VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:37:35.96 ID:91wP4Hsmo<>
基本的に遅筆です。
適当に淡々と続けていこうかとと思います。
軽い息抜きのつもりで読んでくれればこれ幸いです。
では↓から始まり始まり。<>女「私の机が擬人化した」 机「あ、おかえりなさい♪」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:38:27.44 ID:91wP4Hsmo<>
クソだるい仕事が終わってマンションに帰ると机が無くなっていて、物が散乱していた。
散乱というかなんと言うか、机の上にあったものだけ落ちている。
その机があった場所に長い黒髪の美女が立っていた。
女「……。」
美女「あ、おかえりなさい!」
女「いや、アンタ誰かしら」
美女「見て分かりませんか!」
女「生憎アナタみたいな美女に見覚えが無いのだけれど」
女「てか、あそこにあった私の机をどこやった?」
美女「分かってるじゃないですか!さすが飲み込みが早いですね!」
女「……、」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:39:23.67 ID:91wP4Hsmo<>
話が通じない。
強盗と会話しようとしたのがそもそもの間違いだったか。
今の時代こんな綺麗な女でも強盗しなければいけないのか……世知辛いな。
女「可哀想だが、警察に明け渡すしかなさそうだな」
女「あまり稼いでいないものでな、部屋に金目のものはないんだ」
美女「はい?女さん何か勘違いしていませんか?」
女「勘違いだと……ん?おい待てお前の着てる服って──」
美女「──はい!素っ裸で出迎えるのもアレかと思いましてお借りしました」
美女「すこし胸のところが窮屈ですけれども、それ以外は大丈夫です」
女「てか私のこと【女】と呼んだか……?」
美女「……?何不思議な顔をしているんですか?」
女「警察は後にするとして、お前……そこにあった机って──」
美女「──はい!私です!!ようやくお話しすることが出来ましたね女さん!」
これが、私と机が出会った日の出来事であった。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/26(月) 10:39:52.32 ID:N2bsdNHSO<> ふむ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:40:24.82 ID:91wP4Hsmo<>
─1週間後─
女「いや、冷静に考えて何で机が擬人化すっかなー」モグモグ
女「普通に考えて猫とか犬とか鳥とか動物だろ」
美女「付喪神ってヤツじゃないですか?」ハムハム
女「ほう、なるほどな。確かに長い間使っていたが」
ワンルームマンションの中心でちゃぶ台を囲み食事をとる二人である。
1週間前の女であれば仕事を終えコンビニ弁当を机の上に置いて食べる日常であったが
今、その机は目の前の美女になっていた。
女「実家から出るときに爺様の遺品の机だけもって出てきたが、まさかこうなるとはな」
美女「私はお父様が亡くなった後はずっと物置にしまわれていましたけれど」
女「まぁ爺様が生きてた頃に私も使っていたからな。愛着がわいたというかなんと言うか」
美女「あの頃の女さんは小さくて、とても可愛らしかったです」
女「……机だった頃の記憶とかあんの?」
美女「はい!お父様に作られてからこうなるまでの記憶は全部あります」
美女「たとえば先月私の上でムラムラして──」
女「おい、それ以上言うな……」
美女「うふふ、汚されたお返しです」
女「はぁ……やっぱお前腹黒いよな」
美女「何のことやら」
女「しかし無趣味で金を使わないからといって、二人分の食費は結構キツイな」
美女「まぁ女さん稼ぎ少ないようですしね」クスクス
女「いや、笑うんじゃねーよ。しばらくは貯金あるから良いけど……うーん」
女「お前ってご飯食べなきゃダメなの?」
美女「だ、だめですっ!」
女「まじかー……仕事増やすかなー」
美女「そういえば女さんの仕事の内容知らないんですけど、何の仕事してるんですか?」
美女「仕事に行く日もまちまちですし」
女「んー、なら一緒に仕事する?」
美女「……へ?」
女「仕事の内容は行けば分かるとして、助手として手伝って貰うわ」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:41:32.09 ID:91wP4Hsmo<>
◇ 次の日 ◇
女「さて、仕事行くぞ」
美女「ホントに私が行っても良いんですか?」
女「まぁ大丈夫じゃないか?車で行くけど……まぁ平気か」
美女「あまり外に出たこと無いので不安です……」
女「そういえばお前が爺様に作られたのっていつ頃なんだ?」
美女「えっと……女さんが4~5歳くらいの時ですかね」
女「年下……だと……?」
女「まぁ年齢はどうでもいいか。引きこもりだったのには変わりないだろう」
美女「引きこもりて!!机だったんだからしょうがないじゃないですか!」
女「ふふ……。まぁちっちゃい軽自動車だが助手席に乗ると良い」
美女「わーい!車にのるの初めてー!」ガチャ
女「引越しするときトラックに積まれただろ」ブロロ
美女「あれはノーカンです!」
女「仕事場までここから1時間程度だからまぁ適当にくつろいでいてくれ」
美女「おぉ……外はこうなっているのですね……」
女「この辺は都会だが、仕事場は田舎だから飽きるかもしれんぞ」
美女「あれが電車ってヤツですね!!すごい!はやい!そーろーやろう!」
女「聞いてないし……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:43:14.29 ID:91wP4Hsmo<>
美女「そういえば女さん、行けば分かるって言ってましたけどどんな仕事なんですか?」
女「んー……?何だろ……鼠退治みたいなもんかな」
美女「はい?」
女「猫の変わりに鼠捕まえようって仕事かな」
美女「もしかして、からかってます?」
女「ふふ、机だった割に頭が良いじゃないか」
美女「ぬー!教えてくれてもいいじゃないですか!」
女「もうそろそろ着くからソレまで我慢しろ」
女「──ほら、着いた」
美女「お、おおおぉ!?」
美女「すごく大きなお屋敷です!あそこが仕事場なんですか?」
女「そうだな」
女「騒ぐのは後にして行くぞ」
美女「はい!(すごい大きなお屋敷だけど、こんなところで何の仕事をするんだろう?)」
美女「……(まさか本当に鼠退治……?ひえーもしそうなら大変そうだなー)」
女「机ー何してんだ置いていくぞ」
美女「ま、まってー!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:44:21.59 ID:91wP4Hsmo<>
女「さて、入るぞ」
美女「勝手に入っていいんですか?」
女「別に平気だろ……。それにしても何度来ても趣味の悪い家だな」
美女「うっ……あれは……?」
女「宇宙人の剥製らしいけど、どうみても偽者だろ」
??「ほっほっほ、それがいいんじゃないか」
女「ん?珍しいな、部屋から出てきてるなんて」
??「お主一人だったら部屋から出んがのう……珍しい客もいるものじゃし」
??「女の隣にいるべっぴんさんはどなたかな?」
美女「は、はひ……」ビクッ
女「私の助手の机だ」
??「ほっほっほ、そうかそうか助手か」
女「机、このクソジジイが【好々爺】っていう私に金を払ってくれる人間だよ」
好々爺「よろしくのう、机ちゃん」
美女「は、はい……」
女「安心しろ、見た目は妖怪っぽいが別に食べられやしないさ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:45:58.69 ID:91wP4Hsmo<>
女「それで好々爺──仕事の話だが」
好々爺「そうじゃの、仕事の話は部屋にてしようじゃないか」
女「そうだな。行くぞ机」
美女「!」コクコク
女「(怯えすぎだろ……)」
好々爺「よっこいしょっと……お待たせしてしまいましたね」
?「あ、いえ……」
好々爺「この夏も近いというのに暑苦しそうな格好をしているのが女という」
好々爺「年中このスーツでな、夏とか見てるこっちが汗をかくわ」
女「ほっとけ」
好々爺「そしてその隣のべっぴんさんが女の助手で机と言うそうじゃ」
女「女と言います。それで、今回の依頼主は貴女ですか?」
?「はい、私は隣の街の宿を経営している女将と申します」
女「隣の町の宿、というと……もしかして」
女将「はい、【座敷わらし】が出るという噂のあるあの宿です」
女「なるほど。それで、どうしてここに?」
女将「それが実は先週、不審火で宿の離れが燃えてしまいまして……」
女将「その焼けてしまった離れこそ座敷わらしの出る噂の部屋でして」
女将「最近座敷わらしが出たという話も聞きませんし、ご協力をと思いまして」
美女「って、えええええええええええ!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:47:48.67 ID:91wP4Hsmo<>
女「──静かにしろ。いきなりどうした」
美女「座敷わらしとか!!聞いてませんよ!!」
好々爺「なんじゃ女よ、仕事内容について話してないのか?」
女「ん、鼠退治って説明したろ」
美女「そんなんで分かるわけないじゃないですか!」
女将「あ、あの……」
女「あぁ、すいませんね。それでご依頼は──」
女将「はい、こういうことお話しするのもあれなのですけれども」
女将「最近不況で客足も遠のき……経営が困難になっていまして、それで──」
女将「あの宿を潰そうと思うのですが座敷わらしが居るのでしたら、と思いまして」
