以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2025/08/15(金) 10:49:44.81 ID:DWupdAKs0<>提督「……」

宗谷「南極の地下にはナチスのUFO基地が本当にあるんですよぉ!」

提督「……宗谷さぁ、そうやって、たまーに唐突な陰謀論ぶっこんで――」

宗谷「――陰謀論違います! 陰謀は確かにありますから!」

提督「……この前もさ、南極でゴジラを見たことあるとかなんとか――」

宗谷「それもウソじゃないですってば! 神◯隆◯介くんなんか、それでPTSDを発症したんですよ!?」

提督「いや神◯くんが目撃した場所は南極じゃないから。それにPTSDもゴジラだけが原因じゃなかったし。
   てか待って。一回ちょっと待って」

宗谷「提督! 観測測量も補給も待ってはくれませんよっ? 段取りが命なんですから!」

提督「今さら艦娘が行って、何の観測測量と補給をしてくるっていうんですかね……」

宗谷「逆です、提督。艦娘だからこそ、出来る方法が今はあると思うんです。
   これまでに得られなかった南極の真の秘密が、今でこそ得られるかもしれません」

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<>宗谷「だからウソじゃないですって!」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2025/08/15(金) 11:08:32.42 ID:DWupdAKs0<> 提督「……具体的には?」

宗谷「南極の氷床下にあると噂されている、古代のピラミッド型構造物や都市遺跡とか」

提督「いや噂って言っちゃってる」

宗谷「G◯◯gle Earthや衛星写真なんかでは、"南極の穴"がちゃんと発見されてて、
   それは地球空洞説や高度文明アガルタへの入口だとか、異性人が住んでいるとか、
   それを一部の国家や秘密組織イルミナティなどが、その技術や知識を独占して、
   外部には秘匿しているという説も、主張されているケースも実際あるんですよ?」

提督「主張されているケースて」

宗谷「他にも、未知の微生物やテクノロジーの可能性です。
   氷床下の湖や化石層から、現代の医学・バイオ技術を凌駕する可能性のある未知の菌や遺伝子資源は、
   もう既に各国が秘密裏に発見、秘匿している可能性すらあるんですよ!?」

提督「なんか可能性って言葉が氾濫しまくってるんだけど……」

宗谷「もしこれらが軍事や製薬関係に流用されれば、莫大な利益が考えられます。
   そのため、国際的に情報をコントロール・独占している、とも」

提督「…………」

宗谷「わーくには、遅れをとっていいのでしょうか、提督!?
   ――って、あれ? 提督、どうしました?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2025/08/15(金) 12:15:03.86 ID:DWupdAKs0<> 提督「いや、ちょっと……頭痛が痛いなって……」

宗谷「えぇっ? だ、大丈夫ですか、提督……?  夏風邪でしょうか……。
   あっ……提督も南極に行きましょう! 南極では風邪をひかないんですよっ!」

提督「持ち込みは意味ないだろ……再発はしないにしても……。
   しかし……そうか、菌の耐性か……確かに艦娘なら……。
   事前許可は……まぁ、考えるとして、 環境影響評価は……これはまぁいくらでも……。
   あとは同行条件だが……これも艦娘なら最低ラインはクリアか。
   環境保全系のルール・マナーに関しても、事前に研修すればいいし、帰還前は除菌も当然済ませるとして――」

宗谷「て、提督っ……!」

提督「……宗谷」

宗谷「は、はい……!」

提督「他、同行者のあてはあるのか? 行くとしたら、とりあえず六隻編成してもらうと思うけど」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2025/08/15(金) 12:20:30.40 ID:DWupdAKs0<> 宗谷「あ、はい。えっとですね、まずは私と提督――」

提督「提督は行きません! ていうか行けません! 艦娘たちだけで楽しんでおいで!」

宗谷「えぇ!? で、ですが提督、風邪はっ?」

提督「風邪じゃないってーの! 仮に風邪だとして南極なんかで治すかっ!
   あと、俺が行ったらそもそもの前提がぐちゃぐちゃなのっ!!」

宗谷「えぇ〜……」

提督「それで、候補は?」

宗谷「う〜ん……それじゃあ、まずは間宮さんですね。あるいは鳳翔さん」

提督「……は?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2025/08/16(土) 11:04:19.72 ID:ETlULBmt0<> 宗谷「まぁお二方両方でも、全然いいんですけど。
   やっぱり過酷な環境下で、毎日の食事はバカには出来ませんから。
   ストレスの大軽減に、とても大事です。
   あと、間宮さんに関しては通信関係にもご堪能だそうなので、本作戦では非常に有力ですね!」

