◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:03:23.95 ID:3riUlhBg0<>

モバマスの桃井あずきちゃんのSSです。
のんびりしたお話です。

https://i.imgur.com/q9hZRNW.jpg
https://i.imgur.com/tMLlDDW.jpg


ふわっとつながってる前作

喜多見柚「グリルドスクエア」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529774144/

綾瀬穂乃香「雨音のワルツにのせて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1532004389/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534766603
<>【モバマス】桃井あずき「雨色の浴衣がひらり」
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:04:18.61 ID:3riUlhBg0<>

ザァァ……


P(あれっ、雨上がってきた)

P(今日は雨の予報だと思ってたんだけどなぁ)

ガチャッ

あずき「はぁっ、間に合ったっ!?」

P「……何に?」

あずき「雨の日大作戦っ!」

P「よくわかんないけど、雨ならあがってきたところだな」

あずき「あああ〜っ」ガクッ

P「えっ……そこまで?」

あずき「……」

P「あずき?」

あずき「プロデューサー、ちょっと正座っ!」

P「う、うん」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:04:56.71 ID:3riUlhBg0<>

あずき「そこで素直に正座してくれるんだ……」

P「いろいろと謝ってばかりだからな」

あずき「あー」

P「納得されるとそれはそれで悲しい……」

あずき「ご、ごめん……ってそういうことじゃないよっ」

P「……?」

あずき「もう夏休みなんだけどっ」

P「うん」

あずき「あずきとの雨の日デート大作戦はどうなったのっ!?」

P「えっ」

あずき「えっ」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:06:35.16 ID:3riUlhBg0<>

あずき「忍ちゃんとか柚ちゃんとか穂乃香ちゃんとか!」

あずき「あずきが梅雨でぐったりしてる間に、楽しそうなプロジェクトが進行してたって聞いたよっ」

P「あれはデートじゃないんだけど」

あずき「オトコとオンナが一緒にいたらそれはもうデートだよっ」

P「えー」

あずき「次はあずきの番かなーって思ってたのに」

P「別に順番があったわけじゃ……」

あずき「プロデューサーは言い訳しちゃダメっ。あずき、かんかんだよ、おこだよっ」

P「……はい」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:07:03.46 ID:3riUlhBg0<>

あずき「今は何月ですか?」

P「8月です」

あずき「梅雨が明けたのはいつかな?」

P「7月です」

あずき「……あずきと雨の日大作戦するの……イヤ?」

P「そんなことないぞ」

あずき「じ、じゃあっ……」

P「でも男女でいるのはデートって思われるんだな、あずきの言う通りだ。アイドルは気をつけないと」

あずき「ぷくーっ!」

P「冗談、冗談」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:07:29.45 ID:3riUlhBg0<>

あずき「おほん。ということで、おでかけ大作戦はいかがですか!?」

P「……ごめん、ここのところ仕事が立て込んでててな」

あずき「ち、ちょっと散歩するだけっ」

P「まぁ……それくらいなら」

あずき「わーいっ。えへへ、やったーっ♪」

P「そうだな……コンビニでアイスでも買ってこようか」

あずき「雨の日大作戦から雨上がり大作戦にプロジェクト変更! だねっ!」

P「……本当に良いの?」

あずき「良いよっ。ほらっ、お日様も出てきたし、歩けばいいことが起こりそうな気がするでしょっ♪」

P「ふふっ……そうだな」

あずき「あっ、やっと笑ってくれたね。じゃあ、さっそく行こー!」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:07:56.96 ID:3riUlhBg0<>




サァァァ……


P「まだちょっと降ってるかな」

あずき「大丈夫っ、これっ」

P「……和傘?……のわけないか」

あずき「蛇の目風傘だよーっ、ずっと使いたかったんだー」

P「おぉー」

あずき「もし雨が強くなってきたら相合い傘大作戦ってことで!」

P「ダメです」

あずき「……ダメ?」

P「ぐっ。上目遣いしてもダメなものはダメ……柚とかともしてないぞ、たぶん」

あずき「むー、じゃあしょうがないっ」

P(そこで納得できるあずきは良い子だなぁ)

P(まぁ、これくらいのウソは許してほしいな) <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:08:24.98 ID:3riUlhBg0<>

