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HTML化した人:lain.
「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part3
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2011/09/14(水) 21:26:14.36 ID:BfQAwTo90
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」とは
 2ちゃんねる - ニュー速VIPで生まれた
 都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたりそんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
 まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりと色々活動しているスレです。
 基本的に世界観は作者それぞれ、何でもあり。

 なお「都市伝説と…」の設定を使って、各作者たちによる【シェアード・ワールド・ノベル】やクロス企画などの活動も行っています。
 舞台の一例としては下記のまとめwikiを参照してください。

まとめwiki
 ttp://www29.atwiki.jp/legends/

まとめ(途中まで)
 ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html

避難所
 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13199/

■注意
 スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
 本スレとはあまりにもかけ離れた雑談は「避難所」を利用して下さい。
 作品によっては微エロ又は微グロ表現がなされていますので苦手な方はご容赦ください。

■書き手の皆さんへ
 書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップ推奨(どちらも非強制)
 物語の続きを投下する場合は最後に投下したレスへアンカー(>>xxx-xxx)をつけると読み易くなります。
 他作品と関わる作品を書く場合には、キャラ使用の許可をスレで呼びかけるといいかもしれません。
 ネタバレが嫌な方は「避難所」の雑談スレを利用する手もあります。どちらにせよ相手方の作品には十分配慮してあげて下さい。
 これから書こうとする人は、設定を気にせず書いちゃって下さい。

※重要事項
 この板では、一部の単語にフィルターがかかっています。
 メール欄に半角で『saga』の入力推奨。
「書き込めません」と出た時は一度リロードして本当に書き込めなかったかどうか確かめてから改めて書き込みましょう。
2 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/14(水) 21:28:19.93 ID:BfQAwTo90
一応前スレ↓
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310721571/
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/14(水) 21:30:19.60 ID:zySYtrjw0
                       厂刀、            , ヘ _ 
            _, -‐…‐- 、___//: : : \____/: : : : >r
         _>'´: : : :_,.- " : :/弌》__: : : : : : : : : : : : : : : : : : , : : }
      , イ ̄`: : : : : : : : : :¨ ‐-、 : :\⌒>、: : : : : : : _: :-: :¨: : /
.     /: : : : : : : : /: :.,': : : : :: : : : : \ ∧     ̄ ̄フ : : : : : :/
    /:/: : : /: : :.ハ : :ト、 \: : : : \ : :Y i|      / : : : : : /
    | l: : :./: : :./ハ: :{ \j\j : : ∧, j: :|.    /: : : : :/           、
    | |: : :| : : ,`匕  `‐z匕  \ : : }K: j.     /: : : : :/          }\
     j,ハ: : |: :∧fて!  イfて)'y  Y: :jF'},ノ   ,': : : : :/              |.: :.\
      \ト、{ ハ ヒリ    ヒ::リ '  j /rソ    イ: : : : :.{              ト、: : ハ
.         j,从 " 、   ""   ム/     ,{|: : : : : ト、_______ イ: :): : :.}
           ゝ、 rっ   , イ,|_⌒    ハ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
               >-r<_/ iト、  \  \、: : : : : : : : : : : : : : : : : : 彡イ
              x<7イx公、   // \ _〉\_   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          rく  // 〉::::fゝ_イ /     |     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .!
          ∧,  // /⌒i|  / /      i| こ、これは>>1乙じゃなくて  |
          { j { { /:::::::::| ,/ /       | ポニーテールなんだから.   j
          | | ∧∨:::::::::::レ' /    ヘ,  | 変な勘違いしないでよね!  |
                          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

4 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/14(水) 22:07:04.09 ID:BfQAwTo90
新スレキター
でも俺にはネタがないごめんなさいorz
5 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/14(水) 22:43:41.17 ID:WpOVs+X30
【上田のメンズバレンタインデー】

「さて……出来た。」

 袋の中に次々と女性用下着を詰めていく男。
 上田明也である。
 窓の外を眺めればなんとも美しい朝日が登っていた。

「一晩かかってしまったのか……。」

 そう、この男、メンズバレンタインデーに合わせて自らが関係している女性全員の為に下着を作ったのだ。
 驚くほど器用な男も居たものである。

「と、言うわけで男上田、今からこれを配ってきたいと思います。」
 
 こうして上田は意気揚々と町に出かけたのである。

「と、その前に。茜さん?」

 彼は茜の部屋の中に勝手に入り込む。
 寝てた、茜さんは心地良さそうに寝息を立てて寝ていた。
 いつも通り分けのわからない美少女フィギュアとガンプラで埋め尽くされた部屋である。
 上田は何も言わずに彼女のために作った白いレースの下着を包みに入れて置く。

「お仕事ですかぁ?」
「うん、行ってくるよ。そこにプレゼント置いておいたから後で開けてみると良い。」
「わーい……。」
「お前の好きなウサギ柄だから大切にしてね。」

 まだ寝ぼけている様子の茜を置いて部屋を出る。

「そうだな、霙出てきなさい。」
「はーい。」
「お前は何時も何時も何処に隠れているんだい。」
「基本的に側に居ろっていうから……。」
「これから色々回らないといけない場所が有るんだ、ついてくるなよ。」
「はーい。」
「よしよし、良い子だな、じゃあお前にはこれをあげよう。」

 霙はその場でプレゼントを開ける。
 中からは何やら白くて面積の少ない下着が出てきた。
 というかむしろ紐といっても差し支えないレベルの品である。
6 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/14(水) 22:44:14.71 ID:WpOVs+X30
「…………え?なんか普段買ってくれるのと違いますね。」
「勝負下着だ、今夜は寝かせないぜベイベー」
「いやんえっちぃ。」
「という訳でいってきまーす。」
「いってらっしゃーい。」
 
 上田はヤマハV-MAXの最新モデルに跨って町に出た。

「まずは新島家に行くか……。」

 流石V-MAXというべきか、無闇矢鱈と早い。
 人の少ない休日の朝の道路を上田はスイスイと駆け抜けていく。
 新島家の前に着くとインターフォンを鳴らす。

「あれ、上田さん?どうしたのさ?」
「ちょっとプレゼントをな。」

 上田は友美に丁寧に包装された箱を渡す。

「何?」
「パンツとブラだ。」
「なんかの記念日だっけ?」
「メンズバレンタインデーというらしい。
 下着会社の戦略に素直に乗るのも嫌だから俺が作った。
 なんだったかって繊維100%で履き心地抜群だ。しかも風通しも良い。
 実用性優先で作ったから色気の無い物になったがまあ……エロいのはもう沢山有るしよかろう。」
「へー……ちょっと開けてみても良い?」
「あー、後でにしてくれ。」
「お母さんどうしたの?」
「あ、明。」
「お母さんプレゼント貰ったの?良いなー!
 私も欲しい!」
「……と、なるからだ。」
「成程。」
「しかし準備はしてある。」
「あるの!?」
「明、お父さんからバレンタインデープレゼントだ。」
「わぁ!ありがとう!でも今日バレンタインなの?」
「男の人専用のバレンタインってのが有るらしい。」

 明はすぐに家の中へ引っ込んでいった。

「笛吹さん……ちなみにあっちの方には……。」
「うん、ネコさんワッペン(自作)を……。」
「ワッペンまで自作かい。」
「いやあ……凝っちゃって。」
「お茶でも飲んでいくかい?」
「いや……」
「あれ?バレンタインデーなのにチョコじゃないのー!?」
「とまあこうなるからだ。」
「成程。」
「お父さーん!?これいったい……」

 上田は全力でバイクを加速させた。
7 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/14(水) 22:44:47.21 ID:WpOVs+X30
「さて……次はここだな。」
「あら、明也くん。」

 生垣の薔薇を手入れしている妙齢のご婦人。 
 朝月朔夜の母、文月である。
 ちなみにお仕事は看護婦。

「文月さん今日は居たんですね。」
「やだ、いつも私が仕事ばっかりしてるみたいじゃない。
 今日は魔導書の解読の手伝いに来てくれたの?」
「今日はメンズバレンタインデーとやらのプレゼントです。」
「へえ、なにそれ?」
「下着会社の陰謀じゃないですかね。」
「まあ、陰謀だなんて私の大好きな言葉の三本指のうちの一本に入るわ。」
「とりあえず受け取ってください。」
「私アガタモダの奴以外付けない主義よ?」
「じゃあ大丈夫、これは買ってきたものですから。」
「これは?あらあら、私と奥さん以外に何人に配ったのかしら?」
「男は少し秘密が有ったほうが良いんですよ。」
「やれやれ……母さんと朔夜が起きてくると面倒だわ。早く行って。」
「朔夜はまだしも何故ヨツバさん……」
「良いなー私も欲しいわー」
「うわっ、いつの間に!?」
「ってなるから……もう遅いけど。」

 文月の隣に何時の間にか立っていた若々しい女性。
 文月の母、ヨツバである。
 外見だけなら娘より若い。

「スバルから貰えば良いでしょう。」
「それもそうね。」
「俺がそれとなく教えておきますから。」
「とかなんとか言いつつ私の分も準備してるんでしょう?」
「えっいやそれはあっ!」
「ほらやっぱり。」
「いやそれはスバルのプレゼントということに……」
「良いわよ、あの子にはまた別の選んでもらうから。」
「もー……。」
「気の利くプレゼントありがとう、最近また育ってきてて……。」
「は?」
「え?」

 文月と上田は信じられないという眼でヨツバを見る。

「文月あんたも真面目に勉強しておけば今頃ほぼ永遠の若さが手に入ったのに。」
「ちょっと後悔してるわ……。」

 これ以上育ててどうする気なのだ。
 娘に少しは分けてあげたらどうなのだ。
 とか思ったが上田はあえて何も言わず朝月邸を去った。



「ただいまー。」

 事務所に戻ると丁度昼ごはんの時間だった。
 上田は茜の作ったお吸い物と焼き魚とご飯を食べると自分の部屋でぐっすりと眠り始めた。
 彼の枕の下には新品のネクタイが有るのだが彼がそれに気付くのはちょっと後のことである。

【上田のメンズバレンタインデー fin】
8 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/14(水) 22:50:22.65 ID:WpOVs+X30
急いで書いた
とくに意味も山もオチもないけどいいじゃないすか
平和で
9 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/14(水) 23:08:56.56 ID:BfQAwTo90
笛の人乙です〜
上田かっこよすぎるwwwwwww
しかしヨツバさん、まだ育つのかよwww
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/15(木) 19:29:18.08 ID:Ax1+sDxpo
笛の人乙です

上田がかっこい……かっこいいと言っていいのだろうかこれは
内容はともかく手作りの贈り物だし、かっこいいとしておこう、内容はともかく
ヨツバさん老いないくせに育つとかどんなチートだよ……あ、育てられたんですね
11 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/15(木) 20:02:33.17 ID:j80kxuqO0
>>10
>ヨツバさん老いないくせに育つとかどんなチートだよ……あ、育てられたんですね
育てられたとしたら、育ての親は・・・昴千切れろぉ!!!
12 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/15(木) 23:11:22.71 ID:Iakifefd0
【不思議少女シルバームーン 第九話 第五章「宵闇」】

「……ここは?」
「お目覚めの気分はどうかな?我が息子よ。」
「真祖(マスター)じゃないですか、僕は死んだんじゃあ……。」
「ビルの瓦礫に埋まってたお前をこっそり掘り出してきたんだよ。
 少しは感謝して欲しいもんだね。」
「……とはいってもねえ、僕は全てを失ってしまった。
 生きていたって……。」
「馬鹿者!我が貴様に吸血鬼の能力をくれてやったのは何のためだったと思っているのだ!」
「いやそうなんですけどね。折角お金も兵士も援助してくださったのに……。」
「何を言っている、貴様が失ったのは消耗品だけだ。
 貴様にとって本当に大事な物は何一つ失っていないではないか。」

 目が覚めたのは和風な家屋の一室。
 黒曜石のように黒くなめらかな肌、引き締まった肉体、黒衣。
 眼の前に居たのは僕を吸血鬼にしてくれた師匠。
 僕はあの魔法少女に負けた後、彼女に助けてもらったらしいのだ。

「縁とやら、入ってくることを許可しよう。」
「ジャック!」
「紅瀬ちゃん、生きていたの!?」

 部屋に飛び込む赤一色でドギツイ色した服の女性。
 紅瀬縁である。
 彼女だけは……本当に僕の思想に共感してくれた女性だ。
 僕のそばに居てくれた女性だ。
 母親のような女性だ。

「良かった!目が覚めて本当に良かった!」

 思い切り抱きしめられたせいで呼吸ができない。
 まあ十分間くらい呼吸を止めようが楽勝なので気にしないことにしよう。

「見ろジャック、お前は何一つ失っていない。
 乖離姫と謳われたこの我が直々に血を吸ってやったのであるからして当たり前ではあるがな。」
「真祖(マスター)、ありがとうございます。」
「堅苦しい、師匠で良い。」
「はぁ……。」
「エリザベス様、私の治療も含め、本当にありがとうございます。」
「構わんよ、碧が貴様のことを殊の外気に入っておるようだったしな。
 まあ偶にはヤツの機嫌もとってやらねば。」
「茶飲み友達の青さんと緑さんですか。」
「ああ、偶には鵺の字の所に顔を出してやれよ。私の代わりに。」
「どんだけ不精なのですか。」
「気にするな、私は少し部屋を空けるからおとなしくしていろよ。」

 そういうと“師匠”こと元テンプル騎士団最強“鬼札(ジョーカー)”の“吸血鬼”エリザベスは部屋を出ていった。
 部屋を出た彼女を待ち構えるように佇む人影。
13 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/15(木) 23:11:53.10 ID:Iakifefd0
「おや、鵺の字よおまえも来るなら言ってくれよ、契約者も一緒か。」
「契約者なんかじゃないわ、私の可愛い息子よ。」
「ご無沙汰しています鵺さん。」
「そういえば青と緑の作った警備会社に就職したそうじゃないか。」
「縁故採用ですよね。」

 鵺、古代日本に於いて最強を謳われた都市伝説である。
 そしてその契約者鵺野夜行も彼女の側に控えている。

「あらあら、実力よ実力。偶々知り合いだったから優先的に雇っただけ。」
「いくら知り合いでも使えなきゃ使わないわ。」

 品の良い双子の老婦人が歩いてくる。

「青と緑ももう来てたのか。」
「「ええ」」
「済まんかったな、私の弟子のために金を使わせて。」
「良いわよ。」
「彼のおかげでまた儲けられたもの。」
「「それに私たちの息子のこともあったしね、世の中助けあいよ」」
「それにしても何故戦争で儲かるのだ?しかも隠蔽されて世界への影響は少ない物だとばかり。」
「私たち生粋の都市伝説には仕組がさーっぱり分からないわね。」
「どこかが損すれば」
「どこかが得する」
「「世の中のルールよ」」
「契約者は心を削り」
「都市伝説は力を与える」
「貴方達や私たちが生まれる前からの世界の大原則ね。」
「それより立ち話もなんだわ。」
「お茶でもゆっくり飲みましょう。」
「今日は話すことが沢山あるねえ。」
「ジャックを倒した魔法少女だったっけ?」
「ああ、あの子ね、私たちの計画に有用だと思うわ。」
「あまり多くの人間を計画に巻き込むのは賛成できんな。」
「解っているわよ。」
「九尾ちゃんも呼びたいわねえ。」
「あの子今どこにいるの?」
「さあ、どっかの国でまた同じようなこと懲りもせずにやってんじゃないの?」 

 四人の女性はクスクスと笑う。
 
「悪者が居てそれを倒せば全部解決するなんて時代はもう終わり。」
「この世にあるのは正体不明の欠片のみ。私たちは悪なのかしら善なのかしら。」
「我は退屈が紛れれば何でもいいんだがなあ。」
「見てみたいのよね、人も妖も全てが混じり合い一つになっていく、それはそれは残酷で優しい世界。」

 誰の手も届かぬ場所でほくそ笑み
 未だに蠢く者がいる
 それが悪かは分からない
 例えるならば宵の闇
 決して光は届かぬけれど
 そこから命は湧いてくる
 闇は全て払われるべきか?
 光で照らせば全て解決するのか?
 解らない

【不思議少女シルバームーン 第九話 第五章「宵闇」 fin】
14 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/15(木) 23:18:00.76 ID:Iakifefd0
つーわけでこれで四十五話
後は気が向いたらメインキャラのずっこけ話書いて+3話
これで四十八話
仮面ライダーの一年分と一緒だったりします
ただ一話あたりの長さは勿論違いますがまあそこはそれ

第二部の朔夜ちゃん達はきっともっと面倒な敵と戦ってもらいます
ジャックは基本的に可哀想な被害者で戦争でネジ曲がってしまっただけの善良な人間でした
でもこれから出る敵は純然たる悪意の塊だったり自らの欲望を突き詰めただけだったり
果てには自らを悪とすら思っていない最悪なんてものもでてきます
そのたびに彼女らの正義はぶれそうになるでしょうが
まあそこらへんはきっと頑張ってくれると信じてます
信じてます
15 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/15(木) 23:21:40.16 ID:j80kxuqO0
何と言うフラグ乱立
これは後の展開にもwktkせざるを得ないじゃないか・・・!
笛の人乙です〜
ってかエリザベスさんが来るのは予想外だったぞwwwww
16 :とっくに書くの諦めた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/15(木) 23:29:48.95 ID:Iakifefd0
エリザベスさんのたどった道筋

サンジェルマンの所に飽きる

普通の人間同士の戦場に乱入して大殺戮

スッキリ☆たまたま生き残っていたジャックに力を分け与える

当然世界中の組織から狙われる

隠遁生活、鵺とかと出会う

今に至る


って感じかな!
あのおばあちゃん達全員自分の組織裏切って逃げてきた同士だから妙な連帯感が……
17 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/15(木) 23:43:10.43 ID:j80kxuqO0
>>16
>あのおばあちゃん達全員自分の組織裏切って逃げてきた同士だから妙な連帯感が……
何ちゅう黒々とした絆wwwwwwww
18 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/09/16(金) 08:52:15.87 ID:BakU5yH90
スレ立て&笛の人乙でした〜
老いないのに育つってスタイルのチートすぎるだろうwwwwww
歯噛みするキャラが何人かいそうだwwwwww
そして不穏なフラグが……
九尾三姉妹の再登場に期待しておきますwwwwww
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/16(金) 20:45:57.08 ID:GdhXBelko
笛の人乙です
ここで夜行君が登場か
てっきり忘却のかなtなんでもないですごめんなさい
こうしていつでも次回作を書けるようにお膳立てしておくのですね期待してます
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/17(土) 09:44:49.61 ID:3/K0Y3ODO
唯ちゃんと夜行くんは色々不遇だから出番を増やしたい
カイトとのからみで唯ちゃんは出したいなあ
21 :代理投下[sage saga]:2011/09/17(土) 20:00:40.51 ID:PLYxg9eL0
「うひゃあ!!」

昼休みの男子トイレ
一つの個室の中に突如現れた少女を前に、男子高生は弁当を突いている

「あのっあのあのっ‥‥!!」

焦っているのは少女だが、対する男子高生は無表情である
この男子、目の前に小学生程度の少女が現れたにも関わらず、驚いた様子を見せない

「ご、ごめんね‥‥いきなし、だったよね‥‥」

相手の顔色を窺うような少女の台詞に、彼は顔を上げて少女を見た
どうでもいい、と言わんばかりだ

「あ、あのね‥‥前々から気になってたんだけど‥ど、どうして、いつもトイレでお弁当、食べてる、の?」

「実に馬鹿だな君は
「食べて出す
「そして、出して食べる
「この臭い、たまらない
「そういうことだ」

口を開いたかと思えばその内容に唖然とする

「大体、都市伝説が俺に何の用だ
「大方トイレに出る系の怪談だろう
「その姿から推測するに花子さんかそこらか
「で、そんなのが俺に何の用だ( ・ω・)」

「花子さんかそこらって‥‥、そんなのって‥‥
 私、そんなのでも花子さんでもありませんっちゃんと闇子って名前があるんですっ
 私の名札くらい見てから言ってくださいっ」

「興味がない」

素っ気なく返される
闇子さんはうーだのあーだの何とも言えぬ声を出していたが
やがて口をへの字に曲げて言い放った

「でもトイレでお昼ご飯って変だよ」

「黙れ殺すぞ( ・ω・)」

「‥‥きょ、脅迫なんて怖くないもん。トイレでご飯って絶対おかし」
22 :代理投下[sage saga]:2011/09/17(土) 20:01:24.02 ID:PLYxg9eL0


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      ィ<"  , ‐ 、 ゙ミ、          ィ<"  , ‐ 、 ゙ミ、         ゙i
      ミミ、, ゝ_゚_,ノ,, イ           :ミミ、, ゝ_゚_,ノ,, イ           ゙i    黙れ殺すぞ
       ゙'ヾ三≡彡'"            ゙'ヾ三≡彡'             i!
                /        ヽ                    i!
              /            \                  !
             /       ',/       ',                 l
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              、        ,' 、        ,'                i!
              ヽ . _ .. '  ヽ . _ .. '                 i!
23 :代理投下[sage saga]:2011/09/17(土) 20:01:55.59 ID:PLYxg9eL0
「ひっ‥ご、ごめんなさいっ‥」

「全く学校の怪談系の都市伝説は
「何故、こうもアグレッシブなのか」

器用に弁当を食べながら、無表情のまま男子高生は語り始めた

「学校の怪談系の最たるは花子さんだが
「例えば中央高校の生徒に花子さんと契約しているのがいる
「この狭い業界ではちょっとした有名人だ
「何せ家が家だからな、ヤクザの家の長男だ
「よくは知らんが
「さて、そこの花子さんは
「無邪気な顔で都市伝説を駆逐する
「ガキに特有の無邪気さで都市伝説を殺すのは
「別に花子さんに限った事じゃない
「おまけに悪戯好きな個体が多い
「本当に碌な連中ではない
「要はクソガキだ」

「わ、私は花子さんと違うもん‥‥私はお行儀いいもん‥‥」

闇子さんは涙目で抗議するが、男子高生が聞いている筈もない

「そんなクソガキどもを
「恐怖のどん底に叩き落とした契約者が居た
「童貞魔術師だ
「奴は夜な夜な学校に侵入し
「クソガキどもを血祭りに上げ、強姦し、殺戮し、強姦した
「契約者としては一流だっただろうが、人間としてはクズそのものだったろう
「ある日、あろう事か人間を殺してしまった
「西区で喫茶店を営んでいた男をだ
「その後この魔術師は男の契約していた都市伝説に倒された
「あくまで伝聞だがな
「ちなみにこの都市伝説は輪廻転生らしいが
「いやらしいまでに皮肉っぽい奴らしい
「要はクソガキだ」

「それって輪クンのことなのっ!?そうでしょっ!!
 輪クンのこと悪く言わないでっ
 ちょっと意地悪な所もあるけど‥‥ほんとは優しくて良い子なんだよっ」
24 :代理投下[sage saga]:2011/09/17(土) 20:03:20.10 ID:PLYxg9eL0
闇子さんの抗議の声に、男子高生は闇子さんを見た

「な、何?」

「君は
「あの喫茶店に行ったことがあるのか」

「うん‥あるよ‥‥?」

「よく行くのか」

「ハニーミルク、好きだから‥‥
 あと輪クンにも会いたいし‥‥」

「もののついでだ
「教えてやる
「あくまで聞いた話だが
「最近この町の様子がおかしいらしい
「具体的に何がおかしいのかは知らん
「実は
「同じクラスの『姫』さんが言っていた
「言葉の受け売りだ
「非常にどうでもいい」

そうしている内に彼はてきぱきと弁当箱を片付け始めた

「さて
「食事が終わったわけだが」

「全部、食べちゃったんだ‥‥トイレで‥‥」


「君のせいで久し振りにまずい昼食になったぞ
「胃に来るこのフレーバー  うっ」

座っていた便座を即座に開くと、男子高生は盛大に嘔吐しだした
個室いっぱいに生暖かい酸気が立ちこめる
闇子さんは耐え切れず、とうとう涙目でそこから飛び出した


 【終】
25 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/17(土) 20:45:33.94 ID:mv2enzJo0
代理の方共々おつでした
家に帰ったら代理しようと思ったのに先越されたー
やっぱAA使うと話にメリハリがついていいな
ギャグで使い捨てるにはもったいなかったか
26 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/17(土) 20:47:50.11 ID:PLYxg9eL0
>>25
>家に帰ったら代理しようと思ったのに先越されたー
すまねぇ、目に入ったもんで・・・

>ギャグで使い捨てるにはもったいなかったか
もしやあの『月見里邸』で出た鳥の妖怪の話かwwww
あれはあれで十分良かったと思うけどwww
27 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/17(土) 21:07:51.15 ID:mv2enzJo0
あれなあ……
もっかいやろうとしてもセルフパロを超えなさそうでなあ……
とおもったんだけどなんとかしてやりてえ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/17(土) 23:39:00.14 ID:6pbfb8Apo
NHKがBLで荒ぶっておられる
29 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/18(日) 18:31:35.14 ID:mhmsDOUV0
                          「赤い糸? 緑の炎で焼き切ってあげるよ」
さて、この世界には『運命の赤い糸』などという色の通りに血迷った戯言を信じている輩がいるようだけど、本当に妬ましいと思う。生まれたときから? 愛によって結ばれるのが約束されている? くだらない。妬ましい…
疾風「本っ当妬ましい…!」
と、そんな言葉を漏らす僕、妬見女疾風。学生会七つの大罪、嫉妬担当。帝先輩は、ゆくゆくは『学生会七つの大罪』を『秘密結社七つの大罪』にグレードアップさせるつもりだって言ってたけど、今はいいか
ん? あそこに居るのは…
「はい紅ちゃん。あーん」
高校生くらいの女性の箸の先にある玉子焼きが、隣の男性(恐らく恋人だろう)の口元に運ばれる…
疾風「爆発しろ!」
前に爆散した。こんなにあからさまにイチャついてたんだもん。爆発させろって言ってるような物だろう?
「なっ…なんだ?」
「私達の愛を邪魔する人は誰?」
こいつら全然懲りてないよ…ああ妬ましい
疾風「どうも! 中央高校2年B組、妬見女疾風でーす! 妬ましくって仕方ないから貴方達の恋路を邪魔しにきました!」
紅介「はぁ…赤井紅介です」
結子「糸田結子です」
ん? ちょっと引いてる? うん、まぁ概ね計画通り。これでさっきのイチャイチャの熱も冷めたし、そんな空気も壊せただろう
結子「ねぇ紅ちゃん。この人怖ーい」
紅介「大丈夫。結にゃんは僕が守るからね」
あれ? おっかしいなー またイチャイチャし始めたぞー? 空気読めよこのリア充どもが! 爆発しろ!
疾風「…爆発しろ」
壊れた空気を読まない彼らの発する桃色の空気をぶち壊すように、爆音と爆風が響く。すっきりした
紅介「なんなんだ君は! なんなんだそれは! 何故君は僕達の愛を邪魔するんだ!」
疾風「『リア充爆発しろ』。僕の契約都市伝説だよ。僕って君達みたいに愛し愛される人間が大ッッ嫌いなんだよ! ああ妬ましい!」
結子「はぁ? ふざけないでよ! 貴方には関係ないじゃない!」
疾風「関係ない? 関係ないとか関係あるとか…それこそ関係ないよ。僕の嫉妬は無限大で全方位型の法界悋気だ」
あ、法界悋気っていうのは自分とは全く関係ない人に嫉妬することね
紅介「どうしても邪魔するって言うんだね…。なら! 僕達の…」
結子「私達の絆で! 貴方を倒す! この…」
紅介・結子「「『運命の赤い糸』で!!!」」
疾風「あっはははは! 赤い糸? 緑の炎で、嫉妬の炎で焼き切ってあげるよ…! 」
こうして、非リア充(ぼく)VSリア充(カップル)の勝負が始まったのだ!
紅介「いくよ…!『赤い糸』!」
結子「レッドスパイダー!」
『運命の赤い糸』をくもの巣のように張り巡らせる二人。使いこなしてるじゃないか妬ましい!
疾風「爆発しろ!…うわっ!」
『リア充爆発しろ』で爆破しきれない! 『運命の赤い糸』の絶対に切れない能力か…!
疾風「危なかった…! 拙いな…ここは一旦引く!」
逃走…ではない。一時的な戦略的撤退である
30 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/18(日) 18:32:22.84 ID:mhmsDOUV0
紅介「え?」
結子「あれ?」
紅介「逃げたみたいだね」
結子「みたいね…。じゃ、食事の続きを…」
「紅介くーん! まったぁ?」
二人がイチャイチャし始めようとすると、突然一人の女の子がやってきた…いや、僕なんだけども
紅介「え…鳥風(とりえ)? どうして此処に…」
鳥風「どうしてじゃないわよ…忘れちゃったの? 今日ここで会うって約束してたのに…」
紅介「え?(そんな約束してたっけ?)」
まぁ、僕が他人の約束のことなんて知るわけもないんだけどね
鳥風「ふーん…忘れてたんだぁ…。ねぇ、ところで…その女、誰なの?」
さっき紹介されたから知ってるわけだけど…
結子「糸田結子。紅ちゃんの彼女よ!」
鳥風「へぇ、ちゃん付けで呼んでるんだぁ…でも! 私の方が紅介君のことをよく知ってるんだからぁ!」
そう言って赤井紅介君の腕にしがみつく僕。いや、別にそういう趣味があるわけじゃないよ?
紅介「! 君、偽者だろう? 鳥風はこんなに積極的じゃあなかった! つまり君は…本物の鳥風じゃないんだ!」
鳥風「………あれぇ? ばれちゃいましたかぁー…」
リア充から離れ、変装を解く僕
疾風「結構完璧に変装できてたと思ったんだけどな…」
紅介「また君か…! 君は今日始めて会ったばかりのはずなのに…なぜ鳥風に変装できたんだ!?」
疾風「ん? ああ、この前君と話してるのを見たから。僕は一回見た人なら誰でも変装できるし、一回聞いた声なら何でも真似られるのさ」
紅介「一回聞いたら…? まさか君、最近噂の『異常』とやらか…! 変装能力とはかなり超能力じみているな…」
疾風「おいおい、早とちりするなよ。変装能力(こんなの)も声帯模写(こんなの)もただの特技だぜ? 僕の誇る僕の異常は…他にある!」
と、どこかで聞いたことのある台詞を吐く僕
疾風「ところ紅介くん。君、糸田さんと恋人なんだよね? 一生彼女を守るって決めたんだよね?」
紅介「そうだけど…」
疾風「だったら他の女のことなんて、全く全然気にならないはずだよねぇ? だったらどうして、鳥風さんが積極的じゃないって分かったのかなぁ…?」
紅介「そ…それは…とっ…友達だから!」
疾風「言い訳にしか聞こえないよ。ねぇ、糸田さん。これで分かったろう? つまりコイツと運命の仲だと思ってたのは君だけだったってわけさ。
許せないよね? コイツは今まで君を騙してきてたんだ! 君を一生守るとか嘯いて! いったいこの台詞を、何人の女に言ったんだろうね…?」
言葉を巧みに操って、糸田さんの心を刺激する…否、言葉(こんなもの)はただの手段に過ぎない―
結子「裏切り…浮気…」
糸田さんの周りから、一部の人にしか見えない緑のオーラが放出される…そう、『ジェーラ』だ。よし、こうなれば…
疾風「そう! コイツは君の事を玩具としか思ってない! 心の中じゃあ君を『チョロい女』とか笑ってるに違いないよ…コイツはそういう女誑しなんだ!」
結子「女…誑し…」
紅介「な…違う! 騙されないでくれ! 確かに他の女の子と話すこともあったけど…それはあくまで友達としてだ! 僕にとっての一番は君だけなんだよ!」
疾風「無駄だよ。その言葉が嘘だろうと本当だろうと、今の彼女には裏目(マイナス)にしかはたらかない…」
結子「ふ…ふふ…あは…あはははははははは! そっかぁ…やっぱりそうだったんだぁ…
分かってる、分かってるよ紅介君…。貴方は誑かされてたのよね…悪い悪魔に取り憑かれてただけなのよね…。でも大丈夫。私が目を覚まさせてあげるから…」
よし、狙い通り…飲まれたね
疾風「教えてあげるよ。嫉妬に狂った女の子は何よりも強くて何よりもまっすぐで何よりも恐ろしくて…そして何よりも美しいんだ。そこがまた妬ましいんだけど…ね!」
紅介「ま…まさか…君…」
疾風「そう! これこそが僕の異常だよ。異性だろうと同性だろうと。人間だろうと人外だろうと。生物だろうと無生物だろうと。有機物だろうと無機物だろうと…例外なく全てに嫉妬する。悋気王辺(グリーンアイドクイーン)だ。
そして、嫉妬心が強すぎるあまり…他人の嫉妬心すら操れるのさ」
男なのに女王(クイーン)? とか、そういう突っ込みは受け付けてないよ!
結子「あっははははははははははははははははは!!!
大丈夫だよ紅介君…私が綺麗にしてあげるから!」
どこからか包丁を取り出し、振り回す糸田さん
紅介「ひっ…」
結子「どうして…? どうして逃げるの…? 私はこんなに好きなのに…!
ああそっかぁ! 私が『紅介君』なんて余所余所しい呼び方するから怒っちゃったんだね…。ごめんね紅ちゃん! ねぇ紅ちゃん、ちゃんと紅ちゃんって呼ぶから! だから逃げないでよ…」
紅介「目を覚ましてくれ結にゃん! 君はその男に騙されてるんだ…!」
結子「おかしなことを言わないでよ。私が騙されてるわけないじゃない。貴方に浮気されてたのは確かにショックだったけど…でも、貴方を私しか愛せないようにすれば! 貴方に寄り付く意地汚い女共を全て滅ぼせば! みーんな解決するのよ…!」
虚ろな瞳で包丁を振り回す糸田さん
疾風「ふーん…この状況でまだ説得なんてしようとするんだ…。無駄だって言ってるのに。あー、それにしても…君を疑わせるために嫉妬に狂わせて! 関係をぶち壊してやろうと思ったのに…愛されてるんだね妬ましい…!
それもこれも君に良い所(プラス)があるからなのかなぁ…? じゃ、それも踏まえて無駄だってことを教えるために…しっかり“釘を刺して”おかないと…ね!」
僕は袖から五寸釘を取り出し…紅介君と糸田さんに突き刺す!
紅介「!?」
結子「…?」
31 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/18(日) 18:32:50.82 ID:mhmsDOUV0
疾風「見た目はグロテスクだけど…肉体に殆どダメージはないよ。これは僕の過負荷(マイナス)なんだから」
紅介「マイ…ナス? なんだそれ…! 聞いたこともないぞ…?」
疾風「教えるとでも? …と、言いたいところだけど、折角だし教えてあげるね。過負荷っていうのは異常と違って、環境や性格によって後天的に発言するスキルさ。
異常と違って理論も理屈もないってのが特徴でね…。つまり! 文字通り種も仕掛けもありません、ってことなんだよ…! ちなみに僕の過負荷は勝人堕とし(ベストクリーナー)。僕が妬んでる相手に、気持ちを込めて釘を刺すことで…良い所を削ぎ落とせるんだよ」
紅介「良い…所?」
疾風「そう! 体型(スタイル)にしろ顔(ルックス)にしろ性格(キャラクター)にしろ能力(スキル)にしろ…全部削ぎ落として剥ぎ取って洗い流すのさ!
隣の青い芝生は全部刈るに限る、ってね。さぁ! 良い所がなくなった君を! 愛する奴なんか誰も居ない! 僕達(マイナス)の、どんなに頑張ってもどんなことをしても! 決してモテない人生を味わうがいいよ…。あはははははははは!!!」
紅介「う…う…く…」
結子「紅…ちゃん…」
疾風「ふーん…まだそんな呼び方できるんだ…。でも! そんなのは所詮惰性なのさ! 止めだよ…『橋姫』」
『了解よ。あははははは、呼ばれるのはまだかってずーっと待ってたわ…。だって、すごく妬ましかったんだもの…! 私の橋を渡ったカップルは、みーんな別れることになるのよ…!
主の異常と過負荷のお陰で! 『運命の赤い糸』が無効になっている今! 貴方達にこれを防ぐ術はない…!』
『宇治の橋姫』の手から緑色の炎が飛び出し、紅介君と糸田さんの間に飛んでいく…。そして、文字通り『運命の赤い糸』を、焼き切った…否、“妬き切った”
紅介「…あれ? 僕は今まで何を?」
結子「…あれ、これ、私のお弁当…。向こうのベンチで食べましょう」
ここで何事もなかったかのように、どこかに行ってしまった紅介君と糸田さん。よし、これでまた一組、リア充共をぶち壊せた…!
あははははははははははははははは!!!! 優秀な奴も幸せな奴も! 人気者もリア充も! みーんなみんな滅びちゃえばいいんだよ!!!



続く…
32 ::VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/18(日) 19:46:24.65 ID:GMB/f2dq0
乙ですソニータイマーの人
そうか妬見女も異常持ちかそうか
君とは分かり合えると思っていたんだがな…残念だよ妬見女君
33 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/18(日) 21:06:00.11 ID:meUVnWql0
乙です〜
すげぇ、「赤い糸」にそんな使い方があったとは・・・
しかし酷いよ疾風くんwwww
34 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/18(日) 21:24:41.54 ID:hpxTH28v0
妬き切ったてwwww
うまいことをwwwww
やってることは最低なのにwwww
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage aga]:2011/09/18(日) 23:18:42.09 ID:3ba6GFfv0
新参者ですが、アドバイスぷりーず。

都市伝説って、人の噂(都市伝説って言った方がいいのかも?)から作られるんですよね。
じゃあ、噂された人物が元から実在したら、その人に都市伝説パワーが得られるんでしょうか?

それが可能なら、自分も書いてみたいのですが……。どうなんでしょう?
36 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/18(日) 23:21:26.88 ID:meUVnWql0
>>35
>じゃあ、噂された人物が元から実在したら、その人に都市伝説パワーが得られるんでしょうか?
む、気になるな・・・
どんな感じか詳しく、は内容に触れるから無理かしら
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/18(日) 23:33:06.06 ID:KOWiW8lko
>>35
なんか噂を持ってる偉人系?

現行だと平将門、サンジェルマン伯爵、切り裂きジャック、ユーグ・ド・パイヤン、滝夜叉、白面金毛九尾の狐、ツァボの人食いあたりが元にされたものがそのまま都市伝説化してるっぽい気がする
38 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/18(日) 23:43:12.06 ID:meUVnWql0
>>37
あと「ソニービーン一家」もそんな感じかな
花子さんとかの人は前にちらっと「菅原道真」出してたかしら
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage aga]:2011/09/18(日) 23:50:21.69 ID:3ba6GFfv0
>>36
では例えば、

あるところにヤンキーさんがいました。
そのヤンキーさんはとても強く、負ける事がないといわれるほどでした。
そしてその事は、だんだんとまわりでも囁かれるようになりました。

そのヤンキーの体は、マンションから飛び降りても平気らしい。
そのヤンキーの腕は、一振りするだけで束になった人を吹き飛ばせるらしい。
そのヤンキーのバイクは、時速700キロを出すらしい。
等々、現実離れしたものも入っていました。

やがて、そのヤンキーはある街の都市伝説として、有名になりました。

そのヤンキーは元々常人の何倍もの力を持っていましたが、さすがに人の領域を出る事はありませんでした。

都市伝説として有名になったある日、そのヤンキーはいつものように自分と敵対するヤンキー達とケンカをしようと張り切っていました。
しかし、腕を一振りしただけで、ヤンキー達は吹き飛んでしまったのです。

ヤンキー達は特に怪我はありませんでしたが、そのヤンキーは怖くなって、自分のバイクのアクセルを思い切り振り切りました。
すると、そのヤンキーのメーターも振り切り、物凄いスピードで走りました。

慌ててバイクを運転し(驚いた事に簡単だった)、自分の住むマンションに転がるようにして入りました。
そのヤンキーの部屋は屋上で、階段を走ったのですが、息が切れる事はありませんでした。
そのヤンキーはバルコニーにでて、一服吸って落ちつこうとしたのですが、手すりがもろくなっており、体を預けた途端落ちてしまいました。
流石に死んだかとそのヤンキー自身思いましたが、頭から落ちても平気でした。

そう、そのヤンキーは、都市伝説になってしまった為、その都市伝説の嘘の部分まで本当の事になってしまったのです!!

……みたいな感じです。
つまり、本当と嘘が絡まった結果、実在するそのヤンキーに都市伝説パワーを手に入れたという事です。

説明が下手ですいませんが、分かってもらえると助かります。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/18(日) 23:51:02.77 ID:KOWiW8lko
第三帝国の総統や夢の国の創始者、クリスチャン・ローゼンクロイツ、アレイスター・クロウリーも
それぞれ固有名詞出てない人物含めても個人が特定できる感じよ

こうして見るとけっこう居るなぁww
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage aga]:2011/09/18(日) 23:55:14.81 ID:3ba6GFfv0
と言いますか、都市伝説って実在する人から作られるので、普通そんな感じですよね……。

ここの都市伝説は実在しない人が多いから、何も無いところからぱっと生まれる。

でもこの『そのヤンキー』さんの場合、その都市伝説が無くなっても、生きていけるのでもーまんたいと自己解釈……。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/18(日) 23:58:18.28 ID:KOWiW8lko
>>39
個人的にはグレーラインでしょうか
とは言っても今までになかった作風だから判断しがたいというところがあるので逃げ腰になってるだけですがww
なんかすごい一般人とか出している人もいらっしゃるし、そこら辺は自由に行ってしまってもいいのではないでしょうか
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/19(月) 00:00:37.57 ID:aVkSHeRlo
基本的にスターシステム的なキャラ借りとかで整合性取れてることが余りないし
自分なりの理屈を考え付いてやったらええんでない
別に学校町が舞台でなきゃいけないとかでもないし

そもそも都市伝説でもなんでもないようなのが跋扈してるしwwww
44 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/19(月) 00:04:08.11 ID:rae0lpgZ0
>>39
説明感謝です〜
むぅ、これはどうだろうなぁ・・・
このヤンキーの例を借りると、ヤンキーの名前か行動、若しくはそれ以外の何かがある都市伝説に関わっていて、
それで都市伝説の力を・・・って言うのなら可能かも知れない

例えるなら「GENGA HA NAKAHASHIKOYO」という都市伝説
ポケモン赤緑時代のバグ技で出る文章なんだけど、『ゲンガーはナカハシコウヨウ』と読めるから、
ゲンガーというキャラクターはナカハシコウヨウをモデルに作られたっていう感じの話
ヤンキーの名前が『ナカハシコウヨウ』なら、ヤンキーがゲンガーになって・・・っていう事も可能、みたいな
あぁダメだ俺説明下手だなorz


俺は決定否定できるような権限ありませんが、とても楽しみなのでGoサイン出してみたり(ぁ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage aga]:2011/09/19(月) 00:16:07.73 ID:IQeUojiO0
こ、これは設定がおkなのか?
それとも『そのヤンキー』さんが人気なのか?

と、とにかくシャドーマンの契約者さんにGOサインもらったので、当初の予定で書いてみます!
46 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/19(月) 00:21:49.01 ID:rae0lpgZ0
>>45
wktkしてますよ〜!
47 ::VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 00:27:41.44 ID:ZjX+3FbG0
第三帝国とか夢の国はともかく、ローゼンクロイツとかクロウリーって都市伝説じゃなくね?
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/19(月) 00:28:55.57 ID:PcY0LJBx0
>>47
突っ込んだら負け
そして、このスレで言う「都市伝説」は定義がとてもとても広い
49 ::VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 00:31:37.65 ID:ZjX+3FbG0
>>48
そいつぁ知ってるよ
ただもう狭義の都市伝説ではなくて
俚諺も含めた口承文芸にまで拡がってしまった感があるよね
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 00:31:53.20 ID:Ecz6oEtMo
>>48
>>そして、このスレで言う「都市伝説」は定義がとてもとても広い

男は度胸、なんでも試してみるもんさ!
それっぽくこじつけられれば勝ちなイメージでwwww
51 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/19(月) 00:32:40.43 ID:rae0lpgZ0
「アレイスター・クロウリー」の場合は、「魔法」が絡んでいるので都市伝説化したっていう勝手なイメージ
実際魔術師なんて存在する訳ないs(このレスの書き手は検閲により【削除】されました
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/19(月) 00:36:01.96 ID:aVkSHeRlo
おもしろけりゃ多少突飛な出典でも別にいいわ
いくら狭義の都市伝説にこだわっても
1レスで設定垂れ流しみたいなの方が反応に困る
53 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/19(月) 00:40:04.91 ID:aGOdmg3S0
あ、空気読まずに宣言
>>44で紹介した都市伝説は俺がいずれ使うので
(言わないと同姓同名キャラが量産されちゃうの)
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 00:40:58.31 ID:YNfyGsVVo
>>52
すいませんでした...
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 01:01:34.72 ID:YNfyGsVV0
避難所でIF書いては内輪で盛り上がるよりも
1レスの設定垂れ流しのがまだ有り難いんだがな
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 01:02:40.71 ID:YNfyGsVVo
という訳で謝りはしたが
このスタンスは変えん事にする
57 :54 55 56[sage]:2011/09/19(月) 01:04:57.06 ID:YNfyGsVV0
自分の行為を正当化した所で投下と行きたい所だが
生憎出先なもんでね…悪いねぇ


あと愛がポンポン変わるのいい加減にしてほしい
58 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/19(月) 01:46:35.07 ID:aGOdmg3S0
どうなってんだこれ?
>>54-56って同一人物で良いんだよね?
IDの最後の文字が変わってて不気味なんだけど…
59 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/19(月) 01:52:41.00 ID:aGOdmg3S0
ところで設定垂れ流しな話についてなんだけど
一応こっちに来てまだ少ししか経ってないんだし、そういうのもあって良いんじゃないかと思うの
古参向けというか新参向けの方が強いけどさ
新参な俺からすれば勉強にもなるし復習にもなるしでかなり助かる
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/19(月) 09:49:51.31 ID:vL43kPgSO
あ、設定垂れ流しの1レスって自分か
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2011/09/19(月) 10:52:30.41 ID:FTma+qe7o
アレイスター・クロウリーっていうと、ルーモアのひとのトート編のことだと思うんだが
あの話の場合、作中の解説からも都市伝説として扱われているのはタロットや占いの方で
アレイスター・クロウリー本人じゃない様な気がする

あと、笛の人もやってるけど
あの作品もディケイドへのオマージュだったんじゃないかと読み直して思った
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/19(月) 14:55:01.47 ID:+Nftc3Kq0
そういえば、今日は敬老の日だったな。スレのご老人達とロリ婆達を労わる日か
63 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/19(月) 15:30:56.27 ID:rae0lpgZ0
先生、老人を全く出してない私はどうすれば
新キャラか? まさか新キャラを書けとな?



あ、ロリ婆なら1人いるぞ・・・侍ロリが
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/19(月) 15:44:29.98 ID:+Nftc3Kq0
>>63
こう考えればいい

「他の作者様の作品に出ている老人を労わればいい」


こう考えれば問題はない
あと、ロリ婆が一人でもいるなら問題はない
65 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/19(月) 15:57:04.85 ID:rae0lpgZ0
>>64
>「他の作者様の作品に出ている老人を労わればいい」
よし、漢が将門様に何かしようと思ったら逆にセクハラされる話を書こう(マテマテマテマテ
66 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/09/19(月) 16:06:12.02 ID:iq7pGeb4o
まー遅まきながら

『第三帝国』の『総統』は、『ヒトラー複数存在説』と『ヒトラー生存説』から生まれた都市伝説存在で
厳密に言う本人はちゃんと歴史上のままお亡くなりになってます

『ソニー・ビーン一家』もあくまで記録上の伝承から生まれた都市伝説存在で、本人ではありません
こちらは後年実在を疑われているために、殺人鬼ネタの中でインパクトがある割に不透明な存在になったと言う事で敢えて使ったというお話

ほかに挙げるなら『エリザベート・バートリー』なんかも、民衆の噂やでっち上げられた魔女のイメージが本人の死後に独立して生まれたもの
『呂布』は演義やゲームなどの無双感、畏怖が具現化して生まれたようなもので、どちらもやっぱり本人ではありません

自分が出すのはあくまで『生きている説、存在している説、強い存在感から生まれた都市伝説という別人』という事で

>>62
> そういえば、今日は敬老の日だったな。スレのご老人達とロリ婆達を労わる日か
総統「別に私は老けないのだがね。都市伝説存在として生まれたのも戦後というわけだし」
トライレス「そこからカウントしても充分な年齢じゃない。私は契約してから何年だっけ……数えるのも面倒」
運転手「お二人は老いとは無縁ですからな」(実は60近い)
67 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/19(月) 17:42:41.39 ID:slack9Tn0

                 「初めての発見」
どうも。世界の平和を守るために『水晶髑髏』を集めている、髑水晶髏です
晶髏「いよいよ拙いよ…。もう九月だよ…。当初は来年までに13個全部集めなきゃいけなかっただけど、最近に10月28日世界終了説も出たし、早く集めないといけないのに…」
『カタカタカタ、安心しな。微弱だが気配がするぜ?』
晶髏「今度こそは当たりだよね?」
『何度も言ってるが、保障はできねぇよ』
晶髏「やれやれ…。で、どっちの方向?」
『此処から北西の方向にわずかに反応があるぜー』
晶髏「おっけー。じゃ、いこうか」
そんなわけで、僕達は北西に向かって歩いていくのだった。今度こそ、“当たり”であることを願って…
晶髏「あとどのくらい?」
『あと300メートルくらいのところだぜ』
晶髏「了解」
そして、どんどん歩いていき…
『ん、かなり近いぜぇ!』
晶髏「よし!」
さらに歩いていくと…
晶髏「これ…は…」
僕の眼に映った物は、透明感のある結晶でできた、頭蓋骨―――水晶髑髏だった
晶髏「『ソクラテス・スカル』…!」
僕は考古学研究部の中でも一番の水晶系オーパーツ、特に水晶髑髏マニアだ。一目見れば、何の水晶髑髏か分かる
「ん? 貴方、これが何か分かるのですか…?」
行商人っぽいお婆さんが言う
晶髏「ええ、ええ。僕はこういうものを…水晶髑髏を探していたんです。ですから、単刀直入に言います。――その『水晶髑髏』、僕に譲ってくれませんか…? お金なら、幾らでも払いますので…」
真面目な表情で、何時になく真面目な表情で、行商お婆さんに言う
「…………お金なら、要りませんよ」
しばらくの沈黙の後、行商の婆さんが口を開く
晶髏「…え?」
「お金なら、要りません。私は貴方のような人間を探していたのです…。最近私達、オカルトアイテムの行商人の間で噂になっていましたよ…。『水晶髑髏を必死になって探す人間が居る』…とねぇ。
行商人として、水晶髑髏のことはある程度分かっております。2012年までに13個全てをそろえなければ、世界が滅びる――。私もこの『ソクラテスの水晶髑髏』を持つ者として、水晶髑髏を探していました…。
しかし私ももう老いぼれの身。これはマスター・スカルを持つ若い貴方に託すことにしましょう…。私の分まで、どうか世界を救ってください…」
マスター・スカル。全ての水晶髑髏を束ねる水晶髑髏。『ヘッジスの水晶髑髏』がそれにあたる
晶髏「ありがとうございます…!」
僕は舞い上がりたい気持ちを抑えながら、お礼を言って『ソクラテスの水晶髑髏』を受け取る
『…貴方が、私の新しい主ですか…』
晶髏「ん? 主って…契約するの?」
『言ってなかったか? 世界を救うには、マスター・スカル…つまり『ヘッジスの水晶髑髏』の契約者が他の12個の水晶髑髏全てと契約する必要があるんだよ』
晶髏「え!? それって…容量は大丈夫なの?」
『いえ、問題ありません。『ヘッジスの水晶髑髏』は全ての水晶髑髏を束ねるマスター・スカルであり、『水晶髑髏』の代表格とも言える存在ですから』
『そういうこった。つまり、俺と契約した契約者さんは、『水晶髑髏』とのみ、容量を消費せずに契約できるのさ』
晶髏「容量を消費せずに…?」
『ま、その代わり…俺は13個の水晶髑髏の中で一番…ずば抜けて消費容量がでかいんだけどな』
晶髏「え…。ってことは『アッシリアの水晶レンズ』『黒いピラミッド水晶』『黒水晶のパワーストーン』とも契約してる僕って…」
『ああ。物凄く心の器がでかいんだろうな』
晶髏「そうなのか…。一応念のため常に『モリオン』の力で心の器は拡大してるんだけど…」
歩きながら、自分の容量が大きかったことに驚く僕
『理解できましたね? では、早速契約しましょう』
『ソクラテスの水晶髑髏』の眼が光り、宙に浮き、僕の目と合う
『…契約、完了』
………なるほど、確かに容量が減ったような感じがしない。
晶髏「…と、いうことは。これであと11個か…」
『ご存知かと思いますが、私の能力は『サイコメトリー』のような物です』
晶髏「触った物の記憶を読めるんだよね。確か瞑想するとさらに精度が上がるとか」
『ええ、その通りです』
そんなこんなで、水晶髑髏を一つ発見した僕。でも、僕の旅はまだまだ終わらない。世界を救うため、13の水晶髑髏を見つけるまでは…!





                       続く…

                     世界が滅びるまで、後105日…
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 01:59:48.24 ID:1QDMDMSx0
犬面人
「おっ、やってるやってる
 ソニービーンズの人、乙だよ
 でも、これ、髑水クン、間に合うのかいこれは」
69 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/20(火) 08:27:00.26 ID:8y8UxiNc0
てす
70 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/20(火) 08:30:20.60 ID:8y8UxiNc0
お、書き込めた、何だったんだ昨日は…
帰ったら感想書くの

>>68
R-No.全面協力するので大丈夫!…かな(コラ
71 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/20(火) 12:28:28.39 ID:N1pzpJ6V0
ソニータイマーの人乙です〜
ほぅ、契約しないと発動しないのか・・・
よしよし「マヤの予言」編の大筋が固まってきたぞー

ただ、台風15号が接近中で、10月28日どころか今週俺の命滅亡の危険アリな現状orz(ぁ
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 12:31:52.95 ID:tQ+RRR/DO
例えば
契約者が吸血鬼に血を吸われてヴァンプ化した場合、「都市伝説の能力を持った吸血鬼」となるのだろうか
それは人間?それとも「吸血鬼」という都市伝説?
「吸血鬼」になった瞬間、契約済の都市伝説と「吸血鬼」とで容量超過して飲まれるのだろうか
「吸血鬼」になった人間は以降の契約は不可なのか、容量次第なのか

難しい
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 12:44:34.79 ID:gIGdIqUDO
契約者は他の都市伝説の影響を受けづらい


とか
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/20(火) 13:26:11.86 ID:InwdhobN0
最近のこのスレに足りない物…足りない物…


アッカリーン


?!
そうかこれだ!!
75 :笛 ◇2PnxfuTa8.(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:08:16.71 ID:eYiYp1UI0
【極光の紗綾(獄門寺龍一の世界 後編)】

「おいでなさい!高貴なる紅薔薇(アーテナルローズ)!」
「遅いわよ!」

 何本もの薔薇の手裏剣が陽子を襲う。
 しかし一つたりとも過たず撃ち落とすのはやはり陽子の銃の腕である。

「くっ……見た目以上の使い手ですね!」
「悪かったわね、私は私である為にここで負けるわけにはいかないの……。」

 その言葉を聞いて吉静は小さくため息をつく。

「ならば私も一緒ですよ。」
「え?」
「私は幼い頃、父や姉と生き別れ、兄と二人でこの街に暮らしていました。
 兄は無欲な人で人一倍働いておきながら困った人の為に余ったお金を使ってしまうような人でした。
 そんなある日のことです……」
「…………(えー、いきなり語り始まっちゃったよーコレ聞くの?聴かなきゃ駄目なの?)」

 さて一方その頃、サイレスは零人に追い詰められていた。
 決してサイレスが弱かったわけではない。
 ただ単に零人が予想以上に強くなっていてサイレスの予想を超えていただけだ。

「来いよサイレス、ぶちのめしてお前も世界を渡れる理由を聞かせてもらうぜ!」

 巨大な龍が零人を守るようにして宙を舞っている。

「龍撃拳!」

 零人が拳を繰り出すと同時に龍が牙を剥いてサイレスに襲いかかる。
 星の下に躍る夢が如く輝く焔。
 サイレスの繰りだす地獄の火炎をあっさりと飲み込み彼に強烈な一撃を与える。

「ぐあああああああああああ!」
「おっと!?」

 攻撃の反動によって彼の足元がわずかに崩れる。
 転ばないように彼は足をわずかに動かした。
 サイレスがニヤリと微笑む。
 この時、既にサイレスの“サブリミナル”が発動していた。

「あんたがどれだけ強かろうが関係のない処刑方法を思いついたッス。」
「は?」

 また足元が崩れた、そう思って零人は少し後ろに飛び退く。
 また足元が、また、また、また、また…………
 気づくと零人は何も無い場所でものすごい勢いで後ろ向きに走っていたのだ。

「これがサブリミナル、あんたの“転ばないようにしなくては”という意思に訴えかけさせて貰ったッス。
 これであんたは転ばないようにしつづける。
 それは即ち……どこまでも吹き飛び続けるってことっすよ。」
「う、うおおッ……!」
「アリーヴェ・デルチっす」
「うわああああああああああああああああ!」

 悲鳴と共に零人はどこか遠くに吹き飛んでいってしまった。

「くっくっく、これであとは妹の方だけっす。」

 不敵な笑みを浮かべ、サイレスは階段を降りる。
 そこでは龍一と明日、吉静と陽子が戦っていた。
 互いにかなりの傷を負い、弱っている様子だった。
76 :笛 ◇2PnxfuTa8.(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:08:42.36 ID:eYiYp1UI0
「って訳で、私は暗部の一員と戦うようになったの。
 貴方の“存在”は私の“世界”に匹敵するのかしら?
 聞いてあげるわ、この紫薔薇の悪魔(アルラウネ)の力で!」
「Zzz…………」
「戦いながら寝るとは……おのれ世界を破壊する悪魔ッス」

 陽子はなんと戦いながら寝ていた。
 長話に付き合う気は毛頭なかったのだろう。

「とりあえず……今がチャンスみたいっすね。」

 サイレスは自らが契約する“トゥールの雷霆”を呼び出して能力を発動した。

「キャアアアアアアアアアアアアアア!」

 陽子に直撃する。
 
「陽子さん!?」

 先ほどまで戦っていたにもかかわらず吉静は彼女の元に駆け寄る。

「大丈夫ですか?陽子さん!」
「な、なんとか生きてる……。」
「誰がこんなことを!?」
「そこをどいて欲しいッスよ、お嬢さん。」

 サイレスは吉静に雷霆をつきつける。

「サイレス貴様!」
「……どういうことだ?」

 明日は激昂してサイレスに跳びかかった。
 龍一は突然の闖入者に眼を丸くする。
 しばし迷った後、彼は一人でその場を逃げ出そうとした。
 が、その直後。

「これでトドメっすよ。」

 彼の目に入ってきたのはサイレスがいとも容易く明日を打ちのめし、
 二人の少女を血祭りにあげようとする姿だった。
 彼の記憶が揺さぶられる。
 そう、その姿は彼の最も嫌悪する人間の姿の一つだった。

「…………待て」

 迷うこと無くサイレスの首に刀を叩き込む。
 が、硬い。
 何故か刃物が通らない。

「あはは、心の綺麗な方ですからね。そう来ると思ったっすよ。」

 サイレスは刀を掴みとり龍一の腹に拳を叩き込む。

「哀れな役目から開放して差し上げるッスよ。
 ええ、死を以て。」

 その場に崩れ落ちた龍一にトドメを刺そうと雷霆を振り上げるサイレス。
 だがその手元に弾丸がぶち当たる。
 硬い音を立てて弾丸は弾かれる。
77 :笛 ◇2PnxfuTa8.(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:09:16.21 ID:eYiYp1UI0
「おんやぁ?生きてたみたいッスね。
 楽にしてあげようと思ってたのに。」
「あんたね、三人は関係ないでしょう!やるなら私だけやりなさい!」
「良いんスカ?ご家族とも会いたいでしょうに。」
「だからってこの人達を巻き添えになんかできないわよ!
 私だって確かに記憶は欲しいわ、でもそれ以上に守りたいの!
 この世界に居る沢山の人々を!美しい可能性を秘める全ての世界を!」
「ハッ、そんなボロボロの状態で言っても説得力無いッスよ?
 貴方のお友達ももうボロボロで立てないみたいッスし。」
「そんなことは無いぜ?」
「龍一さんとやら、一時休戦といきませんか」
「……やぶさかでない」
「な、何故!?そんな!何故そんな状況で立てる!」
「正義の為だ。」
「あんな熱いセリフを聞いたら私も契約に使った右腕が疼いちゃいます!」
「鬼は切る…………。」
「四対一だとしてもそんなボロボロで勝てるわけが!」

 陽子の懐から光の塊が空高く舞い上がる。
 爆音。
 天井に巨大な穴が開く。
 刀のマークが刻まれたカードが彼女の手の中に舞い降りてきた。

「それはどうかな!?」

 そして空高くから響く声。

「なっ……!?」
「人の妹をかわいがってくれたお返しだぁ!」

 文字通り、空から零人が降ってきた。
 彼は空中ならば転びようがないと判断して自らの都市伝説を使い自らの身体を空高く打ち上げたのだ。 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」

 滅茶苦茶にサイレスを殴りつけて地面に着地する零人。
 足がしびれたらしくその場でこけた。
 
「龍一さん!今です!」

 サイレスの首、さっき龍一に切られていた場所に僅かな罅が入っていた。
 彼女はそこを切れと言うのだ。
78 :笛 ◇2PnxfuTa8.(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:09:48.86 ID:eYiYp1UI0
「私も援護します!」

 カードを自らの銃で撃ちぬく陽子。
 すると龍一の隣に彼と同じ姿のもう一人の龍一が現れた。

「貴方の動きを真似するので同時にその罅を切ってください!」
「ああ!」
「うわっ、やめっ……」

 煌めいた光はたった一つ。
 残る斬撃の跡は二つ。
 サイレスの首に十字の傷が深く刻まれる。

「きょ、今日はここまでにしておいてやるッス!」
「逃しは!」
「しない!」

 明日が空中から両足で蹴りを決める。
 吉静が薔薇の手裏剣を背中に突き立てる。
 しかしそれでもサイレスは走る。
 龍一がトドメに放った斬撃が空を切る。
 サイレスは逃げ切ったのだ。

「くそ……。」
「逃げちゃったみたいね。」
「さて、あいつも居なくなったことだし、やるか。」
「陽子さん、考えなおすなら今ですよ!」
「えー……困ったわねえ。」

 さて、共通の敵が居なくなって再び殺気立つ一同。
 しかしそこに再び闖入者が現れる。
 鉄仮面の男だ。

「へいエブリワン!俺のお手製満漢全席でも食べないか!」
「龍一、なんとか……脚本を手に入れられたぜ。」
「王様!?」
「なに料理作ってるんですか!」
「いやほら、客人用に。」
「真樹、在処、なんで二人ともそんな苦しそうなんだ……?」
「ハッハッハ!俺の料理を食わないと脚本を破壊すると脅したのだ!」
「えー…………。」
「毒が入ってないと信用してもらうまで大変だったぜ!
 俺が食ってみせても信用しないしさあ!」
「…………。」
「俺は……いらな」

 龍一のお腹から大きな音が鳴る。

「少なくとも毒は入ってなかった……。」

 生理痛が限界まで来ている女性のようなテンションで真樹は呟く。

「うますぎて食い過ぎた結果がこれなのだよ!」

 それにしてもこの鉄仮面うざい。

「まあ食うか食わぬかは別としてだ。
 俺は貴様らに聞いておかねばならない話がある。
 異世界の客人殿には関係ない話ではあるが……ついでに私の料理を食っていけ。」
「え?」
「拒否権はない。」
「え?」

 このあと兄妹共々激辛マーボー豆腐を飲み物にさせられることを……
 まだ陽子は知らない。
 とにもかくにも、こうして陽子の記憶の欠片は彼女の手元にまた一つ集まったのである。



【極光の紗綾(獄門寺龍一の世界 後編) おしまい】
【獄門寺龍一の世界編 おしまい】
79 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:11:42.45 ID:eYiYp1UI0
 どうも、本スレで『噂された人物が元から実在したら、その人に都市伝説パワーが得られるんでしょうか?』と質問した新参者です。

 それでもって、序章ですが書いてみました。

 誰もいないようなので、投下しようと思います。

 グロテスクな表現。長文。むちゃくちゃ設定なので、そういうのが苦手な人ゆーたーんをお願いします。

 それでは、『DKGとファントムさん』、投下します。
80 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:12:14.24 ID:eYiYp1UI0

 あるビルの廃墟に、一人の中学生ぐらいの少女がソファで寝ていた。
 彼女は『都市伝説』だ。
 いつだっただろうか、彼女が生まれたのは。


 三年前、アメリカの本州のどこかで、無残な死体が発見された。
 死体は34歳男性で、弾丸で鉢の巣にされ、さらには鋭利な刃物でズタズタにされていた。
 しかも、その男性はあるマフィアの殺し屋をしていたのだ。
 警察は彼に敵対する組織の仕業だと考え、その方針で捜査を進めた。
 だが、それはすぐに間違いだとわかった。
 その二日後、同じような遺体が捜査している間、アメリカのありとあらゆる地方に、ゴロゴロと出てきたのだ。彼らの接点は男性以外これといったものはなく、警察を混乱させた。

 そして、人々は囁いた。
 殺された人間は男なのだから、女から恨みを買われていたのではないか?
 きっとその女はありとあらゆる殺人道具を持っているに違いない。
 それだけではない。きっとありとあらゆる殺し方を考えているに違いない。
 まだ発見されていないのだから、怪しまれにくい未成年ではないか?
 それなら、その少女はよほど冷酷な心を持っているに違いない。
 ならこう呼ぼう。

 ――――ドライ・キラー・ガール(DKG)、と。

 そして彼女は存在を許された。人を殺すために、驚異の殺人能力と冷酷な心を持って。
81 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:12:45.06 ID:eYiYp1UI0
 彼女は忠実に人を殺していった。暇なときはマフィアの一つ一つを潰したりして、最速タイムを出すよう遊んだこともあった。もちろん都市伝説達とも殺し合ったりした。全ては彼女の圧勝だった。
 だが彼女は満たされない。どれだけどれほど殺しても、彼女は満たされることは無い。それが彼女のしたい事ではないからだ。

 前にDKGは、ある一人の男を殺した。新しい殺し方の実験だ。こういう事は考えが尽きるまでやめた事は無い。
 殺した男には、一人の娘がいた。面倒なので、その娘の心を恐怖で埋め尽くし、精神から魂を殺そうとした。
 その為には心を覗く必要がある。DKGは、この時初めて人の心に触れたのだ。
 娘は男の死を知らず、公園で遊んでいた。DKGは娘の頭に触れ、心に触れた。

 今思えば、その時心に触れてみようなんて考えなければ、ただ殺すだけの存在でいられたのだろうか?
 と、DKGはソファに転がりながら思う。

 死を知らない娘の心は温かかった。自分の冷酷な心が、溶けてしまうぐらいに。
 無を知らない娘の心は我がままだった。自分の顔が微笑んでしまうほどに。
 ばいばいを知っている娘の心はさみしそうだった。自分が罪悪感を覚えてしまうぐらいに。
 彼女は娘の心……人の心に恐れをなして、逃げ出してしまった。
82 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:13:24.03 ID:eYiYp1UI0
 それから、人を殺す事以外の事を考えるようになった。
 あの娘は父の死を知って、どう思うだろうか? どう変わるだろうか?
 自分は人を殺し続ける存在でいいのだろうか?
 娘一人の感情でここまで振り回される自分はとてももろいのだろうか?
 都市伝説のDGKは、人を観察する事にした。
 どう殺すのかを考えるのでは無い。どう生きるかを決めるためだ。
 人々は楽しそうに街を歩いている物もいたし、悲しそうに歩いている者もいた。
 DKGは一人一人の心に、恐る恐る触れて行った。

 そして、彼女は人に近い感情を手に入れた。手に入れてしまったのだ。

 それからというもの、人を殺す事にためらいを覚え、人の殺し方を考えているだけで気分が悪くなった。
 もう人を殺すのをやめよう。
 そう思い、今まで殺してきた人たちの金で人として生きて行く事にした。自分には、これしかないのだ。仕方がないと自分に言い聞かせる。
 許してもらえているだろうか? DKGには涙と共に謝まる事しかできないのだから。

 だが、許してもらえなかった事を、一ヶ月後に知る事になる。

 ある日、人として学校に通っていた時のことだ。
 突然、力が抜け倒れてしまった。誰もその事には気がつかない。人として生きて行こうと決めた時から、いや、それ以前から自分の姿は見えているというのに、誰も気がつかない。
 許してもらえなかったのか? やはり自分に人として生きて行くのは不可能なのか?
 そこで、彼女は一つの考えにたどり着いた。

 自分は人を殺すために存在を許された都市伝説。人を殺さなくなった今、自分の存在を許されなくなったのではないのか?

 恐怖した。懺悔して後悔して、やっと手に入れたのに、その幸せを失う。
 それどころか、存在さえ許されなくなり、再び無になる?
 いやだった。人の感情を手に入れたDKGは、自分が可愛くて仕方がなかった。人としての欲望を押さえる事は無かった。
 生きたい。だから殺す。本能に逆らわず、感情を消して、定められた通り殺す。
 その場にいた者は全員殺した。皆に気がつかれるまで殺し尽くした。

 それからだ。自分が存在するために、人を殺すようになったのは。
 自分が生きるために、ありとあらゆる殺し方を考えるようになったのは。
83 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:13:59.93 ID:eYiYp1UI0

 そんな事を、ぼんやりとソファの上で思いかえしていた。
「……人も都市伝説も、醜いな」
 ポツリ、と呟く、誰の返事も期待しないで。
「そうだな」
 ドアの方から、聞いた事の無い声が聞こえた。
 とても低く、恐ろしいと思える声だった。
 そしてそれは、見なくとも都市伝説だと分かった。
「何だ? 俺をお前の組織にでも入れるつもりか?」
「組織? いや、俺はフリーだ」
「なら俺を殺して強くなるつもりか?」
「お前を殺して何の得になる?」
 聞き捨てならない言葉だった。都市伝説としてのDKGは、アメリカの都市伝説の中でも最強と言われるほどだ。
 そんな自分を、殺しても仕方がないという都市伝説。どこまでも気に食わなかった。
 殺す前に、せめてどんな都市伝説かと確認しようと、その都市伝説を見る為立ち上がる。
 だが、DKGの怒りは驚きに変わった。
「……ファントム?」
 ファントム、リアルバットマンとも呼ばれる都市伝説だ。
 その顔は不安感を持たせる青い大きな目しか無い白いマスクを被り、特撮ヒーローのような白い姿の上に、黒いコートを着ているのが特徴だ。
 ファントムは国を問わず、困っている人のところに神出鬼没で現れ、悪人をやっつける正義の味方と言われている都市伝説だ。
 まさか、そんな子供のような都市伝説が、本当に存在するとは思わなかった。
「そうだ。俺がファントムだ」
 ファントムが名乗ると、その大きな青い目の光りが、フワァと人の心を不安げにさせるように光る。
「ヒーロー様が何の用だ? 俺みたいな都市伝説を殺しに来たのか?」
「違う。人を殺すのをやめてくれと、説得をしに来た」
 何だそれは、それは俺の存在を許さないのと同じじゃないか。
 DKGはファントムを睨めつけ、虚空から9mmベレットを取り出す。
 もちろん相手は都市伝説。発射されるのは鉛の塊ではなく、対都市伝説専用の弾丸だ。取り換える必要は無く、DKGの存在が許される限り、無限と出る事だろう。
84 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:15:53.03 ID:eYiYp1UI0
「お前に俺は殺せないよ」
 ターンターンターンと、三発程ファントム眉間に撃つ。
 だがファントムは視線と手の動きで読みとったのか、それを全てかわす。
「避けたな」
 ギラリ、とDKGの目は輝き、9mmべレットを左手に持ち替え、左手にM2重機関銃を取り出す。
「……確か固定しないとロクに当たらないんじゃなかったか?」
「お前みたいなちんけな都市伝説と一緒にするな」
 ターン、ターンと9mmべレットでファントムのまわりに撃ち込む。
 ファントムはそれをひょいひょいと避ける。
 面白いほどに引っかかった。ファントムは二つの弾丸を避け、大きな隙ができている。
 その大きな隙に、ダァン! とM2重機関銃で一発の弾丸を胸に撃ち込んだ。
「ガァ!?」
 ファントムは見事に宙を舞い、壁に叩きつけられる。
 死んだな、と思いソファに転がるDKG。死体をどこに捨てようかと考えていた時だった。
「……流石に、死んだかと思った」
 よっこいせ、と立ち上がり、ファントムは胸の汚れを落とすように右手ではらったのだ。
 薄く黒くはなっているが、無傷と言っても過言ではないだろう。
「死を味わいたいどMか?」
 ソファからサッと立ち上がり、ファントムを睨みつけるDKG。
「Sではないが、Mでもない。どちらかと言うとHだ」
「それは日本でしか通じないぞ? お前の言いたいHは恐らく『変態』って意味のHだろ?」
「違うな」
 バッと腰を低くし、いつでも攻撃できる姿勢に落ちつかせる。
「ヒーローのHさ」
 ファントムはDKGに、都市伝説でもトップと争えるであろうスピードで殴りかかってくる。
 それをDKGはいなし、腹に蹴りをお見舞いしてやる。
 ファントムの腹には当たったが、その腹は霧の様な物質に変わってしまい、DKGの体ごとすり抜けてしまう。
「流石は都市伝説ヒーロー。硬くなって攻撃を受け止めたり、水蒸気になって攻撃をすりぬけさせるって、どこのRXだ」
「ほう、こっちでもRXが有名か?」
「駄作としてな」
 二人は、背中を合わせながら話し合う。相手の隙を、手さぐりで探るかのように。
「確かに、アメリカのRXはZOが出ていたりとかで酷かったが、日本の光太郎は最強ライダーだぜ?」
「日本の作品なんて知るか」
「パワーレンジャーや侍戦隊だって、元をたどれば日本のヒーローだぜ?」
「まあ、ドラゴンライダーはいい出来だとほめてやるよ」
「日本では龍騎っていうんだ。覚えておいてくれよ」
 話し終わった瞬間、DKGは虚空から出したジャックブレードで、ファントムは霧で作り出した白い刀のような刃物で、互いの脇腹を刺す。
 グシャァ! 互いの脇腹から、大量の血が流れ出した。
85 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:16:39.40 ID:eYiYp1UI0
「……どっから出したその刀」
「……お前こそ銃器だけじゃないのか」
 DGKはこの程度では死なない。何故ならと聞かれたら、これは作り物、ただの見た目だ。
 だが、ファントムの方が少しおかしい、確かに自慢の腕っ節でファントムのふざけた装甲を深々と刺してやったが、都市伝説では重傷にはならないはずだ。
 それに、ジャックブレードについたこの血、

 ――――都市伝説の見かけだけのものではなく、人間の血ではないか?

 あり得ない。吸血したり人を捕食する都市伝説からは人の血が流れる事がある。
 だが、だがこの都市伝説はヒーローという、人を食べるとは聞いたことが無い。相手が悪人だとしてもだ。
 ならなぜ? と頭をフル回転させて考える。
 ふとファントムは扉に向かってよろよろと歩いており、今にも逃げ出しそうだ。
 気になるのなら、アイツの体に聞く事にしよう。
 そう結論づけたDKGは、先程のファントムと並ぶスピードで勢いよく走りだす。
 この時、DKGは気が付いていなかった。ファントムの右足が、青く、怪しく光っている事に。

 DKGがファントムの頭を掴もうとした瞬間、DKGの頭はファントムの回し蹴りの餌食となり、そのまま壁に叩きつけられ(この時、壁は壊れた)、DKGは気絶した。
86 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:17:08.12 ID:eYiYp1UI0
 朝になると、DKGはいつものソファで起きた。まわりにファントムは見えない。
「……少女の顔を蹴るなんて、信じられないな」
 DKGが起きた時の一声は、とても皮肉な物だ。
「仕方がないでしょう」
 キッチンの方(廃墟だが、DKGの力を使ってなんとか使えるようにした)から、おいしそうな匂いとさわやかなな青年らしき声が聞こえる。昨日の男とは明らかに違うものだし、明らかに普通の人の声だ。
「あなたが大人しく私の話を聞いてくれなかったんですから」
 この廃墟の唯一のテーブルに、さわやかな青年が持ってきた、ブレックファーストと白いほっかほかのご飯が置かれる。
「……いやお前誰だよ。何でここで料理なんか作っている」
 人間なら発狂しかねないほどの殺気を込めて睨みつけるが、さわやかな青年はもろともしない。
「ひどいなー」
 と勝手にソファの手すりにすわり、ヘラヘラと手を振る。
 久々に罪悪感なく人を殺せそうだと確信したDKGは、強く強く拳を握る。
「昨日殺し合ったのに、もう忘れてるんですか? この忘れん坊さんめー☆」
 めー☆ でかなりイラついたが、その前の言葉に違和感を覚えた。
「待て、俺は昨日、人を軽く2000人ぐらいの人間と、都市伝説50体ぐらいしか覚えが無いが、お前みたいなのは初めてみたぞ?」
「ああ、そっかそっか」
 青年は何かを思い出したかのように、青年自身が着ている黒いコートの懐から、白いマスクを取り出す。それは、昨日初めて会った都市伝説――――ファントムの物だった。
「……お前、ファントムの契約者か」
 あの夜、近くに契約者の人間がいなかったので、野良だと勝手に思っていたが、契約者がいるなら、あの反則技と、『殺しても意味が無い』という発言に少しは頷ける。なぜなら契約者がいれば力を付けることも可能だし、無理して有名になろうとせずとも消える心配はないわけなのだから。
 だが、不思議とそのマスクからは都市伝説の気配がしない。
「まあまあ、見ててくださいって」
 右手に持ったマスクを右に突き出し、左手は軽いスナップをしながら前に突き出す。
「変身!」
 叫びながら、左手を握りその脇を締め、右手で大振りをしながらマスクを被る。
 ああ、日本でいう痛い人ってこういう奴の事をいうのか、と何か納得してしまった。
 だが、突如そこに大きな都市伝説が存在していた。
 その体は、昨日の都市伝説、ファントムと瓜二つ、いや、全く同じものだった。
「ファントム、参・上!」
 右手を『参』のところで左肩あたりに固定し、『上』のところで右手の人差指でどこかを指さす。
 一連の動作を終えると、そのマスクの大きな目が青く光った。
87 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:17:42.59 ID:eYiYp1UI0
 何からツッコミを入れようか、と頭がパニックになっているDKG。
 そんなDKGを見て、サッと頭を抱えている。
「……見るな。こうでもしないと都市伝説になれないんだよ」
「……都市伝説に、なる?」
 その言葉に違和感を覚えた。
 なんだそれは。まるで元々は人間のだったかのような口ぶりじゃないか。
「話せば長くなるが、聞くか?」
「……聞く」
 断って勝手に記憶でも覗いてやろうと思ったが、記憶のハッキングとか簡単にしでかしそうなので、聞くを選択した。
 ファントムは椅子に座ると(この椅子はいくつかある)、懐かしそうに話しだした。
「あれは二年前……俺が中学生の時だった」
「……って事はお前高校生か?」
「細かいところは気にするな。……あの時、俺はまだ子供だった」
「今も十分子供だろ?」
「三歳児のお前に言われたくは無い」
 気を取り直すように、ゴホン、と咳をする。
 実際にそういう仕草をする人っているのなと思ったが、話を進めるため受け流す。
「パルクールを知っているか?」
「ああ、確かフランス発祥の忍者みたいに街を駆け抜けるあれだろ?」
「そうだ。俺は面白そうだからと独学で習得した」
「暇だったんだな」
「中学生だったからな。それで、俺は夢を叶えるため、これを作った」
 そう言いながら、コンコンと白い体を指で叩く。
「これ、自前か」
「自分でもほれぼれしそうな出来だ」
 誇らしそうに胸を張る姿は、まるで少年だ。
「で、お前の夢ってのは何なんだ?」
 その言葉を聞くと、表情を隠すためのマスクがひきつった気がした。
「……笑わないか?」
「人の夢を笑う奴は死刑だと自負している」
 殺人鬼が言うにはおかしなセリフだと思うが、そう思っているのだから仕方がない。
「……そうか、なら言うぞ」
「おお、言え言え」
 ゴクリと喉を鳴らし、見えない唇を動かして、ファントムは言った。
「俺、特撮ヒーローになるのが夢なんだ」
 それを聞いた瞬間、
「あっっははっはっはっはは!!あっはっはっはっはっははは〜〜〜ッ!!」
 DKG思い切り笑っていた。
88 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:18:38.90 ID:eYiYp1UI0
「笑わないって言っただろうが……ッ!」
「笑わないなんて約束してないし、お前は都市伝説だろうが〜っ!」
 まだ笑いは収まらないらしく、腹を抱えてゴロゴロと床を転がりまくる。
 DKGの笑いが収まったのは、十分後だった。
「――――ああ、いい年をした男が特撮ヒーローだなんて、おかしいおかしい。久しぶりに盛大に笑っちまったぜ」
「……傷ついた。俺のガラスの心は傷ついた……ッ!!」
 ファントムは屈辱的だったらしく、頭を抱え床に額の部分をガンガンと叩きつけている。
「悪かった悪かった。もう笑わないから、続けてくれ」
「……俺はこの恰好で外に出た」
「――――ぶふぅ!?」
「今笑っただろ!? 絶対笑ったな! ゆるさんぞぉお!!」
「笑って無い! その刀をしまって話を続けろ!」
 ファントムはいつの間にか霧で作り出した刀を霧に戻し、落ちつきながら話す。
「路地裏を歩いていると、大の大人のはずの、明らかに不良だと一目でわかる連中が中学生一人囲んでいたのさ」
「定番だな」
「事実なのだから仕方がない。それで、俺はその中学生を助ける事にした。パルクールを利用して、アクロバティックな動きで裁いていった」
 DKGは人の視点で考えてみる。こんなのが宙を舞いながら人をぶっ飛ばしていたら、それはそれは不気味な光景だろう。
「正体はばれないで、段々と噂になっていった。……調子に乗ってさ、どんどんと活躍していったのさ」
「具体的には?」
「荷物が重くて動けなくなってるおばあちゃんから銀行強盗に拳銃突きつけられてるお姉さんまで、やれることはやった」
「……お前、友達いないだろ」
「いますよ。数えた事はありませんが」
 それは、数えられる数だが、絶対に少ないから数えたくないのだろうか?
89 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:19:07.91 ID:eYiYp1UI0
「それでさ、とうとう都市伝説って言われるぐらいになって、ファントムとか呼ばれてさ。浮かれてたんだよ」
 彼は歳は話を聞くに17歳辺りが最年長だろう。つまり未成年だ。よくそこまでになるまでやっていたなと、もう感心してしまうぐらいだ。
「その都市伝説って呼ばれたあたりかな。……ある日、俺はパルクールでいつものように日本を駆け巡っていた。気がつくと、俺はビル群を走りぬけていたんだ」
「落ちたら死ぬな。普通は」
「落ちました」
「そうか…………ってはぁあ!?」
 あまりにも普通に言うので、理解するまで数秒かかってしまった。
「……ああ、それで死んで都市伝説ってわけか。不幸な最期だな」
「それだと私が普通の人間でいられるわけがないでしょう?」
 もっともなところを指摘され、DKGはうぅ、と唸る。
「じゃあその後どうなったんだよ?」
「見事に着地できました」
「………………マジ?」
「マジマジ」
 ……重い沈黙が、場を制した。
「おっかっしぃぃいいいいいいいいいいいいいだろぉぉぉおおおおおおぉおおおおおぉぉぉおおぉおおッッッ、がぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「うきゃう!?」
 あまりに大きな声でツッコミを入れられてしまったので、ファントムの鼓膜が壊れかけてしまった。
「あのな! パルクールっていうのは難しい体操みたいなモンだろ!? それが本当の忍者みたいにそんな高いところから着地できるかっ!!」
「いやーもー驚きましたもん。自分だって『あ、死んだ』って定番みたいなセリフしか考えられませんでしたもん」
「何でそんな事ができるんだよ! 簡潔に説明しろ!」
「どっかの組織の都市伝説関連のなんやかんやに携わる人が教えてくれたんですが、都市伝説っていうのは人の噂から誕生するんですよね。でも、私の場合本当に存在して、生きていて、器がある……細かいところは覚えていないんですが、嘘と真が混ざって、都市伝説として語られ、その通りに行動しているこの姿に、都市伝説パワーが与えられたんですよ」
 成程とうなずき掛けたが、一つ大きな矛盾がある。
「……まあ確かにそんな例もあるかも知れない、少しの矛盾は許そう。だがお前自分の発言には大きすぎる矛盾がある」
90 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:19:59.51 ID:eYiYp1UI0
「え? どこら辺が?」
 マスク越しでも、ファントムがきょとんとしているのが手に取るように分かる
「お前は『この姿に』と言ったな」
「ええ、言いましたね」
「じゃあ人間の姿として……まあ都市伝説パワーと言っておくが……それはないだろ」
 うーん、とファントムは腕を組み、照れるように頭をかく。
「実は、都市伝説になる前に、何度かマスク取られているのを見られてまして……正体までは特定されてなかったんですが、人間がなっているんだといわれ、日本ではリアルライダー、ここら辺ではリアルバットマンとも呼ばれるんです、で、変身! とか言えば本当に変身するんじゃないか? とか、装着してるんだとか言われてまして……本来なら後者が正しいんですが、前者もできるらしい」
 ふと、DKGは思い出す。彼が変身する時に、ものすごく恥ずかしがっていたのを。
 ……そんな恰好で外に出れて、変身ポーズを見られただけであそこまで恥ずかしがるのはおかしいと思うが。
「……悔しいが、納得してやる」
「それはどうも」
 そう言いながらファントムはマスクを外し、黒いコートの下は普通の服に戻る。
91 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:20:43.30 ID:eYiYp1UI0
「それでは、本題に入らせて頂きましょうか」
 そう言いながら椅子に腰かけ、体を預けるファントムの媒体。
「本題?」
「そう、もうあなたに人を殺してほしくないんです」
「……そういやそうだったな」
「だからといって殺し合いに来たわけじゃないんですよ。それにあなたじゃ私に勝てません」
「……まあ、確かに、な」
 あれは不意打ちだが、それでも立派な策略。状況を利用するのは、DKGもしていた事だ。策にはまった自分が悪いのだし、何よりこうやって生かされるという事は、話し合いをしたいんだろう。
「前にも言った気がしたが、俺が人を殺すのをやめれば俺は消える。力では最強だが、存在としてはとても弱い。一か月もせずに消えるさ」
「でも、あなた人を殺したくないんでしょ?」
「――――ッ!?」
 なぜだ。なぜこの男はそれを知っている?
「見ていれば分かります。組織からは彼方の抹消を頼まれていたんです。でも私も人を殺すのは嫌なので……」
「俺は人じゃない。都市伝説だ」
「私からすれば人も都市伝説も一緒ですよ。……皮肉な事にね」
 やれやれー、と言いながら肩をすくめるファントム。
「それに、これは初めてあなたにあった時から思っていたんですが……」
 男は一息をつき、真剣な顔つきで言った。

「私と一生を共にするため、契約してください!」

 なるほど、と素直に思ったし、とてもうれしかった。
 契約、これさえあれば、この男が死なない限り、普通の人間の寿命で生きて、人生を謳歌できるかもしれない。
 だが、『私と一生をともにするため』というのはどうなんだろうか?
 どこかおかしいと思うのは、気のせいだろうか?
92 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:21:25.59 ID:eYiYp1UI0
「まあ別に契約なら条件を果たしてるし、俺は別にいいが」
 こういうのって、普通逆じゃないか? と聞こうとも思ったが、別の疑問を優先させる。
「一生を共にするためって、愛の告白じゃあるまいし……」
「本気です」
「はい?」
 本気の顔つきで、彼はDKGの手を握る。
「一目ぼれですが、私はあなたを一生幸せにします。好きです。大好きです。初めてアナタを見て足してしまいました」
 手から手を離し、彼女を抱きしめる。
「私と契約してください!」
「は!? はぁ!? はぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」
 DKGは驚きのあまり、顔を赤くしなが叫んでしまう。
 そして彼女は知らなかった。DKGの略称が、『デレデレ・キュート・ガール』のと噂されてしまうということは……。

 ……続くのだろうか?
93 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:21:51.45 ID:eYiYp1UI0
初めてという事で勝手がわからず、こんな形になってしまいました。
 自分でも滅茶苦茶だと思いますが、なにとぞよろしくお願いします。
94 :DKGとファントムさん  ◇lzXMjKhUPM(代理)[sage saga]:2011/09/20(火) 17:29:56.13 ID:eYiYp1UI0
>>72
>それは人間?それとも「吸血鬼」という都市伝説?
占い師と少女の人が、『プレダトリー・カウアード』でそんなシチュの話書いてたぜ
あの人は【人間が「吸血鬼」という都市伝説に変化する】形で書いてましたけど
その辺りは人それぞれとかになっちゃうのかしらな
95 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/20(火) 17:31:31.99 ID:eYiYp1UI0
直したと思ったら直って無かったでござるorz
>>94は代理じゃなくて俺自身の言葉ですorz
てか、『代理終了』って宣言し忘れた・・・もうダメだ引きこもっちゃう
96 :DKGとファントムさん ◆lzXMjKhUPM[sage]:2011/09/20(火) 18:36:31.48 ID:pkhVy9gN0
あ、シャドーマンの契約書さん、代理投下ありがとうございます。
ちなみに続編はスレの反応を見てから書きます。
97 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/20(火) 19:27:29.91 ID:eYiYp1UI0
>>96
>ちなみに続編はスレの反応を見てから書きます。
大好評なので是非書いて下さいな
てか書いてくれないとあたし泣いちゃう(コラ
98 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/20(火) 21:46:46.35 ID:/7qHT6Bv0
おいおい大変だぜティミィ
まあどうしたのジャクスン?
笛やろうの作品がDKGノ人の作品にならべられたら見劣りするに決まってるじゃないか
それはそうね
ま、何が言いたいのかっていうとだ、あらよっと
まあジャクスン新しい自転車?
ああ、ナイキの新製品さ
とってもクールね!それで?
ああ、俺が何を言いたいかっていうとだな、代理投下含めて皆様おつってことさ
さすがジャクスン!愛してるわ!マイハニー!ンーマッ!
俺もだぜベイベ……ンゥー、おいおい皆見てるぜ
構わないわ、魅せつけてあげましょう
99 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/20(火) 22:58:57.94 ID:eYiYp1UI0
見劣りなんてしないさ
人には人の個性ってのがあるのさ
皆違って皆良い
100 :悪党と労働者党 ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/09/21(水) 00:47:10.77 ID:uJxKWVhro
 鼻歌混じりにハンディカメラをスタンドに固定するヴィッキー
 そのカメラのフレームの中央には、椅子に縛り付けられ、目隠しと猿轡をされた沙々耶の姿

「はーい、これから撮りますからねー。聞こえてますかー?」

 項垂れた沙々耶の頬を、ヴィッキーがぺちぺちと叩く
 だが沙々耶は項垂れたまま反応を見せない

「起きて下さーい、元気なところを見せてあげないと皆が心配しますよー」

 それでも反応を見せない沙々耶に、ヴィッキーはふむと小さく唸り
 椅子ごと沙々耶の身体を仰向けに蹴り倒した

「ぐっ!?」
「死んだふりとかやめてくださいねー、交渉が台無しになっちゃいますから」

 するりと猿轡を解き、近くのテーブルに置いてあったミネラルウォーターのペットボトルを手に取る

「まあ、あなたが私の許可無く死んじゃったりしたら……あのスイッチは脅しに使えない事ですし」

 封を切ったペットボトルを沙々耶の口に捻じ込み、水をごぼごぼと流し込む

「うぶっ! が、ふっ!?」

 むせ返り辺り水を撒き散らすのにも構わず、ペットボトルをぐりぐりと押し込みながら

「私、非力ですからね。次に攫うとしたら……やっぱり戦闘能力が低い順でしょう」
「えっ、げほっ……は……ぁ……」

 口と鼻から水を垂れ流し、ぜいぜいと荒い息を漏らす沙々耶
 濡れてぺたりと額や首筋に張り付いた髪を手櫛で梳き、その耳元にそっと口を寄せて囁く

「接触さえできれば、攫うのは簡単そうですよね、メイちゃん」
「あん、た……何でそんなに……私達について……詳しいのよ」
「さて、何ででしょうね?」

―――

 事が起こる数日程前の、『第三帝国』南極秘密基地
 出口へと向かう通路の真ん中で、どちゃりどちゃりと生々しい音を立てて床にばら撒かれる肉塊

「捻ったり潰したりぐらいは直せるみたいだけど、バラバラにするのはどうかしら?」
「さてどうでしょうね?」

 転げた生首がそう呟くと、切断面を血で汚した腕が床を跳ね、恐ろしい速度で針と糸を躍らせる
 たちまち縫い合わされた身体を、糸をきゅっと引き締めて馴染ませると、何事も無かったかのように立ち上がる白衣の女

「指の一本までバラバラのミンチぐらいにしないとダメみたいね……面倒だわ、血も鮮度が悪いみたいだし」

 やれやれと肩を竦めて、どかどかと音を立てて拷問具の数々を積み上げてるトライレス

「超人兵士やオカルト兵器の研究資料、挙句にうちの人材資料まで……どこに流していたのか吐いてもらわないと困るんだけど」
「そうですねぇ……あなたを[ピーーー]間際に、冥土の土産にべらべらと喋ってあげるのが正しいスタイルなんですが」

 微笑むヴィッキーの周辺に、ざわりと湧き上がる十数人の戦闘員
 その手には、ここ『第三帝国』南極基地に配備されていたオカルト兵器の数々が握られていた

「ちっ!?」

 黒服達が扱う光線銃とは毛色の違う、謎の怪光線としか言い表せない曲がりくねった熱線がトライレスの周囲を焼き払う
 拷問具を盾にしてなんとか凌いだものの、その大半がただの鉄屑といった有様にまで破壊されてしまった

「うーん、この手のものはやっぱり命中精度がイマイチですね。悪っぽくて素敵なんですが」
「そりゃまあ研究開発中の代物ばかりですものね」
「でも形になるまでは私も相応に協力してたわけですし。成果は折半でもいいじゃないですか」
「最初っから成果をかっぱらうつもりで潜り込んでたスパイが良く言うわね」
「んもー、ああ言えばこう言うんですね」
「それはこっちの台詞よ」

 とはいえ、トライレスも割と手詰まりではあった
 彼女の拷問具の数々は、痛めつけて血を絞る事に長けた道具ばかり
 殺せば死ぬ相手には充分に有効だが、多少身体を破壊したところで死ぬ様子もないヴィッキーには効果はやや薄いし、ガスも効く様子が無い
 それ以外の手となれば、それなりの無茶が必要になる
101 :悪党と労働者党 ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/09/21(水) 00:48:27.67 ID:uJxKWVhro

「ガスも効きませんからね? この身体は、人間の肉体を素材にした高性能のサイボーグか何かだと思ってもらった方がいいですよ」
「あっ、そう。それじゃあ」

 トライレスの手のひらから溢れ出したガスが、一瞬で視界を煙らせる程に通路に充満し

「粉々に吹き飛ばせば、ぶっ壊れるのかしらね?」

 鉄屑となった拷問具が打ち合わされ、火花を散らした
 閃光、爆音、衝撃、熱波
 様々なものがさほど広くない通路を蹂躙し、駆け抜けていく
 瓦礫や砂埃、蛍光灯の破片などが覆い被さった『鉄の処女』が、ぎしぎしと音を立てて開く
 その中からは肌を穴だらけにし血塗れになったトライレスが現れる

「やっぱりこの手はあんまり使いたくないわね。狭いところじゃないとできないし、痛いし」

 自らの血を塗り込めるように肌を撫で、傷を塞ぎ艶やかな肌を取り戻し
 焼けた肉片と化した死肉の中から、比較的大きく残った頭部をつま先で軽く小突く

「さて、流石に個人の活動とは思えないわよね。しっかり調べさせてもらわなくちゃ」
「もう少し施設の被害を考えて活動できんのかね君は」
「でしたら、たまたま挨拶に来ていた私になんか頼むべきではないでしょう?」
「仕方あるまい。あの女めが、超人兵士の命令情報を出鱈目にしていきおったのだから」

 じゃりじゃりと床に散らばった塵を踏み締めながら現れたのは、仏頂面をした『総統』閣下である
 ここ南極の活動拠点にしている『ヒトラー複数存在説』の一人であり、オカルトやロストテクノロジー兵器の蒐集・研究を行っている
 無論、それを使ってあれこれ企てているわけではないが、『総統』の中では最も好戦的な性分ではある

「奴を逃がしては困るからと頼みはしたが、この施設もまた重要な拠点の一つなのだ。長くこの組織に与しているのなら、その辺りの理解はだな」
「はいはい、苦情は後で。今はこれの調査が先ですから。適当な研究室、一つ借りますね」
「超人兵士の研究棟ならいくらでも空きがある、好きに使いたまえ。ただし報告はまず真っ先に私にだ、日本の『総統』よりもだぞ」
「わかってます。まったく、同一人物なくせにどれだけ仲が悪いんですか、あなた達。アドルフと影武者だって、むしろ仲は良かったのに」
「違う人物は理解し合えるだろう。同一人物でもだ。だが私達は、同じ人物の主義主張の異なる部分が独立した存在だ。性に合わん部分はとことん性に合わんのだよ」
「いずれは、人間としての生と死を望んでいるのでしょう? その頃まではには少しはまとまりを持って下さいな」

 溜息混じりに身を屈め、転がっているヴィッキーの首を拾い上げようと手を伸ばした
 その手のひらに、針がぶつりと突き刺さった

「随分と往生際の悪いこと」

 首だけでにたりと笑うヴィッキーの口から、糸を通した針が吹き出されたのだ

「『フランケンシュタインの怪物』をご存知で?」
「あら、自分の冥土の土産に自分語り?」
「いえ、冥土の土産ですよ? あなたの」

 そして、その糸はきらきらと輝いているように見えて

「『フランケンシュタインの怪物』のエネルギー源、ご存知ですよね?」

 その言葉に、トライレスは自らの余裕を悔いながら、手のひらに食い込んだ針を引っこ抜く
 そして、それを投げ捨てるよりも早く
 落雷のような電流が、トライレスの身体を打ち抜いた

「先に爆破されてなければ、もっと派手に自爆できたんですけどね。今はこれが精一杯……あはははははははははははははは!」

 過負荷で焼け落ちながらもけたけたと笑い続けるヴィッキーの声が
 衛生兵を呼ぶ『総統』の声が
 駆けつけたトライレスの元教え子の衛生兵達が何か叫ぶ声が
 ぼんやりと遠ざかって
 消えていくような
 そんな感覚の中で
 トライレスの意識が、ふつりと途絶えた

―――

 時間は戻り、ヴィッキーの襲撃と沙々耶の拉致から一晩が過ぎた朝
 臨時休診の札が掛けられた診療所の前に、12歳ほどの少女が一人現れる
 荷物を抱えて現れたその少女は、先日現れたヴィッキーをそのまま幼くしたような外見をしており

「おはようございます、昨晩は如何お過ごしでしたか?」

 変わらぬ雰囲気で、診療所の面々に笑顔で挨拶をしたのだった
102 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/09/21(水) 00:52:09.90 ID:uJxKWVhro
前回までのお話は前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310721571/963-965
こちらをご参照下さい
更に前はまとめWikiにてどうぞ

遅筆な上に展開が遅いですが、読んで下さっている方がおりましたら気長にお待ちいただけると是幸い
投下できないエロネタばっかりが浮かぶこの脳がうらめしい
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/21(水) 07:25:03.25 ID:4mLa/DZDO
ドクターの人乙でした
戦う度にロリ化が進行するだと…なんて恐ろしい能力だ!!
というのは冗談で
ヤバイじゃないすか
頼みの綱のトライレスさんまでかなりのダメージ受けたみたいだし
ささやんまで捕まったままだし
メイちゃんが捕まったら何時かの@RECが実現したりしないよね…?
104 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/21(水) 08:06:50.92 ID:magTf5vl0
三面鏡の人乙です〜
沙々耶たんが目隠し猿轡でしかも水浸しとかエロいエロい
そして俺のトライレスさんがあああああああ!?(デジャヴュ
ロリヴィッキーたんハァハァ


あれ、朝から変態なコメントしかしてないよ俺
くそっ、バイト休みだったらエロ書いたのに!(バカ野郎
105 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/21(水) 17:46:18.91 ID:ka2k3LiV0
「ニコ厨とねらー」
ゲーム研究部のライバル組織、ネット研究部(何を研究するんだ)。その部長を務める二茶練男。そして副部長の二戸中童河。一旦CoAから出た二人は、道を歩いていた
練男「…一旦出てきたって。特に何もしてない気がする件」
童河「禿同www …って笑い事じゃないよな」
練男「お前普通に喋れんのかよ」
童河「どういう意味だそれ」
いがみ合ってるようにも見えるが、仲は悪くない…はずだ
練男「ググレカス」
童河「ググレねーよwww」
そんな雑談を続けながら歩いていると…何かが物凄いスピードで近づいてきた
童河「!?   /減速   /減速   /減速」
持ち歩いているノートPCに、『/減速』と入力する童河。すると、高速の何かは減速し、その姿を現した
『何じゃ、これは? アタシのスピードが…』
童河「『ジェット婆』…だと…?」
『む? そうじゃよ。スピードといえばアタシ! アタシといえばスピードの! 『ジェット婆』じゃよ!』
練男「それで? 何しにきたんだよ」
『よくぞ聞いてくれたのぅ。単刀直入に言う。アンタらを殺しに来た!』
練男「ちょwwwおまwwww」
童河「あるあr………ねーよwww」
いや、殺しに来た相手に『殺しに来た』って。『564219』じゃあるまいし。そんなんじゃ殺せるもんも殺せねーよ!
『ってなわけで! 喰らいな!』
言い終わるや否や、『ジェット婆』は走り、突進してくる
童河「!!!! /減速 /減速 /減速!」
再びpcに『/減速』と入力し、『ジェット婆』の速さを殺す童河
『また…またこれじゃ…! 何なんじゃ一体! こんな都市伝説聞いたことないぞ!』
童河「うーん…仕方ない… 教えてあげるか    特別にね

  これは僕の契約都市伝説 『/○○』さ  存在しないニコスクリプトの一種でね

『/倍速』ってコメントすると動画の再生スピードが倍になって   『/減速』ってコメントすると再生スピードが遅くなる…って都市伝説なのさ」
ネット研究部1のニコ厨、二戸中童河は、長文を喋るとき、ニコニコ動画のコメント風になる癖がある。…字面じゃないと分からない口癖ではあるが
『『/○○』…? 聞いたことがないぞそんな都市伝説!』
童河「そりゃそうさ。『/○○』はネットロアの中でも…一部だけで広まってる内輪ネタみたいなものなんだから」
『く…っ!』
練男「おいおい、漏れの存在を忘れんなよ! 『もしも都市伝説の世界に2chがあったら』!」
空間が歪んでいき、電脳空間…そう、丁度2chの背景のような空間に変わる
106 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/21(水) 17:47:00.99 ID:ka2k3LiV0
45:以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします:2011/09/21(速) 14:12:00.34 ID:TarboBbA
なんじゃ…? 何が起きた…? !? 話し方が…?

46:以下、名無しにかわりましてニコ厨がお送りします:2011/09/21(童) 14:12:09.88 ID:NicOD0/g
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━

47:以下、名無しにかわりましてねらーがお送りします:2011/09/21(二) 14:12:14.53 ID:2chNelar
>>45
漏れの契約都市伝説、『もしも○○の世界に2chがあったら』の能力だ。空間を2ch風にし、空間内の全員の会話が2chのレス風になる












ぬるぽ

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/21(水) 14:12:30.77 ID:Ok66j7/0
手から無限にから揚げを出せる能力と1億円どっちが良い?

