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HTML化した人:lain.
聡「刻を越えて」
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 09:51:28.02 ID:z/n5JcIDO
初SSです。
初心者なので、いたらない所もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
何か「こうしたらもっと良いんじゃないかな」とかあったら、ご指摘よろしくお願いします。

※携帯ですので、遅いです。

ではいきます
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 09:53:09.87 ID:z/n5JcIDO




━━俺は、姉ちゃんが好きだ━━
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 09:56:57.73 ID:z/n5JcIDO
この気持ちに気づいたのは、姉ちゃんが高校二年生の時の秋。
この日、姉ちゃんは風邪をひいて、俺に甘えてきた。
あの時の女らしかった姉ちゃんは、かなり可愛かった。
その時、初めて気づいた。
俺は、姉ちゃんが好きなんだと。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:00:44.62 ID:z/n5JcIDO
姉弟でなんて、おかしいのかもしれない。
でも俺は、好きになってしまった。
気持ち悪い、と思われたら……
心地よい今の仲良し姉弟の関係が、崩れてしまったら……
そんな不安がいっぱいで、告白できないまま、時間だけが過ぎていった……
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:02:54.36 ID:z/n5JcIDO
明日、3月31日は、姉ちゃんの卒業式。
最後のチャンス……4月2日に、俺は姉ちゃんに告白する。
そう、決意していた。

でも……
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]:2011/03/22(火) 10:04:10.41 ID:obiWv7z6o
もうちょい1レスにまとめて書いても良くね?
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:09:22.31 ID:z/n5JcIDO
3月31日、俺は友達と、ゲーセンで遊んでいた。
姉ちゃんも今頃、友達と楽しくやってんだろうな……
そう思っていた時だった。

プルルルルル……

電話が来た。画面を見ると、「母さん」と表示されていた。
俺は電話にでる。

聡「え……?」

俊「田井中君、どうかしたんですか?」

聡「ごめん鈴木! 急用ができた!」

俺は走る。行き先は……

俊「ちょ、ちょっと田井中君!?」

━━病院、だ━━
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:18:09.53 ID:z/n5JcIDO
聡「ハァ……ハァ……」

さっき、母さんが電話の向こうで話していた内容は、信じられないものだった。
姉ちゃんが、通り魔に刺された。
卒業式が終わり、澪姉と別れた直後だった。
俺は、自分自身を憎んだ。
何故、姉ちゃんのそばにいてあげられなかったのか。
息が苦しい。でも、俺は足を止めなかった。

病院に着くと、母さんと父さんと、前家に来た、軽音部の人達と、姉ちゃんのクラスメイトらしき人がいた。
手術中のランプが消える。手術室の扉が開き、医師が出てくる。

聡「姉ちゃんは!?」

俺が最初に発言したことに、皆驚いていた。

医師「最善を尽くしましたが……」

聡「そ、んな……」

俺はショックで、その場に倒れた。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:22:36.32 ID:z/n5JcIDO
俺が目覚めたのは、次の日のことだった。
母さんと父さんが、泣きながら俺を抱きしめる。
母さんは、姉ちゃんの葬儀が、明日、4月2日だと教えてくれた。
4月2日……俺が、姉ちゃんに告白しようと思っていた日。
その事実はあまりにも、俺の心に傷を付けた。
その時から俺は、心を閉ざした。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:25:28.37 ID:z/n5JcIDO
10年後。
俺は心を閉ざしたままだったが、なんとか高校を卒業、東大に合格し、これまた無事に卒業。
正確には、心を閉ざしたフリをしながら。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:32:42.99 ID:z/n5JcIDO
そのまた10年後。
2030年、年齢変更や、性別変更など、容易にできる時代。
俺は密かに、とある機械の開発を進めていた。

━━タイムマシン━━

やっと完成した。
俺は、15歳の女になった。
外見は、姉ちゃんがカチューシャを外し、ポニーテールにした感じ。
俺はタイムマシンに乗る。
行き先を、2007年1月1日に設定する。
六次元アルファバイプ、起動。
ルート同調点、発見。
四次元モード、突入。
時間移動、開始。

俺は、刻を越えた━━━━
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 10:38:16.51 ID:z/n5JcIDO
とりあえずここまで。
これからも、無茶振り設定が沢山出てきますが、よろしくお願いします。
これから聡は、聡美となり、律達と高校生活を送ることになります。
聡美は、東大に行ってるので、学習面はほぼ完璧です。
聡美は、ギターができます。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 11:16:47.43 ID:z/n5JcIDO
聡美「ふぅ……」

2007年1月1日に着いた。
周りには、懐かしい風景が広がっていた。

聡美「懐かしいなぁ……」

数十年前の風景の懐かしさに浸る。
桜高受験日は、1月下旬。
お金は、心を閉ざしたフリをしていた数十年間、貯めていたのが十分あった。
戸籍偽造など、色々大変だったが、なんとか受験手続きを終えることができた。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 11:24:53.30 ID:z/n5JcIDO
そして1月下旬、桜高受験日。
簡単過ぎて逆に怖かったが、無事に終えた。

そして合格発表日。
「田井中聡美」、「田井中律」の名前を見つけて、俺はほっと一息をつく。

その日の夕方、田井中家の近くの公園で座っていると、俺にとって、一番大切な人が話しかけてきた。

律「ねぇ君! こんな所で何してるの?」

聡美「……!」

数十年振りに見た、最愛の人の顔。
俺は、ある事を思い付いた。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 11:39:14.98 ID:z/n5JcIDO
聡美「実は私、家が無くて……」

律「え? またまた〜」

聡美「本当、なんですっ……」
律「マジ、で?」

聡美「はい……」

律「……ん?」

聡美「はい?」

律「なんか君、私に似てるような……」

まぁ、実の弟ですから。

聡美「そう、ですか?」

律「うん! とりあえず、前髪あげてみて!」

俺は、前髪をぐいっとあげる。

律「おぉ……私にそっくりだ……」

聡美「……」

律「よし! ねぇ君、私の家に来ない?」

聡美「えっ……い、良いんですか?」

律「もちろん! 何か、他人とは思えないし!」

聡美「あ、ありがとうございます!」

うまくいきすぎて怖かったが、自分がこの世界に来たことで、姉ちゃんの運命が変わり、最悪死ぬかもしれない。
となると、居候し、姉ちゃんのそばにいることが、最善の選択だと、俺は思った。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 11:49:30.73 ID:qk3mKUjDO
佐藤聡美か…
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 11:51:17.00 ID:z/n5JcIDO
律「じゃあ早速行こうよ! えっと、名前は?」

聡美「あっ、はい。田井中、聡美です」

律「た、田井中……何かすごいな……」

聡美「?」

律「私、田井中律! 名字まで一緒なんて、凄いな!」

聡美「そうなんですか! よ、よろしくお願いします!」

律「うん! よろしくなっ、聡美ちゃん!」

そして俺達は、田井中家へと、足を進めていった━━━━
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 11:54:29.45 ID:z/n5JcIDO
午前中はここまで。
初めてなので、どんな風に投下すれば良いのかわからない……orz
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 12:25:14.26 ID:z/n5JcIDO
律「たーだいまー」

聡美「お、お邪魔しまーす……」

実家にお邪魔しますだなんて、何か変だな……
懐かしいな……この家も。

聡「姉ちゃんおかえりー……って、誰その人?」

律「あぁ。今日から居候する、田井中聡美ちゃんだ」

聡美「えっと、よろしくお願いします」

聡「あっはい。こんな家でよければ、どうぞ」

律「何かしこまってんだよ聡〜、聡美ちゃんが可愛いからか?」

姉ちゃんはニヤニヤしながら言う。
でもそれは無い、と思う。
何故なら……俺は、ロリコンだったからだ。
今の俺の身体は、澪姉レベルだし。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 12:31:10.14 ID:z/n5JcIDO
聡「はぁ? そんなんじゃねーし!」

聡美「律さん……弟さんをからかっちゃ駄目ですよ?」

律「へーい」

やっぱり、姉ちゃんはいいな……

聡美「あっ、そうだ! ご飯、私に作らせてください!」

律「へ? ……あぁ、聡美ちゃん料理得意そうだもんな。じゃあ、頼むよ」

聡美「はい! 任せてください!」

そして俺は、台所に向かった━━━━
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 12:45:39.14 ID:z/n5JcIDO
聡美「はい、できました」

律・聡「」

あれ? 何かまずかったか……?
聡美「ごめんなさい! 何かまずかったですか?」

律「い、いや……違うんだ。まさか、これ程とは……なぁ、聡?」

聡「う、うん! 姉ちゃんの10倍は凄いよ!」

律「くっ……悔しいけど、認めるしか無いか……聡美ちゃん!」

聡美「はひっ!?」

ビックリした〜……姉ちゃんのこの勢いのある行動……懐かしいなぁ……

律「今度、料理教えて!」

姉ちゃんが土下座しながら頼んでくる。

聡美「はい、良いですよ。でも、まず冷めないうちに食べましょう」

律「おうっ!」

箸を持って待機している姉ちゃん……可愛い。

聡「……」

やっぱり似てるなぁ……

聡美「まず、箸を置いてくださいね」

律・聡「はい……」

聡美「いただきます」

律・聡「いただきまーす!」

聡美「召し上がれ〜♪」

俺達は、凄い勢いで、料理をたいらげていった━━━━
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 13:08:25.23 ID:z/n5JcIDO
夕食を終えては風呂に入る。
いよいよ……

律「聡美ちゃん、部屋どうする?」

聡美「う〜ん……どこか使われてない部屋とか、ありませんか?」

確か……あの部屋があったはず。

律「あることはあるんだけどなぁ……」

ですよねー。だってその部屋……

律「あの部屋で昔、聡が幽霊見たからなぁ……」

今でも覚えてますよ……アレは。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 13:17:30.91 ID:z/n5JcIDO
昔、俺が小学校に入ったばかりの頃。
元々あの部屋は俺の部屋だったのだが、今の俺の部屋が違うのは原因がある。
それが、幽霊だ。
夜に目が覚めて、真っ暗な所に俺がいた。
目が暗闇に慣れたので、周りを見ると……

?「……」

俺のすぐそばに、前髪で目が見えない女の人……

幼聡「うわああああぁぁぁぁ!?」

?「……? あれ、ここどこ〜? 部屋に戻ろう……」

俺の記憶は、そこまで。
よくよく思い返してみると、アレ、寝ぼけた姉ちゃんだったんだなぁ……
だから、いまだに姉ちゃんはあの部屋に幽霊がいると信じている。
純粋な姉ちゃん可愛い。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 14:20:16.06 ID:z/n5JcIDO
電池が……
多分今日中には再開できます
ここまでで改善点あればご指摘よろしくお願いします
ではノシ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)[sage]:2011/03/22(火) 19:10:27.63 ID:LWcFVicv0
遅いぞコラ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 19:25:06.89 ID:LE5EHhLDO

次も期待
27 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:28:44.18 ID:LWcFVicv0
エッチしよう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
28 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:31:00.71 ID:LWcFVicv0
いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 19:32:23.80 ID:z/n5JcIDO
まだ続けますよ!!
充電終わったら投下します
後何かキモい奴がいるな
30 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:33:09.16 ID:LWcFVicv0
いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
31 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:34:10.26 ID:LWcFVicv0
クマガイサンシネ
32 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:34:51.55 ID:LWcFVicv0
33 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:36:22.65 ID:LWcFVicv0
[田島「チ○コ破裂するっ!」]ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
34 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:37:11.64 ID:LWcFVicv0
[田島「チ○コ破裂するっ!」]ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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35 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:37:54.35 ID:LWcFVicv0
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36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 19:40:40.83 ID:z/n5JcIDO
聡美「大丈夫です。私、幽霊好きなので」

もちろん大嘘である。あのトラウマで、本当はかなり苦手なのだ。

律「そ、そうか……聡美ちゃん変わってるねぇ」

まぁ、姉ちゃんの弟ですから。

聡美「そうですか? じゃあ、お部屋使わせていただきますね」

律「おうっ! 怖くなったら、私の部屋に来いよ!」

聡美「フフっ……ありがとうございます」

俺はそう言って、あの部屋に向かった━━━━
37 :琴吹紬は俺の嫁[sage]:2011/03/22(火) 19:41:12.84 ID:LWcFVicv0
36番シネ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 19:49:41.07 ID:z/n5JcIDO
聡美「さて、と……」

布団は姉ちゃんが運んできてくれた。
服は……少しきついなぁ。

聡美「……」

布団に入り、今までの事を振り返る。
数十年振りに姉ちゃんに会えた。
この嬉しさは、言葉では表せない。
タイムマシンは、元の時代に返した。
戻る必要が無いからだ。
これからどうするか。
桜高に入学し、軽音部に入る。
ただし、入るのは唯さんが入部したあと。
こうすれば、唯さんが入らない、という事にはまずならない。
後は……
姉ちゃんを守る。それだけだ。
俺は眠りについた。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 19:56:22.07 ID:z/n5JcIDO
それから月日が経ち、桜高入学式。
入学式の後、姉ちゃんに軽音部に入らないか、と誘われたが、考えておく、と言っておいた。
それからは毎日のように、夕食の時に軽音部に誘われた。
だから、こう言った。

聡美「じゃあ、部員が4人集まったら入るよ」

律「よっしゃー! その言葉、忘れんなよ? 絶対に、4人集めてやるからな!」

大丈夫だよ、姉ちゃんなら。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 20:00:43.39 ID:z/n5JcIDO
それから3日程経ち、姉ちゃんから部員が4人集まったと言われた。

一応名前を聞くが、姉ちゃん、澪姉、紬さん、唯さんと、そのまんまだった。
俺は約束通り、軽音部へ入部した━━━━
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 20:06:54.16 ID:z/n5JcIDO
とりあえずここまで。
何か新手の荒らし(?)がいましたね。
書き溜めてないし、携帯なので、遅いですね。
では、内容についての改善点があればどうぞ。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/22(火) 23:47:53.80 ID:LE5EHhLDO

投下は書き溜めてからでいいんじゃないでしょうかね

荒らしちゃんは気にせず頑張ってくりー
43 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/23(水) 00:04:47.69 ID:W5LdHHVDO
しまったああぁぁ
日付変わってしまったぜ……
今更遅いけど酉つけよう


携帯で書き溜めってできる?
44 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/23(水) 09:01:32.69 ID:W5LdHHVDO
入部後、俺はギターができることをカミングアウトした。
皆の様子を見る辺り、ここ一年は俺と唯さんとツインギターだろう。
しかし、俺と唯さんはギターを持っていなかったので、今度の休みにギターを見に行くことになった。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 09:09:11.51 ID:W5LdHHVDO
そして休日。
俺は前気に入っていたアイバニーズのギター(5万円位)を買った。
金貯めといて良かった……
唯さんは、あのギブソンレスポールに目を付けた。
しかし、それはあまりにも高すぎるので、皆でバイトをすることになった。
まぁ、バイトの後、どうなるのかは姉ちゃんから聞いてもう知っているのだが。
バイトの後、バイト代を返してもらったので、生活費にした。
ちなみに唯さんは、無事にあのギターを買えたみたいだ。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 09:19:02.40 ID:W5LdHHVDO
家に帰って、ギターを弾いてみる。
……うん、あまり鈍ってないな。速弾きも出来るし。
その時の音を姉ちゃんに聞かれていたらしく、

律「聡美ちゃんは何でも出来て良いな〜」

聡美「そうですか? あ、良かったら一緒に練習します?」

律「おうっ!」

姉ちゃんて初めて一緒に練習した。
やっぱり姉ちゃんは少し走り気味だったけど、姉ちゃんが楽しそうにドラムスティックで雑誌を叩いてる姿を見てると、そんなことは気にならなくなった。
ちなみに、唯さんは部室でチャルメラを弾いてたなぁ……
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 09:30:14.52 ID:W5LdHHVDO
それから1ヶ月程経ち、中間テストの時期になった。
やっぱり簡単過ぎて怖かった。
結果は……学年トップ。
姉ちゃんはそれを見て、

律「ちくしょう……聡美ちゃん、今度からは勉強も教えて!」

聡美「はいはい」

唯「う〜ん……顔とかはそっくりだけど、それ以外は全然違うねぇ〜」

一同「追試のお前が言うな!」

ってか、追試になるってどうなんだろ……
とりあえず、唯さんの家で勉強会を開くことになった━━━━
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 09:39:23.40 ID:W5LdHHVDO
さて……今唯さんの家で勉強会をしているのだが……

か な り ヒ マ だ

なんせ一度習った内容である。
実を言うと、授業もかなり退屈だ。
授業中ほとんどノートをとってないのに、何で学年トップなのか、皆から不思議がられた。
ふと姉ちゃんの姿が無いことに気付き、1階におりる。
姉ちゃんは憂さんとぷよぷよをしていた。

律「おっ、聡美。聡美もやるか? 憂ちゃん無茶苦茶強いぞ?」

憂「聡美さん、こんにちは」

聡美「こんにちは。じゃあ、やってみようかな。勝負だ、憂ちゃん」

憂「はいっ!」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 09:45:55.10 ID:W5LdHHVDO
……何とか憂さんに勝ったが、姉ちゃんは俺達のレベルの高さに驚いていた。

律「何で、2人共普通に10連鎖とかできんだよ!?」

聡美「さぁ?」

憂「分かりません」

律「くっ……やっぱ天才っているんだなぁ……」

聡美・憂「?」

……と、まぁそんな感じで勉強会が終わり、唯さんは追試で100点をとり、今回の中間テストは終わった━━━━
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 09:54:37.40 ID:W5LdHHVDO
夏。
そろそろプールとか海に行きたいなぁと思っていた時、それは起きた。

部室で姉ちゃん達と話していると、澪姉が入ってきた。

澪「……」

澪姉は無言で歩いてくる。超怖え。どうしたんだろ?

澪「合宿をします!」

あぁ……そういえばそんな話もしていましたね。
姉ちゃんの話を聞くと、合宿というよりは、遠足って感じだった気がするが。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/23(水) 10:00:43.17 ID:/N0p3u6DO
SS初めてとは思えない
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 10:05:01.36 ID:W5LdHHVDO
自分で書いてて思ったんだが、無茶苦茶誤字誤変換多いな……
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 10:56:04.66 ID:W5LdHHVDO
律「もしかして海!? それとも、山とか!?」

澪「遊びにいくんじゃありません!」

相変わらずだなぁ……姉ちゃんは。

唯「新しい服買わないと!」

律「水着とかも買わないとなぁ〜!」

言っても無駄だよ澪姉。姉ちゃんはちっとやそっとでは曲がらないから。

澪「夏休みが終わったら、もうすぐ学園祭だろう?」

学園祭か……
そういえば今年の学園祭では、確か澪姉のアレが……

律「学園祭といえば、やっぱりメイド喫茶とか!?」

唯「違うよ〜! お化け屋敷だよ〜!」

姉ちゃんがメイド喫茶とか……
……全然似合わねえな……

澪「あのなぁ……桜高祭での軽音部のライブってのは、昔は結構有名だったんだぞ?」

まぁ、澪姉のお陰で、別の意味で有名になったんですけどね。
54 :やっぱちまちま投下した方がボクの性にあうな……[sage]:2011/03/23(水) 11:16:33.59 ID:W5LdHHVDO
聡美「そうですよね! 私、ライブするの楽しみです! 成功させるためにも、真面目に合宿しましょう!」

澪「そうだその通りだ! お前らも少しは聡美を見習えよな!」

唯・律「うぅ……は〜い……」

律「にしても、どこでやるんだ? 合宿できるほど広い場所、この辺にあったっけ?」

心配ないよ姉ちゃん。
もうすぐ来ると思うから。

紬「こんにちは〜。あれ? 皆何の話してるの?」

澪「あっムギ。 別荘とか……ある?」

紬「ありますよ?」

紬と聡美以外「あるんかい!」

紬「?」

まぁ、こうなるよな。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 11:28:40.05 ID:W5LdHHVDO
そして合宿当日。
唯さん以外は皆いるんだが……
まさか、な。

律「唯の奴、遅いな……寝坊したか?」

ヤバい。あの人なら十分ありえる。

澪「電話してみるか」

澪姉はそう言って唯さんに電話をかける。

澪「…………おはよう」

あぁ〜……絶対寝坊したよあの人。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]:2011/03/23(水) 15:51:42.99 ID:gQzZoiwAO
酉どうしたww
57 :酉はたまにつけます[sage]:2011/03/23(水) 18:29:46.19 ID:W5LdHHVDO
さて……今俺はムギさんの別荘に向かう電車に乗ってるのだが……

紬「……」

何で貴女が寝てるんですかムギさん。
貴女が寝ていたら後どのくらいなのか分からないじゃありませんか。

律「楽しみで眠れなかったんだろうな」

そっか……ムギさんお嬢様だから、こういうことあまり無かったんだな……
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 18:48:55.79 ID:W5LdHHVDO
聡美「あの〜……? ムギさん?」

ムギさんの肩を揺すってやる。
やべえ柔けえ……

紬「う、う〜ん……? あれ……? 私、寝てた……?」

聡美「はい。それはもうぐっすりと。楽しみで眠れなかったんですか?」

紬「うん……私ね、皆でこんな風にするの、初めてで……」

聡美「そうだったんですか。ところで、別荘まで後どれくらいなんですか?」

紬「えっと……このトンネルを抜ければ……」

電車がトンネルを抜けると、窓の外には、青い海が広がっていた。

一同「わぁ〜!」

まさか……ここまで綺麗だとは思わなかった。

律「窓開けようぜ唯!」

唯「そだね! いち、にの……」
唯・律「さん!」

姉ちゃん達が窓を開けると、心地よい風が電車の中に吹き込んできた。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 18:55:34.63 ID:W5LdHHVDO
ムギさんの別荘に着く。
俺達は、その規模に圧倒された。

唯「大きいね〜!」

聡美「ムギさん、こんなところ使わせてもらって本当に良いんですか?」

紬「良いのよ。これでも1番小さいし」

一同「これで1番小さいの!?」

凄いなムギさんの家は。
唯さんのギターも値引きさせてもらったし……
ムギさんの親は一体何をしているんだろう……?
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 20:06:53.50 ID:W5LdHHVDO
ムギさんの別荘のスタジオは、かなり本格的だった。
その辺のスタジオにも劣らないだろう。
スタジオで荷物の整理をしていると、姉ちゃんと唯さんが水着姿で現れた。
うん。2人とも良い体型だ。

律「早速海で遊ぼうぜー!」

唯「早くしないと置いてくよ〜!」

全く姉ちゃん達は……
でも、さすがに3人だけで練習してもしょうがないので、俺達も水着に着替えて海に向かった━━━━
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 20:22:39.87 ID:W5LdHHVDO
外に出ると、姉ちゃんと唯さんがビーチバレーをしていた。
澪姉と一緒に2人に近づくと、何故か澪姉がボールを投げられた。
どうしたんだろ?
しばらく遊んでいると、俺はとある事に気づいた。

澪姉が1番楽しそうに遊んでいるではないか。

まぁ、澪姉は昔からそうだったからなぁ……
空が赤くなってきた頃、ようやく澪姉は気づいた。
さて、次は練習といきますか。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 20:41:07.71 ID:W5LdHHVDO
スタジオで練習の準備をしていると、姉ちゃんと唯さんが床に寝転がっていた。
姉ちゃんの肩の紐が片方ずれてる。
何か興奮するなぁ……
唯さんは、シュールな文字が書かれたTシャツを着ていた。
唯さんのセンスは何年付き合ってても分からないなぁ……
とりあえず、澪姉が無理矢理2人を起こしてくれたので、俺達は練習を開始した━━━━
63 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/24(木) 00:06:37.74 ID:f2IeGS6DO
練習中に何か違和感を感じた。
原因はすぐ分かった。
姉ちゃんのドラムが走ってないのだ。
人間の慣れというものは恐ろしい。
一度慣れると、大抵の場合、それがずれたとき、全てが狂ってしまうからだ。

澪「律は走らずにきちんとリズムキープ出来てたな。特訓でもしたのか?」

律「うぅ……腹へった……」

あぁ、なるほど。
まさに、腹が減っては戦は出来ぬ、だな。

律「飯食わせろ、飯ー!」

聡美「あの……じゃあ、ご飯にします?」

澪「うん、そうしよう」

そして俺達は、夕食の材料の買い出しに向かった━━━━
64 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/24(木) 00:11:29.07 ID:f2IeGS6DO
練習中に何か違和感を感じた。
原因はすぐに分かった。
姉ちゃんのドラムが走ってないからだ。
人間の慣れというものは恐ろしい。
一度慣れると、それがずれたとき、大抵の場合、全てが狂ってしまうからだ。

澪「律は走らずにきちんとリズムキープ出来てたな。特訓でもしたのか?」

律「うぅ……腹へった……」

あぁ、なるほど。
まさに、腹が減っては戦は出来ぬ、だな。

律「飯食わせろ、飯ー!」

聡美「えっと……じゃあ、ご飯にします?」

澪「うん、そうしよう」

そして俺達は、夕食の材料の買い出しに向かった━━━━
65 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/24(木) 00:12:06.79 ID:f2IeGS6DO
練習中に何か違和感を感じた。
原因はすぐに分かった。
姉ちゃんのドラムが走ってないからだ。
人間の慣れというものは恐ろしい。
一度慣れると、それがずれたとき、大抵の場合、全てが狂ってしまうからだ。

澪「律は走らずにきちんとリズムキープ出来てたな。特訓でもしたのか?」

律「うぅ……腹へった……」

あぁ、なるほど。
まさに、腹が減っては戦は出来ぬ、だな。

律「飯食わせろ、飯ー!」

聡美「えっと……じゃあ、ご飯にします?」

澪「うん、そうしよう」

そして俺達は、夕食の材料の買い出しに向かった━━━━
66 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/24(木) 00:15:56.69 ID:f2IeGS6DO
スマンミスった……
規制とか良くわからんわ
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 00:24:06.09 ID:f2IeGS6DO
夕食後は、みっちり練習した。
練習後、姉ちゃんと唯さんは力尽きていたが、お風呂の時には復活した。


…………さて。
今俺は風呂に入っているのだが、もともと俺は男なわけで。
さすがにムラムラしてきた。
やべえ直視出来ねえ……
そんな時、

唯「聡美ちゃんありがとね」

いつの間にか唯さんが近くにいた。

聡美「〜〜っ!?」

ヤバい、意識が……

ざぱーん!

唯「さ、聡美ちゃん!?」

俺の意識は、そこで途切れた━━━━
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 00:31:25.28 ID:f2IeGS6DO
聡美「ん……?」

俺は、暑苦しさで目が覚めた。
何だろう。俺の身体が何か暖かいものに包まれている。

律「……キャベツウメー……」

聡美「」

ね、ねねねね姉ちゃん!?
俺、姉ちゃんに抱き枕にされてる!?
やばい。これはやばい。
理性が外れそうだ。
でも、俺は何とか耐えた。
俺は姉ちゃんに抱き枕にされたまま、眠りについた━━━━
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 00:35:25.84 ID:f2IeGS6DO
次の日。
朝起きると、姉ちゃんに謝られた。
俺は別に良いよ、と言っておいた。
まぁ、それからは何のハプニングも起こらず、合宿は終わりを告げた━━━━



このペースで終わるか……?
絶対終わらせますので、改善点あればよろしくお願いします。。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 08:21:50.14 ID:f2IeGS6DO
夏休みが終わり、もうすぐ学園祭という時期。
部室で姉ちゃんと話していると、唯さんとムギさんが入ってきた。
唯さんとムギさんは落ち着かない様子だった。

どうやら、このままでは学園祭には出れないらしい。
何か、正式に部として認められてないとか。

律「部員が4人以上集まれば良いんじゃ無かったのか……?」

……ん?
待てよ……?

聡美「何か、そういう書類とか無いんですか?」

律「書類……? …………あっ!」

唯「りっちゃん、何か心当たりが!?」

律「確か…部活申請用紙ってのがあったような……」

聡美「それで、その紙は今どこにあるんですか?」

律「そんなのもらった覚えが……」

澪「あるだろ!!」

あっ……そういえば、まだ春の頃に━━━━
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 09:27:01.83 ID:f2IeGS6DO
律「私が部長だから、私が書く!」

澪「大丈夫か〜?」

確かに、姉ちゃんの事だから、どこか間違えるかも。

聡美「間違えないでくださいよ?」

律「大丈夫だって」

紬「あの〜……ケーキ持ってきたんだけど……」

律「わはぁ! 食べようぜ〜!」

澪「おい、律!」

律「あー……分かってるよ。食べ終わったらすぐ書くって〜」

姉ちゃん……大丈夫かな……

書くって……書くって━━━━
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 10:29:55.48 ID:f2IeGS6DO
姉ちゃん……もしかして、あのまま……
机の中を探る。
…………あれ?
無いぞ……?
おかしい。そんなはずは無い。
確かに姉ちゃんはあの時、この中に用紙をいれたはずだ。
ならば、何故……?


あっ……


そういえば、この前部室の掃除をした時、机を移動したんだった……
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 13:17:28.90 ID:f2IeGS6DO
やばい。
このままだと、間違いなく姉ちゃんが責められる。
まぁ、姉ちゃんが悪いのだが……姉ちゃんの弟として、ここは庇ってやりたい。
1番まずいのは、澪姉に見つかること。
唯さんとムギさんは、まぁなんとかなるだろう。
とりあえず、澪姉の机の中を見る。
……よし。無いな。
さて、次はムギさんの……

唯「あれー? 私の机の中に、部活申請用紙が入ってるよ?」

律・聡美「」

澪「りぃ〜つぅ〜?」

やべえ。
澪姉が無茶苦茶怒ってる。
唯さんめ……いくら貴女とはいえ……恨みますよ。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 13:30:30.74 ID:f2IeGS6DO
澪姉による姉ちゃんへの鉄拳の後、俺達は生徒会室へと向かった。


生徒会室に入ると、眼鏡を掛けた女の子がいた。
入る時に変なコントがあった気がするが、気にしないでおこう。

唯「和ちゃん!?」

和「あら、唯」

なるほど……この人が姉ちゃんの言っていた、和さんか。
何か大人の雰囲気が出てるなぁ……

唯「和ちゃん、部活申請用紙ってまだ間に合う?」

和「う〜ん……今日中がギリギリね」

律「じゃあ……はい、軽音部です」

和「ありがと……ん?」

澪「まさか、どこか間違えてたか?」

和「ううん、間違えては無いんだけど……」

何だろう。一体何が……?

和「顧問の欄が空欄になってるんだけど……」

一同「あっ……」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 13:46:50.69 ID:f2IeGS6DO
確か顧問はさわ子先生だったはず。
俺は面倒臭いのが嫌なので、昔姉ちゃんから聞いた話の通り、昔の軽音部のアルバムからさわ子先生の写真を抜き取り、速攻で顧問になってもらった。

こうしてようやく、軽音部は正式に部として認められた━━━━
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 17:07:19.19 ID:f2IeGS6DO
部として認められ、ようやくスタートした俺達の軽音部。
しかし、顧問のさわ子先生にオリジナルの曲をバックした時、それは起こった。


実はこの時、ふわふわ時間にはまだ歌詞がついてなかったのを、聡美は知らなかった。
聡美は思わず歌ってしまったのだ。

聡美「君を見てると〜いつもハートドキドキ♪」

澪「」

一同「……」

聡美「……あれ?」

何だ? 俺何かミスったか?

澪「聡美……なんでその歌詞知ってるんだ……?」

唯「えっ? この曲歌詞あったの?」

聡美「はい?」

澪「その歌詞、まだ誰にも教えてないのに……何で?」

ヤバい、大変なことになった。
何とか言い訳しないと……

聡美「あっ……この前部室に歌詞ノート忘れていきませんでした?」

澪「私、学校に持ってきてないんだけど……しかも、何で歌詞ノートだって……」

しまった。墓穴を掘ってしまった。
どうすれば…………あっ!

聡美「実は私、作詞してきたんです! でも、少ししか思い付かなくて……澪さん、続き考えてもらえませんか?」

澪「えっ?」

律「凄いなお前ら……思い付いた歌詞が被るとか……」

紬「息ぴったりねぇ……」

唯「凄いね!」

さわ子「あの、聡美ちゃん? それもあるんだけど……貴女、ギター上手すぎない?」

うっ……ヤバい、かも。

さわ子「スタイルも良いし……うん! 貴女には、うちの部のマスコットになってもらおうかしら!」

…………はい?
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 17:23:03.41 ID:f2IeGS6DO
聡美「何ですか? それ」

さわ子「だから、分かりやすく言えば、軽音部の看板娘になれってこと」

えっと……それって……澪姉の立場じゃん!
このままじゃ、色々とまずい!

聡美「お、お断りします! そういうのは、澪さんみたいな人が適任じゃありませんか?」

澪「えっ!? わ、私!?」

さわ子「そうねぇ……迷うわねぇ……」

よし! もう一息だ!

律「確かに、澪の方がいじりがいがあるしなぁ〜……」

ね、姉ちゃん……あんたええ人や!

唯「そうだね! 私も、澪ちゃんが良いと思うよ!」

唯さん……さすがは俺の……ゲフンゲフン。

紬「私も、澪ちゃんが良いと思います!」

ムギさん……ありがとうございます!

さわ子「よし! じゃあ、澪ちゃんに決定!」

澪「えっ!? ちょ、ちょっと先生!?」

さわ子「文句言わないの〜!」

澪「ギャーー!」

澪姉、ごめんなさい。
でも、こうするしか……


こうして、俺達の学園祭に出る準備が大体終わった━━━━
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 17:29:58.16 ID:f2IeGS6DO
学園祭当日。
俺は、クラスの出し物であるメイド喫茶のウエイトレスをしていた。
壁に掛かれた時計を見る。
うん、まだライブまでかなり余裕がある。
とはいえ、後30分で交代なんだがな……
俺は交代まで、自分の仕事に徹底した━━━━
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 17:35:40.14 ID:f2IeGS6DO
交代後、俺は部室に向かった。
何故誰も誘わないかと言うと、1人の方が集中出来るからだ。
部室で練習をしていると、唯さんが入ってきた。

唯「あっ、聡美ちゃんやっほ〜!」

聡美「唯さん……」

少しヤバいかも。
何故なら━━━━
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 17:44:25.62 ID:f2IeGS6DO

━━━━刻を越える前。
姉ちゃんが死んだ後も進学出来たのは、唯さんの支えがあったからだ。
唯さんは、俺が心を閉ざしているフリをしているにも関わらず、いつも俺を支えてくれた。
東大を卒業した後、俺は唯さんからプロポーズされた。
俺は、これまで受けた恩を返そうと、快く唯さんのプロポーズを受け入れた。
結婚し、子供にも恵まれ、幸せな日々を送っていた。


しかし、それは表面上だけだった。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 18:01:16.06 ID:f2IeGS6DO
俺と唯さんは、まだ姉ちゃんの死から立ち直れてなかったのだ。
ふと見つけた姉ちゃんの写真。
それを見た日から、俺達の歯車はだんだん狂っていった。
それからだ。
俺がタイムマシンの開発を始めたのは。
それから少し経ったある日、唯さんに見つかってしまった。
唯さんに目的を話すと、なんと唯さんは協力してくれると言った。
唯さんに理由を聞くと、

唯「私は、聡くんの為なら何でもする。これまでもそうだったでしょ?」

聡「唯さん……」

唯「これも全部、聡くんが大好きだからだよ?」

唯「確かに、聡くんの中にはりっちゃんしかいないのかもしれないよ」

唯「でも、これは私の一方的な気持ち。聡くんが他の人のことが好きでも、私は聡くんが大好きなの」

唯「だから、一緒に頑張ろう?」

聡「唯さん……!」

俺は唯さんを抱きしめる。

聡「俺……絶対完成させるから……! それまで、よろしく頼みます……!」

唯「うん……私の方こそ、よろしくね」

そして、唯さんの協力もあり、タイムマシンは完成したのだ。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 18:05:38.72 ID:f2IeGS6DO
出発の時。
危ないからと、唯さんを家に置いて、公園で刻を越えた。
俺はその時決意していた。
唯さんを犠牲にしたんだから、必ず姉ちゃんを救うと。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 18:11:59.66 ID:f2IeGS6DO

━━━━そして今。
俺は正直、唯さんに申し訳ないと思っている。
自分をあんなに愛してくれた人を、自分のわがままのために犠牲にするなど、人間として、いや、男として最低だ。
だから、俺はこの時代で、唯さんに恩を返そうと思っている。
しかし、2人っきりともなると……気まずい。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/24(木) 18:46:13.28 ID:f2IeGS6DO
唯「ねぇ聡美ちゃん」

聡美「は、はい! 何でしょうか?」

唯「聡美ちゃんってギター上手いよね〜」

聡美「あ、はい。私は普通にしt

唯「まるで何十年もギターやってるみたいだよ」

えっ……
何だよ今の……


ま、まさか……!


唯「やっぱり凄いね。聡 く ん は」

聡美「なっ……ゆ、唯さん……!?」

馬鹿な……じゃあ、チャルメラとか、追試は何だったって言うんだ……?

唯「あ、私は、今までの私じゃ無いよ? 私は、今この時間に一時的に戻って来てるだけ」

あぁ……なるほど。

聡美「それで、何の用ですか? 唯さん」

唯「言ったでしょ? 私は聡くんの為なら何でもするって」

だから何なんだ……?

唯「りっちゃんね、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだ」

聡美「!?」

くそっ……こうなることはわかってはいたが……早すぎるだろ……!

唯「聡くん、いつも皆が集まる交差点に注意して」

いつも皆が集まる交差点……あそこか……!

聡美「いつ、だ……?」

唯「詳しくは分かんないけど……近いってことしか」

交差点で起こる事故……
飛び出し、信号無視、居眠り・飲酒運転。
くそっ……1番厄介だ……!

唯「しかも、1つだけじゃ無いんだ……大体1年に1回、りっちゃんに死のタイミングが訪れるんだ。聡くんが刻を越えた元凶が消えるまではね」

元凶……あの、通り魔か……

唯「聡くん、絶対に、りっちゃんを救ってね」

聡美「もちろんです。刻を越える時に、決意しましたから」

唯「うん、頑張ってね、聡くん。私の、大好きな人…………」

そう言うと、唯さんはその場に倒れる。
しばらくして、また起きあがる。

唯「あれ……? 聡美ちゃん……? それに私、何で部室に……?」

ど、どういうことだこれは……
今、何が起こったんだ……?

とりあえずそれは後回しにして、俺達は皆が来るまで、同じギター同士、練習をした━━━━
85 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/24(木) 18:50:48.62 ID:f2IeGS6DO
とりあえずここまで。
何だかこのSS、無茶苦茶長くなりそうです……

今車で移動中で、充電すら出来ないので、最低後4時間位は戻って来れないかもしれません。

では、改善点があればよろしくお願いします。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/25(金) 00:27:20.42 ID:ZSIB7T/DO
おい‥‥
まさか、事故ってはないだろうな?
87 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/25(金) 01:25:22.54 ID:ZSZd7qoDO
遅くなってすいません。
さて、続きを書くか……と思いましたが、今日は学校説明会なのでもう寝ます。
このSSを見ている人はほとんどいないと思いますが、感想や改善点があればよろしくお願いします。
ではノシ
88 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/25(金) 15:15:18.78 ID:ZSZd7qoDO
やっと学校説明会終わった
まさか本当に見てる人がいないとは……
とりあえず再開します
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 15:26:07.82 ID:ZSZd7qoDO
皆が集まり、そろそろ時間だという時、さわ子先生が変な服を持ってきた。
唯さんとムギさんは喜んで着ていたが、俺達3人は気が乗らなかった。
でも……さわ子先生に無理矢理着せられた。
先生……貴女犯罪者ですか?
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 15:37:01.53 ID:ZSZd7qoDO
ステージ裏。
カーテンの隙間から顔を出して客席を見ると、かなり大勢の人がいた。
澪姉のトラウマになるわけだ……
俺でもかなり恥ずかしい。

律「よ〜し……行くぞっ!」

姉ちゃんの合図で俺達はステージの中央に集まる。

聡美「絶対成功させましょう!」

一同「おーっ!」

それぞれ指定の位置に立つ。
てか、今の感じ、部長が2人いるみたいだったな……
田井中家には部長遺伝子というものがあるのか?

少し経って、横断幕が上がっていく。
歓声が聞こえてくる。
しばらくして辺りが静かになると、姉ちゃんがドラムスティックを振り上げる。

律「ワン、ツースリーフォーワン、ツースリー!」

曲が始まった━━━━
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 15:43:28.69 ID:ZSZd7qoDO
曲の中盤。
俺はギターソロを奏でる。
唯さんも俺と息が合っている。
まさか、ね。

最後に俺と唯さんの力強いストロークで、曲が終了した。



さぁ……来るぞ……!

澪姉の足元を見る。
なるほど……あれに引っ掛かって転んだのか……

俺の予想通り、澪姉は転び、縞パンを晒した。
ごめんなさい澪姉。
貴女を救うことはできませんでした。
こうして、俺達の最初の学園祭ライブは終わりを告げた━━━━
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 15:59:29.60 ID:ZSZd7qoDO
学園祭から数日が経った。
澪姉は、例のことでファンクラブが出来たみたい。
まぁ、その当事者は現在再起不能だけど。

律「唯は、初めてにしては中々だったぞ! 聡美とも合ってたし」

唯「いやぁ〜……」

唯さん……照れてる。

紬「それにしても聡美ちゃん本当に上手いわね。ギターソロ良かったわ」

聡美「ありがとうございます、ムギさん」

まぁ、あの位はな。

こうして、1年目の学園祭は終了した━━━━





━━━━かのように思えたが……

唯「聡美ちゃん、ちょっといいかな?」

聡美「あ、はい。何ですか?」

唯「明日だよ、聡くん」

聡美「なっ……」

マジか……最初の難関、だな。
唯さんは前と同じように、その場に倒れ、起きた時には普段の唯さんだった。

どういうことなんだ……?
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 18:18:01.33 ID:ZSZd7qoDO
その日の夜は、全く眠れなかった。

俺が刻を越えたせいで、姉ちゃんが死ぬ。

しかも明日。
せっかくここまで来たのに、ここで終わってはならない。
交差点で起きるであろう死のパターンを思いつくだけ思いつき、どうやって阻止するか、俺は一晩中考えていた。
そして、阻止するにはいくつか条件があることを俺は知っている。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 18:32:58.93 ID:ZSZd7qoDO
まず1つめ。
阻止したい死の数と、同じ数だけ物を破壊させる。
例えば、トラックに轢かれる人1人の死を阻止するには、そのトラックに標識等を1つ以上破壊してもらわなければならない。
2つめ。
時間のずれは10秒以内。
例えば、事故による即死の場合、死亡時刻と破壊時刻のずれは10秒以内でなくてはならない。
この2つの条件を満たせば、死を阻止出来る。
ただし、満たせなかった場合、阻止しようとした人はその人の代わりに死ぬことになる。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 18:43:47.92 ID:ZSZd7qoDO
さすがの俺も、死にたくは無い。
だから、どうやって阻止するか、かなり考えないといけない。
しかも、即死で無い場合、かなり大変だ。
まず、正確な死亡時刻が分からない。
ならばどうするか。
簡単なことだ。
俺と唯さんで阻止すれば良い。
別に、阻止しようとする人間の数は条件されてない。
姉ちゃんを助けようとする俺が即死するような状況で、唯さんが俺の死を阻止すれば、姉ちゃんも助かることになる。
ただ、問題がある。
唯さんがいつこの時間に来るかは、まだ分からない。
しかも、あの現象……
そんなことを考えてるうちに、放課後になった━━━━
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 18:57:05.16 ID:ZSZd7qoDO
部室でお茶を飲んでから、しばらく雑談をしてると、いつの間にか下校時刻になっていた。

帰り支度をしていると、唯さんに呼ばれた。

唯「聡くん……りっちゃんね、あの交差点でトラックに轢かれて即死らしいよ」

聡美「あの……唯さん」

唯「ん?」

俺は、今日1日考えていたことを唯さんに話した。
唯さんは快くOKしてくれた。
後、合言葉を決めておいた。

『アクター』

刻を越える直前に2人で見に行った映画のタイトルだ。

そして、俺達は校舎を出た━━━━
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 19:04:44.13 ID:ZSZd7qoDO
そして交差点。
信号が青になった瞬間、姉ちゃんは走り出した。
俺も急いで追いかける。
トラックのクラクション音と、ブレーキ音。
姉ちゃんはそれに気づき、さらに足を早める。
トラックも、避けようとする。
俺は姉ちゃんをあの映画のように抱き抱え、助けた。
トラックは、標識にぶつかった。
標識は、壊れた。

何とか、姉ちゃんを救うことが出来た。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 19:09:41.42 ID:ZSZd7qoDO
この事故は、ニュースでも取りあげられた。
トラックから助かった少女2人。
事故の原因は、トラックの信号無視。
その日、俺は姉ちゃんを慰めながら寝た。
次の日、皆から心配されたのは言うまでもない。
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 19:18:00.42 ID:ZSZd7qoDO
それから月日が経ち、クリスマス。
あの事故のほとぼりが、冬の寒さで冷めた頃、姉ちゃんから軽音部内のクリスマス会が提案された。
会費は1人1000円。
どう考えても少し多いだろ……
全く姉ちゃんは……


風呂入ってきます
こんなの見ている人、いるのかな……?
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 19:55:04.68 ID:w6kFmMTDO
俺も風呂入ってくる
101 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/25(金) 20:14:53.46 ID:ZSZd7qoDO
お? 見てる人がいたっぽい
では、糞つまらない文章ですがぼちぼち再開したいと思います
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 20:43:34.25 ID:ZSZd7qoDO
聡美「あれ? 律さん、場所はムギさんの家で決まってるんですか?」

律「え? 私が勝手に決めただけだけど?」

……やっぱり。
姉ちゃんこういうの基本的に許可取らないからなぁ……

紬「ごめんなさい……家、都合悪くて……早めに予約取らないといけないの……本当にごめんなさい!」

律「あー……やっぱりダメだった?」

わかってんならやんなよ……

紬「りっちゃんの家はどう?」

澪「あー……ダメダメ。律の家は汚いからな」

律「な、なんだと〜!?」

聡美「あの〜……掃除なら私と聡くんがしましたけど……」

律「マジで? てか、いつやったんだ?」

姉ちゃんが昼寝してた時だけど……ここはフォローしないと!

聡美「律さん、部長でドラムだし、疲れてると思うので、私が代わりに……」

律「さ、聡美……ありがとう!」

姉ちゃんが俺に勢いよく抱きついてくる。

澪「お前もやれよな……掃除くらい」

律「あれ? 澪の部屋も、パンツとかがちらが痛っ!?」

うわ〜……痛そう……
たんこぶでけぇ……

紬「で、結局誰の家でするの?」

唯「私の家も別に良いけど……」

一同「良いの!?」

そういや、唯さんの家でやったって言ってたな……

それで、色々相談した結果、結局唯さんの家ですることになりました。


今地震来たよ……
マジこええ……
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 20:59:15.04 ID:ZSZd7qoDO
休日。
俺達はプレゼント交換用の物を買いに商店街に来ていた。
姉ちゃんは毎度の通り澪姉をいじっていたが、俺は気にせずにとある物を購入した。
姉ちゃん達も買い物が終わったみたいなので俺達は店を出た。
店を出ると、唯さん達も来ていた。
何か運命を感じるな……まぁそういう運命だったけど。


福引きにチャレンジしたが、当たったのは俺の人生ゲームのみ。
ムギさんはハワイ旅行を当てたらしいが、俺が人生ゲームを当てたので辞退したらしい。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:10:33.87 ID:ZSZd7qoDO
そしてクリスマス会当日。
俺は姉ちゃん達よりも先に唯さんの家に来ていた。
憂さんの手伝いをするためだ。
2人で作ると、早く出来た。
いや、早く出来すぎた。
まだかなり時間あるのに……
しばらく俺と憂さんは雑談していた。

聡美「憂ちゃん、受験生だよね?」

憂「はい、そうですけど……」

いやいやいや。受験生がこんなことしてていいのか?
まぁ、憂さんは大丈夫だと思うけど。

聡美「どう? 受験勉強進んでる?」

憂「はい。でも、分からないところがあって……」

あれ?憂さんでも分からないところってあるんだ……
まぁ、人間だし当たり前か。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/03/25(金) 21:11:25.97 ID:xzr3xZzN0
見てるよ
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:21:26.09 ID:ZSZd7qoDO
聡美「分かんないとこ、教えてあげようか?」

憂「良いんですか?」

聡美「うん。桜高結構難しいからね」

それに、唯さんだけじゃなく、憂さんにも恩があるし。

憂「ありがとうございまs

パーン!!

クラッカーらしき音が鳴る。
多分唯さんが遊んでるだけだと思うけど。
いつでもどこでも変わらないな、唯さんは。


>>105 こんな駄作見てくれてありがとうございます
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:32:42.94 ID:ZSZd7qoDO
リビングに行くと、やっぱり唯さんがクラッカーで遊んでいた。
仕方がないので、リビングで教えることにした。
唯さんは勉強が嫌いなようで、俺達が勉強を始めると、飾り付けの準備を進めた。


しばらくして、姉ちゃん達が来た。
唯さんは和さんが遅れると言うので、先に乾杯しようと言った。
ふと視界の端で何かが動いたような気がして、窓の外を見ると、さわ子先生がいた。
……あれ? ここ2階だよね?
どうやって登ってきたんですか先生……
姉ちゃん達がジュースを注ぐのに夢中になっている間に、俺は窓を開けてさわ子先生を家の中に入れた。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 21:48:48.22 ID:ZSZd7qoDO
一同「かんぱーい!」

律「いや〜、今年も終わっちゃうねぇ〜」

さわ子「やーねぇ、親父くさ〜い」

一同「……」

一同「えーっ!? さ、さわちゃん!? い、いつの間に!?」

さっきです。

律「まさか、ロープをよじ登り、窓から侵入し……」

ロープは有り得なくもないけど……窓は無理だろ……

さわ子「やーねぇ、人を何だと思ってるの? 顧問を忘れるなんて、どうかしてるわ」

いや、いくら顧問でも人の家に勝手に来るのはどうかと思いますが……

律「いや、忘れてた訳じゃないんですけど……」

そうですよ。会費さえ払ってくれれば文句は言いませんよ。

唯「先生は彼氏と予定があると思って、呼びませんでした」

唯さん……その笑顔、悪気が無いのは分かってるんですけど……さすがにそれはどうかと思います。

さわ子「そんなこと言うのはこの口かぁ〜!」

先生……結構美人なのに、彼氏すらいないのか……
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 22:00:48.53 ID:ZSZd7qoDO
先生はサンタの衣装を取り出し、唯さんに着せた。
うん、可愛いな。
似合ってますよ、唯さん。

さわ子「駄目ね……唯ちゃんは恥じらいが足りないわ」

先生……罰なのにそれはひどくありませんか?

さわ子「ここはやっぱり……」

先生は澪姉の方を見る。
姉ちゃんもそれを聡ったらしく、

律「聡美、澪を取り押さえろ!」

了解しました姉ちゃん。

澪「ひっ! く、来るな!」

聡美「大人しくしてください澪さん」

さわ子「良くやったわ聡美ちゃん。後は私に任せなさい」

澪「いやー!」

あ、逃げた。

さわ子「待ちなさーい♪」

澪「誰か助けて〜!」

ピンポーン。

玄関のチャイムが鳴る。
……ちょっと待て。澪姉と先生、玄関の方に……

和「ごめんくださ……」

遅かったか……
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 22:24:40.11 ID:ZSZd7qoDO
しばらくして、

律「気を取り直して、プレゼント交換といこうぜ!」

さすがは姉ちゃん。
こんな状況でも忘れないとは。

和「あっ……でも、先生は?」

さわ子「ちゃんとあるわよ」

一同「おぉ〜!」

さわ子「本当は今日……彼氏に渡すつもりだったんだけど……」

一同「……」

お、重たい……重すぎる空気だ……
てか先生、彼氏いたんですか。
クリスマス前に別れるなんてどんだけだよ……

さわ子「それじゃあ始めるわよ〜!」

先生はテーブルの上の食器を雑に寄せる。
行儀悪いなぁ……
空いたスペースにプレゼントを置く。

さわ子「歌が終わった所でプレゼントよ」

そう言うと先生は、歌を歌いながらプレゼントを回していく。
……さて、俺のは誰に行くかな……?


フフフ……
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 22:43:43.93 ID:ZSZd7qoDO
さわ子「ストーップ!」

俺のは……ね、ねねねね姉ちゃん!?

さわ子「……」

あれ?先生……凸が赤い……

さわ子「最高のクリスマスだわ〜!!!」

先生が壊れた……
そ、そんなことよりも……

律「さてさて、私は〜っと……」

ああああああああぁぁぁぁ……

律「え〜と…………!?!?」

律「な、何だよこれ……」

今姉ちゃんの手にあるのは……
紛れもない。
俺が選んだヤツだ……
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 22:51:36.49 ID:ZSZd7qoDO
聡美が買ったプレゼント>>115
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)2011/03/25(金) 23:13:36.74 ID:GjUFgb/s0
澪の写真
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 23:29:52.98 ID:hGXRTc/DO
パンツ
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 23:30:44.76 ID:hGXRTc/DO
バイブ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 23:41:39.15 ID:ZSZd7qoDO
さわ子「あらあら、それはバイブね」

そう。
あの店には、フリーマーケットコーナーがあって、そこに売っていたのがこれだ。
さすがに姉ちゃんはそういう知識があるようで、顔が真っ赤になっていた。
他の人の顔を見ると、真っ赤になっていないのは唯さんだけだった。

律「誰だっ! こんなの買ったのは! ///」

さわ子「りっちゃん、本当は嬉しいんじゃないの?」

先生はニヤニヤしながら言う。

唯「ねぇ憂、バイブって何?」

憂「え、え〜っと……///」

唯さん……ピュアすぎです。

律「〜〜〜っ///」

紬「あらあらまあまあ///」

澪「///」

うわぁ……何か凄い空気になってしまった……
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 23:50:39.41 ID:ZSZd7qoDO
結局俺が買ったことはバレずにすんだ。
バイブは、姉ちゃんが先生にあげたらしい。
さすがに姉ちゃんは使う気にはなれなかったようだ。
ちなみに俺には和さんのプレゼントが来ました。
和さんって案外センス悪いのかな……
皆がプレゼントを開けて、次はいよいよ一人一芸披露。
姉ちゃんはエアドラムをしていたが、先生に、

さわ子「あれは使わないの?」

とからかわれ、またしても顔を真っ赤にしていた。
ちなみに俺はエア速弾きをしました。
118 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/26(土) 00:04:27.94 ID:2jDN7igDO
それからしばらくしてクリスマス会が終わり、田井中家へと向かう俺達。

律「はぁ……」

聡美「どうかしたんですか? 律さん」

律「いやー、な。あれのお陰でちょっと、な」

聡美「あ〜……結局、誰だったんでしょうか」

律「さぁ…………ん?」

姉ちゃんは俺を見る。

律「まさかとは思うけど……あれ、聡美?」

ギクリ。
姉ちゃんこういうのは鋭いんだよなぁ……
さて、どうするか。

聡美「ち、違いますよ!」

律「だよなぁ……先生かなぁ……」

なん、とか……誤魔化せた?
危ない危ない……家追い出されるかと思ったよ……

聡美「先生だったら……彼氏に……その……ですよね……」

律「うわぁ……さわちゃん……///」

姉ちゃんから見た俺の評価は下がらなかったが、先生のはかなり下がっただろうな……
俺達は気まずい空気のまま、田井中家に帰った━━━━
119 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/26(土) 00:09:01.55 ID:2jDN7igDO
とりあえずここまで。
初めて安価を出してみましたが、中々難しいですね。
今日は朝から部活があるっぽいので、もう寝ます。

感想や改善点があればよろしくお願いします。

ではノシ
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/03/26(土) 02:49:21.46 ID:AL0Bzl2L0
>>119

面白いよ頑張ってね
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 07:58:11.19 ID:2jDN7igDO
12月31日。
俺は年越しそばを作ったのだが、既に姉ちゃんは寝てしまっていた。
除夜の鐘が鳴る。
あ〜あ……グダグダだ。
確かこの日の俺は、年越しの瞬間ジャンプした記憶がある。

ドン。

上の階から物音が聞こえてくる。
おそらく、ジャンプしたのだろう。
とりあえず、叱っておいた。
自分を叱るなんて、かなり変な気分だな……
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 08:06:57.51 ID:2jDN7igDO
1月1日。
今日で刻を越えて丁度1年だ。
雑煮を作った。
姉ちゃんは餅を8個も食ってしまった。
それはさすがに太るぞ姉ちゃん……

俺は6個で止めておいた。
姉ちゃんはもっと食えよと言ってきたが、腹八分目って言うだろ。
ちなみに残りの餅はこの時代の俺が全部食べたらしい。
やっぱり男の子は違うねぇ〜。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 08:13:42.03 ID:2jDN7igDO
1月2日。
特に面白い番組が無かったので、俺達はみかん早食い競争をした。
姉ちゃんはかなり早い。
みかんの皮をむくスピードが半端じゃない。しかもみかん1個まるごと口に入れて一気に食べるから尚更だ。
しかし、俺も姉ちゃんの弟だ。
姉ちゃんより早く、とにかく早く食べた。


一応俺が勝ったが、もう手が黄色くなってしまった。
明日までに治るかな……
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 08:28:35.24 ID:2jDN7igDO
1月3日。
俺達は初詣に来ていた。
晴れ着なのは俺と澪姉だけだった。
結局治らなかった黄色い手を誤魔化すため、俺は黄色い晴れ着を着たのだ。
澪姉は……毎度の通り姉ちゃんにはめられたらしい。
唯さんに、晴れ着似合ってるねと言われた。
当然である。
姉ちゃんは黄色が似合うし、何せ今の俺は姉ちゃんにそっくりで、違いと言えば前髪をおろして憂さんみたいにポニーテールにしてるくらいだ。


お祈りの時、俺は姉ちゃんが危ない目に遭いませんようにと祈った。
皆には誤魔化したが。
姉ちゃんの提案で、もう1回お祈りすることになった。
俺は、軽音部の安全を祈った━━━━
125 : ◆8MTPmAqd3U2011/03/26(土) 08:47:04.93 ID:2jDN7igDO
これから部活なのでとりあえずここまで。
やっと1年目が終わった……(´・ω・`)
どうやら見てくれていた人がいたようです。
こんな駄作を見ていただきありがとうございます。
まだ明らかになってない部分はこれから明らかになっていきます。
後、新入生入学によってまた少し謎が出てきます。

ちなみにボクは、
携帯で即興なので書くのが無茶苦茶遅い、行き当たりばったりで詰んだら安価に頼る、1レスの文が少ない、そんなに面白くない、学生なので用事が多いなど、読み手にとって最低の書き手です。
読むときは最大限の心配りを持って読んでいただきますよう、どうかご理解ください。


ではノシ
126 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/26(土) 12:56:27.05 ID:2jDN7igDO
現在昼休み中

1日練習は辛いぜ……
後、偶然にも憂のトリップを見つけました。

#田井中率

使いたい人は使っちゃってください。

ではノシ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/03/26(土) 13:13:58.69 ID:PY1j/Hqso
3年目の律が危ないときに
律をかばって唯が・・・
というのを想像した
128 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/26(土) 13:55:53.14 ID:2jDN7igDO
くそっ……
夜更かししたのがアダだったぜ……
部活で倒れて今は自分のベッドで寝てます。
まだ頭がハッキリしませんが再開したいと思います。

>>127
そうなると今度は憂が刻を越えて物語は繰り返してしまいますね。
最後だけはもう考えてあります。
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 14:07:41.55 ID:2jDN7igDO
桜高合格発表日。
憂さんは、見事に合格しました。
受験者576名のうちの、合格者144名の中に、憂さんは入ったのです。
ふと向こうを見ると、ホワイトボードの前に、見覚えのある女の子が立っていました。
背が小さく、黒い髪にツインテール。
間違いない。
梓さんだ……
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 14:16:52.86 ID:2jDN7igDO
新学期が始まり、クラス発表が行われた。
俺は2組だった。
姉ちゃん達も2組だったが、澪姉だけは1組だった。
なるほど……このクラス編成が、あの学園祭前の喧嘩を引き起こしたのか……
まぁとにかく、クラス編成があんまり変わんなくて良かった。
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 14:30:45.62 ID:2jDN7igDO
新入生勧誘をするために、廊下に出ると、もう他の部の人でいっぱいだった。

律「軽音部だからってなめんなよ〜……聡美! 何か作戦あるか?」

急に姉ちゃんから話をふられる。
まぁ一応考えてはいるけど。

聡美「大声で、今から部室で1曲演奏しますとか言って、部室に来てもらえばいいんじゃないですか?」

一同「それだ!!」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 14:45:18.90 ID:2jDN7igDO
姉ちゃん達は俺の作戦を実行したが、結局、入ってくれそうな人はいなかった。


そして次の日。
今日は新歓ライブだ。
ステージの上で準備をしていると、さわ子先生が現れた。
でも……

さわ子「制服も意外と良い!」

はぁ……ダメだ、テンション少し下がった。
まぁ、演奏中はテンション上がるから良いけど。

「次は、軽音楽部による、クラブ紹介とバンド演奏です」

出番が来た。
俺達は、姉ちゃんの合図で勢いよく演奏をスタートした。
133 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/26(土) 14:49:11.69 ID:2jDN7igDO
すいません。
とりあえずここまでです。
頭が冴えてきたので、ちょいと勉強してきます。

見てくれた人、こんな駄作ですいません。

ではノシ
134 :人いない……[sage]:2011/03/26(土) 17:02:14.24 ID:2jDN7igDO
再開します
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 17:15:33.26 ID:2jDN7igDO
新歓ライブが終わり、いよいよ放課後。
姉ちゃんの話では、この時に梓さんが来たらしい。

聡美「さて、準備を……って」

唯・律・紬「……」

何をやってるんだあの人達は。
そんなに気にしたら来る人も来なくなるだろ……

澪「そんなに気にしてたらダメだろ……」

唯「だって〜……」

紬「じゃあ、お茶にしましょうか」

ムギさんがそう言うと、皆が席に座った。
さすがはムギさんだ。


皆でお茶をしていると、ドアが開く音がした。
音がした方を見ると、梓さんがいた。


梓「あの〜……」

唯「はい」

梓「入部希望……なんですけど」

律「うっしゃー! かーくほー!」

姉ちゃんは梓さんに向かって駆け出す。

梓「きゃあああぁぁぁ!?」

姉ちゃん……やり過ぎだよ……
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 17:31:46.44 ID:2jDN7igDO
そして……


一通り梓さんへの質問が終わり、唯さんは梓さんにギターを渡す。

唯「それじゃあずにゃん、何か弾いてみて!」

梓「分かりました唯先輩。では……」

ピロリロピロリロ……

何だろう……このリフ、どこかで聞いたことがあるような……
……気のせいか。

梓「ふぅ……」

律「う、上手いな……」

澪「そうだな……聡美と良い勝負だな」

紬「それにしても、2人は知り合いなの?」

梓「……え?」

紬「だってさっき、あずにゃんとか唯先輩とか……」

……え?
ムギさん、今なんて?

