VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/10(土) 21:30:00.88 ID:IFBDbqyqo<>まどか「名護さんは最高です!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308482004/
の>>1です
主人公はさやか
基本的にさやかの視線から物語が進みます
そして話の都合上見滝原市民が死にます
大幅な設定変更があるけどそこは見逃してください
ちなみに555側の状況としては本編終了後基準
ただし
・巧とアークオルフェノクが死亡
・アークが死んだ後も数は少ないがオルフェノクは発生し続けている
・ファイズの設定についてある程度制限をつけています
・一応カイザのベルトも出てきます
・帝王のベルトの出番はなし
ファイズの制限についてはとある人物の話のあとで解説します
あと向こうのスレが終わるまでこっちは週一回の更新
用事でも無い限りは土曜日の夜9時頃から<>さやか「魔法少女と魔女。そして、オルフェノク」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:31:05.55 ID:IFBDbqyqo<> 少女は夢を見ていた。
上から見下ろすような視線で夢は続く。
(私とまどかと知らない二人)
3人称から見る自分を不思議に感じていた。
夢のなかの自分が口を開く。
「そんな事してキュゥべえに何の得があるのよ」
「それは…」
眼鏡を掛けた三つ編みの少女が困ったような顔をしている。
「やっぱりあんた、あの佐倉杏子ってやつの仲間なんじゃないの」
「違います!」
ここまで来て急に場面が変わった。
また自分だ。
ただ、先ほどとは違い周りには誰もいない。
「あたしって、ほんとバカ」
夢のなかの自分が倒れ、その場に化物が出現する。
今までいた空間が何かに取り込まれたかのような状態になる。
(またこの結末)
そう思っているとその空間の中に誰かが入ってきた。
(ほらね)
入ってきた4人にやられ化物が消える。
そこで、夢が終わった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:31:41.23 ID:IFBDbqyqo<> 少女が目を覚まし、体を起こす。
少女の名は『美樹さやか』
「…またあの変な夢。今日で一週間か?」
ここ一週間似たような夢をみる。
ただし、いつも同じではない。
少しづつ違う夢を見ていた。
「それにしても誰だ?あの三人」
夢に出てきた五人の内三人は知らない者だった。
「しっかしまあ、私もいつもあれで終わりか」
どんな場面であっても必ずそこにいるのは夢のなかの自分。
夢のなかの自分は必ず化物になって死ぬ。
「あの変な服も気になるし、あーもう!」
再びベッドに寝そべる。
「考えてても意味ないか」
とにかく学校へ行く準備をする。
――――――――――――――
――――――――
――――
「おはよう」
リビングに続く扉を開けながら挨拶をするがそこには誰もいない。
さやかの両親は共働きで朝早くから働きに出かけている。
夜も遅くに帰ってくるので家族が揃う時間は殆ど無い。
「いただきます」
朝食と昼の弁当は毎日用意されているのでそれを食べる。
「ごちそうさま」
食べ終えてある程度の準備をしてから自宅を出る。
「今日も張り切って行くか!」
友人が待っているであろう待ち合わせ場所へ走った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:32:18.84 ID:IFBDbqyqo<> 少女が目を覚まし、体を起こす。
少女の名は『美樹さやか』
「…またあの変な夢。今日で一週間か?」
ここ一週間似たような夢をみる。
ただし、いつも同じではない。
少しづつ違う夢を見ていた。
「それにしても誰だ?あの三人」
夢に出てきた五人の内三人は知らない者だった。
「しっかしまあ、私もいつもあれで終わりか」
どんな場面であっても必ずそこにいるのは夢のなかの自分。
夢のなかの自分は必ず化物になって死ぬ。
「あの変な服も気になるし、あーもう!」
再びベッドに寝そべる。
「考えてても意味ないか」
とにかく学校へ行く準備をする。
――――――――――――――
――――――――
――――
「おはよう」
リビングに続く扉を開けながら挨拶をするがそこには誰もいない。
さやかの両親は共働きで朝早くから働きに出かけている。
夜も遅くに帰ってくるので家族が揃う時間は殆ど無い。
「いただきます」
朝食と昼の弁当は毎日用意されているのでそれを食べる。
「ごちそうさま」
食べ終えてある程度の準備をしてから自宅を出る。
「今日も張り切って行くか!」
友人が待っているであろう待ち合わせ場所へ走った。 <>
間違った…orz<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:33:29.00 ID:IFBDbqyqo<> 「今日も一番乗り」
待ち合わせ場所に来たが周りには誰もいない。
少し待てば仁美かまどかが来る。
この待つ時間が何処か心地良かった。
(今此処にいるのは私だけ…)
目を閉じ、耳を澄ませる。
いろいろな音が混じり合って聞こえる。
車のエンジンの音、踏切の音、何処の誰かもわからない声。
すると、こちらに向かってくる足音が聞こえた。
(ヒヒッ、驚かしてやろうかねえ)
そう思いながら、向こうから見えない位置に移動する。
「あら?さやかさんまだ来てないのでしょうか」
さやかの次に待ち合わせ場所にきたのは仁美だった。
木陰から相手の様子を伺う。
そして、音もなく背後に忍び寄り、
「わっ」
「きゃあ!」
仁美の肩に手を置きながら驚かせる。
仁美の体がビクリと大きく揺れる。
「もう!さやかさん、驚かさないでください!」
「ごめんごめん」
友人同士のふれあい。
いつも通りの光景だった。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:34:15.79 ID:IFBDbqyqo<> 仁美が来て五分ほどして、まどかがやって来た。
「おはよ〜」
「おはようございます」
「まどか遅〜い。おお、可愛いリボンしてんじゃん」
まどかがいつもとは違うリボンをしていた。
その事を素直に褒める。
「そ、そうかな?ちょっと派手過ぎない?」
「とても素敵ですわ」
仁美もさやかと同じように思っている。
「謙遜すんなって。実際まどかは可愛いんだからさ」
そう言って、三人は仲良く学校へ向かう。
「でね、ラブレターでなくて、直に告白できるようじゃなくちゃダメだって」
「相変わらず、まどかのママはかっこいいなぁ。美人だし、バリキャリだし」
まどかの母親はキャリアウーマンで会社でもなかなかの成績を出しているようだった。
「そんな風にきっぱり割り切れたらいいんだけれど…ハァ」
「羨ましい悩みだねぇ」
仁美は仁美でその綺麗な容姿と、お淑やかな性格、その上成績優秀でクラスの中でも人気者だった。
そして、彼女の家は金持ちで、仁美は家の嬢としてさまざまな稽古をさせられているらしい。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:34:46.01 ID:IFBDbqyqo<> 「いいなぁ。私も一通ぐらい貰ってみたいなぁ。ラブレター」
「ほう、まどかも仁美みたいなモテモテな美少女に変身したいと?
そこでまずはリボンからイメチェンですかな?」
「ちがうよ!これはママが…!」
さやかの言葉に反応しまどかの顔が赤くなる。
「さては、ママからモテる秘訣を教わったな?けしからん。
そんなハレンチな子は〜…こうだぁ!」
そう言って、さやかはまどかに抱きつく。
友達同士のじゃれ合いだ。
本気でやっているわけではない。
「ちょっと、アハハ、やめて」
「かわいいねえ。でも男子にモテようなんて許さんぞぉ」
「まどかは私の嫁になるのだー!」
そんな二人のやりとりを見ていた仁美が咳払いを一つ。
「ううぇ」
そこでようやく二人は止まった。
ちなみにここは学校の前だ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:35:14.10 ID:IFBDbqyqo<> 教室の扉が開き、一人の少女が入ってくる。
黒くて長い綺麗な髪をしていた。
(あの姿…)
この一週間で見た夢を思い出す。
髪をほどき、眼鏡を掛けていないが夢に出てきた少女にそっくりだった。
まどかの方を見ると、まどかも唖然としていた。
(何かあったのか?)
まどかの方を見るのをやめ、再び転校生へ視線を移す。
(生気のない瞳。何もかも諦めたような目をしてるなあ)
夢のなかで見た彼女とは違った印象を受ける。
「はぁい、それじゃあ自己紹介行ってみよう」
「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
和子に言われ、転校生が自己紹介をする。
(暁美ほむら、か)
全員が何も言ってない中、さやかは暁美ほむらと名乗った少女を見つめていた。
ほむらがホワイトボードに名前を書き、その場でお辞儀をした。
すると、クラスから拍手が起きた。
ほむらの方を見ていたさやかはほむらの視線が気になった。
(誰を見てんだ)
その視線の先にはまどかが居た。
「ええっと、暁美さん…?」
和子が困ったような顔をしていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/10(土) 21:35:46.15 ID:IFBDbqyqo<> ホームルームが終わって、まどか達は三人で集まって話をしていた。
「不思議な雰囲気の方ですよね。暁美さん」
当の本人はクラスメイトからの質問攻めを食らっている。
「ね、まどかあの子知り合い?なんかさっき思い切りガン飛ばされてなかった?」
先ほどのホームルームで気づいたことを尋ねてみる。
「いやぁ、えっと」
答えがすぐに出せないようだ。
すると、暁美ほむらが席を立った。
何の躊躇もなくこちらに向かってくる。
そして、三人の…具体的にはまどかの前で止まった。
「鹿目まどかさん。貴方がこのクラスの保健係よね」
「ほえ?えっと、あの」
ホームルームでは睨まれ、今も何処か妙な雰囲気を出しているほむらにまどかは戸惑っているようだった。
「連れていってもらえる?保健室」
「う、うん」
まどかが席を立ち、ほむらと共に教室を出た。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/10(土) 21:38:15.01 ID:IFBDbqyqo<> 投下終了
えらく中途半端だけど書き溜めを考えるとこれぐらいじゃないと間に合わない
嫌な予感しかしない?
気にするな!
次回の投下をどうしようか考え中
カイザの日で9月13日にするかアーツカイザ発売記念として土曜日にするか
上にもあるけど書き溜めが少ないため両方は無理です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/09/10(土) 21:45:09.37 ID:aIaboSHPo<> 乙〜
何という俺得。全俺がワッフル期待します <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/09/10(土) 22:32:42.13 ID:iYjIqoi/o<> 乙
やっぱ巧は死んでるのか… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2011/09/12(月) 17:23:59.39 ID:NLGc78qwo<> 乙
俺得って事でいいのかなあ・・・? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/13(火) 21:56:51.52 ID:SF17wKwho<> こんな時間になったけど投下
草加雅人こと村上幸平さんのブログ見たら投下しないといけないと思いました
そんな今日はカイザの日
ファンもアンチもそろって草加雅人への愛を叫ぶ日らしいです
どどんがどんどん!
くさ〜〜か まさと!!
どどんがどんどん!
くさ〜〜か まさと!!
合言葉は「俺の事を好きにならない人間は邪魔なんだよ!!」
※このSSで草加さんの出番はありません
投下開始
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/13(火) 21:57:18.15 ID:SF17wKwho<> その日の授業は凄いとしか言いようがなかった。
転校初日にもかかわらず、当てられて問題は全て正解し、体育の授業では県内記録すら超えていそうな数値をたたき出していた。
そんなほむらはすぐに注目の的になった。
「ひっ」
だがまどかはそんなほむらに苦手意識を抱いたらしい。
何があったかは分からないが。
放課後、さやか達三人は市内のデパートの中にある喫茶店に来ていた。
自分達で注文したものを食べながらまどかの話を聞いていた。
「ええ!?何それ!」
「わけわかんないよね」
ほんとに訳がわからなかった。
自分は自分のままでいればいい?
なかなか考えがぶっ飛んでいる。
「文武両道で才色兼備かとおもいきや、実はサイコな電波さん?
どこまでキャラ立てすりゃ気が済むんだ〜?萌か?そこが萌えなのか〜?」
そう言いながらテーブルに頭を突っ伏す。
「まどかさん、本当に暁美さんとは初対面ですの?」
仁美がまどかに尋ねる。
「うーん、常識的にはそうなんだけど」
「何それ、非常識なところで心当たりがあるの?」
さやかは頭を上げてまどかに尋ねる。
「あのね、昨夜あの子と夢の中で会った…ような」
その言葉を聞き、仁美と二人で大笑いする。
「アハハ、まどかまでキャラが立ち始めたよ」
「酷いよ〜私真面目に悩んでるのに〜」
自分はまどかのことを笑ったが、自分も大概である。
夢の中でほむらに似た少女を一週間近く見ているなど。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 21:57:45.69 ID:SF17wKwho<> 「ああ、もう決まりだ。それ前世の因果だわ。貴方達、時空を超えてめぐり合った運命の仲間なんだわ」
茶化しているように言うが、少し信じているところもあった。
まどかが夢をみたのは昨夜だけ。
だが自分は一週間毎日見ている。あの夢が現実にならないことを願うだけだ。
「ところで、その夢ってどんな夢でしたの」
仁美が夢の内容を尋ねる。
「それが、なんだかよく思い出せないんだけど、とにかく変な夢だったってことだけで」
まどかは夢の内容を覚えていないらしい。
さやかはこの一週間で見た夢はだいたい覚えている。
むしろ、忘れるほうが難しかった。
「もしかしたら、本当は暁美さんと会った事があるのかもしれませんわ」
「ほえ?」
「まどかさん自身が覚えていないつもりでも深層心理には彼女の印象が残っていてそれが夢として出てきたのかもしれません」
「それ出来過ぎてない?どんな偶然よ」
自分の夢から考えても、会ったことのない人物が三人も出てきている。
似たような人物を見たこともないし、仁美に言うことを信じられなかった。
「そうねえ。あら、もうこんな時間」
仁美が携帯を開き、時間を確認する。
「すいません、お先に失礼しますわ」
どうやらいつもの稽古らしい。
「今日はピアノ?日本舞踊?」
「お茶のお稽古ですの。もうすぐ受験ですのにいつまで続けさせられるのか」
「はぁー、小市民に生まれてよかったわー」
自分が好きでもないことをやらされる。
自分には決して真似できないであろう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 21:58:33.94 ID:SF17wKwho<> 「私達も行こっか」
まどかが席をたつ。
「ねぇまどか、CDショップよってもいい?」
「いいよ。また上条くんの?」
「まあね」
上條恭介は今から半年前に起きた事故で今も入院している。
そのお見舞いの品として、CDを持って行って聞かせている。
仁美と別れた後CDを選んでいたさやかに妙な雰囲気を感じた。
何処からか音が聞こえる。
耳を澄ませ、その音が何なのかを探る。
犬が走るような足音、そして何かが地面に炸裂する音、そしてその犬のようなものを追う二つの足音が聞こえた。
やがてその音がだんだんと小さくなり聞こえなくなった。
(何だったんだ?今の。ま、気のせいかね)
そう思いながらまどかの方を見るとまどかが何処かへ向かうのが見えた。
(何やってるのよ)
さやかはまどかの後を追うことにした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 21:59:20.25 ID:SF17wKwho<> (立ち位置禁止じゃん、ここ)
まどかの後を追いながら、人気のない場所へ行き、最終的には立入禁止の立て札がある場所まで来てしまった。
(ごめんなさーい)
心の中でここを管理している人に謝りながらまどかの後を追う。
そしてようやくまどかが止まった。
自分がいる場所からは見えないがまどかともう一人。
かなり怪しい人物がまどかの前に立っている。
それに、まどかの体勢から見て何かを持っているようにも見えた。
(さっき聞こえたあの音と何か関係が?)
もしまどかが小動物を持っていてまどかの前の人物がそれを追っていたとしたらまどかが危ない。
そして、近くにあった消火器を手に取りその栓を抜きながらまどかに近寄る。
(転校生!?)
とにかく、まどかを助けるために消火器を噴出した。
「まどか!こっち!」
まどかが完全にこちらに来たのを確認し、消火器を投げ捨てる。
そして、走ってほむらから離れた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 21:59:54.08 ID:SF17wKwho<> 「何よあいつ!今度はコスプレで通り魔かよ!つか、何それ。ぬいぐるみじゃないよね。生き物?」
ほむらから逃げながら、まどかが抱えている小動物のようなものについて尋ねる。
「わかんない!わかんないけど、この子助けなきゃ!」
走りながら言うまどかの言う通り、腕の中の動物はかなり衰弱している。
「まどか!ストップ!」
さやかはその場で走るのをやめ、まどかも止めさせる。
「どうしたの!?早く逃げなきゃ!」
「いや、待って。ここもヤバイ」
理屈抜きに何かを感じる。
さやかの持つ第六感が何かを警告している。
「こっち!」
今までとは違う道を選ぼうとするが、既に時遅し。
既に周りの気配は変わっていた。
「ひい!何かいる!」
その言葉の後には既に二人はそれらに囲まれていた。
「夢だよね。そうでしょ、さやかちゃん」
「夢じゃない…」
夢ではない。
人間とは違う、異型の化物。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 22:00:21.30 ID:SF17wKwho<> (まどかだけでも逃さないと)
しかし次の瞬間。
その化物たちが次々と倒されていく。
化物に当たるのは赤いレーザーのようなもの。
それが一発一発確実に化物に当たっていく。
「伏せろ!」
男の声が聞こえ、さやかとまどかは頭を下げる。
『Exceed Charge』
機械的な音声が発せられ、二人の頭上を何かが通過する。
「おりゃあ!」
その何かが化物を殴り倒す。
殴られた化物にギリシャ文字のファイのような紋章が浮かび上がる。
何かの見た目は鎧のようで、目の部分や体のラインが光っていた。
「これで全部か」
周りを見て確認する。
「危ない!」
しかし、化物がまだ残っていた。
そいつが先程の鎧に襲いかかる。
だがその化物の攻撃が届く前に、化物が倒された。
「油断は禁物ですよ。海堂さん」
「だあー、俺一人で十分だっちゅうに」
暗闇から現われた一人の少女。
(あの人は)
夢のなかに出てきたほむらとは違う人物。
夢のなかで出てきた姿と同じ姿をしていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 22:00:54.06 ID:SF17wKwho<> 鎧が動き出したかと思うとその姿が見えなくなっていた。
今度は少女が飛び上がり、掛け声と共に空中に大量の銃が出現する。
その銃の撃鉄が落ち、大量の弾丸が放たれる。
それだけではない。
大量にいる化物共に円錐状の何かが大量に刺さる。
そこを何かが通り抜けたと思うと、既に化物は倒された後だった。
「す、凄い」
銃弾の雨と大量の何か。
その二つによって化物が全て倒される。
『3...2...1...Time Out』
『Reformation』
鎧の姿が見えたかと思うと、再び元の姿に戻った。
それと同時に周りの景色も変わり、自分達が元いた場所に戻ってきた。
「も、戻った!」
まどかもほっとしたようで、二人で顔を見合わせる。
しかし、マミと鎧はまだ警戒を解いていない。
すると、さやか達の前に再びほむらが現われた。
否、ほむらだけではない。その隣には灰色の姿をした海老のような化物までいる。
(あれは…)
さやかはそれを見たことがあるわけではない。
だが、何かを感じていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 22:01:19.85 ID:SF17wKwho<> 「魔女は逃げたわ。仕留めたいならすぐに追いかけなさい。今回は譲ってあげる」
マミがほむらに向かって言った。
「私が用があるのは」
「飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの」
「…」
相手がどのような力を持っているかはわからないが目の前の少女ははっきりと言い切った。
「私は魔女なんかには用はない。ファイズ、そのベルト返しもらうわ!」
灰色の化物が『ファイズ』と呼ばれた鎧に向かって突っ込む。
「クッ」
ファイズは化物の攻撃を紙一重でかわす。
ファイズはベルトから携帯のようなものを外し、それを開いて3つのボタンを押す。
『Burst Mode』
携帯が横に折り曲げられ、銃のような形になる。
そしてアンテナの部分から光線が3連射される。
「その程度!」
その攻撃をすべて避け、化物は確実にファイズに詰め寄る。
懐に入り、次こそ避けられないと思ったとき化物が吹っ飛ぶ。
見ると、少女が銃を持っておりそれで化物を吹き飛ばしたようだ。
「お互い、余計なトラブルとは無縁でいたいとは思わない?」
全員その場から動かない。
ただ、まどかとさやか以外は何があっても自由に動けるようにしているのが分かった。
「行くわよ、影山冴子」
ほむらが後ろに振り向き、何処かへ消える。
「今回は邪魔が入ったけど、確実にそのベルト返してもらうわよ」
ほむらの後を追うように化物も何処かへ消える。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/13(火) 22:01:48.79 ID:SF17wKwho<> 「ふぅー」
さやかとまどかはほっとした。
少し戦闘があったが全員、何事も無く此処にいる。
「おー痛かった」
そう言って携帯を操作すると、鎧の姿が変わった。
鎧を着ていたのは頭にボサボサの髪をした男。
全員で顔を見合わせ、笑顔を作る。
――――――――――――――
――――――――
――――
動物を中心に光が輝いている。
その光に当たった動物の傷がみるみるうちに塞がっていく。
その傷が完全に塞がり、動物が目を覚ました。
「ありがとうマミ。助かったよ」
体の傷を癒してもらったことに礼を言う。
「お礼はこの子達に私は通りかかっただけだから」
「どうもありがとう。僕の名前はキュゥべえ」
さやかとまどかの方に向き、自己紹介をしてくる。
「あなたが私を呼んだの?」
「そうだよ、鹿目まどか。それと美樹さやか」
自分たちの名前を言われて驚く。
「なんで、あたし達の名前を?」
「僕、君達にお願いがあってきたんだ」
「お願い?」
「僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/13(火) 22:06:34.40 ID:SF17wKwho<> 投下終了
アニメで言う1話が終わり
1話サブタイは考えてないです
次回の投下は9月24日土曜日
つまり来週になります
うまくいけば来週には名護さんスレの本編が終わるのでこっちを本格的に更新できるようになります
第2話『魔法少女に魔女。それと…オルフェノク』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/13(火) 22:47:54.46 ID:IrpnEdr7o<> 乙です。
ほむほむはスマートブレインと手を組んだのか……社長とかにゃなってないよね?(スマートブレインの社長職への偏見 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/09/13(火) 23:06:10.66 ID:Mq5A5mpyo<> 乙〜
そいつは楽しみだ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東地方)<>sage<>2011/09/13(火) 23:12:06.75 ID:+RI5hswQ0<> 乙ー
ほむほむ……そいつと組んでもまどかの幸せは無い気がするぞ…… <>
>>1<>saga sage<>2011/09/18(日) 00:04:33.22 ID:6qNL1h9Lo<> 設定の載せ忘れを書いとく
・恭介が入院している期間を半年としてます
これについてはWikiにも載っていなかったのでこちらで適当に決めました
・555は本編終了後からおよそ10年
海堂さんがそこまで生きてるのか分からないけど寿命が長いと考えてください
ちなみにほむらは753スレからループした場合でも結局組むのは冴子おb…冴子さんだったり
スマートブレインは555最終回での解体から復活はしていない
どうでもいいけど昨日レジェンズ×まどか☆マギカというなんかよくわからんのが思い浮かんだ
あらすじ
前の時間軸でまどかが契約してしまったため、時間を遡り病院で目覚めたほむらの手にはソウルジェム…ではなくクリスタルのようなものが握られていた。
それが何かは分からないが、兎に角いつもと同じように魔女狩りに出かけるほむら。
だが、魔法が使えないせいで視力の矯正や心臓の調子が悪いままであった。
そして、裏路地で魔女ではない見たこともない生物に出会う。
その生物はほむらを見た瞬間に襲いかかってきた。
魔法少女としての力のないほむらに絶体絶命の苦境に追いつめられる。
ここまでかと思ったその時、クリスタルが輝きだした。
本能に従うままにクリスタルをかざし『リーボン!』と唱える。
更なる輝きの後、ほむらの前には黒い姿をした竜が立っていた。
竜が化物を撃退した後、ほむらはその竜に何者なのかを尋ねる。
『ランシーン』と名乗る竜を相棒に、ほむらは運命に立ち向かう…
ここまで考えて疲れた
あとはさやかが一時的な風のサーガ
8話あたりでまどかが真の風のサーガとして目覚める
最後はキュゥべえ(仮)がリボーンしたワルプルギスとの決戦に
まどかとほむら、シロンとランシーンが力を合わせ、『カネルドウインドラゴン』となりワルプルギスを倒す…
自分の書き方はわりと序盤の辺りで最終回をどうするかが大体決まってるけど
そこに行き着くまでが時間がかかる
ちなみにここも最後はどうなるかがもう決まってます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/24(土) 21:15:50.58 ID:Yk/voY9zo<> 前回暇すぎて無駄な長文を書いた1
夜のテンション怖すぎると実感
まどか原作で2話に入りますけど所々省略してます
説明や本編と流れの変わらない場所がそうです
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:16:31.37 ID:Yk/voY9zo<> 「ハア!」
美樹さやかはこの日、飛び跳ねるように目が覚めた。
「ハア…ハア…」
夢を見た。
一週間続いた同じような夢ではない。
見渡すかぎり灰。
いや、自分以外にも何体か生き物がいる。
だがそれらは全て灰色を基調とした異型の化物。
自分を除き、人間の姿をしているものは誰もいない。
(夢か…)
夢でよかったとほっとする。
ベッドから降り、鏡に自分の姿を写す。
「!」
顔に何かの模様が見えた。
目をこすり、再び鏡の中の自分を見ると模様はなかった。
「はあー、なんか最悪」
昨日聞いた話が頭に残っているのだろうか。
とても気分が悪い。
「魔法少女に魔女。それと…オルフェノク、ねえ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:17:02.37 ID:Yk/voY9zo<> 昨晩巴マミから聞いた話を思い出す。
絶望の象徴の魔女が人間を喰らう。
その魔女を倒す希望の魔法少女がいるということ。
マミとほむらはその魔法少女で自分達にその素質があるということ。
ほむらがキュゥべえを襲った理由はわからない。
一番考えられる理由としてはこの以上魔法少女を増やしたくないからだという。
「願い事を一つ叶える代わりに化け物と戦う、か」
正直、釣り合いがとれてない気がしたが人によってはそう感じないであろう。
そして、マミの自宅にいた『海堂直也』から聞いた話を思い出す。
オルフェノクという化物が存在するということ。
昨日鎧…ファイズを襲った灰色の化物がオルフェノクだという。
オルフェノクは死んだ人間やオルフェノクに襲われた人間が低い確率でなるらしい。
そのオルフェノクを倒せるのは同じオルフェノクかファイズだけ。
ファイズの他にもカイザ、デルタという物も存在するがカイザはベルトが破損。
デルタはベルトの持ち主が何処にいるか分からないという状況だった。
そしてそのファイズに変身できるのはオルフェノク、またはそれに近い体を持つものだけ。
海堂直也もオルフェノクらしい。
ただ普通のオルフェノクと違うのは人を襲わない。
一般的にオルフェノクは自分の力に溺れ、罪のない人間を襲うのだという。
だが中には人を襲わないオルフェノクもいる。
その一人が海堂直也だ。
海堂が言うには『心が人間なら人間のままでいいんだよ』らしい。
ただその後に『って俺の知り合い…木場って奴が言ってたんだよ』と付け足した。
その木場という男もオルフェノクだったらしい。
10年ほど前、色々な出来事があって死んだという話だった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:17:28.84 ID:Yk/voY9zo<> 「それにしてもあたしにそんな力が…」
そして自分に気になることを言った。
『君は魔法少女の素質は並だ。けど何か引っかかるものがある』
どういうことかは分からないが自分に妙な力があるかもしれないらしい。
「魔法少女になれば恭介の腕も…」
しかし、夢の内容を思い出す。
夢の中で自分は必ず化物になって死んでいた。
もちろん、ただの夢という可能性も捨て切れないが嫌な予感がしているのは確かだった。
「まあ、マミさんもああ言ってたし。ひとまず学校に行きますかねえ」
魔法少女のことは置いといて、学校に行くことにした。
――――――――――――――
――――――――
――――
「おはよ〜」
仁美と歩いていると後ろからまどかの声が聞こえた。
二人はその場で立ち止まり、後ろを振り返る。
「おはようございます」
「おはよ…ううぇ」
普段見慣れないものがまどかの肩にいる。
「おはよう、さやか」
キュゥべえだった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:18:02.70 ID:Yk/voY9zo<> 「どうかしましたか?さやかさん」
唖然とした顔をしているさやかに仁美が尋ねた。
さやかはまどかの傍に行き、耳打ちをする。
「やっぱそいつ、あたし達にしか見えないんだ」
「そうみたい」
仁美には聞こえないように会話をする。
「あのー」
「いや、なんでもないから!行こ」
不思議そうな顔をしている仁美に誤魔化すように学校へ向かわせる。
――――――――――――――
――――――――
――――
登校中に分かったことは自分達は既にテレパシーが使えるということだけ。
と言っても魔法少女になったわけではないのでキュゥべえを通さないといけないが。
ほむらも学校では仕掛けてこないようで安心できた。
昼休みにはまどかと契約について話してみた。
二人共、命をかけてまで叶えいたい願いがないということで収まったが。
理由は、幸せに囲まれすぎている幸せバカだから。
そんな中にもほむらはやってきた。
そのほむらにまどかが『どんな願いで契約したか』を聞いていたがそれには答えてはくれなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:18:32.42 ID:Yk/voY9zo<> そして放課後。
喫茶店にさやか達は集まっていた。
「あれ?海堂さんは」
昨日の話では海堂も来るはずだったが居ない。
「この近くでオルフェノクを見つけたって連絡がきたの。多分それを倒しに行ってるわ」
目に見えない魔女とは違い、オルフェノクは目に見えるやり方で人を襲う。
そのオルフェノクを倒す手段を持っているのが海堂だ。
魔女は魔法少女に任せ、オルフェノクは自分の手で倒す。
当然のやり方だった。
「海堂さんがいてもいなくても油断はしないで。危ないことをしているのは事実なんだから」
「はい!」
魔法少女体験コースを開始した。
外に出て一時間ほど経っただろうか。
魔女が集まりやすいのは生命力が弱いものが集まる病院や自殺に向いている人目につかない場所。
人通りが多くても通行量が多い道路などでは事故による被害が多いらしい。
そのような話を聞いていると、マミの持つソウルジェムが強く輝いた。
この近くに魔力が集まっている証拠らしい。
「急ぐわよ!」
そうして、三人は走りだした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:18:59.53 ID:Yk/voY9zo<> 先ほどの場所から少し行ったところに既に使いものにならないビルがあった。
「マミさん、あれ!」
さやかが屋上を指さす。
一人の女性が屋上のフェンスから出て身を投げようとしているのが分かった。
マミが変身しながら走るが、既に女性は屋上から飛び降りてしまった。
間にあうか間に合わないかのギリギリの距離。
しかし、マミが女性に向かって手をかざすとリボンのようなものがその体を受け止めた。
そしてゆっくりと地面にその体を下ろす。
「魔女の口づけ、やっぱりね」
「こ、この人は?」
「大丈夫、気を失っているだけ。行くわよ」
結界に入る前にマミがさやかのバットを握ると、そのバットが触る前とは変わった見た目になった。
「凄い…」
「気休めだけどこれで身を守る程度の役には立つわ。絶対に私のそばを離れないでね」
「はい!」
マミが最初に結界に入り、その後に続くようにさやか、まどかが結界に入った。
それを見守るようにほむらがビルの中にいた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:19:26.11 ID:Yk/voY9zo<> 「いいのかしら、あの三人を追わなくても」
ロブスターオルフェノク『影山冴子』がほむらに尋ねる。
「私が止めたところでどうにもならないわ」
昨日の出来事でほむらの印象は最悪だ。
そんな彼女が何を言ったところで聞く耳を持たないだろう。
「あの女、好きにしてもいいかしら」
「私が知ったことではないわ」
ほむらがそう言うと、冴子は先程マミが助けた女性に近づいく。
冴子が倒れている女性にサーベルを突き立てる。
女性の体がビクンと跳ね上がる。
「貴方は当たりかしら?それともハズレかしら?」
オルフェノクの姿をしているため、表情は分からないが人の姿をしているのならそれは笑顔だっただろう。
『使徒再生』と呼ばれるその行為はその人間がオルフェノクに適合するかどうかを試す方法でもあった。
使徒再生をされた人間が辿るのはオルフェノクになるか死のみ。
どのみち一回は死ぬことになる。
「当たりね」
気は失ったままだが、首筋にあった魔女の口づけが消えた。
適合しなければそのまま灰になって死ぬがその気配が見えない。
もう少しすれば意識を取り戻すだろう。
「二日連続で当たりを引けるなんてついてるわ。あ、でも最初の男は言うことを聞かないから失敗かしら」
現在、海堂が追っているオルフェノクがそうだった。
先日、街を歩いていたホスト風の男を捕まえ使徒再生したところそれが見事にあたった。
そこまでは良かったがオルフェノクの説明をした後言うことを聞かなくなってしまった。
「ま、それは彼等に任せましょう」
そう言って冴子は街の方を見つめる。
無能なオルフェノクの処理は意外と役に立つ『二人』に任せることにした。
「この子が目を覚ましたら、適当に働いてもらいましょう」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:19:52.54 ID:Yk/voY9zo<> さやかとまどかはマミの傍を離れないように結界の中を進む。
二人が危険な目に合いそうになればそうなる前にマミが全て倒していく。
それはテレビに出てくるヒーローのような存在で、まどかはそれに憧れるように見つめる。
二人を守りながらマミは次々と使い魔を倒していく。
「もうすぐ結界の最深部だ」
キュゥべえがそう言ってから少し行った場所に魔女はいた。
「見て、あれが魔女よ」
「うへえ、グロイ」
グロテスクな見た目に不快感を覚える。
あんなものが世界に存在しているとは昨日までは思いもしなかった。
「あんなのと戦うんですか」
まどかが怯えながらマミに聞く。
「大丈夫、負けるもんですか」
マミがバットを地面に突き立てると、そこにシールドのようなものが出来上がる。
「下がってて」
マミはそう言って魔女の下へ降り立つ。
魔法少女と魔女の戦いが始まった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:20:22.60 ID:Yk/voY9zo<> マミがスカートや帽子から大量の銃を召喚する。
マスケット銃と呼ばれる単発式の銃を撃っては投げ捨て、新しい物を撃っては投げ捨てを繰り返す。
そうすることにより、単発式でありながら連射を可能としていた。
華麗に踊るように攻撃を続けていく。
戦士としての戦い方ではないが第三者から見るそれはとても美しかった。
しかし、マミの体に魔女が造り出したロープが巻き付いた。
手に持ったマスケット銃を撃つがそれは全て地面を貫くだけだ。
そしてその体が壁に叩きつけられた。
「マミさん!」
さやか達から見たそれはピンチにしか見えないだろう。
しかしまどかにはそのピンチから救う力を持っていない。
「大丈夫。未来の後輩に格好悪いところ見せられなものね」
先ほど撃った地面の穴から沢山の糸のようなものが出てきた。
それが集まり魔女の体に巻き付くと今度は魔女のほうが動きを止められた。
「惜しかったわね」
そう言ってマミが胸元のリボンを外す。
そのリボンが自在に動きマミの体を解放する。
そして、そのリボンが形を変え、巨大な銃の形になった。
「ティロ・フィナーレ!」
その掛け声と共に、撃鉄が落ち魔女に弾丸が放たれる。
大量の糸に絡まれ身動きがとれない魔女に直撃した。
その魔力で練られた巨大な弾丸により魔女は跡形もなく消滅した。
マミが地面に降り立ち紅茶を啜る。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:20:48.66 ID:Yk/voY9zo<> 「勝ったの…?」
「凄い…」
結界が消え、ビルの中に戻ってきたようだ。
マミは変身を解き、何かに近づく。
さやか達もマミに近づく。
「これがグリーフシード。魔女の卵よ」
「卵…」
「運が良ければ、時々魔女が持ち歩いてることがあるの」
魔女の卵と聞くと、危なさそうなイメージがある。
「大丈夫、その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ」
しかしそれをキュゥベエはあっさりと否定した。
「私のソウルジェム、昨夜よりちょっと濁ってるでしょ」
「そういえば」
確かに下の方に少し濁りが溜まっている。
「でも、グリーフシードを使えば。ほら」
目に見える形で濁りがグリーフシードに移った。
「うわ、綺麗になった」
再び昨夜のような輝きを取り戻した。
「ね、これで消耗した私の魔力も元通り。前に話した魔女退治に見返りっていうのがこれ」
そう言うとマミは暗闇に向かってグリーフシードを投げた。
パシッと言う乾いた音が鳴り、誰かがそれを受け取ったのが分かった。
「あと一度ぐらいは使えるはずよ。貴方にあげるわ、暁美ほむらさん」
「あいつ…!」
暗闇から出てきたのはほむらだった。
ただ、昨日とは違いその隣にオルフェノクはいなかった。
「それとも。人と分け合うんじゃ不服かしら」
「貴方の獲物よ。貴方だけのものにすればいい」
そう言ってほむらはマミにグリーフシードを投げ返す。
「そう、それが貴方の答えね」
ほむらは踵を返し、再び暗闇の中へ消えていった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/24(土) 21:21:20.79 ID:Yk/voY9zo<> 「くうー!やっぱ感じ悪いやつ!」
「仲良く出来ればいいのに…」
「お互いにそう思えれば、ね」
お互いが理解し合えれば何事も無く進むのだがそうは行かない。
だがこれでひとまずは一件落着…の筈だった。
「…」
「どうしたの、さやかちゃん?」
ぼうっとしているさやかにまどかが尋ねた。
「いや、何か音が聞こえない?」
「言われてみればたしかにそうね」
音がするのはビルの下から。
三人はその場から下を覗き込む。
「あれは…!」
三人が下を見ると同時に、先程マミが助けた女性の姿が変わった。
灰色を基調とした異型の化物。
「オルフェノク…」
オルフェノクに変貌した。
「キュゥべえ!海堂さん呼べる?」
「分からない。けどやってみるよ」
その後マミはすぐさま変身し、下に飛び降りた。
オルフェノクを倒すことはできないが、海堂が来るまでは何としても奴の動きを止めておかねばならない。
そう考えれば、マミの行動は当然とも言えた。
「マミ!海堂直也との連絡がとれた!僕が迎えに行ってくる!」
「頼むわ!」
そう言ってキュゥベエはまどかの腕から出て、ビルの外へ向かっていった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/24(土) 21:26:20.42 ID:Yk/voY9zo<> 投下終了
冴子の言う二人とは…?
まあ分かると思いますが…
ネタバレになるけどショウさんの苗字募集
この人が何故か活躍するストーリーしか浮かびません
名前の読みは『ショウゴ』で漢字でどう書くかも決まってますけど苗字は思い浮かばねえ
とりあえず募集中
次回の投下は水曜日夜9時頃から
あと753の方だけど明日投下じゃなくてその次、2日の日曜日の投下です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<><>2011/09/25(日) 18:35:13.52 ID:IloE0C6/0<> ショウとつく名前ならライダー繋がりで石ノ森、津上、左のどれか
その中で一番語呂がいいから津上ショウゴとかどうでしょう? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/09/25(日) 18:38:37.00 ID:IloE0C6/0<> すいませんsage忘れました <>
>>1<>sage<>2011/09/25(日) 18:59:50.24 ID:Nv2MmbAXo<> 構わんよ
投下予告もしてるし、投下しにきたって間違う人も少ないだろうし
名前…その方法があったか…
とりあえずその中からしっくり来るの選んでそれで行きます
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/26(月) 00:23:12.51 ID:WvxgSLSlo<> 乙
……ショウさん大活躍って誰得なんだww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/09/26(月) 15:52:44.80 ID:NVoYzaeG0<> 中沢の活躍に期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県)<>sage<>2011/09/27(火) 00:47:32.89 ID:hVb9yLUQ0<> 勢い余って冴子さんと組んじゃうのがほむほむクオリティ。
そしてショウさんェ・・・モチーフはウツボカズラか?火吹きワンコか?サボテンはもういたから
いっそハエトリソウか? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/27(火) 02:01:56.97 ID:RooWg+mGo<> ワルプルギスを倒すだけなら、魔女を認識でき、かつ戦闘力のあるオルフェノクを
多数抱え込んでるだろう冴子(というかスマートブレイン)と組むのはアリかもしれない。
問題はその後なんだけどな。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/28(水) 22:36:19.04 ID:BOvfSewCo<> 用事ができて出かけて帰ってきたら十時だよ!
