◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/21(金) 20:31:30.54 ID:o65HgC4ro<>
Steins;GateとIS〈インフィニット・ストラトス〉のクロスオーバーなSSです。

Steins;GateよりもIS成分の方が強いと思います。

時間軸はシュタゲ→アニメ終了後。 IS→原作7巻まで。

自身、どちらも原作アニメゲーム視聴読了プレイ済みです。

2スレ目になります。
↓前スレ↓
紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316162389/


                        “だいじ”

 世界線、時間軸等難しい作品ですので、矛盾等あるかと思いますがお手柔らかにお願いします。
 特に“IS”はアニメと原作を読んだだけでは未だに解明されていない機体の謎や、細かく描写されていないシステム等があります。
 ので、独自解釈が入ります。




                ,, ,,
            ヽ(*゚д゚)ノ カイバー!<>紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」 U
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/21(金) 20:32:52.15 ID:o65HgC4ro<>
>>1です。
立てました。
2スレ目でございます。

まだ書けては居ませんが、更新する気満々なので立てました。
2スレ目になりますが、どうぞ今スレもよろしくお願いします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/21(金) 20:44:59.11 ID:GMhc7VvNo<> よっしゃああああ
>>1おつー!
あれかな、私がまゆしぃの出番なくて寂しいって言ったから最後にまゆしぃのモノローグ的な?あれを書いてくれたのかな?かな?
愛してるよ>>1
二スレ目もがんばってくだしあ>< <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2011/10/21(金) 21:15:47.31 ID:MpYXbKzJo<> うおおおおお!!
>>1期待して待ってるぜ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2011/10/21(金) 21:32:37.04 ID:Ea2r5+gpo<> >>1
乙なんだぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/21(金) 21:57:08.10 ID:xH60fhBno<> >>1
キッタアアアアアア!乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2011/10/21(金) 22:28:36.67 ID:m5w0C3T8o<>         xッ     xッツ〃ッ,,     ミ      ヾ
       ミ,, 彡   彡 ミ    彡    ミ      彡
        _, '´ ゙̄ヽ. 彡 _, '´ ゙̄ヽ.  彡     ミ
         ハ⌒ソ))ス./x  イノ⌒ソス)/彡i !lィヾ
        ノ从゚ヮ゚*// \从゚ヮ^//
       (´ ノ!_ノ(y´     ソ!_ノ(y´
         ( 、  ノ     ( 、  ノ
   キタ━━━i_ (━━━━i_ (.━━━━━━ !!!
         / ̄″ ヽ、   / ̄″\
        んん〜ァ〜ゝ  んん〜ァ〜ゝ
        / / //ヾノ   / / //ヾノ
       (_(___/    (_(__,,/

┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)<><>2011/10/21(金) 22:34:34.04 ID:4Xxtg4WAO<> キタ━(・∀・)━!!!!
はやく、はやく、ヒャッホオオオオォォォゥ!!!!!!!! <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/21(金) 22:41:48.65 ID:o65HgC4ro<> >>3
Yes, そうです。
お陰で余ったレス数を有効活用出来ました。


主軸物語に関係無く、>>1に余裕があり、そのイベントを入れても進行上問題が無ければ盛り込もうかと思います。
要望が多かったり、上記通り可能であれば……です。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/21(金) 23:55:32.40 ID:+sTX9UKx0<> たておつです
シュタゲとZOEとレッドアイズにホイホイ釣られてきました。

あれこれ妄想しながらジェフティとインヘルト(アヌビス中盤ボス)の相の子っぽい感じに描いてみました。顔だけ色々バリエーション作ったので好きなの選んでください。

http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper22325.jpg

http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper22326.jpg <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:11:46.07 ID:NV+2SMKLo<> >>10

これは凄い……。
言葉に言い表せないほど、本当に嬉しいです。
内心、絵師が気た亜qswでrftgyふじkぉp;@:って感じですが、極めてクレバーにありがとうございます。


短めですが、添削が終り次第投下します。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/22(土) 00:12:48.84 ID:qzFiIczoo<> とりあえず全裸待機 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)<><>2011/10/22(土) 00:20:46.16 ID:CJU/sysAO<> wktk <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:29:23.80 ID:NV+2SMKLo<> 前スレ>>958  続き。




 冬の朝は遅い。
 朝4時を越え、なお月が空に浮いている。

岡部「……」

 岡部は全身の筋肉と関節を丁寧に伸ばし、柔軟を行っていた。

岡部「変わるものだな……」

 前屈姿勢をとりながら、ぽつりと呟く。
 この1週間で、ガチガチだった岡部の体は一般人程度には柔らかくなっていた。

岡部「さて……」

 隣のベッドでは未だにルームメイトである織斑一夏が寝息を立てている。
 1人体育着に着替え、柔軟体操を終えた岡部は朝のランニングをしに行こうとしていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:29:58.59 ID:NV+2SMKLo<>
岡部「(昨日は眠りすぎてしまったな……こんな時間に起きるとは……)」

 そろそろと音を消し、ドアへ向かう。
 カチャリ。静かに開錠して廊下を出ると視線の下に何かが居た。

簪「……」

岡部「……」

 一瞬、何が起きたのかと絶句する。
 時刻は午前4時20分過ぎ。

 視線を落すとそこには、眼鏡をかけた少女が立っていた。
 喉まで出かかった驚きの声を何とか飲み込み、岡部はもう一度時間を確認した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:30:27.77 ID:NV+2SMKLo<>
岡部「(午前4時……午後4時の間違いではない、な……)」

簪「…………」

岡部「(何だこの娘は……起きて、いるのか?)」

 岡部は不思議な違和感を感じた。
 この髪の色も、顔の造型も何処かで見た気がする、と。

簪「あっ、あ……の……」

岡部「ふぁっ……あっ、あぁ」

 素っ頓狂な声を上げたが、何とか取り繕う。
 押し黙って俯いていた少女がいきなり声を出せば、それも当然だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:30:58.81 ID:NV+2SMKLo<>
岡部「(どこかで見たことがある顔なのだが……クラスに居た……気が……解らん)」

簪「こんばっ……あっ……おは、おはよう……ござい、ま……す」

岡部「う、うむ」

 開口一番、挨拶が岡部へと飛来する。

岡部「あー……もしかするとワンサマーに何か用事か?」

簪「わん……さまー?」

 岡部の問いに首を傾げる少女。
 この学園において一夏のことを“ワンサマー”と常用で呼ぶ人間は岡部倫太郎しか存在しない。

 1年1組では“ワンサマー”=“織斑一夏”が定着しつつあるが、4組に在籍している簪が知る由も無かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:31:28.40 ID:NV+2SMKLo<>
岡部「織斑一夏に、何か用事か?」

簪「……っ」

 ぼっ。
 着火音が聞こえて来そうな程の勢いで、顔を赤らめる簪。

 実際、一夏に会いに来たのだがそれを他人に指摘されると自分の大胆な行動が途端に恥しくなった。
 口をつぐんで黙ってしまう。

岡部「(参ったな……萌郁以上のだんまりキャラとは)」

簪「ぅぅ……(は、恥しい。ど、どうしよう……)」

 ふぅ。と大きめの息を吐いて岡部が言葉を切り出す。

岡部「織斑一夏とは知り合い……友達なのだな?」

 その言葉を耳にして、簪が数ミリだが首を立てに動かす。
 今の簪に出来る精一杯の、肯定を意味する意思表示だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:32:02.70 ID:NV+2SMKLo<>
岡部「ならば、問題無い。俺はこれから出かけてくるが戸締りはしないでおこう」

簪「……」

岡部「まだ早朝という事もあり、ルームメイトは眠っているがな」

簪「……」

岡部「廊下は寒い。勝手にお湯でも沸かして何かしら飲むと良い」

 岡部はそう言い終えると、見知らぬ少女に背を向け廊下を歩いて行った。
 10代女子の行動力とは恐ろしいものだな。と、思いながら背後に感じる視線を無視する。
 
岡部「(マッドサイエンティストも丸くなったものだ……)」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/22(土) 00:33:12.65 ID:gklYZSpIo<> オカリン紳士過ぎやで・・・ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:33:15.68 ID:NV+2SMKLo<>
簪「ぁ……」

 ありがとう。
 そう言う間もなく、その男は廊下の向こうへと消えてしまった。

 開き放たれているドア。
 計らずとも一夏のルームメイトである、岡部倫太郎に入室許可を貰ってしまった。

 嬉しさと、困惑で簪の胸の内はいっぱいだった。
 どうやって会おう。どうしたら会えるだろう。

 一夏に会いたい。
 他の子と話す前に、会わないとダメ。

 そんな事を思っていたらこんな時間にドアの前まで来てしまった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:33:48.33 ID:NV+2SMKLo<>
簪「(あ……、部屋が寒くなっちゃう……)」

 一夏はまだ眠っている。
 岡部倫太郎はそう言っていた。

 時間を考えれば当たり前のことだが、普段の秀才ぶりは何処へやら。
 恋する暴走乙女になりつつある簪にそこまでの思考回路は働かない。

簪「(し、締めないと……)」

 部屋へ入り扉を閉める。
 玄関先は寒気が入り込み、少し寒くなっていたが部屋の中程はじんわりと暖かかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:34:18.36 ID:NV+2SMKLo<>
簪「入っちゃった……」

 思わず、感想が声から漏れる。

一夏「うぅん……」

 簪の声に反応してなのか、それとも単なる偶然か。
 一夏が寝返りと共に微かに声をあげた。

簪「……っ!」

 声を出していた事に気付き、大慌てて自分の口を手で押さえる。
 幸いにも、ただの寝返りだったようで一夏の意識は目覚めていない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:34:57.02 ID:NV+2SMKLo<>
簪「(い、一夏……久しぶり……)」

 眠っている一夏の顔みて、簪の顔がほころぶ。
 何日……何週間ぶりだろうか。

簪「……」

 ちょこんと、ベッド脇の椅子に座り一夏の顔を眺める。
 会話も無い眠っている人間の顔を見るだけの行為が、簪にとってはとても幸せなことだった。

 時刻は午前4時30分。
 冬の空には満月が未だに顔を覗かせていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/22(土) 00:36:12.63 ID:NV+2SMKLo<> 短いですが、おわーり。

本日もありがとうございました。
絵を頂けたのは素直に嬉しかった。
早くIS動かしたいと思いつつ、日常が続くのでした。

また投稿分が書けたら来ますです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)<><>2011/10/22(土) 00:45:03.61 ID:CJU/sysAO<> 乙!
お疲れ様! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/22(土) 00:49:36.98 ID:qzFiIczoo<> おっつーっつー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<><>2011/10/22(土) 00:55:42.37 ID:nx/Us1ky0<> 乙!
次回も期待しているぜー!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/22(土) 01:40:10.30 ID:UNxPgcM/0<> 良い・・紳士だ・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(滋賀県)<>sage<>2011/10/22(土) 03:07:12.13 ID:+8F22f80o<> 乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/22(土) 12:38:20.40 ID:ZJMtc17DO<> 乙
来週8bit版の発売か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/22(土) 18:14:28.10 ID:fwQqcxyAO<> 乙
新スレオメ <> 名無しNIPPER<>sage<>2011/10/22(土) 18:17:58.10 ID:yoAEa2WA0<> 絵師がついとるやないかい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2011/10/22(土) 19:38:48.77 ID:bFGmCOVy0<> あれ、オカリンの成長スピードが・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2011/10/22(土) 22:34:18.71 ID:/s3Zw9Cw0<> よろしい。ならばBボタンキャンセルだ <> 名無しNIPPER <>sage<>2011/10/23(日) 09:39:43.41 ID:eLMGwza50<> 一般人程度の柔軟性くらいオカリンにもやれよw w <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/10/24(月) 12:20:18.71 ID:W+K7jjzAO<> 鳳凰院凶真の灰色の脳細胞にかかれば一般人程度の柔軟性すら脅威になる
そう機関が判断して刺客を送ってきたんだろう <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/10/24(月) 19:43:02.33 ID:jmjAXofso<> >>1です。
せっかく新スレになったのに、更新遅くて申し訳ないです。
月末から11月中は頑張ります。

11月中に完結が目標です。最後までよろしくお願いします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/24(月) 22:22:57.48 ID:OaJqw8IIO<> >>1
今週は投下無しってことで良い?
待ってる <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/10/24(月) 22:31:54.77 ID:jmjAXofso<> >>39
いえ、週末近くにまとまった休みが入るので今週は更新いっぱい出来ると思います。
丸1日費やせばかなり進む……と、信じてます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/24(月) 22:37:22.67 ID:OaJqw8IIO<> >>40
じゃあ、舞ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/24(月) 22:52:02.70 ID:zYLNqdbZo<> >>39
ずっと待ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2011/10/25(火) 07:22:57.29 ID:OrlxWIYI0<> >>39
待ち合わせの目印になるまでまってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(茨城県)<>sage<>2011/10/25(火) 08:16:13.76 ID:nZGKyNxL0<> >>39
私待つわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/25(火) 09:06:10.29 ID:PezJH9pDO<> いつまでも待つわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岐阜県)<>sage<>2011/10/25(火) 20:32:07.21 ID:ErS+ny93o<> 別に待ってあげないんだから! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/10/26(水) 00:34:23.31 ID:kHNMz2zAO<> 駄レスすんなキモいから <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:30:02.48 ID:6ytWcsYPo<> 投下しますですよー。
もう少ししたら。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:38:09.48 ID:6ytWcsYPo<> >>24  続き。



 タッタッタ、と規則正しい音がトラックから空に響いていた。
 周囲に人影は無く、たった1つの影が白い息を弾ませている。

岡部「……」

 岡部が走り始めて、1時間程が経過していた。
 息は白むほど外気は冷え込んでいるが、額には玉のような汗が浮いていた。

岡部「……ふぅ」

 徐々にスピードを落とし立ち止まる。
 その場で屈伸運動や、前屈などをして体の筋を伸ばす。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:38:35.66 ID:6ytWcsYPo<>
岡部「(1週間前までは、疲れると言うより体の節々が痛くて走れなくなったものだが……)」

 今ではソレが無くなっていた。
 1週間の間に積まれた運動は確実に、岡部の身に付いている。

 楯無の妙薬と、一夏のマッサージ。
 各国代表候補生のスパルタ(?)訓練は無駄ではなかった。

岡部「5時30分。あと30分ほど、軽く流してから帰るとするか……」

 タッタッタ。
 規則正しい音が、空へと響いていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:39:06.65 ID:6ytWcsYPo<>

─自室─


 一夏を起こしてはいけないと、岡部はロッカールームでシャワーを浴びてきていた。
 勿論、出掛けに出会った少女がまだ部屋に居る可能性を考えてというのもある。

岡部「ふむ……」

 ミニタオルで頭をガシガシと拭きながら周囲を見る。
 少女の姿はなく、湯沸し機等も使われた形跡が無い。

岡部「結局、すぐ帰ったと言う訳か」

 ベッドに腰をかけて、頭を拭いていると後ろから電子音が聞こえた。

 ──ピピピ! ピピピ!

 シャルロットからプレゼントされた、多機能腕時計が正常に機能され装着者を寝覚めさせようと音を鳴らしている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:39:44.25 ID:6ytWcsYPo<>
岡部「ワンサマーのアラームか。6時10分とは随分と早起きだな」

一夏「んんっ……ふぁーぁ、朝か」

 アラーム音を止めて、目を擦りながら周囲を見渡すとルームメイトである岡部の姿が一夏の目に映った。

一夏「おっ、凶真。何だ今日は早いじゃないか。おはよう」

岡部「あぁ。昨夜は随分と早く寝付いてしまったからな」

一夏「はははっ、昨日は大変だったよ……」

 ガールズに付きあわされ、ツーショット写真を沢山取らされたことを思い出す。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)<>sage<>2011/10/26(水) 17:39:50.04 ID:sbhsVEqeo<> うお、来てた。
リアルタイムで遭遇するの初めて <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:40:20.14 ID:6ytWcsYPo<>
岡部「くくくっ、難儀なことだな」

一夏「全くだよ」

岡部「コーヒーでも飲むか? 淹れるぞ」

一夏「サンキュ。頼むよ」

岡部「砂糖とミルクはどうする?」

一夏「えっと……どっちも頼む」

岡部「了解した。ほれ」

一夏「サンキュ……って、凶真はブラックか? やっぱ大人だなー」

岡部「我が仇敵である、フェイリスが居たのならば或いは乳白色に染められていたやも知れんがな……」

 懐かしい顔を思い出しながら、褐色の液体を喉に流す。
 熱く苦いソレは、じんわりと体に染み渡り心地よい気分を岡部に与えた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:40:51.74 ID:6ytWcsYPo<>
一夏「フェイリス……? って凶真の友達か?」

 聞きなれない単語を耳にし、コーヒーを傾けながら一夏が聞いた。

岡部「うむ。ラボメンである」

一夏「そっか、何時か俺も……ラボ? ってヤツに行ってみたいもんだな」

岡部「歓迎しよう。ワンサマー、貴様であればその資格は充分にある」

一夏「本当か!? へへっ、何か嬉しいなそれ……」

 一夏は笑顔をほころばせた。
 本当に嬉しそうに笑うので、岡部も何故かくすぐったくなって頬が緩んでしまう。

岡部「あぁ。俺の仲間を、何時か紹介しよう」

 月曜日の朝。
 クラス内対抗戦を控えた前日は、実に爽やかな気分を2人にもたらした。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:41:31.92 ID:6ytWcsYPo<>

─第1アリーナ─


千冬「全員、揃ったな!」

 第1アリーナに織斑千冬の声が響いた。
 良く通る声は、生徒1人1人に緊張感を与える。

千冬「明日はクラス内対抗戦だ。最低でも1人1試合。専用機持ちは専用機持ち同士。
    そうでない者も、訓練機を用いて試合を行う」

真耶「1組は専用機持ちが、丁度6名居ます。
    組み合わせは織斑先生が行うので指示に従ってください。
    訓練機の方々もこちらで組み合わせを提示します」

 担任である千冬と、副担任の真耶が明日の説明をする。
 本日は全日、明日の対抗戦のための準備……ISの調整時間へと当てられていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:42:10.11 ID:6ytWcsYPo<>
ラウラ「教か……織斑先生」

千冬「なんだ、ボーデヴィッヒ」

ラウラ「対戦の組み合わせは決定しているのですか?」

千冬「無論だ。だが、発表は明日直前とする」

真耶「理由は、対戦相手が解っているとそれに応じて装備を変更出来るから……という訳です」

セシリア「なるほど……」

シャル「誰と当るか解らないから、前もっての準備は難しいってことだね」

千冬「本日中に、明日使用するISのパッケージやその他装備を確定して貰う。
    当日、変更出来ないから充分に考えろよ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:42:41.57 ID:6ytWcsYPo<>
箒「ふむ……」

一夏「俺や箒、それに凶真はどのみちパッケージ変えられないし意味無いな」

岡部「全くだ」

紅莉栖「軽く言ってるけど、結構大変よ? 今日中に、全ての調整を完了。
    敵対するISが解らないから、全てに対応出来るようにしないとだし……」

シャル「うん。時間もあまりないしね」

セシリア「何方と戦うか……それが問題ですわ」

ラウラ「誰と当ろうが、粉砕するのみだ」

箒「あぁ。負ける訳にはいかない」

 ガールズは一度視線を合わし、その矛先を一夏へとスライドさせる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:43:17.97 ID:6ytWcsYPo<>
一夏「んっ、なんだ?」

 当人は向けられた視線の意味を把握出来ず首を傾げ──。

一夏「明日は誰と当っても全力で戦おうな!」

箒「(お前と言うヤツは……)」

セシリア「(一夏さんは誰と戦いたいんですの!?)」

シャル「(やっぱりオカリンと戦いたいのかなぁ……)」

ラウラ「(私と戦いたくて仕方が無いようだな、一夏は)」

 そんな様子を、呆れたような、微笑ましいものを見るような目線で見つめる岡部と紅莉栖。
 そして岡部がポツリと呟く。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:43:47.92 ID:6ytWcsYPo<>
岡部「しかし……俺はまともに戦えるのだろうか」

紅莉栖「前日に弱気になるなよ……大丈夫。私が付いてるんだから」

 控えめな胸をそり、自慢げに顔を上げる紅莉栖。

紅莉栖「整備室に篭るわよ。弄るところなんて殆ど無いけど、調整出来るところは徹底的に調整する」

岡部「っふ……相変わらず頼もしいな。俺の助手は」

紅莉栖「助手じゃないと言っとろー……」

 そこまで言いかけて、言葉が詰まる。
 しばらく思案して──。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:44:17.79 ID:6ytWcsYPo<>
紅莉栖「最近、本当にあんたの助手みたいな感じがしてきている訳だが……」

 ジト目の上目遣いで岡部を睨む。
 その顔は、苦々しいような恥しいような意図の掴みにくいものだった。

岡部「ッフ! ようやく自覚してきたか。貴様はとうの昔に俺の助手よクリスティーナ!」

紅莉栖「ティーナ付けんな! あーもう、面倒臭い! ほらっ、もう行くわよ!」

 ズンズンと整備室に1人歩いて行く紅莉栖。
 岡部もソレを追うようにして、付いて行った。

岡部「こら! 助手が俺を置いて行ってどうする!」

紅莉栖「助手じゃないと言っとろーが!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 17:44:51.20 ID:6ytWcsYPo<> おわーり。


もしかしたら、もう一度位来るかもしれないですが微妙です。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/26(水) 17:46:45.80 ID:r/EJhmRLo<> 乙
ゆっくりでいいから完走してくれな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)<>sage<>2011/10/26(水) 17:47:41.70 ID:sbhsVEqeo<> 乙乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<><>2011/10/26(水) 18:03:32.37 ID:kMJGexQO0<> 乙
次回もよろしくたのむ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 20:57:41.66 ID:6ytWcsYPo<> 今日中にもう一度更新しに来ます。


最近は地の文多めにしているのですが、大丈夫でしょうか。
読みにくいよ! 等在れば、言っていただければ改善していきます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/26(水) 20:59:48.63 ID:FakoIU3Eo<> >>66
無理はせんでね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/26(水) 21:00:36.79 ID:0wOyMmdDO<> 舞ってる <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 21:04:34.20 ID:6ytWcsYPo<> ありがとう御座います。
無理やり更新してる訳ではないので大丈夫です。

不定期更新なのに、見てくれている人が居るだけで>>1は元気一杯です。
頑張ります。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/10/26(水) 21:45:54.69 ID:Npux56t0o<> 待ってるよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2011/10/26(水) 21:50:37.96 ID:6fAR78G90<> >>1はまめに近況報告とかしてくれるから待つのも全然苦にならない <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 22:55:59.87 ID:6ytWcsYPo<> いきます <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 22:56:31.48 ID:6ytWcsYPo<> いきます <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 22:57:17.92 ID:6ytWcsYPo<> 失礼しました。調子が悪いのか、とても重い……。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 22:59:04.33 ID:6ytWcsYPo<> >>61  続き。




─第1アリーナ整備室─


 岡部は自身の専用IS“石鍵”を展開して、各種様々なケーブルに繋がれていた。

岡部「……」

 紅莉栖が高速で叩くキーボードの音がカタカタと部屋を鳴らしている。

紅莉栖「ふむん……問題はやはり、エネルギーね」

岡部「なんの、だ?」

紅莉栖「攻撃に割くエネルギーよ。よっと」

 紅莉栖の前にあった投影ディスプレイを、ついと指でずらし岡部の前にスライドさせる。
 画面は“石鍵”のエネルギー配分だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 22:59:38.16 ID:6ytWcsYPo<>
紅莉栖「スラスターの出力とかは、こっちで弄れないみたいなのよね。やっぱり」

岡部「……それは、かなり問題があるんじゃないか?」

紅莉栖「大問題よ」

岡部「……」

紅莉栖「まぁ、無理なものは無理と置いておいて。問題はここ」

 トントン、と空中に映し出された映像を裏側から叩いてピックアップする。
 そこにはメインウェポンへのエネルギー配分が記されていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:00:19.84 ID:6ytWcsYPo<>
紅莉栖「あんたの武器。例えば“ビット粒子砲”だけど……現段階でいくらか出力をいじれるみたいなの」

岡部「あの豆鉄砲が進化するということか?」

紅莉栖「そ。だけど、連射速度が速すぎて、出力を上げたら一瞬でエネルギーが尽きるって感じ」

岡部「やはり、意味が無いではないか……」

紅莉栖「なのよね。つまり、初期設定が一番まともってこと」

岡部「……」

紅莉栖「次に“サイリウムセーバー”」

岡部「む。待て、助手よ。“サイリウムセーバー”は物理刀剣だ。エネルギー問題は関係無いはずだが?」

紅莉栖「それがあるみたい。剣へのエネルギー供給が可能なのよ」

岡部「エネルギー供給……?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:01:00.10 ID:6ytWcsYPo<>
紅莉栖「えっと、一夏の“雪片弐型”。あれは普段、物理刀剣だけど、第4世代技術である展開装甲により可変し、エネルギー状の刃が出る。
     “サイリウムセーバー”はエネルギーで剣をコーティングするって感じね」

岡部「つまり、攻撃力があがると言うことか?」

紅莉栖「端的に言えば、そうね。
     例え物理シールドで防がれても、エネルギーダメージ。エネルギーシールドで防がれても物理ダメージが通る」

岡部「おおお……つ、ついにソレらしくなって来たでは無いか!」

紅莉栖「興奮するな。話しはまだ終わっとらん」

 興奮する岡部を抑え、液晶一杯にエネルギー情報を表示させた。

岡部「?」

紅莉栖「余ってるエネルギーが無いのよ」

岡部「……つまり、使えないと言うことか?」

紅莉栖「他のメインウェポンへの供給を削れば可能。でも、消費が中々に大きいからエネルギーコーティングしても、持って30秒ってとこね」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:02:16.62 ID:6ytWcsYPo<>
岡部「つまり……“サイリウムセーバー”を強化したければ“ビット粒子砲”か、
   “モアッド・スネーク”に使用するエネルギーを割けということか?」

紅莉栖「ん。“モアッド・スネーク”は平気。エネルギー使ってないから」

岡部「では“ビット粒子砲”か……」

紅莉栖「そう言うことになるわね。でもそうすると、完全に物理豆鉄砲になるわ。
     物理シールドを多用するシャルロットなんかに当ったら、酷いことになりそう」

岡部「むう……」

紅莉栖「その代わり、物理シールドが無い一夏と当れば剣術戦になるだろうから、メリットが多いわね」

岡部「むう……」

紅莉栖「どうする?」

岡部「そうだな……では──」


紅莉栖「ん。解った、そうしておく」

岡部「頼む」

 注文を聞き終えた紅莉栖は、もの凄いスピードで設定を打ち込んでいく。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:02:48.23 ID:6ytWcsYPo<>
紅莉栖「──ねぇ、岡部」

 不意に口を開いたのは紅莉栖だった。

岡部「……なんだ?」

紅莉栖「勝てとは言わないけどさ、頑張んなさいよね」

岡部「……あぁ。任せろ」

紅莉栖「ん」

 会話はそれきりで、紅莉栖は設定の打ち込み。
 岡部は各種データを見る作業に没頭した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:03:25.52 ID:6ytWcsYPo<>

─第1アリーナ─


真耶「みんな、頑張ってますね」

千冬「……」

 アリーナでは、生徒達が訓練機同士で模擬戦を行っていたり、専用機持ちである一夏達があーでもないこーでもないと話し合っていた。

ラウラ「一夏。瞬時加速に頼る癖が付いている。早急に治した方が良い。
    私には通用しないぞ」

*瞬時加速=イグニッション・ブースト

一夏「うっ……」

シャル「瞬時加速は確かに強力だし、便利だけど直ぐにエネルギーが無くなっちゃうしね」

一夏「そう言えば、シャルも瞬時加速使えるのに滅多に使わないもんな」

シャル「切り札は出さない、見せない。だよ、一夏」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:04:00.09 ID:6ytWcsYPo<>
 ──コホン。

箒「ま、まぁ私の“紅椿”と一緒に居れば問題ないな。エネルギー問題は」

セシリア「ですが。今回は全くその話しは関係ありませんわね。むしろ“敵”になる可能性があるわけですし」

シャル「だね」

ラウラ「全く持って、関係無いな」

箒「ぐぐ……」

一夏「はぁ、箒は良いよなぁ……」

箒「えっ」

セシリア「っ!?」

シャル「っ!?」

ラウラ「……っ!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:04:28.09 ID:6ytWcsYPo<>
箒「えっ、っと……つまり、そ──それはどっ、どういういみでだ?」

一夏「え? だって“絢爛舞踏”があれば、二段階瞬時加速も使いたいほうだ──」

 ──ゴギン!!

 箒の拳骨が一夏の頭頂部へと突き刺さった。

一夏「いっだぁぁあ!?」

箒「そんな……そんなことだろうと思ったわ!!」

セシリア「はぁ、最低ですわね」

シャル「うん。一夏らしいけど、最悪だね」

ラウラ「アイツも災難だったな」

箒「ふん!」

 すたすたとポニーテールを揺らしながら、その場を離れていく箒。
 頭をさすり、涙目になっている一夏はその後も残った女子達に責められるしかなかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:05:14.29 ID:6ytWcsYPo<>

千冬「馬鹿者が……」

真耶「あ、あはは……」

千冬「敵になる可能性を持つ者同士で、話し合ってどうする」

真耶「た、確かに」

千冬「教師への相談を禁止している訳ではないのだから、相談すれば良いものを。
   優秀な教師が揃っているというのに……」

真耶「あははっ、少しは頼って欲しいってことですね? 千冬おねぇ──」

 ケラケラと可愛い笑みを浮かべながら、茶化した真耶は全てを言い終わる前に表情が固まった。

真耶「えっと。あの、少し生徒の様子を……」

千冬「山田先生。丁度訓練機が2機空いてるようだ。生徒へのデモンストレーションとして少し慣らしましょうか」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:05:56.48 ID:6ytWcsYPo<>
真耶「えっ!? えっ!? で、でも、織斑先生がISを操縦するのはちょっと」

千冬「そうでした。それではパワーアシストが切れた状態で、如何にして戦うかを生徒に示しましょう」

真耶「えっ! そっ、そんな無茶な……」

千冬「はっはっは、最近体重が気になると言っていたではないですか。さぁ、行きましょう」

真湯「あーーーうーーー」

 ジタバタと手足をバタつかせる真耶であったが、千冬はお構いなしに真耶を引きずって行った。
 この日、晴れて全身筋肉痛となった真耶は職員会議で一言も発声することが出来なかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:06:31.19 ID:6ytWcsYPo<>

─食堂─


鈴音「──で、どうなのよ。調子は」

一夏「俺は上々だなー。皆と違って、イコライザ弄れないからやるのはエネルギー配分だけだったし」

箒「私もそうだ」

 鈴音は春巻きと中華春雨の定食セットを。
 一夏と箒は2人とも、冷奴と納豆、味噌汁と海苔の和セットを食べている。

鈴音「はぁ、良いなぁ。私も1組が良かった……」

シャル「鈴も居たら、かなり大変だったろうね。1クラスに専用機が7機……」

ラウラ「我が、シュヴァルツェ・ハーゼ部隊でも3機保有だ。その倍以上……戦争をやっても負けはしまい」

 シャルロットはスープカルボナーラスパゲティ。
 ラウラはマカロニサラダと、トーストを一枚注文し、既に食べ終えていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:07:09.08 ID:6ytWcsYPo<>
セシリア「実際、1クラスにここまで集まっているのは問題でしょうね」

 ミートローフを食べていたセシリアがスプーンを置く。

セシリア「いつ、クラスの力を均等にするため移動を命ぜられるか……」

箒「……」

シャル「……」

ラウラ「……」

 一夏と放れたくない。
 その気持ちが半分。
 もう半分は仲間とはぐれたく無い、その気持ちが彼女達の胸の中にはあった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:07:38.35 ID:6ytWcsYPo<>
鈴音「(はいはい、私は最初からクラスが違いますけどネ)」

岡部「ふう……俺は失礼する。少し眠くてな」

 たぬき蕎麦を早々に食べ終えた岡部は1人立ち上がり、食堂を出て行ってしまった。

鈴音「ん? 何よ、あいつどうかしたの?」

紅莉栖「明日が対抗戦本番だし、アイツもアイツで少しは緊張してるのよ」

 1人、購買で買ったカップラーメンをマイフォークで食べていた紅莉栖がそっけなく答えた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:08:33.48 ID:6ytWcsYPo<>
鈴音「ふうん……まっ、皆頑張ってよね」

一夏「あぁ!」

箒「うむ。誰が相手だろうと手は抜かん」

セシリア「当然ですわ」

シャル「楽しみだね」

ラウラ「私が負けるはずが無い」

 全員が全員、力のある回答を口にする。
 明日はついにクラス内対抗戦。

 久々の実演戦闘と言うのもあり、気合の色が何時ものとは違っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:09:31.73 ID:6ytWcsYPo<>

─自室─


岡部「……」

楯無「あら、おかえりー」

 ベッドの上で寝転びながら、漫画読んでいたのは更織楯無だった。

岡部「出て行け」

楯無「やん。倫ちゃんってば酷いっ」

 はぁ、と溜息を1つ付いて椅子に腰を下ろす。
 そう言えばこいつの顔を見るのもなんだか久々だな、と岡部は思った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:10:11.88 ID:6ytWcsYPo<>
岡部「(ん? 久々な気がするが、今朝会ったような……あぁ、違うな。疲れているのか、俺は)」

楯無「倫ちゃん、明日本番でしょ? 元気付けてあげようかなって」

岡部「いらん」

楯無「もー、いけずなんだから。緊張してるでしょ?」

岡部「……」

 図星だった。
 前日になって、緊張が止まらなくなっている。

 初戦。初めて一夏と対峙した時とは違う。
 今回のクラス内対抗戦は前もって準備が整った試合。

 まさしく、今回こそがデビュー戦になる。
 部活動などに入った事が無い岡部倫太郎にとって、このような緊張感は生まれて初めて味わう類のものだった。  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:10:42.57 ID:6ytWcsYPo<>
楯無「んふふー♪ 倫ちゃんってば可愛いんだから」

岡部「うっ、うるさい! この俺が緊張? フン、灰色の脳細胞を持つ俺が緊張などありえん」

楯無「手。震えてるよ?」

岡部「っ!?」

 指摘されて、瞬時に手を隠す。
 が……震えてなどいなかった。

楯無「あはっ♪」

岡部「……」

 無言で楯無を起立させ、ドアまで押していく岡部。
 大人気ないとは解っていても、少しだけこの年上ぶった年下の楯無にいらいらが積もっていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:11:14.30 ID:6ytWcsYPo<>
楯無「もう、怒らないでってば。じゃぁ、一言。一言だけ」

岡部「なんだ、聞いてやるからさっさと──」

楯無「良い? 道場で貴方が対峙したのは、IS学園最強であるこの私。更織楯無なの。
   ISを纏っていようが、いまいが、関係無い。
   私と比べれば、他の子達なんてみーんな、ひよこ。怖くないわよ」

岡部「……」

楯無「ふふっ♪」

 楯無は、握り拳を作りトンと岡部の胸にタッチする。

楯無「頑張れ、男の子。“AIC”は強敵よ」

 それだけ言うと、扇子を広げ楯無はすっと廊下へと踊り出ていた。
 扇子には-贔屓-と書かれている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:11:49.97 ID:6ytWcsYPo<>
楯無「ばいばい。おやすみ♪」

岡部「あ、あぁ……」

 風のように立ち去る楯無。
 重かった両肩は軽くなっていた。

岡部「年下に励まされてばかりだな、俺は……」

 ベッドに寝転がり、明日の事を考える。
 緊張はもう無かった。

岡部「楯無は“AIC”と言っていたな……アクティブ・イナーシャル・キャンセラー。
   つまり、俺の相手は……」

 ラウラ・ボーデヴィッヒ。
 搭乗IS“シュヴァルツェア・レーゲン”

 恐らく、IS学園1年生最強の女。

岡部「っふ。ならば、打ち砕いてみせよう。その眼帯ごとな! フゥーハハハハハ!!」

 織斑一夏が居ない、男部屋。
 1人きりになった岡部は久々に大声で、何時もの笑い声をあげた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:12:19.76 ID:6ytWcsYPo<>

─廊下─


千冬「感心しないな。生徒会長」

楯無「あら、千冬センセ」

千冬「織斑先生だ」

楯無「あん。良いじゃないですか」

千冬「なぜ、教えた?」

楯無「だって。まともな“戦い”が見たいじゃないですか」

千冬「……」

楯無「緊張状態で、しかも相手がラウラちゃん。秒殺されてもおかしくないですし」

千冬「ふん」

楯無「うふふ♪ 明日が楽しみですね……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:13:32.45 ID:6ytWcsYPo<>

─食堂─


紅莉栖「そう言えば、一夏」

一夏「ん?」

 全員が食事を終え、各自がお茶やミルクなどの暖かい飲み物を飲みながら歓談していた。

紅莉栖「岡部が今朝、とっても早い時間に眼鏡をかけた女の子が一夏に会いに来たって言ってたけど……。
    どうしてあんな時間に?」

一夏「えっ?」

紅莉栖「岡部はそのまま、2時間近く走りに行って部屋には居なかったから何しに来たのかは知らないって」

箒「眼鏡……?」

セシリア「と、言いますと」

鈴音「あー、1人しか居ないわね」

シャル「とっても早い時間って、どういうことだろうね?」

ラウラ「ふむ。しかも2時間近く滞在か。意味が解らんな」

一夏「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺は知らないぞ?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:14:06.03 ID:6ytWcsYPo<>
 慌てふためく一夏。
 眼鏡を掛けた友人と言えば、2年生の黛 薫子。
 それに──。

一夏「簪……か?」

 更織 簪。
 その2名位しか一夏の友達には居なかった。

箒「ほ、ほう……」

セシリア「タッグを組んだ、あの方ですわよね」

鈴音「私達を総スルーして組んだ、あの子ねー」

シャル「日本の代表候補生だから、仲が良いのかな?」

ラウラ「さて、一夏……」

一夏「あっ、あの……だから、俺はそれ今初めて知った訳で……」

「「「「「説明しろ!!!」」」」」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:14:36.11 ID:6ytWcsYPo<>
一夏「ひぃっ」

紅莉栖「……本当になんだったのかしら?」

 織斑千冬が注意に訪れるまで、一夏の叫び声が食堂に響き渡っていた。


─とある布団の中─


簪「(一夏の寝顔……可愛、いかった……な♪)」

 今朝方に一夏の寝顔を1時間程眺めて満足した簪が、にこにことしながら携帯ディスプレイを覗いている。
 そこに映っているのは、気持ち良さそうに眠っている一夏の寝顔。

簪「……♪」

 様々な思いを胸に、1年1組クラス内対抗戦前夜が幕を閉じた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/26(水) 23:15:21.18 ID:6ytWcsYPo<> 重くって、投稿が上手く出来てるか不安ですが終りです。
本日もありがとうございました。

最近は、ウィッチブレイドと言うアニメが好きな>>1でした。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/26(水) 23:22:39.04 ID:M3STiNySO<> 乙
やっと戦闘パートか。
ウィッチブレイドとか懐かしいな(笑)
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/26(水) 23:25:45.68 ID:91zipdhDO<> オカリンの覚醒が楽しみだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2011/10/26(水) 23:28:00.41 ID:461ItPwVo<> 乙!
いつも楽しく読ませてもらってます。
頑張ってね〜!

