「…………食べられる?」

千歌「……それ、は」

果林「無理だと思うわよ……私だって、小さい頃はよく両親に叱られたわ。食べないと死ぬんだぞー……なんて」

ことり「あはは、どこもそうだよねぇ」

璃奈「抵抗はもちろん、ある。でも……生きるためだから」

穂乃果「千歌ちゃん。怖いのも、嫌なのも、わかる。穂乃果ならわかってあげられる。だって……」

スゥゥ…

穂乃果「おんなじだもん」

千歌「っ!め、が……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:00:21.21 ID:qboBiFwh0<> ―――

曜「……はぁ」

曜「うー……」ゴロゴロ

曜「……千歌ちゃん」

曜「千歌ちゃんは人間で、私が守るために、ずっと、それで…………?」

曜「千歌ちゃんがもし喰種だったら――?」

曜「いやいやいや」ブンブン

曜「……はあ。考えるのは苦手だなあ。特訓、しなきゃ」ギシッ

トコトコトコ

曜「…………お腹すいた、な」

曜「だめだ、だめ……大丈夫。動けば忘れられる……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:00:58.83 ID:qboBiFwh0<> バッ

曜「……尾赫、これで」

曜「一瞬だった、あんなに肉って簡単に切れるんだ……いや、私のこれが、切れやすい……のかな」

曜「同時に……甲赫、もっ!」ググッ

曜「ふ、ぅ……やっぱり安定して出すのはきつい、かも……」クラッ

曜「おあ!」ビターンッ

曜「いっててて……」

曜「…………やっぱり一人じゃ限度があるよね。でも、誰に……?」

曜「………………あ」

曜「ことりちゃんに頼まれてた時間って……うわっ!あと30分!!?急がなきゃ!間に合うかなあ〜……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:02:09.42 ID:qboBiFwh0<> ―――
花丸「うぐぐぐ……もう、限界ずらぁ……」バタンッ

かすみ「ねぇねぇ花丸せんぱい」

花丸「ん、はぁ……どうしたずら?」

かすみ「せんぱいって、どうして捜査官に……しかも、Q'sに入ったんですか?」

花丸「うんと……マルはお母さんが入院していて……その治療費を稼ぐためにここで働いてるんだ。少しでも稼がなきゃ……って思ってたら、Q'sに入りませんかーって手紙が届いたずら」

かすみ「ふむふむ……あれですよね、適正検査の!」

花丸「うん。かすみちゃん、たしかすごい結果だったって聞いたよ?」

かすみ「ふふーん!まぁかすみはトクベツな女の子ですから!」ドヤッ

花丸「ふふ。頼もしいずら。ところで、かすみちゃんはどうして?適正があったって言っても、ほら、リスクとか……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:02:40.41 ID:qboBiFwh0<> かすみ「うーん……なんていうんですかねぇ。いっぱい喰種を倒してどーんと出世して、名前を上げれば……きっと…………」

花丸「きっと?」

かすみ「あ、いや……ごめんなさい、なんでもないんです!」

花丸「きっと、自分のことを見てくれる……とか?」

かすみ「……!」

花丸「マルはそう思って頑張ってるから……お母さんが目覚めたときに、マルはこんなに強くなったんだよ、って伝えたくて。だから……かすみちゃんもそうなんじゃないのかなってなんとなく思ったずら!」

かすみ「なにも知らないのに……とか、思われちゃうかもなんですけど、なんとなく、少しだけ花丸せんぱいと似てるのかな……って思っちゃいました」

花丸「うん、オラもそう思ったよ。これから頑張ろうね。出世して、出世して、超凄腕捜査官になってやるずら!」オーッ!

かすみ「おー!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:03:12.84 ID:qboBiFwh0<> ―――

曜「ヨーソロー!」

カランコロン

曜「ありゃ?」

喰種A「お、曜ちゃんじゃないか」

曜「お久しぶりであります!ところで、ことりちゃんたち知りません?表もクローズになってるし、でもお客さんたちいるし……」

喰種B「あーなんかなぁ、さっき隻眼の女の子がフラフラして……今はみんな奥にいるよ。注文は受けられないけどくつろいでていいって穂乃果ちゃんに言われたから、俺たちはここでゆっくりしてるってわけさ」

曜「……隻眼?それって、穂乃果ちゃんみたいな?」

喰種A「そうそう」

曜「奥かぁ。ありがとうございます!」ビシッ

喰種B「はは、ヨーソロー!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:03:47.64 ID:qboBiFwh0<> 曜(隻眼の、女の子?穂乃果ちゃんの事情は知ってる。でも、同じような子が、いる?)

