◆SHmukQ/VZk<>sage<>2019/03/12(火) 21:06:48.06 ID:2H2wweBno<>私は星を眺めてた。
何も無い、空の色。
特に好きなわけじゃない、けど何気なく眺めてしまう。
昔もこうやって眺めていたな、とふと思い出す。
独りだったあの時のことは、遠い昔の日に感じる。
何も無かった私は、ただただ何も言われないように生きてきた。
怒られることも無く、褒められることも無い。
いつも独りで、それが当たり前だった。
この空のようになんにも無かった。
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<>【モバマス】星の叫び
◆SHmukQ/VZk<>sage<>2019/03/12(火) 21:07:23.05 ID:2H2wweBno<> あるとしたのなら、キノコとヘビーメタル。
キノコは何だか……言葉に表せないけど、親近感が湧いて好き。ふひ。
ヘビーメタルは……何気なく回したラジオで流れてきた激音。
それが耳に残り、反響した。
何だか、私が求めているもののようで。
その歌が誰かの生きているという叫びに聞こえて、私はいつの間にかCD屋に足を運ぶようになった。
聴けば聴くほど、のめり込んで……。
誰もいない家では独りで叫ぶようになった。
誰に聞かせる訳でもなく、ただ叫んだ。
もしかしたらあの時の私は誰かにきいてほしかったのかも……しれない……
でも、ヘビメタは誰にも聞かせられなかったな……。
そもそも友達なんていなかったし……。
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◆SHmukQ/VZk<>sage<>2019/03/12(火) 21:07:56.92 ID:2H2wweBno<> そんな時に見つけてくれたのが、プロデューサー。
キノコに例えたらベニテングタケぐらいだったのに、親友は見つけてくれて。
その上毎日お世話してくれて。
ボッチの私には日に当たったような眩しさで……。
ふひ、ちょ、ちょっと恥ずかしいな……。
でも親友と会ってから、色々と変わって。
親友以外のトモ……ダチ……もできた……。
ボノノちゃんや美玲ちゃん、まゆさんに幸子ちゃん、小梅ちゃん……。
いつの間にか片手でいっぱい数えられないほどトモダチが出来た……。
それに何より……私にヘビメタを歌わせてくれた。
親友はヘビメタをあまり知らなかったのに、ちゃんと私の話を聞いてくれて。
わからない所は皆に聞いて。
私にヘビメタを歌わせてくれた。
それが一番アイドルになって嬉しかった……かな……。
独りの家で歌ってた、ただの叫びを。
皆の前で歌わせてくれた。
私の存在を、叫ばせてくれた。
……、今見るとしたら恥ずかしくて録画したのを直接は見れない……。
でもこれだけは言える。
プロデューサー、ありがとう。って。
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◆SHmukQ/VZk<>sage<>2019/03/12(火) 21:08:23.63 ID:2H2wweBno<> コンコン、と机の角を蹴る音がする。
大親友の仕事が終わったみたいだ。
「そろそろ帰るか」
「き、今日もCD屋に行くのか……?」
「そのつもり。ショウコ、おすすめをまたお願いしてもいいか?」
「わ、わかった……」
最近親友もヘビメタにハマってくれたらしく、CD屋に行くのがいつものことになっている。
ふ、ふひっ、ちょっとリア充っぽいな……。
「うわ、もう真っ暗だ」
「冬だと落ちるのも早いから……」
上を見上げると、暗闇の空。
何も無い、空の色。 <>
◆SHmukQ/VZk<>sage<>2019/03/12(火) 21:08:52.27 ID:2H2wweBno<> 「何もないな……」
「そうか?よく見ると星が見えるぞ」
「えっ」
目を凝らしてみると、キラキラと砂粒のように星がいくつも輝いていた。
「ほ、本当だ……」
「見えないけど、星は輝いているんだなぁ。」
何も無い空に見えたけど。
ちゃんと輝いていたんだな。
「プロデューサー」
「ん?何だ?」
「見つけてくれて、ありがとう……ふひ」 <>
◆SHmukQ/VZk<>sage<>2019/03/12(火) 21:10:33.43 ID:2H2wweBno<> 以上です。
輝子ちゃん難しいですね、読んでいただきありがとうございました。 <>