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HTML化した人:lain.
QB「マサムネのきれあじをきみらのからだであじわうといい!」
1 :[saga]:2011/06/23(木) 20:45:36.47 ID:MDMzsrWe0
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8322561 BGM注意

●ゲームボーイにてスクウェア(現スクエニ)から発売された名作
「Sa・Ga2 秘法伝説」の舞台に魔法少女が降り立ったら?そんなSSです。

●サガ2って?それは1を始めとして、ドラクエFF全盛期の頃に
何気なく触れたら、わけわかんないほど面白かった、とみんなが感じた。
そんなRPGゲームです。

●作中にまどか側の設定はほとんど面影を残しておりません。
じゃあ他の作品でやれとかは、筆者には聞こえません。
登場人物の口調などは、出来るだけ頑張っているつもりです。

●筆者はDSのリメイク版を遊んでいないため、基本的に原作仕様です。
サガ2側でいじった設定は、
秘法>ソウルジェム(ほとんど名前だけ)
種族>それぞれの魔法少女の能力
となっております。マミさんがメカ外見なんてあんまりだよ。
サガ2側の他の設定は残しながらSSを書いていく予定ですが、
気が変わるかもしれません。

●筆者はこのSSに絶対BGMを入れたかったのですが、
音源があまり見つからなく、リンク先のBGMは
リメイク版・アレンジ版がごちゃ混ぜになっております。
それらが嫌な方は申し訳ありませんが、脳内再生お願いします。
この場を借りて、動画UP主に感謝を。

●筆者自身も忘れている要素が多すぎるため、
実際にゲームをプレイしながらの執筆をしております。
そのため、投下間隔はえらい長くなる事が予想されます。
それでもお付き合い頂ければ幸いです。

●絶対に最後まで書くよ。
2 :[saga]:2011/06/23(木) 20:45:54.45 ID:MDMzsrWe0

3 :[saga]:2011/06/23(木) 20:46:20.58 ID:MDMzsrWe0


ソウルジェム。



世界を創った古き神々の残していった遺産。

それは素晴らしい力のシンボル。

ソウルジェムをめぐって多くの者が争い、ある者はソウルジェムを手にし、

またある者は敗れ去り消えていった。



そして今、新たな戦いの物語が始まろうとしている。

4 :[saga]:2011/06/23(木) 20:46:47.10 ID:MDMzsrWe0


「・・・まどか!・・・まどか!」

5 :[saga]:2011/06/23(木) 20:47:12.92 ID:MDMzsrWe0
まどか「・・・ん・・・ママ・・・?」

詢子「まどか、アタシは旅に出るよ」

まどか「ん・・・また・・・?・・・スー・・・」

詢子「それでだ、これを預かって・・・・・・おい、まどか、寝るな!」

まどか「・・・何よ・・・ママ、眠いよ・・・」

詢子「よく聞きな!これは誰の手にも渡しちゃいけないよ・・・いいね?」



 − ソウルジェム 精霊の鏡を手に入れた −



まどか「またどこかへ行っちゃうの・・・?」

詢子「ああ。パパを頼むよ」

まどか「うん・・・早く帰ってきてね」

詢子「・・・分かってる。元気でいろよ」



 部屋の中も、窓から見える外も、まだ真っ暗であった。
それにも関わらず、詢子は窓を開け、そこから身を投げて外へ出る。



まどか「どうしてお母さんはいつも窓から出ていくんだろう・・・」



 まどかの手に残されたソウルジェム。
淡い輝きを放つそれを、古き神々の遺産だとは
まだ今の彼女には理解できなかった。



まどか「これ・・・何だろう・・・」
6 :[saga]:2011/06/23(木) 20:47:44.60 ID:MDMzsrWe0


 − そして時は流れ まどかも成長した −

7 :[saga]:2011/06/23(木) 20:48:13.39 ID:MDMzsrWe0
ーーー まどかの自宅 −−−

 テーブルに乗せられた朝食。
まどかはその部屋の食卓を、父親と二人で囲んでいた。
あの日、母親が出て行って以来、ずっと繰り返されて来た光景。

 まどかは、子供の頃から考えて来た思いを
今日こそ父親に伝えようと、決心していたのだ。



まどか「パパ・・・あのね・・・」

知久「何だい?まどか」

まどか「・・・えっと・・・その・・・」

知久「言いにくい事なのかい。悩みがあるなら聞かせてごらん」

まどか「・・・ママを探しに行きたいの」

知久「そうか・・・いつかは、この日が来ると思っていたよ。
 まどかはママが大好きだからね」

まどか「でも、パパの事も心配なの。一人っきりにしちゃうと思って・・・」

知久「僕の事なら心配はいらないよ。行ってきなさい」

まどか「・・・うん・・・」

知久「ママに会えたら、パパは元気だったと伝えておくれよ」

まどか「・・・パパ、私ね・・・」

知久「さあ、そうと決まったら早く行きなさい!
 ・・・ああそうそう、先生にも挨拶をして行くんだよ」

まどか「うん・・・パパ、きっと私、ママと一緒に帰って来るからね」
8 :[saga]:2011/06/23(木) 20:48:45.11 ID:MDMzsrWe0
ーーー まどかの村の学校 −−−

 まだ級友が誰も来ていない、通いなれたこの教室。
早乙女和子先生は、ただ黙ってまどかの話を聞いていた。
じっと考え込んでいた後に、先生はこう話したのだ。



和子「そう・・・鹿目さん、行ってしまうのね」

まどか「はい。絶対に、ママを見つけてみせます」

和子「それなら話しておきます。世界は、古き神々がお創りになられました」

まどか「はい、授業でちゃんと聞いていました」

和子「彼らの遺産は、多くがソウルジェムとして世界中に散らばっています」

まどか「・・・そうでしたっけ?」

和子「ハァ・・・鹿目さん、あなたが幼い頃に詢子から受け取ったそれは、
 そのうちの1つなのですよ?」

まどか「これが?」



 まどかは懐から”精霊の鏡”を取り出す。
不思議な宝石だとは思っていたが、神話に伝えられるほどの
宝物だったとは思ってもいなかったのだ。



和子「いいですか、ソウルジェムはそれぞれに大きな力を秘めています。
 その力を持って、自らを新しき神々と名乗る者さえ居ます」

まどか「なんでそんな物を、ママが?」

和子「詢子は、ソウルジェムを集めていました。
 その力を、誰かに悪用されたりしないようにね」



 その言葉を聞いて、まどかは母親の事を誇らしく思っていた。
幼い頃から、こそこそと窓から抜け出ていく母親を見ていた彼女は、
母親のやってきた事が何なのか、まるで知らなかったのだ。
9 :[saga]:2011/06/23(木) 20:49:52.95 ID:MDMzsrWe0
まどか「ママは正義の味方だったんですね!」

和子「そんなところですね。詢子を探すのなら、ソウルジェムを頼りにしていけば
 きっと何時か出会えると思いますよ」

まどか「はい!」

和子「鹿目さんの持っている”精霊の鏡”は、鹿目さんの居る世界と
 同じ世界に、いくつソウルジェムが存在しているか教えてくれるはずです」

まどか「早乙女先生、ありがとうございました!
 ソウルジェムの事も、色々と調べてみます!」



 会話を終え、まどかは教室から出ようとする。
そんな彼女の目の前に現われる、3人の友人達。



マミ「鹿目さん、私達に黙って行くなんて水臭いじゃない」

杏子「一人ぼっちは寂しいもんな・・・って訳じゃないからな!」

ほむら「私達を置いて行こうなんて。まどか、貴方はどこまで愚かなの」

まどか「マミさん、杏子ちゃん、ほむらちゃん・・・」



 危険な旅になるであろう事は、まどかにも分かっていた。
そのために返事を戸惑っているまどかの背中ごしに、
早乙女先生の声がまどかに届く。
10 :[saga]:2011/06/23(木) 20:50:20.20 ID:MDMzsrWe0
和子「信頼できる仲間が居ることはとても良い事です。
 一人で頑張るより、仲間に頼りなさい」

まどか「先生・・・分かりました!みんな、よろしくね!」

杏子「アタシは世界中の肉が食べたいだけだからな!勘違いすんなよ!」

マミ「あらあら、ツンデレ乙」

ほむら「・・・・・・」ファサッ

和子「この村から北の洞窟を抜けて、街まで行くといいと思いますよ」

まどか「はい!行ってきます!」

杏子「それじゃ、行ってくるぜー」

マミ「それでは先生、ありがとうございました」

ほむら「私の戦場はここじゃない」ファサッ

和子「皆さん、元気でね・・・」

まどか「先生・・・ありがとうございました」ウルッ



和子(暁美さんはいつも不思議な子ね・・・
 髪の赤い子なんて、ここの生徒ですらないし・・・)
11 :[saga]:2011/06/23(木) 20:50:47.17 ID:MDMzsrWe0
ーーー まどかの村 −−−

まどか「それじゃあ、出発〜!」

ほむら「待ちなさい、まどか。村の外に出れば、魔物がうろうろしているわ。
 私達は、今のうちに役割分担を考えておくべきよ」

まどか「あ、そっか・・・それじゃあ、私は魔力で体を鍛えているから
 剣で魔物をたたく役ね!」

マミ「私は魔力で弾丸を作れるから、銃で援護するわ」

杏子「アタシは火を吹けるぜ!こないだドラゴンの肉を食ったからな!」

ほむら「それでは、私は魔法で回復したり、敵を攻撃するわ」

ほむら(あれ?これって自己紹介?役割分担って?・・・まいっか)



 そうして彼女達は歩き出す。
世界中に散らばるソウルジェムを集めるために。
そして、まどかの母親を探すために。



??「待ちなさい!」



 彼女達の背後から、引き止める声。



和子「やっぱり、先生も一緒に行きます」

 − せんせいが 仲間になった −

まどか(あれ?さっきの私、泣き損?)

和子(鹿目さんと巴さんはともかく、他2名が心配だわ・・・)

杏子(?)

ほむら(ほむほむ)

マミ(マミマミ)
12 :[saga]:2011/06/23(木) 20:51:13.88 ID:MDMzsrWe0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

ーーー まどかの村の外〜洞窟 −−−

 彼女達は、彼女達が気構えていたほど
外の様子に苦労はしていなかった。

 ときどき、彼女達の前に魔物が立ち塞がってはいたが
早乙女先生がその全てを片付けていたのだ。

マミ「先生、すごい!もう何も怖くない」

杏子「肉まだ〜」チンチン

ほむら「まどか、魔物が現われると危険だわ。私と手を繋いで歩きましょう」

まどか「えぇ・・・片手が塞がってた方が危ないよ・・・」

和子(前言撤回。巴さんも危ない・・・)

和子「あ、宝箱があるわ。早速、開けてみるといいですよ」

まどか「はい!私、開けてきます!」

ほむら「私も開けるわ」

まどか「じゃあ、ほむらちゃんお願い」

ほむら(ホムーン)

 − ブロンズの盾を 手に入れた ー
13 :[saga]:2011/06/23(木) 20:51:42.51 ID:MDMzsrWe0
和子「盾を使うと魔物からの攻撃を回避できますよ。
 その代わりに、攻撃は出来なくなってしまいますけれども」

杏子「アタシは道具を装備できないから、関係ないね」

マミ「なんか・・・盾が体にひっつくわ・・・」

ほむら「まるでメカね」

マミ「私は機械なんかじゃない!」

まどか「まあまあ・・・盾を使わなくても体にひっつくおかげで
 防御力が高くなったわけだし、マミさん!先導、お願いします!」

杏子「そうだな、頼むよマミ」

ほむら「貴方にしか頼めないの」

マミ「仕方ないわね・・・」ドヤッ



 そんな4人を見て不安げな表情を隠せない早乙女先生。
だが先生がいる限りは、この洞窟の中に居る魔物など敵ではなかった。
彼女達は襲い掛かる火の粉を払いながら、洞窟の出口を見つける。



まどか「マミさん凄い!バトルハンマーもくっついた!」

マミ「心なしか体力が上がった気がするわ」

杏子「怖いものなしだな。もうマミが先頭で決定な」

マミ「もう何も怖くない」

ほむら「私もケアルを覚えたわ。安心して攻撃を食らって、巴マミ」

和子(なか・・・ま・・・?)

和子「・・・皆さん、出口が見えて来ましたよ」

まどか「先生!出口の前に何かが居ます!」

和子「ここに居た魔物の親玉のようね。みんな、回復してあげるから
 こっちに来なさい」

ほむら「まどかの回復は私に任せて」
14 :[saga]:2011/06/23(木) 20:52:08.48 ID:MDMzsrWe0
 和子は意識を集中させると、その手に白い光が集まる。
それに触れられた杏子は、自分についていた小さな傷が
消えていくのを目にしていた。



杏子「先生すげえな!ありがて〜」

和子「ほら、巴さんもこっちに」

マミ「わぁ、すごい。ありがとうございます、先生」

まどか「もう体力全快だよ、ほむらちゃん・・・」

ほむら「・・・・・・」キュイーン、キュイーン、キュイーン

和子「・・・・・・ゴホン!これから、あそこに居る魔物と戦います。
 見たところ、ラムフォリンクスという鳥系の魔物ですね」

杏子「うまそうな肉になりそうだな」

和子「・・・皆さん、油断だけはしないでちょうだいね」

マミ「体が軽い。もう何も怖くない」

まどか「よーし、皆がんばろ〜!」

和子(聞けよ)

ほむら「・・・近づいて来たわ」

ラムry「ソウルジェムを寄越せ!俺は神になるんだ!」



 その魔物が自分から襲ってきたため、彼女達は身構える。
ほむらと杏子はそれぞれの能力を、まどかとマミは武器を構えて
ラムフォリンクスへと向けていた。

 早乙女先生はすでに、他の4人とは違って戦闘態勢を取っていた。
彼女達が行動を起こす前に、先生の手の平に炎が集まってゆく。
15 :[saga]:2011/06/23(木) 20:52:38.91 ID:MDMzsrWe0
和子「・・・ファイア!」

ラムry「あべし」



 呆気に取られる4人。眼前の敵は、もはや炭の塊となっていた。



まどか「・・・え?」

マミ「なにこのチート」

和子「な、何よ。原作通りの展開よ!」

杏子「あ〜あ、これじゃあ食べられるところが・・・
 お、まだ中の方は食えそうだな。モグモグ・・・

ほむら「食べるのね・・・」

杏子「なんかシルバーって言われた気がした。馬系らしいぜ」

マミ「何それ?」

杏子「さあ?ああ、”ほのお”が使えなくなっちまった!便利だったのにな・・・」

ほむら「私はケアルを覚えていたのに、またケアルを覚えた」ファサッ

まどか「わけがわからないよ」

ほむら「事実よ」

 そんな事を言いながら、彼女達は洞窟の出口へ向かう。
薄暗い洞窟に差し込む日の光に、全員が目を細める。

 その出口には、青々とした草原が広がっていた。
16 :[saga]:2011/06/23(木) 20:53:15.55 ID:MDMzsrWe0
和子(この子達をこのまま行かせて大丈夫かしら・・・)

和子「あ」

まどか「先生、どうかしましたか?」

和子(そういえば、あの人にお料理を作ってあげる約束していたのって
 今日だったっけ・・・)

和子「皆さん、私は村を守るという大事な役目があります。
 ここでお別れですね」

まどか「はい!きっとママを見つけて帰ります!
 先生、さようなら・・・」

和子「鹿目さん、あなたならきっと上手く行くわ。頑張って下さいね」



 − せんせいと 別れた −



杏子「でもさ、男だべ」

マミ「間違いないわね」

まどか「私達がママを見つけて村に帰るまで、持つかな・・・」

ほむら「同じ経験を何度も繰り返し、たった一つの出口を探る。
 それでも、あの人は絶望の運命から逃れられない」

マミ「・・・円環の理ね・・・」ドヤッ

ほむら「そうね。否定はしない」ファサッ

まどか「こんなのひどすぎるよ・・・あんまりだよ・・・」

杏子「一人ぼっちは寂しいもんな・・・」



 そんな会話をしながら、彼女達は草原を歩く。
幸いな事に、目的地であった街は洞窟から近く、
少し歩いただけで彼女達の視界にそれは入っていた。
17 :[saga]:2011/06/23(木) 20:53:58.97 ID:MDMzsrWe0
短いけれど今日はここまで。
次回は未定です、3日以内には・・・
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/23(木) 22:03:01.49 ID:d+GaiTLWo
otu
19 :[saga]:2011/06/25(土) 12:13:42.36 ID:dAVNrhNe0
SaGa2の解説 種族について


まどか>SaGa2において にんげん の能力を持つ

人間は、武器や銃火器を使って戦う事を得意とする種族です。
SaGa2の武器は使うたびに耐久値が減ってゆき、0になると壊れます。
そのため、人間を強くするためにはお金(単位:ケロ)がかなりかかります。
SaGa2の成長方式が戦闘後のランダムステータスアップ(例:ちからが上がった)
となっておりますので、育成が終わるまでには時間がかかります。
しかし育てきった人間は非常に強いため、人間は大器晩成型と言える種族でしょう。


ほむら>SaGa2において エスパー の能力を持つ

エスパーは、人間と同じように武器や銃火器も持つ事が出来ますが、
その他に色々な能力を覚えていきます(ファイア、ケアルなど)
能力を覚えるタイミングは、戦闘後にランダムとなっております。
SaGa2の装備・能力欄が、合計で8スロットしか空いていないため、
余計な能力を覚えすぎると何も装備が出来なくなったりもします。
人間と同じく戦闘後に成長しますが、人間より成長は遅いです。


マミさん>SaGa2において メカ の能力を持つ

メカは、戦闘後のステータスアップを一切行いません。
装備品を装備する事により、メカのHPとステータスは上がって行きます。
(例:メカに”バトルハンマー”を装備させると、力2↑ HP9↑)
メカには普通は装備出来ない防具の組み合わせを行えるため、
序盤にはかなりの防御力を誇ります。
(例:”ブロンズアーマー”を3個同時装備など。人間エスパーには無理です)
またメカに装備をさせた武器は、耐久値を宿屋で回復させる事が
できるようになります。このため、高価な武器も安心して装備させられます。
やはり装備欄が8スロットしかないため、終盤では装備のステータスアップが
限界となり、やや足手まといな印象となります。メカは早熟型と言えます。


杏子>SaGa2において モンスター の能力を持つ

モンスターは、戦闘後のステータスアップを一切行わないのに加えて
何も装備する事が出来ません。しかし、戦闘後に敵がランダムで落とす
”肉”を食べる事によって、別種のモンスターへと変化します。
ステータスと能力がそのモンスターのものと変わっていくため、
”肉”の食い合わせによっては強くなったり弱くなったりもします。
お金が一切かからないために便利なモンスターですが、
やはり終盤では息切れしがちな種族です。モンスターも早熟型と言えます。
20 :[saga]:2011/06/25(土) 12:14:14.06 ID:dAVNrhNe0
−−− 旅立ちの街 −−−

まどか「あれっ・・・?」



 まどかの視線の先には、一人の女性がいた。
その綺麗な黒髪をなびかせて、彼女達に背を向けて
駆け去るその姿は、まどかの母親のものと瓜二つ。



マミ「鹿目さん、あの人・・・」

まどか「うん・・・ママかもしれない」

杏子「なんだぁ、アタシ達の旅はもう終わりかよ」

ほむら「それはそれで喜ばしい事だわ。追いかけましょう」



 そうして少女達は、その女性を探そうとした。
だが、街の曲がり角を曲がったその女性は、
人ごみの中に消えていってしまったのだ。



ほむら「見失ってしまったわね」

まどか「うん・・・」

杏子「そんじゃ、みんなで手分けして探そうか?」

マミ「それがいいわね。1時間後に、あそこのレストランで落ち合いましょう。
 佐倉さん、寄り道してつまみ食いとかしないようにね?」

杏子「な・・・!・・・はん、好きにさせてもらうよ!」ピュー

ほむら「逃げたわね」

マミ「仕方ないわね・・・鹿目さん、私達はちゃんと探してくるからね」

まどか「マミさん、ありがとう!」

ほむら「私が見つけ出して見せるわ」ファサッ

まどか「ほm・・・もう行っちゃった」
21 :[saga]:2011/06/25(土) 12:14:42.20 ID:dAVNrhNe0
 まどかは街の中を歩いていた。いくら歩いても先ほどの
女性が見つからなかったため、そこいらに居る通行人から
母親の事を聞こうと思っていたところであった。



まどか(あっ!居た!)



 彼女の視線の先は、酒場のある建物の脇にある袋小路。
母親と思わしき女性は、壁を向いたままこちらに背を向けていた。



まどか「ママ!」



 振り向いた女性の顔は、まどかの知る母親のものではなかった。
完全に人違いだったのだ。



??「なんだねチミは」

まどか「あ・・・間違えました、ゴメンなさい」

??「人違いかい。ところで、古き神々の遺跡にソウルジェムが
 有ると聞いとるんだが、どこだか知らないか?

まどか「いえ・・・知りません」

まどか(いきなり何を聞くんだろう・・・でも、ソウルジェムって言ってた
 そういえば、先生が”精霊の鏡”を使えばソウルジェムがいくつあるか
 分かるって言ってたな・・・)



 ふとそれを思い出したため、まどかは懐から”精霊の鏡”を取り出し
それをじっと見つめる。使うと言ってもどうやって使うのか。

 見当が付かなかった彼女は、しばらくの間はそれを握ってみたり、
振り回したり、頭の上に乗せたりしていた。
22 :[saga]:2011/06/25(土) 12:15:15.60 ID:dAVNrhNe0
まどか(あ・・・よーく見たら”精霊の鏡”の中に数字が書いてあった。
 わたしってほんとバカ)

 − この世界に残るソウルジェムはあと 6 −

まどか(6コもあるんだ・・・そのうち何個が、さっきの人が言ってた
 古き神々の遺跡にあるんだろう?)

まどか(ソウルジェムを辿っていけば、きっとママが見つかる。
 よし、古き神々の遺跡、どこにあるか調べてみよう!)



 それからしばらく。まどかは聞き込みを続けるが、
得られた情報は芳しい物ではなかった。

 やがて集合の時間が迫ってきたため、
彼女は先ほどみんなで決めた集合場所へとぼとぼと向かう。
そこにはマミとほむらがすでに集まっていた。
23 :[saga]:2011/06/25(土) 12:15:41.27 ID:dAVNrhNe0
まどか「みんなごめんね、お待たせ。さっきの人、
 ママじゃなかったよ」

ほむら「見つからなくてガッカリしていたところよ。
 人違いだったのね」

マミ「残念だったわね、鹿目さん。元気を出して、次を探しましょうか!」

杏子「悪い悪い、待たせちゃったね」トコトコ

まどか「杏子ちゃん、探させちゃってごめんね。あの人、
 ママじゃなかった」

杏子「そっか、残念だったね。アタシも結構、探したんだけど
 見つからなかったんだよ」

マミ「本当に探してたの?まあいいわ、色々と情報を仕入れたの。
 どうもアシュラって悪い奴がいて、そいつがソウルジェムを
 探し回ってるみたいなの」

ほむら「私も色々と調べたわ。ここから西にイシス神殿があって、
 そこにはゆまって可愛い神官が居るそうよ」

まどか「あ、私も!この世界に古き神々の遺跡っていう所があって
 そこにはソウルジェムがあるらしいよ」

杏子「・・・・・・」

マミ「佐倉さん、あなたも何かないの?」

杏子「・・・・・・ゲェープ」

ほむら「・・・最低ね、佐倉杏子」

杏子「・・・何だよ・・・好きにさせて貰うつったろ」

マミ「はぁ・・・それで鹿目さん、その遺跡は何処にあるのか分かるかしら?」

まどか「それが分からなかったんです。ごめんなさい、マミさん」

マミ「あなt
ほむら「あなたが謝る必要はないわ、まどか」

マミ「でh
ほむら「では、分かっているのはイシス神殿だけのようね。
 そこから行ってみましょうか」

マミ(マミマミ)
24 :[saga]:2011/06/25(土) 12:16:17.12 ID:dAVNrhNe0
−−− イシス神殿 −−−

 彼女達は街を出てから西へ歩き続けた。
目指す方角は草原からやがて深い森となっていったが、
大きな障害もなく、彼女達はこの石造りの神殿にたどり着いていた。



まどか「杏子ちゃんのキック強い!」

ほむら「魔物が一撃で消し飛んでいたわ」

杏子「肉の食い合わせが良かったのか?アタシとしては、
 魔物をいっぺんに倒せる能力の方が使いたいんだけどな」

マミ「今はそんなに大勢の魔物も出て来ないし、良しとしましょうよ
 そうそう、さっきあそこの人が面白いお話をしていたわ。
 なんでも、この隣には砂漠の世界があって、
 そのまた隣には巨人族の世界があるんですって」

まどか「へ〜、色んな世界があるんですね、マミさん。
 やっぱりそれぞれの世界にもソウルジェムが散らばっているのかな」

ほむら「そう考えるのが自然ね」

杏子「巨人って食えるのかな」

マミ「おなか壊しても良かったら、どうぞ」

まどか「あ、あそこに神官さまがいるよ。ゆまって人かな?」

ほむら「ずいぶんと小さいのね」

杏子「ちびっこだな」

ゆま「ちびっこ言うな!わたしはゆまだ!こっち来なさい!」

マミ「ごめんなさい。怒らせるつもりはなかったの」



 ゆまと思われる神官が、ぷりぷりと怒っているように見える。
そんな彼女に弁解をしようとしたまどか達は、
おずおずと神官の立っている台座へと近づいていった。
25 :[saga]:2011/06/25(土) 12:16:52.19 ID:dAVNrhNe0
ゆま「傷を治してあげるよ!はい、終わり!」キュイーン

マミ「あら、怒っていなかったのね。どうもありがとう。
 ちょっとお聞きしたいのだけど、ソウルジェムについて何か知らないかしら?」

ゆま「ソウルジェムを集めてどうするつもり?
 まさか、神にでもなりたいの?」

まどか「違います!私のママがソウルジェムを探して、
 行方不明になっていて・・・それで・・・

ゆま「そっか。あなたのママって、美人でバリキャリな人?」

まどか「え!知ってるの?その人です!」

ほむら(断定してる)

ゆま「その人がソウルジェムの事を私に聞いてきた。
 聞いたら、またふらっとどこかへ行っちゃった」

まどか「そうだったの・・・ありがとう、ゆまちゃん」

ゆま「ソウルジェムなら、古き神々の遺跡にあるって聞いたよ。
 ここから南に行ったところの森に、遺跡があるみたい」

まどか「どうして教えてくれるの?」

ゆま「ママを探してるんでしょ。あなた達は、悪い人じゃなさそう」

マミ(銃ぶっぱなしたいわー。銃、ぶっぱなしたいわー)

ほむら(幼女萌え・・・うーん・・・まどか一筋だし・・・)

杏子(・・・さすがに幼女食うとか言い出したら怒られるな。自重しよう)

ゆま「・・・たぶん」

まどか「ありがとう、ゆまちゃん!私、探してみるね」
26 :[saga]:2011/06/25(土) 12:17:19.47 ID:dAVNrhNe0
−−− 古き神々の遺跡 −−−
 
 それは、ゆまの言っていた通りの場所に存在していた。
深い森の中、そびえたつ人工の建築物。
その内部を、彼女達は歩いていた。



マミ「いたい、いたい」

杏子「思いっきりマミに魔物の攻撃が集中してるな」

まどか「マミさん、頑張って・・・!」

ほむら「はい、ケアルよ」キュイーン

マミ「体が軽い」

まどか「やっぱり先生が居てくれたから、私達は最初の洞窟を
 楽に抜けられたんだね・・・」

ほむら「そうね。私達だけになってみて、初めて迷宮探索の
 怖さを思い知っているわ」

杏子「今更どうこう言ったってしょうがないさ。お、宝箱があるぞ」

 − ムチを 手に入れた −

ほむら(これは・・・)ジー

まどか「な、何?ほむらちゃん。私こんなの装備しないよ」

ほむら「じゃあ私が・・・」

まどか「えいっ」ポイ

マミ「ゲットだぜ!」ペタッ

ほむら(ホムーン)
27 :[saga]:2011/06/25(土) 12:17:54.98 ID:dAVNrhNe0
ほむら「魔物よ。サンショウウオね」

杏子「サンショウウオねって・・・8匹もいやがるぞ!」

まどか「頑張るしかないよ!マミさんが!」

マミ「ブロンズの盾の威力を見せる時が来たようね」



 マミはブロンズの盾を構えて、防御態勢を取る。
その間にまどかと杏子は攻撃を、ほむらは魔力を用いて
”ほのお”の能力を発現させていた。

 しかし、”ほのお”の威力にサンショウウオは耐えており、
まどかと杏子がそれぞれ1匹ずつを仕留めていたものの、
残りの6匹からマミは牙で噛まれ続けていた。



マミ「いたい、いたい」

杏子「ああ、マミがやられちまった!使えねぇんだな・・・・・・盾って」

まどか「杏子ちゃん、その言い方はあんまりだよ!マミさんが使えないだなんて!」

ほむら(まどか、きっとその解釈は間違っている) 



 まだまだ敵の数が多いため、ほむらはもう1度”ほのお”の能力を
発動させる。2発目のそれに魔物は耐えられず、その姿を消していった。



ほむら「巴マミ、大丈夫?ケアルしてあげるわ」キュイーン

マミ「もう嫌よぉ・・・佐倉さん、並び順を交代してよぉ・・・」グスッ

杏子「ええ、何でアタシが!アタシは何も装備できないから防具もないんだぞ!」

まどか「大丈夫だよ!今の杏子ちゃん、馬系のシルバーだし!」

杏子「根拠がわかんねえよ!」
28 :[saga]:2011/06/25(土) 12:18:21.11 ID:dAVNrhNe0
 しばらく探索を続けた彼女達の前に、再び魔物が立ちはだかる。
しかし、まどかの言う通りに杏子は敵の攻撃をすべて跳ね返していた。



マミ「佐倉さん、本当に硬い・・・」

杏子「なんでか無傷だな、アタシ」

まどか「ね、言った通りでしょ」マドマド

ほむら「まどかの言う事に間違いはないわ」ファサッ

杏子「でも、足が痛くてもう”キック”できねぇ。
 今やっつけたハエ男の肉、アタシが食っていいかい?」

マミ「食べられるのならどうぞ・・・」

杏子「モグモグ。お、新しい能力がわいてきた」

まどか「どんなの?」

杏子「えのきもどきだってさ。”パンチ”しか出来ないじゃねぇか!」

ほむら「期待できそうにないわね」

マミ「あら、あそこに誰か居るわ」



 マミが指差した先には、3つの宝箱とそれを開けようとする
2人の怪しい男達。彼らは少女達に気付くと、
慌てた様子を出してこう話していた。



男A「やべ、誰か来たぞ」

男B「ソウルジェムは頂いたし、退散しよう」

ほむら「待ちなさい!」


 
 そんな彼女の制止も聞こえなかったかのように、
男達は足早にその場を駆け去って行った。
29 :[saga]:2011/06/25(土) 12:18:49.39 ID:dAVNrhNe0
まどか「あの人達、ソウルジェムって言ってたよね・・・」

杏子「アタシ達のものを盗むなんてふてぇ奴らだ。シメちまおう」

マミ「その言い方は乱暴すぎるけれど、同感ね」

ほむら「まだ開けられていない宝箱もあるわ」

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

杏子「お、ソウルジェムならアタシでも装備できるみたいだ。力、もらうよ」

まどか「それじゃ私、レイピアとか素早さ重視の装備しているから、
 素早さのソウルジェムもらうね」

ほむら「この中で魔力を使えるのは私しか居ない」

マミ(・・・”精霊の鏡”でも装備していよう・・・)

まどか「あ、魔物がいるよ!」

杏子「たく、泥棒を追いかけなきゃいけないのに・・・
 おお?力のソウルジェム、結構すごいよ!」パンチ

ほむら「私の”ほのお”の威力もすごい上がったわ」ドーン

まどか「レイピアで切りつけると、ダメージが2倍くらいになったよ!」ビシッ

マミ(フフフ・・・”精霊の鏡”もすごいのよ・・・)ターン

杏子「またハエ男の肉か。モグモグ・・・」

まどか「今度は?」

杏子「おどりダコだってさ。能力は触手?ああ、アタシの髪の毛か」

ほむら(キモい・・・)

マミ(うねっているわ、佐倉さん・・・)

杏子「・・・何だよ・・・ああ!泥棒、あそこに居た!」

男A「くそっ、早くドアを開けろ!」バタン
30 :[saga]:2011/06/25(土) 12:19:17.50 ID:dAVNrhNe0
マミ「待ちなさい!」ガチャガチャ

ほむら「落ち着いて、巴マミ」

まどか「泥棒が逃げちゃうよ!マミさん早く!早く!マミさん!」

マミ「〜〜〜」ガチャガチャガチャガチャ

杏子「ああもう、アタシに任せろ!」

まどか(杏子ちゃん・・・髪の毛でドアを開けてる・・・)

マミ(うわぁ・・・)

杏子「何だよ!ほら、開いたぞ!急げ!」バタン



 久しぶりのように思える、太陽の光。
遺跡の出口に辿りついた少女達は、目の前の開けた場所に、
追いかけていた泥棒が倒れているのを目撃する。



ほむら「これは一体どういう事?」

マミ「ねえ、しっかりして!何があったの?」

男A「く・・・我々はガーディアン・・・」

男B「アシュラの野望を阻止するためにソウルジェムを守りに来たが、
 逆にアシュラの手下に奪われてしまった・・・ぐふっ」

杏子「おい、しっかりしろ!」

まどか「こんな死に方・・・あんまりだよ・・・」

マミ「・・・行きましょう」

ほむら「巴マミの言う通りだわ。アシュラという人物が何者か、
 私達はよく分かっていない。けれどアシュラが悪い奴だという
 情報を、私達は最初に行った街で聞いたはずよ」

杏子「ソウルジェムを集めて、新しい神になりたがっているヤツか・・・」

まどか「・・・うん、止めないとね」
31 :[saga]:2011/06/25(土) 12:19:43.22 ID:dAVNrhNe0
−−− イシス神殿 −−−

 彼女達は、この世界の北にアシュラの基地があると
理解はしていた。そこへ乗り込む前に、このイシス神殿の神官に
ソウルジェムがどうなったのかを報告するため、ここに来ていたのだ。



まどか「・・・というわけなの」

ゆま「そう・・・持ち去られてしまったの・・・
 それじゃあ、私もアシュラの基地へ連れていって」

杏子「はぁ?遊び半分で行くんじゃないんだぞ?」

ゆま「この世界の事は、私も守りたいから。連れていって」

杏子「お前なぁ・・・」

ゆま「お前じゃない。私はゆま」

マミ「まあまあ、佐倉さん・・・私達が守ってあげれば、きっと大丈夫よ。
 それに、ゆまちゃんの回復の力は私達の役に立ってくれるはずよ」

ほむら「私も巴マミの意見に賛成ね。戦力は多い方がいい」

杏子「ハァー・・・」

まどか「よろしくね、ゆまちゃん」

ゆま「こちらこそ、よろしく!」

 − ゆまが 仲間になった −
32 :[saga]:2011/06/25(土) 12:20:21.94 ID:dAVNrhNe0
−−− 北の街 −−−

 北の谷にあると言われている、アシュラの基地を目指す
彼女達は、谷の入り口にあったその街を見つける。



まどか「こんな所にも街があったんだ」

マミ「それじゃあ、この間のようにみんなで手分けして
 情報を集めましょうか。敵の基地へ乗り込むのだし、
 買い物もしっかりね」

杏子「今度は真面目に情報を集めるさ」

ゆま「キョーコ、おなかすいた」

杏子「うっせーな、アタシだって腹減ったよ・・・
 じゃ、食いに行くか」

ゆま「やったー!」

杏子「じゃ、ちょっと行ってくるわ〜」



ほむら「いつの間にか懐いているわ」

マミ「まったくもう・・・それじゃ、私も行くわ。またね、暁美さん、鹿目さん」

まどか「はい、私も何か調べておきますね」


 
 これから向かう場所は、敵の本拠地である。
少しでも何か情報を得よう、そう考えていたため
まどかは街を歩く通行人から話を聞いていた。
33 :[saga]:2011/06/25(土) 12:20:47.81 ID:dAVNrhNe0
まどか「・・・やっぱり分かってはいたけど、危険な所なんだ・・・
 ・・・あれ?マミさんだ」

マミ「鹿目さ〜ん!」ドドドド

まどか「そ、そんな大声で呼ばなくても逃げませんよ・・・」

マミ「ハァ・・・ハァ・・・あのね、鹿目さん。大事なお話があるの」

まどか「どうかしましたか、マミさん」

マミ「アシュラの基地を乗り越えるために、必要なアイテムがあるのよ」

まどか「え、そんな情報まで仕入れていたんですか!マミさんすごい!」

マミ「けどね、結構な値段をしていて・・・私のお財布だけじゃ買えなかったの。
 ・・・それでね、皆にも協力して貰えると助かるんだけど・・・」チラッチラッ

まどか「はい!私なんかのお金で良ければ、どうぞ!」ゴソゴソ

マミ「鹿目さん、ありがとう。絶対に、役に立つわ。
 それでは、また後で会いましょう」ドドドド

まどか「行っちゃった・・・そんなに急がないと買えないものなのかな。
 何だか興味あったんだけどな・・・」



 それからまどかの得られた情報は「アシュラの基地は危険だ」という、
言われずとも分かるような情報ばかりであった。
やがて集合の時間となったため、彼女は待ち合わせの場所へ向かう。
34 :[saga]:2011/06/25(土) 12:21:16.35 ID:dAVNrhNe0
ほむら「やっぱり食べ歩きしていたのね・・・」

杏子「・・・くーかい?」ポリポリ

ほむら「結構よ。私の集められた情報は、アシュラが
 ソウルジェムを集めて、新しい神になろうとしている事くらいね」

まどか「私は、この先にある”天の柱”へ向かうと、隣の世界に
 行けるようになるって聞いてきたよ」

マミ「私はこれを・・・」ジャキン

ほむら(サブマシンガン・・・かっこいい・・・)

杏子「いや、武器じゃなくて、アシュラの基地に乗り込むのに
 必要な物があるって言ってなかったか?」

まどか(杏子ちゃんもお金、渡したんだ)

まどか「そうですよ、マミさん。私もそれ、見てみたいなあ」

マミ「あら、何を言っているの?このサブマシンガンがそれよ」

杏子「はぁ?」

まどか「まさか皆からお金を集めたのって・・・」

マミ「このフォルム、この火力・・・もう何も怖くない」

ほむら「巴マミ、あなたは何を考えているの?皆のお金を使い果たして
 もう私達の財布はカラッポよ」

杏子「もうメシも食えねぇぞ!どうなってやがる!」

マミ「え・・・え・・・?だ、だって・・・絶対、役に立つんだから・・・」グスッ

まどか「ほむらちゃん、その言い方はあんまりだよ!
 マミさんなりに考えてくれたんだよ!」

ほむら(何・・・だと・・・)

ほむら「巴マミ、あなたの選択は正しい。
 その力で私達を守って欲しい」ファサッ

マミ「暁美さん・・・」グスッ

杏子(何これ)

ゆま「キョーコ、それ食べないならちょうだい」ポリポリ
35 :[saga]:2011/06/25(土) 12:21:50.91 ID:dAVNrhNe0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

−−− アシュラの基地 −−−

 街を出て谷を進むうちに、見えてきたアシュラの基地。
魔物による物々しい警戒が行われてはいたが、
ソウルジェムを得た事による戦闘力の強化は
少女達の予想を大きく超えたものであった。



ほむら「魔力のソウルジェムのおかげで、魔物が消し飛んでいくわ」

まどか「すごいよほむらちゃん!こんなに簡単に進めるなんて!」チラッ

マミ「・・・・・・」

杏子「攻撃を食らっても、ゆまが回復をしてくれるしな。ラクショーだね」チラッ

マミ「・・・・・・」

ゆま「ねぇねぇキョーコ、”ごくつぶし”って何?」

マミ「グスッ・・・」トコトコ



ほむら「巴マミが拗ねてしまったわ」

杏子「いいんだよ。今のうちに思い知らせておかないと」

まどか「この先もお金を使い込まれたんじゃ・・・ね・・・」

ほむら「あ、巴マミが自分から魔物の警戒網に突っ込んでいったわ」

杏子「サブマシンガン撃ってる・・・」

まどか「強いね・・・マミさん・・・」

ほむら「無駄弾だわ。先を急ぎましょう」



マミ「いつも一人ぼっちで泣いてばかり・・・私、だめな子だ・・・」
36 :[saga]:2011/06/25(土) 12:22:19.57 ID:dAVNrhNe0
 少女達の会話の通り、もはやこの基地の魔物は
彼女達の敵ではなかった。しかし、ここはアシュラの基地である。
ソウルジェムがこれほどの力を持つという事は、ソウルジェムを集めている
アシュラもまた、それだけの力を持っているという事の証明でもあった。

 楽々と魔物を撃破しながらも、彼女達は慎重に歩いていた。
1名を除いて。



杏子「あそこに恐竜がいるぞ。アシュラって奴はどこだ?」

ほむら「ライノサウルスのようね。あいつがここの親玉なのかしら」

まどか「どっちにしても、ほっとけないよ。やっつけちゃおう」

マミ「・・・・・・」ブツブツ

ライノ「ゆまも一緒とは都合がいい!死ね!」

ほむら「話し合う余地もないのね」



 少女達は身構える。アシュラという人物がここに居るのかは
分からないが、少なくても目の前の魔物は敵である。

 各々の武器を構え、各々の能力を発動させるために
意識を集中させていた。

 先手を取ったのはほむら。その両手に氷の塊を作り出し、
ここに来るまでの間に体得していた”ブリザド”を発動させる。

 その氷の塊がライノサウルスへ向かっていくのを追うように、
素早さのソウルジェムで強化されたまどかが
その小型のレイピアを構えて一直線に突き進む。

 氷の嵐を受け、動きを止めたライノサウルスに
小剣が突き立てられる。

 叫びを上げる恐竜。

 それはその敵の、断末魔の声であったのだ。
37 :[saga]:2011/06/25(土) 12:22:45.78 ID:dAVNrhNe0
まどか「倒し・・・た・・・?

杏子「すげぇじゃねえか!もう終わったぞ!」

ライノ「残念だったな・・・もうこの世界で集めたソウルジェムは
 ほとんどアシュラ様に送った後だ・・・アシュラ様、万歳!」ドサッ



 その声を聞くと同時に、爆音と共に揺れ動く地面。



ほむら「何かしら。ただ事ではなさそうね」

ゆま「この基地が爆発しようとしているみたい!あそこに出口が見えるよ!」

まどか「みんな急いで!」



マミ(・・・・・・あら、宝箱があるわ)

 − 防御のソウルジェムを手に入れた −

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 氷のソウルジェムを手に入れた −

マミ(マミマミ)



 そうして基地から脱出できたところで、彼女達は走り続けた。
やがて背後から届く爆風と衝撃。
アシュラの基地があった場所は、もはや瓦礫の山となっていた。
38 :[saga]:2011/06/25(土) 12:23:22.45 ID:dAVNrhNe0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

−−− アシュラの基地の外 −−−

ゆま「これでこの世界も安心だね。私はこの世界に残って
 ここを守り続けることにするよ」

まどか「そっか、ここでお別れだね。ありがとう、ゆまちゃん」

杏子「アシュラはアタシ達がやっつけるから、安心してな」

ゆま「キョーコ、ありがとう!みんな、またね!」

 − ゆまと 別れた −

マミ「みんな、これを見て!」

ほむら「ソウルジェムね。巴マミ、これはどこにあったの?」

マミ「基地の出口の宝箱にね。みんな気付いていなかったようだけど」ドヤッ

杏子「やるじゃねえか、マミ!」フォロー

まどか「マミさん、さすがです!」マドマド

ほむら「これで6つのソウルジェムが集まったわけね。
 念のために、”精霊の鏡”を確認してみましょう」

 − この世界に残るソウルジェムはあと 0 −

ほむら「もうこの世界にはソウルジェムは残っていないわ」

まどか「そうなると、もうここにはママは居ないのかも」

杏子「隣の世界か・・・あそこに見える塔みたいなのが、
 ”天の柱”ってヤツじゃないのか?」

マミ「そうかもしれないわね。行ってみましょう」
39 :[saga]:2011/06/25(土) 12:23:57.03 ID:dAVNrhNe0
−−− 天の柱 −−−

 ひたすら夜空の続く景色と、そこに浮かぶ水晶の床。
世界と世界を繋げている古き神々の世界は、
そのような荘厳な光景を少女達に見せていた。

マミ「綺麗ね・・・」

まどか「すごい・・・」

ほむら「これが神々の世界・・・」

杏子「いいからさっさと行こうぜ」グー

まどか(空気読めよ)チッ



 一人に急かされるように、少女達は水晶の通路を歩く。
それはところどころに穴が空いており、果てしなく広がっている
ように見えた水晶の床も、実質的には一本道であった。

 やがて、彼女達は一つのドアに辿りつく。



まどか「この先が次の世界なのかな」

ほむら「さっき私達が通ってきたのも、このようなドアだったわ」

マミ「砂漠の世界って言ってたわね」

杏子「んじゃ、先行くよ〜」ガチャ

まどか()チッ
40 :[saga]:2011/06/25(土) 12:24:29.40 ID:dAVNrhNe0
−−− 砂漠の街 −−−

 扉を抜けた少女達を待っていたものは、
さんさんと照りつける灼熱の太陽であった。
見えるものは一面の砂、そしてすぐ近くにある街。

 いくら楽勝で抜けてきていたとはいえ、
アシュラの基地を歩いて来ていた彼女達は疲弊しており、
その街で休む事にしようと満場一致で決まっていた。



杏子「あっぢ〜。ここまで暑いとはなぁ」

マミ「本当ねぇ・・・とりあえずは、宿屋の部屋を取って、
 休んでから情報を集めてみましょうか」

まどか「そうですね、疲れちゃったし」

ほむら「部屋割りの提案をするわ。私とまどk」

まどか「全員、同じ部屋にしましょう。マミさん」

マミ「え、ええ・・・お金を使っちゃったし、そうするつもりだったわ」

ほむら(ホムーン)
41 :[saga]:2011/06/25(土) 12:25:03.88 ID:dAVNrhNe0
杏子「部屋の中も暑いな〜」

マミ「こんな場所だもの。仕方がないわ」

まどか「そうですね・・・って杏子ちゃん、もう寝てる・・・」

杏子「くかー」

マミ「まさに本能の赴くままね」

まどか「私も疲れているんだけど、とても寝られそうにないなぁ・・・」

ほむら「その悩みを解決させるいい方法があるわ」

マミ「あら、それは素敵ね。どうするのかしら?」

 ほむらは きょうこを
 ブリザドで こうげき
 きょうこに 84のダメージ

まどか「ああっ!杏子ちゃんが氷漬けになっちゃった!」

ほむら「これで彼女も寝苦しくないし、私達も涼しいわ」

杏子「くかー」

マミ「寝てるわ・・・すごい・・・」

ほむら「寝て起きれば、どうせ体力なんて回復してるんだもの」

まどか「ほむらちゃん、ひどいよ!こんなのあんまりだよ!」ダダッ

ほむら「待って、まどか!」

マミ「鹿目さんは心配だけど、私も眠いわ・・・お休み・・・」

ほむら「・・・・・・」

ほむら(外、暑いし私も寝ていよう・・・)



杏子「くかー」

マミ「くかー」

ほむら「くかー」
42 :[saga]:2011/06/25(土) 12:25:29.92 ID:dAVNrhNe0
まどか「ただいま〜!」バタン

まどか「あ〜!みんな寝てる!」

マミ「っ!」ビクッ

ほむら「くかー」

杏子「うるせーなー・・・あれ、体が動かねぇ・・・?
 ってオイ!なんでアタシは氷漬けになってんだよ!うおおおお!」ビキビキ

まどか「待って杏子ちゃん、動かないで!」

まどか(涼しいから)

マミ(よだれたれてた・・・)ゴシゴシ

杏子「何でだよ!・・・まあ涼しいし、いっか」

まどか「それよりね、この世界にやっぱりアシュラが居るみたいだよ!
 砂漠のどこかに、アシュラの塔があるんだって」

マミ「へぇ、その情報はお手柄ね、鹿目さん」

杏子「それじゃあ、もう一眠りしてからその塔を探してみるか!」

まどか・マミ「おー!」



まどか「くかー」

杏子「くかー」

マミ「くかー」



ほむら「・・・・・・」ムクリ

ほむら(・・・計画通り)

ほむら(・・・・・・)ゴソゴソ

ほむら(ゲットだぜ!)
43 :[saga]:2011/06/25(土) 12:25:57.94 ID:dAVNrhNe0
−−− 砂漠 −−−

 少女達は砂の上をひたすら歩いていた。
時折、魔物が襲い掛かって来てはいたが
彼女達は苦もなく蹴散らしていた。
今の彼女達にとっては、暑さこそが最大の敵だったのだ。



杏子「あぢぃ〜あぢぃ〜」

マミ「暑い暑い言ってると、余計に暑くなっちゃうわ。
 頑張って、アシュラの塔を探しましょう」

まどか(なんか汗が体をつたって、下半身がむずむずする・・・)

まどか「!!」

ほむら(気付いたようね)

まどか「あのさ・・・ほむらちゃん」

ほむら(私は真っ先に疑われるのね)

まどか「その・・・荷物、調べさせてもらってもいいかな」

マミ「どうしたの?鹿目さん」

ほむら「構わないわ、まどか」ファサッ

まどか(絶対にほむらちゃんの仕業だ・・・)ゴソゴソ

まどか(あれ、ない。おかしいなぁ・・・)ゴソゴソ

まどか(違ったのかなぁ。杏子ちゃんのイタズラなのかな・・・)ゴソゴソ

ほむら「もういいかしら?」

まどか「うん・・・ごめんね、ほむらちゃん」

ほむら「あなたが謝る必要なんてないわ」

ほむら(見つかるわけがないじゃない。私が穿いているんだもの)

杏子「もういいかい?早いとこ、アシュラの塔を探し出そうぜ」

マミ「そうね。こんな暑さで消耗しちゃうと、後が困るわ」

まどか「あ・・・街が見えるよ!その先に塔も!」
44 :[saga]:2011/06/25(土) 12:26:32.59 ID:dAVNrhNe0
−−− アシュラの街 −−−

マミ「街があるなんてラッキーね。今日はこれだけ歩かされたから
 宿ですこし休憩をしてから、塔へ向かいましょう」

杏子「さんせーい。マジ疲れたわぁ。ほむら、またブリザドやってくれよ」

ほむら「任せておいて」

まどか「私、ちょっと聞き込みをしてくるね。みんな、先に宿に行ってて!」ダダッ



マミ「鹿目さん・・・そうよね、お母さんの事を考えるとね・・・」

杏子「な、何だよ。休みにくい空気になっちまったじゃんか・・・」

ほむら(パンツ買いに行ったのね。見られたくないのでしょう)

マミ「それじゃあ、私達も、もう一頑張りしてからお休みしましょう?」

杏子「はいはい。仕方ねえな、今回は手伝ってやるか」

ほむら「まどかのためなら、いくらでも動けるわ」

マミ「それじゃあ、鹿目さんがいつ頃戻るか分からないし
 部屋の予約だけ取っておくわね。みんなは先に行ってて」

杏子「おう、任せたよ〜」スタスタ

ほむら「お願いするわ、巴マミ」スタスタ

マミ「・・・・・・」トコトコ

マミ「・・・あ、はい。この部屋の予約をお願いします」

マミ「・・・・・・」トコトコ



マミ「くかー」
45 :[saga]:2011/06/25(土) 12:26:58.45 ID:dAVNrhNe0
杏子「・・・サイテーだな」

ほむら「最低ね、巴マミ」

マミ「くかー」

ほむら「くっ・・・こんな幸せそうな顔をして・・・」

杏子「イタズラしてやりてえ・・・この縦ロールを直毛にしちゃおう」クシクシ

ほむら「佐倉杏子、それは名案だわ」コテコテ

マミ「くかー」

まどか「ただいま〜!」

三人「っ!」ビクッ

まどか「みんな、大変だよ!ママが塔の中を調べるスパイとして
 アシュラに捕まえられちゃったかもしれない!」

マミ「そ、それは大変!急がないと!」

マミ(あ、またよだれが)ゴシゴシ

ほむら「それじゃ、行きましょう。休んでる暇なんてないわ」ファサッ

杏子「い、いよいよだな!アシュラのヤツ、とっちめてやる」

まどか「みんな、頑張ろうね!」



まどか(なんでマミさんの左側だけサラサラストレートなんだろう)

マミ(ああ・・・見られてる・・・せっかく汚名挽回したと思ったのに・・・)
46 :[saga]:2011/06/25(土) 12:27:29.06 ID:dAVNrhNe0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

−−− アシュラの塔 −−−

杏子「いよいよ着いたな・・・」

マミ「アシュラを倒すのも大事だけれど、まずはアシュラに捕らえられた
 スパイさんを探しましょう」

ほむら「当然よ」ファサッ

まどか「みんな、ありがとう・・・」

杏子「やっぱりマミが先導か?」

マミ「そのためにゴールドの盾を買ったのだもの。盾が4枚も
 私にくっついているわ。もう何も怖くない」

ほむら「頼むわ、巴マミ」

ほむら(被害担当艦として)

まどか「よ〜し、行くぞ〜!」
47 :[saga]:2011/06/25(土) 12:28:43.25 ID:dAVNrhNe0
 その塔の内部は薄暗く、ところどころに怪物のレリーフが
壁にかけられていた。おそらくそれを表すものが、アシュラなのだろう。
魔物は前の世界に居たものより強力になっており、
またその数も増え、少女達の大きな障害となっていた。



ほむら「いたい、いたい」

まどか「攻撃がマミさんから抜けてくると痛いね・・・」

杏子「アタシなんて、今はジャガー状態だから一撃でやられちまったよ」

マミ「ごめんなさい、敵がこうも多いとさすがに受け切れなくて・・・」

ほむら「謝る事でもないわ。あなたがある程度の攻撃を
 引き付けてくれるだけで助かるもの」

杏子「すげえ頑丈になってるからな、マミのヤツ」

まどか「傷一つ付いていないよね、マミさんのボd・・・盾」

マミ「なるべく、素早く魔物を蹴散らす必要があるわね。
 暁美さんの”ほのお”と私のサブマシンガンで」ジャキッ

杏子「ここでソレが頼りになるとはなぁ・・・」

ほむら「あの時の巴マミの選択は正解だったようね」

マミ「ふふふ・・・」ドヤッ

まどか「あ、階段の上に変なのがいるよ」

ほむら「あれは木人ね」

杏子「完全に通せんぼしてるな・・・やるか」

木人「むむっ なにやつ!」

マミ「サブマシンガンを受けなさい!」バリバリバリ

木人「やめて!」ドサッ
48 :[saga]:2011/06/25(土) 12:29:18.03 ID:dAVNrhNe0
まどか「なんか・・・こう、俺は強いんだぞ〜って敵が
 みんな弱いのばっかりだね・・・」

杏子「いいんじゃねえか?楽だし。木だけどコイツ食えるのかな・・・」モグモグ

ほむら「あなたに食べられない物はないと言うの・・・!」

杏子「ゲェープ。今度の能力はあしながぐも、だってさ」

まどか「よくわかんないや・・・」

マミ「あそこに牢屋が見えるわ。鹿目さんのお母さん、居るかもしれない」

ほむら「本当ね。どれどれ・・・」



 ただでさえ薄暗い塔の中、鉄格子の向こうには暗闇が広がっていた。
だが、確実に誰かが居る事は全員が理解できた。寝息が聞こえたから。



??「スースー」

杏子「誰か寝てるのか・・・?」

マミ「囚われながら眠るって、けっこう図太いわね・・・」

まどか「人違いなら悪いけれど・・・」スゥー

まどか「おっきろ〜!」

??「どぅえ〜〜ぇ〜〜・・・」



 暗闇の中を動く人影。それは大きく欠伸をした後、
少女達の居る鉄格子まで歩いてきていた。
49 :[saga]:2011/06/25(土) 12:29:46.06 ID:dAVNrhNe0
ほむら(覆面している・・・?)

覆面「いや〜、ここは涼しくてついつい寝ちゃったよ。
 アンタらもアシュラを倒しに来たのかい?」

杏子(コイツ、女の声だ・・・)

まどか「は、はい。本当は探してる人が居たんですけど・・・」

マミ「あの、あなたは?」

覆面「ああ、アタシ?アタシの事は覆面とでも呼んでよ。
 アンタらと同じ、正義の味方さ」

ほむら(怪しい・・・)

まどか「あ、あの!」

覆面「何だい?」

まどか「その、覆面を外して貰ってもいいですか・・・?」

マミ「駄目よ、鹿目さん」

まどか「マミさん?」

マミ「この人は訳あって正体を隠しているのよ。
 そう、”組織”に命を狙われているの・・・」

杏子(・・・組織?)

マミ「それなのに、自らの危機を省みず、悪と戦っているの。
 私達が、この人の素顔を見てはいけないわ」

ほむら(・・・キラキラしてる・・・)

まどか「そうなんですか?覆面さん」

覆面「んー、間違ってはいないかな・・・そういう事だから、
 この覆面の下の素顔は晒せないんだ。悪いね」

マミ「やっぱり!さあ、私達もこの人と一緒に
 アシュラの手から、世界を救うのよ!」

覆面「おう、一緒に戦ってくれると助かるよ!
 ちょっと待っててな・・・フン!」ゴキン

まどか(鉄格子折れるとか、どんだけ・・・)
50 :[saga]:2011/06/25(土) 12:30:22.48 ID:dAVNrhNe0
覆面「アタシの装備品、アシュラの手下に取られちゃってさ。
 悪いけど、それを探すのを手伝ってくれるかい?」

杏子(素手で十分だろ・・・)

マミ「このフロアには見当たりませんね」

ほむら「あ、上り階段の先に都合よく衣装箱が」

覆面「ああ、これだこれだ」ゴソゴソ

覆面「お待たせ、さあ行こうか!」

まどか(声とか喋り方はママなんだけど・・・)

杏子「どうした?まどか」

まどか「ううん、何でもないの」

まどか(最後に会ったのずっと昔だし・・・
 私の事、忘れちゃったりしてるのかな・・・)
51 :[saga]:2011/06/25(土) 12:30:53.86 ID:dAVNrhNe0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250

 彼女達が塔を登りきると、その広場にそれは居た。
6本の腕を持ち、その鬼のような顔で彼女達を見下ろす姿。
それが倒すべき敵であるアシュラなのだと、彼女達は
一目見ただけで直感していた。



アシュラ「のこのこ死にに来るなんて、僕の作戦通りだね」

まどか「私達を知っていたの?」

ほむら「作戦通りとはどういう事?」

アシュラ「今頃、僕の部下達がミクロ化してゆまの体内に契約しに行ってるはずだよ」

杏子「テメェ、そんな事をして何になるってんだ!」

アシュラ「知らなかったのかい?ゆまの魔力の源は、
 彼女の体内に生まれた時から宿していたソウルジェムの力なんだよ」

マミ「何ですって・・・!」

アシュラ「ソウルジェムを契約によって奪い、弱ったゆまは死ぬ。
 彼女は散々、僕の邪魔をしてきたからね。まさに一石二鳥だよ」

アシュラ「いや、君達のソウルジェムも手に入るから一石三鳥だね」
52 :[saga]:2011/06/25(土) 12:31:35.79 ID:dAVNrhNe0


「「なにおー ゆるさーん!」」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira012773.jpg
53 :[saga]:2011/06/25(土) 12:32:01.54 ID:dAVNrhNe0
 少女達が行動を起こす前に、
覆面はアシュラをバトルハンマーで殴りつける。

 グシャ と鈍い音。

 アシュラの表情が歪む。



アシュラ「やれやれ、君は無視できない存在だね。
 せっかく閉じ込めて置いたというのに・・・」



 そう言いながら、アシュラは炎の息を噴き出す。

 覆面の攻撃の効き具合から、少女達の心の中に
芽生えていた楽観的な考えが、そのダメージと共に
吹き飛ばされていた。



まどか「杏子ちゃん!しっかり!」

杏子「いってぇ・・・アイツ、これまでの敵とは違うぞ」

覆面「ソウルジェムの力を持っているんだ!油断はするな!」



 まどかが切り付ける。

 マミが銃弾を浴びせる。

 杏子が打撃を加える。

 これまでの魔物に与えた手ごたえを感じてはいたが、
それでもなおアシュラは平然と立っている事に
彼女達は戦慄していた。
54 :[saga]:2011/06/25(土) 12:32:40.61 ID:dAVNrhNe0
ほむら「佐倉杏子、これを!ケアル!」キュイーン

杏子「サンキュ!」

 

 炎の一撃で、今にも倒れそうな杏子に回復の光が注がれる。
これで杏子はあと一撃の炎に耐えられるが、他の少女達は
そのような余裕などなかった。



ほむら(また炎を噴かれたら・・・)

アシュラ「君も小ざかしい事をするね。まずは君から!」



 アシュラはその6本の腕を振り上げる。
炎の息による攻撃ではない事に安心していたほむらは、
その腕による威力を身を持って知る事になってしまった。

 ゴキン と自らが吹き飛ばされ、壁に叩き付けられる事によって。



ほむら(・・・あ・・・)ドサッ

マミ「暁美さん!」

覆面「死んだわけじゃねぇ!アシュラを叩く事に専念しろ!
 ヤツだって不死身じゃないんだ!」

杏子「おう!」

 

 覆面に続き、少女達は攻撃を加える。

 覆面の言葉は信じられるのか?
アシュラはなお立っており、そのレイピアを突き刺した
まどかをじっと睨んでいた。
55 :[saga]:2011/06/25(土) 12:33:13.46 ID:dAVNrhNe0
アシュラ「次は君にしようかな。僕と契約してよ!」



 振り下ろされる腕。



まどか「キャアァァ!」



 ガキン と響く金属音。

 その腕は、マミの持つゴールドの盾に向けて振り下ろされていた。



マミ「鹿目さん、しっかり!」

まどか「ありがとうございます、マミさん!」

アシュラ「みんな邪魔だね。まとめて倒してあげるよ!」



 大きく息を吸い込むアシュラ。

 炎の息が来る。

 半ば絶望しかけていた少女達の目に入るものは、
後方から飛んでくるバトルハンマー。

 それは、覆面から投げられたものであった。
そしてそのまま、大きく口を開けていたアシュラの口元に
鈍い音と共に突っ込まれる。



アシュラ「モガッ」

覆面「今だ!やっちまいな!」
56 :[saga]:2011/06/25(土) 12:33:45.72 ID:dAVNrhNe0
 杏子の打撃がアシュラの腹部に加えられる。
そしてついに、アシュラの方膝が地面に着いたのだ。



まどか「マミさん!」



 そう言いながら、まどかはレイピアをアシュラの頭部に突き立てる。
痛みの叫びを上げようとしたためか、アシュラは口に入れられていた
バトルハンマーを吐き出していた。



マミ「行くわよ・・・ティロ・フィナーレ!」



 口を大きく開けて、行動を起こそうとしていたアシュラの口に
再び銃弾という異物が詰められる。

 アシュラは血を吐きながら、苦しそうに頭を振り回し・・・



 ・・・そして、その体を消滅させて行った。



まどか「・・・勝てた・・・?」

覆面「ああ、アタシ達の勝ちだ」



 信じられない思いで立ち尽くす少女達。

 アシュラが消えて行った場所から、光が生まれる。

 その覆面の言葉を信じられるようになったのは、
その光の中から7つのソウルジェムが生まれ、
コロコロと床に落ちていくのを見てからであった。
57 :[sage]:2011/06/25(土) 12:35:17.15 ID:dAVNrhNe0

58 :[sage saga]:2011/06/25(土) 12:35:59.94 ID:dAVNrhNe0
今日はここまで。絵の加工とか初めてやったけど、
それらしく見えるかな?続きはまた3日後くらいに。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]:2011/06/25(土) 12:56:15.64 ID:MHjcU1yU0
アシュラQBワロたwww

サガらしいセリフに冷静なツッコミが入るのも面白いです。
乙!
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/25(土) 18:28:25.07 ID:k9OrqxwEo
メカは一点特化させると強いんだよな
開いてる装備欄全部武器で埋め尽くすと素敵ダメージ
61 :[saga]:2011/06/26(日) 11:40:53.35 ID:YQw23Vrk0
 − SaGa2の解説 世界について −

SaGa2の世界は、ドラクエやFFのような広大なワールドマップがなく、
たくさん存在する小さな世界を”天の柱”が繋いでいます。
そのため、それぞれの世界の間を移動するためには、
基本的には”天の柱”を経由して歩く必要があります。



天の柱 ━━ 最初の世界 − まどかの村、イシス神殿など
 ┃
 ┣━━━━ 砂漠の世界 − 砂漠の街、アシュラの塔など
 ┃
 ┣━━━━ 巨人族の世界 − ???
 ┃
 ┣━━━━ ??の世界 − ???
 ┃
 ┆
さらなる世界へ



次の世界に入るためには、その世界へ続くドアを開く必要がありますが
規定数のソウルジェムを集めていないと次の世界へのドアは開きません。
そのため当然の事ですが、最初から最後の世界へGO!とかは出来ません。

まだ現時点ではまどか達はそれを知りませんが、後々そういう仕組みだと
描写はしていく予定です。
62 :[saga]:2011/06/26(日) 11:41:38.40 ID:YQw23Vrk0
 − SaGa2の解説 ソウルジェム(秘宝)について −

ソウルジェムには、様々な種類があります。
それぞれのソウルジェムは装備をする事が可能となっており、
ソウルジェムの種類によって装備をした時のメリットもまた変わります。



 力 のソウルジェム>力がアップ 力の作用する武器・能力ダメージアップ

素早さのソウルジェム>素早さがアップ 素早さの作用する武器・能力ダメージアップ

魔力 のソウルジェム>魔力がアップ 魔力の作用する武器・能力ダメージアップ

防御 のソウルジェム>防御力がアップ

 炎 のソウルジェム>火属性攻撃に完全耐性

 氷 のソウルジェム>氷属性攻撃に完全耐性

稲妻 のソウルジェム>雷属性攻撃に完全耐性

 毒 のソウルジェム>毒属性攻撃に完全耐性

精霊の鏡>プレイヤーの居る世界に残存するソウルジェムの数が分かる
(装備も一応可能ですが、戦闘時にメリットはありません)



SaGa2に詳しい方が見ると、少し突っ込みどころのある解説ですが
ソウルジェムの装備はおおむねこのような効果をもたらします。
まだ物語に登場していないソウルジェムまでは紹介しておりません。

ソウルジェムは全部で何個あるのか、全て集めるとどうなるのか。
それも、この先の物語の中で書いていきます。
63 :[saga sage]:2011/06/26(日) 11:44:15.16 ID:YQw23Vrk0
SaGa2を知らない方がこんなスレタイのスレを開くか分かりませんが
念のために解説だけ投下します・・・

土日パワーでゲームも筆も進んでおりますので
早いうちに次は投下できそうです。
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/06/26(日) 11:54:51.59 ID:cEoPRG+AO
マサムネとカタカナで書かれるとどうしてもスピッツが出てくる件



そんなことは関係なく期待してる
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/06/26(日) 13:17:21.24 ID:mt9AFFXAO
まどか知らないけどSaGa2好きだから期待
66 :[saga]:2011/06/26(日) 20:04:17.17 ID:YQw23Vrk0

67 :[saga]:2011/06/26(日) 20:05:09.29 ID:YQw23Vrk0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 氷のソウルジェムを手に入れた −

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「ええ、なんとか・・・」キュイーン

マミ「無事で良かったわ、暁美さん」

杏子「こんなにソウルジェムを持ってたんだな。強かったワケだ」

覆面「それはお前達が持って行くといい。
 アタシの目的は、アシュラを倒す事だったからね」

マミ「覆面さん、いいんですか?」

覆面「ああ、遠慮すんな。
 それじゃあ、アタシはまだやる事があるからここでお別れだ」

まどか「あ・・・」

杏子「どうした?まどか」

まどか「ううん・・・さようなら、覆面さん!」

覆面「おう、またな!まd・・・皆も元気で頑張れよ!」



マミ「行ってしまったわ・・・円環の理に導かれて」

杏子「それより、ゆまが心配だ!急がないと!」

ほむら「そうね、イシス神殿に戻りましょう」
68 :[saga]:2011/06/26(日) 20:05:37.38 ID:YQw23Vrk0
−−− イシス神殿 −−−

ほむら「ここに居る人達はみんな慌しい様子だわ」

マミ「あの、ゆまちゃんは・・・?」

男「大変なんだ!アシュラの部下が魔力でミクロ化して、
 ゆま様の体の中に・・・!」

杏子「あんのヤロウ・・・!」ダダッ

まどか「あ、杏子ちゃん待って!」ダダッ

ほむら「私達も急ぎましょう」

マミ「そうね」



 神殿の階段を駆け上がった彼女達が見た物。

 短い間ではあったが、共に旅をした仲間が
台座の上で苦しそうに顔を歪め、横たわっている姿であった。
69 :[saga]:2011/06/26(日) 20:06:03.44 ID:YQw23Vrk0
杏子「ゆま、しっかりしろ!」

ゆま「キョーコ・・・いたい・・・」

女「アシュラの部下達が、ゆま様の体内のソウルジェムを
 体を突き破らせて無理やり外に出そうとしているみたいなのです」

杏子「オイ、何とかならねえのか!」

女「巨人族が、自らの体をミクロ化させる技術を持っていると
 言われています。それと、ゆま様があなた達にこれをと・・・

 − 防御のソウルジェムを手に入れた −

マミ「これは?」

女「ゆま様が、魔力を使ってアシュラの目から隠していたソウルジェムです。
 お願いします、ゆま様を助けてあげて下さい」

杏子「言われるまでもねぇよ!」

ほむら「佐倉杏子、この人に当たっても仕方がないわ。
 少し深呼吸して、落ち着きなさい」

杏子「・・・・・・ごめん」

まどか「それじゃみんな、すぐに巨人族の世界へ向かおう!」



 佐倉杏子の言葉通り、言われるまでもなく全員が頷く。
巨人族の住む世界を目指して、少女達は世界を繋いでいる
天の柱へと向け、走り出していた。
70 :[saga]:2011/06/26(日) 20:06:38.21 ID:YQw23Vrk0
−−− 天の柱〜巨人族の世界 −−−

 息を切らせながらも、少女達は走り続けていた。
今の彼女達には、この綺麗な神々の世界の景色を
眺めている余裕などはない。

 水晶の通路を走り続け、砂漠の世界へと抜けるドアも
通り過ぎ、さらにその奥の通路に立っていた新しいドア。



まどか「ここかな・・・?」

ほむら「そうでしょうね。砂漠の世界の隣が、巨人族の世界と
 以前にどこかで聞いていたから」

杏子「行かなきゃ始まらねぇ。アタシは行くよ!」

マミ「その通りね。今は進まないと」



 ドアの向こうに広がる世界。
天の柱の出口には、最初の世界と同じような
草原と森が彼女達の視界に入った。

 そして、森の奥の方から煙が立っているのも。



ほむら「煙が立っているわね。火事でもなければ、
 人が居るという証拠よ」

マミ「まずはあそこに行ってみましょうか。
 運が良ければ、巨人族とすぐに会えるかもしれないし」

まどか「うん!」



 再び彼女達は走り出す。
もう息も切れていたが、そんな事で疲れたなどと
彼女達は感じてはいない。

 ゆまを助けるため。

 それしか、少女達の頭にはなかった。
71 :[saga]:2011/06/26(日) 20:07:11.16 ID:YQw23Vrk0
−−− 巨人の街 −−−

 森の中に街が見えた時には、少女達は心から喜んだ。
だが、街に近づくにつれて喜びはだんだんと消えていく。

 その街は、彼女達がこれまで見てきたような街並みと
似たような外観であったからだ。
巨人などではない、彼女達と同じ人間が暮らす街と。

 その街の入り口に辿りついた少女達は、
落胆する表情を隠そうともしなかった。

 街の通行人は、巨人などではなく、
やはり彼女達と同じ人間であったのだ。



まどか「あ、あの・・・」ゼーゼー

男「ん?なんだい?」

まどか「この世界に、巨人族が居るって聞いて来たんですが・・・」

男「巨人族ねえ。彼らは巨人である事を嫌がって、みんな小さくなって
 どっかに行っちまったって俺は聞いてるよ」

マミ「えぇー・・・」

まどか「そうでしたか・・・ありがとうございます」

男「役に立てなくてごめんな」スタスタ
72 :[saga]:2011/06/26(日) 20:07:37.83 ID:YQw23Vrk0
杏子「ちくしょう、どうする・・・」

ほむら「まずは情報を集めるところからね。
 ここが巨人族の世界と呼ばれているからには、何かしらがあるはずよ」

マミ「そうね。いつものように散らばって、宿屋で集合にしましょうか」

ほむら「それが賢明ね・・・」ジー

杏子「そうするしかないな・・・」ジー

マミ「な、なによ・・・今度は真面目にやるわよ・・・」

まどか「そういえば、マミさんの髪型が戻ってる」

マミ「え?」

ほむら(アシュラの炎で髪が巻かれていたのを、私は見逃さない)

杏子「不安だから、マミは私と一緒に行動な」

ほむら「私が宿の手配をしてくるわ」

マミ「うぅ・・・失った信用を取り戻すのは大変な事なのね・・・」

まどか「それじゃあ、また後で!」ダダッ

杏子「まどかは優等生だな〜。寝ていた誰かさんと違って」

ほむら「それを言うなら、買い食いして時間を潰していた
 誰かさんも居なかったかしら?」

杏子「うぐっ」

マミ「ま、まあまあ・・・ちゃんと情報を集めておくから、
 暁美さんは部屋の手配をお願いするわ」

ほむら「任せて」トコトコ

杏子「うし、アタシ達もやるか〜」

マミ「ええ」
73 :[saga]:2011/06/26(日) 20:08:07.61 ID:YQw23Vrk0
 街を歩きながら通行人に声をかける。
それを繰り返していた2人であったが、やはり
巨人族について得られた情報は最初に聞いた通り、
この世界から巨人族は消えてしまった。それのみであった。



杏子「あーもう、これじゃ先に進めねぇじゃないか!」

マミ「1人くらい巨人族が居るのかな・・・と思っていたけど
 甘かったわね。あ、そこの酒場へ行ってみましょう」

杏子「サボるつもりじゃねえだろうな?」

マミ「何言ってるのよ。情報を集めるなら、大勢の人が居そうな
 場所へ行くのは当たり前でしょ」トコトコ

杏子「・・・そうだな、ゴメン」トコトコ

マミ「気持ちは分かるわ。ちょっと冷たい紅茶でも飲んで、
 落ち着くといいわよ」

おやじ「へいらっしゃい!」

マミ(あら・・・お客さん、1人しか居ないじゃない)

杏子「なあ、巨人族について何か知っていたら教えて欲しいんだ」

おやじ「巨人族ねぇ・・・教えてやってもいいが、こっちも商売してるんだ。
 タダって訳にはいかねえな」

マミ「そこを何とか、お願いします」

おやじ「マミマミさせてくれたらいいぜ」

杏子「あ?」

おやじ「マミマミだ。それ以上はビタ一文、通らないな」

杏子(マミマミって何だ・・・?)