唯「うん! あずにゃんとは知り合いだよ〜!」

唯さんは梓さんに抱きつく。
梓さんは、何故か俺の方を見ていた。
……何かがおかしい。
姉ちゃんの話では、猫耳着けて、初めて梓さんにアダ名がついたはずだが……
そして、何故梓さんは俺の方を見ている?

まさか……歴史が変わった!?
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 17:39:39.33 ID:2jDN7igDO
その後、姉ちゃんの話であった、梓さんが退部しそうになったということも無く、夏休みになってしまった。
一体、どこで間違えてしまったのか。
そんなに歴史は変えてないはずなのに……
ならば、何故?
そんなことを考えながらマクドでポテトを食べてると、向かいの席に、

梓「聡美先輩、ここ、良いですか?」

梓さんが座ってきた。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 17:44:51.73 ID:2jDN7igDO
しばらくは梓さんと雑談していたが、ふと話題が無くなると、梓さんが俺をあの時の目で見つめてきた。
そして、口を開いた。

梓「聡くん、本当にここまで来たんだね」

そうか……梓さんも……
俺や唯さんと同じように……


刻を越えて来たのか━━━━
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 17:52:42.52 ID:2jDN7igDO
━━━━刻を越える前。
唯さんの支えだけでは、とてもやっていけなかった。
まず、資金が圧倒的に足りない。
そんな時、梓さんが協力してくれたのだ。
梓さんは、プロのミュージシャンになっていた。
梓さんは、俺と唯さんが姉ちゃんを助けようとしていると知ると、協力してくれた。
梓さんは、本当は『放課後ティータイム』としてデビューしたかったらしい。
でも、姉ちゃんが死んだあの日、放課後ティータイムは解散してしまった。
姉ちゃんが助かれば、放課後ティータイムは活動を続けられる。
だから、協力してくれたのだろう。
140 :飯食ってました[sage]:2011/03/26(土) 18:29:35.04 ID:2jDN7igDO
でも、梓さんにはタイムマシンの存在を教えていないはず。
唯さんが梓さんに話したのか……
もしくは、タイムマシンとは別に、また別の機械を開発したのか。
どちらにしよ、あっちで何かあったに違いない。
俺は梓さんに聞いたが、まだ早いと言われた。
一体あっちで何が……?
梓さんと別れた後も、その事が頭の中を巡っていた━━━━
141 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/26(土) 18:49:43.03 ID:2jDN7igDO
とりあえずここまで。
次は合宿です。
合宿となると、唯と梓が深夜に練習します。
そこに、聡美も加わり、刻を越えた3人が集まります。

はたして、何が起こるのか。

宿題やったらまた再開します。

ではノシ
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)2011/03/26(土) 21:53:08.06 ID:FBioS6Px0
勉強もこれもぼちぼちでいいから頑張れ

澪しゃんマジ空気
143 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/26(土) 22:15:45.03 ID:2jDN7igDO
遅くなってすいません。
宿題やって、買ったばかりの高校の教科書一通り読んで、他のSS見てたらこんなに遅くなってしまいました。

>>142
見てくれてありがとう。
澪さんには別に出番を用意してあります。

では、相変わらずのクオリティの低さと投下の遅さで行かせていただきまする。
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 22:23:40.52 ID:2jDN7igDO
夏休み。
もうすぐ合宿という時に、姉ちゃんから暇ならちょっとその辺ブラブラしようぜと言われた。
姉ちゃんは行動がいっつも唐突だ。
良く言えば、思いつきが凄い。

町中を歩いてると、憂さんと梓さんがマクドの中にいるのが見えた。
姉ちゃんも2人に気づいたらしく、俺の手を引っ張って店の中に向かった。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 22:30:41.80 ID:2jDN7igDO
店の中に入り、2人の近くの席に座る。
どうやら、まだ気づかれてないみたいだ。
2人の会話に耳をすませる。

憂「聡美さんは?」

梓「律先輩に似てるけど……中身は全然違うよ。何か、何でもできる人って感じ。ギターも上手いし」

憂「そうだよね。私、受験勉強の時に分からないところ教えてもらったけど、凄く分かりやすかったよ」

梓「良いな〜……私も聡美さんに教えてもらいたいよ」

いやぁ、照れますな。
姉ちゃんを見ると、何か凄い俺を睨んでる。
多分ねたんでるんだろう。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 22:40:24.79 ID:2jDN7igDO
律「律さんは?」

出ました。
姉ちゃん得意の声真似。
憂さんは俺達に気づいたが、俺は黙ってるようにと合図した。
梓さんは全く気づいていない。

梓「うーん……あの人はいい加減で大雑把だから……パス、かな」

あ、梓さん……それ、禁句です。
いや、確かにその通りだけど……本人がいないと思ってもそういうことは言わない方が……
姉ちゃんを見る。
うわぁ……体を震えさせてる……
相当きたな、これは。

律「ほ〜う? 誰 が 大 雑 把 だ っ て ?」

梓「うわあああぁぁぁ!?」

あーあ……地雷踏んだな……
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/26(土) 22:57:10.42 ID:2jDN7igDO
憂「こんにちは。律さん、聡美さん」

律「やっほー。外から見えたから、来ちゃった」

姉ちゃんは、梓さんを成敗しながら答える。

聡美「律さん……そのくらいにしてあげたら?」

律「いや、先輩の悪口を言うやつは厳しく指導しないと」

姉ちゃんはそう言いながら梓さんを放す。

梓「そういえば律先輩」

律「ん?」

梓「ムギ先輩って、物凄いお嬢様なんですか?」

そりゃそうだ。
琴吹グループは、この先凄まじい発展を遂げるのだから。

律「あぁ! そうだぞ。家には、執事さんがいて、長期休暇には外国いったりするんだぞ」

知ったかぶりめ……
大体話し方で姉ちゃんの嘘はすぐ分かる。

梓「本当ですか!?」

律「だったら面白いよね!」

梓「知らないんじゃないですか……」

律「じゃあ、今から電話してムギん家遊びに行こうぜ!」

……は?
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 00:50:12.35 ID:I9hoe1UDO
さすがに迷惑だろ……
姉ちゃんはムギさんに電話する。
しかし、出ないようなので、家電にかける。


電話が終わる。
姉ちゃんの話を聞くには、ムギさんの家には執事さんがいて、ムギさんは今実際にふたんだろう。」

眠い……
寝ます、おやすみなあい
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[sage]:2011/03/27(日) 01:38:02.97 ID:J+TUleLAO
>>148
乙です
俺は見てる
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 09:04:03.85 ID:I9hoe1UDO
>>149
ありがとうございます。

今日は日曜日なので、いつもよりちょっぴり多目に更新できそうです。

ムギさんは今実際にふたんだろう。ってなんだよ……
ムギさんは今実際にフィンランドに行ってるらしい。だろ……

おやすみなあい。ってなんだよ……
おやすみなさい。だろ……

再開します
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 09:12:24.68 ID:I9hoe1UDO
店を出ると、憂さんから家に来ないかと誘われた。
スイカがあるということなので、俺と姉ちゃんは即答した。


憂「ただいま〜……お姉ちゃん? 律さんと聡美さんと梓ちゃんが来たよ〜」

唯「お〜かぁ〜え〜りぃ〜……」

唯さんはかなりだらけていた。
やっぱり家ではこうなのか……
あっちでも色々と苦労したからなぁ……
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 09:21:37.93 ID:I9hoe1UDO
次の日。
姉ちゃんと唯さんと俺の3人で、さわ子先生を合宿に誘ったが、めんどくさそうだった。
でも、確か夜に来たはず。
まぁ、放っておいても来るんだからまぁ良いか。


久しぶりに部員が全員揃ったので、合宿の買い物に行くことになった。
当然、買いにいくのは水着だが、梓さんはもっと別の物を買いにいくのかと思っていたようで、少々不満げだったが、澪姉に頭を撫でられておさまった。

姉ちゃんは、その差別的なことに少し寂しげを覚えたようだ。
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 09:31:48.31 ID:I9hoe1UDO
合宿当日。
ムギさんの別荘に着くと、去年のより大きいその全貌にまたしても圧倒された。
ムギさんによると、まだ上があるらしい。
どんだけでかいんだよ、その別荘……


荷物をまとめると、早速姉ちゃんと唯さんが水着に着替えて、海に向かって行こうとしていた。

澪「練習が先だろ!」

梓「私も練習が先が良いです!」

紬「遊びたいで〜す」

ふむ。じゃあ、別荘の主に合わせるか。

聡美「私も、遊びたいかな……」

俺がそう言った瞬間、姉ちゃん達は歓声をあげた。
澪姉達を見ると、何か睨まれた。
つり目2人の睨み付け……マジで怖え……
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 09:45:28.25 ID:I9hoe1UDO
海に出ると、船とビーチパラソルがあった。
これまた豪華だなぁと思っていると、俺の方にビーチバレーのボールが飛んできた。
俺はとっさに反応し、姉ちゃん達に返す。

パシャ。

律「おぉ! やるじゃん、聡美」

唯「かっこよかったよ〜!」

聡美「ありがとうございます。じゃあ、私もまぜてください」

律「大歓迎だぜ!」

唯「よーし、いくよ〜!」


澪「凄いな……聡美は」

梓「かっこいいですね……」

紬「そうね……あ、澪ちゃん、さっきの聡美ちゃんの写真、撮った?」

澪「あぁ。つい、な」

梓「……」


唯「あずにゃ〜ん!」

唯さんはちょっと不満げな顔をした梓さんのもとへ駆けてゆく。
姉ちゃんと唯さんの巧みな話術で、梓さんはまんまと乗せられ、遊ぶことになった。
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 09:59:00.71 ID:I9hoe1UDO
ビーチバレーの次は、お宝探しだと姉ちゃんが言うので、俺達と澪姉達は別行動になった。
まぁ、遊んでることに変わりはないのだが。

唯「りっちゃん博士、これを見てくだされ!」

律「おぉ! この形は宇宙人だ!」

ただのズワイガニだろ……

唯「これはノーベル賞並みの発見だと!」

律「そうだな! ……ん?」

姉ちゃんは澪姉達の方を見る。
俺も姉ちゃんにつられて見ると、澪姉が無茶苦茶怖がっていた。
そんなに怖がるものがあるか?
……あぁ、フジツボか。
そう思っていると、澪姉がどこかに走っていった。
姉ちゃんは梓さんにGJをする。
てか姉ちゃん、いつの間にそこまで移動したんですか……
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 10:06:00.68 ID:I9hoe1UDO
スイカ割り、生き埋め、海水浴、砂遊び、あいす等、一通りは遊んだ。
何故か澪姉だけは遊ばずに走り回っていたけど。
……ダイエットかな?
姉ちゃんは澪姉に近づく。
って!姉ちゃん何で海草被ってんだよ……
それを見た澪姉は、即倒してしまった。
まぁ、確かに少しグロいけどさ。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 10:18:41.32 ID:I9hoe1UDO
砂浜を歩いていると、2人の少女が倒れていた。
俺の同胞だろうか。
俺は3日前に目覚めて、ここが無人島だと把握した。
俺は彼女達に歩み寄る。
1人が起き上がる。

「あれ……? ここは、どこ……? あなたは、誰……?」

「私は、田井中聡美。あなたは?」

「私、平沢唯。えっと……りっちゃん、起きて!」

唯と名乗るその少女は、もう1人の少女を起こす。

「ん……? ここは……あなたは……?」

「りっちゃん、この人、聡美さんって言うんだよ!」

「そうなのか。あ、私、田井中律です」

「田井中……私と同じ名字ね……運命を感じるわ」

まぁ、名字が一緒なことは珍しくは無いけど。

「それで、ここは一体どこなんですか?」

先程、律と名乗った少女が、確信を突いた質問をしてくる。
仕方ない、ここは現実を知ってもらおう。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 10:27:21.45 ID:I9hoe1UDO
「ここは無人島。私は3日前に目覚めて、島を一巡りしたんだけど、人を見つけたのはあなたたちだけだわ」

「そうなんですか……でも、海に沈むよりはよっぽどマシだよな、唯」

「そうだね、りっちゃん!」

「まず、この無人島に流れ着いたことこそ奇跡だ。ってことは、私達にはまだ生きる権利があるということだ」

「つまり……3人で協力しようということですか?」

「うん。こっちに、私の拠点があるんだ。一緒に来るか?」

「……唯!」

「りっちゃん!」

「「よろしくお願いします!」」

「そうか、分かった。では早速……」

その時だった。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 10:35:57.04 ID:I9hoe1UDO
梓「なにやってるんですか?」

あぁ……せっかく盛り上がってきたところなのに……

律「やっぱ聡美は凄いな! 私達は新大陸をやりたかったけど……こっちの方が面白いぜ!」

唯「うん! 私、ホントに無人島に来たかと思っちゃったよ!」

そんなにうまくいってたかな……?


ちょっと用事が出来ました。
終わり次第戻ります。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 11:38:37.96 ID:I9hoe1UDO
用事は終わりましたが、今海鮮市場で飯食ってるのでしばらく更新出来ません。
日曜日は外食だってすっかり忘れてたぜ……OTZ


ではノシ
161 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 13:08:12.80 ID:I9hoe1UDO
こんな真っ昼間から見てる人なんかいないと思うけど再開します。
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 13:20:52.70 ID:I9hoe1UDO
ムギさんの別荘の中のスタジオは、去年のとは比べ物にならないほど豪華だった。
特に……

律「早く練習しようぜ! スネアが新品だ!」

澪「現金な奴……」

全くだ。
まぁ、俺もこんなに良いアンプで練習出来るのは良いと思うけど。

律「それじゃ行くよ〜! ワンツースリーフォー!」


練習後。
空がオレンジ色で、とても綺麗な時間、夕方。
俺達は、夕食の材料の買い出しに来ていた。
姉ちゃんは留守番だそうだ。
何でも、練習で体力が尽きたとのこと。
姉ちゃんは、キャベツ買ってきてと頼んできた。
ところで、何で姉ちゃんはキャベツ好きなんだろう?
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 13:32:32.00 ID:I9hoe1UDO
買い出しが終わり、別荘に戻ると姉ちゃんが寝転がっていたが、食材の匂いを嗅ぎ付けたのか、すぐに立ち上がった。


姉ちゃんは意外と料理がうまい。
まぁ、そんな姉ちゃんに料理を教わったから、今の俺がいるのだが。
ちなみに唯さんは、かなり料理が下手だった。
演技なのか……?
そんなことを考えながらも、俺の手慣れた手は動く。


出来た。
皆でやると、やっぱり早い。
後、澪姉は何故か拗ねていた。
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 13:54:03.73 ID:I9hoe1UDO
まぁ、ただのバーベキューなのだが。
姉ちゃんは、凄いものを食べていた。
食うことだけはいっちょまえなんだよなぁ……


唯「はぁ〜……お腹いっぱい……」

澪「食べ過ぎたかなぁ……」

紬「じゃあ、花火やろう?」

満面の笑顔で、ムギさんは言った。


唯さんがロケット花火を手に持ったまましたり、姉ちゃんが花火を振り回したり、澪姉がネズミ花火から逃げ回ったりとかして、かなり楽しかった。
梓さんも、楽しめていたようだ。
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 14:02:49.14 ID:I9hoe1UDO
律「肝試しをやろう!」

紬「そうね〜。せっかく6人いるんだし」

肝試しか。
でも、やらない人がいると思うけど。

澪「わ、私はやらないぞ!」

ほらやっぱり。
でも、姉ちゃんの手にかかればそんな決意、すぐに崩壊するのだが。


結局澪姉はやることになり、俺は姉ちゃんとペアになり、他のペアを驚かす役になった。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 14:17:01.39 ID:I9hoe1UDO
聡美「律さん、何で澪さんってあんなに怖がりなんですか?」

律「え? う〜ん……分かんない! っていうかさ、何で敬語なの? 同い年なのに」

聡美「えっ……だって、居候させてもらってる身ですし……」

律「あーもう……そんなの気にしなくて良いから! 聡美の好きなように! 私だけでも良いからさ」

聡美「えっ、じゃあ……姉ちゃん」

律「おうっ! 姉ちゃんだぞ〜!」

姉ちゃん嬉しそう。

聡美「ってかさ、まずはどうやって驚かせるか……」

律「う〜ん……私が思うに、雰囲気が大事だと思うんだよね」

聡美「となると……薄暗くて、カラスとかがいて、いかにも何か出そうなところだよね」

律「って、ここじゃん!」

聡美「じゃあ、姉ちゃんはここでこんにゃくでも仕掛けて。私は、後ろから驚かします」

律「おう分かった。じゃあ、やるぞ!」

姉ちゃんが携帯で合図を送り、肝試しはスタートした。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 14:33:28.27 ID:I9hoe1UDO
最初に来たのは……澪姉達だな。
さわ子先生も、既に待機済みだ。
まず、梓さんをさわ子先生がさらう。
1人きりになった澪姉に、俺達は総攻撃を仕掛ける。

澪「あずさぁ〜……りつぅ〜……ひゃっ!?」

姉ちゃんのこんにゃくが澪姉に当たる。

澪「律、いるんだろう? 出てきてよ……」

澪姉の後ろにそっと近寄り、その震えている肩にぬっと手を置く。

澪「ひぃっ!?」

澪姉は振り返る。
髪をおろした俺と目が合う。
ちなみに、さわ子先生による特殊メイク済みだ。

澪「きゃあああぁぁぁ!?」

澪姉は物凄い勢いで走り出す。
でも、その先には……

律「……」

髪をおろし、特殊メイクをし、今の俺とそっくりな姉ちゃんがいる。

澪「ひぃっ……」

俺と姉ちゃんはゆっくりと澪姉に近づく。
澪姉から見れば、まさに挟み撃ち。

澪「ミエナイキコエナイ……」

澪姉がこうなったら、俺達は音も無く去る。
正確には先回り、だけど。

澪「あれ……? いない……」

澪姉がほっと息をつく。
しかしまだ、終わっちゃいない。
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 14:45:14.93 ID:I9hoe1UDO
さわ子先生は梓さんにメイクをした後、自分にもそれをし、澪姉の方に向かった。

澪「ぎゃあああぁぁぁ!?」

やっぱり澪姉はこっちに逃げてきた。
姉ちゃんと2人で同時に澪姉の肩に手を乗せた。

澪「ひっ……さ、さっきのだああぁぁ!」

澪姉は、特殊メイクを施した梓さんの方に逃げる。

梓「澪先輩……」

澪「あ、梓!」

喜んだのもつかの間。

梓「タ ス ケ テ ク ダ サ イ」

澪「……」

バタン。

澪姉は恐怖で倒れてしまったようだ。
やり過ぎたかな……?
澪姉が倒れてしまったため、肝試しは中止になった。
ってか、姉ちゃんは初めからこれが目的だったんじゃないの?
姉ちゃんの方を見ると、ウインクしてきた。
くっ……これは結構くるな……

後、やっぱりさわ子先生は勝手に来てたようだ。
まぁ、協力してもらったのはありがたかったけど。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 14:59:18.74 ID:I9hoe1UDO
風呂。
何故か梓さんは、湯船のなかで立ちっぱなしだった。

……良いロリ体型だ。
しかも丸見えだし。
そして、何であんなに日焼けしているんだろう。

唯さんが、梓さんを一気に湯船のなかに入れる。
あ、今少し見えた。

梓「い、痛い!」

そんなに日焼けしてればそりゃあ痛いだろ……

姉ちゃんを見ると、泳いでいる。
いくら他に誰もいないからって……そんなことやるなよ……

何か先生の声がしたので見ると、先生がたんこぶ作って浮かんでいた。
一体何か何があったんだよ……
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 15:07:03.16 ID:I9hoe1UDO
深夜。
スタジオで練習をしていると、唯さんが入ってきた。

唯「あれ? 聡美ちゃん?」

聡美「どうも」

……そうだ。
ちょうど良い機会だ。
色々と教えてもらおう。

聡美「あの、唯さん」

唯「ん?」

聡美「……アクター」

唯「……! で、なあに? 聡くん」

聡美「梓さんのことなんですけど……」

唯「あずにゃんかぁ。それは、本人に聞いた方が良いと思うよ?」

……え?

唯「入ってきて良いよ、あずにゃん」

ドアが開く。

梓「聡くん、こんばんは」

あ、梓さん……何で……
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 15:20:15.97 ID:I9hoe1UDO
唯「あずにゃんとはね、この日、一緒に練習したんだよ。りっちゃんは知らないから、聡くんも知らなかったと思うけど」

そうか……そういうことか……

聡美「梓さん、前に聞けなかったこと、聞かせてくれませんか?」

梓「うん。唯先輩もいるし、話そうかな」

梓さんは、語り始めた。


まず、例の現象について。
限りなく近い2つの存在が、同じ時間に存在してしまうとき、その存在は精神のみ刻を越えること。
しかしそれには、またしても条件があること。

1つめ。
死を阻止したことがあること。
2つめ。
身体ごと刻を越えた存在の合図があること。
3つめ。
何らかの強い意志があること。
この条件が揃えば、タイムマシンが無くても刻を越えられるということ。
役目を終えれば意志が弱くなるため、その場に倒れる現象も説明出来る。
梓さんは、偶然刻を越えてしまったらしい。
これも、俺と唯さんの影響だろうか。
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 15:39:12.81 ID:I9hoe1UDO
唯さんと梓さんは、あっちでずっと調べていたらしい。

聡美「それで……次は……?」

唯「えっとね……言いにくいんだけど……」

言いにくい……?
何かあるのか……?

唯「聡くんのせいで、死んじゃうかもしれないんだ……」

…………は?

聡美「ど、どういうことですか!?」

梓「落ち着いてください。原因はあなたじゃなくて、この時代の聡くんです」

この時代の……俺?
何で、俺のせいで?

唯「聡くん、よくりっちゃんと映画観に行ってたよね?」

……あっ。
まさか……

唯「うん。聡くんが映画観た帰りに友達と一緒に走っていった、あの時だよ」

ってことは……姉ちゃんは、俺を庇って死ぬのか……?

聡美「そんな……」

唯「まだ諦めちゃダメだよ! 私達が待機して、阻止すれば良いんだから!」

しかし……どうだろう。
確かに3人もいるから、阻止自体は難しくないかもしれない。
だが、3人がかりでやったらどうなる?
この時代の唯さんと梓さんに、迷惑がかかるじゃないか。
前は俺と姉ちゃんだけだったからまだいいものの、さすがに他の人に迷惑がかかるなら……
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 15:44:38.25 ID:I9hoe1UDO
唯「聡くん、もしかして、この時代の私達に迷惑がかかると思ってる?」

そりゃそうだろう。
俺は協力はしてもらうが、迷惑がかかるなら……

聡美「当たり前でしょう。他の人には、迷惑はかけたくないんです」

俺がそう言うと、2人共黙る。
そして、梓さんが俺の方に歩いてきて……




バシン!!!


ビンタされた。
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 16:01:28.15 ID:I9hoe1UDO
梓「バカですかあなたは! それでも東大卒業生ですか!? 1番迷惑なのは、誰かが死ぬことです!」

あ……

梓「私は、放課後ティータイムを解散させたくないんです! 聡くんが、律先輩を死なせたくないように!」

梓さん……

梓「だから、この時代の私達にも、協力してもらったんです!」

え……?

唯「そうだよ。必要な時は、身体を貸してってね。もしかしたらそれで、ちょっと変なことになるかもしれないけど、お願い! ってね」

そんなことしたら……歴史が……

梓「大丈夫です。律先輩のことは、話してませんから」

それなら……行けそうだ!

聡美「じゃあ……お願いします。唯さん、梓さん」

唯・梓「こちらこそ」

……これで、何とかなりそうだ。
そう、思っていたのだが……

その後は、ちゃんとあっちに2人を返し、練習をした━━━━
175 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 16:22:09.36 ID:I9hoe1UDO
とりあえずここまで。
次は、いよいよあの話です。
聡がりっちゃんのことを好きになったあの日です。

少し疲れたので、仮眠します。
感想や改善点あれば、よろしくお願いします。

ではノシ
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 16:24:49.85 ID:ezDWGuSZ0

普通におもしろいよ
続きが気になる
177 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 17:27:49.94 ID:I9hoe1UDO
うわああぁぁ寝過ぎたああぁぁ


>>176
ありがとうございます。
期待に答えられるかどうかは分かりませんが、頑張ります。


再開します
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 17:34:08.91 ID:I9hoe1UDO
もうすぐ学園祭。
それと同時に、あの日が、近づいてくる。
俺が姉ちゃんに惚れた、あの日が。


部室で皆とお茶をしていると、梓さんが去年のライブも見たいと言い出した。
その瞬間、澪姉が吹き出した。
まさか、マジでこうなる人がいるとは……
俺も人のことは言えないが。

さわ子先生が、去年の学園祭のDVDを取り出し、俺達に澪姉を抑えるよう指示を出した。

梓さんは、あまりの過激さに鼻を抑えていた。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 17:49:16.64 ID:I9hoe1UDO
皆で去年の学園祭を振り返る。
俺はやっぱり、あの唯さんとの再会が衝撃的だった。
そのせいか、ライブのことはほとんど覚えていない。

ライブのDVDを見て、皆で盛り上がってると、和さんが入ってきた。

和「学祭の分の講堂使用届、出してないでしょ」

梓「えっ?」

梓さんはビックリしている。
そりゃそうだ。
普通なら忘れない。
全く姉ちゃんは……

澪「去年もこんなことがあったな……」

確かに……忘れても次から気をつければ良いのだが、姉ちゃんは学ばないからダメなんだよな……
姉ちゃんは、梓さんに書記を押しつけた。
おいおい……

梓「バンド名、何でしたっけ?」

そういえばそうだった。
俺も姉ちゃんに、何かある?と聞かれて、何か適当に言ったら没にされた記憶がある。

まぁ俺は、既にバンド名を知っているのだが……
めんどくさいし、歴史も変わらないだろうし、言っちゃうか。

聡美「放課後ティータイム、とか……」

そう言うと、周りが静かになる。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 17:58:34.29 ID:I9hoe1UDO
律「それ、良いかもな! さっすが聡美!」

澪「聡美ってやっぱセンス良いんだな……律とは違って」

律「何だとー!?」

紬「私達に、1番ピッタリね」

唯「……」

唯さんは無言で俺を見つめてくる。
大丈夫ですよ唯さん、これくらいで歴史はそんなに変わりませんから。

梓「……じゃあ、放課後ティータイム、と」

和「ありがと。今回はスムーズに決まったわね」

唯「聡美ちゃんのお陰だよ〜」

和「そうなんだ、じゃあ私、生徒会室行くね」

唯「和ちゃん、たまには帰りにお茶しようよ!」

和「うん、後でメールする」

和さんはそう言うと、部室から出ていった。
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 18:06:00.52 ID:I9hoe1UDO
律「じゃあ、学園祭も近いことだし、練習するか!」

梓「そうですね! 練習しましょう!」

そう言うと、皆は準備を始める。


……あれ?
何か違和感が……
姉ちゃんの話では、今日は唯さんのギターの調整をするはずなんだが……


……まさか……!
唯さん、こまめに調整してるのか!?
ヤバい……歴史が狂う!
どうしよう……
こうなったら……わざと弦を切るしかない。
済まない相棒。
少し、我慢してくれ……
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 18:16:58.47 ID:I9hoe1UDO
俺は思いっきりストロークする。
ブチブチブチン!
……しまった。
俺のギターは7弦ギターだから、唯さんや梓さんでも助けられないと思って、その1本だけを切るつもりだったのだが……
3本も切れてしまった。
とりあえず、演技をしておこう。

聡美「うわっ!?」

梓「聡美さん!? 大丈夫ですか!?」

律「あちゃー……とうとう弦切れちゃったか……」

梓「え〜っと……あ、7弦ギターですか……聡美さん、替えの弦持ってます?」

聡美「あー……今ちょうど切らしてて……」

澪「楽器店にでも行くか?」

唯「そうだね〜。このまままじゃ練習出来ないし」

聡美「ごめんなさい、皆さん……」

紬「良いのよ。じゃあ、行きましょうか」

俺達は準備をする。


……計画通り。
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 18:26:25.57 ID:I9hoe1UDO
そろそろサザエさん始まるので、飯食ってきます

ではまた
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 19:28:29.54 ID:I9hoe1UDO
楽器店に着いた。
皆で店内に入ろうとするが、澪姉は左利きだから入らないとのこと。
でも、姉ちゃんからレフティフェアやってると知らされ、食いついてきた。
澪姉、意外と子供っぽいからなぁ……

弦のコーナーを見る。
あったあった。
少し多目に買っておこう。
一応家にあるけどね。

聡美「じゃあ私、買ってきますから、何か適当に見ててください」

澪「……」

澪姉はジーっとレフティを見つめている。

律「おう! さーて、澪はあんなだし…ムギ、行くか!」

紬「はい!」

唯「あずにゃん、一緒に見ようよ〜」

梓「はい」

さて、皆仲良くやってるみたいだし、少しゆっくり買いますか。
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 19:41:46.57 ID:I9hoe1UDO
皆用事はすんだようで、帰りますか的な空気になったのだが……

澪「……」

ま、まだ見てる……

律「澪、帰るぞー」

澪「やだ」

そ、即答……小学生ですか……

律「ほらほら、帰りまちょうね〜」

澪「やだ!」

姉ちゃんは澪姉を無理矢理引っ張ってきた。
あ、危ない!

ドサッ。

あー……これが原因か……

律「何やってんだよ澪〜」

澪「もう良いよ!」

律「えっ……」

澪「……バカ律」

……やっちゃったか……


店を出て、この後どうするかを検討していると、今度は澪姉が姉ちゃんを避けるような言動をした。

相当怒ってるな……

俺は姉ちゃんを見る。
少し不機嫌な顔になっていた。


まぁ、不機嫌な顔も可愛いけどね。
186 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 19:44:58.18 ID:I9hoe1UDO
ガシャッ、ジャララララジャラララジャラララ〜……けいおん!

風呂入ってきます

ではまた
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)2011/03/27(日) 20:37:07.02 ID:Ukeln/r+0
恥が主役の話で初めて面白いと思ったよ
ゆっくりでもいいから完結させてくれ

ところでムギとと澪はいつになったら話にカラムのん?
188 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 21:28:07.35 ID:I9hoe1UDO
すいません遅くなりました

>>187
どういう意味ですか?
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 21:30:14.55 ID:I9hoe1UDO
まぁ即興なのですぐ変えられるから行くか

再開します
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 21:45:21.51 ID:I9hoe1UDO
澪姉達が入った店に入ろうと姉ちゃんが言ってきた。
いくら気に入らないからってそこまでするのかと思ったが、こうなった姉ちゃんはちっとやそっとじゃ止まらないことは俺が1番知っている。
仕方がない。しばらく付き合うか……


店の中に入ると、澪姉達が座っている席の死角の席がちょうど空いていたので、そこに座った。
澪姉達が楽しそうに話しているのを見て、姉ちゃんはかなり不機嫌だった。
ムギさんは探偵さんみたいとか言っていたが、これは探偵というよりはストーカーだな。

律「良し、突撃!」

ちょ、ちょっと姉ちゃん!?
そんなことしたら普通逆効果だろ……

姉ちゃんは澪姉に突っ込んで行った。
梓さんとムギさんは心配な表情で姉ちゃんの様子を伺う。

あ、澪姉達に気づかれた。
多分、姉ちゃんがばらしたのだろう。
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 21:53:19.00 ID:I9hoe1UDO
姉ちゃんと澪姉が何か話している。
多分今、姉ちゃんが生意気なことを言ったんだろう。
澪姉の表情で大体は分かる。

紬「りっちゃん……アイス、溶けちゃうのに……」

俺は思いきって聞いてみた。

聡美「姉ちゃん、アイス溶けるよー?」

律「あー……私いらないから食って良いよ〜」

何だよそれ。
じゃあ何で頼んだんだよ……
姉ちゃんはアイスなんてどうでも良いらしい。
姉ちゃんは今、必死なのだろう。
ただ、方法が少し間違ってるだけで。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 22:10:44.24 ID:I9hoe1UDO
その日の夜、俺は姉ちゃんを説得しようとしたが、聡美には関係無いだろと言われた。その日の夜は、姉ちゃんは部屋から出てこなかった。

姉ちゃん……


次の日の昼休み。
急に姉ちゃんから昼練するぞって言われて少し驚いたが、澪姉関連だということはすぐ分かった。
部室で準備をしていると、姉ちゃんと澪姉が口喧嘩を始めてしまった。

律「悪かったよ。せっかくの和との楽しいランチタイムを 邪 魔 し て さ 」

だから姉ちゃん、それは勘違い……

澪「そんなこと言ってないだろ!!」

ヤバい。
こんなに大きい喧嘩だったのか……
これは最悪の場合、ここまで積み上げてきた2人の関係が崩れてしまうほどの大喧嘩だ。
喧嘩は些細なことから始まる、とは良く言ったものだ。
まさに今がそれだ。

ムギさんと梓さんの必死のカバーにより、その場はおさまった。

かのように見えたが……
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 22:26:09.40 ID:I9hoe1UDO
練習がスタートしたが、何かがおかしい。

姉ちゃん……?

澪姉もそれに気づいたらしく、皆に手で静止の合図をする。

澪姉は姉ちゃんにパワーが足りないと言う。
しかし、反応は無い。
明らかに姉ちゃんの様子がおかしい。

澪「おい、律!」

律「……ごめん。何か調子出ないや。また放課後ね〜」

唯「り、りっちゃん!」

澪「いいよ唯」

唯さんは何とかしようとするが、澪姉がそれを止める。
お互いが意地を張り合う。
1番まずい喧嘩だ。

……俺が何とかしなくちゃ。
姉ちゃんを追いかける。

澪「聡美、別にいいよ!」

聡美「よくない!!」

俺は必死に答えを返し、姉ちゃんのもとに向かった。
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 22:33:50.76 ID:I9hoe1UDO
姉ちゃんは、階段の前で倒れていた。
そのあらわとなっている額に触れる。

……熱がある。
あの時の風邪は、こういうことだったのか。

律「聡美……」

聡美「喋らないで。すぐ保健室に運ぶから」

律「この事は……澪には……」

聡美「うん。澪さんには言わないよ」

律「あり、がと……」


保健室で熱を測ったら、39度もあった。
俺は事情を澪姉以外に伝え、澪姉には姉ちゃんに謝る気があると分かった時に伝えてと皆に言っておいた。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 22:42:46.99 ID:I9hoe1UDO
次の日。
姉ちゃんの看病をこの時代の俺に任せ、俺はいつも通り学校に通った。
澪姉はまだ意地を張っているようだった。


家に帰ると、この時代の俺から姉ちゃんが呼んでるよと言われた。
姉ちゃんの部屋に入る。

聡美「姉ちゃん……」

律「聡美か……あのさ、相談があるんだけど……」

あぁ。澪姉に関することか……

聡美「大丈夫だよ。きっと仲直り出来るよ」

律「いや、そうじゃ無くてだな……」

何なんだろう。


律「私、好きな人が出来たかもしれないんだ……」





…………え?
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sage]:2011/03/27(日) 22:46:23.82 ID:Ukeln/r+0
俺のことか
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/03/27(日) 22:47:52.22 ID:scpUdZJn0
>>196
俺のことだよ
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 22:54:29.77 ID:I9hoe1UDO
律「聡美ってさ、姉弟でってどう思う……?」


……まさか。
俺はこの時、姉ちゃんに惚れた。
まさか姉ちゃんも……?

律「今日さ……聡に看病してもらったんだけど……あいつ、かなり頼りがいのある男になってたんだ……」

俺は黙って話を聞く。

律「今まであいつを男としてなんか見てなかったけど……私、聡のこと、意識しだしてんだよなぁ……」

律「聡美はさ、どう思う?」

さて。
ここはおそらく、運命の分かれ道。
間違えたら、歴史が大きく変わってしまう。
思い出せ……そして、考えろ……
どうすれば良い?



…………あっ。
199 :本当はこの選択、安価使うつもりだったんだが……[sage]:2011/03/27(日) 23:02:45.60 ID:I9hoe1UDO
聡美「私は、恋の形は人それぞれだと思う。でも、高校卒業するまでは……その気持ちは、胸の中にしまっていた方が良いと思うよ」

こうすれば、まずそんなに歴史は変わらないだろう。

律「そっか……ありがと、聡美」

……さて。
俺は他にやることがあるので、看病をこの時代の俺に任せ、さっさと寝た。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 23:11:17.42 ID:I9hoe1UDO
次の日。
澪姉にやっと謝る気ができたようなので、俺達は今の姉ちゃんの状態を伝えた。
その日澪姉は、放課後すぐに姉ちゃんのもとへと向かった。


これで良かったんだよな……


俺達は、わざと遅れて家に着いた。
姉ちゃんの部屋に入ると、姉ちゃんは良い表情でぐっすりと寝ていた。
どうやら、無事に仲直り出来たみたいだ。


しばらくすると、何故か唯さんまで眠ってしまった。
全く……本当に変わらないな……
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/27(日) 23:19:33.55 ID:I9hoe1UDO
次の日。
姉ちゃんが完全復活した。
やっぱり、姉ちゃんは元気が1番だな。
後は学園祭に向けて練習するだけ。

唯「うぃっくし!」

……あ。
今年の学園祭の前の、最後の難関、すっかり忘れてた……
唯さんはめったに体調を崩さないのだが……この時は……
202 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 23:25:34.04 ID:I9hoe1UDO
今日はここまで。

やっとここまで終わったよ……
これ、いつ終わるんだろ……?

とりあえず、質問や感想や改善点があればよろしくお願いします。
ただ、ネタバレは出来ないし、すぐ回答出来ないかもしれないけど。
質問は今日中までしてくれれば答えます。

ではまた
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)[sage]:2011/03/27(日) 23:54:01.99 ID:Ukeln/r+0
近親相姦はなんかきつい
204 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 23:54:16.75 ID:I9hoe1UDO
ちょっと早めに打ち切ります。
続きはまた明日。


ではノシ
205 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/27(日) 23:55:56.79 ID:I9hoe1UDO
>>203
あ、エロは無いんで。
ってか俺には書けない。
206 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/28(月) 00:01:17.88 ID:T0p6Q1FDO
日付変わったので寝るまで再開します
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 00:09:13.99 ID:T0p6Q1FDO
唯さんが風邪を引いた。
普段めったに体調を崩さない人が風邪を引くとかなり重症になると聞いたことがあるが、まさかここまでとは。


とりあえず、唯さんの様子を聞くために、憂さんのところに来たのだが。

律「全く……だらしないやつだな」

澪「お前がうつしたんだろ!」

律「えっ? 私?」

梓「そうですよ! 時期的に考えて!」

まぁ、風邪がうつると言うのはただの迷信で、実際は自己暗示とかならしいけど。
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 00:19:19.14 ID:T0p6Q1FDO
憂「あっ、でも多分……」


数日前。
学園祭ライブのステージ衣装を決めた日、唯さんは浴衣が物凄く気に入り、その日はずっと浴衣で過ごしたらしい。
それで冷えて風邪を引いたのか……
全く唯さんは……

今考えると、あの時の衣装、無茶苦茶恥ずかしいな。
皆も同じ考えならしい。

澪姉は、梓さんにリードの練習もするようにと言った。
あくまで万が一に備えてだと思うけど。
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 00:29:13.60 ID:T0p6Q1FDO
次の日。
部室で練習をしていると、憂さんが唯さんの格好をして入ってきた。
何故分かるかと言うと、姉ちゃんから話は聞いてるし、なによりも内履きの色が赤だし。
何で皆気づかないんだろう?


それから練習をしてみたが、完璧に合いすぎてビックリした。
憂さん……貴女努力の天才ですね……
指の皮はかなり剥けてるし。
あれは料理の時痛いだろうなぁ……
姉ちゃん達には少し触っただけとか言ったらしいけど……バレバレですよ?
210 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/28(月) 00:32:23.99 ID:T0p6Q1FDO
ダメだ……明日体力もたねえ……

もう寝ます。

お休みなさいノシ
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 05:51:11.42 ID:mFDsyXHR0
おやすみー
212 : ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/28(月) 16:52:18.14 ID:T0p6Q1FDO
やべえかなり遅くなったぜ……
今日から忙しくなるので、だいぶペース落ちます。

では行きます
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 16:56:44.49 ID:T0p6Q1FDO
さわ子先生によって、憂さんの変装がバレた。
まぁ、それ以前に声とか話し方とか仕草とかで分かるけど。
何で姉ちゃん達は分からなかったんだろう?
これがご都合主義ってやつか。
ちなみにさわ子先生は、胸の大きさで見破ったらしい。
そんなに違うかな……?


じっと見比べていると、皆から変態、と言われた。
214 :ミスった。何か文章おかしい……[sage]:2011/03/28(月) 17:03:46.43 ID:T0p6Q1FDO
唯さんがティッシュの箱を持って部室に入ってきた。
うわぁ……激しくデジャヴ。

唯「朝起きたらねぇ、何か元気になっててねぇ、少しは練習しへっくち!」

うわぁ……姉ちゃんベタベタだ……

唯「あ、ギー太! こんなところにいたのかぁ〜!」

唯さんはギー太に向かって歩き出す。
何かフラフラしてる……顔も赤いし。
絶対、唯さんは治ってない。
唯さんはギー太を持とうとするが、風邪で力が入らなくて、重さに負けて倒れてしまった。
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 17:13:50.65 ID:T0p6Q1FDO
唯さんの熱を計ると、全然下がっていなかった。
何やってんだよ唯さん……

唯「えへへ……やっぱダメだね……本番は私抜きでやってよ……」

……は?
一体何を言っているんだ唯さんは。
そんなの……

梓「イヤです」

唯「……え?」

梓「イヤです! 私達は6人揃って放課後ティータイムなんです! 誰かが欠けるのは、絶対イヤです!」

梓さん……
これがあの梓さんなのか、この時代の梓さんなのかは分からない。
でも、どちらにしよ放課後ティータイムを想っているからこそ言えるんだ。
216 :ちょいと抜けます ◆8MTPmAqd3U[sage]:2011/03/28(月) 17:21:36.90 ID:T0p6Q1FDO
澪姉の提案で、唯さんはギリギリまで風邪を治すことに、俺達は練習をすることになった。


家に帰ると姉ちゃんから、唯の奴、大丈夫かなぁと言われた。

大丈夫だと思う。

俺はそう答えた。

唯さんは1つのことに集中すればめざましい成果を挙げる。
きっと唯さんは風邪を治すことに集中して、風邪なんてすぐに治してしまうだろう。
まぁ、どうなるかを知っているから言えることだけど。





しかし、学園祭の前日も、唯さんは来なかった━━━━
217 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/28(月) 19:51:51.19 ID:T0p6Q1FDO
こんばんは。
えっと、とある場所酉が割られたので、酉を変えました。

前の酉……#律田井中

更新は、すまないですが今忙しいのでもう少し待ってください。

ではまた
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 21:12:21.66 ID:hkNFbXgDO
またありがちなトリ使ってたのねw
#ritsutainkaくらいにして定型文登録しとくといい
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/28(月) 21:34:50.41 ID:T0p6Q1FDO
すまない、もう少しだけ待ってくれ


>>218
今回は酉検索ソフト使ったのでまず割れないと思う
220 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/29(火) 06:42:24.00 ID:s+ikqkrDO
うわああぁぁ寝過ごしたああぁぁ


ちょっぴりだけど更新します
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 07:10:31.72 ID:s+ikqkrDO
学園祭当日。
俺と梓さんは窓の外を見ているが、唯さんが来る気配は無い。
ムギさんによると、絶対間に合わせるってメールは来てるらしい。

姉ちゃんが、唯さん抜きの演奏もおさらいしておくかと言ってきた。

澪「仕方ないな」

梓「イヤです」

梓さん……

梓「やっぱりイヤです! 皆が揃わないまま演奏しても意味無いです!」

その言葉……どういう意味なのか。
ただそう思ってるだけなのか。
それとも、既に見たことのある、放課後ティータイムの悲しい未来を思い出したからなのか。


ガチャ。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 07:12:53.30 ID:s+ikqkrDO
ドアが開く。

そこには━━━━
















和「どうしたの?」

和さんが立っていた。

和さん、空気読んでくださいよ……
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 07:29:16.71 ID:s+ikqkrDO
和さんは、ライブの時間等をおさらいしたあと、全員揃ってるか聞いてきた。
これまたストレートな……

和「軽音部、出演者全員準備完了、と」

……え?

澪「和……」

和さん……意外と優しいところもあるんだなぁ……


和さんは昔話を始めた。

昔、唯さんはザリガニを捕まえるのに夢中になって、バケツがいっぱいになるまでザリガニを捕まえたらしい。
しかし、今度はもっとザリガニを沢山入れられる場所、和さんの家の湯船の中に、唯さんは湯船がいっぱいになるまでザリガニを捕まえた。

湯船の中にうねうねと動く赤いザリガニの集団……

……やべえ。
想像したら吐き気がしてきた。

……しかし、良く友達を続けてこれたなぁ和さんも。
まぁ、唯さんのことを良く理解してるからこそ、か。

……で?
それが何かしたのだろうか?

和「唯は夢中なことがあると、それだけしか見えなくなるってこと。きっと、風邪のことなんか忘れちゃうわ。だから━━━━

ガチャ。

ドアが開く。

そこには、

さわ子「チョリーっす」

律「空気読め!」

姉ちゃんの言う通りだ。
せっかく良い雰囲気だったのに……
224 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/29(火) 08:49:06.53 ID:s+ikqkrDO
今から離任式なのでしばらく更新出来ません

ではまた
225 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/29(火) 15:07:36.99 ID:s+ikqkrDO
てか先生……今まで何やってたんですか貴女は……
姉ちゃんが問い詰めると、先生は何もしてなかった訳では無いらしい。
何と、この前の衣装の防寒バージョンを作ってたらしい。


……いやいや。
そのやる気を他に回せよ……
そう思った時だった。

さわ子「そしてこれが、その衣装です!」

先生がそう言うと、後ろから唯さんが現れる。
てか治ってたんですか唯さん。
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 16:21:51.14 ID:s+ikqkrDO
唯さんが来たことで、全員の準備が整った。
後は……

唯「あれ? ギー太は? ここに置いてったよね?」

……え。

まさか……忘れた、と?
姉ちゃんによると、憂さんが持って帰ったらしい。
結局、こうなるのか……


とりあえず、唯さんは急いで取りに戻った。
仕方ない、ここはさわ子先生に━━━━


その瞬間、





梓さんが倒れた。
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 16:31:09.83 ID:s+ikqkrDO
突然のことに皆驚いていたが、梓さんはすぐに起き上がった。
大丈夫かな……?

梓「聡美先輩、話があります」

聡美「あ、うん……」

一体何の話だろうか。





梓さんについていくと、校舎の端の空き教室まで来てしまった。

梓「聡美先輩……いや、聡くん」

……!

そういう話、なのか。

しばらくの間沈黙が続く。


梓さんは、口を開いた。





梓「今日……唯先輩が……!」

まさか……!





梓「死んじゃうかもしれない……!」

俺はその言葉を聞くと、一目散に唯さんのもとに向かった━━━━
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 16:40:46.00 ID:s+ikqkrDO
唯さんのもとへ走る。
ちょうど平沢家の近くで、唯さんに会った。

唯「あれ? どうしたの? 聡美ちゃん」

唯さんが死んじゃうかもしれないから、なんて絶対言えない。
とりあえず、適当に誤魔化すことにした。

聡美「あまりにも遅いので、迎えに来ました」

唯「失礼な! これでも全力で走ったんだよ!?」

聡美「まぁ良いです。早く行きましょう!」

唯さんの手を掴み、走り出す。
唯さんもなんとか体制を崩さずについてきた。
まるであの頃に戻ったかのように、俺達は走り出した。
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 16:55:52.93 ID:s+ikqkrDO
普通、手を繋ぎながら走ると遅くなるが、俺達の場合、何故か速くなった。
何か不思議だな……


ちょうどT字路に差し掛かった時、横からクラクション音が聞こえた。
それと同時に、急ブレーキ音。
俺達は足を止めずに走った。





ドーン!!!!





トラックは、壁に激突した。
ギリギリで、唯さんの死を阻止出来た。


まぁ多分今、俺の左足の靭帯は断裂してると思うけど。


……無茶苦茶痛い。

唯さんは、腰が抜けてしまったようだ。

どうしよう。
こうなったら諸刃の剣だ。
痛いのは我慢するしかない。

聡美「唯さん、乗ってください」

そう言って俺は背中を指す。

唯「えっ……い、良いの?」

聡美「はい。このまま行けば、何とか間に合います」

唯「で、でも……」

聡美「ほら、乗ってください」

唯「う、うん……」

唯さんが俺の背中に乗る。
唯さんの胸が当たる。
うん、小さいけど形は良いな。
これなら頑張れそうな気がする。

俺は足の痛みを我慢し、桜高へと向かった━━━━
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 17:07:23.17 ID:s+ikqkrDO
桜高の校門をくぐる。

唯「聡美ちゃん、多分もう大丈夫」

唯さんがそう言うので、俺は足を止め、唯さんを降ろした。


その瞬間、





ズキイィィン。


聡美「痛ええぇぇ!?」

足に激痛が走る。

唯「聡美ちゃん!?」

火事場の馬鹿力ってやつだったのだろうか。
痛いどころの騒ぎじゃ無い。

唯「……じゃあ今度は、私の番だね!」

唯さんはそう言うと、俺にギー太を背負わせ、俺を背負った。

唯「おっ、聡美ちゃん軽いねぇ〜! よーし!」

俺と唯さんは講堂に向かった━━━━
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 17:21:56.83 ID:s+ikqkrDO
講堂に入ると、ちょうど『ふでぺン〜ボールペン〜』が終わったところだった。
ステージを見ると、俺と唯さんの代わりに、憂さんとさわ子先生が立っていた。
講堂の扉の近くにいた純さんは、俺達を見て驚いていたが、構わずに俺達はステージへと向かった。

ステージの前に立つと、梓さんは胸を撫で下ろした。
ステージへとのぼる。
俺と憂さん、唯さんとさわ子先生がそれぞれ交代する。
俺は床に足をつく。
……痛い。
でも、そんなこと言ってられない。


しばらくたって、唯さんのMCが始まる。

唯「今はこの講堂が、私達の武道館です!」

……良いセンスしてるな、唯さん。
会場が盛り上がる。

唯「最後までおもいっきり歌います!」

唯さんは深呼吸をする。

唯「ふわふわ時間!」

曲が始まった。
232 :曲シーンは飛ばさない方が良いのかな……?[sage]:2011/03/29(火) 17:30:25.13 ID:s+ikqkrDO
曲が終わる。
唯さんは皆とアイコンタクトをとる。


ムギさんがふわふわ時間を弾き始める。
皆一瞬驚いていたが、すぐさま姉ちゃんがドラムを叩き始めた。
次に澪姉が、その次に梓さんが弾き始めた。

俺と唯さんは顔を合わせた後、2人同時に弾き始める。

唯「もう1回!」

俺達は、もう一度曲を演奏した━━━━
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 17:35:51.22 ID:s+ikqkrDO
曲が終わる。

唯「けいおん、大好き〜!」

会場が盛り上がる。

唯「りっちゃん、もう1曲!」

律「おっしゃ〜!」

さすが姉ちゃん。
ノリが良い。

和「もう時間切れよ!」

……えぇ〜……
せっかく盛り上がったのに……

まぁ、決まりは決まりなので、大人しく俺達は講堂を去った━━━━
234 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/29(火) 17:40:38.71 ID:s+ikqkrDO
とりあえずここまで。

やべえ……自分でも分かるくらいクオリティ下がってる……

では、何かあったらよろしくお願いします。


ではノシ
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 19:20:52.16 ID:LjS3H70DO
書いたらageれば?
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 19:56:48.93 ID:s+ikqkrDO
>>235
ageる=自信ある
じゃ無かったっけ?
237 :まぁとりあえずいくか[sage]:2011/03/29(火) 20:17:50.90 ID:s+ikqkrDO
学園祭が終わり、帰りに通った医院でも、聡美は今日の起こったことについて考えていた。

何故唯さんに急に死のタイミングが訪れたのか。
普通なら、もっと前に分かるはず。
だけど今回は、直前にあっちの梓さんから知らされた。


……何故だ?