曜(…………まさか、ね)

ガチャッ

千歌「……ッ!?」ガタッ

曜「は?」

千歌「よ、ちゃ……なん、で、なんで、いるの」

曜(千歌ちゃん?なんでここに、いや、そうじゃない、それよりも……赤、赤い、肉、これ)

曜(――私がいつも、わけてもらう、包み)

千歌「や、っだ、やだ、みないで、ちがうの、やだ!」

千歌「おねが、みないで……っ!」ボロボロ

曜「なん、で……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:04:26.23 ID:qboBiFwh0<> 曜(私が今までやってきた、ことって)

ことり「曜ちゃん」ポンッ

曜「ぅぁ……ことり、ちゃん」

ことり「……曜ちゃんも、ご飯食べてるとこ……あまり見られたくないでしょ?ね?」

千歌「ごめ、ごめんなさ、ちが、ちがうの。ごめんなさい、ごめんなさい……」ガタガタ

曜「どういうことなの!?千歌ちゃんは人間だった!!でも、これじゃあ!私とおんなじじゃん!それじゃ、それじゃあ……ッ!」

ことり「落ち着いて、今一番大変なのは曜ちゃんじゃないでしょ?」

曜「……っ」チラッ

千歌「おねがい、きらわないで、おねがい、おねがいします……」

曜「……ちかちゃん」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:04:59.22 ID:qboBiFwh0<> ギュッ

曜「誰が嫌うの、そんなの……っ」

曜「……ごめんね、いきなり入って。少し落ち着いてくるから……だから、千歌ちゃんも、少し落ち着いて……深呼吸、して?」ニコッ

千歌「よう、ちゃん……」

曜「……よっし!じゃあまたあとで話そ!……大丈夫だからね」

千歌「うん、うん……っ!」

ことり「じゃあ私たちは上にいるから……ここの鍵も一応、閉めておくね」

千歌「その、ありがとうございます、ことりさん……」

ことり「ううん♪千歌ちゃん、遠慮なんてしなくていいんだよ」

――パタン

曜(……左目だけが赫眼)

曜(今までそんな兆しはなかった、人間の食べ物もおいしそうに食べてた、あのとき血の匂いもわからなかった、コーヒーだって飲めなかった)

曜(…………どういうこと、なの)
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:05:27.56 ID:qboBiFwh0<> 果林「あら、その子が例のバイトちゃん?」

璃奈「バイトさん。困惑してるみたい……」

曜「……いや、バイトじゃなくて渡辺曜です。バイトだけど」

璃奈「曜さん。覚えた。あなたは、千歌さんのお友だちなんだね。あのこと、知っていたの?」

曜「……知りませんでした。ずっと、一緒にいたはずなのに、気付かなかった。いや、喰種だなんて、考えすらなかった……!」

ことり「はい、曜ちゃんにもコーヒー♪」

曜「すみません」ゴクッ

果林「なにかおかしいなーってことも全くないの?」

曜「ぁ、いや……今日の練習のあとやけにお腹すいた〜って言ってて、それで先輩にもらったクッキーを食べたら……すぐ、吐いてしまってて」

曜「……でも、ほんとにそれはすぐさっきで。それまでは一切ないです」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:05:56.27 ID:qboBiFwh0<> 穂乃果「うぅーん、本人も言ってたみたいに、いきなり……?あー!わかんないよぉー!」グァー!

果林「ふふ、穂乃果さん。かわいいおへそが丸見えよ?」

曜「……ところで、このセクシーなお姉さんと不思議なマスクの子は?」

果林「私は朝香果林よ。よろしくね」

璃奈「天王寺璃奈。これで表情を変えているの」

璃奈ちゃんボード『にっこりん』

果林「……その顔、好きね」

璃奈「第一印象は大事だと、ネットで見たから。笑顔は、大事」

曜「……ねぇ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「んぁ?どうしたの?」

曜「目、みせてほしい」

穂乃果「……ん」スゥ

曜「千歌ちゃんとは、反対。なにか意味があるのかな」

ことり「ルーツが違う……とか?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:06:24.90 ID:qboBiFwh0<> 穂乃果「穂乃果とは違う……たとえば、遺伝とか」

果林「喰種と人間のハーフってこと?存在するなんて……考えもしてなかったけど」

璃奈「と、いうか。そもそも穂乃果さんってどうして隻眼に……?」

穂乃果「手術だよ」

果林「え?手術……ってそれ、みずから?」

穂乃果「うん。穂乃果の体内には赫包があるんだ。人工的に取り付けられた……ね」

璃奈「なんで、そんな……」

ことり「ことりのせいだよ」

穂乃果「ことりちゃん!だから、違うって!」

ことり「ことりがいけないの。穂乃果ちゃんを巻き込んで……っ」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:07:17.00 ID:qboBiFwh0<> 果林「あの、話に割り込むようであれなんだけど……人工的に、って。そんなの可能なの?」

穂乃果「……そうだよ。表向きにはできない……というか、やろうとすら思われないことなんだけど。CCG局員の友達にこう……土下座とかして……あはは」

果林「ど、土下座……ね」ヒキッ

璃奈「……そこまでして守りたいものが、あった。それがことりさん?」

穂乃果「うん。そういうこと!だから謝らないのー!」ムギューッ

ことり「わ、穂乃果ちゃん……!」ギュッ

穂乃果「…………そろそろ、下に行こっか。わからないことばっかだけど、ちゃんと千歌ちゃんのこと、知ろうとしてあげてね」

曜「知ろうと……うん、わかった」

ことり「はい、じゃあこれ」

曜「下の鍵?」

ことり「二人きりで話したいこともあるでしょ?一段落ついたらまたこっちに戻ってきてね」

曜「あはは……先輩方には敵いませんなぁ。ありがとね」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:07:43.58 ID:qboBiFwh0<> ガチャッ