女「わかりました。では今から見に行ってもよろしいですか?」
女将「ええ、大丈夫です」
好々爺「じゃ、わしはここで待ってるぞ」
好々爺「助手の机はどうする?わしと一緒に待ってるかの?」
好々爺「ひっひっひ」ワキワキ
美女「ひぃ!いいいい行きます!」
好々爺「ほっほっほ。女の仕事振りをしっかりと見ておいで後でわしに報告してくれ」
美女「は、はひっ!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:49:01.56 ID:91wP4Hsmo<>
─隣町─
女「ここ、ですか」
女将「はい、離れはあちらになります」
女「立派な宿ですね」
女将「座敷わらしの噂のおかげでお金には困っていなかったのです」
女将「しかし不審火の後からぱたりと座敷わらしが出たという話を聞かなくなりまして」
女将「まぁ座敷わらしが出たというのはほとんどが離れの部屋でしたので、当然といえば当然でしょうかね」
女「なるほど、それで人が来なくなったと」
女将「はい。前は半年先まで予約で一杯でしたが全部キャンセルになりまして」
女「それで、一つ気になったのですが」
女将「はい、何でしょうか?」
女「女将さんは座敷わらしを見たことは?」
女将「……。この宿の従業員皆そのようなモノを信じてはいないのです」
女「ほう……」
女将「誰が言い出したのか知りませんが、座敷わらしの噂が一人歩きしただけで」
女将「誰も見たことはありません。故に誰も信じていないのです」
女「そうですか、ありがとうございます」
女将「いえ。……こちらが離れであります」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:50:45.46 ID:91wP4Hsmo<>
女「火事で怪我人はいなかったのですか?」
女将「幸いにもその日に離れの部屋が当日キャンセルになりまして」
女「キャンセル待ちなどはないのですか?」
女将「基本的にはありませんね」
女「しかし見事に燃えた後ですね(んー……)」
女「おや、あそこにいる子供は──」
女将「こら!!男!ここに来ちゃダメって何度も何度も言ってるでしょ!!」
男「っ!?」ビクッ
男「……っ」ダッ
女「お子様ですか?」
女将「はい……今年で小学4年生になる息子です」
女将「──不審火があった後なのでここへは危ないので来てはいけないと昔から言い聞かせているのですが……」
女「(……ん?)」
女将「まぁ女さんに依頼したのですから今日にでも解決しますよね」
女「ん、そうですね」
女将「ではよろしくお願いします。私は戻っていますので」
女「えぇ終わったらそちらに行きます」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:52:04.33 ID:91wP4Hsmo<>
女「で、いつまで黙ってるんだ?机」
美女「いえ……話についていけなくて」
女「おまえも妖怪じゃないか」
美女「わかるわけないじゃないですか!!」
美女「その……女さんって……妖怪を……?」
女「ふっ。勘違いしているようだが私は妖怪退治が仕事じゃないぞ、まぁ退治することもあるが」
女「基本的には妖怪がらみの厄介ごとを解決するのが仕事だ」
美女「は、はぁあああ〜……安心しました」
美女「てっきり私もそのうち退治されちゃうのかと……」
女「ふふ、そういう勘違いをしてくれると思ってな」
女「こないだの嫌がらせの仕返しだぜ」
美女「もー!」
女「さて、今回の依頼について頑張るとするか」
女「──と、その前に……男くんだよね出ておいで」
男「……!どうしてわかったの?」
美女「どうして分かったんですか?」
女「お前もかい、こういう仕事をしていると気配に敏感でな」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:53:06.94 ID:91wP4Hsmo<>
女「男くん、君は座敷わらしについて何か知っているね?」
男「!!し、知らないよ」
男「おねーちゃんたちも座敷わらしちゃんのことひどく言うんだ!」
女「それを言っちゃったら座敷わらしについて何か知ってると言っている様なものだぞ」
男「あっ!はめやがったな!!」ピョンピョン
美女「何この子可愛い……じゃなくて、どうしてこの子が座敷わらしについて何か知ってると分かったんですか?」
女「女将が言ってたろ、昔からここに来るなって言ってるってな」
美女「はぁ、それでどうしてこの子が座敷わらしについて知っていると分かるんですか?」
女「この離れが燃えたのは先週のことだし、昔からっていうのはおかしいと思って」
女「半分勘だけどね」
女「それで、男くん……私たちは座敷わらしに酷い事はしないよ」
女「この火事で怪我をしてしまっているかもしれないから、治そうと思って来たんだよ」
女「女将さんには内緒にしてあがるから、話してごらん?」
男「ホント??怒らない……??」
女「あぁ、大丈夫だ」
男「じつは……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:55:05.35 ID:91wP4Hsmo<>
ぼくが初めて座敷わらしちゃんに合ったのは去年の冬で
あの日、野球のボールが離れの方に行っちゃって探してたんだ。
??「ねぇ遊ぼ?」
男「だ、だれ!?」
赤い着物を着た僕と同じくらいの女の子だった。
僕と同じくらいの子はどうか知らないけど、僕は着物は見慣れていたから不思議に思わなかったんだ。
女の子「暇なの、遊ぼ?」
男「キミのお父さんとお母さんは?」
女の子「……わかんない」フルフル
男「お客さんの子供かな?じゃあお父さんとお母さんが帰ってくるまで一緒に遊ぼうか」
女の子「!!うん、遊ぼう!」パァァ
男「何して遊ぶ?」
女の子「ん……」サッ
男「あっ、それ僕の野球ボールだ!君が拾ってくれたんだね」
女の子「あそぼ?」ニコ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:56:34.73 ID:91wP4Hsmo<>
────────────
─────────
─────
女「なるほど、それで一緒にキャッチボールでもしたのか?」
男「ううん、グローブもなかったし……その、おままごと……してた……」カァァ
美女「おおぅ!!可愛いです!!」
女「ふーむ、それで?」
男「うん……気づいたら僕はお母さんの部屋で寝てたんだ」
美女「って、ええ!?どういうことですか?」
男「僕は離れの所で倒れてたってお母さんが言ってた」
女「その女の子のことを君のお母さんに言ったんだね?」
男「うん……、そしたらすごい怒られて……」シュン
男「もう離れに行くなって言われて……」
女「でも、君は──」
男「──初めて出来た友達だったから……!」
男「この宿の子だからって学校が終わったらすぐに家に帰ってお勉強しなくちゃいけなかったし」
男「僕の家には幽霊がでるって学校でいじめられて……」
男「だから行くなってお母さんに言われても、夜とかにこっそりあの子のところに行ってた」
男「だけど先週……うっ、うぅ……」ボロボロ
女「落ち着いて、慌てなくていいから先週何があったのか言ってごらん?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:57:56.89 ID:91wP4Hsmo<>
男「学校の帰りに会った男の人にお花を貰ったんだ……」
女「花?」
男「うん、【女の子が喜ぶお花だよ、プレゼントにどうかな】って」
男「その日の夜にその花で花冠をつくって座敷わらしちゃんのところに行って……」
男「座敷わらしちゃんにあげて、しばらくしたら──」
男「離れが燃えて……座敷わらしちゃん消えちゃった……」
美女「なっ……」
女「そうか……ありがとう男くん話してくれて」
男「ねぇ、僕が座敷わらしちゃんを殺しちゃったのかな……ヒッグ……ぼぐが……」ボロボロ
女「君は何一つ悪いことしてないよ。座敷わらしに会いにこの離れに通っていたのも含めてね」ポンポン
女「さ、これからお姉ちゃんたちが座敷わらしを治すから君はお家に行ってなさい」
女「少ししたら呼びに行くから、ね?」
男「うん……座敷わらしちゃんを助けてね!!」ダッ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 10:59:45.06 ID:91wP4Hsmo<>
女「さて、と……」
美女「ぬううう!!その花を男くんにあげたっていう男が許せません!!」
美女「とっ捕まえてやりましょう!!」
女「放っておけ、おそらくその男は関係ない」
美女「えっ?どういうことですか?」
女「何らかの理由でその男は座敷わらしと男くんが友達ってのを知ってたんだろう」
女「それでこの花をあげたんだろう」サッ
美女「え、なんですか?その黒焦げのもの」
女「アガパンサスっていう花の燃えカスだな、そこに落ちていた」
女「この花には力を感じない、となるとこの花をあげた男は無実だ」
美女「え、でもだったらどうして離れは燃えたんですか?」
女「おか……いや、それはすべてを知ってるコイツに話してもらおう」スッ
美女「は、はひ?……!?あ、あなたは」
??「……すごいのねあなた達、わたしが見えるなんて」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:01:34.07 ID:91wP4Hsmo<>
美女「座敷わらし……でも……」
美女「すごく……弱ってて、今にも消えそうな……」
座敷わらし「そうね、喋るのがやっとよ。どうにかしてあの子に最期の別れを言いたかったのだけれど」
座敷わらし「今のあたしじゃあの子に見えないし声も届かないでしょうね」
女「話で聞いたより随分と大人びている喋り方だな」