飯食ってたりしてたらこんな時間に
一時間半ほど遅れてもやります
ショウさん活躍は何故書こうと思ったのかいまいち分かりません
ただ、彼の原作や他のSSでの扱いがあまりにも酷いから…
場合によっちゃショウさんと同僚出て来ませんし
753スレでも中の人ネタでセリフ一回だけだったし
それがどうして活躍になるのかはわかりませんが
ちなみにオルフェノクのモチーフはある程度考えています
もう少しは他のオルフェノクが登場する予定です
今回、冴子さんの使える二人
海堂ともう一人の人物が出てきます
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:37:09.11 ID:BOvfSewCo<> さやか達が魔法少女体験コースを始める三十分ほど前。
海堂直也は見滝原の町を歩いていた。
「あいつ、何処いきやがった」
昨日はマミ達と魔女狩りを手助けすると約束したが間が悪いことにオルフェノクを見つけてしまった。
昔の海堂なら無視しておくところだったが今は違う。
木場の意思を継ぎ、オルフェノクではなく人として生きることを選んだ。
その為に、人間を襲うオルフェノクを放っておけなかった。
裏路地に入ったのを見たのが数分ほど前。
まだそれほど遠くには逃げていないはずだ。
「こんな時にこの力は役に立たねえな!」
オルフェノクはたまに感覚が強化され、聞こえないはずの音が聞こえたりするがそれが表われない。
どういう条件かはわからないが基本的には役に立つ能力だった。
しかし表れなければ意味が無い。
すると、裏路地から一人の男が飛び出してきた。
「助けてくれ!化物が!この向こうに!」
「お、落ち着けって!向こうだな!」
海堂はあまり人との付き合いが好きではない。
ただし、マミとは同じ異型の化け物と戦う仲間としてすぐに打ち解けたが。
兎に角、男を落ち着かせ、情報を聞き出す。
「おい、その化物ってどんなやつだ」
「銃を持った灰色の…」
そこまで言った男の体に異変が起きた。
体が灰になり始めている。
「あ…まだ死にたくない」
それが男の最期の言葉になった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:37:43.26 ID:BOvfSewCo<> 「チィ、此処か!」
裏路地に入って少しのところにそれはいた。
「ウヒャヒャ」
狂ったように笑い声をあげていた。
灰色の姿をした化物、オルフェノク。
肩から伸びた前後に動く盾のようなもの。
そしてその右手にはスナイパーライフルに似た銃が握られていた。
「今度は逃さねえぞ」
ファイズギアを腰に巻き、ファイズフォンを開く。
変身コード『555』を押し、エンターキーを押す。
『Standing by』
「変身」
『Complete』
海堂の体にフォトンストリームが走り、フォトンフレームを形成する。
「しゃあ!」
海堂の体にファイズが装着され、オルフェノクに向かって走る。
「狙い撃つぜえ!」
オルフェノクがライフルを構えファイズに向かって放つ。
「げえ!」
間一髪でそれをかわすが、次々と飛んで来る弾丸を全て避けきれず吹き飛ばされた。
「痛ってー!」
ゴロゴロと転がり少し離れた場所で体を起こす。
「圧倒させてもらうぜぇ!」
「クソ!」
先ほどの攻撃で威力がどれほどのものかは分かった。
大したことはないが弾幕は厄介だった。
とりあえず物陰に隠れることにした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:38:15.23 ID:BOvfSewCo<> オルフェノクとの戦闘から既に十分ほどの時間が経過していた。
物陰に隠れながらライフル攻撃を対処していたがやはり何発かは当たってしまう。
「クソ!」
フォンブラスターを連射するがそれらは全て肩についた盾で防がれてしまう。
昨日オルフェノクになったとは思えない戦い方だった。
狂っているからか、周りの被害を気にしていない。
そもそも、戦闘本能が高いオルフェノクにそんな事を気にしろというのがおかしいのだが。
「あの女、俺に面倒なことを押し付けやがって〜」
町をブラブラと歩いていた海堂の前に突然影山冴子が現れ、
『私がオルフェノクにしたけど言うこと聞かないから処理よろしく』
と言ってこいつの面倒を押し付けられた。
「とんだ貧乏くじだぜ」
そんな事を言いながら結局はオルフェノクと戦っている。
「もう突っ込むしかねえか」
身を乗り出し、オルフェノクの方を見る。
だが、オルフェノクの背後に光が見えた。
「ん?って危ねえ!」
それが何か確かめようとするがオルフェノクからの攻撃で再び隠れてしまった。
だが、ある程度の目星はついた。
「おいおい、なんであれが此処にあるんだ」
そう、本来なら此処には存在しないはず。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:38:45.59 ID:BOvfSewCo<> 「もう一回だけ」
そう言いながらもう一度身を乗り出す。
「ちょ!」
すぐさまオルフェノクからの攻撃が来るが、その背後に何が近づいているのかが分かった。
「どういうことだよ!」
海堂がそういった後、
『Exceed Charge』
というファイズギアより少し低い音声が発せられる。
「ウヒャヒャ」
その音がした方をオルフェノクが振り向く。
しかし、そこからオルフェノクは動けなくなった。
黄色のレーザーのようなものが当たりオルフェノクの動きを止める。
「ハア!」
紫の目。
体に走る黄色いライン。
カイザと呼ばれるそれがオルフェノクに向かって突っ込む。
身動きの取れないオルフェノクを斬りつける。
斬られたオルフェノクにギリシャ文字のカイが浮かび上がりオルフェノクが崩れ落ちる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:39:21.15 ID:BOvfSewCo<> 「お久しぶりです。海堂さん」
「あ?」
以前聞いたことのある声。
確かラッキークローバーのメンバーの一人だったはずだ。
「俺からベルトを奪い返しに来たか」
「ちょっと!私は戦う気はありませんよ!」
「はあ?」
そう言うとカイザは変身を解除した。
「忘れているかもしれないので自己紹介しておきます」
「お、おお」
以前命を狙い合った相手にする行動ではないと思うが向こうはそんな事は気にしていないようだ。
「私は琢磨逸郎といいます」
そう、センチスピードオルフェノク『琢磨逸郎』が海堂の前にいる。
「何故私が此処に?という顔をしていますね」
「あ、ああ」
そう思うのも仕方がない。
オルフェノクの王との戦闘以降こいつを見たことがなかった。
故に何故此処にいるのかが不思議でたまらなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:39:58.97 ID:BOvfSewCo<> 「あれは昨日のことでした…」
―先日―
仕事が終わった後家に帰ろうとしていた琢磨は突然後ろから体を抑えられた。
「久しぶりね。琢磨くん」
以前何度も聞いたことのある声。
元仕事仲間の声だった。
「冴子さん…」
「覚えていてくれてて嬉しいわ」
まさか何故彼女が此処に?
色々なことを考えてみるが理解ができない。
「貴方にやってもらいたいことがあるの」
「い、嫌だと言ったら?」
怯えながら聞いてみた。
「殺す」
「ヒイ!」
もう頷くしかなかった。
冴子が琢磨にやってもらいたいこと。
それは数年かけて直したカイザギアで役立たずのオルフェノクを処理して欲しいということだった。
もちろん、冴子自身ができないわけではないが一番手っ取り早く倒すにはカイザのベルトを使うのが効果的だった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:40:37.74 ID:BOvfSewCo<> 「それで、僕がこうしてカイザに変身しているわけです」
「お前も苦労してんだな」
正直同情する。
「せっかく人間として生きてきたのに昨日冴子さんに出会ってからそれが一気に崩れましたよ」
がっくりと項垂れる琢磨。
「おっと、そろそろ時間です。では、私はパートがありますので」
「おう、がんばれよ」
まさかここまで仲良くなれるとは思ってなかったが話してみると意外とイイ奴だった。
「あ、これ貴方にあげます」
そう言って琢磨が何かを海堂に投げる。
「こいつは…」
ファイズエッジの柄になる部分を渡された。
「私が持ってても仕方がありませんし。それと、私が貴方にあったことは冴子さんには内緒にしといてください」
「おう」
ここで海堂と琢磨はわかれた。
「さてと、マミの家でゆっくりしますかねえ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:41:31.83 ID:BOvfSewCo<> マミの自宅に帰って寝ようとしていた海堂は頭に響く声で起こされた。
『海堂直也!オルフェノクだ、マミ達が危ない!』
「なんだと!?」
家から飛び出し、マンションから飛び降りる。
人間なら死ぬ高さだがオルフェノクにはなんてことはない高さだった。
サイドカーにベルトケースを置きバイクのエンジンをかけ、すぐに移動し始めた。
『まずは○○通りまで来てほしい』
「おうよ!」
バイクのスピードを上げた。
マミがオルフェノクと戦闘を始めて十分が経過しようとしていた。
オルフェノクの姿は鳥のようで手には羽を模した剣が握られている。
「いい加減動きを止めなさい!」
マスケット銃を次々と撃っていくが相手は動きを止めない。
マミの攻撃を受けながらオルフェノクは確実にマミに近づいていく。
マミも黙ってやられる訳にはいかない。
オルフェノクの攻撃の間合いに入る前にリボンを使い動きを止め距離を取る。
いくら魔法少女といえども使徒再生を受け、適合しなければ死ぬのは確かだ。
絶対に近づかせる訳にはいかない。
戦闘開始から同じ事を何回も繰り返していた。
(海堂さんはまだなの!?)
『マミ!海堂直也がそろそろ到着する!それまで頑張って!』
マミの心の声が届いたかのようにキュゥべえが連絡を入れる。
その声を聞き、マミの顔に笑顔ができる。
「ガァ!」
「しまっ…!」
海堂が来ると聞いて油断した。
オルフェノクの間合いに入られた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:42:00.24 ID:BOvfSewCo<> オルフェノクがマミの体を持ち上げる。
両手に持ったマスケット銃でオルフェノクの腹を撃つが全く効果がない。
そして強い力で首を押さえられているため息ができない。
だがその時、何度か聞いたことのあるバイクのエンジン音が聞こえてきた。
(海堂さん…!)
一度だけ隣に乗せてもらったことがある。
そのバイク『サイドバッシャー』がマミ達の前に現われた。
オルフェノクも突然出てきたバイクの方へ視線を向ける。
海堂はそのままスピードを上げオルフェノクをバイクで吹き飛ばした。
「大丈夫か!?」
海堂がヘルメットを脱ぎ、マミの容態を確かめる。
「ゴホッ、ゴホッ。大丈夫です」
先ほどまでかなりの力で首が締め付けられてたためかなり苦しい。
だが、命に別状はなかった。
「よーし、こっからは俺に任せろ」
そう言って海堂はファイズギアを腰に巻いた。
変身コード『555』を入力する。
『Standing by』
「変身!」
『Complete』
海堂の体にファイズが装着される。
そしてファイズは先程琢磨に貰ったファイズエッジを取り出す。
「バイクの…ハンドル?」
他人から見たそれはバイクのハンドルだった。
実際、オートバジンの左ハンドルであり、間違いではない。
ファイズがミッションポインターをファイズフォンから外しファイズエッジに取り付ける。
『Ready』
ファイズエッジの赤い刀身が現われた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:42:45.70 ID:BOvfSewCo<> 「海堂さん…そんな物を何処で…」
今まで見たこともない剣を使っていることにマミは疑問を持つ。
「ああ、こりゃあ…」
そこまで言って琢磨の言っていたことを思い出す。
『私が貴方にあったことは冴子さんには内緒にしといてください』
冴子と言っているができるだけ他人には黙っておいたほうがいいだろう。
そう考え、別の考えを出す。
「拾ったんだよ」
「え、えぇ?」
マミの顔は納得いかないという顔をしている。
普通に考えればそんな物騒なものが落ちていてたまるものかと思うだろう。
だが具体的な入手経路を聞いてもそれはそれで問題があるのだが。
「ファイズゥ…貴方が、私を!」
「うお!」
オルフェノクの剣をファイズエッジで受け止める。
鍔迫り合いながら二人は顔を近づける。
「貴方は私を処刑しにきた!」
「お前が人を襲わなきゃ何もしねえよ!」
相手の剣を弾き返し、鳩尾にパンチを入れる。
「グアァッ」
「お前、何か勘違いしてねえか」
ファイズエッジからミッションポインターを抜く。
「俺は確かにオルフェノクを倒している。
だがそれはそいつが人間を襲っていたからであって襲わねえオルフェノクを倒そうとは思わねえ」
巧や木場がそうであったように海堂も人間として生きようとするオルフェノクを倒そうとは思わない。
だが、今日のような半分狂っているオルフェノクには容赦はしない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:43:15.50 ID:BOvfSewCo<> 「じゃあ、私は…生きていいの?」
「おう。お前が他人を襲わず、静かに暮らしたいならそうしろ」
そう言いながら、海堂は変身を解除する。
「貴方のお名前は…」
「名乗るほどのもんじゃねーよ。強いて言うなら呪いにかかったまんまのオルフェノクだ」
夢という名の呪いにかかったままの海堂。
と言っても、ある出来事によりその事は殆ど気にしていない。
「あと、そっちの貴方は…」
「あ、私のことは誰にも話さないでください」
「え、ええ」
先程まで殺し合いをしていた反応ではないと思うがマミはこれでいいと思っていた。
相手が危害を加えるつもりがないのならマミも危害を与えるつもりはない。
「じゃ、気をつけて帰れよ」
「ありがとうございます」
女性もオルフェノクから人間の姿へ戻り、頭を下げて帰っていった。
だが、すぐに戻ってきた。
「私のハイヒール何処にあるか知りません?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:43:56.56 ID:BOvfSewCo<> OLを見送った後、さやかは自宅で考え事をしていた。
(あの転校生…嫌なやつだけど何か憎めないんだよなあ…)
きっとあの夢のせいだろう。
夢のなかで見た彼女はとても内気な性格だった。
(とりあえず、夢の内容を思い出してみるか…)
一週間で見た夢を思い出す。
キュゥべえ、魔法少女、魔女。
暁美ほむら、巴マミ、佐倉杏子。
そしてなにより、魔法少女が魔女…と言っていたような気がする。
(見た範囲で言えばこんなもんか)
どうしてあんな夢を見たかが分からない。
もしかすると、別の世界にいる自分と繋がったのかもしれないと考える。
(まあ、無いとも言い切れないわね)
以前ならそんな考えはできなかったが魔法少女に出会ってからはそう考えるのもアリかと思い始めた。
(転校生の魔法は…)
確かに夢で見た。
だが、そこだけポッカリと穴が開いたように抜けている。
夢の中では自分も魔法少女で彼女と共闘していた筈だ。
(ま、忘れてるってことはそれほど重要じゃないことだろうし)
難しいことを考えるのは彼女の性分に合ってない。
単純に考え、ひたすら突っ走るのが一番だった。
もちろん、それが裏目にでることもあるがそれも個性の一つだった。
「ふわぁ〜」
大きな欠伸が出た。
魔法少女と魔女の戦い、ファイズとオルフェノクの戦いを見てかなり疲れたようだ。
自分が戦っているわけではないのにかなりドキドキしていた。
「あたしも、あんなふうに生きられるかな…」
誰に聞かせるわけでもなく、そう呟いた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/09/28(水) 22:45:29.85 ID:BOvfSewCo<> 今回出てきたオルフェノク
・アーチャーフィッシュオルフェノク
ホスト風の男が変身するオルフェノク。
モチーフはテッポウウオ。
武器はスナイパーライフル。
その他に肩から伸びる盾を使う。
冴子に使徒再生されたせいなのか
自身のオルフェノクとしての能力が高いかは知らないがかなり強い力を持つ。
裏モチーフは中の人的な意味でデュナメスガンダム。
・コンドルオルフェノク
マミが助けたOLが変身するオルフェノク。
モチーフは名前のままコンドル。
武器は鳥の羽のような剣。
特殊能力は無し。
人間として生きることを選んだオルフェノク。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/09/28(水) 22:49:10.25 ID:BOvfSewCo<> 戦闘シーンが海堂さんだけだと話が若干軽くなる
そしてショウさんの同僚終了のお知らせ
もう分かってると思いますが、生き残ったオルフェノクは後々出てきます
OLさん名前どうしようかな…
適当にライダーの登場人物から名前を取ってだそうかな
なにかいい案があったらよろしくお願いします
次回『海堂直也とマミの出会い』
土曜夜9時頃から予定です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/09/30(金) 23:14:36.61 ID:jgKqRO9H0<> >>63
乙
木野雪菜とかどうでしょう
元はアナザーアギトの木野薫と翔一の姉の沢木雪菜でどっちも人外になってしまった人なので合うんじゃないかなと思いました
あと中沢くんに出番はありますか? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/01(土) 21:21:35.31 ID:pMYRUUoZo<> >>64中沢くんの出番
( 0M0)<ソンナモノハナイ!
中沢くんの出番はもうないはずです
あとその名前もらいます
OLさん改め『木野雪菜』で出てくるはず
ショウさんはもう井上脚本繋がりで『津上』でいいかなあと思ってます
こうするとアギト勢ばっかですね
あらすじっぽいもの
琢磨くんが出てきたお陰で常識を持っている人物が増えました
今回、海堂とマミの出会いについて
そして、海堂がファイズギア、ファイズブラスター、サイドバッシャーを持っている理由を明かします
投下開始
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:22:18.29 ID:pMYRUUoZo<> 海堂が見滝原に来たのは、さやか達が魔法少女を知る一ヶ月ほど前の話。
海堂はサイドバッシャーを押しながら見滝原の町を歩いていた。
オルフェノクの王『アークオルフェノク』との戦いから10年。
あの戦いの後、海堂は旅に出た。
色々な場所を巡り半年ほどして菊池クリーニングを覗きに行った。
そこに居た啓太郎と真理は海堂の顔をみてとても驚いていたのを覚えている。
二人の話によると、巧は穏やかに眠るように灰になったらしい。
そしてあれ以来、オルフェノクには襲われていないということだ。
少し話をして、もう一度旅に出ようとしたとき二人に止められた。
『海堂さん、これ持って行ってよ!』
そう言われて渡されたのはファイズギアとファイズブラスターの二つ。
生前…一度死んでいるオルフェノクにこの言葉を使うのはおかしい気もするが巧が使っていたものだ。
『あと裏においてあるサイドバッシャーもね!』
こちらは生前草加が使っていたものだ。
しかし二人の遺品とも言える物を何故海堂に渡したのだろうか。
理由を聞くと、
『僕達には使えないし、なら海堂さんが使ってくれたら僕達も嬉しいよ』
とのことらしい。
そんなこんなで九年半サイドバッシャーに跨りファイズとして生きてきた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:22:46.08 ID:pMYRUUoZo<> スマートブレインが解体した今でもオルフェノクはいる。
オルフェノクは人為的にも自然的にも発生する人類の進化形態。
それが人を襲うのなら、海堂はそれを倒す。
ファイズエッジがなかったがそれでも十分に戦えた。
速さにはアクセルフォームを使い翻弄し、硬い相手には色々な手段を考えた。
だが、ブラスターフォームだけは一回も使ったことがない。
理由は分からない。
ただ、本能的にヤバイと感じている。
実際、ブラスターフォームの体は殆どがフォトンブラッドで形成されており、
並のオルフェノクならスーツに触れるだけで灰化する異常なものだった。
海堂はそれを知っていたわけではないがブラスターフォームを使うことだけは控えていた。
何度かピンチに陥ることもあったが最近ではそれもなくなった。
オルフェノクになって11年ほど経ったからだろう。
自分でもなかなか長生きしている方だと思っていた。
ただ気になることはオルフェノクとは違う別の化物。
しかもそいつらと戦うときはいつも妙な空間に閉じ込められていた。
それの正体が何かは分からなかったが兎に角倒していた。
そして今、海堂は見滝原にいる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:23:23.03 ID:pMYRUUoZo<> 「見滝原か…」
半年ほど前、新聞のとある記事でその名前を知った。
記事の内容は事故で、運転手が死亡。
学生二人が巻き込まれ、一人は重傷、一人は軽傷とのことだった。
「ま、俺には関係ねえことだな」
そう言いながら今日の寝られそうな場所を探していた。
たまにはホテルも使うが大体は野宿していた。
金がないというのもあるが一番の理由は襲われても問題がないからだ。
伊達にオルフェノクになって10年も生きていない。
すると、今日も妙な場所に入り込んでしまった。
そこの妙な空間にはやはり妙な化け物がいる。
そしてそいつらは海堂に向かって来ているのもいつものことだ。
「またここかよ…いい加減にして欲しいんだけどな」
ファイズギアを腰に巻き、変身コードを入力する。
『Standing by』
「変し―」
ファンズフォンをギアに装着しようとした瞬間、目の前のちんちくりんな化物が吹っ飛ばされた。
「大丈夫ですか!?」
後ろから声がして、そちらに顔を向ける。
そこに立っていたのは14、5歳ほどの少女だった。
しかしその姿はとてもこの場の雰囲気に似つかわしくなかった。
言うなら、TVアニメの魔法少女とも言うべき姿だった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:23:50.95 ID:pMYRUUoZo<> 「大丈夫みたいですね。下がっていてください」
少女は海堂を押しのけ、化物共の群れに向かう。
「悪いけど、一気に行くわよ!」
少女はそう言うと、大量の銃を取り出した。
否、召喚したという方が正しいか。
何もなかった場所に大量の銃が出現し、少女はそれらを手にとって撃っては投げ撃っては投げを繰り返す。
まるで、戦場を踊るかのように戦いを続けていく。
10年以上戦った海堂から見るそれはとても危なっかしい物に見えた。
「あいつ大丈夫か?とりあえず…変身!」
『Complete』
ファイズに変身し、少女のもとへ向かう。
そして、少女の後ろに迫っていた化物を殴り飛ばす。
すると、少女がこちらを見ずに銃を撃ってきた。
「痛てえ!」
「え?」
どうやら感覚で撃ったらしく、こちらのことが全く見えてなかったようだ。
「えっと…さっきの人ですか?」
「おう」
少女がこちらをまじまじと見つめてくる。
なんだか恥ずかしい。
「俺のことは後だ。こいつらをぶっ潰すぞ!」
「え、ええ」
海堂は戸惑う少女と共に化物共を駆逐し始めた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:24:20.16 ID:pMYRUUoZo<> 魔法少女巴マミは現在、非常に戸惑っていた。
魔女の結界の反応があり、その中に入ってみれば一人の男が居た。
幸い、まだ魔女に食われる前のようだったので男を下がらせ使い魔を駆逐し始めた。
そして、いつもの感覚通り後ろの使い魔を撃ったつもりでいたら…
「痛てえ!」
という声がしたからだ。
「え?」
後ろを振り向くと、そこに居たのは顔の半分以上を占める黄色い目。
そして体中に走る赤いライン。
これをなんと例えればいいのだろうか。
唯一合いそうなのが『鎧』
多分その解釈で合ってるのだと思う。
マミのマスケット銃をまともに受けて生きているのが証拠だろう。
もちろん、ただの鎧ではない。
普通の鎧ならその装甲を突き破り装着者は死に至るだろう。
だが、この鎧には細かいキズはあるものの普通に立っていた。
そして、先程まで居た男が居ない。
このことから考えられるのは…
「えっと…さっきの人ですか?」
「おう」
当たり前のように返事をしてきた。
その鎧をじっくりと見つめる。
腰にはベルトのようなものが巻いており、体のラインはそこから伸びているようだった。
正直聞きたい事が山積みだ。
「俺のことは後だ。こいつらをぶっ潰すぞ!」
だが男はそんな事は気にしていないように言ってきた。
「え、ええ」
もう一度言おう。
巴マミは非常に戸惑っていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:24:49.72 ID:pMYRUUoZo<> マミは戦いを続けながらも鎧の方に気を向けていた。
(凄い…とても戦い慣れてる…)
マミも魔法少女になって数年経つが共に戦っている鎧はマミ以上の強さだった。
力の源が魔法少女と異なっているのはわかるが、キュゥべえからは何の話も聞いたことがなかった。
「こんだけ数が多いとなあ、めんどくせえ」
鎧はそう言いながらベルトの横に取り付けてあるライトのようなものを取り出す。
そして、ベルトから何かを外し、先ほどのライトに取り付けた。
『Ready』
その音声の後、脚のアタッチメント部分にそれを取り付けた。
(あれは何かしら…)
次に鎧は腕についてある時計のようなものをつつく。
そして、再びベルトを操作すると…
『Complete』
鎧の胴体部分が稼動し、内部メカが丸見えになった。
それだけではない。
赤かった体のラインが銀色に変わっている。
そして、鎧が再び時計を操作した。
『Start Up』
鎧が動き出す。
そこから先はマミには捉えることが出来なかった。
魔力で動体視力を強化してみたが残像が見えるだけでその姿を捉えることはない。
そして気づけば使い魔の数が異常なほど減っている。
よく見ると、大量の使い魔に赤い円錐状の何かが刺さっている。
そこが何かが通ったと思うと使い魔にギリシャ文字のファイのような紋章が浮かび上がり使い魔が次々と倒されていく。
『3...2...1...Time Out』
ようやく、鎧の姿が見えた。
『Refomation』
鎧の姿が先ほどの姿に戻る。
かなり長い時間に感じたがまだ10秒ほどしか経っていない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:25:17.33 ID:pMYRUUoZo<> 「おし。これで全部だな」
鎧が周りを確認する。
マミも周りを見回す。
確かに使い魔の姿は何処にも見当たらない。
「おい、行くぞ」
黙って鎧に着いて行く。
敵ではないと確信した。
元が人の姿をしていたというのもあるが先ほどの10秒で鎧はマミを攻撃しなかった。
魔力で強化した目で追いつけないのだ。
その気になればマミを殺すこともできたはず。
だが目の前を走る鎧はそれをしなかった。
だから、この鎧…いやこの人は味方だ。
「こいつがここの親玉か」
「そうみたいですね」
鎧が魔女を見上げる。
「私に任せてください」
そう言って鎧の前に出る。
まずは飛び上がり、空中から大量の銃弾を浴びせる。
そして、圧倒的な物量で押した後に…
「ティロ・フィナーレ!」
必殺技『ティロ・フィナーレ』を食らわせる。
魔女が倒され、グリーフシードが落ちた。
魔女がいなくなったため結界も消滅する。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:25:57.63 ID:pMYRUUoZo<> 「ふう…終わったか」
鎧はそう言いながらベルトから携帯電話を外す。
「え?」
しかし古い。
今時あれだけしっかりとアンテナの付いた携帯電話を見ない。
技術の向上によりアンテナは内蔵式がほとんどだった。
その他にもスマートフォンの誕生で10年ほど前と比べて携帯はガラリと変わった。
マミがそんな事を思っている中でも鎧は携帯を操作する。
すると、鎧が消え先ほど助けた男が出てきた。
(私も解除しなくちゃ)
マミも魔法少女の姿から元の姿へと変わる。
「マミ、魔女は倒せたかい?」
路地裏からの声。
自分の唯一の友達、キュゥべえだった。
「うお!?猫がしゃべってやがる!」
「「え?」」
マミもキュゥべえも驚きを隠せない。
『ねえ、この人貴方が見えてる?』
『分からない。もしかすると気のせいかもしれないけど…』
テレパシーでこの状況を確認する。
魔法少女どころか少女ですら無い男にキュゥべえの姿が見えているかもしれない。
いや、声まで聞こえているかもしれないのだ。
「いや、猫じゃねえな。猫は耳からそんな長い毛は生えてねえし」
マミとキュゥべえは確信した。
『この男に姿が見えているし声も聞かれていると』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:26:32.90 ID:pMYRUUoZo<> 「ねえそこの君」
「俺か?」
キュゥべえの問い掛けに男が反応する。
「やっぱり、君には僕の姿が見えているんだね」
「ああ?あたりまえだっちゅーの」
マミとキュゥべえは顔を見合わせる。
そしてやれやれというようにため息をついた。
「ところで自己紹介がまだだったね。僕はキュゥべえ」
「私は巴マミです」
話をする前に名前ぐらいは教えておいたほうがいいだろうと思い自己紹介をする。
「俺は海堂直也だ」
鎧を着ていた男は海堂というらしい。
「海堂直也。君が僕の姿を見ることができるのが不思議でたまらないよ」
「なんでだ?」
「僕の姿は魔法少女かその素質を持つものにしか見えないはずなんだ」
キュゥべえの言う通りである。
素質がなければ姿も見ることができないし声を聞くこともできない。
「いやいや。待て待て待て。俺は女じゃねえしそのなんたら少女でもねえぞ」
海堂が必死に否定している。
まあ、それが普通の反応だろう。
「けど君が僕の姿を見えていることに変わりはない。君は一体何者だい?」
「あー、んっとな…あ!」
突然海堂が何かを閃いたように手を叩く。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:27:15.14 ID:pMYRUUoZo<> 「どうかしましかたか?」
「いや、あんまり人に言うべきことじゃねえからな」
何やらキュゥべえが見える秘密があるらしい。
「私達は大丈夫ですから。ね、キュゥべえ」
「うん。海堂直也。君が僕の姿を見ることができる原因とは何だい?」
そう言われ、海堂は何やら考えこむようにしている。
そして、ようやく顔を上げた。
「んとな、俺がお前の姿を見ることができるのは…多分俺がオルフェノクだからだ」
「オル…フェノク…?」
聞いたことのない言葉だった。
魔女や使い魔とは別の生き物なんだろうか。
だだ海堂は普通に人の姿をしている。
魔女や使い魔ならもっとグロテスクな見た目をしているはずだ。
マミがそんな事を考えているとキュゥべえが口を開いた。
「なるほど…それなら君が僕の姿を見ることができるのも納得だ」
「え!?キュゥべえ貴方オルフェクのことを知ってるの?」
初耳だ。
魔法少女と魔女の関係については聞いていたがオルフェノクについては聞いたことがなかった。
「うん。でもオルフェノクと魔法少女は関わりを持つ必要がなかったからね」
「へえ、じゃあ今説明してくれる?」
「俺からも説明してやるよ。それと、お前らの説明もしてくれ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:27:49.59 ID:pMYRUUoZo<> キュゥべえと海堂の説明を聞いた。
その話をまとめると。
オルフェノクは死んだ人間が低い確率で変化する化物。
オルフェノクに殺された人間も低い確率ではあるがオルフェノクになる可能性がある。
オルフェノクになる直前の怪我や病気はほとんど治るらしい。
ただし、一生モノの怪我は無理だということ。
魔法少女の中にはキュゥべえからオルフェノクのことを聞き、オルフェノクに挑んだものがいるという。
ただし、倒せたものはおらず全員が返り討ちに遭ったらしい。
そして海堂はオルフェノクになって10年以上経っていて数々の同胞を倒してきたこと。
「なるほど…分かりました。それじゃあ今度は私達の番ですね」
今度はマミとキュゥべえが海堂に説明を開始した。
この世界には魔女という化物が存在し、魔女が人を喰らう。
その魔女を倒すための魔法少女がいる。
そして自分がその魔法少女だということ。
そして自分は今まで一人で戦ってきたということ。
話し終える頃にはマミは涙を流していた。
「お前も辛かったんだな」
海堂がマミの頭を撫でている。
「俺はオルフェノクだ。さすがにずっと一緒っちゅーわけにもいかねえけどしばらくは一緒にいてやるよ」
嬉しいはずなのに感謝の言葉が出てこない。
それどころか、涙が溢れてくる。
「あ、りが、とう、ございます」
なんとか口に出すこと出来た。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/01(土) 21:28:27.98 ID:pMYRUUoZo<> そして、時は進み一ヶ月後。
「伏せろ!」
海堂が目の前にいる少女たちに叫ぶ。
『Exceed Charge』
「おりゃあ!」
二人の頭上を通り使い魔を殴り倒す。
「これで全部か」
「危ない!」
周りを確認していると少女の声が聞こえた。
おそらく使い魔が残っているのだろう。
だが、使い魔の攻撃が海堂に届くことはなかった。
「油断は禁物ですよ。海堂さん」
「だあー、俺一人で十分だっちゅうに」
マミの攻撃が使い魔を吹き飛ばした。
「それにしても危なかったわね、貴方達。でももう大丈夫」
「怪我ないか?」
「え、まあ、はい」
本当に危ないところだった。
しかし、本人たちも大丈夫だと言っているし見た限りでも怪我は見当たらなかった。
「そうか」
ほっと胸をなで下ろす。
「あら、キュゥべえを助けてくれたのね。ありがと、その子私の大切な友達なの」
マミはピンク色の髪の少女の腕に抱えられているキュゥべえを見て言った。
「私、聞こえたんです。頭の中に直接この子の声が」
どうやら、見えているし声も聞こえている。
魔法少女の素質を持っているみたいだ。
「ふうん、なるほどねえ。その制服、貴方達も見滝原の生徒みたいね。二年生?」
「貴方達は?」
青い髪の少女が尋ねてくる。
「そうね。でもその前に」
「こいつらをどうにかしねえとな!」
残っている使い魔を倒さなければ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/01(土) 21:38:25.88 ID:pMYRUUoZo<> 投下終了
ファイズの設定云々ですが
ファイズブラスター
フォトンブラッドが全身に廻っているため、装着者や周りの者にも強い影響を与える
使徒再生により生まれたオルフェノクでは、そのスーツに触れただけで灰に変える
装着者は周りほどの影響をうけることはないがオルフェノクの寿命を大きく縮めることになるだろう
このシステムを完全に引き出すには、それ相応の力を持つオルフェノク…最低でもラッキークローバと並ぶ実力を持っているものが望ましい。
そして私は、真理、雅人の近くにいる男にコレを託そうと思う
〜花形の日記より〜
こんな感じです
ちなみに魔法少女じゃオルフェノクを倒せないという設定ですが、因果まどかなら一応倒せます
マミならおる程度の足止めが出来る程度です
ここで言うべきか迷うけど753スレ明日投下です
キバ特別編
明日の投下はかなり短め
次回第3話『最低だな…あたし…』
次の投下は水曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/01(土) 21:52:30.91 ID:2KstyACko<> 乙〜 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/05(水) 21:12:43.41 ID:07FCp6+Ro<> 10月3日はまどかの誕生日だったそうですね
VIPでもリアル時間に連動させたSSがあってとても面白かったです
このスレじゃ間違いなくほのぼのは無理ですけど
あと誕生日だからって理由じゃないけどコンビニ受け取りにしてたfigmaまどか取りに行ってました
一度落としたが最後、二度と見つからなくなりそうなグリーフシード
取り扱いが慎重になりますね
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:13:17.22 ID:07FCp6+Ro<> 現在、さやかは上條恭介の病室の前にいる。
いつも来ているお見舞いだ。
「すぅ、ふぅ」
深呼吸をするさやか。
そして、少しだけ考え事をする。
(あんなことがなかったら…)
半年前の事故。
トラックが突っ込んできた。
結果、恭介は重体。
一ヶ月も意識が戻らなかったほどだ。
原因は運転手の居眠り運転。
運転手が死亡し、その家族と会社が謝罪をしてきたのをよく覚えている。
そして、そのの事故のあと、こうしてお見舞いに来ている。
いずれ、恭介が再びステージにたってバイオリンを弾ける日を夢に見て。
そして、病室に入る。
数歩進むと、恭介もこちらに気がついた。
「やあ」
いつもと同じ光景。
さやかは椅子に腰を掛け、
「はい、これ」
恭介にCDを渡した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:13:53.28 ID:07FCp6+Ro<> 中身はクラシック音楽。
「わあ」
怪我の前はよく弾いていたバイオリンだ。
「いつも本当にありがとう。さやかはレアなCDを見つける天才だね」
そう言って、ベッドの隣に置いてある棚のCDプレーヤーに手を伸ばす恭介。
「あははは、そんな、運がいいだけだよ、きっと」
恭介の言った言葉に照れるさやか。
「この人の演奏はほんとにすごいんだ、さやかも聞いてみる?」
「わっ、い、いいのかな…」
そう言いながらも、恭介の手にある片方のイヤホンを手に取る。
「本当はスピーカーで聞かせたいんだけど、病院だしね」
さやかがイヤホンをつけ終える。
イヤホンの長さが足りないことに気づいた。
自然と寄り添う形になる2人。
恭介がCDプレーヤの再生ボタンを押す。
イヤホンから、綺麗なバイオリンの音色が聞こえてくる。 <>
ID変わったかも<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:17:12.16 ID:07FCp6+Ro<> さやかはそれを静かに聴き、目を瞑る。
頭の中に浮かんでくるのは、幼い頃に見た上条恭介のコンサート。
半年前の事故が起きなければ、今日も当たり前の様にバイオリンを弾いていたのかもしれない。
(なんで恭介なの…?)