千歌「……よーちゃん」チョコン

曜「ふふ、なんでそんな小さく座ってるのさ。隣いい?」

千歌「あの、ちか、ちかね」

曜「いいよ」ギュッ

千歌「えっ?」

曜「……怖かったでしょ。つらかったでしょ。いっぱい、いっぱい謝って、罪悪感でおかしくなりそうだったでしょ。ごめんね、気付いてあげられたら良かったのに」

千歌「ぅぁ、よう、ちゃ……っ」ギュゥ

曜「………………私が、喰種だって、知ってた?」

千歌「えっ!?」バッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:08:26.88 ID:qboBiFwh0<> 曜「……ね?」スゥゥ

千歌「ほん、とに……?でも、いっつも、一緒にご飯とか」

曜「あっはは……正直言うとめちゃくちゃまずいの我慢してたんだよね」ポリポリ

千歌「……千歌、曜ちゃんもずっと人間だと思ってたや」

曜「そりゃ、捜査官にバレたら殺されちゃうし」

千歌「でも!それでも、千歌にくらい、言ってくれたら……っ」

曜「千歌ちゃんだって体ヘンになったの、教えてくれなかったじゃん。むせたーだなんて嘘ついてさ」

千歌「それ、は」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:08:59.05 ID:qboBiFwh0<> 曜「バカちかちゃん♪」ムニューッ

千歌「ううはい、ばかよーひゃん!」ムニューッ

曜「あははっ!」

千歌「えへへ」

ギュッ

千歌「……ありがと、こんな千歌を認めてくれて」

曜「こんな、なんて言わないでよ」

千歌「へへ、ごめんね」

千歌「千歌は、世界一幸せ者だね」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/22(水) 22:10:24.74 ID:qboBiFwh0<> 現在の情報

高海千歌
隻眼の喰種(左)

渡辺曜
喰種
赫子 甲赫、尾赫

桜内梨子
喰種
レート S

津島善子
喰種(カラス)

国木田花丸
三等捜査官 Q's
クインケ マルちゃん二号(甲赫)
赫子 尾赫
母親が入院中

黒澤ルビィ
二等捜査官

松浦果南
一等捜査官 Q's

黒澤ダイヤ
特等捜査官

小原鞠莉
喰種


高坂穂乃果
カフェΜο?σαを経営
隻眼の喰種(右)

南ことり
カフェΜο?σαを経営

園田海未
上等捜査官

小泉花陽
CCG局員
クインケの製造

西木野真姫
CCG局員

絢瀬絵里
准特等捜査官

東條希
上等捜査官 Q's班長


宮下愛
??

中須かすみ
三等捜査官 Q's二期生
八区にて中須ベーカリーを経営

天王寺璃奈
喰種

近江彼方
??等捜査官

朝香果林
喰種

※こちらに名前のないキャラクターは今後追加されていきます。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/22(水) 22:10:57.90 ID:qboBiFwh0<> 今日はここまで。また近々更新します。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:02:36.08 ID:3pH66J9+0<> ―――

「こんにちは、にこさん」

にこ「……あんたは?」

せつ菜「初めまして。私は優木せつ菜と言います」

にこ「せつ菜ね。それで、なにをしに来たのよ?わざわざこんなトコまで」

せつ菜「どうしてこんな隅の区……十三区なんかに」

にこ「住めば都ってやつよ。あんたもどう?この辺りは争いもなくて平和よ」

せつ菜「そうじゃなくて!」

せつ菜「……私、憧れてました。μ'sに、にこさんに。私もこんなスクールアイドルになりたいって思ってたんです。なのに!突然の引退発表、半数のメンバーは行方もわからなく……にこさんも、その一人で」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:03:03.46 ID:3pH66J9+0<> にこ「失望した?」

せつ菜「失望、なんて……でも寂しかったです」

にこ「ファンサービスで教えてあげるわ」スッ

にこ「μ'sは全員、生きている。それぞれに幸せになれる場所で……ね」

せつ菜「それじゃあ……にこさんは今、幸せなんですか?」

にこ「えぇ、これでも結構幸せなのよ」

せつ菜「…………凛さんは?」

にこ「え?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:04:25.67 ID:3pH66J9+0<> せつ菜「凛さんだけ、居場所が掴めていないんです。にこさんなら知っているんじゃないですか?」

にこ「……凛は」

にこ「――コクリアにいるわ」

せつ菜「だから、コクリアがある十一区の隣に……?」

にこ「だとしたら?」

せつ菜「にこさん、私を仲間にしてくださいっ!」

にこ「はぁ!?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:06:07.90 ID:3pH66J9+0<> ―――