49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/21(水) 14:12:59.21 ID:hZrt99+O
>>48
から揚げ

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/21(水) 14:14:33.45 ID:7eFf6++o
>>48
一億円

51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/21(水) 14:15:59.66 ID:43567//0
>>47
ガッ

52:以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします:2011/09/21(速) 14:16:39.29 ID:TarboBbA
グハッ…! 何が起きた? 突然変な猫が…
―――――
突如、AA風の猫人間が現れ、『ジェット婆』の頭を殴った。『ぬるぽと書き込むと10レス以内にガッされる』。ぬるぽと唱えることで10レス以内にガッと書き込まれ、ガッのAAが召喚され、相手をガッするという能力だ

53:以下、名無しにかわりましてねらーがお送りします:2011/09/21(二) 14:15:58.99 ID:2chNelar
>>52
『ぬるぽと書き込むと10レス以内にガッされる』んだよ。ちなみにから揚げの件は『2chの書き込みの半数以上はとある国のSCが自動的に書き込んでいる』だ

54:以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします:2011/09/21(速) 14:16:44.01 ID:TarboBbA
>>53
またネットロアか…じゃが!
―――――
『ジェット婆』が練男を睨むと、何処からか車が走ってくる。それは練男を狙っているようだった。『ジェット婆』と目を合わせると事故を起こすという伝承によるものだ

55:以下、名無しにかわりましてねらーがお送りします:2011/09/21(二) 14:17:00.96 ID:2chNelar
>>55なら車が溝に落ちる

――――――
しかし、練男を狙っていた車は溝に落ち、その動きを止める。彼の契約都市伝説、『特定のレス番なら○○』。文字通り、宣言したレス番を書いたレスのレス番が一致した場合、そこに書かれた現象が現実になる。
しかしその性質上、『もしも○○の世界に2chがあったら』発動中でないと使えない

56:以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします:2011/09/21(速) 14:17:34.11 ID:TarboBbA
な…防がれた?

57:以下、名無しにかわりましてニコ厨がお送りします:2011/09/21(童) 14:17:49.11 ID:NicOD0/g
んじゃ、次は俺のターン! お婆さんホイホイ!

58:以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします:2011/09/21(速) 14:18:00.02 ID:TarboBbA
!? 身体が勝手にッ!?

―――――
107 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/21(水) 17:47:50.70 ID:ka2k3LiV0
童河の目の前にニコニコ風のホログラムが現れる。すると、『ジェット婆』はそこに引き寄せられるように歩いていった

59:以下、名無しにかわりましてニコ厨がお送りします:2011/09/21(童) 14:18:33.22 ID:NicOD0/g
何勘違いしてるんだ…
まだ俺のバトルフェイズは終了してないZE!

――――――
童河がノートPCを弄ると、2ch風だった空間の真ん中に赤い物が現れ、童河と『ジェット婆』を飲み込んだ
童河「ようこそそそそそそそそそそそそそ、『sm666』の世界へ」
その 空間は 辺りが 真っ赤で 意味不明の 文字が 並べ られられられ ギギギギギギギギ ていた
『!? 『赤い部屋』か?』
童河「だから『sm666』だってば。呪イノ動画sm666」
画面には恐ろしい画像や意味不明の文字が連なる
『じゃがアタシも都市伝説! この程度に恐れをな…す…? (息が…!)』
突如、『ジェット婆』が苦しそうにもがき始める
童河「効いてきたみたいだね   言い忘れてたけど、『sm666』には作者死亡説があるんだよ  実際は普通に元気に過ごしてるわけだけど
     こういう恐怖系動画のお約束ってやつ?    つまりこの動画内にいる生物の生命力を奪えるのさ   じゃ、俺も巻き込まれたくないし…
                   \バイバイ!/\バイバイ!/\バイバイ!/」
そう言うと、動画内からログアウトする童河。相変わらずめんどくさい話し方である。作者的に
『ぐ…がぁ…脱…出』
逃サナイ  逃サナイ  逃サナイ  逃サナイ  逃サナイ  逃サナイ  逃サナイ

    逃サナイ    逃サナイ     逃サナイ    逃サナイ
                 オマエ、ノ、ウシロ
『あ…ぐが…が…ぐふ…』
そして、『ジェット婆』は『sm666』の中で泡を吹いて気絶した。息絶えるのも時間の問題だろう
童河「マダマダァ! ドロー!モンスターカード! ドロー!モンスターカード!」
『sm666』の外から様子を伺い、空間内を操作して追加攻撃しようとする童河
練男「…」
童河「……そこは『もうやめて!童河〜』だろ!」
練男「氏ねニコ厨」
童河「サーセンwwwww」
練男「はぁ…。 んじゃ『ジェット婆』も倒したことだし? 漏れらも帰ることにしますか」
童河「そうだな! 次はCoAで活躍しようZE!」
そんなことを言いながら、(時々罵りあったりスルーしあったりしながら)帰っていくねらーとニコ厨であった…



                        続く…
108 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/21(水) 18:21:05.55 ID:uVtiI5Jo0
乙です〜
このコンビは強いけど鬱陶しそうだなwwwwww
「ダッシュ婆」も不幸だwww
109 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/21(水) 22:13:58.75 ID:1lHbCsPD0
ソニータイマーの人乙でした
これなんかすげえ壺だわあ
続きをすっげえ見たい
110 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/22(木) 16:16:28.13 ID:Ecbkq4Bf0
【月見里邸の優雅な日常6〜夢生ちゃんの日常〜】

「目覚めなさい」

 何処かから声が聞こえてくる。
 
「目覚めなさい」

 深く、良く通る男の声。

「うるせー!」
「目覚めナブラァ!」

 とりあえず声の主を殴り飛ばしてみた。

「いってええええええ!
 ちょ、おめ、なにすんだよばかぁ!
 痛いじゃねえかよぉ!」
「うるっせーよ!おめえこそなんだよ人が眠っている時によぉ!」

 目を開けて声の主の方を見る。
 ……予想の軽く斜め上を行くその姿。
 思わず目を奪われる。
 俺の目の前に居るのは幼女だった。

「なんだよ!子供で悪いかよ!」
「……助けて!幼姦マン!」
「羊羹?」
「はっはっは!呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!」
「わあ!羊羹だ!」

 子供に襲われたら何時でも呼んでくれと言われていたので
 俺は友人の幼姦マンを呼んでみた。

「先生!この生意気なガキを犯っちまってくだせえ!」
「まかせてく……」

 ピンポーン

「あれ?お客さん?」
111 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/22(木) 16:17:14.36 ID:Ecbkq4Bf0


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 |:::::::::::::::||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ト  うわああああああああああ!>
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    \||

112 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/22(木) 16:17:54.35 ID:Ecbkq4Bf0
 あれ?
 さっきまでボクハナニシテタンダロー
 キオクガスッカリナクナッテイルゾー
 気を取り直して目の前の幼女にガン飛ばしてみる。 

「うーん……。」
「なんだよ。」
「いや、ずいぶん可愛らしい姿をしてらっしゃるなあと……」
「ジロジロ見てんじゃねえよぶっ飛ばすぞこの野郎め!」
「…………。」
「なんだよ。」
「…………。」
「なんか言えよ。」
「…………。」
「無視すんなよ。」
「…………。」
「うぅ…………。」

 涙目wwwwwww
 うあっはwwww幼女泣かせたったwwwwww
 俺最低wwwwまさに悪役wwwww
 世界の敵に相応しいwwwww俺最強wwww

「びぇぇぇぇええええええええ!」

 なんか言うと思ったの!?
 お前ら俺がこうやってふざけておいて泣き出す前に何がしかのケアとかすると思ったの!?
 そんなことするわけ無いじゃないですか!アホですね!アホの子なんですね!
 お前ら本当に馬鹿野郎さヒャッハー!
 俺は懐からロープを取り出すと、とりあえず幼女を近くの柱に縛り付けてその周りをグルグルと回りながら踊り始める。
 泣く幼女、踊る俺。

「びええええええええ!」
「うんばばー!」
「びえええええええええええ!」
「うんばばー!」
「うえええええええええええええん!」
「うんばばー!」
113 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/22(木) 16:19:03.78 ID:Ecbkq4Bf0
 太鼓を叩きながら舞い踊る。
 人の域に留まっていたエヴァが本来の姿を取り戻していく。
 人の掛けた呪縛を解いて、人を越えた神に近い存在へと変わっていく。





「うんばばー!」




 
 天と地と万物を紡ぎ、相補性の巨大なうねりの中で、
 自らをエネルギーの濃縮態に変身させているんだわ。
 純粋に人の願いを叶える、
 只それだけのために……



 十分後



「流石に疲れたわ。」
「スゥースゥー……」

 泣き疲れた幼女は眠っていた。
 踊り疲れた俺はソルティライチを飲んでいた。
114 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/22(木) 16:19:33.90 ID:Ecbkq4Bf0
「いやー舞ってみるもんだよね。」
「スゥースゥー……」

 夢の中とはいえ幼女は幼女。
 チョロいもんだ。
 少し柱に縛り付けてその周りで踊っているだけですぐに眠ってしまうのだから……

「ぐっすり眠ってんじゃねえ!幼女型だからって甘えられると思うなよ!
 悔しかったらお漏らしの一つでもしてみやがれ!」
「ピギャアアアアアア!」

 が、眠りっぱなしではこいつが一体なんの為に夢に現れたのか解らない。
 俺は足の裏をくすぐって幼女を無理矢理起こすとすぐに彼女を問い詰めた。

「おいガキ、力って……なんだ?」
「ふぇえ……今更聞くのぉ?」
「っていうかさっきの声ってなんだよ。」
「ボイスチェンジャーだよぅ……。」
「なんでそんなもんつかってんだよ!」
「おじいちゃんが病気でお仕事でれなかったから私が代わりにやって……も、文句あるかよ」
「仕事?」
「うん、新しい力が覚醒するときに“力が欲しいか”って聞く仕事……。」
「要らん!」
「ふぇえ……。」
「俺は人に迷惑をかけるのが大好きな男なのだぁ!」
「えーっとこういうときはマニュアルマニュアル……」
「マニュアルなんぞ使ってるんじゃねええええええ!」
「らっめえええええ!」

 マニュアルを窓から投げ捨てる。
 そこら辺を飛んでいたプテラノドンがマニュアルを咥えて飛んで行ってしまった。

「いやおかしいでしょ今の!?」
「何を今更、この物語はジュラ紀の時代のお話なんだぜ?」
「いや夢の中でしょここ?」
「プテラノドンは白亜紀だよ!って突っ込めよばっきゃろー!」
 
 とりあえず幼女を小突く俺、悪党である。
115 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/22(木) 16:20:05.03 ID:Ecbkq4Bf0
「マソップ!」

 奇怪な悲鳴を上げて転ぶ幼女。
 
「ええいこうなったら俺があんたに突っ込みのなんたるかを叩き込んでやる!」
「へ!?」
「どうせ今やってるのはバイトなんだろ?」
「う、うん……。」
「ちゃんと定職に就いておじいちゃんを喜ばせたくないのか!」
「え、いやだって私まだ子供……」
「シャラーップ!このニートめ!」
「ニートってなんだよぉ」
「お兄ちゃんみたいな人間の屑のことさ!」
「それはやだよぅ……。」
「調子にのってんじゃねえ糞ガキが!幼姦マンまた呼ぶぞ!」
「いやあああああ!」
「ほらついてこい!修行の為に町まで行くぞ!」
「今は白亜紀なんじゃ……」
「なわけねーだろ!バーか!バーか!」

 目覚ましの音色。
 ガバッと跳ね起きる。
 そうだ、今までの出来事は夢の中での出来事だったのだ。
 さて、今日も今日とで人間としての生活が……

「うーん、むにゃむにゃ」

 腕に触れる柔らかい感触。
 ひとしきり揉みしだいてから正体を確認する。

「あれ、なんで私こんなところに……」

 布団のに居たのは、夢の中に出てきた幼女だった。
 迷わず彼女の後頭部に手刀を叩き込んで気絶させると朝ご飯の為の冷やし中華の用意を始める。

「冷やし中華〜始めました〜」

 ベッドの中を確認する。

「幼女監禁〜始めました〜」

 冷やし中華を食べ終えて近所のコーヒーショップで買ったボトルコーヒーをカフェオレにして飲む。

「俺の人生〜終わりました〜」

 やだもうこれ

【月見里邸の優雅な日常6〜夢生ちゃんの日常〜】
116 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/22(木) 16:21:41.50 ID:Ecbkq4Bf0
バックベアード様のところは本当にようかんマン使う予定だったんだけどね
流石にこのスレごとやられると思ったんでやめた
117 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/22(木) 16:33:12.43 ID:Ecbkq4Bf0
ちゅーか親戚の子が友達を家に連れ込んでてマジうるわいさあ
助けてようかんマン
やっちまってください
118 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/22(木) 17:23:20.18 ID:XokyJaou0
笛の人乙です〜
この作品はいつでも声出して笑えるから好きwwwwwwww
てかハジけ過ぎだろwwww
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/22(木) 19:16:39.86 ID:wqJZvy1DO
ここで羊羮マンを出せなかったのがふえやろうの弱さ…
わざわざ幼女の顔をやるおにすり替えて結合部をすみ塗りにしたバージョンまで用意したのに…
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/22(木) 19:35:00.12 ID:gyLEnxJr0
避難所がピンクどころか赤黒い空気だったのでこっちに避難してきた
…あれ、何かがおかしい…でも何がおかしいんだろう…
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/22(木) 19:50:18.82 ID:wqJZvy1DO
都市伝説がでてないとかそういうツッコミは受け付ける!!
122 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/22(木) 20:23:00.44 ID:XokyJaou0
え、あれ都市伝説出てないの!?
123 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/22(木) 21:31:43.13 ID:Ecbkq4Bf0
出てないのですよ
冷静に考えると出てないのですよ
最近書けども書けども満足できないというか
もっと一つ一つの作品について語り合いたいのにあんまり話せていないというか
自分の作品を語るのも自意識過剰な感じがするから人様の作品を語ってみたいと思うけどそれも偉そうっていうか
そういうふうにグルグル思考を巡らせること事態自意識過剰の極みっていうかあああああああああああ!
って感じでもう憑かれたよパトラッシュ
ワンワン!
みたいな
124 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/22(木) 21:36:52.49 ID:Ecbkq4Bf0
笛ラジオ決行
十時くらいまで普段はロムってる貴方の質問や罵倒を受けつけちゃうぞ
といってもわりと誰も来ないに違いない
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/22(木) 21:46:26.80 ID:94y2iQY90
>>124
笛野郎!俺だ!!結婚してくれ!!!


こうですか?
126 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/22(木) 21:49:14.77 ID:Ecbkq4Bf0
>>125
笛やろうも結婚願望はあるが生活能力無いから就職するまで待って欲しい
できれば髪が長くて心優しくて年上なんだけどそれを感じさせなくて自分の意見を大事にしてくれるんだけど
なんだかんだで導いてくれる恋路ちゃんみたいな女の子が良いです
茜さんとか難易度高すぎ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 01:14:04.48 ID:qO8N4m+y0
かって誰かが書いたネットロア「性の6時間」を見直したら心が重くなったよ…

---
  / / /// ./ /  /j  / // 〃!|| | ||ll| | | ヽヽ ヽ   |     |       |,  -──- 、    /
  i  l l l l ll  l /!.| ,! / | /゙!゙"゙"゙"゙ll| | |  !_ヾ゙r、,__.l  ,. -‐''´ ̄`ーァ'"´        ヽ、/
  l  !. | | | |l  | || li |/| l| ! |     l! ! | |  |ミミヾ,| .l7lー‐- 、                __/
    | | | | |l  l. _lki'l |! l! l+-l、_  ,j l/,!.l  |三ニ、jイ l l三ヽ |             r'´        _
    l i l l lヽ, i´ !_i!ヽl l l!   __ `メノl !l !  |=、ニ/ ! l/ヽ== 、-‐'"´ ̄ ̄`ヽ、   /        /
       ヽヽ ヽ ヽ,r=ミ !    ,. ==ミ、 /// j l、 }彡r'、\ \ l_、 ̄`丶、    \ /         |
  ,. -─-、ヽヽヽヽ!::::::::: , /    ::::::::::: `/// //'∠ !_{,l、 \ヽヽ, |  !l ̄`ー-、`ヽ 、 /  __         l、
/,r‐,=≧--‐'´__.',     ___      /ノ/ //´ヽj \ ̄ ̄二>‐、-!!,_   \ r'´ /ヽ l        | l
/rチ'"´ _,ィャヶ'´rt‐\.  l'´ !    ///./  /   lヽ/'´ ̄  | ヽ,  `ヽ、 \‐'   } |   r !  lノ l
/_,.ィ=彡/   l !   \ ー'       /  /  /  //      l、 ヽ,    \ ヽヽ  lノ   / 」/  ヽ

12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は
1年間で最もセックスをする人の多い「性の6時間」です。

貴方の知り合いや友人ももれなくセックスをしています。
普段はあどけない顔して世間話してるあの娘もセックスをしています。
貴方が片想いしているあの綺麗な女性もセックスをしています。
貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、いま家にいないのでしたら間違いなくセックスしてます。
貴方と別れたあの娘も貴方がその娘にやってきたことを別の男にやられています。
貴方の将来の恋人や結婚する相手は、いま違う男のいちもつでヒィヒィ言っています。
---

本当に心が重くなったよ…
あと数ヶ月で来るね…今年も…
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 09:23:06.38 ID:dfj5C7gSO
今年のクリスマスは中止なのに
何言ってんの?
129 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/23(金) 10:14:46.44 ID:VZnuO0XX0
(裂邪>性の6時間? 毎日あるじゃん
130 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/23(金) 10:23:01.27 ID:9iciNB8z0
聖夜「え? 今年はサンタがインフルエンザにかかったからクリスマスは中止だよ?」←『クリスマス中止のお知らせ』
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/23(金) 12:55:40.38 ID:keyli6Fd0
クリスマスが中止なんて許しませんよ
美味しいケーキとごはんを家族で仲良く食べる日なんですから
132 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/23(金) 14:54:43.89 ID:7cLJaVmm0
(ルート>今年はインフルエンザお休みよぉ、アタシの権限でねぇ(←インフル操作可能
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 15:32:58.77 ID:olgdLndDO
サンタがママにキスをした
このテーマで誰か書くのだ…
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 15:45:04.02 ID:159vKz2Y0
>>133
そういうのは笛の人に任せようず…
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 15:47:45.59 ID:fnY1SEoWo
じゃあ恋人がサンタクロースで非R18だ
136 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 16:03:23.58 ID:l33CI0Li0
非R18だと・・・?
書けねぇじゃん(マテヤ
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 16:12:57.39 ID:159vKz2Y0
>>136
おやおや
健全なモノしか書かないんでなかったのかね
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/23(金) 16:32:46.02 ID:/d2YbwoAO
語るに落ちたなww
139 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 16:37:37.13 ID:l33CI0Li0
バレちゃしょうがない
俺は健全な作品なんて書けないのさ!(ヒドイ
エロ最高! エロ万歳! エロこそこの世の全て!!
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/23(金) 16:44:39.83 ID:keyli6Fd0
エッチなのはほどほどにね!
できれば少年誌レベル(チャンピオン作品と「ダークネス」を除く)にとどめるんだ!
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 16:48:36.13 ID:olgdLndDO
>>134

ふえやろう「おまえらがそういうことを言うから!俺が自給自足しなきゃいけなくなる!!」
142 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 16:55:14.46 ID:l33CI0Li0
>>140
>エッチなのはほどほどにね!
つってもガチでエロシーン少ない気がするんだけど俺
143 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 17:20:29.29 ID:l33CI0Li0
誰もいない今がチャンス


「慈悲」と「美」、それぞれに関連するもしくは連想される都市伝説探してるんだけど
何か心当たりのある方いらっしゃいますでしょうか?
144 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 17:27:42.39 ID:l33CI0Li0
おっと書き忘れ
出来れば『召喚系』の都市伝説なら嬉しい
145 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/23(金) 18:24:17.24 ID:vNsVUDB40
ぐわあ……
ガチ剣戟アクション書きたい……
話の七割がバトルで残り一割が萌えエロで二割がギャグみたいな
146 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/09/23(金) 19:48:29.97 ID:9iciNB8z0
>>143>>144
『アプロディーテー』とか、『奇跡を起こすキリストの像』とか、『まどか教』とか?
『アプロディーテー』は美と愛と性を司る戦女神、『奇跡を起こすキリストの像』は祈ることであらゆる奇跡を起こすことができる(ただし見返りを求めてはいけない)、
『まどか教』はまど☆マギ最終回の鹿目まどかが魔法少女になった姿がまるで女神だったことからできた冗談宗教です
147 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 20:27:00.63 ID:l33CI0Li0
>>145
>話の七割がバトルで残り一割が萌えエロで二割がギャグみたいな
普段からそうだった気がしないでもない(ぁ

>>146
>『アプロディーテー』とか、『奇跡を起こすキリストの像』とか、『まどか教』とか?
アフロさんは弟がギリシャ神話使ってるからちょっとなぁ・・・

そういや、敵役前提っていうのも忘れてたorz
「まどか教」かぁ、まどかって何か化け物召喚系魔法使ってました?
148 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/23(金) 20:48:25.51 ID:3AknS16i0
>>147
まどかは友人に聞いたことはありますが、バケモノは召喚したとかは聞いたごとがありません。

それと、都市伝説の敵で召喚……というか、化け物を操っている敵と言えば、陰陽師とかでしょうか?(自分は都市伝説=妖怪という方程式を持っているからなのですが)
元は妖怪の式神を使っている話をよんだことがあります。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 20:48:36.08 ID:dfj5C7gSO
召喚はしてないけど自身が魔女化したら化け物
でもこれ都市伝説じゃねーべ
150 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 20:52:58.57 ID:l33CI0Li0
>>148
>それと、都市伝説の敵で召喚……というか、化け物を操っている敵と言えば、陰陽師とかでしょうか?
そ れ だ !
ありがとうございます、詳しく調べてきますの!
151 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/23(金) 20:58:33.47 ID:3AknS16i0
>>150
いえいえ、どういたしまして。
それで陰陽師で思い出したのですが、学校町の神社って、結局どうなってるんですかね?
152 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 21:12:36.34 ID:l33CI0Li0
よし、これで「慈悲」が埋まったぞ
あと一つ・・・「美」か・・・絵から飛び出す系って無いのかなぁ
「画竜点睛」は除く

>>151
>それで陰陽師で思い出したのですが、学校町の神社って、結局どうなってるんですかね?
そっとしてあげて・・・
設定だけは公表されてますね
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 21:18:27.99 ID:dfj5C7gSO
「美」で、「絵」なら「モナリザ」があるな
瞬きしたり動いたり、ダ・ヴィンチの暗号が隠されてたりするぞ
154 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 21:28:44.54 ID:l33CI0Li0
>>153
>瞬きしたり動いたり、ダ・ヴィンチの暗号が隠されてたりするぞ
それで絵から飛び出して町を破壊出来たら最高なんだけどなぁ・・・
あと「モナリザ」って1枚しかなさそう(そこはダミーで何とかしろ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 21:30:23.21 ID:olgdLndDO
>>151

あそこの神主が仕事したら都市伝説が減っちゃうんだよ!!
156 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/23(金) 21:50:29.72 ID:3AknS16i0
>>154
それなら「モナリザ」を学校町に持ってきちゃえばいいんですよ。
国宝館なうの阿修羅像も色々と移動してますし、敵の勢力が手をまわしたとかにすれば入ってこれるのでは?
そうなると、裏で組織となんやかんやあって、入って来てるってことになるんでしょうか?
157 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/23(金) 21:55:35.35 ID:vNsVUDB40
じゃあモナリザ引っ張り込むために
物好きな金持ちが自分の美術館で“レオナルド・ダヴィンチ展”をひらいた
とかやればいいんだよ
上田マミーとかが昔大英博物館で働いてたから影男の人良かったら使ってください
158 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 22:21:29.04 ID:l33CI0Li0
問題は「モナリザ」の破壊力なのよー
絵から飛び出したとしても怪力とかビームとかで町をめちゃめちゃに出来なきゃ意味無いのよー
俺はプリキュア風が書きたいのー
159 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/23(金) 22:26:49.16 ID:vNsVUDB40
そこはモナリザのパワーを強化する強力な契約者さえいればいいんじゃないかなあ


ところでDKGの人
すごくTKGって言いたくなるおれをゆるしてくれ
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 22:32:25.54 ID:fnY1SEoWo
多重契約で強化一択
聖画系もけっこう動いたりしてなかったか?
161 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 22:37:28.15 ID:l33CI0Li0
やはり多重契約か
実は弟から別な都市伝説も貰ってたんだけど、それが他人を強化する代物で

これで決まったかも知れぬ、ご協力感謝
162 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/23(金) 22:43:54.21 ID:3AknS16i0
シャドーマンさん、その作品楽しみにして待ってますよー。

それと笛野郎さん。

>すごくTKGって言いたくなるおれをゆるしてくれ

T(たまご)K(かけ)G(ごはん)ってwwwwww
発音は似てますがさすがにそれは勘弁!
ちなみに、彼女実はプライドが高かったりナルシストなところもあるから、あまり怒らせない方がいいですよー。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/23(金) 22:46:26.78 ID:dfj5C7gSO
モナリサの唇には女性の謎がある。
原始以降この謎を描き得たものはダヴィンチだけである。
この謎を解き得たものは一人もない。
164 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 22:51:28.36 ID:l33CI0Li0
むぅ、弟からのツッコミを受けて「モナリザ」のみ没することに・・・申し訳ねぇorz
因みに決定したのは「ブリージンガ・メン」です

>>162
>シャドーマンさん、その作品楽しみにして待ってますよー。
実は2話を今書いてるところで・・・1話は前スレにorz
に、2話書いたらちゃんとwikiにあげるんだからっ!

>>163
>モナリサの唇には女性の謎がある。
そういやぁ、「モナリザ」のモデルって男らしいですね
165 :可愛い女の子になら撃たれようがバッチコイな笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/23(金) 23:40:42.88 ID:vNsVUDB40
【ユララ鬼ごっこ】

「ハァ……、ハァ……」

 闇夜の田舎道。
 追われる少女。

「ずいずいずっころばしごまみそずい」

 遠くから男の声が聞こえてくる。

「茶壺に追われてとっぴんしゃん」

「抜けたら、どんどこしょ」

 声が、増える

「俵のねずみが米食ってちゅう、ちゅうちゅうちゅう」

 四つ辻にたどり着く。
 暗くて何も見えない中、自らの荒い息遣いと不気味な声だけが彼女を追いかけてきた。

「おっとさんがよんでも、」
「おっかさんがよんでも、」
「行きっこなしよ」

 囲まれた。
 彼女が来たのと真逆の三方向から童謡が聞こえてきた。

「井戸のまわりで、」

 何も見えないのに、声だけが近づいてくる。

「お茶碗欠いたのだぁ…………」

 少女の脚に冷たい感触が走る。
 何かが足を掴んでいる。
166 :可愛い女の子になら撃たれようがバッチコイな笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/23(金) 23:42:08.66 ID:vNsVUDB40
「ひ…………」

 ゆっくりと足元を見下ろす。
 そこには顔が半分崩れたようになっている蜘蛛男が居た。
 蜘蛛男はニタァ、と笑う

「捕まえたァ……!」

 ペタリ、ペタリペタリペタリペタリタリ
 いくつもの手の感触が彼女の身体に走る。
 顔に、胸に、手足に、背骨の窪みに、項に、臀部に、大腿の内側に
 体中触られていないところが無いくらいに撫で回されて体温を奪われていく。
 助けを呼ぼうとしても喉は凍りつき声が出ない。
 走ろうとしても足が動かない。
 せめてもの思いで伸ばした手。

「捕まえた。」

 暖かな人の手。
 伝わってくる体温。
 彼女の手を引き締まった顔立ちの男性が掴んでいた。
 男は彼女を蜘蛛の群れの中から引きずりだす。
 男は革のロングコートから札を一枚取り出して宙に投げた。

「お前は誰だ!」

 蜘蛛男の戸惑ったような声。

「破ァ!」

 札は掛け声と共に鳥の姿をした真っ赤な炎に変身し、少女を守るようにして飛び回る。。
 それに怯えた蜘蛛男達は一斉に少女から離れた。
 火の鳥の清い明かりに照らされた今ならば少女にも解る。
 三匹どころではなかった。
 数えきれない数の蜘蛛の群れがそこには居たのだ。

「大丈夫だったか?下がっていなさい。」
「え、え、あ、ありがとうございます!」

 男は少女をかばうようにして前に出ると懐から一枚の紙切れを出す。

「己ぇええ!陰陽師か!儂の食事を!」

 男は指を弾く。
 快音と共に水で出来た龍が現れて、すぐさま巨大化して鉄砲水を巻き起こす。
 蜘蛛の群れを一瞬で押し流し、あっという間に周囲は静寂を取り戻した。
 
167 :可愛い女の子になら撃たれようがバッチコイな笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/23(金) 23:47:13.32 ID:vNsVUDB40
「すごい!あんなにたくさん居たのに!」
「あれは全てまやかしだ、本体は……」
「まあ良いわ……娘ともども食い殺してくれよう!」

 道の向こう側にぽつんと立っている蜘蛛男。
 一見、他の分身と変わらない姿である。
 しかしあれこそがあの化物の本体。
 
「うごああああああああああああああああああ!」

 この世のものとも思えぬ叫び声と共に蜘蛛男の背中が割れる。
 八本の足が割れた背中から伸び、人間の面影を残していた顔は溶けて異形のそれへと変貌を始めた。
 青白い月光を照り返す真っ黒な身体に赤い文様が浮かび上がる。
 ぬらぬらとした体液を辺りに撒き散らしながら不快な唸り声をあげ、化け蜘蛛は少女に襲いかかってきた。

「出てこい善鬼!」

 二頭身の鬼が蜘蛛の足を食い止める。
 鬼は腰から斧を取り出すと蜘蛛の足をまっぷたつにした。
 緑色の液体が男と少女の足元にまで飛び散る。

「触れるな!」
「きゃっ!」

 男が咄嗟に少女を突き飛ばす。
 液体がかかった男の服が白い煙をあげて溶けている。

「こ、これは一体……!?」
「ああいう化物の体液は何でも溶かしてしまう性質があるんだ。
 警告を忘れていたよ。済まなかったね。」

 転んだ少女に手を差し伸べる男。

「あれって一体何なんですか?」
「あれは妖怪、今は都市伝説と呼ばれることが多い。
 昔は私のような人間が封じて回っていたのだが……時代は変わってしまった。」
「ぬおおおおお!どかぬか鬼めぇ!」
「行け業鬼!」
 
 刀を持った鬼が蜘蛛に飛びかかる。
 善鬼と業鬼と呼ばれた二体の鬼が蜘蛛の足を次々と落としていく。
168 :可愛い女の子になら撃たれようがバッチコイな笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/23(金) 23:47:58.40 ID:vNsVUDB40
「ぬおおおおおおお!やめろ!やめんか!」
「ふん、いい具合に弱ってきたな。そろそろやるか……。」
「やるって?」
「まあ見てなさい。昔からこの国の人間はこうやって妖怪に対抗してきたんだよ。

 男は息を大きく吸って朗々と呪文を詠唱し始める。

「元柱固真、八隅八気、五陽五神、陽動二衝厳神、害気を攘払し、四柱神を鎮護し、五神開衢、悪鬼を逐い、
 奇動霊光四隅に衝徹し、元柱固具、安鎮を得んことを、慎みて五陽霊神に願い奉る」

 男が朗々と呪文を唱えるたびに蜘蛛の身体は崩れ落ちていく。
 
「臨兵闘者 皆陳列在前!」
「ぎゃあああああああああああ!」

 完全に身体が崩れ落ちる寸前に男は蜘蛛に札を投げつける。
 するとあっという間に蜘蛛は札の中に吸い込まれていった。

「終わったか……」
「あの、今のは……。」
「封印したんだよ、倒すだけではすぐに再び現れるからね。」
「えっと……。」
「行こうか。」
「え?」
「君のご両親の所にだ。」
「え?」
「道は知っている、車に乗りなさい。」
「そ、そんなちょっと……やめてくださいってお姫様だっこって!私重いです!」
「鍛えてますから!」

 いつの間にやらそこにあったのは黒塗りのGT-R
 男に無理やり車に押し込まれる少女。
 少女の抵抗にもかかわらず車は彼女の家に向かって発進したのであった……。

【鬼ごっこ to be continued……?】
169 :可愛い女の子になら撃たれようがバッチコイな笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/23(金) 23:53:14.38 ID:vNsVUDB40
という訳でこのシェアワールドに設定上居る筈の化け物退治の専門家の話
近代になって陰陽師や御坊様の仕事がなくなってにもかかわらず消えない化物
人はそんな化物に対抗するために契約を始めたりなんだりだったわけですが
そんな世の中にもちゃんとした専門家は居たりして……

つってもこのあんちゃんも契約者
陰陽師とか言っているけど道産子
正統派の陰陽師の家に生まれついたんじゃなくて親戚の家にあった本を読んで独学で殆んど覚えちゃった人
年齢は三十路くらいかなあ
本当は強敵とのバトル書きたいんだけど第一話だからあまり敵を強くも出来ず……
170 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/23(金) 23:53:30.19 ID:l33CI0Li0
笛の人乙です〜
一瞬「Tさん」かと思ったら陰陽師と来たかwww
しかし新たな英雄の登場、今後にwktkせざるを得ない



危ない、「陰陽師」を「式神」に変更しておいて良かった・・・
171 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/24(土) 00:04:40.10 ID:TK+edH3S0
笛の人さん乙

それはそうと初めてまとめWIKIをやってみたのですが、よくわからない……。
誰か助けて下さい。
172 :可愛い女の子になら撃たれようがバッチコイな笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/24(土) 00:10:28.62 ID:2sON6TwZ0
まとめwikiはあれですよ
誰かのページから表示やらでコピペして書式パクって
そこに自分の作品の名前だけ突っ込んでページ名だけいじれば……

響鬼を見て書きたくなった反省している
173 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/24(土) 00:11:58.39 ID:0wXPAzQg0
右側の方にまとめ方の説明ページがあるので、そちらを参考にしてみては?
それでも難しいところがございましたら、わかる範囲で(あと起きてる限り)お答えします
174 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/24(土) 00:14:02.78 ID:0wXPAzQg0
やっぱり響鬼見たのかwww
ブレイド以降見てないって聞いてたからもしやとは思ったが
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 00:14:30.55 ID:eFA7Keuf0
※笛氏も影男氏も普段の雑談の雰囲気からはアレですが
 技術的な面に関しては頼もしいインストラクターです
176 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/24(土) 00:20:02.51 ID:TK+edH3S0
で、できた!(多分)助言ありがとうございます!
ちなみに自分も仮面ライダー好きですよ。
177 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/24(土) 00:21:18.74 ID:2sON6TwZ0
響鬼さん最高
ただライダーではねえな
あと第一話の構成悪すぎ
ちゃんと変身シーンを丁寧に見せて子供を引きずり込むべき
第一話序盤の自転車シーンいらね
戦闘シーンも見づらい
ディスクアニマルを押し出す作り方は販促として良いと思うけどね!


響鬼さんが圧倒的に格好良すぎるから全部見るけどね
ちなみにさっきの話の女の子の方は十二才くらいかなあ
単発読み切りだったから名前はどっちも出さなかったけど
>>175
俺は普段から頼れる男っぽい感じじゃないですかか!
嘘だけど!
178 :ギャグのが受け良いよなあと思う笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/24(土) 00:25:11.58 ID:2sON6TwZ0
>>176
知ってますとも……
花いちもんめの人と俺と影男の人とDKGの人とでアギトの会作りましょうよ
179 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/24(土) 00:25:22.22 ID:0wXPAzQg0
>>175
笛の人はともかく俺は至ってまともだろwww(失礼です



そういや、連載ページのテンプレは説明ページに貼ってなかったなぁ
連載一覧の上にリンクがあったり

ところでたった今思い出した、wikiの表示変わったけどおおまかな奴は変わってないよね?
180 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/24(土) 00:30:30.29 ID:0wXPAzQg0
>>176
おぉ、おめでとうございます♪
そしてあれだけ話に織り混ぜといて嫌いだと言われた方が驚きますよwww

>>177-178
そういや俺、響鬼の1話見てないやorz

あとアギトの会懐かしいなw
でもアギトは…その……
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 00:34:04.30 ID:MCmkpfLDO
しかし避難所に引きこもりっぱな輩が
182 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/24(土) 00:36:13.83 ID:TK+edH3S0
アギトの会懐かしいな……料理ネタでも書いてみよう。
だがこのスレの趣旨がどんどんずれてゆくっ!
183 :花子様のひとたち2011/09/24(土) 00:46:32.18 ID:Sb8XNmR20
>>181
それは僕だ。きっと僕だ。
184 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/24(土) 01:02:11.81 ID:0wXPAzQg0
>>181
こっちにネタを書いてないと言う意味では俺も該当するなごめんなさいorz

>>182
大丈夫大丈夫、登場人物が都市伝説やその契約者はたまた関係者なら大体何書いても自由リバティフリーダムよ!

185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 01:18:44.18 ID:w0FJCrpUo
日常パートは大事
毎週最初の5分で変身して20分間バトルパートを繰り広げる仮面ライダーなんて見たくないでしょう

私論だけど、日常パートはキャラの性格とか出やすいからキャラが生き生きしてくると思う
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 01:35:43.52 ID:WRZbj8yt0
・やけにピリピリした日常パート
・ギスギスしたキャラの会話
・誰かが空気改善しようと渾身のギャグを放ってさらに悪化

うん…
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 01:37:37.64 ID:HB4oy+T/o
日常をしっかり描けるライダーは言いライダーだ!
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/24(土) 02:15:34.25 ID:SZzIiotAO
戦闘もかっこよくないと!
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/24(土) 02:19:48.15 ID:2RWCZlTu0
格好良い戦闘は笛の人にでも書かせれば良い
190 :ミルクティー[sage]:2011/09/24(土) 11:56:05.77 ID:F6+er21AO
[何でも屋ミルククロウ…営業中]

〜とある路地裏〜

テケ…トコ…テケ…トコ…テケ…トコ

「足…ちょうだい…足」
地面を這いつくばりハサミを鳴らす上半身だけの女…いわゆるテケテケという異形だ。
『アタマ…ヨコセ…カラダ…ヨコセ』
こちら、あまり知られていないがテケテケの対となる足から腰までしかない生き物…トコトコ
「はぁ…今日は仕事がまだ三件もあるのに…厄日ね」
異形と異形に挟まれた位置にいる少女。
名は古鐘アカネ…契約者歴3ヶ月の新米契約者である。
「そうだネ、でも儲かって繁盛してるからいいんじゃないカ?…それに厄日なのはどちらかと言えば相手側だしナ」
片言でチャイナ服に似た服を来た女。
名は烏龍、契約者歴は3年と少し長い。
「ちょうだいよ…足ぃぃっ!」
『アタマ…ヨコセ…カラダヨコセヨコセヨコセヨコry』
前と後ろから同時に飛びかかる足と鋏。
「何で私の契約能力はこんなのなのかしら…んっ」
「まぁ偶然な必然それも運命というやつアル…イー、アー、サンスー!」
バックからペットボトルに詰め替えられた牛乳を取りだし嫌そうに飲むアカネ。
逆に少し面白そうにマジシャンのような黒いコートを1、2、3とバサッと広げる烏龍。
191 :ミルクティー[sage]:2011/09/24(土) 11:59:30.78 ID:F6+er21AO
「貰っ…ガァッッッ!」
『モラッ…アツイィィ』

すると…飛びかかった方向とは逆、つまり元居た方向にテケテケは吹き飛び。
トコトコは燃え上がるカラスに襲われていた。
「毎度の事ながらあの数のカラスをどうやってコートに収納してるのよ…」
「それは企業秘密だヨ〜それにアカネだって牛乳飲んだらムチムチのバインバインじゃないカ。烏龍とっても羨ましいネ」
「まぁ、牛乳を飲むと背が伸びると胸が大きくなるを契約で強化して成長と強化にしてるからね…でも」
192 :ミルクティー2011/09/24(土) 12:02:04.38 ID:F6+er21AO
ペチャクチャ談話している、そんな二人の後ろにゆらりと近付く影。
ぼろぼろのテケテケと所々が焦げたトコトコが鋏と足を振りかざし
「私…牛乳嫌いだからこの姿だとイライラして加減がきかなくなるのよ…ねっ!」
「アイヤー?私は楽しいからいつも全力全快だヨ〜」
不機嫌そうに振り返り、北斗の人やオラオラの人顔負けの速さで拳をテケテケにぶちこむアカネ
楽しそうに振り返り、燃え盛るカラスを右足に集めて北斗のry蹴りをトコトコにくらわせる烏龍
蹴りと拳が止まるころには異形は光や砂のように消えていった。
「「これにて…仕事完了(アル)」」
ちょうど牛乳を飲んでから15分ほど経過し、ボフン…という音ともにアカネが元の年齢に戻る
戦闘後は急な成長と強化により疲労が高いため烏龍におんぶされ、寝ながらアカネは事務所に戻る。

とある寂れた小さなビルの二階にその何でも屋はある。
小さな店主と元気過ぎる相方、その他数名、ただいまバイト募集中
『牛乳(日常生活)から鴉(異形の掃除)まで報酬とご相談しだいでで引き受けます』

【何でも屋ミルク・クロウ】


(続くのか?)
193 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/24(土) 14:27:23.26 ID:2OdC8m4O0
あら可愛らしい、妹にしたいz(帰れ
乙です〜
燃えるカラス…いいな!
続きwktkしてますの
194 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/24(土) 20:03:38.20 ID:2sON6TwZ0
【鬼ごっこ 第二話「かぞくごっこ」】

 雀の鳴き声が聞こえる。
 朝日が顔を照らし出す。
 ゆっくりと目を開く。

「…………あっ、そうだ!」

 昨日私は家出をしようとしてその途中で蜘蛛に襲われて助けてもらって……

「おお、眼を覚ましたみたいだね。」

 私の目の前でにこやかに微笑むイケメンのオジサン。
 いやオジサンというと失礼なんだけどお兄さんっていうのも少し違うっていうかさあ……。
 そう、とにかく私はこの人に助けてもらっ……あれ?
 昨日は暗かったから良く分からなかったけど見覚えがある。

「お義父さん、お義母さん、眼を覚ましましたよ。」
「あら良かったわ!」
「ありがとうございます!」

 お父さん、お母さんが慌てて部屋に入ってくる。
 
「茉莉!大丈夫だったか?」
「貴方が妖怪に襲われたって聞いてどれだけ心配したか!」
「ちょ、ちょっとまってお父さんお母さんなんで二人とも当たり前に妖怪とか言っちゃってるの!?」

 二人の口から当たり前に飛び出す非日常的な単語。
 普通とか、日常とか、そういうものを一番に尊んで生きてきた私の生活の基盤が音を立てて砕けていく。
 
「その話をする前におまえが飛び出していっちゃうから……。」
「そうよ、人の話は最後まで聞きなさい。」
「あったりまえでしょ!いきなり『貴方は私たちの子供じゃないの……』とか言われたら驚くわよ!」
「お義父さん、お義母さん、やっぱりそういう話は急には不味いですって。」
「そうだったか……」
「話す踏ん切りが中々つかなくってねえ……。」

 私を置き去りにして加速する会話。
 一体彼らは何を言っているのだろうか……。

「いいか茉莉、お父さんは何処で働いているか知っているか?」
「え、いや総務省で働いていて天下りで今は第三セクターのなんたらかんたらって……。」
「すまん、実は嘘をついていたんだ。」
「いえいえ聡一さん、嘘は吐いていないでしょう。言っていない事が有っただけで……。」
「そうは言ってもだねえたちばな君。」
「良いから説明してよ!」
「ああ解ったよ、良いか茉莉、昨日お前が見たように世間には“ああいうもの”が居る。
 そしてお前の本当のお母さんは“ああいうもの”と戦う陰陽師だったんだ。
 私は国の命令で総務省に所属し陰陽師を補助する仕事についていた。
 激しい戦闘で君のお母さんは命を失い、その頃からお前をあずかっていた私たちが君をそのまま育てることになったんだ。
 たちばな君は彼女と組んで戦っていた陰陽師なんだ。」
「…………。」
「理解出来ないって顔だね。」
「はい。」
「でも見てしまったね?」
「うぅ……。」

 つまり私の平和な生活は帰って来ないというのか……
195 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/24(土) 20:05:19.46 ID:2sON6TwZ0
「で、ここまでが昨日しようと思っていた話。」
「まだ有るの?」
「まだあるのよ。」
「勘弁してよお母さん……。」
「まあそのなんだ、茉莉も年頃の女の子だし、非常に言いづらいのだが……」
「なんなのお父さん!?」
「いえお待ちくださいお義父さん、その話は俺からします。」
「ああ、頼んだよ。たちばな君。」
「っていうかなんでその……たちばなさんは私の両親のことをお父さんお母さんって呼んでるの?」
「今から話すのが正にその話なんだ。」
「え?」
「状況が状況だからできなかったけどまずは自己紹介。
 俺の名前は崩月たちばな、たちばなってのは平仮名だから注意な。」

 聞いたことがある。
 テレビや雑誌の占い特集で良く名前を見る占い師の人と同じ名前だ。
 見覚えがあると思ったらそういうことか。
 
「普段は妖怪退治やら占いのお仕事でお金を稼いでいます。
 最近は契約者のせいで妖怪退治の仕事が減っているので占いがメインね。」
「あ、あの……私見たことあります!テレビとかで!」
「それはありがたい。陰陽庁からの補助金も減ってねえ……。」
「私も上と掛け合っては居るんだがこの財政難だ、厳しいことを言ってくれるな。
 人間にとっての脅威は妖怪だけではない、無能な政治家(オエライサン)や続く天災がなあ……。」
「解ってますよ、だからテレビに出たりしてるわけで。
 そもそも陰陽師の仕事とは吉凶を占い、人々を幸せにすることですから。
 決してお役所に金の無心をすることでは……」
「めっちゃ根に持ってるじゃん!めっちゃ不満タラタラじゃん!」
「こんなんじゃあ弟子食わせていけませんよ……。」
「と、とりあえずお話を元に戻しましょう?
 あなた、それにたちばな君、厳しい話ばっかりしててもしょうがないでしょ?」
「そうですね、本題に戻しましょう。」
「えーっと、茉莉ちゃん。」
「はい。」
「君の本当のお母さんの遺言でね。」
「はい。」
「俺は君の許嫁らしいんだ。」
「はい。」




 ん?




「え?」
「許嫁って解る?」
「いえそれは解りますけど。」
「君のお母さん、まあ今の俺と同じくらいの年だったな。
 俺は彼女とタッグを組んで気に入られていて……
 まあタッグと言っても弟子と師匠みたいだったけど。
 娘を頼むと言われたけどそこまで頼まれていたとは知らなかったよ……。」

 芦薬茉莉、十三歳。
 どうにも予想以上の人生の岐路に立たされちゃってるみたいです。
196 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/24(土) 20:09:00.01 ID:2sON6TwZ0
「で、君にはこれから僕と一緒に暮らして貰わなくてはいけない。」
「なんでですか。」
「ちなみにこのことについて君に選択権はない。
 齢十三を超えると人間の心の力にも匂いがつくからね。
 君の心の力はとくに化物を引き寄せやすいんだ。」

 岐路ですらなかったようです。

「お義父さんやお義母さんを危険に晒すわけにはいかない。
 俺の家で俺の妻として弟子の世話を手伝ってもらうよ。」
「そ、そんなぁ!?」
「すまない茉莉、こんな大事なことをお前に黙っていて……。」
「偶には帰ってきてね。血はつながっていなくても私たちは貴方の両親よ。」

 両親ともに全力で送り出すモードである。
 どうやら抵抗は諦めたほうが良いらしい。

「せ、せめてその許嫁云々のところだけでも!」
「じゃあ陰陽師になる?」
「いやそれもちょっと……」
「文句は君のお母さんに言ってくれ……。
 ……ああ、あれか。そうだよな、こんなオジサンじゃいやだよな……。
 せめてイケメンな……デビューしたてくらいの俺だったら良かったのかな。」

 急にいじけ始めるたちばなさん。
 普段整った顔立ちをしているだけにその落差が可笑しい。
 ……イカンイカン、ちょっと可愛いとか思ってしまった。

「週に一度は帰って来られるようにするし、学校はいつも通り通えるように手を打っている。
 家もここから近いし安心してくれよ。」

 ポンと肩に手を置かれる。
 たちばなさんが優しく微笑む。

「君のお母さん、小夜子さんに頼まれた以上、俺が必ず君を守るから。」

 伝わってくる手の温もりは紛れもなく昨日と同じ。
 暖かくて大きくて優しい手。
 昨日と全く同じだった。


【鬼ごっこ 第二話「かぞくごっこ」】
197 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/24(土) 20:11:17.13 ID:2sON6TwZ0
芦薬茉莉(アシヤマツリ) 12才
蘆屋道満の直系の子孫。
加藤保憲の計画した日本転覆計画に必須とされる少女。
自覚も操る才能も無いが強大な心の力を秘めており、“契約装置”と形容されるレベル。
蘆屋道満が現世に完全に復活するための器にもなる。
日常と平和をこよなく愛する普通の女子中学生。
占いが好きだったりする。
自分が養子だと教えられた夜から彼女の運命は回り始める。



崩月たちばな(ホウヅキタチバナ) 30才
偽名。本名は捨てた。
どこにでも居る普通の少年だったのだが親類の家で偶然見つけた陰陽道の書物を読んで独学で陰陽道を極める。
その結果二十歳を前にして陰陽師として陰陽省にスカウトされる。
茉莉の母親とタッグを組んで戦っていて、彼女の最期を看取った唯一の人間である。
幼い頃の茉莉を知っている。
実は鬼と契約しており、本気を出すと鬼の姿になって敵を叩き潰す。
特定の流派に縛られない術式の組み方や、テレビにも積極的に出て陰陽師としての活動費を稼ぐ姿は若手には人気だが上司からは煙たがられている。
テレビでは人気占い師として女子中高生から主婦にまで大人気。
おっさん扱いされることを恐れている。





というのが大体の設定
ただしライブ感で変わるかもしれない
198 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/24(土) 21:28:49.34 ID:GCSYrIbi0
乙です〜
羨ましい
羨ましすぎるぞタジャーナさん
中学生の許嫁だと? ちくしょうグレてやる!(オチツケ
199 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/24(土) 22:43:40.63 ID:TK+edH3S0
乙なのですが……な、何という勝ち組主人公……!!うらやましい!!

それとこの主人公は夏限定でパワーアップするんですねわかります。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 00:29:52.29 ID:oPho986Z0
避難所の連中どうなってやがる
あいつらの会話が一から十まで理解できんぞ
いや、読んでわかるが理解ができん
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/25(日) 00:46:55.57 ID:kMW4F1Smo
こっちもあっちも大概だから気にしない
五年後に読んだら悶絶物の黒歴史ノートをせっせと積み上げる訳で
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2011/09/25(日) 01:06:46.03 ID:qXsBhgwro
追いつた俺偉い
ともあれDKGやミルクティーや鬼ごっこなど新たな連載が各所で始まっていて期待感に胸が膨らみます
トコトコの発声方式に思いを馳せたり、歳の差とかいわゆる一つの萌えよねとか思いつつ続編に期待です

時間も経った事だし、普通に全年齢向けというか
代理スレに落としてる分はこっちに投下すれば投下場所が分化して読むのが複雑にならなくて楽なのにと思う
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 01:20:35.69 ID:4anPVf+wo
誰かさんはガンガン投下してる、というか実質誰かさんが
このスレを回してるというのに碌に弾を撃てていない俺は
この連休に何してたんでしょうね…ただ働きと骨折りですねそうですね
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/09/25(日) 01:31:41.28 ID:dXJzB5XAO
笛の人さんミルクティーの人さん乙
みんなかぁいいなあ楽園やんなぁ
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 07:24:22.39 ID:axdlivoDO
たちばなさんは本気出すと腕から角出したり分身して踵落とし決めたりします
次回は彼の弟子が現れたりなんだり
ここまでやって30分の番組一本分かしらん
206 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 09:08:22.53 ID:Y0hCuGlD0
>>202
>代理スレに落としてる分はこっちに投下すれば投下場所が分化して読むのが複雑にならなくて楽なのにと思う
主に代理スレに落としてるのは「教会」編など、こっちにスレを移す前から続いていた物語なので、その辺りの処置は難しいかと・・・
作戦名『リアル大事に』なのでまとめる時間もあれですし

俺も『画竜点睛』『花鳥風月』以外は避難所投下だったけど、表記方法を一般的なものに変更するタイミングが欲しかっただけなので
『夢幻泡影』最終章3部作はこっちに投下する予定
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 12:01:28.75 ID:DqDA1ZsAO
『引っ越し』のはずなのにおかしな話ではあるよな
208 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 12:13:49.60 ID:Y0hCuGlD0
>>207
VIP時代では保守とか規制とかサルとか支援とかあった分慌ただしかったけど
こっちは規制は一部あるみたいだがそれ以外は全くないし必要も無くなったしで、安心しちゃったのかも知れない
気の緩みというかな?まぁ俺は新人だからこんな偉そうなこと言うのもあれだけどねorz
そうです、一番緩んでるのは俺です、でも気というよりは、その、下半sアッー!
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 12:46:46.50 ID:vMWLs3Sa0
ふふふふふふふふふふふふふふふふあのひとのあのしーんがこないとすすめられなくてはやすうかげつなめんもあるわけでおれどうすればいいのおれがわるいんだよねそうだよね
210 :ふえやらう[sage]:2011/09/25(日) 13:15:48.66 ID:axdlivoDO
あれ、俺ってクロスで書き忘れないよね?
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 13:19:50.24 ID:vMWLs3Sa0
リアルの都合ってのもあるだろうし、あんまり急かすのも悪いしでももう半年以上待っているというかいや前の続きからはそこまで待ってないけどでも進めるために待つ時間は早半年近くで
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 13:23:40.40 ID:vMWLs3Sa0
結論:社会人になった作者様も多いんだし、ネタの投下の間隔とかが開きやすくなったりしても仕方ない
   反面、避難所での会話など雑談とかは気軽に参加できるから顔を出しやすい
   ってか、いっそ雑談だけでもいいから顔出ししてくれた方が生存確認的には安心な罠
   ずっと顔出してないと、「スレ見てるのかな、もう見てないのかな…クロスしてるのとか続きどうしよう」って不安になるから
213 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 13:31:36.85 ID:Y0hCuGlD0
そういや俺は大丈夫だろうか・・・
ローゼと裂邪を合流させて放置してたところまで覚えて・・・

あ、あの話wikiにあげてないorz
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 13:43:21.08 ID:rg1ff3jk0
凶はウィキ祭りだね!
ついでに雑談もこっちでやろうよ!
215 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 13:44:31.65 ID:Y0hCuGlD0
作業しながらで良ければ、ネタ振ってくれたら雑談しますの
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 13:52:44.10 ID:vMWLs3Sa0
こうなったら、久々に1レスネタ祭りでもやるか書きながら投下を………うん、現実を見ろ自分
217 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 14:01:31.99 ID:Y0hCuGlD0
先生! たまに本編が1レスで終わっちゃうけど、いざ書こうとしたら1レスに収まりきりません!orz
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 14:19:11.11 ID:vMWLs3Sa0
>>217
よくあるある
219 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 14:22:59.94 ID:Y0hCuGlD0
>>218
いつも1レスネタを書いて下さってるあの方を尊敬しますの
220 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/09/25(日) 14:38:41.05 ID:bjRnJsqP0
ミルクティーの人さん乙
牛乳で背が伸びるをこういう風に使いますかー。
いいね。

笛の人乙でした〜
今度の新連載は陰陽師か……

>>201
>五年後に読んだら悶絶物の黒歴史ノートをせっせと積み上げる訳で
大丈夫だ、問題ない。人間生きてるだけで現在進行形で恥をかきまくってるんだから。
いまさら一つ二つ増えたところで大したことはないさ。
221 : ◆kemono..Qk[sage]:2011/09/25(日) 15:05:54.09 ID:hNaRlCtDO
1レス(30行)に納められた単発には美しさすら感じる
先頭空行、本文26行、空白2行、【終】
至高です
まあ今は80行だけど



協会編はもうGM権限で書き進めちゃっていいと思う
居るのかどうかすらわからない人を待ち続けるのは不毛だし誰も幸せにならない
続きが読みたいのー
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/09/25(日) 15:07:15.48 ID:blRBmVzjo
>>209
> あのひとのあのしーんがこないとすすめられなくてはやすうかげつ
恨み節で文句たれてないでちゃんと催促するなりしないと

忙しいようなら必要な流れだけ確認すればいいし
無反応なら勝手に書いちゃっても問題無いと思うんだ
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 15:23:17.63 ID:vMWLs3Sa0
>>222
催促は何度かした
そして、諦めて書こうとしたところで相手の続きが来た
だからこそ判断に迷う
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 15:28:15.71 ID:DqDA1ZsAO
全体が長い間止まると迷惑するのは参加していて更に今も書き続けている人
225 :一発ネタっぽいの[saga sage]:2011/09/25(日) 16:03:04.90 ID:vMWLs3Sa0
 よぉ、お前さん達
 お前さん達は、「都市伝説」って奴を信じているかい?
 俺は信じている
 何故かって、そりゃあお前さん、「浪漫」って奴だよ
 都市伝説、民間伝承、ネットロア、神話…それらに語られる存在が実在していたら?
 そう考えるとわくわくしてくるだろう?
 …してこないって?
 まったく、最近の若い連中は浪漫ってもんがねぇな
 夢を見られなくなっちまったら、人間おしまいだぜ?
 まぁ、俺ぁ人間じゃあねぇ、それこそ、お前さん達人間が言う「都市伝説」だがね
 「人面犬」って知ってるか?
 そう、犬の体に人の顔って化け物よ、なぜか、人の顔の部分は冴えねぇ中年オヤジってのが定説だな
 そのせいで、俺もこんな顔してるって訳よ
 どうせなら、イケメンだって噂しろってんだ、この顔はお前さん達のせいなんだぜ?
 こんな見かけのせいで、お前さん達人間から化け物呼ばわりされるわ石投げられるわ殺されかけるわ、ひっでぇ扱いよ
 なぁ、そうだろ?
 だからよぉ、俺もちったぁ、お前さん達人間に牙を剥いてもいいじゃないか、と考える訳よ
 世の中、人間を襲う都市伝説は多い
 口裂け女に赤マント、この辺りはメジャーだな。他にも、注射男に噛み男、アメリカ製だとザ・フックにマッドガッサーってな
 俺みてぇな人面犬は、ただ「何見てんだよ」って文句言うくらいしか語られちゃぁいねぇが、それはつまり「人を襲わないと決まっている訳ではない」って事だろ?
 だったら、俺が人間を襲っても、誰も文句は言わねぇって訳よ
 あぁ、まずは目の前にいる女子高生でも襲おうか
 この夜道、気配を消せば俺見てぇなちんまい生き物、気づかれねぇだろ
 何せ、胴体ベーヅは犬は犬でもフレンチ・ブルだからな、小型犬なんだよ、俺
 足音を忍ばせて、女子高生に近づく
 あと一歩で、飛び掛かれる範囲に……

「−−−−−−っ!」

 おぉっと、気づかれた
 女子高生が振り返り、俺を見た
 仕方ねぇ、正々堂々と襲うとしますか
 アスファルトの地面を蹴って飛び掛かる
 逃げようったってぇ無駄よ
 俺の体は犬なんだ、小型犬っつっても、人間よりも早いんだぜ?
 だから、逃がす訳がない
 俺の牙は、まっすぐに女子高生の喉元に向かって……

「っの!」
「っ!」

 おや、気の強ぇ嬢ちゃんだ
 俺を蹴り飛ばそうとしてきやがった
 空中で、体勢を立て直す
 このまま、飛び掛かって…

「あたしを襲うとは、いい度胸ね」

 ニヤリ、と
 その女子高生が笑った
 ……この瞬間、まずい、って思ったね
 襲う相手を間違えた、と

 …信じられるかい?
 俺達都市伝説の中にゃあ、人間と「契約」ってのを結ぶ奴が存在する
 その「契約」ってやつを結ぶと、そいつの存在は強固となり、さらなる力を得ると言われている
 また、契約した人間に力を与える、ってパターンも存在するわな
 ……そう、この女子高生は、その後者のパターンだったんだよ

 がすがすがすっ!!と、何かが地面に大量に突き刺さった
 それは刀
 どこから出たかって?
 …俺ぁ、見ちまったよ
 その大量の刀が、女子高生のスカートから出てきたのをな
 その数、99本
 …99本の刀、っつぅと聞き覚えはないか?
 都市伝説ってよりも、伝承って奴で、よ
 ……そうだ、「武蔵坊弁慶」、99本の刀を集め、100本目を手に入れようとして失敗し、しかし、その時襲った相手の部下となった、あの男
 この女子高生は、その契約者だったんだろう
 99本の刀は女子高生の周囲に次々と突き刺さり、まるで壁のような役目を果たす
 俺の牙が、届かない
 刀の一本の柄の上に着地して…それが、間違っていたんだろう
 俺は、さっさと逃げ出すべきだった
 女子高生は、すでに刀の一本を手に持っていて

 すぱぁんっ、と
 俺の首を、あっさりと斬り落としやがった
 俺の人生、ここで終了
 悪いことはできません、ってな、悪い事はするもんじゃないねぇ
                                                                                                                                                                              終わる
226 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 16:07:41.11 ID:Y0hCuGlD0
花子さんとかの人乙です〜
「武蔵坊弁慶」か、手強そうだと思うと同時に何てせくしぃな女子高生(マテヤ
しかし敵目線とは珍しい
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 16:09:52.59 ID:vMWLs3Sa0
スカートから武器を出させたのは趣味です
それ以外に理由なんて必要かい?
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/09/25(日) 16:13:32.80 ID:blRBmVzjo
>>223
諦めてとか迷うとか自分内で完結しないで「ここの続き書くよー」って宣言しちゃえばいいじゃない
「書いてるから待ってー」って言われたら待てば良い

話の本筋が自分なら尚更
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 16:20:29.79 ID:vMWLs3Sa0
>>228
そう宣言したそれを、たまたま相手が見ていなくて、それを知らずに書き進めてくれていたら?
…うじうじ悩んでばかりの小心者の気持ちなんて、その本人にしかわからないのですよ
いくらでも罵るがいいのです
まず、こういう場所で愚痴るなって?
不断は愚痴らないようにしますよ、でも、書き込みとかを見ていて「書き手側にだって事情があるわい、進めたくても進められない事もあるし、リアル込み入って書けないこともあるし、スランプが続いて脱出できないことだってあるんじゃあああああああ!!!」って気持ちになってそれをおしこめ続けることができないこともなきにしもあらずうん俺混乱してる

が、さすがにそろそろヤバイので、「教会」編は後数シーン書いても続き来なかったら避難所なりこっちなりでもっかい宣言して、返事なかったら相手に悪いけど進めます、某シーン
あっち進まないとすすめられないシーンいくつかあるから
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 16:23:17.40 ID:vMWLs3Sa0
結論:さっさと書け俺&後ろ向き思考やめろ
    そして、他の人の単発ネタ読みたい(欲望
231 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 16:24:48.25 ID:Y0hCuGlD0
>>230
単発か・・・申し訳ねぇ、今書いてるの連載なんだ・・・orz
もうすぐ戦闘入るからラストスパートだ
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 16:27:22.40 ID:vMWLs3Sa0
>>231
連載でも大丈夫だ、問題ない
今日はちょっぴりまた暑くなったので全裸正座待機問題ないです(っば
233 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 16:32:01.89 ID:Y0hCuGlD0
>>232
でもあんたまだ風邪引いてんでしょうがwwwwwww
無理せずあったかくしてないさいwwww
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/09/25(日) 17:36:47.41 ID:blRBmVzjo
>>229
> そう宣言したそれを、たまたま相手が見ていなくて、それを知らずに書き進めてくれていたら?
続きを書いてるのにスレ見てない場合、それは流石に相手が悪いんじゃないかそれは
VIP時代ならいざ知らずここも避難所もそう簡単にスレ無くなったりしないんだから

遅れてるけど書きたいなんて思ってるならスレに相応の意思表示をすべき
スレに書けないぐらい忙しかったら宣言して進めてくれた方が少なくとも自分はありがたい
続き楽しみにしてる読み手の人にも他のクロスしてる書き手にも迷惑かけないわけだから
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 17:39:17.81 ID:hNaRlCtDO
投下乙です

普段強気だけど実は人一倍純情で
都市伝説に襲われていた男の子を助けたことから腐れ縁になって
それ以降なにかと一緒に過ごす時間が多くなり
女の子がちょっと男の子を意識した辺りで唐突に男の子から愛の告白を受け
驚きやら照れやらで弁慶よろしく立ったまま気絶するところまで妄想完了しました

牛若×弁慶は王道よね
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 19:43:26.38 ID:GQlJLa/I0
>>235
途中まではいいんだが最後の行ちょっと待てwwww
237 :ふえやらう[sage]:2011/09/25(日) 19:57:23.26 ID:axdlivoDO
疲れた…
理系にばかり重労働を課すのはおかしいと思うの
帰ってから投下ゆっくり読むの
238 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/25(日) 20:07:39.40 ID:irW8LTQS0
>>236よ、>>235のどこにおかしな部分があるんだい?
BLは私的にもNGですが、牛若を女にすれば何ら問題ない!
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 20:10:18.32 ID:axdlivoDO
単発の人乙でした
テンポ良いなあ
だらだら書き込みがちになる自分も見習いたい
ついディテールにこだわっちゃう
240 :ふえやらう[sage]:2011/09/25(日) 20:12:47.31 ID:axdlivoDO
感想書いてから気づいたよ
帰ってからとおもったのに電車のなかで一気に読んでしまった
短くすることによってこんな効果もあったのか
241 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 20:21:02.05 ID:Y0hCuGlD0
牛若×弁慶も良いかも知れないが
やっぱり王道の弁慶×牛若の方が好きだな
BLでもノーマルカプでもね
242 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 20:45:46.89 ID:Y0hCuGlD0
よっしゃ、9時までには投下できそうだ
このスレをご覧ぜ給いける皆の者! おらに達者をば分けてくれ!
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 20:52:13.41 ID:yZHXx1jOo
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... ..:(   )ゝ (   )ゝ(   )ゝ(   )ゝ 達者でな… ..........
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...  ∪ ∪   ∪ ∪   ∪ ∪  ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
  三三  三三  三三   三三
 三三  三三  三三   三三
244 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/25(日) 20:58:08.80 ID:irW8LTQS0

                     ,、、
                      ///
                   〈//,、、、,,
                     ,.ィ'´    ``ヽ
                ,r'ミミ.;!         ',
                ,'ミミ 〃  ´ ̄     ',
               jミミ:〃  r'ニニヽ   r'ニ!
               /ハミ!   ,rェュ、.:  :ェッi
               i ! .:}ミ!   ´    ',   ',  達者でな
                  ヽ .:リ     ,.ィ ,,.. ノ  !
                  Y    ,.ィ彡竺ミミヽV
           /ニニニニニニニl      `ー '  /
         /.;戔;弐;戔;弐ト、  ,. .. ..,   j′
         /.;##;##;##|__ヽ  .: .:.:.ー:;;;‐'
        ./ニニニニニニニニニ!`ーヽミヽ .:.:.::;/
       /〃〃〃〃〃〃     ヽ\/!
       /〃〃〃〃〃〃  ヽ、   ', i!lト、
        /〃〃〃〃〃〃    `丶、 ',j!l! !
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245 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:14:30.15 ID:Y0hCuGlD0
「あーぁ、つまんなーい・・・」

彼女の一日はこの一言で始まる
時は8月も半ばに差しかかった頃、彼女――紅坂 百花は、南区の繁華街をぶらぶらと散歩していた
本当なら友人の萌黄野 風音と共にショッピングの予定があったのだが、
向こうの都合で中止になってしまい、行き場が無くなったのでこうして歩いているのだ

「むー、風音のバカ・・・そりゃまぁ予定が入ったなら仕方ないけどさぁ・・・」

溜息混じりに「ドタキャンはきつい」と呟き頭を垂れる
と、ふと己の胸できらりと光る物に視線が行った

「あ、」

何気なくそれを手に取って見つめる
小さな蓮のペンダント―――彼女の契約都市伝説、「ロータス・ワンド」である
これと契約してから、彼女はこの町の怪奇に巻き込まれるようになった
「口裂け女」、「赤マント」、「モスマン」―――幾多の都市伝説に襲われ、
もしくは誰かを襲っている光景に出くわして、戦って、撃退する
いつの間にかそれが彼女の日課になっていった
計らずも自分の誕生日に、つまらなかった毎日が充実した毎日に変わったのだ

「都市伝説・・・契約・・・まだ分からないことだらけだけど」

ペンダントから手を離し、「よし!」と声を張り上げ気合を入れる

「今日も一仕事、やっちゃおう!」

そう言うと、彼女は元気良く、悪しき都市伝説を討伐するべく駆け出した―――

「百花!」

―――と、後ろから誰かが呼ぶ声がした
声色から察するに、どうやら若い男性のようだ
途端に百花のテンションが一気に下がると同時に、ストレスが一気に上昇した
くるりと繰り返り、そこに立っているであろう男性に怒鳴りつけた

「ちょっとぉ! 人が折角やる気になったところなのに何で邪魔するのよ―――――」
「あ、ご、ごめん、何か邪魔しちゃった?」
「―――――って、うそ、つ、玄鳥!?」

彼女の目の前にいたのは、オーソドックスな楕円形の眼鏡をかけた、割と大人しそうな少年だった
だが、彼女は心底驚いていた
彼こそが、北海道に里帰りしていた為に百花の誕生日を祝えなかった、彼女の幼馴染―――白鷺 玄鳥(シラサギ ツバメ)なのだ

「久しぶりだね百花。時間が空いてたら話があったんだけど・・・」
「え、あ、その、や、やっぱりまた今度頑張るわ! 焦っててもどうせ失敗するだけだし!
  だっ、だから話って何よ教えなさいよ!!」
「うわっ!? も、百花、危ないから引っ張るのやめてっ」

玄鳥の言う事も聞かず、百花は彼の腕を引いていそいそと南区を離れた




    †    †    †    †    †    †    †
246 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:15:02.99 ID:Y0hCuGlD0
所変わって閑静な住宅地の多い東区
相変わらず百花が玄鳥の腕を引いている状態が続いていた
男女の立場は逆な気もするが、こうして見るとカップルにも見える気がしないでもない

「百花、何もこんなところまでこなくても」
「ど、どうせなら誰もいないところの方が・・・その・・・ロマンがあっていいじゃない」
「へ? ロマン?」
「っな、何でもないわよ!・・・こ、この辺りなら良いかな・・・?」

キョロキョロと周囲を見回し、誰もいない事を確認すると、百花はそそくさと電柱の陰に隠れて、
そこでようやく玄鳥を解放したのだった

「さ、さあ、ここなら良いわよ!」
「どうしたの百花? 何だか顔が真っ赤だけど」
「き、今日は暑いわねぇ、それよりっは、話って何よ!」

尚も顔を真っ赤に染めながら、照れ隠しするように怒鳴る百花
実は彼女、いつからかは分からないが、玄鳥に対して恋心を抱いているのだ
本人としては認めたくない事象なのだが、自分の心に嘘を吐く事は出来ず
だからと言って誰に相談する事もせず、打ち明ける事もせず、何年間も心の奥にしまい込んでいたのだ
それ故、玄鳥と2人っきりである今この瞬間は、彼女にとって非常に貴重な時間だ
さらに彼が言わんとしている事が自分への想いの告白ならしめたものである

「そうそう、君に話したい事、というか、伝えたい事があって」

玄鳥がそう切り出した瞬間に、百花の心臓が高鳴り、耳に全神経を集中させた
「あり得ない、ある筈がない」と言い聞かせるが、心のどこかで期待してしまっている自分に苛立つと同時に、
自分のこの心が嘘ではないと分かった安心感が彼女を満たした

「それで、実は――――――」

百花のテンションが最高潮に達した時だった

「またダメっしたね・・・」
「うぅん、どうにかならないかしら」

どんっ!と百花は玄鳥を押しのけて電柱にピッタリと密着して隠れた
彼女には隠れる理由などない筈なのだが・・・
それはともかく、声の主は2人の男女だった
服装から察するに、この町の役人のようだ
―――何かあったのかな?
息を潜め、今度は2人に向けて聞き耳を立てた

「また上司に怒られちゃうわ、私達が悪い訳じゃないのに」
「でも、あの木が子供達に愛されてるのは分かってた事じゃないスか、仕方ないっスよ」
「貴方はどっちの味方なの? これから木を切ろうっていう立場の人間でしょうが!」
「っす、すいません!」

やけに大声で話しながら、2人はすたこらと歩き去っていった
2人が見えなくなったところで、気を失っていたらしい玄鳥が唸りながら目覚めた

「うぅ、い、一体何が・・・」
「木・・・切るって、もしかして・・・! ごめん玄鳥、ちょっと用事できちゃった!」
「え、ちょっ、百花!?」

玄鳥の声に耳もくれず走り出す百花
辿りついた場所は、さっきまでいた地点からそう離れていない公園だった
この公園には樹齢500年相当の巨木が1本聳え立っており、
近所の子供達から、“木のお爺さん”という事で『キノ爺』と呼ばれ、とても慕われていたのだ
その木の周りを囲むように子供達が屯していたことから、彼女は己の予想が概ね当たっていた事を悟る
247 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:15:46.86 ID:Y0hCuGlD0
「やっぱり・・・」
「ッハァ、ハァ・・・も、百花、どうかしたの―――あ、あれは?」

後を追ってきた玄鳥が、息を荒げながら泣いている子供達の群れを見て首を傾げている
その問いに、百花は悲しげに答えた

「あの木は、この公園の人気者なのよ
 だけど年老いて元気が無くなって、切られる事になっちゃったの
 それが嫌だから、あの子達は町の役人が視察に来る度に、公園から追い返してた・・・ってところかな」
「そう・・・可哀想だね、あの木も、子供達も」

話を聞いて、玄鳥も悲しげな表情になり、そして吸い込まれるように公園へと踏み入った
百花も、彼に続いて巨木の元へ向かった時だった

「年寄りは死ね!生きる力のない者は死ね!・・・人間は身勝手で残酷な生き物だ
 そうは思わないかね、子供達諸君?」

氷のような冷たい、低い男声が、公園一帯に響き渡り、百花を含めたその場にいる子供達に注目させる
黒いマントの、初老間近の男性
声といいその姿といい、百花には見覚えがあった

「おっさん!! あんたまた悪さしに来たの!?」
「その失敬な呼び方は止めたまえ・・・ほぅ、あの小娘か
 あの時はよくも私の邪魔をしてくれたものだ」
「百花、あの人と知り合い?」
「そんな事より玄鳥、あの子達を連れてどこか遠くへ――――」
「残念だが、今回こそはこの憐れな老木の無念を晴らさせてやる」

ばっ、とマントを翻し、男は巨木に左手を向ける
マントから露出した左腕には、10の真円が何らかの規則によって配置されており、
その中の1つ、青く塗り潰された丸が、激しく輝き始めた

「老木にとり憑いた「付喪神」よ・・・人々の愛を憎しみに変え、今その憎悪の念を解き放て!!」

呪詛の詠唱が終わった瞬間、巨木から禍々しいオーラが放たれ、
根っこが地面から飛び出して脚のようになり、幹から新たな枝が成長して腕のように変化し、
さらにその幹に化け物の顔が出現し、恐ろしげな口が大きく開かれる

「モエルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥワァァァァァァァァァァァ!!!!」
「きゃああああああ!!」
「か、怪獣だぁ! キノ爺が、キノ爺が怪獣になっちゃったぁ!!」

目の前で、慕っていた木が化け物に変貌し、子供達はパニックになっていた
距離にして僅か2メートル
――――まずい!
百花はペンダントを手にとったが、男はにやりと笑った

「さあ、お前の憎む人間を―――そうだな、まずはそのガキ共に復讐してやれ!」
「っダメえええええええええええ!!!」

百花の悲痛な叫びも空しく、振りあげられる化け物の腕
そんな時に、ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!と、甲高い指笛の音が空高くへ響いた

「・・・む? 何の音だ―――――――なっ!?」

男は驚愕した
子供達に振り下ろされた化け物の腕が、光り輝く壁によって遮られていたのだ
それだけではない

「ッッッッッモエルゥゥワァァァァァァァァァァ!!??」

突風が吹き荒れ、全長50メートルはあろう巨大な化け物が軽々と浮き上がり、
子供達とは正反対の、離れた位置まで吹き飛ばされた

「えっ、え? な、何が起こったの?」
「またしても邪魔者・・・誰だ!?」
248 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:16:25.15 ID:Y0hCuGlD0
脅えて蹲っていた子供達が顔をあげる
そこには、自分達を救ってくれた者の姿があった

「少年達よ、怪我は無いか?」
「もっけけけけけけけけけけけ!! 感謝しろよォクソガキ共ォ!
 この俺がテメェ等を派ァ手に助けてやったってんだからなァ!!」

子供達は、羽を散らすその小さな英雄達を見て、口々に呟いた

「・・・フクロウ?」

その光景は百花達に目にもしっかり届いていた

「ふ、フクロウ? 何で学校町に・・・」
「コロ! モッケ! 有難う、助かったよ!」
「え、つ、玄鳥?」
「ごめんね百花、さっき言おうと思ってたんだ
 僕も君と同じ―――都市伝説の契約者だ、ってね」

盛大に驚く百花、その声は女の子にあるまじき声色だった
その後、2羽のフクロウは次々に百花の元に飛んできた

「玄鳥のご友人だな? 私は「コタンコロカムイ」。契約者からはコロと呼ばれている」

礼儀正しく自己紹介したのは、子供達をその優しき翼で守ったシマフクロウ
「コタンコロカムイ」は北海道にて伝わる守護神であり、魔を払い村や国を守ったとされる

「もっけけーぇ! めっちゃ可愛いじゃねェか、あァん? 俺は「たたりもっけ」のモッケってんだ、宜しくな姉ちゃんよォ!」

コロと違って下品に自己紹介をこなしたのは、先程突風を起こしたワシミミズクだ
青森県を始めとした東北地方に伝わる「たたりもっけ」は、祟りを起こしたり怪火や怪音を操ると言われている

「小僧、もっと女性に配慮した言動は取れないのか?」
「うるせェよクソ爺、テメェにとやかく言われる筋合いは無ェ!」
「ふ、2人とも落ち着いて、まだ敵はいるんだから!」

そう言って玄鳥が指差した方向には、モッケの攻撃から立ちあがった化け物と、
ことごとく妨害を受けて怒り心頭に発した男の姿があった

「またしても契約者・・・ならばまとめて殺すまでだ!!」
「そうはいかないわ! 今度はあたしの番よ!」

ペンダントを手に取り、強くそれを握りしめ、そっと目を瞑る

「光の力を秘めし杖よ、真の姿を我の前に示せ。契約の下、百花が命じる・・・封印解除!!」

どこかのカードキャプターのような台詞をのたまった後にペンダントを投げると、
ペンダントは本来の姿――「ロータス・ワンド」に変化した

「暗闇より出でし者達を、閃光の力を借りて掻き消さん!
 紅き花、ここに咲く! 我が名は魔導少女クリムゾンブロッサム!!
 今日こそ叩きのめしてあげるから覚悟しなさいおっさん!」
「・・・あ、相変わらずだね、百花は;
 っと、コロ!あの子達を守って! モッケは百花の援護を!」
「心得た!」
「もっけけけけ! 殺っちゃうよォ? 殺っちゃうってばよォ!!」

コロと玄鳥は子供達の元へと駆け寄り、百花はモッケと共に化け物に立ち向かった

「っち、やれ!」
「モエルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥワァァァァァァァァァァァァァァ!!」

枝が変化した腕を力強く叩きつける化け物
狙いはモッケだったが、フクロウ宛らの俊敏さで易々と回避し、地面だけが深く抉られる

「珍妙奇天烈な鳴き声しやがって! テメェが燃えちまえ!!」

ぼ、ぼ、ぼ、とモッケの周囲にどす黒く燃える炎が1つ、2つ・・・計8つ出現した
しばらくそれらはくるくると周り続け、ピタリと突然動きを止める

「もっけけけけけ! 『怪火・深淵の舞』ィ!!」

黒い火の玉は一斉に化け物に向かい、激しい爆発を起こし、その身体を焦がす
化け物は苦しげに金切り声をあげた
249 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:17:06.72 ID:Y0hCuGlD0
「っ!? ちょっと馬鹿じゃない!? 燃やしちゃったら元も子もないじゃないの!」

叫び、百花は駆けながら「ロータス・ワンド」を振りかぶった
先端の蕾の装飾が展開して蓮の花が咲き、光が宿る

「光よ、命の輝きよ、世を覆う闇を振り祓え! 『トゥキャプミィ・レウォルフ』!!」

強く地面を蹴って跳び上がり、化け物の燃えている箇所に杖を叩きつける
七色の光を爆発させ、化け物は大きく仰け反りその場に倒れた
そして、黒い炎もその衝撃で消え失せた

「うォいおい、俺の火を消してどォすんだよ!?」
「あんたは黙ってなさい!」
「くっ、ガキの分際で・・・!」
「あんたこそ大人の癖にどうしてこんなことするの!?」
「君には分からないのか!? あの木を見てみたまえ!
 朽ち果てながらもあの老木は今日まで生きてきた、そして明日からも生き続けていくだろう!
 だが実際はどうだ? 人間達が自分を切ろうとしている事を知ったあの木が、どんな気持ちを抱いたのか分かるか!?
 この公園で何十年、何百年と見守ってきた人間に裏切られたあの木の気持ちを―――――」
「裏切られてなんかない!!」

百花の怒声に、辺りがしんと静まり返った
そのお陰で聞こえた、小さな声

「キノ爺! 戻ってよキノ爺!」
「またかくれんぼしようよ! カブトムシいっぱい捕ろうよ!」
「一緒に流れ星見つけて願い事いっぱい叶えて貰おうよ!」
「キノ爺!」
「キノ爺!!」

子供達が、涙ながらに化け物に対して訴え続けている
それを指差し、百花は続けた

「キノ爺、聞こえる?あの子達の声。 分かる?あの子達がどんな思いでいるか
 確かに人間には酷い人も沢山いるよ。自分の事や利益の事ばっかりで、他人の事なんて全ッ然考えない人が
 でも広い目で、広い心を持って見直してよ!
 あなたにはあの子達が・・・自分を愛してくれてる人達がいるじゃない!
 ちっとも裏切られてなんかないんだよ!? それどころか、そんな姿になってまでも、皆あなたのことを信じてくれてる!
 その人達を悲しませて、あなたはそれで良いの!?・・・きっと、後悔すると思うよ」
「・・・百花・・・」

化け物―――キノ爺は立ち上がった
しかしそれだけだった
棒立ちになったまま、戦う意志を見せなかった

「ッバカな、騙されるな! こいつら人間は、君を殺そうとしたんだぞ!?」
「この子供達は生かそうとしてたのよおっさん! あんたがどんな理由でこんなことするのか分からない、分かりたくもない
 だけど、キノ爺の心につけこんで、皆を悲しませるなんて・・・絶対に許さない!!」

くるくるっ、と「ロータス・ワンド」を回転させ、
蓮の花を天に仰ぎ、呪文を唱える

「聖なる光よ、善なる輝きよ
 憎悪、怨恨、悲哀、殺意、邪悪なる意思を全て討ち祓い、その者の心を清め洗え!」

七色に輝く蓮の花を男に向け、狙いを定める

「百花繚乱! 『グナブ・ギブ・レウォルフ』!!」
「くっ・・・!!」

男が咄嗟に飛び退いた刹那に、巨大な花の形をした光弾が杖の先端から放たれる
それは弾道上のキノ爺に命中すると、老木を優しい光で包みこみ、禍々しいオーラを取り除いた
ぱぁんっ!!と爆発音が轟くと、化け物の姿はそこになく、代わりに元あった場所にキノ爺が戻っていた
子供達は嬉し泣きしながら、木にしがみ付く

「・・・またしても敗北、か・・・」
「そしてこれから完全敗北よ!」

男の目の前には杖を構えた少女と炎を揺らめかせるワシミミズク、
そして向こうから眼鏡の少年とシマフクロウが近づいてくるのが見えた

「・・・ふふふ、まぁいい、今日も退散させて貰うとしよう」
「おっさん!また逃げる気なの!?」
250 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:17:40.06 ID:Y0hCuGlD0
「そのおっさんと呼ぶのは止めて頂こうか。私の名はケセド・・・覚えておきたまえ」
「覚える気なんてないわよ!」
「喰らいやがれ!!」

百花は光弾、モッケは黒い炎をそれぞれ放つが、
ケセドと名乗った男は、その場から忽然と消えてしまった

「また逃げられた・・・一体何者なのよ、あのおっさん・・・」
「百花! 怪我は無い!?」
「まぁね、そっちは大丈夫?」
「お陰様でね。それにしても凄いよ百花!」
「え・・・で、でもまぁ逃げられちゃったし、それにモッケも手伝ってくれたし・・・」
「もっけけけけ、俺のお陰だ、褒めろ称えろォ!」
「調子に乗るな小僧」
「お姉ちゃんお兄ちゃん、ありがとう!」

振り返ると、子供達がお礼を言う為にこちらに来ていた
ずっと流しっぱなしだった涙も乾き、どれもこれも皆目を覆いたくなる程に眩しい笑顔だった
照れ臭そうに頭を掻きながら、百花は少し腰を落として子供達に目線を合わせた

「どういたしまして。でもごめんね、元には戻せたけど・・・」

切られるのは私じゃ助けられない、と言おうとしたが、
何やら子供達が互いに顔を見合わせて笑うと、こっちに来いとでも言うように手招きをする
百花も玄鳥も首を傾げながら、そっとついていくと、キノ爺の傍の草むらに案内された

「お姉ちゃん、これ見て!」
「・・・あ!」
「これって・・・植物の芽?」

小さな、小さな、二枚の葉
自分よりも大きな草に囲まれて、それは一生懸命にそこに存在していた

「えへへへ、今ね、キノ爺に教えて貰ったの!」
「キノ爺に?」
「うん! 『この子をワシだと思って遊んであげてくれ』って!」
「だから寂しくなんかないよ! キノ爺はずっと、僕達と一緒だもん!」

心から嬉しそうに、笑顔を振りまく子供達を見て、
百花達も、思わず口元を綻ばせた




    †    †    †    †    †    †    †
251 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:18:04.97 ID:Y0hCuGlD0
「良かったね、あの子達も、キノ爺も」
「うん。皆、元気に育つと良いなぁ・・・」

日の傾きかけた空を見上げる
橙色に染まった西方にうっとりしていた百花だったが、すぐに目に入った2羽のフクロウの喧嘩に萎えてしまった

「ところで、玄鳥」
「ん?」
「何であたしが契約者だって知ってたの?
 あんたに会ったのは今日が久しぶりだったけど、契約したのはあんたが北海道に行ってる間よ?」
「あぁ、契約すると他の都市伝説や契約者の気配みたいなものが分かる・・・って、知らなかった?」
「ッ・・・そ、そそそんなの知ってるわよ! ちょっとあんたを試しただけよ、おーっほっほっほっほ!」

どう見ても見栄を張っている彼女を見て、くすっと控えめに笑うと、

「あ、そうだ」

何かに気づいて、玄鳥はズボンのポケットに手を突っ込み、
中から小さな紙包みを取り出して、百花に差し出した

「はい、百花」
「・・・え、はい、って・・・」
「開けてみてよ」

こくん、と頷き、紙包みを受け取ってそれを開封する

「・・・あ、」

取り出した物は、携帯用のストラップだった
可愛らしくデフォルメされた、シマフクロウのストラップ

「シマフクロウは「コタンコロカムイ」の化身だ、って言われててね
 お守りにもなるかな、と思って」
「こ、これ、あたしに・・・?」
「遅れてごめん、16歳のお誕生日おめでとう
 こんなのしかあげられないけど、気に入ってくれると嬉しいな」

にこっ、と微笑む玄鳥
百花はそれをぎゅっと握りしめ、

「・・・っば、馬鹿じゃないの、わざわざ買ってこなくても良かったのに・・・っ、わざ、わざっ・・・」

ぽろぽろと、涙が零れ始めた

「わ、あ、あの、ごめん、気に入らなかった!?」
「ぐすっ・・・うぅん・・・すっごく、嬉しい・・・ありがとぉ、つばめぇ・・・」

涙を拭いながら、必死に笑みを作ろうとする百花

「・・・も、もう、百花は素直じゃないなぁ、幾つになっても」
「し、失礼ね、もっとマシな言葉はなかったの?」

と言うと、2人は暫し顔を見合わせて、
堪え切れずに、そのまま声をあげて笑い合った
252 :花鳥風月 † 鳥は舞う  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:18:40.79 ID:Y0hCuGlD0
    †    †    †    †    †    †    †



「あー、かなり遅くなっちゃったぞー!」

夕闇の中、胸を揺らして急ぎ足で岐路についているのは、百花の幼馴染である萌黄野 風音だった
運動神経抜群の彼女は、幾つかの運動部で助っ人として呼ばれることが多く、
今日もそれで予定が入ってしまい、百花との約束を破棄せざるを得なかったのだ

「百花には悪い事したぞ・・・今度またケーキでも奢らないと怒るぞあいつ・・・」

己の懐を心配しながら、彼女は走った
と、前方から聞き覚えのある声が

「・・・あれ?」

歩を緩め、そっと歩みを進める
一人は、親友である百花だった
影は、もう一つ

「・・・白鷺? 帰ってたのか・・・」

百花と玄鳥が、仲睦まじく歩いているところだった
とても楽しそうに、嬉しそうに

「・・・へへっ、お似合いなんだぞ、2人とも」

笑みを浮かべて、思わず呟く
だが、

「そう・・・白鷺には、百花がいる
 俺には、あの2人の間に入る事なんて、出来ないんだぞ・・・」

自分に言い聞かせるように、彼女は寂しげにそう呟いた

   ...続く
253 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:33:13.73 ID:Y0hCuGlD0
という訳で第2話・・・なんですが、
第1話が前スレなので、見てない方もいらっしゃるでしょう

急遽wiki作ってきたので、こちらへどうぞ↓
ttp://www29.atwiki.jp/legends/pages/4348.html
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 21:40:38.59 ID:GQlJLa/I0
乙でしたー
シリアスなのに…キノ爺の雄たけびで盛大に噴き散らすなんて…悔しいっ!でも(ビクンビクン
255 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 21:44:24.89 ID:Y0hCuGlD0
>>254
>シリアスなのに…キノ爺の雄たけびで盛大に噴き散らすなんて…悔しいっ!でも(ビクンビクン
実は俺の出した化け物・UMAの鳴き声は殆どポケモンネタ

ネッシー:グギュグバァ!!(ディアルガの公式鳴き声
ルスカ:オンミョーン(ミカルゲの空耳鳴き声
256 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/25(日) 22:16:03.36 ID:irW8LTQS0
シャドーマンの契約者さん乙です!
ああ、どこかで聞いた事のある泣き声だと思ったらポケモンかwwwwww
ついでにDKGとファントムさん、第二話ができましたので投下させてもらいます。

最初に言っておく、DKGとファントムさんは、かーなーり、常識が無い!……と思う。
257 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/25(日) 22:16:36.44 ID:irW8LTQS0
ある少女は、学校町あるマンションの洗面台で、髪を洗っていた。
 その少女の髪は長い茶髪で、彼女自身それは自慢の髪だ。
 顔立ちは日本人ともいえるが、どちらかといえば西洋人の顔だろうか?
 だがそれは些細なことで、その『美少女』には関係が無かった。
 そしてその少女は、髪を洗いながら、目をつぶりながらボソッと呟いた。
「だるまさんがこーろんだ」
 所で、『だるまさんがころんだ』という話は知っているだろうか?
 髪を洗いながら「だるまさんがころんだ」と呟いて鏡を見ると、顔の青白い不健康そうな顔の女が肩越しにこっちを見ている……という都市伝説だ。
 そして少女は目を開けて鏡を見る。
 そこには、肩越しにこちらを見ている女の姿があった。
 少女も見かえし、鏡に右手を伸ばす。

 ずるとその右手は鏡の中に入り込み、女の首を掴んだのだ。

「――――ッ!?」
 鏡の中の女は、あまりに予想外な出来事に驚き、先ほどとは全く違う、ギョッとした目で少女を見ている。
「おいおい、都市伝説が都市伝説を見抜けなくてどうする? 暇つぶしにやったら本当に出るとは思わなかったな。これぞ東洋の神秘ってヤツか?」
 少女は鏡の女の中の顔を、じろじろと見ながら感想をずばずばと言っていく。
「まあ俺みたいになれば、都市伝説の力の気配も消せるしな。お前みたいなマイナー都市伝説が騙されるのも無理無いが」
 鏡の中の女は『失礼な! 最近は結構人気なんだぞ!?』とでもいうかの様に手をジタバタと動かしている。それでも少女の手は離れず、それどころか強く握っていっている。
「苦しいか? 死にそうか?」
 鏡の中の女は目で頷き、少女はあっさりと手を話す。
『な、何よアンタ!? アンタみたいな都市伝説聞いたことが無いぞ!?』
 慌てながら鏡の奥に避難する女を見ながら、少女は律義に答えてやる。
「俺を知らないなんて悲しいな。まあ拠点はアメリカだったしな。お前が知らないのも無理は無い」
 少女は先程まで首を絞めていた手をひらひらとふって、洗面台に座った。
「まああれだ、すまなかったな。俺の暇つぶしで死にかけたからな。お詫びに話相手にでもなってやろうか?」
『誰がなるかバカっ!!』
 鏡の中の女は、あっかんべーをしながらどんどんと鏡の奥に逃げて行ってしまう。
「そう恥ずかしがるなって」
 少女はニヤリと笑いながら、鏡の中に一歩踏み込んだ。
258 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/25(日) 22:17:07.86 ID:irW8LTQS0


「今帰った」
 しばらくすると、急に煙のような霧が部屋の中に入り込み、人の形を作り出す。
 ファントムだ。
「ん、お帰り」
 少女――――DKGは、鏡の中から顔をだしながらそう言ってやった。
「おお!?」
 あまりに予想外な出来事に、ファントムは腰を抜かし、DKGは指を刺しながら笑った。

 突如抱きつかれた後、二人は無事に契約した。……何故かファントムの男が婚姻届にサインを! と言ってきた時はパニックになりかけたが、そんな紙は思い切り引き裂いてやった(婚姻届を破るのは犯罪です。良い子も悪い子もまねしないでね)。
 二人の関係は恋人などではなく、ただ契約した仲というだけだ。お付き合いの返事は、そういうのはお互いをもっと知ってからにしようという、あまりアメリカ育ちとは思えない反応だった(別に恥ずかしがったわけではなく、流石に一日も経っていないのに早すぎるというだけだ)。
 そのはずなのだが、ファントムの男はあれからDKGの為に様々な環境を整えた。
 まず、ファントムの男はDKGについて『何も殺したくない=普通の生活をしたい』と勝手に考えたらしく(当たっているのだが)、日本のハイスクールを紹介してきた。彼自身もそこに通っているらしく、一緒に通いたいです! とファントムの男のしつこい要望からだった。
 その後は協力関係にある都市伝説達や公共機関さえ操る『組織』にかけ合い、彼女の身分を作らせるという、壮大な事をやってのけた。
 それを聞いた時、ん? お前ってフリーって言ってなかったか? と聞いてみると、
「組織のトップとか総理大臣とか、結構顔広いんです」
 思わず、お前一体何者だ!? と聞いたら、
「そういえば名前言ってませんでしたね。本条(ほんじょう)雄介(ゆうすけ)です」
 と言ってごまかした。

259 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/25(日) 22:18:00.40 ID:irW8LTQS0

 そして時は現在に至る。
「何で鏡の中から何ですか!? あれですか、そんなにドラゴンナイトが気に入ってるんですか!! それとも龍騎の方ですか!?」
「どっちもすきだ安心しろ。それに俺が鏡に入っていたのはお前みたいな痛い理由じゃない」
「それじゃあ何ですか」
「友達作りだよ」
 そう言って鏡の中から跳んで出てきた。その手には、胸倉が掴まれた女性の姿もある。
「誰ですか!? どこのどちら様ですか!?」
「いや、みりゃ都市伝説って分かるだろ」
「それはわかりますよ!? 分かりますけど鏡から出てくる系の都市伝説って苦手なんですよ!!」
「そういう問題か?」
「ミラーモンスターに比べれば幾分かマシですけどね!」
 そういうとファントムは仮面を外し、黒くワックスで形を整えた髪をした、少し顔のいい人間の姿――――本条雄介の姿に戻った。
「まああれだ。こいつは暇つぶししてたら出てきたから、どうせならこっちで初の友達でもゲットしようかと思ったんだ」
「首を掴むって友達を作る対応じゃないでしょ!?」
 ようやくその女性が話しだし、DKGは手をひらひらと振る。
「仕方ないだろ。お前を殺そうという意思が無いと、そっちに入れないからな」
「[ピーーー]気満々でしょうが!!」
「安心しろ。半分嘘だ」
「半分は本気じゃん!!」
 DKGと女性のガールズトークに、雄介はやれやれと呆れる。
「それはあれでしょう。彼女の能力は『[ピーーー]ためならどんな事もやってのける』事なんですから、それを応用しないと鏡の中に入れなかったんじゃないですか?」
「そういう事だ。まあ頭の中で『[ピーーー]』と呟けばそれで充分なんだけどな」
 はっはっは、とDKGと雄介は笑い合い、鏡の女はそれを睨みながら、
「リア充爆発しろぉ!!」
 鏡の中に再び逃げた。
「ま、出会いはあれだからな。仕方ないか」
「というより、あの人ネラーですか」
「ん? ちなみにあれはどういう意味だ?」
「『現実(リアル)を充実している奴は、さっさと爆発して消えてしまえ』という嫉妬を意味する言葉です。ちなみに『末長く爆発しろ!』っていうのは、主にカップルに対して祝う、素直になれない人の言葉ですね」
「日本語ってのはよくわからないな」
「というより、最近の若者の造語ですから、教科書には出ませんよ」
「そうか、覚えておく」
260 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage aga]:2011/09/25(日) 22:19:25.36 ID:irW8LTQS0
 DKGはソファに転がり、テーブルの上に置いてあった本を読み始める。
「……『PGM ヘカートU』か、いいな」
「あれ? 契約してからは亜音速どころか、素手で光線銃出せるようになってませんでしたっけ?」
「それとこれは別だ」
 人を[ピーーー]事を拒絶しているDKGだが、武器は別だ。
 武器とは職人の魂であり、大切に扱っていれば絶対に裏切らない物……らしい。
 実際彼女の使っている武器は、自分で作っているもので、職人とかあまり関係が無い気がすると、雄介は思う。
「『何も殺さない』とか言っておきながら、そういうのはお好きなんですね」
「何事もビジュアルは大事だろ。木の枝よりナイフの方がかっこいいのと同じだ」
 こんな美少女が、銃器を構えている方がイケない気がするのだが、そこはあえて黙っておく。
「おっとそういえば、あなたの生徒手帳、貰ってきましたよ」
 雄介はキッチンに立ち、高校の生徒手帳を持っている手で振っている。
「投げろ」
 だが取りに行くのが面倒くさいのか、本を読みながらそんな事を言ってきた。
 もしかしたら雄介の配慮もあるのかもしれないが、そういうのは良くないと思っている。
「私は、投げていいものはボールと髪飛行機だけと思っています」
「投げナイフとダーツは?」
「危ないから、駄目じゃないかなぁ?」
 目をそらす雄介。
 間違いない。それだけは、考えついていなかったのだろう。
「まあそんな事言ってる間に取りに来たわけだがっと」
 生徒手帳を雄介から奪い取り、パラパラと中身を見る。
 その中で、気になるものがあった。
「……おい、今すぐこれは冗談と言え」
「へ?」
 DKGは震えていた。
「何で俺の名前が『本条 薫(かおる)』になってるか言ってみろ!」
「うひゃあ!?」
 怒りで。
「薫はあれだ、俺が考えたからいいだろう。だけど、何だよ本条って! 名字の方は大文字と言ったはずだろ!」
「だってー、それネーミングセンス無さ過ぎますよ。それにDKGのDとKに沿ってるみたいで嫌なんですよ……」
「俺がそうなるようにしたんだ! 余計な気遣いは迷惑だ! ジャパニーズ『有難迷惑』だ!」
 なんかニュアンス違うような? と雄介は思ったが、それより大事な事を言う。
「だってDはドライ、Kはキラーですよ? 薫という名前は僕の好みなので許しましたけど、Dのつく名字は嫌だったもので」
 本当は、薫の名前も嫌なんだったとDKGは思う。
 何故なら、薫に触れた途端、雄介の表情が曇ったからだ。
 それも無理は無いと思う。何故ならキラーが意味するのは、『殺人者』なのだから。
 だが、自分の意見も入れてあげたかった。だから、そんな冗談で変えられるような部分を削ったのだろう。
 ほんの数日で人の事をここまで分かるという事は、自分も人らしく慣れているのだろうか? 人を[ピーーー]ことで、満たされたいと願いながら[ピーーー]あの頃とは、変わっているのだろうか?
「……ちなみに、何で本条?」
「ほら、あれですよ。結婚しても名字で呼ばない対策――――」

 次の瞬間、雄介は暗い空を舞った。

「……信じた俺がバカだった」
 瞬間変身で何とか助かった雄介を見ながら、呟くのであった。

 ……続いてもいいカナ?
261 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/25(日) 22:21:08.53 ID:irW8LTQS0
しまった!! 何故かsagaではなくageになっていた!
……wikiで直しておきます。
262 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 22:35:23.14 ID:Y0hCuGlD0
乙です〜
薫たんか! かぁいいな薫たん! 抱きしめたいな薫たん!
この間は脳内で汁塗れにしてごめんなs(射殺されました

>>261
>……wikiで直しておきます。
そこは修正しても何も変わらんわwwwwww
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/25(日) 22:38:54.27 ID:GQlJLa/I0
乙ー!
おぉ、結構聞くけど使われたことがないような気がしないでもないあの都市伝説が
あんまり使われない都市伝説が話に出ると嬉しいのは俺だけじゃないはず

>>262
>この間は脳内で汁塗れにしてごめんなs(射殺されました
無茶しやがって…
264 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/25(日) 22:48:13.64 ID:irW8LTQS0
>>262
>この間は脳内で汁塗れにしてごめんなs(射殺されました

 あれ?今の薫は、どれだけ怒っていても、冗談で殺すといっても、光線でじわじわと拷問に近い痛めつけ方をして、病院で何カ月かすれば何とか生きてるはずなんですけど……

雄介「ああ、間違えて弾丸出してしまったんですね。このドジっ娘さんめー☆」
薫「……ちくしょう……っ!!」←その通りなので否定できないしょうどうb(ry
265 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/25(日) 23:10:45.72 ID:Y0hCuGlD0
そうだ書き忘れ

(裂邪>リア充影に飲まれろ

>>263
>あんまり使われない都市伝説が話に出ると嬉しいのは俺だけじゃないはず
あるあるなの
サーシャの人の「硫黄島の砂」はテンション上がったわぁ

>>264
>薫「……ちくしょう……っ!!」←その通りなので否定できないしょうどうb(ry
かぁいいマジかぁいい
拷問して下さい(コラ
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/25(日) 23:40:39.87 ID:yZHXx1jOo
投下乙ですー

木の妖精さん再び!
いたいけな木の妖精さん(500歳)を騙して子供を襲わせるなんてなんたる外道
でも最後は正気を取り戻してよかったね木の妖精さん(500歳)!
子供達が悲しまなくてよかったね妖精さん(500歳)!