オカリンは覚醒すると目が金色に光るんだろうかwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/26(水) 23:43:21.69 ID:pg+tT5pJ0<> >>1乙!
戦闘パート書く前に雷ネットABやりに往くんでしょ俺当選どころか申し込みするの忘れてたよクソァ!


オカリンが覚醒すると金色に輝くスタイリッシュダル降臨!まで読んだ。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:05:07.69 ID:+hDl8AsOo<> 短めですが、本日ももうちょっとしたら投稿しにきます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:32:22.63 ID:+hDl8AsOo<> >>98  続き。




─第一アリーナ整備室─


 ディスプレイから発せられる光が、人影を2つ浮かび上がらせている。
 片方の影は長く、もう片方は小さめだった。

紅莉栖「調整データは昨日既に提出してあるから、弄れない」

岡部「うむ。後は戦略だな……」

 午前5時30分。
 殆どの生徒が未だ寝静まっている中、2人は本日行われるクラス内対抗戦の最終チェックを行っていた。

紅莉栖「それにしても……よりによって、ラウラか……」

岡部「あぁ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:32:50.32 ID:+hDl8AsOo<>
紅莉栖「詰んだ。これは詰んだ」

岡部「失礼なヤツめ、この俺を誰だと──」

紅莉栖「はいはい、ワロスワロス。ったく、シュヴァルツェ・ハーゼがどんだけガチな軍隊か解ってんの?」

岡部「……さぁな」

紅莉栖「通称、黒ウサギ隊。ドイツ軍の何でも屋。破壊工作から隠蔽工作まで何でもござれの特殊部隊よ」

岡部「……」

紅莉栖「ラウラはソコの部隊長。はぁ……最悪のカードね」

岡部「し、しかし──」

紅莉栖「──詰んではいるけれど、ただ負ける訳にはいかない。でしょ?」

岡部「う……うむ」

 ドカッ、と椅子に座りこみディスプレイと睨めっこを始める紅莉栖。
 流れている映像はラウラ・箒ペアと一夏・シャルロットペアが戦っている動画だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:33:19.57 ID:+hDl8AsOo<>
紅莉栖「基本的には中・長距離。近距離では両手のプラズマ手刀を器用に操り、AICで攻撃を防いでいる……」

 何度も何度も、動画を再生してはぶつぶつと独り言を吐く紅莉栖。
 岡部に対戦相手を告知されてからというもの、ずっとコレである。

岡部「思ったのだが、これ以上武器を追加するこは出来ないものか。
    そう、例えばMs.シャーロックの“ブルー・ティアーズ”のような兵器があれば──」

紅莉栖「ビット兵器のこと?」

岡部「うむ。それだ」

 “ブルー・ティアーズ”が装備する、ビット兵器を見たときに岡部は少なからず憧れを抱いていた。
 幼少の頃より親しんでいた、ロボットアニメに出てくる武器の代名詞的な物に酷似していたことが要因である。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:35:24.99 ID:+hDl8AsOo<>
岡部「俺にもあのような装備があれば──」

紅莉栖「ピーキーすぎて岡部にゃ無理よ」

岡部「ぴっ……」

紅莉栖「それに、一夏の白式よりも我侭なコアパーソナルなんだから。イコライザなんて無理でしょ、馬鹿」

岡部「ぐぬぬ……くっクリスティーナよ、その台詞を言いたかっただけでは無いのか」

紅莉栖「さんを付けろよ、デコ助野郎」

 そこまで台詞を言って、ニヤリと笑う紅莉栖。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:36:01.90 ID:+hDl8AsOo<>
紅莉栖「っと、冗談はここまでにして……。
     実際問題イコライザが付けられない“石鍵”からしたら、後付装備は無い物ねだり。
     ある装備で戦わなければならないわ」

岡部「あ、あぁ」

紅莉栖「ビット兵器にしたってそう。あれは物凄く集中力を使うの。
     例えるなら@ちゃんねるを見て、レスをしながらゲームをして、漫画を読んでメールを返信する。
     その全ての行動をちゃんと全て理解しながら同時進行するようなものなんだから」

 私は出来るが。と付け足す紅莉栖。
 岡部は苦々しい顔を作るしかできなかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:36:40.91 ID:+hDl8AsOo<>
岡部「俺が悪かった。無いものねだりはよしておこう」

紅莉栖「うむ。それが良い」

岡部「で、作戦だが──」


紅莉栖「うんうん……それって、かなりリスキーよ?」

岡部「しかし、それ以外に方法が無い」

紅莉栖「あの調整が役に立つ訳ね」

岡部「あぁ……外せば、負けるだろう」

紅莉栖「……ん。解った、本番時には私がオペやるから実況は任せておけ」

岡部「実況してどうする……」

 くくくっ、と小さく笑って岡部が続ける。

岡部「では、サポートは頼んだぞ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:37:32.14 ID:+hDl8AsOo<>
 本日、午前10時から開催される1年1組クラス内対抗戦。
 第1アリーナから第4アリーナまでを貸し切り、最大2日間かけて行われる。

 1年1組が終われば次は2組、3組と順々に行われ最終学年の最終クラスまでが終わるのにおよそ2週間から3週間かかる大掛かりなイベント。
 直接戦う訳ではないが、他のクラスや学年にも注目されているだけあって休み時間には見学にアリーナへ訪れる生徒も少なくない。

 そして、それが終われば本命のIS学園最大イベントが控えている。
 年末に向け、IS学園の行事は生徒達の熱と共に加速を増して行った。

 
 1年1組クラス内対抗戦が開始された。
 
  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 17:38:20.74 ID:+hDl8AsOo<> おわーりです。
ありやとやんした。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/27(木) 17:43:19.34 ID:Ku+I8bSl0<> >>1乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<><>2011/10/27(木) 18:06:46.44 ID:w289Bq4j0<> >>1
お疲れ様〜 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2011/10/27(木) 19:28:02.91 ID:UBm0vr1fo<> >>108の紅莉栖の台詞の元ネタなんですか?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2011/10/27(木) 19:35:09.35 ID:UBm0vr1fo<> >>115
自己解決しました
ググったら一発でした <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2011/10/27(木) 20:07:57.72 ID:Wo37rtJNo<> 乙
続きが気になる <>
◆H7NlgNe7hg<>saga saga<>2011/10/27(木) 21:57:12.05 ID:+hDl8AsOo<> >>1です。
何時も、レスありがとうございます。


ここから、オカリンの成長具合(?)に付いて述べさせて頂きます。
稀にですが選択肢を用意させて頂きます。

例えるなら、
ニア   
   岡部「上へ逃げる!」
   岡部「下へ逃げる!」

極端すぎますが、このような選択肢です。
これにより、成長の仕方がちょっとだけ変わります。

物語が完全に変わる訳ではなく、少し味付けが変わる感じです。

東京から北海道へ行くために利用する飛行機の会社が変わる程度です。
所要時間は変わりませんが、会社が変わるので機内サービスや乗り心地がほんの少し違う、そんな感じ。

ご協力頂ければ幸いです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/27(木) 22:03:47.55 ID:AMmAmlvIO<> >>118
せっかくだからオレは上を選ぶぜ? <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:41:19.40 ID:+hDl8AsOo<> 短いですが、投下します。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:46:13.10 ID:+hDl8AsOo<> >>111  続き。




─第1アリーナ─


 どくん、どくんと張り裂けそうなほど心臓は高鳴り鼓動を続ける。
 心拍数が上がっていくのが自身で理解できる。

岡部「……」

紅莉栖「さっ、本番ね」

 ピット内には岡部と紅莉栖の2人。
 観客席には初戦からあぶれた1組の人間がちらほらと居る程度だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:46:56.12 ID:+hDl8AsOo<>

        1年1組-専用機持ち初戦

第1アリーナ ラウラ・ボーデヴィッヒ vs 岡部倫太郎

第2アリーナ シャルロット・デュノア vs 篠ノ之 箒

第3アリーナ 織斑一夏 vs セシリア・オルコット

 そして第4アリーナでは、訓練機同士による対戦となっていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:47:24.66 ID:+hDl8AsOo<>

セシリア「やっとですわ……やっと、一夏さんと晴れの舞台で一騎打ちが出来ますわ」

 セシリア・オルコットは静かに燃えていた。
 
 実弾装備が無い“ブルー・ティアーズ”にとって、
 セカンドシフトを終え“零落白夜”のシールドを手に入れた“白式”には勝ち星を挙げることが出来なかった。

セシリア「“BT偏光制御射撃”-フレキシブル-を会得した私の力……ご覧に入れてさしげます」

 ばん。と指でかたどった鉄砲を、写真の向こうに居る織斑一夏に放つ。
 その顔は幼子のように、嬉しそうだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:47:59.87 ID:+hDl8AsOo<>

箒「シャルロットとか……」

 箒の顔は冴えなかった。
 目当ての人物……織斑一夏と対戦出来なかったことだけではなく、対戦相手に理由があった。

 シャルロット・デュノア。
 1年1組の専用機持ちで唯一第2世代型IS使用者。
 
 にも拘らず、実力は折り紙付きで現状1年生の中ではラウラとの双璧を成していた。

箒「私は、負けない。負けたくない……!」

 自分に言い聞かせる。
 現行機種で最高のスペックを誇る“紅椿”に搭乗する以上、第2世代に負けるわけにはいかないと言う念が強かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:48:43.75 ID:+hDl8AsOo<>

シャル「ラウラはオカリンとかぁ。どう? 正直」

ラウラ「さてな。私はシャルロットと当ると想定して準備をしてきた。
     それが倫太郎になろうと、一夏になろうとシャルロット以上に手を煩わされるとは思っていない」

シャル「あはは……光栄だけど、油断は禁物だよ?」

ラウラ「無論だ。シャルロットこそどうなんだ。相手は箒……第4世代だ」

シャル「うーん、マシンスペックだと正直勝てないよね。雲泥の差だよ」

ラウラ「……」

 けれども、シャルロットは不適な笑みを浮かべて話しを続ける。

シャル「でも、IS戦はスペックだけじゃないことを証明してくる」

ラウラ「うむ……」

シャル「じゃぁラウラも頑張ってね」

ラウラ「あぁ。互いにな」

 拳を作りあい、コツンと合わせるドイツ代表候補生と、フランス代表候補生。
 お互いに背を向け、自分の戦場へと歩んで行った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:49:19.68 ID:+hDl8AsOo<>

一夏「……セシリアとか」

 控え室で柔軟体操をしながら、戦いをシミュレートする織斑一夏。
 考える事は“BT偏光制御射撃”-フレキシブル-をどう捌くか。

一夏「厄介な攻撃を身に付けやがって……」

 そう漏らすが、一夏の口角は上がっている。
 純粋に強くなったセシリアと公式に戦えることが嬉しかった。

 一夏にとって、セシリア“ブルー・ティアーズ”は初IS戦の相手であり思い入れが深い相手である。
 こうして互いに成長した姿で再び相見えることに喜びを感じていた。

一夏「“ブルー・ティアーズ”相手にとって、不足は無いぜ……!!」

 織斑一夏の瞳が、明るく燃え上がった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/27(木) 22:50:27.26 ID:+hDl8AsOo<> おわーり。
ありがとう御座いました。

この>>1話進めんの遅すぎだろ……と思った、あなた。
正解!

自分で書いてて、あれぇ? まだ戦わないの? と思っています。
不思議。

今日もありがとうございました。
せっかくだから、明日も投稿出来るようにがんばるぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(島根県)<>sage<>2011/10/27(木) 22:58:48.82 ID:iNSrQ9mzo<> 乙
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/27(木) 23:04:39.61 ID:AMmAmlvIO<> 投下ペースは丁度良いし、助手とオカリンの掛け合いの再現度も高い。舞ってた甲斐があった。

あと、セルシアがカウボーイビバップ最終回のスパイクと被った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/27(木) 23:06:39.62 ID:AMmAmlvIO<> >>129
セシリアだよ…セルシアってどこの国産車だよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/28(金) 00:40:30.80 ID:jIzmSzG80<> >>130
一瞬セルシオ顔のシルビアなんてゲテモノカー想像しちまったじゃねぇかwwwwww謝罪と賠償金をようky <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:00:45.02 ID:GZ8cuMeqo<> 添削終わったら今日の分を投下しにきまうー。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 02:09:20.91 ID:j49DPVBE0<> クリア後のオカリンって腹周りに結構大きい傷跡があったような気がするけど、あのヘソ出しインナー着ても大丈夫なのかなーなどと気にしながら支援します。

http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper23121.jpg <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:20:23.73 ID:GZ8cuMeqo<> (*゚д゚)カイバ!

また絵を頂けるなんて、感動の極みです。
ありがたや……!

自分で表現しておいて、何ですが白い長ランなんですよね。
今日から俺は! に出てきそうな制服! <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:22:25.40 ID:GZ8cuMeqo<> では、今日も投下します。
よろしくお願いします。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:23:02.46 ID:GZ8cuMeqo<> >>126  続き。




─第1アリーナ─


岡部「……」

 ぐっ、と指に装着された指輪に力を込める。
 光の粒子が体を包み、一瞬の内に全身装甲のISを身に纏った。

紅莉栖『相変わらず、展開速いわね』

 PICが作動し、体が浮遊する。
 パワーアシストの充足感が体中を巡り、力強さを感じる。

岡部『調子は万全だ。何時でもいける』

紅莉栖『ラウラの方もOKみたい。健闘を祈る。GOOD LUCK.』

 会話をプライベートチャネルに切り替え、会話を終了させた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:23:58.90 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『-インフィニット・ストラトス-、鳳凰院凶真……出る!』

 両足をカタパルトに装着する。

紅莉栖『5秒前。4.3.2.──発射!』

 一気に加速を促し、機体はアリーナへと躍り出た。
 “シュヴァルツェア・レーゲン”は既に、地表に降り立ち腕組をして待っている。
 その姿はまるで、黒い王のようだった。

岡部『“石鍵”……目標を駆逐する!』

紅莉栖「その台詞はもう固定なのね……」

 マイクに手をあて、遮るように紅莉栖が呟く。

紅莉栖『なんでも良いから、気張りなさいよ!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:24:50.12 ID:GZ8cuMeqo<>



        -第1アリーナ-
 “石鍵” vs “シュヴァルツェア・レーゲン”

参考画像
http://kie.nu/.1uK
http://kie.nu/.1uL

http://kie.nu/.1uM
http://kie.nu/.1uN

*4枚目は>>10さんからの頂き物です。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:25:26.45 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『黒い雨……名前通りだな』

紅莉栖『砲戦パッケージ“パンツァー・カノニーア”を装備している。本気よ……』

 “シュヴァルツェア・レーゲン”の両肩にはレールカノン“ブリッツ”が装備されていた。
 なんとも仰々しいシルエットを映し出す。

ラウラ『倫太郎。聞こえるか』

 オープンチャネルで、ラウラからの通信が入る。

岡部『あぁ』

ラウラ『本気で行く。問題無いな』

岡部『無論だ』

 ──ガシュゥン。

 両肩に装備された“ブリッツ”が飛行する“石鍵”に標準を合わせる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:25:55.02 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『ルーキーだからと言って手は抜かん。覚悟しろ』

          -警戒-
《敵IS射撃モードに移行。セーフティのロック解除を確認》

 センサーが感知し、警戒を画面一杯に表示される。

岡部『貴様こそ、その眼帯を取らなくて良いのか?』

ラウラ『ッフ。ならば──取らせて見るが良いッ!!』

     -警告-
《敵IS 射撃体勢に移行》 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:26:28.16 ID:GZ8cuMeqo<>
 ブザー音と共に警告が鳴る。
 次の瞬間“シュヴァルツェア・レーゲン”はニ門の砲塔を開け放った。

 ──キゥゥゥン!!

紅莉栖『避けて!!』

 二本の閃光は猛スピードで正確に“石鍵”の頭部を狙い、走って来た。
 岡部はハイパーセンサーによる警告と、紅莉栖の声を受け回避行動を取る。

岡部『いきなりかっ……!! ぐうぅぅ!!』

 歯を食いしばり、急上昇を行う。
 間一髪、刹那のタイミングで攻撃を回避することに成功した。

 もし、直撃を受けていたら1撃で半分以上のシールドエネルギーを削られていただろう。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:27:02.99 ID:GZ8cuMeqo<>
紅莉栖『ふう。何とか初撃は回避出来たわね。良い? あんなの直撃したら一瞬でゲームオーバーだからね!』

ラウラ『ほう……あの時より、回避行動はいくらかマシになったようだな』

 ラウラは一夏と、岡部の初対戦を思い出していた。

ラウラ『もう少し、様子を見させて貰うぞ』

岡部『次から次へと……忙しない娘だ!』

 “シュヴァルツェア・レーゲン”から繰り出される4本のワイヤーブレード。
 赤黒く発光する4本のワイヤーが“石鍵”を捉えようと、縦横無尽に迫り来る。

紅莉栖『主力武器の1つ、ワイヤーブレードよ! 捕まったらフルボッコ間違いなし、避けろ!!』

岡部『えぇい! 解っている!!』

 縦横斜めと角度問わず飛来するソレを、飛行しながら避ける岡部。
 しかし機動力が元々低めな“石鍵”では限界が近かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:27:35.78 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『そら、そのままでは捕まるぞ? どうする、倫太郎!』

岡部『ぐぬぅ……!』

 迫り来るワイヤーブレード。
 岡部はソレを、速度で回避するのではなく体を捻ったり急旋回することで避けていた。


……。
…………。
………………。


紅莉栖「良い? ラウラの攻撃で最高にヤバイのがコレ」

 見ていた動画を一時停止し、レーザーポインターでぐりぐりと強調する。
 静止画に映っているのはワイヤーブレードを繰り出している“シュヴァルツェア・レーゲン”だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:28:04.93 ID:GZ8cuMeqo<>
紅莉栖「拘束されれば、引っ張られて殴る蹴るわの大暴行」

岡部「ガンガンと良いように殴られる訳か……」

紅莉栖「瞬時加速が使えれば、回避しつつ懐に飛び込むことも出来るけど“石鍵”じゃ無理だし」

岡部「機動力は微妙のようだからな」

紅莉栖「現状でアンタの一番の武器、それは……」

岡部「“サイリウム・セーバー”か?」

紅莉栖「違う! 機体制御よ」

岡部「つまり、この俺のへぁんぱない操縦テクニックで避けろということか」

紅莉栖「へぁんぱないのは“石鍵”であってアンタじゃないけど……まぁそう言うこと」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:28:31.56 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部「しかし、避けきれるものなのか? コレを」

 動画では、ワイヤーブレードに捕まりボコボコに殴られている鈴音とセシリアが映っている。
 岡部は自分に重ね、ラウラに殴りつけられる姿を投影していた。

紅莉栖「何とかしなさい」

岡部「……」


……。
…………。
………………。


岡部『軽く言ってくれる……っ!』

 くねくねと、体を捻り、急上昇急降下を繰り返しワイヤーを避け続ける岡部。
 アリーナを精一杯利用することで、ワイヤーの稼動域から離れ回避行動を続けていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:29:07.42 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『ほう……ココまで回避行動が上達するとは』

岡部『良い上官に教えを請うたからな』

ラウラ『違い無い。では、次の手だ』

 軽口を叩き合う最中も攻撃は続いた。
 4本のワイヤーを動かしながらも、ラウラはニ門の砲塔。
 “ブリッツ”を再び“石鍵”に標準した。

ラウラ『さぁ、踊れ!』

 ラウラの瞳が怪しく光る。
 4本のワイヤーを縫う様に、2本の閃光が“石鍵”に向けて走った。

岡部『(これは──避けられ────)』

紅莉栖『岡部!! 右手側にあるワイヤー群に突っ込め!!』

岡部『!!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:29:38.64 ID:GZ8cuMeqo<>
 逡巡する暇は無い。
 一瞬でも紅莉栖の言葉に疑いを持てば“ブリッツ”の直撃を受けていただろう。

 けれど、岡部は指示に従いワイヤーへと飛び込んだ。
 ギンッ、とブレード部分が被弾し少しばかりのシールドエネルギーが削られた。

ラウラ『な──に……』

岡部『はぁ、はぁ……助かった……』

 岡部を捕らえようと動いていたかに見えたワイヤー。
 しかし“ブリッツ”を起動し、照準に集中を割いていたのでワイヤーのコントロールに捕縛は組み込まれていなかった。

 紅莉栖はソレを見破り、あえて被弾することにより空間を作り最小限の被害で無理矢理安全地帯を制作させた。
 瞬時に見破る紅莉栖も異常だが、その指示を全面的に信用し躊躇なくブレードに突っ込んだ岡部もまた異常と言えた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:30:07.27 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『ナイスだ、助手よ!』

紅莉栖『ふっ、ふん。良く避けたじゃない……』

 自分の言葉を何の躊躇いもなく信じてくれた岡部に、赤面してしまう。
 岡部なら信用してくれると解っていても、いざ目の前でその事実を突きつけられてしまうとくすぐったいものがあった。

ラウラ『クククッ、倫太郎。貴様を舐めていた……良かろう、ココからは戦争だ!』

岡部『眼帯娘よ。本気になるのが少々遅かったようだな』

ラウラ『なに……?』

岡部『周囲を良く見てみろ。設置は完了した』

ラウラ『これ──は』
 
 “シュヴァルツェア・レーゲン”を取り囲むように、浮遊する幾つもの黒い塊。
 その形状はラウラの見知ったものだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:30:46.38 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『──クレイモア地雷』

岡部『ご名答。さすがに詳しいな……地雷と言うよりも空中機雷と言ったところか』

ラウラ『優秀だな……』

岡部『少尉殿が、ワイヤーでの追いかけっこに夢中であらせられたからな……』

ラウラ『っふ、言ってくれる』

 気丈に振舞うラウラだったが、内心は穏やかではなかった。
 完全に格下だと思っていた岡部に一杯食わされた。

 ハイパーセンサーの表示に注意していれば、見抜けたものを疎かにしてこの体たらく。
 自分を恥じてさえいた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:31:19.52 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『(威力は充分に見込めそうだな……どうする。“AIC”で防御をするにしても……』

 1つ爆発すれば、誘爆し全てが弾けるだろう。
 “AIC”で防げるのは一面のみ。

 嫌な汗が、額から流れた。

ラウラ『(物理シールドを装備しない事が、裏目に出たか……)』

 ラウラの構想は砲撃とワイヤーにより、懐に呼び寄せプラズマ手刀で首を取ると言うものだった。
 シャルロット相手に付け焼刃の物理シールドは役に立たない。

 “AIC”で捌ききる自信も彼女にはあった。
 が、今はソレが裏目に出ている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:31:46.61 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『(どうする、どうする……)』

 ──フィィィィン!!

《ピット粒子砲》

 左腕に“ピット粒子砲”を呼び出す岡部。
 可視光式のレーザーポインターが照準を合わせたのは“シュヴァルツェア・レーゲン”ではなく、“モアッド・スネーク”だった。

ラウラ『(正しい判断だ。私でもそうする)』

岡部『眼帯……いや、ラウラ・ボーデヴィッヒよ。ギブアップを推奨するが、どうする』

ラウラ『断る。貴様とて、同じ状況下で降りはすまい』

岡部『残念だ(本当に、残念だ)』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:32:24.03 ID:GZ8cuMeqo<>
紅莉栖『だから言ったのよ。そう言うの通じる相手じゃないって……』

ラウラ『さぁ、何を躊躇う。トリガーを引け』

岡部『ぐっ……』

 ニヤリと笑い、言葉を続けるラウラ。

ラウラ『引けば解る。お前の負けだ、倫太郎』

 ──ブゥン!

 左腕のプラズマ手刀を起動させた。
 動けるはずも無いのに、近接武器を起動する意味が岡部には理解出来ない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:32:52.21 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『(なんだ、あの自信は……)』

紅莉栖『動揺すんな! やる事は変わらないんだから、自分を信じて……撃ちなさい!!』

 左手に力を入れて、トリガーに指を掛ける。
 フェザータッチ。

 羽のように軽く引くだけで、バチュン。と実弾が1発発射された。
 放れた弾丸は“モアッド・スネーク”に着弾し、爆ぜる。

ラウラ『──ココだ!!』


 弾着寸前、ラウラは眼帯を解き放ち金色に輝く左目。
 “ヴォーダン・オージェ”-越界の瞳- を発動させていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 02:34:12.42 ID:GZ8cuMeqo<> おわーり。
ご静読ありがとうございました。

書きながら思ったんですが、このスレでも終わりそうに無い気がしてきました……。
長いですが、気長にお付き合い下さい。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 02:46:12.33 ID:j49DPVBE0<> なんという生殺し <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/28(金) 03:58:27.61 ID:hcdU34kk0<> ここで終わりとは、先が気になりすぎてやばいわ・・・

ふと思ったけど石鍵の武装は最終的にはC204型なんだろうなぁ、未来ガジェット的に。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 04:40:34.41 ID:j49DPVBE0<> >自分で表現しておいて、何ですが白い長ランなんですよね。
>今日から俺は! に出てきそうな制服!
こうですか!?><

http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper23132.jpg <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 05:27:49.80 ID:8QLoPW6qo<> おもしれぇ... なんだこれおもしれぇ...いや、おもしろくなってきた... !
このスレで纏めきれなかったとしたらそれはそれで私得
引き続きがんばってくだしあ>< <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 09:50:41.00 ID:D6ytQeODO<> 乙
ラウラさん「ちょっとだけ本気出すわー」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)<>sage<>2011/10/28(金) 10:50:27.21 ID:maaS4PeAO<> 石鍵は最終的にクロックアップとかしそうだから怖い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 14:24:24.31 ID:Stv2Numho<> BAOHみたいに進化するとか胸圧
あとイラストがツボ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/10/28(金) 15:13:56.81 ID:GZ8cuMeqo<> >>1です。
イラストありがとうございます!
どこぞの伊藤君ですね。

余談ですが、>>1は ろくでなしより、今日から俺。今日俺よりBOY派です。
どうでも良いですね。

週末はちょっと忙しそうなので、今日・明日までは頑張ります。
夜にまた投下しにこれたら来ますです。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 19:52:51.66 ID:GZ8cuMeqo<> 添削出来次第、きます。

>>118

↑のような場面が来るので、協力して頂けたら幸いです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 20:22:11.99 ID:etxGqQj9o<> 舞ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/28(金) 20:28:56.19 ID:eHTrlQQPo<> 支援 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/10/28(金) 20:40:27.04 ID:1kUKzFkSo<> wktk <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:52:21.97 ID:GZ8cuMeqo<> いきます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:53:17.97 ID:GZ8cuMeqo<> >>153  続き。




 ──カキンッ。

 
 実弾が“モアッド・スネーク”に当る着弾音を、ラウラは聞き漏らさなかった。
 一瞬にして広がる霧状の煙。
 
 曇る視界。
 けれども、怯むことなく作戦を実行する。

ラウラ『レールカノン“ブリッツ”パージッ!!』

 ──カシュゥゥゥ。

 両肩に装備された、大型のレールカノンが左右へ大きく放たれた。
 それと同時に前方へ“AIC”を作動させる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:53:54.66 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『──熱反応が無い!? ダミーか!? 小癪な……っ!!』

 予期していた衝撃が一切襲ってこない。
 しかし、作戦を変える必要は無い。

 後はただただ直進し、斬り捨てるのみだった。

ラウラ『スラスター出力、全開っっ!!』

 着弾から装備の切り離し。
 “AIC”の起動と、前方へ向けての超加速。

 ここまでの動作を、流れるようにこなし直進する“シュヴァルツェア・レーゲン”。
 ゆえに、クレイモア地雷がダミーであろうと無かろうと関係が無かった。

 視界は超高濃度の霧で覆われ、ハイパーセンサーの感度を最大に上げても“石鍵”を補足することが出来ない。

 ──が。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:54:26.13 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『貴様の居た場所は把握しているっ! 私より先にアクションを起こしていなければ……貴様の負けだ!!』

 攻撃する側である、岡部より一手早い行動。

ラウラ『うォォォォォォオオオ!!』

 瞬時にクレイモアがダミーであり、衝撃が来ないと判断したラウラは“AIC”を切り、突進しながら右腕のプラズマ手刀を展開していた。
 戦いの申し子とも言える瞬時の行動。

 岡部1人が考え、戦っていたのなら、この一手で全てが決まっていた。
 だが、岡部は1人では無い。

岡部『驚いた……ラウラ・ボーデヴィッヒ。貴様はなるほど、天才のようだ』


 天 才 で あ る 我 が 助 手 の 考 え た 通 り の 行 動 を と る と は。
 

ラウラ『っく! 居ないっっ!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:54:56.10 ID:GZ8cuMeqo<>
 霧を切り裂き、左右のブレードを振った空間に“石鍵”の姿は無い。
 つまり、一手先を行っていたラウラのさらに一手先の行動を取られていた。

   -警告-
《敵IS 急接近》

ラウラ『この霧……ハイパーセンサージャマーを伴っているようだな!』

 ハイパーセンサーで捕らえた情報が、ワンテンポ遅れてやってくる。
 背後から、赤い刃が迫っていた。


紅莉栖『“モアッド・スネーク”作動! 突っ込んでくるわよ!!』

 着弾と共に、響く紅莉栖の指示。
 にわかには信じがたいが、紅莉栖の読みだとラウラは両肩の武器を切り離し爆発の攻撃力をカット。
 
 そのまま直進してくるだろうと、直前に岡部へと通達していた。
 岡部に出来ることはただ1つ。

 信じて、動くことだけだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:55:33.72 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『エネルギー供給開始。“サイリウム・セーバー”最大出力……』

 ほぼ全てのエネルギーを“サイリウム・セーバー”への攻撃力へと転換する。
 
 現在、岡部の居る地点は“モアッド・スネーク”を狙撃した地点から右斜め前方。
 たった数メートル移動した地点だった。

ラウラ『うォォォォォォオオオ!!』

 2秒としない内に、響くラウラの雄たけび。
 数秒前まで自分が居た空間がプラズマ手刀によって切り裂かれた。

岡部『背中ががら空きだ! ラウラ・ボーデヴィッヒ!!』

 ──ブォン!!!