もしもこの世界に神が存在するならさやかは神を恨む。
自分はこんな体でいて、恭介はいつまでも入院している。
この世界の闇を光ですべて消し去ってもらいたかった。
すると、涙が流れるのを押し殺すかのような声が聞こえた。
さやかが目を開けると、窓の外を見ながら、恭介は泣いていた。
殆ど動かない左腕を必死に動かそうとする恭介。
しかし、それは指が微かに動くだけであった。
そんないつも近くに居た彼の姿を見て、自分も気が落ちるさやか。
そして、思ったことがあった。
自分は、何時まで彼の傍に居てあげられるだろうか。 <>
変わってなかった<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:17:44.28 ID:07FCp6+Ro<> マミがリボンを構える。
そのリボンが大型の銃に変形し、
「ティロ・フィナーレ!」
マミの必殺技『ティロ・フィナーレ』が炸裂する。
結界の主が消えたことにより、結界が消滅した。
「いやー、マミさんってやっぱカッコイイねえ!」
本当に華麗な戦い方。
踊るように銃を手に取り、魔女を撃破していく。
さやかとまどかから見るマミは憧れの魔法少女そのものだった。
「もう…見世物じゃないのよ…」
呆れたような声を出すマミ。
しかし台詞に対して、顔は普段と変わらない。
「危ない事をしているって意識は忘れないでほしいわ」
「イエース!」
さやかはマミの忠告に対し、元気に返事をする。
「おい、マミ」
そのやりとりを見ていた海堂が口を挟んだ。
「何ですか?海堂さん」
「マミ、お前の言うことは正しい。けどな、お前が言えたことでもねえぞ」
海堂の言った意味が分からないといったようにまどかは首を傾げる。
「お前のその戦い方、早く直せ。でねえと…死ぬぞ」
「…はい」
まるで親に叱られた子供のようにマミがうつむいた。 <>
変わってなかった<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:18:14.93 ID:07FCp6+Ro<> 「あーやめやめ。俺は帰る!帰るからな!もう魔女狩りの手伝いもしねえぞ!」
そう言って海堂は何処かへ行ってしまった。
「えっ…ちょっと、海堂さん!?」
まどかは海堂を呼び止めようとするが、既に居なかった。
「いいんですか?」
さやかはマミの方を見る。
すると、先程までの顔が嘘のように明るくなっていた。
「そういえば君達は初めてだったね。海堂直也があんなことを言い出すのは」
キュゥべえが出てきた。
「ええ、大丈夫よ二人共。あんなことを言いながら長くても明日には普通に戻ってくるわ」
「いつもの調子で行くとね」
「はあ…」
マミとキュゥべえの言い方からして、どうやらこれが初めてではなく、今までにも何回も在ったようだ。
「長くても3日ぐらい経てば魔女狩りに参加するわよ」
「そうなんですか」
まどかは安心した顔をする。
「あ、そういえばグリーフシード落とさなかったね」
先ほど魔女を倒したにも関わらず、グリーフシードを落とさなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:18:42.88 ID:07FCp6+Ro<> 「二人共何か願いことは見つかった?」
マミが二人に尋ねる。
「うーん、まどかは?」
「うーん…」
考えるようにまどかは下を向いた。
「まあ、そういうものよね。いざ、考えろって言われたら」
以前の昼休みにもまどかと話したが、普段なら当たり前のようになんでも思いつく。
だが、命を懸けるものが有るかと言われれば…無いことはない。
「マミさんはどんな願い事をしたんですか?」
まどかの質問を聞いた途端、マミが歩みを止めた。
「いや、どうしても聞きたいわけじゃなくて…」
「私の場合は…」
少し笑ってマミは語りだした。
「考える余裕さえなかったってだけ。後悔してるってわけじゃないのよ?」
マミが少し顔を上げた。
「今の生き方も、あそこで死んじゃうよりは良かったと思ってる。
でもね、ちゃんと選択の余地がある子にはきちんと考えた上で決めて欲しいの」
さやかにも色々なことがあるように、マミにもまた複雑な事情がある。
だが、そんなマミだからこそ、人のことを考えてやることができる。
「私に出来なかったことだからこそ…ね」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:19:19.08 ID:07FCp6+Ro<> 「ねえ、マミさん。願い事って、自分のための事柄でなきゃ、駄目なのかな?」
「え…」
さやかには命を懸けてでも叶える意味の有りそうな願い事があった。
「例えばさ、例えばの話なんだけど…」
そう、『例えば』の話である。
「あたしなんかより、困ってる人がいてその人のために願い事をするってのは…」
「それって上条君のこと?」
流石まどかには分かっていたか。
「たた、例え話のことって言ってるじゃんか!」
もちろん、図星である。
「別に契約者自身が願い事の対象になる必然性は無いんだけどねえ。前例もないわけじゃないし」
キュゥべえの言葉に、さやかは少しだけほっとする。
自分と同じような考えを持つ者が居るということに。
「でも余り感心できた話じゃないわ。他人の願いを叶えるのなら、尚の事自分の望みをはっきりさせておかないと」
マミの言うことも一理はある。
自分は一体、どうしたいのだろう。
「美樹さん、貴方は彼に夢をかなえて欲しいの?それとも、彼の夢を叶えた恩人になりたいの?」
どうなのだろう。
分からない。
「マミさん…」
「同じようでも全然違うことよ、これ」
「その言い方は…ちょっと酷いと思う…」
確かにマミの言っていることは合っているのかも知れない。
それでも、叶えられるのなら叶えてみたい願いの一つなのだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/05(水) 21:19:59.49 ID:07FCp6+Ro<> 「海堂さんが言ってたわ。夢は呪いと同じ。その呪いを解くには夢を叶えるしか無い。
夢を叶えられなかった人間は、何時までも、その呪いにかかったままなんだって」
「…」
その話から察するに、海堂にも何か夢があったようだ。
「確かに、貴方の願い事もありかも知れないわ。でも今言っておかないと、履き違えたままじゃ、貴方きっと後悔するから」
「……」
そう言われると、何も言えない。
「そうだね、あたしの考えが甘かった。ごめん」
そう言って精一杯の笑顔を作る。
「やっぱり、難しい事柄よね。焦って決めるべきではないわ」
どうやらマミも納得してくれたようだ。
隣ではまどかも安心したような顔をしていた。
「僕としては早ければ早いほどいいんだけれど」
「ダメよ?女の子を急かす男子は嫌われるぞ?」
キュゥべえに性別があるのかは分からないがとりあえず男子…ということにしておこう。
もしかすると、萌の一つ『僕っ娘』とい奴かも知れないが…まあ、どうでもいいことだ
そして、自宅へと帰った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/05(水) 21:22:39.73 ID:07FCp6+Ro<> 投下終了
SS本編とは関係ない話だけどまどかに付属していたQBはプトティラに耳を掴まれています
そしてまどかの隣には草加さん…ではなくMGフルクロスが立っています
まどかかちっちゃいせいか、MGの中でも小さい方のフルクロスがかなり大きく見えます
次回の投下は土曜日夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<><>2011/10/05(水) 21:33:41.83 ID:JwoB7EFt0<>
乙
かーなーり面白い! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/05(水) 21:41:27.01 ID:UgOlJVHqo<> 乙〜 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/06(木) 00:31:24.52 ID:UaQvm0wB0<> 乙ー
そうか海堂も上條君も手が原因で夢を諦めて呪われたなのか……
違いは原因に悪意があったか
その後支えようとした人が居たかってとこで <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/08(土) 21:18:53.03 ID:57gBHlmMo<> さやかが支えてくれていた事に気付かなかった恭介
そして、そのさやかに当たる恭介
人間らしいと言えばそれまでですけどね
というより、海堂が悟りすぎているような
海堂の場合、自分の夢を託せる人間を見つけたというのも大きいでしょうけど
どうでもいいけどふと見た時計の時間が
7時53分とか9時13分だったら何か気持ちいいよね
あとスーパーとかコンビニで商品の合計とかお釣りが753円とか913円とか193円だった時も
投下開始
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:19:22.91 ID:57gBHlmMo<> ―Side:マミ―
「何時までコソコソしているつもりなのかしら?」
後輩の二人と別れた後からずっと着いてきている影に向かって言った。
「やれやれ、仕方ありませんね」
そう言って闇の中から姿を見せたのは一人の男。
「誰かしら?貴方のような知り合いは居ないのだけれど」
魔法少女であるが故に、マミの知り合いは少ない。
その数少ない知り合いの中にもこのような男は見たことがない。
「おっと、失礼しました。なら、これを見せれば私がどのようなものかは分かるはずです」
「何を言っているの?」
すると男が手に持っていたケースの中から何かを取り出す。
そして、それを腰に巻いた。
「そ、それは!」
『Standing by』
「変身」
『Complete』
男の体を二本のラインが走り、眩い光に包まれたかと思うと男の姿が変わった。
「デルタ…もしくはカイザかしら?」
「おや、知っていたようですね。と言っても海堂さんに話を聞いたのでしょう」
「!!?」
何故この男がギアを持っていて、その上海堂のことまで知っているのか。
簡単に警戒を解く訳にはいかない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:20:01.98 ID:57gBHlmMo<> 「おっと、そう構えないでくださいよ」
「そんな事を言われて簡単に信用すると思って?」
男はやれやれというふうに首を振り、変身を解除した。
「何のつもりかしら」
「貴方とやり合うつもりはない、ということですよ」
少しだけ信用してやることにした。
「ある人物から伝言を受け取っています。『油断はするな』以上です」
「それだけのためにわざわざ私の前に来たのかしら。ご苦労様ね」
本当にそれだけなのか。
もしかすると自分を人質に使い、海堂の持つベルトを奪うつもりなのか。
「それと、これは私からの個人的な伝言です。海堂さんによろしくといっておいてください」
「考えておくわ」
「では、私はこれで」
そう言うと、男は再び闇の中へと消えた。
「何だったのよ…一体」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:20:32.15 ID:57gBHlmMo<> ―翌日 病院―
エレベーターの扉が開き、一階へと足を踏み入れる。
「よぉ、お待たせ」
フロアで待っていたまどかに声を掛ける。
「あれ、上条くんとは会えなかったの?」
「なんか今日は都合悪いみたいでさー」
今日はいつも通りお見舞いに来て、少ししてからマミ達と合流するつもりだった。
しかしながら、恭介に会うことは出来ず、お見舞いは無しになってしまった。
「わざわざ来てやったのに失礼ちゃうわよね」
病院の外を歩きながら、愚痴をこぼす。
向こうにも用事があるだろうが、少しぐらいは連絡してほしかった。
まどかの返事がなく、後ろを振り向くと、まどかが何か一点を見つめていた。
「どうしたの?」
「あそこ…何か有るような…」
まどかが言っている方を見ると、病院の壁に何かが刺さっている。
何処かで見たことがあるような…
「グリーフシードだ」
その言葉に反応し、傍へ駆け寄る。
「孵化しかかってる!」
「嘘!?なんでこんな所に!?」
こんなに危ないものが何故こんな所にあるのか。
その答えは誰に聞いても出てこないであろう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:21:00.10 ID:57gBHlmMo<> 「早く逃げないと!もうすぐ結界が出来上がる!」
「またあの迷路が…?」
ここにはマミの言っていた生命力の弱いものが多く集まる病院だ。
こんなところの魔女を放置すれば大勢の犠牲者が出るだろう。
それだけは何としてでも避けたい。
「まどか、マミさんか海堂さんの携帯聞いてる?」
「ううん」
どちらかを知っていれば両方に連絡がついたのだが。
「マズったな…」
そして、決心した。
「まどか、先行って2人を呼んできて。あたしは此処に居る」
「そんな!」
「無茶だよ!中の魔女が出てくるまでにも時間があるけど結界が閉じたら君は外に出られなくなる。
マミの助けが間に合うかどうか…」
確かに化物ばかりの空間に閉じ込められるのは少し怖い。
「あの迷路が出来上がったら、こいつの居所もわからなくなっちゃうんでしょ」
だが恭介が居る場所で、絶対に人は殺させない。
「放っておけないよ…こんな場所で!」
すると、キュゥべえがまどかの方から降りた。
「まどか、先に行ってくれ。さやかには僕がついてる」
どういう意図なのだろうか。
「マミならここまで来ればテレパシーで僕の位置が分かる」
なるほどそういうことかとさやかは納得する。
「ここでさやかと一緒にグリーフシードを見張っていれば、最短距離で2人を誘導できる」
「ありがとう…キュゥべえ」
彼が何者なのかは知らないが、とてもありがたい。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:21:43.30 ID:57gBHlmMo<> 「私、すぐにマミさん達を連れてくるから」
まどかは荷物を下ろし、マミ達が待っている場所へと走りだした。
まどかが見えなくなり、グリーフシードが輝いた。
その場に二人のカバンを残し、誰もいなくなった。
―結界内―
キュゥべえを抱きかかえ、結界の中を歩く。
結界の中はお菓子と医療道具で作られたような場所。
ある意味ではお菓子の部屋とも言える場所だった。
「怖いかい、さやか」
「そりゃ、まあ…当然でしょ」
魔法少女の素質があるとはいえ、自分はまだ子供だ。
怖いものは怖い。
「願い事さえ決めてくれれば、今この場で君を魔法少女にしてあげることもできるんだけど」
「いや…その必要は…まだない…かな」
いざとなれば…魔法少女の力を使わずとも何とかできる。
「それに、いい加減な気持ちで決めたくないし」
適当な気持ちで決めて死んでしまっては元も子もない。
そして何より、夢の中の自分が気掛かりだった。
(もしかすると…魔法少女の存在は…)
そこまで考え、その先を考えるのはやめた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:22:33.48 ID:57gBHlmMo<> ―Side:ほむら―
マミ達3人が結界の中へ入ったのを見て、ほむらと冴子は結界の中へ侵入する。
「何のつもりかしら?暁美さん」
「今回の獲物は私達が狩る。貴方達は手を引いて」
統計上、ここで巴マミは死ぬ。
確定事項ではないが、9割はゆうに超えている。
「そうもいかないわ。美樹さんとキュゥべえを迎えに行かないと」
「その二人の安全は保証するわ。この子との約束だからね」
ほむらが言おうとした言葉を代わりに冴子が言った。
「信用すると思って?」
マミが髪を払い、手をこちらに向ける。
マミが手を伸ばすより早く、冴子は既に回避行動に入っていた。
だが、ほむらはそのまま捕まってしまった。
「そこまでして死にたいのね。私が貴方から殺してあげるわ」
「バカ!影山冴子!それに巴マミ!そんな事をしている場合じゃないわ!」
こうしなければ、マミが死ぬ。
ワルプルギスの夜に対する戦力の一つであるマミを出来れば殺したくない。
「私は怪我をさせるつもりはないけれど…貴方のお連れさんはどうかしらね」
「正当防衛といって頂戴」
既に影山冴子は戦闘態勢に入っている。
すると、海堂直也がマミとまどかの前に出てきた。
「お前の相手は俺だ」
『Standing by』
「変身」
『Complete』
海堂の姿が変わり、ファイズが現われた。
『Ready』
ハンドルのようなものにメモリを取り付けると赤い刀身が姿を表す。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:23:05.45 ID:57gBHlmMo<> 「それを何処で手に入れたか聞きたいけど…聞くまでも無いわね」
「ハッ」
そして2人は戦闘を開始してしまった。
「今度の魔女はいつもとは違う」
「大人しくしていれば帰りにちゃんと開放してあげる。行きましょう、鹿目さん」
そう言って、マミとまどかは結界の奥へと進んでしまった。
「好きにすればいいわ…貴方がここで死ねば、海堂直也がこちらの味方になる可能性だってある」
マミが死んだ所で、オルフェノクが居る以上、マミの代わりを埋めることができる。
「そんなに死にたいのなら…勝手に死ねばいいわ」
助けたいという気持ちだって有る。
別の時間軸とはいえ、ほむらに魔法少女としての特訓をしてくれたのは他でもない彼女なのだ。
だが、こうなってしまえば足手まといにしかならない。
ならばここで見殺しにしてしまえ。
(どうして…貴方は…巴先輩…) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:23:37.60 ID:57gBHlmMo<> ―もう、何も怖くない…
体が軽い。
こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて。
『マミさんはもう、独りじゃないです』
鹿目まどかの言葉により、私は救われた。
先日、海堂の言動にもう慣れたとは言った。
だが、本当は怖かった。
せっかく傍に来てくれた海堂が何処かへいってしまう。
怖くて怖くて仕方がなかった。
でも、この子はこんな自分と一緒に戦ってくれると言ってくれた。
いまなら負ける気がしない。
私はもう、一人ぼっちじゃないから― <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:24:10.30 ID:57gBHlmMo<> 結界の最深部へと到達した。
すぐにさやかとキュゥべえの傍へ駆け寄る。
「お待たせ」
「はあー、間に合った」
さやかが本当に安心しているのが分かる。
こんなにも自分は信用されている。
昨日出会った男に言われた『油断はするな』という言葉は杞憂で終わりそうだ。
「気をつけて、出てくるよ!」
キュゥべえの言葉を聞き、気を一気に引き締める。
ここの結界の主の登場だ。
見た目は可愛らしいマスコットキャラクターのよう。
だが魔女である以上、容赦はしない。
「出てきたとこ悪いけど、一気に決めさせて!」
マスケット銃で魔女を打ち飛ばす。
壁に当たった魔女に追撃の連射をする。
地面に倒れ込んだ魔女の頭に一発。
そして、魔法のリボンを使い、魔女を高くあげる。
そして、『ティロ・フィナーレ』の発射態勢に入る。
「ティロ…」
魔力を込め、狙いをつける。
「―ミさん!危――!」
後ろからさやかの声が聞こえる。
きっと喜んでいるのだろう。
「フィナーレ!」
込めた魔力を開放した。
最初の一撃はフェイク。
相手を拘束するための攻撃。
そのリボンが魔女を締め上げ本命を食らわせる…筈だった。
「え…」
魔女の口から新たな何かが飛び出し、反応の出来ていないマミに向かって突っ込んでくる。
そして一切動かないマミに大口を開けて噛み付く。
その筈が横から来た何かに突き飛ばされた。
そして、ガキンという刃物と刃物が打ち合うような音が響いた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/08(土) 21:24:40.98 ID:57gBHlmMo<> 「何が…起こったの…?」
顔を上げ、自分を突き飛ばしたであろう人物を確かめる。
「!!!」
魔女の大口を必死にこじ開けているのは両腕に剣を持った灰色の化物。
オルフェノクが魔女と戦っていた。
(そんな…誰が…)
そう思いながらも、実際は誰か分かっていた。
ただ、それを、真実を知りたくなかった。
「だああああ!」
オルフェノクが魔女を蹴り飛ばした。
オルフェノクの影が伸び、変身している者の半身が影として映る。
「マミさん!大丈夫ですか!?」
やはり…彼女が…
でも…何故…
「言いたいことは分かります。でも、それはこいつを倒してからです!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/08(土) 21:27:43.29 ID:57gBHlmMo<> 投下終了
ずっと言ってなかった…(さやかの設定に誰も触れないことに)ありがとう
クロスオーバなのでこれぐらいは大丈夫…だと信じたい
というより、最初からこれがやりたかった
書き始めた段階で決まってたんです
この設定
次回の投下は水曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/08(土) 22:34:08.59 ID:E/xM/g6u0<> 乙ー
なん……だと……
さやかがオルフェノク……何時からなのか、そして何故なのか……(オリジナルなか使徒再生なのか)
しかし、これだと死亡フラグの一つと言える「ゾンビ」は回避?
既にそんな状況だし
しかしモチーフは何なんだろうか…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<>sage<>2011/10/08(土) 22:47:37.45 ID:DNorS+DZo<> 乙ー
ファイズ見てないからさらっとwikiであらすじ読んだけど、つまりさやかは一度死んでるってことだよね?
まだなんのオルフェノクかは分からないけどwwktk
この状態から魔法少女になれるなら2形態変身が可能なのかしらん? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/08(土) 23:45:16.12 ID:m310nVs5o<> 乙〜
何それちょっとショック <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/10/09(日) 00:43:50.07 ID:nVEFh9HC0<> さやかがオルフェノク……原作的にマーメイドオルフェノクとかか?
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/09(日) 15:28:58.72 ID:b8JcKR3I0<> >>108
555で空想動物は北崎しかいなかったからたぶん既出の生き物じゃないかと <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/10/09(日) 16:58:29.43 ID:RIewqYojo<> スティングフィッシュ=トゲウオなんか合うんだけどなぁ……本編で出ちゃったから
同じ魚でダツなんかどうよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/09(日) 17:00:07.82 ID:l039ehYlo<> 太刀魚・・・いやなんでもないんだ・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/12(水) 21:09:30.96 ID:p/UFQOhdo<> やめてくれないか!そうやって真面目に話し合うのは!
何か投下しにくいだろ!
割と受け入れられてて驚き
もっとボロクソに言われて「>>1死ね」ぐらいは来ると思って投下しました
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:09:58.24 ID:p/UFQOhdo<> ―Side:さやか―
この結界でマミと出会った時から、妙な雰囲気は感じていた。
「お待たせ」
「はあー、間に合った」
間に合ってくれたのは嬉しい。
だが、なにか変だ。
オーラが違う…とでも言うべきか。
昨日までのマミと何処か違う。
「気をつけて、出てくるよ!」
キュゥべえの言葉にマミが反応する。
見た目だけは可愛らしい魔女。
だが、さやかの本能が告げている。
『油断するな。こいつはヤバイ』と。
出てきた魔女をマミが銃で打ち飛ばす。
すぐさま追撃の連射。
不味い。
昨日までより一段と危ない戦い方。
昨日の海堂の言葉がまるで分かっていない。
マミがティロ・フィナーレの発射態勢にはいった。
頭の中に警告音が鳴り響く。
「マミさん!危ない!」
「さ、さやかちゃん!?」
まどかの制止を振り切り、マミの元へと走る。
「フィナーレ!」
もう、ティロ・フィナーレは発射してしまった。
いつもならこれで終わり。
だが今回は違う…気がした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:10:25.13 ID:p/UFQOhdo<> その予測は見事に当たり、魔女の口から新たな別の魔女が飛び出してくる。
マミにとっても予想外の出来事だったようだ。
発射した位置から一歩も動けていない。
魔女がマミに近づき、大口を開けた。
魔女の口が閉じられる前にマミを突き飛ばす。
そして、意識を集中させ、オルフェノクへと変身した。
両手に持った剣で魔女の口を閉じられないようにする。
マミがこちらに気付いたようだ。
「だああああ!」
魔女を全力で蹴り飛ばす。
「マミさん!大丈夫ですか!?」
マミの顔から考えていることがだいたい分かる。
何故自分がオルフェノクの姿をしているかだろう。
「言いたいことは分かります。でも、それはこいつを倒してからです!」
重要な話だが今すべき事は、この魔女を殺すこと。
話はその後でもいいだろう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:11:05.74 ID:p/UFQOhdo<> 魔女がマミではなく、こちらに狙いを変えた。
「喰らえ!」
こちらに向かって来る魔女を車輪を飛ばして迎撃する。
車輪が魔女の体を切り裂くが、すぐさま再生されてしまった。
「厄介すぎるでしょ!」
魔女の口が閉じられる前に横に飛び、回避する。
がら空きの体を剣で切り裂く。
やはり、再生されてしまう。
「ほんとに厄介だね…魔女ってやつは!」
再び回避し、魔女の巨体を全力で蹴り上げる。
力の源が魔法少女とは違うオルフェノクにとって魔女の体など軽すぎる。
結界の天井に魔女が打ち付けられ、そこを車輪を飛ばし追撃する。
だが魔女とて同じ手に何度もかかる程ヤワではないらしい。
車輪が飛んできたのを確認し、全て避けてしまった。
「やるねえ…でも、それぐらい張り合いがないとね!」
正直に言っておこう。
自分は今、戦いを楽しんでいる。
オルフェノクの力を。
だがそれと同時に、そんな自分が嫌になる。
(最低だな…あたし…)
魔女との戦闘はまだまだ続きそうだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:11:31.28 ID:p/UFQOhdo<> ―Side:ほむら―
『Complete』
ファイズの姿が変わる。
胸の装甲が開かれ、赤いラインが銀のラインに変わる。
あの時に見せた、速さのファイズ。
『Start Up』
動き出した途端、ファイズの姿は見えなくなる。
だが、冴子も在り得ない反応をする。
魔法少女ですら見えないファイズの動きを見切ったようにカウンターを当てる。
ファイズが吹き飛ばされ、変身が解除された。
「まだだ!」
海堂の顔に模様が浮かび上がり、姿が変わった。
灰色の姿をしたオルフェノク。
海堂は落ちていたハンドルとメモリを拾い上げ、
『Ready』
強引にファイズエッジを起動させた。
左手にオルフェノクとしての剣を発生させ、再び冴子とぶつかり合う。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:11:58.60 ID:p/UFQOhdo<> (おかしい…)
冴子と海堂がぶつかり合っていることではない。
明らかに拘束時間が長すぎる。
いつもなら既に巴マミは死に、自分の体を拘束しているリボンも消滅している。
だが今回はどうだ。
この結界に侵入して既に十分は経っている。
巴マミが魔女と戦っているのならこの時間は長すぎる。
彼女はいつも油断をして死ぬが、魔女相手なら余程のことが無い限りこれほど長い時間を掛けるわけがない。
(じゃあ、今あの魔女と戦っているのは誰?)
マミが死ぬ、死なないに限らず、この戦闘でまどかとさやかが契約することはない。
統計上100%の結果だ。
(一体誰なの?巴マミを救ったのは…) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:12:26.85 ID:p/UFQOhdo<> 魔女と戦闘を開始して、十分ほど経っただろうか。
魔女が倒れる気配はない。
そして、自分の体に疲労が溜まっているのが分かる。
オルフェノクへの変身はこれで2度目。
まだ自分の力を把握しきれていない。
だが、この戦闘で何とかなりそうだ。
「いい加減!」
車輪を飛ばし、魔女を攻撃する。
魔女はそれを避ける。
「しまった!」
まどかとキュゥべえの傍にまで誘導してしまった。
「きゃああああ!」
魔女がまどかに狙いを変えた。
車輪を飛ばし、まどか達に近づく。
だが、間に合わない。
しかし、魔女の体が吹き飛ばされた。
その隙に、まどかとキュゥべえを抱え上げ、状況を確認する。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:12:59.61 ID:p/UFQOhdo<> マミがマスケット銃を持っており、それを魔女に撃ったようだった。
「さやかちゃん…だよね」
まどかがこちらの事を伺ってくる。
「ああ、そうだよ。でもその話は後でね」
再び魔女がこちらに向かってくる。
今度こそ、決める。
車輪を無数に飛ばし、魔女の体を囲む。
「これだけの数で切り刻めば、再生もできないでしょ!」
上下左右、すべての車輪が魔女の体を切り裂き、消滅した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:13:31.07 ID:p/UFQOhdo<> 結界が消えたことにより、元の場所へと戻ってきた。
まどかとキュゥべえを地面に下ろし、変身を解いて地べたへ座り込む。
向こうでは、紐のようなものに縛られていたほむらが着地したのが見えた。
そして、ほむらの隣に立っていたオルフェノクとは別のオルフェノクが居る。
きっとアレが海堂直也の姿なのだろう。
その二人は先程まで戦っていたようだが、何故かこちらを見ている。
まあ、分からないこともないが。
「お前…オルフェノクだったのか」
海堂が変身を解き、こちらに尋ねてきた。
「…その時の事今話すよ」
まどか、マミ、海堂、ほむら、冴子。
この場にいる全員がさやかに注目している。
「半年前の事故、まどかは覚えてるよね」
「う、うん」
「私も学校で聞いたわ。うちの生徒が怪我をしたって」
まどかから聞いたが、ある程度話題になっていたらしい。
「俺も新聞で見たことがあるぞ。たしかガキが二人怪我をしたって書いてあったな」
海堂も少しだけ知っているようだった。
「なら話は早いかな…」
「でも、あの事故は死亡者一名、重傷者一名、軽傷者一名だったはずよ」
確かに、公的にはそうだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:14:02.68 ID:p/UFQOhdo<> 「まあ、そうですよね。でも、本当は違う。死んだのは運転手とあたしの二人。
なんでかは分かんないけどあたしはオルフェノクとして生き返った」
「でも世間には貴方は軽傷。昨日言ってた彼は重傷…ということになってるのね」
マミの言ったことに頷く。
「それとあたし…嫌な子」
「え…どういうこと?」
まどかが不思議そうな顔をしている。
「そっちに居る、冴子さん…だっけ?」
「ええ。貴方と殆ど同じオルフェノクよ」
自分と違うことがあるとすれば、彼女は常にオルフェノクの姿をしていること。
殆ど同じ、というのはそこの辺りに理由があるのだろう。
「あの姿を見た時と、海堂さんがオルフェノクって分かった時、
それとこの前助けた女の人がオルフェノクの姿になった時、あたし、嬉しいって思っちゃった」
さやかの言葉を聞き、皆黙りこんでしまった。
「あたしと同じ、ゾンビみたいな人が居るって分かって嬉しく思っちゃった」
本当に嬉しかった。
自分は独りじゃない。
もっと自分と同じような者が増えればいいのに、とすら思っていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:14:47.77 ID:p/UFQOhdo<> 「なるほどね…君から妙な気配を感じていたのは、暁美ほむらと居る影山冴子と同じような力の源だったからだね」
今まで黙って話しを聞いていたキュゥべえが口を開いた。
「それと美樹さやか。君は同じゾンビのような体をしている人間がいて嬉しかったと言ったね」
「ああ、今も思ってるよ」
質問の意味がいまいち分からないが、とりあえず肯定しておく。
「なら魔法少女達も君と同じ、ゾンビってやつじゃないかな?」
「どういう意味なの?それ」
キュゥべえの言っている意味が分からない。
魔法少女が自分達オルフェノクと同じゾンビだとでも言うのか。
「魔法少女は契約する際、魂をソウルジェムに変換する」
「え…」
マミとまどかが驚愕の表情を浮かべている。
「僕達の役割、それは契約時に魂を体から抜き取りソウルジェムに変換すること」
「なんですって…」
マミはこの事を知らなかったようだ。
「流石に人間のように脆い体で魔女と戦ってくれとは言わないよ」
「貴方は…私を騙していたの?」
マミがキュゥべえに尋ねる。
「騙しているなんてとんでもないな。別に知らなくても問題ないだろう?
現に君は僕が言うまで気付かなかった」
「そんな…最低よ。貴方」
今までの様子から察するに、マミは余程キュゥべえを信用していた。
だが今日、その信用していた者からまさかの真実を告げられた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:15:54.72 ID:p/UFQOhdo<> 「はは…なーんだ。皆一緒じゃんか…やっぱり嬉しい」
本心。
心の底から出た言葉がそれだった。
「でも…」
だが、まだ全員に言っていないことがある。
「あたしはマミさんみたいに正義の味方にはなれないな…」
「どういうこと…?」
まどかは再び首をかしげている。
「マミさん昨日言いましたよね。使い魔を放置してるって魔法少女もいるって」
「聞こえていたのね…」
その言葉に頷いた。
「いつものあたしだったら、絶対に許さない。そう思える」
「じゃあ、今は違うの?」
「ああ、だってあたし…もう4人も殺しちゃってるから」
再び全員の顔に驚愕の表情が浮かび上がる。
「事故にあった次の日にさ…虐めをみたのよ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:16:36.48 ID:p/UFQOhdo<> あの日のことは今でもよく覚えている。
事故に遭い、体は特に問題ないということで1日で退院できた。
一緒に事故にあった恭介は意識が戻らないまま。
それより気になったのは、何故自分が生きているか。
恭介と共に事故に遭い、自分はトラックと激突した。
その時の感触まで覚えている。
しかしどうだ。
今自分はこうして生きている。
奇跡か魔法か。
だが、体がおかしい。
昨日から自分の体が自分の体ではなくなったような気がしている。
そして、家に帰っている途中、虐めの現場を見つけてしまった。
見た目は真面目そうな男達。
だがそいつらは、地味そうな男の子を4対1で虐めていた。
その時のそいつらはとても気持ちよさそうに笑っていた。
そして思った。
『なんで恭介があんなになってるのに、こいつらはこんなにヘラヘラ笑いながら他人を傷つけてるの』
鬼のような形相で男達の虐めを止めた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:17:36.90 ID:p/UFQOhdo<> そこから先は覚えていない。
気がつけば、周りには虐めていた男達は居なかった。
そして、助けたはずの男の子は何故か怯えていた。
『大丈夫?』
そう言って手を差し伸べた。
だが男の子は自分の手を払い、
『バ、バケモノ!』
そう言い残し逃げてしまった。
自分がバケモノ?
どういう事なのだろうかと顔を上げた。
ふと、隣にあったガラスに自分の体が写った。
『何…コレ…』
ガラスに写ったのはいつもの自分ではなく、灰色の姿をした異型の姿。
まさしく、『化物』だった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:18:05.87 ID:p/UFQOhdo<> 「初めての変身で、あたしは4人も殺した」
絶対に許されない行為。
使い魔を放置すれば人は死ぬ。
間接的な人殺しだ。
だが自分はどうだ。
自らの手で人を殺した。
「それ以来、オルフェノクに変身するのはやめてた」
あの時の感覚を思い出したくなかった。
「今までにも在ったんだよ。オルフェノクに変身そうな時が」
「精神的に不安定だったり、逆にかなり興奮していた時とか…自分で押さえつけるのに必死だったよ」
最近ではマミ達に出会った次の日の朝。
あの時が一番不味かった。
「じゃあ、なんで今日は変身したの?」
マミが自分に尋ねてくる。
「マミさんが危ないってのが分かった。それで…体が勝手に動いてた」
「そうなの…でも、これだけは言わせて。ありがとう」
礼を言われるほどのことでもない。
いや、礼を言われるほど、自分は綺麗ではない。
「貴方が居なかったら、多分私は死んでた。だから…ありがとう」
「あたし…帰る」
居心地が悪い。
初めて知り合いにオルフェノクの姿を見せた。
まさか感謝されるとは思わなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:18:55.34 ID:p/UFQOhdo<> 「バイバイ。また…明日ね」
「美樹さやか」
突然、ほむらが自分の名前を呼んだ。
「巴マミを助けてくれて…ありがとう」
「バカだねえ。マミさんもあんたも。あたしは自分が楽しむためだけに戦った、それだけ」
本当にそれだけ。
そう自分に言い聞かせる。
「それと、今日の話を聞いて魔法少女になろうとは思わないことね」
「さあ、どうだか」
そう言って、走り去ることにした。
どれぐらい走っただろうか。
人気のない裏道で、ようやく立ち止まる。
今日言っていたキュゥべえの言葉。
アレを聞いてから、思い出したことが一つだけあった。
「そうだ…キュゥべえはまだ一つ秘密を隠してる。魔法少女は…やがて…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/12(水) 21:19:34.91 ID:p/UFQOhdo<> マーメイドオルフェノク
さやかの変身するオルフェノク。
モチーフは人魚。
両手に持った剣と自由に飛ばせる車輪を使って戦う。
使徒再生はホースオルフェノクと同じように相手の心臓に剣を突き立てる。
オリジナルオルフェノクなので通常態の他に激情態、魚人態がある。
魚人態では下半身が人魚になり、水中での活動が自由に行えるようになる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/12(水) 21:27:52.95 ID:p/UFQOhdo<> 投下終了
考えるのが面倒くさかったとは言わない
これしか無いと思っただけなんだ
今回こそ死ねとか言われそう
だが私は謝らない
車輪の大きさはうしおととらの紫暮が使う千宝輪ほどの大きさ
分からないという人に大体人の顔ほどの大きさ
ついでに強さ比較
実戦経験など抜きにした各オルフェノクの強さ
木場=たっくん>村上社長=北崎>さやか≧冴子>琢磨くん>結花>
オリジナルの壁>ホスト>海堂>OL(木野雪菜)
>>1基準なので間に受けないでください
あとネタ解説
・海堂のオルフェノク態でのファイズエッジ起動
HEROSAGAのロスト・ワールドが元ネタ
村上社長がローズ態でデルタメモリーを使いファイズエッジを起動させている
次回『暁美ほむらと影山冴子の出会い』
日曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県)<>age<>2011/10/12(水) 21:32:09.24 ID:HI2ANzoY0<> 北崎くんと同じ幻獣系オルフェノク・・・やべぇぜ。バイオリンだけでも灰にしないよう気をつけねぇと <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/13(木) 00:35:17.64 ID:L+SkkL/SO<> ここのさやかは魔女化はしなさそうだけど、ハッピーエンドにも辿り着けないような…
続きが気になって仕方ない <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/13(木) 00:40:43.11 ID:UDreiN2L0<> 北崎がものを灰化できるのは本来フォトンブラッドは使徒蘇生に使用するもので北崎は空想上の生物のオルフェノクだから?かそれの量が多すぎて常時体の表面に漏れているから…らしいぜ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/13(木) 16:03:26.79 ID:BHmMYbhX0<> >>130>>132
じゃあホストがさやかにいじられて琢磨君2代目みたいな扱いになるのか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/13(木) 16:25:32.92 ID:9fsYbPIA0<> >>129
J、澤田、花形、王、も入れてあげてよ…レオはわからんからいいか
木場と巧が最上位なのは激情態と疾走態ということでおk? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/15(土) 21:22:14.35 ID:RaqnBnGfo<> figmaさやかちゃん予約した
アーツブレイドが出たら絶対に隣に並べる
ナゼェかこの子だけ3人と比べて高めなんですよね
それはそうとfigma暁美ほむらの商品ページの歩いてくる画像が
名護さんの「魑魅魍魎跋扈する(ry」にしか見えない
ちなみに此処のさやかは幻獣系だけどだけど特別強いというわけではないです
>>133
さやか「ねえ、ショウさ〜ん。ちょっと握手しましょうよ〜」
ショウ「え!?え、それはちょっと〜」ビクビク
さやか「へえ〜やっぱり友達になれないんだ〜それは困ったな〜」
ショウ(怖い)
こうですか?わかりません><
>>134
そいつらを入れるとなると…
王>次元の違う壁>木場=たっくん>花形>村上社長=北崎>さやか≧冴子>琢磨くん≧J>結花>
オリジナルの壁>澤田>ホスト>海堂>木野雪菜
こんなもんだと思います
木場と巧が最上位なのはパラロスを基準に考えて、
木場と巧ならオーガに変身できるって所が大きいです
サイガはさやか辺りから変身してまともに戦闘が可能
なので、レオはさやかより強いということになります
今回はほむらと冴子の出会い編
投下開始
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/15(土) 21:23:15.33 ID:RaqnBnGfo<> 貴方はどうしていつもそうなの?
私はただ…貴方を救いたいだけなのに…
ベッドの上の少女『暁美ほむら』が目を覚ます。
体を起こし、直ぐ様鏡の前に立つ。
三つ編みを解き、眼鏡を外し、魔力で視力を矯正する。
何回も繰り返して既に慣れてしまった。
初めの内は数えていたがいつしか数えなくなっていた。
それ程、長い時を旅してきた。
「今度は…貴方を救ってみせる」
いつも言っている。
だが、一度も救えたことはない。
そして、夜の見滝原の街に駆りでた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/15(土) 21:23:57.21 ID:RaqnBnGfo<> ほむらの持つソウルジェムが輝きを増した。
この近くに魔女がいる。
統計上、この近くの魔女を狩っていて巴マミに出くわすことはない。
しかし突然、ソウルジェムの輝きが消えた。
ほむらはその場で立ち止まる。
(まさか…巴マミ?)
在り得ない。
そう思いながらも、事実を確認するために裏路地へと向かう。
魔女が居たと思われる場所にグリーフシードが落ちている。
本当に変だ。
巴マミに限らず、魔法少女ならグリーフシードを見逃すわけがない。
唯一有り得そうなのは、魔女を倒した瞬間に魔女になってしまった。
それが一番考えられるが、この街に巴マミ以外の魔法少女は自分を除き、居ない。
すると、少し離れた場所で何かの倒れる音がした。
いざとという時の事を考え、魔法少女へ変身する。
銃を構え、物陰を飛び出す。
道に何かが倒れている。
見たところ、二足歩行の生物のようだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/15(土) 21:24:38.27 ID:RaqnBnGfo<> 倒れている生物に銃を向けたまま近づいていく。
しかし、何処か変だ。
闇に映るシルエットが、人ではない。
それに、体の色も肌色の部分が一切見えない。
霞んだ灰色。
魔女とも、使い魔とも違う異型の化物が地面に横たわっている。
倒れている化物に近づき、つま先で小突いてみる。
「うぅ……」
倒れているだけで死んではないようだ。
(どうするべきかしら…)
ふと気付いたことがある。
(もしやさっきのグリーフシードはこいつが魔女を倒したから?)
そのような考えが浮かび上がった。
ならば、ここで恩を売っておくのも悪くはない。
上手くいけば、ワルプルギスの夜を倒すための戦力になるかも知れない。
そして化物をそいつが持っていたケースを仕舞い、その体を抱え上げ自宅へと戻ることにした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/15(土) 21:25:39.88 ID:RaqnBnGfo<> (ここは…何処かしら?)
『影山冴子』が目を覚ます。
見覚えのない部屋へと自分が移動してしまっている。
覚えている範囲で言えば、オルフェノクではない化物をぶちのめした後、すこし歩いて倒れてしまった。
ここ最近、まともな睡眠を取っていなかった。
人間の体を捨て、不死のオルフェノクとなったが人としての三大欲求の一つ睡眠欲だけは今も残っている。
睡眠がとれなければオルフェノクともいえども疲労がたまる。
おそらく、脳が休息を求めるのだろう。
体は化物でも、脳までが化物になっているわけではない。
その事を考えれば当たり前だった。
そんな事を考えていると、部屋の扉が開いた。
部屋に入ってきたのは、中学生程度の少女。
「起きたのね」
「この姿を見てなんとも思わないのかしら?」
さも当然のように自分に話しかけてくる。
「どうやら会話はできるようね。さて、貴方の質問だけれど別に驚きはしないわ」
まさかの答えが返ってきた。
「貴方がこの部屋に私を運んだのかしら?」
「ええ。それと私に協力して欲しい」
協力を要請してきた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/15(土) 21:26:07.84 ID:RaqnBnGfo<> 「内容によるわね」
「簡単よ。一ヶ月後、ワルプルギスの夜と呼ばれる魔女が来る。それまで一緒にいて欲しい」
「魔女って…何かしら?」
聞きなれない単語だ。
「…貴方の体より貴方の質問に驚いたわ。まあいい。魔女っていうのは…」
少女の話を聞く。
魔女と呼ばれる化物がこの世界に存在する。
その魔女を倒す魔法少女と呼ばれる存在。
そして彼女はその魔法少女だということ。
魔法少女が魔女を倒すのにも理由があるらしい。
「魔法少女が魔女を倒す理由とは?」
「そうね。魔法少女はやがて…魔女になる」
たいして驚かなかった。
彼女の口ぶり的に、裏がありそうなのは簡単に分かった。
「驚かないのね…」
「別に人間が化け物になるなんてそう珍しいことでもないでしょ?」
その事は自分が実証している。
「貴方…名前は?」
「暁美ほむら」
「そう、ほむらちゃん。いい名前ね」
「お世辞でもありがとうといっておくわ」
お世辞ではないが…仕方ない。
「貴方は?」
「影山冴子」
人としての名前は余り好きではない。
「それともう一つ質問してもいいかしら?」
「ええ」
「あなたのその体…一体どうなっているの?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/15(土) 21:26:50.32 ID:RaqnBnGfo<> 影山冴子の説明を聞いた。
どうやらこの時間軸にはオルフェノクと呼ばれる化け物たちが存在するらしい。
選ばれし者だけが僅かな確率で発生する人類の進化形態。
それが『オルフェノク』
オルフェノクを倒すには、オルフェノクと同じ力か『フォトンブラッド』と呼ばれる毒を注ぐ必要がある。
そして、そのフォトンブラッドの制御に成功したのが影山冴子が持っていたケースの中身。
その中に入っていたギアと呼ばれる物が必要だという。
「こいつがあれば、不死である私だって殺せる」
「でも、装着者にはそれなりの条件がある…ということかしら」
「理解が早くて助かるわ」
当たり前だ。
伊達に魔法少女をやって何度も時間を繰り返しているわけではない。
「こいつを扱い、変身するにはオルフェノク…もしくは同等の力を持つものだけ」
考えれば当たり前の事かもしれない。
「元々、このベルトはオルフェノクの王を守るために作られた。でも、残念なことにこのベルト達は王を殺してしまった」
「達?」
複数形がついた。
他にもベルトがあるのだろうか。
「ええ。三本のベルトのうちの一本がコレ。王により破壊されたのだけれど、数年掛けて私が直したの」
「へえ…凄いわね」
とても興味深い。
「それで、私をどう利用するつもりかしら?」
「!?」
「気づいてないと思ったのかしら」
「感情を殺して他人に悟られないようにすることには自身があったのだけれど…」
繰り返した時間により、完璧になったと言っても過言ではない。
「まあ、貴方のような子、嫌いじゃないわよ」
「それで、返事はどうなのかしら」
「私としても寝床は確保したいし、この家に隠させてもらって、人の生き死にに口を挟まないなら」
「一人だけ…鹿目まどかという少女だけは手を出さないで」
「善処するわ」
もしも影山冴子がまどかを傷つけるのなら、その時は容赦はしない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/15(土) 21:27:23.21 ID:RaqnBnGfo<> そして、現在。
「あの青い髪の子…美樹さやかちゃんだったかしら?」
「ええ。彼女がオルフェノクなのは想定外だったわ」
とてつもないイレギュラー。
だが、むしろありがたい。
「あの子を何とかしてこちらに引きこんでみたいものね」
「琢磨逸郎を使うの?」
2日前も彼を通してマミに警告した。
無論、無意味だったが。
「私より、琢磨君のほうが信用されやすいでしょうね」
「美樹さやかをこちらへ引き込むのは貴方達に任せるわ」
「期待しておいて頂戴」
美樹さやかが『オルフェノク』
もしかすると、この世界なら鹿目まどかを…最高の友達を救うことができるのかも知れない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga <>2011/10/15(土) 21:31:09.86 ID:RaqnBnGfo<> 投下終了
短い…
戦闘描写が一切なかったというのが大きい理由でしょうけど
戦闘描写がないと話が広げられない
つまり、>>1にはほのぼのは無理だってことなんだ!