花陽「……凛ちゃん」

凛「……」

花陽「ごめんね、私がすぐに……」

凛「……かよちん、だめだよ」

花陽「でも、私……」

真姫「花陽」

花陽「真姫ちゃん……」

真姫「……なにしてるの?早く終わらせてアレの続きをやるわよ」

花陽「でも、でも……」

真姫「無駄なことは考えない方がいいわ。ここから逃げ出せた喰種なんていないんだから」

花陽「……」

真姫「……もう用事は済んだ?行きましょ」

凛「……ごめんね」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:06:50.95 ID:3pH66J9+0<> 花陽「…………じゃあ、またね。凛ちゃん」

真姫「あ、これ。あんたが頼んでた本届いたから」スッ

凛「ぁ、ありがとにゃ」

真姫「……」

コツコツコツ……

凛「……はぁ」

凛「寂しいなぁ……」パラパラッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:07:17.34 ID:3pH66J9+0<> 凛「えー、こんな絵本みたいなのだったっけ……」

ペラッ

凛「あれ、カバーが外れて……って、これ全然違う本じゃん!真姫ちゃんめ……」
凛「『やさしいせかい 著:くにきだ××』」

凛「くにきだ……?名前は削れて見えないけど……なーんか聞いたことある、ような?」

凛「それよりも真姫ちゃんめ……楽しみにしてたのに」プンプン

凛「……」パラッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:07:51.90 ID:3pH66J9+0<> ―――

千歌「――うん、うん。わかってる。うん、じゃあね」

曜「平気だった?」

千歌「うん。泊まるって言ったら迷惑かけないようにーってだけ。曜ちゃんでよかったよ」

曜「そっか、それならよかった」

千歌「えと、それで……」

曜「ねぇ、千歌ちゃん」

曜「どうやって生きる?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:08:24.14 ID:3pH66J9+0<> 千歌「どう、って」

曜「普通に学校行って普通に生活する?喰種にとって、それがどれだけ大変か……想像はつくよね?」

千歌「……まだ、なにも」

千歌「なにもわかんない。喰種のことも、私のことも、ずっとなんでも知ってるつもりだった曜ちゃんのことも」

曜「私が怖い?」

千歌「こわ、くはないよ……」

曜「でも私喰種だよ?ヒトを食べて生きてきた。なのに?」

千歌「…………それ、言ったら、私」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:08:59.47 ID:3pH66J9+0<> 曜「……」

千歌「ぅ、ぉえ」バッ

曜「吐いてきなよ、大丈夫だから」

千歌「っ、」コクコク

ダッ

曜「……」

曜(……これじゃ足りない)

曜(今まで通りじゃダメだ。それじゃ千歌ちゃんを守れない。なら、なら私は)

曜(いいよ。化け物にだってなってやる)

曜(心なんて捨ててしまえばいい)パキッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:09:27.04 ID:3pH66J9+0<> 千歌「っは、は、は……ご、ごめん、ね」

曜「あはは、仕方ないよ。みんな最初はそんなもんだって」

千歌「ん、うん……」

曜(とりあえず梨子ちゃんには言っておいた方がいい、よね……家も隣だしサポートは私よりできるはず)

千歌「曜ちゃん、あのね」

曜「ん?」

千歌「私に喰種のこと、教えてほしい。生きる術を教えて」

曜「……うん、わかった」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:10:15.95 ID:3pH66J9+0<> ―――

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「……お姉ちゃん」

ダイヤ「鍛練はちゃんと積んでいますか?」

ルビィ「うん、ちゃんとやってる。大丈夫だよ」

ダイヤ「黒澤家として誇りを持つのですよ。あなたには才能があるわ」

ルビィ「……ありがとうお姉ちゃん」

ルビィ(お姉ちゃんはルビィと二歳しか変わらないのに特等捜査官。黒澤家の長女だからってのをなしにしても同年代の捜査官じゃ圧倒的な強さ……なのに、ルビィは)

ダイヤ「そうだ。この前花丸さんがルビィと手合わせをしたいと言っていたわ。Q'sとならいい練習になるのではない?」

ルビィ「花丸ちゃんかぁ……うん。声かけてみるよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:10:46.55 ID:3pH66J9+0<> ダイヤ「……Q'sもそろそろなにか功績を上げてくれるといいのだけど。仲間としてあまりいい評判じゃないのは寂しいですから」

ルビィ「きっともうすぐだよ。花丸ちゃんたち、すごく強いもん」

ルビィ(そう、ルビィとは違って……)

ダイヤ「それでは私はこれから特等会議がありますから、鍛練もほどほどにするのですよ」

ルビィ「わかった。いってらっしゃいお姉ちゃん」

ダイヤ「えぇ、また後でねルビィ」

…パタン <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:11:15.18 ID:3pH66J9+0<> ルビィ(もう行っちゃうんだ。さっき来たばかりなのに)

ルビィ(最近ずっと忙しそうだなぁ……特等になってからはとくに)

ルビィ(……寂しいなぁ)

ピロン

ルビィ「ん……」

ルビィ「……ふーん、そっか」

ルビィ「ふふ、また一歩前進!」

ルビィ「これでルビィもお姉ちゃんに近付ける!よーし!がんばるぞぉー!」オー!
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:11:50.11 ID:3pH66J9+0<> ―――