雄介君、君には爆発する権利ともげる権利がある
彼女に素敵な名前を与えた礼として、どちらか片方でいい
好きなほうを選んでくれ

>>263
>あんまり使われない都市伝説が話に出ると嬉しいのは俺だけじゃないはず
新しい都市伝説が出るとわくわくする人がここにも
自分ならこういう能力にするとか、こういう能力と組み合わせるとか、妄想が広がります
267 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/26(月) 00:20:06.39 ID:IiZ2V8iG0
皆さん乙でした……
あれだな……
やはり自分の中の魔法少女のイメージは世間一般と違うんだ
見た経験が無いせいかしらん
本名wwwww本名なんか意外と普通でwwwww
雄介くんかいwwwww
……2000以上のスキルを習得しているに違いない
268 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/26(月) 00:36:00.72 ID:s9r9Zyww0
>>266

雄介「ふっ、うらやむがいいうらやむがいい! こんな素敵なお嫁さんをもらった俺をうらやむが――――いぎぃ!?」ズゴォ!!
薫「……ふぅ、意味がよくわからないが、今俺は日本にいる。こいつが死んだら俺も死ぬから、お手柔らかにな
 >>265の闇に飲まれたらどうなるかわからない。だから止めておいてくれよ?」
雄介「……つまり、私達は死ぬも生きるも一緒ってことですね」
薫「……俺が死んでも、お前に損は無いけどなっ!!」ドヤァ!!←さっき言い負かされたので、上から目線で妖艶な笑みのドヤァ!!顔の小動物。
雄介「その時は私は自害するので、安心してください」
薫「……勝手に死んでろ」
雄介「そういって、内心喜んでるでしょ?」
薫「……後で覚えてろ」←否定はしない
雄介「ちなみに>>265の拷問については、怒り気味の私ことファントムが出張しますので、ご安心を」テイソウハモチロンヤラン
シャドーマンの契約者さん早く逃げてー!!
雄介「……それと>>267さん、それ私の料理のレパートリーの数です」
薫「ちなみに、魔法少女を俺に向けていってるなら、とんだ間違いだ」←その内、魔法少女とかプリキュアみたいな格好をさせられる予定です。
雄介「!?なにそれ私聞いてない!!」
薫「もうお前ら黙ってろバカっ!!」
269 :(1ネタ)[sage]:2011/09/26(月) 00:49:17.77 ID:gJvPYpDAO

夕方…5時50分
買い物帰りに頭の中で単語が鳴り響く…

『○○町、6番地、路地裏、右角、600秒後、出会い頭、体、口裂け女、斬殺、死』

要約すると…どうやら10分後に私は口裂け女に曲がり角で斬殺されるらしい。
何でそんな事がわかるのかって?
それはね私が件に契約された契約者だからだよ。
「はぁ、生きてたいなぁ…」
まぁ、嘘だけど。
「まだ死にたくないなぁ…」
まぁ、本当だけど。
件の雄は絶対予言の能力を持つの。
でも大丈夫…件の雌はその予言の回避方を教えてくれるから。

『曲がり角、しゃがむ、刃物、上に突き出す、オワリ』

私は少し経ってから、また頭に流れる単語に従ってバックの果物ナイフを取りだしタイミングを待つだけ。

夕方…6時00分……ザクッ

夜…12時00分
今日も予言通りの事だけしか起きず退屈だったわ…
悲しいなぁ…今日もまたこのつまらない日常を覆す王子様が現れなくて。
困ったなぁ…このつまらない日常を終わらせてくれる死神が現れなくて。

―絶対なんてものはない…そう信じて明日も彼女は待っている―
このつまらない日常から助けてくれる王子様を…
このつまらない日常を終わらしてくれる死神を…


【終】
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/09/26(月) 00:49:28.68 ID:0yPuakwH0
皆さん乙ですよ
新しい書き手さんが増えるのはいいですなあ
いいぞ〜どんどん新作や一レスネタや続きものが増えると毎日が楽しみで仕方ないwwwwww
271 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/09/26(月) 02:52:18.64 ID:/hIdERYAO
投下なさった皆さん乙です
百花ちゃんもDKGちゃんもカッコよすぎて漲っちゃう
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 03:13:04.61 ID:Py0mUSr50
この科学が浸透しきった時代でさえ、人々には理解しがたい出来事というのがある。
例えば都市伝説。毒のきつい不条理がそこには転がっていたりする。
まあ、科学に言わせると、それは人の認知に原因が求められるのだろうけど。
曰く勘違い、曰く幻覚、曰く心理バイアス、曰く……。

でも、だ。

そうは言うけれど、今この瞬間にも都市伝説は人から人へと伝わっているわけで。
そこにあるのは、その不条理が説明できるかどうか、なんて事じゃないんだと思う。

そして。

最悪、というか、まあ最悪としか言えない事に。
僕は都市伝説が実際に存在してしまうという知りたくもない事実を知ってしまった。
都市伝説はお話の中だけの話。そんなのが実際に存在するなんて。
普通の人なんかだとそういう風に片付けるだろう。
僕だってそうしただろうさ。そうしたかったよ。
そんな事を言えるだけの普通なんてものは、もう、吹っ飛んでしまった。

目の前に居る男。

黒スーツを着て歯を剥き出した危ない人。
この社会には、人知れず都市伝説を狩る連中が存在する、らしい。
丁度、目の前の男のような。

「てめえ穏健派だか強硬派だか知らねえけどなあ」

勘弁して欲しい。袋小路に冴えない高校生であるこの僕を追いつめて何になるというんだ。

「『黒服』様から逃げられると思うんじゃあ無えぞてめえ」

どうも連中は、黒服と自称するらしい。
男は早速腰に手を回して何かを引き抜いている。
ナイフ。いやもっと長くて大きい。あのサイズのものはもう、マチェットと言った方がいいのだろうか。
そんな危ない人を相手に半べそを描いている僕。
高校2年生帰宅部の冴えない僕です。
彼は何か勘違いしているらしい。僕は都市伝説関係者でもなんでもない。
ただの一般人なんだ。

「覚悟しろよ早漏野郎が」

あまりの出来事に声が出ない。
にもかかわらず、僕の頭はどこかで、何で早漏と分かったんだろうと疑問をぼんやり抱いていた。
でもそんなのもじきに関係なくなる。僕は男が白刃を向けてこちらへ近づいてくるのを見て直観していた。


【男子高生の来世にご期待ください】
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 07:47:03.38 ID:gUKvLCwDO
皆さん乙でした
沢山人が来てるなあ
ワンレスで綺麗に纏めるのって難しいよね
274 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/26(月) 08:26:18.86 ID:ug5tJGSW0
因みに百花は魔法少女じゃなくて自称『魔導少女』ね
なんかその方が面白そうだった(そんな理由か

お二方乙です〜
「件」か…便利だけど、確かに未来が分かると人生つまんないよなぁ
男子高校生カワイソス、誰かこの勘違い過激派仕留めろ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 12:25:15.70 ID:uHhqMWCjo
皆さん乙です
キノ爺の雄たけびがどうしてもネタにしか見えんwwwwww
DKGさんこれから丸くなっていきそうだ。人間の友達もできればいいな
この黒服は一体……そして強い黒服というのは割合新鮮だww

ところでここ最近新しい書き手の参加が一気にきたわけだけど、皆いったいどこからこのスレを見つけたんだろう?
276 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/26(月) 12:31:45.59 ID:ug5tJGSW0
>>275
「付喪神」の化け物の鳴き声はあれで統一する予定だぜw
3話は違う敵に出てもらうのでお楽しみに!


しかし1話もあの鳴き声書いたのになぜ今回が目立ってるんだwww
あとおっさんの名前の元ネタに気づいた人いるのかしら
277 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/26(月) 15:38:23.88 ID:AogfXCsd0
【極光の紗綾(黄昏裂邪の世界) 前編】

「ここが次の世界か……」
「まだ昼間みたいね。」

 学校町を散策する二人組。
 陽子と零人である。
 
「お前がこの前手に入れた龍一のカードは何の記憶だったんだ?」
「家の記憶でした。」
「家?」
「兄様と私が住んでいた家です。」
「ふぅん。」
「白い壁の家だったみたいです。」
「俺が太宰さんの世界で手に入れた物と一緒かな。」
「でしょうね、しかし太宰さんどうしてるかしら。」
「また小さい女の子をおっかけまわしてるんじゃないかなあ。」
「ド変態ですからねえ。」

「待ちなさい裂邪!」
「うわちょ、ちょっと待って!違うんだって!あれには深いわけがあって!」
「待てと言われて待つと思いますか!?今日という今日は許しません!」
「お前も待てって言ってたじゃん!」
「それはそれ!これはこれ!でもあれは駄目です!
 他の皆さんにも協力してもらいましたから今日は能力も使えませんよ!」
「に、にげきれねえ!」

「ん?」
「あら、噂をすれば“影”が差すみたいですね。」

 ロリコンで変態に定評のある太宰龍之介の話をしているところで黄昏裂邪の叫び声が飛び込んでくる。
 そのおかしな偶然に二人はクスクスと笑った。
 
278 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/26(月) 15:39:05.80 ID:AogfXCsd0
「声から判断するにもう一人はミナワちゃんかしら。」
「だろうね、近くに居るのは解るんだがはてさてどっちから……」

 曲がり角から突然裂邪が現れる。
 
「うぉっ!?」
「なっ!」

 激突。
 彼は進行方向に居た零人と正面から衝突してしまった。
 
「危ない!」

 さらに後ろから走ってきていたミナワがこけた二人に足を取られて陽子と思い切り額をぶつけ合ってしまう。
 
「いったあああああああああああい!」
「だ、大丈夫ですか!?すいませんでし……え?」
「記憶飛びそうだわぁ……気をつけてよねミナ……あれ?」

 ミナワと陽子はほぼ同時に素っ頓狂な声を上げた。

「「なんで私がそこに居るの!?」」

 裂邪と零人は少女たちの叫び声に驚いて少々ホモホモしい姿勢のまま彼らの方を振り返る。
 
「こ、これ私の身体じゃない!」
「私和服なんてあんまり着ませんよぉ!?なんかスースーする!」
「和服だもんパンツ履く訳無いでしょ!」

 裂邪は拳をグッと握りしめてガッツポーズをとった。
 パンツ履いてない宣言頂きました!ということらしい。

「れ、裂邪くん……すこしどいてくれるかい?」
「なんで俺の名前を?」
「事情を話すからまずちょっとどいてどいて。」
「ああすいません。」

 裂邪は零人の上から身体を動かす。
279 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/26(月) 15:39:39.92 ID:AogfXCsd0
「ちょ、どうしようこれ、兄様!こういう時ってどうしたら良いんですか?」
「知らねえよ……。」
「二人とも俺のものだからいいんスよ(提案)。」
「はっはっは、裂邪くんよ、俺を義兄と呼ぶが良い(承諾)。」
「あのねえ!(焦燥)」
「裂邪……!(逆鱗)」
「まあ二人の入れ替わりについては対策が出来たからいいとして。」
「兄様!?」
「俺たちの素性について裂邪くんたちに語る必要が有るよね。」
「緊急事態じゃないですか!それより早く元に戻らないと!」
「戻すためにも彼らに俺たちのことを説明する必要がある。」
「兄様がそういうのなら……」
「という訳で裂邪くん、ミナワちゃん、少し俺の話を聞いてくれるかな?」
「もうバッチリです義兄さん。」
「この状態を解決できるなら……。」

 零人は満足そうに頷く。

「俺の名前は零人、そしてそっち……といってもどっちを指させば良いのか分からないが、は陽子という。
 俺たち兄妹は無限に連なる異世界を旅している。
 で、裂邪とミナワの名前を知っていたのも別の世界で君たちに出会っていたからなのさ。」
「といっても素直には信じられないぜ?」
「今の話のどこに私たちを元に戻す要素が?」
「それでね、俺の能力は“自分が契約していたかもしれない都市伝説の能力を使う”って能力なんだが、
 その中の一つに人の魂を物質化して自在に取り出したり埋め込んだりできる“死神”の能力がある。」
「あ、太宰さんの能力!」
「そうさ、ここまで偶然が重なると面白いんだがそれでこの問題は全部解決。」
「太宰さんって?」
「ああ!君と似た所の有る人でね。男前で子供にも優しいイケメンさ。」
「成程……。」

 微妙に嬉しそうな裂邪。

「でもいきなりそんなこと言われたって怖いですよ。」
「まあそうだよなあ……。」
「それにあんたにそんな能力があること自体は都市伝説ってなんでもありだし疑わないけど異世界ってのがどうにも……。」
「まったくだ、信用してもらうにはどうしたらいいものか……。」

 四人は頭を抱えて唸る。
 困ったものである。

「ま、疑ってもしょうがないし、さっさと直してもらおうぜ!」
「裂邪がそう言うなら……。」
「兄様早くやっちゃってください!」
「じゃあ皆了解してくれたってことで……“死神”発動!」

 天から人の背丈ほどもある巨大な鎌が降ってきて地面に突き刺さる。
 握りは黒くなめらかな塗装の施された檜、刃は流麗さに定評のあるダマスクス鋼。
 装飾も地味でこそあるがセンスの良さを感じさせる美しい品だった。
280 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/26(月) 15:40:06.92 ID:AogfXCsd0
「じゃあこれで……」
「え?その鎌使うの!?」
「鎌は気にするな!」
「ちょ、ちょっとやっぱその方法考えなおさない?ねえ兄様!?」
「鎌なんて飾りですよ。」
「タカ!トラ!バッタ!」
「誰かなんか言った?」
「え?」
「なに?」
「知りませんよ。」
「セイヤアアアアアアアアアアア!」

 突如として後方から響く叫び声。
 四人の目に一瞬だけ残る緑色の光と赤い翼。
 風のような勢いで青年が零人の背中に飛び蹴りを叩き込む。
 蹴りの反動を生かして青年は空中へ飛び上がり、華麗に着地した。
 零人は蹴りを諸に受けた為に派手に吹き飛び、近くの壁に叩きつけられる。
 青年は服についた埃を払うと懐から三枚のメダルを取り出して自らの身体に投入する。

「新手の契約者!?一体何者なの!」
「答える義理はない。」
「くそっ、シャドーマン!」
「無駄だぜ。」

 夜行が懐からスタングレネードを取り出して爆破する。
 いくら契約で光に対する体勢が生まれたと言ってもこれではシャドーマンの動きも止まる。

「ならこっちで!」
「プテラ!トリケラ!ティラノ!」

 裂邪は急いで腰のベルトを操り別の都市伝説を呼び寄せようとした。
 しかし何時の間にかベルトが凍りついていてボタンが押せない。

「なんだこれ!?スイッチが凍ってる!」
「これでレーヴァテインとあと二つの君の都市伝説は封じた。
 残るはそこのミナワちゃんとやらだけだ。」

 眼の前の青年が不敵に笑う。
 先ほどまで生えていた赤い鳥の翼とはまったく違う紫色の爬虫類のような翼が生えていた。
 また、足に灯っていた緑色の光も紫色に染まり、心なしか筋肉の量が増したように見える。
 裂邪はそれでも無理やりスイッチを押しこんでレーヴァテインを呼び出そうとする。
281 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/26(月) 15:40:33.33 ID:AogfXCsd0
「レーヴァテ……」
「君に恨みはないが少し眠っていてくれ。」

 紫色の光が恐竜の尾のような形を作る。
 それをバネにして青年は飛び上がると裂邪がレーヴァテインを出すより早く彼の胸にドロップキックを叩き込んだ。

「ゲホォッ!」

 黄昏裂邪は様々な能力系統に適正を持つ上に心の器のサイズも学校町ではトップクラスだ。
 間違いなく将来この町において最強の一角を占める素質はある。
 だがしかし、現時点においてさきにあげた特徴以外は彼もまだ普通の少年である。
 都市伝説を封じられた隙に戦闘に無理やり持ち込まれれば脆い。
 軽く吹き飛ばされて壁に激突する。

「良くも裂邪を!」

 ミナワが自らの能力を発動しようとする。
 しかし彼女は忘れていた、彼女の身体は陽子のものである。
 
「……能力が発動しない!?」
「君が……陽子とやらか。やはり恨みはないが……」
「私はミナワです!」
「私が陽子よ!」
「貰った写真と違うな……。面倒くさい、二人とも連れて帰るか。」
「え、ちょ、やめなさい!ミナワちゃんは関係ないわ!」
「キャア!」

 青年は二人を軽々抱きかかえる。
 二人は必死で暴れるのだが青年はびくともしない。

「西区の廃工場で待っている。三十分以内に来なければこいつらを殺す。
 他の奴らになにか言った場合も同じだ。」
「く、そ……待ちやがれ。」
「待てと言われて待つ奴は居ないだろうさ。」

 薄れていく意識の中で裂邪が最後に聞いた言葉はそれだった。

【極光の紗綾(黄昏裂邪の世界) 前編 to be continued】
282 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/26(月) 17:11:57.79 ID:21/AhSl80
笛の人乙! そしてありがとう!
この展開は予想外だwwwでも裂邪の行動は予想通りだwww
むぅ、オーズで思い出すのはあの人だが、果たして真相は・・・wktkせざるを得ない





(裂邪>何で『シェイド』って呼ばなかったんだ?
(シェイド>細カイ事ハ気ニスルナ、誰ニデモ失敗ハアル
283 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/26(月) 17:13:59.42 ID:21/AhSl80
あうち、良く見ると青年の答え出てる!
284 :DKC  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/09/26(月) 18:31:27.01 ID:xlhYv8pu0

 少女は教室の扉の前に立っていた。
 中では朝のホームルームが始まっており、少女は自分が呼ばれるのを待つ。
『それでは、入ってきなさい』
 自分に向かって何て口を聞くんだあの教師は! と思うが、ここでは普通の人間としての生活なので、右手で作った拳を左手で抑え込み、扉を開いた。
 中には、三十人位の生徒が座っており、こちらに注目している。
 少女は教卓に立っていた教師が、黒板に名前を書くように、とサインしている事に気が付き、あまりなじみの無い漢字で、自分の仮の名前を黒板に書いた。
 書き終わると、少女は生徒達のいる方を見た。
「今日から転校してきた、本条薫だ。まあ、そこそこよろしく頼む」
 初日から、どこか偉そうだった。

 時は三十分前に遡る。
「…………どうしてもこれを着なきゃいけないのか」
「それが学校ですから」
 場所は本条宅、そろそろ学校に行かなければならない時間に、少女――――DKG、またの名を本条薫は、究極の選択を迫られていた。
285 :DKC  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/09/26(月) 18:33:44.81 ID:mkUJ7kfO0

 彼女の手に握られているのは、ブレーザーとミニスカート。雄介の通う学校の女子の制服だ。
 実は彼女、アメリカで一カ月だけ普通に学生生活をしていたのだが、あちらでは制服など着た事は無く、私服で通っていた。
 その為、さあ学校に行こうとなってから、雄介に制服は行く途中に能力的なもので着るんですか? と言われ、思わず首をかしげてしまった。
 薫はスカートに抵抗がある。一々気を使わなくては中身が見えてしまうし、スースーとした感覚が嫌なのだ。このスカートがスースーするというのは、慣れてしまえば感じなくなるのだが、彼女がまだ感じるという事ははき慣れていないという事だ(ちなみに私服はホットパンツかジーンズである)。
「ズボンと言われても今からじゃ用意できませんよ」
「……じゃあ俺がお前のズボンをはくから、お前がこのスカートをはけ」
「断固お断りしますッ!!」
 サッ! とズボンを押さえる雄介。それを脱がそうと必死に襲い掛かる薫。
「脱げ! 今すぐ脱げ!」
「嫌です! もうスカートなんてはきたくありません!」
「もうって何だもうって!! まるでスカートをはいたような口だなコノヤロー!!」
「黙秘権発動断固拒否発動! 絶対に私はズボンを脱ぎません!!」
 傍から見れば、朝から迫っている彼女に、贅沢な彼氏が拒否している光景に見えるが、二人の心境はそんな生易しいものじゃない。
 二人は暴れているうちにタンスにぶつかり、ドサァ! とその上にあった物が流れ落ちてきた。
「なぁ!?」
「うぎゃう!?」
 二人は見事に埋もれ(実際そこまで物は無いのだが、そう二人には感じた)、バッ! と積ってきたものをどかした。
「……第二ラウンドいくぞ」
「したくないですっ!」
 学生鞄を素早く取り、ベランダから飛び降りる雄介。学生鞄を持っている反対の手でマスクを被り、瞬間変身で見事着地。
「だから! お前はRXか!」
「光太郎よりチートになってやりますよ?」
 はーはっはっは! と言いながら逃走する雄介。それを追おうとするが、結局はこの制服を着るしかないという現実に向き合い、制服の上にも積ってしまった物を蹴飛ばして払った。
「ん?」
 だが、一つ妙なタイトルのアルバムがあった。
「『ゆーちゃんアルバム』……って、これアイツのか?」
 少し興味を持ち、ちょっとだけならとアルバムをめくった。
 だが、中身を見た瞬間バッ、と閉じる。
「……アイツも苦労してるな」
 自分なんて可愛いもんか、そう思いながら服を脱いだ。

286 :DKC  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/09/26(月) 18:35:57.14 ID:xlhYv8pu0


 そして現在に至る。
「はい、それじゃあ恒例の『転校生に質問タイム』! 雄介、変な質問はするなよ!」
 教師は、後ろの席に座っている雄介に向かって注意をしている。
 問題児なのだろうか? と少し首を掲げる薫。薫の知っている雄介というのは、いつも笑っていて基本的に敬語を使い、身だしなみがきっちりとしており、家でやっている宿題をぱぱっと終わらせ、さらにぱぱっと夕食を作ってしまう、いわば完璧少年というイメージ……いや、少し変なところもあるが。
「先生! 私がいつ変な質問したって言うんですか!」
「研修の先生に『あなたのストライクゾーンに子供は入っていますか?』と聞くのは十分変な質問だ」
(……なんだ、いつも通りか)
 薫としてはもう質問タイムとかはしてほしくないのだが、生徒たちが期待の目で見てくるのだから、無理と言って断るのも印象悪いか、と思っているのだから、最初の一声で台無しになっている事に気が付いていない。
「はい、それでは雄介以外の質問を受け付けるぞー」
「ひどいっ! 先生ひどいですっ!」
 勝手に教師が進めているが、確かに雄介は変な質問をしてきそうなので、口は出さない。
「それじゃ、名前順で進めるぞー」
 そう教師が言うと、相沢という生徒が、一つ大きな爆弾を落としてきた。

「名字が本条ですけど、あそこにいる本条君とは親戚ですか?」

(そうだった……)
 その質問に、思わず頭を抱えてしまう薫。それが失敗だった。
「(……おい、本条との関係聞かれて転校生がうなだれてるぞ)」
「(……そう言えば、俺本条と言え一緒なんだけど、昨日本条の家にあの子入っていくの見たぞ)」
「(……えー! じゃあ何? 転校生は本条の嫁か!? 本条爆発しろ!)」
 何故か話がドンドンと大きくなり、収拾がつかなくなっていく始末。
(……ちくしょうちくしょうドちくしょう……! いっそ殺せぇ!!)
 思わぬ事態に、頭を抱えたまま顔を上げられない始末。
「(……そういえば、前にリムジンの迎えでどっか行ったことあったよな)」
「(え!? じゃあもしかしてその時顔合わせしてたんじゃ!!)」
「(……本条って高校になってからこっち来たから、親しい友達とかいなくて、情報が全くないから謎だよな)」
 これは薫も初耳だが、今はどうでもいい。
 薫は助けを求めるように雄介を見てしまう。そんな薫を見て、雄介は微笑みながらうなずく。
 そんな彼を見て、ほっと安心した。いや、してしまった。
 雄介は机の上に立ち上がった。

「薫は私の嫁だ!! 何人たりとも触れることは許さない!!」

 雄介の顔面に、薫が教卓を投げつけてしまったのは、仕方がない事である。

続くといいな……
287 :DKG ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/26(月) 18:43:36.27 ID:s9r9Zyww0
DKCってなんだよ!!
自分で作った名前なのに間違えるとかすごいはずかしいwww
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 19:44:08.46 ID:gUKvLCwDO
素晴らしい
素晴らしいほのぼのだ…
これが本来のツンデレだよな
昨今のツンデレはすぐにデレルから困る
ホンジョウって本郷のモジリかなあ
289 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/26(月) 20:23:57.44 ID:21/AhSl80
いやいや北条さんでしょう


DKGとファントムさんの人乙です〜
あぁん薫たんかぁいい(お前マジでそれ以外言う事ないのか
違う違う、雄介の過去に一体何がwwwww
290 :DKG ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/09/26(月) 20:52:17.63 ID:t+zWmZPx0
>>288>>289

薫はツンデレというより、クーデレを目指しております。

本条につきましては、本郷さんと一条さんから、一文字ずつ取りました。
雄介なんか、三人の男達の名を背負っているわけです。
雄介「……なんだかプレッシャーに押し潰されそうです」

ちなみに、薫は木野さんと一条さんからいただきました。
薫「おい! 俺の名前渋い男だらけじゃないか! その前に本名にもファーストネームでも一条さんいるだろ!?」
シンケンジャーの志葉薫からも取っておりますので、ご安心を。
薫「シンケンジャーを見てないやつからみれば、とんだネタバレキャラと被せられても嬉しくない!」


雄介の過去については、直接本人に言って貰いましょう。
雄介「……誰にだって、人形だった頃があるんですよ」
291 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/26(月) 20:58:04.62 ID:21/AhSl80
>>290
>本条につきましては、本郷さんと一条さんから、一文字ずつ取りました。
一条さんだったか・・・ガッデムorz

>薫「シンケンジャーを見てないやつからみれば、とんだネタバレキャラと被せられても嬉しくない!」
なぁに、ゴーカイジャーで影武者を差し置いて堂々登場だったから問題ないwwwwww

>雄介「……誰にだって、人形だった頃があるんですよ」
あるあr・・・こ、これがあるんだよなぁ・・・
いや、俺は無いけど、弟がねw
292 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/26(月) 21:29:21.30 ID:21/AhSl80
しかしクーデレか、いいなぁ
クーデレ・・・クーデレロリ・・・クーデレロリ!
よし新連載書こう(マテヤコラ
293 :DKGとファントムさん ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/09/26(月) 22:21:02.55 ID:m95GKd3G0
>>292、新連載ふぁいとー(棒)

にしてもシャドーマンの人がズボンを脱がそうとするシーンについてはスルーとは……。
やはりあれか?ロリでなければこのスレは動かないのか!?
294 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/26(月) 22:28:58.62 ID:21/AhSl80
>>293
今は無理なので来年1月頃に始めます新連載orz

>にしてもシャドーマンの人がズボンを脱がそうとするシーンについてはスルーとは……。
そうそう書き忘れてたぜ
雄介もげろマジもげろ(ぁ

>やはりあれか?ロリでなければこのスレは動かないのか!?
俺は忘れないぞ、第1話で薫たんが『中学生くらい』と描写されていたのを
そして私は宣言する、『15歳以下のおにゃのこは皆ロリ!!』と!
さらに言うと僕のストライクゾーンは10歳〜15歳くらいのおにゃのこです

ところで、俺の変態加減はご新規さんにまで浸透してるのか?wwww
295 :転載[sage saga]:2011/09/26(月) 22:44:52.69 ID:ug5tJGSW0
DKGとファントムさんの人様
VIP時代から続くこのスレですが変態も荒らしもおりました
が ロリに留まらない変態の巣窟がまたこのスレであります
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/26(月) 22:46:54.49 ID:QpHMEsTn0
転載しようとしたらすでに先にされていた時のこの言いようない悔しさと言うかやるせなさビクンビクン
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 22:50:44.60 ID:TUbbL5Gdo
皆様投下乙ですー

最近の単発ラッシュは何だ!
さては貴様ら単発同盟だなッ!?
私も入れてください!

ぶれない裂邪、ぶれない雄介
やはり主人公はぶれない芯を持つべきだな、うん
俺の嫁宣言は男らしくて大変よろしいと思います
だが両者とも爆発しろ

>>291
>いや、俺は無いけど、弟がねww
ガタンッ!!

>>294
>ところで、俺の変態加減はご新規さんにまで浸透してるのか?wwwwwwww
自分の発言を日ごとにまとめてみるとよろしいかと思います
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 22:58:34.51 ID:ovU+i4OX0
そう言えば今期は全年齢向けの短期集中連載は無かったな

個人的な欲で言えば
ボボーリさんのソロ話が投下されると思ってたけwww
299 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/26(月) 23:02:15.37 ID:ug5tJGSW0
>>296
ごめんね!

>>297
> だが両者とも爆発しろ
(裂邪>何故俺まで!?

> ガタンッ!!
落ち着いて座りなさいwww
いや、言うても幼少期よ? まだ2、3歳だった時よ?
あの頃の弟かぁいかったなぁ、今もかぁいいけど

> 自分の発言を日ごとにまとめてみるとよろしいかと思います
ちくせうwwwwwww
これでも最近控えめなのにwwwwwww
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 23:03:26.28 ID:TUbbL5Gdo
『街』ってどうなったんだろう
異世界のあれが『街』だったのかな
301 :ミルクティー[sage]:2011/09/26(月) 23:08:42.52 ID:gJvPYpDAO
皆様投下乙です…

携帯ポチポチでwikiにまとめ…られない…だと。←うましか
皆さん凄いなぁ…キャラがカッコいいし可愛いし…いい具合に変t(ただいまカラスが生ゴミを漁っています。

(オマケ)
アカネちゃんは某GETだぜ!のキャラから引用して命名、烏龍は分かりやすく烏龍茶。
トコトコは…あれだよテレパシーが使えるんだよ。
302 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/26(月) 23:13:09.00 ID:ug5tJGSW0
>>301
なるほどそこからアカネたんか、良いセンスの持ち主だ
搾ったら出るかなぁアカネたんハァハァ(やめろ
303 :DKGとファントムさん ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/26(月) 23:29:04.93 ID:t+zWmZPx0
雄介「>>297さん! 裂邪さんはロリコンだから爆発してもいいと思いますが、私は基本的に痛い目ばっかり見てますからね!! ですがまあ、ぶれないというのは誉め言葉として貰って起きます」
薫「俺と同居してるんだ。顔を会わせるだけでも幸運なんだぞ? ありがたく思え」
雄介(……デレたのか?)
薫「というか、まあ、あれだな。シャドーマンの契約者はよく描写を見てるな」
雄介「私達の場合、基本ざっくり読んでますからね」
薫「まあ中学生にたまに間違えられるが、身長167センチだからな……ロリって言えるか?」
雄介「まあ実質三歳なんですから、ロリでもいいのでは? ちなみに私は179センチです」
薫「……じゃあお前もロリコンか」
雄介「……墓穴を掘ってしまっただけか」

ああ、そろそろコラボも書いてみたい。
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 23:32:22.14 ID:TUbbL5Gdo
中央高校なら契約者いっぱいいるからコラボしやすいよ!
避難所で聞けば必要な情報はすぐ集まるよ!
wwltkして待ってるよ!
305 :ミルクティー[sage]:2011/09/26(月) 23:34:59.03 ID:gJvPYpDAO
人形時代は…もう遠い昔に封印しますた

>>302
因みに古鐘はコガネになるんです!
残念ながら…ノーマル状態の彼女は絶壁すぎて搾れません…でも牛乳さえ飲めb(壁にめり込んでいるようだ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/26(月) 23:40:49.93 ID:TUbbL5Gdo
>>299
>いや、言うても幼少期よ? まだ2、3歳だった時よ?
……ストン
残念ながら年齢一桁に興味はないのですよ

>あの頃の弟かぁいかったなぁ、今もかぁいいけど
ガタンッ!!

>>301
携帯でwiki編集ってできたのか
携帯からwiki見るときはフルブラウザしか使わないから知らなかったよ
他の人のキャラって輝いてますよね……(自キャラから目をそむけながら)

>>305
>残念ながら…ノーマル状態の彼女は絶壁すぎて搾れません…でも牛乳さえ飲めb(壁にめり込んでいるようだ
それはそれで一部のマニアックな人には需要g(地面にめり込んでるようだ)
307 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/26(月) 23:45:13.81 ID:ug5tJGSW0
中央高校なら是非とも百花達と…だ、ダメだ、まだ作中時間が夏休みだorz

>>303
167だと…俺より高い…でも抱ける!!
コラボwktk、そしてコラボの機会を草葉の影から狙ーう

>>305
コガネとは予想外だったwww
そして無茶しなさって…とりあえず、頂きまs(ぶっ飛ばされました
308 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/26(月) 23:48:50.30 ID:ug5tJGSW0
>>306
性別は違えど、そんなところに共通点があったとはwwwwwww
弟かぁいいよ弟、俺が女だったら襲ってる♪
309 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/26(月) 23:51:24.12 ID:ug5tJGSW0
連レス、そして俺が見逃してるだけなら申し訳ない
薫たんと雄介くん、何年生ですか?
310 :ミルクティー[sage]:2011/09/26(月) 23:58:05.59 ID:gJvPYpDAO
>>306
うーん自分、機械オンチ&不幸&不器用のマイナス要素の塊なんで今一、色々分からないんですよ…まぁwikiれないからミルクティーのが読めるのはここだけ!←
>>307
フハハ…しかも、まだ一つオマケネタを取って置いてあるのだよ…次の話の話しだけどね←暇人

>>306>>307
「アカネ…ちょっと居なかったけど何してたアルか?」
「いえ、ちょっと壁画を三枚ほど作ってたのよ…拳で」
311 :DKGとファントムさん ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/27(火) 00:02:25.15 ID:mpRi4S+z0
>>309
いえいえ、まだ書いていないので、こちらの落ち度です。
二人は高校一年生です。時期も高校もまだ決めてません。

それと>>304さん、その類いの質問は避難所のどのスレですればいいんでしょうかね?
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 00:09:44.01 ID:GTVBTRSmo
>>311
>その類いの質問は避難所のどのスレですればいいんでしょうかね?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13199/1315782448/
こちらが現在の避難所雑談スレでございます
本スレ(ココ)で質問してもいいけれど、避難所の方が人多いので反応得やすいと思います

混沌具合はいつものことなので冷めた瞳で流していただければ幸いです(目をそらしながら)
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/27(火) 00:21:53.49 ID:QhXS8vkR0
DKGは長い茶髪で制服はブレザー…Φ(..)
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 00:31:23.03 ID:QhXS8vkR0
ごめんsage忘れた

ツンデレやクーデレ…
ツンデレ機構というものがあってだな…聞けば枕を殴って悶絶するはめになる神コーナーがその昔ラジオでやっててだな…。俺の妄想の筋肉がボディビルダー並ムッキムキにされた。

クーデレのボディブローを期待する。
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 00:34:39.72 ID:GTVBTRSmo
そういえばこのスレってage/sageどうしたらいいんだろう
常時sage?投下されたらage?誰かがなんとなく気付いたらage?
ageっぱなしで雑談は嫌われると思うけど
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 00:44:34.99 ID:TgipdWdh0

92 :名も亡き都市伝説契約者:2011/09/15(木) 02:20:28
そして早くも3スレ目になってしまったわけだが

93 :名も亡き都市伝説契約者:2011/09/15(木) 18:13:26
良好良好!
しかし本スレに投下しないで代理スレに投下されるものが増えてるな
それはそれで問題か?

94 :名も亡き都市伝説契約者:2011/09/15(木) 18:23:00
IFとかエロばっかりって意味なら仕方ないが
まとめ終わってないからとりあえず代理スレでってのは本末転倒極まりないとは思う
何のための引越しだったのかと

95 :名も亡き都市伝説契約者:2011/09/15(木) 18:30:14
ならまとめろよって話ではあるけど、まとめかたが分からないのかな?
投下場所が分かれていると見づらいというか、たぶんいくつか話を見逃している気がするww
あ、でもIFが本スレまで侵食するのは勘弁な

96 :名も亡き都市伝説契約者:2011/09/15(木) 18:58:21
とりあえず代理スレは代理投下して欲しいもの以外は落とすべきじゃないと思いはする

97 :名も亡き都市伝説契約者:2011/09/16(金) 00:12:40
VIP時代のように雑談も本スレでやる様にすりゃいいんじゃねえのか?
誰かが待ったを掛けてた様な気もするが、本分は引っ越しだからな
本スレの回転速度が上がってもsage進行なら迷惑かからんだろ


……という訳で、ここSS速報VIPの本分はSS投下にあるんだけども
都市伝説スレは「引っ越し」が本分だそうなんで折り合いつけるんならsage進行でいくのが無難だろう
SS投下したいならsagaで
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/09/27(火) 03:26:07.01 ID:NmnN+kyc0
この科学が浸透しきった時代でさえ、人々には理解しがたい出来事というのがある。
例えば都市伝説。毒のきつい不条理がそこには転がっていたりする。
まあ、科学に言わせると、それは人の認知に原因が求められる。
そうは言うけれど、今この瞬間にも都市伝説は人から人へと伝わっているわけで。
そこにあるのは、その不条理が説明できるかどうか、なんて事じゃないんだと思う。

そして、最悪、というか、まあ最悪としか言えない事に。
僕は都市伝説が実際に存在してしまうという知りたくもない事実を知ってしまった。
そんな高校2年生帰宅部の冴えない僕の日常は、たった今、危険に晒されている。

すぐ目の前にいるのは赤いコートの女の人。
大きく裂けた口に、手には鎌なんか握っている。
そのずっと後ろからこちらへと近づいてくるのは黒スーツの男。
後ろに手を回して腰から何かを引き抜いている。

知ってしまった僕にとって、目の前に居るのが口裂け女で
後ろの男が人知れず都市伝説を狩るメン・イン・ブラックな構成員である事くらい分かる。

「ご、あの……ごめんなさい私の所為でこんな、こんな……」

正直今すぐ逃げたい。でも僕の後ろは行き止まり。袋小路に追いつめられた状況だ。
口裂け女は身を翻る様に後ろへ振り向き、すぐにこちらへ向き直った。

「た、多分あの人、私と貴方を殺す気です」

そんな物騒な事言われても困る。でも、言いたい事も分かる。
迫りくる黒スーツはまるでサスペンス映画に出て来そうな殺し屋そのものじゃないか。
手にはナイフ。いや、あの長さと大きさだとマチェット。

「てめえら覚悟しろ逃げられるとか思ってんじゃねえだろうなおい」

僕と口裂け女が何をしたと言うんだろう。

「私が何をしたって言うんですか!?ただ静かに生きていたかっただけなのに!!」

あ、僕の台詞を代弁してくれてありがとう口裂けさん。

「口裂け女は即ころす。即ころすがモットーですからあああああああ
 そっちの早漏野郎と契約して反撃できるとか妙な事考えるんじゃあねえぞおい」

「そんな……なんて事を!契約なんて……この人の人生を、破滅させる事なんて!絶対!!」

あれ、この辺はわけ分かんないや。
口裂けさんは僕に背を向けて、黒スーツと向き直っている。
鎌を突き出して、多分威嚇の構えを見せているんだろう。

「あの、いいですか?わ、わた、わたしがしゅきを突きましゅから
 その間に、に、逃げ、逃げてください」

声が震えている。
今のは僕に向けた台詞なんだろうが、それだとあの黒スーツとすれ違う事になる。
果たしてそんな事が可能なんだろうか。そもそも、隙を突けるんだろうか、口裂けさんは。

多分無理だろうな。
僕はがくがくと震える口裂けさんの脚を見ながら、ぼんやりそんな事を考えた。


【男子高生と口裂けさんの来世にご期待ください】
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/27(火) 07:34:36.08 ID:08bUpk/Ko
>>317
煽ってる訳じゃなく純粋に疑問なんだけれど
その内容はどこがどう面白いと思って投下したの?
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 07:44:34.42 ID:TjpbTCqDO
>>318
煽ってる訳じゃないんだけどその質問はどこがどう面白いと云々
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/27(火) 07:48:20.13 ID:08bUpk/Ko
>>319
質問や感想にハイレベルな要求するんだなww
321 :272, 317[sage]:2011/09/27(火) 07:55:21.11 ID:UdAaHbzKo
>>318
別に面白いと思って書いてる訳じゃないよ
どうしたん?
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/27(火) 08:07:08.31 ID:08bUpk/Ko
>>321
面白いと思ってないんだ・・・・

4コマ的な起承転結の起で終ってるから何かネタあるのかなーとか
むしろ最初は続き物かと思ったら来世にご期待〜でえ?だし

自分はつまらんけど他人にはウケるだろうとかそういう狙い?
本文よりそっちの方が気になるww
323 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 08:27:06.36 ID:4WmMpPmD0
乙です〜
マチェ服再びwwwこれは何か裏があるに違いない…

>>310
wikiができないなら、他の人に頼んだら代わりにやってくれますぜー
宜しければ、仕事終わったら俺がやりましょうか?
作品タイトルや各話サブタイトル、細かい希望があれば何なりと

>>311
高校1年とな…よし、中央高校だったら百花と同学年だ!
324 :272, 317[sage]:2011/09/27(火) 08:42:40.43 ID:UdAaHbzKo
>>322
朝から難しい話をするつもりはないけど
他人に受けるもの書きたいなら、もっと別の場所でやってるよ

僕がやりたいのは、他の人の書く材料を自分だったらどう書くか、って事だけだし
そのためにはとりあえず書いて出す、ってだけだから練習って言ってもいいよもう
チラ裏でやれって言われたらそれまでだけど
折角ほかの人たちがこしらえてくれた引っ越し先だから投下してみて反応もみたいしね
その方が適度な緊張感もある

それだけよ


>>323
目標は「頑張らない」です
あまり期待しないでね
325 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/27(火) 09:40:39.80 ID:72m7sph+0
>>323
 あれ? そう言えば中央高校って制服何?
 ……やばいセーラー服の様な気がする。

 というか壁画になっちゃってますよwww
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/27(火) 09:58:18.79 ID:08bUpk/Ko
>>324
うーん?
他人に受ける〜って言う割には反応みたいって言うし
自分なりの調理を求めてる一方で面白さは求めてないんだよね?
設定の整合性かなって思ったけど>>317じゃそこまで深みはないよね
自分はチラ裏だと一人でニヤニヤするけどどういうのを求めてるだろうww

>>他人に受けるもの書きたいなら、もっと別の場所でやってるよ
あとこれは意図してないかもしれないけど取り下げた方が良いのでは・・・
327 :1レスネタ[sage]:2011/09/27(火) 10:03:37.45 ID:3RdamnYSO
私の仕事はこの学校を守る事。
しかし、皮膚の無い内臓丸出しのこの身体では、子供達を怖がらせてしまうだけ。
何故なら私は「動く人体模型」だから。
ちなみに、一緒に学校を守ってくれる契約者募集中でっす。
子供が好きなのに子供を怖がらせてしまう私の仕事は今のような深夜から。
さあ、子供達の未来の為、今夜もまいります。
……むむっ!?あれは赤マント!子供に害なす都市伝説は排除します!
…………………………………………………………
勝った。激しい戦いでした。まあ、正義は勝つと言いますから、私が負けるはずはないのですが。
……?なんだか騒がしいですね。
……?…………!しまった!セコムが!セコムが発動してます!
これはいけません!私は陰日なたのヒーロー。人目に触れるわけには。
と、言うか、監視されたら動きにくいです。学校を守れなくなります。
今すぐ理科室に戻らなければ!
…………………………………………………………
なんとか理科室に戻ってこれました。
私が動けるのがばれてテレビのオカルト番組が取材にきたら大変な事になるところでした。
まぁ、学校はしばらく監視がきつくなるでしょうね。
誰かが侵入した事になるでしょうし。
…………?…………あ!
内臓一つどこかに落とした…………。
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 10:06:18.07 ID:EO/XT4Fv0
>>325
> あれ? そう言えば中央高校って制服何?
ブレザー
329 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/27(火) 10:25:15.58 ID:72m7sph+0
>>328さんありがとうございます!!
セーフセーフセーフ!!
うおっし、これで中央高校の生徒って設定にできる!
330 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 12:22:53.08 ID:4WmMpPmD0
1レスネタの人乙です〜
何というドジっ子人体模型www
不覚にも萌え……萌え………萌えた(負けました

>>329
よっしゃあ! 暫くしたらコラボ狙っちゃうぞ♪
因みに規定水着は旧スクだ! 雄介もげて千切れて爆発しろ!!(何故
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 12:23:04.66 ID:/3gsQq7DO
おめでとう!これで中央高校がさらに都市伝説濃くなるね!
そういえば、純然たる都市伝説が学生になるのはこれが初めて?
いいモデルケースとなりそうな
332 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 12:25:28.78 ID:4WmMpPmD0
>>331
そうか、飲まれた人は生徒になってたけど純粋な都市伝説は初か…
教師ならディランがいるけど
333 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 12:28:39.06 ID:4WmMpPmD0
おっと
>>325
アカネたんに殴られてこうなっちゃったのさ…
だが仕上げのプレスがあのたわわな柔らかい巨乳だっだら良かったのn(潰されました
334 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/27(火) 12:32:41.61 ID:72m7sph+0
え? 何そのプレッシャー?
中央高校とか全部の物語、読み切れて無いから設備とかクラスとかよくわかりませんよ!?

それとシャドーマンの契約者さん、水着教えてもらってありがとうございます。

薫「……何だか、旧スクってビキニより卑猥なイメージがあるんだよな」
雄介「そういう事を考えているあなたが一番卑猥ですよ」
薫「黙れロリコン!」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 12:38:23.42 ID:hT1XPqQx0
>>330
あれ?旧スクって確定してたっけ?wwwwww
336 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 12:43:04.21 ID:4WmMpPmD0
中央高校の生徒の話は、
花子さんとかの人、三面鏡の人、笛の人、占い師と少女の人など沢山の人が書いてらっしゃるので、
wiki漁ってたら大体分かると思いますぜ!
尚、花子さんとかの人のキャラが生徒のみならず校長や化学教師やってるので、読むなら花子さんとかの人の話がオススメかな?
337 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 12:46:56.55 ID:4WmMpPmD0
>>335
バレた!?
いや待て違う、決定したんだ!
俺の中では旧スクで決定したんだ!
ミナワに旧スク着せて裂邪にあんなことやこんなことさせたいんだ!
――――――変身!!
338 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 12:50:01.45 ID:4WmMpPmD0
そうそう、シャドーマンの人の話は全く参考にならないから読まない方がいいよ!
読んだとしても下手なエロ描写か変態キャラの書き方しか身に付かないよ!
339 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/27(火) 12:53:04.76 ID:72m7sph+0
……いやー、シャドーマンの契約者さん?
それだけの為に嘘を……?
……本当の事教えてくれないなんて……ひどいワっ!

ファントム「それに最期の変身じゃ誤魔化せてないぜ?」
薫「……その装備とか最期とか、冗談だよな? なっ?」
340 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 12:56:15.71 ID:4WmMpPmD0
く…くく…
俺が死んでも旧スク同盟は滅びない…
何せ花子様の人と三面鏡の人だがいる…あの2人に比べれば私は小物
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 12:56:50.86 ID:hT1XPqQx0
何かおかしいと思ったんだ、うん
旧スクとか言う話題は出たが確定はしなかった!!!

なお、間違っても体操着はブルマとかではありません
Tシャツハーフパンツorジャージと思われます
デザインに関してはご自由に考えてみればいいんだ
342 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/27(火) 12:58:41.84 ID:72m7sph+0
>>340
どこの四天王ですかwwww(三人ですけど)
343 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/27(火) 13:00:08.68 ID:4WmMpPmD0
だがいずれ君らも旧スクと認めざるを得なくなる!
旧スクばんざあああああああああああい!!!

ひるやすみおわり、しごとしてくる
344 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/27(火) 13:54:24.38 ID:JnKeaJTs0
解ったぞ隊長!
明日くんに「スカート短すぎるぜ!」とか言わせればいいんだな!
不良だらけの風紀委員だぜ!
345 :死亡フラグのさしすせそ[saga sage]:2011/09/27(火) 14:40:45.79 ID:hT1XPqQx0
 逃げる
 逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる
 だって、逃げないと殺される
 真っ赤に染まったハンマーを持った男が、真っ赤に染まった顔をして、奇声をあげながら私達を追いかけてくる
 怪人・赤ハンマー
 そんな都市伝説を聞いたのは、いつだったか、どこだったか
 助かる方法はあったはず
 でも、思い出せない
 どうして、もっと真剣に聞いていなかったんだろう
 手を引かれ、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる
 でも、きっと
 このままじゃ、追いつかれる

「…なぁ」

 彼が、言う

「先に行け、奴は俺が食い止めるから」

 −−−−駄目
 駄目、駄目
 そんな事、したって
 きっと

「大丈夫、何とかしてやるから」

 行け、と
 背中を押された
 彼が、真っ赤なハンマーを持った怪人に立ち向かう
 あぁ、駄目、だめ、ダメ
 ハンマーが、振り上げられて………


「まったく」


 彼が、笑う

「見られたくなかったから。先に行けっつったのに」

 ハンマーが、受け止められる
 大きな、大きな鋏で
 鋏を持つのは、いつの間にか彼の前にいた女の子
 お人形みたいな、ちっちゃな女の子

「もう、あんなこと言っちゃダメなの。死亡フラグの「さしすせそ」の「さ」なの」
「メリーさんや、そんな事をどこで覚えたんだい」

 赤ハンマーが、彼から距離を取った
 再び、奇声をあげてハンマーを振り上げる

『……もしもし、私、メリーさん!』

 女の子の口から、そして、彼の携帯電話から
 声が、響く

『今、怪人赤ハンマーの後ろにいるのっ!!』

 愛らしい叫び声と共に、女の子の姿が消えて
 その姿が、赤ハンマーの背後に、突如として現れて
 赤ハンマーは、その全身を真っ赤に染め上げた



「ほら、大丈夫だっただろ?」

 彼が笑う

「メリーさんが来なかったら、死亡フラグが実現されてたの。彼女さんに怒られればいいと思うの。そして、リア充もげろなの」
「くそ、どうして俺のメリーさんは毒舌なんだ」

 何がなんだか、わからない
 …ただ
 彼が生きてくれている、それだけが嬉しくて

「………っと」

 その体に、抱き着いて
 私はただ、泣く事しかできなかった
                                                                                                                                                 おしまい
346 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/09/27(火) 14:48:40.54 ID:QJxTePfAO
投下なさった皆さん乙ですううう
メリーさんかぁいいいお持ち帰りいいい!
347 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/09/27(火) 15:58:35.57 ID:dMqKwqQHo
>>340
あ、ごめん
こないだは流れで旧スク描いたけど、自分競泳タイプ派
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 16:31:46.61 ID:TgipdWdh0
大阪府の人は回りくどい事言わずに「面白くないから消えれば?」ってストレートに言えばいいのに……
349 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 17:03:46.26 ID:o2drtIJz0
これは花子さんとかの人か!?と勝手に推理しつつ単発の人乙です〜
残りの『し』『す』『せ』『そ』もあるんだろうか、wktkせざるを得ない
しかしメリーたんかぁいいなぁペロペロ(真空ぶった斬りされました

>>347
>こないだは流れで旧スク描いたけど、自分競泳タイプ派
昼休み入った後に雑談で言ってたのを思い出したよちくせう!
競泳も良いけどね! でも俺は旧スクが良いんだあああああああ血糖値が上がってゆくうううう(何故
350 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/27(火) 18:38:15.23 ID:JnKeaJTs0
先にいけ
死ぬなよ?
すぐにおいつく

せとそが分からぬ!
おつでした!
俺実はパレオ派なんだ……(ただし自分が着る)
351 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 18:45:00.15 ID:o2drtIJz0
>>350
>基本的にギャグ・コメディ色の強い作品の感動回の方が泣いてしまう気がする。
戦争が終わったら、結婚しよう
そんな装備で大丈夫か?

これしか思いつかぬorz

>俺実はパレオ派なんだ……(ただし自分が着る)
誰得だよwwwwww
352 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 18:51:43.78 ID:o2drtIJz0
あれ、コピペミスってる、ありゃ避難所のだorz
修正

>>351
>せとそが分からぬ!
戦争が終わったら、結婚しよう
そんな装備で大丈夫か?

これしか思いつかぬorz
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 19:08:07.78 ID:3RdamnYSO
死亡フラグの「さしすせそ」

先に行け、奴は俺が食い止める
死にたい奴らはここにいろ、俺は部屋に戻るからな!
すぐに戻る、ここで待ってろ
戦争が終わったら俺、結婚するんだ・・・
そうかっ!そういうことだったのか!
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 19:17:33.82 ID:YIOkbbUL0
死亡フラグのさしすせそ、>>353のが正解
「し」は思いついているがその後は思いついてないので書いていく予定はありません、あしからず
355 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 20:18:08.08 ID:o2drtIJz0
>>353
これが正解か・・・声に出して納得したwwwwwwww

>>354
>「し」は思いついているがその後は思いついてないので書いていく予定はありません、あしからず
つまり残りは誰かが書けばいいのか
『そ』は俺に任せろ!
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 21:00:10.60 ID:YIOkbbUL0
>>355
>『そ』は俺に任せろ!
(正座待機)
357 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 21:06:11.21 ID:o2drtIJz0
>>356
>(正座待機)
でも『す』と『せ』は無理だから誰か書いてね!
そしてここは順番通りの方が良かろう(色々逃げ腰orz
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 21:10:08.50 ID:YIOkbbUL0
>>357
ふむ、すなわち今夜中に「し」を書けばいいのか、了解した
359 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/09/27(火) 21:10:53.75 ID:rEVbIURy0
あ、じゃあ僕『す』やりますー
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 21:14:01.92 ID:YIOkbbUL0
そして出来上がるシャドーマンの人包囲網
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/27(火) 21:20:44.44 ID:BiYi1FiIo
そのげn(以下略)
362 :死亡フラグのさしすせそ[saga sage]:2011/09/27(火) 21:24:18.61 ID:YIOkbbUL0
 とある館で、殺人事件が起きた
 容疑者は、館にいる人間全員
 被害者は、密室で殺されていた
 すなわち…密室殺人
 皆がピリピリし、自分以外の誰が犯人かと疑っている
 探偵気取りの少女が

「単独行動は危険です。必ず、二人以上で行動を」

 などと、そう言ってくるが
 …まったく、馬鹿共め

「っは!そんな餓鬼の言う事なんて聞けるかよ!」
「お、おい」

 いくつかの事件を解決してきたことがある、などと、偉そうに
 何もわかっていない癖に

「死にたい奴らはここにいろ、俺は部屋に戻るからな!」
「ぁ……!」

 友人の手を振り切って、赤いコートを翻して俺は部屋に戻った
 鍵をかけ、大きくため息をつく
 …そうだ、これでいい
 これでいいのだ、と
 そう、自分に言い聞かせて、ベッドに横たわる
 静かに、目を閉じた

 −−−−−−ずるっ、と
 ベッドの下から、何者かが、現れて
 そして、気配を殺して静かに、静かに
 ベッドに横たわる女に、斧を振り下ろし


「お前だろうと思ったよ、「ベッドの下の殺人鬼」」


 ぱし、と
 男はあっさりと、その斧を受け止めた
 ベッド下の殺人鬼は、ぎょっとした表情で女を見下ろす

「完全な密室。だが、どんなベッドの下にでも出現できるお前なら、可能だからな」

 ばきっ、と
 斧に女の指が食い込み、ヒビを入れる

「俺ぁ、あいつらと平和に馬鹿馬鹿しく、楽しく生きたいんだよ。だから」

 ベッド下の殺人鬼を見上げる女の口が……耳元まで、避けた

「俺のダチを、これ以上殺すんじゃねぇぞ、こらぁっ!!!」

 ばきぃっ!!と
 斧は女の……「口裂け女」の契約者の怪力で、破壊された
 慌てて逃げ出そうとするベッド下の殺人鬼
 ベッドの下に潜り込もうとした体を、女は踏みつけた
 苦しげに暴れるそいつに、手元に出現させた鎌を向ける

「あばよ」

 すぱんっ!と
 ベッドの下の殺人鬼は、首を切り落とされ、絶命して
 その体は、光の粒子となって消えていった



「……ふぅ」

 鎌を消して、俺はベッドに横たわった
 これでいい
 後は、がけ崩れした道が復旧して、警察や「組織」の連中が来るのを待つだけだ

「…ま、それまでに、あいつらが疑心暗鬼なんぞ起こして仲間割れしちゃ、困るからな」

 適度にサポートしてやりますか、と
 俺は安全を手に入れて、小さく笑ったのだった




終われ
363 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 21:24:29.79 ID:o2drtIJz0
なん・・・だとwwwwwwww
まだだ、まだ『せ』がいないぞ! 『せ』がいなければ順番通りにならない!

そうか、『せ』は『生存フラグ』の『せ』だからか(ふざけんな
364 :死亡フラグのさしすせそ[saga sage]:2011/09/27(火) 21:26:40.07 ID:YIOkbbUL0
求む:死亡フラグのさしすせそ「せ」の執筆者
365 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 21:27:36.06 ID:o2drtIJz0
うおっと乙です〜、しかし流石に早いwwwww
そして珍しい味方の「口裂け女」とは・・・
あとこういう探偵もの憧れるよね!
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 21:30:40.88 ID:YIOkbbUL0
…あ、「せ」も思いついたかもしれんわ
「す」の話が来て、他に立候補者いなかったら書くわ
367 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 21:33:50.31 ID:o2drtIJz0
よし、じゃあ俺も書いてくるわ!(遅ぇ
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)[sage]:2011/09/27(火) 21:39:54.48 ID:jyuwVP6U0
どうでもいいが、ベッド下の相手は見下ろすじゃね?
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 21:42:27.19 ID:YIOkbbUL0
>>368
こう考えよう
出現した「ベッド下の殺人鬼」は立ち上がり、ベッドに横たわる女に斧を振り下ろしていた
横たわった状態のまま、女は斧を受け止めた
こう考えると、見上げても何の問題もないと思わないか?
370 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 21:45:16.88 ID:o2drtIJz0
書く前に注意事項
俺の話も『殺人事件』という構成で書こうと思ってます、被ってごめんなさいorz
371 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/09/27(火) 21:57:37.00 ID:rEVbIURy0
あ、因みに僕が書くのは単発じゃなくて『ソニータイマー』の連載の一部ですので、悪しからず
372 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 22:00:57.69 ID:o2drtIJz0
>>371
なぁに、使うのなら何ら問題ないでしょう
wktkしてますの
373 :悪党とその要求 ◆W5H6Y5Rl3M[saga]:2011/09/27(火) 22:15:24.38 ID:dMqKwqQHo
 診療所の入り口に立つヴィッキーの姿に、真っ先に反応したのは有羽だった
 胸ポケットから抜き出した如意棒・レプリカを棍のサイズに戻し、ぴたりとその眼前に突き付ける

「何の用だ」
「誘拐犯の手の者が来たんですよ? 身代金の要求に決まってるじゃないですか。まあお金じゃないですけど」

 殺意に満ちた気配を、むしろ心地良いといった顔で受け流し
 八百屋に来たからには野菜を買うのが当たり前、といった雰囲気でそう告げた

「このまま無事で帰られるとでも思ってるのか?」
「無事でなくても私は困りませんが?」

 さらりと告げてから、やや思い直したように小首を傾げる

「あ、でもやっぱり折角作ったものを壊されるとちょっとイラっとしますね。誰か手近な人に八つ当たりしちゃうかもしれません」

 その言葉に、有羽はぎりと奥歯を噛み締める

「この身体はただのメッセンジャーですよ? まあ伝える事を伝えられない場合は、交渉決裂という事になりますし……人質はどうなりますかね」
「……っ!」
「立ち話もなんですから入れてくれませんか? お届け物があるので」

 言葉を詰まらせる有羽の横をすり抜けて、大きめの手提げ袋からビデオテープを取り出す

「ビデオデッキあります? 無ければDVDも用意してますが」

―――

《はい、撮影始まりましたよー。沙々耶ちゃん笑顔をどうぞー》

 そこに映っているのは、椅子に拘束されぐったりとした沙々耶の姿
 長い銀髪が濡れそぼり、額や首筋に張り付いている

《笑顔って言ってるでしょう? 物覚えの悪い子ですね》
《……うっさい、黙れ》

 ぼそぼそと囁かれた沙々耶の言葉
 ヴィッキーには聞こえていないようだが、カメラのマイクは随分と高性能なのか、その全てをきっちりと拾っている

《まあいいです。ともあれこちらは人質を用意しました。要求したものをいただけない場合は、命の保障はいたしません》
《要求を受け入れたところで、どっちにしろ保障はされてないけどね》
《大体朝にはこの映像は届いているかと思われます。昼までにエルフリーデ・マイツェン女史の研究成果の一切合財をまとめ、そちらに派遣した私に持たせて下さいね》
《持ち逃げする気満々でしょ、それ》
《なお、こちらがそれを受け取り安全圏まで退避した後に、人質の居場所を教えます。それを伝えるためにエルフリーデ・マイツェン女史か、メイ・ゴスリング嬢のどちらか一名のみに同行していただきます》
《人質増やすつもりなだけでしょ?》
《無論、戦闘要員の同行が発覚した時点で交渉は決裂。非常に残念ながら私は撤退させていただきますのでご容赦下さい》
《元々交渉にすらなってないでしょうが、ばっかじゃないの》

 それまでフレームの外で喋っていたヴィッキーが、画面に映り込み沙々耶の元へつかつかと歩み寄る
 沙々耶の背後に掛けられていたカーテンの布ようなものをばさりと剥ぎ取ると、そこには巨大で奇妙な機械が鎮座していた
 それは、ガソリンスタンドで見かける洗車機のブラシを、金属の刃に付け替えたような物騒な代物

《交渉が成立しなかった場合、あなた達の元に美味しいハンバーグとソーセージが届けられる手筈になっていますので、楽しみにしていて下さいね》


 映像はそこであっさりと途切れ、画面には砂嵐だけが映されている

「まあ余計な雑音がいくらか紛れ込んでいましたが」

 ヴィッキーは笑顔で映像を見ていた一同を振り返る

「彼女の命が大事ならお早めに決断を。別にどうでもいいなら、待ち時間が勿体無いのでやはり手早く決断を」
「……わざわざビデオレターかね。電話の一本も寄越せないような場所に居るのかね?」
「電話だと居場所を探知できるでしょう? 『エニグマ暗号機』のコンスタンツェ姉妹が」

 ドクターの言葉に、ヴィッキーは笑みを浮かべたまま首を傾げる

「そちらの手の内は大体把握していますから。下手な事は考えずに、研究成果を引き渡すかどうかだけ決めた方がいいですよ」

 ドクターは表情を変えず
 だが溢れ出す敵意を抑えようともせず
 ソファを立って、リビングを出て地下にある研究室へと降りていく
 助手という立場でもあるメアリーとミツキもまた、それに続いてリビングを出ていった

「話が早いようで助かります」
374 :悪党とその要求 ◆W5H6Y5Rl3M[sage saga]:2011/09/27(火) 22:15:58.25 ID:dMqKwqQHo

 残った面々に笑顔を向けるヴィッキーだが、向けられる表情は一様に敵意に満ち満ちている

「沙々耶を取り戻したら、どうなるか覚悟しておけ」
「望むところです。悪行に対する怒りが行動の原動力、実に素晴らしい、素敵、最高です」

 有羽の言葉に、高揚を通り越して恍惚とした表情を浮かべるヴィッキー
 その内心では、約束を違えて沙々耶を殺してしまったら彼らはどうなるか、そんな妄想が渦を巻いている

「あなた達『第三帝国』は組織力と軍事力こそあれど、『正義の味方』となるには程遠い。けれども……もしあなた達が、属する組織とは関係無く個として殻を打ち破り、我々の敵として足りえる存在になるのなら」

 じり、と迫る幼いヴィッキーの身体
 敵意と殺意は帯びたままではあるものの、その狂気じみた雰囲気に気圧される
 きしりとクッションの下のスプリングを軋ませて、覆い被さるようにその身体に触れてくる

「本当に、本当に大事なものを奪われた事がある、そういう目をしています。その目で射竦められるあなたの敵が、本当に羨ましい」
「黙れ」

 まだ交渉を済ませていない以上、下手に手を出すわけにもいかない
 拳や蹴りを叩き込みたくなる衝動を堪えて、幼いヴィッキーの身体を押し退ける

「俺を挑発して交渉を決裂させようとでもしてるのか?」
「いえ、ただの本音ですよ。あなたそのものを奪い取るのも面白そうではありますけど」

 そう言って、ちらりと視線を逸らす
 その先には、見た目の年齢的には自分に近い少女に迫られる有羽の姿に、どこか周囲とは違う敵意を発するコンスタンツェ

「ふふふ、色々と楽しみですよ、私は」
「お前の楽しみなんか知った事か……全てひっくり返して台無しにしてやる、覚悟しておけ」
「それはこちらの台詞ですよ……あなた達の都合も平穏も、知った事じゃありませんから。全てひっくり返して台無しにしてあげます、お楽しみに」

―――

「ドクター、これを渡してしまって大丈夫なのでしょうか」

 作業や閲覧の都合上、プリントアウトして残されていた資料をまとめながら、不安げにミツキが訊ねる

「どういう使い方をするかは想像もできないが……今は渡すしかあるまい」
「問題は、彼女が取引を守るかどうかですが」
「取引に応じても沙々耶が助かるかはわからない。だが、応じなければ確実に助からないという事だ」
「最悪の想定ですが、既に……その……」
「だとしても、現状では応じるしかない。それに……彼女を都市伝説に抗えないただの人間にしたのは、ボクだ」

 重苦しい雰囲気の中
 とたとたと軽い足音が階段から聞こえてくる
 ヴィッキーが踏み込んできたのかと警戒した一同だが、現れたのはメイ

「ドクター、お話、ある、です」

 長い髪のせいで表情は読めないが、その声からだけでも緊張で強張った雰囲気が伝わってくる

「沙々耶、取り戻す、わたし、行く、です」

 ヴィッキーが指定した同行者は、戦闘力が無いドクターかメイ
 ドクターは当然ながら自ら出向くつもりではいたのだが

「却下だ。君を危険な目に遭わせるわけにはいかない」
「ドクター、もっと、ダメ、です。たくさん、考える、できる、偉い人、お話、できる、残る、いい、です」

 例え沙々耶とメイに何かあったとしても、ドクターなら『第三帝国』の上層部や他の組織と連携が取れる
 救出の算段を立てるにしても、ヴィッキーの何らかの行動を阻止するにしても、その方が圧倒的に行動の幅が広いのだ

「上手く、やる、必要、です。子供、危険、関係ない、です。それに」

 ぶわり、と
 メイの自らの背丈ほどもある髪が、ざわめいたようにすら見えた

「沙々耶、友達、です。酷い事、する……許す、できない、です」

 その小さい手で、ドクターの手をきゅっと握り締め

「沙々耶、助ける、絶対、です。私、負けない、ですよ」

 目元を覆う前髪の隙間から覗いたその瞳は
 怨念か呪詛にも似た怒りの炎が揺らめいているようにも見えた
375 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/09/27(火) 22:19:01.48 ID:dMqKwqQHo
流れも空気もぶった切りの投下でしたとさ

前回までのお話は>>100-101をご参照下さい
更に前はまとめWikiにてどうぞ

毎度の、書いてから先を考えるという書き方のせいでお話の着地点が見えておりません(爆)
ペースも分量もいまいちですが、気長にお付き合いいただければ是幸い

「こんな先の見えない展開に付き合っていられるか! 俺は部屋に戻るぞ!」

という方は死亡フラグにお気をつけ下さいませ(無理矢理話の流れに戻す)
376 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 22:28:59.67 ID:o2drtIJz0
乙です〜
メイたんかぁいいメイたん撫でたいメイたん舐めたいメイたん食べたいメイたんメイたんメイたん
ついにメイたんが本気を出すのか・・・
つ、続きを早く!(オチツケ
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/27(火) 22:33:20.54 ID:YIOkbbUL0
三面鏡の人乙〜
メイちゃんが怒ったか

そして、シャドーマンの人は落ち着きなさい
378 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/27(火) 22:47:17.65 ID:JnKeaJTs0
こんな恐ろしい展開についていけるか!
俺は部屋にもどるああああ!
犯人はyス……
379 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 22:50:13.20 ID:o2drtIJz0
>>377
>そして、シャドーマンの人は落ち着きなさい
ほにょ? 僕は至って冷静ですよ?

>>378
>犯人はyス……
待て! それじゃ暗号じゃないか!
ヤスなのかイェスなのかユスなのかヨスなのか、それともワイスなのかはっきりしてからくたばってくrじゃなくて死ぬなジョニィィィィィィィィ!?
380 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/27(火) 23:01:52.49 ID:JnKeaJTs0
【鬼ごっこ 第三話「かぞくごっこ その2」】

「たちばなさん、まだなの?」
「あとちょい。」
「それ何時間言っているのさ。」
「一時間。」
「そうだったね。」

 山道に入って一時間。
 ピンク・フロイドの原子心母が延々と流れる車内にいささか疲れてきたところでたちばなさんが嬉しそうな声を上げた。

「あ、見えたぞ!」

 車から降りるとそこはとてつもなく巨大なホテルだった。
 と、いうか……

「家も何もここグリン●アじゃないですか!風呂付きってレベルじゃないですよ!」
「違うぞ、ここはグリ●ピアなんかじゃない。
 余っていた年金の予算を使っての無計画な開発によって作られた大型健康保養施設だ。」
「それを世間ではグリ●ピアっていうんだよ!」
「違う!ここはもうグ●ンピアなんかじゃねえ!
 そこを民間に安く売り渡して作られた陰陽師用の集合住宅だ!
 ちなみにワンフロアーが一人に割り当てられているんだぞ。
 俺や俺の弟子が住んでいるのは六階だ。」
「えー」
「聡一さんが言っていたよ。元々こんな山奥で恒常的に収益が見込めるわけがない。
 そのうち景気が悪くなれば儲からなくなってお荷物になるからその時に安く陰陽師の組織に売り渡すってな。
 山奥に作ったのは術の練習をし安くするためだとか。
 さ、ついてこい。」
「ひっどい話だ……。」

 フロントには一人の女性が立っていた。

「おかえりなさいませ、崩月たちばな様。」
「ただいま黒猫さん、俺のキーをくれ。」
「こちらでございます。そちらの方は?」
「妻だ。」

 妻なの!?
381 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/27(火) 23:02:18.74 ID:JnKeaJTs0
「諒解致しました。
 規則により入館を認めます。
 たちばな様が虚偽の報告をなさっていた場合、両名に厳重な処罰がありますのでご注意ください。」
「解っているよ。」
「それではあちらのエレベーターで六階までどうぞ。」

 女性がたちばなさんに紙人形を手渡す。
 たちばなさんが紙人形をエレベーターに貼り付けるとエレベーターは動き出した。

「上に参ります。」
「うわさっきの人!?」

 エレベーターの中から現れる女性。
 先ほどの黒猫さんと同じ顔の人である。

「ごきげんうるわしゅう奥様、黒猫はどこにでもおりますので。」
「この館全体が黒猫さんの異天空間だ。どこから現れてもそんなに気にするな。」
「トバリ?」
「うむ、異なるに天に空間って書いてトバリ。
 陰陽術の進化の過程で生まれた自分だけの世界を創りだす術だ。」
「そんなのあるんだ。」
「使える人間は限られているけどな。」
「あら、崩月たちばな様の奥様という割には何も知らないのですね。」
「彼女はつい最近まで表の世界で生きてきた人間なんだ。
 あまりいじめてやるな。」
「あらあら。蘆薬の方だからてっきり……」
「勘違いするな、それは長官の家で育てられていたからだよ。
 タダでさえ人手が足りないんだ、あまり詮索はしないほうが良いぞ。
 あんただってキツイシフトは勘弁だろう?」

 急に空気が重たくなる。
 会話が消える。

「あ、あのっ……」

 私が口を開きかけた所で六階のランプが灯る。

「六階です。」
「あの……。」
「六階です。」
「行くぞ茉莉。」

 たちばなさんは私の手を引いてエレベーターを出る。
382 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/27(火) 23:02:45.12 ID:JnKeaJTs0
「あの黒猫は性格が悪い。」
「あの?」
「沢山いるんだが一人づつ性格が違うんだよ。」

 どこまでも続く廊下。
 無数に連なる扉。
 唐突にその中の一つが開く。

「あっ、師匠お帰りなさい、皆待ってますよ。
 えと……そちらが師匠の許嫁さん?」
「な、なんかそんな感じみたいです。」

 元気の良さそうな年上のお兄さん。
 二十歳くらいだろうか?
 切れ長の瞳で標準語を喋ってこそいるがイントネーションが関西っぽい。
 
「えっと、俺は風祭勇って言います。」

 お兄さんが私をまじまじと見つめる。

「お幾つ……ですか?」
「十三です。」
「…………。」
「なんだ勇。」

 勇さんは即座に部屋の中に入って叫んだ。

「お前ら!大変だ!師匠が!師匠が中学生を連れ込んでうわああああああああああ!」
「えっうそ!?」
「わーい!お姉ちゃんができるの!?」
「女子中学生!?テンション上がってきたああああ!
 通報の準備しておくね!」
「ちょっと待ちなさい!落ち着いて!あんた達ってほんと馬鹿ね!
 だいたいこういう時は……」
「うわやべっ。」
「どうしようはしゃぎすぎて聞こえてたぞ今の。」
「かくなる上は……」

 うわ、面倒くさい予感がする……。
 騒々しいと思ったら一気に静まり返る室内。
 恐らく全力で待機しているのだろう。
 たちばなさんがドアを開けて部屋の中に入っていく。
 私も遅れてついていく。
 中に居たのは四人。
383 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/27(火) 23:03:59.75 ID:JnKeaJTs0
「おら、お前ら連れてきたぞ。」
「ど、どうもー……?」

 全員が見事にジャパニーズ土下座スタイルだった。

「師匠!奥様!先ほどは失礼をば致しました!」 
「み、皆さんなにやってるんですか!」
「えっとね、草太お兄ちゃんがとりあえず土下座すればなんとかなるんじゃね?
 って言ってたの!」

 ちびっこい少年がハキハキとしゃべってくれた。

「始は素直で非常に宜しいな。勇、お前ちょっと後で説教な。」
「oh……」
「わーい!褒められた!」
「はい、お前らちゅうもーく。」

 四人が顔を上げる。

「この子が蘆薬茉莉、またの名を苅茂茉莉。
 俺の師匠の娘で、許嫁らしい。」
「らしい……?」
「まだ確定じゃない?」
「セーフってことか……。」
「セーフってなぁに?」
「始は綺麗なままでいてね。」
「こいつらが俺の弟子。
 そこの図体だけでかいのは風祭勇。
 キャラが薄いのは天童四郎。
 紅一点が沖矢一美。
 最年少が斎藤始だ。」
「よ、よろしくおねがいします。」
「よろしくおねがいします。」
「よろしくねお姉ちゃん!」
「よろしく。」
「こ、こちらこそよろしくお願いします……」

 ペコリと頭を下げてみる。
384 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/27(火) 23:04:26.70 ID:JnKeaJTs0
「こいつら全員普段は同じ階の別の部屋で暮らしているんだ。
 まあ始はまだ子供だから俺と一緒だったけどな。
 茉莉ちゃん、少し大事な話が有るから始と一緒に席を外していてくれ。
 始は茉莉に都市伝説について少しお話してあげなさい。
 お前に教えたことを覚えているかの復習も兼ねての勉強だから適当な説明はしないように。」
「はーい!じゃあお姉ちゃんこっち来て!」
「え、うん。」

 ちびっ子に手をひかれて部屋の奥に入る。
 
「改めて自己紹介させてね!僕の名前は斎藤始と言います!
 七才です!たちばな先生の所で修行を始めたばかりの新米なので至らぬところもありますがよろしくお願いします!」
「こちらこそはじめまして、葦薬茉莉と言います。」
「お姉ちゃんって呼んで良いですか?」
「任せて!」
「ところで先生にはああ言われたけど、えっとまず何から話せば良いのかな……」
「んっと、私がさっき聞いた話では世の中には都市伝説っていうのが居て……
 人に襲いかかる都市伝説を退治するのが陰陽師だって。」
「んー……ってことは、そうだ!
 じゃあまず都市伝説についてから説明するね!」


「え!?警視庁の密葬課が襲撃された!?」
「勇!お前声がでかいって言ってるだろうが!」
「ごめんなさい!」

 隣の部屋から大きな声が聞こえてくる。
 あの草太さんって人、顔は良いのに色々残念らしい。

「お姉ちゃん!ちゃんと聞いてね!」
「あ、ごめんごめん。ちょっと気が散ってて。」
「まず都市伝説っていうのは……」

 いたって真面目な表情の始君。
 ああ、どうやら本格的に非日常の世界に来たんだな、という私の思いは強まるばかりであった。

【鬼ごっこ 第三話「かぞくごっこ その2」 to be continued】
385 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/27(火) 23:16:29.00 ID:o2drtIJz0
笛の人乙です〜
始と聞いて思いついたのがカマキリヤミーもとい鎌田さんもといジョォーカァー!
一美ちゃんの活躍に期待(マテヤ
386 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/09/28(水) 01:20:46.92 ID:kP1FB5K+0
すみません、死亡フラグの投下は明日になりそうです
…もう明日だけど
387 :ふえやらい[sage]:2011/09/28(水) 07:07:46.19 ID:v0hpqBlDO
待ってるよ!!
388 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/28(水) 08:05:03.90 ID:E0ZT1uLW0
今気づいたんだけど
『草太』って…誰?(俺の読みのがしなら申し訳ないorz
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 09:12:33.00 ID:v0hpqBlDO
ミスだよ!!
キャラ名変えたのを修整しわすれただけだよ!!
390 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/28(水) 09:30:17.40 ID:E0ZT1uLW0
おぉそうでしたか
二重人格とか色々と妄想しちゃったの♪(コラコラ
391 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/28(水) 16:22:54.98 ID:uxL0QhnT0
中央高校の保険の先生って、出てきてましたっけ?

それと、なんかCOAって現在進行形で続いているんでしょうか?
なんだかコラボしたい相手がそこで止まっていたりあいまいなんですが……
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/28(水) 16:40:33.87 ID:2n87TxkG0
>>391
保険の先生はまだ出てないはず

CoAは一応の結末が出ていまして、途中経過については後で保管…って感じだった、ような?
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 16:46:47.21 ID:v0hpqBlDO
coaは…完結したよ
394 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/28(水) 17:23:18.56 ID:kP1FB5K+0
>>392>>393
まじでか…CoA編死亡フラグと同時進行で書いてるんだけど…
395 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/28(水) 17:23:41.04 ID:QHE/txTK0
保健室・・・高校の保健の先生と言えばぽんきゅっぽんでせくしぃな女教師だよな!
「先生、恋の病にかかってしまいました」とか言って2人っきりの保健の授業・・・ウヒヒヒヒ


俺がロリばかりだと思うなよ!(どんっ!
396 :やる気なさそうな人[sage]:2011/09/28(水) 17:27:16.11 ID:UZ2kgX2DO

>>395
えっ
397 :ソニータイマー[sage saga]:2011/09/28(水) 17:55:03.92 ID:kP1FB5K+0
>>395
ハハハ、ご冗談を。

>2人っきりの保健の授業・・・ウヒヒヒヒ
…男子の保健って男の先生が担当するものじゃなかったっけ?
398 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/28(水) 18:01:48.40 ID:QHE/txTK0
>>396 >>397
ええい、信じろと言うにwwwww

>>397
>…男子の保健って男の先生が担当するものじゃなかったっけ?
え、男女で保健の授業分かれるの?
俺の高校は男女同じ内容同じ教室で授業受けたけど
因みに体育教師が男ばっかりで、俺は男の教師からしか受けなかったけど、女の体育教師も保健やってたよ
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/28(水) 18:10:19.25 ID:KctxAwxAO
>>398
だって普段が、ねえ?
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/28(水) 18:39:44.86 ID:qo4UCe5DO
COA編の「結果」はあった気がするけれど、「過程」はだいぶ歯抜けになってる
つまり、今からでも「過程」を埋めるために新規参入できるともいえる
誰かがCOA編書く→誰かが乗り気になってCOA編続ける→連鎖的にCOA編ネタ増える→幸せ
そんな皮算用
401 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/28(水) 20:10:32.36 ID:3+KhsQij0
CoAの事を教えてくださった方ありがとうございます!!
つまり番外編ですねわかり(ry

薫「……ついにシャドーマンの契約者が都市伝説にやられたか」
雄介「心中お察しいたします」
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/28(水) 20:11:52.94 ID:+amuPjjp0
>>398
つ日ごろの言動

>>401
どなたとコラボするのか、wktkしつつ全裸正座
403 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/28(水) 20:31:07.36 ID:QHE/txTK0
俺このスレでどんだけロリコン扱いされてんのwww
いや正しいよ、正しいけど最近炉利物が少ないかr(サイレンの音

そしてコラボwktk
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/28(水) 20:43:39.12 ID:+amuPjjp0
>>403
>このスレでどんだけロリコン扱いされてんのwww
今までの自身の発言をゆっくり振り返ってみよう
話はそこからだ
405 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/28(水) 22:03:46.19 ID:3Lrca2ci0
書かないとなあ……
明日は中盤書こう
406 :花子様のひとたち[sage]:2011/09/28(水) 22:40:20.38 ID:x5THhxXR0
>>395
本当に恋の病なのか確かめてアゲル。ただシたいだけじゃ…ないわよね?
407 :花子様のひとたち[sage]:2011/09/28(水) 22:42:56.01 ID:x5THhxXR0
ジョーシンでキーボード買って復活。
5000円くらいすっかと思ったがやすいのな
408 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/28(水) 23:01:05.93 ID:QHE/txTK0
>>406
とんでもない! 僕はただ先生のことが・・・!




むぅ、鬼面の都市伝説って意外にないのね
「仮面には神格が宿る」みたいなので妥協するか・・・
409 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/28(水) 23:54:34.76 ID:rgF00JmC0

 少女は、目を怪我した少年と保健室にいた。
「……悪かった」
「自分は十分真面目でしたが、少しふざけていた部分もあるので、お互い様です」
 目を怪我少年――――雄介は、少女――――DKGこと薫に目の手当てをしてもらっていた。
 薫が投げつけた教卓が雄介の顔から落ちると、雄介の目から血が流れていた。
 もちろん薫が教卓を投げつけた事にも教室内の人間も驚いていたが、雄介の惨状にはもっと驚いた。
 中には驚いてはいるが落ちついている者もいたが、それでもパニックは止まらず、教室中は大騒ぎだった。
 責任ある薫が保健室に連れて行くことで混乱は免れたが、それでも雄介の目の痛々しさは変わらなかった。
「……本当に悪かった……。本当に、本当に……っ」
「いやー、失明していないので大丈夫ですよ」
 思わず泣きそうになってしまった薫に、怪我を負わせた薫に、優しく励ますように接する雄介。
 どうしてこの男はここまでしても愛想を突かないのだろうか?
 こんな事になってしまったのは、アメリカにいたころの片っ端から殺していた癖が出てしまったのだろうか?
 確か昨日の晩もキッチンからベランダの外に投げるという、よく考えなくてもとても危険な事だったのだ。
 前に学生生活を送った時はこんなことは無かった。
 もしかしたら、契約した事により力が大きくなった反動で、本能の部分も大きくなってしまったのだろうか?
(いや、そんな事を考えて逃げる事はよそう)
 今は雄介に対する謝罪しかない。
「というか謝らないで下さいよ。許すといっているんですから、それ以上はいりませんよ」
「……だけど」
「それでもというなら、キスを御所望します! 口に! 唇にっ!」
「…………」
 雄介はいつものようにおちゃらけモードに入ったが、その言葉を真剣に考える。
(……本当に悪いことしたしな、流石に口は抵抗があるが、頬ぐらいならしてやっても良いか? ……いや、こいつは俺のせいでこうなってるんだ。口にしてやるべきか……)
「え? あの怒ってるんですか? それとも真剣にお考えに? え、あ、いや! まだいいです! 冗談ですから! まだこちらも心の準備ができていませんでして!!」
 真剣な顔つきで悩んでいる薫を見て慌てて撤回する雄介だが、その声は薫の耳には届いていない。
410 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/28(水) 23:56:02.33 ID:gu4+NVTN0


 だが、二人は何やら不穏な視線を感じ、サッと保健室の扉の隙間を見る。
 覗いていた何か達は、覗いていた事がばれたのに気が付き、廊下をドタバタ走って逃げて行った。
「……今のは都市伝説か?」
「ええ、この中央高校はかなり契約者がいるんです。その為、ここには人を困らせるような都市伝説はいません」
「今思い切り覗いてたぞ」
「人間だってこういう事普通にします」
「そうか……、じゃあ俺みたいに普通に学校に通う都市伝説もいるのか」
 はーそうなのかそうなのか、と感心しているように頷いている薫に対し、今度は雄介が深く考え込んでいる。
「……あれ? 純粋な都市伝説がこの学校を通うって、初めてなんじゃ……」
「・・・Reary?」
 よほど驚いたのか、母国語で聞き返してしまった薫。
「ええ、いや、そもそも学校に通う都市伝説って、いたっけかな……?」
「……おいおい、何気に例がない事やってるのかよ俺達」
「……そう、なりますね」
 何やら、先ほどとは違う意味で喰う気が重くなってきた。
「すごいプレッシャーで倒れそうなんだが……」
「大丈夫です安心してください。私が支えますから」
「今はお前が怪我してるんだから、俺に任せとけ」
「いえいえ私が」
「いや、そこは俺が」
 …………。
「私が」
「俺が」
「私」
「俺」
「私!」
「俺!」
 いつの間にか何の言い合いになっているかも忘れ、二人はムキになってしゃー! と睨み合う。
「うぅるっさい! ここは若者がずっこんばっこんする場所じゃねーよ自重しやがれ!」
 シャー! と保健室の角のカーテンが開かれ、探しても見つからなかった保険の先生がいた。
 保険の先生はショートカットで、それなりに美人だ。
 だが、胸はとても寂しく、薫と比べると……保険の先生をいじめる事になるのでやめておこう。
「ずっこんばっこん? それは何だ?」
「聞かない聞かない。はしたない言葉だから覚えないように」
「ガキじゃあるまいし、ブルーフィルムなら大丈夫だ」
 ブルーフィルムが何なのかとても気になったが、保険の先生の睨みが厳しい。
 顔が赤いので、また朝から飲みでもしたのだろうか? 理科だったかの不良教師といい、よくPTAに訴えられないものである。(花子さんとかの人に土下座)
「おるぁあ! カップルは出てけ出てけ! あー人肌が恋しいよー!」
 そっちの方が自重してほしいのだが、もうそんな話をするのも面倒くさくなってきた。
「それでは、嫁と一緒に退散します」
「嫁じゃない」
 ペシッ、と薫に頭を叩かれ、二人はいそいそと保健室から出て行った。

411 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/28(水) 23:59:35.49 ID:rgF00JmC0


 教室に戻ると、ムードは険悪だった。
 そりゃそうだろう。ただの上から目線で物を言う美少女かと思いきや、教卓を投げて怪我をさせたのである。
 授業は淡々と続けられたが、授業の合間の休み時間は教室中がピリピリとしており、薫としては今すぐ帰りたい気分だ。
 そんな事を繰り返して昼休み、薫は今まで誰とも話す事無く過ごし、さらには転校生というアドバンテージが裏目に出てしまった。
(……教卓なんて投げなければ……。ちくしょうっ!)
「かーおーるさーん! 一緒におーべんとたーべましょおー!」
 ぴょーんとウサギの様に跳ねながらやってくるのは、誰でもない雄介である。
 目の怪我は完全に完治しており、周りからは、どんな体してるんだお前!? と驚かれていたが、雄介は愛の力だの薫の魔法の力だのと言い、はぐらかしていた。
「……お前は友達と食べてろ」
「恋人と食べますのでご安心を」
「ほう、お前に恋人なんていたのか」
「ええ、目の前にいるとても可愛い人です」
「ん? お前の目の前には世界一の美少女しかいないはずだが?」
「もう照れなくていいですよぅ。薫、あなたしかいないよ」
「気色悪い。そんな関係じゃないだろ俺達」
「ではどんな関係で?」
「名字が一緒なだけだ」
「ああ!」
「納得したか?」
「もう、遠まわしに嫁だなんて……恥ずかしいっ!」
「して無い! 捏造スンナ!」
「そんな!? もうあの暑い夜の日を忘れたと!?」
「いつの話だ!?」
「……あれは、そう。あなたと初めて会った日の事」
「ああ、お前が勝手に家にずかずか入って来て……」
「激しかったですよね」
「ああ、お前の刀がぶっ刺さった時は、もう……ってしまった!?」
 薫はようやく周りを見渡し、クラスメイト達がこっちの話を喉をならしながら、堂々と聞いている。
 二人はサッ、と顔を近くによせ、他の人間にも都市伝説にも聞こえないように囁きあう。
「(……しまった、またドジったちくしょう! 激しかったとか刀とか、もう不穏すぎるだろ)」
「(……いえ、多分ピンクの意味で勘違いしてます。ほら、あそこの生徒前屈みになっているでしょう?)」
「(……ピンクと前屈み、どういう関連性があるんだよ)」
「(……まあ、わからないなら私にお任せあれ)」
 雄介は薫の頬を両手で挟み、更に顔を近づける。

 結果からいうと、二人は教室で堂々とキスしていた。

「――――ッ!?」
「「「オォおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」
 薫はファーストキスを奪われ顔を赤くし、教室はあまりの急展開に男女関係無く歓声をあげる。
 リア充爆発しろとよくいわれるが、他人の恋路ほど面白いイベントは無いのだ。
 顔を赤くした薫はというと、また起こって机を投げつけないように、冷静に考える。
(……そういえば、さっきキスしろとか言ってたな。キス位であの怪我を許してくれるのはありがたいが、まさか大勢の目の前ってのは、流石に恥ずかしすぎるだろ)
 雄介は顔をゆっくりと離し、にっこりと笑う。
 だが薫はまず周りの誤解を解くことにし、

「言っておくけどな、これはさっきのお詫びであって、恋人とかのキスじゃないからな」

 天然の爆弾を落とした。
「「「イェえええええええええええええええええええええ!!」」」
「何でさっきよりも盛り上がってるんだよ!?」
「もう、このツンデレさんめー☆」
「「「めー☆」」」
 このクラス、随分とノリがいいらしく、めー☆ を見事に合唱していた。
「まてまて! ツンデレってなんだよ!? 意味はよくわからないが否定した方がいいニュアンス!? ええい、違うぞ! 俺はツンデレじゃないからな!!」「「「フォ――――――――!!」」」
「俺の話を聞けぇぇええええええええええええええ!!」
 もう誰も、薫を怖がる者はおらず、皆笑っていた。
 薫だけは、苦笑いだったが、幸せそうに見えたのは、気のせいではない。

 つ・づ・けっ!
412 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/29(木) 00:01:47.79 ID:5XReC0cS0
ちなみに、外国ではピンキのビデオの事を、ブルーフィルムと言うらしいです。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/29(木) 00:20:54.37 ID:F063PRabo
DKGとファントムさんの人、投下乙です
ここまで純然たる「もげろ」を感じたのはいつぶりだろうか
そうか、これが「ラブコメ」か……
イチャラブってれば……いいと思うよ……(ギリギリ)

>>408
http://www.kowa13.com/s/KOWAI/301-600/421-450/426.htm
http://b-spot.seesaa.net/article/52363354.html
http://yoshizokitan.blog.shinobi.jp/Entry/6410/
どんなものをご所望かは不明ですが、お面の都市伝説も全くのゼロというわけではない模様
諦めるなシャドーマンの人!妥協したら負けだぞ!(何にだ)

>>412
ああ、どこかで聞いたことがあると思ったらそれか
高校生のブルーフィルムを是とするのは保険教師として……逆にアリなのか?
とりあえず怪我人いるんだから嫉妬してないで仕事しろ!



ところで雄介の目の件について、あそこでギャグ時空にしなかったのは私好みで非常に素敵。惚れました。抱いてください。わたしおとこだけど。
414 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2011/09/29(木) 00:35:42.83 ID:ScAZHxzdo
DKGとファントムさんの人乙です。
一話と真逆のほのぼのとしたやり取りがたまらんです。

ちなみにブルーフィルムはDVDどころかビデオが普及する前の日本でもありました。
あれはあれで独特の味があってよろしいものです。
415 :シャドーマンの契約者@壁画[sage saga]:2011/09/29(木) 01:07:37.28 ID:s4pVc8pT0
なるほど、真のもげろとはこうやって書くものなのか
俺も精進しなければ
しかしなかなかアクティヴィティな先生だwww


野暮なこと言って申し訳ない
正しくは『Really』なの
416 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/29(木) 01:16:10.15 ID:s4pVc8pT0
乙って書き忘れたごめんなさいorz
DKGとファントムさんの人乙です〜

>>413
聞いてくれ…
そのリンク先、既に見てたんだ…orz
何か、鬼の面が勝手に動き出したり神通力使ったり、っていうのが欲しかったんだけどなぁ
それで契約者のロリっ子が無数の鬼の面を纏って戦うの
面の口から無差別に怪光線を放ったり、面に相手を押さえつけさせて武器の日本刀で腹をえぐったり
もう誰か元ネタ分かるだろう、CVは水谷優子さんだ!(
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/29(木) 08:27:10.27 ID:XcY3mFBDO
乙でした
都市伝説と人間の関係の難しさを描く辺りの上手さがすごい
うちだと面倒だから上手く折り合いつけさせちゃうんだよな
これからもこういう話を見たいぜ
418 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/09/29(木) 09:01:48.08 ID:ztrrIKcAO
DKGとファントムさんの人乙なんだぜー

ところで相談です。
メインキャラの契約都市伝説に「死神」を使いたいと思っているんですが、
死神系の都市伝説がわりと沢山出ていて特に鎌とかのモチーフが被りそうなんですが、
使ってしまって構わないでしょうか?
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/29(木) 09:36:21.34 ID:XcY3mFBDO
大丈夫だよ!
多分!!
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/29(木) 09:44:42.57 ID:Ufzvs0tDO
固有名称ついてる存在でなければ、許可は不要だと思うのです
固有名称ついてる存在なら、それを使ってる作者様に相談、かな?
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/09/29(木) 10:17:27.13 ID:SAOf9T2vo
「花子さん」という都市伝説だけど名前は「ミッチー」とか
どっちだよ的なややこしさが一部にはありそうだ
422 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/29(木) 10:32:48.19 ID:s4pVc8pT0
(裂邪>死神でなくとも鎌使って戦う奴って割と多いよなこのスレ

鎌の二刀流は裂邪を含めてもごく少数、だと思う
何が言いたいかというと、気にせずバンバンやっちゃおうぜ♪
因みに死神の中でも「ゲデ」及び「バロンサムディ(サムディ男爵)」という奴はは2つの個体がいますぜ
423 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/09/29(木) 13:31:50.04 ID:ztrrIKcAO
>>420->>422
皆さん助言どうもでしたー
とりあえず書いちゃうんだぜ!問題が出たらそのとき直すぜ!
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/29(木) 13:38:46.56 ID:yrVhPjel0
大丈夫だ、死神なんて世界中に色々といる
人間に騙されてうっかり樽に閉じ込められちゃうドジっこな死神だって世の中にはいるんだぜ
425 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/29(木) 15:09:07.88 ID:H2qgzDPa0
>>424
懐かしいwww去年の今頃に同じ助言もらったwww
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/29(木) 15:24:30.93 ID:yrVhPjel0
>>425
イタリアの死神マジどじっこ萌え死神
と、言うか、あの話は人間が狡猾とも言うのか
427 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 17:40:37.34 ID:JWvLK08m0
卑怯な人間がドジっ子なロリ死神たんを閉じ込めて・・・
こ、これは何か美味しいぞ!!



俺はロリだけじゃないんだから!(マテヤ
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/29(木) 20:22:23.91 ID:Nof4Qsk70
今宵は本スレ不安定?
429 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 20:24:16.48 ID:JWvLK08m0
>>428
そうっぽいです
時々表示されないの
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/29(木) 21:19:11.08 ID:Nof4Qsk70
>>429
そのせいかどうかわからんが、今宵は静かだな
431 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/29(木) 21:31:21.97 ID:No2/hCPr0
そうですけど、シャドーマンの契約者さんの調子がもどって良かったです。
よっ! 変態! ロリコン!(褒め言葉っ!)
432 :画竜点睛 † 賑やかになってはきたが  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 21:52:59.03 ID:JWvLK08m0
「そら、自己紹介だ、No.順にな」

フランスの一件からそう経たない頃
S-No.0こと、蜘蛛神イクトミさんが、4人の新メンバーを連れてきた
やたら露出度の高い服を着た目のやり場に困る少女
奇妙な丸い生物を連れたツインテールの少女
活発そうなポニーテールの少女
桜色の胴着に袴を穿いた侍風の少女
 ・・・また女ばかりか

「やっほー☆ 今日からR-No.6になったロベルタ・リベラでーす! ロビィって呼んでね♪」
「R-No.7、ラピーナ・レスピーギだよー」
「ウチはR-No.8、乱堂 凛々や! 以後宜しゅう!」
「お初にお目にかかるでござる、拙者は・・・あー、あーるなんばーないん、流崎 羅菜と申すでござる、見知り置きを」
「あらぁ、可愛らしい子達が盛り沢山ですわね♪」

ローゼさんがやけにはしゃいでいる
人数が増えたからか・・・まるで子供だ
比べて蓮華さんは、早くもR-No.の名簿を作り上げている・・・流石だ

「おーい、日天、人の話を聞く時はちゃんと相手の目を見てだな」
「じゃあそこから出てきてくれ、S-No.0」

イクトミさんの説明をしよう
そもそも「イクトミ」というのはネイティブアメリカンの神話で伝えられる蜘蛛神だ
本来は、ネイティブアメリカンのような頭に羽の飾りをつけたりした格好をしているが、
世界中の蜘蛛に自分の意識を移す事もできるらしい
さて、現在のイクトミさんは蜘蛛の状態だ
それも・・・ロベルタという少女の、胸の谷間にいる

「良いじゃねぇか別に、ここ落ち着くんだし」
「あんたが落ち着こうが勝手だが、オレがそこをジロジロ見る訳にいかないだろ
 ・・・あと、約1名その姿が苦手な奴がいる」

そう、約1名―――ロールだけは、部屋の隅で泣きながら脅えていた

「ッバ、バッカじゃねーのマジで!? 何でクモの格好で来るワケ!? チョーアリえないカンジ!!」
「ま、まぁまぁ、落ち着いてロールちゃん;」

それにしても何て破廉恥な格好をしているんだこの女は
胸を覆っているのが布1枚だけじゃないか
しかもやたら大きい・・・っか、勘違いするな、オレはそんなものに興味はない!

「ねぇねぇ、あの人絶対我慢してるんだよー」
「ホンマは見とぉてしゃあないんやろなぁ、女の子ばっかりやから嫌な目で見られとぉないんやろ」
「かっかっか、年頃の男は皆そうでござるよ、遠慮なさるな」
「お前らちょっと黙ってろ!?」
「・・・初心ですね、R-No.3」
「R-No.1まで!?」

男の気持ちにもなって欲しい、但しそこの変態蜘蛛神は除いて
433 :画竜点睛 † 賑やかになってはきたが  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 21:53:30.70 ID:JWvLK08m0
「えへへへー、なーんか照れちゃうなー♪」

ロベルタが何やらもじもじし始めた
やめろ、腕で挟んでやたら胸を強調するな、余計見づらくなる

「わっ、っちょ、やめろロビィ潰れr」

ぶちっ

「「「「「「「「あ、」」」」」」」」

 ・・・蜘蛛神、沈黙

「ふぅ〜、やぁっと憎きクモが消え去ったってカンジ?」
「あらららら・・・悪い事しちゃったかなー」
「多分あちらに怪我はないと思うけれど・・・と、とりあえず、潰しちゃったのを取りませんこと?」

ローゼさんがティッシュを持ちだした
本格的にオレはこの部屋に居られないかも知れん、一度退室しようとした
が、ドアノブを捻る直前に、額に衝撃

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
「・・・悪い」
「あらレジーヌさん! 紹介致しますわ、新しいメンバーですの♪」

入ってきたのは、R-No.5――レジーヌ・ルーフィオ
先日、フランスで問題を起こした契約者だったのだが、ローゼさんの案で彼女の監視下に置く形で「組織」に配属された
だが

「お、お前ら、そいつにだけは不用意に近づくなよ! 絶対にだぞ!」
「どういう事でござるか?」
「またその話ですの? 日天さん、レジーヌさんは記憶処理をしてありますから―――」
「違う! 良いから近づかないでくれ!!」

オレは知っている
記憶処理をした後であるにも関わらず、あいつがローゼさん達を見る目が獣の目になっている事を
前髪や眼鏡で隠していると思っているのだろうが、俺の目は誤魔化されん

「ちょっと日天、幾らなんでもそれは可哀想ってカンジー」
「ホントなんだよー、よろしくねレジーヌさん」
「御意」
「むぅ、面白い人柄でござるな」
「なっ・・・」

何故オレの意見が通らない?
答えは簡単――――――男が“オレ”しかいないからだ
だからオレは願う、切に願う

「イクトミさん・・・R-No.10だけは・・・男にしてくれ・・・」

   ...続く
434 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 21:57:43.18 ID:JWvLK08m0
ふっ、新人達にロリの書き方を教えてやるぜ(変態ロリコンのシャドーマンの人が現れた!


