無料アクセスカウンターofuda.cc「全世界カウント計画」
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫メニュー■ ■VIPService (VIPサービス)■
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みはできません。。。
HTML化した人:lain.
唯澪律紬梓「夢オチ!」
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 19:17:33.06 ID:AgdeCy2DO
厨二病全開でお送りする…ほのぼのラブサスペンス…!!
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 19:29:44.84 ID:AgdeCy2DO
〜部室〜

紬「こんにちはぁ…って誰もいないか」


紬「ふぁ…」


紬「眠い…」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 19:34:00.32 ID:AgdeCy2DO
紬「ちょっとだけ…おやすみなさい」スースー


ポカポカ陽気の放課後、紬は眠りについてしまった…



エーンエーン


紬「あら?」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]:2011/03/18(金) 19:36:42.90 ID:xZowLOoAO
ジャンルがほのぼのラヴサスペンスとかすごいな
支援
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 19:45:49.68 ID:AgdeCy2DO
紬「え…!」

梓「ママ…」グスン

紬「梓ちゃん…?ママって…」

梓「お姉ちゃんたちは?」グスングスン

紬「えっ…とその…」

梓「エーンエーン」

紬「はわわわ…また泣いちゃった」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 19:53:25.94 ID:AgdeCy2DO
紬「(んー…どうしよどうしよ、泣き止ませなきゃ…)」オロオロ

梓「エーンエーン」

紬「(やむを得ないわ…!ごめんなさい梓ちゃん…)」

おもむろに両手を広げる紬
梓「エーンエーン」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 19:59:59.64 ID:AgdeCy2DO
むぎゅぎゅむぎゅう…

紬「よしよし泣かないでねー」ナデナデ

梓「えっ…ふぇっ…」グスングスン

紬「(私が小さい時はよくママにしてもらってたっけ…)」

梓「ママ…あったかぁ」

紬「(状況はわからないけど…とりあえず泣き止んでくれたみたい)」

梓「えへへっ」

紬「(3歳ぐらいの梓ちゃんかしら)」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 20:13:27.33 ID:AgdeCy2DO
紬は梓を溢れんばかりの母性で抱きしめた。するとどうだろう梓は泣き止んで、しかもご機嫌だ

紬「(何が起きたかわからないけど…私は梓ちゃんの母親みたいね)」

梓「ママー、チュー」チュッ

紬「!」

梓「えへへっ」

紬「(キャーキャーキャー!!)」

紬「可愛いわぁ…」

むぎゅぎゅむぎゅう…
紬は再び梓を抱きしめるのだった
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 20:27:12.81 ID:AgdeCy2DO
紬「(そういえば…私がママってことは…パパがいるのかしら)」

梓「〜♪」コロコロ

紬「(もしかしてシングルマザーかしら?苦労したのね…私…)」

梓「〜♪」

紬「うふふ、コロコロしてる」
梓「ママ、ママ」

紬「なぁに?」

梓「抱っこしてー」

紬「はぁい」ヨイショ

梓「もうすぐ帰ってくるかなぁパパ」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 20:33:24.62 ID:AgdeCy2DO
紬「もうすぐだからねー(旦那さんはいるのね…どんな人かしら)」

梓「ホント?」

紬「うん」

梓「ホントのホント?」

紬「うんうん!」

梓「やったぁ」

紬「(天使だわ…)」キュンキュン


胸の高鳴りを覚えながら紬は旦那の帰りを待つ…!
果たしてその先に待ち受けるものは…?
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 22:28:54.56 ID:AgdeCy2DO
紬「梓ちゃん寝ちゃった…泣き疲れちゃったのかしら」

梓「……」スースー

紬「(ほっぺた柔らかい…)」プニプニ

紬「なんだか熱っぽい…私も寝ようかな…」プニプニ

紬「……」スースー

チャイムちゃちゃちゃー

紬「あ…」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 22:35:55.43 ID:AgdeCy2DO
唯「ただいまー!」
澪「ただいまー!」

紬「ブホォ」

唯「ママーお熱大丈夫?」
澪「かけっこ1番だったよ!」

唯「唯もー!」

紬「二人とも頑張ったわねー」

紬「(何がどうしてこうなったの…、唯ちゃんと澪ちゃんだったのね…梓ちゃんのお姉ちゃん)」

紬「(ということは…)」

律「ただいまー帰ったぞー」

紬「(やっぱりー!)」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 22:36:47.61 ID:4GJEeieeP
律紬か
そして夢オチか
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/03/18(金) 22:45:51.56 ID:peFez5di0
マジ俺得
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 22:47:39.74 ID:AgdeCy2DO
律「どうした?腑抜けた顔して」

紬「あっはい…!お帰りなさい律ちゃん…」

律「プッ、なんだそれ」

紬「いや違うの…!お帰りなさいあなた」

律「おう」

そこに現れたのは律だった…戸惑いを胸に秘めつつ平静を装う紬だったが…

紬「(違和感ないかも、カチューシャ取った律ちゃんね…しかも体格いいし…)」

紬「じゃー、澪ちゃんも唯ちゃんも頑張ったからおいしいご飯作ってあげる!」
唯「わーい!」澪
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/18(金) 22:58:26.02 ID:AgdeCy2DO
律「じゃーその間に唯と澪はパパとお風呂だな」

澪「澪はママのお料理手伝いたい」

律「だーめ、ほら早く脱いだ脱いだ」

澪「やめろぉ」キャーキャー

唯「唯も唯も」

紬「(すっぽんぽん///)」

律「ムギ、熱大丈夫か?無理なら俺が作るけど」

紬「大丈夫よ、ほら、子供達待ってるから」

律「そうか、ほいじゃ」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]:2011/03/19(土) 00:55:58.92 ID:8fp4ghrAO
いいよいいよかわいいよ期待
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/19(土) 17:50:53.68 ID:aX18/RWDO
紬「さてと…」

唯や澪は体操服を着ていたところを見ると今日は運動会だったみたいだ。エプロンを着ながら今日のメニューを考える新妻紬…疲れた体を癒すスタミナ料理がいいだろう

紬「今日はカレーね」

慣れた手つきで野菜を包丁で切る、子供達が食べやすいようにできるだけ小さく小さく切り刻む

紬「ご飯も炊かなきゃ…」
手際よく次々と準備を済ませてく紬、さすが3人の母親と言ったところか

紬「しゃらんらしゃらんら〜♪」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/19(土) 18:04:52.45 ID:aX18/RWDO
紬「(よし!完成)」

もちろん最後には愛情という名のスパイスを添えて、今日のメインは完成だ

紬「(唯ちゃん達の声が聞こえる…皆元気ね)」クスッ

紬「(こんな家族いいなぁ…)」


5人で住むには狭いかもしれないマンション…しかしそこには、暖かい家庭があった。

紬「私にも兄弟がいたら…こんなに賑やかで楽しい家庭だったのかしら…」シミジミ

梓「ママ…?」

紬「あら」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/19(土) 18:11:05.25 ID:aX18/RWDO
梓「おあよ…」ゴシゴシ

紬「パパ達帰ってきたからね」ナデナデ

梓「ほんとー!」

紬「うん、もうちょっと待とうね」

梓「だっこ…」

紬「はいはい」

紬「(うふふ、甘えん坊さんね)」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/19(土) 19:27:18.30 ID:aX18/RWDO
唯「いちばーん!」ドタドタ
澪「にばーん」プリプリ

律「こらぁ、お前ら体拭け!あとパンツぐらい履け!」

紬「あらあら」

梓「わぁ、お姉ちゃん」

唯「あっちゃん、おいでおいで」

梓「はいチュー」チュッ

唯「むちゅちゅー」チュッ

紬「(いい…すごく…)」

澪「じゃあママは澪にして」グイグイ

紬「えっ…!?はぁい…じゃあ」チュッ

澪「やたぁ///」

紬「(モジモジしてる…いいわぁ…)」ポー


紬のトキメキ指数はとっくに百パーセントを越えていたのだった
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/03/19(土) 19:48:26.35 ID:zpUDl0gqo
かわいくて地震わすれそう
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/19(土) 19:54:13.85 ID:aX18/RWDO
律「やれやれこのお転婆娘共は…」

パンツ一丁の旦那が出てくる

紬「ほぅ…///」

思わず目がいってしまう。そこにあるのは筋骨隆々の紛れも無い男の体であった。

紬「(逞しい…///)」ポ

律「ん、どした?」

紬「へっ!?あ…あなたもズボンぐらい履いてくださいな、もう…」


律「へいへい、夏だからいいだろー」


紬「(性格は律ちゃんぽいわね)唯ちゃんと澪ちゃんとご飯食べてて、梓ちゃんをお風呂にいれたいから」

律「あいよ、ごゆっくりと」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/19(土) 22:35:45.23 ID:aX18/RWDO
〜お風呂場〜

紬「ふぅ…」

梓「ふぅ…」

紬「ママの真似したの?」

梓「うん、そうだよふぅ…」


紬「うふふ」


紬「(これは夢かな?そうよね…何より律ちゃんが男の子だし…しかもムキムキしてたし…)」


紬「(もう少しこのままがいいなぁ…)」


夢とわかっていた…現実とは時に残酷なもので、夢から覚めてしまったら紬は普通の高校生である。


紬「(頑張る!)」


小さな梓を抱えながら紬は決意するのだった…
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/19(土) 22:51:48.22 ID:5Q+zOgm/o
これキュンキュンきた
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/19(土) 22:52:47.64 ID:aX18/RWDO
梓「ママ?」

紬「あっ…そろそろ出ようか」

梓「はーい」

紬は梓をバスタオルで拭いて浴室を後にする

紬「(太ってなくてよかったぁ…身長と胸は大きくなったかな?)」


さようなら…高校生の私、こんにちは大人の私
胸を撫で下ろす紬であった
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 15:26:07.03 ID:+BwMW5RDO
リビングでは唯と澪が画用紙に何かを描いている

紬「何描いてるの?」

唯「今日の運動会の絵だよ」カキカキ


紬「(おにぎり、そんなにおいしかったかしら)」クスッ

紬「澪ちゃんは?」

澪「唯がかけっこしてるとこと、あとパパが綱引きしてるとこー」カキカキ


紬「うんうん(澪ちゃん絵上手ね…まだ幼稚園なのに)」


律「お、ムギおかわりお願い」


紬「ビール?まだあったかしら」


律「あるある、梓は預かるからさ」ヒョイ


梓「パパァ」

律「はいパパでちゅよー」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 16:13:08.15 ID:+BwMW5RDO
紬「えーと…ビールビール…あった」

冷蔵庫には色々な種類のお酒がある…どうやら律は中々いける口なのでしょう


紬「(私も飲もうっと♪)」

現実では高校生の紬、もちろん飲酒はできない、夢の中でしかできないことに胸が高鳴る


紬「あとはカレーをよそってと…」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 16:31:52.24 ID:+BwMW5RDO
リビングに戻ると梓を膝に乗せ、食べさせてる律の姿が…!!なんとも微笑ましい…一口ごとに「あーん」と言っている


紬「(律ちゃんもすっかり父親が板についたみたい…///)」ポ


律「お、お帰り」


梓「おかえりー」フリフリ


紬「はい、ビール。梓ちゃんおいしい?」


梓「んー…まぁまぁ?」


律「ハハハッ、梓は厳しいな」


紬「うふふ、もっと精進しまーす」


愛娘のダメ出しに、二人の頬は緩む
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 16:57:49.21 ID:+BwMW5RDO
紬「(そういえば、唯ちゃんと澪ちゃんは…おねむかしら)」


先程とは打って変わり、2人は見るからに眠そうだ。運動会の疲れだろう、筆も進んでない


律「唯も澪もおねむか」グビグビ


梓「ふぁ…」ムニャムニャ


律「梓もかー、どれそぞろ寝かしつけるかねぇ」


紬「じゃあ私も…」


律「あーいい、そんなことより冷めないうちに食いな」

紬「そう…じゃあお願いね」モグモグ


律「ほれ澪、唯、寝るのは歯磨いてからだぞ」


唯「ふぁい」
澪「はぁい」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 17:11:13.93 ID:+BwMW5RDO
〜洗面所〜

律「ほい梓、あーん」

梓「あーん」パクッシャコシャコ

まだ幼い梓には腕に抱えながら、歯を磨いてやる父律

唯「ねー、パパー、唯もー」グイグイ


澪「唯はもう幼稚園だろ、自分でやらなきゃ年長さんになれないよ」シャコシャコ


唯「そうなの!?じゃあ自分でやる!」シャコシャコ


律「(ナイスだ澪♪)」シャコシャコ


長女澪の助言で急いで磨く次女唯、それをドアの木陰からこっそり見つめる母の姿があった


紬「(いいなぁ…)」ウズウズ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 17:39:15.41 ID:+BwMW5RDO
〜寝室〜

律「どれそいじゃあ寝ますかねぇ」


唯「えー」ブー

澪「絵本読んでよパパ」


律「わかったわかった、じゃあ桃太郎の始まり始まり〜」


唯・澪・梓「わーー」キャッキャ


律「昔々あるところに…」

10分後…

律「…であるからして…」
唯「ほらっ!ボール取ってこぉい梓!」

梓「とお」タタタ

律「お前らなぁ…もう聞かないのかー」

澪「澪は聴いてるよ」キラキラ
律「澪…お前は真面目でよろしい」ヨシヨシ


唯と梓はボール遊びに夢中で、澪は聴き入るように父親のそばいる。なんとも対象的である


紬「(写真撮りたい…)」ウズウズ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 17:53:54.89 ID:+BwMW5RDO
律「めでたしめでたし…と」パタン

澪・唯・梓「……」スースー


律「よっし…飲み直すかな」ヨイショ


3人ともなると寝かしつけるのも中々骨が折れる、娘達を起こさぬよう、そっーとドアを開ける


紬「あっ…!あなた」

律「おう、なんだってドアの間近に」


紬「いや…なんでもないわ(ずっと覗いてたなんて言えない…)」


律「チビ達も寝たし…これから飲み直すんだ、お前も飲むか?」


紬「うんっ、飲みましょ」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 18:03:36.97 ID:+BwMW5RDO
ここまでほのぼのオンリーでしたが、ここからちょっとエッチな展開になるね。ごめん

あと地の文下手でごめん
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/20(日) 18:33:47.66 ID:+BwMW5RDO
律「あっちあっち」

紬「ベランダ?」

律「夏はいいよな外で飲めるし、ほら月も綺麗だ」


紬「綺麗…」


ベランダには小さいテーブルと椅子があった。おそらく、私は律パパとここで幾度となく飲み明かしたのだろう
子供達が寝た田井中家は静かで、ちょっと寂しい気もする。しかし、この夫婦だけの静寂な空間も悪くない


紬「(夜風が気持ちいい…)」

律「さて…飲みますか」

紬「あ、注いだげる」トクトク
律「ん、じゃムギも。乾杯っと」トクトク


紬「かんぱぁい」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/20(日) 18:51:24.91 ID:+BwMW5RDO
律「んっんっ」グビグビ


紬「(最初は少しだけ…)」チビチビ


律「ぷはぁ、おかわりぃ」

紬「あなた早過ぎじゃない?」

律「酔い醒めちゃったからなぁ、しゃーない」


紬「もう…」トクトク


紬「(これがチューハイかぁ…炭酸ジュースみたい、これなら飲めそう)」


律「ムギ、ビール飲まないのか?夏のビールは格別だぞー」


紬「私はいいわ(苦そうだし…)」


美味しそうにビールを飲む律、いつかビールを美味しいと思える日はくるのだろうか


紬「(ちょっぴりほろ酔い)」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/21(月) 00:37:44.95 ID:GtrEw9t5o
律ムギなら許せる
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/03/21(月) 03:52:05.88 ID:kE7XWaXPo
ここからどうサスペンスになるのだろうか
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/03/21(月) 11:27:12.58 ID:JCI6hjPR0
イチャラブだけをやってほしい
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 11:54:55.70 ID:n6qoVXKDO
しばし夜の静寂の中、お酒を飲みながら2人の談笑が続く。

紬「今日の運動会どうだったぁ?」


律「まー、澪も唯も楽しそうだったよ。まあー、父兄参加の綱引きやリレーもあったし、俺もはしゃぎ過ぎたかも」ケラケラ


紬「しょおなんだぁ〜…うふふっ」


律「おいおい、呂律が回ってませんぜ」


紬「頑張ったパパにはぁ…肩揉みのご褒美で〜す」ニコニコ


律「プッ、頼むわ(やっぱ弱いな…)」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/21(月) 12:20:34.29 ID:GtrEw9t5o
ムギ可愛すぎ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 12:33:01.57 ID:n6qoVXKDO
紬「(固い…)」モミモミ


律「おっ、そこそこ」


紬「(逞しいわぁ…)」ポー


紬「(やっぱり男律っちゃんは違うのね、性格は似ているけど…)」


そんな事を思いながら、マッサージを続ける…。紬は不思議な衝動に駈られる。

紬「(ハグしたい…)」


律「ん、そろそろいいや」

紬「じゃあ…最後にサービスで…」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 12:43:45.59 ID:n6qoVXKDO
>>37-39
超遅筆でごめんね
しばらくはほのぼの&ラブが続きそうな予感

サスペンスは…自分の文才では難しそうwwwwww
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 12:55:22.25 ID:n6qoVXKDO
紬はそう言うと…後ろから…




むぎゅぎゅむぎゅう…


紬「愛情たっぷりのハグなのでした〜」ニコニコ


律「うははっ、やめろぉくすぐったい」


紬「しばらくこのままで…」ムギュギュ…


律「はいはい、5分で1000円になります」


紬「意地悪…」ムギュギュウ…

律「冗談だよ」フフッ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/21(月) 14:32:25.46 ID:GtrEw9t5o
>むぎゅぎゅむぎゅう…

かわいすぎる
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 15:27:06.91 ID:n6qoVXKDO
紬「〜♪」


律「……」ゴクゴク


紬「飲み過ぎよ、あなた」グイ


律「これ最後だから、な」

紬「もう…」


律「ぷはっ…そろそろ俺らも寝るかな」


紬「そうね〜…」


時間は夜の1時。名残惜しくもあるが、2人の時間は終わってしまうようだ。


紬「(ドキドキしたぁ…)」

酒の勢いを借りて、ちょっと大胆になってみた自分。我に帰り急に緊張してきた

紬「(ううん、いいのよ…夫婦なんだから…)」


律「急に雨かよ〜…ほら入った入った」


紬「あっ…はぁい」


リビングに戻ろうとしたその時…!
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/03/21(月) 16:01:16.86 ID:EU4Qg3Xio
このままほのぼのが続きますように
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 16:07:27.50 ID:n6qoVXKDO
紬「きゃんっ」ドタァ


律「千鳥足かい…大丈夫かよ」


紬「あいたたた…うん」


律「………」


紬「?」


律「ムギ…俺も酔っちゃった」


紬「え……んんっ」


キス…誰がなんと言おうとキスである…突然の出来事に紬は硬直してしまう


律「舌出せよ、ムギ」


紬「は…はい…」


言われるがままに舌を出す…そこに律の舌が侵入してくる。お互いの舌が絡み合う音と雨音だけが聞こえる


紬「(とろけそう…)」


唯達の子供のキスとは違う。これが大人のキスというものだろうか
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/21(月) 16:08:39.42 ID:GtrEw9t5o
うむ…!
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 18:02:15.06 ID:n6qoVXKDO
律はキスをしながら紬のパジャマのボタンをはずしていく…そして揉みしだく…!!


紬「やっ…はぁ…はぁ…」

心拍数は上がり呼吸が乱れる、紬の白い肌を紅潮し…まるで白桃のような色を帯びていく


律「ムギ……」


紬「(この流れ…間違いないわ…)」


これが…セ…セセセセ…セッ…!


紬「はぁ…律ちゃん…」チュウ


律「んっ…」チュウ


紬「(そういえば斎藤が言ってたっけ…)」


薄れゆく意識の中、紬は思い出す…
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 18:16:37.41 ID:n6qoVXKDO
それは紬14歳の夏…

〜回想〜

執事・斎藤は庭の掃除をしていた…


斎藤『男は狼なのよ♪気をつけなさい〜♪』


紬『うふふっ、なぁに?その歌』


斎藤『はっ!これはお嬢様…!お恥ずかしいところを…』


紬『いいのよ、それより男の子は狼なの?どういう意味?』


斎藤『そうですなぁ…お嬢様にはまだ早いと思われますので』


紬『もー、まだ子供扱いするの』ムー


斎藤『もうちょっとお歳を召されればわかりますよ』ニコニコ


紬『へぇ…』


斎藤『(気をつけなされお嬢様…!それを乗り越え逞しく成長されるよう…)』


紬『いいわ、楽しみにしておく』


斎藤『左様でございますか。ささ、お嬢様、そろそろ夕食の時間ですな』


紬『はぁい♪』
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 19:10:54.34 ID:Si5QwueDO
斉藤wwwwwwww

夢って感覚あるっけ?
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/21(月) 20:55:02.84 ID:GtrEw9t5o
斉藤が歌ってるの想像したらシュールwwwwwwwwwwww
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 22:23:53.45 ID:n6qoVXKDO
紬「(今の律ちゃんは…狼なのね…斎藤)」


野獣と化した律を目の前に、戸惑いや恐怖をすこし感じる…
しかし、体の奥から沸き上がる快楽に逆らえない


紬「(もう…ダメかも…)」

律「下脱がすぞ」


紬「えっ…!」


律「ほう…今日はピンクか」


紬「ああ…あのっ///」


律「今日のムギはなんだか初々しいな」


紬「そう…?(もう律ちゃんに…全て委ねます…!)」


狼の攻撃は止む気配はなさそうだ…

律の指先が紬の下半身に触れようとした時…!


Pi Pi Pi


紬「(あら…?携帯…)」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 22:52:14.48 ID:n6qoVXKDO
紬「はっ…!」ガバッ


紬「(やっぱり夢よね…いいところだったのに…)」グヌヌ…


この夢が続けば、まだ幸せな気分になれただろう。
目が覚めた後に残る虚無感はなんだろう…


紬「(皆まだかなぁ…寂しくなっちゃった…)」


1時間は過ぎただろうか…軽音部のメンバーはまだ来ない


紬「(皆可愛かったなぁ、律ちゃんはかっこよかった…)」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 23:07:44.11 ID:n6qoVXKDO
律「おーす!」ドガァンガラガラ


唯「あぁ!ムギちゃんいたよ〜」


澪「ムギ、心配したんだぞ」


梓「何かあったですか?」

紬「みんな…!」キラキラ


律「ムギー、どこでサボってたんだー?んー?」


紬「え…授業終わったから普通に部室で待ってたんだけど…」


澪「そうだったのか、今日は6時間目まであったんだぞ」


唯「ムギちゃん…寂しかったでしょ?よしよし」ムギムギュギュウ


紬「あらあら唯ちゃん(こんなに大きくなって…)」ジーン
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 23:30:29.18 ID:n6qoVXKDO
唯「あずにゃんもおいで。ムギちゃん慰めてあげよう」チョイチョイ


梓「ふぇっ!?わかりましたよ…ムギ先輩のためですからね」ムギュギュウ


唯「あずにゃん今日は素直だねー」ニコニコ


紬「(澪ちゃん、梓ちゃんもすっかり高校生ね)」ジーン


紬「(律ちゃんは狼からいつもの律ちゃんに)」クスッ


律「あー、お楽しみ中悪いが、紬君には罰としてお茶を入れてもらおうか」ゴホン

澪「何言ってんだ。いつものことだろう」


紬「はぁい、ちょっと待っててね」タタタ


紬「(皆がすぐに来てくれてよかった、もう寂しくない…)」


紬「いつか、今日の夢の続きが見れますように…」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/21(月) 23:34:58.92 ID:n6qoVXKDO
取り敢えず一段落
斎藤の回想シーンは本当に必要だったのかどうか今もわからない
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/22(火) 00:18:31.80 ID:HbqanmKOo

途中で目が覚めてしまったのはちょっと惜しい気がしたww

>斎藤の回想シーン
個人的には笑わせてもらったので好きだ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/22(火) 22:12:05.37 ID:qk3mKUjDO
次は律ちゃんの夢だよ!
律ちゃん編は夢オチ要らないような気がしないでもないけど、スレタイがあれなんで…はい…すいませんでした
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 22:44:47.72 ID:qk3mKUjDO
〜律部屋〜


律「律っちゃんはね、律て言うんだ本当はよ♪」


律「なんちって」プッ


律「(眠・れ・な・い・よ〜っと)」ポチポチ


時刻は深夜0時過ぎ、なかなか寝付けない。
こんな時は寝れるまで親友に付き合ってもらおうかとメールを打つ


律「(さすがにもう寝ちゃったよな…)」


寝てるのを起こしてしまうのは悪いと思って、送信はしないまま携帯を閉じる。


律「(羊が1匹…羊が2匹…羊が3匹…)」


まだまだ眠れそうもないな…と駄目元で羊を数えてみる。お前は子供か田井中律…!


律「(羊が24匹…羊が…羊は……)」スースー


律は心地好い眠りについた
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/22(火) 22:55:01.43 ID:9vrWJC9DO
律ww
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/03/22(火) 22:58:36.72 ID:XFfzdg2AO
夢オチとはいっても、これは素晴らしい構図

いいぞもっとやれ
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 23:05:08.85 ID:qk3mKUjDO
日は昇り、部屋に朝日が差し込む


律「(う〜…眩しっ)」


眠るのが遅かったせいか少し体が怠い。


律「さてっ…んっ〜〜…!」


思いっきり屈伸をした後、通学の準備をする。
鏡の前でブラッシング…!カチューシャを付ける…!

律「よしっと!ん、電話か」


律「(こんな朝早くか…澪だな)」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 23:28:01.89 ID:qk3mKUjDO
律「はいはーい、澪しゃん」


澪『ゴホッ…ゴホッ…あぁ、律…』


律「おいおい、大丈夫か?」


澪『ゴホッ…あぁ…律…あのさ』


律「ん?なになに」


澪『今日、学級閉鎖で…休みだってさ、インフルエンザが流行っててさ』


律「なにぃ…」


澪『私もなっちゃったみたい…ゴホッ…唯もムギもなったって』


律「なんだよー、休みなら皆で遊びに行けたのにさ」ブー


澪『自宅学習になってるから…ゴホッゴホッ…律は勉強しろよ』


律「わかったわかった、それより律ちゃんは澪しゃんの体が心配だなっ」


澪『ありがと…』


律「お大事にな、ゆっくり休みな」


澪『うん…それじゃあ』プチッ


律「(さてさて…どこで遊ぼうかな)」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/24(木) 12:25:53.77 ID:rI6zU84DO
律「(よりによって皆インフルか…梓は学校だろうし)」


親友の忠告なぞそっちのけで今日の予定を考える律。

律「(1人で時間つぶせるとこ…むむむ…)」


律「ゲーセンだな」


平日に学校が休みになって遊ぶことになるとお得感が2倍だ
皆さんもそんな経験ありませんか?


律「〜♪」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:06:44.67 ID:hGXRTc/DO
律は自転車を走らせる、胸に秘めた思いを載せて

今日は1人だ。
唯達と行くような、プリクラがたくさんあるような小洒落たゲームセンターNo Thank you!


律「相変わらずだなここも…」


着いたのは廃れたゲームセンター、看板は今にも消えそうな弱々しい光を放っている。
おそらく学校では私しか知らない穴場だ


律「(どれどれ、新しいゲーム入ってるかなー)」


ドアを開けると、煙草の臭いに思わず顔をしかめる。真っ暗な空間
まるでゲームの液晶画面が照明の代わりのようだ


光男「おう、ここは女の来るとこじゃ…」


律「久しぶり、みっちゃん」


光男「おめぇ、律坊か…!!久しぶりじゃねぇか」


律「当たり!」


光男「ちったぁ女らしくなったじゃねぇか」ニヤニヤ


律「ずっと女の子なんですけどー…まぁいいや、瓶コーラおくれ」


光男「待ってな」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:25:09.77 ID:hGXRTc/DO
カウンターに控えしは、店主・田中光男(63)。
律が中学の時からの知り合いだ。中学の時は頻繁に来ていたが、高校で部活が始まってからは全然来れないでいた


光男「ほらよ、おめぇ学校はどした?サボりか」ケラケラ

律「違うし、インフルエンザが流行ってさぁ、休みだって」


光男「ふーん、そういや馬鹿は風邪ひかないっていうな」


律「るせー、ほい代金」


光男「あーいらんいらん、それより久しぶりに店の売上に貢献しやがれ」


律「マジか!はいはいわかりましたよー」


憎まれ口を叩きながらも女には甘い光男であった
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/03/25(金) 21:36:35.08 ID:xzr3xZzN0
みつおたんかわいい
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:40:43.94 ID:hGXRTc/DO
律「まずは格ゲーかな」


椅子に着くとまずは一口
キンキンに冷えたコーラが喉を潤す。


律「(懐かしいな…)」ゴキュ

瓶コーラも今では希少なもので、地元で飲めるのはこのゲームセンターぐらいだ。懐かしさも加わりその味は格別であるの


律「さて…やるかぁ!」


袖を捲れば戦闘準備は万端だ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:45:02.14 ID:hGXRTc/DO
ちょっとお風呂

>>69
光男たん可愛いよね!
叔父の名前借りました
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 23:23:28.99 ID:hGXRTc/DO
しばし、ゲームに没頭する律…


律「おっ、乱入かぁ。負けないぞー」


律のゲームの腕は中々のもので、ブランクがあるとはいえ、そこら辺の相手には負けたことはない


律「とどめっ…よしっ」


難無く乱入者を返り討ちにする律。
対人戦の興奮は格ゲーの醍醐味であろう。
チーム編成、攻撃的、守備的な戦い方など十人十色であるからだ。


DQN1「だぁーっ!お前何やってんだYO!」


DQN2「うっわぁ、マジヤっベェ」


律「(楽しそうだ…)」ニヨニヨ

隣の二人組は大声で話しながら、ゲームをプレイしている。


律「(誰か誘えばよかったな…)」ゴキュゴキュ


隣が騒がしいとちょっぴり寂しい。
ワイワイやるのが好きな律だが、今は黙々とCPUを片付けていく。


律が瞬獄殺を決めた時…
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/03/26(土) 02:33:33.95 ID:AL0Bzl2L0
みつおたんハァハァ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 03:01:42.68 ID:G6SwzcjTo
こういう流れもいいね
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 08:59:57.02 ID:2jDN7igDO
ふむふむ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 14:37:36.12 ID:/Y69BC5DO
店の扉が開かれた


光男「おう…っと、嬢ちゃんここは初めてか?ここは男だけの戦場だ、けぇりな」


?「……ゲームセンターに国境はないはずだけど…」

光男「国境?ガハハ、冗談がうまいな」


?「しかも、あたし…男だし…」


光男「あんまり大人をからかうもんじゃねぇぞ、まぁ、いいや入りな」


?「ありがと…」


光男「ほれ、こいつは餞別だ」


そう言うと瓶コーラを渡す光男、やはり女には甘い光男、それでいいのか光男
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 15:03:20.58 ID:/Y69BC5DO
DQN1「おい、見ろよ女が来たぜ」


DQN2「ヒュー…すげぇ可愛いじゃん」


律「(まーたこいつらは…)」


律「(女が来ただぁ?ここは男だけの戦場だぜ?どれどれ…)」


どんな奴が来たのか、振り返り出口付近を見てみる…

律「え…!あれって…」


律は自分の目を疑う、もう一度目を凝らして見てみる…間違いない


律「いちごじゃないか…!」シェー


思わぬ来訪者の正体は律のクラスメイツ、若王子いちごであった。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/26(土) 20:22:51.74 ID:/Y69BC5DO
律「(意外だ、いちごもこんな所にくるんだ…)」


驚きを隠せない田井中律18歳…
おそらく、クラスで一番ゲーセンには縁がないだろうと思われた若王子が目の前にいるのだ。


いちご「……」キョロキョロ


いちごが向かったのは、太鼓の○人。周りを目を伺うように辺りを見回している

律「(キョロキョロしてる、可愛い)」プークスクス


いちご「……」ゴソゴソ


いちごは鞄から取り出したものは、MYバチであった

律「ブホォ」


思わず口に含んでいたコーラを噴き出してしまった、周りの視線が痛い


律「(相当、やりこんでるのか…)」


どのぐらいの腕だろうか拝見してみようかと、後ろから様子を伺うことにした
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 20:24:00.70 ID:M/BqaukKo
マイバチだと……!!
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)[sage]:2011/03/26(土) 21:04:02.52 ID:+T8ZYy/so
ゲーセンにマイバチ持ってきちゃう勘違い君キモいです^^;
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)2011/03/26(土) 21:12:52.62 ID:FBioS6Px0
>?「しかも、あたし…男だし…」
冗談きついぜおい


冗談だよな?
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 07:10:36.96 ID:mPT3F8eDO
>>81

冗談だよ!
光男が「からかうんじゃねぇぞ」って言ってるし
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 07:33:20.66 ID:mPT3F8eDO
いちごは深呼吸する…
いつも感情を表に出さない彼女であるが、この時の彼女はこの…そう…キリッとしたような面持ちだ


レベルを選べドン!
ここで、いちごは選んだレベルは「おに」


律「(おにかよ…!)」


レベル「おに」
太鼓の○人では限られた者しか辿り着けない境地


曲を選ぶドン!


