以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:13:43.24 ID:B0VuCpDy0<>
※大戦末期のお話です。
※史実とは異なる場合があります。
※シリアス基調ですがコメディもあります。
※初投稿なので不慣れな点が多いです。助けてください。


それでも大丈夫な方よろしくお願いします┏○



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532945622
<>瑞鶴「私は、あんたに憧れられるような艦じゃない」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:17:51.31 ID:B0VuCpDy0<>

雨。
鎮守府の片隅にある部屋で私は、しとしとと降り続く雨を窓越しに見ていた。

「また煙草?」

聞きなれた声が聞こえる。

「……そうよ」

「あんたね……無理してそんなもの吸わなくてもいいんじゃない?」

この声の主は瑞鳳。私にとって……大事な仲間だ。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:18:44.48 ID:B0VuCpDy0<>
「うるさいわね。あんたも吸えば?」

「わたしはエンリョ。 ……ところでさ最近できた後輩のことなんだけど」

そう言って、扉の方を見る。……あぁまたか。

「あんた、名前なんだっけ」

「は、はいっ!?」

呼ばれるとは思わなかったのだろう、すっとんきょうな返事を返す。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:20:33.34 ID:B0VuCpDy0<>
「葛城ちゃんよ。 あんたと話したいって言ってしょうがないの」

「私に?」

「は、はい!」

目をキラキラ輝かせながら返事をする。
…私はこの子が苦手だ。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:23:35.08 ID:B0VuCpDy0<>
「あ、憧れの瑞鶴さんにお話がしたく…」

「……私に、ね」

「は、はい!!瑞鶴先輩と言えば軍関係者でなくても知らない人はいないくらい!!」

聞きたくない。

「お話には聞いています!!一航戦として前線を張り」

やめて。

「幸運艦として名も高く、数々の作戦をーー」

「違う!!!!」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:25:01.44 ID:B0VuCpDy0<>

つい大声で叫ぶ。
呆然とする葛城。 それを見て我に返る。

「…わたしは」



「わたしは、あんたに憧れられるような艦じゃない――」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:26:16.54 ID:B0VuCpDy0<> ――――
――――

「あの子がごめんね?」

「い、いえ」

廊下を歩きながら、申し訳なさそうに瑞鳳さんが口を開く。

「あ、あの……」

「なぁに?」

「わたし…何か無礼をしてしまったのでしょうか…」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:27:10.59 ID:B0VuCpDy0<>
「うーん……、うん。葛城ちゃんは悪くないよ」

「え……。で、でも」

「いーの、今はそっとしといてあげて、ね?」

「は、はい」

わたしが悪くないはずがない。瑞鶴先輩のあの形相…見たことも聞いたこともなかった。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:31:08.73 ID:B0VuCpDy0<>
しばらく沈黙が続いた。足音と雨音だけが廊下を響く。

「……あの子はね、変わっちゃったんだ」

ポツリ、と。こぼすように瑞鳳さんの口が開いた。

「え?」

「葛城ちゃんは知ってるかな、瑞鶴はね。昔は、第五航空戦隊に所属してたんだ」

「もちろん知ってます」

忘れるはずがない、3年前民間人のわたしを助けてくれたのは他でもない。
瑞鶴先輩だ。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/30(月) 19:34:41.49 ID:Yd7tPvuxO<> 拡散希望
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あやめ速報の誠意ある対応を待っております <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:34:44.43 ID:B0VuCpDy0<>
「その頃の瑞鶴はね、無邪気で、明るくて――。なにかする度に先輩に怒られてばっかりだったんだよ?」

「へー、そうなんですね」

瑞鳳さんが楽しそうに話す。無邪気に笑う瑞鳳さんについ見とれてしまう。
いやいや今は違う…。
……わたしの知っている瑞鶴先輩とはイメージが程遠い。
今の瑞鶴先輩は、冷静で、落ち着いていて、大人で、……どこか寂しそうで。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:37:29.01 ID:B0VuCpDy0<>
「――でもね、2年前を境に…いや、正確には半年前、かな」