花子さんとかの人に焼き土下座orz
解釈間違ってたらいつでも申し付け下さい、すぐに修正致します
あと、『エーちゃんとか言ってたからロビィで問題ないよなぁ』『No.呼び嫌ってたよなぁ』とかうろ覚えで書いたので色々別人な気がするイクトミorz


今までの話は↓こちらで
ttp://www29.atwiki.jp/legends/pages/2999.html#garyo-01
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/29(木) 22:04:38.03 ID:Nof4Qsk70
シャドーマンの人乙でした
イクトミwwwwwwwwwwwお前って奴はwwwwwwww
436 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/09/29(木) 22:12:40.78 ID:ztrrIKcAO
シャドーマンの人乙なのです
日天さん不憫ww
さてと自分も週明けくらいまでには続き書かなきゃなの
437 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 22:22:49.81 ID:JWvLK08m0
さて
単発、というか1月連載予定の作品を先行公開しようと思ったんだけど
「ゾンビ」と黒服、どっちが良いですか?
438 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/29(木) 22:32:18.31 ID:j4LZw+170
影男の人乙でした……
さあ!
史上初!
影男の人以外で夢幻泡影フルに使ったバトル、はっじまっるよー

ちなみに先行公開はゾンビでおねげえします
439 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:33:58.00 ID:j4LZw+170
【極光の紗綾(黄昏裂邪の世界) 中編】


「……連れてきたぞ。」
「いやーお疲れ様ッス!お陰で助かったッスヨ。」
「御託は良い、早く母さんを開放してもらおう。」
「それはあの男が来るまで待っていて欲しいッス。」
「下種め……!」
「母親の命を握っているのは僕ッスよ?そんなこと言って良いんスカね?」
「くそっ!」

 二人の気絶した少女を抱える青年、鵺野夜行である。
 彼はサイレスとこの廃工場で待ち合わせをしていた。

「とはいえ人質の安全は確認させてもらえるよな?」
「勿論ッスよ、自分が望んでいるのはあくまで取引。
 約束を破らないように信用してもらうには努力を惜しまないッス。」

 サイレスが指を鳴らすと工場の奥から都市伝説を封印する為に作られたと思しき鉄の檻が現れる。
 だが、その檻の中に入っているのは鵺でもなんでもない、ただの猿だった。

「母さん!」
「キー!」
「すまない母さん、俺が不甲斐ないばかりに……。」
「うきゃっ!うきゃっ!」
「解ってるよ、でもこうするしかなかったんだ……ごめん!」
「うっきゃあ!」
「くっ……」

 猿と真面目に話し込んでいる様子の夜行を見てほくそ笑むサイレス。
 そう、鵺野夜行はサイレスの能力によって母親である鵺を人質にとられたと思い込んでいたのだ。

「くくくく……、持つべきものは利用できる馬鹿ッスね……。」
「うっきー!」
「ああ、あと少しだ……。待っててくれ母さん。」

 さて、一方その頃裂邪と零人はある人物に気絶している所を介抱されていた。

「あのー、大丈夫ですかー?
 そろそろ起きないとやばいんじゃないですかー?
 妹さんと彼女さんあと二十分くらいでやられちゃいますよー。」
「裂邪、早ク起キロ」
「う……?」
「ゲホッ……。」
「おぅ、眼を覚ました。」
「あ、あんたは!?」
「正義の味方の味方、電波人間恋路ちゃん。
 そこの少年はまだ目を覚まさないみたいだね……しかたない。
 シェイドさん、さっき話したアレやってイイですか?」
「構ワン」

 眼を覚ました零人の側に居たのは明日真のパートナー恋路だった。
 彼女は一度咳払いをすると裂邪の耳元でヒソヒソとささやき始める。

「お兄ちゃん、早く起きないとお仕置きしちゃうぞ☆」

 普段のお姉さんボイスとは打って変わってペドペドしい声を出す恋路。
 裂邪は一も二もなく飛び起きた。

「カモオオオオオオオオオオン!
 ……って夢か、じゃねえ!早くミナワを助けに行かないと!
 あんの野郎なめた真似しやがって腸が煮えくり返るぜ!」

 恋路は無表情でグッとガッツポーズをするばかりである。

「急いで西区の廃工場に向かうと良い。
 あと二十分くらいしか時間がないからね。」
「……さっきの話を聞いていたのか?」
「細かいことは気にしない!」
「そうだぜ零人の兄ちゃん!急いで向こうに行ってミナワを取り返してやる!
 行くぞシェイド!」
「解ッタ」
「そうそう、その意気だ!」
「く……まあ今は仕方ないか。」

 恋路が百円を近くにある自販機に突っ込んで裏側にあるボタンを押す。
 すると自販機があっという間にバイクに変身してしまった。
 カウルに組織のマークが有る所を見ると組織の新しく開発した兵器らしい。
440 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:34:28.17 ID:j4LZw+170
「このバイクに乗って行きな、そこのお兄さんは乗れるでしょう?」
「あ、ああ……まあ確かに乗れるよ。」

 やたら準備が良いな、と訝しむ零人。
 だがまあ一々突っ込んでいては時間が足りない。
 零人は裂邪とシェイドを後ろに乗せるとバイクを発進させた。

「そうそう、早く行かないと出番が無くなっちゃうからね。」

 誰に言うとでもなく恋路は呟いた。
 恋路の携帯電話が鳴る。

「はい、恋路です。
 ええ……少なくとも現時点で危険性は無い物と判断しています。
 むしろ犯罪行為を行っているのはサイレス氏そっくりの方で……はい。
 その点については問題ありません、既に彼らも向かいました。
 ええ、それでは私も所定の位置につきます。」

 恋路はにこりと笑うと自らのバイクに跨って走りだした。
 この時、彼女のパートナーである明日真はすでに廃工場に到達して、
 そして物陰からサイレスと夜行のやりとりの一部始終をカメラに残し終えていた。

「なーるほどね。許せないな。」

 状況を一部組織に伝えおえた所で明日真は行動を開始する。
 応援を待つように言われたが生憎夜行は組織に追われる身。
 下手をすれば彼も捕まってしまうだろう。
 明日真は鵺野夜行に恩義があり、彼を善人だと知っている。
 故にできるだけ早く決着を付けたかった。
 夜行が何かしらのブレインコントロールを受けているのは明日にも解る。
 だが彼にそれを解除する能力は無い。
 しかしこの状況を解決するための一番効率的な方法を彼の頭ははじき出していた。

「―――――――――変身。」

 狂骨の宿った仮面を装着。
 仮面を中心にして骨で出来た装甲が彼の身体を覆うようにして音もなく形成されていく。
 無駄を極限まで省いた丸みを帯びたボディーはあらゆる衝撃を外へ逃し、
 内部が一部空洞になっていることで軽量化も図られている。
 パワードスーツとしての機能も持つそれは明日真の脆弱な肉体を完璧に補う。
 強い人間など居ない。
 完璧な人間など居ない。
 強さとは纏うもの、完璧とは装うもの。
 変身とは偽ること。
 誰かを救いたい、偽れない気持ちを抱えて。
 今日も青年は戦いに向かう。

「くっくっくっく……。」

 笑いを抑えきれないでいるサイレス。
 彼の能力は確かに強大だ。
 だがしかし、その分だけCOAの事件を起こしたサイレスよりも油断しがちになっていたことは間違いなかった。
 何の前触れもなく、夜行の目の前でサイレスは弧を描いて蹴り飛ばされていく。
441 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:34:58.93 ID:j4LZw+170
「明日!?」

 腰から十字型の手裏剣を取り出す明日。
 檻にかかっていた錠前を撃ちぬいた。

「夜行さん、彼女を連れて逃げてください。」
「……すまない恩に着る!」
「契約者同士、困ったときはお互い様ですよ。」

 明日真も一応修行は続けている。
 今、彼が師匠である上田明久から特に教えられていたのは手裏剣。
 これは彼の近距離でしか戦えない弱点を補う為の物だった。
 さて、逃げるとなると鵺の能力は便利である。
 夜行は黒い霧に姿を変えるとその場から一瞬で姿を消してしまった。

「これでいい……!」
「やってくれたッスね……!
 マインドコントロールの限界を予測して、“マインドコントロールしきれない部分”に訴えかけて戦闘から離脱させるなんて。」
「ざまあみやがれ。」
「……でも良いんスカね?」
「え?」
「自分のサブリミナル効果によるマインドコントロールは無意識に影響するッス。
 だからきっと自分から離れたらそれが薄れて……“鵺が捕まっている”って意識だけが残り、
 さらに“あの猿が鵺である”って刷り込みの効果は薄れちゃうんじゃないスカねえ。
 そうなれば彼はどんな行動をとるのか……。
 まあ、そんな動揺した時になら自分のかけた後催眠も上手くいくとふんだんスけどね。
 いやーそれにしても自分ごときが鵺なんて捕まえられるわけ無いのになんで簡単に騙されるんスかねー?
 本当に訳がわからないッスよ。」
「貴様……!そもそも最初から居もしない人質で夜行さんを操るだけじゃ飽き足りずにそんなことまで!」
「でもそれを伝えることは君には出来ないッスよ。なんせここで君は死ぬんスから。」

 サイレスは口角を釣り上げて悪魔のように笑う。
 明日は迷うこと無く彼に飛びかかった。
 さて一方その頃、零人と裂邪は廃工場の近くまで来ていた。

「近いな……。」
「そこを右だぜ。」
「ああ。」
「そんな!これは一体どういうことなんだ!?」

 聞き覚えのある声。

「嘘だそんなこと!」
「ウキー!」
「あれは……。」

 そこに居たのは一匹の小さな猿と先ほど彼らを襲った鵺野夜行だった。
442 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:35:59.46 ID:j4LZw+170
「あれは本物の母さんじゃなかった……?
 じゃあ今は一体何処に居るっていうんだ!」
「キャッキャ!」
「戦っている暇はない、急いで行こう。」
「ああ、そうみたいだな。」
「待て。」
「―――――気づかれた!?」
「母さんを何処にやった……!」
「な、なんのことだ!?」
「母さんは何処だよ!うわああああああああああ!」
「サイレスめ!マインドコントロールじゃなくて暴走させたのか!」
「どうするんだ?」
「裂邪、お前は先にいけ!俺はこいつを止める!」
「でもあんた……」
「大丈夫だ、策はある。」
 
 裂邪は零人を置いて走る。
 何処からか彼の耳に激しい戦闘音が飛び込んできた。
 裂邪はそこに向かって走る。
 その間にも明日とサイレスの激しい戦闘は続いていた。

「喰らえ!」

 同じ時刻。
 明日真の拳がサイレスの顔面を捉える。
 サイレスの繰りだす剣が明日の胸を切り裂く。
 しかし明日は怯まずに血でサイレスの目を潰し、その間に彼の持つ剣をはじき飛ばしてしまう。
 離れざまに掌底をサイレスの心臓に当たる位置に叩きこむ明日。
 この間彼は小型の骨弾を飛ばしながらサイレスに地道にダメージを蓄積し続けていた。
 だがサイレスにダメージがあった様子はなく、逆に仮面をワイヤーのような物でまっぷたつにされてしまう。

「雷霆……!」

 サイレスの投げた鎚が明日に直撃する。
 鎚はそれと同時に凄まじい光と電流を発して明日の身体を貫いた。
 ぐったりと倒れる明日。
 サイレスは時計を眺めて時刻を確認する。

「ふん……あの二人は来ないみたいッスね。
 それなら人質を処分させてもらいましょうか。」

 雷霆を携えたサイレスは気絶して倒れる二人の少女に近づく。

「能力で見せてもらうとするッス。
 ほう、確か魂が入れ替わっているらしいッスね……。」
「くそっ……!ま、だ……。」

 明日はボロボロの身体でサイレスに後ろから掴みかかる。
 
「邪魔ッスよ。」
「俺はお前らみたいな奴にとって世界で一番迷惑な男になるんだよ……!」
「言ってろッス。」

 明日は床に叩きつけられてそのまま気絶した。
 その瞬間、裂邪が部屋に飛び込む。
 
「おや、あの男が居ないみたいッスね。」
「あれ?何処行った?」
「う……ん?」
「なんか騒々しい……裂邪!助けに来てくれたんですね!」

 それと同時に陽子とミナワも目を覚ます。
443 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:36:28.95 ID:j4LZw+170
「おう!二人とも俺が助けに来たぜ!」
「私ノ事モ忘レナイデモラオウ」
「そうだったな、行くぜシェイド!」
「はっはっはっは!たった二つの都市伝説で何が出来るっていうんスか?
 シャドーマン以外の他の都市伝説は封じられているんスよ?」
「確かに、俺の今使える都市伝説はシャドーマンとレーヴァテインのみだ。
 でもあんたを倒すにはそれと……」

 陽子とミナワの方をチラリと見てからにこりと笑う。

「二人の可愛い女の子の声援が有れば十分だぜ!シェイド!この前話した“アレ”やるぞ!」
「承知シタ」
「レイヴァテイン−サイス!」

 裂邪のベルトが輝いて金色の鎌が現れる。
 裂邪はそれを振り回してサイレスに投げつけた。
 
「無駄無駄ァ!いくら猿が手を伸ばしたところで月に手は届かないッス!
 そして黄昏裂邪!あんたは自分にとって猿(モンキー)なんスヨッ!」

 突如として空を舞う鎌の速度が落ちる。
 
「大きな古時計って訳じゃないッスが少しくらいなら時間をゆっくりにできるッス!
 これであんたを守る都市伝説はいないッスヨ!」
「はやっ!」
「スロウリーなんスヨ!」

 サイレスはゆっくりと舞う鎌を踏み台にして裂邪に飛びかかろうとする。
 が、彼の脚は何者かに捕まれて何故か動けない。

「なに!?」

 裂邪は空中でノロノロと飛翔し続ける鎌に走りよる。
 
「うおおおおおおおお!」

 裂邪の拳に影が纏わり付く。
 それは彼の拳を肥大化異形化させ、まるで大量の牙を無造作に埋め込んだような姿になった。
 牙はどれも高速で振動しており、少しでもふれればあっという間に相手を打ち砕くような力を秘めているが一瞬で見て取れた。

「シャドーズ・アスガルド!拳打特化(ワンショットフォルム)!」
 
 裂邪の拳と融合した影がサイレスに叩き込まれる。
 サイレスも咄嗟に自らの身体を石にして防ぐが“砕く”ことを念頭に置いたその攻撃を完全に防ぎきれる訳もない。
 彼の身体は一部が砕け散る。
 だがしかしサイレスは自らのダメージを治癒能力で咄嗟に回復して難を逃れた。
444 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:37:54.64 ID:j4LZw+170
「なるほど、中々強力ッスね。」
「な、効いてない……!」
「あんたの持つ都市伝説の数は……四つ?五つ?まあそんなことはどうでもいいッス。
 自分の持つ都市伝説の数は十、あんたの倍ッス。
 勝てる訳が無いッス。今なら命は見逃してやるからとっととどっか行くッス。
 あんたの大事なミナワちゃんも魂と身体を戻してあんたに返すッス。
 さらにあんたに超可愛い幼女も沢山プレゼントしちゃうッス。
 ハーレムッスよ?」
「ヒハハハハ、そいつぁ良いな。」

 シェイドの力で“影の鎌”を作り出し、鎌を二刀流で構える。

「だが俺は自分の欲しいものは自分の力で手に入れる!
 それに可愛いロリっ子は絶対に見捨てねえ!
 可愛いロリっ子をいじめるのは俺が許さねえ!」
「裂邪……!」
「……言ってることはあれだけど格好いいじゃない。」

 陽子が裂邪の台詞にわずかに顔を赤らめる。
 それと同時に彼女の手元に一枚のカードが降ってくる。
 しかし現実は無情。

「―――――ああ、そう。」

 一閃。
 たった一撃で二本の鎌がはじき飛ばされる。
 ベルトも煙をあげて故障する。
 正体不明の攻撃だ。

「グアアオアア!?」
「シェイド!」
「今のワイヤーはフェムトファイバーで出来てるッス。
 これに傷つけられた都市伝説は動きを一時的に止めるッス。」
「済マナイ……ドウヤラ動ケナイ」
「嘘だろ……!?」
 
 その様子を見てサイレスはニタニタと笑う。

「さて、最後通牒ッス。」

 サイレスの近くでキラキラとワイヤーが舞う。
445 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:38:27.01 ID:j4LZw+170
「今のあんたに使える都市伝説は無いッス。
 勝ち目0ッス、諦めるッス。」
「……笑わせるぜ。」
「ん?」
「最後通牒?こいつはまったくもって傑作だ。
 俺は何時だって!そう、最初から!」

 陽子(姿はミナワ)の手の中で先ほど降ってきた一枚の黒いカードがきらめく。
 そのカードには夢幻泡影と黄金色の文字が刻まれていた。
 
「クライマックスだぜ!」

 陽子の意思とは無関係に銃弾が勝手に発射されてカードを貫く。
 すると裂邪の傍らに彼の契約する四体の都市伝説が現れた。
 “シャドーマン”シェイド
 “シャボン玉”ミナワ
 “獏”リム
 “鬼火”ウィル
 この四体だ。

「私がもう一人!?」

 ミナワは驚いて声をあげる。

「強大すぎる心の力が私の意思と無関係に“エヴァレットの多世界解釈”を動かした!?
 都市伝説は巨大な心の器や力の持ち主に惹かれる性質もあるけどそんな馬鹿な!?
 私以外の人間が“エヴァレットの多世界解釈”を従えるなんて!」

 陽子も信じられないといった様子である。

「馬鹿な!」

 サイレスも目の前のことが信じられない。

「契約者でもない人間がエヴァレットの多世界解釈を利用して次元をねじ曲げて都市伝説を召喚した!?
 あり得ないッス!危険過ぎるッス!見くびってたッスがこいつもまた世界を破壊する悪魔なんスネ!」
「訳分からないけど……どうやら切り札は常に俺の所に来るらしいぜ?」

 裂邪の背後にウィルが四体に分身して現れる。
 火影に照らされ、生まれる影が四つ。
446 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:39:08.29 ID:j4LZw+170
「「カオス・イリュージョン!」」

 それに対応して四体のシャドーマンが現れてサイレスを捕まえる。

「くっ!邪魔ッスヨ!」

 フェムトファイバーでシャドーマンを次々切り刻もうとするサイレス。
 しかし、切られる寸前にシャドーマンは消え、新しいシャドーマンが現れて彼を翻弄する。

「今だリム!」

 リムは裂邪を真上に投げつける。
 裂邪が飛ばされる先には捕まっていない方のミナワが作ったシャボン玉が有った。
 弾丸のように吹き飛ぶ裂邪の拳には先ほどのように“シャドーズ・アスガルド 拳打特化(ワンショットフォルム)”が装填されている。

「「「ミーティア・ストライク!」」」
「変則バージョンだぜ!」

 サイレスはフェムトファイバーで向かってくる裂邪を切り裂こうとする。
 だがしかし、次の瞬間巨大なシャボン玉が彼の真横で破裂して虹色の炎を上げる。

「「ソウル・ブレイカー!」」
「しまっ!?」

 爆炎に巻き込まれてフェムトファイバーは燃え尽きる。
 極細繊維であるフェムトファイバーは攻撃力も高いが簡単に破壊されてしまう確率も高いのだ。
 その隙に裂邪のミーティア・ストライクがサイレスを捉える。
 サイレスは攻撃を食らいながらも回復をはじめた。
 だがそこでリムが獏特有の長い鼻で彼を抑えつける。

「くっ!離すッスよ!」
「「シックナーゲル!」」

 シャドーマンによる鎌が大量にサイレスの身体に突き立てられる。

「「キューンファオスト!」」

 ウィルを右腕に纏った裂邪はさらにサイレスに追い打ちを仕掛ける。
 右ストレート、右フック、右アッパー
 右の拳のみでひたすらに殴り抜ける。
 
「エディションマキュラ!」

 さらに両足にも炎を纏い、右腕から出る爆炎を推進力にしてドロップキックまで放った。

「ガハッ!」
「お熱いのはもう勘弁か?」

 リムはサイレスを地面に叩きつけるとミナワを真上に打ち上げる。

「「ハイストレーネ!」」

 ミナワは大量のシャボン玉を凍らせて剃刀の如く薄い氷の膜を降らせる。

「これくらい……!」

 サイレスは雷霆でそれを迎え撃つ。
 雷霆はミナワごと氷を吹き飛ばしたかに見えた。
447 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:39:37.46 ID:j4LZw+170
「「ヘラウスフォルデルング!」」

 消えた。
 というより雷霆がミナワに到達する寸前に彼女を中心にして黒いシャボン玉が発生して、
 彼女はその中のどれか一つに身を隠していたのだ。

「ど、どれだ!?どれなんスカ!?」

 一瞬の迷いが隙を作った。
 その隙に出来た影、サイレスの足元からシェイドが大量の腕を伸ばしてサイレスを拘束する。

「「ミットライト!」」

 そこで鬼火を纏って燃えるリムが体当たりを決める。
 サイレスの回復が徐々に追いつかなくなっている。
 地面に倒れたサイレスが顔を上げると周囲が何時の間にか霧に包まれている。
 
「「「「エアヴァルトゥング!」」」」

 一瞬の内に凄まじい回数の斬撃がサイレスを襲う。
 全身が警報を発し、回復の限界を告げている。
 サイレスの選択肢にも撤退の文字が遂に浮かび始めていた。

「くっ……!悪魔・黄昏裂邪め……!」
「悪魔上等だぜ!」
「“黄泉路”に案内してやるよ。」

 サイレスの身体が突如吹き飛ばされる。
 危険を感じたサイレスは自らの体の動きをスローにしてあたりの様子を伺う。
 彼は自分の直ぐ側に何やら扉のようなものを見つけた。
 とっさに真横に飛んで扉の中に突っ込まれるのを回避する。
 霧が晴れるとサイレスは夢幻泡影の四人と裂邪に取り囲まれていた。
448 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:40:04.32 ID:j4LZw+170
「くっ……!今日はここまでにしておいてやるッス!」
「逃すと思ったか?」
「そうは言ってもやっぱり詰めが甘いッスヨ。」

 サイレスはミナワたちに向けて短剣を投げつける。

「危ない!」

 裂邪は二人の方を振り返る。
 短剣は陽子(ミナワの姿だが)が銃弾で撃ち落としたがその間にサイレスは姿を消す。。
 それと同時に陽子の能力で召喚されていた夢幻泡影の四人も姿を消した。

「なんとかなったみたいね。ところで兄様は?」
「え、義兄さん?」
「どうしたんです裂邪、急に心配そうな顔をして?」
「不味い……義兄さんはどうなっているんだ……?」

【極光の紗綾(黄昏裂邪の世界) 中編 to be continued】
449 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/09/29(木) 22:42:10.42 ID:j4LZw+170
と……やりきってみた
あのコザルは後にサリーと呼ばれ夜行くんのペットになる
とにかく合体技をwikiリスト順番縛りで乱れ打ってみた
サイレスさんにはマジでハードなお仕事押し付けてサーセン
皆れっきゅんのwikiのわざ一覧を読むとさらにたのしめるよ
450 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 22:55:31.11 ID:JWvLK08m0
笛の人乙です〜
まさか本当にやってのけるとはwwwwwwwすげぇ、すげぇよ笛の人!
サイレスは退いたが、零人くんは苦戦中か・・・後編も見逃せないな

ところで、細かい事言って申し訳ない(最近こればっかりだな、嫌味な人とか思っちゃヤよ!
シェイドの返事は『了解シタ』で統一してるのorz
451 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 22:58:37.38 ID:JWvLK08m0
>>438
>ちなみに先行公開はゾンビでおねげえします
了解、明日までに間に合うか俺!?

>>449
>あのコザルは後にサリーと呼ばれ夜行くんのペットになる
っちょwwwwwwwww

>皆れっきゅんのwikiのわざ一覧を読むとさらにたのしめるよ
そういや、未だ幾つか追加してない・・・
あと未使用の技も埋めないとなぁ
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/29(木) 22:59:42.56 ID:XcY3mFBDO
>>450
詰めが甘いのは俺だった…
無念
453 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 23:16:16.99 ID:JWvLK08m0
>>452
でもあれですね、何気なく書いてていつの間にそうなってた感じだから気付かなくても無理ないかも
ミナワが裂邪の事をどう呼んでるかとかね
そうか裏設定色々あるじゃないか、ごめんなさい先行公開今日中に書けそうにないです(ぁ
454 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/09/29(木) 23:30:12.97 ID:cMfSw99y0
大分遅レスだが皆さん乙でした〜
>>392
CoAは一応の結末が出ていまして、途中経過については後で保管…って感じだった、ような?
続きも落ち着いたらしっかり書かないとなあ……

DKGとファントムさんの人乙でした〜
甘い雰囲気が大好きです。
中央高校に入ってきたか……これはワクテカ!!

三面鏡@ドクターの人乙でした〜
ドクターがマジギレしおる。
悪の組織との対立が本格化してきたなあ……

シャドーマンの人乙でした〜
イクトミェ……
日天さん……苦労が絶えないなあ。

笛の人乙でした〜
流石戦闘シーンに定評のある笛さんだ……
裂邪かっけえ。
そしてサイレスの悪辣っぷりが見られて超満足。
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2011/09/29(木) 23:33:19.18 ID:ScAZHxzdo
 幼少の頃、ぼくは病弱だった。
 症例の少ない病気を持ち、いつ死んでもおかしくなかったらしい。
 医者は十年生きれるかどうかと宣言していた――とは後から聞いた話だ。
 物心ついた頃から病院内でしか生活できなかったぼく。
 それが普通だと思っていたし疑問に思ったこともなかった。

 このまま自分はここで死ぬんだろうなと思ったのは今でも覚えている。

 あの日の晩、ぼくは死ななくてもよくなった。
 都市伝説『注射男』がぼくの体に何かを打ち込んだ。
 何を打ち込んだのか今でもわからない。伝えられているように毒薬ではないことだけは確かだった。
 ただ、それから三日三晩ぼくの容態は急変した。
 四日目の朝、ぼくの体から病巣は消えていた。

 ぼくは生きることになった。

 誰もが完治したぼくに驚く中、ぼくはひとつの決心をした。
 もう一度彼に会おう。
 たとえ何年かかっても彼に会わなければならない。
 たったの注射一本でぼくの人生が変わった。
 だからこそ、彼に会って言わなければ。

 ねえ、都市伝説。
 どうしてあの時ぼくを生かしたんだい?

 ぼくが生き延びたことで、死んだ時に入るはずだった保険金が下りなくなったこと、きみは知っているのかい?
 めったにない症例は治療するのにどれだけの金額がかかるのか、きみは知っているのかい?
 いつまでも生きていないで早く死んでくれと願われていたことを、きみは知っているのかい?
 ぼくが完治したことで、一体どれだけの人間が残念がったのか、きみは知っているのかい?
 死んだ方が良かったと子供のぼくですら思ってしまったこと、きみはしっているのかい?

『注射男』は毒を注射する都市伝説。
 ――きみがぼく打ち込んだ「生」という名の毒薬は、今もなおぼくを蝕んでいるよ。
456 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 23:36:10.59 ID:JWvLK08m0
>>454
>日天さん……苦労が絶えないなあ。
『赤い幼星』本編だと俺でさえ「一番苦労してるのは蓮華かなぁ」とか思ってたけど
この話書いてたら日天の苦労が良く分かる・・・(ぇ
ある意味、R-No.内の皆の父親、もしくは兄的な存在だったのかも知れん
そりゃ奪われたらあぁなるよなぁ(ルートを思い出しつつ(あいつはもっと特別な存在として見てたけど
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2011/09/29(木) 23:36:17.50 ID:ScAZHxzdo
はい、投下終了。
気が付けばこれで9本目。結構続くものですね。
458 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/29(木) 23:38:45.79 ID:No2/hCPr0
>>455さん乙
うわー……暗い。世の中にはこういう事を考えている子供もいるんだろうか?
それと葬儀屋さん、コテがあるならちゃんと付けないと。

誰かー!! ビターなお話のお口直しに、甘いお話をぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!
459 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 23:39:12.15 ID:JWvLK08m0
暗い暗い暗いCryCryCry
単発の人乙です〜
鬱になるわwwwwwwww
誰かっ、誰か明るい話を!!
460 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 23:41:54.77 ID:JWvLK08m0
>>458
>それと葬儀屋さん、コテがあるならちゃんと付けないと。
いや、コテは基本自由だぜ
俺の場合、『チベット自治区』で判断されてたんだけど他にもチベットいらっしゃったので急遽コテにしましたの
461 :甘いお話をって言われたので書いた[saga sage]:2011/09/29(木) 23:44:18.97 ID:Nof4Qsk70
 愛は偉大だ
 愛は世界だ

 あぁ、素晴らしきこの愛よ
 我らの愛に祝福を
 この永遠の愛に、二度目など不要だ



「もっ君、どうしたの?」

 じ、と私を見つめてくる、私の契約都市伝説に尋ねる
 すると、彼は笑って

「あぁ、君が可愛いから、見とれていたんだ」

 と、まるで当たり前のように言った
 その、言葉に
 かぁ、と私は一気に、頬を赤らめてしまって

「も、もう、何言ってるの!」

 と
 思わず、力一杯彼を突き飛ばしてしまった

 ぼと
 ぼとぼとぼとぼとっ!と
 彼のカツラが、目玉が、歯茎が、内臓が、零れ落ちる

「きゃああああああっ!?ご、ごめんなさい、もっ君!」
「いやいや、大丈夫。照れてる君も可愛いよ。わかるだろ、俺の心臓が高鳴っているの」
「〜〜〜〜〜〜っ!」

 確かに
 拾った彼の心臓は、怖いくらいにビクビクしていて、高鳴っているのがわかるけど
 …まったく
 どうして彼は、恥ずかしいことを平気で言えるのか
 その度、私はこの顔を、真っ赤に染め上げられてしまう



 あぁ、素晴らしき愛よ
 私の大切な都市伝説、「動く人体模型」のもっ君
 あぁ、神よ
 どうか、私と彼の愛に、永遠の祝福を






終われよ
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/29(木) 23:46:11.54 ID:Nof4Qsk70
方向性を間違った気がする
が、後悔はしていない
463 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2011/09/29(木) 23:47:10.37 ID:ScAZHxzdo
>>458,460
いやいや、別に隠す気はなかったんですがね。
たまたま酉を付け忘れて投下したことがあって別にいいかなと。
ぼくの話を書いてる人が葬儀屋だってのは内緒だZE!

>>461
もっ君イケメン過ぎwww
464 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/29(木) 23:54:34.15 ID:No2/hCPr0
>>461
優しくて甘いのねっ!嫌いじゃないわっ、嫌いじゃないわっ!
465 :平穏な組織の一日 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/09/29(木) 23:56:47.05 ID:cMfSw99y0

出生から死亡までの親族関係を証明する戸籍は、現在、市区町村が原本を保管しており
市区町村に近い法務局で戸籍のデータを磁気テープや紙にコピーしたものを管理されている。

政府の支援がいくらかあるとはいえ
そんなわけで、戸籍を捏造して居ないはずの人間をでっち上げる作業というのは中々にめんどくさいもので……

「……えーと、こっちが学校町用の戸籍の資料。
学校町最寄りの法務局に紛れ込ませるのはこっちで……
……エーテル、学校町用のデータや
法務局本部のサーバー用の偽証IDやデータは……まだ?」
「今やってるからもうちょっと待ってくれ!」
その影には頑張って働いている組織の皆さんが存在するわけで。
「くそっ、こういう書類仕事が回ってきすぎだろ……」
「仕方ないよ……戸籍の捏造とか本来大掛かりだし
組織でもある程度地位がある人じゃないと都市伝説に対する
人間としての権利の付加とか許可出来ないし」

頑張る赤髪のアメリカ人と銀髪の悪魔の姿があった。
「ちゃんと審査通ったんだろうな?
本来なら人間に紛れて暮らすための説明会とか色々あるんだが……」
「政府側からの強い意向があったから仕方ないね……
とりあえず資料を送っとくしかないよ。
まあ、アメリカから来た女の子の方はちょっと経歴が気になるけど」
「それで学校に通いたい……か。まあ、中央高校にはもしものときには衛悟がいるしな
他の高校に居られるよりはまだ眼が届くけど」
「あれ?純粋な都市伝説が学校に通うって事例あったっけ?」
「……まあいい、衛悟に任せた。
問題起こさなきゃ放置で……もしものときは。まあ何とかするだろ
学校町の中央高校だしな……」
「衛悟くんに通達出しとくね。あーあ。あの子もついてないね」
「あいつもそろそろ胃薬が手放せない生活に慣れてもいい頃だ」

そんな会話を、組織の上位ナンバーの二人がしていたことを知るものは殆ど居ない。

続かない。
466 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/09/29(木) 23:58:55.43 ID:cMfSw99y0
ビターな注射男の話か……
こういうのも悪くない。

そしてとりあえずDKGとファントムさんの人に土下座を……
467 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/29(木) 23:59:31.90 ID:JWvLK08m0
よりにもよって人体模型かよwwwwwwww
だがよくやった! 乙ですの!
心なしか、最近人体模型多いなwww


ところで、ふと思ったんだけど
過去にあげた話の再放送ってアリですk(
いやね、『今まで書いた中で一番もげろ!って思う話あげてこうぜ!』みたいな
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/30(金) 00:02:04.32 ID:rwR+KLRw0
皆様に乙を

…あぁ…エーテルはやっぱりいつでも過労死寸前か…

あ、人体模型は金髪のかつら被ったイケメンだよ
469 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/30(金) 00:03:02.52 ID:bc0AvypW0
うおっと、八尺様の人乙です〜
シリアス以外のエーテルも久々だなぁ、お疲れ様♪
マクスウェルたあああああああん!! 添い寝してくれええええええええええ!!!
470 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/09/30(金) 00:05:46.16 ID:ie/3yOz80
八尺様の人さん乙!
私こういうクロス好きでして、やりたいならどんどんやっちゃってくださいっ!
皆さんもクロスしたい方がいるならどうぞっ!
471 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/30(金) 00:06:15.19 ID:bc0AvypW0
>>463
>ぼくの話を書いてる人が葬儀屋だってのは内緒だZE!
パクパク

・・・なんっ・・・だと・・・全く気付かなかった不覚orz

>>468
>あ、人体模型は金髪のかつら被ったイケメンだよ
マネキンなら容易に想像できるけど人体模型のイケメンってどんなのよwwww
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/30(金) 00:07:43.19 ID:rwR+KLRw0
>>471
>マネキンなら容易に想像できるけど人体模型のイケメンってどんなのよwwww
参考資料:学園パラドキシア
473 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/30(金) 00:13:18.25 ID:bc0AvypW0
>>470
>皆さんもクロスしたい方がいるならどうぞっ!
したいのにっ!
キャラが揃ってないっ!
というか『花鳥風月』が未だに夏休みから抜け出せてないっ!(もう10月だぞ
この土日でメンバー揃えたい所存・・・その時はコラボさせて下さいorz

>>472
>参考資料:学園パラドキシア
それ、避難所でちょいちょい出てた作品だwww
あれだ、花子さんがエロいんだっけ?(うろ覚え
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/09/30(金) 00:14:57.88 ID:rwR+KLRw0
>>473
>あれだ、花子さんがエロいんだっけ?(うろ覚え
花子さんがエロいのは「HAUNTEDじゃんくしょん」
「学園パラドキシア」はスク水花子さんとロリ巨乳花子さんとホワイトロリータメリーさん
475 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/30(金) 00:16:43.18 ID:bc0AvypW0
>>474
>「学園パラドキシア」はスク水花子さんとロリ巨乳花子さんとホワイトロリータメリーさん
違ったけどある意味あってた!
スク水エロいよロリ巨乳エロいよハァハァ
ちくせう、明日の夜このテンションだったらエロ話書けたのに!orz
476 :ミルクティー[sage]:2011/09/30(金) 00:40:45.57 ID:qVbs6GdAO
【何でも屋ミルク・クロウ…牛と鬼】

―アカネ達がテケテケ達と交戦中の別位置―

「大河ちゃん…私眠くなってきたわぁ」
牛柄パジャマの女性が眠そうにぼやく。
「あのな真白…昨日18時も間寝てた癖にまだ寝んのかテメェはよぉ?」
烏と牛のマークの帽子を被り大河と呼ばれた少女が真白を引っ張りながら歩く
「だってぇ、いつもなら私は事務所でお留守番でいいんでしょ?」
「あぁ、それについては今回の依頼人は金の踏み倒しを目論んでるみたいなんだよ…しかも契約者だ」
「へー……そうなのぉ…」
「だから戦闘に備えて留守番役のお前を引きずってきたってこった…分かったか?」
「zzZ…んぁ…今は目玉焼きにはソースか醤油どっちって話だったわよね?」
「いや違げぇから!?ちゃんと話聞けよな」
ギャアギャアとツッコミをいれる大河と天然ボケをかます真白
477 :ミルクティー[sage]:2011/09/30(金) 00:43:36.38 ID:qVbs6GdAO

そんな二人の目を盗み逃げていく影が二つ…今回の依頼人の若いカップルだ。
「ダーリン…きっと大丈夫だよね」
「あぁ、この町から出れれば安心さハニー」
イチャイチャ、こそこそしながら逃げる二人…だが人生はそんなに甘くは無い。
…コツッ
「誰だっ…!?」
壁に当たった石つぶての音にいち早く気付いた大河が振り向く
「チッ、見つかったか…やるしかないようだよハニー」
「えぇ…こうなれば正面突破ねダーリン」
イチャイチャしながらも臨戦体勢を取るバカップル達を見て大河はイラついていた
「…あいつ等消していいか?」
「駄目よぉ…財布は残さないと〜」
「ツッコミが黒いな何でも屋…とりあえず覚悟っ!」
「小娘達にダーリンとの愛の力を見せてあげるわ!」
そう宣言すると男は瓶に入った酢を取りだして飲み
女はポケットから増えるワカメを出して食べだした
「な、何してやがるんだ…?」
「腹が減ってはなんとやら…というのじゃないかしらぁ?…モグモグ」
「いや多分違うだろ…後、お前もパンを頬張るなよ」
余裕そうに談話する二人に襲いかかるカップル
「蛸のように柔かくなった俺の体と…」
「私の伸びる髪から繰り出される…」
「不規則で変則的な攻撃に対応出来る(かな)(かしら)?」
478 :ミルクティー[sage]:2011/09/30(金) 00:49:24.34 ID:qVbs6GdAO

大河と真白に迫るぐにゃぐにゃと曲がる腕と鋭利な髪の槍
「はぁ…この程度なら真白連れてこなくても良かったかな」
大河がダルそうに呟くと大河の姿が消え空中にいきなり赤い何かが現れて髪の槍を薙ぎ払う
「ハ、ハニーの槍が…ならば弱そうな牛柄から片付k」
台詞を言い切る前に男の言葉は途切れた
理由は白黒の生き物に吹き飛ばされたからだ。
その生き物は牛
「モォー」
正式には能力により姿を変えた真白であるが。
「むぎゃっ!」
吹き飛んだ男は都合よく女に衝突し二人とも気絶したようだ
「オーイ…真白、財布から金抜き取ったしもう戻っていいぞ」
先ほどとは違い帽子から角のような物が突き抜け、腕が真っ赤になっている大河が真白に告げる
それに対して真白(牛)は鼻息を荒くし突進の体勢を取っていた…
「ブモォー!!」
「お、おい真白…まさか?」
赤いものに牛は反応してしまう…つまり
勢い良く走り出す真白と少し半泣きで逃げ出す大河
鬼は逆な気もするが鬼ごっこは事務所の前まで続いたそうな…

〜とあるオフィスの一室〜
大きなモニターの前のスーツの男がぽつりと呟く…
「そろそろあの事務所を…潰しにかかるとしましょうか」
スーツ姿の男がニヤリと笑いながら部屋を出ていった
残されたニ画面のモニターには何でも屋と…奇怪な生物達が映されていた…

【何でも屋ミルク・クロウ…牛と鬼】

(続く)
479 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/30(金) 01:23:16.47 ID:kiTHo4Gm0
ミルクティーの人乙です〜
真白ちゃんは巨乳だ、きっとそうに違いない
逆鬼ごっこwww大河ちゃんカワイソスwww
そして不穏な影…おにゃのこ達を縛りつけてエロいことする気だな!?(寝
480 :ミルクティー[sage]:2011/09/30(金) 02:01:05.15 ID:qVbs6GdAO
皆様乙です!
>真白ちゃんは巨乳だ、きっとそうに違いない

何故分かったのだ!…まぁ、牛だしねw
ついでにネタとして組み合わせでアカネとミルタンk(牛に踏み潰されました
あと>>323の件をお願い出来るでしょうか?
タイトルは【何でも屋ミルク・クロウ】
サブは各話に【営業中】やら【牛と鬼】やらを付けてるので、それをお願いします/礼


今回は何か分かりづらい能力描写だったので一応の補足
・鬼島大河
報酬を払わない依頼者から金を(力技で)徴収する会計担当。
『丙午の年に生まれた女は鬼となって家族を苦しめる』との契約者

・黒川真白
昼過ぎの外でも牛柄のパジャマ姿。
掃除や子守やらの日常業務と留守番を主に担当している。
『食べてすぐにねると牛になる』との契約者
481 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/09/30(金) 07:56:54.04 ID:kiTHo4Gm0
>>480
やった巨乳だ万歳!! てか巨乳の子守担当とか子供たちもげろ(マテヤ

Wiki編集了解!
今日帰宅したら早速致しますの!
482 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/30(金) 15:28:45.59 ID:bc0AvypW0
という訳でミルクティーの人様
wikiにまとめページ作りましたのー↓

ttp://www29.atwiki.jp/legends/pages/4408.html

いたずらでタイトルロゴ書いて「さあ、その怒りをSSでぶつけるがいい!」とか言おうとしたけどやめたのorz
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/09/30(金) 18:19:18.66 ID:01Lr8vCDO
遊戯王時空の話で正しき闇の力に目覚めた上田が友美とタッグでネオスワイズマン出す展開を書きたい

上田→イービルヒーローorネオスビート
明日→凡骨ゲート
サンジェルマン→レイパービート

なのに今一チャンスがなあ
484 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/09/30(金) 21:30:17.48 ID:GsvPbF7s0
みなさノつでした
ていうか多くないですか
滅茶苦茶人来てないですか
さあもっと来てください
ロムってるだけじゃもったいないっすよ
485 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/09/30(金) 22:04:49.77 ID:bc0AvypW0
>>484
最近賑やかになってきて俺歓喜
増えろーもっと作者増えろー
だが減るなー(んな無茶な
486 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:11:51.24 ID:+SdMyhs20

 少女は帰り道、数多くの女子生徒に帰りながらの下校だった。
「ねえねえ、本条さんって、本条君の許嫁なんでしょ?」
「違う。あんなのとは一生無理だ」
「えー、でもでも、一緒に暮らしてるってのは本当なんでしょ?」
「いいなー! 本条君ってあの性格で人気無いけど、あの顔じゃん? 狙ってたりしてたんだよね」
「やるよやるよ。あんなのでよければ、ラッピングして宅配業者にでも頼むから」
「じゃー私にもー!」
「うぇ? なら私も私もー!」
「ちょっと待ちなさい! 本条君は一人だけでしょ?」
「心配する事は無い。あんなのがほしい物好きは三人か? 三等分にして送ってやるよ」
「私頭の部分だけでいいや」
「顔がないなら私いーらないっ」
「顔は私によこせっ」
「なら顔を三等分にして送ってやろうか?」
「「「お断りします」」」
 少女――――DKGこと本条薫は、クラスメイト達と冗談を言い合いながら、楽しく下校していた。
(……本当に切ったりしませんよね?)
 そんな光景を、屋根の上から見聞きしている少年――――雄介は、苦笑いをしながら、屋根から屋根へと跳ぶのであった。

「ただいまっと」
「お帰りなさーい」
 薫は玄関で靴をそろえると(最初日本に来た時は、土足で踏み込んで怒られた)、なぜか自分の方が先に帰ってきたはずなのだが、既に夕飯を作っている雄介の姿があった。
「今日は餃子ですよ! 百個位作っちゃいますよー!!」
「……流石に多すぎないか?」
「いえいえ、今日の夕飯に明日の朝食にお弁当にもなります」
「……朝からニンニクか、今から嫌になってきた」
「それとできるのが一時間後なので、ゆっくりしていてください」
「わかった」
 薫は鞄を放り投げ、そのままソファに背を預けるように倒れる。
「いつまでも制服姿だと、ニンニクのにおいが付きますよ」
「……はーい」
 これから着替えようと思っていたのに……、とぶつくさ言いながら、自室に入る。
 薫の基本的な服装は、Tシャツの上にミニジャケットを着て、ホットパンツを履いているだけだ。
 制服を脱いでしまえば、後はもうぱぱっと着れた。
 服を着終わると、自室から出てソファで本を読む。これは薫の習性と言っても良いだろう。
 薫は床に放りっぱなしにしてあった鞄から、銃器関連の本を取り出そうとする。が、
「……無い」
 バックをひっくり返しても無い。せっかく片づけたのに……、と雄介がため息をついていたが、薫は自分の部屋に戻り、机もベットも棚も、心当たりは全て見たが、どこにもない。
 いや、後一つだけ、心当たりがある。
「……教科書と一緒に忘れてきたか」
 はあ、とため息をつき、時計を見てみる。
 六時半……そろそろ外も暗くなってきたし、薫としては出たくないのだが、日本では銃器関連の本はあれしか持っていない(アメリカにいたころ持っていたのは、荷物になるので全部向こうで捨てた)。
 だが、校内に入る為には制服で行かなければならない。
「……深夜なら、私服でもばれないよな」
 彼女に思考に、明日の朝に持ち越すという考えは、浮かばなかった。
487 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:12:55.74 ID:+SdMyhs20

 その後、ソファに転がりながら別の本で過ごし、雄介の餃子を食べ(かなりおいしく、30位食べてしまった)、二人でテレビを見て過ごした。
 雄介が時計を見ると、もう12時になるところだった。
「さて、風呂に入って、そろそろ寝ますか」
「ああ、悪い。学校に忘れ物したから取ってくる」
「なぜこの時間何ですか?」
「制服着たくなかったから」
「……本当は?」
「夜の学校とか面白そうだろ? 少なくとも、退屈はしない」
 薫は不敵な笑みを見せ、ベランダから跳んでいった。
「……やれやれ」
 とりあえず、風呂の準備をしておこうと思い、雄介は風呂場に向かうのであった。

 薫――――今は能力全開なので、DKGと呼んだ方がいいだろうか?
 DKGは幸いにも、二階の窓がカギがかかっていなかったので、その窓からひょいと入った。
 教室の鍵はあるらしいが、鍵をかけてはいないらしく、別段苦労はしなかった。
「……ん? 都市伝説か」
 何やら都市伝説が交戦中らしいが、今はそんなとことより本が先だ。
 DKGはそのまま寄り道をせず、自分の通う事になっている教室に入る。今日一日だけしか過ごしていないが、なんだかとても楽しい気分になる。
 そんな事に浸り終わると、自分の机の中から目的の本を取り出し、ミニジャケットのポケットに入れる。
「さて、それじゃ日本の都市伝説見学、開始ってところだな」
 パンっ、と手を叩き、不敵な笑みを浮かべながら、DKGは歩きだす。

 都市伝説と交戦があった女子トイレの前につくと、ちょうど終わったらしく、交戦していた片方の都市伝説が消えたのを感じた。
(なんだ、もう終わったのか――――)
 DKGは女子トイレに入ると、柄にもなく絶句してしまった。
 この学校の制服を着た男が、おかっぱの、下手したら十歳にも見たないであろう少女の頭を撫でているのだ。
 よくよく感じてみると、少女の方が都市伝説らしい。一瞬、頭を撫でている男が、少女をここに連れ込んでいるか変態かと思った。
 何だか面白い事になりそうな気がしたので、完全に気配と姿を消し、二人の後ろから声をかけてみた。
「どうも、先輩方」
「っ!?」
「みっ!?」
 誰もいないはずの後ろから、突如声をかけられ、とっさに水で作られた刃を構える男。
 その髪に隠れた目からは、DKGの嫌いな殺し屋の目にも似ている。
「……DKGか」
「俺の事を知っているのか? 今となっては嬉しいやら悲し」
「黙れ」
 ぴしゃりと、発言を遮られ、少しイラときた。
「仮にもあんたの後輩だぞ。警戒解いても罰はあたら」
「黙れと言ってるのが聞こえなかったのか」
 尚も遮る男に、かなりイラッときた。
「……こちらの質問に答えてもらおうか」
 男は、慎重に、ゆっくりと、まるで人質を持っている強盗に話しかけるように、DKGに接する。
「こちらもおしゃべりをしに来たみたいな感じだからな。別にいいぜ?」
「質問だけに答えてもらおう」
 男は尚も、慎重に、ゆっくりと、話しかけてくる。まるで、なるべき刺激を与えないように。
 だが、その滲み出る警戒心という殺気は隠せてはいないので、DKGからしたら何がしたいのかわからないのだが。
「お前は、俺と花子さんに、何をするつもりだ?」
「いや? 別に何も?」
 この質問でなんとなくわかった。この男は、自分が殺しに来たのだと思っているのだ。
 どういう情報が伝わっているかは分からないが、恐らく自分の存在を保つために、平気な顔をして誰にもできない殺しをしているとでも聞いているのだろう。
 自分の事を分かってもらえないというのは、キツイものだと改めて実感した。
 こんな時に何だが、自分の事をすぐに分かった雄介には、感謝しきれない。
「安心しろ、俺に襲ってこない限り、もう何も殺さない。お前達も、殺さないし、傷一つ付けない」
「……本当か?」
 ここまで必死になって確認するというのは、この男は自分の命ではなく、おそらく隣にいる少女――――花子さんとやらが、とても大切な存在なのだろう。
「本当だ」
 だから、安心してもらえるように、心の奥底から断言する。
「み!」
「花子さん?」
 花子さんとやらは、男の袖をひっぱり、水の刃を消した。
「けーやくしゃ、あの人、悪い人じゃないよ?」
「……そうか」
 やけにあっさりと頷く男に、DKGは少し拍子ぬけたが、そこまで信じているんだろうとすぐに納得した。
「……あー」
 男は何か気まずそうな雰囲気を出しながら、DKGに話しかけてくる。
「その、疑って悪かったな」
「別に構わない。慣れてるしな」
 慣れてると平気はかなり違うが、そこは野暮なので言わないでおく。
「よー、なんだなんだ? 転校生と女子トイレで待ち合わせって、お前も罪な男だな」
「違います」
 ふらり、と女子トイレの出入り口から顔を出した理科の教師。名前は覚えていないが、不良教師と呼ばれていたのは覚えている。
 その後ろから、理科室にあった人体模型と骸骨が入ってくる。
『いや〜、ホンマお疲れサマ』
『肩お揉みしましょうか?』
「……グロテスクな光景だな」
 ボソッと呟いただけなのだが、どこかガーンとショックな顔をしている気がする。
488 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:13:37.52 ID:+SdMyhs20
「それにしても、この学校には教師にも契約者がいるのか」
「まあ、この学校町じゃ珍しく無いんじゃないか? ……それどころか、都市伝説が学校に通い出す方が珍しいけどね」
 やれやれと不良教師は首をすくめる。どうやら、この教師もDKGの事は知っているらしい。
 そういえば、女子トイレの出入り口から、こっちに踏み出してこない。この男と話しているので多少は安心しているようだが、それでも警戒心はあるらしい。
 不良教師は懐から煙草とライターを出すが、み! と花子さんに止められて、しぶしぶとしまう。
「生徒にも契約者はいるし、日本ってのは物騒な国だ。アニメ文化が栄えてるだけと思ってたけどな」
「それも学校町が異常なだけだと思うけどね」
 男はやれやれと首をすくめてはいるが、あまり嫌がってはいないらしい。
 恐らくだが、花子さん以外にも、都市伝説関連で知り合った友人などがいるからではないだろうか?
「そういや獄門寺。今日宿題結構だしたけど、終わってんのか?」
 どうやら男の名前は獄門寺いうらしく、はいと男は答える。
「既に終わってます」
「そっちの転校生の方は? 提出月曜だけど」
「ワタチ、ニーホンゴワッカリマスェ―ン」
「「さっき思い切り日本語喋ってただろ!」」
 獄門寺という男、以外にもノリが良いらしい。

 ある程度親交を深めると、今日は解散という事になり、帰る事になった。
 とはいっても、途中まで帰る方向は一緒なので、DKGは花子さんと話しながら歩いていた。
「というか、お前トイレじゃなくても出てこれるんだな」
「み! けーやくしゃと一緒だから、大丈夫なの!」
 にっこりと笑顔でそういう花子さんを見て、自分はこんな純粋な笑顔をすることは、多分一生できないんだろうなと、ふと考えてしまう。
 だが、いざ道が分かれて本当にさようならとなる前に、包帯を体中にグルグル巻きし、刀を背負って自転車をこいでいる都市伝説がいた。
「あれ何だ? 包帯男か何かか?」
「みー?」
 花子さんも首をかしげている。どうやらマイナーな都市伝説らしい。
 獄門寺を見てみると、獄門寺も首をかしげていた。
「……俺にもわからない」
「あれ? 何だ、知ってるの俺だけか?」
 そんな三人に、懐かしそうな目で包帯男(仮)を語りだす。
「あれは『トンカラトン』っていう都市伝説だよ」
「「「トンカラトン?」」」
 まるで擬音のような名前に三人が同時に首をかしげると、こっちに気がついたのかトンカラトンとやらがこっちに向かって漕ぎだした。
「そうそう。確か――――」
 だが、不良教師はとたんに顔を青くする。
「……自分の名前をいえと言われずに呼んでしまうと、切られて仲間にされちまうんだ……っ!!」
 不良教師はバッ! と来た道を走りだし、その言葉の意味と、自分たちが置かれている状況に整理がつくと、二人も来た道を走りだす(花子さんはDKGが反射的に背負った)。
「バカ! 何で自爆してるんだこのダメ教師!」
「おまけに俺達まで道ずれにすんな! ハチの巣にするぞタバコ教師!」
「しょうがないだろ! 随分と古いアニメを思い出したら、すっかり大事な部分を忘れてたんだよ! 第三者視点だったんだよ!」
 必死に言いわけをしているが、トンカラトンは自転車に乗りながら、じわじわと追い詰めてくる。
「……トン、トン、トンカラトン。トン、トン、トン、トン、トンカラトン」
「うわーしかも歌歌いながらとか余裕過ぎるだろアイツ!」
「確かアニメでも歌ってたな!」
「ってそういやお前! さっき水の刃で攻撃しただろ!」
「あれはトイレじゃないと無理だ! ドスはあるがこれじゃ対応のしようがない! お前はどうだ!? お前の能力はここでは使えないのか!?」
「え? 俺が今能力使って殺してもいいのか?」
 きょとんと聞き返すDKGに、何か意味があるのかと獄門寺は考え、質問を質問で返す。
「……それは俺達を巻きこむという事か?」
「いや、別に大丈夫けどな……殺すのは嫌だって言ったろ?」
「もう正直ヤバいし、とっとと始末してくれると助かる」
 嘘だな、とDKGは走りながら思う。
 この男は、首塚だか宝塚やらという組織に協力関係にあると聞いた。
 雄介から聞いた話によれば、獄門寺の協力関係にある組織は、雄介の協力している組織とは敵対しているらしい。それで聞いたのだが、どうやら雄介のところほど戦力や根回しがあまりできていないらしく、具体的には活動してきていないらしい(雄介もおぼろげに言っていたので、真意は確かではない)。
 恐らく、獄門寺はトンカラトンを通して、DKGの戦力調査といったところだろう。
 この男なら、ドスだけでもなんとかなりそうというのも、嘘だと思った理由の一つだが。
489 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:14:15.88 ID:+SdMyhs20
 だが、このまま簡単に戦力調査されるのも気に食わないので、一つ子供じみた意地悪をしてうある事にした。
「……なあ、お前らの命の優先順位ってなんだ?」
「え?」
「あれは殺そうこれはダメ……。命の順位って、人が簡単にしている命の区別……。それは何だ?」
 花子さんを獄門寺に手渡しすると、虚空から大剣を取り出し、上段の構えをとる。
 トンカラトンも、刀を上段にしながら自転車で迫ってくる。

「まあ、そんなの人それぞれで、自分勝手だけどな」

 一瞬、大剣を上から下に振り落とし、刀ごとトンカラトンを左右対称に斬り落とす。
 これを目視できるのは、上級の都市伝説位だろう。
「明日は筋肉痛か?」
 そんな物はDKGに存在しないが、能力を使わず筋肉だけでさっきの事を行うのは、辛いことは確かだ。
 前の彼女なら、死んだ都市伝説をこの世に残し、残酷なオブジェに変えてそこらへんに捨てていたが、今は恐怖を与える必要は無いので普通に殺した。
 自然……いや、最初からそこに無かったように消えていくトンカラトンを見て、自分もこうやって消えていくのかと感じる。そんな消え方だと、自分が本当に異形の存在だと改めて感じる。
(……人間になることは、不可能だな)
 そんなありえもしない事を考えながら、目から涙が流れ落ちないように、夜空を見上げる。
「トンカラトン消したし、疲れた。もう帰る」
 誰の顔も見たくなかったし、見せたくなかった。やはり、何かを殺すという事は、今の彼女にはキツい。
 三人に背を向け、大剣を虚空にしまった。

 その瞬間を狙っていたかの様に、DKGの後ろに刀を構えてトンカラトンが現れた。
 だが、ファントムが夜空からの青いキックを繰り出し、トンカラトンは消え去った。

「俺の女に手をだすなよ」
 もういないはずのトンカラトンに、ものすごい都市伝説パワーやら怒りが漏れ出しているファントムは言った。
「……ってお前!? どうしてここにいるんだ!?」
「あなたが何かを殺そうとしていたから、止めに来たのですが……どうやら、一人間に合わなかったらしいですね。本当にすいませんでした。あなたを幸せにすると誓っておきながら、あなたが殺しという重荷を一つ背負わせてしまいました。本当に、すいませんでした」
 ファントムは深々と頭を下げる。それからは、悲しみが滲み出ていた。
「俺の女が世話になった」
 すっかり置いてきぼりの三人にぺこりと頭を下げ、DKG――――薫をお姫様だっこする。
「ちょ、お前っ」
「月曜日、会えたら会おうぜ。先生、先輩」
 そう言い残すと、ファントムは夜空に消えた。
 嵐みたいな男だ、と思う前に、二人は大きな疑問が残った。
「……なあ、あんな生徒いたか? というか最近噂のファントムか?」
「……あんな都市伝説が生徒になってるって、聞いたことが無い」
「み?」
 あんなのがいたら、容姿でも気配でも、どちらでもすぐに感じ取れるだろう。
 二人はファントムが何なのかを深々と考え、花子さんはこの急展開に頭が追いついていなかった。

490 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:16:53.50 ID:+SdMyhs20

「……俺はお前の女じゃないだろ?」
「恥ずかしがらなくても良いですよ。……それにしても、本当に華奢な体ですよね。胸以外」
「セクハラで訴えられるのと、ここで腕が折れるの、どっちがいいか選択肢を与えてやる」
「……そんな魅力的ボディを持っているあなたが訴えられますよ」
 あの後、家に帰った二人は、ホットミルクを飲みながら話をしていた。薫は、相変わらずソファで飲んでいる。
「……なあ」
 前から、ずっと気になっていた事を、薫は聞いてみる事にした。
「はい?」
「何で、そこまで俺に優しくするんだ?」
「愛しているからですよ」
「そうじゃない! そういうのじゃなくて……」
 何と言えばいいのか、薫自身分からない。
 それを察し、雄介はホットミルクをテーブルの上に置き、薫の隣に座る。
「……人を殺す苦悩を、私も知っているんです」
 そのまま薫にもたれかかり、弱弱しく薫の首に抱きつく。
「自分が生きるために、他人を殺す……。都市伝説の力を初めて手に入れた時、そんな事をしたんです。……とてもつらかった。体が、心が、魂が、全部引き裂かれるように感じました。……最初あなたにあった時、そんなあなたの苦悩が見えたんです」
「……だから愛してるだなんて嘘を言ったのか? 俺に同情して」
 その言葉を聞いて、雄介は抱きしめる力を強くする。まるで、今にも消えてしまいそうな物を、失わないように、強く強く……。
「確かにあなたに同情しました。でも、この愛は偽りじゃない。本物だ。あなたに初めて会った時、同情と共に、恋にも落ちてしまったんですよ」
「変なヤツだ」
「……よく変人って言われます。慣れているので、別に何とでも言ってください」
 薫は不敵な笑顔を見せると、
「……お前も、俺の為にそこまで辛い思いをしなくてもいいぞ」
 優しく抱きしめ、まるで母親の様に頭を撫でてた。
「辛くはありませんよ。私はあなたが好きでやってるんですから」
 雄介もにっこりといつもの笑みを浮かべ、薫の頭を優しく撫でた。

 See you next time ・・・
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/01(土) 00:21:52.96 ID:Kh+eNxui0
乙でしたー!
が、すまぬ……不良教師、一度「トンカラトン」と遭遇したことがありますのですぜ…!
492 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:24:05.12 ID:33ALNg6C0
DKGとファントムさんの人乙です〜
活き活きしてるな龍一くんと秀兄さんwwww
殺しの苦悩か・・・ウヒヒヒヒ、笛の人が黄昏裂邪の世界書き終えたら、あのロリコン小僧に同じ苦痛を味わって貰うんだぁ・・・(ニタリ
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/01(土) 00:29:56.02 ID:Kh+eNxui0
読み間違え。知ってましたね、うん、すまぬ…すまぬ……
494 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:43:59.81 ID:H2yTvEnG0
>>491>>493

大丈夫。ミスは誰にだってあるさ!
(……その話読んだことないけど、矛盾があったら作者さんになんとかしてもらおう)

>>492
自分の作品基本コメディなので、本編では最近暗い龍一君も、連載当初の明るさを取り戻して貰いました。
……キャラ崩壊? はてナンノコトヤラ?


というか、ロリコン小僧ってご自分のことでしょうwww
他に誰がいると?
495 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 00:54:20.52 ID:33ALNg6C0
>>494
>……キャラ崩壊? はてナンノコトヤラ?
よくあるよくある(たまにツッコミシーンで俺流の台詞にしちゃってガクブル

>他に誰がいると?
(裂邪>ロリが呼ぶ幼女が呼ぶおにゃのこが呼ぶ! 『助けてお兄ちゃん』と俺を呼ぶ!
    正義なんてクソ喰らえ! だがロリを虐める奴は容赦なく滅ぼす!
    ロリコン? 変態? 勝手に言ってろ! ロリを愛でて何が悪い!?
    俺はこの世の全てのロリの味方、ロリの英雄!
    そしてロリっ子の嫁を持ちS○X経験済みの中学3年生!
    『夢幻泡影』の主人公、黄昏 裂邪様だ!
(シェイド>今日ハカナリ壊レテルナ

という訳で私の処女作『夢幻泡影』の主役(笑)、黄昏裂邪のことだぜ
まぁ、彼の性格=俺の性格なので自分の事と言えば自分の事なんだけどね!
496 :仮面晩餐[sage saga]:2011/10/01(土) 01:41:11.49 ID:33ALNg6C0
満月の夜、廃工場帯
響き渡るは呻き声
風に漂うは腐乱臭

「くっ……これじゃキリがない………!」

ダガーナイフを構えた青年がぽつりと零した
見渡す限りの死体、死体、死体―――それも、“歩く死体”
「ゾンビ」の集団を相手に、青年は奮闘していた

「くそっ、俺の能力じゃ相性が悪すぎるか……!?」

弱音を吐きつつも、彼は迫りくる「ゾンビ」にナイフを投げつける
手元に得物が無くなると、背に羽織った真っ赤なマントを翻し、
まるでマジシャンのようにナイフを出現させて再び投擲する
「赤マント」―――それが、彼の契約都市伝説
珍しく召喚・追従型ではなく、契約者自身が「赤マント」の能力を使用できる
その力は、『相手を血みどろにする』能力や、『相手の血を抜き取る』能力
どちらも“血”に関する能力だが、既に死んでおり、血の通っていない「ゾンビ」達の前では無力
投げたナイフも突き刺さるだけで、「ゾンビ」は歩を緩めない
一度退きたいが、完全に囲まれていてそれも儘ならない

「ええい、この、どきやがれ――――――ッ!?」

背後から忍び寄る「ゾンビ」に気付けず、べちゃりと腕を掴まれる青年
振り払おうとするが、後から後から次々と腐った腕で動きを抑制される
死体の癖に並々ならぬ腕力と、鼻を突き刺すような刺激臭に、徐々に体力を奪われる
先程までの戦闘での疲労も重なれば、例え契約で身体能力が向上していたとしても複数体の「ゾンビ」を振り払うなど不可能

「こ……ここまで、か………」

青年の微かな声は、「ゾンビ」の呻き声に掻き消された
代わりに、カツン、と靴の音が響いた
青年を殺しにかかろうとしていた「ゾンビ」達が一斉にその方向へ振り向く

「………とても………賑やかですの…………」

か細い少女の声だった
夜闇から現れたのは、血痕のついた真っ白なワンピースを着た、青い長髪の少女
その右手には、古びた包帯のような布が巻かれた鞘に納められた日本刀と、深紅の鬼の面が握られていた
既に意識が朦朧としていた青年を捨て、「ゾンビ」達は新たな狙いを定めて進み始める
青年は少女に「逃げろ」と呼びかけたかったが、上手く声が出なかった
しかし、この後彼はそれが余計な心配だったという事を知る

「あら……ワタクシと……遊んで下さりますの………?」

首を傾げ、にこりと笑みを浮かべる少女
容姿に見合った、無邪気で可愛らしく、しかしどことなく邪悪さを感じさせる笑み

「………でしたら、」

そして、少女は笑顔をのまま、鬼面を左手に持ち替え、
ゆっくりとそれを己の顔に近づける

「……始めますの………仮面舞踏会(マスカレイド)を………」
497 :仮面晩餐[sage saga]:2011/10/01(土) 01:43:05.49 ID:33ALNg6C0
呟き、少女は鬼面を被る
その瞬間、空から、屋根の上から、道の向こうから、闇の中から
至る所から紅白二色の無数の鬼の面が飛来し、少女の身体を覆い尽くし、一際大きな二つの鬼面が彼女の左右にふわりと浮かぶ
がちゃがちゃと音を立てる鬼面の鎧を纏った少女は、持っていた日本刀を鞘から抜き取り、
それを真横に真っ直ぐに伸ばして構え、

「……貰いますの」

最初の一閃
左から右へ、横一文字に振るわれた事で斬撃が発生し、二、三体の「ゾンビ」を上下真っ二つに両断する
次に彼女は地面を強く蹴って、「ゾンビ」の手が届かない地上10メートル程の高さにジャンプする
「ゾンビ」達は一斉に空を見上げ、動きを止める

「その位置………とってもまずいですの………」

その時、彼女の身体を覆い尽くす鬼面、そして浮遊する二つの鬼面の眼孔及び口が眩い光を放ち、
幾本もの黄金色の光条となって、雨か稲妻かの如く地上に降り注ぐ
それらは「ゾンビ」を焼き尽くすだけに留まらず、辺りの古びた工場や錆びた機材さえも破壊した
少女が攻撃を終え着地した時、「ゾンビ」は既に数えられる程度になっていた
襲いかかる「ゾンビ」を、彼女は豆腐のように次々と両断していく
最後の二体の内、傍らを縦一文字に一刀両断した直後、後ろから「ゾンビ」が飛びかかった
が、「ゾンビ」は空中でピタリと動きを止めた――――否、“止められた”
大きな、4本の腕…彼女の周りを浮遊していた、大きな二つの鬼面から、一対ずつ鬼の腕が伸び、
逃れようと必死にもがく「ゾンビ」をがっちりと捕らえていた

「……お別れですの………」

くるり、少女は振り返り、刀を構え、

「貴方の身体と……魂に………」

刀の切っ先を、「ゾンビ」の腹部に突き刺した
刺したまま円を描くように斬り、下腹部まで縦に斬り下ろし、刀を捻って胸部まで一気に斬り上げ、
さらにもう一度下腹部まで斬ると、勢い良く斬り上げ、頭部を切断すると共に刀を鞘に納めた
原形を留めず息絶えた最後の「ゾンビ」は、闇の中へと静かに消えた
ひょう、とすすり泣く様な風が廃工場を吹き抜ける
ようやく立ち上がった「赤マント」の契約者の青年は、事態を飲み込めずにただただ唖然とするばかりだった

「少しばかりやり過ぎな気もするが……その、なんだ、誰だか知らないが、ありがとな」

子供に礼を言うのが情けないのか、少々不貞腐れながら小さく頭を下げる青年
しかし

「―――――――――――――なっ!?」

がしっ、と鬼面の腕に両腕を抑えられ、青年はそのまま持ち上げられてしまった

「っは、放せ! 俺は敵じゃない!!」

彼は叫んだが、鬼の腕の力は緩まず、逆に強く抑え続けている
ぎろり、と敵意を込めた目で少女を睨む青年

「……大丈夫ですの」

無邪気で、不気味な声が聞こえた
彼女は再び鞘から刀を抜き、先程「ゾンビ」にしたように、突き立てるように構えた

「優しく……優しく……致しますの」

直後、青年の腹部を白刃が貫いた
断末魔と鮮血が飛び散った

   ...Das Ende
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]:2011/10/01(土) 01:45:02.94 ID:33ALNg6C0
おかしい、もっと熱い戦闘になる筈だったんだが
まだまだ修行が足りんな…まぁいいや、避難所に裏設定書いて寝よう
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/01(土) 07:42:41.83 ID:Iw9lPfqDO
皆さんおつですの

あれだなー
ファントムの人の話は本当に俺好みだぜ
自分で殺しの罪について書いたことないからかこういう話は興味深く読んじゃうの
景雄の人の話は裏設定までよむとたぎるな
これは明かされないままであってほしい
そしてアア無情みたいな展開を(キラレマシタノ
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 07:59:18.43 ID:Iw9lPfqDO
ところでれっきゅんの世界の締め方に悩んでるおれがいる
鵺様(本物)とローゼタソに出演していただいて
「その兄弟は世界を幾つも作り出すことで私達の世界の存在確率を減少させる悪魔なんだ!」
とでもいってもらおうか
501 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/01(土) 10:17:17.65 ID:N4SHPBq60
>>499
無茶しなさって…
やはり明かさない方が面白いか、了解なの
因みに、私が出すキャラはロリなら生存フラグが…

>>500
ローゼも出るのか萌えたぎるな
ところで陽子ちゃん達が異世界に行くシーンありますか?
なければこちらで書いてみたいんですが…
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 10:55:08.97 ID:Iw9lPfqDO
>>501
面白そうだから任せマスワ!!
503 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/01(土) 11:19:27.70 ID:N4SHPBq60
>>502
特に面白いことなんてないよ!
出だしは零人くん達が旅立つシーンが良いかなーとか思っただけだよ!
裂邪が見送った後にちょこっと事件が起こったりね♪
構想既にございましたらそれで良いのよ、こちらで裂邪目線に書きかえますので
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 13:13:47.80 ID:qqA/L5DYo
投下乙です

おお、早速クロスネタが
DKGの人は手が早いな!(意味違)
夜の学校へ侵入という青春イベントを一つ消化したわけですが、薫ちゃんはこれからも青い春を謳歌すればいいと思うよ!

仮面舞踏会(マスカレード)っていうか、仮面武闘会(マスコリーダ)ですねわかります
日本刀少女はいいな、内なる何かが滾る
直刃の長刀に黒髪ロングがマイジャスティス
全く関係ないけれど久しぶりにクリミナルガールズやりたくなってきた
505 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 13:32:05.21 ID:33ALNg6C0
>>504
>仮面舞踏会(マスカレード)っていうか、仮面武闘会(マスコリーダ)ですねわかります
むぅ、マスコリーダの元ネタが分からなかったのorz
ちょいちょい書いてあるのにwikiや辞書に無いのは何故だ・・・

>日本刀少女はいいな、内なる何かが滾る
あぁ、全くだ
因みに当初は元ネタと同じくハイレグにしようと思ったけど、エロすぎるから却下・・・あ、でもワンピースだと武装できねぇよなぁ、考えてなかったorz

>直刃の長刀に黒髪ロングがマイジャスティス
青髪にしたのは、双子の姉が赤薔薇なので、青薔薇の方がかっこいいしかぁいいかなぁ、と
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 13:38:29.27 ID:qqA/L5DYo
>>505
>むぅ、マスコリーダの元ネタが分からなかったのorz
masquerade(仮面舞踏会)とcorrida(闘技場)のかばん語です
熊倉先生マジ素敵
507 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 13:42:17.72 ID:33ALNg6C0
>>506
>熊倉先生マジ素敵
俺は土下座して謝らなければならないらしい
『マスコリーダ』で検索して出てきたページを適当にクリックした結果が偶然にも『王ドロボウJING』だった・・・元ネタ見てたじゃん俺orz
ところで何この神アニメ、声優豪華すぎるだろ13話とか勿体ない
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/01(土) 17:59:10.82 ID:0ygUMcOm0
中二病コンビの人来てた?
509 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/01(土) 19:31:29.54 ID:kcYz259d0
道民はfate/zeroを見れない……
くそっ!
510 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/01(土) 21:25:53.60 ID:kcYz259d0
【極光の紗綾(黄昏裂邪の世界) 後編】


 まるでお手本のような正拳突きが零人の身体に向けて食らいつく。
 それを太極拳独特の円を描く動きで往なすと零人は夜行に背中をぴったりと貼りつけた。
 大砲のような音がなって夜行が吹き飛ぶ。
 零人の得意とする中国拳法の技術、発勁である。
 全身の体重移動をスムーズに行うことで見た目には動くこと無く密着した相手に衝撃を与えられるのだ。
 すかさず夜行を追いかけた零人は受け身を取った夜行に向けて下段蹴りを放つ。
 だがその足をつかんだ夜行は予め準備していたらしいゴリラのメダルを腕に埋め込むと物凄い勢いで零人を宙に放り投げた。

「うおおおおおおおおおおお!」

 足にバッタのメダルを投げ入れた夜行が零人に向けて飛び上がる。
 零人はフライングヒューマノイドの能力で追撃をヒラリと躱すと地面に降り立った。

「逃したか……!」
「やっぱりそうだ。」

 二人は同時に呟く。
 零人は確信していた。
 “鵺野夜行”の戦い方には弱点がある。
 “鵺”の能力は“ありとあらゆる動物に変身できる”というほぼなんでもありの能力だ。
 しかし“鵺野夜行”の能力行使には一定の条件がある。
 第一に見本がなくては変身できないということだ。
 ちなみに鵺野夜行は持ち運びがしやすく丈夫なメダルを見本にしているらしい。
 第二に見本を見る時間が必要になるということだ。
 それゆえに変身の際に一定の隙が生まれている。
 更に言えば能力そのものもある程度の制限がある。
 鵺野夜行の持つ心の器や心の力に比べて発動している鵺の出力が低いのだ。
 恐らく様々に変身できる鵺の性質上一つの形態に力を集中できないのだろう。
 思えば最初からそうだった。
 不意討ちで真っ先に零人を倒し、戦闘経験において一歩遅れる裂邪相手に徹底的な対策をして先手を打ち続けていた。
 変幻自在に見えて徹底した計算に裏打ちされた戦闘スタイルと言うわけだ。
 
「しかしそれさえ解ってしまえば!」

 零人は一歩踏み込んで“あえて”夜行の間合いに入っていく。
 夜行も肉弾戦の心得があるのは明らかだ。 
 しかし零人はその上を行く自信がある。
 ならば計算もトリックも通じない至近距離における肉弾戦においてこそ勝機はあると零人は確信した。
 夜行の回し蹴りを飛び回し蹴りでカウンターする零人。
 飛び回し蹴りを空手の中段受けでしっかりと受け止める夜行。
 腕だけゴリラに変化したことで零人の練り上げられた一撃も防いでいるのだろう。
 少しだけ後ろに下がる零人。
 これを好機と夜行は右ストレートを繰り出す。
 だがしかし、夜行はその直前にだらりと下がる零人の左腕を見た。
 ボクシングのデトロイトスタイル。
 本能がアラートを鳴らす。
 しかしもう遅い。
 零人の左腕が消える。
 正体不明の衝撃が顔面に二回、否、三回。
 フリッカージャブだ。
 左腕のしなりを利用した一撃は軽いもののとにかく疾い。
 しかしいくら軽くても顔面にさえ入れば確実に相手の動きを止められる。
 そしてそこで一撃必殺の右ストレートが直撃。
 夜行はその場に崩れ落ちる。
511 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/01(土) 21:26:22.01 ID:kcYz259d0
「……やったか。」

 口の中から血の混じった涎を吐き出して呟く零人。
 
「さて、裂邪を助けに行くとするか。
 どーせ奇跡でも起こして快勝している気も……」
「夜行!ああ夜行一体何があったの!?
 誰がこんなひどい事を……」
「―――――!?」

 背後から突如として響く女性の声。
 驚いて振り返るとボロボロになった夜行を抱いてホロホロと泣く女性の姿。
「サイレスはしくじるし夜行は怪我するし……良いこと無しね。」
「サイレス!?」
「こんにちわ、悪魔さん。」

 涙目の女性、彼女こそが鵺。
 様々な動物のプリントされた(しま●らの)黒いシャツ。
 ところどころやぶれかかった(し●むらの)ジーンズ。
 見た目だけならば不思議とスタイリッシュなのだがいかんせん子供みたいに目を真っ赤にしているので間抜けである。

「私は鵺、この子と契約している都市伝説。」
「サイレスってどういうことだ!お前もあいつの手下なのか!」
「手下?馬鹿言わないで、私たちはあいつを利用してたのよ。」
「ん?」
「なんせ世界を破壊する悪魔である貴方達を倒さないといけないんだから。」
「悪……魔?」
「そう、貴方たちは悪魔。知らないとは言わせないわ。」

 ティッシュで鼻をかむ鵺。
 
「……知らないんだけど。」
「え?」
「いや、知らない。」
「え?」
「俺たちが普通に旅している所にお前らが押しかけてきたんだろ。」
「えええぇぇ…………、サイレスの奴嘘ついてたの?」
「多分そうです。」
「じゃあ一から説明してあげるわ。
 貴方達って世界を回っているじゃない。
 あれって元々世界があるんじゃないのよ。」
「え?」
「貴方たちは旅をするたびに世界を作り上げているの。」
「そんなこと信じられるかよ!」

 零人のことは無視して鵺は話を続ける。
512 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/01(土) 21:27:37.41 ID:kcYz259d0
「そこの登場人物は貴方達が来る直前に生成され、
 “それまでその世界が存在して自分たちの世界があった”という記憶を与えられているの。
 でもね、それらの世界は全て今私たちが居るこの世界をモデルにしている。
 そう、この世界が基軸世界なのよ。
 まあ世界なんぞいくら作ろうと問題無いと私は思ってたんだけどここで問題が一つ発生。
 貴方達が新しい世界を無造作に作りながら旅をしていく度にこの世界がそっちに引きずられて、この世界の存在確率が低下するのよ。
 で、その存在確率が減った分だけ分は新しい世界の存在確率があがっているの。
 この世界に住む私たちはそれが許せない。
 だからサイレスと共謀して貴方達を抹殺しようってわけ。」
「な……そんな馬鹿な。」
「じゃあ聞くけど世界を巡って記憶が戻った?」
「え?それは戻ったさ。」
「じゃあ聞くけどそういうことを何回繰り返したの?」
「え?」

 答えられない。
 記憶をなくした経緯はあたりまえだが記憶を取り戻そうとした経緯を思い出せない。
 今まで零人はそんなこと考えたこともなかった。
 
「忘れているのよ。思い出した記憶も。」
「嘘だ……。」
「忘れているのよ。忘れたことさえも。」
「信じないぞ。」
「永遠に、永遠に、恐らく神の気まぐれによって生み出された貴方たちは。
 神の気まぐれによって生み出された世界を旅し続けるだけ。
 そうやって生み出された世界は私たちの世界を崩壊に追いやる可能性も持っている。
 だから死ね、さっさと死ね、事情は教えてやったんだから安らかに死ねるわよ。
 永遠に滅びを振りまいて輪廻しつづけるくらいなら死ねばいいのよ。」

 雨が降ってくる。 
 黒い雲、遠くから雷の音色が響く。

「実はね、私怒っているのよ?
 夜行がこんなに傷つけられてすごくすごく怒っているのいますぐあなたを引きちぎってひきちぎって生きたまま目玉でもえぐって食ってやりたいくらいには。
 あと鼻をそいでもいいし耳を焼いてもいいかもしれないなんでもいいわ今まで冷静に説明してやったのだって私の友達と約束したからなのよ。
 此処から先は私の自由よね、わたしのだいじなものをきずつけておまえもおまえもおまえもおまえもおまえもおまえもおまえも!
 ころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすみなごろしてにしてやるころしてからもういちどころしてやるぜったいにてっていてきにころしつくしてうばいつくしてやる」

 降ってきた。
 文字通り雷が直撃した。
 ニーズヘッグの能力で身体を守ればなんら問題ない。

「おぼえた」

 眼の前には肌を鱗で覆われた鵺が立っていた。
 覚えた?
 ニーズヘッグだぞ?
 龍をコピーできるっていうのか?
 胸に突き刺さる爪。
 龍を倒すは龍のみ、とでも言うのか。
 零人は先ほどの言葉と目の前の事態による混乱で反撃が遅れる。
 鵺が長い爪を零人の肩に突き立てる。
513 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/01(土) 21:29:39.91 ID:kcYz259d0
「兄様!」
「零人さん!」
「義兄さん!」
「あれーどれがいもーとかなー、めんどうだわー、ぜんいんころすー」

 そこに現れる陽子、裂邪、ミナワの三人。
 にげろ、ということもできずに零人の意識は消える。
 目にも見えぬ速さで三人に迫る鵺。
 しかし、間一髪の所でその攻撃が止まる。
 彼らの間に割って入った一人の少女の手によって。

「そこまでですわ。」
「ろーぜ・らいんはると……」
「鵺、でしたわね。貴方の討伐命令が出ております。」
「ローゼちゃん!」
「裂邪さん、相手が悪すぎます。一旦引いてくださいな。」
「ど、どういうことだよ!」
「あれは鵺、組織が出る前からこの国に害をなし続けている正体不明の存在。
 組織も補足しかねていたのですがH-No.所属の契約者の少女が目撃したと報告してくれましたから私たちが来たのですわ。」
「私たち?」
「鵺はかなりの大物、大勢でかからねば勝機はありません。」

 裂邪は驚いて周りを見回す。
 確かに何時の間にか大量の黒服がそこには配置されていた。

「鵺、貴方も年貢の納め時です。」
「それはやだなー」
「あなたの返事は聞きません。」

 鵺は周囲を見回すと不敵に微笑む。
 それから近くで気絶していた夜行を抱えて一瞬で姿を消した。
 雲が消えて青い空が覗く。
 先ほどまで緊張していた空気が一気に緩む。
 それと同時に何時の間にか黒服たちの姿も消えていた。

「あれ?黒服の人達は?」
「あれは幻ですわ。鵺の相手なんて危険な仕事を他の黒服にさせるわけにいかないですもの。
 それにそんな急に人数を集められるわけもないし。」
「う……」
 
 ローゼが話している内に零人が目を覚ます。

「兄様!」
「あらぁ、そちらの方、ひどい怪我!
 一旦組織で治療させていただきますわ。」
「お願いします!」

 陽子はローゼに頭を下げる。
 こうして彼らはしばらくR-No.の厄介になることになった。
 彼らが旅立ったのはそれから数日後のことである。
 旅立ちに際して一悶着起きたらしいのだがそれはまた別のお話。

【極光の紗綾(黄昏裂邪の世界) 後編 fin】
【黄昏裂邪の世界編 おしまい……?】
【じつはあとちょっとだけ続くんじゃよ】
514 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/01(土) 21:32:32.85 ID:kcYz259d0
ひたすらバトルシーン書くのが幸せな笛やろう
誰か
「おう、笛やろう。女神も濡れるすんばらしいストーリー作ったからバトルシーンのライターやって」
とかいってくれたら一も二もなく飛びつきます
515 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 21:53:49.83 ID:33ALNg6C0
笛の人乙です〜
鵺様暴走か・・・親の怒りは恐ろしい
ところで陽子ちゃんとミナワを元に戻すシーンもこっちに丸投げされた気もするwww

どこかで戻ってるなら言ってね! 今から最終章3部作書くからね!
516 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/01(土) 21:57:01.00 ID:kcYz259d0
完全に戻し忘れてた……
任せたぜ影男ノ人!
517 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 21:58:31.49 ID:33ALNg6C0
>>516
了解! 実は元に戻せる都市伝説を知っている!
518 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/01(土) 22:05:07.19 ID:kcYz259d0
あれ?
お憑かれさまでいけるんじゃ……とか思ってしまった
519 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 22:06:12.68 ID:33ALNg6C0
>>518
(レクイエム>流石に生者の魂は取れんぞ
520 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/01(土) 22:10:52.26 ID:kcYz259d0
レクイエムちゃんに性的嫌がらせしたいお
おっおっおっ
おっ…………


この後笛の姿を見たものは居ない
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/01(土) 22:19:54.30 ID:3fwpvUMr0
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵。∴∵
∴∵∴∵:。∴∵∴∵∴: --─- ∴∵∴∵∴∵∴∵
∴∵゜∴∵∴∵∴∵  (___ )(___ ) >>520 ∵。∴∵∴∵ ゜
∴∵∴∵∴:∵∴∵_ i/ = =ヽi ∴∵∴∵。∴∵∴
∴∵☆彡∴∵∵ //[||    」  ||] ∴:∵∴∵∴∵:∴∵
∴∵∴∵∴∵ / ヘ | |  ____,ヽ | | ∴:∵∴∵∴∵:∴∵
∴゚∴∵∴∵ /ヽ ノ    ヽ__./  ∴∵∴∵:∴∵∴∵
∴∵∴∵  く  /     三三三∠⌒> ∴:∵∴∵:∴∵
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵
   ∧∧   ∧∧  ∧∧   ∧∧
  (   )ゝ (   )ゝ(   )ゝ(   )ゝ 無茶しやがって・・・
   i⌒ /   i⌒ /  i⌒ /   i⌒ /
   三  |  三  |  三  |  三  |
   ∪ ∪  ∪ ∪  ∪ ∪  ∪ ∪
  三三   三三  三三  三三
522 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/01(土) 23:46:21.00 ID:KAIwOspV0
薫「避難所より、俺をバカにした方々へ……」

雄介「……えっと、もう薫は止めました。命の心配はなさらなくても大丈夫です」スッ・・・

薫「そのかわりに、だ」

ファントム「……俺が代わりに行くことになった。全員服着て土下座して、玄関で待ってろ」

薫「いやー、三面鏡@ドクターには感謝だな」

ファントム「言っておくが……俺は薫ほど甘くはないぜ」
523 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/01(土) 23:54:33.43 ID:33ALNg6C0
「かーえーれ!」

「「「「「かーえーれ!!」」」」」

「ファントムはアメリカに帰れー!」

「「「「「帰れー!!」」」」」

「本条雄介のロリコーン!」

「「「「「お前が言うなー!!」」」」」
524 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:01:58.93 ID:kXN1mi4F0
>>523
 あ、ちなみにファントムは今年の春から学校町を本拠地で世界を飛び回っており、その前からも東京のどこかを中心に、派手に活躍してましており、時期はちょうど今あたり……という設定。

それと裂邪ぁ! 薫待ってたのか! 妻に言いつけるぞ!
525 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:13:26.79 ID:hhkm9yLY0
>>524
>それと裂邪ぁ! 薫待ってたのか! 妻に言いつけるぞ!
(裂邪>安心しろ!既にバレてる!(←逃亡の最中
526 :夢幻泡影 † 三人の裂邪  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:29:45.22 ID:hhkm9yLY0
――――某日、学校町の某所にて

「…もう、行っちまうのか」
「あぁ、色々と世話になった」
「裂邪くん、ミナワちゃん、どうも有難うございました」
「いえいえ、零人さんも陽子さんも、どうかお元気で」

裂邪とミナワ、そして零人と陽子は、互いに別れを惜しんでいた
彼等が来た日から今日までの数日間、様々なことがあった
R-No.1―六条 蓮華が、魂が入れ替わってしまった陽子とミナワを元に戻すべく、その方法を調査している間に、
裂邪は陽子の身体のミナワに、ミナワの身体の陽子に言い寄って殴られたり
ようやく「落雷で人格が入れ替わる」という都市伝説の存在を確認し、
「組織」内からその契約者を見つけ出して2人とも元の身体に戻ったのだが、
尚も裂邪のセクハラが炸裂して蹴り飛ばされ
約1名散々なことになっているが、それでも彼等にとっては楽しい数日間となった

零人達の背後に、ゆらりとオーロラがたなびく
異世界の扉が開かれたようだ
くるりと2人は振り返り、七色に輝くオーロラに足を踏み入れる

「記憶が全部戻ったら、またこの世界に来てくれよな!
 その時は、友人も呼んでパァ〜ッ!とやるからさ! そして陽子ちゃんを僕n「れぇ〜つぅ〜やぁ〜?」ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
「はは……分かった、楽しみにしてるよ」

手を小さく振って、兄妹はオーロラの向こうに消えていった
零人が何やら複雑そうな表情だったのは、裂邪は見ていなかった

「…本当に行っちまったな……寂しくなるなー陽子ちゃーん」
「もう! さっきから貴方って人は!!」
「冗談冗談、こう見えてお前が元に戻ったから喜んd」

ミナワは『バブロッド』を展開し、大きく振り被る

「いやっ、ちょ、落ち着けミナワ!?」
「問答無用です!!」
「ヘェェェェェェェェェェェェル、プっと」

ピコーン、と電子音がベルトから発せられ、目の前からミナワがいなくなった
R-No.製の都市伝説転送機『ウルベルト(裂邪命名)』が起動し、彼女は裂邪の自室に送られたのだ

「むぅ、これは意外に使えるやも知れぬ……今度からこうやって逃げよう」

うんうんと頷き、パスを腰のホルダーに入れる裂邪
と、急に辺りが暗くなる
527 :夢幻泡影 † 三人の裂邪  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:30:58.37 ID:hhkm9yLY0
「ん……曇ってきたな、こりゃひと雨来るか?
 影がなくなるから厄介だ、念の為シェイドを呼んどこうか」

仕舞ったばかりのパスを手に取ると、裂邪はベルトのバックルの黒いボタンを押し、パスを翳した―――――――――

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」

――――――――翳す前に、叫び声が響く
声色から察するに、少女のもののようだが
びくんっ、と一瞬跳び上がり、きょろきょろと周囲を見回す裂邪
ふと、上を見上げると

「どいてどいて――――――――――――きゃあっ!?」
「ちょっ、何だ――――――――――――うぎゃあ!?」

ずてーん、とギャグ漫画のように押し潰される裂邪
彼の上に落ちてきた“少女”は、慌てて降りてぺこぺこと頭を下げた

「あいたたたたた……」
「ご、ごめんなさい、突然オーロラが目の前に現れて―――――――あ、れ?」
「ん? オーロラってもしかして零人の兄ちゃんの―――――――え、お、おい?」

言葉が詰まる
と同時に、ぴしりと固まってしまった
無理もない、何故なら今目の前にいるこの少女、何処をどう見ても

「……………お、俺!?」
「な、何で私がここにいるの!?」
「俺が聞きたいわ! というか落ちてきたのはお前だろッ、ん?」

ここで彼は違和感に気付く
まずはこの自分とそっくりな少女の顔と髪型を確認する
鏡に映したかのように瓜二つ、唯一違うのは後ろ髪が僅かながら長い事だけだろう
続いて彼女の服装だ
ワイシャツの上に黒いミニジャケット、そして下は何とミニスカートである

「おい、お前」
「え? 私?」
「それ! 何で“私”なんだよ!? 俺そっくりなのに女みたいな格好と喋り方と声しやがって!」
「す、好きでこんなになった訳じゃないもん! それに『女みたいな』じゃなくて、私は歴とした『女』よ!」
「嘘吐けぇ!」
「嘘じゃないもん! ほら、胸だってこんなに――――」
「んなもん幾らでも誤魔化し効くわ! この方が手っ取り早い!」

「え?」と彼女が疑問の声を漏らしたのも束の間、裂邪はミニスカートの中に右手を滑り込ませた
耳を劈く金切り声が、天高く轟いた

「………っま、マジで……ない………!?」
「ぐすっ……ひ、ひどぉい……初対面の女の子にこんなことっ………」
「あ、あの、ごめん、疑って悪かった」
「もう遅いわよ! 馬鹿! 変態! 痴漢! 性犯罪者! レイパー! ロリコン! ペドフィリア!!」
「ちょっと待て! ロリコンは関係ないだろ!?」
「だって15歳はまだロリじゃない!!」
「っほほう、良く分かってるじゃないか、どうやら女になっても俺は俺らしい
 ところでこんなことで言い争ってる場合じゃないだろ」
「“こんなこと”!? あんたの中で痴漢とかレイプって“こんなこと”で済まされるの!?」
「あー、いやあの、確かに『そっち系』の同人誌は好みだけど」
「呆れた! 何なのよこの性犯罪者!」
「その呼び方やめろ!? 俺には黄昏 裂邪って名があるんだよ!」
「私だって黄昏 裂邪だもん!」
528 :夢幻泡影 † 三人の裂邪  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:31:34.05 ID:hhkm9yLY0
「何で女なのに『レツヤ』なんだよ、お前の親はどうなってんだ!?」
「生まれた時はちゃんとツいてたのよ! 「マッドガッサー」って都市伝説にガス吹きかけられてこうなったの!」
「……そう、そういう話をしたかったんだよ
 ってことはお前、やっぱり異世界から来たのか?」
「異世界………っそ、そうよ! ねぇ、さっきのことはもう良いから! 私の事、匿って!」
「はぁ? 急に何を―――――」
「早くして! でないと私、“あいつ”に殺されちゃう!!」
「“あいつ”ぅ? 誰だよあいつって」
「後で全部話すから、今は―――――――――――」
《ビィ〜〜〜〜〜〜〜ンゴォ!! 見つけたぜぇ黄昏 裂邪ぁ!!》

女裂邪の言葉を遮るように、機械音声が響いた
その声を聞いた瞬間、彼女の表情は青ざめ、身体が小さく震え始めた

「…な、何だ、あれ!?」

裂邪は驚愕の色を隠せなかった
見ていたのは、空に浮かぶ“何か”
赤、緑、青のライトがチカチカと点滅する、楕円形の滑らかな飛行物体―――「UFO」
それは1機のみならず、2、3、4――――何機かの編隊を組んでふわふわと浮いていた
スピーカー音声は尚も続ける

《んん? よぉーく見りゃ“この世界の俺”もいるじゃねぇか……
 ヒハハハハハハハ! こりゃ好都合だ! 探す手間が省けたってもんだ!!》

裂邪はハッとした
この声に、聞き覚えがある
だがその答えは、「UFO」の中でも一際大きな機体の下方にあるハッチが開いた瞬間に判明した
そこに現れたのは、黒い軍服のようなものを着た、中学生くらいの少年
驚く事に、その少年は

「……また……俺………?」


   ...To be Continued
529 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:34:53.84 ID:hhkm9yLY0
誰もいない、投下するなら今の内

という事で最終章第1部「裂邪三つ巴」編です
一応、ボスは「UFO」に乗ってきた裂邪です
彼の狙いは・・・明日書くよ!(早ッ

そして笛の人に焼き土下座orz
キャラ違ったらごめんなさい、というか簡素過ぎてごめんなさいorz
530 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:36:08.84 ID:kXN1mi4F0
シャドーマンの契約者さん乙!!

UFO裂邪……成程、こいつは悪一色で大変そうだ。
531 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 00:42:04.39 ID:hhkm9yLY0
あ、念の為
このUFO裂邪は、笛の人の書いた『新島愛美の世界』に出てたUFO裂邪とは別人です、悪しからず
そして今更ながら、微エロ注意(遅ェ

>>530
>UFO裂邪……成程、こいつは悪一色で大変そうだ。
『弟に却下されなかったら裂邪はこうなってたんだ!Part1』がコンセプトですの♪
俺が書ける限りの悪を書くつもりです・・・所詮書き手は俺なので期待しないでね!
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 13:22:08.74 ID:M2apujQDO
そろそろほんわかを書くべきか…
533 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 13:27:58.08 ID:hhkm9yLY0
>>532
お願いします師匠orz
俺は暫くシリアスムードだ・・・
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 13:40:13.70 ID:M2apujQDO
>>533
でも私も血まみれバトル書きたいのよ…
そういうの書くと反応してもらいづらいけど
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 13:40:53.52 ID:M2apujQDO
>>533
でも私も血まみれバトル書きたいのよ…
そういうの書くと反応してもらいづらいけど
536 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 13:45:27.98 ID:hhkm9yLY0
>>534
血塗れバトルも良いじゃない、俺は好きよ
というか今はバトルにも飢えている俺
だって『夢幻泡影』、暫く戦闘シーン無いんだものorz
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 14:08:19.99 ID:M2apujQDO
>>536
そうは言ってもやっぱバトルの受けは悪いわ
どうせ皆もえもえきゅんがすきなのね
538 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 14:31:30.79 ID:hhkm9yLY0
>>537
そういや、ここ暫くバトル続きな気がしないでもないけど
萌えに飢えてるってのはあるかも知れないなぁ


という訳で1本投下しますね
539 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 14:33:00.90 ID:hhkm9yLY0
【前回:>>526-528


裂邪は混乱していた
突然空から性転換した自分が振ってきたと思えば、
今度は超巨大なUFOから、軍服姿の自分(今度は男だが)が降りてきたのだ

「…き、今日は一体何の日だ?」

訳が分からなくなり、とうとう訳の分からない事を呟く裂邪
軍服姿の裂邪は「UFO」から奇妙な光に包まれながら、
重力を無視してゆっくりと地上に降り立った
彼が浮かべる他人を見下すような笑みは、万人が“邪悪な笑み”と評価するだろう

「今日は本当に良い日だなぁ…これで6人目だ」
「まずいっ……は、早く逃げて!」
「いや逃げるったって――――」
「まぁそう焦んなよ、どうせお前らは俺に殺されんだ…ウヒヒヒヒヒヒ」

不気味に笑う軍服裂邪
状況を飲み込めていないが、敵意を感じた裂邪は、大儀そうに立ち上がると少女裂邪の前に出た

「えっ、ちょっとあんた…」
「なぁ、そこの偉そうな俺
 さっきもこいつから聞いたんだが、どうやら俺達を殺そうとしてるらしいな
 俺は自分の事を馬鹿だって知ってる
 けど幾ら馬鹿でも異世界の自分を殺してまわろうなんて狂った発想はできない
 どういう思惑か是非聞いてみたいんだが」
「今から殺されるってぇのにヤケに冷静だな?」
「だったら冥土の土産にくれてもいいんじゃないか?」

裂邪の提案に、わざとらしく驚いてみせる軍服裂邪
傍から見れば、その光景はまるで鏡の世界に迷い込んだかのようだった

「…違いねぇ、なら教えてやるよ
 見て分かる通り、俺はあの「UFO」と契約した契約者だ
 しかしこの能力はただ『UFOを操る』だけじゃない」

彼は真っ直ぐに、先程まで自分が乗っていた巨大UFOを指し示した

「あの母艦には、俺以外に何万人もの「エイリアン」、何百匹もの「ミュータント」が搭乗している!
 小型船舶にも当然数十人ずつ……分かるか?
 軍隊! 移動要塞! そして光学、火薬、生物問わず兵器の数々!
 「UFO」と契約する事で、俺は一瞬にして軍事的勢力を手に入れた!
 そして……俺は小学生の時から見た夢をこの手で叶えた」

くっ、と口角を上げ、軍服裂邪はまたも笑う
少女裂邪は何の事か分からなかったようだが、裂邪は背筋が凍る思いがした

「………まさか……世界征服か!?」
「ビィ〜〜ンゴォ!! 流石は俺だ、よく分かっている!
 「組織」、「首塚」、「怪奇同盟」、「アメリカ政府の陰謀論」、「第三帝国」!!
 全ての邪魔な勢力を滅ぼし、俺は学校町や日本に留まらず、世界全てを手中に納め、
 『地球』という惑星自体を『惑星レツヤ』に改名させた!
 人間や都市伝説は全員俺の奴隷、逆らう奴は皆殺し! 何もかもが俺の思い通りになった!
 ――――――――だが、」

ふっ、と軍服裂邪の表情が変わり、笑顔が消える
心が感じられない、冷たい無の表情

「15時間前、母艦のマザーコンピュータが空間の歪みを感知した
 試しに小型船舶で、歪曲した空間に向けてハイパースペース航行をさせたら………ビンゴだ
 俺の住む世界とは全く違う世界―――「並行世界」、「パラレルワールド」、『異世界』が存在した」
540 :夢幻泡影 † 奪われた力  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 14:34:03.30 ID:hhkm9yLY0
突然、彼は怒気を帯びた表情を作り出す

「その瞬間、俺は初めて恐怖を覚えた……もし、異世界というものが、この宇宙に散らばる星々と等しく無数に存在したら、
 そして、もし俺と同じく世界征服に成功し、異世界間を移動する手段を持っていたら……
 ならばやるべき事は1つだ
 “俺の世界”は征服した…次は“違う俺の世界”を征服する!
 だがまずは危険因子である“俺自身”を皆殺しにする!
 流石に手強かったぞ……ある世界では「異常者(アブノーマル)」だのという妙な力の持ち主が跋扈していてなぁ
 “その世界の俺”は都市伝説と契約していないにも関わらず非科学的な能力を使ってきたが、我が母艦の光学兵器で焼き尽くしてくれたわ
 愉しかったぞ? あの世界の俺は醜い奴だった、敵である俺に命乞いをしてきた時は……ウヒヒヒヒヒヒ」
「…酷い……そんなの、人間のやる事じゃない!」
「ヒハハハハハハハハ!! 契約者ってのはなぁ、契約したその日から人間を捨ててるようなもんなんだよぉ!!
 力に溺れて簡単に化け物になっちまう!
 人間や都市伝説を殺す事に快感を覚え、自分をコントロールできなくなる! お前らもそうだろ!?」
「違う! そんなこと――――」
「いや、案外当たってるかも知れない」

裂邪が口を開いた
放たれた言葉が意外だったのか、少女裂邪が驚くと同時に怒鳴った

「あ、あんた何言ってんのよ!? あんな奴の味方するの!?」
「俺も昔はそうだったよ、都市伝説と契約して、その力に酔いしれて
 襲ってきた都市伝説もそうでない都市伝説も皆葬ってきた
 正直それが生甲斐だとさえ感じたよ、あの頃は」

また何か言おうとした少女裂邪を、彼は「だけど、」と言いかけて静止した

「俺はこの町に来て色んな人に出会ったんだ
 お前が潰したって言う「組織」や「首塚」の人も、俺の友達だ」
「……友達、だと?」
「あぁ、一緒に戦ったり笑い合ったり、色んな時間を過ごしてきた人達だ
 そんな人達と出会って思った――――『俺は間違ってるんじゃないか』、ってね」

一歩、また一歩と、裂邪は軍服裂邪に向かって歩を進めた

「今じゃもう都市伝説にさえ友達がいるよ
 世界征服なんてしなくたって、奴隷なんかにしなくたって、困った時が助けてくれる優しい奴等が沢山
 俺は誰かに頼ってしか戦えないし、生きていけない自信がある
 でも、それでも誰かに頼られるような人間になりたいと思った
 誰かを助けられるような――――――“あの馬鹿”みたいな英雄になりたかった」
「話が見えてこねぇな……何が言いたい?」
「はっきり言ってやろう。今がその時だろぉ!!」

バックルのボタンを押してゆく
《ドリーム》《ファントム》《バブル》《シャドー》の音声が響き、裂邪は右手を構えた

「全員集合ォ!!」

勢い良く、バックルに右手を翳した―――――“右手だけ”

「……………あれ?」

右手を動かしてみる
その後、ベルトのホルダー、ズボンのポケット、あらゆる場所をぱたぱたと叩いてみる
無い
何処にも無い
541 :夢幻泡影 † 奪われた力  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 14:34:37.30 ID:hhkm9yLY0
「ど、どうしたの?」
「……やばい、さっきまで持ってたのに!?」
「探し物はこれか?」

軍服裂邪が汚いものを摘むようにして手にしたものを見せつけた
金色の、薄い直方体の物体

「ッ! 俺のパス! いつの間に!?」
「ここに落ちていたのを拾っただけだが?」
「しまった、あの時にうっかり手を離しちまったか!?」
「ね、ねぇ、もしかしてあれ大事なものだったの?」
「あれが無いと戦えねぇんだよ俺ァ!!」
「それは良い事を聞いた……なら早めに仕留めさせて貰うぞ!!」

再び怪しげな光に包まれ、軍服裂邪は金のパスを持ったまま母艦の中に入っていった
その直後、編隊の内2、3機が裂邪達の前に飛来した

《目標補足シマシタ》
《エネルギー充填開始シマス》
《ヒハハハハハハ! 短い間だったが、お別れだ!》
「ちっくしょう、万事休すか!?」

小型のUFOの砲口から雷光が発生する
逃げようと思い立った裂邪だったが、すぐに何かを思い出した
腰のホルダーに入っていた、紫のパスに手を触れる

「…ちっ、これだけは使いたくなかったんだけどな……!」

暫く躊躇していたが、止むを得ずそれを手に取り、
バックルの水晶体にそれを翳そうとしたのだが、腕を引かれて妨げられる

「っな、おい何するんだ!?」
「ごめん、もうこれしか方法がないの」
「方法って…お前、俺に助けを求めてたんじゃ―――――」
《エネルギーMAX》
《レーザー発射》

砲口から一直線に伸びる光条
だがその光は、真っ黒な闇の塊の中に消えていった

《なっ……!? 何だあれは――――っがぁ!?》

UFOの艦隊が、闇の塊に吸い寄せられていく
機体が傾き、艦内はパニック状態に陥っていた

《おい! 何があった!?》
《黒イ物体カラ強力ナ重力場ヲ感知シマシタ。ソノ引力ノ影響デス》
《重力だと……まさかっ!? あの女ァァァァァァァ!!》

軍服裂邪の声が響く
その当の本人達の姿は、もうそこにはなかった


   ...To be Continued
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 15:28:12.79 ID:M2apujQDO
景雄の人乙でした
うほっ、これは絶望的な展開
ダークネスれっきゅんに抵抗する手はあるのか!?
543 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 15:35:03.78 ID:hhkm9yLY0
用事から帰還
ところで、UFO裂邪書いてる時メチャクチャ楽しかったんだけど
言い忘れてたが花子さんとかの人を始めとした多くの方々に土下座orz
黒服や将門様が弱かったんじゃないんです、ただ裂邪が狡猾過ぎたんです

>>542
>ダークネスれっきゅんに抵抗する手はあるのか!?
切り札は紫のパスなの♪
久々に“あいつ”の出番なのよウヒヒヒヒ
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 15:54:53.20 ID:M2apujQDO
やはりあの兄妹が世界を渡り歩いたのが原因…
おのれディケイド!!
貴様のせいでまた世界が破壊されてしまった!!
545 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 15:59:09.20 ID:hhkm9yLY0
>>544
>やはりあの兄妹が世界を渡り歩いたのが原因…
(裂邪>まぁ、破壊されそうになったら俺達で守るだけなんだけどね




実は
『極光の紗綾』の連載が無ければ、全く別の敵キャラ出して全く違う展開を考えていたという
そう考えるとあの兄妹は良い意味で破壊者なのかもしれないw
546 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/02(日) 17:49:10.30 ID:xw+CnZbP0
「死亡フラグのさしすせそ『す』」
世の中には、様々なフラグというものが存在する。例えば恋愛フラグ、生存フラグ、脂肪フラグ、クリアフラグ、勝利フラグ、失敗フラグ、敗北フラグ―――
―――――死亡フラグ。
不幸「お金溝に落とした…。ツいてない…」
「にゃ、にゃー(き、気にしにゃいでご主人様! そんにゃに大金じゃにゃかったんだし、寧ろラッキーな方だにゃん!)」
「カァー(そうだぜ、ご主人。それに金ならまた稼げば良い! 死ななかっただけまだマシだぜ!)」
不幸「フフフフフフ…ありがとう、クロ、クロウ。慰めてくれるんだね…」
不幸なオーラを出しながら歩く不幸を、慰めるクロとクロウ。なんだかんだで不幸を慕っているのだ
『ケケケ! 残念だったなァ契約者サン! 流石に死亡フラグの俺じゃあ防げねェからなァ』
死神のような風貌の男が言う。『一級フラグ建築士』の、『死亡フラグ』『敗北フラグ』を司っている…スタンド的なものだ
『うふふふ、ですがいつか救われる日もくるでしょう…。『生存フラグ』である私にはどうしようもありませんが…』
『ZZZZZZ』
『そうなんだな。気にすることはないんだな』
『で、ですから元気を出してくだ…キャッ』
『ほっほっほ…あまり言い過ぎると逆に不幸様を傷つけることになりますよ?』
上から『生存フラグ』と『勝利フラグ』を司る女神、『恋愛フラグ』を司る天使(キューピッド)、『脂肪フラグ』を司るポッチャリ系、『失敗フラグ』を司るドジっ子メイド、成功フラグを司る執事である
不幸「ありがとう…皆…。少し元気が出てきた気がするよ。体が軽い、もう何も怖くない…とまでは言わないけど」
頼まれても居ないのにフラグを立てる不幸 死亡フラグ<1>
『なぜフラグを立てたんだァ…?』
流石の『死亡フラグ』担当も呆れている
不幸「まぁ、切り替えていこ…ん?」
遠くに何かをみつけた様子の不幸


『私の顔は醜いか…?』
「い…や…こないで…」
幼女が女に襲われている。大事件である。おまわりさんこっちです

不幸「…ッ まりちゃん…!」
その事件現場に駆け出す不幸
「にゃっ!?(ご、ご主人様!?)」
『私の、顔が、醜 い か ?』
「だれかたすけて…!」
不幸「まりちゃん!」
女性に詰め寄られる幼女を担ぎ上げ、女性から逃走する不幸
不幸「はぁっ、はぁ、はぁっ…ここまで来れば大丈夫でしょ。…怪我はない? まりちゃん」
「ふゆにぃ? ふゆにぃいい! 怖かった、怖かったよぅ」
彼女は熱海真鈴(あたみまりん)。不幸の近所に住んでいる小学生で、不幸に懐いている女の子である…僕も懐かれたいです
真鈴「変な女の人が…女の子を引きずってて…たぶん『としでんせつ』だと思うんだけど…」
不幸「!? 都市伝説を知ってるの!? いや知ってはいると思うけど、でも都市伝説が実在するってことを知ってたって意味の知ってたの? なわけだけど」
真鈴「うん。わたしも『けーやくしゃ』だから。だから頑張ったんだけど…何もできなかたよ…」
不幸「良いんだよ。もとより都市伝説は怖い物だ。それに君はまだ子供なんだし、ちょっとずつ慣れていけば良いと思うよ。それじゃあ…行って来るね」
一言と挨拶し、歩き出す不幸
真鈴「!? どこ行くの、ふゆにぃ!」
引き止める真鈴
不幸「どこって決まってるでしょ? その都市伝説…恐らく『ひきこさん』を倒しに行くのさ。…堂寺君じゃないけど、大事なまりちゃんを怖がらせた罪は重いよ」
真鈴「で、でも危ないよ! どうしても行くならわたしも行く! さっきは一人だったから怖かったけど、ふゆにぃと一緒なら頑張れると思うの!」
不幸「…それは駄目だよ。君の言うとおり危険すぎるし、何より僕は巻き込み体質のトラブルメーカーなんだ。君を連れて行ったら君を巻き込みかねない。何、大丈夫だよ。ちゃんと戻ってくるさ。
そうだ、じゃあ僕が無事に帰ってきたら、何かおやつを食べに行こうか。お金は落としちゃったからあんまり高い物は買えないけど、でもできる限り頑張るよ」
(何故また死亡フラグを立てたんだァ?)
なぜか態々死亡フラグを立てる不幸。死亡フラグ担当も驚いている。死亡フラグ<2>
真鈴「うぅ…分かったよ、ふゆにぃ。…絶対無事で帰ってきてね」
不幸「うん。大丈夫だよ。あ、そうそう…クロ! 変身!」
『にゃー(了解だにゃ、ご主人様!)』
クロの体が光り、黒猫から猫耳の少女に変わる
「お待たせしましたにゃー」
不幸「おっけー。じゃあクロ、僕が帰ってくるまでまりちゃんのことをお願いね。まりちゃん、クロの言うことをしっかり聞くんだよ。
…それと、もし僕が戻ってこないようなことがあれば、その時はクロとクロウ…そこのカラスの世話をお願いね」
またしても、死亡フラグである。いい加減にしろ、といいたい。いや、言わせているのは僕なわけだが、しかしそう考えるとこの文章は自分でボケて自分でツッコんでることになるわけで、だとするとすごく虚しい気分になる。死亡フラグ<3>
真鈴「うん。約束だよ。…でも少し不安になってきたよぅ。やっぱりわたしも…」
不幸「いや、その必要はないよ。なーに、大丈夫さ――――」
547 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/02(日) 17:49:55.75 ID:xw+CnZbP0




不幸「――――すぐに戻る。そこで待ってて」



548 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/02(日) 17:50:33.46 ID:xw+CnZbP0
極めつけの死亡フラグ…さしすせその『す』を立て、『ひきこさん』の元に向かう不幸であった 死亡フラグ<4>
不幸「やぁ『ひきこさん』。僕のまりちゃんを怖がらせてくれたらしいね。かと言ってお礼をしたいわけじゃないんだけど、でも自分の妹分を傷つけた奴の不幸を願いたくなるような陰湿な性質なもんでね…」
『ん? 誰だい? 私は小学生以外に興味は…まぁいい。私の顔は醜いかぁ?』
不幸「私の顔は醜いか、ねぇ。僕としては、見境なく幼女を襲うその精神の方が醜いと思うかなー!」
不幸が『ひきこさん』に近づくと、それだけで周囲の植木鉢が崩れ、落ちてくる。不幸はその植木鉢を持ち前の回避力でかわす。不幸がかわしたそれは、勢い余って『ひきこさん』を狙う
『なっ!? なんだこの攻撃は…!? テレキネシスか? サイコキネシスか!?』
紙一重で避ける『ひきこさん』
不幸「いや? ただ、僕は何もしてないよ。ツイてないだけなんじゃない? 世の中ってのは基本的に運で回ってるのよ。そう思わない? クロウ!」
「カァー(あいよっ) グァー ア゛ー イァー…」
烏のクロウが不気味でおかしな声で鳴く。『カラスが変な声で鳴くと不幸になる』。このカラスの声を聞いた者は皆、不幸になる。だから、どこからともなく飛んできた野球ボールは、不幸と『ひきこさん』の頭部を狙った
『がはっ!?』
不幸「おっと…」
突然飛んできたボールに『ひきこさん』は対応できず直撃するが、不幸はそれを余裕でかわす
『ぐ…貴様! よくもやってくれたな!』
不幸「だから僕は何もしてないって…」
『うるさい! 食らえ! 貴様を皮どころか肉…更には骨も残らぬほど引きずってやる!』
独特の走り方で、『ひきこさん』は高速で不幸に近づいてくる
不幸「ところで『ひきこさん』。過負荷(マイナス)って知ってるかい?」
走る『ひきこさん』の足元の地面が割れ、尖った石が飛び出し、それに躓いて転んだ『ひきこさん』。地面に吸い込まれる『ひきこさん』の顔面の先には、狙ったかのように通りかかった毛虫、ムカデ…
『う…うぎゃあああああああああああ!? 痛い、痒い、気持ち悪い! 体中に悪寒が…うわあああああああ!!』
顔に付く虫を落としなながら取り乱す『ひきこさん』。無理もない。こんな状況で冷静で居られる人間が居たら僕はその人を尊敬する
更に暴れまわるひきこさんは塀に頭をぶつけ、その衝撃で塀の上の植木鉢が落ち、その中身がぶちまけられる…作物にたかっていた蛞蝓をはじめとするあらゆる害虫が。頭を打って身動きできない『ひきこさん』。その顔面に、ぶちまけられた害虫が落ち、更に服の中にも入っていった
『うわああああああああああああ! やめろ!離れろ! 出ていkくぁwせdrftgyふじこlp』
騒ぐ『ひきこさん』の口内にも侵入する害虫たち
不幸「自分を含め、周囲のあらゆるものの運気を低下させる。それが僕の過負荷(マイナス)、最悪な災厄(ミスフォーチュン)だ。
手に入れたばかりの頃は些細な不幸にか呼べなかったんだけどね…。クロと契約してから強化されたよ。いや、悪化したというべきかな?」
最悪な災厄。周囲を不幸にする、文字通り最悪な過負荷。そんなおぞましい過負荷(もの)を、不幸は何年も抱えて生きてきたのだ
『ぐ…ぐぇ…もう許さんぞ…』
口の中の虫を吐き出し、服の中の虫も追い出し、顔を這う虫も払った『ひきこさん』は、怒りに満ちた表情で走ってくる
不幸「やれやれ、じゃあそろそろ止めと行きますかね…。『一級フラグ建築士』…伏線贈与(フラグギフト)!」
伏線贈与。不幸が訓練によって編み出した新技。ちなみに修行シーンは割愛する。伏線贈与は、自分に溜まったフラグを、他人に押し付ける技だ。不幸には今死亡フラグが4溜まっている。よって…
不幸:死亡フラグ<4>→<0> ひきこさん:死亡フラグ<0>→<4>
不幸「フフ…死亡フラグが4(死)も溜まるなんて…不吉だねぇ。じゃ、やっちゃって! 伏線回収!」
死亡フラグ担当の死神男が『ひきこさん』の背後に現れ、旗(フラグ)を回収する。
先ず一つ目、『もう何も怖くない』が回収され、どこからともなく現れたサンリオキャラっぽい生物の口から飛び出した恵方巻きっぽい怪物に食いちぎられる『ひきこさん』。
二つ目、『この戦いが終わったら…』によって、どこからともなく飛んできた銃撃、砲撃を『ひきこさん』が受ける。
更に三つ目、『もし自分が帰ってこなかった場合、生き物の世話をお願いする』で、爆撃を受け、
最後に四つ目、『すぐに戻る。ここで待ってろ』で、どこからともなく飛んできたエネルギー弾が直撃し、『ひきこさん』は息絶えた
不幸「よし、殲滅完了。んじゃ、まりちゃんの所に戻りますか…」
『ひきこさん』を倒し、熱海真鈴の許に戻る不幸
不幸「まりちゃんただいm…」
真鈴「ふゆにぃー!」
不幸が戻ると同時に、真鈴が抱きついてきた。くたばれ不幸
不幸「え…? 痛たたたた…」
作者の願いが届いたのか、抱きつかれた勢いで尻餅をついた不幸に尖った岩や金属片が食い込んだ…
不幸「うぅ…最後の最後でツイてない…」
真鈴「ん? ふゆにぃどうしたの?」
不幸「あー…いや、大丈夫。いつものことだから…。じゃ、お菓子食べにいこっか!」
真鈴「うん! 私、いちごサンデーが食べたいな!」
「私も小魚のお菓子が食べたいにゃん♪」
「俺は胡桃でも貰おうか」
いつの間にか人型に変身していたクロウ。コイツも鍵人の『萌え擬人化』の影響で人型になれるのだ
不幸「フフ…そうだね! じゃあ、行こっか!」
こうして不幸たちは、お菓子を食べに歩いていった。余談だが、不幸の過負荷最悪な災厄は、クロとクロウのお陰で微調整ができている。なので、『あれ? 最悪な災厄があればクロもクロウもいらないんじゃね?』なんていうことはないのだ。え? 後付け? なんとでもいうがいい。
まぁ、そんなこんなで死亡フラグのさしすせそ、『す』の話はこれでお終い。さーてお次はさしすせその『せ』! よろしくお願いしまーす!