座敷わらし「あなた達人間より何倍も長生きしているもの」
女「それはともかく、予想はつくが先週の事について教えてもらおうか」
座敷わらし「そうね……、あなた達はこの家の伝説を知っているかしら?」
美女「伝説?」
座敷わらし「言い伝えともいうけど」
座敷わらし「この家の血族の者は数十年に一度神隠しに会い、二度と戻ってこないと」
座敷わらし「座敷わらしに攫われてしまうっていう内容よ」
美女「そ、それって……」
座敷わらし「もうこの家に伝わっている内容はそんなものだけだけどね」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:03:06.71 ID:91wP4Hsmo<>
座敷わらし「むかーしね、妖怪と恋をしてしまった子がいてね」
座敷わらし「でもそれを良しとしなかった人たちがいたの」
座敷わらし「その妖怪に恋をした男の子を、殺しちゃったのよ」
美女「…………」
座敷わらし「以来わたしはあの人を殺した血族の者たちを攫って殺しているの」
座敷わらし「座敷わらしだなんて笑えない冗談だわ、わたしはただの妖怪なのに」
美女「じゃ、じゃあ男くんの前に現れたのって──」
妖怪「そ。久々に殺してやろうと思ってね」ケラケラ
妖怪「最後にこの家の人間を襲ってからしばらくたっていてね」
妖怪「姿もこのようになってしまっていたしな」
妖怪「この家には小さな子がいるようなので、野球のボールとやらを操ってここまで来させたのさ」
美女「そ、そんな……!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:05:20.57 ID:91wP4Hsmo<>
妖怪「でも──」
妖怪「一緒に遊んでいると、何故かあの人を思い出して」
妖怪「変よね、姿も年齢も声も性格も違うのに」
妖怪「でも、それはただのきっかけ。あの子は表情もころころ変わるし、しかも毎日会いに来るしで」
妖怪「──遊んでて、楽しくて、ちっとも食べるひまがなくて」ツー
妖怪「そして先週の事さ、あの女将が離れの部屋に良く燃える液体をかけて火をかけたのさ」
妖怪「どうやら私はこの家の者を恨むあまり、あの離れの部屋に宿ってしまったらしくてね」
妖怪「あの人はここで殺されてね」
妖怪「あの離れの部屋が燃えるにつれて力も無くなってしまって」
妖怪「これでこの有様さ」
女「やはり女将か……」
美女「ど、どうしてこの宿の女将さんが」
女「自分の息子を守るためだろうな」
妖怪「人間と妖怪は交わってはいけない運命なのよ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:06:17.40 ID:91wP4Hsmo<>
女「そうだな……」
美女「女さん!どうにかしてこの妖怪さんを治してあげられないんですか?」
女「無理、だな」
女「それにこの妖怪を治してあの男の子を襲わないという保証もない」
女「このままひっそりと消えるのが一番だろう」
美女「そんな……」
妖怪「あなたは優しいのね、でもいいのよ……わかってるから」
女「──だが、最後の言葉を男くんに届けさせてあげることは出来る」
妖怪「えっ──」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:08:50.88 ID:91wP4Hsmo<>
座敷わらし「男、来てくれたのね……」
男「座敷わらしちゃん!!……」
男「(輪郭もぼやけてて、うっすらと透けて……)」
男「やっぱり……消えちゃうの?やだよ!!僕、座敷わらしちゃんの事──」
座敷わらし「──ねぇ、今日はとっておきの場所に連れて行ってくれるんでしょ?」ニコ
座敷わらし「どんな場所なの?ねぇ、行こう?」ギュッ
男「あ、う──うん!僕が見つけたとっておきの場所なんだ!!」ギュッ
────────────────
────────
────
──
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:09:54.08 ID:91wP4Hsmo<>
「きょ、今日は座敷わらしちゃんにプレゼントがあるんだ」
「わぁ!どうしたの?そのお花、すごく綺麗!」
「花冠にしたんだ、つけてあげるよ」
「ホント?可愛くしてね」
「座敷わらしちゃん、僕達ずっと友達でいようね──」
座敷わらし「──男、ありがとう」フッ
男「っ……!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:10:50.84 ID:91wP4Hsmo<>
◆
女「もうこれで座敷わらしについては心配要りませんよ」
女将「まぁ、そうなのですか?ありがとうございます」
女「お金のほうは指定の口座に振り込んでおいてください」
女「では、私たちはこれで」
女将「ありがとうございました」
女「──あ、それと。座敷わらしを[ピーーー]のならもう少しだけ灯油を撒くべきでしたね」
女将「っ!?」ビク
女将「はて、なんのことやら私にはわかりかねますが」ニコ
女「いえ、お気になさらないでください」ニコ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:11:38.00 ID:91wP4Hsmo<>
女「さて、と……机ー帰るぞー」
美女「うぅ……えぐ……えぐ……」
女「いつまで泣いてるんだよ、さっさと車に乗れ」
男「あ、あの!!」
女「ん?男くんじゃないか、どうした?」
男「お姉ちゃん達にお礼を言いたくて」
男「ありがとうざいました!」フカブカ
女「うん、どういたしまして。君もこれで一歩どころか何歩も大人へ進んださ」
女「もしこれから先、幽霊や妖怪とかのトラブルに巻き込まれたら私の事務所に電話でもしてくれ」スッ
男「うん、そうする!!」
女「じゃ、さようならだ」
男「ありがとー!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:13:25.96 ID:91wP4Hsmo<>
美女「──という事です」
好々爺「ほっほっほ、そうかそうか……あの宿にはそんな秘密があったとはのう」
好々爺「妖怪と恋した、か面白い面白い」
美女「あ、あの……」
好々爺「なんじゃ?」ズイッ
美女「ひ、ひぃ……顔近いです!!」
好々爺「やはり女と違って反応がよいのう」
女「つれてきた甲斐があったわ」
美女「あ、あの私の話だけで満足するのですか?」
美女「話の内容とか所々曖昧ですし……」
好々爺「ほっほっほ、それがいいのじゃよそれがの」
好々爺「それは自分が想像して楽しむのがいいのじゃよ」
好々爺「ありがとな、暇な老人の趣味を手伝わせて」
好々爺「ほれ、金じゃ今回は机ちゃんの話が面白かったから10万じゃ」
女「ふっふっふ。連れてきた甲斐があったわ、私は話し下手だからな」
女「これでしばらくの生活費ゲットだぜ」
好々爺「生活費などこの家に住めばよかろう、不自由なく暮らせるじゃろうて」
女「誰が住むかよこんな趣味の悪い家に」
好々爺「ほっほっほ、じゃあまた依頼があったら電話するからの」
女「あぁ、分かった。またな」
座敷わらしの話 -了- <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/26(月) 11:14:53.93 ID:91wP4Hsmo<> 今回はこれで終了です。
こんな感じで地味に続けて生きたいと思います。
あまり話の流れとか甘いところありますが多めに見てください(sagaとか忘れてましたし)
では数日中に、また。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/26(月) 12:08:26.46 ID:N2bsdNHSO<> 机とのほのぼの百合ものかと思ったら妖怪絡みの事件解決ものだったでごさる
面白い 支援しようではないか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2011/09/26(月) 12:09:55.10 ID:2+gzW7JAO<> GS美神極楽大作戦の机妖怪愛子ちゃん思い出した。もっともあっちはキャラが強烈だったんでかぶりはしてないが。
さてほのぼの路線なのかバトル物路線へ進むのか…続き期待。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/26(月) 13:57:36.60 ID:RRkRausIO<> なかなか面白い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/26(月) 18:21:07.17 ID:kzvEzL0DO<> 妖怪物とか俺得、期待せざるを得ない <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/09/26(月) 19:22:36.34 ID:bcU0Btz2o<> ワッフルしますね <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)<>sage<>2011/09/26(月) 19:37:03.32 ID:Egweb8dfo<> ぶっちゃけめっちゃ好きなジャンルだ
支援 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/09/27(火) 00:05:19.63 ID:m87F2MFZ0<> 支援する!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/27(火) 03:27:44.60 ID:w89dz8Hfo<> わわ、いっぱいレスきてて嬉しい!