「…それって」

「んじゃ、私はこっちだから。話に付き合わせちゃってごめんね葛城ちゃん」

「い、いえそんなこと!」

「今度またお話しよ?その時は間宮で!!」

「ぜ、是非!!」

約束だよー、と笑顔で走っていく瑞鳳さん。
新兵のわたしが言うのは失礼だが、可愛い人だな、と思う。

……ふと、外を見る。
雨は窓を激しく叩いていた。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 19:38:34.78 ID:B0VuCpDy0<>
今日はここまでです。

瑞鶴が好きすぎて書きました…


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/30(月) 19:40:35.69 ID:JA9IegCBo<> おつ
きたい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:21:20.19 ID:B0VuCpDy0<>
コメントありがとうございます!少し投下します。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:22:09.85 ID:B0VuCpDy0<>

「はあ……」

布団におもむろに倒れ込む。
私は何をしているんだろう。
葛城にあたり散らかす自分が嫌になる。

「私は……」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:24:13.18 ID:B0VuCpDy0<>

――――
――――

1週間前。

「新入り?」

「そうだ。新しい正規空母が3隻うちに来ることになった」

「こんな最前線に新しい艦を?提督さん本気なの?」

「ああ、本気だ」

「ちょっと…そんなの、死にに来るようなもんじゃない!」

「ちょっと瑞鶴!!」

瑞鳳が口を挟む。





<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:29:11.20 ID:B0VuCpDy0<>

「いい、瑞鳳。……お前のいうことも最もだ。私も乗り気ではないのだがな。急遽手配されたため……訓練も終わったばかりの娘達だ」

「……そんなの無駄死にになるだけじゃない」

「そこでだ、瑞鶴、瑞鳳。」

「なによ?」「はい」

「お前達が稽古をつけてやって欲しいんだ」

「……私達が?」

「ああ、彼女達を助けるためにも」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:31:57.37 ID:B0VuCpDy0<>

――――
――――

帰り道。

「……」

「そんな怖い顔しなくてもいいじゃない」

「別に」

「でもさ、瑞鶴もそういう立場になってきたわけだねぇ」

「……私は嫌よ。足でまといになるだけだわ」

「ふふっ……」

「何がおかしいのよ」

「いや?あんた加賀に似てきたなって、さ」

「はあ?何を言って……」

「そのままの意味よ?」



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:33:05.66 ID:B0VuCpDy0<>


―――
―――

「……似てきた、かあ」


布団に倒れたまま、横目で写真を見る。
そこにいる加賀さんはいつもの通り、ぶっきらぼうな顔をしていた。

「加賀さん……皆。私さ、どうしたらいいのかなあ」

もちろん返事は帰ってこない。けど、それでも何かにすがりたかった。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:35:42.34 ID:B0VuCpDy0<>


写真の中のみんなは優しい笑顔で私を見ていた。
皆は……、皆は私を見ててくれてるのかな。

……。
ダメだ。

これ以上考えちゃ。
私が泣いてちゃダメ。弱い私が邪魔をする。
こんな顔みんなには見せれない。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:36:36.40 ID:B0VuCpDy0<>
その時、ノックが響いた。

「秋月です!瑞鶴さん今、大丈夫ですか?」

最悪のタイミングだなあ。

「うん、どうした?」

戸が開く。幸いにも灯りは暗く、顔までは伺えないだろう。

「失礼します。瑞鶴さん、ご飯ができましたのでお呼びにまいりました!!」

「なんだそんなことね。分かったわ、すぐ行くわ」

「はい!今日は私も手伝ったんですよ!」

「それは楽しみね、何かなー?」

「ふふふ、お楽しみですよ」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:38:41.43 ID:B0VuCpDy0<>

――秋月、この娘も半年前の戦いで大切な人を無くした。
瑞鳳も、そうだ。
それでも、暗い顔をひとつもせず、いつも明るく周りを支えてくれている。
それなのに、私はどうだ?

