以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:15:01.83 ID:PpChbESi0<>バッティングセンターに快音が響き渡る。



カキーンッ!



男(よし……絶好調!)

男(全部当てられたし、いくつかは結構いいコースへ飛んでいったぞ!)

男(だいぶ打てるようになってきた!)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1627301700
<>男「最近バッティングセンターに通ってる俺だけど、いくらなんでも銃弾は打てねえ」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:16:08.76 ID:PpChbESi0<> 打席から出てきた男に、常連が話しかけてくる。



常連「最近よくここに来るが、だいぶよくなってきたじゃねえか、兄ちゃん」

常連「そろそろ110km/hや120km/hにチャレンジしてみたらどうだい?」

男「いやぁ〜、自分にはまだ100km/hぐらいがちょうどいいっすよ!」

男「それじゃ、俺はこれで!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:17:02.19 ID:PpChbESi0<> 帰り道――



男(あ〜、スッキリした! バッティングセンターがこんなに面白いもんだったとは!)

男(次からは110km/hあたりにチャレンジしてみようかな……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:17:30.06 ID:PpChbESi0<> 強盗「おい、金を出せ」

男「!?」ビクッ

男(な、なんだこいつ……まさか強盗!?)

強盗「出さないと、死ぬことになるぞ」サッ

男(ピストルゥ!?)

男(ボールは打てるようになったけど……いくらなんでも銃弾は打てねえ!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:18:35.50 ID:PpChbESi0<> 男「わ、分かったっ! 出す! 出すから……撃たないでくれっ!」

強盗「よし……早く出せ」

男(くっそぉ〜、こんなことになるなんて! だけど命には代えられないよな……)

強盗「早くしろ」

男「わ、分かってる!」ゴソゴソ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:19:49.58 ID:PpChbESi0<> 男「ほらっ!」ポイッ

強盗「どれ……」

強盗「札はひい、ふう、みい……なんだこれ、シケてやがる」

強盗「とんだハズレをひいちまった。こんなしょぼくれた奴を狙うんじゃなかったな」チッ

男(なんだと……!? 強盗の分際で好き勝手いいやがって……!)

強盗「カードは……ちっ、ポイントカードばっかじゃねえか」バサッ

男(てか、スキだらけだよな今……もしかして、かかっていけば勝てるんじゃないか?)

男(俺だって最近バッティングセンター通って、体鍛えてるんだ……いける!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:21:01.46 ID:PpChbESi0<> 男「だあぁぁぁぁぁっ!」ダッ

ドカッ!

強盗「うおっ!?」

強盗「な、にしやがる!」ブンッ

ガッ!

男「ぎゃぁっ!」ヨロッ

男(甘かった……! こいつ予想以上に力が強い……!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:22:46.69 ID:PpChbESi0<> 強盗「このヤロウ……ブッ殺してやる!」チャッ

男(あっ!)

強盗「死ねっ!」グッ…

男(ああ……俺、死んだ――)



パンッ! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:24:21.50 ID:PpChbESi0<> スパァッ!



真っ二つになった弾丸が地面に落ちた。



男「え!?」

強盗「なに!?」



剣士「そこまでだ、悪党」



男と強盗の間には、一人の剣士が立っていた。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:25:58.56 ID:PpChbESi0<> 強盗「このヤロウ! ジャマすんなァ!」

パンッ! パンッ!

スパァッ! スパッ!

剣士「無駄だ……」



男(すごい! 銃弾を斬るなんて! ……こんなことできる人間がいるなんて!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:26:24.73 ID:PpChbESi0<> 強盗「くっ、そ! バケモンがぁっ!」グッ…

剣士「遅い」スッ…



ドカッ!



強盗「ぐえぇっ……!」ドサッ…

剣士「安心しろ、峰打ちだ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:28:17.80 ID:PpChbESi0<> 男「あのぉ……ありがとうございました……」

剣士「別に大したことではない」

剣士「だが、武器を持った相手にむやみに飛びかかるのは感心せんな」

剣士「私が通りがからねば、死んでいたぞ」

男「す、すみません……」

剣士「強盗はしばらく目を覚まさんだろうし、後のことは任せた」

男「――あのっ! せめてお名前を!」

剣士「名乗るほどの者ではない。これから修練があるのでな」スッ…

男「あっ……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:28:44.02 ID:PpChbESi0<> 男は感動していた――

男(銃弾を見切り、あっさり強盗を倒し、名も名乗らず去っていく……)

男(すごいなぁ……まさか現代の日本にあんな剣士がいるなんて!)

男(きっと……俺なんかとは全然違う生活をしてるんだろうなぁ……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:29:47.59 ID:PpChbESi0<> ……

……

……



スパァッ! スパッ! シュパッ!



剣士(よし……絶好調!) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:30:42.80 ID:PpChbESi0<> 達人「君がこの知る人ぞ知る修練場に来てからしばらく経つが――」

達人「もうすっかりピストルの弾は斬れるようになったな!」

達人「そろそろ私のように、マシンガンや大砲の弾にチャレンジしてみたらどうかね?」

剣士「いやぁ〜、自分にはまだピストルぐらいがちょうどいいっすよ!」



スパァッ!



カッティングセンターに快音が響き渡る。







おわり <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2021/07/26(月) 21:31:09.98 ID:PpChbESi0<> 昔別板に投下したSSのリメイクとなります
ありがとうございました <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2021/07/26(月) 22:05:52.62 ID:n8YApbGxo<> いいオチ
面白かった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2021/07/27(火) 01:31:05.26 ID:XIRd0Ek9O<> あんなかっこつけておいて〜っすよ!とか言ってるの草
乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2021/07/27(火) 16:41:59.93 ID:lLaz3JmeO<> カッティングセンター…床屋かな? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2021/07/27(火) 18:38:36.50 ID:oS7D+uWTo<> 乙。そういうオチかw <>