いちご「(Sweet bitter beautuy songにしよ…)」


選曲が終わりいよいよ若王子いちごの腕前が披露される…
律は固唾を呑んでこれを見守る


律「(どれどれ…)」


それじゃあ…始めるドン!

光男「(どれどれ…)」


店主も気になっているようで、煙草を吸いながらカウンターからこちらを伺う
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/03/27(日) 08:24:06.06 ID:iAN0SDpJo
まぁ、律の夢の中だし本当に男でもいいんだけどなww
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/29(火) 01:12:25.67 ID:oY6jxchDO
イントロが流れる
Aメロが始まろうかという所で、画面上に流れる赤と青の○の羅列を見て驚愕する律…!


律「(隙間が…ない…)」


やれるのか…若王子…!!律の不安は募るばかりであった…しかし、その不安は次の瞬間に打ち砕かれる


いちごは、とても人間業とは思えないスピードで太鼓を叩き始めた。


いちご「……」ポコポンポコポンドンチャッドンチャ


ぬわー!すげードン!!
画面上の太鼓のキャラクターの阿鼻叫喚
スコアは伸び続ける


律「すごいよぅ…」


曲は最後のサビに差し掛かかろうという所、時間にしておよそ3分弱だろうか。とても短く感じられた。


律「へへっ…ワクワクしてきた…!」


いちごの神業を目の当たりにして沸き上がる高翌揚。ドラマーの血が騒ぐのだろう


そして曲は終わった。

おま…すげードン!ハイスコアだぜドン!
いちごはなんなく店のハイスコアを更新。


ランキング画面のトップに「Wおうじ」が君臨した
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/29(火) 01:13:47.34 ID:oY6jxchDO
>>84
世界中のいちごファンを敵に廻せと言うのか…!wwwwww
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 22:20:28.29 ID:oY6jxchDO
私だ…
今までチマチマと投下してきましたが、今度からは書き溜めてから投下することになりました。

此処だけの話、ネタ切れ気味
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sage]:2011/03/30(水) 22:25:40.36 ID:nhe2E4kW0
見てるよ
とりあえずマイペースで続ければいいんでない
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/01(金) 07:21:10.46 ID:KImduJcDO
律「なるほど、若王子で…Wおうじって訳ね…」ザッ

いちご「…!」ハッ


律「せっかくランキングのトップになったみたいだが…残念ながらそのランキングはすぐに更新されることになる」


いちご「今日は自宅学習のはずだけど?」


律「あたしの辞書に勉強という文字はないのさ、つーかお前が言うな」


いちご「そう…じゃあ、一緒にやってみる?」


律「ああ、勝負だいちご」

いちご「いいけど…」


いちごの腕前を見て、沸き上がる興奮を抑え切れずにはいれなかった。

不思議と恐怖はない。
律は、この強大な敵「Wおうじ」を倒すことだけを考えていた。


律「(見てろよ…そのポーカーフェイスを苦悶の表情に変えてやる!)」


いちご「準備はいい?」


律「よっしゃ、いいぞ」


カウンターから一部始終を見ていた老父。


光男「こいつぁ…おもしれぇことになってきやがった」


これから始まる戦闘に興味津々だ。
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/01(金) 07:21:58.77 ID:KImduJcDO
律はゲームは様々なジャンルを経験済ではあるが…主に格闘ゲームをプレイする律が絶対的不利なのは明白であった。


律「(太鼓の○人は久々だなー、部活帰りにちょっと触ったぐらいか)」


いちご「じゃ…曲決めて」

律「よーし…じゃあ、ふわふわ時間で!」


レベルは勿論「おに」で、無謀なる挑戦者が王者に挑む。


それじゃあ…始めるドン!


戦いの火蓋は切って落とされた…!!
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/01(金) 07:22:58.69 ID:KImduJcDO
イントロが流れる…


律「(大丈夫だ…ドラムを叩いてるイメージで…)」

いちご「(田井中さんは軽音楽部だよね…一応、用心しとこ…)」


君を見てるといつもハートドキドキ♪


律「……」ダンダンポコポコ


いちご「……」スッポコポンポン


律「(なんだ、いけるじゃん)」タカタカダンダン


いちご「(流石、ドラム経験者…けど、お楽しみはこれから)」ドンチャスッポンポン



律「(サビの部分が勝負だ!)」


あーあ、神様お願い2人だーけーの♪


いちご「……」ダダダダピヨピヨ


律「くっ…!」ダンダン


いちごは、怒涛の如く押し寄せる画面上の○を、コンピューターのように正確に画面上のアイコンを次々と打ち消していく
対する律は…



律「(ダメだ…!ついていけない…!)」



律を置き去りにするように音楽は流れ続ける


ふわふわ時間♪ふわふわ時間♪


いちご「ふぅ…」ホッ


律「(これが…LEVEL鬼か…)」



自信たっぷりにいちごに挑んだ律であったが、完敗であった。


勝てなくとも、もっと健闘するはずだった…だがそれは過信でしかなかった
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/01(金) 12:44:56.76 ID:KImduJcDO
律「ちくしょう…」チラッ


いちご「……」フッ


律「(ちょっと笑った!?)」


律「ぐぬぬ…いちご!も一回勝負だ!」


いちご「いいけど…」


ここまで馬鹿にされて引き下がるわけにはいかない。王者の微笑が律に火をつけた。


律「(見てろよ…澪、唯、むぎゅ、梓…)」


もはやあるのはドラマーとしてのプライドと、軽音楽部部長としての責任



光男「(律坊に火をつけちまったか…こうなったら少々手強いぜ、おさげの嬢ちゃん)」フーッ



観戦していた光男は煙草を吹かしながら戦況を分析する。初戦は差は歴然であったが



光男「下手したら…」



光男「食われるぜ?」キリッ



学生「おっちゃんジュース頂戴」


光男「あ、はい」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/01(金) 16:16:02.45 ID:ly3HT00iP
むぎゅだけおかしいよwwwwwwww
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/04/01(金) 22:57:17.14 ID:xLoImWcA0
光男たんが可愛い
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/05(火) 18:29:05.68 ID:dwqZIXuDO
律「(頑張れりっちゃん、負けるなりっちゃん)」ブツブツ



いちご「(なんか言ってる…)」



いちご「準備OK?」



律「よっしゃ、OK!」



2回戦の幕があける…



律「(最初らへんは大丈夫なんだが…問題はサビだ…)」ダンダンポコポコ



いちご「(さすがドラム経験者だけあって…なかなかのセンス…)」 ピョンピョンピョンピョン



イントロやAメロは律が若干のミスをするものの、ほぼ互角といったところだろう



律「くる…!」ダダダダピヨピヨ



いちご「……♪」コロコロコロコロ


律が警戒していたサビのパート
しかし、頭で思っていても体はついていかない。またしても、サビで差をつけられてしまう



Wおうじの勝ちだドン!
太鼓のキャラクターが勝者の名を宣言する



律「ぬぬぬぃぃ…」



いちご「……」フッ



またしても嘲笑うかのように微笑む王者
いかにも、余裕しゃくしゃくといった表情



律「むむむー…!いちごもう1回お願い!」



いちご「うん、いいよ」



光男「(ふふふ、流石に1回や2回で勝てるわきゃあるめぇな、おさげの嬢ちゃんも相当な腕と見える)」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/05(火) 18:29:45.69 ID:dwqZIXuDO
その後も律はいちごに挑み続けた、そしたら2時間過ぎてた。



律「また負けた…」ゼェゼェ


いちご「(なんという執念…)」フゥフゥ



実に29戦29敗
流石にお互い疲れを隠せない。2人の額には汗が滲む


律「ちょっとハーフタイムだ」ヒュウヒュウ



いちご「ええ」ハッハッ



律「(いつの間にかギャラリーがこんなに…)」



すっかり勝負に没頭していた律はギャラリーに気づかなかった。



いちご「(末恐ろしい存在だわ…Rithu Tainaka…)」


いちごの余裕な表情は真剣そのもの、前半の余裕は微塵も感じられない。
1戦終えるごとに律はスコアを着々と伸ばし続けた。
結果はいちごが勝利してきたが、もはや戦いはほぼ互角といっていいだろう。



いちご「(たった2時間でここまで進化するとはね…)」フゥフゥ



いちごはハンカチで汗を拭きながら、体力の回復に勤めた
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/05(火) 18:30:27.02 ID:dwqZIXuDO
一方、その頃律は…



律「あーんもう!」ドガンガラガラ



29連敗という記録的連敗という屈辱。
後一歩というところまで来ても勝てない焦燥。
そして財布がやばい。



律「(ゲームオーバーなのか…)」



半ば諦めの表情に変わってきた律



光男「おう律坊、見事な負けっぷりだな」ニヤニヤ



律「うるしゃい」ハァハァ



光男「見ろよ、ギャラリーがあんなに集まってきやがった」



律「ああ…さっきまで気づかなかったよ」



光男「もうギブアップか?」


律「うーむ…まだまだやりたいのは山々なんだけど、財布もやばくてさ…」



それを聞いた光男は煙草に火をつけ、口を開く…




光男「一つ昔話をしようか…お前さんが中坊の時のな」



律「あ?」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/05(火) 19:36:07.91 ID:dwqZIXuDO
光男「この店で格ゲーの大会があったの覚えてっか?」



律「あー…2回戦で負けたけどな」



光男「それだ、お前さんが1回戦で負かした奴はここら辺じゃ有名なゲーマーだったんだぜ」



律「そうなのか!?ふぇー知らなかった」



光男「勿論、その大会でも優勝候補だった。お前さんとやり合ってた時はギャラリーがわんさといたもんだ」



律「ふーん、けど、それがどうしたんだよ」



光男「わからねぇか?今の状況があん時に似てるってことさ」



律「ぽ?」



光男「目立ちたがりのおめぇのことだ、ゾクゾクするだろ」



律「……!」ハッ



光男「オラ行ってこい、いい加減に勝ってきやがれ」


律「……うん!ありがとう、みっちゃん!」



光男の言葉で何かを悟った律、疲弊しきった表情が清々しい笑顔に変わった。


その顔を見て光男は親指を立てた。グッb←こんな感じの


光男「(察しがよくなったな…少しは勉強したか)」ニヤリ
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/06(水) 00:23:57.67 ID:kZXoFmeDO
律「(目立ちたがりね…)」クスッ



学祭のライブでもそうだった。普段の練習以上に、沢山の人の前で演奏する時は調子がいい。



律「(今はライブ、このギャラリーは観客だな)」



自分に言い聞かせ、律は戦場に向かう。
太鼓を叩く腕はすでに限界を超えていた。しかし、この独特の集中がそれすらも忘れさせる。



いちご「休憩は終わりね…」


律「ああ…うふふっ」



いちご「!?」



不敵な笑みを浮かべた律を見て、いちごは驚きを隠せない。29連敗し、2時間の激闘を終えて、精神、肉体的にも追い詰められた状況で…



いちご「(開き直り…かな?)」



律「ああそうだ…いちご」ズビシッ



そう言うと律は、いちごの目の前で人差し指を立てた。



律「これがラストバトルな」



いちご「そう…」



王者いちごは感じとっていた、律の変化を。
この表情から初めて恐怖を覚え、一瞬、敗北という文字が脳裏をよぎる…



いちご「(いや、私は負けない…絶対に)」プイプイ



流石、王者である。
首を横にプイプイと振って、不安を一掃する。



いちご「(次が節目の30戦目…いいわ、潰してあ・げ・る)」



そして、ファイナルバトルの幕が開ける…!!
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/06(水) 00:45:39.50 ID:kZXoFmeDO
光男「(律坊の奴…敢えて自分を追い込んだか…)」



光男「(大会の時もそうだ、2タテくらった後…3タテ連取で逆転勝ちしやがったんだ)」



今のシチュエーションが限りなくあの時と酷似している。
大舞台、逆境
この2つが律の力が最大限に発揮できる要素なのだ。


光男「(こりゃあ…ひょっとして、ひょっとするかもな…)」



これから始まる最終決戦に思わず武者震いが起きる。


律「よし準備OK!」



いちご「こっちも…OK」


決戦に選んだ曲は「Listen!!」某アニメのEDである。
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/06(水) 18:38:11.22 ID:kZXoFmeDO
ギャラリーの喧騒を余所に2人の戦いは始まる



律「……」ダダダダダポンポコ



いちご「(流石に…イントロとAメロではミスはしないか…)」テケテケテケテケ



序盤は2人共ノーミスで切り抜ける。



いちご「やはり勝負は中盤から終盤…!」



2時間に及ぶ激闘で、いちごは周知していた。
とうに2人の腕は激痛で悲鳴をあげていた。握力が段々と弱まってくる。



律「(くっ…いてぇ…)」ズキズキ



いちご「(痛い…よぉ…)」ウルウル



しかし、決してバチは離さない。バチを離すぐらいなら2人は死を選ぶだろう



律「流石だな、いちご」フゥフゥ



いちご「次はサビね…ついてこれる?」ハァフゥ



律「なめんなぁ!」



ウィルシング?歌うよー感じるそのまま♪どんなに小さくても世界で1つの歌♪
画面上に○の嵐が吹き荒れる…!
お互いが雌雄を決さんと最後の力を振り絞る。



いちご「え…!」ダダダダダ



律「(まだまだ…!)」タカタカタカダダダダ



いちごは驚愕する。ついさっきまで最大の弱点だったサビを律は克服。
ギャラリーからどよめきが起きる。



いちご「(なに…なにが起きたの…?)」



律「(へへっ…盛り上がってるな)」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/06(水) 19:10:17.69 ID:kZXoFmeDO
ギャラリーと連動するように律のテンションも上がっていく。



いちご「(この状況で…なんて楽しそうな顔なの…)」スッポコポンポン



律「それそれっ」ポンポンポン



光男「(あれだ、あの表情だ…。覚醒しやがったな…!!)」ゴクリ



曲はサビから間奏に入り。いよいよ勝負は終盤に差し掛かる。



いちご「(負けたくない…絶対に…!)」スッポコポンポン


律「(勝つんだ…!)」スッポコポンポン



最早そこにあるのは、憎しみでも殺意でもない…あるのはプライドのみ

ウィルシング?歌うよー感じるそのまま♪


曲は最後のサビ。
ここまでお互いノーミスで切り抜けてきた。



いちご「(ここまで追い込まれたのは初めてよ…田井中さん…)」ホッ



いちごは敗北はないと確信した。
引き分けであろうと思われた次の瞬間…!





律「まだだ!」



いちご「!!」



リッースン♪
澪が最後の歌詞を言い終えた。その後に、連打が待っていた



律「うおりゃあぁぁ」ダダダダダ



いちご「あっ…」ビクン
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sage]:2011/04/06(水) 22:35:34.39 ID:QW/9LhOX0
まさかのクリムゾンか?
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 02:29:00.88 ID:JR1sGcTio
シリアスなシーンなのにスッポコポンポンで吹いた
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/07(木) 09:17:58.02 ID:YS53vIaDO
律「よっしゃあぁぁ!」



律は雄叫びをあげた。
ハーフタイムを挟み、実に3時間に及ぶ激闘は終わった。



2Pの勝ちだドン!
すげードン!ハイスコア更新だドン!



ギャラリーから歓声があがる。なかには嗚咽を漏らすものまで…



律「(ありがとう…みっちゃん…)」



勝利への助言をくれた光男を見遣る。



光男「……」ニヤリ



光男は煙草を吹かしながら親指を立てる。
「よくやった」と言わんばかりにほくそ笑む



いちご「そんな…私が…負けた…」



王者は放心状態であった。戦績だけ見ればいちごの圧勝であるが、まさか自分のハイスコアを更新されるとは夢にも思わなかった。



律「なぁ…いちご…」



その表情を見て律は心配そうに声をかける。



いちご「うぇっ……」ジワッ


いちごが顔を紅潮させ、涙が頬を伝わる。



律「うっ…おーい、いちごさん?」ギョッ



いちご「ごめんッッ…帰るね…!」ダッ



律「おい…!いちご…!」ダッ



いちごは店から出ていってしまった。
ほっとけるはずはない、すぐに律は追い掛ける。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/07(木) 18:03:01.54 ID:YS53vIaDO
いちごは店を出て細い路地裏を駆けていく。
悲しみを風が忘れ去ってくれるかもしれない、そんな淡い期待を胸に駆けていく。



いちご「うっ…うぇ…」ポロポロ



しかし、涙は止まらない。負けるはずはなかった。負けてはならなかった。
今まで戦ってきた数多くの強敵達に申し訳が立たない。
まったくの素人に負けた挙げ句、ハイスコアを更新されるという屈辱的敗北。
いちごの心は張り裂けんばかりであった。



律「いちごーーーー!」



いちご「……!」ハッ



後ろから律が駆け寄ってくれる。
律から逃れようと再び走りだすいちご。しかし



いちご「あんっ…」ドシャア



律「おいっ…!大丈夫か?」ハァハァ



いちご「何か用?」ツーン



律「いや…お前が泣いてたからさ…」



いちご「別に…泣いてないよ?」



律「そうかって…嘘つけぇ!」



こんな状況でも強がるいちごに思わず苦笑してしまう。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/07(木) 18:32:54.35 ID:YS53vIaDO
いちご「敗者に言葉はかけないで…全部、同情みたいになっちゃうから」



律「同情なんかじゃないよ…。ただお礼を言いたくてさ」



いちご「お礼…?」



何を言ってるのだろう…いちごは小首を傾げる。
先程まで死闘を繰り広げた相手にお礼などないはずだ。



律「いちごと戦った30回戦さ…すっげぇ楽しかった!」



いちご「え…」



律「思わず学祭のライブぐらい興奮してさぁ…、それもこれも、いちごのすっごい上手かったからさ」



いちご「(そんな嬉しそう顔しないで…)」



いちごの感情には悔しさや憎しみしかなかった。
しかし、律には一切そんな感情はなく、相手を敬い感謝していた。



いちご「うっ…えっ…」ポロポロ



自分が恥ずかしい。
涙が再びこぼれる。
まさか感謝されるとは思わなかったから…



律「おぉぃ…泣くなって」


ポケットからハンカチを取り出し、頭を撫でながら涙を拭いてやる。



律「(いちごがこんな感情を出すなんて…)」



いちご「すん…すん…」グスッ



いちごが泣き止んだのを見て、律は手を差し出す。



律「いい勝負だった。ありがとうな、いちご」



いちご「こちらこそ…ありがとう…」ギュッ



固く結ばれた2人の手。
2人の間に好敵手(ライバル)という名の絆が生まれた。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/04/07(木) 19:27:46.88 ID:0PzQexI6o
良い話だな
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/04/07(木) 22:08:58.54 ID:YwuzUCmAO
遊戯王が思い浮かんだ。
GXの方
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/13(水) 00:01:27.75 ID:1hMNgIiDO
いちご「そうだ…」


いちごは鞄からメモ帳を取り出し、何かを書いている。


いちご「はい、これ」サッ


律「ん、いちごの携帯の?」


メモ翌用紙に書かれたのは、携帯番号とメールアドレス。


いちご「また一緒にゲームできたらなって思って…」

少し視線を逸らしている、照れているのだろうか。
彼女なりにはかなり踏み切った行動だったのだろう。

律「オッケー、まだまだ29敗負け越してるからな。こっちからお願いしたいぐらい」


いちご「そうだね」ニコッ


普段は無愛想で大人しい彼女が見せた満面の笑み


律「いちごっちゃん…」


いちご「え?」


律「いや…いちごの笑った顔可愛いなって」


いちご「たっ…田井中さん、おだてるの上手だね」


律「おやぁ、もしかして照れてる?」プニ


いちご「違うもん…」


口では否定するも顔に出てしまっている。その照れた顔を見るといじらしくて…もうね…


律「ふふっ、このあとどうする?」


いちご「あっ…ごめん、今日はこれから塾なんだ」


律「そっかぁ、残念だなぁ…まぁ、あたしがゲームに長い間付き合わせちゃったし」


いちご「ううん、いいの…また今度遊ぼうね」


律「うん、じゃあ後でメールするな」


いちご「うん…それじゃあ」バイバイ


律「またなー」バイバイ


いちごの後ろ姿が見えなくなるまで見送ろう。
名残惜しいけど、連絡先はゲットしたし


律「さてさて…あたしも帰るか」


いちごを見送った後、ゲームセンターに自転車を取りに走ってきた道を戻る律。その先に見据えるものは何なのか…それは誰にもわからない。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/13(水) 00:02:14.56 ID:1hMNgIiDO
〜ゲームセンター〜



律「ただいま」



光男「おう、新王者のお出ましか」



律「なんだよー、それ」



光男「見ろ、お前らが行った後、あんなに集まっているわ」



律「へぇ…」



太鼓の○人のスペースでは2人の戦いに触発されてか沢山の人だかり。
元々は格闘ゲームが人気なこの店では珍しい光景だ。


光男「まぁ…お前らの記録はそうそう抜かれることはあるめぇ」



律「あのさ…みっちゃん」


光男「あ?」



律「ありがとう、みっちゃんが助言してくれたから…」



光男「ガハハ、今日は売上に貢献したからそのお礼だ」



律「ふふっ、そうだな」



光男「その力を勉強に活かせば頭もよくなりそうなもんだがなぁ」ニヤニヤ



律「うっせー」



久々に来たが、中学の時と変わらずに接してくれる光男。
そこには確かな師弟関係?があった。



律「それじゃあ今日は帰るわ、また来るよ」



光男「おう、気ぃつけてな」



みっちゃんに見送られ、りっちゃんは戦場を後にする…。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/13(水) 00:02:52.01 ID:1hMNgIiDO
律「ふぅ…」



帰り道、律は力無く自転車を漕いでいく。

坂道を登っている様なスピードで、ゆっくりと漕いでいく。



律「(この脱力感…なんだろ…)」



激闘の疲労のせいだろうか、否…!



律「(もっといちごと話したかったな…)」



あのあとできれば、お洒落なティータイムに洒落込み、2人で激闘を振り返り語り合いたかった。



律「メールしよっと」



自転車から降りると、いちごから貰ったメモ翌用紙を取り出し、アドレス帳に登録する。


「いちご」


なんとも可愛らしい名前だろう…。アドレス帳の名前を見てそんなことを思っていた。



律「今日はお疲れっと…」ポチポチ



律「泣き虫いちごっちゃん(笑)…よし…!」



送信が完了し、携帯を閉じる。
いちごは、おそらくまだ塾で勉強をしているだろうが返事が待ち遠しい。


律は再び自転車を漕ぎ始める。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 01:47:53.74 ID:6NKsI2yIo
なんかこれが夢オチってのは勿体無い気がしてきたww
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 10:50:53.83 ID:Ud9bEa9Co
こういう夢を見る律が可愛いからおk
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/14(木) 00:02:16.19 ID:3GElPx+DO
ギラギラと照り付ける太陽。
家に着いた時には日は沈みかけていたが、まだまだ気温は下がりそうにない。



律「ふぃー…あっちあっちぃ」



こんな時は…シャワーでも浴びて、その後にカルピスを1杯ね♪

そうすると、玄関口で脱ぎ始めた。
あらわになる10代の裸体。

ブラを外すと、控えめではあるが、撓わに実った二つの果実。

そしてパンティーを脱ぐと…………………



律「〜♪」



開放的な気分になり口笛を吹きながら、風呂場へむぎゅむぎゅう。


シャワーのつまみを思いっ切り捻ると、お湯が汗を洗い流してくれる。



律「ふぅっ、ありがと」



お湯に感謝しながら、頭をシャンプーで洗う。
リンス?そんなものはNo Thank you!!

頭を洗い終わった後は、ボディソープでスポンジを泡立てる。

大雑把なイメージな律だが、体を労るように体をスポンジで擦る。



律「サッパリサッパリ♪」


シャワーで泡を洗い流したらそこはもうパラダイス。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/14(木) 00:04:00.21 ID:3GElPx+DO
ごめん、ふざけすぎました。

次からは真面目にいきます。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sage]:2011/04/14(木) 07:33:44.04 ID:dsCnNGhP0
>撓わに実った二つの果実
ダウト
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/04/14(木) 22:15:50.40 ID:ErFjcRNLo
この律いちごも良かったが
やはり俺は最初の軽音部ファミリーをもっと見たいな
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/15(金) 06:14:48.36 ID:UUyQEJc3o
>>117
夢の中くらいは・・・・ww
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/16(土) 11:26:02.38 ID:ShQvmhUDO
>>118
おk
考えてみる
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/04/17(日) 01:43:49.15 ID:S+hpEquao
wktk
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/17(日) 22:28:25.37 ID:16Iaf5DDO
シャワーから上がって、携帯を確認してみる。


画面には、新着メール1件。



律「おっ、きたきた〜」



待ちに待った泣き虫いちごっちゃんからの返事だ。

なぜだろう。メールが来ただけなのに、思わず頬が緩んでしまう。



「今日は楽しかったよ。今度は一緒に行こ(ハァト田井中さん上手だけど、次は負けないよ」



律「ハァト…」キュルルン…



この胸の高鳴り…。私はいちごに惹かれているのだろうか。

最初は絡みづらい存在であったはずなのに、たった数時間遊んだだけなのに、
いちごの泣き顔、笑顔を見てから律の中で何かが変わっていく。



律「もっともっと…仲良くなりたいな…」ポチポチ



そんなことを呟きながらメールの返事を打つ。
明日まで辛抱しよう…明日まで待てば、いちごに会える。



「そうだなー。あと、田井中さんは他人行儀だからやめよ(ハァト りっちゃんて呼んでもよろしくてよ?」



まずは呼び名から変えてもらおう。「田井中さん」はよそよそしい感じがするから



律「送信っと…ふぁ…」ピッ



眠気に襲われ、目を擦りながらも返事が待ち遠しい。


律「眠…」ウツラウツラ



律「スー…スー…」



夢の中でも寝ちゃった…


律が眠りにつき始めた数分後…携帯は鳴る。



「りっちゃんね、恥ずかしいけど頑張るゆ」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/17(日) 22:34:54.57 ID:16Iaf5DDO
全然投下できなくてすいませぬ。
とりあえずキリが悪いので律編が終わったら、むぎゅのおまけみたいな感じで書こうと思います。
正直、律編がこんなに長引くとは思わんかた。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/17(日) 23:52:26.67 ID:16Iaf5DDO
夢の中で眠りについた律は、夢の中で夢を見たそうな…




いちご『りっちゃん…』



律『ん?』



いちご『しゅき…』



律『なんだって…噛んでるぞ…』



いちご『好き…好き…』



律『いちご。まー…落ち着け』



いちご『私のこと嫌い…?』



律『いやっ…そんなんじゃないけどさー…。あたし達女の子同士だよ?』



いちご『嫌いなんだ…』ジワッ



律『ちょっと…泣くなよー…』



いちご『だって…だって…』ジワワッ



律『う…』



いちごの涙に動揺してしまう律。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/17(日) 23:53:22.47 ID:16Iaf5DDO
律『えぇい…もうっ…』



いちご『あっ…』



むぎゅぎゅむぎゅう…



そうっと抱き寄せる。
泣き止んでほしくて、とっさに考えた打開策。

思いは通じたのか、いちごはぴたりと泣き止んだ。



いちご『キス…』ボソッ



消え入りそうな声でいちごは言った。
至近距離で目を閉じキスをせがむ。



律『(これは…キ…キキキ…)』



いちごのおねだりに逆らえる気がしない。
この申し出を断ったらまた泣いてしまうだろう。それは御免だ。
律は観念し、いちごの肩を掴むと



律『じゃ…じゃあ…行くぞ…』



いちご『ん…』



お互いの唇が触れ合う。
律にとって始めてのキス。おそらく、この感触は生涯忘れることはないだろう。
いちごの唇はとても柔らかく、しっとりしていて…ほんのりミントの風味。



律『……ぷはっ』



いちご『嬉しい…』



キスを終えると、いちごは目を逸らす。自分からキスをせがんだものの、照れがあるのだろう。
もちろん、律も心臓の鼓動が聞こえそうなほどに緊張していた。



律『落ち着いた…か?』



いちご『うんっ…』ニコ



律『ははは、現金だなー』


いちごの笑顔を見て、律も笑顔になる。
いちごが、いつも笑顔でいられるように、自分がいちごを守るんだと律は固く決意するのだった…。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/19(火) 20:28:22.15 ID:VDzK8D6DO
聡「姉ちゃん、朝だぞー」ユッサユッサタユンタユン



律「うぇっ!?」ガバッ



聡「やっと起きたか、んじゃ先行くな」



律「あぁ…」



ロマンチックな夢は愚弟によって終わりを告げた。

あのまま夢が続いてたら…今頃はあんなことやこんなことを…



律「(聡め…覚えてろ…)」メラメラ



復讐に燃えつつも、通学の準備を始める。



律「あっ…!メール」



一通り準備を終え、律は昨晩のいちごとのメールのやり取りを思い出す。

昨晩の最後のメールを確認し、先に寝てしまったお詫びのメールを送る。



律「今日は早めに出よう」



なぜかって?いちごに会いたいからに決まってる。
いつもは遅刻ギリギリな彼女をこうも掻き立てる



律「いってきまーす!」



律母「律!玄関先にパンツ………」



母親が何か言いかけていたが、ドアにその声は遮られた。
律は駆け足で学校に向かった。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/20(水) 04:13:15.21 ID:qu2+CdUDO
早く出たせいか、いつもの通学路が違う道を歩いてるような不思議な感覚になる。