「……何してんだろ」

「? 何か言いました?」

「ううん、何でもない。ほら、いこ?」

「はい!」

私は……。
皆……。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/30(月) 23:39:39.44 ID:B0VuCpDy0<>
以上です。また溜まり次第投下します。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/07/30(月) 23:46:10.16 ID:lP0UoIMeO<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/31(火) 22:10:59.83 ID:Z8kgPS9WO<>
おつありですー!23時前後に投稿します。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/31(火) 23:05:59.58 ID:Z8kgPS9WO<>

「……すごいわね」


食堂につくと豪華な料理がずらりと並んでいた。いつぶりだろうか、こんなに華やかな料理を見るのは。
そこで思い出した。
あぁ…今日は、
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:06:37.24 ID:Z8kgPS9WO<>

「雲龍さんたちの正式な入隊を祝う会ですから」

そうだった、すっかり忘れていた。

目を移すと、緊張しているのだろうか。

……いや、私を怖がっているのか。

葛城がこわばった顔でこちらを見る。


その隣には落ち着いた顔の雲龍、そしてこちらも緊張ぎみの天城。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:07:33.07 ID:Z8kgPS9WO<>
「……祝う、か」


「瑞鶴、ほらこっち座って!」


「はいはい」

瑞鳳がぴょんぴょんと跳ね、私を呼ぶ。

子供だな、と思いながらもその席につくことにした。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:09:30.37 ID:Z8kgPS9WO<>

コホン、と提督さん。


「えー、それでは雲龍型の入隊を記念したパーティを始める!!」

みんなの視線が提督さんに集まる。

「雲龍!」

「はい」

「天城!」

「はい」

「葛城!」

「はい!」

「諸君らを本日をもって、我が鎮守府着任とする」

「「「はい!!」」」

「みんなよろしく頼む」

パチパチパチ、と一斉に拍手がなる。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/31(火) 23:11:21.58 ID:Z8kgPS9WO<>

私は、そんな光景を遠目に見ていた。

「ちょっと……あんたも拍手!」

「……え、ああ」

瑞鳳に小声で促さられる。
言われるまで気づかなかった。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:12:01.17 ID:Z8kgPS9WO<>

「……あんたいい加減にしてよね」

少し、声色が変わる。


「なによ……」

「なによ、じゃない。あんたいつまでそんな態度を取るつもり?」

「私は別に……」

「……はあ」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/07/31(火) 23:13:07.30 ID:Z8kgPS9WO<>
「いい?あの娘達が心配なのはわかる」

「……」

「けど、それはもう変えれられないことなの。あの娘達も覚悟を決めて――」

「そんな覚悟……、あってたまるか!!」

つい、声が荒ぶる。

「瑞鶴さん……」

秋月にも聞こえてたのだろう。心配そうな顔でこちらを見る。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:14:27.69 ID:Z8kgPS9WO<>

「……」

「私は……怖いのよ」

「瑞鶴……」

「もうこれ以上……誰も失いたくないのよ。私は」

「……」

「……」


「……意気地無し」

「……へっ?」


思いもよらぬ言葉に変な声が出る。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:15:54.43 ID:Z8kgPS9WO<>
「それならさ、守ればいいじゃない」

「……簡単に言ってくれるじゃない」

「もう決まったことは変えられない。けど、彼女達のために……出来ることはあるはずよ、“意気地無し“のあんたにも、ね」

「……私に出来ること?」

「あんたが……、あんたがされてきたように……、ね」

「……」

「それにあんたにはさ、私がついてるんだからね?瑞鶴?」

「瑞鳳……」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:19:03.29 ID:Z8kgPS9WO<>
「わ、私も。私もいます!!」

隣を見ると、目を赤くした秋月がいた。少しだが……体が震えているのが分かる。

「ふふっ、秋月ちゃんも瑞鶴のこと好きだからねー?」

「す、好きだなんて!そんなんじゃ……」

「……秋月」

「は、はい?」

「ありがと、ね」

「!! は、はいっ!」

(ず、瑞鶴さんの笑顔…いつぶりだろう……)


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:20:26.00 ID:Z8kgPS9WO<>


「よし、んじゃ私行ってくるわ」

「ん、行ってきな」

もう、迷いはなくなっていた。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:21:03.22 ID:Z8kgPS9WO<>
―――
―――

ひと通り挨拶が終わり、私は席に着き 姉妹で話していた。

「―――?」

姉達の話は私の耳には残らず、目線は無意識に先輩を追っていた。

「ーーぎ」

なんだか、瑞鳳さんと話してるみたいだ。

真剣な話っぽいなあ。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:22:49.74 ID:Z8kgPS9WO<>
「ちょっと葛城、聞こえてる?」

「わっ、な、なに?」

「さっきからどうしたの?」

「……なんだ天城姉か。ううん、なんでもないわ」

「……変な葛城」

「いつもじゃない」

「雲龍姉にだけは言われたくないわ…」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:23:40.32 ID:Z8kgPS9WO<>
ふと、

「雲龍型!」

馴染みのある声で呼ばれた。この声は…!