 赤い高濃度のエネルギーが、刀身を纏うように発せられている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:56:04.71 ID:GZ8cuMeqo<>  
ラウラ『後ろっ……!!』

 ギリッ、と歯軋りが聞こえてきそうなほどに強く噛み締めるラウラ。
 その表情に余裕の色は無かった。

岡部『ココだぁぁぁあああああアアアア!!』

紅莉栖『いけええええええええ!!』

 ──ガギギギギィィィ!!

 右腕に装備された“サイリウム・セーバー”を薙ぎ払うかのように、内側から外側へと剣を走らせる。
 その赤い剣閃は“シュヴァルツェア・レーゲン”左腕に直撃する。

 ギギギギ・ギ・ギ……!!

 高エネルギーを纏った刃は一撃で“シールドバリアー”を切り裂き、試合を終わらせる。
 
 ──はずだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:56:37.69 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『な──に────』

 振り切ったはずの腕は振り切れず、中ほどでその衝突力は消え失せ止まってしまう。
 “シュヴァルツェア・レーゲン”の右腕に装備された、プラズマ手刀によって止められていた。

ラウラ『危なかった……“ヴォーダン・オージェ”-越界の瞳-を起動していなければ、間に合いようも無かっただろう』

紅莉栖『背後からの攻撃を、あの状態で防ぐだなんて……』

 神速のパルス。
 “ヴォーダン・オージェ”-越界の瞳-。極限まで引き上げられた動体反射によって捉えられた岡部の刃は止められていた。

ラウラ『狙うのなら、頭だ。倫太郎……』

岡部『くっ……ウォォオオオオ!!!』

 止まった刃を振り切ろうと力を入れる。
 パワーアシストを最大限に稼動させるも、その刃がそれ以上“シュヴァルツェア・レーゲン”の腕部を切り裂く事は無かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:57:06.79 ID:GZ8cuMeqo<>
 ──ヒュンヒュンッ!!

 4本のワイヤーブレードが“石鍵”の足を捕縛する。

ラウラ『……』

 ラウラはそのまま、ワイヤーブレードを振り回し“石鍵”を地表へと叩き付けた。

 ──ドガァッ!!

岡部『ぐぬうぅぅぅぅ!!』

紅莉栖『岡部ぇぇぇ!!』

 揺れる視界。
 何時の間にか“モアッド・スネーク”が作り出した高濃度の霧は晴れていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:57:36.39 ID:GZ8cuMeqo<>
 地表へ降り立つ、黒き雨。
 ドイツの冷氷。ラウラ・ボーデヴィッヒの口が開く。

ラウラ『降れ、倫太郎。貴様の負けだ』

岡部『……』

 大地に叩き付けられた際に“シールドバリアー”が作動し、多量のエネルギーが削られてしまった。
 “サイリウム・セーバー”に供給されたエネルギーを併せて、“石鍵”には殆どエネルギーが残されてはいない。

 しゅるしゅると、足を拘束していたワイヤーブレードの捕縛が解かれる。

ラウラ『頭部を狙わなかったその甘さが敗因だ。さぁ、降れ。エネルギーは残されていまい』

紅莉栖『岡部……もう……』

岡部『“断る。貴様とて、同じ状況下で降りはすまい”……だったな』

 一瞬の沈黙の後、ラウラが口を開いた。

ラウラ『相済まなかった。私は貴様を侮っていた。最後まで、全力で叩き伏せよう……!!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:58:06.85 ID:GZ8cuMeqo<>
 攻撃態勢に移る“シュヴァルツェア・レーゲン”。
 レールカノンを失った今、攻撃手段はワイヤーブレードとプラズマ手刀。

 ラウラはワイヤーブレードを四方向に射出し“石鍵”に狙いを定めた。
 そして自身もスラスターを唸らせ、突進する。

 先制するワイヤーブレードに気を取られれば、後追いのプラズマ手刀に切り裂かれる。
 かと言って、前者を蔑ろにすれば捕縛され切り裂かれる。


岡部『どうする、どうする──このままでは終わる』


岡部『くそっ────どうすれば────』
 
  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 20:58:57.25 ID:GZ8cuMeqo<>  

   ***──フォーントリガー発動──***




ニア

    『あの攻撃の軌道さえ、読めれば』

    『あの攻撃さえ、回避できれば』
  <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)<>sage<>2011/10/28(金) 21:01:15.24 ID:ffibfsvlo<> 回避さえできればッ! <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 21:01:52.57 ID:GZ8cuMeqo<> おわーりです。

アンケート的なものだと思ってください。
どちからを、選択。
数の多い選択肢へと進みます。

これこそ、運命石の扉の選択……。

エル・プサイ・コングルゥ。


期限は定めません。
>>1がココに次来た時に、多い方のルートを取らさせて頂きます。
もしかしたら速攻来るかも知れませんし、明日来るかもしれません。

明日以降になることはありません。
よろしくお願いします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮城県)<>sage saga<>2011/10/28(金) 21:04:09.08 ID:tbampMGG0<> 乙乙

軌道さえ読めればそれで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<>sage<>2011/10/28(金) 21:04:16.63 ID:rokChrFyo<> 軌道さえ読めれば! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 21:04:35.41 ID:FatTt8VZo<> 乙乙
クリスティーナはやはり天才だったな

フォーントリガーは「軌道さえ読めれば」で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2011/10/28(金) 21:06:16.72 ID:Y0VpZRDK0<> 回避・・! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<><>2011/10/28(金) 21:07:55.97 ID:TpEXVFyj0<> 乙!
岡部がんばwwww <> 名無しNIPPER<>sage<>2011/10/28(金) 21:11:15.57 ID:Rz999EODO<> 乙
リーディングシュタイナー的に「軌道が読めれば」で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 21:11:25.41 ID:STwiydZn0<> 乙です。『あの攻撃の軌道さえ、読めれば』に一票。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/28(金) 21:14:10.59 ID:hcdU34kk0<> 「軌道さえ読めれば」なんとかなりそうだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/10/28(金) 21:22:12.22 ID:KnJ/uYG0o<> 軌道さえ読めればなんとかなるでしょ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 21:34:35.91 ID:nzSr07hIO<> 軌道さえ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/10/28(金) 21:40:33.12 ID:YWYE11Hy0<> 出たオカリンの十八番"未来予知"だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 21:45:45.19 ID:h21yX3R7o<> 乙
『あの攻撃の軌道さえ、読めれば』
こっちのがオカリンっぽい気がする <> 名無しの案山子<>kotaegu1126@yahoo.co.jp<>2011/10/28(金) 21:59:07.03 ID:03qr3c110<> オカリンなら軌道を読めれただけで世界線が変わって勝利に持っていくと思う。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 22:07:23.50 ID:HnTKNbIvo<> 乙
軌道さえ読めればで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/28(金) 22:28:57.69 ID:adGYXJAIO<> 起動さえ読めればでおながいします <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 22:31:25.69 ID:GZ8cuMeqo<> ───────────────────
────────‐──────────
─‐────────────‐─────
─────‐∧ ∧,〜 ────────── ココまでっ!!
──−──‐( (⌒ ̄ `ヽ───_ ────
──―───‐\  \ `ー'"´, -'⌒ヽ────
―‐――──‐ /∠_,ノ    _/_───‐―─
─────‐ /( ノ ヽ、_/´  \―────‐─
────‐ 、( 'ノ(     く     `ヽ、 ―──
───‐‐/` ―\____>\___ノ ─────
───/───―‐/__〉.───`、__>.―‐―
──/──‐──────────────―−
─/────────−─────────
───────────────────


予想以上に答えて貰えてびっくりです。
ありがとうございます。

思ったより、>>1は暇でした。
ご飯食べて、お風呂入ってやることが無かった。
これから書きますので、出来次第投稿しに来ます。

本当にありがとうございました。 <> 名無しNIPPER<>sage<>2011/10/28(金) 22:47:14.11 ID:ALyPOcjAO<> 回…っ!?


…出遅れた…だと…?! <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:17:41.86 ID:GZ8cuMeqo<> 短いですが、いきます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:18:24.40 ID:GZ8cuMeqo<> >>178  続き。


───────────────────

 ──軌道さえ、軌道さえ読めれば。

───────────────────
 
 
  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:19:00.46 ID:GZ8cuMeqo<>  
 ワイヤーブレードを無視する事は出来ない。
 蛇の様に複雑に動くワイヤー郡。

 空中なら兎も角、地上でソレを避けきる事は今の岡部には出来なかった。

紅莉栖『岡部、逃げてぇぇぇ!!』

 悲痛を伴う紅莉栖の叫び。
 けれど、今の岡部には届かなかった。

岡部『軌道さえ、読めれば……』

 棒立ちになる“石鍵”。
 ハイパーセンサーをフル稼働して、軌道を読む。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:19:30.01 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『無……理だ……』

 縦横無尽に迫り来るワイヤーブレード。
 安全地帯など、ありはしなかった。

 残りエネルギー残量も無く、悪あがきも出来ない。

 岡部は静かに目を瞑った。


 ──ジャキッ!!

 諦めかけ、目を閉じたその時。
 “石鍵”の両肩部のユニットが音を立ててスライドした。

 円柱状の何かが一対、射出された。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:20:00.87 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『な、んだ……』

ラウラ『……っ!?』

 突然表れたパネルに、情報が表示されていく。


《戦闘経験値が一定量に達しました。新ガジェットを構築完了しました。伴い、第1ゲートを開錠します》
 
 新ガジェット。
 ゲートの開放。

 理解できない単語が並ぶ。
 ゲート開放の表示と共に、“石鍵”のエネルギー残量が回復……。

 もとい、“総エネルギー量が大幅に増えた”。
 
ラウラ『今更何が起きても、遅いっっ!!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:20:52.27 ID:GZ8cuMeqo<>



 ───────────────────────

   《“刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト- 》

 ───────────────────────
 
 
 
  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:21:21.05 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『パラダ……』

紅莉栖『嘘……“無段階移行”……』

《全知観測型ビット兵器。“刻司ル十二ノ盟約”全ての事象を観測し操縦者に──》

岡部『なっ、何でも良い! 時間が無い!! 起動だ!!!』

 ──シュンシュンシュン。

 円柱状のビットに亀裂が入り、分離しアリーナへと拡散した。
 その数、12機。

ラウラ『ビット兵器……、使う暇など与えんっ!!』

岡部『間に合わな──』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:21:50.39 ID:GZ8cuMeqo<>
 眼前に迫る4本のワイヤーブレード。

 ──ザンッ!! ザッザッザン!!

 巻き上がる土埃。
 岡部に逃げ場など無かった。

 けれど、ラウラの表情は曇っている。
 苦虫をすり潰したような、そんな顔だった。

 スラスターでの突進をやめ、停止する。
 ハイパーセンサーで状況は掴めていたが、視認して愕然とした。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:22:22.02 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『……』

 ワイヤーブレードは全てが大地に突き刺さっている。
 岡部は半歩前に進み、唯一と言って良いほどの安全地帯へと歩を進めていた。

 “観測”した結果、その場所だけが唯一のセーフティーゾーンと解ったから、その場所へ移動した。
 
 ただ、どうしても4本目のワイヤーブレードだけは避けられ得ない。
 それも解っていた岡部は、右腕の“サイリウム・セーバー”で、ブレードの軌道をちょいと変えることにより、全ての攻撃を回避していた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:22:56.53 ID:GZ8cuMeqo<>
ラウラ『……』

 状況が掴めないラウラは、プラズマ手刀での追撃を止め岡部を睨む。

岡部『う……あ、あ……』

 等の岡部はと言うと……。

 ──ズシャッ。

 片膝を付き、頭を抱えてうなだれていた。

岡部『あ、あ……』

紅莉栖『岡部……岡部? ちょっと! どうしたの!?』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:23:23.84 ID:GZ8cuMeqo<>
岡部『──ダ、めだ……情……報量が……多す、ぎて……頭が……』

 ──シュゥゥゥン。

 “石鍵”の展開が解かれ、岡部はアリーナへと倒れこむ。
 操縦者保護プログラムが作動し、操縦者の意識を断ち切った。

紅莉栖『岡部!? 岡部!?』

 紅莉栖の声も当然届かない。

ラウラ『……』

 第1アリーナには、勝者であるラウラ・ボーデヴィッヒのみがISを纏っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:23:57.64 ID:GZ8cuMeqo<>

       -第1アリーナ-
 “石鍵” vs “シュヴァルツェア・レーゲン”
 
   勝者“シュヴァルツェア・レーゲン” <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/28(金) 23:25:00.05 ID:GZ8cuMeqo<> おわーりでございます。

ご静読、及びご協力ありがとうございました。
昨夜から結構頑張った、うん、頑張った。

ありがとうございました! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(島根県)<>sage<>2011/10/28(金) 23:30:16.54 ID:38MHlgP8o<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県)<>sage<>2011/10/28(金) 23:30:42.95 ID:eThKERbqo<> そういう使い方するか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)<>sage<>2011/10/28(金) 23:50:16.70 ID:nmgFZ7bso<> 乙
『回避できれば』だったらどうなってたのかね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 00:15:31.78 ID:DrEYMlDso<> 乙!
フォーントリガーには出遅れたけど見たい方の展開でよかった

これこそが"運命石の扉"の選択だ!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/29(土) 00:17:21.34 ID:XC+3/y3x0<> 乙
選択次第で習得するガジェットが変化するってことなのかな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(高知県)<>sage<>2011/10/29(土) 00:18:06.37 ID:0UW61zaqo<> 乙!
なんだか映画の刹那を思い出すな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 00:22:11.75 ID:G5Ycx20Uo<> 乙カレー

オカリンの機体はかなりトリッキーな方向に進化しそうだなww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 00:30:16.16 ID:mpUQC0sSO<> 結果を観測する機能かな?
確かにオカリンらしいが、多用は出来なさそうだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)<>sage<>2011/10/29(土) 00:38:01.60 ID:Zzx6b6Gg0<> 乙
いいペースだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2011/10/29(土) 00:38:33.79 ID:5bQbfHwRo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/10/29(土) 01:17:17.09 ID:9lN6p9XAO<> あんまり多用したらゆゆゆゆゆ状態になりそうで怖い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 02:15:49.92 ID:qnQaPfi50<> 乙

岡部のIS最終的に羽出てきそうだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北陸地方)<>sage<>2011/10/29(土) 02:24:30.64 ID:Z1rXCoFeo<> 某ライダーの緑形態みたいなもんか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 03:24:34.62 ID:qAXVsCnSO<> やぱい!面白い!
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 07:14:05.97 ID:IyPqOfn2o<> 乙
比較的安全なゼロシステムみたいなノリか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)<>sage<>2011/10/29(土) 08:37:58.56 ID:j69GGvVqo<> 最高や! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 08:45:57.87 ID:I0cLbvwDO<> 乙
なんと中二臭い新装備の名前wwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 09:02:29.37 ID:av8jGHBDO<> これ、もう一つのルートならボソンジャンプだったりして <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 09:07:18.06 ID:ipSRYgpfo<> ゼロシフト発現は早すぎるだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage.saga<>2011/10/29(土) 09:09:06.06 ID:73xQr0mt0<> TSU・DU・KI!
いかん、続きを読まないといられない病が発病してしまった!
これが、これが機関のやり方か!
待ってます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 09:31:39.37 ID:qAXVsCnSO<> しかし「またつまらぬものを切ってしまった」のガジェットが覚醒したら能力はわからんが名前が恥ずかしいってレベルじゃねーぞwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/29(土) 09:53:23.60 ID:CxYxtyjko<> つないでしまった な <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:09:02.61 ID:kWBdSN0xo<> >>1です。


短めですが、添削等々終わりましたら今日の分を投下しにきまう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)<>sage<>2011/10/29(土) 10:16:30.95 ID:P+U6dIgMo<> キタ━━━(゚∀゚)━━━!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)<>sage<>2011/10/29(土) 10:17:05.77 ID:P+U6dIgMo<> キタ━━━(゚∀゚)━━━!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 10:22:27.58 ID:8dLt5fvDO<> 舞ってたお! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2011/10/29(土) 10:27:30.94 ID:CxYxtyjko<> キッタァー! <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:38:58.08 ID:kWBdSN0xo<> いきます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:39:51.37 ID:kWBdSN0xo<> >>209  続き。


      1年1組-専用機持ち初戦

第1アリーナ ラウラ・ボーデヴィッヒ vs 岡部倫太郎

     勝者 ラウラ・ボーデヴィッヒ


第2アリーナ シャルロット・デュノア vs 篠ノ之 箒

     勝者 シャルロット・デュノア


第3アリーナ 織斑一夏 vs セシリア・オルコット

     勝者 セシリア・オルコット <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:40:21.77 ID:kWBdSN0xo<>

 結果が電光掲示板に映し出される。
 皮肉にも、勝者の名前に日本人の名前は1つも無かった。


……。
…………。
………………。


箒『くそっ! 何故だ、何故当らない!!』

 “雨月”と“空裂”によるエネルギー状の刺突と斬撃。
 それは虚しく、アリーナの床に傷を付けるだけだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:40:55.56 ID:kWBdSN0xo<>
シャル『それじゃぁ、当らないよ!』

 大地をホバリングするように、疾走する“ラファール・リヴァイヴ・カスタムII”
 攻撃を避けては、連装ショットガン“レイン・オブ・サタデイ”を“紅椿”にお見舞いしていた。

 ──ガンガンガン!

 自分の攻撃は当らず、シャルロットの攻撃だけが当る。
 箒は焦燥していた。

箒『ならば……これならどうだ!』

 ──ジャキッ!!

 肩部ユニットがスライドし“穿千”が姿を現す。
 箒は、出力可変型ブラスターライフルの出力を最大にした。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:41:57.56 ID:kWBdSN0xo<>
箒『一気に決める……!! はぁぁぁ!!』

シャル『一夏も箒も一緒だね。焦ると直ぐに大技を使っちゃうんだからさ!』

 “穿千”から放たれる高出力の弾丸。
 シャルロットはソレをホバリングで回避した後、すぐさま“瞬時加速”を発動させていた。

 宙に浮いていた“紅椿”と地に居た“ラファール・リヴァイヴ”。
 その間合いは一瞬の内に無くなっていた。

箒『イグニッションブースト……!』

シャル『“絢爛舞踏”で回復されると厄介だからね。高攻撃力の武器を使うのを待っていたんだ』

 零距離。
 “紅椿”の腹部に“灰色の鱗殻”が突き刺さった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:42:23.91 ID:kWBdSN0xo<>
箒『────っっ!!』

 ──ガンッッガンッッ!!

 69口径のパイルバンカーが火を噴いた。
 たった2発で“紅椿”の“シールドエネルギー”は底を尽き、敗者が決まる。


箒「……」

 敗因は幾らでもあった。
 挙げれば限が無いほどに。

 シャルロットの戦法に惑わされ、自分の戦いが出来なかった。
 “砂漠の逃げ水”とは良く言ったもので、苛立ちが積もりらしくない遠距離戦を選択してしまった。

 “絢爛舞踏”があるからと、後先考えずエネルギーを多用してしまいそこをシャルロットに突かれた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:43:04.01 ID:kWBdSN0xo<>
箒「一夏……お前は、勝てたか?」

 ロッカールームで1人呟く。
 箒の声は震えていた。
 

……。
…………。
………………。


一夏『強い……!!』

 上下左右から放たれるビット兵器からの攻撃。
 それを回避し、時には“零落白夜”のシールドで防いでいた。

 ここまでは何時もの“ブルー・ティアーズ”だった。

 ──バシュゥゥゥン!! <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:43:33.55 ID:kWBdSN0xo<>
一夏『ぐぁぁっっ!! ……っ、またか!?』

 背後から襲いくるBT射撃。
 これで3度目の被弾だった。

セシリア『……』

 セシリアの目は真剣その物だった。
 4機のビット兵器操作に加え“BT偏光制御射撃”を織り交ぜているのだから、集中を切らす余裕は無い。

一夏『以前のような隙が無い……』

 以前のセシリアであれば、ビット操作時は他の行動が出来なく、そこに隙があった。
 しかし、今では“BT偏光制御射撃”により以前のような隙は無い。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:44:02.05 ID:kWBdSN0xo<>
一夏『この攻撃を掻い潜って“瞬時加速”……決めるっ!!』

セシリア『甘いですわ』

 セシリアはあえて、ビット兵器から逃げられる道筋を1つだけ用意していた。
 一夏は思惑通り、その道筋を見つけターゲットである“ブルー・ティアーズ”に向け“瞬時加速”を行おうとしている。

 “スターライトmkIII”
 “ブルー・ティアーズ”の主力武装である巨大な特殊レーザーライフルが“白式”を貫いた。

一夏『なっ……ビット兵器を動かしている間、セシリアは……』

セシリア『えぇ。ですから“動かすのを止めて”おりましてよ』

 一夏が“スターライトmkIII”の射撃斜線上に躍り出た瞬間、セシリアはビット兵器の操作を辞めた。
 操縦を失った4機のビットは地上へと力なく落ちていく。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:44:31.64 ID:kWBdSN0xo<>
一夏『マ……ジ、かよ』

 地上に激突し、破壊される前に勝負は付いた。
 セシリアは直ぐに集中をし直し、ビット兵器を呼び戻しす。

セシリア『これが、わたくし。セシリア・オルコットの実力ですわ!』

 こうしてセシリアは、勝利と共に失われた自信を取り戻した。


……。
…………。
………………。


紅莉栖「以上。午前の部でした まる」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:45:01.74 ID:kWBdSN0xo<>
岡部「……」

 目を覚ますと、そこはベッドの上。
 体に痛みは無いが、頭痛だけが未だに岡部の頭に響いていた。

 空中投影ディスプレイを操作しながら、戦闘動画を岡部に見せる紅莉栖。
 岡部はそれをベッドで寝ながら見ていた。

岡部「なぁ、助手よ……」

紅莉栖「ん?」

岡部「お前は以前から、その投影ディスプレイを使っていたか……?」

紅莉栖「? 何言ってんの? んー……微妙ね、今ほど多用する機会無かったし」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:45:28.12 ID:kWBdSN0xo<>
岡部「そうか……」

紅莉栖「急にどうしたの?」

岡部「いや、少し寝ぼけているようだ。まだ頭がぼやけている」

 そう言って掌を頭に押し付ける。
 ズキンズキンと、頭痛が響く。

紅莉栖「──で、新しいガジェットだけど」

岡部「あぁ……」

 投影ディスプレイを指でなぞり、岡部の前へと引き寄せる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:45:54.43 ID:kWBdSN0xo<>  
───────────────────────

《“刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト- 》

───────────────────────

紅莉栖「なんつー厨ニなネーミングセンスよ……」

岡部「お、俺が考えた訳じゃない」

紅莉栖「束博士の言う限りじゃ、アンタが全て起因になっている訳だが?」

岡部「ぐぬぬ……」

紅莉栖「まぁ。良いわ──で、そのパラダイムなんだけど……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:46:23.45 ID:kWBdSN0xo<>
 紅莉栖の説明は端的で解りやすかった。
 全知観測型ビット兵器。12のビットが事象を観測し操縦者にリアルタイムで状況を伝達。


 最大稼働時にはどこまで観測されるのか、検討も付かないと言う。
 現状の稼働率は30%。


 それでも、人間の脳では処理しきれない情報量で脳がパニックを起こす。
 今のままでは使い物にならない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:48:10.35 ID:kWBdSN0xo<>
紅莉栖「──って訳」

岡部「またしても微妙な……」

紅莉栖「そうでも無いわ。出力を10……いや、7.8%ほどに落せば使えると思う。
    それで充分戦いになる」

岡部「そうか……」

紅莉栖「多分、100%で稼動することを前提にエネルギーが別途用意されていたんでしょうね。
   “石鍵”の“総エネルギー量”結構凄いことになってるわよ。
    これを、他に流用すればもっとマシな戦いが出来るわね」

岡部「ビット兵器はオマケだな」

紅莉栖「違いない」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:48:46.75 ID:kWBdSN0xo<>
 軽口を叩き合う2人。
 紅莉栖が無理矢理にでも明るく振舞おうとしているのが、岡部には解った。

岡部「助手よ……」

紅莉栖「ん?」

岡部「済まなかったな。負けてしまった」

紅莉栖「……相手はラウラよ? 実際、良くやったわよ」

岡部「あぁ……」

 IS学園1年1組 クラス内対抗戦。
 午前の部が終了した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/10/29(土) 10:49:22.27 ID:kWBdSN0xo<> おわーりでございます。

今日もありがとうございました。

ハロウィンが──来るっ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)<>sage<>2011/10/29(土) 10:52:26.90 ID:P+U6dIgMo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県)<>sage<>2011/10/29(土) 11:01:42.71 ID:eNQeBtKR0<> 乙かれちゃーん!!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 11:35:50.05 ID:PA5gW4FIO<> アニメ見た限りじゃシャルの技量が頭一つ飛び抜けてるもんな。旧式の機体で新世代のモップを凌駕するってのはやっぱ燃える。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)<>sage<>2011/10/29(土) 13:46:07.57 ID:+4uHCMy8o<> 乙。
まぁ、普通に考えりゃ代表候補生や現役軍人が勝つに決まってる罠。
赤い彗星の人や乙女座の人も、「機体の性能の違いが戦力の差じゃない」って言ってるし。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2011/10/29(土) 14:42:00.93 ID:5Ml5kkc7o<> 稼働率が100%になったら他の世界線の動きまで見えるようになるのか!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/29(土) 17:05:48.60 ID:mpUQC0sSO<> ほんとに、何と戦うつもりの機体なんだろうな
オカリンのトラウマ的に、世界そのものとでも戦うつもりなんだろうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2011/10/29(土) 19:10:22.82 ID:uKQ+k2OH0<> なんかバルドスカイ思い出した <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2011/10/29(土) 19:24:44.32 ID:gcMJOLIqo<> 100%でオカリンは神になるのかwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本)<>sage<>2011/10/29(土) 19:31:20.33 ID:afE0JQdw0<> 今日山手に乗ってたら、上野駅から白衣を着たオカリンなりきりクンがアキバで降りて行きましたww

>>1
乙です。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 00:04:57.35 ID:WKVWEpCDO<> ワンサマさん、毎日一緒に遊んでた友達がいつのまにか夏休みの宿題を終わらせてたような気分だろうな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/30(日) 00:29:59.23 ID:GUDapiHv0<> >>263
金曜はラボメンNo.001〜004が、自分たちのラボを地図片手に探してた。まぁ日曜までは増殖してるっしょ。

それはそうと、>>1乙ーーー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)<>sage<>2011/10/30(日) 00:33:07.35 ID:XLgKA0XNo<> オカリンまた違う世界線の記憶あるんかな?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/30(日) 02:51:22.43 ID:mSJifIb80<> >>1乙です。

武装が増えるたびに、石鍵のスペックがどんどん凄いことになっていきそうだ・・・
最終的には化け物じみた性能になってるんだろうな、乗りこなせるかはともかく。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 06:36:45.50 ID:bz3yHw7SO<> いずれ、機体性能なんかの比較なんかが欲しいな
大まかなかんじで <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/10/30(日) 06:59:41.48 ID:GLTuG/Gq0<> (つД⊂)ごしごし

(;゜Д゜) !?

驚きのあまり、不慣れなスマートホンから書き込んでしまったw w <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2011/10/30(日) 07:02:44.31 ID:GLTuG/Gq0<> お恥ずかしい。
↑のはミスです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 13:01:43.61 ID:3sVtQMVIO<> なにがあったw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 14:04:38.17 ID:pGwxKM+IO<> どうしたwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 16:21:41.79 ID:+0RBMeyM0<> Trick or Treat

これからどうなるか楽しみだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2011/10/30(日) 17:13:02.80 ID:lur988MZo<> 期待期待!!支援支援!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2011/10/30(日) 22:10:17.29 ID:9wGNg8vAO<> オカリンのISピーキー過ぎて使えない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 22:16:21.90 ID:M8RkKBnao<> >>275
あくまで普通の大学生であるオカリンにリーディングシュタイナーなんて大層な能力が宿ったのを考えれば
ある種凄いぴったりなISだよなww

リーディングシュタイナーに振り回されながらも必死に這いずり回った本編オカリンのように
この世界線のオカリンも泥臭く頑張って欲しい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 22:44:13.95 ID:7suHVx2IO<> カオスヘッドの拓巳もIS適正持ってそうだよね。メインヒロインの子も余裕でAランクかも……たはは。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/30(日) 23:24:46.72 ID:d8XbsLE50<> ビシィさんはお帰りください <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山口県)<>sage<>2011/10/31(月) 00:06:12.94 ID:HffUSw82o<> >>277
こずぴぃが無双するな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/31(月) 00:19:22.97 ID:w6J8bZF3o<> カオスヘッドのギガロマニアックスは将来的な負担こそ大きいものの
短いスパンでみればまさにチートレベルの能力だからなww
なんというか、ISとは物語的に相性が悪いというか、絡めるとまったく別の物語になりそう
肝心のIS機体が蔑ろになるというか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/31(月) 07:00:03.71 ID:SoMxUKAwo<> 雑談なら他所でやれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2011/10/31(月) 08:44:42.17 ID:UcDhG2NX0<> 一番うざいのはカオヘ厨だよ
カオヘ微妙だよね、って呟いただけであいつら顔真っ赤にして

「つまらないとか垂れ流すな!もしそれが原因で、
 プレイするきっかけを潰したらどうするんだ!
 面白い、とだけ感想書けよ!それが無理なら感想するな!黙ってろ!
 あーあこれだからシュタゲ厨はよォ、シュタゲが一番と勘違いしてやがる!
 ふざけんじゃねぇっての。カオヘという作品が出たからシュタゲが生まれたんだっての!
 それぐらい分かれタコ!シュタゲ厨まじ[ピーーー]、氏ねじゃなくて[ピーーー]」

って猛烈に唾飛ばしながら怒るんだぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2011/10/31(月) 10:24:51.58 ID:gut14PUr0<> >>282
俺カオヘやったことないけどこのスレにいらんこと書き込む>>282はうざいと思う <>
◆uJ3tRzppDw<>saga sage <>2011/10/31(月) 20:58:53.93 ID:uZ27Q9O10<> >>1です。
暫く家を空けていたので、更新が滞ってました。
明日には帰るので更新出来るかと思います。

雑談ですが、>>1 的にはokと言うか読むのを楽しみにしているので問題無いです。
さすがに全く関係無い話題ですと反応に困ってしまいますが。

それでは、引き続きご贔屓にして頂ければと。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage <>2011/10/31(月) 21:01:55.34 ID:uZ27Q9O10<> あれ!?
トリップが違う?? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)<>sage<>2011/10/31(月) 21:03:05.48 ID:bYdWDtKvo<> おうがんばれ <> ◆H7NlgNe7hg<>sage<>2011/10/31(月) 21:04:40.08 ID:uZ27Q9O10<> 大変失礼しました。
これだから、スマートホンは…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)<>sage<>2011/10/31(月) 21:06:43.82 ID:kHUbNjA/o<> 舞ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/01(火) 12:37:49.12 ID:vF0ZQKaAO<> 別世界線の>>1の酉なんじゃね

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(鹿児島県)<>sage<>2011/11/01(火) 17:32:17.42 ID:YlgM5V62o<> てす

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
<>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/01(火) 21:37:50.52 ID:1B3rF/7go<> やっとお家に帰れた>>1がテスト。

これ、サーバー移転の宣伝はしばらく続くのかなぁ。
だとしたら読みにくいですよね……。

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
<>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/01(火) 21:42:34.70 ID:1B3rF/7go<> sage忘れました、申し訳無い。
自身の本文投下以外のミスがあまりにも目立つ。

自治スレ覗いても、消えないぽいしこのままやるしか無いですねかね。
今日投下出来るかと思いましたが、すみません。
明日以降デス……。

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/01(火) 21:45:42.41 ID:ndBom0/2o<> うっす。了解!

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)<>sage<>2011/11/01(火) 21:49:44.31 ID:aDVwRwX9o<> >>1りんおかえりん☆
待ってる!