律「涼し…」


風が律のスカートをめくる。
けどそれが?こちとら伊達に死線をくぐり抜けちゃいねぇぜ。


通学路を歩いていると、見覚えのあるおさげの女の子。


律「あっ、おーい!」


いちご「あ…おはよ…」モグモグ


律「昨日はゴメンなー」


いちご「ううん、あのあと私も寝ちゃったから…」


律「そっかぁ」


怒っていないようで安心した。おそらく塾での勉強で疲れたのだろう、少し眠そうな目をしている。


いちご「ガム食べる?」モグモグ


律「おっ、サンキュー…これは…」


彼女から差し出されたガムはミント味。
不意に昨晩の夢が思い出される。あんなに激しい夜を過ごしたのに…いちごは普段と変わらぬ様子だ。
絶対にキスの前にこのガムを噛んでた。


いちご「田井中さん…ミント苦手?」


律「あっ…いやぁ、それよりいちご、田井中さんは止めるんじゃなかった?」


いちご「あっ…」


律「忘れたとは言わせないわよ?」ウフフ


いちご「むむ…」


悪戯に笑ってみる。
少し困った表情で、考え込むいちご。照れがあるのだろう。


いちご「ふぅ」コホン


覚悟を決めたのか、軽く咳ばらいをする苺。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/21(木) 07:54:15.72 ID:nGGDtzRDO
いちご「り…り…」


いちご「りっ…」


律「ぬ…」


いちご「りっちゃ…」


律「りっちゃ?」


いちご「りっちゃ」


律「んはどうした…」プルプル


いちご「りっちゃて可愛い気がする…これで呼ぶね」

律「りっちゃ…まぁ、いいけども」


いちご「りっちゃ、学校行こ」


「りっちゃ」か…
悪くないかもしれない。
お茶の名前ぽいけど…


律「そうだなぁ、けど夏なのにインフルエンザておかしいよなぁ」テクテク


いちご「ミスしたね」ポテポテ


律「夏なら食中毒とかじゃん?」


いちご「うん、>>1が季節設定間違えたんだよ…」


律「だよなー」


何気ないことだけど、いちごが普通に話してくれるようになって、少し嬉しい。
小さな幸せを噛み締める律。

2人で歩きながら談笑し、学校に着いた。
2人でいる時間は短く感じられ、もっと話したいけど、我慢しよう。


律「(放課後に可愛がってやるぜ…ぬふふ)」


いちご「…?何笑ってるの?」


律「いや、どんくらい来てるかな」


いちご「私達だけだったりして…」


律「ははは、そんなわけないだろー」ガラガラ


教室の扉を開けると、そこには…
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/22(金) 07:36:58.19 ID:PDC10FQDO
ドシンッ、ドシンッと揺れる教室。信代が壁に向かって突っ張りをしている。


信代「ふんっ…!ふんっ…!1・2・3・4・ちゃんこ!!」



律「(なんという迫力…!)」


いちご「りっちゃ…怖い…」グイグイ


律「心配すんな、大丈夫だって」


恐怖を感じたのか、いちごがスカートの裾を引っ張り、声をかける。
不安にさせまいと手を握ってやる。


信代「トュルトュトュトュトュトュトュールトュトュトュトュトュ!1・2・3・4・ちゃんこ!」ドドドドド


律「(ぬ…この歌…どこかで…)」


幸いにも奴はこちらの存在に気づいていない…。まともに立ち会えば勝ち目はない。


信代「おう、りっちゃんといちごじゃん」


律「しまっ…」


先手を打つつもりが、先を越された。


信代「珍しい組み合わせだな、おいどんビックリ」


律「いやぁー…たまたま会ってさー」


信代「さぁて…ラストは四股ね!ちょっとうるさいけどごめんね」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/22(金) 07:37:38.36 ID:PDC10FQDO
いちご「……」ホッ


安堵のため息。
どうやらこちらに敵愾心はないらしい。


律「朝からヒヤヒヤしたぜ…」フィー


いちご「…他はお休み?」

律「そうだなー」


信代の四股を踏む音が響き渡る中、教室を見渡す。
いつもはHRが始まるまでは、賑やかに皆がお喋りをしているものだが…


律「静か過ぎだろう」


いちご「うん…」


今日も休みならいちごとゲーセンに行けたのに…。
そんなことを思う。


さわ子「皆、おはよう」


律「あっ、さわちゃん」


いちご「おはようございます…」


さわ子「こらこら、教室で四股は禁止っていったでしょう」


信代「あっ…すいませーん」ドスドス


さわ子「むぎゅちゃんは?」


律「休みだってさ」


さわ子「(今日のケーキはなしね…)」ガックリ
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/22(金) 07:39:02.82 ID:PDC10FQDO
担任の登場で皆席に着く。とはいっても3人しかいない教室は違和感がある。
席が離れ離れだからだ。


さわ子「むむむ…」


何やら考え込んでいる様子。


さわ子「ふぅ…今日は少ないから皆固まって座りましょう」


律「(やったやったぁ)」


心の中でガッツポーズ。
いちごの隣りに座れる。


律「隣失礼しまーす」


いちご「どうぞ…」


信代「うっす」


律「どうも…」


さわ子「じゃあ…今日は人数少ないから居眠りもできないからね?田井中さん」


律「ぬっ…確かに…」


今日は眠るつもりはないけれどね、ティーチャーー
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/04/22(金) 11:50:03.10 ID:/U58KbwAO
どっからどこまでが夢だかわかんなくなってきたけど、これはまだ夢なんだよな…?
133 :まだ夢の中です2011/04/23(土) 00:07:29.84 ID:Fzn3AScDO
今日の1時限目は体育。


教師「じゃあ、今日は相撲やっから」


律「なにぃ…!」


信代「ふふふ」ニヤリ


信代の独壇場である。
律といちごが二人がかりで挑んだとしても、勝てるかどうか…。


教師「じゃあ、最初、若王子とそこの…」


指名されたのは信代といちご。


律「(そんな…いちごが…)」


土俵に上がった2人の圧倒的体格差。
このままでは生命の危機だ。


信代「手加減しねぇぞ…前からクールビューティさが気に入らなかったんだ」


いちご「……」プルプル


まるで助けを求めるように律を見るいちご。
チワワのようにプルプルと震え、怯えている。


教師「じゃー始めっぞー」

律には、教師の笛が処刑の合図にしか聴こえてならなかった。
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sagesaga]:2011/04/23(土) 18:41:17.81 ID:ziMmQMCG0
信代の存在感パねえな
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/24(日) 12:20:10.71 ID:n+3Hnnhio
律は信代をなんだと思ってるんだ
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/24(日) 17:49:45.53 ID:2rKfcAZDO
信代「ふんっ」


いちご「……!」サッ


正面から張り手をする信代。
それを上手くかわし、横に回り込む。


律「よし…!いっけぇ!」

いちご「(距離を詰め、一気に決める…!)」


懐に飛び込み、押し出し………のはずだった。


信代「かわしてくれるたぁ、中々だ」ニヤリ


いちご「動かない……!」

いちごの渾身の体当たりだったが、信代は微動だにしない。

「暖簾に腕押し」という諺があるが、これは「信代に腕押し」であろうか。


いちご「えいっ…!えいっ…!」


信代「へへっ…効かないね」


いちご「そんな…」


信代「ふぬぅぅ!!」


両手でいちごの首を締め上げる。


いちご「あっ…んっ…」


信代「ヒャハハ…!いいぞいいぞ、その苦しそうなその表情!」


最早、試合は授業と呼べるものでは無くなっている。修羅と化した信代は、高笑いをしながらいちごに容赦ない攻撃を加える。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/04/24(日) 17:50:41.30 ID:2rKfcAZDO
いちご「はっ…はぁ…はぁ…」


徐々に、いちごの呼吸が弱くなっていく。
酸欠状態に陥いり、顔色が悪くなっていく。


信代「(中々しぶといな…)」


いちご「あ…むー…!」プクー


信代「あん?」


いちごの口からフーセンガムが膨らむ。
体内に残された僅かな酸素を送り込み、大きさを増していく。


いちご「ぷ…むー…!」プクー


信代の顔を覆うようにガムは破裂した。


信代「ぐあっ…」


堪らずいちごを離す信代。

律「よし!今がチャンスだ!いっけーいちご!」


律「あ…!」


いちご「ゲホッ…ゲホッ…ハァ…ハァ…」


もはや、いちごは攻撃に移れる状態ではなかった。
死力を尽くし、ガムを膨らませたのだろう。


信代「くっ…小癪な真似を…!」


顔からガムを剥がし終えると、鬼のような形相でいちごを見据える。


信代「よく耐えたほうだが…さよならだ、クールビューティ…」


いちご「ハァ…ハァ…デブ…」ボソッ


信代「!」カチン


信代「死ねぇぇええ!!」ドドドドド


律「やっ…やめろー…!!」


律の制止も虚しく、信代の突進がいちごを直撃した。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/24(日) 17:51:35.67 ID:2rKfcAZDO
いちご「きゃっ……!!」

いちごの断末魔が響き渡る…。鈍い音と共に、土俵の外に弾き出された。


律「い…いちごー…!」


咄嗟に駆け寄る律。


いちご「はっ…りっちゃ…」


律「馬鹿!なんでギブアップしなかったんだよ!」


律はいちごに問い詰める。
信代に締め上げられた時点で勝敗はほぼ決まっていたはずだった。


いちご「だって…負けたくなかった…だもん」


律「へ…?」


いちご「相手がどんなに強くても…どんなに不利な状況だろうと…」


律「けっ…けどさ…あのまま続けたら…」


いちご「うん…。けど、ギブアップせずとも結局負けちゃったね…」


目から涙がこぼれる。

律はいちごの性格を把握した。昨日の太鼓の○人の腕前も…、この負けず嫌いな性格があそこまで上達できたのだろう。


いちご「うぇ…りっちゃ…悔しいよ…」ポロポロ


律「大丈夫だから」


いちご「え…?」


律「お前の敵はとってやるからさ」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sagesaga]:2011/04/24(日) 22:32:39.74 ID:WVugl2L+0
信代だけ作画が原哲夫になってそうだな
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/27(水) 08:44:11.47 ID:2W8kLshDO
いちご「だめ…りっちゃが死んじゃう」


律「いちごがここまでやられて、黙ってるわけにはいかないよ」


律「運動神経には自信あるんだぞー?」


いちご「けど…」


律「そんな顔するなって」

心配するいちごの頭をポンと叩く。
相手が強敵であるほど燃え、負けず嫌いな性格はお互い様のようだ。


いちご「じゃあ…約束…」

小指を差し出すいちご。


いちご「絶対に勝ってね…」ユビキリゲンマン


律「ふふっ、任せとけって」ウソツイタラハリセンボンノーマス


指切りを終え、いよいよ戦場に向かう律。


律「じゃな」


いちご「うん…」


不安で堪らない。
しかし、これ以上止めたところで律は引き下がらないだろう。

いちごはただ愛する人の背中を見送るしかなかった。
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/27(水) 08:44:44.90 ID:2W8kLshDO
律「(手が震えてる…)」


この震えは武者震いか、あるいは恐怖からなのか…。両方であるとしても、先程の惨劇を目の当たりにした手前、恐怖の感情の方が強い。


信代「次は貴様が相手か」

律「ああ、よくもいちごを可愛がってくれたな」


信代「雑魚すぎてつまらなかったがなぁ」ニヤニヤ


律「…!」


いちごを馬鹿にされて、歯ぎしりをする律。
しかし、怒りを抑え冷静に

律「(落ち着け…勝負は熱くなったら負けだ…)」スゥーハァー


信代「ぐはは、お前は少しは楽しませてくれよな」


律「そういや…最近…」


信代「なにぃ?」


律「また体格よくなったなぁ、信代」


信代「お前…!生きて帰れると思うな…」


律「(これでいい、信代は熱くなってる)」


絶対的不利を少しでも緩和するため、まずは心理戦に出た律。


いちご「(りっちゃ…)」ハラハラ


いちご「…!…雨」


試合が始まろうとした時、雨が降り始める。
果たしてこの天候が吉と出るか凶とでるか。


教師「じゃあ、始めっぞ」

今まで空気だった教師が試合開始を宣言した。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/27(水) 08:45:36.39 ID:2W8kLshDO
信代「うらぁ!」


律「くっ…!」


先制の張り手。
すかさずガードする律。


律「(なんて重い一撃だ…)」


信代「雨中決戦か…それも悪くねぇ」


律「(パワーじゃ負ける、なら…)」


信代「もういっちょいくぞぉ!」


信代の腕は空を切る。
懐に入り込み、ボディブローを叩き込む。


律「とぇぇぇい!」


信代「ぐっ…」


いちご「(上手い…!あれ…?)」


綺麗に決まったはずだった、しかし、苦悶の表情を浮かべるのは律のほうだ。


律「っっ……!」


信代「ちょっと効いたぜ…へへ」


律「(こいつ…ただの[ピザ]じゃねぇ…!)」


律が拳を入れたのは、脂肪の塊…否。
確かに固い筋肉の手応え。
並々ならぬ鍛練を積み、作りあげた脂肪にコーティングされた筋肉の鎧。


信代「前々から貴様のクラスの元気印ですっつう態度が気に入らなかったんだ」

律「(やられる…!)」


懐に入り込んだ律を目掛け、信代の手刀が炸裂する。

律「ぐぁっ…!」


信代「壊しちまったかー悪い悪い」ニヤニヤ
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/27(水) 13:53:36.68 ID:0quuvvCDO
世紀末じゃねぇかwwwwww

しえ
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/27(水) 22:55:29.32 ID:2W8kLshDO
律のトレードマークであるカチューシャはいとも簡単に割れた。
割れた破片が刺さり、額から流れる血。


信代「うぅーん…いいねぇ、血を見ると興奮するぜぇ…」ゾクゾク


律「ううっ…」


信代「まー大丈夫だ、雨が流してくれるからよぉ」


律「余裕だな…ええ?」


信代「倒れない度胸は褒めて…」


律「うあぁあああ!!!」

信代「!」


再び懐に飛び込み、拳を繰り出す。

もうやけくそだ。このままでは負けるのはわかってる。
ならば今、体に残された全ての力をこのラッシュにかける。


律「(頼む…効いてくれ…!)」


祈るようにただただ拳を浴びせ続ける。信代も流石にこの猛襲には後退し、土俵際までジリジリと追い込まれる。


信代「ぐっ…!いい加減に…」


律「(もう少し…もう少し…!)」


信代「しろぉ!」


律「うぁっ…!」


信代のカウンター気味に律の顔面にヒットする。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/27(水) 22:56:17.47 ID:2W8kLshDO
よろめく律は胸倉を掴まれ、追い討ちをかけるように膝蹴りがお腹に入る。


律「ぐはっ…ゲホッ…ゲホッ…」


信代「ハァ…ハァ…見事な攻撃だった、危なかったぜ」


信代「だがよぉ…決して私の肉体は打ち破れない!」

律「ぐっ…!」


いちごがされたように首を締め上げられる。


信代「ここまで追い込んだご褒美だ…!ジワジワといたぶってくれる!」グググ

律「はっ…あ…」


いちご「りっちゃ…!」


あと少し…あとわずか数十センチで勝利を掴めたのに、形勢は逆転してしまった…。

額からの出血と、首を絞められ、段々と意識が薄れていく。


律「(皆…まだ学祭のライブあったのにな…)」


薄れゆく意識の中、律は思う。


律「(思えば…迷惑ばかりかけてたなぁ…部長なのにさ…ごめんな…)」


律「(いちご…また泣きそうな顔してやがる…)」


律「(敵討なんて…言ってさ…このざまだ…)」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/27(水) 22:57:26.38 ID:2W8kLshDO
律「(これから…沢山遊ぶはずだったのに…)」


律「(夏だから…海とかお祭り行ったりさ…また太鼓の達人もやりたいな…)」

律「(ここでお別れなんて…嫌だ…!!)」


信代の腕を掴み、ぐっと力を入れる。

とうに力を使い果たした、なのに、この力はどこから湧いてくるのか。


信代「なっ…!」


律「へ…へへ…」ニヤリ


信代「(この状況で…笑ってやがる…)」ゾクッ


雨に濡れ、額から血を流した律の笑み。
それを見た信代は、背筋が凍る気がした。


信代「随分と嬉しそうだが…頭狂っちまったか?」


律「違うね…夏休みの予定さ…考えてたんだ…」


信代「あん?」


律「この試合に勝った後な…」


信代「お前、今の状況を把握してるか?」


律「ゲホッ…いちごを泣かした責任は…取ってもらうぞ」


信代「ふん、授業も終わりが近い…楽になれよ」


信代は律を掴んだまま、土俵際に静かに歩いていく。
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:22:29.66 ID:yoRtLl5DO
いちご「(りっちゃ…よく頑張ったね、もういいから…これ以上苦しまないで…)」


ボロボロに変わり果てた律を見て、いちごは心の中で労いの言葉をかける。


律「まだ…」


信代「ジ・エンドだ」


信代が土俵の外に律を放り込もうとした次の瞬間…


ピカッ!


信代「ひぃっ!」


雷鳴が鳴り響き、その音に驚き信代は絞めてた手を離してしまった。


律「神様って…いるもんだな…へへ」


すかさず蹴りあげる。
ヒットしたのは信代の顎。

信代「がっ…しまっ…」


律「顎は急所だもん…」


信代がぐらつく。
強靭な肉体を持つ信代には体を狙っても倒せない、そこで律が狙ったのは、急所である顎。


律「窮鼠猫を噛むとはこのことだな」


信代「てめぇ…!」


再び掴みにかかる信代だが、その手には力なく、かわされる。


律「MAXゲージ消費だ」

律「スクリュー…アッパー!!!」


信代「ぬぐあぁぁ!!」


律の全身全霊の拳が信代に炸裂した。
難攻不落の巨城はここに墜ちた。

律の勝利を合図するようにチャイムが鳴る。


信代「負けた…この俺が…」


天を仰ぎ信代は呟く。
まさかあの状況から、敗北するなど微塵も思わなかった。


律「あぁ…そうそう、後でカチューシャのお金請求すっから」


信代「おk」グッ


教師「ほいほい、じゃあ田井中の勝ちってことで」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:23:48.87 ID:yoRtLl5DO
死闘は終わった。
先程の雷雨が嘘のように晴れ渡る、
まるで律を祝福するように…


律「(本当に…死ぬかと思った…)」


律「あ…れ?」ガクッ


性も根も尽き果てたのか、力無く膝から倒れこもうとした時、後ろからいちごが支えてくれた。


いちご「はいっ…」ヒシッ


律「いちご…サンキューな」


いちご「すごい血だよ…?保健室で止血しなきゃ」


律「だな…、フラフラする」


いちご「肩貸す」


律「頼むわ」


勝利したとはいえ、体へのダメージは相当大きかった。ひょこひょこと歩く。


いちご「濡れちゃったから着替えも持ってくるね」


律「あぁ…へっくち」


いちご「(可愛いくしゃみ…)」


2人は保健室に肩を組みながら向かった。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:24:39.46 ID:yoRtLl5DO
一方、信代は…


信代「不覚…!」ギリッ


放心状態のまま土俵の上で仰向けに横たわる。

余裕で勝てるはずだった。相手は格闘技を経験してもいない、まったくの素人。

信代「ふははは…!」


教師「…どうした?」


信代「あまりにも自分が不甲斐なくてさ…」


教師「……」


教師は信代の悔しさが痛いほどにわかった。


信代「まぁいいさ…自分の弱点がわかった、詰めが甘いっつうな」


教師「それがわかったなら、お前はまだまだ強くなれるな」


信代「ありがとう、先生」

信代「(田井中律…その名前覚えておくぞ…!)」


自分に負けをつけた強敵の名を改めて心に刻む。

彼女はさらに精進し、強さを増すに違いないだろう。
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:25:34.32 ID:yoRtLl5DO
〜保健室〜


いちご「誰もいないみたい…」


律「そっか…いちち」


いちご「りっちゃはベッドで座ってて、救急箱取ってくる」


律「悪いな」


戦闘の興奮状態で気付かなかったが、体のあちこちが痛む。
ヨロヨロとベッドに倒れこむ。


いちご「お待たせ」


律「あぁ…いちごも座れよ、疲れたし、痛むだろ?」

いちご「私は平気、じゃあ…消毒するから」


いちご「おいで」ポンポン


律「(ひっ…膝枕だとぉ…!)」


いちご「ほら…優しくしてあげるから」


律「(それは誤解を招く発言…!)」


律「じゃあ…よっと」ドキドキ


どきまぎしながら頭をいちごの膝に上に乗せる。
程よい柔らかさに、ほのかに香る石鹸の臭い。こんな枕があったなんて…。


律「(ふわふわだぁ…)」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:27:00.77 ID:yoRtLl5DO
いちご「前髪長いね…」


律「あぁ、そういやカチューシャしてなかったんだ」

いちご「結んだげる」


そういうと、いちごは自分の髪のゴムを解き。律の前髪を束ねて結んだ。

これでパイナップルりっちゃの完成だ。


いちご「ちょっぴりしみます…」チョンチョン


消毒液の染みた脱脂綿が額の傷口にあたる。痛みを紛らわすために律は他のこと考えた。


律「(いちごの太股…いちごの太股…)」


いちご「包帯を巻いたら…完成です」


律「ふぃー、なんかハチマキみたいだなぁ」


いちご「じゃ…脱いで」


律「なっ…!?」


積極的ないちごにたじろぐ。膝枕もこの展開への布石だったのか…


律「(どうしよ…どうしよ…けど、いちごならいいかなー…って何を考えている…!)」


いちご「早く」グイグイ


律「はっ…はい…!」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:27:47.26 ID:yoRtLl5DO
律は脱ぎ始める。
再びあらわになる律の体。相変わらず、控え目な二つの果実が撓わに実っている。


いちご「はい」


律「は…?」


いちご「着替え、私のだけど同じくらいのサイズだから…」


律「そっか…ははは…」


どうやら思い過ごしだったようだ。
恥ずかしいけど、ちょっとがっかりした自分を許してもらいたい。


律「おっ、ぴったし」


いちご「でしょ?」


律「さぁて…この後の授業はサボるかなー、下校まで寝れそうだし」


いちご「じゃあ…」


律「ぬ?」


いちご「私も一緒に…添い寝したげる」


律「(なんだか…胸がトキメキメモリアル)」


いちご「嫌…?」


律「…なわけないだろ、カモンカモン」


いちご「(やったぁ)」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:28:50.59 ID:yoRtLl5DO
着替えはしたものの、雨に濡れたので、体を冷やさぬように布団をかぶる。


いちご「ねぇ…りっちゃ…」


律「なんだ?」


いちご「最後に決めた、スクリューアッパーって…何?」


律「あー、あれ?あれは格闘ゲームでキャラが使う技だよ」


いちご「ふふっ…そうなんだ」


律「いや、かっこよく決めたいじゃん?」


いちご「うん、かっこよかったよ…」


むぎゅぎゅ…
手を繋いできたいちご。不思議ともう緊張はしなくなった。

こういことがいとも当たり前な行為のように


いちご「今度、お出かけしよう」


律「いいね、行こうか」


いちご「カチューシャ壊れちゃったから…新しいの買わなきゃね」


律「あとさぁ、この前のゲーセンも行こうぜ」


いちご「うん、格ゲーもやってみたい…」


律「よっしゃ、もちろん太鼓の○人もな」


いちご「うん…」


この2日でかなり親密な関係になれた。
今度の休日の予定を話し合う。
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:29:31.41 ID:yoRtLl5DO
律「ふぁ…」


いちご「おねむ?」


律「うにゃ…まだ平気」


いちご「いいよ、無理しないで」


律「そっかぁ、じゃあ…」

激闘の疲れか、ものの5分もしない内に寝息をたてる律。


律「……」スースー


いちご「(おやすみ…)」ナデナデ


律の心地好さそうな寝顔を見て、いちごは微笑む。本当に無事でよかったと。

額に巻かれた包帯。
痣や傷だらけの顔や体。

それを見て、自分の敵討ちの為にこんな大怪我をしてまで約束を守ってくれた律に感謝していた。


いちご「(りっちゃ…頑張ったご褒美…)」チュ


そっと口づけする。
その、プルプル唇で


律「……」スースー


いちご「(起きてたら恥ずかしいから…///)」


いちご「私も…おやすみ」

熟睡していた律は、いちごの唇が触れたのには気付かなかった。

夢の中で見た夢はシチュエーションは違えど、正夢だったのだろうか。


二人はお互いの温もりを感じながら深い眠りについた。
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:30:15.63 ID:yoRtLl5DO
聡「おーい、姉ちゃん」


律「うぅーん…いちごぇ…」


聡「…?起きろってば」


律「あ…」ハッ


聡「朝だぞ」


律「(全部、夢だったのか…いいとこだったのに…)」


またしても我が弟に邪魔されてしまった様だ。


律「おい、聡待って」


聡「ん?どうし…」


律「スクリューアッパー!!」


聡「ぐわぁぁあ!!」


律「これで済ましてやろう」スッキリ


聡「な…なんで…」


律「愚弟よ…空気を読めってことさ」


聡「意味わからん…ぐふっ」ガクッ


気を失う弟をよそに、清々しい笑顔の姉。


律「いってきまーす」


律母「はい、気をつけてね。今日は早いのね」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:33:00.15 ID:yoRtLl5DO
律「〜♪」


通学路を歩きながら、あの子を探してみる。
いつもより早く出たのも、あの子に会いたいから


律「あっ、おーい」


いちご「あ…田井中さん…」


いちごは少し驚いた様子。
いつもは遅めに来る律とは通学時会うことはないからだ。


律「いちご、あのさぁ…」

いちご「?」


律「今度、ゲーセン行かないか?」


いちご「え…別にいいけど…」


律「じゃあさ、今度の休日でいい?」


いちご「うん…」


いちごは、律が急にフレンドリーに接してくるのがわからなかった。


律「(現実ではもっと一緒に遊んで仲良くなれますように…)」


「りっちゃ」と呼んでくれないいちごに少し寂しい気もした。
夢の世界のように仲良くなれるのか不安であった律だが、その後、2人の仲はとても親密になったそうだ。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/01(日) 22:37:37.60 ID:yoRtLl5DO
律編終了!

紬編おまけだけど…まだ考察中。ストーリーが出来たら投下しますねー
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/05/02(月) 07:16:01.46 ID:CZHt0jxX0

りついちごは素晴らしいな
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/05/02(月) 09:39:58.02 ID:HPKv4gWAO
乙!
これからも期待してるぜ
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/07(土) 18:26:11.57 ID:SQVRX+TDO
紬「あふ…」


大きく欠伸をする紬。
作曲にかまけて、気付いたらもう日付は変わっていた。


紬「もうちょっとなんだけどな…」


明日は休日だから徹夜でもいいか、しかし、眠気に勝てそうにない。


紬「むぎゅ…」


机に突っ伏していると、部屋のドアが小さくノックされる。
執事の斎藤が見回りに来たようだ。


斎藤「失礼致します…」


紬「むぎゅぎゅ…?」


斎藤「お嬢様、お疲れのようですな」


紬「むむぎゅ…」


斎藤「おやすみなさいませ」


掛け布団を紬にかけると、起こさぬように静かに退室した。


紬「…」スースー
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/07(土) 18:27:48.44 ID:SQVRX+TDO
紬「うぅ…ん?」


しばらく眠りについた後、目を覚ました紬。


紬「あ…」


見馴れない風景。しかし、どこか懐かしい気がする。

唯「ぷう…」


紬「(わぁ)」


自分のお尻を枕に寝ている唯を見て、思わず顔がほころぶ。


紬「(澪ちゃんも、梓ちゃんも…律っちゃんもいる)」


間違いない、夢の時の家族だ。


唯「ママ…?」


紬「あぁ…起きちゃった?ごめんね」


唯「ううん、いいよ」


唯が目を覚ましてしまったようだ。


紬「ほら唯ちゃん、おいで」


唯「うん…」


むぎゅぎゅむぎゅう…
寝相が悪いのか、布団から飛び出してしまっていた唯を抱きしめてやる。


唯「ママ、あったかぁ…」

紬「ふふっ、唯ちゃんもね」


紬「(可愛いよぉ…)」


悶える紬をよそに唯は心地よさそうに眠りについた。

紬「(けれど、夢なのよね…)」


夢なのは最初からわかっている。覚めた後、喪失感があるのもわかっている。

どうか前回よりは長く夢が続くように紬は唯を抱きしめながら思うのだった。
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/07(土) 19:02:37.53 ID:E3ZWuHa6o
可愛過ぎる
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/05/08(日) 11:44:02.10 ID:R1LZo3zAO
むぎゅぎゅむぎゅう…
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/11(水) 07:35:50.89 ID:mFEDvZ/DO
時刻はAM7:00
ちょっと早いけど、皆の朝ごはんを作ろう。
唯を起こさぬようにそっと離れようとすると…


唯「ママ」パチクリ


紬「あ…起きちゃった?ママ、朝ごはん作らなきゃだから」


唯「いやー」ムムギュ


紬「あらあら…もう」


甘え足りないのか、自分の胸にしがみついて離れようとしない。


紬「じゃあ…唯ちゃんもお手伝いしてくれる?」


唯「うん!いいよ」


抱き着いている唯をそのまま抱っこして、キッチンに向かう。
重くはなく歳の割には軽い気がした。


唯「ママ力持ちー」


紬「ねー」


毎日、キーボードを担いで登校していた紬には余裕のよっちゃん♪


紬「(寒…)」プルプル


季節は冬なのだろうか、布団から出ると寒さで奮える。


唯「今日はね、大晦日だよ」


紬「そうなのー」


通りで寒いわけだ。カレンダーを見ると12月のページであった。


唯「皆でじいじのお家に行くんだー♪」


紬「(じいじ…まさかうちのパパ…)」


唯「楽しみだね、ねっ」


紬「うん、そうね」


10年後の父親と会うなんてなんだか緊張する。
斎藤は元気だろうか、自分の部屋はどうなっているのか、10年の月日でどのぐらいの変化があるだろう
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/11(水) 07:36:32.59 ID:mFEDvZ/DO
紬「唯ちゃんー、卵」