P「ごほん……あずきの浴衣、今日も似合ってるな」

あずき「あっ、誤魔化したねっ」

P「そこは素直に受け取ってください」

あずき「えへへー、でしょ、でしょ♪」

P「夏の間は浴衣なんだ?」

あずき「うんっ。梅雨も明けたし、あずきが浴衣を着てみんなに良さをアピールしないとっ」

P「さすが呉服屋の娘さん」

あずき「ふふーんっ」

P「でもちょっとミニすぎると思うの」

あずき「プロデューサーまでパパと同じこと言う!」

P「だって……それに足元は長靴なんだ?」

あずき「えぇっ。うんと……こ、これが今年の和風スタイルだよっ」

P「……ほんとのところは?」

あずき「足元は歩きやすいのが大事!」

P「まぁ、そうだよな」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:08:54.25 ID:3riUlhBg0<>

あずき「そんなことより、今日のあずきの浴衣は何色でしょうっ?」

P「えっ、青色……だと単純すぎるから……空色?」

あずき「ぶぶーっ!」

P「分かんない、降参です……」

あずき「正解は……」

P「……」

あずき「かぎりなくとーめいに近いブルーっ」

P「……それ言いたかっただけでしょ」

あずき「あっ、バレた―っ。パパの本棚にあったなーって」

P「で、答えは?」

あずき「分かんない♪」

P「おーいっ」

あずき「だ、だって、和の色って本当にたくさんあるし、反物の種類より覚えるの難しいんだよ?」

P「まぁ……確かに」

あずき「でしょー。んーとねっ、じゃあこの色は雨色で!」

P「あ、雨色?」

あずき「そうっ。だって、プロデューサーとやっとおでかけできる雨上がりだから♪」

P「……」

あずき「……プロデューサー?」

P「ちょっと嬉しいから、そのへんで勘弁して」

あずき「おおっ。ほれほれ〜、どうじゃ、どうじゃ〜っ」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:09:22.75 ID:3riUlhBg0<>




P「……晴れてきたかな?」

あずき「晴れた―っ♪」

P「さすがにむっとするな」

あずき「蒸し暑いねーっ! でもこれぞ雨の匂いって気がして、あずき好きだよっ」

P「みんなのおかげで雨の日が好きになってきたから……なんか分かるよ」

あずき「へへっ。見て見て、葉っぱが濡れてキラキラしてるーっ!」

P「おー」

あずき「それに水たまりに空が映ってキレイだよ〜♪」

P「……本格的に夏って気がするよな」

あずき「だねっ。あずきの大好きな色っ、夏の色!」

P「……」

あずき「長靴だから水たまりも怖くないっ。行くよーっ!」バシャー

P(うちの子は本当に楽しそうにするなぁ) <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:10:39.78 ID:3riUlhBg0<>

あずき「あははははっ」

P(雨上がり、青空、差し込む太陽、和傘、浴衣、水たまり)

P(なんであずきはこんなに絵になるんだろう)

P「……綺麗だなぁ」ボソッ

P「あっ」

あずき「んっ? どーしーたのーっ?」

P「い、いや、なんでもない」

あずき「なになに〜っ」

P「な、内緒です」

あずき「えー、気になるよ!」

P「み、みんなに浴衣着てもらうのもいいなって」

あずき「やりたいーっ、やろっ。みんなに着付けするならあずきにおまかせっ♪」

P(……今度は誤魔化せた)

P「そういえば文香さんが感謝してたぞ」

あずき「七夕の時だね、肇ちゃんと茄子さんと浴衣を選びにいったんだー」

P「あんな感じであずきプロデュースの浴衣写真集とか」

あずき「みんなをドキドキさせるお手伝い大作戦だね! お祭りに繰り出しちゃうとかどうですかっ?」

P「それは人目を惹きすぎるような……」

あずき「やっぱり浴衣といえば夏祭りだよっ。もちろん、プロデューサーも浴衣大作戦で!」

P「えっ」

あずき「えっ、じゃないよ! ほらほら、みんなで揃った方が綺麗だし」

P「そこはちゃんとしたモデルさんとか用意してだな……」

あずき「あずきが見立ててあげるからっ。プロデューサーは何色がいいかなーっと」

P「おーいっ、ち、ちょっとーっ」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:11:25.83 ID:3riUlhBg0<>