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)<>sage<>2011/11/02(水) 00:15:36.70 ID:KYamHii6o<> こうやったらみやすいよ
改行↓





サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
<>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/02(水) 09:40:31.77 ID:OIm5OHPbo<> てすてす <> ◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/02(水) 09:41:23.28 ID:OIm5OHPbo<> 表示されなくなりましたね。
これは早い仕事。

今日の夜に投下しにきまう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(鹿児島県)<>sage<>2011/11/02(水) 09:55:42.24 ID:N3WGZznjo<> 了解 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/02(水) 10:02:19.83 ID:3JRKYHODO<> 夜まで舞ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(神奈川県)<>sage<>2011/11/02(水) 20:37:25.51 ID:7pBZyKs8o<> マダカナーマダカナー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/02(水) 20:40:27.92 ID:n7VtuHwIO<> マナカナーマナカナー <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 21:59:34.84 ID:OIm5OHPbo<> 短めですが、添削終わったら投下しに来ます。
まとまった時間が欲しいでう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/02(水) 23:04:47.23 ID:wd7mc4Y9o<> 待ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(九州)<>sage<>2011/11/02(水) 23:06:10.20 ID:XR5YNWyAO<> 昨日見始めたけど追い付いちゃった <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:19:49.45 ID:OIm5OHPbo<> 投稿しようとしたら鯖?落ちてて書き込み出来ないし、
寝なきゃキツイ時間だしで、

今になって書き込めるだと……。

>>304
遅筆で申し訳ありません……。

短いですが往きます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:20:57.48 ID:OIm5OHPbo<> >>253  続き。




─職員室─


 職員室では、織斑千冬が額に指をあてしかめっ面を作っていた。 
 原因は目の前に居る男。

 岡部倫太郎だった。

千冬「……」

岡部「……」

千冬「束め、面倒な機能を……」

 “無段階移行”-シームレス・シフト-による新装備の発現。
 提出された装備ではない、新しい装備。

 厳密に言うのなら、岡部は事前に提出された装備ではない物を使用した。
 失格処分になり単位剥奪は免れなかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:21:33.56 ID:OIm5OHPbo<>
岡部「ティーチャーよ。弁明しておくが、俺は欲しくて新しい装備を──」

千冬「解ってる。馬鹿者め。欲しかったからと言って、ぽんぽんぽんぽん新しい装備を作ってくれるISがどこの世界にある」

 生徒に非が無い事を、千冬は理解していた。
 “無段階移行”-シームレス・シフト-を搭載しているISは世界でたったの2機しか居ない。

 そして世界で2番目の例になった。

千冬「専用機組みに午後の部は無い。午後は他の生徒がアリーナを使うからな。
    処分は追って報告をする。帰って宜しい」

岡部「了解した」

 職員室を後にする岡部。
 それと入れ違うように、1年1組の副担任である山田真耶が千冬に近づいた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:22:01.50 ID:OIm5OHPbo<>
真耶「“無段階移行”-シームレス・シフト-ですか……“紅椿”に続き2番目の観測になりますね」

千冬「頭痛の種が増えるのは御免なんだがな」

 真耶が手渡したコーヒーをこくりと飲みながら答える。
 無糖のブラックが胃に染みた。

 千冬は辺りに人が居ない場合のみ、校内でも真耶とはこのような砕けた話し方をする癖がある。
 当人も自覚していたが、別段問題も無いので口調を改めることも無かった。

真耶「どうするんです? 明日の試合」

千冬「敗者同士である、織斑と篠ノ之。そして勝者であるボーデヴィッヒとデュノアを当てる。
    岡部は無しだ」

真耶「えっと……それは、失格と言うことですか?」

 たっぷりと練られた、甘いバンホーデンのミルクココアを飲みながら真耶が尋ねた。
 甘い匂いが千冬の鼻腔をくすぐる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:22:33.65 ID:OIm5OHPbo<>
千冬「いや。失格扱いにはしない。だが、不公平であることには変わりない。
    1組の専用機持ちは現在5名。つまり、そう言うことだ」

真耶「あははっ、ちゃっかり楽してません?」

千冬「そうとも取れるかもしれないな」

真耶「それじゃぁ、明日はその2組の対戦だけ済ませたら専用機同士の対戦は終りですね。
    仕方が無い事とは言え、専用機を優先してアリーナを使わせることを快く思わない人達も多いですしね」

千冬「そういう事だ」

 話しを飲み込めた真耶は、カカオの匂いを振りまく液体を美味しそうに飲み干した。
 千冬もそれを見て、ブラックコーヒーを飲み干す。

千冬「疲れているのだろうな、甘い物が恋しくなるとは」

 目を細め、ココアの入っていたカップを見据える。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:23:01.39 ID:OIm5OHPbo<>
千冬「ときに山田先生。今日の帰りは“クレッシェンド”へ行きませんか」

 バー・クレッシェンド。
 フランス製の調度品で統一されたそこは、千冬と真耶の行き着けだった。

真耶「あっ、良いですね。また黒ビールですか?」

千冬「いや。今夜はカルーア・ミルクの気分でしてね」

真耶「かっ、かるーあ?」

 似合わない。
 思わずそんな事を口走りそうになった真耶だが、寸でのところで舌が止まった。

 無論、止まったところで千冬に誤魔化しは通用しない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:23:55.76 ID:OIm5OHPbo<>
千冬「貴女のせいですよ、山田先生」

 ギギギ、と頬をつねる。
 マシュマロのように柔らかい真耶のほっぺは、ぐにぃと形を変形させられていた。

真耶「いはっ、いはいれふ〜」

千冬「明日も試合ですからね。深酒は出来ませんよ、山田先生」

真耶「は、はひぃ〜わかってまふぅ〜」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:24:22.74 ID:OIm5OHPbo<>

─廊下─


紅莉栖「──で、どうだったの?」

 廊下で腕組をして待っていた紅莉栖が話しかけた。

岡部「追って連絡をするそうだ」

紅莉栖「そ。まぁ最悪の事態は免れるでしょうね。織斑先生ってアレで融通効く先生だし」

岡部「……アレがか?」

紅莉栖「損な性格よね、あの人も」

岡部「?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:24:49.55 ID:OIm5OHPbo<>
 頭の上にクエスチョンマークを出す岡部。
 それと対象に、1人で納得する紅莉栖。

 2人が並んで足を伸ばす先は、食堂だった。

一夏「おっ、来た来た」

 何時ものテーブル席に座るのは何時もの顔ぶれ。
 お昼時を少しだけ過ぎた食堂は、生徒の数もまばらだった。

紅莉栖「皆はもう食後のティータイム?」

セシリア「えぇ。我々専用機持ちに午後の部はございませんから」

シャル「じゃぁ一息つけようかって」

箒「鈴は通常授業だから、昼を取ったら教室へ帰ったがな」

ラウラ「随分と恨めしそうな顔をしていたものだ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:25:17.80 ID:OIm5OHPbo<>
 何時もの面子で、鈴音だけがクラス違い。
 こう言ったクラス内でのイベントの度に、寂しい思いを1人募らせていた。

一夏「凶真と紅莉栖は飯まだだろ? 取ってこいよ」

岡部「うむ。そうさせて貰うとしよう」


 牛丼とドクトルペッパー。
 カップラーメンとドクトルペッパー。

一夏「最近、紅莉栖はカップメンばかりだな……」

箒「カップラーメンは体にあまり良くない。止めろとは言わないが控えた方が賢明だろう」

紅莉栖「う……」

ラウラ「倫太郎、貴様もだ。何時も同じメニューではバランスが悪い。食事にも気を使え」

岡部「む……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:25:44.86 ID:OIm5OHPbo<>
 岡部はメニューに迷ったら牛丼。
 紅莉栖は迷わずカップラーメン。

 そして飲料は、ほぼほぼドクトルペッパー。

シャル「まぁ……体に良い訳無いよねぇ」

セシリア「食の改善が必要ですわね。折角ですのでわたくしが──」

一夏「きぃぃよぅまは兎も角……」

 セシリアが何かを言い終える前に、一夏が話しへ割って入る。

 ──コホン。

一夏「凶真はプロテインジュースも飲んでるし、学食のメニューだから一応大丈夫だろ。
   でも、問題は紅莉栖だ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:26:12.75 ID:OIm5OHPbo<>
紅莉栖「へ?」

 うんうん、と頷く一同。
 一夏の食に関する厳しさは、一般高校男子としては異常とも言えるものだった。

一夏「もう解ってると思うけど、ここの学食は美味い。その上メニューをちゃんと選べばバランスも取れる」

箒「和系の定食を頼めば、野菜類。肉もバランス良く入っているな。塩分を抑えられた味噌汁も身体に良い」

シャル「うんうん。日本食って本当にバランス良いよね」

セシリア「お箸、と言うのが少々難しくはありますが」

一夏「和食以外だって、決してバランスが悪いと言う訳じゃない」

ラウラ「獣肉魚肉、野菜類。主食である炭水化物も好きに選択して摂取出来るからな」

一夏「その通り。そんなにラーメンが好きなら、食堂のラーメンはどうなんだ? 美味いぜ、あれ」

箒「焼豚がまた絶品だ」

紅莉栖「あっ、あの……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:26:44.91 ID:OIm5OHPbo<>
一夏「別にカップラーメンの全てが悪いって否定してる訳じゃないんだ。
    俺が言いたいのは、もう少し食事のバランスを見てだな──」

 私はカップラーメンが好きなだけなんだけど。

 すでに、この一言を告げれない状態にまで場はヒートアップしていた。
 チラリと岡部に視線を送るが、火の粉を被るまいと黙々と牛丼を口に運んでいる

紅莉栖「(ぐぬぬ……岡部のやつ……」

一夏「紅莉栖? 聞いてるか? つまりな──」

箒「それに、保存料が──」

セシリア「お肌にも宜しくないですし──」

シャル「油の量も凄いしなにより──」

ラウラ「25年間保存されたカップラーメンは有毒だと言う論文もあるらしいな」

紅莉栖「(ラウラのそれはコピペだ!)」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:27:14.36 ID:OIm5OHPbo<>
 矢継ぎ早に繰り出される、カップラーメンの否定弾。
 好きだから食べているだけなのに。

紅莉栖「(確かに、最近学食ではカップラーメンばかり食べていたけど……)」

岡部「(何が引き鉄になるか解らんな。年下の集団に説教される紅莉栖の図とは……良い土産話だ)」

一夏「だから、週に1度程度なら問題無いとは思うんだが……」

 カタン、と置かれる紅莉栖のマイ・フォーク。
 それは反撃の狼煙だった。

紅莉栖「これからは……そうね、ドクペを止めて野菜ジュースにするわ」

岡部「……ん?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:27:49.18 ID:OIm5OHPbo<>
紅莉栖「確かに、カップメンに使われる麺は油で揚げられた物が主流だけど、それ以外の物もある。
     ノンフライ麺にして、足りない栄養素は野菜ジュースで補う。これでOKでしょ?」

岡部「(紅莉栖よ。貴様の知識は一体どこまで偏って──)」

シャル「えっと、それってあんまり意味無いよね……?」

紅莉栖「──え?」

箒「全くだ」

セシリア「なんの問題も解決されてませんわね」

紅莉栖「えっ、えっ?」

ラウラ「野菜ジュースでは肝心の食物繊維などが微塵も摂取出来ん」

一夏「……これは1から説明する必要がありそうだな」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:28:17.44 ID:OIm5OHPbo<>
 元々が食にそこまで興味のある人間ではなかった紅莉栖である。
 知識の偏り。CMの受け売り。

 その全てが露呈していた。

岡部「(@ちゃんねるで腐るほど野菜ジュース系のスレがあっただろうに……目を通していなかったのか)」

紅莉栖「えっ、えっ……?」


 1時間後。
 そこには、完全に論破された天才少女の姿があった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:28:44.22 ID:OIm5OHPbo<>
岡部「(ワンサマーも存外しつこい。ここまであの紅莉栖を追い詰めるとは……)」

紅莉栖「……うん。もうカップラーメンはや……控える。数を減らすようにする」

一夏「あぁ! 紅莉栖も解ってくれたみたいで何よりだ」

 ──ドスッ!

岡部「うっ……」

 突然、となりの席から岡部の腹部に肘鉄がめり込んできた。
 放ってきた相手は論破されたばかりの紅莉栖である。

紅莉栖「(岡部、後でちょっと、顔貸しなさい)」

 岡部に読唇術の心得など無かったが、紅莉栖の唇がそう動いたことは明白だった。
 その語韻に怒気すら含まれていることも、岡部は理解した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/02(水) 23:29:26.20 ID:OIm5OHPbo<>
おわーりでございます。

>>1は眠る前にホットミルクにカルーアを垂らして飲んでます。
美味しい。

本日もご静読ありがとうございました。
それではまた! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)<>sage<>2011/11/02(水) 23:31:58.65 ID:bfcT9l5Po<> 初めてのリアルタイムだったぜ!

>>1乙とても面白いよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)<>sage<>2011/11/02(水) 23:34:52.61 ID:6nmpvCljo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/02(水) 23:51:41.24 ID:aVkoaPvIO<> >>308
>千冬「敗者同士である、織斑と篠ノ之。そして勝者であるボーデヴィッヒとデュノアを当てる。





セシリア「あ、あれっ?」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(埼玉県)<>sage<>2011/11/03(木) 00:02:05.90 ID:Sfca2TBlo<> いいなそれ、とても面白そうだ
期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<><>2011/11/03(木) 00:02:24.69 ID:1/RHpw000<> >>325
違和感あると思ったらww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(埼玉県)<>sage<>2011/11/03(木) 00:02:53.78 ID:Sfca2TBlo<> スマヌ誤爆だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 00:07:04.86 ID:6QnI/JXDO<> セシリアwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 00:08:00.03 ID:6QnI/JXDO<> セシリアwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 00:08:44.33 ID:6QnI/JXDO<> スマン連投誤爆 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/11/03(木) 00:29:24.96 ID:dzryX0TP0<> >>326は>>325にかかってると思って
ドSだなぁとか考えてたわ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<><>2011/11/03(木) 00:46:31.50 ID:lUuCZ61to<> リーディングシュタイナーとか岡部特有の能力での無双はないんですか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 00:49:58.34 ID:zfXofEyyo<> 戦闘力で無双するオカリンなんてオカリンじゃないっていう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(神奈川県)<>sage<>2011/11/03(木) 00:50:31.04 ID:L/q4utTso<> 世界線変動を察知する能力をどうやって戦闘に生かすんだよwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 00:55:48.21 ID:d/UDR4D0o<> >335
攻撃を回避した世界線のオカリンの情報を・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)<>sage<>2011/11/03(木) 01:17:59.51 ID:sf/mli/To<> 本人に自覚は無いけど、脳には実は記憶の蓄積があって
ISがそれを拾って装備を発現してたりすると面白いなとか思ったww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(岐阜県)<>sage<>2011/11/03(木) 02:21:20.40 ID:pOi7Ip2jo<> 未来が少し見えるとかでも面白そうだと思うの <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(岐阜県)<>sage<>2011/11/03(木) 02:24:29.07 ID:pOi7Ip2jo<> 未来が少し見えるとかでも面白そうだと思うの <> ◆H7NlgNe7hg<>sage saga<>2011/11/03(木) 05:24:54.88 ID:Lq8qlMIdo<>                      ハヽ/::::ヽ.ヘ===ァ
                     {::{/≧===≦V:/
                    >:´:::::::::::::::::::::::::`ヽ、
                     γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  モッピー知ってるよ
  _______ +   //::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
  |i:¨ ̄ ,、    ̄¨.: i   | ll ! :::::::l::::::/|ハ::::::::∧::::i :;;;:::i  >>1がセシリアを忘れていたってこと
  |i: /ヘ:\     :i|   、ヾ|:::::::::|:::/`ト-:::::/ _,X:j:::/:::l  
  .|i:〈`_、/´_`>.、  :i|    ヾ:::::::::|≧z !V z≦ /::::/
   |ii~~'、;'´`,'~,;~~~~:i     ∧::::ト “        “ ノ:::/   
   |i`::;:':::::;::;:'::::::::::;.:i|`    |/::::(\   ー'   / ̄)|
   |i::::::;:':::::::::::::::::::::::i|       | ``ー――‐''|  ヽ.|
 ─|`ー=====一 |─────ゝ ノ────ヽ  ノ─────────

おはようございます>>1です。
修正……修正しないと……。

>>325
その通りです、セシリア忘れてました。

寝て起きてヤバイ、指摘されてるよね?
と思いスレを更新したらやはり指摘されていた。
ごめんなさいいいいいいいいいいい。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(九州)<>sage<>2011/11/03(木) 06:08:11.30 ID:RmtjkA+AO<> 乙です

>>304だけど面白くて一気に読んじゃったってことですよ、全然責めて無いですよ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 07:25:41.22 ID:Lq8qlMIdo<> >>321  続き。




─バー・クレッシェンド─


真耶「お疲れ様です」

千冬「あぁ、お疲れ」

 チン、とグラスを当てて乾杯する2人。
 1杯目は2人ともノーマル&ブラック・ミックスのグラスビールを注文していた。

 寒くなってきたとは言え、冷えたビールは喉の渇きを気持ちよく癒してくれる。

千冬「──ふぅ」

 殆ど、一気に飲みに近い要領で黒ビールを飲み干す千冬。

マスター「同じものを?」

 初老のマスターが、空いたグラスを確認して声をかける。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 07:26:07.74 ID:Lq8qlMIdo<>
千冬「いえ……今日は、カルーア・ミルクを」

マスター「かしこまりました」

 珍しい注文だったが、マスターはソレを意に介さない。
 すぐにロックグラスに入った、カルーア・ミルクが千冬に出される。

 球体の氷と、ステア代わりのポッキーが印象的だった。

真耶「──そう言えば」

 ビールグラスを両手で持ちながら、口を開く。
 千冬はポッキーで、カルーアとミルクを混ぜていた。

真耶「今日のお昼に話してた内容、ちょっと変ですよね?」

千冬「……うん?」

真耶「いえ、織斑先生。もしかして、オルコットさんのこと忘れてるんじゃないかなーって」

 ──ポキン。

 グラスの中で、ポッキーが折れる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 07:26:35.18 ID:Lq8qlMIdo<>
千冬「……」

 真耶の言葉を反芻するように、脳内でなぞる千冬。

 -敗者同士である、織斑と篠ノ之。そして勝者であるボーデヴィッヒとデュノアを当てる。岡部は無しだ-

千冬「オル……コット……」

 深い溜息を吐く。
 最近はやたらと残業が多く、つまりは仕事が多い毎日だった。

 岡部倫太郎が転入してからこっち、息のつく間もない。
 各国からの状況説明や、元よりあった国際IS委員会から一夏への呼び出し等々。

 激務多忙な毎日を送っていた。
 今日はささやかな息抜きをと思って、クレッシェンドまで足を運んだ。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 07:27:02.04 ID:Lq8qlMIdo<>
真耶「あの時はあの時で、楽しちゃってーとか思ったんですけど。良く考えたら流石にまずいですよね?」

 サービスのキューブチーズを一欠けら口に放り込む。
 それをビールで流し込むのは、最高に美味しかった。

千冬「らしくない。疲れていたようだ」

 ぐい、とカルーア・ミルクを一口で飲み干す千冬。

千冬「マスター。忙しなくて申し訳ありませんが、今日はこれで」

マスター「おや、それは残念です」

真耶「ふぇ?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 07:27:30.16 ID:Lq8qlMIdo<>
 2個目のキューブチーズを手に取っていた真耶が首を傾げる。
 ビールはまだ半分も残っていた。

千冬「行きますよ、山田先生。お仕事です」

真耶「えぇぇええぇえぇー!?」

 2人分の飲み代をバーカウンターに置いて、コートを羽織る。
 真耶は握ったチーズと、半分ほど残っているビールグラスを交互に慌しく目線を配っていた。

千冬「それではマスター。また改めて」

マスター「はい。お待ちしておりますよ」

真耶「あうう、待って下さーい! あっ、ご馳走様でした」

マスター「ありがとうございました」

 名残惜しそうに、チーズとビールから手を話し千冬へと駆け寄る。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 07:27:57.59 ID:Lq8qlMIdo<>
真耶「今日も残業ですね?」

千冬「あぁ、まったく。私としたことがくだらないミスを……」

真耶「うふふ、良いじゃないですか」

千冬「……?」

真耶「織斑先生も、完璧超人じゃないってことですよ」

 その台詞を聞いて、少しだけ目を丸くする千冬。
 この後輩は生意気にも自分を励ましているのだと解った。

千冬「また後日、行こう。もちろん私の奢りでな」

真耶「えへへ、お供します」

 30分と滞在せずに、学園へ戻る2人。
 しかし不思議と顔はスッキリしていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 07:28:24.76 ID:Lq8qlMIdo<> おわーり。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/03(木) 07:39:17.33 ID:E+U7n8h/0<> まさか朝にリアルタイム遭遇するとは...
失敗をうまく話に組み込むとは流石です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 07:59:26.10 ID:j92K/wySO<> 乙。
まさかの修正話(笑) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)<>sage<>2011/11/03(木) 09:32:45.02 ID:aYup57qIo<> いけるやん! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<><>2011/11/03(木) 09:33:35.24 ID:lUuCZ61to<> オカリン無双まだかな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 13:23:48.00 ID:6QnI/JXDO<> これは岡部VSセシリアもあり得るのか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 14:24:17.87 ID:5IbULk9DO<> 乙
うっかりミスで先生の仕事を増やしエピソードを盛り込むとは
この>>1やりおる
<> 名無しの案山子<>kotaegu1126@yahoo.co.jp<>2011/11/03(木) 15:55:53.81 ID:au7Wk4Tv0<> オカリンの新しい武器の観測した情報を相手に送り込んだりできたらと妄想した。
<> 名無しの案山子<>kotaegu1126@yahoo.co.jp<>2011/11/03(木) 15:56:52.03 ID:au7Wk4Tv0<> オカリンの新しい武器の観測した情報を相手に叩き込んだりできたらと妄想した。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 17:34:44.00 ID:PFneVWK5o<> ageんなks <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(神奈川県)<>sage<>2011/11/03(木) 17:42:28.12 ID:L/q4utTso<> >>355
インターネッツは始めてか?
力抜けよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東海)<>sage<>2011/11/03(木) 17:55:22.45 ID:8obU8G8AO<> で、結局セシリアはどうなるんだ?のほほんさんと戦うのか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県)<>sage<>2011/11/03(木) 18:41:52.64 ID:vaCwa9BZo<> 見学じゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/03(木) 20:08:21.56 ID:1XmVidmP0<> >>360
勝ったのに見学は無いだろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 20:18:32.56 ID:gUSpjP/IO<> 優勝準優勝ペアvsセシオカペアとかも面白そう
ダブルビット兵器で、情報と射撃の融合…って電池さんみたいだな

<>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:47:55.39 ID:Lq8qlMIdo<> >>1です。

今日は、朝投稿したし短めでも良いですよね。チラッチラッ
修正物語とか完全に自分の失態だけども。

短めですが、添削したら来ます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:55:04.33 ID:Lq8qlMIdo<> いきます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:55:30.37 ID:Lq8qlMIdo<> >>347  続き。




 ─自室─


 部屋には一夏と岡部の2人が居た。
 会話は無い。

一夏「……」

岡部「……」

 ルール上、専用機持ち同士の情報交換が禁止されている為に今日起きた試合内容などを話せずにいた。
 食堂でも皆が皆、その話題を避けて談話していた訳だが2人きりになるとそうもいかない。

 お互い、結果や戦闘内容が気になっていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:56:30.70 ID:Lq8qlMIdo<>
一夏「(凶真は勝ったかな……)」

 一般生徒が用いる訓練機と違い、専用機は各国の技術力や面子の集合体である。
 試合を閲覧した生徒にも、期間内の情報漏洩を禁止しているため不思議なムードが教室でも漂っていた。

 試合内容を喋りたくてウズウズしている女子生徒が身悶えていたのを、一夏は思い出す。

一夏「(何を話したかったんだろうなぁ。凶真とラウラの試合、どうだったんだ……?)」

 チラリと視線だけ岡部に移すが、岡部は既に目を瞑っていた。
 眠っている気配は無いが、会話に転ずる気配も無いので一夏も目を閉じる。

一夏「(誰と当ろうと、全力で頑張るだけだな)」

 そう自分を励まして、一夏は意識を沈めた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:56:58.89 ID:Lq8qlMIdo<>

岡部「(結局、明日はどうなったんだ……)」

 目を瞑ったまま、岡部は考えていた。
 結局その後に織斑千冬からの通達は何も無かった。

 つまり、何かしらの通達があるとすれば明日の朝になるということだろう。
 気を揉んでも気疲れするだけで、得策ではない。

岡部「(しかし、明日も戦うとして……)」

 新ガジェットは使えるのか。
 増えたエネルギーの分はどうなるのか。

 問題は山積している。
 早く整備室で中身を見たい、弄りたいと紅莉栖がぼやいてたのを思い出す。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:57:27.97 ID:Lq8qlMIdo<>
岡部「(紅莉栖と言えば……先ほどはとんだ八つ当たりだったな)」

 食堂で受けた恥辱。
 カップラーメンの怨みつらみは、何故か全て岡部にあてられていた。

 曰く、助け舟を出そうとしなかったその態度が気に食わない。

岡部「(あれで天才少女と言うのだからな……)」

 感情を露にする紅莉栖を思い出し、顔がニヤける。
 隣のベッドに寝転がっている一夏を思い出し、そっと視線を送るが眠っているようなので助かったと岡部は思った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:57:56.06 ID:Lq8qlMIdo<>
岡部「(何にせよ……こんなふわふわした気分で、戦いになどなるのか……?)」

 戦闘が行われるかどうかすら解っていない状況。
 代表候補生であれば用意な気持ちの切り替えも、今の岡部には至難の業だった。

岡部「(──あぁ、でもなんだ。どうにか……なる……か……)」

 目を瞑っての考え事である。
 何時の間にか、意識はまどろみ岡部も眠りへと落ちて行った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 21:58:59.24 ID:Lq8qlMIdo<>

─職員室─


真耶「ひーん。書類の製作が終わりませんー」

千冬「手助け感謝しますよ。山田先生」

真耶「わーん!」

 明日の戦闘日程表。
 提出期限を越えたそれを修正・製作する、千冬と真耶の夜はこれからだった。

 ──ハラリ。

 書類が1枚、机から落ちる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 22:00:05.48 ID:Lq8qlMIdo<> ──────────────────────────────

      -1年1組 クラス内対抗戦 専用機表(2日目) -



 第1アリーナ セシリア・オルコット vs 岡部倫太郎


 第2アリーナ シャルロット・デュノア vs ラウラ・ボーデヴィッヒ


 第3アリーナ 織斑一夏 vs 篠ノ之 箒


────────────────────────────── <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 22:00:36.01 ID:Lq8qlMIdo<>

真耶「っとと、書類書類……あのー、織斑先生?」

千冬「なんだ?」

 職員室は2人きり。
 千冬は真耶に対して、口調を何時ものに切り替えていた。

真耶「オルコットさんと、岡部君の対戦なんですが」

千冬「どうかしたか?」

真耶「いえ。勝者同士、敗者同士と言うのは解るんですが……なぜこの2人に?
   単純に先生がオルコットさんを忘れていたからですか?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 22:02:22.99 ID:Lq8qlMIdo<>
千冬「……それも多少だが、ある」

真耶「多少……?」

 全部ではなく?
 そう付け足そうとしたところで、真耶の口が止まる。

 触らぬ神に祟り無し。

千冬「オルコットの成長は著しい。1年の専用機持ちでは、素人だった織む……一夏を覗いては一番の伸びしろを見せた」

 周囲に他の教員が居ないことを思い出し、一夏の名前を出す。

千冬「ここで未知の相手と戦わせて、経験を積ませてやるのが教師としての役割だ」

 千冬がそれだけの評価を与えるほど、“BT偏光制御射撃”-フレキシブル-は難易度の高い技術だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 22:03:33.57 ID:Lq8qlMIdo<> 真耶「ほぇー……さすがに考えてるんですねぇ。他の2組にも何か理由が?」

千冬「色々とな」

真耶「色々……?」

千冬「さ、山田先生。腕が止まってますよ、仕事を」

真耶「あっ、はいっ。(何も考えて居ないんじゃ……)」

千冬「山田先生。余計なことを考えていると、今日は眠れなくな──」

真耶「わっわっ、頑張ります! 頑張るます!」

 2人の若い女性教員の仕事は結局明け方までかかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 22:04:00.38 ID:Lq8qlMIdo<>

真耶「すー……すー……」

 机に突っ伏したまま眠る真耶にそっとタオルケットをかける。
 そのまま自分の机に戻り、胃の焼けるような熱いブラックコーヒーを啜りながら千冬は1人書類と睨めっこをしていた。

千冬「──さて、岡部の機体。新装備はどうしてやるかな……」

 使用の許可を与えるか否か。
 あとは、それだけだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/03(木) 22:04:28.43 ID:Lq8qlMIdo<>
おわーりでございます。

今後は、致命的なミスを減らしていけたらなと思います。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 22:37:53.41 ID:6QnI/JXDO<> 乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/03(木) 23:30:01.33 ID:5zTzAQNSO<> 新兵器強いけど、オカリンの頭が心配だあ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 06:19:45.78 ID:y1RQP0omo<> 頼むからオカリンに新装備を使わせてあげてくだしあ
負けっぱなしじゃオカリンかわいそーだよぅ... うるうる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 07:52:09.79 ID:WYxniLjIO<> ・イケメンオカリンにときめいていた
・一夏に勝って浮き足立っているかも
・石鍵がパワーアップしたのを知らない

むしろこれだけフラグを立てているオルコットさんが勝つ見込みの方が絶望的じゃないですか。やだー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西・北陸)<>sage<>2011/11/04(金) 08:09:29.90 ID:su2fsJvAO<> なんだかんだオカリンの敗戦色濃厚 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(神奈川県)<>sage<>2011/11/04(金) 13:49:04.24 ID:h6LRSRUOo<> 乙ですよー。
次はビット対決ですね、わかります。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 20:46:21.90 ID:r4MY5uY1o<> >>1 ですこんばんわ。

今夜は週末ですので、また少し趣向というかアンケート的なものを含ませて頂きたいと思います。
ので、宜しければ道を賜りたく候。

も少ししたら来ます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 20:51:41.20 ID:2RkYKpgCo<> おっ
楽しみにしてるのぜ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:07:30.42 ID:r4MY5uY1o<> いきます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:09:09.44 ID:r4MY5uY1o<> >>375  続き。




─第1アリーナ─


 ふぅ、と岡部の深い息が漏れる。
 ピット内には既にISを展開した岡部と紅莉栖が居た。
 
紅莉栖『良い? 解ってるわね、岡部』

岡部『あぁ。パラダイム・シフトは──使わない』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:09:37.51 ID:r4MY5uY1o<>

……。
…………。
………………。


 岡部が織斑千冬に呼び出されたのはHR前のことだった。

 本日の対抗戦も参加すること。
 新たに発現した武装の調整をしてはいけない。

 簡潔にそれだけ説明をされた。


紅莉栖「これは……駄目ね」

岡部「何が駄目なのだ?」

 千冬から受けた言葉をそのまま、紅莉栖へと伝える。
 HR後の喧騒の中で、2人は言葉を交わす。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:10:06.32 ID:r4MY5uY1o<>
紅莉栖「“刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト-……って、あぁもう、一々言葉にすると恥しいな、コレ。
     今回の試合では、パラダイムは使えないってこと」

岡部「……」

紅莉栖「稼働率を弄れない以上、起動した瞬間に5秒と持たずにまたブラックアウトして終わるわね」

岡部「うむ……」

 正直、岡部は“刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト-に良い思いを抱いていなかった。
 脳に流れ込んでくる大量の情報。

 情報酔いとも言えるあの感覚は決して、好ましいとは言えない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:11:06.74 ID:r4MY5uY1o<>
岡部「眼帯娘の時と同じような戦法で行くか」

 相手は、セシリア・オルコット。
 イギリス代表候補生。

 HRで知らされた相手は、岡部が羨むビット兵器使いだった。

紅莉栖「えぇ、そうね。だけど──」

岡部「む?」

紅莉栖「昨日以上の戦いが出来ることは確定しているわ」

岡部「どう言うことだ」

紅莉栖「パラダイムの他にもう1つ、変わった事があるでしょう?」

岡部「もう1つ……む?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:12:00.77 ID:r4MY5uY1o<>
紅莉栖「あぁ、もう。エネルギーよ、エ・ネ・ル・ギ・ィ!」

岡部「そう言えば……そうだったな」

 完全にそれを忘れていた岡部。
 頭の中は、この後の戦いのことで一杯一杯だった。

紅莉栖「ほんっとに……忘れたの? ガジェットの仕様」

岡部「……む?」

紅莉栖「楯無会長の推測は当らずとも遠からず、ってことよね」

 供給するエネルギー量により、威力が変わる。
 “石鍵”の搭載するガジェットにはそう言った特性があった。

 展開当初には気付けなかったこの仕様。
 “オマケ”とも言えるように、プログラムの奥に閉まってあったもの。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:13:08.98 ID:r4MY5uY1o<>
紅莉栖「通常のISに備わってるエネルギー量を約“600”とする。
     “石鍵”も例に漏れず最初は“600”だったけれど、今は倍の“1200”……意味解る?」

岡部「……凄い、のか?」

紅莉栖「かなり、ね。軍用ISなら兎も角、専用機が“1200”もエネルギー積んでるとか。
     何考えてんの? 戦争でもすんの? 馬鹿なの? 死ぬの? って感じ」

岡部「……」

紅莉栖「っとまぁ、単純にエネルギーが増えた分シールドエネルギーも硬くなる。被弾しても耐えられる。
     今回は供給調整出来ないから“ビット粒子砲”には割けないけど“サイリウム・セーバー”なら別よ」

岡部「“サイリム・セーバー”にエネルギーを傾ける調整をしていたからな。
   ……ん? つまり、かなりの攻撃力になるのじゃないか?」

紅莉栖「of course! これは、一泡吹かせられるかもしれないわよ」

岡部「そうか……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:14:20.21 ID:r4MY5uY1o<>
 これから1時間後には試合が始まる。
 けれども、岡部の意識はどこか外れていて集中していない。

 岡部のふわふわはそのままだった。

紅莉栖「ちょっと岡部、何か昨日と違うと言うか……そんなテンションで大丈夫か?」

岡部「大丈夫だ、問題無い」

紅莉栖「アインシュタインは言っている。“物事はすべて、出来るだけ単純にすべきだ”と。
     これは授業なんだから、もっと気楽にね……?」

岡部「大丈夫だ、問題無い」

紅莉栖「……そ、ならもう言うことも無いわね。怪我だけはしないように」

岡部「あぁ……。まだ時間があるな、少し歩いてくる」

紅莉栖「うん、解った……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:14:58.89 ID:r4MY5uY1o<>

 岡部は席を立ち、教室から1人出て行った。

 紅莉栖は顔を俯かせる。
 岡部の気持ちを浮かび上がらせる言葉が出てこない。

 悔しさと、自分の語録の少なさが恨めしかった。

 こんな時に────だったら、なんと岡部に声をかけるのか。
 その人物だったら、どうにも定まらない岡部の気持ちを固定させることが出来ただろうか。

 そんなことばかり考えてしまった。


      <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:15:35.30 ID:r4MY5uY1o<>  

   ***──フォーントリガー発動──***

        ──だったら。

ニア

   『織斑 一夏』
   『篠ノ之 箒』
   『セシリア オルコット』
  『凰 鈴音』
   『シャルロット デュノア』
   『ラウラ ボーデヴィッヒ』
   『織斑 千冬』
   『山田 真耶』
   『更織 楯無』

   『椎名 まゆり』
   『橋田 至』
   『漆原 るか』
   『桐生 萌郁』
   『天王寺 裕吾』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:17:20.34 ID:r4MY5uY1o<>
なぜか鈴音だけズレてしまいましたが……。


おわーりです。
>>180 的なものだとお考え下さい。


よろしくお願いいたします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 21:17:50.15 ID:OgZDekcIO<> まゆり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)<>sage<>2011/11/04(金) 21:20:17.67 ID:xzqbbe3a0<> やはりまゆりだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長崎県)<>sage<>2011/11/04(金) 21:25:17.03 ID:gBK35kjno<> フェイリスが入ってないのはどういう事だよ…
ダル <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)<>sage<>2011/11/04(金) 21:26:25.42 ID:wPH1qW7Co<> まゆり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 21:29:34.70 ID:VQdp70Yz0<> まゆりしかあるまい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/04(金) 21:29:44.96 ID:in2hnfajo<> まゆりかな <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:30:29.79 ID:r4MY5uY1o<> >>398

( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) !?