「…? 瑞鶴さん」

「!! 瑞鶴先輩!」

慌ててビシッ!と敬礼。 足が震えちゃっている。

「そんなにきちっとしなくていいわ」

困ったように笑う瑞鶴先輩。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:25:40.62 ID:Z8kgPS9WO<>
「……さっきは悪かったわね」

「い、いえ。そんな!」

「…ありがと」

「先輩……」



「明日から厳しいけど、覚悟はできてる?」

「も、もちろんです!!」

「そっか、……期待してるわ」

「あっ……」

先輩の手が頭に触れる。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:26:52.86 ID:Z8kgPS9WO<>
頭に残った感触と
先輩の笑顔が頭から離れず――、

「それじゃ、また明日ね」

「お疲れ様です瑞鶴さん」

「お疲れ様です!」

先輩が立ち去っていく中、

私は、何も出来ず、

ただただ立ち尽くしていたのだった。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/07/31(火) 23:27:37.15 ID:Z8kgPS9WO<>
今日はここまでです。 お疲れ様でした。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/01(水) 12:14:59.91 ID:al7RsIMjo<> おつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/03(金) 18:19:20.16 ID:DmA1naGkO<>
おつありですー!今日投下予定です <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/03(金) 23:33:57.76 ID:TUBxOOw80<> すいません用事のため今帰宅しました…

明日更新します……申し訳ありません… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/03(金) 23:59:30.68 ID:L7aSZZaPo<> 了解 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/04(土) 23:50:07.77 ID:8NSMKItz0<>
遅くなりました。投下します。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/04(土) 23:51:17.66 ID:8NSMKItz0<> ―――
―――


「はあ……」

ため息が部屋に響く。

「ただいま」

「おかえりなさい、雲龍姉さま…」

「?」

天城が助けてくれと目で訴えてくる。

「……」

目線の先には葛城。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/04(土) 23:53:21.37 ID:8NSMKItz0<>

「えへへ、へへ……」

「……」

「……この子ずっとこんな調子なんです」

「……」

「〜〜〜!!へへっ…!」

「……まあ、葛城の気持ちはわかるけど」


ゆっくりと雲龍が近づき。

「葛城」

「ふへ……ぐえっ?!」

鳩尾に目覚まし時計がめり込んだ。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/04(土) 23:55:35.32 ID:8NSMKItz0<>

「――!!?!!?」


突然の衝撃に息が出来ない!!

「ね、姉さま!」

「葛城。目、覚めた?」

「――。 っはぁ!! な、何するのよ!!」

「葛城があまりにも気持ち悪くて、つい」

「理不尽すぎない!?」

「目が覚めたなら早く床の汚れを落としといて」

「え?」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/04(土) 23:57:17.16 ID:8NSMKItz0<>

そう言われて床を見ると

「あっ……」

ヨダレが水たまりのように……。

「……て、てへ?」


姉たちのわたしを見る目はものすごく冷えきっていた…






<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/04(土) 23:58:10.79 ID:8NSMKItz0<> ―――
―――


「改めて紹介するわ――」


今日は雲龍型の最初の訓練日。





「私が、第一機動艦隊旗艦、瑞鶴よ」



「そして、左から。瑞鳳、秋月、初月」

僕達が敬礼したのを見てから、慌てて敬礼する葛城達。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/04(土) 23:58:58.40 ID:8NSMKItz0<>

「このメンバーに加え、作戦時にはほかの部隊も加わるわ」


「よろしくね」

「よろしくお願いします!!」

「よろしく頼む」



「よ、よろしくお願いします!!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 00:10:46.15 ID:kaZXJJQo0<>
初めての訓練は何事もなく終わり、お昼になった。