いや、書けないことは無いんでしょうけどほのぼのより重い話のほうが書きやすいのは事実です
753スレは半々ぐらいのつもりで書いてました
結果としてはお察しください <>
忘れ物<>saga <>2011/10/15(土) 21:32:43.09 ID:RaqnBnGfo<> 次回第4話『偽物なら奇跡も魔法もあるんだよ』
次の投下は水曜の夜9時頃から
書き溜めを作りたいので4話は一回の投下量が少なくなると思います <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/15(土) 21:58:30.52 ID:LWps32fvo<> 乙。
wiki見て王が死んでたの初めて知ったわ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/17(月) 20:38:01.91 ID:SFobvMxmo<> 753スレでも告知しましたが今週はお休みをください
書き溜め自体は大丈夫だけど>>1の気合とかやる気が上がりません
出来るだけ早く復活します
土曜日にはいつも通りできると思います <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/17(月) 20:46:28.72 ID:PbT5mO+to<> ワッフルワッフル <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/18(火) 20:43:46.09 ID:A41dwrRE0<> 普通に社長や北崎、花形でも帝王のベルト扱えると思うけどな
というか劇中王除いたら花形が最強に見える <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/22(土) 21:21:19.56 ID:sVtZOkNko<> 復活
喉と鼻以外は大丈夫
聞くところによると、10月27日の牙狼に井上脚本で草加雅人こと村上幸平さんが出るらしいね
あとアニメ見返してたらさやかちゃん真っ直ぐすぎ
後ろから抱きしめてあげたい
>>148
それは考えました
けどたっくんか木場がオーガじゃないと…と思いこの2人を最強にしました
ただし、劇中では花形最強に見えるのは同意
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:21:53.51 ID:sVtZOkNko<> ここは見滝原の隣町『風見野』
時間はさやかが魔女を倒した時刻とほぼ同じ。
一人の少女と一人の男が町を歩いていた。
長く赤い髪を後ろで結ってポニーテールにした少女。
彼女の名前は『佐倉杏子』
彼女も魔法少女である。
彼女の信条は『他人のために魔法は使わない』
自分の利益のためなら人間の命など惜しまない魔法少女らしい魔法少女。
彼女をそう思わせているのにはきちんとした理由がある。
佐倉杏子も、かつては誰かのために魔法を使っていた。
だが、自分の祈りで全てを壊してしまった彼女は人のために魔法を使うのをやめた。
そして、その少女の後ろを歩く男。
男の名は『三原修二』
数少ない流星塾の生き残りである。
10年前、王と対峙した3人の中で唯一の生存者。
そして、デルタギアの所有者でもある。
三原が杏子の後ろを歩いているのは1年程前から。
彼女が家族を失ってから彼女と共に魔女退治をしている人間。
杏子がどうして今の生き方をしているのかを知っている数少ない人物。
それが三原修二という男。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:22:50.30 ID:sVtZOkNko<> すると、杏子のソウルジェムが輝いた。
「この反応…使い魔かよ」
彼女は使い魔には用はない。
彼女が狙うのは魔女だけ。
使い魔に人間を食わせ、魔女になるまで放置するのが彼女のやり方だ。
だが三原は違う。
彼は使い魔だろうが魔女だろうが倒す。
三原がやっていることは杏子にとってとても邪魔な行為だった。
「あのさー、いっつも言ってるけどそれ倒されるとあたしが困るんだよね」
魔女を倒し、グリーフシードを落としてもらわねば、魔法少女としては困る。
使い魔まで倒している巴マミのほうが異常…と杏子は考えている。
「うん、分かってる。けど、俺が迷ってるうちに誰かが死ぬなら…俺はそれを止めたい」
三原も三原でかなり大きなものを抱え込んでいる。
10年前、ああしてなければ、あれをやれていたら。
草加も乾も、そして木場も死ぬ必要はなかったのかも知れない。
それでも、もしもは仮定の話。
現実は何も変わらない。
だからこそ、三原は今決意している。
『二度と迷わない』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:23:22.69 ID:sVtZOkNko<> 「そうかよ。じゃあな、先に帰ってるぞ」
「ああ」
杏子が結界の入り口を開け、三原がその中へと侵入した。
「ほんと、あたしってバカ」
杏子はそう言い残し、理奈の居る三原の家に向かっていった。
―結界内部―
三原がカバンの中からデルタギアを取り出し、腰に巻く。
そしてデルタフォンを顔の傍に近づける。
「変身」
『Standing by』
ファイズ、カイザとは少し手順の違う変身の仕方。
そして、デルタフォンをデルタギア側面に付いているデルタムーバーへ取り付けた。
『Complete』
三原の体にブライトカラーのフォトンストリームが走り、フォトンフレームを形成する。
そして、デルタが結界の内部に誕生した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:23:49.97 ID:sVtZOkNko<> デルタームーバーを取り外し、照準を使い魔へと向ける。
トリガーを引き、一発、二発、三発と使い魔に光弾を発射する。
しかし、動きが速い。
全て使い魔から外れてしまう。
(時間を掛けて逃げられる前に決着をつける!)
デルタギアからミッションポインターを取り外し、デルタムーバーに装着する。
『Ready』
そして、デルタムーバーのディスプレイを開いた。
ディスプレイに意識を向け、使い魔を狙う。
「今だ!」
使い魔をロックオンサイトの真ん中で捉え、すかさず光弾を発射する。
見事に直撃し使い魔の動きが止まり、わずかながらも隙が出来た。
この隙を逃す三原ではない。
「Check!」
『Exceed Charge』
音声入力をし、デルタムーバーにパワーを集める。
使い魔へそれを放ち、三角錐状の光が使い魔の動きを封じる。
「ウオオォオオオオォォォォ!」
一度上空へと飛び上がり、デルタが三角錐へと吸い込まれた。
そして、使い魔の向こう側へと降り立ち、使い魔の体に青白いギリシャ文字のデルタが浮かび上がる。
使い魔が消滅し、結界が消えた。
「ハア…帰るか」
変身を解除し、自宅へと戻った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:24:20.59 ID:sVtZOkNko<> ―翌日 Side:まどか―
いつもと同じように目を覚ます。
昨日はそのまま解散してしまったが今だに恐怖が体に染み付いてる。
もしさやかがオルフェノクではなかったら?
あの時、さやかの助けが間に合わなかったら?
マミは間違いなく死んでいた。
それだけではない。
魔法少女は契約の際、魂をソウルジェムに変換される。
数年前に契約したマミが知らなかった。
分かっていて黙っていたキュゥべえに腹が立つ。
昨日からキュゥべえはまどかの傍には居ない。
まどかが拒否したのだ。
そして、親友の美樹さやかは一度死んでいてオルフェノクになっている。
思い返してみれば、不可解なところはいくつもあった。
第一に、事故当時のさやかと恭介の位置関係。
目撃者や事故にあった二人の話。
全員が一致してさやかが左側に寄っていた、と言っていた。
今まで隣にいても時折、彼女のテンションが急に沈むことがあった。
その理由が昨日、魔女を倒した後に判明した。
オルフェノクの本能を抑えていた。
だが、最初の変身はそれが出来ず、人を4人も殺していた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:24:53.11 ID:sVtZOkNko<> (そんな事…今まで一度も聞いてなかった)
事故の時も、たまたま軽傷で済んでよかった。
それぐらいしか話さなかった。
さやか自身、自分の体よりも、幼馴染である上条恭介の心配をしていた。
だからこそ、事故当時の詳しい内容も聞かなかった。
その話題があまりいい話でもなかったというのも理由の一つだ。
さやかは今日学校へ来るだろうか。
そんな事を考えていると、
「おーい。朝だぞ〜」
父、知久がまどかを呼んだ。
「考えてても仕方ないよね…行こ…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:25:30.77 ID:sVtZOkNko<> ―Side:さやか―
「ん…朝…?」
時計を見る。
時刻はまだAM5:30
いつもよりかなり早めに起きてしまった。
昨日の戦いで疲れ、家に帰ってきて制服も脱がずにそのままベッドに倒れこんでしまった。
「お風呂入ろ…」
風呂から上がり、朝食を食べる準備に入る。
(マミさん…生きててよかった…)
もし自分に力がなかったら…
そう考えるのがとても怖い。
初めて、オルフェノクの力が役に立った瞬間だった。
牛乳を飲みながら、さやかは更に考える。
(魔法少女のシステム…魔女を倒すのは自分が生きるため。
誰も好き好んで魔女になったりはしないもんね…)
昨日思い出した夢の内容。
魔法少女のような姿から魔女になる自分。
つまり、魔法少女はやがて魔女になるという考えが浮かんだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/22(土) 21:26:14.72 ID:sVtZOkNko<> (命を賭けてまで…と言うより、捨ててまで叶える願い)
彼女にも、願いがある。
一つ、オルフェノクから元の体に戻ること。
二つ、できることなら恭介の腕を治してあげたい。
結局、前者の願いを叶えるのは止めにしようかと思う。
どうせ魔女になる運命なら、使える力はできるだけ多く持ちたい。
だが、後者の願いもどうかと思う。
自分はどうしたいのだろう。
夢を叶えて欲しいのか、その恩人になりたいのか。
後者に関しては既に恋は捨てた。
あの日以来、そんな事を考えるのは無駄だと悟った。
なら前者かと問われれば違うといえる。
結局、自分は中途半端の馬鹿。
そのぐらいしか思い浮かばない。
そう思っていると、既に朝食は食べ終えていた。
「学校に行こっと」
家の戸締りをし、いつもの待ち合わせ場所へと向かった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/22(土) 21:31:13.89 ID:sVtZOkNko<> 投下終了
このSSではマミさんとあんこちゃんの師弟設定はなしに
その設定を取り入れちゃうと>>76辺りと矛盾しちゃいますし
要望があれば、書き直して明日か月曜日に投下し直しますけど
あと描写がしばらく無いんで一応説明しておきます
三原と理奈は結婚してます
そして三原のメンタルも555終盤のイケメン三原になってます
次回の投下は書き直しがなければ水曜日夜9時
投下し直しの場合も夜9時頃にします <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/23(日) 01:09:23.57 ID:R9jgqR/j0<> 乙
途中ある曲の歌詞が見えた気が <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)<>sage<>2011/10/23(日) 11:43:32.24 ID:qBaDH80a0<> 乙
三原の今の実力はこのスレではどれぐらいなの? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/26(水) 21:13:59.17 ID:k329rqLVo<> >>159
オーズの曲はサンバも含めて良曲揃い
これからもちょくちょく出てきます
>>160
このSSでの三原は冴子と並ぶ最強クラス
実力順で行くと三原、冴子>琢磨≧海堂>魔法少女3人
さやかは未定、というより未知数
つーか753スレの書き溜めが進まねえ
これも乾巧とゴルゴムとディケイドって奴の仕業なんだ
ついでにオーズのせいでもある
投下開始
今回も短い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/26(水) 21:14:37.09 ID:k329rqLVo<> いつも通り一番最初に待ち合わせ場所へと到着し、いつも通りに学校へ向かった。
登校中、何処に居たのかキュゥべえを通してまどかが話しかけてきたがその話はさせなかった。
というより、さやかが話すべきことは昨日きっちり話した。
故に、あの状況で話すことは何もなかった。
魔法少女のシステムなんて、どうでもいい。
授業中も、何度かまどかが話しかけて来た。
もちろん、それらを全て拒否した。
ただ、昼休みに話そうということで終わりにさせた。
そして、昼休み。
いつものように屋上で昼食をとる。
「まどかはさ…契約したいと思ってる?」
在り得ないが、一応尋ねてみる。
「ううん…怖いよ…こんな事言っちゃうとさやかちゃんに悪いけど…さやかちゃんがオルフェノクでよかった…」
そこは余り気にしない。
自分自身、あの時ばかりはオルフェノクでよかったと思える。
「ま、それ位はいいよ。どうせどうにもならないことだし」
「昨日ね、マミさんに言ったんだ。私も契約したいって」
彼女のことだ、いつもオドオドしていてかっこ良くない。
そんな自分を変えるために魔法少女になりたい…とでも言ったのだろう。
本当はまどかは強い。
自分なんかよりもずっと。
だか彼女はその事に気付かない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/26(水) 21:15:06.53 ID:k329rqLVo<> 「でも…昨日マミさんが魔女に食べられそうになって…私もあんな風になっちゃうかも知れないって考えたら…」
「もういいよ。マミさんもそれぐらいで気にしたりしないだろうし」
彼女は少し考えすぎる所がある。
(ん?誰か来る)
いつもの感覚強化。
誰かが此処に近づいてくる。
「そう言ってもらえると、私達もありがたいわ」
「転校生にマミさん…」
珍しい組み合わせである。
昨日まで、マミはほむらのことを嫌っていたように見えた。
ほむらはなんだかよく分からない所があるが、マミのことをどうにかしたい…というのは分かった。
「今日からは貴方達は魔女狩りについて来ないで」
突然のマミの言葉。
「その事…私も言おうと思ってました。ごめんなさい」
まどかがマミに頭を下げる。
「いいのよ。美樹さん、貴方もよ」
「ええ、まあ、うん。わかりました」
とりあえず、頷いておく。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/26(水) 21:15:42.55 ID:k329rqLVo<> 「魔法少女はこれ以上必要ない。無理やり付きあわせちゃってごめんね」
「マミさんが気にする必要はないです。私も期待させちゃって…」
まどかがまた頭を下げた。
「それでこれからだけど…美樹さん。貴方に頼みたいことがあるの」
「何でも言ってください」
「私達これから組むことにしたの」
それで一緒にいるのかと勝手に納得する。
「近いうちにワルプルギスの夜という最強の魔女が来る」
「え…ほむらちゃん達だけで勝てるの?」
ほむらの言葉にまどかが質問をする。
「巴マミはベテランよ。そしてオルフェノクの存在がある。問題があるとすれば…影山冴子と海堂直也よ」
確かにと思う。
あの二人は出会うたびにぶつかり合っている。
昨日も、何かあったようだ。
「それで頼みってのは…」
「そう。美樹さやか、貴方にあの二人の説得を頼みたいの」
「やっぱりか…」
冴子と海堂の名前が出た時点で予想はしていた。
「今日中に…とは言わないからできるだけ早めにしてほしいわ」
「はあ…わかったわかりました」
オルフェノク。
それがこの二人が自分に頼んできた理由だろう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/26(水) 21:16:09.56 ID:k329rqLVo<> 「鹿目さん。今の貴方にできるのは契約しないことだけ」
「…はい」
こう言われると、まどかは決まって落ち込んだ顔をする。
「でも安心して。貴方が居ることで、私たちの支えになるから」
「はい!」
その言葉を聞き、まどかの顔が明るくなる。
「じゃあ、海堂さん達には明日にでも話をつけるかな」
「そうしてもらえると助かるわ」
それに今日は昨日見にいけていない恭介の様子も知りたい。
「君達二人と契約できないのなら、僕はいる必要がないね」
「ええ。私達の前に出来るだけ姿を見せないでいて欲しいのだけれど」
昨日の事により、マミはキュゥべえのことを疑い始めたようだ。
ならば魔法少女の秘密を言うべきか否か。
「君は契約してよかったと言ってたじゃないか。あそこで死ぬよりはマシだって」
「それとこれとは話が別よ。分かったらさっさと消えて」
この場の雰囲気から言わないでおく。
確信したと言っても、証拠がない。
適当に言って周りの人間を混乱させるのも良くないだろう。
「じゃあね。まどか、さやか」
そう言って、キュゥべえは何処かへ行ってしまった。
ほむらもキュゥべえが消えるのとほぼ同時に立ち去ろうとする。
「ほむらちゃん!」
まどかの呼び声でほむらが歩みを止めた。
「何かしら?」
「えっと…頑張って!」
その言葉を聞き、ありがとうとだけ言ってほむらはこの場を立ち去った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/26(水) 21:16:55.44 ID:k329rqLVo<> 放課後。
さやかは上條恭介の入院している病院へと来ていた。
「あら、貴方は上条くんの…」
「あ、はい」
半年前から何回も来ているため、看護師達に顔を覚えられている。
もちろん、自分も同じで向こうの顔を覚えていた。
「昨日はごめんね。診察の予定が遅れてね」
「あ、その事はいいですよ」
今日来たのも、恭介の容態を確認しにきただけ。
看護師の口ぶりからするに、恭介も他の患者たちも被害はなさそうだ。
「じゃあね」
「はい」
そう言って、エレベーターへと向かう。
『いつもいつも、よく来てくれるわねえ』
エレベーターの中へ入ったはずなのに、何故か先程の看護師の声が聞こえる。
『難しい患者さんだからねえ』
『事故に遭う前は将来有望って言われてたらしいわよ』
(やめて…)
聞きたくない。
(これ以上先を聞かせないで…!)
だが聞こえて欲しくない音ほど聞こえてしまう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/26(水) 21:17:23.24 ID:k329rqLVo<> 『足の方はリハビリで何とかなるけど、指の方は…もう』
(いや…!)
『もう二度と楽器を弾くのは無理でしょうねえ』
(……)
聞いてしまった真実。
恭介はもう…バイオリンは弾けない。
(なんで…本当になんで…恭介なのよ…)
自らは化物に。
いつも隣にいた幼馴染はもう二度と楽器が弾けない。
(この世に…神様なんて居ない)
おぼつかない足取りで、恭介の病室へと向かう。
何故か病室のドアが開いている。
すぐに駆け寄り、病室の中を確認する。
恭介の前には壊れたCDとCDプレーヤーが。
そして、恭介が血まみれの腕を振り上げた。
「駄目!」
先程まで重かった足を無理やり動かす。
振り上げられた左腕を無理やり抑えつける。
「離してくれ!僕はもう無理なんだ!」
「諦めないで!いつか、いつか絶対治るよ!」
先ほど聞いた会話とは真逆の事を言う。
「医者に言われたんだ!僕の腕はもう動かないって!」
「でも!そんな事しちゃ駄目!」
たったそれだけ。
彼の腕が動く動かないで判断するほど自分は愚かではない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/26(水) 21:17:49.63 ID:k329rqLVo<> 「無理なんだよ…」
恭介の腕から力が抜ける。
「奇跡か魔法でも無い限り…」
奇跡、魔法。
どちらもこの世界にはない。
彼の腕はもう動かない。
だが、
「じゃあさ、恭介」
恭介がこちらに顔を向ける。
「あたしが、今此処にいるのは…奇跡?それとも魔法?」
「き、君は何を言ってるんだい?」
知らないふりをしている恭介に更に畳み掛ける。
「恭介は知ってる。今はとぼけてるだけ。逃げてるだけ」
「待ってくれ!僕が何から!」
「あたしはさ、一回…死んでるんだよ」
恭介に言い切った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga <>2011/10/26(水) 21:20:50.78 ID:k329rqLVo<> 投下終了
書いてるうちに何故か重い話に
753スレの方にクロスさせなかったのもこれが原因かも
自分の構想的に何だかんだで暗い話が書きやすい
それでもほのぼのも書きたいよ
このスレじゃ無理だけど
次回の投下は日曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/26(水) 21:47:26.46 ID:1LOSJheDO<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/26(水) 23:35:43.31 ID:Iw9tNtCko<> 乙。
この欝な雰囲気は異形の花々っぽくて好きよ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/26(水) 23:42:21.65 ID:k329rqLVo<> 投下予定間違えたwwwwwwww
次の投下は土曜日です
>>171
異形の花々…
誰かが達磨になるような話にはならない筈 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2011/10/27(木) 06:02:45.63 ID:zKt9wVuro<> 乙! さやかちゃんが退廃的な感じになってるね!
異形の花々だと……?
「まどか」
背後からほむらがまどかの肩を掴んだ。
「君に涙は似合わない」
ほむらの暗い眼差しにまどかの体がピクッと震えた。
「ほ、ほむらちゃん」
だが、それ以上まどかはなにも言えなかった。まどかの口をほむらの唇が塞いでいた。
制服の下にほむらの手が入ってくる。
ブラジャーが引き裂かれ、白い乳房があらわになった。
やめて、ほむらちゃん!
まどかのスカートが一気に膝の下まで下ろされる。
まどかは激しく抵抗した。ほむらの顔に爪を立て、胸を叩いた。
だが、突然自分の体から力が抜けていくのをまどかは感じた。
「助けて、まどか」
そう言うほむらの囁きが、まどかの体から力を奪った。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/27(木) 22:19:11.86 ID:TQl6vLRRo<> 何故かカプスレでよく見るんだよなそれの改変ww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2011/10/28(金) 08:37:45.20 ID:7ixOgjmZ0<> 木場といい長田といい私怨で殺人を犯した者は幸福に生きられない法則があるよね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<><>2011/10/28(金) 22:02:50.84 ID:R0Bt8EWx0<> みんな忘れてるみたいだが、三原は一応幹部クラスのスタッグビートルを倒してるぞ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/10/28(金) 22:37:15.54 ID:MBDlSzjto<> 俺得なスレを見つけてしまった <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<><>2011/10/29(土) 13:18:11.50 ID:IsoAZlrp0<> >>175
それが井上作品の特徴
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/29(土) 21:19:54.88 ID:mHZHUjtro<> オ>>173!3行目をこいつに変えろ!
つ三「貴方に涙は似合わない」
ほむらは基本的に『貴方』だよね
QB相手だと『お前』に変わるけど
つーかその流れだとほむらが達磨ルートまっしぐらじゃねーか!
>>176
三原は意外と強いんですよね
最初のほうがヘタレだっただけで
ちなみにこのスレの三原は
草加、巧、木場の死
杏子の過去を全部知っている数少ない人物
この二つが組み合って本編以上にメンタルが鍛えられてます
>>177
俺得…だと…
・555クロス
・555組は半数が死亡(もしくは空気)
・さやかがオルフェノク
こんなスレでもお付き合いいただけたら嬉しいです
>>175>>178
木場はも結花も相当悲惨な人生してましたけどね
それでも「罪は許されない」と罰の世界の何処かの誰かさんが言ってますしあれはあれで正しかったかもしれませんね
木場は流されすぎで優柔不断でイライラする
初期の渡もなかなかイライラさせてくれました
中盤あたりのグダグダ感
そして始まる昼ドラ
これさえ乗り越えれば555、キバ共に井上作品でも面白い作品だと思っています
>>176>>178
このスレでは大丈夫ですけどSS速報では読者はsage推奨
上げるのは基本的に作者さんがやってくれるはずです
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/29(土) 21:20:26.46 ID:mHZHUjtro<> ―Side:恭介―
さやかに抑えられていた腕の力を抜く。
「無理なんだよ…」
もう、自分の腕は動かない。
今日、医者に告げられた。
「奇跡か魔法でもない限り…」
もしそんな物があるなら、それに頼りたい。
もう一度だけでいい。
バイオリンが弾けるのなら、この魂を悪魔に売ってもいい。
だが、現実は非情だ。
そんな事は絶対にありえない。
「じゃあさ、恭介」
さやかが急に話しだした。
「あたしが、今此処にいるのは…奇跡?それとも魔法?」
「き、君は何を言ってるんだい?」
何を言っているのか分からない。
いや、本当は分かっている。
だが、それを認めたくない。
「恭介は知ってる。今はとぼけてるだけ。逃げてるだけ」
やめろ。
それ以上は言わないでくれ。
「待ってくれ!僕が何から!」
「あたしはさ、一回…死んでるんだよ」
さやかはそう、言い切った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/29(土) 21:21:12.28 ID:mHZHUjtro<> 「恭介を助けたのはあたし」
そう、あの事故の際、車道側を歩いていたのはさやかだ。
そして、誰よりも早くこちらに向かってきていたトラックに気付いた。
「あの事故の時にさ、恭介はあたしが死ぬ瞬間を見たはずだよ」
さやかの言う通りだった。
自分は確かに見た。
自分を突き飛ばし、突っ込んできたトラックに彼女が轢かれた瞬間を。
幼馴染の体から血が吹き出し、それを見た瞬間に、死んだのが分かった。
自分は、彼女が突き飛ばしてくれたお陰で一命を取り留めた。
ただし、左腕を使えなくなった。
だがそれより気になったのは、さやかの容態だった。
人から話を聞き、カレンダー等で時間を確認した結果、自分が寝ていたのは一ヶ月。
そして、誰からもさやかのことを聞かれなかったことに疑問をいだいた。
一ヶ月も寝ていれば、通夜はおろか、葬式すら終わっているだろう。
だが、誰もその事を言わない。
自分のことを気にかけてくれているのかと思っていたが違うみたいだった。
そして、すぐに自分の事を世話しに来てくれていた看護師に聞いた。
『ああ、貴方の幼馴染の子?一日で退院しちゃったわよ?』
その言葉が信じられなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/29(土) 21:21:54.76 ID:mHZHUjtro<> 確かに自分は見た。
さやかが轢かれ、血みどろになる瞬間を。
あの傷では助からない。
医学に関して素人である自分でも、あの傷では助からないと分かった。
そして、その日のうちに、さやかはやって来た。
いつも通りの幼馴染。
起きている自分を見た瞬間、走ってきてこの右手を握りしめてくれた。
その時は、夢でよかった。
そう思っていた。
そうやって、自分を騙していた。
自分に嘘をつき続けていた。
彼女はもう、前の彼女ではないという現実から。
事故に遭う前のさやかなら、意識が目覚めた自分に向かって抱きついてくれていた。
急に肩を掴んで寄せたり、後ろから飛びついてきたり。
怪我をしている自分の体を気にしていたのもあるかも知れないが、あの事故以来そんな事はなくなった。
「君は…自分の体が自分ではなくなっていたことに気づいていたのかい?」
その言葉に、さやかが頷いた。
さやかは強い。
腕が一本動かなくなった自分なんかよりも。
そんな彼女が、羨ましかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/29(土) 21:22:44.91 ID:mHZHUjtro<> ―Side:さやか―
「君は…自分の体が自分ではなくなっていたことに気づいていたのかい?」
恭介の言葉に頷く。
流石に恭介に、既に人を殺したとは言えない。
どうせもう、彼の傍に自分は必要ない。
「でもさ、恭介…偽物なら奇跡も魔法もあるんだよ」
「え?」
それだけ言って、病室を出始める。
「もうお見舞いにも来ないし、退院してもお祝いには来ないから」
「待って!」
最後に、以前伝えたかった事をひとつだけ言う事にした。
「恭介、大好きだったよ」
そして、さやかは恭介の前から姿を消した。
さやかの目の前にはキュゥべえが居る。
何時から居たのだろうか。
『キュゥべえ。あたし、契約する』
『本当にいいのかい?』
『うん』
どうせ自分はオルフェノクだ。
魂を抜かれた所で、オルフェノクから更に道を踏み外すだけ。
『あのさ、一つ聞きたいことがある』
『なんだい?』
こいつが隠している魔法少女の秘密。
『魔法少女は…いつか、魔女になる』
『!?』
『やっぱり』
エレベーターに乗り、屋上へと向かう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2011/10/29(土) 21:23:14.34 ID:mHZHUjtro<> 屋上へとたどり着き、ドアが開いた。
「君は…どうしてそれを」
「ま、それは明日にでも皆集めて話そうかなって」
そこで海堂達をまとめるのもいいだろう。
「オルフェノクの力を持ちながら僕と契約をするのは君が初めてだ」
そんな気はしていたがどうやら自分が最初のオルフェノクで魔法少女らしい。
「どんなイレギュラーが起こるか分からない。それでも君は契約するかい?」
「うん。あたしは新しい力が欲しい。契約の祈りはそのついで」
恋なんて半年前に投げ捨てた。
ならば、せめて恭介にだけは幸せに生きて欲しい。
「さあ、早くして」
キュゥべえを急かす。
「わかった。君はその魂を代価に、何を祈るんだい?」
「あたしの願いは…『恭介の腕を治して』」
キュゥべえの耳の触手がさやかの胸へと伸びる。
「受け取るといい。それが君の運命だ」
光に向かって手を伸ばす。
そして、光の中心に存在する蒼いソウルジェムを掴んだ。
「大丈夫かい?」
「ん?問題ないかな」
あえて挙げるなら体から力が溢れてくる。
これが魔法少女の力なのだろうか。
「問題ないなら早く行こう。マミ達が魔女と戦っている」
「ああ、最初から最後まで全開で行くよ」
ソウルジェムの反応を頼りに、マミ達が戦っているであろう方向へと走る。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2011/10/29(土) 21:26:40.54 ID:mHZHUjtro<> 投下終了
さやかが契約
そして始まるさやか無双
おそらくそんな感じの話になります
投下量が少ないのは753スレの書き溜めが終わらないせいです
こっちはこの先どうするかがはっきりしてますけど向こうは考えるのが難しい…
取り敢えず次回の投下は水曜夜9時頃からです
次回もすっごい少ないよ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 21:41:00.96 ID:xsBkGl5DO<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/10/29(土) 21:55:35.96 ID:HpzhARTDo<> 前回のラストから始まるのがすごくニチアサっぽい乙ベント <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/10/29(土) 21:57:19.66 ID:HIzkEvXeo<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 01:16:02.85 ID:Ad6YOWX/o<> 乙。
暗い終わりしか見えなくて困る。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<><>2011/10/30(日) 18:57:52.86 ID:cAbyKwy80<> 乙。ところで>>1さんは澤田のことを覚えていますか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<><>2011/10/30(日) 18:58:52.33 ID:cAbyKwy80<> 乙。ところで>>1さんは澤田のことを覚えていますか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<><>2011/10/30(日) 18:59:49.00 ID:cAbyKwy80<> うわ、ガタキリバった!ごめんなさい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga<>2011/11/02(水) 21:10:04.30 ID:QLc7qgBno<> スタンデンバーイ…コンプリート
なんか鯖の変更やらで色々忙しそうですけどそんな事は気にせず投下します
ファイズだから暗いのは仕方のないこと
その辺を割り切りながら書かなきゃやってられません
それ故に此処と同じテンションで名護さんスレを書くのは無理
下手すれば名護さんスレすら欝にしかねん
>>190‐192
書き込みエラーでも一回更新すること
まあそれはいいとして
メ欄に『sage』を入れなさい
基本的にスレを上げるのはそれぞれのスレの>>1の役目です
場合によっては全くageない>>1も居たりしますけど
澤田なんて奴も居ましたね
草加ほどではないにしろマリスキーなヤンデレが
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage saga<>2011/11/02(水) 21:10:58.58 ID:QLc7qgBno<> ―Side:ほむら―
マミと協力関係は入れたのはいい。
オルフェノクという存在のおかげか、ソウルジェムが魔法少女の魂ということに落ち着いてくれた。
問題は、冴子と海堂の関係だ。
かつて殺しあった間柄だけに、この二人の仲はとても悪い。
唯一の救いは、琢磨逸郎がこの二人を宥めてくれているところか。
琢磨が居なければ、きっと二人は此処で殺し合いを始めるだろう。
早くさやかと琢磨にこの二人をどうにかしてもらいたかった。
「あれは…鹿目さん?」
マミが遠くにいるまどかを見つけた。
まどかの前には志筑仁美まで居る。
まどか達に近づき、仁美の首元を確認する。
魔女の口づけ。
悪いが彼女には此処で寝てもらう。
「仁美ちゃん!?」
「大丈夫、気を失わせただけ。貴方は此処で志筑仁美を頼むわ」
あとで回収に来るために、此処からは動いて欲しくない。
「大丈夫。海堂さん達は仲は悪いけど魔女に遅れを取るほどじゃないから」
一応、協力関係にあるため対魔女戦に於いては彼女達は協力してくれるだろう。
「じゃあ、行くわよ。貴方達」
結界の反応がある方向へと急いだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage saga<>2011/11/02(水) 21:11:24.97 ID:QLc7qgBno<> 廃工場になった場所で多くの人間が自殺を図っていた。
直ぐ様、魔法などを使って全員の意識を失わせた。
魔女の結界を作られる前に、全員を工場の外へと運ぶことが出来た。
途中、冴子が使徒再生をしないか内心心配していたが、問題はなかった。
意外と、彼女はやさしいのかも知れない。
それともさやかがオルフェノクという事実に喜んでいるのか。
だがありがたかった。
マミとの協力関係の条件として、冴子に人を襲わせないという面倒な条件を付けられてしまった。
ただし、冴子が自由に動くため、この約束が守られるのは自分の目が向いている時だけ。
それでも、ワルプルギスの夜が来ることを告げるとマミは渋々納得してくれた。
「結界ができるわよ。暁美さん」
マミに言われ、周りを見ると結界が出来始めていた。
(嫌な予感がする…)
今までの統計上、此処に出現するのはハコの魔女。
他人の記憶や心を読取り、その者のトラウマを抉る。
ほむらには何てことはない。
だがマミはどうだ。
先日の魔法少女の秘密の一つ、ソウルジェムが魔法少女の魂であると知った。
それに彼女には契約した理由、交通事故という出来事がある。
そこに付け入られ、魔女に殺されないといいのだが。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage saga<>2011/11/02(水) 21:11:54.79 ID:QLc7qgBno<> 「これは…」
マミの表情が変わる。
思った通りの結果になった。
彼女の交通事故の記憶から、マミを殺そうとしているのが分かる。
「おい!マミ!」
海堂がマミの名前を呼ぶが、彼女にはその声は聞こえていないだろう。
戦闘が終わり次第、声をかければきっとこちらに戻ってくるはずだ。
マミに近づく使い魔を海堂のファイズが撃ち落とす。
琢磨はカイザブレイガン、フォンブラスターを使って使い魔を近づけさせない。
突然、結界の中のディスプレイの画面が切り替わった。
画面に映るのは、今までの時間軸を見てきた自分の記憶。
その中でも、特別強烈な記憶。
さやかが魔女になる瞬間が映し出されていた。
(これは…!?マズい!彼女にこれを見せては!)
直ぐに行動に移そうとするが、既に遅かった。
マミはその画面を目を見開いて見ていた。
(こうなったら…)
銃を構え、マミのソウルジェムを狙う。
だが、この場にいた全員がマミのリボンにより拘束された。
「そんな…ソウルジェムが魔女を生むなら…私達は死ぬしか無いじゃない!」
マミがこちらに銃を向ける。
「おい!何やってんだ!こんな事をしてる場合じゃねえぞ!」
海堂がマミを説得するが無駄だ。
こうなったら彼女は誰にも止められない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage saga<>2011/11/02(水) 21:12:28.31 ID:QLc7qgBno<> 「海堂さん…後のことはよろしくお願いします…」
マミがほむらの腕に付いているソウルジェムへと照準をつける。
引き金に指が掛かり、力を少し入れれば、銃口から銃弾が発射されるだろう。
ほむら達の周りを使い魔が取り囲んでいる。
(そんな…私はまだ…まどかを救えてない…)
此処で死ぬ訳にはいかない。
だが、ここからどうやって抜け出す。
マミのリボンは動けば動くほど体を締め付ける。
そして、マミの指に少しずつ力が入る。
後数秒。
その頃には、自分は死んでいるだろう。
何もかも諦めかけた瞬間、突然飛んできた何かがマミの銃を破壊した。
それだけではない、自分達を縛っているマミのリボンを全て切り裂いた。
「これは…車輪!まさか!」
蒼い閃光が走り、使い魔が次々と切り裂かれる。
「何やってるんですか!マミさん!」
魔法少女に変身したさやかがほむら達の前に立っている。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage saga<>2011/11/02(水) 21:12:55.01 ID:QLc7qgBno<> 「貴方も、魔法少女になってしまったのね…」
再びほむら達をリボンが拘束する。
当然、さやかもその対象に入っている。
だが、リボンがほむら達を完全に縛り上げる前に全てのリボンが切り裂かれた。
ほむらは見た。
さやかがオルフェノクにならず、車輪を出してリボンを切り裂くところを。
ほむらはさやかのオルフェノクとしての武器を知っているわけではない。
だが、今まで見たこともない武器を使っているのを見ればそう考えるしか無いだろう。
魔法少女の姿のまま、オルフェノクとしての力を引き出しているさやか。
その事態に対処出来なかったマミはそのままさやかに意識を落とされた。
「ごめんなさい、マミさん…でも、今はこいつをやらないと!」
そして、さやかの魔法少女として最初の魔女狩りが始まった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/02(水) 21:17:00.87 ID:QLc7qgBno<> 投下終了
今回もかなり短かった
それもこれも(ry
さやかちゃんを強くしすぎたようなそうでもないような…
強さに関してはかなり強めです
そういえば漫画版まどか読んでたら『さやかあちゃん』ってあってそれを見た瞬間に吹いた
ある程度は話に聞いていたけど実際に見てみたら破壊力が強かった
次回の投下は土曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県)<>sage<>2011/11/03(木) 08:06:19.73 ID:okEq+wfp0<> 乙。かなり強めって事は草加や北崎や社長よりも強いんですか? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/03(木) 16:26:48.10 ID:ukMWMZ6ko<> >>200
カイザに変身して草加さんの首コキャするさやかちゃんと聞いて <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga<>2011/11/05(土) 21:09:25.27 ID:gPvW4Isko<> >>200その辺はこの投下の後に
>>201うちのさやかちゃんはそんな事はしま…せん
アンソロ読んでたら必殺技の名前の所で
杏子「獣の●よ 来い」とかあって吹いた
しかも槍破壊編の復活するって場面を選んだのにセンスを感じた
まどかマギカからは話がずれるけどベン・トーがアニメ化してたんだなあと思い出す
今更見始めるのもアレだし原作持ってるからDVDレンタルするまでいいかと放置
あとベムに亀梨はねーよ
高岩さんがやってくれてたら人間態でもかなりアクションがあっただろうに
そんな事したら高岩さんが過労で倒れそうだけど
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:10:03.23 ID:gPvW4Isko<> ―Side:さやか―
マミ達がいるであろう結界の中へ侵入した。
「何…これ…」
結界の中のディスプレイに映る数々の場面。
その場面を見た瞬間、さやかは全てを思い出した。
(そうだ…転校生の魔法は…時間停止)
暁美ほむらの魔法。
契約時の願いによる時間停止。
そして、キュゥべえが魔法少女を作り出す理由。
希望から絶望への転移の際に生じるエネルギーの回収。
「へえ…これはとても興味深い。暁美ほむら、やはり彼女はこの時間軸の人間ではなかった」
隣にいるキュゥべえが何かを言っている。
だが、自分には関係のないことだ。
マミ達に早く加勢しなければ。
目にも止まらぬスピードで結界の中を駆け抜ける。
(な、何やってるの!)