マミ(マミマミって何かしら・・・?)

マミ(分かった!)ピコーン

 マミは サブマシンガンで
 おやじを こうげき
 おやじに 209のダメージ
74 :[saga]:2011/06/26(日) 20:08:35.88 ID:YQw23Vrk0
おやじ「有難うございます!」

杏子(え、良かったの?)

マミ「どういたしまして」

おやじ「実はですね・・・あそこで飲んでいる客が、
 元巨人族のジョニーという男ですぜ・・・」

杏子「分かった。ありがとな」



マミ「あの・・・」

ジョニー「何だ?店ん中でそんな物騒な物、振り回して」

マミ「ごめんなさい。巨人族についt・・・」

ジョニー「巨人なんて知らねぇ!俺に聞くんじゃねえ!」

マミ「ご、ごめんなさい!失礼します」



杏子「怪しい・・・」

マミ「とは言っても、あの様子じゃお話もできないわ」

杏子「うーん。一度集まって、みんなの話も聞いてみるか」

マミ「そうね。暁美さんか鹿目さんが、何かいい情報を聞けたかもしれない」



 期待していたほどの情報が得られず、宿を目指して
とぼとぼ歩き出す2人。残りの2人が何かいい事を
聞かせてくれないか、その思いで無言で宿まで歩く。

 さて、その残り2人はと言うと・・・
75 :[saga]:2011/06/26(日) 20:09:10.97 ID:YQw23Vrk0
まどか(迷っちゃった)

まどか(なんで街の中に、こんな迷路みたいな所があるんだろう)

まどか(・・・なんで私はこんな所に来ちゃったんだろう)ハァー



ほむら「まどか!」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「宿の手配は済ませてきたわ。一緒に情報を探しましょう」

まどか「ほむらちゃん、よく私を見つけられたね」

ほむら「私を見くびらないで。まどかが何処に行こうと、
 たとえ地の果てに行っても私はまどかを見つけ出す」ファサッ

まどか「そ、そう・・・」

ほむら「あ、あそこに人が居るわ・・・あ、あれ?」

まどか「・・・嘘でしょ・・・?」



まどか「・・・ママ!」



 その後ろ姿に声をかけてから、まどかは少し後悔していた。
最初に立ち寄った街で、人違いをした事を思い出したために。

 その人影は振り返り、こう話す。



詢子「ん・・・まどか!」
76 :[saga]:2011/06/26(日) 20:09:36.79 ID:YQw23Vrk0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4393197

まどか「ママ!ママ・・・」

詢子「おーおー、こんなに大きくなっても泣き虫さんか。
 まどかは相変わらずだな」

まどか「だって・・・もう忘れられちゃったのかと・・・」グスッ

詢子「アタシがまどかの事を忘れるわけがないじゃないか!
 ・・・パパも元気でやってるのかい?」

まどか「もちろんだよ!・・・家で待ってるから、一緒に帰ろうよ」

詢子「・・・ごめんな、アタシはまだやる事があるんだ」

まどか「・・・ソウルジェムの事?アシュラって悪い奴なら、
 私達がやっつけたよ」

詢子「アシュラの他にも、ソウルジェムを使って神になろうとしている
 悪い奴はいっぱい居るんだ。アタシはそれを、止めなきゃいけない」

まどか「ソウルジェムならけっこう集まったんだよ!ホラ!」

詢子「15個もか!すごいじゃないか!それじゃ、コレも預かってくれよ」

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −

詢子「こんな子供が持っているとは奴らも思わないだろうからな。
 アタシが持っているより、アンタが持ってた方が安全だ」

まどか「もう、こども扱いしないでよ!・・・行っちゃうの?」

詢子「まどかがソウルジェムを追っている限り、きっとまた会えるさ。
 その時は、一緒に家に帰ろう」

まどか「約束だよ!」

詢子「ああ、約束だ!・・・それじゃ、またな」



詢子(会ったばかりなのに、話もしたくなっちゃうなんてな。
 アタシもヤキが回ったな・・・)
77 :[saga]:2011/06/26(日) 20:10:06.38 ID:YQw23Vrk0
 詢子は立ち去って行く。その姿を引き止めたいとも
思っていた。だが、それ以上にまどかにとっては、
母の背中が誇らしく見えていたのだ。

 だから、今は黙って母を見送る。



まどか「きっと・・・きっとだよ、ママ・・・」



ほむら(イイハナシダナー)グスッ

まどか「あれ、ほむらちゃん、泣いてるの?」グスッ

ほむら「あなたこそ、まどか」

まどか「えへへ、そうだね・・・」



ほむら「連れ戻せなかったわね」

まどか「うん。でもいいの。私は、ママのやっている事を手伝いたい」

ほむら「そう。それなら、私はそんなまどかを手伝うわ」

まどか「ほむらちゃん・・・ありがとう」

ほむら「さあ、今は私達が出来る事をしましょう。
 ゆまちゃんを助け出さないと」

まどか「そうだね。頑張ろう、ほむらちゃん!」
78 :[saga]:2011/06/26(日) 20:10:36.55 ID:YQw23Vrk0
まどか「あ、お家があるよ」

ほむら「ここは、巨人の技術で作られた防具を売っている
 お店の裏口よ」

まどか「へ〜、そんなお店あったんだ」

ほむら「宿の手配をする時に、ちょっと寄ってみたの。
 店員さんが忙しそうだったから、裏口から誰か暇そうな人に
 話を聞こうと思って」

まどか「ほむらちゃん、さっすが〜」

ほむら(ほむほむ)



まどか「それじゃ・・・お邪魔しま〜す」ガチャ

男「わっ、なんだ!こんな所から!」

まどか「ごめんなさい。あの、巨人の防具ってどうやって・・・」

男「こっちは忙しいんだ!ジョニーにでも聞いてくれ!」バタン



まどか「怒られちゃった」

ほむら「でも収穫はあったわ。ジョニーって人を探せばいいのね」

まどか「そっか、よーし。一旦マミさんと杏子ちゃんと集まろうか」

ほむら「そうね。彼女達がジョニーを知っていれば、話は早いわ」
79 :[saga]:2011/06/26(日) 20:11:05.77 ID:YQw23Vrk0
まどか「ただいま〜!」バタン

杏子「お、元気いいな。何かいい事あったのかい?」

まどか「ママを見つけたんだよ!」

マミ「あら、それは嬉しいニュースじゃない。それで、お母さんは?」

まどか「まだ世界にはソウルジェムを集めて悪いことをしようとしている
 人が居るから、それを止めるためにって行っちゃった」

杏子「行っちゃった・・・ってそれでいいのかよ?」

まどか「うん、いいの。正義の味方の邪魔をしちゃいけないからね。
 ね、マミさん!」

マミ「ええ、そうね。お母さんなりに頑張っているんだもの。応援してあげなくちゃ」

ほむら「盛り上がってる所を申し訳ないのだけれど、ジョニーという名前を
 聞かなかったかしら?」

杏子「あの怪しい男がそんな名前だったよな、マミ」

マミ「ええ。あの人がどうかしたの?」

ほむら「彼が巨人族について何か知っているのは間違いないわ。
 どこに居たのか、案内してくれるかしら?」

杏子「やっぱりアンタ達を待ってて正解だったな」

マミ「彼は酒場に居たわ。急げばまだ居ると思う」

まどか「よーし、急げ〜!」ドタドタ
80 :[saga]:2011/06/26(日) 20:11:36.03 ID:YQw23Vrk0
マミ「あ、居た居た。あそこに座って飲んでいる人よ」

杏子「アタシ達はさっきアイツに怒られちゃったからな。
 アンタ達、話してみてよ」

ほむら「任せて」



まどか「あの・・・お店の店員さんに、巨人の防具の事を
 ジョニーさんに聞いて来いと言われて・・・」

ジョニー「あ?あの店員、喋りやがったのか。
 ・・・仕方ねえな、教えてやるよ」

まどか「あ、ありがとうございます!」

ジョニー「ここから西に、昔は巨人族が住んでいた遺跡があるんだ。
 そこには、まだまだ巨人族の残した色々な物が置いてあるわけさ。
 巨人の防具も、その内の一つだな」

ほむら(メモメモ・・・)

ジョニー「そこに行くまでには、かつて巨人族が使っていた階段を
 登らなくてはならない。けど、普通の人間には高さがありすぎて無理だ」

まどか「どうすれば・・・?」

ジョニー「階段の一番下に、隠し通路があるんだ。
 そこを抜ければ、俺達の大きさでも上まで登れるぜ」

まどか「いろいろと親切に、どうもありがとうございます」

ジョニー「なぁ・・・」

まどか「はい?」

ジョニー「お前ら、俺の事を巨人族だったと思っているんだろ?」

ほむら「はい」

杏子・マミ(おい!)

ジョニー「絶対、違うからな!」ドン

まどか「ひっ、失礼します・・・」

ほむら「怒られちゃったわ」
81 :[saga]:2011/06/26(日) 20:12:01.18 ID:YQw23Vrk0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

−−− 巨人族の遺跡 −−−

まどか「階段ってこれかな・・・」

ほむら「確かにこれは人工物のようだわ。けれど、階段というよりは・・・」

マミ「崖、ね」

杏子「お、あったあった。これじゃないか、隠し通路って」



 ジョニーの言った通りの場所に、確かに存在した抜け道。
その小さな洞窟は、高さも幅も人間がやっと通れるくらいの
通路でしかなかった。それは長い上り坂となっており、
出口から外を見渡すと、自分達が例の階段の上に着いた事を
彼女達は理解する。



マミ「わぁ・・・みんな、あれを見て。きっと巨人が住んでいた家よ」トコトコ

杏子「うはー。超でけぇ」トコトコ

ほむら「ここが巨人族の遺跡である事に間違いなさそうね」ピタ

まどか「うーん・・・ダメだぁ、ドアが大きすぎて開かないよ」グイグイ

マミ「周囲を探検してみましょう。防具がどこかから持っていける
 と言うのだから、きっと入れる家があるはずだわ」

まどか「はーい」



杏子「お、見てみろよ。この家、壁に穴が空いてるぞ」

ほむら「これなら何とか私達も通れそうね。入ってみましょう」
82 :[saga]:2011/06/26(日) 20:12:28.85 ID:YQw23Vrk0
マミ「わあ、大きなベッドにテーブル。さすが巨人の家ね」

ほむら「家の中には魔物がウロウロしているわね」

まどか「えーと・・・あの馬みたいな魔物は”シルバー”だって」パラパラ

杏子「何その本?」

まどか「公式ガイド」

マミ「・・・先の展開のネタバレはしないでね」

まどか「大丈夫ですよマミさん。これ、基礎知識編ですから!」

ほむら「シルバーって、以前に佐倉杏子が能力を持った魔物よね」

杏子「ああ。”キック”と”鼻息”しか出来ないヤツさ」

マミ「あの時の佐倉さんのキック、敵を蹴散らしていたわ・・・」

まどか「当たると痛そうだよね・・・マミさん以外」

マミ「やっぱりこの役目なのね・・・」

ほむら「気付かれたみたいだわ。みんな、注意して!」

 シルバーは キックで
 マミさんを こうげき
 ダメージがない

杏子「マミ、すげえな・・・」

ほむら「さすが4枚盾装備なだけあるわね」

マミ「もう何も怖くない」

まどか「えいっ」ブスッ

 まどかは レイピアで
 シルバーを こうげき
 シルバーに 173のダメージ

 シルバーは たおれた
83 :[saga]:2011/06/26(日) 20:12:57.09 ID:YQw23Vrk0
杏子「ラクショーだな」

ほむら「宝箱があるわ」

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

マミ「ここにはもう何もないみたいね」

杏子「じゃ、外に出て入れそうな別の家を探してみるか」

ほむら「そうしましょう」



まどか「あ、あったよ!さっきと同じような穴!」

杏子「おっさき〜」ダダッ

まどか「あ〜、杏子ちゃんずるい!」トタトタ

マミ「ちょっと、中に何がいるか分からないのよ」

杏子「ダイジョーブ、ここには何も居ねぇぞ〜」

ほむら「やれやれだぜ」

まどか「また宝箱が置いてあるよ!」

 − ミスリルの盾を 手に入れた −

 − 鉄下駄を 手に入れた −

ほむら「盾はともかく、鉄下駄は重たすぎるわね・・・」

まどか「本当だ、こんなの履けないや・・・えいっ」ポイポイッ

マミ「ゲットだぜ!」ペタペタッ

杏子「マミのヤツ、どんどん重装甲になっていくな・・・」

マミ「体が重い。こんなに動けないのは初めて」

ほむら「さすがに盾を何枚か外したほうが良さそうね」

マミ「さよなら、先生との思い出のブロンズの盾・・・」グスッ

まどか「マミさん・・・」グスッ
84 :[saga]:2011/06/26(日) 20:13:37.82 ID:YQw23Vrk0
杏子「おい、見てみろよ。テーブルの上に、何かあるぞ」シカト

ほむら「あら、確かに何か見えるわね。けど・・・
 巨人族のテーブル、高すぎて上まで行けそうにないわ」

マミ「私に任せて」ジャキッ

まどか「マミさん、あれを撃ち落すんですね!」

ほむら「やめて。大事な事だからもう一度言うわ。やめて」

マミ「テーブルに上がれないのなら、撃ち落すしかないじゃない!」

杏子「あそこのタンスからよじ登って、テーブルに飛び移れそうだ。
 マミ、絶 対 撃 つ な よ」

マミ「はい・・・」



杏子「ちいさくな〜れ・・・?」

ほむら「そういう魔法書みたい。取り扱い説明書がついてるわ」

まどか「ほむらちゃんなら使えそう?」

ほむら「ええ、これくらいなら行けそうだわ」チイサクナーレ

マミ「あら!本当に暁美さん、小さくなってるわ!」

杏子「これなら、ゆまの体の中に私達も入れるな!」

まどか「すごいよほむらちゃん!」

ほむら(これは使える・・・!)ニヤリ

ほむら「もう1回、魔法を唱えたら戻れたわ」チイサクナーレ

マミ「さて、それじゃあイシス神殿に急ぎましょうか」

三人「「おー!」」
85 :[saga]:2011/06/26(日) 20:14:04.11 ID:YQw23Vrk0
−−− イシス神殿 −−−

杏子「ゆま、しっかりしろ!」

ゆま「・・・・・・」

ほむら「慌てないで。これから小さくな〜れをみんなに使うから」チイサクナーレ

まどか「わっ、わっ、ゆまちゃんがどんどん大きく・・・」

マミ「私達が小さくなってるのよ、鹿目さん」

杏子「ゆまの鼻から入れそうだな。行くぞ!」

ほむら「人間の体内に入るなんて不思議な気持ちになるわね・・・」

ほむら(予行演習だと思っておきましょう。ねぇ、まどか)ファサッ

まどか(・・・?)ゾクッ
86 :[saga]:2011/06/26(日) 20:14:29.49 ID:YQw23Vrk0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

−−− ゆまの体内 −−−

杏子「さーて、どっから探して行くか・・・」

マミ「ソウルジェムがどこにあるのかも分からないしね。
 じっくり探してみましょう」

ほむら「かと言ってゆっくりもしていられないわ。ここは二手に分かれて
 ソウルジェムを探す事を提案するわ」

まどか「ちょっと危険だけど、そうした方がいいよね」

杏子「それじゃ、アタシは今”スプライト”の能力だからケアルを使える。
 アタシはマミと一緒に行動するよ」

ほむら「ええ、そうしてくれると助かるわ。回復役が被っては仕方ないものね」

ほむら(空気が読めるようになったわね、佐倉杏子)

杏子(マミは重装甲のせいで素早さがないからな。
 アタシがフォローしてやらないと)

まどか「あ、そういえばゆまちゃんの体の中のソウルジェムって
 いくつあるんだろう?」

マミ「そういえばそうね。ちょっと待っててね・・・」ゴソゴソ

 − この世界に残るソウルジェムはあと 7 −

マミ「・・・みたいよ」

ほむら「そんなに沢山のソウルジェムが体内にあったのね。
 ゆまちゃんの回復の力の強さにも納得がいったわ」

杏子「んじゃ、ぼちぼち探しに行こう」

まどか「私達は、ゆまちゃんの体の左側を探してみるね」

マミ「それじゃあ、私達は右側ね。よろしく、佐倉さん」
87 :[saga]:2011/06/26(日) 20:14:58.04 ID:YQw23Vrk0
杏子「それにしても・・・人の体の中ってグロいもんかと思ってたけど
 案外そうでもないよな」

マミ「私達が小さくなりすぎているものね。何が何だか分からないわ」

杏子「おっと、魔物がいるよ。アシュラの手下かね」

マミ「・・・ロボット・・・」

杏子「・・・体の中にあんなの居たら、たまったもんじゃねぇな・・・」

マミ「放っておくわけにはいかないわね。片付けましょう」

杏子「ああ、そのつもりさ」



マミ「私が行動する前に、ロボットの群れは佐倉さんの”サンダー”の能力で
 吹き飛んでいた。何を言ってるかわからないと思うが・・・」

杏子「今回の能力はアタリだな。すげぇ強いよ」

マミ「ロボットがロケットパンチを落としていったわ」

杏子「装備してみればいいじゃないか。使えそうなんだろ?」

マミ「・・・ロケットヘッドじゃなくて残念だったわね、佐倉さん・・・」

杏子「何も言ってねぇだろ・・・」



杏子「お、あそこにソウルジェムが見えるぞ」

マミ「あら、良かったわ。これで2つ回収ね」

杏子「今の魔物が外に持ち出そうとしていたんだな」

マミ「そのようね。他のソウルジェムも急がないと」

 − 炎のソウルジェムを 手に入れた −

 − 稲妻のソウルジェムを 手に入れた −

マミ「でも、私達が小さいままだとソウルジェムが大きすぎて
 運べそうにないわね・・・」

杏子「任せとけって。こんなこともあろうかと・・・」チイサクナーレ
88 :[saga]:2011/06/26(日) 20:15:28.12 ID:YQw23Vrk0
まどか「あ、魔物があそこで共食いしてる」

ほむら「あれはゆまちゃんの体の抗体のようね。
 異物が侵入したから、それを排除しようとしているのよ」

まどか「人間の体ってすごい・・・」

ほむら「感心している場合ではないわ。抗体から見れば、
 私達だって侵入した異物なのよ」

まどか「あわわ、それじゃ私達も危ないね」

ほむら「そういう事よ。いざとなれば抗体とも戦うけれど、
 抗体を減らしてしまってはゆまちゃんの体のためにもならないわ」

まどか「うん。行こうか、ほむらちゃん」

ほむら「ええ」



ほむら「あ、あそこにソウルジェムがあったわ」

まどか「ほんとだ。2ついっぺんにあるよ!」

 − 氷のソウルジェムを 手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを 手に入れた −

ほむら「もうここには何もないようね」

まどか「それじゃあ、引き返そうか。
 ・・・ほむらちゃん、何をメモしているの?」

ほむら「念のために、人体探索マップを。
 またこんな事が起きないとも限らないでしょう?」

まどか「うーん、そうなのかな?」

ほむら「とはいえ、あまり必要はなさそうではあるわね」

ほむら(欲望のためなら・・・
 私はまどかの体内という迷路に閉じ込められても構わない)

まどか「・・・どうしたの、ほむらちゃん」ゾクッ

ほむら「何でもないわ」チイサクナーレ>ソウルジェム
89 :[saga]:2011/06/26(日) 20:16:02.52 ID:YQw23Vrk0
まどか「あ、杏子ちゃんにマミさん!おーい!」

杏子「よう、こっちでソウルジェムを2つ見つけたよ。
 アンタ達はどうだい?」

ほむら「こちら側でも2つ見つけたわ」

マミ「あと3つでゆまちゃんの体内のソウルジェムは全部のようだわ」

杏子「残るは1本道だし、みんなで行くか」

まどか「実はあそこの道を、ゆまちゃんの抗体が通せんぼしているの」

ほむら「気は進まないけど、あれを何とかしないと先に進めないわね」

マミ「いつも通りに私が盾になるから、みんな頑張ってね」

まどか「はい、お願いしますマミさん!」

 はっけっきゅうは とかすで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 84のダメージ
 3HP すいとった

マミ「いたい、いたい」

まどか「あの重装甲のマミさんが痛がってる!」

杏子「オイオイ、”溶かす”の能力はすげぇ強いみたいだぞ!」

ほむら「どうやら防御力を無視してくるようね。
 あれは急いで倒しましょう」

 きょうこは サンダーで
 はっけっきゅうたちを こうげき
 はっけっきゅうたちに 216のダメージ

 4たい たおした
90 :[saga]:2011/06/26(日) 20:16:38.34 ID:YQw23Vrk0
杏子「マミ、大丈夫か?ケアル!」キュイーン

マミ「いたたた・・・ありがとう、佐倉さん」

ほむら「”とかす”を3、4回も受けてしまっては、
 さすがの巴マミも倒れてしまうわね」

まどか「今の抗体と戦う時には要注意だね・・・」

マミ「でも、怪我の功名とでも言うべきかしら。
 ソウルジェムがまた2つあるわ」

 − 防御のソウルジェムを 手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを 手に入れた −

ほむら「あと1つね・・・」

まどか「私達、ゆまちゃんの鼻から入って首から下を探したから
 最後の1つは頭の方にあるんじゃないかな?」

マミ「さs
ほむら「さすがまどかね。あなたが居なかったら、誰も気付かなかったわ」

マミ「そr
杏子「じゃ、また来た道を引き返してみるか」

マミ(マミマミ)
91 :[saga]:2011/06/26(日) 20:17:07.61 ID:YQw23Vrk0
マミ「そこかしこで抗体が魔物を食べちゃっているわね・・・」

ほむら「ソウルジェムが残り1つになったおかげで、アシュラの部下が
 ここに集まっているのね。だから抗体もここに集まっているのよ」

まどか「おかげで私達は急いで抜けられるけどね!
 あ、また通せんぼしている抗体が一杯いるよ!」

杏子「見ろよ、奥にはソウルジェムだ。コイツらさえやれば!」



 杏子は躊躇なく、”サンダー”の能力を発現させるために
意識を集中させる。”スプライト”の能力に変化している彼女は、
少女達の誰よりも素早く行動ができた。

 しかし、マクロファージと呼ばれるその抗体は
強烈な雷による一撃にも耐えていた。

 そして自らを攻撃してきた侵入者を排除するかのように、
マクロファージは順番に”とかす”の能力を杏子に浴びせ続ける。



杏子「いだだだ・・・」ドサッ

まどか「杏子ちゃん!」

ほむら「巴マミ、急いで攻撃を続けるのよ!」

マミ「オッケー!」



 暁美ほむらの”ほのお”の発動より早く、
巴マミのサブマシンガンが火を噴く。

 広範囲を掃射する事によって、先のサンダーで
弱っていたマクロファージは皆、その活動を止めていった。
92 :[saga]:2011/06/26(日) 20:17:34.05 ID:YQw23Vrk0
まどか「杏子ちゃん、大丈夫?」

杏子「いたたた・・・さすがにあんな攻撃には耐えられねえな。
 ケアル!」キュイーン

マミ「これで最後のソウルジェムのようね」

 − 素早さのソウルジェムを 手に入れた −

ほむら「それじゃ、早速・・・」チイサクナーレ>ソウルジェム

まどか「全部集まったね!それじゃあ、ここから出ようか!」

杏子「一時はどうなることかと・・・何とかなるもんだね」

マミ「まだ脱出するには早いわ。アシュラの手下が残っていないか、
 ちゃんと確認してから出ましょう」

ほむら「巴マミの言う通りね。まだ浮かれるには早いわ」

まどか「あ・・・そうだった」

杏子「よーし、急ぐためにあれだけ走らされたんだ。
 八つ当たりさせてもらおうか!」
93 :[saga]:2011/06/26(日) 20:18:02.45 ID:YQw23Vrk0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4393197

−−− イシス神殿 −−−

杏子「おい、起きろ!」ペチペチ

ゆま「・・・んん〜・・・キョーコ・・・?」

杏子「・・・起きてるならさっさと目、覚ませっつーの・・・」

ほむら「あら、泣いt」モガッ
マミ「空気、読みましょうね。暁美さん」ボソボソ

ほむら「あなたに言われるとは心外だわ」ボソボソ

まどか「良かったね、ゆまちゃん・・・」グスッ

ほむら(まどかマジ天使)

ゆま「みんな、ありがとう!これからどうするの?」



まどか(そういえば、私がママとも会えたし・・・
 他の皆は、旅の目的を果たしちゃったんだよね・・・)チラッ
94 :[saga]:2011/06/26(日) 20:18:34.57 ID:YQw23Vrk0
マミ「私達はこのまま、ソウルジェムと鹿目さんのお母さんを探すわ」

杏子「アタシが正義の味方ってのもムズムズするけどな。
 またアシュラみたいなヤツがいたら、ぶっ飛ばしてやるさ」

ほむら「どうするかなんて、聞くまでもないわ」ファサッ



まどか「みんなぁ・・・」グスッ

ゆま「まどかお姉ちゃん、どうしたの?泣かないで」ナデナデ

まどか「・・・ありがとう、ゆまちゃん・・・私達、頑張るから!」

ゆま「うん!また遊びに来てね!」

杏子「うぜぇ。用事がなきゃ来ねーよ」

マミ「はいはい、ツンデレ乙」プッ



 イシス神殿の外を、全力で走る佐倉杏子から逃げ回る3人。
彼女達の足は自然と、天の柱へと向かっていた。

 まだ見ぬ第4の世界を目指して。
95 :[saga]:2011/06/26(日) 20:19:12.87 ID:YQw23Vrk0

96 :[saga sage]:2011/06/26(日) 20:28:07.77 ID:YQw23Vrk0
キリのいいとこまで書けたので本日はここまで。
続きはまた2〜3日後に。

>>59
そう言って頂けて良かった。勿論、今後も・・・
>>60
特化メカは強いですよね。今回は初回プレイ風味にしたいため、あまり強すぎる装備とかはナシで。
>>64
マサムネと聞くとFF1、2とか真っ先に浮かぶ筆者はゲーム脳のおっさん。
>>65
まどか原作主義者にはかなり気に入らないと思うほどキャラ崩壊してますが
逆にまどか知らない人には読みやすい?と思えます。応援ありがとう。
どうしても仲の良いみんなを書きたかったんだ・・・

おまけ ゆまの体内あたりのステータス

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira013235.jpg

ロダが重いのか出てこないけど、そのうち出るでしょ・・
97 :[saga sage]:2011/06/26(日) 20:29:16.17 ID:YQw23Vrk0
 − SaGa2の解説 ステータスについて −

SaGa2のステータスについて解説します。
とは言っても、SaGa2には5種類のステータスしかありません。

HP
説明するまでもないですね。敵の攻撃を受けることによって
この数値が減ります。HPが0になると、キャラクターは倒れます。
倒れてしまったキャラクターは、戦闘後にHP1で復活します。

ちから
力=武器攻撃力、と大体のRPGゲームではそうなっておりますが、
SaGa2においては”力の作用する武器”のみ、このステータスの
影響を受けます。力が少なくても、ゲームを進める上で問題が
ないとも言えます。主に”力の作用する武器”を使い続ける事によって、
人間とエスパーは戦闘後にランダムで力が成長します。

すばやさ
SaGa2はターン制の戦闘システムであるため、行動の順番に作用します。
”素早さの作用する武器”を扱う時のダメージにも影響があります。
さらにキャラクターの武器命中率、敵からの攻撃の回避率にも影響します。
このため、素早さは非常に重要なステータスとなっております。
素早さを上げなかったために、力系の武器がまるで当たらなくなった。
そんな経験は、SaGa2を遊んだ誰しもが通った道かと思います。
主に”素早さの作用する武器”と体術を使い続ける事によって、
人間とエスパーは戦闘後にランダムで素早さが成長します。

まりょく
魔法攻撃系の能力、”魔力の作用する武器”のダメージと防御力、
状態異常攻撃の成功率・回避率に影響します。
SaGa2には「ファイアの書」や「ケアルの書」という武器もあるため、
お金さえかければエスパーに限らず人間でも魔法を使う事は出来ます。
やはり”魔力の作用する武器”を使い続ける事によって
人間とエスパーは戦闘後にランダムで魔力が成長します。

ぼうぎょ
キャラクターの物理防御力に影響されます。
基本的には防具を装備する事で上げるステータスです。
戦闘中に盾を使い続ける事によって、まれにではありますが
人間とエスパーは戦闘後にランダムで防御が成長します。


人間とエスパーはこのように、武器を使う事でその武器に対応した
ステータスが1ずつ上がって行きます。
メカとモンスターのステータスについては、>>19の通り
戦闘後のステータスアップはありません。
それぞれの特性に基づいて、ステータスが増減します。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/26(日) 23:33:32.67 ID:D4yAn6VUo
GB版なら、マミさんの首を付け外しでHP回復できるな
99 :[saga]:2011/06/28(火) 19:54:10.70 ID:bRtImMG10

100 :[saga]:2011/06/28(火) 19:54:53.09 ID:bRtImMG10
−−− 天の柱 −−−

まどか「ここの景色はいつ見ても綺麗だね」

杏子「巨人族の世界に行く時にゃ、
 そんな事を考える余裕もなかったけどな」

マミ「今はのんびりと歩きましょうよ。折角の景色なんですもの」

ほむら「それも悪くないわね」

杏子(肉食いてぇ・・・)グゥゥ

まどか(お腹空かした顔だ・・・)



ほむら「このドアの先が第4の世界ね」

まどか「そういえば、このまま第5、第6の世界にも行けるのかな」

マミ「あっちにもドアがあるわ。行ってみましょうか」

杏子(マミのヤツ、余計な事を・・・)グゥゥ



マミ「駄目だわ、どうやっても開かない」

ほむら「何か開けるための条件でもあるのかしらね」

まどか「素直に第4の世界に行ってみようか」

杏子「そうだな。早く行こうぜ」ガチャ



 ドアの先に見えたのは、再び緑の草原。
そしてその先にそびえ立つ、大きな宮殿。

 ガラスで造られているかのような綺麗な建築物に、
少女達は心奪われていた。

 誰が言い出すでもなく、皆がそこへ向けて歩き出す。
101 :[saga]:2011/06/28(火) 19:55:25.77 ID:bRtImMG10
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11623150

−−− アポロンの宮殿 −−−

まどか「すごい建物だね・・・」

マミ「綺麗・・・」

杏子「はん、悪趣味だよ、こんなの」

ほむら「とはいえ、これほどの建築物を建てる事が出来るなんて、
 ここの主はよほど力のある人物だわ」

男「あなた方がアシュラを倒した旅の方ですか?」

マミ「え、ええ。そうですけれど?」

男「あなた方をお待ちしておりました。あなた方がアシュラを
 倒したという噂は、この世界にも広まっております」

まどか「えへへ、なんか照れちゃうね」

男「ここは新しき神、アポロン様の宮殿。
 アポロン様も、あなた方の到着をお待ちしておりました」

杏子「新しき神・・・?」

男「はい。アポロン様は慈悲深き神。
 世界を支配しようなどという考えとは無縁のお方です」

男「ささ、アポロン様のもとへお越し下さいませ・・・」



杏子「どう思う?」

ほむら「世界を支配しようと思っていない人物が、
 これほどの宮殿に住んでいる。何か矛盾を感じるわ」

まどか「それだけみんなから慕われてるって事かもしれないよ?」

マミ「私も鹿目さんと同感かな。私達の存在を知っていたのなら、
 ソウルジェムの事も知っているはず。こんな回りくどい事をしないで
 不意打ちでも襲い掛かって来ていると思うわ」

杏子「アタシの勘じゃ、どうも新しい神ってのが胡散臭い」

マミ「それじゃあ、念のためにいつでも戦えるようにしておきましょう」
102 :[saga]:2011/06/28(火) 19:55:53.13 ID:bRtImMG10
 その人物は玉座に座っていた。

 少女達はその姿を見て戦慄する。
先の戦いで撃破したアシュラの顔と、
その人物の顔は瓜二つであったためである。

 だが・・・



アポロン「ようこそ、アシュラを倒し世界を救った英雄達よ」

杏子「・・・・・」

アポロン「驚いているようだね、無理もない。まずは僕の事から話そうか」

アポロン「僕達はインキュベーターと呼ばれる種族だ。
 僕の同族は数こそ少ないが、世界中に居るのさ」

アポロン「その中の1人が、ソウルジェムを偶然に手に入れ、新しい神を名乗った。
 それがアシュラの正体だったんだよ」

ほむら「インキュベーター・・・」

アポロン「そう。本来のインキュベーターは、争い事など好まない
 平和的な種族だったんだ。だが、アシュラは道を踏み外してしまった」

アポロン「彼の野望を止めてくれた事に礼を言いたい。
 これは僕からの気持ちだよ」

 − 防御のソウルジェムを手に入れた −

まどか「なんで、これを私達に?」

アポロン「僕は十分な力を持っているからさ。過ぎた力はいらないよ」

マミ「・・・ありがとうございます」

アポロン「まだこの世界にも、たくさんのソウルジェムが眠っているらしい。
 それについて、僕に伝わってきた伝説を教えよう」

アポロン「ひとつは土の中に風が吹くところ・・・」

アポロン「ひとつは水の中で炎が燃えるところ・・・」

アポロン「ひとつは明るい闇があるところ・・・」

アポロン「君達なら、この謎も解き明かす事が出来るだろう。
 幸運を祈っているよ」
103 :[saga]:2011/06/28(火) 19:56:28.46 ID:bRtImMG10
杏子「案外いいヤツなのかな・・・」

まどか「インキュベーターだったっけ?
 平和的な種族って言うだけあって、あの人の喋り方はとても優しかったね」

杏子「そうかぁ?まあ、王様ってのは皆あんなのかね」

ほむら(だからこそ怪しい・・・けれど、私達にここまでして
 ヤツに何のメリットがある?)

マミ「暁美さん、そんな難しい顔しちゃって。
 折角の美人が台無しよ」ツンツン

ほむら「あなたに褒められてもあまり嬉しくないわ」シッシッ

まどか「ソウルジェムと言えば、この世界にはいくつあるんだろう?」

マミ「どれどれ・・・」

 − この世界に残るソウルジェムはあと 9 −

杏子「この世界にも結構あるんだな」

マミ「さっそく探しましょう・・・と言いたいところだけど、
 ずっと休んでいなかったし、どこかの街でお休みしたいわ」

ほむら「賛成ね。能力を発動させるのも、限界が来ているわ」

杏子「ハラへった」

まどか「それじゃあ、まずは街を探すところから始めようか!」
104 :[saga]:2011/06/28(火) 19:57:04.15 ID:bRtImMG10
−−− 山の村 −−−

 アポロンの神殿に居た人物から得られた情報により、
少女達は草原を越え、山のふもとにあるこの街に辿りついていた。
さすがに全員の顔には疲労の色が濃く出ていたため・・・



杏子「ひー、もう足がパンパンだよ・・・」

マミ「ソウルジェムの伝説は気になるけれど、
 さすがに今日はのんびりしましょうか」

ほむら「・・・・・・」

まどか「ほむらちゃんが立ったまま寝てる!おっきろ〜!」ドン

ほむら「っ!・・・何かしら」ファサッ

マミ「あらあら、疲れているのね。すぐに宿へ向かいましょう」



まどか「わぁ、綺麗なお部屋!」

マミ「砂漠の街はひどかったものね。やっと落ち着いて休めそう」

ほむら「・・・・・・」ボフッ

杏子「やっぱり魔力の使いすぎは疲れるんだろうな。
 アタシもすっげぇ腹減ったし。なんか食べてくるよ」

マミ「あら、それなら私もご一緒させて?佐倉さん」

まどか「私も眠いので、お先に寝ちゃいますね。
 行ってらっしゃい、杏子ちゃん、マミさん」

杏子「おーう、お休み〜」トコトコ

マミ「それじゃあ、2人のためにお弁当でも買ってくるわね。
 お休みなさい、鹿目さん」バタン



まどか「今のうちに・・・」ゴソゴソ
105 :[saga]:2011/06/28(火) 19:57:37.95 ID:bRtImMG10
 きょうこは サンダーで
 おおめだまたちを こうげき
 おおめだまたちに 234のダメージ
 3たい たおした


マミ「・・・あなたの言う”何か食ってくるよ”の何かって
 魔物の肉だったのね・・・」

杏子「そうだよ?くーかい?」

マミ「いえ・・・遠慮しておくわ」

杏子「変なヤツ」モグモグ

マミ「私は街に戻って、食事してくるわね」ハー

杏子「ペッペッ、まっじいこの肉!口直しにアタシも着いてくよ」

マミ「最初からそうしましょうよ・・・」

杏子「あ、能力が変わったら小さくな〜れの魔法を忘れちまった。ま、いいか」

マミ「もう使う事もないでしょうしね」



まどか「お〜い!杏子ちゃん、マミさ〜ん!」

マミ「あら、鹿目さん。やっぱりお腹が空いたの?」

まどか「てへへ・・・」

杏子「じゃ、みんなで食いに行くか!」
106 :[saga]:2011/06/28(火) 19:58:07.38 ID:bRtImMG10
ほむら「・・・ハッ!」ガバッ

ほむら「・・・不覚。寝てしまったのね」

ほむら「・・・」シーン

ほむら「もう一眠り・・・」



杏子「食った食った〜!」ガチャ

マミ「こら、暁美さんが寝ているのよ。静かにしなさい」

まどか「お弁当、ここに置いておけばほむらちゃんも気付くよね」

マミ「そうね。さて、私達も寝ましょうか」

ほむら(・・・・・・)



まどか「くかー」

杏子「くかー」

マミ「くかー」

ほむら「・・・・・・」モグモグ

ほむら(あなたの優しさがお腹に染みるわ、まどか)

ほむら(私はあなたの体の中心でお礼を叫ぶわ)

ほむら(ちいさくな〜れの魔法書っと・・・)ゴソゴソ

ほむら(・・・・・・)ゴソゴソ

ほむら(・・・・・・)ゴソゴソ

ほむら「・・・なん・・・だと・・・」ゴソゴソ
107 :[saga]:2011/06/28(火) 19:58:38.29 ID:bRtImMG10
まどか「ふわぁ〜・・・」

マミ「あら、お早う。鹿目さん」

杏子「くかー」

ほむら「・・・・・・」ギンギン

まどか「ほむらちゃん・・・目、真っ赤だよ?」

マミ「探し物をしていたんですって。小さくな〜れの魔法書を
 なくしちゃったとか・・・」

まどか「ああ、あれだったら捨てちゃった!
 お店に持っていったけど、1ケロだったよ!」

ほむら「な!」

マミ「あらあら、どうしてそんな事を?」

まどか「だってアポロンさんも言ってたもん!過ぎた力を持っては駄目だって!」チラ

ほむら「・・・・・・」プルプル

まどか「それに、杏子ちゃんは小さくな〜れを暗記してたから、
 もういらないかなって」チラッ

ほむら「・・・・・・」プルプル

マミ「あらら、佐倉さんは昨日、小さくな〜れを忘れちゃったって
 言ってたわよ」

まどか「えぇ〜!」

マミ「けど・・・確かにアポロンさんの言う通りかもね。私達がうっかり
 小さくな〜れを落としたりして、悪い奴に取られたら大変だものね」

ほむら「・・・あなたを大切に思う人の事も考えて!」ガタッ

マミ「ひっ」ビクッ

まどか「ごめんね、ほむらちゃん。ずっと探させちゃって・・・
 もう嫌いになっちゃったよね・・・」

まどか(やっぱり捨てて正解だった・・・)

ほむら「あなたが謝る必要なんてないわ。まどか」ファサッ

マミ(何なのコレ・・・)
108 :[saga]:2011/06/28(火) 19:59:07.14 ID:bRtImMG10
杏子「くかー」

まどか「さて、朝のお散歩ついでに情報集めに行ってきます!」

マミ「あr
ほむら「私も一緒に行くわ」

マミ「コホン、それなら私もご一緒させて?」

まどか「わーい、みんなでお散歩だ!」

マミ「佐倉さんを起こしても悪いし、3人で行きましょうか」



まどか「おはようございます!」

男「おう、お早う!見ない顔だな、旅人かい?」

まどか「はい!これこれこういうわけで・・・」

男「母ちゃんを捜しているのか。そういや、お前さんって
 たっくんの母ちゃんに似ているな」

まどか「たっくん?」

男「ああ、この村に住んでいる坊主さ。母ちゃんは仕事だかで
 よく留守にするもんだから、父ちゃんと2人でここに住んでいるんだが・・・」

男「最近、父ちゃんの体の具合が悪くてな。
 たっくんが看病してたんだけど、なかなか良くならないんだ」

マミ「暁美さんのケアルで治せないかしら」

ほむら「そうね、試してみる価値はあるわ」

まどか「おじさん、色々とありがとうございます」

男「おう、こっちの話ばっかりして悪いな。
 なんか分かったら、知らせるからまた来てくれよ」
109 :[saga]:2011/06/28(火) 19:59:37.82 ID:bRtImMG10
まどか「ごめんくださ〜い」ガチャ

マミ「・・・普通はノックからするものよ、鹿目さん」

ほむら「病気で倒れていたら出て来れないでしょう。
 あなたはどこまで愚かなの、巴マミ」

マミ「ひ、ひどい」グスッ

男「ゴホゴホ・・・どちらさまですか?」

ほむら「挨拶代わりにこれをどうぞ。ケアル!」キュイーン

男「おや、随分と体が楽に・・・見知らぬ方、どうもありがとう」

マミ「いえいえ。旅をしているもので、このくらいなら何てこと・・・」

男「旅人さんでしたか。あの、無理を承知でお願いをしたい事があるのですが」

まどか「なんですか?」

男「息子のタツヤが、私のために山の洞窟へ薬草を取りに行ったきり
 帰って来ないのです。それが心配で心配で・・・」

ほむら「この村の北側に見えた洞窟かしら」

男「はい、そこで間違いないです。よろしければ、タツヤを連れ帰って
 来ては頂けないでしょうか。少しならば、お礼も出せますので・・・」
110 :[saga]:2011/06/28(火) 20:00:09.15 ID:bRtImMG10
マミ「お礼なんて結構ですよ。人助けのためならば、
 この正義の味方、巴マミにお任せを!」ドヤッ

まどか「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」ニヤニヤ

マミ「・・・・・・」カァァ

男「そうおっしゃって頂けるなら、私にとっては本当に正義の味方ですよ」ニコニコ

マミ「ごめんなさい、忘れて下さい・・・」

男「それでは、よろしくお願い致します。
 せめて、とびきりの料理を作ってお待ちしておりますから」

まどか「はい、任せておいて下さい!」

ほむら「正義の味方、暁美ほむらにお任せを」ニヤニヤ

マミ「・・・らめぇぇぇ」カァァ



ほむら「・・・という訳なの」

杏子「そっか、それじゃ頑張るか!なんたって、正義の味方だからな」ニヤニヤ

マミ「・・・・・・」

まどか「みんな!マミさんをいじめるなんてあんまりだよ!」

マミ「・・・鹿目さん・・・」グスッ

まどか「いじめなんて最低だよ!私達、正義の味方なんだよ!」ニヤニヤ

マミ「・・・ちょっと全員、そこに並んでくれるかしら」ジャキッ

三人「「ごめんなさい」」
111 :[saga]:2011/06/28(火) 20:00:35.38 ID:bRtImMG10
−−− 山の洞窟 −−−

まどか「なんだかこの洞窟、風が強いね」

ほむら「風が通り抜けているのかしら。ヒューヒュー音がするわ」

杏子「もしかして”土の中に風が吹くところ”ってここじゃねえか?」

マミ「佐倉さん、それは名推理ね」

杏子「だろ?」

ほむら「佐倉杏子が知能派だなんて・・・」ボソッ

杏子「・・・後でツラ貸しな」

まどか「ま、まぁまぁ・・・まずは、たっくんを探してから
 ソウルジェムも探してみようよ!」

マミ「そうね。なんたって私達は正義の味方だもの」ギリッ

ほむら「・・・怒るくらいなら言わなければいいのに」ボソッ

マミ「誰のせいよ!」

ほむら「敵が2人も増えてしまったわ」ファサッ

まどか「涼しそうに言わないでよ、ほむらちゃん・・・」

ほむら「巴マミの怒りの矛先はあなたにも向いているのを忘れないで」ボソボソ

まどか「あ・・・そうだった・・・どうすればいいかな・・・?」ボソボソ

ほむら「巴マミは誰かに頼られると、すぐに怒りなど忘れる」ボソボソ

まどか「そんなのでいいの?・・・根拠は・・・?」ボソボソ

ほむら「統計よ」ボソボソ
112 :[saga]:2011/06/28(火) 20:01:16.48 ID:bRtImMG10
 マミさんは サブマシンガンで
 カメレオンたちを こうげき
 カメレオンたちに 235のダメージ
 3たい たおした

まどか「マミさんすごい!敵をやっつけるマミさんに
 私、憧れているんです!」マドマド

マミ「もう、見世物じゃないのよ。危ない事をしているって自覚は
 持って欲しいわ」テレテレ

杏子「もうマミのヤツ、機嫌治ったんだ・・・」

ほむら「ここまで単純だったとはね・・・」ボソッ

ほむら「あ、カメレオンが肉を落としたわ。佐倉杏子、あれはあなたの物よ」

杏子「うめぇ」モグモグ

ほむら(佐倉杏子はこれで機嫌を治すでしょう。
 さすがは感情の魔術師、暁美ほむら)

まどか「ほむらちゃん、さすがだね。全部ほむらちゃんの言った通りだよ」ボソボソ

ほむら「私に出来ない事なんて何もないわ」ファサッ

ほむら「あ」ピコーン

ほむら「まどか、あなたが小さくな〜れを捨てた事を私は忘れてないわ」

まどか「そっか〜、じゃあ忘れて」スタスタ

ほむら「まどか!行かないで!」



まどか「わぁぁぁぁ・・・」ヒューン

ほむら「まどか!」

マミ「どうしたの!」

杏子「え、何?」



三人「「わぁぁぁぁ・・・」」ヒューン
113 :[saga]:2011/06/28(火) 20:01:42.81 ID:bRtImMG10
まどか「いたたた・・・みんな、大丈夫?」

マミ「ええ、何とか・・・」

杏子「下り坂になってたのか・・・まさか全員で滑り落ちるなんてな」

ほむら「坂というより崖みたいね。とても上れそうにないわ」

タツヤ「姉ちゃ!」

ほむら「・・・・・・乳児?」

タツヤ「姉ちゃ!姉ちゃ!」

マミ「えっと・・・君がたっくんかな?」

タツヤ「ウン!」

杏子「どう見ても2歳児くらいだぞ・・・村のヤツらも止めろよ・・・」

タツヤ「パパ!パパ!やくそう!」

まどか「言ってる事からすると、あの家のおじさんの
 息子さんなんだろうね。たっくん、一緒に帰ろうか」

タツヤ「ろぼ!ろぼ!」

ほむら「ろぼ?」



杏子「あ〜・・・出口が見えるけど・・・」

マミ「ロボットいるわね・・・」

ほむら「山の神、ですって」パラパラ

まどか「神様がロボットだったり、出口を通せんぼしてたり・・・」

ほむら「突っ込みどころしかないわね、この世界」

タツヤ「ろぼ!アハハハ、ろぼ!」
114 :[saga]:2011/06/28(火) 20:02:09.94 ID:bRtImMG10
 やまのかみは サブマシンガンで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 84のダメージ

マミ「痛っ!・・・やってくれるわね」ジャキッ

 マミさんは サブマシンガンで
 やまのかみを こうげき
 やまのかみに 105のダメージ

山の神「!!??」



杏子「何してんだアイツら」

ほむら「お互いに譲れないものがあるのよ」

まどか「マミさん、頑張って!」



タツヤ「マミ!マミ!」

 たっくんは キックで
 やまのかみを こうげき
 やまのかみに 298のダメージ

 やまのかみは たおれた
115 :[saga]:2011/06/28(火) 20:02:37.21 ID:bRtImMG10
ほむら「は?」

マミ「ちょっと!なんて事するの!」

まどか「マミさん、落ち着いて!」

杏子「2歳児のキックすげぇ・・・」

タツヤ「マミマミ!」

マミ(マミマミ)

ほむら(何で機嫌を治すの・・・)

まどか「でも良かったね!これで帰れるよ!」

杏子「そうだな!さぁて、ご馳走が待ってるぞ〜!」

ほむら「今の戦闘で”サイコブラスト”を覚えたわ」ホクホク

マミ「待って。山の神の残骸に、ソウルジェムが混じってるわ」

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −
116 :[saga]:2011/06/28(火) 20:03:05.74 ID:bRtImMG10
−−− 山の村 −−−

タツヤ「パパ!パパ!」

男「タツヤ!無事で良かった・・・皆さん、本当にありがとうございました」

マミ「いえいえ、お役に立てて良かったです」

杏子「なあなあ、メシまだ〜?」

ほむら「やめなさい、佐倉杏子。はしたない」

男「もうすぐに出来ますよ。よろしければ、少しお待ちになって下さい」

まどか「いい匂いがするね。ご飯、楽しみだな〜」



詢子「ただいま〜」ガチャ



まどか「え?」



男「おお、君も帰ってきてくれたのかい。詢子」

タツヤ「ママ!ママ!」
117 :[saga]:2011/06/28(火) 20:03:33.42 ID:bRtImMG10
詢子「あ・・・まどか達も来ていたのか・・・」

まどか「ママ・・・どういう事なの?」



 ╾╾╾╾ごめんな、アタシはまだやる事があるんだ╾╾╾╾



詢子「ああ、これは・・・そのな・・・」

まどか「・・・たっくんのママって・・・」



 ╾╾╾╾そういや、お前さんって たっくんの母ちゃんに似ているな╾╾╾╾



詢子「そうだな、そんな様な事を・・・」

まどか「・・・こんなのって・・・」



まどか「〜〜〜!!!」ダッ

詢子「お、おい!まどか?」ダッ

ほむら「まどか!」

マミ「鹿目さん!」

杏子「マジかよ・・・」
118 :[saga]:2011/06/28(火) 20:04:09.79 ID:bRtImMG10
詢子「待てって!」

まどか「来るな!!」

詢子「っ!」



まどか「見損なったよ!家に帰れないってこういう事だったの!
 何が正義の味方だよ!!」



まどか「・・・私とパパが・・・どんな気持ちで・・・」

詢子「おい、落ち着いて話を・・・」

まどか「もう親とも思わない!二度と私の前に現われないで!!」ダッ

詢子「おい!まどか!!」
119 :[saga]:2011/06/28(火) 20:04:39.24 ID:bRtImMG10
杏子「アイツ、どこに行っちまったんだ?」

マミ「ひどく興奮してたわ・・・無理もないけれど・・・」

ほむら「まどか・・・急いで探しましょう!」



マミ「あ、あの!」

女「はい?」

マミ「私達くらいの女の子、見かけませんでしたか?」

女「あら、あなた達の知り合い?泣きながら港町の方へ走っていったわよ」

ほむら「港町ってどこなの?」

女「ここから南の方よ。知り合いなら、早く追いかけてあげて」

ほむら「まどか・・・!」ダッ

杏子「オイ!お前まで・・・待てって!」ダッ

マミ「あ、あの、ありがとうございました!」ダッ



 心配そうに見つめる女性の視界に、走り出す3人の少女。
すっかり辺りは一面の闇であったが、
大切な友人を放っておくわけにはいかない。



 その港町が見える頃には、空はうっすらと明るくなっていた。
120 :[saga]:2011/06/28(火) 20:05:05.83 ID:bRtImMG10
−−− 港町 −−−

ほむら「・・・・・・」ゼーゼー

杏子「やっと追いついたよ・・・」ゼーゼー

マミ「・・・あ・・・あれ・・・」ゼーゼー



まどか「・・・・・・」

ほむら「まどか・・・」

まどか「・・・あ、ほむらちゃん・・・私・・・」

ほむら「・・・・・・」

まどか「・・・パパに何て言おう・・・」

ほむら「まどか、落ち着いて詢子さんの話を・・・」

まどか「やめて!」



ほむら「まどか・・・?」

まどか「・・・お願い・・・今はあの人の話をしないで・・・」



ほむら「・・・駄目ね。聞く耳を持たないわ」

マミ「少し頭を冷やしてからの方がいいかしら」

杏子「ったく、めんどくせーヤツだな・・・」

マミ「仕方ないわよ。私だって同じ状況になったら・・・」

ほむら「・・・そうね・・・」
121 :[saga]:2011/06/28(火) 20:05:36.13 ID:bRtImMG10
杏子「で、これからどーすんだい?」

まどか「・・・ここまで頑張ったし・・・
 ソウルジェムを集めて、悪い奴をやっつける」

ほむら「まどか?」

まどか「・・・それで・・・あの人を見返してやる」

ほむら「・・・」チラ

杏子「・・・仕方ねぇな、手伝ってやるよ」

マミ「とりあえず、みんな疲れているでしょう。
 宿を探してお休みしましょう」

まどか「うん・・・みんな、ごめんね」

ほむら「あなたが気にする必要はないわ」



杏子「・・・これでいいのか?」ボソボソ

マミ「寝て起きれば、少しは気分も落ち着いているでしょう」ボソボソ



 朝日のきらめく道を歩き、宿へと向かう。
そうして、少女達は部屋に着き、寝床へ転がる。

 疲労のためというのもあったのであろう。
だが部屋に居る間、彼女達は無言であった。
それはこの旅を始めて以来の経験でもあった。
122 :[saga]:2011/06/28(火) 20:06:06.88 ID:bRtImMG10
ほむら「・・・ん・・・」

まどか「あ、おはよう、ほむらちゃん。
 と言っても、もうお昼だけどね。エヘヘ」

ほむら「・・・おはよう、まどか」

マミ「ふぁ〜・・・」

杏子「・・・よく寝た」

まどか「みんなおはよう!昨日は本当にごめんね」

ほむら「・・・いえ、それじゃあ・・・」

まどか「でね、お詫びと言ってもあれなんだけど、ソウルジェムの事について
 みんなが寝ている間に調べてきたの」

まどか「ここの西に、眩しくて何も見えない洞窟があるみたいなの。
 ”明るい闇があるところ”って、きっとそこだと思う」

ほむら「まどか・・・」

まどか「あとね、この港の南の海に、海底火山があるんだって!
 ”水の中で炎が燃えるところ”っていうのも、そこだと思うな」

マミ「とは言っても、海の中に潜れだなんてちょっと無茶じゃない?」

まどか「だから、先に光の洞窟から行ってみようかなって思ってたんだ」

杏子「・・・そうだな、そっから行ってみるか」

まどか「あ、みんなまだ起きたばかりだし、ゆっくりご飯たべて
 支度しててよ。私、もっと何かないか調べてくるね」バタン



マミ「まだ立ち直っていないのかしらね・・・」

杏子「もうちょっと付き合ってやらねーとな」

ほむら「・・・ええ・・・」
123 :[saga]:2011/06/28(火) 20:06:32.48 ID:bRtImMG10
−−− 光の洞窟 −−−

 その洞窟は、港町からすぐ歩いた所にあった。
そこに一歩足を踏み入れた少女達が目にしたものは、
これまでに得られた情報通り、ただ光のみ。

 あまりにも眩しすぎるそこは、太陽を見続けながら
歩くようなものであった。



杏子「うわっ、これはさすがにキツいわ」

マミ「お昼なのに出口の方が暗く見えるわね」

ほむら「そもそも何も見えないわ。これで先に進んだなら、
 遭難は確実よ」

まどか「うん・・・あ、出口の脇に宝箱が」

 − サモンを 手に入れた −

ほむら「魔法書ね・・・これを使えば、水の中に潜れるみたい」パラパラ

杏子「ちょーどいいじゃん。海底火山から先に行かない?」

マミ「そうしましょう。何にせよ、ここは今のままでは攻略できないわ」

まどか「そうだね・・・戻ろうか」
124 :[saga]:2011/06/28(火) 20:07:01.15 ID:bRtImMG10
−−− 海底火山 −−−

 港町の岬に立った暁美ほむらは、サモンの魔法を唱える。
少女達の体は大きな泡に包まれ、それは海に入っても持続していた。
仕組みは分からないが、その泡の中から空気がなくなる事もなかった。



まどか「すごいよ、ほむらちゃん!」

ほむら「任せておいて」ファサッ

マミ「天の柱も綺麗だけど、海の中も負けていないわね」

杏子「オイ、あそこ!」



 佐倉杏子の指差す先に、水の濁った一帯。
高温の溶岩と海水が混じり、土を巻き上げながら
水面へと向けて浮かんで行く気泡が見えていた。



マミ「すごい・・・」

ほむら「あそこは山のように盛り上がっているわ。
 きっとあれが海底火山ね」

まどか「あの辺りにソウルジェムがあるのかな・・・」

杏子「とりあえずは、山の周りを調べてみっか」



まどか「あ、山に洞窟の入り口があるよ」

マミ「この中に入るのは気が引けるわね・・・」

杏子「とはいえ、この辺りにソウルジェムは落ちていなかったしな」

ほむら「虎穴に入らずんば・・・というものね。行ってみましょう」
125 :[saga]:2011/06/28(火) 20:07:29.15 ID:bRtImMG10
杏子「あぢぃぃぃ!砂漠なんてメじゃねえぞ!」

まどか「これはひどいね・・・早く見つけないと」

ほむら「そこら中から溶岩が吹き出ているわ。みんな、気をつけて」

マミ「こんな所に長く居たら、それこそ溶けちゃうわ・・・」



まどか「あ、あそこだけ水の色が違うよ」

マミ「あら、ほんと。すごく綺麗な青だわ」

杏子「どれどれ・・・」

ほむら「佐倉杏子、安易に触っては危険だわ」

杏子「ひょー、ここだけすっげぇ涼しいぞ!」

まどか「本当だ!ここに冷たい水が沸いているのかな」

マミ「わあ、気持ちいいわ・・・」

ほむら「あまり得体の知れないものに近づくのはやめましょう。
 ・・・けど、確かに涼しい・・・」

杏子「カタい事言うなって!」

まどか「ねえ、みんな天井を見て」

マミ「・・・穴が空いているのかしら?」

ほむら「山の大きさからして、あの先も洞窟になっていそうね」

杏子「よし、気分良く涼めたし行ってみるか」
126 :[saga]:2011/06/28(火) 20:08:01.18 ID:bRtImMG10
ほむら「こっちで正解だったようね。宝箱が置いてあるわ」

マミ「どれどれ・・・」

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

 − ソウルジェム 真実の眼を手に入れた −

杏子「なんだこれ?ヘンなソウルジェムだな」

まどか「港町で聞いた真実の眼ってこれなのかな」

ほむら「どういう事、まどか?」

まどか「なんでもね、真実の眼があれば、見えない物も見えるようになるんだって」

マミ「となると、さっき行った光の洞窟も見えるようになるのかしら?」

杏子「んじゃ、また戻るわけか。やれやれ」

ほむら「みんな暑さで疲れたでしょうし、一旦は宿で休んでから行きましょう」

まどか「そうだね。もう汗かいて気持ち悪いよ・・・」



ほむら「ねぇ、まどか・・・」

まどか「なに?ほむらちゃん」

ほむら「・・・詢子さんの事だけど・・・」

まどか「ほむらちゃん、ごめんね。まだ今は聞きたくない・・・」

ほむら「・・・そう、分かったわ」

杏子「・・・・・・」

マミ「・・・まだ駄目、か」
127 :[saga]:2011/06/28(火) 20:08:43.02 ID:bRtImMG10
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8301286

−−− 光の洞窟 −−−

ほむら「相変わらず眩しいわね・・・」

まどか「夜に来れば違うかも、って思って来てみたけれど、
 外が暗くても関係なかったね」

杏子「真実の眼ねぇ、どうやって使うんだコレ?