ウィーン

アリガトウゴザイマシター


あずき「歩いても意外とすぐだね、コンビニ」

P「だなぁ、お喋りしながら来たからかな」

あずき「ふふっ、プロデューサーも楽しかった……ですか?」

P「あっ…えっと」

あずき「えへへっ、ちらっとお色気大作戦、成功〜♪」

P「ぐぬぬ。そんなことする子にはアイスあげない」

あずき「あーっ、それは子どもっぽいよ、プロデューサー!」ポカポカ

P「痛い、痛い。あげる、あげるって」

あずき「あははっ、ソーダ味もーらいっ」

P「じゃあバニラで……」

あずき「……」

P「……」

P「……あげないぞ?」

あずき「な、なんであずきがはんぶんこ大作戦を立ててるって分かったの〜っ! ユッコちゃんっ!?」

P「あずきは分かりやすいからなー」

あずき「ここまで押せ押せだったのにーっ、やられたみたいで悔しい!」

P「ほら、置いてくぞー」

あずき「あーっ、待って、待って」パタパタ <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:12:17.65 ID:3riUlhBg0<>

ポツポツ……


P「ん?」

あずき「あれっ」


ザァァァ……


P「ちょっ、雨降ってきた」

あずき「あわわっ。ほらっ、プロデューサー、傘!」


バサッ


P「えっ」

あずき「濡れちゃうよーっ、早く一緒に入ろっ!」

P「……」

あずき「ひゃ〜っ! 急に降ってくるんだもん、びっくりしたーっ!」

P「……」

あずき「……プロデューサー?」

P「相合い傘はしないって言ったのに」

あずき「本当に降ってきたんだからしょうがないよっ。プランBってことで見逃そ?」

P「むー」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:12:43.78 ID:3riUlhBg0<>

あずき「見て見て〜青空がキレイっ!」

P「ん? あぁ……お天気雨か」

あずき「狐の嫁入りっていうんだよね? コンコン♪」

P「可愛い」

あずき「えへへーっ……って!」

P「……?」

あずき「しまったなぁって思って。もうちょっと雨に濡れて、水も滴るいい女大作戦できたのに……」

P「風邪ひくからやめなさい」

あずき「えーっ、ホントは可愛いより、色っぽいの方が嬉しいんだよっ!」

P「十分色気でてるって」

あずき「そ、そう? でもまだまだ満足しないよっ、あずきのセクシー大作戦はいつでも展開中なんだから」

P「はいはい」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:13:10.38 ID:3riUlhBg0<>

ザァァ…ザァァ……


あずき「……」

P「……」

あずき「空はあんなに晴れてるのに……不思議だな〜」

P「だなぁ、なんで降ってるんだろう」

あずき「ふふっ、でもお天気雨だしすぐ止むよね」

P「どんなもんかなぁ……おっと」

あずき「あっ、顔だしたら濡れちゃよ! って、ひゃっ!? 水が……」

P「あっ、ごめん。傘動かしちゃった」

あずき「もーっ……」

P「ごめん、気をつけるよ」

あずき「……ねぇ、プロデューサー?」

P「……なに?」

あずき「もうちょっとそっち寄ってもいい……ですか?」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:13:50.30 ID:3riUlhBg0<>

――――――
―――


サァァァ……


P「……」

あずき「ちょっと狭いけど、これなら濡れないよー」

P「だからって横じゃなくて前ってどうなの」

あずき「あずきボディだからできる技だねっ」

P「めっちゃ歩きにくい」

あずき「ふたりの呼吸が大事だよ! ふたりで協力大作戦!!」

P「はーい、頑張りまーす」

あずき「えへへっ、いっちに、いっちに」

P「……雨弱くなってきたな」

あずき「むーっ、この時間もちょっとだけか〜」

P「恥ずかしいのでもう勘弁してほしいです」

あずき「ほんと? あずきのうなじとか見放題だよ?」

P「だからだよ……」

あずき「ほれほれ〜、今だけですぞ〜」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:14:40.63 ID:3riUlhBg0<>