マミのリボンがほむらや海堂達に巻き付いている。
そして、マミはほむらのソウルジェムに狙いをつけている。
(やらせない!)
いくらほむらが悪人だったとしても、目の前で消し去られそうな命があるのならこの手で守りたい。
美樹さやかができる、最大の罪滅ぼし。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:10:30.67 ID:gPvW4Isko<> 契約した時から溢れてくる力。
魔法少女とオルフェノクの力。
今のさやかには、その二つが同時に使えそうな気さえもしていた。
そして、魔法少女の姿のまま車輪を召喚する。
(出来た!)
マミのマスケット銃に向かって車輪を飛ばし、銃を破壊する。
それと同時に、数個の車輪を繰り出し海堂達を縛っているリボンへ向けて射出する。
さやかはマミ達を取り囲んでいる使い魔を全て切り裂いた。
「これは…車輪!まさか!」
ほむらが自分の飛ばした車輪に気がついた。
「何やってるんですか!マミさん!」
周りを囲んでいた使い魔をすべて倒し、一旦止まる。
そして、海堂達を縛り上げていたマミに向かって怒鳴った。
「貴方も、魔法少女になってしまったのね…」
その瞬間、マミのリボンがさやか達の体に巻き付く。
だが無意味だ。
そのリボンが体を締め上げる前に車輪を使い、ほむら達の分も切り裂く。
予想外の出来事に反応できていないマミに近づき、その意識を刈り取った。
「ごめんなさい、マミさん…でも、今はこいつをやらないと!」
そして、魔女に向かって剣を向けた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:11:01.30 ID:gPvW4Isko<> 魔女の見た目はパソコンのディスプレイか体と羽が生えたような姿。
そして、その画面の中から新たな使い魔が誕生する。
使い魔達がさやかの四肢をつかむ。
動きが遅いため避けることも出来た。
だが、あえてしなかった。
力の差を魔女に見せつけるためにわざと掴まれた。
さやかを掴んでいる使い魔達を車輪で全て切り裂く。
魔女が起こるような仕草をし、新たに使い魔を生み出す。
「無駄だって分かってるでしょ!」
今度は容赦しない。
地面を蹴り、一気にスピードを上げる。
結界を縦横無尽に駆け回り、使い魔を潰し、魔女本体へ攻撃を仕掛ける。
「これで!最後だぁあああああああ!」
一度剣を捨て、青い炎の中から2本の剣を取り出す。
オルフェノク時の剣。
切れ味、耐久性共に此方の方が上だと分かった。
そして、魔女の体に剣を思いっきり突き刺した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:11:33.17 ID:gPvW4Isko<> 「暁美ほむら。思った通り、君はこの時間軸の人間ではなかったね」
結界が消滅して、キュゥべえが突然ほむらに言った。
「インキュベーター…」
(いんきゅべーたー?)
聞きなれない単語にさやかは疑問を抱く。
もちろん、さやかの疑問など誰も知らぬまま話は続く。
「ソウルジェムの秘密を知っていたこと、あそこでマミがやられること。そしてワルプルギスの夜の襲来の事実」
言われてみればそうだった。
確かにこの街に来て間もない彼女がかなりの多くのことを知っている。
ワルプルギスの夜が来ることなんて普通の者には決して分かるわけがない。
「今回の魔女はいい働きをしてくれた。それと暁美ほむら、僕達は君にお礼を言わなければならない」
「何が言いたいの…」
ほむらがキュゥべえを睨んだ。
「鹿目まどかの事さ」
「まどか…」
まどかの名前をほむらが呟いた。
「異常なまでの彼女の素質。君が世界を繰り返すたびに、彼女の素質は強まっていった」
「え…」
初めて見る、ほむらの驚愕の顔。
彼女は彼女で知らなかったことらしい。
「君の願いはまどかに関することだと僕は予測する。そして、その願いの結果。まどかに因果の糸が結びついた」
「そんな…私のやって来たことは…全部無駄だった…?」
ほむらの顔に絶望に似た念が浮かび上がるのがわかる。
「宇宙のことを考えたら、君のやって来たことは実に素晴らしいことだ」
「そんな…いや…私は…」
頭を抱え、現実から目を背けているのが分かる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:12:06.28 ID:gPvW4Isko<> 「はぁ……」
黙って聞いていたが、とりあえずほむらの前に立つ。
「顔上げて、歯ぁ食いしばれ!」
強引にほむらの顔を挙げさせ、頬を思いっきり引っ叩く。
「何のつもり…」
ほむらがさやかの胸ぐらをつかんだ。
「おお、その目だよ。初めて見るよあんたのそんな目」
ほむらは何がなんだか分からないという顔をしていた。
「あんたさ、転校してきた時からずっと同じ目をしてた。何もかも諦めた目」
「何が言いたいのよ」
ほむらの手に力が入るのが分かる。
「今のあんたの目は、何が何でも目的を果たす、そんな目をしてる。だったらまどかのためにその目を使ってやりな」
「え…?」
本当に分かっていなかったのかと頭を抱えそうになる。
「あの子のためにこの世界であんたの旅を終わらせちゃえばいいじゃん」
「それができないから!」
ほむらがさやかを掴み上げた。
「それぐらいの勢いがあれば、きっと勝てるよ。ワルプルギスの夜なんか」
実際、ワルプルギスの夜がどれほどの強さかは知らない。
だが、この世界にはオルフェノクが存在する。
魔法少女ですら歯が立たない最悪の存在。
そして自分は魔法少女で、オルフェノクなのだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:12:33.10 ID:gPvW4Isko<> 「今更諦めてんじゃないわよ。自分の正義のためなら全てを犠牲にしてもいい、ってぐらいにやれよ」
「まどかはそんな事をしても喜ばない」
「へえ、よく分かってるじゃん」
本当にあの子のことをよく分かっている。
キュゥべえの言う通り、彼女はまどかのために契約したのだろう。
「じゃあ、あたしもあんたの力になるよ。マミさんだって、事情を話せばきっと分かってくれる」
「巴マミはもう無理よ。彼女の心は完全に折れてしまった」
ほむらの言葉に、少しだけ納得する。
だが、このままマミを放っておくわけにもいかない。
「そうだとしても、あたしは絶対にマミさんを助ける」
「貴方はどうしてそこまで出来るの」
何故か。
そう聞かれると、自分でもよく分からない。
「罪滅ぼし…かな。まあ、どんなに罪を背負ってもあたしはあたしの生き方を貫くだけ」
「ふん」
ようやくほむらが手を放した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:13:05.25 ID:gPvW4Isko<> 「ねえ、キュゥべえ」
「なんだい?」
明日の事を話す前に聞いておくことがある。
「見滝原の近くに、佐倉杏子って魔法少女は居る?」
「!何故君がそれを」
「だから、それも含めて明日話すって」
キュゥべえの反応を見るかぎり、確実にいるようだ。
「明日学校が終わるぐらいの時間にその子呼んどいて」
「君が言うなら…彼女を呼んでおくよ」
とりあえず、明日の予定は決まった。
「じゃあね、皆」
そう言って、さやかはその場を去った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/05(土) 21:17:34.54 ID:gPvW4Isko<> 魔法少女・美樹さやか
キュゥべえと契約したさやか。
魔法少女としての力は治癒能力。
魔法少女になったためか人間態・オルフェノク態・
魔法少女態全ての状態でオルフェノク時の剣、車輪が使えるようになった。
ちなみに治癒魔法はオルフェノクの灰化(老化現象)に対してもある程度有効。
流石に高濃度のフォトンブラッドを注ぎ込まれた者や、寿命が尽きかけているオルフェノクに対しての効果は薄い。
・強さ比較
王>次元の違う壁>木場=たっくん>花形>村上社長=北崎≧魔さやか>さやか≧冴子>琢磨くん≧J=ショウさん>結花>
オリジナルの壁>澤田>ホスト>海堂>木野雪菜
さやかと魔さやかの間には大きな壁があります
経験なしでの能力全てを含めた戦闘能力はこのSS現時点ではさやかが最強ランク
なので経験を積めばまどかを除きさやかの一強になります <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga<>2011/11/05(土) 21:20:02.01 ID:gPvW4Isko<> 投下終了
書き溜め尽きかけワロスwwwww
マジでやべえなと思い、投下5分ほど前からある程度書き溜めを再開という訳の解らんことをやっております
漫画読んでる場合じゃねえぞって叱ってくれても結構です
次の投下は水曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 21:30:00.57 ID:gPvW4Isko<> ショウさんネタバレになってるけど気にすんな
まあ強さしかわかってないからいいけどね
これぐらいなら問題ないと思いたい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/11/06(日) 01:03:32.26 ID:4+eIa9ulo<> 乙。
さやかは頼もしいけど諦観からくる強さなのが不安だ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 09:50:36.67 ID:gOITOD9DO<> 見てるぜ
そのうち地獄兄弟が本格的に活躍するのだろうか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都)<>sage<>2011/11/06(日) 20:21:56.66 ID:buu+4t/uo<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(富山県)<>sage<>2011/11/06(日) 22:54:36.74 ID:2vcNSpqe0<> ところどころ見たことのある歌詞が…
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県)<>sage<>2011/11/07(月) 06:56:17.21 ID:CLrAs4/O0<> 乙。琢磨君・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/07(月) 22:43:25.19 ID:MNzeuEmEo<> (俺が乙する音)
琢磨君・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県)<>sage<>2011/11/08(火) 14:20:56.32 ID:rzyN1DcS0<> 今思ったんだが北崎より社長の方が強いと思う
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/08(火) 16:23:41.57 ID:d/uMuQ2go<> 王に食われたか灰にされたかの違いだった気がするな―うろ覚えだけど <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/10(木) 23:33:20.25 ID:7XYoZsino<> 昨日は兄貴にPC占領されてて投下できませんでしたので今日に変更
そして9時半には投下しようとしたらエラーが何回もでて書き込めず結局こんな時間に
イライラするんだよ…
>>213
色々な事を諦めてるからこそ、ここのさやかは強いんです
オルフェノクになった時点でまともに生きられないと悟ってますから
>>214
地獄兄弟…?
このSSでやるなら地獄兄妹になりそうですけど
>>216
今のところRegret nothingと名護システムが出てきたはず
これからもちょくちょく出てきますので
あと『and I'm home』は入れたいなと
>>217,218
琢磨君がどうかしましたか?
彼なら空気ですよ
だって琢磨君ヘタレだもの
>>219,220
Wiki見てみたら
北崎…王にモグモグ
社長…ライフエナ…力だけ吸われ、石像みたいになったところを花形に蹴られて灰に
王の餌になったと言う所では両方一緒ですね
確かに社長のほうが強いかもしれませんね、若干
投下開始
今回は短すぎるのでsage進行で行きます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/10(木) 23:33:50.16 ID:7XYoZsino<> ―Side:杏子―
佐倉杏子は今日も魔女狩りをしていた。
いつもと違うのは、その後ろに三原修二が居ない。
彼は今日、残業が入ったらしい。
人数が減ることにより、リスクは若干増えるが、その程度は今までの経験でどうにか出来る。
「あれは…」
廃ビルの屋上に一人の男が立っている。
昔の癖で、少しだけ体が動きそうになる。
「あたしにはもう関係ない」
自分にそう言い聞かせ、足を止める。
男がビルから飛び降り、地面に打ち付けられる。
「おえ。気持ち悪…」
出来るだけ死体を見ないように、足早にビルの中へと入る。
此処に魔女が居ることは間違いない。
「悪いな。あたしも今日生きるのに必死なんだよ」
心の中で、先程飛び降りた男に手を合わせる。
だが、杏子はこのとき気づいていなかった。
男の体が、微かに動いたことに。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/10(木) 23:34:34.07 ID:7XYoZsino<> 最低限の使い魔を倒し、結界の最深部へたどり着いた。
三原がいてもいなくても、いつもと変わらない時間。
三原は何故か、使い魔まで倒してしまう。
彼にも彼なりの事情があるのだが、それを知っていても理解出来ない。
力があるのなら、自分のためだけに使えばいい。
誰かのために使うなど、馬鹿げている。
実際、自分はそのせいで、家族を壊した。
ただ、家族を壊しただけなら良かった。
悪いことは度重なるもの。
そこから先を思い出すのはやめた。
「こいつか…」
この結界の魔女を見据える。
雰囲気からも大した強さは感じられない。
地面を蹴り、槍を振るう。
「チッ、流石に一発じゃ無理だな」
魔女の攻撃を避け、反撃を開始しようとする。
その瞬間、背筋に悪寒が走った。
(何だ…?この感じ)
恐る恐る後ろに目を向ける。
(あ…そんな…嘘だ)
信じられない光景が彼女の目に写っている。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/10(木) 23:35:24.17 ID:7XYoZsino<> (なんで…あいつが…)
先程この建物から飛び降りたはずの男が立っている。
絶対に助からない。
そう確信を持って言える。
そして、男が姿を変えた。
灰色を基調とした異型の化物。
家族を失ったあの日に見た化物によく似ていた。
(怖い…嫌だ嫌だ)
三原が居ない今、彼女にあの化け物を倒す手段はない。
この場で死なないように魔女に最大の一撃を食らわす。
やや、やり過ぎの感じはしたが、そんな事を気にかけている場合ではない。
グリーフシードを拾い、その場を後にした。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/10(木) 23:36:03.65 ID:7XYoZsino<> あの建物から数キロは離れただろうか。
「お父さん…」
彼女の父は彼女が殺した。
実際に手を掛けたわけではない。
だが、彼女が殺したも同然だった。
「やあ、佐倉杏子」
「てめえ」
白い姿をした獣が姿を現した。
「怖いものでも見たのかい?」
「てめえには関係ねえだろ」
そう言って槍を突きつける。
「まあ待ってくれよ。君に話したいことがあるんだ」
「早く話して消えろ」
この姿、この顔。
見ていて苛々する。
「見滝原で新しく魔法少女が契約した」
「あ?マミのやつが死んだのか?」
だとしたら、それは彼女にとっても好都合。
「そうじゃない。その子が君を呼んでる。いや、君も呼んでる」
「は?そいつあたしの知り合いじゃねえだろ」
魔法少女の知り合いなど、以前殺し合いにまでなりかけたマミ以外には居ない。
「何か事情があるみたいでね。ま、明日の5時ぐらいにでも見滝原に来てくれたらいいよ」
「待て!」
杏子が呼び止めるよりも早く、キュゥべえは姿を消した。
「あたしを呼ぶルーキーか。面白いじゃん。行ってやるよ見滝原に」
杏子もまた、暗闇にその姿を消した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>saga sage<>2011/11/10(木) 23:38:13.64 ID:7XYoZsino<> 投下終了
書き溜めが尽きかけなのでこうやって書き溜めを作る時間を稼がないと
ていうかSS速報重すぎだろ
度々こんな事があるのが此処の辛いところですね
次回の投下は土曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/12(土) 21:19:11.04 ID:gWeiEtDNo<> まどか映画化来ましたね
一番近い映画館でやるかどうかが心配です
Newtype買ってないから分からないんですよね
公式では詳細はNewtypeでって書いてあるし
軽い気持ちでカンバライドやったときにSR以上が出た時の焦り様は異常
どれがベスパなのかも分からない状態で取り敢えず適当にカードをスキャン
そのカードがベスパだったときはかなり嬉しい
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:19:55.51 ID:gWeiEtDNo<> ―Side:????―
どうしてこんな所にいるのだろう。
自分の意志とは裏腹に、誰もいない建物の階段を登り続ける。
男には、これから自分がどうなるかなど、知る由もなかった。
一週間ほど前から同僚が姿を消した。
理由はわからない。
いなくなる前の日も、適当に馬鹿な女の話をしながら笑い合っていた。
『また明日』といってわかれた筈なのに次の日以降、彼は姿を表さなかった。
そして、気になる情報を少しだけ聞いた。
ホストみたいな男が、化物の姿になるのを見たって話を。
目撃情報を辿ってみると、ちょうど男が彼と別れた直後から。
そして、翌日に少し目撃されただけでそれ以降は目撃情報はない。
割と仲が良かっただけに、少し残念な気分だった。
もし警察に捕まったのだとしたら、自分にも何か連絡は来るはずだ。
だが、それすら無い。
そして今、男はその答えを見つけられず、階段を登っていた。
「もう、俺は生きてる意味なんて無いのか」
何故か思考が悪い方へと行ってしまう。
「ははっ、俺の最後の瞬間を見届けてくれるのかい?」
遠くに映る、赤髪の少女に向かって口を開く。
当然、彼女に声が届くはずなんてない。
「じゃあな」
そして、男は飛び降りた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:20:24.23 ID:gWeiEtDNo<> 飛び降りて、どれ程の時間が経っただろうか。
何故か男は生きている。
飛び降りる瞬間の記憶まで覚えている。
あの高さからでは、どう考えても助かるわけがない。
「どうなってるんだ?」
突然、男の体に異変が起こった。
体が熱い。
先ほどまでと違う。
体の奥底から溢れてくる妙な感じ。
何処かに人は居ないだろうか。
そう思いながら、男は周りを見る。
さすがに誰も居ない。
そして、あることを思い出した。
「この中に女の子が入っていったような…」
男はフラフラと建物の中へと入っていく。
彼は自分の体のことも知らず結界の中へ入ることになる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:21:25.56 ID:gWeiEtDNo<> 「ハァ…ハァ…何なんだよ此処は」
建物の中へ入ってまだ数分しか経っていない。
それなのに、男の周りの空間は先程までとは全く違う。
まるで、自分だけが別の世界に来てしまったような錯覚を覚える。
とにかく前へ前へと進む。
途中、見たこともない生き物がこちらの様子を伺っていた。
もし此処が別の世界だとするとこの世界の住民かも知れない。
そう思って近づいてみたが、何故か逃げられてしまった。
こちらのことを余り分かっていないような気もしたが、怯えているようにも見えた。
「ドア?」
その扉に手をかけ、部屋の中に入った。
そこに居たのは先程の少女。
服装はかなり違うが、赤く長い髪。
見間違うはずがなかった。
そして、その少女の近くにいる怪物。
気味が悪いが、何故か恐怖は感じない。
(何だ!?アレを見た途端、体が!)
だがその瞬間、男の体に異変が起きた。
男の姿がみるみるうちに変わっていく。
そして、灰色の姿をした化物が誕生した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:22:33.41 ID:gWeiEtDNo<> その姿を見た途端、少女は怪物を倒し、何かを拾って何処かへ行ってしまった。
それもそうだろう。
自分だって化物に対峙すれば迷いなく逃げるだろう。
それこそ、同じ人間を餌にしても。
久しぶりに泣きたくなった。
そんな状態でありながらも、自分の周りには先程のこの世界の住人達が居る。
おそらく、化物である自分を排除しようとしてるのだろう。
だが、死ねない。
たとえこの身が化物であったとしても、彼の心はまだ人間なのである。
「ウワァアアアアア!」
右手に銃が出現する。
ただの銃ではない。
通称、銃剣と呼ばれる武器。
その銃で周りを囲む、住人たちに向けて放つ。
これで、後戻りはできない。
だが、何故か罪悪感は感じない。
人の姿をしていないためか。
なんとなく感じてはいたが、向こうも怪物なのかも知れない。
化物と怪物。
実に醜い争い。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:23:04.47 ID:gWeiEtDNo<> だがいかに醜くても、男には生きたいという願望がある。
一度体が死んでいたとしても、地獄を見ても生きられるのならそれでいい。
ならば此処で、怪物を相手に死ぬわけにはいかない。
更なる力が湧き上がる。
化物となった男の背中に羽が生えた。
その翼で飛翔し、怪物を撹乱する。
怪物たちに化物の姿を見ることはできない。
いくら怪物であっても、音速よりも速い化物を見ることなど不可能だ。
男は手に持った銃を乱射する。
怪物たちの体を蜂の巣にした。
だが、それだけでは死なない怪物も居た。
一際体の大きい怪物。
そいつに向かって銃を連射するがダメージが通らない。
「なら、こいつでどうだ!」
武器の威力が変わる。
連射式から、威力の高い単発式へとモードが変わる。
一発、二発、三発。
確実に怪物の体に打ち込んでいく。
それでも、怪物は止まらない。
「まだ、抵抗するなら!」
持ち方を変え、剣を伸ばす。
「此処から居なくなれ!」
そして、怪物を切り裂いた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:23:34.72 ID:gWeiEtDNo<> 「やった…やった!俺は生きている!」
怪物を倒し、訳の分からない空間から元の場所へと戻ってきた。
変身が解け、人間の姿へ戻った。
その場で大きく手を上げ、生きていることを実感する。
「ハハッ…」
気がつけば、男は涙を流していた。
「なんで泣いてるんだよ…俺…」
男は本当は理解していた。
既に自分の体は自分の体ではないと。
化物になってしまっているのだということに。
「うわああああああああああ!」
そこで再び、男の意識は途切れた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:24:20.84 ID:gWeiEtDNo<> ホークオルフェノク
????が変身するオルフェノク。
モチーフはタカ。
武器は銃剣。
ガンモードは威力が高い単発式と威力の低い連射式に切り替える事ができる。
オリジナルなので激情態、飛翔態への強化変身が可能。
その他にも視力超強化などオリジナルらしい強さを兼ね備えている。
その代わりか、聴力強化はない。
飛翔態の最高速度はファイズアクセルに追いつくほど。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/12(土) 21:27:44.74 ID:gWeiEtDNo<> 投下終了
誰かはわかってるだろうと思うけど、一応名前は伏せる
オリジナルオルフェノクを出しすぎて、Wiki見たりして確認しないと被りそうで怖い
ちなみに後数体は出したいなあと思っております
次回第5話『後悔なんて、あるわけない』
投下は水曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/12(土) 22:22:42.69 ID:mXj/56aq0<> 乙
映画は2chのスレじゃブレイドか龍騎みたいになると予想していらっしゃる
俺は大穴で魔獣の王の城とか魔女の力で過去に飛ばされる話とか妄想中 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/11/12(土) 23:29:00.34 ID:1OpgnQiv0<> オリジナルオルフェノクがコンドル、タカと続いたからつぎはクジャクが出そうで怖い
そろそろ植物系が出てきてもいいんじゃないかな・・・・・・ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/13(日) 00:49:50.24 ID:eEbj6ffco<> >「まだ、抵抗するなら!」
>「此処から居なくなれ!」
中の人ネタwwwwwwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 08:47:41.45 ID:Qm6v3kpDO<> 乙でした
エッグプラントオルフェノクって居たっけ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/13(日) 08:51:06.78 ID:Qm6v3kpDO<> 途中送信
色々見てるとさやか強いな…
さやかがメインって珍しいし続き楽しみにしてます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県)<><>2011/11/13(日) 09:09:01.76 ID:EmhOQsVH0<> >>239
エッグプラント・・・茄子か
オクラはいたけど茄子はいなかったよようなきがする <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/11/13(日) 09:12:18.97 ID:mbjy+d0Ho<> 乙〜
残念ながら、>>1がオリジナルだと思っているオルフェノクは全部、劇場版に登場したのと被っているよ。うん(多分) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/13(日) 09:20:32.91 ID:Qm6v3kpDO<> >>241
あとヘッジホッグオルフェノクとか… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/13(日) 13:20:20.72 ID:JJPxmpe9o<> >>237
???「俺のコアだ―!!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県)<><>2011/11/13(日) 19:40:10.68 ID:EmhOQsVH0<> 意外とベアーオルフェノクとかシャークオルフェノクはいなかったりする
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県)<><>2011/11/13(日) 19:41:49.92 ID:EmhOQsVH0<> 途中で送っちゃった・・・
だから思いつかなかったら熊とサメを出せばいいと思います <>
>>1<>sage<>2011/11/15(火) 21:57:06.70 ID:lE/Ga/eno<> 書き溜めが全然無いので書き溜め準備期間をください
期間は2週間
なので次回の投下は11月26日の土曜日になります
なんか色々とすいません <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/26(土) 21:17:55.68 ID:JY5gprKlo<> 二週間の準備期間の末、なんとか20レス程度まで書き溜め完了
まあ、二週間使ってたった20レス程度かよって感じもします
まどか映画…剣だとまどかではなくほむらが犠牲に、龍騎なら最後は特攻
魔獣の王の城って古代の王が復活してウンタラカンタラ
電王は見てないからわからん
オルフェノクに関してですけど、パラロスでも未登場を含めたらそりゃあ被らないってのが難しいです
地球の人口のほぼ全員がオルフェノクになっていることを考えると…
適合しなかった人間もいることだから約4,50億人がオルフェノクになっていると思うんです
と言うより、あの中で被ってるのもいるでしょ
植物系は…一応出てこられる場面はあります
これから登場予定のオルフェノクも大体決まってます
中の人ネタはこれからもちょくちょく出てくるけど気にするほどのものじゃないです
バンダイが本気出してきて困る
アーツ真さんとか参考とは言え胸熱
あと、真アンコとfigあんこを早く並べたい
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:18:52.30 ID:JY5gprKlo<> ―通学路―
いつもと同じように集まった3人。
だから、いつもと同じように進みたかった。
『さやかちゃん』
でもそんな事は出来ず、まどかからテレパシーが送られてくる。
『何?何か用?』
『さやかちゃんは…魔法少女になっちゃたの?』
質問を受けた直後、さやかは歩みを止めその場に立ち止まる。
さやかさん、と仁美がこちらの様子を伺ってくる。
だが今は仁美よりもまどかの方を優先する。
『誰に聞いたの』
『き、キュゥべえに…』
いらないことばかりやってくれる訳の分からない生き物だ。
『あの、私も…魔法少女に―』
「そんな事しなくてもいいよ」
口にしてから、ハッとする。
本音が出てしまった。
「さやかさん?大丈夫ですか?」
「ハハハ、いや〜ちょっと昨日寝てなくてね〜」
取り敢えず、その場しのぎの嘘を吐く。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:20:01.26 ID:JY5gprKlo<> 「あら、そうなんですの。私も昨日は忙しくて殆ど寝ていなくて」
「へ〜仁美にしては珍しいねえ」
原因は知っている。
魔女に操られ、もう少しで食われそうになっていたかもしれないのだ。
『ねえ、どういう事?魔法少女になるなって』
まどかがまたテレパシーを使って話しかけてくる。
正直、一度に二人の話し相手をするのはすごく疲れるのだが。
『聞いてないのか…魔法少女はね、ソウルジェムが濁りきると魔女になるんだよ』
「それで、仁美はどうして寝不足なの?」
まどかに対して真実を告げつつ、仁美との会話も成り立たせる。
「いえ、私は少し離れた場所で見つかったんですけど…なんだか私、夢遊病みたいのにかかってしまってたらしくて。
それも私一人ではなく、同じような症状の方が大勢居たんですの」
魔女に魅入られ、知らず知らずのうちに死にそうになっていた。
もちろん、それを知るのは人外だけである。
『ねえ、さやかちゃん。それって…どういう事?』
『キュゥべえに聞いたら?多分、言うと思うよ』
仁美が喋り終わった僅かな間にまどかと会話をする。
そこで、まどかとの会話を終わりにさせた。
「お医者様は集団幻覚とかなんとか…今日も放課後に精密検査に行かなくてはなりませんの
はあ、めんどくさいわあ」
「そんな事なら休んじゃえばよかったのに」
「だめですわ。それではほんとに病気みたいで、家の者がますます心配してしまいますもの」
仁美は本当にいい子だと思う。
少なくとも自分なんかでは手が届きそうにない場所にいる存在。
もし、恭介を誰かに任せるなら…仁美しか居ない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:20:34.55 ID:JY5gprKlo<> 今日、暁美ほむらは遅刻ギリギリで登校してきた。
その目は何かも諦めた…様な何処か必死に希望を探している目。
見ていて痛々しかった。
まどかはまどかで、先程会話を終了してからまともに話をしていない。
まあ、分からないこともないが。
魂をソウルジェムという石ころにされた挙句、最後には魔女になる、なんて言われたら普通の者は同じような反応をするだろう。
そして、その事を知ったマミのことが心配だった。
さやかの予想通り、マミは魔法少女が魔女になることを知らなかった。
それだけではなく、ほむらすらも殺そうとしていた。
おそらく、彼女の真っ直ぐすぎる、一度信じれば信じ過ぎる心がマミを変えたのだろう。
「暁美さん?具合が悪かったら保健室へ行きますか?」
「いえ…お構いな―」
先生と会話してる途中、ほむらが一瞬ふらついた。
「やっぱり保健室へ行きましょう。保健委員の鹿目さーん」
先生がまどかを呼ぶが、まどかは微動だにしない。
「もしかして、鹿目さんも具合が悪いんですか?仕方ないですね。委員長が二人を連れていってください」
このクラスの委員長。
美樹さやか。
「はい。ほら、まどか行くよ」
「……」
何も言わない、まどかを立たせ、ほむらと一緒に保健室へと連れていった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:21:18.31 ID:JY5gprKlo<> 「それじゃあ、先生。後はよろしくお願いします」
まどかとほむらを保健室まで連れ行った後、教室へ戻っていた。
保健室から然程離れておらず、尚且つ周りから見えない場所で立ち止まる。
『転…暁美ほむら』
『…』
微かだが、返事が聞こえた。
『あのさ、余裕が出てきたらでいいからさ、昼休みに…話がしたい』
『…分かった』
『屋上で待ってるから』
テレパシーを送り終えてほっとする。
なんとか話はしてもらえるようだ。
そして、この距離ならと思いマミにもテレパシーを送る。
『マミさん』
返事が来ない。
いや違う。
マミまで届いていないという言い方のほうが正しいか。
『マミさん!』
さっきよりも強く、マミの名前を呼ぶ。
だが、返事はない。
『マミなら学校へは来てないよ』
『!?』
聞いたことのある声。
何処から発信しているのか、キュゥべえがさやかのテレパシーに割り込んできた。
だがそれより、キュゥべえの言った事のほうが気になった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:21:51.66 ID:JY5gprKlo<> 『マミさんが学校へ来てないってどういう事?』
『君も見ただろう?結界の中でマミの取り乱した様子を』
魔法少女であるほむらだけではなく、海堂達までも縛り上げていたマミ。
そして、自分までを縛り、殺そうとしてきた。
『マミのメンタルの弱さは僕も知っていたからね。まあ、今だに魔女化する気配がないのはちょっと誤算かな』
キュゥべえの話を聞いてほっとする。
なんとか魔女にはならないようだ。
だが、安心はできない。
真実を知ったマミがどのような行動を取るかは、昨日結界で見た。
暁美ほむらと話を済ませた後にでも学校を抜けだしてマミに接触すべきだろうかと考える。
『君が考えていることは大体察しがつくけど…ま、頑張ってよ』
『そんな事、全然思ってもいないのによく言うわね』
『そんな事はないよ。魔女にならずに死なれると僕達が困るからね』
そんな事だとは思ったが、はっきり言われると余計に腹が立つ。
ふと時間を見てみると、かなり時間が過ぎていた。
これは先生に怒られるのは絶対だろう。
『分かったからこれ以上話しかけてこないで』
『やれやれ、僕も嫌われたものだね。わけがわからないよ』
それ以降、キュゥべえは本当に何も話しかけて来なかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:22:20.19 ID:JY5gprKlo<> 3時限目が終わったぐらいで、まどかとほむらは教室へ戻ってきた。
二人のその顔はまさに病人。
家に帰したほうがいいのではないかと心配されるほどだった。
それでも、二人はそれを拒み学校へいることを選んだ。
そして、昼休み。
仁美が昼食に誘ってきたが先約があるからと言って一人で屋上へと行く。
屋上につくと、既に暁美ほむらは立ち尽くしていた。
「待たせてごめん」
対して時間は経っていないだろうが、彼女よりも遅れてきたのだ。
一応謝罪を入れておくべきだろう。
だが、返事はない。
「何の用なの」
少しの間が空き、鋭い視線と質問が飛んできた。
「いやさ、あんたにちゃんと協力しようかと思ってさ。それで、あんたのこともっと知りたくてさ」
「貴方に話すことなど無いわ」
昨日の結界の中と夢で大体の事は分かっているつもりだが、やはり本人から聞いておきたかった。
「僕からもお願いしたいね」
その声が聞こえた方向へ、車輪を飛ばす。
『グチャ』という肉が潰れるような音が聞こえた。
「君に体を潰されたのは初めてだね。まあ、魔法少女に体を潰されるのは滅多に無いことなんだけどね」
新しいキュゥべえが現れ、先程殺した肉を食い始める。
見ていてかなり気持ちが悪い光景だった。
「あんまり長居するとまた潰されそうだから此処で僕は退散しておくかな」
そして、フェンスからキュゥべえは飛び降りた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:23:01.11 ID:JY5gprKlo<> 「頼むからさ、あんたの事情も分からないまま協力するのも何か変じゃん?」
建前はそうである。
本音は、彼女の心情が知りたい。
「貴方は何のために契約したの」
「え?」
突然の質問にさやかは戸惑う。
「恭介の腕を治した…けど、新しい力がほしかったから」
先の短い自分とは違い、恭介には幸せな生き方をしてもらいたかった。
だからこそ今は暁美ほむらと協力してワルプルギスの夜を倒さなければならない。
「彼の腕を治しても見返りなど無い。それを分かって貴方は契約したの?」
「ああ。魔法少女が魔女になるのもした上でね」
その言葉を聞いた瞬間、ほむらの顔が微かに変わった。
だが、すぐいつもの顔に戻った。
「それが分かった上で契約するなんて…馬鹿ね」
「正直に言うね。でも、そういうところ、嫌いじゃないよ」
気持ち悪いことを言うなとでも言うような顔をして、睨んできた。
「見返りもなく、誰かに優しさを見せながら戦う。魔法少女としては致命的ね。
本来、魔法少女は自分の為だけに願うもの。でも美樹さやか、貴方はどちらにも属そうとしない中途半端」
「あんたの言う通りかもね。でも、後悔はしてない。だって、誰かの力になれるなら…後悔なんてあるわけない」
オルフェノクになったこと、魔法少女になったこと。
どれをとっても、自分にとっては必要なことだった。
オルフェノクの力のお陰で、マミを救うことが出来た。
魔法少女の力のお陰で、ほむらを救うことが出来た。
伸ばした手が、誰かに届く。
それが、とてつもなく嬉しかった。
「手が届くのに伸ばさなかったら絶対に後悔する。だから、手を伸ばす」
所詮、自己満足でしか無いと分かっていても。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:23:30.01 ID:JY5gprKlo<> 「誰だって自分だけ満たされればそれでいい。貴方は違うの?」
暁美ほむらが質問をしてきた。
先程から、質問されてばかりのような気もする。
「違うでしょ」
だが、違うのは自分だけではない。
「あたしも、あんたも。マミさんやまどかだっておんなじだよ」
そう、全員同じ。
「皆、後悔しない生き方が知りたい。だから色々な物を求めてる」
マミならば『生きる』
まどかなら『誰かに頼られたい』
魔法少女の契約も、自分の求めるものを得るための契約。
ただ、その見返りは相応のものではないが。
「あたしは…誰かを助けたい」
誰かのためならば真っ直ぐになれる。
たとえそれが、自分の身を滅ぼすことになったとしても。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/26(土) 21:23:56.67 ID:JY5gprKlo<> 「やはり、貴方は此処で殺しておくべきかもしれないわね」
「今のあんたにそんな余裕は無いでしょ」
ほむらの顔がやや歪んだ。
図星のようだ。
もちろん、それを分かった上での発言なのだが。
「ワルプルギスの夜を倒すために協力はしてもらう。けど、必要以上に私に干渉しないで」
この場に居たくなくなったのか、強引に話題を切り上げた。
そして、踵を返して屋上からいなくなった。
「ほむら…」
さやかのほむらを呼ぶ声だけが、静けさを失わせなかった。
だがそれもほんの一瞬。
すぐに、その場に静寂が訪れる。
「あんたも…馬鹿だよ」
そして、さやかも屋上から去った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/26(土) 21:31:39.62 ID:0X70ogFGo<> 投下終了
さやかがオエージみたいなこと言ってるけどいいよね
さやかメインのSSが少ないのも乾(ry
メインでおすすめなら某病んまどSSかと思ったけどなんかすごい展開でびっくり
今回からこれまで使った歌詞が入ってる曲を最後に入れようかと思います
次回の投下は水曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/26(土) 21:34:13.91 ID:0X70ogFGo<> 今回使った曲
・Time judged all
これまでに使った曲
・Fight For Justice
・Regret nothing〜Tighten Up〜
・Time judged all
抜けているのがあったら次回に更新 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/26(土) 21:50:24.65 ID:eNvx3z+no<> オツ!オツ!!オツ!!!ギガスキャン!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/11/26(土) 22:06:12.93 ID:zsQDmvWho<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/30(水) 21:10:09.24 ID:76qhYT3Go<> クラフォの発売日は明日ですけどフラゲした人もそこそこいるみたいですね
勿論自分も注文しましたが、PSPが使えないという…
取り敢えず、1月か2月には買う予定
投下開始
短い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/30(水) 21:11:03.35 ID:76qhYT3Go<> ―Side:マミ―
布団の中で蹲りながら、時計を確認する。
時刻は十三時過ぎ。
学校にいるのなら丁度昼休みの時間だ。
だが、今の彼女にはその事は関係ない。
今日、彼女は学校へは行かなかった。
原因は、昨日の結界の中の出来事。
魔女の攻撃―おそらく結界の中に入った者の記憶を読み取り、その中からその者が心の奥底に閉じ込めておきたいもの。
トラウマを掘り起こし、その者に見せつける。
想定外だったのは、二番目に見せられたものが、マミの記憶ではなく別の人間。
『暁美ほむら』の記憶だったのがいけなかった。
暁美ほむら―数多の時間を繰り返し、出口の見えない迷路を永遠に彷徨い続ける魔法少女。
彼女が見てきた数々の記憶。
その中に『ソレ』はあった。
『美樹さやか』のソウルジェムがグリーフシードへと変化し魔女へ生まれ変わる瞬間を。
そしてマミは真実を知った。
『魔法少女はやがて魔女となる』
自分達が魔女になるために存在するのならば、最早死ぬしかない。
あの時はそう考えたはずだった。
だがどうだ。
マミは今も生きている。
死んでいない。
否、死ねないという表現のほうが正しい。
家族の中で一人だけ生き延び、多くの魔女や使い魔から生き残った自分が、今更死ぬなど許されないことだと思った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/30(水) 21:11:50.77 ID:76qhYT3Go<> マミ自身気付いていない『生きたい』という願いが、彼女を現世に引き止めていた。
その証拠に、彼女のソウルジェムは全く濁り始めていない。
普通、絶望しきった魔法少女は自らの意思とは関係なく、ソウルジェムが濁っていく。
それは、グリーフシードを使った浄化が間に合わないほどに。
しかしマミは違った。
彼女のソウルジェムの濁りは、魔法を使ったことによるもの。
魔法少女としては当然のことながら、それ自体がイレギュラーでもあった。
彼女がイレギュラーと呼べるのには統計がある。
具体例として美樹さやか。
数々の時間軸で上条恭介のために契約。
そして、契約して早々に魔法少女の本体がソウルジェムであることを知る。
その事に傷ついた彼女の心は二度と戻ることはない。
彼女は自分の守ろうとしている世界に意味はあるのだろうかと考え始め、やがて他人を呪うようになる。
その呪いは彼女の体、魂、心を蝕んでいき、彼女を魔女へと変貌させてきた。
これは美樹さやかに限ったことではない。
インキュベーターが見てきた魔法少女達は皆、真実を知ると絶望し、次々と魔女になっていった。
有史以前から人間を利用してきたインキュベーターだから分かる統計。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/30(水) 21:12:19.23 ID:76qhYT3Go<> そのインキュベーター達にとって巴マミは異端といえる存在。
他にも、佐倉杏子のように祈りに裏切られても魔女にならなかったものは多くいる。
それでも、マミのような初めてといっても良かった。
当然、マミ自身はそんな事には気づいていない。
自分の祈りが、自分自身を裏切っていないことに。
自分がまだ、その祈りを信じ続けていることに。
多くの人間は自分の祈りにさえ、疑いを持つ。
信じることと疑うこと。
そのジレンマはキリがない。
それでも、彼女は生きなければならない。
死んでしまった両親のために。
そして、戦わなければならない。
戦わなければ生き残れないから。
だが、今のマミにはそんな事をする余裕は全くなかった。
絶望寸前の彼女の心が、それをさせなかった。
ただ、怯えて蹲っているだけしか出来なかった。
すると突然、インターホンが鳴り響く。
しかし今のマミの精神状態ではその音に応答することすらできない。
海堂でさえ、まともに話が出来ず追い出してしまったほどだ。
昼間に突然やってくる者に気をかけている余裕など無い。
だが、インターホンは一度だけではなく、何度も繰り返し押される。
(やめて!来ないで!)