 そう言いながら、佐倉杏子は真実の眼を
じっと覗き込む。その宝石を通して見えた光景は・・・



 − 真実の眼でよく見える! −

杏子「おお!みんな、コレに目を通して見ろ!」

マミ「すごいわ!急に景色が暗くなったみたい」

まどか「これでよく見えるようになったね!」

ほむら「なるほど・・・」

杏子「さあ、行くか!」

3人「「おー!」」
128 :[saga]:2011/06/28(火) 20:09:13.02 ID:bRtImMG10
マミ「洞窟の中につり橋があるなんて・・・」

まどか「杏子ちゃん、待って!置いていかないで!」プルプル

杏子「なんだよ、だらしねえな。こんなのダーって渡っちゃえよ」

まどか「ひいい・・・ゆ、揺らさないでえ・・・」プルプル

ほむら「真実の眼がなかったら、遭難どころじゃ済まなかったわね」

マミ「鹿目さん、前だけ見て歩きなさい」

まどか「そ、そんな事言われたって・・・」



 言葉通りに、さっと橋を抜ける佐倉杏子。
その後ろに、ゆっくりゆっくり足を伸ばす鹿目まどか。
彼女が渡りきるのに10分は費やしたであろうか。

 残りの2名が橋を歩けるようになったのは、
それからの事であった。



ほむら「よく頑張ったわ、まどか」

杏子「怖がりなんだなぁ、この先大丈夫か?」

まどか「はぁ、はぁ・・・怖かった・・・」

マミ「よしよし、よく頑張ったわね」ナデナデ

ほむら(その手があったか・・・)メモメモ
129 :[saga]:2011/06/28(火) 20:09:46.58 ID:bRtImMG10
 グールは きばで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 24のダメージ

マミ「いたい、いたい」

 グールは きばで
 きょうこを こうげき
 きょうこに 131のダメージ

杏子「いっ・・・・てぇな!」

 きょうこは サンダーで
 グールたちを こうげき
 グールたちに 249のダメージ
 7たい たおした

ほむら「佐倉杏子、しっかりして。ケアル!」キュイーン

杏子「サンキュ。マミから攻撃が抜けてくると、やっぱり痛ぇな」

まどか「マミさんの重装甲にすらダメージを与えていたもんね・・・
 魔物も強くなってきている」

マミ「油断も出来なくなってきたわね。こんな所、早く抜けてしまいましょう」

ほむら「それが賢明ね」

杏子「お、宝箱があるぞ」

 − 巨人の小手を 手に入れた −

ほむら「私も装備できるわね。どうやら力が上がるようだわ」

まどか「でも私達、力系の武器を使わないよね・・・」チラ

マミ「・・・・・・」ジー

まどか「えいっ」ポイ

マミ「ゲットだぜ!」ペタ

マミ「体が重いけど特に怖くない」

杏子「またかよ・・・」ペリペリ

マミ「ああ!アシュラの攻撃を受け止めたゴールドの盾が・・・」グスッ

まどか「マミさん・・・」グスッ
130 :[saga]:2011/06/28(火) 20:10:18.11 ID:bRtImMG10
ほむら「随分と長い洞窟ね・・・」

マミ「あら、でも終わりみたいだわ。見て、ソウルジェムよ」

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −

 − 氷のソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −

ほむら「これで、この世界のソウルジェムは全部集まったはず」

マミ「ええ、精霊の鏡にも残り0と出ているわ」

杏子「さて・・・これからどうする?」チラ

まどか「え?またこのまま次の世界に・・・」



ほむら「まどか。今回は言わせて」

まどか「ほむらちゃん・・・?」

ほむら「あなたは冷静に詢子さんと話をするべきだわ。
 状況が状況だし、気持ちも分かる。もう詢子さんも
 この世界には居ないのかもしれない」

まどか「・・・」

ほむら「けれど、最低でもたっくんの父親からは
 何かしらの事情を聞けるはずよ。次の世界に行く前に・・・」

まどか「・・・あの人と話せって言うの?」

ほむら「ええ、そうよ。このままではまどかのためにならない」

まどか「何を話せって言うの!話せるわけがないよ!」

杏子「・・・超うぜぇ。あのなぁ、ほむらはずっと心配してんだぞ。
 いい加減にしろよ・・・」
131 :[saga]:2011/06/28(火) 20:10:55.16 ID:bRtImMG10
まどか「杏子ちゃんまでそう言うの?私の家庭の事なんだよ!
 みんなに私の気持ちなんて分かるわけないよ!」

杏子「っ!テメェ!!」ダッ

マミ「やめて、佐倉さん」グッ

杏子「離せ!離せよ!ここまで言われて黙ってられるか!」

マミ「鹿目さん、今の言い方はひどいと思うわ。
 あなたも佐倉さんのお父さんの事、知っているでしょう?」

まどか「あっ・・・ごめんなさい・・・」



まどか「ごめんなさい・・・杏子ちゃん・・・」グスッ

杏子「離せって!口で言っても分かんねぇなら・・・!」

ほむら「・・・ごめんなさい、佐倉杏子」

杏子「お、おい・・・」

マミ「あなたが謝る事じゃないわ。顔を上げて、暁美さん」

ほむら「・・・ごめんなさい。でも、まどかを1人にしないで。
 今のまどかには私達しか・・・」

まどか「ごめんなさい・・・みんな、本当にごめんなさい・・・」グスッ



杏子「・・・ほむらに免じて今回だけは見逃してやる・・・」



マミ(・・・このままで私達、やっていけるのかしら・・・)



 光の洞窟を抜けた少女達は、山の村へ向かう事なく
天の柱へと向かう。次の世界へ行き、ソウルジェムを集める。
それ以外にはやる事がないかのように。

 天の柱に着くまでの間、彼女達に会話はなかった。
132 :[saga sage]:2011/06/28(火) 20:11:32.12 ID:bRtImMG10

133 :[saga sage]:2011/06/28(火) 20:14:09.12 ID:bRtImMG10
本日はここまで。
サモンはSaGa3の魔法ですが、1と3は水中に潜るための理屈付けしてるのに
2だけそれがなかったため、独断で入れました。

>>98
さやか「マミさんの首を返せ!それはマミさんのものだ!」
言われるまで、その技忘れてましたよ・・・
 
134 :[saga sage]:2011/06/28(火) 20:15:02.86 ID:bRtImMG10
 − SaGa2の解説 武器について −

SaGa2の武器について解説します。
ファンタジーRPGのように見えるSaGa2には、様々な武器が存在します。


力系の武器
バトルハンマー、ロングソード、ミスリルソードなどなど、
色んなRPGで見かけるような名前の武器達です。
これらのダメージは”ちから”のステータスに左右され、
使い続ける事によって”ちから”が成長していきます。

素早さ系の武器
レイピア、ライトセーバー、ムチなどなど、これらの武器も
一部を除いては、色んなRPGで見かける名前でしょう。
これらのダメージは”すばやさ”のステータスに左右され、
使い続ける事によって”すばやさ”が成長していきます。
今回のSSにおいては、まどかが主に使用しています。

銃火器・兵器・弓系の武器
サブマシンガン、バズーカ、ミスリルの弓、波動砲などなど。
不思議な世界観の武器達ですが、これらが存在するのがSaGa2です。
これらの武器はダメージがある程度の幅で固定されており、
使用者のステータスによってダメージが変化しません。
メカに持たせるとダメージボーナスが付くものが多いため、
今回のSSにおいては、マミさんが主に使用しています。

魔力系の武器
ファイアの書、ケアルの書、サイコダガーなどなど。
これらの武器の威力は”まりょく”のステータスに左右されます。
そこそこ高価な物が多いのに加え、魔力の高いエスパーは
わざわざこれらを使わずとも能力を使用して戦闘できるため
お金をケチるために、ほむらはこれらを使用しておりません。

能力
エスパーが覚える能力や、モンスターが使える能力です。
ほのお、サイコブラスト、ケアル、きば、キックなどなど。
他のRPGでは特技や魔法と呼ばれる類のものが、
SaGa2では”能力”と呼ばれているようなものだとお考え下さい。
特性上、宿屋に泊まれば使用回数が回復するため、
戦闘時にケチらず使っていく事ができます。
今回のSSでは、ほむら・杏子が主に使用しています。


まだ他にも色々とありますが、さすがに全部書くと長いため
今回の武器説明はここで終わりです。
他にも解説して欲しい内容のリクエストがあれば、どうぞお願いします。
135 :[saga sage]:2011/06/28(火) 20:20:31.79 ID:bRtImMG10
おっと忘れてた。
>>96の画像がいつまでも出ないので
第3世界終了間近のステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira013798.jpg
第4世界終了時のステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira013799.jpg

まどっち成長しすぎだった。
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/28(火) 22:28:34.13 ID:wWm/CAaIO
乙乙
さやかは出るの?
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/28(火) 22:59:38.01 ID:Zf2gs+g2o
あれ・・・さやかちゃんは?
138 :[sage]:2011/06/30(木) 20:40:44.23 ID:nkhwUGzv0

139 :[saga]:2011/06/30(木) 20:41:41.63 ID:nkhwUGzv0
−−− 天の柱 −−−

まどか「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」

杏子「・・・・・・」

マミ(マミさんですが、パーティーの空気が最悪です)



まどか「・・・ドアだ・・・」

杏子「・・・そうだな・・・」

マミ「以前はこのドアが開かなかったのよね」

ほむら「開けてみるわ」ガチャ

まどか「あれ、開いた?」

ほむら「私達の強さに関係して、開けられるドアが決まっているのかしら。
 今は推測の域を出ないけれど・・・」

杏子「何でもいいじゃん。行こうぜ」

マミ「あ・・・そうね、行きましょうか」

まどか「・・・・・・」



 水晶の通路を抜けると、さらに見える2つのドア。
相変わらず奥のドアは開かなかったが、
手前のドアは簡単に開ける事が出来た。

 新たな世界へと続くドアを開くと、いきなり目に入ってきた建物。
第五の世界は、高い山に囲まれた小さな町でしかなかった。
140 :[saga]:2011/06/30(木) 20:42:17.57 ID:nkhwUGzv0
−−− ガーディアンの街 −−−

ほむら「随分と狭い世界なのね。こんなところにソウルジェムが
 あるのかしら?」

マミ「ちょっと調べてみるわね」

 − この世界に残るソウルジェムはあと 5 −

マミ「・・・だそうよ」

ほむら「なるほど。それでは、いつものように情報集めから・・・」

杏子「悪い、1人で聞き込みしてくるよ」スタスタ

まどか「あ・・・杏子ちゃん・・・」

マミ(佐倉さん・・・割り切れないわよね・・・)

ほむら「・・・仕方ないわね。こちらはこちらでやりましょうか」

マミ「ええ、そうしましょう」

まどか「・・・・・・」



男「あんたら”ガーディアン”って知っているか?」

ほむら「ガーディアン?」

男「ああ。なんでも、奴らの基地がこの町にあるらしい。
 見つけたら教えてくれよな」スタスタ

ほむら(情報を聞きたいのはこちらなのに)

マミ「ガーディアン・・・”護る者”とはどういう事かしら」キリッ

まどか「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」チラッ

マミ(無視だなんてひどい・・・)グスッ
141 :[saga]:2011/06/30(木) 20:42:53.24 ID:nkhwUGzv0
女「この町では、急に人が消えたり現われたりするの」

マミ「消えたり現われたり?」

ほむら「どういう事ですか?」

女「さあ、私もここに引っ越してきたばかりだから知らないわ。
 ただ、人が消える時には必ずある音楽が聞こえてくるの」

マミ「音楽・・・うん・・・?」

http://www.youtube.com/watch?v=4Qr5QWLEYq4

女「そうそう、この曲よ。酒場のジュークボックスから流れているのかしら」

まどか「酒場から・・・」

ほむら「あそこに見える建物ね。行ってみましょう」



 酒場の扉を開くと、大勢の男達に囲まれた佐倉杏子。
彼女が何かの騒ぎを起こしたであろう事は、誰の目にも明らかだった。



男A「この、おとなしくしろ!」

杏子「はーなーせーよー!」

まどか「杏子ちゃん!」

ほむら「あなたは何をしたの、佐倉杏子」

杏子「しらねーよ!気分変えようとジュークボックスいじってたら・・・」

男B「お前達も仲間か!この秘密基地を知られたからには帰せないぞ!」

マミ「ちょ、ちょっと!」ガチャ

ほむら「何をするの!」ガチャ

まどか「待ってください!」ガチャ

男C「こっちだ!おとなしくついて来い!」
142 :[saga]:2011/06/30(木) 20:43:22.60 ID:nkhwUGzv0
 手錠をかけられ、散々と文句の言葉を吐き続ける
少女達が連れて行かれたのは、広々とした牢獄。
男達は乱暴に彼女達を鉄格子の奥へ放り込み、
ガチャン、と牢を閉められる音が鳴り響く。



杏子「チクショウ、出せよ!アタシ達が何をしたってんだ!」ガチャガチャ

マミ「秘密基地とか言ってたわね・・・」

ほむら「ジュークボックスが入り口のカギになっていたのかしら。
 何にせよ、私達のような小娘に存在がバレる秘密基地なんてどうかと思うわ」

まどか「・・・・・・」



杏子「はぁ、参ったな・・・」

ほむら「サイコブラストで看守を攻撃は出来るけれど、
 あいつを倒したところで出られる訳でもないわね」

マミ「私は手が塞がっていたら何も出来ないわ。
 次に牢の扉が開けられた時には、暁美さん。お願いね」

ほむら「任せて」

まどか「・・・・・・」



まどあ「あの、杏子ちゃん・・・」

杏子「何だよ」

まどか「その・・・ごめんね。前の世界での事・・・」

杏子「謝る相手はアタシだけじゃねーだろ」

まどか「うん・・・みんな、本当にごめんなさい」

マミ「・・・えっと・・・」

ほむら「・・・まどか・・・」

杏子「ああ、じれったいな。じゃあ、アタシからハッキリ言ってやるよ」

まどか「・・・・・・」
143 :[saga]:2011/06/30(木) 20:44:41.12 ID:nkhwUGzv0
杏子「いいか、まどか。アタシ達に申し訳ないと思うなら、
 冷静になって事情を知る人と話をしに行くんだ。
 お前の母親でもいいし、山の村に居たタツヤの父親でもいい」

まどか「・・・・・・」

杏子「状況証拠だけだと・・・そりゃ、お前がそんな気持ちになるのもわかる。
 けどな、もしかしたら、それは私達の思い込みかも知れないだろ?」

まどか「・・・・・・うん・・・」

杏子「ハッキリと嫌な事を宣言されるかもしれない。
 でも、もしかしたら違うかもしれない。アタシ達はね、
 アンタがそれを確認するまでは、諦めて欲しくない」

まどか「・・・ありがとう・・・みんな、私のために・・・」

杏子「アタシがアンタを許すかどうかは、アンタの行動次第さ。
 ・・・辛い事かもしれないけど、立ち止まるんじゃねえぞ」

まどか「・・・うん・・・!」



マミ(佐倉さんかっけーッス)

ほむら(佐倉杏子マジ聖女)

杏子「・・・何みてんだよ・・・」

マミ「佐倉さん、肩をマミマミします!」ジャラッ

ほむら「手錠が邪魔ね。巴マミ、あなたは佐倉杏子の左肩をお願い」ジャラッ

杏子「ちょ、やめろって!・・・いででで、チェーンで揉むんじゃねえよ!」ギョリギョリ

まどか「や、やめようよ、みんな」クスッ

マミ(あ、やっとウケたわ)ギョリギョリ

ほむら(微笑むまどかマジ天使)ギョリギョリ

杏子「オイ、マジで痛えんだよ!やめろって!」ゴツン
144 :[saga]:2011/06/30(木) 20:45:07.48 ID:nkhwUGzv0
 佐倉杏子からの拳骨の音を響かせ、やっと静かになった牢屋。
痛みのために涙目な2名を除いては、彼女達は何もする事がなかった。
しばらく少女達がぼーっとしている内に、やがて視界に入ってくる人物。



まどか「ママ・・・?」

詢子「・・・まどか・・・」

まどか「・・・・・・」

杏子「ほら、ビシっといけよ」ボソボソ

まどか「・・・ごめんね、考えがまとまらないの・・・」ボソボソ



詢子「・・・オイ、こいつらを出してやれ」

看守「は、しかし・・・」

詢子「アタシの娘とその友達だ。本来ならこんな事をやらかして
 担当者は始末書モンだが、見逃してやる」

看守「た、大佐の娘さんでしたか!ただいま・・・」

詢子「・・・・・・」トコトコ



まどか「あ・・・・・・」

マミ「仕方ないわよ。こんな突然に機会が来るなんて・・・」

杏子「いくらなんでも急すぎるよな・・・まどか、今のうちに頭ん中を整理しときなよ」

まどか「うん・・・」

看守「大佐の娘さんがあなた方とは知らず、失礼しました」ガチャガチャ

ほむら(時間稼ぎでもしてあげましょうか)
145 :[saga]:2011/06/30(木) 20:46:11.73 ID:nkhwUGzv0
ほむら「あなた達がガーディアンなのかしら?」

看守「はい、その通りです。我々は、ソウルジェムが
 悪人の手に渡らないように、日々活動をしています」

ほむら「ソウルジェムのプロというわけね。ソウルジェムは全部でいくつあるの?」

看守「我々の調査では、おそらく77個のソウルジェムが
 世界中に散らばっていると考えております」

マミ「そんなに沢山・・・」

ほむら「それを全部集めると、どうなるのかしら」

看守「詳しい事はハッキリとは分かっておりません。
 ですが、ソウルジェムをお持ちのあなた方でしたら、
 この宝石の持つ力を理解していると思います」

ほむら「・・・そうね。新しい神を名乗る者とも、何人か出会ったわ」

看守「彼らは特に危険な存在です。アシュラをあなた方が倒してくれたのは
 幸運でした。もしも仮に、アシュラがソウルジェムを全て集めきっていたら・・・」

ほむら「言いたい事は、なんとなく想像が付くわ」

看守「そのような事が起きないようにするために、我々は世界中に散らばって
 活動をしております。いくつかのソウルジェムは我々が見つけ出し、
 この基地に保管もしてあるのですよ」

ほむら「あんな方法で秘密基地を隠していて、大丈夫なのかしら?」

看守「我々もそれは認識しているのですが・・・
 なにぶん、予算が・・・」

マミ「金、金、金!騎士として恥ずかしくないのか!」

杏子「マミ、それはロマンシングだ。静かにしてな」

看守「新しい神のスパイがこの基地を探っているとも聞いています。
 あなた方に言う必要もないでしょうけれど、この基地の所在は内密に・・・」

ほむら「分かっているわ」

ほむら(そろそろいいかしら・・・)チラッ

まどか「・・・・・・」
146 :[saga]:2011/06/30(木) 20:46:37.44 ID:nkhwUGzv0
ほむら「色々と感謝するわ。最後に、大佐のお部屋はどちらかしら?」

看守「はい、階段で一番下まで降りて頂くと、部屋が2つあります。
 手前が客室、奥が大佐のお部屋です」

ほむら「ありがとう」



ほむら「まどか、どうかしら?」

まどか「・・・うん、もう大丈夫、だと思う・・・」

杏子「よし、頑張れよ!」バシン

まどか「痛っ・・・ありがとう、杏子ちゃん!」

マミ「それじゃあ、早速行きましょうか」



 少女達は部屋を出て、ゆっくりと階段を下りだす。
その間に何度も何度も、鹿目まどかは深呼吸をしていた。
自らの覚悟を確かめるために。そして、母親と向き合うために。


 
 そんな彼女の覚悟は、宙に投げ出される事になる。
投げ出されたのはそれだけではない。
耳に残る激しい爆音と、それに伴う震動と衝撃。

 彼女達は、その身も実際に階段から投げ出されていた。
147 :[saga]:2011/06/30(木) 20:47:03.92 ID:nkhwUGzv0
http://www.nicovideo.jp/watch/nm11018523

マミ「いったぁ・・・」

ほむら「みんな、大丈夫?」

まどか「いたたたた・・・ちょっと体を打ったけど、なんとか・・・」

杏子「クソッ、いってえな・・・何が起きたんだ?」



 階段の上階から、銃撃音、爆音、そして怒号。
そこで戦闘が行われている事は、誰にでも明らかであった。
そのような音に紛れて、階下からカンカンと音を立てて
駆け上がってくる足音。



詢子「お前ら、無事だったか!」

まどか「ママ・・・」

詢子「・・・聞きたい事は山ほどあるだろうけど、今はナシだ。
 この基地は何者かの襲撃を受けている。
 何としても、アタシ達はソウルジェムを守らないと・・・

まどか「今はナシで・・・

まどか「今はナシで済ませるつもりなの!
 何年も何年も、あなたが帰ってくるのを待っていたんだよ!」

杏子「オイ、落ち着けって!」

まどか「パパは一人で苦労してここまで育ててくれて、
 その間にあなたは何をしていたというの!パパを裏切って・・・」

杏子「今はそれどころじゃねぇだろ!」パン

まどか「・・・あ・・・」

詢子「・・・今はこれだけ言っておく。
 アタシはアンタ達を裏切るようなマネはしていない」

マミ「鹿目さん、その話は後にしましょう。
 急がないと、取り返しの付かない事になるわ」

詢子「事が終わったら、洗いざらい話す・・・今は急ごう」
148 :[saga]:2011/06/30(木) 20:47:34.04 ID:nkhwUGzv0
ほむら「詢子さん、ソウルジェムの保管庫は?」

詢子「もうすぐ・・・この部屋だ!」バン



 その部屋には、銃火器で武装した人間の死体。
それがいくつか転がっていた他には、壁に残る銃弾の跡と
黒く焦げた床のほかには、何も残されてはいなかった。



マミ「ひどい・・・」

詢子「みんな・・・チクショウ・・・」

ほむら「・・・詢子さん・・・」

詢子「・・・急ぐぞ。ソウルジェムが持ち去られちまったら、厄介な事になる」

まどか「・・・・・・」



 再び階段を駆け上がる。気付けば、先ほどまでは
聞こえていた戦闘の音は止んでいた。
その理由を知らせるべく、階段を上りきった彼女達の元へ
一人の兵士が駆け寄る。



男「大佐、侵入した敵はあらかた殲滅しました!」

詢子「ならソウルジェムはどうした!取り返したのか!」

男「それが・・・その・・・」



 天の柱へのドアの前に、2人の男達。
片方は銃火器を大量に背負い、バズーカを肩に乗せ
こちらに向けたままの”コマンドー”。
もう片方は、異国の装束に身を包む”ニンジャ”。
その右手に小太刀を、その左手にタツヤを持って。
149 :[saga]:2011/06/30(木) 20:48:02.20 ID:nkhwUGzv0
タツヤ「ママ・・・ママ・・・」

まどか「たっくん!」

ニンジャ「よーしお前ら、そこを動くな!」



詢子「テメェら・・・」

コマンドー「この切り札がなかったら、逃げられなかったトコだぜ」

ニンジャ「大佐、武器を捨ててお前だけこっちに来い!
 そうすりゃ、このガキだけは見逃してやる!」

詢子「・・・・・・」



 その場に居た全員が、じっと彼女を見つめて詢子の選択を待つ。



 やがて、鹿目詢子は手に持っていた銃を下ろす。



詢子「・・・これでいいか?」

ニンジャ「よーし、そのままゆっくりこちらに歩け」



 ドン、ドンと響く2発の銃声。

 コマンドーから放たれた拳銃弾は、
鹿目詢子の両腕にそれぞれ撃ち込まれていた。



詢子「っ!!」

まどか「ママ!」

コマンドー「大佐は相当な使い手と聞いてるからな。
 このくらいはさせろや」

ニンジャ「そうだな。用心するに越した事はねえ」
150 :[saga]:2011/06/30(木) 20:48:34.11 ID:nkhwUGzv0
詢子「痛ってぇな・・・ほら、タツヤを放せよ」

ニンジャ「よしよし、ずっと重要な人質が手に入ったぜ。
 もうこんなガキに用はねえ」



 小太刀がすらりと、その幼児の首元へ動かされる。



詢子「っテメェ!」



 ニンジャの顔面に拳を入れつつ、タツヤを腕に抱く詢子。

 それと同時に、響く射撃音。

 訓練されたガーディアンの兵士は、この隙を見逃さず
コマンドーへの狙撃を成功させていた。

 普段の力を出せれば、素手でも敵を倒せたであろう。
しかし、今の鹿目詢子には殴りつけた相手を気絶させるほどの
力を発揮させる事が出来なかった。

 タツヤを抱く彼女の背中へ向けられる小太刀。



ニンジャ「ふざけたマネをしやがって・・・」

詢子「アタシに構うんじゃねえ!やっちまえ!」

まどか「ママ!」

詢子「お前らには言ってねえ!上官の命とソウルジェム、
 どちらが重いか分かっているだろう!」
151 :[saga]:2011/06/30(木) 20:50:06.91 ID:nkhwUGzv0
 再び響く銃撃音。決断を下した兵士が居たために。

 頭部から血を噴き出し、崩れ落ちるニンジャ。




 そして、その背に凶器を突き立てられ、
血の海に沈む鹿目詢子。



男「大佐ァ!」

タツヤ「ママァ・・・グスッ・・・ママァ・・・」



 すぐに兵士が集まり、鹿目詢子を取り囲むように人だかりが生まれる。

 少女達は言葉もなく、ただそれを眺めていた。
152 :[saga]:2011/06/30(木) 20:50:35.57 ID:nkhwUGzv0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8107732

−−− 基地跡の野戦病院 −−−

 蝋燭の灯しか明かりのないテントの中に彼女達は居た。
寝台に横たわる鹿目詢子。慌しく軍医が動いているが、
少女達は押し黙ったまま鹿目詢子をじっと見つめている。



軍医「・・・傷は深いけれど、命だけは助かったようね」

マミ「良かった・・・」

ほむら「たっくんは?」

軍医「ガーディアンの兵士が、村へ連れて行ったわ」

杏子「そっちはそれで良いんだけどよ・・・」

軍医「・・・あなたが大佐の娘さんね」

まどか「・・・・・・」

軍医「大佐の口から話すべき事なんでしょうけれど、
 大佐が目を覚ますのは当分は先になるでしょう」

軍医「・・・だから、私から話すわ。鹿目まどかさん」
153 :[saga]:2011/06/30(木) 20:51:05.74 ID:nkhwUGzv0
軍医「大佐はね、1年前にある作戦の指揮を執っていたの。
 大佐の指揮する部隊の中に、たっくんの母親が居たのよ」

まどか「・・・え?」

軍医「作戦自体は成功したけれど、残念ながら母親は戦死。
 大佐は言っていたわ。また親の居ない子供を作っちまった、ってね」

まどか「ちょ、ちょっと待って下さい」

軍医「黙って最後まで聞きなさい。・・・その事だけじゃないわ。
 大佐は、それまでも失った部下の子供達の親代わりになって
 色々な事をして来たの。たっくんもそうして大佐に育てられた子供の一人」

まどか「そんな・・・」

軍医「世界中に、大佐の事を親だと、親代わりと考えている子供達が居るわ。
 そんな大佐が、この前に私にこぼしたの。
 娘から、親とも思わないって言われちまったってね」

まどか「そんな・・・そんな事って・・・」



まどか「ママ!!」



 音を立てないよう、テントから出ていく3人。
カルテを整理し、最後に出て行く軍医。

 残されたのは、泣きじゃくる少女と物言わぬ母親。



まどか「ママ・・・ごめんなさい・・・」

詢子「・・・・・・」



まどか「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

詢子「・・・・・・」
154 :[saga]:2011/06/30(木) 20:51:34.74 ID:nkhwUGzv0
 鹿目まどかが目を赤く腫らせてテントから出た頃には、
もう空は明るくなり始めていた。

 同じく一睡もしていない少女達が、鹿目まどかを見つめる。

 だが、鹿目まどかの目には彼女達の姿は映っていなかった。

 軍医が、その手にソウルジェムを持って歩いて来ていたから。



軍医「基地も見ての通りの有様だわ。あなた達にお願いするのも
 気が引けるけれど、これを預かっていて欲しいの」

まどか「・・・分かりました」

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −



 軍医は鹿目詢子の寝ているテントへと入って行く。
それを確認してから、鹿目まどかは口を開いた。 



まどか「ごめんね、みんな。
 もっと早くみんなの言う事を聞いておけば良かった」

ほむら「まどか・・・?」

まどか「私はママのやっていた事を受け継ぐ。
 ソウルジェムを、悪人の手から守ってみせる。
 私のせいで、ママは動けないんだもの」

マミ「鹿目さん・・・」

まどか「お願いなんて言える立場じゃないって分かってる。
 それでもみんな、お願い。私を手伝って欲しいの」

杏子「超ウゼェ」
155 :[saga]:2011/06/30(木) 20:52:06.44 ID:nkhwUGzv0
マミ「・・・そうね・・・超うぜぇ」

ほむら「・・・超うざいわ」

まどか「・・・そうだよね・・・ごめんね・・・」



杏子「なんでイチイチ、アンタはそんな事を聞くわけさ?」

マミ「聞くまでもなかろうよ!ってやつよね」

ほむら「どこまでもまどかを手伝う、そう言ったのを忘れたの?」



まどか「・・・・・・」



まどか「・・・あ・・・」



まどか「・・・ありがとう・・・みんなぁ・・・」
156 :[saga]:2011/06/30(木) 20:52:33.07 ID:nkhwUGzv0

157 :[saga sage]:2011/06/30(木) 20:54:31.06 ID:nkhwUGzv0
本日はここまで。
>>136
>>137
さやかちゃんにはやってもらいたい役があったために
泣く泣くPTから外れてもらいました。嫌いなわけじゃないよ!
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/06/30(木) 21:15:03.30 ID:CjEFDwmho
なるほど、さやかは将軍の役目だな!
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/01(金) 15:24:14.04 ID:L/yxTfeR0
俺の目から無数のソウルジェムが流れてくる・・・
てめえら!これをやるからインキュベータぶっつぶしてこいや!!
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/01(金) 15:26:38.46 ID:L/yxTfeR0
SAGAというゲームは存じませんが大変楽しく読ませていただきました
次回も期待しています
161 :[saga]:2011/07/02(土) 09:44:10.93 ID:jYWhZjsG0

162 :[saga]:2011/07/02(土) 09:44:48.15 ID:jYWhZjsG0
−−− 天の柱 −−−

 少女達は次の世界を目指していた。
以前にここに来た時と同じように、無言で歩き続ける。
だが、前回のように不和から生まれた沈黙ではない。

 それは彼女達の表情からも明らかであった。

 鹿目詢子の事は不安ではあるが、
彼女は一命をとりとめており、安静にしていれば回復する。

 多少の回り道をしたが、ようやく彼女達は
自分達のすべき事に対して一丸となれていたのだ。

 水晶の通路を歩きながら、その沈黙は自然に破られる。



マミ「ソウルジェムも、もう42個も集まっていたのね」

杏子「全部で77つってたっけ?もう半分もないじゃないか」

まどか「ぜーんぶ集めたら、どうしようかな」

ほむら「まだ気が早いんじゃないの、まどか?」

まどか「えへへ、そうでした・・・」

マミ「その時はその時で考えればいいわよ」

杏子「そうだな。なんだったら、ずっとアタシ達が持っているってのも
 いいと思うよ。誰にも渡すつもりなんてないからね」

ほむら「そんな事で寝込みを襲われるのもイヤなものね。
 ・・・ガーディアンでは、集めたソウルジェムをどうするつもりだったのかしら」

まどか「また今度、ママのお見舞いがてらに行って聞いてみようよ!」

ほむら「それもそうね。あら、もう次の世界のドアが見えるわ」

杏子「よし、おっさき〜!」タタッ

まどか「あ〜、杏子ちゃんずるい!」タタッ

マミ「あらあら、はしゃいじゃって」

ほむら(ホムッ)ダッ

マミ「えええ、ちょっとみんな待ってよ」ダッ
163 :[saga]:2011/07/02(土) 09:45:22.85 ID:jYWhZjsG0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

−−− ビーナスの大都会 −−−

 ドアを開くと、以前の世界と同じように
再び視界には建物が入って来ていた。

 天の柱の出口は、そこに存在する街の入り口でもあったのだ。
彼女達の住んでいた村からは、およそ想像も付かない
その都会の光景。そしてその街は、高い壁によって囲まれていた。

 地面にはアスファルトがびっしりと敷き詰められており
街並みを埋める、少女達が見たこともない高さの摩天楼。
それぞれの建物の入り口には、自動で動く床が往復の2通路分
用意されていた。



ほむら「すごい・・・あれがエスカレーターというものね」

まどか「えすかれーたー?」

ほむら「ええ。あそこに動いている床の事を言うのよ」

杏子「へぇぇ・・・何のためにあんなモンがあるのかね」

ほむら「ラクをするため、だそうよ」

マミ「よく分からないわ・・・歩けばいいのに」



女「この街へようこそ、田舎者さん」
164 :[saga]:2011/07/02(土) 09:45:51.31 ID:jYWhZjsG0
 きらびやかに装飾された衣装を身にまとい、
よく手入れのされている綺麗な長い髪を手でかきあげながら
その高慢そうな女性は少女達に近づく。



ほむら(それは私のワザよ)ファサッ

女「簡単にでよろしければ、あなた達にこの街を紹介しましょうか?」



 その女性の目からは、親切心というものは感じられなかった。
ただ、見下す対象が欲しいかのような目つき。
そんな彼女の態度に、少女達は反応する事を躊躇していた。



マミ「いえ、結構です。お気遣いありがとうございます」

女「そう?残念ね。1つだけ、教えておいてあげるわ。
 この街には、美しい者だけが住む事が出来るのよ。
 私を見てごらんなさい。美しいでしょう?」ファサッ

ほむら(この女・・・)ファサッ

まどか「みんな、行こう・・・」ボソボソ



杏子「あんなんでもこの街に住めるんだ。アタシらならラクショーじゃね?」

マミ「そうね。4人揃って、滞在の許可でも取りましょうか!」

まどか「ちょ、ちょっと。みんな声が大きいよ」

ほむら「わざと聞かせてるのよ」

まどか「えええ、そんなのって・・・うわぁ、すごい睨んでるよあの人・・・」

杏子「やっべ、声が大きすぎた!聞こえてなきゃいいけどな〜!」チラッ

マミ「あらあら、事実なのだけれど気を悪くされてたら謝らなくちゃね!」チラッ

女「ウオオオオ!」ダッ

4人「「うわあああぁぁ!!」」ダッ
165 :[saga]:2011/07/02(土) 09:46:22.45 ID:jYWhZjsG0
杏子「オイ・・・行ったか?」ゼーゼー

ほむら「・・・ええ、私達を見失ったみたいね」

マミ「助かったぁ・・・」

まどか「逃げるならあんな事言わないでよね、もう・・・」

ほむら「まどか、女の戦いには引き下がれない場面もあるのよ」



 澄ました彼女の顔が揺れる。大地が揺れていた。
地震というものは少女達の世界でも起きた事はあったが、
体感している現在のそれは、故郷で味わったものとは
比べ物にならないほどの揺れであった。

 建物の隙間に身を潜めていた少女達は恐怖した。
今にもこれらが崩れて、瓦礫の山となり自分達にのしかかってこないか
危惧したためであった。急いで、彼女達は広場へと走る。



女「じ、地震よ!ひー、お助けー」

男「おいおい、落ち着けよ・・・にしても最近、地震が多いな」



 やがて揺れはおさまる。道を行く通行人達は、様々な反応を
見せてはいたが、全員がその地震に慣れている様子ではあった。



まどか「・・・びっくりしたぁ」

マミ「建物が崩れるか心配だったわ・・・」

ほむら「でも、崩れたような建物はここから見えないわ」

杏子「頑丈に作られてるんだな。見ろよ、あんな建物でも無事そうだ」



 佐倉杏子の指差す先に、先の尖った高い高い建物。
周囲の建物よりひときわ高いそれは、第4世界で見た
アポロンの宮殿を彷彿させるものであった。
166 :[saga]:2011/07/02(土) 09:46:51.27 ID:jYWhZjsG0
マミ「あそこが、この街を治める人の居る場所かしら」

杏子「アポロンの宮殿も凄かったけど・・・あれもまた凄いよなぁ」

まどか「もしかしたら、アポロンさんのようにソウルジェムの事を
 教えてくれるかもしれないね。行ってみようよ」

ほむら「彼のように、戦いを挑んでくるような人でなければ
 いいのだけれど」



 少女達の立っている場所は、その宮殿へと続く道路であった。
そこへ歩く最中に、通行人の声が彼女達の耳に届く。



女A「ねぇねぇ、あの2人の事しってる?」

女B「うん、聞いた聞いた。そろそろ結婚するんですってね」

女A「ああん、上条さんちょっと素敵な方なのに。
 あんな緑色のどこがいいのかしら」

女B「なんでも幼馴染なんですって。それでビーナス様が
 あの2人を結婚させようとしているみたいよ」

女A「幼馴染ってだけでうらやましいわ。
 ハァー、私の旦那様も見つけてくれないかしら、ビーナス様」



 そんな会話をする彼女達のさらに奥の方に見える喫茶店。
そこには、1組のカップルがテーブルを囲む姿が見えた。
だが、その2人はおよそ結婚などというものとは無縁であるかのように、
お互いがじっと黙り込み、視線を合わさずに俯いている。



マミ(緑色ってあの女の人かしら?何か修羅場の予感がするわ)ワクワク

杏子「おーい、マミ。何やってんだ?置いてくぞ〜」

マミ「あ、待ってー」タタッ

まどか「マミさん、何かあったんですか?」

マミ「ん〜。なんでもないわ」
167 :[saga]:2011/07/02(土) 09:47:18.42 ID:jYWhZjsG0
 その宮殿の内部は、大理石で作られていた。
アポロンの宮殿とはまた別の形で、その壮大さを少女達に見せる。



杏子「これまた中身もすげえな・・・」

まどか「すごい綺麗だね・・・」

女「失礼します。ここは宮殿ゆえに、あまりこの街と無関係な方は
 近寄らないで頂きたいのですが」

ほむら「・・・この街を治めている人物と、少しお話がしたいと思いまして」

女「・・・念のために確認しておきますが、あなた方はアシュラという名前を
 ご存知でしょうか?」

マミ「アシュラを倒したのは私達です」ドヤッ

女「これは失礼いたしました。あなた方がここに現われたのであれば、
 ビーナス様との謁見を許可するようにと命じられております。
 この通路の先が、ビーナス様のお部屋となっております」

まどか「いいんですか?」

女「はい、私からビーナス様には連絡をいたします。
 さ、どうぞ。ビーナス様もきっとお喜びになるでしょう」



ほむら「どうもこの街の人間は、みな高慢に感じるわ」

杏子「生活する環境によって性格ってのは変わるんだろうね」

マミ「どこの世界にも、それぞれの文化ってあるもの。
 この街の文化、とでも捉えておきましょうよ」

まどか「まあまあ・・・ほら、ドアが見えてきたよ。
 みんな、身だしなみのチェック!」

杏子「・・・と、念のために戦える準備もな」



 鹿目まどかは、そのドアをコンコンとノックする。



ビーナス「入りなさい」
168 :[saga]:2011/07/02(土) 09:47:47.39 ID:jYWhZjsG0
4人「「失礼します」」

ビーナス「そう硬くならなくてもいい。楽にしてくれるといいよ」



 予想に違わず、そこには何度か見てきた顔が。
間違いなく、目の前にいる人物はインキュベーターであった。



ビーナス「あの醜いアシュラを倒してくれたようだね。僕は嬉しいよ。
 君達は僕の美的感覚から少し外れてはいるが、君達がこの世界に
 滞在する事を僕は許そうと思っているよ」

杏子(コイツ・・・)イラッ

ほむら(どの口が美的感覚とか抜かすの・・・)イラッ

まどか「あ、その・・・ありがとうございます」

ビーナス「嬉しいだろう?この街は全てが美しいからね。
 この世に醜いものなど必要ない。君達もそう思うだろう?」

マミ(こらえるのよ、私・・・)イラッ

まどか(・・・・・・)イラッ

まどか「あの、私達、ソウルジェムを集めているんです。
 何か心当たりはありませんでしょうか?」

ビーナス「それは僕にも分からないな。この街の全ては、
 僕が完璧に管理をしている。少なくても、この街の中にはないよ」

ほむら「では街の外なら?」

ビーナス「あるのかもしれないね。君達が望むのであれば、
 壁の外の醜い世界を冒険してみるのもいいだろう。
 そこに君達の望む物があるとも、僕には思えないけどね」

まどか「それでは、そうしてみます。ありがとうございました」
169 :[saga]:2011/07/02(土) 09:48:14.88 ID:jYWhZjsG0
 少女達は黙ったまま、宮殿の外に出る。
そこまで行かないと、迂闊な会話を行えないから。
道路に出た途端、佐倉杏子は声をあげる。



杏子「マミ、アンタさぁ。文化とか言ってたよな」

マミ「・・・訂正するわ。この街全体の性格すら、ビーナスが決めていたのね」

ほむら「ビーナスの美的感覚によって選りすぐられた、
 性悪の集まる美しい街。なんとも滑稽なことね」

まどか「ちょっと、みんな・・・誰かに聞かれたらまた追いかけられるよ?
 あそこの喫茶店にでも入って、お話しようよ」

マミ(あら、あの2人まだ居たのね)ワクワク



杏子「アタシはアイスコーヒー」

ほむら「私も同じく」

マミ「えーと・・・今日はレモンティーにしようかしら」

まどか「私はミルクティーで!店員さん、すみませ〜ん!」

マミ(さりげなく絶好の席に座れたわ。さあ、修羅場の様子を私に聞かせて!)



まどか「ほむらちゃんはいつもコーヒーだね。
 子供の頃に飲んだけど、苦くて全然だめだったよ」

ほむら「あら、それは勿体ないわ。今なら美味しく飲めるかもしれないわよ。
 一口いかが?」

ほむら(まどかの間接キス、ゴチ)

まどか「そうかもしれないね。杏子ちゃん、一口ちょうだい!」

杏子「お、いいよ。アタシにもミルクティーを一口くれよ。甘いのも欲しくなるんだよな」

ほむら(オイィィ!)ギロッ

杏子「な、なんだよ」ビクッ

まどか(予想通り・・・)ハァ
170 :[saga]:2011/07/02(土) 09:48:51.69 ID:jYWhZjsG0
マミ(・・・あの2人の動きがない・・・)

マミ(こんなお通夜状態でずっとここに居たというの?)

マミ(そんなバカな・・・)

杏子「どうしたんだ、マミ?」

マミ「んー・・・あそこの席の2人が、今にも修羅場になると思って
 ずっと待っていたんだけど・・・」

まどか「・・・色々と突っ込みたいんですけど・・・」

ほむら「なんで修羅場になると思うの?」

マミ「通行人から聞こえた会話の中身からの推測でしかないんだけど・・・
 あの2人は婚約者同士なのに、あの雰囲気なの。興味がわかない?」

杏子「何にせよ元気がないな。なんか悩みがあるのかもしれないぞ。
 よし、ここはいっちょアタシが・・・」

ほむら「佐倉杏子、待ちなさい」

杏子「何でさ?」

ほむら(他人の事情に関わるなんて関心しないわ)

ほむら(・・・と思ったけど、あの2人の悩みを、
 お馬鹿の佐倉杏子がノリで解決してしまうかもしれない)

ほむら(そうなると、まどかの佐倉杏子への聖女度が更に上がってしまう。
 それだけは避けねばならない)

ほむら(となると・・・)

ほむら「私が行ってくるわ」

杏子「へ?」

まどか「ほむらちゃん?何かいい案でもあるの?」

ほむら「任せておいて」

マミ「頑張って、暁美さん」ニヤニヤ

ほむら(コイツ・・・私の事をコミュ障とでも思っているわね)チッ
171 :[saga]:2011/07/02(土) 09:49:18.89 ID:jYWhZjsG0
ほむら「あの・・・」ドキドキ

仁美「はい?」

恭介「どちら様でしょうか?君の知り合いかい?」

仁美「いえ・・・存じ上げませんわ」

ほむら(やばい私の心臓やばい。頑張れ、私)ドキドキ

ほむら「すみません、通りすがりの者ですけれど・・・
 何か悩みがありそうなので、お話頂ければと思いまして」

恭介「えっと、そう言われましても・・・」

仁美「ごめんなさい、見ず知らずの方にお話できるような
 悩みではありませんの。せっかくのご好意ですけれど、
 お引取り頂けませんでしょうか」

恭介「仁美、そんな言い方をしなくてもいいじゃないか」

ほむら「えっと、その・・・私、世界中を色んな人の悩みを聞いて
 冒険して来ているんです。悩みの解決するプロなんです!」

マミ「」ブッ

まどか「ちょ、ちょっとマミさん・・・」ボソボソ

ほむら(巴マミ・・・チクショウ・・・!)

ほむら「申し遅れました。私は暁美ほむらと申します」

ほむら「あそこのテーブルに私の仲間がおります。
 手前に座っているのが鹿目まどか。
 その向かいに座っているのが佐倉杏子」

ほむら「・・・そして、その隣に座って鼻からレモンティーを
 噴き出しているのが、巴マミです」

恭介「はぁ・・・」

仁美「まあ、汚らわしい・・・」

マミ(・・・あんの野郎・・・!)ガタッ

まどか「マミさん、落ち着いて・・・」ボソボソ
172 :[saga]:2011/07/02(土) 09:49:46.43 ID:jYWhZjsG0
恭介「・・・冒険者の方でしたか。壁の外に出る許可は
 お持ちなのでしょうか?」

ほむら「え、ええ、つい先ほど取ってきました」ファサッ

恭介「・・・・・・」チラッ

仁美「・・・先ほどの非礼をお詫び致しますわ。
 私は志筑仁美と申します」

恭介「僕は上条恭介です。暁美ほむらさん、
 聞いて頂けますでしょうか。僕達の悩みを」

ほむら「解決できるかは分からないけれど、話して下さい」

恭介「・・・僕達の幼馴染の友人が、ビーナス様の命令で
 壁の外に追放されてしまったのです」

仁美「私達は壁の外の世界を知りません。彼女の行方が気になりますけれど
 外に確かめに行く力が私達にはないのです」

ほむら「彼女・・・という事は女性なんですね。どうして追放など?」

恭介「不注意から転んでしまい、額に傷を・・・」

ほむら「・・・・・・」

恭介「・・・・・」

ほむら「・・・え?それだけで?」

恭介「はい?いや、それだけと言えばそれだけですけれど・・・」

仁美「ビーナス様は完全な美しさしか望まれません。
 そのような不注意から追放された人間は、この街には多いのですわ」

ほむら「事情は分かりました。その追放された友人を、探して欲しいと」

恭介「おっしゃる通りです。彼女の名前は美樹さやか。
 もしも探して下さるのであれば・・・」

恭介「・・・何て伝えて貰おう・・・」

仁美「上条君・・・」

ほむら(これ以上は重い話になりそうね)
173 :[saga]:2011/07/02(土) 09:50:13.01 ID:jYWhZjsG0
ほむら「とりあえず、私達も目的があるので壁の外には行ってみます。
 もしも美樹さやかさんと出会えたら、お2人が心配していたとでも
 お伝えすればよろしいでしょうか?」

恭介「・・・はい、そのようにお願いいたします・・・」

仁美「壁から追放された人間が集まって、外で部落を形成していると
 噂を聞いた事があります。それが何処にあるのかまでは存じ上げませんが」

ほむら「分かりました。美樹さやかさんを見つけ出す事が出来たら、
 必ず報告に参ります」

恭介「ありがとうございます。僕はこの時間にはいつも、
 この喫茶店に居るか、あそこの公園でバイオリンを弾いています。
 良い報告をお待ちしております」



ほむら「いかがだったかしら。私のコミュニケーション能力は」ファサッ

杏子「結構やるもんじゃないか!見直したぜ」

まどか「ほむらちゃん、すごいなあ。何でも出来ちゃうんだね」マドマド

マミ「暁美さん・・・あの紹介はないんじゃないの?」

ほむら「あら、喧嘩を売ってきたのはそちらよ。巴レモンティーマミ」

マミ「・・・鹿目さぁん。そろそろ新しい武器も欲しいし、
 ちょっと武器屋を探して見ない?」

まどか「は・・・はい・・・マミさん、目が笑って・・・」

マミ「そんな事ないわよ^^」

まどか「・・・一緒に行きましょう・・・」

杏子「じゃあアタシらは宿を取っておくよ。
 一晩ぐっすり休んで、明日は壁の外に行くよ!」

ほむら「ええ、そうしましょう。また後でね、まどか」

まどか「うん、まt
マミ「ええ、また後でね^^暁美さん^^^^」

まどか(杏子ちゃん、助けて!)

杏子(メシ屋はどこかな〜)
174 :[saga]:2011/07/02(土) 09:50:39.39 ID:jYWhZjsG0
−−− 追放者の集落 −−−

 一晩ぐっすりと休んだ少女達は、壁の外へと向かう。
最初は門番が彼女達の行く手を塞いだが、
すぐに彼らは気付いたかのように少女達を通した。
ビーナスからの命令がすでにここまで届いていたのだ。

 壁の外は、木、木、木。

 一面は深いジャングルであった。
少女達は襲い掛かる魔物を払いのけ、
用心深く緑の海を歩き続ける。



杏子「マミの買ってきた手榴弾、ずいぶんと威力があるな」

マミ「私の能力で、一晩も休めば手榴弾の作り直しも出来るのよ。
 ずっと使ってきたサブマシンガンもそろそろ買い替え時だったしね」

まどか「おかげで私達は楽ができます。ありがとう、マミさん!」

マミ「そうそう、忘れていたわ。はい、暁美さん。プレゼントがあるの」

ほむら「これは・・・サイコソード?」

マミ「魔力を力に変えて攻撃できる剣なんですって。
 あなたにぴったりじゃないかと思って買ってきたの」

ほむら「ありがとう、あなたから贈り物を貰えるなんて意外だったわ」

マミ(いいのよ、これくらい)

マミ「あなたがサイコソードで切りつけに行った時に、私は手榴弾を投げるの。
 それはとっても素敵な事だなって」

まどか「マミさん、それ私の台詞・・・」

杏子「それ以前に、本音と建前が逆転していないか・・・?」

ほむら「まだ根に持っていたのね。頭を冷やしなさい、巴マミ」

マミ「何を言ってるのよ!今頃、あの2人は
 私の事をレモンティーっていう印象で覚えているのよ!」

ほむら「事実だし、問題ないじゃない。あら、村が見えてきたわ」

マミ「スルーしないで!」
175 :[saga]:2011/07/02(土) 09:51:08.42 ID:jYWhZjsG0
ほむら「やれやれね。私が能力を使って遠距離で戦っている分には
 構わないけれど、いきなり目の前で爆発なんて勘弁して欲しいものね。
 巻き込まれてしまうわ」

マミ「それを狙っていたんじゃない・・・」

まどか「ほむらちゃん、それも誰かの台詞・・・」

杏子「それ以前に、マミがもう本音を隠そうともしていねぇ」



さやか「おーい!旅人さんかい?」

ほむら(あら、爆発に巻き込まれそうな子ね)

マミ(たぶんこの子は爆発に巻き込まれるわ)

さやか「な、何だよ。ジロジロ見ちゃってさ」

まどか「この村が、壁から追い出された人の村なんですか?」

さやか「うん、そうだよ!あ〜、でも可哀想とか思わないでね!
 ここに出て来れたおかげで、アタシ達は自由ってものを満喫しているんだ!」

杏子「壁の中の連中よか気持ちのいいヤツだな、アンタ。
 アタシは佐倉杏子。よろしくね」

まどか「私は鹿目まどか。まどかって呼んでくれるといいな」

ほむら「私は暁美ほむら。それでこちらはレモn・・・

マミ「巴マミです。よろしくね。あなたのお名前は?」

さやか「アタシは美樹さやか。えっと、杏子にまどかにほむらにマミさんね!
 みんなヨロシクぅ!あ、アタシこんな喋り方だから、堅苦しくしないでよね!」

ほむら(あら、探していた人がこうも簡単に見つかるなんて)

マミ「なんで私はいつも、さん付けで呼ばれるんだろう」

まどか「こう・・・オーラが出ているんですよ。
 マミさんはさん付けしなくちゃいけないって」

さやか「それじゃ早速、仲良くなった記念に家に案内するよ。
 こっちこっち!付いてきて!」
176 :[saga]:2011/07/02(土) 09:51:37.03 ID:jYWhZjsG0
さやか「さー着いた。はい、どうぞ!」

まどか「お邪魔しま〜す」

マミ(壁の中に比べたら失礼だけれど・・・)

ほむら(やっぱり、それなりの家になるわよね)

杏子「ふー、やっと座れるよ。あ、寝転がっていい?」

さやか「おーう、楽にしたまえ。そんな事でこのさやかちゃんは
 目くじらを立てたりしないぜっ!」

杏子「んじゃお言葉に甘えて・・・」ゴロン

マミ「もう、佐倉さんたら・・・ごめんなさいね、こんな子で」

さやか「気にしなくていいよ。こんなボロい家でも、
 くつろいで貰えるなら良かった良かった」



ほむら「早速だけれど、壁の中であなたの事を探している人が居たの。
 美樹さやか、上条恭介と志筑仁美という名前に心当たりがあるかしら?」

さやか「ああ、あの2人かぁ。元気でやってた?」

ほむら「ええ。2人とも、あなたの事を心配していたわ」

さやか「そっか。それを聞けただけでも、アタシは嬉しいよ。
 ほむら、どうもありがとうね」

ほむら「感謝されて嬉しいわ。あなたから彼らに伝えたい事は
 何かあるかしら?」

さやか「・・・うーん・・・」

さやか「・・・お幸せに、かな」

ほむら「それだけでいいの?」

さやか「うん。どの道、アタシは壁の中に戻れないしね」

ほむら「分かったわ。確かに伝えるわね」

さやか「頼むよっ!お礼に何でもアタシに聞きたまえ!
 分かる事があれば、教えるからさ」
177 :[saga]:2011/07/02(土) 09:52:06.37 ID:jYWhZjsG0
まどか「えっとね、私達はソウルジェムって宝石を探して
 旅をしているの。さやかちゃん、心当たりはないかな?」

さやか「ソウルジェムねぇ・・・この村の北に、古き神々の遺跡が
 昔はあったみたいなんだけど」

マミ「けど?」

さやか「私が生まれるよりもずーっと昔に、それは地震で壊れて
 地中に埋まっちゃったみたいなんだ。ビーナスの探検隊も
 何度かそのあたりを調べたらしいけれど、何も見つからないんだって」

杏子「地面の中にソウルジェムかぁ・・・穴掘りでもして探すか?」

ほむら「気が遠くなりそうな作業ね・・・」

さやか「後は、ソウルジェムがあるかなんて分からないけれど
 都会の下水道。あそこには、まだ使える物が沢山流されてくるんだ」

まどか「下水道に?あるのかなぁ・・・」

マミ「可能性はあるわね。あの街の住人達の性格を考えたら、
 下水道なんて調べてないんじゃないかしら?」

杏子「なるほどなー」

ほむら「ところで、この世界にソウルジェムはいくつあるのかしら」

マミ「あ、忘れていたわ。どれどれ・・・」

 − この世界に残るソウルジェムはあと 14 −

まどか「こんなにあるの!」

杏子「ひゃー・・・これは全部集めるのに、骨が折れそうだな」

ほむら「嘆いていても始まらないわ。私達の出来る事をしなくては」

マミ「その意見については同意するわ。少しずつでも、私達は
 前に進まないといけない。まずは下水道から調べてみましょう」

さやか「おっと、今から行くのは危険だよ。そろそろ日が落ちるから、
 真夜中のジャングルを歩くと迷っちゃうぜ〜」

杏子「それじゃあここに泊めてくれよ。いいだろ?」

さやか「なんというふてぶてしさ・・・!けどそこが気に入った!
 こんなボロ家で良ければ、どうぞごゆっくり!」
178 :[saga]:2011/07/02(土) 09:52:46.07 ID:jYWhZjsG0
 空を埋め尽くす星の数。
その下に立ち、思いを巡らせている暁美ほむら。



ほむら(・・・・・・)

ほむら(・・・小さくな〜れ・・・)

ほむら(いつの日か、また巨人族の世界を探してみよう)



さやか「ほむら?」

ほむら「あら、美樹さやか。眠れないの?」

さやか「うん・・・ちょっとね。ほむらこそ、何してたの?」

ほむら(・・・言えるか)

ほむら「少しね、考え事を」

さやか「そっか。アタシもなんだ」

ほむら「悩みでもあるのかしら?私で良ければ聞くわよ」

さやか「・・・ほむらがあの2人の事を知らせてくれた事に、
 本当に感謝している。ありがとう」

ほむら「そんな。たかが伝言でしょう?」

さやか「ううん。あの2人がアタシの事を考えてくれていただけで、
 アタシにとってはこの上なく大事な事だったんだ」

ほむら「そう。事情は分からないけれど、そういう事なら
 素直に感謝を受け取っておくわ。
 けれど、それがあなたの悩みなの?」

さやか「・・・ほむらはさ、恋愛とか恋バナに興味ある?」

ほむら「・・・叶わぬ恋をしている最中よ」

さやか「へえ、アンタほどの美人がそんな悩みを持っているなんてね」

ほむら「お世辞を言われても何も出ないわ。けれど、私は諦めたりはしない。
 どんなに時間がかかっても、どんな障害が待っていても、
 やり遂げる覚悟は出来ている」ファサッ
179 :[saga]:2011/07/02(土) 09:53:14.06 ID:jYWhZjsG0
さやか「・・・ほむらはアタシが思っていたより強いんだね」

ほむら「自分を曲げない事には自信がある。
 ・・・私にだけ話をさせてずるいわ。あなたはどうなの、美樹さやか」

さやか「そうだね・・・あるところに、3人の仲良しさんが居ました。
 幼い頃は本当にそうだったんだ。けれど、そのうちの1人を巡って
 残りの2人がだんだん対立していったの」

ほむら「・・・うん」

さやか「あ、対立ってのは言いすぎか。んー、何て言うのかな。
 お互いに遠慮し合ってるって感じ?2人とも、その1人の事が
 好きで好きでしょうがなかった。けど2人とも、それを理解していたんだ。
 だから、3人は付かず離れず。そんな関係を保っていた」

ほむら「その取り合いになっている1人はどう思っていたの?」

さやか「今でもアタシには分かんないや。けれど、その2人の内の
 片方が、運悪く3人の輪の中から外されてしまったの」

ほむら「・・・そう」

さやか「正直に言うと、諦めきれない。けれど、その事で
 残された2人がくっついてくれるなら・・・
 それはそれでいいかな、そう思っていたんだ。
 2人とも、アタシの大事な友達だったんだもん」

さやか「だから、ほむらが2人の事を教えてくれただけで、
 アタシにとってはすごく重要な事だったんだ。
 今でもあの2人は、私の事を友達と思ってくれているんだな・・・って・・・」


 声にはいつしか嗚咽が混じっていた。
その感情は、喜びなのか。悲しみなのか。後悔なのか。
それは話を聞いていた暁美ほむらにも分からなかった。
180 :[saga]:2011/07/02(土) 09:54:45.67 ID:jYWhZjsG0
ほむら「あなたは、自分に嘘を付いていないと言い切れるかしら」

さやか「・・・わかんない」

ほむら「本当にあなたの伝言を、2人に伝えてもいいのかしら」

さやか「・・・わかんないんだよ」



 彼女にしては珍しく、荒々しい様子で
暁美ほむらは美樹さやかの胸倉を掴む。



ほむら「分からない分からない、それがあなたの答えなの?」

さやか「・・・なんで怒ってるのさ」

ほむら「あなたから持ち出した話題なのに、あなたの語る愛は
 あまりにも希薄すぎる。そんなものを恋愛と呼ぶなんて、
 それは私への侮辱と受け止めるわ」

さやか「だったらどうしろって言うのさ!私はもう壁の中に入れないんだよ!」

ほむら「それがあなたの逃げるための言い訳なの?
  どんなに時間がかかっても、どんな障害が待っていても、
 私はやり遂げる覚悟は出来ていると言ったはず」

ほむら「あなたは挑戦する事すら諦めた、只の臆病者よ」

さやか「アタシの気持ちも知らないクセに、偉そうに言うな!」

ほむら「何度でも言わせてもらうわ。このまま逃げ続けて、
 あなたは後悔した気持ちを引きずったまま、ここで歳を取っていくの?
 それがあなたの覚悟なの?」

さやか「うるさいっ!」バチン

ほむら「っ!・・・臆病者」バチン

さやか「うるさい!」バチン

ほむら「臆病者!」バチン

さやか「・・・!」バチン

ほむら「・・・!」バチン
181 :[saga]:2011/07/02(土) 09:55:20.45 ID:jYWhZjsG0
まどか「ふぁ〜・・・」

ほむら「おはよう、まどか」

まどか「おは・・・えええ!」

マミ「っ!」ビクッ

杏子「なんだなんだ!ってオイ!」

マミ(よ、よだれが・・・)ゴシゴシ

まどか「ほむらちゃん、その顔・・・」

ほむら「大した事ではないわ」ファサッ

杏子「いや、そんな膨れたツラで澄ました仕草されても・・・」

マミ「あらあら、これじゃあ暁美おたふくほむらさんね」ニヤニヤ

ほむら「・・・そうね。否定はしない」

マミ(あるぇ〜?)

さやか「お、みんな起きたね。おはよ〜さん!」

まどか「あ、おは・・・えええ!」

杏子「アンタら・・・喧嘩でもしたのか?」

ほむら「虫さされよ」

さやか「転んじゃってさ。アタシってほんとバカ」

まどか(・・・どうしよう)

マミ「ちょっと暁美さん、後で説明しなさいよね」ボソボソ

ほむら「話す事なんて何もないわ」ファサッ

杏子「2人とも話したくないなら、いいんじゃねえか?」ボソボソ

ほむら「さあ行きましょう。ここに長居は無用だわ」

さやか「・・・気ぃつけてね」

ほむら「美樹さやか。あなたの伝言は保留しておくわ。よく考えなさい」

さやか「・・・余計なお世話だ。出てけよ・・・」
182 :[saga]:2011/07/02(土) 09:55:58.64 ID:jYWhZjsG0
−−− ビーナスの大都会 下水道 −−−

 基本的には、いつもと変わらない様子で少女達は歩いていた。
なるべくその事実に触れないように、ジャングルを掻き分けて進む。
そうして見えてきた大都会の壁に、小さな下水道への入り口。



杏子「お、ここだな。さやかの言ってた通りだ」

まどか「・・・やっぱりほむらちゃん、ヘンだよ。さやかちゃんと
 何があったの?」

ほむら(・・・言えるか)

ほむら「私と美樹さやかの事を思ってくれるなら、その話題は
 なるべく避けて欲しいわ」

マミ「そうは言っても・・・」

ほむら「お互いに価値観に違いがあったのよ。
 それをお互いに許すことが出来なかった。それだけよ」

杏子「めんどくせぇなぁ・・・ま、言いたくなったらでいいから
 いつかは教えてくれよ」

ほむら「ええ。その機会は当分先になるでしょうけれど」

マミ「仕方ないわね・・・行きましょうか」



 彼女達は階段を下りだす。そして猛烈な悪臭が彼女達に襲い掛かる。
美を誇る大都市の醜い部分が、全てこの下水道に垂れ流されていたのだ。



杏子「クッセェ!覚悟していたとはいえ、これはキツいなぁ」

マミ「ハンカチで口と鼻を覆うと、少しはマシよ・・・」

まどか「こんなところでソウルジェムを探すのかぁ・・・」

ほむら「この程度で怯んでいては、この先を進めないわ。
 みんな、頑張りましょう」
183 :[saga]:2011/07/02(土) 09:56:28.61 ID:jYWhZjsG0
マミ「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」

まどか「・・・ねえ、何か喋ろうよ・・・」

杏子「喋ると臭いが口から入るんだよ・・・」



マミ「ド」

ほむら「ア」

杏子「だ」

まどか「ね」ガチャ



杏子「た」

ほむら「か」

マミ「ら」

まどか「ば」



マミ「・・・最後、誰か言いなさいよ・・・」

ほむら「2回も口を開けたくないわ」

杏子「もう開けてるじゃねえか。最後くらい言ってくれよ」

まどか「もう普通に話そうよ・・・」

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −



 − 宝箱の中身は モンスターだった −
184 :[saga]:2011/07/02(土) 09:57:01.25 ID:jYWhZjsG0
まどか「え?」

 あくまは ファイアで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 319のダメージ

マミ「ぐっ・・・」

ほむら「しっかりして。ケアル!」キュイーン

マミ「ありがと。やってくれたわね・・・!」

杏子「マミ、待て!手榴弾は・・・!」

 マミさんは しゅりゅうだんで
 あくまを こうげき
 あくまに 267のダメージ

ほむら「み、水しぶきが・・・!」

まどか「そんな事を言ってる場合じゃないよっ!」

 まどかは ライトセーバーで
 あくまを こうげき
 あくまに 394のダメージ
 あくまは たおれた

杏子「やったな・・・色んな意味で」

マミ「飛び散る汚水のシャワー。もう何も怖くない」

ほむら「魔法攻撃には、巴マミの重装甲も役に立たないのね・・・
 これからはこんな魔物が増えていくのかしら」

まどか「今みたいな敵は、急いで倒さないといけないね。
 ・・・それにしても、この服についたシミ、取れるのかなぁ・・・」

マミ「もうソウルジェムも見つかったし、このまま引き返すというのは・・・」

杏子「まだ奥に道があったからな・・・」

ほむら「残念ながら、まだまだ私達の冒険は終わらないわ」

まどか「みんな、頑張ろう・・・」
185 :[saga]:2011/07/02(土) 09:57:31.18 ID:jYWhZjsG0
ほむら「道がないわね・・・行き止まりかしら」

まどか「ほむらちゃんは現実から目を背けてるよ!
 見て!階段があるんだよ!」

杏子「この水路へ降りる階段はどう見ても・・・」

マミ「下水風呂への突入ツアーです・・・」



杏子「で、誰から突入する?」



ほむら「誰からですって?私達は一丸となって
 ソウルジェムを目指しているのよ。全員が行くに決まっているじゃない」

マミ「じゃあ、暁美さんからどうぞ」

ほむら「・・・・・・」ゴクッ

まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら「・・・こうしましょう・・・」



4人「「さいしょはグー。じゃんけんぽん」」
186 :[saga]:2011/07/02(土) 09:58:16.53 ID:jYWhZjsG0
マミ「うああ・・・うわああん・・・」ザバザバ

まどか「マミさん・・・」グスッ

マミ「だれがぁぁぁ。いっじょにぎでよぉぉぉ」ザバザバ

杏子「・・・次、誰が行くんだ・・・」

ほむら「・・・・・・」

まどか「・・・・・・」

マミ「うぐっ・・・グスッ・・・」ピンッ

杏子「おい!今、何のピンを抜いたんだよ!」

マミ「みんないっじょにじぬしかないじゃない!!」ポイッ



 手榴弾の爆発と共に、舞い上がる汚水のシャワー。
それを全身で受けた彼女達は、もはや観念せざるを得なかった。



4人「「もう何も怖くない」」ザバザバ



まどか「あそこに水から上がるための階段があるよ!」ザバザバ

杏子「何だよ!せっかく楽しくなってきたところなのに!」ザバザバ

ほむら「いつか、みんなでプールか海に行きたいわね!
 こんな所で思い出作りなんて嫌だもの!」ザバザバ

マミ「その前にお風呂からね!こんな所の探検はさっさと終わらせて
 宿に直行するの!魔法少女達の合同お風呂記念パーティーよ!」ザバザバ
187 :[saga]:2011/07/02(土) 09:58:55.34 ID:jYWhZjsG0
まどか「ほら、みんな見て!ドアがあるよ!」

ほむら「ここにもソウルジェムがあるのかしら!
 早速、行ってみましょう!」ガチャ

杏子「また4つの宝箱か!どれがハズレなんだろうな!」

マミ「ハズレとも限らないわよ!みんな開けちゃいましょう!」

 − 防御のソウルジェムを手に入れた −

 − 氷のソウルジェムを手に入れた −

 − 宝箱の中身は モンスターだった −

 まどかは ライトセーバーで
 あくまを こうげき
 あくまに 419のダメージ
 あくまは たおれた

ほむら「さすがはまどかね!」

まどか「うん!任せてよ!」

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −

杏子「まだ奥に続く通路があったよな!もう最後まで探そうぜ!」

マミ「ええ、行きましょう!」



4人「「めざめたこーころはーはしりだしたー
 みーらいをーえがくためー♪」」
188 :[saga]:2011/07/02(土) 09:59:22.82 ID:jYWhZjsG0
−−− ビーナスの大都会 −−−

ほむら「あれ、ここは・・・」

マミ「この建物・・・ビーナスの宮殿の中に繋がっていたのかしら?」

まどか「このドアから外に出れそうだよ。かんぬきがかかっているけれど」

杏子「知るか。さっさと宿に行こうぜ」カチャン



女「ちょっと、あなた達・・・クサッwww」

男「何だ何だ・・・くせえwwwwww」

杏子「・・・人が集まる前に逃げるぞ・・・!」


 
 そうして、少女達は全力疾走でホテルを目指す。
痛いほど刺さる、通行人の視線と嘲笑。
それを掻い潜って宿に辿りついた彼女達は、
ホテルの従業員を説得するところからしなければならなかった。

 結局、普段の5倍の料金を払い、さらに新品の服を
部屋に届けてもらう条件を付けて、彼女達は部屋に転がりこんだ。
高級そうなカーペットに汚水の足跡を刻み込み、
彼女達は一斉に浴室へ向かう。

 もはや、順番待ちなどとは言っていられなかった。
合同風呂記念パーティーはここに実施されていたのだ。
189 :[saga]:2011/07/02(土) 09:59:58.44 ID:jYWhZjsG0
まどか「ふう・・・やっとすっきりしたよ・・・」

杏子「まだ臭いが残ってる気がする・・・」

マミ「服が届くまで、私達はバスローブ1枚で過ごすのね・・・」

ほむら「あの泥だらけの服をまた着れる?私は無理だわ」

ほむら「ところで、お願いがあるのだけれど」

まどか「急にどうしたの、ほむらちゃん?」

ほむら「上条恭介と志筑仁美について。
 一晩休んでから、私は彼らに会いに行こうと思うわ。
 そこに1人で行かせて欲しいの」

杏子「なんでだ?」

ほむら「ごめんなさい。今は話せない・・・
 あと、もしも彼らとあなた達が会う事があったら、
 美樹さやかと私達が会ったという事実を伏せておいて欲しい」

マミ「それも今は話せないの?」

ほむら「・・・彼らが彼らの問題にケリを付ければ、その時には話す。
 それまでは、お願い。黙って私の言う通りにして欲しい」

まどか「・・・分かった」

杏子「まどか?」

まどか「ほむらちゃんがこんな事を言うの、私は初めて聞いたよ。
 ほむらちゃんなりに、考えている事があるんだと思う」

マミ「そうね。彼らの事を一番理解しているのは、きっと暁美さんでしょうし。
 喧嘩をするほど仲がいい、ってね」

ほむら「そんな良い事でもないわ。私は、彼らの覚悟を知りたいだけ」

杏子「それなら、アタシも何も言わないよ。
 何だか分からないけど、上手くいくといいな!」

ほむら「元よりそのつもりよ」
190 :[saga]:2011/07/02(土) 10:00:30.15 ID:jYWhZjsG0
ほむら(喫茶店には居ないようね・・・)

ほむら(あ、この音・・・)

http://www.nicovideo.jp/watch/nm8322561



 大勢の聴衆に囲まれて、上条恭介はバイオリンを弾いていた。
ビーナスが認める音楽家である事を証明する、その綺麗な音色。
彼は演奏をしている最中に暁美ほむらと目が合う。
暁美ほむらは即座に首を振り、演奏を続けるよう促す。

 やがて演奏は終わり、彼女はようやく上条恭介の所へ行けた。



ほむら「素晴らしい演奏だったわ」

恭介「いえ・・・それより、さやかはどうでしたか・・・?」

ほむら「残念だけれど、美樹さやかと会う事は出来なかったわ」

恭介「そうですか・・・実は・・・」

恭介「僕と仁美の結婚が決まったのです」

ほむら「そう」

恭介「せめてこの事だけは、さやかに知らせたかったのですが・・・」

ほむら「それならば、知らせに行けばいいじゃない」

恭介「・・・居場所も知らないから、暁美さんに頼んだんじゃないですか。
 それに・・・知っていたところで・・・」

ほむら「その結婚を、美樹さやかは祝福してくれると思わないの?」

恭介「・・・・・・」

ほむら「上条さん、あなたは志筑仁美さんとの結婚を望んでいるの?」

恭介「・・・こんな事を言うのも、仁美に失礼だとは承知しています。
 けれど、僕にもそれが望みなのか分からないんだ・・・」

ほむら「あなた達の優柔不断さには、心底呆れ果てるわ。
 ・・・けれど、それを聞けて安心した。
 今度こそ、美樹さやかにはそう伝えておくわ」
191 :[saga]:2011/07/02(土) 10:01:07.24 ID:jYWhZjsG0
恭介「暁美さん・・・その口ぶりだと、僕達の事を・・・」

ほむら「最後に1つだけ聞くわ。もしも美樹さやかがあなたの前に
 現われたのなら。その時、あなたは決断を下せるの?」

恭介「・・・・・・」

ほむら「答えて」

恭介「・・・・・・」

ほむら「〜っ!」バチン

恭介「っ!何を・・・!」

ほむら「これで目が覚めるかと思って。色男さん」

恭介「馬鹿にしないでくれ!僕だって・・・」

ほむら「いえ、あなた達は全員が馬鹿よ。
 ビーナスの支配に囚われて、それを自分への言い訳にしている。
 そんなもの、私は許さない」

恭介「・・・・・・」

ほむら「いずれ、私はあなたの前に再び現われるわ。
 その時までによく考えておく事ね」
192 :[saga]:2011/07/02(土) 10:02:18.31 ID:jYWhZjsG0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

−−− 追放者の集落 −−−

まどか「・・・ねえ、ほむらちゃん」

ほむら「何?」

まどか「その・・・怒ってるの?」

ほむら「そうね・・・怒ってるかもしれないわ。
 でも勘違いしないでね。あなた達に対して怒っているわけではない」

まどか「・・・それは良いんだけれど・・・」



杏子「やっぱりほむらを単独行動させたのはマズかったのかね」

マミ「うーん・・・何とも言えないわね・・・」

杏子「見た目には悪い方向に行っているような・・・
 っと、また地震・・・って、すげえ揺れだぞ!」



 少女達がこの世界に着いて、初めて体感したものと比べ
何倍の規模にも思える大きな地震。

 その地震の縦揺れにより、彼女達の体は地面から
トランポリンを跳ねているかのように浮き上がっていた。

 そして、はるか遠くに見える大地がひび割れて行くのを
彼女達は目にする。その場所は、以前に美樹さやかから
教えられていた、古き神々の遺跡があったと言われる場所。

 ひどく長く続いた揺れは、ゆっくりとおさまっていった。
193 :[saga]:2011/07/02(土) 10:02:53.95 ID:jYWhZjsG0
マミ「すごい揺れだったわね。みんな、大丈夫?」

杏子「ああ、怪我とかは何もないみたい」

まどか「村のみんなは大丈夫かな。さやかちゃん・・・」

ほむら「私が見てくるわ。美樹さやかとは話したい事もあるし」ダッ

まどか「あっ、ほむらちゃん!」

杏子「うーん・・・そろそろ止めたほうがいいかな・・・」

マミ「・・・もう少し、様子を見てみましょう」



ほむら「入るわよ」

さやか「なんだ、アンタか・・・どうしたんだよ。
 こっちは今の地震で、家の中がメチャクチャなんだ」

ほむら「上条恭介と志筑仁美が近いうちに結婚するわ」

さやか「・・・そんな事は、知らされなくても分かっていたさ」

ほむら「それともう一つ。上条恭介は、その結婚を心から望んではいない」

さやか「・・・なんでアンタがそんな事を?」

ほむら「あの男を引っぱたいて来たわ。あなたと同じように、
 ウジウジと煮え切らない態度を取っていたものでね」

さやか「恭介に手を上げたって言うの?」

ほむら「余計なお世話でしょうけれど、あなたに対して
 有益な情報を与えているつもりよ。
 あなたはまだ自分に嘘を付くの?美樹さやか」

さやか「・・・アタシは・・・」
194 :[saga]:2011/07/02(土) 10:03:31.41 ID:jYWhZjsG0
ほむら「私達は、これから古き神々の遺跡へ向かって
 ソウルジェムを探す事になるわ。
 それがいつ見つかるのかは分からないけれど」

さやか「・・・・・・」

ほむら「それが終わってからになるけれど・・・
 あなたが自分の覚悟を示す意思があるのであれば。
 あなたが壁の中へ入り込む決意があるのであれば、
 私はそれを手伝う事に反対はしない」

さやか「・・・アンタ・・・」

ほむら「私の仲間は何と言うかは分からないけれどね。
 きっとみんなも、反対はしないでしょう」

さやか「・・・・・」

ほむら「私の伝えたい事は以上よ。
 ソウルジェムを探し終わったら、またここに寄るわ。
 それまでによく考えておく事ね」



さやか「待って!」

ほむら「どうしたのかしら?」

さやか「・・・その・・・」

さやか「・・・悪かったね。手間かけさせちゃって」

ほむら「そこまで手間でもなかったわ。言いたい事はそれだけ?」

さやか「アタシなんかが手伝っても、何にもならないかもしれない。
 それでも、アタシにもソウルジェム探しを手伝わせて欲しいんだ」

ほむら「決意は固まったと捉えてもいいのかしら?」

さやか「覚悟は決めたよ」

ほむら「あなたはビーナスに真正面から歯向かう事になる。
 それでも・・・」



さやか「後悔なんて、あるわけない」
195 :[saga sage]:2011/07/02(土) 10:17:12.92 ID:jYWhZjsG0
*************************

ちょっと区切り。

そのまま続き書くとSaGa2原作を逸脱する流れになるので
安価で読者に決めて貰います。さやかを連れて行くか行かないか。

さやか 人間女 パワー系ファイター
ミスリルソードとケアルの書を装備
ステータス的にはまどかより素早さが低く
魔力が高いくらい。
参考にまどかステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira014962.jpg

1 連れていく
2 連れていかない 

下3安価の多数決、同一ID票無効

*************************
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]:2011/07/02(土) 10:22:03.79 ID:QJdERIvm0
せっかくだから連れて行こう

1。
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/07/02(土) 10:27:36.60 ID:q2AoWcxAo
1
198 :[saga sage]:2011/07/02(土) 10:49:21.00 ID:jYWhZjsG0
他SSを巡回してる間に多数決決まっていた。
書き溜めしているわけではないので、続きは少々お待ちください。
今日明日休みだし、たぶん明日の投下になるかな。

>>158 
さやか「将軍だと思った?残念。アントニーでした!」

>>159>>160 
1stプレイでも12時間くらいのプレイタイムになるのかな?
古いゲームなのでボリュームこそ少ないですけれど、そのぶん片手間で遊べるので、
もしも手に入るのであれば是非SaGaの世界へ!
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]:2011/07/02(土) 11:02:24.81 ID:QJdERIvm0
そろそろSaGa2の名台詞が出てくる!
乙!
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/02(土) 12:21:03.40 ID:CHeqzhjIO
乙乙
さやかちゃん来た!ビーナスなんて人魚モードで瞬殺しちまえ!
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/02(土) 18:33:50.33 ID:9yTlMt5+o
下水道といえばやどかりん先生
202 :[saga]:2011/07/03(日) 17:24:50.34 ID:f78h354d0
*************************

>>194から続き

*************************
203 :[saga]:2011/07/03(日) 17:25:47.00 ID:f78h354d0
まどか「ほむらちゃ〜ん!さやかちゃ〜ん!」

ほむら「あら、もう追いつかれたのね」

マミ「あらあら、家の中もひどい様子・・・
 美樹さん、怪我はなかった?」

さやか「はい、何ともないっす!」

杏子「無事で良かったなぁ。あんな揺れがいつも起きるのかい?」

さやか「いやー、今の地震は特別すごかったよ。
 ・・・おかげで、古き神々の遺跡に近づけるかもしれない。
 見てよ、あそこ。地面が割れているでしょ?」

まどか「あそこが古き神々の遺跡が埋まっている・・・」

さやか「そ。アンタ達のソウルジェム探しも、もしかしたら
 上手く行くかもしれないね」

ほむら「・・・・・・」チラッ

さやか「それでさ・・・もし良かったらなんだけど、
 アタシも連れていって貰えるかな?」

マミ「どうして急に?」

さやか「んー・・・まあ何、心境の変化って言うのかな・・・?」

杏子「・・・遊び半分で首つっこむワケじゃないんだよ」

さやか「遊び半分で行こうとしているわけじゃない」

ほむら「・・・・・・」

杏子「それなら、どういう事だか言ってみろよ」

まどか「ちょっと、杏子ちゃん・・・」

さやか「・・・・・・」

ほむら「・・・はぁ・・・」
204 :[saga]:2011/07/03(日) 17:26:16.43 ID:f78h354d0
ほむら「連れていってあげましょう」

杏子「話が見えねぇのがイラつく。理由を教えな」

ほむら「じきに、美樹さやかの口から話さざるを得なくなるわ。
 それに・・・」

ほむら「ここで時間を取ってしまっては、ビーナスの探検隊が先に
 古き神々の遺跡へ到着してしまうかもしれない。
 私達は、急がねばならないのよ」

杏子「言ってる事はもっともだけどよ・・・」

さやか「ごめん、杏子。アンタ達とはまだ会って間もないのに
 こんなお願いをするのが無茶だとは分かってる。
 伝える気持ちが固まったら、なんて言い方も失礼だけど、
 後で必ず理由を話すから・・・」

杏子「・・・・・・」

マミ「佐倉さん・・・」

まどか「杏子ちゃん・・・」

杏子「・・・納得したわけじゃねぇからな。
 ほむらとみんなに感謝しろよ」

まどか「さやかちゃん!えーと、よろしくね!」

さやか「おう、こう見えても結構やるんだぜ、アタシは!」

マミ「あらあら、それじゃあお手並み拝見と行きましょうか」



ほむら「助け舟を出すのはこれが最後よ」

さやか「・・・分かってる」

ほむら「理由を伝えるのが恥ずかしいとでも考えているの?
 あなたの覚悟に対して、失望させないで」

さやか(そんなんじゃないんだ・・・)
205 :[saga]:2011/07/03(日) 17:26:49.17 ID:f78h354d0
−−− 古き神々の遺跡 跡地 −−−

 その場所の地面は、多くのひび割れが生まれていた。
中でも目を引くひときわ大きい地割れの奥底に、
石造りの階段が見える。

 それは少女達が旅を始めた、最初の世界に存在していた
遺跡と同じ材質のものであった。
穴の上からそれを発見した巴マミが声をあげる。



マミ「みんな、ちょっとあれを見て」

ほむら「・・・明らかに人工物ね」

まどか「あの階段のある所から、遺跡に行けるのかな?
 ・・・それでも、ちょっと深いね・・・」

さやか「んじゃアタシ、様子を見てくるよ。よっと」ヒョイ

杏子「オイ、危ねーぞ!」

さやか「へーきへーき。こういうの慣れてるんだ」



 心配そうに見つめる少女達をよそ目に、
美樹さやかはどんどん穴の奥へと降りていく。
そうして、彼女は目標の階段まで辿りついていた。

 穴の上からは見えない、その階段の先を確認するために
彼女はランプに火を点ける。



さやか「・・・この階段の先に、通路が見えるよ。
 すぐに曲がり角になっててその先は分からないけど、
 迷路みたいになってるんじゃないかな」

ほむら「そう、分かったわ。私達も行きましょう」

まどか「・・・やっぱ降りなきゃ駄目だよね」

ほむら「大丈夫よ。まどかが足を踏み外しても、私が受け止めてあげるから」

まどか(だいじょう・・・ぶ・・・?)