もしかして、刻を越えた人間が増えたから、あちこちで少しずつ歴史が変わり、今回の出来事に発展したのではないか。


……今考えても仕方ないか。
とりあえず今は、すぐそばに迫ってきている姉ちゃんの死を阻止する事を考えよう。


ちなみに、診断の結果、靭帯に異常はあまりなかったみたいでした。
多分、全治3日位だろう。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 20:45:28.31 ID:s+ikqkrDO
姉ちゃんから相談された。
何か、ラブレターらしきものを貰ったとか。
まぁ、それがラブレターではないと言うことはもう分かっているのだが。
ってか、普通ラブレターはワープロなんか使わない。
大抵の場合手書きだ。
姉ちゃんは、それをこの時代の俺からだと勘違いしてるみたいだけど……
確かに昔、前髪おろしてみてよと言った記憶はあるが……
つーか、もう見たことあるし。
前髪おろした姉ちゃんは、かなり可愛い。

……このまま放置しておいた方が何か面白そうだし、俺はまだ保留した方が良いと答えておいた。
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 21:06:44.54 ID:s+ikqkrDO
とりあえず、部室に来たのだが……

一同「……」

……何だよこの空気。

確かに、寒いから喋りづらいですけど。
てか姉ちゃん、そんな寒そうな格好で良く平気だな……


しばらくすると、唯さんが入ってきた。

唯「さ〜む〜い〜ね〜……」

にも関わらず貴女は喋るんですね。

唯さんは、姉ちゃんをじっと見つめる。
姉ちゃんの顔に何か付いているのだろうか。
唯さんが手を伸ばす。
そして……


ピトッ。


律「ぎゃあーー!?」

うわぁ……冷たそうだな……

姉ちゃんは唯さんに仕返しする。
……何か俺もやりたくなってきた。

姉ちゃんの首筋に冷えた手をくっつける。

律「ひゃあっ!?」

……え?

ひゃあっ!?……だと?

唯「おおう!? りっちゃん何かせくちーだね!」

せくちー?

……何語?

律「な、何すんだ聡美ー! お返しだコノヤロー!」

そう言うと姉ちゃんは俺の首筋に手をくっつける。

ゾワワッ。

聡美「ひっ!?」

何だよ今の。
ゾワワッてきたぞ……
何か怖えな……
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 21:12:32.14 ID:s+ikqkrDO
しばらくそうやってじゃれあった後、練習をしようということになった。

まぁ、いくら俺でも寒さには勝てない。
手がかじかんでギターが弾けない。
仕方ないので、ある程度暖めてから弾くことにした。

唯さんは、手袋はめて弾けば良いとか言ってたが、まずムリだろう。

結果は案の定、見損なった!……らしい。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/29(火) 21:32:43.50 ID:s+ikqkrDO
澪姉が姉ちゃんを呼ぶが、反応は無い。
おそらく、あのことで悩んでるんだと思うけど。
姉ちゃんは気がつく。
頬が赤い。
やっぱりアレか……

唯「あっ! ブークロちゃん……怒ってごめんねぇ……」

唯さんは急に切り替える。
ある意味凄い。
てか、名前あるのか……もう慣れてるけどさ。

梓「また名前付けてるんですか……」

……あれ?
今梓さんどこから出てきました?
明らかにいませんでしたよね?
まぁ何も喋らないから気づかれてなかっただけか。

唯「みんな、冬がいけないんだよ」

いやいや。
冬のせいにしてもしょうがないだろ……

梓さんも、俺と同じことを言った。
唯さんも納得したみたい。

唯「そうだ! 日曜日、家で鍋しようよ鍋!」

一同「う〜ん……」

唯さん……行きたい気持ちはやまやまなんですけど……

その日は……

律「ゴメン。その日は、聡美や聡と映画観に行くんだよな〜……」

唯「えぇ〜? 良いなぁ聡美ちゃん」

良いなぁと言われても……

姉ちゃんが死んでしまうかもしれないのに……

他の皆も、それぞれ用事があるみたいだった。
242 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/29(火) 21:50:12.54 ID:s+ikqkrDO
ちょいと抜けます

畜生用事多いぜ……OTL

多分今日中には戻れます

何かあればよろしくお願いします。

ではノシ
243 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/29(火) 23:51:48.34 ID:s+ikqkrDO
やっと終わった。

では駄作ですが再開したいと思います。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 00:03:56.63 ID:s65t2ocDO
皆で下校していると、ムギさんは用事があるらしいので途中で別れることになった。
まぁ……MAXバーガーの真ん前だし、多分ムギさんの用事というのはアルバイトだろう。
梓さんが、彼氏と待ち合わせかもとか言ったのに、姉ちゃんは過剰反応した。
全く姉ちゃんは分かりやすいんだから……


次の日。
俺は姉ちゃんの代わりに朝新聞をとった。
それにしても寒いな……
玄関の戸を閉めると、ちょうど姉ちゃんが来た。

律「あっ、聡美……ありがと」

聡美「どういたしまして」

律「あ、そうそう。新聞の他に、何か無かった?」

あぁー……まだ気にしてるんだな……
意外と姉ちゃん乙女だからなぁ……

とりあえず、何も無かったので、そう言っておいた。
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 00:17:37.21 ID:s65t2ocDO
さて……今日は俺と姉ちゃんとこの時代の俺との3人で映画を観に行く日だ。
同時に、姉ちゃんの死のタイミングが再び訪れる日。
防寒を少し犠牲にし、できるだけ動きやすい服装で行くことにした。

……姉ちゃん遅いな……生理か?

聡「姉ちゃん、まだ〜?」

……俺って、意外と子供だったんだな……

律「すぐ行くってばー!」

ホント、デリカシー無かったんだな……俺って。

俺達3人は、映画館に向かった━━━━
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 00:23:01.77 ID:s65t2ocDO
映画館に着いて、この時代の俺が観たいという映画のパンフレットを買い、前売り券で館内へ入場した。

……そういやこれ、1回観たなぁ……


……寝るか。


映画が始まり、暗い時に、俺は耳栓をして、目を閉じた。

それと同時に、睡魔が俺を襲ってきた━━━━
247 :おっと酉忘れてたぜ ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/30(水) 00:40:31.09 ID:s65t2ocDO
新庄「今から鈴木ん家行かね?」

聡「おっ、行く行く! 良いよね、姉ちゃん、聡美さん」

律「あんまり遅くなるなよー?」

聡美「気をつけてね」

この時代の俺と新庄は顔を合わせてから、鈴木ん家に向かって走っていった。

律「アイツ、あんなに急いで大丈夫かな……?」

聡美「もう中学生なんだし、バカなことはしないと思うよ?」

律「そうだよなー……!?」

姉ちゃんの表情がこわばる。
その視線の先には……バイク!?

律「……っ!」

姉ちゃんは走り出す。
ダメだ、姉ちゃん……
そんなことしたら……!

俺も姉ちゃんを追いかけるが、間に合わない……!

この時代の俺と新庄を向こう側の歩道に押して、姉ちゃんは倒れる。

次の瞬間、


ガン!

姉ちゃんの身体がマネキンの如く飛ばされる。
しかも、このバイクの運転手はひき逃げを狙ったらしく、10メートルほど飛ばされて地面に激突した姉ちゃんをズルズルと引きずる。

そのバイクの運転手は、いつまでも引きずってしまう姉ちゃんにイラついたのか、一度バイクを止め、血まみれになった姉ちゃんに蹴りをかましてバイクからはがした後、再びバイクを発進させ、逃亡した。

俺達の目の前には、血まみれになった姉ちゃんと、引きずられたことを意味する血の跡が、非常に痛々しく見えていた━━━━
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 00:50:49.16 ID:s65t2ocDO
ふと気がつくと、そこは映画館の中。
どうやら、俺は夢を見ていたようだ。
……しかも、かなり残酷な。

絶対に、夢の通りにさせてはならない。

そう、心に誓った。

どうやら、映画は既にクライマックスのシーンだったようで、もうすぐで終わりそうな雰囲気だった。


映画が終わり、館内が明るくなる。
この照明が、苦手なんだよなぁ……

この時代の俺が、無邪気に面白かったと言うもんだから、俺は思わず苦笑いしてしまった。
姉ちゃんも俺と同様、苦笑いしていた。

俺達は、映画館を出た━━━━
249 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/30(水) 00:53:39.99 ID:s65t2ocDO
今回はここまで。

まだ先は長いなぁ……

でも、スレが落ちない限り、絶対に完結させたいと思います。

とりあえず、何かあればよろしくお願いします。

ではノシ
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 01:26:44.10 ID:Nmxz7C5DO

更新時に上げとくと「お、更新来たな」って思うから読む側も楽w
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 02:07:36.28 ID:s65t2ocDO
>>250
そうなんですか。
これからはそうしたいと思います。

今ちょっと同人堂で計12674円の買い物してきた。

寝る お休み
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]:2011/03/30(水) 03:32:40.78 ID:zgHRXvQAO
>>1
253 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/30(水) 17:04:23.88 ID:s65t2ocDO
こんDDわ〜

今から更新したいと思います。

ではではたいして面白くないですがいきます
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 17:15:25.17 ID:s65t2ocDO
映画館から出てしばらく歩くと、新庄がやって来た。

新庄「今から鈴木ん家行かね?」

聡「おっ、行く行く! 良いよね、姉ちゃん、聡美さん」

律「あんまり遅くなるなよー?」

聡美「気をつけてね」

この時代の俺と新庄は顔を合わせてから、鈴木ん家に向かって走っていった。

聡美「あっ! あれ言うの忘れてた! 聡く〜ん! 姉ちゃんは、この店の中で待ってて!」

俺はそう言うと、鈴木んちに向かった。
念のため後ろを見る。
姉ちゃんはきちんとあの店の中で待っててくれるようだ。

俺はこの時代の俺と新庄を、向こう側の歩道に押す。
そして、バイクの軌道から少しずれて倒れる。
バイクが来る。





バキィ!!!





聡美「がっ……!?」

俺の右足の骨が、砕けた。

バイクは、何事も無かったかのように逃亡する。
俺はバイクの運転手に、殺意さえ覚えた。
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 17:27:44.01 ID:s65t2ocDO
顔をこわばらせたこの時代の俺と新庄は、腰が抜けていた。
そりゃそうだ。
なんせ、事故というものを目の前でみてしまったこと、目の前の人の右足からかなり血が出ていること、さらには目の前の人が助けてくれなかったら自分達がこうなっていたのではないかという恐怖感もあるからだ。
しばらくたって、この時代の俺が俺のそばに来て、新庄が救急車を読んでくれた。
まわりがどんどん騒がしくなってくる。
その異変に気づいたのか、姉ちゃんはあの店から出てくる。
姉ちゃんはその状況に気づくと、俺に駆け寄ってきた。

律「何やってんだよ聡美!」

姉ちゃんが涙を流しながら言う。

聡「姉ちゃん……聡美さんは、俺達を助けてくれたんだよ……」

この時代の俺は、俺に申し訳なさそうに言う。

……ダメだ……意識がもうろうとしてきた……


俺の意識は、そこで途切れた。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 17:43:09.05 ID:s65t2ocDO
目を覚ますと、俺は白い部屋にいた。
白いベッド、白い天井、白い壁。
そこがどこであるのか、俺は一瞬で理解した。
俺は今、病室のベッドの上にいる。

ガラッ。

病室の扉が開く。
扉のほうを見ると、姉ちゃんが立っていた。
姉ちゃんは俺が目を覚ましたことに気づくと、滅茶苦茶な勢いで抱きついてきた。

聡美「い、痛い痛い! ちょ、姉ちゃん! 俺一応病人だから!」

……あ。
素が出てしまった。
女の子が急に俺とか言ったら不自然だろ……

でも、姉ちゃんは気づいてないみたい。
まぁ、姉ちゃんは昔から大雑把だから、小さいことは気にしないから気づかなかったのかな……

姉ちゃんの話によると、全治3ヶ月らしい。
骨が砕けた割には短いな……
そう思った。
257 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/30(水) 17:44:30.63 ID:s65t2ocDO
ちょいと飯食ってきます
258 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/30(水) 18:38:48.53 ID:s65t2ocDO
ただいま

ちょっと他のSS見て、思ったことがあるので、やってみたいと思います。
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 18:48:03.60 ID:s65t2ocDO
その後、姉ちゃんのラブレターの勘違いは、澪姉によって気づかされたらしい。
俺は3ヶ月程、移動手段に困っていたが、姉ちゃん達が協力してくれたお陰で、あまり不便だと感じることは無かった。
なんとか新歓ライブには間に合いそうだ。
そして、高校生活最後の1年間が、幕を開けようとしていた――
260 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/30(水) 18:51:30.73 ID:s65t2ocDO
更新少なっ

自分でもそう思いました。

ところで、携帯で文の最初に空白って、どうすれば作れるんだ……?






なってるかな……?
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 19:00:48.03 ID:s65t2ocDO
 何か知らんができたので今からできるだけ更新したいと思います。
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 19:08:28.14 ID:s65t2ocDO
 俺達は、とうとう三年生になった。
 三年生と言えば、受験や修学旅行など、いろいろと行事が沢山ある。
 高校生活最後の一年間、大切に過ごそう。
 でも……それと同時に、俺がこの時代に来た目的も、ちゃんと果たさないといけない。
 そう……姉ちゃんの死を阻止するために。
263 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/30(水) 19:11:54.54 ID:s65t2ocDO
畜生風呂入ってくる。

一応、少し変えてみました。

では、何かあればよろしくお願いします。
264 :再開します ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/03/30(水) 19:57:35.22 ID:s65t2ocDO
 始業式の日。
 俺と姉ちゃんと澪姉が一緒に登校していると、遠くに梓さんを見つけた。
 姉ちゃんも見つけたらしく、梓さんのもとへ走っていった。
 すぐに俺達も姉ちゃんのあとを追いかける。
 姉ちゃんが梓さんとじゃれあってると、後方からムギさんがやって来た。
 てかムギさんはあんなにでかいキーボードを持ってくるのか……重そうだな……
 まぁ、ムギさんが怪力なのは知ってるから、ムギさんにとってはたやすいことだと思うけど。
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 20:05:19.97 ID:s65t2ocDO
 部室への階段の前に着くと、部室の方からギターの音がする。
 唯さんが……朝練している、だと……!?
 まぁ、目覚まし時計の設定を間違えただけだと思うけど。

 階段をのぼり、部室の扉を開ける。
 すると、唯さんがウィンドミル奏法をしていた。
 格好いいなぁ……まぁ、俺でも出来るけど、速弾きの方が個人的には格好いいと思うので、あんまりやらないけど。
 姉ちゃんは、そんな唯さんを見て、少々呆れた様子だった。
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 20:12:01.70 ID:s65t2ocDO
唯「あずにゃ〜ん♪」

 唯さんは梓さんに抱きつく。
 この人の抱きつき癖はいつになっても変わらないんだなぁ……
 梓さんは口では否定していたが、相当嬉しそうだった。

 これがツンデレってやつか……

 姉ちゃんが梓さんの胸を見ながら、梓さんをからかう。
 確かに、梓さんはあまり成長してないように見えるけど……

 姉ちゃんが、珍しく朝練を提案した。
 皆がそれに賛成し、俺達は朝練を開始した――
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 20:18:45.38 ID:s65t2ocDO
 朝練の後、階段をおりていると、唯さんは浮かれていた。
 なんでも、三年生は一番上の学年だから、何か格好いいとのこと。
 三年生は何をしたら良いのかなとか言ってたが、受験とかいろいろとあるだろ……
 姉ちゃんが、目覚まし時計をちゃんとセット出来るようになろうな、と突っ込みを入れた。
 唯さんは、何故か分け目を逆にして、三年生っぽい?と聞いてきた。
 いやいやいや……分け目変えてもただ違和感あるだけだから……と、突っ込みたくなった。 やっぱり、田井中家には突っ込みの遺伝子があるのかな……
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 20:27:30.93 ID:s65t2ocDO
 クラス分け発表。
 自慢では無いが、俺は目が良いので、遠くからでも名前が見える。
 なんと、俺達軽音部三年生の五人は、皆全員同じクラスでした。
 とりあえず、去年の二の舞にならなくて良かった。
 唯さんは、一生懸命ジャンプして見ようとしていた。
 前から思ってたんだが、唯さんを見てると何かホッとするなぁ……
 姉ちゃんが、見えたフリをしていたが、俺にはバレバレである。
 唯さんが、隙間を進もうとしていたが、無駄なことは嫌いなので結果を皆に教えた。
 それを聞いた皆は、かなり嬉しそうだった。
 実際、俺もかなり嬉しい。

 ちなみに、和さんも一緒のクラスでした。
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 20:40:07.50 ID:s65t2ocDO
 このクラス分け、どうやらさわ子先生が仕組んだみたいだった。
 進路とかも考えないといけないと知ったとき、皆ため息をついた。
 そりゃそうか。

 始業式が始まり、校歌斉唱。
 てか、桜高の校歌って何だか好きになれないな……
 何でだろう?

 始業式が終わり、部室。
 早速だらだらし始めたよ……唯さんは。
 口では良いことを言ってたが、格好がダメだな……
 姉ちゃんが、梓さんに部長になれるとかなんとか言ったら、梓さんは少し考えた後、焦って誤魔化した。
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 20:50:39.09 ID:s65t2ocDO
 早速俺達は、外でビラ配りを始めた。

 ていうか……

聡美「何で私だけ普通の格好なんですか? 目立ちますよ……」

律「良いじゃん良いじゃん、全員着ぐるみよりはマシだって」

 だったら、全員普通の格好でした方が絶対良いだろ……
 さわ子先生によって、姉ちゃん達の感覚が少しずつずれてきてる……

 ビラ配りしても、誰も来ない。
 当たり前だ。
 今頃、ただの変人の集まりだと思われてるに違いない。

 そんな中、姉ちゃん提案の部員獲得大作戦を実行した――





 まぁ、姉ちゃんが考える作戦はいつも詰めが甘いからほとんど失敗するんだけどね。





そして案の定、姉ちゃんが考えた作戦は見事に全部失敗した――
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/30(水) 21:08:28.46 ID:s65t2ocDO
 次の日。
 俺達は新歓ライブをやった。
 多分、今までのライブの中で一番成功したんじゃないかと思う。
 ラストの唯さんのウィンドミル奏法+俺の超絶速弾きによって、会場の盛り上がりは半端じゃ無かったからだ。
 新入生歓迎会なのに、アンコールが出るほどだった。

 しかし、誰も入部希望は来ませんでした。
 何故かは、大体想像つくけどね。

 唯さんが、やっぱりこのままのメンバーでも良いかな、と言った。
 この人って、何でこういう時は良いこと言うんだろうね。
 全く不思議だなぁ……

 梓さんも、唯さんの言葉に心を打たれたらしく、同意した。





 でもやっぱり、そのまま良い空気のまま終わるはずはなく、梓さんの厳しい対応によって、唯さんは簡単に意見を変えてしまった。

 全く、この人は凄いのか凄くないのか良く分からない人だな……

 でも、こういうグダグダな空気も、俺達の軽音部って感じがするなぁ……

 俺はつくづくそう思った――
272 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/30(水) 21:13:42.38 ID:s65t2ocDO
とりあえずここまで。

何か、どんどん面白くなくなってる気がする……OTL

しかも、第二期はかなり長いからなぁ……今でも相当gdgdなのに、これからはもっとヤバくなりそうな気がするぜ……

てか、書いてる途中で新しい聡SSのアイデアが三つ程浮かんだ。

このSS終わったらやってみようと思う。

長文スマソ。

では、何かあればよろしくお願いします。

ではまた
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 04:26:57.28 ID:fQjnAnYz0
大丈夫おもしろいさ
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県)2011/03/31(木) 14:59:25.99 ID:ngVmimTL0
つまんねーな

さっさとやめろ

お前に才能ねーから

もう書かなくていいよ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 19:22:53.16 ID:wiAMDl2IO
>>1頑張れ
俺は楽しみにしてるぞ
276 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/31(木) 21:04:39.03 ID:1n3USsuDO
遅くなってすみません。
部活で手首を痛めて、医者に行ってました。
利き手だから、いろいろと不便だぜ……

>>273>>275
ありがとうございます。

では、再開したいと思います。
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 21:16:55.05 ID:1n3USsuDO
 ある日の放課後。
 やっとHRが終わり、準備も出来て、早く部室に行こう的な空気の教室。
 でも、唯さんが昼休みからずっと寝ていて、部室に行けないという有り様。
 とりあえず、唯さんを起こそうということになった。
 ケーキという言葉で誘っても、唯さんは本物が無いとダメなようで。
 仕方ないので、俺はあの言葉を使うことにした。

聡美「……アクター」

唯「……っ!?」

 唯さんはその言葉を聞くと、ガバッと起き上がる。

唯「……」

 唯さんは俺を睨んでくる。
 すいませんってば。
 もうこんなどうでも良い時には呼びませんから。

 唯さんは、また机に倒れて、寝てしまった。

 はぁ……めんどくさい人だな……
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 21:26:18.10 ID:1n3USsuDO
 唯さんの睡魔という名の強敵に苦戦している中、今度はさわ子先生がやって来た。
 なんでも、勧誘の時に使った着ぐるみを返してほしいとのこと。
 姉ちゃんは思い出す。
 あの着ぐるみは、物置に入れたということを。
 唯さんからは起きる気配がしないので、とりあえず唯さんは置いといて、俺達は部室の奥にある物置へと向かった。


 物置に入る。
 うわぁ……どうやったらこんなにものがいっぱいになるんだよ……
 姉ちゃんは着ぐるみを取り出す。
 高く積み上げられた物が崩れてくる。

聡美「姉ちゃん、危ないっ!」

俺は姉ちゃんと入れ替わるように姉ちゃんを助け、沢山の物の下敷きになった――
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 21:38:39.03 ID:1n3USsuDO
 ――というわけで、俺達は大掃除をすることになった。
 畜生身体のあちこちが痛い。
 大掃除と聞いた瞬間、姉ちゃん達は練習の準備をし始めた。
 そこまでしてやりたくないのかよ……

唯・律「「三度の飯より掃除が嫌いだー!」」

 いやいやいや。
 それ何か使い方違うと思う。

 てか、だったら貴女達は自分の部屋の掃除も嫌いなのかよ……

 まぁ、それとこれは話が違うか。

 姉ちゃんは、ここの掃除は音楽室の掃除当番がやるんじゃないのかと言っていたが、そもそも部室なんだから掃除くらい普通するだろ……
 しかも、私物ばっか出てくるし。
 本当に俺達は軽音部なのか、疑いたくなったよ……
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 21:56:04.69 ID:1n3USsuDO
 なんとか姉ちゃん達もやる気が出たようで、俺達は大掃除をスタートした。


 しかし、本当に物多いな……
 しかも、変なぬいぐるみも出てくるし。
 多分この独特のセンスは唯さんだと思うけど、俺はあえて触れないことにした。
 あの変なぬいぐるみ、九割は唯さんのものだったが、意外なことに澪姉のもあった。

 ……いやぁ、やっぱり独特だなぁいろいろと。

 ムギさんは食器棚を掃除していた。
 うわぁ……なんとも高そうな食器だな……
 いや、99%高いだろう。

 唯さんが、ムギさんに食器の値段を聞く。
 ムギさんによると、値段は分からないが、ベルギー王室で使われていたのと同じだとか。
 その結果を聞いた唯さんは、思わず力を緩めてしまった。

 食器が床に落ちる。

 俺と姉ちゃんがそれをキャッチしようとして、互いに頭をぶつけたことを皆に笑われてしまった。

 ……結構恥ずかしいんだな、これ。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/31(木) 22:08:43.91 ID:1n3USsuDO
 だいぶ片付いた。
 でもまだあるので、休憩がてらにティータイムをしていると、唯さんがなかなかよさげなものが入ってそうなケースを持ってきた。

 何が入ってるんだろうと思って開けてみると、ギターが入っていた。
 多分、さわ子先生のギターだろう。


 しばらくすると先生が来て、ギターを受け取った。





 ……顔に出てますよ、先生。
 どうせ、カビ臭いとか思ったのでしょうけれど。

 先生は、このギターを売って部費の足しにしなさいと言った。
 まぁ、このギターが五十万円で売れることはもう知ってるけどね。
282 : ◆7zEX7Ddaxc2011/03/31(木) 22:10:07.09 ID:1n3USsuDO
ちょいと抜けます。

何かあったらよろしくお願いします。

ではまた
283 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/02(土) 00:01:31.43 ID:eKn2/11DO
よし!

エイプリルフールしゅ〜りょ〜

なので、更新したいと思います。
明日も部活あるので量は少ないですが……

ではいきます
284 :間違えた……明日じゃなくて今日だ……[sage]:2011/04/02(土) 00:12:50.07 ID:eKn2/11DO
 とりあえず、ギターを楽器店まで持っていかないとダメなんだが……
 正直このギター、カビ臭い。
 さすがに姉ちゃん達も嫌なようなので、じゃんけんで持つ人を決めることになった。
 まぁ、負けた人がずっと持つというのはあまりにも鬼畜なので、時間を決めて持つことになった。


 ちなみに、俺はもう姉ちゃん達が出すのはもう大体予測出来るので、負けることは無かった。
 まぁ、田井中家は元々駆け引きが強いんだけどね。
 そのお陰か、姉ちゃんも無敗だった。

 あと豆知識。
 姉ちゃん達がじゃんけんする前にやるアレは、逆に負ける可能性が高くなるらしいです。
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/02(土) 00:20:14.39 ID:eKn2/11DO
 姉ちゃん達がアレをしたとき、

梓「子供みたいですね」

律「私は子供だ!」

梓「大人になりましょうよ……」

 俺はこのやり取りを聞いた時、涙が出そうになった。
 姉ちゃんは、大人になれなかった。
 そう、その事を、再び思い出されたのだ。
 俺は涙が出るのを必死にこらえた。
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/02(土) 00:39:28.39 ID:eKn2/11DO
 澪姉が、部室に棚が欲しいな、と言ってきた。
 まっとうな判断だと俺は思った。
 価格もサンキュッパだし……部費的にもぴったりだ。
 というわけで、ホームセンターに行くことになった。





 ホームセンターに着くと、ムギさんが急に興奮し始めた。
 なんでも、ホームセンターに来るのは初めてらしい。
 ホームセンターとも縁が無いなんて……本当に凄いお嬢様なんだなぁ……


 俺は姉ちゃんや澪姉と行動することにした。
 さて、早速買いますか……と思ったのだが、澪姉はさわ子先生に棚を置いて良いのか許可をとらないとと言った。
 まぁ、確かにそうだなと思い、電話をかけようとするが……

唯「ちょっとちょっと!」

 どうも唯さんが騒いでるみたい。
 子供ですか貴女は……
 まぁ、店の中で騒がれると他の客にも迷惑だと思うので、とりあえず唯さんのもとへ行くことにした。


 唯さんのもとへ行く途中で、姉ちゃんはライト付きのヘルメットを被った。
 何がしたいのかは丸わかりなのだが、とりあえず無視した方が面白いだろうと思い、無視することにした。
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/02(土) 00:45:47.71 ID:eKn2/11DO
 唯さんは電動ネジ回しで遊んでいた。
 ……物凄くうるさい。
 てか唯さん、絶対音感持ってるのにそんな音聞いて大丈夫なのかな……
 その後姉ちゃんは、澪姉に向けてライトを点けた。
 うっわ眩しそう。
 澪姉は無理矢理ヘルメットをとろうとした。
 おいおい……まずは紐をはずせよ……
288 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/02(土) 00:47:39.45 ID:eKn2/11DO
くそっ……眠すぎるぜ……

もう寝ます。

量少なくてすみません。

何かあったらよろしくお願いします。

ではノシ
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]:2011/04/02(土) 18:57:44.60 ID:224EnvlAO
290 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/03(日) 20:19:31.76 ID:yNHzCwODO
用事多いぜ……

いつ終わるんだろうね、これ

今とあるけいおんSS読んでかなりイライラしてるからSS書いて気を紛らわします

ではいきますね
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 20:27:53.13 ID:yNHzCwODO
 しばらくして、澪姉がさわ子先生に部室に置いていいか許可をとった。
 姉ちゃんが、部長らしいことをしているだと……!?
 姉ちゃんは、やるべきことだけはちゃんとやるからなぁ……
 そんなことを考えていると、ムギさんがやって来た。
 なんか凄い量だな……ムギさんって意外と天然なのかな?
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 20:40:28.40 ID:yNHzCwODO
 ホームセンターを出て、今度は楽器店に向かう。
 さて……またじゃんけんをしたのだが、今度は姉ちゃんが負けた。
 田井中家はじゃんけんとか強いはずだが……まぁ、たまたまだろう。





 楽器店に着いた。
 まさか、姉ちゃんが四連敗するとは……世の中不思議なこともあるみたいだな……
 この世界には、運というものは存在せず、必ず何かの理屈や法則で物事が決まるはずなのだが……
 まぁ、そんなことはさておき、早速楽器店に査定してもらおう。
 店員に例のギターを渡す。
 査定が始まったので、俺達は店内を見回ることにした。
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 22:27:18.96 ID:yNHzCwODO
 澪姉と梓さんが別行動して、俺達は面白そうなものを探すことになった。
 最初はマラカスにはまっていたが、すぐに飽きた。
 次に、唯さんがカスタネットを見つけて、生うんたんを見せてくれた。
 やっぱりネットで聞くのと生は全然違うな……まさに百聞は一見にしかず、だな。
 そんな風に店内で遊んでいると、査定が終わったらしく、カウンターから声がした。
 査定の結果、五十万円にもなった。
 店員の話はさすがの俺でもついていくのがやっとだったが、とにかくこのギターはかなり貴重なギターらしい。
 てかさわ子先生、ある意味凄いですね……なんでこんなもの持ってるんですか……
 まぁ、さすがに受け取らないわけにもいかないので、代金を受け取り、楽器店をあとにした――
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 22:46:06.80 ID:yNHzCwODO
唯「は〜む」

律「肉厚っ」

唯「? スペシャルバーガーだよ?」

律「バーガーの話じゃねぇ!」

 さすが姉ちゃん、良いツッコミ。
 まぁ、今のはタイミングが悪かっただけだけど。

澪「つーか、ポテト多くないか?」

 いや、普通だと思いますけど……てか、なんで皆がその量で満足出来るのか分からない。

梓「良いんですかね……皆でもらっちゃって」

律「仕方ないだろ? さわちゃんが部費にしろって言ったんだから」

 いやいやいや……部費にしろとは言われたが、お小遣いにしろとは言われてないだろ……

 梓さんが戸惑っていると、姉ちゃんが梓さんに八万円をつきだす。
 てか姉ちゃん……この構図だと、俺達皆が援交してその金を山分けしてるように見えるじゃないか……
 評判落ちたらどうすんだよ……

 澪姉もその辺は分かっていたようで、姉ちゃんに注意するが、結局欲望に負けてしまった。
 はぁ……なんでだろう。
 姉ちゃん達が物凄く不気味に見えてくる。
 あの唯さんでさえ、欲望に負け、不気味な笑みを浮かべていた。
 この時、理性が残っているのは俺とムギさんだけだった。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 23:05:45.99 ID:yNHzCwODO
 次の日。
 放課後、棚が届いた。
 棚があることで、あれだけごちゃごちゃしていた物置が、先日とは比べ物にならないくらい綺麗になった。





でも……





 タンスからケロタン?がはみ出ていた。
 おそらく唯さんのだろう。唯さんの方を見ると……

唯「……」

 ゆっくり忍者のようになんとか必死に逃れようとしている。

 いやバレバレですから。

 その後、澪姉と梓さんが問い詰めるが、唯さんは今回、言い訳が通じたようなので、姉ちゃんが置いて良いぞと許可を出した。
 でもそんな姉ちゃんは、棚にマンガ本を並べていた。
 何やってんだよ姉ちゃん……凄くさりげないな……普通の人なら見逃してしまいそうだ。
 澪姉がいつも通り姉ちゃんにツッコミをいれる。

律「きゃはっ☆」

 か、可愛すぎる……一瞬、萌え死ぬかと思ったよ……

さわ子「ヤッホー」

一同「ひゃわああぁぁ!?」

 やべえ……心臓が止まるかと思ったよ……
 何でさわ子先生はいつも空気読めないんだろ……?
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/03(日) 23:42:14.02 ID:yNHzCwODO
 さわ子先生は棚を見て、良い感じじゃないと言った。
 姉ちゃんがこの場を離れようとしている。
 しかし、澪姉によってさわ子先生の前にやられた。
 てか澪姉力凄いな……人間ってそんなに回るもんなのか?
 姉ちゃんはさわ子先生に対し、かなりわざとらしく振る舞った。

さわ子「それで? 昨日、どうだった?」

 華麗にスルー。

 また姉ちゃんはわざとらしく振る舞う。
 だんだん、俺とムギさん以外が毒されてきた。
 さわ子先生にいくらで売れたのと聞かれた時、姉ちゃんはかなり欲張って一万円と言ってしまった。
 昔っからこうだからな姉ちゃんは……

さわ子「じゃ、買い取り証明書ちょうだい」

律「はひっ!?」

 姉ちゃん……抜けすぎだろ……
297 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/03(日) 23:51:36.27 ID:yNHzCwODO
明日は例のブツが届くのでもう寝ます。

見てくれている皆さん、つまらないうえに進行遅くてごめんなさい。

では、何かありましたらよろしくお願いします。

ではノシ
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 00:16:24.12 ID:fwo8A2h/0
おつかれ〜

即興でここまで書けるのは、正直凄いと思う・・・
299 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/04(月) 21:17:59.79 ID:Aeed+tADO
いやホントに申し訳ない。
かなり遅くなってしまいました……OTL
ちょっとアレしてました……

再開します。

>>298
ありがとうございます。
お世辞でも嬉しいです。

ちなみに今日の収穫↓

ういちゃん強制懐妊
630円×1=630円
ヒ・ミ・ツのティータイムへようこそ!!
1,260円×1=1,260円
唯はとっても生が好き!
630円×1=630円
ひまわり(サントラ同梱版)
2,100円×1=2,100円
ひまわり アクアアフター
1,365円×1=1,365円
ばくおん!4
735円×1=735円
ばくおん!2
1,050円×1=1,050円
放課後軽音!クラブ
1,050円×1=1,050円
楽器屋さんに行こう!
599円×1=599円
りっちゃんパラダイス
630円×1=630円
TAIL-MAN KEION! 5GIRLS BOOK
840円×1=840円
けいおんギャルゲー 澪と唯
840円×1=840円
けいおんギャルゲー 澪と律
945円×1=945円

合計 12,674円(代引)
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 21:26:33.98 ID:Aeed+tADO
 姉ちゃんが買い取り証明書を出す。
 どんだけ手震えてんだよ……





律「は〜むっ」

 た、食べやがった……まさに勇者!

律「もぐもぐもぐもぐ」

 食〜えっ!食〜えっ!食〜えっ!食〜えっ!

さわ子「早く出しなさい!」

律「やらぁ〜!」

 姉ちゃんがそう言うと、さわ子先生はメガネを外し……

さわ子「出 し な さ い」

 うわっ、怖っ!
 怖すぎるだろ……

律「おぇっ……」

 ……あ。
 出しちゃった……姉ちゃん……
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 21:35:21.94 ID:Aeed+tADO
 姉ちゃんが出した買い取り証明書を、さわ子先生はつまんで見る。
 それじゃあ姉ちゃんが汚いように見えるじゃないか……
 唾って、ただ粘ってるだけで、かなり綺麗な液体なんだが……
 その中でも姉ちゃんのはかなり綺麗なはずだが……

 それはさておき、さわ子先生にバレた。
 今、六人で土下座している。
 日本人の悪い癖だよな……これ。
 そして姉ちゃんは、かなり苦しい言い訳をした。
 しかし結局、姉ちゃんが言った一万円が部費に計上された。
 全く姉ちゃんは……まぁ、姉ちゃん一人の責任では無いけどね。
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 21:45:07.56 ID:Aeed+tADO
 唯さんが、さわ子先生に札束で頬を殴ってくれとお願いした。


 ぺしっ。


唯「あぁっ……しあわせぇ……」

 やっぱり唯さんってMなのかな……
 今思えば、ベッドの上でも……ゲフンゲフン。

 まぁそれは置いといて、さわ子先生が特別に一つだけ何か買ってくれると言ってくれた。
 唯さんのお陰……かな?
 この人の包容力は半端じゃないからな……

律「一つと言わず、五つ位ばばーんと!」

澪「図々しい!」

律「あ痛っ」

 相変わらずだなぁ……
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 21:56:07.64 ID:Aeed+tADO
 帰り道。
 何を買うか皆で相談しながら歩いているのだが……
 皆で使える物が、なかなか思い浮かばない。
 これでも東大出てんだけどなぁ……関係無いか。

 唯さんが、ケロ(名前?)をもう一つ買うのはどうかと言った。
 まぁ、唯さんのお決まりのボケなのだが……さすがに呆れたようで、姉ちゃん達はスルーした。
 とりあえず、俺は頭を撫でて慰めてやった。

 唯さん……良い匂いするなぁ……

 そんなことをしていると、運動部が後輩に指導していた。
 俺はふと梓さんを見る。

梓「……」

 なんだが寂しげな表情を浮かべていた。





 ……そっか。





 今皆が欲しいのは……
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 22:04:31.51 ID:Aeed+tADO
 次の日。
 俺達は梓さんのことで話していた。
 今梓さんが欲しいのは後輩。
 すなわち新入部員だ。
 当然、新入部員は皆欲しいわけで。
 新入部員がいれば、部活動も活気がつく。
 しかし問題は、どうやって新入部員を獲得するかだ。
 あの金で買収は黒すぎるのでさすがに無理。
 ならどうするか……
 そんな時、唯さんが一つ提案した。


 ……なるほど。


 トンちゃんか……
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 23:10:38.69 ID:Aeed+tADO
 部室で梓さんにトンちゃんを紹介した。
 最初は反応が薄かったが、最終的には気に入ってくれたようだ。
 その後、澪姉が写真を撮った。
 てか澪姉っていつもカメラ持ってるよなぁ……あれで何回写真撮られたことか。
 まぁ、あれもこれも大切な思い出だし、大切にしていこう。





 この頃からだ。
 何か、違和感を感じたのは――
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 23:23:16.00 ID:Aeed+tADO



律「もうやだぁ!」


 俺達がトンちゃんの世話をしていると、姉ちゃんが急に叫んだ。
 よく見ると、泣いてる。
 一体何があったのだろう。

律「ドラムやだぁ!」

 ……は?
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/04(月) 23:51:07.21 ID:Aeed+tADO
 姉ちゃんは、何かのビデオを見ていた。

 え〜っと……軽音楽部活動記録?
 姉ちゃんの話では、ドラムだとライトが当たらないからドラムやだ、だそうだ。
 小学生かよ……

 姉ちゃんが、楽器かえっこしようぜと言ってきた。
 何か、面白そうで良いかも。

 唯さんが、姉ちゃんにギー太を渡す。
 おぉ……なかなか似合うじゃん。

 すると急に、唯さんが泣き出した。

唯「ギー太が浮気したぁ〜!」

 いやいやいや……渡したのは唯さんだろ……

 そういえば……結婚した後、久しぶりに友達と遊んで、帰りが遅くなった時、唯さんは本気で心配してくれたなぁ……
 唯さんは、そういう人なのだ。

 まぁそれはいいとして、梓さんによる特訓(?)が始まった。
 コードか……懐かしいなぁ……俺もあの時は、こんな風だったのかな……としみじみ思う。

 姉ちゃんは、俺みたいに見て聞いて覚える派ではなく、やってみて覚える派なので、梓さんの言葉による説明にはちんぷんかんぷんだった。
 姉ちゃんが、一生懸命ギターを鳴らす。





 ……か、可愛い!
 無邪気過ぎる。

 ……あ。
 姉ちゃんの表情が……
 まさか、もう、なのか……!?





律「ギター無理かも」

 ……やっぱり。
 てか、始めてから……14分4秒しか経ってないじゃん……
 いくら何でも早すぎるだろ……
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 00:09:22.65 ID:qtRcXCpDO
 次の日。
 今度はキーボードをやると言い出した。
 昔から飽きっぽいから、またすぐに飽きるだろうなぁ……

 なんとも、姉ちゃんはキラキラしたいらしい。
 おでこならキラキラしてるんだけどなぁ……

 姉ちゃんは、キーボードで言葉を発しはじめた。
 まぁ、なんとなく解読出来るけど。

 姉ちゃん……楽しそうだなぁ……

澪「ムギ、私もちょっと弾かせてほs」

 その瞬間、姉ちゃんは不気味な笑みを浮かべる。
 澪姉は一瞬固まるが、すぐさみ姉ちゃんをパイナップルにした。

 やっぱり面白いなぁ……この二人。
309 :また酉忘れてたぜ ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/05(火) 00:21:09.81 ID:qtRcXCpDO
 次の日。
 クラス写真を撮る日だ。
 まぁ、こういう時にはお約束のアレをしなければならない。
 俺は一番端に並んだが、姉ちゃんが割り込んできた。
 おそらく、姉ちゃんもやるだろう。
 撮る直前、姉ちゃんは唯さんの肩に手を回した。
 俺は、手のおもちゃ的な物を姉ちゃんの肩に乗せた。
 このおもちゃは軽いので、姉ちゃんは気づかなかった。





 パシャ。





 さて……姉ちゃん、この写真見たらびっくりするだろうなぁ……
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 00:30:38.21 ID:qtRcXCpDO
 部室に行くと、ドラムの位置が変わっていた。
 ……ど真ん中じゃん。

 さわ子先生は、やっぱり元の位置が良いと言った。
 やっぱりそうですよね。

 今度は、唯さんがあのヘルメットで姉ちゃんを照らした。


 ……って!
 唯さん、ダメだ!

律「」

 遅かったか……
 姉ちゃんは虫の息になっていた。
311 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/05(火) 00:33:29.34 ID:qtRcXCpDO
あぁ……つまらなくなってる……

明日部活あるのでもう寝ます。

何かあったらよろしくお願いします。

ではノシ
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/04/05(火) 10:15:05.99 ID:sVDEA8+80
投下の間隔すげーな
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 12:13:51.40 ID:rU4rAkBd0
おつかれー

あんちゃん、買いすぎじゃないかい?ww
314 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/05(火) 20:12:45.10 ID:qtRcXCpDO
部活疲れた……

再開します

>>312
すいません。
こちらにもいろいろとあるので……

>>313
やっぱりそうですかね……
自分でも思いました。
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 20:32:43.97 ID:qtRcXCpDO
唯「りっちゃんさ、もしかして寂しい?」

 唯さんが、突然言い出した。
 明らかに関係無いと思いますけど……
 唯さんの考えてることは本当に分からないなぁ……

 唯さんは、演奏中にコミュニケーションをとらないかと言ってきた。
 唯さんが、早速やってみる。

唯「じゃかじゃかじゃんじゃんじゃかじゃん、ジャカジャン!」

 姉ちゃんはその瞬間ビクッとなる。
 そりゃそうだ。
 姉ちゃんから見たら軽くホラーだろこれ……

 次に、皆でやってみる。

唯「じゃかじゃかじゃんじゃんじゃかじゃん」

 そして……ジャカジャンの瞬間に振り返る!

唯「じゃかじゃかじゃんじゃんじゃかじゃん」

 そして再び、ジャカジャンの瞬間に振りか……


 これ、集中できなくなるじゃん……
 しかも、何でこんなことしてるのか分からなくなってきた。
 毒されたなぁ……俺も。

唯「これでバッチリなんじゃない!?」

 いやいやいや……何がバッチリなんですか……
 そもそも、話の主旨がずれてるし。

 姉ちゃんも、そんなつもりじゃ無いと言った。

唯「りっちゃんの悩みは、皆の悩みだよ! 一人で悩んじゃやだ!」

 唯さん……今、凄く良いこと言ったけど、使う場面間違えてるよ……
 この人、凄いのか凄くないのか本当に分からないなぁ……
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 20:57:53.13 ID:qtRcXCpDO
 帰り道。
 澪姉に、後は頼むよと言われて別れた後、俺は姉ちゃんとおしゃべりしながら歩いた。

律「それでさ〜……」

 姉ちゃんは、笑顔で話す。
 でも、俺には分かる。

 これは、作り物の笑顔だ。本当の笑顔じゃない。
 他の人に心配をかけないように、無理して笑顔を作っている。

 俺の、一番嫌いな顔だ……

聡美「姉ちゃん、無理しないで」

律「……えっ」

 あっ……つい口に出しちゃった。

律「なに言ってんだよ聡美〜、私は無理なんかしてないぞ〜」

 ……嘘だ。
 俺には分かる。

聡美「ダメだよ姉ちゃん……私には分かるよ……」

律「……」

 姉ちゃんは黙ってしまった。

聡美「私……姉ちゃんのドラム、好きだよ。」

律「……!」

聡美「姉ちゃん、正直に言うとさ……私達の中で、一番輝いてるよ」

律「えっ……嘘だ……」

聡美「嘘じゃないよ。確かにあのビデオではちょっと見えにくいけど……観客からしたら、姉ちゃんが一番輝いて見えるんだよ。それに……」

律「それに?」

聡美「ビデオよりも、その時の記憶の方が、はっきりするんだよ? だからさ……」





聡美「悩まないで、いつもの元気な姉ちゃんでいてくれよ……」

 嘘だろ……俺が、泣いてる?
 なんでだろう……涙が止まらない……



律「聡美」

 ギュッと抱きしめられる。
 姉ちゃん……暖かい……

律「ごめんな、聡美……」

聡美「姉ちゃん……」

 俺は家に着くまで、姉ちゃんに抱きしめられたままだった――
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 21:14:42.82 ID:qtRcXCpDO
 その日の夜、自室にいると、姉ちゃんの部屋からドラムスティックで雑誌を叩く音が聞こえてきた。

 姉ちゃん……

 その日、俺はぐっすり眠れた。





 次の日、姉ちゃん達は遅刻した。
 後、何かさわ子先生の様子が変だったが、触れないようにしておこう。


 部室に行くと、姉ちゃんが笑顔でドラムスティックを握っていた。

 うん、これが姉ちゃんの本当の笑顔だよ。
 やっぱりまぶしいなぁ……輝いてる。

 後、ムギさんが新しい曲を作った。

 Honey sweet tea timeか……
 何か、俺達にピッタリだなぁ……
 良い曲だ。





 しかし……あの違和感の正体がまだ分からない。
 なんなんだろう……
318 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/05(火) 21:22:56.26 ID:qtRcXCpDO
3話「ドラマー!」終わりです。

後、第二期はかなり話が多いので、飛ばす話があるかもしれません。

では引き続き、修学旅行話いきたいと思います。

相変わらずの即興遅筆&携帯なので、そこはご勘弁してください。

では行きます
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 21:28:52.17 ID:qtRcXCpDO
 修学旅行前夜、姉ちゃんが眠れないとか言って俺の部屋に来た。
 小学生かよ……
 まぁ、俺もなんだけどね。

 仕方がないので、いろいろとおしゃべりして、準備が完璧か確かめて、姉ちゃんがあくびをかいた瞬間、俺は姉ちゃんを部屋に戻らせた。
 俺も、ぐっすり眠った。
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 21:39:10.69 ID:qtRcXCpDO
どっちにするか迷った……
安価(選択)お願いします。

聡美の修学旅行班>>323

1 唯達と一緒(特別に五人班)
2 和と一緒

ちなみに、選択肢以外の場合、自動的に1になります。

1は、聡美が例の違和感の正体に気づきます。
2は、物語が更に深くなるかも。
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 22:23:01.92 ID:rU4rAkBd0
俺は
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 22:23:31.02 ID:rU4rAkBd0
あれだ
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/05(火) 22:23:58.92 ID:rU4rAkBd0
2が見たい
324 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/05(火) 23:54:00.73 ID:qtRcXCpDO
まさかの2が来た

すいませんもう寝ます

おやすみなさい
325 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/06(水) 20:17:01.06 ID:BLIPmpzDO
どもども

えっと、聡美の修学旅行班は和と一緒になったのですが、もうめんどくさいので物語が更に深まる&違和感に気づかせるにしました。
分かりやすく言うと、いっそ両方やっちゃえ、です。

では、相変わらずの即興遅筆&謎の投下間隔&駄文でいきたいと思います。
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 20:28:02.72 ID:BLIPmpzDO
 修学旅行先の京都へ向かう新幹線の中で、俺は和さん達とトランプをしていた。
 修学旅行の班は、四人と決まっているらしく、俺は仕方なく和さんと一緒の班にした。
 別に和さんが嫌いという訳ではなく、姉ちゃん達が心配なだけである。
 はぁ……俺ってシスコンだよなぁ……それもかなり重度の。
 まぁ、和さんとは気が合いそうだし、悪くはないな。

 後ろから、姉ちゃん達がはしゃいでいる声が聞こえた。
 どうやらあの人達は、今日も平常運転のようです。

 あれっ……何か、後ろから視線が……
 ……気のせいか。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 20:33:43.24 ID:BLIPmpzDO
 京都駅に着いた。
 新幹線から降りると、姉ちゃん達がまた変なゲームをしているようだった。
 最初の行き先は……金閣寺か。

 金閣寺に行くためのバスに乗るが、なかなか出発しない。
 なんだろうと思ってバスの外を見ると、姉ちゃん達が写真を撮っていた。
 姉ちゃん……他の人のことも考えてよ……
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 20:38:28.19 ID:BLIPmpzDO
 今、バスで金閣寺に向かっているのだが……
 唯さんが心配だ。
 あの人は、酔い止め飲んでも大抵の場合酔うからな……
 気になって唯さんの方を見ると、元気にお菓子を食べていた。
 何か食ってれば酔わないのか……謎すぎる。
 ちなみに、バスの座席は対面式では無いため、トランプは厳しいので、和さんと軽音部についておしゃべりしまくった。
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 20:47:08.12 ID:BLIPmpzDO
 金閣寺に着いた。
 姉ちゃん達は走っていったが、俺達は周りの風景をじっくり見ながら歩いていった。
 金閣寺が一番よく見えるところに着くと、和さんが豆知識を教えてくれた。
 豆知識というよりは、トリビアに出てくる無駄知識っぽかったけど。
 俺達は写真を撮った後、和さんの提案で抹茶を飲んだ。
 もちろん、正しい作法で。
 ていうか和さんって、いろいろと古風だよなぁ……
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 20:58:38.11 ID:BLIPmpzDO
 次は……天満宮か。
 ここの神様は、学問の御利益があるからなぁ……
 受験生にはピッタリってことか。
 ここで姉ちゃん達と合流した。
 和さんが、姉ちゃん達にここのことを丁寧に説明する。
 その話の中の頭が良くなるという言葉に反応して、姉ちゃんと唯さんは丑を撫でまくった。
 当然、そんなことすれば先生に怒られる訳で。
 なぜか俺まで怒られた。
 なんというとばっちりだよ……姉ちゃんめ……
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 21:06:12.49 ID:BLIPmpzDO
 最後に俺達は、絵馬を書いた。
 姉ちゃん達のがあったので、一応見てみる。


 武道館進出 田井中律
 生涯満腹(変な絵付きで) 平沢唯


 関係無いだろ……まぁ、俺も人のこと言えないけどさ。





 家内安全  田井中聡美
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 21:17:31.56 ID:BLIPmpzDO
 宿泊先に着いて、部屋に入る。
 ジャージに着替えて、とりあえず布団を敷いておく。
 後でやるのはめんどくさいしね。

 夕食の時間になり、豪華な料理を食べる。
 姉ちゃんと唯さんの様子がおかしい。
 料理が減るのが遅すぎる。
 きっと、お菓子食べすぎたんだなぁ……
 本当に、後先考えなすぎだろ……

 風呂に入り、就寝時間。
 メールが一通来ていた。

 姉ちゃんからだ。

 『今すぐ私達の部屋に来いよ〜』

 なんなんだろう。
 就寝時間なのに。
 幸い、俺の班は和さんも含めて寝つきが良く、部屋を抜け出すのは容易なことだった。
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 21:39:21.46 ID:BLIPmpzDO
 姉ちゃん達の部屋に入った瞬間、俺の視界は真っ暗になった。
 これは……枕?

 ほう……この俺に宣戦布告か……面白い。

 やってやろうじゃないか。


 俺は枕を持ったまま、突入する。

 ――左から、枕が飛んでくる。

 俺はそれをよけ、枕を投げた人物――唯さんの顔面めがけて枕を投げる!

唯「ふもっ」

 ……よし、命中。

 次の目標(ターゲット)は、前方、ムギさん。

 ムギさんに向かって、さっき唯さんが投げた枕を投げ……ずにしゃがむ。

 俺の頭上を、姉ちゃんが投げた枕が通り過ぎていく。
 なかなかやるな、姉ちゃん。

律「ちっ……外したか。なかなかやるな、聡美よ」

聡美「二回目は無いよ、姉ちゃん」

 ムギさんが、枕を投げようとしている。

 フフフ……これは利用しなければ。

 ムギさんが、枕を俺に向かって投げる。

 俺はとっさにしゃがむ。

 俺の後ろには、姉ちゃんがいた。

 ムギさんの投げた枕は、姉ちゃんに向かう。

律「おっと」

澪「ふもっ!?」

 姉ちゃんもとっさにしゃがみ、油断していた澪さんの顔面に命中する。

 これが、油断大敵ってやつか。

 枕(武器)を失ったムギさんに向かって、枕を投げる……フリをする。

 当然、ムギさんは避けようとする。
 しかし、俺がしたのはフェイント。
 再び、ムギさんの顔面めがけて枕を投げる。

紬「ふもっ……」

 ……よし。
 残るは、俺と姉ちゃんの二人のみ。

聡美「姉ちゃん……!」

律「聡美……!」

聡美・律「「勝つのは、私だ!!」」

 最終決戦のタンカが、今、切り落とされた。
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 21:51:06.26 ID:BLIPmpzDO
 お互い、枕は持っていない。
 枕を取りに行くと、隙ができる。
 どちらが早く枕を手にするか――

 それが、勝敗を決める!

聡美・律「「っ!!」」

 俺と姉ちゃんは、ほぼ同時に枕を取る。

 先に投げたのは――姉ちゃん。

 でも、早い方が先に勝つとは限らない。

 俺は姉ちゃんが投げた枕に枕を投げ、枕の勢いを止め、二つの枕をキャッチする。

律「なっ……!」

 姉ちゃんはあわてて枕を取りに行く。

 ……もう遅い。

 俺は姉ちゃんめがけて、二つの枕を同時に投げる!

律「もふっ」

 ……勝った……!

 あれ?
 一つは姉ちゃんに命中したけど……もう一つは?

さわ子「……」

聡美「」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 21:57:30.31 ID:BLIPmpzDO
さわ子「ガミガミ!」

聡美「ごめんなさい……」

 滅茶苦茶怒られた。
 まぁ、当然の報いだな……

さわ子「大体あなた、ここの部屋じゃないでしょう!」

聡美「姉ちゃんに来いと言われたんです」

さわ子「だからといってあなたねえ……まぁ良いわ。自分の部屋に戻りなさい」

聡美「はーい」

 去り際に姉ちゃんを見ると、こちらを見てニヤニヤ笑っていた。

 くそっ……姉ちゃんめ……覚えてろ。

 そして俺は、戦場と化した姉ちゃんの部屋から去った――
336 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/06(水) 21:59:52.61 ID:BLIPmpzDO
ちょいと休憩します

何かあったらよろしくお願いします。

ではまた
337 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/06(水) 22:57:07.46 ID:BLIPmpzDO
再開しま〜す





人いないな〜……
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 23:23:18.65 ID:0pLGu8hJ0
まってました
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/04/06(水) 23:29:05.28 ID:uNsY2trAO
みてるよ
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 23:32:27.02 ID:BLIPmpzDO
すまない
なんか改行しすぎとかなった

106回も改行してしまったぜ……

ちょっと待っててくれ
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 23:38:09.37 ID:BLIPmpzDO
 部屋に戻ると、和さんが起きていた。
 おそらく、俺達の枕投げで目が覚めてしまったのだろう。
 非常に申し訳ない。

和「何やってるのよ……」

聡美「面目無い」

和「目が冴えちゃったし、何か話す?」

聡美「そうですね」

和「……最近どう?」

 唯さんのことかな?

聡美「いつも元気です」

和「はぁ……そうじゃなくて」

 ため息をついたあと、和さんは口を開いた。

和「あなたのことよ、聡美……いや、聡くん」

聡美「……!?」

 いや待て。
 なんら不思議ではない。
 和さんも、タイムマシン開発の協力者の一人だ。
 刻を越えてても、おかしくはない。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 23:50:40.97 ID:BLIPmpzDO
聡美「次は、いつですか?」

 和さんなら、分かるだろう。
 相対性理論の上をいく、時空理論を発表した、和さんなら。

和「分からないわ。いろいろなところで歴史が変わっていて、死のタイミングも刻々と変わってる」

 それはつまり……

聡美「誰がいつどこで死んでも、おかしくはないってことですか……?」

和「そうよ。でも、元々そうだからね……でも、死の元凶を消せば、全てが正されるわ」

 元凶……あの、通り魔。
 アイツさえ消えれば……

和「でもね……そうは簡単にはいかないのよ」

聡美「えっ……」

和「死の阻止についての、新しいルールが分かったわ」

聡美「なっ……!?」

 な……に……!?
 まだ、あったのか……!

聡美「何なんですか、それは」

 和さんは戸惑いつつも、ようやくその口を開いた。

和「死の元凶を消すには、それ相応の存在を犠牲にする必要がある」

聡美「……!?」

 ということは……まさか……!

聡美「人間の命を、犠牲にする必要があるってことですか……?」

和「ええ」

 絶望した。
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 23:55:26.17 ID:BLIPmpzDO
 姉ちゃんを救うには、誰かを犠牲にしなければならない。

 ならば……やるべきことは、一つだ。

聡美「俺が犠牲になって、姉ちゃんを救います」

和「……」

 和さんは黙る。
 ダメ、なのか……?