秋葉 明記にするか、フェイリス明記にするか迷ってたら忘れてしまいました……。
隙間ネタとかそんなんじゃなくて、素に忘れてしまいました。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:31:55.86 ID:r4MY5uY1o<>  

   ***──フォーントリガー発動──***

        ──だったら。

ニア

   『織斑 一夏』
   『篠ノ之 箒』
   『セシリア オルコット』
   『凰 鈴音』
   『シャルロット デュノア』
   『ラウラ ボーデヴィッヒ』
   『織斑 千冬』
   『山田 真耶』
   『更織 楯無』

   『椎名 まゆり』
   『橋田 至』
   『秋葉留未穂』
   『漆原 るか』
   『桐生 萌郁』
   『天王寺 裕吾』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 21:32:47.36 ID:r4MY5uY1o<> です。
お騒がせしました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 21:33:59.90 ID:UvyayZWIO<> まゆりだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 21:34:44.21 ID:UvyayZWIO<> まゆりだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 21:35:10.00 ID:UvyayZWIO<> 多重失礼しました… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/04(金) 21:45:02.08 ID:PXqHcnVco<> まゆりだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 21:45:33.73 ID:DmPQ82Iho<> まゆり、としたいところだが敢えてのセシリア <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/04(金) 21:45:42.25 ID:PXqHcnVco<> まゆりだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/04(金) 21:46:39.60 ID:PXqHcnVco<> 二重失礼しました <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西・北陸)<>sage<>2011/11/04(金) 21:51:35.51 ID:su2fsJvAO<> ダル以外誰がオカリンの右腕になれるっていうんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 22:00:58.22 ID:bMsRs/fj0<> うむ、まゆりだな! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 22:06:38.57 ID:klB+t23SO<> これはまゆり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/04(金) 22:18:12.77 ID:Qxyk8rkQo<> まゆり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(千葉県)<>sage<>2011/11/04(金) 22:22:03.93 ID:xb03E/Yqo<> まゆしぃだな
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 22:30:18.74 ID:jZn1l28DO<> これでIS側の人間選んでもしょうもない気がするわ
まゆり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 22:30:39.66 ID:2RkYKpgCo<> マユシィニャンニャン一択 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/04(金) 22:31:05.95 ID:QUu3fg8H0<> それでもミスターブラウンなら・・・・・・。ミスターブラウンなら、きっとなんとかしてくれる・・・・・・!

それはそれとして、"鈴音"が某バイト戦士の名前に見えてしまってだね・・・・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)<>sage<>2011/11/04(金) 22:32:42.74 ID:I2xDG8da0<> まゆしぃ☆だろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 22:33:14.22 ID:Dv1iu2ZY0<> ダルだろ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 22:33:17.07 ID:65hEhffDO<> フェイリス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(新潟・東北)<>sage<>2011/11/04(金) 22:33:39.66 ID:Lrvss8YAO<> オルコッ党の俺だが、あえての千冬姉で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(空)<><>2011/11/04(金) 22:33:59.37 ID:QeixpCdZ0<> どうでもいいですね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(空)<><>2011/11/04(金) 22:34:01.37 ID:z1GUr9wF0<> どうでもいいですね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 22:35:21.77 ID:jZn1l28DO<> >>424
ageるなよ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(岩手県)<>sage<>2011/11/04(金) 22:37:51.14 ID:uHJ9yNvOo<> ブラウン! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/04(金) 22:54:03.25 ID:bYgNSVAAO<> まっちょしぃ! <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:00:39.86 ID:r4MY5uY1o<>
                    从⌒゙ヽ,  
             ,; |i    _ ⌒ヾ,  |!  
                 _/  λ 、人  l!   
               从〜〜〜〜イ ,〉 k     ココまで!
             γ゙ (´・ω・`)`/ 〈,k_ノ  
             (    ハ.,_,ノ~r      
             )'‐-‐'l   γ´⌒゙ヽ、     
          ,、-ー''(    |!〜、,il      ゝ、   
        γ    |!   〈   ヽ ミ、    丿    
       ゝ (     |  ノ  _,,,..、,,ゝ、 _,.イ  /      
    \'´  γ゙ヽ.,_  ) ゙|! ̄    ̄~゙il γ⌒ヽ`(/
    Σ    ゝ.,__゙゙'k{  ヾ /      !、,___丿 て
            > ゝ-ー'゙ <


さすが週末と言う事で、ご協力ありがとうございました。
完全に想定外です。

IS勢がチョイスされるとばかり思ってました。
>>1の頭がずれてるのか。


まゆり16

ダル3

ブラウン2

フェイリス1

セッシー1

千冬1

どうでもいい1

それでは、また後ほど来ますです。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:14:05.32 ID:r4MY5uY1o<> いきます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:15:27.39 ID:r4MY5uY1o<> >>393  続き。




──食堂──


 ──ガシャコン。

 自動販売機の缶ジュースを射出した音が響く。
 食堂に生徒の姿は1つも無かった。

 他の生徒は授業時間。
 対抗戦開催中である1年1組の生徒は、この後に行われる試合へと忙しなくしている時間である。

 食堂を利用する者など、岡部倫太郎以外に居なかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:16:06.15 ID:r4MY5uY1o<>
岡部「……」

 排出されたドクトルペッパーを手に取る。

岡部「これから、試合か……」

 自分でも理解出来ない感覚。
 昨日までとは違う。

 何故だか、心が定まらない。

岡部「ふう……」

 溜息を1つ吐いて、プルタブを引き缶を開ける。
 飲み口からドクトルペッパーを飲もうとした時。

 ヴーヴー、ヴーヴー。

 携帯が、振動でもって着信を伝えた。
 この時間帯に電話をかけて来る者など、1人しか想像出来ない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:17:45.44 ID:r4MY5uY1o<>
岡部「助手か……」

 携帯をポケットから引っ張り出し、名前を表示させる。
 投影ディスプレイは“椎名 まゆり”の名前を映し出していた。

岡部「まっ、まゆり!?」

 素っ頓狂な声を上げてしまう。
 辺りを見回し、人が居ないことを確認して胸を撫で下ろす岡部。

 驚くのも無理は無い。
 今日は平日で、この時間であれば一般的な高校生は授業を受けている時間である。

岡部「電話を掛けて来れる時間では……えぇい、出て話しを聞けば解る話だな」

 ッピ。
 空中に投機されている、応答ボタンを押す。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:18:15.79 ID:r4MY5uY1o<>
岡部『──俺だ』

まゆり『わぁ、出たぁ♪ トゥットゥルー☆ まゆしぃだよー?』

岡部『わぁかっている! どうしたんだ、こんな時間に。授業はどうした』

まゆり『えっとぉ、まゆしぃと紅莉栖ちゃんってメル友なんだよ?』

岡部『……何を、言っているんだ?』

 久々に話す幼馴染との会話。
 まゆりは何時も通りだった。

まゆり『先週ねー、紅莉栖ちゃんが試合があるって言ってたから、オカリン頑張れーって言いたかったんだけど……。
     昨日はどうしてもお休み出来ない授業だったから、電話出来なかったんだー……ごめんね?』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:18:50.26 ID:r4MY5uY1o<>
岡部『だったら、夜にでもかけて来れば良いではないか』

まゆり『あっ、そっかぁ! えへへぇ、試合直前の方が良いかなって思ってすっかりその他のこと考えてなかったよ』

岡部『お前と言うやつは……──で、学校をサボったと言う訳か? この不良少女め』

まゆり『ちっ、違うよぅ。1時間目の授業だけ、お休みしたの』

岡部『……っふ。ありがとな、まゆり』

まゆり『うん? オカリンの声がちっちゃくて、良く聞こえなかったんだけど……』

岡部『俺が居ないからと言って、授業を休むとは言語道断だぞまゆり!』

まゆり『あっ、あぅぅ……』

岡部『だが、しかぁし! 未来ガジェット研究所 所長であるこの俺に激励とは殊勝な心がけだ──褒めてつかわす』

まゆり『はぇ? えーっと、まゆしぃ褒められた?』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:19:23.30 ID:r4MY5uY1o<>
岡部『うむ。さすがはラボメンNo.002だ。良くぞ電話してくれた』

まゆり『えへへぇ、そっかぁ。まゆしぃ褒められたんだーえへへー』

 電話の向こうで、まゆりのはにかむ様子が容易に想像出来る。
 何時しか岡部の沈んでいた気持ちは、浮上していた。

 むしろ、沈んでいた正体不明の気分のことも忘れてしまっていた。

岡部『まゆり。俺は今からISを使って戦わねばならない』

まゆり『……うん。紅莉栖ちゃんから聞いた。まゆしぃは、あんまりオカリンに危ない事して欲しくないな……』

岡部『ISには“絶対防御”がある。安心しろ』

まゆり『でもでも、やっぱりは危ないのは怖いよ……』

岡部『あぁ。充分に気をつけよう』

まゆり『うん! それでね、それでね、最近ラボじゃ──』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:19:52.25 ID:r4MY5uY1o<>

 《間もなく、1年1組 クラス内対抗戦が始まります。対象となる生徒は各自アリーナへと向かって下さい》


 スピーカーからアナウンスが流れ、会話が中断される。

岡部『すまん。時間のようだ』

まゆり『……うん。ごめんね?』

岡部『くくっ、なぜ謝る』

まゆり『なんと……なく。良く考えたら、試合前にまゆしぃ邪魔しちゃったかなぁって』

岡部『そんなことはない。そうだ、今日勝ったら一番に報告してやろう』

まゆり『勝ったとかじゃなくて、まゆしぃはオカリンが元気でいてくれたらそれで良いのです』

岡部『まゆり……』

まゆり『ではではー! オカリン、怪我しないでね? まゆしぃでしたっ。トゥットゥルー♪』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:20:26.31 ID:r4MY5uY1o<>
 そう言って、通話は切れた。
 食堂はまた静けさを取り戻す。

 ──パァン!
 
 両頬を叩く音が壁にぶつかり木霊する。

岡部「……行くか」

 ふわふわした気持ちは霧散し、岡部は気持ちを取り戻した。

岡部「終わったらまゆりに報告してやらねばな」


 ────怪我はしなかった。 と。


 恐らく、既に準備万端で待っているであろう紅莉栖の分のドクトルペッパーを購入してアリーナへと向かう。
 手に持っていた自分の分は一息で飲み干した。

 岡部のクラス内対抗戦2日目最終日が静かに開幕した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:21:21.75 ID:r4MY5uY1o<>

……。
…………。
………………。


─第1アリーナ─

岡部『あぁ。パラダイム・シフトは──使わない』

紅莉栖『(良かった……岡部の顔が何時ものに戻った)』

 ピットで合流した岡部は、先ほどの表情と打って変わり何時もの顔つきに戻っていた。
 教室を出て何が起きたのかを紅莉栖は知らない。

 そして、何が起きたのかを聞きもしない。
 紅莉栖は自分が岡部に対して、出来ることだけをしようと決めていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:21:51.22 ID:r4MY5uY1o<>
紅莉栖『OK 間違えても起動しないようにね』

岡部『うむ』

紅莉栖『よっし、セシリアの方もOKサインを出してる。──準備は良い?』

岡部『あぁ。-インフィニット・ストラトス-、鳳凰院凶真……出る!』

 両足をカタパルトに装着し、前傾姿勢を取る。
 相手はセシリア・オルコット。

 想定する戦闘は滞空ロングレンジ。
  
紅莉栖『5秒前。4.────』

 どくん、どくん。
 鼓動の高鳴りが聞こえてくる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:22:25.31 ID:r4MY5uY1o<>
紅莉栖『3.2.────』

 まゆりの声を聞いただけで、霧が晴れてしまった。
 自分はこんなにも単純な人間だったのかと、フルフェイス装甲の内で小さく笑ってしまう。

紅莉栖『──────発射!』

 ──バシュゥゥゥゥゥゥウウ!!!

 火花を散らし、空気を切り裂きながら飛翔する。

岡部『“石鍵”……目標を駆逐する!』

 プライベートチャネル越しに聞く岡部の声は、何時ものソレより力強かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/04(金) 23:22:55.89 ID:r4MY5uY1o<> おわーり。

今日は本当にありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 23:27:17.80 ID:2RkYKpgCo<> 乙
まゆしぃはやっぱり天使やな・・・ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(不明なsoftbank)<>sage<>2011/11/04(金) 23:37:03.10 ID:Fip18X7g0<> もう完全に刹那・R・オカリンになっとるww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 23:37:14.13 ID:jZn1l28DO<> 乙です
まゆしぃ流石やな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)<>sage<>2011/11/04(金) 23:40:22.96 ID:wPH1qW7Co<> 乙
まゆしぃがいてくれると何か安心するわ〜 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/04(金) 23:44:53.98 ID:aGK6RNQKo<> まゆしぃええ子や…乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/05(土) 00:09:22.90 ID:6QJIvg+vo<> 乙
まゆしぃは癒しやね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 00:38:56.37 ID:3VLBtyQgo<> やっぱりまゆしぃだよね!うん!そう!それでいいのですーっ!
次回もたのしみすぐる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 02:53:08.43 ID:uVXOiQTIO<> まゆしぃマジ天使だな <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:05:06.22 ID:kaQ7Ze/no<> >>1です。
添削が終わったら落としに着ます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:25:37.68 ID:kaQ7Ze/no<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:26:42.86 ID:kaQ7Ze/no<> >>441  続き。



─第1アリーナ上空─


 対峙する2対のIS。
 蒼い雫-ブルー・ティアーズ-を駆る英国淑女は腕組をしながら岡部を見据えた。

   
        -第1アリーナ-
   “石鍵” vs “ブルー・ティアーズ”

http://kie.nu/.1CT
http://kie.nu/.1CW

“石鍵”>>138 参照 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:27:35.19 ID:kaQ7Ze/no<>

セシリア『倫太郎さん、手加減は致しませんわよ?』

岡部『無論だ』

 短い会話を済ませ、戦闘態勢に入る。
 セシリアはその右腕に長大な特殊レーザーライフル“スターライトmkIII”を呼び出した。

セシリア『ばん』

 ──シュゥゥン!!

 砲口から放たれる蒼い閃光。
 岡部が数寸まで滞在していた空間を狙い打つ。

岡部『威嚇射撃のつもりか?』

セシリア『いいえ。その程度の攻撃を避けれないようでは、わたくしと戦うに相応しくないのでテストさせて頂きましたの』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:28:07.05 ID:kaQ7Ze/no<>
岡部『言ってくれるではないか……』

 ──シャォン!

 右腕に“サイリウム・セーバー”を呼び出す。
 刀身は紅色に発光していた。

 ブォン。
 一振りすると何時もの良い音が響く。

紅莉栖『エネルギーが増えたからと言って、無駄振りはNGよ』

岡部『解っている。まだエネルギー供給はしない……様子を見る』

紅莉栖『OK. まずはセシリアの攻撃を避けることに慣れ──来るわよ!!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:28:46.72 ID:JQR6Y23Lo<>
     -警告-
《敵IS ビット兵器を展開》

セシリア『遠距離射撃型のわたくしに対してその武装……近距離格闘を挑もうとおっしゃりますの?』

 両肩のスラスターから放たれる4機のビット。
 それは“石鍵”を取り囲むように空中を漂っている。

セシリア『(集中が足りていませんわね……フレキシブルはまだ、使えませんわ)』

紅莉栖『来るわよ……集中して!』

 ビット兵器。
 岡部が密かに憧れを抱いていた兵器が牙を剥いた。

 ──ヒュンッ!

 同時に放たれた4つの閃光。
 発射位置がそれぞれ異なるそれを回避することは困難を極める。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:29:12.78 ID:kaQ7Ze/no<>
岡部『くっ……!!』

 昨日の対“シュヴァルツェア・レーゲン”戦が役に立った。
 ワイヤーブレードと、ビーム兵器では軌道こそ違えど4方向から向かってくる攻撃に岡部は慣れ初めていた。

 曲線を描き襲い来るワイヤーブレードに比べると、直線でしか襲ってこないビームの方が避け易くもある。

セシリア『逃げるのがお上手ですわね……!』

 ──ジャキッ!

 両腰に携えられたもう1対のビット兵器。
 その砲口からは、ビームではなくミサイルが放たれた。

岡部『なっ……』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:29:46.06 ID:kaQ7Ze/no<>
 4基2基で構成される、全6基のビット兵器。
 4基から放たれるビームを避けられても、残り2基から放たれるミサイルで撃墜する。

 ──ドンッ! ドンッ!!

 岡部は対処出来ずに被弾するしかなかった。

セシリア『まだですっっ!!』

 爆煙さめ止まぬまま、セシリアはビット兵器をさらに稼動させ爆発の中心部にビームを射出する。
 4つの閃光が煙の向こうの標的に突き刺さる。

セシリア『奏でなさい! ブルー・ティアーズ!!』

 ブルーティアーズ主力武器。
 “スターライトmkIII”が一際太いビームを放ち、目標を穿つ。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:30:14.71 ID:kaQ7Ze/no<>
セシリア『はぁ、はぁ……』

 現状、考えうる限り最大の攻撃を標的である“石鍵”に打ち込むことが出来た。
 データには《全弾命中》の文字が浮かぶ。

セシリア『少々、大人気なかったようですわね……さっ、倫太郎さんの様子は……』

 濛々と立ち込める煙。
 空調が完全に行き届いてるアリーナでソレはすぐに晴れるはずだった。

セシリア『煙が……いえ! これは……霧っ!?』

紅莉栖『ギリギリセーフ。間に合ったみたいね』

岡部『ミサイルは被弾してしまったがな……』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:31:15.62 ID:kaQ7Ze/no<>
 ようやく晴れたその空間に“石鍵”の姿は無い。
 地上には黒い兵器の残骸がぱらぱらと散らばっていた。

セシリア『(デコイ……!)』

 セシリアは振り向けなかった。
 ハイパーセンサーは今頃になって敵ISが背後に居る事を感知し、教えてくれている。

セシリア『(あのデコイ、センサージャマーのような機能が……迂闊でしたわ)』

 ミサイルの直撃後。
 岡部は直ぐに“モアッド・スネーク”を多数設置していた。

 そして、その全ての“モアッド・スネーク”はセシリアの狙撃によって破壊。
 起動させられ、周囲を濃霧を拡散させていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:31:54.92 ID:kaQ7Ze/no<>
岡部『(やれやれ……俺にはこの戦法しか無いのか)』

 内心悪態付く岡部だったが、くさくさしている訳にもいかない。

岡部『後ろは取った……後は……』

紅莉栖『気を付けなさい。セシリアはまだビット兵器を展開しているわよ』

岡部『む……しかし折角後ろを取ったのだ、今斬りかからねば──』

 ──ジャキッ!!

岡部『──ッッ!!』

 前方を向いていた2基のロケット発射口が回転し、後方を向いた。
 依然“モアッド・スネーク”による、センサージャマーが発動しているため正確な狙いを付ける事は出来ない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:32:22.12 ID:kaQ7Ze/no<>
セシリア『これで充分ですわ』

 何の躊躇いも無しに、ロケットを発射する。
 丁度真後ろを取っていた岡部は、射線上に乗り出している。

岡部『当てずっぽうか……!』

 急上昇か急下降。
 瞬時に選ばなければ、被弾は免れない。

 岡部はスラスターを吹かし急上昇し、ソレを避けた。

岡部『攻撃チャンスを逃してし──』

セシリア『確率は1/2。上か下か……倫太郎さんが上昇志向の強い方で助かりましたわ』

岡部『──まった』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:32:59.88 ID:kaQ7Ze/no<>
 ギリッ!
 歯の根が軋むほど強く食いしばる。

 先ほど得ていたアドバンテージは既に失せていた。
 “石鍵”を取り囲むように浮遊する4基のビット。

セシリア『さぁ──踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!!』

 四基のビットから放たれるビーム攻撃。
 重ねるように合わせ撃たれる2基のミサイル攻撃。

 今度こそ、その攻撃は“石鍵”を捕らえた。
 ビットによる攻撃で両手両足を射抜かれ、ミサイルは腹部と頭頂部を強襲する。

 従来のISでは絶対防御を確実に強いられ、エネルギーが枯渇するに充分な火力だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:33:29.90 ID:kaQ7Ze/no<>
セシリア『──なっ』

 爆煙の向こう。
 “ブルー・ティアーズ”のハイパーセンサーは未だに“石鍵”の健在を映し出していた。

岡部『……』

紅莉栖『この馬鹿、完全にエネルギー量に助けられたわね……』

 総攻撃を食らって尚“石鍵”は健在だった。
 異常なるエネルギー総量でもって生成される“エネルギーシールド”。

 従来のISを撃墜する程度の火力では、打ち破る事は敵わなかった。

セシリア『あの攻撃で、シールドを削りきれなかった……!?』

岡部『Ms.シャーロック……いや、オルコットよ』

セシリア『ッッ!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:34:45.51 ID:kaQ7Ze/no<>
 岡部の言葉に強みがある。
 セシリアは全力で警戒を高めた。

岡部『次は……俺の番だな』

 右腕に装着された“サイリウム・セーバー”を天高くかざす。
 この行為になんら意味は無いが、対峙するセシリアにとって威圧感を感じざるを得ない状況を作り出していた。

岡部『エネルギー供給開始。“サイリウム・セーバー”最大出力……!!』

 ほぼ全てのエネルギーを“サイリウム・セーバー”への攻撃力へと転換する。
 岡部はこの一撃で決める気で居た。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:35:19.64 ID:kaQ7Ze/no<>
セシリア『なっ……』

紅莉栖『嘘……』

 “サイリウム・セーバー”が強く発光する。
 直視できない程の光量が実態を持つ。

岡部『こ、これは……』

 残った全てのエネルギーを注がれた、赤い長大なる大剣。
 エネルギーブレードと言うには、余りにも大きく、分厚く……それはまるでエネルギーの塊だった。

セシリア『これが、エネルギーブレードだと言いますの……?』

紅莉栖『っちょ……コレは……!!』

岡部『おおお……』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:36:23.54 ID:kaQ7Ze/no<>
 操縦者の岡部自身も驚嘆する。
 昨日、ラウラに向けて切っ先を向けた物とはまるで異質な装備だった。

 実際の刀身の何倍にも膨れ上がった、エネルギー状の刀身。
 長く太いソレはエネルギーのために重さすら感じない。

 ──ヴゥゥゥウウウン!!!

 軽く一振りしただけで、空気が焼け裂ける。
 そのちょっとした動作ですら、セシリアは回避行動を強いられた。

セシリア『(あんな威力……冗談じゃありませんわ……!!)』

岡部『ククク……フゥーハハハハ!!! 行ィィィくぞオルコォォォォォォォオッツ!!!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:36:49.61 ID:kaQ7Ze/no<>

セシリア『ブルー・ティアーズ!!』

 赤き大剣を構えたまま突進する岡部。
 セシリアの放つビット攻撃をローンリングで回避しながら、最短距離を突き進む。

セシリア『外しっ……!!』



 眼前に迫る、壁のような刃。
 セシリアのハイパーセンサーはその警告と、刃の放つ赤い発色で塗りたくられたようだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 18:37:15.88 ID:kaQ7Ze/no<> おわーり。

ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長野県)<>sage<>2011/11/05(土) 18:46:48.67 ID:c7fYy6hjo<> 気になるところで切られたぜ・・・・乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 19:03:37.05 ID:T5tzJGjSO<> 続きが気になるじゃないか乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 19:18:40.58 ID:4Rjtmb3ko<> 畜生かなり良い所で…乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 19:40:52.22 ID:kG9qdsaDO<> 乙
これ当たったらタダじゃ済まないんじゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(岩手県)<>sage<>2011/11/05(土) 20:07:16.28 ID:kxZBBxPPo<> アストレイのでかい剣が頭をよぎったわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<><>2011/11/05(土) 20:12:15.97 ID:BV5b+shIo<> 乙!!
これはライザー的な感じかな?
だったら消滅レベルだなwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 20:22:13.35 ID:YTb9JuJIO<> 砲撃ではなく……サイリウムッ!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東日本)<>sage<>2011/11/05(土) 20:55:39.75 ID:jmd8GcLA0<> で、当たったらあっけなく折れて赤インクがぶちまけられるとか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(神奈川県)<>sage<>2011/11/05(土) 21:20:37.03 ID:ckrOl8rYo<> 乙。
ワンサマーの初戦もこんな感じだったよね。
あれ……?ということは……。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:35:36.62 ID:kaQ7Ze/no<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:36:25.40 ID:kaQ7Ze/no<> >>468  続き。



岡部『切り裂けぇぇええい!!』

 右腕に携えた大型の刃を振り上げる岡部。
 あと数十度、腕を振り下ろせばその長大な刀身は“ブルー・ティアーズ”に届く。

 赤く発光した刃が、自らの機体を切り裂こうとする最中。
 セシリア・オルコットの集中力は極限まで研ぎ澄まされていた。

セシリア『“ブルー・ティアーズ”!!!』

 ────バシュゥゥゥン!!

岡部『──なっ!?』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:36:55.43 ID:kaQ7Ze/no<>
 突然、背後から衝撃が襲い掛かってきた。
 先ほど避けたはずのビット攻撃。

 遥か後方へと消えて行ったビームが捻じ曲がり“石鍵”に直撃する。

岡部『っく! だが、振りぬけば俺の──勝ちだっ!!』

セシリア『────ッ!』

紅莉栖『チェックメイト……ね』

岡部『貰っっ…………ったぁぁああ!!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:37:26.26 ID:kaQ7Ze/no<>

 《EMPTY NOT SHIELDE》


 ──プァーーーーーーー!!!

 突如響き渡るアラームの音。
 電子音声が第1アリーナに響き渡った。

-試合終了。勝者 セシリア・オルコット-

岡部『んなっ!?』

セシリア『……!!』

紅莉栖『はぁ……』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:37:59.75 ID:kaQ7Ze/no<>

……。
…………。
………………。


 ─第1アリーナピット内─

岡部「なぜ、俺は負けたんだ……?」

 ピットには岡部と紅莉栖が居た。
 岡部は正座を強要され、その目の前に紅莉栖が立っている。

岡部「──と言うか、なぜ正座をさせられているんだ……」

紅莉栖「はぁー……」

 紅莉栖の重い溜息。
 先ほどから、紅莉栖は溜息ばかり吐いていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:38:37.63 ID:kaQ7Ze/no<>
紅莉栖「私、説明したわよね?」

岡部「……む?」

紅莉栖「“ガジェットの仕様”」

岡部「う、うむ」

紅莉栖「っそ。では、何故負けたのよ」

岡部「だからそれを聞いているのでは──」

紅莉栖「アンタほんっっっっとに、馬鹿なの? 死ぬの?」

岡部「うっ……」

紅莉栖「なんで全部のエネルギーをガジェットに供給しちゃうのよ!」

岡部「そっ、それはだな、あれで試合を決めようと──」

紅莉栖「昨日ラウラ戦で供給した量のエネルギーで足りるでしょうが!
     よしんば、それで不安だったからってあんな馬鹿みたいに全部突っ込む馬鹿が目の前に居るこの馬鹿!」
  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:39:06.34 ID:kaQ7Ze/no<>
岡部「……」

 岡部の敗因は“シールドエネルギー”の枯渇だった。

 必要最小限のエネルギーを残し、全てを“サイリウム・セーバー”へ供給。
 ほぼ0に近いエネルギー残量にセシリアが放った“BT偏光制御射撃”がクリーンヒット。

 見事“シールドエネルギー”を消費しきり、めでたく岡部の敗北と相成った。

紅莉栖「武器の特性を考えずに戦うから、あぁなんのよ」

岡部「ぐぬぬ……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:39:48.97 ID:kaQ7Ze/no<>
 ふぅ、と一息付く紅莉栖。
 目の前の馬鹿は悔しそうに縮こまっていた。

 それからも助言……アドバイスなのか罵詈雑言なのか、判別しにくい言葉を延々と垂れ流す紅莉栖。
 あらかた言いたいことを言い終えた後、コホンと息を整えて本音を漏らす。

紅莉栖「──でも、ま。2日間お疲れ様。怪我が無くて何よりだったじゃない……?」

岡部「む……」

 照れ臭そうにそっぽを向きながら紅莉栖が呟いた。
 ほんのりと頬が紅潮していることが見て取れる。

岡部「そう──だな、怪我をしないことが……一番だな」

紅莉栖「そうよ、それが一番」

岡部「あぁ……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:41:11.47 ID:kaQ7Ze/no<>

 クラス内対抗戦 第2戦 最終日。

       -第1アリーナ-
 “石鍵” vs “ブルー・ティアーズ”
 
   勝者“ブルー・ティアーズ”


 岡部倫太郎の戦いは、一先ず幕を下ろした。

 岡部倫太郎専用機 “石鍵”
 公式戦 2戦2敗
 非公式戦 1戦1敗 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/05(土) 21:42:54.39 ID:kaQ7Ze/no<> おわーり。

何とか終わらせた、と。
本日もありがとうございました。


>>478
  _, ._
(;゚ Д゚)正解! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/05(土) 21:50:33.19 ID:Hi+0s69SO<> 乙。
そろっとオカリンに勝って欲しいな…
<>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:25:08.92 ID:lZYQqWt5o<> 週末更新。
添削おわたら来るのです。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:44:30.23 ID:lZYQqWt5o<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:45:10.18 ID:lZYQqWt5o<>

 1年1組 クラス内対抗戦から3週間が過ぎた。
 その後は次々と、対抗戦が繰り広げられIS学園が平常通りになったのは10月の半ばだった。

 1年1組のクラス内対抗戦 専用機戦績は以下の通り。


 岡部 倫太郎:専用機 石鍵 2戦2敗

 織斑 一夏:専用機 白式 2戦1敗1分

 篠ノ之 箒:専用機 紅椿 2戦1敗1分

 セシリア・オルコット:専用機 ブルー・ティアーズ 2戦2勝

 シャルロット・デュノア:専用機 ラファール・リヴァイヴ・カスタムII 2戦1勝1敗

 ラウラ・ボーデヴィッヒ:専用機 シュヴァルツェア・レーゲン 2戦2勝 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:45:50.70 ID:lZYQqWt5o<>

 一夏vs箒。

 白式の“単一仕様能力”-ワンオフ・アビリティー-。
 “零落白夜”を“紅椿”にヒットさせるが、その直後に(秒数にしてコンマ以下)エネルギー切れを起こし判定の結果引き分けとなった。

 これに不服を唱えたのは、一夏ではなく箒であったが受け入れられず結果は変わらなかった。



 シャルロットvsラウラ。

 初めから対シャルロットを想定して組まれた砲戦パッケージが功を奏し、終始優勢のまま時間切れで勝利。
 シャルロットの敗因は汎用性に富みすぎた結果、決め手に欠け攻めあぐねた事だった。


 2組の鈴音はクラス内に専用機持ちが居ないと言う事で訓練機との連戦を強いられた。
 2日間で6戦をこなし、全勝。


 4組の専用機持ちである簪も同様に6戦を強いられ、初日は3勝。
 翌日は疲労のせいか1負を喫し6戦5勝1敗の好成績を残している。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:46:19.45 ID:lZYQqWt5o<>
岡部「──で、1勝も1分も得られなかった専用機持ちは俺だけだった……と言う訳だ」

 時は放課後。場所は生徒会室。
 クラス内対抗戦が終わったのはつい先日のことで、終わった矢先に岡部は更織楯無 生徒会長に呼び出されていた。

楯無「まぁまぁ。倫ちゃんの相手は国家を代表する候補生よ? ISを起動して一ヶ月も経ってないんだから、上出来上出来♪」

岡部「……むう」

 呼び出されて、尋ねられたのは試合の感想だった。
 岡部は素直に“怪我をせずに終わって良かった”と話し、楯無に爆笑されていた。

楯無「んー」

 楯無がチラリと時計を見る。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:46:56.98 ID:lZYQqWt5o<>
楯無「そろそろね」

 ──ガチャ。

一夏「遅れましたー」

本音「たーたー」

 1年1組に所属する、生徒会役員。
 織斑 一夏と布仏 本音が入室してきた。

一夏「掃除が手間取っちゃって」

本音「えへへー」

一夏「のほほんさんが手伝ってくれないからだろ……」

本音「手伝わないほーが、捗るかなーって」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:47:24.55 ID:lZYQqWt5o<>
楯無「はいはい。不毛な会話はそこまで。2人とも席に付いてー」

 パンパン。と手を鳴らし場を改める。

楯無「虚も着席して良いからね」

虚「はい」

 布仏 虚。
 生徒会会計であり、本音の姉である。──が、全員分のお茶を給仕した後、着席した。

楯無「──と、言う訳でようやっと生徒会の全メンバーが一同に会せたわね」

岡部「(俺も本当に役員にされていたのか……)」

 ──パァン! 勢い良く扇子が開かれる。

 -重大発表-

 と、そこには達筆で書かれていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:48:07.62 ID:lZYQqWt5o<>
一夏「重大発表? 何かあるんですか?」

楯無「うん。生徒会主催のイベントをやります」

本音「へー、なんだろなんだろー?」

虚「また、急な……」

楯無「我が生徒会執行部は、ハロウィンパーティーを主催します!!」

岡部「……」

一夏「ハロウィン……」

本音「わー! えーっと……なんだっけ?」

虚「Halloween, 平たく言えば収穫祭ね」

 明らかに興味を見せない岡部。
 困惑する一夏に、意味を知らない本音と、呆れ顔の虚。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:48:37.70 ID:lZYQqWt5o<>
楯無「あんっ。もっと皆ノッてくれなきゃ」

 想定していた反応を得られずに、楯無は頬を膨らませた。

一夏「ハロウィンって……一体何をするつもりですか?」

楯無「さすが一夏くん! 質問してくれるなんて、おねーさん嬉しいわぁ……」

虚「時間もありませんし、あまり大々的なことは出来ませんよ?」

本音「おまんじゅーじゅー美味しー」

 本音にいたってはすでに話しを聞かず、お茶請けであるカリントウ饅頭を頬張っている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:49:27.13 ID:lZYQqWt5o<>
楯無「ずばり……仮装大会よ!!」

岡部「……コスプレか」

楯無「やん! コスプレって言わないで、ちゃんと仮装って言ってよ倫ちゃん」

一夏「仮装……コスプレ……」

本音「おー! こすぷれー! 得意得意ー!」

虚「本音。お饅頭がこぼれてますよ」

本音「あっ、えへへー」

 ひょいぱく。ひょいぱく。
 落した食べかすをそのまま口に入れる本音。
 その顔は笑顔で、とても幸せそうだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:50:12.75 ID:lZYQqWt5o<>
虚「あぁもう。口にカスが……」

 虚はハンカチを取り出し、妹である本音の口を拭ってやった。
 実に微笑ましい姉妹の情景である。

楯無「……ねぇ、皆聞いてる?」

虚「聞いてますよ、お嬢様。して、どのように行うつもりで?」

楯無「もー、ここでお嬢様はやめてよー」

虚「失礼しました、お嬢様」

楯無「いけずなんだから……こほん」

 わざとらしい咳払いをして、自身に注目を集める。
 キリッと顔を作り、口を開いた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:50:48.01 ID:lZYQqWt5o<>
楯無「他薦型仮装大会を行います。場所は体育館。日時は勿論10月31日ハロウィン」