「ふう…」

僕は初月。

半年前――翔鶴が沈んだその日。

それ以前、秋月姉さんの戦友“だった”、護衛艦の朧や秋雲も沈んでおり、機動部隊は壊滅したといってよかった。

……しかし、上はまだ諦めていない。最後の足掻き、として機動部隊は再編、今に至る。
そんな機動部隊の穴埋めとして……僕はここにいる。




<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 00:12:32.16 ID:kaZXJJQo0<>

「初月ー、雲龍さん達とご飯食べよ?」


「秋月姉さん。うん、いいだろう」


「漬物も持ってきてるからね!」


…秋月姉さんもほんとは辛いはずなのに、……そんなことを顔にも出さず僕を元気づける。
…姉さんには頭が上がらないよ。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 00:15:49.77 ID:kaZXJJQo0<>

「あ、雲龍さん達疲れ様です!!」

普段顔色を変えない雲龍でさえ、表情が歪んでいた。
瑞鶴……本気でしごいてたからな、無理もない。
けど、それも全ては彼女らのため。

「ん……」


「ここの訓練はどうだ?」


「楽勝よ!!わたし達だってただ遊んでたんじゃないんだからね!!」


「葛城、足がガタガタよ」


「ちょ、天城姉!!」


「ふっ…」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 00:17:27.64 ID:kaZXJJQo0<>

新しい空母が来ると聞いて、初めは瑞鶴と同じで心配だったが……
予想以上にやる。
それに、なんだかんだ根性がある。


「午後のためにもたっぷり食べてくださいね!」


秋月姉さんが手作りの弁当を広げる。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 00:18:40.88 ID:kaZXJJQo0<>


「自信作なんですよ!」


「どれ、ん……姉さんの握り飯と漬物は本当にうまいな」


「へへ、そうかな?」


「あ…、おいしい……」


「あ、ありがとうございます、雲龍さん!!」


「!! うま!これいけるわ!」


「秋月さん……今度教えてください!」


「えっ、は、はい!喜んで!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 00:21:03.74 ID:kaZXJJQo0<>

―――




「弁当って……おにぎりと漬物だけ……?」

そんな光景を見て、苦笑いを浮かべる瑞鳳。

「……相変わらずなんか見てて辛いわ」

「はは…質素な生活に慣れてるからねあの子達は……」

「慣れすぎなのよ……」

「今度うちらでなにか奢ってあげよ……」

「そうね……」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 00:22:16.58 ID:kaZXJJQo0<>

今日は以上です! お疲れ様でしたー!

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/05(日) 00:25:18.90 ID:bwJj/JReo<> おつー <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/05(日) 21:08:22.91 ID:kaZXJJQo0<>
おつありですー!明日更新します!
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/07(火) 08:35:38.42 ID:PBwrQ6n60<>
寝落ちしてました…申し訳ありません…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/07(火) 10:59:26.83 ID:Z6kP1LPno<> 乙、自分のペースでいいのよ
あまりにも来ないと忘れちゃうけどね <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/10(金) 03:12:40.56 ID:mVQAcFya0<>
土曜日に更新しますm(_ _)m

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/11(土) 23:48:35.37 ID:epHXYcJF0<>
「おつかれさまでしたー」


今日も一日訓練が終わり、みな帰路につく。

「瑞鶴ー、おつかれ」


「……ん、瑞鳳も」

いつもの部屋でいつものふたり。

「ふぅー……」

「まーた煙草」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/11(土) 23:49:51.65 ID:epHXYcJF0<>

「なによ」

瑞鳳が軽く咳き込みながら抗議の目を向けてくる。

「いい加減やめたら?」

「……別に、私の勝手じゃない」

「あんたらしくないから言ってるのよ」

「あっそ」

ふー、と煙を吐く。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/11(土) 23:51:10.44 ID:epHXYcJF0<>

「まあ……そろそろやめてもいいかなって」


「ふふっ。それがいいわ」


「何よその笑みは……」


「んーん、何も」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/11(土) 23:54:24.16 ID:epHXYcJF0<>