                           続く…
549 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/02(日) 17:52:24.48 ID:xw+CnZbP0
投下完了。今更ですが虫注意。

さて、死亡フラグのさしすせそ、『す』のお話でしたが、大幅に遅れてしまいました。申し訳ございません…orz
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 18:06:35.33 ID:M2apujQDO
ソニータイマーの人乙でした
自分のフラグを押し付けるとか強力だな
見方次第ではまさしく最悪の能力だわ
551 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 18:13:24.61 ID:hhkm9yLY0
ソニータイマーの人不幸もげろ乙です〜
久々の不幸くんの戦闘か、相変わらず不幸もげろ厄介な能力だwwww
そして死亡フラグのさしすせ不幸もげろその『す』も回収か! 花子さんとかの人、『せ』は任せたぜ不幸もげろ!
ところで
>彼女は熱海真鈴(あたみまりん)。不幸の近所に住んでいる小学生で、不幸に懐いている女の子である…僕も懐かれたいです
>不幸が戻ると同時に、真鈴が抱きついてきた。くたばれ不幸
作者の本音wwwwwwwwwww不幸もげろ
552 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/02(日) 19:01:42.46 ID:xw+CnZbP0
>>551
>不幸もげろ
不幸「ちょっと、不幸もげろ言い過ぎ! 僕が何したって言うんだよ!?」
疾風「不ゥゥゥ幸くゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
おっかしいなー…不幸君だけは友達だと思ってたのに! あはははははは!リア充になっちゃうなんて…!
あっははははははは! 僕達の約束は嘘だったの? 一緒に不幸になるって言ったじゃないか!」
不幸「ちょ、わけがわからないよ疾風くん! 僕は今でも其処らの奴より不幸なつもりだよ? 僕はどこぞの自称不幸なフラグメーカーとは違うんだよ!?」
疾風「うるさい!ああ妬ましい妬ましい妬ましい妬ましいっ! 」
真鈴「ふゆにぃー!」
不幸「まりちゃん?」
真鈴「ねぇふゆにぃ。その男は誰なのかな? ふゆにぃの恋人? まぁどっちにしても、騙されてるふゆにぃを元に戻してあげるから安心してね♪」
不幸「え、ちょ、何言って…。まさか疾風君、悋気王辺(グリーンアイドクイーン)使ったの!?」
疾風「あはははははは! このままくたばっちゃえ!」
不幸「わ、ちょ、落ち着…と、とにかく逃げるが勝ちだ!」
不幸はこの後追いつかれ、粛清されました。いい気味だ
…まぁ、恋愛フラグ担当がサボり魔なせいでフラグは立ってないんだけどね

553 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 20:33:49.76 ID:hhkm9yLY0
Oops、一瞬繋がらなくてビックリしたの

>>552
>疾風「あはははははは! このままくたばっちゃえ!」
(裂邪>待ちたまえ嫉妬の兄ちゃん、大きな誤解してるぜ
    あの兄ちゃん見てみ? ロリっ子に追いかけられてるだろ?
    女の子に追いかけられるなんてこぉんな羨ましい事ないと思うんだが
(シェイド>オ前ダケダロ
554 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/02(日) 21:28:58.79 ID:xw+CnZbP0
>>553
>女の子に追いかけられるなんてこぉんな羨ましいことはないと思うんだが
疾風「いや、大丈夫。僕も不幸君もロリ趣味は無いから…でもちょっと爆破してくる」
堂寺「同感だよ裂邪君。まったく君とはつくづく気が合うね!」
不幸「うう…ひどい目にあった…。僕が何をしたっていうんだ…」
クロ(人型)「大丈夫ですかにゃー、ご主人様ー」
真鈴「ごめんねふゆにぃ…。私、ちょっとおかしくなってて…」
不幸「…大丈夫。この程度の不幸は慣れっこさ…」
疾風「爆発しろ!」
不幸「うわぁあああああああああ!?」
555 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 21:55:23.67 ID:Z9NqhfS10
【鬼ごっこ 第四話「かぞくごっこ その3」】

「まずは都市伝説っていうのはね。」
「はぁ……。」
「人々の噂が恐怖などの感情エネルギーを利用して姿を持ったもの。
 もしくは人々の噂で生まれた感情エネルギーが噂の対象に定着することによって力を得たものです。」

 目の前でホワイトボードを使い一生懸命私に授業をする子供。
 名前は斎藤始くん、まるでどこぞの新選組のような名前だ。
 もしかして新選組ブームのころに生まれたのだろうか。

「都市伝説は自らを維持するために人の感情エネルギーを奪い取ります。
 その手段として人を殺したりするわけです。」
「感情エネルギーを奪うのに殺すの?」
「殺すというよりは死の恐怖を抱かせてその恐怖によって力を増すというべきですね。」
「なるほど……。」
「ただし普通に人の血肉を食っても栄養にはなるらしいです。」
「へぇ……。」
「なにか質問とかありますか?」
「そうだなあ、私を襲ったあの蜘蛛はなんだったの?」
「師匠の話によれば土蜘蛛だかみたいです。しかも原典の。」
「ゲンテン?」
「最初の一匹ですよ。」
「そのゲンテンってのはすごいの?」
「はい、原典と呼ばれる都市伝説は特別です。
 基本的に同種の中では最強の一体と考えても良いでしょう。
 “種”としての都市伝説のエネルギーが原典には集まりますから別の個体が手に入れたエネルギーでも一定の割合がそちらへ流れ込みます。」
「へぇ……。」
「ちなみに日本で原典が確認されたのは“鵺”、それに“ハーメルンの笛吹き”ですね。
 他の物は基本的に大人しく過ごしているか既に退治されたかみたいです。」
「ナルホドねえ。」

 ホワイトボードには中心に大きく“原典”と書かれ、そこに向けて個体A、個体Bと書かれた丸から矢印が伸びている。 
 あれが恐らくエネルギーの流れなのだろう。

「そういうのを退治するのが陰陽師の人達って訳?」
「はい。でも陰陽師だけがそれを退治するとは限りません。」
「え?」
「都市伝説の要素を自ら身体に埋め込んで都市伝説と共に生きている人達も居ます。
 というか今ではそっちのほうが主流ですし。」
「そんなことできるの?」
「ええ、そういう人達のことを契約者と言います。」
「えー、じゃあ契約して都市伝説と戦った方が良いんじゃないの?」
「そうでもないんです。」
「どうして?」

 始くんは小さくため息を吐いてこういった。

「都市伝説と契約するということは都市伝説になるということ。
 自らも自我を失って人を襲うようになるリスクがあります。」
556 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 21:56:14.80 ID:Z9NqhfS10




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 薄暗い部屋をチープな光が疾駆して、やたらと薄っぺらい音楽がゆさゆさと太ったメロディーラインで汚い汗を飛ばしている。
 ああ、汚い。
 薄汚い。
 皆、うつろな顔でヘラヘラと笑って、本当に腹のたつ奴らばかりだ。
 髪を汚らしく染めた男と肩がぶつかる。

「何処見て歩いてんだよ!」
「…………。」
「おいなんか言えよ!」
「…………。」

 まっすぐに男の目の中に指を差し込む。
 
「ぎゃあああああああああああああ!」
「ゲーム、スタート。」

 背中を割って蝙蝠の翼が生える。
 顔面の皮膚を割って醜い顔が汚れた光にさらされる。
 歯が抜け落ちて牙が伸びる。
 俺は手元のiPodのスイッチを押してショスタコーヴィチの交響曲第5番4楽章をかける。
 逃げ惑う人の群れ。
 一人だって逃がしやしない。
 目の中に突っ込んだままだった指に力を込めると手の中の光はあっさりと消えていった。
 ああ、五月蝿いよ。この美しい音楽を邪魔しないでくれ。
 光の奥にある脳髄をかき回すとすぐにうるさい声はやんだ。

557 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 21:56:49.80 ID:Z9NqhfS10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「契約したら皆そうなっちゃうの?」
「人によりけりです。
 まあ何と相性が良いなんて分からないのであんまりやらないほうが得策です。
 ただ生まれつき都市伝説と契約するための心の器、あるいは容量が大きい人っていうのは居ます。
 ただしそういう人であればあるほど人間性は薄くなっていくそうです。」
「ナルホドねえ。契約にも相性が有るんだ。」
「都市伝説だって契約者が使えないと見たら平気で裏切りますから。
 契約の相性については後でお話しますね。」
「怖い怖い、安易に契約しちゃ駄目だね。」
「そういうことです。」
「じゃあ陰陽師の人達ってそういう暴走した契約者とか人を襲う都市伝説と戦うの?」
「まあ大体そんな感じです。」
「ふーん……。」
「でも契約者に限って言えば本当に怖いのは暴走した人々ではありません。
 そういう人間を抑えつける方法は陰陽道にはいくらでもあります。
 わざと人間と契約させて暴走させてから封印する術も有るくらいです。」
「へえ、じゃあ怖いのってやっぱり都市伝説単体?」
「いいえ。」

 少し溜めてから始くんはハッキリと言った。

「都市伝説の欲望と自らの“無意識の欲望”が完全に合致している人間です。
 そういう人間は飲まれない、盃は酒を湛えますがその逆は無いでしょう?
 そういう人間にとって契約とは人間の身に過ぎた欲望を完遂させるための手段でしか無い。」
「へえ……」
「完全な理知を保ったまま人外の力を発揮する。
 これが一番怖いと言われています。」

 始くんは少しだけ震えていた。
 私は彼の手をとってどうしたの?と尋ねた。
 彼はなんでもありません、と首を振った。
558 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 21:57:20.89 ID:Z9NqhfS10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「或る日寂しい少女が蝶々を採りに行った」

 苦しそうに部屋中の人々が喉を押さえる。
 祈るかのように、静寂が広がっていく。
 病をふりまくだけ。
 それだけの能力だ。
 僕のジーナ・フォイロの力は。

「誰にも愛されないから一人ぼっちでいった」

 砕けていく砕けていく砕けていく砕けていく
 泣いている泣いている泣いている泣いている
 ああ神様見てください
 この世はかくも無情です
 この世に救いなど無いのです
 見ているのですね神様
 見ていて無視していらっしゃるのですね
 解りました神様
 あなたが見てみぬふりするならば無視できぬほどに私が彩りましょう
 この世界を美しく彩りましょう
 曲は既にサビに入っていた

「ほら彼女の屍が朗々と唄い出した」

 おかしい
 非常におかしい
 でも素晴らしい
 死は等価値だ
 誰もがこの“死に至る病”の前では無力なんだ
559 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 21:57:48.29 ID:Z9NqhfS10
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「契約して都市伝説の力を得るとしても人によってどんな力が手に入れられるかは違います。
 おおざっぱに分けて6つ。」
「どんなの?」
「強化系、変化系、放出系、操作系、創造系、特質系、この6つです。
 強化系は肉体や物体を丈夫にしたり性能をあげたりします。
 “ロールスロイスは壊れない”とかですね。
 変化形は物体を別の物体に変えることができるもの。
 “鵺”はこれです。
 放出系は何かを撃ち出したりするものです。
 “花子さん”の中でも水鉄砲とかは正にこれでしょう。
 操作系は操る系統の能力です。
 “はないちもんめ”とかそうですね。
 創造系は何かを作り出すことができます。
 “河童の薬”とかみたいなのですかね。
 特質系はよく分からないものの総称です。
 今あげた例は本当に一部で、同じ都市伝説と契約しても全然別の能力が発現する場合もあります。」
「なるほど……勉強しててえらいね。」
「えへへ……。
 ちなみに先ほど話した心の器が大きい人は適正を無視した無茶が一定の割合で効くそうです。」

 照れてる。
 可愛い。
560 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 21:58:15.64 ID:Z9NqhfS10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「カハッ……ごホッ!ごホッ!」
「あんれぇ?まだ生きてる。」
「たす……け、て。誰か。」

 不思議だな、俺のジーナ・フォイロで死なない人が居るなんて。
 都市伝説の気配はしない。
 偶然か、能力を解くのも忘れて少女の側に近寄る。

「大丈夫かい?」
「あなた……誰?何処に居るの?暗くて何も見えない。」

 非常用の照明のせいで部屋はすっかり明るくなっている。
 毒で失明したのか。
 このままほうっておくのも哀れだな。

「死にたくない、死にたくない、私まだ死にたくない。」

 小さな命が震えている。
 生きていることの何が楽しいかは知らないが興味深い。

「誰?」
「死にたくないんだろ?」
「うん」
「助けてやる」

 おそらくしばらく空気の新鮮なところで寝かせておけば毒は抜けるだろう。
 俺の毒はそれほど万能という訳ではないのだ。
 継続して吸わせ続けないと死なない、少々不便なものなのだ。
561 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 21:59:32.39 ID:Z9NqhfS10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「次にこの国に存在する都市伝説集団についてです。」
「陰陽省以外の?」
「はい。」
「たとえばどんなのがあるの?」
「まず【組織】、これはわりかし最近出来たものですが勢力は大きいです。
 元々フリーでなおかつ強大な都市伝説達が集まってできた自警団みたいなものですから。
 ぶっちゃけ仕事奪われ気味です。
 次に【警視庁密葬課】。
 国の意向を受けて国にとって邪魔な都市伝説を秘密裏に始末する人達。
 陰陽省とは同じ国家機関の筈なんですが基本的に仲は悪いです。
 柄が悪い人達ばっかりで怖いです。
 あとは西洋の【教会】、息は長いのですが最近は日本に手はあまり伸ばしてきてませんね。
 韓国では何やら盛んみたいですが。
 その他にも【第三帝国】とか色々有るみたいです。
 また密葬課を除いた多くが日本における活動拠点を学校町に設定しています。」
「学校町?」
「はい、“特異点”と呼ばれる都市伝説の大量発生地です。
 心の力もたまりやすいので都市伝説は皆集まっているみたいですね。」
「へえー。」
「ここは混沌としているが故にある意味で治安は安定しています。
 どんなに悪いものが出ても自浄作用が働いて消し飛ばされるんですよ。
 私たち陰陽師は自浄作用のあまり働かない他の地方の人々を守るのが基本です。」
「なるほど、中々勉強になったなあ。」

 その時突然ドアがノックされる。
562 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 22:00:55.56 ID:Z9NqhfS10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





「やれやれ、一旦仕切りなおしといこうか。」
「そこまでだ!」

 俺が殺戮を中止して少女を外に運びだそうとしたまさにその時、
 部屋の中に黒服の男達が入り込んでくる。

「警視庁密葬課だ、ジーナ・フォイロの契約者、日本政府の命令でお前を殺しに来た!
 その少女を開放して楽に死ね。」

 男達の叫び声に怯えた少女は俺にしがみついてくる。
 見ればまだ子供だ。
 ちょっと背伸びしてこんなところに来てみたら巻き込まれたってところか。
 哀れだ。
 こんな哀れな少女は助けねばならない。

「断る。お前らのような奴らの手にこんな子供を渡すわけにはいかん!
 他ならぬこの俺が彼女を助けると決めたんだ!」

 黒服の男達が銃弾を俺に向けて放ってくる。
 驚いたな、サブマシンガンなんて持っているのか。
 俺はコウモリの翼を広げてそれを防ぐ。
 俺のジーナ・フォイロは殺しに殺したお陰で既に大量の力を溜め込んでいる。

「なっ!?」
「邪魔だよオジさん達、俺はね。この子を助けるんだ。
 毒の充満したこの部屋から…………ね。」

 自分が毒を放っていることなんて忘れたかのように俺は言い放つ。
 
「くそっ!戦闘に入る!」

 黒服の男達はそれぞれに異形へと変化して俺に向けて襲いかかってくる。

「危ない!」

 背中に抱えていた少女を前につきだしてみせる。
 男たちの動きが一瞬止まる。
 その隙にジーナ・フォイロの持つ魔眼の力で動きを止める。
 その間に全身に毒が回り、のた打ち回る男たち。

「After all, you are only human.」

 苦しみ悶える男たちを蹴り飛ばし俺は少女と共に外に出る。
 能力を解いて路地裏に少女を寝かせる。
 まだ苦しそうだ。
 だがしばらく観察させてもらおう。
 俺の毒で死なないなんて面白い。
563 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 22:01:30.44 ID:Z9NqhfS10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「どうしたんです?」

 ノックの主人はたちばなさんだった。
 彼は携帯電話を持って私に渡す。

「君のお兄さんからだってさ。」
「え、蓮お兄ちゃんこっち帰ってきてるの!?」
「近所のお兄さんだっけ?」
「うん、私がまだ小さい時から海外飛び回ってて何をして暮らしてるかも今一分からないの。」

 私は電話をとって懐かしい声を聞く。

「あ、お兄ちゃん!?」
「よう茉莉、元気にしてるか?」
「うー……ん、まあね。」

 ここで疑問が一つ。
 お兄ちゃんは私のこの状況を知っているのだろうか?

「そうか、それなら良いんだよ。
 今お兄ちゃんは日本に戻ってきてて久しぶりに日本一周旅行しちゃってまーす。」
「おみやげよろしくね!」
「おう、ところで茉莉。」
「なに?」
「お前さ、ある日超能力に目覚めたらどうする?
 お前がそうならなくても良い。
 朝起きたらいきなり超能力が当たり前の世界になってたら……お前ならどうする?」
「えーいきなり何言ってるの?」

 心臓を握られたかのような感覚。
 この人はいつも無自覚に核心を突いてくる。

「答えを聞きたいなあ」
「解んないよそんなこと。」
「そっか。」

 急に声から感情が脱落する。

「After all, you are only human.」

 口癖だ。
 早口すぎてなんと言っているのか分からないのだが。
 毎回電話を切る前にはポツリと言うのだ。
 
「それじゃあな。」
「うん!」

 後ろを振り返る。
 始くんがたちばなさんに“しっかり説明できていたみたいだな”と褒められていた。
 まるで親子みたいだった。

【鬼ごっこ 第四話「かぞくごっこ その3」 to be continued】
564 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/02(日) 22:06:18.33 ID:Z9NqhfS10
という訳で説明回
この世界の設定などを笛野郎なりにせつめいしてみました
わりと大雑把にニ三時間で書き上げたものなのでアラは気にしないでください
説明ついでに悪役出す
ジーナ・フォイロなんてしょぼいと思うでしょ?でしょ?
でもこいつを最強の悪役に育てあげるんだ……
明日くんのところでもやったけど能力じゃなくて使い手の精神性が強さだと思うわけですよこういうのって
565 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 22:11:15.27 ID:hhkm9yLY0
笛の人乙です〜
「ジーナ・フォイロ」キタ! 仲間が増えたよR-No.50! 敵だけど!
しかも能力が凶悪すぎるwwwこれはwktk止まらんぜよwww
そして、「ジーナ・フォイロ」だから蓮か・・・流石は笛の人
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 22:34:05.59 ID:M2apujQDO
蓮さんのモチーフはスパイダーオルフェノクとトリガードーパントとコウモリ男なんすよ
名前はまあ、言うまでもなしみたいな
あとはあの誘拐された女の子を達磨にするだけです★
567 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 22:41:09.56 ID:hhkm9yLY0
>>566
>蓮さんのモチーフはスパイダーオルフェノクとトリガードーパントとコウモリ男なんすよ
把握したwwwwww

>あとはあの誘拐された女の子を達磨にするだけです★
なんだと・・・このおにちくさくしゃめっ♪
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 23:04:49.23 ID:M2apujQDO
>>567
久しぶりに笛のブラックバージョン魔笛が見られるよ!!
魔笛になったら初期上田のノリを現在の描写能力でやれるよ!
とりあえずあの女の子の名前考えないと
569 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 23:14:06.92 ID:hhkm9yLY0
>>568
魔笛の人、とでも言うのだろうか(コラ

蓮と一緒のおにゃのこと言えば!・・・あれ、蓮の彼女何て名前だっけ・・・
570 :魔笛[sage]:2011/10/02(日) 23:23:24.52 ID:M2apujQDO
>>569
問題はそれよ
適当におされな名前つけようかな
萌えエロ書いて皆にみてもらうつもりが冥府魔道突っ走りすぎて痛い
571 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 23:40:07.22 ID:hhkm9yLY0
>>570
なぁに、直に萌えエロになっちゃうよ
物書きってそんなもの(嘘だ
おされな名前・・・うん、俺は中二ネームしか思いつかねぇやorz
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/02(日) 23:45:24.25 ID:M2apujQDO
>>571
ああ、あとあれだ
口癖は315さんのやつ

もういっそ名前は初恋の人からもらうかな
程よく気持ち悪くて俺好みだ
573 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/02(日) 23:52:45.65 ID:hhkm9yLY0
>>572
>口癖は315さんのやつ
そうだったのかwwww
パラダイスロスト見たけど、当時英語3だった俺には何が何やらorz
何で字幕無いの・・・

>もういっそ名前は初恋の人からもらうかな
もしかしてリアルのかwwwwwwww

あー、名前に困ったら俺も同じ方法取ろうかな(ぇ
574 :ミルクティー[sage]:2011/10/03(月) 00:08:52.57 ID:hCcDrl7AO
『何でも屋ミルク・クロウ…昼休み』

―何でも屋の昼休みは結構過激である―

静かな事務所内でいきなり中華鍋をカンカン鳴らす音ともに烏龍が現れる。
「お昼ご飯だヨ〜皆!」
「ふわぁ、今日は何かしらぁ?」
「どうせ中華料理だろ…胃がもたれそうだ」
欠伸をしながら牛乳を注ぐ真白と算盤を片してぼやきながら席につく大河
「むっ、どうせとは何アルか…バカ虎の中華まん無しにするカ」
「ちょっ、飯は待て!…というか誰がバカ虎だぁ!?私には鬼島大河っていう立派な名前g…ゴハッ」
「五月蝿いわよ大河…こちとら牛乳の二日酔い(?)で疲れてるんだから、それ以上騒ぐなら…殴るわよ」
そう不機嫌そうに言いながら大河の鳩尾に拳をめり込ますアカネ
「もう殴ってるわよぉ…アカネちゃん?」
「ん、つい…スマナイ」
「ぐぅ…強化無しとはいえ流石に鳩尾は痛いぜ」
腹を擦りながら大河がぼやき
「とりあえず皆、早く烏龍の特製中華まんを食べるネ!冷めちゃうヨ」
「はいはい…それじゃ」
575 :ミルクティー[sage]:2011/10/03(月) 00:14:23.56 ID:hCcDrl7AO

「「「「頂きます」」」」

各々が蒸し器の中華まんに手を伸ばし口の中に入れた…すると
「ウフフ…これ甘いわねぇチョコレートかしらぁ?」
「私のはくそ辛いんだが!?」
「フッフッフ…この烏龍特製中華まんは作った私ですら何が何まんかわからないロシアンルーレット状態、覚悟して食べるヨロシ。うぇ…苦いアル」
「んなもん昼飯に作んな…ってまた辛れぇぇっ!?」
水をガブガブ飲む烏龍達と対象的に甘ったるい匂いを漂わす中華まんばかりを引き当てをついばむ真白。
「ひー辛いぜ…そういやアカネはどうだったんだ?」
ポンと肩に手を置き尋ねる大河。
「…////」
気のせいかアカネの息が荒く顔が赤い…
「どうした?ハバネロとか引いちまったか?」
「…ヒック////」
「ヒッ…ク?まさか…っ」
「ねぇ、たいがぁ…暇だからサンドバッグにでもなりなさいよぉ…ヒック///…いひひ」
いつの間にか牛乳を一瓶平らげ大人モードになっているアカネ
「元気があれば…ヒック…何でも出来る…1…2…3…」
「オイ…おいおい落ち着け!話せば分かる、なっ?なっ?n「ダー!」

その日、この町には空飛ぶ女の子がいると噂されたとかされないとか。

「まさかチョコレートボンボン程度酔うとはなぁ…とりあえず鴉らしくゴミ(虎治)を回収しにいくかナ」

「…ヒック」

〜ごみ捨て場〜
「いや、私はゴミじゃねーよ!…って何のツッコミだコレ?」
さぁ…?

【何でも屋ミルク・クロウ…昼休み】

(続く)
576 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/03(月) 00:29:32.79 ID:QqoW1HP70
ほのぼの成分をありがとう!そしてありがとう!
ミルクティーの人乙です〜
アカネたんエロいよ、酔った巨乳ちゃんはエロ過ぎるよ!
大河ちゃんは哀れすぎるwwwwwww
ところで面白美味しそうな中華まんだな…腹減ったorz
577 :ミルクティー[sage]:2011/10/03(月) 01:05:20.19 ID:hCcDrl7AO

えー…とりあえず次回からデュエルっ!俺のターン、ドロー
…みたいな戦闘状態が続くので休憩がてらにほのぼの入れました!
あはは…実はロシアンルーレット中華まんは実体験を元に書きました〜。
まぁ、結果は美味いが具と皮は別々でいい気が…となりましたよww

〜昼飯その後〜
古鐘「うぅ、頭痛い…また二日酔いかしら?」
タイガー「私はお前のせいで身体中が痛いがな…」
烏龍「アカネはムチムチ大人とスカスカ幼女の時の差が有りすぎアルよな〜」
古鐘「スカスカ…ですって?ちょっと牛乳用意するから待ってなさい烏龍…」┣┣┣
烏龍「アルっ!?た、大河を特殊召喚ネ」
大河「えっ、ちょっ、私関係無ry
578 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/03(月) 01:14:46.47 ID:QqoW1HP70
乱こ…もとい乱闘フラグとな? wktkと同時に不安
実体験だとwwwだが俺はたこ焼きにチリソースかけた男だから大丈夫だ!(関係ねぇ

そして大河ちゃんの扱いはこんな調子でいくのかwwwwwww
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 07:20:43.47 ID:rS8K8QvDO
牛乳屋さん乙でした
あらやだほのぼの
世界征服とか世界崩壊とダルマとか大量虐殺とかが一気に中和されますね
つまり私が幾ら殺伐なの書こうといいってことですね
580 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/03(月) 07:48:54.83 ID:QqoW1HP70
>>579
だが、次回からバトルが続くみたいだから殺伐だらけに…
こ、これは薫ちゃんとノイたんに癒されるしか!?
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 07:59:57.08 ID:rS8K8QvDO
しかし一度やる気になった作者は見てる人の反応も気にせず殺しまくるのでしたー
最近は派手にやっても小言が少ないし
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 08:01:04.25 ID:rS8K8QvDO
しかし一度やる気になった作者は見てる人の反応も気にせず殺しまくるのでしたー
コメントの量的に派手にやっても小言が少ないと考えてみる
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/03(月) 08:02:02.31 ID:rS8K8QvDO
あれ?書き込まれてる
584 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/03(月) 08:56:09.18 ID:QqoW1HP70
そして私は殺しのシーンなんて1つもッ…
しまった1つあるじゃないorz
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/03(月) 10:22:01.75 ID:sEO00YsY0
派手に殺すことに小言を言うとフルボッコにして来る人がいるからな
だから言えないんだろ
586 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/03(月) 12:48:32.11 ID:QqoW1HP70
なるほど、なら『仮面晩餐』の殺害シーン、グロ表現入れときゃ良かったなぁ(ヤメロ
まぁ1月にちょっと修正して上げるけどね♪

ところでたった今wikiに上げてて気づいたんだけど
ミルクティーの人様〜
> 「まさかチョコレートボンボン程度酔うとはなぁ…とりあえず鴉らしくゴミ(虎治)を回収しにいくかナ」
この行の『虎治』って大河ちゃんのことですかね?
一応修正しちゃったんですが、俺の勘違いだったら言ってくださいませorz
しかしコハルも可愛いわね
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/10/03(月) 16:11:40.39 ID:O8zvIWBGo
2ch形式だと行間ほとんど無いから
長文って地味に読み辛いのだと気がついた
588 :ミルクティー[sage]:2011/10/03(月) 18:30:47.11 ID:hCcDrl7AO
>>586
やっちまったぜ…はい(虎治)は大河のミスですorz
元々は黒一点の虎治『君』だったんですけど契約が【丙午年の『女』はry】だったので急遽変更したのです…がミスりました…訂正ありがとうございます。
589 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/03(月) 18:52:06.27 ID:YiVaK3+c0
笛の人とミルクティーの人乙でしたー
590 :笛野郎[sage]:2011/10/03(月) 19:52:00.33 ID:rS8K8QvDO
知っているか?(どこかの東京都知事風に)
丙午の女性は男に祟ると言われているがその理由はあまり知られてない
なぜならその理由と言うのが少々いうに憚る理由だからなんだよ
そう、「丙午の女性は性欲が強くて男に結果的に負担をかける」というのが本来の伝承なのだそうだ
これは中国から入ってきた俗説だそうで古代日本においては見られないものらしいぞ
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/03(月) 19:55:27.84 ID:CNR/F4jy0
そういえば、どっかの悪魔で♂の肉しか食わないぶっくぶくに太った女の牛みたいな悪魔がいるって話あったような
資料どこだったべ
592 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/03(月) 22:43:14.39 ID:cChXZeQ40
>>588
>元々は黒一点の虎治『君』だったんですけど契約が【丙午年の『女』はry】だったので急遽変更したのです
ほぅ、それでボーイッシュなのね
コハルちゃんでもかぁいいかったのに…『大河』と言う男っぽい名前もその名残なのかしら
593 :魔法少女マジカルホーリー(代理)[sage saga]:2011/10/03(月) 22:44:17.22 ID:cChXZeQ40
「ワタシ、キレイ?」
「えっ?」

 夜道、背後からかけられた声に少年は振り返った。
 そこには真っ赤なコートを着て大きなマスクで口を隠した女性。

「ねぇ、ワタシ、キレイ?」
「う、ぁ……く、口裂け……。」

 少年はきびすを返して一目散にその場を逃げ出した。

「あら逃げちゃった。返事の出来ない悪い子は……切り刻んであげようねええええええ!」

 一瞬で少年を追い越し、その裂けた口で少年に笑いかける口裂け女。
 少年は小刻みに震えながらその場にへたりこんだ。

「つーかまーえた。」
「ぁ……こ、こないで……。」
「い、や、よ。バイバイ少年、この世の中からさようなら。」
「光よ彼を守れ!『ヴァノ・アルトフィア』!」

 口裂け女が鎌を振るうと同時にどこからか少女の声が響き、少年の周囲に光の壁が立ち上る。
 振り下ろされた鎌が光の壁に弾かれ、驚愕の表情を浮かべる口裂け女。
 その口裂け女の後方に、フリフリの衣装を纏った一人の少女が降り立った。

「なに、あんた……誰よ?」
「人に仇なす悪しき者よ、魔法少女マジカルホーリーの名の下に、あなたを聖裁いたします!」

 魔法少女。
 携えたステッキを口裂け女に向けながら、少女は高らかにそう言い放った。
594 :魔法少女マジカルホーリー(代理)[sage saga]:2011/10/03(月) 22:44:48.87 ID:cChXZeQ40
「魔法……ホーリー?なんか知らないけど、私の邪魔するんだ。……じゃああんたも切り刻んであげるよおおおおお!」
「高みへ導け!『ヒューエル・ルファ』!」

 口裂け女が魔法少女に襲い掛かるより早く、魔法少女の体は天へと舞い上がった。
 はるか上空へと消えた少女を地上から見上げる少年と口裂け女。

「え……逃げ、た?」
「逃げたわけじゃないよ。これがあの子の戦い方さ。」

 唐突にかけられた声に少年が視線を下げると、いつの間にか一匹の黒猫が足元に寄り添っていた。
 まさか猫が話すはずは、と唖然とする少年を見上げながら黒猫が口を開いた。

「どうしたんだい?ビックリして声も出ないのかい?」
「ね、猫がしゃべってる!?」
「うん、大丈夫そうだね。この中は安全だから安心して見てるといいよ。魔法少女の活躍を、ね。」

 そう言うと黒猫は視線を少年から天へと移し、少年もつられて天を仰ぐ。
 すると先ほど少女が消えた空から流れ星が降ってくるのが見えた。
 しかしよく見るとそれは、光を纏ったステッキを構えながら真っ逆さまに落下してくる魔法少女だった。

「数多を穿て!『ラクス・セ・パアト』!」

 目の前に無数の光の矢が降り注ぎ、口裂け女が光の雨に飲まれた。
 激しくも煌びやかで美しいその光景に少年は一瞬見蕩れる。
 そして光の雨がやんだときそこに残っていたものは、”無傷”の口裂け女の姿だった。

「はっ、見た目は派手だけど大したことないねぇ。遅すぎてあくびが出るよ。」
「あ、あれを全部避けられた!?」
「やっぱり100m3秒は伊達じゃないね。まぁ、マホの魔法精度にも問題があるんだけどね……まったく。」
「どうするの?攻撃が当たらないんじゃ負けちゃうよ!」
「当たらないなら当たらないなりの戦い方もあるのさ。」
595 :魔法少女マジカルホーリー(代理)[sage saga]:2011/10/03(月) 22:45:21.19 ID:cChXZeQ40
 落下する魔法少女は地上すれすれで急激に減速し、ふわりと着地した。
 口裂け女は余裕の表情で魔法少女に一瞥をくれる。

「ねえあんた、あんなのが当たると思ってんの?魔法少女か何だか知らないけど、あんまりなめんじゃないわよ!」
「だったらこれよ!『モノ・サンジェリカ』!」

 魔法少女の背後に無数の光の槍が現れ、次々と口裂け女に向けて放たれる。
 しかし口裂け女はそれらもステップでかわしつつ、魔法少女へと距離を詰めていく。
 光の槍が次々と地面に突き刺さるが、口裂け女には一つたりとて当たってはいない。

「まだわからないの?あんたの攻撃なんか当たらないのよ!」
「当てる気なんか最初からないわ。あなたはもう”囲われている”。」
「なにをわけのわからないことを……ッ!?」

 口裂け女が地面を蹴りだすと同時に、その体が見えない何かに弾かれた。
 予期せぬ現象に驚きながらも口裂け女は周りを見渡す。
 すると地面に突き刺さった光の槍から迸る閃光が槍同士を結んで口裂け女を囲っていたことに気付く。
 例えるならそれは光の檻。光の槍はその格子の一部にしか過ぎなかった。
 口裂け女は光の檻に向けて鎌を振るうが、それはことごとく弾かれる。

「あんた、最初からこれを狙って!?」
「あなたはもう動けない。そして、これで終わりよ。」

 魔法少女の体がゆっくりと宙に浮き、ステッキに青と白の光が灯る。
 ステッキの光が膨らんで魔法少女の体を包み込み、魔法少女の体が青白く眩い光を帯びる。

「断罪の神ハイゼンよ、わが呼び掛けに応え、悪しき輩に聖なる裁きを下したまえ!『アシュミダ・アル・ハイゼン』!」

 魔法少女の体から放たれた光条が空間を満たし、口裂け女は聖裁された。
596 :魔法少女マジカルホーリー(代理)[sage saga]:2011/10/03(月) 22:45:54.59 ID:cChXZeQ40

    ・
    ・
    ・


 魔法少女が少年に駆け寄ると、少年を覆っていた光の柱がふっと消えた。

「大丈夫?怪我は無い?」
「あ、ありがとう。あなたは一体……?」

 少女は少年に静かに微笑み、その額にそっと口付けた。

「『アルル・ヴェーラクト』。……キミは”こっち側”を知らなくていい。元の幸せな日常にお帰り。」

 少年はその言葉が聞こえていないかのように虚ろな目で宙を見ている。
 魔法少女は少年の頭を撫でたのちステッキに腰かけ、肩に乗せた黒猫と共に夜空へと飛び立った。

「……あれ?ボク、なんでこんなところでボーっとして……早く帰らなきゃ。」

 少年は頭に残る柔らかい感触に首をかしげながらも、急ぎ家に帰るために走り出した。


    ・
    ・
    ・

597 :魔法少女マジカルホーリー(代理)[sage saga]:2011/10/03(月) 22:46:29.00 ID:cChXZeQ40
 あああああ恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいっ!!!
 私は枕に顔を埋めてベッドの上でのた打ち回っていた。

「いやあ、今日も大活躍だったね、マホ。」

 黒猫が愉快そうな声で私の羞恥心を抉ってくる。
 この黒猫の名前はクノ。
 私が魔法少女マジカルホーリーになる羽目になった原因だ。
 私は涙目になりながらもクノをじっと睨んでやる。

「あんたの『キミには才能がある』なんて言葉に引っかかってなければ今頃こんなことには……ううううう。」
「何を言ってるんだいマホ。キミは生まれながらにして魔法少女となるべき宿命を背負っていたのさ!」

 ちなみに私の名前は「堀井真帆」。「ホリイ・マホ」。「ホーリー・マホウ」。……もうお分かりだろう。
 『名は体を現す』とはよく言うが、魔法的にも名前というものは重要らしく、私にこの名前がつけられたのも運命だとか何とか。
 この名前の由縁について両親にそれとなく聞いてみようとも思ったが、前述の理由を肯定されると立ち直れないような気がして結局聞けてない。
 多分一生聞くことはないだろう。

「ねえクノ……魔法の才能があるのはいいんだけどさ、魔法少女じゃなくてもっとこう……は、恥ずかしくない方法はないの?」
「いつも言ってるじゃないか。魔法の力は心の力。心が強く望めば、魔法はそれに応えてくれる。」
「だからって、『ノリノリになればなるほど魔法が強くなる』ってどういうことなのよ!」
「羞恥心は心のリミッターだよ、マホ。心を最大限に開放するには、羞恥心をなくすのが一番手っ取り早いのさ。」

 言ってることがなんとなく理解できてしまうのが悔しい。
 悔しいので再びクノをキッと睨んでやる。
 クノはそんな私を見てクスクスと笑っていたが、ピクリと髭を動かしたかと思うと、すっと私を見つめてきた。

「マホ、どうやらまた奴らが近くに出たみたいだよ。」
「またぁ!?ここ最近多いとは思ったけれど一晩で二体連続なんて……。」
「さあ早く!立ち上がるんだマジカルホーリー、町の皆を守るために!」
「わかってるわよもう……神よ、どうか私に、悪を討つ聖なる力を……『アシェック・マジカルホーリー』!」

 真帆の体が光に包まれ、その中からマジカルホーリーが姿を現す。
 そして魔法少女マジカルホーリーは黒猫を肩に乗せ、再び夜空へと飛び立った。



【終】
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 22:55:52.49 ID:dWRYi0Eto
代理感謝です
スレが不調なところにお願いして申し訳ない

>>588
旧設定を間違って使っちゃうあるある
チラ裏かどこかに間違って旧設定で使ってた名前でネタ落として恥ずかしくなったのはいい思い出
599 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/03(月) 23:01:59.97 ID:cChXZeQ40
>>598
>スレが不調なところにお願いして申し訳ない
お気になさらずなのなの

>旧設定を間違って使っちゃうあるある
旧設定か・・・そういや、俺のキャラって殆ど思いついた設定そのままだなぁ
『仄暗い魂』でルートの台詞書いた時に無意識に「テメェ」が「アンタ」になってしまったのを上げたのは個人的に大失敗orz
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 23:12:16.25 ID:rOMOXiew0
ハロウィーンが先か地球滅亡が先か…
うーん難しい所ではあるな、だがしかし…
手堅いのはハロウィーンに切ない話をすることか…
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 23:14:03.96 ID:rOMOXiew0
おっ
避難所かと思ったら本スレに
しかも書き込めてるじゃないの、やった☆
602 :悪党と約束 ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/03(月) 23:28:18.99 ID:GpcKmjvEo
 地下研究室に繋がる階段から姿を現したのは、重そうな布袋を抱えたメイ

「準備、できた、です。行く、早く、ですよ?」
「メイちゃんが行くのか?」
「私、沙々耶、助ける、です。ドクター、私、任せる、言った、です」

 その言葉に、有羽はちらりと地下へと続く階段に視線を向ける
 メイが上がってきてから、それに続いてドクターが上がってくる気配は全くしない
 地下で何か行動を起こすべく待機しているのだろうか

「まあ私としてはどちらでも構いませんので。それでは行きましょうか」

 敵意を全く隠さないメイの視線に、ヴィッキーは心地良さそうに笑みを浮かべる

「あ、道中所々に監視を設置してあります。追跡を察知したり、監視役が排除されたりした時点で交渉は無かった事になりますのでご注意下さい」
「せつめい、いらない、です。はやく」

 やれやれと肩を竦め、ヴィッキーはリビングを出て玄関へと向かう
 そこに待ち構えていたのは、一台のタクシー
 血塗れの運転席には乗務員の帽子を被った戦闘員が座っていた

「遠慮せずに乗って下さいね、料金は掛かりませんから」

 信用などこれっぽっちも出来ないその光景に、臆した様子もなく進み
 まばらに散った赤黒い染みが残るシートにぽすりと腰を下ろすメイ

「有羽さん」

 研究資料の入った袋をきゅっと抱き締めながら

「ごめんなさい、です」

 何に対しての謝罪なのか
 それを問い質そうとする前に、タクシーのドアがばたむと閉じる

「取引が成立するよう、余計な真似はせずにお祈りでもしていて下さいね? それでは」

 助手席に座ったヴィッキーがぺこりと頭を下げると、タクシーはのんびりと安全運転といった速度で診療所の前を離れていった
 そして――それに僅かに送れて、玄関口に駆け出してくるドクター、メアリー、ミツキの三人
 ドクターは息を切らせていたが、一呼吸でそれを整えて
 彼女のイメージとは程遠い、怒声を吐き出した

「メイは何処だ!?」
「え……今、あの女と車で。どうしたんですか、そんな血相を変えて」

 さしもの有羽も、状況が把握しきれない
 ドクターがメイを交渉の場に向かわせるよう言ったのではなかったのか
 それに反対しているのであれば、何故メイを止める事が出来なかったのか
 戸惑いを見せる有羽に、ドクターは片手で顔を覆い、自らを落ち着かせるように首を振る

「くそっ、ボクとした事が! 迂闊だった!」
「待って下さい……ドクターはメイちゃんが交渉に出る事に反対していたのなら、何で止めなかったんですか。ずっと地下に居ないですぐに上がってくれば」
「ボク達は研究室で大人しくしていたわけじゃない、研究室から出られなくなっていたんだ。資料を運ぶと先に上がったメイが、『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の能力を使ってな」

 そう言われて考えれば、ドクターが女性であり子供であるメイを危険の矢面に立たせるはずがない
 だが、メイを止めに現れないという状況が、彼女に任せる事に何らかの意味があると誤認してしまっていた
 そして、大人しく素直な子という印象だったメイが、ドクター達を閉じ込め、嘘を吐いてまでにこんな無茶をするとは、想像すらしていなかったのだ

「今から追うのは……あの女の口振りからすると、無理ですね」

 追えば交渉は決裂となる
 それは沙々耶の身柄の安全が保証されなくなるのと同時に、メイの身柄もまた敵の手に落ちる事となる
 ヴィッキーの性格を鑑みれば、人質が二人になれば一人は見せしめのためにあっさりと殺しかねないのだから

―――

 通勤通学で賑わう駅や学校方面と違い、北区の朝の道路はのんびりしたものだった
 窓の外を流れていく、どこかのどかさすら感じる風景を背に、メイはじっとヴィッキーを睨みつけていた

「どうしました? あの子を攫った私がそんなに憎いですか?」
「当たり前」

 低く、威嚇するように
 隙あらば喉笛に喰らいついてきそうな殺気を込めて、ぼそりと呟くメイ

「沙々耶、友達、とても大事。酷い事する、許さない……絶対」
「でも、あなたが持ってきてくれたそれが本物なら、あの子は無事に返してあげますとも。私は約束は守る主義なんですよ?」
「あなた、約束する、関係、ない。私、沙々耶、無事、連れて、帰るです、絶対」
「そうですか」
603 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/03(月) 23:29:55.22 ID:GpcKmjvEo
 殺意も気迫もさらりと受け流し、ヴィッキーは笑う

「ところで……それ、先に渡してもらえませんかね? 現場に着いてから中身を確認してたら、時間が掛かると思うので」
「ダメ」

 即答

「沙々耶、先」

 それだけ言うと、袋をしっかりと抱えて身体を丸めるメイ

「……まあ、約束は守る主義ですから。交換という約束ですし、仕方無いですね」

 ヴィッキーはぷいと正面を向いて、シートにぽすりと身を預け

「うん、仕方無いです、ね?」

 にたりと浮かべた気味の悪い笑顔は、メイには見せなかった

―――

 何処にでもあるような雑居ビルの前で、タクシーはゆっくりと停車する
 後部座席のドアを開けた運転役の戦闘員は、メイに何をするでもなくその場でじっとしている

「本来なら、それを渡していただいてからここにご案内するつもりでしたが。今回はあなたを信用させていただく事にします」

 廃ビルといった風体ではない、やや古めかしいだけの雑居ビル
 だがその入り口から漂う、錆びた水のような嫌な臭い

「さ、こちらへどうぞ」

 あちこちに見える赤黒い染み
 だがそれを残したであろう『もの』は、何処にも見当たらない

「エレベーターで最上階まで。まあ最上階と言っても五階なんですけどね?」

 警戒の色こそ隠さないものの、メイはそれに従いヴィッキーと共にエレベーターへ乗り
 何の仕掛けも無く、あっさりとそこへと辿り着いた
 本来はいくつもの部屋に仕切られていたはずの空間が、乱雑に壁を破壊され大きな一つの部屋となっている
 そして壁を壊した瓦礫が押し退けられた、やや広い空間に
 拘束されたまま床に転がされた沙々耶の姿があった

「さて、約束通り人質の元までご案内しましたよ? そちらも約束を守っていただけますかね」
「これ、渡す、すぐ、捕まえる、しない。約束、する?」
「……約束しましょう」

 その言葉に、メイはじりとヴィッキーから間合いを取り、足元にどさりと紙束の入った袋を置く

「いただいてもよろしいですか?」

 ヴィッキーの問いに、メイはこくりと頷き
 すぐさま転がされた沙々耶の元へと駆け寄った

「沙々耶、無事?」

 手早く目隠しと猿轡を解き、どこかぼんやりとしている沙々耶を揺さ振るメイ

「……メイ? あなた、何でこんなところに」
「助ける、きた、です。交換、しました」
「ばっ……馬鹿っ! あんな頭のおかしい奴にあの研究資料渡したら、何やらかすかわかったもんじゃないでしょ!?」
「でも」

 後ろに回した沙々耶の腕に、ぐるぐると巻かれたビニールテープを剥がしながら

「いつ、おこる、わからないこと、より、沙々耶、大事、です。友達、いなくなる、嫌、です」

 攫われてから今まで拘束されたままで、ようやく解放された両手
 それが最初にしたのは、ただメイを抱き締める事だった

「沙々耶、足、まだ、です。動ける、ない、ですよ?」
「あ、ごめん……でも手が動かせるようになったし、これぐらい自分で」

 そう言って、ビニールテープが巻かれた両足に手を伸ばす沙々耶
 だが

「なるほど、資料は本物のようで。これで私の研究も、そして『悪の秘密結社』の野望もまた一歩前進するというものです」

 紙束をぱしんと叩き、満足そうに袋へ詰め直すヴィッキー

「さて、交渉はこれにて完了です。沙々耶ちゃんは無事メイちゃんに返却され、解放後にすぐ捕えるような真似もしないと約束しました」
604 :悪党と約束 ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/03(月) 23:36:17.58 ID:GpcKmjvEo

 傍らの戦闘員に袋を預け、ヴィッキーはぱちんと指を鳴らす
 それと同時に、部屋のあちこちから現れたのは、外見の年齢が様々な十数人のヴィッキー達

「なので、私達は速やかに撤収する事にします。なお、解放後の捕縛はしないと約束したので」

 ヴィッキーのうちの一人が、部屋の片隅にあった仰々しいレバーをがちんと引いた
 それと同時に、沙々耶の背後に鎮座していた洗車機もどきが、耳障りな金属の擦れ合う音を上げ無数の刃を大回転させる

「無事に返し終わったところでミンチにしておこうと思います」

 沙々耶の両足に巻き付けられたビニールテープの下に、簡素な足枷が嵌め込まれていた
 その足枷から伸びたワイヤーは瓦礫にカモフラージュされ、洗車機もどきの向こう側へと繋がっている

「なっ……!?」

 そして
 そのワイヤーが、ずるりと
 だが確実に沙々耶の身体を洗車機もどきへと引き摺り寄せる

「これっ、外れないっ!?」

 ビニールテープを剥がし、足枷をぐいぐいと引っ張る沙々耶だが、簡素な造りとはいえただの女の子がどうこうできるものではない

「約束、違う、です!」

 エレベーターへと向かうヴィッキーにメイが怒鳴りつけるが

「沙々耶ちゃんは無事にあなたに引渡しました。そして、その後に捕縛はしません。約束はそれだけですよね?」

 ちん、と音を立ててエレベーターの扉が開き
 ヴィッキー達はぞろぞろとエレベーターに乗り込んでいく

「では、ごきげんよう」

 深々と一礼するヴィッキーの姿を覆い隠すように、エレベーターのドアが閉じ

「ワイヤー、切る、ダメ、ですか!?」
「どうやって!? あそこで回ってる刃物で切れるかもしれないけど……あの女がそんなヤワな素材使うわけがない! 逆にワイヤーを巻き込んであっという間に引き込まれるわ!」

 二人掛かりであれこれ足枷とワイヤーを弄り回すが、ただじりじりと刃の竜巻に引き寄せられるばかり

「メイ、もういいから離れて……あんたまで巻き込まれるでしょうが」
「嫌、です! 沙々耶、助ける、絶対!」
「ここまで来てくれただけで、私は充分嬉しかったから。使い捨ての雑魚都市伝説の最後としちゃ、上等この上ないわ」

 沙々耶はそう言うと
 足枷に縋りつくメイの手を取り
 洗車機もどきから突き放すように、その身体を突き飛ばした

「ありがと、ばいばい」

 すぐ足元に迫り来る刃の音を感じながら
 それでも沙々耶は、笑顔だった

―――

 一階のエレベーター前
 まだその場を離れずに腕時計を見ていたヴィッキー

「5、4、3、2、1……ゼロ」

 楽しげな声のカウントダウン
 そして響くのは、エレベーターシャフトを通して響いてくる、芝刈り機に小枝でも巻き込んだかのような耳障りな音

「ん〜……これにてお仕事完了っと。それじゃ帰還しましょうか、私達」

 満足げな顔でそう告げたのは、年長者の容貌をしたヴィッキー
 同じ容貌の不気味な集団は、ぞろぞろとビルの出口へと向かって歩いていったのだった 
605 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/03(月) 23:41:32.10 ID:GpcKmjvEo
前回までのお話は>>373-374をご参照下さい
更に前は過去ログまたはまとめWikiにてどうぞ

毎度の事ながらペースが遅い上に時間も遅い投下でございました
そろそろこの話も収束に向かいますが……『悪の秘密結社』どうしたものか
毎度の事ではありますが、他の皆様におきましては悪役は倒す方策を考えてから出す事をお勧めします(爆)
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 23:43:51.73 ID:rOMOXiew0
ドクターの人お疲れ様です

シリアス度がどんどん上がってる
しかもヴィッキーさん今回もまたやってくれた
ねえ…沙々耶どうなるの…どうなったの…いかん興奮してきた
607 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/03(月) 23:46:56.12 ID:cChXZeQ40
いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやあああああああああああああああああああああああ!?!?!?
沙々耶たんが、俺の沙々耶たんがあああああああああああああああああああ!?
リアルに泣いたじゃねぇか、かみ!てんし!!
三面鏡の人乙です〜
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/03(月) 23:53:16.68 ID:dWRYi0Eto
三面鏡の人乙です

……おぉぅ……どうなるんだこれ……
どう足掻いても絶望にしかならない予感がするんですがー
609 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/03(月) 23:58:56.15 ID:GpcKmjvEo
>>606
> しかもヴィッキーさん今回もまたやってくれた
ヴィッキーのやる揚げ足取りとかが書いててとても楽しい今日この頃

>>607
> 沙々耶たんが、俺の沙々耶たんがあああああああああああああああああああ!?
一拍置いているという事は、まだどうにかなる余裕があるという事!

……だといいな

>>608
> どう足掻いても絶望にしかならない予感がするんですがー
うん、どうしようこれ(待てコラ)
610 :DKGとファントムさん[sage saga]:2011/10/04(火) 00:24:33.80 ID:KWvh6oUj0
なんという沙々耶さんピンチ……っ!!

薫と雄介! お前ら助けに行ってこい!!
611 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 00:27:25.01 ID:eldXez540
>>610
>薫と雄介! お前ら助けに行ってこい!!
残念だったな…
外道四天王の一人で在らせられる神祖デルタミラー様は、独自の空間『ゲドーフィールド』を形成させる事で、
他人の干渉を一切受けることなく鬱展開を着々と進めていく…
俺達では、奴を止める事は出来ないんだ…!(壁にパンチ
612 :夢幻泡影 † 忌むべきもの、愛すべきもの  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:00:08.47 ID:eldXez540
「はぁ、っはぁ……な、何とか、逃げ切れたみたいね…」
「どう、やらっ、そうらし、な……ぜぇ……ぜぇ……」
「…息切れすぎじゃない?」
「何分、体力がっ、無いもんで、ね……」

住宅地の狭い路地の中
呼吸を荒くしつつも必死に息を潜める2人の裂邪の姿がそこにあった
どうやら、「UFO」と契約した裂邪から逃れる事が出来たらしい

「……それより、さ…」

思い出したように、深呼吸して一度落ち着かせてから裂邪は少女の裂邪に尋ねた

「さっきお前が出した奴…あれ、ブラックホールだよな?」
「ッ……うん、そうよ。 私が契約したのは「ダークマター」だから
 規模は小さいけど、ブラックホールも作り出せるの」
「なるほど、「ダークマター」か…」

少女裂邪の契約した「ダークマター」とは、「暗黒物質」の事であり、宇宙空間の大半を占めている物質である、とされている
実際そんな物質がどんなものなのか、そもそも存在しているかどうかさえ不明である架空の物質だ
その正体として挙げられるものにブラックホールが含まれているのだ
尤も、彼女の言う通り、地球上では規模の小さなものしか生成できないのだが

「じゃあ、違う質問だ
 何でお前は泣いてるんだ?」
「……え?」

彼女はそっと目元を指でなぞる
己の指先がしっとり濡れている事を確認した瞬間に、さらに涙が溢れてきた

「ブラックホール使ってからずっとそうだった
 まさか敵に同情してるとは思えないし、目にゴミが入った訳じゃないだろ?
 推測だけど…何か嫌な事を思い出したんじゃないのか、って」

両手で顔を覆うが、涙も声も漏れだしてしまう
そうして暫く彼女は泣き続けて、ようやく口を開いた

「…私っ、には……お父さんと、お母さんが、居たの……
 「マッドガッサー」に女にされても……、都市伝説と契約した事を話してもっ…
 普通に接してくれた、とても、とっても優しいっ、人達だった……
 それが……今日、突然UFOに乗ったあいつが、現れて…………」

再びしゃくり上げそうになる彼女の背を、裂邪は優しく摩った

「…もう良い。悪かった、無理するな」
「ううん…ありがと。まだ、大丈夫っ、だから……」

数回深く息を吸い、彼女は話を続ける

「……あいつらは、お父さんとお母さんを捕まえてっ……私に脅迫して……
 お父さん達は『逃げろ』って、叫んでた……
 でも、私っ…お父さん達を助けたかったの……助けたかった、だけなのに……
 …気がついたら、私はブラックホールを作り出してた…
 全部消えちゃった……私が、消したの……UFOと一緒に、お父さんもお母さんも………ぅ、ぅぁ……」

そのまま、彼女は壁にもたれてへたり込んでしまい、声を上げて泣き出してしまった

「……サイテー、だよね……今日までっ、私に優しくしてくれた人を……助けるどころか殺しちゃうなんて……
 こんなっ……こんな力があるから……こんな力を持ってるから………
 人を殺すことしかできない力なんていらない………!
 私の大事な人を殺したっ……都市伝説、なんて……私、なんて……大ッ嫌い……!!」
「待てよ!!」
613 :夢幻泡影 † 忌むべきもの、愛すべきもの  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:00:40.71 ID:eldXez540
裂邪がしゃがみ込んで、彼女の肩を掴んで身を起こした
少女の裂邪の潤んだ瞳は、鳩が豆鉄砲を食ったかのようだった

「人を殺すしかできない? じゃあお前がさっき取った行動は何だったんだ!?
 俺を助けてくれたんじゃなかったのか!?
 そりゃ確かに、この世には人を殺す為だけに作られた道具や兵器、科学技術が沢山ある!
 でもな、使い方さえ正せば、誰かを救う事だってできるんだ!
 さっきお前がやってみせたのだってそうだろ!?」
「ッ………」
「それと! 何があっても『自分が嫌い』だとか絶対に言うな!
 お前自身を嫌ったら、誰がお前を好いてくれんだよ! 誰がお前の味方してくれんだよ!
 そんなんでお前の父さんや母さんが喜ぶとでも思ってんのか!?」
「だ…だってッ……お父さんも、お母さんも、私が殺したんだから……
 私のことなんて、嫌いに決まってるじゃない――――」
「じゃあお前は! 親が嫌いだから殺したのか!?」
「ッ違う! 私は、2人を助けたかった!」
「そうだろ!? それくらいお前の両親も分かってる筈だ!
 何で2人がお前に『逃げろ』って言ったか分かるか!?
 お前に生きて欲しかったからだろ! それだけお前に死んで欲しくなかったんだ! 愛してたんだよ、お前の事を!!
 男から女になっても、妙な力を手に入れても、愛し続けてたからこそお前に逃げて欲しかったんだ!
 捕まったら殺される事ぐらい、2人も分かってた筈だ!
 お前の父さんと母さんはなぁ! 自分の命よりも、お前の命を優先したんだ! 他でもない、愛する娘の命を!!」

彼女は言葉が出なかった―――否、声が出なかった
喉が枯れそうになるまで泣き続ける彼女の身を、裂邪はそっと抱き寄せた

「……もう、泣くのは止めろよ。だからって、笑えとは言わないけどさ
 でも約束してくれ。これで生き残ったら、見せてくれよ、お前の笑顔
 お前の父さんも母さんも、きっと元気なお前の姿を、天国で見たがってるだろうからさ
 それまで、俺が絶対にお前を守ってやる。お前の両親の代わりに」

裂邪の胸の中で、彼女は啜り泣きながら、こくん、とゆっくり首を縦に振った
「よし、」と呟いて、彼は優しく、彼女の頭を撫でた
614 :夢幻泡影 † 忌むべきもの、愛すべきもの  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:01:22.36 ID:eldXez540
 







《お涙頂戴シーンどうも有難う……これからは血も涙もない殺戮シーンだぜぇ?》








エコーのかかった声が響く
裂邪が路地裏から飛び出すと、案の定そこには巨大なUFOの母艦が乗っていた
目を凝らせば、正面のコクピットのキャノピーから漆黒の軍服を着た裂邪が、不敵な笑みを浮かべているのが見えた

《探したぞ異世界の俺……今度こそ殺してやるからなぁ?》
「うるせぇ! お前如きに殺される気は毛頭ねぇ!!
 俺には大切な人も、守るべき人もいる……負けられねぇんだよぉ!!」

裂邪は腰のホルダーから、紫色のパスを取りだした
ちっ、と一瞬舌を打った後、振り向いて少女裂邪に話しかけた

「さっき偉そうな事言ったけどさ、俺も持ってるんだよ、嫌いな力」
「………え…?」
「絶対に使いたくなかった、邪悪な力……だから、これでおあいこだろ?」

にっ、と笑い、彼は向き直ってパスを高く上げる

《さっきからごちゃごちゃと口の減らない奴だ……茶番は終わりだ! 殺れ!!》

軍服裂邪が指示を出した事で、小型のUFO数機からレーザーが放たれる
標的は無論、裂邪だった

「さあ来やがれ馬鹿野郎! 今日は特別だ、俺の力になれ!!」

《ディシリオン》

勢い良くパスを翳すと、機械音声が鳴りバックルの水晶体が紫の光を放つ
その直後、裂邪の周りを紫色の炎が包み込み、UFOの攻撃を掻き消した

《何っ……!? 都市伝説か!?》

炎の中から、声が聞こえる

『ギハハハハハハハ……久しぶりの外の空気……あぁ、僕の「ティルヴィング」が血に飢えているのがよく分かるよ』
「喋るな、耳障りだ」

紫の炎が飛び散り消えた
その中から現れたのは、紫のもやに包まれた黄金の柄の剣を構える裂邪だった


   ...To be Continued
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 01:04:19.36 ID:J7xfvihZ0
影男の人、乙です
あれ…今日のれっちゃんは何だか主人公っぽい事言ってる
ナユタの登場は久々か!次回が血みどろの決闘か!そうだな!
616 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:07:17.86 ID:eldXez540
前の話の安価忘れ 【>>539-541

「裂邪三つ巴」編、3話目になります
ちょっと裂邪の台詞書いてる時に泣いちゃったんですけど、理由はあれです、裂邪が初期と違いすぎるからですorz
あとナユタくんが本作初登場です
ナユタくんの活躍は『那由多斬』をご覧ください↓

ttp://www29.atwiki.jp/legends/pages/3955.html


やっと次から戦闘シーンが書けるぜ・・・
この所、中身が薄すぎて書いた気にならなかったよ
617 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:11:02.15 ID:eldXez540
>>615
(裂邪>今回から本格的に本スレで連載になったからちょっと調子に乗ってみた
(シェイド>12月マデノ連載ナノニナ


てか、後で思ったんだけど
こいつ鏡に向かって説教してるようなもんだよなぁ、色んな意味で(
あとナユタが一人称『僕』になってるのは意図的です、仮契約で無意識に本来の自分を思い出した
618 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:12:21.94 ID:et0jf+OZ0
>>611
ふっ、実は入る事ができるのだよ!!
薫の能力は『殺す為ならなんだってやってのける』こと……。
二話で説明していると思うが、薫は殺すと念じただけでいい。それだけで鏡の中と言う異世界に入る事ができたのだ。
ファントムの能力も『正義の為ならなんだってやってのける』ことだよ。
つまり! 本条夫妻がやる気を出せば、沙々耶を助けに行けるのさ!!ああ、すごいチートでしょう?
ん? メール?

雄介『薫成分摂取中……。活動まで、後結構かかる。ファントムも暫くお休み』
薫『悪いが、人のぬくもりを感じている最中だ。邪魔するな』
……五話のラストの(抱き合いながら頭を撫であい)状態のままかボケェ!!

薫『PS,俺の成分欲しいと思ったヤツ。ファントムがすぐさま復活して、二つの白い片手鎌をもって地獄をみせるらしいから、玄関開けとけ』
619 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:17:36.36 ID:p+GZ19h50
おっと、シャドーマンの契約者さん乙!!
……今は影もできてないの? できてたらシャドーマンくらいは呼び出せそうなモンだけど……
620 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 01:22:24.77 ID:eldXez540
>>618
なるほど、その手があったか!
だが雄介もげろもげろもげろもげろもげろ

>>619
>……今は影もできてないの? できてたらシャドーマンくらいは呼び出せそうなモンだけど……
ふふふ、その答えは>>526-527に書いてあるんだぜ
だから零人くんと別れるシーンを書かせて頂いたのさ♪(無駄に巧妙
621 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/04(火) 02:02:23.26 ID:QGhdBFek0
>>620
そ、そんなところに伏線がっ!?
……反省

というか、あれ?
シャドーマンの契約者さんなら、俺も薫たん成分摂取したいぉ……ぐらいいいそー何ですけど、何故でしょー?(棒)
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 02:08:17.70 ID:J7xfvihZ0
>>621
あの人は実は凄く真面目で真摯なジェントルなんだよ
恐らく薫さんに敬意を払っているんじゃないかと……

タブンネ
623 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 02:18:09.71 ID:eldXez540
>>621
>そ、そんなところに伏線がっ!?
はっはっは、4か月も前からストーリー練ってましたからwwwwww

>シャドーマンの契約者さんなら、俺も薫たん成分摂取したいぉ……ぐらいいいそー何ですけど、何故でしょー?(棒)
良い事を教えてしんぜよう
拙者くらいの変態紳士になると、薫たんの夢に出て薫たんとえっちぃことをすることができるのだよ!
そしてぶっ飛ばされる俺達(

>>622
>あの人は実は凄く真面目で真摯なジェントルなんだよ
ジェントルマンの契約者と呼んでくれ(キリッ
624 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 03:06:34.60 ID:eldXez540
…眠れんorz
どうしよう明日ってか今日こそ『花鳥風月』書きたいのに何故か『夢幻泡影』の方が筆が進む
とりあえず寝ようそうしよう
625 :ふーちゃん[sage]:2011/10/04(火) 06:24:55.16 ID:Y5ey4jSDO
皆さん乙でした
あのね、ふーちゃん知ってるよ
ドクターの人がじつは光の軍勢だからなんだかんだでハッピーエンドにもってくこと
あと引っ張ってしまった以上、すくなくとも普通に殺される展開はないというメタい推測もできるよ
景雄の人の話ではなゆたんがついに出撃だね
モトネタ的にはウイングフォームみたいな立ち位置かの
626 :ふーちゃん[sage]:2011/10/04(火) 07:34:46.65 ID:Y5ey4jSDO
しかしあれだな
やっぱりもっと面白い話書きたいな
いくら速く書けてもしゃーないっていうか
あと自分の作品って活字だらけだから読みづらいよなあ
なぜシンプルに可愛い女の子のゆるふわライフの話が書けないのか
ドクターの人みたいに艶かしく影男の人みたいにペドペドしく可愛い女の子書きたい
いっそ男だらけのガチバトルだけ書けば楽に…
627 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/04(火) 08:19:13.28 ID:0N+xT7WN0
>>625-626
> モトネタ的にはウイングフォームみたいな立ち位置かの
何故バレたし(そりゃバレるよ
ナユタフォームもウィングと同じで二刀流だったり
でもナユタフォームは「マヤの予言」編に持ち越しなの
代わりにクライマックスフォームが出ます

> なぜシンプルに可愛い女の子のゆるふわライフの話が書けないのか
きっとあれです
笛の人は男尊女卑を地で行ってるから…
おにゃのこの地位をぐんと上げれば良いと思う、あくまで思うだけど
てかドロドロした設定を廃したら皆可愛くなると思うけd(ミンチより酷いことに

あと私は可愛いおにゃのこなんて書いた覚えないぜ♪
ペドペドしいのは認める
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 08:29:12.75 ID:Y5ey4jSDO
>>627
やはりそうか、でも色的にはガンフォームだよね
そのうちナユタくんも薔薇をくわえて写真撮影とかやるのかな
男尊女卑の香り高いすとーりーでごめんなさい、なんかハード路線にするとこうなるんだよな
本当は逆のつもりなのに
やばいわ、迷走してるわ
629 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 13:06:39.49 ID:eldXez540
>>628
>やはりそうか、でも色的にはガンフォームだよね
              /^i       r、
         f^ヽ   {´::::}     /ー 〈
        rー='ヽ.  |::ー:l    /::::::ノ
        ゝ=彡':}  {::::::::',    /:ゝ':/
  r===、、    ',ゝ='::ヽ fゝ__ノ} /、:::::::,'、   色は気にするな!
  '⌒ゝノ::\   ',::=シ::',ゝ_彡='、_‾ノ/
    ヽ.::,'::,'::`丶、',::::::::ノゝ==シ \_ニ/7
     `丶、ノハリゝ=='=ュエ≧≦ゝ=彡/
        ヽノノ、i!レ'エ》三ゝ‐ノ‾ヽヽ)
         |-j/久ノ、_jニスミヾテ/=、-くー---─--、_____ノ}
     ィ   |====、ノi{((c)Yフ/`ヽl川ハリ川Vリ  }7:::::ノ
    /へ   i    }l ゝ=¨彡'  {lリ八ゝ、ゝ、、_.≠´¨
  /  ヽヽイl、   lリ-=ノ /   ゝ、、レ'´´¨
 //    __{{ |ゝ_彡'===、《    /
..//     | //{ゝ、: ::::::::::ミ、::::::\jイ
//    厂/ ∧  ヽ___彡' ノ
/    | //   ゝ────==イ


>そのうちナユタくんも薔薇をくわえて写真撮影とかやるのかな
(裂邪>あいつ、霊魂だから口無いぞ
(ナユタ>『君に憑依すれば可能だが?』
(裂邪>やめろっ!? てかやるのかよ!?

>男尊女卑の香り高いすとーりーでごめんなさい、なんかハード路線にするとこうなるんだよな
つまり逆にソフト路線を目指せば!(マテ
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/04(火) 14:16:52.57 ID:Y5ey4jSDO
>>629
そうか…じゃあやっぱりマイルド路線の話で行くか
ハードなんはダクタァのひとに任せる(´・ω・)
631 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 14:48:18.89 ID:eldXez540
>>630
>そうか…じゃあやっぱりマイルド路線の話で行くか
まずマイルド路線でコツを掴んでからハードに持ち込めばいい
これで完璧だ!(完全に机上の空論
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 18:41:18.47 ID:Y5ey4jSDO
この計画が後に「フラスコ計画」と呼ばれる一大プロジェクトになることを彼らはまだ知らない…
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 20:03:37.06 ID:jRhCfv1DO
フラスコにも穴があるんだよな……ゴクリ
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 20:12:38.31 ID:icu8ppBMo

 パリン
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 20:16:23.29 ID:av9WPHpgo
破滅の音が聞こえたww
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 20:21:36.97 ID:Y5ey4jSDO
くっ、このスレはフラスコすらくっちまうのか!?
そうだ、つくもがみと契約した普通の高校生によるハーレムライフ…
シャーペンとか筆箱とかが可愛い女の子になって主人公を誘惑する…
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/04(火) 21:29:39.92 ID:yZky+KPx0
ーーー諸君、今日は「天使の日」だそうだ
君たちにとっての天使は誰だい?
638 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 21:38:35.12 ID:eldXez540
ロリ
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 21:39:17.20 ID:icu8ppBMo
猫!
640 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/04(火) 21:44:04.75 ID:nI5Gm6uq0
初恋の人Rちゃん!
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/04(火) 21:45:06.15 ID:yZky+KPx0
>>639が名無しなのに正体見抜ける気がする!不思議!!

あ、俺の天使は多すぎて名前を上げきれません
642 :VIPにかわりましてKEMONOがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 21:55:48.59 ID:icu8ppBMo
>>641
このスレに長くいるとそんな超能力が目覚めるのですね

それはそうと多すぎて一つに絞れないなんてこの浮気者め!
天使達の愛に押し潰されてしまえ!
643 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 21:57:26.83 ID:eldXez540
ひと纏まりにできるようにすればいいのに

俺なんて『ロリ』の一言に何十人も入れてありますから(ぁ
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/04(火) 22:18:13.38 ID:yZky+KPx0
っふ……何を言うんだ
このスレの名前ありの登場人物及びスレ住人の半分以上が皆天使なのだ
一人だけ選ぶなんてできる訳ないだろう、常識的に考えて…
645 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 22:22:29.25 ID:eldXez540
サイレス
ナユタ
拝戸直
etc...

彼らはきっとその半分には入ってないんだろうなぁw
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 22:23:13.42 ID:icu8ppBMo
ええいこの浮気性どもめ……あ、あれ、全世界の猫って一体何億匹いるんだ……?
どうやら一番浮気性だったのは私だったようだ
世界中に!猫がいる!幸せ!
647 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 22:28:17.72 ID:eldXez540
くそうなかなか筆が進まないorz
世界中のロリよ! 俺に元気を分けてくれ! あとハジメテもくれ!(マテヤ
648 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 22:31:13.41 ID:eldXez540
そしてケモノツキの人も浮気性だったと判明したので
最も一途だったのは笛の人だったという意外な結果に(いや失礼だろ

マンチカンのカレンダー買えって妹に強請られたんだが
かぁいいマンチカンを見る為に買うべきかかぁいいかぁいい妹の笑顔を見る為に買うべきか
649 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/04(火) 22:36:15.32 ID:nI5Gm6uq0
>>645
ああそうだ…… 
直くん出てくる話見なおしたんだけどマジゲロ吐きそうなくらい外道だね
イケメンで良かったよほんと、イケメンだからギリギリセーフみたいな
あと俺は純愛派です><
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 22:39:32.43 ID:icu8ppBMo
>>648
マンチカンに限定しているところがすこぶる気に喰わないが、猫カレンダーはいいものだ……部屋が華やぐよ
ttp://mup.2ch-library.com/d/1317735447-2011100422360000.jpg
651 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/04(火) 22:41:20.85 ID:l1N3PUbr0
私の天使は薫だよ。
そしてやっぱり雄介との絡みの時が一番いいね。
……さて、次はどんな苦悩を与えてイチャイチャさせようか?
652 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/04(火) 22:48:12.90 ID:eldXez540
>>649
>直くん出てくる話見なおしたんだけどマジゲロ吐きそうなくらい外道だね
あぁ、思い出すと背筋がぞくっとするよww

>あと俺は純愛派です><
何故だ、説得力が無いwwwwwww

>>650
>ttp://mup.2ch-library.com/d/1317735447-2011100422360000.jpg
あらぁン、かぁいいン♪
ふと思った、ケモノツキの人って ネコ>ショタ or ネコ≧ショタ なの?

>>651
>……さて、次はどんな苦悩を与えてイチャイチャさせようか?
天使の日なので
ファッション部所属のクラスの女子に天使コスを強要される薫たん
しかもめっちゃ際どくてめっちゃえっちぃ奴
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/04(火) 22:57:06.80 ID:icu8ppBMo
>>652
猫は人生
ショタは潤い
猫のいない人生など考えられない
猫のためならば私を捨て財を注ぎただひたすらに尽くし尽くそう
そんな人生


そして実は風邪ひいてるんだ!だからもう寝るね!
めっきり寒くなってきましたので皆様も風邪などお気をつけて
654 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/04(火) 23:03:54.93 ID:nI5Gm6uq0
>>652
上田はなんかあっちこっちだけどwwwww
笛の人は純愛派ですwwwwww
明日君だって鵺野君だって法月さんだって純愛派だろwwwwww
655 :死亡フラグのさしすせそ 「せ」[saga sage]:2011/10/04(火) 23:46:25.18 ID:yZky+KPx0
「戦争が終わったら俺、結婚するんだ…」

 そう口に出したら、縁起でもない事言うなよ、と苦笑された
 死亡フラグだぞ、と

「なぁに、俺は大丈夫さ」

 死んだりしないよ、と
 笑って、戦闘機に乗り込む
 さぁ、行こうじゃないか
 俺達の戦場に

 空高く、高く飛びあがり
 敵陣へと向かって、ただただまっすぐ、飛んでいく

『−−−よぉ、相棒、調子はどうだい?』

 聞こえてきた、相棒の声
 絶好調さ、と答えてやる

『そうかい。今日も派手にやっていいかい?』
「あぁ、もちろんだ」

 …よし
 敵国の戦闘機が、見えてきた

「やっちまえ!」
『イヤッハァーーーーーーーーー!!!』

 相棒が、飛行機から飛び出した
 小さな翼の生えた小鬼のような姿をした相棒は、敵国の戦闘機へと、次々と跳び移っていく
 そして、相棒が飛び移る戦闘機は、悉く計器に異常をきたし…時にはこちらから攻撃するまでもなく、墜落していくのだ

「あぁ、そうさ、俺は死なない」

 敵国の戦闘機達は、混乱している
 相棒が、無線を引っ掻き回してくれているのかもしれない

「…俺の相棒は、「グレムリン」なんだからな!」

 あぁ、そうさ
 俺の最高の相棒よ
 お前がいれば、空での戦いは怖くない


 故郷に帰っても、お前の事は連れて行こう
 大丈夫、彼女だって、お前の事を認めてくれるさ


 俺のために戦ってくれている相棒の苦労に報いる為にも
 俺は戦うべき相手に、照準を合わせていくのだった







終われ
656 :死亡フラグのさしすせそ 「せ」[saga sage]:2011/10/04(火) 23:50:11.10 ID:yZky+KPx0
遅くなってすまん、やっと書けた


…さぁ、ラスト「そ」、頼んだぜ、シャドーマンの人
気味が書き上げるまでは俺が食い止める。今のうちに書きあげるんだ
なぁに、俺は大丈夫さ
この戦いが終わったら、故郷に帰って幼馴染にプロポーズするんだ
だから、死ぬわけにはいかないよ
657 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:39:15.79 ID:r65B9jJM0
「死にたい」
開口一番最初に口から飛び出した単語はそれだった


私、鬼竹火夜…「おにたけかよ」と読む
決して「きちくかよ」では無い
まさかとは思うけど「きちくかよ」って読んだ奴居たら挙手
そのまま窓際行って…飛び降りろ
改めて私、鬼竹火夜…決して「きちくかよ」じゃ…さっき言ったか
学校町…では無くギリギリ隣町に住む鬼竹家の長女である
家族構成は養父一人に義妹二体、花も恥らう15歳
趣味、売春
ついでに私を買った阿呆を社会的に抹[ピーーー]る事
割りの良い小遣い稼ぎと可愛い末の妹と対して可愛くない妹と、出来れば記憶から消し去りたい養父に囲まれ割かし平和で幸せな日々


そんな私の現在の心情
「死にたい」
四方八方銃を持った黒服さんに囲まれてるんだもの
コレなんてメン・イン・ブラック
中途半端にトミー・リー・ジョーンズ似な所もマイナス点
私メン・イン・ブラック見た事無いけどね

何で私がこんな事になってるかと言うと
できれば思い出したくも無い養父の一言が原因だったりする
658 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:40:43.13 ID:r65B9jJM0
――――回想

「イィィィィヤッハァァァァァァァァァァァァッ!!ホォォォォォォォォォッ!
あーなたのぉ町のぉっ!どぅわいどぅわいだぁい大天才ッ!!
ドクター鬼竹でぇゴザイマァァァァァァァスッ」
「何でそんなハイテンションなんです?ドクター鬼竹略してドクオ」
「私を('A`)な感じのAAで表現できそうな名前でよぉぶんじゃぁぁなぁぁいッ!
私がッ私こそがッ世ェェェェェェェッ紀ッのどぅわい天才!以下略」
略された
いやもう耳にタコが出来るほど聞いた台詞なので飽き飽きしてたから良いけど
「大天才ってか大天災だな」
とぼやくのは私の妹
「寧ろDie てんさーい」
それに続く末の妹
「それ、文法的にどうなの?」
「動詞が最初だからめーれー系じゃないの?」
シね天災ってか
気持ちは良くわかるけど
「シャァァァラァップ!つまり黙れこのポンコツ!クズ!売女!幼女!」
「幼女は罵倒になるのか?」
「姉に聞かないで」
「幼女って言えるの私位だよねー」
末の妹は今12歳
幼女と言うには少し厳しく無いかい
「それでもお姉ちゃん二人よりはガイトーすると思うのー
つまり年増は黙ってろ」
今何つった
「ちょっとコイツ廃棄処分してくる」
「止めないからさっさと殺っちまえ姉貴」
「シャァァァラァップ!パパンの言う事は最後まで聞きナサーイ!」
「このgdgdの原因8割ドクオだよ?」
「Die 天才」
「娘達に遠まわしにシねって言われた?!」
毛の無い頭を抱えてうずくまるドクター鬼竹略してドクオ
良いからさっさと話を進めろ
659 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:41:27.36 ID:r65B9jJM0
「いやねぇほぉらワシ等さぁ「とっとと進めろ本当に○すよ」あいあいあい!
 わかったわかった急かすんじゃない!」
さっきまで急かしてたのはドイツだ

「学校町の家を引き上げこっちに越して来て早1週間になるだろぉ?
しかしだなぁ、前の家に色々資料を置いて来てしまったんだなぁコレが」
で?
「前の家に色々資料置いて来たんだがどうにもやばいンだよねー」
「具体的には?」
「組織のガサ入れが入りそーう!ヤバイ!ヤバイですよこれは!早く止めさせないと大変な事になりますよ?!ワシが!!」
確かにこの禿たオッサンは学校町でそれはもう口には出来ないような悪行を積み重ねてきた
人体実験とか人体実験とか人体実験とか人体実験時々検死とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか解剖とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか時たま人助けとか人体実験とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか改造手術とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか人体実験とか
その資料が組織に差し押さえられたらどうなる?
660 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:42:01.22 ID:r65B9jJM0
「ドクオがお縄頂戴されちゃう?!」
「いや、寧ろ良いんじゃないか?」
「世の中が平和になるだけだ」
「お前等借りにも養父に対して何て言い草だぁ」
しかし実際私たちは被害者で加害者では無い
つまりドクオの罪が明らかになり捕まったところで私たちは平穏な生活が送れる訳だ
「何一つ問題は無い寧ろ素晴らしい」
二人の妹もうんうんと頷く
よし、ドクオを見捨てよう
それが私たち三姉妹の答えだった

「良いのかァ?」
「・・・何が?」
「ワシの資料が押収されたらお前等どうなっちゃうかなぁ?」
「私達はドクオの被害者だ、問題ない」
「わかってないなぁ」
チッチッチとドクオが指を降る
ウザイ
「ワシの資料にはお前達を治療した際のカルテもあるんだぞぉ?」
「それが?」
「お前等の身長体重は基より3サイズから施術時の写真までぜぇぇんぶ流出しちゃうけど良いのかなァ?良いのかなァ?いやぁ、お父さん知らなかったなァ娘達にそんな露出趣味じみた趣向が有ったなんてェ、いやいやいや恥じる事は無いぞ?人間趣味は千差万別であるべきだからなぁ」
「「「今すぐ処分してきます!!」」」
体重と3サイズの流出だけは何としても避けねばならない
ついでに施術時の写真も…施術時ってアンタそれ全裸の写真って事じゃないか
そんなの組織のムッツリ共に押収させるわけには行かない!
661 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:43:18.57 ID:r65B9jJM0
そして冒頭に至る
私の「能力」で家の電子ロックを外し侵入した所までは良かった
既に組織の黒服は私たちの家の中に進入していた
そして非常と言うか薄情な妹達は私を置いて我先にと地下の資料室に向かった
結果私が取り残され黒服達に囲まれる結果となった訳だ


―――長女の場合
「お前はこの家の娘だな?」
「だとしたら?」
「事情を聞きたい、同行してもらおう」
「断るって言ったら?」
「力尽くでだ」
あーやだやだ、割と平和主義になったって話聞いてたけど所詮組織なんてこんな物よ
「いっしょに来てもらうぞ「きちくかよ」」
プチンッ
あー、今血管キレる音がした
取り合えず確認
「今何つった?」
「一緒に来てもらおうぞ「きちくかよ」」
ブチンッ
OK
良いよ
うん
素晴らしい返答だ
うん
命いらないのね?

気付いた時には跳躍――――300年程先を行く技術と科学を持つあの鬼畜外道キ印養父によって与えられた私の足は一跳びで軽く数メートルを飛越えるその人の身にしては破格の脚力を持って私を「読んではならぬ名」で読んだ馬鹿に突撃させていた
ぐしゃっと鼻がつぶれる感覚
私の足底が黒服の顔面にクリーンヒット

「し―ね」
その、顔にめり込んだ足を軸に更に跳躍
踏み台になった黒服が仰向けに倒れる
放たれる銃弾、数は9
その全てが、まるで私を避けるように軌道を逸らしあらぬ方へ着弾
私は空中をクルクルと回り、そして落下
そして着地するか否かの瞬間で両手を広げ左右に居た黒服二人に触れる
それだけで黒服二人は倒れた
非常に顔色が悪い、辛そうだ
662 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:43:57.98 ID:r65B9jJM0
「な、何をした?!」
「鉄欠乏性貧血、簡単に言うと血液中の鉄分が無くなったの」
黒服たちの顔に動揺が見て取れる
何を言ってるのか理解できないのだろう
「私は磁石がデータを破壊するの契約者」
ご存知だろうか?
事実、時代遅れのフロッピーディスクは磁石をフロッピーの上に数秒置くと磁石はディスクにくっついてデータを破壊する
しかし、最近のフラッシュメモリは磁性体を使っていないため、磁石を置いても何も起きない…磁石がデータを破壊するなんて真っ赤な嘘
故に都市伝説として成立し私は契約した

そして

「フラッシュメモリをダメにする位強力な磁石なら人間の血液細胞から鉄分を吸い出してしまうほど強力な物と言う事、私の磁石は都市伝説でそれが可能、つまり人間から鉄分を吸いだすのも可能って事ね」
最後の一人に触れる
「わかったならお休み、黒服さん」
最後の一人も倒れた…さて不出来な妹達は無事だろうか?
663 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:44:48.02 ID:r65B9jJM0
―――三女の場合
私、鬼竹菜野、「おにたけなの」と読む
間違っても「きちくなの」じゃない、「きちくなの」って読んだ人には可及的速やかに墓石の下に行く権利をあげるの
そう、私鬼竹菜野、鬼竹家の末っ子12歳中一

「じゃあ次のもんだいー!!
パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?」

カヨ姉が来るまで暇なので組織の黒服さん達相手にクイズ大会
質問者は私、回答者が黒服さん

「ふ、フライパンッ!」
恐怖で引きつった顔で黒服さんが叫ぶ
んー、惜しいッ
「ブー正解はウチのドクオが作った産業廃棄物の塊としか思えないパンだよ」

あれは酷かったなと私は思う
ドクオはパンだと主張していたがまるでヘドロの様な見た目で色は虹色だった
試しに空腹のわんこの前に差し出すとわんこは全力で逃走
二人の姉の手で即座に拘束
そして私がこの手でそのパンらしき物体をわんこの口に押し込んだのだ
するとどうだろう、わんこは内側から溶けて崩れて肉片になっちゃった
私は不思議な事もあるんだなーと笑っていたけど姉二人は蒼い顔していたのが印象に残ってる
ついでにその翌日ドクオが逆さ釣りで姉二人のサンドバックになっていたのも覚えてる
パンとは恐ろしい食べ物なんだなと私は思った

昔の偉い人は言いました「パンが無いならケーキを食べれば良いじゃない」
パンがあっても私はケーキを選ぶ
そしてケーキが無くてもパンは選ばない
それが私たちのジャスティス
私たち三姉妹にとってパンとはそう言う物だ
あれはそもそも食い物じゃない
だから正解は「そもそもパンは食べ物じゃありません」
664 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:45:43.34 ID:r65B9jJM0
「そんなの答えられるはず無いだろう!?」
「不正解は不正解だもん」
ルールはルールである
私の考えたクイズに彼は答えられなかった
だから私は彼を殺して良いし
彼は私に殺されないといけない

「これがルールでしょ?」
「常識問題じゃなかったのか?!」
「私の常識だよ」

ここでは私がルールだ
だって、私は怪人アンサー
幼い頃に契約し都市伝説に飲まれた存在

「じゃ、いただきまーす」
ずぼっと音を立てて心臓を抜き取る
そして品定め
んー、不合格

「不摂生な生活してそうな心臓だねー」

即座にポイ
あんなの私の彼にふさわしく無い

「つまんないつまんないつまんなーい」

今日の収穫はゼロ
私の欲しいパーツは今日も無かった
愛は一日にしてならずだっけ?
私の大事な彼が「出来上がる」にはまだ時間がかかりそう

あ、カヨ姉がこっちに来た
じゃあ後はもうショウ姉ちゃんだけだね
665 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:46:54.90 ID:r65B9jJM0
―――次女の場合
私、鬼竹翔、14歳中ニ、「おにたけしょう」と読む
間違っても「きちくしょう」じゃない、「きちくしょう」って読んだ奴には今晩の我が家の食卓に並ぶ権利をくれてやる
当然食材としてだ
そもそも私は翔、ショウと言うまるで男のような自分の名前が大ッ嫌いなのだ
にも関わらず私を広い育てた養父の姓は鬼竹…「きちく」とも読める苗字
そこに私の嫌いな私の名前である翔を足して見ろ

鬼竹翔、鬼畜生

何て名前だ、思わず畜生って叫びたくなる
誰だ畜生って言った奴ぶん殴るぞ

黒服は姉貴のカヨと妹の菜野に任せて私は資料の処分
書類に火を付けたい所だけど流石に危ないので自重
日夜男を垂らし込み社会的に抹殺している姉や、死体愛好家の妹とは違って私は真っ当なのだ
常識人なのだ
しっかり者なのだ
だからそんな常識はずれな真似はしない


だから取り合えず、細切れにする事を選択
666 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:47:54.84 ID:r65B9jJM0
まるで手品か何かのように何も無い空間から鉈と包丁を取り出す
他人よりも少しだけ大きな私の口がニヤリと歪む
何だかんだで刃物が好きだ

だって、私は―――口裂け女だから

両腕の鉈と包丁で一閃
その一振りで書類の束はシュレッダーにかけらたかの様に細切れに
ついでにデータを記録しているであろうHDDやディスクの類も細切れに
それらを収納していたイスや机、箪笥も細切れに
部屋に入ろうとして来た黒服も細切れに
何かを解体している時ほど満たされた時間は無いね
断言できる
最高にハイって奴だ!!
テンション上がってきた

はしたない
普段の私が見れば多分絶句する位はしたない
私のテンション鰻上り
「居た居たショウ姉ちゃーん、終ったー?」
「こりゃまた派手にやってるな」
カヨ姉と菜野だ、そろそろ引き上げ時か
取り合えず最後に一閃
これで終わり、これで最後
これでこの部屋にある物全てを解体した
667 :鬼竹家の三姉妹[sage]:2011/10/05(水) 03:48:42.53 ID:r65B9jJM0
「終った、全て解体した
これで終わりだよ」
「ショウ姉ちゃん、お疲れー」

菜野がタオルを渡してくる
それで汗を拭く
我ながら良い仕事をしたと一人満足
そしてカヨが口を開く

「ショウ・・・お前今最後に何切った?」
「え?」

見ると木片
そして明らかに何かが足りない部屋
あぁ、部屋の中央にあったあれが無いのだ

「柱」

カヨと菜野が口を閉じて生暖かい目で私を見る
そうだな、コレ失敗だな
この家を支えてる柱をぶった切ったんだな、私
「「「逃げろー!!」」」

そして我が家は崩落した



「んーお前らぁ、加減って言葉知ってるかぁ?」
当然帰った後ドクオにドヤされたのは言うまでも無い

――――――終る
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]:2011/10/05(水) 03:49:53.51 ID:r65B9jJM0
勢いだけで書いたけど数週間ぶりなのに何をやってるんだろうね俺は

お目汚し失礼
669 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/05(水) 08:14:05.30 ID:PPhIVsVN0
花子さんとかの人乙です〜
なるほど「グレムリン」か、その発想は無かった…
って『せ』が来てる!? 次『そ』じゃん!?
くそおおおもう書き終わってるのにいいいorz

はないちもんめの人乙です〜
こりゃまた奇抜な名前に奇抜なキャラだwwwwwww
菜野たんかぁいい菜野たんマジ幼女
ドクオは何かサンジェルマンと繋がってそうだな…
670 :死亡フラグのさしすせ“そ”  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/05(水) 17:13:23.59 ID:qkxcAw3c0
私は名も無い刑事だ
今日もとある事件の捜査をしている
ギタリスト連続殺人事件―――――全く、この町は妙な事件ばかりだから困る

その名の通り、被害者は全員ギタリスト
死因はケーブルで首を吊った事による窒息死
面白い事に、全員ギターを抱えたまま死亡している
“首を吊った”という結果だけを見れば、この事件は自殺だろう
署の奴らも皆そう断定している
だが私は違う
これは立派な殺人事件だ
何故なら、犠牲者はどれも僅かに“何者かと争った形跡がある”からだ
しかしその事に誰も耳を貸しちゃくれない
若い頃ギタリストを目指していた所為か、彼等の仇を取ってやりたい気持ちになっていた私は痺れを切らし、単独捜査を実行した




「・・・これで何度目だろうな、ここに来るのは」

手掛かりが見つかるまで、私は事件現場を何度も転々としていた
今私がいるのはとあるマンション
最初の犠牲者である男子高校生の自宅だ
彼は寝室でギターを弾いている間に殺されたらしい
これは彼の演奏を聞いていたという隣人から得たので確かだろう
だが問題は、誰に殺されたのか
母親は既に他界しており、父親は当時勤務中だったらしく、兄弟姉妹はいない
このマンションの管理人によれば、当日は友人等の客が彼を訪ねてきた事は無かったようだ
窓が割られた様子も無し、だが窓の鍵は閉まったままだ
となると完全な密室・・・いや何かある筈だ、見落としている何かが・・・

「ん?」

ふと、無造作に敷かれた布団の上に落ちていた紙を拾った
今まで気づかなかったが、どうやら楽譜のようだ
音符は印刷されたものでなく、手書きだった
作曲していたのか?