唯「ほいっほいっ」


キッチンを忙しなく走る我が子を見て紬は微笑む。


唯「お待たせしましたー」

紬「はい、ありがとー」


小さな助手のおかげで朝食の準備も捗る。

小さな手で卵を手渡され、慣れた手つきで卵を割ると、唯は目を輝かせる。


唯「すごっ」


紬「ふふっ、唯ちゃんもやってみて」


唯「えと…えいっ」


紬「わぁ、上手ね」


唯「えへへ」


こやつ、なかなか器用である。
この器用さがあれ程までにギターが上達した秘密なのだろうか。


唯「混ぜますよーママ」


紬「はいはーい」


的確にツボをスナイポしてくる唯。
眠気なぞとうに吹っ飛んだ。朝食の準備をこんなにも楽しくできるなんて


唯「ほっほっ」


紬「(この掛け声は…どこで覚えたんだろ)」クスクス


紬「あら?」


脚に小さな感触。
この感触…まるでマシュマロのよう…。末っ子の梓が来たみたいだ。


梓「ぷぁ…」


唯「梓、おはよー」


梓「お姉ちゃんおはよ…」


むぎゅぎゅむぎゅう…
唯は梓を抱きしめる。


紬「(学校の時の唯ちゃんね)」


幼くなったとしても2人の間には愛を感じた。
ちょっと嫉妬しちゃう
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/05/11(水) 09:30:36.01 ID:mVxvj5iAO
むぎゅぎゅむぎゅう…に萌える
おつう…
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/05/12(木) 07:17:59.08 ID:+TdM+jjLo
                                    |  i  | / へ. {\  iヘ ,   |
  ┏┓        ┏┓  ┏┳┓    .        l  |  |'/ ´ ̄`ヽ ヽ 「∨   |  ┏━┓  ┏━┓  ┏━┓  ┏┳┳┓
┏┛┗┓  ┏━┛┗━┫┃┃  ┏┓        l ハ|  i′ - 、    ノ ', /  |┏┻━┫┏┻━┫┏┻━┫  ┃┃┃┃
┗┓┏┛┏╋━┓┏━┻╋╋━┛┗━┓ .   八 |  |ィニヽ    ,ニ 、∨  '...┗━┓┗╋━┓┗╋━┓┗┓┃┃┃┃
┏┛┃  ┃┣━┛┗━┓┃┃┏┓┏┓┃   /   |  |´ :::::   ,  ⌒ヾ 八/ ,.    ┗┓┃  ┗┓┃  ┗┓┃┃┃┃┃
┃  ┃┏╋╋┳┓┏━┛┃┃┣┛┗┛┃. /  人  |    __  :::: /  /     ┏┛┃  ┏┛┃  ┏┛┃┗┻┻┛
┗┓┗┛┃┃┗┻┻━┓┗━┻┓┏━┛/ ,..:':::::::::} |、   ( ノ   /  /    ┏┛┏┛┏┛┏┛┏┛┏┛┏┳┳┓
  ┗━━┛┗━━━━┛      ┗┛ ./r.::::::::::::::::八 ヽ: 、     .イ/   ∧...  ┗━┛  ┗━┛  ┗━┛  ┗┻┻┛
                        / /:::, '⌒ヽ__::ハ  V\ フ´!:::::|'  /  、

168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/14(土) 02:16:22.53 ID:Zro2hYhDO
唯澪律紬梓「いただきまーす」


澪「ふぁ…」ムシャムシャ


唯「んまーい」モシャモシャ


律「今日はムギの実家行かなきゃだな」パクパク


紬「ええ…、そうね」モグモグ


律「お義父さん、お義母さん、元気にしてっかな」


紬「うーん、まぁ元気なんじゃない?」


律「夏場に会ったきりだもんな」


夫婦で今日の予定を話し合う。
以前の夢では季節は夏だった、今は冬でどうやら今日は年末の挨拶に行くらしい。


紬「あなたの実家には行かないの?私、行きたい」


律「ああ、年明けてからだな」


紬「そう…」


ちょっと残念だ。
普段から見ている自分の両親より、律の両親がどんな人か見てみたかったが…おそらく年明けを迎える前には夢は覚めているだろう。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/14(土) 02:17:31.23 ID:Zro2hYhDO
梓「ママ、ねーねー」


紬「梓ちゃん、口の周りマヨネーズだらけよ」


こういうところに幼さを感じる。それがまた可愛くもあるのだが


澪「…」コックリコックリ


紬「澪ちゃん、食べながら寝ないで…」ユサユサ


唯「…」パクパクパクパク


唯「んっ…」プウ


紬「唯ちゃん!食事中、おならしないのー」


唯「えへへ…ごめんなさい」


なかなかに母親は骨が折れる。3人ともなるとそれは忙しい。


紬「(母親って大変…まぁ、可愛いからいいんだけど)」


母親らしく子供達に躾をする。それが楽しかった。


律「ゲプ」


紬「あなた!」


律「おう…わりぃわりぃ」

どうやら旦那にも躾が必要らしい。
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/28(土) 07:34:24.00 ID:mZ0Uh6sDO
紬律唯澪梓「ごちそうさまでしたー」


律「さてさて…食後の一服かな」


唯「皆、おきがえだよ!」

澪「うむ、そうだな」


梓「はぁい」


各々、出掛ける準備を始める。自分も準備をしたいが食器を洗ってからだ。


紬「(皆、流しに持ってきてくれたのね…)」


我が子に感心しながら、洗い物をすませようとすると…


紬「うっ…おぇっ…」


急に吐き気を催す紬。


紬「はぁっ…はぁ…」


なんでだろうか、体調は悪くないはずなのに…


律「おい…ムギ大丈夫か?」


紬「大丈夫じゃない…」ムギュギュ


律「甘えるんかい」


ここぞとばかりに旦那に体を預ける。


律「もう半年だもんなぁ」

紬「むぎゅ?」


律「赤ちゃんだよ」


紬「え…!あっ…そうね…」


妊娠で悪阻からくる吐き気だったとは。
どうやら、このお腹には新たな命が宿っているらしい
お腹を摩ってみると確かに少しぷっくりしてるわ
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/05/28(土) 23:06:24.90 ID:9CIM5j2AO
きてた
お腹の子は憂か?
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/31(火) 07:36:28.53 ID:E3XhsOsDO
ネタ切れちゃった…
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/05/31(火) 18:41:00.22 ID:25kRL5V/o
思いついたら書けばいいさ
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/31(火) 20:42:41.69 ID:E3XhsOsDO
すいませぬ
素直に梓編か澪編に行けばよかったと後悔
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/06/01(水) 06:43:32.14 ID:O5zZEqNko
でもこれ好き。お母さんムギかわいい
176 :頑張ってみます2011/06/01(水) 07:43:56.93 ID:a0Iw61GDO
律「ムギも準備しとけよ」

紬「あ、はぁい」


洗い物を済ませ、メイクをするために寝室に向かうと、3人が着替えている。


梓「マーマー」


紬「ん?」


梓「梓の髪結んでほしいの」


紬「うん、じゃあおいで」

少し短いけれど、ツインテールにしてあげる。


唯「唯も唯も」


紬「はいはい」


パチンとピンを付けてあげる、やっぱり見慣れているせいかこの髪型がしっくりくるわ


紬「澪ちゃんは…そのままでいいわね」


澪「えー嫌だよ」


紬「澪ちゃんは綺麗な髪だから…とかすだけで大丈夫」クシクシ


澪「えへへ…そうかな」


子供達の髪型を整えたら…仕上げはお母さーん。


紬「(お化粧♪)」


澪「ママの髪とかしてあげる」


紬「本当?じゃあお願い」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/06/01(水) 09:22:28.81 ID:9NWf7P4AO
がんばれ
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/02(木) 07:53:35.49 ID:a8gBqs0DO
さすが長女、しっかりしているしよく手伝ってくれる。


澪「♪」


楽しそうに髪をとかす澪。その姿を見たらトキメキMemorial…


紬「お化粧終わりましたー」


澪「ママ、澪もお化粧したい」


紬「大人になってからね、教えてあげるから」


澪「うん…」


紬「(寂しそうな顔しないで…)」


自分もこの頃は母親の化粧をする姿を羨望の眼差しで見ていたものだった。


紬「じゃあ…はいっ」


澪「わあ」


紬「ちょっとだけね、澪ちゃん髪とかしてくれたから」


澪「うんっ」


軽くグロスを澪の唇に塗ってあげる。
機嫌を直してくれたようだ

律「おーいぼちぼち行くぞー」


紬「はぁい、じゃ皆行こ」

澪唯梓「はーい!」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/02(木) 08:24:23.65 ID:a8gBqs0DO
〜琴吹邸〜


斎藤「子犬の横にはあなた〜♪」


執事の斎藤は庭掃除に勤しむ。冬になり木々は枯れ葉を落としていく。


紬父「ノリノリだな、斎藤」


斎藤「はっ…!旦那様」


紬父「紬達はまだか…」


斎藤「そうですなぁ…、もうこちらには向かっていると思いますが…」


紬父「うむ」


斎藤「ふふ、早く可愛い孫娘に会いたいご様子」


紬父「ちっ…違うもん!」

斎藤「ふふふふふ、旦那様顔が真っ赤ですよ」


紬父「ぬぬぬ…、いやさ…年末の挨拶は礼儀じゃん」

斎藤「ふふふ、私も楽しみですよ。勿論、紬お嬢様と会うのも」


紬父「ゴホン、来たら知らせるように」


斎藤「かしこまりました」

斎藤「(琴吹グループの社長も、一人の父親であったか…)」


紬母「斎藤さん」


斎藤「はっ、奥様」


紬母「紬達はまだかしら?」


斎藤「到着したらお知らせいたしますよ」


紬母「そう、じゃあお願いするわね」


斎藤「(奥様も待ちきれないみたいだなぁ)」フフッ


斎藤「さて…さっさと終わらせよう」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/06/02(木) 21:18:56.55 ID:zEqEHvtAO
斎藤さんww
181 :お腹の子は…皆さんの好きなキャラで…ww2011/06/07(火) 08:45:13.77 ID:94ztJSvDO
紬「(渋滞…)」


出発してしばらくは賑やかだった車内は静まり返る。唯と澪は寝てしまったようだ。


梓「ママ、まだかな?」


紬「うん…もうちょっとだと思うんだけど…」


梓「梓ね、抱っこしてほしい」


紬「うん、おいで」


梓「ママのお腹にはね、あのね…赤ちゃんがいるんだよ」


紬「うん、梓ちゃんはお姉ちゃんになるのよ」


梓「ほんとに!?」キラキラ


紬「梓お姉ーちゃん」


梓「えへへっ」


渋滞で車が進まないものでストレスが溜まるが、我が子の屈託のない笑顔に癒される。


律「へへへ」


梓「あーパパー!何笑ってるんですかー」


律「なんでもないよ」


先程まで険しい表情だった旦那も、梓のお陰で顔がほころぶ。
それを見てこちらも嬉しくなって思わず笑ってしまう。


紬「うふふっ」


梓「ママもーなんで笑っているんですかー」


紬「梓ちゃん、しーっ。お姉ちゃん達寝てるから…」

梓「あっ…しーっ」


律「(空いてきたかな)」


渋滞が緩和されたようだ。車が動き出す。

次回、いよいよ琴吹邸に突撃晩御飯…!!!
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/06/07(火) 10:40:58.66 ID:3lTW4x4AO
つまり純ちゃんか
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/10(金) 00:09:15.87 ID:qiunmraDO
景色が変わっていく。けれど、見覚えがある景色。


紬「(懐かしいなぁ…)」


はしゃぐ子供達をよそに、しばし、感傷に浸る。
高校はどうなっているのだろうか…、現在の軽音部はどんな感じなのだろうか。

律「ムギの母校てここら辺だったよな」


紬「ええ」


紬「(こっちではりっちゃんは男の子だから…)」


桜ヶ丘は女子校である、当然、夢の世界での律は他の学校だったのだろう。


律「軽音部だっけか、ムギのイメージじゃないけどなぁ」


紬「そうね…、すごい楽しかった」


律「何やってたんだ、ピアノか」


紬「うん、正確にはキーボードだけど」


律からこんな質問をされると、惚けているんじゃないかと変な気持ちになる。


律「さてさて…着きましたよ」


紬「運転お疲れ様でした」

律「あぁ」


紬「(なんかドキドキ…)」

10年後の自分の両親といよいよ対面である。


唯澪梓「着いたー!」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/10(金) 00:10:16.29 ID:qiunmraDO
律「相変わらず広いな」


子供達と手を繋ぎながら歩いていく。
家の門までは若干の距離がある、するとその途中に…

斎藤「約束したじゃない、あなた約束したじゃない…」ハッ


律「久しぶり、斎藤さん」

紬「斎藤…また歌ってる」クスクス


斎藤「お…お嬢様…、若旦那…立派になられて…」フルフル


澪「こんにちは」ペコリ


斎藤「こんなに大きくなられて…」


唯「さいとー、おひげ伸びてる」


律「こら、挨拶だろう」


唯「あっ…こんにちはぁ」

斎藤「こんなに大きくなられて…」フルフル


梓「梓です、こんにちは」フリフリ


斎藤「こんなに大きくiry」フルフル


紬「斎藤、大丈夫?」クス


斎藤「はっ…立派に成長されたお子様を見たらつい…」


紬「元気で何よりね」


斎藤「紬お嬢様もお変わりなく…」


執事は歳のせいか涙もろくなっているようだ。
庭掃除の時に歌う癖は10年前と変わってはいなかったが


律「お義父さん達は?」


斎藤「はい、少々お待ちを…」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/10(金) 00:11:12.57 ID:qiunmraDO
斎藤は懐からドラを取り出した。


紬「えっ…」


斎藤「紬お嬢様御一行のおなりー!!」ジャーンジャーン


ドラの音がこだまする。子供達は思わず耳を塞ぐ。


斎藤「野郎共ー!!戦じゃ戦じゃー!!」ブオォー


どこから取り出したのか、矢継ぎ早に法螺貝を吹き始めた。


紬「ちょっと…!斎藤…!そんなにハッスルしなくても…」


斎藤「はあっ…はぁ…」ゼエゼエ


法螺貝の音が静まりかえる頃、続々と使用人達が集まってきた。


律「うはは、すげぇなぁ」

唯「きゃははは」


澪「すごい、いっぱい人が来たよ」


紬「(何、この演出)」


梓「ママ…」グイグイ


紬「梓ちゃん、大丈夫だからね」


面白がる律達だが、梓は驚いてしまったようだ。
すかさず、むぎゅぎゅむぎゅう

使用人達は整列し、門まで一列に並んだその先には、なぜか仁王立ちで待ち受ける人影が…



紬「パパ…」



10年後の父親がいた。



紬父「…久しぶりだな」キリッ
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/10(金) 08:43:07.17 ID:qiunmraDO
紬「(なんで…仁王立ちしてるのかしら…)」


先程からの凝った演出に困惑する紬。


唯澪「じいじー!」


子供達は父に駆け寄る。


紬父「はーい、じいじですよー」


紬「ブホォ」


思わず吹き出してしまった。孫は可愛いのだろう、クールだった父の表情が豹変する。


澪「澪ね、もうすぐ小学生なんだぁ」


唯「唯は年長さん!」


紬父「そうかそうか、大きくなったなぁ」


頭を撫でながら、笑顔で話を聞いてあげてる父を見て紬は微笑む。


紬「パパ…ふふっ」


律「お久しぶりです、お義父さん」キリッ


紬父「あぁ、久しぶりだね律君」キリリッ


律「今年もお世話になりました、来年もよろしく…」

紬父「まぁ、固い挨拶は抜きだ。上がってくれ」


紬父「斎藤…」


斎藤「はっ」


紬父「いい法螺貝だった」

斎藤「お褒めに預かりまして」


紬「…」イライラ
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/10(金) 09:42:05.73 ID:FRl6aYbDO
ほら貝の良し悪しってあるのか?ww

支援
188 :斎藤の吹いた法螺貝がいいと言う意味です。音を褒めてます。2011/06/21(火) 20:48:35.67 ID:ats0bWRDO
紬「そういえばママは?」

斎藤「おかしいですね、私の法螺貝に狂いはないはずですが…」


紬「近所迷惑だからやめなさい」


斎藤「いやしかし…敷地が広すぎて近所がないんですが」


紬「斎藤…いい?」


斎藤「は…」


紬「子供達の教育によくないわ、いい大人が法螺貝を吹いて…真似したらどうするの?」


斎藤「はっ…」


紬「けど、上手くてちょっと感心しちゃった」


斎藤「お褒めに預かりまして」


律「(飴と鞭か…やりよるわい)」


執事とのやり取りを見て、律は思う。
なんか…すっごいお嬢様ーって感じ?がすると。


紬「それじゃ、子供達と遊んであげて」


斎藤「それが…旦那様が連れていっちゃいましたよ」フフッ


紬「はやっ」


律「まあ、とりあえずお義母さんに挨拶しようぜ」


紬「うん…そうね」


孫娘に会って嬉しそうにしてくれる父親を見て、内心は嬉しかった。
キャラが変わったのには最初は戸惑ったが、子供達が懐いてくれるようにクールなキャラを辞めたのだろう
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/21(火) 20:49:11.41 ID:ats0bWRDO
〜リビング〜


紬「ただいまぁ」


紬母「あらあら、むぎゅう…律君もお久しぶりね」


律「ご無沙汰してます」


紬母「出迎えれなくてごめなさいね、お料理してたのよ」


紬「私も手伝う」


紬母「だーめ、妊婦さんは疲れちゃうから休んでなさい」


紬「むぎゅぎゅ…」


律「たはは…」


照れ臭そうに頭をかく律。飲み会でのセクハラ部長の言動ような母に律はたじたじだ。


紬「…」ジー…


これが10年後の母か…とまじまじと見てしまう。
美容にうるさいせいか、あまり歳をとったふうには見えなかった。


紬母「ん、なぁに?」


紬「あっ…いやっ…、ママ綺麗だなぁって…」


紬母「嬉しいこと言ってくれるじゃない」


律「ふぁ…」


紬母「律君、疲れたでしょ?ちょっと休んだら?」


律「そっすね、それじゃあ…」


紬母「紬、部屋に案内してあげて」


紬「あ、はぁい」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/21(火) 20:50:14.16 ID:ats0bWRDO
紬「私の部屋の場所知らないんだ?」


律「いやー、ムギの家は大きすぎてさ…迷っちまうんだよ」


確かに、我が家であるマンションに比べたら、実家は広すぎる。ちょっとしたホテルに来たような気分になる。


紬「ここ、ここ」


律「紬って書いてあるな」

ドアを開けてみると、変わらない自分の部屋があった。


紬「(綺麗…、斎藤が掃除してくれてるのかな)」


使われていないはずなのに、机やピアノには塵一つない。


紬「わぁ、ベッドも変わらな〜い」ピョンモフモフ


律「?」


はしゃぐ紬を見て、律は不思議そうな顔をする。半年前に来たばかりなのに…


紬「律ちゃん、おいで」


律「いや、いいよ。ムギも疲れてんだろ」


紬「へーきだから、ね」


律「はいはい、じゃあお邪魔しますよー…」


必殺「膝枕」が炸裂した。普通の枕よりほどよい柔らかさの上に、人肌の温もりで律を包みこむ。


律「わぁ…ムチムチだぁ」

紬「ふふふ、それは褒めてるの?」


律「ああ、重くないか?」

紬「ううん、軽いぐらいよ」


律「そりゃよかった」


再び欠伸をすると、律は目を閉じる。紬は、まるで子供を寝かすように頭を撫で撫で


紬「(律ちゃんは良い子だねんねしな〜…)」ナデナデ


律「…」スー…


心地よさそうに眠りについた律であった。
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/06/22(水) 09:23:27.26 ID:tAuGMV3AO
頑張ってくり
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/22(水) 09:32:35.47 ID:7QtHXBnlo
むぎゅぎゅかわいい
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/23(木) 16:26:20.47 ID:/zOdnA9DO
紬「…」プニプニ


律「…」スースー


紬「(頬っぺた柔らかい…)」プニプニ


紬「(それにしても、気持ちよさそうに寝てるわ…)」プニプニ


長距離を運転した上に、おそらく年末のギリギリまで仕事があったのだろう。
紬の膝の上で熟睡して1時間少々が過ぎた。


紬「あふ…」


早起きしたせいか、少々眠くなってきた。
しかし、この体勢を崩すわけにはいかない。律の安眠を妨げてしまうからだ。


紬「(頑張れ紬…負けるな紬…)」


自分に言い聞かせてるところに、紬の部屋のドアが開いた。


唯「ママ」ピョコ


紬「あら唯ちゃん、じいじと遊ばないの?」


唯「ちょっと休憩だよ」


紬「うふふ、そう」


唯「パパねんねしてるー」

紬「うん、だからちょっと静かにね」


唯「はい、しー…」


唯は部屋の中をキョロキョロと見渡すと…


唯「ママのピアノ弾いていい?」


紬「ええ、いいわよ」


唯「ママも来てー、教えてー」グイグイ


紬「あ…えぇと…」


律には悪いが、子供に付き合うのは母親の役目。
律を起こさないように、膝から降ろした。幸いにも熟睡してるせいか起きる気配はない。


紬「じゃあ一緒にね」


唯「うんっ」


そう言うと唯は屈託のない笑顔を向けてくれた。
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/23(木) 16:30:14.33 ID:/zOdnA9DO
部活で使っていたキーボードは家に、家にはグランドピアノがある。このピアノは紬が幼少時代からあるものだ。

紬「よいしょ」

唯を膝の上に乗せて椅子に座る。スキンシップは大事なんだ

唯「ママ、あのねあのね。これがドだよ」

紬「わぁ、すごいわね。どこで教えてもらったの?」
唯「幼稚園で!これがレだよ」

紬「うんうん」

我が子の成長に、つい目頭が熱くなる。

唯「ドレミファソラシド…」

紬「(唇が尖ってる)」キュンキュン

唯の小さい手が音色を奏でていく。表情は真剣そのもの。

唯「ママのピアノ聞きたいなぁ」

紬「じゃあ…ふわふわ時間で」

唯「ふわふわ?」

紬「そう、ふわふわ」

家事ばかりでキーボードを触ることは少なくなったであろう10年後の自分は、うまく弾けるのだろうか…
紬「〜♪」

唯「わぁ」

唯は目を輝かせる。

何度も繰り返し練習したからだろう。演奏を体が覚えていた。楽譜もなしでスラスラと弾くことができた。
紬「…ふわふわ時間っと」
唯「ママ…すごいね!」

紬「えへん、そうでしょう」

唯「唯、ママみたいに上手くなりたいな」

紬「いっぱい練習すれば大丈夫よ」

唯「そっかぁ、そうだよね」

紬「…」

紬は複雑な心境であった。現実の唯と同じようにギターを習わせるはずだったのに、だが、唯はピアノに夢中である。

紬「じゃあ、いっぱい練習しよう」

唯「うん」

ギターを習うことは強制することは諦めよう。ピアノでも弾き語りができるもん。

唯「えと…こう?」

紬「そうそう」

幼少時代に母親に習ったように、教えていく。
我が子ながら、なかなかセンスがある。

紬「(将来が楽しみね)」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/23(木) 16:30:50.92 ID:/zOdnA9DO
2人でピアノをやっていたら、なんやなんや夕方になってた。


唯「うん!たん!うん!たん!」


紬「ふふっ」


この数時間で、大分上達してきたようだ。
圧倒的集中力!


律「どれ…上手じゃねぇか」


紬「あっ…起こしちゃった?」


律「んにゃ、よく寝れたから大丈夫」


唯「パパ、おはよー」


律「おう」


紬「この短時間ですごい上手になったの、ね」


唯「ねー」


律「ふむ、さすがムギの子だな」


唯の頭をゴシゴシと撫でる。そんな微笑ましい光景を引き裂くかのようにあの音が響き渡る。


ブオォォオーーー


紬「!」ハッ


律「おっと、また斎藤さんかな」


紬「(斎藤…さっき辞めるように言ったのに…)」


ブッブッブオォォオーー


唯「きゃはは、ごはんーだって」


紬「(すごい音感だわ…)」

齢五つにしてこの音感…。紬は身震いした。
この子は将来、とんでもない化け物になるんじゃないかと…。


律「どら、じゃあピアノはおしまいにして行くかい」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/23(木) 16:33:42.49 ID:/zOdnA9DO
コメントありがとうございます。すごい励みになります。
>>194がちょっと見にくいかもですが
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/06/23(木) 17:11:45.64 ID:ZJ2lWx5AO
むぎゅぎゅおつう
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/06/25(土) 02:54:06.05 ID:ES7bjnSd0
これは良い
面白い
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/06/25(土) 15:42:53.89 ID:V4FHX4dV0
長期対
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/26(日) 21:47:12.72 ID:Zfn/GIoDO
紬父「ふぃー…」


唯「あー!じいじー」


紬父「おう、唯」


父親が遅れて登場。
子供達と遊んで汗をかいたせいか風呂に入ってたのだろう。


紬父「おーい、ビール」


紬母「はいはい」


律「注ぎますよ」


紬父「すまないね」


紬「じゃあ、私は律ちゃんに」


律「お、サンキュー」


すかさず律にビールを注ぐ。
自分は遠慮しておこう。悪阻が来たら気持ち悪いし、元から弱いから…


紬「斎藤も、はいっ」


斎藤「これはこれは…ありがとうございます」


紬「一年間お疲れ様」


斎藤「そのお言葉で苦労が報われます」


紬「来年も頑張って」


斎藤「はい」


一通り注ぎ終わった後は、食事を頂くことにする。


紬「(ママの料理おいし…)」モシャモシャ


自分も母親になったが、料理の腕前はまだまだ母に及ばない。様々な工夫がなされている。


紬「ねぇねぇ、このサラダのドレッシングの作り方教えてほしいんだけども」


紬母「うん、これはね…」

食事をしながらしばし、談笑する。
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/26(日) 21:48:00.40 ID:Zfn/GIoDO
2時間後…


紬父「いやいや、律君もう一杯」


律「お義父さんも進んでないんじゃないんですかぁ?」


紬父「じゃあ注いでよー」

律「どうぞどうぞ」


紬「(あんなに呑んじゃって…)」


ビールから始まり、だんだんと焼酎や日本酒など強いお酒に変わり、2人のテンションはアゲアゲ状態。


紬母「ねぇねぇ、紬」ツンツン

紬「なに?ママ」


紬母「子供達、もう寝かしてあげたら?」


紬「そうね…」


大人と違って、子供達は遊び疲れたのかめっきり静かになっていた。


斎藤「お嬢様、私が寝かしつけておきますので、どうかご歓談を…」


紬「ええ…でも」


斎藤「大丈夫ですよ。ごゆっくり」


紬「じゃあ…お願いね。法螺貝は吹かないでね?」


斎藤「はい」


斎藤は眠たそうな子供達を抱え、リビングを後にした。去り際に、梓が手をフリフリしてたのはちょっとキュンときた。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/26(日) 21:48:37.09 ID:Zfn/GIoDO
紬母「あなた、呑んでばっかいないで、あれ」


紬父「そうだった」


紬律「?」


紬父「ちょっと待ってな」

待つこと3分。
何やら箱を持ってる。
少し遅いクリスマスプレゼントでも言うのだろうか…。はっはっはっ…冗談が上手なことで


紬父「はい」


紬「なにかしら…」


律「これは…ランドセル!」


紬母「来年は澪ちゃんが小学生になるから…2人で選んできたのよ」


紬父「気が早かったかな、澪の好きな色にしといたから」


律「ありがとうございます、お代は払いますので」


紬父「いや、いらないいらない」


律「しかし…」


紬母「紬も入院するから、そちらにあてて」


律「はあ…」


紬父「さぁ、まだまだ呑むぞー。律君」


紬「(ありがとう…パパ、ママ)」


思わぬサプライズ。
本当に演出が上手いんだから…琴吹家。


紬「ママも呑んだら?」


紬母「あらあら、私を酔わせてどうする気?」


紬父「ははは、古いんだよお前」


紬母「お?」


紬父「いや、すいませんでした」


熟練の夫婦漫才を披露する父と母に、紬と律は顔を見合わせ微笑む。
しかし、同時に紬は時間を気にしていた。


紬「夜9時…」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/27(月) 08:36:16.88 ID:lXxLro8DO
紬父「ふぇぇ…もう飲めないや」


紬母「もう爺だからねぇ」

紬父「あんだとぉ…」


すっかり酔い潰れた父。
あれからも飲み続け、時刻は10時を過ぎたところ。

紬母「二人とも、先にお風呂いいわよ。私はこの酔っ払いを介抱しなきゃだから」


紬「じゃあ…律ちゃん行こ」


律「しょうだね」


律もさすがに呂律が廻らなくなっていた。


紬「じゃあ…おやすみなさい、パパママ」


紬母「はい、また明日ね」

紬父「よい夢を…」フリフリ


紬と律はリビングを後にし。着替えを取りに部屋に向かう。


紬「律ちゃん大丈夫?」


律「おうよ、酔ったけど平気」


紬「あ、斎藤」


廊下で斎藤と会った。


紬「お疲れ様」


斎藤「皆ぐっすり寝ましたよ、なかなか骨が折れました」


律「あの3人相手は大変だろうなぁ」


斎藤「ははは、じゃ…私も休みます。おやすみなさいませ」


紬「おやすみね」


斎藤の片手にはしっかり法螺貝が握られていた。
もうツッコむのも疲れたのでスルー。


部屋を静かに開け、自分と律の着替えを持ち風呂場に向かう。


律「じゃ、先に」


紬「ああん、私も一緒に入るの」


律「久々だな、二人きりで入るの」


紬「いつもは子供達とだから?」


律「休日はそうだな、平日は仕事で遅いからな」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/27(月) 08:36:56.75 ID:lXxLro8DO
〜お風呂場〜


紬「…」ドキドキ


律「どした?」


紬「あっ…ううん、何でもない」


自分から一緒に入ろうと言ったものの、なぜか緊張する。
そんな紬を他所に、さっさと全裸になる律。


紬「(大丈夫…目の前にいるのは律ちゃん(女)よ…)」

自分に言い聞かせ緊張を解しながら、ヌギヌギスッポン


律「うん!やっぱ広くていいな」


紬「ねー」


体を湯で流し、タオルを体にタオルを巻く


律「露天風呂のほういこうぜ、月が綺麗だ」


紬「あっ…うん」


律「はぁー…寒い寒い」


紬「風邪引かないでね」


律「それっ」


紬「むぎゅっ」


駆け足で湯舟に浸かる。
外は月末のせいか綺麗な満月が照らし、なんとも風情がある。


律「はぁ…極楽」


紬「今日は疲れたでしょう」


律「昼寝したから平気さ、それより明日だなぁ。お節料理食べたり…初詣行ったり…」


紬「そうか…」


紬「(一緒に行きたかったな…)」


月を見上げ、ちょっぴり寂しい気分になる。
おそらく夢はもうしばらくで覚めてしまうだろう。残された時間は少ない。ならば…


紬「(甘えてやる!)」


律「〜♪」ピーピー


紬「ねぇねぇ」ジリジリ


律「おぁ?」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/27(月) 08:37:46.29 ID:lXxLro8DO
紬「んー!」


唇を尖らせキスをおねだり。


律「それは、キスか…どれ」


紬「んっ…」チュッ


律の唇が触れる。
男とは思えないプルプル唇でどこか懐かしい感じがしたキスだった。


紬「うふふっ、やったぁ」

律「そんな喜んでもらえて何より」


紬は律の手を握り、肩に頭を乗せ寄り添う。


紬「律ちゃん…」


律「ああ」


紬「来年もよろしくね」


律「来年だけじゃねぇよ、これからもずっとな」


紬「うん…」


寂しげな気分になってしまったが、律が優しい言葉をかけてくれた。
その言葉でちょっぴり泣き出しそうになるが…


紬「(泣かないもん…)」


律に気を使わせぬように涙を堪えた。
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/28(火) 19:38:25.53 ID:VABH2ofDO
律「いい湯だった」


紬「ね、はいお水」


律「サンキュ」


紬「…」


ほろ酔いでご機嫌な律とは対照的に、紬のテンションは下がる。

律「明日に備えてしっかり寝なきゃな」


紬「そうね…ああ、こっちこっち」

紬の部屋の前に到着。
子供達が寝ているせいかとてもとても静かで。真っ暗な部屋のベッドで3人は熟睡していた。


紬「(あっという間だったなぁ…)」


ベッドに腰掛け、3人の寝顔を見ながらそっと頭を撫でる。


紬「(もっともっと遊んであげればよかった…ごめんね…)」

律「ムギ…?」


紬「えっ…?あっ…」

紬の目から零れる涙。


紬「ちがっ…これはね…その…」ポロポロ


律「おいおい…どうしたよ」

律は泣き出した紬を抱き寄せる。律が心配しないように泣かないつもりだったが、名残惜しさに涙を堪えきれなかった。


紬「ぐすっ…」


律「よしよし…どうした?気分悪いのか?」


紬「ううん…違うの」


律「じゃあどうして」


紬「本当によかったなぁって…」


律「ん?」


紬「律ちゃんが旦那さんで、この子達の母親であることが」


律「何だよ、改まって」


紬「律ちゃんはどう?」


律「俺も同じだよ」


紬「嬉しい…」ムギュギュ


そう言うと、紬からも強く抱きしめた。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/28(火) 19:39:04.52 ID:VABH2ofDO
紬「(あったかい…)」


律の胸に抱かれ、暖かさが眠気を誘う。おそらく眠りについたら、目を覚ます頃には夢から覚めているだろう。


紬「(みんな…元気でね)」

紬「(これから生まれてくる新しい子も…)」


優しくお腹を摩る。
来年は新たな家族が増えさらに賑やかになるだろう。

紬「律ちゃん?」


律「ああ」


紬「寝ていいよ」


律「ムギが寝るまで起きてるよ、不安だろうし」


紬「…ありがと、けど明日も運転だから寝なきゃ」


律「そうだけども…」


律は心配しているのか、なかなか首を縦に振らない。

紬「じゃあ、一緒に…ね?大丈夫だから」


律「…わかったよ」


間もなく年が明ける頃。
静かな部屋に微かに除夜の鐘が聞こえる。


紬「ねぇ…律ちゃん」


律「ん」


紬「愛してる」


律「はは…俺もだ」


もう一度キスを交わし、律の胸の中で紬は眠りについた。
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/28(火) 19:39:46.40 ID:VABH2ofDO
…さま!…うさま!