果南(五区の件から見回りの捜査官を増やしたみたいだけど……それでいいのかな。また同じ区で補食をしない可能性を考えたら……)

トントン

果南「はい?」クルッ

希「果南ちゃん、久しぶりやね〜!」

果南「げ、希さん」

希「げ、とはなんや。班長様に向かって!」

果南「はいはい……帰ってきてすぐ解析室にこもるなんて、どうしてたんですか?」

希「ほら、五区で事件があったよね?あれの赫子痕とドイツでちょうど追ってた喰種の赫子痕の照合をしてたんよ」

果南「ドイツの?それで、照合率は?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:12:24.00 ID:3pH66J9+0<> 希「二十三パーセント」

果南「うぅん……とても親兄弟だとは思えない数字ですね」

希「そうなんよ。ビリッと来たんだけどね。向こうは赫者だし、赫子痕が変わってると仮定すれば可能性はあると思うけど……」

果南「ダイヤ……特等にブッブーですわぁ!なんて言われそうですね」クスッ

希「あはは、間違いない!」

「果南さん、ブッブーですわね」

果南「そうそう、こんな風、に……?」クルッ

ダイヤ「ごきげんよう」ニコッ

果南「ひぇっ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:12:52.37 ID:3pH66J9+0<> ダイヤ「……まったく。変なことを言ってないで真面目に仕事しなさいな」

果南「してるしてる、してますよ〜」

ダイヤ「あら、これが例の赫子痕ですか?」

希「そうなんよ特等〜」

ダイヤ「ふむ……照合率は低いですが、引っかかるものはありますわね。こちらはもう少し掘り下げたいところですわ」

希「おぉ!あのダイヤ特等が!」

ダイヤ「なんですの?」

希「なんでもありません」

ダイヤ「黒澤家の方でも調べますので、こちら預かってもよろしいかしら?」

希「えぇ、えぇ、どうぞ。ウチはちょっとシャトーでゆっくりさせてもらうよ。明日は休暇とってるし!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:13:18.55 ID:3pH66J9+0<> 果南「あはは、せっかくの休暇だしゆっくりしてくださいよ?また前みたいに無理なんてしたら……」

希「えりちに縛り付けられそうやんな……気を付けます」

ダイヤ「私も会議がありますのでこれで」

果南「おっ頑張ってねダイヤ」

ダイヤ「果南さん」

果南「やば……すみませんダイヤ特等」

ダイヤ「ふふ、冗談ですわ。上官がいるときだけちゃんとしてくれればいいのですよ。じゃないと寂しいもの」クスッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:13:52.94 ID:3pH66J9+0<> ―――

カランコロン

鞠莉「ハーイ!ことり、穂乃果!」

穂乃果「あ、鞠莉ちゃんだ!久しぶり!」

ことり「いらっしゃいませ、鞠莉ちゃん♪今日はどうしたの?」

鞠莉「coffeeをいただきにきたの?ここのコーヒーはSo excellent!」

ことり「わー!ありがとう!今淹れてくるから待っててね!」

鞠莉「えぇ、ありがとう」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:14:31.52 ID:3pH66J9+0<> 鞠莉「ところで……隻眼の喰種の噂を聞いたのだけど」

ことり「隻眼?」

鞠莉「珍しいから気になっちゃった?」

璃奈「……それ知って、何をする気なの?」

鞠莉「Oh!coolなマスクね!どちらさま?」

璃奈「…………天王寺璃奈」

穂乃果「璃奈ちゃん、大丈夫だよ!ちょっと変わってるけど……悪い人じゃないから!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:15:08.72 ID:3pH66J9+0<> 璃奈「む……穂乃果さんが、そう言うなら。ごめんなさい」ペコリ

璃奈ちゃんボード『しゅーん…』

鞠莉「So Cute?」

ことり「はい、鞠莉ちゃん」

鞠莉「Thanks,ことり!」

鞠莉「……五区の事件、犯人知ってる?」ゴクリ

鞠莉「うん、おいしいわ♪」

ことり「ううん。情報はなにも……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:15:41.61 ID:3pH66J9+0<> 穂乃果「最近こっちに来た喰種とか、かなぁ……璃奈ちゃんに依頼は?」

璃奈「気になるような人は、来てない。だいたい常連さんだから」

鞠莉「依頼?」

璃奈「喰種相手にマスクを作ってる。あなたも必要なら三区まで来てね」

鞠莉「そうなのね!マリーも今度お願いしようかな」

鞠莉「うぅん、それにしてもわからないコトだらけね……またなにかわかったら遊びに来るわね。ごちそう様!」

ことり「いつも情報ありがとね、鞠莉ちゃん……例のアレも」

鞠莉「こちらこそおいしいコーヒーをいただいてるもの♪」

カランコロン

璃奈「例のアレ……って?」

穂乃果「あー……ほら、自分で補食できない喰種に渡してるのあるでしょ?あれを提供してもらってるんだ」

ことり「もちろん、自殺者のだよ?平和主義の喰種だから、そうやって最低限にしてはいるんだけど……いつになったら喰種と人間がわかりあえる日が来るんだろうね」

穂乃果「きっと来るはずだよ。そのために私たちがいるんだから……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 00:16:28.63 ID:3pH66J9+0<> 今日はここまで。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 16:58:08.33 ID:g6IYXtTR0<> ***