支援ありがとうございます!少し短いですが、投下いたします。
↓はじまりー↓ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:28:47.68 ID:w89dz8Hfo<>
女「暇だ、仕事が来ねぇ」
女「こないだの座敷わらしの件から1週間……」
女「ここまで仕事の間が空くのは初めてだな……」
女「机は買い物に出かけてしまったし、話し相手もいないわけだ」
女「いや、前までずっと一人だったじゃないか……いまさら何を……」
女「仕事の依頼こねぇーかなー……」
女「あれか、あのクソジジイとうとう死んだか?」
女「それはねーな、あのクソジジイ妖怪みたいに長生きしてるし……」
女「あー暇だあああああ」
机「ただいま戻りましたー」ガチャ
女「お、おう帰ってきたか。お帰り」
机「頼まれていたお弁当とレトルト食品です」
机「……えっと、随分とだらけてますけど一人でさびしかったんですか?」
女「は、はぁ?何を言ってるんだ?元々私はずっと一人だったんだぞ?」
机「でも話し相手ができて変わったじゃないですか」
女「喋る回数が増えて無駄な浪費だ」
机「ふふ、そうですか。では私は遊びに行ってきますねー」ガチャ
女「なっ!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:29:35.64 ID:w89dz8Hfo<>
女「机が遊びに行ってしまった……」
女「また一人か……、一人で寂しかったと言っていれば遊びに行かなかったのかな机……」
女「ああああ、もう!!何を考えている私!!」バンバン
女「机が遊びに……か……!」
女「いや、まてよ……」
女「どこに遊びにいったんだ?この辺に遊ぶ場所なんかないだろ」
女「この辺結構治安悪いし、それに机の容姿はかなり目を引くだろう」
女「…………」
女「い、いや私は別に心配しているわけじゃない……」
女「あいつは擬人化してから日もそう経っていないし、変なヤツに絡まれてたりしてないよな……?」
女「ち、違う!!……机は元々私の所有物だからな!!」
女「そう、あの机は私のものだからな……なくなったり傷つけられたら困る」
女「よし!捜索しよう!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:30:30.74 ID:w89dz8Hfo<>
女「さて、この時間にスーツはちょっと怪しいからっと」ガラ
女「クローゼットの中にスーツしかない件」
女「ぐっ、クソ……」
女「“着るしかないのか?机の服を”……」チラ
<ヒラヒラしている服>
女「あんなヒラヒラした服着れるかボケェ!!」バァン
女「スーツでいいわ!!」ガチャン <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:31:29.83 ID:w89dz8Hfo<>
女「ふ、ふう……大丈夫だ怪しくない。どこからどう見ても私は通勤途中のOLだ……大丈夫だ」
女「11時だけど……大丈夫……」
女「くそぅ……」
女「アイツに絶対携帯もたそう……」
女「さてと、机が遊びに行くっていってから20分くらい経ったか」
女「うーむ皆目検討もつかないな」
女「良く行くスーパーの店員にでも聞くか」
女「おーいそこの君」
店員「はい!何でしょうか?(この暑い7月に真っ黒な長袖のスーツ?あ、美人で有名な女さんじゃんラッキー)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:32:33.54 ID:w89dz8Hfo<>
女「少し聞きたいのだが、長い髪でメチャメチャ可愛い女を見なかったか?」
店員「は、はぁそれでしたら先ほどレトルト食品などを買っていましたね」
女「これだけの情報で分かるとはキミも中々にやるな」
店員「え、い、いや……最近よく来ますし、その……美人ですから」
女「その女がスーパーでてからまたこっちに来なかったか?」
店員「うーん……どうだったか……あー」
女「何か知っているのか!!」
店員「遠かったし後姿だけだったので分かりませんが、あっちの方向に歩いていったのが見えたような……」
女「ありがとう!助かった!!」ダッ
店員「長い髪の女の人も最近美人で笑顔が可愛いからかなり有名だけど」
店員「あの女の人もここいらでは美人で有名なんだよなー……」
店員「赤茶けた肩位までのウェーブした髪で、美人なんだけど……」
店員「年中スーツで仏頂面してるからなぁ……」
店員「ただ、あんな心配そうな表情もできるんだなー。すこし可愛かったかも……なんて」
<おーい店員くーん、レジ頼むわー
店員「はーいただいま!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:33:46.38 ID:w89dz8Hfo<>
女「あの店員がいうにはこっちの方にいったと言うが……」
女「こっちはネオン街だぞ!!クソったれ……!!」
女「おい!そこの怪しいデブ!!止まれ!!」
デブ「ひ、ひぃ!?なななな、なにかな??(7月中旬なのに長袖スーツの女に怪しいとか言われたwwwww)」
女「長い黒髪の綺麗で可愛い女を見かけなかったか?写真とかないんで分かりづらいんだが」
デブ「さ、さあ……みませんでしたけど(VIPにスレたてよwwwwww怪しいスーツの女に声かけられたってwww)」
女「そうか、時間をとらせてしまってすまないな……じゃっ」ダッ
デブ「ああああ、あのもしよよよければ僕とお茶でも(キリッ」
デブ「(決まった……第二の電○男になって俺は伝説になるんだお!!)」
デブ「ってもういないし……はぁ……俺の人生詰んでんな」
デブ「モテ期こねーまま明日で30歳か……はぁ……」
デブ「ん?ポケットに何か入ってる……おっ千円だラッキー」
デブ「この千円でケーキでも買うか」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:35:27.92 ID:w89dz8Hfo<>
女「うーむ、見当たらん……」
女「田舎と都会の中間だからそこまで人は多くないのだが……」
女「アホな男とかに捕まってなければいいが……よし」
女「なぁそこのいけてるねーちゃん、聞きたいことがあるんだが」
女性「は、はぁ……?何でしょうか?」
女「いや、怪しむのは分かる……だが私は探偵でな人を探してるんだ」
女性「は、はぁ……(何だろうこの女の人)」
女「生憎写真とかを持っていないんだが、腰ぐらいまである黒いストレートな髪で」
女「こう、顔はスっとしててスッピンでも美人でスタイルもいい女をしらないか?」
女性「はぁ……多分ですけれども、つい先ほどガラの悪い金髪の男性二人連れてあそこの路地に入っていきましたけど」
女「っ!?そうか!!ありがとう!!」ダッ
女性「久々にありがとう、って感謝されちゃった……」
女性「それもこの7月にパンツスーツの女の人に言われるとか……」
女性「何か仕事でうまくいってなかったけど、少し肩の荷が下りたかな……」
女性「よし、仕事頑張ろう」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:36:30.82 ID:w89dz8Hfo<>
机「こんなところに面白いところあるんですか?」
金髪A「あるよあるよー!!ちょー面白くて快感なのがな」
金髪B「Aよぉー俺もう我慢できねぇっす」
金髪A「あぁ俺もだぜ、ひっひっひ……」
机「あれ?ついたの?」キョロキョロ
金髪A「ゲヘヘ、ここなら大きな声で騒いでも誰もこねぇしな……」サワッ
机「ひぃ!!ななな、どこ触ってるんですか!!」
金髪B「んだよぉ、わかってるくせに……」
金髪A「こういうシチュエーションって最高にイイよなぁ……」ハァハァ
机「ううう……止めてください!!な、殴りますよ!!」
金髪B「クカカカ、殴るだってよぉ!!殴ってみろよ!!」
金髪A「なぁに、すぐ気持ちよくしてやっかr──グガッ!?」
金髪B「なっ!?A!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:37:43.38 ID:w89dz8Hfo<>
女「ほう、こんな路地裏で出会うとは奇遇だな机!(ふー、間に合ったか)」
机「え、女さん?どうしてここに?」
女「ん?い、いや何か散歩してたらこの路地裏から声が聞こえてな」
女「たまたま入っただけだ、たまたまな」
金髪A「いっってぇ……クソッタレ……ぶっ殺して……ん?」
女「あ?」
金髪A「よく見たらこっちもかなりイイ女じゃねぇか……」
金髪A「ゲヘヘ、おねーさん俺らと遊ばない?」
金髪B「Aをドツいたことは許してあげっからよぉー」
女「ははは、面白いなお前ら」
女「まるで誘蛾灯に群がる蛾だな」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:39:28.05 ID:w89dz8Hfo<>
金髪's「んなにぃ!?」
女「いや、蛾に失礼だな。うんこだなお前らは」
金髪's「こ、このアマ……」
女「はっはっは!うんこにも失礼かな?うんこにだって蝿はたかって役に立つものなぁ?」
金髪's「調子に乗ってんじゃねぇぞこのババア!!」
女「あ?」
女「だ、れ、が、ババアだァ……?」
女「木行の一、木の根よ刃となりて彼奴等を切り裂け──」サァァ
金髪's「ぎ、ぎゃあああああああ……な、なんだ?木がぁぁぁああ」
女「覚えておけ私は22歳だ。次ババアっつったらコロス」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:40:35.78 ID:w89dz8Hfo<>
金髪's「バタンキュー」
女「気絶していたか。ちょうどいいズボンだけ切り裂いて懲らしめておくか」
女「行け、木の根よ……うっわ趣味悪いパンツだな……」
机「えええええええええええええ!!」
女「──うっせーな……またそのパターンかよ」
机「な、なんなんですか!?いまの!!」
女「あれ、お前妖怪なのに五行とか知らないの?」
机「知るわけないじゃないですか!!」
女「普通妖怪は知ってると思うけどなー」
女「まぁ五行ってのはよく言う火・土・水・木・金だな」
女「性質の悪い妖怪はこれらのいずれかを使って悪さしたりしてる」
机「え、えーと?」
女「お前は机だし、木行を使えるだろうな」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage saga<>2011/09/27(火) 03:41:34.96 ID:w89dz8Hfo<>
机「女さんが木行を使えるのはどうしてですか?」
女「まぁ実家が木行の寺だったしな、それなりに使えるさ」
机「あ、あれお寺だったんですか?」
女「……それはともかく、帰るぞ」
机「あ、はい……」
女「まぁ、ああいった輩は多いからな……以後気をつけるように」
机「はい……ごめんなさい」シュン
女「まぁたまたま私が通りがかったらよかったものの……」
女「私がたまたま通りがからなかったらあのゴミどもにまわされてたぞ」
机「迷惑かけてすみません……」
女「……そうあまり凹むな。今日の晩御飯はすこし豪華にしてやるから」
机「ほ、ほんとうですか?」
女「あぁ。さっ、帰るぞ──」
女「──いや帰る前に携帯ショップ寄るか」
女の心配事のお話 -了- <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/27(火) 03:45:32.10 ID:w89dz8Hfo<> ちょっとした休日のお話でした。
五行とか、どうなんでしょうね?これから先ちょこちょこ出そうかと思ってるのですが……。
あまりバトル展開にはしないように今は考えてますけど、どうなるか分かりませんし。
では今日はこれにて。また数日中にでもー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)<>sage<>2011/09/27(火) 13:33:53.23 ID:sEJlnjMAO<> 乙!