ポツ…ポツ…


あずき「あーっ、やんじゃった……残念っ」

P「ふーっ」

あずき「でも、いろいろ珍しいものが見れたのでよし!」

P「いいんだ……あっ」

あずき「ん?」

P「あずき、ちょっと濡れてるぞー」

あずき「どこか濡れてる? どこどこ?」

P「えーっと……」

あずき「あっ。ん〜、わかんないから拭いて。ねっ?」

P「ほう」

あずき「……? プロデューサー? どうして鞄からタオルを出すのに、そんな悪い顔してるの?」

P「……とりゃっ」

あずき「あっ、もうっ! お、おだんご崩れちゃうでしょ〜っ」

P「今日ドキドキさせられた分の仕返しだーっ」

あずき「きゃーっ。えっと、あ、あずき、ちゃんとプロデューサーをドキドキさせれてた?」

P「いろんな意味で……だけど」

あずき「む、気になる言い方〜。でも、プロジェクトが順調ってことだし、いっか!」

P「プロジェクト?」

あずき「そう! みんなをドキドキさせるためにはまずプロデューサーから、でしょっ♪」

P「……うん」

あずき「アイドル大作戦は、いつだってプロデューサーとあずきで始まるんだよっ」

P「……」

あずき「そこをずっと大切にしてくれたら嬉しいな!」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:15:50.48 ID:3riUlhBg0<>

P「……もう傘いらないな」

あずき「また晴れたねーっ。やっぱり夏の匂いがするっ」

P「そうだな……さっきより街がキラキラして見えるよ」

あずき「おっ、プロデューサーもこの楽しさを分かってくれたかな? 雨上がり大作戦もいいものでしょ!」

P「うん……あずきはこんなちょっとした散歩でも楽しかった?」

あずき「もちろんっ♪ ふたりでいれば全然飽きないし!」

P「なら良かったよ」

あずき「それに……」

P「……?」

あずき「最近プロデューサーお仕事詰めだったから……その、ちょっとでも気晴らしになればいいなーって」

P「……」

あずき「雨上がり大作戦は、実はあずきの癒やし大作戦でもあったんだよ?」

P「……あずきは……なんだろう……そういうとこ良く見てくれてるな」

あずき「だって、プロデューサーは大切なパートナーだからねっ」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:16:17.34 ID:3riUlhBg0<>

P「じゃあ、癒やされた分は頑張らないとなー」

あずき「ホントに無理はしちゃダメだからねっ」

P「分かってる、分かってる」

あずき「そう言って分かってないときがあるのがプロデューサーなのに!」

P「……あずきたちの夏休みのお仕事の予定を詰めたくってな」

あずき「わぁっ、あずきに夏っぽいお仕事あるのっ! どんなの、どんなの〜?」

P「あとで教えるって……やっぱり今みたいなあずきの顔を思うと頑張れるよ」

あずき「じ、じゃあ、一緒に考えてもっと良い大作戦にしようね!」

P「……そうだな」

あずき「えへへっ。だってプロデューサーと一緒に考えた作戦なら、絶対に大成功間違いなしだからね♪」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:17:06.93 ID:3riUlhBg0<>




P「戻ってきたかー」

あずき「ふー、ただいまーっ」

P「……今日は雨があがったり、また急に降ってきたりで天気予報がだめだめだったな」

あずき「そういう日もあるよー。けどねっ……」

P「……」

あずき「憂鬱な雨の日も、お天気雨の日だってあずきの隣にはプロデューサーがいてくれてるから」

あずき「だから、予報があてにならなくて不安でも、きっと大丈夫!」

P「……今日はぐいぐいくるなぁ」

あずき「ガンガン行こうよ大作戦だよ! だってこれから夏休みの予定を聞き出さないとっ!」

P「あー。まだ企画中です……じゃ、ダメ?」

あずき「ダメ! ほらほら、雨は上がって夏の青空が見えてるんだよっ」

P「ん……ん?」

あずき「せっかく素敵な雨上がりの景色だって、すぐに消えてなくなっちゃうから」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:17:32.92 ID:3riUlhBg0<>


あずき「未来が乾いちゃう前に、プロデューサーと夏休み大作戦のはじまりだよっ♪」 <>
◆tues0FtkhQ<>saga<>2018/08/20(月) 21:18:01.23 ID:3riUlhBg0<>

おしまい。
あずきちゃんは夏の間だけミニ浴衣スタイルになるよ。
お迎えしたあずきSSRがめちゃかわです。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2018/08/21(火) 00:17:34.82 ID:GxqHWUxSO<> かわいい <>