和「構わないわ。でも……」





和「あなたは、それで良いの?」

聡美「えっ……」

和「あら、もうすぐ時間ね。じゃあね、聡くん」

 和さんはそういうと、布団に倒れ、寝息をたてはじめた。

 俺は、さっきのことが頭から離れず、あまり眠れなかった――
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/06(水) 23:57:18.11 ID:BLIPmpzDO
今日はここまで。

何かあったらよろしくお願いします。

ではノシ
345 :日付変わった ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/07(木) 00:08:58.47 ID:4UcJ8KuDO
 眠い……
 昨日のことが頭から離れない。

 俺が犠牲になって、姉ちゃんを救う。

 そもそも、通り魔を相手にするのだから、俺が死ぬのはもはや確定事項だ。

 ていうか、覚悟は刻を越えた時、決めたはずだ。

 ならなんで……
 あの違和感のせいで、なかなか決心がつかない。
 本当になんなんだよ……この違和感は。

 気がつくと、朝食の時間になっていた。

 俺は急いで部屋を出て、朝食を食べ、着替えをし、ロビーを出た。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 00:20:08.20 ID:4UcJ8KuDO
さわ子「今日は自由行動です」

 自由行動。
 修学旅行では間違いなく、メインだ。
 俺も、友達とちょっとあれなところに行った記憶がある。
 まぁ、あの時の俺は心を閉ざしていたから、印象はヤバかったかもしれないけど。

唯「でさ〜、そのお店で、大安売りしてて〜」

律「それであんなにお菓子がカバンに詰まってたのか〜」

唯「そうそう〜!」

 姉ちゃん達、楽しそうだな……って!
 今集合してるんですけど!?

さわ子「戻って来なさい、そこ!」

唯・律「ひえぇっ!?」

 ほら怒られた。
 全く何やってんだよ姉ちゃん……
347 :※和の班のコースが分からないので、いろいろと飛ばします。[sage]:2011/04/07(木) 00:41:06.56 ID:4UcJ8KuDO
 自由行動は、和さんがいるだけあって一味違うコースだった。
 それと、姉ちゃんのことだ。
 お土産とか買い忘れてそうだし、多目に買っておいた。
 まだ金はいっぱいあるしね。

 そろそろ宿に戻る時間になり、地図を見ながら駅へと向かっているのだが……

和「おかしいわね……」

 迷ってしまいました。

 そういえば、前に唯さんから和さんは方向音痴だと言われていたことをすっかり忘れてた。
 どうしよう……そんな時、

和「あっ、唯達だ」

 なんだって?
 やった……一筋の光が……!





 ……差し込まなかった。

和「ねぇ、駅への道は……」

 ズザー!

 姉ちゃんが、ヘッドスライディングする。
 ここはグラウンドじゃないよ、姉ちゃん。

唯「和ちゃんについていけば、安心だねぇ〜」

 ごめんなさい唯さん。
 まったくもって逆です。
 滅茶苦茶不安です。

 あぁ……俺達は、はたして時間までに宿に帰れるのでしょうか……
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 00:50:23.39 ID:4UcJ8KuDO
 班の人全員で協力して、なんとかご飯に間に合いました。

 それからは、ほとんど昨日と変わらず、就寝時間になりました。
 姉ちゃんからメールが来ていた。

 『今日も来いよ〜』

 正直今すぐでも寝たい気分だが、姉ちゃんの頼みなら仕方ないので、俺は班の人全員の寝息を確認した後、部屋を抜け出した――
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 01:02:20.55 ID:4UcJ8KuDO
 姉ちゃん達の部屋は、真っ暗だった。
 なるほど……肝試しか。
 元男をナメんなよ……

 まぁ、いろいろとめんどくさいので、必殺技を使いますか。

聡美「……しゃれこうべ」

「……ぷぷっ」

「あははははははは!」

 チョロすぎる。
 笑点低いな〜……
 部屋の電気が点く。

律「聡美、卑怯だぞ〜!」

 卑怯?違うな。
 俺はただ、一つの言葉を口に出しただけ。
 何も卑怯なことはしていない。
 むしろ簡単に笑う方が悪い。





 それから、軽音部の三年生五人で楽しい時間を過ごした。


 ずっと、この人達と一緒でいたい。





 ……あ。


 そうか。


 あの違和感……


 これのことだったんだ。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 01:12:57.40 ID:4UcJ8KuDO
 この人達と過ごした日々は、本当に楽しかった。
 姉ちゃんが言ってた通り、軽音部は最高だ。
 この人達と過ごしているうちに、こんな気持ちが芽生えてたとは……





 ならばなおさら、俺は姉ちゃんを救わなければならない。
 姉ちゃんは、この時間を……

 この人達と過ごした思い出と、この人達と歩む未来を、奪われたのだ。


 俺は決心した。

 姉ちゃんが幸せなら、それでいい。

 俺がいなくなっても、姉ちゃんがこの人達と一緒にいられるのなら……それで……
351 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/07(木) 01:18:58.26 ID:4UcJ8KuDO
修学旅行回終了!

とりあえず、お留守番回は飛ばします。

もしかしたら後で、補完するかもしれませんが。

後、SSのアイデアが浮かびました。

聡「想い出の女の子」(さとあず)

多分、このSSが終わったらやると思います。

そろそろ眠くなってきたので、もう寝ます。

何かあったら、よろしくお願いします。

ではノシ
352 :syuri50[sage]:2011/04/07(木) 11:44:24.17 ID:GRRVB+9AO
早く続きが見たい
353 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/07(木) 22:12:56.04 ID:4UcJ8KuDO
遅くなってすいません。
ちょっと大学の情報見てました。
明日は高校の入学式なので、あまり多くは投下できないと思いますが、再開したいと思います。

>>352
ありがとうございます。
なんかプレッシャーかかったような……?


ではいきます
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 22:21:39.95 ID:4UcJ8KuDO
 今日も雨が降っている。
 ここ数日雨ばっかりだ。
 さすがの俺も、今は女なので、男の時よりもいろいろと処理しなければならない。
 ギターケース用のレインコート(梓さんから紹介してもらった)を使い、ギターを守る。
 そういえば唯さん、現時点ではレインコート知らなかったんだっけ?
 さて、今日はもしかしたら下着が透けて見えるかもしれない。
 よく観察する必要がありそうだな。

 そんなことを考えていると、母さんから朝ごはんができたと声が聞こえた。
 俺は目を擦り、下におりた。
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 22:25:43.65 ID:4UcJ8KuDO
 朝ごはんはおいしかった。
 これがおふくろの味というものなのかとしみじみ思う。
 洗面所に行くと、姉ちゃんがいた。
 うわあ……寝癖凄いな、おい。
 まぁ、俺も他の人のこと言えないけどね。

 姉ちゃんと二人でふざけあいながらさっさと準備を終わらせ、玄関の外へ出た。
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 22:33:03.60 ID:4UcJ8KuDO
 外は案の定凄くじめじめしていた。
 ホント日本の気候には困っちゃうよ。
 雨の日は、傘さしててもぬれるからなぁ……
 姉ちゃんの格好って、こういう日には結構危ないんだよなぁ……
 下着見えやすいし。

 途中で澪姉と合流した。
 澪姉は几帳面なだけあって、なかなか抜け目が無く、透けてなかった。ちくしょう。

 学校まで行く間、漫画みたいなハプニングは全く無かった。
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 22:49:16.67 ID:4UcJ8KuDO
 教室で姉ちゃん達としゃべってると、唯さんが来た。

 どれどれ……!?

唯「えへへ……濡れちゃった……」

 うわあ……いくらなんでもぬれすぎだろ……
 なんか知らんが唯さんには、漫画みたいなお約束事がたくさん起こるからなぁ……
 しかもかなり透けてるし。
 まだ成長途中だな……これからに期待しよう。

 ムギさんが唯さんの頭をタオルで拭く。

紬「かゆいところはございますか〜?」

唯「ありませ〜ん♪」

 なんだこのコント。
 てかコントと呼んでいいのかすら怪しいくらいレベルが低い。
 ムギさんいわく、美容師さんごっこ、だそうだ。

 その後、唯さんの武勇伝(?)について話した。
 そろそろ髪が乾いただろうと、ムギさんが唯さんの頭からタオルをはなすと……


 びよ〜ん。


 これなんて癖毛?
 いや、唯さんが癖毛なのは知ってるが……なんだかアレの後みたいだったのでちょっと妄想してしまった。
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 23:05:24.46 ID:4UcJ8KuDO
 唯さんの服がかなりぬれていたので、部室に干すことになった。
 唯さんがタイツを脱ぐ。
 やべえなんかエロい。
 やっぱり服着たままが良いよね、うん。

 ムギさんがお湯をもらってきた。
 唯さんは、バケツに足を突っ込んで、光琳の表情を浮かべた。

 その後、唯さんは服を脱いだ。
 既にもう何回も見てるから別に変な感情は無いけど……なんていうか、その……ねえ?

 服をどうするかということなのだが……さわ子先生お手製の服があった。
 しかし、唯さんは部員勧誘の時に使ったブタの着ぐるみを選んだ。
 なんでそれを選ぶんだろう……

 しばらくして、和さんが来た。
 和さんは雰囲気で唯さんだと当てた。
 てか、消去法で大体分かるんだけどね。
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 23:17:35.05 ID:4UcJ8KuDO
 HRが始まり、さわ子先生が出席をとろうとするが……
 唯さんの格好(メイド服)はさすがにダメだったみたいだった。

 姉ちゃんが作った人先生だろうと言おうとすると、さわ子先生は鬼のような目で姉ちゃんを睨み付けた。
 姉ちゃんは蛇に睨まれたカエルのように硬直した。

 その後、澪姉とムギさんがアイロンでスカートを、俺と姉ちゃんでボタン付けをした。
360 :やっべ>>359で日本語ミスったかも[sage]:2011/04/07(木) 23:27:14.21 ID:4UcJ8KuDO
 唯さんは、スカートの下にジャージというかなり変な格好をしていた。
 すげえカッコ悪い……てかダサい。

 さわ子先生がやって来て、唯さんと姉ちゃんに注意した。
 いつもはそんなに厳しくないのに、なんで今日は……と思い、周りを見ると、別の先生がいた。

 なるほどね……でも、ちょっと卑怯臭くね?

 人間って卑怯だよなぁ……
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/07(木) 23:35:12.98 ID:4UcJ8KuDO
 部室でティータイムをしていると、話の流れで梓さんが通販で買ったものをカバンから出しながら語りはじめた。
 梓さんって絶対騙されやすいタイプだよなぁ……

 その後、唯さんがギターの弦を交換したり、梓さんが焼きもち(?)を妬いたり、いろいろと楽しかった。

 その日も結局、練習せずに帰る羽目になった――
362 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/07(木) 23:37:30.97 ID:4UcJ8KuDO
うわああああ地震来たああああ

停電しやがった……

すいません緊急事態です。

投下は一旦中止します。

ではまた
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/04/07(木) 23:48:55.14 ID:rcnsldpAO
1は東北住みか?
大変だな
364 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/08(金) 17:56:12.46 ID:AWt+pkbDO
電気復旧!!
ていうか充電完了!!
今回は結構復旧はやかったなぁ〜

>>363
はい、東北住みです。
ホントやんなっちゃうよ。

では、相変わらずの携帯即興遅筆駄文でいきます
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/08(金) 18:08:56.10 ID:AWt+pkbDO
 次の日も雨だった。
 梅雨明けはまだまだ先だなぁ……
 何回も同じ天気は飽きる。
 飽きるというか、雨にはトラウマがあるので、雨は好きではない。
 今日も髪などの処理をしなきゃいけないな。





 学校に着く。
 今日は唯さんがギターケースにビニールを巻いていた、が。
 あれは明らかに巻きすぎだと思う。

 思った通り、唯さんは長時間かけてビニールを剥がした。

 その後、唯さんはオクターブチューニングをした。
 皆は唯さんの音感に驚いていたが、あのくらい俺でも分かる。
366 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/08(金) 18:11:02.97 ID:AWt+pkbDO
最悪だ……
早速用事ができてしまいました。すいません。
何かあったらよろしくお願いします。

ではまた
367 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/08(金) 21:50:53.25 ID:AWt+pkbDO
遅くなってすいません。

用事終わったあと、純ちゃんの誕生日を祝ってました。

では相変わらずの(ry
再開します。
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/08(金) 21:57:22.99 ID:AWt+pkbDO
 練習後、窓の外を見たが、雨もやんでなく、風も強くなってきていた。
 仕方ないので、部室に楽器を置いて帰ることにした。
 唯さんも、巻いてきたビニールをビリビリに破いて剥がしてしまったので、置いて帰ることにしたらしい。
 大丈夫かな……?

 後、梓さんはつい自分のギターの名前を口に出してしまったようだ。

 むったん、か……
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/08(金) 22:10:16.55 ID:AWt+pkbDO
 帰り道。
 ものすごい雨の量だった。
 靴、防水改造してて良かった〜……

 いつもの交差点で、俺達は別れる。





 その瞬間、車のクラクションが鳴る。
 その車の向かう先は……三人!?
 くそっ……三つのものを犠牲にしないと!
 仕方ない、ぬれるのを覚悟して、靴(両方)と傘を犠牲にして、三人を救ってやる!

 まず、三人を向こうまで押す。
 唯さんムギさん梓さん、ごめんなさい。
 ぬれますが、死ぬよりはマシです!

 そして、傘を落とし、靴が脱げたように見せかけ、タイヤの下へ!


 バシャーン!


 傘が壊れ、靴も潰れ、挙げ句に服もびしょぬれだ。

 でも……よかった。
 三人とも無事で。
 服はぬれちゃったけど。
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/08(金) 22:19:00.55 ID:AWt+pkbDO
 姉ちゃん達は、俺に駆け寄ってきた。

律「聡美、大丈夫か!?」

聡美「う、うん……なんとか」

 澪姉を見ると、ボーッとしていた。
 唯さん達を見ると、これまたボーッとしていた。
 しばらくして、唯さん達が駆け寄ってきた。

唯「さ、聡美ちゃん……?」

梓「えっと……あ、ありがとうございます」

紬「……」

 三人とも、寒さからなのか恐怖からなのか分からないが、とにかくものすごく震えていた。

 ごめんなさい、皆さん。
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/08(金) 22:34:47.93 ID:AWt+pkbDO
 それから唯さん達と別れた後、姉ちゃんと澪姉から傘に入れてもらいながら帰った。
 靴はもはや防水など果たしておらず、足がかなり冷たい。

 家に着いて、早速予備の靴を玄関に置き、服を乾かした。
 その後、姉ちゃんから部屋に呼び出された。

 姉ちゃんの部屋に入ると、座れと言われた。
 しばらく無言が続き、ようやく姉ちゃんは口を開いた。

律「聡美ってさ、自分を大切に思ってないの?」

聡美「えっ……?」

 いや、大事に思ってるよ?
 姉ちゃんを救うまで、あの通り魔を消すまで、死ぬわけにはいかないのだから。

律「だってさ、何回も自分を犠牲にしてるじゃん。まるで、死んでもいいって感じだよ」

聡美「……」

 仕方ないだろ……そのためにここまで来たんだから。
372 :>>370の最初おかしいな[sage]:2011/04/08(金) 22:48:08.03 ID:AWt+pkbDO
聡美「助けられるんなら、助けた方がいいじゃん」

律「……え?」

聡美「助けたい、と思っていても、助けられない命だってあるんだよ? だから、手遅れになる前に助けるんだよ、私は」

 俺は、自分自身に言い聞かせるように言う。
 二度とあんな思いはしたくないから。

律「だから、自分を大切に……」

聡美「私は、自分よりも皆が大事。だから……」

パシン!

聡美「っ!?」

律「……」

 姉ちゃん……怒ってる……?
 左の頬が痛い。
373 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/08(金) 22:50:30.26 ID:AWt+pkbDO
ダメだわ……
なんか今日調子出ない……

とりあえずこの辺で止めときます。

何かあったらよろしくお願いします。

ではノシ
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/09(土) 01:54:59.49 ID:DsVqbKeb0
くそ!いいところでっ!!

まってます
375 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/09(土) 08:44:18.24 ID:yLdY+1xDO
前回、自分でも収集つかないほどの駄文を投下してしまいました……
今からなんとか挽回するぜ

ではいきます
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/09(土) 08:55:53.88 ID:yLdY+1xDO
律「私はなぁ、皆を危険な目にあわせたくないんだよ! それが部長としての責任だ。それなのに、なんで自分から死にいこうとするんだよ……」

 姉ちゃん……泣いてる……?

律「頼むから……心配かけさせないでよぉ……」

 姉ちゃん……





 ちょっと待て。

 皆を危険な目にあわせたくない?
 それ、俺と同じじゃん……

 もしかしてあの時、姉ちゃんは……澪姉を庇って……
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/09(土) 09:10:37.97 ID:yLdY+1xDO
 となると……姉ちゃんは、澪姉の死を阻止したのか?
 もしそうなら、話はかなりややこしくなるかもしれない。
 やっぱり姉弟って似てるんだなぁ……

 姉ちゃんが、俺の前で泣いている。
 姉ちゃんは俺が泣いていた時、何をしてくれた?
 抱きしめたり、頭を撫でたりと、一生懸命慰めてくれたじゃないか。

 ならば、その恩を返さなければならない。
 俺は姉ちゃんを抱きしめ、頭を撫でた。

律「うぅ……聡美ぃ……」

 姉ちゃんは俺の中で泣きじゃくる。
 姉ちゃんは、誰よりも乙女で、誰よりも傷つきやすい。
 それでも姉ちゃんは、無理に明るく振る舞う。

 ……俺以外には。

 姉ちゃんがまた俺に甘えてくれた。
 ならば、それ相応の対応をしなければならない。

 俺は姉ちゃんが泣き止むまで、優しく優しく慰めていた――
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/09(土) 09:29:04.47 ID:yLdY+1xDO
 ある日。
 澪姉が、視線を感じると言ってきた。
 またかよ……まぁ、原因はすぐ分かったけどね。
 姉ちゃんと唯さんにこっそり教えた後、俺達はあえて黙っておいた。

 その後、ムギさんがその原因を当てた。
 ていうか、どうやったら髪にシールがつくんだよ……

 しばらくして、和さんと澪姉のファンクラブの人が部室に入ってきた。
 まだあったのかよ……

 その時姉ちゃんは曽我部先輩のことを思い出し、八割増しで語った。
 今思えば、あの人ただの変態じゃねぇか。
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/09(土) 09:47:40.50 ID:yLdY+1xDO
 和さんは、ファンクラブの会長も引き継いだらしい。
 だから、ファンクラブでお茶会を開いてほしいと頼みに来たとのこと。
 俺達は迷うことなく了承した。

 その後、準備は怖いくらい順調に進んだ。
 俺は改めて姉ちゃん達の団結力を痛感した。

 ていうかこのグッズ、微妙すぎるだろ……
 ファンクラブの人が差し入れを持ってきてくれた。

 焼きそばパン……絶対狙ってるだろ、これ。
 顔の割にはやるじゃん、あの二人組。

 曽我部先輩は来れないみたいだった。
 後、考え方が結構大人になっていた。
 人は変わっていくんだなぁ……歴史のように。

 ちなみに司会は、俺と姉ちゃんと唯さんでやることになった。
 司会三人って、ちょっと多くね?
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/09(土) 09:59:05.19 ID:yLdY+1xDO
 お茶会当日。
 俺は、ファンクラブの規模の大きさに驚いた。
 さすが澪姉だなぁ……

律「えー、第一回秋山澪ファンクラブお集まりいただき、まことにありがとうございます」

 第一回って……何回やるつもりだよ……

聡美「本日の司会は、私達三人でつとめさせていただきます。どうぞよろしくお願いします」

 姉ちゃんと唯さんにやらせると間違いなく時間食うので、ここは手短に。

 後、なんでグッズが人気なのか分からない。
 シール配った方が良くね?

聡美「ただいまより、お茶会を開催します。では、本日の主役、秋山澪さんのご入場です!」

 扉が開かれ、澪姉が入ってくる。
 澪姉、下向いててなんか怖いな……

 その後、澪姉がマイクに向かってしゃべったが、カミカミだった。
381 :>>380ミスった。脱字ありすぎ……[sage]:2011/04/09(土) 10:21:40.48 ID:yLdY+1xDO
 その後、澪姉と梓さんがドヤ顔でケーキ入刀したり、お茶とケーキをサービスしたりした。

 質問コーナーは、ちょっとアレだったな……

 次に、澪姉の生いたちアルバム観賞が行われた。
 ちなみに、俺が写ってる写真もいくつか選んでおいた。
 そのたびに、誰?可愛い〜とか言われた。
 すいません。それ俺です。

 ていうか、姉ちゃんの方が目立ってるような……澪姉の恥ずかしがりやがここに来たか……

 その後、澪姉のサプライズ『ときめきシュガー』に、演奏もした。

 皆で写真をとり、曽我部先輩にも送り、お茶会は終わりを告げた――
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/09(土) 10:29:27.90 ID:yLdY+1xDO
 お茶会の後、あの二人がサインをもらいに来た。
 澪姉は吹っ切れたのか、快くサインに応じた。

 サインをもらった二人が自慢し、次の日澪姉に人が押し寄せたのは言うまでもない。

 そして俺はというと……


聡美「……」

 澪姉に消してほしいと言われた生いたちアルバムのデータのバックアップをしていた。
 無論、姉ちゃんに頼まれたからだ。

 できあがったディスクを姉ちゃんに渡し、パソコンを閉じ、俺は眠りについた――
383 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/09(土) 10:38:54.94 ID:yLdY+1xDO
お茶会回終了!!
どんどん内容が糞になってる……OTL

携帯の電池がヤバいのでここまで。

なにかあったらよろしくお願いします。


ちなみに聡美の外見は、この画像の右下です↓

http://mup.vip2ch.com/dl?f=17274

ではまた
384 :ββActress ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/09(土) 10:44:03.33 ID:yLdY+1xDO
URLはこっちの方がいいかな

http://mup.vip2ch.com/up/vipper17274.jpg

ではノシ
385 :sage[saga]:2011/04/09(土) 11:29:37.88 ID:DcK4JLYO0
マジで糞だな死ねよ
さっさとHTML化依頼してこいよクズが
画像貼んなカス
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/04/09(土) 22:24:20.54 ID:bp0fXZcr0
何か気持ち悪いのがでてきた
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/04/09(土) 23:45:31.54 ID:SuL4DQQv0
聡と唯の子供が娘だったら中下かな
388 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/10(日) 01:34:23.79 ID:uOr0TGEDO
どもども。

ちょっと中学時代のチームメイトと集まってました。

でも時間が時間なのでもう寝ます。

>>386
ノーコメントで。

>>387
そうですね。
……結局どのりっちゃんでも可愛いよ!!



明日は更新するぞ〜!!

ではノシ
389 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/10(日) 01:37:20.43 ID:uOr0TGEDO
間違えた

今日は日曜日なので更新できると思います。

寝て起きたら来ると思います。

今度こそノシ
390 :sage2011/04/10(日) 13:26:50.00 ID:65aA/NzF0
サーバー容量の無駄だからさっさとやめろ
もっと他の人の事も考えろやこのクソガキが
聡出すとかキモいんだよクズ
391 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/11(月) 02:42:10.82 ID:2qhU8Z1DO
更新できなくてすいませんでした……

自転車の点検行って昼寝しすぎた挙げ句、部屋の掃除とかしてました……

お陰でごみ袋が7つも……

今度から気をつけますので、またよろしくお願いします。

ではノシ
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/11(月) 20:10:25.90 ID:H3XWeJRa0
気にすることはない
俺は期待して待ってるから
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県)2011/04/12(火) 13:46:24.55 ID:W0yIjC/v0
作者が異様に気持ち悪いです
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]:2011/04/12(火) 17:22:15.29 ID:sB0973ZAO
一部気持ち悪い奴らがいる
395 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/13(水) 20:56:44.86 ID:0qz8YsjDO
やべえ最近忙しすぎるぜ……

さっき風呂入って顔洗ってたら鼻の穴に小指が刺さって血が出たぜ……

>>392 期待するほどではないと思いますが、頑張ります。

>>394 そこはノーコメントでお願いします。

ではいきます
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 21:04:21.22 ID:0qz8YsjDO
 唯さんは、まだ進路を決めてなかったみたいだ。
 推薦が何か知らないのに推薦と書いたり、ムギさんのところと同じにしたりした。
 まぁ、俺は念のためムギさんのところと同じにしたが。

 ムギさんが唯さんに赤本を出した。
 俺は姉ちゃんと一緒に見てみた。


 ……ふむふむ。
 やっぱり若干簡単かな。


 今度は姉ちゃんが、一年の範囲を習ってないとか言い出した。
 本当に大丈夫かよ……
397 :暇人[sage]:2011/04/13(水) 21:04:27.10 ID:+HPnUlxAO
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 21:10:35.25 ID:0qz8YsjDO
 唯さんは助動詞の歌(?)を完璧に覚えていたが、活用法を知らないみたいだった。
 それじゃダメだろ……


 姉ちゃんは、未定にしたみたいだ。
 いやいや……それっていい……わけないか。

「三年二組の田井中さん平沢さん、至急職員室に来なさい」

 あーあ……
 ていうか先生、エスパーかよ……
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 21:20:15.82 ID:0qz8YsjDO
 姉ちゃん達が呼び出しをくらっている間、俺達は和さんと昔の話をした。
 唯さんは、昔から色々とやらかしていたのか……
 そういえば、子供達がたこ焼きリクエストしてきた時、たこ無し焼きやってたなぁ……





 しばらくして姉ちゃん達が来て、進路の話になった。
 でも、話は脱線して、澪姉の作文が賞をもらったあの日の話になった。
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 21:31:54.62 ID:0qz8YsjDO
 俺が小学校一年生の時……澪姉の作文が賞をもらったんだっけ。
 俺もその時、澪姉に初めて会った。
 当時の俺は澪姉のように人見知りで、姉ちゃんがいないとまともに話せなかった。
 でも、大きくなるにつれて、それも治っていったんだっけ。
 澪姉のはまだ完全に治ってないみたいだけど。


 ……って!
 俺までずれてる!
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 21:38:36.42 ID:0qz8YsjDO
 一通りの澪姉弄りも終わったあと、進路の話に戻った。

 唯さんの将来か……なんか、一通りの職業が向いてない気がする。
 唯さんは、好きなことならすごいから、そうなればいいのだが……
 まぁ、主婦になってたけどね。
 俺が唯さんと結婚しなかったら、どうなっていただろう。
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/13(水) 21:53:51.91 ID:0qz8YsjDO
 和さんが、やりたいことを書けばと言った。

 姉ちゃん達はミュージシャンと書いて、即却下された。

 和さんが、紙に 書かれたミュージシャンというのを見て、笑い始めた。
 和さんがこんなに笑うとは……

 その日の夜、姉ちゃんから相談された。

律「聡美はどこにしたの〜?」

聡美「私はN女子大にしたけど……」

律「ムギと同じか〜……聡美頭良いもんな〜」

聡美「そんなことないよ。姉ちゃんだってやればできるんだし」

律「私はやらないからダメなんだよ……」

 丈夫だよ姉ちゃん。
 姉ちゃんは昔から、なんだかんだ言って最終的には結果を出すんだから。

 でも、結構歴史変わってるしなぁ……
403 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/14(木) 06:17:38.66 ID:3z+JZk8DO
ちくしょう寝落ちした……
404 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/15(金) 22:19:02.42 ID:hXiBHu6DO
こんDDは〜

けいおんの公式サイト見たら、映画前売り券の情報が載ってるではありませんか!!

当然僕は、りっちゃんのがもらえるまで買うぜ!!
10枚買ってダメでも、友達に金渡して買ってもらうぜ!!

……おっと話がそれてしまいました。

では、相変わらずの携帯即興遅筆駄文でいかせていただきます。

ではいきます
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/15(金) 22:35:22.13 ID:hXiBHu6DO
 次の日。
 ふと気になって唯さんの方を見ると、机に突っ伏してゴロゴロしていた。
 その後、頭から煙(?)を出していた。
 何やってるんだあの人は……


 放課後。
 職員室の近くを歩いていると、唯さんが職員室から出てきた。
 あの様子を見ると、またダメだったのかな……

聡美「またダメだったんですか? 唯さん」

唯「あっ、聡美ちゃん。またダメだったよ〜……」

 唯さんはそう言うと、紙を見せてきた。

 『とにかく一生懸命がんばります』

 ……ヤバい、笑いが……

聡美「……ぷぷっ」

唯「わ、笑わないでよ〜! これでも一生懸命考えたんだからね!」

聡美「すいませんってば……唯さんらしいです」

唯「む〜……」

 唯さんはなんか不機嫌そうだ。
 どうしよう……
406 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/16(土) 09:31:50.35 ID:u3loOcRDO
ちくしょうまた寝落ちしたああああぁぁぁぁ

すいませんでした!!

今からいきます
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 09:38:58.92 ID:u3loOcRDO
聡美「あ、そういえば……駅前に新しいアイス屋さんができたらしいですよ」

唯「えっ!? それ本当!?」

 やっぱり食いついてきたか。
 本当に扱いやすいなぁこの人。

聡美「はい。今から行きます?」

唯「もちろんだよっ!」

聡美「じゃあ、行きましょうか。今日は部活無いんで」

唯「うんっ!」

 そんな会話をして、俺達は校舎をあとにした――
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 09:52:08.79 ID:u3loOcRDO
 駅前に向かう途中、俺はふと思い出してあの言葉を発した。

聡美「……アクター」

唯「っ! …………さと、しくん?」

聡美「こんにちは、唯さん。あの……少し聞きたいことが……」

 俺達は歩きながら話す。

唯「うんいいよ。何?」

聡美「あのですね、次はいつだか分かりますか?」

唯「うん。最近、あまり歴史変わってないからね」

聡美「いつ、なんですか……?」

唯「えっと……!?」

 唯さんは、驚いたような表情を見せる。
 何があった……?

唯「聡くん、落ち着いて聞いてね?」

聡美「あ、はい」

 一体何なんだろう。





唯「夏フェスの日に……バスが事故に遭って……乗ってる人が全員……!」





 ……は?

 ……それってつまり……
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 10:07:56.33 ID:u3loOcRDO
聡美「30人あまりの人が犠牲になるってことですか!?」

唯「うん……」

 なんだよそれ……その人達が何をしたって言うんだよ……
 一体神様は何を考えて……

聡美「えっと……バスの発車時刻をずらしたりすればなんとかなるんですか?」

唯「うん……でも、それじゃあ別の人達が……」

 どうすればいいんだよ……

唯「あっ! あっちのムギちゃんに力を借りれば……!」

 ムギさんに?
 確か……琴吹グループは宇宙開発をはじめさまざまな事業に勢力を伸ばし、俺がタイムマシンを完成させた時には世界を統一していたはず。
 もしムギさんが死んでしまえば、未来は大きく狂うことになる。
 それだけは阻止しないと……!

聡美「唯さん、お願いします」

唯「分かったよ。じゃあ……またね!」

 唯さんはそう言うと、その場に崩れ落ちる。
 俺は唯さんを抱き抱え、アイス屋さんのベンチに座らせる。
 ていうか、俺達いつの間にか着いていたんだなぁ……


 しばらくすると、唯さんが起きた。
 その後、唯さんにじゃんけんで負け、アイスを奢ることになった。
 千円が……
410 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/16(土) 10:19:21.03 ID:u3loOcRDO
ふぅ……

最近ダメだな俺……

とりあえず、二期の番外編は飛ばします。

今現在の飛ばす予定の回↓

番外編のみ


では引き続き期末試験いきたいと思います。
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 10:24:30.45 ID:u3loOcRDO
 もうすぐ期末試験だ。

 ……それにしても、唯さん来ないな……遅刻かな?

 皆で窓から校門の方を見ると、唯さんが走ってきた。

 まさに青春って感じだなぁ……

和「唯ー、早くー!」

 和さんがそう言うと、唯さんは別の意味で早くした。

 いやいやそうじゃないって!
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 10:32:00.99 ID:u3loOcRDO
 唯さんはなんとか間に合った。
 唯さんの話によると、朝早起きしてジョギングしてたらしい。
 こりゃ授業中絶対寝るわな……


 予想通り、唯さんは寝ていた。
 やっぱりか……何で授業中に寝れるんだろう。
 たしか姉ちゃんがそんなこと言ってた気がする。
 そんな姉ちゃんは……


律「……zzz……」


 おい当事者。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 10:42:28.64 ID:u3loOcRDO
 姉ちゃんが唯さんに制裁をくだす。
 まぁ、姉ちゃんも寝ていたけど。
 結局、図書館で勉強することになった。


 現在、図書館で勉強しているのだが……
 姉ちゃん達がうるさすぎる。

唯「聡美ちゃんのノートはっと……えっ? なにこれ……」

聡美「っ!」

 俺はあわててノートをしまう。
 なんせこのノートには、これからの作戦がびっしり書いてあったのだから。
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 10:56:00.99 ID:u3loOcRDO
律「何が書いてあったんだ? 唯」

 ヤバい。ヤバすぎる。
 はたして唯さんはどこまで……

唯「えっとね、夏フェスとかバスとか、あっちのとかこっちのとか書いてあったよ」

 危ない危ない……ギリギリセ……

唯「あと、死のタイミングとか阻止とか、事故とか書いてあったよ」

 うわああああぁぁぁぁ

律「ぶ、物騒だな……」

紬「聡美ちゃん、そういうのは考えちゃダメよ?」

澪「……」

 空気が最悪だ……しかも、澪姉はフリーズしてるし。

聡美「すいません。最近はまってるゲームで……」

唯「なんだ〜……ちゃんと勉強しなきゃダメだよ?」

聡美「はい……」

 めんどくさいけど、一応復習しとくか……
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 11:15:26.62 ID:u3loOcRDO
 それはそうと帰り道。
 コンビニで電池と水を非常食を買っておく。
 なんか地震来そうな予感がする……

律「聡美、口開けてこっち向いて」

 くるあーん。

律「ハイパーウルトラ(ry」

聡美「……辛っ!?」

律「あはははは。さっき唯とムギにもやったんだよ。……いっぱい買ってるなぁ……」

聡美「非常用です」

律「なんだそれ? あ、そうそう、聡美がはまってるゲーム、教えてよ」

 ……どうしよう。
 あれとっさについたウソなんだが……

聡美「じゃあ、テストで私に勝ったら良いよ」

律「え〜!? 私が聡美に勝てるわけないじゃん!」

聡美「やってみなきゃ分かんないよ」

律「じゃあせめてハンデでも!」

 そうだな……

聡美「じゃあ、50点ハンデね」

律「よしきたぁ! 絶対負けないぞ、聡美」

 こっちも、本気でいかせてもらおうかな。


 次の日、唯さんは演芸大会に出ると言った。
 ちゃんと両立できるのかな……心配だ。
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 11:30:08.23 ID:u3loOcRDO
 期末試験までの間、俺は完璧になるまで復習した。
 姉ちゃんには絶対に負けない。
 唯さんのことは梓さんに任せれば大丈夫だろう。


 そして期末試験。
 本当に怖いくらいスラスラ解けた。
 なんで時間がこんなに余るんだよ……まぁ、何回も見直しするか。



 そして演芸大会。
 今は13番……次じゃん。
 唯さん達の方を見ると、唯さんが寝ていた。

「次は、14番、ゆいあずです」

 梓さんが、唯さんを起こす。

 そしてゆいあずが発表する。

 ぐだぐだの漫才の後に、ふでペン〜ボールペン〜ゆいあずバージョンを披露した。
 俺的にはすばらしいのだが……

 キンコーン。

 ……まさかの!?
 ゆいあず……残念です。
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 11:42:40.49 ID:u3loOcRDO
 そしてテスト返却の日。
 どれどれ……合計500か。
 まぁ、こんなもんだろう。

律「聡美、どうだった?」

 姉ちゃんはウキウキした様子言ってくる。

聡美「姉ちゃんは……合計418か……はい」

律「どれどれ……うおっ!?」

 姉ちゃんは驚いている。あと33点足りなかったね……
 唯さんは確か……439だったな……やるじゃん。

律「ちくしょう……なんでそんな点数とれるんだよ……」

聡美「今回は勉強したからね……」

律「……勉強教えてくれ、聡美」

聡美「……もちろんだよ」

 でも姉ちゃん……俺についてこれるかな……
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 11:52:02.71 ID:u3loOcRDO
 その日の夜、姉ちゃんは五時間でギブアップした。
 やっぱりムリだったか……





 その時だった。





 カタカタカタ……

 ……ん?

 ガタガタガタガタ……

 じ、地震!?

 しかも停電だと!?

 ね、姉ちゃん!

律「やだ……やだよう……」

 遅かったか……

 姉ちゃんは、地震恐怖症だ。こうなったら俺がやるしかない。

 俺は動けない姉ちゃんを抱き抱え、この時代の俺も連れて、避難場所に向かった――
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/16(土) 12:07:20.02 ID:u3loOcRDO
 避難場所には、澪姉がいた。
 避難場所では、懐中電灯とかが配布された。
 震える姉ちゃんを澪姉に任せ、俺はこっそり外に出た。


 揺れでかなり歩きづらい。
 でも、俺にはやるべきことがある。


 平沢家に着く。
 門の前には、唯さんと憂さんと梓さんがいた。

唯「遅いよ、聡くん」

憂「久しぶり、聡くん」

梓「では、早速始めましょうか」

聡美「そうですね」

 俺はタイムマシンに特別起動部品をつける。
 そして、順番にレバーを引いていく。
 この作業は時間がシビアで、四人いないとできない。

 タイムマシンが変形した。
 これで、軽く八人は乗れるはず。

 俺は行き先を2032年に設定し、TT(タイムトンネル)ボタンを押す。
 これは、地震による巨大なエネルギーがないとできない。

 目の前にタイムトンネルが形成された。

 俺は、タイムマシンを発車させ、俺達は、再び刻を越えた――――
420 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/16(土) 12:16:45.31 ID:u3loOcRDO
即興でやったらこれだよ!もう!

まぁ、これで第三章終了です。

序章→聡がタイムマシン作って刻を越えるまで

第一章→一年目

第二章→二年目

第三章→三年目前編(今の所)

第四章→未来編

第五章→三年目後編

こんな感じかな?
勝手に章とか作ってすいません。
もしかしたら、何か追加するかも。
携帯の電池が切れそうなので、とりあえずここまで。

何か、質問とか意見とかあればどうぞ。
返せる保証はありませんが。

ではノシ
421 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/21(木) 21:48:46.38 ID:y/f0GMjDO
更新できずに申し訳ない。

絶対に完結させたいのですが、時間が無さすぎる……OTL

すみませんが、もう少しだけ待っててください。
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/04/23(土) 22:52:48.29 ID:+simDq4DO
おせーしつまんねーしお前の態度が気にくわないし
さっさとやめて死ねよゴミクズ

できれば遺書を書かずに黙って自殺してほしいなコイツには
423 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/24(日) 09:32:01.74 ID:8nBMcSTDO
遅くなってすみません。
練習試合疲れた……

では再開します
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/24(日) 09:40:45.16 ID:8nBMcSTDO
 タイムマシンはしばらくタイムトンネル内を進んだあと、目的の2032年に到着した。

聡美「懐かしいな……」

 2032年、もはや琴吹グループが国を動かしてると言ってもいいような時代。
 その辺の店や、そこに建っている家、さらには軽い病気なら治せる特殊な音波を出せる機能がついた携帯電話も全て琴吹グループ製だ。
 俺達は、琴吹グループ本社へと、足を進めていった――
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/24(日) 10:00:25.84 ID:8nBMcSTDO
 琴吹グループ本社の前に着く。相変わらず凄いなこの建物は。
 中に入ると、斉藤さん(息子の方)が俺達の身元を確認したあと、ムギさん――琴吹グループ現社長のもとへと案内してくれた。
 俺達は一つのかなり豪華な扉の前に立つ。
 扉には、ホログラムで「社長室」と書いてあった。
 扉の上のモニターに、ムギさんがうつる。
 30代になっても変わらないなムギさん……美しい。
 扉のロックが外れ、扉が開く。

紬「久しぶりね……聡くん」

聡美「ご無沙汰してます、ムギさん」

 ムギさんは放課後ティータイム解散後、まさに超エリートという感じの道を進んでいった。
 ただし、放課後ティータイム時代のような好奇心旺盛な雰囲気は消え去っていた。
 簡単に言えば、この世界の全てがつまらなそうな様子だった。

紬「今回聡くんを呼んだのは、私達琴吹グループが極秘に開発したとあるものを渡すためよ」

 極秘に開発した……だと?
 一体ムギさんは何を……?

 ムギさんがボタンを押すと、後ろの扉から秘書らしき人が現れた。

 その人物は……

聡美「み、澪姉!?」

澪「久しぶりだな、聡」

 見間違えるはずがない、黒髪ロングのつり目の美人。
 俺の幼なじみが、そこに立っていた。
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/24(日) 10:22:02.70 ID:8nBMcSTDO
 澪姉だけ行方が分からなかったが、そういうこと、だったのか……

紬「澪ちゃん、アレを」

澪「ああ」

 澪姉が腕時計を見せる。

 ……え?腕時計?

 俺達がポカンとしていると、澪姉が腕時計を近くで見せる。
 なんか、腕時計にしては少し大きいな……

 そう思っていると、澪姉が腕時計の横のボタンを押す。
 するとどうだろう。何か出てきた。

 えっと……

 タイナカリツ 2010/03/31 PM1:44 D

 まさかこれ……

紬「そう……これは登録した人の死のタイミングが分かる腕時計なの」

 というか……どんだけ凄いんだよ琴吹グループ……まぁ、俺も人のこと言えないんだけどね。
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/24(日) 10:37:05.63 ID:8nBMcSTDO
聡美「これを俺にくれるんですか?」

紬「ええ。ただし、条件があるわ」

聡美「なんですか?」

紬「りっちゃんを助けて。放課後ティータイムを解散させないで。それが条件よ」

聡美「分かってます」

紬「ありがとう。じゃあ、使い方を説明するわね」

 ムギさんによると、誰かを登録するには、その人の遺伝子をこの腕時計に登録する必要があるらしい。
 血でも毛でも何でもいいらしい。
 ちなみにこの時計、電池は切れないらしい。
 死のタイミングが近づくと、振動するらしい。
 完全防水で、ロックをかければあとは何があっても外れないらしい。
 使用されているのはコトブキングという金属で、まず壊れないらしい。
 あと、サイズ自動調整機能つき。
 それにしても、凄いな……
 さすがは琴吹グループだ。

 俺はムギさんから腕時計を受けとると、早速腕にはめてロックをかけた。
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/24(日) 10:47:07.28 ID:8nBMcSTDO
 すると皆が赤い液体が入ったカプセルを出す。
 それには、俺達の関係者の名前が書かれていた。
 なるほど……だから皆ついてきたのか。

 俺達の関係者を全員登録した。

紬「これでいいわね。じゃあ、早く戻りなさい。元の時代に」

 唯さんと梓さんと憂さんがうなずき、部屋を出る。
 俺も部屋から出ようとすると、ムギさんに呼び止められた。

紬「いざとなったら、ロックを外して、タイミング表示の裏側のボタンを押しなさい」

 あぁ……これね。

聡美「分かりました……では」

 俺はそう言うと、社長室をあとにした――
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/24(日) 11:03:47.09 ID:8nBMcSTDO
 俺達は琴吹グループ本社をあとにする。
 タイムマシンは、ロックをかけておいたので、盗まれてはいなかった。
 まぁ、144桁の暗号を百四十四重にかけておいたから、そう簡単には解けないだろう。

 4115299444100044444*4115234444433と。

 ロックが解除され、皆が乗る。
 最後に俺が乗り、タイムトンネルを作り、俺達は刻を越えた――









?「……」
430 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/24(日) 11:09:57.87 ID:8nBMcSTDO
未来編終了!

思ったより短くなったな……

これまでにいくつか伏線を貼ったつもりです

ヒントは数字です。

飯食ってきます

ではまた
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/25(月) 07:52:04.99 ID:W4Fs/gODO
乙っちあずあず

しかし>>422はわざわざsagaまで入れて…
よっぽど好きなんだなw
432 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/29(金) 12:06:51.84 ID:YPxmv5NDO
アニメのデータが操作ミスで消えたのでこれからは原作を軸にした展開になります

まぁ、覚えてる話は大体でやりますが

更新はもう少し待ってください
433 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/30(土) 08:39:04.24 ID:BhJuYcdDO
やっと暇ができました!!

更新します

あと、特典付き前売り券なんとか買えました!!
しかも一発でりっちゃんが当たりました!!
思わず叫んでしまったぜ……

ではいきます?
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 08:53:10.77 ID:BhJuYcdDO
 タイムトンネルを抜け、俺達は戻ってきた。タイムマシンを唯さん達に任せ、俺は姉ちゃんのいる避難場所へ向かった。



 避難場所に着くと、姉ちゃんが眠っていた。多分澪姉が寝かしたんだろう。
 俺は澪姉に小さな声でお礼を言い、姉ちゃんの顔を見た。

 すやすやと眠っている。こんなに幸せそうな顔をして……ズルいな、姉ちゃんは……



 それから一週間後、余震も収まり、俺達は家に帰った。幸い今回の地震で死んだ人はいなかったが、演芸大会は中止になった。唯さんと梓さんは、非常に残念そうな顔をしていた。
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 08:57:31.94 ID:BhJuYcdDO
では引き続き10話いきます

アニメデータが無いので、かなり手探り(勘)になります。

ではいきます
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 09:06:56.22 ID:BhJuYcdDO
 部室に着くと、なんか盛り上がっていた。どうやら、さわ子先生に彼氏ができたという疑いがあるらしい。まぁ、先生外見は美人だからなぁ……



 その日の帰り、俺達は挙動不審なさわ子先生を見つけた。まさかマジなのか?
 姉ちゃんと澪姉がまたじゃれあっていたが、いつもの光景なのでスルーしておこう。

 そして誰かが来たと思ったら、女の人だった。

紬「女の人……」

 いやいや、深読みしなくていいから……俺まで変な想像してしまったじゃないか……
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 09:29:19.55 ID:BhJuYcdDO
 俺達は、探偵のように先生と女の人を尾行した。
 でも、先生の知り合いらしき人にはバレてるっぽいな。こっちをチラチラ見てくるし。



 店を出たあと、女の人に見つかった。女の人はクリスティーナと名乗った。
 昔の軽音部の写真と比べると……確かに面影は残ってるな。



 近くのおでん屋で、紀美(本名らしい)さんと話した。
 話の途中で、紀美さんは意味深い表情を浮かべたあと、衝撃の発言をした。

紀美「さわ子……結婚することになったんだ」



……



一同「ええーーっ!?」
438 :sage[saga]:2011/04/30(土) 11:03:58.33 ID:NAgbyzWw0
いい加減やめろっつったろ

スレタイだけでも目障りなんだよ消えろ

てゆーかお前が死ねよガキが

お前調子乗るなよカス

さっさと消せよクソが

そしてお前自身も存在自体が邪魔だからさっさと死ね!!!!!!!!!!!!
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/04/30(土) 16:33:09.06 ID:AM0r8QNZ0
足怪我して前売り買えんかった
440 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/04/30(土) 21:18:38.25 ID:BhJuYcdDO
うわあああぁぁぁ勉強しすぎたあああぁぁぁ

すいませんやります

>>439
それは残念でしたね。
オークションで落とすか次に期待ですね

では再開します
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 21:27:38.66 ID:BhJuYcdDO
紀美「というのは冗談でっ」

 ガクッ。

 冗談ですか……ビックリした……

 紀美さんの話によると、同級生が結婚することになり、式でバンド演奏するから、さわ子先生を説得しようとしていたらしい。
 でも、さわ子先生は今はアレだし、丁重に断られたらしい。
 まぁ、あの人の性格なら、挑発すればいいと思うけど……

紀美「あと、もし説得できなかったら、特訓が待ってると思いなさい」

 おいおいちょっと待て。
 OBの特訓とか……ヤバいだろ。実際経験したことあるから分かる。あれは地獄だった。

 そのあと、俺達は紀美さんと別れ、自宅で各自どうするか考えた。
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 21:32:10.65 ID:BhJuYcdDO
 次の日。
 俺達は改めて、さわ子先生が変わったと実感した。
 そのことを紀美さんに話すと、悲しげな表情で諦めたっぽい発言をした。
 ちなみに特訓は冗談で、先生の代わりに演奏してくれと頼まれた。
 適任は、唯さんか俺か。
 絶対音感の唯さんと、準絶対音感の俺が、耳コピをすることになった。
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 21:41:39.87 ID:BhJuYcdDO
 そして当日。
 俺達は耳コピに成功したが、唯さんは間違えまくりなので、俺がすることになった。
 思ったのだが、V系バンドなのかなデスデビルは。こんなメイクしたこと無いぞ……



 そしていよいよ本番。
 スゲー緊張するな……これ。
 ……待てよ。

聡美「唯さん、やっぱり貴女がやってください」

唯「えっ!? で、でも……」

聡美「俺に考えがあります。間違えてもいいです。いつものテンションでライブしてください」

唯「う、うん……」

 唯さんのテンションなら、先生は挑発されるだろう。



 そして、ライブが始まった。
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 21:52:01.19 ID:BhJuYcdDO
 早速イントロで唯さんは間違えて、ノロノロトークが始まった。
 俺は先生の方を見る。間違いない。あの人は目覚める。

 俺はそう確信した。



 唯さんのトーク中に、急に照明が消えた。
 足音が聞こえる。さわ子先生だ。

 先生がステージに跳ぶと同時に照明が点いた。なんというご都合展開。

さわ子「てめーら……デスデビルはこんな甘っちい音楽じゃ無え!!!」

 さわ子先生が覚醒した。この人はもう止まらない。

 ドラムの人がスティックを叩き、演奏が再スタートした。



 やべえかっけえええ!!!
 こんな人達がOBなのか……凄すぎる。
 思わずノリノリになってしまう。この曲、なにかがある。
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 22:05:34.17 ID:BhJuYcdDO
 演奏後、さわ子先生はやっと自分のしたことに気づいた。
 今頃後悔しても遅いよ、先生。



 次の日。
 さわ子先生の人気は相変わらずだった。
 まぁ、よかったな……いろいろと。





 俺はふと腕時計を見る。
 そこには……

 タイナカサトシ 2009/06/26 PM6:28 D

 な……に……?
 今日、だと……!?
 部活の帰り……か?こんなことしてる場合じゃない。

 俺は先生に早退すると言い、急いで俺の中学へと向かった――
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 22:12:56.52 ID:BhJuYcdDO
 俺に死のタイミングが訪れる――
 来るだろうとは思っていたが、まさか今日とは。

 正確には、この時代の俺が死ぬ。
 もしそうなれば……俺は消える。そして、姉ちゃんを救えず、未練を残したまま終わる。
 そして、未来は変わらず、姉ちゃんのいない、琴吹グループによる世界にたどり着く。
 それだけは阻止しなければ。
 約束、したのだから。
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 22:23:12.33 ID:BhJuYcdDO
 俺の中学に着く。
 今の時間は……午後6時。ちょうど、部活が終わる頃だ。
 校門から、この時代の俺達がやって来る。

聡美「聡くん」

聡「えっ、聡美さん!?」

新庄「あっ、聡美さん、こんばんは」

鈴木「ご無沙汰してます」

聡美「こんばんは。聡くん、姉ちゃんが早く帰って来いだって」

聡「! そうですか。鈴木、新庄、じゃあな!」

 この時代の俺は、親友に別れを告げ、歩き出した。
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/30(土) 22:34:31.53 ID:BhJuYcdDO
 今の時間は、午後6時20分。
 近くには、建設中のビルがある。なるほど……大体分かった。
 あと8分か……その時。

 ヒュー……

 俺達が立っている所が暗くなる。俺はこの時代の俺を突き飛ばす。

 ドオオォォン!!

聡美「はぁ……はぁ……」

聡「……」

 この時代の俺は呆然としている。上から降ってきた鉄骨は、道を少し破壊していた。
 俺はさらなる危険を感じ、この時代の俺を連れて、その場を立ち去った――





?「……ちっ……惜しかったなぁ……時間ずらしたのに……」
449 : ◆7zEX7Ddaxc2011/04/30(土) 22:37:43.77 ID:BhJuYcdDO
とりあえずここまで。

マジでヤバいな……俺。書きたいSS結構あるのに……

多分これからどんどんつまらなくなりますが、よかったら感想とかお願いします。

では
450 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/01(日) 12:18:37.45 ID:X07rjUCDO
人いねええぇぇ

ではいきます
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 12:26:42.98 ID:X07rjUCDO
 ……暑い。
 やはり地球温暖化の影響か。
 あっちでは、琴吹グループが温暖化の原因を突き止め、なんとか解決したからまだしも、こっちは絶賛温暖化進行中だ。

 それにしても暑い。
 これは練習にも支障が出るな。






 そして部室。
 やはり、唯さんは暑さで倒れた。
 ふとあの日を思い出す。

 唯さんが妊娠中、暑さで倒れた日のことを――
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 12:34:56.93 ID:X07rjUCDO
 俺はあの時、自分は男として、夫として、そして父親として最低だと思った。
 当たり前のことなのに、俺はそのことをおろそかにしていた。
 その後、唯さんは無事に、子供にも何の影響もなく、元気になった。

 ホント、あの時は大変だったなぁ……






唯「夏なんて無くなればいいのに……」

 何度も聞いて、聞き慣れた言葉が聞こえ、俺は現実に引き戻された。
 唯さんは、毎年夏と冬に、それぞれ同じことを言う。まぁ、唯さんの体質だし、仕方がないのだが。
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 12:43:29.77 ID:X07rjUCDO
 唯さんが、水着で練習しないかと言った。ホント、この人は分からない。
 それに水着持ってきてないし。
 唯さん以外に誰が着るのかと思っていたが、ムギさんが悪ノリした。天然ってすごいね!






 ムギさんのかき氷で、少し暑さはやわらいだ。

唯「りっちゃん! かき氷を一気に食べると……!」

律「あー……キーンってなるんだろ?」

唯「うーん、この感じがたまらないよ!」

 あ、今キーンって効果音がしたような……唯さんのリアクションは面白い。姉ちゃんほどではないけど。
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 12:50:09.18 ID:X07rjUCDO
唯「そういえば最近さわちゃん来ないね?」

 そりゃそうだろうな。この前職員室に行ったら……






 クーラーがあったのだから。





律「案外どっかで倒れてるんじゃない?」

聡美「それはないですね。職員室にクーラーありましたし」

一同「何っ!?」

 てか皆、知らなかったのかよ……

律「こうしちゃいられん! 唯、職員室に突撃だー!」

唯「らじゃー!」

 ガチャバタン。

 姉ちゃん達は走っていってしまった。
 てか唯さん、元気じゃないか……
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 12:57:56.79 ID:X07rjUCDO
 しばらくして、姉ちゃん達がさわ子先生を連れて戻ってきた。先生は早速、暑さでダウンした。
 先生にスタジオ代のことを相談してみたが、額が少ないと言われた。

律「じゃあクーラー買おうぜクーラー!」

 そんな金……一応あるけど、俺の生活費だからダメだな。
 バイトも、受験生だから却下。問題でも起こしたらヤバい。

さわ子「……生徒会に頼んでみるとか」

 それだ!!
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 13:06:19.39 ID:X07rjUCDO
 姉ちゃんは、どうやったら聞き入れてもらえるか作戦をたてることにした。
 俺にも一応考えはあるのだが、これはかなりの演技力が試される。
 まぁ、何もしないよりはマシなので、俺の作戦が採用された。






 生徒会室。

聡美「和さん!」

 できるだけ息をこらして言う。

和「あら、聡美。どうしたのよ、そんなにあわてて」

聡美「唯さんが……暑さで倒れた」

和「なんですって!? 場所は……部室ね?」

聡美「早く来てください!」

 俺と和さんは、部室に急いで向かった――
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 13:15:16.28 ID:X07rjUCDO
 俺と和さんは部室に着く。
 そこには、ソファーに横たわる唯さんの姿が。

和「唯、大丈夫!?」

唯「の、和ちゃん……」

 ここまでは完璧……さぁ次は……

和「それにしても暑いわね……あら? この部屋、クーラー無いじゃない。この前部長会議で言ったのに……」






 ……は?






聡美「和さん、どういうことですか?」

和「だから、この前の部長会議で、クーラー欲しいクラブは申請してって」

聡美「……姉ちゃん?」

澪「……律?」

律「あっ……出るの忘れてた」
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 13:20:39.12 ID:X07rjUCDO
 次の瞬間、姉ちゃんの頭にはたんこぶができていた。

澪「今からでも間に合う!?」

和「た、多分……」



 こうして、めでたく部室にクーラーが設置されることになった。






 ……が、しかし。






 またしても、唯さんは倒れた。

唯「私……クーラー苦手なの忘れてた……」

 あ、そういえばそうでしたね。

澪「どうすればいいんだよもう!」
459 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/01(日) 13:23:42.74 ID:X07rjUCDO
ふぅ……。

どんどんつまらなくなってる……OTL

少し休憩します。
休憩終わったら再開します。

ではまた
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 15:34:13.48 ID:X07rjUCDO
 休日。
 今日は姉ちゃんと遊びに行く日だ。まぁ、いつもみたいにゲーセンとかだろうけど。
 てか姉ちゃん、その格好けっこう危ない……

 ん?あれは……ムギさん?

律「……」

 うわ、何かする気マンマンだ……

律「驚かしてやろう」

 やっぱり……まぁ、面白そうだしいいか。
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 19:24:14.71 ID:x/jD62680
見てるよ
462 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/01(日) 20:16:09.85 ID:X07rjUCDO
うわあああぁぁぁ風呂で寝てたあああぁぁぁ

危ない危ない……お湯が少なかったのが命拾いだったぜ……

りっちゃんが使ってる、LAMYのシャーペンの黄色の黒クリップ版が見つからない……

とりあえず再開します
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 20:24:33.26 ID:X07rjUCDO
 ムギさんは、そこの路地に入っていった。姉ちゃんはムギさんを追う。

 トントン。

 ……ん?