その祈りが届いたのか、インターホンは完全に止まった。
そして次の瞬間、
『マミさん』
『!?』
後輩の声が、マミの頭に鳴り響いた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/30(水) 21:12:55.83 ID:76qhYT3Go<> ―Side:さやか―
先生や他の生徒に見つからないように学校を抜け出してきたさやか。
マミのマンションへ辿り着くまでに警察官に見つかるかもしれないというスリルを味わいながら何とか到着した。
(これであたしも不良だな)
などと、わりと楽観的に考えながらエレベータ前で立ち止まる。
此処はそれなりに大きい規模のマンションだ。
オートロックはついていないが、それなりの防犯対策はある筈だ。
当然、密室となるエレベーターには監視カメラが付いているだろう。
そう考え、階段…ではなく一気に飛び上がることにした。
(誰も…いないな。よし)
周りに人影が見えないのを確認し、飛び上がる。
オルフェノクでありながらの魔法少女であるさやかだが人間態では流石にその二つの形態を超える跳躍はできない。
だが、人間態のままで高所へ登る方法はあった。
足元に車輪を召喚する。
攻撃用に射出するのが本来の使い方だが、今回は足場として使った。
アニメなどでよくある、落ちていく岩を足場にして敵に向かっていく。
それを少し真似してみただけだった。
アニメのようにうまくいくわけがない。
さやかはそう予想していた。
だが、現実はいい方へさやかを裏切ってくれた。
車輪を足場に、さやかは再び跳躍し、マミの部屋がある階へとたどり着いた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/11/30(水) 21:13:25.98 ID:76qhYT3Go<> 下の方で何かの落ちる音がしなかったことから考えて、車輪は落ちている途中で消滅したようだ。
着地した階で、マミの部屋の表札を見つける。
平日の昼間。
学校を抜けだして来た。
この二つがさやかを妙に緊張させる。
呼吸を整え、呼び鈴を鳴らす。
一回。
少し待ってみるが、マミからの返事はない。
部屋の中の足音すら聞こえない。
二回。
やはり返事はない。
三回、四回と連続で鳴らし始める。
十回を超えた辺りで一度押すのを止める。
そろそろ周りの住民に気付かれるかもしれないというのもあるが、マミが出てこないのが一番の理由だ。
『マミさん』
『!?』
確実な反応と共に、家の中から足音が聞こえる。
玄関付近でその音は消え、代わりに『ガチャ』という鍵が開くような音の後、扉が開かれた。
当然といえば当然だが、部屋の中から出てきたのは巴マミ。
ただしその顔には眼の下に隈が出来ており目も真っ赤に腫れていた。
「来ちゃいました」
「貴方…」
「お邪魔しても、いいですか?」
そう尋ねると、マミは黙って頷き部屋の中へと入れてくれた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/30(水) 21:18:09.48 ID:76qhYT3Go<> 投下終了
555クロススレでありながらようやく555の歌詞を使ったというね
空気キャラが沢山
勿論、それぞれ一回はメイン回がある…筈
次回の投下は土曜夜9時頃から
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/11/30(水) 21:19:34.61 ID:76qhYT3Go<> 今回使った曲
・Justiφ's
これまでに使った曲
・Fight For Justice
・Regret nothing〜Tighten Up〜
・Time judged all
・Justiφ's←NEW! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/11/30(水) 21:22:46.90 ID:WyfCLJCHo<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/12/03(土) 21:25:34.98 ID:d2A3SdFRo<> figmaキター!
ほむらは設定上どんな武器持ってても気になりませんね
そんな家のほむらはファイズエッジを持ってます
草加さんとブンドドさせようかと思ったけど可動の狭さから断念
足首が横へ動くようになるともう少し遊べるんですけど
あと三つ編みの先端が釣り針に見えて仕方がない
投下開始
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/03(土) 21:26:39.28 ID:d2A3SdFRo<> ―Side:マミ―
「何をしにきたの」
まず第一の疑問をぶつけた。
本来なら、彼女も今日は学校のはずだ。
それに、制服を着ているという事は間違いなく学校に行っている。
仮に早退だったとしてもカバンも持たずに家へ来るのはおかしい。
「マミさんは…今どんな気持ちですか?」
何をしに来たのかという質問にどんな気持ちかという質問で返され言葉に詰まる。
「キュゥべえの奴にマミさんが学校へ来てないって言うから心配で」
「別に…何でも無いわよ」
何も無かった訳ではない。
昨晩から今まで、一体何度死ぬべきか生きるべきかを考えたことか。
「何でも無いなんて嘘です。もう一度聞きますよ。今、どんな気持ちですか?」
もう一度来る同じ言葉。
どんな気持ちか。
「私は…」
どう言えばいいのか分からない。
信じていた唯一人の友達だったキュゥべえに裏切られ、そして魔法少女の真実を知ってしまった。
それらの全てが重なり、絶望など既に通り越してもっと別の何かに変わってしまった。
「分からない…のよ。辛いのか、寂しいのか。それとも絶望しちゃったのかも」
「何度も何度も死のうと思って。でも、死ねなかった」
いずれ魔女になるなら死ぬしか無い。
だが、家族の中で唯一生き残った自分はまだ生きなければならない。
その二つが頭の中で混ざり合って何をどうしてらいいのかわからなくなっていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/03(土) 21:27:30.41 ID:d2A3SdFRo<> 「自分が今何をすればいいのかも…」
海堂直也を追い出しても、その答えは見つからなかった。
このまま魔法少女として生きていくべきか。
それとも、此処で直ぐに死ぬべきなのか。
ソウルジェムをテーブルに置き、何度も割ろうとした。
だが、直前で怖くなって割れない。
少し経ってまた割ろうとするが、やはり割ることができない。
そんな事を、たった半日で何度も繰り返した。
現在は少し落ち着いているが、また何時同じ事をしそうになるかが怖かった。
だからこそ、今目の前にいる美樹さやかに少しの安心を覚える。
彼女もまた、魔法少女ではあるが真実を完全に受け入れているように見える。
彼女の落ち着きがマミにとって恨めしくもあり、羨ましくもあった。
「だって…私たちは何時か魔女になる。でも、私は死んでいいのか、死んじゃいけないのかも分からないの」
兎に角正直に、さやかに思いを語る。
そうしなければ、自分の心が崩れてしまう。
誰かとこの気持を共有しなければ自分は壊れてしまう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/03(土) 21:28:11.24 ID:d2A3SdFRo<> 「ねえ、教えてよ美樹さん。私は…どうすればいいの?」
泣きながら、美樹さやかに訴える。
既に視線は下に向いて、とても人に向けられるような状態ではない。
美樹さやかが、ただ黙って聞いてくれるのがとても嬉しかった。
すると、席を立つ音が聞こえ唯でさえ近かった足音が更に近づいてくる。
そして、自分のすぐ傍で立ち止まったかと思うと、急に抱きしめられた。
美樹さやかは、抱きしめながら頭を撫でてきた。
ただそれだけなのに、涙が止まらない。
いつ以来だろうか。
こうやって抱きしめられて頭を撫でてもらうのは。
両親が死んでから、一人で生きていきたマミにとって数年ぶりの感覚。
頭を撫でてもらうだけなら海堂にも少しだけやってもらったことがある。
抱きしめられながらされるのは両親以外なら美樹さやかが初めてだった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/03(土) 21:28:50.66 ID:d2A3SdFRo<> 「マミさんは凄いですよ」
頭を撫でながら、耳元でさやかが呟く。
「マミさんはまだ生きてる。それでいて、心の中じゃまだ生きていこうとしてます」
「美樹…さん?」
美樹さやかの言っている意味が分からない。
だが、彼女はまだ話を続ける。
「あたしもオルフェノクじゃなかったら多分マミさんより酷い事になってたかもしれないです」
そんな事はない。
そう言おうとした。
だが、それを言う前にさやかが新しい言葉を紡いだ。
「信じてたものに裏切られて、自分がどうすればいいのか分からなくなって、そして魔女になる」
そう。
それが、魔法少女の宿命。
逃れられない運命。
「あたしだったらマミさんみたいにならないであっという間に魔女化ですよ」
「そんなこと…ないわ」
現に彼女は、マミに安心を与えている。
「それはあたしがオルフェノクだから。化物が化け物になるって何か実感わきませんよ」
普通にしていると、唯の中学生。
だが、その本当の姿はオルフェノクであり、魔法少女でもある美樹さやか。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/03(土) 21:29:30.72 ID:d2A3SdFRo<> 「でも、貴方は強いわ」
「強くないですよ。マミさんのほうがよっぽど強いですよ」
そんなに買いかぶらないでほしい。
自分は、強がりなくせに寂しがり屋で一人で泣いてばかり。
痛みや気持ちを分かり合える者を探してきた。
そして、その仲間ができるかも知れないという事に浮かれ、魔女との戦いで命を落としかけた。
「貴方の思うほど…私は良い人ではないわ」
「んー、そうは言ってもあたしの中のマミさんはちゃんとした正義の魔法少女ですから」
正義。
正義とはなんだ。
力に力で打ち勝つこと?
きっとそれは違う。
所詮、人の正義など…
「周りから見れば、唯の偽善よ」
「それでもいいじゃないですか」
「え?」
そんな事を言われるのは、初めてだった。
と言っても、今まで戦ってきて誰かに何かを言われるなどつい最近まで無かったことだが。
「アニメとかそんなのでも、正義ってよくわかりませんし、ヒーローだって偽善かも知れません。
でも、そんな事言えるのは同じ立場に立ってる奴だけだと思うんです」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/03(土) 21:30:03.48 ID:d2A3SdFRo<> 「だから、同じ立場になってるあたしが言います。マミさんは正義の魔法少女だって。
誰かが偽善だって言うならあたしはそれを真っ向から言い返してやりますよ」
「マミさんはもう、独りじゃないです。あたしは、絶対に傍にいます」
その言葉を聞き、マミの目から再び涙が溢れ出す。
一人ぼっちじゃない。
もう、一人で苦しむ必要はない。
仲間。
もう、何も怖くない。
――――――――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
どれぐらい泣いただろうか。
一時間以上だった気もするし、十分ぐらいだったような気もする。
そんな事より、明らかに途中から寝入ってしまっていた。
さやかに膝枕をされているのが何よりの証拠だろう。
時計を確認してみると、まだ二時三十分過ぎ。
学校はまだまだ授業中だった。
「おはようございます」
「おはよう」
微笑みながら、挨拶を返す。
「あたし今日は無断で学校抜け出してきたんですよ」
「あらあら、悪い子ね」
黙って学校を抜けだしてきてまで此処へ来てくれた。
そう考えると、とても嬉しくなる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/03(土) 21:30:32.00 ID:d2A3SdFRo<> 「だからせめて鞄ぐらいは取りにいこうかなって」
「ふふ、行ってらっしゃい」
さやかの足から頭を下ろし、体を起こす。
「行ってきますってか、お邪魔しました」
さやかはそう言って玄関を出た。
だが、数歩進んで再び振り返る。
「放課後、余裕があったらちょっと集まってくれません?」
「ええ、いいわよ」
「んじゃ、今日の放課後」
手を振って笑顔で送る。
隈があってひどい顔だろうが、彼女が来る前よりはマシだろう。
まだ放課後までは時間がある。
それまで、寝ていなかった分を取り戻そう。
「いえ、ソレよりも」
海堂に電話を掛け、
「海堂さん。色々とすいませんでした。もう、戻ってきても大丈夫です」
『あー、俺はちょっと手が離せねえ』
「じゃあ、これから私は少し寝ますから鍵は自分で開けて入ってきてください」
『おうよ』
要件を言い終え、携帯を閉じる。
「おやすみ。お父さん、お母さん」
天国にいる両親に向かってそう、呟いた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/12/03(土) 21:32:46.30 ID:d2A3SdFRo<> 投下終了
さやかがギャルゲの主人公みたいに見える
最初に言っておく
死亡フラグじゃないからな!
絶対違うからな!
勘違いするなよ!?
ちなみに今回の話を書いてる途中、何故か涙が出てきました
次の投下は水曜夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県)<>sage<>2011/12/04(日) 04:15:39.61 ID:wavHwq5do<> 乙乙
さやかちゃんはギャルゲの主人公でも違和感ないと思うよ
ただし、百合ゲーに限るって感じだけどwwww
上条に対して乙女だったからなー
どっちかというと恋に恋する女の子って気もするけどね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(富山県)<>sage<>2011/12/04(日) 17:03:16.02 ID:yKm0mcIm0<> 乙っす
虚淵と井上はどんな顔しながら脚本かいてたんだろうなww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/12/04(日) 17:48:38.40 ID:7ANXZK6No<> >>281
そりゃお前草加スマイルに決まってんだろ言わせんな恥ずかしい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga<>2011/12/07(水) 21:20:13.28 ID:7ccEnJdzo<> さっきまで今日が投下予定日だって忘れてた
さやかちゃん主人公のギャルゲ
難易度VeryEasy…マミさん
Easy…まどか
Normal…杏子
Hard…ほむら
好感度はあるが攻略不可…恭介
こんなもんですかね
井上は台本読んだ時の役者の顔
虚淵は視聴者の顔を思い浮かべながら脚本書いてるってイメージです
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:20:53.24 ID:7ccEnJdzo<> 五限目半ばに帰ってきた学校へ戻ってきたさやかはそう時間も掛からず和子に見つかりキツめの説教を食らった。
本当のことを話しても…と言うより第三者に簡単に話していい内容ではないので黙っていた。
さやかの普段の行いから、六限目は授業に出ず反省文を三枚書くことで何とか許してもらえることとなった。
こう言えば簡単に見えるが、かなり難しかった。
本当のことを書けばまた説教を受けるのは間違いない。
かと言って適当なことを書けば、見破られたときの対応に困る。
そもそもさやかには文才…正確には文才だけではないが勉強する力は無きに等しい。
それ故に反省文を三枚というのは苦行だった。
一時間掛けて書けたのは二枚と半分ほどだったが、なんとか許してもらえた。
生徒指導の先生に『今後こんな事がないように』と言われたが、自分でも『こんな事二度とするか』と思った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:21:38.52 ID:7ccEnJdzo<> ―放課後―
一時間で反省文二枚半という苦行を乗り越えたさやかは無事、いつもと同じ時間に放課後を迎えることが出来た。
かに見えたが、そううまく行くはずもなく再び和子に呼び出された。
流石に先程の事もあり、短い時間で済んだが再び説教をされた。
事情を知らないと大変な思いをするな、などと考えながらもきちんと返事をする。
三十分ほどの説教でようやく解放された。
「さてと、皆待ってるだろうな」
誰かにテレパシーを飛ばし連絡を取ろうかと思っていると携帯が鳴った。
メールの差出人はまどか。
そこには、全員が集まっている場所が書かれていた。
学校からそう遠くない場所にある人気のない広場。
確かにそこなら常にオルフェノクの姿をしている冴子も居やすいだろう。
まどかのメールに返信をし、目的地へと向かった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:22:11.47 ID:7ccEnJdzo<> 携帯に書かれた場所へ来ると、いつものメンバーが集合していた。
辺りを見回し、知らない顔が居ないことを確かめる。
まだ『佐倉杏子』は此処へは来ていないようだ。
突然決めた上に待ち合わせ場所も碌に決め無かったため、当然といえば当然だが。
「さやかちゃん…」
既に此処へ来ていたまどかに声をかけられた。
「何?」
「あの…ごめんね。魔法少女になろうとしちゃって」
何だそんな事かとさやかは溜息をつく。
「気にすんなって。あたしとあんたの仲じゃん。寧ろその言葉はあたしよりあいつに言ってやりなよ」
そう言って少し離れた場所にいるほむらを指す。
相変わらず、その表情からは何を考えているかは読めない。
ただ、初めて会った時より表情が暗いということだけは分かった。
「ほむらちゃんにも言おうとしたけど…私、避けられてるみたいで」
まどかはほむらの事情を知っているわけではない。
だが、ほむらは自分達に何度も何度も契約に関して警告してきた。
その事から考えれば、まどかもほむらに感謝すべきなのは分かる。
ただ、そのほむらはまどかとの関係を深めようとはしない。
飽く迄『少し話したことのあるクラスメイト』程度の関係を保とうとしているようだ。
「あー、それはまあ、あいつがちゃんと向き合ってくれるまで仕方ないかもね」
「私も、ほむらちゃんと仲良くしたいのに」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:22:40.95 ID:7ccEnJdzo<> 「本当に仲がいいのね。貴方達」
「えっと…さっき振りですね」
ついニ時間ほど前に別れたばかり。
先程と違うのは、海堂と一緒にいる。
その海堂がさやかに近づいてきて耳打ちをした。
「マミのこと、何とかしてくれてありがとな」
「自分のやりたいことをやっただけですよ。褒められようとかそんなんじゃないです」
マミのことを尊敬しているのは事実。
でも、その事はマミを助けたことと直接は関係していない。
助けることが出来たから助けた。
ただそれだけの話なのだ。
「どうかしたの?」
マミがさやか達に話しかける。
「いや、何でもねえ」
「なんでもないよ」
「変なの」
そう言ってマミは笑う。
ちゃんと以前のマミ、魔法少女としての先輩は勿論普通の先輩に戻ってくれた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:23:12.52 ID:7ccEnJdzo<> そして、とある少女がやって来た。
「あたしを呼んだっていうトーシロは…あんたか?」
赤く長い髪を後ろで結い、口にチョコレート菓子を加えた少女。
その手には指輪がはめられており、彼女が魔法少女であることを示していた。
「あんたが佐倉杏子?」
夢の中の記憶を頼りに、目の前の少女の名前を確認する。
「あんたで間違いなさそうだね。なんでこっちの名前を知ってるかは置いとくとして…何のようで此処にあたしらを集めたんだ」
「ちょっとね…あたしの見た夢の話をしようかと思ってね」
さやかは語りだす。
自分が見た夢を。
「夢の中でさ、マミさんや、佐倉杏子、そして暁美ほむらを見たんだ」
「まどかには謝っとくよ。あの時笑って。でも、まどかの話を聞いて自分の見た夢を信じることにした」
それから十分ほど、さやかは自分の見た夢を説明した。
夢の中での暁美ほむらの姿。
魔法少女の秘密。
契約した自分がやがてどうなっていたか。
「ただそれだけか?言いたいことは」
全てを話し終えた後、佐倉杏子が口を開く。
「何?ちゃんと集めた理由を話したよ。なんか文句ある?」
話した内容には、さやかの契約した理由も含まれている。
「お前、馬鹿だろ」
その言葉の直後、嫌な予感がしたさやかは直ぐ様魔法少女へ変身した。
変身終了と同時に、さやかの体が吹き飛ばされる。
「さやかちゃん!」
「美樹さん!」
「さやか!」
まどか、マミ、海堂が吹き飛ばされたさやかの名を呼ぶ。 <>
間違った。上の前にこれが入ります<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:23:46.58 ID:7ccEnJdzo<> そして、とある少女がやって来た。
「あたしを呼んだっていうトーシロは…あんたか?」
赤く長い髪を後ろで結い、口にチョコレート菓子を加えた少女。
その手には指輪がはめられており、彼女が魔法少女であることを示していた。
「あんたが佐倉杏子?」
夢の中の記憶を頼りに、目の前の少女の名前を確認する。
「あんたで間違いなさそうだね。なんでこっちの名前を知ってるかは置いとくとして…何のようで此処にあたしらを集めたんだ」
「ちょっとね…あたしの見た夢の話をしようかと思ってね」
さやかは語りだす。
自分が見た夢を。
「夢の中でさ、マミさんや、佐倉杏子、そして暁美ほむらを見たんだ」
「まどかには謝っとくよ。あの時笑って。でも、まどかの話を聞いて自分の見た夢を信じることにした」
それから十分ほど、さやかは自分の見た夢を説明した。
夢の中での暁美ほむらの姿。
魔法少女の秘密。
契約した自分がやがてどうなっていたか。
「ただそれだけか?言いたいことは」
全てを話し終えた後、佐倉杏子が口を開く。
「何?ちゃんと集めた理由を話したよ。なんか文句ある?」
話した内容には、さやかの契約した理由も含まれている。
「お前、馬鹿だろ」
その言葉の直後、嫌な予感がしたさやかは直ぐ様魔法少女へ変身した。
変身終了と同時に、さやかの体が吹き飛ばされる。
「さやかちゃん!」
「美樹さん!」
「さやか!」
まどか、マミ、海堂が吹き飛ばされたさやかの名を呼ぶ。
<>
またやった…何か焦ってる…<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:24:44.80 ID:7ccEnJdzo<> 「チョーうぜぇ。何?誰かのために契約したくせにその本性は戦闘狂?マジうぜぇ。死ねよ」
何時変身したのかも分からなかった魔法少女の姿をした佐倉杏子。
その手に握られた槍は多節棍の様に自在に操られる。
そして、槍の刃がさやかに向かって直進する。
若干痛む体を動かし、その攻撃を回避する。
「あっれー?おかしいな。全治三ヶ月ってぐらいにはやったはずだけどな」
普通の人間ならば、下手をすれば命の危険に発展しかねない佐倉杏子の攻撃。
だがさやかはその攻撃を食らって普通に立っている。
「さやかの癒しの祈りで契約したからね。単純な回復力ならマミ以上だよ」
キュゥべえの説明が入るが、真実は違う。
さやかの体の頑丈さは、彼女自身の体の影響が大きい。
宇宙初であるオルフェノクでありながらの魔法少女。
元々、オルフェノクの体は人間よりも硬い。
防御力は当然、攻撃力、治癒能力といった面でも人間は疎か一般的な魔法少女のそれらを軽く上回る。
そして、ハイブリット化したさやかの体はオルフェノクより硬い体となっている。
「ふーん。じゃあ、もっと痛めつければいいってわけか」
下卑た笑いを浮かべ、佐倉杏子がさやかに追撃を入れる。
しかし槍の先は横から来た何かによって勢いを失った。
「邪魔しないでくれる?うざい奴の仲間はもっとうざいってのか」
佐倉杏子が攻撃を開始する直前、マミは魔法少女へと姿を変えていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:25:38.03 ID:7ccEnJdzo<> 「今はあんたとやり合うつもりはないから…さ!」
槍を元に戻し、マミの方へと跳躍する。
直線的な動き。
だが、その動きはマミが相手にするには『速すぎる』
マミの攻撃の特性上『狙い』と『発射』が必要となる。
特にマミの場合、マスケット銃という単発式という点でも不利だ。
いくら佐倉杏子の移動が直線的とは言え、人の反応を超えかけている動きにこの二つの動作を行うのは無理がある。
そして、得意の拘束魔法も佐倉杏子の持つ槍の前では無意味だ。
槍ごと縛り付けようとも、多節棍のように自在に動く刃で切り裂かれてしまう。
別の時間軸で、その時間軸のマミが戦った『呉キリカ』の場合は彼女の魔法の特性をついて反撃することが出来た。
だが、今回はそうはいかない。
佐倉杏子の魔法の詳細をこの場にいる誰も知らない。
(不味い!近づかれッ―)
全てを考え終える前に、マミの腕に攻撃が入る。
腕から血が吹き出、手に握られたマスケット銃が地面に落ちる。
「腕は切り落としてないからさ。あんたは後でじっくりやったげるよ」
そう言って、杏子はさやかへと狙いを変える。
さやかの十数メートル手前で佐倉杏子が跳躍する。
槍を地面に突き刺すかのような体制に入る。
だが、美樹さやかは動かない。
「さあ、地獄を味わいな!」
一秒後には、槍が刺さる。
そう思った瞬間、さやかの体に異変が起こる。
「!?」
姿を変えたさやかが槍を掴み、その槍ごと杏子を投げる。
「てめえ…」
佐倉杏子に驚いた様子はない。
反応からするに、オルフェノクのことを知っているようだった。
しかし、気のせいではないレベルで彼女の殺気が感じられる。
先ほどまでとは比べものにならない恨みとも取られるその気迫。
「この…化物が!」
そして、佐倉杏子は再びさやかに向かって突っ込んだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga sage<>2011/12/07(水) 21:26:23.22 ID:7ccEnJdzo<> ―Side:杏子―
―――どうして、こんな事をしているのだろう?
美樹さやかに腹を立てたから?
違う。
きっと…
「腕は切り落としてないからさ。あんたは後でじっくりやったげるよ」
巴マミは戦闘不能にした。
以前戦った時は敗北したが、これほどまで弱いとは思っていなかった。
寧ろ、ある一つの目標にしていたほどである。
負傷したマミは無視して、本来の目的である美樹さやかに狙いを向ける。
槍を持ち、一気に近付く。
槍の間合いに入る十メートルほど手前で跳躍し、槍を地面ごと突き刺すように持ち変える。
「さあ、地獄を味わいな!」
次の瞬間、美樹さやかの体は地面に縫いつけられている。
そう確信した直後のことだった。
顔に妙な模様が浮かび上がり、美樹さやかがその姿を変える。
そして、突き刺さるはずだった槍を手に取り杏子ごと投げる。
少し離れた場所で着地し、美樹さやかだったものを見据える。
「てめえ…」
灰色の姿をした、人間でも、魔女でもない異型の姿。
先日見た化物と似たような特徴がみられた。
「この…化物が!」
怒りと憎悪を顕にし、再び美樹さやかだったものに突っ込む。
先程と同じく一旦飛び上がり、心臓があるであろう左胸めがけて槍を突き出した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>saga <>2011/12/07(水) 21:28:33.34 ID:7ccEnJdzo<> 投下終了
妙に焦ってる気がします
ナゼェダ
ちなみに今回で5話は終わり
次回第6話『そんなの、絶対おかしいよ』
土曜日夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/12/07(水) 22:18:36.73 ID:gL2V8+fKo<> スタンディンバーイオツプリート
あんこちゃんが克己ちゃんじゃないですか―
でも嫌いじゃないわ!!嫌いじゃないわ!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)<>sage<>2011/12/07(水) 22:22:09.08 ID:MTMMFAEeo<> 乙・乙・乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga<>2011/12/10(土) 21:08:22.37 ID:LknXXKbxo<> 魔法少女はNEVERに入るんだろうか
京○「〜」で始まるSSをみると
いつも京水「〜」に見えるから困る
誰の仕業だ!?
投下開始 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:08:52.22 ID:LknXXKbxo<> 灰色の姿をした化物の胸にめがけて杏子は槍を突き出す。
仮に相手が魔法少女や人間だったなら、突き刺した部分からは赤い鮮血が吹き出ていたであろう。
もし相手が魔女だったなら槍は深々と突き刺さっただろう。
だが、今回ばかりは相手が悪かった。
突き刺さるはずの槍は、堅い体に阻まれ刃は体に突き立てられただけ。
かすり傷は疎か、ほんの僅かな窪みさえ出来ていない始末だった。
佐倉杏子は分かっていた筈だった。
この化物に魔法少女の攻撃が効かないということに。
それでも、やめられなかった。
殺らねば、殺られる。
その考えが、杏子を無謀へ走らせた。
一度距離を取り、再び突貫する。
やはり、槍は体に刺さらない。
変身した直後から持っている剣が振り上げられる。
(殺られる!)
そう、覚悟した瞬間。
「ウオオォオオ!」
雄叫びと共に青白い光線が化物に命中する。
顔の半分以上を占める赤い目。
体を走る白いライン。
その存在を知る者に『デルタ』と呼ばれる戦士が杏子を助けた。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:09:56.90 ID:LknXXKbxo<> ―Side:三原―
かなり遅れてしまった。
『キュゥべえ』と呼ばれる生き物に呼ばれ、杏子は見滝原へと向かった。
三原も、杏子に呼ばれて見滝原へと来た。
三原が一旦家に帰った時点で杏子は既に家にはおらず、簡単な地図が描かれたメモだけが置かれていた。
そして、そのメモを頼りに見滝原の人気のない公園へとやって来た。
そこで三原が目にしたのは…杏子がオルフェノクへと向かっていく姿。
かつての経験上、魔法少女にオルフェノクに対抗する力はない。
それでも、杏子はオルフェノクへと立ち向かっていく。
あの日の恨みを込め。
三原もただ見ている訳にはいかない。
「変身!」『Standing by』『Complete』
変身コードを音声入力し、デルタへと変身する。
『Ready』「Fire!」『Burst Mode』
変身して直ぐ、デルタポインターをデルタムーバーへと装着する。
直後に音声入力でモードを切り替える。
その間に、杏子がオルフェノクへと攻撃した。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:11:27.02 ID:LknXXKbxo<> オルフェノクが杏子の攻撃を避けずに受けた。
しかし、あの日と同じようにダメージは通っていないらしい。
オルフェノクの持っている剣が振り上げられる。
殺らせる訳にはいかない。
もう二度と、自分の目の前で人が死ぬのを黙ってみているわけにはいかない。
「ウオオォオオ!」
デルタムーバーの照準をオルフェノクへと向ける。
一回の発射で、三発の光線がオルフェノクへと放たれる。
見知らぬ者の攻撃により、オルフェノクの動きが微かに止まる。
デルタムーバーを持ったまま、オルフェノクへ肉弾戦を仕掛ける。
相手は近接用の武器持ち。
だが、それがどうした。
デルタはカイザ、ファイズに比べて武器などでは劣るものの、基本的な戦闘能力では他の二体を上回る。
故に―かつて在り得たかも知れない世界では、デルタのベルトを元に『帝王のベルト』が作られた。
しかし、その事を知る者は居ない。
三原はオルフェノクへと向かっていく。
オルフェノクが杏子から狙いを三原へと変えた。
再び剣を振り上げ、思い切り振り下ろす。
三原はその剣を左腕で受け止める。
受け止めた左腕に痛みが走る。
だが、その程度は物ともせずに右手のデルタムーバーを『小柄な』オルフェノクの体に密着させる。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:12:13.96 ID:LknXXKbxo<> 「ッ!」
オルフェノクから声にもなっていないような呻き声が上がる。
当然、三原は攻撃を中断したりしない。
引鉄を三度引き、計九発の光線がオルフェノクに直撃する。
オルフェノクに対して最も有効であるフォトンブラッドを使う攻撃。
その攻撃を喰らって、まともに立てるオルフェノクは王以外に居ないと言っても過言ではない。
それは今回のオルフェノクにも同様で、三原の攻撃によってオルフェノクが吹き飛ぶ。
その大きな隙は、オルフェノクにトドメを刺すために作った。
「Check!」
『Exceed Charge』
ベルトから腕にあるデルタムーバーへフォトンブラッドが流れこむ。
チャージが完了したデルタムーバーをオルフェノクへ向け発射する。
意外と復帰が早く、剣で防がれてしまった。
が、これでもう相手は動けない。
他から邪魔が入らない限り、あのオルフェノクは灰と化すだろう。
デルタムーバーを持ったまま助走をつけ飛び蹴りを放つ。
「ウオオォオオオオオオオ!」
青白く光る三角錐へ吸い込まれるようにデルタが加速する。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:13:33.93 ID:LknXXKbxo<> 「ガアアアアアアァ!」
オルフェノクが獣のような叫び声を上げ、必死に『ルシファーズハンマー』を受け止めようとする。
両者の力はほぼ互角。
だが、現段階では三原の方に分がある。
不意打ち、その後の追撃。
そして、オルフェノクからはまともに攻撃を食らっていない。
「オオオオオオォオオオ!」
更に力を入れ、止めを刺しにかかる。
今まででこの攻撃が破られたのは指で数えるほどしか居ない。
かつて流星塾を襲った龍のオルフェノク。
奴は例外だった。
カイザとデルタ、二体の攻撃をいとも容易く弾き返した化物。
だが、その例外はもう居ない。
その筈だった。
「負けて、たまるかぁあああ!」
オルフェノクから『少女』のような声が聞こえた。
そして、それと同時にオルフェノクの背後から車輪のようなものが出現する。
その車輪が三原を襲う。
(逃げられない!)
動きを固定された三原に車輪を避けるすべは無かった。
二つの車輪が両サイドから三角錐を破壊し、三つ目の車輪がデルタへと直撃する。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:14:05.55 ID:LknXXKbxo<> 「三原!」
数メートル吹き飛ばされるが、それでも三原は立ち上がる。
佐倉杏子を守るために。
そして、先ほどの攻撃で疲労したのか、オルフェノクは膝を付いている。
一度で駄目ならもう一度。
「Chec―」
そう、しようとした瞬間だった。
「三原!もうやめろ!」
赤い光弾によってデルタムーバーが飛ばされる。
「ファイズ!?それとその声は…海堂!?」
ファイズのベルトを海堂に渡したという話は真理達から聞いた。
海堂はオルフェノクの中でも人間よりの立場に立っていた。
だが、何故その海堂がオルフェノクをかばう?
その答えは海堂が答えた。
「相手はまだガキだぞ!」
「え?」
顔を上げてオルフェノクを見ると姿が人間へ戻る瞬間だった。
人間へ戻ったオルフェノクの正体は、子供。
それも、杏子と同じような青い服を着ていた。
そこから考えて、彼女もまた『魔法少女』だと推測する。
「でも!あの子は杏子ちゃんを襲って!」
「だー!お前、話し聞け!」
海堂が三原を殴る。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:14:51.31 ID:LknXXKbxo<> 「とにかく今は…おい!お前!」
海堂が少女の方を見ると杏子が槍を振りあげ突き刺そうとしていた。
「やっちゃ駄目だ!杏子ちゃん!」
三原の言葉も既に届いては居ない。
彼女はオルフェノクへ対する憎しみだけで動いている。
だが槍が突き刺さる直前、二つの剣が槍を止める。
「何で…アレが…」
三原の疑問も当然のはずだろう。
本来、存在していないはずのモノがそこに存在しているのだ。
一体は、紫色の目をしたカイザ。
もう一体は灰色の姿をしたオルフェノク。
「同じオルフェノクが死ぬのを見過ごすわけにはいきませんからね」
「チィ!」
杏子が後ろへ飛び下がる。
それと同時に、草むらから葉と葉が擦れる音がした。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:15:27.82 ID:LknXXKbxo<> 「誰だ!」
海堂がそちらへ声をかける。
だが、返事はない。
そして出てきたのは、新たなるオルフェノク。
しかし様子がおかしい。
そして、そのオルフェノクが倒れこんだ。
「どうも分が悪いな。此処は引かせてもらうよ」
魔法少女にとってオルフェノクは魔女以上に厄介な相手。
手負いが二体いるとは言え、流石に無理がある。
そう判断した杏子は影へと消えて行く。
「追わなくてもいいのか?」
海堂が三原へ尋ねる。
「あの子のことも気になるけど…今は状況を確認したい」
何故海堂が此処にいるのか。
カイザのベルトが存在していて誰が変身しているのか。
そして、あの魔法少女のような姿をしたオルフェノクはなんなのか。
簡単に上げるだけで三つほどある。
「海堂直也。あの新しいオルフェノクを在る場所まで運んでほしい」
黒い髪の少女が海堂に告げる。
「チッ、何処まで運べばいいんだ?」
舌打ちをしながらも、海堂は役割を果たそうとする。
「私の家よ」
「君は?」
三原が声をかけると、少女が睨んできた。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/10(土) 21:16:07.83 ID:LknXXKbxo<> 「暁美ほむら。魔法少女よ。詳しい話が聞きたいなら付いて来なさい」
「ああ」
ほむらと名乗る少女の提案に三原は二つ返事で返す。
「理解が早くて助かる…と言いたいところだけど出来れば佐倉杏子も連れて行きたかったわね」
「それは…無理だ」
「何故?」
「今は深いことは言えない。でも、何時か話す」
そう。
今はまだ、その時ではない。
彼女の過去を話すにはまだ瞬間が来ていない。
せめて、彼女がオルフェノクという存在を少しでも認めるようになったなら…
「じゃあ、行くわよ」
そして三原は暁美ほむらの自宅へと着いて行った。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga<>2011/12/10(土) 21:19:20.61 ID:LknXXKbxo<> 投下終了
三原活躍回かと思った?
残念!さやかちゃんでした!
杏子ちゃんが劣化ksksn…
4話ラスト以来の硝酸登場
次回の投下は水曜夜9時頃から <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/10(土) 21:23:44.52 ID:PKXwyCpMo<> 乙・乙・乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/13(火) 00:31:33.97 ID:4de7cPxm0<> 乙 久々にやさぐれ杏子を見たなー
あと揚げ足とるようで悪いけどデルタの目はオレンジのはず <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga<>2011/12/14(水) 21:26:42.31 ID:GoIrqos0o<> >>308
Wiki等で確認したところ、確かにオレンジでした
自分でも書いててオレンジか赤かで迷ってたところもありました
そこら辺は自分のミスです
だが、私は謝らない
投下開始
短いです <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/14(水) 21:27:38.57 ID:GoIrqos0o<> ―暁美宅 Side:さやか―
対杏子・デルタ戦で負った傷も大体癒えた。
海堂の話によると、デルタに変身したいた男『三原修二』はオルフェノクではない。
だがとある事情によりデルタに変身することができる人間だという。
とまあそのような他人の割と重い事情は置いておいて…
問題は隣で寝込んでいる男。
彼もまた、オルフェノクらしい。
さやかもかなり疲労した意識の中でその姿を見た。
出てきた時の雰囲気からして、まだオルフェノクになって間もない…ということだ。
「はぁ…なんで皆あたしにこんな事任せるかなぁ…」
冴子曰く、オルフェノクとしての自覚がやや薄い自分が最適らしい。
これでもちゃんとオルフェノクであることを受け入れて入るのだが。
その証拠という程でもないが、恭介との関わりは出来るだけ切った。
それでもまだ足りないというのだろうか?
