◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:08:02.10 ID:ps8JhAv9O<>〜自宅・ベッド〜
勇者「あ〜暇だなぁ〜」
勇者「もうずっとゴロゴロしていたいよなぁ」
ズズッズズッ
勇者「インスタント麺も底を尽きそうだぜ……」
勇者「しゃーない、ちょっくら仕入れにいくか」
勇者は銅製の剣と盾を装備した
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<>勇者「やることがない」
◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:12:18.95 ID:ps8JhAv9O<> コンビニ店員「カップ麺、銀貨20枚になりますー」
チャリーン
隣のジジイ「ぶわぁっくしょい!」
勇者(うっわ! マスクしないでくしゃみすんなよ……)ガサガサ
勇者はタバコを1本口にくわえた。
シュボッ フゥー
勇者「平和だなぁ……」
<>
◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:15:02.66 ID:ps8JhAv9O<> ツルッパゲが勇者の隣に座った。
勇者「……」
ハゲ「……」
勇者「なぁ」
ハゲ「あの」
勇者「あっ……」
ハゲ「うん……」
勇者「……」フゥー
ハゲ「タバコ」
勇者「ん?」
ハゲ「煙が……ね……?」
勇者「あ……はい」 <>
◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:21:55.35 ID:ps8JhAv9O<> ハゲ「……君、勇者でしょ? 魔王を倒した……」
勇者「勇者稼業は辞めたよ」
ハゲ「えっ」
勇者「世の中がすっかり平和になっちまったからな」
ハゲ「む……」
勇者「必要なのは深い法の知識と語学力。剣と魔法の時代は終わったんだ」
ハゲ「ところがどっこい、そうじゃないんだよなぁ」
ドゴーン! ギャオース! バッサバッサ!
ドラゴン「ギャオースギャオース!」
姫さま「あ〜れ〜」
ハゲ「ほらね? 言ったでしょ?」
勇者「勇者の出番ってことかよ。きったねぇ……」
<>
◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:33:12.56 ID:ps8JhAv9O<> タッタッタッタッ
勇者「ぜぇ……ぜぇ……」
門衛「お疲れの様子。水でもいかが」
勇者「ありがとう……ぐっ……ぐっ……ぷはぁっ、あ〜、やっぱうめぇわ。関所につくまで走り通しだったからさ」
門衛「いかなる御用で」
勇者「姫さまが拉致されたから、ちょっとね」
門衛「ちょっと、とは?」
勇者「ちょっとはちょっとだろ! 何度も言わせんな」
門衛「ふーん」
勇者「そういうことなんで」グググ
門衛「いやいや、旅牌のない方は出国は認められません」
<>
◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:37:01.41 ID:ps8JhAv9O<> 勇者「は? なんでだよ」
門衛「旅牌がないから」
勇者「旅牌? なんだよそれ」
門衛「わかりません」
勇者「自分も分からないものを人に要求するのか」
門衛「国の法律ですので」
勇者「斬るぞ」
門衛「どうぞ」
カキィン!
勇者の剣と門衛の槍が噛み合う! 素晴らしい鍔迫り合い! <>
◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:44:23.53 ID:ps8JhAv9O<> 〜夕方〜
カラス「カァーカァー」
キンキン! ガキィン! ガァン!
門衛「やりますね〜」
勇者「そちらこそ」
門衛「なんだかあなたが好きになってきそうです」
勇者「いつまで続けるおつもりかしら」
門衛「どちらかが力尽きるまで」
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン
勇者「はやいぞ! 槍の突きがはやくなてる!」
門衛「あはは、そういうことなんで。死を味わいますか?」
勇者「いいえ」
パァン! 勇者の手中にある癇癪玉が破裂した!
門衛「うひゃあ」 <>
◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 14:56:52.60 ID:ps8JhAv9O<> 勇者「よし、この隙にずらかっちゃうぞ!」スタスタ
門衛「ぐぬ〜、やはり勇者はすごいよ〜、うん、うん」
こうして関所を突破した勇者なのでした。ちなみにハゲはついてきませんでした。なぜかって? 多分ニートだから。
〜はじまりの草原〜
勇者「腹減ったな〜」
勇者は獣の骨と皮で作った合成弓を袋から取り出した。指で弦を弾くとピンッと高い音が鳴る。
勇者「兎を仕留めるか」
矢をつがえて引き絞る。この広い草海原。獲物の姿を見逃すはずがない。この勇者ともあろう者がね。
勇者「せいっ!」
ビュン! 矢は外れた。
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◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 15:20:17.59 ID:ps8JhAv9O<> 湿った土の匂いを孕んだ風が静かに哭きながら吹いていく。
勇者「これだから、曇り空はイヤなんだ……」
鈍色の空を仰ぎ、勇者は独りごちた。ああ……そうだった。思い出した。この場所だ。この草原で俺は……
「クソを漏らした」
ドッグァワッシャア!!!!!
すげー勢いで勇者の身体が宙を舞った。
バチャア!
焦げ茶色の池に頭から突っ込む。それは町の奴らが肥料のためにクソをこなれさせている肥溜めだった。
「ぐはあ! 何者!?」
「俺だ」
俺がきた。
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◆ohkMFLQve.<>saga<>2019/04/29(月) 15:35:21.12 ID:ps8JhAv9O<> 勇者「なんですか俺って!?」
見たら、そいつは黒い甲冑を着込んだ騎士だった。騎士がたった1人で何の用だろう。
黒騎士「俺は俺だ。俺が俺であることに理由はない。俺が今この場にいる事実こそ、俺が俺自身を俺たらしめている最大の証左なのだから」
勇者「何を言っているんだ!?」
黒騎士「俺はハプロ騎士団第13部隊隊長・エリック。だが、俺の名などどうでもいい」
勇者「ハプロ騎士団……知っているぞ! 王国の聖騎士団には13の部隊があって、強さの順に上からランク付けされている」
勇者「その13番目の部隊の隊長が、貴様だというのかァー!」
黒騎士「いかにも!」バァーン
勇者「な、なにィイイー
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2019/05/13(月) 10:34:56.13 ID:Lqmcoi1aO<> まだか <>