紬「シーッ……」

 あ、ムギさん。なるほど……逆に驚かしてやろうということですね。

 俺は姉ちゃんの横に並ぶ。

聡美「姉ちゃん、あそこなんか怪しくない?」

 俺は適当にとある店を指差す。

律「そうだな……よーし……」



紬「わっ!」

律「うわああああぁぁ!?」
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 20:36:00.63 ID:X07rjUCDO
紬「りっちゃんのこと見えたから驚かせようと思ったんだけど……」

律「く、くそー……やられた〜……それにしても、なんで聡美は驚かないんだ?」

 姉ちゃんはまだ震えている。意外と怖がりだからなぁ……

聡美「グルだからね」

紬「ね〜♪」

律「ち、ちくしょう……」

 姉ちゃんは悔しそうな顔をする。

聡美「それにしてもムギさん、お出かけなんて珍しいですね」

律「そういえばそうだな」

紬「ちょっとね。避暑地に持っていく物買いに行くところだったの」

 避暑地、か。そういえば二年生の時、フィンランドに避暑してたな……今年はどこなんだろう?
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 20:45:44.66 ID:X07rjUCDO
律「そっか……暇なら一緒に遊びに行こうと思ったのに……」

 そういえば、ムギさんとこうして遊んだことなかったな……意外と謎多いな、ムギさんは。

紬「もしもし、私です……今日のアレ、キャンセルで……ええ、別の日に……」



 ……はい?




 ちょ、何やってるんですかムギさん!?

紬「……ヒマ! すごくヒマです!」

 強引過ぎるだろムギさん……唯さん並みに分からない人だ……
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 20:55:40.87 ID:X07rjUCDO
律「よーしそれじゃどこ行こうか?」

紬「うーん……良く分からないからりっちゃんにおまかせするわ」

聡美「ムギさん、姉ちゃんにまかせるとロクなことにならないよ?」

律「なにおう!? 生意気だなこの〜!」

 姉ちゃんにグリグリされる。懐かしい……何十年ぶりだろう。

紬「ふふっ……じゃあ、お二人におまかせするわ」

 とは言ってもなぁ……正直姉ちゃんと同じところしか思いつかない。
 ならば……

聡美「ムギさんが普段行かなそうなところにすればいいんじゃない?」

律「そうだな……よーし、行くぞ!」

紬「おー♪」

 こうして、俺にとって最初で最後の、ムギさんとのお出かけが始まった――
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 21:05:32.00 ID:X07rjUCDO
 姉ちゃんが最初に連れてきたのは、ゲーセンだった。確かに、ムギさんはゲーセンに来なそうだな……

紬「ここは……俗にいうゲーセンよね?」

律「さすがに知ってたか。ゲーセン来たことあるのか?」

紬「来たのは初めてよ。私、友達とゲーセンに行くのが夢だったの〜♪」

 夢……か。



 俺の夢は、叶いそうにないけどな……



聡美「姉ちゃん、ドラマニあるよ?」

 でも、俺は今を大事にしよう。姉ちゃんが幸せなら、それでいいから……

律「ドラマニか……周りに合わせるのは苦手だけど、やってみるか!」

 そう意気込んだはいいが……結果は散々だった。しまいには逆ギレ寸前だった。
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 21:19:30.02 ID:X07rjUCDO
 次に姉ちゃんはクレーンゲームをしていた。ムギさんと一緒にそれを見ていると、ムギさんが話しかけてきた。

紬「聡美ちゃん、りっちゃんは、家ではどんな感じなの?」

聡美「そうですね……ん?」

 ちょっと待て。ムギさん、なんで俺が姉ちゃんの家に居候してると知ってるんだ……?

紬「……?」

 聞きたい。
 でも……なんだろう。聞いちゃいけないことのような気がする……!

聡美「そういえばムギさん、避暑地ってどこなんですか!?」

紬「えっと……今年もフィンランドよ。気に入ったの〜」

聡美「そ、そうなんですか」

 半端強引に話をそらした。
 なんだろう、今初めて、人が怖いと感じた。

 そんなこんなで話しているうちに、姉ちゃんはクレーンゲームでぬいぐるみを獲得した。
 そして、姉ちゃんはゲーセンを出た。次は姉ちゃんどこに連れていくつもりなんだろう?
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 21:25:09.03 ID:X07rjUCDO
 次に姉ちゃんが連れてきたのは……あぁ、ここは……!



 駄 菓 子 屋 !



 ちくしょう懐かしすぎる。しかもここは……



 俺が初めて来た駄菓子屋だ……!

 そう、あれは俺が小学生の頃――
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 21:43:06.24 ID:X07rjUCDO
 姉ちゃんにもらった駄菓子が美味しくて、それを探し回った時、偶然ここにたどり着いたんだよなぁ……そしたらどうだ。

 あったんだよここに。

 探していた駄菓子が……!

 でも……

幼聡「あれ、あれ?」

 そう、お金を落としてしまったんだ。
 俺は駄菓子を手に、戸惑ってたんだ。
 そしたら……

婆「おやおや坊っちゃん、どうしたんだい?」

 駄菓子屋のお婆さんが、声をかけてきたんだ。

幼聡「え、えっと……あの、その……」

 するとお婆さんは、俺の様子からお金が無いってことを察したのか、

婆「持っていきな、坊っちゃん。特別だよ?」

 と言ったんだ。
 その日食べたその駄菓子は、すごく美味しかった。

 後日、今度はお金を持っていったら……

婆「おやおや坊っちゃん。これは、おまけだよ?」

 そう言って、毎回、あの駄菓子をおまけで一個多くつけてくれたんだ。
 まぁ、そのうち行かなくなったんだけど……

 あのお婆さん、まだいるのかな……
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 21:55:20.81 ID:X07rjUCDO
婆「おやおや、もしかして、りっちゃんじゃないかい?」

 ……え?

律「あ、お婆さん! 久しぶり!」

婆「おやまあ、こんなに大きくなって……」

律「へへ……///」

 お婆さんだ……あの時のお婆さんだ……!

紬「りっちゃん、どなた?」

律「あぁ、私が小さい頃、よくここに来て会ってたんだ」

紬「そうなの? あ、はじめまして。りっちゃんのお友達の琴吹紬です」

婆「あらまあ可愛いわねぇ。ムギちゃん……でいいかい?」

 ……なんだろう。
 思考回路が誰かさんに似てる気がする。気のせいだと思うけど。

婆「それで、そちらの子は?」
 あ、そうか。お婆さんは知らないか。

聡美「田井中、聡美です」

婆「聡美ちゃん、ねぇ……なんだか、聡くんに似てるわねぇ」

 まぁ、本人ですから。

 それからいろいろと話したり遊んだり食べたり、懐かしく、楽しい時間を過ごした。
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 22:05:08.50 ID:X07rjUCDO
紬「すっごく楽しかったぁ〜♪」

 ムギさんは満面の笑顔で言う。

律「そりゃ良かった」

 なんで女の子はこんなにも笑顔が似合うのだろう。

紬「あとね……りっちゃん、聡美ちゃん」

律・聡美「ん?」

紬「わ、私のこと、叩いてほしいの!」

律・聡美「……はい?」

 ムギさん……そういう趣味もあったのか?
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 22:17:05.97 ID:X07rjUCDO
律「えーっと……それじゃ叩けばいいのね?」

 姉ちゃんは少し戸惑いつつも、ムギさんに問う。当然だろう。
 叩かれたいなんて、普通じゃない。

紬「お願いしますっ!」

 ほんでもって準備万端なムギさん。でもプルプル震えてる。

律「だーっ! 無理! 叩けない!」

紬「えっ……」

 ムギさんはしゅんとした様子だ。ていうか、お願いされた方が逆に叩きにくい。
 抵抗するならまだしも、無防備だとちょっとな……

律「だってこういうのはタイミングだしな……」

紬「分かったわ! 私りっちゃんに叩かれるのを楽しみにしてる!」

 ってムギさん!?声が大きいです!
 うわぁ、周りの人がこっち見てるよ!?
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/01(日) 22:29:09.25 ID:X07rjUCDO
 なんとか周りの人の誤解を解いて、夕方。

紬「今日はありがとね、りっちゃん、聡美ちゃん」

 夕日に照らされ、なんか雰囲気が出ている。やっぱりお嬢様なんだなぁ……ムギさんは。

紬「それにしてもりっちゃんってエスコートがすごくうまいわ〜」

律「そうか? 私はそういうのあんまり分かんないんだけど……」

 それには同意できる。
 姉ちゃんは女の子なのに、イケメンみたいなエスコートするからなぁ……

紬「りっちゃんが男の子だったら、きっと女の子にモテモテね!」

律「…………」

 姉ちゃんは反応に困っている。きっと複雑な心情なんだろう。

紬「……あれ?」

律「どう反応すりゃいいんだコラーッ!」

 ポコーン。

紬「あいたーっ!」

 ……まさに結果オーライ、か。

 こうして、俺にとって最初で最後の、ムギさんとのお出かけが終わった――
475 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/01(日) 22:33:55.61 ID:X07rjUCDO
ふぅ……。

とりあえずここまでです。
相変わらずの駄文ですね。

次はいよいよ夏フェスです。
でもまぁ、まだどうするか考えてないんだけど……即興ってそういうものですかね?

何かあったら、お願いします。

ではノシ
476 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/03(火) 17:17:47.45 ID:EGQVFusDO
誰もいねええぇぇ

頑張ろう……
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 17:27:03.81 ID:EGQVFusDO
 今俺は、公園にいる。なぜ公園にいるかというと、ある人を待っているからだ。
 そしてその人は、たった今やって来た。

唯「ごめ〜ん、待った?」

聡美「いえ、今来たところです」

 何回もやったことのあるやりとりをする。
 今日は、唯さんと二人で出かける日だ。もちろんこっちの唯さんではなく、あっちの唯さんとだ。

唯「それじゃ行こうか、聡くん」

聡美「はい、唯さん」

 久々だなぁ……こういうの。
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 17:37:20.90 ID:EGQVFusDO
 俺は、唯さんをあの駄菓子屋へと連れていった。あのお婆さんとは、多分かなり気が合うだろう。



 だがしかし。



 駄菓子屋は無かった。



聡美「……は?」

唯「聡くん、ここがどうかしたの?」

 ……なぜ?
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 17:45:57.17 ID:EGQVFusDO
 ちょうど近くを通りかかった人がいたので、聞いてみた。

聡美「あの、ここにあった駄菓子屋は……?」

通「えっと……二年前くらいにこの店のお婆さんが亡くなったみたいで、潰れたらしいです」

聡美「亡くなった……?」

 いやいやおかしいだろ。
 数日前に会ったばっかりじゃないか。



 ……いや、おかしいことは前もあった。

 演芸大会が、二回あった。

 まぁ、そのうち一回は中止になったけど。
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 17:54:14.19 ID:EGQVFusDO
 これは何だ?
 世界そのものが、狂い始めた……?

通「あの……?」

聡美「あ、すいません。ありがとうございました」

 そして、辺りが静まる。

唯「聡くん、どうしたの……?」

聡美「唯さん……何かがおかしいんだ」

唯「おかしい?」

聡美「演芸大会が二回あったり、数日前会ったお婆さんが二年前に亡くなってたり……とにかくおかしいんだ」

唯「……もしかして」

 唯さんは、俺の左手首の腕時計を指で指す。

聡美「ムギさんの、腕時計……」

 この腕時計は、未知の存在だ。こんなことが起こっても、なんらおかしくはない。
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 18:21:27.66 ID:EGQVFusDO
紬『いざとなったら、ロックを外して、タイミング表示の裏側のボタンを押しなさい』

 ふとムギさんの言葉が頭を横切る。でもダメだ。何が起こるか分かったものではない。

聡美「唯さん、あっちのムギさんと連絡はとれる?」

唯「うん、できるよ。……ちょっと待ってて」

 そう言うと唯さんは、携帯を弄る。携帯、なんかしてもらったのか……?

唯「はい、聡くん」

聡美「ありがと、唯さん」

 唯さんから携帯を受け取ると、俺は通話ボタンを押す。

紬『もしもし唯ちゃん?』

聡美「もしもしムギさん、私です」

紬『あら聡くん、どうしたの?』

聡美「この腕時計をはめてから、死んでない人が死んでたり、時が狂ったり、いろいろおかしいんです」

紬『やっぱり……!』

 何がやっぱりなのだろう。ムギさんが動揺しているのだから、よっぽどのことに違いない。



紬『実はその腕時計……死のタイミングを計る時、ある特殊な音波が時を巡るのよ。通常、人体に影響は出ないはずなんだけど……』

 そんなに危険なものだったのか、この腕時計……!
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 18:30:08.74 ID:EGQVFusDO
聡美「じゃあどうするんですか! このままじゃ……」

紬『落ちついて聡くん。いざとなったらのボタン……あれを押して』

聡美「は、はい」

 俺はムギさんに言われた通り、あのボタンを押す。
 すると……

聡美「っ!?」

 俺は一気に意識が飛んだ。
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 19:28:13.51 ID:EGQVFusDO
 目を覚ますと、周りは数字ばかり。なんだここは……

紬『聡くん』

 ムギさんの声が、頭に響く。まるでテレパシーだ。

紬『そこにある数字は、音波が記録した情報よ。歴史の変化は、その数字で分かるわ。まぁ……いろいろな世界、パラレルワールドの情報もあるけど……聡くんが影響した世界の歴史は、必ず144という数字になるはずなんだけど……』

 144……か。後ろを振り返る。
 144 144 144 144 144 144 144 144 144 144 144 144 144 145 144 144 144 144 144 144 144

 ……145?

聡美「ムギさん、144の中に145があるんですが……」

紬『やっぱりね。おそらく、音波による影響だわ。じゃあ、145に触ってみて』

聡美「はい」

 145に触れると、さらに小さい数字が現れる。

 0 1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377 610 987……

聡美「これ……フィボナッチ数列……?」

紬『ええ。フィボナッチ数列は自然界の多くに現れる数列で、当然歴史にも現れるみたい』
 0 1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377 610 987 1597 2584 4181 6765 10946 17711 28657 46368 75025 121393 196419 317811 514229 832040 1346269 2178309 3524578 5702887 9227465 14930352 24157817 39088169 63245986 102334155 165580141
 ……あれ?

聡美「ムギさん、違う数字があるんですが……196418が196419です」

紬『じゃあ、触れて回して直して』

聡美「はい」

 俺はダイヤルみたいに回して直した。

聡美「直しました」

紬『これで、145が144になったはずよ。あとは、二回連続で腕時計のボタンを押して』

聡美「はい」

 ボタンを押すと、144の塊が腕時計に吸い込まれ、赤い光が出た。

 そして再び、意識が飛んだ――
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 19:58:58.64 ID:EGQVFusDO
……くん!……しくん!

 この声は……

唯「聡くん!」

聡美「唯さん……」

 俺は起き上がる。

唯「聡くん! ほら見て、そこ!」

 唯さんが指差す方を見ると、そこには――






婆「……」

 お婆さんが、駄菓子屋の中にいた。

聡美「やった……」

紬『聡くん、今回は多分、初期不良よ。これからは起こらないと思うわ』

 唯さんの携帯から、ムギさんの声がする。よかった〜……

聡美「ありがとうございますムギさん、では」

 俺は電話を切り、唯さんに携帯を返す。

唯「……それで聡くん、ここは?」

聡美「あ、はい。そこの店、俺がよく来たことのある駄菓子屋なんですよ」

唯「そうなんだ〜! じゃあ行こうよ!」

聡美「はい」

 駄菓子屋に向かう。お婆さんは、俺達に気づいたみたいだ。

婆「おやおや、聡美ちゃんと……お友達かい?」

唯「はい! 平沢唯です!」

婆「唯ちゃんね……可愛いわね」

唯「えへへ……ありがとうございます」

 やっぱり、気は合うみたいだ。

 そして俺と唯さんは、駄菓子屋を堪能した――
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/03(火) 20:33:23.03 ID:EGQVFusDO
 その後も、俺達はデート(?)を楽しんだ。やっぱりこういうのっていいな……唯さんノリいいし。

唯「聡くん」

聡美「なんですか?」

唯「夏フェスの日……お願いね」

聡美「もちろんです」

 さて……どうするか。
 どうやって、防ぐ?

唯「聡くん」

聡美「今度はなんですか?」

唯「えへへ……なんでもないよお」

聡美「なんですかそれ」

 まぁ……考えるのは帰ってからにしよう。
 今は、唯さんとの時間を大事にしよう。






 もう、こんなことできないかもしれないから――
486 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/03(火) 20:36:01.67 ID:EGQVFusDO
飯食いながら書いたからやべえ……
マグロ丼セットうめえ!

とりあえずここまで。
次こそは夏フェスです。

何か感想とか意見とかその他いろいろあったらお願いします。

では
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/04(水) 02:50:35.27 ID:S2XTUzVIO
しっかり見てるから頑張って!
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/09(月) 14:19:17.16 ID:g2CddHHDO
誰もこんなの見ないからやめたほうがいいぞ?
ガキは勉強でもしてろks
489 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/10(火) 13:03:41.55 ID:s3Iui3rDO
>>487
ありがとうございますゥ

すみません……更新はもう少し待ってください。
490 :sage[saga]:2011/05/11(水) 18:03:23.57 ID:IbHBQz8r0
だったら初めからやるなよ死ね

お前にはSSを書く資格も生きる権利も無い

さっさと落として死ね
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/05/14(土) 17:51:59.92 ID:vqlgLZX60
初めのころに比べて、幾分か描写がせわしくなられた様な気がします。
これから展開が山場?に為られる様ですし、御自身のペースであせらず執筆して下さいな。
まったり楽しみにしています。
492 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/14(土) 23:33:39.24 ID:rK4wnn1DO
遅くなって申し訳ありません。

>>491
ですよね……自分でも、ややこしくしすぎたと思っています。
あと、楽しみにしているというのは、お世辞でも嬉しいです。

ではいきます
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/14(土) 23:46:47.87 ID:rK4wnn1DO
 今日は合宿の打ち合わせの日だ。まぁ、夏フェスに行くことになると思うけど。
 俺は、集合時間より三時間も前に家を出た。なぜなら、打ち合わせよりも大事な用事があるからだ。



 駅に着くと、金髪ロングで上品な雰囲気を出している女性を見つけた。その女性は、俺に気づくと俺に近寄ってきた。

紬「聡くん、こんにちは」

聡美「こんにちは、ムギさん」

 そう……俺の用事とは、こっちのムギさんではなく、あっちのムギさんに会うことだったのだ。






 俺達は近くの喫茶店で、例のことを話していた。

聡美「それでムギさん……事故は、防げるんですか?」

紬「ええ、こちらで手配をしておいたわ。もう、何十人もの人が死ぬことはないわ」

聡美「ありがとうございます!」

 よかった……これで、何十人もの犠牲者は出ない……!
 本当に、よかった……!






 三十分後、俺はムギさんの愚痴を聞いていた。やっぱり、誰でも愚痴りたくなるよなぁ……姉ちゃんはしょっちゅうだし。
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/14(土) 23:57:49.24 ID:rK4wnn1DO
 しばらくして、俺はあっちのムギさんの愚痴り地獄から解放されたあと、ムギさんと別れた。
 ふと腕時計を見ると、集合時間まであまり時間がない。
 俺は急いで唯さんの家へと足を進める。






 人気のない歩道へ来た時、それは起こった。



 ブオオオオォォォォン!!!!



 一瞬何が起こったのか分からなかった。
 俺のすぐ横を、バイクが走り抜けていったのだ。

 ここは歩道……なのに、バイクは俺のすぐ横を走り抜けていった。

 俺は直感した。



 何者かに、命を狙われているということを。

 うすうす前から感じてはいたが、今のはそれを明白にする出来事だった。

 しばらくの間、俺はその場でボーッとしていたが、姉ちゃんから遅刻だぞと連絡が来て、我にかえり、唯さんの家へと急いだ。
495 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/15(日) 00:10:55.98 ID:51zDlQFDO
 唯さんの家に着くと、遅刻したのに皆から温かく迎えられた。日頃の行いがいいからだろうか。

律「それで、今年は夏フェスに行こうかと考えてるんだけど……聡美はどう思う?」

聡美「いいですね! 私、生でプロの演奏聴いたこと無いので……楽しみです」

律「いよぅし! 決定ー!」

唯・紬「わ〜!」

 唯さんとムギさんは拍手しながら言う。ノリいいなぁこの二人。

聡美「それで、チケットとかはあるんですか?」

さわ子「チケットならあるわよ、ここに」

聡美「あ、ありがとうございます」

律「……ってさわちゃん!? 神出鬼没だなあんた!」

 あまりにも自然すぎて俺も気づかなかった……さわ子先生って何者なんだよ……
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 00:17:26.89 ID:51zDlQFDO
 そして夏フェス当日。
 朝早いのはなかなかキツかった。
 念のため腕時計を見る。死のタイミングは今日ではなくなっていた。本当に防いでくれたんだな……あっちのムギさん。
 ……一体何をしたんだろう?

 皆が集合し、バスに乗る。
 朝早かったせいか、座席に座ると、一気に睡魔が押し寄せてきた。

 俺は、まぶたを閉じた――
497 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/15(日) 00:39:17.24 ID:51zDlQFDO
短いですがここまで。

明日は更新できるかな……?

何かあればよろしくお願いします。

ではノシ
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 00:47:25.67 ID:51zDlQFDO
また間違えた

×明日

D今日の昼頃

では本当にノシ
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県)2011/05/15(日) 01:42:26.74 ID:qzsohzG70
おもしろいよ
500 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/15(日) 09:40:27.72 ID:51zDlQFDO
 500ゥ

 こんにちは。
 早速、更新したいと思います。

>>499 ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです。

 ではいきます
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 09:47:02.47 ID:51zDlQFDO
 ふと気がつくと、俺は見覚えのない部屋にいた。
 部屋の中央にはテーブルがあり、その上にはケーキが置いてあった。
 ケーキには、一番上のプレートに文字が書かれていた。でもなぜか、文字がはっきり見えず、この部分しか読めなかった。

 ―――、誕生日おめでとうございます

 そのはっきりしない文字を見ようとすると、急に意識が遠のいていった――
502 :ああああまた日本語おかしくなってるうううう[sage]:2011/05/15(日) 10:16:38.80 ID:51zDlQFDO
 目を覚ますと、バスは既に夏フェスの会場に着いていたようで、俺達以外乗っていなかった。

唯「あ、やっと起きた〜。聡美ちゃん、早く行こうよ〜」

 唯さんは俺を両手で揺する。こら、寝起きの人を揺すっちゃいけません。気持ち悪くなります。

聡美「うっ……は、はい」

 俺ははっきりしない頭をフル回転させ、急いで準備する。

 それにして気になるな……さっきの。
 夢にしては生々しすぎる。

 切り替えよう……今日は楽しむぞ!

 そう俺は決意した。
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 10:27:01.01 ID:51zDlQFDO
唯「うおー! 山だーっ! 来たぞ山〜っ!」

梓「なんですかそれ……」

 相変わらずだ……どこに行っても変わらないな、このコンビは。

律「それにしても……さわちゃんよくチケット持ってたよな」

さわ子「ふふふ……このフェスには毎年来てるのよ」

 なんだそんなことだったのか……でも。

律「なんで七枚も?」

さわ子「七枚? 私は六枚しか持ってないけど……」

澪「でも、七枚ありますよ?」

紬「いつの間にか増えるチケット……不思議」

聡美「なんか怖いですね……」

 まぁ、俺の分が自腹なだけなんだけどね。
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 10:37:25.24 ID:51zDlQFDO
さわ子「さあみんな! のんびりムードはここまでよっ!」

 入り口の近くに来ると、急にさわ子先生が言い出した。

さわ子「ここから先は戦場よ! しっかり心構えなさい!」

律「そんな大げさな……」

 姉ちゃんがあきれてる……さすがにちょっとなぁ……うん。

唯「大丈夫だよー、熱中症対策もばっちり……」

さわ子「水じゃだめよ! スポーツドリンクにしなさい!」

聡美「……唯さん、こうすれば少しはましになりますよ」

 俺はそう言うと、唯さんのペットボトルの中に塩を入れる。

唯「ありがと〜」

さわ子「まぁ確かに、少しはましね……」

 さわ子先生、まだまだ仕切るの甘いですよ……
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 10:51:43.71 ID:51zDlQFDO
紬「はい虫よけスプレー」

唯「あ、ムギちゃんありがとー」

 ほのぼの……小学校の遠足みたい。

唯「それじゃ今度は私がムギちゃんにスプレーしたげる!」

紬「自分で出来るから大丈夫よ」

唯「えー! 私もプシューッてやりたい!」

聡美「えい」

 唯さんがムギさんにプシューッてする前に俺がやる。

唯「あっ……」

紬「あら、ありがとう聡美ちゃん」

唯「うぅ……」

 唯さんが涙目になってる。やりすぎたか?

聡美「す、すいません唯さん! 代わりに私にプシューッてしていいから!」

唯「いいの!?」

聡美「はい!」

 この人の扱い方はもう慣れてる。一回下げてから上げればいいのだ。
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 11:05:08.09 ID:51zDlQFDO
 それからしばらくして、ライブが始まった。
 さすがプロ。俺達とは全然違う。ずっと聞いていたい、そんな感じだ。

さわ子「みんな! 移動するわよ!」

 ……は?

さわ子「私のイチオシバンドがB会場でやるのよ!」

 俺はパンフレットを見る。
 B会場はと……って、メタルバンドじゃないか。
 忘れてた……さわ子先生はメタラーだということを。

聡美「メタルバンドじゃないですか……なら、俺だけ一緒に行きます。姉ちゃん達はここにいて」

律「あぁ、耳壊すなよ〜?」

聡美「壊しませんよ……じゃあ行きましょう、先生」

さわ子「ええ」

唯「気をつけてね〜!」

 その言葉、貴女にそのまま返しましょう。

 そして俺と先生は、B会場へと向かった――
507 :聡美の言動おかしい……[sage]:2011/05/15(日) 11:13:01.62 ID:51zDlQFDO
 ドンッ。

?「きゃっ!」

 走っていると、誰かにぶつかってしまった。女の人かな?

聡美「す、すみません……って」

 なんかこの人見覚えがある。えーっと……

?「で、では私はこれで!」

 女の人は、走っていってしまった。
 あの人……見覚えはあるけど、思い出せない。

さわ子「聡美ちゃん、早く行くわよ!」

聡美「は、はい!」

 ……まぁいいか。






?「……」
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 11:22:15.45 ID:51zDlQFDO
 B会場に着く。
 意外とメタラーって多いんだな……会場の中の人口密度を見て思った。

 しばらくすると、メタルバンドのメンバーが出てきた。

 ワァァァァァァァァ!

 すっげ……歓声半端ねえ……

 ライブが始まると、まわりはよりいっそう盛り上がった。
 隣を見ると、先生はヘドバンしていた。

 気がつくと、俺もいつの間にかノリノリになっていた。






 俺はこの日、メタラーに目覚めてしまった。
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 11:38:10.58 ID:51zDlQFDO
 それからのことは、あまり覚えていない。
 走り回ったとか、何のご飯を食べたとか、そういうのは覚えていない。
 ただ唯一覚えていることは、俺はさわ子先生と一緒にメタルバンドのライブだけを聞いたということ。

 気がつくと、いつの間にか夜になっていた。
 俺達のテントあたりで、姉ちゃん達と合流する。

律「おつかれ〜。聡美、どうだった?」

聡美「姉ちゃん……メタルは、最高だよ」

律「あちゃ〜……見事に染まっちゃったか」

さわ子「じゃあ私、悪いけど先に寝るわ……」

唯「え? さわちゃんもう寝ちゃうの?」

さわ子「ヘドバンしすぎて首がね……」

唯「……」

さわ子「……今私のこと年だと思ったでしょ?」

唯「ギクッ」

 唯さん分かりやすっ!

さわ子「はぁ……もういいわ。おやすみ……」

聡美「おやすみなさい、先生」

 危ない危ない……俺と比較されたら事実になるからなぁ……
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 11:44:01.77 ID:51zDlQFDO
澪「梓は今年も真っ黒だな……」

梓「日焼け止め塗ったんですけど効きませんでした……」

紬「でも、可愛いからいいんじゃない?」

唯「そうだよ可愛いよっ!」

律「やっぱ相変わらずだな……私達」

聡美「まぁ、それが私達の売りだからいいんじゃない?」

律「だな」

 そんな感じに、時間は過ぎていった……
511 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/15(日) 11:50:06.41 ID:51zDlQFDO
ちょいと用事ができたのでとりあえずここまで。

次は山場……のはず。

自分で読み返してみたが、とんだ駄作ですね。

何かありましたらよろしくお願いします。

ではまた
512 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/15(日) 13:03:22.73 ID:51zDlQFDO
用事が終わったので再開します。

足の靭帯をやったので早く治るようにと温泉に行ってました。

ではいきます
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 13:22:40.84 ID:51zDlQFDO
 俺は丘の上で、音楽を聞いていた。本当に一日中やってるんだなぁ……

聡美「あと半年、か……」

 本当にあっという間だった。高校に入ったのが、まるで昨日のことのように感じた。
 それほどにまで、今まで楽しかった。
 この楽しいと思えることこそが、幸せというものなんだと俺は思った。

聡美「そういえば……」

 幸せってなんだろう?

唯「何してるの? 聡美ちゃん」

聡美「唯さん……」

 唯さんは俺の隣に座る。

唯「曲聞いてたの?」

聡美「はい」

唯「そっか……一緒だね。私も曲聞こうと思ってたんだ〜」

聡美「そうなんですか」

 それからしばらくの間、沈黙が続いた。
 先に沈黙を破ったのは、唯さんだった。
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 13:47:43.98 ID:51zDlQFDO
唯「どれもいい曲、だね……」

聡美「そうですね……」

 唯さん、こういう感覚はいいんだよなぁ……

聡美「……唯さん」

唯「ん? なあに? 聡美ちゃん」

 先ほどの疑問を唯さんに言う。

聡美「幸せって、なんなんでしょう?」

唯「う〜ん……」

 唯さんは少し考えたあと、俺の目を見ながら言った。

唯「私は、今が幸せだよ。聡美ちゃんがいて、みんながいて、部活して、遊んで……ずっと、続けばいいなぁ……」

聡美「そうですね……でも……」

唯「うん……幸せって、ずっと続かないよね……だから」

 唯さんは一度夜空を見てから、俺の方に振り返り、口を開いた。

唯「今を満喫しないとね!」

聡美「……はい!」

 そうだよな……たとえ幸せがなんなのか分からなくても、今を満喫すれば、いいんだよな……

 一度失った時間は、取り戻せないから……そして、忘れられないから……

 そして、思い出として、ちゃんと残るから……
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 14:04:50.43 ID:51zDlQFDO
 しばらく二人で音楽を聞いていると、梓さんがやってきた。

梓「こんな所で何してるんですか?」

唯「聡美ちゃんと、遠くから聞こえる曲聞いてたの! あずにゃんも座りなよ」

梓「じっとしてたら虫に刺されますよ?」

 すごくまっとうな意見だ。でも……

唯「私たち、虫除けバンドしてるから!」

 俺たちは両手をクロスさせる。
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 14:22:19.91 ID:51zDlQFDO
 俺と唯さんは、梓さんに一つずつ虫除けバンドを分ける。
 その時だった。

律「あらお二人さん、こんな所で内緒のお話?」

梓「べ、別にたわいもない話してただけですっ!」

 梓さんって、間違いなくツンデレだよなぁ……

澪「三人とも勝手にいなくなるなよ……心配しただろ」

唯「ごめんごめん」

澪「それにしても……どのバンドも格好よかったなあ」

紬「音の勢いというか迫力がすごかったわね!」

 そうだなぁ……もっと聞いていたいって思えるからなぁ……



唯「でも、私たちの演奏の方がすごいよね?」



 ……はい?
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 14:37:08.44 ID:51zDlQFDO
 きゅ、急に何を言い出すんだ唯さんは……

律「そんな口きくようになる前に、まずはギター間違えずに弾けるようになりなさい」

唯「あう……痛いところを……」

 姉ちゃんの華麗なツッコミ。あと、姉ちゃんもドラム走らないようにしようね。

唯「でもでも、やっぱり私たちの方がすごいよ! 一体感というか、何というか……」

唯「そう、オーラが!」

聡美「唯さん、オーラって意味分かりますか?」

唯「さあ?」

 ……だめだこの人。

梓「そうですよ! 私たちはプロにも負けません!」

 あ、梓さん!?
 どんどん唯さんに染められてくなぁ……

唯「……これからもずーっと、みんなでバンド出来たらいいねぇ」

皆「……そう(です)ね)だな」

梓「……」

 この梓さん……もしかして、あっちの梓さん?
 泣いてるのを隠してる……

 見ていて、辛い……
518 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/15(日) 14:39:27.24 ID:51zDlQFDO
だめだ……

一回休憩します。

何かあればよろしくお願いします。

では
519 :休憩終了![sage]:2011/05/15(日) 19:25:10.81 ID:51zDlQFDO
 その後いろいろおしゃべりしたあと、
 俺は寝たフリをして、みんなが寝るのを待った。
 夜中の三時くらいだろうか……誰かがテントを出ていった。俺はうっすらと目を開け、その人が誰かを確かめ、追いかけた。

聡美「梓さん……」






 梓さんは、さっきの丘に座っていた。まるで、何かを思い詰めるように。

聡美「梓さん……こんな時間に何を……」

梓「聡くん……」

 俺は梓さんの隣に座る。

梓「あと半年、だね」

聡美「はい。ここまで来たからには、必ず……姉ちゃんを救ってみせます」

 これは、自分への忠告だ。失敗は許されない。
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/15(日) 20:11:06.73 ID:51zDlQFDO
 梓さんと話していると、急に背中に寒気が走る。ヤバい、風邪引くかも。

聡美「梓さん、寒気が……」

梓「あっ、ごめんね聡くん……じゃあ、戻ろっか」

聡美「そうですね……っ!?」

 ゾクッと、よりいっそう強い寒気が走る。いや、違う……これは、目線……!

聡美「……梓さん」

梓「うん……見られてるね、誰かに」

 未来から戻った時から感じる、とても嫌な感じ。

 憎しみの感情。

 今、その元凶が近くにいる。

 俺たちには、恐怖という名の感情が植え付けられた。

聡美「……どうします?」

 梓さんの耳元で、できるだけ小さな声で話す。

梓「逃げても無駄なら、捕まえるしかないじゃない」

聡美「そうですね……では」

 俺たちは走り出すフリをする。必然的に、何者かは飛び出す。俺は振り向き、こう言った。

聡美「隠れても無駄ですよ……どこかの誰かさん」

?「……!?」

 その人物は、マスクを被っていた。顔は見えないが、体型からしておそらく女性だろう。

聡美「何が目的なんですか?」

?「……」

 何も答えない。ていうか、彼女が持っているものは……ナイフ!?

聡美「梓さん、下がっててください……うし!」

梓「っ! ……うん」

 梓さんは離れる。つまり、俺は彼女と一対一になる。

?「……」

聡美「……」

 お互いに距離をつめる。そして……

?「……っ!?」

梓「ふふふ……後ろががら空きですよ?」

 憎しみのあまり、周りが見えてなかったみたいだ。だから、こうも簡単に決着がつく。

聡美「ナイスです梓さん……さて」

?「……!」

聡美「話してもらいましょうか」

梓「くっ……力強っ」

聡美「まずはこのマスクを……」

 ブォン!

梓「きゃっ!」

聡美「しまっ……」

 女性だからってなめすぎた……!
 そして彼女は、逃げていってしまった……
521 : ◆7zEX7Ddaxc2011/05/15(日) 20:27:55.49 ID:51zDlQFDO
今日はもうだめだ……即興って難しいね。

多分ここまで。

何かあればよろしくお願いします。

では
522 : ◆7zEX7Ddaxc[sage]:2011/05/22(日) 18:32:11.39 ID:dKOd5T3DO
すみません……もう少しだけ待ってください。
523 : ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/05/22(日) 18:35:40.70 ID:dKOd5T3DO
なんか良い酉見つけた

待ってる人なんて居ないかもしれませんが、待っててください。
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]:2011/05/26(木) 21:18:25.83 ID:73Zpdc/xo
居ますよ!
暇な時で良いので是非書いてください
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/26(木) 22:45:22.57 ID:V016HvrDO
りっちゃんのことが好きになってしまったじゃないかどうしてくれる

今日高校で周期律習ったんだがその時教師が余談で律はDD…律がDD…って言いやがったのでつい「俺のりっちゃんを呼び捨てするな!」って言いながら教師を殴ってしまったじゃないかどうしてくれる

その後生徒指導室に連行されて特別指導されてしまったじゃないかどうしてくれる
526 :sage[saga]:2011/05/28(土) 17:55:40.24 ID:DYoeMfcDO
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
527 : ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/05/29(日) 14:45:01.93 ID:mSsJsvjDO
やっと暇が出来ました……県大会出場決まったから毎日忙しいぜ……OTL

どのくらい出来るか分かりませんが、やっていきたいと思います。

>>524 ありがとうございます。がんばります。

>>525 同志よ、やるなぁwwwwww

ではいきます
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 14:51:06.88 ID:mSsJsvjDO
 彼女が逃げ去ったあと、俺たちはしばらくその場で固まっていた。
 沈黙が続いたあと、梓さんが口を開いた。

梓「今の人……私、知ってるかも……」

 梓さんは、彼女のことを知っている……
 俺には全然分からなかったが、彼女は梓さんが知っている人物で、かつ俺に恨みを持っている……一体何者なんだ。

聡美「とりあえずここは危ないですし、戻りましょうか」

梓「そうだね……」

 俺と梓さんは、その場を立ち去った――
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:01:01.52 ID:mSsJsvjDO
 翌朝。
 俺と梓さんは、起きるのが一番遅かったらしく、テントの中には俺たち以外誰もいなかった。
 テントの外に出ると、空一面に青空が広がっていた。昨日は雨が降っていたため、どこかすがすがしい気分になった。

律「おっ、やっと起きたか」

唯「二人ともぐっすり眠ってたよ〜、ほらっ」

 唯さんはそう言いながら、携帯の画面を見せる。
 そこには、俺と梓さんの寝顔が……

梓「うわあああ!? ///」

聡美「け、消してください唯さん! ///」

 必死に抗議をしたが、それもかなわず、写真は永久保存されることになってしまった……

唯「軽音部のアルバムにも貼ろうよ!」

律「そうだな……『夏フェス後の寝顔ドッキリ!』ってか?」

聡美「頼むからやめてくださあああい!」

 あとから見返したら絶対恥ずかしいだろ!



 でも……






 俺には、見返す日が来るのだろうか……?
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:09:48.36 ID:mSsJsvjDO
 しばらくすると、澪姉とムギさんが朝ごはんを持って来た。
 みんなで朝ごはんを食べたあと、テントを片付け、帰りの準備をする。
 帰りも当然バスだが、酔い止め薬を飲み忘れてしまったため、気持ち悪くなってしまった。

 気づけば、寝てしまっていた――






 おかしい。
 目を覚ますと、辺りは真っ暗になっていた。
 何も見えない、と言うより、地面以外何もない、の方が正しいのだろうか?
 いくら歩いても何にもぶつからないし、辺りは真っ暗なまま。
 俺は生ぬるい風が吹いていることに気づき、指を舐めて宙にかざす。この生ぬるい風は、右の方から吹いているようだった。
 俺は風に向かって歩いた。
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:15:38.17 ID:mSsJsvjDO
 風が少し強くなり、遠くに明かりが見えた。目をこらして見ると、扉が光っているようだった。扉に向かって歩き、扉の前に立つ。この生ぬるい風は、扉から吹き込んでいるようだった。
 扉の取っ手に手を掛ける。

聡美「……っ!?」

 その瞬間、とてつもない寒気がした。
 開けてはいけない。俺は本能で感じ取った。
 でも、ここ以外に行くところがないので……

 俺は扉を開けた――
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:26:35.70 ID:mSsJsvjDO
 扉の向こう側は、普通の街中の風景が広がっていた。
 空はオレンジ色に染まっていて、夕方のようだった。
 後ろを振り返ると、普通の一般住宅があった。
 さっきの扉は、この家の玄関扉だったようだ。
 もう一度開けてみる。

 すると、さっきまで何もなかった空間には、普通の家の玄関のそれに変わっていた。
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:33:27.82 ID:mSsJsvjDO
聡美「……は?」

 俺は思わず声を漏らしてしまった。
 そりゃそうである。さっきまで何もなかった空間に、突然家の中身が現れたのだから。
 ……これは夢か? 一瞬そう思ったが、頬をつねってみて痛みを感じたので、夢ではないようだ。
 じゃあこれはなんだ? 現実? いや、それはない。俺はバスに乗っていたのだから。
 記憶が飛んでる? いや、そんなことより。

聡美「……」

 俺は家を見る。
 突然現れた空間。消えた真っ暗な空間。ならば、何かあるはずだ。
 俺は、家の中に入った――
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:39:32.24 ID:mSsJsvjDO
 家の中は、どこか見覚えがあった。この家がなんなのか分からないのに。
 そして俺は、とある部屋の前に立つ。

『―――のへや』

聡美「……っっっっっっ!?!?!?」

 部屋の前に立った瞬間、先ほどとは比べ物にならないほどの寒気がした。
 入ってはいけない。中を見てはいけない。知ってはいけない。
 足の震えが止まらなかったが、俺は扉を開けた。
 そこには、行きの時に見た部屋があった。
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:44:51.78 ID:mSsJsvjDO
 部屋の中は、前とあまり変わってなかった。
 ただ、気になることがあるとすれば、カレンダーの日付が変わっていること。
 4月7日……『いよいよ明日っ!!』と書いてあった。
 4月8日に何があるのだろうか。
 そして、何故俺の身体はこんなにも震えているのだろうか。






 ……トン……トン……
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:53:18.03 ID:mSsJsvjDO
聡美「っ!?」

 『何か』が、階段を上ってくる。



 ……トン……トン……トン……



 そしてその音は、確実に近づいてくる。



 ……トントントントントントン……



 『何か』が、近づいてくる。



 ……トン、トン。



 そして扉の前で、足音は止まった。
 俺はとっさに扉のそばに立つ。



 ガチャ



 扉が開かれ、『何か』はベッドに直行。扉は開けっ放しだ。
 そのスキに、俺は部屋から出る。
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 15:59:56.79 ID:mSsJsvjDO
 俺は逃げるように家から出て、とにかく走る。



 ……恐怖。



 人間が逆らえない感情の一つ。

 今まさに俺は、恐怖に支配されていた。






 疲れはてて止まった場所は、俺の家の近所だった。
 自宅というのは、人間が安心できる場所だ。

 家の前に立ち、扉を開ける。
 ガシッ

聡美「っ!?」

 その瞬間、『何か』に肩を掴まれたが、俺が振り向く前に辺りは真っ暗になり、俺の意識は遠のいていった――
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/05/29(日) 16:05:14.78 ID:mSsJsvjDO
 目を覚ますと、俺はバスの中にいた。
 サービスエリアに止まっていたようで、人は少なかった。
 窓の外で姉ちゃんが俺を呼んでいたので、俺は席を立ち、バスを降りて、姉ちゃんたちと合流した。

 その日から夏祭りまで、特に変わった出来事はなかった。









 そう、怖いくらいに何も――
539 : ◆ZS2S2s/sS22011/05/29(日) 16:08:54.42 ID:mSsJsvjDO
 とりあえずここまで。即興って難しいですね。
 もはや何がなんなのか分からないくらいややこしくなってる……
 多分、いろいろ矛盾とかもありそう……
 そして下手くそな上につまらない……

 何かあれば次回作に生かしたいのでよろしくお願いします。

 では
540 :sage[saga]:2011/06/05(日) 20:19:15.44 ID:vznIMsMy0
死ね
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/07(火) 12:58:14.69 ID:zIo5lrLF0
始めから読んだから3時間かかった‥

めっさ続き期待してます!
542 : ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/06/12(日) 01:21:26.56 ID:pv6o+7wDO
遅くてスミマセン。

テスト期間なので、あと一、二週間ほど更新できません。
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/06/13(月) 16:11:12.87 ID:5oju8ztIO
ゆっくりでいいから待ってるよ
544 :syuri502011/07/04(月) 19:45:18.26 ID:nX/TdizAO
早く見たいよ

頑張って書いてね!
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/06(水) 22:48:34.91 ID:rmEjarPDO
おせーよゴミクズ

これ以上遅れるなら最初からやるなカス
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)2011/07/08(金) 20:45:59.75 ID:X2WsyiYAO
>>542

早くしろよな

赤点

取っても良いから

書けよな
547 :SIRA ◆ZS2S2s/sS22011/07/10(日) 06:42:51.53 ID:DeeS/iJDO
いやいや遅すぎて本当に申し訳ない(´・ω・`)

テストやら部活やら体育祭やらインデックスやらレールガンやらで無茶苦茶忙しかった……OTL

いくら勉強してないからといって、さすがに平均点約77はまずいだろ……
赤点? なにそれおいしいの?

本当にごめんなさい更新します
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 06:50:05.64 ID:DeeS/iJDO
 今日は近くの川原で夏祭りがある。花火や屋台など、俺的にかなり懐かしいものもある。
 そういえば、昔はよく姉ちゃん達に連れていってもらったなぁ……



 ちなみに俺は今、夏期講習に参加している。まぁ……参加しなくても多分大丈夫だろうけど。
 でも、姉ちゃんや唯さんが心配だからなぁ……特に。






 数時間にも及ぶ夏期講習の後、俺達は梓さん達と合流して、夏祭りに向かった。
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 07:01:32.69 ID:DeeS/iJDO
 夏祭りの会場である川原に着くと、既に人がたくさんいた。これははぐれやすいな……

唯「りっちゃん、クレープ食べようよ!」

律「何を言っておる唯隊員、夏といえばかき氷だろう?」

唯「はっ! りっちゃん隊員のおっしゃる通りです!」

 本当に楽しそうだな姉ちゃん……これが幸せ。自分はどうなってもいいから、姉ちゃんは……



澪「聡美? ……どうかしたのか? これ、お前の分だぞ?」

 俺の目の前には、ブルーハワイのかき氷が差し出されていた。

聡美「あぁ、ありがとうございます澪さん」

 かき氷を一気に口のなかに入れる。頭がキーンとなる。この感覚がたまらない。
 ふと周りを見ると、俺と姉ちゃんと澪姉と唯さんと憂さんはかき氷を、ムギさんは焼きそばを、梓さんは……たい焼き?
 みんなそれぞれ夏祭りを堪能しているようだった。
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 07:05:42.25 ID:DeeS/iJDO
 それからしばらくすると、花火があがった。
 みんな走り出したので、俺も走り出そうとする……が、既に人ごみにまぎれてしまい、はぐれてしまったようだ。
 仕方がないので、川原の近くの、花火がよく見えそうな丘に向かった。






 ――自分を尾行している影がいるのにも気づかずに――
551 :一人称とかバラバラすぐるwww[sage]:2011/07/10(日) 07:24:00.89 ID:DeeS/iJDO
 丘に立つと、思った通り、花火がよく見えた。

聡美「きれいだな……」

 花火なんて何年ぶりだろう。ほとんどタイムマシンの開発に時間を費やしたからなぁ……

?「聡く〜ん!」

 名前を呼ばれたので振り向くと、そこには……

純「こんなところで何してるの? みんな待ってるよ?」

 憂さんと梓さんの友達である鈴木純さんが立っていた。

聡美「あ、純さん……実はさっき、みんなとちょっとはぐれて……」

純「そうなんだ、相変わらずだね聡くん」

聡美「あはは………………ん?」

 ちょっと待て。今純さんはなんて言った? 聡くん? なんで純さんはそのことを知っている?
 それどころか、なんでここまで仲良く話せる? まるで、前もどこかで何回も会い、話したことがあるみたいに……

純「それじゃあ、早く行こうよ! 『みんな』待ってるよ?」

 純さんが、妙に『みんな』を強調した。
 嫌な予感がしたが、その瞬間、俺の体に電流が走った。

聡美「スタン、ガン……」

 意識が遠のいていく中、聞こえたのは……

純「みんなで元に戻って、それからまた二人でやり直そうよ、聡くん」

 やり、直す……?



 そこで、俺の意識は途絶えた。
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 07:33:03.84 ID:DeeS/iJDO
 目を覚ますと、そこは見知らぬ場所。
 とはいえ、かなり近代的な場所だということは分かる。
 ちょうどいいことに窓があったので、そこから外の風景を見る。
 大抵の場合、窓から見える風景だけで自分がどの辺にいるのか分かる。
 しかし、自分の目にうつった光景は……



聡美「う、嘘だろ……? なんで、俺は……ここにいる?」



 俺は、未来……2032年のホテル・コトブキ桜ヶ丘第23区店の一室にいた。
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 07:37:01.37 ID:DeeS/iJDO
 は……?
 なんで俺は今、瞬時に理解できた?
 大体の場所は分かっても、店の名前までは普通分からないのに……
 まさか……



 ここに、来たことがある?



 何かがおかしい。
 まるで、誰かと記憶を共有しているみたいだ。
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 07:46:03.32 ID:DeeS/iJDO
 いや、そもそも何故、俺はここにいる?

 体の調子からするに、あまり長い時間はたってないはず。
 ならば……その答えは――






 ガチャ






純「あ、起きたんだね。聡くん」



 ――純さんだ。



聡美「純さん……何のつもりですか?」

純「やだなぁ聡くん、私が聡くんに変なことするわけないじゃん」

聡美「……じゃあなんで、俺はここにいるんですか?」

純「決まってるじゃん。私が連れてきたんだよ……二人でやり直すために」

 やり直す……どういう意味だ?

聡美「どういう、意味なんですか……?」

純「あっ、そっか。聡くんは知らないんだっけ? じゃあ、一から説明するよ」
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 07:53:26.36 ID:DeeS/iJDO
純「まず、同じ世界に同じ人間は3人以上は存在できないってことは知ってる?」

聡美「えっ……」

 あれ? 確か、同じ世界には1人だけのはず。だから、体の時間軸をわずかにずらして、性別も変えたのだが……

純「どうしてかは知らないけど、2人までなら大丈夫なんだよ。でもね……聡くんは3人目になっちゃったの。3人目はどうなるか知ってる?












 消えるんだよ、存在が」
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 07:58:51.66 ID:DeeS/iJDO
 そうか……

 そういうこと、だったのか……

 だからこの純さんは……この俺は……



 3人目の『俺』が消えたとき、記憶を共有したのか……わずかながら。



純「もう分かってると思うけど……私が愛した聡くんは消えた。けど……あなたの頭の中にはまだ聡くんが生きてる。だから……












 やり直そう? 二人で












 ね? 聡くん」
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 08:08:57.30 ID:DeeS/iJDO
 怖い。

 これが、純さん?

 怖すぎる。

 でも……分からないことがまだ残っている。

 聞かなければ。

聡美「じゃあ……あの時、俺を殺そうとしたのは?」

 俺は確信している。あれは、純さんだということを。

純「あれは……タイムマシンのせいで、いろんなものが歪んで、聡くんが消えた。だから……憎かったの。タイムマシンを作った……あなたが」

 なるほど……だけど、まだ分からないことがある。

聡美「なんで急に……こんなことを?」

純「それは……あなたの中に、聡くんが生きてるって分かったからだよ。だって……
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 08:12:01.94 ID:DeeS/iJDO












 私と同じ夢を見ててくれたもん












 ……覚えてない? ほら、私が聡くんの肩を叩いたじゃない












 あの時だよ」
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 08:26:31.29 ID:DeeS/iJDO
 そうか……あれは、そういうこと、だったのか……

聡美「分かった。でも……純さんごめん。俺には、他にやるべきことがあるから……だから、純さんとは一緒には居れない」

純「……どうして?」

聡美「……ごめん」

純「私はこんなに聡くんを愛してるのに……ねぇ、どうして? どうしてなの?」

聡美「俺はもう行くよ。さよなら、純さん」

純「っ! ま、待って!」

 ギュ



 後ろから純さんが抱きついてくる。



純「聡くん……行かないで……私を一人にしないで……」

聡美「純さん……純さんが愛した『俺』はもういない。たとえ俺の中で生きていても……同じ俺でも……それは、他人なんだよ……」

純「……」

聡美「じゃあね、純さん」

 俺は純さんを振り払い、部屋を出ようとする。

純「……フ、フフ」

聡美「……?」

純「そう、だよね……聡くんはもう……いなくて……私を愛してくれないんだよね……それじゃあ……












 あなたを殺しても、問題ないよね?」
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 08:37:06.13 ID:DeeS/iJDO
聡美「っ!?」

 その言葉を聞いた瞬間、俺はとっさに部屋を出て、走り出す。
 背後でも、純さんが走り出すのが分かった。

 ホテルを出て、必死に逃げる。でも、どこへ?

 この純さんは、間違いなく刻を越えてでも追いかけてくる。

 ……どうする? 考えろ。純さんを動けなくする、方法を。






 あっ……あった。

 桜ヶ丘第7区の、琴吹グループ本社に駆け込んで、ムギさんに助けを求めよう。

 さすがの純さんでも、あそこなら……

 でも、ここから第7区までは、約10kmくらいある。

 体力、持つか……?
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 08:47:10.94 ID:DeeS/iJDO
 俺は走る。

 絶対に振り向いてはいけない。

 とにかく走る。

 第7区に向かって、まっすぐ。






 2kmほどダッシュして、もう足が震えてきた。
 おいおい、はやすぎるだろ……ちくしょう……



 俺はその場に崩れる。

 その時――












 キキイイイイイイィィィィィィ












 ブレーキ音。

 あぁ……終わったな……俺の人生……

 姉ちゃん……ごめん……

 守れなかった……






 ドンッ






 誰かに、背中を押された。
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 08:54:18.96 ID:DeeS/iJDO
聡美「!?」

 道路に転がる。後ろを振り向くと……






純「あれ……? おかしいなぁ……体が勝tt」






 その瞬間、純さんは俺の目の前から消えた。



 ヤ、ヤダ……
 オンナノコガクルマニフキトバサレタ……
 アァ……アンナニチガ……

聡美「純、さん……?」
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 09:10:18.97 ID:DeeS/iJDO
聡美「純さんっ!」

 俺は純さんに駆け寄る。

純「あ、はは……ざまあ……ない、よね……私はあなたを……殺そうと……したの、に……体が勝手に、あなたを……守ろ、うとして……こうなるなんて……」

聡美「もう喋らないでください……! すぐに救急車を……」

 俺は電話を取り出す……が、純さんに止められた。

純「ううん……いいよ……今、思えば……最初から……こうしと、けば……聡、くんのところに……行けたんだね……」

聡美「バカなこと言わないでください!」

純「あり、がと……これで……私も……聡くんのところに………………」

 ガクッ

聡美「純、さん……?」

純「……」

聡美「嘘、だろ……?」

純「……」

 純さんは、とても嬉しそうな顔で、冷たくなっていった。

聡美「なんでそんな顔できるんだよ……純……」






聡美「うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 09:27:57.69 ID:DeeS/iJDO
 救急隊の人達が、純さんを救急車の中へと運んでいく。

 救急車が走り出し、サイレンが遠のいていく。

 俺はその場で、ただただ泣いていた。

聡美「純……俺のせいで……純は……」

 あの『俺』の記憶を持つからか、涙は止まりそうになかった。

 しばらくすると、ムギさんがやって来た。

紬「聡くん!? 純ちゃんが事故にあったって聞いたけど……」

聡美「ムギさん……俺のせいで……純は……」

紬「……そう……今、琴吹グループの技術を最大限に使って手術してるわ。もしかしたら助かるかもしれないわ……」

聡美「っ! どこ、ですか……?」

紬「これを使って。場所は……琴吹病院桜ヶ丘第14区支部よ」

聡美「となると……あそこか!」

 俺は病院に向かって走り出す。
 病院までの距離は500mも無い。
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 09:46:35.25 ID:DeeS/iJDO
 病院に入る。

 ムギさんに手渡されたパスを使って、手術室の前へと向かう。そして、ソファーに座る。

聡美「純……」

 俺はただ、願い続ける。



 神様……もしいるのなら……たった一人の女の子を……助けてくれ……!



 しばらくすると、手術中のランプが消え、医者が出てきた。

医者「君は……田井中聡美……いや、聡くんかね?」

聡美「は、はい! あの……純は……?」

 医者は、首を横に振る。

聡美「そ、んな……」

 俺はその場で崩れ落ちる。

医者「見るかい?」

聡美「……はい……」

 手術室に入る。純さんは、ベッドの上で寝ていた。

聡美「純………………ん?」

 その横に、見慣れない、小さな物体がある。

聡美「あの、これは……?」

 それを指差しながら、医者に問う。

医者「彼女……妊娠していたんだ……君の子だよ、これは」

聡美「妊、娠……」

 それは、今の俺にとって、死刑宣告だった。

 人を、二人も、殺してしまった。

 純と……赤ちゃんを。

聡美「純……純……!」

 その場に泣き崩れる。

聡美「ごめん……ごめん……ごめん……!」



聡美「うっ……」

医者「……っ!」

 俺の意識は、そこで飛んだ。
566 :なんかミスった気がするOTL[sage]:2011/07/10(日) 10:01:25.79 ID:DeeS/iJDO
 目を覚ますと、そこはベッドの上。

 横を見ると、ムギさんがいた。

聡美「ムギ、さん……」

紬「聡くん……」

 それから、ムギさんは話してくれた。

 純さんは、内臓も滅茶苦茶で、もう取り返しがつかなかったこと。
 あの赤ちゃんが、俺の子であるのは、間違いないこと。

 すべて、思い出した。
 『俺』の、記憶を……

紬「どうするの? また、あの時間に行くの?」

聡美「……」

 あの時間へ戻れば、おそらく純さんがいる。
 でも……出会った瞬間、禁断症状が発症する可能性がある。

聡美「考えて、おきます」

紬「そう……今は、一旦休みなさい。そうしてから、考えて」

聡美「はい……ありがとうございますムギさん……忙しいのに」

紬「いいのよ。少しくらい。」

 少しくらいって……。なんだろう、大物は違うなぁ……

紬「それじゃあね、聡くん」

 ムギさんは病室を出ていく。
 一人になったので、考える。






聡美「俺は……」
567 :SIRA ◆ZS2S2s/sS22011/07/10(日) 10:04:51.45 ID:DeeS/iJDO
 とりあえずここまで。

 久々だから色々とヤバイかも(´・д・`)

 何かあったら宜しくお願いします。



 では。
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/07/12(火) 14:04:17.30 ID:lDIf1mAI0
乙!

