◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:29:00.67 ID:zXeFr9m+0<>
小柳香穂が、陽キャのコスプレをしなかった世界線のお話。
皆口香穂がそのまま高校生になったような見た目であるため、苗字が変わっていても、れな子が入学当初にすぐ気づきすぐに友達になる。

周りから香穂は、カルテット(クインテットではない)の甘織さんに謎の寵愛を受けている子、という印象になる。
ちょくちょく陰口を言われるくらいで、いじめ等は無い。厳しくも優しくもない世界。

れな子からは、あまり緊張せず話せる友達として、入学当初から順調に親交を深めていく。
久し振りに会えた、大人しくて可愛い友達。


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<>【わたなれ】小柳香穂が陽キャのコスプレをしなかった世界線
◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:32:53.90 ID:zXeFr9m+0<>
香穂がコスプレをしてみたいと言い出した時は、れな子が背中を押す。
自分なんかが憧れのあのキャラのコスを……などと香穂が言い出した際に「私は香穂ちゃんのこと、小学校の頃からずっと可愛いと思ってたよ」などと言う。香穂の青白い肌がたちまち紅く染まる。

香穂がれな子に友情以上の感情を抱いてしまった瞬間、否、自覚した瞬間である。
なお、当のれな子は、赤面したまま中々顔を上げない香穂に「可愛いからいいけど、ちょっと褒めたくらいで大げさだなー」と本気で思っている。

その後も順調(?)に、友達のつもりで香穂の脳を焼いていくれな子。
「香穂ちゃんの傍にいる時が、1番心が安らぐよー」
「香穂ちゃんになら、(カルテットの)みんなに話せないことも何でも話せるなぁ」
などとれな子はのたまう。
れな子は嘘ついているつもりこそないが、かなり軽い気持ちで言っている。
対して香穂は、重く本気で受け止める。自分は、れな子にとっての特別なのだと。
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◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:34:44.58 ID:zXeFr9m+0<>
そうして香穂の脳裏に“告白”の二文字がよぎり始めた頃、ある噂を耳にする。

「ねーねー、カルテットの大塚真唯さんと甘織れな子さんって付き合ってるらしいわよ」
「えー、女同士で、同じグループでー?」
「そんな……私、まいあじ派だったのに……」

王塚真唯と張り合える訳がない。香穂の脳が破壊されてゆく。
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◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:35:51.93 ID:zXeFr9m+0<> ……壊された脳で、香穂はある結論にたどり着く。
自分はれな子にとって、恋人のことも話されない程度の友達……友達と呼べるかも怪しい、ただ学校で話すだけのクラスメートだったと。

そう思い込んでしまった香穂は、大好きだったはずのれな子を遠ざけてしまう。
れな子としては、自分は何もしていないはずなのに、突然香穂から距離を置かれてしまうことになり狼狽する。
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◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:39:20.58 ID:zXeFr9m+0<>
香穂についての相談を紫陽花に乗ってもらうれな子。紫陽花の心境は複雑。
しかし、れな子の悩みにいい加減に対応する紫陽花ではない。
真剣に考え、真唯とれな子が付き合っていると言う噂のせいではないか、という真実にたどり着く。

れな子と真唯が付き合っているとは、真唯が勝手に吹聴して歩いているものである。
れな子視点、自分から積極的に言いふらす話題ではなかったため、当然香穂に対して何も言っていなかった。

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◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:40:35.01 ID:zXeFr9m+0<>
紫陽花にお礼を言い、香穂のもとへ誤解を解きに行くれな子。
逃げる香穂をなんとか捕まえ、真唯については誤解だと話す。

「あ、えっと、真唯に告白されているのは本当なんだけど、私はそれを受けてないから付き合ってるわけじゃないの」
「……え?」
「その……はっきり言うと、真唯からの告白を断り続けてるの!」

香穂の脳が急速に修復していく。
れな子があの王塚真唯を下の名前で呼び捨てにしていることには目を瞑る。
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◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:42:26.13 ID:zXeFr9m+0<>
「よかった……。あたし、甘織さんにとって、自分の恋人のことも話してもらえない……その程度の存在なんだって思っちゃってた」
「そんなことないよ! ……あんまり自分から話したくなかった話題ってだけ」
「ほんとに? あたしになら何でも話せるって言ってくれたこと、嘘じゃない?」
「ほんとだよ。じゃあ……今から誰にも言ってないことを、香穂ちゃんに話すね。ほんとに秘密。2人だけの秘密だよ?」
「う、うんっ」

甘織さんがどんな秘密を打ち明けてくれるのか、香穂は目を輝かせ、次の言葉を待つ。
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◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:43:11.57 ID:zXeFr9m+0<> 「その……私ね? だから真唯の告白を断ってるって訳じゃないんだけど、その……あ、紫陽花さんのことが好きなのっ」

継ぎ目から再び崩壊していく香穂の脳。
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◆vVOjebR9BA<>saga<>2025/11/05(水) 23:44:03.83 ID:zXeFr9m+0<>
「い、言っちゃった……恥ずかしい……。で、でもね、その、付き合いたいとか、恋人になりたいとかじゃないの。紫陽花さんの事をずっと見つめていられて、ずっと一緒にいられればいいなって。友達としてね。それに……私と紫陽花さんが恋人なんて、釣り合わないよ」

「釣り合わない? 甘織さんと瀬名さんが釣り合わないっていうなら、甘織さんは誰と釣り合うの?」
「そんな、誰とだなんて……」
「じゃああたしにしよう? あたしにしなよ。甘織さん……いや、れなちん」
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◆vVOjebR9BA<>sage saga<>2025/11/05(水) 23:50:35.47 ID:zXeFr9m+0<>
終わりです。
殆ど同じ内容をTwitterで呟いたところ0RTだったのが悲しかったのでこちらでもスレ立てしました。
わたなれ、良いですよね。桜trickに比肩しうるアニメだった思います。
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