「そういえば、他の事件現場にも楽譜があったな・・・ん!?」

私は楽譜の中の、ある点に目が行った
それは、『ConG』というコードだ
他の現場にあった楽譜にも、この楽譜と同じ『ConG』のコードが書かれていたのだ

「こ、これは余りにもおかしすぎる・・・だがどうして・・・?」

部屋を見回し、目に入ったギターケースを開く
案の定、そこに納められていた1本のギターを手に取った

「むぅ・・・確か、ConGはこうだったな――――っ!!」

『ConG』とは
ギターの『ソ』、『ド』、『ミ』を押さえたコードの事だ
ソ  ド  ミ
So Do Me(私もそうします)



「そうかっ!そういうことだったのか!」



ようやく、答えに辿りついたと思ったのに
首元に感じた、強い圧迫感

「――――――――あ゙っ!?」

どうやら、アンプのコードで首を絞められているらしい
必死に抵抗するが、足が床から離れ、段々と意識が遠退いてゆく

「ギターが弾ける奴は…皆……死ねば良いんだ……」

薄れゆく意識の中、私は確かにその声を聞いた

   ...end
671 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/05(水) 17:15:59.03 ID:qkxcAw3c0
投下完了ですわ♪
え? 他の話は生きてるのに何で死んでるんだ、って?
1個くらいこういうのがあってもいいじゃない、何せ“死亡フラグ”なんだから










救済エンドもあったりするけど要らんな、うん
672 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/05(水) 18:25:18.06 ID:r1kNGKLi0
投下開始。ちょっと今回は短いです


「ゲーム研究部達のCoA…ってかなり久しぶりだな」
ゲーム研究部と、ネット研究部、『七つの大罪』、夢兄妹はそれぞれのパソコンの間に集まっていた
遊『みんな集まった?』
練男『漏れ、童河、波江、健太、藍太、響、探、半汰、鉄則、真理男…ネト研は全員揃ってるぞ』
遊『ゲー研もみんないるよ☆』
帝『七つの大罪もゲー研の奴等と共に居るぞ』
夢見『私とお兄ちゃんもいるわよ』
堂寺『僕の小奈美も来てますよ』
小奈美『“僕の”は余計よお兄ちゃん』
胡々亞『私もいまーす』
練男『んじゃ5分以内にインな。集合場所は時計塔で』
ちなみに二重括弧はチャットである。と、言うのは良いとして…
練男「じゃあ行くか。んじゃよろしく頼むぞ童河」
童河「把握。『sm666』で侵入するよ。 半汰君もサポートお願い」
半汰「了解です。僕の『運営からのお礼』も空間創造系ですからね…」
こうして、二人の能力をつかってCoA内にログインしようとするネット研だったが…
?「待って兄さん!」
誰かが割り込んできた
半汰「卓也? なんで此処に…」
卓也「何でって…。僕も家で兄さんとCoAしてたじゃない。置いていくなんて酷いよ」
半汰「どうしましょう、部長…。卓也も一緒に行きたがっているのですが…」
ちなみに彼、可符根卓也(かふねたくや)は小奈美のクラスメイトである
練男「いいぜ。一応契約者なんだろ?」
半汰「ええ」
練男「なら問題ない。じゃ、行くぞ」
そんなこんなで、全員の集合を確認し、CoAにログインする彼等であった。勿論、都市伝説の能力を使用してだ
遊「えーと、時計塔は…あっちだね☆」
そして、全員が時計塔に集まる
練男「集まったな」
帝「待ちわびたぞ」
疾風「いや、寧ろ僕らのほうが遅かったような…」
遊「じゃ、いくか☆」
こうして、彼等の冒険は再び始まった!
堂寺「さて、前回はアイテムを収集したわけですが、今回もそうしますか?」
半汰「別にいいけど、僕の『物欲センサー』は自動発動だよ?」
堂寺「なん…だと…?」
疾風「え、ってことは自分にも反映されるの?」
半汰「そうだけど?」
宝「それじゃあ日常生活もままならないんじゃ」
半汰「大丈夫。自分の欲をちょいっと抑え込めば普通に回避できるんだからね」
宝「そんな軽いノリで!?」
実のところ、可符根半汰も異常者(アブノーマル)である。え? 多すぎ? やだなーこれだけキャラが居れば異常者ぐらいたくさん出ますってー
さて、可符根半汰の異常性はズバリ『禁欲さ』である。幼い頃から欲望とは抑え込むために存在するのだと信じてきた彼は、赤ちゃんの頃からお腹が空いても泣かずに我慢し、眠くなっても泣かずに耐えてきた。
彼は、欲望とは動物的本能であり、それを理性で抑え込むのは人間にのみ許された自由で、だからこそ欲は抑え込むものだ、と今も昔も思っているのだ。言わば重度の禁欲フェチである。ちなみに異常名は『慎凛慾(ストーンストイック)』である
ちなみにどこぞの包帯覆面ナイフの百合百合で歴女で森ガールな魔王様とは違い、幸せになるために自分から不幸を求めるような事はしないわけだが
堂寺「まぁ、そんな事ができるのは半汰君くらいだろうけど。じゃ、どうします? 普通にレベル上げと賞金稼ぎ?」
遊「んーそうだねー…。ま! 何でもいいからとにかく楽しもうぜ☆」
ゲーム研究部部長、娯楽遊。名前の通り娯楽が大好きで、何でもかんでも面白く楽しむことを生きがいとしている。そして天才だ
蒼介「ゴホゴホ…そうですね…たまには…そんなのも…ゲホ」
そんなわけで、今回はCoAというゲームをゲームらしく楽しもう、ということになった
順調にレベルも上げ、適当なアイテムも手に入り、それなりにお金も集まった。そんなとき…
どしーん、どしーんという地鳴りが聞こえてきた…。見上げると、そこには山よりも大きな巨人が…
堂寺「ッ! 『ダイダラボッチ』…!」
まぁ、そんな巨大な物に気が付かないわけもないのだが。しかし、この場に居る殆どの人間が、“巨大すぎるが故に”反応が遅れてしまい―――振り下ろされる『ダイダラボッチ』の巨腕を避けきれず、バラバラに吹っ飛ばされてしまった
堂寺「うわっ!」
香々緒「うぉッ!」
波江「きゃあ!」
真理男「マンマミーヤー!」
このように、丁度よく、4人ずつのグループに分かれたものの、殆どが吹っ飛ばされてしまった――
不幸「…危なかった」
そう、ただ4人、不幸とその近くにいた人間を除いては
疾風「ありがとう。助かったよ」
不幸「まぁ、隣に居たしね」
健太「フッ…。イケてる僕があんな醜い攻撃を受けるわけにはいかないからねぇ」
疾風「…なんでコイツも助けたの? 寧ろコイツの場合顔面に直撃した方がよかったと思うんだけど」
健太「毒舌!?」
探「生存なう」
バラバラに別れてしまった堂寺達! さぁさぁどうなるCoA編!? もう終わってるらしいけど! そんなこんなで、CoA編、キリの良い4人ずつに分かれたところで…




                         続く…
673 :DKGとファントムさん レジェンドハンター  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/05(水) 20:01:29.68 ID:jFHbvbB30

「……さて、ここら辺かな」

 一人の青年が、海に浮かぶ船の上で、場所の確認をしていた。青年はナビを細々と確認すると、一人ニヤリと笑う。
 場所は完全に一致した。絶対にここだと、確信を持てる。
 準備万端。道具や術式などの点検も問題なし。
「そういえば……」
 自信が運営している、商売のホームページのお知らせのページを更新する。
『本日の予約無しのご利用は、個人の都合により、出来なくなっておりますので、ご注意下さい』
「まあこんな感じでいいや」
 彼の商売は、レンタル屋である。利用できる人間も限られているため、別にホームページを作る必要もないと思ったが、かわいい弟の提案なのでがんばることにした。
 そして彼には、もうひとつ趣味でやっている事がある。
「さて、――――ムー大陸の王、ラ・ムーを頂戴するとしようか」
 それは世界初ともいえる、レジェンドハンター――――貴重な都市伝説を集める、夢を追いかけた人のことである。

 彼が都市伝説と出会ったのは、十年前だっただろうか?
 ある湖に、家族皆で釣りする為に訪れていた。末の一番かわいい弟に竿が引っ掛かり、引き上げてみると、

 八つも顔がある大きな蛇、ヤマタノオロチだった。

 当然末の弟は大パニック。もちろん彼自身も驚いたが、恐怖の前に、かっこいいという感情の方が強かった。
 彼は七兄弟の下から三番目だったのだが、それより上の兄達が、都市伝説と契約していたり、突然頭をリーゼントにして都市伝説の力を使ったりとして弱体させ、父がそのヤマタノオロチを封印した。
 それらの現象をまともに見た彼と末の弟は、父から説明を受けた。
 この世には人の心が生み出した怪物がおり、危険な怪物を退治するのが、私の仕事だと。
 その説明で理解した彼は、こう決心した。

 こんなにすごい物がこの世にあるのなら全て自分の物にたい、と。

 それから彼は父から陰陽師の心得を習得し、教えてもらった力を現代風にアレンジし、自分にもっとも効率のいい道具を作り出す事に成功した。
 これが、大まかな今に至る経緯である。
674 :DKGとファントムさん レジェンドハンター  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/05(水) 20:03:51.40 ID:Jbo5gFno0

「それじゃあよろしく」
 カードを宙に投げると、そのカードから杖を持った男が現れた。
「フォーゼ……じゃなくてモーゼ、この海を割る事が、君にはできるかい?」
「たやすい」
 カッ、とモーゼが杖で船を叩くと、見事に海の割れ目が現れた。
 その割れ目に、船も落ちた。
「バカかー!?」
「これにて私は失礼する」
 モーゼはカードに戻り、彼の手に戻った。
「……く、これは少し冷たいんじゃないか? ええい、なら君だ」
 彼はもう一枚のカードを取り出し、宙に投げた。そこから出てきたのは、天狗だ。
「天狗。僕を助けたまえ」
 彼は天狗の足を掴み、ゆっくりと海の底へ下りていく。だが、海の底は深く、なかなか辿り着かない。
「……俺の背中にでも乗るか?」
「助かるよ」
 男は体を捻り、その勢いでとぶと天狗の背中に乗り移る。
「それじゃあ気を取り直して、ラ・ムー捕獲計画再開だ☆」
「……お前が降りたいなら、もっとスピードを上げてやる」
「え? それってどういぅうううううううううううううううううううううううううう!?」
 天狗は急降下をし始め、男は必至に天狗の背中にしがみつく。
 海の底につくのは早く、男の足が地につくと天狗はカードに戻った。
「……やれやれ、契約をしていない僕でも、君たちとのつながりはもっと深いものだと思ったんだけど……」
 そう、彼はどの都市伝説とも契約をしていない。強制的に封印し、式神扱いするだけである。
 彼が言うには、都市伝説の力とは道具であり、それ以上の関係を持つのは、気持ち悪いことこの上ないらしい。
 が、彼はツンデレなところがあるので、素直に言えないだけなのだ。
 彼が辺りを見渡すと、見たこともない建築物だらけだった。中には、モアイ像もある。
「……さて、ムー大陸の人物に関してはラ・ムーという王だけ、つまり民はいるわけだけど……」
 ギャシャ、ギャシャ、と奇妙な足音とも思えない足音と共に、未来系SFアニメにでも出てきそうな、パワードスーツを装着した何か達が歩いてきた。
「超古代文明だからと言って、これはない。ないよ」
 カードを数枚宙に投げ、都市伝説を呼び出す。
 ハチマキを巻き、背中に桃と書かれたハッピの、ポニーテールの少女――――に見える少年、『桃太郎』(桃太郎の桃って、女の子みたいだからじゃね? というところから生まれたらしい)。それとゾンビ集団である。
「桃太郎くん、僕を連れて強行突破だ」
「わかりました」
 桃太郎はニッコリと笑い、力強く頷く。これだけ見れば健気な美少女なのだが、
「……れっつぱーりーっ」
 そう呟くと、先程までのにこやか笑みはどこへやら、同一人物とは思えない獰猛な笑みをみせる。
 パワードスーツを着た何か……このさいロボットと呼ぶ事にする……の集団に、桃太郎は刀を両手で握って突撃し、ゴバァ!! と簡単に切り捨てた。
「……鬼より少し固いぐらいじゃないですか。ツッまんねーの」
 ……正直、怖いことこの上ない。
 彼は桃太郎の後ろに着いていき、ロボットの屍を闊歩する。
 ゾンビ集団はロボット達が衝撃波のような何かで吹き飛ばしても、すぐに襲い掛かる。
「……グロテースク」
 彼は桃太郎の背中を追いながら、ムー大陸の一番大きな建築物へと向かう。
675 :DKGとファントムさん レジェンドハンター  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/05(水) 20:04:59.29 ID:gD0RqqvW0

 気が付けば玉座の間らしき部屋に入り込んでいた。
「それでは、私はこれで」
「ご苦労様」
 桃太郎はカードに戻り、彼の手元に収まった。
「さて、この大陸に何のご用かな?」
 玉座に座っている何かが、彼に話しかけてくる。
「やあ、僕に捕まえられて、式神になってよ」
「私はこの国の王だ。民とこの大陸をおいて、契約をする気にはなれん」
「君に拒否権は無いよ。なぜなら、君は物だからね」
 カードを二枚取り出し、宙に投げる。
「今度はどのような使いだ?」
「高みの見物か、随分と趣味が悪いね。それに使いじゃない」
 宙から出てきたのは、剣と槍――――グングニルとエクスカリバーである。
「武器さ」
 グングニルを投げつけ、ラ・ムーの胴を突き刺し、エクスカリバーで容赦なく何度も何度も切りつける。
 そして何も書かれていないカードを取り出し、ラ・ムーの額に当てる。
「……君の持ち主を探すのを手伝ってあげよう。ただし、それまでは僕の所有物だ」
 別に言う必要も無い事だが、言わなければ哀れすぎると思っているから、こんな事を言ってしまうのだろうか?
 これは、二年前京都で起きた、百鬼夜行事件で変わってしまった、末の弟のせいだろう。あれのせいで、いらぬ感情を物に持ってしまった。
 ラ・ムーは、そんな事を考えている間に消えてしまった。
「今回もあっけなかったね」
 カードをしまい、玉座のまから出ようとした。だが、彼の元に二本のメールが入ってきた。
「……予約はダメとは書いてなかったね」
 メールの内容は、『都市伝説のレンタル要望』だ。
 彼の仕事とは、都市伝説を依頼人に貸し、指定された時間だけ仮契約をさせる。都市伝説と依頼人のウマが合えば、そのまま契約させる。
 彼が言った持ち主を捜すという意味は、こういう事だ。
「もう一本は……おっ、珍しい。真司兄からじゃないか」
 メールの内容は――――末の弟に、彼氏ができたらしいとの報告。
「だ……れだ」
 そのメールを受け取った彼は――――
「僕のかわいい弟を誑かしたのは、誰だぁあああああああああああああああああああああああ!!」
 ――――ブラコンの彼は、見事にブチ切れた。
 カードを投げラ・ムーを呼び出す。
「ラ・ムー! 早速仕事だ! このムー大陸ごと学校町にとべ!!」
「……え、いや、それは流石にやり過ぎじゃないか……?」
「YA・RE☆」
 愛する弟を、どこぞの馬の骨に奪われた悲しみは、大きい。

 ……別の形で続く、かも?
676 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/05(水) 20:14:00.08 ID:X5DNiCRV0
単発作品投稿終了。
次回のDKGとファントムさんは薫ちゃんピンチ展開にしようかと思います。

それと、シャドーマンの契約者さんとソニータイマーさん乙です!!

雄介「……待って、このお話の彼ってまさか……」

 ちなみに、都市伝説のレンタルは、都市伝説を知っている方なら誰でもご利用になれますので、皆様もご利用下さいませ。
 花子さんからゼウスまで、ご要望があればGETしに行きます。
 だぶっている都市伝説は多いですが、性格や能力など細かいところが違いますので、ご注意下さい。
677 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/05(水) 20:14:13.01 ID:r1kNGKLi0
DKGの人乙ですー
678 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/05(水) 21:59:40.80 ID:QLsYXaM60
華子さんとかの人乙でした
なんかすげえエースコンバット思い出すwwwww
花束買ったらレーザービームで撃墜されるだろwwww
相棒はピクシー、片翼のピクシー
花いちもんめの人も乙でした
そろそろ来ると踏んでいたぜ
あれだな、次女が常識人かわいい
長女は淫乱可愛い
三女もネクロフィリア可愛い
つまり全員可愛い
でも次女が一番好きです!
影男の人は作風をガラっと変えてきただと!?
こういうのなんかすげえ新鮮、乙でした
ソニータイマーの人キャラ多いwwwww
COAって舞台の相性が良いからか情景が眼に浮かぶようだぜ
ところであの名伯楽可愛くね?
結婚したいんだけど
超結婚したいんだけど
理系女子って壺なの
DKGノ人はあれか
彼のお兄様か
これは序盤敵として出てきたピンチになったら助けに来る感じだな
ん?
彼氏?
ちょっとまてよ……
あれどういうことなんだうわああああ!とにかく乙!
679 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/05(水) 22:17:01.74 ID:jFHbvbB30
>>678
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
間違えた!彼氏じゃなくて彼女に脳内変換お願いします&うぃきの時修正します!
……大事な伏線でこけちまったよ畜生!!
680 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/05(水) 22:29:19.40 ID:QLsYXaM60
素だったのかい!
いやいいのよdkgが実は男の娘だったけど
「それでもかまわん!」って展開
681 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/05(水) 22:30:28.98 ID:gD0RqqvW0
そういえばさ、都市伝説で商売してるのって、レジェンドハンター(仮)が初めてかな?
682 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/05(水) 22:34:33.08 ID:QLsYXaM60
【鬼ごっこ 第五話「かくれんぼ」】

「……しっかしなあ。」

 今日は4月1日、新学期である。
 茉莉と一美が今日は朝早くから弁当を作って学校に向かっていた。
 あいつら上手くやっているだろうか。
 茉莉の警護といっても彼女が中学生である以上俺が四六時中ついているわけにはいかない。
 だから年が同じで性別も同じ一美に学校での茉莉の護衛を頼んだのだが……
 あの二人、どうにも仲が悪い……っぽい。
 あいつら俺の前ではニコニコしているが、つい最近滅茶苦茶険悪な空気になっていたところを見てしまったのだ。
 
「どうしよう……やっぱ心配だよなあ。
 でもあれくらいの女の子の問題って俺には分かんねえしなあ……」

 迷う気持ちとは裏腹に俺が乗る車は順調に目的地まで進む。

「崩月師匠、なにぼさっとしてるんですか。」
「すまん勇、お前が居るの忘れてた。」
「ひどっ!なにげにひどっ!」
「今日の仕事はなんだっけ?」
「この山奥で蝙蝠みたいな都市伝説が目撃されているそうです。
 ハンターが鉄砲で撃とうとしたところ、血を吐いてそのばで死んだとか……」
「ふーん……病を操るとなると……」
「土蜘蛛じゃないですか。」
「でも蝙蝠みたいなんだろう?」
「ええ……。」

 春の山は少々気の早い桜が誰にも見られないでひっそりと咲き誇っていた。
 道はどんどん狭くなり、斜面も急になっていくが俺のジムニーシエラは物ともしない。
 流石スズキ、日本のスズキ。
 水冷直列4気筒M13A型エンジンがどこまでも運んでいってくれるぜ。
 ちょっとやんちゃなサスペンションが堪らないお手軽オフロードカーだぜ。
 
「いやしっかし師匠は車乗ってると楽しそうですね。」
「趣味だからな。」
「地下駐車場の一角を一人で独占してるじゃないですか。」
「お前免許取ってたよな?」
「え?はぁ……。」
「今日の目標を退治したらお前にこのジムニーシエラくれてやる。
 お前はもうそろそろ一人前だしな。」
「一人前の証が車なんて陰陽師とは思えませんね。」
「しかたねえだろ、俺の所は別に伝統とか格式とか有るわけじゃないし。」

 雑談をしながらもやっぱり車は進む。
 しばらく進むと完全に獣道しか無くなった。
 行き止まりになっている場所にはポッカリと何もない小さな空き地が広がっている。
683 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/05(水) 22:35:15.05 ID:QLsYXaM60
「目撃談ってのはこの辺り?」
「ええ、猟友会の人がそう言ってました。」
「なるほどね……。」

 懐から何枚かの紙人形を取り出す。
 
「……急急如律令!」

 それに式神を憑けて空へと解き放った。 
 紙人形は一瞬で鳥へと姿を変えて辺りを見まわり始める。
 隣では勇が蛇型の紙人形に式神を吹きこんで地面からの捜索を始めている。
 しばらく待っていると式神の内一体が戻ってきた。

「妖気を持った子供が一人?姿形は?少女、ねえ」
「師匠、その状態の式神と直接話すのってどうやってるんすか。
 普通テレパシーみたいになると思うんですけど。」
「知らねえよ、俺のは我流だもん。行くぞ。」
「はい。それにしても子供ねえ……ちょっと気が引けるっていうか。」

 式神の伝えた通りの方向にあった獣道に足を踏み入れる。
 しばらく歩いていると背中に画材を背負った青年が俺たちの目の前に現れた。
 
「うわっ!?」

 青年は俺たちの姿を見て腰を抜かす。
 当然だ、こんな山奥で人に会うなんて思う訳ない。
 適当に記憶でも消して帰ってもらおうか……
 
「大丈夫ですか?」

 そう言って勇が青年に向けて手を伸ばそうとする。
 見たところ画家志望の青年、風景がでも描きに来たのか?
 ――――――いや、ちがう
 とっさに勇と青年の間に割って入る。

「君、どうやってここまで来た?」
「え?親戚がこの辺りに住んでいるんで車で送ってきてもらったんですよ。」
「そうか……ここは私有地の筈だがね。なんせ猟をしているくらいだから。」
「え、いや、その親戚がここの持ち主で……」
「ここの持ち主はね、狩猟の最中に死んでいるんだ。
 つい最近、山のど真ん中で心臓発作でね。
 彼の最期を見届けた人によれば……でかい蝙蝠を撃とうとしたらやられた、とのことだが……」

 青年の顔を覗き込む。
 ゾッとするくらいに冷たい瞳。
 明らかに人間としての大事な何かが欠落している。
 
「あーあ、バレちゃった。」

 悪戯のバレた子供のように青年はバツの悪そうな顔をした。
 それと同時に彼の目が赤く光る。
684 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/05(水) 22:36:33.10 ID:QLsYXaM60
「でもね、もう遅いんだよ。あんた達は既に俺の毒の射程範囲内に居る!」
「勇、援護頼んだ。」

 勇が懐から経典を取り出す。
 彼はそれを広げると辺りに反響する大声でそれを読み始める。
 その声と前後する形で辺りを薄紫色の煙が包み始める。
 恐らくあれが毒なのだろう。

「帰命 世尊 薬師 瑠璃色 光王 如来 応供 無上正等覚者 所謂 帰命 薬 薬 薬発生 菩薩行 成就」

 しかし勇が薬師如来の真言を使い毒を抑える。
 こいつが読むと特に効果がでかいのだ。
 ……やっぱ声量の問題なんだろうか。

「――――毒が効いてない?なんの能力だ!」
「能力じゃない、貴様ら化物(フリークス)と戦うための技術だ。
 善鬼!業鬼!切り裂いてやれ!」

 式神が躍りかかる。
 目の前の青年は自らの身体を一瞬で蝙蝠そっくりの化物の姿にすると善鬼の刀を躱して逆に善鬼を蹴り飛ばす。
 だがその隙に業鬼の槍が腕に突き刺さる。

「くそっ、陰陽師の類かよ!なら経なんて読むな!」
「悪いな、陰陽師は陰陽師でもうちは密教系なんだ。」

 青年は業鬼を素手で握りつぶす。
 懐から聖別済みの銀で作られた銃弾を込めたグロック17を取り出す。
 狙いをつけようとした寸前で青年は翼を使って空へと舞い上がる。
 
「科学忍法火の鳥だ。」

 青年が指を鳴らす。
 すると辺りで爆発が起きる。
 おそらく前もって爆薬を仕掛けていたのだろう。
 爆発にともなって大量のボールベアリングが俺めがけて飛んでくる。
 成程、ここで待ち伏せていたからこれくらい楽勝って訳か。
685 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/05(水) 22:38:38.70 ID:QLsYXaM60
「師匠、動かないでくださいね。」

 勇が真言を唱えながらも護符を消費して結界を張る。
 ボールベアリングは勢いはそのままにすべて青年の方へと飛んでいく。
 しかしそれはあっさりと青年の身体をすり抜けていった。

「危なっ……!」

 成程、一時的な物質透過能力を持っているのか。
 ボールベアリングとトリニトロトルエンを使ったお手製のクレイモア地雷といい、
 プロ相手に冷静に待ち伏せ決める根性といい、なかなか腹の据わった奴だ。

「大人しく捕まってくれるなら悪いようにはしないぞ?
 お前は契約者なんだろう?それなら司法取引だって可能だ。」
「わるいねおっちゃん、そうはいかないんだ。
 分身の術……ってね。」

 突然目の前の青年が三人に増える。
 なかなか応用の効く能力だ、多重契約者かもしくは外来の都市伝説ってところだな。
 後者となると俺の専門外だ。
 逐一相手の能力を潰していかなくてはいけない後手に回る戦いになるのか。

「お命頂戴ッ!」

 一度でも触れられたらあの透過能力で心臓をえぐられかねない。
 ここは動きを封じるのが得策か。

「出てこい、土蜘蛛!」

 この前、茉莉を襲っていた蜘蛛を封じた札を取り出す。
 それを三人に増えた青年に向けて掲げると札の中から大量の蜘蛛の糸が現れた。
 糸にからめとられて二人までが動きを止める。

「残念、そいつぁ偽物だ。」

 偽物を出すタイプの分身か。
 徐々に徐々に能力がはっきりしてくる。
 青年は正面から俺にかなりの距離まで接近してくる。
 俺は彼に向けてグロックを構えながら近くに札を撒く。
 俺の予想が正しければ奴は透過能力で俺に何か仕掛けてくる。
686 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/05(水) 22:39:24.96 ID:QLsYXaM60
「忍法地走り!」

 地面に対して透過能力を発動し、俺の真下に潜り込む青年。
 ビンゴだ。
 ばらまいた札で結界を作り上げる。
 地面から手が伸びてきた。
 俺の足を掴む。
 そこで彼の動きは止まった。
 拒絶されるかのように地面から吐き出される青年。
 しびれたようになって相変わらず動けないで居る。

「悪いな、先に妖怪を拘束する為の札を使わせてもらったよ。」
「おっさん、あんた強いんだな。」

 勇は辺りを警戒している。
 そうだ、こいつにはもう一人仲間が居るのだ。
 
「鍛えてますから。」
「なんであんたそんなに真面目に鍛えられるんだ?
 なんか守りたいものとか大切なものでもあるのかい?」
「まあな。」

 札の量を増やして封印を更に強くする。

「良いなー、俺には分からないや、大切な物ってのが。
 ねえ何なの?大切って。
 無くしたくないものがあるってどんな感覚?
 無くなったら悲しいの?
 悲しいってのも分からないんだよね俺。
 昔からそうでさあ。
 悲しまないから大切な物を持てないのか
 大切なものを持てないから悲しめないのか
 本当にどっちか分からなくってさあ。
 人が死ぬと悲しいって言うからじゃあ人が死ぬ所を沢山見てみようと思ってアフリカに行ったりもしたんだけど全然ダメだね。
 NGOだかって奴?
 アフリカは普通の人が言う所の地獄だったぜー
 神様って仕事しないんだなって俺も思ったもん」
「話の続きはお前を完全に捕まえてからだ。」
「あー、それ無理。だってもう仲間が俺を助けに来てるし。」

 あっけらかんと言い放つ。
 一瞬信じ込みそうになってしまったが気配がない以上それはありえない。
 しかし、勇は違った。
 彼には一瞬だけ隙が出来た。
 火花をあげて札がはじけ飛ぶ。
 突如として青年の都市伝説の力が何倍にもブーストされたのだ。
 トリックは分からない。
 恐らく多重契約だと思われるが……。 
687 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/05(水) 22:39:54.60 ID:QLsYXaM60
「すまんね、おっさん。
 俺ってば山に可愛い七つの子を残してるのよ。
 大切な物を持つための練習台、みたいな。
 調達面倒だしほっとけないっしょ?
 忍法・隠れ身の術。」

 そう言って青年の姿が消える。

「うわっ!」
「おっと、動かないでね。人質は怪我させたら意味が無いから。」

 何処からか現れた青年は勇の背後を取ると透過能力で彼の心臓に手を触れていた。

「おっさん、ここはお互いにいたみわけってことで一つ頼むわ。
 普通の人間ってこういう時はお互いの大切な物の為に引き下がるもんなんだろ?」
「多重契約か……!」
「ししししし、師匠!俺に構わずに捕まえてください!」
「勇、無理するな。」
「え?」
「足震えてるぞ。」
「うっ……。」
「手持ちのお札とか銃だとかを捨てて十歩後ろに下がってくれ。
 そしたら素直にこいつを無傷であんたに返す。」
「分かった。」

 武器をその場に捨てて十歩後ろに下がる。

「物分り良くて助かるぜおっさん。」
「おう、大人だからな。」
「After all, you are only human,too.
 …………でも羨ましいぜ。」

 そう言って微笑むと青年は俺たちの前から姿を消した。
 逃したとなるとお役人様に怒られそうではあるがとりあえず弟子が無事だったことを素直に喜ぶとしよう。
 
「すいません師匠……。」
「お前はちゃんと仕事しただろう。
 あれは中々強敵だ。お前の実力が足りなかった訳ではない。
 むしろ……命が有ってラッキーってことにしておこうぜ。」
「でも……。」
「ジムニーシエラはお預けな。」
「oh……。」

 がっくり落ち込む勇。
 現金な奴め。
 さあ帰るぞ、と努めて明るい声を出して俺は今まで来ていた道を引き返し始めた。。

【鬼ごっこ 第五話「かくれんぼ」 to be continued】
688 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/05(水) 22:45:32.83 ID:QLsYXaM60
ジーナフォイロは毒と透過能力と瞬間移動しかできないわけですよ
毒→純粋なバトルには向かない→今回は使えなくても困らない
透過能力→地味、マジで地味、ヒーローズ見たけどやっぱ地味→あ、地面透過させれば無茶苦茶自由に動けるじゃん、テラ3次元機動wwwwww
瞬間移動能力→ポンポン使うのは不味いなあ、ああそうだ、切り札にしよう、あまり遠くまでは動けない設定にしよう

個人的には地面も自在に透過ってのが一番やってて楽しかった
途中で能力が切れると空から落下するみたいに地上に向けて吐き出されるので生き埋めにはならないよ!
689 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/05(水) 23:25:54.20 ID:4hyy58el0
ミルクティーの人乙でした〜
依頼料踏み倒そうとするカップルは爆発していいwwwwww
DKGとファントムさんの人乙でした〜
トンカラトンはやられ役として良く登場するようになったなあ。
龍一君もファントムもカッコいい
レジェンドハンターの使う都市伝説の各高すぎだろwwwwwwww
シャドーマンの契約者の人乙でした〜
アルケミィちゃん…
純粋な悪の裂邪は新機軸だなあ
ソニータイマーの人乙でした。
不幸もげろ。
そしてゲーム研の人たちのCOAも久々だなあ。
三面鏡の人乙でした〜
沙々耶とメイちゃんがー!!
笛の人乙でした〜
鵺すげえ……
ジーナ・フォイロの契約者が悪役として成長するのが楽しみだ。
690 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/05(水) 23:29:47.17 ID:r1kNGKLi0
笛の人乙ですー!


>>678
>あの名伯楽可愛くね?
さりげなく王蛇のポーズをする平成ライダー派ちゃんかわいいよ!
古賀ちゃんが惹かれるのもわかるよなー。名瀬ちゃんの心はいつだって、いたみと共にある!(さりげなく王蛇のポーズ)
691 :ミルクティー[sage]:2011/10/06(木) 00:35:48.13 ID:drXlrIfAO

皆様乙です!
いやぁ、カッコいい戦闘や可愛いこ達、面白いお話が沢山出てきて自分はとっても幸せです!ww
三姉妹とかレジェンドハンターとかジーナフォイロとか死亡フラg…長くなるのでetc(オイ

ではでは…自分も何でも屋投下しまーす。
692 :ミルクティー[sage]:2011/10/06(木) 00:38:32.09 ID:drXlrIfAO
【何でも屋ミルク・クロウ…九重現る】

空に雨雲がちらほらと見える中…
「何…だよ…コレ?」
…たまにしか来ないミルク・クロウの幽霊社員は呟いた。

ひっくり返った机、床に散乱する紙、少しひび割れた天井、全て割れた窓。
さながら台風の後のようだ
「イテテ…直ぐに追いかけなきゃ…あいつ等を」
奥のキッチンから腹を擦って出てきた烏龍に彼は直ぐ様声を掛ける
「大丈夫か烏龍!?…何が有ったんだよ?」
「おぉ…二週間ぶりだナ豆腐?」
「豆腐じゃねぇよ俺は東風志代だって何回言ったら分かるんだよ…ってコントしてる場合じゃねぇだろ」
「分かってるアルよ…実は」
ひと悶着、休憩を挟んで烏龍は話し出した…
693 :ミルクティー[sage]:2011/10/06(木) 00:40:03.68 ID:drXlrIfAO

〜数十分前〜

「客…来ねぇなぁ」
「大河…それは言わない約束アル…」
退屈そうに呟く大河とそれを宥める烏龍
「そういえば今日は珍しく皆揃ってるわねぇ」
呑気にソファーに寝転がっている真白が言った。
「アイヤー?でも豆腐はいないアルよ」
「東風君?彼はしょうがないわよ日中は能力柄、中々外に出れないんだから」
女の子らしい雑談ではないがお喋りを始める四人
「あーでも…やっぱ暇だn」

ガシャンッ…

大河が再びぼやこうとした瞬間言葉がガラスの割れた音で遮られる。

694 :ミルクティー[sage]:2011/10/06(木) 00:40:58.00 ID:drXlrIfAO

「何アルか!?…のわっ!」
「な、何よ…きゃっ!?」
次の瞬間には二〜三個の人影が窓から侵入し、その内の一つが烏龍にドロップキックを決めていた。
そして一番窓に近いアカネが振り返ろうとしたが即座にスーツの男に押さえ込まれてしまった。
「はじめまして契約者揃いの何でも屋…ミルク・クロウの皆様。私、九重グループ社長…ココノエと申します」
アカネを押さえたままスーツの男はニコニコとした顔で名乗る。
「九重グループ…確か最近急成長した会社ね…で、その社長様とやらが私達に何の用よ?」
アカネや臨戦体勢の大河がココノエを睨み付ける
「おぉ、怖い恐い…まぁ単刀直入に言うとですね。この土地を買い取r「断る」…おやおや」
アカネが直ぐ様話に割り込む。
695 :ミルクティー[sage]:2011/10/06(木) 00:42:02.00 ID:drXlrIfAO

「迅速で素早いご決断でございますすね…なら此方も実力行使と行かせて頂きましょう」
「けっ、契約者を四人も相手にして勝てるとでも?」
大河の腕がだんだんと赤く染まる。
「そうですねぇ…確かにあまり利口とは言い難い…なので今回は『人質』と『逃走』を使わせていただきます」
男が隙を見てアカネの口にハンカチを当て更に掴んだまま窓からジャンプする。
「なっ、アカネ(ちゃん)っ!?」
大河と真白が驚いたの同時に巨大な怪鳥が現れ、男とアカネを背に乗せた。
「それではまたお会いしましょう。あ、お越しの際は九重グループ本社へと渡す事務所の権利書を忘れずに」
怪鳥が羽ばたき始め飛び立とうとしている
「逃がすかよっ!」
半鬼人と化した大河がココノエに向かい跳躍する…しかし
「イカセナイ…お前ジャマだ」
その赤鬼はぼろぼろの毛布を来た女に止められた
「手前ぇ…どけよ」
「どかない…ソレガ九重の命令ダカラ」
女は即座にしゃがみ、先ほど烏龍を吹き飛ばしたように自分の足を大河の腹に向かって突き出す。
「なっ…がはっ………待ちや…がれ」
かなりの力で天井に叩き付けられた大河が起き上がる頃には、既に怪鳥はビルへ飛び去っていた…
696 :ミルクティー[sage]:2011/10/06(木) 00:42:49.28 ID:drXlrIfAO
〜現在〜

「…という訳アル」
「話からしてお前気絶してたのに、やけに詳しいな?」
「それは真白がメモを残していったからナ」
ポケットのメモを東風に見せつけ
「そうか…で、メモから読み取ると鬼島と黒川さんは九重ビルに殴り込みと言うことか」
「あぁ、早く烏龍達も行くヨ!」
「いや待て…そいつ等はアカネさんを人質に取ってるんだろ?」
事務所から出ようとする烏龍を呼び止め尋ねる東風
「そ、そうだヨ…アカネ心配ネ」
「多分、あちら側にアカネさんがいる限るいくら俺達が強くても最終的には勝てない…だから俺に考えがある…」


〜九重ビル社長室〜

「んっ…ここは…っ」
暫くして目を覚ましたアカネだったが、椅子に縛り付けられて身動きが取れなかった。
「お目覚めですか大事な人質のアカネ様?…今から貴方のお仲間が我が社の『製品』に潰されるのが見れますよ…クフフ」
そんなアカネの前でココノエが大型モニターの前で手を広げていた。

邪悪な笑顔で…楽しそうに

【何でも屋ミルク・クロウ…九重現る】

(続く)
697 :夢幻泡影 † 光と紫炎と邪悪な剣  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 01:01:33.11 ID:ZWOFjPMn0
【前回:>>612-613


《ちっ……まだ使える都市伝説があったのか》
「その“使える”って意味によるけどな
 使用できる都市伝説ならこの通り、今の時点では俺の切り札だ
 便利な都市伝説は残念ながら手元に無い」
『そんな言い草は無いだろう? まぁ、君のような単細胞契約者は一生かかっても僕を使いこなせないだろうがね』
「何だとぉ!? 人殺ししか脳に無いお前よりは遥かにマシだろうが!!」
「け、喧嘩は止めなよ!」

喧嘩とは言え、傍から見れば剣に向かって裂邪が一方的に八つ当たりしているようにしか見えない
それに、一見すると黄金の柄の剣が口を聞いているように思えるが、実際は剣にとり憑いている紫の霊魂だ
「ティルヴィング」、「憑依霊」、「エルクレスの塔」、「ヴァルプルギスの夜」、そして「神出鬼没」
5つの都市伝説に飲まれた元人間である、裂邪の6つ目の都市伝説―――ナユタ
元々は人から人へ憑依して回り、他人の命を奪って愉しんでいた姿無き快楽殺人鬼だったが、
それを止める為に裂邪が強制的に仮契約を行った為、このような現状になっているのだ

《だが何を使えようが関係ない、俺は並行世界をも支配する男だ!
 例え別世界の俺だろうと、たった1人の契約者が止められる訳がない!!》

周囲の小型UFOが砲撃の準備を開始する
その数、凡そ20機ほど

「……おい殺人鬼、ここは一時休戦と行こうぜ」
『本当は即刻取り下げたいところだが…仮契約だか何だが知らないが、それでも君との繋がりは深いらしい
 君に死なれると僕が消える……それだけは避けたいからね』

裂邪が「ティルヴィング」を前方に構える
きらり、と切っ先が光を反射して輝いた

『言っておくが、足手纏いにはならないでくれたまえ』
「お互い様だろ馬鹿野郎……行くぞ、ナユタ!」
『…仰せのままに』
《撃てぇ!!》

UFOから、裂邪に向けてレーザーが一斉に発射される
それらは全て彼に被弾した――――と思いきや、逆に放射状にレーザーが放たれ、20機のUFOが撃墜された

《何っ!? どういう事だ!?》
「ヒハハハハハハ! 「エルクレスの塔」は光を反射して敵軍を焼き払った「アレクサンドリアの大灯台」の縮小型だ!
 だったらもう分かるよな? レーザーも光だろ!?」
《こ、小癪な……余り目立つ事はしたくなかったが、構わん! 全軍、黄昏裂邪を撃ち殺せ―――――》

命令されたと同時に、傍のUFOが両断され、爆音と共に木っ端微塵になった
何事か、と軍服裂邪が確認しようとした次の瞬間に1機、また1機と墜ちてゆく

《ええい、今度は何が――――――ッ!?》

彼はそこでようやく気付いた
先程まで地上にいた筈だった裂邪が、そこにいなかったのだ
では、何処に行ったのか?
何気なく視線をやった先に、彼はいた
今まさに、小型UFOを真っ二つにせんとしている
あ、と言う間もなく断ち斬ると、その瞬間に彼の姿が消える
「神出鬼没」による、擬似的なテレポーテーションだ
698 :夢幻泡影 † 光と紫炎と邪悪な剣  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 01:02:07.63 ID:ZWOFjPMn0
《消えた……!? 違う能力か!?》
《レーダーニ反応アリ。敵ハ303号機ニ乗ッテイマス》
《ちっ、550号機、753号機! 奴を303号機ごと撃て!!》
《《了解》》

指示通り、2機のUFOから再びレーザーが放たれる
しかしその真っ直ぐ伸びる光条は、紫色に怪しく燃え上がる炎によって掻き消された
邪念の篭った攻撃を容赦なく祓う「ヴァルプルギスの夜」である

「あーぁ…良い具合にチートだよな、お前」
『素直に喜びたまえよ、今は君の力なのだから』

「ティルヴィング」を振り下ろし、UFOを撃墜すると、瞬間移動して先の2機も分断し、
飛んできたレーザーを全て跳ね返して確実に撃ち落とす
気がつけば、飛んでいるUFOは母艦だけだった

「ウヒヒヒヒ…おーい、世界の支配者さんよーぃ
 まさかこれで終わりとは言わねぇよなぁ?」
《……成程、腕は確かなようだ。ならこれはどうだ?》

母艦から謎の光が伸び、不気味な影が降り立った
全身は緑、脚は2本だが、鋭い爪を持った腕が6本あり、先端が棍棒になっている尻尾も2本伸びている
珍しく翼は生えてなく、代わりに胸部には赤く輝く結晶体が埋め込まれていた
目は左右に4つずつ、口はX字に裂けており、滴る涎がアスファルトを溶かす

「ジ・ジ・ゼ・ジ・ゾ……」
《今度はその「ミュータント」が相手だ》
「わお、これどこの三流RPGよ、何故か血が騒ぐぜ」
『子供かね君は』
「男はずっと子供なんだよ、馬鹿みたいに大人びるからあんなことになるんだ」

呟きながらも「ミュータント」の地面を穿つ攻撃はしっかりと回避する
と言うより、本人が意識せずに、勝手に身体が動き出していた

「……おい、契約者には憑依できないんじゃなかったのか?」
『さぁね、仮とはいえ、契約したお陰じゃないかな?』

ナユタの本体は「憑依霊」だ
過去には契約者や都市伝説には憑依できず、一般人に憑依して戦闘を行っていたが、
どうやら今は裂邪に憑依できるらしく、彼の身体能力を底上げしているようだ

『ま、憑依してはいるが、君の意識が残っているのはちょっとショックだよ』
「ざまぁみろ、好き勝手にゃさせねぇよ!」

尻尾の棍棒を「ティルヴィング」で弾き返し、爪による斬撃を「ヴァルプルギスの夜」で無力化する
「神出鬼没」で背後に周り、背中から襲いかかる
すぐに気付いた「ミュータント」も尻尾で応戦し、何とか背中の一撃は免れたものの、
その代償として尻尾の先が、鮮血を散らして空に舞う
小さくガッツポーズを決める裂邪だったが、体液を飛び散らせて再生した尻尾を見て萎える
699 :夢幻泡影 † 光と紫炎と邪悪な剣  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 01:03:16.40 ID:ZWOFjPMn0
「やっぱ再生すんのか…厄介な」
『再生しないように細かく斬り刻むか、焼くしかないようだ』
「殺しに関しては天才だな、お前」

次の瞬間、「ミュータント」の胸部の水晶体から、赤い光線が放たれる
またレーザーかよ、と文句を垂れて「ティルヴィング」の切っ先を向け、「エルクレスの塔」の能力で光線を跳ね返す
光は水晶体もろとも焼き焦がし、「ミュータント」の身体に風穴が空く
咆哮を上げ、「ミュータント」は一瞬怯んだ

「っし、ナユタ、数撃手伝え!」
『言われなくともそのつもりだ』

裂邪は居合の構えで「ミュータント」に飛びかかる
すれ違いざまに目にも止まらぬスピードで剣を振り、軽やかに地に足を付けた
ぼと、ぼとぼと、と化け物は細切れになり、溶けて消えて無くなった

「………す、すごい……あんな化け物を、一瞬で……!」

路地裏から戦いを見ていた少女裂邪は、密かに感動を覚えていた
同時に、腹の底から湧き起こるようなとてつもない感情に、徐々に気付きつつあった

「ヒハハハハハハハ、そ〜ら、もう終わりか?
 何だったら遠慮なくその無駄にデカい船をぶっ壊させて貰うぞ!」

意気込む裂邪だったが、実は少しばかり体力の限界が近づいていた
殆どナユタの憑依による自動操縦状態だったが、裂邪は運動嫌いで且つ体力は同年齢の平均以下
UFOからUFOへと飛び回っていれば、その減り具合も納得である

《……ふん、安心しろ、まだ用意してある》

再び怪しげな光が出現し、先程の「ミュータント」が現れた
ここまでは同じだが、問題はその数である
全部で、5体……流石の裂邪も、顔に出してしまう程の多さである

『もう体力切れか? 全く、よく多重契約なんて出来たものだ、呆れを通り越して…やはり呆れるね』
「どうも有難う、それよりまずいぞ、何とかしたいが……ん?」

目の前には、水晶体にエネルギーを溜める6体の「ミュータント」
恐らくこの後、先程のように胸から光線を出すのだろう
裂邪はポケットからスマホを取り出し時間を確認した後、空を見上げ、にやりと笑った

「問題です、雲の上には何がある?」
『は?』
「あぁ全く常識問題だ、答えは太陽
 あの雲さえ退ければ、太陽が見られる訳だ」
『それがどうした――――――――あぁ、そういう事か』
700 :夢幻泡影 † 光と紫炎と邪悪な剣  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 01:03:47.19 ID:ZWOFjPMn0
5体の「ミュータント」が同時に光線を発射する
一つになって巨大化した光線を、裂邪は「ティルヴィング」の切っ先で天に向けて反射させた

《血迷ったか、何処を狙っている?》
「見りゃわかるだろ、雲だよ!
 そして、俺が狙ってるのは、その先に在る希望だ!」

反射した光線は雲を貫き、空に巨大な穴を開ける
その穴から、眩い光を放つ神の目玉が、ぎょろりと覗いた
町中が、光に包まれる
町に、そして裂邪の背に、“影”が生まれる

「…ッヒヒ、やっぱ用意が良いな……来い!シェイド!ミナワ!理夢!ウィル!」
「了解シタ」
「はい、ご主人様!」
「OKィ!」
「がってんでい!」

裂邪の影から、黒いローブを纏った人影、青い髪の少女、白い毛並みの獣、赤い人魂が次々と飛び出した
「シャドーマン」のシェイド
「シャボン玉」のミナワ
「獏」の理夢
「鬼火」のウィル
全て、裂邪の契約都市伝説
これまで彼を支えてきた、仲間であり―――家族

《ッバカな!? 一体幾つと契約しているんだ!?》
「都市伝説が……4つも増えた!?」

驚愕する2人の裂邪だったが、この光景はもはやお馴染みなので当の裂邪も半笑いである

「お前ら、状況は分かってるな?」
「全テ影ノ中デ見テイタ……ソコノ少女ノ事モナ」
「もぉ、厄介事に巻き込まれすぎですよ、ご主人様は」
「ついこの間まで誰かと入れ替わってたテメェが言う事かよ?」
「違ぇねぇ、結局は『都市伝説は引かれ合う』って奴でい!」
『のんびり話している暇があるなら前を見たまえ、来るぞ』

「ミュータント」が爪を立て涎を垂らし、ゆっくりと前進してくる
ふん、と裂邪は鼻で笑うと、右手を前に差し出した

「まずは奴らの撃破……戦闘開始だ!」

ぱちんっ、という指の音と共に、彼等は一斉に行動を開始した


   ...To be Continued
701 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 01:06:37.99 ID:ZWOFjPMn0
むぅ、何とか書けたが・・・ボリュームに欠けるな・・・orz
次回はちょこっと変身したりするけど、メインは他の4人の新技披露かな

ちょっと投下分見てくる
702 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 01:20:18.95 ID:ZWOFjPMn0
ソニータイマーの人乙です〜
 来ましたCOA! しかしいきなりピンチだwwww
 続きがどうなるか楽しみ
DKGとファントムさんの人乙です〜
 レジェンドハンターとな、かっこいい! そして封印された都市伝説wwww
 しかしあれだ、末っ子の彼氏がミスだったのはショックだったが、彼女となると・・・後の展開にwktk
笛の人乙です〜
 てか「ジーナ・フォイロ」って結構能力あるのね、俺の資料はただのデカいコウモリとしか書いてなかったから驚いた
 逃げられはしたが、再戦もきっとあるだろう・・・
ミルクティーの人乙です〜
 敵キャラ来た! 「組織」とかじゃなくて大会社の社長が敵って何だか新鮮ね!
 しかしアカネたんが拉致られたとは・・・頑張れ皆、そして豆腐さんの活躍に期待
703 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 01:31:44.66 ID:ZWOFjPMn0
そういえば

> 彼が言うには、都市伝説の力とは道具であり、それ以上の関係を持つのは、気持ち悪いことこの上ないらしい。

というらしい彼について裂邪くんが物申したいそうです

(裂邪>気持ち悪くて悪かったな童貞野郎! 都市伝説と婚約して何が悪いんだ!
    悔しかったら俺の嫁より可愛い女連れて来いよ! 宇宙全体探してもそんなお宝見つかりっこないけどな!
(ミナワ>や、やだっ、裂邪ったら・・・///
(シェイド>・・・アー、気ニスルナ忘レテクレ、コイツハ後デ私ガ躾ケテオク


>>678
>影男の人は作風をガラっと変えてきただと!?
気に入って頂けて何より
良かった、救済シーン入れなくて…

>>681
>そういえばさ、都市伝説で商売してるのって、レジェンドハンター(仮)が初めてかな?
どうだろうなぁ・・・
ある意味じゃ、ソニータイマーの人のところの半汰くんは「物欲センサー」を使って商売の手伝いしてたりするし、
はないちもんめの人の望ちゃん達は都市伝説倒して商売(?)してたけど
都市伝説自体を売ったり貸したりするのは初めてかも

>>689
>純粋な悪の裂邪は新機軸だなあ
ミナワがいなかったら、本編の裂邪もあぁなってたのになぁ(コラ
704 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/06(木) 04:38:35.77 ID:FPxdEOyAO
 投下された皆さん乙ですー
 鬼畜裂邪君の今後に期待
 
 今回はキャラ紹介のようなものだから読み切りとか思ってたら続いちゃったよ
なんで自分の書く物は端折りすぎか冗長かどっちかなんだ
705 :俺の彼女を紹介します ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/06(木) 04:40:17.36 ID:FPxdEOyAO
 俺の一日は、元気なノイちゃんの声から始まります。
「やなぎー!やなぎー!おはよー!」
 彼女の声を使った携帯のアラームという、文明の利器が与えてくれるささやかな幸せです。
 「ノイちゃん、おはよう」
 枕元に手を伸ばして携帯を手に取り、アラームを止める前に、そっとキス。
「柳、その気持ち悪い朝の儀式、もう止めなさいよ…」
 じとっとした目で俺を生暖かく見守るこの見た目だけは綺麗な女は、
 飛縁魔と書いて、ひのえんまと呼ばれる都市伝説。というか妖怪。
 あ、申し遅れました。
 俺は浅倉柳。
 22歳、契約者ですが、所属はありません。
 職業ですか?強いて言えば花婿修行中、というところでしょうか。
「早く朝ご飯食べないと、いつまで経っても片付かないでしょーが」
 俺の大切な朝のひとときにケチを付けた上に、朝飯まで急かすのか。
 言っておきますが、飛縁魔が食事の後片付けどころか家事一切しているのを、契約してからはや六年、俺は見たことがありません。
 なんせ彼女のエネルギー源は男の精気。
 吸血鬼のようなものですから、普通の食事など気まぐれにしか口にはしないのですから。
 ともかく、俺達が朝食の食卓についた頃には、みんな食事を始めていました。
706 :俺の彼女を紹介します ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/06(木) 04:42:03.24 ID:FPxdEOyAO
「おはようございます、柳さん、飛縁魔さん」
「遅くなっちゃったわねぇ」
 飛縁魔と挨拶を交わしたのは、この家の家主の極(いたる)くん。
 ノイちゃんの腹違いのお兄さんで、現在中学三年生。
 お母さんが女手ひとつで育てて下さったそうですが、そのお母さんも先年亡くなり、ノイちゃんが来日するまでは独り…
 いえ、都市伝説のリジーさんと二人暮らしだったとか。
 異母妹のノイちゃんどころか赤の他人のはずの俺や飛縁魔まで、学校町の彼の自宅で世話になっています。
 初めは固辞したのですが「妹の友人ですから」の一言で済ませてくれ、俺から申し出た生活費も要らないと。
 感動のあまりお義兄さんと呼んだら、さすがにそれは止めて下さいと言われてしまいましたが。
「おはよー!」
 朝から元気一杯のノイちゃんはお箸が使えない為か、慣れない和食をスプーンとフォークで食べる事に苦労している様子。
「お魚、ひと口分ずつに切ってあげようか?」
「じゃあね、テレビでやってたみたいに、あーんって食べさせて」
 幼くして両親を亡くして以来、ウィーンの自宅に軟禁同然で育ったノイちゃんにとって
テレビやネットは外の世界そのもの。そこで見た物は真偽を問わず、試してみたいもののようで。
707 :俺の彼女を紹介します ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/06(木) 04:43:36.36 ID:FPxdEOyAO
 俺に否やがあるはずもなく、箸で魚を一切れ摘んで
「はい、あーんして」
「柳さん、あんまりノイを甘やかさないで下さい」
 極くんがぴしゃりと言いました。
「それを言うなら、もげろとか爆発しろとか、そういう類じゃあないのかな」
 そう言えば極くんは、15歳という年齢の割に背が高く、色素の薄めな綺麗な少年である割に
 もてるとかそういった話はとんと聞いた事はなかったと思い出しました。
 それどころか男子の友人ですら、この独りで住むには広すぎる家に訪ねてきた事はありません。
「羨ましい訳ではありませんが」
「イタル、この天然のフリした色ボケには何言ってもムダよ」
 この言い様は心外です。
「まるで俺が色情狂みたいじゃないか」
 飛縁魔の視線が氷点下まで温度を下げました。
「色情狂が嫌なら、のーみそピンクのお花畑ね」
 …なんでたかが「はい、あーん」でそこまで言われなくちゃいけないんでしょう。
 今の今まで黙っていたノイちゃんの保護者、ムーンストラックまでが剣呑な目つきで睨んできます。
「極の言う通りだ、柳。お前はノイ・リリスが一人では食事も出来ないと思っているのか」
 …実はそうあって欲しいとは、俺は言えません。
 行ってきますと極くんが箸を置いて席を立つと、リジーさんがそっと後をついて行きます。
 …別に金髪の美人がメイドよろしく身の回りの世話をしてくれるからって、羨ましいとは思いませんよ?
「あたしも学校に行きたい」
 朝食のフォークを置いて、ノイちゃんが開口一番に口にしたのはそれでした。
「駄目だ」
 すかさずムーンストラックが却下しました。
 でもノイちゃんもそんな一言ではめげません。
「行きたい!」
「いかん!」
 どちらも一歩も譲らず、小一時間ほど押し問答が続いたでしょうか。
 ノイちゃんの目には次第に涙がたまり、声が震えてきたと思ったら。
「…友達が欲しいだけなのに…!」
「ノイ・リリス!待ちなさい!」
 止める暇もあればこそ。
 あっという間に飛び出していってしまいました。
 苦々しい表情で溜息をついた彼女の保護者に、先に探しに出ると告げ
庭からサンダルを履いて通りに出た時には、彼女の姿は見あたりませんでした…


続く
708 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/06(木) 07:11:54.39 ID:YRceqKfF0
鳥居探し
709 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/06(木) 07:13:28.89 ID:YRceqKfF0
の人乙でしたー

途中送信…orz
710 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/06(木) 08:01:28.87 ID:SD7ZWIcm0
乙です!!

すいませんが、組織の上下関係や構造、No.について、誰か教えて下さい。
711 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/06(木) 08:31:54.35 ID:2lUjJ3bx0
鳥居探しの人乙です柳もげろ〜
ノイたんかぁいいなぁ、俺もロリっ子の元気な声で目覚めてみたいぜ柳もげろ
極さんめっちゃいい人だなぁ、と思ったら、中学三年生?
裂邪と同学年じゃないかこれはコラボチャンス狙えるか柳もげろ!?

>>710
上下関係は、NO.の数が0に近いほど上位で、主に0から10までが上位ナンバーと称されます
構成としては、飲まれた契約者、都市伝説そのもの、飲まれてない契約者、純粋な黒服にわかれる、はず
現在No.0が登場してるのは、ABCDEFGHJKNPQRSTUXYZ、πの21かな
No.0が出てなくてもそのNo.が既に利用されてたりするのでご利用は計画的に!
因みにπのようなギリシャ文字のNo.も問題なくいます
ただβとχ、хは予約してますの
712 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/06(木) 08:54:33.56 ID:2lUjJ3bx0
書き忘れ
>>711はあくまで俺の記憶上、もしくは俺がこう思ってるだけなので
誰かフォロープリーズ(←役立たず
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/06(木) 10:09:42.98 ID:OsNtkRdg0
あれ、JナンバーとNPQって0番登場してるっけ
wikiにリストあったと思うんだけど何処から行けばいいんだ
714 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/06(木) 15:50:56.04 ID:SlbBc7wD0
ごめん、Pはミスだったorz
Qは既に死亡、Jは彷徨うみさきの人、Nは犬神憑きと怪人アンサーの人が出してる
715 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:41:07.98 ID:0qpDEde40
「押してはいけないボタンってさ、なんかさー。押したくなるよね?」
中央高校の美術部には割りと人が居たりする。
現在は二人の少女が居た。
その一人、ポニーテールの少女小島亜里沙(こじま ありさ)は
なぜかツボ押しの本を読みながらそんな風に呟いた。
「ヒャア!がまんできねぇ 0だ!とかポチッとな言いながらさー」
「ホントに亜里沙は押しボタンが大好きだよね」
鉛筆でデッサンをしていたショートボブの相方、如月風乃(きさらぎ かぜの)がそう答える。
「怖いのになんか押したくなるのよ。とっても怖いイメージがあるのにさ」

そういいながら小島亜里沙はツボ押しの本から眼を離し
他の部員の作品を眺め渡す。

「香介君のクレヨン画はクレヨンのイメージが変わるわよねー
クレヨンは色を合成することが難しいし、子供のイメージがあるから敬遠されがちなんだけど
香介君の食べ物の絵の模写は匂いさえも伝わってきそう
一年の暦ちゃんの油彩も凄いわねー。
あの子は実際にコンクールで幾つか賞も貰ってるはずだし。
凄い色彩感覚してる。
金閣寺炎上はまるでその場に居合わせたかのような臨場感と炎の赤の臨場感があったもの。
まさに芸術は爆発だ!見たいな感じでさ」

如月風乃が相槌をいれてくれる。

「そういえば最近暦ちゃん見ないねー」
「ねー活動日じゃない日でも来てる位熱心だったのに……」
小島亜里沙が心配そうに言った。
716 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:41:50.97 ID:0qpDEde40

「でもま、暦ちゃんならそのうち戻ってくるでしょ」
「でさ、気になってたけど亜里沙なんの本読んでるの?」

「ん?これ?経絡とかツボってさ、スイッチみたいだとは思わない?
痛みに反応して対応した箇所に神経を伝って電気刺激が流れたり活性化するってさ
まんま人体に取り付けられたスイッチ見たいじゃない?」

「いや、別にいいけどちょっとは活動しようよ」
「活動してるよー」
小島亜里沙がいつの間にか書いていたのは火災報知器の非常ベルの絵だった。
如月風乃はため息をついて、そして思い出したようにこういった。
「はあ……このスイッチ押したがり女は……
あ、そういえばありさー
『バスの車内のとまりまスイッチを全て同時に押すと、バスが爆発する』
って噂、知ってる?」
「えっ」
「えっ?」
「なにそれ、怖い。
でもさーそんなことあるわけないじゃん。
ハッハー!如月はお茶目さんだなあ。
さて、あたしゃかえりますかねー」

小島亜里沙は荷物を纏めてそそくさと帰路に着く。
717 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:42:26.28 ID:0qpDEde40

「ううーん、如月があんなこと言うからちょっと不安になるじゃないかー!」
小島亜里沙の自宅はちょっと離れた所にあるので帰りにはバスを使うのだ。
何時ものようにバスに乗って、当たり前のように自分の家の近くの停留所までたどり着く……
バスの車内は夕暮れの紅い光につつまれており
小島亜里沙の他の乗客七人は一言も発さない。
何時も見ている、バスの『止まります』のスイッチが酷く禍々しく見える。
何時も行っている行為に言いようのない不安と恐怖が忍び寄った妙な気分だ。
今日に限って他の乗客は誰もスイッチを押さない。
このままでは自らの家の近くの停留所を通り過ぎてしまう。
押さないわけには行かない
「ポチっと……」
こんなにスイッチを押すのに気が進まないのは初めてだ。

小島亜里沙は知らなかった。
この世に都市伝説というものが有るというこの世の真実を。
火災報知器、警報機、駅の緊急停止装置。
そして大統領が持っているというケースの中に在る核のスイッチ
押してはいけない、でもちょっと押したくなるような
非日常への禁断のスイッチ。
核兵器によってスイッチ一つで世界が滅ぶようなことが現実味を帯びたとき
人々のスイッチに対する塵のように小さな恐怖が噂によって収束し、一つの概念が実体化するなどということを。
だがそこまでの恐怖は人の器には中々収まらない。だから条件がつく。
核兵器のスイッチが二つの鍵を同時に回さないと起動しないように。
「全てのスイッチ」が押されないと……
「ま、考えてみればバスにはこんなに沢山スイッチがあるんだから全部同時に押せるわけないよねー」
小島亜里沙は笑いながらスイッチを押していた。
718 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:43:07.11 ID:0qpDEde40
そしてその笑いは凍りついた。
バス座席「全て」のスイッチは押されなかったが
七人の乗客『全て』が「同時」にスイッチを押していた。
バスはキッ、と急停車し
言い知れぬ底抜けに嫌な予感が亜里沙の背筋を駆け抜ける。
偶々亜里沙は非常口の近くに座っていたため
座席を蹴り倒しレバーを引きドアを破る勢いで非常口をあけて外に出る……

「お、おいおじょうちゃんなにやって……!」
車掌が警告し他の乗客が何事かとこちらを見ていたが……
「ご、ごめんなさーい!で、でも」

……きっかり五秒後、停留所に止まったバスは
ハンドル操作を誤り対向車に突っ込まれた。
しかも、天然ガスを満載したタンクローリー
この時点ではまだ爆発は……起きない
「や、やばいやばいやばい、み、みんなーにげてー!」
亜里沙が全力で逃げ出し
バスとタンクローリーの長い車体が車道をふさぎ……
「ひっ……!」
バスの後続車のブレーキが間に合わなかった乗用車の運転手と目があった。
その乗用車の乗員はお葬式のような帰りのような黒服を着ていた。
その直後、バスとタンクローリーと乗用車は爆発した。

「きゃあ!」
眼が会った後、地面にしゃがみ込んでしまったことが亜里沙の命を救った。
運良く爆風の範囲と破片にやられることなく
爆風に煽られて地面をごろごろと転がって擦り傷を負うだけで済んだ。

「あわわわわ……な。何でこんなことに……」
がくがくと恐怖に震えながら小島亜里沙は呟いた。
719 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:43:44.81 ID:0qpDEde40
空野暦は思う。
起こらぬことを奇跡という。
或いは、大変に珍しい結果をそう呼んでいるに過ぎない。
後者の一つの奇跡を起こすためにどれだけの代償が存在するか
思慮の及ばぬ凡人ばかり。
想像力のない人間は人の行っていることが簡単に見えるだけだ。
しかも人一人の持てる物全てを差し出した所で必ず奇跡が起きるとは限らない。
「ん……?」
「おはよう・・・・・・・暦・・・・・・」
空野暦は蒼い顔をして廊下を歩いているポニーテールの少女小島亜里沙とすれ違った。
クラスは違えど美術部の活動で何度も会っている顔見知りだ。
しかし何時もアッパーテンションの彼女が葬式帰りの憂鬱っぷりを発揮していること自体が珍しい。
彼女の性格はごり押し大好きノリと勢いテンションと気合で解決するような
押せ押せイケイケでこっちが疲れるほどなのに……

(数秒限定瞬間出力の心の力なら私より上かもー……あれ?)

幸せな真実の奇跡などまず起こらない。
ただし……何事にも例外は存在する。

「なに……あれ……」
色と時間を見て取る暦の優れた霊視能力は小島亜里沙の異変を見て取った。
彼女の本来の気質は温かみある白。
だが亜里沙のほっそりとした繊細な白い指先に、どす黒いモノが絡み付いているのが見て取れる。
特に人差し指は酷い。
恐怖を色濃く示す、黒い硝煙に似た物が彼女の指を取り巻き
それから垂れ下がる時限爆弾の起爆配線コードのような不吉な青。
床には殺意を示す鮮血の真紅の影を落とす。
明らかに亜里沙自身から発せられたものではない。
そしてこの世のものでもない。
契約者や都市伝説でも気がつかないくらいに気配が薄い。
追いかけて何かいうべきか迷っているうちに亜里沙は行ってしまった。

招かれざる奇跡は安いのだ。
なぜならそれは悪夢と同質のものだから。
720 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:44:41.53 ID:0qpDEde40
「亜里沙大丈夫?」
如月風乃が心配そうに亜里沙に話しかける
「昨日バスの爆発事故に巻き込まれたからね……
念のため病院いったり警察に事件の事情聴取受けたりで……」
「うわあ……大丈夫だったの?」
「私が降りた直後にバスとタンクローリーが激突してね……
そこに乗用車が突っ込んで大惨事に……」
「十二人死んでたって言うしね……
幸い中央高校の人には被害出てないみたいだけどよく生きてたよ
亜里沙が無事でよかった」
「うん……」
「病院に行ってきたって言うけど大丈夫だった?」
「特に大きな外傷はないって……
なんだか、随分風邪引いてる人多いね」
「インフルエンザが流行る時期にはちょっと早い気もするけど」
「……病院でエレベーターに乗らなきゃ良かったかな……
でも流石にこれは気のせいよね」
ぼそりと、亜里沙は呟いた。
「え、なんか言った?」
「何でもないよー!流石にあの噂と被っちゃったのは驚いたけどもう流石に打ち止めでしょー!!
バスのスイッチを全員同時に押すなんてことはもうありえないだろうしー!!
はっはっはー!風乃、学校終わったらゲーセンとかカラオケにいこうよー!」

亜里沙は知らない。都市伝説には拡大解釈というものがあるということなど。
彼女に纏わり憑く概念は人の恐怖と命を吸って成長し
もうバスという名詞の条件に囚われることなく
スイッチのついた壁や建物、或いは箱という『境界』が範囲となったことなど。
亜里沙は気がつかなかった。病院で彼女の乗ったエレベーターのスイッチに指を触れた瞬間
エレベーターのスイッチ全てにペンキのように真っ赤な血がぶちまけられたエフェクトが掛かり
後から来た病院の患者と医師がそれらを時間差で『全て』押していったことなど。
その結果、病院で起こっていたインフルエンザや感染症の増殖が止まらず
スイッチを押された病院という箱の境界中で現在進行形でパンデミック(爆発的感染)を引き起こしていることなど……
721 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:46:04.27 ID:0qpDEde40
悪夢は覚めてもなくならない。
悪夢の只中に居ることに気がつかなければなおさらに

小島亜里沙と如月風乃はゲームセンターに来ていた。
「亜里沙は何やるのー?」
「音ゲーとかクレーンゲームもいいけど……お?」
亜里沙が目をつけたのは一台のフライトシュミレーターだ。
「スターフライトエクストリーム……飛行機が操縦できるってのも面白いかもー!」
亜里沙はチャリンチャリンとフライトシュミレーターにコインを三つ入れると
筐体に乗り込んだ。

「おおっと!いきなり悪天候かよー!」
バシバシと亜里沙がボタンを連打する。
ゲーム画面中の戦闘機の左エンジンが火を噴いた。
「にゃぎゃー!!!!」
「あ、亜里沙このままだと仲間の補給機に突っ込むよー!」
「ま、まだまだいけるぜー!!」
飛行コースを立て直そうと亜里沙は頑張る。
「着陸しないとー!」
「わわわかった……空港はー!!」
亜里沙は頑張って空港に着陸しようとしたが
着陸がうまくいかず空港を出発を待っていた味方機に激突。
大破炎上してゲームオーバーになってしまった。
「あちゃー」
「まあでも面白かったよねー」
(うん、前の日の出来事で気分が盛り下がっちゃったけど今日はいい事有るよね?)
保障のない亜里沙の希望。
ゲームに夢中で全てのスイッチを押してるなどと気づきもしない……
722 :ボタン・プッシュ・シンドローム ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 16:46:48.44 ID:0qpDEde40
――同時刻の街頭ディスプレイ――
番組の途中ですが緊急速報をお知らせします
本日午後5時15分ごろ発進して直ぐエンジントラブルで空港に帰還しようとしていた民間機が
着陸に失敗し発着直前の旅客機ボーイング777-221号機に衝突するという大惨事が……
旅客機には154人の乗客乗員が既に乗り込んでおり生存者は絶望的と……
亜里沙は知らない――後に発見されることになるブラックボックスとフライトレコーダーには
ブースターが!スイッチが、スイッチが切れない!というパイロットの悲鳴が録音されていたことなど。


「次はガンシューティングやろうよー!」
「いいわよ亜里沙」
次に小島亜里沙と如月風乃が選んだのはガンシューティングだ。
ガンコントローラーを持ってゾンビを倒していくだけのゲームだ。
「おらー!グレネードを喰らえゾンビどもー!!」
亜里沙は囲まれると直ぐにバシバシと筐体に取り付けられた
ボムのボタンを押す。
「きゃー!きゃー!きゃー!」
「私のリロードはレボリューションだー!」
「亜里沙そのタルは爆薬だから撃っちゃダメだってばー!!」


――同時刻の街頭ディスプレイ――
では次のニュースです。
中東でのテロリストによる自爆テロにより民間人50人あまりが死傷、250人あまりが重軽傷を負うという事件が起こりました……
この事件による邦人の死傷者は居ないということです
中東の一部ではいまだ政情が安定せずアメリカ政府は卑劣なるテロリズムに対し断固たる措置をとると……


悪夢は、終わる気配は見せない。
to be……
723 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 17:30:54.16 ID:ZWOFjPMn0
八尺様の人乙です〜
怖ぇwwwwwwwこれ気付いたらどうなっちまうんだ亜里沙ちゃん・・・
724 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 17:39:28.80 ID:0qpDEde40
>>723
現時点で既に死者が出まくってますしね。
しかも死者が出るたびに制約とかが緩み拡大解釈が自動で進んでいるというあるさま……
他の人に気付かれても、自分に取り憑いた物について
亜里沙自身気がついてもろくなことにはならないでしょうね。
今考えてる一番穏当な決着のつき方でもかなりえぐいです。
725 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 17:39:55.44 ID:0qpDEde40
>>723
現時点で既に死者が出まくってますしね。
しかも死者が出るたびに制約とかが緩み拡大解釈が自動で進んでいるというあるさま……
他の人に気付かれても、自分に取り憑いた物について
亜里沙自身気がついてもろくなことにはならないでしょうね。
今考えてる一番穏当な決着のつき方でもかなりえぐいです。
726 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 20:27:26.29 ID:ZWOFjPMn0
>>724
>今考えてる一番穏当な決着のつき方でもかなりえぐいです。
穏当なのにえぐいのか・・・
亜里沙ちゃんが心配です、先生
727 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 20:54:38.13 ID:0qpDEde40
>>726
今考えてる中では彼女が無傷で終わるエンドはないですから。
728 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/06(木) 21:12:53.47 ID:CMQQqbqZ0
鳥居の人乙でした
柳さん、ちょっとあんた……裏まで来てもらおうか
色々と許されざるぜ
八尺様の人乙でした
亜里沙ちゃんがスイッチを押して変身すれば解決するよ!
「3 2 1 変身!」
とかいって仮面ライダーナデシコになればいいんだよ!
亜里沙ちゃん死ぬならリョナラーが喜ぶレベルでおねげえしますだ
729 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 21:21:03.48 ID:ZWOFjPMn0
>>727
珍しく八尺様の人が鬼畜化してる!?
誰か、誰か救いを!(マテ

>>728
>「3 2 1 変身!」
ガチでやったら世界中のフォーゼベルトで遊んでた子供達が爆死するぞwwwww
730 :悪党と迷いの家 ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/06(木) 21:30:45.30 ID:39n1kwMyo
「さて、来た時より人数を増やしてしまった事ですし。帰りもバスジャックですかね」
「午後の良い時間を狙えば、幼稚園バスに遭遇できるかもしれません」
「やはり悪は、弱者をいたぶってこそですよね」

 ヴィッキーの集団はあれこれ相談をしながら、悠然とビルの出入り口へと向かう
 エレベーターを降りて通路の角を一つ曲がれば辿り着く、小さな造りの雑居ビルである
 だが

「……ん?」

 先頭を歩いていた最年少のヴィッキーが、小首を傾げる
 通路の角を曲がった先には出入り口のガラス扉は存在せず、いくつもに枝分かれした通路と無数の扉や階段が視界一杯に広がっていた

「これは、あの子の」

 そう呟いた刹那、がちんとレバーを引く音が一つ、二つ、三つ、たくさん
 がちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがち、と獣が牙を打ち鳴らすかのように響き渡った音は
 右から
 左から
 正面から
 背後から
 頭上から
 全方位から取り囲むように
 何も無い中空に浮かぶ古めかしいデザインの無数のライフル銃
 それは、ウィンチェスター銃と呼ばれるもの
 怨念を塗り固めたかのような不気味な貌で浮かぶ怨霊達が、重力も物理法則も無視して半球状の銃口の檻を作り上げていた

「あの子の能力は、迷わせるだけでは。攻撃的な悪霊を無作為に彷徨わせるだけでは」

 恐怖や戦慄ではない、純粋に驚きだけを口にして
 ヴィッキーは歓喜が溢れんばかりに笑顔で嬌声を上げる

「元からあったが使わなかったのか、それとも新しい力に目覚めたのか……どちらにせよ、素晴らしい成長です!」

 無数の銃声と共に、無数の弾頭が狭い通路を暴れ回る
 引き裂かれ
 打ち砕かれ
 千切れ飛び
 ぶち撒けて
 ばらばらになった身体を縫い合わせようとした、その指すら撃ち抜いて
 執拗に
 念入りに
 丁寧に
 肉の、骨の一片にまで鉛弾が叩き込まれていく

「ああ、この成果を伝えなければ! 我らが大首領様に伝えなければ! メイ・ゴスリングという少女の成長を伝えなければ!」

 数人のヴィッキーがただの血溜まりと肉片に変貌していく中、まだ比較的傷の浅いヴィッキー達は銃口を払い除けて駆け出していく
 だが、ひとたびメイの支配下に置かれた建物は無限の迷宮と化す
 やがて、動くものの居なくなった通路で、ウィンチェスター銃を提げた悪霊の群れは班を組み上げる
 無限の迷宮の方々から集まってきた悪霊はどんどんと合流してその数を増し
 班が小隊となり
 小隊が中隊となり
 中隊が大隊となり
 ただ数人の女を追い回すために、狭い雑居ビルの中の無限の戦場で、戦線を作り上げていく

「ああ、復讐という己の内なる正義のためだけに! 相手の意義も理想も思想も事情も問答無用で踏み躙る正義の味方! それが、私を[ピーーー]だけで満足して潰えてはいけないのに!」

 扉を開け、階段を駆け、窓を乗り越え、エレベーターを動かし
 一人、また一人と無数の銃弾で粉微塵にされていくヴィッキー
 やがて残された、たった一人
 ドクターの研究資料を抱えた、メイと変わらぬ年齢ほどの容姿をしたヴィッキーは
 元の雑居ビルの風体を残した事務所のような部屋に辿り着く
 スチール机の上に乗った電話が突然、着信を告げる電子音を鳴らし
 ヴィッキーは迷う事無く一呼吸で受話器を取る

「もしもし」
《あとは、あなた、一人、です》
「どうやらそのようで。あなたを甘く見ていましたが……実に満足がいく結果だと私は思っていますよ? ともあれ、全滅する前にお話できたのは僥倖です」

 追い詰められた事に微塵も臆せず、そう告げるヴィッキー

「まあ捨て台詞というか、負け犬の遠吠えみたいなものですが。私はあくまで『ヴィクター・フランケンシュタイン博士』の契約者であるヴィクトリア・フランチェスカに作られた『フランケンシュタインの怪物』の一人に過ぎません。研究資料やあなたの存在についての情報を持ち帰る事ができなかったのは残念ですが、まあそれだけの事です」

―――
731 :悪党と迷いの家 ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/06(木) 21:31:29.38 ID:39n1kwMyo

 時間はしばし遡る

 メイが沙々耶に突き飛ばされ、砂埃が積もった床の上に尻餅をついた
 沙々耶のすぐ背後にまで迫る刃の暴風が、その身を引き裂こうとしたその時
 ざわりと、冷気にも似た冷たい空気が室内に吹き荒れた
 何が起きたのか、沙々耶には一瞬理解できなかった
 木材が削れ引き裂かれる音
 金属同士がぶつかり合い擦れ合う音

「なに……これ……」

 洗車機もどきは、その刃と刃の間に大量のライフル銃を捻じ込まれ、噛み砕く事ができずにぎしぎしと軋むばかり
 呆然としている沙々耶だが、その足に繋がれたワイヤーは未だ引く力を緩めていない
 だがそれもすぐさま、新しいライフル銃を構えた悪霊の群れが、ワイヤーとそれに繋がるウィンチに向かって無数の銃弾を発射する
 ワイヤーはあっという間に千切れ飛び、ひしゃげ部品を撒き散らし沈黙するウィンチ

「この銃、まさかメイが?」

 そう呟きメイに向き直る沙々耶
 尻餅をついていたメイはいつの間にか立ち上がっており
 顔を半ばまで、肩から膝下までを覆う長い髪が、周りを渦巻く悪霊の放つ冷気で浮かび舞い踊っている
 普段は髪に隠されていた素顔は、たまに見せる幼さと純真さなど欠片も残されてはおらず、周囲を取り巻く悪霊達と同じ怨嗟に彩られていた

「落ち着きなさい、メイ! 私は大丈夫だから! 機械も止まってる!」

 だがその声が届いた様子は無い
 周囲に浮かび上がる怨霊達は更にその数を増し、次々とライフル銃を携えて怨敵を追うべく放たれていく

「まず、三人」

 ぼそりと、メイが呟く

「一人……もう、一人。あと、八人」

 どこか愉悦にも似た笑みを浮かべ、迷宮の中を逃げ惑っているであろうヴィッキー達を追い詰めていくメイ

「逃がす、ない。許す、ない。でも、簡単、[ピーーー]、ない」

 その様子を見て、沙々耶が舌打ちをする

「あの馬鹿っ……呑まれかけてる」

 すぐさま駆け寄って引っ叩いてでもやろうとした沙々耶だが、その両足はワイヤーからは解放されたものの枷はつけられたまま
 更にぎりぎりまで引き寄せられた折に引っ掛けられたのであろう、ふくらはぎ辺りにざっくりと切り裂かれた傷があり、動こうとするだけで激痛が走る

「ああもう……悪魔に、柄でもない事、させんじゃないわよ」

 ぎりと歯を食い縛り、沙々耶は芋虫のように這い進む
 ついさっき思い切り突き飛ばした、その僅かな距離が
 とても、とても遠く感じられた

―――

「あれ、おっかしいなぁ」

 この町で三十年働き続け、どんな小さな裏路地も知り尽くしていると自負していたタクシー運転手が、声を上げて首を傾げる

「お客さん、乗ったのって三丁目のコンビニの前ですよね?」
「ええ、そこで買い物したばっかりですから」

 客席に座っていた中年のサラリーマンが、傍らに置いたコンビニの買い物袋に視線を落としながらそう返す

「三つ目の角で曲がればすぐバス通りに出たはずなんですがねぇ」
「ですよねぇ……自分もこの辺よく来るんですが。確かに三つ目の角で曲がってましたよ」

―――

「おーい、何やってんのさ。もうすぐ昼休み終わるぞ?」
「いや、そうなんだけどさ……」

 昼休み、グラウンドでサッカーに興じてた男子中学生が、下駄箱の前で呆然と立ち尽くしていた

「うちの学校、廊下にこんな分かれ道いっぱいあったっけ?」

―――

 暴走し溢れ出したメイの力は小さな雑居ビルから溢れ出し
 結界も都市伝説に対する免疫も無いこの町をじわじわと侵食し始めていた
732 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/06(木) 21:34:58.32 ID:39n1kwMyo
前回までのお話は>>602-604をご参照下さい
更に前は過去ログまたはまとめWikiにてどうぞ

とりあえず沙々耶は助かったよ!
沙々耶は

それにしてもnどうもsaga忘れるなぁ
専用ブラも良し悪し
sagaを基本設定にすると2chに戻った時にめんどいし
投稿用の別PCを……流石にそんなわけにはいかんか
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/06(木) 21:37:23.51 ID:rZn0zAIo0
鳥居探しの人、乙です
いいよねこういう感じのほのぼの…
大好きよこういうの…
そして今宵の我らが八尺様の人は
いつも以上に黒いぞ…何があったというの…
そしてピーヒャラ!!
>亜里沙ちゃん死ぬならリョナラーが喜ぶレベルでおねげえしますだ
お前という奴は!!
贅沢だぞ!!…いえ、ちょっと贅沢すぎやしませんか
734 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 21:46:32.87 ID:ZWOFjPMn0
三面鏡の人乙です〜
俺の沙々耶たんは無事だ! でもメイたんが大変だ!
しかしすげぇ能力・・・かっこいい
735 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/06(木) 21:55:09.25 ID:CMQQqbqZ0
ドクターの人乙でした
すげえ無差別爆撃能力だ!
ネガティブに攻撃的に能力を進化させるのが奴らの目的なんじゃなかろうかと思う
>>733
なんかテンション上がってるの
今蓮視点で話書いてるから悪役モードなの
736 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/06(木) 22:04:58.57 ID:39n1kwMyo
>>734
> しかしすげぇ能力・・・かっこいい
当初の予定では建物そのものが本当に無限増築されて町を飲み込む予定だったのはひみちゅ
それだと目立ち過ぎて隣町でやってても組織に睨まれそうだしww

>>735
> ネガティブに攻撃的に能力を進化させるのが奴らの目的なんじゃなかろうかと思う
悪の秘密結社と戦うに相応しい敵を作るのが目的ではあるので、間違ってはいません
今回のは完全にただの偶然ですけど(元々は研究資料の強奪だけが目的なので)
737 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/06(木) 22:08:45.65 ID:CMQQqbqZ0
>>736
あれだなあ……となると試合に負けて勝負に勝った感じかしら
悪の組織の皆様としては
メイちゃんがあそこまで武闘派だとはおもわんかった
738 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/06(木) 22:21:13.94 ID:39n1kwMyo
>>737
> あれだなあ……となると試合に負けて勝負に勝った感じかしら
というか試合に勝っておかないと唯一書き始めの頃からあった構想が一つ丸ごと消えてなくなる罠
どうしてこうなった

> メイちゃんがあそこまで武闘派だとはおもわんかった
『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』自体はディフェンス寄りの能力ではありますが
それに付随したオフェンス用の悪霊に呑まれちゃってるような状態ですのでああなりました

なので精神が平常運転に戻るとああいう能力はまた使えなくなる感じで
739 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/06(木) 22:26:42.73 ID:ZWOFjPMn0
つまり何らかの手段で精神を乱すとあぁなっちゃうと



何らかの手段で
740 : ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/06(木) 22:30:23.09 ID:CMQQqbqZ0
>>738
オフェンスな気分で固定すればいいんですね!
色々手段が浮かぶwwwww


そしてこんどは笛野郎が投下しちゃう><
741 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/06(木) 22:30:50.59 ID:39n1kwMyo
>>739
> つまり何らかの手段で精神を乱すとあぁなっちゃうと
念の為言っておくけどエロい事してもならんよ?wwwwww

ぶっちゃけて言えば『復讐』っていう感情でシンクロしちゃうとああなる感じ
742 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/06(木) 22:31:02.40 ID:0qpDEde40
ミルクティーの人乙でした。
大企業の社長がボスとは珍しい……
シャドーマンの人乙でした。
憑かれながらも意識ある裂邪の精神力ぱねえ。
鳥居探しの人乙。
とりあえず柳もげておけwwwwwwww
三面鏡の人乙でした〜
二人とも生きてたー!!
そしてメイちゃんつええ……
>>728
>亜里沙ちゃん死ぬならリョナラーが喜ぶレベルでおねげえしますだ
ううむ、グロは書いたことないからなんとも……
確約はできぬぞー。
>>729>>733
>珍しく八尺様の人が鬼畜化してる!?
>誰か、誰か救いを!(マテ
>いつも以上に黒いぞ…何があったというの…
たまには作風を増やしてみようかと。
743 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/06(木) 22:34:00.85 ID:CMQQqbqZ0
【ラップトップハッピネス 第一話「なんか拾った」】

 俺の名前は蒼坂蓮、ジーナ・フォイロの契約者。
 もう人間ではないので多分化物である。

「いや、やべえ困った。」

 俺は今ワリと困っていた。
 原因は目の前で毒にうなされている少女。
 いつも通り化物の義務として殺したくもないのにパンピーを殺戮してまわっていたところで死にそこねた女の子を一人拾ってしまったのだ。
 別に可愛いかったからというわけではない、只の興味本位だ。
 一応恋人は居る。
 もう殺したけど。
 最後まで何故こうなったのか分からないって顔していたのを覚えている。
 ただ心根の優しい良い子で、他人の不幸を悲しめる素敵な女性だった。
 そばにおいておけば悲しいって感情を勉強できるかと思ったんだけど本当に使えなくてガッカリだった。 
 ただやっぱり良い子なので俺の恋人。
 ほら、良く言うじゃない、心の中に生きているって!
 …………死んだ奴は素直に死なせてやれよ、エゴだよねああいうのって。

「死にたくない……。」
「そんなに命が惜しいのかい。」

 死にたくないなんて、不思議な子だ。

「――――――!」

 少女が眼を覚ました。
 俺の毒を諸に喰らったにしては回復がずいぶん早い。
 中々興味深い事実だ。
 少女は驚いたように辺りをキョロキョロと見回している。
744 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/06(木) 22:35:32.96 ID:CMQQqbqZ0
「そこに誰か居るんですか。」
「ああ。倒れている君を拾った通りすがりのお兄さんが居る。」
「明かりをつけてください。」
「もうついている。たぶん君の眼が見えてないだけだ。」

 少女の顔に怯えたような色が浮かぶ。

「とりあえずこれから君を医者に連れていこうか迷っているんだけどどうしたら良い?
 君のご両親にも連絡したいんだがどこに連絡すればいいのかも分からない。」
「そ、それはやめてください!」
「なんで?両親って居ないと悲しいものなんじゃないの?」
「……事情は、聞かないでください。」
「オッケー、聞かない。」

 まあ親と喧嘩してたとかそんな感じではない。
 さっき服をひっペがしてみると目立たない所に幾つも傷跡があったし、彼女の財布の中には子供が普通持たないような物や分不相応な量の金が入っていた。
 まあ世の中に屑なんていくらでも居るし、気にするほどのことでもない。
 しかしこれは中々悲劇ではないだろうか。
 興味深い。

「分かった、じゃあ聞かないでおこう。病院は?」
「病院も……親の所に連絡されるし。」
「どんだけ帰りたくないんだよ。」

 笑いながら言ってみる。
 あら、シリアスな感じの顔。

「あの、ここ何処ですか?」
「俺の今のところの家。」

 と言っても廃業して打ち捨てられたダーツバーなのだが。

「今のところの?」
「うん、俺ってば世界中旅して回っているから。」
「……連れてってください。」
「はぁ?」
「私もその旅に連れていってください!なんでもしますからお願いします!
 もうこの町には居たくないんです!」
「なに、よっぽどの事情が有ったっぽいけど……。
 お兄さんにすこーし聞かせてみ?」
「う……。」

 気さくでのんきなお兄さんの振りをしながら聞いてみる。
 恐らく嫌な思いをしていて、それを他人に話すのは憚られるのだろう。
 他人に話すのが憚られるような嫌な思いねえ。
 やっぱ“そういう”事情なんだろねえ。
745 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/06(木) 22:37:27.87 ID:CMQQqbqZ0
「さっきは聞かないって……。」
「だって“見ず”知らずの旅人にいきなり一緒に旅させろっておかしいじゃん。
 そんな無茶を聞いてもらいたいならプリーズテルミー」
「プリーズテルミー?」
「please tell me」
「英語は分かりません。」
「ん?」
「学校行ってないんで。」

 ああ、ディテールが掴めてきたぞ。
 良いね、昔を思い出すよそういうのは。
 ありふれた悲劇だ。

「学校に行ってない……?どういうことかな?」

 とぼけてみる。

「……本当に言わなくちゃ駄目なんですか?」

 俯きながら俺に尋ねる。
 光を映さない眼から涙が零れそうになっている。
 これだよこれ、いくら見ても飽きない。
 こうやって人は悲しむのか。

「お願いします、何でもやるんで連れていってください……。
 行く所が無いんですよ……!」

 へえ……、泣いている。
 “それ”が泣くほど嫌だったのか。
 その程度の悲劇でそこまで泣けるのか。
 世界にはもっともっともっともっと悲劇が満ち溢れているのに。
 そうだ、良いことを思いついた。
746 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/06(木) 22:39:11.01 ID:CMQQqbqZ0
「仕方ないなあ、よく分からないけどお兄さんも男だ。
 そこまで言われたら“人肌”脱ぐしかねえなあ。」

 この少女を連れて旅をしてみよう。
 まるで家族のように大切に大切にしてその後自らの手で命を奪ってみよう。
 無理やり犯し、四肢を引き裂き、ゆっくりと丁寧にいたぶるように殺してみよう。
 そのあとは死体を切り刻んでステーキにでもしてやれば良い。
 自分が大切にした物を自分の手で壊せばきっと悲しいに違いない。
 俺は“悲しい”という感情を持つことができるに違いない。
 涙を流せるようになれるにちがいない。
 俺ってなんて人でなしの化物なんだろう。
 そうと決まれば善は急げだ。
 彼女を連れて旅に出よう。
 そう思った時、取り込んだはずのジーナ・フォイロから声が聞こえてくる。

「ちょっと待ってろ、少し飯の用意をしてくる。
 苦手な物とかあるか?」
「いえ、特にありません。」
「お前の荷物は枕元に置いてある、あとトイレとかは大丈夫か?」
「えと……大丈夫です。」
「ならよし、十分でもどる。」
「え、置いてかないで!?」
「大丈夫だ、絶対に、すぐに戻る。そして君を守る。俺はできない約束はしない主義だ。」

 少女の目の前で人間の皮を裂いて化物へと姿を戻す。
 どうせこの娘に見えてなど居ない。
 階段を降りて、外へ出て夜明け前の空へと翼をはためかせる。
 目指すは少女の家、住所はとっくに調べてある。
 ジーナ・フォイロの言うとおり、化物はバケモノらしく家族を殺し、少女を攫ったことにしよう。
 そうすれば俺は更に力を得られるし、まったくもって合理的だ。

【ラップトップハッピネス 第一話「なんか拾った」 to be continued】
747 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/06(木) 22:46:06.04 ID:CMQQqbqZ0
という訳でお兄ちゃんサイドのお話
とりあえずまああれだ
細かいところは察してください

蓮お兄ちゃんは昔からあそこまで人間性が希薄化してたんじゃなくてNGOで海外の恵まれない人々の為に頑張ってたんだけどそこで色々有ってああなった
という過去をそのうち明らかにする予定
748 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/06(木) 22:51:08.17 ID:CMQQqbqZ0
増え野郎本日二郎デビューしました
“ぶたましやさいましにんにくましからめ”だったかを完食しました
食べている間は「糞不味い!拷問ってレベルだぞおい!」
って感じだったけどまた食べたい不思議
749 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/06(木) 22:54:32.23 ID:39n1kwMyo
笛の人投下乙ですよ
タイトルの軽さとノリの軽さと内容の重さのギャップが素敵

>>740
> オフェンスな気分で固定すればいいんですね!
呑まれるのは『復讐』がトリガーなので、適当に身内を酷い目に遭わせればいいんじゃないかな!

ちなみにヴィッキーが多少バラバラになっても復活するからミンチにしてるのではなくて
沙々耶がミンチにされるという話だったので、それをそのまま返しているだけだったり

>>742
> そしてメイちゃんつええ……
まあ割合で言えば7割ぐらいは呑まれてる状態ですけどね!

>>748
> って感じだったけどまた食べたい不思議
二郎は食事じゃなくて二郎っていうスポーツだってあっちの人が言ってた
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/10/07(金) 03:13:57.38 ID:Us5v2DDAO
>>裂邪と同学年じゃないかこれはコラボチャンス狙えるか
イタルとれっきゅんのコラボ素敵…!
ちなみにイタルは男女両刀なので性的にも素tあれなにあのでっかいシャボン玉

>>柳もげろ!?
柳がもげると一番困るのは飛縁魔だったり

>>733
いいよねこういう感じのほのぼの…
実は裏には兄妹のシャレになんねえ確執が…

八尺様の方乙です
亜里沙ちゃん無事には終わらないか
このままいったらすげぇチートキャラになりそうなの

三面鏡の方乙です〜
なにこれメイちゃんカッコかわいいの
銃とか刃物で戦う女の子って素敵

笛の方乙です
笛の方のピカレスクヒーローカコイイ!
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/10/07(金) 03:14:38.87 ID:Us5v2DDAO
>>裂邪と同学年じゃないかこれはコラボチャンス狙えるか
イタルとれっきゅんのコラボ素敵…!
ちなみにイタルは男女両刀なので性的にも素tあれなにあのでっかいシャボン玉

>>柳もげろ!?
柳がもげると一番困るのは飛縁魔だったり

>>733
いいよねこういう感じのほのぼの…
実は裏には兄妹のシャレになんねえ確執が…

八尺様の方乙です
亜里沙ちゃん無事には終わらないか
このままいったらすげぇチートキャラになりそうなの

三面鏡の方乙です〜
なにこれメイちゃんカッコかわいいの
銃とか刃物で戦う女の子って素敵

笛の方乙です
笛の方のピカレスクヒーローカコイイ!
752 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/07(金) 03:17:12.30 ID:Us5v2DDAO
繋がらないから連打したら二重になっちゃったよorz
753 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/07(金) 08:05:58.94 ID:vr3MjMI80
両刀なのかよwwwwwww
意外すぎて想像できんわwww
ってか、柳とどっこいどっこいじゃん、変態度的にwww
754 :ふえやらう[sage]:2011/10/07(金) 08:52:25.11 ID:mui8rK5DO
何故笛野郎は非処女ヒロインが好きなのか
訳がわからないよ
755 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/07(金) 08:52:40.64 ID:vr3MjMI80
あれ、よく見たら感想書いてなかったのかorz
笛の人乙です〜
さて、これから悲しみが生まれるまで殺し続けるか、感情が芽生えるかだな…
しかし外道外道しい外道だ(何
756 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/07(金) 08:55:42.94 ID:vr3MjMI80
>>754
俺は逆に処女大好きだから余計に分からん(ぁ
でも破られる瞬間が好き、何をとは言わない
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/07(金) 12:51:53.27 ID:gB0GRmks0
なるほど、笛の人が挑戦すべき分野は処女ヒロイン
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/07(金) 13:03:44.55 ID:mui8rK5DO
だか待ってほしい
処女ヒロインだってかいつるぞwwwwwwwwwwww
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/07(金) 13:16:54.79 ID:gB0GRmks0
「いつから私が処女だと錯覚していた?」

こんなヒロインは………いらないな!!
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/07(金) 15:25:13.75 ID:mui8rK5DO
そんなこと言い出す時点でヒロインもへったくれもねぇwwwwww
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/07(金) 16:00:19.98 ID:gB0GRmks0
>>760
実はヒロインがラスボスだったという流れでありかもしれないではないか
処女厨な主人公に対してそんなヒロイン
そんな新感覚らぶすとーりー


…うん、いらないな!!
762 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/07(金) 16:03:33.34 ID:IffpvdIv0
>>759
なん…だと…?