曜「――まずい」

曜「は、は……っ」グジュッ

曜「強くなるんだ、つよく、つよくなって、守らなきゃ……ッ」

――コツン

曜「っ!?」バッ

ルビィ「こんばんは」

曜(ルビィちゃん!?右手に持ってるトランク、あれ、クインケ……?てこと、は)

曜(捜査官……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 16:58:41.48 ID:g6IYXtTR0<> ルビィ「お食事中ごめんなさい喰種さん」ニコッ

曜(マスクしてるから顔はバレない……声だけ、出さなきゃ……どうする、戦えない。捜査官とはいえ、仲間だ。傷付けないようにしてなんとか逃げて……)

ジャキッ

ルビィ「資料には載ってない喰種さんですね」

曜(見た感じ甲赫……かな。あの武器さえ壊せれば逃げられる)ズズ…

ルビィ「甲赫、ですね。お揃いだぁ」

曜「……」

ルビィ「ふふ。あなたですよね、五区の共食い」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 16:59:30.56 ID:g6IYXtTR0<> 曜(……仕掛けてくる様子はない。隙を見てクインケを破壊するしかないかな)

ドゴォンッ

ルビィ「壊せますかぁ?」

曜「っ……!」

曜(コンクリートの壁が粉々に!?)

ルビィ「お話をしましょう。楽しいお話です」

ルビィ「……ある不思議な姉妹がいました。優秀な姉と普通な妹です。二人は幼い頃から共に遊び鍛え、生きてきました。やがて大きくなって二人の差はどんどん広がっていきます。普通な妹は必死になって努力を続けますがどんどんどんどん広がって、追い付けません」

ルビィ「さてさて、どこで差が開いたんだと思いますか?」

曜(なんの話……?油断させようとしてるだけなのか、なにか意味があるのか……楽しい話だとは、思えないし) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:04:03.51 ID:g6IYXtTR0<> ルビィ「“才能”ですよね」

ルビィ「努力じゃ才能に勝てないんですよ。ねぇ、あなたにはわからないですか?」

ルビィ「わかりませんよね、そんな立派な赫子を持ってちゃ」

曜「……」ジリッ

ルビィ「でもあなたはルビィに勝てません。なぜなら攻撃できませんから」

ルビィ「もうひとつ、面白い話をしてあげますね」スッ

ルビィ「千歌さんって……本当に前から人間だったんですかね?」

曜「っ!?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:04:30.30 ID:g6IYXtTR0<> ルビィ「なーんちゃって!ふふ、じゃあルビィは帰りますね」

ルビィ「――また明日」クスッ

曜「……」

曜(バレてる……?いや、それだけじゃない。なんで千歌ちゃんのことまで?本当に前から人間だったか……そんなの当たり前だ。じゃなきゃあんな反応は……)ハッ

曜「……もう、いない」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:06:57.89 ID:g6IYXtTR0<> ―――

千歌「……しにたくない」

梨子「えぇ、みんなそうよ」

千歌「いきるために、ころすんだね」

梨子「弱肉強食。それが普通でしょ?」

千歌「……ふつう」

千歌「普通って、なんだろうね。千歌はずっと普通だと思ってたけど……そうじゃない、みたいだし」

梨子「……自分が、怖い?」

千歌「怖いよ……自分の体がどうなってるのか、なんでこうなったのか……いつからこうなったのか。なにもわからないんだもん」

梨子「私だってわからないよ。喰種の私と普通の人間。どこで違っちゃったんだろう。どこで戻れなくなったんだろう……って」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:07:42.77 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「……家族には?」

千歌「言えると思う?」

梨子「…………じゃあ、どうするの?嫌な言い方だけど、このままじゃみんなを巻き込むことになるわよ」

千歌「巻き込む……って」

梨子「悪いことは言わない。家族から離れた方がいいわ」

梨子「……自分のせいで家族を失う人を、見たくないの」

千歌「……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:08:22.55 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「私と一緒に、来る?喰種として生きるための戦い方……教えてあげられるよ」

千歌「でも……」

梨子「曜ちゃんが心配?」

千歌「……」コクン

梨子「守ってあげたいんでしょ?」

千歌「そうなん、だけど」

千歌「でも、どうすれば」

梨子「今のままじゃ、千歌ちゃん死んじゃうよ。親に飛び方を教えてもらえなかった鳥みたいなもの……死ぬのを待つだけでいいの?守られてるだけでいいの?」

千歌「……」

千歌「…………お願い梨子ちゃん」

梨子「えぇ、死なないように……頑張ってね。厳しくするから」

千歌「……」ゴクリ
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:08:51.19 ID:g6IYXtTR0<> ***