紬「んん…むぎゅ?」パチ

斎藤「お嬢様、おやすみのところ申し訳ありません…」


紬「ううん…」


辺りをキョロキョロと見渡す。そこには一緒に眠ったはずの律も子供達もいなかった。


紬「うん、それで?」


斎藤「ご学友の皆様が起こしになりました」


紬「はぁい、上がってもらって」


前回のように寂しいのは変わらない。だけど…


唯「ムギちゃーん来たよーん!」


律「おっす、ムギ」


澪「ムギ寝起きか?眠そうだな」


梓「ムギ先輩、お邪魔します」ペコ


紬「みんな…!」ムギュギュパァァ


軽音部のみんながいるから寂しくないもん!


澪「今度の曲のテーマは決まった?」


紬「できたできたぁ」


律「ほうほう、聞かせてもらおうじゃないかぁ」


紬「うふふっ…あのね」





紬「幸せな家族をイメージしてみたの」



夢が思わぬヒントをプレゼントしてくれたようだ。
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/28(火) 19:48:12.25 ID:VABH2ofDO
紬番外編?終了!
ネタ切れのせいか大分省いてしまいました、すいません。時間経過めっちゃ早かったよね
本当はお風呂でむぎゅが律棒を洗うHな展iry
そんなことはさておき、見て下さった方々ありがとうございました。

次は澪編を予定しています。ではでは
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/06/28(火) 19:59:00.03 ID:VS+jHKWno
乙乙

しかし相撲……?SUMOU……?
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/06/29(水) 09:19:49.68 ID:r+DIs8sAO
むぎゅぎゅおつぅ
続きも期待
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/02(土) 13:57:40.66 ID:hBL4cmad0
KITAI
期待
黄蛇胃
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/04(月) 07:27:36.41 ID:BWDvbq2DO
澪「よし…っと」


中に入れた荷物を確認した後、カバンを閉じる。


澪「(高校生活最後の夏休みか…)」


思い返せば時の流れとは早いもので、気づけばもう最上級生だ。
明日、学校に行けば翌日からは夏休み。今年も紬の別荘で合宿を企画していた。


澪「(エンジョイするぞ〜…)」


受験生ということもあり夏期講習もある。それが始まるまでは思いっきり遊ぶつもりだ。


澪「あ…こんな時間か…寝なきゃ」


準備に手こずり、時刻はすでに夜23時。
あさってに備えてエネルギーを充電すべく、ベッドに向かう。


澪「あ、パンツ履いてなかった…」


季節は夏…!!
無防備な下半身を固める。


澪「暑いけど風邪ひいちゃ困るからな」ハキハキ


純白のパンティーを履き終えると、ベッドに横になる。


澪「(ノーパンティー!思い出なんていらないよ〜♪)」


澪は寝た。
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/04(月) 07:28:23.66 ID:BWDvbq2DO
雀「チュンチュン」


朝を知らせるかのように小鳥が囀る。
澪が目を覚ましたのは携帯のバイブだった。


澪「ん…ふ…」


澪「律か…」


親友からくる朝のメールの内容は大体予想がつく。
おそらくは、寝坊したから先に行ってて…だろう。


律『先に行ってるよーん、まだ寝てたみたいだから』

澪「え…」


時計を見るとすでに学校が始まる30分前だった。


澪「うわわ…!遅刻しちゃう」


準備に頭がいっぱいで、目覚まし時計をセットしわすれた。
ベッドから飛び起き、大急ぎで制服に着替える。


澪「ちくしょう…!」


自戒の念にかられるが、そんな暇はない。今は一刻も早く学校に向かうことが先決だ。


澪「(遅刻なんて…いやだぁぁぁ!)」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/04(月) 07:29:01.45 ID:BWDvbq2DO
1学期の締め。
ファンクラブの目もある。遅刻などという醜態を晒すわけにはいかない。

発育よく育った胸を揺らしながら、澪は学校へ走った。


澪「はぁっ…はぁっ…」


まだ朝なのに夏場はすでにうだるように暑い。体力の消耗も激しい。


澪「(律や梓なら…身軽なんだろうな…)」プルルンプルン

胸が邪魔だ。地を蹴る度にプルプルと揺れる胸が憎い…。この胸が無かったら…鳥のように空を飛べるのだろうか…



澪「もう少しだっ…」


校舎が見えてきた。
まだ予鈴は鳴っていない。

澪「っっ…セーフ!」


澪の激走は実を結び、なんとか間に合った。

人気のないグラウンドで拳を天に突き上げた。この時の澪の中では、ロッキーのテーマが流れていただろう。


澪「あっつい…シャワー浴びたい…」


当然だろうが、大粒の汗が滴る。しかし、そんなことはどうでもいい…彼女は勝ったのだ。自分との戦いに


澪「ふふっ…」ニコニコ


満足げな表情で澪は教室に向かう。
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/07/04(月) 18:12:05.94 ID:/GwUaGiAO
果たしてどうなる!?
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/05(火) 23:22:05.54 ID:Z8Oe6jWDO
澪「(危なかった…)」


ぶっちゃけ濡れた。
今頃、クラスでは私が遅れてどよめき始めているだろう。律なんて不安で泣きはじめているかもしれない。
だがな…ヒーローは遅れてくるものさ…


澪「…」スゥ


扉の前で一呼吸おく。
呼吸を整える意味も含め、皆を驚かすためだ。


澪「おっはよー!」ガラガラピシャン!


勢いよく扉を開けると生徒の視線が澪に集まる。


澪「え…」


曽我部「…秋山さん?」


すぐ目の前の席にいたのは、卒業したはずの曽我部先輩の姿が…



澪「なんで…曽我部先輩がっ」


曽我部「クラス間違えちゃった?ここは3年の教室」

澪「」


何が何だかわからない。
教室からクスクスと笑い声が聞こえる。
せっかく派手に登場したのに…こんな屈辱は学祭で縞パンを晒した時以来だ…!

澪「しっ…失礼しました…!」


曽我部「あっ…待って!秋山さん!」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/05(火) 23:23:01.35 ID:Z8Oe6jWDO
澪「先輩…もういいですよ…」


曽我部「そんなに落ち込まないで」ヨシヨシ


澪「恥ずかしくて死にそう」プルプル


曽我部「大丈夫、私に任せて」


澪「…?」


どうすると言うのか、生徒会長の特権でも使うのだろうか。
訳もわからぬまま先輩の後についていった。


曽我部「じゃあ、ちょっと待っててね」


澪「はい…」


教室の前の廊下に着いた。中からはクラスメイトの声が聞こえる。
なぜだろう、3年生であったはずが2年生に戻っている。タイムスリップでもしたというのだろうか。


澪「(夢…?)」


先輩は何やら先生と話している。それをぼんやりと眺めながら物思いにふける。

曽我部「…はい、私が体調を崩して、それで秋山さんが付き添ってくれたんです」


さわ子「そうだったの、わかりました。遅刻は取り消すわね」


曽我部「すいませんでした」


澪「(先輩…私のために嘘を…)」


曽我部「じゃあ…ありがとうね、秋山さん」


澪「はあ…」


去り際に悪戯なウインクをして先輩はその場を後にした。


さわ子「澪ちゃんご苦労様、出席とるから席について」


澪「はい、先生」キリリッ


後ろめたい気持ちなったけど、先輩の好意を無駄にはできなかった。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/05(火) 23:23:52.46 ID:Z8Oe6jWDO
律「澪ー、遅いぞー」


澪「いや…ははは…」


案の定、律に茶化された。


澪「合宿の準備で遅くなっちゃってさ」


律「もう準備してんだ?」

澪「ぽ?」


律「まあ、期末試験終わってからだしなー」


澪「(なんだって…)」


おかしい。
確か明日からは夏休みのはずが…


さわ子「はい、皆席ついてー」パンパン


雑談で賑わうクラス教室を静かにさせるために手拍子するさわ子。


いちご「起立…、礼」


皆「おはよーございまーす!」


さわ子「グッモーニン♪私の教え子共」


皆「HAHAHAHA!」


澪「(なんだこのノリ…)」

さわ子「皆、わかってると思うけど…来週から…」



皆「ゴク…」



さわ子「期末試験です♪」


皆「えーーーー!」


さわ子「うふふふふ、タモさんの気分よ」



皆「HAHAHAHA!」


バラエティーの司会のように軽快なトークで皆の笑いを誘う先生。彼女が人気者であるのも頷ける。


澪「(やっぱりおかしい…夢か…?2年生に戻ってる…。)」


皆が笑っている中、澪は考え込んでいた。
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/05(火) 23:24:37.80 ID:Z8Oe6jWDO
期末試験が近々あるらしい。ちっ


律「しばらくは部活禁止だなー」


澪「ああ、まあ少しなら自主練はできるし」


律「澪達はいいよなー、ドラムは持って帰れないしよ」


澪「ビート…刻めよ…!」

律「へへっ、ゲームセンターでやるかな、太鼓の○人てあんじゃん」


いちご「…!」ピク


澪「馬鹿、追試になったらどうするんだよ」


律「ちょっとだけな、明日は土曜だし」


いちご「…!!」ピクピク


澪「やれやれ(いちご…どうしたんだろ…)」


夢の中では律が隣の席だった。唯と紬は別のクラスなのだろうか見当たらない。1時間目が始まるまで雑談で時間をつぶす。


澪「(2年の試験なら楽勝かな)」


現実では3年だったため、ちょっと復習すれば大丈夫だろう…


教師「おーし、じゃあ授業始めっぞ」


1時間目の授業が始まる。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/06(水) 09:11:13.67 ID:Cl01acRDO
教師「…であるからして〜」


澪「」


律「こうか…うん合ってる」


澪「(できない…!)」


どれも見覚えのある問題のはずが、まったく教科書の問題を解くことができない。


澪「(なんで夢の中の律はこんなに頭がいいんだ…)」


律「〜♪」


スラスラとノートにペンを走らせる律を隣にして、澪は焦燥する。


教師「秋山ー、この問題解いてー」


澪「はっ…はいっ!えーと…その…」


澪「(わからないよー…)」

律「…!」スラスラ


律が澪のノートに2Xと書いた。


澪「あっ…2Xです」


教師「正解ー」


澪「サンキューな」ヒショヒショ


律「いいっていいって」ヒショヒショ



律のおかげでやり過ごすことができたが、その後の授業もまったく内容を理解することができなかった。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/06(水) 09:17:53.70 ID:Cl01acRDO
ベル「キーンコーンパンポーン」


4時間目の終業のベルが鳴る。
試験のため短縮授業であり、皆、続々と下校していった。



律「よっしゃー、帰ろうぜい澪」


澪「……」ホゲー


律「おーい、秋山さーん」

澪「(私…馬鹿じゃん…)」

優秀な成績をおさめてきた澪だけにショックだった。

澪「律、先帰ってていいよ…」


律「ええ?ちょっと寄り道しようよー」


澪「居残り勉強していく…悪いな」


律「家でやればいいじゃーん」


澪「いいからテーピングだ!!」クワッ


律「!」ビクッ


澪「あ…ごめん…」


律「ちぇっ、わかったよ。先に帰るもん」


澪「早めに終わったらメールするからさ」


律「へいへい、じゃあな。頑張れよ」


澪「ああ」


律も下校していった。
律は気にしていないようだが、つい声を荒げてしまった…後で詫びのメールを送ろう。


律「あーあ…唯とムギを誘うか」


律「ん?」ギュッ


廊下を歩いていると手に柔らかい感触。


いちご「もう帰る…?」


律「いちご…?そうだけど」


いちご「一緒に遊ぼ」


律「ん…ああ別にいいけど」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)2011/07/06(水) 22:16:20.15 ID:kV3NAuyt0
ヒュー
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/08(金) 19:14:20.96 ID:KxID5kkDO
澪「…」カキカキ


澪「うーん…」


悩んでばかりでなかなかペンが進まない。どれも見覚えのある問題のはずが…


唯「澪ちゃーん」


紬「お疲れさま」


澪「唯、ムギ!」


やはり2人は別のクラスみたいだ。


唯「あれれ、律ちゃんは?」


澪「ああ、先に帰ってると思うけど…会わなかったか」


紬「さっき、いちごちゃんと手を繋いで帰ってたような…」


澪「なにぃ!?」


私と遊べないや否や、もう浮気したのか…もういい!連絡してやんないもん!


唯「澪ちゃんは帰らないの?ムギちゃんとケーキ食べに行くんだぁ」


澪「あう…」


試験勉強をしなければいけないのに甘い誘惑が…。


澪「私はいいや、試験終わったら行こうよ」


唯「えー…澪ちゃんのいけずー。左利きー」


澪「なんだそれ」クス


紬「澪ちゃん、真面目だからしょうがないわ」


唯「ちぇっ、わかったよ…あずにゃんに来てもらお」

紬「そうしよう、じゃあ…澪ちゃん頑張ってね」


澪「ああ、悪いな二人とも」


唯「バイバーイ」


澪「(いいなぁ…ケーキ…)」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/08(金) 19:14:58.32 ID:KxID5kkDO
その後も澪は勉強を続けた。しかし、時間だけが過ぎていくばかりで、問題を解くことができない。


澪「駄目だ…、もうこんな時間か…」


昼過ぎから勉強し始めて、思えば昼食もとってなかった。


澪「ちょっと休憩しよ…」

途方に暮れる澪。ジュースでも買いに行こうかと思った矢先。教室の扉が開いた。


曽我部「秋山さん、お疲れ様」ピョコ


澪「あ、先輩。こんな時間まで」


曽我部「生徒会の雑用があってね」


澪「そうなんですか」


曽我部「秋山さんは試験勉強?」


澪「はい…かれこれ3時間ほど…。ちょっと休憩しようかなと」



曽我部「そんなに難しい?」


澪「まぁ…はい」


曽我部「そう…」



先輩は何やら考え込んでいる。秋山澪ファンクラブの発起人であり生徒会長の曽我部恵(18)


曽我部「秋山さん、よかったら教えてあげようか?」

澪「いいんですか?」


曽我部「うん、もうすぐ先生が見回りにくるから…私の家でどう?」


澪「はい!お願いします」

苦戦していた澪に頼もしい味方が現れた。澪は顔を輝かせる。
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/08(金) 19:15:36.05 ID:KxID5kkDO
澪「そういえば先輩、朝は本当にありがとうございました」


曽我部「いいのよ、けど、とっさに悪知恵があんなに働くなんて思わなかった」クスクス



2人で並んで下校する。
思えば先輩と帰るなんて初めてだ。



澪「…」


曽我部「どうかした?」



澪「なんか先輩嬉しそう」


曽我部「だって…秋山さんと一緒だから…」モジモジ


澪「…!」キュルルンポーン



澪のハートにエンジンがかかる。徐々にスピードを高め首都高を爆走しそうな勢いだ。



曽我部「…いきましょっ、もう少しで着くから」


澪「そそそうですねっ…」

澪「(うぅ…恥ずかしい)」

曽我部「(大胆なこと言っちゃった…)」


お互い照れてしまい、ドギマギとしてしまった。


澪「(ん、律からメールか)」


メールには画像が添付されていた。見てみるといちごとのプリクラだった。



澪「(イチャイチャしやがって…近すぎじゃないのか)」



ボーイッシュな律はまるで、いちごの恋人のよう…。苛立ちを気づかれぬよう必死に深呼吸する澪であった。
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/12(火) 22:29:57.17 ID:Vzp75wzDO
その後、しばし歩くこと20分…


曽我部「秋山さん、こっちこっち」


澪「わぁ…綺麗…」


曽我部「そう?上がって上がって」


澪「お邪魔します」


曽我部「今日は家は誰もいないからゆっくりくつろいでね」


澪「はぁ…勉強しなきゃですけどね」


曽我部「ふふっ、そうだったわ」


部屋の場所を教えてもらい先に上がらせてもらった。

澪「(これが…先輩の…生徒会長の部屋か…)」


よく整理整頓された8畳ほどの部屋。選挙戦を戦い抜いた強者とは思えない。


澪「(ぬ…)」


ふとあるものが目に入る。ベランダに干された洗濯物(下着)だった。


澪「(ピンクに…ホワイトか…)」


イメージ通りだった。しかし、それらに隠れて奥に干してあった物に澪は言葉を失う。


澪「(黒…!)」


「それ」は明らかにピンクやホワイトとは違う雰囲気を漂わせていた。
まるで澪を誘惑するような魔性の色。太陽の逆光に照らされ輝いて見えた。


澪「……」ゴク…


誘われるようにベランダに近づく澪。「触れてみたい」というあらぬ衝動に駈られた。

ベランダまで残り僅かという所で部屋のドアが開かれた。


曽我部「お待たせ、秋山さん」


澪「ひゃあ!」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/12(火) 22:30:48.01 ID:Vzp75wzDO
曽我部「ふふっ、驚かせるつもりはなかったんだけど」


澪「ははは…すいません、大袈裟でした」


曽我部「暑いから冷房入れるね、あと麦茶」


澪「はい」


汗ばんだ体を冷気が包む。飲み物を用意してくれたみたいだ。ありがたい…!!


曽我部「じゃ…始めましょう、どれから?」


澪「数学からお願いします」


曽我部「ふむふむ…これはね、ここをこうして…」


澪「ふむふむ…」チラッ


先輩に悪いと思いながらも、黒のパンティーが気になる。けど、今は勉強に集中だ。


曽我部「ね…簡単でしょ」

澪「はい、先輩!」


さすが生徒会長といったところか、頭脳明晰、容姿端麗、風林火山。しかも教えるのが上手ときてる。こんなパーフェクト超人がこの世に存在するとは思いもよらなかった。


曽我部「これは…この公式を使って…」


澪「ふむふむ」カキカキ


見違えるように問題をスラスラと解いていく澪。


曽我部「(やっぱり可愛い…)」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/12(火) 22:34:04.95 ID:Vzp75wzDO
その頃の律は…


律「ぐぁあっ…」ゲボォ


いちご「もうちょっと楽しませてくれると思ったけど…」


律「(血が…こんなに…)」


それでも律は諦めない。
拳で血を拭い立ち上がる。

律「まだ勝利宣言は早過ぎるぜ…」ペッ


いちご「…いいよ」


律「おう!」


光男「(とんでもねぇ化け物が現れやがった…)」


澪に連絡することなどとうに忘れ、死闘を繰り広げていた。



〜曽我部家〜


澪「こうですよね…」


曽我部「うん、完璧」


澪「やったぁ」


あれから一時間少々、先輩のおかげで試験勉強は捗る捗る。


曽我部「ちょっとソファで休憩しよっか」


澪「はい」

麦茶を片手にソファに腰掛ける。

曽我部「試験が終わったら夏休みね、もう予定は決まった?」

澪「いや…例年通り合宿はすると思います。あっ…あと夏祭りかなぁ」

曽我部「そう…」

澪「先輩…?」


先輩の表情が曇る。
何か悪いことでも言ったのだろうか…


曽我部「羨ましいなって思って」

澪「へ…?」

曽我部「もう私は3年だから、来年の受験のために塾ばっかだから…」

澪「…」

曽我部「たまにね、高校生活を振り返るの。生徒会ばっかりだったな…」

澪「…」

先輩の寂しげな表情や口調に何も返すことができない。

曽我部「秋山さんが羨ましいな…」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/12(火) 22:35:00.43 ID:Vzp75wzDO
曽我部「けれど…」


お財布を取り出す先輩。
なんだお小遣か…。


曽我部「これが1番の思い出の証かな」


澪「これって…」


曽我部「そう、ファンクラブのカード」


差し出されたのは、会員No.1 曽我部恵と印されたカード。


澪「なんだか恥ずかしいです…」


曽我部「ふふっ、けど、よく出来てるでしょ?」


澪「はい、手作りとは思えないです」


先輩の表情が和らいだ。
このカードには澪への愛がギュウッとつまっているのだろう。



曽我部「秋山さん…」


そういうと先輩は澪の手に自分の手を添えてきた。


澪「…!」


不意を突かれ、体が固まってしまった澪。


曽我部「ファンクラブのメンバーは100人を越えたんだけどね…」


澪「ふふ…ふっ…増えすぎ」


駄目だ。
緊張で呂律が廻らない。先輩はどうしたのだろう、いつもの雰囲気とは違う。



曽我部「その100人よりもね、私の方が大好きよ…秋山さんのこと…」


澪「へっ…うわっ…!」


気がついたら私は先輩に押し倒されていた。
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/14(木) 22:46:24.45 ID:iFUA5dSDO
澪「せっ…先輩」


曽我部「私の好きは、LikeじゃなくてLOVEの方だから…」


澪の膝の上に馬乗りになり、澪の頬を撫でてきた。緊張で冷房が効いているはずなのに体が熱い。


澪「けどっ…他のファンクラブの会員達の目もあるし…」


曽我部「関係ないもん、今は二人きりだから…」


澪「うぅ…」


力いっぱい突き飛ばせば先輩を払いのけるのは簡単だ。けど、できない。正確にはしたくない。


曽我部「…」モミュ


澪「ふぁっ…」


曽我部「私じゃ嫌…?」


澪「うっ…」


澪「(そんな目で見られたら…断れない…)」


曽我部「ね…気持ちよくなるから…澪ちゃん」


澪「めぐたん…」


恵「ソファは狭いから、あっち行こ」


澪「うん…」


嫌な気分は全くしなかった。これから始まることに、緊張で胸が張り裂けそうだけど、それ以上に先輩の好意が嬉しかった。
澪をベッドに座らせると、恵は部屋のカーテンを閉めた。


恵「ふふっ、この方がムードあるでしょう?」


澪「確かに…」コクリ


恵「…」パサ


澪「ふぉ…!!」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/14(木) 22:47:14.80 ID:iFUA5dSDO
ワイシャツを脱ぎベッドに腰掛ける恵。


恵「…」ドキドキ


澪「…」キュンキュン


沈黙が流れる。
お互いの心臓の鼓動だけが聞こえそうなくらい静かだ。


恵「やっぱり…嫌?」


澪「嫌…じゃないです…」

恵「え…」


澪「先輩、いや…めぐたんならいい」


恵「澪たん…」


再び先輩に押し倒され、澪が下に恵が上に。


恵「優しくしてあげるからね…」ムチュ


澪「んっ…」ムチュチュ


舌が絡み合い、お互いの唾液が交わりあった。


恵「…どう?初めてのキス…」


嬉しそうに感想を聴いてくる恵。


澪「う〜ん…大人って感じかな」


恵「うふふっ、澪たんらしいね」


澪「はは…」


恵「ね、もう一回しよ」


澪「ああ…」


二人が再びキスをした時、携帯のバイブが鳴ったのを澪は気づかなかった。
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/14(木) 22:47:58.90 ID:iFUA5dSDO
〜HOTEL MAKE LOVE〜


只今電話に出ることができまっ…ブチッ。オペレータの声を聞くと、律は携帯をきった。


律「(澪の奴、寝たかな)」

後で連絡すると約束しながら大分遅くなってしまったせいかなと律は解釈していた時。
後ろから律の首に両手を回してきたいちご。


いちご「誰に電話してたの?」


律「ああ親だよ。今日は遅くなるって…バスローブ似合うじゃん」


いちご「ふーん…」ツルツルペタペタ



律「って…胸を摩るなぁ!」


いちご「りっちゃも可愛いよ」


律「へへん、けど、一度バスローブ着てみたかっただよなぁ」


いちご「そう…」ツルツルペタペタ


律「こらぁ、このーこのーお仕置きだ」ガバッ


いちご「きゃっ…」


律「さぁて…どう懲らしめてやろうかな」


いちご「…///」カァァ


律はいちごに馬乗りになり、見下ろす。
ふざけてたのが急に頬を赤らめ視線を逸らすいちご。
シャワーを終えたばかりで、まだ少し髪が濡れているのが色っぽく見えた。


律「怖いのかぁ?お嬢ちゃん」


いちご「…履いてないんだね」


律「ん?」


いちご「パ…パンチュ…」

律「(噛んでる)」クスクス
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/07/15(金) 08:12:56.96 ID:Bv0KJemAO
このままエロシーンに行ってくれ〜!
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/15(金) 20:53:30.91 ID:iKW0qcdDO
律「バスローブて履かないのか…」


いちご「大胆だね」


律「脱げよ…いちごも」


いちご「え…」


律「パンチュ…」


いちご「嫌」


律「えいっ」ズリッ


いちご「だめっ…」


強引に脱がせた。
これでフェアな戦いができるというものだ。


律「ほうほう、可愛いな」

いちご「っっ…」


律「ふふっ」


いちごの照れた顔を見るのが楽しくなってきたぜ。やっべ興奮してきた。


律「…そういやさ」


いちご「?」


律「なんでこんなとこ来たんだっけ」


いちご「汗かいたから?」

律「確かに汗はかいたが…ここって…その…MAKE LOVEするじゃん」


いちご「うん…エッチだね」


律「ぶほっ」


いちご「ひと夏の経験ていうのかな…」


律「…いいのか?」


いちご「りっちゃなら…いいよ」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/15(金) 20:54:11.48 ID:iKW0qcdDO
そう言うといちごは目を閉じた。


律「(すまんな…澪、けど、据え膳食わぬは何とかって言うじゃないか)」


親友への背徳感…。
しかし、いちごを目茶苦茶にしたいという欲望が沸々と沸き上がっていた。


律「いちご…」


いちご「う…んっ…」


覆いかぶさるように、激しくキスを交わす。
せがむように律の腰に手を絡ませ、お互いのバスローブは開ける。


律「はぁ…」


いちご「りっちゃ…」


律「ここが気持ちいいんだろ?」ツン


いちご「あぅ…」


律「…」ペロ


いちご「はっ…あぁ…」


乳房の先端を舐めた途端、いちごは甘い声を漏らす。その声が律をさらに駆り立てる。
舌で桃色乳首を転がすように舐める。


いちご「あぁっ…ん…」


律「へへ、どう?」


いちご「…気持ち…いいよ」


律「じゃあ下も…」


いちご「あっ…!」ピクン


いちごの下半身に触れると、いちごの体が小さく痙攣した。


律「痛くないか?」


いちご「んっ…痛くないから…もっと…奥まで…」


律「へへっ、わかったよ…」


中指をさらに奥に侵入させると…いちごの呼吸がより一層乱れる。


いちご「はっ…はぁっ…あぅん…りっちゃ…」


律の中指が中で動く度に、右腕を強く握りしめるいちご。
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/15(金) 20:54:56.01 ID:iKW0qcdDO
律「(あたしってSなのかな…)」


いちごが悶え苦しむ中、そんなことを考えていた。

苦悶の表情を浮かべるいちごを見るとゾクゾクしてくる。何よりクールな彼女が、口を半開きにし、普段とは違う高い声を出し喘ぐのが律を興奮させた。


律「はは、指がふやけそうだよ」


いちご「ふぇ…」


呂律が回らない、潤んだ瞳でこちらを見ている。


律「いちごがビチョビチョだからな…」


いちご「…!」プクー


律「なぁ、いちごってイッたことある?」


いちご「ない…りっちゃがイカせて…」


律「よぉし」


いちご「うぅ…んあっ」


乳首を舐め、指の動きを速くさせると。膣が指を強く締め付ける。

徐々にピチャピチャと淫靡な音を立てる、いちごのクリトリス。


いちご「りっちゃ…もう駄目っ…!出ちゃうぅ…」


律「いいぞ、イって」


いちご「…あぁっ…もうっ…もう…イくぅぅっ…!」

いちごのクリトリスがスプラッシュマウンテン。

体が反り返り、ビクンビクンと痙攣した。


いちご「あっ…はぁー…はぁー…」


律「へへっ」


いちごは虚ろな目でこちらを見る、なんとも色っぽく見えた。果ててしまい疲れきったのか目を閉じ、寝てしまった。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/16(土) 22:33:55.88 ID:9nAIRhJDO
いちご「…」スー…


律「ふぅ…」プカー


いちごは昇天し、眠りについてから30分程だろうか。隣でいちごの寝顔をみながら煙草を吹かす。


いちご「ん…」パチ


律「おはよ」


いちご「寝ちゃってた…?」


律「うん、イッた後すぐにな」


いちご「…///」


律「気持ちよかったかぁ?お嬢ちゃん」


いちご「……うん、頭が真っ白になって…」


律「けど、すごい感度いいんだなぁ」


いちご「むむぅ…」プクー


律「おっともうこんな時間か…シャワー浴びたら行くか」


律が立とうとした瞬間、手を掴まれた。それはもう…ギュッと


いちご「親には泊まってくるって言ってあるから…」

律「らふぉ…え…?」


いちご「…」グイグイ


無理矢理ベッドに引き戻される。


律「あぁ…えと、じゃあ」

いちご「もう一回しよ…」

律「(積極的〜〜!!)」


律はいちごの華奢な体に飛びついた。今夜は眠れそうになさそうだ。
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/16(土) 22:34:56.98 ID:9nAIRhJDO
澪編終了!