提督「…………」

宗谷「さらに、やっぱり応急対応も言わずもがな大事です。なので、明石さんか朝日さん、あるいは両方――」

提督「お前は鎮守府を転覆させるつもりかぁーー!?」

宗谷「ひえっ!?」

提督「何考えてんだ、お前は!
   うちの裏方の主力を持っていくとかありえんだろうが! もういい、選定には俺も同行する!」

宗谷「え、あ、は、はい……。よろしくお願いいたしますっ……!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2025/08/17(日) 11:47:26.48 ID:2hW7uyvg0<> 提督「……まぁでも確かに、軍備拡張目的で何かしらの提案を通そうとすると、
   昨今は軍民間軋轢が大きくて、上層部も毎回難色示すんだけど、
   軍拡系以外の応用だと、毎年やってる軍民間交流イベントのこともあって、
   民間支持得やすいから通りやすいんだよな……。
   それに、こういったことは艦娘の兵器的側面のイメージの希薄化にも繋がるし……」

宗谷「……」

提督「……よし。じゃあ、宗谷。とりあえず、大淀と五十鈴を呼んできてくれ。
   俺は今から上役に速電飛ばしてみるから」

宗谷「――! りょ、了解ですっ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2025/08/18(月) 01:28:16.81 ID:GWqfQDUb0<> 〜〜〜


五十鈴「――まぁもう何も言わないけど……」

大淀「唐突なのはいつものことですしね……」

宗谷「たいてい言いくるめられちゃうんですよね? 宗谷も、その手の話はよく聞いています……」

提督「ちょっと待って。今回の言い出しっぺ俺じゃないやん。宗谷ちゃん?」

宗谷「……」

提督「……宗谷?」

宗谷「…………にゃ〜ん?」

提督「くっ……こいつ……! か、かわいいっ……!

宗谷「っ……そ、そんなっ…………えへへ……」

五十鈴「…………それで、メンバーは?」

大淀「私が構内放送で呼び出せばいいんですよね?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2025/08/19(火) 01:42:35.59 ID:+MD8/FiO0<> 提督「あー……。半分は決まってて、半分は決まってない。
   朝日と夕張は推薦したいから、先に呼び出して、待機させといてくれ」

五十鈴「夕張は……まぁわかるとして、朝日さん?」

提督「さすがに、現地で怪我されて、応急手当も出来ないってのは困るからな……。
   それに料理の腕も確かだからな、彼女は」

大淀「なるほど……」

宗谷「ありがとうございます、提督!」

提督「いや、まだ本人が承諾してくれるかはわからんし、
   もしお礼を言うなら朝日に言ってあげてくれ。
   俺から言うとそもそも断りにくいだろうし、その上、今回けっこう無茶な話してるし……」

宗谷「あ……そ、そうですよね……」

大淀(提督、今回の作戦、随分と入れ込んでいるようですね……)

五十鈴(ふむ……)

五十鈴「他はまだ決まってないってことだけど、目処は?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2025/08/20(水) 12:15:31.53 ID:ANOa3ugf0<> 提督「ざっくり、かな。複数人にあたる必要がある。
   なので、これから直接交渉だ。五十鈴ちゃん、宗谷。同行するように」

五十鈴「ん、了解よ」

宗谷「承知しました!」

大淀「では私は、先のお二人を召集しておきますね」

提督「よろしく」


〜〜〜


伊良湖「――そ、そんな急に南極なんて……」

間宮「かわいい子には旅をさせよ、とは言いますが、さすがに……」

提督「そうですよね……。戦闘艦でもないから、有事の際の護身にも懸念はあるし……」

宗谷(まぁ私も戦闘艦ではないんですが……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2025/08/21(木) 01:40:20.32 ID:5AU3XDjt0<> 五十鈴「寒冷地経験のある戦闘艦っていったら、占守型か択捉型の一部とか、あとは吹雪型の一部とか?」

提督「ふむ……」


鈴谷「…………」

熊野「……鈴谷? 溶けますわよ?」

鈴谷「あ、うん…………ちょっとっ……」

熊野「鈴谷っ?」





「「間宮さーんっ」」

間宮「あ、はーい!」

提督「あぁ、申し訳ない。お時間を」

間宮「いえいえ。それでは、失礼いたします」

伊良湖「すみませんっ」

提督「こちらこそ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2025/08/22(金) 00:12:20.49 ID:41zvoBtV0<> …


五十鈴「どうする? 経験者の子たちの中で、料理上手の子を探してみる?」

提督「史実はともかく、普段から慣れていなければな……。
   今は何事も人体を駆使するようになったわけで。……いたっけか……?」

宗谷「大量に冷凍食品を持ち込む、という手もあるんですが、慣れてくるとどうしても詫びしさが……」

提督「う〜ん……自ら出向いていくとはいえ、難境ほど食には手を抜けんわなぁ……」


鈴谷「――て、提督じゃ〜ん。チーッス!
   な、何してんの〜っ? てか、こっちで会うのって珍しくないっ?」

提督「おぅ鈴谷。来てたのか」

鈴谷「っ……まぁね〜っ♪」

提督(鈴谷か……ふむ……) <>