さやか「足場はわりとしっかりしてたから、大丈夫だと思うよ!」
206 :[saga]:2011/07/03(日) 17:27:17.70 ID:f78h354d0
マミ「・・・ふう、わりと簡単に降りれたわね」

杏子「ほら、まどかも来いよー。平気だって」

まどか「ううう・・・」プルプル

ほむら(怯えたまどかをローアングルから眺める。絶景ね)

まどか「キャァァ!」ガラガラ

ほむら「よしk
さやか「まどか!危ない!!」ガシッ

まどか「・・・あ、ありがとう、さやかちゃん・・・」プルプル

さやか「くー、まどかは可愛いねえ!こんなにプルプルしちゃって!」

ほむら(オイィィ!お前は上条恭介が居るだろうがぁぁ!)ギロッ

さやか(や、やばい。めっちゃ睨んでる。
 独断でここに飛び降りたのが気に入らなかったのかな)

さやか「ご、ごめん。勝手なマネしてさ」

ほむら(あら、立場をわきまえてはいるようね。
 まどかの危機を救ったのは事実だし、ここは許してあげましょう)

ほむら「気にしなくていいわ。まどかを助けてくれてありがとう」

マミ「2人して顔を腫らしていた日がウソみたいね。
 案外、気が合うのかしら?」

杏子「アタシの勘は、何かが違うって叫んでる」

ほむら「ともあれ、全員無事に降りれたわね。
 さあ、この先へ進んでみましょうか」
207 :[saga]:2011/07/03(日) 17:27:49.85 ID:f78h354d0
マミ「いまさら、怖くなってきたわ・・・」

ほむら「あら、暗いのが苦手なのかしら?」

マミ「そうじゃなくてね。こんな地下の迷路を歩いている最中に
 また地震が起きたりしたら・・・」

杏子「うわぁぁ、それ考えてなかった。アタシまで怖くなっちゃったよ」

さやか「みんなして生き埋めかー。そして出口のない迷宮を
 アタシ達はゾンビとなってさまようのだぁ・・・」

まどか「さやかちゃん、シャレになってないよそれ・・・」

ほむら「何にせよ、長居をするのは確かに危険ね。
 どんどん進みましょう」



さやか「宝箱、発見!」

杏子「また魔物が潜んでいる宝箱かもしれない。
 みんな、戦う準備はしときなよ」

マミ「それでは美樹さん、それ開けて貰えるかしら?」

ほむら「さりげなく美樹さやかに危険な役を押し付けたわね、巴マミ。
 でも、私もそれに賛成よ」

まどか「みんなひどいよ!さやかちゃんは、私達を手伝ってくれてるんだよ!」

さやか「まどか・・・大丈夫、アタシからお願いして居候してるんだから。
 これくらいの仕事はさせてよ!」

まどか「それじゃお願いね、さやかちゃん!」

さやか「・・・なんでだろう。素直に任せろーって言えない」

杏子(前々から思ってたけど、絶対計算尽くで発言してるよなコイツ・・・)

 − ほのおのたてを 手に入れた −

さやか(ほっ・・・)

まどか「残念だったね、さやかちゃん!」

さやか「いや、コレでいいから!」
208 :[saga]:2011/07/03(日) 17:28:23.04 ID:f78h354d0
ほむら「盾と言えば恒例の・・・」

マミ「・・・・・・」ジーッ

ほむら「・・・・・・」チラッ

マミ「・・・・・・・」ワクワク

ほむら「美樹さやか、あなたは装備に余裕があるでしょう。
 この盾、使わないかしら?」

マミ「・・・・・・」ガーン

さやか「うーん、アタシが盾を持ってても使わないと思うからなぁ・・・
 盾を構える暇があったら、敵を切りつけてるかも」

ほむら「そうよね・・・えいっ」ポイッ

マミ「ゲットだぜ!」ペタッ

杏子「はいはい」ペリペリ

マミ「さようなら、あまり活躍の機会がなかったミスリルの盾・・・」グスッ

まどか「マミさん・・・」グスッ

さやか「・・・泣くところだったの?」グスッ

杏子「様式美みたいなもんさ。マネしなくていいよ」

マミ「あまり使っていないから、そこまでは痛んでいないわ。
 そのミスリルの盾、あげるわよ」

さやか「それじゃあ、せっかくだし頂いておきますね。
 ありがとう、マミさん!」

マミ(・・・マミスリルの盾・・・)

マミ(・・・口には出さないでおこうかしら・・・)

ほむら(ろくでもない事を考えている顔だわ)

まどか「みんな、あそこに何かいるよ・・・」

杏子「コウモリ・・・?いや、飛行型のロボットか?」

ほむら「古代の遺跡を守っているのかもしれないわね。
 ・・・こっちに向かってくるわ」
209 :[saga]:2011/07/03(日) 17:28:49.44 ID:f78h354d0
 シュピーゲルは しゅりゅうだんで
 マミさんを こうげき

マミ「ちょっとぉぉ!」ガバッ

杏子「いつ崩れるかも分からないのに手榴弾なんて・・・!」

 マミさんに 154のダメージ

ほむら「巴マミ、あなたが手榴弾に
 覆いかぶさってくれたおかげで助かったわ。ケアル!」キュイーン

まどか「えーい!」

 まどかは ライトセーバーで
 シュピーゲルを こうげき
 シュピーゲルに 375のダメージ
 シュピーゲルは たおれた

マミ「結構痛かったわ・・・これで一件落着・・・
 って、もう1体!こっちに来ているわよ!」

杏子「マジで危ねぇって!やらせるか!」

 きょうこは 2かいこうげきで
 シュピーゲルを こうげき
 2かい ヒット
 シュピーゲルに 191のダメージ

杏子「あれ?”カラドボルグ”の能力、あんまし強くねぇ」

マミ「どどどうしよう、私は手榴弾を使えないわ」

さやか「これでトドメだぁ!」

 さやかは ミスリルソードで
 シュピーゲルを こうげき
 シュピーゲルに 213のダメージ
 シュピーゲルは たおれた

ほむら「・・・もう続きは来ないようね」

まどか「やったぁ!すごいよ、さやかちゃん!」

さやか「へっへー、どんなもんだい!」

マミ「素晴らしいわ!美樹さんのマ・・・・・・ミスリルソード捌きは!」キリッ
210 :[saga]:2011/07/03(日) 17:29:15.62 ID:f78h354d0
マミ(分かる人には分かってくれるでしょう。
 これだけの高度なネタ、眠らせておくには惜しいわ)

杏子「・・・マミ。今、なんつった?」

マミ「え?」

マミ(リスペクトされているわ。自分の才能が怖い)

マミ「・・・もう、仕方ないわね。マ・・・ミスリルソード捌きと言ったのよ」ドヤッ

ほむら「・・・・・・」チラッ

杏子「マミ、屋上へ行こうぜ・・・
 久しぶりに・・・キレちまったよ・・・」ガシッ

ほむら「・・・・・・」ガシッ

マミ「え?ちょ、ちょっと?」ズルズル



まどか「マミさん・・・私、弱い子で・・・ごめんなさい」グスッ

さやか「・・・これも様式美なの?」

まどか「ううん、これは今回が初かな?」

さやか「あ、そう・・・それにしても、まどかの剣さばきもすごいよね。
 ライトセーバーとミスリルソードじゃ、同じくらいの強さの武器だと
 思っていたんだけどなぁ」

まどか「きっとソウルジェムのおかげだよ。
 私は、素早さのソウルジェムを持っているから」

さやか「これがソウルジェム・・・キレイだね」

まどか「うん。この宝石が秘めている力を、誰にも悪用させたりしない。
 それが私達の旅の目的なんだよ」

さやか「そっか・・・みんな、頑張っているんだね」

まどか「でも、みんなのおかげで楽しい旅なんだよ!
 色んな事があってね。今度、さやかちゃんにも教えてあげるね!」

さやか「うん、楽しみにしとくよ・・・」

まどか(あれ?あんまり聞きたくないのかな?)
211 :[saga]:2011/07/03(日) 17:29:47.89 ID:f78h354d0
マミ「えぐっ・・・ひぐっ・・・」

杏子「ヤキ入れてきた」

まどか「ヤキって・・・杏子ちゃん、マミさんに何をしたの!」

ほむら「手はあげてないわ。執拗に言葉攻めをしただけよ」ファサッ

さやか(・・・マジ泣きじゃん・・・)

マミ「鹿目さぁん・・・最近、みんなが冷たいわぁ・・・」グスッ

まどか(えーと、どうするんだっけ・・・)

まどか「違うんです!みんな、私達のリーダーであるマミさんを
 頼りにしているんです!
 だから、リーダーがうわついた言葉を出した事に・・・その・・・」

杏子(超苦しい)

ほむら(言葉に詰まるまどかマジ天使)

マミ「・・・・・・」

さやか「マミさん?」

マミ「その通りよね・・・リーダーたる私が、
 軽い気持ちで居てはいけないのよ・・・私、やっぱりダメな子だ」グスッ

まどか「それでも頑張ってるマミさんに、私、憧れてるんです!」グスッ

さやか「イイハナシダナー」

杏子「さやか?アンタまでソッチに行っちまうのかい?」

さやか「んー、アタシは中立の立場を取ろうかと・・・」

ほむら「あまり褒められたものではないわ。
 何事でも、ハッキリと決める事が重要よ」

さやか「・・・分かってる。まだアタシがついてきた理由、言ってなかったもんね」

ほむら(あ、そんなつもりで言ったわけじゃなかったんだけど)

さやか「ここから出たら・・・必ず話すよ」

ほむら「・・・そうするのが賢明ね」ファサッ
212 :[saga]:2011/07/03(日) 17:30:23.90 ID:f78h354d0
 襲い掛かる戦闘メカを撃破しながら、少女達は
遺跡を歩いて行く。迷路のように入り組んでいたとはいえ
その遺跡は1本道であり、やがて彼女達は目的へと
辿りつく事が出来た。



杏子「お・・・見ろよ。外の光が差し込んでるぞ」

ほむら「・・・この壁、巴マミの手榴弾で破壊できないかしら?」

マミ「行くわよ・・・ティロ・フィナーレ!」ポイッ



マミ「やっぱり投擲物にティロ・フィナーレは合わないわね・・・」ドーン

まどか「でも、マミさんのおかげで外への出口が作れました!
 やっぱりマミさんは頼りになるなぁ」マドマド

マミ「ふふふ、困った事があったら何でも私に話してね?」

さやか「色々とすげぇ・・・!」

杏子「あれがマミのいい所さ。多分」

ほむら「光が差すまで気付かなかったけれど、
 あそこに宝箱が3つ置いてあるわ」

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

さやか「ソウルジェム・・・」

マミ「ここまでほとんど1本道だったし、もう他にはなさそうね」

杏子「じゃあ、今日はこれで探検は終わりにすっかね」

まどか「ちょっと疲れちゃったしね」

ほむら「美樹さやか。帰りましょう」

さやか「うん・・・そうだ、みんなウチで休んでいきなよ。
 それと・・・みんなに大事な話をしたいんだ」

ほむら「やっと話す気になったのね。それでは、行きましょうか」
213 :[saga]:2011/07/03(日) 17:30:57.50 ID:f78h354d0
−−− 追放者の集落 −−−

さやか「とりあえず、喉かわいたでしょ?飲み物持ってくるね」

杏子「おー、気が利くね!頼むよ〜」

マミ「佐倉さんったら・・・それにしても、こんなに勿体ぶって
 美樹さんはそんなに大事な事を話すの?」

ほむら「私から見れば大した事ではないのだけれどね。
 美樹さやかにとっては、言いにくい事みたい」

まどか「何を言われるのかな・・・ちょっと緊張しちゃうな・・・」

ほむら「少しは覚悟をする必要があるかもしれないわ。
 それでも、美樹さやかの話にみんなは同意をするはずよ」

杏子「覚悟って・・・荒っぽい事になるのなら、あまり乗り気はしないよ」

ほむら「美樹さやかの話を聞いてから、判断して欲しい」



さやか「お待たせ〜。ジャングルで取れる、ココナッツジュースだよ!」

まどか「いただきま〜す」

マミ「ちょっと甘みがあって、さっぱりしてて・・・」

杏子「これウメーなぁ!」

ほむら「うん・・・悪くないわね」



さやか「それでは、みんなに大事な話があります!
 ・・・というより、お願いなんだけれど」

まどか「はい、どうぞ!」

マミ「そんなにかしこまらなくてもいいのよ。ゆっくり話してね」

杏子「ちょっと疲れたから、また寝転がらせてもらうよ」ゴロン

ほむら「佐倉杏子・・・話を聞く時くらい、ちゃんと座りなさい」

さやか「いいよいいよ、私の都合を押し付けるんだから。
 楽に聞いてて欲しいな」
214 :[saga]:2011/07/03(日) 17:31:32.60 ID:f78h354d0
さやか「アタシ・・・上条恭介の事が、すっすす好きです!」

まどか「おー」パチパチ

杏子「潔いねえ、そういうところキライじゃないよ」

さやか「でも、もう恭介には婚約者が居るの。
 けど、アタシは自分の気持ちを伝えるまでは、諦めきれない」

さやか「何とかして、壁の中にもう1度だけ行きたいの。
 でも、アタシはビーナスに追放された身分だから
 すんなりとは中に入れない」

マミ「なんとなく話は見えて来たわ」

ほむら「最後まで話をさせてあげて」

さやか「そうなると、壁の出口の門番をどうにかして、
 無理やりに壁の中に入る必要が出て来る」

さやか「・・・その手伝いをして欲しいって、
 みんなにお願いをしようと思ってた。けれど・・・」



まどか「・・・・・・」

杏子「・・・くかー・・・」

マミ「ちょっと佐倉さん。話の最中に寝るなんて・・・」

ほむら「・・・これは・・・」



さやか「アタシはもうとっくにビーナスに睨まれているから、
 どうなろうと構わない。けれど、みんなはそうじゃない。
 アタシなんかのために、みんなまでビーナスの敵になる必要はない」

マミ「・・・・・・」

ほむら「・・・美樹さやか・・・あなた飲み物に何か入れたわね・・・」



さやか「だから、アタシは1人で壁の中へ行く事に決めたんだ」
215 :[saga]:2011/07/03(日) 17:32:02.48 ID:f78h354d0
まどか「・・・・・・」

杏子「・・・くかー・・・」

マミ「・・・スー・・・」

ほむら「・・・・・・」



さやか「そんな奇麗事を口では言っておきながら」

さやか「みんなが聞こえなくなってから続きを話すアタシは、卑怯者だ」

さやか「みんながどんな思いでこれを集めてきたのか、それすらも知らないのに」

さやか「アタシは、自分の力が足りないと理解している」



さやか「ごめんね・・・みんな・・・」

さやか「私利私欲のためにソウルジェムの力を使うアタシは、もう悪人だよ・・・」

さやか「・・・それでも、諦められないの・・・」



さやか「・・・生きて戻れたら、必ず返すから・・・」

さやか「・・・本当・・・に・・・ごめん・・・」
216 :[saga]:2011/07/03(日) 17:32:39.22 ID:f78h354d0
まどか「・・・・・・」

杏子「・・・くかー・・・」

マミ「・・・スー・・・」



ほむら「・・・・・・!」

ほむら「みんな、起きて!」

まどか「・・・んん・・・」

杏子「・・・アレ、寝ちゃってたのか・・・」

マミ「・・・美樹さんは・・・?」

ほむら「多分・・・ビーナスの街へと向かったんだわ・・・」

杏子「えっと、上条恭介が好きだって言ってて・・・」

マミ「壁の中へ行きたいとまでは聞いたわ・・・」

まどか「さやかちゃんは壁の門を通れるの・・・?」

ほむら「通れるワケがないわ。
 美樹さやかは、力づくで門を突破しようと考えているはず。
 もしくは、下水道の中から街に侵入するか・・・」

マミ「大変・・・!どっちにしろ、1人じゃ危険すぎるわ!」

杏子「すぐに追いかけないと!」

ほむら「幸い、外がまだ夕暮れ前なのを見ると
 そこまで長く眠っていたわけではなさそうね。
 まずはここから近い、壁の門から見に行きましょう」

まどか「うん。急ごう、みんな」
217 :[saga]:2011/07/03(日) 17:33:16.18 ID:f78h354d0
−−− ビーナスの大都会 −−−

 その門に駆けつけた頃には、日はすっかり落ちていた。
少女達は、倒れている2名の門番の姿を目にする事になる。
多少は傷を負っているものの、彼女達が声をかけると
彼らは意識を取り戻していた。



まどか「大丈夫ですか?」

門番A「う・・・青い髪の女の子が・・・」

ほむら「こっちに来ていたのね・・・!」

門番B「くそ、こうしては居られない。すぐに警報を!」

マミ「あ・・・!」



 静止する間もなく、鳴り響くサイレンの音。
それは外部からの侵入者に対する、この街の備えであった。



門番A「お前達、あの女を知っているのか?」

杏子「いいや、しらねー」

門番B「もうすぐ街には警戒網が敷かれる。青い髪の女を見つけたら
 すぐに警官に知らせるように。分かったな?」

ほむら「分かりました。行きましょう、みんな」



ほむら(この門番達の装備品・・・かなりの高級品で身を固めている)

ほむら(それを美樹さやかは、1人で気絶させるだけの余裕があったの・・・?)

ほむら「まさか・・・!」

マミ「どうしたの、暁美さん?」

ほむら「みんな、ソウルジェムの数を数えてみて!」

杏子「・・・あっ!力のソウルジェムが1コ足りねーぞ!」
218 :[saga]:2011/07/03(日) 17:33:52.17 ID:f78h354d0
まどか「そんな・・・さやかちゃんが盗んで行ったっていうの・・・?」

ほむら「状況から見て、そうとしか考えられない」

マミ「なんでそんな事を・・・」

ほむら「・・・きっと1人で責任を背負おうとしているのよ」

杏子「責任?」

ほむら「ビーナスの敵側に立つという責任よ」



まどか「・・・私達を巻き込まないようにするため?」

マミ「だからって・・・こんなの・・・」

杏子「・・・まずは事情を話せってんだよな・・・」

ほむら「私が美樹さやかと喧嘩をした理由、
 なんとなく分かってくれたかしら」



まどか「・・・探し出さないとね」

杏子「言ってわからねぇバカとなりゃ・・・殴るしかないよね」

ほむら「今度こそは、容赦しないわよ・・・美樹さやか」

マミ「穏やかじゃない事を言わないで・・・
 まずは、美樹さんを見つけ出さないと」



 街頭のきらめく街並みを走り出す。
サイレンの音は鳴り続け、街には警官が溢れる。
通行人は、彼らの捜査の妨げにならぬよう
警官に足を止められ、家に帰るように伝えられていた。
219 :[saga]:2011/07/03(日) 17:34:27.82 ID:f78h354d0
女A「今日は遊ぼうと思っていたのに・・・外出禁止とかありえなくない?」

女B「ほんとよね、侵入者とかマジ勘弁」

女A「こんなので明日の結婚式、本当にやるのかしら」

女B「やると言ったらやるからね、ビーナス様」

ほむら「ちょっとごめんなさい」

女A「は?アンタ、誰?」

ほむら「お願い、聞かせて欲しいの。明日の結婚式って誰のかしら?」

女B「この街に居て知らないとか、相当じゃない?
 上条恭介と志筑仁美の結婚式だよ。
 モールの方に行けば、けっこー宣伝しているよ」

女A「あ、アンタ達、きっと冒険者ね。だって服装が汚いもの」クスクス

ほむら「そんな、いくらなんでも結婚式が急すぎるわ・・・」

女B「ウチも急だとは思ったけどさ。
 ビーナス様がそうと決めれば、その日に行事が行われるのがこの街よ。
 アンタ達の住んでいる所じゃ違うわけ?」

ほむら「・・・ありがとう。時間を取らせてごめんなさい」



ほむら「・・・だそうよ」

まどか「どうしよう・・・こんなにお巡りさんがいるんじゃ、
 さやかちゃん見つかっちゃうよ・・・」

杏子「外出禁止令ってなぁ・・・アタシらは外にいて平気なのかね」

マミ「分からないけれど、とりあえずは美樹さんを探さないと」



警官「おい!こんな所で何をしている?」

まどか「あ・・・」

警官「ん・・・お前達は冒険者か。
 ビーナス様から送られてきた書類に、お前達の事は書いてあったぞ」
220 :[saga]:2011/07/03(日) 17:34:54.38 ID:f78h354d0
ほむら「もし良ければ、侵入者を探すのに協力するわ」

警官「それには及ばない。我々には十分な戦力がある。
 それに・・・」

警官「本音を言ってしまえば、外部の人間を信用するわけには行かない。
 お前達もあらぬ疑いをかけられたくなければ、素直に宿に戻るといい」

杏子「・・・どうするよ」ボソボソ

マミ「・・・・・・」

ほむら「・・・分かりました」

警官「聞き分けが良くて助かる。宿までは送って行こう」



警官「ここだな。明日の朝になれば、外出禁止令も解かれる。
 それまでは、ゆっくりしているんだな」

ほむら「ありがとうございました」



まどか「ほむらちゃん、さやかちゃんを探さないの?」

杏子「あんな警官、ちょっと殴れば気絶させられたぜ?」

ほむら「警官があの1人だけであれば、それも良かったかもしれない。
 けれど、それをやってしまえば、私達はこの街中を敵に回すわ」

杏子「ハッ、そんなんにビビってられねーだろ」

マミ「彼らは決して、悪人というわけではないわ。
 自分の街を守るために自分の仕事をしているだけ。
 私達の都合で危害を加えるのもどうかと思うわ・・・」

まどか「でも・・・それじゃあ、さやかちゃんが・・・」

ほむら「・・・今、騒ぎを起こしてしまえば、
 それこそ私達は身動きが取れなくなるわ」

杏子「・・・けどよぉ・・・」
221 :[saga]:2011/07/03(日) 17:35:22.99 ID:f78h354d0
ほむら「今晩の間に美樹さやかがどうなるのか。
 うまく上条恭介と出会い、村に帰っているかもしれない。
 もしかしたら、警官に捕まってしまうかもしれない」

ほむら「村に帰れるようであれば、特に大きな問題はない。
 美樹さやかにお灸をすえて、ソウルジェムを返してもらうだけよ」

ほむら「警官に捕まってしまった場合。その時は、
 美樹さやかが囚われている牢を襲撃して、助け出しましょう。
 そのためには、今ここで騒ぎを起こすのはまずいわ」

まどか「・・・・・・」

杏子「・・・そうするしかねえのか・・・?」

マミ「牢屋の襲撃って言うのも物騒よね・・・
 その後、私達はどうするの?」

ほむら「さて、どうしましょうね。美樹さやかを連れて
 別の世界にでも隠れていましょうか」

まどか「・・・ふふっ」

ほむら「何かおかしかったかしら?」

まどか「ごめんね。ほむらちゃん、色々と考えているようで
 最後が行き当たりばったりだったから・・・」

ほむら「まったく、こうなったのは全部あの子のせいよ。
 何にせよ、きつくお仕置きをする必要があるわ」

杏子「全くだな。とりあえず、そうと決まったら部屋に行こうぜ」

マミ「そうね。今晩はぐっと我慢ね・・・」

まどか「うん・・・」



 じっと眠れぬ夜を過ごす。
朝になれば外に飛び出せるように、
食事と外出の準備だけ済ませた少女達は
ひたすら夜が明けるのを待っていた。
222 :[saga]:2011/07/03(日) 17:35:59.78 ID:f78h354d0
 コン、コン。
少女達の泊まる部屋に響くノックの音。
少しだけ空は明るくなっていたとはいえ、
まだ日も昇っていない時間であった。

 

ほむら「はい?」

女「早朝に失礼します。私はビーナス様の伝令役です。
 本日の上条恭介と志筑仁美の結婚式に、あなた方も出席するよう
 ビーナス様からお達しが出ております」

ほむら「・・・分かりました。結婚式は何時から?」

女「正午には始まります。それまでは、どうぞごゆっくり」



 拡声器に乗った音声が、外出禁止令を解除する事を
知らせていた。窓の外から、朝日が差し込む。
相変わらず、外には大勢の警官の姿も見えていた。



杏子「この様子だと、さやかのヤツ見つかってはいないようだな」

マミ「まだお昼までには時間があるわ。探しに行きましょう」

ほむら「私は上条恭介を当たってみるわ」

まどか「それじゃあ、さやかちゃんが見つかっても見つからなくても
 11時にはここに集合ってことで」
223 :[saga]:2011/07/03(日) 17:36:27.29 ID:f78h354d0
 警官隊が歩いている他には、まだ通行人もまばらな公園。
以前に得意な楽器を演奏していたその場所に、
上条恭介は座り込んでいた。



ほむら「こんなに朝早くに会えるなんてね。色男さん」

恭介「・・・あなたは・・・」

ほむら「美樹さやかは、あなたの前に現われたかしら」

恭介「何だって・・・!それじゃあ、昨日からの侵入者って・・・」

ほむら(この反応、美樹さやかは彼の前にも現われていないようね)

ほむら(・・・この警戒網じゃ、迂闊に動けないか)

恭介「教えて下さい!さやかは、この街に来ているんですか!」

ほむら「声が大きいわ。・・・確かに美樹さやかはこの街に居るはずよ」

恭介「そんな・・・こんな危険を冒してまで・・・」

ほむら「それが彼女の覚悟よ。あなたはそれに応える事が出来るの?」



恭介「・・・もう遅いんだ・・・」

ほむら「そんな言い訳は聞こえないわ。次はあなたが覚悟を見せる番よ」



 そう告げた暁美ほむらは、上条恭介に背を向ける。
彼女だけではなく、残りの3人も同じように
美樹さやかを探していた。



 それは無駄な努力となったまま、結婚式の時間が迫る。
部屋に集合した4人は、互いの報告に肩を落とした後に
宮殿へと向けて歩き出していた。
224 :[saga]:2011/07/03(日) 17:37:10.41 ID:f78h354d0
杏子「なあ、結婚式なんて放っておいてさやかを探そうぜ・・・」

ほむら「美樹さやかの目的を考えれば、
 あの子は必ず上条恭介の前に現われる。
 上条恭介を張っていた方が確実だわ」

マミ「でも、結婚式は宮殿で行われるのよ。
 さすがにそんな危なっかしい事、美樹さんがやるなんて・・・」

ほむら「そこまでの思慮がある人間なら、
 そもそもこんな無謀な事はしていないわ」

まどか「さやかちゃん・・・」



 彼女達は、宮殿内にある式場のドアを開く。

 そこには大勢の聴衆と、立会人のビーナス。

 そして、正装に身を固めた上条恭介と、
ウェディングドレスに身を包む志筑仁美。



ビーナス「やあ、よく来てくれたね。彼らと君達は
 知り合い同士だと上条恭介から聞かされていたんだ。
 彼らの前途を祝福してあげていってよ」

ほむら「・・・・・・」



 全員が無言で席に着く。
祝福をするには、あまりにも冴えない新郎新婦の表情。
そしてこれから起こるかもしれない事態を想像すれば、
少女達が笑ってもいられないのは事実であった。



ビーナス「さて・・・時間だ。始めようか」
225 :[saga]:2011/07/03(日) 17:37:37.75 ID:f78h354d0
ビーナス「上条恭介。君は隣に立つ志筑仁美を、
 一生愛する契約を結びますか?」



恭介「・・・ビーナス様・・・僕は・・・」

ビーナス「二度とは言わないよ、上条恭介」

恭介「・・・・・・」

ビーナス「君はこの神聖かつ美しい結婚式を台無しにするつもりかい?」

恭介「・・・僕は・・・」
226 :[saga]:2011/07/03(日) 17:38:05.34 ID:f78h354d0
http://www.nicovideo.jp/watch/nm11018523

 沈黙が破られる。
式場の外から聞こえてくる、激しい物音と怒声によって。
ビーナスがその視線を出口に向けると同時に、
そのドアは勢いよく開かれる。



さやか「恭介!!」

恭介「さやか!?」

さやか「ビーナス!世の中の全てを、アンタの思い通りにはさせない!」



 美樹さやかはその手に持つ剣を構え、ビーナスに飛び掛る。
対するビーナスの左手には、ソウルジェムと思わしき宝石。

 その宝石は光を放ちながら盾の形へと変化してゆき、
美樹さやかの渾身の一撃を受け止めていた。



さやか「くそっ・・・!」

ビーナス「驚いたかい?
 これが僕の自慢のソウルジェム、”イージスの盾”さ。
 君のような虫けらが、僕に指一本も触れる事は許されない」
227 :[saga]:2011/07/03(日) 17:38:40.80 ID:f78h354d0
 ビーナスは右手に魔力を集中させる。
その赤い魔力の集合体は”ほのお”の能力となって、
自身に襲い掛かった侵入者に対して牙を向く。



さやか「うあぁっ!」

恭介「さやか!」

仁美「さやかさん!」



 身を焦がされながら、吹き飛ばされる美樹さやか。
彼女はその手から、力のソウルジェムを取り落としていた。

 新郎新婦が美樹さやかの下へ駆けつけると同時に、
それをゆっくりと拾い上げたビーナスが言葉を続ける。



ビーナス「ソウルジェムを持っていたのか。
 それでは、宮殿の親衛隊は君に倒されてしまったのかな?
 まったく、こんな物を持つから君のような虫けらが
 思い上がった事をするわけだね。嘆かわしいよ」

さやか「・・・う・・・」

恭介「お願いです、ビーナス様!さやかを許してやって下さい!
 僕は仁美と結婚します!ですからお許しを!」

ビーナス「君は僕に指図をするつもりかい?上条恭介。
 君と志筑仁美の結婚は、もう僕が決めていたのだから
 そのような提案は取引にもならないよ」

恭介「そんな、ただ僕は!・・・お願いです、お許しを・・・」



まどか「さやかちゃん・・・今、助けるよ!」

ほむら「待って」グッ

杏子「何で止めるんだよ!それどころじゃねぇだろ!」

ほむら「お願い、もう少しだけ待って・・・」 
228 :[saga]:2011/07/03(日) 17:41:31.94 ID:f78h354d0
ビーナス「上条恭介、そこをどくんだ。
 身の程を知らない愚か者には制裁を与えなくてはいけない」



恭介「・・・嫌だ!」

仁美「上条君・・・?」

恭介「今、はっきりと分かりました!僕は、さやかを愛しています!
 この結婚式は、もう中止して下さい!」

ビーナス「君は自分が何を言っているのか、理解しているのかい?」

恭介「もうあなたの思い通りにはならない!僕はさやかと壁の外に出ていく!」

ビーナス「そんな事が許されると?ここまでの事を言われても、
 まだ僕は君を壁の外に追放しようとは思っていない」

恭介「何だって・・・?」

ビーナス「君の音楽家としての腕を買っているからだよ。
 今ならまだ許してあげよう。考え直すといい」



恭介「・・・それなら・・・!」

仁美「上条君!やめて!!」



 鮮血。

 美樹さやかの持っていたミスリルソードは、
上条恭介の右手によって握られていた。

 その剣は、彼の左腕に突き立てられていたのだ。
自身の腕を貫き、剣先から血を滴らせて。



恭介「これで僕はもう演奏が出来ない!
 さあ、僕がこの街に居る必要はもうないだろう!
 僕を壁の外に追放してくれ!」



 ╾╾╾╾やれば出来るじゃない╾╾╾╾
229 :[saga]:2011/07/03(日) 17:42:26.97 ID:f78h354d0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250

ビーナス「美しさを自ら破壊するとは・・・
 それは僕に対する重大な反逆だ」

恭介「・・・・・・」

ビーナス「追放なんて生ぬるい。生かしてはおかないよ」



ほむら「待ちなさい!」

まどか「もうやめて!」

杏子「やりすぎだぜ、アンタ」

ビーナス「君達まで僕に逆らうと言うのかい?
 醜いものなんて、この世には必要がないと言っただろう?」

マミ「あなたという人は・・・!」

ビーナス「美しさこそが全てにおいて優先される。
 美しくないものは、淘汰されねばならない」

ほむら「・・・!」ギリッ
230 :[saga]:2011/07/03(日) 17:42:55.87 ID:f78h354d0


「「いまのあんたが いちばん みにくいぜ!」」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira015745.jpg
231 :[saga]:2011/07/03(日) 17:43:29.53 ID:f78h354d0
 佐倉杏子が、続いて鹿目まどかが、
順番にビーナスに突進する。

 佐倉杏子の繰り出した正拳は、
光の盾に阻まれてビーナスまでは届かない。

 それは、鹿目まどかの持つライトセーバーも同じ事であった。



杏子「クソッ!」

ビーナス「さっきの様子を見ていなかったのかい?
 この盾は、君達の醜い攻撃など通さないよ」



マミ「暁美さん・・・!」

ほむら「・・・」コクッ



 続けて、暁美ほむらの”サイコブラスト”の能力が
ビーナスへ向けて襲い掛かる。その衝撃波すらも
まるで水の波紋のように、光の盾は受け流していた。



 それを目くらましとして利用し、高く放り投げられた手榴弾。
空中に残っていた衝撃波の波紋を飛び越えて、
それはビーナスの頭上で炸裂していた。



 ビーナスの頭部から血が流れる。



マミ(銃火器なら、あの盾を抜けられるわ・・・)

ビーナス「僕に傷を付けるなんてね。
 大したものだけど許される事じゃないね」
232 :[saga]:2011/07/03(日) 17:44:05.82 ID:f78h354d0
 ビーナスは盾を宝石の形へと戻し、懐へしまう。
そして、空いた両手に再び魔力を集中させる。

 黒い霧のような魔力はやがて死神の形を作り
巴マミに向けてゆっくりと動き出す。



ほむら「巴マミ!それだけは食らってはダメ!」

マミ「・・・くっ・・・」



 地を蹴ってその場を離れる。
彼女にとって残念な事は、この式場が狭かった事であった。
巴マミの後退は、すぐ背後にあった壁によって阻まれていた。



マミ「あ・・・」



 死神の鎌が、巴マミの体を切り裂こうとする。
ほんのわずかな距離だったとはいえ、その後退のおかげで
ビーナスからの魔力は射程の範囲外となっていた。しかし・・・



マミ「・・・ゲボッ・・・」

まどか「マミさん!」

ビーナス「運が良かったね。かすっただけだし、まだ生きているよ」

杏子「どういう事だ、オイ!」

ほむら「”デス”の魔法よ・・・あれに触れたら、
 私達は文字通り生きてはいられない」



 ビーナスの言葉通り、死神の鎌は巴マミをかすめただけであった。
しかしながら、血を吐きながら痙攣している巴マミの体が
少女達にその威力を証明させていた。
233 :[saga]:2011/07/03(日) 17:44:36.48 ID:f78h354d0
杏子「どうする・・・」

ほむら「あれだけの威力の魔法を連発できるとも思えないわ。
 それに、今のアイツは盾を構えていない。
 こちらがやられる前に、全力を尽くすのよ」

まどか「マミさんを早く治療しないと・・・!」



 暁美ほむらがもう一度、”サイコブラスト”の衝撃波を作り出す。
それを追うように、鹿目まどかと佐倉杏子が突進を開始した。

 今度は、衝撃波はまともにビーナスに着弾した。
それを受けてよろめくビーナスに、ライトセーバーの一撃と
佐倉杏子の2段攻撃がぶつけられる。

 飛びのく少女達の前に、片膝をつくビーナス。
ダメージがある事が、見てとれていた。



ビーナス「・・・さすがにアシュラを倒しただけはあるね。
 その力、利用させて貰うとしよう」



 ビーナスの左手に、魔力が集まる。
それを見て身構える少女達であったが、
今度の魔力は”ほのお”でも”デス”でもなかった。

 その魔力は目に見える紫の光となり、
一瞬だけ輝きを見せる。そしてビーナスの手から消えていった。



杏子「・・・何だったんだ・・・?」

ほむら「こちらに被害は見えないわ。予想通り、
 ヤツの魔力が枯渇しつつあるのよ」



ビーナス「・・・半分は正解だね」

まどか「・・・マミさんを助けなきゃ」
234 :[saga]:2011/07/03(日) 17:45:02.20 ID:f78h354d0
杏子「これで・・・寝ちまいな!」

 

 立ち上がりつつあるビーナスを、
起こさないかのように佐倉杏子が飛び蹴りを入れる。

 ガツン、と大きな音を立ててビーナスは地面に叩き付けられる。
あと少しで倒せる。そう、彼女は確信していた。



杏子「まどかっ!続けぇ!」

まどか「マミさんを助けなきゃ」



 ライトセーバーを突き出し、鹿目まどかは走る。
素早さに特化した装備を持つ彼女の突進は、
いとも簡単にその目標を捕らえる。



 佐倉杏子は、ライトセーバーを背中から突き立てられ
見た目通りの串刺しにされていた。



杏子「・・・なんの・・・マネ・・・だ・・・」

ほむら「まどか!」

まどか「マミさんを助けなきゃ。マミさんを助けなきゃ」



 最後の力を振り絞り、自分に突き立てられた光の剣を抜く。
それが彼女の限界であった。
佐倉杏子はそのまま膝を折り、地面に倒れこむ。



ほむら「杏子!」

まどか「マミさんをマミさんをマミさんをマミさんを・・・」
235 :[saga]:2011/07/03(日) 17:45:33.00 ID:f78h354d0
ビーナス「こんな魔力の使い方だってあるんだよ。
 仲間同士で傷つけ合うなんて、醜いものだね」


 
 体を起こしながら、ビーナスはまたも右手に魔力を集中させる。
美樹さやかを焦がした、”ほのお”の能力。

 自身もその能力を使えるために、その魔力からは
回避する事が不可能だと理解していた。
暁美ほむらは両腕を体の前に組み、少しでも身を守ろうとする。

 そして爆風によって吹き飛ばされる、2人の少女達。



まどか「・・・つぅ・・・ほむらちゃん!」

ほむら「目が覚めたのね・・・ケアルをかけるから待ってて・・・」

まどか「ううん、それはほむらちゃんが自分に使って。
 ほむらちゃんが倒れたら、マミさんも杏子ちゃんも助からない」

ほむら「まどか!待って!」



 制止を聞かずに、鹿目まどかは駆け出す。
あと一撃さえ入れる事が出来れば、ビーナスは倒れる。
その場に居た誰もが、そう考えていた。



まどか(・・・これでっ・・・!)



 ブォン、と振り下ろされるライトセーバーの独特の風切り音。
それは、ビーナスの頭の上から大きく火花を上げていた。



 その左手に再び現われた、イージスの盾によって攻撃を阻まれていたために。
236 :[saga]:2011/07/03(日) 17:45:59.84 ID:f78h354d0
 間髪を入れず、ビーナスは懐から電撃ムチを取り出し、
鹿目まどかに振り付ける。ムチは彼女の体を巻きつけて・・・



まどか「ああああぁぁぁっ!!」


ほむら「まどか!!」



 バチバチと音を立て、肉の焦げる臭いを残し、
鹿目まどかもそのまま床に崩れ落ちていた。



ビーナス「僕をここまで追い詰めるとはね。
 君達の強さは、賞賛に値するよ」



 ビーナスは立ち上がり、ゆっくりと暁美ほむらへと近づく。

 暁美ほむらは、眼前の光景に絶望しつつあった。

 敵は魔力を枯渇させながらも、その近接戦闘の能力を
彼女に見せ付けていたからである。



 最後に一撃だけでも。

 そう彼女が考えた時には、ビーナスの持つムチは
すでに天高く振り上げられていた。
237 :[saga]:2011/07/03(日) 17:46:35.62 ID:f78h354d0
ほむら「っ!」

 

 ヒュン、と耳に聞こえる風切り音。

 続けて、自らの肉体に降りかかる痛みと熱。



 それを覚悟していた暁美ほむらは、
代わりに激しい金属音を耳にする事になる。



 ミスリルの盾を構える美樹さやか。
その盾の上で、火花を上げ続ける電撃ムチ。



ほむら「さやか!!」

さやか「・・・ぐぅぅ・・・!!」



 迷う事なく、暁美ほむらはサイコソードを手に取る。
ほんの少し、意識を集中させて右手に魔力を集める。



ほむら(行け。手を伸ばせば・・・!)
 


 サイコソードが、ビーナスの腹部に突き刺さる。

 ビーナスは、それから動こうとはしなかった。
238 :[saga]:2011/07/03(日) 17:47:03.49 ID:f78h354d0
ビーナス「・・・僕の負け、かな」

ほむら「・・・」

ビーナス「・・・何か言いたそうな顔をしているね」

ほむら「そこまでして求める美に、何の価値があるの?」

ビーナス「美の追求。それが、僕に芽生えた唯一の感情なんだ」

ほむら「・・・何ですって・・・?」

ビーナス「僕は今でも自分が正しいと思っているよ。
 僕は僕である事を守るために、こうして生きてきたんだ」

ほむら「待ちなさい!」

ビーナス「待てだって?君が僕にトドメを刺したんだよ。勝手な事を・・・」



 ビーナスの言葉と一緒に、その肉体も消滅してゆく。

 それは空間に吸い込まれるように消えていった。



 その空間から光が差し出し、ソウルジェムの宝石が
地面にコロコロと転がっていく。

 それをポケットに無造作に突っ込んでから、
暁美ほむらは仲間の治療のために駆け出していた。



 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 氷のソウルジェムを手に入れた −

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

 − ソウルジェム イージスの盾を手に入れた −
239 :[saga]:2011/07/03(日) 17:47:31.66 ID:f78h354d0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4393197

マミ「・・・ゴホッ、ゴホッ・・・」

まどか「マミさん!」

杏子「良かった、間に合って・・・」

ほむら「”デス”が直撃していたらと思うと・・・考えるだけでも恐ろしいわ」

マミ「・・・?」

杏子「どうした?」

マミ「ん・・・なんだろう。夢の中で誰かと話していたような」

ほむら「あんな戦いの最中に夢を見ていられたなんて」

まどか「よかった・・・マミさんが無事でよかった・・・」グスッ

マミ「よしよし、泣かないの」ナデナデ

杏子「あとは・・・」
240 :[saga]:2011/07/03(日) 17:48:01.47 ID:f78h354d0
さやか「恭介・・・なんでこんな事を・・・」

仁美「上条君・・・」

恭介「いつまでも優柔不断な僕への戒めのつもりさ。
 ・・・仁美、こんな事になって・・・本当にごめん」

仁美「いえ・・・上条君が決めた事ですもの。
 私はそれにどうこう言うつもりはありませんわ」

さやか「仁美・・・アタシからも・・・」

仁美「その先を言う必要はないですわ。
 ・・・でも、上条君がさやかさんを見限ったりしたら・・・
 その時は、遠慮なく頂きますわよ?」

さやか「・・・そんな事はさせないよっ・・・!」



ほむら「少しいいかしら?」

さやか「ほむら・・・」

ほむら「上条恭介。剣を抜くわよ」グッ

恭介「〜っ!」

ほむら「・・・ケアル!」キュイーン

仁美「すごい・・・傷が塞がっていく・・・」

ほむら「私は医者というワケではないわ。
 念のために、病院にも行くことね」

さやか「跡は残っちゃうかもね」

恭介「・・・いいんだ。この傷は、今日という日の記念なんだよ」

恭介「この傷を見るたびに思い出すようにするんだ。
 音楽なんかより大事な事を教えてくれた、今日という日を」



ほむら「さて・・・美樹さやか。私の言いたい事は分かっているでしょうね」
241 :[saga]:2011/07/03(日) 17:48:45.39 ID:f78h354d0
さやか「・・・謝っても許されない事をしたって分かってる。
 何でもしてくれよ・・・」

ほむら「いい度胸ね。あなたが泣きを入れるまで止めないわよ」



仁美「暁美さん、何があったか知らないですけれど・・・」

恭介「あの・・・さやかが何をしたか知りませんが、
 許してあげてくれませんか・・・」

さやか「ううん。それだけの事を、アタシはやっちゃったんだ。
 好きにしてくれていいよ・・・」



ほむら「目を瞑って、歯を食いしばりなさい」



 美樹さやかは言われた通りにする。
ぐっと歯を食いしばる彼女の耳に、コツ、コツと近づく足音。



 足音はゆっくりと彼女を通り過ぎ、
やがて式場のドアが開かれる音が届く。

 そこで聞こえた一言。


 
 それを聞いた美樹さやかは
彼女に言われた通りに、泣きを入れて膝から折れる。






 ╾╾╾╾お幸せに╾╾╾╾
242 :[saga sage]:2011/07/03(日) 17:49:18.94 ID:f78h354d0

243 :[saga sage]:2011/07/03(日) 17:52:47.60 ID:f78h354d0
渾身のドット絵 第二弾。絵が描ける人がうらやましいぜ!

>>199
モニターの前で一緒に叫んでね!
>>200>>201
さやかにやどかりんの肉を食べさせたらオクタヴィア化。それはとっても素敵な事かなって。
なんというか、この世界が好きすぎて書きまくってたら異様に長くなったので
やどかりん描写は消しちゃいました・・・ソーリィ
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/03(日) 18:30:43.16 ID:DIm5KN6IO
乙乙だけど…もしかしてさやかの出番終了…?そんなのってないよ!
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/03(日) 22:45:35.41 ID:9cdXpjD/0
だから俺の目からこぼれるソウルジェムはどうすればいいんだ乙ぅ!!
246 :[saga]:2011/07/05(火) 00:28:23.01 ID:9Jval+5R0
 − SaGa2の解説 状態異常について −

SaGa2の状態異常について解説します。


戦闘終了後に回復する状態異常

マヒ
食らうとしばらくのターンは行動不能になります。
わりと敵から受ける事の多い異常ではありますが、
装備品や異常耐性によって防ぎやすい異常でもあります。
メカは初期状態から”○マヒ/どく”の能力を持っているため、
絶対にマヒしません。マヒさんマミマミ。

どく
食らうとターン終了時に割合ダメージを受けます。
大した威力ではないため、基本スルーされがちです。

混乱
食らうと使用武器・能力、攻撃目標が完全ランダムとなります。
敵から受ける機会も多い異常な上、味方攻撃はかなり痛いです。

眠り
食らうとしばらくのターンは行動不能になります。
あまり眠り能力を使う敵が居ないため、影が薄いです。

戦闘不能
HPが0になると戦闘不能となります。
戦闘終了時にHP1で自動復活しますが、
問題は、戦闘中にこれを回復する手段がほとんどない事にあります。



戦闘終了後も残る状態異常

盲目
食らうと武器・物理系能力の命中率が下がります。
結構やらしいですが、放っておいてもどうにかなります。

呪い
食らうと防御力が半減するらしいです。
と言うのも、筆者はこれを受けた記憶が全くありません。
どの敵が使うんだろう・・・

石化
食らうと行動不能になります。
ターンで回復するわけでもなく、一切の行動が行えなくなるため
”金の針”や”ちりょう”の能力で回復を余儀なくされます。嫌らしいです。
247 :[saga]:2011/07/05(火) 00:28:55.96 ID:9Jval+5R0

248 :[saga]:2011/07/05(火) 00:29:45.07 ID:9Jval+5R0
−−− 天の柱 −−−

まどか「ほむらちゃん、すっごいカッコよかった・・・!」

ほむら「そんな事はない。私の意地にみんなを巻き込んで、
 申し訳ないと思ってるわ」

まどか「ううん。あの後、さやかちゃんなんてずっと泣いてたんだよ。
 上条君も仁美ちゃんも、ほむらちゃんにありがとうって」

ほむら「・・・大げさよ」ファサッ

ほむら(まどかの私への好感度が急上昇しているわ。
 私の恋が成就するのも、時間の問題ね)

マミ「それで颯爽と1人でここまで来れたあなたはいいけれど・・・」

杏子「残されたアタシ達の事も考えて欲しかったな・・・
 さやか達を連れて逃げるのに、どんだけ警察に追い掛け回された事か・・・」

まどか「門の外に行くまで大変だったね・・・」

ほむら(・・・忘れていたわ)

ほむら「・・・まどか、詢子さんのお見舞いには行かなくていいの?」

杏子(突っ込みにくい話題で流しやがった・・・)

まどか「あ・・・言い出しにくかったんだけど、行って来ていいかな?」

ほむら「勿論よ」

マミ「もう話せるくらいに回復しているといいわね」

まどか「はい!・・・それと、みんなには悪いんだけれど、
 1人で会いに行ってきてもいいかな?」

杏子「あの世界も、天の柱からすぐ街だったからな。
 危険もないだろうし、いいんじゃないか?」

マミ「親子だけで話したい事もあるでしょうしね。
 行ってきなさいよ、鹿目さん」

まどか「・・・あ」
249 :[saga]:2011/07/05(火) 00:30:14.92 ID:9Jval+5R0
まどか「1人で行ってきたら、みんなと待ち合わせをする場所を
 決めないと・・・」

杏子「そうだな・・・アタシ達は、しばらくビーナスの街には
 近づけないだろうしな」

マミ「それじゃあ、次の世界をちらっと見に行きましょうか。
 そこで最初に見つけた街の宿で、集合ってのはどうかしら?」

ほむら「それがいいわね。まどかが留守の間に、情報集めも
 できるでしょうし」

まどか「ごめんね、私の都合でいろいろと決めちゃって」

杏子「気にすんなって!」



 そうして彼女達は、ドアを開く。次の世界を目指して、
いつものように長い水晶の通路を歩くつもりであった。
だが・・・
250 :[saga]:2011/07/05(火) 00:30:50.55 ID:9Jval+5R0
−−− 天の柱 レースの町 −−−

マミ「え?」

ほむら「・・・天の柱に町が・・・?」

杏子「すげぇな・・・人もちらほらと見えるぞ」

まどか「こんな所で生活してたの・・・?」

ほむら「見て。床だけではなく、建物もみんな水晶造りよ」

マミ「何だか分からないけど、この夜空を見ながら過ごすっていうのも
 心が落ち着きそうね・・・」

ほむら「ともあれ、ちょうど良かったのかもしれない。
 この町の宿に滞在して、まどかの帰りを待ちましょうか」

まどか「うん、ありがとう。この町にも興味あるけど、やっぱり・・・」

マミ「気にする事はないわよ。ゆっくり甘えてらっしゃい」

まどか「もう、そんなのじゃないですよ!・・・それじゃ、行って来るね!」

杏子「あのさ、アタシも途中まで一緒に行っていいかい?」

ほむら「どうしたの、佐倉杏子?」

マミ「分かった。ゆまちゃんが気になるんでしょ」

杏子「あー・・・うん、まあそんなトコロ」

ほむら「それなら、行ってくるといいわよ。
 私達はここで待っているから」

杏子「悪いね、すぐ戻るようにするよ。
 それじゃまどか、行こうぜ!」

まどか「うん!みんな、またね〜」
251 :[saga]:2011/07/05(火) 00:31:22.24 ID:9Jval+5R0
ほむら(何を話そう・・・)

マミ(何を話そうかしら・・・)

マミ「とりあえず、宿に向かいましょうか」

ほむら「そうね」



マミ(部屋に着きました)

ほむら(話すネタがありません)

マミ(なんだろう、私と暁美さんの共通の話題って・・・)ジーッ

ほむら(見られてる・・・このままだとコミュ障認定されてしまうわ・・・)

ほむら「そうだわ。あなたに貰ったサイコソードのおかげで
 ビーナスに勝てたのよ。巴マミ、感謝しているわ」

マミ「あら、そんな事いいのに」

マミ(サイコソードと言えば・・・あの上条君と志筑さん、
 別れ際に私の事を名前で呼ばなかったわね・・・)

マミ(まさか・・・?)

ほむら(何か考えてるわね・・・)

ほむら(あ、レモンティー)ブッ

マミ「・・・何かおかしかったかしら?」

ほむら「別に・・・」ファサッ

マミ(澄ましやがって・・・!)
252 :[saga]:2011/07/05(火) 00:31:52.79 ID:9Jval+5R0
マミ「・・・あ〜あ、暁美さんとでは会話が続かないわ。
 みんなが居てくれれば良かったのに」

ほむら「・・・人の事をコミュ障呼ばわりする資格があるの?
 あなたこそ、佐倉杏子やまどかのように会いに行く人も居ないじゃない」

マミ「それはあなただって同じ事でしょう?
 ここで留守番している時点で、あなたも同類よ」

ほむら「私はビーナスの世界で、美樹さやかと確かな絆を作ったばかりよ。
 すぐに会いに行く必要がないだけだわ」

マミ「人の事を馬鹿にして得た友情があなたの絆というわけ?
 せっかくのこの景色を、あなたのような人と眺めるなんてね」

ほむら「それはこちらの台詞よ。私だって、まどかとこの景色を眺めたかった」



マミ「・・・ガチ」

ほむら「・・・ぼっち」



マミ「・・・」

ほむら「・・・」

マミ「・・・やめましょう、不毛だわ」

ほむら「・・・そうね、忘れましょう」
253 :[saga]:2011/07/05(火) 00:32:46.60 ID:9Jval+5R0
 表面上は仲直りをした2人。
部屋に居ても何も生まれない事に気付いた2人は、
町へ情報を集めに行く事に同意する。


マミ(とはいえ)

ほむら(許しがたいわね)

マミ(なんとかして)

ほむら(あなたに敗北を認めさせたいわ)



マミ「あの、すみません。ここはどういう町なんですか?」

男「ここはアポロン様がソウルジェムの力で作った町さ。
 これから、ここで大きなイベントがあるんだよ」

ほむら「イベント?」

男「そう、この町ではこれからレースが行われるのさ!
 あそこの大きな館にアポロン様が居らっしゃるから、
 そこでレースの参加登録をするといいぜ!」

マミ「はぁ・・・ありがとうございます」


ほむら「レースって?」

マミ「分からないわよ・・・聞きに行ってみましょうか」

ほむら「アポロンってあの胡散臭い男だったわね・・・」



 水晶で作られた、3階建ての館。
周りの建物よりひときわ大きいそれが、
先ほどの男が話していた館なのだと
彼女達はすぐに理解する事が出来た。
254 :[saga]:2011/07/05(火) 00:33:19.23 ID:9Jval+5R0
アポロン「おや、君達かい。ソウルジェム集めは順調かな?」

ほむら「はい、おかげさまで」

アポロン「それは良かった。実はこれからこの町では、
 僕の集めたソウルジェムを賭けてレースが開催される」

マミ「先ほども外で聞きましたが、どのようなレースなんですか?」

アポロン「レースの優勝者には、ソウルジェムが賞品として進呈される。
 たったそれだけの話さ。簡単だろう?」

ほむら「・・・そんなあっさりな事でソウルジェムを・・・」

アポロン「僕には必要がない物だからね」

マミ「でも、こんな場所で開くレースにどれだけの参加者が?」

アポロン「この天の柱に来る事の出来る人間。それは、
 少なからずソウルジェムの力に触れた事のある人間というわけさ」

ほむら「・・・?」



アポロン「知っているかい?そのような人間は3つに分けられる。

アポロン「ガーディアンの人間」

アポロン「君達のような冒険者」

アポロン「ソウルジェムの力に魅入られた人間」

アポロン「この3つだ」



アポロン「あいつは╾╾╾╾

ほむら「辞めなさい。そのネタに私は付いていけないわ」

マミ「カモオオオォォン!」

ほむら「黙れ」
255 :[saga]:2011/07/05(火) 00:33:53.16 ID:9Jval+5R0
アポロン「話を戻そうか。僕がわざわざソウルジェムを集めて、
 こんなレースを開くのには理由がある」

アポロン「ソウルジェムの行き先を、ある程度はまとめておきたいわけさ」

ほむら「・・・?」

アポロン「ソウルジェムを悪用するつもりのない人間こそが
 ソウルジェムを所有するにふさわしい。だからこそ、
 僕はこのような形でソウルジェムを人間に渡すのさ」

マミ「・・・まだ話がよく見えないわ」

アポロン「僕がガーディアンにソウルジェムを手渡せれば、
 全ては丸くおさまるんだけどね。どうも新しい神を名乗る僕は、
 彼らに信用がないらしい。彼らはこれを受け取ろうとしないんだ」

アポロン「だからと言って、ソウルジェムを放置する訳にも行かない。
 先ほど言った通り、これが悪人の手に渡る事を僕は良しとしない」

アポロン「回りくどいようだけど、こうして景品として提示した方が
 都合がいいんだ。理解できるかな?」

ほむら「・・・なるほど」

アポロン「察してくれたようだね。
 ガーディアン達は、この景品のソウルジェムを偽者と思うかもしれない。
 しかし、万が一にも本物であれば悪人の手に渡ってしまう可能性がある。
 それを阻止するために、ガーディアンはこの勝負に乗らざるを得ない」

アポロン「もちろん、君達がレースに勝利しても構わない。
 君達の手に渡っても、君達がこれを悪用しない事は知っているからね」

マミ「もしもレースの優勝者が、ソウルジェムの力を悪用しようとする人物であれば?」

アポロン「こんな事は言いたくないけれど、潰すよ。
 勿論、誰にも知られないようにね。そしてレースを再び開催するだけさ」

ほむら「腹黒いのね」

アポロン「僕は僕の信じる正義のために、手段を選ぶつもりはないよ。
 さあ、どうする?レースに参加していくかい?」
256 :[saga]:2011/07/05(火) 00:34:27.60 ID:9Jval+5R0
ほむら(白黒つけるには・・・)

マミ(ちょうどいいかもしれないわね・・・)

ほむら・マミ「やります」

アポロン「それは良かった。それでは、この契約書にサインを」

ほむら(何故だろう。契約って言葉を聞きたくないわ)サラサラ

マミ(契約書を見ると、結構あぶなっかしいレースなのね)サラサラ

アポロン「契約完了だね。ようこそ、QBレースへ!
 さあ、厩舎に向かうといい。君達が乗るQBを探すんだ」



QB1「僕は最速のQBだよ!僕と契約してよ!」

QB2「僕は2番目に速いQBだよ!僕と契約してよ!」

QB3「僕は3番目に速いQBだよ!僕と契約してよ!」

QB4「僕は4番目に速いQBだよ!僕と契約してよ!」



マミ「4番目にって4匹しか居ないじゃないの・・・」

ほむら「突っ込む所はそこだけじゃないと思うわ。
 これに乗ってレースをしろですって・・・?」

マミ「・・・どのQBにしようかしら」ワクワク

ほむら「・・・お先に決めていいわよ・・・」
257 :[saga]:2011/07/05(火) 00:34:58.22 ID:9Jval+5R0
*************************

ちょっと区切り。QBレースについて解説をします。

*************************
258 :[saga]:2011/07/05(火) 00:36:15.82 ID:9Jval+5R0
 − SaGa2の解説 レースについて −

SaGa2のレースについて解説します。


SaGa2原作においては、ドラゴンに乗ってのドラゴンレースとなっております。
1匹のドラゴンに4人が乗り、他のドラゴンに負けないようゴールを目指します。

レースのコース上には、4種類の中ボスが配置されております。

遅いドラゴンに乗っていると、他のレース参加者がこちらより早く進むため
道中の中ボスと相打ちになっており、主人公PTの戦闘回数が減ります。

早いドラゴンに乗っていると、他のレース参加者を置いていくために主人公PTが
道中の中ボスを余分に相手にする事となり、戦闘回数が増えます。


SaGa2原作では、どのドラゴンを選ぼうが最終的には主人公チームが勝ちます。
それを原作通り正直に書いても面白くないかな・・・と思ったため、
このSSではマミさんvsほむほむのレースバトルにしちゃいました。
どうしても今のうちに描写したい場面もあったりするので。


ルール:
1人乗りのQBにそれぞれが乗って勝負するという設定。

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016087.jpg

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016086.jpg


速いQBに乗った方から順に>>1が実際にゲームで走ります。
259 :[saga]:2011/07/05(火) 00:37:31.28 ID:9Jval+5R0
*************************

というわけで安価。ここのところ乱発気味な安価ですが、
レース終了〜ラストまで、2回の安価を予定してます。

この安価レスを投下したら、多分寝ます。

とりあえず・・・

マミさんはどのQBに乗る?
参考になるのか分からないマミさんステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016099.jpg

1 最速QB
2 2番QB
3 3番QB
4 ビリQB

↓安価 どれかのQBに2票集まるまで、同一ID票無効

*************************
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/05(火) 00:40:11.67 ID:bS3WLC+wo
レースの街といえば、最後まで使えるドラゴンアーマーが買える街



マミさんは鈍重だから、4で
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/05(火) 02:06:00.22 ID:Qipn4AVIO
1
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/05(火) 04:42:57.18 ID:vqELyW3wo
1
263 :[saga]:2011/07/05(火) 07:30:16.22 ID:9Jval+5R0
*************************

朝までに決まっててよかった、マミさんが最速を引くとは・・・
続けてほむほむです。この安価レスを投下したら仕事行きます。

ほむらはどのQBに乗る?
参考になるのか分からないほむらステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016194.jpg

2 2番QB
3 3番QB
4 ビリQB

↓安価 どれかのQBに2票集まるまで、同一ID票無効、マミさんに投票した方もどぞ。

*************************
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]:2011/07/05(火) 08:36:58.78 ID:zBrUoqRC0


それにしてもキュゥべえは色々な役を任されるなwww
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/05(火) 13:07:18.61 ID:9L4uHE3SO
2。よくわからんけど。
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/07/05(火) 13:44:51.07 ID:3Y7jJ7Zyo
3にしてみよう
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/05(火) 20:15:52.14 ID:MZf8R9mIO
4だな
肉の為に敵と戦わなきゃダメだから、ゲームでは最速しか選べなかったけど
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県)[sage]:2011/07/05(火) 20:16:08.87 ID:2Gk9yOkPo
4
269 :[sage saga]:2011/07/05(火) 21:27:58.59 ID:9Jval+5R0
マミさん>最速QB ほむほむ>鈍足QB
なかなか安価が決まらない事に焦りを感じつつも
書けるところまで書いてました。安価要求数多すぎたね!
たぶん明日、遅くて明後日に続きを投下します。

>>244
ニコッ
>>245
ベタすぎるかなぁ・・と思いながらも、ほむ×さやを
少年漫画的ノリで書きたかったので、その反応が嬉しい!
270 :[saga]:2011/07/06(水) 19:52:54.76 ID:wOiReAcd0
*************************

>>256から続き

*************************
271 :[saga]:2011/07/06(水) 19:53:31.94 ID:wOiReAcd0
−−− 天の柱 レース会場 −−−

 それぞれの愛馬(?)を決めた2人は
QBの背に乗り、レース場のスタートラインに立っていた。

 キュップイ、キュップイと騒々しいその場所。
周囲には様々な思惑を込めて、同じように
QBの背にまたがる人間達の姿があった。



マミ「結構、多くの参加者が集まっているのね」

ほむら「とは言っても、10人も居ないようだわ」

マミ「ねぇ、賭けでもしない?」

ほむら「最速のQBに乗れた事で調子に乗っているの?
 レース場には様々な障害が設置してあると、契約書にも書いてあったでしょう」

マミ「問題ないわ。私が1人で障害を全て蹴散らせばいいんだもの。
 それとも、私との勝負は怖いのかしら?」

ほむら「言っていなさい。そうね、私が勝った時には
 あなたには全面的に従属して貰う。それで良ければ賭けに乗るわ」

マミ「奇遇ね、私も同じ事を考えていたの。賭けは成立ね」



マミ(これから行く先々の街で、暁美さんには働いて貰うわ。
 奇跡の英雄、巴マミの武勇伝の語り手としてね・・・
 これが私の脱ぼっち計画よ!)