まだだ…、場面変わってめぐみおはというと。


恵「は…っ…んっ…」


澪「う…ん…はぁ…」


まだキスしてた。


恵「大分慣れた?」


澪「いや…めぐたんにリードしてもらってるだけかな…」


恵「澪たん上手よ、ふふっ」


澪「(本当に嬉しそうな顔するなぁ…)」


自分と似ていて少々釣り上がった目。不思議ときつい印象を与えない目。


恵「1時間もキスしてたんだ…」


澪「ああ…どうりで暗いと思った」


恵「じゃあキスはおしまい」


澪「…!」


恵「ごめんね、ちょっと焦らしてたの」プチプチ


澪「あ…」


ワイシャツのボタンを外していく恵。あらわになる澪の真夏の果実。


恵「わぁ…大きいね」モミュ

澪「ひゃぅ…」ピクン


軽く揉まれただけで感じ、背筋がゾクゾクする。


恵「もっともっと…気持ちよくしてあげる」


澪パイを撫でながら首を甘噛みしてくる。
くすぐったいのとは違うんだ。快感なんだ。


澪「う…ぁん…」


自然と吐息と声が漏れる。恵は徐々に首から鎖骨のあたりに舌を這わせ、澪のブラのホックを外した。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/21(木) 07:08:26.09 ID:q9NIWJ7DO
恵「わぉ…」


あらわになる真夏の果実。


恵「(この張り、弾力…ボリューム…。まるでこの世が生み出した最終兵器…)」


あまりの美しさに恐怖さえも感じる。しかし、ここで引くは生徒会長…いや女のプライドに触る。


恵「ふぬっ…」ペロ…


澪「うぁん…」


まるで赤子のようにしゃぶりつく恵。


恵「うふふ、可愛い…」


澪「あぅぅ…」


恵「澪たん、乳首がピンッ…てなってる」


澪「ぬぬ…///」


恵「…澪たんにも…舐めて欲しいな…」


澪「えっ」


恵「…その」


澪「…わかった」キリッ


攻守逆転。恵の上に澪が覆いかぶさるようになる。


澪「(色白いなぁ…綺麗)」

澪もまた恵の体に見とれる。透き通るような白い肌は蔵王のスキー場を連想させる。


恵「澪たんみたいに大きくないけど…」


澪「いや、すっごい綺麗だよ」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/21(木) 07:09:28.00 ID:q9NIWJ7DO
澪「じゃあ…」ペロ


最初は恐る恐る舐める。
恵の体がピクンと反応した。

恵「ぁ…」


澪「こんな感じ…かな?」

恵「上手、下手じゃないの。大事なのは…」


澪「…愛?」


恵「正解、よくできました」


澪「よし…!」


クイズに正解し、スーパー仁君をゲットした澪。
次は初めより強く舐め、そして吸う。


恵「あぅ…んん…はぁ…」

澪「(めぐたん…感じてるのか)」


恵「澪たん…ここも触って…」


手首を掴まれ、自分の秘部にあてがう。
布の上から触れたが、熱を持ち濡れているのがわかる。そこからは女の匂いがした。


澪「…」ゴクリ


恵「指入れて…」


下着をずらすと懇願するような表情で澪を見る。
が…その時…


恵母「恵ー?いるのー?」

澪恵「!」ビクウッ


恵「母親が帰ってきたみたい…」


澪「あわわ…どうしようどうしよう…!」


階段を上がる音が聞こえてきた。こんな姿を見られたらまずい。


恵「クローゼットの中に隠れて…!」


澪「う…うん!」バタバタ


澪がクローゼットに入ると、ちょうど部屋がノックされた。


恵「はぁい」


恵母「恵いたの、返事ぐらいしてもいいじゃない」


恵「ちょっと居眠りしてたの…」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/21(木) 07:10:14.53 ID:q9NIWJ7DO
恵母「顔が赤いわ、具合でも悪い?」


恵「うっ…ううん、大丈夫よ」


恵母「そう、ご飯買ってきたから着替えたら来なさいね」


恵「うん、わかった」


母親が部屋を出ていくと、恵はホッと息を吐く。


恵「澪たん」コンコン


澪「…大丈夫だった?」


恵は手でOKサインをつくる。


恵「良いところだったのになぁ…」


澪「うん…、けど、見られたらまずいし、今日は帰るかな。勉強教えてくれてありがとう」


恵「いいの、じゃあ…」チュッ


自分より少し小さな先輩は背伸びをして、キスをしてきた。


恵「続きはまた今度ね」


澪「ああ…」


脱いだ服を着た後、恵母に気づかれぬように澪は曽我部家を後にした。


澪「(あーあ…)」


帰り道、6時過ぎ辺りは夕日が沈み始め暗くなっていく。さっきまでの数時間があっという間に過ぎたように思えた。


澪「(めぐたんの体…綺麗だったな…)」


恵の声や表情、体が頭から離れない。
母親の帰りが遅かったら、もっと愛し合うことができただろうか。中途半端に終わってしまい悶々としてしまう。


澪「ん…律から着信あったのか」


携帯を開くと律からの着信履歴。澪は電話をかけた。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/21(木) 07:10:57.03 ID:q9NIWJ7DO
いちご「電話…」テカテカ


律「ん、あぁ…いいや」テカテカ


律が腕枕をし、ベッドで裸で寄り添う二人。電話に出るのもいちごに悪い気がして出なかった。
何よりあの後、数ラウンドをこなし疲れたのと、余韻に浸りたいというのもあった。



律「なんだか…不思議な感じだな」


いちご「…?何が?」


律「ドラマ見ているみたいでさ」


いちご「ドラマーだけに?」


律「はは、ちょっとウケた」


いちご「お腹空いた…」


律「うーん…、あ、ここ食事もあるみたいだぞ」


ベッドの脇にメニューが置いてあった。


律「何がいい?色々あるけど」


いちご「りっちゃと同じのでいいよ」


律「じゃあ…、お前の炒飯で…なんだこの名前」


いちご「ぷっ…」


律「へへ、笑ったなぁ」


いちご「笑ってないよ?」

律「いちごの笑顔は珍しいな」


いちご「…」ニパー


律「うん、可愛いよ」


いちご「…///、電話するね」


照れ隠しからかそそくさと電話をするいちご。


律「(ご飯まであるなんて知らなかった)」


人生初のラブホテル…。
大人になってしまった寂しさと、新鮮な気持ちがいったりきたり。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/21(木) 07:13:01.21 ID:q9NIWJ7DO
澪「律のやつ…出ないな」

いつもなら出なくとも少し待てば向こうから電話が帰ってくるものだが、なんだか寂しい。


澪「ただいまー」


澪母「遅かったじゃない!心配したのよ…」


澪「あ…ごめん。部活で…」


澪母「もう…遅くなる時は連絡しなさいよ」


澪「うん…、わかった」


部活に関してはとやかく言わない母。
母には悪いけど嘘をつかして貰う。本当のことなど言えるはずもないし。


澪「ご飯いらないから、じゃあ」


後ろめたいのか、さっさと自室に戻る澪。

澪母「夏バテかしら…」


〜澪部屋〜

澪「ふぅっ…」


自室に入ると照明も真っ暗のまま、澪はパンツに手をあてる。


澪「(びちょびちょだ…)」

汗ではなくネバネバとした液体が手を濡らした。
その液体を見つめ「性」を感じた。

澪「ん、律かな」

携帯のバイブが震える。
差出人は和だ。


和『曽我部先輩が澪のアドレス教えて欲しいって、いい?』

澪「!」

一気に胸が高鳴る。
即返事を返し、暫くすると、再び携帯が震える。


澪「(めぐたんだぁ…)」キュンキュン


たった一通のメールにこんなにときめくなんて初めてだった。


恵『今日はお疲れ様。急にごめんね。続きは…澪たんがテスト頑張ったらしてあげる(笑)』

恵『澪たん大好き』


澪「うわぁぁぁぁ」バッ


澪はベッドに思い切りダイブすると俯せの状態で足をジタバタさせた。


澪「私もっ…と」


恵からのメールで虚無感が薄れた気がした。
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/07/21(木) 11:07:58.30 ID:9KWnFyrAO
エロい…

もっとやれ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/23(土) 23:25:36.47 ID:VMlgySHDO
〜朝〜


律「ん〜…!ふぁぁ…」


窓から差し込む朝日。
今日も暑くなりそうな予感。


いちご「おはよう」


律「…おっす」


いちご「りっちゃは珈琲にお砂糖入れる?」


律「ああ、うん」


自分より早く起き、珈琲を入れてくれた。気が利くなぁと感心する。


いちご「はい」スッ


律「お、サンキュー」


珈琲を片手に煙草に火をつける。やっぱ朝はこれだよね☆


いちご「…」ジー

律「あっ…煙草苦手だったか?ごめんな」

いちご「似合ってるからいいよ、平気」

律「そか、まあロックだからなぁ」

いちご「?」

律「ああ、おいし」

いちご「インスタントだけど…」

律「なんでだろ、いちごの愛情でこんな美味しいのかな」

いちご「……///」ムギュギュ
照れた顔を見られたくないのか、抱き着いてくる。
この反応を見たくてわざとナルシシズムな台詞を言うんだ。


律「あれ、照れてる?」ニヤニヤ

いちご「照れてないよ…」

内線「プルルルル」

律「あ、電話。はいはい」
内線「お客様、まもなく終了ですが…」


律「はいはい、了解です」
内線「ガチャン」

律「じゃあ、服着て行くか」

いちご「うん…」

きちんと畳まれた制服を手渡された。

律「よしっと…忘れ物ないな」

いちご「もうちょっと…」ムギュギュム

律「甘えっ子め、よしよし」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/23(土) 23:26:18.99 ID:VMlgySHDO
フロントの人「会計8000円になります」


律「ほいほい…」


いちご「半分こね」


一人4000円ずつ、高校生にはちょっぴり高い。


律「んー!いい天気だ」


いちご「もうすでにちょっと暑いね…」


律「それじゃあ…またな」

いちご「りっちゃ…」


寂しげな表情に胸が痛む。家の方向が逆なのが悔やまれる。


律「来週また会えるさ、そんな寂しい顔するなよー」

いちご「…だって」


律「試験終わったらまた遊ぼう」


いちご「わかった…じゃあ」


律「ていっ」チュッ


いちご「ぴぃっ…」


不意をつかれ変な声が出てしまった。


律「これで寂しくないだろう」


いちご「うん…」


律「じゃあな」


いちご「バイバイ」


お互いに背を向けると、帰路につく。来週にはまた会えるのに、激しい夜を共にしたせいか…帰るのが未練がましい。


律「試験終わるまでの辛抱か…」


いちごの愛液をたくさん吸った右手が疼く。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/23(土) 23:27:12.51 ID:VMlgySHDO
澪母「澪ちゃん」トントン


澪「んん…」


机に突っ伏したまま寝てしまったようだ。


澪母「徹夜してたの?」


澪「あ…うん、寝ちゃったけど」


澪母「勉強は大事だけどあんまり根詰めないでね」トン

澪「わかった、朝からそうめん〜」


澪母「もうお昼だけどね」クスクス


澪「そんな寝ちゃったのか…早く続きを…!」


澪母「勉強は食べてからね」ガシッ


澪「…はぁい」


焦りは募るが小休憩しよう。食べないと脳も働かないというし。


澪「…」チュルチュル


夏はそうめん率が上がる。特に休日の昼間はそうだ。

澪「(けど、大分わかるようになってきたな…)」チュルチュル


確かな手応えはあった。
どうせなら学年1位でも取ろうか。勉強を教えてくれた恵も喜ぶだろう。


澪「よしっ、やるか!」


そうめんをたいらげると、澪は再び試験勉強を続けた。
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/27(水) 07:35:06.51 ID:om+LvLPDO
決戦の時は、刻一刻と近づいていた。


律母「律!あんたどこ行ってたの!」


律「あーはいはい、ちょっとお泊り」


律母「あんたまだ未成年でしょ!どこ泊まってたの…!まさか…」


律「…!」ギクッ


律母「あそこに泊まったのね…!」


律「さーて試験勉強すっかなー、じゃね」ダダッ


律母「あっ、待ちなさい!」


母は引き止めたが、律は半ば強引にそれを振り切る。

律「(勘良すぎだろ…)」


律「あー…」ベッドニポフッ


律「(いちご…)」キュルルルン


頭の中がストロベリー…。帰りにどっか寄り道してもよかったかなと後悔する。試験勉強もしなきゃと思っても、集中できない。
いちごに会う来週の月曜日が待ち遠しい。


律「そういや着信あったっけ…澪か」


律「かけ直そ」ピッピッ


澪『もしもし?』


律「あー澪?ごめんごめん、返事遅れて」


澪『あぁ、いいよ』


律「(あれ…?)」


いつものお叱りがあるはずが…無い。


澪『夕べはお楽しみだったようで…』


律「…っ、馬鹿、からかうなよ〜」


澪『いちごと律って珍しい組み合わせだよな』

律「あぁ、無愛想なイメージだったけどけっこう話したよ」ホッ

電話越しでよかった…。
いちごと、あんなことやこんなことをしてたなんて知られたら…

律「今日、どっか行くか」
澪『断る』

律「はいはい、澪しゃんは真面目ですねー」

澪『試験終わったら皆で行こうよ』

律「そだな、うん、じゃあな」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/27(水) 07:35:50.56 ID:om+LvLPDO
律「なんだ…そっけないの」パタン


申し訳ないつもりで連絡したつもりが、何のお咎めも無しで少しひょうしぬけしてしまう。


律「?」


律母「律、お友達よ」


律「あ、誰?」


律母「知らない」


律「何言ってんだ」


律母「だって初めて見たんだもの、こう二つに結んでる…」


律「(梓…?いや…)」


梓は母親も見たことがあるはずだ。律は玄関先に向かう。


いちご「あ…」フリフリ


律「えっ」


いちご「また会えた…///」ニコニコ


律「どうした?家の人心配するだろう?」


いちご「一回家には帰ったよ?」


律「なぬ…」


いちご「一緒に試験勉強したいと思って…」


律「わかった、上がって」

いちご「お邪魔します」ペコ


律母「やっぱりお友達?」

律「ああ、そうそう」


いちご「(りっちゃママ…将来は私のママになりうる人…)」


律母「後でお茶持ってくわ」


律「サンキュー、いちご、こっちこっち」


いちご「どうも…」


律母「はい、ゆっくりしていってね」


律母「…」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/27(水) 07:37:05.31 ID:om+LvLPDO
律母は感じとっていた。
我が娘の雰囲気が普段とは違うことに…


律母「(女の子同士…まさかね)」


ありえるはずがない。自分に言い聞かせる…が。
律といちごから感じられた「女」の香りが一抹の不安を拭い去ることができない。

律母「(大丈夫よね…)」

律母「…」グーグー


寝た。


〜律部屋〜


律「…」バタンカチャ


いちご「…?(なぜ鍵を…)」

律「会いたかったぞー!」バッムギュギュムギュウ


いちご「きゃっ」


律「いちごだー、プニプニだー」モフモフプニプニ


いちご「ふふっ」クス


発情期の犬の様に甘えてくる律が可愛くていちごは微笑む。


いちご「りっちゃ、勉強しよう」


律「あー…聞こえないー」

いちご「Let's Study!」

律「Hmm…」


いちご「Why?」


律「Strawberry…I Love You…」


いちご「Oh…Thank you。Me To」


律「ははは、ノリいいな。いちご」


いちご「Kiss…」


律「え…」


いちご「Kiss Me Please」

律「OK…Crazy Girl」


いちご「ん…」チュピ


律「(もう我慢できないや…)」


律は欲望の赴くままにいちごを求めた。
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/07/27(水) 09:18:37.91 ID:Nz7BJmDAO
澪の夢なのに澪がほとんど蚊帳の外wwww
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 13:41:13.90 ID:7bzEqDkDO
澪がどの視点で夢を体験してるのかがわかんねぇなww
律と苺の営みを鮮明に把握してるしww
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/27(水) 18:22:19.49 ID:om+LvLPDO
指摘されて初めて気づく自分の愚かさ

律編の続きみたいになってしまった…反省してます。次の投下からは澪が中心になるます
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/27(水) 18:23:37.34 ID:om+LvLPDO
指摘されて初めて気づく自分の愚かさ

律編の続きみたいになってしまった…反省。次の投下からは澪が中心になるます。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/07/28(木) 17:52:21.05 ID:+/GUUJHAO
律いちごは律編の番外編という事にすればいいと思う
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:05:02.24 ID:4Pe1PxUDO
澪「(夜もそうめんか…)」チュルチュル


無心に勉強を続けたお陰で捗る捗る。授業での酷い有様が嘘のよう。


澪「これなら…いける!」チュルチュルズズー


澪「〜♪」


過酷な戦いを目前に控え、恐怖はなかった。むしろ試験が始まる月曜日が待ち遠しい。

恵の言う「続き」がモチベーションであった。
それは不純でエロチックな動機かもしれない。しかし、そんなことはどうでもよい。あの時の快楽の先にあるモノが知りたくて仕方ない。



澪「待ってろよ…恵」


強く心に誓う澪であった。
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:05:47.55 ID:4Pe1PxUDO
〜試験当日〜


澪「んぁ…」


この日に備え早く寝た。目覚めがいい。コンディションは抜群。

飽きるほど勉強もした。いつもより際どい下着も着た。昨日の晩はそうめんじゃなくカツカレー。
後は時を待つのみ


澪「ちょっと早いけど出よう」


最後の調整を行うべく部屋を出ようとした時、ふと自分のベースが目に入る。


エリザベス「…」


澪「最近かまってやれなくてごめんな…」ヨシヨシ


エリザベス「ったく…勉強ばっかでよ」


澪「いや…ごめんな」


エリザベス「どうだ?いい感じか?」


澪「うん」


エリザベス「ほぉ、試験終わったらあれか、あれすんだろ」


澪「ばっ馬鹿、からかうなよ」


エリザベス「知らなかったぜ、澪がこんなにエロチシズムだったとはな」ニヤニヤ


澪「思春期てやつだよ、エリザベスにもあったろう」


エリザベス「ああね、そりゃあもう激しかったよ…あれは2年前…」


澪「(まずい…長くなりそうだ)」


ここで出遅れるわけにはいかない。


澪「あっ、そろそろ出なきゃだ。じゃあね」


エリザベス「あっ、おい!」

澪は駆け足で部屋を出ていった。
澪も大人になったなぁと親心の様な感情が沸き上がる。


エリザベス「(頑張れよ…澪!)」グッ


エリザベス「二度寝しよ」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:07:47.88 ID:4Pe1PxUDO
〜学校〜


澪「はぁ…はぁ…」


少し駆け足で来ただけなのに、息が上がっている。
長時間机に向かっていたせいだろうか。


澪「(けど、負けない!)」ゴキュッゴキュッ


栄養ドリンクを二本一気飲みすると澪は教室=戦場に向かう。


澪「一番乗りかな…」ガラガラ


信代「うしっ、うしっ」ドンドン


澪「信代…おはよう」

信代「うす、澪しゃん」

試験日の朝だというのに突っ張りの稽古をしている。
澪「勉強はいいのか?」


信代「がはは、おいどんにはこれが勉強みたいなもんでさぁ」

澪「あぁ…そう」

壁に突っ張る音で勉強に集中できない。落ち着け…落ち着くんだ。


澪「…」カキカキゴキュッゴキュッ


栄養ドリンクをもう二本飲み、復習をする。
信代の突っ張りを聞きながら、時間は過ぎてく。
生徒が続々と登校してくる。

生徒1「私、全然勉強しなかったよー」

生徒2「私もー」

澪「(でたでた…お互いを牽制しあってろ馬鹿が)」ペッ

さわ子「はい、皆おはよー」


皆「おはよーございまーす!」


さわ子「元気ですかー!!」


皆「元気でーす!!」


さわ子「今日から試験だけど頑張りましょう、じゃあ出席とるわね」


出席番号順に名前を呼んでいくさわ子先生。


さわ子「あら、りっち…田井中さんと若王子さんは休みね」


澪「(へ〜、律が休むなんて珍しいな…)」


さわ子「じゃあ、今日の試験なんだけど一日で全教科やりまーす」


皆「えーー!?」


さわ子「大人の事情ってやつよ」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:08:40.54 ID:4Pe1PxUDO
教室からブーイングの嵐が吹き荒れる。


さわ子「…」プルプル


皆「ブーブーブーブー!」

さわ子「ぐぬぬぬ…」プルプルプルプル


皆「ブーブーブーブーブーブーブーブー!」


さわ子「じゃあ…ガリガリ君でどう?」


皆「えっっ…」ピタッ


さわ子「真夏だから美味しいでしょうね〜」


皆「ざわ…ざわ…」


水を打ったように静まり返る教室。気温30℃を越える日には喉から手が出そうなほど欲しい物。


さわ子「じゃあ、試験しますね」ニッコリ


皆「はーい!」


澪「(買収された…ガリガリ君なんて、クラス分買っても五千円もしないじゃないか…)」


プリントが前の席の子から渡される。


さわ子「じゃあ…始め!」

先生の声とチャイムが鳴ると同時に決戦の火蓋は切って落とされた。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:09:47.32 ID:4Pe1PxUDO
〜HOTEL with〜


いちご「はぁぅうっ…」


律「…いいぞ出しても」


いちご「だめ…あっ…うっう…」


指の締め付けが強くなり、キュッ♪キュッ♪と締まってきたら…


いちご「やっ…ぁあ…出ちゃうよ…りっちゃ…」


律「そりゃそりゃあ!」


いちご「ああっ…!」


断末魔の後、律の指にいちごの〇〇〇が噴射された。
いちごの痙攣を鎮めるように律は優しく抱きしめる。

いちご「はぁ…はぁ…」ムギュギュ


律「へへ、どうだった?」

いちご「しゅごっ…すごく…よかったよ…」


律「へへーん、上手くなっただろ〜」


いちご「…」コクリ


イッた後のいちごを見るのが好きだった。体が桃色に染まり、目は虚ろにこちらをジッと見つめている。


いちご「シーツ…びしょびしょ…」


律「これが全部、いちご汁かぁ」ニヤニヤ


いちご「えいっ」ポカッ


律「いてっ」


テストなど忘れるほどに二人は愛し合った。保健体育の試験だけはやったみたいだけど
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:10:29.29 ID:4Pe1PxUDO
さわ子「そこまでー!」


皆「あー…!」


さわ子「皆、ご苦労様。ガリガリ君配るわね」


最後尾の席の生徒がテストを回収し、前の席からはガリガリ君が回される。

テストが思う通りにいかず嘆く者、ガリガリ君にはしゃぐ者、ここに天国と地獄の境目が出来た。


澪「(冷た…)」ペロペロ


ご褒美のアイスを味わう。テストは完璧だった。恵にいい報告ができそうだ。


澪「まだだな」


結果を見るまでは安心はできない、油断は禁物だ。

学祭で油断し全校生徒の前でパンツを晒した二の舞は避けたい。


澪「昼休みにしよう」


律も休みだし、今日は一人で昼食だ。
澪は屋上に向かった。
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:11:07.16 ID:4Pe1PxUDO
〜屋上〜


澪「ふぅ…」


緊張から解き放たれ疲れた澪は仰向けになり天を仰ぐ。弁当も食べる気がしなかった。

教室と違い、静かな空間が疲れを癒してくれるような気がした。



恵「なーにしてるのかな?」ピョコ


澪「めぐたん!」


そこに現れたのは恵。
スカートが風で靡きパンツがちょっと見えた。


恵「ふふ、澪たん疲れちゃった?」


澪「少しね」


恵「手応えは?」


澪「バッチリだよ」


恵「よかったぁ、頑張ったね」


澪「そりゃあ…まぁ、その…」


恵「ん?」


澪「…続きしたいから///」


恵「だーいじょうぶ、忘れてないから」


ツンとほっぺを突かれる。それがなんだか嬉しくて疲れを忘れた。


澪「めぐたんだから頑張れたんだ」


恵「今のはドキッとした」

澪「はははは」


恵「うふふふ」


しばし談笑。
そこに携帯が震える。唯からだ。


唯『テスト結果でた すぐ 戻れ』


澪「はやっっっっ」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/30(土) 03:12:00.58 ID:4Pe1PxUDO
>>256
そうします。ありがとう
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/02(火) 07:33:03.54 ID:qZALtwSDO
二人で体育館に向かうと人だかりができていた。
果たして結果は…一瞬、結果を知るのが怖くなった。

恵「大丈夫、澪たん頑張ったから…行こ」


澪「…うん!そうだよな」

恵に後押しされ、貼紙を見る。学年別に上位40人が記載されているようだった。


澪「(秋山…秋山…)」


下から順に自分の名前を探していく。


恵「澪たん見っけ」


澪「えっ、どこどこ!?」

恵「一番目立つとこにあるじゃない」


澪「ふぉ…」


目を疑うが間違いない。
てっぺんには燦然と輝く1位 秋山 澪。


澪「私が…1位…」


恵「ふふ、私と同じだね」

澪「あ…!」


三年生の1位は曽我部 恵とあった。二人で顔を見合わせ笑う。


唯「あ、澪ちゃん!おめでとー」


紬「すごいすごい!」ムギュギュ


澪「あぁ…唯、ムギ、ありがとう」


信代「野郎共!チャンピオンを胴上げじゃい!」


澪「えっ…うわわっ」


わっしょいという掛け声と共に澪は宙を舞う。
クラスメートだけではなく、ファンクラブの後輩も交え祝福された。


澪「ちょっ…高過ぎだよ!」


皆「わっしょいわっしょいわっしょいわっしょいわっしょい」


その輪を遠目から見つめる恵。


恵「(ちょっと…皆、触り過ぎよ…)」プルプル
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/02(火) 07:34:15.90 ID:qZALtwSDO
和「先輩…すいません」


恵「真鍋さん」


惜しくも僅差で2位につけた真鍋和。生徒会の名に泥を塗ってしまったからか申し訳なさそうな表情であった。


恵「そんなことないわ、ほんの僅かの差じゃない」


和「しかし…」


恵「一年生から上位キープなんて凄いわ、だからそんな顔しないの」


和「…」


恵に窘められる和は言葉に詰まる。


和「…なぜです」


恵「え?」


和「澪が使ったのは…確かに曽我部流でした…!」


恵「…」


和「私には体得できなかった…曽我部流をなぜ澪はこんな短期間に…!」


恵「真鍋さん…」


クールな彼女が珍しく見せる表情。その表情には、悔しさが滲み出ていた。


恵「澪た…っ、秋山さんには少し教えただけ。曽我部流はそんな簡単には体得できないわ」


和「…」


恵「秋山さんと真鍋さんの勝敗の分け目はね…」


和の胸に手をあてる恵。


恵「誰かを愛する気持ち…愛情だと思うの」


和「愛…」


恵「それを知ったから、秋山さんは、普段以上の力を発揮できたんだと思うわ」

和「…先輩」

恵「…」モミュモミュ

和「きゃっ」

恵「そんな顔しないのっ、今は…秋山さんを認め、祝福してあげましょう」


和「…わかりました、じゃあ私、胴上げに参加しますね」


恵「ふふっ、いってらっしゃい」


恵「(強くなれ真鍋さん、頑張って)」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/02(火) 07:34:54.26 ID:qZALtwSDO
〜放課後〜


澪「(胴上げ怖かった…)」

祝福してくれた皆には悪いが、20分も胴上げは長すぎだろ。
生徒は全員帰宅し、教室には澪一人が残った。


澪「ふぅ…まだかな」


噂をすれば、廊下を走る音が聞こえる。


恵「ごめん〜、お待たせ」

澪「めぐたん!」


恵「澪たん、すごい胴上げだったね」


澪「若干怖くなっちゃったよ」


恵「ふふっ、けど一位取ってくれるなんてすごいなぁ」


澪「ありがとう、これもめぐたんのお陰だよ」


恵「そんなに続きしたかった?…なーんて」


澪「う…うん」キュルルルン


恵「じゃあ…しよ」


澪「(堪えろ…)」コクン


平静を装いつつ、にやけそうになるのを必死に堪えた澪。
恵に手を引かれながら着いていく。


澪「(何処だろう…)」


恵「着いたよ」


澪「ここって…」


恵「うん、生徒会室」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 20:55:43.11 ID:s3Kc+l1DO
澪「(まさか…学校で…!?)」


戸惑いを隠せない。


恵「学校でするなんてドキドキするでしょう?」


澪「けど…先生とかに見つからないかな…」


恵「平気。鍵もかかるから」カチャリ


澪「…」ゴクリ


徐々に二人の距離が近づく。待ち侘びた瞬間に澪は唾を飲む。


恵「澪たん、よく頑張ったね。これはご褒美ね」


肩に手を回してくる恵。


澪「あ…めぐたんだから頑張れたと思う」


恵「嬉しい…」チュ


澪「んん…」


ガチガチに緊張していた体が恵のキスで和らいでいく。


恵「はぁ…んっ…」


澪「あ…んんっ…」


恵「ぷはっ…」


澪「めぐたん…」


恵「…初めての時よりちょっぴり上手になったかな」

澪「ん、そうかな…」


恵「立ちっぱなしは疲れるから座る?」


澪「うん」


生徒会室には皮張りのソファーがあった。二人が座るにはちょっと大きいが…色々なアクロバチックなこともできそうだ。
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 20:56:23.12 ID:s3Kc+l1DO
恵の攻勢は続く。
あの時のように澪の上に座ると、首や耳を甘噛みしてきた。


澪「うぅ…ん…はぁ…」


恵「…」ペロペロ


学校という場所でしているというのが澪の興奮を駆り立てた。
恵の髪から香るシャンプーのいい匂いが頭をクラクラさせる。


澪「(こっちからも…)」


恵「あう…」


澪「(このままやられっぱなしでなるもんか…!)」

恵の秘部を下着の上から中指でなぞると攻守逆転。
起き上がり恵を抱えるような体勢になる。


恵「澪…たん」


澪「脱がすね」


ブラウスがはだけ、透き通るような白い肌が姿を現す。


澪「めぐたん…!」


恵「やっ…あん…」


無心に恵の乳房をしゃぶる。吸っては舐め、吸っては舐めのループ。


澪「はぁ…はぁ…」チュパチュパ


恵「(もう…力が抜けて…)」プルプル


澪のラッシュに耐え切れずに膝の上から落ちてしまった。
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 20:59:30.18 ID:s3Kc+l1DO
澪「めぐたん…大丈夫!?」


恵「はぁ…はぁ…平気」


澪「ごめん…」


恵「いいの、けど…もうちょっと優しくね」


澪「あ、うん」


恵「じゃあ…下の方」スッ


澪「☆…!!」


恵は立つとスカートをめくる。驚くべくは太股の付け根に見える紐…。


澪「(駄目だ…!!この紐は引けない…!)」


躊躇う澪を見かね、恵は澪の手をそっと手を添える。

恵「澪たんのために張り切ったんだけどな…」


澪「ありがとう、嬉しいよ」


恵の気持ちを無下にすることはできない。
澪は決心する。


澪「(この紐を解いた時に…何かを掴める、そんな気がしたんだ)」


グイッ!スルッ…ファサ…

紐は解けた。


少し湿ったパンティーが床に落ちた。


澪「ふおぁぅ…」


封印が解かれ、淫靡な香りが漂う。


恵「そんなに見られると…恥ずかしいかも…///」


澪「……」


恵「なんか喋ってよぅ…////」グイグイ


澪「……」
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 21:00:12.35 ID:s3Kc+l1DO
澪は無言のまま、恵を無理矢理四つん這いの体勢にさせる、言葉はいらなかった。この淫らな愛には