できれば机と女の能力は別な方が良かったかな?同じ能力ならなにか住み分けが欲しい所。
探し物や人情物、推理物とレパートリー増やせる設定なのでこれからの展開に期待。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)<>sage<>2011/09/27(火) 20:40:04.16 ID:zv+tGBNWo<> 乙
続き楽しみにしてるよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)<>sage<>2011/09/27(火) 20:51:37.44 ID:k0F9sSi2o<> 乙〜 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 03:48:59.85 ID:2Aytoh75o<> 机と女の力は一応考えがあるので大丈夫かなーなんて思ったり思ってなかったり。
では少し投下いたしますー。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 03:51:30.53 ID:2Aytoh75o<>
人間が大好きな妖怪狐の話 -始-
女「もしもし、私だが……うん、そうか分かった」
女「……そうか、うん……すぐに向かう」ピッ
机「あ、お仕事ですか?」←木行を練習中
女「うん。だけど今回はお前を連れて行くのは止めようと思う」
机「え!どうしてですか?」
女「……妖怪退治の依頼だ。お前はジャマになる」
机「あ……そうですよね……」シュン
女「あああ、へこむんじゃねーよ面倒だな」
机「へこんでないです……大丈夫…私は役に立てないだけですから……」
女「いや、今回の相手はそこそこ厄介な妖怪だし恐らく火を使えるから」
女「…お前とは相性がわるいから……」ボソボソ
机「はい?何かいいました?」
女「いや、ともかく今回ばかりは一人で行って来る」
机「分かりました。留守は任せてください」
女「何かあったらメールして頂戴。返事できたらするわ」
机「了解です」
女「じゃ、いってくる」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 03:53:29.08 ID:2Aytoh75o<>
車内にて
女「……」チラ
ケイタイ「」
女「……」
女「……」チラ
ケイタイ<……
女「……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 03:58:50.01 ID:2Aytoh75o<>
女「好々爺?開けるぞ」ガチャ
好々爺「なんじゃ一人か?」
女「まぁな」
好々爺「それで今回の依頼者が彼じゃ」
老人「始めまして、老人と申します……」
女「こちらこそ始めまして……それで依頼のほうなんですが」
老人「信じていただけるか分かりませんが……」
女「信じるか信じないかは私が決めますので、大丈夫ですよ」
老人「はい……その、私の村の山には狐が一匹おりまして」
女「狐、ですか」
老人「ただの狐ではなく、村の守り神としている尾の二本の狐です」
老人「村にいる私たちのような年老いた人でさえ見たことはありませんが……」
老人「私の村に遠い昔その狐を守り神として祀ったとされる伝説がありまして」
女「ほう、まぁ珍しくもない話だな」
老人「狐様が護ってくださっているのか定かではありませんが、今まで村も平和そのものでした」
老人「しかし、最近妙なのです」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 03:59:40.96 ID:2Aytoh75o<>
女「妙、とは?」
老人「村の山の木々は枯れ、花は朽ちて……」
老人「村の若いものの話によると、巨大な狐が山で暴れているというのです」
老人「いずれ収まるだろうと思っていたのですが、日に日に山の状態は悪くなるばかり……」
老人「ついには村の畑さえ荒れるようになってしまいまして」
女「その村の若者達は山で狐をみたと?」
老人「眉唾物でしたが、先日村の青年達10人ほどで狐を獲りに言ったのですが」
老人「皆狐にやられたと……軽い火傷をして帰ってきまして」
女「なるほど。それで私のところに」
老人「はい、あの山は資源が豊富でして村の生命線なのです」
老人「ですから山を荒らすのであれば狐神様であろうと退治していただきたいと思い」
老人「どうか、元の山に……」
女「おっけーよ、引き受けるわ」
女「えーっと村はここから車で3時間くらいかしら」
老人「え?今から向かうのですか?」
女「老人さんはここで好々爺と待ってていいです。私一人で今から向かいますんで」
女「まぁ明日の昼ぐらいにはここに戻るわ」スタスタ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:00:24.14 ID:2Aytoh75o<>
女「ふー、狐退治か……いや……それは現地で判断するとして」
女「……」ジッ
ケイタイ<……
女「仕事モードに切り替えるから、すぐには反応できない……ゴメンネ」
女「よし…、行くか」
女「つっても車で3時間だが」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:01:10.44 ID:2Aytoh75o<>
──狐神の村──
女「すっかり暗くなってしまった」
おばちゃん「あら、あなた観光客かい?珍しいねぇ」
おばちゃん「でも今は時期が悪いよ、少し山の調子がおかしくてねぇ」
女「あぁいえ、私は老人という方の紹介できた者です」
おばちゃん「まぁ村長の紹介で!?」
おばちゃん「それじゃあアンタが祓い屋かい?」
女「えぇ、まぁ」
おばちゃん「こんなべっぴんさんがねぇ……ほそっこいし」
おばちゃん「ちゃんとご飯食べてるん?」
女「え、えぇそれなりに食べてますが」
おばちゃん「だめよ!!それなりじゃ!!いっぱい食べなきゃ!」
おばちゃん「いっぱい食べて丈夫な体になって元気な子を産むんだよ!!」
女「は、ははは……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:02:55.23 ID:2Aytoh75o<>
おばちゃん「今日は夜も遅いし私の家でご飯食べなよ!!」
女「いえ、それは遠慮しておきます。私はすぐに山に入ってきますので」
おばちゃん「こんな夜に山に入ったらあぶないわよ!!」グイグイ
女「あ、あの……一応は払い屋なんで気にしないでいただければ……」
おばちゃん「そうかい?いやでもねぇ……夜の山は危ないよ?」
女「狐のいる位置はおおよそ分かるので大丈夫です」
女「それよりも、あなたが知っている狐神の情報って何かないですか?」
おばちゃん「うーん……これといってないわねぇ」
女「そうですか、ありがとうござ──」
おばちゃん「あ!1個あったわ!!役に立つか分からないけど」
女「なんですか?」
おばちゃん「狐神様は祀られる前はよくこの村に降りてきてご飯を貰ったりしていたそうよ」
おばちゃん「美人の娘に化けてね」
女「なるほど、ありがとうござ──」
おばちゃん「あぁ!もう一個あったわよ!!」
女「……は、はいお聞かせください」
おばちゃん「少し前に古い言葉遣いの女の子が尋ねてきたっけねぇ」
女「はぁーそうなんですか。では」
おばちゃん「気をつけるのよー!!あ、これもってお行き干し肉!」
女「ど、どうもありがとうございます」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:04:50.57 ID:2Aytoh75o<>
女「ふー、下手な妖怪より厄介だったなあのおばちゃんは」
女「コミュ障の私には辛いわ……っと」
女「干し肉うめぇ……」モグモグ
女「暗いといっても所詮は人の踏み入る山だ。楽勝ね」
女「山の枯れ具合……これは……?」スッ
──キラッ
女「おおっと!?危ない危ない」サッ
──去れ、去らぬなら[ピーーー]……
女「あっちか」
女「だんだん分かりかけてきた、この山の秘密を」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:06:30.69 ID:2Aytoh75o<>
〜狐神の祀られている祭壇〜
女「……ここだな」
──去れ、人の子よ
女「といわれてもね、私は麓の村の老人という者の依頼を受けてここに来た」
女「山を荒らす狐神を祓えってな」
女「この中にいるな……?開けるぞ」ズイッ
──人よ不敬ぞ!!開けるでない!!