引き続き楽しみにしてる
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]:2011/07/12(火) 20:48:14.52 ID:lbEPq2oao

  ヽ/⌒ヘ~
  ., 't,_,ノ丶   ,  - ─-  △  、
 /  !   '` 巛(リノ))ヽ\ヽ▽ ヽ    気持ちいい!!
        ,/ ● L_/    'i, i    ちょ〜〜〜きもちいい〜〜〜
       / ″  l ,/  ●   i川
      ノ从     し ii  ″ 丿从   〜 △v�
      |`:、\      ii  __,/__ノi       �ヘ
      'i、 ̄~))    ij((____,ノ
        ^- i' '      ヽ| `i      ∧∧∧
         i_____ 'l_|、    (    )
        ノ          ,ゝ       ~ T ~
       ~^''!, ̄ T T ̄ ,!_       <ヽ | //
          \ l, ~''‐--::,,⊃ ) )   \| ノ
570 : ◆Ui5PtVGRQg2011/07/12(火) 20:53:28.42 ID:lbEPq2oao
ほう…
571 :syuri502011/07/14(木) 20:39:23.11 ID:n5PH13QAO
早よ書いて〜
572 :いつも心は短気マン2011/07/26(火) 09:01:20.29 ID:RF65d3fAO
書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ
573 :いつも心は短気マン2011/07/26(火) 09:02:26.90 ID:RF65d3fAO
書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ書けよ
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県)[saga]:2011/08/03(水) 19:13:36.22 ID:on4h68Vm0
おいおいそんなに焦らすなよ
作者は学生みたいだし、この時期は夏休みだから色々と忙しいんだろ


作者よ、できるだけ早く戻ってきてくれ


じゃなきゃさっさと死ねやクソ野郎
575 :SIRA ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/06(火) 23:38:18.35 ID:hJ7oE2MDO
生存報告

学校で携帯を没収され、今日まで何もできない状況でした

反省文があるのですが、おそらく今週中には再開できると思います

終わらせたい気持ちはあるので、よろしくお願いします
576 :SIRA ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 10:00:38.83 ID:mmEAEuiDO
お待たせしてスミマセン。

昨日新人戦でした。初戦敗退ですけど。

久々なので、変な所があるかもしれませんが、宜しくお願いします。

ではいきます
577 :SIRA ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 10:24:10.58 ID:mmEAEuiDO
それから数時間、ついさっきムギさんに言われた事について考えていた。
過去の記憶の中にその答えがあるのではないかと考えた俺は、これまでの人生を思い出す。

姉ちゃんに想いを告げられないまま、先に旅立たれてしまったこと、それから数年、心を閉ざし、そしてタイムマシンを造ることを決意し、必死に猛勉強したこと。

それは、今でも非常に役に立っている。

なんとか東大に合格し、物理学などを中心に学び、さらには時間の研究もした。
その時も唯さんや憂さん、梓さんが支えてくれたこと、そしてやっと、タイムマシンを完成させたこと。

その時、俺は誓ったはずだ。

姉ちゃんを必ず助け出してみせると。

刻を越えて、過去に戻り、それから姉ちゃん達と共に歩んだこと、唯さん達が未来からやってきて、協力してくれたこと。

そして時が過ぎ、いつの間にか三年生になっていたこと。

修学旅行の夜、和さんから新しく発見されたルールを告げられたこと、その後、俺は再び固く誓った。

たとえ俺がどうなっても、姉ちゃんを助けると。

そして、純さんからの妨害。

あの時は本当に驚いた。まさか、平行世界と繋がってしまうとは。

俺が造ったタイムマシンが不完全だったのか、それとも未知の機能があるのか、それは分からない。

もしかしたら、あちらの世界から干渉してきたのかもしれないからだ。

そして、今に至る。

このまま諦めていいのか。良いわけがない。
ならば、答えは一つだ。



……戻ろう、あの時間に。

578 :SIRA ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 10:30:30.86 ID:mmEAEuiDO
 決心がついた俺は、ムギさんに自分の答えを告げ、タイムマシンを使わせてもらった。
 言い忘れていたが、純さんの件もあり、タイムマシンは今、世界最高級のセキュリティーを誇る琴吹グループが保管・管理している。このことは、一部の人間しか知らない。

 そして俺は、あの夏祭りの日に還った――
579 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 10:37:54.67 ID:mmEAEuiDO
 目的の時間に着くと、花火の音が聞こえてきた。

 ……無事にあの日に戻ってこれたようだ。

 きっと今頃姉ちゃん達は、突然俺がいなくなったことで騒いでいるだろう。

 あまり公共の場で騒がれても困るので、俺は姉ちゃんと連絡をとろうと、携帯を取り出す。



 ……姉ちゃん達からは着信もメールも何も無い。
 とりあえず、私はこのあと用事があるから先に帰りますと、メールを打っておいた。

 姉ちゃんからの返信メールには、気をつけて帰れよ、とだけ書かれていた。
580 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 10:50:39.21 ID:mmEAEuiDO
 次に連絡をとるのは、憂さんだ。

 prrrrrrr……

憂『はい。どうしたんですか? 聡美さん』

聡美「憂さん、話したいことがあるので、ちょっと外に出てきてもらえませんか?」

憂『えっ……いいですけど、今の時間は、その……』

 警戒するのも無理はない。憂さんは、女の子なのだから。
 男はそういうのあまりないからなぁ……

聡美「大丈夫ですよ。今日は夏祭りですから、みんなあっちに行ってますよ」

 それに、今日のこの時間、あの場所には誰も来ないことを俺は知っている。

憂『分かりました。ところで……アクター、ですよね?』

 未来人の、合い言葉。

聡美「はい、その通りです。それでは、桜高で待ってます」

 電話を切る。そして、俺は桜高へと足を進めた。
581 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 11:03:56.93 ID:mmEAEuiDO
 桜高。

 いつもは夏休み中でも必ず誰かいるのだが、今日に限っては誰もいない。
 なぜならこの日、俺は鈴木達とここで肝試しをしたからだ。
 だが、今回はこの時代の俺達もここにはいない。
 あの冬の日のバイク事件の後、この時代の俺達はこういうことを避けるようになったからだ。

 校門前でしばらく待っていると、憂さんがやって来た。

憂「ごめんね、遅くなっちゃった」

 いや、俺が早すぎただけなんだけどな。

聡美「別にいいですよ。では、ちょっと移動しましょうか」

憂「そうだね。じゃあ、昇降口の前にでも座ろうよ」

聡美「そうですね。俺もそうしようと思ってましたから」

 昇降口の前には、センサー式の照明がある。
 今日に限っては、反応しても管理する人はいないので、別に問題は無いのだ。
 むしろ、明るくて話しやすい。

 俺と憂さんは、昇降口に向かった。
582 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 11:25:00.07 ID:mmEAEuiDO
 昇降口に近づくと、例の照明が点く。ここでいいだろう。
 俺が座るのに合わせて、憂さんも座った。

憂「顔が見えるっていいね。ちょっと眩しいけど」

聡美「そうですね。でも、真っ暗よりはマシですけど」

憂「それもそうだね……それで、話って?」

 話すことは一つしかない。純さんのことだ。
 俺は憂さんに、未来であったことを話し、純さんと俺が接触することをそちら側からも避けてほしいと頼んだ。

憂「えっと……うん、仕方ないよね……うん、分かった。これからお姉ちゃん達と私達が会う機会ってあまりなかったから、大丈夫だと思う」

 憂さんがこう言うのだからまず大丈夫だろう。

聡美「ありがとうございます、憂さん」

 これで、いざという時のための保険はOKだ。



 俺はふと、最近例の腕時計を見ていないことに気づき、腕時計を見た。すると……









 タイナカリツ 2010/11/03 15:07 D









 俺の中の時間が一瞬止まった。

583 :訂正 2010→2009 Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage saga]:2011/09/11(日) 11:54:23.25 ID:mmEAEuiDO
 腕時計に表示されているのは姉ちゃんの名前と、学園祭一日目の日付、そして俗に言うおやつの時間。

 ウソだろ……!? しかも、よりにもよって姉ちゃんだ。
 しかも、ライブの前日。このままでは、高校最後のライブもできなくなる。

 しかし……これは一体、どういうことだ?

 姉ちゃんはあの日、桜高の敷地からは出ていないはずだ。
 それに、表示されているのは昼間の時刻。

 ……有り得ない。不審者とかも、侵入しようがない。
 何故こんな時に、姉ちゃんが死ぬんだ?

 まさか……即死ではないのか?

 これは最悪のパターンだ。
 今まではほとんど即死のところをギリギリで助けたから、死因や死亡時刻を気にしないでよかった。

 だが、今回はどうだ?

 姉ちゃんが死亡する原因を取り除き、それから午後三時七分に代わりに何かを殺す……そのためには、まず原因を知っておかなければならない。

 病気? 無いな。そこまで歴史は狂ってないはずだ。

 そもそも、この時間、姉ちゃんは何をしていた? 俺は学園祭を二日とも見に行った。

 姉ちゃんは、今年の学園祭で、ライブ以外に何をした?

 思い出せ、あの日のことを。












 ……?












 ……おいおい……まさか……そりゃないだろう……?












 ……思い、出せなかった。

584 :訂正 一回目のしかも→そして Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 12:17:19.24 ID:mmEAEuiDO
 意味が分からない。
 あの日の記憶だけが抜け落ちている。



憂「聡くん、大丈夫? 顔色悪いよ?」

 憂さん……

 そうだ、憂さんに聞けばいいじゃないか。

聡美「憂さん……今年の学園祭で、姉ちゃんはライブの他に、何をしましたか?」

憂「律さんがしたこと? う〜ん…………あれ?」

 まさか……












憂「思い出せない……どうして?」












 二人とも、あの日のことが思い出せない。

 ……どういうことだ?

憂「どうして? 次の日のライブのことは思い出せるのに……その前日の記憶だけが無い……」

 記憶……歴史……もしかするとこれは……



 歴史の改変に伴う、未来人の記憶の書き換え。

 つまり、歴史が狂いに狂い、これまでにない大改変が起こる。

 姉ちゃんが学園祭一日目に死ぬことが、正史になりつつある。

 こういうのは、第三者による妨害行為でしか普通はならない。

 また純さんが?
 いや、あの人には、こんな大掛かりなことは出来ない。

 それなら……一体、誰が?

585 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/09/11(日) 12:48:01.00 ID:mmEAEuiDO
 記憶が無い以上、今は何をすればいいのか分からない。
 だが、学園祭の予定を知り、そこから整理して、死の可能性を全てあぶり出し、それを一つずつ処理していくことで、何とかすることはできる。
 というか、それしかない。
 憂さんに早速話そうとしたところ……

 prrrrrrr……

 俺の携帯ではない。憂さんのだ。

憂「あ、ごめんね。えっと……お姉ちゃん!?」

 憂さんはすぐさま通話ボタンを押す。

憂「お姉ちゃん?」

唯『う〜い〜……どうしよう……お腹痛い……』

憂「一体どうしたの!?」

唯『夏祭りでかき氷食べて……そのあとお昼の残り食べたからぁ……』

 ……食べ合わせですか……やれやれ。

 それから憂さんは家に戻り、俺も家に帰った。
 しかし、この時の俺はまだ気がついてなかった。

 あの時した約束を破り、とある人物からマークされていたことを、そして、改変の原因である第三者も、同一人物であることを――――
586 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/11(日) 12:50:20.94 ID:mmEAEuiDO
やはり久々はキツい……

昼飯食ってきます。

何かあれば、どうぞ。できる限り返したいと思います。

ではまた
587 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/20(火) 19:07:03.46 ID:/v2qg5bDO
前回は急な用事が入ってしまい、何も言わずに投下を中止してしまいました。

今はテスト期間ですが、部活が無いということで、再開します。

相変わらずの携帯即興遅筆ですが、宜しくお願いします。

ではいきます
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 19:20:00.59 ID:/v2qg5bDO
 夏休みもあとわずかというこの時期に、誰もが苦しんだであろうあの地獄は、受験生ならばとっくに乗り越えてなければいけないのに、どうも未だに受験生であるということを自覚していない人がいるようで……



 何が言いたいのかというと、なんと姉ちゃんと唯さんは、まだ夏休みの課題が終わっていないのだ。


澪「ほら、夏休みはあと三日しかないんだぞ!」

律「わかってるよ……わかってるんだけど、さすがにこれは無理だろ!?」

唯「あと三日で終わる気がしないよ〜……」

梓「こんな時期までため込むのが悪いんですよ」


 その通りだ。要するに自業自得だ。
 でも、この人たちは集中力がなかなか凄いから、三日もあれば普通に間に合いそうなんだが。


紬「ちゃんと始業式まで終わらせてきたら、とっても美味しいもの持ってきてあげるから、頑張って!」


 とっても美味しいもの、というキーワードに、姉ちゃんたちは反応した。


唯・律「いえっさー!」


 さすがムギさん。






 まぁそんな感じで、残りわずかな夏休みは過ぎていった。

589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 19:40:01.01 ID:/v2qg5bDO
 9月1日。
 今日から新学期である。
 某小説みたいに、夏休みを繰り返す、なんてことは当然なかった。

 いつもの交差点で合流し、しばらくして学校に到着すると、ツインテールの女の子が笑顔で俺たちに近づいてきた。


梓「こんにちは先輩方! 二学期始まりましたね! 二学期!」


 ま、まぶしい……!
 なんなんだこの梓さんのテンションの高さは。
 ふと横を見ると、姉ちゃんたちも梓さんの笑顔がまぶしすぎて直視できないみたいだ。






 さて、皆さんおなじみの軽音楽部の部室である。


梓「二学期と言えば学祭ですね! ライブですね!」

律「あぁ……だからテンション高かったのね……」


 なるほど、そういうことか。
 俺たち三年生にとっての最後の学園祭ライブ。

 でも……梓さんからしてみれば、今回のライブは三年生と一緒にやる最後のライブ。
 最後だからこそ、大成功させて終わりたい、という気持ちがあるのだろうか。

 別に大学でも一緒にできるのだが、最後のライブというのは一度現実になってしまった。
 しかも今回は、姉ちゃんの危機もある。

 このままでは、今年の学園祭は桜校史上最悪の学園祭になってしまう。

 絶対に、そんなことはさせない。
 俺がここにいる理由は、姉ちゃんを救うことと、歴史をあるべき姿にするためなのだから。



 俺がそんなことを考えているうちに、いつのまにか今回のライブで演奏する曲の歌詞は、各自で考えてくることになった。



 歌詞、ねぇ……


590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 19:58:59.14 ID:/v2qg5bDO
 よく考えてみると、俺の考えた歌詞が採用されたら、歴史が大きく変わってしまうのではないか?
 ならば、歌詞は考えないことにする。これが最善の選択だろう。



 適当にそれっぽい理由をつけて。



 その日の夜、姉ちゃんが歌詞考えるの手伝ってくれとか言ってきたが、これまた適当に追っ払っておいた。






 翌日、姉ちゃんがいつまでたっても起きてこないので起こしにいったら、姉ちゃんはテーブルに突っ伏して寝ていた。
 どうやら一晩中考えていたようだ。



 白紙のままなのは少々いただけないが。



 部室に集まり、みんなで歌詞制作の進行状況を確認する。
 俺と姉ちゃんはご存知の通り、全く進んでなかった。
 さすがの梓さんも、この時はまだ歌詞制作は苦手なようで、まだ出来ていないようだった。
 澪姉とムギさんは、内容はともかく、とりあえず一つは出来ていた。
 そして唯さんは……



唯「もちのろん! もう三つも作ったよ!」


 なんだって? あの唯さんが?
 てかもちのろんって、どこのボーイですかあなたは。



 唯さんが作った歌詞だが、なかなか素晴らしい出来だった。
 でも……


律「これ、本当に唯が書いたのか!?」


 そう、それが問題である。
 なぜなら平沢家には、あの人がいるのだから。


 唯「ちょこーっとだけ憂に手伝ってもらった!」


 この言葉を聞いた時、今現在ここにいる誰もが思っただろう。



 絶対ちょこーっとじゃないな……と。


591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 20:14:43.00 ID:/v2qg5bDO
 さて、軽音部では恒例のティータイムである。

 昔、姉ちゃんがよく軽音部の話をしてくれたのだが、ほぼ毎日出てくるティータイムの話に、俺は一つの疑問を抱いていた。



 ほぼ毎日お菓子やお茶を食べたり飲んだりしているのにもかかわらず、何故誰も体調を崩さないのだろうか。

 その答えは、数年後に明らかになった。



 姉ちゃんたちが食べたり飲んだりしていたお菓子やお茶は、いくら摂取しても体には何の影響も出ないというのがウリの開発中の商品だったらしい。

 約三年間の実験と、数年間の琴吹グループ繁栄期間。

 しかし……実の娘とその友人を実験台にするというのは、なんという腐った考えなのだろうか。






唯「ふわぁ〜……」






 はぁ……今ので全部吹っ飛んでいったよ。
 この人には、生まれつき精神安定系の能力があるのか? と思うくらい、気持ちが落ち着いた。


592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 20:24:16.67 ID:/v2qg5bDO

唯「えへへ……昨日詞を書くのに夢中であんまり寝てないんだ」

澪「……去年の二の舞だけは勘弁してくれよ?」


 まったくだ。でも、風邪をひくのは憂さんだけだと分かっていたからか、あまりあせらなかった。


唯「大丈夫だよ! おみかん様がついてるし!」


 唯さんはそう言って、自分の手を見せる。見事に指先が真っ黄色だ。






 しかしその夜。

 澪さんから、唯さんが風邪をひいたという知らせを受け、姉ちゃんと共に平沢家へと直行する。
 玄関先でムギさんたちと合流し、インターホンを鳴らす。

 しばらくすると、唯さんではなく、憂さんが出てきた。









 フラフラの状態で。


593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 20:38:52.63 ID:/v2qg5bDO
 なんと、平沢姉妹の両方とも風邪をひいてしまったらしい。
 姉ちゃんから聞いた話と違う。

 やはり少しずつ歴史がくるっていってる。
 だが、今の時点ではさほど気にすることではないだろう。
 そんなこと、百も承知だ。



 学園祭を、無事成功させる。
 今はそれが、最優先事項だ。



 平沢姉妹の看病は、交代交代ですることになった。
 俺と姉ちゃんが担当する日が多いのは、気のせいだろうか?






唯「ごめんね聡美ちゃん……」

聡美「いえいえ。今はゆっくり休んで、早く風邪を治すことが最優先ですよ」


594 :はたして誰か見ているのだろうか……[sage]:2011/09/20(火) 21:00:00.13 ID:/v2qg5bDO

唯「そう、だね……」


 唯さんが申し訳なさそうに、そして切なそうに笑う。
 その笑顔は、とても弱々しいものだった。



 初日……つまり今日は、憂さんの看病を姉ちゃんが、唯さんの看病を俺がすることになった。
 なんでも、軽音部の中で一番面倒見が良さそうだからだと。
 当然、泊まり込みである。


唯「えへへ……だめだね私……またみんなに迷惑かけて……」

聡美「……」


 こういう時は、気が済むまで話させ、それからゆっくりと寝かせるのがいいとどこかで聞いた覚えがある。


唯「私……みんなの邪魔とかになってないよね……?」

唯「いつもいつも私が迷惑かけて……一年生の時の追試もそうだし……集合にいつも遅れるし……私だけ初心者で、本当は早くみんなに追いつくために一番練習しなきゃいけないのに……いつもお茶食べてばっかりだし……」


 唯さん……お茶は食べれませんよ……


唯「それに去年だって……風邪ひいて、治ったと思ったら家にギター忘れて……みんなにも、さわちゃんにも迷惑かけて……考えてみれば、私邪魔なだけみたいだし……」


 風邪ひいててまともな思考なんて出来るわけないでしょう……


唯「私って、みんなに必要とされてるのかな……?」

唯「あ、ごめんね聡美ちゃん……私だけ話しちゃって……」

唯「これくらいの気配りも出来ないんだね私は……やっぱりだめだね……」


595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 21:19:00.84 ID:/v2qg5bDO

聡美「駄目なんかじゃありませんよ」

唯「え……?」

聡美「唯さんは、駄目なんかじゃありません」


 これだけは、俺は自信を持って言える。
 唯さんは駄目なんかじゃない。
 とても素晴らしい人だ。


唯「でもでも……」

聡美「確かに、いつもお茶してばっかりで、部活ではあまり練習してませんが……でも、私は知ってるんですよ?」



聡美「唯さんが、家では毎日一生懸命練習してるってことを」

 その言葉を聞いた唯さんは、一度きょとんとした表情を見せ、少し経ってから再び口を開いた。


唯「誰から聞いたの……?」

聡美「憂さんからです。憂さん、それを嬉しそうに話すんです。あんなに愛されて、正直うらやましいですよ」

唯「憂……ギー太の音、うるさくないのかな……」

聡美「嬉しそうに話す人が、うるさいなんて思ってるはずがないでしょう。だから、これからもじゃんじゃん練習してくださいね」

唯「うん…………ありがとね、聡美ちゃん」

聡美「どういたしまして」


 そう言うと唯さんは、ゆっくりと目を閉じた。
 しばらくすると、唯さんは寝息を出し始めた。

 顔を見ると、まだ少し赤いが、心地良そうな寝顔をしていた。



 相変わらず寝つきのいい人だ……


596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 21:34:05.13 ID:/v2qg5bDO

 ……ん……?

 周りが明るい。
 朝か……いつのまにか寝てしまっていたようだ。


唯「……zzz……」


 隣を見ると、唯さんが心地良そうに眠っていた。
 赤かった顔からは、少し赤みが引いていた。

 熱は……結構下がっているな。



 ガチャ。



律「聡美、唯はどうだ?」

聡美「見ての通り、だいぶマシになったよ」

律「どれどれ……」


 姉ちゃんが自分のおでこを唯さんのおでこにくっつける。


律「そうみたいだな」


 姉ちゃんが満足そうに言う。


聡美「憂さんはどうなの?」


 俺がそう言うと、隣の部屋に連れて行かれた。
 そこには……



憂「……zzz……」


 唯さんと同様に、心地良そうな顔をして眠っている憂さんがいた。


597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 21:40:25.87 ID:/v2qg5bDO
 それから数日後、唯さんと憂さんは学校に来た。
 よかった……山場は越えたみたいだ。



 あとは……学園祭だ。



 姉ちゃんの死の原因を探り当て、阻止する。
 失敗は許されない。
 最後の学園祭、必ず成功させてやる。



 この時、既に気付いていればよかったのかもしれない。












 どんな小さなズレでも、後々大きなズレに発展していくことを――
598 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/20(火) 21:44:42.37 ID:/v2qg5bDO
とりあえずここで一旦区切ります。
というか、誰か見てくれてるのかな……


今から風呂入ってきます。


こう言うのも何ですが、つまらないと思ったらそれだけでもいいので書き込んでください。

特に意味の無い書き込みでも良いです。

つまらないまま自分だけが書き続けるよりは全然良いので、もしも何かアドバイスとか質問とかがあれば宜しくお願いします。


ではまた
599 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/21(水) 00:42:02.86 ID:458LHdtDO
予想以上に長引いちまったOTL
そして、マジで誰もいない……だと……

とりあえず再開します

ではいきます
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/21(水) 00:56:35.87 ID:458LHdtDO
 もうすぐ学園祭というこの時期、普通ならば心身共に出し物や文化部の発表の準備に集中するのだが、俺は普通ではなかった。

 なぜなら、今年の学園祭では、人が死ぬ可能性があるからである。それも、自分の大好きな人が。
 だが、現時点では回避の方法が見つからないので、こうして表面上は普通に出し物の準備をしているのだが……


和「……ということで、三年二組の学園祭の出し物『ロミオとジュリエット』のロミオ役は、秋山澪さんに決定しました!」


 俺たち三年二組は、学園祭で『ロミオとジュリエット』をすることになった。

 さすがに『ロミオとジュリエット』というタイトルは知ってるが、実を言うと読んだことはない。
 この機会に読んでみようかな……童話って元の話は結構ヤバいらしいし。

 とりあえずクラス投票で、ロミオ役は澪姉に決定した。



 ……?



 澪姉が無反応。これはつまり……


律「気絶してるな」


 やっぱり……そうか、この時はまだ治ってなかったのか。


601 :寝ます。何かあれば書き込んでください。ではノシ2011/09/21(水) 01:06:16.63 ID:458LHdtDO

澪「な、何で私が主役なんだよ!」


 お、立ち直り早いな。


和「い、一応投票の結果だし……」


 投票、ねぇ……こういう時、必ずいる人種がいる。

 適任だからではなく、面白そうだから票を入れる奴とかな。


律「いいじゃんか澪! 面白そうじゃん!」


 そう……こういう人が、


和「ジュリエット役は田井中さんね」

律「……へ?」


 大抵の場合、後々痛い目にあうのだ。


602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 01:23:42.36 ID:4bmtJ1J40
じゃあ箇条書きで

期間空け過ぎ
本編まんまなぞらんでもどうでもいい回は適当に端折れ
つーかパソコン買え
603 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/24(土) 02:00:23.68 ID:CWTIZSVDO
レスがついた……だと……ありがとうございます。

空き期間については、非常に申し訳ない。
あと、自分でこれ必要ないかな、と思った場面はすっ飛ばしてるつもりですが……もっと削った方がいいのかな?
それとパソコンは、貧乏な高校生の僕には難しいですね。
一応視野に入れてるのはeMachinesのノートパソコン(四万円弱)ですが……バイトも検討してみようかな。

とりあえず、この前抜いた乳歯の跡が痛いけど、相変わらずの携帯即興駄文遅筆で行かせていただきます。

ではいきます
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 02:15:31.20 ID:CWTIZSVDO

律「い、意義ありーっ!」


 姉ちゃんは、某法廷バトルゲームのよいに、大きな声で意義を申し立てる。

 だけどね姉ちゃん、ここには何の矛盾もないんだ。


和「投票の結果なんだから仕方ないじゃない」

律「だってさ、私よりも適役がいるじゃん! 聡美とか!」


 お、俺!?
 確かに、俺と姉ちゃんは数票差しかないが……


モブ1「だめだよ! りっちゃんがやったほうがギャップあるじゃん!」

モブ2「わ、私は聡美さんに票を入れたけど……」

モブ3「こうなったらどっちもやっちゃえば?」


 どっちもやるって……どうするんだよ。
 途中で入れ替わるとか?


紬「そうねぇ……脚本は私だから、どっちも主役になるように書き換えればいいのかしら」


 どこをどう書き換えるつもりですかムギさん。
 ジュリエットは実は双子の姉で、妹は別にいましたとかするつもりですか?


紬「それは名案ね、聡美ちゃん」


 人の心の中を読まないでください!


605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 02:36:37.33 ID:CWTIZSVDO
 それから俺と姉ちゃんは猛抗議したが、俺たち以外のクラスメート全員の意見が見事に一致し、俺と姉ちゃんと澪姉が主役の『ロミオとキャピュレット姉妹』が確定してしまった。

 ムギさんがどのように脚本を書き直すのか不安だったが、出来上がったのはほんの少し違和感があるだけだった。

 ムギさんによると、俺はジュリエットの双子の妹、ジュリアの役がピッタリらしい。
 普段から控えめな性格なので、あまり練習しなくても支障は無いとのこと。台詞も少なめなようだし。



 これは後々聞いた話だが、姉ちゃんと澪姉は、普段とは全く逆なので、かなり苦戦したらしい。






 それから三日後の放課後、俺はあることに気づき、急いで部室に向かった。



 梓さんは今、一人きりになっているのではないか?



 一人ぼっちになっている後輩の気持ちというものは、一体どういうものなのだろうか。
 あのプライドの高い梓さんのことだ。誰もいないところでたった一人、ひっそりと泣いているなんてことも有り得なくはない。

 畜生……先輩として最低だ。後輩に寂しい思いをさせるなんて。

 部室の前に立ち、扉を開く。そこには――









 脇目も振らず、一心不乱に練習しているツインテールの少女がいた。


606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 02:46:05.89 ID:CWTIZSVDO
 ツインテールの少女……梓さんは、俺が来たことに気づいていない。
 周りの音が聞こえなくなるくらい集中しているということか。

 こんな時、どうすればいいのか。

 簡単なことだ。



 俺はギターケースからマイギターを取り出し、構えた。

 そして……サビの所から、梓さんとセッションし始めた。






 ごはんはおかず。
 唯さんが作詞した曲の一つで、俺たちが演奏してきた曲の中ではなかなかテンポが早く、ノリもいい曲だ。
 ちなみに唯さんが作詞した曲はもう一つある。

 さすがに梓さんもきづいたらしく、俺の方に向き直った。
 そして二人で、最後まで演奏した。


607 :誤字ぱねェ[sage]:2011/09/24(土) 03:01:40.66 ID:CWTIZSVDO
 演奏を終えると、梓さんはようやく口を開いた。


梓「まさか、来てくれるとは思いませんでした」


 そんなに信用されてないのか、俺は。


梓「あ、そういうわけじゃなくて……出し物の準備で忙しいのかと」


 そういうことね。…………ん?


梓「どうかしたの? 聡くん」


 あぁ、あっちの梓さんか。通りで勘が鋭いわけだ。
 それにしても……


聡美「梓さん、どうしてここに?」

梓「えっとね、久々にここでギター弾きたくなったの。それだけ」


 なるほど……枕が違うと眠れないみたいなものなのだろうか。


梓「ギター、上手いんだね」

聡美「えぇ。このために、必死に練習しましたから」

梓「そう……なんだ」


 人を一人助けるためにギターを練習するというのは、案外珍しいのかもしれない。
 おそらく、日本にも二桁いるかどうかってところだろう。


608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 03:09:46.80 ID:CWTIZSVDO

梓「あ……」

聡美「どうかしましたか? 梓さん」

梓「ごめんね、もう時間みたい」


 あ、そうか。
 向こうじゃ梓さんは……


梓「聡くん」

聡美「はい、なんですか?」

梓「こっちの私に、優しくしてあげてね? この時、ものすごく寂しかったんだから」


 やっぱり寂しかったんですね……
 そう言いかけたところで、梓さんの体が傾いた。

 俺は瞬時に反応して梓さんを抱きかかえる。
 というか、どうにかならんのかね、この倒れる仕様は。


609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 03:17:06.61 ID:CWTIZSVDO
 しばらくして、俺は起きた梓さんと一緒に練習した。
 梓さんは、俺たちの劇を楽しみにしてくれてる様子だった。

 実は梓さんが、軽音部の中で一番しっかりしてるんじゃないか、と思ってしまった。
 まぁ……まだまだ子供っぽさが抜けないのは仕方ないか。



 学園祭まで、あと少し。









 だが……俺たち三年二組の劇が、あんな形で終わることになるなんて、この時は予想もつかなかった。


610 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/24(土) 03:21:31.47 ID:CWTIZSVDO
短いですがここまで。

相変わらずの人のいなさ(笑)。

寝て起きたら多分また書きます。

何かあったらどうぞ。まぁ……これまでのパターンからすると、誰もいないだろうけどね。

ではノシ
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 10:30:35.74 ID:aNu9Mnm2o
追いついたー
考察物で、性転換タイムスリップ、リープ物とか俺得ですか
C
612 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/24(土) 12:47:47.11 ID:CWTIZSVDO
今起きました
昼飯食べるの面倒くさいし、今日は一日一食にしますか……


>>611
ありがとうございます。テンション上がってきました。
速さは上がりませんけど。


ではいきます
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 12:58:00.65 ID:CWTIZSVDO
 学園祭一日目。

 講堂の中は、これでもかというくらい、大勢の観客で賑わっていた。

 『ロミオとキャピュレット姉妹』。

 俺たち三年二組が今日の午後に発表する劇だ。

 もしもジュリエットに双子の妹がいたら、物語の結末はどうなっていたか。
 実際のところ、序盤のほうはあまり変わらない。

 ジュリエットの双子の妹であるジュリアは、ものすごく引っ込み思案で、ほとんど自分の部屋から出ようとしなかった。
 たとえ出たとしても、いつもジュリエットにくっついていた。
 まぁ、ようするに極度のお姉ちゃん大好きっ子なのだ。

 例えるならば、パワ○ケ10の芳○桜空ちゃんみたいな感じだ。分からない人もいるかもしれないが。

 とりあえず、ここではこれ以上あまり他言しないことにしよう。


614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 13:10:19.52 ID:CWTIZSVDO
 さて、俺たちが発表するのは午後からだ。まだ時間はたっぷりある。
 とりあえず、劇に使うマジックナイフや、墓石もどき、唯さんが部室に忘れていった木(G)の厚紙を舞台裏に用意しておく。念のため、唯さんにメールを送っておいた。
 しかし……木役ってそんなに要るか?






 フラフラと校内を歩いていると、メイド喫茶があった。
 あぁ、梓さんたちのクラスか。たしかそうだったはず。

 生まれてからメイド喫茶なんか入ったことがない俺は、興味をそそられて入ってしまった。
 へぇ……受付は梓さんか。


梓「あ、先輩。いらっしゃいませ」

聡美「あれ? ネコ耳は?」


 おかしいな。梓さん=ネコ耳なはずだが。


梓「すみません……ちょっとした都合があるんです」


 残念だ……



 店の中は混んでいたが、やっと俺に順番が来たので、空いてる席に案内される。



 しばらくすると、ウェイトレスが注文を聞きに来た。


615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 13:22:06.90 ID:CWTIZSVDO

純「いらっしゃいませご主人様、ご注文は何にしますか?」

 ご主人様だと……背中が痒い。



 ……ん?



 この人……






 純さんっ!?



 それがはっきりと理解した瞬間、あの場面が脳内再生される。

 血まみれになった純。



 本来曲がるはずのない方向に腕が曲がっている。


 痛々しい、変わり果てた姿。


 猛烈にこみ上げてくる吐き気。


 ぐるぐると回る世界。


 もう、何も見えない。何も聞こえない。






 もう何も、分からない……


616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 13:27:28.51 ID:CWTIZSVDO
 ふと気がつくと、俺は何か柔らかいものに頭を乗せていた。

 暖かい……そんなことを思っていると、



「あ、気がつきましたか?」



 と、声をかけられた。

 この声は……梓さん?






 ……ん?
 じゃあこの柔らかいのは……






 あ、梓さんの……!


617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 13:40:10.17 ID:CWTIZSVDO
 その瞬間、俺は梓さんから離れる。
 俺も心は男だ。紳士だ。
 でも、この破壊力はヤバすぎる。


梓「あっ、すみません先輩。つい……」

聡美「い、いいよ別に……それに」


 気持ちよかったしなぁ……


梓「それに……なんですか?」

聡美「う、ううん? なんでもないよ?」

梓「あ、はい」


 危ない危ない……それにしても、これはうっかりしてた。
 純さんが梓さんや憂さんと同じクラスだってこと、すっかり忘れてた。
 次からは気をつけなければ。



 俺が倒れたことは、結構な騒ぎになったらしく、まだ少しザワザワしていた。
 すみません、梓さん憂さん、そして純さん。

 店の裏口から出て、そのまま急いで講堂に向かう。
 俺たちの劇の開始予定時刻まで、もうすでに一時間をきっている。
 かなりの時間、俺は眠っていたらしい。
 もう少し起きるのが遅かったらと思うと……恐ろしい。

 俺は主役を任されたんだ。しっかりしなければ。


618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 13:55:22.04 ID:CWTIZSVDO
 舞台裏に着くと、すでに三年二組のみんなが集まっていた。


律「遅いぞ〜、聡美」


 姉ちゃん……可愛い。似合ってる。


澪「全く……主役なんだから、もう少し早く来てくれないと」


 澪姉ごめ…………カッコいい。男の俺より、断然。
 しかし……案外やる気満々だな。ついこの間まではあんなに嫌がっていたのに。


唯「遅刻だよ聡美ちゃん! いや、ジュリアちゃんか……」


 悪意むき出しですね、唯さん。こういう小悪魔的な性格、いつからなんだろう。
 それにしても……似合ってますよ、木(G)さん。



 台本を見て、台詞の最終確認。
 まぁ姉ちゃんたちに比べたら、半分くらいしかないんだけどね。

 三十分くらいすると、和さんが来た。


和「みんな、前のグループがもう終わりそうだから、少し早くなると思うんだけど……準備はいい?」


 え、そうなのか。
 まぁ、多分みんな大丈夫だろう。

 みんなで円陣を組む。


律「それじゃあ」

聡美「三年」

澪「……二組」

皆「ファイトぉー!」


 絶対に、成功させてやる……!


619 :あらかじめ言っておく。俺は『ロミオとジュリエット』を読んだことが無い。だからスマン。[sage]:2011/09/24(土) 14:08:25.40 ID:CWTIZSVDO

 (中略)

 キャピュレット一家には、双子の姉妹がいました。
 その名はジュリエットとジュリア。
 ジュリエットは比較的しっかりしてましたが、ジュリアはとにかく引っ込み思案で、いつもジュリエットにくっついていました。
 お姉ちゃんだけがいればいい。
 ジュリアはそう思っていました。



 しかし、ある時ジュリエットに、想い人ができます。

 その名はロミオ。モンタギュー一家の長男です。

 ジュリアはそんなことも知らず、今日もまた、ジュリエットにくっついていました。



 しかし、ロミオのことは、いずれジュリアの耳にも届きました。

 ジュリアはとにかく引っ込み思案でしたが、根はとても優しい子でした。
 それも、自分よりもお姉ちゃんのことを最優先に考えるほど、そして……






 お姉ちゃんのためならば何でもやるほど、優しすぎる子だったのです。


620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/24(土) 14:21:16.30 ID:CWTIZSVDO
 ジュリアはふと、こういうことを思うようになりました。

 私がお姉ちゃんとロミオ様のために死ねば、娘を亡くしたキャピュレット一家が、自分たちがやっていたことがどんなにバカらしかったのか気づき、モンタギュー一家との争いもおさまるのではないかと。



 双子の姉妹のどちらかを、パリスに嫁がせる。
 キャピュレット一家では、そんな話が出されていました。
 ジュリアは自分から名乗り出て、ジュリエットを守ろうとします。



 お姉ちゃんは今幸せなんだ。絶対に邪魔なんかさせない。



 しかし、この時は誰も気づきませんでした。
 ジュリアがこれから、何をしようとするのかを。






 パリスの元へと行ったジュリアは、世間知らずなフリをして、パリスの部屋にあったナイフを指差し、これは何? とパリスに聞きました。

 ジュリアが引っ込み思案であまり外に出なかったという情報は、パリスの耳にも届いていたので、こんな物騒なものは知らないのかと思い、これはナイフだよ、と優しく教えました。


621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 14:28:21.53 ID:CWTIZSVDO
 実際にやってみると、かなり雑なストーリーだなぁ……

 そんなことを思いながら、今自分が持っているマジックナイフを見る。
 100円ショップで買ったものだが、なかなか機能は充実している。
 液体(今回は赤インク)を入れれるし、付属の重りを付けることで、本物そっくりの重量感を出せる。
 ちなみに今このマジックナイフは、最大重量になっている。

 自分の手に当てて引っ込み機能と液体機能を確認すると、俺はパリス役の○○さんに、ナイフを突き刺した。


622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/24(土) 14:43:24.05 ID:CWTIZSVDO
 パリスは不意を突かれ、ジュリアの攻撃をもろに受け、死んでしまいます。

 ジュリアはここで嘘泣きをしながら、自ら捏造したパリス殺害のシーンを皆に話し、ジュリアでもモンタギュー一家の者でもなく、正体不明な誰かが刺した、という形に事態は収まります。

 ジュリアには最低限の知識しかありませんでしたが、モンタギュー一家の者を見分けるための知識は教えてもらっていたので、それを逆手にとり、ジュリアは誰にもバレることなく、パリスを殺害したのです。

 しかしジュリアの計画は、こんな所では終わりません。

 ジュリアの最終目的は、ジュリエットとロミオを幸せにすることなのだから。



 この後、ジュリエットとロレンスは、ある計画を練り始めます。

 仮死薬を使い、目覚めた後、ロミオと結ばれるようにする計画。

 しかしジュリアは、それよりもいい方法があると言い、何かと言われた時には、お姉ちゃんたちは先にロミオ様の所に行ってて、とだけ言いました。



 この計画を、ジュリエットたちに知られたくなかったから。

623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/24(土) 14:55:28.09 ID:CWTIZSVDO
 ジュリエットがロミオの所へ向かったのを確認すると、ジュリアは自室にこもりはじめます。



 そして、遺書を書き始めます。






 モンタギュー一家とキャピュレット一家の争いにうんざりしたこと、争いをやめて和解してほしいということ、パリスを殺したのは自分だということ、ロミオとジュリエットが愛し合ってること。

 それらを全て書き、最後に、



 お姉様、ロミオ様、どうかお幸せに



 と書き、ペンを置きます。

 そして――






 パリスを刺した時のナイフを取り出し、自分の胸の前に構えます。

 窓の鍵も扉の鍵も閉めてあり、この部屋は完全な密室です。

 これなら、間違いなく自殺ということになるでしょう。


624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 15:00:54.82 ID:CWTIZSVDO
 この物語は少々暗い内容ではあるが、まぁまだ許容範囲内だろう。






 できるだけリアルに見えるように、












 俺はナイフを、












 自分の胸へと突き刺した。


625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 15:09:15.80 ID:aNu9Mnm2o
おい・・・・おい・・・
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 15:10:47.81 ID:CWTIZSVDO












 ズブリ。












 そんな音が聞こえたような気がした。

 胸に走る激痛。

 とてつもなく胸が熱い。

 力が抜け、その場に倒れる。
 もしかしたら俺は役者に向いているのかもしれない。

 だがこれは演技ではなく、マジだ。

 この時、俺はあの思い出せなかった記憶を、完璧に思い出すことができた。

 あのままいけば、ナイフを刺したのは姉ちゃんだった。

 あぁ……そうか……



 姉ちゃんの死を、回避することができたんだ……


627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 15:15:32.55 ID:CWTIZSVDO
 幕が降り始める。

 俺の人生の幕も降りるのかな……

 もうろうとした意識の中で、俺はそんなことを思う。

 姉ちゃんたちが近づいてくる。

 観客席もざわめき始めている。



 あ……ヤバい……



 意識が……






 姉ちゃん……












 ごめん……












 俺の意識は、ここで途切れた――


628 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/24(土) 15:20:31.17 ID:CWTIZSVDO
 一旦ここで区切ります。

 文才が欲しい……同じような展開になってスミマセン。

 ぶらんくのーとのひまわりのサントラ聴きながらだと、かなり落ち着いて書けますね。



 このシリーズ終わったらパロディ書いてみようかな……



 何か質問とかアドバイスとか何かあれば宜しくお願いします。



 ではまた


629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 17:21:11.75 ID:aNu9Mnm2o

個人的には好きだよ
630 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/24(土) 19:01:10.97 ID:CWTIZSVDO
晩御飯食べ終わりました。
野菜スープってコンソメ使わなくても意外といけるね。野菜のダシが効いてる。
再開します。

>>629
ありがとうございます。
人がほとんどいないこのスレでは、乙の一言が嬉しいです。


ではいきます


631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 19:11:34.99 ID:CWTIZSVDO
 気がつくと、そこは病院のベッドの上。
 何回もこういったことは経験してるので、わかってしまう。
 なんとか死なずに済んだようだ。

 横には……誰もいないか。

 これまではほぼ必ずと言っていいほど誰かいたので、なんだか少し寂しいな。

 いや、今までが特別だっただけで、実はこれが普通なのかもしれない。

 横には誰もいないが、脇のテーブルには僅かだが、涙の跡がついてる。……まだ新しい。

 ということは、誰かいたのか?

 そう思っていると、病室のドアがスライドして開いた。






「……え……聡美、ちゃん?」


 ……唯さんか。


聡美「唯さん、どうも」

唯「あ……あ……!」


 唯さんは口をあんぐりと開けて、言葉になってない声を出していたかと思うと、


「聡美ちゃーん!」


 勢いよく俺に抱きついてきた。


632 :最後唯入れ忘れた[sage]:2011/09/24(土) 19:22:51.63 ID:CWTIZSVDO
 ちょ、痛い痛い痛い!

 あれからどれだけ経っているのかは分からないですけど、俺は患者ですよ!?


唯「……ん? あっ、ごめんね聡美ちゃん。つい……」


 最近、つい……が流行っているのだろうか?


聡美「いいですよ別に。あ、そうだ。あの後どうなったんですか?」

唯「うん……えっとね……」


 唯さんは話してくれた。
 俺が意識を失って幕が降りた後、ナレーションのみで劇を継続したこと、一般の人には事実を隠し、学校側も一部の人間……三年二組のみんなしか知らないこと、あのナイフは本物だったこと、そして今は、あれから五時間くらいしか経ってないこと。


聡美「そうなんですか……すみません、迷惑かけて」

唯「ううん、別にいいよ。聡美ちゃんはしばらく休んでて」

聡美「そうですね。早く回復しないと、明日のライブに間に合いませんから」



唯「……えっ?」


633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 19:30:48.82 ID:CWTIZSVDO
 唯さんは不意を突かれたような顔をしている。
 俺、何かマズいこと言ったか?


唯「えっと……聡美ちゃん?」

聡美「はい」

唯「明日……出るつもりなの?」


 あぁ……そういうことね。


聡美「そのつもりですけど……最後の学園祭ですし」

唯「駄目っ!」

聡美「えぇっ!?」

唯「駄目だよ聡美ちゃん! お医者さんは、少なくとも三ヶ月安静にしないとって……」

聡美「さ、三ヶ月……?」


 これは予想外だ。
 五時間しか眠ってないのだから、もう大丈夫かと思ったのだが。

 仕方ない、あの手を使うか……



聡美「……アクター」


634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 19:45:47.64 ID:CWTIZSVDO

唯「……っ……なにかな? 聡くん」

聡美「唯さん……状況、分かりますよね」

唯「うん」

聡美「何か方法はありませんか?」

唯「ちょっと待ってね…………うん、脱走……かな?」

聡美「え」

唯「この病室は514号室。ベランダの端っこに非常はしごがあるから、そこから出れるよ」


 えーと……
 唯さん、今何やったんですか?


唯「気にしないで」


 もしかしたら、向こうで新たな技術が開発されたのかもしれない。
 あの和さんのことだ。絶対的時空平面理論(通称:時空理論)を発表したあの人のことだから、また何かやってくれたのだろう。


聡美「まさか、それだけですか?」

唯「私の権限じゃ、あっちの治療器具は持って来れないからね」

聡美「そうですか……」


 病院を脱走とか……どんなドラマ展開だよ。
 いや、刻を越える方がドラマ展開か。


唯「聡くん」

聡美「何ですか? 唯さn……」


635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 19:48:03.22 ID:CWTIZSVDO












 久々に触れた唯さんの唇は、柔らかかった。












636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 19:52:13.93 ID:CWTIZSVDO

唯「んっ……」

聡美「……」

唯「えへへ……じゃあね、聡くん」


 そして唯さんは、俺に抱きつくような形で気を失った。






聡美「……」


 俺は思わず自分の唇に触れた。






 キス……か。


637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 20:17:52.25 ID:CWTIZSVDO
 それからのことはというと、起きた唯さんを家に帰した後、ベッドに金を置き、書き置きを書き、着替えをして、窓を開ける。

 五階……か。
 多分、大丈夫だろう。

 まだ胸が痛いが、それもしばらくの辛抱だ。なんとかなるだろう。

 唯さんの話通り、ベランダの端には非常はしごがあったので、そこから降りる。

 幸い雨などは降ってなく、満天の星空だったので、夜にしては明るかった。



 一時間くらい経っただろうか。
 家の近所の電灯の下で、自分の姿を確認する。
 ほんの少し血が出ているが、あまり問題は無いだろう。

 家に着くと、インターホンを鳴らして家に入った。
 小さな頃のトラウマがある自分の部屋に行き、机の引き出しを開ける。



 ボールペンの芯を引き出しの二つ目の底にある小さな穴に挿して、引き出しの一つ目の底を持ち上げる。

 デスノートのアレの要領だ。



 そこにある秘密の隠し場所から、袋を取り出す。

 これは、未来の琴吹グループで開発された、人間の自己再生能力の速度を一時的に数十倍も上げる薬だ。
 これを服用すれば、治るまで普通ならば三ヶ月かかる傷は、個人差はあるが、一日〜三日で完治してしまう。

 もちろん、副作用はある。
 服用して三分後に強制的に眠ってしまううえに、人間本来の寿命が約半分減る。
 だから、一人一回しか使えない。
 まさに諸刃の剣だ。最終手段として、出発前にムギさんから譲ってもらった。


 今はやむを得ない状況だ。
 俺は迷わずこの薬を服用した。


638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 20:35:30.85 ID:CWTIZSVDO
 翌日。
 俺が目覚めた時には、すでに二時を過ぎていた。

 これはマズい。ライブは三時からだったはず。

 もしかしたら間に合わないかもしれない。
 いくら回復しても、それじゃ意味がない。

 まだ身体中がズキズキするが、俺は構わず桜高へと向かった。






 一時間くらいして、ようやく学校に着いた。
 もうライブは始まっているはずだ。急がなければ。

 部室へ行き、ギターを背負う。

 ふと机を見ると、シャツが置いてあった。
 柄は……なるほどね。そういうことか。

 俺はシャツに着替え、急いで講堂へと向かった。






 講堂の扉を開ける。
 よかった……今ちょうど三曲目が終わった所のようだ。

 俺はステージに向かって歩く。
 周りの人がみんな驚いている。特に三年二組の人が。

 ステージの前に立ち、ゆっくりと昇る。


639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 20:48:26.89 ID:CWTIZSVDO

聡美「去年とは逆ですね……唯さん」

唯「聡美ちゃん……なんで……?」


 姉ちゃんたちも驚いている。
 そりゃ驚くだろうな……普通は。

 とりあえず、


聡美「ヒーローは遅れて登場するもんなんですよ。あと、この話は後でにしましょう」


 ギターを取り出し、チューニングとウォーミングアップをする。


聡美「はい。ではいきましょう、唯さん」

唯「う、うん……」



唯『えとえと、今来たこの子は、田井中聡美ちゃんです!』

聡美『どうも。えーと、今日は訳あって遅れてしまいました。すみません』

唯『……それでは最後の曲、聞いてください!』


 唯さんはこちらを見て、そして姉ちゃんたちを見る。
 前に向き直って、深呼吸する。そして……


唯『 U & I !』


 俺にとって最後の学園祭ライブ、最後の演奏が始まった。


640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 20:59:33.11 ID:CWTIZSVDO






 ……俺たちは今、部室にいる。
 夕方の部室……なんと美しい光景だろうか。



 結論から言うと、大成功だった。



 本当に、あっという間だった。



 自分でもちゃんと演奏できてたのかよく覚えてないが、とにかく大成功だった。






 ……楽しかった。もう悔いはない。



 これで残された俺の役目は、あと二つ。



 自分の命を犠牲にして姉ちゃんを助けることと、姉ちゃんたちを全員N女子大に合格させること。



 今日の所は、考えるのをやめにしよう。
 今日はもう、疲れた。



 まぶたを閉じると、一気に睡魔が俺を襲ってきた――


641 :まぶた→目のほうがいいかな[sage]:2011/09/24(土) 21:13:11.60 ID:CWTIZSVDO



 ……しくん! 聡くん!



 誰だ……? 俺の名前を呼んでいるのは……



梓「聡くん!」


 ……あぁ、梓さん……どうかしましたか?


梓「とりあえず起きて」

聡美「はいはい……何ですか?」

梓「一応私の方が年上なんだけど……まぁいっか。今回のことなんだけど……」

聡美「あぁ……」


 自分の胸に手を添える。


梓「あのナイフ……どうやらこっちの物みたい」

聡美「……つまり未来人がすり替えたということですか?」

梓「うん。すり替えた犯人はまだ分からないけど」

聡美「そうですか……」


 すり替えた犯人……絶対に許さない。
 一体姉ちゃんに何の恨みがあるというんだ。


642 :最初」忘れた[sage]:2011/09/24(土) 21:28:18.92 ID:CWTIZSVDO

聡美「そういえば唯さんは?」


 今ここにいるのは俺と梓さんだけ。
 すでに辺りは暗くなっている。夜になったのか。


梓「唯先輩は……ちょっとね」


聡美「そうですか……」


 少し気になるな。


梓「とにかく、ありがとね聡くん。学園祭を無事に成功させてくれて」

聡美「いえいえ……」


 あのことは一般の人には隠してはいるが、勘のいい人は気づいていただろう。
 それを晴らすため、俺はライブに出たのだ。
 あの大怪我が、一日で治るわけないのだから。
 つまり、あれは一般の人から見れば本当に演技だった、ということになり、学園祭は気持ちよく成功したのだ。

 ちなみに三年二組のみんなには、ドッキリということにしてある。心が痛い。

 おそらく真実を知っているのは軽音部のメンバーだけだろう。


643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 21:39:49.83 ID:CWTIZSVDO

梓「本当にありがとね……」


 梓さんに抱きしめられる。
 あ、梓さん!?


梓「君が今、女の子だからできるんだよ……男の子だと、恥ずかしいし」

聡美「梓さん……」


 暖かい。
 これが梓さんの……温もり。

 心の……暖かさ。



 俺たちはしばらく、夜の部室で抱き合っていた。












梓「あ、そろそろ時間かな」


 梓さんは俺から離れる。


梓「さよなら聡くん、またね」


 梓さんはそう言うと、部室から出ていった。

 ……って!?


聡美「梓さん!」


 急いで梓さんを追いかけて部室から出たが、そこには……












 誰もいなかった。


644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 21:47:19.23 ID:CWTIZSVDO
 おかしいな……未来人は戻る際、倒れるはずだが……何の物音もしない。






 ……無音。






 ……暗闇。






 消えた梓さん。






 なるほどね……それが新しい帰還システムか。



 俺は後ろに振り返る。






 部室の扉は鍵ごと閉まっていた。


645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 21:54:29.27 ID:CWTIZSVDO
 ……はぁ!?

 意味が分からない。



 仕方ない……今日はこのまま帰るか。






 そう思ったのだが……






 校内すべてのシャッターが閉まっていた。






 まるで、俺をここに閉じ込めようとしているかのように。






 後ろから何かの気配がする。



 気のせいだと思うが、一応振り向いてみるか?









 クルッ


646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 22:09:22.39 ID:CWTIZSVDO
 振り向いてみると、そこには穏やかな表情をした男が立っていた。

 はて……どこかで会ったような……



男「君には失望したよ……あの時の約束を破るなんてね」


 約束……?
 何のことだ。


男「まぁいい。これは警告だ。これからはよく考えて行動するんだな」

男「……さぁ、戻れ。元の時空に」


 男がそう言うと、俺はすぐに意識を失った。












 次に意識を取り戻した時、そこは夕方の部室だった。
 周りには姉ちゃんたちが寝ている。



 夢……だったのか?



 いや、違う。
 夢ならば、あの梓さんの温もりは感じられない。

 夢じゃないのならば……あれは一体なんだったんだ?
 あの男は、何者なんだ?



 あの男は、俺に何を伝えたかったんだ……?


647 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/09/24(土) 22:18:46.43 ID:CWTIZSVDO
 学園祭編終了!

 いやー……疲れた。
 これからしばらくは多分、ほのぼの展開(?)になると思います。

 始めた頃と比べて、文章レベルあがったかな……?

 今日はここで終わりにします。

 何かあれば宜しくお願いします。いないと思うけど、ROMってる人も書き込んでくれたら嬉しいな。

 ではノシ

648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 22:42:08.62 ID:aNu9Mnm2o
乙ー
複線意識するともっとよくなると思うよー
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本)[sage ]:2011/09/26(月) 19:59:58.18 ID:ftz5xRF40
誰もいないとか、なんか書いてって、気持ちはわかるんだけれどさ、
(自分も書いてるからね)
ものすごく、ウザイんだな。きみ以外の、”読者”からするとさ。

誰もいなくたって、誰も見てないって言っていても、結局投稿してるじゃないか?
止めてないじゃないか?

だったら、余計なこと書くなよ、見苦しいだけだよ。

堂々と投稿しなよ。
もう600まで来てるんだし。たいしたもんだよ?
頑張って完結させるんだぞ? 期待してる。じゃな。
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]:2011/09/27(火) 15:14:56.04 ID:5mX8I/qSO
構ってちゃん、みたいな態度が気持ち悪い



レス貰えなかったら、やめちゃえば?
お前がやめたところで、他の読者は「ふーん」くらいしか思わんけどな
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 21:50:39.29 ID:udQGYwF/o
>>650
お前らみたいなのが一番気持ち悪い
>>649は励ましに言ってるのだからまだしも、>>650みたいなのはほんとに気持ち悪い
読みたくないなら読むなよ。俺は読みたいんだよ。
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 21:51:16.85 ID:udQGYwF/o
>>650
お前みたいなのが一番気持ち悪い
>>649は励ましに言ってるのだからまだしも、>>650みたいなのはほんとに気持ち悪い
読みたくないなら読むなよ。俺は読みたいんだよ。
653 :アンチサトシ2011/10/01(土) 16:18:49.34 ID:W/r+Uew40
聡とか誰得だよ
つーか遅すぎだろwwwwww

せっかくみんなが読んであげてるんだからもっと誠意というものを見せろよ低脳が
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]:2011/10/03(月) 23:08:16.76 ID:gPN6EcESO
レスが貰えないからって、喚くなよ>>1
655 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/09(日) 19:11:22.47 ID:/vFDeiDDO
先週はテストという名の何かで来ることができませんでした。スミマセン。


>>649
>>650
レスは書いてもらうものではなく、自然に付くものですよね。頑張ります。

>>651
>>652
まあまあまあまあまあまあ

>>653
アンチスキルのパクりですか?
禁書の映画楽しみですね。

>>654
え〜と……どういうことですか?