そんな事を考えながら、暁美ほむらに用意されたお茶を飲む。
市販の伊藤園というところから出されているペットボトルのお茶がそれなりにあるらしい。
あまりに味気がない気がするが、紅茶などで失敗されたらそれはそれで困るので黙っておいた。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/14(水) 21:28:34.64 ID:GoIrqos0o<> ソファに体を預けながら、男の姿を見る。
ホストかぶれのような姿。
顔立ちはかなり整っており、イケメンと言われるグループに分類されるであろう。
「うぅ…」
ようやく、男に反応があった。
男がゆっくりと目を開け、顔をこちらに向けた。
その瞬間、
「うわあああああぁああ!」
掛けられていた布団から一気に抜けだした。
「やめろ!近づかないでくれぇ!俺は!俺は!」
かなり取り乱している。
オルフェノクになって間もないというのは間違いではなさそうだ。
大方、まだ力の使い方に慣れていないのだろう。
自分も体験したことがあるため、気持ちはわかる。
だが、自分の場合と彼の場合では場面が違う。
「ちょっとちょっと。落ち着いてくださいよ」
「やめろ!来るんじゃない!」
どうすればいいのだろう。
考えるのが面倒になってきた。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/14(水) 21:29:18.02 ID:GoIrqos0o<> 「あー!もう!」
頭を掻き毟り、大声を出す。
「よし!こうすりゃ分かってくれますよね!」
そして、意識を集中させ、姿を変える。
「え…?俺だけじゃ…無かったのか……?」
すっかり変わったさやかの姿を見て、男も落ち着いてきたようだ。
変身を解き、男に近寄る。
「何か…悪いな」
自分と同じ存在がいると分かって男も先程の言動を気にしているようだ。
「いや、まあ気持ちはわかりますよ」
名前も知らない者同士。
それでも、オルフェノクという関係が二人をつなげているような気がしていた。
「取り敢えず、お名前教えてくれませんか?」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/14(水) 21:31:54.25 ID:GoIrqos0o<> 投下終了
わざわざ上げる必要もなかったけど最初だけは上げることに
さやかとショウさんがまともに話に絡むとか誰得
少なくとも俺得ではない
ちょっと書き溜めが少ないんで次の投下は日曜日で
場合によっては日曜も無理かもしれません
その場合は水曜日から通常の投下ペースになります <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/12/14(水) 23:15:17.90 ID:L0FyQ3Ezo<> 乙
伊藤園のお茶はあのキャンペーンかww <>
Give me the >>315<>saga sage<>2011/12/18(日) 21:14:51.52 ID:966ug4Ceo<> _
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| \\/ | | ヽ//
. | { { | | } } }
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_', \ \_┘└ ´/ ′
/ { {=イ〉 ーl l¨´} /
/ \ ,, ─=ミ _∠⌒\ \\',二l__lア ∧_ ,. ─-
. \ \ /  ̄ ̄ `ヽ \ \ \ \ ー─‐ / :}匸\ /\
\ \ ./ \ } ̄ ̄ \ |::::::::::::::| | /}H}三} / / ,
\ \ / ハ ̄ ̄ ̄\ \ }ニニニ}_/ ̄}///∧ ./ , /
. \ \ / _く\ / | ', ', 「二二二0/} ',/ } /
\ \ .{___r∠二ヽ }`ヽ:\ | } },.‐┴=ミ\ //! }__,.,へ _ / /
\ \___/ 二⌒ヽノ\::::}:::::\ :| / / // | /´ ̄ ̄/:::/{ ̄ ヽ ./ /
. \ \__ソく\ノソ\ ::::::}′ / / //.} }_ //  ̄ ∧::/ ノ⌒} / ', / /
\ \ 廴ノノ ̄:! }::::/| { { // / ./ ⌒ 、 | |:|〈 ノ⌒} / / /
//::\ ./\ │ :| ./:::// ', ', // / . ′ ‐- | |:|八 ノ⌒} /::\/
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ヽ\::::::::::::::::::::// \:::::::/⌒ヽ  ̄| | `¨¨¨¨¨¨´./ / {`¨´::::::::::/
\二二二 / \廴__ノ | | / /  ̄ ̄ ̄ <>
上のがやりたかった。だが私は(ry<>saga<>2011/12/18(日) 21:16:08.60 ID:966ug4Ceo<> 草加さんこと村上さんが芸能界を引退するそうで
今後、草加イザが見られないのは少し寂しいですね
それに、ハイブリッドインセクターも東映から直々に停止令が出て未完で終わってしまいました
ハイブリは一度見ておいて損はないと思います
S.I.C.アレンジが好きな人なら普通に見られると
同作者の『鉄のラインバレル』『ULTRAMAN』もよろしくお願いします
伊藤園の元ネタはキャンペーンです
自分は応募しませんでしたけど
とう言うより買おうかどうしようかと迷っていたらいつの間にか終わってました
投下開始 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/18(日) 21:16:52.89 ID:966ug4Ceo<> ―Side:男―
「え…?俺だけじゃ…無かったのか……?」
一先ず、自分以外にも同じような生き物がいるというのを聞いて落ち着いてきた。
寧ろ、先程までの自分を思い出すと恥ずかしすぎて飛び降りたくなる。
いや、飛び降りた所で体に大したダメージはないだろう。
今日だって倒れたのは疲労したからみたいのようだ。
しかしそれとは別に、目の前の地元の女子中学生に取り乱した様子を見られたのは恥ずかしかった。
「何か…悪いな」
本当に彼女には申し訳ない。
いつもなら、女など犬程度にしか思っていないのだが今回は違う。
人間ではないのは自分自身。
それは彼女も同じでわざわざその姿を自分に見せてきたほどこっちは取り乱していた。
「いや、まあ気持ちはわかりますよ」
意外と、彼女も初めの頃は同じような気持ちだったのかも知れない。
何が彼女を安定させているのか。
思い浮かぶとしたら同じような者を探したのかも知れない。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/18(日) 21:17:46.56 ID:966ug4Ceo<> いつもの自分らしくなく真面目に考えていると、
「取り敢えず、お名前教えてくれませんか?」
名前を聞かれた。
相手が老若男女関係なしに男はいつも答える。
「ツガミショウゴだ」
因みに、漢字で書くと、
「漢字で書くとどうなるんですか?」
もしかすると彼女は超能力者なのか?
考えが読まれている…などという冗談は置いておき、彼女に説明を始める。
「津軽の『津』、上下の『上』、『翔』けるって字に子供の『子』って書く」
それをきちんとつなげると…
「それって津上ショウコ…」
「言うんじゃねえ」
そこから先は言わせたくない。
漢字で書くと『ショウゴ』ではなく『ショウコ』と読まれる。
翔子は翔子でも『ショウゴ』であり、ライブでセミの抜け殻を観客席に投げる人物との関係は一切ない。
全く関係無いのである。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/18(日) 21:18:14.78 ID:966ug4Ceo<> 「まあ、好きなように呼んでくれよ」
「じゃあ、しょこた―」
「言わせねえよ!?」
何故だろう。
年下にかなり弄られている。
向こうは中学生。
こちらは二十六歳。
何故、此処まで弄られるのだろうか。
寧ろ名前で弄られること自体が久しぶりなのだ。
そう、あれは小学校の時だった―
「で、なんて呼べばいいんですか?」
回想を始めようとした瞬間、少女の声により現実へ引き戻された。
「仕事仲間からは『ショウ』って呼ばれてる」
「んじゃ、ショウさんって呼びますね」
いつも通りの呼ばれ方。
やはり、これが一番しっくり来る。
「で、嬢ちゃんの名前は?」
「おっと、いい忘れてましたね。美樹さやかです」
ミキというからには『三木』か『美樹』のどちらかだろう。
「美しい樹にさやかちゃんです!」 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/18(日) 21:18:43.08 ID:966ug4Ceo<> 妙にテンションが高い子だとは思う。
だが、一つ気づいたことがあった。
彼女は必死に元気さを取り繕っている気がするのだ。
「お嬢ちゃん」
「いや、名前で呼ぶところでしょー」
また。
彼女は弱みを人に見せたくないらしい。
自分と出会って間もないからなどという理由ではなく、周りの人間に対していつもこうなのだろう。
「なあ、無理してねえか?」
「な、何のことですか?あたしが無理をしてる?アハハ、ショウさん冗談ですよねー?」
何処か引っかかる。
自分の職業の所為だろうか。
「なんかな、分かっちまうんだよ。お嬢ちゃんが無理してるってな」
「いや、だから無理してないですって。いつもこんな感じですよー」
どうやら、話してはくれないようだ。
「そういう事にしておいてやるよ」
もしかすると、これは自分の役目ではないのかもしれない。
ならば、それは何時か誰かがやってくれるはずだ。
「別の質問をするぞ。俺の…いや、俺達の体はどうなってるんだ?」
自分達の体の異変について聞いてみた。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/18(日) 21:19:32.34 ID:966ug4Ceo<> 「えーっと…自分の体についてはある程度理解はできてるんですよね?」
「まあな」
妙な空間の中での初変身。
そして直後に怪物と戦ったとなれば忘れる方が難しい。
「それじゃあ単刀直入に言いますけど…ショウさんはもうあたしと同じで人間じゃないです」
理解はしていたつもりだったが、開いた口がふさがらない。
「ショウさん?」
「大丈夫だ、問題ない」
ちょっと放心していただけだ。
別に驚いたわけではない。
断じて否である。
「説明を続けてくれ」
「あ、えっと…まずあたし達化物の名前ですけど『オルフェノク』って言うらしいです」
オルフェノク。
まるで『オルフェ』と『エノク』をかけあわせたような名前だ。
「それで、オルフェノクは一度死んだ人間。もしくはオルフェノクによって殺された人間がある程度の確率で変異するって話です」
「……なるほどね。つまり俺は一度死んだ人間ってわけだ」
「そうなります。そして、あたしも一度死にました」
彼女は、何か別の物を見ている気がするのは気のせいではないだろう。
この体になって彼女は何かを諦めたのかも知れない。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga<>2011/12/18(日) 21:24:10.53 ID:966ug4Ceo<> 区切りが悪いけど投下終了
ショウさんのネタは中の人的な意味で
カミーユが男の名前で云々
因みに今後もカミー○みたいになったりします
ショウさんは多分本作唯一のネタキャラです
勿論、真面目に話しに絡んだりもしますし完全なネタキャラではないです
それと、次回から2〜3週間程度は一回の更新にさせてください
リアル的にも忙しくなりますし
そしてなにより書き溜めが足りない
次回の投下は土曜日夜9時頃から <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/18(日) 21:42:24.70 ID:J+6VZpgjo<> 乙・乙・乙 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga<>2011/12/24(土) 21:14:08.76 ID:0j5nN7RNo<> メリークリムゾンスマッシュ
え?違う?
こまけえことはいいんだよってピンク色の悪魔なライダーが言ってた
この前はVIPでカミーユメインのISSSスレがあって笑わせてもらった
IS自体は見たことが無いけど
投下開始 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/24(土) 21:14:57.77 ID:0j5nN7RNo<> 「他にも、俺達みたいなのが居るのかい?」
「この家に居るだけで、あたし達除いて三人と、オルフェノクと人間の中間の人が一人」
オルフェノクと人間の間?
よく分からないが、ぶっちゃけどうでもいいことなので無視した。
「つーか、此処は誰の家なんだ?お嬢ちゃんの家かい?」
「あ、いや、友達の家です」
よくこんな化物を家に上げたものだ。
さっきの話を聞くからに、他にも居るようだ。
ある意味、頭が狂っているようにしか思えない。
「それにしても、俺がもう人間じゃない、か…」
「ショックですか?」
ショックかと聞かれればどうなのだろう。
それは違う気がする。
「俺はよ、この街のホストだったんだ」
突然自分語りを始めてみる。
「……何か、服装とか見た目はそんな感じですよね」
どうやら、向こうも話に相手してくれるようだ。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/24(土) 21:15:37.92 ID:0j5nN7RNo<> 「自分で言うのも何だが、俺は結構下衆だ」
「意外ですね」
それもそうだろう。
真面目な風を装って何人も女を落としてきた。
「いままではよ、女なんて人間として見てなかったけど…今度は俺が人間じゃないのかよ。ハハ、ざまぁ無いぜ」
もしかすると、これは罰なのかもしれない。
今までの女たちの恨みが、自分をこんな体にさせた。
だとすれば、それを受け入れてもいいだろう。
女の恨みは怖い。
それをよく知っているからできることだ。
「それで、ショウさんはどうしたいんですか?」
「どうだろうな。けど自然と人を殺そうとかは思わないんだよ」
それどころか、妙に清々しい気分だ。
これもオルフェノク化の影響だろうか。
「なんつーかさあ、こう、異型の体になってまで人間を助けるみたいな?」
「子供みたいですね」
子供っぽい。
そう言われれば言い返す言葉が見つからないがそれでも構わないのだ。
だってそれは…
「男の子の『浪漫』だろ」
少女の顔が少し柔らかくなったように見えた。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/24(土) 21:16:21.64 ID:0j5nN7RNo<> そこで、初めて気付いたことがある。
「初めて笑ったな、お嬢ちゃん」
「え?」
気付いていなかったのだろうか。
もしかすると、オルフェノクになってから暫くはまともに笑ったことがない可能性だってある。
突然異型の姿になってそれを受け入れられる程の年齢ではないはずだ。
それを考えるのならば、心から笑ったのは今日が久しぶりなのかもしれない。
ショウ自身は割と楽観的に考えているのでそこらへんは無視してもいいだろう。
やはり人というのは無表情や切羽詰まった顔より笑顔がいい。
特に、少年少女のような子供にはいつも笑顔でいて欲しい。
下衆であるショウ自身が言えることではないかもしれないが。
「ま、笑う門には福来るっていうしな。笑うときに笑って、泣きたいときに泣けばいいさ」
我ながら、いいことを言ったと思う。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/24(土) 21:16:54.40 ID:0j5nN7RNo<> 「あ、そういやもう一つ気になることがあったな」
昨日倒した、怪物の正体。
「何か妙な怪物に襲われてよ。変な空間だったな」
「それって多分…魔女かその使い魔だと思います」
「魔女?」
中世に盛んだったという魔法を使う女。
つまりはそれだろうか。
「そこも説明しないといけませんね」
「魔女を火炙りで倒すのかい?」
確か魔女かどうかを調べる方法にそんな物があったような気がする。
「一から説明しますと、まずキュゥべえって生き物と契約してあたしぐらいの女の子が魔法少女になるんです」
「魔法少女?また、ファンタジーなノリだな」
「聞こえだけは良いですけど真実は暗いですよ」
つまり、何かあるという事だ。
「契約の時に一つだけ願いがかないます。でも、魔法少女はやがて魔女になります」
「なるほどねえ」
少女という単語が日本には存在する。
そして、少女は成長すれば女となる。
その事から考えれば、当然なのかも知れない。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/24(土) 21:17:39.04 ID:0j5nN7RNo<> 「じゃあ、俺が昨日襲われたのはその魔女か使い魔のどっちかってわけだ」
「昨日戦ったそいつ、何か変なもの落としませんでしたか?」
そう言われれば…
「俺じゃないけど赤髪の女の子が何かを倒した後、拾うような仕草をしたような…」
「赤髪…佐倉杏子ですね」
少女の顔が険しくなる。
そういえば今日もおぼろげながらにも昨日見た赤髪の魔法少女が居たような気がする。
「お嬢ちゃんも魔法少女かい?」
「はい」
と言うことは、この家の友人も魔法少女なのだろうか。
そう考えれば、こんな化物を五体も家に上げるのは自然に思えてくる。
すると、この家の呼び鈴がなった。
十秒ほどの間の後、少女が玄関の方へと行く。
そして、扉を開けた。
「貴方は…」
「えっと…いつか会いましたっけ?」
二十代前半ぐらいのOLがそこに居た。 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>saga<>2011/12/24(土) 21:21:36.43 ID:0j5nN7RNo<> 投下終了
ショウさんキャラが定まらねえな
取り敢えずショウさんのそれぞれの人の大体の呼び方
・子供…男なら「坊ちゃん」やら「坊や」女なら「お嬢ちゃん」もしくは「嬢ちゃん」で
・大人…基本的に男女両方名前で呼ぶ(姓名どちらかは呼びやすい方を)
次回の投下は12月31日に来られればいいな
もしかするとこられないかもしれないのでその時は少なくとも月曜か火曜には投下しに来ます <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/12/24(土) 21:43:38.01 ID:eZWkrmWeo<> 乙です
ショウさん微妙にいい人なってるけど、なんかOLさんに怖いフラグが立ったような気がする <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/24(土) 21:45:32.63 ID:99HU5wTro<> メリークリスマ乙〜 <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/24(土) 21:59:33.24 ID:WVVHwT2so<> 乙乙 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga<>2011/12/31(土) 21:02:41.92 ID:JQ1pgpkeo<> 今回、>>333を奪われたのはうんたらかんたら
さて大晦日の更新です
それとは関係ありませんがちょっとしたネタを2レス <>
SPIRITS読んでて思いついたネタ<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:06:34.91 ID:JQ1pgpkeo<> ここは、BADANの侵略が始まった世界。
ほむら「そんな…まどかが…」
鹿目まどかはBADANの手によって意識不明の重体に。
ライダー バダン
正義についた魔法少女、悪についた魔法少女。
正義と悪の戦いが始まる。
魔法少女兵「いい能力だな。お前の作戦目的とIDは!?」
ほむら「約束。暁美ほむら」
一人の少女を助ける。
その約束を果たすために戦う。
マミ「ティロ・フィナーレ!」
V3「V3反転錐揉みキーック!」
或者は家族を失った悲しみと戦う。
さやか「スクワルタトーレ!」
アマゾン「大切断!」
友達。
その言葉を頼りに戦い続ける者。
杏子「行くぞ、ゼクロス!」
ZX「またか…」
「「必殺」」
「「『ロッソ・ファンタズマ』!!」」
復讐心を越えた、人ではない体で戦う者。 <>
SPIRITS読んでて思いついたネタ<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:08:07.29 ID:JQ1pgpkeo<> そして、またある者たちの戦いは。
織莉子「私達が為すのは救世。故に世界征服を企むBADANなどに手を貸すつもりはないわ」
ライダーマン「牙を持つ者は戦う。それが俺達だ」
滝「全くだな」
正義に誓いを懸けた者たち。
キリカ「赤心少林拳黒沼流奥義『桜花の型』!」
S1「赤心少林拳玄海流奥義『梅花の型』!」
自ら望んで戦う力を得た者。
ゆま「ゆま、役立たずなんかじゃないよ!」
2号「おーおー、心強いねぇ」
1号「一文字、巫山戯ている余裕はないぞ」
2号「へいへい。行くぜ、ゆまちゃん!」
ゆま「うん!」
「「ライダーダブルキック!」」
ゆま「あーんど、マジカルスマッシュ!」
幼き子ですら、悪と戦う意志を決めた。
この世界の結末は?
それは誰も知らない。
キュゥべえ「人間についたインキュベーターとBADANについたインキュベーター。どっちが正しいか、それを証明しようじゃないか」 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:08:37.98 ID:JQ1pgpkeo<> ZXと杏子でロッソ・ファンタズマがさせたかった
他のメンバーは共通点があったりなかったり
出せなかったライダーについては謝らない
投下開始 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:09:36.70 ID:JQ1pgpkeo<> ―Side:女―
昨晩現れた少女が渡してきたメモを頼りにアパートへ来た。
『ワルプルギスの夜』その意味を聞かされ、いても立ってもいられずつい、来てしまった。
見滝原の中心にあるあの巨大なマンションに比べればグレードは下がるが此処は此処でいいところもある。
せめて、此処に住めるようにはなりたいものだ。
そんな事を考えながら、呼び鈴を押す。
少しして出てきたのは二人の男女。
一人はこの街の中学校の制服をきた少女。
もう一人はホストのような格好をした二十代ぐらいの男だった。
「貴方は…」
「えっと…いつか会いましたっけ?」
見覚えがある気もするがそれが何か思い出すことができない。
「先週、あの廃ビルであったことを覚えてますか?」
「会ったこと…?じゃなくて有ったこと…」
キーワードは、先週、廃ビル、何かに遭遇。
そこから導き出されるのは初めての戦闘。
化物に化物にされ、妙な服装をした少女を相手にした後、ファイズと戦った。
だが、その時に他に人の姿は見えなかった。 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:10:06.17 ID:JQ1pgpkeo<> 「えっと、見間違えかなんかじゃなくて?」
「いや、そちらが知らないのも無理は無いですよ。あたしはあのビルの上の階に居ましたから」
そういう事か。
ならば仕方がない。
「取り敢えず、呼ばれてるんで上がりましょう」
「ええ、っと貴方はなんて名前かしら?」
「美樹さやかです」
目の前の少女が答える。
「俺は津上ショウゴだ」
ついでに、後ろに居たホスト風の男も名乗った。
「私は木野雪菜。よろしくね」 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:12:07.00 ID:JQ1pgpkeo<> 三人で自己紹介を終わらせた後、少女に導かれて家の中へ入る。
人が住んでいる感じはする。
だが、あまりにも生活感がない。
家においているものが少なすぎる。
昨日の少女が一人で住んでいるのか、もしくは目の前に居る少女が一緒に住んでいるのか。
後者は在り得そうにない。
見た感じ、活発そうなタイプで可愛いと言うよりも格好良いといったほうが似合いそうな雰囲気だ。
それを考えると、この少女が此処に住んでいるわけではなさそうだ。
「雪菜さんもオルフェノクなのかい?」
ホスト風の男、ショウゴが話しかけてきた。
「おるふぇのく?」
話しかけてきた内容にいまいちわからない単語が出てきた。
もしかして、今の自分の体に関係のある単語なのだろうか。
「ええ、そうですよ」
雪菜ではなく、さやかという少女が代わりに答えた。
やはり『オルフェノク』というのは自分に関係のある言葉。
恐らく、あの異型の姿のことだろう。 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:12:48.77 ID:JQ1pgpkeo<> 「オルフェノクっていうのは…あの化物の体で合ってるのかしら」
一応、確認してみる。
「はい。ついでにあたしもショウさんもオルフェノクですよ」
その言葉を聞き、後ろを振り返る。
その仕草に反応したのかショウゴが軽く手を挙げる。
軽くイラッと来た。
なんとなく信用しにくい顔つきだ。
「此処の家の主もオルフェノクなのかしら?」
「オルフェノクじゃないですけどちょっと訳ありですよ」
最初に戦ったあの少女と何か関係があるのだろうか。
だとするのなら『ワルプルギスの夜』という存在を倒すために集められた戦士ということだろうか。
無理に聞く必要はないだろう。
どうせ、この後ウンザリさせられる程聞かされるに違いない。 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga sage<>2011/12/31(土) 21:14:08.48 ID:JQ1pgpkeo<> 「雪菜さんは自分の体についてどれぐらい分かってますか?」
どれぐらい分かっているかと聞かれても困る。
最初に変身して以来、あの姿になったことはない。
寝ぼけて変身した可能性も限りなくゼロに近い。
仮に寝ぼけて変身していたとしても自分の意思であの姿になったことはない。
強いて言うならば、あの日以来妙に耳が良くなったりする程度だ。
「殆どわからないわ」
「んじゃー、オルフェノクになって以来変わったことは?」
「たまに耳が聞こえすぎるくらいかしら」
「了解。大体把握できてるみたいですね」
これだけなのか。
ちょっとがっかりした気分だ。
もっと、目からビームやら口からバズーカやらができたらよかったのだが。
いや、それはそれで気持ち悪い。
「なーお嬢ちゃん」
「何ですか、ショウさん」
ショウゴがさやかに話しかける。
「俺、さっき雪菜さんが言った症状っていうかその状態俺はまだなってないんだけど」
「まあ、ショウさんは昨日なったばかりでしょ?それに条件もよくわかんないし」
この男、昨日オルフェノクになったばかりなのか。
自分のほうが先輩だと思うと、なにか上に立った気分だ。
短い通路を話しながらきたせいかかなり時間を掛けてしまった。
ようやく、目的の部屋の前に来たようだ。
「皆集まってるから、話は後にしましょう」
そう言って、さやかは扉を開けた。 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>saga <>2011/12/31(土) 21:15:27.98 ID:JQ1pgpkeo<> 投下終了
それでは皆さん良いお年を
次回の投下は土曜日夜9時頃から <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/31(土) 21:23:53.37 ID:h9yK9uUoo<> 乙・乙・乙 <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/31(土) 23:41:04.67 ID:WUgYQLQeo<> 乙
良いお年を <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/01(日) 10:19:32.44 ID:wjvlBsnYo<> 明けましておめでとう
今年もよろしくお願いします <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/01/07(土) 21:58:53.94 ID:ZXXoWfXko<> トウカ、レディー?
明けましておめでとうございます
遅い?
おばあちゃんが言ってた…気が抜けなけりゃ何時でも正月だってな
世間的には加賀美開きするまでがお正月でしたっけ?
まあいいや
遅くなったけど投下します
オーケー、トウカ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/07(土) 21:59:51.03 ID:ZXXoWfXko<> ―Side:さやか―
マミからのテレパシーを受け、玄関の扉を開けるとそこには以前オルフェノクになったOLがいた。
名前は『木野雪菜』というらしい。
三人で自己紹介をし、オルフェノクの話をしながらマミ達が居る部屋へと向かった。
歩きながら話をしたせいでかなり時間を掛けてしまった。
「遅かったわね」
椅子に腰を掛け、足を組んだほむらが言った。
「悪い悪い。色々話してたからさ」
他人に隠す必要は無いので正直に言う。
「まあいいわ。そっちの貴方」
「私かしら」
ほむらが雪菜を呼ぶ。
「此処へ来たということは、この街を守る決意をしたのね」
「ええ。私もこの街は好きなのよ。辛いこともあるけど、黙って見ているわけにはいかないでしょう?」
とても深い話をしている。
どうやら、昨日の夜にでも会ったようでその時にワルプルギスの夜について話したようだ。
「そう。貴方、名前は?」
そうそう。
まずは自己紹介から…
「って、お互いが名前知らないんかーい!」
思わずツッコミを入れる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/07(土) 22:00:36.42 ID:ZXXoWfXko<> それと同時に、周りの者がビクリと肩を震わせるが問題はない。
有ったとしても無視だ。
「名前も知らずに何か深いこと話しすぎ!」
反論なんて、あるわけない。
寧ろ、反論などさせるはずもない。
「いや、自己紹介はいるでしょう?」
冴子が言うことも最もだ。
だが、ほむらと雪菜の会話の流れで自己紹介は何処かおかしい。
「そっちの後ろの坊やの名前も知りたいしね」
「俺?てかあんたは何でオルフェノクの姿になってるんだ?」
今までスルーしてきたが確かに影山冴子がオルフェノクの姿のままなのは気になる。
「人間の姿を捨てた。唯、それだけよ」
だたそれだけと言われても困る。
事情を知らない者にとっては理解が追いつくはずがない。
影山冴子と仲間関係にある男や、因縁のある海堂と三原は分かっているようだが。
後、男が妙に冴子に怯えているのは気のせいか。
「ふーん、人の姿を見せられないほど年食ってる―」
数メートル離れていた距離が一気に縮まり、次の瞬間にはショウの体が浮き上がっていた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/07(土) 22:02:07.55 ID:ZXXoWfXko<> 「この、ア―」
恐らく『アマ』と言おうとし、殴りかかろうとしたのだろう。
しかし、それをするよりも速く冴子のパンチ(?)が入る。
その後も抵抗も虚しく数発殴られ続けるショウ。
「ぼ、暴力はいけいない!」
などと言っているが、顔面が変形しかけている。
流石に可哀想になってきた。
「はいはーい。ストップストップ」
剣を取り出し、二人の喉元に当てる。
「まずは自己紹介からじゃないんですか?あたしはそっちのおじさんの名前も知らないし」
おじさん…?という疑問詞のついた声が聞こえた気がする。
聞こえた気がするだけであって聞こえてはいないはずなのでここは何事もなかったことにしよう。
「んじゃ、まずはショウさんから」
もはや異型面とも言える顔をしたショウに挨拶をさせよう。
「その必要はないわ」
髪を手で靡かせ、ほむらが言った。
「名前を此処に書いて」
そう言って後ろのホワイトボードを指す。
なるほど、アレなら簡単に説明できそうだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/07(土) 22:03:01.63 ID:ZXXoWfXko<> ヨロヨロと歩いて行くショウを戦闘に三人が名前を書き始める。
ホワイトボードに書かれた三つの名前。
『津上ショウゴ』
『木野雪菜』
『琢磨逸郎』
(最初からカタカナで『ショウゴ』って説明すればよかったんじゃ…)
きっと、彼の癖なのだろう。
強引に納得し、それぞれの話を聞く。
さやかとしては、名前さえわかれば後は付き合っていけばどんな人間かわかるから話は聞く必要はあまりないのだが。
当然、皆が皆同じというわけではないため、さやかもそれに従う。
長い話になりそうだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/01/07(土) 22:06:31.33 ID:ZXXoWfXko<> シュウリョウ、レディー?
オーケー、シュウリョウ!
殴られてなんぼのショウさんです
このSSでは三原が殴られる代わりにショウさんが度々殴られるようになります
書き溜めがきちんと出来るまで、週一にさせてください
地の文が多いと筆が進みません
という訳で次回の投下は土曜日夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/01/07(土) 22:55:18.00 ID:4/5Xmtd8o<> オツゥ、オーン、レディ?
オツゥ、リミットブレイク!
週1了解です、毎回楽しみに待ってるよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/01/14(土) 21:21:37.20 ID:s7rBNvMVo<> スピリッツ読んでるとZXに惚れるね
話しがなかなか進まない上に他のSSを読む時間が取れない
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/14(土) 21:22:42.10 ID:s7rBNvMVo<> 一人三分程度の話が終わった。
ショウの話は既に聞いていて、雪菜の事情はなんとなく分かっていたため殆ど聞き流した。
ただ、琢磨逸郎の話は少々惹きつけられた。
十年前、スマートブレインという会社が倒産した。
公には、会社を引っ張る者、要は社長がいなくなったということにされていた。
だがその実態は、オルフェノクの存在をバレるのを恐れたため。
政府や警察上層部の一部の者には、オルフェノクについて知っているものが居るという。
しかし、対策を立てる間もなく事実は闇に包まれた。
未知の生命体、オルフェノクの秘密が人間にバレるのを恐れるのは納得できる。
そして何より驚いたのがギアは本来、スマートブレインの所有物だということだ。
確かに、海堂の持っているトランクケースには見えにくいが薄っすらとロゴが確認できる。
琢磨の持っているカイザギアも同様だ。
「ま、ざっとこんな物ですかね」
「間違いじゃあ無いな」
琢磨と海堂。
何か因縁があったようだが仲がいいようにも見える。
「それにしても珍しいオリジナルねえ…」
冴子がショウをじっくりと観察する。
ショウの顔が引き攣っているが助けはしない。
手を出す必要もなさそうだし、何よりもショウ自身が手を出させないだろう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/14(土) 21:23:21.44 ID:s7rBNvMVo<> 「良い事を思いついたわ」
「な、何ですか姉御?」
ショウの口調がヤンキーの舎弟のようだ。
見た目や雰囲気的にも余り問題ないのが面白い。
「さやかちゃん、貴方もオリジナルよね」
「へ?ええ、まあ一応」
オリジナルというのはオルフェノクに殺されたのではなく、事故や病気などの要因でオルフェノクになった者を示す。
ショウの話を聞いた限りでは、魔女の口づけにやられ飛び降り自殺。
其の後にオルフェノクへ覚醒。
さやか自身は言うまでもなく事故死。
二人の死亡者なかからさやかは直ぐに覚醒した。
そういえば、死んだ運転手の葬式をするといった後から連絡を受けていないような気もする。
しかしそこは、さやかの家族、恭介の家族共に出来るだけ触れたくなかったので深く追求はしていない。
「琢磨君、こっちへ来なさい」
琢磨が何も言わずにこちらへ来る。
ほむらとはまた別の何か色々と諦めた目。
今まで散々振り回されてきたのだろうか。
「せっかくだし、ラッキクローバーの再誕と行こうじゃない」
「「ラッキークローバー?」」
さやかとショウの声が重なる。
クローバといえば三つ葉だが幸運の印である四つ葉のクローバーも存在する。
それにあやかってラッキークローバーなのだろうか。
などと適当なことを考えてみるがわりと合っているような気もする。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/14(土) 21:24:00.38 ID:s7rBNvMVo<> ショウもどうやらそのあたりの考えが浮かんだらしく愛想笑いを浮かべている。
また殴られそうな気もするが黙っておこう。
「ラッキクローバーっていうのはオルフェノクの精鋭みたいなものです」
そりゃあ四人しか居ないのだから精鋭にしかならないだろう。
寧ろ、その人数で大したことがなければ笑いものだ。
「オルフェノク同士、同盟を結ばないかってことですよね?」
ショウが確認する。
「貴方にしては頭の回転が速いわね。そういう事よ」
出会ってまだ一時間も立っていないに拘らず、冴子にとってのショウは頭の悪い駄目な子扱いのようだ。
「ほむらと約束を結んでるんじゃ?」
影山冴子は暁美ほむらと協力関係にある。
そして、ワルプルギスの夜を倒すために、マミ達とも手を組んでいる。
それ程までにワルプルギスの夜が強いということだろうか。
でなければ、マミと協力する必要がないはずだ。
魔法少女とオルフェノクとしての問題が有る上に、マミと冴子では実力差は明らかだ。
初めての出会いでマミが冴子を吹き飛ばせたのはそれが不意打ちだったから。
正面からぶつかり合えば、木野雪菜の時のように攻撃など物ともせずに冴子は突き進むだろう。
その事はさやか自身も体験した。
魔法少女の攻撃はオルフェノクには通用しない。
そうでなければ、佐倉杏子の槍はさやかの胸へ突き刺さっていたはずである。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/14(土) 21:24:43.59 ID:s7rBNvMVo<> 「それはそれ。これはこれ」
『家は家。他所は他所』みたいな言い方だ。
しかし、さやか自身も何か楽しそうな感じはする。
限られた人間だけで構成された組織。
四天王やら二人はなんちゃらやおジャ魔なんとかとか。
化物同士の傷の舐め合いと言われるとそこまでだが。
「で、どうするの?乗るの、乗らないの」
「乗らないわけないですよ。なんか面白そうだし」
「私は元メンバーとしてはどっちでもいいですよ」
琢磨はどうやら入るらしい。
復活を喜んでいるのだろうか。
いや、ないだろう。
表情が暗い。
何か嫌な事でもあったのだろうか。
「俺はい―」
『嫌だ』というつもりだったのだろうか。
ショウが言い終わる前に冴子が睨む。
「嫌じゃないです」
(ヘタレ…)
彼は自分より強い人間よりとても弱いらしい。
自分のことを下衆などと言っていた辺りから自分が優位の時は女性の顔を殴るぐらいはしていたのだろうか。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/14(土) 21:25:24.35 ID:s7rBNvMVo<> 「つーかなんで俺なんだよ。あの海堂さん?とかいるじゃねえか」
ショウの言うことも最もだ。
海堂とは昔の因縁があるにしても、雪菜を呼ばなかったのは不思議だ。
「確かに、仲が悪いにしても雪菜さんとかいるじゃないですか」
「ラッキークローバーに入るにはあの娘には意志の強さが足りないわ。少なくとも人間として生きようとする時点で駄目ね」
そういえばそうだった。
海堂は人間として生きるオルフェノク。
そして、海堂に感化された雪菜も当然人間として生きるオルフェノクだ。
ショウがこれからどうするかは知らないが、さやかは人として生きようとは思わない。
いや、生きられないのが分かっている。
でも、せめて、人間らしく。
人であったということだけは忘れたくない。
「まあ、今までと同じようにはいかないよな。それを考えると、俺にとってはいい提案かもしれないな」
「そう思うでしょう?出来れば、可能な限り人間をオルフェノクにしていって欲しいんだけど…ね」
冴子がほむらの方を一瞬だけ見る。
どうやら、向こうには聞こえていないようだ。
「ま、別に今まで通りで構わないわ。復活といっても名前だけみたいなものだし」
それは復活させた意味があるのだろうか。
「話は終わったかしら?」
いつの間にこっちに来たんだ暁美ほむら。
「ええ。そっちも?」
「ええ。取り敢えず今日は此処で解散にしてもらうわ」
「待って!」
此処で全員が別れる。
その前に一つ、やっておかなければならないことがある。
「えっと…取り敢えず、オルフェノクだけでちょっと集まりましょう!」
海堂達と冴子の関係をどうにかしなければ、ワルプルギスの夜との戦いに支障がきたすだろう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga <>2012/01/14(土) 21:29:06.81 ID:s7rBNvMVo<> 投下終了
一応強いはずなんですよショウさん
なかなかそれを見せられないだけで
ちなみにおジャ(ryとかは適当に上げただけです
実際あの世界で放送していたかどうかは皆さんの想像にお任せします
次回の投下は土曜日夜9時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/01/15(日) 02:59:36.56 ID:eusRWuFT0<> やっぱり冴子さんは555当時から変わってないというか他に生き方がないみたいだな。。。
オルフェノクも魔法少女も心の強さの有り様と意識の持ち様では人間の限界は超えられてないと思うんだが。
これらの点でさやかの意識に変化が訪れるのか興味大で期待wwkwwk! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2012/01/22(日) 02:28:53.05 ID:tkCM6qQn0<> ショウフェノクはビーストウォーズUのスカイワープをZガンダム顔にした感じと勝手に妄想 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/01/22(日) 21:16:16.90 ID:LcAhwixjo<> 昨日は投下出来ずに申し訳ありませんでした
ショウさんことホークオルフェノクの武器は一応ZガンダムのBRをモチーフにしています
あれは銃口から直接サーベルが出てきますけど
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/22(日) 21:16:45.72 ID:LcAhwixjo<> 再びあの広場に集まったオルフェノク達。
具体的にはオルフェノクに出はないものもいるが別に似たような状態なので構わないだろう。
マミとほむらは魔女退治に行き、まどかはそれに着いて行った。
(何から言えばいいんだろうか…)
此処に集めたのはいいが、何を話せばいいのか全く思い浮かばない。
簡単に暁美ほむらの提案を受け入れたあの時の自分を恨む。
(冗談抜きで何すればいいんだろう?)
誰かに助けを求めるべきか。
そもそも、テレパシーが通じるのだろうか。
前にキュゥべえが海堂を呼び出したこともあったが、あれは例外だろう。
普通の魔法少女に同じように通じ合えるかどうかは怪しい。
「美樹さん、貴方が我々を呼び出したのは今の関係をどうにかしたいからですよね?」
「え?ああ、はい」
突然琢磨に話しかけられた。
「私も丁度、暁美ほむらさんにこの関係をどうにかしろと言われてまして」
ほむらのやつがそんな事をしているとは意外だった。
まあ、さやかだけに押し付けるというのもおかしい話だが。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/22(日) 21:17:25.98 ID:LcAhwixjo<> 「っと、まあ仲良くしましょうってわけで―」
「んなこと出来るかよ!」
琢磨の言葉を食いながら海堂が叫ぶ。
「こいつのやって来たことを忘れたわけじゃねえだろ!」
「俺も海堂と一緒だ。あんたがどうしてそんな事を言うのかは知らないけどそいつと協力なんて信じられないな」
海堂と三原は冴子と協力する気はないらしい。
憎しみに近い感情を抱いている相手に協力しろというのも無理がある。
「なあなあ、あの3人?仲悪いのかい?」
「どうもそうみたいね」
後ろでは雪菜とショウが耳打ちをしながら話している。
なかなかややこしい話になっている。
十年も前に起こされた出来事などさやかは知らない。
故に、三人がぶつかり合っているのが無性に腹が立つ。
「もう!黙って話し聞いてりゃなんですか!」
突然大声を出したため、全員がさやかに注目する。
「まずは海堂さん!貴方は誰に協力したいんですか!マミさん!?それとも暁美ほむら!?」
「り、両方だよ」
そんな事、聞かなくても分かっていた。
「冴子さんと協力しようと思うから無理なんですよ!あたしが言えることじゃないけどもっと柔軟に考えろ!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/22(日) 21:18:36.72 ID:LcAhwixjo<> 「次に三原さん!」
「俺は…当然杏子ちゃんも含めて」
それも聞かなくても分かる。
「じゃあ、冴子さんのことを無視しろ!それができないなら無理だよ!」
「最後に冴子さん!」
「私は協力してあげるつもりよ」
「だったら、その姿勢を見せろ!アンタも大人だろ!オルフェノクだとか人間だとかじゃなくて!」
言いたいことは全て言い切った。
叫び続けたせいか喉が痛い。
どうやら声がまともに出せないことに気付いた雪菜が鞄を探っている。
少しして出てきたのは元気ハツラツな炭酸飲料。
「炭酸で悪いけどいる?」
声に出すのが辛いため、首を縦に振り応答する。
雪菜の手からジュースを受け取り蓋を開け一気に飲み干す。
口の中で炭酸のはじける感じが気持ちい。
と同時に痛い喉が刺激されるのが問題か。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/22(日) 21:19:45.95 ID:LcAhwixjo<> 「プハッ、ありがとうございます」
少し喉が痛かったが、何も飲まないよりはマシだ。
「役に立ててよかったわ」
瓶は自分で処理しよう。
そう決め、殻になった瓶は持っておく。
「あんたらさあ、恥ずかしくねえのか?」
突然、ショウが口を開く。
「まだ知り合って数時間ほどしか経っていない俺が言うのも何だけどな、中学生にここまで言われてだらし無くねえか」
実に男前な事を言っている。
こうしてみると意外といい男に見える。
「三十超えてるような大人が、中学生相手に説教されてるとか見てて笑えてくるぜ」
先刻まで、冴子に怯えていたとは思えないほどの気迫だ。
「この街に来て、なにかやるって決めたんならそれに従え。自分達のことなんか他所でやれ」
「ショウさん…」
いや、本当にこの男はイケメンなのかも知れない。
普通の女性なら惚れているかも知れない。
普通の女性ならばの話だが。 <>
いd変わったかも<>saga sage<>2012/01/22(日) 21:22:15.23 ID:5+RHhNUAo<> 「たかが昨日今日オルフェノクになったばかりの坊やがよく言うわね」
「ひぃい!ごめんなさい!」
(ショウさん…)
前言撤回。
やはりヘタレだこの男。
こんな男に惚れる女など居ない。
口先にだまされない限りは、絶対に付き合いたくない男だ。
「お仕置き…と言いたいところだけど貴方達の言うことも尤もね」
「へ?」
ショウが間抜けみたいな…間抜けな声を出した。
「確かに向こうの彼等とは色々あった。決着はつけるべきだけどそれは今すべきことではないわね」
「さっすが姉御だ!」
こんな時にだけ調子の良くなる男。
こんなので世の中を渡ってきたとなると余程運が良かったとしか言い様がない。
「いちいちうるさいわね。最強の魔女を倒したら、私達四人で街を出る」
冴子がショウを殴り、一つの提案をする。
「それで何処かで戦って勝ったほうが正義ってことでいいわね。琢磨君は…敵でも味方でもどっち付かずでも構わないわ」
絶対に負けないものといって、冴子は三原達を見る。
「分かった。ワルプルギスの夜を倒したら、街を出てお前と決着をつける。それまでは何事も起こさないように…だな」
「仕方ねえけどそれで勘弁しといてやるよ」
なんとか話はついたようだ。
正直、さやかいらなかったような気もする。 <>
やっぱり変わってた<>saga sage<>2012/01/22(日) 21:22:54.42 ID:5+RHhNUAo<> 「そうでもないでしょ」
「え?」
「いや、貴方なんだか自分が必要なさそうじゃないのかって思ってそうで」
そう言って、雪菜はクスクスと笑う。
雪菜の言ったことにほっとする。
口に出していないはずなのに、心を読まれたかと思った。
「大人相手にここまで言い切れる子供も珍しいわね」
自分の性格は自分がよく知っている。
言うべき場所ではっきりと物事を言い表せる。
それが喧嘩などに発展することはあっても言わずにはいられない。
「それに、さっきの貴方と私なんだかそっくりにみえたからね」
雪菜の言っていることが理解出来ない。
「私ね、オルフェノクになる前はめちゃめちゃドジだったのよ?」
「今とぜんぜんイメージ違いますけど…」
今の彼女から感じるのは、しっかりとしたお姉さん的なイメージが浮かぶ。
少なくとも、ドジそうな雰囲気は感じられない。
「同僚からも変わったねって言われるのよ」
そう言って、雪菜はまた笑う。
「なんなんだろうね。自信がついたのかも。自分は他とは違うんだって」
「前向きな考え方ですね。あたしには絶対無理ですよ」
そう。
さやかには同じ考えができない。
何故、他人と違うことに自信をもつ必要がある?