千歌「地下室……こんなところがあったんだね」

梨子「喰種ってね、傷付くほどに強くなるの」ズズ…

千歌「ひっ……!?なに、それ」

梨子「これが赫子……私のは鱗赫」

梨子「他にも羽赫、甲赫、尾赫があって……それぞれに特徴があるのよ」

梨子「壊して、壊して、壊して……壊してあげる」

ビュッ

千歌「ぃづっ!?」ガクッ

千歌「ぃあ、ち、血が……っ」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:09:24.23 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「ほら、早く治さなきゃ」グジュッ

千歌「ひぁっ……ッ!?い、ぅあ、あ゙ぁあ゙あ゙!!?」

千歌「ひ、ひっ、ゔあ、」グッ

千歌「なおれなおれなおれなおれ」

グイッ

千歌「ヴアァア!!?ぅあ、あ、やら、やらぁ……っ」

梨子「……治しもしない、反撃もしない。やる気ある?」

千歌「ぃ、ぅ、ぁああ……っ」

梨子「…………」スッ

千歌「ぅあ、ゆ、び、やだ、やだ、やだやだ!」バタバタ

グイッ……

――ペキン

千歌「ひぁ……っ!?」ゾワッ

千歌「ぉあ、おぇあ……っ」ビチャッ

千歌「う、がは、は、おえ、んぐ……っい、だ……っ」ズキンズキン
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:09:57.39 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「ほら早く」

梨子「殺しちゃうよ」

千歌「っ……!」グッ

梨子「…………なんで赫眼すら出さないの」

コツ…

梨子「あら、曜ちゃんじゃない」クスッ

曜「なに……してんだよ……」

曜「ねぇ、私……頼んだよね?外でてる間、千歌ちゃんを守ってって……」

曜「…………これ、“そういうこと”って受け取っていいのかな」ズズ…

梨子「甲赫。相性悪いけど、大丈夫?」

曜「言っとくけど、手加減なんてしないし[ピーーー]つもりだから」パキッ

梨子「ふふ、私は強いよ?」

曜「……千歌ちゃん。ちょっとだけ待っててね」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/08/29(水) 17:10:36.32 ID:g6IYXtTR0<> 千歌「ょ、ちゃ」ギュッ

曜「大丈夫、大丈夫だよ」

千歌「ゃだ、やめ……おね、が、おねがい……ッ」

千歌「たたかわ、ないで……っ」

曜「……」

曜「ごめんね」フッ

梨子「ふふふ。もういい?ほら、早く来てよ」

曜「言われなくても……殺してやるよッッ」バッ

梨子「あははっ、ふふ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:12:50.88 ID:g6IYXtTR0<> 曜「なにがおかしい……?」

梨子「こんなに楽しいことなんてないもの!ほらもっと!」

曜「……変態」

梨子「あら?もうおしまい?ふふ……じゃあ今度は私から」ズ…

ビュッ

曜「ッ」

曜(動きが速い……それにかすっただけで結構奥まで……治せるには治せるけどあんまり受けるとまずいか)

曜(鱗赫……再生力と攻撃翌力は強いけどもろい。私の甲赫で攻撃すればひとたまりもないはず……ただスピードで負けてるから攻撃を入れる暇はない……)

曜(……だったら!)ダッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:13:19.60 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「っ……ほら、まだまだ!」

曜(赫子の動きを読んで……それに沿うように……ッ)

梨子「当たっちゃうよっ!?」

曜「あっは……」グジュッ

曜「っ……」

グイッ

曜「捕まえた」ニィッ

梨子「っ……!」

曜(赫子は四本……一本ないだけで攻撃翌力はぐんと下がる。これで切り取るように……っ)

ダンッッ

曜(……あと三本)

梨子「く……っ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:13:51.77 ID:g6IYXtTR0<> 曜(動きが遅くなった……これならいける)

梨子「…………ふふ」

曜「……どうしたの?」

梨子「すごい硬さね。びっくりしちゃった」

曜「…………負けを認めたら、そしたら」

梨子「あっはは!そうしたら許してくれるの?さっきまで殺してやるなんて言ってたのに!」

曜「……仮にも仲間、でしょ」

梨子「仲間ぁ?やめてよそういうの」ズズ…

曜「ッ!?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:14:18.38 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「自分が優勢だと思ったんでしょ?じゃなきゃあんなこと言えないもんね」クスッ

梨子「六本になったら――避けられる?」

曜「っ……だからトカゲ、か」

梨子「うふふ……」

曜(……あれ)

曜(私、なにしてたんだっけ)

千歌「よぅ、ちゃぁ!りこちゃん、おねが、も、もう……っ」

梨子「……[ピーーー]つもりで来たんなら、殺される覚悟も出来てるはずよね?ねぇ、曜ちゃん」

曜(あぁ、そっか……私負けたんだ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:16:13.70 ID:g6IYXtTR0<> 曜(出血がひどい……これ、治るのかな)