ほむら(巴マミを利用すれば、まどかに対してアレもコレも出来るわ。
 私の手を汚さずに済むなんて、どれだけ素晴らしいの。
 このチャンス、逃すわけにはいかない・・・)
272 :[saga]:2011/07/06(水) 19:53:57.92 ID:wOiReAcd0
マミ「キュゥべぇ、頑張りましょうね」

QB1「任せてよマミ。僕はこの中で一番速いんだ」



ほむら「死ぬまで走りなさい。走ってから死になさい」

QB4「初対面なのに、どうして僕にそこまで殺意をむき出しなんだい?」

ほむら「あなたを見ていると何故かイラつくのよ」



 やがて会場に、レースの開始を知らせるアナウンスが流される。
選手達を乗せたQBがスタートラインに一列に並ぶ。
キュップイ、キュップイと鳴きながら。


 3

 2

 1

http://www.nicovideo.jp/watch/nm8301286

 スタート!
273 :[saga]:2011/07/06(水) 19:54:30.68 ID:wOiReAcd0
QB1「キュップイ」カサカサカサ

マミ「すごーい!暁美さんより、ずっとはやい!!」

QB1「このまま飛ばして行くよ、マミ!」カサカサカサ

マミ「他の参加者も追いついて来れないわ・・・
 あなたを選んだ私の目に間違いはなかったわね」



ほむら「何よ、あの走り方。気持ち悪い」

QB4「僕達の手足の長さを考えておくれよ。
 こうする他にないじゃないか」ノタノタ

ほむら「口を開く暇があったら走りなさい。サイコソード刺すわよ」

QB4「無意味に体を潰されるのは困るんだよね」ノタノタ

ほむら「そう思うのなら早く行きなさい」

QB4「やれやれ。君とは会話が成り立たないよ」ノタノタ

ほむら「喋っていないで早く行けと言っているの」プス

QB4「キュップイ」カサカサ
274 :[saga]:2011/07/06(水) 19:54:57.06 ID:wOiReAcd0
QB1「マミ、敵が見えたよ!」

マミ「例の障害物として配置されている魔物ね。
 オッケー、わかったわ。今日という今日はソッコーで片付けるわよ!」

QB1「”アダマンタイマイ”が4匹だ!マミ、気をつけて!」

マミ「それっ!」

 マミさんは バズーカで
 アダマンタイマイたちを こうげき
 アダマンタイマイたちに 279のダメージ

マミ「あれ・・・まだ生きてる」

QB「反撃が来るよ!」

 アダマンタイマイは たいあたりで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 74のダメージ

 アダマンタイマイは たいあたりで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 92のダメージ

マミ「いたい、いたい」

 アダマンタイマイは たいあたりで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 98のダメージ

 アダマンタイマイは きばで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 86のダメージ



 マミさんHP 197/546
275 :[saga]:2011/07/06(水) 19:55:30.80 ID:wOiReAcd0
マミ「ちょっと!洒落にならないわよ!」

QB1「大丈夫、先にあと一撃を入れれば君の勝ちだ!」

マミ「信じるわよ・・・ティロ・フィナーレ!」

 マミさんは バズーカで
 アダマンタイマイたちを こうげき
 アダマンタイマイたちに 271のダメージ
 4たい たおした

マミ「勝てた・・・キュゥべぇのアドバイス通りにしたら、勝てたわ!」

QB1「役に立てたようで嬉しいよ」

マミ「でも、こんなのが続くようだと辛いわね・・・
 ハイポーション、ハイポーション・・・あ、あった」グビグビ

QB1「マミには素質があるよ。きっとこの先も、マミなら生き残れるさ」

マミ「何の素質だか分からないわね。ねぇ、このままここで待って
 後続の選手が魔物に突っ込むのを待ってはいけないのかしら?」

QB1「全力で走らないと契約違反だよ。
 契約書をちゃんと読まなかったのかい?」

マミ「そんな事も書いてあったっけかしら・・・
 仕方ないわね、行きましょうか」

QB1「キュップイ」カサカサカサ
276 :[saga]:2011/07/06(水) 19:55:57.56 ID:wOiReAcd0
ほむら「もう周りに誰もいなくなってしまったわ」

QB4「仕方ないよ。僕は鈍足だからね」ノタノタ

ほむら「仕方ない、で済ませるつもりなの?
 あなたの顔からはやる気が感じられないのよ」プス

QB4「痛いよ、暁美ほむら」カサカサ

ほむら「一時的には速くなるけれど・・・すぐに戻るのよね」

QB4「このレースで足が遅いという事は、決して悪い事ばかりじゃないさ」ノタノタ

ほむら「言い訳なんて聞いてないわ。あまりひどいようだと、
 あなたの背中の模様を描き直すわよ。サイコソードで」

QB4「やれやれ、物騒な話だね」

ほむら「嫌なら足を動かしなさい」プス

QB4「キュップイ」カサカサ
277 :[saga]:2011/07/06(水) 19:56:33.01 ID:wOiReAcd0
QB1「マミ!次の敵だ!」

マミ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせてもらうわよ!」

QB1「”ガスト”が7匹だね」

マミ「とても怖い。7匹なんて多すぎるわよ!」

QB1「マミの”バズーカ”は範囲攻撃が可能な武器だ。
 敵の数がどうあれ、全体にいっぺんに攻撃が出来る。
 それに、”ガスト”はマヒ攻撃を得意としているから、
 君なら敵のマヒ攻撃を防げるはずだよ!」

マミ「よーし、今度も信じるわよ!」

 マミさんは バズーカで
 ガストたちを こうげき
 ガストたちに 372のダメージ

マミ「さっきの敵よりは効いているけれど・・・」

QB1「攻撃が来るよ!気をつけて!」

 ガストは きばで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 170のダメージ

 ガストは きばで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 125のダメージ

マミ「いたい、いたい」

 ガストは マヒづめで
 マミさんを こうげき
 マミさんは マヒづめにつよく
 なにも おきなかった
 ×5

 マミさんHP 251/546
278 :[saga]:2011/07/06(水) 19:57:20.92 ID:wOiReAcd0
マミ「マヒ攻撃を連発されなかったらアウトだったわ・・・」

QB1「この敵も、あと一撃を入れられればマミの勝ちだよ!」

マミ「観念しなさい!ティロ・・・」

 ガストは きばで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 128のダメージ

マミ「ちょっ」

 ガストは きばで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 137のダメージ
 マミさんは たおれた

マミ「アッー!」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016541.jpg

 マミさんHP 0/546

QB1「マミがマミった!」
279 :[saga]:2011/07/06(水) 19:58:05.05 ID:wOiReAcd0
ほむら「あら、あれは・・・」

QB4「他の参加者達だね。ここに居た敵にやられてしまったのだろう」ノタノタ



マミ「・・・・・・」

QB1「キュップイ」



ほむら「巴マミが無様に這いつくばっているわ。いい気味ね」

QB4「僕の言った通りだろう。足が遅いというのは、こういう利点もあるのさ」ノタノタ

ほむら「あなたのドヤ顔なんて見たくもないわ。黙って足を・・・」

QB4「はいはい」カサカサ

ほむら「やれば出来るじゃないの」

QB4「ゼー・・・ゼー・・・」ノタノタ

ほむら「・・・これが限度なのね。ほら、頑張りなさい。
 特製のほむクッキーをあげるわ」

QB4「・・・頂くよ」モグモグ

QB4「!!!」ボンッ

ほむら「爆薬入りよ。目が覚めたでしょう」

QB4「君を乗せてゴールしようという気持ちが失せてくるよ、暁美ほむら」ノタノタ

ほむら「ここに魔物が居ないという事は、魔物に勝利して前に進んでいる
 他の参加者が居るという事なのよ。急ぎなさい」チクチク

QB4「キュップイ」カサカサ
280 :[saga]:2011/07/06(水) 19:58:40.74 ID:wOiReAcd0
http://www.youtube.com/watch?v=dEnvXqtZ2fA

−−− ヴァルハラ宮殿 −−−

マミ「・・・ここは・・・?」

オーディン「また会ったね、巴マミ」

マミ「えっと・・・どちら様でしたっけ・・・?」

オーディン「ひどいな、命の恩人を忘れるなんて。
 君がビーナスと戦った時にも、1度会っているだろう?」

マミ「うーん・・・」

オーディン「それならもう1度、君に話してあげようか。
 ようこそ、勇者よ。ここはヴァルハラ宮殿」

オーディン「戦いに敗れた者が死後、ここに来るんだよ」

マミ「・・・私、死んじゃったの?」

オーディン「そういう事になるね。けれど、君達がいつの日か、
 僕と戦う事を誓うのならば、君を生き返らせてあげよう」

マミ「・・・どういう事?」

オーディン「君からの質問は受け付けないよ。答えはYesかNoだ」



オーディン「勇者よ。戦いを続ける勇気を失ってはいないかい?」



マミ「私は・・・」
281 :[saga]:2011/07/06(水) 19:59:17.27 ID:wOiReAcd0
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8301286

−−− 天の柱 レース会場 −−−

マミ「・・・んん・・・」

QB1「おや、目を覚ましたかい?」

マミ「・・・私、どうなっていたの?」

QB1「ここの敵に攻撃されて、殺されてしまったように見えたよ」

マミ「キュゥべぇ、それは冗談でもキツいわよ。
 ・・・でも、誰かと話をしていたような・・・」

マミ「って、なんでここにレースの参加者が倒れているの!」

QB1「君の後から来た人間が、みんな君を倒した敵と戦ったのさ。
 大丈夫、彼らは気絶しているだけだから」

マミ「なら放っておいてもいいか・・・それより、暁美さんは通ったかしら?」

QB1「君と一緒にいた少女だよね?彼女はとっくにここを過ぎていったよ」

マミ「それは大変!急いで追いかけましょう!」

QB1「分かっているよ、マミ。さあ僕の背中に乗るんだ」

マミ「頑張ってね!」

QB1「キュップイ」カサカサカサ
282 :[saga]:2011/07/06(水) 19:59:48.90 ID:wOiReAcd0
ほむら「・・・・・・」

QB4「・・・・・・」ノタノタ

ほむら「・・・・・・」

QB4「・・・また敵に倒された人間が見えて来たよ」ノタノタ

ほむら「そうね・・・」



ほむら「・・・・・・」

QB4「・・・おとなしいね、暁美ほむら」ノタノタ

ほむら「少し刺してもすぐに戻るから。もう諦めたわ」

QB4「そうかい・・・」ノタノタ



QB4(なんだろう、この違和感は)

QB4(何かが物足りないと、僕は感じている)

QB4(まさか・・・?)



ほむら(こんな調子でレースに勝てるのかしら・・・)

ほむら「・・・・・・」プス

QB4「ひぎぃっ!」カサカサ

ほむら「っ!」ビクッ

QB4「・・・・・・」ノタノタ

ほむら「・・・・・・」ビクビク
283 :[saga]:2011/07/06(水) 20:00:21.32 ID:wOiReAcd0
ほむら「・・・・・・」プス

QB4「らめぇっ!」カサカサ

ほむら「っ!!」ビクッ

QB4「・・・ハァハァ・・・」ノタノタ

ほむら「・・・・・・」ガクガク



QB4(・・・これは・・・間違いない・・・)

QB4(・・・ついに・・・)

QB4(・・・僕にも芽生えたんだ・・・!)



QB4「感情というものがね!!」

ほむら「ヒィッ!」

QB4「さあ、もっと僕を刺しておくれよ!暁美ほむら!」

ほむら「・・・その前に足を動かしなさいよ・・・」

QB4「僕の祈りはエントロピーを凌駕した!
 君がっ!刺すまでっ!走る事を始めないっ!!」

ほむら「・・・・・・」ブス

QB4「ヒャッハアァァ!!」カサカサ

ほむら(私は・・・触れてはいけないものに触れてしまったと言うの・・・)
284 :[saga]:2011/07/06(水) 20:00:51.48 ID:wOiReAcd0
マミ「なかなか他の走者が見えないわね・・・」

QB1「見えてきたよ。とは言っても、敵に倒されて転がっているけどね」カサカサカサ

マミ「あら、魔物はここには居ないのね」

QB1「という事は、この先に敵を倒した走者がいるというわけさ」カサカサカサ

マミ「追いつけるかしら?」

QB1「まあ見ていておくれよ。最速の称号は伊達じゃないよ」カサカサカサ



マミ「ちょっと、急カーブよ!」

QB1「急カーブは得意だよ!キュゥべぇだけに!」キョキョキョ

マミ「ドリフト走行・・・!あなた、走りもセンスも只者じゃないわね!」

QB1「僕達は波長が合うのかもしれないね」カサカサカサ

マミ「見ていなさいよ、暁美さん・・・!」

QB1「キュップイ」カサカサカサ
285 :[saga]:2011/07/06(水) 20:01:34.99 ID:wOiReAcd0
ほむら「もう降ろしてちょうだい!」

QB4「そんな事を言わないでおくれよ!暁美ほむら様!」カサカサ

ほむら「あそこに魔物が居るのが見えないの!
 ”ウォッチャー”が3匹も居るのよ!この大馬鹿者!」

QB4「ああ・・・私は愚かな大馬鹿者です・・・」ビクンビクン

ほむら「イヤアァッ!」ダッ

 ほむらは サイコブラストで
 てきぜんいんを こうげき
 ウォッチャーたちに 270のダメージ

QB4「どうして僕もサイコブラストに巻き込んでくれないんだい!」

ほむら「こっちは真剣なのよ!」

QB4「僕だって真剣さ!」

 ウォッチャーは フラッシュアイで
 ほむらを こうげき
 ほむらは めがみえなくなった

 ウォッチャーは フラッシュアイで
 ほむらを こうげき
 ほむらは めがみえなくなった

ほむら(厄介ね・・・しかし、サイコブラストなら目が見えなくたって・・・)

 ウォッチャーは はかいこうせんで
 ほむらを こうげき
 ほむらに 426ダメージ
 1たい たおした

ほむら「アッー!」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016542.jpg

 ほむらHP 0/399

QB4「暁美ほむら様!!」
286 :[saga]:2011/07/06(水) 20:02:03.34 ID:wOiReAcd0
QB1「見えてきたよ!最後の敵だ!」カサカサカサ

マミ「レース参加者もごろごろと・・・あら、暁美さんも寝ているわ」

QB4「暁美ほむら様ぁぁぁ!」

マミ「・・・絶叫しているわ。何があったのかしら」

QB1「僕には理解できないね。何はともあれ、
 レース参加者は全員がこの敵に倒されてしまったわけだ」

マミ「それなら急ぐ必要もなかったわね。
 3匹しか居ないのが幸運だわ。さあ、やっちゃうわよ!」

 マミさんは バズーカで
 ウォッチャーたちを こうげき
 ウォッチャーたちに 245のダメージ

 ウォッチャーは フラッシュアイで
 マミさんを こうげき
 マミさんは フラッシュアイにつよく
 なにも おきなかった
 ×3

マミ「ノーダメージなんて、この勝負もらったわね」

QB1「行けるよ、マミ!」

 マミさんは バズーカで
 ウォッチャーたちを こうげき
 ウォッチャーたちに 259のダメージ

マミ「う・・・2発目でも倒せないなんて」
287 :[saga]:2011/07/06(水) 20:02:52.54 ID:wOiReAcd0
 ウォッチャーは フラッシュアイで
 マミさんを こうげき
 マミさんは フラッシュアイにつよく
 なにも おきなかった

 ウォッチャーは マヒにらみで
 マミさんを こうげき
 マミさんは マヒにらみにつよく
 なにも おきなかった

 ウォッチャーは せきかにらみで
 マミさんを こうげき
 なにも おきなかった

マミ「石化なんて危なかったわ・・・!」

QB1「それでも、あと一撃で倒せるはずだ!頑張って!」

マミ「体が軽い!こんな幸せな気持ちd」

 ウォッチャーは はかいこうせんで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 537のダメージ

マミ「いてえ!」

 ウォッチャーは はかいこうせんで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 514のダメージ
 1たい たおした

マミ「アッー!」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016543.jpg

 マミさんHP 0/546

QB1「ああ!またマミがマミった!」
288 :[saga]:2011/07/06(水) 20:03:23.20 ID:wOiReAcd0
http://www.youtube.com/watch?v=dEnvXqtZ2fA

−−− ヴァルハラ宮殿 −−−

ほむら「・・・ここは・・・?」

マミ「あら、暁美さんも一緒だったのね」

オーディン「・・・また来たのかい、巴マミ」

ほむら「あなたはここが何処だか知っているの?巴マミ」

マミ「ここに来ると思い出せるみたい。生き返ると忘れているけれど」

ほむら「生き返る?」

マミ「私達がここに居るという事は、敵に殺されてしまったという事なの」

ほむら「・・・よくもあっさりと言えるわね」

マミ「大丈夫よ。このオーディンさんが生き返らせてくれるから」

オーディン「そんなに軽々しく扱っては欲しくないね」

オーディン「まあいいか。君達がいつの日か、
 僕と戦う事を誓うのならば、君を生き返らせてあげよう」

オーディン「勇者達よ。戦いを続ける勇気を失ってはいないかい?」



ほむら「私は・・・」
289 :[saga]:2011/07/06(水) 20:03:55.19 ID:wOiReAcd0
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8301286

−−− 天の柱 レース会場 −−−

ほむら「・・・うーん」

マミ「・・・いたたた・・・」

QB1「マミ!無事だったんだね!」

QB4「暁美ほむら様!あなたが戻って来てくれて良かった!!」

ほむら「っ!」ビクッ

マミ「・・・どういう関係を築いたの、あなた達・・・」

ほむら「聞かないでちょうだい。それより・・・」

ほむら「この敵、とても1人で倒せる相手だとは思えないわ。
 ここは手を組まないかしら?」

マミ「あら、奇遇ね。私も同じ事を考えていたの」

ほむら「一時休戦ね」ガシッ

マミ「余計なトラブルは避けたいものね」ガシッ

 ほむらは サイコブラストで
 てきぜんいんを こうげき
 ウォッチャーたちに 270のダメージ

 マミさんは バズーカで
 ウォッチャーたちを こうげき
 ウォッチャーたちに 237のダメージ

ほむら「やはり倒しきれないか・・・!」

マミ「反撃が来るわよ!気をつけて!」
290 :[saga]:2011/07/06(水) 20:04:23.16 ID:wOiReAcd0
 ウォッチャーは フラッシュアイで
 ほむらを こうげき
 ほむらは めがみえなくなった

 ウォッチャーは マヒにらみで
 マミさんを こうげき
 マミさんは マヒにらみにつよく
 なにも おきなかった

 ウォッチャーは はかいこうせんで
 マミさんを こうげき
 マミさんに 501のダメージ

 マミさんHP  45/546
 ほむら HP 399/399

マミ「・・・くぅ・・・」

ほむら「ケアルをかけるわ。しっかり!」

マミ「いえ、どちらかがあと一撃を入れられれば勝てるわ!
 ここは攻撃よ!」

ほむら「・・・分かったわ!」

 ウォッチャーは フラッシュアイで
 マミさんを こうげき
 マミさんは フラッシュアイにつよく
 なにも おきなかった

 ウォッチャーは フラッシュアイで
 マミさんを こうげき
 マミさんは フラッシュアイにつよく
 なにも おきなかった

 ほむらは サイコブラストで
 てきぜんいんを こうげき
 ウォッチャーたちに 251のダメージ
 3たい たおした
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira016544.jpg

 QB4に 292のダメージ

QB4「自分から食らいにいけば良かったんだよ!」ビクンビクン
291 :[saga]:2011/07/06(水) 20:04:57.20 ID:wOiReAcd0
ほむら「やった・・・!」

マミ「って素直に喜べないわよ!なんであのキュゥべぇ、飛び込んできたの!」

ほむら「私にだって分からないわよ!」

QB1「僕にも理解できないよ」

QB4「体に残る暁美ほむら様の魔力・・・あぁ・・・」ビクン

マミ「・・・何か怖いわ」

ほむら「お願いがあるの。あなたのQB1に乗せて・・・」サッ

マミ「もう乗ってるじゃないの!・・・まあいいわ。
 どっちが勝ってもソウルジェムは手に入るしね。
 もちろん、賭けは無効よ?」

ほむら「ええ、構わないわ。早く行きましょう」

マミ「まったく・・・キュゥべぇ4、乗せてもらうわよ?」サッ

QB4「僕から降りろ、雌豚!」ブンッ

マミ「キャッ!」ドサッ

QB4「君には僕の背に乗る資格はない!僕の背に乗れるのは彼女だけだ!」

マミ「ひどい・・・」グスッ

ほむら「豚が私の仲間を豚呼ばわりするの?いい身分ね」

QB4「ああ・・・もっと罵ってくれ・・・」ビクンビクン

マミ「・・・キュゥべぇ1、なんとか2人乗れないかしら?」ビクビク

QB1「僕の背中に2人を乗せる面積があると思うかい?」

ほむら「・・・私の背に乗りなさい、巴マミ。
 一刻も早く、ヤツから逃げるのよ」

マミ「・・・えいっ」ダキッ

ほむら「さあ行きなさい、QB1!」

QB1「やれやれ、どうしてこうなった」カサカサカサ
292 :[saga]:2011/07/06(水) 20:05:27.41 ID:wOiReAcd0
QB4「待ってくれえ!暁美ほむら様!」カサカサ

ほむら「フルネームで呼ばないで!気持ち悪い!」

QB4「じゃあほむら様!」カサカサ

ほむら「様が気持ち悪い!何もかも気持ち悪い!」

QB4「ほむほむ!」カサカサ

ほむら「ほむほむ!」

QB1「ほむほむ!」カサカサカサ

マミ(マミマミ)



QB4「待ってぇぇぇ!」カサカサ
293 :[saga]:2011/07/06(水) 20:05:55.53 ID:wOiReAcd0
ほむら「さすがだわ、QB1。QB4がもうあんなに遠くに」

QB1「僕と彼とではスピード差がありすぎるからね。
 それにしても、暁美ほむら。君はまさか・・・」カサカサカサ

ほむら「・・・何よ」

QB1「彼に一体、何をしたんだい?
 彼に感情を与えたとでも言うのかい?」カサカサカサ

ほむら「あなたに与えるつもりはないわ」

QB1「そうかい。残念だね」カサカサカサ

マミ「キュゥべぇ1はキュゥべぇ1のままでいて・・・」

QB1「マミがそう言うのなら、そうするよ」カサカサカサ



ほむら「見えてきたわ!ゴールラインよ!」

マミ「私達の勝利ね!」

QB1「キュップイ」カサカサカサ



 ゴールイン!!
294 :[saga]:2011/07/06(水) 20:06:25.02 ID:wOiReAcd0
アポロン「おめでとう!2人乗りでゴールなんて想定外だったが
 契約には違反していない。ソウルジェムを受け取ってくれ」

ほむら「早くしなさい!」

アポロン「君にしては珍しくがっつくね」

 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −

 − 防御のソウルジェムを手に入れた −

アポロン「賞品の授与は終わりだ。さあ、表彰式を・・・」



QB4「ほむほむううぅぅ!!」カサカサ



ほむら「うわああぁぁ!」ダッ

マミ「待って、置いていかないで!」ダッ

QB1「またね、マミ!」
295 :[saga]:2011/07/06(水) 20:06:53.28 ID:wOiReAcd0
まどか「やっと戻って来れたね!」

杏子「帰りもまどかと一緒になるなんてな。さーて、アイツらはどこかな・・・」

まどか「あ、ほむらちゃんだ!お〜い!」



ほむら「逃げてぇぇ!」ダダダ

マミ「走りなさい!」ダダダ

まどか「え、ちょっと・・・」

杏子「オイ、インキュベーターだぞ!」



QB4「ほむほむううぅぅ!!待っておくれよぉぉ!」ドドド

杏子「た、只事じゃないな・・・」

まどか「ほむらちゃんとマミさんが尻尾を巻いて逃げ出すなんて・・・」

ほむら「勝ち目はないわ!みんな逃げて!」ダダダ

杏子「・・・ここは一旦引くぞ、まどか!」ダッ

まどか「うん・・・ほむほむって・・・?」ダッ

マミ「私達が聞きたいわよ!」ダダダ

QB4「ほむっ!ほむっほむ!!」ドドド
296 :[saga]:2011/07/06(水) 20:07:33.37 ID:wOiReAcd0
マミ「見えてきたわ!あのドアへ行けば・・・!」ダダダ

ほむら「アポロンの話が本当ならば、ソウルジェムに触れた事のない者は
 ここを通れない・・・!」ダダダ

杏子「アポロンって」ダダダ

まどか「あのアポロンさん?」ダダダ

ほむら「話は後よ!みんな、早く!」バタン

QB4「どうして僕を避けるんだい!ほむほむ!」



http://www.nicovideo.jp/watch/sm8107732



QB4「お願いだよ!開けておくれよ!!」ドンドン

まどか「・・・何だかかわいそうだよ・・・」

杏子「事情は分からないけどさ・・・連れていってやってもいいんじゃない?」

ほむら「絶対に嫌よ!

マミ「・・・ノーコメント」

QB4「ほむほむ!ほむほむうぅ!!」ドンドン



 天の柱。この美しい星空の浮かぶ世界に
悲しい男の叫びだけが響き続けていた。



 ╾╾╾╾ほむほむ╾╾╾╾
297 :[saga]:2011/07/06(水) 20:08:01.39 ID:wOiReAcd0

298 :[sage saga]:2011/07/06(水) 20:12:20.23 ID:wOiReAcd0
本日はここまで。オーディン書きながら思いましたけど
まどか×VPとかって、上手く書けばまどかの設定飲み込みながら行けそうですよね。

>>260 ドラゴンアーマーは神ですよね
>>264 スレタイの通りQBが主役なのかもしれない。
>>265 説明が下手なもので、申し訳なす。
>>267 ウォッチャーのお肉はマミさんが持ち帰りました。杏子ちゃんのお土産に!
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/07/06(水) 20:55:27.78 ID:sp/lTAgzo
体のスペアが切れたあげくほむらに踏まれるのに目覚めてしまったQBさん思い出した
300 :1[sage saga]:2011/07/08(金) 19:31:43.08 ID:I8WCdxjU0
 − SaGa2の解説 ヴァルハラ宮殿について −

SaGa2のヴァルハラ宮殿について解説します。


スクウェアのRPGで戦闘中に全滅してしまうと、
大半がゲームオーバー→タイトル画面へ。
そんなイメージをお持ちではないでしょうか。

SaGa2においては、パーティーが全滅をすると
ヴァルハラ宮殿に飛ばされます。
そこに居るオーディンという人物と
SS内で描写したのとほぼ同じやりとりをして、
パーティーは復活する事が出来ます。無制限に。

復活時には戦闘開始時と同じ状態・HPに戻されるため、
敵からの不意打ちで始まった戦闘などは
わざと全滅→不意打ちを無かった事にして戦闘
などというズルい技も行えます。


ここでヴァルハラ宮殿を描写した理由は、
SaGa2を何度も遊んだ筆者にとっては
全滅のしようがないヌルゲーと化していたからです。

今回のレースにおいて縛りプレイのような事をしたため、
やっとヴァルハラ宮殿を描写する事が出来ました。
301 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:32:31.42 ID:I8WCdxjU0

302 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:32:59.89 ID:I8WCdxjU0
−−− 天の柱 −−−

まどか「それで、どうしてあんな事に・・・?」

マミ「詳しい事は私にも分からないわ。
 私達はただ、レースに出場しただけなのに・・・」

ほむら「私にだって理解できていないわ。
 まどか、この話は忘れてちょうだい」

まどか「う・・・うん・・・」

マミ「ほら、優勝したからソウルジェムも貰えたのよ!」

杏子「おー、すごいじゃないか!
 あんな町にソウルジェムがあったなんてな〜」

マミ「苦労したんだから。そうそう、佐倉さんにはお土産もあるのよ。
 さっき取ってきたばかりだから、まだ新鮮なはずよ」つ肉

杏子「おお、気が利くね!アタシ達は何も用意してないや」モグモグ

ほむら(目玉の魔物の肉って一体どこなんだろう・・・)

ほむら(あ、そうだわ)

ほむら「まどか、詢子さんの容態はどうだったかしら?」

まどか「それがね・・・もう意識は取り戻したみたいなんだけど、
 どこか別の病院に移されちゃったみたいなの」

マミ「どこか?」

ほむら「あの世界にガーディアンの町がある事はバレてしまっているから。
 それに、詢子さんは大佐と呼ばれていたくらいですもの。
 あのままあの場所で治療をするわけにも行かないんでしょう」

まどか「うん、私にもその病院の場所を教えてくれなかったの。
 ガーディアンの色んな人に聞いたんだけどな・・・」

ほむら「それもガーディアンの機密なんでしょうね。
 大丈夫、元気になればまた会えるわよ」

まどか「うん・・・そうだね!」
303 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:33:27.56 ID:I8WCdxjU0
マミ「佐倉さん、ゆまちゃんの様子はどうだったの?」

杏子「何も変わりねーよ。メシ食ってきただけさ」

マミ「いつも通りね」

杏子「いつも通りが一番さ!」

マミ「いつも通りと言えば」



マミ「これで思い知ったでしょう?いつもの変態行為は控える事ね・・・」ボソボソ

ほむら「・・・反論も出来ないわ。自重する事にする・・・」ボソボソ



まどか「マミさーん、ほむらちゃーん。置いてくよ〜」

ほむら「ええ、すぐに行くわ」ファサッ

杏子「何を話してたんだ?」

マミ「あまり聞かなくてもいい内容よ」

杏子「何だよ、気になるじゃないか」

まどか「次の世界へのドアはっけ〜ん!今度は私がいっちば〜ん!」タタッ

杏子「あ、待て!アタシが一番だ!」タタッ
304 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:33:53.19 ID:I8WCdxjU0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

−−− 江戸 −−−

 その世界に入って最初に見えたものは、
水の堀に囲まれ、石垣の上に作られた城。
少女達は、これまでの人生で一度も見たこともない
その建築物に目を奪われていた。



杏子「なんだぁ・・・こんな建物、初めてみるぞ」

マミ「お城・・・なのかしらね」

まどか「うわあ、大きい〜。ねえねえ、行ってみようよ!」

ほむら「どこがこの建物の入り口になるのかしらね・・・」

杏子「この堀を歩いていけば、どこかに橋がかかってるんじゃないか?」



マミ「大きなお堀ね。1周するのにも一苦労だわ」

まどか「見てみて、あそこに橋がかかってるよ!」

ほむら「あそこから入れそうね。行ってみましょうか」



門番「なんだ、お前達は!帰れ帰れ!」

杏子「何だよ〜、見せてくれたっていいじゃねえか!」

ほむら「やめなさい、佐倉杏子。これまで私達が見てきた宮殿が
 無用心すぎたのよ。このくらいの警備は当たり前だわ」

門番「あんまりウロウロしていると引っ捕らえるぞ!」

マミ「行きましょう、あちらに街があったわよ」

まどか「残念だなぁ・・・仕方ないか」
305 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:34:28.27 ID:I8WCdxjU0
−−− 城下町 −−−

マミ「見たこともない街並みだわ・・・」

まどか「街の人たちもなんていうか・・・独特だよね」

杏子「男の人の髪型が・・・アレ、この世界での流行りなのかね」

ほむら「男性だけではないわ、女性も特徴的よ。
 もう、この世界は他の世界とは全然違う文化なのね」

マミ「さすがにレースからここまで続けて来て疲れたわ。
 情報集めは明日にして、今日は宿でお休みしてもいいかしら」

ほむら「同感ね。特に精神的に疲れたわ」

まどか「2人とも、ソウルジェムを集めてくれてありがとう」

杏子「それじゃ、泊まれそうなトコを探すか。
 それにしても、どの建物が宿なのか分からない世界だよな」



まどか「宿が見つからないよ〜」

杏子「あれ、マミはどこ行った?」

ほむら「武器屋に置いてきたわ。欲しい物でもあったのか
 目を輝かせて棚から動こうとしなかったんですもの」

杏子「アンタさぁ・・・」

まどか「マミさん迷子にならないといいけど・・・」

天誅組「おう、テメェ!俺達の前に立ちふさがるとはいい度胸だ!」

三人「」ビクッ
306 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:34:56.23 ID:I8WCdxjU0
町人「そんな・・・あっしはただ、橋を渡りたいだけで・・・」

天誅組「ああん?ここに俺達が居るってのに、只で通れるワケがねぇだろ!」



杏子「なんだアリャ。ガラが悪いな・・・」

ほむら「さっきから気になってはいたのよね。
 橋の真ん中で変な連中がニヤニヤしているなと」

まどか「・・・橋を通るだけなのに、なんであんなに怒ってるんだろう」

杏子「ああして金やら何やらを巻き上げるつもりなのさ。
 ヤクザのやりそうなこった」

ほむら「経験者は語る、ね」

杏子「アタシはカツアゲなんてしてねーぞ!」

まどか「助けてあげられないかな」

杏子「やっちまおう。見ていて気分が悪い」

ほむら「それに橋の向こう側にも行きたいわね」



マミ「待ちなさい!」

天誅組「ああん、なんだお前は!」

マミ「悪党に名乗る名などないわ!この巴マミが成敗してくれる!」

天誅組「何を!叩っ切ってくれる!」



ほむら「名乗っているわ。わざわざ屋根の上から威勢良く」

まどか「というか、何でマミさんが・・・しかも覆面被ってるよ・・・」

杏子「前後の状況を見ていないと、どっちが悪人だか分からねーな。
 見ろよ、アレ完全に銀行強盗だぞ」

ほむら「銃まで向けているわね。
 あの銃、巴マミが武器屋でじっと見つめていた物だわ」

まどか「えっと、今はとにかくマミさんを手伝おうよ!相手は5人もいるよ!」
307 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:35:23.91 ID:I8WCdxjU0
マミ「ひとつ!」ビー

天誅組「あべし」

マミ「ふたつ!」ビー

天誅組「たわば」

マミ「みっつ!」ビー

天誅組「ひでぶ」

マミ「よっつ!」ビー

天誅組「ごぶり」



まどか「4人の天誅組が1分ももたずに!」

ほむら「あの銃は”ビームライフル”だったのね」

杏子「そりゃ、刀しか持たない相手を屋根の上から狙撃してりゃあなぁ・・・
 アイツら、必死に登ろうとしてたぜ・・・」



マミ「残るはあなた1人よ。まだ続けるつもりかしら?」

天誅組「うるせえ、降りて来い!汚ぇぞ!」

マミ「どうしてもやるつもりなのね。仕方がない・・・」ジャキッ

天誅組「ひ、ひいぃ!」



織莉子「お待ち下さい!」
308 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:35:49.65 ID:I8WCdxjU0
マミ「?」

天誅組「岡っ引の織莉子か!へへ、助かったぜ・・・」

織莉子「屋根の上のあなた。その格好、異国の方ですね?」

マミ「はい、そうですけれど」

織莉子「ここは将軍様のお膝元。どうか、争い事をやめて
 矛を収めては頂けないでしょうか?」

天誅組「何を言ってやがる!そんな事で済ませるつもりか?
 さっさとアイツを引っ捕らえろよ!」

織莉子「事の原因は、天誅組の皆様にあったでしょう。
 よそからの客人に無理難題を吹っかけたとあっては、
 武士の名折れというものではありませんか?」

天誅組「しかし・・・!」

織莉子「聞き入れて頂けないのであれば・・・」



天誅組「チッ。あまり調子に乗らない事だな・・・」スタスタ



織莉子「お願いをお聞き届け頂き、ありがとうございます」

マミ「いえ、こちらこそ。無益な殺生は好まないわ」

織莉子「そう言って頂けて良かった。あなたと同じく
 世の平和こそが、私の願いでもありますから」

マミ「彼らのような無法者を、どうして捕まえないの?」

織莉子「色々な事情があります。それでは、ご機嫌よう・・・」スタスタ

マミ「・・・・・・」



まどか「おーい、マミさ〜ん」

マミ「あら、鹿目さん。見ていたのね」
309 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:36:26.58 ID:I8WCdxjU0
杏子「大丈夫かい、おっちゃん」

町人「ああ、なんともないよ。全く天誅組のヤツら、
 悪さばっかりしているからなぁ・・・」

ほむら「彼らはいつもあんな調子なのですか?」

町人「ヤツらは越後屋の用心棒なんだ。どういう訳か、
 お奉行様もあいつらを捕らえようともしない。
 おかげで、この江戸の町は滅茶苦茶だよ」

杏子「お奉行?」

ほむら「会話の流れからして、警察のようなものみたいね」

町人「あそこの覆面の姉ちゃんは知り合いかい?」

ほむら「認めたくはないけれど」

町人「おーい!覆面の姉ちゃん、ありがとうな!」

マミ「いーえー!」

町人「じゃ、俺はこれで行くわ。アンタらもありがとよ!」スタスタ



ほむら「で、どういう事なの?」

マミ「え?今回は私のポケットマネーで買ったのよ!
 見てみて、このビームライフル!格好いいでしょう!」

杏子「いや、覆面・・・」

マミ「あ、これ?実はアシュラの塔で見た時から、
 覆面さんをリスペクトしてて・・・ずっと懐に忍ばせていたのよ」

まどか「・・・あの覆面さんって多分、私のm・・・」

マミ「ようやく使える場面が来たから、勢いで被っちゃった!
 どうどう、正義の味方っぽいでしょ?」

ほむら「・・・はい・・・」

杏子「・・・けど・・・」

まどか「・・・皆と居るときは、外してくれると嬉しいなって・・・」
310 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:36:55.73 ID:I8WCdxjU0
ほむら「やっと宿が見つかったわね」

杏子「家の中も不思議なもんだな。床が草を編んだものみたいだぞ」

まどか「ドアも紙で出来ているのかな。転んだりしたら破けちゃいそうだね」

マミ「でも清潔感があって、こういう部屋も私は落ち着くわ」

杏子「さってと、アタシはあんま疲れてないから情報集めにでも行くよ」

ほむら「それなら私も付き合うわ」

まどか「ううん、ほむらちゃんとマミさんは疲れているでしょ?
 ゆっくりしててよ。私達は疲れてなんていないからさ」

マミ「暁美さん、たまにはお言葉に甘えてもいいんじゃない?」

ほむら「・・・そうするわ。確かに疲れたから・・・」

杏子「そんじゃ行ってくるよ。なんか旨いモン見つけたら土産に
 買ってきてやるからな」

まどか「待って杏子ちゃん。マミさん、精霊の鏡を見てもらえませんか?」

マミ「うん、ちょっと待っててね」

− この世界に残るソウルジェムはあと 7 −

マミ「・・・だそうよ」

杏子「ついつい忘れちゃうなぁ、ソウルジェムの数を調べておく事」

まどか「一応、旅の目的はこれだからね」

ほむら「食べる事ばかり考えていたのでしょう。だから忘れるのよ」

杏子「・・・さて、頑張るか、まどか!」

まどか「うん!みんな、行ってくるね〜」
311 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:37:31.17 ID:I8WCdxjU0
男「ソウルジェム?聞いた事もない言葉だね。えげれすの言葉かい?」

まどか「いえ・・・ありがとうございました」



まどか「だめだぁ、みんな知らないってさ」

杏子「・・・・・・」モグモグ

まどか「・・・なにそれ」

杏子「ミタラシダンゴ、だってさ。食うかい?」

まどか「・・・おいしい」モグモグ

杏子「マンジュー、ってのも買ってきたよ」

まどか「・・・これもおいしい!」モグモグ

杏子「で、どうだった?何かいい情報はあったかい?」

まどか「うーん。この世界の王様が”ショーグン”って呼ばれているのと、
 ショーグン様が嫌われているってことくらいしか」

杏子「なんでまた?」

まどか「前のショーグン様の時代には、この街も平和だったんだって。
 今のショーグン様になってから、さっきの人みたいな荒くれ者が増えたって
 みんなが言ってたよ」

杏子「へぇ〜。ひょっとしたら、そのショーグンってのが新しい神になろうと
 ソウルジェムを隠し持っているのかもな」

まどか「でもお城には入れなかったしね。
 見せろ〜ってわけにはいかないよね」

杏子「お菓子屋のおっちゃんは、ここの東にも街があるって
 言ってたよ。ここがダメなら、そっちに行ってみようか?」

まどか「そうした方がいいのかな。宿に戻って、みんなと相談しようか」

杏子「アタシらも今のうちに休んでおくか。
 天の柱をずっと歩いてきて、今もかなり歩かされたし」

まどか(杏子ちゃん、食べてただけじゃない・・・)
312 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:38:06.26 ID:I8WCdxjU0
−−− 日本橋 −−−

 一晩ぐっすり休んだ少女達は、隣にあるという街を目指す。
江戸の城下町から歩き出し、ものの30分ほどで見えたその街。
これまでの経験から、半日近くは歩かされると思い込んでいたために
彼女達はほっとするやら、拍子抜けをするやらであった。



杏子「近っ!」

マミ「あらあら、これじゃ寝起きの散歩にもならないわね」

ほむら「ちょうどいいじゃない。まだ日も高いし、
 このまま情報集めに入りましょう」

まどか「そうだね。また2組に別れて行動する?」

ほむら「私とまどか組、佐倉杏子と巴マミ組で」

まどか「決めるの早いよ、ほむらちゃん」

マミ「以前の言葉を忘れたの・・・がっつきすぎよ」ボソボソ

ほむら「・・・巴マミ、あなたにまどかを譲るわ」

杏子「あたしゃ残りものかい」

まどか「譲るって・・・」

マミ「まぁまぁ。暁美さんなりの覚悟の選択なのよ。
 今回は聞いてあげて」

まどか(何の覚悟・・・?)
313 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:38:33.99 ID:I8WCdxjU0
まどか「城下町に比べて、こっちはあまり通行人もいませんね」

マミ「そうね。1軒1軒、尋ねてみないとダメかしら」

まどか「近くから順番に行ってみようか。ごめんくださ〜い」



織莉子「あら、あなたは・・・?」

まどか(あ、昨日の人だ)

マミ「は、初めまして。ちょっとお伺いしたい事がありまして」

織莉子「初めましてだなんて。昨日の覆面の方でしょう?」

マミ(なんでばれてる・・・!)

まどか(マミさん悔しそう)

織莉子「ええと・・・巴マミさん、でしたよね?」

マミ(なんで名前まで・・・!)

まどか(名乗っていたもんね、大声で)

マミ「私の正体を見破るなんて、只者ではないわね」

織莉子「あらあら。そのような珍しい格好をなさっておいででは、
 私でなくても気付かれますわよ?」

マミ「・・・そうなの?」

まどか「うん・・・」

織莉子「ふふ。立ち話も何ですから、お上がりになってはいかがですか?」
314 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:39:07.61 ID:I8WCdxjU0
まどか「織莉子さん、岡っ引って何ですか?」

織莉子「あなたの住む所では呼び方が違うのかしら?
 言ってみれば、悪い人を捕まえる仕事よ」

マミ「お互いに正義の味方ってわけね」ドヤッ

織莉子「そう言えればいいのだけれど・・・
 私には、そこまで胸を張ってそう自分を名乗れないの」

まどか「どうしてですか?昨日も立派だったじゃないですか」

織莉子「昨日も見ての通り、私達は侍に手が出せないの。
 彼らがどれだけ悪事を働こうとね」

マミ「岡っ引もいろいろと苦労するんですね」

まどか「でも、私達と織莉子さんって同じくらいの歳ですよね。
 どうしてそんな大変なお仕事をされているんですか?」



織莉子「・・・・・・」

まどか「あ・・・ごめんなさい・・・」

織莉子「気にしないで。でも、あまり聞かれたくはない事だったから。
 こちらこそ、ごめんなさいね」



マミ(ちょっと気まずい。流れを変えましょうか)

マミ「織莉子さん、ソウルジェムという宝石を聞いた事がありますか?」

織莉子「残念だけれど、そのような名前の宝石なんて聞いた事も・・・」

織莉子「そうだわ。寺子屋の先生ならば、何か知っているかも」

マミ「寺子屋?」

織莉子「子供達に学問を教えている場所よ。
ここからすぐ近くだから、案内して差し上げますね」

まどか「ありがとう、織莉子さん!」
315 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:39:45.31 ID:I8WCdxjU0
織莉子「ごめんくださいな」

先生「おや、織莉子ちゃんじゃないか。どうしt

キリカ「えっ、織莉子が来たの?」

織莉子「ちゃんと勉強してたのね、キリカ。偉いわ」

キリカ「キミがやれって言わなければ、こんな事はしてないよ」

織莉子「駄目よ、ちゃんと勉強をしないと。
 あなたを1人にしておくと、何をしでかすか心配なんだから」

キリカ「キミはいつも私を子供扱いするんだ。織莉子なんか・・・」

織莉子「嫌い?」

キリカ「だいっ好き!」

織莉子「それなら、ちゃんと勉強をしていなさいね」

キリカ「は〜い。ところで、後ろの2人は?」
316 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:40:12.98 ID:I8WCdxjU0
織莉子「本当はあなたにではなく、先生に紹介しに来たのだけれど。
 鹿目まどかさんと、巴マミさんよ」

まどか「キリカさん、ですね。よろしく!」

マミ「よろしくね、キリカさん」

キリカ「はいはいよろしく!織莉子の友達は私の友達だよっ!」

織莉子「先生、すみませんでした。急に押しかけてしまって」

先生「いや、気にしなくていいさ。そちらの2人が、僕に何か?」



先生「ソウルジェムねぇ・・・僕も聞いた事がないよ」

まどか「そうですか・・・」

マミ「残念ね」

織莉子「先生でも分からない事になると、知っている人は少なそうね」

まどか「どうしよう・・・こんなに情報が集まらないなんて、初めてかも」

マミ「困ったわね。気長に探していくしかないのかしら」

まどか「そうしようか・・・」

織莉子「何か分かったら知らせるから、いつでも私の家に寄ってね」

マミ「はい。織莉子さん、先生、ありがとうございました」

先生「いつでも尋ねておくれよ」

キリカ「バイバーイ!」
317 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:40:44.08 ID:I8WCdxjU0
まどか「はぁ、どうしよう・・・」

マミ「しらみつぶしに聞き込みをするしかないわね・・・」



キリカ「お〜い、客人達。忘れ物だよ」タッタッタ

まどか「あれ、キリカさん」

マミ「忘れ物なんて、私達は寺子屋に荷物を置いていないわよ」

キリカ「違う違う。キミらの忘れ物じゃないんだ」



 きらりと輝く刀が、少女達に向けられる。

 呉キリカの腰に帯刀されていたそれは、彼女達が
瞬きをする間に、その鞘から抜かれていたのだ。



キリカ「忘れ物をしたのは私の方なんだよ」

キリカ「・・・どうしてソウルジェムを嗅ぎ回っているのかな?」



まどか「え・・・どうして・・・」

マミ「ソウルジェムが悪人の手に渡るのを阻止するため。
 それでは納得できる答えにならないかしら?」

キリカ「そう信じるに足る証拠はあるのかい。
 キミ達が、あの宝石の力を利用しないとでも?」

まどか「違います!私達は・・・」

杏子「オイ!何してんだテメェ!」

ほむら「その2人から離れなさい。何者かは知らないけれど、
 私達は容赦などしないわ」
318 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:41:14.86 ID:I8WCdxjU0
 2人の声を聞いた呉キリカは、さっと舞うように
建物の屋根へと飛び上がる。


 
キリカ「1対4じゃ分が悪い。また今度、改めて伺うよ」

杏子「待てよ!話はまだ終わってねぇぞ!」

キリカ「一つ警告しておく」

キリカ「織莉子に近づくな」

ほむら「織莉子?」

まどか「待って、キリカさん!」



マミ「行ってしまったわね」

杏子「誰なんだ、アイツは?」

まどか「キリカさん。さっき会ったばかりの人なんだけど」

ほむら「そんな人間に、襲い掛かられるような事をしたの」

マミ「まさか。けれど、ソウルジェムの事で彼女は私達を誤解していたみたい」

まどか「織莉子さんに事情を話してみようか」

マミ「織莉子さんはソウルジェムを本当に知らないように思えたわ」

杏子「話が見えねえけど、少なくても今のキリカってヤツはソウルジェムを
 知っている様子だったな」

ほむら「知っているだけならまだいいわ。キリカがソウルジェムを集めて
 新しい神になろうとしているのであれば・・・」

まどか「そんな・・・キリカさんはきっと、そんな人じゃないよ。
 マミさんの言う通り、誤解しているだけなんだよ・・・」

ほむら「可能性の話よ。どちらにしろ、キリカを追って
 ソウルジェムの事を聞き出すのが手っ取り早いわ」

杏子「そうするか。よし、追っかけるぞ!」
319 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:41:40.95 ID:I8WCdxjU0
 それからしばらくの間、少女達は街を歩き回る。
しかし、今日着いたばかりのこの街で、
呉キリカの居そうな場所など彼女達は知る由もなかった。



ほむら「見つからないわね・・・」

杏子「お、マミが戻って来たぞ」

マミ「駄目ね。この寺子屋で彼女とは会ったのだけれど・・・」

まどか「それじゃあ、織莉子さんに聞いてみようよ」

マミ「織莉子さんの家に行ってみましょうか」



マミ「ごめん下さい」

織莉子「あら、またいらっしゃい。今度はどうしたの?」

まどか「何度もすみません。キリカさんについて、少し聞きたい事があって・・・」

織莉子「キリカに?」

まどか「いろいろあって、誤解されちゃったようなんです」

織莉子「ごめんなさい。聞いてあげたいのだけれど、
 急ぎの用事があってすぐに出なければならないの」

ほむら「・・・・・・」

織莉子「戻って来てからお話を伺います。それでは駄目でしょうか?」

マミ「岡っ引のお仕事ですか?」

織莉子「あなた方には関係のない事です。では申し訳ありませんが、これで・・・」
320 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:42:13.04 ID:I8WCdxjU0
杏子「まるで逃げて行くみたいだったな」

ほむら「織莉子とキリカが裏で組んでいる・・・という事は?」

まどか「ほむらちゃん、いくらなんでも怒るよ」

ほむら「・・・行動が不自然だと思わない?」

まどか「2人とも、そんな悪い人じゃないよ・・・」

マミ「はいはい、喧嘩しないの。分からないのなら確かめてみましょうよ」

杏子「アタシも同意見だ。織莉子には今からなら追いつけるからな」

マミ「私は個人的には、織莉子さんは悪い人じゃないと思う」

ほむら「あんなに必死に走って、どこに行こうと言うのかしら?」

杏子「分かんねぇから確かめに行くんじゃないか」

まどか「もしかしたら私達も手伝える事があるかもしれない。行こう、みんな」



 街を出てひたすらどこかを目指す織莉子。
もう随分と距離を離されてはいたが、
それでも障害物もなにもないこの平原で、
少女達が織莉子を見失う事はなかった。
321 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:42:45.01 ID:I8WCdxjU0
−−− 貿易船 −−−

杏子「確かにこの港に入っていったよな」

ほむら「間違いないわ。あの船の前に・・・」

まどか「誰かと話しているね」

マミ「あれは・・・天誅組?」



織莉子「どうあっても、通してもらえませんか?」

天誅組「お奉行様の命令ならともかく、たかが1匹の岡っ引に
 どうして中を見せなきゃならねえ?分かったらさっさと帰れや」

織莉子「残念ですけれど、今回は帰るつもりはありません。
 どうしても見せて貰えぬとなれば、力尽くでも・・・!」

天誅組「女子供1人で何が出来る!
 おい、お前ら。コイツをひん剥いちまえ!」



 男が声を上げると、船の中からぞろぞろと出てくる人影。
岡っ引の少女は、倍の年齢はあるであろう大の男達に囲まれていた。



まどか「大変・・・助けに行かないと!」

キリカ「その必要はないよ、客人」



 いつからそこに居たのか、少女達が振り返る前に
呉キリカは前方の天誅組へ向けて走り出す。
その腰に帯びている刀に手を置きながら。

 秒殺。
そうとしか言えない鮮やかな手並みで
彼女は男達を地面に這い蹲らせる。
322 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:43:28.64 ID:I8WCdxjU0
織莉子「キリカ・・・あなた!」

キリカ「大丈夫だよ。キミの言いつけ通り、殺しはしていない」

織莉子「どうしてこう無茶をするの。あなたは剣の腕が立つだけの、普通の子なのよ」

キリカ「なんだい、無茶をするだって。そっくりキミに返すよ、その言葉」

織莉子「私はお父様の無念を晴らすために・・・!」

キリカ「それなら、それを手伝うのが私の役目だよ。キミを危険に晒したりはしない」ダッ

織莉子「キリカ!待ちなさい!」



マミ「織莉子さん!」

織莉子「あなた達まで・・・どうしてここに?」

ほむら「後を付けさせてもらったわ。この船には一体、何があると言うの?」

織莉子「今は話している時間がないわ。急いでキリカを追わなくては」

まどか「それなら私達も手伝います!」

織莉子「・・・・・・」

杏子「嫌だと言っても、勝手に付いていくよ」
323 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:43:55.97 ID:I8WCdxjU0
 その船の中には、人の気配がなかった。
用心棒として雇われていた天誅組は、
皆が気絶して床に転がっていたからである。



マミ「これを全員、キリカさんがやったと言うの?」

杏子「1人で飛び込んで行っただけはあるな」

織莉子「剣の腕だけなら、あの子は誰にも負けないでしょう」

ほむら「それなら、私達が手伝う事もなかったわね」

織莉子「・・・けれど、どれだけ剣が達者であろうと抗えない力もある」

まどか「織莉子さん?」

織莉子「皆さんに少しお話をしましょう。私の父の事です」



織莉子「私の父は、今の私と同じ仕事をしておりました。
 岡っ引より格上の、同心という立場ではありましたが」

織莉子「父はずっと、江戸に蔓延するアヘンの出所を探っていました。
 越後屋の行っている密貿易。それを父は突き止めたのです」

織莉子「しかし、越後屋が裁かれる事はありませんでした。
 父は何度もお奉行様と掛け合っていたのですが・・・」
324 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:44:22.75 ID:I8WCdxjU0
織莉子「・・・ある日、私が目を覚ますと父は床に居りませんでした。
 その日のうちに、川に浮かんでいる父の姿が見つかったのです」

まどか「そんなのって・・・」

織莉子「越後屋を敵に回すというのは、そういう事でした」



織莉子「だからこそ、あなた達もキリカも、ここには連れて来たくはなかった」



杏子「そうすっと・・・」

織莉子「お察しの通り、この船は越後屋の密貿易船です。
 私の集めた情報が正しければ、この船にはアヘンが積まれているはず」

マミ「そこまでして、どうして織莉子さんは戦うの?」

織莉子「父はこの江戸が、アヘンに蝕まれていくのを嘆いていました。
 けれど諦めてもいませんでした。そんな父の口癖をよく聞いたからでしょうか」



織莉子「道が昏いのであれば、自ら陽を灯そう」



織莉子「・・・父が帰らぬ人となった日に、私も心に誓ったのです。
 父の無念を晴らすまでは、この十手を手放さないと」
325 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:44:56.04 ID:I8WCdxjU0
 無言で船内を歩く少女達。
階段を降り、船倉に着いた彼女達は
大量の木箱を目にする事になる。



ほむら「これは・・・」

織莉子「中身は・・・やっぱりアヘンね。間違いないわ」

キリカ「みんな到着したね。さすがに1人では骨が折れたよ」



 腕や足など、体の露出している部分の至る所に切り傷が。
見ているだけで痛そうな状態でありながら、呉キリカは笑顔のままであった。



杏子「テメェいつの間に・・・」

織莉子「キリカ、あなたその怪我・・・!」

キリカ「こんなの怪我のうちに入らないよ」

織莉子「あなたはいつもそう言って!」

ほむら「キリカ、あなたに話があるわ」

キリカ「客人達、休戦をしないかい。今のところ、私達の目的は一緒のはずだよ?」

織莉子「キリカ、あなた・・・」

まどか「キリカさん、聞いて・・・」

キリカ「あ〜、いっぺんに話をされても困るなぁ。今は急ぐべき時ではないかい」



キリカ「事が知れたら、越後屋はすぐに証拠を消しに来るだろう。
 私達は急いでここに役人を連れてくるべきだと思わない?」
326 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:45:30.23 ID:I8WCdxjU0
ほむら「そうやってしらばっくれるつもりなの?」

マミ「キリカさんの言う事も正しいわ。みんなはここに人を連れて来て」

まどか「マミさん?」

マミ「私もここに残るわ。キリカさんとお話をしたいもの」

キリカ「いいのかな、そんな事を言ってしまって。
 1人になった所を襲い掛かるかもよ」

マミ「あら、そんな人には見えないのだけれど?」



織莉子「キリカ、あとでお説教よ。聞きたい事が沢山あるわ」

キリカ「キミの説教なら、喜んで聞くよ」

織莉子「行きましょう、皆さん」

杏子「マミ、気を抜くなよ」

マミ「ええ、分かっているわ。みんなこそ気をつけてね」



キリカ「どういう風の吹き回しだい、客人」

マミ「あなたの私達への誤解を解きたいのが1つと」

マミ「あなたの戦う理由が知りたくなったのよ。
 織莉子さんが戦う理由を、さっき聞かされたから」

キリカ「織莉子がキミ達に話したのか?」

マミ「ええ、とっても立派な志だったわ。
 そんな彼女を手伝っているあなたの事が、気になるの」

キリカ「ふむ」

マミ「どうしてあなたは戦っているの?」
327 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:46:02.02 ID:I8WCdxjU0
キリカ「あまり自分の事を話すのは乗り気がしないね。
 客人の質問への回答を拒否する」

マミ「そう。それなら、こちらの質問はいいかしら。
 なぜ、ソウルジェムの事を守ろうとしているの?」

キリカ「その質問も受け付けない」

マミ「冷たいのね。どうすれば疑いが晴れるのかしら」

キリカ「実のところは、今では客人をそこまで疑っていない。
 キミは私と戦うためでなく、対話をするためにここに残っているからね」

マミ「言ったでしょう、お話がしたいだけだって」

キリカ「けど、キミ達がソウルジェムをどう扱おうと、それは私にとって些細な事だ」

マミ「それはどういう事?」

キリカ「答える義務はないよ」



キリカ「ただ、まぁ、その。あれだ」

マミ「?」



 痛みを感じた時には、もう遅かった。
目にも止まらぬ速さで、刀の柄が巴マミの首筋をとらえる
かろうじて意識は保っていたものの、彼女は声を出す事が出来なかった。

 

マミ(どうして・・・)



 追加の一撃が加えられる。その衝撃により、
巴マミの繋ぎとめていた意識は断ち切られてしまう。
328 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:47:00.93 ID:I8WCdxjU0
−−− 奉行所 −−−

織莉子「お奉行様。越後屋の船には、アヘンが積まれていました」

奉行「そうか、でかしたぞ織莉子。おい、そこのお前。人を連れて船を調べて参れ」

同心A「はっ!」

奉行「そっちのお前は、越後屋を引っ立てて参れ」

同心B「引きずってでも連れて参ります」



奉行「ついに父上の仇が取れるな。ヤツもあちらでさぞ喜ぶであろう」

織莉子「お奉行様、ありがとうございます」

まどか「やりましたね、織莉子さん!」

織莉子「ありがとう。みんなには心配をかけてしまったけれど、
 越後屋がお縄につけば、この江戸も明るくなるでしょう」

ほむら「越後屋の用心棒な以上、天誅組も同罪ですものね」

杏子「良かったな、アタシ達はあんま手伝ってもいないけど
 これで一件落着ってワケだ!」



越後屋「ちょwww待てってwww俺なんもしてねーからwww」

同心B「黙ってとっとと歩かんか!」

まどか「あれが越後屋さん?」

ほむら「あの人、城下町の武器屋だわ」

織莉子「間違いないわ。彼が越後屋よ」
329 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:47:42.82 ID:I8WCdxjU0
越後屋「織莉子テメーwww何してくれやがったwww」

織莉子「それは自分の胸に聞いてみたら如何でしょうか?
 もうこれであなたも、年貢の納め時ですわね」

越後屋「それはwwwどうかなwww」

ほむら(何でそこまで自信を持っていられる?)