…ヒロインといえば、結局うちの話のヒロインは誰なの?
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/07(金) 16:18:27.87 ID:gB0GRmks0
>>762
疾風とか不幸辺り?
764 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/07(金) 16:30:33.32 ID:MWhw0iu/0
小波たん
765 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/07(金) 17:44:31.71 ID:IffpvdIv0
>>763
不幸「いや僕達男の子だよ!? 疾風君は女装キャラが定着しつつあるけど…」
疾風「勝手に定着させないでよ」

>>764
小奈美「え!? 私!? えへへ、まぁそうよね! 主人公の血縁者な訳だし! 今の時代ヒロインは妹よね!」
堂寺「…唯一の懸念は主人公(ぼく)にデレてないことだね」
小奈美「誰がデレるか」
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/07(金) 17:54:44.51 ID:DN8bURbDO

>>761
それで最終的に
「いつから私が女だと以下略」
になって男でも構わないとかなったりならなかったり
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/07(金) 19:13:49.34 ID:+vXhS1R0o
「好きなものは好きだからしょうがない」
と返してとぅるーえんどだな
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/07(金) 19:48:46.17 ID:BYChIHyS0
>>766
「…っくく」
「何がおかしい?」
「おかしいさ、お前こそ……いつから、俺が「男」だと錯覚していた?」
「!…そうか、なるほど……お前がヒロインで、私がヒーロー…それが、本来の私達のあるべき姿、そうだったとでも言いたい訳か…!」
「先に仕掛けてきたのはお前だ」
「いいさ、ならば………やってみるがいい、我々の正体を晒してなお!この物語をボーイ・ミーツ・ガール方向に進められるものなら、進めてみるがいい!」



何この電波
769 :けんけんぱ[saga]:2011/10/07(金) 20:57:00.59 ID:wECE3XOX0

 タイルの敷き詰められた商店街を、子供が飛び跳ねながら歩いている。
 『白いタイルだけを踏んで歩く』という、子供ならではの他愛もない遊びだ。
 子供達にとってそれはあくまで他愛もない遊びであって、ほかに何の意味も持たない。

 『兎歩』という歩法がある。
 独特の足捌きで地面を踏み抜くことで魔を祓う、というものだ。
 特段の鍛錬を必要とせず、正しい手順さえ”踏めば”誰にでも行えるらしい。

 もし。
 子供が白いタイルの上を飛び跳ね歩いていたとしたら。

 もし。
 その白いタイルが兎歩の足順に沿って敷かれていたとしたら。

 もし。
 それによって知らず知らずのうちに兎歩が踏まれているとしたら。

 その周辺は兎歩によって魔が祓われた、清浄な空間となっていることだろう。
 そして多くの害意ある都市伝説にとって、その空間は近寄りがたいものだろう。

 魔がいない安全なところには人が多く集まる。
 人が集まればそれに伴い子供の数が増える。
 そして子供が増えればより多くの兎歩が踏まれる。

「よっ、とっ、とっ、とっ……えいっ!ほらー、ゆーくんもはやくー!」

 商店街に子供の足音が響く。


【終】
770 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/07(金) 20:57:52.94 ID:KPdkB+Zo0
代理乙です〜
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/07(金) 20:58:34.15 ID:wECE3XOX0
※ >>769は避難所に投下された作品を代理投下したものです
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2011/10/07(金) 21:17:55.32 ID:aw2NQfSUo
>>767
昔、男の娘だったヒロインに
「女の子じゃないからどうした、むしろ男の子のお前が好きだ」とガチ告白した少年漫画があったね
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/07(金) 21:23:47.53 ID:ydasRNpto
皆様投下乙です
このスレは閑時と繁時のギャップがすさまじいな
一日二日見ない間に新着70レスとか嬉しい悲鳴
やっぱり新しい作者が増えると盛り上がるね!
もっと栄えろ都市伝説スレ
もっと生まれろ都市伝説
774 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/07(金) 21:25:38.09 ID:PChIt2Bg0
乙でした
禹歩ッネタ使いたかったんだけどバトル展開ばかりで今一出番が無かった

「ふははは!逃げているばかりでうんたらかんたら!」
「お前はまだ気づいていない」
「なに!?」
「俺が只逃げ回っていただけだとおもったお前は」
「な、いきなり身体が……!」
「禹歩、と呼ばれる技術がある。
 (以下説明)
 だからお前はあの時点ですでに負けていたのだ。」
「ば、ばかなー!」

みたいなのもやりたかったんだけどバトルがたった二回しかなかったからできなかった
775 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/07(金) 22:39:03.42 ID:KPdkB+Zo0
気がつけばもう700行ってるのね
大体1ヵ月くらいかな…
776 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/07(金) 22:50:49.17 ID:mIONXTnM0
ああ! すいませんがシャドーマンの契約者さん!
赤い幼星の面々をちょこっとだけ暴走したレジェンドハンターと対面させてもいいでしょうか!
新キャラだけだと学校町って感じがしないので!
777 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/07(金) 23:03:10.10 ID:MWhw0iu/0
え、うちのメンバーでいいんですか?
俺は問題ないですよ〜
一応、誰をお使いになられるかと、時間軸を教えていただければ
778 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2011/10/07(金) 23:27:24.04 ID:bcs8kWw2o
改めまして皆さん乙です。

ここ最近新人さんが多いわwikiの更新が増えてるわで俺得www
ゆっくりと堪能してきます。
779 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage]:2011/10/07(金) 23:31:53.64 ID:HdGZ7oH20
時系列は、UFO裂邪君臨の後。
メンバーといっても、赤い幼星と黒服でいいです。
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/07(金) 23:34:14.08 ID:BYChIHyS0
皆様乙


…くくく……スレが活発な時に限ってよそで忙しい俺はちょっと泣いてきますねくそう余裕出来たら何か投下するんだから
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/07(金) 23:36:49.70 ID:ydasRNpto
さくせん:リアルをだいじに
782 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/07(金) 23:50:09.02 ID:PChIt2Bg0
必死でwiki更新してるんだけどマジキツイ
皆も豆に更新しろよ!
このスレはwikiに纒めるのは基本作者の仕事だからな!
783 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2011/10/08(土) 00:04:45.70 ID:XHxeS6BYo
一話投下するごとに更新してる俺に隙はなかった。
784 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/08(土) 00:10:35.13 ID:SkZcT1ZM0
 少女は、温かく抱き締めている少年の中で目が覚めた。
(……あのまま寝てたのか)
 起き上がろうとするが、少年の体が邪魔で起き上がれない。少女の腕力なら簡単に退かせるが、それはしない。
 少女自身にも詳しい理由は解らないが、強いて言うなら、居心地がいいからだろう。
 抱きしめられている少女――――DKGこと本条薫は、二度目の眠りにつき、その顔は、とても幸せそうだった。

 少年――――本条雄介が起きると、薫を抱きしめていた、抱きしめられていた。
「――――ッ!?」
 昨日の夜の事が思い出せず、一瞬ヤッちまったかとも思ったが、すぐに昨日の出来事を思いだし、ホッとする。
 薫を起こさないように、そっと離れ、キッチンに立つ。
「……ああ、起きたか」
 だが、薫は寝ぼけた顔で、ソファから立ち上がる。
「……起こしちゃいましたか?」
「ん、なんか寒くなってな。ちょっとシャワー浴びてくる」
「寝ぼけて湯船に入らないで下さいよ。冷たいですから」
「ん」
 そう言って薫は浴室に向かった。
 うぎゃー!? と悲鳴が聞こえたのは、シャワーの音が止んですぐだった。

「まったくー、ドジっ娘さんめー☆」
「……うっさい。黙れ」
 風呂から出てきた薫は、既に私服姿で味噌汁をすすっている。
 あちっ、と自分の猫舌を忘れて、水を飲む姿も可愛らしい。
「悪いが、今日はクラスの連中と学校町めぐりの約束をしてるから、昼食はいらないからな」
「浮気!?」
「女しかいないし付き合ってもないだろ!!」
 チャチャッとご飯を胃袋に押し込み、自分の部屋に入ったらと思ったらバックを手に取り、
「いってきます」
「いってらっしゃい」
 薫はまだ見ぬ日常の一片に、足を踏み入れた。

785 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/08(土) 00:12:03.69 ID:Y79P/0ed0

「……行きましたか」
 それを確認した雄介は、ソファの下にあったノートパソコンをテーブルの上に置き、起動させて氷水を隣に置く。
 雄介が見ているのは、組織の都市伝説に関する最新情報。
「『ドライキラーガールに警戒せよ』……ね」
 そこには、薫の顔写真と、いかに危険なのかが書かれている。
「……『アメリカでは十万を越える異常な死体を作り上げ、都市伝説もそれに値する数を葬ってきたとされ、アメリカの組織「レジェンド」も打つ手なし。現在は学校町に潜伏中。都市伝説関係者には警戒するよう報告している』……これ後で消させよう」
 カチ、カチ、と簡単に国家機密に関わりような情報を開けていく。中には政府からの依頼で、というものもたくさんあった。
 過去の事件も暇そうに読んでいると、『京都 百鬼夜行事件』という物があった。
「……懐かしっ! これって確かはファントム誕生の日だったな。 確か二年前だっけ?」
 卒業写真を見るような感覚でその記事を開こうとしたとき、パソコンにメールが送られてきた。
 送信者は、『φNo.0』。
 内容は、『緊急事態発生。今すぐ私のところに来なさい』。

786 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/08(土) 00:13:48.68 ID:6zVMyG0t0

 雄介――――ファントムは、地下に続く階段を降りていく。
 その先にあるのは扉。その奥には『φNo.0』がいることを知っており、躊躇いなく開いた。
 そこには、黒い背広を着た背高のっぽ、強者の風格を持つ男、ぴょーんとしたアホ毛がチャーミングな小さな少女が、小きな会議室に座っていた。
「よぉ、久し振りだな。『φ』と『Ω』と『Δ』のNo.0逹も揃って何事だ?」
 強者の風格を持つ男――――ΩNo.0が発言した。
「俺達が集まったってことは――――」
「都市伝説集団の危険性があるってことだよっ」
 だが、その途中にアホ毛の少女――――ΔNo.0が口をはさんだ。
「百鬼夜行と同じくらいヤバいってわけか?」
「違うよ。それよりやばいかもっ」
「……妖怪レベルじゃなくて、神話レベルだったりするわけか?」
「もっと厄介っ!」
 ΔNo.0の言葉に、思わず頭を抱えてしまうファントム。
「でも、百鬼夜行よりはまだまともだと思いますよ?」
 黒い背広を着た背高のっぽ――――φNo.0が、ポテチの袋を抱えたまま手を挙げる。
「それは、百鬼夜行事件のような契約者はいないということか?」
「そうです。彼は都市伝説を式神扱いしてしまう――――レジェンドハンター」
「ブフゥ!?」
 予想してなかった異名が飛び出し、マスクの中で吹いてしまった。それは無理もない。
「お前の兄貴だろ早くなんとかしろよ」
「待て、アイツが弟の俺に迷惑をかけるような事をするとは思えない」
「組織も都市伝説を貸してもらったりしてたりお世話になってるけど、その都市伝説の数やレア度から、危険対象としても見られてるからね。今回のことで戦争起きちゃうかもっ!」
 アホ毛をぴょーん! と跳ねさせながら、バンバンと机を叩くΔNo.0。とてもこの中での最年長とは思えない。
787 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/08(土) 00:15:43.97 ID:qkjNfXWw0

「……そもそも、あのバカが何をした……?」
「兄貴扱いすらしなくなったな」
「オメメがNo.0さん。少し黙ってていてください」
「俺はオメメがじゃなくてΩだぞ!? いい加減名称覚えろφNo.0!!」
「仕方ないよΩNo.0。φNo.0の記憶力の無さは、ファントムの話し方のバリエーションくらいだもんっ!」
「……よく解らないが解った」
「まて、解ってもらっては俺が困る気がする」
 パチ! パチ! とφNo.0が手を叩くと、三人はピタリと静かになる。
「あなたのお兄さん……本条総司さんは、先ほどムー大陸を支配したようです」
「……待て、ムー大陸なんて本当にあったのか?」
「もちろん、都市伝説としてのムー大陸です。それが先ほど、海の奥から浮いてきているらしいんです。そんなのが出てきたら、世界中ダイパニックです。もちろん、他の組織や国も特殊部隊の都市伝説を送り込んだんですが……結果は、ご想像通りです」
「……普通勝てるわけないな。アイツに」
「……普通に地獄の門とか出し惜しみなくだすんだもん。不老不死じゃなかったら、絶対帰って来れなかったっ!」
 どうやらΔNo.0も特殊部隊の中にいたらしく、思い出してプンプンと怒っている。
「まあまあデレタNo.0さん」
「Δだから!」
「飴なめます?」
「……私は大人の女よっ。釣られるわけ……」
「葡萄味」
「いっただっきまーすっ!」
 ΔNo.0は不老不死と契約しており、精神も不老しないらしい。幼い心は微笑ましい。
「……でだ。そのムー大陸を出して、アイツは何をするつもりだ?」
「先ほど彼から連絡がありました。――――『DKGを引き渡せ』と」
「……まあ、あれは都市伝説としては貴重で絶対的な力を持つからな。レジェンドハンターが欲しがるのも無理はない」
「人の彼女を物扱いとは、ΩNo.0は殺されたいらしいな?」
「ギブアップ」
 さすがのファントムには敵わないと思ったのか、ΩNo.0は降参を表しているかのように手を挙げる。
「だが、それだとアイツの行動に矛盾があるな……」
「ええ、彼は契約している都市伝説は狙いません。ましてや、ムー大陸を使ってまで使い、世界中の組織を混乱させるなんて、もってのほかです」
「それでねっ、私ピーンときちゃったのっ! きっとゆーすけに彼女が出来たから、妬いてるんだよっ」
 ΔNo.0の言葉には、とても説得力があった。
 なぜなら、レジェンドハンターこて総司は、本条家の末の弟、雄介を溺愛しているのだ。
「……あれならやりかねない」
「それで、あなたがムー大陸に行ってお兄さんを説得してきてほしいのっ!」
 ΔNo.0は手をパンッとあわせ、お願いポーズでウインクする。
「無理だ」
「無駄です」
「不可能だろ」
 だが、三人に自分の提案を全面却下され、ガーンとポーズをとりながら、ショボーンと落ち込むΔNo.0。
「あれは、一度決めたら俺の言うことなんか聞きやしない」
「それに、あれはフェイク」
「彼のことですから、すでにこの学校町に――――」
 ドォン!! と上の方で何かが落ちてきた音がした。
 四人は急いで階段を走り、地上に何があるのかを確認した。

「……ど、ドラゴン……?」

 それは高らかに声を張り上げ、群を作り、学校町に降りてくる。


788 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/08(土) 00:16:42.65 ID:lg6EqfGT0

 レジェンドハンター総司は、学校町が見渡すことのできる建物の上にいた。
「よし、雄介の方は、あれで10分……いや、15分はもつな」
 望遠鏡で弟の慌てる姿を見ながら、クスクスと笑う総司。
「僕としてはこのままDKGを狩りに行きたいんだけど……そこにいるんだろ?」
 総司はクルリと後ろを振り返ると、スーツ姿をした少女と黒服の集団があった。
「確か……R指定0の赤い石鹸だっけ?」
「RNo.0の赤い幼星です!! そもそも、赤い幼星などという呼び名は、あまり好きじゃありませんので止めていただけません!?」
「で、そのRNo.0さんが何のよう?」
「……あなたの暴走を、止めに来ました。近くにいたらすぐ捕まえろと言われているので」
 そう言うと、RNo.0は裂邪様にあいに行くところだったのに……と舌打ちをする。よほどイラついているらしい。
「他のメンバーがいないみたいだけど?」
「クッキーを用意していたというのに、あの子達は勝手に裂邪様のところに行ってしまいまして……会ったらお仕置きですわ」
 黒服の一人が彼女に鞭を渡し、RNo.0はストレスを発散させるように振るう。
「何か嫌なことでもあったのかい?」
「あなたがここにいることですわ!!」
 その言葉の裏には、黒服に荷物を持たせていたら、たまたま捕獲対象のレジェンドハンターがいたが、無視しようとしたら黒服に止められてしまったという経緯がある。
「僕は君達に用は無いし……DKGのところに行かせて貰おうか」
 シュッと、総司はカードを何枚か投げ、RNo.0――――ローゼは目を妖しい紫色に光らせる。
 カードから出てきたのは、雷小僧、(少年に見える)桃太郎と金太郎だ。
「ロリにはショタだ☆」
「……結構いいご趣味をしているようで」
 ローゼは静かに構え、都市伝説など気にせず総司に突っ込む。
 総司はもう一枚カードを投げ
「後は任せたよ」
 手を振りながら消えた。
「空間移動の都市伝説!?」
『残念ながら、インビジブゥル』
 自分の背から総司の声が聞こえ、さっと振り替えるローゼ。
 そこには、三人の都市伝説にやられた黒服の山が。
「……ずらかることも許してくれそうにありませんね」
 総司は、ローゼの苦い顔を見ながら、屋上を去った。
789 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/08(土) 00:20:52.18 ID:OLItAjWt0
新キャラ出しすぎとかレジェンドハンターチートすぎるとかシャドーマンの契約者さんを待ちきれず投下とかすいませんでした。

次回だ!! 薫が苦悩の地獄に落ちるのは次回!!
今回は、雄介が普段何やってたかを書きたかったんだ!!
790 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/08(土) 00:23:26.90 ID:8Pgzx7Qa0
乙でしたー
鬱展開大好きよ
超好きよ
待ち構えてるよ
791 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2011/10/08(土) 00:27:32.92 ID:XHxeS6BYo
乙です。
うひょう、ローゼ様ピンチ
雄介くんと薫ちゃんの行動に期待
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/08(土) 00:43:06.16 ID:kGPmLnuDO

いきなり新しいナンバーが3つも出てきたぞ
どんだけ大きな話に……
793 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/08(土) 00:44:31.08 ID:J/36jb5AO
DKGとファントムさんの人乙ですー
薫ちゃんの苦悩に期待。なにこのレジェンドハンターかっこいい
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/08(土) 00:44:39.72 ID:LySA4wxDO
>>792
皆おなじことをおもっているんだからやめるんだ
誰にだって若気の至りはある…
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/08(土) 00:50:09.60 ID:8BdDV0fn0
>>792
何の問題もない
古くから登場してるにもかかわらず
幹部の全貌が明らかになってないナンバーとかあるしな!
それに比べりゃまだマシだよ
796 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/10/08(土) 00:52:11.58 ID:qkjNfXWw0
>>794
正直、Ωはネタキャラでいらなかったと思ってる……。
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/08(土) 01:04:48.33 ID:gdcz9mQw0
細かい事を気にする手合いもいるけど
あまり気にせずノリで書いた方がいいっすよ
今のままでも十分に面白いですし
それに深く考えると失速してしまう事はよくある
798 :ボタン・プッシュ・シンドローム完結編 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/08(土) 06:05:29.06 ID:Pm1x3Pxt0



暦は走っていた。
気がついたからだ。
亜里沙が憑かれた悪夢の実態に。

死刑執行の際、五人の刑務官が5つのボタンを押すと、床板が割れ、そこに死刑囚が落ちて絞首の状態になる。
核兵器は一人では発射できないようになっている。
離れたところにある複数のスイッチを同時にONにしないと発射できない。
複数のスイッチが必要――それは安全装置。
複数のスイッチを押す――それは恐怖の引鉄なのだ。

「うかつ……もっと早くに気がついていれば……!何もよりによって最悪のタイミングで……」

もうあのスイッチはこの世のものではない。
都市伝説ですらない。
本来の目的から外れた悪夢だ。

生命とはその活動の為に様々な力を得ようとする
戦う力、逃げる力、生き延びる為の力をひたすらに追求する
その姿はあまりにも美しい、それがどんな生命であってもだ

しかしこの都市伝説は違う。
目的に向かう経過と生存競争の結果としての殺戮と
殺戮のための殺戮では天と地ほど違う。

この都市伝説は満足も限度も知らない。

ただ引き金を引かせようとするだろう
ただボタンを押させようとするだろう。
命を奪い、自らを強め、さらに命を奪い、さらに強くなる。
核兵器やミサイルのスイッチも押させるだろう。
この世のありとあらゆる兵器の引き金を引くまで。
この世にスイッチを押す人間とスイッチが居なくなるまで
全てを無に帰すまで、世界の終わりが来るまで。
799 :ボタン・プッシュ・シンドローム完結編 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/08(土) 06:06:06.80 ID:Pm1x3Pxt0

恐怖が結集し、都市伝説と言う概念になる。そこまではいい。
生きる為に[ピーーー]。都市伝説と生まれたものにはある程度仕方ない。
生きる為に他者を殺し糧とすることは人間だって動物だってやっている。

しかしこれは違う。
(殺戮それ自体を目的とし、際限なく人を[ピーーー]ことを覚えた道具……
恐怖と都市伝説の領分、それすら踏み越え
『世界を滅ぼす可能性』に至った都市伝説は破壊しなければならない!)

暦は強くレアード複葉機から作られたナイフを握り締めた。

(止めなくてはならない。このまま進めば……
彼女が自らが殺戮を犯していたと知る前に!
誰かに教えられる前に!誰かに屠られる前に!
殺し殺される輪転に含まれる前に!
誰にも知られる前に!
それを知ったら彼女は壊れる!)

暦の限定的な未来視が僅か先の未来の光景を垣間見せる。
「暦ちゃん……止めてくれるんだね。この誰かを殺してしまうのが分かっていても
スイッチを押したくなる気持ちを。誰かを殺してしまうのが嫌で嫌でたまらないのに
怖くて怖くてたまらないのに。それなのに楽しくて仕方ないこのどうしようもない気分を、壊してくれるんだね!?
もっと!もっと華を!紅蓮の花を!硝煙の花を!」
亜里沙は壊れていた。

小島亜里沙は人間を止めて魔女となってしまった。
「小気味良いスイッチの音と一緒に私に見せて!
生きながら焼かれて生きながら灰になって!
聞かせてよ!焼け爆ぜた肉から染み出した油がパチパチとはじける音と恐怖と絶叫のマーチを!!
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと」
恐怖に引きつり涙を流しながらもその口角は狂笑につりあがる。
こんな哀しく、恐ろしく、そしてグロテスクな未来など
とても暦の美意識に耐えられるものではない。
「間に合え……私……!」
800 :ボタン・プッシュ・シンドローム完結編 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/08(土) 06:07:12.72 ID:Pm1x3Pxt0
悪夢は続いていた。

亜里沙はちょっと強引なナンパ男に付き纏われていた。

「なーいーじゃんちょっとつきあえよー」
「いやっ!」

なれなれしく付き纏う男の手を振り払おうと
闇雲に振り回される亜里沙の手指が
男の手首の手の平側、手の先端よりのしわの中央部分を強く押してしまった。
続いて男の中指の手の平側の第一関節の中央と薬指の爪の生え際、小指側の角を
軽く、だが『正確』に掠めた。

「いって!」
「ちょっと強引過ぎるのは嫌ー!」
そういって亜里沙は逃げるように駅に向かった。

亜里沙はかつて自分で言っていた。
『痛みに反応して対応した箇所に神経を伝って電気刺激が流れたり活性化するってさ
まんま人体に取り付けられたスイッチ見たいじゃない?』

人体におけるツボである秘孔はスイッチ。神経系と経絡は電気配線とも解釈できる。

複数のスイッチを押すと爆発する、などという都市伝説に憑かれた少女にそんなものを押されたらどうなるか……

亜里沙が運悪く掠めた場所は……【太陵】【心穴】【関衝】
すなわち……経絡秘孔における頭痛のツボ。
801 :ボタン・プッシュ・シンドローム完結編 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/08(土) 06:08:11.76 ID:Pm1x3Pxt0
亜里沙は知らない。
亜里沙の姿が男の視界から消えた後
パツン、と不吉な小さな破裂音が何処かで響いた。
「……が、ぱっぽぉっ!」
先ほど亜里沙をナンパしてた青年が意味を成さない呟きを言ったかと思うと
ぐるりと白目をむいてそのまま地面にぶっ倒れた。
……死んでいる。
脳の血管が爆発したのだ。
「きゃー!」
「人が倒れたぞ!誰か救急車を呼べー!!」

亜里沙の後を追って駆けつけてきた暦は
都市伝説の気配は一瞬現れて消失したことに気がついた
この都市伝説は爆発の一瞬以外は姿を現さないのだ。
あれでは本当に事故にしかみえない。
あの死んだ青年も急性脳出血としか診断されないだろう。

「厄介な!」

町の喧騒を無視して
倒れた青年をちらりと一瞥したがまた走り出す。

「くっ……もう一刻の猶予もない!
駅に向かってるとか最悪かも……」
802 :ボタン・プッシュ・シンドローム完結編 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/08(土) 06:09:15.15 ID:Pm1x3Pxt0
駅にたどり着いた亜里沙は深いため息を着いた。
定期券で駅のゲートを通り抜ける。

「はあ……なんかついてないなあ……
変な男にはナンパされるし……」

駅のホームには幾人か人がいたが……
親子連れらしき母親が携帯電話の着信に一瞬眼を放した隙に
五歳くらいの男の子が振り回して遊んでいたおもちゃを
ホーム下に投げ込んでしまう。
男の子は母親の手を振り払いホーム下へお気に入りのおもちゃを取ろうと飛び降りた……

ガタンガタンガタン、と不吉な音が近づいてきてる。
亜里沙は、それを知ってしまった。
男の子の母親が金切り声を上げる。
「やばいー!男の子がホームの下に落ちた!!」
亜里沙が視線を彷徨わせる。駅には確かあれがあったはずだ。
運転手にトラブルを知らせる緊急車両停止ボタンが……

亜里沙の心臓が早鐘のように打った。
「押したくない!何でかしらないけど押したくない!
怖い!嫌な予感がする!でも押さなきゃ!押さなきゃあの子が……!」

亜里沙の震える指が駅に備え付けられたボタンに震えながらゆっくりと……
亜里沙は知らない。
彼女に取り付いた都市伝説「ボタンプッシュシンドローム」が
彼女がボタンを押すのを怖がり躊躇うようになったので
ボタンを押さざるを得ない状況に追い込んでいることなど。
無論。押した所でろくなことになるはずがない。
亜里沙がボタンを押すか押さないかの瞬間
恐怖と葛藤によって増大した超出力の心の力を待ち望むボタンに取り付いた悪夢
それが皮肉な喜びに震えようとして……
803 :ボタン・プッシュ・シンドローム完結編 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/08(土) 06:10:25.70 ID:Pm1x3Pxt0
「七天七星七海七色に輝く極彩色!!
時間よ止まれ!!お前はあまりに美しい!!」

暦の声が斬り込んだ。そして、世界の全ては停止した。

突っ走って来た電車も。ホームの下に手を伸ばす母親も
おもちゃを掴んで線路上で泣き喚く男の子も。
ボタンを押そうとしている亜里沙も、スイッチに取り付いた悪夢も。
世界の全てが停止していた。
その中で動けるのは、暦だけ。

暦はひらりとホーム下に下りると
時間が停止して固まっている男の子を引っ張る時間も惜しいとホーム下の緊急退避エリアに蹴りこんだ。
それからホームに戻ると、にらむ様に亜里沙の周囲を探し、ため息をついた。

「ごめんね亜里沙ちゃん。貴女を救う方法がこれ以外思いつかなかった」

亜里沙はスイッチに触れるか触れないかの距離で固まっている。

「契約や憑依を断ち切れる都市伝説を用意する時間は私にはないわ。
だから、肉体の一部ごと都市伝説を引き剥がすしかないの」

暦のパレットナイフが、綺麗に振りぬかれた。

「人の恐怖から生まれ人を[ピーーー]ことしか知らない概念!
恐怖と殺戮の引鉄よ!
この世の果て、時の闇の彼方に還れ!!」

一閃が亜里沙の押そうとしていたスイッチの筐体を粉々に砕き、繋がっていたコードをずたずたに切断した。
スイッチに伸ばされた亜里沙の人差し指ごと。
ごり、とナイフが酷く生々しく指の骨に当たる音がして……
数センチの赤色の細い肉と骨が放物線を描いてぽとりと落ちる。
804 :ボタン・プッシュ・シンドローム完結編 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/08(土) 06:11:30.21 ID:Pm1x3Pxt0
上の電光掲示板を丁寧に、慎重に計算して破壊することも忘れない。
彼女の負傷は掲示板の破片の仕業だと思わせるように。
何も知らない一般人に、必要以上に怪異を振りまく必要はない。

暦がその場を逃げるように去り、周囲の視線から逃れられる位置に移った直後
時が、動き出した。

「……う、あれ……あ、あああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
駅のホームに亜里沙の絶叫が満ちた。
血まみれの右手を抑えて泣き叫ぶ友人の姿は見るに耐えないものだったが
暦の視界にはスローモーションのように砕け散るスイッチの姿も目に入っていた。
赤いボタンが血肉のように、切り裂かれたコードは神経のように
亜里沙の指に取り付いていた都市伝説「ボタンプッシュシンドローム」は
宿主の肉体と無理やり引き剥がされ、 取り付くべきボタンを同時に破壊された。
亜里沙の悲鳴にかぶさるように、悪夢が消え去る断末魔を上げている。
亜里沙に掛かった呪いと悪夢は尽きたはずだ。

――だが代償は重く、失った命は還らない。

「ごめん。本当にごめん亜里沙ちゃん……
貴女が行ったことを完全に無かったことには出来ないの……
あなたを完全に救うことは出来ない……
だって……だって…………私……私……
千の日を超えて此処に立ってるのだもの……
ワカンタンカとの戦いの準備も、仕込みも……全部無駄になっちゃうもの!!」

暦は、無力なる自分に涙をこぼした。

ボタン・プッシュ・シンドロームend
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2011/10/08(土) 07:36:45.69 ID:J/36jb5AO
八尺様の人乙です〜
犠牲は最小限にすませたけど、それを誰も知らないのが切ない…


流れも空気も読まずにうちの次回予告
ゴスロリ少女の新キャラ出るよ!
鳥居の件はあまり進展しないよ!
ノイに友達が出来るんだ!

さあこれで安心して続きを書く作業に戻れるぜ
806 : ◆yeTK1cdmjo[sage]:2011/10/08(土) 08:42:20.84 ID:oQ1L8zbDO
八尺様の人乙です
ワカンタンカとのループ中だからこその話か……
今回の話もそうだけどワカンタンカも女子高生が背負うレベルの話じゃないよ
都市伝説怖いなあ
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/08(土) 10:03:00.25 ID:LySA4wxDO
大いなる力をもつものには大いなる責任が伴う
ってことか…
808 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/08(土) 10:38:07.25 ID:rXAD9QBJ0
ぼくがねてるあいだにもりあがるなんてひどいもん!みんなもげちゃえ!(マテヤコラ
ごめんなさい、wikiにあげてる己の話読んでて眠くなったんですごめんなさいorz

DKGとファントムさんの人乙です〜
こう来たかwwwwwこういうローゼたんもかぁいいな(親馬鹿
因みに、ローゼが相手の名を言う時は『〜さん』か相手のフルネームなんだぜ(前者は親しい人、後者は敵
時系列も了解ネ! 戦闘時に困ったら何でも言ってね、あとwikiに技名一覧があるからそちらも参照…そういや新技まだ書いてなかったような…

八尺様の人乙です〜
悪夢は終わったのか…あぁ、亜里沙ちゃん…
人差し指がなかったら絵は描けないのかな、そちらの方も心配
暦ちゃんも色々優しすぎて辛い
809 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/08(土) 23:31:19.66 ID:8Pgzx7Qa0
【ラップトップハッピネス 第二話「飯島商会」】

「今回の商会からの依頼は要人の暗殺です。
 詳細はこちらの資料にございますので後でご確認ください。」
「ああ、解った。」
「おや、そういえば娘さんの姿が見当たりませんが?」
「……少し、立て込んでいてね。」
「あらあらそうですか。」
「詮索好きなのが君の良くない所だよ飯島君。」
「これはこれは失礼致しました。」

 テーブルを間に挟んで向き合う。
 高級なガウンを着て気に入った銘柄のブランデーをくゆらせながら。
 目の前の女は黒髪の長く伸びたのを後ろで束ねて軍服を洗練させたようなスーツを着ている。

「それではそろそろおいとまさせて頂きますね。」
「まあ待て飯島下弦。」
「はい、なんでしょう。」
「君は……君のボスが言う革命などというものが成功すると思っているのかね?」
「大義は実行されるのですよ。」
「そうか、ならばいい、もう行ってくれ。
 娘は私に探させる。」

 指を鳴らすと十一人の黒装束の男達が現れた。
 シャドーマン、私はブラックサバスと呼んでいる。
 私の命令のままに影に潜んで活動する十一体の都市伝説だ。

「ほう、それが影山様の都市伝説。
 シャドーマン十一体との契約なんて影山様にしか不可能でしょうね。
 流石はフォーチュンクローバーの一員。」
「飯島下弦、貴様は少々うるさすぎる。」
「これは失礼。」

 飯島下弦は花のような笑顔を残してその邸宅から退去した。
 それを見てから彼はシャドーマン達を夜の街に解き放つ。

「行け。」
「「「「「「「「「「「御意。」」」」」」」」」」」

 全く同じタイミングで声が響き、男たちは影と化して四方八方へと消え去った。
 誰も居なくなった邸宅で影山は一人ため息を吐く。
810 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/08(土) 23:31:45.48 ID:8Pgzx7Qa0
「私は何をしているのだろうな。」

 煙草に火をつける。
 彼は若いころにシャドーマンと契約し、それ以来フリーの契約者として活動してきた。
 この家もそうやって貯めた財産で建てた物で都市伝説を防ぐ魔法陣や近代兵器を止める為の分厚い壁で出来ている。
 しかしこの新居(というより要塞)を建てた時、彼はあることに気づいた。
 周りにだれも居ないのだ。
 用心に用心を重ねて他人を一切近づけず生きてきた。
 成功し、財を築いてこの街の怪人と呼ばれるようになった彼の側に居てくれる人間は居なかった。
 そんな時に気まぐれに都市伝説――サキュバス――を買い、産ませたのが遥という少女だった。
 
「捜索に恐らく十分、捕獲に五分というところか。」

 だがしかし、彼女は少々難儀な体質だった。
 人にあらざるゆえに普通のこどものように学校にも通わせられない。
 魔にあらざるゆえに都市伝説としても扱うことはできない。
 だが手放したくはない。
 老いていく自らや死んだ魚のような目をした母親と違い、あの娘はどんなに辛くても生きようとしていた。
 何故あれほどの仕打ちを受けてなお前向きに生きようとするのだろうか。
 私一人の歪んだ欲望のために生かされているようなものなのに。
 罪悪感もある。
 しかしどうにもこうにもあの瞳を見るとゾクゾクとしてしまう。
 私が憎くて憎くて仕方ないのだという瞳、私に対してあそこまでハッキリと反感を示してくれる人間などもう彼女くらいしか居ない。
 やはり私は歪んでいるのだろう。
 冷蔵庫を開けてチーズとワインを取り出す。
 すでに五分が経過した。
 もうそろそろアタリはついていると見ていいだろう。
811 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/08(土) 23:32:27.63 ID:8Pgzx7Qa0
「影山様」

 シャドーマンの一人が突然現れる。

「何体かの私が撃破されたようです。」
「すぐに代わりは出せる。」

 指を鳴らすとまた私の周りに何体かのシャドーマンが現れる。

「遥様は何かの都市伝説に誘拐されているようです。
 連れ戻すには戦闘が必要になるかと。」
「男か?」
「蝙蝠の姿をしていたのは解りましたが……?
 声からするとおそらくはそうなるかと思われます。」

 ほう、もう男を利用することを覚えたのか。
 やはり血は争えないな。

「興味が湧いた。その男から始末しよう。」

 指を鳴らす。
 本来ならば十一体しか出せないシャドーマン。
 だがこの部屋の照明の配置は少々特殊で影が無数に増える仕組みになっている。
 幾つにも増えた影から指を鳴らすごとにシャドーマンが湧いてくる。

「十一体はこの家の周囲で敵襲を警戒しろ。
 残り七十七体は街中を探してその蝙蝠男を仕留めろ。」
「御意」
「ん、……蝙蝠?」
「はい、蝙蝠です。」
「蝙蝠といってもなんの都市伝説だ。」
「詳細は分かりません。」

 都市伝説、特にUMA系には魔法陣の効果が無い。
 とはいえUMA系ならば物理的な条件に制約されるし徹甲榴弾すら通さない壁があるから大丈夫だとは思うが……。

「やれやれ。」

 酒を飲み干す。
 もうこんな年なのに本気になっている自分に気づく。
 私は蝙蝠男に嫉妬しているのだろうか。
 遥を奪われたような感覚がしているからこんなにもムキになっているのだろうか。
 あくまで娘だ。私が彼女になにかするというわけにはいかない。
 だから話だけは聴き続けていたし、反抗すれば殴りもして、自分の言うことだけを聞くようにし続けて……
812 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/08(土) 23:33:06.29 ID:8Pgzx7Qa0


 ガォンと空気を裂く音。

 
 スゥっと血の気が引く。
 今、何があった?
 消滅するシャドーマン。 
 薄れていく意識。
 天井にぶら下がったままこっちを見る青年。
 彼が左手に持っている肉塊、あれは……!

「へえー、強力な契約者の肉って美味しいなあ。なーんか力も増して行く感じがするよ。」
「おま、え……?」
「蒼崎蓮って言います。」

 青年は林檎でも頬張るみたいに私の心臓を食べていた。

「プロボクサーのパンチが大体36km/h、これは殆んどの人間が反応できない。
 36km/hってのは秒単位で直すと10m/s、地球において重力加速度は 9.80665 m / s2
 一秒落下していれば到達できる速さだね。
 空気を透過していれば空気抵抗は無視できるし幾らでも加速できるって訳さ。
 あんたがいくら早く動けようが用心深かろうがそこにこもっている以上あんたに勝ち目はなかった。
 ってありゃ?
 死んでる?
 なんだつまらない、さっさと帰るか。」

 何故だろう。
 私は今まさに殺されようとしているのに何故か安心していた。
 不思議と穏やかな気持ちだった。

【ラップトップハッピネス 第二話「飯島商会」 to be continued】
813 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/08(土) 23:38:54.05 ID:8Pgzx7Qa0
影山さん→昔は普通にビジネスライクな契約者、なんだかんだで娘に対して歪んだ愛着を持つように、能力の元ネタは第四次アサシン
今回の蒼崎くんの能力の描写は第五次アサシンとかなんだとか意識してる感じかなあ
814 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/09(日) 00:07:23.96 ID:TH0yjrlAO
笛の人乙です
遥ちゃんの期待値右肩上がり…!
815 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/09(日) 00:11:32.54 ID:ElcUqkSX0
笛の人乙です〜
やられ役でも「シャドーマン」が使われて嬉しい(何故
遥ちゃんはネフィリムなのか…それも毒に対して強かった原因の一つかな?
816 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/09(日) 08:35:46.42 ID:somPJRAv0
鬼ごっこは少女漫画的なノリを意識しています
なぜかイケメンに囲まれる生活とかやたら突っかかってくる女の子とか
ラップトップハッピネスは笛野郎お得意のバイオレンスやらエロスやらグロやら
ダークヒーローみたいな感じでいきたいとおもいます
>>814
ククク……貴様もまた選ばれし者か……
中古ヒロインどころか事故車ヒロインを目指してます><
>>815
まあそれが一番大きな理由
あと心に訴えかける毒だから生きようという意志が強い人には効きづらい……のかもしれない
明尊くんみたいに生まれながらにして恵まれているような人ばっかりじゃなくてむしろ虐げられている人々の方が多いよねっていう話を……



あと彼の名誉のためにしっかり言わせてもらうと影山さんは本当は強い
無茶苦茶堅固な魔術的防御を一帯に施した上に戦車でも攻め落とせない家に篭っているから
手間取っている間にチート射程距離+精密動作性+数のシャドーマンに暗殺される
唯一の攻略方法が魔術的防御のしようが無い超高度の上空から都市伝説の力でいっきに攻めることなんだけど
それでも超火力が必須だから事前に察知されて返り討ちにされるし
勝てたのは蒼崎の透過能力と飛行能力の進化がじつはやばいから
魔術結界を透過していたり
「一秒落下すれば反応なんて無理ッスよwwwwww」
とか言いながら実は高度一万メートルまで空気抵抗無視して飛行していたり
つうか空気無視でどうやって蝙蝠が飛んでいるんだよwwwwwって話だけどまあ気にするな
多分瞬間移動を何回も使って高度を稼いだんだ
落下している時は空気を透過しているから無音で近づいてくるんだよね
それでも影山さんがシャドーマンを多めに邸宅に配備しておけばギリギリ探知されていたかもしれない
初撃躱されてまともなバトルになったら影山さん勝ってた
まあでもどのみち精神的にぐらついていたからそんなこと考えられなかっただろうけど


ああ、あと今回であの少女の名前が遥ちゃんと解った訳ですが……
wikiの隠しメッセージの欄を見るとちゃんとあの娘が笛作品の女性キャラしてることが解ります
817 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/09(日) 15:44:15.50 ID:4l/og09l0
おおっと、感想を書き忘れていたぜ。

>>769
乙でした〜
なるほど……商店街で都市伝説被害が少ないのはこういうわけかー。

>>DKGとファントムさんの人乙でした〜
レジェンドハンターつよすぐる……
ローゼちゃんは他の人の作品にもよく出張してるなー。

>>816
笛の人乙でした〜
ジーナ・フォイロは悪役してるなあ。これから彼と遥がどうなっていくかが楽しみです。
おおっと、敵側で裂邪と違うシャドーマンの個体が出てくるとは。
契約者によってやっぱり使い方が違うってのがいいですね。
影山さんは相性が悪い所に刺さっちゃったって感じですね。
818 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 15:52:08.09 ID:Zl+q9KyF0
>>817
>ローゼちゃんは他の人の作品にもよく出張してるなー。
(ローゼ>忙しくって敵いませんわ、おーほほほほほほ♪
(蓮華>(何故自慢げなのでしょうか・・・)

多分、俺のキャラ全体で考えると、出張数1位は裂邪、2位はミナワ、3位はシェイドかローゼかな
実は理夢やウィルのレンタル回数はウルトラセブンのアギラの登場回数くらい少ないという
地味にレクイエムの方が多かったりする
819 :魔笛[sage]:2011/10/09(日) 16:36:55.00 ID:u4OWZ0FDO
>>817
サキュバス侍らせて過去にトラウマがあって自由人
このまま悪役させつつ王道のダークヒーローにするんだ…
>>818
ならばリムとかウィルとかの出番を増やしてあげればよかった…
すまぬ…
820 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 16:45:34.09 ID:Zl+q9KyF0
>>819
>ならばリムとかウィルとかの出番を増やしてあげればよかった…
いやいやお気になさらずwwww
正直、本編でもシェイドやミナワとの絡みが多いから仕方ないwww

(理夢>そもそも出る予定なかったしな、俺様達(※ミナワで止める予定でした
(ウィル>あっしの場合、口調が面倒くせぇってのもあると思いやす(※無口になる予定でした
821 :魔笛[sage]:2011/10/09(日) 17:04:14.40 ID:u4OWZ0FDO
>>820
いやあ…四人のコンビネーション書いててたのしかったのよ
あの時のれっきゅんは気力200だったね
822 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 17:24:21.05 ID:Zl+q9KyF0
>>821
>いやあ…四人のコンビネーション書いててたのしかったのよ
最近はそのコンビネーションも少なくなtt(ry
今書いてる話も全員単独で戦闘してr(ry

>あの時のれっきゅんは気力200だったね
50もオーバーしとるwwww(
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 17:59:04.19 ID:u4OWZ0FDO
>>822
男は大事な人を守るためには無限に強くなれるんだよ
だからあの時のれっきゅんがいくら別人だったとしてもきにしないでね
824 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 18:09:42.71 ID:Zl+q9KyF0
>>823
>だからあの時のれっきゅんがいくら別人だったとしてもきにしないでね
いやいや、裂邪がきちんと書けてて逆に書き方教わりたいレベルです(ぇ
825 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/09(日) 18:11:13.88 ID:Pl92RGlm0
>>817
レジェンドハンターこと本条総司は、他作品にも登場できるように、派遣都市伝説ことレンタレジェンドを経営させています。
なので「大将!! ピンチなんだけど、この状況を打破できる都市伝説かして!!」「へいお待ち!!」と、他の契約者さんの急用でも、『神出鬼没』を使ってカードをお届けできます。
ちなみに、本条家は結構利用していて、私の出した三人のNo.0も、レンタレジェンドで相性がよかったので契約したという設定。(なのであのNo.0達も結構チート)。

ローゼたんをお借りしたのは、なんかこの人なら総司のカッコヨさを引き立てられると思ったから。
ようするに引き立てy(何者かの手により殺害されました)

そしてれっきゅんは本当に主人公しててかっこいいよ。
826 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 18:17:38.72 ID:Zl+q9KyF0
>>825
>ようするに引き立てy(何者かの手により殺害されました)
無茶しやがって・・・
なぁに、俺もローゼ出した当初はNo.0の中で一番の小物にするつもりだったんだ
あそこまで妄想が膨らむとは思ってなかったよ・・・(ローゼの過去話を思い出しつつ

>そしてれっきゅんは本当に主人公しててかっこいいよ。
だが本当の主役は裂邪じゃなくてシェイド達四天王だという

(裂邪>まだ言うかクソ作者!?
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/09(日) 19:47:08.72 ID:u4OWZ0FDO
こまったなあ
ラップトップと鬼ごっこの話数揃えたいがうまくいかん
828 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/09(日) 21:38:44.43 ID:somPJRAv0
だれも居ない!
投下するなら今のうち……だからといって投下できると思うなよ!
829 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 21:51:22.86 ID:Zl+q9KyF0
なら俺も投下予約しておくぜ
830 :夢幻泡影 † 大・混・戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 22:02:49.37 ID:Zl+q9KyF0
「UFO」から召喚された4体の「ミュータント」が、6本の腕を構えて襲いかかる
裂邪達は、それらと1対1になるように――裂邪はウィルとナユタを連れて――立ち向かった



「貴様ノ相手ハ私ダ……『影法師(ドッペルマン)』」

黒いローブを着ているような姿がぐにゃりと歪み、形を変えて「ミュータント」を抑え込むシェイド
その姿は、相対する「ミュータント」と瓜二つ、異なる点は黒一色だと言う事と、目が赤く輝いている事のみ
「シャドーマン」はその性質上、あらゆる姿を取る事が出来る
一部の「ドッペルゲンガー」等に見られるような“本物が持つ能力”の使用は不可能だが、自身の能力は問題なく使用できる

「ジ・ジ・ゼ・ジ・ゾッ!!」

尻尾の先端の棍棒を振るってシェイドにそれを叩きつけようとする
しかしそれは大きく空振り、アスファルトだけを抉り取った

「コッチダ、俗物」

声に反応して振り向いた瞬間、突然「ミュータント」の身体が地面に叩きつけられ、
がががががっ!と鈍い音を立てながら強い力で引き摺られていった
「シャドーマン」が出現する際に発生すると言われる現象―――ポルターガイスト
ここ暫くで手に入れた、シェイドの新たな力だ

「サテ……ミッション完了ダ」

ぴたり、「ミュータント」の動きが止まる
そこは日の光を遮るUFO母艦の、巨大な影の中だった

「『闇誘拐』」

声とほぼ同時に、影の中から無数の腕が伸び、「ミュータント」を縛り、掴み、抑え込み、
水面のように揺らめく黒い影に、ずぶずぶと引き摺り込んでいく
叫びながら必死に足掻く「ミュータント」だが、それは正に蟻地獄に入り込んでしまった蟻のようだった
とぷん、と「ミュータント」の身体が完全に沈み、影が波打つ
静かな影が、そこにあった



「『ブレイカブル』!」

ミナワが棒を叩きつけると、その先端についたシャボン玉が大きな破裂音を鳴らして「ミュータント」を吹き飛ばす
空中で態勢を整え、ずざざっ、と着地した「ミュータント」は、
短いストロー状の棒から大量の小さなシャボン玉を作り出しているミナワに狙いを定めると、6つの腕の鋭い爪を構えて跳びかかった
ふぅ、と一息吐いた後、彼女は手に持っていた棒をひょいと空中に投げ、
先程持っていた、先端にリング状の装飾がなされた長い棒に変形させ、両手でくるくると回し始める

「もう少し待ってて下さいね…『バリアブル』!」

回転を止めて棒を振るうと、リングから巨大なシャボン玉が生成され、
「ミュータント」の爪が弾かれると同時に、その弾力で身体まで弾き飛ばされた
ミナワの専用武器である『バブロッド』は、以前裂邪が『COA』の中で彼女に渡したものだ
都市伝説の力が篭っているらしく、現実世界でも使用できるようなのだが、そのお陰でミナワも本来以上の力を発揮する事が出来ている

「ジ・ジ……ゼ・ジ・ゾ」

多数の腕を巧みに操り身体を起こす「ミュータント」
唸り声を上げて怒りを露わにしながら、胸の水晶体に光を集めるが、
不意に何かに気付いたのか、きょろきょろと辺りを見回し始めた
見れば「ミュータント」は、ふわり、ふわりと浮かぶ、沢山の小さなシャボン玉に囲まれていた

「一気に決めます! 『インコンシーバブル』!」

ぴたっ、とシャボン玉が、時が止まったかのようにそこから1ミリたりとも動かなくなった
かと思えば、円を描くようにくるくると回転し始めた
何が起こるか分からず、「ミュータント」がその場で狼狽えていると、身体がシャボン玉に触れてしまった
直後、シャボン玉が次々に破裂し、「ミュータント」の皮膚に霜が降りて、凍りついた
動けなくなった「ミュータント」に向かって、ミナワは『バブロッド』の先端に巨大な氷の三又の槍を作り、距離を詰めた

「『フリーザブル・トリシューラ』!!」

冷たい破壊神の槍は、凍てついた「ミュータント」の身体を容易く貫き、
罅が広がって粉々に砕け散り、きらきらと輝いて風に消えていった

「……ちょっとやり過ぎましたね;」

ちろり、と舌を出して彼女はあどけなく笑った
831 :夢幻泡影 † 大・混・戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 22:04:01.38 ID:Zl+q9KyF0
「どうしたどうしたぁ!? んなツラしてその程度かテメェはよぉ!?」

空気を裂く様な音を立てて襲い来る爪を、持ち前の速さでひらりと避け、長い鼻でぴしゃりと弾いていく理夢
たまに余裕をかまして、標準形態である子供のマレーバクの姿になって躱してみせたりもする
お分かりだろうが、理夢は完全に遊んでいた
熊の頭と胴、虎の脚、象の鼻、犀の目、牛の尾を持つ奇獣「獏」
その属性は―――“夢”

「クックック、夢でも見てろ!『夢現』!」
「ジ・ジッ……!?」

「ミュータント」の顔面に、白い煙が吹きかけられる
頭を振って煙を振り払い、相手を見据えるが、すぐに周囲の違和感に気付いた
今まで住宅街で戦っていた筈だが、立っているのはどう見ても屋内、しかも台所である
そして「ミュータント」は、台所に潜む魔物の存在を感知した
理夢ではない別の敵、しかも2つ
赤みを帯びた甲殻、爪の生えた翼、棘がある尻尾
『モンスターハンター』シリーズの代名詞とも言える空の王者、火竜リオレウスだった
そんなことを知っている訳もなく、動揺する「ミュータント」に容赦なく火球が放たれる
ところで、現役ハンターならご存知だろうが、リオレウスは雄であり、
雌のリオレイアと共に行動する事はあるが、雄同士で行動することはない
それに、ここは狭い台所である
そんなところに、しかもフライパンにすっぽり収まりそうなリオレウスが何故いるのか
というより、「リオレウス」は都市伝説ですらなく、創作の産物である
何故こんなところに存在しているのか
その理由は、ただ1つ

「……また主の夢か? 相変わらず妙な夢ばっか見やがって…」

そう、“夢”
理夢は「獏」、夢を喰らう伝説上の生物
加えて、彼は夢を吐き出して相手に見せる事も出来る
この混沌とした光景も、全て夢
だが、夢だけに留まらず、相手が気付きさえしなければ、それは夢を超えて現となる
見た記憶も、聞いた音も、感じた痛みも……死さえも

「……ッ!? ジ…ジ・ゼ……ジ……」

火球を受け、尻尾を叩きつけられ、毒の爪で抉られ、「ミュータント」は疲労困憊していた

「ちっ、つまんねぇな、終わらせるか……『死王戯』!」

理夢は飛び上がると、巨大化した右前脚の爪を立て、虫の息になった「ミュータント」の身体を穿つ
そこで、「ミュータント」の夢は暗転した



「行くぞ! 『ウィルウィップ』!」
「がってんでい!」

ずらりと並んだ火の玉を鞭にして、「ミュータント」に叩きつける裂邪
打撃と熱の二重奏を受け、ぐらりとよろめいたが、態勢を立て直して彼の姿を捉えた
先程戦闘していた裂邪には、次の行動がすぐに分かった

「よし、ナユタ! 『ザンクトゥーアリウム』!」
『は?』
「“聖域”だ、“聖域”!」
『あぁなるほど、仰せのままに』

裂邪の周りを紫の炎が包み込んだ直後、「ミュータント」の水晶体から赤い光条が伸びた
当然、「ヴァルプルギスの夜」のお陰で、攻撃は裂邪に届かない
それでも尚発射し続ける「ミュータント」の隙を突き、彼はウィルに指示を促した

「『ソーラーストーム』!」
「がってん! ハァァァァァァァァァァ!!」

無数の火の玉が空中に現れ、それらは流星雨の如く「ミュータント」に降り注いだ

「ジゼッ……ゾ……!」

身を焦がす攻撃に、「ミュータント」も思わず攻撃を止め、6つの腕を防御に使用し始める

「今だ、ウィル! 「ティルヴィング」を包み込め!」
「がってん承知でい!」
『待ちたまえ、僕が融けてしまったらどうするつもりかね?』
「その時はその時だ! 正直お前がどうなろうと至極どうでもいい!」

言われた通りに、ウィルの赤い炎が白銀の秀麗な剣を覆い尽くす
そして、裂邪は炎に包まれた「ティルヴィング」を構えた
832 :夢幻泡影 † 大・混・戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 22:04:27.18 ID:Zl+q9KyF0
「日輪の力を拝借して…今必殺の! 『サン・アタック』!!」

わざわざポージングを決め、燃える切っ先を目標に向けると、
赤い炎と白い光の入り混じった光条が放たれ、「ミュータント」に直撃する
灼熱業火の太陽に足を踏み入れたかの如きその熱さは、アスファルトさえも煮え滾る程
「ミュータント」は跡形もなく、その場から消え去った
この瞬間ほぼ同時に、4体の「ミュータント」が彼等の手によって葬り去られたのだった

「ヒッハハハハハ、我ながら圧倒的なコンビネーション、惚れ惚れするぜ
 どうだ見たかUFO野郎! これが俺の本気だ――――――――」
《放て》

見上げれば、母艦の砲門が眩い光を放っている
シェイドやミナワの声が、とても遠くから呼ばれているように感ぜられた
終わった―――――――裂邪は、心の中で呟いた






「『シュヴァルツ・リヒト』!!」





「へ?」と素っ頓狂な声を上げる裂邪
結果的に、母艦からのレーザーは発射されなかった
ごうごうと激しく燃える砲門、ぽっかりと穴の空いたUFO母艦

「っご、ご主人様! お怪我は!?」
「いや、俺は大丈夫だけど……今のは?」
「良かった、何とか間に合ったみたい…」

声に振り向くと、ほっと胸を撫で下ろしている少女裂邪が立っていた

「ム、異世界ノ裂邪カ」
「へぇ、マジで瓜二つだな、胸以外」
「もう一人の俺、もしかしてお前がやったのか…?」
「さっき、「ダークマター」と契約したって話したでしょ?
 「ダークマター」として挙げられる物質は、ブラックホールの他にもあるの
 それが今、私が使った……ニュートリノよ」
「っちょ、それって光より速いっていうあれか!? な、なるほどねぇ…」

裂邪は、ちら、と再び母艦を見上げる
さぞ艦内は混乱していることだろう、反撃してくる様子は無い

「…冷静に聞け、お前ら
 俺は今からあの母艦に侵入して、あいつの野望をぶっ潰そうと思ってる
 ついでに、柄じゃねぇけど、あいつに殺された他の世界の俺の仇と…その家族の仇を討つ」

ぴくっ、と少女裂邪が反応した
裂邪は小さく笑って答え、

「…最後まで、俺の我侭に付き合ってくれるか?」
「……クッフフフ、訊クマデモ無カロウ?」
「私達はこれまでも、ずっとご主人様と一緒に歩いて来ましたから
 これからもご主人様にお供致します!」
「ま、このまま帰っても退屈なだけだしな。いっちょ、やってやらぁ!」
「どんな強敵だろうと、あっしが焼き尽くしてやるぜい!」
『ギハハハ、折角ここまで来たからね、最後まで付き合わせて貰うy』
「あ、お前は強制的だから、答えは聞いてない」
『……君、僕に恨みがあるのかないのかはっきりして貰おうか?』
「あ、あの……私も行っても、良い?」
「勿論だ、お前だって父さんと母さんの仇、取りたいだろ?」

彼女は強く、こくんと頷いた
それを確認すると、裂邪は「ティルヴィング」を構える

『因みに、君の願いはまだ3つ残っているけど?』
「馬鹿野郎、「神出鬼没」で十分だ……やれ、ナユタ!」
『ハァ、仰せのままに』

裂邪達一行は、住宅地から忽然と姿を消した
そして彼等は、最終決戦の地へと赴く


   ...To be Continued
833 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 22:08:37.58 ID:Zl+q9KyF0
また忘れてた、前回の話は>>697-700です

今回は全員の新技披露です
四天王が各1つ、合体技も1つ新しいのを
そして最終決戦は2話構成の予定、そこからあと2話だけ続けて「三つ巴」編を終わらせる予定
834 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 22:31:33.96 ID:Zl+q9KyF0
あととりあえず
技名を叫ぶ事は、使用者の力とテンションを最大限に引き出し、且つ騎士道精神に則った正々堂々とした行為である
と私は思う
前に技名叫ばせる意味はあるのかと問われたので、問われる前に答えとくの
835 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/09(日) 22:50:40.69 ID:somPJRAv0
乙でした
技名を叫ぶことは都市伝説の戦いの性質上有効ですよええ
テンションがあがればそのまま心の力の出力が上がるわけですから
ジョジョの敵だってスタンド能力を全開にするために喋るじゃん
836 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/09(日) 22:55:39.45 ID:Zl+q9KyF0
>>835
まだジョジョ未読なのでそれは知らないのorz
でも心の力の解放は大切よね
皆使えば良いのに(無茶言うな
837 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/09(日) 22:58:45.43 ID:somPJRAv0
>>836
あれだよ
一歩間違えたら多分飲まれるんだよ
寿命を削って力を云々とかさ
人間にカケられているリミッターを外してとかさ
心の力を限界まで云々っていうけどさ
あれって追い詰められた弱者の為の手段じゃなくて
自分の力を自在に制御できる強者が予想外の事態に対応するための手段にしか過ぎないよね
とバトル書いてるとおもうよ、うん
つまりれっきゅんはかーなーり強い
きっちり自分の限界まで力を使えるってだけですごい
838 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/09(日) 23:01:56.53 ID:somPJRAv0
そして投下開始
839 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/09(日) 23:08:22.37 ID:somPJRAv0
【鬼ごっこ 第六話「こおりおに」】

 待ちに待った新学期。
 朝からたちばなさんと勇さんはお仕事だそうで車に乗って何処かに行ってしまった。
 私は、といえば当然のごとく学校に向かい、友達と普通におしゃべりをしていた。
 ああ久しぶり日常。
 ああおかえり平和。
 私は貴方を待っていた。

「そういえば茉莉聞いた?」
「なに?」
「私たちの新しい担任の話。」
「聞いてないけど……。」
「どうも噂によると飯島先生らしいのよねー。」

 さようなら日常、こんにちわ非日常。
 
「え!?あの先生なのー?」
「あの人絶対変人だよねー。」
「担任とか無理だわーほんと無理だわー。」
「男子は喜んでいるけどね。」
「ついでにうちの母親も喜んでいたわ。」
「なんで?」
「あの先生が担任してたクラスだけテストの平均点が十点くらい高いのよ。」
「無駄にハイスペックね。」
「やれやれだわ……。」

 飯島下弦。
 日本史の教師である。
 地味な黒いスーツを着ていつも小さな竹刀をぶら下げている女性。
 某超有名国立大学を卒業し、エリートコースまっしぐらだった筈なのにそれを蹴って母校であるこの中学校に教師として戻ってきた才女。
 超をいくら並べても足りない右寄り思想の(しかも過激な)方で、
 授業の時間が余ると

「などと教科書では言われているが!」

 の前置きと共にやれ大東亜共栄圏は正しかっただの日本がアジアの尊厳を守っていただの
 大韓●国の奴らは●●●●だのロシ●人は●●●●だの
 教師とは思えない過激なことを言い出して彼女の美貌に洗脳された男子学生を洗脳しているのだ。
 しかもホームルームでは

「健全な精神から健全な肉体は生まれるのだ!」

 などといい、クラスの全員にハーフマラソンを強制。
 おかげで彼女の率いるクラスの人間が学校のマラソン大会で上位の多くを占めている。
 ああ、私の大好きな日常とは程遠い!
 奇人で!変人で!異常な!そういうタイプの人間だ!
840 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/09(日) 23:08:54.47 ID:somPJRAv0
「しかしまあこのメンバーでまた同じクラスで良かったわ。」
「そうね、そこらへんはラッキーだったと思うわ。」

 まあ愚痴を言える友人が居るということが幸いか。
 そこらへんは未だにそこそこ日常だ。
 私はこの春休みの間に色々あったが、学校ではこの三人で集まって普通に……

「あ、チャイム。」
「席戻るね。」
「あいよー。」

 チャイムと同時に勢い良く教室のドアが開く。
 女性が背筋を伸ばして教台の上にあがる。
 
「諸君おはよう!これから一年君たちの担任をすることになった……」

 そこで息を吸い込み……

「飯島下弦だ!」

 うわ、窓ガラス揺れた。

「よろしく!」

 そんないい笑顔されても困ります。

「……どうした?返事が聞こえないぞ!」

 怖くて返事できません。

「おはようございます!」

 クラスのお調子者が返事をする。

「返事が誠によろしい!名前は!」
「住之江進です!」
「真っ先に覚えたぞ!」
「ありがとうございます!」

 皆笑っている。
 まあとりあえず合わせておこう。

「さて、他のものは?」

 空気も温まったところで自然な流れで挨拶が行われる。

「うむ、声がまだ小さいが最初はそんなものか。
 君たちも住之江くんを見習うように!
 さて、今日は皆さんに転校生を紹介したい!
 入って来なさい!」

 教室がざわめく。
 そりゃあそうだ、だって私しか知らないし。
 見慣れた顔の少女が教室に入ってくる。
841 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/09(日) 23:09:35.79 ID:somPJRAv0
「自己紹介をしてくれたまえ!」

 先生、声のトーン落としてください。
 彼女――沖矢一美――はカツカツとチョークを鳴らして自らの名前を黒板に書く。

「沖矢一美と言います、よろしくお願いします。」

 上品そうな仕草で一礼する。
 いや、実際上品な家の方であらせられるのだが。

「沖矢さんはご両親の都合でこちらに引っ越してきたがその前は京都に住んでいたそうだ。
 まだこの土地には不慣れだろうから色々と世話してやってくれ。
 返事は?」

 今度は何人かの生徒が同時に返事する。
 こうやって地道に返事する人が増えていくのだろうか。

「沖矢さん、何か貴方から自己紹介などがあればお願いするけど……。」
「はい、京都に居た頃は弓道をやっていました。
 なのでこちらでも弓道部があれば嬉しいなあと思うんですけど……
 あとは手先が器用なので裁縫なんかも得意なので裁縫部も良いかなーなんて思ってます。
 よろしくお願いします。」
「だそうだ、沖矢さんは住之江の右、越後の後ろに座ってくれ。
 そうそう、あそこ。」

 周囲の人ににこやかにお辞儀しながら座る一美。
 基本的には良い人なんだろうけどなあ。
 どうも私は嫌われている。
 なんでも「覚悟が足りない」だそうである。
 私は巻き込まれただけで覚悟も何も無いと思うんだがどうなのだろう。
842 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/09(日) 23:10:04.35 ID:somPJRAv0
「さて、転校生の紹介も終わった所で始業式だ。
 廊下に出て一列に並べ。」

 ゆるゆると動き出す人の群れ。

「キビキビ動く!」

 いそいそ動き始める人の群れ。

「整列、気をつけ!自分の前後に居る筈なのに行方がしれない人間が居たら報告せよ!
 …………全員揃っているな、それでは背筋を伸ばしてついてこい。」

 謎のリーダーシップによって整然と動く私達。
 一美だけが怪訝そうな表情をしている。
 二年生の教室は体育館の近くなので割合すぐに着いた。

「腰をおろしなさい。」

 全員が座る。
 すごい、まるで魔法みたいだ。
 しばらく待っていると始業式が始まった。
 退屈な挨拶、退屈な校長先生の話。
 それが終わって体育館の扉を体育の先生が開けようとした。

「扉が開かない!凍っているぞ!」

 え?どういうこと?
 ざわつく私達。
 
「ねえ、なんか寒くない?」
「寒い寒い、絶対気温下がってるよ。」
「まだ春先だからじゃない?」
「いやこれ絶対おかしい……。」

 周りからしゃべり声が聞こえる。
 2つ隣の別のクラスの男子も近くの男子としゃべっているし、
 すぐ隣りの別のクラスの女子もしゃべっている。
 でも、私のクラスの人間は誰も喋ってない。
 突然、体育館の照明が落ちて真っ暗になる。
 目が慣れてしばらくすると校長の立っていた高いステージに和服の女性が立っている。

「こんにちわ、皆さん。
 とはいってももう意識が無い人々が殆んどだとは思いますが……」

 体育館の床が凍り付いている。
 隣の人の身体に触れると冷たい。
 私は何故かそれほど寒いと感じていない。
 一美が陰陽術で私を守ってくれているらしい。

「私は何処にでも居る只の雪女。
 皆さんの中に居る一人の少女が目的でやって参りました。
 この中に心ある人が居たならば蘆薬茉莉を差し出してください。
 さもないと此処に居る生徒、無力で、無害な、あなた達契約者とは違う弱い弱い存在を……」

 女性はため息混じりに、でもハッキリと言った。

「凍死させなくてはいけません。」
843 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/09(日) 23:13:01.11 ID:somPJRAv0
「うるさいぞバカオロカめ!」




 雪女の声を遮るようにして鐘のような声が響く。

「え?」
「これでも喰らえ!」

 突然竹刀が雪女に向けて飛来する。
 それは雪女の額に直撃して彼女はその場で派手に倒れた。
 竹刀の主は無論……
 
「曲者め!何処の誰であろうとこの飯島下弦の生徒を狙う輩は皆叩き切ってくれるわ!」

 すげえ、本物の日本刀だ。
 いつの間に、しかもどこから出しやがった……。
 下弦先生は凍った床を無視してヒラリとステージにあがると一刀の元に雪女を切り捨てる。
 そして動けなくなった雪女にたちばなさんが持っていた物と同じような札を投げつけてあっという間に封印してしまった。
 
「さて、どうしたものかなこれ……。
 組織のやつらでも呼ぶか。」

 困った顔で下弦先生が辺りを見回す。
 私も困ったのでとりあえず気絶したふりをしておこう。

 
【鬼ごっこ 第六話「こおりおに」 to be continued 】

 
844 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/09(日) 23:18:39.22 ID:somPJRAv0
さて、飯島下弦先生
茉莉とたちばな、蓮と遥が主人公だとするとこの人は狂言回し?かな
狂言回し(「大辞林第二版」より)
 (1)芝居などで、筋の進行に終始かかわっている役柄。
 (2)(比喩的に)表立たずに、物事の進行係の役を務める人物。
だそうですが彼女は(1)の方です
メインではない
でも話を潤滑に進めるために動いてくれるキャラ
元ネタは石馬戒厳
845 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/09(日) 23:38:46.88 ID:somPJRAv0
つーかさ
雪女の話もうちょっと引っ張ろうと思ってたのよ
そしたらさ
飯島先生が勝手に
「ヒャッハー」
って終わらせちゃってさあ……
846 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 00:13:42.34 ID:9tp7Dnn40
笛の人乙です〜
飯島さんが本格登場か・・・
あら素敵な人、でもあっちではかなり怪しかったから今後が楽しみなキャラね

>>845
>って終わらせちゃってさあ……
あるある
その手のエピソードはあり過ぎて困る・・・頼むから暴走すんなよ裂邪orz
847 :ミルクティー[sage]:2011/10/10(月) 10:16:29.29 ID:QhThN++AO
【何でも屋ミルク・クロウ…奪還者暴れる】

〜九重ビル一階〜

大企業の本社というのに社員どころか受付嬢すら居ず…不穏な空気が流れる中にアカネを追った二人は居た。

「平日なのに…誰もいない…か」
「これはあからさまに……罠や待ち構えてたりするわよねぇ」
うーんと唸りながら推測を述べる真白
「あぁ、多分な……でも行くしかねぇだろ」
フロアの奥にあるエレベーターへ歩き出す二人
「あれに乗れば直ぐに社長室に行け…っ!?」
エレベーターの手前で大河の右足に何かが足に噛み付く

「ちょいと待ちなよお嬢さん方?」
大河が噛み付いた何かを引き剥がして投げ、そして声のする方向に目を向けると…先ほど自分達が居た入口に鉢巻きをしはっぴ姿の男が現れた。
「何だよ…アンタ?」
相手に警戒し構えを取る大河
「キキ…あっしは、しがない猿回しでご猿よ…」
「猿回しってあの大道芸の?…それが何で此処に?」
仕事姿を想像し頭に疑問符を浮かべる真白
「まぁ、敢えて言うならば私はここのエレベーターを管理するフロアマスターでご猿」
ウキキと笑い商売柄かぺらぺらと喋り出す猿回し
848 :ミルクティー[sage]:2011/10/10(月) 10:22:01.13 ID:QhThN++AO

「ということは…アンタをボコれば良いのな」
相手を見据え赤く染まった両腕で猿回しのほうに飛び掛かる大河
「うひゃあ恐いなぁ…まっ、喰らう気なんか毛頭ないですけどね…行け」
男が呟いた瞬間、相手の一歩手前まで近付いていた大河が
「なっ…でっかい毬藻!?」
横から転がって来た茶色い球体に跳ね飛ばされる
「演目…蹴鞠」
猿回しがケラケラと笑いながら呟く
どうやら球体の正体は猿が集合した物のようだ…
「お猿さんが集まってお団子みたいねぇ…暖かそう」
「呑気な事いってる場合かっ!!」
「あっしの『百匹目のサル』を使えば難解な指令だって数百のサル達に出せるんでさぁ」
「チッ…全部倒せないことはないが時間が無いな」
大河が舌打ちをし苛立ちを見せる
849 :ミルクティー[sage]:2011/10/10(月) 10:27:18.04 ID:QhThN++AO

「さて次は此方からいかせて貰おうか…」
猿回しが指を細かく動かすと先ほどのように猿達が集まり始める
「演目…嵐」
大量の猿が大河を囲み集中攻撃を仕掛ける様はさながら台風の目の如くの様であった
「どうしろ…ってんだよ」
猿の攻撃をギリギリあしらう大河
「多分…あの猿かな」
そこで今まで動かずにいた真白が動き出した
「真白、何か分かったのか!?」
「えぇ…百匹目の猿は特定数の行動が周りに伝達される都市伝説…つまり何匹かだけ動きが不自然なのが出るのよ…そこの端に居るお猿さんみたいにね!」
850 :ミルクティー[sage]:2011/10/10(月) 10:32:48.07 ID:QhThN++AO

今回は真白の後ろに牛が現れ猿回しに向け走り出す
「ぐっ、猿達よ壁を作れっ」
猿回しが慌てて猿の壁を作り出すが赤い影が走り出した時点でもう手遅れだ
「勝ちたいんならせめて犬と雉それから桃太郎連れて出直しな!」
赤い飛び蹴りがボーリングの如く壁となった猿を弾き飛ばし、一番奥の猿を貫く
そしてモノクロの猛進が残された猿回しを突き上げる
「お、お後が…宜しいようで…がはっ…」
床に落下し泡を吹く猿回し
「ウ…キャ…」
同時に伝達役の猿も光に消え操作の手を離れた猿が四方に散っていく
「じゃ、鍵は貰ってくぜ」
相手の服から鍵を奪い取りエレベーターに乗り込む大河達
「待ってろよ…アカネ」
先程よりも鬼の如く禍々しくなった右手を握り締め呟く大河…
「無理は禁物よ大河ちゃん?…貴女の力はリスクが高いんだから…ね?」
大河の肩に手を置く真白
「分かってるよ…分かってるさ」
不安、心配、怒り…負の感情と少しの希望を乗せたエレベーターが登り行く

【何でも屋ミルク・クロウ…奪還者暴れる】

(続く)
851 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/10(月) 10:46:14.78 ID:jceNolbq0
ミルクティーの人乙です〜
百匹目の猿をこう使うか、お主やりおるな(
俺の大河ちゃんが危なそうで心配です、先生
852 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/10(月) 10:48:51.48 ID:1cr9g0sAO
笛の人乙です〜
下弦様カコイイ!下弦様をお姉さまと呼びたいぃ!
ミルクティーの人乙です!
真白ちゃんと大河ちゃんはいいコンビなの。
853 :ソニータイマー[sage saga]:2011/10/10(月) 11:11:45.93 ID:magbxACV0
笛の人とミルクティの人乙ですー
854 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 11:19:18.60 ID:9tp7Dnn40
そういや返信し忘れ
>>837
>きっちり自分の限界まで力を使えるってだけですごい
(裂邪>そう言われると照れるな; 俺が疲れるくらいまでとか基準立ててるだけなんだけど
(シェイド>無意識ノ恐ロシサ



あと書き忘れてた
>>831で理夢が見せたリオレウスの夢、元ネタは俺が実際に見た夢です
朝起きて爆笑したわ(
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 15:12:16.53 ID:zdkOR90DO
>>834
実はマジカルホーリーの話、「裂邪みたいに技名叫ばせたい!」って思いが根底にあったり
あとはマドマギで魔法少女がクローズアップされてたり、
笛の人の魔法少女や単発の魔法少年に影響されてたり
パクりじゃないよ、インスパイアだよ?
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 15:18:06.48 ID:8mcBj+QDO
ミルクの人乙
>>855
そんなふえやろうは魔法少女りすかとまどかに触発されてたのさ!!
リストカットで変身とか新機軸すぎる
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 16:12:45.98 ID:sJYp3otio
皆様投下乙です

カマセー雪女哀れ……
下弦先生……あんた漢だy(日本刀に貫かれました)

なるほど、100匹目の猿をこういう使い方するとは
人じゃなくて猿そのものを操るのはなんだか新鮮
犬、雉、桃太郎って誰うまだけど、それあなたたち鬼の役目じゃないですかww
858 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 17:46:16.33 ID:9tp7Dnn40
>>855
>実はマジカルホーリーの話、「裂邪みたいに技名叫ばせたい!」って思いが根底にあったり
そうだったのかwwwww

技名使いだした理由は…そうだ、ただ単に命令させやすいから
戦闘中に「お前は〜〜、それとお前は〜〜しろ!」「了解!」って指示するよりも、
「フォーメーションAで行く!」「了解!」の方がスムーズかなーと思ったの
859 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/10(月) 21:32:06.04 ID:mmdyj50A0
 少女は馴れぬ日常を謳歌していた。
「ねえねえ、次あそこのお店に行こうよ!」
「おぅ? あそこなら薫ちゃん好みの服もあるよ!」
「俺はもう服は見なくていい……」
 少女――――DKGこと本条薫は、げっそりとした顔で手を振った。
 それは無理もない。なぜなら、先ほどからこのクラスメート達から人形扱いされているのだ(まあ俺だから仕方ないか……とナルシスト思考で納得していたりする)。
「そんなこと言わないでさ〜。スタイルいいんだから、もっと着てよ〜」
「俺は人形か? 時価百億円する人形か」
「百億円は高過ぎない?」
「安いくらいだ」
 そんな冗談のやり取りをしていると、ポンと背中を捕まれた。
「すいません」
「あ?」
 薫が振り返ると、ポニーテールが似合う少女――――に見える少年がいた。
「あなたの命、下さいな」
 少年――――桃太郎は、そのまま大きく刀を振り下ろす。
 この肩を掴んでいる手は、昔の日常に引きずり込むと、薫は感じた。


「あの野郎……こんなのもひょいひょい出しやがって」
「強さのインフレが上がりすぎかもっ。よくこんなの持ってるよね」
「まあまあ、お弁当No.0にベレッタNo.0、レジェンドハンターの事なんですから、今さらですよ」
「「余計にひどくなってる!!」」
 ΩΔφNo.0のやり取りが終わると、本格的に現実を見始める。。
「……ファントムさん、あなたはDKGのところに行ってあげて下さい」
「ああ、No.0が三人もいれば、安心でき……ないか」
「信用がないですね」
「百鬼夜行の時のお前らは、噛ませ犬の警察だったからな」
「まあ、あれほど特異ではありませんし、私一人に任せてもらっても、お釣りがきますよ」
「……じゃあ、お前達に任せたぜ」
「お任せされました」
 φNo.0が断言すると、ファントムは霧となり、空まで上り、DKGのところに飛んでいった。
「……それでは」
 φNo.0の契約した都市伝説――――龍神が空から舞い降り、φNo.0は躊躇なく逆鱗に触れる。
「グァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!」
 龍神はドラゴンにも負けないよう雄叫びを上げ、ギロリと睨み付けた。
 ΩNo.0も飲まれた都市伝説の力――――魔王の力を使い、闇を出す。
 ΔNo.0も契約している都市伝説――――不死鳥とユニコーンを呼び出す。
「No.0の力を甘く見てもらっては困りますよ」
 φNo.0は龍神の尾をむしり取り、刀に変えて、ドラゴン達に切りにかかった。 その刀は、ドラゴンの鱗に弾かれるが、φNo.0は余裕だ。
 龍神は炎を自分の尾の刀に吹き付け、その刀は炎を纏う。
 φNo.0は大きく飛び上がり、ドラゴンの鼻に、とんと着地する。
「龍神剣技――――業火一直線」
 轟!! と唸りながら、ドラゴンの目を燃やし、一直線に貫き、φNo.0はドラゴンの背中から飛び出す。その先には龍神が待っており、その背中に着地して背の尾ひれを掴む。
 悲痛な叫びがドラゴンの喉から聞こえるが、その体は内側から燃え、業火に潰される。
「さて、他の方達は……?」
 ΩNo.0は、何やら禍々しい黒い剣を振り、闇の斬撃で何匹も切り裂いていき、光を放ったドラゴンの光さえ、それに飲み込まれてしまう。
 ΔNo.0はユニコーンの背中に乗り、不死鳥の炎を振るいながら、ドラゴン達を討伐していく。
 No.0の称号は、伊達じゃない。
860 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/10(月) 21:34:01.35 ID:mpFzgQA90

 そして、ファントムの方といえば、
「あの野郎……出し惜しみって言葉を知らないんじゃないか?」
 途中まではうまく飛んでいたのだが、突如風神、雷神が現れ、思わぬ強風で地面に叩きつけられた。
 その他にも、吸血鬼、タイタン、天狗、九尾、エクスカリバーを持ったアーサー王まで、それはもうぞろぞろとやって来た。
 吸血鬼が信じられない力で掴みかかるが、それの腹を蹴飛ばし、次に矛と盾を持ったタイタンを、盾に自分の刀を叩きつけ吹き飛ばし、天狗の驚異の速度の蹴りを、カウンターで腹に拳を叩き込み、九尾が赤い炎の弾幕を飛ばしながら襲い来るも、白い刀から青い炎の弾幕を出して吹き飛ばし、アーサー王がエクスカリバーで切りにかかるが、刀で七連撃を叩き込んで吹き飛ばす。
 ファントムが優勢にも見えるが、こちらは防戦一方で一歩も歩けやしない。
「……なら、俺も出し惜しみなくいくぞ?」
 ファントムの背中から大量の霧が吹き出し、その青い目が一層光る。
「くア!!」
 風神と天狗が強風で払い除ける。だが、そこには、信じられない光景があった。
「「「さあ、行こうか」」」
 数はどれ程いるだろうか? 百は越えているかもしれない。それほどの数の『ファントム』がいた。
「「「俺がそこを歩く。退いて貰おうか」」」
 数の暴力と自分達の力でねじ伏せてきた彼らのポジションが変わった瞬間。
 ファントム達は、青く光る白い刀を振るいながら、その力を魅せつける。

861 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/10(月) 21:37:39.18 ID:hfZKYc2D0

 そして薫はというと、
「邪魔だ」
 キィン!! と桃太郎の刀と薫の大剣が拮抗し、互いに一歩も許さない戦いになっていた。
 クラスメート達は突如刀を向けた桃太郎に怯え先に帰らせた。
 今は場所を変え、どこかの廃工場で剣を交えている。
「面白い……本気を出せる相手は久しぶりです」
「生憎だが、お前じゃ弱すぎて相手にならない」
 薫――――DKGは大剣を片手で構え、桃太郎は両手で刀を容赦なく振り回す。
 その刀の描く軌道は、とても美しく、残虐的な死を表現していた。
「ええ、確かにあなたの方が強いでしょう」
 しかし、と間を置き、
「それだけで勝敗が決まる訳じゃない。敵の死を望んでいる、自分の死を恐れぬ覚悟、それを持つ者だけが、勝つんです」
「――――ッ!!」
 DKGは思わず後ろに飛んで、退いてしまった。
 なぜなら、桃太郎の目は、死を望み、死を求めていた。
 死、死、死、死、死、死、死、死、死、死、死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死。
 彼女を苦しめる物が、ここにも出てきた。もう関わりたくないのに、死は向こうから歩いてくる。
「死を恐れた者は、死を求めている者に、負けます。そして消える」
 尚も、死は近付いてくる。
 決して、逃がす事ははしないと。
 必ずや、引きずりこんでやると。
「死を恐れているあなたは、消えます」
「甘い!」
 そしてDKGは、目の前の死を睨み付ける。
「生憎だが、俺は消えない。勝つのは、いつも俺だからだ」
「あれれェ〜? ここまで言えば『うわあああ!!』とか情けない叫び声を上げると思ったんですけどね?」
「するか。俺はなんたって、世界最強の美少女だからな」
 本当は恐い。だか、恐れていても、誰にも気付かれずに消えていくだけ。
 それだけはごめんだ。彼女は『生きて』世界を味わいたい。その欲望の為だけに、人を殺してきた。
 それに、今自分が死んだら、着いてきそうな男もいる。その男と触れ合えば触れ合うほど、『生きる』事にどんどん執着わいてきた気がする。
 自分だけの命じゃない。そう考えると、不敵に笑みを浮かべる事ができる。
「それにだ。死を求めるやつは、幸せなんてやってこない」
「いいんですよ。私は都市伝説という鬼さえ殺せれば」
「お前だって同類だろ」
「ええ、そしてあなたもね」
 二人はもう話し合っても意味がないと感じとり、二人は自然な動きで、互いの得物を振るう。
 ガァン!! と鉄の鈍い音が響き、DKGは桃太郎の刀を軸に、大剣でクルリと桃太郎の頭の上を回り、その後ろに着地する。
 桃太郎は反射的な早さで後ろを振り返るが、そのせいで懐に銃身を入れるのを許してしまった。
 PGM・ウルティマラティオ・ヘカートU。それは対物ライフルの分類に入り、ヘリコプターを簡単に撃ち抜き、人に撃てば腕なんか簡単に弾け飛ぶ――――それを、対都市伝説用としてさらに強力にしたもの。
 その引き金を、躊躇いはしたがタイムロスは無く、引いた。
 次の瞬間、桃太郎の上半身と下半身が弾け飛び、作られた偽りの血が、DKGの顔にかかった。
 桃太郎は消えるかと思われたが、カードになりどこかへ飛んで行った。
 DKGがその方向を目で追うと、孫悟空、エクスカリバーを持ったアーサー王、それに仕える三銃士、三つの顔と九つの腕を持つ阿修羅、グンニグルを持った主神オーディン、そして雷の矢を持つゼウスが、何百とそこにいた。
「……俺に何の恨みがあるんだ? ああ、この美貌が羨ましいか」
 そんなDKGの言葉を無視し、超チート軍団は襲いかかる。

862 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/10(月) 21:40:23.10 ID:vuGWg8xU0

「……ん?」
 兄からの都市伝説いうなの刺客を片付けた後、その後にも天狗集団やらゴーレム集団が出てきた時はビビったが、倒せた。
 その途中、上で何やら大きな都市伝説の気配がした。上を見上げると、学校町でもトップを争う建物から、赤い光やら雷やらが見える。
 上から薫の気配がするので、迷わずに行くことを決めた。
「……霧になるか壁を走るか実体で空を飛ぶか、どれにしようか」
 壁を走るも実体で空を飛ぶも、パルクールで街を駆けている時に、噂されてできるようになったものだ。
 ここは、無難に壁を走ることにして、一気に駆け上がることにした。
 ファントムが駆け上がり、こそっと覗いてみると、黒いスーツを着た赤い髪の少女が、三人の少年と拮抗していた。
 桃太郎、金太郎、雷小僧……どう考えてみても異色の組み合わせ。多重契約者とバカあ……レジェンドハンターしかいない。
 身内にしろしないにしろ、ファントムのやることは変わらない。
 白い刀を、青く、怪しく光らせる、
 赤い髪の少女と、三人の都市伝説が、ビクッと体を震わせ、隠れているファントムのいる方向を見る。
 そう思ったのも束の間、青く光る白い刀が、雷小僧の体を一気に貫いた。
 雷小僧はカハッと息を漏らすと、カードになり空高く飛んでいった。どうやら、レジェンドハンターのものらしい。
(今、何か違和感が……?)
「……ど、どちら様ですの?」
 赤い髪の少女は、両手の手首から赤いビームサーベルを光らせながら、首を傾げる。
「ファントム、この町の新参者だ。よろしく頼むぜ。Redy?」
「……ろ、ローゼ・ラインハルトですわ。よろしくお願いいたします」
 いきなり野太い声ででよろしく頼むと言わて、多少怖がっているのだろうか? どこかびくついている気がする。
「……さっそく図々しいお願いかと思うのですが……これをどうにかして、くださらないっ!?」
 襲いかかってくるタロウズを、体を回転させ、赤いビームサーベル――――『フォトン・デュアル・エッジ』で弾き飛ばすローゼ。
 肩で息をしている辺り、かなり疲れているらしい。「ローゼ・ラインハルトと言ったら、RーNo.0だろ? 組織のNo.0なら、童話レベル二人でも大丈夫だろ」
 ファントムは以前、組織に所属している者たちの資料を読んだことがある。その中にローゼの名前も入っていたのだ。
「……私、年下の男の人に弱いんですの」
「……危険な意味ではないと受け取ろう」
 ファントムは片手サイズの白い鎌を霧から取りだし、青く光らせる。
「はァ!!」
 ファントムは、タロウズの反応できない速度で鎌を投げつけると、二人のを真っ二つにし、カードに戻す。二枚のカードは、またしても空高く飛んでいった。
「……ありがとうございます」
「いや、これが俺の仕事みたいなモンだ。レジェンドハンターなら俺がやるから、嬢ちゃんは家に帰りな」
「……どこまで知っているかは知りませんが、ここから先は組織の任務です。一般の都市伝説に力は借りません」
「あいつのことだ。今度はショタ軍団で攻めてくるかもな」
「……うぅ」
「それに、だ」
「?」
「空での超音速バトル、お前にできるのか?」
 ファントムは空を指差し、ローゼもつられて空を向いた。
「……え?」
 ローゼが見たものとは、ステルス型超音速戦闘機Fー22が、オーディン達を撃ち落としている光景だった。


 その頃、宇宙からUFOで戦況をみていたレジェンドハンター総司も、
「……ない。いくら殺しに特化してるからって、これはない」
 DKGが乗っているFー22を観察しながら、そう呟いていた。
863 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/10(月) 21:47:07.48 ID:maDsmvRu0
今日はここまで。
ちなみに戦闘機は、銃や剣を作り出せるのと同じで、彼女の能力で作り出しました。
UFOもOKなら、戦闘機だっていいはずだ!!

……武器とか出すときに調べてから出すんですけど、超音速だせる戦闘機ってあったのね……。

え? 戦闘機のひがいやらなんやらやら事後処理?
……組織がなんとかしてくれる。そう信じてる。
864 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 21:52:41.84 ID:9tp7Dnn40
(レクイエム>また私が忙しくなるのか…UFOといい今回といい、本当にこの町はどうなってるんだ
       まさかこれ以上は流石にないだろうな?
(蓮華>R-No.4、それを世間では『死亡フラグ』と言うのですよ

DKGとファントムさんの人乙です〜
段々凄くなってきたwwwww事後処理するであろう「組織」マジお憑かれ様wwww
ローゼは光より遅い物は問題無く撃ち落とせますが、動くのは無理だからなぁ…
865 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage sage]:2011/10/10(月) 22:18:36.78 ID:eogC8yKv0
レクイエムちゃん、先に謝っておく。

薫が壊れて建物いくつか壊すか燃やすかする……。

薫「……作者は俺を、何で壊したいんだよ……」
雄介「最終的には核爆弾を投下する予定らしいですよ?」
薫「やめろよ!? 核爆弾だけはやめろよ色んな意味で!?」
雄介「半分冗談らしいです」
薫「……シャレにならない」
866 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 22:28:23.26 ID:9tp7Dnn40
>>865
>薫が壊れて建物いくつか壊すか燃やすかする……。
(レクイエム>……良かった、もっと酷いかと
(凛々>レクイエムはん、大分神経やられてるで
(蓮華>タイプBの職業病ですね

>薫「やめろよ!? 核爆弾だけはやめろよ色んな意味で!?」
(蓮華>放射能処理なら任せて下さい
    R-No.0が無駄に放射能撒き散らすので、そちらの対策は万全です
(レクイエム>被害は、まぁ、学校町だからな
867 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/10(月) 22:36:37.67 ID:LRO4wICl0
DKGノ人乙でした
いいのだろうかNo.0の扱いがこんなに軽くて……
あと建物くらいいいじゃない
都市ゲリラ用の巡航ミサイル持ってる探偵とか
貧者の薔薇で町一つ焼き払った探偵とか居るし

そして俺の投下
868 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/10(月) 22:39:13.31 ID:LRO4wICl0
【ラップトップハッピネス 第三話「ラップトップハッピネス」】

 この少女の名前は影山遥というらしい。
 この少女の父親を殺す時に偶然知っただけだが。
 あの後、俺は宣言通り十分間で彼女の元に戻り、シチューを作ってやった。
 俺は既に“腹いっぱい”だったので食べはしなかったのだが彼女が素直に食べてくれないので仕方なく少しだけ食べてみせた。
 夜が明けるとすぐに俺は彼女を連れて町を出た。
 盗んだバイクでしばらく走って山奥に入る。
 あそこには金持ちが所有する古い別荘がある。
 誰もいないしこっそり忍び込んで夜を明かすとしよう。

「さて、今日はのんびりと眠れるね。」
「ここはどこなの?」
「うーん?知り合いの家。」

 バイクの後ろでまだ弱々しく息を吐く少女の声。
 毒が抜けきっていないのか。
 バイクを別荘の前に止めると透過で内側から鍵を開けて家の中に入る。
 管理人が居たがそれは毒で早々に始末して丁寧に整えられたベッドがある寝室に入る。

「君の寝室はそっちだ。」
「別れて寝るの?」
「仕方ないだろう、君だって出会ったばかりの男とは寝たくな……」

 服の裾を掴まれる。
 引っ張られる。

「寂しい……。」

 冷静に考えてみれば目が見えないんだ。
 誰かが側に居ないと何かにつけ不自由だ。

「それは悪かったな、じゃあ……
 あっちのベッドが二つ有る部屋にしようか。」
「うん!」

 事情が事情だ。 
 男と同じベッドで寝るのも彼女は嫌だろう。
 
「俺は飯の準備をしてくるが何か用事が有ったらすぐに言ってくれ。
 暇だったら音楽を聞いていてくれてもいいし、……ああそうだ。
 ご飯を食べ終わったら手伝ってほしいことがあるんだ。」

 遥がわずかに身体を硬くする。

「俺、絵を描くのが趣味なんだけどモデルになってくれないか?
 一時間か、二時間くらいか。夕暮れが綺麗になるだろう。」
「はぁ……。」

 俺は適当に台所を探し当てて冷蔵庫にあった冷えて硬くなった米を電子レンジで温める。
 ごま油をフライパンに敷いて煙が出るほどに強火で暖め、そこに溶いた卵を流し込む。
 卵が殆んど固まりかけたところで米を叩きこんで勢い良くかき混ぜる。
 卵と米が絶妙に絡まり合って黄金に輝きはじめる。
 刻んだ葱とひき肉を突っ込んでフライパンを勢い良く振る、振り回す。
 塩コショウをふりかけ、醤油を少々、そしてオイスターソースを混ぜ込んで出来上がり。
 出来たチャーハンを皿に盛って部屋に持っていく。
 遥は俺の姿に気づいて何かをこそこそと隠す。
 本……?
 まあ良いか。
869 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/10(月) 22:41:59.26 ID:LRO4wICl0
「チャーハンができたよ。」
「チャーハン?」
「猫舌か?」
「ちがうよ。」
「じゃあ素直に食うといい。」
「そこのテーブルに座ってくれ。」

 遥は素直に、行儀よく座る。

「口開け。」
「はーい。」
 
 スプーンで湯気を立てて炒飯を食わせる。
 小さくて薄紅色の唇に吸い込まれていった黄金色の米粒達。
 それはすぐに少女の表情も輝かしく彩った。

「おいしい!」
「それはよかった。」
 
 まるで雛鳥みたいだ。
 多くの人間は庇護欲をそそられるだろうこと間違い無い。
 生活の中で覚えさせられたのか、それとも生まれ持ってのものなのか……。
 まあ気にしても栓のないことか。
 俺が多めに作っていた筈のチャーハンを遥は全て平らげてしまった。

「じゃあ俺は自分の分の飯を作ってくるから。」
「まだ食べてなかったの?」
「うん、君はまだ身体が弱っているだろう?
 だから栄養のあるものを食べて早く元気になって。」
「……ありがとう。」

 俺は部屋から出て管理人の倒れている部屋へ向かう。
 心臓を抜き取って、その中から血を抜いて口に含む。
 年をとっているせいか少々固いが噛めば噛むほどに味が出る。
 これは今晩のつまみにしよう。
 骨を抜き取ってガリガリと齧る。
 滴る骨髄。
 口を少し汚してしまった。
 うん、でも悪くない。
 契約したての頃はどうにも気持ちが悪くて調理して食べていたが最近では抵抗感がない。
 肉はまだ保存が効くしとっておくとして……
870 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/10(月) 22:42:32.90 ID:LRO4wICl0
「蓮さん、何処?」

 おや、不幸なお姫様が呼んでいる。
 いかなくてはいけないな。
 消化器官を身体の中から抜き取ってゴミ箱の中につっこむ。
 血で汚れた口と何故か濡れている目元を丁寧に拭いてから二階へ上がる。

「どうしたんだい?花でも摘みに行くのかい?」
「花?」
「ああ、トイレとかかなーって。」
「そういうこと言われると恥ずかしいです。」
「だから花を摘むと言ったじゃないか。
 それで結局は何の用だい?」
「用が無きゃ……呼んじゃ駄目ですか?」
「そういう訳ではないが……。」
「夕暮れまであとどれくらいありますか?」
「あと一時間ってところかな。」
「じゃあそれまで本を読んでくれますか?」

 ああ、だからさっき本を手にとっていたのか。
 別に断る理由もない。
 シェークスピアの短編を手にとって読み聞かせるとしよう。
 ベッドに腰掛けながら読み始める。
 すると遥は俺の膝の上に乗ってきた。
 少しでも本を読んでいる気分になりたいのか。
 しばらく読んで聞かせていると唐突にチャイムが鳴った。
871 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/10(月) 22:44:01.93 ID:LRO4wICl0
「飯島下弦です!蒼崎蓮さんはいらっしゃいますか!
 こちらに敵意はありませんのでお話だけでも聞いていただけないでしょうか?」

 呼び鈴が鳴り終わると玄関から響く女性の声。
 うわ声でけえ……じゃなくて何故ここが解った。
 昨日殺した爺の身内か何かか?
 膝の上の少女がビクっと震える。

「知り合いか?」
「お父さんの務めていた会社の人……。」
「どのみち追手と考えるべきか。」

 本を傍らにおいて立ち上がる。
 遥は顔を真っ青にしている。
 どのみちろくな人間じゃないらしい。

「ここで、少しだけ待っていてくれるかい?」

 遥は静かに頷く。
 超音波を使った索敵によればあの女以外の敵は今のところ居ない。
 警戒させないために単身で来ているのか。 

「十分で戻ってきてくれる?」
「今度はもうちょいかかるかもなあ。」
「でも戻ってきてくれる?」
「約束する。」

 ああ、可愛らしい表情で笑う娘だ。
 俺は君のことを便利な道具としか思っていないのに。
 君が俺にとって道具以上の存在になったら、俺は君を殺す。
 そして心から涙する。
 それで初めて俺は人間になれる。
 生まれ変われる。
 だから……

「だから、待っててくれよ?」

 俺は玄関へと向かった。


【ラップトップハッピネス 第三話「ラップトップハッピネス」 to be continued】
872 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/10(月) 22:48:22.75 ID:LRO4wICl0
タイトルのラップトップハッピネスはこっから来てるんですよ
話思いついた当初から蓮のひざ上に座る遥の一枚絵が脳内に有ってですね……
とりあえず飯島さんの出番は次回
じゃないと長くておわらねえ
ラップトップハッピネスと鬼ごっこの話数は揃える予定
873 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 22:56:24.42 ID:9tp7Dnn40
なるほど、それで膝の上の幸せと…
何か心にグッとくるな、それだけにこれからが気になり過ぎる
笛の人乙でした〜
874 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/10(月) 22:58:34.79 ID:WljIjkUS0

> (レクイエム>……良かった、もっと酷いかと

これ以上酷いのってなんですか!!
ご教授願います。そうしますから。

> (蓮華>放射能処理なら任せて下さい
    R-No.0が無駄に放射能撒き散らすので、そちらの対策は万全です

ええ!? やっちゃってもいいのそれ!?(やらないけど
放射能はいいとしても、死人というか、かなり酷い被害者達が出てくると思うんだけどな……。

って魔笛さんあなたも落としていいと思ってるんですか!?
核は恐ろしいんだぞぉぉおおおおおおおおおおおお!!
アンドゥ乙です。
あれだな……遥は目が見えてるな。ってことは……?
そうか! わかったぞ! ん? 誰か窓に……?
875 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/10(月) 23:03:28.01 ID:LRO4wICl0
>>873
容赦無くすさませるから安心してね!
もうハートフルボッコにしてやりますよええ
>>874
あれだよ
核だと放射能がやばいから燃料気化爆弾の類にしておきなさい
地面にいる敵を徹底的にいきたいならデイジーカッターで十分
建物の破壊はダイナマイトで要所を爆撃すると美しく崩れます

遥ちゃんサキュバスの娘だからな
嫌な言い方すれば“心得ている”んだよ
蓮が指摘してないのはどうでも良いから半分気づいてない半分だろうなあ
876 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 23:37:37.71 ID:9tp7Dnn40
>>874
>これ以上酷いのってなんですか!!
(レクイエム>ネタバレになるが、例えば裂邪のUFOの件
       大破したUFOの破片を1つも残さず見つけ出して処分するのは骨が折れたぞ…
(蓮華>あくまで個人の見解ですが、隠蔽が面倒なもの程酷くなると思います
    正直、建物は直せば済むでしょう? 粉々になってもR-No.4なら一瞬で直せますし
    とは言え、大量の神話系都市伝説が跋扈してる時点で既に面倒と言えば面倒―――
(ローゼ>あの、アドバイスすると後に反映されてしまうらしいので、
     お仕事が増えちゃうかも知れませんわよ?
(レクイエム>………orz

>放射能はいいとしても、死人というか、かなり酷い被害者達が出てくると思うんだけどな……。
(蓮華>死人が出るとどうしようもありませんが、そうでなければ治す手段が豊富ですので
    何も殺すばかりじゃないんですよ、都市伝説は
(裂邪>そういや、カラミティの奴は蘇生できたよな
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/10(月) 23:51:29.30 ID:zdkOR90DO
核みたいに「世界をぶち壊す」ことが確定してる兵器や存在や概念を使用する際は
使用上の注意をよく読み用法用量を守って正しくお使いください

学校町の自浄作用といえどもさすがにどうにもならんよ……
878 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/10(月) 23:57:24.54 ID:9tp7Dnn40
(蓮華>……あれ、もしかしてまずい事言ってましたか?
(ラピーナ>うん、かなりまずかったよー
(凛々>そらあかんやろ、考えてみ? 核やで?

>>877
>核みたいに「世界をぶち壊す」ことが確定してる兵器や存在や概念を使用する際は
「マヤの予言」の使用はもう許可されてるから大丈夫よね?(焦燥
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/11(火) 06:08:54.49 ID:3bMP9iFDO
>>878
結局は「空気読んでゴー」だからな
880 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/11(火) 12:18:39.81 ID:2cfbuqoc0
>>879
ですよねーwww
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/11(火) 13:53:23.53 ID:3bMP9iFDO
ガチで軍人とか
テロリストとか
他にも金がある組織の人間で「後先考えない殲滅」という目的があれば爆撃って選択もあったとおもう
ただそういうのって話に厚みを持たせるために使うんだし
そのあとに起きることとか費用対効果とか真剣に考えなきゃ駄目なんだと魔法少女vsF-15イーグルを考えていた馬鹿が申しております
一応少しだけ兵器とか銃器とかかじった立場から言えば
人間[ピーーー]だけなら中性子爆弾があるし
費用面の手軽さなら燃料気化爆弾で良いし
破壊工作ならダイナマイト少量で充分だし
隠しておいていきなり爆発させたいならプラスチック爆弾でいいし
入手の容易さ(主人公の化学知識アピール)ならトリニトロトルエンで良いし
殺傷力を求めるならクレイモアでもいいし
持ち運びなら只の手榴弾最強だし
クレイモアじゃなくても地雷なんかえぐくてかっけえし
ナパームなんか演出的にも映えるし

一口に爆弾といっても色々有るんだから用途に会わせて使おうぜ
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/10/11(火) 15:36:41.35 ID:TVfSXf1Fo
[ピーーー]wwwwww
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/11(火) 16:29:18.20 ID:QW1JKkt40
だいぶ前に大阪府の人が趣味で創作やってる奴は
時間が経ってからそれが黒歴史化するみたいな事を言っていたけど
むしろどれだけ黒歴史を生み出して胃と心が痛くなるような事をできるかどうかが大事じゃないかと思えてきた
書く物そのものだけじゃなくて、ここでの振る舞いとかも含めて
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/11(火) 16:29:38.16 ID:3bMP9iFDO
サガ入れ忘れたやだもうめんどくさい
885 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/11(火) 16:38:53.69 ID:AzmlvNOP0
あのぉ!?
核落としませんから!!

銃器に関しても用途にあわせますから。
……いや、狙撃銃を接近戦で使ってますけど、彼女はかっこよければ良いんです。
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/11(火) 16:41:15.85 ID:3bMP9iFDO
気にしないでくれ
とりあえず語りたかっただけなんだ…
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/11(火) 16:53:11.78 ID:nSJfB6iAO
バランス感覚が無いのか空気を無視するのがマイブームなのか
888 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/11(火) 17:13:51.51 ID:+TKME/nA0
個人的にカッコいいと思う兵器はあれだ
杭打ち機

「打ち貫く…止めてみろ!」とか言って強行突破して弾丸を直接打ち込むの
そこ、パクリとか言わない
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/11(火) 17:30:34.93 ID:3bMP9iFDO
>>887
全体に向けて言ったと解らない辺り三流なんだろうな
890 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/11(火) 23:47:57.21 ID:4YX/QRLg0
【ラップトップハッピネス 第四話「ロッキンオンザサムライガール」】

「もしもーし!蒼崎蓮!居るならでてこーい!」

 相変わらずドアの前で叫ぶ女。
 透過能力の発動。
 ドアを通り抜けて有無を言わさず手を伸ばす。
 女の心臓があるであろう所に当てる。

「用件を言え。」
「おや、初対面の女性の胸を掴むとは無礼な。これでも恥ずかしいんだが。」
「ノンキしてる暇は無いんじゃないのか?
 文字通りお前の命は俺が握っているんだ。」
「ふむ、それもそうだな。でもそれが何時から本物だと思ったのかという問題だよ。」

 うるさい女だ。
 そう思ってクシャリと握りつぶしたのは只の紙人形だった。

「変わり身の術かい。」

 殺気が鋼を纏い戦慄すべき速度で背後の宙から落ちてくる。
 間一髪の所で回避。
 全身に透過をかけて直進、女の後ろを取る。
 殺った、確信した所で動きが止まる。
 下に書かれているのはどうにも魔法陣らしきもの。
 五芒星……陰陽師ってやつか?
 初めて見た。
 女は俺の首に向けて躊躇いなく刀を振るう。
 地面に対して透過を発動、一気に地下に潜って首に向けられた刀と魔法陣から身をかわす。

「消えた?」

 女の声を頼りに手を伸ばす。
 足を捕まえたので握力に任せて一気に握りつぶす。
 しかしこちらも指を四本切り落とされた。 
 熱い、痛い、だけれども戦闘が続けられない訳ではない。
 痛覚をある程度までブロックして戦闘を続けることなぞ人外たる俺には容易いことだ。

「雪女!」

 また声が聞こえる。
 同じ事を繰り返してダメージを受ける俺ではない。
 ……が、やたら冷えるな。
 地面を凍らせたのか?
 都市伝説の氷を通り抜けられる確証は無い。
 耳を立てて水道管の音を聞く。
 家の軒下ならまだ凍らされては居ないはず。
 水道管の音がする方へ素早く移動。
 俺はそこから家の中に一端戻り一気に空へと舞い上がる。
 狙いは簡単、空中からの急降下による一撃必殺。
 息を思い切り吸い込み空気に対しての透過を開始。
 眼下に映る女性の影。
 遠くに見える昼下がりの太陽。
 俺は女に向けて急降下した。
891 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/11(火) 23:48:36.15 ID:4YX/QRLg0
「かかったな戯けめ!」

 驚いた。
 先ほど雪女で地面を凍らせていたのは地面に居た俺を生き埋め乃至氷漬けにする為だと思っていた。
 だが違った。
 あの女、飯島下弦とかいう女は鏡を作っていたのだ。
 とびきり巨大な氷で出来た鏡。
 丁度太陽の光を俺に反射させている。
 
「お前がいくらすり抜けられるといってもその姿が見えている以上は!
 “光だけは透過できていない”ということだ!
 これでもくらえ!」

 ご明察。
 だがしかしその程度で怯む俺ではない。
 眼と耳を塞いで自爆覚悟で一気に飯島に突撃を決める。
 額に何かぶつかる。
 その直後、光と音が辺りを包み込んだ。
 脳が揺れるようだ。
 だがなにか掴んでいる。
 腕……か、これを離せば切られる。
 視界が開くまで自分が組み敷いていると思しきものを絶対に離してはいけない。
 長く伸びて凶器のようになっている親指の爪を恐らく頸動脈と思われる場所に当てて相手の動きを制限する。

「……相性や策だけで影山翁を倒したわけではないらしいな。
 解ったよ、素直に負けを認める。」

 耳が聞こえるようになってきた。

「俺の実力を理解してもらった上で改めて聞こう、用件はなんだ?」

 流石都市伝説というべきか。
 眼も次第に見えるようになってきた。
 回復が異常に速いのは先ほど人を喰ったばかりだからか。
 見てみると、俺がまるで下弦を押し倒しているような姿勢になっていることに気がついた。

「用件は、あー……その前に上から降りてもらえるか。
 これでも嫁入り前の身なのだ、この体勢は少々恥ずかしい。」
「…………。」
「な、何だその目は!私だって大和撫子だぞ!恥というものはあるんだぞ!」

 うっっっっっっっっぜぇ…………。
 頬赤らめんじゃねえよ!
 さっきまで殺し合ってただろうがよ!
 なんなの!?
 マジなんなのお前!?
 あれか?
 私より強い男でなければなんたらかんたら!とか言っちゃうあれなのか!?
 知らねえよてめえの婚活事情なんざよお!
892 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/11(火) 23:49:10.93 ID:4YX/QRLg0
「ま、まさか!お前私をそんな眼で……
 確かに私は美しいし、頼り甲斐もあるし、知性も色香も兼ね備えた上に母性も溢れるパーフェクトな女性であるゆえ惹かれるのもいたしかたなしか。
 だがしかし私はどちらかといえば年上が好みだしそれに君は……」
「ちっげーよ!」
「きゃん!」

 …………ハッ!
 勢いに任せて蹴り飛ばしてしまった。

「なんて奴だ、降参した相手を蹴り飛ばすなんて……。」
「うるせー!殴るぞ!こんど殴るぞ!調子狂うんだよ!
 早く何しに来たのか言え!」
「あ、ああ……なんかすまん。
 えっと、まず君の影山翁を倒した実力を認めて私たちは君をフォーチュンクローバーの一員として飯島紹介に迎え入れることに決まった。
 其れにともなって君に影山翁の邸宅やら様々な財産が手に入ることになる。
 あの老人は君が今連れているらしい娘の遥ちゃん以外肉親が居ないんでね。
 君が管理する形になる。
 フォーチュンクローバーの一員になると専用の医療施設や娯楽施設などの年間パスや仕事に応じた報酬などが給付され……」
「いきなりすぎるわ!」
「キャン!」
「蓮さん!」

 振り返ると壁に手をつけたまま歩いてきたらしい遥がドアの前に立っていた。
 まだ具合が悪い様子で顔を真っ青にして震えている。
 
「待って蓮さん!その人は、良い人…………だか、ら……」

 震えている?
 さっき震えていたのもこれか?
 下弦の声を聞いて怖がっていたとかじゃなくて……
 たんに具合が悪かっただけなのか?
 まあだからといって行動が変わったかというとまったく変わらないが。
893 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/11(火) 23:49:38.14 ID:4YX/QRLg0
「遥ちゃんか!?身体がボロボロじゃないか!おい蒼崎蓮、なんでこんなことに!?」
「俺の毒をこの前まともに浴びてたからか?」

 そう言い終えるか否かのところで遥が倒れる。
 下弦は遥の傍に駆け寄って彼女の胸に耳を当てる。

「……いやそれじゃない、もうその毒とやらは抜けている。とりあえずこれについては私に治療させろ。」
「医術の心得もあるのか。」
「まあな。私はこの娘の主治医だよ。」
「その辺りの事情もゆっくり後で聞かせてもらおうか。」
「ああ、嫌でも聴かせる必要があるんだ。」

 俺は下弦と協力して遥をベッドに運ぶ。
 下弦は持っていたカバンからテキパキと医療用のキットを取り出して遥に白い液体の入った注射を打った。
 しばらくすると苦しそうにしていた遥はすやすやと眠り始めた。

「これでしばらくは保つとして……。
 まずはこの書類を読んでくれ。
 私は飯島下弦、飯島商会現会長飯島上弦の孫だ。
 商会の独自に抱えるフォーチュンクローバーという契約者集団との連絡役をしている。
 詳しいことについてその書類に載せておいた。」
「ふむ……なに、つまり傭兵?」
「違うな。確かにそう言えなくもないがあくまで君たちと我々との関係は対等。
 雇っているのではなくビジネスパートナーだ。」
「つまりビジネスパートナーが殺されたから、そのビジネスパートナーの代わりになる手駒が欲しいと。
 それで影山を殺した俺に白羽の矢が立った。
 ……ん?というかフォーチュンクローバーの選定条件が現役メンバーの殺害なのか。」
「まあそういうことだ。決して悪くない条件だと思うが……?」
「確かにな、旅してまわるにも金が要る。それに遥には医者が必要だ。」
「ならばそこに入っている書類にサインをしてくれ。
 契約金としてこの口座とカードに金は入れておいた。
 サインした書類と引換で頼む。」

 俺は自分の名前を書類に書き込んだ。
 
894 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/11(火) 23:51:41.18 ID:4YX/QRLg0
「随分簡単にサインしてくれたな。」
「うん、暇だからね。絵を描くくらいしか趣味がない。
 とりあえずその通帳とカードをくれ、」

 通帳には0が一杯並んでいた。
 貧乏旅を続け、ラーメン二郎が唯一の贅沢であった俺には使い切れない額だ。

「上手いのか?」
「小学生の落書き以下だ。」
「サインした本当の理由は?」
「書類を見たところ少なくとも“組織”程ルールが厳しくない。
 あの影山老人よろしく多少以上の犯罪行為も許可される。
 人間を自由に襲っても良いんだろう?」
「まあ必要以上の殺戮は困るから空気を読んで常識の範囲で目立たないように……。」
「都市伝説って人間を襲わなきゃ駄目なんだろう?」
「そうでもない。ジーナ・フォイロなんてそもそも人を食ったりしない。」
「マジかよ、勘違いしてた……。」

 下弦が咳払いをして遥の方を見る。

「遥が寝てるようだしし、話したいことが有る。」
「なんですか?」

 下弦はその場で椅子から立ち上がる。
 ついてこい、とジェスチャー。
 俺は彼女についてこの屋敷の応接間に向かう。

「わざわざここまで連れてきて話って?」

 彼女は椅子に腰を降ろすと驚くほど小さな声で話し始めた。

「まず遥は人間じゃない。彼女は人間とサキュバスのハーフなんだ。」
「え?」
「あの娘は……普通の人間と同じような食事では生きていけない。」
「人でも食うのか?なぁんだ、俺と同じ物でよかったのか……。」
「違うな、サキュバスだぞ?」
「え、それじゃあ……。」
「ああ、非常に言いづらいがそういうことだ。
 先ほど注射したのもそれに近い物だと思ってくれ。
 “それ”の供給が無くなると人間で言う所の低血糖と同じ症状が起きる。」
「あの子、幾つだっけ?」
「十三だ。」
「あいつと一緒か……それにしては身体が小さいが。」

 幼い頃に隣に住んでいた少女を思い出す。
 名前は確か……蘆薬茉莉、そうだそうだ、どうせ日本に帰ってきたんだから電話してやろう。
 
895 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/11(火) 23:52:07.34 ID:4YX/QRLg0
「栄養不足だよ。純粋なサキュバスほどあれを栄養にできないんだ。
 サキュバスと違って美味にも感じないらしいし。」
「難儀だな。」
「全くもってな。」
「で、俺にどうしろと。」
「男だろ、なんとかしろよ……。」
「えぇ……。」
「ていうかてっきりそういう趣味の方で情が移ったのかと……」

 そんな心ある人間でいられたらどれほど良かったか。

「違う、旅してたらぶっ倒れてたあいつを拾って、追手が面倒くさいから元から断っただけだ。」
「成程……人を人とも思ってないな。」
「まあな。」
「さて、私が話すべきことはこれで全部だ。私はそろそろ帰らねばならん。」
「そうか、帰りの道中気をつけろよ。この辺りには熊が出るらしい。」
「おや、意外と優しいな。」
「常識的に考えて言うべき文句ってだけだろ。」
「では私から親切のお返し。
 最近、警視庁密葬課が壊滅的被害に遭って、その分陰陽省の動きが活発になっている。
 近々奴らがこっちに来るだろうから十分気をつけてくれ。」
「ありがとう。」
「なに、メンバーが連続して交代ってんじゃあ様にならないからね。
 あと薬が必要になったら言ってくれ。
 だが薬は一時しのぎにしかならない。
 君が彼女を手元に置いておくならば……まあ覚悟を決めるんだな。」

 下弦はそう言い残して帰っていった。
 俺は遥の眠る寝室に戻る。
 穏やかな寝顔はとても可愛らしかった。
 だからこそ、とてもじゃないが……俺にはできない。
 俺はどうすればいいのだろう。
 迷っている自分に気づく。
 どうやら俺も少しは人間らしくなってきたらしい。
 その事実が少し嬉しかった。

【ラップトップハッピネス 第四話「ロッキンオンザサムライガール」 to be continued】

896 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 00:00:30.32 ID:GRa3Dp530
笛の人乙です〜
やだ、下弦さん可愛い
俺こういう女性には弱いんだぞ☆(信じられんだろうけど
しかし…蓮くんは遥たんと[ピーーーー!!]する時が来るのかしら
897 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/12(水) 00:01:32.33 ID:0OyjJSHS0
敵か味方か飯島下弦!
乞うご期待ですよええ
どこぞのロリコン野郎ならばもうとっくにはるかちゃん食ってるんだろうけど
なんだかんだ善人の心が忘れられない蓮さんは……
898 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 00:07:56.87 ID:GRa3Dp530
>>897
>どこぞのロリコン野郎ならばもうとっくにはるかちゃん食ってるんだろうけど
うん、うちのロリコン野郎も絶対そうしてるわ

(裂邪>そんな目で俺を見るなっ!?