千歌「りこちゃん!だ、め……っ」グッ

梨子「……立てるわけないじゃない」チラッ

千歌「ふー……ふーっ……」

梨子「治ってる……?この短時間で完治……ふふ、そっか」パッ

曜「ぐっ……」ドサッ

梨子「千歌ちゃんも鱗赫なのかな……赫子は?出せそう?」

千歌「か、ぐね……?」

梨子「曜ちゃんのこの腕に巻き付いてるやつや……私の尻尾みたいなやつ。どうかな?」

千歌「…………わかん、ない、よ」

梨子「そっかぁ……なーんだ期待して損した」ズズ…

グイッ

曜「ぅぐ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:17:03.26 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「じゃあ千歌ちゃんのせいで曜ちゃんが死んじゃうの、指くわえて見ててよ」スッ

千歌「やめ、やめて……っ」

ダンッッ

曜「あぁぁあ゙ぁ゙あ゙!!」

曜「うで、っくそ……血が……」ドクドク

千歌「ぅあ……ようちゃ…………っ」

梨子「なに目をそらしてるの?千歌ちゃん、あなたのせいなのよ?」

千歌「ちか、の」

梨子「そう、千歌ちゃんのせい。全部あなたが悪いの」

曜「違うッ!千歌ちゃん、大丈夫だから!」クラッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:17:32.46 ID:g6IYXtTR0<> 曜「っ……」バタッ

千歌「ぁ……」

曜「はー……はー……へいき、だいじょうぶだよ」ニコッ…

梨子「甲赫は治りが遅いって効くけど……腕、生えるかな?しかも曜ちゃんは食事もまともに取ってないみたいだし……どうなっちゃうんだろうね?」

千歌「っ……ようちゃ、ごめ、ごめんなさ、ちかのせいで……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

曜「梨子ちゃん……」グッ

梨子「顔真っ青よ?大丈夫?」

曜「はは……勝ったつもり?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:18:10.08 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「強がりはもういいわ」

曜「私は甲赫だけじゃない」

グジュッ

梨子「……は?」

梨子「なに、これ」ボタタッ

曜「…………メインはこっちの尾赫」パキッ

梨子「二種持ち……ッ!?」

曜「返すよ、梨子ちゃん」

梨子「こんなの……っ」ググッ

曜「無駄だよ……」スッ

梨子「やめ……ッ」

ダンッッ

梨子「っうぁあ゙ッッ!!?」

曜「…………これで“おそろい”だね」ニコッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:18:41.08 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「……狂ってる」

曜「それは、どうも」

梨子「ふふ……せっかくのおそろいだし千歌ちゃんもおそろいになる?」

曜「……やってみなよ。腕一本で済めばいいけどね」

ズ…

曜「うわ、なにその回復力……きもちわるい」

梨子「うるさいわね……これで満足した?」

曜「私と“おそろい”じゃ足りないでしょ?まだ千歌ちゃんの分……返してない」

ズズ…

曜「っ!?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:19:11.23 ID:g6IYXtTR0<> 千歌「やめ、やめてよ……もう……」グスッ

梨子「鱗赫。なんでこのタイミングで……」

千歌「もう、たたかわないで……おねがい……」

梨子「……」

曜「千歌ちゃんがそう言うなら、やめる」スッ

梨子「ふふ、大丈夫?治る?」

曜「治んないよ、食べなきゃね」

梨子「じゃあ食べればいいじゃない?」

曜「そういうことじゃないんだよねぇ……わかんないかなぁ、わかんないか」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:19:45.89 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「わかんないわよ」

千歌「……へ?」

曜「ん、どしたの?平気?」

千歌「も、おわり……?もう、戦わない……?」

梨子「うん、もう必要ないし」

曜「必要ない……って?」

梨子「再生と赫子が見れればよかったから」

曜「は?そのために私腕落とされたの?」

梨子「まぁ……そうなるわね」

曜「……はぁ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:20:27.32 ID:g6IYXtTR0<> 梨子「それで千歌ちゃんどうだった?喰種になって初めての痛み……」

千歌「……はじめてお腹に穴があいた」

梨子「ふふ」

曜「……あはは」

千歌「な、なんで笑うの!」

曜「いや、ごめん……ふふ、あははは!あーもう、なんかどうでもよくなってきた!」

曜「まだもらったのあるし、食べるよ!そうじゃなきゃ治んないだろうし!」

梨子「ふふ、ごめんね曜ちゃん」

曜「いいよ、別に……」

梨子「お詫びにご飯持ってこようか」

曜「…………いらない」

パサッ

梨子「じゃあ、せめて隠したら?」

曜「……ありがと。上にアレ置いてあるから、食べたら帰るね」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:21:47.87 ID:g6IYXtTR0<> ***

千歌「あ、あの、梨子ちゃん」

梨子「ん?」

千歌「えと……その」

千歌「……どうやったら、強くなれるかな」

梨子「焦ることはないよ。いきなり強くなれる人なんていないもの」

千歌「でも……」

梨子「少しずつ、それでいいんだよ」

千歌「……そう、だよね」

ピロン

梨子「ん……ふふ、千歌ちゃん見て」

YOU:生えましたv

千歌「ぶふっ!な、なにそれ、あはは!なんの“v”なの!」

梨子「曜ちゃんってちょっとズレてるというか……う、ふふっ」

梨子「…………ふふ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/29(水) 17:22:23.72 ID:g6IYXtTR0<> 今日はここまで。 <>