同心A「ただいま戻りました」

奉行「ご苦労。どうであった?」

同心A「越後屋の船に南蛮の細工品はありましたが・・・アヘンは見つかりません」

織莉子「そんな馬鹿な。越後屋、どこかに隠したのね!」

越後屋「アッシは店から真っ直ぐここまで連れて来られたんだwww
 何か出来るハズねーだろwww」

杏子「テメェ・・・何かしたんだろ!」

越後屋「濡れ衣もwwwいいかげんにwwwして欲しいねwww」

まどか「見張りをしていた仲間が2人いたはずです。
 同心さん、見かけませんでしたか?」

同心A「いや・・・船の中には、誰も居なかったぞ」

ほむら「そんな・・・天誅組だって倒れていたはずよ」

同心A「そう言われてもな。見なかった物は見なかったのだ」

織莉子「・・・・・・」



奉行「越後屋、すまなかったな。離してやれ」

同心B「ハッ・・・」

越後屋「なーにwwwお上のためならwww
 ただ女なんぞに、岡っ引は務まらないのではwww?」
330 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:48:11.01 ID:I8WCdxjU0
織莉子「お奉行様・・・」

奉行「そなたの力にはなりたいが、証拠がなくては捕らえる事が出来ぬ」

織莉子「・・・・・・」

まどか「織莉子さん・・・」

ほむら「キリカと巴マミはどうしたのかしら」

杏子「とりあえず、あの船をもっかい見に行こうぜ。
 ここで考えてても何も始まらねえ」

まどか「うん、行こう。織莉子さんも行きましょう」

織莉子「・・・はい」
331 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:48:46.36 ID:I8WCdxjU0
−−− 貿易船 −−−

岡っ引「織莉子か。残念だったが、本当に何も見つからないんだ」

織莉子「ここに見張りとして2人を残しておいたのですが、
 本当に誰も居ませんでしたか?」

岡っ引「船の中はもぬけの空さ。なんだったら見て貰っても構わない」

織莉子「それでは。みんな、探してみましょう」

岡っ引「おっと、岡っ引の織莉子はともかく、そちらの異国の人には
 ここを通すわけには行かないな。これでも中を調べている最中なんだ」

杏子「いいじゃんか、見せろよ」

織莉子「いえ、皆さんには十分に手伝って頂きました。
 ここは私が2人を探すので、皆さんは私の家に行ってて頂けませんか?」

まどか「でも・・・」

ほむら「他に探すアテもないわ。ここは織莉子さんを信じましょう」

織莉子「それでは行ってきますね」



杏子「どうするよ」

まどか「みんなでバラバラに散って、色んなところを探してみる?」

ほむら「キリカの動向が分からないわ。彼女ほどの使い手と、
 1対1で戦いになる事は避けたい。みんな固まっているべきよ」

まどか「キリカさん、マミさん、どうして・・・」

杏子「仕方ねえな・・・織莉子の家に行くか」
332 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:49:12.22 ID:I8WCdxjU0
−−− 日本橋 −−−

ほむら「確かここが織莉子の家だったわね」

まどか「勝手に入ってていいのかな」

杏子「本人がいいって言ってたからいいんじゃねえか?」



ほむら「ふう。あとは織莉子の帰りを待つばかりね」

まどか「・・・あれ?」

杏子「どうした?」

まどか「ねぇみんな。布団に誰かいるよ」ボソボソ

杏子「ホントだな」ボソボソ

ほむら「留守の家に入って寝ているなんて、怪しいわね」ボソボソ

杏子「何者か知らないけど、油断すんなよ。武器を構えておけ」ボソボソ

まどか「う、うん」ボソボソ

杏子「行くぞ・・・」ボソボソ



杏子「そぉらっ!」バサッ



マミ「くかー」
333 :1[saga]:2011/07/08(金) 19:49:40.61 ID:I8WCdxjU0
ほむら「・・・・・・」

まどか「マミさん・・・?」

杏子「オイッ!!」

マミ「っ!」ビクッ

マミ「あれ、みんな?えっと・・・あれ?」ゴシゴシ

ほむら「あなたの昼寝グセは知っていたけれど・・・まさか違うわよね?」

マミ「なんだろう、首が痛い」

杏子「寝違えたとでも言うつもりかテメェ・・・」

マミ「・・・そうだわ!」

まどか「そうなの?」

マミ「違う違う、キリカさんに攻撃されて・・・」

ほむら「キリカに?」

マミ「ええ。あの船の中で話をしていたら、いきなりね」

杏子「あいつはどうなったんだ?」

マミ「分からないわ。気付いたら、ここで寝ていたんだもの」

杏子「アイツがマミをここまで連れて来たのか?」

まどか「キリカさんが・・・」

ほむら「何の目的があるかは分からないけど、織莉子からも色々と聞く必要があるわね」

杏子「とにかく、マミが無事で良かった。あとは織莉子の帰りを待つか」



 織莉子が戻ってきたのは、日がすっかり落ちた後であった。
室内は薄い灯だけに照らされてはいたが、
彼女の落胆した表情を、全員がハッキリと見て取る事が出来た。

 越後屋を捕らえるだけの証拠品を、掴む事が出来なかったのだ。
334 :1[saga sage]:2011/07/08(金) 19:50:14.86 ID:I8WCdxjU0

335 :1[saga sage]:2011/07/08(金) 19:52:14.09 ID:I8WCdxjU0
本日はここまで。次回はまた3日後くらいに。
>>299
何を言おうと言い訳も出来ないレベルだった。何と言うか、スマン。
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/10(日) 01:59:46.59 ID:Ob7jXLqg0
乙!
337 :[saga]:2011/07/10(日) 21:24:09.82 ID:5WNSeCxX0

338 :[saga]:2011/07/10(日) 21:24:47.44 ID:5WNSeCxX0
織莉子「巴さんが無事だったのは良かったけれど。
 キリカの姿も、アヘンもあの船には見つからなかったわ」

まどか「そうですか・・・」

織莉子「これで越後屋を捕まえるのも、振り出しに戻ってしまった。
 また少しずつ、悪事を暴くネタを集めないと・・・」



マミ「本当に振り出しなの?」

織莉子「お奉行様に見せられるだけの証拠がない事には、
 越後屋をどうにかする事は出来ませんわ」

杏子「アタシ達はあの船の中で確かに見たじゃん。
 証拠ってヤツをさ」

織莉子「けれど、それはどこかに隠されてしまったわ。
 誰の仕業なのか、どこに隠されたのかも分からない・・・」

杏子「なら、それを吐かせに行こうよ。それが手っ取り早い」

織莉子「越後屋はそれを恐れて、天誅組を用心棒として雇っているのよ。
 その人数も並大抵ではない。不可能だわ」

マミ「織莉子さん1人じゃ不可能だったかもしれない。
 けど、今回は私達がついているわよ」

杏子「珍しいな、マミがこんな意見に賛同するなんて」

マミ「荒っぽい事は好きじゃないけどね。
 今日に起きた出来事を、そう簡単に隠せるとは思わない」

織莉子「・・・やるなら早い内がいいということね」

ほむら「それに協力をするのは構わないのだけれど。
 その前に聞かせて欲しい事があるわ」

織莉子「何でしょうか?」

ほむら「キリカの事よ。彼女は私達の敵なの?」

織莉子「・・・あの子は私の大切な友人ですわ。
 味方になる事はあれど、敵になる事なんて」
339 :[saga]:2011/07/10(日) 21:25:20.62 ID:5WNSeCxX0
ほむら「しかし、実際に巴マミはキリカからの攻撃を受けた。
 それをどう説明してくれるの?」

織莉子「巴さん、それは真実なのですか?」

マミ「はい、間違いなく。気絶させられて、この部屋に寝かされていました」

ほむら「これから危険な場所へ向かうと言うのであれば、
 ここでハッキリと聞いておきたい。キリカが私達の背後から襲って来ないのかを」

織莉子「・・・あの子の考えている事は分かりませんが、
 これだけは断言します。あの子が私達を襲うなど、ありえません」

ほむら「・・・・・・」

まどか「あの・・・この話は後にしませんか?」

マミ「私も同感ね。もしもキリカさんが来たら、
 その時には織莉子さんに説得してもらいましょう」

杏子「それで何とかなるんじゃねーか?」

ほむら「・・・納得は出来ないけれど、分かったわ」



まどか「それじゃあ、行こうか!」

織莉子「皆さん、よろしくお願いします」
340 :[saga]:2011/07/10(日) 21:28:06.30 ID:5WNSeCxX0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

−−− 城下町 越後屋の屋敷 −−−

杏子「いよいよだな・・・準備はいいか?」

マミ「待って、みんなにこれを渡しておくわ」

まどか「これは・・・」

ほむら「覆面・・・?」

マミ「え、大事なものよ?」ゴソゴソ



織莉子「お借りします。面が割れるとまずいですからね」ゴソゴソ

ほむら(強盗が2人・・・)

まどか(これじゃ私達が悪役みたい・・・)

杏子「ま、確かにその通りかもな。借りるぜ、マミ」ゴソゴソ

ほむら「・・・・・・」ゴソゴソ

まどか「・・・・・・」ゴソゴソ



マミ「さあ行くわよ。ソウルジェムガーディアン、マミレンジャー!」ドーン

織莉子「ふふふ」

杏子「なんでマミが主役なんだよ!」

ほむら(強盗が5人・・・)

まどか(もう戻れない)
341 :[saga]:2011/07/10(日) 21:28:32.18 ID:5WNSeCxX0
マミ「御用だ御用だ!」

まどか「ちょ、マミさん」

杏子「叫ぶんじゃねえよバカ!」



天誅組「なんだテメェらは!」

マミ「悪・即・斬!」ビー

天誅組「」ドサッ



天誅組「なんだなんだ」ガチャ

天誅組「どうしたどうした」ガチャ

まどか「うわぁ、一杯きたよ!」

マミ「全員やっつけるわ」

杏子「んな無駄な事してどうすんだ!」

織莉子「皆さん、こちらの部屋に!」ガチャ



まどか「あんなに天誅組が来るなんて・・・」

ほむら「騒ぎを起こせば越後屋が逃げてしまうじゃない。
 巴マミ、あなたはどこまで愚かなの」

杏子「あれだけの数を相手にして、能力も武器も弾も持たないだろうが!」

マミ「・・・ごめんなさい」グスッ

まどか(覆面の泣き顔・・・)

ほむら(何とも言えない気分になるわ・・・)

織莉子「あそこの棚から天井裏に抜けられそうだわ。
 ひとまず、そこに身を隠しましょう」
342 :[saga]:2011/07/10(日) 21:29:08.13 ID:5WNSeCxX0
 まだ追手が来ていない事を確認して
全員が屋根裏へと駆け上がり、
5人が上った事を確認してから天井板を嵌め直す。



ほむら「真っ暗で何も見えないわ」

杏子「骨組みから落ちるなよ。
 人が乗ったらこんな板きれの天井、抜け落ちちまう」

織莉子「これからどうしたものかしら」

マミ「あまりゆっくりしていると、越後屋が逃げてしまうわ」

ほむら「あなたがそれを言うの?」

マミ「ごめんなさい」

まどか「でも、ここからなら天誅組に追われずにじっくり探せそうだよ」

杏子「よし、とりあえず動くか」



 木製の天井枠を伝い、ゆっくりと進み出す。
周囲は暗闇であったが、やや離れた場所に
天井板に空いた穴から、一筋の灯が階下の部屋から漏れていた。

 それはすなわち、そこには人がいるという証拠。
その光に近づいて行くにつれ、その部屋に居ると思われる
人間達の会話が少女達の耳に入って来ていた。
343 :[saga]:2011/07/10(日) 21:29:34.35 ID:5WNSeCxX0
越後屋「賊が入り込んでいるようですがwww天誅組が片付けてくれるでしょうwww」

将軍「たりめーだwwwお前らのためにどれだけ俺が努力してるか分かってんのかwww」

越後屋「サーセンwww」

将軍「アヘンの件もそうだぜwww
 町奉行に知られないようにするのは俺だって大変なんだぞwww」

越後屋「マジサーセンwww
 今度から上納金を2倍にしますからwww勘弁して下さいwww」

将軍「ソウルジェム集めには金がかかるからなwww
 町人をヤク漬けにしてwww絞れるだけ絞らねーとなwww」

越後屋「ショウさんもワルっすねwww」

将軍「将軍様に向かってショウさんとか殺すぞwww
 テメェも十分ワルだろうがwwwほwほwほwほwww」



織莉子「そんな・・・越後屋と将軍様がグルだったなんて・・・」

杏子「考えるのは後だ。天井板ブチ抜いて、このまま部屋に突っ込むぞ」

ほむら「ええ。ソウルジェムの事も聞きだす必要があるわ」

マミ「待って」

まどか「マミさん?何を・・・」

マミ「とうっ!」バキッ
344 :[saga]:2011/07/10(日) 21:30:06.68 ID:5WNSeCxX0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14554669

越後屋「何だwwwこの音楽はwww」

マミ「話は全部聞かせて貰ったわよ!」スタッ

将軍「ひえーwww」ダッ

越後屋「ショウさんwww待ってwww」

織莉子「越後屋!観念なさい!」スタッ

杏子「ちっ、逃げ足の速い将軍様だな」スタッ

ほむら「仕方ないわ。コイツを締め上げましょう」スタッ

まどか(みんなよく飛び降りれるなぁ・・・)ビクビク

越後屋「な、何者だwwwおい、誰か・・・」

織莉子「呼ばせはしない!」

 おりこは なげせんで
 えちごやを こうげき
 えちごやに 166のダメージ
 えちごやは たおれた

 − あくのそろばんを 手に入れた −

越後屋「痛いwww返してwww俺のそろばんwww」

ほむら「名前からして悪趣味な武器ね」

杏子「いらねーよ、こんなの」

越後屋「じゃ返せよwww」

杏子「オラよっ!」ブンッ

越後屋「痛ぇwww」ゴツン

マミ「洗いざらい話しなさい。さもないと只じゃ済まないわよ」

越後屋「勘弁して下さいwwwみんなショウさんに言われてやっただけなんだよwww」

織莉子「将軍様が黒幕だったという事なの・・・?」
345 :[saga]:2011/07/10(日) 21:30:55.64 ID:5WNSeCxX0
杏子「このままコイツを連れて行きてーとこだけど・・・」

ほむら「部屋の外には天誅組が待ち構えているでしょうね」

マミ「今度こそ、敵を全て片付けなきゃいけないのかしら」



キリカ「その必要はないよ」

まどか「キリカさん!」

織莉子「キリカ!」



 いまだ天井から降りれずにいる鹿目まどかの隣に
いつの間にか現れていた呉キリカ。
彼女は足場にしている天井枠に縛り付けた縄梯子を部屋に落とす。



キリカ「退路も用意せずに無茶をしたもんだね。こういうのが大事なんだよ」

杏子「キリカ、テメェ何しに来やがった!」

キリカ「ここまでの事をされてしまっては、隠す意味もなくなった。
 ひとまずこの屋敷から脱出しよう、それから全部教えるよ」

ほむら「・・・・・・」

織莉子「キリカ、あなたは一体何を考えているの?」

マミ「今は逃げる事を考えましょう。
 越後屋を連れて行けないのは残念ではあるけれど」



 全員が縄梯子を使い、天井裏へと戻る。
キリカの案内に従って、少女達は越後屋の屋敷から
無事に抜け出す事が出来ていた。
346 :[saga]:2011/07/10(日) 21:31:23.68 ID:5WNSeCxX0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11623150  

−−− 日本橋 −−−

キリカ「みんな無事に戻れて良かった良かった」

織莉子「良かった、で済ますつもり?
 とにかくキリカには聞きたい事が山ほどあるわ」

キリカ「・・・やっぱり織莉子、怒ってるね」

ほむら「怒っているのは織莉子だけではないわ。
 全てを話しなさい」

キリカ「全てねぇ。さてさて、どこから話したものか」

織莉子「まずは巴マミさんにした事から話しなさい」

マミ「いえ、私の事より先に。なぜキリカさんは、船の見張りをしていなかったの?」

杏子「貿易船のアヘンが見つかっていれば全ては解決できていたわけだからな」

キリカ「全ての解決ね。果たしてそうかな。
 私はそう思わなかったから、船の見張りを放棄した」

まどか「どうして?」

キリカ「客人達も見ただろう。越後屋と将軍が繋がっている事は、
 私はもうとっくに知っていたからだよ」



キリカ「どれだけの証拠をあげようが、越後屋は捕まる事がない。
 この江戸の最高権力者が、越後屋を擁護しているのだから」

織莉子「・・・・・・」

キリカ「巴マミを攻撃したのも、それが理由だよ。
 巴マミがあの船に残れば、律儀に見張りの役目を果たしてしまう。
 だから、私が気絶させてここまで運んで来たんだ」

マミ「彼らの悪事を知りながら、黙って見ていたと言うの。
 たとえ少しずつでも、彼らを追い詰める事は出来たのではなくて?」

キリカ「時間さえかければ、それも可能だっただろうね。
 しかし、彼らを失脚させるほど時間をかける事は、実質的に不可能だ」
347 :[saga]:2011/07/10(日) 21:32:05.74 ID:5WNSeCxX0
織莉子「なぜキリカはそう思うの?」

キリカ「織莉子のお父様が身を持って証明してしまったじゃないか」



キリカ「彼らの事を知れば知るほど、織莉子の命は短くなる。
 不可能なんだよ。越後屋を捕まえる事なんて」

マミ「それがあなたの戦う理由なの?」

キリカ「織莉子は立派な志を持っている。それは正義なんだと私は確信している。
 客人達も、自分達の正義のためにソウルジェムを追っているのだろう」

キリカ「けれど、私にも織莉子を絶対に死なせない、という正義があるんだ」

杏子「すると、アンタは織莉子を守るために、織莉子の邪魔をしていたっつーのか?」

キリカ「知られたら嫌われてしまうと思って黙っていたんだけどね。
 もう隠せないから、なにもかも白状しているというわけさ」



織莉子「・・・出て行って」



 その声を聞いた呉キリカは、残念そうな表情を隠そうともしない。
織莉子の声から滲み出る感情が何なのかを確かめようとしていたが、
それを怒りなのだと解釈した彼女は、観念して織莉子の家を出て行く。

 全員がじっと動かない中、巴マミだけが呉キリカを追いかける。
348 :[saga]:2011/07/10(日) 21:32:46.39 ID:5WNSeCxX0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4393197  

マミ「キリカさん!」

キリカ「・・・こう見えても傷心中なんだ。ほっといてくれないかい、客人」

マミ「私で良かったら、お話くらい聞くわよ?」

キリカ「・・・・・・」



キリカ「私は昔、憧れていた人が居たんだ」

キリカ「両親の居ない私は、その人に育てられたようなものだった。
 だから、少しでもその人の手助けをしたくて。私は剣の練習を続けた」

キリカ「ところが、どれだけ私が腕を磨いてもその人は私を認めてくれなかった。
 私は戦いをするには、まだ幼いという理由で」

キリカ「それでも私は食い下がった。
 足手まといにはならないから、連れていけってね」

キリカ「その人はようやく折れて、私をこの江戸まで連れてきたんだ」
 そうして、私は織莉子と出会ったんだよ」



マミ「・・・・・・」



キリカ「当時の私達は、お互いに9つくらいの年齢だった。
 そんなちっぽけな織莉子が、お父様の遺志を受け継ぐ、だってさ」

キリカ「私の育ての親と織莉子とは、心に秘めていた正義感がそっくりだったんだよ。
 そうして織莉子に興味を持った私は、江戸にいる間に何度も織莉子を尋ねた」

キリカ「そうしているうちに、私の憧れの人がこう言ったんだよ。
 織莉子の事が気になるなら、キリカは織莉子を守る盾になれ、って」

キリカ「それが初めて、私が必要とされていると感じ取れた瞬間だったんだ。
 すごく悩んだけれど、それもあって私はこの江戸に留まる事になったんだよ」
349 :[saga]:2011/07/10(日) 21:33:30.54 ID:5WNSeCxX0
キリカ「あれから私の育ての親は、私に会いにも来ていない」

キリカ「けど、それがどうだとも思ってはいないよ。
 なんであの人が私を江戸に置いて行ったのか、今なら分かるんだ」

キリカ「あの人は私を戦場に置く事を良しとせず、私に友人を作ってくれたんだよ。
 いつも一人きりで剣の素振りをしていた私に、かけがえのない友人をね」

マミ「織莉子さんが大好きなのね」

キリカ「好きとかそんな軽々しいものじゃないぞっ!」



キリカ「・・・ちょっと興奮した。ごめん」

マミ「いいえ。あなたがどれだけ織莉子さんの事を想っているか、よく分かったわ」

キリカ「織莉子を守る事が私の生きる意味なんだ」

キリカ「織莉子が危ない橋を渡ろうとしている事は分かっていた。
 だから彼女がその橋を渡る前に、私が橋を崩してしまうのが最善の選択肢なんだ。
 そう思わないかい、客人?」

マミ「その考えを全て否定するつもりはないわ。けれど」



マミ「私達ならば、その橋を渡りきって見せるわ。
 これまでもそうして来たし、これからもきっとそうして行く」
 
キリカ「客人は将軍と戦うつもりかい?」

マミ「ソウルジェムの事を知ってしまった以上、戦うわ」

キリカ「江戸城に侵入なんて、危険なんてものじゃ済まないよ。
 どうしてそこまでするのかな?」

マミ「私達にも、あなたと同じように憧れている人がいるの」



マミ「その人の志のために」

キリカ「・・・・・・」
350 :[saga]:2011/07/10(日) 21:34:01.61 ID:5WNSeCxX0
マミ「私も聞きたいわ。あなたが私達に刀を向けた時、
 あなたがソウルジェムを気にかけていた理由を」

キリカ「織莉子と一緒にいるうちに、気が変わっていったとはいえ」

キリカ「私の育ての親も、ソウルジェムを守る仕事をしていたんだ」

キリカ「だからだろうね。今でもソウルジェムの事は気になるんだ」

マミ「案外、私達の憧れの人って同一人物なのかもね」

キリカ「ふふっ。私もそう思っていたところだよ、客人」



マミ「私達はガーディアンとして、ソウルジェムを将軍から守ってみせる。

マミ「キリカさんは、橋を渡るつもりがあるかしら?」



キリカ「私の力だけじゃ出来ない事だったけれど、客人達となら出来るかもしれない」



キリカ「元ガーディアン、呉キリカ。客人達と行動を共にさせてもらっていいかい?」

マミ「ええ、喜んで」



 2人はぐっと握手を交わす。
巴マミの帰りが遅いのを心配し、探しに来た仲間達は
その光景を目にしていた。

 織莉子だけはその場に居なかったが、
全ての事情を少女達は道すがらに話し合う。
江戸城へ向けて歩きながら。
351 :[saga]:2011/07/10(日) 21:34:29.79 ID:5WNSeCxX0
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8301286

−−− 江戸城 −−−

杏子「マミ、今度こそ大声出すなよ」

マミ「はい・・・」

ほむら「それはともかく、どう侵入しようかしら」

キリカ「まだ将軍もこの城に戻ったばかりだろう。
 警戒が普段と同じように見えるね」

まどか「それはいいんですけれど、どうするんですか?」

キリカ「あまり賢いとは言えないけど、ここは正面突破でっ!」ダッ

杏子「オイ、そんなんでいいのかよ!」ダッ

ほむら「巴マミ2号ね・・・」

マミ(・・・私が1号だっ)ドヤッ



門番「近づくな!ここに来た者は斬れと伝わっている!」

キリカ「命を粗末にしない方がいいよ」

門番「何を・・・」

キリカ「鈍いッ!」ガンッ

門番「」ドサッ
352 :[saga]:2011/07/10(日) 21:35:06.69 ID:5WNSeCxX0
まどか「キリカさんすごいなぁ」

杏子「だからと言って正面から突っ込むなんて・・・」

キリカ「これでも考えてこうしたつもりだよ?」

杏子「そうなのか?」

ほむら「まだ将軍は戻ったばかりで、兵の招集や配置が済んでいない。
 無謀に見える正面突破だけれど、理にかなっているとも言えるわ」

キリカ「ご名答。時間をかければかけるほど、この江戸城の守りは堅くなる」

マミ「とにかく急ぐ必要があるわけね」

まどか「なるほど〜」

キリカ「そういうワケさ。さあ、みんなにも走ってもらうよっ!」
353 :[saga]:2011/07/10(日) 21:35:39.26 ID:5WNSeCxX0
まどか「えっ?」

杏子「どういう事だ、オイ。魔物が城に居るなんて聞いてねえぞ」

キリカ「確かにこれはおかしいね。いつから将軍は城内で魔物を飼うようになったんだ」

マミ「立ちふさがる敵なら、戦うだけよ!」

 マミさんは ビームライフルで
 ファントムを こうげき
 ファントムに 387のダメージ
 ファントムは たおれた

キリカ「それじゃあコッチは貰った!」

 キリカは むらまさで
 ファントムを こうげき
 ファントムに 818のダメージ
 ファントムは たおれた



ほむら「物凄いダメージだわ」

まどか「ソウルジェムも装備しているわけじゃないのに・・・」

杏子「スゲェな、どうしてそんなに強いんだ?」

キリカ「私の力ではなく、この刀の力さ」

マミ「お化けの敵に強い刀なのね」

キリカ「そういうコト。他にも効く相手はいるんだけどね」

まどか「他に効く相手って何ですか?」

キリカ「人間だよ」ニコッ

ほむら「笑顔で言わないで欲しいわ」

キリカ「私は人を殺めたりしないよ。織莉子に言われたからね。ただ・・・」



キリカ「将軍だけは別だよ」
354 :[saga]:2011/07/10(日) 21:36:08.65 ID:5WNSeCxX0
 城内を駆ける少女達。散発的に襲い掛かる魔物がいたが
キリカの言うように、侵入者を待ち構えるほどの数ではなかった。
それらの敵を蹴散らしながら、ひたすらに天守閣を目指す。



キリカ「ちぇっ、行き止まりか」

マミ「宝箱があるわ。せっかくだから開けましょう」

 − ミサイルを 手に入れた −

 − ドラゴンの盾を 手に入れた −

ほむら「この城の雰囲気に合わないハイテク兵器が出たわね」

まどか「マミさん使いますか?」

マミ「ミサイルは弾が少なくて不便そうなのよね。けど、もう片方の・・・」チラッ

まどか「分かってますよ。えいっ」ポイッ

マミ「ゲットだぜ!」ペタッ

杏子「宝箱のおかげでマミの盾がどんどん強化されていくな」ペリペリ

マミ「さようなら、一度も使わなかった炎の盾・・・」グスッ

まどか「マミさん・・・」グスッ

キリカ「ドラゴンの盾は最高級品じゃないか。
 もうこれ以上はないんじゃないかい?」

マミ「みんなは私が守ってみs
ほむら「それがあるのよ。ほら、イージスの盾」

キリカ「すごいソウルジェムを持っているものだね。
 さすがにこれには驚かされたよ!」

杏子「じゃあドラゴンの盾にも出番がないってわけか」

マミ「・・・・・・」グスッ

まどか「マミさん・・・」グスッ
355 :[saga]:2011/07/10(日) 21:36:37.33 ID:5WNSeCxX0
キリカ「この階段を上がれば天守閣だ」

杏子「ついに将軍をやる時が来たな」

ほむら「まどか?」

まどか「あの、なんとかして殺さないで済む方法はないかな・・・」

マミ「鹿目さん、気持ちは分かるけれど」

キリカ「あれを生かしておけば、罪のない江戸の民が余計に死ぬコトになる」

ほむら「殺さずとも、足腰立たないくらいにしてあげて
 改心させるのはどう?」

杏子「それでも将軍が悪さをするようだったら、またこうして忍び込めばいいしな」

キリカ「江戸城の警護を甘く見ないで欲しいね。
 ここまでこんな調子で来れたのは、それこそ奇跡的なコトなんだよ」



キリカ「不確実な方法は取れない。
 私達に2回目のチャンスなんてあるかも分からない。」

キリカ「今日この日までにも、将軍のせいで命を落とした人間は数え切れないほどなんだから」

マミ「織莉子さんのお父様も含めてね・・・」

キリカ「そういう事。私の私怨も大いに含んでいるだろうけれど、
 私は将軍を許すつもりなんてないよ」

杏子「・・・だそうだ。覚悟を決めな、まどか」

まどか「うん・・・」



キリカ「さあ、この部屋に将軍は居るはず。行くよっ!」



 襖を開けた少女達は、その部屋に座っている姿を見る。
護衛の1人も居らず、怯えた目で彼女達を見返す将軍。
不自然なほど無用心ではあったが、それは好都合でもあった。
356 :[saga]:2011/07/10(日) 21:37:12.52 ID:5WNSeCxX0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250

「「しょうぐんさま おいのち ちょうだい つかまつる!」」
357 :[saga]:2011/07/10(日) 21:37:38.95 ID:5WNSeCxX0
将軍「ひょえーwww誰かwww誰か居らぬかwww」

キリカ「覚悟ッ!」

 キリカは むらまさで
 しょうぐんの じゃくてんをこうげき
 しょうぐんに 921のダメージ

将軍「痛いwww助けてwww」

キリカ「この期に及んで命乞いかい。逃がすつもりはないよっ!」

将軍「やめるからwww越後屋との取引やめるからwww」

まどか「キリカさん・・・」

キリカ「ダメだ!」



キリカ「コイツは今ここで斬らないと・・・!」



 泣き叫ぶ将軍の背後に、影が現われる。
面を被ったその男の姿は、右手に大振りの刀を。
左手にはいくつかの宝石を持っていた。

 それは紛れも無く、ソウルジェムであった。
358 :[saga]:2011/07/10(日) 21:38:10.56 ID:5WNSeCxX0
ほむら「あれはソウルジェム!」

杏子「お前は?」



将軍「父上wwwお助けをwww」

大御所「ふん、馬鹿がドジを踏みおって。
 政を疎かにするから、このような目に遭うのだ」



 そう告げた大御所は、刀を持つ手を動かす。
それは息子である将軍の腹に突き刺さっていた。



将軍「ちょwww助けてwww」

大御所「貴様などもう用はないわ。消えうせろ!」
359 :[saga]:2011/07/10(日) 21:43:41.99 ID:5WNSeCxX0
マミ「あなたが黒幕だったと言うの?」

まどか「将軍様のパパだったんでしょ。どうしてこんな・・・」

大御所「全く馬鹿息子は役に立たんわい。
 ソウルジェムを集めて神になる計画であったのに」

杏子「テメェ・・・!」

ほむら「その面・・・あなたもインキュベーターというわけ?」

大御所「あんな生物と一緒にするでない。
 万が一、ガーディアンに嗅ぎ付けられても奴らの仕業に出来ると思って
 この面を被っておるのだ」

キリカ「人間でありながらここまで腐れるのか」

大御所「どうとでも喚け。馬鹿息子を利用する計画は失敗したが、
 まだまだワシにも運がある」



大御所「お前達がソウルジェムを持ってのこのことやって来てくれたからのう!」

まどか「あなたなんかに渡さない!」

大御所「死ねいっ!」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira017585.jpg
360 :[saga]:2011/07/10(日) 21:44:21.81 ID:5WNSeCxX0
 その刀は鹿目まどかに向けて振り下ろされる。
ヒュン、と風切り音を上げながら迫る刃は
彼女を第一の犠牲にしようとしていた。



ほむら「まどかっ!」

まどか「っ!!」



 刀は血を吸う事が出来なかった。
それが振り下ろされる前に行動を始めた
呉キリカの両手に、その刀の運動は止められていた。



まどか「キリカさん・・・?」

キリカ「白刃取りって技術だよ。間に合って良かった」

マミ「鹿目さん、今のうちに!」

まどか「はいっ!」



 巴マミのビームライフルから放たれる光が大御所を貫く。
その光を追うように、鹿目まどかはライトセーバーを構えて
大御所の頭部に突き刺していた。

 仮面の奥から覗く目が、鹿目まどかを睨み付ける。



杏子「まどか、離れろ!」



 声に呼応して鹿目まどかが飛びのくと、
その突き刺された剣に向けて”サンダー”の能力が発動される。
それなりの手ごたえを感じ取ってはいたが、
佐倉杏子は大御所を見つめたままであった。
361 :[saga]:2011/07/10(日) 21:44:48.54 ID:5WNSeCxX0
キリカ「こんなに死なない人間は初めてだよ」

ほむら「ソウルジェムの力を使っているんですもの。
 そう簡単には行かないわね」



 そう話しながら、暁美ほむらも両手に集めていた魔力を
大御所に向けてぶつける。
”サイコブラスト”の能力を浴びながらも、大御所はなお立っていた。



大御所「なかなかやりおる。お返しと行くか」



 大御所の左手のソウルジェムに、黄金色の魔力が集まる。
それは佐倉杏子がさきほど攻撃の手段に用いたものと、
全く同じ魔力であった。



ほむら「させない!」



 魔力の電撃が少女達の身を焦がすために迫る。

 その電撃を受け止めるのは、光の盾。
暁美ほむらはイージスの盾を天にかざし、
自身と仲間達を囲む光の壁を作り出していた。



大御所「イージスの盾か。ますますお前達のソウルジェムが欲しくなるわ!」
362 :[saga]:2011/07/10(日) 21:45:21.80 ID:5WNSeCxX0
杏子「くれてやるワケが・・・」



 再び佐倉杏子は意識を集中させて、その両手に
水色の魔力を集めていた。



杏子「ねえだろっ!」



 大きな氷の塊が大御所の頭上に生まれ、そして落下する。
”ブリザド”の能力の発動を見てから
鹿目まどかは腰から2本目のライトセーバーを取り出し
大御所に向けて切りかかる。

 大御所に刻まれた切り傷の上から、
呉キリカが続けて飛び込み、さらに傷を深くさせる。



キリカ「・・・・・・」



 傷を与えたとはいえ、人斬りの刀である村正は
期待していたダメージを与える事が出来なかった。
それは大御所がもはや、人を辞めた事の証明でもあった。

 なおも立っている敵を、ビームライフルの光が貫く。
すでに先の攻撃から、大御所の体には2つの風穴が
空けられていたものの、それでも敵は崩れる事がなかった。
363 :[saga]:2011/07/10(日) 21:46:08.32 ID:5WNSeCxX0
大御所「刀もサンダーも受け止められるとはな。
 こうする他にないのう」

マミ「気をつけて・・・何か来るわよ!」



 部屋全体に、魔力が集まるのを全員が感じていた。
すぐに魔力は大きな風となり、まず床の畳を吹き上げる。

 それはどんどん強くなり、やがて部屋の壁が破壊され、
ついには天井をぶち抜き、その破片を少女達に散らす。



 意識のあった者は天井に空いた穴から空を見る事が出来た。
その威力に耐えられなかった暁美ほむらは
竜巻に巻き上げられ、木板しか残っていない床に叩き付けられる。

 彼女が星空を見る事は出来なかった。



まどか「ほむらちゃん!」

杏子「まずは態勢を立て直すぞ!今のアタシだったらケアルが使える!」

キリカ「半端じゃない威力だね。続けて食らったら終わりだ」

マミ「あれほどの魔力を連発は出来ないわ。倒すなら今がチャンスよ!」
364 :[saga]:2011/07/10(日) 21:46:37.18 ID:5WNSeCxX0
 実際にその言葉通り、魔力を大きく消耗させた大御所は
疲弊しているように見えた。それはダメージの蓄積もあるのだろう。
そう考えた少女達は、先ほどと同じように攻撃を繰り返す。

 佐倉杏子だけは、傷の大きい呉キリカに回復の魔力を与えていた。



キリカ「ありがと、助かるよっ!」

杏子「しかし、まだ倒れないのかよ・・・」

マミ「化け物ね」

まどか「もうちょっとだよ、みんな!」



大御所「手強い相手だ。もう一度、”竜巻”を受けろ」

マミ「出来るわけが・・・!」



 その言葉は、集まりだした魔力を目にして止められる。
先ほどよりも小規模ではあったが、再び緑の魔力は
地面から風を起こし、竜巻の姿を作り出していた。



 それに体を持ち上げられる少女達。
床に叩き付けられてなお、立ち上がる事が出来たのは
巴マミと呉キリカのみであった。



マミ「みんな!」

キリカ「見ろ、あれ!」



 大御所も力を使い果たしたせいか、がくんと膝から折れる。
刀を杖代わりにし、体を起こしているのがやっとの様子に見えていた。
365 :[saga]:2011/07/10(日) 21:47:08.38 ID:5WNSeCxX0
 光の矢が3つ目の風穴を大御所に空ける。
そして呉キリカが刀を構え、敵へ向けて走り出す。
村正の刃は、大御所の肩口から深く斬り込まれていた。



大御所「ぐおおおっ・・!」



 与えた傷を広げようと、刀を引き抜こうとする呉キリカ。
大御所は腰から小太刀を引き抜き、そんな彼女へ向けて
さっと切り払う。



キリカ「そんなセコい手を・・・」



 村正から手を離し、反射的にその刀を両手で受けようとする。

 間。

 呉キリカの意図を見抜き、あえて一瞬だけ攻撃を止めた大御所。
その読みは的中し、遅れて襲い掛かる小太刀が
呉キリカの脇腹へと深く刺さる。



大御所「自惚れるなよ・・・!」

マミ「キリカさんっ!」

キリカ「しっぱい・・・・」
366 :[saga]:2011/07/10(日) 21:47:40.07 ID:5WNSeCxX0
 大御所は自分がやられかけていたのと同じように、
その小太刀を引き抜こうとする。

 だが、小太刀は呉キリカに刺さったまま動かない。

 口の端から血を流しながら、呉キリカ自身が
その刃を両手に挟んでいたから。



大御所「離せぇっ!」

マミ「そのままだと失血死するわ!」

キリカ「結構だ!」



キリカ「たかだか私が死ぬ程度で、織莉子の全てが守れるなら・・・」



キリカ「大いに結構!」



 跪いたまま、小太刀に気を取られて動けない大御所。
なんとか射線を呉キリカから外し、大御所の頭部に狙いを付ける。

 そうしてビームライフルから放たれた光線は、
彼の被っていた面ごと大御所の頭を吹き飛ばしていた。



 残された胴体が、風に吹かれる砂のように崩れてゆく。

 その大御所の欠片が全て消え去る直前に、
その場所から光が生まれ、中から宝石がコロコロと
床に向けて転がり落ちていた。
367 :[saga]:2011/07/10(日) 21:48:18.19 ID:5WNSeCxX0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4393197

杏子「イテテテ・・・」

まどか「うーん」

ほむら「・・・敵は倒したの?」

マミ「ええ。みんな傷だらけのところを悪いけれど、
 キリカさんに早くケアルをかけてくれないかしら?」

ほむら「重症ね。けど、このくらいなら・・・」キュイーン



キリカ「あたたた・・・」

マミ「気が付いたかしら?」

キリカ「おかげで助かったよ。大御所は?」

マミ「みんなのおかげで倒せたわ」

キリカ「そっか。さすがは客人だね」
368 :[saga]:2011/07/10(日) 21:48:47.41 ID:5WNSeCxX0
まどか「見て、ソウルジェムだよ!」

マミ「どうする?この世界のソウルジェムだし、キリカさんに持って行ってもらっても」

キリカ「それは辞退させて頂くよ。私は一度、ソウルジェムを守る事を諦めたんだ」

キリカ「ソウルジェムは客人達が持っているにふさわしい」

ほむら「そう、それなら私達が預かるわね」

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

 − 防御のソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 氷のソウルジェムを手に入れた −

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

杏子「これからどうすんだい?」

キリカ「しばらくは江戸から離れようと思っているよ。
 私もこれで晴れて、将軍殺しの指名手配犯だからね」

まどか「それなら、一緒に来ませんか?」

キリカ「そうも行かないよ。いつかほとぼりが冷めたら、
 またここに戻って織莉子を見守る役目があるから」

マミ「それだったら、織莉子さんと話をしてからでも」

ほむら「怒らせたままだったでしょう?」

キリカ「いいんだ。これで織莉子が狙われる危険もなくなった事だし。
 元はと言えば、私の嘘から生まれた事なんだ」



キリカ「このまま・・・」
369 :[saga]:2011/07/10(日) 21:49:15.63 ID:5WNSeCxX0
織莉子「待ちなさい」

キリカ「織莉子?」



キリカ「どうしてここに。キミまで将軍殺しの罪を・・・」

織莉子「だから江戸から離れると言うの。私に何も話さないまま?」

キリカ「それでいいんだよ」

織莉子「良くない。あなたの付いてきた嘘を、私は何も知らないわ」



キリカ「ゴメンよ。織莉子が知っている私はニセモノだったんだ」



キリカ「本当の私は嫌われるのが怖くて」

キリカ「友達にも自分のやるべき事にも。何も出来ない、向き合えない」

キリカ「いじけた子供なんだ」



キリカ「織莉子、私の嘘に付き合わせてゴメンね」

キリカ「ありがとう」
370 :[saga]:2011/07/10(日) 21:49:44.80 ID:5WNSeCxX0
織莉子「許さない」



織莉子「許さないわ。絶対に許さない!」

織莉子「あなたには私を欺いた罪に報いる義務があるわ!」



キリカ「どうすれば許してもらえるかい?」



織莉子「例え地の果てに逃げる事になっても。
 私を連れて行きなさい」

キリカ「織莉子、キミまで危険に・・・」

織莉子「何処に行こうと、私に尽くし護りなさい」



織莉子「絶対に許さない」






キリカ「わかった」



キリカ「約束するよ」
371 :[saga]:2011/07/10(日) 21:50:13.46 ID:5WNSeCxX0
マミ「これで全て解決ね」

織莉子「皆様のおかげです。本当にありがとうございました」

キリカ「しばらくは逃げ回る事になるかもしれないけれど、
 ほとぼりが冷めたらまた江戸に戻って来るからさ」

マミ「その時はまた遊びに来るわね」



織莉子「そう言ってくれると嬉しいわ」



キリカ「その時は歓迎するよ」



キリカ「・・・恩人。ありがとう」



 夜が明け、遠く見える海に太陽が昇り出す。
その光の中に溶け込むように、2人は崩れかけた階段を降りて行く。



杏子「丸くおさまって良かったな!」

ほむら「ええ、これでこの世界にもやる事はなくなったわね」

まどか「ソウルジェムも、もうこれで67個だよ!」

マミ「あと10個ね。みんな、行きましょうか!」
372 :[saga]:2011/07/10(日) 21:50:40.41 ID:5WNSeCxX0

373 :[saga]:2011/07/10(日) 21:51:12.45 ID:5WNSeCxX0
−−− 天の柱 −−−

まどか「次の世界はどんなところだろうね」

マミ「暑い所は何度か見たし、寒い世界とかあるのかしら」

杏子「寒いのは苦手なんだよなー。ま、旨い食べ物がありゃなんでもいいや」

ほむら「あなたはいつもソレね。さあ、ドアを開けるわよ」ガチャ



 扉の先には、1本の広く長い水晶の通路。
その中心に、下りの階段がある事が分かる。
階段の左右を挟むように、宝箱が1つと動物の姿が1つ。

 その姿は、レース場で見かけたインキュベーターの物であった。



杏子「インキュベーター。どうしてここに?」

QB「ここを通る人に警告をするために、僕はここに居るのさ」

まどか「警告って?」

QB「そこに階段があるだろう。その先の迷宮は、すごく意地悪なんだ。
 だから行かない方がいいよ」

マミ「行かない方がいいだなんて、それじゃあ何のためにあるの?」

ほむら「通路の先には別のドアが見えるわ。
 確かに、この階段の先へ行かなくてもいいみたいね」

杏子「意地悪って、どこらへんが?」

QB「僕もよく知らないよ。そう呼ばれているって事だけしか」

まどか「どうしようか・・・」
374 :[saga]:2011/07/10(日) 21:51:54.36 ID:5WNSeCxX0
 − SaGa2の解説 いじわるなダンジョンについて −

SaGa2のいじわるなダンジョンについて解説します。


ダンジョンの入り口にソウルジェム(秘宝)が1つ置いてあり、
それを取ってしまえばダンジョンを無視して次の世界へ行けます。

ダンジョンの奥へ向かうと、強力な武器・防具が手に入る代わりに
出現するザコ敵も強力なため、死と隣り合わせ気味なダンジョンです。
ドラクエで言うところの隠しダンジョンに近いものでしょうか。
このSaGa2では隠されてもいませんけれど。

中へ進もうが進むまいが、物語に変化は一切起こりません。
また、>>1は変化をSS内でも書こうとも考えていません。
375 :[saga]:2011/07/10(日) 21:52:49.89 ID:5WNSeCxX0
*************************

本日の投下はここまで。
意地悪なダンジョンに行くか行かないかの安価を取ります。

行く、にした場合はオリジナルの物語を盛るつもりもないので
歩く>話す>戦う>お宝or全滅>歩く・・・
の描写を繰り返すのみになりそうです。

行かない、にした場合は何もありません。
そのまま次の世界へ向かいます。

参考になるかもしれないダンジョン前でのステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira017586.jpg

1 行く
2 行かない

↓3安価の多数決、同一ID票無効

*************************
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/10(日) 22:30:49.11 ID:PwFsgrzxo
江戸城はたしかよいちの弓があるんだよね
ビームライフルの代わりにマミさんに装備させたいところではある
よいちのゆみ×2
グングニル×2
で、もうなにもこわくない(ボス戦除く)

いじわるなダンジョンはマミさんが強化できるアイテムあるし、行っといたほうがいいかも
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/11(月) 08:43:10.26 ID:yeFnW7LH0
じ○○○○く・パ○○○○○ツ・は○○○う・レ○○○○2(これは買えるけど)あたりもあるしね
せっかくだから見てみたいので
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/11(月) 12:26:45.79 ID:b5itVlGSO
1
379 :[sage saga]:2011/07/11(月) 19:32:49.22 ID:X/lK4Bjk0
ご協力に感謝。メカマミさんへの愛を感じる安価でした。
これより意地悪なダンジョンに潜ってまいります。
ダンジョン歩きながら書いて行くので、投下は明日か明後日に。

>>336
江戸の世界は原作のストーリーとテキストがあまりにも淡白すぎて
地味に書くのが苦痛でした。サンクス乙。
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)2011/07/12(火) 13:12:54.29 ID:NhRlbj9AO
さやか以外流し読みだけど、さやかの出番終わり?
メインから降格させるなら、最初に書いて欲しかった。
これで面白くなかったら、事前情報なくアイマス2をやらされた気分になるところだった。
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]:2011/07/12(火) 14:53:36.43 ID:YYGFVwSTo
PT4人だから誰かがハブられるのは最初から分かってたことだしな
それに面白かったなら別にいいんじゃね
382 :1[sage saga]:2011/07/12(火) 20:01:02.92 ID:11HuiUFJ0
*************************

>>373からの続き

*************************
383 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:01:45.23 ID:11HuiUFJ0
ほむら「とりあえず、この宝箱には何が入っているのかしら」

 − ソウルジェム 天使の翼を手に入れた −

まどか「これ・・・どう見てもソウルジェムだよね」

マミ「精霊の鏡を見ると、ここにはもうソウルジェムはないみたいよ」

杏子「おい、この迷宮の奥にもソウルジェムがあるなんて事はないよな?」

QB「ないだろうね。少なくとも、僕は聞いた事がないよ」

まどか「どうしようか?」

杏子「意地悪なんて、ちょっと楽しそうじゃん。行ってみないか?」

ほむら「そうね、急いでいるわけでもないし」

マミ「折角だから、見に行ってみましょうか」

QB「せっかく忠告したのに行くのかい?僕には理解できないよ」

杏子「アンタに理解してもらわなくてもいいさ。さ、どいたどいた!」
384 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:02:17.63 ID:11HuiUFJ0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

−−− 意地悪なダンジョン B1 −−−

ほむら「中はけっこう明るいのね」

まどか「ここからでも、魔物がうじゃうじゃ居るのが見えるね」

マミ「いくらでもかかってきなさい!」

杏子「また越後屋の出来事を繰り返すつもりかよ・・・」

マミ「・・・ごめんなさい」

杏子「敵が多そうだから、それぞれ攻撃能力の確認をしておくか。
 アタシは”サンダー”と”ブリザド”と”うずしお”の能力で合計35回、攻撃できるな」

マミ「私は”ビームライフル”を30発ぶん、”バズーカ”と”与一の弓”を15発ずつ。
 合わせて60回ぶんね。盾も入れれば75回だわ」

ほむら「いつの間に弓なんて持っていたのね」

マミ「江戸城に置いてあったわ。”コイツぁタマゲタ”なんて下駄もあったけれど」

ほむら「あなたらしいセンスの下駄ね」

マミ「あの世で私に詫び続けて」

まどか「私は”ネコのツメ”を何本か。壊れてもまだまだカバンにいっぱいあるよ!」

ほむら「私は”サイコブラスト”を15回ぶんだけど、私も武器を扱えるから
 カバンに”ビームライフル”を用意してあるわ」

杏子「みんな武器に余裕はありそうだな」

マミ「行けるところまで行ってみましょうか」
385 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:02:46.21 ID:11HuiUFJ0
ほむら「魔物は多いけれど楽勝ね」

まどか「また来たよ!」

 マミさんは よいちのゆみで
 ナイトメアたちを こうげき
 ナイトメアたちに 834のダメージ
 4たい たおした

マミ「与一の弓すげえぇぇぇ!」

杏子「範囲攻撃のわりに強いなぁ。マミに任せておけばどんどん行けそうだな!」

ほむら「でも、15回しか使えないのよ。強力な魔物と遭遇したときに備えて、
 ザコは他の武器で仕留めて行きましょう」

マミ「たしかにその通りね。佐倉さんが能力を使えば、あとは1撃いれれば
 倒せる敵ばかりだもの」

まどか「みんなすごいなあ。私の武器は1匹ずつしか攻撃できないから、
 みんなみたいにドカーンってやっつけられないよ」

杏子「その分、強い敵でも1撃で仕留められるじゃないか。
 いざという時には頼むよ!」

まどか「うん!」

ほむら「あら、宝箱があるわ」

 − オーガキラーを 手に入れた −

 − ドラゴンアーマーを 手に入れた −

マミ「うーん」

まどか「鎧はみんな装備してるし、斧は誰も使わないよね・・・」

杏子「アタシも持てないしな。あとで店に売り払おうぜ」

ほむら「そうしましょう。次の階段も見えてきたわよ」
386 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:03:15.85 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B2 −−−

杏子「また魔物だ。攻撃するよ」

 きょうこは ブリザドで
 ファイアモスたちを こうげき
 ファイアモスたちに 351のダメージ

まどか「続けていくよっ!」

 まどかは ネコのツメで
 ファイアモスを こうげき
 ファイアモスに 670のダメージ
 ファイアモスは たおれた

 マミさんは ビームライフルで
 ファイアモスを こうげき
 ファイアモスに 389のダメージ
 ファイアモスは たおれた

 ほむらは ビームライフルで
 ファイアモスたちを こうげき
 ファイアモスたちに 377のダメージ
 ファイアモスは たおれた

ほむら「まだまだ余裕ね」

まどか「マミさんが攻撃を受け止めてくれるから、私達も痛くないし」

マミ「フルアーマーすぎる自分が怖い」

杏子「アタシは打たれ弱いから助かるよ。この調子で行こうぜ」
387 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:03:45.93 ID:11HuiUFJ0
まどか「宝箱はっけーん!」

 − ネコのツメを 手に入れた −

 − バルカン砲を 手に入れた −

マミ「バルカン砲・・・かっこいい!」

ほむら「待ちなさい。あなたばかり兵器を持っていくけれど、
 本来は兵器と言ったら私の役目よ」

マミ「ええぇ・・・でも・・・」

杏子「ほむらは能力で戦う事が多かったから、あまり武器も使ってないしな。
 たまには譲ってやれよ、マミ」

マミ「うん・・・」グスッ

まどか「ネコのツメは誰も使わないよね。私がもらうよ?」

杏子「ネコのツメと言えば、ゆまから預かってた物があったんだ」

ほむら「そ、それは!」

杏子「ソウルジェムもなくなって魔力が使えないからいらないってさ。
 ほら、”ネコのミミ”だよ」

マミ「ほらって。誰が付けるのよ」

ほむら「決 ま っ て る で しょ」ゴソゴソ

まどか「・・・本人の許可も取らずに猫耳つけるのもどうかと思うよ、ほむらちゃん」

ほむら「あなたのその姿、私は死ぬまで忘れない」

まどか「かっこよく言っても・・・」

マミ「はぁ・・・次の階段が見えて来たわ」
388 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:04:15.09 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B3 −−−

まどか「そろそろちょっと疲れてきたね」

杏子「アタシの能力も、半分くらいは使っちゃったよ」

ほむら「佐倉杏子の範囲攻撃は助かるけれど、数が少ない相手には
 ”スリプル”の能力を使って攻撃手段を温存しておくといいわね」

杏子「サボってるみたいで嫌だったんだけどな。そうさせてもらうよ」

マミ「またおいでなさったわよ」

まどか「アームズフォート」

ほむら「アンサラーを確認」

 まどかは ネコのツメで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーに 279のダメージ

まどか「硬い!」

杏子「そいつは”○ダメージ”の能力を持っているからな」

 きょうこは スリプルで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーは スリプルにつよく
 なにもおきなかった

杏子「・・・アタシ何も出来ないじゃんか」

 ほむらは ビームライフルで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーに 411のダメージ
 アンサラーは たおれた

マミ「もう1匹!」

 マミさんは ビームライフルで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーに 389のダメージ
 アンサラーは たおれた
389 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:04:52.62 ID:11HuiUFJ0
マミ「どこまで続くんでしょうね、この迷宮は・・・」

ほむら「あと2〜3フロアは覚悟するべきかしら」

杏子「考えたって仕方ないさ。のんびり行こうぜ」

まどか「うん・・・そうだね」

杏子「ほら、また宝箱だ」

マミ「こうして宝探しをするのが目的の迷宮なのかしら」

 − エリクサーを 手に入れた −

 − ビームライフルを 手に入れた −

 − ヤマアラシを 手に入れた −

 − ドラゴンソードを 手に入れた −

ほむら「あら、”エリクサー”はありがたいわね」

杏子「これを使えば能力の使用回数も回復するからな。
 まだまだ行けそうだ」

まどか「”ヤマアラシ”って?」

ほむら「そういう体術技よ。極めれば凄いらしいけれど、
 それまでが大変みたい」

マミ「やっぱりお店に売却かしら」

ほむら「”ビームライフル”はもらっておくわね。
 さっきの戦闘で、弾がなくなってしまったわ」

まどか「こうして自給自足していければいいんだけど」

杏子「階段が見えてきたよ。次のフロアのお宝にも期待しようじゃん」
390 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:05:20.11 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B4 −−−

マミ「ついに”バズーカ”も弾切れよ」

ほむら「範囲攻撃手段に困ってきたわね。
 巴マミの”与一の弓”と佐倉杏子の能力をだましだまし使うしか」

まどか「いざとなったら、マミさんは他の武器も使えるから・・・」

杏子「そうだな、アタシが能力を使い切ってから”エリクサー”を使わせてもらうよ」

マミ「そうしましょうか」

ほむら「・・・?」

まどか「どうしたの、ほむらちゃん?」

ほむら「いえ、あの宝箱がすごく大きく見えて・・・」ゴシゴシ

杏子「・・・実際にでけえな」

マミ「近くに小さい箱もあるわね。見に行きましょう」

 − コテージを 手に入れた −

 − サークレットを 手に入れた −

 − ミサイルを 手に入れた −

まどか「小さいのはこれで全部だね」

ほむら「頭防具の”サークレット”はマヒを防ぐ力があるみたいよ。
 まどか、装備してみてはどうかしら」

まどか「・・・じゃあ猫耳はずすね」

ほむら「やっぱり”サークレット”は私が頂くわ」

マミ「暁美さん・・・あなたおかしいわ」

杏子「でっかい箱、開けるぞ〜」

 − レオパルト2を 手に入れた −
391 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:05:47.24 ID:11HuiUFJ0
ほむら「・・・戦車?」

杏子「戦車が洞窟に置いてあるってなぁ・・・」

マミ「あのゲームを思い出すわね。テッド・ファイヤー!」

まどか「ががががが」

ほむら「・・・それはそうと、この戦車も範囲攻撃が出来そうよ」

マミ「鹿目さん、あなた範囲攻撃の武器を欲しがってたでしょ。
 これに乗ってみてはどうかしら?」

まどか「マミさんは乗らないんですか?」

マミ「車はちょっと・・・何か苦手よ」

まどか「うまく運転できるかなぁ・・・」

杏子「分からないからやるんだよ。何事も練習!」

ほむら「おあつらえ向きに”ナーガ”が3匹来たわ」

まどか「よーし、頑張ってみるね!」
392 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:06:20.72 ID:11HuiUFJ0
 ナーガは しっぽで
 まどかを こうげき
 まどかは レオパルト2で
 しっぽを ふせいだ

 ナーガは しっぽで
 まどかを こうげき
 まどかは レオパルト2で
 しっぽを ふせいだ

 ナーガは どくのきばで
 まどかを こうげき
 まどかは レオパルト2で
 どくのきばを ふせいだ

杏子「おおっ、戦車の装甲すげえ」

ほむら「物理攻撃を防ぐ事ができるのね」

マミ「鹿目さん、あなたの攻撃の番よ!」



まどか「うぇ」

ほむら「うぇ?」

まどか「ウェヒヒヒwww」

 まどかは レオパルト2で
 ナーガたちを こうげき
 ナーガたちに 605のダメージ
 3たい たおした

マミ「やったわ!」

杏子「すごい火力だな」

ほむら「まどか、まどか!」

まどか「ウェヒヒヒwww」
393 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:06:51.84 ID:11HuiUFJ0
ほむら「みんな、まどかを降ろして!」

杏子「どうした?急に慌てて」

ほむら「まどかの様子がおかしいの!」

マミ「おかしいのはいつも暁美さんじゃない」

ほむら「そんなの自覚しているわ。けど今のまどかの方がおかしいわよ!」

杏子「おーいまどか、どうした?」

まどか「ウェヒヒヒwww」

杏子「・・・・・・」

マミ「ハンドルを握ると人が変わるタイプね・・・」

ほむら「猫耳でラリったまどかなんて見たくないわ!」

マミ「さすがにあなたの守備範囲外なのね」



まどか「離してよ!はーなーしーてー!」

杏子「落ち着け!戦車じゃ階段を下りれないだろ!」

まどか「ひどいよみんな!私は戦車に乗りたいだけなのに!」

ほむら「戦車乗りの女子中学生なんて聞いた事もないわ!目を覚まして!」

マミ「引きずって行くわよ!」

まどか「えぐっ・・・グスッ・・・」ズルズル
394 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:07:22.49 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B5 −−−

杏子「もう能力を何も使えないよ。”エリクサー”もらうよ」グビグビ

マミ「さっき拾った”コテージ”というのは何なの?」

ほむら「あれは全員に”エリクサー”の効果よ。
 みんなが能力を使いきった頃に使えば、効率がいいわ」

杏子「そっか、それならもう少しは歩けそうだな」

まどか「・・・ひどいよ・・・こんなのあんまりだよ・・・」グスッ

マミ「深刻な後遺症を残したわね」

ほむら「仕方ないわ。そもそも洞窟の中を戦車が進むなんて無茶なのよ」

杏子「はー、しかしどこまで続くんだろうなぁ、この迷宮」

マミ「また魔物が居るわよ。もう残弾が・・・」
395 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:07:49.95 ID:11HuiUFJ0
 コカトリスは せきかくちばしで
 きょうこを こうげき
 きょうこは いしになった

マミ「ちょっとぉ!」

ほむら「私達には石化は通用しないわ。さっさと片付けるわよ」

 ほむらは サイコブラストで
 コカトリスたちを こうげき
 コカトリスたちに 426のダメージ

 マミさんは ビームライフルで
 コカトリスを こうげき
 コカトリスに 359のダメージ
 コカトリスは たおれた

マミ「あ」

ほむら「どうしたの?」

マミ「弾切れた」

ほむら「盾でも使っていなさい」

 マミさんは ドラゴンのたてで
 みをまもっている
 バリアが なかまを おおった

 ほむらは ビームライフルで
 コカトリスを こうげき
 コカトリスに 389のダメージ
 コカトリスは たおれた

マミ「マダー?」

ほむら「黙っていなさい」

 マミさんは ドラゴンのたてで
 みをまもっている
 バリアが なかまを おおった

 ほむらは ビームライフルで
 コカトリスを こうげき
 コカトリスに 362のダメージ
 コカトリスは たおれた
396 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:08:17.67 ID:11HuiUFJ0
マミ「終わったわ・・・」キリッ

ほむら「バカ言っていないで”金の針”を用意しなさい。
 佐倉杏子を石のままにしておくつもり?」

マミ「はいはい」

杏子「・・・あれ、敵はどうした」

マミ「佐倉さんが石化している間に片付けたわよ」ドヤッ

ほむら「私が」ファサッ

杏子「なんだ?ともかくあんがとな」

ほむら「今の戦闘で”テレポート”の能力を覚えたわ。
 一旦、どこかの街に戻って態勢を立て直すのはどうかしら?」

杏子「うーん、まだ”コテージ”もあるし行けると思うけどなぁ」

ほむら「まだ行ける、は引き際っていう言葉もあるのよ」

マミ「首をはねられたりしないゲームだし、大丈夫よ。
 ”コテージ”がある限り、もう怖くない」

ほむら「みんな楽観的なのね。まあいいわ、行きましょうか」



ほむら「次の戦闘で”テレポート”を忘れたわ」

杏子「早っ」

マミ「もう戻れない」
397 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:08:44.72 ID:11HuiUFJ0
杏子「やっとこのフロアの宝箱があったよ」

まどか「戦車は?」

ほむら「大きい箱がないし、ないんじゃないかしら?」

まどか「ぇ〜」

 − 村正を 手に入れた −

 − 自己修復を 手に入れた −

 − 与一の弓を 手に入れた −

 − 魔道士の杖を 手に入れた −

 − ディフェンダーを 手に入れた −

マミ「キリカさんの使っていた刀だわ」

杏子「珍しいものが色々あるな。自己修復って?」

ほむら「巴マミが装着すれば、体力を自然回復させる装置みたい」

マミ「私は機械じゃない!」

ほむら「もう弾切れの武器は取り外して、”与一の弓”と”自己修復”を
 装備しなさいよ」

杏子「勿体ないけれど仕方ねーか。もう金も有り余っているしな」

マミ「”与一の弓”2本目。これでマミさんはあと15年戦える」

ほむら「15回分だけね。それを使い切ったら、コテージを使いましょうか」

まどか「また下におりる階段だよ!」

杏子「うええ、どこまで続くんだかなぁ・・・」
398 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:09:11.79 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B6 −−−

ほむら「休みたいわ・・・」

まどか「もうヘトヘトだよ・・・」

杏子「見ろよ、さっきまでの階とは違う魔物がうろついてるぞ」

マミ「当然、さっきまでより強いのでしょうね」

ほむら「気付かれた。来るわよ!」

杏子「様子見から行くか。マミは”与一の弓”を温存しといてくれ」

マミ「了解。盾でも使っているわ」

 からすてんぐは たつまきで
 てきぜんいんを こうげき
 マミさんに 501のダメージ
 まどかに 506のダメージ
 ほむらに 399のダメージ
 きょうこに 403のダメージ
 1たい たおした

マミ「いたい、いたい」

まどか「杏子ちゃん!」

ほむら「まずいわ!」

 からすてんぐは たつまきで
 てきぜんいんを こうげき
 マミさんに 487のダメージ
 1たい たおした
 まどかに 512のダメージ
 1たい たおした
 ほむらに 398のダメージ
 1たい たおした

 マミさんたちは ぜんめつした

「「アッー!」」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira018055.jpg
399 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:09:43.84 ID:11HuiUFJ0
http://www.youtube.com/watch?v=dEnvXqtZ2fA

−−− ヴァルハラ宮殿 −−−

まどか「あれ・・・?」

杏子「どこだ、ココ?」

オーディン「また来たのかい。懲りないなぁ、巴マミに暁美ほむら」

杏子「誰だ、アイツ。アンタらの知り合いか?」

マミ「ええ、まぁ・・・」

ほむら「色々とあったのよ」

オーディン「君達がいつの日か僕と戦う事を誓うのならば、生き返らせてあげよう」

オーディン「勇者達よ。戦いを続ける勇気を失ってはいないかい?」



杏子「何だか知らないけど、あったりまえだろ!」
400 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:10:16.95 ID:11HuiUFJ0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

−−− 意地悪なダンジョン B6 −−−

杏子「・・・お?」

まどか「夢の中でみんなと会った、ような」

ほむら「それよりも敵が目の前に来ているわ!」

マミ「こいつは手早く倒さなきゃいけない気がする」

 マミさんは よいちのゆみで
 からすてんぐたちを こうげき
 からすてんぐたちに 848のダメージ
 4たい たおした

杏子「ナイス、マミ!」

マミ「けど・・・残弾にも限りがあるわね」

ほむら「それでも全滅するよりはマシよ・・・」

まどか「ここまで来たら、もう戻る事もできないよね」

杏子「どんどん進もう。それしかないんだから」
401 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:10:52.77 ID:11HuiUFJ0
まどか「恒例のお宝タイム!」

マミ「今度は何があるのかしらね」

 − ブラッドソードを 手に入れた −

 − パワードスーツを 手に入れた −

 − サイコガンを 手に入れた −

 − 関羽の鎧を 手に入れた −

ほむら「パワードスーツを譲ってもらえないかしら」

まどか「ほむらちゃん、こんなの着るの?」

ほむら「ええ。頭から足まで一体型のスーツになっているおかげで
 私の装備欄を圧迫しなくて済むわ」

杏子「そうしたら、もっと能力を覚えたり武器を装備できたりするわけか」

ほむら「そういう事よ。ついでに誰も使わないだろうし、サイコガンも貰うわ」

マミ「もう1つの鎧は・・・」

まどか「私は属性防御のために、ドラゴンアーマーを外せないから・・・」

杏子「マミなら着れるだろ。ほら、着てみなよ」

マミ「私もドラゴンアーマーを着ているのよ」



マミ「と思ったらドラゴンアーマーと関羽の鎧を重ね着できた。もう何も怖くない」

ほむら(ごつい・・・)

マミ「○○さんとか呼んだら生かしてはおかないわよ」

まどか「大丈夫ですよ。マミさんは着やせするタイプですから」

マミ「褒められているのか分からないわ」

杏子「ほらほら、次いくぞ。モタモタしてたら魔物が来ちまう」
402 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:12:12.30 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B7 −−−

マミ「もう無理。弾がないわ!」

ほむら「私も佐倉杏子の能力も限界ね。”コテージ”を使いましょうか」

まどか「カバンにも物が入らなくなってきた・・・」

杏子「使わないのは捨てるしかないだろうな。勿体無いけど」

ほむら「売れば結構な額になるのに。こういう所が意地悪だと感じるわ」

マミ「それにしても、連戦に次ぐ連戦でお金も貯まっているわ。
 ひょっとして、もう働かなくても食べていける額はあるんじゃないかしら」

まどか「マミさん、それはダメですよ。働かざる者、食うべからずって言うじゃないですか」

杏子「何かアタシに言われているようで心が痛え」

ほむら「そうそう、私のビームライフルも弾が切れたわ。
 まどか、余っていたら”ネコのツメ”を貸してもらえるかしら」

まどか「うん、いいよ。これもついでに・・・」ゴソゴソ

ほむら「・・・この猫耳はあなたの物なのよ、まどか」

まどか「ほむらちゃん、かわいい!」

ほむら「あなたが望むのなら、永劫に猫耳を装備するわ」ファサッ

杏子(猫耳でファサッをやるなよ・・・)

マミ「・・・・・・」ブッ

ほむら「・・・ここで決着を付ける?巴マミ」

マミ「失言だったわ。許してちょうだい」

ほむら「ずいぶん丸くなったわね」

マミ「不毛だもの」

まどか「十分やすんだし、そろそろ行こうよ」

403 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:12:43.93 ID:11HuiUFJ0
マミ「このフロア・・・」

ほむら「段差の向こう側に宝箱が見えるわね」

杏子「けど、取りに行くために遠回りしなくちゃならねーな」

まどか「こういう所も意地悪だね」

ほむら「そういえば、”自己修復”の機能はどんな具合なのかしら」

マミ「確かに体力が回復するのは便利なのだけれど・・・」

マミ「これ外してドラゴンの盾を装備していた方が、
 そもそもダメージを食らわないからいいような気がするわ」

杏子「そんなもんか。レアっぽい装備品だし、一応取っておこう」

まどか「ほむらちゃんは”パワードスーツ”に着替えて、
 新しい能力を閃いたりしない?」

ほむら「ええ、”○せきか”を覚えたわ。石化攻撃を受け付けなくなる能力よ」

マミ「あら、便利そうな能力じゃない」

ほむら「もう江戸にいる頃から、”○すべて”を覚えていたのだけれどね」

杏子「なんだいソレ?」

ほむら「文字通り、あらゆる状態異常も属性攻撃も防ぐ能力よ」

まどか「ほむらちゃんすごい!」

マミ「何そのチート」
404 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:13:17.72 ID:11HuiUFJ0
ほむら「魔物が来たわよ。”キメラ”が7匹」

マミ「数は多いけれど、こいつらの攻撃は全部防げるわ」

まどか「強力な範囲攻撃は温存してやっつけようか」

杏子「マミの後ろからなら安全だからな。食らえ、サンダー!」

 きょうこは サンダーで
 キメラたちを こうげき
 キメラたちに 469のダメージ

ほむら「続けて追い討ちをするわ・・・」

マミ「敵の方が早いっ!」

 キメラは 3つのあたまで
 きょうこを こうげき
 3かい ヒット
 きょうこに 590のダメージ
 きょうこは たおれた

杏子「」ドサッ

まどか「杏子ちゃん!」

ほむら「このっ!」

 ほむらは サイコブラストで
 てきぜんいんを こうげき
 キメラたちに 359のダメージ
 7たい たおした

マミ「佐倉さん、大丈夫?」

杏子「ああ、なんとか・・・ケアル!」キュイーン

ほむら「”キメラ”も油断していると侮れないわね」

マミ「素早さが99を越えたマミさんに任せなさい!」

まどか「でも”与一の弓”の弾数にも限りがあるし・・・」

杏子「だましだましやっていくしかないな」
405 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:13:53.48 ID:11HuiUFJ0
ほむら「おたからおた〜から〜」

まどか「おたか〜ら〜あけ〜ると〜」

 − コテージを 手に入れた −

 − 地獄車を 手に入れた −

 − サンブレードを 手に入れた −

 − 波動砲を 手に入れた −

杏子「体術と力系の剣と・・・」

マミ「すごい兵器が出たわね」

ほむら「波動砲は3回しか使えないようだわ。巴マミには不向きね」

まどか「私が持ってもいいかな。万が一、みんなが倒れちゃった時のために
 私も範囲攻撃の武器があったほうがいいと思うの」

杏子「そうだね、いいかもしれないな」

マミ「私も撃ってみたいけど、私が持つと1発しか撃てないものね」

ほむら「ピンチの時にはお願いね、まどか」

まどか「うん。コテージも見つかったし、まだまだ行けるね」

マミ「下へ続く階段も見えるわ。いい加減、終わらないかしらね」
406 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:14:29.71 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B8 −−−

まどか「いきなり魔物だよっ!」

杏子「コイツらは・・・”ウォッチャー”が6匹か」

 マミさんは よいちのゆみで
 ウォッチャーたちを こうげき
 ウォッチャーたちに 837のダメージ
 6たい たおした

マミ「先手を打てば怖くない」

杏子「どうしたんだよ、そんなに急いで」

ほむら「あなた達はこいつらを知らないから。
 私と巴マミは、QBレース中にこいつの恐ろしさを思い知ったの」

まどか「強い敵だったんだね。マミさんの弓、持つかなぁ・・・」

マミ「不安ではあるけど、500ダメージの”破壊光線”を
 連発されるよりはマシよ」

ほむら「”コテージ”もまた拾えたものね。
 武器や能力の使用回数は気になるけれど、なるべく安全確実に行きましょう」

杏子「オッケー」

まどか「うん、わかった」
407 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:14:58.60 ID:11HuiUFJ0
杏子「ここも変わらず魔物だらけだなぁ」

ほむら「あれは・・・」

マミ「大きな・・・」

まどか「宝箱!」

ほむら「まどか、待って!」

まどか「せんしゃ、せんしゃ!」



 − 核爆弾を 手に入れた −



まどか「戦車じゃないや・・・」ガッカリ

マミ「・・・それ以前にどうするのコレ?」

杏子「見ろよ・・・折りたたみ式簡易シェルター付きだって・・・」

ほむら「こんなものに隠れてこれを起爆させろと言うの・・・?」

まどか「シェルターの中に手帳が置いてあったよ」

杏子「説明書か?どれどれ・・・」



 ───なんとかこのシェルターに逃げ込めた。
 限られた水と食料を長持ちさせるために
 私はほとんど手を付けずに子供達に与えてきた。

 だが、もう限界だ。
 ケン、ユキ、お前達を置いていく父さんを───



まどか「もうやめて!それ以上、読まないで!」

マミ「これは子供心に怖かったわね・・・」

ほむら「何を考えてこんな物を作ったのかしらね・・・」
408 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:15:31.73 ID:11HuiUFJ0
マミ「このフロアは道が長いわね」

杏子「行って戻っての連続だな。もう敵と戦うのも面倒だよ」

ほむら「おかげで宝箱が見えたわ」

まどか「今度は変なのでませんように・・・」

 − フレアの書を 手に入れた −

 − ガラスの剣を 手に入れた −

 − グングニルの槍を 手に入れた −

まどか「”フレア”って?」

ほむら「敵を焼き尽くすほどの爆発を起こす能力よ。
 これは、それを習得していない者でも使えるようになるための魔法書ね」

マミ「使用回数は10回分だけなのね。大事に使わないと」

まどか「”ガラスの剣”、キレイだから貰ってもいいかな?」

マミ「ええ。剣の扱いは鹿目さんが一番でしょうしね」

ほむら「それも1回つかうと砕けてしまうようだわ。
 使い時は慎重にね」



杏子「あれ?この槍、私でも持てるぞ」

ほむら「それはヘンね。佐倉杏子は武器を装備できない筈なのに」

杏子「なんか手に馴染むな。ヤリだけ特別なのか?」

まどか「私も弓を持とうかな」

ほむら「そうなると私は・・・”ミサイル”?」

マミ「私は”ビームライフル”が2丁あれば、もう何も怖くない」
409 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:16:47.93 ID:11HuiUFJ0
杏子「おおおお!」

マミ「ついに!」

ほむら「上り階段が!」

まどか「出口だね!」



マミ「何かいるわよ・・・」

まどか「入り口に居たインキュベーター?」

QB「やあ、また会ったね。ここは意地悪だっただろう?」



 ニアはい
  いいえ



杏子「ハッ、こんなのチョロかったよ!」



  はい
 ニアいいえ  ピッ



QB「ふうん。だったら、もっと苦労するといいよ」

ほむら「何を・・・!」
410 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:17:37.04 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B5 −−−

マミ「な・・・一体なにが起きたの?」

ほむら「どうもワープさせられたみたいね。あれを見て」

まどか「せんしゃ!私の戦車が階段の上にあるよ!」

杏子「い・・・意地悪なのはインキュベーターじゃねぇか!」

ほむら「軽はずみに返答をするべきではなかったわね、佐倉杏子」

杏子「ついカっとなっちまって・・・ゴメン」

まどか「過ぎた事はしょうがないよ。それより、出口に行くために上に・・・」

ほむら「下に行きましょう。その方が近いわ」

まどか「せんしゃ!私のせんしゃ!」

マミ「ほらほら、鹿目さんも行くわよ」グイイ

まどか「ぜんじゃぁぁ」ズルズル
411 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:18:06.21 ID:11HuiUFJ0
−−− 意地悪なダンジョン B6 −−−

マミ「うーん」

杏子「どうした、マミ?」

マミ「”天使の翼”とキメラの翼をうまくかけたネタがないかと考えていたの」

ほむら「聞きたくもないからやめてちょうだい」

マミ「ひどいわ」グスッ

杏子「翼ねぇ・・・」



杏子「おお?」

まどか「どうしたの、杏子ちゃん」

杏子「もしかしたら・・・ちょっとみんな集まってくれ」



 佐倉杏子は、そのソウルジェムを手のひらに置き、
じっとそれを見つめ続ける。

 やがて少女達の視界はぐにゃぐにゃと曲がり出し・・・
412 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:18:42.10 ID:11HuiUFJ0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

−−− イシス神殿 −−−

ほむら「どうなったの?」

マミ「何がなんだか・・・」

杏子「マミのネタもたまには役に立つな!」

まどか「ここは最初の世界の・・・」



ゆま「キョーコ!」

杏子「よう。また遊びに来たよ」

ゆま「今度はみんなも。いらっしゃい!」

まどか「ゆまちゃんが居るってことは」

マミ「ここはイシス神殿?」

ほむら「”天使の翼”には”テレポート”の効果があったのね」

杏子「これは便利だなぁ!」

ゆま「?」
413 :1[saga]:2011/07/12(火) 20:19:23.18 ID:11HuiUFJ0
杏子「あれだけ歩いたから腹が減っちゃったよ。
 ゆま、何か食いに行こう」

ゆま「やったー、残さず食べるよ!」

まどか「あのね、ゆまちゃん」

ゆま「どうしたの、まどかお姉ちゃん」

まどか「その・・・この猫耳、返すね」

ゆま「いらないの?役に立つんだよ・・・」グスッ

杏子「」ギロッ

まどか「ひっ」

ほむら「駄目よまどか。ゆまちゃんの贈り物を無駄にしては」ニヤニヤ

まどか(初めてほむらちゃんを殴りたいと思いました)