では、いかせてもらいます
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 19:26:24.38 ID:/vFDeiDDO
 学園祭を終え、休日を挟み、次の週の月曜日。
 これから俺たち三年生は、本来の姿である受験生の身へと、身を投じていくことになる。
 しかしそこで、とある問題が生じてしまった。



 どこで勉強するか。



 俺たち軽音部の三年生はそのことで悩んでいた。



 定番と言えば教室や図書館なのだが、あいにく他の生徒もたくさんいるわけで、はっきり言うと集中できない可能性がある。

 ならば部室はどうだろうか?

 大抵の場合、俺たち軽音部員しか使わないので、環境としては最高なのだが、ここでも問題が発生する。



 そう……梓さんの存在である。

 梓さんは来年の新入生歓迎会でライブをし、新入部員を確保しなければならない。

 俺たちが部室にいるせいで、梓さんの邪魔とかになったりはしないのか。
 いや、それ以前に、姉ちゃんや唯さんが我慢できずに梓さんの練習に混ざってしまい、勉強しなくなる可能性がある。

 ついつい音楽に反応してしまう……なんという悲しい習性だろうか。

657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 19:37:17.88 ID:/vFDeiDDO
 そして放課後。

 みんなで部室に行くと、まだ梓さんは来てなかった。掃除当番だろうか?

 それぞれの定位置に座ると、早速ティータイムが始まった。
 おいおい大丈夫か?






 しばらくすると、梓さんが息を切らして部室に入ってきた。
 どうしたんだろう? そんなに慌てて。


唯「早くムギちゃんのおやつ食べたかったんだよね!」


 唯さんはそう言いながら梓さんにアーンする。
 完全にからかってるな、あれは。
 梓さんはそっぽを向いてしまった。


律「私たちが引退して部室に来なくなったのかと思ったんじゃないの?」


 姉ちゃんはからかうように言う。

 梓さんの表情を見るに、どうやら図星だったようだ。
 姉ちゃんはホントするどいからなぁ……それだけ周りをよく見てるってことか。

 梓さんの反応を見た姉ちゃんと唯さんは、頭を撫でたりして、梓さんを愛でていた。
 梓さんは満更でもなさそうだった。

658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 19:51:05.83 ID:/vFDeiDDO

梓「だーーーっ!」


 梓さんが二人から離れる。照れ隠しのつもりなのだろうが、全く隠しきれてない。
 梓さんは俺たちがなぜ部室にいるのかと聞いてきたが、これまでの経緯を話すと、部室で勉強することを快く了承してくれた。

 案外あっさりだったな……



さわ子「ところでりっちゃん唯ちゃん……さすがにもう進路は決めたわよね?」


 さわ子先生がそう言うと、姉ちゃんと唯さんはビクッ! と震えた。
 おいおい……まだ決めてなかったのか? バーロー。


唯「わ、私さわちゃんみたいになりたいな!」

さわ子「まぁ! うれしいこと言ってくれるじゃない!」


 あ、この流れは……


唯「さわちゃんみたいにお菓子食べてお茶飲んでだらだらしたい!」

さわ子「ちゃんと仕事してるわよ!」


 やっぱりか……

 楽な仕事なんかそうそう無い。
 この時代ではまだ好景気不景気があったから、おそらくそうだろう。


さわ子「私だってちゃんと勉強して大学入ったのよ?」


 姉ちゃんと唯さんはそれを聞くと、まさに「ほえ〜」という感じの顔をしていた。


さわ子「……何よその顔……」


 そりゃそうなるわな。さすがにあの顔は……うん、ヤバい。

659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 20:05:28.93 ID:/vFDeiDDO
 姉ちゃんたちはさわ子先生に、どうして先生になろうと思ったのかを聞いていた。どうも、好きな人に便乗したらしい。

 先生……そういうのは結婚を前提にした恋人を作ってからにしましょうよ……



さわ子「まぁ最近はやりたいことが分からないからとりあえず大学行くっていう人も多いし、まずはセンター試験に向けて勉強したら?」

律「センター!?」


 センター試験。
 基本的な問題が多く、マークシート式なため、やろうと思えば満点を取れる試験だ。
 ちなみに俺はセンターで満点を取って点数を稼いだ。


律「マークシートならまかせとけ!」


 さすがの姉ちゃんも知ってたか……ん? 六角鉛筆?
 でも確かセンターって……


澪「……センターは0から9まで数字あるぞ?」


 そう……いくらセンターといっても、そこらの1から6までしか数字が無いやつとはレベルが違う。
 十角鉛筆でもあれば別なのだが。

 姉ちゃんの隣で期待していた唯さんも、澪姉の言葉を聞いた途端、姉ちゃんと一緒に「じゃあ不合格だー」と言って落ち込んでしまった。
 そんな姉ちゃんたちに澪姉が喝を入れて勉強させ始めた。
 こういう時に頼りになるなぁ澪姉。
 俺にはできないよ。



 しかし……

660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 20:18:05.12 ID:/vFDeiDDO
 勉強し始めて少し経った。

 どうも姉ちゃんと唯さんの様子がおかしいので見てみると、梓さんが練習する音に合わせて動いていた。
 さて、用意していた特製の耳栓を……


澪「集・中!」

唯・律「ひゃいっ!」


 すごい気迫だ。

 その後、姉ちゃんたちには耳栓をつけて勉強させた。

 ……梓さん、少しずつだが上手くなってる。
 さすがだな。






 集中してると時間があっという間に過ぎるというのはどうやら本当のことらしく、いつの間にか下校時間30分前になっていた。


さわ子「あ、澪ちゃん。今から職員室に行きましょう」

澪「あ、はい!」


 澪姉とさわ子先生は、そのまま部室から出て行ってしまった。



 ……え?
 澪姉なんかしたの?

 もしこの世界が漫画の世界だとしたら、この場にいる全員の頭の上に、クエスチョンマークが浮かんでいることだろう。

 成績優秀な澪姉が、職員室に呼び出された。

 一体、何の呼び出しだろう?

661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 20:27:55.49 ID:/vFDeiDDO

唯「どうしたんだろう澪ちゃん?」

律「さぁ……? 時期が時期だし、進路のことなんじゃね?」


 進路……成績優秀……あ。


聡美「もしかして、推薦断ったとかかな?」

紬「あ、そういえば澪ちゃん前に言ってたわね」

梓「澪先輩って推薦もらってたんですか!?」

唯「そうだよ〜。澪ちゃんすごいよね〜」

律「推薦が何か分からなかったヤツが何を言う」

唯「りっちゃん厳しい……」

紬「でもそうなると、澪ちゃんが勉強してたのにも説明がつくわね」

聡美「……」


 姉ちゃんから聞いた話通りだ。
 このまま行けば、全員がN女子大志望になる。

 そうなれば、あとは姉ちゃんたちを合格させればいい。


唯「ねえねえ、職員室行ってみようよ!」

律「……そうだな」


 さて……今度は改変とかされないよな?

662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 20:39:31.21 ID:/vFDeiDDO
 職員室の前で待ち伏せしていると、澪姉が出てきた。


唯「澪ちゃーん! 呼び出しって何だったのーっ!?」

紬「……もしかして推薦入試断ったとか?」

澪「な、何でそれを!?」

律「やっぱりな……勉強してたからおかしいなと思ってたんだ」


 姉ちゃんは犯人に追い討ちをかける刑事みたいな口調で言ったが、それ俺たちの意見だからな?
 ちゃっかり調子に乗る姉ちゃんかわいい。


唯「でも何で断ったの? もったいないよ〜……」


 澪姉は一呼吸おいてから言った。


澪「私もみんなと一緒に勉強して……出来たら一緒の大学に行ければいいな……って」


唯「一緒の……」

紬「大学……」

律「……やれやれ」


 おいこらそこ、キョンの真似するな。

663 :畜生何かバグりやがったこのポンコツ携帯め[sage]:2011/10/09(日) 21:06:10.85 ID:/vFDeiDDO
 その日の夜、姉ちゃんが俺の部屋に入ってきた。大方、大学のことだろう。
 姉ちゃんは俺と向かい合うように座ると、話し始めた。


律「なぁ聡美、今日のことだけどさ……ほら、聡美もムギもN女子大志望だろ? だからさ……






  私もN女子大行こうかなって思ってるんだけど……どうかな?」






 よし来た。
 これで……


聡美「……その言葉を待っていた」

律「え?」

聡美「何でもない。……うん、姉ちゃんなら大丈夫だよ。私も協力するし」


 あとは……


律「……分かった。ありがとな、聡美」


 合格させる。絶対に。


聡美「じゃあ早速やるよ、姉ちゃん。分からないところとかある?」



律「……へ?」

聡美「え? N女子大行くならたくさん勉強しなきゃ。ほら、早く」

律「……ふk」

聡美「言わせないよ。ほら、早くやるよ」

律「……へ〜い」


 その夜、俺と姉ちゃんの勉強会は、姉ちゃんが机に突っ伏して寝るまで続いた。

664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 21:12:36.91 ID:/vFDeiDDO
 次の日、姉ちゃんたちは全員N女子大にしたようだ。
 よし……順調だ。






 しかし……あの男が気になるな。
 どこかで会ったような気がするが、分からない。

 約束ってなんなんだ……?

 それにあの現象……まったく理解できない。
 絶対的時空平面理論じゃ説明がつかない。

 警告ってことは、後々何かあるってことだ。



 気をつけなければ――
665 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/09(日) 21:17:22.69 ID:/vFDeiDDO
 最後ミスった……

 正しくは、

 次の日。
 姉ちゃんと唯さん、そして澪姉は、志望校をN女子大にしたようだ。

 の方がいいですね。今気づいた。



 戻ってくる保証はありませんが、お風呂に入ってきます。

 では。
666 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/10(月) 17:03:33.11 ID:XMOboOJDO
まさかそのまま寝てしまうとは……

とりあえず一話分のネタ思いついたので書きます。

ではいきます
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 17:16:24.21 ID:XMOboOJDO
 最近、急に寒くなってきた気がする。

 もう冬か……と思うようになった今日この頃、俺は部室の物置で暖房器具を探していた。


聡美「ここにも無いな……どこにいったんだろう……」


 最後に仕舞ったのは確か大掃除の時だ。
 あの時あれを仕舞ったのは誰だっけか。
 この一年間、いろんなことがありすぎたから、そういう記憶は暖味になってる。
 仕方ない、全員そろってからにするか……
 それにしてもここ、意外と暖かいな。


梓『こんにちは〜』


 お、梓さん来たのか。

 そうだな……しばらくここに隠れてようかな。梓さんが一人きりの時に何をするか気になるし。


梓『わ、ムギ先輩!? どうしたんですか!?』


 おや、ムギ先輩も来てたのか。暖房器具を探すのに集中してたから気がつかなかった。


紬『あ、梓ちゃんおはよう……』


 おはようって……寝てたんですか……
 まぁ……ここでなら寝れそうだけど。

668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 17:24:48.46 ID:XMOboOJDO

梓『でもそんな所で何してたんですか?』


 確かに気になるな。ムギさんの意外な一面があるかもしれないし。


紬『誰か来たら驚かせようと思って隠れてたの〜』


 意外と可愛いこと考えるんだな……想像もつかないや。
 おそらく、梓さんも同じようなことを考えているだろう。


紬『あ! わーっ! わーーっ!』


 ……いやいや、意味無いだろう。
 推理小説でネタバレされたようなもんだぞ。



 ほんの少しの沈黙。



梓『わ、わーっ! わーーっ!』


 何だろう。
 第三者の視点から見ると、この組み合わせ、案外面白い。

669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 17:38:04.53 ID:XMOboOJDO

梓『唯先輩はまだですか?』

紬『唯ちゃんたちは掃除当番で遅くなるって』


 そうなのか。
 なんだか、スネークの気分にでもなったようだ。
 隠れて情報を入手するとか……なんだか罪悪感が。

 これって悪く言えば……盗み聞き、だよな。


梓『わ、私ギターの練習します!』


 なぜか梓さんは動揺している。
 なにを緊張しているのだろうか?



 もしかしてこの組み合わせ……初めてなのか?
 ならば、なおさら盗みg……情報収集しなければ。


梓『わーっ、近っ!』

紬『え!? ご、ごめんなさい!?』


 ええぇぇ!?
 今いったい何があった!?
 畜生、漫画みたいに壁に穴でもあれば…………ん?






 扉に、小さい穴が空いていた。
 なんだ、覗k……今度は視覚的な情報収集もできるじゃないか。



 俺はその穴から、視覚的な情報収集を試みた。

670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 18:09:38.29 ID:XMOboOJDO
 ムギさんが梓さんのギターを持っていた。なかなか様になってるな。



紬『はい、ありがとう梓ちゃん』


 あれ、もう満足?

 と思ったのだが、梓さんは弾かないのかと言い、ムギさんは梓さんとギターの練習をし始めた。
 そういえば春頃にもやったな、ああいうの。あの時は姉ちゃんだったけどね。






 ペロロロン♪

 Fか……俺も昔苦戦したんだよな〜……



 ペコン、ペコン。



 ……可愛い。
 音もムギさんも。

 まぁ、あの時の姉ちゃんほどではないけど。
 あの時はもう……何だろう。お持ち帰りしたいくらいヤバかった。

671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 18:21:13.44 ID:XMOboOJDO

紬『指が痛い……』

 まぁ、最初はそうなるわな。
 それ以上やると、ムギさんの綺麗な手の指の皮が剥けてしまう。
 そうなると、少なからずいろんなことに影響が出るだろう。

 俺は、指の皮が剥けてからも練習し続けたせいで、ギターに血がべっとりとついてしまったことがあった。
 あれはヤバかったな。思い出したくもない。


紬『はい、ありがとう。ギターって難しいのね』

梓『やっぱり根気がいるかもですね〜』


 慣れればそんなでも無いけどなぁ……
 アンジェロラッシュだっけか?
 あれは未だに完璧にできない。カッコいいけど難しい。


紬『そっか! ギターってどれだけ痛いのに耐えられるのかが重要なのね……』


 ドMだ。前から思ってたけどドMだよこの人。
 というかM率高いなこの部活。

 そういえば俺はどっちなんだろう?

672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 18:32:22.60 ID:XMOboOJDO

紬『はい、梓ちゃん』

梓『ありがとうございます』


 ムギさんがお茶を出す。

 あぁ……飲みたい。
 おそらく例のアレだろうけど、飲みたい。暖まりたい。


紬『さ、さっきから私の顔見てどうしたの? 何か付いてる?』

梓『え、あ、あの……』


 梓さんは一生懸命に何かを探している様子だった。
 ムギさんの顔…………あ。




梓『……ほっぺにクリームが……』

紬『えっ!? どこどこ!?』


 つまみ食いでもしたのだろうか。
 俺もたまにつまみg……お菓子の安全性についての事前調査を体をはってやっている。

 人のことは言えないな。


梓『じっとしててください』


 梓さんはそう言ってムギさんの頬についているクリームを拭き取る。



 ……なぜにムギさんは目を閉じているのだろうか?

673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 18:37:54.23 ID:XMOboOJDO

紬『つまみ食いしてたのがばれちゃった……』


 自白しちゃったよこの人。


梓『もしかして今までも……』

紬『たま〜に(はぁと』


 ぷぷっ。


紬『あれ? 物置から何か音が……』




 ……あ。

 これは間違いなくばれたな。
 姉ちゃんたちも部室の扉を少し開けて覗いているが、あれもばれるな。












 ガチャ……












674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 18:46:15.12 ID:XMOboOJDO












紬「あれ? 聡くん?」

聡美「ど、どうも……あはは……」


 やっぱりばれたか……何なんだよこの人の勘は。
 どうやら姉ちゃんたちもばれちゃったみたいだし、物置を出るか。






律「あれ? なんだよ〜、聡美も隠れて覗いてたのか?」

聡美「あはは……ただの情報収集だよ……」

律「なんだか聡みたいな言い訳だな……」


 そりゃ、本人ですから。
 何回目だろう、こういうこと言われたの。

675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 18:53:04.17 ID:XMOboOJDO

唯「ムギちゃん今日のケーキもおいひいよ〜(はぁと」

紬「本当? よかったわ〜」


 ムギさんはものすごく生き生きしていた。



 実はあのお茶、特別な淹れ方があるんだよなぁ……一般には知れ渡ってないが。


さわ子「ムギちゃーん、私のお茶まだー?」


 相変わらず先生は神出鬼没で遠慮が無いな。






 この光景……ホッとするっていうか、暖かい。






 なんだか、とても安心するなぁ……


676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 19:11:10.07 ID:XMOboOJDO
 下校時間になり、俺たちは外に出る。
 今日もたくさん教えたなぁ……主に姉ちゃんに。


律「あーーさびーー」


 よく喋れるな姉ちゃん……こっちは喋る気力も寒さによって奪われているというのに。


紬「ねぇ、聡美ちゃん」


 ムギさんが小さな声で話しかけてきた。


紬「ちょっとこの後……いい?」


 これは……あ、そういえばさっき俺の名前を……
 おそらくこのムギさんはあのムギさんだろう。雰囲気が違いすぎる。


聡美「いいですけど……何の話ですか?」


 ムギさんは一呼吸おいてから答えた。






紬「聡くんが疑問に思っていることについてよ」


 ……!


聡美「……分かりました」


 俺が疑問に思っていること……たくさんありすぎる。
 でも、そのうちの一つでも解決できずにあの日を迎えてしまったら、何らかのトラブルが起こる可能性が高い。

 3月31日までに、全てを解決しなければ。


紬「それじゃ私たちはここで……梓ちゃん、ギター教えてくれてありがとうね」

梓「あ、いえ、とんでもないです!」

唯「ムギちゃん、聡美ちゃんと何か用事があるの〜?」

紬「ええ、ちょっとね」

唯「……そっか……じゃあね、ムギちゃん、聡美ちゃん」

聡美「さようなら〜」



677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 19:18:03.76 ID:XMOboOJDO

紬「それじゃ聡くん、行くわよ」

聡美「行くってどk……!?」


 そう言いかけたところで、一瞬めまいによく似た感覚がした。

 そして次の瞬間には、周りの雰囲気が変わっていた。



 さっきまで姉ちゃんたちがいた所には、誰もいなかった。

 それどころか、辺りを見回しても、俺とムギさん以外誰もいなかった。






 そう……ここはまるで、あの男と出会った場所のようだった――



678 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/10(月) 19:20:04.82 ID:XMOboOJDO
一旦区切ります。

何か(ry

では。
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本)[sage]:2011/10/11(火) 01:15:08.10 ID:a5obHvfn0


戻ってきて安心したよ
680 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/17(月) 21:06:51.11 ID:u8cKjAoDO
駅伝疲れた……

今から書きたいと思います。

文がおかしい&行き当たりばったり&厨二展開、になると思いますが……

ではいきます
681 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/17(月) 21:20:51.61 ID:u8cKjAoDO
 今俺とムギさんがいるこの場所は、まるで時間が止まっているかのような雰囲気だった。
 なんなんだ……? この気持ち悪い空間は?


聡美「ムギさん、ここはどこなんですか?」

紬「その前に、これを見てくれる?」


 ムギさんが取り出したそれは……指輪?


紬「実はね、聡くんが作ったタイムマシンには、結構無駄があったみたいなの」


 まぁ……そうだろうな。
 あのタイムマシン、俺にもよく分からないところがあるからな……


紬「それで……その無駄の中から、タイムマシンに隠された、もう一つの機能が見つかったの」


 ……なんだって?
 もう一つの機能……?









紬「平行世界への移動機能……違う世界の純ちゃんがこの世界に来たのも、この機能の副産物だと、私は思ってるわ」

聡美「ということは、その指輪が……」

紬「そう……その機能を指輪の形にしたものよ。でも……」


 ……でも?


紬「何度も試してみたんだけど、これだけじゃ、私たちが今いるようなところにしか来れないみたいなの」

聡美「じゃあここは……なんなんですか?」


 平行世界でないなら……ここは一体どこなんだ?

682 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/17(月) 21:30:49.07 ID:u8cKjAoDO









紬「ここは……世界と世界の狭間。つまりこの指輪だけでは完全な移動はできないってことよ」


 なるほど……でも待てよ?
 じゃああの時のは……?


紬「前にこっちの梓ちゃんがこれを使ってみたんだけど、話を聞くに、どうも聡くんも巻き込まれたみたいね」

聡美「え、えぇ……じゃあ、あの男はいったい……」

紬「……男?」


 ムギさんの表情が変わる。


聡美「はい。俺が巻き込まれた時、話しかけてきたんです。約束を破ったとかなんとか……」

紬「そう……」


 ムギさんはしばらく考えたあと、口を開いた。


紬「……聡くん、おそらくその男が、あのナイフをすり替えた張本人よ」

聡美「……あいつが……!」


 あの男が犯人……確かに、そう考えるとつじつまが合う。
 あの不可解な現象も気になるし。


紬「それで……その男の特徴は?」

聡美「ええと……」

683 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/17(月) 21:47:17.70 ID:u8cKjAoDO









聡美「……またか……」

紬「どうしたの?」



聡美「はっきりと思い出せません……記憶が曖昧になってます」

紬「おかしいわね……私は何の異常も無いけど……歴史の改変なら、私にも影響が出るはずなのに……そんな技術、まだ開発されてないし……」

聡美「そうですか……」



紬「…………うん、今確認したけど唯ちゃんも無いわね」


 その技術……!


聡美「ムギさん、今のって……」

紬「え? あ、言ってなかったわね。絶対的時空平面理論に基づいた、新しい技術よ。同じ世界……つながってる時間同士なら、間接的に情報を得ることができるわ。使える人間が限られてるけど」


 すごく便利な技術だな……


聡美「それ、俺にも使えますか?」

紬「ええと……この技術は、絶対音感がないと使えないの。私と唯ちゃんは使えるけど……ほら、前に渡した腕時計の応用よ。特殊な音波で情報をやり取りするの。でも、さすがに情報量が多いから、特殊な音で読み取るの。だから、絶対音感がないと……」


 つまり、俺には無理ってことか。

684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/17(月) 22:01:12.60 ID:u8cKjAoDO

聡美「そうですか……とりあえず、ここまでの話を整理しましょうか」


 まず、あの男と出会った空間は、ムギさんが今持っている指輪の、平行世界への移動機能によって侵入できる、世界と世界の狭間ならしい。ちなみにその指輪は、俺が作ったタイムマシンの中の無駄な部分をまとめたものだということ。
 平行世界への移動を行うと、原因は不明だが、誰かが巻き込まれるとのこと。
 前は別の世界の純さんとその世界の俺、そしてあの時はこの俺。
 そして、あそこで会ったあの男が、ナイフをすり替えた犯人ならしい。
 おそらくあの男も、ここに来ることができる。
 確かに、ここからならナイフのすり替えなど朝飯前だろう。
 ちなみに、なぜ完全な移動ができないのかは不明。
 俺に正体を知られないために、あの男は何らかの手段で俺の記憶を曖昧にした。
 唯さんやムギさんが使ったあの便利な技術は、絶対音感所有者じゃなければ使用できないとのこと。

 だいぶ明らかになってきたな……


聡美「とにかく、あの男に関しては手が出せませんね。向こうの出方を見るしか……」

紬「そうね…………ん?」


 ムギさんは後ろに振り返り、曲がり角の方を見る。


聡美「どうかしましたか?」

紬「……ううん、なんでもないわ」

聡美「……そうですか」

685 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/17(月) 22:08:49.86 ID:u8cKjAoDO

 一つ、気になることがある。


聡美「……ムギさん」

紬「ん? 何? 聡くん」

 さっきまでの話を聞いていて、一番疑問となったことを話す。






聡美「その指輪があるってことは、タイムマシンを分解したんですよね?」

紬「……ええ。唯ちゃんが、ね」

聡美「唯さんが……?」


 そういえば……

 最近、あっちの唯さんに会ってない。


聡美「唯さんは……どうしてます?」

紬「唯ちゃんは……あなたの子供の世話をしてるわ」


 ……あ。

 そうか……唯さんは今、









 一人なんだ……









686 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/17(月) 22:15:14.13 ID:u8cKjAoDO

聡美「唯さん……」

紬「……あなたは、目の前のことに集中して。そうしないと、唯ちゃんをあっちに置いてきた意味が無いでしょ?」

聡美「……はい」


 唯さん……すみません。


聡美「それで……なぜ唯さんが?」

紬「唯ちゃんは意外と鋭いからね……たまたま気づいたとしか……」

聡美「なるほど」


 確かに、あの人ならやりそうだ。


紬「そろそろ戻りましょう、聡くん」

聡美「……はい」


 俺がそう言った瞬間、先ほどと同じ感覚が俺を襲ってきた――

687 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/17(月) 22:24:26.06 ID:u8cKjAoDO
 それからムギさんに例の指輪を渡され、俺たちは別れた。

 時間移動技術……タイムマシンを作ってから、まだ2年くらいしか経ってない。
 だから、新たな要素、技術、危険性が出てくるのは分かっていたが、これほど厄介だとは。

 それに……あの男。

 純さんと同じように、別の世界……平行世界から来たのだろうか?
 一体何が目的なんだ?
 あの男が言っている、約束ってなんだ?

 あの男……間違いなく、純さん以上に厄介な存在だ。
 これは推測だが、おそらくあの男は未来の技術をフル活用できる。
 記憶の曖昧化、平行世界への移動……



 慎重に動かなければ……












 姉ちゃんを助けるために――――









688 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/17(月) 22:38:16.76 ID:u8cKjAoDO
短いですが疲れたのでここまで。

伏線とかは意識しましたが……分かりやすすぎる。

前になんとなく出した単語も後々伏線として使うつもり。

そろそろあの男の正体とかもバレた……かな?
一応アニメとかにも出てるし。

このSS、実を言うと自分の頭の中ではかなりスケールが大きくなってる。
これが第一部だとすると、第五部くらいまでいきそう。
まぁ……今のところ全部書く気ですが。

構成としては、聡視点四部と、その四部の唯視点一部みたいな感じ。

どれだけ時間かかるんだろうね、これ。

ではおやすみなさい。
689 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/17(月) 22:39:42.77 ID:u8cKjAoDO
短いですが疲れたのでここまで。

伏線とかは意識しましたが……分かりやすすぎる。

前になんとなく出した単語も後々伏線として使うつもり。

そろそろあの男の正体とかもバレた……かな?
一応アニメとかにも出てるし。

このSS、実を言うと自分の頭の中ではかなりスケールが大きくなってる。
これが第一部だとすると、第五部くらいまでいきそう。
まぁ……今のところ全部書く気ですが。

構成としては、聡視点四部と、その四部の唯視点一部みたいな感じ。

どれだけ時間かかるんだろうね、これ。

ではおやすみなさい。
690 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/17(月) 22:46:24.25 ID:u8cKjAoDO
あああああああ

やっちまった……

最近のNIPは調子悪いのかな?

では今度こそおやすみなさい。
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/10/18(火) 12:54:32.23 ID:qHRpKrrmo
現時点でまだ1部だと…
このペースだと再来年になっても終わってるか怪しいぞ
それ以前にけいおん熱が完全に冷めて未完で終了ってのも容易に想像できるな
692 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/23(日) 14:24:51.86 ID:A+Ko5hHDO
どうもです。

>>691
反論できないのが痛い……
まあ実質、この第一部が基盤となるので、これが特に一番長いのもあるが……
たとえ最後まで書けたとしても、聡が好きすぎて、そこら中の聡SSを読みあさり、それでも足りずに自分で書いてしまった妄想話を読んでくれる人がいるのかどうかは知らないが、自分は書ききらないとモヤモヤするので最後まで書きたい。

というわけで、いきます
693 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 14:29:57.75 ID:A+Ko5hHDO
 朝のHR。
 おそらく、学校生活で一番だるい時間だろう。

 担任の意味不明な話を聞く時間というのは、もはや拷問に等しい。
 さわ子先生は比較的まだマシな方だが、今日は副担の先生が担当だった。

 あぁ……だるい。






 副担の話によると、さわ子先生は風邪をひいて休みらしい。

 あの人が風邪で寝込んでいるのは想像もつかないが、先生は普通の人間だ。こういうこともあるだろう。

694 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 14:48:20.33 ID:A+Ko5hHDO
 HRの後、教室は少しざわめいていた。もちろん、俺たちも例外ではない。


律「さわちゃんが風邪で休みとか、かなり珍しいよな」

唯「そうだね〜何か起こりそうだよね」

紬「月が赤い……」


 酷い言われようだな。


聡美「あの〜……今日、お見舞いに行きませんか?」

澪「う〜ん……先生に迷惑じゃないか?」


 確かに。
 そのうえ、風邪をうつされたらたまったもんじゃない。


唯「でもでも、さわちゃんの私生活とか……私見てみたいな〜」

律「……よし、そうと決まれば今日学校終わったら行こうぜ」

紬「でも……先生の家、誰か知ってるの?」

聡美「職員室に行けば住所くらい教えてくれると思いますけど」

澪「ちょ、ちょっと待て」


 澪姉が話を中断させる。


律「なんだよ澪ー、多数決で決まってるんだぞ〜」

澪「そ、そういうことじゃなくて……」


 澪姉はなかなか言葉を発しない。
 何なんだろう?






澪「……か、彼氏さんとかいたら迷惑じゃ……」






 その一言で、姉ちゃんたちのスイッチが入った。



律「! これはもう行くしかないな!」

澪「お、おい!?」

紬「梓ちゃんも連れて行きましょう」

唯「そうだね! みんなで行った方が楽しいよ!」


 ……一応確認するけど、お見舞いに行くんだよな?
 遊びに行くわけじゃないよな?


澪「まったく……仕方ないな」


 澪姉もまんざらじゃなさそうだし。
 なんでこの人は素直になれないんだろうねぇ……

695 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 15:03:02.45 ID:A+Ko5hHDO
 そして放課後。

 部室で勉強し、梓さんが来た後ティータイムして、今は軽音部の六人でさわ子先生の家に向かっている。


唯「さわちゃん家ってどんな感じなのかな?」

律「そうだなー……やっぱりロックな感じの家なんじゃないか?」

唯「チャイムの音がデスメタルとか!」


 どんな家だよ……てかその前に、そんなの取り付けたら間違いなく近所迷惑だ。






律「教えてもらった住所の通りだとこのマンションみたいだけど……」


 そのマンションは……なんというか、普通だった。


律「なんかすっごい普通だな……」

唯「でもでも、まだ彼氏さんの可能性は残ってるよ!」






 さわ子先生の部屋の前に立ち、チャイムを鳴らす。


 ピンポーン。


律「……普通だな」

唯「普通だね」

澪「いや、当たり前だろ」


 しばらくすると、先生が出てきた。


さわ子「あら? あなたたち……」


 先生の格好は……ボサボサの髪にジャージ。
 どう見ても彼氏なんかがいる格好には見えない。

 姉ちゃんも同じことを考えてたらしく、しかもそれを口に出してしまっていた。


さわ子「……何よいきなり」

696 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 15:23:11.18 ID:A+Ko5hHDO

澪「突然すいません……体の調子、どうですか?」

さわ子「あら! お見舞いに来てくれたの?」


 澪姉、ナイスフォローです。


紬「わ、まだガラガラ声ですね」

さわ子「全快にはあと一歩ってところかしらね……っ!?」


 突然、さわ子先生がビクッとなる。
 先生の目線の先には……姉ちゃんと唯さん?

 うわぁ……家に入れてほしい的なオーラを出してる。


さわ子「も、もう完璧に治ったから! 心配してくれなくて大丈夫よ!」

律「いやいやいや! 治りかけの時が一番危ないんですよ!」


 確かにそれはそうだが……迷惑になってるんじゃないか? これ?






 部屋の中は、少し汚かったが、それ以外はすごい普通だった。


梓「先生、熱はあるんですか?」

さわ子「昼まであったけど今は下がったわよ」


 顔色を見る限り、どうやら本当のようだ。
 無理してるわけではなさそうだ。



唯「さわちゃんの昔の衣装みっけ!」

さわ子「また上がりそうだけど……」


 あー……あの人は何しに来たんだか。

697 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 15:33:29.38 ID:A+Ko5hHDO

唯「熱あるならベッドで寝なきゃ!」

さわ子「あんたたちが帰ったらすぐ良くなりそうなんだけど……」



紬「先生、お腹すいてませんか? 何か作りましょうか?」

さわ子「まあ! 作ってくれるの?」

聡美「はい。私が作ります」

さわ子「聡美ちゃんが……?」


 さわ子先生は不安そうな表情をしている。
 おそらく、先生はムギさんに作ってもらいたいのだろう。


律「大丈夫だって! 聡美はこの中で一番料理上手いから!」

唯「そうだよ〜! 憂の師匠なんだから!」

さわ子「あらそうなの? じゃあお願いしちゃおうかな」

聡美「任せてください!」


 俺はそう言うと、材料を持ってキッチンへと向かった。
 ちなみに姉ちゃんたちは残りの役割を決めていた。

698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/23(日) 15:51:16.51 ID:A+Ko5hHDO

聡美「できました」

律「はやっ!」


 まぁ……時間優先で作ったからな。あまり遅くまで居座るわけにもいかないし。
 俺が作ったのは、ごく一般的な料理だ。ほんの少し工夫はしてあるけどね。


さわ子「ありがと。どれ……」


 さて、どうだ……?






さわ子「なにこれ……すごくおいしい……」

聡美「それは光栄です」

唯「さわちゃんいいな〜」

聡美「あ、みなさんの分もありますよ?」

皆「なんであるの!?」

聡美「なんでって……こうなることは薄々分かってましたし」

 そう……俺たちは全員、腹が減っていた。(特に唯さんが)
 ならばいっそ、ここで食べてしまえというわけだ。
 ちなみに各家庭への連絡は済んでいる。






 夕食終了後。

律「そういやさ、さわちゃんが高校の時の卒アルってどこにあんの?」

唯「あ、見たい見たい!」

さわ子「ええと……」

聡美「これ、ですよね?」


 実はさっき、本棚から拝借しておいたのだ。


さわ子「何で持ってるの!?」

律「おお、聡美ナイス!」

唯「じゃあ早速……」



さわ子「聡美ちゃん、あなた怖いわ……」

聡美「いや、先生ほどではありませんよ?」


 少なくとも二階とか三階から侵入するほど俺はぶっ飛んではないつもりだ。

699 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 16:02:55.71 ID:A+Ko5hHDO

紬「そういえば、先生の時の軽音楽はどんな感じだったんですか?」


 お、その話になるか。


さわ子「そうねえ……ほら、私たちのバンドってあれでしょ? だから堀込先生に目付けられてたのよ。でも、すごく楽しかったわ」

梓「堀込先生って……あの古文のですか?」

さわ子「そうそう! ここだけの話だけど、堀込先生カツラなのよ」

皆「えーっ!?」


 今のは俺も驚いた。
 堀込先生がカツラ? そう言われればそんな気もしてきた。
 姉ちゃんたちは笑いをこらえるのに精一杯なようだ。


律「ははは……ということは、さわちゃんたちに比べれば私たちはまだまだかわいいってことか!」

さわ子「……ティーセットの持ち込みはさすがに前例がないと思うわよ?」


 そりゃそうだろうな……

700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/23(日) 16:15:04.14 ID:A+Ko5hHDO

唯「さわちゃんわかーい!」

さわ子「今でも若いわよ!」

律「写真写りはいいなぁ」

さわ子「……どういう意味よ」


 おそらくそういう意味だろう。

 次々とメールをめくる。そして、最後のページ……メッセージを書くページは、もういっぱいだった。


澪「……すごいな」


 うまってるのがすごいのではなく、メッセージ自体がすごいのだ。
 掲示板に書いたら間違いなく規制されそうな単語が沢山使われていたのだ。


紬「……」


 ムギさんはまじまじと見ている。規制単語が珍しいのだろうか?
 確かに、ムギさんみたいな人には縁がない単語ではあるが。
 ほら、例えばこれとか……『高校生はなァ、ミイラなンだよ』……


 ……見てはいけないものを見た気がする。

 ……気のせいだ。気のせいに違いない。

 もう一度見てみる。

 ……ほら、無い。






 ……ん?









 『キッチンの左上の棚に鍵がある』









 ……え?

701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/23(日) 16:25:25.80 ID:A+Ko5hHDO
 念のため、もう一度見てみる。






 『キッチンの左上の棚に鍵がある』






 ……気のせいではないようだ。

 無記名のメッセージ。

 鍵って……おいおい、これじゃまるで消失じゃないか。


聡美「先生、このメッセージは……?」

さわ子「ああ……それね。そのメッセージ、誰に書かれたのか分からないのよ。気ついたらもう書かれてたわ」

澪「ひぃ!?」

唯「ミステリーだね!」

さわ子「でも……私の実家のキッチンには、左上に棚なんか無かったわ。換気扇があったから」

紬「りっちゃん探偵、どう思いますか?」

律「そうだな……暗号の類かもしれないな」

梓「いや、ただの間違いとかイタズラじゃ……」


 まぁ、普通の人だったらそう思うだろうな。
 だけど、今までいろんなことを経験してきた俺には、そういう普通のことは考えられなかった。

702 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 16:33:47.14 ID:A+Ko5hHDO

聡美「もしかしたら……」

律「何か分かったのか? 聡美」


 そうだな……明日、実行することにしよう。


聡美「ただのイタズラですね、これは」

唯「……そっか〜……」

律「……まぁ、そうだとは思ってたけどさ」

澪「ただのイタズラなのか……安心したよ」

梓「いや、当たり前でしょう」

さわ子「……あ、もうこんな時間ね。そろそろ帰った方がいいかも」


 腕時計を確認すると、たしかにもうそろそろ危ない時間だった。
 あの機能も、3月31日に姉ちゃんが死ぬ可能性があるということを意味する表示しかなかった。


聡美「じゃあ、帰りましょうか」


 そう言って、俺たちは帰り支度を始めた。

703 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 16:38:23.60 ID:A+Ko5hHDO
 帰り支度を終え、寄せ書きをテーブルの上に置き、俺たちはさわ子先生の家を後にした。

 帰る途中で俺とムギさん以外が同時にクシャミをした。

 なんだろう……いやな予感しかしない。






 そして次の日に、俺のこのいやな予感は的中することになる。

704 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/23(日) 16:42:15.60 ID:A+Ko5hHDO
よし。一話終わったけど、ペースアップのために今日はもっと頑張ってみる。

700行ったが、まだまだ先は長いな……

何かあればどうぞ。



では再びいきます
705 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 16:57:41.62 ID:A+Ko5hHDO
 さわ子先生のお見舞いに行った次の日の放課後。


紬「はい、聡美ちゃん」

聡美「あ、ありがとうございます」


 今部室にいるのは、俺とムギさんだけだ。

 なぜ姉ちゃんたちがいないのかと言うと、どうも先生の風邪をもらってしまったらしい。
 今日はやることがあるので、姉ちゃんの看病はこの時代の俺に任せている。



 やることというのは、昨日先生のお見舞いに行ったとき、気になることがあったので、今日それを調べにいくことだ。

 気になることというのはもちろん、あのメッセージである。


 『キッチンの左上の棚に鍵がある』



 先生の話によると、先生の実家のキッチンには、左上に棚などなかったらしい。

 つまりどういうことか。

 このメッセージの謎には、二通りの解釈がある。

 まず一つ目は、このメッセージは先生に向けられたものではなかったということ。
 つまり昨日言った通り、このメッセージは何かの間違いか、イタズラだったということ。



 だがおそらく、この線は薄いだろう。



 そして二つ目は、キッチンというのは「先生の実家」のキッチンではないということ。
 俺は今日、これについて調べに行く。

 そのためには、あの人が来ないことには話が始まらない。
 だから、今もこうして待っているのだが……なかなか来ないな。

706 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 17:14:16.04 ID:A+Ko5hHDO
 結論から言うと、さわ子先生は部室に来なかった。
 先生を待っているうちに下校時間になってしまったので、仕方なく帰ることにした。



 いつもの交差点でムギさんと別れ、俺はさわ子先生のマンションへと向かう。



 俺の予想では、キッチンというのは「先生の部屋」のキッチンだ。
 確か、昨日見た記憶では、左上に小さな棚があったはずだ。

 鍵というのがどういうものなのかは俺には分からない。
 だが、俺がまだ解決していないことを解決するヒントくらいにはなってくれるだろう。



 そんなことを考えているうちに、部屋の前に辿り着いてしまった。
 インターホンを押すと、先生が出てきた。


さわ子「あら、聡美ちゃん? どうしたのこんな時間に」

聡美「実は昨日、忘れ物しちゃったみたいで……」

さわ子「あらそうなの? とりあえず入りなさい」

聡美「はい。お邪魔しま〜す」


 先生の部屋に入ると、俺は真っ先にキッチンに向かった。



 やはり、左上に小さな棚があった。



 俺は棚を開けた。そこには――

707 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 17:16:08.27 ID:A+Ko5hHDO















 何も無かった。















708 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 17:21:23.06 ID:A+Ko5hHDO









聡美「……は?」



 なんで。

 なんで何も無いんだ?

 もう一度確認してみたが、やはりそこには何も無く、棚は空っぽだった。



 ということは、本当にあのメッセージは……









 ただの、イタズラだった?

709 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 17:30:16.35 ID:A+Ko5hHDO

聡美「そんな……」


 棚を閉め、その場でがっくりとうなだれる。


 まだ明らかになってないこと、解決できていないこと。

 それらを一つでも、解決できると思ったのに。


 ヒントらしきメッセージ。

 それがただのイタズラだったとは。






聡美「……いや」


 こんなことをしている場合ではない。

 失敗したらまた立ち上がればいい。
 あの時だってそうだったじゃないか。

 俺は立ち上がり、玄関へと向かう。


さわ子「あら、もう見つかったの?」

聡美「はい。ありがとうございました」

さわ子「気をつけて帰るのよ?」

聡美「はい。お邪魔しました」


 ドアを閉め、田井中家へと進路をとる。



 あのメッセージを書いた人物は……






 一体何がしたかったんだろう――

710 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/23(日) 17:31:39.34 ID:A+Ko5hHDO
 夕食なう

 もし何かあれば……どうぞ。

 では。
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/23(日) 17:37:08.40 ID:j9ZX2+5S0
だんだん文が上手くなってる気がする
頑張れ
712 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/10/23(日) 19:12:38.17 ID:A+Ko5hHDO
ダメだサーバーが重すぎる

ちくしょう……イライラするぜ

出直します
713 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/10/23(日) 19:21:41.78 ID:A+Ko5hHDO
てすと

いけるか……?
714 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/23(日) 19:25:23.35 ID:A+Ko5hHDO
今なら行けるかもしれない

再開します

>>711
自分でも最初らへんよりはマシになってると思います。
頑張ります、とミサカは(ry
現在のサーバのご機嫌:むむむ。ちょっと混んできました。(LA:1.37060546875)
715 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 19:29:16.24 ID:A+Ko5hHDO



 ……



 ……ちょっと待て。



 もう一つ、確認しなければならない場所がある。

 一つ目の解釈……

 あのメッセージは、「さわ子先生」に向けられたものではなかった。



 ……もしかしたら。



 俺は足を速めた。

716 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 19:37:20.00 ID:A+Ko5hHDO

聡美「ただいま〜……」

聡「あ、聡美さん。遅かったですね」

聡美「姉ちゃんは?」

聡「うん、もうだいぶよくなったよ。明日からは学校に行けると思う」

聡美「ありがと、聡くん」


 ありがとな……この時代の俺。


聡美「晩御飯は食べた?」

聡「姉ちゃんには俺がおかゆ作って食べさせたけど……俺はまだだよ」

聡美「そっか。じゃあ、今から作るから待ってて」

聡「うん」

 俺は「キッチン」に向かった。

717 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 19:39:48.39 ID:A+Ko5hHDO

聡美「左上……」


 俺の家のキッチンには、左上に棚がある。
 確かここには、まだ何も入っていないはずだ。



 でも、もしかしたら。



 そう思いながら、棚を開けた。

718 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 19:42:33.21 ID:A+Ko5hHDO

聡美「これは……」



 そこにあったのは――















聡美「特別、起動部品……!」






 あの時唯さんに渡された、特別起動部品があった。

719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/23(日) 19:50:59.47 ID:A+Ko5hHDO
 特別起動部品……

 あの時、唯さんから無言で渡されたものだ。

 そう言われてみれば、あの純さんが現れたのは、特別起動部品をタイムマシンにはめ、未来へ行き、腕時計を受け取ってからだ。

 ということは……だ。

 おそらくこの特別起動部品こそが、平行世界への完全移動を可能にする物だろう。

 鍵というのはこういう意味か。

 つまりあのメッセージは、俺に向けられたものだったということか。



 となると……あのメッセージを書き、特別起動部品を届けてくれた人物は……



 さわ子先生が俺たちの担任になることを知っていて、先生が風邪をひき、俺たちがお見舞いに行くことも知っていて、田井中家のキッチンの左上の棚にはまだ何も無いことを知っている人物。



 ……一人しかいない。

720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/23(日) 19:52:03.93 ID:A+Ko5hHDO















 ……唯さんだ。















721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/23(日) 20:04:21.36 ID:A+Ko5hHDO
 唯さんは、俺と結婚して子供が産まれてから、本格的に料理をし始めた。
 その時、唯さんは聞いてきたのだ。



唯『ねえ聡くん、ここの棚には何も入ってないけど、使っていいのかな?』

聡『あー、うん。そこは俺が子供の頃からいつも空っぽだったよ。だから……別にいいと思う』



 その時、こんな会話をした記憶がある。






 唯さん……貴女は一体、何を知っているんですか?

 タイムマシンの中にある、平行世界への移動機能を見つけ……



 ……いや、違うな。



 もし唯さんが、あの機能を取り付けた張本人だとしたら。

 この特別起動部品だってそうだ。

 あの時は何もためらわずに受け取ってしまったが、これを持ってきたのは唯さんだ。



 ……何のために?



 唯さんは一体何のために、あんなことをしたんだ?

722 :名無しNiPPER[sage]:2011/10/23(日) 20:09:19.02 ID:A+Ko5hHDO
 まぁ……唯さんに聞けば全て分かるだろう。

 今日は疲れた。

 さっさと寝るか……






聡『聡美さん、まだ〜?』




 ……そうだった。


 俺は急いで料理を作り、そして食べ、風呂に入り、姉ちゃんの様子を見てから、眠りについた。

723 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/23(日) 20:13:12.40 ID:A+Ko5hHDO
もう無理ぽ(´・ω・`)

色々とツッコミ所があると思うけど、ご遠慮なくどうぞ。
できたら返すかも。

では。
現在のサーバのご機嫌:ちょ、ちょっとキツいです。(LA:2.33203125)
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/10/24(月) 20:37:32.99 ID:LarIIS+AO
がんばってくだせー
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/28(金) 19:39:37.31 ID:xcKR/fRDO
致命的なミスに気づいた

卒業式3月1日じゃないか……

31日→1日に脳内変換よろしく
726 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/29(土) 16:53:55.50 ID:6JN5nhfDO
まあいいや

致命的なミスだが、行くか

ではいきます
現在のサーバのご機嫌:普通ですー(LA:0.83837890625)
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 17:01:18.80 ID:6JN5nhfDO
 唯さんが学校に来たのは、ちょうどこの前の模試の結果の返却日のことだった。

 病み上がりに返却とか、精神的ダメージが大きいな。

 聞きたいことはたくさんあるが、放課後まで待つことにしよう。


さわ子「田井中聡美さーん」

聡美「あ、はい」


 俺は結果を受け取りに行く。

 妙な視線を感じるのは気のせいだろうか?


さわ子「あなた本当にN女子大でいいの? K大も十分狙えるわよ?」

聡美「いえ、いいんです。みんなと同じ大学に進みたいので」

さわ子「そう……」


 結果を受け取る。









 ……A判定だった。

728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 17:12:08.22 ID:6JN5nhfDO

律「聡美、どうだった?」


 席に座ると、姉ちゃんから声をかけられた。


聡美「A判定だったよ」

律「うっわ、相変わらずだな……」

聡美「ほら、次は姉ちゃんだよ」

律「え、あ、あぁ……」


 先生は結果を持ったまま、こちらをジーッと見ていた。怖え。

 姉ちゃんが結果を受け取って戻ってくる。

 その表情は、まぁ……その……なんだ。うん。


聡美「どうだった?」

律「C判定だってよ。微妙だな」

聡美「そんなことないよ」


 たしか俺の記憶では、前回の姉ちゃんの模試の結果はD判定だったはずだ。
 ゆっくりだが、確実に上がっている。
 それ以上に喜ばしいことはない。

 そして唯さんは……


唯「りっちゃんどうだった……?」

律「C判定だよ。唯はどうなんだ?」

唯「はい……」


 唯さんは結果を見せる。






 ……D判定だった。

729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 17:24:16.85 ID:6JN5nhfDO
 放課後、澪姉の提案で唯さんは和さんと、姉ちゃんは俺とでそれぞれの家で勉強会をすることになった。。

 唯さんにあのことを聞きそびれたが、それはまたの機会にしよう。






聡美「じゃあ始めるよ、姉ちゃん。模試の結果、もう一度見せて」

律「ほい」

聡美「う〜ん、教えたところはできてるんだけどなぁ……ふむふむ、なるほど」


 とりあえず、どこを勉強すればいいのかは分かった。


律「あの〜……聡美先生、いかがでしょうか?」

聡美「そんなに悪くはないよ。教えたところはちゃんとできてるし。じゃあ今日は……これだね」


 俺は姉ちゃんが一番苦手な教科……数学を勉強させることにした。


律「うわ〜……よりにもよって数学か」

聡美「文句言わない。姉ちゃんは理数系がダメなんだから、理解すれば解ける数学をまず伸ばさないと」

律「理解すればって……もっと頭が良ければなぁ……」

聡美「確かに数学的センスってのもあるけど……やっぱりやる気だよ、やる気」


 姉ちゃんに集中力はあるから、あとはやる気なんだよなぁ……


聡美「じゃあ……ここからね」


 俺と姉ちゃんの勉強会が始まった。

730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 17:38:29.16 ID:6JN5nhfDO

聡美「さぁ姉ちゃん、ここはどうするんだっけ?」

律「えっと…………お?」


 ……解けてる。


聡美「……正解」

律「やばい……なんか楽しくなってきた」

聡美「数学はやればやるほど楽しいからね。うーん……そうだな……」


 俺は空きスペースに、難関校レベルの応用問題を書く。


聡美「これやってみて」

律「よーし……ふむ……うーんと……」


 さすがに時間がかかるか。


律「こう……かな?」


 ええと……あ、おしいな。


聡美「おしいね。これはかなりの応用問題だからね……ここからさらに計算して……」

律「模試より難しいな、それ」

聡美「まぁね。そしてこうやると、答えが出るの」

律「おお……やっぱすごいな聡美は」


 安心しろ、自覚はある。


律「聡美は理数系なんだっけ?」

聡美「え? あ、うん」


 理数系というより、俺の場合は物理学専攻かな?


聡美「……って、話をそらさない。次はここね」

律「うっ……ふk」

聡美「言わせないよ。というか不幸だなんて言わないで」

律「へいへい……」


 姉ちゃんは下を向き、勉強を再開する。


律「……なぁ聡美」

聡美「何?」






律「もし辛かったら……遠慮なく甘えていいんだぞ?」



731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 17:49:16.49 ID:6JN5nhfDO

聡美「えっ……?」

律「いや……その、だな……聡美が今までどんな不幸な目にあってきたのかは分からないけど……辛かったんだろ?」

聡美「あ……うん」


 不幸なんて、もう御免だ。
 姉ちゃんがいなくなったことが、どんなに悲しかったか……どんなに不幸だったか……

 でももうすでに、俺の運命は決まっている。死だ。

 腕時計に表示されている、3月1日という日付。

 俺はもう、幸せにはなれない。

 でも、姉ちゃんの不幸を阻止することはできる。

 だから……

聡美「私は今、幸せだよ。でも……もしその時が来たら、甘えるよ」

律「おう、どんと来い! なんてったって……






  私は聡美の姉ちゃんだからな!」

732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 18:02:07.13 ID:6JN5nhfDO

聡美「うん……頼りにしてるよ」

律「おう!」


 また一つ、姉弟……いや、姉妹なのか?

 お互いの仲が深まった気がした。


律「なぁ聡美、ここはどうするんだ?」

聡美「えっと、そこはね……」


 こんな感じで、勉強会は深夜まで続いた。












 次の模試の返却日。

 俺は相変わらずのA判定だった。

 さて……姉ちゃんはどうかな?


律「さっとみぃ〜♪」

聡美「姉ちゃん、どうだった?」


 姉ちゃんは意気揚々とした様子で模試の結果を見せる。


律「B判定だってよ!」

聡美「おぉ〜! すごいよ姉ちゃん!」


 まさかこんな短時間でこんなに上がるとは思っていなかった。


律「この調子で聡美を追い越そうかな〜」


 本当にやりそうだから困る。でも……


聡美「師弟関係は、そう簡単に崩れはしないよ」

律「なんだと〜!?」


 だって……









 俺(おとうと)と姉ちゃんの、姉弟(師弟)だという関係は、絶対に崩れたりなんかしないから――

733 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/29(土) 18:07:49.53 ID:6JN5nhfDO
引き続き、書いてみようと思います。

少し展開に急ぐかもしれないので、雑になる可能性がありますが、そうなってしまった場合は大目に見てやってください。

まぁ……行き当たりばったりな書き方なので、もとから雑なことに変わりは無いが……

何かあればどうぞ。



ではいきます
現在のサーバのご機嫌:普通ですー(LA:0.98583984375)
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 18:17:14.11 ID:6JN5nhfDO
 何かがおかしい。

 このことに気づいたのは、姉ちゃんが模試でB判定を取った日のことだった。






 最近、なんだか唯さんに避けられている気がする。

 俺のことを妙に気にしてるし、それに何よりも、あのことを 聞く機会が無くなっていたのだ。



 俺はそのことを姉ちゃんに相談しようかと思い、姉ちゃんの部屋の前に立っている。

 ドアをノックする。


律『聡美か? 入っていいぞ〜』


 ドアを開ける。


律「どうかしたのか?」

聡美「ちょっと相談したいことがあって……」

律「相談したいこと? あ、座っていいぞ」


 俺はテーブルを挟み、姉ちゃんと向かい合うように座る。


律「それで……相談したいことって?」

聡美「なんか最近、唯さんに避けられている気がするんですけど」

735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 18:24:15.95 ID:6JN5nhfDO
 俺がそう言った途端に、姉ちゃんの表情が変わる。


律「…………悪い聡美、こればっかりは無理だ」

聡美「え……」

律「あの唯のことだからなぁ……何考えてるか分かんないようなヤツだし」

聡美「……」


 まさか……ね。


聡美「そっか。ありがと、姉ちゃん」

律「お、おう……ごめんな」


 俺は立ち上がり、姉ちゃんの部屋を出る。









 まさか姉ちゃんにも避けられてるなんて……そんなこと、あるわけないよな?

736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 18:36:01.05 ID:6JN5nhfDO
 もやもやとした気持ちのまま、町を歩く。

 しばらく歩いていると、懐かしい顔を見つけた。






 ……曽我部先輩?






聡美「あの〜……曽我部先輩?」

恵「あら、あなたは……田井中聡美さんね。久しぶり」

聡美「はい、ご無沙汰してます。大学、お休みなんですか?」

恵「ええ。今日はちょっと気分転換してたの」

聡美「そうなんですか。あ、先輩はどこの大学でしたっけ?」


 この人、どこの大学に行ったんだろう?






恵「私? 私はN女子大よ。そういえばあなたたち、もうすぐ受験だったわね」






 ……N女子大?






聡美「それ本当ですか? 実は私たち、全員N女子大志望なんですよ!」



恵「本当に!? ということは、また秋山さんに会えるのね!」


 あ、そういやこの人はこういう人だったな。

737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 18:45:38.64 ID:6JN5nhfDO
 それから俺は曽我部先輩といろんなことを話し、N女子大の去年の入試問題と過去問題集を譲ってもらえることになった。






 それから数日が経った。



 にしても……






 未だに原因が分からない。

 俺が何かしたか?

 唯さんに避けられ、姉ちゃんにも避けられている。

 何も思い当たることがない。



 一体何なんだ……?






 ヴーヴー



 突然、携帯のバイブが鳴る。
 誰からのメールだろう?



 ……姉ちゃん?

 受信ボックスを開く。



『今すぐ唯ん家に来い』



 ……どういうことだ?
 最近避けられていたことに何か関係があるのだろうか?


聡美「……とりあえず行ってみるか」


 ここからなら、結構近いし。

738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 18:55:46.97 ID:6JN5nhfDO
 平沢家の玄関前に立つと、再び携帯のバイブが鳴る。
 また姉ちゃんからだ。


『中に入って、二階のリビングに上がって来い』


 本当に何なんだろう?

 玄関のドアを開け、靴を並べ、二階に向かった。









 階段を上りきり、リビングに入ったその瞬間、






 パーーーン!!!






 銃声っ!? ……って、そんなわけないか。

 自分に降りかかったものを見て、そう判断する。

 これはクラッカー……か?