祭壇の中央にあった小さな小屋のようなモノの扉を開けると
そこには黒留袖を着た人型の妖怪がこちらを睨んでいた。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:07:23.26 ID:2Aytoh75o<>
女「ほう、随分と立派な尻尾だな」
狐「我を九尾狐と知っての無礼か」
女「……知っての無礼さね」
狐「死にたいようじゃの」
女「かかってこいよ、山を荒らす狐にお仕置きをしてやる」
狐「吼えてろ人の子よ!!」
狐「火行の三 狐火よ我に立ちふさがる不敬な生き物を焼き尽くせ──」
女「な────!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:08:01.99 ID:2Aytoh75o<>
〜一方その頃〜
机「………」
机「………」
机「………」
机「………」
机「………」
机「………」
机「………」
ポク、ポク、ポク、チーン
机「はっ!もうすぐご飯の時間だ!!」
机「レトルトのカレーでいいけど、今日は少し豪華にしてみようかな」
机「確かこの辺に女さんが隠したホタテが……あった!!」
机「えへへー、写真とって女さんに送ろ〜」カシャ
机「ふんふふふーん」ピピピ
件名 : いぇーい!
本文 : 今日はレトルトのカレーにしました!
女さんの隠してたホタテもついでに食べましたよー!
お仕事頑張ってください、お土産よろしくお願いします。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:08:47.17 ID:2Aytoh75o<>
机「うぉ!?返事はやっ!!」
机「えっと、なになに……?」
件名 : Re : いぇーい
本文 : ほう、どうやらお仕置きが必要のようだな。
そんなに欲しいなら別に食ってもいいけどな。
まぁ、土産は期待しておけ。
机「食べていいんだか悪いんだか分かりません……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:09:58.00 ID:2Aytoh75o<>
そして────
女「な────!!(メール来た!!)」サッ
狐「な、なに?避けただと?」
女「(机め……よもや私のホタテを食うとは)」
女「(まぁいいか、土産も見積もれたしな)」ピピピ
女「送信、と」ピ
狐「お主、本当に人の子か?」
女「えぇ、正真正銘人の子よ」
狐「嘘をつくな……!!」ギリ
狐「あの火行を人の子が避けられるはずがない……」
女「さぁね?アンタの力不足じゃないかしら、狐さん」
狐「それにお主から妙な匂いを感じる」
女「……お風呂は毎日入ってるわよ」
女「最近シャンプー変えたんだけど分かるのかしら?」
狐「余を愚弄するか!!」バッ
女「っと、危ない」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:11:45.53 ID:2Aytoh75o<>
狐「ぐっ……はぁ、はぁ……」ジリ
女「随分と息が上がってるようだけど、大丈夫ー?」
狐「チィ!!早く山から立ち去れ!!」
女「せっかくだしピクニックでもしようかと思ってるんだよね」
女「山菜でも摘んで土産にでもしようかなって」
狐「早く出て行け!!た……頼むから……時間が無いんじゃ……っ!! 」
女「さっきの火行で精一杯だったのね」
女「私はこう見えて色々な妖怪がらみの事柄について見てきているわ」
女「だから、この山のことも分かる」
狐「……お主、最初から──」
女「老人から話しを聞いただけじゃ確信をもてなかったけどね」
女「山に入った青年達を追い払ったっていってたけどアナタが本気出せば10人束でかかってきたとしても瞬殺のはずだしね」
女「九尾の狐が善狐っていう話はまぁ珍しくないけど……」
女「善狐でもなさそうだし、ならなぜこの山の守り神となっているのか」
女「それは、昔あんたを封じたっていうヤツに脅されてるんだろ?」
狐「っ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:14:53.15 ID:2Aytoh75o<>
女「よければどうしてこうなったか話してくれない?」
狐「はぁ……物好きな人の子じゃの」
狐「そうじゃ、我はあの村を人質にとられた」
狐「我は、人の子が好きでの……。よく人里に下りては遊んでおったわ」
狐「あそこの村の人は皆温かかった──じゃが」
狐「祓い屋が着てから、この山は荒れたのじゃ」
狐「呪い事をするためにこの山の力を利用した」
狐「どのような呪いだったのかは失敗したようで、分からなかったがの」
狐「あの祓い屋が全てを台無しにした……」ギリ
女「そのときはお前はまだ力が強くはなかったのか」
狐「あぁそうじゃ。まだ妖狐になりたてで二尾でしかなかったしの」
狐「あの祓い屋を追い払うこともできず、ただ見ていることしか出来なかった」
狐「その祓い屋は山を死なし、そして我を狐神にしたてあげた」
女「じゃやっぱり」
狐「いまでも鮮明に思い出せるわ」
狐「【この山の守り神となり力を捧げれば、あの村は救われるぞ?】とヤツは愉快そうに言っておったよ」
狐「祓い屋への憎しみと村の人への愛情でわけも分からずにその祭壇で永い眠りについた」
狐「そして最近、目が覚めたのじゃ九尾となって」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:16:52.73 ID:2Aytoh75o<>
女「一度滅んだ山を持ち直すためにささげた妖怪の力は数百年で効果切れってことか」
狐「そうじゃ、もうすぐこの山は滅びる。どうしようもない」
狐「じゃから村の人を追い出そうと我なりに頑張ったつもりなのじゃがな」
狐「最初におりたったときはおばちゃんとやらに絡まれたがの」
狐「時代は流れてもやはりあの村の温かみは変わらないものなのだと、そう感じた」
女「追い出す行為は逆効果だったようだけどね」
狐「人の持ちえぬ力を使い出て行けと、言うても逆に人の子は確固たる意思を持って踏みとどまってしまうのじゃな」
狐「中途半端に力を使うものじゃから、おぬしのような祓い屋がまた来てしまった」
狐「もう、村にまで被害が出るようになってしまった」
女「お前を捧げた台座の裏に小包があるが、これは?」
狐「──我をこの地へ縛る為のものじゃよ」
狐「祓い屋の術が施してあっての」
狐「妖である不浄な我はそれに触れることも出来ぬ」
女「……そうか」
狐「すまないの人の子よ、阿呆な狐の話につき合わせてしまって」
狐「もう山が滅ぶのは避けられぬ、木々は枯れ地は割れこの辺りは崩壊するじゃろう」
狐「そうなる前に村人を非難させたかったのじゃが、我はもう力を使いすぎた」
狐「命を削って山に力を与えてきたが、もう限界じゃ」
狐「人の子よ、お願いじゃ。我はどうなっても良い村の人を避難させてやってくれないか?」
女「──いやだね」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:18:39.49 ID:2Aytoh75o<>
──────────
──────
──
きっかけは、些細な出来事。
妖怪ですらなく、ただの一匹の狐だった我は人の罠に引っかかってしまった。
男性「おや、狐が罠にかかっているな?どれ、はずしてやろう」ガチャガチャ
狐「キー!!キー!!」
男性「暴れるな……ほら取れた。怪我をしているなこれでも巻いておこう」
男性「ほら分けることのできる量は少ないが干し肉だよ、お食べ」
男性「ほら、もうお行き?人の匂いが移ってしまうよ」
狐「クー……」タタタ
我を助けてくれたあの人に、お礼が言いたい。
ありがとう、と言いたかった。
ずぅっとそんなことを思いながら、あの男性が巻いてくれた布を大切にしていた。
そんな思いが届いたのか、我は二尾となり拙いが人に化ける事が出来るようになった。
天にも昇る気持ちじゃった。
我は人に化け、村に降りてあの男性を探した。
女性「男性……?男性は私の祖父ですが何故それを知っているの?」
女性「もう亡くなってから数十年経っていますし、私も顔すら知らないのに」
女性「あら?お腹が空いているのね、干し肉を分けてあげるわ」
女性「どうして泣いているの?どこか痛いの?」
女性「泣かないで……今日は私の家にいていいから、ね?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:23:28.33 ID:2Aytoh75o<>
祓い屋「いやはや、困りましたねェ……」
祓い屋「ここの山の力ならば禁呪を成功させられると思ったのですが……」
祓い屋「成功さえすれば私は追われる身にならないのでしたが」
祓い屋「まだバレてはいないのですがァ……いずれバレるでしょう」
祓い屋「山は死にいきますし、あの村もいずれ消えます」
祓い屋「そこで提案なのですが、あなたを生贄にすればこの山を元に戻せます」
祓い屋「あぁ、そう怒らないでください。命を差し出せといっているのではないのですよ」
祓い屋「あなたは深い眠りにつくだけです。それでこの山は助かります」
祓い屋「そうすれば私も追われる事なく平和に暮らせますし」
祓い屋「どうです?利害の一致ということで」
祓い屋「この山の守り神となればあの村は救われます」ニィ
祓い屋「理解が早くて助かります、ではそういうことで」
祓い屋「おやすみなさい♪」
──────────
──────
── <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:25:17.05 ID:2Aytoh75o<>
女「嫌だね、どうして私がそんなことをしなければならない」
狐「頼む……このとおりじゃ……」
女「……ふぅ。ここの祭壇をみてすべてがわかった」
女「お前、その祓い屋に騙されている」
狐「なん……じゃと?」
女「たしかに山の力を取り戻すために山に力を差し出すのはひとつの方法だ」
女「だが、それでお前が九尾になることは不可能だ」
女「──この山の力を復活させたのはあの村の人間の信仰の力だろう」
女「狐神への、な」
狐「──!!」
女「お前が目覚めたのも、山が力を失ったのも、信仰する人間がいなくなってきたからだ」
女「依頼者の老人も食えない奴だな……」
女「この村に来るまでにいろいろと調べた」
女「やな世の中だ。金のために、この山を売ろうだなんてな」
狐「──……、そうか……そうじゃったのじゃな……」
狐「我のしてきたことは……無駄じゃったと……」
女「そうでもないさ、お前が暴れたおかげで私の元に依頼が来たのだからな」
狐「どういうことじゃ?」
女「──この山を救ってやるし、お前を解放してやる」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:26:23.36 ID:2Aytoh75o<>
────────────────
狐「本当にこれで大丈夫なのか?」
女「あぁ……あとはここに私の力を少し封じ込めた石をここに埋めるだけだ」
狐「お主の力を……?」
女「案ずるな、私が毎日少しずつ力を込めていた石だからな」
女「別に私の力が失われるわけじゃない」
女「ざっと1年ぐらい徐々に力を込めた石だからな……んーこの山なら」
女「500年くらいは大丈夫じゃないかな?」
狐「ごひゃくっ……!?お主は本当に何者なんじゃ……?」
女「ただの人の子だよ。しかしこの術は少々問題点があって」
狐「問題点?」
女「まぁ間違いなく成功するが、成功したらしたで私はしばらく動けなくなってしまう」
女「術の反動で気を失うと思う」
女「だから、気を失ってる間にお前に私を守っておいてほしい」
狐「正気か?我は九尾の狐ぞ?」
狐「お主を食べない保証などないんじゃぞ?」
女「ははっ、それでくたばるならそれでいいさ」
狐「…………」
女「始めるぞ────!!」カッ
狐「女!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:28:33.70 ID:2Aytoh75o<>
────ここは……?あぁ、あの狐の記憶か……。
古い記憶だ……あれは麓の村か?