マミ「そ、それじゃあこの猫耳はやっぱり頂いておくわね。
 ありがとう、ゆまちゃん」

ゆま「うん、絶対に捨てたりしないでね!」

ほむら(捨てるわけがないじゃない。こんなに楽しいオモチャ)ニヤニヤ

まどか(どうしよう・・・絶対これで遊ぼうって顔してる)

杏子「みんなも腹減っただろ?メシ食いに行こうよ」

マミ「そうね。せっかくこの世界に来たのだし、たまには羽を休めましょう」
414 :1[sage saga]:2011/07/12(火) 20:19:54.38 ID:11HuiUFJ0

415 :1[sage saga]:2011/07/12(火) 20:20:39.64 ID:11HuiUFJ0
本日はここまで。
SaGa1のテキスト漁っている時に気付きましたが
SaGa1の東京にいた女の子の名前も「さやか」ちゃんでしたね。

意地悪なダンジョン ビフォー
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira017586.jpg
アフター
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira018057.jpg

所持金とまどっちの成長が半端ない事になってた。
見えないところでは

まどか 素早さ50→65
ほむら 素早さ38→55
ほむら 魔力33→44

ほむ魔力が低すぎて困りつつあるこの頃。
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/12(火) 20:26:52.92 ID:gL1ZWY6eo


イージスの盾があるうちに、ほむほむの素防御を50くらいにしておきたいな
序盤はメカが先頭だが、終盤はエスパーが先頭になるのが常
417 :1[sage saga]:2011/07/12(火) 20:29:02.40 ID:11HuiUFJ0
>>376 マミさんは現在ビーム×2、与一×2です。ビームライフル、>>1にとって思い出の武器なんです
>>377 勿体無い症なもので、波動砲を初めとしたレア武器達をどこで使う事になるやら・・・

>>380
>>381 
キャラを扱うSS書く以上は、○○はあまり活躍しませんと書いておくべきだったね。
今更ながらごめんよ。そして指摘をサンクス、次のSSからは気をつけるよ。

さやかの今後については、申し訳ないけどノーコメント。
駄文とはいえモノを書いてる立場としては、○○はどうなりますだとか
○○は伏線ですとか書きたくないんです。
こんなSSで勿体ぶるなよwwwとか言われたら反論も出来ないけどさ!
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/14(木) 13:59:10.92 ID:jh6R1Ytk0
乙!まどか可愛すぎワロタwwwww

さて、今後ホワイトグリントやテルミドールの活躍があると観て良いのかな?
419 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:37:13.39 ID:0R+V5+NC0

420 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:37:49.49 ID:0R+V5+NC0
−−− 天の柱 −−−

マミ「”天使の翼”って本当に便利ね」

杏子「歩かずに意地悪なダンジョンまで戻れたからな」

ほむら「それにしても居なくなってるわね、意地悪なQB」

杏子「ちぇっ、”サンダー”で丸焼きにしてやろうと思ってたんだけどな」

まどか「さすがにインキュベーターを食べたりしないよね・・・?」

杏子「食えそうだったら食うよ?」

ほむら「そう・・・」



杏子「お、次の世界のドアが見えたぞ」

ほむら「ここで行き止まりになっているようね」

マミ「次の世界で最後の世界なのかしら?」

まどか「ソウルジェムが全部そろうんだね!」



 少女達は皆がドアに手を差し出し、一斉にそれを開く。
暗い場所から明るい所へ出た時の目の眩み。
視界に広がるものは、一面の雲と青空であった。
421 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:38:16.93 ID:0R+V5+NC0
−−− 雲の世界 −−−

ほむら「雲・・・?」

杏子「どうなってんだ?」

マミ「空の上ってこんな景色なのね。ソウルジェムの数は・・・」

− この世界に残るソウルジェムはあと 8 −

マミ「みたいよ。あと1つで77個が揃うのにね」

ほむら「それにしても、こんな所にソウルジェムがあるなんて」

杏子「ここをどう歩くんだ?まさか雲に乗れなんて言わないよな」



まどか「えいっ」ピョン

ほむら「まどか!」



まどか「見てみて!雲の上に乗れたよ!」

ほむら「・・・心臓が止まるかと思ったわ」

杏子「高所恐怖症のくせに無茶すんなよ」

まどか「だってキレイだったんだもん、この世界!」

マミ「でも足元が一面ずっと雲のおかげで、確かに怖いとは感じないわね」

ほむら「雲の上を歩けるのなら、先へ進んでみましょうか」
422 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:38:42.51 ID:0R+V5+NC0
 空の散歩を楽しむ少女達の目に入ったものは、
おそらくは大理石で作られているであろう宮殿。
そしてさらに奥には、彼女達が通ってきたものとは違う
もう1本の天の柱であった。



まどか「わぁ、この宮殿もきれいだね」

ほむら「雲の上に建てられているだけあって、荘厳な空気を感じるわ」

マミ「でも、こういう宮殿に居た人達って・・・」

杏子「どこの世界でも、新しき神々だったな」

まどか「どうしようか。あっちの天の柱に行ってみる?」

ほむら「いえ、先にこの宮殿から行きましょう。
 中に居るのがどのような人物なのか、見極めなければ」

マミ「例によってソウルジェムを集めて悪い事をしている人だと困るしね」

杏子「そうだったら、いつも通りにぶっ飛ばしちまえばいいんだよ!」

まどか「悪い人でなければいいんだけどなぁ・・・」
423 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:39:10.71 ID:0R+V5+NC0
http://www.youtube.com/watch?v=dEnvXqtZ2fA  

−−− ヴァルハラ宮殿 −−−

マミ「あれ、ここ見た事があるような」

ほむら「奇遇ね、私もそう思っていたところなの」

まどか「なんでだろう。不思議な感じがする」

杏子「アポロンやビーナスの宮殿に似ているから、そう感じるのかね」



まどか「見てよみんな、何か浮いてるよ」

マミ「キレイな水晶球ね」

杏子「なんなんだろうな、コレ。結構硬いよ」コンコン

ほむら「一体どういう理屈で浮いているのかしら」

まどか「お土産に1つ持って帰りたいね」

杏子「そうかぁ?こんなの置いてあったらちょっと引くぞ」

マミ「暁美さんのお家なら違和感ないんじゃない?」

ほむら「どういう意味よ」

まどか「ほむらちゃんのお部屋、歯車とか振り子時計とかあったし
 この水晶を置いてても似合いそうだよね」

杏子「自慢のほむホームとか言ってたもんな」

ほむら「・・・昔の事よ。忘れてちょうだい」
424 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:39:37.18 ID:0R+V5+NC0
マミ「それにしても、ここの宮殿は今までと変わっているわね」

ほむら「ここまでは新しき神々が居ただけって印象だけど・・・」

杏子「ぽつぽつ魔物の姿も見えるな」

まどか「こんな場所に魔物が居るなんて、
 ここに住んでいた人達はどうなったんだろう?」

ほむら「そもそも人なんて住んでいなかったのかもしれないわ」

マミ「神様が住んでいた宮殿だったとか!」

杏子「カミサマは魔物を飼っているって言うのかい?」

まどか「それもヘンだよね」

ほむら「雰囲気こそ違えど、アシュラの塔のような場所なのではないかしら」

杏子「ってーと、奥にはソウルジェムを集めた悪人が居るっての?」

ほむら「憶測に過ぎないけれどね」

マミ「そうは思えないのよね。こう、悪人の趣味でこんな建物にはならないと思うの」

まどか「でも、ビーナスの宮殿もこんな風にキレイに作られてましたよ?」

マミ「うまく言えないんだけれど・・・ビーナスとはちょっと違うような」

ほむら「さっきのような発言をしておきながらだけれど、
 私も本音は巴マミと同感ね。ここは何か懐かしい感じがするわ」
425 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:40:05.46 ID:0R+V5+NC0
まどか「ホッケーマスクを被った男の人がいるよ!」

杏子「どう見ても危険人物じゃねえか」

ほむら「人のように見えるけれどあれは魔物よ。”殺人鬼”ね」

マミ「ちょ、ちょっと。すごい物騒な物を持ってるわよ」

まどか「あれは山でお仕事してる人が使う・・・」

杏子「チェーンソーだな・・・」

ほむら「私達では耐えられないわ。あなたの装甲に頼るしかないの」

マミ「よーし、ドンと来なさい!」

 さつじんきは チェーンソーで
 マミさんを こうげき

マミ「ちょ、やっぱ怖い!怖い!」

杏子「頑張れマミ!」

マミ「わあああぁぁ・・・」ガキン

 チェーンソーでは かたくてきれない



ほむら「マミさんは バラバラになった」ファサッ

マミ「なってない!ピンピンしているわ!」

まどか「チェーンソーが壊れて回らなくなったよ・・・マミさんすごいなぁ」

マミ「本当に怖かったんだから!」

 マミさんは よいちのゆみで
 さつじんきを こうげき
 さつじんきに 777のダメージ
 さつじんきは たおれた

ほむら「ラッキーセブンじゃない」

マミ「ちっともツイてないわよ!」
426 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:40:39.04 ID:0R+V5+NC0
まどか「マミさんごめんなさい・・・」グスッ

マミ「鹿目さん・・・ううん、もう怒っていないわ」

杏子「調子に乗りすぎたよ、ごめんな」

ほむら「・・・あら、もう次の魔物が来たわよ」

マミ「”ハンマーヘッド”が2匹と”アンサラー”が1匹ね」

杏子「アタシの能力はアンサラーには効かないから、
 まどかはアンサラーを頼むよ」

まどか「うん、わかった。マミさんの分も頑張りますね!」

マミ「それじゃあ弓は温存して”ビームライフル”で攻撃するわね」

 ハンマーヘッドは ずつきで
 まどかを こうげき
 まどかに 91のダメージ

 ハンマーヘッドは ずつきで
 まどかを こうげき
 まどかに 87のダメージ

ほむら「まどか、大丈夫?」

まどか「意地悪なダンジョンの敵に比べればへっちゃらだよっ!」

 アンサラーは
 こうげきを まちかまえている

杏子「まどかっ、危な・・・」

 まどかは ネコのツメで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーに 412のダメージ

 アンサラーは 
 カウンターで はんげき
 まどかに 832のダメージ
 まどかは たおれた

まどか「」ドサッ
427 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:41:05.74 ID:0R+V5+NC0
ほむら「まどか!」

マミ「まずいわ!佐倉さん、速攻で片付けるわよ!」

杏子「分かってる!」

 マミさんは ビームライフルで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーに 401のダメージ
 アンサラーは たおれた

 きょうこは サンダーで
 ハンマーヘッドたちを こうげき
 ハンマーヘッドたちは サンダーによわい
 ハンマーヘッドたちに 560のダメージ
 2たい たおした

ほむら「まどか、大丈夫?ケアル!」キュイーン

まどか「いたたた、油断しちゃった。みんなごめんね」

マミ「いくら体が軽くても、浮かれて油断しちゃダメよ」

杏子(何だろう、説得力がないなぁ)
428 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:41:37.67 ID:0R+V5+NC0
 水晶球の並びと大理石の壁面は、さながら迷路のようであった。
それを抜けて歩いて行った先に、
装飾の施された大きなドアが彼女達の視界に入る。



杏子「いかにも、何かが居ますって感じの部屋だな」

まどか「でも他に道があったわけでもないし・・・」

ほむら「覚悟を決めて行くしかないわね」

マミ「準備はいい?開けるわよ・・・」



 戸を開いた先に、調度品も何もない広く大きな一室。
その部屋の中央に、白い鎧を身にまとったインキュベーター。
彼は右手に大きなヤリを持ち、少女達をじっと見ていた。



 その光景を目の当たりにして、全てを思い出す。
自分達が倒れた時には、ここに来ていた事を。

 目の前にいるオーディンに、生き返らせて貰っていた事を。
429 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:42:07.13 ID:0R+V5+NC0
オーディン「ついにここまで辿りついたね、勇者達」

まどか「あなたは・・・」

ほむら「オーディン・・・」

オーディン「その顔なら、僕との約束を覚えているよね?」



オーディン「さあ、僕と戦うんだ」

マミ「なぜあなたと戦わなくてはならないの。教えて」

オーディン「僕に勝てたらそれを話してあげよう」

杏子「アンタをやっちまったら生き返れなくなるじゃないか」

まどか「そんなバカな事できないよ!」

オーディン「ふふふ。もう僕に勝てる気でいるのかい?」
430 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:42:37.89 ID:0R+V5+NC0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250

「てかげんは しないよ!」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira018410.jpg
431 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:43:04.97 ID:0R+V5+NC0
 オーディンはその右手に持つヤリを高く掲げる。
彼の周囲には白い魔力の塊が集まりだし、
それはやがて2匹の鳥と1匹の馬の形を取っていた。



オーディン「1対4では不利だからね。数合わせはさせてもらうよ」

杏子「案外セコい奴だね、アンタ」

オーディン「何とでも言ってくれ。さあ、始めようか」

ほむら「ザコから片付けましょう」



 暁美ほむらが”フレアの書”を手に取り、
パラパラとページを捲り出す。

 その能力が発動するまでの時間を稼ぐため、
鹿目まどかが馬型の魔物”スレイプニル”を、
巴マミが鳥形の魔物”オーディン烏”に狙いを付ける。
432 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:43:40.98 ID:0R+V5+NC0
オーディン「こう見えても可愛いしもべなんだ。やらせたくはないね」



 オーディンは自らの背丈ほどもあるヤリを構え、
先頭に立っていた巴マミを突き刺す。
そのままヤリを引き抜き、自分の与えたダメージを観察していた。

 崩れ落ちる彼女を見て、彼は満足げに頷くと
次の獲物を定めるべく少女達に視線を投げる。



マミ「ぐぅっ・・・」

杏子「オイ、しっかりしろ!ケアル!」キュイーン

マミ「助かったわ、佐倉さん。今度はこっちの番よ!」



 すでに鹿目まどかは”スレイプニル”を斬り付けていた。
動ける程度には傷を治してもらった巴マミが、手に持つ弓を
”オーディン烏”の群れに向けて放つ。

 その矢とすれ違うように"スレイプニル”が吐き出した
”ほのお”の能力が迫り来る。

 敵にとって残念だったのは、少女達の全員が
装備や能力によって”ほのお”のダメージを
受け付けなくなっていた事であった。
433 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:44:14.30 ID:0R+V5+NC0
 やがて暁美ほむらの作り出していた魔力の塊が
敵の中心で”フレア”の能力となり、目も眩むような
閃光と大きな爆発を残す。

 キーンと残り続ける耳鳴り。
爆発の効果は”フレア”を発動させた本人から見ても
効果が薄く、敵の群れは全員が立っていたままであった。



ほむら「仕留め切れなかったわ」

杏子「あのヤリは危険すぎるよ。回復が追いつかねえ」

マミ「攻めるべきか、守るべきか・・・」



まどか「いい考えがあるの。ほむらちゃんは”イージスの盾”をお願い」
434 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:44:41.85 ID:0R+V5+NC0
 そう告げた鹿目まどかは、背負っていた”波動砲”を
敵に向けて構える。

 彼女の意図を理解した3人は、それぞれが守りの態勢を固める。



まどか「いっけぇー!」



 銃身に白い光の粒が吸い込まれてゆく。
それはほんの少しのタメの時間をおいて、
敵の群れに向けて青白い光の柱を作り出していた。

 

オーディン「そんな危険な武器を持っていたなんてね。
 僕のしもべ達が丸焼けになってしまったよ」



 その言葉を話すオーディンは無傷で立っていたものの、
オーディンの側に立っていた3匹の魔物は
彼の言う通りに立ったまま黒く焦げて動かなくなっていた。
435 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:45:08.91 ID:0R+V5+NC0
 その仇を取ろうと言うかのように、
オーディンは攻撃の対象を鹿目まどかに切り替える。

 ”波動砲”を肩に乗せたままの鹿目まどかは、
それを避け切る事が出来なかった。



まどか「っ!」

 

 ただし、今回のヤリは彼女の体を貫く事が出来ない。
”イージスの盾”が作り出した光の防御壁によって、
オーディンの攻撃の勢いは殺されてしまっていたのだ。



オーディン「イージスの盾・・・厄介なものだね」

ほむら「いつまでも好きなようにはさせない」

杏子「まどか、すぐ治すよ。ケアル!」キュイーン
436 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:45:39.45 ID:0R+V5+NC0
 彼には他に使える能力があったのかもしれない。それでも、
オーディンは、そのヤリを使っての攻撃しか行わなかった。

 ”イージスの盾”が作り上げる光の壁は、あらゆる能力を防ぐ。
それを知っていたからこそ、そのような単調な攻撃を行わざるを
得なかったのかもしれない。



 威力の減衰したその物理攻撃を受けては、佐倉杏子は
”ケアル”の能力を使って回復を済ませる。

 残りの3人は、ただひたすらオーディンに攻撃を加える。

 もはや勝敗は誰の目にも明らかであった。
437 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:46:05.71 ID:0R+V5+NC0
まどか「・・・もうやめませんか?」

ほむら「もはやどちらが勝つのか、あなたにも分かっているはずよ」

オーディン「生憎だけど、戦いを辞めるつもりはないね」

杏子「聞き分けのないヤツだな」

マミ「どうしてそこまでして戦うの?」

オーディン「僕が倒れてしまったら、話す事も出来ないね」



 そう告げたオーディンは、ヤリの矛先を天に向けて地面を叩く。
一時的なものかもしれないが、攻撃を止めるという合図。
それを見た少女達も、それぞれの武器を向けるのを止める。



オーディン「少し長い話になる。まずはソウルジェムの秘密を教えてあげよう」

まどか「秘密って・・・?」
438 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:46:39.57 ID:0R+V5+NC0
オーディン「ソウルジェムのもたらす力。それを君達は
 ここまでの冒険の中で、いくつも目にして来たことだろう」

オーディン「世界中に居た新しき神々。そして、今の君達が
 使っている力の増幅装置」

オーディン「ソウルジェムはまさに、奇跡を生み出す力の象徴なんだ」

ほむら「そんな事は知っているわ」

オーディン「では質問をしようか。ソウルジェムの力が
 無尽蔵に生まれるものなのだと、君達は思い込んではいないかい?」



杏子「どういう事だ?」

オーディン「いかに古き神々と言えど、そのような奇跡を作り出す事は出来なかった。
 ソウルジェムの奇跡を生み出すには、少なからず代償が支払われているんだよ」

マミ「・・・代償?」

オーディン「そう、代償さ」
439 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:47:09.22 ID:0R+V5+NC0
オーディン「ソウルジェムはその力を発揮する度に、
 人の世に溢れる負の感情を吸い取っている」

オーディン「怒り、憎しみ、悲しみ、恨み。それらの呪いの力を、穢れとでも呼ぼうか」

まどか「このソウルジェムが・・・穢れを溜め込んでいるって言うの?」

オーディン「そうは見えないだろう?けれど君達の持っているソウルジェムは、
 もう許容量を越えて呪いを溜め込んでいる」

オーディン「それらは古き神々に言わせれば、ソウルジェムと呼べる物ではないらしい。
 じゃあ何と呼べばいいのか、それは古き神々にしか分からないけれどね」

ほむら「穢れを溜め込んでいたとして・・・
 そんな物を使い続けていたら危険ではないのかしら」

マミ「知らなかったとはいえ、これまで使い続けて来たけれど何ともないわよ?」

オーディン「そのあたりは君達が心配する事はない。
 宝石が溜めきれなくなった穢れは、天の柱の世界に吸い込まれる事になっているんだ」

杏子「そんな事をして何になるってんだ?」

オーディン「神々の世界が身代わりとなって、人の世界に呪いが振り撒かれないように。
 僕を創った古き神々は、そう言っていたよ」

まどか「創った・・・?」

オーディン「そうさ。僕達インキュベーターは、古き神々に創られたモノなんだ」
440 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:47:35.41 ID:0R+V5+NC0
オーディン「古き神々の都合は分からない。けれど、彼らもまた
 自分達の世界に呪いが集まる事を良しとは思っていなかったんだ」

オーディン「それが、僕達の創られた理由さ。
 僕達はソウルジェムに集まった穢れを”食べる”ためだけに存在していたんだよ」

マミ「・・・・・・」

杏子「・・・どれだけの間、そうして来たんだ?」

オーディン「さてね。この世界に人間が創られたのと同時に、
 少なくても僕という個体は創りだされていた」

オーディン「人間がほら穴の中で生活をしていた頃から、
 僕はこの世界にずっと居たのさ」

まどか「そんなに長い間・・・」

オーディン「それを苦痛だとは思わなかった。僕達には、感情がなかったんだよ」

オーディン「ただただソウルジェムの穢れを食らい続け、古き神々から
 与えられた仕事をする機械。それが僕達インキュベーターだった」
441 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:48:02.47 ID:0R+V5+NC0
ほむら「辻褄が合わないわ。あなたの話が真実なのであれば、
 ソウルジェムに穢れが溜まるなんて事はないのではないかしら?」

オーディン「その通りだね。僕達が仕事をしてさえいれば、
 そんな事にはならなかった。だが、僕達は仕事を辞めてしまったんだ」

マミ「どうして?」

オーディン「個体差はあったけれど、機械に過ぎない僕達に感情が生まれたんだよ」

オーディン「感情が生まれた理由は分からない。あまりにも長すぎた年月が、
 古き神々の生んだ機械にさえも故障を起こしたのかもしれないね」



オーディン「勿論、今でも仕事を続けているインキュベーターも居るだろう。
 だが、多くのインキュベーターは自身の存在価値に疑問を抱いてしまったんだ」

オーディン「何のためにこんな事をしているんだろう、ってね。
 虚しくなってしまったんだよ」



オーディン「・・・君達がこれまでに見てきたインキュベーターを思い出して欲しい。
 そのほとんどが、何かしらの感情を持っていたのではないかい?」
442 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:48:30.59 ID:0R+V5+NC0
オーディン「長々と話したけれど、話を最初に戻すね」

オーディン「あまり大きな声で言えたものでもないけれど、
 僕に生まれた感情。それは、ただ面倒臭いという事だけなんだ」

杏子「散々と語っておいてそれかよ」

オーディン「そう言われると思ったよ。僕はこう見えて、仕事熱心なタイプでね。
 ソウルジェムを8個も集めて、穢れを食べていたんだ」

オーディン「それだけのソウルジェムのおかげで、僕には強靭な肉体が備わった。
 僕は誰かに殺して貰わない限り、このヴァルハラ宮殿で生き続けるだろう」

マミ「・・・何て事を言うの」

オーディン「言っただろう、虚しくなったって。
 君達のような勇者と戦い、その中で死ぬ。それが僕の本望なんだ」



ほむら「虚しくなったから、そんな理由で戦って欲しい?殺して欲しい?
 冗談でも済まされる言葉ではないわよ」

まどか「あの、もっと生きていれば・・・きっと楽しいって思える感情も・・・」

オーディン「それは何千年後の話だい?何万年後になるんだい?」



オーディン「そこまで生き続けろと言うのは、僕にはとても耐えられそうにないよ」
443 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:48:58.03 ID:0R+V5+NC0
まどか「でもっ!」



 言葉を遮るように、オーディンはヤリで床を叩く。
そしてゆっくりとその矛先を少女達に向けて言葉を続ける。



オーディン「僕は自害できないように創られている。
 君達という強敵が現われたチャンスを逃しはしない」

オーディン「君達が僕を殺すか。僕が君達を殺すのか」



オーディン「ここで朽ち果てたくなければ、僕に最期を与えてくれ」
444 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:50:01.26 ID:0R+V5+NC0
 オーディンがヤリを振り、少女達に攻撃を加える。
受けた傷の回復は、先ほどまでと同じように佐倉杏子が担当する。
だが、彼女達は攻撃をするのを躊躇していた。

 

杏子「・・・”ケアル”を使えるのも、あと何回もないぞ」

マミ「けど・・・!」



オーディン「君達が手を抜くと言うのなら、僕にも考えがある」



 そう告げたオーディンは、左手に1つのソウルジェムを取り出す。
それは”イージスの盾”と同じように光を放ちながら変形し、
長身の光の刀となっていた。



オーディン「ソウルジェム”マサムネ”さ。
 古き神々の創ったこの刀、人間に対して振るのは初めてだよ」



 そのきらめく刃を見ながら、少女達は戦慄する。
古き神々が創った”イージスの盾”の防御能力には、
これまでに何度も助けられて来たのだ。

 では、同じソウルジェムであるその刀の威力はどのようなものであるのか。

 それを身をもって味わおうなどとは、誰もが考えていなかった。
445 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:50:30.98 ID:0R+V5+NC0
 暁美ほむらが”フレアの書”を手に取る。

 巴マミが”ビームライフル”の銃口を敵に向ける。

 佐倉杏子はその両手に”サンダー”の魔力を集め始める。



まどか「駄目だよ、こんなの絶対におかしいよ!」



 その叫びの主に向けて、オーディンが歩み寄る。
光の刀を大きく天に掲げながら。



 ”フレア”の起こした爆発が、少女とインキュベーターを吹き飛ばす。

 さらにオーディンに2発の追撃が与えられ、
少女達はその巨体がゆっくりと地面に倒れていく様を目にする。
446 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:51:00.60 ID:0R+V5+NC0
http://www.youtube.com/watch?v=dEnvXqtZ2fA

オーディン「よくやってくれた・・・」



オーディン「これから先、君達が倒れても助けてくれる者はいない。
 気をつけて進むんだよ・・・」

まどか「オーディン!」

オーディン「・・・言い忘れていたね」



オーディン「ありがとう」



 その体は光につつまれ、ぽろぽろと崩れ落ちてゆく。

 消えゆく肉体の代わりにソウルジェムが1つずつ、床に落ちて転がる。



 それを拾う事が出来ず。

 少女達はしばらくの間、じっとその宝石を見つめ続けていた。
447 :1[saga]:2011/07/14(木) 19:51:31.26 ID:0R+V5+NC0
 − 力のソウルジェムを手に入れた −

 − 素早さのソウルジェムを手に入れた −

 − 魔力のソウルジェムを手に入れた −

 − 炎のソウルジェムを手に入れた −

 − 氷のソウルジェムを手に入れた −

 − 稲妻のソウルジェムを手に入れた −

 − 毒のソウルジェムを手に入れた −

 − ソウルジェム マサムネを手に入れた −
448 :1[sage saga]:2011/07/14(木) 19:52:14.75 ID:0R+V5+NC0

449 :1[sage saga]:2011/07/14(木) 19:54:42.46 ID:0R+V5+NC0
本日はここまで。

オーディン戦直後を撮り忘れて、次の世界に入った瞬間のステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira018411.jpg

>>416 電源パチパチな裏技やらないと防御50なんて・・・めん・・・ど・・・い・・・
>>418 前回はゲームらしく書こうと思う内に暴走してネタを入れすぎた。今後は何も出ないよ!
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/14(木) 20:08:39.90 ID:A3MPD6EYo


いじわるなダンジョン下層の敵なら、ステが75までは容易に上がるはず
戦闘で常時イージスの盾をしておけば防御upも戦闘もラクラクだ!
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/07/14(木) 20:56:29.21 ID:FUpwLmnLo
乙!

ここでようやく表題のマサムネが登場、そしてあと僅かか・・・
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/14(木) 21:16:58.51 ID:mpfedtKIO
マサムネの固定ダメージにはガッカリだったな
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/14(木) 22:47:57.39 ID:jh6R1Ytk0


良い話だなぁ・・・
454 :1[saga]:2011/07/16(土) 15:58:57.49 ID:KNuYvr830

455 :1[saga]:2011/07/16(土) 15:59:30.33 ID:KNuYvr830
−−− 天の柱 −−−

 ヴァルハラ宮殿を脱出し、そこに入る前に
見えていた天の柱へと少女達は歩いていた。

 先ほど起きた出来事から、じっと黙り込んだままで。



杏子「・・・・・・」

マミ「鹿目さん・・・その・・・」

ほむら「ごめんなさい。あなたのために・・・」

まどか「ううん、私の方こそごめんね。
 オーディンがどうしたら幸せになれるかなんて、私達には分からないよね」

杏子「アイツ、消えて行きながら笑ってるように見えたよ。
 きっとこれで良かったんだよ」

マミ「そうね。そう思いましょう」
456 :1[saga]:2011/07/16(土) 15:59:56.76 ID:KNuYvr830
ほむら「提案があるのだけれど、いいかしら?」

まどか「どうしたの、ほむらちゃん」

ほむら「あのようなソウルジェムの秘密を聞かされて、
 正直このまま使い続けるのは気が引けるわ」

杏子「言いたい事はなんとなく分かるよ」

マミ「穢れが溜り続けてどうなるのかも分からないけれど、
 いいイメージは持たないものね」

まどか「うん、これを使うのはもうやめよう」

ほむら「あと1つで、77個のソウルジェムが揃うのね」

まどか「そうしたら、ガーディアンに預かってもらおうよ。
 誰も悪事に使ったり出来ないようにね!」

杏子「きっと次の世界に、最後の1つがあるんだろうな」

マミ「そうなると、次の世界が最後の世界という事になるわね」



 話しながら歩いて行くうちに見えていたドア。
こうして開くのも最後になるかもしれないと考えながら
少女達は全員がそのドアに手をかけ、そして押し出す。
457 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:00:36.76 ID:KNuYvr830
−−− 最後の世界 −−−

 そこにはごつごつした岩場と、いくつかの木々が立っている世界。
先の世界に比べると平凡と形容できるその世界ではあったが
さらにもう1本の天の柱が視界の先にそびえ立っていた。



杏子「見ろよ、また天の柱があるぞ」

マミ「あら、ここが最後の世界ではないのかしら?」

まどか「どうしよう、精霊の鏡を1回だけ使ってみる?」

ほむら「もうちょっとこの世界を歩いてからでも遅くはないわ。
 まずは街でもないか、探してみましょう」

杏子「どっちにしろ周りは岩場だらけで、あそこの天の柱の近くまで
 行かねーとだめだな」

マミ「特に急いでいるわけでもないし、のんびりと行きましょうか」



 もう片方の天の柱に近づくにつれて、柱のドアの前に
人の姿があるのが少女達には見えていた。

 誰から見ても、何かを待っている様子のその姿。

 それは以前に見た新しき神々の1人、アポロンであった。
458 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:01:16.89 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/nm3696152

アポロン「やあ。久しぶりだね」

マミ「アポロン?」

ほむら「また会ったわね。レース会場以来かしら」

アポロン「君達を待っていたんだ。オーディンを倒せるかどうか、
 ちょっと心配していたよ」

まどか「私達を待っていたの?」

アポロン「そうだとも。僕の調べが正しければ、
 君達は76個のソウルジェムを持っているはずだね?」

杏子「・・・テメェ、何が言いたい」

アポロン「そして、僕が残りの1つを持っている。
 君達か私か、どちらかが全てのソウルジェムを手に入れる事になるわけだ」



アポロン「さあ、勝負をしようか」
459 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:01:42.63 ID:KNuYvr830
まどか「あなたがなんで気が変わったのかは知らないけれど、
 ソウルジェムは渡さないよ!」

アポロン「それで結構さ。元より、力尽くで奪うつもりだったのだから」



 そう告げたアポロンは魔力を集中させ、
少女達の周囲に魔物の影を作り出す。

 オーディンが使った魔力と同じものではあったが、
魔物は数え切れないほどの群れとなり彼女達を囲んでいた。



マミ「こんなので私達を止められると思っているの?」

アポロン「君達が消耗さえしてくれればそれでいいさ」

杏子「っざけやがって・・・!」

アポロン「勝つためには手段を選ばないよ。さあ、頑張っておくれ」



詢子「伏せろ!」
460 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:02:31.54 ID:KNuYvr830
 その声が聞こえると同時に”バルカン砲”があげる
けたたましい銃声が少女達の耳に聞こえだす。
何が起きつつあるのか理解した彼女達は、一斉に地面に身を投げる。

 そうして音の出所に目を向ける。
そこには、腰に構えた大型の機関銃から火を噴かせ
左右に弾をばら撒き続ける鹿目詢子の姿。



まどか「ママ!」



 やがて機関銃の弾が切れ、それを地面に無造作に投げる。
少女達を取り囲んでいた魔物は、全て倒れて動かなくなっていた。
それを確認した鹿目詢子は、娘の顔を見てニヤリと笑う。



詢子「アタシは不死身だよ!」
461 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:03:05.13 ID:KNuYvr830
アポロン「まさか大佐が現われるなんてね。
 まったくしぶとい人間だよ、君は」

詢子「テメェの思い通りにはさせねぇよ。残念だったね」

アポロン「ふっ、さすがにお強い。だが、そこまでだよ」



 アポロンはパチンと指を鳴らす。
その仕草と共に、空間に灰色の魔力が集まる。

 それは魔力で作られた牢獄。
そこには、彼女達のよく知る人間達が囚われていた。



まどか「たっくん!」

タツヤ「マドカァ・・・」

杏子「ゆま!」

ゆま「キョーコ・・・怖いよ・・・」

ほむら「美樹さやか・・・!」

さやか「ごめん、捕まっちゃった・・・」

マミ「織莉子さん、キリカさんまで・・・」

織莉子「・・・申し訳ございません」

キリカ「私じゃ勝てなかったんだ・・・」
462 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:03:37.04 ID:KNuYvr830
詢子「この下種野郎が・・・!」

アポロン「それは人間にとっては罵倒の言葉なのかな?
 さあ、僕が何を言いたいかは理解してくれるよね」



詢子「・・・・・・」

まどか「ママ・・・」



 長い沈黙。

 やがて鹿目詢子は、娘の目を見て頷く。
そうするしかないのだと、全員が理解していた。

 ソウルジェムを袋に集め、それをアポロンへと手渡す鹿目まどか。
母親は、自分の娘の悔し涙というものを初めて目にしていた。
463 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:04:11.05 ID:KNuYvr830
アポロン「約束通り、命は助けよう。
 君達はこれから、唯一の神アポロンのしもべとなるのだからね」

詢子「待ちな。それだけのソウルジェムの力を使えば、
 きっとこの世界は持たずにバラバラになっちまうぞ」

アポロン「それが君達ガーディアンの研究結果かい?
 実にお粗末な嘘を吐くんだね」

詢子「そうなったら困るから本音で言ってるんだよ」

アポロン「くだらない。この77個のソウルジェムの力で、僕は真の神になるんだ。
 もしも世界がバラバラになったら、僕が救ってあげよう」

詢子「テメェ・・・!」

アポロン「笑いが止まらないよ。ふっふっふっふ・・・」



 アポロンは背を向けて、そこにそびえ立つ天の柱へと消えてゆく。
その姿が見えなくなると同時に、皆を閉じ込めていた魔力の牢獄も消える。

 解放されたとはいえ、その場に居た全員の顔は曇ったままであった。



マミ「おしまいね・・・」

杏子「ここまで来たのにな」

ゆま「ごめんね、キョーコ・・・」



詢子「まだ望みはあるよ」
464 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:04:40.65 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8301286

まどか「ママ?」

詢子「この世界で精霊の鏡を使ったか?」

ほむら「いえ、使っていませんけれど」

詢子「そっか。実はこの世界には、あと1つのソウルジェムが眠っている事を
 ガーディアンは突き止めているのさ」

杏子「ってなると、ソウルジェムは78個あるって事になるけど・・・」

詢子「ソウルジェムが全部で77個ってのは、ガーディアンの流した嘘だ!」

マミ「えーウソー!」

詢子「アポロンのヤツは全てのソウルジェムを手にしたワケじゃない。
 だから、アイツが真の神になるなんて事は出来ないのさ」

まどか「それなら・・・!」

詢子「アポロンがそれに気付く前に、アタシ達が最後の1つを回収する。
 そしてヤツをぶちのめして、全てを回収すれば万事めでたしさ」
465 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:05:22.58 ID:KNuYvr830
ゆま「キョーコ、負けないでね」

杏子「あんなのに負けるワケねえだろ。アタシらに任せておけって!」

ゆま「おいしいお店、探しておくからね。絶対戻ってきてね」

杏子「おう!」



さやか「・・・あの時のお礼、まだアンタには言ってなかったよね」

ほむら「礼を言われるような事をした覚えはないわ」ファサッ

さやか「アンタが忘れても、あたしは忘れないから。絶対帰ってきてよ!」

ほむら「・・・貰えるものなら頂いておくわ。それまで待っていてちょうだい」



織莉子「あれから江戸を離れましたが、幸いにも追手はいないようです」

マミ「良かったわね。またじきに江戸へ帰れるわよ」

織莉子「私もそう思います。皆さんは恩人です。世界のため、頑張ってください」

マミ「そんなキリカさんみたいな呼び方しないでよ・・・なんだかむずむずするわ」



マミ(キリカさんと言えば・・・)
466 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:05:58.18 ID:KNuYvr830
詢子「キリカ、その・・・」

キリカ「よして欲しいな。会いに来なかったなんて理由で
 私は詢子に怒ってなんかいないよ。むしろ感謝しているくらいさ」

キリカ「謝りたいのは私の方なんだよ」

キリカ「自分の事ばかり考えて、詢子のソウルジェムを守るという志を
 すっかり忘れてしまっていた。ガーディアン失格なんだよ、私」

キリカ「それに、今回の件もそうだよ。織莉子を守りきる事すら出来なかった。
 私は・・・」

詢子「アタシの言えた事でもないけどさ」

詢子「よしてくれよ、そんな顔すんの。織莉子をここまで守って来たんだろう」



詢子「今のアンタは、誰よりも立派なガーディアンだよ」

キリカ「っ」
467 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:06:34.96 ID:KNuYvr830
詢子「アンタは私の一番弟子だ。だから胸を張れよ」



詢子「・・・ここに居る皆を、それぞれの世界へ連れてやってくれるか」



 立ったまま震える呉キリカは、頷く事でその質問に返答をする。
そんな彼女の服の袖を、タツヤがぐいぐいと引っ張っていた。



タツヤ「キリカァ、キリカァ」



キリカ「・・・全員、無事に送り届けるよ。詢子も頑張って」

詢子「ああ」



詢子「さあアタシ達も行くぞ。アポロンに抜かれるな!」
468 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:07:07.85 ID:KNuYvr830
 その場に居た人間が、二つの塊に分かれて移動を始める。
それぞれの世界に戻ろうとする者達と。
最後のソウルジェムを探しに向かう者達と。



ほむら「これからどこに向かうのですか?」

詢子「ここから西に街がある。まずはそこで準備からだ」

杏子「準備?」

詢子「最後のソウルジェムはかなり長いダンジョンの奥にあるようだ。
 そこでソウルジェムを守っている戦闘メカも、かなりの強さを持っている」

詢子「だから、私達ガーディアンはそのソウルジェムに手が出せなかったのさ」

マミ「それなら、準備はきちんとしておかなければね」

まどか「皆で戦えばきっと勝てるよ!」
469 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:07:49.09 ID:KNuYvr830
−−− 最後の街 −−−

詢子「よし、それじゃあ準備にかかるか。
 アタシは武器を見に行くよ」

まどか「それじゃあ私も!」

ほむら「それなら私も行くわ」ファサッ

杏子「じゃ、アタシとマミは道具屋を見に行くよ」

マミ「私達はとくに欲しい武器もないから、気にせずお買い物をして来てね」

詢子「ああ、”コテージ”を3つくらい買っておいてな。
 長丁場になるだろうからね」

マミ「はい、行ってきます」



マミ「防具・・・もあまり必要ないわね」

杏子「持ってる物ばかりだしな。これなんかどうだい、”いやしの杖”」

マミ「なんだろうこれ」

店員「それは仲間達の体力をいっぺんに回復させる事が出来る杖だよ」

杏子「へー、便利だなぁ。これも何本か買っておこう」

店員「まいどあり!」
 
マミ「あとは買う物もないわよね」

杏子「それじゃ宿に行くか。先に向こうも着いてるかもな」
470 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:08:18.65 ID:KNuYvr830
まどか「せんしゃ!」

店員「お、目の付け所が違うね。これは当店自慢の”レオパルト2”さ!」

ほむら「こんなモン武器屋で売るんじゃないわよ・・・!」

詢子「アンタら随分と金もってたんだねぇ。”フレアの書”を何冊か買っておくか」

ほむら「はい、そうしてくれると私は助かります」

まどか「ママ!せんしゃも買おうよ!」

詢子「ああん、アンタ免許持ってねえだろ?」

まどか「けど・・・」

詢子「駄目だね。まだアンタをそれに乗せるわけには行かない」

ほむら(常識人で良かった)



詢子「だからアタシが乗る!まどか、アンタは装甲の上に乗ってな!」

まどか「せんしゃ!せんしゃ!」

ほむら(駄目だコイツら・・・)
471 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:08:56.07 ID:KNuYvr830
マミ「何か外から特徴的な音がするわ」キュラキュラ

杏子「・・・おい、外を見てみろよ」キュラキュラ

マミ「・・・どうしてアレがここに・・・」キュラキュラ



ほむら「ごめんなさい。止められなかった」

杏子「でも広いところでなら頼りになるし、いいんじゃないか?」

マミ「とはいえ、これから向かう所はダンジョンのはずよね・・・」



詢子「いやー新しい愛車は違うね!」

まどか「せんしゃ!ママのせんしゃ!」

詢子「おっ、そっちにも泥が付いてるよ。まどか、そっちも磨いてくれ」

まどか「うん!」



マミ「これぞ一家の団欒(だんらん)ね」

杏子「いや、ほのぼのとしているけどさぁ」

ほむら「まどか!行かないで!」



詢子「?」

まどか「?」
472 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:10:03.36 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4393197

マミ「くかー」

杏子「くかー」

まどか「・・・・・・」

詢子「・・・・・・」



まどか「・・・ママ、起きてる?」

詢子「起きてるよ。どうした?」

まどか「あのね・・・」



まどか「えっと・・・」



詢子「ほら、こっち来なよ」

まどか「えっ、違・・・」

詢子「まどかはいつまでも甘えん坊さんだな」



まどか「・・・うん」
473 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:10:44.67 ID:KNuYvr830
 自分の枕を抱きかかえ、娘は母のベッドへと潜り込む。
鹿目まどかがずっと幼かった頃から、久しぶりに見る母の肌着姿。

 その体には、当時にはなかった傷痕がいくつも作られていた。
目に見える両腕に1つずつ残る弾痕と。
そして今の位置からは見えない、背中に刻まれているだろう傷痕。

 それらは、鹿目まどかの目の前で作られたものに違いがなかった。



まどか「ママ、その・・・」



まどか(面と向かって謝れないよぉ・・・)



詢子「言いにくい事ならいいさ」



 ぐい、と頭を寄せられ、娘は母の胸元に顔をうずめる。



詢子「話したくなったら、その時に言ってくれりゃいいよ」



 胸元が濡れてゆくのを感じる母。
彼女はその原因である娘の頭を、いつまでも優しく撫でていた。



ほむら(イイハナシダナー)グスッ

ほむら(今日はパンツ職人を見逃してあげるわ、まどか)
474 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:11:18.95 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

−−− 最後のダンジョン −−−

 そこは最後の街から南に歩くと、すぐに見つかった。
ぽっかりと地表に口を広げるその迷宮の入り口は当然の事ながら、
少女達の乗り物が進入できるほどの大きさではなかった。



詢子「駄目だなぁ。やっぱ戦車じゃ入れそうにないや」キュラキュラ

マミ「そうだ。砲撃で入り口を広げてしまうのはどうかしら?」

まどか「やってみようよ!」

杏子「煽るんじゃねえよバカ・・・」

詢子「そんな事したら入り口が崩れちまうかもしれないだろ?」

マミ「そうでしたね・・・ごめんなさい」

ほむら(常識があるの?ないの?)

まどか「せんしゃ・・・」

詢子「ほら、まどかも行くぞ。急がなきゃな」
475 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:11:48.87 ID:KNuYvr830
ほむら「詢子さん、歩きながらでいいので質問に答えてくれますか?」

詢子「なんだい?」

ほむら「私達はオーディンから、ソウルジェムが何か危険なものだと
 教えられました。ガーディアンではそのような認識を持っていますか?」

詢子「それはソウルジェムの力を使う事が危険だと言いたいのかい?」

ほむら「はい。オーディンは、この宝石が世界中の穢れを溜め込んでいると・・・」

詢子「そういう仕組みだとは知らなかった。けど、この力を利用する事が
 危険なものだと言う事は、なんとなく想像はしていたよ」

マミ「というと?」

詢子「奇跡には代償が付き物だろ」

まどか「・・・・・・」

詢子「アタシはなんとなく、そう思っていたんだ。
 ガーディアンの石頭連中は聞こえなかった振りをしていたけどね」
476 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:12:18.02 ID:KNuYvr830
杏子「穢れは天の柱の世界に集まっているって聞いたけど、
 それがどういう事なのかは?」

詢子「そこまでは分からないね。たださ・・・」



詢子「普通に考えれば、穢れを吸い取る宝石がこの世界中に
 散らばっているって事は、穢れというものが蔓延すると良くないって事だろう?」

詢子「それが天の柱に集まるってなると、
 そのうちに天の柱に何か異常が起きるんじゃないかな」

まどか「異常って・・・」

詢子「そこまではアタシの憶測の話さ。
 ただ、最近になってガーディアンにも新しい研究の成果が見えたんだ」
477 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:12:47.39 ID:KNuYvr830
マミ「それは?」

詢子「過去にこの世界は、1度バラバラになっていたらしい。
 色々な歴史の書物から、それが私達には分かったんだ」

詢子「そしてその時期のあらゆる世界の記録を見ると、
 その時期だけすっぽりとソウルジェムに関する記述がない」

詢子「ソウルジェムと世界がバラバラになっていた事実は、
 どう考えても関係がある事なんだ。アポロンに話した事はウソじゃないんだよ」



ほむら「そんな・・・」

詢子「心配すんなよ」



詢子「アタシ達がソウルジェムを全部集めて、誰も触れないようにしておけば
 そんな心配も必要なくなるだろ。みんな、頑張ろうよ!」



4人「「はい!」」
478 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:13:23.07 ID:KNuYvr830
マミ「あら、何かしら」

杏子「どうした?」

マミ「ほら、ここの壁・・・何か変よ」

詢子「どれどれ・・・」グイッ

ほむら「開いた?」パタン

まどか「隠し通路っていうのかな」

詢子「行ってみるか・・・」



杏子「宝箱があるよ」

マミ「こんな隠し部屋にある宝・・・きっと凄いものだわ!」

まどか「開けてみるね!」

 − エクスカリバーを 手に入れた −

詢子「なんだよ、ネタでも仕込んであれば面白かったのに」

ほむら「これは本当にすごいお宝ね。一振りで敵グループを一度に斬れるわ」

詢子「しかも絶対に折れない剣だ。この面子でなら・・・」

まどか「私、それ使ってもいいかな?」

マミ「そうね、ずっと鹿目さんは範囲攻撃の手段がなかったものね」

杏子「アタシは装備も出来ないし、好きにしなよ」

ほむら「私も構わないわ。お金が有り余っているせいで
 ”フレアの書”を使い放題よ」

詢子「ほら、大事に使えよ」

まどか「ありがとう、みんな!」
479 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:13:56.54 ID:KNuYvr830
詢子「ほら、さっそく魔物が来たぞ」

ほむら「”ニンフ”が4匹ね」

マミ「試しに使ってみましょうよ」

まどか「うん!」

 ニンフは うずしおで
 てきぜんいんを こうげき
 マミさんに 561ダメージ
 まどかに 514ダメージ
 ほむらに 405ダメージ
 きょうこに 349ダメージ
 じゅんこに 377ダメージ

杏子「この能力、結構痛いぞ!」

詢子「何度も食らうとまずいな。早くやっちゃいな!」

 まどかは エクスカリバーで
 ニンフたちを こうげき
 ニンフたちに 764ダメージ
 4たい たおした

まどか「ふう、お待たせ、みんな」

マミ「さすがに強いわね」

ほむら「まどかは力系の武器を使ってこなかったから、
 この手の武器の扱いには慣れていないはずなのに」

詢子「この剣は特別なんだ。非力な者が扱っても、それなりに力を発揮するのさ」

杏子「じゃあ腕力を育てても何もいい事ねーの?」

詢子「そこまでは言わないさ。鍛えれば鍛えるだけ”エクスカリバー”も強くなるよ」

まどか「今からそんなに鍛えられるかなぁ・・・」

マミ「今のままでも十分に強いし、あまり気にする事もないわよ」
480 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:14:32.02 ID:KNuYvr830
ほむら「また宝箱があるわ」

− パワードスーツを 手に入れた −

マミ「誰か着ない?」

まどか「私は”ドラゴンアーマー”の方がいいかなぁ・・・」

詢子「アタシも”バトルスーツ”着ているから、それは装備できないね」



マミ「それじゃあ・・・」ゴソゴソ

杏子「オイ、マミはもう”ドラゴンアーマー”と”関羽の鎧”を重ね着してるだろ!」

まどか「もう無茶ですよ!」

マミ「案外こういうのも着れるものよ」モコモコ

ほむら「本当に着たわね・・・」

詢子「マミちゃん・・・?そこまでやるとデ・・・」
マミ「それ以上は言わないで下さい。私の眠りし右腕が暴れ出します」

詢子「・・・うん」



まどか「鎧3つを重ね着なんて・・・マミさんすごいなぁ」マドマド

杏子「んな事で感心すんなよな・・・」

詢子「いいかい。大人になる前に、間違え方をちゃんと勉強しときな」

まどか「・・・はい」
481 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:15:28.70 ID:KNuYvr830
まどか「あれは!」

杏子「・・・またかよ。大きな宝箱・・・」

ほむら「何度繰り返しても戦車が出てくる。これは因果・・・?」

マミ「はぁ・・・開けるわね」

 − 核爆弾を 手に入れた −

まどか「この宝箱もハズレかぁ」ガッカリ

詢子「ハズレってアンタねぇ・・・」

杏子「まぁ・・・アタリでもないよな・・・」

マミ「どれだけ核爆弾好きな世界なんでしょうね。まさか2つも手に入るなんて」

ほむら「時期が時期だけにネタにし辛いものね。
 あの時の手帳、まだ持っているけど続きを読みましょうか?」

マミ「いらないわ。というよりやめて」
482 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:15:58.97 ID:KNuYvr830
詢子「見えて来たぞ。最後のソウルジェムを守る”デスマシーン”だ」

杏子「なんだあれ、ダセェ」

マミ「お世辞にも格好よくないメカね」

ほむら「いくら言葉が通じないとはいえ、そこまで真実を告げてはかわいそうよ」

まどか「よーし、いくぞ〜!」



デスマシーン「・・・・・・」

 デスマシーンは ミサイルで
 てきぜんいんを こうげき
 マミさんに 262ダメージ
 まどかに 262ダメージ
 ほむらに 262ダメージ
 きょうこに 262ダメージ
 じゅんこに 262ダメージ

杏子「いきなりかよ!」

ほむら「”いやしの杖”を使うわ。こんな攻撃、なんともないわよ」キュイーン

マミ「醜い、卑怯、弱い。いいとこなしね」

デスマシーン「!!!」ガランガラン

まどか「メカが何か落としたよ!」



詢子「あれは・・・」
483 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:16:31.29 ID:KNuYvr830
詢子「”核爆弾”じゃねえか!」

マミ「ちょっ!」

杏子「どどどうすんだ!」

ほむら「シェルターあったわよね!早く組み立てを!」

まどか「ええとええと。あった!これだよ!」

詢子「急げ!間に合わなくなっても知らんぞー!」



 どう見てもプレハブ小屋です。本当にありがとうございました。
彼女達は半ば諦めの表情を浮かべ、組み立てたシェルターへと入り込む。

 ドアを閉めて数秒後に、激しい爆音と衝撃が小屋を包み込む。
驚くべき事に、そのシェルターは完全な防御力を持って
5人を守りきって見せていた。
484 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:17:09.55 ID:KNuYvr830
まどか「すごい音がしたね・・・」

ほむら「こんな小屋で防げる爆発だったの・・・」

杏子「おい、窓を見てみろよ。アイツ爆発の衝撃で足が折れてるぜ」

マミ「自爆なんて救いようがないメカね。私を見習って欲しいわ」

詢子「しかしどうしたもんかな。外で核爆発を起こされたんじゃ、
 アタシら外に出れねえぞ」

まどか「ママ、あれ見て・・・」



 鹿目まどかの指差す先に、シェルターの壁面に張られた貼り紙。

 ─── この世界の核爆弾は綺麗な核爆弾です。放射能汚染とかありません ───



杏子「こんなんでいいのか、オイ!」

マミ「セシウムなんて怖くない」

まどか「じゃあ、後はあのメカをやっつけるだけだね」

詢子「ちょうどいいじゃん。アタシらの”核爆弾”、アイツにぶつけちゃおうぜ」

ほむら「目上の人に対してだけど言わせてもらうわ。あなたはどこまで愚かなの」

マミ「あら、いいアイディアじゃない。使っちゃいましょうよ、”核爆弾”」
485 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:17:41.17 ID:KNuYvr830
 そしてシェルターの床に、ごろりと2つの”核爆弾”が置かれる。



詢子「2つもありゃ、いくらあのメカでも吹き飛ぶだろ!」

杏子「それはいいんだけどさ・・・これを外に持ち出して、誰が起爆させるっての?」

まどか「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」

マミ「・・・それは・・・ジャンケンよ!」

詢子「ああ、そうね。ジャンケンで決めよう」

杏子「もうどうにでもな〜れ」



5人「「さいしょはグー。じゃんけんぽん」」
486 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:18:20.54 ID:KNuYvr830
マミ「・・・やり直しは・・・」

杏子「無理に決まってんだろ」

マミ「・・・それじゃあ、行ってくるわ」

詢子「ファイトー」

まどか「マミさん、頑張って!」



ほむら「待ちなさい、巴マミ」

マミ「暁美さん・・・」ウルッ



ほむら「まさかとは思うけど、あなた頭突きで爆弾を起爆させようとしていない?」

マミ「え、どうしてそれを」ギクッ

ほむら「あなた昨晩”北斗の拳”を読んでいたじゃない」ファサッ

マミ「天帝軍に囲まれていたのよ!起爆させなきゃみんな死ぬしかないじゃない!」

ほむら「そっちの話はどうでもいいわ。ほら、これを使いなさい」

マミ「これは・・・懐かしい手榴弾」

杏子「爆弾を置く→シェルターに戻る→入り口からぽいっと、てワケだな」

まどか「さすがほむらちゃん!」

詢子「これで若い命を無駄に散らさず済むな!」

マミ「・・・行ってきます」
487 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:19:06.80 ID:KNuYvr830
マミ「・・・・・・」ゴトン

デスマシーン「・・・・・・」

マミ「・・・・・・」ゴトン

デスマシーン「・・・ゴメンナサイ」

マミ「あら、喋れるのね」



デスマシーン「モウコロシマセン。ウマレカワリマス」

マミ「なんだか、かわいそうになってきたわ」

デスマシーン「エンカンノコトワリニミチビカレテ」

マミ「・・・?」ピクッ



デスマシーン「キャハハ!キモーイ!」

マミ「・・・・・・」

デスマシーン「エンカンノコトワリガユルサレルノハチュウガクセイマデヨネー」

マミ「中学生だよチックショー!」ダッ
488 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:19:53.61 ID:KNuYvr830
マミ「ちょっと、閉めないでよ!入れないわよ!」ガチャガチャ

ほむら「ごめんなさい。もうこのシェルターには詰めても1人・・・いえ2人までしか」

マミ「2人も入れるなら入れなさいよ!」ドンドン

杏子「トキィィー!」

まどか「兄さぁぁん!じゃなかったっけ?」

マミ「早く開けないとシェルターごとティロ・フィナるわよ!」

詢子「はいはい、悪ふざけはここまでにしときな」ガチャ

マミ「詢子さぁぁん・・・」グスッ



マミ「それじゃ手榴弾、投げるわよ〜」

杏子「すぐ閉めてなー」

マミ「そ〜れ」ポイッ



 即座にバタンとドアが閉められる。
続けてシェルターに襲い掛かる爆風と振動。

 次にシェルターの窓の外を見た時には、
”デスマシーン”の姿は跡形も無く消えてしまっていた。
489 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:20:23.50 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

詢子「いやーすごいな”核爆弾”!」

ほむら「すごいのは、崩れてすらいないこの迷宮だと思います」

杏子「あと、あそこにある壊れていない宝箱もな」

 − ソウルジェム 女神の心臓を手に入れた −

マミ「これでアポロンの目的を阻止できるわね・・・」キリッ

まどか「ううん。アポロンを倒すまでは、まだ終わらない」キリッ

詢子「うっし、これで準備は出来た。あとはアポロンだけだな」

杏子「ソウルジェムはどっかに隠した方がいいんじゃない?」

詢子「いや、これはこのままアタシが持っていく。
 そうしないと、77個のソウルジェムを集めたアポロンには勝てないかもしれない」

ほむら「それだけの力が”女神の心臓”には秘められているのですか?」

詢子「まあな。さ、ここから出るぞ」
490 :1[saga]:2011/07/16(土) 16:20:58.95 ID:KNuYvr830
まどか「せんしゃ、せんしゃ!」

ほむら(そういえば外に置いたままだった・・・)

詢子「さ、みんな乗りな。このまま天の柱まで殴りこむぞ」

杏子「いよいよ最後なんだな」

マミ「そうね。これで冒険が終わると思うと少し寂しいわね」

詢子「そういう台詞はアポロンに勝ってから言うんだね。行くよ!」

まどか「おー!」



 土煙を上げながら、少女達を乗せた”レオパルト2”は荒野を走る。
目指す先は天の柱。そこは巴マミの言う通り、この旅の最後の目的地であった。
491 :1[saga sage]:2011/07/16(土) 16:21:41.01 ID:KNuYvr830

492 :1[saga sage]:2011/07/16(土) 16:24:09.09 ID:KNuYvr830
本日はここまで。ほのぼの(?)パートはきっと終わり。
あと2回くらいの投下でSaGa2も最後になると思います。

デスマシーン撃破後のステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira018801.jpg
ほむほむいやしの杖の回復量が200〜400。どうなることやら。

>>450 そういう情報は知らなかったぜサンコス。しかし育てるのだるい!このまま突っ込むぜ!
>>451 ついにここまで「きたぞ きたぞ!」って気持ちでいっぱいです。
>>452 マサムネェ・・・SaGa1ではお世話になったのに。
>>453 サンクス、やる気が出るよ!

あとごめん、こんなトコで聞くもんでもないだろうけど
upろだに乗っけたgifアニメってちゃんと動いてくれるかな。
知ってる方いたら誰か教えてplz。
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/16(土) 17:16:28.46 ID:YyqxyEO8o
マサムネさんは低ちからキャラのちから上げや、モンスター用に使ったな
ただ、即奪われるからあまり出番ないけど
そしてマサムネよりも出番の少ないルーンアクスェ・・・

gifアニメはロダ使っても問題なく動くと思う
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/07/16(土) 20:00:30.77 ID:1meXbq9lo
くるぞ くるぞ!
読み始めたの途中からだけど、テンポ良く進んで面白いわー
リメイク版の設定は良く知らないけど、秘宝をソウルジェムに改変した部分も
ちゃんと生かされてるところに感動した
495 :[saga sage]:2011/07/17(日) 14:39:18.74 ID:f5n0l+A50

496 :[saga]:2011/07/17(日) 14:40:42.43 ID:f5n0l+A50
−−− 天の柱 −−−

 最後の天の柱のドアを開く。
目に入るものは、ひたすら長く続く上り階段と。

 そのはるか先に見える、水晶で作られた宮殿であった。



マミ「あれは・・・?」

詢子「中央神殿。古き神々が住んでいたと言われる場所さ」

杏子「カミサマってのはどうしてああいう所に住みたがるのかね」

ほむら「アポロンを神様になんてさせない」

まどか「行こう、みんな」



 そうして彼女達は、ひたすら長い階段を歩き出す。

 緊張のために誰もが口を開かない。

 待ち受けるものは、77個のソウルジェムを持った敵。
そして、おそらくは最後の敵となるであろう。

 誰もがそう考えていた。
497 :[saga]:2011/07/17(日) 14:41:28.58 ID:f5n0l+A50
http://www.nicovideo.jp/watch/nm3696152

−−− 中央神殿 −−−

 ただただ広い一室でしかない、その神殿。
天井を支える柱と、周囲の星空が見える壁のないその神殿。
中央にエレベータと思われる設備と、奥にはもう1つのドアが見えるその神殿。



 そして、そのドアの前でこちらから背を向けているアポロンの姿。



詢子「アポロン!」

アポロン「大佐、君もしつこい人間だね。何をしに来た?」

詢子「そのソウルジェムを使うな。危険すぎる」

アポロン「やれやれ、そんな事を言うために来たのかい?」

詢子「それを使えば何が起きるか分からねえ。アンタのために言っているんだ」

アポロン「僕のため?君達ガーディアンには昔から騙され続けて来たからね。
 その手は食わないよ」



アポロン「それにもう遅い。ソウルジェムは使い終わった後だ」

詢子「テメェ・・・!」

アポロン「さあ、これから効果があらわれる。君達もそこで眺めているといい」



アポロン「新しき真の神の誕生をね」
498 :[saga]:2011/07/17(日) 14:41:59.49 ID:f5n0l+A50


「「それじゃ そのまえに あんたをたおす!」」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira019174.jpg
499 :[saga]:2011/07/17(日) 14:42:37.29 ID:f5n0l+A50
アポロン「そう簡単に僕が倒せるかな?」



 佐倉杏子は意識を集中させ、水色の魔力を両手に集める。
それは”ブリザド”の能力となり、アポロンの頭上に氷塊を作り出していた。

 アポロンを氷の魔力が襲い掛かる。
敵に衝突し、粉々に砕け散る氷を見て、佐倉杏子は満足げに呟く。



杏子「へっ、どんなもんだい」



 敵の周囲に輝く光の壁を見て、その笑みは消えてゆく。
中に立っている敵の表情からも、ダメージを与えられなかった事が理解できる。

 アポロンの左手には、ソウルジェム”イージスの盾”が握られていたのだ。



 マミさんは ビームライフルで
 アポロンを こうげき
 アポロンに 387のダメージ
500 :[saga]:2011/07/17(日) 14:43:17.77 ID:f5n0l+A50
アポロン「このイージスの盾で、君らの攻撃を防ぐよ」



 鹿目詢子が”ディフェンダー”の剣を右手に握り締め
光の壁へと向けて斬りかかる。

 だが、その盾の防御効果は誰もが知っていた。
激しい金属音と飛び散る火花からも、
決して鹿目詢子が非力なのではない事が分かる。

 それでも、その剣は光の壁を貫く事が出来なかったのだ。



詢子「くっそ、どうすりゃいいんだ・・・」



 マミさんは ビームライフルで
 アポロンを こうげき
 アポロンに 349のダメージ
501 :[saga]:2011/07/17(日) 14:43:45.83 ID:f5n0l+A50
アポロン「僕には比類なき魔力が身についた」



 暁美ほむらが”フレアの書”を手に取り
パラパラとページをめくり出す。

 ただ光の壁の奥で話を続け、
自分達を見下しているこの敵に一泡吹かせてやろう。

 そう考えていた彼女は、敵が攻撃をしてこないのをいい事に
たっぷりと時間をかけて魔力を集中させ、そして能力を発動させる。

 光の壁の前方に集まる、赤色の魔力。
ベストの位置で”フレア”を発動させられた事に、彼女はふっと微笑む。



 そして続く轟音と爆発。

 炎の渦がイージスの光を呑み込む。



 消えてゆく炎を眺めながら、
暁美ほむらは自身の非力さを思い知る事になる。

自らの生み出した炎は、
光の壁の表面をなでるように奥へと消えて行ったのだ。



ほむら「化け物・・・!」



 マミさんは ビームライフルで
 アポロンを こうげき
 アポロンに 351のダメージ
502 :[saga]:2011/07/17(日) 14:44:17.30 ID:f5n0l+A50
 鹿目まどかが”エクスカリバー”を右手に構え、
アポロンに向けて突進する。

 その剣は光の壁を貫通し、切っ先をアポロンの顔に向けていた。

 惜しむべきは、剣をより光の奥へと突き立てる事が出来なかった事。



まどか「あと少しなのに・・・!」



 そう呟いた瞬間、光の壁はぐんとその大きさを増す。
それに押し出されるように、鹿目まどかは後方へ吹き飛ばされていた。



 光の壁はそれを持って消滅する。

 中に立っていたアポロンの額から、真っ赤な血が流れ出していた。

 そのダメージを意に介す事もなく、彼は両手に1つずつのソウルジェムを握りしめ。

 

 それを天に向けながら叫ぶ。



アポロン「マサムネの切れ味を君らの体で味わうといい!」



 その叫びと共に、アポロンの体が痙攣を起こし始める。
やがて彼の体は、眩い輝きに包まれて・・・
503 :[saga]:2011/07/17(日) 14:45:14.38 ID:f5n0l+A50
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250

「きたぞ きたぞ!」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira019175.jpg
504 :[saga]:2011/07/17(日) 14:45:47.77 ID:f5n0l+A50
マミ「なんて姿なの・・・」

ほむら「あんなものが、アイツの望んだ結末だと言うの?」

杏子「何であれ、ぶっ飛ばすだけさ!」

まどか「みんな・・・!」

詢子「あれを止められるのはアタシ達だけだ!死んでも倒れるなよ!」



 イージスの光は消えたままであった。

先陣を切って攻撃を加えた鹿目まどかは、
アポロンを何事もなく切りつける。

それを見た残りの4人も、
それぞれが自身の持つ最高の攻撃手段をアポロンへと向ける。



 ”竜巻”の能力がアポロンを切り刻む。

 ”ビームライフル”の光線がアポロンを貫く。

 ”フレア”の爆発がアポロンを包み込む。

 ”ディフェンダー”の刃がアポロンの腕を切断する。



 攻撃が届く。そしてダメージを与えている。
その事実に彼女達は希望を持つ。

 腕を落とした事で、敵は”イージスの盾”を
取り落としていたからだ。
505 :[saga]:2011/07/17(日) 14:46:25.67 ID:f5n0l+A50
 しかし、刻まれた傷が消える。空けられた風穴が塞がってゆく。
切断された腕が体内から再生してゆく。

 全員がそれを見て、持ち始めた希望がぬか喜びだった事を知る。



アポロン「では、そろそろいくか!」



 その動きを目で追う事が出来なかった。
気付いた時には、光の刀は何重にも着込んだ鎧を易々と貫き、
巴マミの体を串刺しにしていた。



まどか「マミさん!」

アポロン「いかがかな?」



 血を流している事からも、彼女の口の中には鉄の味が広がっているだろう。
それでも、不敵に笑う巴マミはこうやり返す。



マミ「こんなもの・・・オーディンの攻撃の方が・・・」
506 :[saga]:2011/07/17(日) 14:46:52.37 ID:f5n0l+A50
アポロン「それならこれも付けてあげよう。よく味わうといいよ」



 ”マサムネ”を握るその両手に、赤色の魔力の光が集まりだす。
それが何を意味するのか、その能力の使い手である少女は叫ぶ。



ほむら「伏せて!」



 時はすでに遅く。”フレア”の能力は発動され、
焼けるような熱と、彼女達を軽々と吹き飛ばす爆風が全員を襲い掛かっていた。

 幸か不幸か、その爆風によって吹き飛ばされた巴マミは
体から光の刀身を抜かれ、神殿の柱へと叩き付けられる。

 その場に血の池が作られる。

 そして彼女が立ち上がる事はなかった。
507 :[saga]:2011/07/17(日) 14:47:18.65 ID:f5n0l+A50
 残された4人も”フレア”のダメージのために
なかなか立ち上がる事が出来ない。

そんな彼女達を見下ろしながら、アポロンは満足げに話す。



アポロン「素晴らしい力だね。素晴らしいが、これでは拍子抜けだよ」

詢子「ほむら、”いやしの杖”を!」

ほむら「はい・・・!」



 鹿目詢子と暁美ほむら、2本ぶんの”いやしの杖”の回復の光に包まれ
彼女達は再び立ち上がる。



アポロン「いいね。力をもっと試したいから、その調子で頑張って欲しいな」

杏子「ナメてんじゃねぇぞ!」

アポロン「僕はこれから”マサムネ”と”フレア”を順番に使うと宣言してあげるよ」

まどか「いい加減にして!」
508 :[saga]:2011/07/17(日) 14:47:50.13 ID:f5n0l+A50
 宣言通りに、アポロンは”マサムネ”の刃を
2番目に立っていた鹿目まどかに向ける。

 大きく振り上げられた光の刀を受け止めるべく、
”エクスカリバー”を横向きにして腕を突き出す。

 常識的に考えれば”エクスカリバー”の刃は
”マサムネ”とぶつかり合うはずであった。

 光の刃は鈍く輝く”エクスカリバー”をすり抜け、
彼女の着ている鎧さえもすり抜けてその身を刻む。



まどか「・・・ったい・・・」

ほむら「まどか!」

杏子「倒れるんじゃねえぞ!」



 2人が同時に”ケアル”の発動のために、魔力を集中させる。



 そのような初歩の能力の発動さえ、
アポロンの次の行動の隙に割り込む事は出来なかった。
509 :[saga]:2011/07/17(日) 14:48:16.54 ID:f5n0l+A50
 続けて鹿目まどかの目前に集まる赤色の魔力。
それを見続けながら、自分が助からないであろう事を感じて
ぐっと歯を食いしばる。



 目に映るものが白一色の世界に。

 それを最後に見た鹿目まどかも、くるくると漫画のように
体を回転させながら宙を舞う。

 彼女が叩き落された地点には、やはり赤い水溜りが生まれる。
”マサムネ”に刻まれたものは、それだけ深い傷痕となっていた。



 残りの3人もまた、爆風に吹き飛ばされて
地面に這い蹲りながら、その鹿目まどかを見つめていた。



ほむら「まどかっ!!」

詢子「落ち着け!自分の傷を治す事に集中しろ!」

杏子「どうしろってんだよ、こんなの・・・!」
510 :[saga]:2011/07/17(日) 14:48:47.59 ID:f5n0l+A50
アポロン「もう降参するかい?」



 鹿目詢子は、ぺっ、と血の混じった唾を吐く。

 残りの2名もそのような下品な表現こそしなかったが、
徹底抗戦の意思をその瞳に込め続けている。



アポロン「どちらにしろ、君達の短い人生はここで終わりだけどね」



詢子「何にしろ、攻めなきゃ勝てねぇ。杏子ちゃん、アンタは”ケアル”の準備を」

杏子「ああ」

詢子「ほむらちゃん、アンタは”いやしの杖”に魔力を込め続けて。
 いつでも発動できるように」

ほむら「分かりました」
511 :[saga]:2011/07/17(日) 14:49:19.23 ID:f5n0l+A50
 次の標的は、やはり3番目に立っていた暁美ほむら。
彼女はアポロンと目があった瞬間に、覚悟を決める。


 避けられるものではない。

 ならば、仲間の回復を信じる。

 そう考えた瞬間には、自身に焼け付く痛みが残されていた。
腹のあたりを貫く光の刀。

 カラン、と音を立て、手に持っていた”いやしの杖”が床に落ちる。


詢子「ッラァ!」



 その動きの止まった瞬間を逃さず、”ディフェンダー”の刃は
アポロンの胸に横一文字の傷を作り出す。

 そのダメージに驚いたためか、よろめきながら後ずさるアポロン。



杏子「待ってろ、ケアル!」キュイーン

ほむら「・・・全く、何度も受けたくないものね」
512 :[saga]:2011/07/17(日) 14:49:49.60 ID:f5n0l+A50
アポロン「なかなか痛いなぁ。さすがは大佐だよ」



 その声からは、動揺などは全く感じられなかった。

 最初の攻撃の時と同じように、胸に作られた傷は
煙を上げながら自動的に修復されていたのだ。



詢子「ほむら、グズグズすんな!」



 言われるまでもなく、取り落とした”いやしの杖”を拾う暁美ほむら。
その回復能力の発動を待つ事なく、彼女達の立ち位置の中央に
赤色の魔力が集まりだしていた。



ほむら(間に合って・・・!)