「……ん」

唇が触れ合う。

「……やっぱりくさい」

「……悪かったわね」


お互いの体を求め合う。

ここに愛はない。

……ただ、欲を満たすだけ。



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/11(土) 23:55:06.66 ID:epHXYcJF0<>

「……瑞鶴」

「ん……」



―――
―――


「何また悩んでるのよ」

「……」

「……今度の作戦のこと?」

「……」

「提督は雲龍ちゃん達も使うみたいだけど」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/11(土) 23:59:37.74 ID:epHXYcJF0<>
「……」

「……」

「……まだ早いわ」

「信じるしかないわよ。あの子達も子供じゃないし」

「……」

「頑張りましょ、私達も」



新機動部隊。
私達の初めての任務が、始まろうとしていた―――。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/12(日) 01:05:28.14 ID:WkTcpmq0o<> 擦れてるずいづほイイ……
おつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 19:04:28.96 ID:vMUpklEzO<> 追いついた!

末期瑞鶴スキーとして期待 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/12(日) 19:06:24.82 ID:vMUpklEzO<> 下げ忘れてましたすいません <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/08/12(日) 20:26:12.93 ID:b6LPzjuZO<>
お <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2018/08/12(日) 20:26:53.72 ID:b6LPzjuZO<>
おつありですー!

ぼちぼち投下していきます
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:28:46.96 ID:b6LPzjuZO<>

―――
―――


「ええええええ?!」


廊下に葛城の声が響く。


「……まさか聞いてなかったのか?」


「え、いつよ?!」


「……ついさっきだ」


はあ、とため息をつく。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:29:38.88 ID:b6LPzjuZO<>

彼女、やっぱりダメかもしれない……。


「え、え」


「……少し場所を変えよう」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:30:50.73 ID:b6LPzjuZO<>

―――
―――

「――以上よ、今日も訓練お疲れ様」


先輩が締めの挨拶をしている。
ああ、瑞鶴先輩……。今日もかっこいいなあ…。



「……雲龍達、よくついてきてるわね。想像以上よ」


先輩の表情が、微かに。
頬が緩む。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:31:43.22 ID:b6LPzjuZO<>

――わたしはこの表情に弱い。


クールな表情からのこの笑顔。
ずるすぎるよ先輩。



……ぽけー、と惚けた顔をしていたのだろう。

天城姉につつかれ、現実へと戻る。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:34:04.46 ID:b6LPzjuZO<>


「―――大変な任務になるわ。各自準備をしておくように」


「はい!!」


よーし明日も訓練頑張っちゃおう!!


……ん?あれ?

なにか今、大切なことを聴き逃したような――?



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:35:56.38 ID:b6LPzjuZO<>

―――
―――


「あのなあ……」


「ご、ごめんなさい!!」


僕の部屋に葛城を連れ込み、ワケを聞き……
早速項垂れた

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:43:21.34 ID:b6LPzjuZO<>

「いいか、もう一度言うぞ」


ため息を何回ついただろう。


今一度作戦について説明をしていく。


……話を進めていくと、
次第に、葛城の顔が強ばっていった。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:44:00.98 ID:b6LPzjuZO<>

「……わたしが?」


「ああ、そうだ。……そして、僕が君を守る」


「わたしが……」


何度も事実を飲み込むように、言葉にする。


「……なんだ?怖気付いたのか?」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:44:49.80 ID:b6LPzjuZO<>

「……冗談」


ニィ、と。


「ようやく先輩の――」



「――みんなの役に立てるってわけよ」


「……ふっ」

思わず笑ってしまう。

まったく……、何度評価をし直せばいいんだ。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:45:25.74 ID:b6LPzjuZO<>

「頼もしい<仲間>が増えたようだ」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/12(日) 20:46:19.85 ID:b6LPzjuZO<>
以上です。
少しずつの投下になりますがよろしくお願いしますm(_ _)m

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/13(月) 10:44:27.94 ID:8ZZJU+b3o<> おつおつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2018/08/20(月) 19:23:54.91 ID:1q2Rgn6s0<>
盆中忙しく更新出来ずにすいません

明日明後日に更新します。

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