男性「おや、お前またきたのか」
狐「クー」
男性「ははは、干し肉の味が忘れられないのか?」
男性「人間用だから動物は食べては本当はいけないのだがな」
男性「水で味を落としてあげよう」
狐「クー♪」ピョンピョン
男性「おや、私が巻いてあげた布をまだつけているのかい?」
男性「自分じゃ取れないのかな、どれとってあげよう」
狐「キー!!」バタバタ
男性「ぬぬ、暴れるな暴れるな」
男性「ほら取れたって──」
狐「クー」パクッ
男性「こんな布のどこを気に入ってるのだが」
男性「──うん、決めた。お前の名前はクミホにしよう」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:29:00.65 ID:2Aytoh75o<>
狐「クー♪」
男性「でもね、狐を飼うことは許されてないのだ」
男性「こうやって狐と戯れていることが村の人にバレてしまったら私は村を出て行かなければならない」
男性「君もあの山の一部なのだからね」
男性「そういう村の掟なんだ」
男性「だから、もし妖となって人と化けて出れるようになったら」
男性「クミホって名乗ってくれれば喜んで歓迎するよ」
狐「クー……」
男性「だからもう、獣の君とは会えないんだ」
男性「お行き……クミホのことは忘れないよ」
──────────
──────
──
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:30:00.40 ID:2Aytoh75o<>
女「…………」パチ
狐「あら、起きたの?」
女「膝枕とはずいぶんとアレだな」
女「私はどのくらい気を失っていた?」
狐「そうね、4時間くらいよ」
女「あぁ朝か、太陽がまぶしい……私は生きているんだな」
狐「私はあの祓い屋を憎んだけど、それでもやっぱり──」
狐「──人間が好きだから」
女「そうか……クミホっていうのだな」
狐「私の記憶を覗いたのね?」
女「まぁそうだが、ずいぶんと口調が変わってるが?」
狐「もともとはこういう口調だったのよ」
狐「もう、狐神ではないのだしね」
女「そうだな……。よっと、なかなか気持ちよかったぞ膝枕」
狐「九尾狐の膝枕なんてそう味わえないんだからね」
狐「あなたが私の記憶を覗いたのと同じく、私もあなたの記憶を覗いたわ」
女「……」ピク <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:32:14.57 ID:2Aytoh75o<>
狐「あなたの幼少期のあれは──」
女「喋らなくていい。黙って胸にでもしまっておいてくれ」
狐「そうね……とても恐ろしかった、どろどろと真っ黒な闇だったわ」
狐「でも、あの家を出てから闇は溶けてきて、机ちゃんと出会って白くなっていたわ」
女「……ふぅ」
女「そうだな……よし……ほら、これ」ポイ
狐「あっ、それは私の小包──さ、触れる」
女「もう呪いは解いたから、ふれられるだろう」
女「大事な、物なんだろう?──その布は」
狐「うん、あの人には会えなかったけど……この布はこの布だけは……」ギュッ
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:32:53.38 ID:2Aytoh75o<>
──それから──
女「さて私は帰るが」
狐「私はどうしようかしら」
女「お前はもう自由だ。この山にいるのでもいいし、旅するのでもいい」
狐「じゃあ────」
おばちゃん「あぁ!祓い屋の嬢ちゃんじゃないか!!」
おばちゃん「もう出るのかい?」
女「……、え、えぇ……この山はもう大丈夫ですよ」
女「時間はそれなりにかかりますが、以前より力強く再生されるでしょう」
おばちゃん「まぁ、それはすばらしいわ!!」
おばちゃん「ところでそっちの女性はどなたかしら?」
女「あぁ、ちょっと山でナンパしましてね」
狐「え、あ……はい」
おばちゃん「あら?あなた確か少し前に私と合ったわよね?」
狐「覚えてて、くれたのですか?」
おばちゃん「あたしの記憶力をなめないでほしいね!覚えてるわよ!」
おばちゃん「それで、もう出るのかい?」
女「はい、じゃあ行こうか」タッ
狐「あ、女さん引っ張らないで────」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:33:59.47 ID:2Aytoh75o<>
『──ありがとう、クミホ』
狐「えっ」クルッ
振り返った先にはおばちゃんが手を振っていた。
その姿に男性を見たのは太陽がすこし鋭角に傾いたからだろうか。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:34:44.51 ID:2Aytoh75o<>
狐「と、いうことじゃ」
好々爺「ほっほっほ。まさか妖怪とこうして対面することができるとはのぅ」
好々爺「生きててよかったわい」ツツツ
狐「触れるな!不敬ぞ!!」
好々爺「ひっひっひ」
好々爺「よければどうじゃ?この家に住まぬか?」
狐「くっ……」
好々爺「女に恩を感じたのじゃろう?返したいのじゃろう?」
好々爺「あやつはそういうのを嫌うからのう……貸し借りはなしとかいいそうじゃし」
好々爺「この家であやつの仕事をサポートせんか?」
狐「ほ……」
好々爺「ほ?」
狐「毎日干し肉じゃ!!それで手をうってやらんこともない!」ビシィ
好々爺「ひっひっひ、よかろう。契約完了じゃ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:35:11.04 ID:2Aytoh75o<>
女「さて、老人さんあの山はもう大丈夫ですよ」
老人「そうですか、助かりました」
女「ひとつ助言なのですが」
老人「はい?」
女「あの山は売らないほうがいいですよ」
老人「なっ」
女「これから先以前以上の力強い山になるでしょうし、資源もたくさんでてくるでしょう」
女「山を売ってゴルフ場にでもされたら、村を立ち退かなければなりませんしね」
女「だったら以前のように山とともに生きてみてはいかがでしょうか」
女「時間はかかりますが、あの山はすごい山ですからね」
女「村の繁栄のためにどうかご一考を」ニコ
老人「……考えてみます。では」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:36:09.12 ID:2Aytoh75o<>
女「ただいまー」ガチャ
机「女さあああん!!」ダキッ
女「うおっ?どうした……」
机「さびしかったですよおおお」
机「ホタテ食べてごめんなさいいい!」
女「……ホタテを食ったお前への仕置きはそれでいいか」
机「(ふふ……完璧だ……)」
女「だが、そういう演技は許せん」
机「え゙っ!!」
女「木行の一、木よ机を縛れ」シュルシュル
机「ひぃぃぃ!!なんでええええ」
女「はっはっは、騙されると思ったか!!ホタテの恨みだちくしょおお!!」コチョコチョ
机「ひぃうんっ!ああああっ!!」ビクビク
狐「何をしておるのじゃお主らは」
机「ええええ!?何かでっかい狐さんが喋ってるうううう!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:36:36.08 ID:2Aytoh75o<>
机「なんですか?この狐さんは?」
狐「今度からあの好々爺の下で女をサポートすることになった狐じゃ」
狐「お主の様に人に化けれるぞ?」ドロン
机「私の影が薄くなりますぅぅぅ……何なんですか!この狐ぇええええ」
女「メールしたろ、土産は期待しておけってね」
女「狐とまぁ仲良くな、机」
机「じゃあまずこの縛りを解いてくださいよー!!」
女「あと20分くらいはそうしてろ」
狐「クカカッ愉快じゃのう、おぬしらは」
机「私は面白くもなんともありませんー!!」
女「くっくっく、あははは」
人間が大好きな妖怪狐の話 -了- <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/09/28(水) 04:37:19.52 ID:2Aytoh75o<> 今回の投下は少し長くなってしまいました。
以上で今回の投下を終わりますーではでは <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)<>sage<>2011/09/28(水) 20:14:21.37 ID:WEKUkHtuo<> なんか俺得な展開だな
こういう少年漫画っぽいの大好きだ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sagesage<>2011/09/28(水) 21:52:50.22 ID:xYrLUscSO<> 投下するときは上げて欲しいから、sageじゃなくて、sagaだけにして欲しいな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県)<>sage<>2011/09/30(金) 04:05:06.84 ID:ILNg5bu3o<> まぁsagaは使ったほうがいいかと!