「聡美(ちゃん)(さん)(先輩)!」



「「「「「「誕生日、おめでとう(ございます)!」」」」」」






聡美「……え?」


 思考回路が、停止した。

739 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/10/29(土) 18:57:02.25 ID:6JN5nhfDO
夕食なう

何かあればどうぞ。

では。
740 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/29(土) 20:30:31.19 ID:6JN5nhfDO
再開します

もう少しだ……もう少しなんだけど……

ではいきます
現在のサーバのご機嫌:むむむ。ちょっと混んできました。(LA:1.326171875)
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 20:40:57.30 ID:6JN5nhfDO
 しばらくの間ボーッとしていると、姉ちゃんに声をかけられる。


律「何ボーッとしてんだ聡美? 今日が何の日か分かるだろ?」


 今日……?

 カレンダーを見る。

 今日は12月14日……



 ……思い出した。

 俺が考えた、田井中聡美の誕生日だ。

 さすがにこの時代の俺と誕生日が一緒だと変だからな。

742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 20:52:47.94 ID:6JN5nhfDO

唯「聡美ちゃんのこと、避けててごめんね……」

律「あー……悪かったな、聡美。隠すためとはいえ、冷たくして」


 姉ちゃんと唯さんからの、謝罪の言葉。


聡美「別に謝らなくても……こんなサプライズ、初めてですし」


 昔、姉ちゃんがしてくれたサプライズよりも、高低差がある。ここまで落としてから上げられたのは初めてだ。


梓「それで……これが、プレゼントです」


 梓さんの右手の平の上にある、綺麗に包装された箱を、俺は両手で受け取る。

 ……なぜに片手?

 まさか……ビックリ箱、ではないよな?


聡美「開けていいですか?」

律「もっちろん!」


 俺は包装を解き、箱を開けた。

743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 21:05:42.82 ID:6JN5nhfDO
 箱の中には、手袋があった。


聡美「……手袋?」


 しかも、片方だけ。


律「……みんな」


 姉ちゃんの合図で、みんなはコタツから左手を出す。

 その左手には、俺と同じ手袋がはめられていた。












聡美「……?」


 理解できない。


律「聡美、手首の所見てみろ」


 姉ちゃんに言われた通りに手首の部分を見てみると、そこには『S.T』と刻まれていた。

 S.T……Satomi Tainaka……なるほどね。

 ということは……

 姉ちゃんの方を見ると、姉ちゃんはニヤニヤしていた。

744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/29(土) 21:27:54.49 ID:6JN5nhfDO

聡美「なんでニヤニヤしてるの?」

律「いやぁ〜……自分が作ったものみると、ニヤニヤしないか?」


 そういうものなのか?


聡美「というか、なんで誕生日に……?」

律「えっとだな……なんというか、Sの文字のバランスが難しかったから、遅くなっただけ……あ、でも、聡美のは特別仕様だぞ!」


 ……どの辺が特別仕様なんだろう?


律「唯の提案でな……指の付け根のところの太さを自由に変えられるんだ。ほら、ここに目立たなくて短いひもがあるだろ?これで調節するんだ。勝手に手袋が外れなくなるんだぞ!」


 ええと……

 なんというか、無駄すぎる仕様だなオイ。

 でもまぁ……勝手に手袋が外れなくなるのはいいな。

745 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/29(土) 21:31:06.40 ID:6JN5nhfDO
頭が働かなくなってきたOTL

続きはまた明日、書くことにします。


何かあったらどうぞ。


ではノシ
現在のサーバのご機嫌:ちょ、ちょっとキツいです。(LA:2.68896484375)
746 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/30(日) 14:32:26.28 ID:5X1a5tLDO
久々に実家に帰ったら、引っ越しの手伝いさせられたよ! てか、隣の家買い取るとか何!?

……まあ、とりあえず再開します。



ですいきます
現在のサーバのご機嫌:むむむ。ちょっと混んできました。(LA:1.37158203125)
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/30(日) 14:43:15.61 ID:5X1a5tLDO

憂「みなさん、これ、ケーキです」


 憂さんがケーキを持ってくる。

 これは……すごいな。


聡美「すごく……おいしそうだね」

憂「はい、前聡美さんに教えてもらったことをふまえて作りました!」


 前よりは、確実に上手くなってる。

 これが平沢家の遺伝子か……









律「それじゃ聡美、早速乾杯しようぜ」

聡美「そうだね」


 俺はコップになっちゃん(オレンジ)を注ぎ、構える。

 みんなの準備が整ったことを確認し、そして……






聡美「かんぱーい!」



「「「「「「かんぱーい!!!!!!」」」」」」



 田井中聡美の誕生日パーティーが始まった。

748 :雑だが大目に見てくれ[sage]:2011/10/30(日) 15:00:50.21 ID:5X1a5tLDO
 それから、時間があっという間に過ぎていった。


 さすがに今回はさわ子先生が乱入してくることはなかった。


 一発芸やコントもした。

 桃鉄や人生ゲーム、スマブラもした。


 本当の誕生日じゃないのに、みんなは心の底から祝ってくれた。

 嬉しさもあるが、それ以上に罪悪感が大きく、違う意味で涙が出そうにもなった。


 有意義な時間は、本当に短い。


 気がつけば、いつの間にか夜になっていた。






唯「ありゃ、もうこんな時間だ」

律「そろそろお開きにするか?」


 現在時刻は午後9時。女の子が街中を出歩くとすれば、かなり危ない時間帯だ。


聡美「そうだね。最近物騒だし」


 俺たちはすぐに帰る支度をし、



「「「「「お邪魔しましたー!」」」」」



 平沢家を後にした。

749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/30(日) 15:16:34.04 ID:5X1a5tLDO
 ムギさんや梓さんと別れ、三人で夜の住宅街を歩く。


律「いやー、楽しかった」

澪「そうだな……それにしても律ってスマブラ弱いんだな」

律「う、うるさい! マルスとかロボットとかなんなんだよ! チートじゃねーか!」


 確かにあいつらはチートだ。
 でも姉ちゃんも、さすがに終点でリンクは無いと思う。


澪「意外に聡美は強いんだな……私もネスとかガノン、使ってみようかな……」

聡美「そうかな……あとネスとかガノンは、コツ掴むの大変だよ」


 ちなみにプリンは意外と強い。


律「……」

澪「……」

聡美「……」


 しばらくの間、俺たちは夜空を見上げていた。
 今日は星が綺麗だな……



 今がチャンス……だな。


聡美「あの〜……」

律「ん? どした?」

聡美「私ちょっと用事があるので、先に帰ります。では」


 そう言って、俺は走り出す。

 曲がり角を左に曲がり、また次の曲がり角で左に曲がる。

 そして俺は、自分の家ではなく、平沢家へと向かった。

750 :今私の願い事が叶うならば文才が欲しい[sage]:2011/10/30(日) 15:30:24.12 ID:5X1a5tLDO
 平沢家の玄関前に立ち、インターホンを押す。


憂『はーい』


 憂さんが出てくる。


憂「え〜と……あれ? 聡美さん?」

聡美「うん。ちょっと忘れ物しちゃってね」

憂「そうなんですか。あ、どうぞ」


 俺は家の中に入る。


憂「では、私は洗い物が残っているので。帰る時には一言言ってください。それでは」


 憂さんはそう言うとキッチンに戻っていった。






聡美「さて……と」


 俺は忘れ物などしていない。
 憂さんの姿が見えなくなると俺は三階に上り、唯さんの部屋へと向かった。

751 :生活リズム反転しそうになったが根性で持ち直した[sage]:2011/10/31(月) 21:47:34.10 ID:ZUQVFhVDO
 唯さんの部屋のドアをノックする。

唯『ん〜? 憂〜?』

聡美「私です、田井中聡美です」

唯『え!? さ、聡美ちゃん!? ど、どうしたのかな!?』


 ……なんでそんなに慌てているのだろうか?


聡美「ちょっとね……入っていいですか?」

唯『う、うん……いいよ』


 唯さんの許可が下りたので、ドアを開ける。


唯「こ、こんばんわ……えへへ」


 唯さんはパジャマ姿だった。
 恒例の文字はと……『プリティー』か。
 唯さんの足元に服があるところを見るに、どうやらさっき慌てていたのは着替え中だったからなのだろうか?


唯「それで……何かな?」


 俺は何度口にしたか分からない、あの言葉を口にした。









聡美「……アクター」

752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 21:57:17.00 ID:ZUQVFhVDO

唯「……?」

聡美「唯さん……聞きたいことがあります」

唯「ふぇっ!? い、いきなりどうしたの聡美ちゃん」

聡美「え……?」


 聡美……ちゃん?
 どうしてその呼び方なんだ?


聡美「平行世界……ここまで言えばもう分かりますよね?」

唯「聡美ちゃん……なんだか怖いよ? 急に怖い顔になるし……」


 ……まさか。


聡美「唯さん……あなたはどっちの唯さんですか?」

唯「どっちの? もしかして私がもう一人いるの?」


 ……間違いない。

 この人はあっちの唯さんではなく、この時代の唯さんだ。



 だがなぜだ?

 唯さんはこの時代に来れなくなったのか……?

753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 22:07:56.49 ID:ZUQVFhVDO

唯「どうしたの聡美ちゃん? さっきからおかしいよ?」

聡美「……」


 まさかとは思うが……


 ……あの男の仕業か?


 俺だけじゃなく、唯さんにも手をかけたのか?


 ……ふざけるな。


 本当に何がしたいんだよあの男は。


唯「聡美ちゃん? また顔が怖くなってるよ?」

聡美「あ……す、すみません。ちょっと考えことしてました」


 あっちの唯さんがこの時代に来れないため、ムギさんとも連絡が取れない。

 一人でやるしかない、か……


聡美「ちょっと忘れ物したみたいなんですけど、どうやら勘違いだったようです。もう、夜も遅いので帰ります。では」

唯「そっか〜……気をつけてね!」

聡美「はい。では」


 俺は唯さんの部屋を出る。

 下の階に下り、憂さんに一言断ってから帰宅した。

754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 22:23:29.84 ID:ZUQVFhVDO
 ……あの男。

 目的は分からないが、おそらくタイムマシン関係だろう。
 俺は無理だから、唯さんを狙った?

 ……腐ってる。

 それとも……俺のバックに琴吹グループがついてるから、まずはそれを潰すために唯さんを?

 だとしたらあの男は、俺と協力している人物が誰なのか知っているということになる。



 ……俺が傷つくだけならまだいい。



 でも、俺のせいで周りの人が巻き込まれるのは御免だ。



 早急に対処する必要があるが、おそらくあの男は未来の技術をフル活用出来る。

 向こうの動きを待つという選択が、こんな結果になるとは。

 唯さんが今、どうなっているのか……なんというか、勘で分かる。



 少なくとも、危険な目にはあってないはずだ。



 あの男が誰なのか。

 それさえ分かればなんとかなるんだけどなぁ……

755 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/10/31(月) 22:27:02.16 ID:ZUQVFhVDO
 危ない危ない……生活リズム反転しそうになってた。強引に戻したけど。

 引き続き、寝落ちしないかぎり、書いていこうと思います。

 相変わらずの駄文で遅筆で即興ですが……



 ではいきます
現在のサーバのご機嫌:ちょwwwおまwwww死ぬwww(LA:4.12353515625)
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 22:41:42.20 ID:ZUQVFhVDO
 もうすぐで12月24日。

 クリスマスイブであり、終業式でもある特別な日が近づいてきていた。
 今年はクリスマスパーティーやらないだろうなぁ……センター試験も近いし。


 その日の放課後、クリスマスパーティーは今年はやらないと公式に決まった。












 12月24日。
 例年ならばバカ騒ぎしていることだろうけど、今年はそんな余裕は無い。

 今年というか、来年は姉ちゃんたちの受験がある。

 だから俺は真っ先に家に帰り、姉ちゃんに勉強を教える準備をしていたのだが……



 ヴ、ヴ、ヴ……



 携帯のバイブが鳴る。
 これは電話のパターンだな……誰からだ?


 ……姉ちゃん?


 通話ボタンを押す。


律『もしもーし、聡美か? 今どこで何してんの?』


 それはこっちの台詞だ。


聡美「姉ちゃんこそなんでこんなに遅いの? 勉強の準備、もう少しで終わるよ?」

律『あー……悪いんだけど、今から部室来てくれないか?』


 部室……? ……やっぱりやることになったんだろうか?


聡美「クリスマスパーティーでもするの?」

律『いや……それとはちょっと違うんだよな……とにかく早く来てくれよ! じゃな!』


 電話が切れる。


聡美「……?」


 何か分からないが、とりあえず行ってみるか。

757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 23:09:44.11 ID:ZUQVFhVDO
 部室の扉を開けると、みんな揃っていた。

 軽音部のみんなに……憂さんと…………純さん!?



 視界が少し揺れたが、なんとかこらえる。






 ふう……トラウマ克服。

 時間というものは恐ろしいな……まったく。

 それにしても、精神力ついたな……俺。



 それで……梓さんたち後輩組はそれぞれ楽器持ってるけど……ライブでもするのか?


聡美「もしかして……梓さんたちが今からライブするの?」

律「さっすが聡美! 理解力あるな!」

梓「はい。今日は先輩方にクリスマスライブを……」

聡美「そうなんだ……すごいね」

唯「早く聞かせてー!」


 そうだな……早く聞きたい。
 仮にも後輩なんだし。

 それと……


澪「…………」


 なんで澪姉は気絶してるんだろう。


さわ子「……?」


 ……なるほどね。
 とどのつまり、アンタが原因ってことか。

758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 23:13:22.01 ID:ZUQVFhVDO









 まぁ……なんというか、梓さんたち後輩組は普通に上手かった。
 これなら来年の軽音部も安泰だな。






 ……俺が失敗しなければ……な。



 俺はもう一度自覚する。






 俺の手には、みんなの未来がかかっていることを――

759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 23:26:36.87 ID:ZUQVFhVDO
 大晦日。

 俺は姉ちゃんに勉強を教えていた。

 ことの始まりは、数時間前に至る。



聡美『とりあえずこの問題集、除夜の鐘が終わるまでに終わらしてね』

律『うわっ、これ……どんだけ分厚いんだよ!?』

聡美『大丈夫だよ。今の姉ちゃんならスラスラ解けるよ。半日くらいで』

律『半日っ!?』

聡美『うん。二時間ごとの20分休憩は許してあげるよ。十分でしょ?』

律『お、鬼だ……鬼がここにいる……』

聡美『文句言わずにやる!』

律『へいへい』


 ……まぁそんな感じで、今まで勉強してきたのだ。

 まぁ……このスケジュール、かなり甘々なんだけどね。



 prrrrrrr……



 姉ちゃんの携帯が鳴る。


律「あー……今私手が出せないから、聡美出てくれ」

聡美「うん分かった」


 俺は姉ちゃんの携帯を取り、部屋を出る。



 唯さんか……なんだろう?



 通話ボタンを押す。

760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 23:33:48.34 ID:ZUQVFhVDO

聡美「……はい」

唯『もしもーし! ……あれ? 聡美ちゃん?』

聡美「そうですけど。あ、姉ちゃんは今勉強してます」

唯『勉強……そうだ! ねえ聡美ちゃん、勉強教えてよ!』


 ああ……そういうことね。

 ……あ、それじゃなんで姉ちゃんに電話かけたんだろう?


聡美「いいですよ。それじゃ、家に来てください。待ってます」


 電話を切る。

 さて……姉ちゃんの様子を見てみるか。

 ドアを開ける。


律「……」


 姉ちゃんは真面目に勉強していた。

 それももう、周りが見えていないかのように。

761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 23:41:48.76 ID:ZUQVFhVDO

聡美「……フフッ……」


 おっといけない。
 姉ちゃんのこんな姿は久々に見るから、ついつい笑ってしまった。

 邪魔しちゃいけないな……


聡美「がんばってね、姉ちゃん」


 ドアを閉める。

 ドアが完全に閉まる間際に、姉ちゃんの『おう』という声が聞こえてきた。









聡美「……あ、唯さん」


 道の向こうに見えるのは、唯さんだ。


唯「聡美ちゃん! どうしてここにいるの?」

聡美「姉ちゃんは今真面目に勉強しているんです。だから、インターホンとか鳴らされるのは困るんですよ」

唯「私そんなことしないよ!?」


 いや、絶対するだろうな……この人は。

762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/31(月) 23:52:23.57 ID:ZUQVFhVDO
 姉ちゃんは自分の部屋で勉強しているので、俺と唯さんは俺の部屋で勉強することにした。






聡美「えーと、ここはね……」

唯「ふむふむ……あ、分かった! こうだね!」

聡美「……!」


 唯さんは俺よりも先に答えを見つけてしまった。

 ……やはりこの人は天才か。

 俺みたいな秀才とはベクトルが違う。









唯「ふぅ〜……終わった〜」


 唯さんが持ってきた問題集が終わった。

 さて、姉ちゃんの様子でも見に行くか……



 部屋を出て、姉ちゃんの部屋のドアを開ける。






 姉ちゃんがテーブルに突っ伏して寝ていた。

 問題集は……うん、終わってるな。
 予定よりも少し早いじゃないか。

 採点は後でするとして……今は午後の5時か。



 うん、ちょうどいいかもな。

763 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/11/01(火) 00:00:59.52 ID:JMgwSdIDO

聡美「唯さん、憂さんをここに呼んでくれませんか?」

唯「えっ? いいけど」



聡美「軽音部のみなさんも呼んで、年越しパーティーをしましょう。受験も近いですし、最後の息抜きってやつですよ」


 今ならまだ、憂さんはそばを作っていないはず。

 そばを作って食べる、適切な時間を教えたのはこの俺なのだから。

 唯さんは憂さんに連絡している。

 俺は軽音部のみんなにメールをしていく。






唯「憂、すぐ来るって」

聡美「そうですか。みなさんも来るみたいです」


 全員からOKが出た。

 少なくとも、俺はみんなから信頼というか、軽音部の中で高い地位にいるのは間違いないようだ。



 姉ちゃんがメール送っても多分無理だからなぁ……

764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/11/01(火) 00:13:14.66 ID:JMgwSdIDO
 それからしばらくすると、憂さんと澪姉が来た。

 年越しそばは、俺と憂さんで教えあいながら作った。

 まぁ……そばを作ってる間に他の人が来て、姉ちゃんも起きたから、姉ちゃんの部屋が騒がしくて多少集中できなかったんだけどね。



 結局、例年通り、いつも通りの年末になったってわけだ。









 さて……もうすぐでN女子大受験日か……









 何も起こらなければいいけど……












 しかし、そんな平和的な願いが叶うはずもなく、N女子大受験日は俺の記憶に深く残る日になった――

765 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/11/01(火) 00:17:40.05 ID:JMgwSdIDO
疲れたのでここまで。

もう少しすぎる……



卒業式というか、最後は聡美を暴走させようと思うのですが、どうでしょう?



ではノシ
現在のサーバのご機嫌:ちょwwwおまwwww死ぬwww(LA:4.13916015625)
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東日本)[sage]:2011/11/01(火) 19:47:51.19 ID:2/cSpqUX0
キミのSSなんだから思うとおりにやりましょう。

書きためておくのも手。
投下しちゃうとやり直しできないけれど、書きためればうまくいかなくなってもやり直せるし?

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
767 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/11/07(月) 21:08:07.09 ID:m3k71DsDO
大会で負けたぜOTL

今から書いていきたいと思います。
ただし、矛盾とかが発生するかもしれませんが。

ではいきます
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/07(月) 21:16:56.48 ID:m3k71DsDO
 今日はN女子大受験日だ。

 これまでみんなの学力を観察してきたわけだが、この数ヶ月で姉ちゃんたちの学力はかなり向上した。
 これなら、おそらく大丈夫だろう。



 だがしかし、一つだけ心配なことがある。

 いくら学力が高くても、試験を受けられなければ意味がない。



 例えば……寝坊による遅刻、とかでな。




聡美「姉ちゃん、起きてる?」

律『ああ、起きてるけど……もう出るのか?』

聡美「うん。唯さんが寝坊しそうだから、心配でね」

律『あー、確かに……』


 実際、唯さんにさっきメールを送ったんだが、返信がこない。



 ……絶対まだ寝てるだろ、あの人。

769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/07(月) 21:26:18.91 ID:m3k71DsDO
 受験の準備をし、家を出る。

 途中で澪姉と合流した時、俺は確信した。



 多分……みんな同じことを考えている。

 梓さんやムギさんもいるだろうな……平沢家に。






 平沢家に着くと、案の定梓さんとムギさんがいた。

 唯さん愛されてるなぁ……いろんな意味で。



 姉ちゃんたちを唯さんの部屋に向かわせ、俺は階段を上る。

 憂さんが作ったごはんはどういうごはんなのだろうか。

 少し興味が出てきたし、見てみるか……



 そう思って二階に上り……






 俺はリビングで、信じられない光景を見た。

770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/07(月) 21:34:02.54 ID:m3k71DsDO

「あら? もしかしてあなたが……田井中聡美さん? はじめまして。唯の母です」



 唯さんのお母さん……お義母さんか。

 いや……そんなことはどうでもいい。

 お義母さんと向かい合っている人物……間違いない。



 穏やかな表情をした男……






 唯さんの父親であり、お義父さん。









 ……あの男……だ。

771 :もはやバレバレ[sage !status]:2011/11/07(月) 21:45:18.09 ID:m3k71DsDO

唯父「どうしたんだい? そんな顔をして」

聡美「お、お前は……!」

唯母「あらあら、聡美ちゃんはおとなしい子って聞いてたけど」

唯父「なぁに、君が言いたいことは分かるよ、聡くん」

聡美「……!」

唯母「どういうこと? 聡くんって……誰?」

唯父「ああ、何でもないよ。……で、やっぱり君はことの重大さを理解してないようだね」

聡美「……え?」


 なんとなく、嫌な予感がする。






唯父「つまり……こういうことだ」




 お義父さんがそう言うと、一瞬にして周りの雰囲気が変わった。




聡美「……平行世界……」

唯父「おや、もうそこまで知っていたか。でもまあ……うん、そうだな。調度いい機会だ」



 ……何の話だ?






唯父「君がしたことの重大さを……理解してもらうよ」


現在のサーバのご機嫌:普通ですー(LA:0.4140625)
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/07(月) 21:51:41.89 ID:m3k71DsDO
 ……確かに、俺は重大なことをしたと思うが……


聡美「……タイムマシンを作ったこと?」

唯父「それもあるが……そうだな。なら、最初から説明するとしよう」


 お義父さんは話し始めた。


唯父「まず……僕たちは昔、家を空けることが多かった。何故だか分かるか?」

聡美「……二人でよく旅行に行くから……ですよね?」

唯父「あぁ……確かに、唯たちにはそう話していた。でも本当は……












  君が研究を始める前から、僕たちは時間の研究をしていたのさ」

773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/07(月) 22:13:32.69 ID:m3k71DsDO

聡美「時間の研究……タイムマシンを作ることが目的だったんですか?」

唯父「そうだ。国から極秘に依頼されてな……日本では僕たちを含めて約20人が時間の研究をしていたんだよ。秘密裏にね」


 なるほどね……これで平沢家の生活費の謎は解けた。


唯父「世界全土では、およそ500人くらいだ。そして……日本が一番研究が進んでいたのさ。そしてある時……一つの技術が作られた」


 ……まさか!






唯父「平行世界への移動技術さ。僕たちは時間ではなく……世界を超える技術を作ってしまった。でも……この技術を使うことができるのは、限られた場所にいる限られた人間だけだ。おそらく、この地球上で5人いるかどうかってところだな」


 そんな技術……


唯父「ああ。この技術は没になり、僕たちはこれについての研究データを自分たちの家の奥底に隠した」


 そうか……それを唯さんが見つけて……


唯父「僕たちは、なぜ時間を越えることができなかったのか、必死に原因を調査した。後で分かったことだが……僕たちの研究には、とある一つの理論が抜けていたのさ」


……和さんの、絶対的時空平面理論。


唯父「真鍋さんの娘……和ちゃんが、それを一番先に編み出し、それを真っ先に活用して、タイムマシンを作り上げたのが君と唯ってわけさ」


 ……待て。

 ならば何故、俺の邪魔をする?

774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/07(月) 22:35:03.29 ID:m3k71DsDO

唯父「でもね……僕たちが隠した、平行世界への移動技術のデータをたまたま見つけてしまった唯は、その技術をタイムマシンに取り付けてしまった。その結果、どうなった?」


 ……平行世界から、純さんがやってきた。
 あれは完全に、想定外だった。


唯父「僕たちにも、なぜああなったかは分からない。しかも……その……鈴木純、だったか?」

聡美「純さんが、どうかしたんですか?」


 お義父さんの表情が真剣になったかと思うと、すぐに怒りが混ざったような表情になる。















唯父「僕の妻は……その鈴木純から殺されたんだ! 君と同じ、時間の研究をしているという理由だけで!

775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 15:40:32.45 ID:zbuD2scDO

聡美「……なんだって……?」


 あの純さんが……お義母さんを殺した?

 ……理不尽すぎる。とばっちりじゃないか。


唯父「それから僕はすぐに、唯の無事を調べた。そしたらどうだ……









   唯はたった一人で、子育てに君のサポート……泣きながらやってたんだぞ!」



聡美「……え……?」


 唯さんが……泣いていた?


唯父「君は僕の幸せだけじゃなく……唯の幸せまでも奪うのか!?」


 そ、そんなこと……!






唯父「君は約束したはずだ!

   唯と共に支え合って生きていくと!

   唯を一人にさせないと!

   永遠に唯だけを愛すると!

   絶対に唯を幸せにすると!

   君はその約束を平然と破り、自分勝手な都合だけで、たくさんの幸せを奪っている!

   なぜ君は……そんな残酷なことができるんだ!?」



776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage saga]:2011/11/08(火) 15:51:53.05 ID:zbuD2scDO

聡美「そ、それは……!」

唯父「僕は鈴木純を……そして君を憎んだ! 君が未来に来たあの時、チャンスだと思い、君を殺そうとした! 結果的には鈴木純が君をかばって死んだが……でも、君が死なない限り、僕たちや唯に、幸せは訪れないんだ!

   だから……」


 その瞬間、とてつもなく嫌な予感がしたので、俺は一歩後ろに下がった。






唯父「僕は今ここで……君を殺す!」


 お義父さんがナイフを構え、俺に切りかかってきた。
 それにしてもみんな好きだなナイフ。

 ……いや、そんなことを言ってる場合じゃない。
 お義父さんが振るったナイフは、俺のすぐ前を通り過ぎていった。
 さっき一歩下がってなければ、危ないところだったな。



777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 16:03:28.39 ID:zbuD2scDO

聡美「くっ……」


 今のところは逃げるしかない。
 なぜなら、俺は武器を一つも持ってないからだ。

 それに……力も不利だと

 ならば、唯一勝てそうな足腰で勝負するしかない。
 俺はその場を離れ、玄関から脱出しようとしたが……






 ……開かなかった。






聡美「クソッ! 何で開かない!」

唯父「当たり前だ。ここは平行世界……学園祭の時と同じだ。ドアは開かない」

聡美「クソッ! 開けよ! 壊れろ!」


 ドアを壊そうとするが……女の力では壊れない。


聡美「ぐっ……」


 お義父さんとの距離は、もう3mもない。

 絶体絶命だ……!



778 :不利だと→不利だ。[sage]:2011/11/08(火) 16:09:10.32 ID:zbuD2scDO






 しかし。


聡美「!? う、うわっ!?」


 お義父さんが消え、誰かに手をつかまれた。

 その誰かは、さっきまで開かなかった玄関のドアを開け、俺を外に連れ出した。



 ……この手の感触……






 ……唯さん?






唯「聡くん、大丈夫? 怪我は無い?」


 その手の主は……唯さんだった。


779 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/11/08(火) 16:17:14.58 ID:zbuD2scDO

聡美「唯さん……どうして?」

唯「話は後! 今は逃げるよ!」

聡美「……はい!」


 俺たちは、走り出した。






聡美「……唯さん、どこに向かっているんですか?」

唯「桜高だよ! そこに行けば……助かるよ!」


 唯さんはそう言うと、スピードを速めた。









聡美「はぁ……はぁ……」

唯「……はぁ…………はぁ……」


 息が乱れてきた。
 だが……桜高までもう少し。
 これならなんとか持つだろう。


唯「……見えた!」


 桜高が見える位置まで来た。
 後は一気に……!






 しかし。






 桜高……いや、周りの建物が、一瞬にして廃墟に変わった。


780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 16:41:00.27 ID:zbuD2scDO

唯「えっ!?」

聡美「……平行世界……!」



唯父「その通りだ。僕の技術ならば、多少距離が離れていても、平行世界に引きずり込める」


 お義父さん……


唯「お父さん……なんでこんなことするの!?」

唯父「……唯……分かってくれ。その男の傍にいては、お前は幸せにはなれない。お前のお母さんも……その男のせいで死んだんだ」

聡美「唯さん……」












唯「それが何?

  りっちゃんが死んじゃった時……放課後ティータイムが解散した時……友達を失った時から、もう私は幸せじゃないんだよ!

  でも聡くんは……私……いや、私たちの幸せを取り戻すために頑張ってくれてる!

  聡くんのことはずっと前、初めて見たあの時から好きだった!

  私が好きな人で、幸せを取り戻そうと頑張ってくれる人と、一緒にいて何が悪いの!?

  もう私たちの邪魔はしないでよ! お父さん!」


781 :誰も見てないだろうからマッタリと[sage]:2011/11/08(火) 17:31:05.58 ID:zbuD2scDO

聡美「唯さん……」

紬「その通りよ」

唯「あ、ムギちゃん!」

唯父「なっ……琴吹グループ社長……琴吹紬だと!?」


 ムギさん……

 唯さんか助かると言ってたのは、このことか。


紬「平沢○○……貴方に、私たちの邪魔をする資格はありません。これ以上何かしようとするのならば……貴方を拘束します」

唯父「くっ…………なっ!?」


 お義父さんは何かをしようとしたが……失敗した。


紬「貴方にはもう平行世界への移動はできません……」


 そう言うムギさんの手の平には、指輪が乗っていた。


唯父「…………分かった。……唯」

唯「……何?」

唯父「お前は本当に……それでいいんだな?」

唯「……うん」

唯父「そうか…………聡くん」

聡美「何ですか?」

唯父「僕は君を許すつもりはない。でも……」


 お義父さんは一息おく。


唯父「お願いだ。唯に……幸せを取り戻してやってくれ。絶対にな」

聡美「……! はい!」

唯父「……じゃあな、唯……聡くん」


 そう言うとお義父さんは、ムギさんに……いや、正しくはその部下的な人たちに連れて行かれた。


782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 17:39:05.24 ID:zbuD2scDO

聡美「ふぅ……」

唯「聡くん……」

聡美「何ですか?」

唯「……戻ろっか」

聡美「……そうですね」


 俺たちは手を繋いだまま、平沢家へと向かった。






 桜高から平沢家までは意外と遠い。
 よく走れたな……俺たち。


聡美「すみません……唯さん」

唯「え? 何が?」


 唯さんはキョトンとした様子で俺を見るが、俺は構わず続ける。


聡美「俺は……唯さんを一人にしてしまいました。だから……」

唯「聡くん」


 俺は続けようとしたが、唯さんによって妨げられる。


唯「さっきも言ったでしょ? だから聡くんは……






  絶対にりっちゃんを……私たちを、助けてね?」


783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 17:50:20.41 ID:zbuD2scDO

聡美「……はい!」

唯「……さてと。その前に……どこから戻る?」

聡美「……そういえばそうですね」


 ここは平行世界。
 何もないところから、急に俺たちが現れたらビックリするだろう。


聡美「そうですね……唯さんの家のバルコニーとかどうですか?」

唯「あ! 私、あそこ大好きなんだよ! それじゃ行こっ!」

聡美「あ、はい……」


 俺は少々引き気味に返事をし、平沢家のバルコニーへと向かった。












 平沢家には、屋上にバルコニーがある。
 広さもなかなかで、めったに誰も来ないから暇つぶしや気分転換には最適だ。

 バルコニーへのドアを開ける。


唯「うわぁ〜……! 懐かしいなぁ……ここ」

聡美「そうですね……でも、今日がN女子大の受験日ですから、あまり長居はできませんけど」

唯「あ〜……そっか。もうそんな時期なんだね……






  もう、少ししかないね……」


784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 18:01:22.90 ID:zbuD2scDO

聡美「はい……もう、2ヶ月しかありませんね」


 3月1日……あの日まで、あと少し。


唯「……頑張ってね、聡くん」

聡美「……はい」

唯「それじゃ……行くよ」


 唯さんと抱き合い、キスをしながら元の世界へと移動する。


唯「ぷはぁ……聡くん……りっちゃんを……みんなを頼んだよ」

聡美「……分かりました」

唯「うん……じゃあ……またね――」


 唯さんは意識を失う。






 さよなら……唯さん。

 俺がここまで来れたのは、貴女のおかげです。

 そして……すみません、唯さん。

 こんな人間で……






 本当に、すみませんでした。



 でも……もしまた会えたなら……






 その時は――


785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 19:00:58.88 ID:zbuD2scDO
 しばらくして、目を覚ました唯さんを連れて下の階に下り、姉ちゃんたちと合流し、試験会場へと向かった。






 N女子大の試験会場には、おびただしい数の人がいた。
 あ、あの人胸大きいな。
 さすがは名門校だな。


澪「い、いっぱいいる……」

唯「だ、大丈夫だよ澪ちゃん! あんなに頑張ったんだから!」


 確かに、俺たちは頑張った。
 一応みんなA判定だったし、多分いけるだろう。


律「Go for broke! 当たって砕けろだ! 頑張るぞ、みんな!」

皆「お、おー!」




 ……いやいや姉ちゃん、砕けちゃダメでしょ……


786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 19:08:30.98 ID:zbuD2scDO
 受験というのは、思ったよりも時間が短く感じ、あっという間に終わる。
 やはり本番の中の本番というのは、集中力が違うな。



 みんな全力を出し切った。
 後は結果を待つのみ。



 唯さんはこれから滑り止めの学校を受験するみたいだが、俺はしない。
 俺にとって、実質合否なんかどうでもいい。

 金がかかるというのもあるが、それよりも……









 俺は3月1日に死ぬ。
 だから、大学には行けない。









 残り2ヶ月の人生……












 後悔しないように、最後の瞬間まで、精一杯生きることにしよう――――


787 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/11/08(火) 19:12:52.31 ID:zbuD2scDO
あと少し……あと少し……

明日から3日間インターンシップで市役所に行くから時間の余裕が無くなると思うので、もうちょっと書いてみようかな。

何かあればお願いします。



では引き続きいきますか
現在のサーバのご機嫌:普通ですー(LA:0.38525390625)
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 19:25:50.94 ID:zbuD2scDO
 もうすぐ、2月14日。
 バレンタインでもあり、N女子大の合格発表日でもある。

 そういや男の時は、姉ちゃんや澪姉、あと母さんくらいにしかチョコもらったことないな。

 唯さんのは……四年に一度はプロ級の出来になるが、それ以外は普通のものから、得体の知れない黒い物体まで高低差が激しいからなぁ……
 どうしたらああなるのやら。






 さて……俺が今どこにいるのかというと、梓さんの家にいる。
 なぜかって?

 道端で、ちょうど学校帰りの梓さんたちに会い……


梓『チョコの作り方教えてください!』


 と頼まれたからだ。



 ところで……



純「澪先輩に!」

梓「えーっ!? だめだよ私があげるんだから!」


 人気だなぁ澪姉……


純「それじゃ唯先輩でいいや〜……」

梓「あー……唯先輩ならいいよ」

憂「お姉ちゃん余り物……?」


 憂さんは少し涙目になる。


梓・純「うそうそ」


 さすがの俺でも、あの涙目攻撃は耐えられないだろうなぁ……

789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 19:31:16.87 ID:zbuD2scDO

聡美「それじゃ、早速はじめようか」

憂・梓・純「はい!」


 唯さんのあのプロ級のチョコには負けるだろうけど、俺は俺で頑張ってみよう。

 そうだな……プチケーキなんかどうだろうか。

 ……よし。

 今年のバレンタイン……俺にとっての最後のバレンタインは、プチケーキに決定だな。









 俺たちは試行錯誤を繰り返しながら、最高のプチケーキを作った。


790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 19:40:13.06 ID:zbuD2scDO
 2月14日。

 バレンタインデーであり、N女子大の合格発表日でもある。

 俺たち軽音部の三年生は、合格発表会場の最後列に並んでいた。


唯「ありゃりゃ……読めないや……」

澪「あの時……長文を間違えなければ……」

律「そう悲観になるなって澪! きっと合格してるって!」

紬「う〜ん……あ、確か聡美ちゃんって目いいのよね?」

聡美「あ、はい」


 この距離か……

 ……見えるわけがねえ。


紬「あ、これ使って?」


 ムギさんは双眼鏡を取り出す。

 ……って。


聡美「最初からそれ出してくださいよ……」

紬「そういえばそうね」


 ……えーと……






 姉ちゃんの……あった。
 唯さんのも……ある。
 澪姉のも、ムギさんのもある。



 ……俺のは……


791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 19:41:30.73 ID:zbuD2scDO












 ……あ。












 ……あった。






792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 19:56:10.37 ID:zbuD2scDO

聡美「……みんな、合格してます」

律「マジかっ!?」

唯「ほ、本当に!?」

紬「澪ちゃん、使う?」

澪「ありがと。……ほんとだ……みんな、合格してる……」






「「「「「や……やったー!!!!!」」」」」


 俺たちは円を作って喜ぶ。

 よかったな……姉ちゃんたち。
 無事に受かって。


律「……聡美? うれしくないのか?」

聡美「……あぁ、うれしいに決まってるよ。ただ……なんか実感が湧かなくて……」


 俺は今まで、何回ウソをついただろう。

 我ながら心が痛い。


唯「そうだ! あずにゃんにメールメール♪」

律「……唯。ここは、直接報告に行った方がよくないか?」

唯「それもそうだね……うん、そうしよう!」


 そうだな……確かにそっちの方が、インパクトも増すだろうし。



 俺たちは、桜高へと向かった。


793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 20:05:56.10 ID:zbuD2scDO
 部室の扉を開けると、まず純さんが振り向き、その後梓さんが振り向いて俺たちを見た。


梓「あれ……みんな……いる……」

唯「あずにゃんおひさしぶりー!」


 唯さんは勢い良く梓さんに抱きつく。


梓「ゆ、唯先輩……今日学校に来たってことは……」

唯「えへへー……合格したよN女子大!」

律「しかも……」

澪「全員、な」

紬「うふふ……」


 憂さんと純さんは、光琳とした表情で俺たちを見ている。
 さわ子先生は……プチケーキをおいしそうに食べている。


梓「唯……先輩……」

唯「なぁに? あずにゃ……ふおおーっ!?」


 梓さんは、唯さんを思い切り抱きしめた。



 おお……


794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]:2011/11/08(火) 20:10:48.96 ID:zbuD2scDO
 それから憂さんと純さん、さわ子先生や和さんも一緒に、みんなでお祝いした。

 姉ちゃんが裏口入学かと疑われたり、姉ちゃんが仕返しをしたりと、いろいろあったが、まさにハッピーエンドまっしぐらな雰囲気だった。



 あとは……



 3月1日。



 運命の分岐点。



 姉ちゃんを救い、ハッピーエンドにしてやる。






 残り半月……






 さて……準備を進めよう。












 俺の最後の晴れ舞台だ――――


795 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[!status]:2011/11/08(火) 20:17:07.59 ID:zbuD2scDO
さて……これで残りは卒業式だけ。

いくらラストとはいえ、うまく書けるのだろうか……?

明日に備えて、今日は早めに寝ます。

何かあれば、どうぞ。



ではノシ
現在のサーバのご機嫌:普通ですー(LA:0.33447265625)
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東海・関東)[sage]:2011/11/08(火) 22:22:49.89 ID:gC2ZCacAO

  / ̄ ̄\
l(itノヽヽヽl うん
ノリ(l|^ q^ノiたん♪
⊂ ロマンス つ
 (     )
 (_____)
(ヽ_゜゜ _ ノ
ξ ∪  ̄∪


  / ̄ ̄\
l(itノヽヽヽl
ノリ(l|' q 'ノi
⊂  ロマンス つ
 (     )ゆい、
 (_____)うんち
(ヽ_゜゜ _ ノ
ξ ∪  ̄∪

  / ̄ ̄\
l(itノヽヽヽl
ノリ(l|^ q^ノi 
 と  、, ヽ
 (  _)_)
し'し' ●
    ●●
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/11/09(水) 23:54:01.44 ID:WRGqlLBZ0
ラストって一部のラストってこと?
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(空)[sage]:2011/11/23(水) 18:34:08.95 ID:U8uQyTR1o
やっと追いついたと思ったら終わってなかった件
799 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/12/01(木) 19:52:03.77 ID:XDTRJeLDO
申し訳ございませんでしたぁっ!

超不定期更新でスミマセン。

今から書きます。


>>797
そうです。
でもまぁ……二部とかは、この一部よりは遥かに短くなると思います。

>>798
スミマセン。


ではいきます
800 :ちゃんと書けるかな2011/12/01(木) 20:15:32.53 ID:XDTRJeLDO
 3月1日。

 桜高卒業式。

 そして……



 俺にとっての、最後の24時間だ。

 ハッピーエンドにするための準備は、すでに整っている。



 あれは一週間ほど前だったか――






紬『聡くん……特定の人物に関する記憶を消す技術が、完成したわ。かなり限定的な技術だけど』

聡美『どういうものですか?』

紬『身体ごと刻を越えた人物……聡くんのことね。その人物の生命活動が停止すると同時に、その人物に関する記憶が全て消える技術……簡単にいえば、聡くんが刻を越えた証拠を全て消滅させる技術ね。唯ちゃんのお父さんが持っていたデータをもとにしたわ』

聡美『やっと完成しましたか……ありがとうございます』


 ……長かった。

 どれだけこの時を待ったことか。

 これで……ハッピーエンドになる。

 俺が死んでも、誰も悲しまない。

 ……完璧じゃないか。


紬『本当に……これでいいのよね?』

聡美『はい。では早速お願いします』

紬『分かったわ……』


 ムギさんがそう言った瞬間、俺の頭に激痛が走る。


聡美『ぐっ……あああぁぁぁ!!!』

紬『…………はい、これで終わりよ』


 頭から痛みが抜ける。


聡美『はぁ……はぁ……』

紬『じゃあね、聡くん……また会えたら……覚えていたら、会いましょう。

  この技術は……同じ時空平面上、同じ世界なら、こっちにも効果があるわ。

  未来人の記憶の書き換え……それに似たものだから……

  あと、通り魔は後ろから来るわ……それじゃあ……



  さよなら、聡くん……』


 そして、電話が切れた。

801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 20:22:22.05 ID:XDTRJeLDO

 ――そして今。

 卒業式も無事終了し、俺たちは部室であの曲を演奏しようとしている。



 ――天使にふれたよ。



 梓さんのために、俺たちが全員で協力して作った曲だ。

 梓さん……泣き止んでくれるかな??

 喜んでくれるかな?



 姉ちゃんがドラムスティックを掲げる。

 そして……






 俺にとってのラストライブが始まった――

802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 20:33:38.30 ID:XDTRJeLDO

 ――ねぇ

 思い出のカケラに

 名前をつけて保存するなら

 ”宝物”がぴったりだね――



 この三年間……本当に楽しかった。

 あの世に唯一持っていけるもの……

 それは思い出という名の、かけがえのない宝物だ。



 ――そう

 ココロの容量が

 いっぱいになるくらいに

 過ごしたね

 ときめき色の毎日――



 俺はもう、笑えないと思っていた。

 でも……姉ちゃんと再会してから、俺は毎日、笑っていた。


 ――なじんだ制服と上履き

 ホワイトボードの落書き

 明日の入り口に

 置いてかなくちゃいけないのかな


 でもね、会えたよ

 すてきな天使に

 卒業は終わりじゃない

 これからも仲間だから


 一緒の写真たち

 おそろいのキーホルダー

 いつまでも輝いてる

 ずっと

 その笑顔



 ありがとう――



 本当に、ありがとう……

803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 20:41:04.24 ID:XDTRJeLDO

 ――駅のホーム

 川原の道

 離れてても

 同じ空見上げて

 ユニゾンで歌おう――



 俺と唯さんの、ギターの音が重なる。



 ……そうだな……

 たとえ離れても、証拠が消えても、

 仲間だったという事実は消えない。

 いつまでも。



 いつまでも……!



 ――でもね、会えたよ

 すてきな天使に

 卒業は終わりじゃない

 これからも仲間だから


 大好きって言うなら

 大大好きって返すよ

 忘れ物もうないよね

 ずっと

 永遠に






 一緒だよ――



 忘れ物は……もうない。



 みんな……






 ありがとう――

804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 20:55:00.03 ID:XDTRJeLDO

 演奏が終わる。

 梓さんは、まだ泣いていたが……

 その表情は、さっきまでとは違い――






 ――笑っていた。






律「ほら、泣いてる場合じゃないぞ。今度は梓が部長なんだから!」

唯「どんな軽音部になるんだろ……あずにゃんの軽音部!」


 梓さんは涙を拭く。


梓「い、今の軽音部より全然すごい部にしてやるです!」

澪「その意気だ!」

紬「学園祭ライブ、絶対見に来るからね!」

聡美「頑張ってください、梓さん」



梓「……はい!」


 最後に見た梓さんの顔は……



 自信満々な笑顔だった。






律「それじゃ、そろそろ行くか」

澪「そうだな」

聡美「では、私はちょっと準備してきます」


 俺は一足先に部室を出る。

 校舎を出て、校門付近で待つ。

 準備はとっくの昔に完了している。



 しばらくすると、姉ちゃんたちが来た。

 例の交差点で、みんなと別れる。

 澪姉は、ムギさんと一緒にいる。

 まぁ……そうなるように俺が少し細工したんだがな。

 記憶が消されるからと言っても、現場はできるだけ見られたくないからな。

 姉ちゃんと二人きりになり、無言が続く。

805 :どうかな[sage]:2011/12/01(木) 21:00:20.45 ID:XDTRJeLDO

 先に話を切り出したのは、姉ちゃんからだった。


律「聡美……卒業、しちゃったな……」

聡美「そうだね……」

律「聡美って、いつまでも不思議なヤツだよな……家が無いなんて」

聡美「あはは……それはあまり、聞かないでほしいかな……そうだ、大学で時間があったら、話すよ」

律「そっか」


 そこで会話が止まる。

 携帯のサブカメラで、後ろを見る。









 ――居た。









 あいつが……通り魔。

806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:05:18.32 ID:XDTRJeLDO

 右手をポケットに突っ込んでるな……

 おそらく、あの手にナイフが握られているのだろう。






 徐々に距離が狭まる。

 通り魔が走り出した時……俺は姉ちゃんを前に突き飛ばし、通り魔のほうに振り向いた。












 その瞬間、












 俺の腹に、激痛が走った。

807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:16:23.02 ID:XDTRJeLDO

聡美「がっ……!?」


 痛い。

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!

 そして……熱い。


律「さ……さと、み……?」


 姉ちゃん……


聡美「逃げて……通報して……!」

律「あ……あ……あ……!」



聡美「早くっっっ!!!」


律「……っ!」


 姉ちゃんは足が震えていたが、俺の剣幕によって、なんとか逃げ出した。

 姉ちゃんは少し奥の曲がり角を右に曲がる。

 あの道を行けば……ムギさんたちと合流する。

 姉ちゃんの行動パターンを把握したからこそ……だな。

 まさに計算通りだ。


通り魔「……っ!」


 通り魔は姉ちゃんを追いかけようとする。

 しかし……


聡美「……!」


 痛みが、ひいた?

 傷は……ある。

 これは…………






 火事場の、馬鹿力か?

808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:22:02.77 ID:XDTRJeLDO

聡美「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!」


 俺は通り魔からナイフを奪い、そのまま通り魔を押し倒す。
 通り魔は抵抗するが、その力は弱かった。


 俺は奪ったナイフで何度も、


 腹を、

 胸を、

 脚を、

 腕を、

 何度も何度も突き刺した。

809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:25:32.99 ID:XDTRJeLDO



 返り血が、自分の顔につく。



 俺はその血を舌で舐める。



聡美「……アハハッ」






聡美「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:35:36.65 ID:XDTRJeLDO



 人間の指は、計20本。



 それらを全て切り取る。



 眼球をくり貫き、耳を切断する。



 髪を引きちぎる。



通り魔「……こ……ろ……して……く…………れ……」



 通り魔は、かすれた声で言う。



 殺してくれ?



 なんで?



 早く楽になりたいから?






聡美「アハハハハァッ!!!! すぐには死なせねえよ! お前には苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで死ンでもらわなけりゃ割に合わねえンだよォォォォォ!!!!!」



 俺は……通り魔の、男の証を切り取った。

811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:42:11.52 ID:XDTRJeLDO

通り魔「……! ……っ……!」


 通り魔はもう声がかすれすぎて出なくなっていた。


聡美「あっれェ〜? キンタマッテキンイロジャナカッタンダナァ〜?」

通り魔「……っ……」

聡美「……ン?」

通り魔「…………」



聡美「オイオイ……ナンダヨ……モウ死ンジマッタノカヨ…………っ!?」



 その瞬間、激痛が俺を再び襲ってきた。

812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:48:41.88 ID:XDTRJeLDO

 俺はその場に倒れる。

 誰かが駆け寄ってきた。


律「聡美! 聡美ぃっ!」


 ねえ……ちゃん……


紬「聡美ちゃん! もうすぐ、来るから!」


 何が来るんですか……ムギさん……



 澪姉は……ああ……あそこで震えてるな……



 やっべ……意識が……



 その時、生まれた時から……今までの記憶が、ゆっくりと流れる。



 これが……走馬灯……



 あぁ……






 姉ちゃん……






 どうか、お幸せに……









 愛してました……



813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 21:51:53.70 ID:XDTRJeLDO









 俺の視界が完全に真っ暗になり、









 感覚もなくなり、









 思い出だけが残り、









 意識も途切れ、









 俺の人生は、















 終わりを遂げた――――――






814 :……2011/12/01(木) 21:54:07.63 ID:XDTRJeLDO


















































815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 22:06:02.23 ID:XDTRJeLDO









 〜律Side〜






 聡美が、刺された。

 私を庇って。


律「さ……さと、み……?」


 私の頭の中がめちゃくちゃになる。


聡美「逃げて……通報して……!」

律「あ……あ……あ……!」


 足が、動かなかった。


聡美「早くっっっ!!!」


 気がつけば、足が勝手に動いていた。

 少し奥の曲がり角を右に曲がり、私は走った。


 澪とムギを見つけたので、私は通報してと頼んだ。

 事情を説明できるほど、私は落ち着いていなかったが、ムギは冷静に通報してくれた。

 澪になだめられ、少し落ち着いた私は、なんとなく嫌な予感がしたので、さっき聡美が刺された場所に行く。


 すると……



聡美「アハハハハァッ!!!! すぐには死なせねえよ! お前には苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで苦しンで死ンでもらわなけりゃ割に合わねえンだよォォォォォ!!!!!」



 聡美が、血塗れになりながら、通り魔を何度も何度も刺していた。



 そして……聡美は男性のアレを切り取った。

816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 22:15:50.25 ID:XDTRJeLDO

 猛烈な吐き気が、私を襲う。


聡美「あっれェ〜? キンタマッテキンイロジャナカッタンダナァ〜?」


 今のあの聡美には……もう、今までの聡美の面影は残っていなかった。


聡美「オイオイ……ナンダヨ……モウ死ンジマッタノカヨ……っ!?」


 聡美が急に倒れる。



 私は思わず、聡美に向かって走り出した。


律「聡美! 聡美ぃっ!」


 私がいくら呼びかけても、聡美は言葉を返してはくれなかった。

 それどころか、目がどんどん細くなっていき、それと同時に、力も抜けていった。


紬「聡美ちゃん! もうすぐ、来るから!」


 ムギ……


 澪は……なにやってんだよ……震えてないで、こっち来いよ……






 聡美の目が閉じ、









 聡美の身体から、完全に力が抜けた――


817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 22:17:50.28 ID:XDTRJeLDO









律「聡美……?












  さとみいいいいぃぃぃぃっっっっ!!!!」









818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 22:22:46.36 ID:XDTRJeLDO






 その時、何かが起こった。



律「えっ……?」



 聡美の身体が、消えていく。



 それと同時に、聡美に関する記憶が、消えていく。



 なんだ……これ……?



 通り魔も、



 血の跡も、



 全てが消えた時、






 私とムギと澪は、












 なぜか道路に座っていた――

819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 22:34:01.71 ID:XDTRJeLDO

律「あ、あれ……?」


 なんで私、こんな所に座っているんだ?


紬「私も……なんだか、何かとても大切なことを忘れているような……」


 澪も……なんでそこで震えているんだ?


澪「なんでだろ……なんだか、すごく恐ろしいものを見てたみたいな……」



律「……? なんなんだ……?」


 その時、黒いリムジンが近くに止まった。

 リムジンのドアが開く。


斉藤「どうなさいました!?」


 ええと……もしかして……斉藤、さん?


 ムギん家の執事……だよな?


紬「あら……? 私、呼んだかしら?」

斉藤「え、ええ。『今すぐ来て頂戴! 場所は分かるでしょ!?』と……」

紬「そうだったかしら?」


 確かに……ムギがそう言った記憶はある。


 でも……その理由が、分からない。

820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 22:44:49.71 ID:XDTRJeLDO

斉藤「お言葉ですが……紬お嬢様。今日は桜高の卒業式ではないのですか? それで、お嬢様とそのご学友様のために、卒業祝いのパーティーの準備を私めに頼むためにお呼びになられたのでは?」

律「そうなのか? ムギ」

紬「なんだか……そんな感じがするわ」


 それなら……一応、つじつまは合う。

 でも……



 それとは違う、何か大切なことを忘れている気がする。



 だから……


律「ムギ、今日の所は、やめにしないか?」

紬「そうね……そうした方がいい気がするわ」

斉藤「そうですか……では、ご自宅までお送りしましょうか?」

紬「そうね……じゃあ二人とも、乗って」


 私と澪とムギは、リムジンに乗る。



 スゲーな……これがお嬢様か。


821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 22:53:09.71 ID:XDTRJeLDO

 私の家の前に着く。


律「ありがとうございました」

紬「さよなら、りっちゃん」

律「おう」


 リムジンのドアを閉め、家の中に入る。


聡「あ、姉ちゃんおかえりー」

律「ただいま。……あれ? 今日は遊びに行くんじゃなかったのか?」

聡「そうだったけど……ちょっとね。姉ちゃんに話したいことがあってね」

律「…………え?」



 話したい、こと?



聡「姉ちゃん……いや、律さん」



 名前で、呼ばれる。












聡「僕は貴女のことが好きです……一人の女性として」


822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 23:02:03.54 ID:XDTRJeLDO



 ……え?



 聞き間違い……じゃないよな?



律「えっと……その……マジ、なのか?」

聡「うん……マジだよ」


 嬉しい……


律「私たち、姉弟なんだよ?」



 嬉しいけど……なぜか素直になれない。



聡「そうだけど……好きになっちゃったんだよ……」

律「……っ!」


 私は聡を抱きしめる。


聡「わっ……ね、姉ちゃん!?」

律「わ、私も……聡が好き……」

聡「ね、姉ちゃん……」

律「さっきみたいに……な、名前で……」

聡「……律」

律「聡……」






 私たちは長い間、お互いのことを抱きしめ合っていた――



                              END「田井中律」

823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]:2011/12/01(木) 23:17:29.04 ID:XDTRJeLDO












 〜唯Side〜






唯「見せつけてくれるなぁ……」


 この時代の聡くんとりっちゃんは、玄関を開けっ放しで抱き合っていた。

 聡美ちゃん……いや、こっちの、私の聡くんのことを覚えてる人は、私以外誰もいなかった。

 ムギちゃんとも連絡がとれなくなるし……

 やっぱり、身体ごと刻を越えたせいかな?

 あの技術……記憶消去技術は、私には効かなかったみたい。

 この左手だけの手袋……

 手首の部分には、S.Tの文字。

 無論、聡くんのイニシャルだ。

 私が提案した、指の付け根の太さを変えられる機能がついてる。

 まぁ……だから、中に指輪を仕込めるんだけど。

 これから私がやることに、必要だし。


唯「聡くん……」


 私は、平行世界への移動を行った。

 次の世界では……きっと聡くんと……



                              BAD END「親友と想い人」

824 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/12/01(木) 23:24:56.78 ID:XDTRJeLDO
ふぅ……

終わった……



いや、実際は終わってないけどね?



こんな駄作をここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。



映画公開まで、本当にあと少しですね。



第二部は、これより遥かに短くなりそうです。

第一部は約三年間ですが、第二部は一年もないと思います。



明日はテスト二日目なので、今日のところは少し勉強してから寝ます。



ではノシ
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東日本)[saga sage]:2011/12/02(金) 00:29:46.39 ID:LHCnGv6+0
>>1

乙でした。完走お疲れ様でした。
826 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/12/03(土) 15:56:17.68 ID:/XxEmR/DO
映画見てきた

あれはもうすげえヤバかった

聡出てきたし超満足

りっちゃんは俺の永遠の嫁

あと一週間くらいしたら依頼出してきます

ではノシ
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)[sage]:2011/12/06(火) 20:02:33.75 ID:Ai4gnp9i0
長い間お疲れ様でした
828 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS22011/12/14(水) 01:13:22.30 ID:xjGQ+PuDO
依頼出してきました。

第二部は年が明けてからになると思います。

けいおん一期の再放送がもうすぐ終わるので、寝ます。


ではノシ
829 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/14(水) 09:23:22.24 ID:/dewESNAO
通り魔が実は未来の聡だったというオチを期待していたが、違うのか
830 :Sa10 ◆ZS2S2s/sS2[sage]:2011/12/15(木) 15:38:13.00 ID:1+ekP6RDO

>>829
レスを見てふと良いアイデアが浮かんだので、主要人物を一人増やしたいと思います。



では第二部のスレでまた会いましょう。

ノシ



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