何故、普通の人間と同じ生き方をしようと思う?
どうせ自分は、薄汚い化物のくせに。 <>
やっぱり変わってた<>saga sage<>2012/01/22(日) 21:23:33.73 ID:5+RHhNUAo<> 「海堂さんに出会ったから、今の私がこうして生きてる」
まるで恋する乙女のようだ。
「恋でもしてるんですか?」
そこで、思い切って聞いてみた。
「恋…ね。私もよく分からないのよ。ほら、よく言うじゃない。憧れと恋は別物だって」
「そういえば…そうですね」
かつてさやかが恭介に抱いていた感情。
確かに憧れや尊敬もあったかもしれない。
だが、この体になる前にあった感情は、間違いなく恋だった。
「ま、この話は終わりにしましょう」
話題が終わると同時に、ショウが戻ってきた。
殴られた方と反対側に大きな手形が付いていることから、恐らくビンタでもされたのだろう。
「えっと…じゃあここで解散で。明日からまた頑張りましょう」
琢磨の合図で、全員が帰路へとついた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga <>2012/01/22(日) 21:26:28.30 ID:5+RHhNUAo<> 投下終了
雪菜さんとショウさんの年齢はどんなもんなんでしょうかね
一応自分の中ではショウさん26〜28、雪菜さん後輩ホスト(故)は22〜24ぐらいで書いてますけど
次回の投下は土曜の夜九時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/01/22(日) 21:34:55.14 ID:aAYZg0D2o<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2012/01/26(木) 00:35:54.74 ID:LZ4JHnP/0<> おい、ついにオルフェノクの検索候補にさやかが表示されるようになったぞww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/01/28(土) 03:28:40.18 ID:z0LURYHL0<> 誰かさやフェノクイラスト化してぷりーづ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/01/28(土) 21:24:19.75 ID:VYIeBA38o<> 最近インフルエンザが流行っているようで
そんな>>1は火曜日に風邪をひきましてね
飯食って風邪薬飲んで寝たら一晩で治りましたけど
それでも、皆さんは体調に気をつけてください
>>373
試したらマジで困る
何か恥ずかしい
>>374
自分自身、武器と下半身の体表が鱗のようなもので覆われてるってことしか頭にないんで各自のご想像にお任せします
投下開始
最初に言っておく今回の設定は気にするな! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/28(土) 21:25:15.73 ID:VYIeBA38o<> ―帰宅途中―
さやかは偶然帰り道が途中まで一緒だというショウと共に町を歩いていた。
「ねえ、ショウさん」
「なんだい?お嬢ちゃん」
「恋って…何なのかな…」
先程雪菜との話題をショウにも振ってみる。
「元ホストの俺にそれを聞くかよ?」
「いいから」
元ホストだとか、普通の会社員だとかそんな物はどうでもいい。
「あー、恋とはまた別だけどさ、夢ってのも色々不思議だよな」
「何処か違うのに似てる感じがするってことですか」
「そうそう、それそれ」
叶いそうで叶わないものが夢。
実りそうで実らないのが恋。
ショウの言う通り、少しだけ同じ所があるのかもしれない。
「俺の言葉じゃねえけどよ、夢ってのは持ってるとすごく熱くなったりすごく切なくなったりする…らしいぜ。
ま、その人も自分の言葉じゃないって言ってたけどな」
海堂とはまた違った夢の解釈。
夢を恋に置き換えても然程違和感がない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/28(土) 21:25:46.34 ID:VYIeBA38o<> 「なんか偉そうなこと言っちまったな」
「いや、参考になりました。口ではうまく言えないけど…」
その瞬間、さやかの携帯が鳴った。
携帯を開いてディスプレイを見るとそこには『上條恭介』という文字が。
なかなか鳴り止まない携帯。
このままでは時間の無駄だとさやかは着信を切る。
そして、そのまま携帯の電源を落とした。
携帯を閉じ、力強く握りしめる。
携帯のボディ位が軋む音が聞こえたような気がした。
「いいのかい?出なくても」
「あ、ああ。間違い電話だったみたいです」
一つ、嘘をついた。
恭介が電話をかけてきた理由など本当はわかりきっている。
彼の腕が『奇跡』で治ったということを。
そして、その『奇跡』を起こした少女がさやかだと恭介は確信している。
「さー、帰りましょー」
「って、おいおい」
無理に元気を出しながら、家に向かって走る。
ショウに言われた通りに、無駄に元気を出しながら。
その後、さやかの携帯には所々に亀裂が入っていた。
そして、家に入ると直ぐに携帯の電源を入れ、恭介の電話番号を着信拒否設定にし、アドレス帳からも消去した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/28(土) 21:26:19.40 ID:VYIeBA38o<> 時間は少し遡る―――
―Side:恭介―
さやかが帰って直ぐ、眠ってしまっていたようだ。
目覚めた直後から何かがおかしい。
左腕に違和感。
まるで、あの事故から目覚めた日を思い出させるかのような感じ。
ただ、あの時とは正反対の感じ。
その違和感を確かめるべく、布団の中から腕を出す。
天井に手を掲げ、動かないはずの手のひらを動かす。
動いた。
何も口から出なかった。
医者に自分の手はもう動かないと言われた以上の衝撃が来ている。
現代の医学では100パーセント治すことは不可能だと言われた自信の左腕。
その左腕が何故か動いている。
奇跡か魔法でもなければ動かないはずの左腕が。
そこで恭介は思い出した。
帰り際、さやかが残していった言葉を。
『偽物なら奇跡も魔法もあるんだよ』
あの言葉、間違いない。
今自分の腕が動くことと関係している。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/28(土) 21:27:07.21 ID:VYIeBA38o<> そう思うと居ても立ってもいられなくなった。
今すぐ彼女に会って確かめたい。
『君が奇跡を起こしたのかい』と。
ベッドを抜け出し、地に降り立とうとする。
が、周りの物をなぎ倒しながら転んでしまった。
ベッドの手すりを掴み、再び立ち上がろうとするが立てない。
やはりまだ無理だ。
そう考え、地面を這いつくばるように移動し始める。
この病室の広さを今まで以上に恨んだ。
唯でさえ広い自分の病室。
一人でいるときは寂しく、そして今はこの部屋を出るのに時間を掛けさせる。
「こんなに遠かったっけ…?僕の居る病室は…」
いつも誰かに手を借りていたから分からなかった。
だがこの程度の障害が何だ。
さやかはもっと辛かったのだ。
既に自分の体が人ではないと知りながら、いつも自分を励ましてくれていた。
だから確認したかった。
謝りたかった。
感謝したかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/01/28(土) 21:27:37.27 ID:VYIeBA38o<> あと少しで扉と言う所で突然扉が開いた。
「上条君!?貴方何してるの!?」
どうやら先刻の物音に気づいたらしい。
看護師が恭介の前に屈む。
それと同時に恭介は看護師の肩を両腕でしっかりと掴む。
「ん?貴方、ちょっと待って!」
看護師が急に立ち上がった。
「ちょっと担当の人を呼んでくるわ。貴方はそこでじっとしてて!」
やってしまった。
そうなのだ。
知らないはずはない。
自分の腕が動かないなどこの病院に居るならほとんどの者が知っているはずだ。
そこまで頭が回らなかった。
そして数分後、医者がやってきて直ぐに体の精密検査に入った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/01/28(土) 21:29:46.99 ID:VYIeBA38o<> 投下終了
自然と話しが重い方へ
けど書いてて気分が乗るのは重い話というね
夢ってのは〜の辺りは出したかっただけです
別に話に深く関わるほどのものでもないです
次回の投下は土曜の夜九時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/01/31(火) 23:19:08.80 ID:Z88DRCb20<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/04(土) 21:09:06.96 ID:5e/L5A+8o<> 東映公式の555見てるけど最初の方は見るのが辛い
オルフェノク組の話が重すぎるような
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/04(土) 21:09:58.03 ID:5e/L5A+8o<> ―翌日―
昨夜は失敗した。
あの時無理をしなければ、今頃さやかに確認が出来ていたのかも知れないのだ。
医者に言われたことなど、殆ど覚えていない。
『奇跡だ』とか『在り得ない』などと言っていた気がする。
だが一つだけしっかりと覚えていたことがあった。
『もしかすると、早いうちに退院できるかも知れないね』
昨日のさやかが言っていたことが本当だとすれば、今日からさやかはここには来ない。
けれど、退院したならそれはもう関係ない。
学校へ行けるようにもなる。
そうすれば、さやかはきっといる。
ならば学校で呼び出して話を聞けばいい。
けど早く確かめたい。
そんな気分もあった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/04(土) 21:10:45.98 ID:5e/L5A+8o<> 時間は四時半頃。
既に学校も終わって、今は放課後だろう。
いつもならこの前後の時間には来ている筈なのだがその様子はない。
やはり駄目かと思い、携帯を取り出した。
その瞬間、病室の扉がノックされた。
「さやか!?」
しかし扉の向こうに現れたのは母親だった。
「あらあら、さやかちゃんが良かったかしら?」
「い、いや…そういうわけじゃないけど」
彼女は本当に芯ができている。
一度言ったことは確実にやり通すタイプの人間だ。
でも、心の奥では少し期待していた。
もしかするともう一度この病室に来てくれると。
「恭介、時間少しいいかしら?」
「え?うん」
その返事と同時に部屋に車椅子が入ってくる。
「退院と逆になっちゃうけど…貴方へのお祝いよ」
母に手を借りながら車椅子に乗り、エレベーターへと向かう。
母が押した階数のボタンは屋上。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/04(土) 21:11:51.20 ID:5e/L5A+8o<> 少しの間の後、屋上へとついた。
「皆!」
そこに居たのは、父親や自分を担当してくれた医師や看護師達。
しかし、いや、当然といえば当然なのかもしれない。
その人達の中に、さやかの姿はなかった。
そして、父の腕には自分がよく知った物があった。
「それは……」
「お前には処分してくれと言われたが、どうしても捨てられなかった」
以前、もう必要ないと思った自分のバイオリンがそこに存在している。
「怖がらなくてもいい」
父からバイオリンを受け取り、構えを取る。
さやかのことは気になる。
だが、せめて今だけは音楽に集中しよう。
彼女が起こしたであろう、この奇跡が本物であるか確かめるためにも。
彼女に、この音色が届くように。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/04(土) 21:12:35.72 ID:5e/L5A+8o<> ―病室―
演奏の出来は完璧だった。
まるで、今ベッドに寝ているのが嘘のように。
だが、嘘ではない。
さやかが一度死んだのも。
自分の腕が一度は完全に楽器を弾けなくなったことも。
もう、逃げない。
今まで、自分が認めたくなことから逃げ続けてきた。
だから、確かめよう。
彼女の口から。
本当の話を。
信じられないような事を聞くかも知れない。
けれど、それはきっと真実なのだ。
そして、全てを聞き終わった後に謝ろう。
今はまだ、彼女の下に出向く力はない。
何時か、電話越しではなく彼女を前にして話を聞く。
だから、今はまだ。
携帯からさやかの電話帳を選び、電話をかける。
十数秒の後、微かな音がした。
「さやか!」
電話から聞こえたのは電話の切られた音だけだった。
もしかすると、今は都合が悪いのかも知れない。
そう思い、またあとでかけ直すことにした。
しかし、その後何度かけてもさやかが電話に出ることはなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/04(土) 21:13:43.90 ID:5e/L5A+8o<> 投下終了
そのうち書いてて胃が痛くなりそうな展開です
次回の投下は土曜の夜九時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/02/05(日) 03:55:47.92 ID:w/h+Mdyn0<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2012/02/06(月) 00:02:53.34 ID:5Xd8TZX/0<>
人,_,人,_,人,_,人,_,
*** < 仮面ライダー389が>
‖‖‖ /Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yヾ
ー―ァ r:::::ヾWゾ::::ヽ
_ノ オ!::::::::,r─ 、::::::) オオオォォォォ!!!!!
__, Y { 0O0.}:::ノ ,r-,,=
,゛==ヽ:ヾIIIIツノ~i/ 〃 `ー―-、
/ /⌒`//´⌒c/^^^ ))))))))))
,,―イ {ー''"~{ {~゛`ー`/'`'~/ー--―'
)) ,./ゝ_/∧ゝ_ノ ノ
ー''" |ロ ロ |
人,_,人,_,人,_,人,
<>>389ゲット!>
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2012/02/06(月) 01:08:08.60 ID:qygl8Ar80<> さやかちゃん、それ>>390だよ…… <>
>>1<>sage<>2012/02/11(土) 21:29:01.15 ID:wH/SbZKpo<> 申し訳ございません
このような駄目>>1で
何が言いたいかって言うと書き溜めが出来ていません
少ないとかじゃなくて無いんです
なので明日、もしくは明後日の投下予定です
皆さんにはご迷惑をおかけします <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/02/11(土) 23:20:12.26 ID:NvLfvqYw0<> ドンマイ。待ってるよー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/13(月) 21:11:48.82 ID:Ybhubapao<> 東映公式で555、夢の守り人が配信中
555の中でも一番いい話だと思ってます
今更だけど暴力表現は異形の花々に近寄るように目指します
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/13(月) 21:12:34.12 ID:Ybhubapao<> ―ゲームセンター Side:杏子―
いつものゲームセンターでダンスゲームをしていると誰かが近づいてきた。
自分のプレイしているのを近くで見たいから近づいてきた…というわけではない。
確かに、自分はここでかなりの腕前としても通っているし、他のゲームでも勝負を挑んでくる客は少なからずいる。
だが、今後ろに立っている奴はそんな用じゃない。
「何か用でもあるのかい?」
見なくても分かる。
『同業者』だ。
「担当直入に言う。ワルプルギスの夜を倒すために協力して欲しい」
なるほど。
昨日キュゥべえが出てきて聞いてもいないことをベラベラしゃべっていたと思ったがこの事が関係していたのか。
「取り敢えず今の段階ではやだね」
「な!?」
まさか断られるとは思ってもいなかったようだ。
今振り返れば間抜けな面が拝めたりするのだろか。
「キュゥべえがなんか言ってたけどさ、あんた未来から来たんだってねえ」
「……」
そこで黙るということは、認めているということで認識しておく。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/13(月) 21:13:04.96 ID:Ybhubapao<> 「一人の人間のために何度も何度もやり直す。バッカみたい」
誰かのために契約をするなど間違っている。
奇跡は自分ためだけに使うべきだ。
「ま、あんたが持ってる情報は大体持ってるからさ、いま来ても無駄ってわけ」
交渉するには相手より上の条件を持ってこなければならない。
情報、金、地位、名誉。
何か特出したものを持ってこられれば考えてやってもいいのだがキュゥべえの話を聞いた後ではまともな話は聞けそうにもなかった。
「……て」
「あ?なんか言ったか?」
「貴方が協力をしない本当の理由を教えて」
見透かされていた。
雰囲気から相当の死線を潜ってきたのは間違いない。
そして経験から得た洞察力や『統計』といったもので自分の性格を判断している。
「なーんだ、分かってるのかよ。つまんねえ」
見抜かれていたのでは仕方がない。
せめて理由だけでも話してやろう。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/13(月) 21:13:32.52 ID:Ybhubapao<> 「あんたさあ、化物連れて歩いてんじゃん」
「影山冴子のことかしら」
名前を言われてわかるものか。
「んっと…オルフェノク?だっけアレを追い出せば考えてやらないこともないかな」
アレはこの世に存在してはならない。
忌々しき存在。
魔女など足元に及ばない最悪の存在。
どんなに強固な体を持つ魔女でも、同じ場所を攻撃され続ければやがて破壊される。
どれだけ速い魔女であろうと、その体を縛り上げれば身動きを取ることなどできはしない。
だが奴等は違う。
どれだけ魔力を込めようとも、刃はその体を貫かない。
渾身の力を込めて体を縛り上げたとしても、簡単に振りほどいてしまうだろう。
奴等だけはこの地球上に存在させる訳にはいかない。
「オルフェノクはワルプルギスの夜に対する有効な戦力になる。貴方の条件は受け入れられないわ」
「そうか。残念だ」
尤も、協力する気など無かったが。
魔法少女として最優先事項は生き延びること。
故に、戦って生き延びられるか怪しいワルプルギスの夜に挑むなど馬鹿のすることだ。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/13(月) 21:14:08.71 ID:Ybhubapao<> 「けどな……」
自分と暁美ほむらは似ている。
「あたしとお前。同じ部分も多いだろ?」
「さあね」
隠していても分かる。
こいつは自分の目的を果たすためなら何かを捨てられる。
何かを得るなら、何かを捨てる。
その選択を簡単にできる人間。
そういう奴はこの世界で生きていても長く生き延びられる。
その証拠に、何度も繰り返してきた時間の中で暁美ほむらは生き延びている。
唯自分が暁美ほむらと違うのは、得たいものが自分だけか、何か別の物かということ。
「折角ここまで来たんだ」
ここで初めて暁美ほむらの方へ体を向ける。
「くうかい?」
手に持っているポッキーを差し出した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/13(月) 21:18:33.71 ID:Ybhubapao<> 投下終了
基本的にポッキーやオロナミンCなどはそのままでいきます
名前変えるは簡単だけどライダーとクロスなら問題ない…はず
ほむら「武器はいつもアメリカ基地や自衛隊から盗んでるわ。でも魔法少女だから問題ないわ」
さやか「いや、よくないっしょ。刑法的に」
次回の投下は土曜夜九時を予定
兎に角頑張ります <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2012/02/13(月) 22:02:08.49 ID:5/zCF/0uo<> 詠矢ネタワロタwwwwww
乙です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)<>sage<>2012/02/17(金) 23:52:36.83 ID:FeYWaq5E0<> ,イ⌒ヽ
_,.-―ァ'⌒>─ァ'┴-、
/: : : :/: : : : : :/: : : : : :.>、
/: : : : _N_ : :// /⌒ : : : : : \
/: :ヽ>'゙´ `ソ レ' ⌒ヽ: : : : : : : \
/: :/ ∠云ミ.Y ∠ミ、 ヘ: :./: : : :∧
〈/ /´ ム ヘ ∨: : : :ノ ∧__
/ / /.,イ l > x ヘ ', ',´フ: : : :}: : : :}
. / , / /rク!/「 ムl>〉ヽヘ ∨: : : :∧ : :/ ,
/ ,イ { イ/乂{.个トv'´::::`ヽ/r〉', ', : : __ノ: :|.: :〈rヘ_/ 〉
| ./ :! 从 〈}Y⌒l. }.{::::::::::::::} /、.ヘ ∨´ : : :,' : :} : :/ ,. -―x
レ゙ :レ j∧j`!::::::!ミ彡.、::::_ノミヘy ) ',: :,' / : :/: : : :/ / }
〈 i i | }、ゝァ'ト 彡 `< ∧ヽ.∨,.イ ∨人_/\_// /
_〉、j∧ 乂_フ.ヾムl! Y ヽ /`ヽヘ、_ 乃 ∨ ̄ ̄´ / /
rヘハ ハrヘr、 〈 ヽ人| ト、\ム7!| ヽ/. /,r',r' ハ 〉 / /
゙, ∨⌒ヽト、| \ | | 从ノ ヽヘ  ̄ ヽ/ 从jヘ八从 i' / ∠_
∨_\_ゝ┤ \_ し'´ ̄ / ̄>r‐<´irvヘト、__ ノノ/ , ' `)
',0 YY⌒\ __∨ {: : ⌒KY>┴‐┴ァ: :/ ̄/∨ , /
∨.」r‐i」\ \ ゝ∧ 〈: : : : :.,{ {: : : : : : /: :/ ' ∨ x――<
. ∨==┤. \ \.゙ヽ∧ :{: : : : /^i: : : : : :./: :,イ \ ,.' 〉
゙ヽ、_j \ \.\辷_∧_; イ ハ_: : : :/ : :i j ∨ /
\ \ \ト、: :j___」\ /.: : :| | 人___>'´
\ \,ヘ乂,イ : : : :j, イ: : : :j从 rヘ/∨≫、\
\ \(∧: : : : : : : : : : : : : >v┬'´ 〉〉__〉,: :》 : :〉 /\
. \ \}: : : : : : : : : : : : : 辷_从_,イ ,、_〉〃: :〈/≫、.: :\
/\ 〉、: : : : : : : : : : : :.ゞ、_,、_,、i__ソ ∨ :,: :': : : : : :》 : : |
_/: : :〃>ゞ.二ニ=─ '゙´: : :.〈 : :∧ ',: : : : : : : :〃 : :/
/: : : 〃/: : ゛、-‐: : : : : : : : : : : :.∨/∧ ∨: : : : : :}} : :{
>>398乙かとおもった?残念さくやちゃんでした
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/18(土) 21:19:21.20 ID:NTWn7Wixo<> 詠矢さんすごく人気だよなー(棒
それにしても橘さんはネタに困らないな
アンサイクロペディアでもほぼ全てのライダーに橘さんネタがあるぐらいだし
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/18(土) 21:19:52.12 ID:NTWn7Wixo<> ―Side:オルフェノク―
「そこ!」
ショウの変身したホークオルフェノクが使い魔に銃を撃つ。
その銃撃によって倒された使い魔はこれでおよそ20体目。
マミと比べると劣る正確性。
だが、力を使い始めてまだ一日二日程度しか経っていないことを考えるのなら上出来だった。
そして、ショウから少し離れた所ではコンドルオルフェノクの姿をした雪菜が戦っていた。
雪菜の戦闘能力は他のオルフェノクと比べると能力込みで低い。
だが、彼女もショウに負けず劣らずの戦果を上げていた。
勿論、彼女だけの力でそこまで戦えているわけではない。
さやかのサポートがあってこその戦果だった。
「ハッ!」
さやかの召喚した車輪を足場に使い、空中で軌道を変える。
オリジナルではない雪菜のために冴子が考えた戦い方だ。
冴子の言い分では『能力の低さはどうしようもないから誰かがカバーする』
そして、そのサポート役を任されたのがさやかだった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/18(土) 21:20:47.02 ID:NTWn7Wixo<> (はぁー、もっと前に出て戦いたいなあ)
この結界の中に入ってまだ使い魔とも戦ってない。
その原因が冴子にあった。
さやかの担当は雪菜のサポート。
車輪を作り、そこへ雪菜があわせて縦横無尽に動きまわるというとても退屈な役割だった。
冴子の担当は、冴子自身とさやかに近づいてくる使い魔の退治。
そのおかげかさやかの半径10メートル以内に入って来られる使い魔は居ない。
その働きぶりは、冴子の真面目さが伺える。
勿論、そこまで動いてくれるのは自分達がオルフェノクであるからだということを分かっている。
(せっかくのこれもあんまり役に立ちそうにないな)
冴子が念のためにさやかに渡したカイザギア。
当然これも殆どその役割を果たしていない。
(なんでこんな事になってるんだっけ?) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/18(土) 21:22:56.15 ID:NTWn7Wixo<> ―数時間前―
「貴方達に足りないもの。それは一体何かしら?」
ほむらが用事があるといって何処かへ行った後、冴子が突然言った。
その場に居たのは、海堂と三原を除くオルフェノク組。
そして、その質問はさやか、雪菜、ショウに向かって言われた言葉だった。
「俺達に足りないもの?そりゃあ、情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ!そして何よりも!速さが!?」
妙な台詞を早口で言っていたショウの言葉が中断される。
ある、体の部位を蹴られたことによって。
そして、その攻撃された事を琢磨だけが同情した。
生理や出産は女だけの痛みというが、今回のショウは男だけしか味わえない痛みを感じていた。
何というのだろうか。
下から上へ駆け上がってくる痛みの波に男は悶え苦しむしか無い。
ショウの股間へ入れられた蹴りは深かった。
オルフェノクといえども、体の頑丈さには人間態では限度がある。
冴子の攻撃は、その限界を余裕に超えていた。
どうでもいいので取り敢えずショウの話はここで終わりにする。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/18(土) 21:23:37.70 ID:NTWn7Wixo<> 「貴方達に足りないのは経験よ」
そう言われると『はい、そうですね』としか返せないようなことを言われた。
実際、さやかは覚醒したのは半年前でも、自分の意志で変身したのはこの前が初めてだった。
雪菜はつい一週間ほど前、ショウにいたっては二日前に覚醒したばかりである。
三人全員が一戦はしているものの、経験不足なのは誰から見ても明らかだった。
「本来は私の役目じゃないけれど、私が貴方達を教育してあげるわ」
――――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――
という話だった。
因みに出かける前に冴子が自分達を待たせている間に
『返してください!僕のカイザ!』
という琢磨の情けない声が聞こえてきた。
周りの男はヘタレしか居ないような気がするさやかだった。
勿論、海堂と三原は別だが。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga <>2012/02/18(土) 21:25:20.15 ID:NTWn7Wixo<> 投下終了
マジで短いよー
因みにスクライドは見た事無いです
見たいアニメだけど
ショウさんも後々見せ場があると信じてください
きっと汚名挽回してくれますよ
次回の投下は土曜の夜九時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/02/25(土) 02:17:26.85 ID:fWvrzkoo0<> カイザギアと言う事は、もしかしてさやかちゃんいよいよスタンディンク ゙バイ コンプリート?
乙です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/25(土) 21:11:26.21 ID:iQ5NczyEo<> プレバンの何も怖くないケーキ付属のまどかの顔が笑える
あれ一体何なの
でも、使い所のなさそうなマスケットフォークはほしい
今回はいつもの短さよりさらに短め
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/25(土) 21:12:37.38 ID:iQ5NczyEo<> (それにしても出番ないな)
冴子の働きぶりは異常だ。
自分の護衛などしていなければ前に出てショウや雪菜以上に使い魔を倒せるのは間違いない。
「何をやっているの?早く行くわよ」
冴子に呼ばれ、自分たちの周りにほとんど使い魔がいなくなってることに気がついた。
元々、使い魔を倒しながら進んでいたため、魔女の居る最深部まではそう掛からなかった。
「ようやくあたしの出番ってところかなー」
だか、魔女と戦う前に一つやっておくことがあった。
カイザフォンを開き、画面に表示されている変身コード『913』を押そうとした。
しかし、その前にカイザフォンはさやかの手から離れた。
「あれ?あたしが変身するんじゃないんですか?」
この流れからすれば、最後の締めは自分が…と考えていたのだが。
「三人の中じゃ一番力のある貴方が使っても意味はないわ」
「じゃあ、なんであたしに」
「もしも、という時のためだけよ。今はもう必要ないわ」
冴子の言葉を聞き肩を落とす。
こんな事なら少しは無茶しても変身しておくべきだった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/25(土) 21:13:26.10 ID:iQ5NczyEo<> 「これは貴方が使いなさい」
そう言って、冴子はカイザギアを雪菜に投げ渡した。
「え?私?」
「能力の低さをツールで補う。それと、さやかちゃんとの協力ね」
どうやらカイザには雪菜が変身するようだ。
雪菜をサポートしていたさやかから見ても雪菜の能力はとことん低い。
オリジナルとの違いがあるとは言え、さやかとショウの二人との差が激しい。
「えっと…じゃあ私がこれを使いますね」
そう言って雪菜は腰にベルトを巻きカイザフォンを開く。
変身コードを入力し、エンターキーを押す。
『Standing By』
ファイズの音声とは違い、こちらは濁ったような重低音。
「変身!」
左手でカイザフォンを挿し込み、右手で倒す。
『Complete』
雪菜の体を黄色い線が走り、アーマーを形成する。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/02/25(土) 21:14:15.13 ID:iQ5NczyEo<> 黄色い光りに包まれて、変身した雪菜のカイザ。
顔や胴体にギリシャ文字『Χ』を現したような姿。
魔女の結界という薄暗い空間の中で、その姿はよく映える。
紫色に光る目。
黄色く光る体全体を走るダブルストリーム。
雪菜は自分が変身した手を眺めていた。
「何ぼさっとしてるの」
雪菜の意識がカイザから離れる。
「早く魔女を倒しに行きなさい」
そう、この先には魔女が待ち構えている。
「あたしはどうすれば?」
「好きにしなさい」
適当にあしらわれた。
ならば、勝手にやらせてもらう。
意識を集中し、自分なりの変身をする。
「カイザとやるならこうでなきゃね」
魔法少女ではなく、オルフェノクとしての自分。
これが、さやかの選択だった。
「それじゃあさやかちゃん、行くわよ!」
そして、二人で結界の最深部へ侵入した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/25(土) 21:17:03.83 ID:iQ5NczyEo<> 投下終了
ショウ「嬢ちゃんかと思ったか?残念!ババァでした!」 エクシードチャージ>
雪菜さんはカイザフォンを倒した後はアナアギの最後のポーズで変身します
ショウさんの変身の仕方は思いついてるけどさやかちゃんは…シンプルにしていいよね?
次回の投下は土曜夜九時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/02/25(土) 21:31:52.94 ID:SFwy73cX0<> 乙・乙・乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/03/05(月) 21:11:18.51 ID:DbDi/hoUo<> また延期か(SSとfigmaさやかちゃんの両方の意味で)
投下が遅れることに関しては私の責任だ
だが私は謝らない
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/03/05(月) 21:12:30.78 ID:DbDi/hoUo<> 魔女が腕のようなものを振り下ろす。
雪菜の変身したカイザが魔女の攻撃を後ろへ飛んで躱す。
しかしさやかは違う。
避けるときも前へ。
逃げ回れば死にはしない。
だが、敵を確実に倒すのならば前に出るしかないのだ。
確かに、さやか、カイザ共に魔女に対しても遠距離で通用する武器はある。
しかしそれらは遠距離攻撃という性質上、スピードの減退、エネルギーの拡散、相手の反応速度等の要因により当たらない可能性がある。
マミはそれらを数と経験で補っているが、今の二人にはマミほどの正確性も経験もない。
さやかの後方にカイザが着地する。
だが、魔女はカイザに見向きもしない。
既にさやかの攻撃が直ぐ側まで来ている。
「こいつでも喰らえええ!」
魔女の判断も的確だった。
まだ武器を使っていないさやかの攻撃をあえて受ける。
化物といえど拳一発では致命傷にはならない。
肉を切らせて骨を断つ。
魔女が取った行動はそれに近かった。
無防備なさやかに向かって魔女の腕が突き出される。
魔女を殴るために一度宙に浮いたその体は吹き飛ばされるはずだった。
しかし、魔女の攻撃はさやかには当たらない。
車輪を足場に使い、再び上へ飛ぶ。
そこでもう一度車輪を蹴り、魔女から離れる。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/03/05(月) 21:12:54.67 ID:DbDi/hoUo<> 「雪菜さん!あわせてください!」
さやかが前へ出ると同時にカイザがブレイガンを撃つが、それは牽制にもならない。
そこで雪菜も遠距離での攻撃は無駄と察しミッションメモリーをカイザブレイガンに挿入する、
『Ready』
電信音声と共にグリップ下部から黄色い刀身が現れる。
逆手持ちの剣を順手持ちに変え、さやかの後を追う。
そして小指でブレイガンのトリガーを弾く。
距離が変われば武器の役目も変わる。
先程までは牽制にすらなっていなかったそのエネルギー弾は魔女が避けるようになった。
カイザの前のさやかは既に魔女に向かって飛びかかっていた。
当然、魔女がそれを迎撃するように腕をふる。
そして次の瞬間、雪菜の目に写ったのは腕を真っ二つに切り裂かれた魔女の姿だった。
魔女の攻撃が当たる寸前、さやかは剣を発生させた。
唯自分の前に構えた、ただそれだけの事だった。
唯それだけの事なのに、それを実行に移せる判断力が彼女にはあった。
敵の攻撃さえも利用して反撃する。
下手をすれば自分が傷を負うかも知れない反撃の仕方。
まるで死の恐怖を感じていないかのような戦い方だった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/03/05(月) 21:13:47.44 ID:DbDi/hoUo<> さやかの戦い方を見ても、雪菜にはあの戦い方はできない。
ならば、自分ができることをやるだけだ。
魔女の直ぐ側まで近寄り、わざと攻撃を誘う。
そしてその攻撃を避けた直後に飛び上がる。
残る腕は右腕のみ。
魔女の肩に立ち、ブレードを魔女に突き立てた。
「ハアアアアア!」
渾身の力で、魔女の腕を根本から切り落とした。
最早この魔女に自分達に反撃する方法はない、そう判断した雪菜はブレイガンからミッションメモリを抜いた。
そして、左側のカイザショットへと付け替えた。
『Ready』
カメラのような形から、手で握る事ができるようにグリップが現れる。
そこを右手でつかみ、カイザフォンを開いてエンターキーを押す。
『Exceed Charge』
高濃度のフォトンブラッドがカイザの右手に集中する。
通常の動物であれば頭が在るであろう場所へとゆっくりと近づいていく。
そして魔女のほぼ中心まで行き、そこで魔女を殴りつけた。
殴られた場所に大きくカイの紋章が現れ、魔女の体を青い炎と共に消し去った。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/03/05(月) 21:14:25.91 ID:DbDi/hoUo<> 「今私があの冴子さんに喧嘩を振ったとして負けるのは?」
「間違いないく雪菜さんでしょ」
やっぱりね、と言いつつ変身を解除する雪菜。
「これ、お返しします」
渡された時と同じように、雪菜は冴子へカイザギアを投げ渡す。
「まあまあよくやったわ。65点といったところね」
よくわからない点数をつけられ、頭に疑問詞の浮かぶ二人。
意味がわからないので細かいことは気にしないことにした。
ついでに二人はショウの顔を見る。
「ん、どうした?俺に惚れたかい?」
などと言っているショウの冗談を聞き流す。
そして、今日は殴られてないんだと少しがっかりする。
実際に魔女と戦としていた時間は五分から十分程度だとしてもショウならこの間に二、三発殴られていてもおかしくないはず…と二人は思っている。
その裏には、戦闘中二人きりで終始無言で気まずい雰囲気が流れていたということを二人は知らない。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/03/05(月) 21:15:53.82 ID:DbDi/hoUo<> 投下終了
もっとちゃんとSS書く時間を取らなければ
別にリアルで忙しいというわけでもないので
次回の投下は土曜の夜九時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/03/10(土) 21:17:33.65 ID:zurpSiJpo<> 今月のマガジンは新スピ掲載ページたったの10ページ
この調子じゃライスピが終わるのはディケイド2が始まる頃になりそう
投下開始 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/03/10(土) 21:18:19.44 ID:zurpSiJpo<> ―Side:恭介―
もう退院してもいいらしい。
そう、医者に言われた。
脚の回復が思ったよりも早く、腕も完全に治りきっているため予定より繰り上がったそうだ。
恭介自身も、車椅子をつかなくとも松葉杖で日常生活を過ごすには問題ない程度には回復していたと感じていた。
流石に、体育に出て運動をすることはできないが、家から学校まで行くぐらいなら何とかなりそうだ。
とは言っても、二、三日は安静にして置かなければならないが。
「……」
退院したことを彼女に伝えるべきか。
今日急に決まったこととはいえ、彼女にはとても世話になった。
既に携帯の画面にはアドレス帳が開かれ、『美樹さやか』の電話番号にカーソルが合わされている。
だが、最期の決心がどうしてもつかない。
この二日間、何度も電話をかけた。
勿論繋がらなかった。
着信拒否設定にされているのが数回目で気づけた。
しかし、どうしても諦めきれなかった。
何度かメールも送った。
それも返信など来るわけがなかった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga sage<>2012/03/10(土) 21:18:52.65 ID:zurpSiJpo<> 彼女は既に自分なんかとは違う次元に生きている。
それでも、恭介の中ではまだ彼女は人間だ。
一度死んだことなど関係ない。
彼女が一度死んでいるのならば、自分も同じようなものだ。
バイオリンの弾けなかった自分など死んでいたも同然。
それが偶々治ったに過ぎない。
彼女だってそうだ。
偶然、蘇ってしまっただけなのだ。
幸い、彼女のことを知っているのは自分だけ。
今なら、まだ普通の人間として生きていけるはずだ。
自分なら、彼女のすべてを受け入れられる。
彼女のどんな要求にでも答えてあげられる。
まずはその前に彼女にあって謝ろう。
初めは拒否されるかも知れない。
だが諦めない。
何度だって食い下がってやる。
そう思い、彼女に合う前の絶対に返信の帰ってこない最後のメールを送信した。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/03/10(土) 21:20:23.75 ID:zurpSiJpo<> 投下終了
取り敢えず間は恭介で持たせる
繋ぎには持って来いの恭介くんです
次回の投下は土曜の夜九時頃から <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<>sage<>2012/03/11(日) 00:22:48.04 ID:SIi/mB0Bo<> おつ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/03/20(火) 01:09:26.11 ID:09LkeQtu0<> 待ってるお <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<>sage<>2012/04/15(日) 18:33:10.30 ID:ncnu/ciho<> まだかね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/04/29(日) 18:32:34.91 ID:4NUjtw+x0<> http://www.nicovideo.jp/watch/sm17603735
>>1支援
投下を待ってるぞ! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/05/11(金) 21:04:46.69 ID:Qn0IT1hzo<> >>1がいなくなって二ヶ月経ってしまった… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/04(月) 18:09:48.74 ID:aXzCgeoto<> どういう事なの? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)<>sage<>2012/06/04(月) 21:57:55.01 ID:rWARd2A+o<> ここは3ヶ月だったかなどっちにしろもう落ちるかな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/06/04(月) 22:36:28.17 ID:aXzCgeoto<> 誠に遺憾である <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/06/10(日) 17:56:14.01 ID:Sf84ev9Vo<> (スレの落ちる音) <>