面白いよー乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)<>sage<>2011/10/01(土) 16:37:08.49 ID:NtRhia950<> 面白いなぁこれ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/10/02(日) 23:39:36.93 ID:cBlSdY6Oo<> 少し用事が立て込んでしまっていて更新少し遅れます。
見ている方申し訳ないです。気長にのんびりとお待ちいただければ幸いですorz <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/03(月) 14:33:32.37 ID:khrYJJpSO<> 把握 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/04(火) 02:54:30.92 ID:je+bn9yIO<> あげる必要ってあんのか
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>saga<>2011/10/06(木) 00:49:30.42 ID:UKTD7gbuo<>
……せない
…許せない
…まえ……
……てしまえ…
──死んでしまえ!!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>saga<>2011/10/06(木) 00:50:17.14 ID:UKTD7gbuo<>
机「──はっ!?」
机「今のは、夢──?」
小鬼「んー……?どうしたの?」
机「あ、起こしちゃいました?」
机「大丈夫です、少し変な夢を見ただけですから寝ててください」
小鬼「うん……おやすみ……」
机「……水でも飲んで落ち着こう」
ジャー
机「ふぅ……。こういうとき女さんがいれば……」
机「でも女さんは──いないんでした……」
机「どうしてこうなったんでしたっけ────」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>saga<>2011/10/06(木) 00:51:25.30 ID:UKTD7gbuo<>
◇
女「仕事だ机」
机「とうとう来たんですね!私の出番が!」
女「そのようだ」
机「はい!女さんの助手として頑張るのです!!」
女「んー……まぁ行けば分かるか」
机「はい?まぁまぁ行きましょー♪」
女「そういや木行の一つでも出来るようになったのか?」
机「な、何のことです?」サッ
女「目を逸らすなオイ。……しかし珍しいな妖怪(?)なのに五行を使えないなんて」
机「い、いや!もうちょっとでイケそうなんです!」
女「血筋で使えるような人もいなくもないが……」
女「んーそもそも五行のいずれかを使える人間ってこの世に3人くらいしか居ないしな」
机「えっ、そうなんですか?」
女「今の世の中は妖怪も少ないし、五行は消える目前ってわけだな」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>saga<>2011/10/06(木) 00:52:25.48 ID:UKTD7gbuo<>
女「水行のババアも流石にそろそろ死ぬだろうしな──っと話が逸れたな」
女「さて、好々爺のところに行くぞ」
机「やったー!!」
女「……?」
机「狐ちゃんに合えるんですよ!!あの人すっごい可愛い〜」
女「好々爺に好意を持ったのかと思い机と縁を切るところだった」
机「ひっど!!あの怖いおじいちゃんに恐怖は抱いても好意は抱きません!」
机「狐ちゃんのあの尻尾がふかふかで気持ちいいーんですよ♪」
女「多分好々爺の所に狐はもう居ないと思うぞ」
机「え゙っ!?」
女「狐は別件で出ているからあの家にいるのは好々爺一人だぞ」
机「…………女さん」
女「なんだ?」
机「帰りませんか……?」
女「もう遅い」
机「いーやー!!狐ちゃんの居ないあの家は気味が悪いからいやですー!!」
女「気味が悪くても飯を食うには働かないとな」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>saga<>2011/10/06(木) 00:53:42.14 ID:UKTD7gbuo<>
好々爺「おお、女と机よ来たか」
机「はい……」
女「で、今回の依頼は何なんだ?」
女「依頼主の姿が見えないが」
好々爺「こういうことじゃ」カサ
女「手紙?」
女「【探し物を一緒に探して欲しい お金はすでに振り込んでいる ○日に××公園で△△時に待ってます】」
女「んんん……?これだけか?」
好々爺「そうじゃ。しかしそれとは別に狐から女へ手伝って欲しいと連絡が来ているぞ」
女「狐から?」
好々爺「一人じゃ手に負えないから来て欲しいと連絡があったよ」
女「………そうか狐から……」チラ
机「……はい?」
好々爺「うむ、そうじゃな」ガシ
机「ひっ!?ななな、なんですか??」
机「女さん一緒に狐ちゃんなりその依頼主なりの所へ──」
女「その手紙の件は任せたぞ──机」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>saga<>2011/10/06(木) 00:54:41.95 ID:UKTD7gbuo<>
机「うわあああん!!無理ですよぉ、何していいか分かりませんし」
女「その手紙から悪意を感じないから大丈夫だ」
好々爺「まっ、机ちゃんのデビュー戦じゃな」
女「その手紙に書かれている場所へは送って行ってやるから安心しろ」
机「くっ……!!お、お腹が痛くなってきました」
女「うるせぇさっさと行くぞ」ズリズリ
机「女さんも一緒に探し物しましょうよおおおお」
女「狐の件もあるし一緒には行けんよ」
女「そっちは大した探し物じゃないだろうからすぐ終わるだろ」
女「終わったら先に家に戻ってなさい」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>saga<>2011/10/06(木) 00:55:15.90 ID:UKTD7gbuo<>
──そして──
机「指定の場所で指定の時間まであと数分といったところですけれど……」
机「この公園は人通りというか、人影すら見えませんけど」
机「本当に来るんでしょうか……?」キョロキョロ
??「動くな──」
机「ひっ!?(う、後ろに……)」ビクッ
??「……本当にこんなヤツが【女】なのか?隙が多いみたいだが」
机「わ、私は女さんの助手で机っていいます」
??「なるほど、女はどこにいる!」
机「女さんは別件で出てます、来ません」
??「ふむ、まぁいいだろうコッチを振り向いていいぞ!」
机「は、はひっ」クルッ
小鬼「ふん!私の気配を察せ無いのには不安が残るが、あの女の助手ならば私の探し物も──」チマーン
机「きゃあああ!?手のひらサイズの可愛い子ちゃんが!!」ダキッ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/06(木) 16:45:06.88 ID:22hFK/dQo<> なんで無駄に、安易に、キャラを増やすんだろ
もともと、最初の2人でさえ、まともに個性出せてないのに
さらに増やしたって、それぞれが薄くなるだけだろ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2011/10/07(金) 01:45:57.26 ID:k0yErO0j0<> キャラが増えるのは仕方ないだろ
話ひろがらないし <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)<>sage<>2011/10/07(金) 21:43:22.77 ID:nkTbOvXAO<> みえるひと みたいで面白いな
期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage saga<>2011/10/10(月) 12:06:17.97 ID:m3XX2URWo<> >>99
お気に召さないのならばスレを閉じてお帰りください <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 23:06:54.93 ID:GS5rA1Kqo<> 待ってる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東海)<>sage<>2011/11/05(土) 00:39:24.16 ID:gc4mv3MAO<> もう来ないのかな… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/12/01(木) 07:49:21.51 ID:JvsVzGwSO<> 机ちゃんに会いたいな <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/19(月) 20:53:45.74 ID:cEUrUl+IO<> たのむ
>>1来てくれ <>
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/21(水) 01:35:01.49 ID:yXI8ZXBIO<> 俺以外に待ってる奴いたのか…。
>>1きてくれー楽しみにしてるぜ <>
SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/01(日) 11:20:29.51 ID:1/ioY7+IO<> >>1がこないまま年越えちまったぜ・・・
<>