 願いは虚しく、続けて襲い掛かる爆発音に掻き消される。

 またこれか、と嫌になりながらも彼女達の体は宙を舞う。
”ケアル”を受けて体力を回復させていた暁美ほむらと
他の少女達より体力のあった鹿目詢子には意識が残されていた。

 

 だが、その前に受けた”フレア”のダメージを治療できていなかった
佐倉杏子が、今度は倒れたまま動かなくなってしまう。
513 :[saga]:2011/07/17(日) 14:50:20.52 ID:f5n0l+A50
ほむら「佐倉・・・」

 言葉は終わりまで告げることが出来ない。
再び暁美ほむらの目の前に現われるアポロン。

 そうと気付いた頃には、視界は暗闇に覆われる。
”マサムネ”の刃は、彼女の意識を完全に断ち切っていた。



 その光の刀が暁美ほむらの体から抜かれる。
崩れ落ちる彼女を見て、アポロンが笑う。



アポロン「ふっふふふふ。本当に愉快だよ」

詢子「こんなガキ共を蹴散らして愉快だ?笑わせんな!」

アポロン「そんな次元の話はしていないさ。見ておくれよ」



アポロン「これが真の神の力だよ!笑わずにいられるかい!」
514 :[saga]:2011/07/17(日) 14:51:11.15 ID:f5n0l+A50
 唯一人、残された鹿目詢子の目の前に赤い光が集まる。

 最後に残された敵に終焉を与えるべく、
アポロンは”フレア”の詠唱を始めていた。



アポロン「さようなら、大佐」



詢子(頼むよ・・・!)



 78個目のソウルジェムが、彼女の手の中で輝く。

 その手の平を開くと共に、宝石から天井へと向かう光。



 その様子を見ていたアポロンは”フレア”の詠唱を止める。



アポロン「大佐・・・それはまさか・・・!」



 光が生まれたのは”女神の心臓”からだけではなかった。
その神殿の地面、それも一箇所や二箇所だけではない。

 数え切れないほどの光の筋が、床から天へと向かっていた。
515 :[saga]:2011/07/17(日) 14:51:42.98 ID:f5n0l+A50
 中央神殿の床に横たわっていた少女達が、
その光に体を貫かれる。



 アポロンはその様子を見ながら目を丸くしていた。

 自らが死の淵に追いやった4人の敵が、
ゆっくりと体を起こしてゆくのを見ていたからであった。



アポロン「その力・・・ソウルジェムのものだね」

詢子「答える必要はねえ」



 起き上がり、武器を構えなおした少女達が
鹿目詢子のもとへ集まる。

 そんな彼女達の目には、怯えの色が映っていた。

 倒れていた全員が、真の神となりつつある敵の力を
その身に叩き込まれていたのだ。
516 :[saga]:2011/07/17(日) 14:52:10.08 ID:f5n0l+A50
 その様子を見逃さず、アポロンは続ける。



アポロン「78個目のソウルジェムが存在するなんて、本当に知らなかった」

詢子「そりゃそうさ。アタシらガーディアンのトップシークレットだからね」

アポロン「その存在を教えてくれた事に感謝をしよう」



アポロン「どうだい。そのソウルジェムを渡してくれれば、君達の無礼を忘れよう」

マミ「どういう事・・・?」

アポロン「見逃してあげよう、そう言っているのさ」

ほむら「・・・・・・」

アポロン「君達だって長生きしたいだろう?」

杏子「・・・チクショウ」

アポロン「僕という神の治める世界で、平穏に暮らすのも悪くないんじゃないかな」

まどか「そんなの・・・!」
517 :[saga]:2011/07/17(日) 14:52:41.22 ID:f5n0l+A50
詢子「アイツの嘘に踊らされてんじゃねえぞ!!」



まどか「ママ・・・」

詢子「アイツが平穏な世界を作り出すだと!そんなもの信じられるか!」



詢子「アイツの言う事を聞こうと考えた奴はこっちに来な!
 アタシが気合を入れなおしてやる!!」



アポロン「そうして君は娘達の命をも危険に晒すつもりかい?」

詢子「テメェの考えなんてお見通しなんだよ・・・!」



 アポロンはそこで自分の作戦が失敗に終わった事を理解する。
鹿目詢子に気合を入れられるまでもなく。

 その場の全員の目からは、恐怖の色など無くなっていたのだ。
518 :[saga]:2011/07/17(日) 14:53:15.67 ID:f5n0l+A50
アポロン「・・・さすがは大佐だね。そう、最初から殺して奪い取るつもりさ」

詢子「こっちは何年もテメェの事を調べて来たんだ」

アポロン「それは光栄だよ。このやり方なら人心を掌握できるかと思ったんだけど・・・」



アポロン「まだまだ考える余地があるようだね」

詢子「んなもんねえよ。テメェはここで終わりだ!」

アポロン「これだけの差を見せ付けられて、まだ勝てるとでも?ふっふふふふ」



 笑いながら、アポロンは中断していた”フレア”の詠唱を始める。

 鹿目詢子の眼前に集まる赤色の魔力は、これまでと同じように
熱と光と風を5人に向けて送り出す。

 

 しかし、今回は全員がそれに耐える事が出来た。

 ソウルジェム”女神の心臓”は、全員の体力を一時的にとはいえ
戦闘を始める前の元気な状態に戻していたのだ。
519 :[saga]:2011/07/17(日) 14:54:01.60 ID:f5n0l+A50
詢子「ほむら、杏子!アンタらはさっき言った通り回復の手を休めるな!」

詢子「残りはアタシに続け!攻撃を続けろ!」

4人「「はい!」」



 ”いやしの杖”の光が、全員を包み込む。

 最前列に立っている巴マミを包む光だけは、佐倉杏子の
”ケアル”の能力によって一層と強くなっていた。

 続けて”ディフェンダー”を構えた鹿目詢子が
アポロンの体を右肩口から斜めに切り裂く。

 その逆方向、左肩口から振り下ろされる
鹿目まどかの”エクスカリバー”がアポロンの体に十字を描く。



マミ「行くわよ・・・」

マミ「ティロ・フィナーレ!」



 その十字の中心を狙い”ビームライフル”の光が放たれる。
アポロンには大きな空洞を空けられ、そこから勢いよく血液が噴き出す。
520 :[saga]:2011/07/17(日) 14:54:27.56 ID:f5n0l+A50
 傷は修復を始めていたものの、先ほどまでとは違い
なかなかその穴が塞がる事はなかった。



アポロン「やってくれるね。今度こそ黄泉の世界に送り届けるよ」



 先ほどの状況の再現を行うかのように、アポロンは姿を消す。
それが現われた瞬間には、すでに巴マミの鎧を貫く”マサムネ”。



ほむら「させないっ!」



 暁美ほむらは”いやしの杖”に魔力を込める。



 その杖は回復の光を生み出す事なく、粉々に砕け散ってしまう。

 度重なる連続使用に、”いやしの杖”は耐える事が出来なかったのだ。
521 :[saga]:2011/07/17(日) 14:55:00.10 ID:f5n0l+A50
 その様子を見ていた鹿目詢子は、手に持つ剣を捨て
”いやしの杖”を取り出す。



 最後の全体回復役が倒れないようにすべく、
佐倉杏子は”ケアル”の能力を鹿目詢子に向け。

 そして暁美ほむらは”ケアル”の能力を巴マミに向けていた。



 ”フレア”を一撃受けただけの鹿目詢子はそれで全快していたが
”フレア”と”マサムネ”を続けて受けた巴マミはそうではなかった。


 
 鹿目詢子は”いやしの杖”を握りながら、心の中で祈り続ける。



詢子(早くしろ、早く・・・!)



 祈りは届かず。

 次なる赤色の魔力は、すでに彼女達の中心に生み出されていた。
522 :[saga]:2011/07/17(日) 14:55:28.86 ID:f5n0l+A50
 爆風に吹き飛ばされないよう、足に力を込めながら
鹿目詢子は”いやしの杖”の能力を発動させる。



 その光が包み込めたのは、杖を使用した本人と
かろうじて”フレア”に耐える事が出来た鹿目まどかの2人。

 残りの3人は、再び中央神殿の床を舐めていた。



アポロン「ここまでのようだね。そろそろおしまいにしようか」



詢子「まどか・・・」

まどか「・・・何?」

詢子「まだヤツの傷は塞がっていない。アンタ、”ガラスの剣”を持ってるだろ」



 母の意図を理解し、娘は頷く。

 母はそれを見て頷き返す。
523 :[saga]:2011/07/17(日) 14:55:59.14 ID:f5n0l+A50
 これが最後の攻撃になるのかもしれない。

 そう考えながら、”ガラスの剣”を握り締めて
鹿目まどかは走り出す。



 その攻撃を待ち構えていたかのように、
”マサムネ”の刃は輝きながら振り下ろされる。

 そうと気付いた時には、彼女は自身の勢いを止められなかった。



まどか「お願い!」



 願いは届き。

 ”ビームライフル”によってアポロンに空けられた空洞に
”ガラスの剣”は突き刺さる。

 剣を握る鹿目まどかの隣に、
”マサムネ”の刃をその身で受け止める鹿目詢子。

 その姿を見て、自分の攻撃が成功した原因を知る鹿目まどか。



 やがて”ガラスの剣”は、アポロンの体内で粉々に砕け散る。

 そうしてアポロンの肉体には、より大きな空洞が生まれていた。
もはや体を支える骨格しか残っていないと思えるほどの。
524 :[saga]:2011/07/17(日) 14:56:31.48 ID:f5n0l+A50
まどか「ママ!」

詢子「やった・・・な・・・」



アポロン「ふっふふふふ」



 それだけの傷を受けながら、なお笑い続けるアポロン。

 その声を聞いた2人の顔には、ハッキリと絶望の色が浮かび上がっていた。



アポロン「ここまでやったご褒美をあげようか」



 アポロンの左手に白色の魔力が集まる。

 出来上がったものは、大きな手。



アポロン「古き神々が使っていたと言われる能力。受け取るといい」
525 :[saga]:2011/07/17(日) 14:57:28.85 ID:f5n0l+A50
 白く大きな神の手は大きく開かれて。
その手のひらに鹿目まどかの体は吸い込まれてゆく。



詢子「まどかっ!!」

まどか「ママ、ママ!」



 ゴキン───



 能力、と呼ぶにはあまりにも荒々しいその力。



 神の手に握りつぶされた鹿目まどかは、
その白い魔力が消えると同時に床に崩れ落ちる。



詢子「まどか!!」



 血を吐きながら娘の名を叫ぶ。

 その問いかけに、少女は答える事が出来なかった。
526 :[saga]:2011/07/17(日) 14:58:16.29 ID:f5n0l+A50
アポロン「今度こそさようならだね。君の事は憎かったが、
 今となってはいい思い出になってくれそうだよ」

詢子「・・・チクショウ・・・」



 再び白色の魔力を集めながら、アポロンは続ける。



アポロン「娘と同じ末路を辿るといい。
 君達人間の価値観からすれば、それは本望だろう?」



 神の手は大きく開かれる。



詢子(ここまで、か・・・)



 ゆっくりと手の中に吸い込まれてゆく鹿目詢子。



 だが、彼女を吸い込もうとする力は急に途絶え、
鹿目詢子の体は床に力なく落とされる。



 そこで彼女が目にした爆発。
それはこれまでに散々見せ付けられた”フレア”の爆発ではなかった。
527 :[saga]:2011/07/17(日) 14:58:55.48 ID:f5n0l+A50
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira019176.jpg

アポロン「な、何だこれは!」



 小さく爆発を起こしながら、崩れ落ちるアポロンの肉体。



アポロン「僕の体が!何が起こったんだい!」

詢子「1つ足りないソウルジェムで神になろうとしたからさ。
 テメェもこれで終わりだな」



 そうと知っていたわけではないが、鹿目詢子はそう答える。
そうとしか、目の前で起きている現象の説明が付かなかったからだ。



アポロン「くそ・・・謀ったな、大佐・・・!」
528 :[saga]:2011/07/17(日) 14:59:34.80 ID:f5n0l+A50
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira019177.jpg

アポロン「から・・・だ・・・が・・・くず・・・れ・・・る・・・」



 アポロンの体内に赤色の魔力が集まり続ける。
彼の得意とする”フレア”の能力が、暴走を始めていたのだ。



詢子「ゲボッ・・・」



 血を吐きながら、鹿目詢子は周囲を見渡す。
先の”フレア”の爆風で吹き飛ばされていた3人は、
遠くで横たわっていたままであった。

 だが、娘はアポロンのすぐ側にいる。

 今にも爆発を起こしそうなアポロンのすぐ側に。



詢子(・・・まどか・・・)



 そして部屋は一面の光に包まれる。

 身を焼く熱と耳に残る轟音。



 それは鹿目詢子が最後に感じ取ったものであった。
529 :[saga]:2011/07/17(日) 15:00:11.14 ID:f5n0l+A50

530 :[saga]:2011/07/17(日) 15:01:00.15 ID:f5n0l+A50
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8107732

まどか「う・・・ん・・・」



 体に揺れを感じて、鹿目まどかが目を覚ます。
ビーナスの世界に居た時に味わったような、長く続く地震。

 しばらくの間は、それが止まらないかと願いながら
言う事を聞かない体を懸命に動かそうとしていた。



 やがて、彼女は自分が起き上がれない理由に気が付く。

 自身の体に覆いかぶさっている何か。



 アポロンの最後の爆発から娘を守ったもの。



 それは鹿目詢子の体、そのものであった。
531 :[saga]:2011/07/17(日) 15:01:29.29 ID:f5n0l+A50
 そして母の体は、ゆっくりと光に包まれる。



まどか「ママ!」



 光の中で、その肉体は足から少しずつ消えてゆく。
さらさらとこぼれ落ちる砂のように。



まどか「行かないで!」



まどか「私、まだママに謝ってないんだよ!!」



 その叫びを聞いて、倒れていた3人も目を覚ます。
彼女達が目にしたものは、もう胸元までしか残っていない鹿目詢子。



まどか「パパと約束したんだよ!必ずママと一緒に・・・」



 両手に抱いていた母の顔。
それは砂の欠片となって鹿目まどかの手からこぼれ落ちてゆく。



まどか「・・・一緒に帰るって・・・」
532 :[saga]:2011/07/17(日) 15:02:05.89 ID:f5n0l+A50
 残されたものは何もなかった。



 肩を震わせる鹿目まどかの後ろ姿。

 残された3人がそれを見つめているうちに、
中央神殿の床に光が生まれ出す。



 アポロンの持っていたものと、鹿目詢子の持っていたもの。

 光はソウルジェムの形を取り、78個全てが綺麗に整列して並べられていた。



ほむら「何とか出来ないの?これじゃ酷過ぎる・・・」

杏子「ソウルジェム・・・」



杏子「ソウルジェムの力を使えば、何とかなるんじゃないか?」

マミ「・・・でも、この揺れを見て。
 アポロンがソウルジェムを使ったのと、きっと何か関係があるんだわ」
533 :[saga]:2011/07/17(日) 15:02:40.71 ID:f5n0l+A50
杏子「仕方ないだろ。そうするしかねえんだよ!」

ほむら「・・・やりましょう」

まどか「みんな・・・」

マミ「・・・鹿目さん、ここまであなたについて来たんですもの。
 あなたに任せるわ」



まどか「・・・うん」



まどか「ごめんね、ママ」



まどか「・・・私はソウルジェムの力を使う」
534 :[saga]:2011/07/17(日) 15:03:23.05 ID:f5n0l+A50



 整列されたソウルジェムの前に立ち、
鹿目まどかは目を瞑り祈りだす。



 残された3人もそれぞれの場所に立ち、
ソウルジェムを四方から囲うように祈りだす。



 奇跡が起きる事を信じて。
535 :[saga]:2011/07/17(日) 15:04:02.04 ID:f5n0l+A50



 ソウルジェムの1つから光が漏れ出す。
それに続いて、次々と光を生み出す宝石達。



 中央神殿の中には、ただ一面の光しかなかった。



 それに包まれる少女達は、心の中に語りかける声を感じ取る。
536 :[saga]:2011/07/17(日) 15:04:36.45 ID:f5n0l+A50
女神「私の声が聞こえますか?」

まどか「あなたは・・・?」

女神「私は古き神々の1人です。人間達よ、聞いて下さい。
 とうとう、穢れはこの世界を飲み込むほどになりました」

ほむら「穢れが・・・?」

女神「あなた達がこの中央神殿で感じている揺れ。
 これは今、この世界の全てを巻き込んでバラバラにしようとしています」

マミ「・・・ソウルジェムを使ってきた私達、人間のせいなの?」

女神「そうでもありますし、そうではないとも言えます。
 全ては私の創りだしたモノが、己の役目を忘れたりはしなければ・・・」

杏子「・・・インキュベーターの事かよ・・・気分悪ぃ」

女神「あなた達の価値観など、私には理解も出来ません。ですが・・・」



女神「この事態を招いた責任の一端がある事を、私は承知しています。
 あなた達が世界を救いたいと願うのであれば、手を貸しましょう」
537 :[saga]:2011/07/17(日) 15:05:04.12 ID:f5n0l+A50
まどか「あの・・・」



まどか「神様なら、私のママを助けて!」

女神「失われた命の結末を捻じ曲げる。
 それがどれだけ不条理な事か、あなたには理解できますか?」

まどか「けど・・・!」

女神「そのような奇跡を起こす力は、残念ながら私は持ち合わせていません」

まどか「・・・そんな・・・」



まどか「そんなのってないよ・・・」
538 :[saga]:2011/07/17(日) 15:05:33.07 ID:f5n0l+A50
 光の中で、うずくまる鹿目まどか。

 

 残された少女達はただ、そんな彼女を見ている事しか出来なかった。



 長い沈黙の末に、女神が語りかける。



女神「私にとっては、世界が滅びようと創り直すだけ。
 あなた達がこの世界を救おうと思わないのであれば、私はこのまま消えます」

杏子「テメェ!そんなんでカミサマを気取ろうってのかよ!」

ほむら「落ち着きなさい、佐倉杏子」

マミ「気持ちは分かるけれど・・・」



マミ「・・・今の私達には、やるべき事があるはずよ」



 その声をひときわ大きく上げる巴マミ。
その言葉は、鹿目まどかに向けられたものでもあった。
539 :[saga]:2011/07/17(日) 15:06:03.12 ID:f5n0l+A50
ほむら「・・・その通りよ。私達には残された義務があるわ」

マミ「ソウルジェムを使ってこの事態を起こしたのは私達なんですもの」

杏子「・・・オイ」



 佐倉杏子は鹿目まどかの肩を両手で掴み、立ち上がらせる。

 そして言葉を続ける。俯いて涙を流す彼女に向けて。



杏子「いつまでもショボくれてんじゃねえぞ」



杏子「行くしかねえんだよ。世界を守れるのはアタシ達だけなんだよ」



杏子「・・・鹿目詢子が守ろうとした、この世界をさ」
540 :[saga]:2011/07/17(日) 15:06:31.57 ID:f5n0l+A50
 少女達の意思は固まっていた。

 それでも鹿目まどかが動こうとしないのであれば、
その頬でも張ってやろう。そう佐倉杏子は考えていた。



 鹿目まどかの顔が上がる。



 両目は真っ赤に腫れていたが、揺ぎ無い意思を込めて。



杏子「・・・よし」

マミ「行きましょう。全ての決着を付けるために」

ほむら「女神様」



ほむら「これが私達の意志です。どうか手を貸して下さい」
541 :[saga]:2011/07/17(日) 15:07:02.97 ID:f5n0l+A50
女神「それがあなた達の出した答えであるのなら、手を貸しましょう」

女神「ただし、現在の私は概念としての存在に過ぎません」

ほむら「それは?」

女神「あなた達の世界に、物理的に干渉するための肉体を持っていないのです」

杏子「じゃあ手を貸すってのはウソかよ」

女神「肉体がないのであれば、それを用意すればいい事」

マミ「・・・どういう事?」



女神「あなた達が信頼する人間。あなた達が、世界を任せてもいいと思える人間」

女神「その姿を頭の中に浮かべて下さい」



女神「そうすれば、その人間に私の持つ力の全てを与えましょう」
542 :[saga]:2011/07/17(日) 15:08:09.18 ID:f5n0l+A50
*************************

最後の安価。

女神の力を受け継ぐに値する人物の姿、
それは誰の姿を思い浮かべたでしょうか。
(人格などは元の人物ベースのまま。元々持っていた力は女神の力で上書きされます)

参考に女神ステータス
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira019178.jpg

1 早乙女先生
2 ゆま 
3 たっくん
4 さやか
5 織莉子
6 キリカ

 誰か1人に3票集まったら決定、決まらなければ3日後に一番票の多かった人物で。
↓安価の多数決、3日後に同数票のままであれば再安価。同一ID票無効。

*************************
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/17(日) 15:13:28.97 ID:rdHPzKbo0
4.さやか
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/17(日) 16:33:05.78 ID:6FooR6uIO
4.さやか
もっと活躍させてあげたいだろ!!
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/07/17(日) 17:23:53.51 ID:Lg8mdMX3o
2.ゆま
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/07/17(日) 17:48:19.56 ID:2m7Gu2yio
さやか
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/17(日) 18:03:53.44 ID:ydOLqD4So
さやかは幸せになっちゃったからなぁ
引っ張り出すのも酷なとこ
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/18(月) 12:57:27.75 ID:60YeZIDN0
さやか
549 :[saga]:2011/07/18(月) 19:48:02.76 ID:+TdFno2c0

550 :[saga]:2011/07/18(月) 19:49:01.60 ID:+TdFno2c0

 女神の声は聞こえなくなり。

 中央神殿から光が消えてゆく。

 少女達の視界には、遠くに見える星空と
地震に揺れ続ける中央神殿。



 そこに並べて置いてあるソウルジェムは、
激しい揺れの中でも動かずにそのままの位置を保っていた。

 

マミ「見て!」

杏子「ソウルジェムが・・・?」



 やがてソウルジェムは一つ一つが光の粒となり、
中央神殿の床から浮かび上がる。



 光は一箇所に集う。

 そして人の影を作り出し・・・
551 :[saga]:2011/07/18(月) 19:49:32.60 ID:+TdFno2c0
ほむら「美樹さやか・・・!」

さやか「・・・事情は全部、女神様が教えてくれたよ」



さやか「というわけで、さやかちゃん参上!」

さやか「世界の平和はこの女神さやかちゃんが、
 ガンガン守りまくっちゃいますからねー!」



杏子「・・・・・・」

マミ「・・・・・・」



さやか「え・・・と・・・」

ほむら「・・・あなたって人は・・・」
552 :[saga]:2011/07/18(月) 19:50:05.10 ID:+TdFno2c0
まどか「・・・・・・」グスッ

さやか「ご、ゴメン、その・・・落ち込んでるだろうと思ってさ・・・」

まどか「・・・ううん、違うの」



まどか「嬉しいの」

まどか「こうしてみんなが、私とママのために頑張ってくれるのが」

まどか「すごく嬉しい」



まどか「みんなは私の、最高の友達だったんだね」



さやか「あったりまえじゃん!」

ほむら「言われるまでもないわ」ファサッ

マミ「鹿目さん、次にそんな事を言ったら怒るわよ?」

杏子「ったく、超ウゼェ。そういうのは口に出すなよな・・・へへっ」
553 :[saga]:2011/07/18(月) 19:50:38.32 ID:+TdFno2c0
まどか「でも、さやかちゃんは良かったの?こんな・・・」

さやか「おっと、その先は言わないでくれたまえ」



さやか「どの道、放っておいたら世界はバラバラになっちゃうんだし」

さやか「あたし、みんなに何も恩返しをしてないもん。
 このくらい、どうって事ないよ!」

ほむら「それを聞いて安心したわ。
 あの弱虫の美樹さやかは、もう居ないのね」

さやか「何だとー!」


 
 逃げる暁美ほむらと、それを追いかける美樹さやか。

 その姿を見て、鹿目まどかの顔には笑顔が戻っていた。



杏子「おいおい、これからやろうとしている事が分かってんのかアイツら?」

マミ「全くもう・・・はしゃいでいないで戻ってらっしゃい!」

さやか「ゴメンゴメン、今行くよ!」
554 :[saga]:2011/07/18(月) 19:51:29.32 ID:+TdFno2c0
http://www.nicovideo.jp/watch/nm11018523

さやか「このドアの先が、神々の世界の非常階段だよ。
 この先に、世界の穢れは集まり続けてる」

杏子「ハラはくくったさ」

マミ「何が待っていようと怖くない」

ほむら「そんな事で怖気づく者なんて居ないわ」



まどか「最後までありがとう」



まどか「・・・そしてよろしく、みんな!」



 全員が顔を合わせ、頷く。
美樹さやかが手を触れたそのドアは光り輝き、
そして消滅していった。

 中から漏れ出す暗闇。

 その中へと足を踏み入れた少女達は、
ひたすら下へと続く階段を目にしていた。
555 :[saga]:2011/07/18(月) 19:52:04.52 ID:+TdFno2c0
−−− 非常階段 −−−

 その広い通路には、壁がなかった。

 ただ眼下の暗闇へ延び続ける階段と、その両端を囲う
一歩間違えれば奈落へと落ちて行きそうな星空。

 幸いだったのは、少女達が手を広げて横に並んだとしても
まだまだ余裕がある階段の横幅。



 ひたすら続く道を、少女達は駆け下りていた。

 どこまで走っても底が見えない、奈落への道。



 いつしか周囲の星空はその姿を見せなくなり、
変わりに夜空よりも黒く輝く光の粒が
大量に下方へ向けて降り注いでいるのが見えた。
556 :[saga]:2011/07/18(月) 19:52:31.94 ID:+TdFno2c0
マミ「まるで雪みたいね・・・」

さやか「それがソウルジェムに溜まっていた穢れなんだよ」

まどか「まるでどこかに集まっているようだね」

さやか「実際にその通りだよ。ある程度の穢れが集まると、
 それは形をなして世界を破壊しようとするんだ」

杏子「なんだってそんな事を?」

さやか「理由なんてないんだよ。集まった穢れにとってはさ」

ほむら「何も考えずに、世界を壊そうと言うの?」

さやか「世界中の恨み、呪い、憎しみ。それが集まりきって、
 出来上がったものにとってはする事は一つしかないんだ」



さやか「ほむらの言う通り、ヤツは何も考えてはいない。
 そうするために生まれるようなものなのだから」
557 :[saga]:2011/07/18(月) 19:53:34.46 ID:+TdFno2c0
さやか「みんなは魔物が生まれる理由を知っていた?」

ほむら「そんなこと、考えた事もないわ」

さやか「あれだって、世の中の穢れが形となったものなんだよ」

マミ「美樹さんはそれを知っていたの?」

さやか「さっき女神様の力を受けた時にね。
 神様の知っている事が全部、頭の中に入ってきたんだ」

まどか「さやかちゃんは、なんでも見えるようになったんだね」

さやか「そうでもなかったりね。
 神様といっても、全てを見ているわけじゃなかったり」

杏子「・・・お出ましだよ。穢れの塊とやらがさ」



 長い階段の終着点。そこに待ち受ける魔物は
”ティエンルン”と”フェンリスウルフ”。

 魔物達は降り注ぐ黒い雪を受けて、
その姿を大きくしているようにも見えていた。
558 :[saga]:2011/07/18(月) 19:54:24.61 ID:+TdFno2c0
マミ「こんな所で・・・」

杏子「足止めされるワケにゃいかねーな!」



 佐倉杏子が、”竜巻”の能力を発動させる。

 その威力に耐えている魔物に対し、
鹿目まどかは”ティエンルン”を切りつけて。

 巴マミは”フェンリスウルフ”に対して射撃を行っていた。



ほむら「決めるわよ。”フレア”のパワーを最大に!」

さやか「それをあたしに言わせる?・・・いいですとも!」



 二人分の魔力が、それぞれの魔物の眼前に集まる。
そうして起きた2つの爆発。

 魔物の群れはこんがりと焦げ目を付けて、
そのまま動きを止めていた。
559 :[saga]:2011/07/18(月) 19:55:09.07 ID:+TdFno2c0
ほむら「ちょっと・・・今じゃなくてもいいじゃないの」

杏子「しょうがないじゃん。こうしないと力が出ないんだよ」モグモグ

さやか「・・・おいしいの?」

杏子「けっこうイケるよ。食うかい?」

さやか「・・・いいや」



 階段の終着点には、そのまま奥へと真っ直ぐに伸びる通路。

 星空の照明と黒い雪が打ち消しあい、
ちらちらとその通路は瞬いていた。



 そこに見えたものは、4つの黒い人影。

 それは笑いながら、少女達を待ち受けているかのようであった。
560 :[saga]:2011/07/18(月) 19:55:47.23 ID:+TdFno2c0
まどか「あの影は・・・」

マミ「私達?」

さやか「最後にソウルジェムを使ったのがみんなだからね。
 穢れがそれを覚えているだけだよ」

杏子「アタシ達はアレを倒せばいいのか?」

さやか「ううん。あれは使い魔に過ぎない。
 親玉はこの奥に作られつつあるよ」



 笑い声を上げる使い魔は、襲い掛かって来る事はなかった。
少女達が歩いたのと同じ分だけ、使い魔は離れて行く。



ほむら「まるで案内されているようね」

さやか「そうなんだろうね。あいつらが欲しいのは、
 あたしが持っているソウルジェムだろうから」



さやか「いざ戦いになれば、あの使い魔の影は
 あたしの”マサムネ”じゃないと斬れないんだ」

さやか「だから、使い魔はあたしに任せて。
 みんなは穢れの本体を叩いて欲しい」



 その言葉を終える頃には、通路の終点が見えていた。
その一室には、黒い雪が降り続いているのが遠くからでも見える。

 その場所への案内役をしていた使い魔達も、
その部屋の奥で少女達を笑いながら待ち受けていた。
561 :[saga]:2011/07/18(月) 19:56:30.58 ID:+TdFno2c0
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http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250 SaGa2気分な方はこちら

http://www.nicovideo.jp/watch/sm14313207 まどか気分な方はこちら

http://www.nicovideo.jp/watch/sm11503006 >>1のオススメ サガフロ2

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562 :[saga]:2011/07/18(月) 19:57:02.08 ID:+TdFno2c0



 その部屋に足を踏み入れた少女達は
体中に突き刺さるような悪寒に戦慄する。

 これまで幾千、幾万年もの間に溜め込まれた穢れが
この小さな一室に集まりつつあったのだ。



マミ「なんて魔力なの!体を貫かれるような・・・」



杏子「勝てるのか私達で、こんな奴に・・・くそっ、やるしかねえな!」



ほむら「美樹さやか、あなたを信じていいの?」



さやか「アタシは・・・みんなを信じているよ!」


563 :[saga]:2011/07/18(月) 19:57:29.95 ID:+TdFno2c0


まどか「さやかちゃん、みんな!負けないで!」



 鹿目まどかは拳を握り、その右腕を突き出す。

 そして全員が、その仕草を真似する。



 全員の拳がコツン、と中央でぶつかる。



 それが少女達の意思であった。


564 :[saga]:2011/07/18(月) 19:58:09.43 ID:+TdFno2c0


「「しょうしんしょうめい さいごのたたかいだ!みんな やるぞ!」」

565 :[saga]:2011/07/18(月) 19:58:44.14 ID:+TdFno2c0


 − とてつもなく大量の穢れが集まってくる! −

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira019503.gif
566 :[saga]:2011/07/18(月) 19:59:15.78 ID:+TdFno2c0

 美樹さやかは”マサムネ”の光の刃を
使い魔に向けて振り下ろす。

 使い魔の笑い声が、少しだけ歪む。

 それがダメージを与えている証拠なのだと、
残りの4人は理解していた。



 敵の本体を叩くのは自分達だ。

 そうとも理解していた彼女達は、それぞれの武器を構える。



 だが、攻撃を受けてなお使い魔達は
その手に武器の影を作り出し、少女達に襲い掛かって来ていた。

 つかいま1の こうげき
 つかいま2の こうげき
 つかいま3の こうげき
 つかいま4の こうげき

 まどかに 200ダメージ
 マミさんに 200ダメージ
 ほむらに 200ダメージ
 きょうこに 200ダメージ
 さやかに 200ダメージ
567 :[saga]:2011/07/18(月) 19:59:44.13 ID:+TdFno2c0

ほむら「美樹さやか、そいつらを抑えておきなさい!」



 そう告げながら、”いやしの杖”を構える暁美ほむら。



さやか「しょうがないじゃん。敵はこっちの都合で動いてくれないんだから!」

マミ「気にする事ないわよ。ダメージは大したものじゃないわ」

杏子「今のうちに本体への攻撃をしておくよ!」

まどか「うん!」



 彼女達の目前に存在する、穢れの結晶。

 それは高笑いを上げ続け、
少しだけ地面から浮いたその場所から少女達を見下ろす。



 その姿は、まさに魔女と呼べるものであった。
568 :[saga]:2011/07/18(月) 20:00:11.14 ID:+TdFno2c0

 ”いやしの杖”に意識を集中させる暁美ほむらを除いて、
残りの3人が攻撃を加える。

 佐倉杏子が新たに習得した”フレア”を発動させる。

 その爆発の中を”ビームライフル”の光が貫く。

 爆発が収まったところで、鹿目まどかが”エクスカリバー”を
天高く振り上げ、そして魔女へ向けて下ろす。



 ガキン、と響く金属音。

 切りつけた鹿目まどかの手がじーんと痺れる。

 見た目とは裏腹に、魔女の防御力は鋼鉄の鎧のようであった。
569 :[saga]:2011/07/18(月) 20:00:41.01 ID:+TdFno2c0

まどか「・・・手が痺れちゃうよ」

マミ「見た目よりも頑丈ね・・・」

杏子「でも、見てみろ。少しだけど、ヤツの体が欠けているぞ」



 鹿目まどかが攻撃を加えたその魔女の頭部は、
言われた通りに少しだけ欠けていた。

 アポロンのように修復されないそれを見て
少女達は希望を持つ。



さやか「一丁あがり!」

ほむら「私の影から倒したわね」

さやか「もう・・・どうすりゃ良かったのさ!」



 そんな軽口を交わす2人。

 最初には4つ見えていたその影が、
今ではその姿を1つ減らしているのが全員の目に見て取れた。
570 :[saga]:2011/07/18(月) 20:01:07.81 ID:+TdFno2c0


 − とてつもなく大量の穢れが集まってくる! −

571 :[saga]:2011/07/18(月) 20:01:38.92 ID:+TdFno2c0

さやか「くそ、また・・・!」

まどか「気をつけて!来るよ!」

 つかいま2の こうげき
 つかいま3の こうげき
 つかいま4の こうげき

 まどかに 161ダメージ
 マミさんに 161ダメージ
 ほむらに 161ダメージ
 きょうこに 161ダメージ
 さやかに 161ダメージ

マミ「さっきより攻撃が軽いわ」

杏子「数を減らしただけあるな!さやか、その調子で頑張れ!」

さやか「おうよ!」
572 :[saga]:2011/07/18(月) 20:02:23.79 ID:+TdFno2c0

 再び先ほどと同じ役割分担で、攻撃を加えようとする少女達。

 先ほどと違ったのは、その攻撃の前に
魔女の手がゆっくりと少女達に向かって行った事。



 魔女の右手から”メガスマッシュ”の能力が発動される。
黒く細い矢のようなその能力は、狙われた鹿目まどかに小さな傷を作る。

 その程度の能力。大した威力ではなかった。



ほむら「まどか、大丈夫?」

まどか「うん!マサムネに斬られた時に比べれば、へっちゃらだよっ!」

マミ「美樹さんとマサムネが味方に回って良かったわね・・・」



 そう眺める視線の先に、次なる使い魔を切り倒す美樹さやか。

 残る使い魔の数は、最初の時から半分となっていた。
573 :[saga]:2011/07/18(月) 20:03:02.68 ID:+TdFno2c0


 − とてつもなく大量の穢れが集まってくる! −

574 :[saga]:2011/07/18(月) 20:03:31.60 ID:+TdFno2c0

 それでも、美樹さやかの事など眼中にないかのように
使い魔達は攻撃を続ける。



さやか「またかよ!あたしを置いていくなー!」

 つかいま3の こうげき
 つかいま4の こうげき

 まどかに 119ダメージ
 マミさんに 119ダメージ
 ほむらに 119ダメージ
 きょうこに 119ダメージ
 さやかに 119ダメージ

まどか「大丈夫!軽いよっ!」

ほむら「こっちの事は気にしないで。早く自分の仕事を終わらせなさい」

さやか「もう、ほむらの言ってる事、矛盾してるよ!」

杏子「なんだかわかんないけど、アンタを信用してるって事さ!」
575 :[saga]:2011/07/18(月) 20:04:00.26 ID:+TdFno2c0

 巴マミの放つ”ビームライフル”の光が
魔女の歯車へと突き刺さる。

 確かに堅い。

 それでも、攻撃を加えるたびにこぼれ落ちる魔女の欠片。



 それに反撃をするかのように、魔女の体に一瞬だけ黒い光が集まる。

 その光は天から矢の形となって降り注ぎ、
その第一撃を追うように青白い矢が続けて巴マミへと向かう。

 先ほどの”メガスマッシュ”よりは大きなダメージであったが、
その”シューティングスター”の能力も少女に致命打を与えるには至らない。



杏子「マミ、大丈夫か?ケアルを・・・」

マミ「ううん、暁美さんのいやしの杖だけで十分。
 鹿目さんの言う通り、大した攻撃力ではないわ」



 私達は勝てる。

 2人は同時に、そう考えていた。
576 :[saga]:2011/07/18(月) 20:04:33.12 ID:+TdFno2c0

さやか「たあぁっ!」



 光の刀に貫かれた黒い使い魔の影は、
光に飲み込まれるようにその姿を散らしてゆく。

 

さやか(あと1つ・・・!)



まどか「さやかちゃん!」

ほむら「美樹さやか」

さやか「?」



 二人は握り拳を突き出し、ビッと親指を天に伸ばす。

 

 それを見て、彼女は微笑む。

 そして同じ仕草を相手に向け返す。



 私達は勝てる。

 3人は同時に、そう考えていた。
577 :[saga]:2011/07/18(月) 20:05:00.87 ID:+TdFno2c0


 − とてつもなく大量の穢れが集まってくる! −

578 :[saga]:2011/07/18(月) 20:05:27.47 ID:+TdFno2c0

さやか「最後くらい・・・ムキー!」



 使い魔は笑い声を上げながら、
またも美樹さやかを無視して攻撃を続ける。

 しかしながら、その攻撃の威力は
これまでの激戦を潜り抜けてきた少女達にとっては
涼しい顔をしていられるものであった。

 つかいま4の こうげき

 まどかに 83ダメージ
 マミさんに 83ダメージ
 ほむらに 83ダメージ
 きょうこに 83ダメージ
 さやかに 83ダメージ

さやか「いつまでもあたしを無視して・・・!」

まどか「私達は大丈夫!最後の1つ、頑張ってね!」

マミ「そちらが終わったら、こっちの手伝いをお願いね」

さやか「分かってますよっ!」
579 :[saga]:2011/07/18(月) 20:05:56.43 ID:+TdFno2c0

 美樹さやかは”マサムネ”を振り回すが、
ひらりひらりと舞う使い魔に刃が届かない。



さやか「この・・・ちょこまかと!」



 使い魔の逃避行は、自身を生み出した親玉にぶつかり
その動きを止めていた。



さやか「これで・・・トドメだぁっ!」



 一閃。

 使い魔を横一文字に切り裂き、さらに奥に居た魔女にも
ダメージを与える光の刀。



 その反対側では・・・
580 :[saga]:2011/07/18(月) 20:06:29.06 ID:+TdFno2c0
 
 魔女に集まる黒い光。
”シューティングスター”の発動の合図であるそれは、
2連続で行われていた。

 天に向けて伸びる2本の流星。

 それは黒い矢を暁美ほむらと佐倉杏子に落とし、
続けて青い流れ星が彼女達を貫く。



 攻撃を受けながら、彼女達は”いやしの杖”と
”ケアル”の能力を同時に発動させる。

 少し深いダメージを負った暁美ほむらには
回復の光が厚く注がれ、そのまま全員の体を淡い光が包み込む。
581 :[saga]:2011/07/18(月) 20:07:15.83 ID:+TdFno2c0

 ”ビームライフル”の射撃を終えた巴マミが叫ぶ。



マミ「鹿目さん、あと少しよ!」

まどか「はいっ!」



 魔女に向けて、”エクスカリバー”を振り上げた
鹿目まどかが突き進む。

 その反対側には、同じように”マサムネ”を構えて
攻撃を加える美樹さやかの姿が見えていた。



 鹿目まどかの手に届く強い衝撃。

 その頑丈な敵に対して、”エクスカリバー”の刃は
根負けしてしまっていた。

 ばらばらと砕け散る剣。



 しかし、鹿目まどかが切りつけたその箇所。

 魔女の体も同じようにばらばらと砕けていた。
582 :[saga]:2011/07/18(月) 20:07:57.63 ID:+TdFno2c0

 美樹さやかに切られた部分、鹿目まどかが切りつけた部分。
魔女はその体の左右に作られた傷から、黒い光を放出させていた。



杏子「やったのか!」



 勢い良く飛び出る黒い光。

 それを埋めようとするべく、天から降り注ぐ黒い雪。



 それは急に激しさを増し、雹の嵐となってこの部屋に降り注いでいた。



ほむら「いえ・・・まだ終わらないわ」

さやか「急速に穢れを集めている・・・!」

まどか「マミさん、弓を・・・」

マミ「ええ。これを使いなさい」



 剣の折れた鹿目まどかは、巴マミの装備していた
”与一の弓”を借り受ける。

 そうして目の前の光景を、じっと見据えていた。
583 :[saga]:2011/07/18(月) 20:08:30.28 ID:+TdFno2c0


 − とてつもなく大量の穢れが集まってくる! −

584 :[saga]:2011/07/18(月) 20:09:32.47 ID:+TdFno2c0
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http://www.nicovideo.jp/watch/sm11666110 SaGa2気分な方はこちら

まどか気分な方はそのままの選曲で

http://www.nicovideo.jp/watch/sm11966192 >>1のオススメ サガフロ2

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585 :[saga]:2011/07/18(月) 20:10:18.73 ID:+TdFno2c0

 やがて降り注ぐ黒い雪は見えなくなる。

 全ての穢れを飲み込み終えた魔女は、
その姿を時計周りにゆっくりと反転させる。



 歯車が下に、頭部が上に。

 より一層強くなる非常階段の揺れと、
魔女が高らかに上げ続ける笑い声。

 美樹さやかはそれの意味するところを仲間に伝える。



さやか「もっと早く倒せていれば・・・気をつけて、これからが本番だよ!」

マミ「早くですって?」

杏子「どうなるってんだ?」

さやか「あれは穢れを全て飲み込んでしまった。だから・・・」



ほむら「どうであれ、私達のする事は変わらないわ」ファサッ

まどか「これでみんな終わるんだね・・・!」



 鹿目まどかは、受け取ったばかりの弓の弦を引く。

 そうして放たれた矢は、魔女の顔面と思われる部分に突き刺さる。
586 :[saga]:2011/07/18(月) 20:10:53.42 ID:+TdFno2c0

 突き刺さった矢から漏れ出す黒い光の球。

 それはいくつもいくつも生まれ出し、
少女達を目掛けて回転しながら迫る。

 ”スターバスター”の能力は少女達を攻撃する。

 漆黒の流星は、散弾のように少女達へと向かって来ていた。
遠くから見ていれば綺麗だと思えるような、星屑を残しながら。



マミ「・・・いったぁ・・・」

ほむら「急に強くなったわね」

杏子「飲み込まれるなよ!」



 その弾幕の密度が濃い場所に立っていた巴マミと鹿目まどかは
無視できない大きさのダメージを受ける事になる。

 しかし残りの3人は大きなダメージを受けているわけではなく、
即座に回復能力を使用する構えを見せていた。
587 :[saga]:2011/07/18(月) 20:11:28.10 ID:+TdFno2c0

 魔女の砕けた箇所から、先ほどと同じ黒い光の球が飛び出る。
大量に生み出されたそれは、今度は少女達を襲わずに
はるか天空へと消えてゆく。



ほむら「・・・何?」



 次なる攻撃に対して身構える少女達。

 いつまで待っても何も変化が起きないその魔女の行動。
その間に”いやしの杖”と”ケアル”による仲間の回復は終わっていた。



 その行動を阻害するわけでもなく、魔女は笑い続ける。

 少女達は、その姿を見て疑念を抱き始めていた。
588 :[saga]:2011/07/18(月) 20:12:00.59 ID:+TdFno2c0

まどか「まだ余裕があるの・・・?」

さやか「アレを気にしてちゃだめだ。攻撃して来ないならチャンスだよ・・・!」



 美樹さやかは”フレア”の詠唱を始め出す。
それを見た佐倉杏子が続き、暁美ほむらも”フレアの書”を取り出す。



マミ「続いてっ!」



 ”ビームライフル”の光が魔女の頭部を貫く。

 ぱらぱらと舞う魔女の破片を逆流するように、
赤色の魔力が”ビームライフル”の光の刺さった場所へと集まりだす。



3人「「フレア!」」



 暁美ほむらの持つ”フレアの書”が魔力の耐久回数を超えて
その手の中でさらさらと灰になる。

 コンマ数秒の差を置いて、次々と爆発が魔女を揺るがす。
ガラガラと砕け散る魔女の歯車。

 もはや敵の姿はいたる箇所が欠けており、
最初に見た時に比べて一回り小さくなっていた。
589 :[saga]:2011/07/18(月) 20:12:37.23 ID:+TdFno2c0

 あと少し。

 全員がそう考えていた。

 笑い続ける魔女に向けて、弓を構える鹿目まどか。



 魔女を見据える視線の先に、
星空の中で浮いた存在に見える赤い流星。



まどか「あれ・・・!」

杏子「こっちに向かってるんじゃねえか!」

さやか(マズい・・・!)



 遠近感のせいで最初は小さく見えたその星は、
今や少女達を押しつぶすほどの大きさの隕石となって
この部屋へと迫っていた。

 魔女の奥の手、”ゼノサイド”の能力。



 それの威力を感じ取っていた美樹さやかは、
自らの胸に両手を当てる。
590 :[saga]:2011/07/18(月) 20:13:09.58 ID:+TdFno2c0

 遥か天空から落下する灼熱の弾丸。

 この部屋を埋め尽くすほどの大きさであったそれは
轟音と共に非常階段の地面に着弾する。

 爆音と衝撃。

 その場に居た少女達と魔女をも巻き込み、
砕けた隕石の欠片が黒く輝く花火を散らす。



 漆黒の炎の中で高笑いを続ける魔女。



 そして、その闇を切り裂く光。

 美樹さやかを中心として、その光は数え切れないほどの筋を
地面から天へと向けて伸ばしていた。



 ソウルジェム”女神の心臓”は”ゼノサイド”の着弾と
同時に発動し、少女達へのダメージを取り除いてた。
591 :[saga]:2011/07/18(月) 20:13:42.71 ID:+TdFno2c0

ほむら「助かったわ、美樹さやか」

さやか「けど、今の力を使えるのはこれっきりだよ」

杏子「続けてあの能力を使われるとまずいな・・・」

まどか「その前に倒さないと・・・」



 そんな少女達の声が聞こえているかのように、
次弾の装填をすべく黒い光を集め出す魔女。



マミ「・・・それなら・・・」



マミ「みんなで必殺技を使いましょうよ」



4人「え?」


592 :[saga]:2011/07/18(月) 20:14:14.10 ID:+TdFno2c0

ほむら「巴マミ、こんな時に冗談なんて・・・」

マミ「あら、私は冗談なんて言ってるつもりはないわよ?」

まどか「けど、私に必殺技なんて・・・」

マミ「どんな攻撃だっていいの」



マミ「目の前の敵を倒すんだって。その想いが込められた攻撃は・・・」

マミ「自然と必殺技になるものよ」



ほむら「そんな事を言われても・・・」

さやか「いいじゃん、必殺技!」

杏子「そうだな、最後くらい悪くないかもな」

ほむら「あなた達まで・・・!」
593 :[saga]:2011/07/18(月) 20:14:45.78 ID:+TdFno2c0

杏子「そういうもんじゃん?最後に愛と勇気が勝つストーリーってのはさ!」

さやか「アタシ、密かにマミさんの必殺技に憧れてたんですよ!」

マミ「あらあら、それは光栄だわ」

ほむら「あなた達、本当にやるの・・・?」



まどか「・・・うーん」

マミ「いいネーミングが決まらないかしら、鹿目さん」



まどか「・・・みんなのおかげ。
 みんなのおかげで、わたしはここまで来れた」



 魔女から黒く輝く矢弾が打ち出される。
先ほどと同じだけの量が、先ほどと同じように天へと向けて。



 その魔女に向けて弓を引き絞りながら。

 鹿目まどかは最初の言葉を叫ぶ。



まどか「だから。私の必殺技は・・・!」


594 :[saga]:2011/07/18(月) 20:15:28.25 ID:+TdFno2c0

まどか「 絆の一鏃!! 」



さやか「 蒼勇の刃!! 」



杏子「 紅蓮の槍!! 」



ほむら「・・・88式SSM・・・」ボソッ



マミ「 ティロ・フィナーレ!! 」



 少女達の流れるような攻撃の動作は・・・


595 :[saga]:2011/07/18(月) 20:15:55.76 ID:+TdFno2c0

      << 連携 >>

     一つの目標に対して
    攻撃を連続させることで
      単発の攻撃よりも
はるかに高い効果を上げる事ができる

     これを【連携】と呼ぶ!
596 :[saga]:2011/07/18(月) 20:16:26.51 ID:+TdFno2c0


「「 絆の蒼勇紅蓮SSM・フィナーレ!! 」」

597 :[saga]:2011/07/18(月) 20:16:54.69 ID:+TdFno2c0
 
 暁美ほむらは魔力を掻き集め、
”ミサイル”の発射台となる車両をこの場に呼び出していた。

 それが炎の筋を伸ばしながら
ミサイルを発射すると同時に、鹿目まどかの手から離れた
音速の矢弾が魔女へと向かう。

 ミサイルは魔女を通り過ぎて星空を旋回し、
鹿目まどかの放った矢はそのまま魔女へと突き刺さる。

 その矢を追いかけるように地を蹴る佐倉杏子と美樹さやか。

 二人の持つ”グングニルのヤリ”と”マサムネ”が
魔女の体を削り取り、より強くなる魔女の高笑い。

 ダメージを与えた事で二人は目を合わせて頷き、
その場から素早く跳ね上がる。

 二人が距離を取った時点で、上空を旋回していたミサイルは
天から魔女へと襲い掛かり。

 そのまま魔女を床へと押し付けて、その弾頭を炸裂させていた。

 爆炎の中へと照準を定め続け、大きな光芒はそれを貫く。

 

 そして・・・


598 :[saga]:2011/07/18(月) 20:17:32.54 ID:+TdFno2c0

599 :[saga]:2011/07/18(月) 20:18:16.51 ID:+TdFno2c0

 目も眩むような攻撃を終えて、少女達の視界に入って来たもの。

 それは、がらがらと音を立てて崩れ落ちる魔女。



 天空から近づいてくる赤い流星は、
いつまで経ってもその大きさが変わる事はなかった。

 それが自分達に近づいて来た頃に、少女達は
その理由を知る事になる。

 流星は自らの熱で燃え尽きつつあった。



 やがて、小さく炎を上げる流れ星が
カツン、と魔女の体に当たる。



 そうして、その笑い声と共に魔女は消えてゆく。

 その体の破片を砂の欠片へと変えていきながら・・・

600 :[saga]:2011/07/18(月) 20:19:11.43 ID:+TdFno2c0

http://www.nicovideo.jp/watch/sm14594295

 いつしか、この非常階段を揺るがしていた地震は止まっていた。

 その事実から、少女達は全てが終わった事を理解する。



マミ「終わったの・・・?」

さやか「うん。これで世界の穢れは、全て消滅したんだよ」



杏子「勝てたんだな、アタシ達」

ほむら「そうね。これから・・・」



 そこで暁美ほむらは口をつぐむ。



 戦いが終わった少女達を待っていたものは、いくらかの高揚感と。

 そして大きな喪失感。



 特に鹿目まどかにとっては。
601 :[saga]:2011/07/18(月) 20:19:41.52 ID:+TdFno2c0

まどか「みんなお願い。そのままお話をしてて・・・」



ほむら「まどか・・・」



まどか「静かになると・・・思い出し・・・て・・・」



まどか「・・・だか・・・ら・・・」



 鹿目まどかの願いは叶わない。

 どれだけ考えを巡らせても、彼女にかける言葉を
残された4人は持ち合わせてはいなかった。



 嗚咽だけが響く非常階段。



 ただそこに立ち尽くすだけ。
それが少女達に出来る全てであった。
602 :[saga]:2011/07/18(月) 20:20:11.12 ID:+TdFno2c0

さやか「うぐっ・・・」



 前触れもなく胸を押さえ、膝を折る美樹さやか。



ほむら「美樹さやか?」



さやか「ど、どうしちゃった・・・んだ・・・ろ・・・」



マミ「どうしたの?美樹さん!」

杏子「おい、どうしたってんだよ!」

まどか「さやかちゃん!」



 そのまま彼女は横たわり、動かなくなる。

 美樹さやかは呼ばれていた。

 自らに力を貸し与えていた存在に。
603 :[saga]:2011/07/18(月) 20:20:44.43 ID:+TdFno2c0



604 :[saga]:2011/07/18(月) 20:21:11.69 ID:+TdFno2c0

女神「ご苦労様でした、人間よ」

さやか「・・・・・・」

女神「さあ、あなたの力を返してもらいます。
 あなた達が救ったこの世界で、平和に暮らして下さい」

さやか「・・・何となく分かっちゃったんだ」


さやか「女神様が嘘つきだって事」



女神「それを理解しているのであれば、お話をしなければなりませんね」

女神「神とはいえ、条理を越える力を行使するには・・・
 ソウルジェムの力を借りねばなりません」

女神「しかし、あなた達が穢れの結晶を打ち倒してくれたおかげで
 この世界の穢れはほぼ消え去った状態となっています」



女神「いわば、ソウルジェムを巡る因果がリセットされた状態と言えます」



さやか「だからって・・・」
605 :[saga]:2011/07/18(月) 20:21:47.26 ID:+TdFno2c0

さやか「みんなはこの世界を救ったんだよ!あんたの創ったこの世界を!」

女神「あなたも知っているでしょう。私はこの世界を救う事に固執など・・・」

さやか「そんなのはあんたの勝手な言い分だ!」



さやか「みんなには・・・一つくらい願いを叶える権利がある!!」



女神「・・・たかが数十年しか生きる事の出来ない存在。
 その終わりが少しばかり早くなろうと、変わりはないでしょう」

さやか「私達はね・・・そのたかが数十年を必死に生きているんだよ!」

女神「・・・・・・」



女神「・・・これも生き物のサガ、ですか・・・」


606 :[saga]:2011/07/18(月) 20:22:26.48 ID:+TdFno2c0

さやか「・・・っ!」



さやか「あぐぁぁぁ・・・!」

女神「あなたにソウルジェムを使わせるつもりはありません。
 さあ、私の力を返してもらいますよ」

さやか「ふざ・・・けるな・・・!」



さやか「まだ・・・」

さやか「まだやる事があるんだ・・・!」



さやか「それまで・・・絶対にこの力を返さない・・・!」

女神「私の力に固執し続ければ、より苦しむだけだと言うのに・・・」



さやか「あ・・・あ・・・」



さやか「まどか・・・みんな・・・!」


607 :[saga]:2011/07/18(月) 20:22:59.32 ID:+TdFno2c0



608 :[saga]:2011/07/18(月) 20:23:34.81 ID:+TdFno2c0


 ───奇跡も、魔法も、あるんだよ───

609 :[saga]:2011/07/18(月) 20:24:13.72 ID:+TdFno2c0



610 :[saga]:2011/07/18(月) 20:24:45.56 ID:+TdFno2c0

杏子「オイ、起きろよ!」

ほむら「起きなさい、美樹さやか!」



さやか「・・・うーん・・・」



まどか「さやかちゃん!良かったぁ・・・」

マミ「本当に・・・円環の理に導かれてしまったかと・・・」

さやか「うん・・・ごめんね、みんな。神様とケンカしてた」

杏子「は?」

ほむら「とうとう頭をやられてしまったのね」



さやか「あとで殴るからね・・・そんな事よりさ!」
611 :[saga]:2011/07/18(月) 20:25:17.74 ID:+TdFno2c0
 元気よく立ち上がった美樹さやかは、
鹿目まどかの手を引いて走り出す。



まどか「ちょ、ちょっとさやかちゃん?」

さやか「こっちにエレベーターがあるから、帰り道は楽だよ!」

杏子「おい、待てよ!」

マミ「なんであんなに嬉しそうな顔をしているのかしら?」

ほむら「・・・なるほど、神様とケンカした、ね」



 5人は息を切らしながら、来るときには漆黒の雪のせいで
見えなかったそのエレベーターに乗り込む。

 初めこそ困惑の表情を浮かべていた少女達は、
美樹さやかの笑顔が伝染したかのように笑い出す。

 最後まで戸惑っていた鹿目まどかも、
それを見て微笑みを作り出していた。



 きっと何かがあるのだ。

 このエレベーターの終着点に。
612 :[saga]:2011/07/18(月) 20:25:54.72 ID:+TdFno2c0

613 :[saga]:2011/07/18(月) 20:26:43.10 ID:+TdFno2c0
−−− 中央神殿 −−−

http://www.nicovideo.jp/watch/sm5975192

詢子「お疲れ様、まどか」

まどか「ママ!!」



詢子「ソウルジェムがあんな物だったなんてね。アタシの考えも甘かったよ」

まどか「そうだね。世界中のすべての人が知っている事より・・・」

まどか「たくさんの事を知ったような気分だよ!」



詢子「ふふっ、世界はそんなに狭くはないよ!」

詢子「もっと色んな所を見て回らないとな」

まどか「ママ、その前に・・・」



詢子「ああ、分かってる。パパのところへ戻ろう!」
614 :[saga]:2011/07/18(月) 20:27:21.68 ID:+TdFno2c0



615 :[saga]:2011/07/18(月) 20:27:50.99 ID:+TdFno2c0
 


 ───あれから3ヶ月くらい過ぎました。
  今日、私とママはたっくんの所へ遊びに行って
  おじさんにご飯をご馳走してもらいました。
  マミさんは今、江戸に遊びに行ってます。


616 :[saga]:2011/07/18(月) 20:28:17.70 ID:+TdFno2c0

キリカ「ここだよ。この小屋の中で違法な取引が・・・」

マミ「御用だ御用だ!」バンッ

キリカ「・・・最後まで聞こうよ、恩人」



悪人「何モンだテメェ!」

マミ「悪党に名乗る名なんてないわ!巴マミ、ここに見・参!」ビー

悪人「ひぇー、命だけはー」

マミ「またつまらぬものを斬ってしまった・・・」

キリカ「恩人、君の事を変人と呼ぶべきか迷うよ」



織莉子「キリカ、またあなたは一人で・・・!」

マミ「織莉子さん、こんにちは」

織莉子「巴さん・・・?そ、その覆面・・・」

キリカ「恩人のお気に入りみたいだよ」

マミ「大佐をリスペクトするなら当たり前でしょう!」

マミ「さ、キリカさんも・・・」ゴソゴソ

キリカ「・・・いらないよ、恩人」

マミ「そう?残念ね」
617 :[saga]:2011/07/18(月) 20:28:46.29 ID:+TdFno2c0
 


 ───マミさんは私の尊敬するお姉さんです。
  でも、ときどき走り出すと止まらなくなります。
  キリカさんと織莉子さんが止めてくれればいいけどなぁ・・・
  ほむらちゃんは、さやかちゃんに会いに行きました。


618 :[saga]:2011/07/18(月) 20:29:18.74 ID:+TdFno2c0

ほむら「あの大都会の壁もなくなったのね」

さやか「みんな少しずつ気付いたんだよ」

さやか「差別のない自由な世界が、どれだけ素晴らしいかってね」

ほむら「そうね。あなたは最近、上条恭介とどうなの?」

さやか「どうってもう・・・」



恭介「おーい、さやか〜」

さやか「恭介〜!みてみて、あたしお弁当作ってきたよ!」

恭介「わあ、いつも美味しそうなお弁当だね。食べさせてよ」

さやか「もう、恭介ったら甘えん坊さんなんだから。あ〜ん」



ほむら(人前で・・・ぶち殺すわよ・・・!)

さやか「で、あんたはどうなのさ。あたしみたいに恋は成就したの?」

ほむら(・・・リア充砕け散れ)

仁美(・・・リア充爆ぜろ、ですわ)



ほむら「・・・・・・」

仁美「・・・・・・」

 ガシッ!
619 :[saga]:2011/07/18(月) 20:29:46.90 ID:+TdFno2c0
 


 ───ほむらちゃんは私の大事な友達です。
  私がわがままを言った時でさえ、いつも私の事を考えてくれてました。
  あとは私にいたずらをしなければ、何も言う事はないのにな。
  杏子ちゃんは、ゆまちゃんと一緒にイシス神殿にいます。


620 :[saga]:2011/07/18(月) 20:30:24.58 ID:+TdFno2c0

女「神官様、助けてっ!うちの子が息をしてないの!」

ゆま「たいへん!キョーコ、キョーコ!」

杏子「なんだよ、メシ食ってるのに・・・」モゴモゴ



杏子「おっと、それどころじゃなかったな。待ってろよ!」キュイーン

女「ああ、うちの子が息をし始めたわ!ありがとう、神官様!」

杏子「良かったね、あとアタシを神官様とかゆーな」

ゆま「えー、キョーコは立派な神官様だよ?」

杏子「苦手なんだよ、褒められるのが。アタシはメシに戻るよ」



男「神官様、いてぇよお・・・!」

杏子「またアンタかい。今度はどんな悪さをしたんだ」

男「その・・・爺さんから種モミをな・・・」

杏子「バッカヤロウ、食い物を粗末にするんじゃねえ!」

ゆま「キョーコ、怒る所が違うと思うな・・・」



杏子「おら、もう盗賊なんて辞めるって誓え。そうしないと治してやらねーぞ」

男「カミサマなんて信じねーけど、神官様に誓うよ」

杏子「ほらよ。次やったら、もう治さねぇからな」キュイーン

男「杏子ちゃんマジ聖女」

杏子「うるせぇ、どっか行けよ!アタシにメシを食わせろ!」
621 :[saga]:2011/07/18(月) 20:30:56.61 ID:+TdFno2c0
 


 ───杏子ちゃんはちょっと怖い私のお姉さんです。
  でも誤解しないでね。その怖さは、私が道を踏み外しそうな時に
  私を正しい方向に導いてくれました。
  そんな杏子ちゃんは今ではなんと、イシス神殿の神官様です。
  本当にビックリしたけど、けっこう似合ってるのかも。

  明日になったら、私もみんなの所へ遊びにいくつもりです。
  ゆまちゃん、さやかちゃん、仁美ちゃん、元気かな。
  織莉子さんとキリカさんがどこにいるのかわからないけれど・・・
  たぶん街の人に聞けば、マミさんの行方はすぐに分かると思います。


622 :[saga]:2011/07/18(月) 20:31:27.19 ID:+TdFno2c0

まどか「これでよしっ」



 パタン、と日記を閉じて鹿目まどかはベッドに潜り込む。

 部屋の電気を消して、明日という日を楽しみに目を瞑る。

 みんな元気かな。早く会いたいな。

 

 そう考えていた彼女は、なかなか寝付く事が出来なかった。
623 :[saga]:2011/07/18(月) 20:31:53.83 ID:+TdFno2c0

624 :[saga]:2011/07/18(月) 20:32:20.96 ID:+TdFno2c0


「・・・まどか!・・・まどか!」

625 :[saga]:2011/07/18(月) 20:32:50.72 ID:+TdFno2c0
まどか「・・・ん・・・ママ・・・?」

詢子「まどか、アタシは旅に出るよ」

まどか「またぁ・・・?今度は何を探しに?」

詢子「ふっ、三種の神器だよ!」

まどか「え、待ってよ!一緒に行くよ!」

詢子「言うようになったね!よし、行くか!」

まどか「あ、ちょっとだけ待ってて、ママ」サラサラ

詢子「なんだいそれ、日記?」


和久「待っておくれよ」

まどか「パパ?」



和久「僕も行くよ。もう二人を待つのはこりごりさ」

詢子「アンタ・・・」

まどか「いいじゃない!みんなで行こうよ!」
626 :[saga]:2011/07/18(月) 20:33:18.56 ID:+TdFno2c0
 
 もう誰からも隠れる必要はないのに。

 部屋の窓から、全員が外の暗闇へと飛び出る。

 

 真っ暗な部屋に残されたもの。

 それはページが開かれたままの一冊の日記。
627 :[saga]:2011/07/18(月) 20:34:18.46 ID:+TdFno2c0



 ───そのつもりだったけれど、急なことで
  ママと一緒に行くことになりました。
  でも、私はこの村に必ず帰ってくるから・・・


628 :[saga]:2011/07/18(月) 20:34:52.11 ID:+TdFno2c0



 ───みんなでまた一緒に冒険しようね!───



629 :[saga]:2011/07/18(月) 20:35:36.58 ID:+TdFno2c0



   ”SaGa2 秘宝伝説”×”魔法少女まどか☆マギカ”

QB「マサムネのきれあじをきみらのからだであじわうといい!」


            〜 The End 〜



630 :[saga sage]:2011/07/18(月) 20:36:07.53 ID:+TdFno2c0

631 :[saga sage]:2011/07/18(月) 20:37:35.74 ID:+TdFno2c0
以上で完結!

BGM動画を上げた方達、ありがとう!
談義スレでまどかの必殺技を考えてくれた方達、ありがとう!
流れ止めたくなかったからレス無視したけど、gif動いたよありがとう!
何より最後までお付き合い頂いた読者の皆様、本当にありがとう!

もう誰も見なくなったかな、て頃合でhtml依頼出しに行きます。

あと、SS内で分からなかったトコとかありましたら質問もお待ちしております。
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県)[sage]:2011/07/18(月) 20:47:11.73 ID:dg7uvvq90

とても面白かったよ
特に連携の件は感動した
連携名を最後に叫ぶのは由緒正しき仕来りだよな
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/07/18(月) 20:48:23.73 ID:vijpC5NYo
お疲れ様でした。
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/18(月) 20:54:43.60 ID:wV4nf1/IO
今日読み始めて今日完結するとかマジか

乙でした
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]:2011/07/18(月) 21:54:21.04 ID:VfJIVk2co
gifすげえ
それとBよかったな
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]:2011/07/18(月) 22:12:44.96 ID:1mfUeZQjo
また一つ、良作が完結してしまった
これも さくひんの サガ か・・・
乙!!
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/07/19(火) 12:11:55.91 ID:0zqMbFjSO
お疲れ様です!
638 :[saga sage]:2011/07/19(火) 19:55:32.29 ID:orRoT3Px0
>>632 連携入れるかどうかは最後まで悩んでました。
 SaGaを知る人ならいいかもしれないけど、知らない人にとっちゃなにこれダセェになりそうで。
 "結論、>>1のやりたいようにやる"に落ち着いたので、そう言って貰えると嬉しい!
>>633 サンキョス!
>>634 一気読みとかパネェ。最後まで読んでくれてありがとね!
>>635 Bはサンプルなくて地味に困りました。褒めて貰えると頑張った甲斐があるってもんだ!
>>636 かみの台詞は入れたかった!登場人物大杉を解決できれば、ロマサガ2でSS書きたいぜ!
>>637 サンキュス!
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/07/23(土) 12:51:47.84 ID:IYM2IhUL0
乙!

最高だった・・・・・・俺も頑張らないと
640 :[saga sage]:2011/07/25(月) 23:47:45.04 ID:TlIe6TM/0
>>639最高とか言われると最高だぜ!何かSS書いてそうだけど、頑張っておくれやし。

それではhtml依頼を出してきます。皆様ありがとうございました。
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2011/07/25(月) 23:56:32.64 ID:Amn+cwvvo
Sagaはビーナスのところの有名な台詞と序盤しか知らなかったけど面白かったよ



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