一夏「他薦型って言うのは……?」

虚「自ら仮装大会には立候補出来ない。と言うことでしょう」

楯無「その通り。明日から3日間全校生徒による投票を行い、上位10名が壇上へと登り仮装勝負をして貰います」

岡部「勝負……競うのか?」

楯無「大会なんだから、とーぜん! これも、全校生徒による投票で優勝者を決めます」

虚「……準備期間はギリギリですが、問題ありません。実行出来ます」

楯無「さすが虚ちゃん♪ と、言う訳で明日から忙しくなるからよろしくね」

 一夏くん。
 倫ちゃん。

 そう小さく呟く声を、当の2人は聞き取る事が出来なかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 00:51:22.65 ID:lZYQqWt5o<> おわーりです。

はろいん終わっちゃってるよ……ここまで間延びするとは思わなかったって事ですまる。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(島根県)<>sage<>2011/11/06(日) 01:18:45.62 ID:evaXJaIKo<> 乙でした

コスプレというと、魔王オカリンが出てくるのかww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 02:16:08.68 ID:CfPKQ9icP<> 乙です
今日はもう更新ないのかな?
ハロウィーン楽しみに待ってる! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 02:30:08.25 ID:X4ady9mIO<> >>503
どっちかっつーと反逆のオカリン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 03:09:14.94 ID:KDNW81FIO<> なるほど、まゆしぃの出番だな

期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東海)<>sage<>2011/11/06(日) 04:31:41.71 ID:1HC3VNIAO<> まゆしぃの出番…つまり




ルカ子の一人勝ち?! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 07:03:24.14 ID:sSicNX1SO<> むしろここでシュタゲのキャラを出してほしい
そうダルのHENTAI成分でたまにはISキャラ連中を圧倒してほしいwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 08:16:10.71 ID:QI5grHNIO<> >>508
そら女子しかしない学園に乗り込んだら大興奮で炸裂するだろ、jk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 09:47:39.60 ID:sSicNX1SO<> >>509
だからこそだよwwww
なんかISキャラに押されっぱなしのオカリンに実はへぁんぱないラボメンが仲間がいることをしっかり認識してほしい(良くも悪くも)

ダルクリがいるオカリンなら束にいいとこ勝負できてほしい
なんの勝負かは知らんが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(岩手県)<>sage<>2011/11/06(日) 11:04:16.41 ID:QBWauqgEo<> 女子に避けられるダルは見たくないお <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北)<>sage<>2011/11/06(日) 11:26:48.56 ID:XKC5HNHAO<> 俺はせっかくISとのクロスなんだから、IS勢と仲良くなるのが見たい。 今のところ一夏だけだからな、特に親しいの。

そう思うのは俺だけ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)<>sage<>2011/11/06(日) 12:04:09.07 ID:rlrsXNT9o<> IS勢に押されすぎてオカリンの存在喰われ気味だったけどな
一夏と女性陣の絡み多すぎると途中思ったが
おもしろければいいやww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(北陸地方)<>sage<>2011/11/06(日) 13:05:03.60 ID:/4VIOZHeo<> ルカ子って普通にIS動かせそうだよな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県)<>sage<>2011/11/06(日) 13:12:59.09 ID:ViLhrBH+o<> だが、男だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 18:19:29.18 ID:EAwn1tOEo<> のほほんさんが出たから大満足 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<><>2011/11/06(日) 20:40:55.12 ID:svmwiiC/o<> 最後にオカリン無双があるんだろ?
なら問題はない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 22:16:36.66 ID:UHsvs54IO<> 基本ヘタレ倫太郎だからな…
ただ、設定はアニメ終了後のオカリンだし、仲間の命や想いがかかっている状況なら執念と覚悟を持った最強オカリンになるはず……
<>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:04:53.94 ID:lZYQqWt5o<> >>1です。
添削が終わったら来ます。
少なくても、更新し続けるのがすたいる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(神奈川県)<>sage<>2011/11/06(日) 23:18:43.54 ID:TrX0A1zRo<> キター! <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:42:49.21 ID:lZYQqWt5o<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:44:48.49 ID:lZYQqWt5o<> >>501  続き。



岡部「ハッハッハ……」

 IS学園に岡部倫太郎が転入してから、約一ヶ月の時が過ぎた。
 クラス内対抗戦と言う、初めてのイベントを過ぎてなおクラスメイトは何かと岡部を鍛えると言ってくる。

 特に顕著なのはラウラ・ボーデヴィッヒと、セシリア・オルコットの2人だった。

岡部「フッフッフ……」

 毎朝のジョギングを指示しているのは、ラウラ。
 そしてその後の入念なストレッチを指示しているのはセシリアだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:45:31.64 ID:lZYQqWt5o<>
岡部「……ふぅ」

 時計を見ると、走り出して1時間。
 12キロの道のりを完走していた。

岡部「人間、慣れるものだな……」

 実際、岡部の身体能力は少しずつだが上昇している。
 代表候補生や現役軍人。

 天文学的な数字である倍率を突破して入学してきた生徒に比べれば、格段に劣りはするものの幾分マシにはなってきていた。

岡部「んっんっ……」

 トラックに腰を下ろし柔軟体操を始める。
 関節や筋を良くほぐし、痛みや疲労を残さないよう入念に。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:46:05.49 ID:lZYQqWt5o<>
ラウラ「様になってきたようだな、倫太郎」

 振り返ると眼帯を付けた現役軍人──ラウラ・ボーデヴィッヒがそこに居た。

岡部「お陰様でな。走るのも楽になってきたと思っていたところだ」

ラウラ「ならば、明日からは起きる時間を1時間ずらし倍走るが良い」

岡部「……それよりどうした。まだ6時30分、朝食には早いんじゃないか」

 ラウラに対して薮蛇を突付いた時の対処法。
 話しを逸らす。

 この一ヶ月で岡部もこの学園……生徒に馴染んできていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:46:48.66 ID:lZYQqWt5o<>
ラウラ「うむ。貴様に少々相談事があってな。トレーニングの監視ついでに来た訳だ」

岡部「……相談?」

 珍しい、と言うより始めての出来事である。

ラウラ「うむ」

岡部「俺に相談だと? 金なら無いぞ……」

 IS学園に籍を置いているが、岡部自身の所属は未来ガジェット研究所である。
 当然ラボの維持費(家賃)は少ない貯蓄から賄われており、金銭事情は今も昔も大差が無かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:47:16.56 ID:lZYQqWt5o<>
ラウラ「金ではない」

岡部「では何だ、言って見るが良い。聞くだけなら聞いてやろう」

ラウラ「あぁ。その、な……」

 何時も人の目を真っ直ぐ見て話しをする、ラウラが目を逸らす。
 透き通るように白い肌は薄紅色に染まっていた。

ラウラ「夫婦問題なんだが……」

岡部「……」


……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:47:43.81 ID:lZYQqWt5o<>

岡部「ふう……」

 早朝ランニング後は必ずアリーナに付属されているシャワー室を使っている。
 同室の織斑一夏を気遣っての事だった。

岡部「7時か……着がえて30分にはワンサマーを起こして、朝食だな」

 廊下を曲がり、階段を昇ろうとすると人影が道を塞いだ。
 長い髪の金髪。

 その髪が揺れるたびに、高貴な匂いが岡部の鼻腔をくすぐる。
 セシリア・オルコットだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:48:10.53 ID:lZYQqWt5o<>
岡部「……」

 この所ラウラもであるが、セシリアも何かと付けて岡部に話しかけて来るようになった。
 しかし、このように待ち伏せまでされたのは始めてである。

 何かしら嫌な予感が脳裏を過ぎった。
 この予感も先ほどの事があったからなのだが……。

セシリア「御機嫌よう、倫太郎さん。ちゃんと、わたくしが指示した通りに柔軟体操はこなしまして?」

岡部「う、うむ……」

 原因を考えてみる。
 までもなく、やはりクラス内対抗戦で対戦したことがキッカケなのだろう。

 アレから後は、攻撃する場所が良くないだの攻撃の避け方に無駄やムラがあるだのと口うるさいコーチが楯無に続き3人になった。
 説明するまでも無く、楯無によるコーチングは続いている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:48:39.09 ID:lZYQqWt5o<>
セシリア「それで、その……今、お時間はありますかしら?」

岡部「……30分程ならな」

セシリア「じっ、実はその……」

 セシリアは急にもじもじと、視線を泳がしはじめた。
 頬は紅潮し、指を組んでは離したりなど妙に落ち着きが無い。

岡部「……もしや、とは思うのだが」

セシリア「……」

岡部「なにか、俺に相談事か?」

セシリア「えっ」

岡部「……」

セシリア「なっ、なぜそれを!?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:49:16.71 ID:lZYQqWt5o<>
 30分ほど前に同じ状況を味わったからである。
 額に手を付き、目を瞑る岡部。

 ふきだしを入れるのならば“やれやれ”だろう。

岡部「……ッフ。ある程度、歳を重ねれば察しが付くと言うもの、だ」

セシリア「なるほど……そう言えば倫太郎さんは3歳以上年齢が離れて居ましたわね」

岡部「──それで、用件と言うのは……」


……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:50:05.85 ID:lZYQqWt5o<>

一夏「ふ……ふぁーぁ……おっ、凶真は今日も早いな。ランニングか?」

岡部「うむ。もう7時30分だ。着がえたら朝食を取りに行こう」

一夏「おう! ちょっと待っててくれな」

 初めの内は、一夏も岡部のランニングに付き合っていたが今は違った。
 一夏は一夏で放課後のIS指導を、それこそ岡部以上に受けていて曰く睡眠を取らなければ回復出来ない程の疲労だと言う。

一夏「うー痛てて……相変わらず、楯無さんの訓練は厳しくってさぁ」

 昨日の一夏担当は、楯無。
 岡部の担当は、ラウラであった。

 一夏と岡部を、専用機持ち+楯無のローテーションでISの操縦訓練を行っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:50:37.34 ID:lZYQqWt5o<>
岡部「ノーガードは……な……」

 笑顔で殴ってくる。
 岡部はそう付け足した。

一夏「あははっ、違いない」

岡部「(聞き出すタイミングが無いな……)」

 2人の乙女に頼まれたミッション。
 今まで生きてきた人生の中で、全くと言って良いほど類似したイベントを経験したことがなかった岡部は戸惑っていた。

岡部「(ワンサマーに意中の相手は誰かを訪ねる……ハードなミッションになりそうだ)」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:51:19.66 ID:lZYQqWt5o<>
一夏「よっし、着がえた。さぁ、飯行こうぜ!」

岡部「うっ、うむ」

一夏「そう言えば、今日はHR前に全校集会だったな。楯無さんがイベントの説明するみたいだけど……」

岡部「例の仮装大会か……俺には関係の無いことだな」

一夏「いやぁ、生徒会役員だからな。けっこー仕事来ると思うぜ……?」

岡部「……そうだったな」

 肩を落す岡部。
 実感が沸かない生徒会役員。

 そんなイベントの不安をよそに、2人は肩を並べて食堂へと向かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/06(日) 23:52:37.89 ID:lZYQqWt5o<> おわーり。


本日もありがとうございました。
プロットが流出しているのかと思うほど読まれる展開。
ジョンタイターでも潜んでるんだろうか。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 23:54:01.64 ID:jbCOKiH+o<> はじめてのリアルタイム遭遇で更新連打しながら読んでました。やっぱ面白いお...
次回もがんばってくだしあ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(不明なsoftbank)<>sage<>2011/11/06(日) 23:54:24.18 ID:zRrc11r5o<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/06(日) 23:59:00.05 ID:1EulLzD50<> そういえばオカリンの腹の傷はどうなってるん?
ワンサマーさんと同じ部屋で着替えたりしてるみたいだけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<><>2011/11/07(月) 00:00:22.56 ID:mbBr5SBYo<> 突如RSが発動してγオカリンの判断力と頭脳が。。。性格は今のままでという超展開キボンヌ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 00:03:43.01 ID:uihtZ49Ao<> 折角なのでお答えしまうす。

>>537
もちろん、傷はあります。
岡部さんのISスーツはお臍が見えないタイプです。
お腹の傷うんぬん〜と言う説明をして、納得して頂いた感じです。

元々ISスーツは女性用しかなく、一夏さんと岡部さんのものはフルオーダー性なので融通が利く訳です。

着替えのさいに、チラリと傷が見えたりもするでしょうが一夏さんは尋ねません。
人の心の機微に敏い方ですので、聞いて良いラインとそうで無いラインはしっかりしてる子だと>>1は勝手に解釈してます。
ラブコメ時はなんで、あぁも鈍感なのかについてはラノベ主人公特有の病気という事で処理してます。

別エピソードで組み込もうかと思ったのですが、それを一々すると本当に物語が進まない……。
という事で、お答えしましたですはい。

以前からお腹の傷に対しては質問があったのですが、その描写もしようと思ってたのでスルーさせて頂いてました。
申し訳。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)<>sage<>2011/11/07(月) 00:16:30.00 ID:L2TYVSnlo<> 乙!
また続き楽しみしてるよ〜
無理しない程度に頑張ってくれノシ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(新潟・東北)<>sage<>2011/11/07(月) 01:06:17.87 ID:GY4UPDsAO<> 乙!!ダルがみたいです>< <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 01:44:12.42 ID:nTZS1tiQo<> ダルISとかボンレスハムじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 01:44:55.20 ID:nTZS1tiQo<> ダルISとかボンレスハムじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 01:45:29.66 ID:nTZS1tiQo<> ダルISとかボンレスハムじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 01:46:07.14 ID:nTZS1tiQo<> ダルISとかボンレスハムじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 01:46:30.80 ID:i8eyqVaIO<> ダルISとかボンレスハムじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 01:47:14.89 ID:i8eyqVaIO<> 本当すまん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都)<>sage<>2011/11/07(月) 01:53:50.55 ID:tbywKSYlo<> ひどいんだお… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 02:03:26.13 ID:fTCVHIVIO<> ゆるさないお… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 02:16:32.97 ID:VN+xc9200<> ここで空気読まずに助手投下ですよ
http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper24680.jpg <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長野県)<>sage<>2011/11/07(月) 02:41:31.15 ID:RiLZwGBJo<> 助手w <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 12:44:01.52 ID:gRfBwqQIO<> >>539
しむらー!シャルル シャルル
まあ、それでも男子の絶対数が少ないことには変わりないんだけどね。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)<>sage<>2011/11/07(月) 15:10:48.59 ID:ya3M5HIf0<> 絵凄いなw w w w w <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 16:13:04.69 ID:nOfGpRMIO<> >>550
「勝った…」くっそわろたwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/07(月) 16:47:19.89 ID:QRhP6UHm0<> 乙ん!

ぐぬぬ、傷の話見たかったが進ませないとダメだしな <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/07(月) 18:03:26.38 ID:uihtZ49Ao<> >>1でうす。

>>550
ぎゃあああああああああああああ!
ありがとうございます! ありがとうございます!
岡部制服verを描いて頂いた方でしょうか?
保存し、次スレになった時にも使わせて頂きます!

>>552
シャルルさんはデュノア社(大手企業)のご令息様だからノーカウント……!
ノーカウント……! ノーカry
真耶先生のエピソード? 見た感じでも、代表候補生程度では完全フルオーダーとかは流石に無理なんじゃないかなぁって(金銭面?)
おそらく、原作者もそこまでは考えてないと思うので>>1も考えるのをやめた。


>>555
申し訳……。
本来ならもう物語終了していても良い頃合なのに、まだ暢気にはろいんやってる始末でして……。
もうラノベ単行本一冊分位は行ってるんですよ、実は。



今夜も投下しに着ますですー。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 19:06:05.89 ID:fGcYjV2Ro<> どんだけダル嫌いなんだよ…あんまりだよ… <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:19:17.40 ID:uihtZ49Ao<> 確かに、一瞬ダル嫌いな人が荒らしに来たのかと思いました。
荒らしじゃなくて良かったです。

添削が終り次第投下しにきまう。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:50:58.27 ID:uihtZ49Ao<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:51:44.34 ID:uihtZ49Ao<> >>533




……。
…………。
………………。


岡部「めおと……問題だと……?」

ラウラ「あ、あぁ……」

 ラウラは依然、頬を染めたまま視線を泳がせている。
 突然の相談。

 しかも内容が内容である。
 聞くだけなら聞くとは言ったが、予想の範疇を超える相談だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:52:13.54 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「(めおと、ふうふ。夫と妻。妻と夫……何故、俺に? 何を言ってるんだこいつは)」

ラウラ「おい、聴いているのか倫太郎」

岡部「……あ、あぁ。その──何だ、お前は結婚していたのか?」

 当然の疑問である。
 目の前に居る少女が言う夫婦問題と言うのは結婚。つまり相手が居なければどうにもならない話。

 頬を赤らめていると言う事は自身の話しなのだろう。と岡部は推測していた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:52:47.44 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「(こいつはワンサマーを好いていたのでは無いのか? よもや夫が居ようとは……)」

ラウラ「正式に籍は入れていないが、一夏は私の嫁だ」

岡部「……」

 ダメだこいつ、早くなんとかしないと……。
 岡部の頭に浮かんだフレーズはコレだった。

岡部「(何を言っているんだコイツは……いや待てよ。そう言えば言葉の節々に“嫁”と言う単語を使っていた気がするぞ)」

 思い出す今までの言動の数々。
 確かにラウラは度々“嫁”という単語を使用していた。

 別段興味も無かった岡部は聞き流していたが、今になってその意味を理解した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:53:21.36 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「(“嫁”と言うのは……ワンサマーだったのか? いや、しかし結婚しているなどの話しは……)」

ラウラ「おい、聴いているのか? 夫婦問題を他人に話すなど、それだけで恥なのだ。
     聞く気があるのならば、ちゃんと対応して欲しい」

岡部「……うむ」

 ぐるぐると思考が交錯する中、考えもまとまり切らぬ内にラウラがその小さい口を開き始めた。

ラウラ「一夏は私の嫁だ。コレは決定事項だ。なのだが……」

 途端に歯切れが悪くなる。
 何か言いたいが、言い出せない。

 言ってしまうのが恐ろしい。
 口にしてしまえば、認めたくないものを認めてしまうのではないかと言う恐怖がラウラにはあった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:53:54.88 ID:uihtZ49Ao<>
ラウラ「その……な、んだ……一夏は私のことを夫と思ってないのではないか……と最近思うんだ」

岡部「……」

 なんの冗談を言っているんだ。とは言えなかった。
 ラウラの口調は真剣その物で、とても冗談を言っているようなものではない。

 十代女子の真摯な気持ちを吐露しているのだ。

岡部「(何となくだが読めたぞ……このジャーマン。嫁と言う単語を勘違いしているな?)」

 未来ガジェット研究所。
 そこでは何時も、岡部の“頼れる右腕”-マイフェイバリットライトアーム-である、橋田至が口癖の様にその言葉を使っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:54:22.01 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「(察するに、好きな相手を“嫁”と表現すると言う間違った日本文化を植えつけられた口か……)」

 ならば訂正するのも野暮と言うものと、岡部は沈黙したまま続きを促した。

ラウラ「どうにもアイツは……一夏は私の嫁のくせに他の女子と仲が良いのだ」

岡部「……」

ラウラ「そこで、その道では上官に当るであろう倫太郎に相談したわけだが」

岡部「うむ……そうか……ん? 上官?」

ラウラ「あぁ。紅莉栖と倫太郎は夫婦なのだろう? 夫婦仲の秘訣をご鞭撻賜りたいのだが……」

岡部「っぶ!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:54:50.61 ID:uihtZ49Ao<>
 思い切り唾を吐き出してしまう岡部。
 ようやく整理が付いた頭に追い討ちを食らわせるラウラ。

ラウラ「夫婦円満の鍵……営みだとかそう言ったことを──」

岡部「待て待て待てぃ! 待つのだジャーマニーガールよ」

 左手は顔へ。
 右手は突き出すように、ラウラへ。

岡部「(考えろ。考えるんだマクガ……いやいや、ふざけている場合ではない……)」

ラウラ「な、何だ? 私は何かおかしなことでも言ったか?」

岡部「……お、俺と助手……クリスティーナは夫婦ではない。まして……恋人同士ですら無いのだ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:55:23.14 ID:uihtZ49Ao<>
 言った。
 岡部は断言した。

 ラウラに向かってではなく、自分に向かってハッキリと。
 “あの日”を越え、今に至り、うやむやにしてきた事柄を。
 
ラウラ「そう……なのか? 私はてっきり、2人は夫婦なのだとばかり思っていたが」

岡部「それは大いに勘違いだ。今後、気をつけてくれ……」

 デリケートな問題なのでな。
 とは流石に付け足せないでいた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:55:53.48 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「──とは言えだ。相談に乗るのはやぶさかでない。相談を持ちかけたクラスメイトを無碍には出来ないしな」

ラウラ「そ、そうか……それは、助かる」

岡部「しかし嫁と来たか。肝心のワンサマーはそれを自覚しているのか?」

ラウラ「解らん。再三言っては居るのだがいまいちな反応なのだ」

岡部「ふむ……同室の俺ですら、ワンサマーから“嫁”だの“夫”だのと言った単語は出てきた試しが無い」

ラウラ「そ……そうか…………話しに挙がった事すら無かったか……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:56:30.10 ID:uihtZ49Ao<>
 目に見えて落ち込むラウラ。
 その姿からは、ドイツの冷氷と呼ばれ恐れられている軍人のオーラなど微塵も無い。

 正真正銘、恋する乙女のソレだった。

岡部「あぁ、いや。そう言った話題をお互いにしないと言う意味であってだな、そう! 女子の話し自体をしないのだ、ワンサマーは」

ラウラ「そう……なのか……」

岡部「あぁ。そう気落ちするな」

ラウラ「うむ……」

岡部「(参った……)」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 19:57:23.80 ID:uihtZ49Ao<>
 まさか、あのラウラがここまでしおらしくなるとは。
 昨日の放課後、散々岡部を苦しめた(体術面で)鬼教官の面影が一切感じられない。

 軍人(?)である時のラウラと、今のラウラとのギャップに岡部は正直混乱していた。

岡部「よし、それとなくワンサマーに意中の相手が居るか尋ねておいてやろう」

ラウラ「ほっ……本当か!?」

岡部「二言は無い」

ラウラ「でっでは、宜しく頼むぞ」

岡部「うむ」

ラウラ「それとな、倫太郎」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:00:18.07 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「む?」

ラウラ「体表面温度が下がっている。汗が冷めたのだろう、早急に汗を流すべきだな」

岡部「そう言えば、少し冷えたな……」

ラウラ「体調管理はしっかりとな。では、例の件は頼んだぞ」

 先ほどまで眼前に居た乙女はどこへやら。
 一転してラウラは何時もの眼つきに戻り、そう告げると寮の方へと帰って行った。

 しかし良く目を凝らすと、足取りはどこか軽くやはり何時ものラウラとは少しだけ違っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:55:38.45 ID:NRsBi2xbo<>

……。
…………。
………………。


岡部「用件と言うのは、ワンサマーのことか……?」

セシリア「ッッ!?」

 セシリアの蒼い瞳が大きく開く。
 自分の思惑を射抜かれたことに、困惑する。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:56:10.61 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「図星だな?」

セシリア「くっ……えぇ、そうですわ。しかし何故理由が──」

岡部「それは俺が、メェアッドサイエンティストだから……だ」

セシリア「マッドサイエン?」

 首を傾げるセシリア。
 当然のように理解されない、岡部の言動。

 紅莉栖であれば、突っ込みが入るのだがなと一瞬脳裏をよぎる。

 ──倫太郎と紅莉栖は夫婦ではないのか?

 ラウラの言葉を思い出す。
 心のどこかで、紅莉栖の事を思っているのかと岡部はくすぐったい気持ちを覚えた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:56:37.73 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「なっ、何でもない。気にするな」

セシリア「はぁ……って、話しが逸れていますわ!」

岡部「そうだったな、ワンサマーのことか」

セシリア「えぇ、折り入ってご相談したい事がありますの」

岡部「……うむ。聞こうではないか」

 まごまごとし始めるセシリア。
 先ほど見た光景と類似していた。

岡部「(10代女子の照れ方というものは総じて同じようなものなのか……?)」   <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:57:16.21 ID:uihtZ49Ao<>
 セシリアの口が開きかける。
 ぱくぱくと、何か言葉にしようとしているが上手く言い表せない。

 異性に、それも恋愛面の相談するなどこれまでに無い経験である。
 照れと誇りと、色々なものが織り交ざった感情がセシリアの胸を渦巻いていた。

セシリア「初めは……くっ、紅莉栖さんにご相談しようかと思ったのですが」

岡部「(ここで紅莉栖の名前が出るとは……)」

セシリア「同室の手前、逆に話しにくいと申しますか……その、中々切り出せなくて……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:58:27.44 ID:uihtZ49Ao<>
 セシリアも、ラウラと同じくどちらかと言うと高圧的な女子である。
 そんな娘が恥じらいながら、自らに相談事を持ち掛けてくる……岡部は連続して妙な気分を味わっていた。

岡部「(ふむ。妹が居たらこんな感じなのだろうか……まゆりは妹ではなく幼──人質だから種類が違うしな)」

セシリア「──ですから、すでにちゃんとした恋人をお持ちの倫太郎さんに!」

岡部「っぶ!!」

セシリア「っきゃ!」

 思わず噴出す岡部倫太郎。
 本日二度目の噴出しだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:59:29.43 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「すっ、すまん……あー、勘違いしているようだから言っておこう」

セシリア「……?」

岡部「俺と助手……クリスティーナはそういった関係では無いのだ」

セシリア「……え?」

岡部「恋人同士ではない、と言っている」

セシリア「まさか。クラス、いいえ。学園中で倫太郎さんと紅莉栖さんは、お付き合いしていると認識されていますわよ?」

岡部「……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 20:59:59.49 ID:uihtZ49Ao<>
 額に手を当てる岡部。
 女子だらけの学園である。

 こう言った噂話が蔓延することは必然であり、仕方ないと言えば仕方ない。
 ──が、それが自身に降りかかってくるとは微塵も思って居なかった。

岡部「その認識は間違っている」

セシリア「そう……でしたの……だとすると、倫太郎さんは今お付き合いしている女性は?」

岡部「そんな者は居ない」

 どうして、こうも彼氏彼女だとか、付き合うだとかを重要視するのか。
 岡部には理解出来ないでいた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:00:33.90 ID:uihtZ49Ao<>
セシリア「それは、大変な事になりますわね……」

岡部「む? 大変? 俺がか?」

セシリア「えぇ……」

 小さな顎に手を添えて、ポーズをとる。
 そのありふれた仕草ですら、絵になっていた。

セシリア「今までは倫太郎さんと紅莉栖さんがお付き合いしているものと皆が皆、認識しておりました。
      しかし、そうでないと解れば話しは別……」

岡部「む? む?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:01:02.80 ID:uihtZ49Ao<>
 話が飲み込めない岡部。
 話が飛躍しすぎて、クエスチョンマークが途切れない。

セシリア「学園中の娘達に狙われますわよ……そう、一夏さんのように」

岡部「──なっ」

 馬鹿な。
 自身が、一夏のようにモテるなど考えられない。

 岡部は一笑に付す。
 しかし、セシリアの顔は真剣そのものだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:01:31.34 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「えっ、ちょっと待て。それは……どう言うことなのだ?」

セシリア「年上でしかも聡明な紅莉栖さんが倫太郎さんとお付き合いしていない……で──あれば」

 ──私でも、岡部倫太郎とお付き合い出来る。(かもしれない)

セシリア「と、思うでしょうね。皆さんは」

岡部「馬鹿な……おっ、俺だぞ? ワンサマーではなく、俺だぞ?」

セシリア「倫太郎さんは歳相応に落ち着いてらっしゃいますし、背もお高いですわ。
      それだけで、色めき立つには充分かと」
  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:02:13.43 ID:uihtZ49Ao<>
 もちろん、わたくしは一夏さん一筋ですが。
 と注釈を入れるのを忘れない。

セシリア「っと、話しが逸れてしまいましたわね。ええっと……」

岡部「──あー、待ってくれMs.シャー……オルコット」

セシリア「?」

岡部「その、何だ……その話し、あーつまりクリスティーナとのことなのだが」

セシリア「はい?」

岡部「他言無用で頼む。その、騒がれたくない……のでな」

セシリア「はあ……それは、構いませんが」

岡部「それでだ、交換条件といこうじゃないか」

セシリア「こうかん……?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:02:40.51 ID:uihtZ49Ao<>
 キョトン、と首を傾げるセシリア。
 もはや最初の議題は頭から抜けていた。

岡部「ワンサマーの意中の相手をこの俺が、聞きだしてやろう」

セシリア「……!!」

 思い出す、重要な会話。
 一夏の事を相談しに来たのだと。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:03:08.28 ID:uihtZ49Ao<>
セシリア「そうですわ! わたくしはそれを相談しに──」

岡部「解っている、解っているぞオルコット。だからな、例の話しは……」

セシリア「なるほど……そう言うことでしたら、了承致しましたわ」

岡部「うむ、頼んだぞ」

セシリア「えぇ、Give and Take. ですわね?」

岡部「あぁ」

セシリア「うふふっ、それでは御機嫌よう。また後ほど」

 そう言い残すと、英国淑女は長めのスカートを翻し階段を優雅に上がって行った。
 1人その場に残る岡部。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:03:49.29 ID:uihtZ49Ao<>
岡部「……む?」

 首を傾げる。

岡部「何かが、おかしくないか?」

 脳内で話を遡る。
 どう考えても、立場が逆転していた。

岡部「……まぁ良い。やる事は変わらんしな」

 ぽつりと呟いた声が、虚しく廊下に響き渡った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/07(月) 21:05:22.68 ID:uihtZ49Ao<> おわーり。

今日は、投稿中に鯖?の機嫌が悪くなったのかgdgdした投下になりました。
申し訳。

>>550さんから素敵なイラストを頂いたので、今一度宣伝(?)を。
ヽ(*゜Д゜)ノカッター!


以上です。
本日もありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(神奈川県)<>sage<>2011/11/07(月) 21:25:55.11 ID:FJF7+N/Yo<> 乙でしたー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北)<>sage<>2011/11/07(月) 21:39:14.43 ID:FvvFfzRAO<> 乙です。
クリスとキスしたのは別の世界線のクリスだしな。
色々と複雑だなオカリン
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 22:03:35.73 ID:+1GsxMUR0<> 毎日楽しみにしてるぜ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/07(月) 23:05:49.46 ID:1AO08dI5P<> 乙でした!
いつも有り難う。
ここのSS、一日の心の糧にしてるんだぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 00:11:43.48 ID:ofkK8T6v0<> 面白かったよ!
>>1は上げてくれる間隔が短いし、定期的に来てくれるから、そこが凄くいい!
1月くらいでいなくなっちゃう人も多いなかこれは凄いと思うよ
話しも面白いし読み安い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/08(火) 02:33:41.76 ID:djHieUiR0<> 乙です。
早く覚醒オカリンが見たいぜ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 08:02:48.85 ID:DNNq8PAIO<> シュタインズゲートの先だから岡部しか覚えてないんだよな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/08(火) 08:24:49.23 ID:s2b2Jnyn0<> ここ来る度、先に紅莉栖ルートやりたくなっちゃう病に罹っちゃうンだが・・・・・・。
圧倒的まゆしぃ人気にshit!してたあの時の俺に言ってやりたい。迂闊なことをするなと、軽率なことをすr(ry <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:11:30.18 ID:8wIVLH4Jo<> おおお、何か褒められてる>>1です。
短いですが、区切りが良いので投稿してしまいます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:12:20.15 ID:r+7Zu4pro<> >>585  続き。




 ─全校集会─


 学園中の女生徒が、一同に会す。
 騒がしさを通り越し、姦しい。

 おりむら いちか。
 おかべ りんたろう。

 IS学園に在籍するたった2人の男子生徒。
 名前順で並ぶと自然、2人は前後同士になる。

 178cmと高身長な岡部は、性別以前に目立ってしまう。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:12:48.99 ID:r+7Zu4pro<>
 ──ひそひそ。

 そこかしこから、女生徒の話し声が聞こえてくる。
 この姦しさの原因の1つは岡部倫太郎であった。


「──ねぇ、彼が岡部倫太郎?」
「そうでしょ! ねぇねぇ、良くない!?」
「あーんっ、背高いね?」
「もう直ぐクリスマスだよぉ……彼、暇なのかな?」
「ばっか! 牧瀬さんって天才と出来てるって噂だよ」
「あー、何時も一緒に居るしねぇ」
「年上かぁ……良いなぁ……でへへ」


 この会話は勿論、当人の耳に入る。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:13:17.89 ID:r+7Zu4pro<>
一夏「気にしない方が良いぜ。一々反応してたら疲れちまうからな」

岡部「あ……あぁ」

 岡部自身はそれほど気にしていなかった。
 むしろ、この話題が紅莉栖の耳に入ってないかだけが気掛かりである。

紅莉栖「(聞こえてるっつーの……ったく、本人が側に居るのにそう言う話題だす?)」

 紅莉栖の頬は赤く染まっており、岡部と付き合っている。と言った噂話を耳にしてそわそわしていた。

紅莉栖「(べっ、別に付き合ってないし……)」

 紅莉栖の学生時代もまた灰色。
 こう言った、色めく話題には耐性が無かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:14:00.48 ID:r+7Zu4pro<>
紅莉栖「(普通の女子高ってこんな感じだったのかな……研究ばっかで、経験したこと無かったし……)」

虚「それでは、生徒会長からイベントの説明をさせて頂きます」

 喧騒に一石を投じる。
 生徒会役員である、布仏 虚がマイク越しに声を発した。

楯無「やあみんな。おはよう」

 それまで話しこんでいた女生徒達の口は、一斉に閉じた。

楯無「うんうん、みんな良い子ね」

 きょろきょろと壇上から見下ろし、私語を楽しむ生徒が居ないことを確認する。
 一瞬、岡部と一夏に視線を合わせウインクを放った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:15:31.23 ID:r+7Zu4pro<>
岡部「む……」

一夏「はぁ……」

楯無「さてさて、みなさん。クラス内対抗戦お疲れ様。成績は如何だったかしら?
   負け越しちゃって憂鬱なあなたに朗報。ハロウィンイベントを開催します」

 ──ざわ。

 ハロウィンイベント。
 この一言で一気に女生徒がざわついた。

楯無「今から説明するから静かにねー」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:16:13.54 ID:r+7Zu4pro<>


           -IS学園 はろ☆いん 仮装大会-


 ・他薦型仮装大会である。

 ・生徒は各自、投票チケットを使いIS学園内に居る人物の名前を書き投票する。

 ・選出された上位10名が、31日に壇上へ上がり衣装を披露する。

 ・選ばれなかったその他大勢の生徒は1位を予想し、見事的中した場合は学食スペシャル限定デザート2週間分。

 ・1位になった生徒は“織斑一夏”または“岡部倫太郎”またはその2人とデートが出来る。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:16:42.15 ID:r+7Zu4pro<>
岡部「……」

一夏「……」

「キャぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 絶句する2名の男子。
 一気にマックスボルテージまで高まり、絶叫し始める女子達。

「良い!? これは戦争よ! 戦争!」
「組織票用意するわよ!?」
「でも、デート出来るのは一人なんだから……」
「つまり、票を買えば良いのね!? ヨッシャあああああ!」
「どっち! どっちとデートすれば良い!?」
「もちろん一夏君でしょ!」
「倫太郎さんに大人のエスコート……でゅふふ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:17:11.80 ID:r+7Zu4pro<>
楯無「うん♪ これは盛り上がりそうね?」

虚「仮装披露自体は、さほど時間がかかりませんからね。事前に盛り上がりを見せるのは良い傾向です」

 壇上で話し合う2人の生徒会役員を見上げる、景品となった2人。

一夏「マジかよ……」

岡部「ノーガードォ……」

 2つの視線に気付き、再び楯無がウィンクを送った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:17:47.10 ID:r+7Zu4pro<>

箒「……仮装だと?」

セシリア「……うふふ、これはわたくしの独壇場になりますわね」

鈴音「やってやろうじゃない!」

シャル「あうー……僕じゃ勝ち目なさそうだなぁ」

ラウラ「仮装? コスプレと言うヤツか……ふむ、クラリッサに報告せねばな」

簪「私には……関係ない、かな……はぁ……」


 それぞれの思いを内に全校集会は幕を閉じた。
 教室への帰り道、岡部と一夏はねっとりとした視線を全身に受けたがその正体は解らない。
 ほぼ全ての女生徒の視線が、2人に集まっていたとはさすがに想像の埒外であった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 12:18:19.57 ID:r+7Zu4pro<> おわーり。

某所に誤爆して、死ぬほど恥しかった……。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 12:19:50.61 ID:UUnoNYFIO<> ヤりたいほうだいすぎるww <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/08(火) 12:36:16.94 ID:r+7Zu4pro<> 一応(?)ご報告。
>>1は晴れてガチニートにクラスチェンジ出来ました。
転職は来年!