恵「あぅ…はっ…ん」


澪「…痛くない?」


恵「うっ…ん」


澪「じゃあ…動かすね」


恵「はぅ…んんっ…あっ」

指を動かすと、蜂の巣から取れる蜂蜜のようにトロトロと溢れる愛液。
ベースを奏でるように恵の蜜壺を掻き回す。


澪「めぐたんの…暖かいな」


恵「は…ぁっ…はぁ…」



返事もままならず腰をくねらせ喘ぐ恵。
それを見て、澪のボルテージはさらに上がり、指の動きを早めた。



恵「澪た…んっ…もうっ…もう…!あぁ…ぅうんっ」

澪「うるぁぁあ!!」


恵「〜〜っっ、あっ…!」

澪の手に恵の〇〇〇が注がれた。力なく腰を床にへたりとつける。


恵「はぁ…はぁっ…」


澪「すごい出たな…」


恵「澪たんが上手だから…はぁ…はぁ…」


澪は恵を抱き抱え、ソファーに座らせる。大量のアドレナリンが分泌されたせいか軽い軽い。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 21:00:57.13 ID:s3Kc+l1DO
恵「……」ポー


澪「なんか喋ってよ、めぐたん…」


恵「…」チュウ


澪「んん…」


恵「大好き…」


澪「う…ん」


虚ろな表情で言われた「大好き」。


恵「私が先に卒業しても好きでいてくれる?」


澪「あぁ…」


恵「ふふっ、じゃあ…ファンクラブは解散だね」


澪「どうして…?」


恵「だって澪たんは私だけのものだもん…」


澪「成る程な…」


恵「私だけじゃなきゃ嫌だよ」


澪「めぐたんも…大学で浮気するなよ」


恵「しないもん、絶対…」

肩を寄り添わせながら、指切りをする恵。まだ若干、呼吸が荒い。
恵の頭を撫で、手をギュッと握りしめた。



恵「…」プツンプツン


突然、澪のブラウスのボタンを始めた恵。


澪「なっ…めぐたん?」


戦いは終わっていなかった。反撃の奇襲。


恵「ふぅ…休憩完了〜…次は私の番」


澪「はぅぅ…」


後半戦が始まる…!!
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 21:01:33.19 ID:s3Kc+l1DO
…がっ


澪「めぐめぐ…ぅうん」


澪母「澪ちゃん、澪ちゃん」


澪「へっ…?」


澪母「どんな夢だったの?もう学校よ」


澪「えぇぇえ!」


エロチックドリームは終わった。またしても恵母だけでなく澪母にも邪魔されてしまった。


澪「あわわ…行ってくる!」


澪母「ちょっと!ご飯は?」


澪「いらなーい、いってきます!」


澪母「はいはい、いってらっしゃい」


珍しく寝坊した澪を見送ると母は乱れた布団を畳む。


澪母「めぐめぐ…なんて友達いたかしら?」



どうしても澪の夢の内容が気になる様子。



エリザベス「(奥さん…はぁ…はぁ…)」



エリザベス「(澪は大人になったよ…あなたの知らぬ間にね)」ニヤリ



なんだこいつ
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 21:02:11.51 ID:s3Kc+l1DO
澪「はっ…はっ…」


走る走る澪。
夢のなかに続き遅刻は許されない。めぐたんはもう助けてくれないんだ。

曲がり角を全速力で曲がる澪。


恵「きゃっ」


澪「うわっ」


ドシンと尻餅をついた二人。


澪「すっ…すいま…え…」

恵「…秋山さん?」


澪「めぐたん…めぐたんじゃないか!何故ここに」


恵「秋山さんに会いにね、桜高に向かうとこ///」ニコニコ


澪「え…」ドクン


澪「(夢の続きできる〜〜!!)」ヒャッホォイ


恵「(可愛い…)」キュンキュン


澪「じゃ、行きましょう先輩」キュッ


恵「えっ…そうね…(手を繋ぐの!?)///」キュルルルン



遅刻とかどうでもよくなった。二人は固く手を結びながら学校に向かったとさ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/04(木) 21:03:57.64 ID:s3Kc+l1DO
澪編終了!
エロは無理でした。向いてないみたいorz

お次は梓編です
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/08/05(金) 03:16:17.33 ID:sEF6RPgAO

次も楽しみにしてる
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/08/05(金) 18:31:07.61 ID:nNp2I4kAO
おつ
十分なエロ描写を表現できてるとは思うがな
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 22:20:27.40 ID:J339zzvSO


頑張って下さい
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 22:23:37.95 ID:ysLeVAZDO
恵のキャラはこれで合ってるのだろうかと最後まで不安でした…wwww

ではでは梓編スタートです
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 22:24:48.19 ID:ysLeVAZDO
ゲシッ


梓「にゃ…」ビクッ


梓「(律先輩か…寝相悪いんだから)」


自分の足に律の足が乗っかっている。当の本人は心地好さそうに眠りについている。

起こすのも悪いと思って足はどけなかった。


唯紬「スースー…」


梓「(なんで…二人とも私に抱き着いてるんだろ…)」


抱きまくらのつもりなのだろうか。抱き着いた時にフィットするからなのか…。

梓「(ちょっと…苦しいけど柔らかいな)」


唯と紬と合わせて4つのクッションが梓を挟む。
それはもう…プルンプルン…と


梓「(明日は練習しよう、今日は遊んでばかりだったけど…)」


場所は紬の別荘。
例年、夏は合宿の場所として使わせてもらっている。

梓「(寝なきゃ…)」プニプニ

明日に備えて眠るため無理矢理目を閉じて眠る。
柔らかな感触を楽しみながら、この二人の枕があれば安眠できるだろう。


梓「(むぎゅ先輩のほうがボリュームあるな…唯先輩の弾力も捨て難いけど…)」


梓「…!」


澪「やれやれ律は…」


トイレから戻ったのか、澪が律の足をどける。さすが巨乳。


梓「(ありがとう…澪先輩)」キュルルルン


梓「スースー…」


律の足がどいたせいか、眠りにつけた様子。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 22:25:29.78 ID:ysLeVAZDO
中野!


梓「へっ…!?」


教師「何をボサッとしてる」


梓「え…あっはい!」


梓「(職員室だ…夢…?)」

間違いない。むぎゅの別荘で寝ていたはずが、職員室にしかも教師を目の前に立たされている。


教師「見ろ、この点数」


梓「はぁ…」


教師「部活に打ち込むのはいいが…ちょっと酷いんじゃないの?」


梓「くっ…」イラッ


怒りを、拳を握り締め抑える。


教師「ギターの演奏より、勉強すべきじゃないのかな?ん?」


梓「(抑えるんだ…梓…)」

なんで怒られなきゃいけないんだという疑問より、自分を抑えることに集中した。


教師「マスタングね…へっ…」


梓「?」


教師「がはは、ロボットかっつーの」


梓「…それは言い過ぎだと思います!」


教師「口を慎みたまえ、中野」ギロ


梓「うぅ…ぬぬぃ…」


殴りたい。体中の力を拳に込めて殴りたい。
しかも誰だこいつ。こんな教師いたっけ…。
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 22:26:13.87 ID:ysLeVAZDO
梓「はぁ…」


やっと教師の説教から解放された梓。


梓「(イライラする…)」


部活に向かうはずであっただろうが長い足止めをくった。こんな不機嫌な状態で部活に向かうのも…今日は部活をサボろうか…とも考えた。


梓「(いや…負けるな私!)」


そう自分に言い聞かせ音楽室に駆け足で向かう…が。

梓「あっ…いたっ」ドガンガラガラ


梓「ぐぬぬ…」イライラ


階段で躓き転んでしまう。段々とフラストレーションが蓄積されていく。


梓「すいません!遅れました」ガラガラピシャン!


つい、ドアの開け閉めにも力が入ってしまう。


律「お、遅かったなー梓」

先輩方は仲良くティータイムに勤しんでいた。


唯「あ、あずにゃーん」タタタタ
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 22:27:23.58 ID:ysLeVAZDO
唯「寂しかったよ〜」ムギュギュムギュウ


梓「ゆっ…唯先輩、離してください!」


唯「あれ?あずにゃん機嫌悪い」


梓「そんなんじゃないです…」


唯「じゃ、あたしが癒してあげる」ムギュギュムギュウ


さらに強く抱きしめる唯。いつもなら、このスキンシップを嬉しく思っていたはずだった。


梓「唯先輩…離してっください」


唯「よいではないか〜」スリスリムギュムギュ


梓「ぬぬにゅにゅ…」イライラ

梓「にゃあぁぁぁっ!!」ブンッ


唯「あっ…わわわっ」


梓の掛け声とともに、唯は宙に舞い床に叩きのめされた。柔道でいう一本背負い


律「おっおい、梓」ガタン


梓「はあっ…はぁっ…」


唯「……」


唯は呆然としたまま動かない。しかし、その目から涙が零れると


唯「なんで…なんでよぉ…」グスッグスッ


梓「あ…」ハッ


梓を我に帰る。
なんてことをしてしまったのだろう。


唯「あたしは…グスッ…あたしは…あずにゃんに元気になって…貰おうと思っただけなのに…グスッ」


梓「あ…あの…」


泣き出す唯にかける言葉が見つからない。

梓「唯…先輩…」

唯「…触らないでよ」

梓「え…」


唯「あずにゃんなんて嫌い!」

梓「そんなっ…」ガーン


唯「律ちゃん、ごめん、今日は帰るね…」


律「あ…あぁ…わかった」
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/10(水) 22:28:00.80 ID:ysLeVAZDO
唯が去った音楽室は静けさに包まれた。
元々、ムードメーカー的な存在であった唯が居なくなっただけじゃなく、あんなことがあった後では


梓「…」


後悔の念に襲われる。
唯は悪くない、ただいつも通りに接しただけで、むしろ励まそうとしてくれていた。
それを八つ当たりで避けてしまい、傷つけてしまった。


律「あー…」


澪「どうした?律」


律「しばらく部活は中止だ!今日も終わり!」


梓「そんな…」


紬「…」


律「なぁ、梓」


梓「…はい」


律「何かあったかは知らないが、しばらく頭を冷やすこと。唯と仲直りしたら部活は再開する…いいな?」

梓「わかりました…」


真剣な面持ちで梓に話しかける律。娘を諭す父親の様に…


澪「珍しく部長らしいな」

律「馬鹿、茶化すなよ」


紬「(パパ…)」


律「よし!本日はこれにて解散!行こうぜ皆」


澪「…そうだな」


紬「私は食器洗うから先に行ってて、梓ちゃんも」


梓「…」


律「梓…帰らないのか?」

梓「少しだけ…ちょっと残らせてください」


律「…わかった、澪行こうぜ」


澪「ああ…じゃあ、またな梓、ムギ」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/04(日) 21:24:15.09 ID:mCcgN6pDO
紬「梓ちゃん…」コポコポ


梓「ムギ先輩…」


紬「…」


呼び掛けたもののかける言葉が見つからない。


紬「帰る前にお茶飲んでってね…」


梓「…帰ります、すいません。カップは洗います」


紬「いいの…梓ちゃん帰ってていいのよ」


梓「だけど…」


紬「大丈夫大丈夫。じゃあね梓ちゃん」


梓「じゃあお言葉に甘えて…失礼します」ペコ


紬「バイバイ」


梓は音楽室を後にした。
帰り際にムギが心配そうにしながらも無理に笑顔を作ってくれ、それが胸をチクリと刺す。


梓「(私のせいで…)」トボトボ


梓「(軽音部が壊れちゃうのかな…)」


嫌な思いは募るばかりだった。力無く廊下を歩く梓。

梓「あぅ…」


唯『あずにゃんなんて嫌い!』


唯の言葉が耳にこびりついて離れない。
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/04(日) 21:24:53.40 ID:mCcgN6pDO
梓「(なんとか…なんとかしないと…!)」ブツブツ


考え事をしながら歩いてたせいか、すれ違った人の肩にぶつかったのに気づかなかった。


?「おい!」


梓「あ、はい」


?「人にぶつかっといてその態度か…」


梓「すいませんでした、失礼します…」


?「待てや」


梓「えっ…」


肩を掴まれ動くことができない。凄まじい握力だ。


梓「いたっ…痛いです、先輩!」


?「後輩には礼儀をしっかり教えんとな」


梓「(なんで…なんで…嫌なことばかり…!)」


梓「にゃああぁあ!」


?「ぬっ!?」


梓「はあっ…はぁ…」


?「へぇ…お前いい度胸してるよ」


梓「ぶ…ぶつかったのは謝ります!だから…」


?「かかか、声が震えてるじゃねぇか」


梓「それでも向かってくるというなら…相手になります」


梓は一息つくと、身構える。
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/04(日) 21:25:39.36 ID:mCcgN6pDO
梓「くらえ!中野流最終奥義!」


?「む…」


梓「猫パーンチ!!」


?「…」


梓「あ…!」


?「足りねぇ…殺意ってもんが」


拳を振りかぶると、梓は目を閉じた。やられる…と思った。


?「辞めだ」


梓「え?」


?「腹が減った」


梓「…」ヘナヘナ


?「じゃな、オチビちゃん」


梓は力が抜けその場に座り込んだまま、大きな背中を見送ることしかできなかった。


梓「うぅっ…えぇ…っっ」

安堵の涙…否!
情けをかけられた悔し涙だった。


梓「うわぁぁん…」ダッ


梓は駆け出した。
子供のように泣きじゃくりながら。
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/04(日) 21:26:20.71 ID:mCcgN6pDO
外は土砂降りだった。
梓の心境を表すかの様に…

梓「(唯…先輩っ…)」


傘もささずにグラウンドを駆ける。


梓「あっ…!」


ぬかるんだ地面に足を滑らせ転んだ。


梓「うぅっ…」ポロポロ


再び涙が溢れだす。立つことすらできぬ子猫を雨は容赦なく濡らす。
そこに…差し延べられる手


紬「梓ちゃん…」


梓「むぎゅう…先輩…」


紬「立てる?」


梓「あっ…はいっ」


雨で冷えきった体に、暖かい温もりが伝わる。


梓「すいません…傘忘れてしまって…」グシグシ


紬「(泣いてたのね…)」フキフキ


雨粒でごまかされなかった。目は充血し真っ赤だ。


紬「もしもし?紬です……………」


梓「?」グスッ


何やら電話をしているむぎゅう先輩。


紬「家の人が迎えに来てくれるって」パタン
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/04(日) 21:26:57.94 ID:mCcgN6pDO
梓「そんな…迷惑かけちゃ」


紬「ぬ」


梓「いやっその…」


紬「大丈夫、私の家に遊びに来たって思えば」


梓「はぁ…」


しばらくすると黒のワゴンが校門の前に到着した。


紬「ご苦労様」


斎藤「はい、どうぞ中へ」

梓「…はい」


梓「(わぁ…広い)」


中へ上がると、昭和の歌謡曲が流れていた。


紬「はい、梓ちゃん」


梓「すいません…」


バスタオルを手渡させる。それはとてもふんわりとした手触り。おそらくは柔軟剤を使っているのだろう。

梓「(むぎゅう先輩の香り…)」モフモフ
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/05(月) 02:39:58.01 ID:PCOInoEIO
待ってたぞ乙
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/09/05(月) 14:56:52.05 ID:dbgcfSXAO
果たしてこれはシリアスなのかギャグなのか
どっちだろう?
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 19:25:37.05 ID:qrPOzmPDO
〜紬家〜


紬「さぁ、上がって」


梓「はい…お邪魔します」


梓「ほぁぁ…」


車の広けりゃ家も広い。
キョロキョロと辺りを見回す梓。


梓「へっくち」


雨に打たれたせいか体が冷え、くしゃみをする。


紬「梓ちゃん、お風呂にしましょ?」


梓「いや…そんな…いいです」ズズッ


紬「遠慮はしないで、風邪引いたら困るもの」


梓「えと…じゃあお邪魔します」


紬「ほいきた♪ちょっと待ってて」


梓「はぁい」


麦はスキップで家の奥に行った。バスタオルや着替えを取りに行くためだろう。

梓「……」チョコン


梓は無言のまましゃがみ込む。心身ともに疲れ果て立っているのもちょっと疲れる。


梓「うぅ…いたた」


謎の先輩にやられた痣が疼く。転んだ時に擦りむいた膝も…


紬「お待たせ〜…あら?」

梓「あ、はい」


紬「痛む…?」


梓「大丈夫です、さぁ行きましょう」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 19:26:11.99 ID:qrPOzmPDO
〜紬家〜


紬「さぁ、上がって」


梓「はい…お邪魔します」


梓「ほぁぁ…」


車の広けりゃ家も広い。
キョロキョロと辺りを見回す梓。


梓「へっくち」


雨に打たれたせいか体が冷え、くしゃみをする。


紬「梓ちゃん、お風呂にしましょ?」


梓「いや…そんな…いいです」ズズッ


紬「遠慮はしないで、風邪引いたら困るもの」


梓「えと…じゃあお邪魔します」


紬「ほいきた♪ちょっと待ってて」


梓「はぁい」


麦はスキップで家の奥に行った。バスタオルや着替えを取りに行くためだろう。

梓「……」チョコン


梓は無言のまましゃがみ込む。心身ともに疲れ果て立っているのもちょっと疲れる。


梓「うぅ…いたた」


謎の先輩にやられた痣が疼く。転んだ時に擦りむいた膝も…


紬「お待たせ〜…あら?」

梓「あ、はい」


紬「痛む…?」


梓「大丈夫です、さぁ行きましょう」
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 19:27:23.52 ID:qrPOzmPDO
〜風呂〜


紬「…」ヌギヌギ


梓「…」チラッチラッ


梓「(むぎ先輩たら…緊張しないのかな?)」ドキドキ

なんだか変に意識してしまう梓をよそ目に紬はいそいそと制服を脱ぐ。


紬「〜♪」ハラリ


梓「!」


プツンという音とともにブラが外された。


梓「(柔らかそう…)」ハァフゥ…


紬「梓ちゃん…そんなジッと見られると恥ずかしいわ」


梓「あっ…さぁ行きましょうむぎ先輩!」


紬「はいはい」クスクス


バスタオルを体に巻くと、浴室に向かう。


紬「おいで、梓ちゃん」


梓「いや、いいですよ…自分で洗えます」


紬「いいからいいから」


紬「ゴシゴシ♪」


梓「(世話好きだなぁ)」
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:38:32.22 ID:qrPOzmPDO
梓「じゃあ、むぎ先輩も洗ってあげます」


紬「ありがとう」


梓「…」ゴシゴシ


梓「(色っぽいな…)」


白い肌に金髪が良く映える。18歳とはいえもう大人の体になった紬を見て、自分の体はどうしても見劣りしてしまう。
自分の体は一部のマニア向けであり、紬のようにオールラウンドではない。


梓「むぎ先輩」


紬「ん、なに?」


梓「今日はありがとうございます」


紬「ううん、これも先輩の役目かな…って」


梓「…」モミュモミュ


紬「んっ…」


その時、風呂のドアが開けられた。


律「やぁ、お邪魔するよ」

澪「律、前隠せって…」


梓「えっ…!」


なんだこれは…ドッキリか?まるで銭湯に来たかのように振る舞う律澪。
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:39:20.44 ID:qrPOzmPDO
律「いや…梓が心配でさ、麦家に居るっていうから」


澪「お迎えまでしてもらって悪いな麦」


紬「いえいえ」ニコニコ


梓「先輩方…」ジーン


梓「うっ…うわぁぁん!」


ダキッむぎゅむぎゅ!
梓は抱き着いた。


律「ははっ、裸で抱き着かれるなんて」


梓「澪先輩っ!」


澪「よしよし」


梓「(柔らかい…柔らかいよぉ…)」


その後は律が犬神家の一族のあれをやったり、泳いだりして過ごした。


梓「(唯先輩がいたら…もっと楽しかっただろうな…)」


先輩に感謝しながらも物足りなさを感じる。やはり5人全員が揃わなきゃ駄目だ。
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:40:55.59 ID:qrPOzmPDO
律「ぷはっ、いや〜美味いな」


澪「完璧おじさんだな」


律「なんだってー」


梓「…」チビチビ


皆でむぎゅの部屋で牛乳を飲む。しかも瓶だ。


紬「りっちゃん、そろそろ…」


律「ああ、そうだ…」


梓「?」


何かあるのだろうか、枕投げでもするというのか…


律「ふ〜んふふーん♪」


律はお面を付けはじめた。

梓「これって…!」


律「唯ですぅ、よろしくお願いしますぅ」


澪「おいおい、真面目にやれよ」


紬「梓ちゃん、りっちゃんを唯ちゃんだと思って仲直りしてみて」


梓「えぇっ」


気持ちはありがたいが…、なんだこのシチュエーション、すべること請け合いじゃないか。


律「さぁさぁ!」


梓「(なんか違う…)」
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:41:43.45 ID:qrPOzmPDO
梓「あっ…あの…唯先輩」

律「あ゛?」ギロ


梓「ひっ」


律「あーあ、あずにゃんに投げられて痛かったな〜」

梓「うぅ…」


律「柔道とかいいんじゃないかな〜」コキコキ


梓「うぅぅ…」


律「何か言えよコラ」


澪「はい!カットカット」パンパン


一瞬、キットカットと聞き間違えた。


澪「駄目だな…」


紬「そうね…」


律「何がよ」


澪「まず律がチンピラみたいだ」


紬「唯ちゃんって…威圧的と言うよりは、口数が少なくなって暗くなる感じじゃない?」


梓「(映画監督みたいですね、澪紬先輩…)」


律「ぬぬぬ…なら!監督に見本を見せてもらいましょう」


澪「なぬ」


しどろもどろし始める澪。律に無理矢理お面を付けられ、あら不思議、グラマラスな唯先輩だぁ


律「よーし!それじゃスタート!」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:42:28.86 ID:qrPOzmPDO
梓「み…唯先輩…」


澪「やぁ、梓…にゃん」


律紬「ムプッ…」


梓「この間は本当にすいませんでした」


澪「ああ…」


梓「そのっ…あの…」


澪「梓にゃん、もういいよ。私もどうかしてた」スッキリ

梓「唯先輩…」


澪「これからも頑張ろ!」グッ


律「はい!カットカットカットカット!」


再び映画監督のカットが入る。


律「なんだそのハッピーエンドは…」


紬「うん」


澪「けど、唯はこんな感じかなって…」


律「いやさー…、最終的にはそんな感じになってくれるだろうけどさぁ…」


紬「そこにたどり着くまでの過程がね」


澪「ぬぬぬ…」


梓「(照れてる…)」


澪「ムギに代わる…」
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:43:42.64 ID:qrPOzmPDO
紬「よーし…!」


律「はい!スタート!」


梓「唯先輩…」


紬「あずにゃん!この間は痛かったんだから…」


梓「すっ…すいません」


紬「けどね、いっぱいギュッとさせてくれたら許してあげるっ」


梓「へっ」


紬「えいっ」ムギュギュ


梓「ふぁ…」


シャンプーの香りが梓の鼻をくすぐる。


紬「うふふ」ムギュ゙ュムギュュ


梓「(なんだか…気持ちいいよぅ…)」ポワワーン


律「はいはい!カットカットカットカットカット!」

澪「なんかいい感じだったな」


律「いやまぁ…ムギが単に抱き着きたかっただけな気がする」


紬「えへへ…ばれちゃった」パッ


梓「…」グイッ


紬「え…」


梓「もう少し…もう少しだけ…このままで」


紬「梓ちゃん…///」


澪「律、なんだこの展開…」


律「うん、二人の運命の歯車が動き出したな」


澪「違いないな…」


こうして唯と仲直りしよう作戦は失敗に終わった。
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:47:04.50 ID:qrPOzmPDO
夜は更け、4人は眠りについた。ムギのベッドは大きくて4人寝てもまだ余裕がある。


紬「…」スースー


梓「…」ピーピー


律「(気持ち良さそうに寝てるな)」


律はそっと扉を開け、バルコニーの椅子に腰かける。煙草に点火し、口から紫煙を吹かす。


律「ふぅ…」


律「真ん丸お月さん」


涼しい風を感じながら月を見上げる。なんとも風情がある。


澪「…律」ガラガラ


律「ん、澪」


澪「寝てなかったのか?」

律「はは、ベッドが大きすぎで落ち着かないみたい」

澪「ふふっ、なるほどな」

澪「煙草いいか?」


律「はいよ」


澪「ん…サンキュ」


澪は煙草を受け取り、椅子に腰かける。
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:47:51.22 ID:qrPOzmPDO
澪「…涼しいな」


律「うん、もうすぐ秋かな秋山さん」


澪「うん、そうだな」


律「(秋と秋山さんをかけたのに…)」


澪「…なぁ、律」


律「ん?」


澪「軽音部…大丈夫だよな…」


律「不安か?」


澪「まぁ…少しな」


律「あたしもだよ」


澪「え…」


律「あんだけ仲良かった唯と梓がさ、喧嘩するなんて思いもしなかったし」


澪「うんうん」


律「ま、梓自身が何とかするしかないな。あたしらは見守ることしかできない」

澪「酷な気もするけど私もそう思う」


律「まぁ、喧嘩して仲直りしたら前よりも仲が深まるって」


澪「そうだな、私と律みたいに」クスクス


律「へへ」


付き合いが長くとも何度か喧嘩した律と澪。今となっては笑い話になった。


律「さて…寝るかなっと」

澪「明日も学校だしな」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:49:04.32 ID:qrPOzmPDO
朝!


梓「んん…」パチ


梓「朝…」


律「…」クゥクゥ


澪「…」スゥスゥ


梓「(可愛らしい…下着)」


寝顔って普段見れない一面だよね


紬「あ、おはよう」ガラガラ


梓「おはようございます、あれ…それって…」


紬「皆の朝食でーす」


梓「何から何まですいません…」


紬「ううん、お客様はちゃんともてなさなきゃ」


澪「ふぁ…梓、ムギおはよ…」


梓「澪先輩!」


澪「やれやれ…律のやつ、また脱いでるな」


梓「…」ゴクリ


律はキャミソールに下はパンツだった。かなり際どい姿だ。


澪「律〜…起きろって」


律「ん〜…っ」ゲシッ


澪「うわっ!」


寝ぼけた律に足蹴にされてしまう澪。
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:50:17.41 ID:qrPOzmPDO
澪「ぬぬぬ…」


澪「おらぁ!」


ペシペシペシペシ!
澪は勢いよく律のお尻を叩いた!


律「あぅ…なんだよ〜」


澪「朝だって」ニコ


律「あぁ、そっか…うぃー」


梓「おはようございます、律先輩」ハラハラ


紬「おはよ…」ドキドキ


律「はは、また下脱いじゃったよ」


朝から修羅場が垣間見えた気がしたが、なんとか丸く収まった。


紬「さ…さぁさぁ、皆、朝ごはんにしましょ」


トーストにバターをぬりぬりし始める紬。
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:51:00.57 ID:qrPOzmPDO
一風変わった光景。
4人で朝食をとるなんてさ

紬「梓ちゃんは苺ジャム?」


梓「はい、お願いします」

手伝いましょとは言わなかった。とても楽しそうなムギを目の前にして


紬「りっちゃんはハムチーズね、はい」


律「サンキュー」モシャモシャ


紬「澪ちゃんはブルーベリー♪」


澪「ありがと、ムギが母親みたいだな」


紬「そう?うふふっ」


梓「(確かに…私は末っ子かな)」パクパク


律「(ハムうめぇ!)」モクモク

平和な食卓がいつまでも続けばいいなと思った。
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/13(火) 21:52:22.85 ID:qrPOzmPDO
朝食を終え、車で送ってもらうことになった。


律「いやぁ〜、まさか車で登校するなんてなぁ。快適快適」


紬「ちょっと寝坊しちゃったしね」


律「またお邪魔したい」


紬「いいわよ、毎日でも」

律「はははは」


紬「うふふふ」


車内の前の席は盛り上がっていた。しかし、梓の心境は穏やかではない。車から見える景色をぼーっと眺めていた。


澪「梓」


梓「はい…澪先輩」


澪「緊張してるか?」


梓「少し…ですかね」


澪「そうか、それじゃあ…」


澪は鞄から筆箱を取り、中からサインペンを取り出した。


澪「手、出してみて」


梓「…?」


言われたままに手を差し出す梓。


澪「…よしっと」キュッキュッ


梓「人…あぁ、緊張した時に舐めるやつですね」


澪「そうそう」


澪らしい緊張を解し方にちょっぴりおかしくなってしまった。


梓「ありがとうございます、私、頑張ります」


澪「その意気だ」


不安だった心が少し晴れた気がした。


斎藤「…着きましたよ」キリッ


次回、唯と梓の運命や如何に…!!
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/13(火) 23:25:26.59 ID:kFO77zMLo
4人のイチャイチャをもっと見ていたいと思ってしまった
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/14(水) 00:04:45.50 ID:nMynhmrDo
唯編は想像つかないな
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 00:52:09.46 ID:JRizDokDO
先輩達と別れ、教室に向かう。


梓「(ありがとうございます、先輩方)」


具体的な解決策は見つからなかったものの、皆で一夜を過ごし気分が楽になった。


梓「(やっぱり放課後かな…)」


授業は頭に入らず、唯に謝る時間帯を考えていた。


純「ねぇ、梓」


梓「…」ブツブツ


純「ねぇったら」


梓「…」ブツブツブツブツ


純「えいっ」サワッ


梓「やっ!な…何?純」


純「さっきから呼んでるじゃんよー」ブーブー


梓「あ…ごめん、何?」


純「何かあったの?」


梓「あ、うん…ちょっとね」


純「ふーん…恋?」


梓「なっなっ何をおっしゃるかぁ!」


純「そんな梓にこれ、リップなんだけど…」ヌリヌリ


梓「ん…ん?」


純「はいオッケー」


梓「あ…プルプルだ…」プルリリーン


純「でしょ」
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 00:53:06.50 ID:JRizDokDO
梓「うんうん、なんかいい香りもするし」


純「その顔」


梓「え?」


純「梓が元気ないとあたしも調子出ないからさー」


梓「純…」


純「リップ貸したから、そのお礼に元気出してよね」

梓「ありがと」


梓「(ちょっとリラックスできたかな)」


その頃、唯は…



唯「…」ボケー


律「魂が抜けたような感じだな…」


澪「やっぱり元気ないな、仕方ないが…」


紬「一応、お菓子は持ってきたんだけど…」


律「仲直りしたらだな、食べんの」


澪「そうだな…」


紬「うん…」


律「(梓…頼んだぞ!早く仲直りしてくれ)」


それぞれの思いを胸に時は過ぎていく。
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 00:53:46.71 ID:JRizDokDO
〜放課後〜


教師「はい、終わりー帰れ帰れー」


梓「(来た…!)」ガタッ


一番に教室を出て駆け出す。出遅れるわけにはいかない。


梓「はっ…はぁ…」


唯がどこに向かうか先に待ち伏せし探ろうという魂胆だ。


梓「(唯先輩はっ…いた!)」


唯「じゃねー…」


梓「(よかった、何処に向かうんだろ…)」


梓「(あっちって…部室?)」


唯は音楽室にトボトボと階段を登っていく。悟られぬように階段下で待機することにした。


梓「すぅ…はぁ…」


緊張を落ち着かせるために深呼吸をする。しばらくするとレスポールの音が…


梓「ふわふわ時間だ…」


梓「よし…!」


澪に書いてもらった手の平の「人」をペロペロし、梓は部室に向かう。
軽音部を取り戻すために…


梓「うっす!」バァン!