>なんだかんだ善人の心が忘れられない蓮さんは……
蓮さんマジ黒紳士
899 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage saga]:2011/10/12(水) 00:12:04.54 ID:vjrpa2nW0
やだもう下弦さんかわいいな。薫も早くデレッとさせたいな……。
でも今回の話で蓮さんに親近感わいたwww
たまに女子の反応にキッモォ!! てなるもん。
900 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 00:16:06.89 ID:GRa3Dp530
>>899
>やだもう下弦さんかわいいな。薫も早くデレッとさせたいな……。
俺も早く裂邪とミナワがラブラブしてる話書きたい…
このままだと俺がテンションで死ぬ……orz
901 :ミルクティー[sage]:2011/10/12(水) 00:29:49.70 ID:ccZ6EBKAO
笛の方乙です!
下弦さん可愛いなぁ…

イチャイチャ話、九重編が終わったら自分もしたいなー…
ハッ…でもよくよく考えると東風君しか男の子が居ないっ!?

「呼んだかいハニー?」
「いいえ、でも私達はいつも通じあってるでしょ…ダーリン」

居たっちゃ居たが…何か違った
902 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/12(水) 00:35:45.33 ID:0fSENT+30
>>901
なら東風くんがメンバー1人ずつとデートもどきしてる話を書けばいい
もしくは、実は誰かと両思いだけど、互いに打ち明けられずにいるとか
あぁんきゅんきゅんするぅ♪(やめろ
903 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/12(水) 01:59:48.90 ID:NWNiRz7AO
DKGさんと笛の人乙です
あぁいいなぁアクションいいなぁ
皆さん筆が早くて尊敬
さーて自分もこれから仕事しながら続き書くとしようか
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/12(水) 07:42:01.16 ID:upfcKXwDO
大阪大阪言うとはないちもんめの人が来づらくなるからやめるべき
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/10/12(水) 13:08:27.47 ID:h3a0BcxFo
>>883
物書きに対する罰ゲームとして「処女作を音読させる」というのがある


あれだけはもうゴメンだww
906 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 17:39:38.25 ID:GRa3Dp530
test
907 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 17:40:35.09 ID:GRa3Dp530
よし、行けた

>>906
>あれだけはもうゴメンだww
やった…のか……!?
908 :ミルクティー[sage]:2011/10/12(水) 20:46:16.66 ID:ccZ6EBKAO
【何でも屋ミルク・クロウ…奪還者潜り込む】

−大河達が猿回しと戦っている中、別地点では烏龍達が暗躍していた−

〜地下下水道〜

マンホールを開け下水道を迷わず突き進む東風とその後ろをついて行く烏龍
「凄いな豆腐…お前こんな道を知ってるのカ?」
「まぁな…昔に下水管の仕事もしてたからな」
「さながらマ○オみたいネ…キノコ食べたらでかくなるかナ?」
「いや、ならねぇよ…っと着いたか」
曲がり角を曲がった所で二人の前に重厚な扉が立ちふさがる
「オイ豆腐〜これじゃ通れないじゃないカ」
「まぁ、待てよ…おーい富士見、キョン居るんだろ〜?」
そう東風が叫ぶとコンクリにヒビが入り床から
「呼ばれて飛び出て〜!」
「じゃじゃじゃ…じゃん…」
二人の人間が現れてポーズを取っている。
「えーと東風…いつの間に彼女出来たネ?」
「生憎だが地面から出てくる彼女は無ぇよ…コイツらは俺の契約都市伝説だ」
「私はゾンビの富士見宜しくねっ!」
「キョンシー…のキョン…」
対象的な死体コンビがポカーンとした烏龍に自己紹介をする。
909 :ミルクティー[sage]:2011/10/12(水) 20:56:32.16 ID:ccZ6EBKAO
「とりあえず二人共…仕事だ。その扉の先と此処を繋ぐ穴を掘って欲しい」
「アイアイサーだよ!」
「了解…」
先ほど出てきた割れ目に戻り土を掘り進める二人…そして慣れているのか少ししか経たない間に簡易トンネルが出来上がる
「お〜この短時間で凄いネ!」
「アイツ等は疲れ知らずだからな…さて行くぞ」
トンネルを通り抜けてその先のへと進む四人

ギギギ…

「ん、何の音アル…」
「風の音とかじゃないか?」
周りを見渡すと有るのは趣味の悪い石像、段ボールや電源パネルがあるだけで特に変な部分は無い
「そうですよ〜御主人早く行きましょ〜」
「………静かに」
富士見が急かすが、その時キョンが小さく呟いた
ガサッ…ギギ…ギッ

「そこアルっ!」
音の出所に燃える鴉を飛ばす烏龍
「熱っ!」
「居た……敵」
「チッ…バレちまったか。それならいっそ派手に殺らせてもらうぜぇ!行けっ…ガーゴイル」
燃え尽きた段ボールから迷彩柄の服を来た男が現れ号令と共に悪趣味な石像…ガーゴイルが動き出した。

ギギギ…ギガガッ
910 :ミルクティー[sage]:2011/10/12(水) 20:57:02.95 ID:ccZ6EBKAO
「とりあえず二人共…仕事だ。その扉の先と此処を繋ぐ穴を掘って欲しい」
「アイアイサーだよ!」
「了解…」
先ほど出てきた割れ目に戻り土を掘り進める二人…そして慣れているのか少ししか経たない間に簡易トンネルが出来上がる
「お〜この短時間で凄いネ!」
「アイツ等は疲れ知らずだからな…さて行くぞ」
トンネルを通り抜けてその先のへと進む四人

ギギギ…

「ん、何の音アル…」
「風の音とかじゃないか?」
周りを見渡すと有るのは趣味の悪い石像、段ボールや電源パネルがあるだけで特に変な部分は無い
「そうですよ〜御主人早く行きましょ〜」
「………静かに」
富士見が急かすが、その時キョンが小さく呟いた
ガサッ…ギギ…ギッ

「そこアルっ!」
音の出所に燃える鴉を飛ばす烏龍
「熱っ!」
「居た……敵」
「チッ…バレちまったか。それならいっそ派手に殺らせてもらうぜぇ!行けっ…ガーゴイル」
燃え尽きた段ボールから迷彩柄の服を来た男が現れ号令と共に悪趣味な石像…ガーゴイルが動き出した。

ギギギ…ギガガッ…
911 :ミルクティー…連投しちゃったorz[sage]:2011/10/12(水) 20:59:43.68 ID:ccZ6EBKAO
「地下にまで見張りが居たのかよ…」
台座から飛び立つ数体のガーゴイルを見ながら四人が身構える
「フッフッフ…俺の冴え渡る勘に捕まった不運を嘆くんだなぁっ!」
(警備がダルいから猿に任せてサボってただなんて口が裂けても言えねぇぜ…フゥ)
「不運扱いとか冴え渡る勘とか…アイツ死亡フラグ建てまくりだよね〜御主人」
「言ってやるな…その通り何だからよ」

ギギガッ…ムシ…ガギッ…スルナ

富士見と東風を二体のガーゴイルが鋭い石の鉤爪が襲う
「あー…多分硬いから俺がやるわ…富士見はサポート頼む」
「アイサ〜…よっと」
わざと鉤爪に突き刺さりに行く富士見
グジュ…という音の後にガーゴイルの高度が富士見の重みで下がる
「さぁ蕩ける程に…燃えあがれ」
ガーゴイルが富士見を振り落とす頃には既に禍々しい炎が眼前に広がっていて…

「ちょっと御主人、火はダメって毎回言ってるじゃんか!」
後に残ったのはチョコレートみたく融けた石像と頬を膨らませる富士見だけであった。
912 :ミルクティー[sage]:2011/10/12(水) 21:00:39.93 ID:ccZ6EBKAO
「なっ…何なんだよアイツら、桁が違いすぎるガーゴイル一旦逃げるぞ」
だがその号令に応答は無い…代わりに聞こえたのは
「お兄さん無駄だヨ。あの石鳥なら烏龍が焼いて、壊して、崩したからナ…んじゃナ不運な人?」
鴉の鳴き声と燃え盛る炎の音が聞こえ、黒い足が見えただけだった。
「あひゃ!?…ひでぶっ」
壁に男がめり込み砕けた石像が光となる

「ったく…無駄にロスタイム取っちまったぜ…はぁ」
「休まずさっさと行くね豆腐っ、アカネが待ってるヨ!」
溜め息をつきながら座り込む東風だったが、すぐに烏龍に急かされ立ち上がる
「はいはい…ちょっと貧血気味なんだから休ませてくれよな」

業務用エレベーターに乗り込む三人をキョンシーらしくジャンプで追いかけながらキョンがぽつりと呟く
「……出番無かった」

【何でも屋ミルク・クロウ…奪還者潜り込む】

(続く)
913 :シャドーマンの契約者@ミノムシ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 22:02:43.00 ID:GRa3Dp530
ミルクティーの人乙です〜
なんて事だ豆腐くん、お前も美少女ハーレムの契約者だったのかもげろ!(マテ
キョンちゃんかぁいいキョンちゃん、活躍する日が楽しみ
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/12(水) 23:02:00.67 ID:frEifA3So
投下乙ですー

死体に炎はやめてあげてwwww
あと富士見ちゃんのお腹は縫ってあげてwwww
そして黒い足……黒タイツか、素晴らしい
ミルクティーの人はよくわかってらっしゃる
915 :夢幻泡影 † 奪還、そして決戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 23:24:51.32 ID:GRa3Dp530
「UFO」母艦内―――
複雑な計器やコンピュータを、何十人ものグレイ型の「エイリアン」が大慌てで操作している
巨大なキャノピーからは外の景色は臨めず、代わりに黒い煙がもうもうと立ち上っているのが見えた
体育館程も広い操縦室の真ん中で、軍服を着た裂邪が大声で怒鳴る

「おい! 状況はどうなってる!? 拠点破壊高出力レーザー砲は!?」
「駄目デス、完全ニ大破シテマス」
「すぐに修理させろ!」
「ソ、ソレガ……エンジンルームマデ損害ガ広ガッテオリ、ソチラニ手一杯デ……」
「何だと…!? くそっ、あのクソガキ共がぁ!!」
「どっちがクソガキだよ」
「貴様等に決まって――――――ッ!?」

振り返ると、そこにはさっきまで地上にいた筈の裂邪達が、ずらりと並んで立っていた

「ご、ご主人様そっくり…でもやっぱり本物のご主人様の方がかっこいいです」
「コンナ時ニ何ヲ言ッテルンダ;」
「き、貴様等…いつからそこに!?」
「ついさっきだよ。あとたった今これも返して貰ったぞ」

裂邪は左手に持った黄金色のパスを見せつけた
軍服の裂邪に奪われた、「レイヴァテイン」が封印された新型契約書
一瞬、ハッとした軍服裂邪だったが、すぐにまた笑みを作り出した

「…ふん、どうせ解析不能で用途がさっぱりだったものだ、くれてやる」
「どうも。ただこれだけじゃ収まらないんでね」

パスをバックルに翳す
《レイヴァテイン》と機械音声が流れ、黄金のパスは黄金の鎌に変化した
右手に「ティルヴィング」、左手に「レイヴァテイン」を携え、身構える裂邪
シェイド達も、少女裂邪も、それぞれ戦闘態勢に入っていた

「お前の首も貰うぞ、支配者さんよぉ!」
「……ッヒヒヒヒヒヒ…ヒハハハハハハハハハハハ!!
 この俺の首を取るだと? 世界を掌握し、異世界をも掌握するであろうこの俺を討ち取るというのか!?」

光線銃を構える「エイリアン」達に武器を下げさせ、パチン、と指を鳴らす
すぐさま「エイリアン」の1人が、コンピュータを弄り始めた

「良かろう、その勇気と愚かさに免じて……遊んでやろう
 光栄に思うが良い! 支配者たるこの俺が、直々に貴様等を一人残らずぶっ殺してやる!!」

ずずんっ!!と音を立てて、頭上から何かが投下された
それはどうやら、怪獣型の戦闘兵器のようだった
装甲は煌びやかなシルバーメタリック
手足には鋭い刃で出来た爪があるが、両腕はかなり短く、超至近距離の目標にしか当たらないだろう
その代わりに、背部の左右には巨大なシールド付きのシザークローが配備されていた
頭部にも角があり、口には鋭い牙のようなものも並んでいて、口腔には砲門が見える
長く太い尻尾、冷たく光る眼、ファンを備えたブースターパック
色も違い、無数のコードに繋がれてはいるが、裂邪達は一目見てそれが何なのか理解した

「「ジェノブレイカー!?」」
「「「「何ゆえゾイド!?」」」」
「ヒハハハハハハ! その通り、これこそが我が軍の科学力を結集して作り上げた最終兵器!」

腹部のハッチが開くと、軍服裂邪がそこに乗り込んだ
ジェノブレイカーが動き出し、雄々しい雄叫びを上げる

【全員、レーザー砲とエンジンルームの修理に回れ! 遅れた者、逆らう者は皆ここで殺す!!】
「「「「「「イ、Yes Sir!!」」」」」」

グレイ型「エイリアン」達は大急ぎで操縦室から出、損壊部の修理へ向かった
916 :夢幻泡影 † 奪還、そして決戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 23:25:25.00 ID:GRa3Dp530
「…けっ、随分と余裕じゃねぇか、舐められたもんだなぁ俺様達も」
【舐めているのは貴様らだろ? 散々俺をコケにしやがって…この罪は重いぞ!!】

ブースターが火を噴き、ジェノブレイカーが動き出す
コードには繋がれているが、そのスピードは伊達ではない
一瞬にして裂邪との距離を縮め、シールドに格納されたシザークローを展開する

【くたばれぇ!!】
「断る!!」

甲高い金属音と共に、ぶつかりあう4本の刃
黄金の鎌と白銀の剣が火花を散らして、ジェノブレイカーのシザークローを止めていた

【ウヒヒヒヒヒ、隙だらけだ愚か者!】

反対側のシザークローが展開され、両手の塞がった裂邪を狙う

「させないわ!」
「ご主人様!」

少女裂邪の掌から黒い光が放たれる
ミナワがシャボン玉の付いた『バブロッド』をぶつける
ジェノブレイカーはその動きを予測していたかのように、シザークローを格納してシールドで双方の攻撃を防ぎ、
裂邪を弾き飛ばして背後にジャンプした

「そんなっ、『シュヴァルツ・リヒト』が効かない!?」
「っく、シェイド!理夢!ウィル!」

裂邪の声と同時に、ジェノブレイカーの真下から無数の腕が伸び、
理夢が爪を立て、ウィルは火の鳥の姿を取って上から攻める
しかしその全ての攻撃も、ジェノブレイカーが張ったバリアによって防がれてしまった

「チッ…思ッタ以上ニ機動力ガ高イナ
「ぁんだ今のバリア!? 反則だろうが!!」
【ヒハハハハハハ! 馬鹿め、貴様ら如きの攻撃が通る訳ないだろう!?
 このジェノブレイカーはマザーコンピュータと直接リンクしている…
 例え集団で襲いかかろうと、0.01秒で演算処理できんだよぉ!!
 そぉもそも、この装甲はオレイカルコス鋼を使用した特殊合金だ、そう易々とは破れんぞ!!】
「旦那ァ! どうやら口先ばっかりじゃあなさそうですぜ!?」
「完璧なコンピュータなんてあるものか! 攻撃を続けろ!
『忙しいな、君も』
「お前もやるんだよ! 『トータラージーク』!」
『は? あぁ、はいはい』

裂邪が「ティルヴィング」の切っ先をジェノブレイカーに向けた瞬間、白い光条が真っ直ぐに放たれる
それもまた、ジェノブレイカーのバリアによって遮られた

【何度やろうが同じ事だ! 貴様等はこの俺に触れることすらできない―――――】

がんっ!とシールド越しに破裂音が響く
ミナワが『ブレイカブル』で攻撃していたらしいが、やはり傷は付いていない
だが、軍服裂邪は気に入らなかった

【き、貴様等ぁ………無駄だというのが何故分からんのだぁ!?】

シザークローを広げ、少女の身体を引き裂かんとするジェノブレイカー
それが彼の、唯一のミスだった

「隙有りっ! 『シュヴァルツ・リヒト』!」
917 :夢幻泡影 † 奪還、そして決戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 23:25:55.92 ID:GRa3Dp530
黒い光が、シールドの裏側に命中し爆発を起こす
一瞬怯んだ軍服裂邪だったが、レーダーが次の襲撃に反応した

「「『ミットライト』ォ!!」」

突き進んでくる炎の塊
ウィルを纏った理夢が、意思のある隕石のように突撃する
シールドを構え、バリアを張る態勢を取るが

【……っば、馬鹿な、バリアが張れない!?―――――――ぐあぁっ!?】

直撃
突き飛ばされたジェノブレイカーは、ブースターを点火してすぐに態勢を整える

「『角刀影(ツノトカゲ)』、『レイヴァテイン・カタナ』」

気付いた時には既に遅かった
口に黄金の刀を咥え、右手に漆黒の刀、左手に白銀の剣を構えた裂邪が、猛スピードで駆けてくる
シザークローを展開し、攻撃に備える軍服裂邪

【舐めるな! バリアなど無くとも、そんな攻撃ィ!!】
「三刀流奥義……『シュトゥルム・ウント・ドランク』!」

ジャンプして空中で身体を捻り数回転
向かい来るシザークローを全て弾き返し、ボディを蹴って軽やかにバック宙を決め込んで着地した後にバックステップ

「…我が剣に、断てぬ物無し!」

刹那、甲高い音と共に4本のシザークローが弾けるように分断され、ぼろぼろとフロアに落ちた

【何っ……!? な、何故特殊合金のシザークローが…!?】
「簡単だ、「レイヴァテイン」は“破滅”を司る武器。斬る瞬間に破滅の力を集中させた
 「ティルヴィング」は鉄さえも豆腐のように斬れる程の切れ味だから、金属はお手のもんだ
 そしてシェイドの『角刀影』は、実はただの防御だったりする」
「全ク、ショックナ話ダ」

いつの間にか元の姿に戻っていたシェイドが、わざとらしく首を振って悲しげに呟く
ミナワや理夢達も、彼の元に駆け寄ってきた

「形勢逆転、と言った感じですね」
「直感でシールドの裏を狙ったんだけど、まさか本当に無力化できるなんて…」
「ククク、結果オーライって奴だ」
【………どこまでも俺をコケにしやがって……もういい】

ジェノブレイカーの口が大きく開き、ブースターに配備されたファンが高速回転を始める
砲門が、強い輝きを放ち始めた瞬間に、裂邪は「やばい」と零した

「っミナワ!『バリアブル』! ナユタは『ザンクトゥーアリウム』!」
「はいご主人様!」
『仰せのままに』
【ヒハハハハハハハハ!! 荷電粒子砲、発射ァ!!!】

ジェノブレイカーの口から、轟音と共にドス黒い光条が解放される
それは途中で幾本にも分岐し、シャボン玉と紫炎に直撃した

「うっ………す、凄いっ、威力ですっ……!!」
『こ、こんな事が……僕の「ヴァルプルギスの夜」がっ、押されているというのか……!?』
【ウヒヒヒヒヒヒ、この荷電粒子砲に使用されている粒子は対都市伝説用に俺が作らせた特殊素粒子だ!
 最初から貴様等の敗北は決定してたんだよ! 俺に狙われた時点でなぁ! ヒハハハハハハハハ!!】
「くっそ、一体どうすりゃ……」
「皆どいて!!」

少女裂邪が叫ぶや否や、彼女が差し出した右掌に黒い穴が現れ、
荷電粒子砲の光条を貪欲に飲み干していった
918 :夢幻泡影 † 奪還、そして決戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 23:26:27.36 ID:GRa3Dp530
【ちっ……またブラックホールか!】

やがて光条は消え、背部から熱が蒸気となって放出される
少女裂邪はがくっと、その場にへたり込んだ

「っおいお前! 大丈夫か!?」
「はぁ、はぁっ……うん、私は平気。それよりあんたの方が……」
「何言ってんだ、俺だって大丈b―――――」

ぐらり、視界が歪む
崩れる彼を咄嗟に抱きとめたのは、ミナワだった

「ご、ご主人様!」
「あぁ………悪い、正月のクソ神父の時くらい無茶したかも知れん」
【ヒハハハハハハ……どうやら勝ちは見えたようだな】

ファンが回転する音が響く
砲口に、黒い輝きが集まってゆく

【折角だ、最高出力で仕留めてやる……充填時間は長いからな、懺悔の時間くらい与えてやろう】
「ッ!? おめぇさん、この乗り物ごとぶっ壊す気ですかい!?」
【どうせ死ぬのは貴様等と、乗組員と化物が何匹かだ、大した損害じゃない】
「…テメェ、仲間を何だと思ってやがる」
【仲間? 笑わせるな、あれはただの駒だ、代わりなら幾らでもいる
 このジェノブレイカーは時空の歪みさえ探知できれば単独で異世界へ行けるように設計してあるからな
 「UFO」も、奴隷共に新しい物を作らせれば良い
 新たな船と新たな戦力で、再び異世界の黄昏裂邪を狩りに行く!
 天国の“俺”に宜しく言っておいてくれよ? ヒハハハハハハハハハハハハ!!!】
「……狂ッテイル、イヤソレ以上ダナ」
「そんなことっ……絶対…」
「させねぇよ」

ふらつく身体を制し、裂邪は立ち上がる
けほっ、と小さく咳をして、少量の血を吐き出した

【…まだ立ち上がるか……そんなに死にたいのか?
 何故だ、何故貴様等はそう死に急ぐ!? 勝てないのは目に見えているだろうが!?】
「それより…俺の質問に答えろ」
【質問だと?】

すぅっ、と裂邪は深呼吸し、はっきりと言い放った

「お前、ロリは好きか?」
【…………は?】
「ロリは好きかって聞いてんだ」
「ご、ご主人様?」
【…興味が無い。クローン技術のお陰で、性に関心を持つ必要が無いからな】
「そうか、俺は大好きだ」
「っこ、こんな時に何言ってんのよ―――――」
「ロリっ子のあどけない笑顔を見てると、こっちまで元気が出てくるんだ
 闇を知らない、明るく無邪気なあの笑顔が、俺だけじゃない、両親や友達、近所の人、色んな人を元気づけてくれる
 逆に、泣いているロリっ子は見たくない
 悲しんでいる姿を見てると、心臓が抉り取られるように痛くなるから
 俺は、ロリっ子を泣かせたくない
 そして、泣かせる奴は絶対に許さない!」
【…で? それがどうした?】
919 :夢幻泡影 † 奪還、そして決戦  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 23:29:20.35 ID:GRa3Dp530
「お前はこいつ――――裂邪(サクヤ)を泣かした! こいつの日常を、愛する人を全部奪って、心を傷つけた!
 だから俺は、例え血を吐こうが腕を斬り裂かれようが立ち上がってやる!
 俺は……全世界のロリの笑顔を守る男だ!!」

ぜぇ、ぜぇ、と肩で息をする裂邪
そんな彼の頭をぽこっ、と小突いたのはミナワだった

「ぁ痛っ」
「演説が不純すぎます…でも、素敵です♪」
「…ね、ねぇ、サクヤって?」
「“裂”を『さく』って読んだだけだよ。こっちの方が女の子っぽいだろ? 分かりやすいし」
『ハァ、呆れたね…君達はこんな契約者にくっついているのかい?』
「ソシテ今ノ貴様ノ契約者ダ、覚悟ハ決メタカ?」
【何度この俺を馬鹿にしたら気が済むんだ貴様等は……!! もうすぐ荷電粒子砲のチャージが完了する!それまで泣いて待ってろ!!】

ヒヒッ、と裂邪は笑い、くるりと振り返ってシェイド達に提案した

「なぁ、お前ら……久しぶりにさ、“皆で一緒に”戦わないか?」
「…へ? ずっとそうやって戦ってたじゃないn」
「“アレ”ヲヤルノカ? マァ、負担ハ軽減サレルガ」
「えへへ、実は結構好きなんですよ、“あれ”♪」
「主にしがみつけるからだろ……一番きついのは俺様なんだぜ?」
「まぁまぁ、ここからが正念場でい、すぱっと決めてやりやしょうや!」
「あ、あのぉ、これから何を?」

流れに乗れない少女裂邪を差し置いて、裂邪は「レイヴァテイン」と「ティルヴィング」を構えてミナワと共に理夢に飛び乗る

「っしゃあ! 行くぞお前らぁ!!」
「了解シタ」「はい、ご主人様!」「OKィ!!」「がってんでい!」『仰せのままに』

掛け声と同時にシェイドは影に溶け込むと、
理夢の足元から無数の腕を伸ばして裂邪と理夢を包み込み、一体となる
ウィルは炎の羽を散らしながら、理夢の背に燃え滾る赤き翼を作り出す
5つの心が今、一つとなった
さながら黒いケンタウロスのようなそれは、前足を高らかに上げて雄叫びを上げた

「「「「「完成! 『シャドーズ・ウトガルド』ォ!!!」」」」」


   ...To be Continued
920 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 23:33:16.08 ID:GRa3Dp530
※裂邪はただの人間です。ちょっと都市伝説と融合できる体質なだけです。悪しからず

次回、UFO裂邪との最終決戦
地味に今回も新技のオンパレードになった気がしないでもない
ところでこのスレで三刀流って初じゃね?とか思ったけど明久さんやってたな確かorz
921 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/12(水) 23:54:10.83 ID:GRa3Dp530
そうそう言うの忘れてた
裂邪がぽろっと零してる「クソ神父」はハムさんのことです
花子さんとかの人に土下座orz
922 :八尺様の人 ◆VkECiXG0r.YA[sage]:2011/10/12(水) 23:56:17.64 ID:/JG2tKD60
シャドーマンの人乙でした〜
裂邪達が熱い……
これで自らの存在意義を唾棄したロリコンじゃない異世界裂邪を倒せるか……
合体攻撃って王道だよね!

笛の人乙でした〜
下弦先生フリーダムだなあwwwwww
蒼崎蓮は果たして人間になれるのかな。
遥はサキュバスのハーフとは難儀な体質だなー。

ミルクティーの人乙でした〜
斬新で中々見ない都市伝説が沢山見れて面白いです。
百匹目の猿が出てくるとは予想外だ……
キョンシーおいていかれてるwwwwかわいいwwwwww

DKGとファントムさんの人乙でした〜
ΩΔφNo.0もレジェンドハンターもDKGもインフレしすぎだろwwwwww
だがそれがいいwwwwww
923 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/13(木) 00:09:19.46 ID:ouJlslwC0
>>922
>これで自らの存在意義を唾棄したロリコンじゃない異世界裂邪を倒せるか……
ふふふふ……ようやく裂邪に殺人を経験させられる……

>合体攻撃って王道だよね!
合体攻撃最高だよね!
でも殆ど誰もやらないんだよねorz(いや別にしても意味ないし
因みに、合体攻撃のイメージはスパロボだけど、ノリはボーボボだったりする
924 :悪党とただの人 ◆W5H6Y5Rl3M[sage saga]:2011/10/13(木) 00:31:43.00 ID:sm1saQvlo
 無数の悪霊を従えて、一人、また一人と敵を仕留めていく
 その表情には怒りと共に愉悦が浮かび、汗ばみ頬を上気させたその表情は妖艶ですらあった
 だがそれは、メイ・ゴスリングという少女が本来持ち得る側面ではない
 怨敵を追い詰め、蹂躙し、殺傷する事で本懐を遂げる悪霊達の感情に、そしてその存在そのものに呑み込まれているのだ

「元々はっ……そっちに誘う……側だったってのに、いっ!」

 スカートをたくし上げ、千切れたワイヤーで太股の付け根を縛り一時的な止血処置にして
 血溜まりに浸り赤く染まった足を引き摺り、這うようにメイの元へと近寄っていく
 だがこの負傷による動きの鈍さが幸いした
 普段の勢いで駆け寄りでもしようものなら、大まかな命令で自動的に動いている悪霊達に撃ち殺されかねない

「あと三人……あと二人……」

 ヴィッキーの残り人数カウントは着実に減っていく
 全てを殺し、復讐を遂げた達成感は、間違いなくメイを呑み込むだろう
 そして、それ以上に沙々耶には一つの懸念があった

「電話、ここに」

 メイの呼び掛けに応じて、その傍らにスツールと電話がぱきぱきと音を立てて形成されていく
 今、メイが電話を掛ける相手がいるとしたら、それは一人しか居ない

《もしもし》

 受話器から聞こえてきたのは、嫌になるほど耳に残るあの女の声

「あとは、あなた、一人、です」

 そのメイの言葉に、沙々耶は時間切れが間近な事を悟る
 ヴィッキーという女は、自分が殺される事に躊躇がない
 それどころか、状況を悪い方向に転がすためになら、進んで自らの命を投げ出す性分である

「落ち着け、私……いくら力を失ったからとはいえ、知識や経験ってのは残ってるもんなんだから」

 大きく深呼吸をすると、ワイヤーで縛った太股の付け根と、ざっくりと切れた傷がずくんと痛む

「私は『悪魔の囁き』だったんだからね……人の意識の隙間に潜り込む『間』ってのは……判ってんだから」

 受話器の向こうで、ヴィッキーが何かを言ったのだろう
 メイの双眸が見開かれ、最期の命令を下そうとしたその瞬間

「しっかりしなさい、メイ! そいつの挑発に乗ったら、私だけじゃない! もっとたくさんの人が大変な目に遭うわよ!」

 沙々耶が床に座り込んだ状態でも、小柄なメイに対してドクター似の長身である沙々耶は、その身を起こしていれば充分に顔は近付く
 その腕に縋りつき、強引に顔を振り向かせて、小さな声しか出ない声帯に渾身の力を込めて

「……さ、さや……?」
「やっとこっち見たわね……まったく」

 その雰囲気も、渦巻く力も、まだ全く衰えを見せないが
 ただ視線だけは沙々耶に向けている

「電話、貸して……そいつと、話があるから」

―――

《しっかりしなさい、メイ! そいつの挑発に乗ったら、私だけじゃない! もっとたくさんの人が大変な目に遭うわよ!》

 その声に、ヴィッキーは受話器を持ったまま目を瞬かせる
 周囲を囲む悪霊達の無数の銃口は、この場に残るただ一人である幼い容姿のヴィッキーに向けられたまま止まっていた

《ホント、もう……色々やらかしてくれたわね》

 受話器の向こうから聞こえてきたのは、消え入りそうに弱々しい、だがはっきりと聞き取れる沙々耶の声

《悪いけど、あんたの目論見は……程々で邪魔させてもらうわよ》
「目論見? どういう事ですかね」
《声からして、一番小さい奴でしょ、あなた……ドクターのところへ、交渉へ向かった》
「そうですが、それが何か?」
《そう……じゃあ、あなたが例の『スイッチ』……持ってるんでしょ?》

 受話器を持ったまま、ヴィッキーの表情が固まる

《ドクターとの交渉で使えるなら……使おうとするでしょうね、あんたなら》
「………………」
《それに、他の奴が持ったまま死んだなら……とっくにその事でメイを煽ってるでしょう?》

 くく、と
 ヴィッキーの喉から、笑い声が漏れる
925 :悪党とただの人 ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/13(木) 00:32:33.77 ID:sm1saQvlo

「よくもまあ、気付いたものですね」
《今、その事を言わないって事は……後に爆弾テロの事が伝わってから、私の口から真相を告げさせたかったんでしょう? 折角生き残ったんですもの、有効に使いたいわよね》
「くくく……あはははははは、良い、凄く良いですよ。あなたとはとても波長が合いそうです、沙々耶ちゃん?」
《悪い冗談ね……とにかく、よ……ドクターの資料を置いて大人しく引き上げるのね……これは最後通牒よ》
「では私も最後の交渉といきましょうか」
《交渉? そんなものの余地は残されていないわ……あなたがこちらに従わないなら、ずっとここで迷っててもらうわよ……どうせ飢え死にとかもしないんでしょう、『フランケンシュタインの怪物』さん?》
「別に、自爆とかも簡単にできますけどね?」

 ヴィッキーはそう言って、ポケットから例のスイッチを取り出した

「交渉はこうです。私はこのスイッチの機能を停止し、爆弾も全て解除する。その代わりにこの資料だけは持ち帰らせてもらいたいのですが」
《そこまでその資料に執着して……何をしようというの?》
「別に、私が何を企んでいようといいじゃないですか。そんなに不安なら……この場を収めた後で、私が何かやらかす前に倒せばいいだけの事ですよ?」

 未だ周囲を取り囲む悪霊達をぐるりと見回し、ヴィッキーは笑う

「私としては、ここでメイちゃんに殺されても別段問題ありませんし、閉じ込められたところで自害でもスイッチの十六連打でもやる事は色々ありますから」
《……あんたの『約束は守る』ってのは、信用できないのよ》
「では、このまま私はくたばって、巻き添えで爆弾テロ祭が開催されて、本懐を遂げたメイちゃんは都市伝説に呑まれて……こちらの悪霊さん達の仲間入りですかね?」

 言葉に詰まる沙々耶を見透かして、けたけたと笑いながら
 だが、言葉では伝わらない、その表情は苦々しく歪めながら

「悔しい事に、あなたは最大限の最善手を打ちましたよ。それに対しての、私からの最大限の譲歩ですよ」
《……変な曲解をしたり、約束以外の事でろくでもない事をするつもりは無いでしょうね》
「この資料をいただけるなら、一切合財何もせず大人しく帰る事を誓います。何度も言いますが、私は約束は守る主義ですよ?」
《あんたを、信用しろって?》
「信用していただけないなら、前述の通りですが」

 悪霊達に囲まれたまま、奇妙な沈黙が続く
 だがヴィッキーは確信していた
 沙々耶という少女は、自分以外の誰かを犠牲にして前に進めるような性分ではないという事を

―――

「メイ……落ち着いた?」
「……はい」

 一方の沙々耶は、思案のために沈黙していたのではない
 意識が混濁するほどに、失血と痛みが影響を与えていたのだった
 元が都市伝説存在だったとはいえ、今は契約も何もしていないただの人間の少女である
 極度の緊張、長時間の拘束、そして負傷と失血
 非日常に関ってきた精神力だけが、今の彼女の意識を繋ぎとめていた

「悪いんだけど……能力……解除してくれるかな……あいつには逃げられるけど……私……限界だから」

 体力はとっくに限界だという事は間違いは無い
 今意識を失えば、またメイが暴走するかもしれない
 だから、今のうちに決着をつけなければ

「ドクターには悪いけど……責任は……私が取るから……メイ、お願い」

 そして、メイの憎悪と殺意は沙々耶のためのもの
 沙々耶の言葉が届いた今、それはあっさりと霧散していく
 この雑居ビルへの、ひいては町全体に広がりかけていた『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の能力は解除されていく

《それでは、交渉成立という事で》

 既に二人の少女の手から離れた受話器から、ヴィッキーのよく通る声が聞こえてくる

《約束は、本当にきちんと守りますのでご安心を。ですが……そちらが約束を違えた場合。追っ手を差し向けてきたり、資料を奪い返そうとしたり破壊しようとした場合……相応の報復をさせていただきますので》

 ぷつん、と
 回線が切れる音と共に、メイの能力で作られていた電話機そのものが崩れ落ちて塵となる

「一件……落着……とは、いかないけど」

 心配そうに顔を覗き込んいるメイの頬を、沙々耶はそっと撫でる

「まあ、とりあえずマシな結果ぐらいにはなったかな」

 それから数分後
 学校町の外という事で反応が遅れた『組織』の黒服達が、メイと沙々耶が残された雑居ビルに現れる
 沙々耶の保護と治療
 大規模な暴走を起こしかけたメイの拘束
 そしてこの雑居ビルの『後始末』
 それらの目的を速やかに実行し、都市伝説に関るものは全て、速やかに学校町へと引き上げられていったのだった
926 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/13(木) 00:34:52.55 ID:sm1saQvlo
前回までのお話は>>730-731をご参照下さい
更に前は過去ログまたはまとめWikiにてどうぞ

黒服が駆けつけたのは、メイがやらかしちゃったせいであってヴィッキーの存在は知られてません
何処の部署の黒服かはまだ考えてませんが、強硬派とか過激派だったら面白そうだなぁ
927 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/13(木) 00:45:46.17 ID:ouJlslwC0
メイたんの拘束だと…………やだ、たっちゃう(マテヤ
三面鏡の人乙です〜
マジでやってくれたか奪取成功…この後が楽しみだぜ
そしてメイたんの処女の行方も気になr(撃ち殺されました
928 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/10/13(木) 01:02:56.67 ID:sm1saQvlo
>>927
> メイたんの拘束だと…………やだ、たっちゃう(マテヤ
エロい話は避難所でね!(爆)

手荒な部署の黒服だったら、出会い頭にぶん殴られて縛られて運ばれて〜な感じ?
沙々耶は意識失ってそうなのでノーリアクションで
929 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/13(木) 01:35:42.86 ID:ep/YU27s0
多分これくらいのエロなら大丈夫
前に『画竜点睛』でレジーヌにローゼを性的な意味で襲わせてみたけど誰1人として咎めはしなかった
あの時点で止められたら控えたけどもう遅いぜウヒヒヒ(変態君臨

女の子殴るのは好きじゃないな…ローゼ召喚して止めにいきたいレベルで(
というかロリに優しいR-No.が来たってことにすれば万事解決だねっ☆
930 :単発ネタ[sage]:2011/10/13(木) 16:41:50.43 ID:gHy47c6SO
転校生というのは注目の的だ。
休み時間には前の学校の事とか、色々と質問責めになる。
でも
「あの…………ぇと…………ぅん……」
とか
「ぁ…………その……………………ぁ………………」
なんて反応をしていれば、そのうち興味を持たれなくなる。
そんな事は、分かっているんだ。
でも、僕は他の子が恐くて、上手く話せない。
前の小学校で虐められて以来。
幸い、この学校で虐められた事は今のところはない。
でも、友達もできそうにない。
そして、母さんは友達ができたか尋ねてくる。
どうしたら友達ができるんだろう。そんな事を考えながら、下校しようと教室を出た。
そこで、
「こんにちは、少年」
「え?」
校舎を染める夕日より赤いマントの男に出会った。
「っ!?」
男の事を知っていた訳じゃない。男が何かした訳じゃない。
ただ直感的に、この男は危ないと判断して、僕は逃げた。
「おやおや廊下を走ってはいけないよ」
そんな男の言葉は当然無視した。
逃げたは良いけれど、何処に行けば良いのかと困っていたら
「こっち!!」
女の子の声がした。
とっさに、声のした場所に飛び込む。
タイルの冷たい床に、いくつも並んだ扉。そこは、
「…………女子トイレ!?」
「大丈夫だった?」
「うわっ!?」
背後から話しかけられ、驚いて振り向く。
そこには、まるで学校の怪談なんかで聞く「花子さん」みたいな女の子がいた。
「……あれ?」
「え?…………あ……ぁの………………ぅ……」
女の子は何故か僕の顔をじっと見てくる。
「……ぅ、あ…………あの……ぇと……」
「あっれ〜?キミ、人間だよね〜?」
「ぇ?あ……う、…………ぅん」
「都市伝説かと思ったのにな〜。あれ〜?」
この子は何を言ってるんだろう。
「人間ならほっとけばよかったかな〜」
ほっとくって……そうだ、さっきの変な人は、いった……い
「みぃーつけたー」
931 :単発ネタ[sage]:2011/10/13(木) 16:42:20.92 ID:gHy47c6SO
「ぅ……わ……」
「げ〜」
気がつけば、トイレの入口には、さっきの赤いマントの男が立っていた。
「何〜、赤マント。ここは私の領域だよ〜」
「いやいや、君に用は無いので気にしないでくれたまえ。用があるのはその少年だ」
「ぇ?……え、ぁ…………え?」
わけがわからない。わけがわからない!わけがわからないっ!!
と、とりあえず、ぇと
「そっ、その子からっ、は、離れろう!」
なんか語尾が変になった気がする!
「えっ?私?」
「うん?」
なんか、なんかこの男、危ない感じするし、どこの子か知らないけど、女の子を危ない目に合わせわけには、
……あれ?なんか女の子がこっち見て笑ってる?
「んふふ〜、赤マント。やっぱりこの子はダメ〜」
そんな事を言いながら、女の子が抱き着いて……って
「ぅええっ!?」
「この子、私の契約者にするから〜」
「おやおや、君は人間が嫌いだと思っていたのだが?」
「人間は嫌い〜。でも、この子は嫌な感じがしないから〜」
「そうかい、仕方ないね。討伐される前に帰るとするかい」
そう言って赤いマントの男は去っていった。
結局、なんだったんだ。わけがわからなかった。
ていうか、何か大変な事に巻き込まれた気が。
「んふふ〜」
気がつけば、女の子が僕に手を差し出していた。
「よろしくね〜」
「ぁ……ぇと、ぁ…………ょろ、しく?」
………………何が?

学校を出ると、買い物の帰りらしい女の人が歩いていた。
ていうか、母さんだった。
「あら、今帰り?」
「ぁ、うん」
あの後、花子さんと自己紹介とかしていたら随分と遅くなってしまった。
……あ、そうだ。
「お母さん」
「はい?」
「友達ができました」
「そう、よかったわね」
そう言って母さんは、何故かいつもしている大きなマスクの向こうで、嬉しそうに笑った。

932 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/13(木) 17:02:56.21 ID:ouJlslwC0
単発の人乙です〜
やだ、この花子さん可愛い食べたい(マテ
しかし母親……これは少年が都市伝説とのハーフなのか、それとも育ての親なだけなのか
何にせよもげろ(
933 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/13(木) 21:23:37.48 ID:cJwRJXTl0
皆さん乙でした
ミルクの人はまさか死体萌まで理解していただける方……な訳無いですねごめんなさい
ハーレム状態とか素敵、可愛い女の子は意昧いても困りません
影男の人の話でジェノブレイカーがテクノブレイカーに見えたとか秘密
対れっきゅん用に強そうだよなとか思っちゃった
れっきゅんはいいこと言ってるはずなのになんかなあwwwwww
ドクターの人の話はじわりじわりとヤバい方向へ向かうな
過激な黒服の方だったらメイちゃん奪還戦が入るのかしら?
診療所チームがどんどん追い詰められていく……
単発の人のはどっちなんだろう
ハーフだったとしても育ての親だったとしても似たような境遇のキャラが居るから興味深い
夜行くんごめんね色々と……出番とか出番とか出番とか
934 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/13(木) 21:31:56.78 ID:cJwRJXTl0
ところで笛野郎の脳内のこの世界の人間の進化の歴史なんだけどさ

超古代→なんかすげー文明、都市伝説パワー有効利用、技術力最強
古代→文明絶滅、生き残った人間はきっと素で都市伝説と戦えるレベル、きっと上田家はこの時代の人間の影響が色濃い、でも野生化した超古代の都市伝説が無双してた
中世→都市伝説多様化の時代、それと同時に弱体化、人間はこの頃になると肉体強度は弱くなるものの戦闘技術はすごくなっていく、人間はこの頃が最強
近世→進化の末に都市伝説も種類だけが増えて本来の力を失いそれにともなって人間は弱体化
近代→ハンパな機械化の導入で都市伝説の淘汰が開始される
現代→人間自身の心の闇から生まれる力で都市伝説が元気になったよ!すっかりゆとり仕様の人間はなすがままにされるも一部は適応している
未来→そして都市伝説と人間の境界は曖昧になって超古代に戻る気がする、総合的に見ればここが最強?

なんてのを妄想してたんですよええ
935 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/13(木) 21:47:24.57 ID:ouJlslwC0
北海道の皆さん助けて下さい
マリモに関する都市伝説・伝承・噂・逸話など御座いましたら教えて頂ければ幸いに御座いまする候(ウザイ

>>933-934
>対れっきゅん用に強そうだよなとか思っちゃった
確かに強そうだけどwwwwwwww

>れっきゅんはいいこと言ってるはずなのになんかなあwwwwww
あれが彼の平常運転ですから♪

>なんてのを妄想してたんですよええ
何これ面白そう
書く機会があればどれか設定頂きたい(マテ
936 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/13(木) 22:12:52.43 ID:cJwRJXTl0
まりもはねえ
愛しあっていたのに引き離された男女が
以下
http://marimo.xrea.jp/corner2/dennsetsu.html

設定はすきにつかってくだせえ
未来人代表は朔夜とか明尊くんみたいな奴ら
現代人とは多分下地が違う、色々と
中世のころは契約してないだけで明久さんみたいな化物がゴロゴロしてたんだと思ってる
937 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/13(木) 22:18:26.11 ID:cJwRJXTl0
ついでに投下しちゃう
938 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/13(木) 22:20:17.24 ID:cJwRJXTl0
【ラップトップハッピネス 第五話「ラップトップハッピネス2」】

「もしもし、飯島さん。」
「なんだい?」
「都市伝説に関係する本、余ってたらくれないか?」
「いいけど何の本だい?ジーナ・フォイロとか……サキュバスとか?」
「ああ、自分のことについてもっと知る必要がある。」
「まだ覚悟は決められないんですか?」
「悪いね。」
「血も涙もない人種だと思っていたんだがね。幼い少女を手にかけるくらい躊躇うなよ。」
「主治医と思えないな、人の皮を被った悪魔め。」
「私は医者として患者に栄養の摂取を進めているだけだ。
 それにそれを言うならお前は化物に取り付いた幽霊だ。」
「なんのことだ?」
「さあ?」

 というやり取りの後貰った大量の書物。
 山奥の屋敷で俺はそれを読み続けていた。
 遥の身体の問題を解決する方法を探すためである。

「れんさーん、何読んでるの?」
「都市伝説について勉強していた。」
「ふーん。」

 遥が俺の膝の上に乗る。
 さて、俺はなぜこの少女を手にかけるのをためらっているのだろう。
 そもそも最初の時点で俺はこの少女のトラウマをえぐるような形で犯し、殺してやろうと思っていたのだ。
 というか今でもそのつもりなのだが……

「れんさーん、れんさーん、どんな内容なのぉ?」
「んーっとね、口裂け女って都市伝説についてだね。」
「そんなの誰でも知ってるよ。」
「日本にあまり居なかったからね。」

 身体をぴったりと擦り寄せてくる遥。
 俺の心の中など知らないのだろう。
 なぜ俺は躊躇っている。
 会話が頭の中に入らない。
 俺はこの娘をどうしたいのだ。 
 窓の外が激しく光る。
 数秒後、ゴロゴロと重苦しい音が聞こえてきた。
 遥が強く抱きついてくる。
939 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/13(木) 22:20:55.75 ID:cJwRJXTl0
「雷が怖いのか?」
「……うん。」

 最初会った時は大人びている少女だと思っていたがこうしてみるとまだ子供だ。
 あいつはこんな子供に……ねえ。
 悲しいという感情はやっぱり分からないが怒りの感情は消えていないことが解る。
 遥を抱き寄せて優しく頭を撫でる。
 
「嬉しそうだな。」
「こんなことしてもらったこと、なかったから……。」

 哀れな娘だ。
 せめて誰かに愛される夢だけは見せてやろう。
 夢……か。
 書物にあったサキュバスの項を眺めてみる。
 サキュバスは本来夢の中でエネルギーを吸い取るものらしいじゃないか。
 ならば近くで眠っている俺の夢に入り込んで、直接的な身体の接触なしに俺からエネルギーを吸い取れるんじゃないか?
 試す価値はあるが……問題はそれをどうやって言い出すかだけだな。
 俺から言い出しても彼女のトラウマを刺激するだけかもしれないし……。

「もう寝るか。」
「早いんだね。」
「ああ、今日は本読みっぱなしで疲れた。」
「この前の陰陽師の人達の襲撃のダメージも有るんじゃないの?」
「まあな、正直あまり動けない。新手が来たら厄介だから明日朝早くここを引き払おうと思っている。」
「大丈夫……じゃないの?」
「大丈夫だよ。」

 なぜ俺は優しく笑っているんだろう。

「だから、もう眠ろう。」
「うん……。」

 いつもどおり歯を磨いて着替えてから寝室に入る。
 別々のベッドで今まで寝ていて身体の力が抜けるということはなかった。
 だから恐らく同じベッドで寝る必要があるんだろうけど……

「ねえ、れんさん。」
「なんだ。」
「一緒に寝ていい?」
「今も寝てるじゃないか。」
「そうじゃなくて、一緒のベッドで。」
「でもお前……。」

 彼女の嫌な思い出を刺激してしまうんじゃないかと怖くなる。
 もう人を傷つけるのは嫌いだ。
 心が痛む。
940 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/13(木) 22:21:22.31 ID:cJwRJXTl0
「こんな私じゃ、駄目かな。」

 駄目なんてことはない。
 妹のようにかわいがった幼なじみを思い出すお前が嫌いとかそういう訳ではない。
 素直になついてくれるなら嬉しいし、いやでもそれはそれで罪悪感が……
 
「足手まといな私を連れてもらってるだけでも、助けてもらっただけでもありがたいのに、
 こんなこと言うなんて我儘だったよね……。」

 罪悪感?
 ザイアクカンってなんだ?
 自分が悪いことをしてるだなんて久しく思ったことがなかった。

「ごめんなさい、置いて行かないで。
 もう私には行く所がないの…………。」

 やめろ、やめてくれ。
 
「ごめんなさい、ごめんなさい……。」

 罪の意識、心の奥底の方が疼いて疼いてしょうがない。
 昔の、ずっと昔の記憶を思い出す。
 誰かを助けたくて、助けられなくて、結局俺は……!

「やめろ!」

 動揺して思わず大きな声を出す。

「ひっ!」
「やめてくれ!頼むからそんな事言うな!
 お前が!あの地獄みたいな状況で!それでも生きたいと!死にたくないと言ったから俺はここに連れてきているんだ!
 あの姿が美しかったから俺はお前のことを助けたんだ。
 俺はお前の必死に生きようとしている姿を気に入って助けたんだよ!
 だからあの時の……美しいままのお前で居てくれ。
 そんな情けない姿を見せないでくれ……。」

 俺は何を言っているんだ?
 身体が勝手に動いて遥の肩を掴んでいる。 
941 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/13(木) 22:23:39.82 ID:cJwRJXTl0
「世界には沢山の人がいる。
 お前より悲惨な目に遭ってる奴も、お前より救いが無い奴も。
 お前は生まれた時から死の病にかかっている子供の存在を知っているか?
 お前はろくに飯も食えないで終日泣き明かして、最期には泣くことすらできず死を待つ赤ん坊を見たことあるか?
 その現実を知りながら貧乏人から搾取を続ける金持ちとか
 何をしたわけでもなく偉そうにしてる白豚とか
 部族を理由に意味もなく傷つけあう馬鹿な奴らとか
 シャーマンだかの教えに従ってガキに病気移す腐った奴らとか
 無いだろ、あるわけない
 俺だって実際見に行かなきゃ知らなかったよ!
 知らなきゃ良かったとも思うさ!
 世界には掃いて捨てるほど居るんだよ……そういう理不尽の被害者が。
 でもそいつら必死で生きてるんだよ、びっくりしたね、何も出来ないことはあってもなにもしない奴なんて居なかった。
 俺はそのあり方が綺麗だと思った、助けたいと思った!
 でも俺はできなかった。
 お前を見た時、あの時できなかったことができるかもしれないって思ったんだよ。
 だから……」

 俺は何を言っているんだ?
 思っても居ない言葉がスラスラと出てくる。
 違う、それは“お前”が気づいていないだけだ。
 誰だお前は。
 俺はお前だ、お前は俺だ。
 訳がわからない。
 思い出せない、助けるってなんだ、できなかったってなんだ、頭に鈍い痛みが走る。
 彼女に寄りかかるようにして俺は意識を失ってしまった。
 目を覚ますと既に日は高く登っていて、俺は彼女の膝の上に頭を載せていた。

「れんさん……大丈夫?」
「……すまない。すこし興奮しすぎたようだ。」
「あのさ、れんさん。」
「なんだ。」
「私は、嫌じゃないよ。純粋にれんさんを傍に感じていたかったから……」
「そっか……なんかごめんな。お前の気持ちを踏みにじったみたいで。」
「そ、そんなことないよ。そういえば下弦先生から電話来てたよ。」
「ああー……なんて言ってた?」
「起きたらすぐ家を出ろって。今日中に家を出ないとかなりやばい奴らが来るから助けられないって。」

 仕方ない。
 適当に金目の物を分捕ってこの屋敷からもおさらばするか。
 俺は彼女の手を引いて出発の準備を始めた。

【ラップトップハッピネス 第五話「ラップトップハッピネス2」 to be continued】
942 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/13(木) 22:34:36.49 ID:ouJlslwC0
やばい可愛い、今まで夜のお世話になっていたレモンたん以上に可愛いかも知れんぞ遥たん(マテヤ
蓮さんも何やらお目覚めのようで、これからどうなっていくのだろうかとドキドキ
笛の人乙でした〜

そして資料提供感謝です
悲恋物語も面白いけど、トーラサンペも使えそうだな・・・むぅ、迷う

>未来人代表は朔夜とか明尊くんみたいな奴ら
>中世のころは契約してないだけで明久さんみたいな化物がゴロゴロしてたんだと思ってる
分かりやすいwwwwwwww
943 :ミルクティー[sage]:2011/10/13(木) 23:18:58.06 ID:fd2eO7yAO
>>913
しかし大丈夫、豆腐君は…スキル『鈍感』と『ノーデリカシー』が装備されておりますww

>>914
黒い理由は鴉が足に集まって蹴り技の強化をしてるからなんですが…
うん…ビジュアル的にも良いし集まった燃える鴉は黒タイツになることにしよう!(エ

>>933
しかし大丈夫、豆腐君は(ry
死体萌え…だと?…うーん違い…ます…ね
死んだ魚の目みたいな目が好きとか、元気過ぎて腕がもげちゃう感じとか?…なんか考え方が駄目だったorz

単発の人乙です!
花子さん可愛い…
お母さんはどっちだろう…都市伝説の家事姿かぁ…うん、良いな

ドクターの人乙です!
悪々しいです!そこに痺れる憧ry
黒服…メイちゃん大丈夫だろうか…

笛の人乙です!
あれ…口から砂糖が目からは涙が……
お前は俺とかの辺りがこの先どうなるか楽しみです!


さて社長室の様子を短くも投下
944 :ミルクティー[sage]:2011/10/13(木) 23:21:56.27 ID:fd2eO7yAO
【何でも屋ミルク・クロウ…捕虜傍観】

〜九重ビル社長室内〜

「チッ…」
ココノエがモニターを見ながら舌打ちを漏らす
「貴方の『製品』とやらは不良品のようね」
一度椅子から脱け出し脱走を試みた為ケージのような牢屋に閉じ込められたアカネが棘の有る台詞を相手にぶつけている。
「いえいえ…少し取り乱しましたが彼等は旧型…捨て駒同然の人材ですよ」
紅茶を啜りながら平静を取り戻すココノエ
「ふぅん…今の私には負け犬の遠吠えにしか聞こえないわね…さて質問が一つ有るのだけどいいかしら?」
「何でしょうか?…答えられる範囲で答えますよ」
「映像のガーゴイル、あれは確か外国の都市伝説の筈…どうやって契約したのかしら」
その問いにココノエが飄々とした笑顔で話始める
「あぁアレですか…うちには優秀な技術者が居ましてねぇ…姿だけガーゴイルに似せた兵器を作り町に放したんです」
「それは都市伝説では無いじゃない!」
驚きながらもココノエにつっかかるアカネ
「えぇ…ですから幾人かの人を襲い、幾人か殺害し、社員にサクラで噂させ…都市伝説へと昇華させた。とどのつまりレシピから作る養殖都市伝説ですね」
945 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/13(木) 23:22:28.40 ID:cJwRJXTl0
ハッハー
影男の人も中古ヒロインに萌えるようになっちまえヒャッハー
とりあえず蒼崎蓮は改造人間である
アフリカ奥地のテロリスト集団によって暗殺の為に身体にジーナ・フォイロを埋めこまれたのだ
脳改造の影響で二重人格になっているのだ
今は本来の人格ではない方が出ているけど
本来の人格の方が今は冷酷で犠牲をためらわないから危険
今の人格は都市伝説として人を殺すけど本来の人格は人間としてどこまでも残酷になっていける

って話の予定
ネタバレしたほうが話が面白くなるってケンブリッジ大学で言ってた
946 :ミルクティー[sage]:2011/10/13(木) 23:24:26.70 ID:fd2eO7yAO
「そんなことして…何人の人が死んで何人の人が悲しんでると思ってるの!?」
感情的にアカネがココノエに言った
「さぁ、知りませんよ?…貴女は実験動物や虫けらに同情するんですか?」
顔色一つ変えずココノエは言葉を紡ぐ
「アンタ…最低ね」
「生き物なんて皆そんなものですよ…それに私は私の目的を叶えるためならば都市単位の殺戮も意図いませんから」
ココノエがモニターのチャンネルをポチポチと替える
「此処からが血を見る本当の戦いになるでしょう。私は少し用事があるので失礼します…フフフ」
そう言って部屋を出るココノエの影は蛇や獅子、様々な生き物が混ざり合った奇怪なモノであった
「っ……頑張ってるのに何も出来ないで見てるだけだなんて…くそっ」
ココノエが部屋を出た後には牢の柵が蹴られて響く音が聞こえるのみ…

【何でも屋ミルク・クロウ…捕虜傍観】


(続く)
947 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/13(木) 23:35:11.71 ID:ouJlslwC0
ミルクティーの人乙です〜
うひょっ、九重社長の都市伝説が一部紹介か!
蛇や獅子か……なるほど、wktkしてきたぜ
それにしてもなかなかに悪だな、俺もこういうのが書きたかったorz

>>945
>影男の人も中古ヒロインに萌えるようになっちまえヒャッハー
(ロベルタ>ヘックシュン!!

中古と聞いて何故か彼女を思い出した

>って話の予定
ほうほう、そういう事だったのか…
948 :魔笛 ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2011/10/13(木) 23:41:31.95 ID:cJwRJXTl0
しまった……
ちゃんとリロードせずにかきこんじまった
乙でした
王道の悪役過ぎて楽しみ
王道って大好きなんですよ
>>947
型月のせいで俺は……おれはぁ!
蓮さんを本来の人格に戻して
茉莉「元に戻って!お兄ちゃん!」
蓮「……ああ、戻ったよ。」スイッチオン
ダイバクハツ
茉莉「――――!?」
蓮「思い出した、やはり人間は救えない。」
みたいな
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/13(木) 23:47:21.86 ID:hRCsioLDO
>>934
平安→幽玄。魂や呪いなどの形がないものが恐れられ、陰陽師が退治していた
鎌倉→鬼。人の姿をした人に近いものが暴れ、武士の中から退治する者が現れる
戦国→戦。戦乱の中、怪異は身を潜めて世の成り行きを見守る
江戸→怪談。恐れられる反面、どこか憎めないいたずらを起こす
明治→異端。今までとは異なる文化による怪異が日本に訪れる
大正→魔性。残虐な事件を起こすも、人が起こした事件として捜査されるために表に出ない
昭和→都市伝説。子供達を中心とした噂話により生まれてひっそりと闇に生きる
平成→ネットロア。猛威を奮おうにも次々に萌えキャラ化される


日本に限るとこんなイメージ

一番カオスで危険な時代が大正かな
戦国以降、あまり極端な悪さをしなかったが明治に入ってきた連中が最も暴れた時代
国産と違って外国産は変に知恵があるせいで残虐な事件起こしまくり。それを見て真似する国産も出てきたり
結局は戦争のせいでそれどころじゃなくなっちゃうけど

自分が話を書くにあたり、こんなイメージが根底にあるのかも
950 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage]:2011/10/13(木) 23:48:59.91 ID:hRCsioLDO
酉忘れ失礼

これからまとめて読むので感想はまた後日
951 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/14(金) 12:25:33.66 ID:vsmmShlZ0
む、そろそろ新スレ立てた方が良いかね
このスピードなら>>970くらいで上等かしら

>>948
流石は魔笛の人、ダークダークしてやがるぜ…!

>>949
おぉ、前に書いてらっしゃった奴ですね
これもしっくりきたので機会があれば(ry
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2011/10/14(金) 16:17:26.58 ID:PaKidtH8o
お題チョウダイ!!
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/14(金) 17:34:36.13 ID:A9epDqsDO
>>952
テケテケとの恋物語
954 :夢幻泡影 † 盛者必衰  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/14(金) 23:37:54.79 ID:MwLwHcYh0
【な……何だあの化物はぁ!?】

ジェノブレイカーを駆る軍服裂邪は驚愕した
目の前で、異なる世界の自分が、己の契約している都市伝説と融合したのだ
彼のみでなく、裂邪の傍にいた少女の裂邪―――サクヤも唖然としていた
その反応はあながち間違いではないのだが、裂邪は単純に気になった

「…あれ? お前らも出来ないの?」
「でっ、出来る訳ないでしょ!?」
「そうなんですか?」
「ホウ、ソノ方ガ興味深イナ」
「あっしらはこれが当たり前でやしたからねぇ」
「並行世界ってのはそんなに違うもんなのか?」
『君達、好奇心旺盛なのは良いが、今は戦闘中なんだけど』

ふと視線を向けた時、ようやく思い出したかのように裂邪が若干仰け反る
ジェノブレイカーは未だ荷電粒子砲のチャージを行っている最中だった

【……都市伝説の反応が一気に減少した……本当に“融合”しているのか?
 どういう手を使ったか知らんが、殺すには惜しい人材だ…貴様が黄昏裂邪でなければ研究材料として生かしておいてやったのに
 無論生かしはせん! そもそも、融合したところで一体何になるというのだ!?
 ターゲットが絞りやすくなっただけ、それ以外にメリットなど無い!】

ジェノブレイカーの目が光り、口腔内の砲門を中心に雷光が走る

【結局は俺が最強なんだよぉ!!
 貴様等は俺の野望を止める事はおろか、邪魔する事さえできない!
 俺は、完全なる世界征服を成功させる男だ!!】
「…世界制服、か……懐かしいな。俺は世界なんかより、もっと大事なものを手に入れた!」

裂邪が走り出すと同時に、荷電粒子砲が放たれた
真っ直ぐに伸びる黒い光条を、彼は―――否、“彼等”は寸での処で避けながら駆けてゆく

【っは、速い……!? だ、だがこれしきのことでぇ!!】

今度はジェノブレイカーの首を動かし、荷電粒子砲で薙ぎ払おうとするが、
裂邪は「レイヴァテイン」を盾に変化させてそれを受け止めた
押されはするが、それでも一歩一歩確実に進んでゆく

【ヒハハハハハハハハ!! 死ね、我が野望の為に!!】
「ご主人様!」
「っくぅ、ミナワ!ウィル!ナユタ!」

ミナワが歌い始めると、先程斬り刻まれたシザークローがふわりと浮かぶ
ウィルは炎の翼から大量の火炎弾を発射する
ナユタは「ティルヴィング」の切っ先から白い熱線を放出する
それぞれがジェノブレイカーに直撃したが、少しぐらついた程度で粒子砲の勢いは衰えない

「駄目か…ちっ、背中のジェネレータさえぶっ壊せたら……!」






「み、皆……」

サクヤは、ただ見ていることしかできなかった
だがこの状況で、そんなことをしている場合で無い事くらい承知していた

「正面から行ったら、また防がれる……一気に後ろに回り込めたら……」

ぶつぶつと独り言を呟きながら方法を摸索する
そうしていると、突然脳裏にある事柄が浮かんだ

「…ブラックホールはホワイトホールに繋がってる……
 ブラックホールが暗黒物質なら、ホワイトホールだって作れる筈……でも……」

それは、あくまで可能性の話
失敗すれば、彼女がどうなるかくらい、自分でもよく分かっていた
それでも

「……ううん、ここで怖がってたら、前に進めない
 あいつ―――――裂邪だって、あの化物に立ち向かってるんだもん
 あたしが…あたしがやらなきゃ!!」

彼女は両手を合わせると、黒い小さな塊を作り出す
それを野球ボール程度の大きさまで作り上げると、彼女の姿は忽然と消えた
955 :夢幻泡影 † 盛者必衰  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/14(金) 23:38:27.17 ID:MwLwHcYh0
「っご、ご主人様! サクヤさんが!」
「何っ!?」
【んあ? ヒハハハハハハハ! とんだ馬鹿が居たもんだぜ、ブラックホールに自分から飲み込まれやがった!
 状況が絶望的過ぎて自ら命を経ったか……ウヒヒヒヒヒヒヒヒ……ヒッハハハハハハハハハ!!!】
「んの、野郎ォ――――――――ッ!?」

裂邪は捉えた
ジェノブレイカーの背後、両手を構えて落ちてくるサクヤの姿が
その両掌には、黒い光が禍々しく渦を巻いていた
攻撃中の為にマザーコンピュータの反応が遅れたのか、軍服裂邪がそれに気付いた時は既に遅かった

【なっ……い、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!】
「『シュヴァルツ・リヒト・スターク』!!」

黒い巨大な光弾が、光を超える速度で放たれる
2つのシールドによるガードも間に合わず、光弾は背部のブースターに直撃して大爆発を起こした
その瞬間、ジェノブレイカーの口から吐き出されていた荷電粒子砲が、フェードアウトしていった

【ま、さか……荷電粒子砲が……!?】
「有難うサクヤ! 行くぞお前らぁ!!」

ウィルの翼がロケットエンジンの如く出力を上げ、
理夢はシェイドを纏う事によって底上げされた脚力で、そのスピードに乗って一気に駆け抜ける
ミナワは氷の槍を作り出し、裂邪は金色の鎌と銀色の剣を構えた

「俺達の必殺技ァ!! スペシャルヴァージョン!!!」

一閃
すれ違い様に、「レイヴァテイン」と「ティルヴィング」、そして『バブロッド』の一撃を叩き込んだ
バチッ、バチッ!という音と共に、小規模な爆発を起こすジェノブレイカー
見事着地に成功した裂邪は、その融合が解け、元の裂邪、シェイド、理夢、ウィルの姿に戻った

「良かった、皆無事で…」
「ッヒヒ…これでやっと戦いは――――」
【何故だ…………!?】

機体の損傷度が激しいにもかかわらず、ジェノブレイカーは未だに動き続け、裂邪達の方に振り向いた
傷つきながらも佇むその姿は、軍服裂邪の執念の象徴とも言えるものだった

【圧倒的な戦力を持ってしても…最先端の科学力を結集させたとしても…
 何故、たった数人のガキ共に勝てんのだああああああああ!?】
「しつけぇ野郎だぜ、ったくよぉ!」
「往生際ノ悪サハドノ世界デモ共通ト見タ…ダガ、長クハ無カロウ」
「皆、下がっててくれ!」

裂邪が指示すると、彼は金の鎌を空中に放り投げる
「レイヴァテイン」は黄金の水となり、裂邪の身体に覆いかぶさると、
身体の各所に鋭利な装飾がなされた黄金の鎧となった

「うわぁ…そ、そんなことも出来るんだ」
「サクヤ!」
「え、は、はい!?」
「お前の力を貸してくれ……最後の仕上げだ!」
「あ……分かった!」

「レイヴァテイン」と融合した裂邪の隣にサクヤが立つ
呼吸を整え、2人は各々の力を両手に込める

「「2人のこの手が眩く輝く!!」」
「滅ぼせ悪をとぉ!!」
「煌めき叫ぶぅ!!」

裂邪は右手を、サクヤは左手を差し出し、黄金と暗黒の光が入り混じり、黄昏時の空の色になる

「「無限の混沌(カオス)に消えてなくなれ!! 『全土滅殺 天征破』ァ!!!」」

黄昏色の光条が2人の掌から解放され、
惑う事なくそれは軍服裂邪の乗るジェノブレイカーを飲み込んだ

【ばっ、馬鹿な――――ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??】
956 :夢幻泡影 † 盛者必衰  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/14(金) 23:42:05.55 ID:MwLwHcYh0
ジェノブレイカーは光条に押され、壁を突き破り複雑な機械を破壊する
その動きが完全に停止した時、母艦が大きく揺れ始めた

「…ッヒヒヒ、ようやく、終わったな」
「勝った…私達、勝ったの?」
「お疲れ様です、ご主人さmきゃあっ!?」

がくんっ、と母艦が傾いたかと思えば、
床が罅割れ、屋根が崩れ、機械がスパークを起こし、辺りに炎が広がり始める

「うおっとぉ!? な、何が起こったんでい!?」
「そ、そういえば、さっきエンジンルームがどうこうって……」
『どうやら潮時らしいね…ここから逃げた方が良さそうだ』
「脱出だ! シェイド!『シャドーダイブ』!」
「了解シタ」

裂邪が融合を解除し「レイヴァテイン」をパスに戻すと、シェイドが影に溶け込み、影の扉を開く
その中に急いで入るように、裂邪は全員に指示を促した













【……………待っ…………て…………くれ…………………】











響く爆破音の中で微かな声を聞き取り、裂邪はそこで立ち止まる
最後に入ろうとしていたミナワが、それに気付いて彼を見た

「…どうかなさったんですか?」
「いや……悪ぃ、先行っててくれ」
「え、あの、ご主人様!?」

黒煙を掻きわけ、裂邪は「ティルヴィング」を持ったまま、声のする方に走った
やがて視界が開けると、目に入ったのは、もはや棺桶と呼ぶに相応しい姿となったジェノブレイカーだった
声は、この中から聞こえるようだ

【………だ………誰、か…………】
「…まだ生きてたのか?」
【い、異世界の俺、か……ハッチが、故障して………出られなく…なった………助けて……くれ……】
「っ……この期に及んで『助けろ』だと? 本気で言ってるのか?」
【頼む………まだ、死にたく……ない………助けて、くれ………!!】
957 :夢幻泡影 † 盛者必衰  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/14(金) 23:42:43.81 ID:MwLwHcYh0
強く握り締めた拳を、どこを狙うでもなく振るった

「ふざけるな!! そうやって命乞いした人間を、お前は何人殺したんだ!?
 情けないだの、醜いだの言っていたお前が今更同じ事をするのか!? はらわたが煮えくり返るわぁ!!」
【すまな……かった……もう、誰も殺さない……世界征服も、諦める……奴隷も解放する………
 だ、から………ここから、出してくれ……たす……けて………】

涙声に近い声で強く懇願する
ぷるぷると「ティルヴィング」を携えた手を震わせ、裂邪は一歩、また一歩とジェノブレイカーのコクピットに歩み寄る
そして彼はゆっくりと、白刃の剣をコクピットに向けた

「…分かった、叶えてやる、お前の願い」
【……あ、りが、とう……助かった――――――――】
「今すぐ楽にしてやる」

コクピットの中央に、秀麗な剣を突き刺した
中から苦悶の声が漏れ出てくるが、構わず裂邪は「ティルヴィング」でコクピット内を抉るように剣を上下させる
その行動を何回やっただろうか、声が聞こえなくなったのに気付くと、彼は勢い良く「ティルヴィング」を引き抜いた
剣が刺さっていたところから、つぅ、と紅い筋が走る

「………殺された“俺”達の分だ……あの世まで持っていきやがれ」
『ギハハハハハハハ…おめでとうマスター、これで君も晴れて殺人鬼、僕の同類だ』
「黙れ! お前なんかと一緒にすんじゃねぇ!!」

力任せに、紫のもやを纏った「ティルヴィング」をバックルに翳すと、金の柄の邪悪な剣は、瞬時に紫色のパスに戻った
彼は紫のパスをベルトのホルダーに仕舞うと、踵を返して影に足を踏み入れようとした
直後、胃の奥から込み上げるものをその場で解放した



――――――人間を殺した



その事実が強く、深く、彼の心に刻まれた












裂邪が脱出に成功した後
「UFO」の母艦は、何千もの「エイリアン」と何百もの「ミュータント」を乗せたまま、
学校町の赤く染まりかけた空の下で、爆音を轟かせて爆散した
ある少年の、大きな野望と共に


   ...To be Continued
958 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/14(金) 23:48:09.45 ID:MwLwHcYh0
前回は>>915-919です
2話に分けて書いた割にあっさりやられすぎて作者自身が不完全燃焼
いつか加筆修正したいところ


とりあえず、軍服裂邪は死亡、実は『夢幻泡影』本編では初の裂邪による人間殺害シーン
因みに、あと2話+αを書いて、「三つ巴」編はめでたく(?)終了です
この土日、下手したら明日中に終わるかも知れん
その後は1話だけ書いて話数調整して、28日になるまで『夢幻泡影』はお休み
959 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 00:01:54.42 ID:0bFSe2xj0
ついでに

『シュヴァルツ・リヒト』=独語で「黒い光」
『シュヴァルツ・リヒト・スターク』=『スターク』は独語で「強い」。『スーパー』、みたいなノリで命名
『全土滅殺 天征破』=遊戯王GXで登場した混沌幻魔アーミタイルの必殺技名
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/10/15(土) 07:07:40.61 ID:xmmAPoqAO
【ニャンコとワンコ】

街角で若い男が女性に声をかけている
「なぁ、そこのお嬢さん…お茶でもどうだい?」
「へ?何で見ず知らずの貴方http://nk.syosetu.com/novelview/contents/ncode/n7349i/とお茶何かに行か…ない…と………えぇ、いいわよ」
不機嫌そうな顔を女は見せたが暫くすると男に向かい、にこやかな笑顔を見せた

〜数時間後〜
「あの人は何処に行ったのかしら…素敵な人////」
キョロキョロと顔を赤らめながら男を探す女
探されていた男は数十メートル離れた地点でにやけていた
「フヒヒ…能力条件で暫くしたら姿を眩ませなくてはいけないのが面倒だが…『ガンコナー』と契約したお陰で女共は俺様にメロメロだぜ。それにしても今日は猫が多いなシッシッシッ…」
そして猫を追い払いながら歩き出す男の目に又獲物が映りこんだ
(胸は…無ぇが……顔と体つきは上物だなコリャ、久々に頂きますかねぇ)
ゲスな事を考えながら男がパーカーの女の子に近づきお決まりの台詞を吐く
「ねぇ、そこの君…僕とお茶しない?」
「いいよ…じゃあ、そこの曲がり角のカフェに行こう」
先に歩き出すパーカーの女の子
「え?…あぁ、うん」
男は一瞬ポカンとするも相槌を打ち、先に歩き出した相手を追いかける
(気のせいか人心操作が速い気が…もしかしたら使い込んでレベルアップでもしたとかか!?…グヒヒ、それなら他にもあんな事やこんn)
「着いたよ…クズ野郎」
ゲスな考えを頭の中に羅列していた男に見透かしたようにパーカー女が冷たく言った
「は…?」
考え事をしながら歩いた為に周りをよく見ていなかった男は、着いた場所を見て驚いた
「何だよ此処…廃工場じゃねぇか?…それにクズだと…クソアマが」
本性を表し怒りの表情を見せる男、それに対しパーカーは…
「アンタが能力使って…女の子に酷いことしてんのは全部知ってるんだよ…クズでゲス野郎め」
更に二割ましの威力で馬鹿にしている
「チッ…契約者か、だが契約者でも女ならば質力を上げれば落とせるんだよ…膝間付きなぁ…ヒャハハハッ」
男が余裕の高笑いをしている―しかし…
「悪いけど効かないよ…ワンコ殺れ」
パーカーは男に全くなびく様子も無く、それどころかいつも
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]:2011/10/15(土) 07:24:21.81 ID:xmmAPoqAO
間違って書き途中のを送信してしまった…見なかったことにしてくださいorz
962 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 09:51:52.69 ID:0bFSe2xj0
ごめんなさい、続きが気になり過ぎて眠れませんorz(まだ朝だ
完成を楽しみにしておりますの
963 :1レスネタ[sage]:2011/10/15(土) 10:15:23.10 ID:Gzbd1pMSO
何処か、『組織』を敵とする集団のアジトに少女はいた。
「腹ぺこだー」
まだ、小学生低学年にしか見えない少女は、自分が縄で縛られている事も気にせず、暢気に言った。
そんな緊張感の無い少女の閉じ込められている部屋の扉が大きな音をたてながら開く。
「こいつか」
そして、長身の顔の恐い男が、部下らしい集団を引き連れて部屋に入ってくる。
「はい、ボス。『組織の敵は許さないぞー』とか叫びながらここに真正面から突撃してきまして。普通なら[ピーーー]んですが。まだ子供でして」
「能力は?」
「それが、ただのナイフ持ってただけでして。取り押さえる時も能力を使わなかったんで、契約者なのは確かなんですが、何の都市伝説なのかは」
「お兄さんが、ここで一番偉い人なのー?」
男が部下と話ししているのも気にせず、唐突に少女は尋ねた。
「そうだ。で、だ。お嬢ちゃんは何しに、き……た…………?」
ふと、奇妙な事に気がつく。何故か少女の胸が徐々に膨らんでいるのだ。
そして、危険を感じて男が逃げようとするより早く、男達のアジトは「爆発するシリコン」によって吹っ飛んだ。

何処か、『組織』の施設に爆発した少女と全く同じ少女が、三人いた。
「あー」「死んだー」「黒服さんー?」
「ん、どした?」
「爆発したー」「一人いなくなったー」「補充ー」
「頑張れよ」
そう言って、「世界には自分と同じ顔の人間が三人いる」と契約していた黒服が少女の一人を撫でると、
「がんばるー」「組織の為にー」「過激にー」「ドカンとー」
少女は一人、増えていた。
ただ、爆発する為だけに。
964 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 10:28:34.04 ID:0bFSe2xj0
1レスの人乙です〜
怖いし怖い、おまけに怖い(うるせぇ
何と言う自爆特攻型綾波レイたん…

しかしあれだね
ロリっ子を増殖できるとはなんてけしからん能力だ
一人壊れたら(無論性的な意味で)別の一人に乗り換えたら良いし
すげぇ便利、やべぇ契約したい(逮捕
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/15(土) 18:21:05.41 ID:9ix2b0G70
乙でした
成程自爆か……
補充の辺り面白いアイディアだなあ
966 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/15(土) 22:43:59.29 ID:9ix2b0G70
【鬼ごっこ 第七話「かげおに」】

「ただいまー」
「只今帰りました。」

 茉莉と一美が同時に部屋のドアを開けて中に入ってくる。

「お帰り。思ったより早かったね。」
「それが大変だったんだよたちばなさん。」
「師匠、学校にも奴らの襲撃が。」
「……なに?」
「なんか雪女みたいなのが出てきて……。
 病院に運び込まれちゃった子も居るの。」
「雪女か……相当な力だったんだろうが一美一人で対処できたのか?」
「いえ、飯島師叔が。」
「へえー……陰陽省から派遣された補助要員って飯島か。」
「はい、雪女を一刀のもとに切り伏せて封印していました。」

 安心したようにため息を吐くたちばなさん。
 下弦先生と知り合いなのだろうか。
 というか師叔ってなに?

「やめてくれ、俺は苅藻さんの弟子なんかじゃあないからな。」
「お二人とも彼女の愛弟子だったと聞いてますが。」
「そうなんだけどー違うっていうかー」
「ねえたちばなさん、苅藻って……」
「君のお母さんだ。私も下弦も世話されっぱなしだったよ。」
「ねえたちばなさん、私お母さんの話聞いてみたいなあ。」
「解った。食べながらゆっくり話そう。
 それに……そろそろ君を狙う敵についても話さなくてはいけないからね。」
 
 たちばなさんは珍しく真剣な顔で私を見つめていた。
967 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/15(土) 22:44:42.55 ID:9ix2b0G70
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ショパン、英雄ポロネーズ。」

 所変わって高級そうなクラブ。
 ドレスの女性がピアノを引いている。
 彼女はフォーチュンクローバーの一員。
 今日は新人のスカウトが終わった下弦の報告を聞きに来たのだ。

「伊坂さん、また腕を上げましたね!」
「あら下弦ちゃん、もう来たの?
 貴方の為に練習中だったのにどうしましょう。
 その様子だと……新入りの子は話を大人しく聞いてくれるタイプの子だったみたいね。
 あなたのデータとは違うみたいだけど。」
「ええ、予想外の事態が起きてましたから。」
「お孫様、お飲み物の用意ができております。」
「ははは、済まないな黒岩。
 ……なんだこれは、私が好きなのは黒龍だぞ。」
「お孫様、まだ夜も早いうちからお酒はお控えくださいませ。」
「むぅ……解った。」
「伊坂様はお飲み物のお代わりは?」
「いいわ、今すっごく調子が良いの。」

 そう言ってドレスの女性、伊坂紅子はピアノを再び弾き始める。
 詩を朗読しながら眼鏡の男性が部屋に入ってくる。

「下馬飲君酒(うまよりおりて きみにさけをのましむ)
 問君何所之(きみにとう なんのところぞゆく)
 君言不得意(きみはいう いをえず)
 帰臥南山陲(なんざんのほとりに きがせんと)
 但去莫復問(ただされ またとうことなし)
 白雲無尽時(はくうん つくるときなからん)
 ああ、影山さんがこんなにも早く天に召されようとは……。
 たしか……あれが最後の依頼だと聞いていただけに胸が痛みます。」
「これはこれは村上さん、貴方も随分早く来ましたね。」
「勿論だよ下弦ちゃん。」

 洒落たスーツに身を包み、王維の詩集を携えた青年。
 名前は村上恭司、彼もまたフォーチュンクローバーの一員。
968 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/15(土) 22:45:47.78 ID:9ix2b0G70
「影山さんを倒したんだろう?
 彼には悪いが正直興味は湧くさ。
 ところで秋月さんはどこだい?」
「む、まだ来てないみたいですね。」

 物音が鳴る。
 全員がその方向を見る。
 呑んだくれている青年。
 おつまみはお団子である。

「いつの間に来てたのですか?」
「秋月様は最初からいらしてました。」
「え?」
「うそ?」
「知っていたなら言ってくれ、黒岩。」
「申し訳ございません。」
「じゃあ全員集まったしフォーチュンクローバーの報告会を始める。
 承認していただけるかな?」
「ああ。」
「私は構わないわ。」

 秋月が頷く。

「では報告を開始します。
 まずは前回の報告の通り影山氏は死亡しました。
 死因は心臓を抜き取られたことによるショック死。
 犯人はフリーの契約者であり、我々に敵対する意思を見せなかった為勧誘。
 勧誘した結果、素直に我々の提案を受け入れてくれました。
 名前は蒼崎蓮、都市伝説はジーナ・フォイロです。
 影山氏の遺児の世話をしているので我々としては彼女に譲渡される予定の遺産の管理を委託したいとも思っています。」
「信用にたる男なのかい?」
「少なくとも正義感に溢れた人間です。」
「人を襲うのが大好きだそうだけど。」
「彼は化物の義務と言ってました。」
「ははーん、自分が人間じゃなくなったと思って自暴自棄気味な口か。
 影山さんの娘の面倒を見ているのは心の何処かで善良さを捨てられないからってところだろう。」
「恐らくそう思われます。」
「不安だなあ。」
「確かに、表に出ている彼では不安でしょう。」
「表?」
「蒼崎蓮は過去にアフリカでテロ組織“ゲルダム”に改造手術を施され、暗殺者として訓練されていました。
 そのトラウマで二重人格になったと見られます。
 表の方は自らを化物と思い込み、悲しみという感情を失った飄々とした世捨て人。
 裏の方は……まだ直接会ったことはないのでわかりませんが……
 恵まれない国の人々の為に尽くし続けてきた先に絶望した人間である以上、我々の需要には合うタイプだと思われます。」
「ほう、じゃあ様子見ってことにしようかな。」
「その人、芸術は解するのかしら?」
「絵を描いていました。」
「まあ素敵。」
「ヘタでしたけどね。」
「上手い下手ではないわ。素朴で味が有るってこともあるしね。」
「お二人は基本的に文句無しってことでいいのかな?」
「ええ。」
「悪くありませんわ。」
「秋月さんは……?」

 秋月は頷く。

「では承認ということで。」
「それよりも下弦ちゃん、苅藻の娘には接近できたの?」
「はい、恐らく信用はされているかと。」
「流石、上の上だけはありますね。」
「私も貴方みたいな先生が欲しかったわ。」
「作戦の都合が整い次第彼女を生贄にして“計画”を実行に移します。」
「その時こそ、我らの“新皇”が降臨ってわけか。」
「楽しみね。この世の中には英雄が必要だもの。」
「それでは引き続き力をお貸し下さい……我らが大義の為に。」
「無論」
「任せて頂戴。」

 秋月はにこりと微笑む。

【鬼ごっこ 第七話「かげおに」 to be continued】
969 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/10/15(土) 22:48:17.17 ID:9ix2b0G70
武者修業と平行して切りの良いところまで投下
執筆速度の極みまで……
一日10kbくらいは書けることが解った今日この頃でした
970 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 23:05:35.64 ID:0bFSe2xj0
笛の人乙です〜
フォーチュンクローバー全員顔出しか・・・
村上さんの名前見てドキッとしたのは秘密で良い(
俺の茉莉ちゃんが生贄とな…心配だけどwktk
971 :夢幻泡影 † 帰ろう  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 23:28:30.00 ID:0bFSe2xj0
【前回:>>954-957


「…本当に……終わったの……?」

爆煙が風に消える様子を眺めながら、サクヤはぽつりと誰に訊くでもなく呟いた

「あぁ、終わったよ。もう逃げなくてもいい
 助かったんだ、お前の世界も、俺の世界も…違う“俺”達の世界も」

裂邪が微笑みを浮かべてそう答えると、
彼女はその場にぺたん、とへたり込んでしまった
そして、

「……良かった……よかっ…たぁ……」

しゃくり上げ、大粒の涙を零し始める
それを見て、ミナワがそっと彼女の傍に寄り、宥めるように肩を支えた

「うおおおおおおおおおおおおん!! あっしも涙が止まらねえええええええええ!!」
「っちょ、テメェが泣いてどうすんだ!?」
「…ま、まぁ、一件落着って事で良いのか;」
「少シ気ニナッタノダガ……サクヤ、ト呼ベバ良イノカ?」

シェイドに呼ばれたサクヤは、涙を拭って顔を起こし、彼の方に目を向けた

「感傷ニ浸ッテイルトコロ申シ訳ナイノダガ…オ前ハ、コノ後ドウスルノダ?」
「へ?……あ、」
「そっそうですよ! サクヤさんはこの世界の人じゃないから……」
「やべぇじゃねぇか!? お、おい、あの零人とか言う奴呼んで来い!」
「理夢の旦那ァ、それが出来たらとっくにサクヤの姐御を元の世界に帰してあげてやすぜ!?」
「いや、それなら――――」
「心配してくれてありがとう…でも、私は大丈夫」

脚についた塵を払い、サクヤは立ち上がる
そして、両掌を合わせるようにして構えると、手の中でほんの小さな黒い塊が出来上がる

「さっき、ブラックホールの中で、色んな世界に繋がってる道を見つけたの
 穴だらけの、虫喰い穴の道が」
「虫喰い…ワームホールか」
「そう…その中に、私の世界も見えた
 だから、ブラックホールをくぐって帰れると思う
 ……これで、お別れだね」

表情を曇らせ、俯くサクヤだったが、
すぐに首を振って顔を上げ、笑顔を作って話を続ける
972 :夢幻泡影 † 帰ろう  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 23:28:58.81 ID:0bFSe2xj0
「この世界に来たのは、偶然だったけど…
 私、この世界に来て……ううん、あんた達に出会えて良かった
 もっと違う時に出会えたら、ずっと一緒にいたいくらいだったのに
 …向こうに戻ったら、一人になっちゃうから寂しくなるかもね」
「一人じゃないよ、お前は」
「え?」
「寂しくなったら思い出せよ
 俺達は、お前の心の中にいるから
 会いたくなったらいつでも来いよ
 ずっとこの世界で、お前の事待ってるから
 今日から俺も、こいつらも、お前の友達……いや、“家族”だ」

裂邪が言い終わると、シェイド達はそれぞれ微笑むなり頷くなりして、彼の言葉に賛同した
サクヤはまたも目を潤ませ泣き出しそうになったが、すぐに拭ってまた笑みを作る

「…皆……本当にありがとう! それじゃ、私は…」
「あ、そうだ、サクヤ」
「?」
「信じろ。自分の心を信じて正直になれ
 そしたら絶対に良い事があるからさ
 …これを心の中に大事にメモしておけよ?」

何だか分からなさそうに首を傾げたが、こくん、と首を縦に振って了承した
そして、彼女は黒い小さな塊に手を触れた

「それじゃ、皆……いつか、未来で!」

直後、彼女の姿と小さなブラックホールは、その場から忽然と消えた
残ったのは、彼女と共に過ごした極僅かな時間を振り返っている、裂邪達だけだった

「……行っちまったな、女の主」
「向こうでも元気でやってくれると良いんですがねぇ」
「ところでご主人様」
「ん?」
「さっきの言葉…どういう意味ですか?」
「あぁ、あれか
 はっきり言えば、『15歳はロリ』ってことだな」

スマホを操作しながら、彼は家路を辿り始める
全員が、「何言ってんだこいつ」とでも言いたそうな顔をしている

「ロリっ子の願い(ワガママ)は、ババアのそれより強いってことだよ
 あ、もしもしローゼちゃん? いや実は折り入って頼みが――――――」

そう付け足すと、彼は受話器を耳に当てて誰かと話し始めた
シェイド達は暫く顔を見合わせて考えたが、何かに納得したように「あぁ〜」と声を揃えた
973 :夢幻泡影 † 帰ろう  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 23:29:29.44 ID:0bFSe2xj0
     †     †     †     †     †     †





すとん、と少女―――黄昏 裂邪(サクヤ)は住宅街に降り立った
先程と場所は同じだが、そこには彼女とは別の裂邪達の姿は無い
ここは、彼女が元々いた世界だ
彼女は手を組むと、ゆっくり伸びをした

「……んー、何だか懐かしい気がするなぁ…まだ数時間しか経ってないのに」

呟き、ちらと後ろを振り向く
誰もいないが、彼女にはそこに裂邪やシェイド達の幻影が見えた
そっと胸に手を当てる

「家族、か……変態だけど、案外カッコよかったかも、あいつ
 …『お兄ちゃん』くらい呼んでみたかったかな」

くすっと笑い、彼女は何となく、家路に向かって歩き出した
その時だった

「裂邪ー!」
「……え!?」

己を呼ぶ声に反応して顔を上げた
驚くのも無理は無かった
こちらに向かって駆け寄ってくる2つの影
それは紛れもなく、自分が“殺した”と思っていた2人―――彼女の両親だったのだ

「裂邪ぁ!」
「良かった、無事だったんだな!」
「え……お父さん、お母さん……? 何、で……?」
「何でって、お前が助けてくれたんだろう?」
「そうよ、ブラックホールで私達だけ外に逃がしてくれたんじゃない」

何が起こっているのか分からなかった
ただ、彼女は心の底から込み上げる想いを止める事は出来なかった

「ぐすっ……お父さんっ!お母さんっ!!」

嬉しさの余り、泣きじゃくりながら2人を目一杯抱きしめるサクヤ
そして彼女は心の中で、感謝の想いを天に捧げた



――――――ありがとう、もう一人の“私”



   ...To be Continued
974 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 23:32:32.22 ID:0bFSe2xj0
あと1話で「三つ巴」編終了っと
どうせ誰もいないからいっそこのまま書ききってやろうかしら♪


まずは新スレ立ててくるわ
975 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/15(土) 23:37:34.94 ID:0bFSe2xj0
と言う訳で新スレ↓

ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/
976 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/16(日) 00:17:00.45 ID:wdgyrkDK0
シャドーマンの人乙ですー
977 :思考盗聴警察 ◆AaMV0hIAII[sage]:2011/10/16(日) 00:54:24.41 ID:KcqsUFO20
なす板
978 :夢幻泡影 † 拭えぬ罪  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 00:54:25.74 ID:b7dIKz4C0
「…………んぅ」

不意に、ミナワはぱちりと目を覚ました
時は「UFO」での激戦が繰り広げられた日の深夜
月明りに照らされたベッドの上で起き上がると、隣で寝ている筈の裂邪がいない事に気づく
その後すぐに、悲しげに窓の外の月を眺めて立っている彼の視線に気づいた

「…あ、悪い、起こしたか?」
「いえ、何だか眠れなくて」
「そっか…まぁ、あんな事もあったしなぁ」

ヒヒッ、と小さく笑う裂邪
彼女は布団を退けて、スポーツブラとパンツだけの姿を晒して立ち、裂邪の元に歩み寄った

「…今日は本当に、お疲れ様でした」
「あぁ、ミナワもよくやってくれたよ、ありがとう」
「それで、あの……」
「ん、どうした?」

途中で言い淀んだミナワの顔を覗き込むようにして、裂邪は彼女に尋ねる
暫くは彼女もそうしていたが、意を決したように話し始めた

「…実は私、見てたんです。ご主人様が煙の中に消えた後、何をなさってたか」
「――――――――っ!?」

驚きの余りに、彼は一歩後ろに下がった
崩れゆく母艦内での凶行―――異世界の“自分”の殺害

「……ごめん…嫌なもの見せちまったな」
「そんな、謝らなくても…私が、勝手に見ただけですし…」
「…俺さ…ようやく、分かった気がするんだ」
「え?」
「ローゼちゃんが俺に人を殺させたくなかった理由
 レクイエムちゃんが人を殺すのを止められなかった理由」



―――殺人は麻薬ですわ! 1度人を殺してしまえば、歯止めが利かなくなって人を変えてしまう……



―――最初は、大人共だけを殺すつもりでいた。そうするだけで、私の殺意が晴れるはずだった……
979 :夢幻泡影 † 拭えぬ罪  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 00:54:57.75 ID:b7dIKz4C0
「「ティルヴィング」を刺した瞬間の、あの何とも言えない感触が今でも忘れられない…
 吐き気を催すような、でもどこか解放感に満ち溢れたような、そんな感覚に襲われたんだ
 あの感覚を欲した人間が、ナユタみたいな殺人鬼に変わってくんだろうなと、そう思った」

震える身体を抑え込むように、彼は己の身をひしと抱きしめた
自然と、涙が零れ始めていたことに、彼は気づいていなかった

「俺……自分が怖いよ
 あの誘惑に負けたら、どうなっちまうんだろうって
 ただ自分の欲の為に我武者羅に人を殺すようになっちまうんじゃないかって
 そんなこと考えてたら……俺……」
「……裂邪」

ミナワは、そっと優しく、裂邪を抱きしめた

「………ミナワ?」
「そんなに、自分の事を責めないで下さい
 私は、人を殺す事が正しいとは思いません
 ですけど…あの場合は、私も同じ事をしたと思います」
「っ………」
「裂邪が今抱え込んでる苦しみは、きっと、私なんかにはこれっぽっちも分からないと思います
 だから、どんな言葉をかけたら良いのかも、分かりませんけど…
 でも、裂邪のした事は、間違い無く色んな世界の人々を救いました
 嫌な事は全部忘れろとは言えませんけど、そう考えた方が楽になると思いませんか?」

必死に言葉を選びながら、裂邪を宥めようとするミナワの姿に、
彼は心を打たれ、ハグのお返しをした

「ふあっ…」
「ありがとう……うじうじしてるのは俺らしくなかったかな」
「そうですよ。でも、あんな事をしてすぐに開き直る人でもないって事は、私も分かってましたから」
「…ウヒヒヒヒ、やっぱりミナワは凄いよ」
「裂邪ほどではありませんけどね♪」
「どこ触って言ってるんだ;」

猥談も交えながら、裂邪の顔に笑みが戻った
すると、彼はミナワをお姫様抱っこしてベッドに運ぶ

「うひゃんっ、あ、あのっ、裂邪?」
「ところでさ、下着姿で抱きしめられたあげくにアンナトコロ触られるとね、主に腰から下が元気になっちゃう訳ですよ
 と言う訳でミナワ…久しぶりに」
「…も、もぉ、いつもの裂邪じゃないですかぁ、心配して損しちゃいましたよぉ…」

むすっと頬を膨らませる彼女に「ごめんごめん」と謝ると、
裂邪はミナワの唇に己の唇を重ねた


   ...To be Continued
980 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 01:00:02.62 ID:b7dIKz4C0
もっと長々と書きたかったんだが、まぁいいや
さぁて誰もいないから楽しい楽しい穴埋めタイムだ、誰か雑談のネタ提供よろ
どうせ咎める奴なんて来ねーだろうからエロい話題がいいなーウヒヒヒヒヒ(←何かぶっ壊れ中


>>977
>ID:KcqsUFO20
>Kcqs UFO 20
IDすげぇwwwwwwwwwww感動したwwwwwwwwwww
981 :思考盗聴警察 ◆AaMV0hIAII[sage]:2011/10/16(日) 01:01:21.78 ID:KcqsUFO20
シャドーマンの人、乙です〜
UFO編はこれで終わりか
前半はれっちゃんらしくないほどシンミリしてる癖に
後半は…れっちゃんもげろ

そして俺も今日から思考盗聴警察
さらにはIDがUFOとなってる件について
982 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 01:05:06.16 ID:b7dIKz4C0
>>981
>UFO編はこれで終わりか
一応はこれにて終了
ただ『赤い幼星』で、この爆破した「UFO」の所為で一悶着あるので、明日はそれを書く予定

>後半は…れっちゃんもげろ
上記の『赤い幼星』の話書き終えたら、またもげろなシーン書くんだ…
先にここで言っておこう、鳥居を探す人に土下座orz
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2011/10/16(日) 01:40:29.20 ID:TdnLAk+so
 下半身のないきみが線路の側にいたのを見付けたのはたまたまだ。
 たまたま、きみが寂しそうにしていたのが目に入った。
 次の日も、その次の日も、その次の次の日も。
 ただ寂しそうに、きみはそこにいたから。
 あまりにも寂しそうにしていたから。
 ぼくは思わず声をかけてしまった。

 きみが『テケテケ』という都市伝説だとわかっていても声をかけたのはきみの横顔に見惚れたから。
 いつまでも見ているだけじゃ埒が明かないから。
 ぼくと、きみとの距離が縮まらないから。
 だから声をかけた。

 口下手なぼくが都市伝説とはいえ女の子に声をかける日がくるなんて今でも信じられない。
 今のぼくはきっと声をかけていないだろう。

 声をかけた時のきみは、とても驚いた顔をしていたね。
 まさか自分に声をかけてくる人間がいるなんて思いもしなかったんだろう。

 でも、あの時のぼくは声をかけずにはいられなかった。
 きみの力になりたいなんて正義感溢れる理由じゃなく、きみのことが知りたかったから。

 下半身がない、人間じゃない、そんなのはどうでもよかった。
 きみの横で、きみの笑顔が見たかった。
 ただそれだけだった。
 ――ぼくはきみに恋していたんだ。

 声をかけられて驚いたきみの顔、顔を真っ赤にしたぼくを見て笑う顔、拗ねて頬を膨らませた顔。
 どれもこれも愛しかった。
 寂しそうな顔が消えたことが、ぼくのちっぽけな自尊心を満たしてくれた。

 でも――ぼくは知らなかった。

 きみが女の子じゃなくて男の娘だったなんて。
 下半身がないから騙された。

 都市伝説なんて大嫌いだ!
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2011/10/16(日) 01:42:12.03 ID:TdnLAk+so
>>953
>>952ではないが書いてみた。
下半身って大事ですね。
985 :以下、名無しにかわりまして フルシアンテ がお送りします[sage]:2011/10/16(日) 01:50:42.02 ID:x9Iocb9L0
>>983
ど、どうやって男の娘だと確認したのかを
おしえてくれるかい……(ドキドキ)
986 :ソニータイマー[sagesaga]:2011/10/16(日) 09:22:01.11 ID:wdgyrkDK0
>>985
匂いとか、骨格とか?
987 :シャドーマンの契約者@Xperia[sage saga]:2011/10/16(日) 09:36:46.94 ID:5cJAKHIT0
話してたら自ずと分かってくるんじゃないかしら(リアル思考やめろ
988 :思考盗聴警察(偽) ◆AaMV0hIAII[sage]:2011/10/16(日) 13:38:39.29 ID:+XvsvIaso
男 「いい夜だね」
テケ「ぼくもそう思う」
男 「(僕っ子きたー!) と、ところで俺の怒りん棒を見てくれ、コイツを咥えてみないか?」
テケ「ふええ、僕男の子だよぉ」
男 「な、に・・・?」

こうだな
989 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 15:59:06.56 ID:b7dIKz4C0
>>988
これはあれだな
いっそ男の娘に目覚めて共同生活すべきそうすべき
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/16(日) 17:33:17.32 ID:OyvN6zZDO
ヒラコーめ…
やっぱりサンジェルマンはそのろせんか…
でもそこまで堂々とカマカマさせるとは思わんかった
負けた、キャラメイクの上手さで負けた
991 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 19:28:03.95 ID:b7dIKz4C0
あと10レス…このレスがつけばあと9レスになる
誰か話題をくれ! じゃないと地球が危ない!(
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/16(日) 19:42:50.72 ID:eFaRBUZSO
切れ目がグロい
ていうか入れる下半身がない
果たしてテケテケと行為は成せるのか否か
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/10/16(日) 19:47:31.20 ID:+XvsvIaso
世の中猟奇趣味というのもあるし
上半身はある
成せるか否かでは成せるだろう
994 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 19:49:34.85 ID:b7dIKz4C0
胸があれば十分だという意見も
995 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 20:09:49.77 ID:b7dIKz4C0
でもあれだな
イメージしたけどやっぱり下の口がないと物足りんな…
パ○ズリで事足りるとか甘く見てたがそうはいかなさそうな
996 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/10/16(日) 20:11:51.89 ID:HOZxC0mAO
口さえついてr(燃やされました)

今ちょっと個別に感想書けないですけど
投下された皆様乙でしたー
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2011/10/16(日) 20:13:09.65 ID:IPchy05+0
愛があればそれで十分さ……
998 :ミルクティー[sage]:2011/10/16(日) 20:17:08.63 ID:SyCM9ccAO
トコトコ『ヨンダ…?』

アリ…なのかな?
もうそれじゃ合体ロb(ry
999 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 20:18:17.64 ID:b7dIKz4C0
>>997
(北海道)の文字列の所為で、その発言が50%疑わしく思えてしまうのは何故だろうか
1000 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/10/16(日) 20:18:51.16 ID:b7dIKz4C0
ラスト!誘導!

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