より、投稿ペースがあがると思います。
夜にまた投下しに来れるかと。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 12:38:01.17 ID:THNmWYKDo<> >>607
ようこそ屑の楽園へ
良い職見つかるといいな、乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(北陸地方)<>sage<>2011/11/08(火) 12:54:07.34 ID:DSVV6xkmo<> なんだろう、すごいおとボク臭がするwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 13:04:58.35 ID:mnwlQFmXo<> リアルタイム遭遇してたのに過去ログ読んでて気づかなかったー( ´・ω・)

>>1乙です
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 13:41:34.54 ID:Ysq6qS5d0<> ちょっwマジちょっwすげーよもうこのSSはちょうどいいとこ突いてくるねぇえへへへへへへへ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 13:43:50.93 ID:MSkoXuJUo<> >>1乙
ウェルカム トゥ アンダーグラウンド
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 13:44:50.41 ID:lyK2V053o<> 乙
来年がんばってww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 16:08:15.99 ID:gXBt9W7AO<> 長い人生、寄り道すべき <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 16:27:20.06 ID:KAO/9Uw6o<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 17:42:09.40 ID:DVTIkN8Zo<> ガチニート…
にいたな? <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:35:42.14 ID:r+7Zu4pro<> >>1です。

おとボクって何でしょ。
ググったら処女はお姉さまに恋してる が出てきたけど、これかなぁ。

>>616
はい、ガチニートなので居ました。
誤爆して凄く恥しかったです……。四捨五入して30歳になる前には就職してるはずですきっと。


投下しまーすよー。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:36:35.39 ID:r+7Zu4pro<> >>604  続き。




 ─生徒会室─


岡部「──で、どう言うことだ」

楯無「なにが?」

岡部「何が。では無い……」

 生徒会室には楯無と岡部、それに一夏が居た。
 虚は投票用紙の回収やら何やらで忙しく立ち回り、本音は生徒会室に顔すら出して居なかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:37:09.33 ID:r+7Zu4pro<>
岡部「1位の景品に付いてだ。俺も、ワンサマーも何1つ聞いていないぞ」

楯無「だって、説明していないもの♪」

一夏「ははっ……」

 乾いた笑いがこぼれる。
 一夏にとっては何時ものことだった。

岡部「おい、ワンサマー。何か言ってやったらどうだ!」

一夏「いやぁ……凶真。楯無さんには何言っても無駄って言うか……」

楯無「さっすが一夏くんはおねーさんのこと解ってるわね」

岡部「ぐぬぬ……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:37:36.66 ID:r+7Zu4pro<>
 岡部も内心では理解していた。
 何を言っても無駄であること。既に壇上で発表した事実を覆す方法が無いこと。

 しかし、一言も文句を言わないのは腹が立ったのでこうして放課後に生徒会室へと足を運んでいた。

楯無「んー、やっぱり衣装が問題よねぇ……」

一夏「衣装?」

楯無「うん。10人分の仮装衣装をね、用意しなくちゃなんだけど……演劇部に丁度いい衣装が無いのよ」

一夏「はぁ……」

楯無「4.5着はあるんだけど、もう半分がね……新しく縫ってもらうのもアレだし出来合いを買うのも……」

岡部「ノーガードが縫えば良いではないか」

楯無「む……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:38:05.82 ID:r+7Zu4pro<>
 ジロリ。
 何故か、一夏を睨みつける楯無。

 完璧超人とも思える楯無だったが、1つだけどうにもならない弱点があった。
 それを知る人物は数少なく、妹の簪が一夏に教えたことを考えると犯人は自然と浮かび上がる。

一夏「へ?」

楯無「一夏くん? おねーさんそーゆーの感心しないなー」

一夏「え? 」

岡部「む?」

楯無「ん? あら?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:38:34.70 ID:r+7Zu4pro<>
 予想外の反応。
 一夏は本当に楯無が何を言ってるのか理解していなかった。

一夏「ん? 楯無さんどうかしたん──」

楯無「いっけなーい、おねーさんの勘違いだったみたい☆」

一夏「はぁ……」

楯無「(ふう。倫ちゃんの台詞はたまたまだったようね……)」

 裁縫が出来ない。
 と言うのは、楯無にとってちょっとした恥しさがあり知られたくは無かった。

楯無「うーん、おねーさん忙しいし、縫う時間は無いのよねぇ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:39:02.68 ID:r+7Zu4pro<>
 白々しく会話を戻す。
 もちろん、その白々しさに気付く男子2人ではない。

楯無「誰か、お裁縫得意な子居ないかしら?」

一夏「うーん……箒なら出来そうですけど、衣類となるとどうですかね。
   シャルも器用だから出来るかもしれませんね」 

岡部「(裁縫……裁縫……)」

楯無「じゃぁ、一夏くんからお願いしてくれる? 生徒会役員として」

一夏「まぁそう言うことだったら……解りました、後で言っておきます」

楯無「それでも2人かー、期限までに間に合うかしら……」

岡部「あー、ノーガードよ……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:39:30.58 ID:r+7Zu4pro<>
 黙り気味だった岡部の口が開く。

楯無「た・て・な・し」

岡部「ノーガード」

楯無「あん。倫ちゃんの意地悪──で、なぁに?」

岡部「衣類……裁縫に関してはエキスパートと言って差し支えの無い人物に心当たりがある。俺の身内だ」

楯無「あら」

一夏「へー」

 岡部の台詞に興味を持つ、一夏と楯無。
 2人は岡部に話を続けさせた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:41:16.03 ID:r+7Zu4pro<>
岡部「依頼すれば、恐らくだが喜んで請け負うだろう。だがIS学園の生徒では無い、敷地内での作業は──」

楯無「オッケー♪」

岡部「──さす……がに、なに?」

楯無「うんうん! 大丈夫、IS学園内への出入りも生徒会長である私が許可します。
   明日にでもその人を生徒会室へ連れて来れるかしら?」

岡部「あ、あぁ……(こんなに軽いノリで平気なのか?)」

一夏「へー、凶真の友達か?」

岡部「まぁ、そのようなものだ」

楯無「持つべきものはお友達よねー、イベントの一番面倒だったところが片付いちゃった♪」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:42:15.87 ID:r+7Zu4pro<>
 プリント項目にある“衣装”に威勢良くまるを付ける楯無。
 まだ岡部の推薦する人物に出会ってもいないのに、彼女の中では万事解決したらしい。

岡部「では、連絡を取っておく」

楯無「はーい、お願いねー」

 生徒会室から1人、廊下へと移動する。
 携帯を取り出しながら、会話をするため屋上へと向かう。

 携帯のディスプレイには“椎名 まゆり”の名前が表示されていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/08(火) 18:43:02.36 ID:r+7Zu4pro<> おわーり。

ありがとうございました。
作者の皆さん、誤爆には気をつけないと恥をかきまうす。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage.saga<>2011/11/08(火) 18:46:02.64 ID:t5Pb5Fs+0<> リアルタイム、だと……?
就活、大変だなあ……。書く時間が出来たならガンガン書いて欲しいと思う一方就職がんばれとも思う。
続き待ってるよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 18:50:53.94 ID:namjohtIO<> まゆしぃのターン!やったね! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 18:59:33.46 ID:xTiKoD9DO<> シャルしぃが見れるのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 18:59:39.76 ID:NGvpkAqFo<> やっと... やっとまゆしぃキターっ!!楽しみにしてたお... まゆしぃの活躍の場を... !
これからもがんばってくだしあ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(北陸地方)<>sage<>2011/11/08(火) 19:02:49.39 ID:DSVV6xkmo<> 乙
おとボクは処女はお姉さまに恋してるで合ってる
二作出てるけど二作とも>>596からの展開みたいなのがあったりしてニヤニヤできるゲーム
個人的にオススメできるゲームなので時間があれば体験版やってみてはいかが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山口県)<>sage<>2011/11/08(火) 19:08:34.57 ID:EkSuMlxJo<> キタ!ラボのメイン天使キタ!これで勝つる!

シャルとの絡みに期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<><>2011/11/08(火) 19:40:06.26 ID:P2EQg+pno<> まゆしぃキター <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東海・関東)<>sage<>2011/11/08(火) 21:37:53.02 ID:NQKYL4aAO<> おとボク主人公は二作とも女装して女学院に入るけどな
そして公式HP人気投票でヒロイン達ぶっちぎって一位になる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(北陸地方)<>sage<>2011/11/08(火) 22:02:39.35 ID:DSVV6xkmo<> 二作目主人公はAmazonの「美少女」ランキングで2位になるほどの猛者だしな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/08(火) 23:09:21.84 ID:xTiKoD9DO<> ちーちゃん、可愛いよちーちゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/08(火) 23:27:16.88 ID:GmVY57eu0<> >>636
そして俺たちを罵ってくれる……素晴らしい <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:32:28.54 ID:Qsz8qzdho<> >>1です。

往きます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:33:12.35 ID:Qsz8qzdho<> >>626  続き。




 ─屋上─

 ──トゥルルルル。トゥルル……。

まゆり『はぁい』

岡部『まゆり? 俺だ』

まゆり『わぁ、オカリン? どーしたの? 珍しいねぇ、えへへ』

岡部『うむ……少し、頼みたいことがあってな』


……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:33:54.33 ID:Qsz8qzdho<>

まゆり「トゥットゥルー! まゆしぃ☆ ですっ」

一夏「は、はめまして。織斑一夏です」

楯無「はめまして。IS学園生徒会長、更織楯無。楯無って呼んでね?」

 翌日、さっそくまゆりはIS学園の生徒会室に呼び出されていた。
 生徒会室に居るメンバーは昨日と変わらず、岡部を含め3人。

まゆり「えっとぉ、オカリン?」

岡部「ん? あぁ……こいつは、椎名まゆり。16歳で高校2年生。ノーガードと同じ歳……になるな」

楯無「同学年ね♪」

まゆり「わぁ、よろしくー♪」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:34:26.07 ID:Qsz8qzdho<>
楯無「まゆりちゃんって、倫ちゃんのイイ人?」

岡部「っぶ!」

まゆり「?」

 一夏もそれが気になっていた。
 岡部と随分親しげな少女、その距離感は紅莉栖よりも近いものを感じる。

岡部「違う! コイツはその……幼馴染だ」

まゆり「です!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:35:16.63 ID:Qsz8qzdho<>
楯無「ふぅん……」

岡部「えぇい! ジト目で見るのをやめろ!」

楯無「はいはい。っでと、さっそくで悪いんだけど仕事の話しに移っていいかしら?」

まゆり「お仕事って、お裁縫……で良いんだよね?」

楯無「えぇ、そうよ。じゃぁコッチへ来て──こう言った物を用意したいんだけど……」

まゆり「ふんふん……」

 そのまま2人は大きな生徒会長用の大きな机に移動し、書類を見ながら話し始めた。
 残された男子2名。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:36:02.51 ID:Qsz8qzdho<>
一夏「ははっ、俺達やる事無いなぁ」

岡部「うむ。元より裁縫など出来ないしな。そう言えば、増援の話しはどうなったのだ?」

一夏「ん。箒は洋服作りはちょっと無理だってさ。シャルは教えてもらえば出来そうだから、手伝えることがあるならーって」

岡部「そうか。しののののの事だから、多少無理をしてでも手伝うかと思ったんだが……」

一夏「あぁ。そうしようとしたから、俺が止めた。あいつは出来ない事をやろうと張り切ると大抵失敗するんだ」

岡部「ワンサマーとしののののは幼馴染だったな」

一夏「凶真と椎名さんみたいにな」

 くくっ、と2人で笑いあう。
 何かしらの恥しさと、妙な感覚を2人して味わう。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:36:33.69 ID:Qsz8qzdho<>
岡部「(幼馴染……は、除外だろう。つまり、ワンサマーはしののののと、大陸娘に恋慕の念は抱いていない……?)」

楯無「あっ、すごーい。そんな事も出来ちゃう?」

まゆり「うんうん! 大丈夫、出来るよー。あっ、でもココをこうするとちょっと値段が……」

楯無「値段なら大丈夫、問題無いわ。もうバンッバン使っちゃってね」

まゆり「えーほんと? じゃぁ、ここもこーしちゃおー。えへへぇ」

一夏「何か……一気にすげぇ仲良くなってるな」

岡部「まゆりは基本的に、人見知りをしない人当たりの良い子だからな……」

 30分程して、楯無とまゆりの話し合いは終了した。
 2人ともニコニコと笑みを零している。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:37:02.00 ID:Qsz8qzdho<>
楯無「ねね、一夏くん。まゆしぃにお裁縫教えてもらうことになっちゃった♪」

一夏「ま、まゆしぃ?」

まゆり「オカリンオカリンッ、凄いよー! 布の種類も材料も何使っても良いんだって!」

岡部「そ、そうか……良かったな」

まゆり「それでね、明日から放課後は毎日ココへ来てお裁縫することになったの」

岡部「ふむ……大丈夫か?」

まゆり「うんっ! ちょっぴりだけど、IS学園の生徒になった気持ちだよー」

楯無「学食とか、その他の施設も遠慮無く使ってね?」

まゆり「楯無ちゃんありがとうっ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:37:31.39 ID:Qsz8qzdho<>
 ぎゅっ、っとハグをし合う2人。
 この短時間で驚くほど仲良くなったらしい。

岡部「(さすが、まゆりだな……)」

まゆり「おっと、そうだ。先に寸法測っておこうっと」

 ごそごそと学生鞄を漁り始めるまゆり。
 その格好は、学校帰りとあって制服姿だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:37:57.59 ID:Qsz8qzdho<>
まゆり「じゃーん! スケール!」

岡部「メジャーか? それをどうするんだ?」

まゆり「うん。あっ、楯無ちゃんちょっと手伝ってくれる?」

楯無「はいはーい。倫ちゃんちょっとバンザイしてね?」

岡部「む? む?」

 なされるがまま、寸法をてきぱきと取られて行く岡部。
 胸囲や股下など隅々までしっかりと寸法取りをされた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:38:33.90 ID:Qsz8qzdho<>
岡部「何故に俺のサイズなど測るんだ?」

楯無「備えあればってねー、はーい次は一夏くん! ばんざーい」

一夏「は、はぁ……」

まゆり「はぁい、失礼しまーす♪」

 岡部から一夏へと流れるように寸法を取り、メモをしていくまゆり。
 なされるがままに、サイズを取られて行く岡部と一夏。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:39:03.67 ID:Qsz8qzdho<>
まゆり「でーきたっ」

楯無「うーん、早いなぁ」

一夏「なんで俺や凶真のサイズを?」

楯無「だから、備えあれば憂い無しって言うでしょ? って、あら。もうこんな時間」

 時刻は何時の間にか19時を回っていた。

楯無「まゆしぃご飯は……済んでないわよね?」

まゆり「え? うん、学校終わってからそのまま来たから」

楯無「よし決定♪ さ、行くわよ倫ちゃん一夏くん」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:39:30.65 ID:Qsz8qzdho<>
岡部「お?」

一夏「え?」

楯無「……はぁ」

 溜息をついて、やれやれと手を仰ぐ楯無。
 呆れたような顔で口を開いた。

楯無「会話の流れ的に解るでしょ? ご飯よごーはーん。まゆしぃとディナーを食べに学食へレッツゴー♪」

まゆり「わぁ、良いのー?」

楯無「もう。さっき行ったでしょ。ここに居る間は生徒と同じだって」

まゆり「やったぁ! えへへぇ。ねぇ、オカリン」

岡部「?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:40:21.07 ID:Qsz8qzdho<>
まゆり「ご飯一緒に食べるの久しぶりだねー」

岡部「ん……そういえば、そうだな」

まゆり「まゆしぃは嬉しいのです。一ヶ月もオカリンと一緒に居ないなんて、すっごくすっごく久しぶりだったから」

岡部「……そう、だな」

 IS学園に転入してからこっち、毎日が怒涛のように過ぎていく。
 学園を離れ、ラボへ行く時間も余裕も作れなかった。

 実際にまゆりと会ったのも一ヶ月ぶりだった岡部は、ほんの少しだけ照れ臭さを感じていた。
 当人はその正体不明の感情が何かさえ理解できていない。

楯無「もー、何してるのー? 置いて行っちゃうよー?」

 既に廊下まで出ている、楯無と一夏。
 岡部とまゆりも、足を揃えるように生徒会室の扉を出て行った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 00:42:23.35 ID:Qsz8qzdho<> おわーり。

本日もありがとうございました。
ニートでも夜は寝る、これ大事。
投稿時間は今まで通り、昼間からこの時間帯が主流になりますのでよろしくお願いします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東海・関東)<>sage<>2011/11/09(水) 00:43:17.73 ID:jhx8ZSUAO<> 乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東日本)<>saga sage<>2011/11/09(水) 00:43:29.95 ID:dHonU7lc0<> 乙でした。
明日も待ってますね♪ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(大阪府)<>sage<>2011/11/09(水) 00:44:04.40 ID:hRqdRl+Y0<> リアルタイム初遭遇!
オカリンとワンサマーのコスプレがすげぇ気になるww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東日本)<>saga sage<>2011/11/09(水) 00:46:34.96 ID:dHonU7lc0<> 乙でした。
明日も待ってますね♪ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)<>sage<>2011/11/09(水) 00:49:44.41 ID:jCphLkO6o<> 乙
職業訓練やると失業保険の他に助成金みたいなのも出るから色々捗るぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/09(水) 01:22:28.62 ID:RGxPa73y0<> >>1オツカリンッ!
ホントもうここはまゆラーの多いインターネッツですね。

いあまゆしぃも好きだけどね。紅莉栖ーーー俺だーーーー!息してくれーーーーー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/09(水) 02:02:58.64 ID:isecpT6IO<> まゆしぃだ〜
シャルとまゆしぃの破壊力は異常 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)<>sage<>2011/11/09(水) 03:09:16.38 ID:ggCHb1vXo<> オカリンの制服姿の感想が欲しかった気がしないでもない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2011/11/09(水) 04:54:46.83 ID:DMN6oMTc0<> 白衣っぽく改造してるし、割といつも通りなんじゃないか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県)<>sage<>2011/11/09(水) 08:36:28.90 ID:uVKTOhaWo<> 誰かダルの存在も思い出して欲しいお…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/09(水) 09:38:58.07 ID:isecpT6IO<> ダルがIS学園に行くと不審者扱いで追い出されるかも

だが、オカリン(か、ラボメンの誰か)がラボとかにISガールズを連れていけば、一応出番は無くはないな
やったねダルくん、出番が増えるよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/09(水) 09:43:17.63 ID:xVpu82NDO<> 乙
ダルには女の園でブヒるチャンスも与えられないんやな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/09(水) 10:41:38.58 ID:UwXbvITAO<> 女の園なんだからひとりくらいは由紀さんみたいに
ダルでも受け入れてくれる子がいてもいいはずだ
でもそうなるとバタフライ効果で鈴羽がヤバい <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:44:51.55 ID:Qsz8qzdho<> 遅いことなら誰でも出来る!

20年かければ馬鹿でも傑作小説が書ける!

有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家!

週刊よりも日刊です!


日刊頑張る>>1です。こんばんわ。
添削が終り次第来ます。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/09(水) 17:52:55.39 ID:+C+km+BMo<> あだち充が作品内で言ってそうなww
待ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/09(水) 17:53:51.83 ID:8iIH8sfso<> 舞ってる <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:54:40.55 ID:Qsz8qzdho<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:55:12.17 ID:Qsz8qzdho<> >>652  続き。




紅莉栖「あー疲れた……」

 そうぼやきながら、廊下を1人歩いているのは牧瀬紅莉栖だった。
 ここ2.3週間の紅莉栖は忙しく整備室と自室を行き来する毎日である。

紅莉栖「ったく、岡部も少し位は手伝いなさいよね……」

 ぶつぶつと唇を尖らせながら、呪詛のように呟く。
 向かう先は食堂だった。

 “石鍵”の新ガジェット。
 “刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト-の出力調整パッチの開発は困難を極めた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:55:45.88 ID:Qsz8qzdho<>
紅莉栖「単純に出力を落せば良いって問題でも無いし……」

 はぁ、と溜息を付く。
 足取りは重く、紅莉栖は1人食堂へと歩を進めた。


……。
…………。
………………。


まゆり「あーっ! 紅莉栖ちゃんだぁ!」

紅莉栖「!?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:56:14.61 ID:Qsz8qzdho<>
 1人、牛丼を食べていると見知った声が自分の名を叫んだ。
 振り返るとソコにはセーラー服を着た少女。椎名 まゆりが駆け出してくる。

まゆり「紅莉栖ちゃんっ、トゥットゥルー♪」

紅莉栖「え、え? まゆ、り?」

 頭上に浮かぶはクエスチョンマーク。
 ここはIS学園内食堂。

 学園関係者以外には開放されておらず、他校生であるまゆりが入場できる道理は無い。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:56:40.26 ID:Qsz8qzdho<>
紅莉栖「どっ、どうしてここへ? どうやって?」

まゆり「えーっとぉ」

楯無「それなら、私が説明してあげちゃう」

 話しに割って入って来たのは、IS学園生徒会長である更織楯無だった。
 よく見ると、後ろの方に岡部と一夏の姿も確認出来る。

 楯無は、仮装大会の衣装が足りないこと。
 裁縫のプロフェッショナルを岡部が紹介してくれたこと。

 それが椎名まゆりであったこと。
 そして、夕飯を食べに来た事を告げた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:57:09.79 ID:Qsz8qzdho<>
岡部「そう言うことだ」

 牛丼とサラダ、味噌汁を乗せたトレイを持って紅莉栖の横へと座る岡部。
 口煩いルームメイトの助言を受けて、サラダをつける習慣が付いていた。

 ──ゴスッ。

岡部「ぐっぇ──な、何ヲ……」

紅莉栖「じゃぁ、まゆりは裁縫……洋服を作りにココへ?」

まゆり「うんっ。これから完成するまで来ることになったんだぁ、えへへー。宜しくね?」

楯無「優秀な人材が見つかって、おねーさん助かっちゃった♪」

一夏「間に合いそうで良かったですね」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:57:38.89 ID:Qsz8qzdho<>
 口々に談話を始めながら食事を開始する。
 水面下では未だに、紅莉栖の岡部に対する肘打ちは続いていた。

紅莉栖「(裁縫仕事なら私に一声かけるだろ、常考……)」

岡部「(ぬ……)」

紅莉栖「(アンタが今着ている制服は、どこの、誰が、縫ったのか述べてみよ)」

岡部「(じょ、助手だ……)」

紅莉栖「(まゆりの裁縫の腕は知っているけれど、常識で考えればまず私に相談するだろうが)」

岡部「(すまん、最近何かと忙しそうだったのでな……)」

紅莉栖「(誰のせいで忙しいと思ってんだ、ったく……)」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:58:05.03 ID:Qsz8qzdho<>
 ひそひそと、話しを続ける岡部と紅莉栖。
 その状況を理解してかしないでか、まゆりが口を開いた。

まゆり「ね! ねねねっ、紅莉栖ちゃんっ」

紅莉栖「はひぇ? えっ?」

 突然名前を呼ばれた紅莉栖は、悪い事がバレた子供のように舌が回らずどもってしまった。
 まゆりはそんな事を気にせず(気付かず)話しを続ける。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:58:33.62 ID:Qsz8qzdho<>
まゆり「その制服。オカリンのもそうなのかなぁって思ってたんだけど……もしかして、紅莉栖ちゃんが自分でリメイクしたの?」

紅莉栖「え? えぇ、まぁ……」

まゆり「わぁ! 凄い! ねぇねぇちょっと見せてー」

 ガタッ、と椅子から立ち上がり対面に座っている紅莉栖の元へと駆け寄る。
 元来IS学園の制服はカスタム自由と言うこともあり、リメイクしやすい構造になっている。

 しかしソレを踏まえても、紅莉栖の仕事は丁寧だった。
 まゆりは紅莉栖の制服を吟味し終わると、次いで岡部の制服も裏地やその他の裁縫をチェックしていく。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:59:00.59 ID:Qsz8qzdho<>
まゆり「ほぇー、ココはこうしてあるんだぁ」

紅莉栖「うん。コイツのは白衣っぽくしようと思ったから裾がね──」

 その情景をつまらなそうに眺める人物がいた。
 更織楯無だった。

楯無「──ねぇ、一夏くん」

一夏「はい?」

楯無「あの2人が何の話してるか、理解出来る?」

一夏「なんと……なくって感じですけど」

楯無「そう。おねーさんさーっぱり」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:59:27.48 ID:Qsz8qzdho<>
 ふてくされながら、ハンバーグプレートに付属していたポテトを頬張る。
 一夏はさっぱりと麦とろ定食だった。

一夏「まぁまぁ、楯無さんも椎名さんに裁縫教えて貰うならその内解るようになりますって」

楯無「うー、つまんなーい。ていっ」

 ぴんっ、と箸でポテトを弾く。
 綺麗な曲線を描き、一夏の口へホールインワン。

一夏「むぐっ……! むぐむぐ……」

岡部「そう言えば、ノーガードよ。投票の締め切りは明日だったな?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 17:59:54.25 ID:Qsz8qzdho<>
 制服のあちこちを、まゆりに引っ張られながら岡部が尋ねた。
 体がゆらゆらと左右に揺れている。

楯無「そうそう。ちゃんと倫ちゃんや一夏くんは投票した?」

一夏「それがまだで……誰に入れたら良いかさっぱりですよ」

岡部「あぁ、このまま無効票でも──」

楯無「無効票はダメよー。ちゃぁんと裏に投票に参加しなかった生徒は生徒会が罰しますと書いてあるから」

岡部「ぐぬぬ……」

楯無「倫ちゃんは誰に投票するのかしらねぇ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:00:26.06 ID:Qsz8qzdho<>
 ニヤリ。
 楯無は視線を岡部から紅莉栖。そしてまゆりへとスライドさせながら口を歪めた。

岡部「……」

一夏「うーん、俺も全然決めてないからなぁ……」

楯無「あら。一夏くんは簡単じゃない」

一夏「え?」

楯無「おねーさんに入れて良いわよ♪」

一夏「……善処します」

楯無「あん。意地悪な反応」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:01:01.84 ID:Qsz8qzdho<>

……。
…………。
………………。


 ─とある空き教室─

 電気も付けず、普段使われない空間に5つの影が集合していた。
 1年1組の生徒4名。1年2組の生徒が1名。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:01:29.32 ID:Qsz8qzdho<>
箒「──で、どうするのだ」

 声のトーンを落とし、発言したのは篠ノ之 箒だった。

セシリア「未だに根本的な解決案は出ていませんわ」

鈴音「って言うか、5人で指名票を回しても効果あるのかしら」

シャル「それぞれ1票入るだけじゃ効果薄いと思うよ」

ラウラ「うむ。組織票が必要だな」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:01:55.33 ID:Qsz8qzdho<>
 今回の議題は単純だった。
 仮装大会の壇上へあがり、1位を獲得する。

 乙女達はお互いがライバルであると知りつつも、停戦協定を結ばずにはいられなかった。
 一夏とのデートをかけた試合。

 その舞台にあがることすら、今現在危ぶまれている。

箒「明日で投票が終わってしまうな……」

セシリア「でも──まぁ──」

 箒の力の無い声と違い、セシリアの声にはどこか自慢の色が付いていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:02:26.87 ID:Qsz8qzdho<>
セシリア「わたくしはモデル業もこなしておりますので、特に苦労せずともベスト10程度入るかと思いますが」

鈴音「そんなんなら、あたしだってそうよ。どんだけ写真撮られてきたと思ってんの」

シャル「まぁまぁ……」

ラウラ「票を得なければならない。これは試合で勝利するよりも難しい……」

 モデル業をこなしてきたセシリアと鈴音は少なからず自信があった。
 それとは対照的に、自身の容姿に自信が無い箒とラウラは落胆気味。

 仮装=男装の式が完成してしまっているシャルロットに至っては、諦めていた。  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:02:54.81 ID:Qsz8qzdho<>
シャル「(IS学園の仮装大会ってことは女の子チックなやつだろうしなぁ……僕って、男装のイメージ強いし票なんて入らないよ)」

 それぞれの思惑はあれど、締め切りは明日。
 こうして話し合いを重ねても、結局話しがまとまることは無かった。

箒「(くそっ、今回ばかりは手も足も出ん……)」

セシリア「(大丈夫ですわ。きっと、上位10名に入っています……)」

鈴音「(うー……入ってなかったらどうしよう)」

シャル「(一体どんな子が選ばれるのかなぁ……)」

ラウラ「(この会議が終り次第、早急にクラリッサに報告せねば)」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:03:22.21 ID:Qsz8qzdho<>
 彼女達は気付いていない。
 自分達のネームバリューを。


 専用機持ちで、それぞれが人を惹き付ける容姿の持ち主である。
 自覚は無くともその容姿は女子の憧れの対象であり、羨望の的を得ている。


 部活などで組織票を得て、暗躍する人物が居る一方。
 どこにも属さず、適当に名前を書いてやりすごそうとする女子が大多数を締めている。


 そう言った票は何処へ集まるのか。
 名前が知れ渡っている、専用機持ちとなるケースが多い。


 彼女達には着実に、票が集まっていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:03:50.79 ID:Qsz8qzdho<>

……。
…………。
………………。


一夏「ふぅー、今日も疲れたなっと」

 ごろんとベッドに横たわる一夏。
 岡部はすでに布団に潜り、目を瞑っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:04:29.81 ID:Qsz8qzdho<>
一夏「椎名さん。良い人だったなー」

岡部「明日から放課後は毎日ココへ来る。よろしく頼むぞワンサマー」

一夏「仲間の仲間は、仲間だよ」

 一夏は時々、臭い……良い台詞を何の躊躇いも無く吐く癖があった。
 当人に自覚はないが、その台詞を受ける岡部からすれば反応に困り毎回返せずにいた。

岡部「──ところで、結局誰の名前を書くことにしたのだ?」

一夏「んー……凶真は?」

岡部「未だに白紙だ」

一夏「俺もまだ白紙だよ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:04:57.66 ID:Qsz8qzdho<>
 ぴらっ。
 鞄から“赤い投票用紙”を引っ張り出し、ルールを読みあげる。

一夏「生徒は各自、投票チケットを使いIS学園内に居る人物の名前を書き投票する……か」

岡部「その括りで言えば、生徒とは限らないな」

一夏「ん? ……あっ、つまり教師でも良いのか」

岡部「そうなる……」

一夏「んじゃ、千冬姉にでもしておくかな」

岡部「それは良い。教師に入れる酔狂な者など居はすまい。我等の2票が入ったところで誰にも迷惑はかけない」

一夏「そうだな。良かった良かった、これで安心して眠れるよ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:05:25.58 ID:Qsz8qzdho<>
岡部「うむ」

 2人は気付いて居なかった。
 生徒と限定していない。

 性別すら限定していない。
 自らも、舞台へ上がる資格を有していることを。

 ──何故、楯無が寸法を測らせたのかを。


……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:05:52.33 ID:Qsz8qzdho<>

楯無「〜♪」

虚「ご機嫌ですね」

楯無「えぇ、一番の問題がすぐに片付いちゃったからね。後は──誰に投票しよっかなぁ」

 ぴらぴらと“青い投票用紙”を振りながら虚に答えを求める。
 虚もまた、青い投票用紙を持っていた。

虚「私は、お嬢様の名前を記入しますが」

 さらさらと流れるようにサインを記入する虚。
 楯無に票を入れることへ、微塵の躊躇もなかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:06:18.86 ID:Qsz8qzdho<>
楯無「あら嬉しい。でもお嬢様は止めて欲しいなぁ」

虚「失礼しました」

楯無「うーん、せっかくだし簪ちゃんに入れちゃおうっと♪」

虚「本音も簪お嬢様へ投票すると言ってましたし、もしかするとありえますね」

 ──姉妹で壇上へ立つことが。

 その言葉を受けて、にっこりと笑顔を見せる楯無。
 青い投票用紙にはしっかりと“更織 簪”の名前が綴られていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:06:45.28 ID:Qsz8qzdho<>

……。
…………。
………………。


簪「はぁ……」

 布団の中。
 携帯から発せられる淡い光が、投票用紙に綴られた名前を照らす。

 ──織斑 一夏。

 簪の思考はこうである。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:07:19.96 ID:Qsz8qzdho<>
 自らが壇上に立ち、1位を飾る事は不可能である。
 ならば、壇上へ上がる一夏を見たい。
 仮装する一夏をこの目で見たい。

簪「デートか、ぁ……良いなぁ……」

 もんもんと想像を膨らませる。
 布団の中が暑いのか、簪の顔はみるみる朱色に染まっていく。

簪「一夏は……どんな、仮装をするんだろう……」

 想い人の名前が書かれた青の投票用紙。
 簪はそれを握り締めながら、何時しか眠りついてしまっていた。  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/09(水) 18:08:14.68 ID:Qsz8qzdho<> おわーり。

本日もありがとうございました。
>>667は>>1の尊敬する方の言葉です。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/09(水) 18:16:22.47 ID:9RIv9+gAO<> 乙 ( ^-)_旦~ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東海・関東)<>sage<>2011/11/09(水) 18:39:33.17 ID:jhx8ZSUAO<> 乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(不明なsoftbank)<>sage<>2011/11/09(水) 19:18:35.95 ID:hnNe45Fy0<> 乙。
今更だが昨日の

>一夏「は、はめまして。織斑一夏です」

>楯無「はめまして。IS学園生徒会長、更織楯無。楯無って呼んでね?」

にツッコませていただく。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/09(水) 19:28:41.92 ID:RGxPa73y0<> >>1乙ーーーー!