勢いよく部室のドアを開いた。
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 00:54:29.26 ID:JRizDokDO
唯「あっ…なんだ…」


梓「失礼…します…」


唯「……」ジャカジャカ


振り返った唯の刺すような視線に身震いした。逃げ出したくなる自分を抑え、梓はマスタングを取り出す。

唯「(ぬ…)」ジャカジャカ


梓「(勝手にセッションしてやらあ!)」ギュイーン


唯「……!」


梓「ふっ…ほっ…!!」


唯のギターを聴きながら、その上達の早さに驚かされる。ボーカルを兼務し、この腕前…


唯「……!!」


梓「……!!」


無言でギターを奏で続ける2人。ついて来れるかと言わんばかりにピッチをあげる唯。それについていく梓。


唯「…やーめた」ポイッ


梓「あ…」


お互いギタリストとしての情熱に呼び掛けたが虚しくも失敗に終わった。


梓「(やむを得ないか…)」

梓は強攻策に出る。
床に置かれたレスポールを手に持つと…


唯「ちょっと…!」


梓「……」ニヤリ


梓「ちょっと借りますね!」ダダダッ


唯「待てコラァ!」ダダダッ


部室を飛び出した梓をすかさず追い掛ける唯。
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 00:55:58.44 ID:JRizDokDO
〜屋上〜


梓「はぁっ…はぁっ…レスポール重いな…」


唯「あずにゃん!」


梓「へへへ…」


唯「はぁ…手間かかせやがって…」


梓「唯先輩…抱き着いてきてくれないんですか…?」

唯「え…」


梓「いつも部室に入った時には必ず抱き着いてくれましたよね…」


唯「いいから返してよ…!」


梓「じゃあ、私から抱き着いていいですか…?」


むぎゅぎゅぎゅ…
唯の険悪な態度が和らいだ気がした。


梓「(…唯先輩の温もり)」

唯「なんでよ…」


梓「先輩、どうぞ投げてください…それで、おあいこにしましょう」


唯「本当にいいの?」


梓「はい」


梓「やっぱり私達は5人揃って軽音部です、1人でも欠けたら駄目なんです…!」


梓「また一緒に…練習とか…お菓子食べたり…」グスングスン


堪えてた涙が溢れてしまった。


唯「…」


梓「うぇ…えぇっ…えぇ…」ポロポロ


唯「…馬鹿にゃん」


梓「あうっ…」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 00:56:35.69 ID:JRizDokDO
梓「いたた…」


唯「これでおあいこだよ」

梓「へ…」


唯「仲直りしよ、あずにゃん」


唯が梓にしたのは「デコピン」だった。それは柔道技とは比べられないソフトなものだった。


梓「えぇーんっ…ぇっ…」

唯「泣かないでよ、こっちもちょっぴり泣きそうだよ」


唯の胸の中で梓は思い切り泣いた。


梓「わたしっ…わたしっ…軽音部が…どうなっちゃうのかと…」グスングスン


唯「大丈夫だよ、あずにゃん」ヨシヨシ


梓から抱き着く、いつもとは違う光景。

それを見守る3人の影…。


律「ふぃー…やれやれ…」

澪「どうなるかと思ったがな…梓がレスポールを誘拐した時は」


律「まぁ、これにて一件落着…ムギ…泣くなって」


紬「うっ…うぅ…ごべん…りっちゃん…、梓ちゃんよかった〜…」


律「ああ、映画化するからさ」


澪「馬鹿言ってないで、先に行くぞ部室に」


律「あぁ…ほれムギ」


紬「ふぇ…ぇっ…うん…」グスグス


3人は胸を撫で下ろし、部室に向かった。
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 09:21:03.52 ID:JRizDokDO
〜部室〜


唯「えへへっ、そうだったんだ」


梓「…///」


唯に手を繋がれ部室にたどり着いた。


律「おう、待ってたぞ」


唯「りっちゃん、澪ちゃん…!ムギちゃん」


梓「なんで…」


澪「二人が仲直りしたっていう噂を聴いてさ。今日からまた部活だ」


唯「そうなの、うわーい」

梓「(見てたんですね)」クスッ


いつもの軽音部が戻ってきた。


紬「お茶入りました〜」


律「うむ、ご苦労」


唯「おいしいねー」


何事もなかったのように振る舞う先輩方。ありがとうございますた。


澪「梓、手の平舐めた?」コショコショ


梓「はい、たくさんペロペロしました」モショモショ


澪「そっか…、効果あったかな」


梓「おかげさまで」


梓「さぁ、食べ終わったら練習しましょう!」



よかったねあずにゃん
めでたしめでたし
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/15(木) 09:24:49.21 ID:JRizDokDO
梓編終了!
オチ考えつかなかった…すいません…orz

最後は唯編ですね
どうしましょうかね
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/09/15(木) 12:47:04.18 ID:dY+u8JCAO
きたい
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/16(金) 12:28:35.10 ID:FnXHbFkDO
澪「よしよし…いい感じだな」


律「さすがあたし達」


紬「すごい楽しかった〜」キラキラ


梓「はい!こう…一体感みたいな感じがでてきましたね」


うふふははははキャッキャッ…
学祭を間近に控え、練習に身が入る。
練習に確かな手応えを感じ盛り上がる部員達。しかし…


唯「ふぇ…」


梓「…!唯先輩…?」


唯「んん、すごぉいよぉ…みんな…」


澪「おい、すごい顔色が悪いぞ…」


唯「はぅぅ…」パタンコテン


紬「唯ちゃん!大変…すごい熱だわ」


律「唯!大丈夫か!?」


その場に倒れ込む唯を囲む律澪梓紬。


唯「学祭の前日じゃなくてよかったぁ…」


律「何言ってんだ…取り敢えず保健室で休ませよう」

澪「うん…!あ、さわ子先生…」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/16(金) 12:29:18.00 ID:FnXHbFkDO
さわ子「やってるわね、皆」


おそらくは紬が持ってきたお菓子目当ての顧問のさわ子が颯爽と現れた。


紬「先生、唯ちゃんが…具合が悪いみたいで」


さわ子「どれどれ…」


唯の額に手をあてるティーチャー山中。


唯「さわちゃん…まだできるよ…」


さわ子「駄目」キッパリ


唯「そんなぁ〜…」


さわ子「りっちゃん達は練習を続けて、私は唯ちゃんを保健室に連れていくわ」

律「わかった、ありがとうさわちゃん」


唯「ごめんね…澪りっちゃんムギちゃんあずにゃん〜…」


澪「繋げ過ぎだよ、いいからしっかり治せよ?」


唯「ふぁい…」


さわ子に連れられ部室をあとにする唯。


梓「唯先輩…大丈夫かな…」


律「しっ!もいっちょいくか!」


澪「そうだな…!」


紬「唯ちゃんに届け!私達の歌!」


梓「え」


律「1、2、3、4!」タンタンタン


律達は再び演奏を始める。「自分一人のために練習を中断」なんて唯は望んでいないとわかっていたからだ。


梓「(唯先輩!頑張って…!)」
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/16(金) 12:30:05.07 ID:FnXHbFkDO
さわ子に支えられ廊下を歩く。


唯「みんなの演奏だ…」


さわ子「気になる?」


唯「…うん」


さわ子「今は体を治すこと!」


焦る気持ちをさわ子に窘められる。


さわ子「はい、着いたわよ」


唯「うぅん…」


さわ子「ベッドに横になって…」


唯「ありがとう…さわちゃん」


さわ子「はいはい、ちょっと待っててね」


しばし保健室の中を詮索するさわ子。


唯「はぁ…はぁ…」


熱のせいか呼吸が荒くなる。目を閉じ、体力の回復に努めた。



さわ子「お待た…せ。…!」


さわ子はベッドに横になった唯を見て、あらぬ衝動にかられる。
額に汗を浮かべ顔を上気させ、呼吸を乱した唯。


さわ子「(色っぽいわね…)」ゴクリ


誘われるように唯の首のタイを解いた。そしてボタンを二つ外した。


唯「さわちゃん…?」


虚ろな目でこちらを見る唯。今まさに教師と生徒の禁断の恋が………


さわ子「(ごめんね唯ちゃん…)」モニュ


唯「…あはっ、くすぐたいよぉ」


さわ子「我慢して、体温計入れるんだから」


さわ子「(セーフ…)」ホッ
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/16(金) 12:35:39.32 ID:FnXHbFkDO
ピピピ…


唯「…鳴ったよ、さわちゃん」


さわ子「はい…38℃!」

思ったよりも高い。


さわ子「これ飲んで…しばらく寝てなさい、帰りは送ってあげるから」


唯「…うん」ゴキュゴキュ


唯「さわちゃんとお泊りだぁ…やたぁ」


さわ子「違うでしょ、唯ちゃん家に送るの」


唯「えー…さわちゃんのいけず…」


さわ子「はいはい」


さわ子「(そんなことされたら…今度こそ抑えられないわ…!)」


欲望と戦うティーチャー山中。彼女もまた一人の女なのだろう。


唯「さわちゃん、もういっちゃう…?」


さわ子「ん、今日はもう仕事は終わりっ」


唯「そっかぁ…」


唯「こうしてていい?」ギュッ


さわ子の手を握る唯。


さわ子「ええ、いいわ。あと、これも貼ってと…」


唯「えへへ…ありがと」


笑顔を浮かべた後、安心した表情で目を閉じた。

しばらくすると唯の呼吸は落ち着き寝息が聞こえ、眠りについた。
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/30(金) 15:58:41.92 ID:tmgToK+DO
姫子「…」ウツラウツラ


唯「…んん?」


唯「姫ちゃん…?」


姫子「あっ…おはよ」


唯「なぜにここに…ってどこここ?」


姫子「居酒屋だけど」クスクス

唯「なぁにゃあ…」


唯「(夢か…ぅう…頭痛いよ…)」


姫子「今日は同窓会だったの、それで唯は潰れちゃって私が介抱してたってわけ」


唯「そぉなんだぁ…」


姫子「ふふっ」


唯「(姫ちゃんの足…柔らかいよぉ…)」モミュモミュ


姫子「…ちょっと、駄目よ」


唯「固いこと言うなよ…」

姫子「ちょっ…」


姫子の制止を構わず、スカートの中に手を侵入させる。


唯「つんつん…」


姫子「こらっ…」


唯「どれどれ…姫ちゃんパンツの色は…」モミモミ


姫子「はい、おしまい」


唯「もがっ…」
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/30(金) 15:59:22.12 ID:tmgToK+DO
秘境を覗こうとしたが、おしぼりで視界を塞がれた。

唯「なぁにゃあ…」


姫子「…もぅ、そろそろ行くわよ」


唯「今日は帰りたくなぃ…」


姫子「はいはい、家まで送ったげるから」


唯「ええ〜…それは悪いってぇ」


姫子「どうせ一人じゃ帰れないでしょ」


唯「お願いします」


姫子「ふふっ、了解。じゃ、会計済ましてくるね」


唯「あい…」


唯「(姫ちゃん…綺麗になったなぁ…)」


同窓会となると大学生以上なのだろう。彼女は見事に大人の女性に変貌を遂げていた。
リクルートスーツから見える足がよいね。


姫子「お待たせ…はい」


唯「すまんのぅ…姫子…」

姫子「…よいしょっ、はいはい、おばあちゃん」クスクス

肩を貸してもらい居酒屋を出る二人。
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/30(金) 16:00:11.57 ID:tmgToK+DO
〜タクシー〜


唯「…姫子や」


姫子「ん?」


唯「おならしちゃった…」

姫子「ふふふっ、可愛らしい音だったよ?」


唯「無臭でよかったぁ…」

姫子には高音の「プゥ」という音は聴こえていた。
無礼講ということで黙っていた。


唯「んっ…ふぅ…」


姫子「あ、またしたでしょ?」


唯「へへへ…姫ちゃーん」ダキッ


姫子「(変わらないわね)」フフッ


高校時代に席が隣同士だったこともあり、唯のことは嫌でも目に留まる。
こんな風にじゃれあったりしてみたかったと少し後悔。


運ちゃん「…着きましたよ」


姫子「あっ、おいくらですか?」


運ちゃん「二千と五百円ですなぁ」


姫子「はい、ほら着いたよ。唯」


唯「おう、すまんな」


姫子「何よそれ」フフッ
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/30(金) 16:01:27.90 ID:tmgToK+DO
〜唯家〜


唯「ただいま〜」


姫子「お邪魔しまーす」


姫子「へぇ…」


意外や意外。中は整理されていた。てっきりゴチャゴチャな部屋を想像していたが…


姫子「じゃあね、おやすみ…」


唯「えっ、帰っちゃうの?」


姫子「えっ…」


唯「…」ウルウル


姫子「じゃあ…ちょっと飲み直そうかな」


唯「あはっ、どうぞどうぞ」


明日は土曜日だし、何より子猫の様な眼差しで見つめられたら断れない。



姫子「唯、大丈夫?」


唯「なんかね、酔い冷めちゃった」


姫子「…ほどほどにね」


唯「ほいほい」


口笛を吹きながら冷蔵庫を物色し始める唯。


姫子「(雨…)」


帰らなくて正解だったのかもしれない。傘を持ってなかったから今頃びしょ濡れだっただろう。


唯「お待たせ〜」ニコニコ


姫子「徳利ー?お父さんみたい」


唯「あはは、姫ちゃん注いでくださいな」


姫子「はいはい」


思わず笑ってしまった。
多分、一度やってみたかったのだろう。嬉しそうに持ってきた。


唯「きゅ〜っ、おいしー。美人に注いでもらうと違うねぇ…」シミジミ


姫子「ふふっ、褒めても何もでないからね」


二人だけの二次会が始まった。
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/02(日) 11:37:53.14 ID:384TUE3DO
しばし思い出話タイム。
大学はどうだったのか、仕事の話や、ちゃんと貯金はしてるのか、ちゃんとご飯は食べているのかと話す内容はたくさんあった。



姫子「ふふふっ」


唯「姫ちゃんも酔った?」


姫子「うん、さすがにねぇ…」


唯「目がトロンとしてるもん」


姫子「じゃあ酔ってる」


唯「あたしはまだまだ飲めるよー」


姫子「強いねー…唯は」


意外にもなかなかの酒豪の平沢唯に立花姫子もびっくり!
開けたばかりの一升瓶も四分の三は飲んだ。



姫子「あぅ…もう駄目…」

唯「あらら、姫ちゃま」


ついに机に突っ伏してしまった。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/02(日) 11:38:54.22 ID:384TUE3DO
唯「お茶ですよ」


姫子「ありがと…」ゴキュゴキュ


唯「姫ちゃんのそんな様子初めてかも」


姐御肌であり、男勝りランキングで律の次点を射止めた姫子が、弱々しく机にへたりこむ姿はめったに見ることはできないだろう。



姫子「帰らなくてよかったかな…」


唯「ぽ?」


姫子「唯と久しぶりに沢山話せたし、家は何にもないしね」


唯「うん、わかるわかる」

姫子「皆でワイワイやった後に一人になると、すごい寂しくならない?だから…」


唯「姫ちゃん…寂しい…?」


姫子「今は大丈夫、だって唯と一緒だから」


唯「…!」キュルルルルン


姫子「なーんて…ふふ、ちょっとドキッとした?」


唯「うっ…うん」


姫子「はい…すごいね、一升瓶飲み干しちゃったよ」

唯「姫ちゃん、あたしを酔わせてどうする気?」


姫子「ふふ、私の方が酔ったから」
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/02(日) 11:40:17.76 ID:384TUE3DO
姫子「じゃあ消すね」


唯「はーい」


姫子「狭くない?」


唯「平気だよ」


姫子「そう、じゃあおやすみ…」


唯「姫ちゃん、おやすみ」

明かりを消すと、なかなか強い雨のようで雨音が聴こえる。


唯「…」


姫子「…んん」スヤスヤ


唯「(なんか緊張する…)」

至近距離のすぐに眠りについた姫子を、横目でチラチラと見ていてばかりで、なかなか寝付けない。


唯「(姫ちゃんが一人…姫ちゃんが二人…)」


姫子「…」ムクッ


唯「…!」


姫子「唯…起きてる?」


唯「あ…うん」


姫子「…」ニコ


唯「…」テヘッ


無言で微笑む姫子に笑顔で答える。


姫子「…唯もたまに寂しくなる?一人暮らししててさ」


唯「うん…前は憂がいたからね〜…」


姫子「…じゃあ、慰めてあげる」


唯「ほぇ…?」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/10/02(日) 17:15:37.84 ID:pkI41VAAO
これはよい唯姫
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/03(月) 22:29:22.87 ID:+JzI6XoDO
むぎゅぎゅ


姫子「ほら…」ギュ


唯「ふぁ…」


姫子「ふふ、ちょっとお酒臭いかもだけど」


唯「ううん…落ち着く…」

姫子「よしよし」ナデナデ


唯「(暖か柔らかいよぉ…)」キュルルルルン



姫子の胸に抱かれ、唯はその感触を堪能した。


姫子「唯ってよく抱き着いたりとかしてたじゃない?」


唯「うん…」


姫子「唯がじゃれるの見ててね、ちょっと羨ましかったんだ」


唯「そうだったんだ…」


姫子「ふふ、嫉みとかじゃないけどね」


唯「じゃあさじゃあさ、今日は朝までじゃれちゃおう」


姫子「本当に?嬉しいな」


言ってくれればよかったのにと唯は思った。
五年もの歳月を経て姫子の夢を叶えてあげれた自分を、今日だけは褒めてあげよう。
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/03(月) 22:43:08.89 ID:+JzI6XoDO
姫子「…」クゥクゥ


唯「(トイレ行きたい…)」

40分ほど経っただろうか、姫子は唯に抱き着いたまま寝息をたてる。


唯「(起こさないように…)」モゾモゾ


姫子の両腕をそっと外す。ベッドから上手く抜け出せたと思った矢先。


姫子「唯〜…どこ行っちゃうの?」


唯「姫ちゃっ…トイレだよ」


姫子「行っちゃやだ…」


唯「すぐ戻ってくるから…ね?」


姫子「…わかった」


唯「(なんだろう…この罪悪感…!)」


後ろ髪引かれる思いで唯はトイレに向かう。
姫子の寂しげな潤んだ瞳を見て、唯は思った。
姫子を待たせぬように一刻も早く排泄を済ませようと…!



唯「(ううっ…待っててね)」シャー…
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/03(月) 22:44:34.29 ID:+JzI6XoDO
唯「ふぅ…すっきり…」


尿意から解放され安堵の表情を浮かべ、ベッドに戻る唯。


姫子「…あ」


唯「姫ちゃん、お待たせ」

姫子「おかえり」


誘導するように布団をポンポンと叩く。


唯「ただいま」ポスッ


姫子「…」ムギュギュ


唯「わっ…えへへ、姫ちゃん甘えん坊さん」


姫子「わかった?ふふ」


唯「うん」


姐御肌な彼女が見せる意外な一面。そのギャップが唯を狂わせる。


唯「…姫ちゃん」


姫子「どうしたの?」


唯「ちょっちゅ…キスしていい?」


噛んだ。

それを聴いた姫子はクスリと笑って頷くと


姫子「ん…いいよ」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/20(木) 05:46:33.77 ID:FbpwfmsDO
唯「…」ゴクリ


姫子「…唯?」


酔った勢いとは言え大それたことを言ってしまった。それを受け入れてくれた姫子。


唯「ちょっと待ってね…」


姫子「…じゃあ、あたしからしちゃうぞ」


唯「えっ…んっ…」チュ


躊躇する唯を見兼ねて姫子は唯の唇を奪う。


姫子「…どう?」


唯「どうって…?」


姫子「あたしのキス」


唯「う…う〜んと…」


姫子「ふふっ」


返答に困った唯の顔を見て微笑する姫子。


唯「上手く言えないけど…すごいね…よかった」


姫子「唯らしい答えね」


お互いに顔を見合わせて笑う。


姫子「…なんか暑くなってきちゃったね、汗かいちゃった」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/20(木) 05:48:17.28 ID:FbpwfmsDO
唯「んっ…ん」


姫子「はぁ…んっ…」


静かな部屋には、舌を絡めあう音、唾液が交わる音が響く。

徐々に姫子のワイシャツは開け、下着が殆ど見える状態になっていた。


唯「姫ちゃん…」


姫子「唯…」


ふわふわ時間ならぬ、ぺろぺろ時間。



姫子「あぅ…」


唯「えへへ…姫ちゃん、汗舐めたげる」


姫子「ちょっと…いやっ…」


唯「(ちょっぴりしょっぱい)」ペロペロ


姫子「あぅぅ…」


唯「クールな姫ちゃんの意外な一面」


姫子「何言ってんの…エロ唯」


唯「むー!姫ちゃんから来たくせに!」


姫子「私は…抱きしめただけよ?」


唯「お○ぱい擦りつけてきたくせに!」


姫子「そっ…それは…」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/20(木) 05:50:29.13 ID:FbpwfmsDO
唯「それは?」


姫子「唯が…可愛らしいくて…ギュッとしたくなっちゃって…」


唯「……///」ポッ


姫子「ふふ、あらあら?」

唯「なんだよぅ…///」


姫子「そういうとこもね、ポイント高いよ」


唯「へへ…」ムギュギュ


姫子「よしよし」ナデナデ


唯は思った。
お姉さんみたい…。
こんなにも甘えたくなるのは姫子だけだろう。安心する。


姫子「…!」


唯「どしたの?」

姫子「…チャイム」

唯「え?」


耳を澄ましてみると確かに聞こえた。雨音に混じり聴こえ辛かったのだ。


唯「こんな時間に…誰かな?怖い」


姫子「…大丈夫、私がいるから」


唯「うん…行ってくる」


恐る恐る玄関に向かう唯。しかし、ペロペロ時間を中断されて黙っているわけにはいかない。


唯「はぁい」


三回目のチャイムが鳴った後、ドアノブを少し開けた。

唯「あっ…!!」


律「唯…!」

唯「律ちゃん、どうしたの?」


律「ごめん、終電逃しちゃって…さ」


申し訳なさそうな顔をする律。全身びしょ濡れで下着がスケスケだ。


律「友よ…一日だけ泊めてくれ!玄関先でもいいから

唯「そんな…いいよいいよ、入って律ちゃん。風邪ひいちゃうよ」


律「かたじけねぇ…!」


唯は重大なことに気づく…。部屋には姫子がいた。こんなエロチシズムな現場を見られたらまずい。
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/20(木) 05:51:14.51 ID:FbpwfmsDO
唯「律ちゃん」


律「ん」


唯「シャワー浴びてきなさいな」


律「いや…そんな…いいよそこまでは」


唯「(くっ…)」


唯「律ちゃん、お願い!風邪ひかれたら…あたし…!」ウルウル



律「…わかった、わかった」


唯「(そうだそれでいい…)」ホッ



時間稼ぎにはなるだろう。現状を少しでも好転させるためだ。
律が浴室に入ったのを見計らって唯は姫子の所へ戻る。


唯「姫ちゃっ…もがっ」


姫子「しーっ…」チュ


唯「ほぁ…」


姫子「律が来たみたいね…」


唯「あ…そうなんだよ。どうしよう…」


姫子「うん…」


部屋の中を見渡す姫子。
この広さでは隠れる場所はなさそうだ。


姫子「(ベッドの布団に包まろうかしら…)」


姫子「(そうだ!)」ピコリーン
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/20(木) 05:51:59.68 ID:FbpwfmsDO
姫子「よいしょ」


唯「姫ちゃん…狭くない?」


姫子「ん、平気みたい」


ベッドの下に潜り込むという大胆不敵な作戦に出た。


唯「…チュッ」


姫子「ん…お別れのキス?」


唯「少しの間だけどね」



名残惜しさに思わずキスしてしまう唯。



姫子「じゃ、またね」


唯「うん」


姫子はベッドの下に消えた。あとはいかにかい潜るか、自分の力量が問いただされる。


律「うぃー…上がりましたよ」


唯「律ちゃん、はい着替えだよ」


律「ありがと、唯」


唯「(律ちゃん…カチューシャしないんだ)」


律「どうした、唯」


唯「あっ…いやぁ、律ちゃん綺麗になったね」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/20(木) 05:53:27.65 ID:FbpwfmsDO
律「何…あたし…口説かれてる…!」


唯「お嬢さん…一緒にお茶でもいかがかな?」


律「あはは、冗談がお上手ね」


唯「えへへ」


唯はどこか安心した。高校時代と変わらず冗談を言い合う仲であることを。


律「そういやさぁ、姫子は帰れたかな」


唯「えっ…!?あ、うん…タクシー乗り場までは一緒に付き添ってくれて…」


律「ならいんだけど…」


律「(ん…)」


視線は唯に向けたまま、あるものが目に入る。


律「これって…」


手にしたのは姫子のワイシャツ。


唯「律ちゃん…ごめんごめん!洗濯したの片付け忘れちゃって」


律「あ…」


律「(間違いない…この香水の匂い…)」


唯「(感づかれてる…?)」
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/22(土) 02:07:56.97 ID:cDm36hnDO
姫子「(ぅう…)」


姫子は唯と律の会話が耳に入らなかった。


姫子「はぁ…はぁ…」


それは…尿意…!


姫子「(駄目…静かにしなきゃ…)」


姫子の意志に反して、呼吸は乱れ、体をよじらせる。


律「平沢さん」


唯「なになに」


律「姫子をどこにやった…」


唯「な…何言ってるの?律ちゃん」


律「ワイシャツさ」


唯「ぬ」


律「居酒屋で姫子の隣だったからさ…わかるんだよ、あの香水の匂ひ」


唯「…!」


律「あの後…何かあったんじゃないのか」


唯「それは…その…」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/22(土) 02:08:30.35 ID:cDm36hnDO
律「…姫子!いるんだろ?」


姫子「…!」ビクッ


姫子「(あ…出ちゃ…)」


ショワァァワァァ

突然、自分の名前を呼ばれ驚いた姫子のダムは門を開いた。


姫子「あぁ…あ…」


この歳で漏らすなど微塵も考えなかった。唖然とする姫子。


律「今のは姫子の声か…」


唯「(万事休すか…)」


姫子「(もうっ…恥ずかしい恥ずかしい…!)」


律「見ーつけた!」



ひょこっとベッドの下を覗き込む律。腕を掴まれご用となった…。



律「なんか…濡れてない?」


姫子「あぁ…ちょっと雨でね…!」


唯「(おしっこ)」


律「隠れなくてもいいのになー」


姫子「ちょっと驚かそうと思っただけよ」


無理に笑ってみせても、顔が引き攣ってしまう。羞恥心で今すぐに逃げ出してしまいたい。



唯「…っ、姫ちゃん、お風呂入りなさいな」


姫子「…そうね、お邪魔する」


見兼ねた唯がフォローを入れる。



律「(なんだこの気まずい雰囲気…邪魔しちゃったかしら)」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/22(土) 02:09:04.56 ID:cDm36hnDO
〜風呂場〜


姫子「…」


頭から思い切りシャワーを浴びる。


姫子「ふぅっ…」


鏡に映る自分。
大人びた顔、体を見ては先程のことが思い出される。ショワァァワァァ…


姫子「もうっ…」


馬鹿!さっきまでの私!…と自戒する。


姫子「(シャワー浴びたら帰ろう、恥ずかしくて合わせる顔がないわ…)」



ガチャ♪



唯「姫ちゃん、お湯加減はどうかな?」


姫子「…唯!律も」


律「一気に三人は狭いな、湯舟入るよん」



何しに来たのだろうか…。嘲笑いに来たのかな。哀れな自分を。



唯「背中洗うね」


姫子「あ、うん…」


唯「ゴシゴシ♪」
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/22(土) 02:09:48.54 ID:cDm36hnDO
唯「姫ちゃんのきめ細やかな肌…堪らんのう…」


姫子「…ありがと、唯、私お風呂上がったら帰るね」

唯「えっ…」


唯の表情が曇る。
やり切れない気持ちになる。



律「ん?朝まで飲むんだけどなあたしらは」


姫子「え…」


唯「…うんっ、姫ちゃんも一緒にね」


律「久しぶりの再会だしさ、付き合ってよ」



姫子「唯律…」


唯「ねぇねぇ、お願い姫ちゃん」スリスリ


胸を擦り寄せてくる唯。柔らかな感触が背中を刺激する。


姫子「うん…わかった」


唯「やった!」


律「唯は居酒屋の時みたく泥酔すんなよー」


唯「大丈夫だよー」


姫子「ふふっ」


ありがとう唯&律。
逃げ出そうとしてごめんなさい。


姫子「唯、交代しよ」


唯「はぁい」


ニコニコした唯。この笑顔を守っていくんだ。これからもずっと…。



唯「ぁぁっと…」ツルン


姫子「っ…ちょっと平気?」


律「あはは、まだ酒が残ってるのかー?」


姫子「唯…唯…?」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/22(土) 02:12:03.46 ID:cDm36hnDO
唯「…!」パチクリ


唯「保健室の天井だ…」


姫子「…」ウツラウツラ


唯「…姫ちゃん」


姫子「…あ、おはよう」


唯「さわちゃんは?」


姫子「先生ね、お仕事あるみたいで…それで私が代わりにね」


唯「ごめんねぇ…」


姫子「平気よ、ちょっと熱計ってみて」


体温計を手渡される。
気付いたら、さわ子の代わりに手を握っててくれた。


唯「あのね、姫ちゃん」


姫子「ん?」


唯「夢みたんだぁ」


姫子「へぇ…どんな夢?」

唯「姫ちゃんが大好きになる夢でした」


姫子「ふーん…?」


体温計が鳴る。


姫子「ん、6度7分。平熱ね」


唯「一緒に帰ろう、姫ちゃん」


姫子「うんって…何時まで手握ってるの?」クス


唯「えへへ…ずっとだよ♪」



二人は仲良く帰りました。めでたしめでたし。
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/22(土) 02:13:42.46 ID:cDm36hnDO
唯編終了!
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/10/22(土) 09:00:25.81 ID:1aBptD1AO
おつした
まだ続くの?
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/24(月) 03:53:21.12 ID:WXjJVzkDO
実を言うと、当初は紬編で終わる予定だったのです。

それからはネタ切れとの戦いだった…。律編以降はオリキャラや斎藤を出したり、できもしないエロ&百合展開を混ぜ(最後はほとんどだったけど…)なんとかごまかしながらやってきました。しかし、もはや限界が近付き…


そんな苦労話はさておき、律番外編を考察中。
もうスレタイ変えたい…。唯澪律紬梓「短編!」に
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/10/24(月) 09:16:52.22 ID:aVRKsDXAO
つらいとは思うけど、まあ頑張って
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/24(月) 22:24:40.53 ID:VOzsrM5SO
あれこれ混ぜようとすらからダメなんよ

別に全員分が難しいと判断したら、止めるのも可能だよ
無理して引き伸ばすのが、一番ダメな展開よ
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/25(火) 23:01:37.52 ID:uGCmaWGDO
>>348
ごもっともな意見です。
これ以上グダる前にお開きにしようと思います。ありがとうございました。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/10/26(水) 14:34:57.93 ID:n+p8bg6yo
残念。でも楽しかったよ今まで乙
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/27(木) 09:57:25.72 ID:TooXV/JDO
HTML依頼出してきました。読んでくださった方々に感謝。

また話が思い浮かんだら書くやもしれません。その時はまたよろしく
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/10/27(木) 12:24:33.76 ID:14A/6MAAO
おつおつ
またいつか



Pastlog.cgi Ver2.0
Powered By VIP Service
Script Base by toshinari