大は小を兼ねるのか速さは質量に勝てないのかいやいやそんなことは無い速さを一点に集中して突破すればどんな分厚い塊であろうとも砕け散るうううぅぅぅうぅぅ!  てやつですね、わかります。


俺も兄貴=あの人です。どうだろう、今度一杯やらないか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/09(水) 19:29:34.50 ID:uawQA3mFo<> ハメましておめでとうございます!

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)<>sage<>2011/11/09(水) 19:55:20.49 ID:TzL6HsrMo<> ラディカルでグッドなスピードのうpですね

乙です! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)<>sage<>2011/11/09(水) 20:01:29.67 ID:HwuOU9jA0<> 乙ゥーーーーー
ドラマティーーーーーーック
エキセントリーーーーーック
ファンタスティーーーーック <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/09(水) 20:31:22.92 ID:WvRZEzTe0<> 今日のも面白かったぜ
やっぱりこれだけ内容と投稿頻度が安定してる>>1は珍しいよ
ガンバレ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/09(水) 23:30:06.29 ID:qrNoIziN0<> 乙
週刊だけど投下量多いより
小出しだけど日刊の方が嬉しいな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/10(木) 01:16:49.57 ID:k5YORqNX0<> 内容もいいし投下速度もいい……パーペキだな

乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/10(木) 01:52:00.35 ID:/EBLKblIO<> 乙〜 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/10(木) 10:15:13.70 ID:LoRk104IO<> 俺の乙が遅れたッ!?
俺がスロゥリィ!?

<>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:10:04.69 ID:2+8dnVI5o<> 日刊>>1ですこんにちわ。


>>700
ぎゃああああああああああああ……。
添削してこんなミスが出るなんて、声だして笑ってしまいました。
以後気をつけます。
二人して何をはめましたんでしょう、やだやだ。

添削が終りしだい投稿します。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:19:22.46 ID:2+8dnVI5o<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:20:43.36 ID:2+8dnVI5o<> >>696  続き。



 ─投票最終日─


 生徒会室には山のように投票用紙が折り重なっていた。
 生徒会役員はそれぞれ、それを読み取り用の機械に通し投票者の名前と推薦者の名前とを出していく。

本音「ふんふ〜んふ〜ん、ふんふふんふ〜ん」

虚「本音。鼻歌交じりでやらないの、ミスが無いようにちゃんとね」

本音「いえっさ〜ぁ」

一夏「……」

岡部「……」

楯無「♪」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:21:13.44 ID:2+8dnVI5o<>
 主に手を動かしているのは4人。
 生徒会の長である、楯無はニコニコと作業を見つめていた。

岡部「おい、ノーガードは手伝わないのか?」

楯無「うん。私はこれから用事があるからねー」

一夏「生徒会の仕事を放るほど、大事な用事なんですか?」

 全校生徒分の投票である。
 それを統計するのはかなりの作業で、正直猫の手も借りたい程であった。

楯無「やん。一夏くん言い方に棘があるわね。これからお客さんが来るの──」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:21:39.77 ID:2+8dnVI5o<>
 ──コンコン。
 
 控えめなノック音が響いてから、扉が開く。
 椎名まゆりだった。

 首からは生徒会長が発効した、入場IDがぶら下げられている。

まゆり「こんにちわー♪」

楯無「いらっしゃーい♪」

 両手に荷物を抱えて、部屋へと入ってくる。
 My裁縫道具や来がけに買ってきた布類だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:22:07.44 ID:2+8dnVI5o<>
まゆり「楯無ちゃん、これ領収書なんだけどー」

楯無「はいはーい。おっけーよー」

岡部「思ったよりしっかり働いてるな、まゆりは……」

 ぽつりと言葉をこぼす。
 まゆりは元来しっかりしている子で、岡部もそれは理解している。

 ──が、やはり普段のぽけーっとしているまゆりを知る身としては不思議な気分だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:22:35.44 ID:2+8dnVI5o<>
まゆり「じゃぁ、さっそく取り掛かろっかー」

楯無「ちょっと待ってね。もう1人……そろそろ来るから」

一夏「え、まだ来るんですか?」

楯無「ううん。もう2人、応援にね」

岡部「2人……?」

 ──コンコン。

紅莉栖「ハロー」

シャル「ど、どうも……」

 扉から表れたのは紅莉栖とシャルロットだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:23:05.69 ID:2+8dnVI5o<>
一夏「シャルに──」

岡部「──助手……?」

 2人とも、生徒会室に来る事はまず無い珍しいお客だった。
 なんの為に生徒会室に? この疑問は直ぐに晴れることになる。

楯無「やあやあ、ようこそ我が城へ。2人ともありがとうね」

虚「これで裁縫係が3人。間に合いますね」

一夏「裁縫……」

岡部「係……」

本音「すごーい、人がいっぱーい」

紅莉栖「リメイクの話しをしていたら、私も誘われてね」

シャル「会長から直接頼まれちゃって」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:23:33.65 ID:2+8dnVI5o<>
一夏「あちゃ……シャルに言おう言おうと思って忘れてたんだった」

シャル「あはは。大丈夫だよ、一夏。ママと小さい頃はよく編み物をしていたからね」

 一気に騒がしくなる生徒会室。
 一夏と岡部の手は完全に止まっていた。

 虚は黙々と作業をこなし、本音はサボろうとすると虚からの目による牽制で渋々と作業を続けている。

楯無「はいはーい。一夏くんと倫ちゃんは作業に戻ってね」

 パンパンと手を叩き、場を〆る。
 紅莉栖、シャルロット、まゆりを連れて生徒会室から出て行く。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:24:00.90 ID:2+8dnVI5o<>
楯無「それじゃぁ我々は家庭科室に篭るので、虚ちゃん。後よろしく♪」

虚「承りました。お嬢様も指をお気をつけて」

楯無「あん。意地悪」

 そう言って、3人を連れて楯無は生徒会室を後にした。
 残る4人。

 投票用紙は未だ山積していた。

一夏「これ、終わるのかな……」

岡部「一向に量が減らんぞ……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:24:34.96 ID:2+8dnVI5o<>
本音「おなーかすいたー……ぎゅるるぅ」

虚「頑張りましょう。もう一息付いたらお茶を入れますので」

本音「やったー! ケーキもケーキも!」

虚「はいはい」

 
……。
…………。
………………。


 廊下を練り歩く女子4人。
 行き先は家庭科室で作るものは仮装衣装。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:25:14.21 ID:2+8dnVI5o<>
紅莉栖「ねぇ、会長」

楯無「なぁに?」

紅莉栖「最近、岡部の調子……あぁ、勿論ISね。どうなの?」

楯無「んー、ここ2.3日はハロウィンイベントで忙しくって見てなかったけど」

シャル「ですね。一夏の特訓もここのところサボり気味で皆……特にラウラが怒ってました」

 1組のクラス内対抗戦以降、以前のように集中的な特訓は出来ないで居た。
 アリーナは他のクラスや学年が対抗戦で使用するため使えない。

 必然、行える特訓は肉体面に限定されていた。
 対抗戦が終了してまもなく、生徒会の仕事が忙しくなり一夏と岡部のIS訓練時間が取れない。

 そう言った事情が重なり、岡部のIS操縦時間はさほど増えていなかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:25:59.87 ID:2+8dnVI5o<>
まゆり「ほぇー……みんな、何か大変なんだねぇ」

 まゆりが一言もらした。
 その声色には、どこか寂しさのようなものが感じ取れる。

 その気持ちを一番に察したのは紅莉栖だった。
 まゆりの両肩に手を添える。

紅莉栖「──っさ、私達は私達の仕事をしましょ?」

まゆり「……うんっ」

 そうだよね。まゆしぃはまゆしぃの出来ることをして、オカリンの力にならなきゃ!
 まゆりは心の中でそう呟き、心にこびり付いた寂しさを払拭した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:26:38.13 ID:2+8dnVI5o<>
 ──コツコツ。

楯無「あら」

千冬「──む」

 対面から歩いてきたのは、1年1組の担任でもあり織斑 一夏の実姉。
 織斑 千冬だった。

楯無「こんばんわ、千冬センセ♪」

千冬「織斑先生だ。ん? そちらの生徒は──あぁ、例の申請があった」

まゆり「えっと、椎名 まゆりです。お手伝いに来ました!」

千冬「話しは伺っている。学園の教師として、助力に感謝する」

まゆり「いっ、いえ!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:27:04.67 ID:2+8dnVI5o<>
 第1回IS世界大会-モンド・グロッソ-覇者である織斑 千冬。
 まゆりですら知っている有名人だった。

楯無「そーっだ、センセ。ちょっと体の寸法を取らせて貰えます?」

千冬「寸法? 何に使うんだそんなもの」

楯無「色々必要なんですよー、主に生徒会の方面で」

千冬「む……」

 楯無の顔には何かを含んだ笑みがあった。
 それを察知出来ない千冬ではないが、教師として生徒会長の頼み──。

 ──生徒会で必要と言われた場合断ることは出来ない。
 よしんば断りを入れたところで、この生徒は手を回し正式に協力を申請してくることは目に見えていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:27:31.11 ID:2+8dnVI5o<>
千冬「はぁ。……手短にな」

楯無「へい、まゆしぃ寸法♪」

まゆり「らじゃー! それじゃぁ先生。ばんざーい!」

千冬「ば、ばんざ……?」

 有名人なにするものぞ。と言わんばかりに、まゆりは普段通りだった。
 バンザイを促し、スムーズにサイズを測っていく。

まゆり「ふわぁ、凄いスタイル……これは萌郁さん以上だよぉ」

紅莉栖「数値にすると凄いわね……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:27:59.82 ID:2+8dnVI5o<>
 バストサイズに目が行く紅莉栖。
 決して小さい方ではないが、紅莉栖の周りの少女達はラボにしても、学園にしても標準より大きめの子ばかりであった。

紅莉栖「(ラウラと、鈴は……)」

 決して言葉には出さないが、脳内でシミュレートする。
 ラウラに勝利し、鈴音に辛勝した。

 その後、現在自分を取り囲む人物を見てまた落ち込む。
 紅莉栖のテンションは見て取れるほど落ちていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:28:33.22 ID:2+8dnVI5o<>
楯無「えっ、クリちゃんどうしたの?」

シャル「何か急に元気なくなったけど……」

紅莉栖「いえ、何でもないの……」

 隣の芝生は青い。
 紅莉栖には楯無たちの胸が青く見えた。

千冬「どうでも良いが、何時まで手を上げていれば良いんだ……?」

 
……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:29:08.12 ID:2+8dnVI5o<>

一夏「なぁ……」

岡部「あぁ……」

 一言でお互いが何を言いたいのかを理解出来た。
 先ほどから行っている作業は変わらず、票の集計。

 目に入る投票用紙には、“織斑 一夏”“岡部 倫太郎”の名前が激しく目立っていた。

一夏「……」

岡部「……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:29:35.15 ID:2+8dnVI5o<>

 織斑織斑岡部岡部岡部織斑……。
 岡部岡部織斑織斑岡部織斑……。


岡部「ぬぁんなのだコレは!!」

 思わず声を荒げる。
 一夏は頭を抱えていた。

 その他にも、生徒会長である楯無や隠れファンの多いラウラ。
 専用機持ちである1組のガールズ名もちらほらと見受けられるが圧倒的に多かったのが男子2名である。

一夏「虚さん。コレってどうなってるんですか……?」

 堪らず、一夏が虚に事情を伺う。
 虚は手は動かしたまま、器用に答えた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:30:01.29 ID:2+8dnVI5o<>
虚「投票用紙に他薦する者の性別を限定するようには、書いてませんでしたから」

一夏「……」

岡部「……」

 苦々しい表情を作る2人。
 昨晩、そう言った理由で千冬の名前を記入したことを忘れていなかった。

 口をパクパクとさせ、何か言葉を振り絞ろうとする岡部だったがもはや何も台詞は浮かんでこない。
 結局は黙って集計作業を続けるしかなかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:31:15.10 ID:2+8dnVI5o<>
虚「──さて、落ち着いてきましたしお茶にしましょうか」

本音「ぃやったー。わ〜いわ〜い」

虚「本音にしては、良く集中しましたね」

本音「けーきっ、うっ! けーきっ、うっー!」

 嬉しそうにはしゃぐ本音。
 コレだけが、楽しみだった。

 虚の入れるお茶とケーキの味は絶品で、疲れた脳と胃を満たしてくれる。
 一服置いて落ち着く男子2名。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:31:40.83 ID:2+8dnVI5o<>
岡部「……はぁ」

一夏「面倒なことになっちまったなぁ……」

 全ての集計は未だに完了していない。
 ──が、織斑 一夏。岡部 倫太郎の得票数は断トツで10位以下に転落することは最早ありえない。

虚「お2人とも、頑張って下さいね」

 優しい虚の声が、今の2人には皮肉にすら聞こえていた。

 
……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:32:09.32 ID:2+8dnVI5o<>

ラウラ「クラリッサ。私だ」

クラリッサ「ご無沙汰です、隊長」

 ドイツIS配備特殊部隊“シュヴァルツェ・ハーゼ”副隊長。
 クラリッサ・ハルフォーフ。

 日本文化や、レディとしての嗜みがあまり無いラウラにとってクラリッサから得られる情報はまさに唯一無二だった。

ラウラ「────と、言う訳なのだが……」

クラリッサ「……つまり、現状手出しが出来ないのですね?」

ラウラ「あぁ。組織票が欲しかったが如何せん、IS学園に私の組織……部隊は無い」

クラリッサ「ふむ……あぁいえ。つまり……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:32:37.45 ID:2+8dnVI5o<>
 ラウラから得られた情報を客観的に捕らえ、的確に分析していく。
 しばらく、ぶつくさと独り言をして伝えるべき情報を纏め上げる。

クラリッサ「恐らく……と前置きをしての発言になりますが宜しいでしょうか」

ラウラ「許可する」

クラリッサ「では──十中八九、隊長は上位10名に選ばれるでしょう」

ラウラ「なっ……ほっ本当か!?」

クラリッサ「はい。私の予測では上位2名は確定しております。つまり残り8つの椅子を奪い合うことになるのですが──」

ラウラ「2名が確定している? どういう事だ」

クラリッサ「申し訳ありません。それは当日、隊長自らの目でご確認すべきかと」

ラウラ「──ふむ、了解した」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:33:27.88 ID:2+8dnVI5o<>
 クラリッサがそう言うのであれば、そうなのだろう。
 当日確認すべしと通達されたのであれば、それが最良と判断しラウラはそれ以上食い下がらない。

クラリッサ「然るに……重要なのはコスチューム。隊長、コスプレ衣装は自分で選べるのですか?」

ラウラ「いや。生徒会が各人にそれを宛がうらしい」

クラリッサ「S・H・I・T! シット! それでは、隊長のアドバンテージが生かせない場合が……」

ラウラ「???」

クラリッサ「良いですか、隊長。これから貴女に魔法をかけます」

ラウラ「魔法? 一体何の話をしているんだ」

クラリッサ「当日、隊長はとても可愛らしい仮装を強いられるでしょう」

ラウラ「かっ、かわ!?」

 “可愛い”の一言でラウラの語尾が跳ね上がる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:34:03.35 ID:2+8dnVI5o<>
クラリッサ「えぇ。とても可愛らしいでしょう、自然と織斑 一夏の視線も隊長に釘付けです」

ラウラ「いちかの……視線が、私に……かわ、いいだと……」

 一瞬の内に耳まで赤くなり、棒立ちになるラウラ。
 脳内では光粉を纏った一夏が、ラウラに可愛いと囁いていた。

クラリッサ「──と、言うことです。御武運を」

 それだけ言ってクラリッサは通話を閉じてしまった。
 しかし、その言葉もラウラには届いていない。

 金魚のように口をぱくぱくとさせながら、ぶつぶつと呟く存在になってしまった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/10(木) 11:34:43.17 ID:2+8dnVI5o<> おわーり。

本日もありがとうございました。
兄貴知ってる人がたくさん居て、助かりました。
ネタが解らなかったら嫌味すぎて、ヤバイ台詞。

俺屍買ってきます。
やったー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/10(木) 11:35:58.09 ID:rrB7dldko<> 乙
まゆりの口調になんか違和感がある <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(鹿児島県)<>sage<>2011/11/10(木) 12:09:53.68 ID:Bs74SMd4o<> おお!来てたのか <> ◆H7NlgNe7hg<>saga saga<>2011/11/10(木) 12:21:43.06 ID:2+8dnVI5o<> >>738
ご指摘ありがとうございます。

実を言うと>>1自身が気になっていました。
と言うのも、言い訳になりますが声優の花澤さんのイントネーション(?)を文字化するとあぁなってしまうと言いますか……。
ならば原作ゲームのように表記すればとも思いましたがアニメ派の方が多い気がして今のようになっています。

オカリンもだけれど、表現が難しい。
〜〜ではないっかぁ。
と宮野さんの発音を文字化するとどうにも可笑しくなったり。

>>1の表現力の無さが全ての原因なのですが……。
精進いたします。
ありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/10(木) 12:41:19.57 ID:rrB7dldko<> 他のキャラは違和感ないぜ
個人的には原作基準の方が好きだけど書きたいように書くのが一番
応援してるから頑張ってな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/10(木) 14:21:16.80 ID:zshCzreO0<> 乙です
>>731
>本音「けーきっ、うっ! けーきっ、うっー!」
これってよつばとだよね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/10(木) 17:49:05.02 ID:yjMFmndIO<> うーっ!



にへらー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/10(木) 18:08:20.97 ID:rOSodcdDO<> ラァディカル・グッドスピード>>1乙限定ェェェェェッ!!

俺も最近転職したが、1月にやめて6月ぐらいまでフラフラして、7月から活動して10月に転職したから、>>1もじっくりやってけばいいんでない?
まだ若いみたいだし。 <>
◆H7NlgNe7hg<>sage<>2011/11/11(金) 00:39:02.28 ID:8OfWm5Kk0<> 一です
ちょっとお家を離れる用事ができて今日は更新できないかもです
毎日更新が取り柄なのに申し訳…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/11(金) 00:46:51.17 ID:46oKh3yQ0<> 俺より速く>>1乙しようってのかい?お嬢ちゃん。


みんなも何度も言ってるが、無理せずなのですよー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/11(金) 01:02:20.70 ID:KBQPgo0IO<>
       *'``・* 。
        |     `*。   
       ,。∩∧_,,∧   *    
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚

気にせず舞ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(大阪府)<>saga<>2011/11/11(金) 02:06:57.12 ID:O9ytOYLB0<> いいのいいの
無理しないでくださいね

私も待ってるぜ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)<>sage<>2011/11/11(金) 02:58:37.84 ID:0Gq5Noaqo<> 舞ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(茨城県)<>sage<>2011/11/11(金) 08:17:34.53 ID:UF2hqt5r0<> 掘ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/11(金) 08:30:19.64 ID:MvNb2eCM0<> 普段毎日更新してるんだから一日くらい全く問題ないよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/11/11(金) 20:29:57.76 ID:8DNTfYVdo<> 原作で満足してしまってアニメは全く見てない俺は少数派? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)<>sage<>2011/11/11(金) 21:00:00.66 ID:OsTLXyoBo<> >>752
どっちの事? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/12(土) 01:44:52.40 ID:ZOLVH8yIO<> シャルとまゆしぃに「オカリン」って言われてオカリンがいろいろと困るってのをキボンヌ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東海・関東)<>sage<>2011/11/12(土) 09:05:13.26 ID:v9rlS+IAO<> よく知らんが本音という人は障害者なの? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/12(土) 17:53:15.95 ID:wECpjn+DO<> >>755

こういった性格
天然っぽい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/12(土) 18:35:36.69 ID:UdXd0fUI0<> 3スレ目は堅いとして、4スレ目も視野に入れるほどの長さになるのかな。
とにかく続きwktk。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga saga<>2011/11/12(土) 21:12:12.67 ID:NxumEj3Yo<> >>1です……。
なんか、思ったよりも忙しくって あれぇ って首傾げながら生きてます。
更新遅れて申し訳ないです。

>>757
正直、題材的に幾らでも引き伸ばす事が可能なんです。
学園生活だし、クロス元クロス先とキャラクターも沢山居ますし。
>>1的にはgdgdせず3スレ目辺りで終われたらなぁと思っております。

何時もありがとうございます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/12(土) 21:16:58.07 ID:NxumEj3Yo<> 申し訳……saga sage じゃなくてsaga saga になってました。
無意味に上げてしまった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東海・関東)<>sage<>2011/11/12(土) 21:27:04.91 ID:KlVT5KiAO<> 気にせずに待ってる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/12(土) 21:47:44.00 ID:byGv6i55o<> 舞ってるー! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/12(土) 22:51:56.92 ID:BjKZ8N+G0<> 待ってる
>>1が書き込むときは下げなくてもいいと思うが
どんな内容でも>>1からのお知らせって感じで俺は好きだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/12(土) 23:40:22.71 ID:1Tc1XDTV0<> >>556
はい。
ツールとブラシ変えたので絵柄がちょっと変わってしまいました。
個人的には3スレでも3兆スレでも続いてくれたらとても幸せです。

http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper25387.jpg

おまけ
http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper25388.jpg <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/12(土) 23:52:48.65 ID:VXlRxQoIO<> >>758
生活環境が変わったばかりだし、ニートの日常に慣れるまでは無理せずやっていけばいいさ!

>>763
どっちもイケメンすぎる… <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/12(土) 23:57:31.41 ID:NxumEj3Yo<> あわわわ。
暖かい言葉ありがとうございます。
私生活も何だか頑張ります。

>>763
あばばばばば毎度ありがとうございます。
イケメンすぎてニヤニヤしてしまう出来です、毎度。
デフォルト教師sも可愛いし凄いなぁもう!
ダルはダル好きの皆さんが鼻血出して喜んでくれそうですねニヤニヤする。


添削終わったら投稿しにきまう。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 00:01:49.90 ID:vcy4L7/9o<> >>1、デフォルトやないデフォルメや……!

絵師さんGJ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:10:20.29 ID:GBHrcVtqo<> 初期設定にしてどうする……。
デフォですねデフォ!

往きます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:11:23.10 ID:GBHrcVtqo<> >>736  続き。




 ─投票結果─


 翌日、生徒会役員の努力が実を結び無事結果を出せることができた。
 でかでかと各クラスの電光掲示板に名前が映し出されている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:11:45.02 ID:GBHrcVtqo<>

 ─結果発表 上位10名─


 1位 織斑 千冬

 2位 織斑 一夏

 3位 岡部 倫太郎

 4位 更織 楯無

 5位 シャルロット・デュノア

 6位 ラウラ・ボーデヴィッヒ

 7位 セシリア・オルコット

 8位 凰 鈴音

 9位 篠ノ之 箒

 10位 更織 簪 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:12:29.09 ID:GBHrcVtqo<>

 映し出される上位10名。
 見事に専用機持ちで彩られているそれに対し、ちょっとした不満を抱くものも居た。


サラ「これは……」

 “サラ・ウェルキン”。
 英国代表候補生の2年生だった。

サラ「まぁ、私は専用機を持っていませんからね……」

 代表候補であろうと、専用機を持たなければネームバリューも高くない。
 よって上位に食い込めるほどの票を集める事も出来ない。

サラ「セシリア。頑張って下さいね」

 そう呟いたサラの1位予想チケットにはしっかりと“織斑 一夏”と書かれていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:12:55.20 ID:GBHrcVtqo<>  

……。
…………。
………………。


ダリル「あー……」

フォルテ「先輩、どうしたんッスか?」

 IS学園3年生“ダリル・ケイシー”と、2年生の“フォルテ・サファイア”が2人で電光掲示板を眺めていた。

 ダリルは専用機“ヘル・ハウンドver2.5”を。
 フォルテは専用機“コールド・ブラッド”を持つ代表候補生である。

ダリル「私らって、代表候補生。しかも専用機持ちだよなぁ?」

フォルテ「そッスね」

ダリル「なぁーんでランクインしてねーんだ?」

フォルテ「えっ! 先輩こんなんに興味あったんッスか!? 驚きッス」

ダリル「いや……ねーけどよ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:13:26.14 ID:GBHrcVtqo<>
 ダリルの言葉に驚きを見せたフォルテだったが、即座にそれを否定するダリル。
 元よりこのようなイベント行事には興味が無かった。

ダリル「ただ、なんつーか……なぁ?」

フォルテ「なぁって……言われても解らないッスよ」

ダリル「出る気はねーけど、専用機持ってるのに選ばれないのはアレだ、えーっと」

フォルテ「プライド。ッスか?」

ダリル「そう、それだ。それが傷つくじゃねーか」

フォルテ「まー自分ら普段からやる気出して無いッスからね。周りからの評価なんてそんなもんッスよ」

ダリル「そーかぁ……」

フォルテ「何なら、今学期からちゃんとやってみるッスか?」

ダリル「いや。今のままで良いわ」

フォルテ「それでこそ先輩ッス」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:14:09.21 ID:GBHrcVtqo<>
 事実。
 サラ・ダリル・フォルテの得票数もそれなりにあった。

 しかし、今年度の1年生専用機持ちは何かと事件の中心を飾ったりと学年を通して有名になっていた。
 中にはISの生みの親である“篠ノ之 束”の妹や、現生徒会長の妹も新1年生として入学しているのだからバリエーションには事欠かない。

 極めつけは、世界で2人しかISを起動出来ない男子2名まで居る始末である。
 弾かれた生徒は納得するよりなかった。

 ──が、中には生徒会室へ単独で乗り込みクレームを叩き込みに来た猛者も居た。

 “織斑 千冬”だ。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:14:34.20 ID:GBHrcVtqo<>

 ─生徒会室─


千冬「どう言うことだ」

楯無「はい?」

 結果発表のあった放課後。
 千冬が訪ねて来たのは、楯無が生徒会室に入った直後だった。

千冬「結果発表の話しだ」

 声色こそ何時もの千冬だが、迫力が段違いである。
 一般生徒……それこそ、一夏が立ち会っていればそのオーラだけで土下座を強いられていたであろう。

楯無「あはっ♪ 1位おめでとうございます」

 そこは流石の、更織家頭首であった。
 千冬の威圧もなんのそのと、何時ものスタンスを貫いている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:15:04.90 ID:GBHrcVtqo<>
千冬「お前な……教師と言う立場を考えろ。よしんばランクインしていたとしても、1位はやりすぎだ」

 脅しが無駄であると悟った千冬は、1つ大きく息を漏らしドカッと椅子に腰掛けた。
 長い足を組み、胸を上げるように腕を組む仕草はどこかモデルのようでもある。

楯無「いえいえ、ホントなんですよ。なんと得票率100%」

千冬「……ひゃく?」

 腑に落ちない表情を見せる。
 得票率100%と言うことは、全ての生徒が千冬に入れたと言うことになる。

 そんな状況になれば、1位以下を決めることすら出来ない。
 意を唱えようと千冬が口を開こうとした時、楯無はすかさず2枚の紙切れをひらひらとなびかせた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:15:32.50 ID:GBHrcVtqo<>
楯無「──この赤い紙、なんだと思います?」

千冬「さてな」

楯無「投票用紙なんですけど……」

 楯無はその赤い紙を投票用紙と言う。
 しかし、千冬が知る限り投票用紙は青いのだ。

 自身にも手渡され、記入したのだから記憶違いはありえない。

楯無「青色は女子用の投票用紙。赤色は男子用の投票用紙ってことなんですケド……♪」

 そこまで言って、楯無は愉快そうに笑顔を作る。
 扇子を開き口元を隠すが、その下は笑みで歪んでいることだろう。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:16:03.81 ID:GBHrcVtqo<>
千冬「あの……馬鹿共が……」

 呆れと、くだらなさで思わず目を瞑ってしまう。
 実の弟は実の姉に票を入れたのだ。

 そして、転入してきた男子生徒も自分へと投票した。
 男子2名のIS学園。

 その2名が“織斑 千冬”と書けば男子票が100%になる。
 楯無の台詞はつまりそう言うことだった。

楯無「だって、折角数少ない男子の意見ですもの。取り入れないと……それに、少し妬けちゃいますね」

千冬「もう良い。解った」

 実の姉に票を入れる弟。
 実の弟に票を入れる姉。

 どこからどう見ても可笑しな家族だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:16:33.48 ID:GBHrcVtqo<>
千冬「──で、私にはどんな格好をさせる気だ?」

 観念したのか、会話を仮装大会へとずらす千冬。
 しかし、楯無の口は決して柔らかくなかった。

楯無「千冬センセ。それはまだ秘密です♪」

 口元に、人差し指を立ててナイショのポーズを取る楯無。
 コスチュームは当日、各人へ配る予定だった。

千冬「そうか……解った。邪魔したな」

 組んだ足を解き、立ち上がる千冬。
 ツカツカと生徒会室から出て行こうとすると──。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:16:59.97 ID:GBHrcVtqo<>
 ──ガチャ。

 その大きい扉が開く。
 開けた人間は……。

一夏「楯無さん。簡便して下さいよ……何の衣装着るのって周りが煩くっってちふゆねっ……ぉりむら先生」

千冬「おう」

一夏「えっと……どうしてココへ?」

千冬「野暮用でな」

一夏「そ、そう……ですか」

 そろそろと、千冬の脇を通り生徒会室へと入り込もうとする一夏。
 が……。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:17:26.88 ID:GBHrcVtqo<>
 ──ゴン!

 千冬の拳骨が一夏の脳天へと突き刺さる。
 ゴン! と良い音が響き渡った。

一夏「いっっっっ!!」

千冬「“一夏”それで簡便してやる」

 それだけ言うと千冬は、職員室へと帰って行った。
 頭をさすりながら一夏は恨めしそうに楯無へと視線をずらす。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:17:54.74 ID:GBHrcVtqo<>
楯無「うんうん♪ やっぱり、家族って良いわねっ」

一夏「投票者指名は秘匿じゃないんですか、楯無さん……」

楯無「おねーさん聞こえなーい。アーアー」

一夏「……って、あれ? 何で楯無さんがココへ? 衣装作りは……」

楯無「……」

 目を逸らす楯無。
 良く見ると、両手の指は絆創膏だらけだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:18:22.49 ID:GBHrcVtqo<>
一夏「なるほど……」

楯無「うー……なるほどって、何よう」

 もじもじと絆創膏を弄り出す楯無。
 料理と違い、裁縫はいくら努力しても突破出来ない楯無の壁として高くそびえ立っていた。

楯無「もう! あんまり、おねーさんの指をじろじろ見ないの! 一夏くんのえっち」

一夏「絆創膏。綺麗に貼れてないじゃないですか」

 救急箱を持って、一夏は楯無の前へ座った。

一夏「ほら、手を出して下さい」

楯無「ん……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:18:49.65 ID:GBHrcVtqo<>
 素直に両手を差し出す楯無。
 両頬は薄っすらとだが、赤くなっている。

一夏「とりあえず、絆創膏剥がしますからね」

楯無「うん」

 ぺりぺりと絆創膏を剥がしてゆく一夏。
 痛みのような刺激の心地良さに、楯無は内心で驚いていた。

一夏「消毒しますね。少し染みるかもしれません」

楯無「うん……一夏くん」

一夏「はい?」

楯無「やさしく、ね?」

一夏「……はい <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:19:18.04 ID:GBHrcVtqo<>
 
……。
…………。
………………。


 ──ねぇ、オカリン。


岡部「!?」

まゆり「あっ、ごめんね」

シャル「ううん。僕の方こそごめん」

岡部「(二重音声……?)」

 呼ばれて振り返ると、2人の少女が自分の名前を呼んでいる。
 奇しくも“オカリン”と呼ぶ者少ないあだ名で呼ぶもので、どちらが自分に話しかけたのかが判断し難い。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:19:47.12 ID:GBHrcVtqo<>
 それほど“椎名 まゆり”と“シャルロット・デュノア”の声は似ていた。

紅莉栖「(似ている似ているとは思っていたけれど、想像以上ね……)」

 ちくちくと縫い物を進めながら、紅莉栖も耳を働かせていた。

まゆり「えっと、シャルちゃん。お先どーぞ?」

シャル「いやいや、まゆりちゃんこそ。僕は大丈夫だから」

紅莉栖「(変に謙虚なところも似てるわね)」

岡部「(まゆりが独り言を呟いているようにしか聞こえん……)」

 ついに己と対話をする能力を開花させたのではないかと、勘ぐってしまう。
 勿論そんなことは無く、まゆりは至って正常だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:20:13.76 ID:GBHrcVtqo<>
シャル「じゃぁ……えーっと、オカリンとまゆりちゃんって幼馴染なんだよね?」

岡部「う、うむ」

 まゆりから、再確認されているような感じを受け岡部はこそばゆさを感じていた。
 それを解ってか、紅莉栖は口を押さえ笑いを堪えるのを必死で抑えている。

シャル「じゃぁ昔から人質だったの?」

岡部「──っぶ!!」

 思わず噴出してしまう岡部。
 ここは秋葉原では無い。

 最近では“鳳凰院凶真”の出現率も低下していき、そう言った単語も久しかった岡部は盛大に噴いてしまった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:20:40.32 ID:GBHrcVtqo<>
まゆり「違うよ、シャルちゃん。えーっとねぇ、人質になったのはおばーちゃんが亡くなった後で、人質じゃなくなったのがついこのあ──」

岡部「あーあー! まゆり! その話題は良い。あまり人に言いふらすようなものでもないしな」

 放っておくと、まゆりはぺらぺらと何でも話してしまう。
 そこに悪意は一切無いが、やはり宜しいものでも無かった。

シャル「あははっ、今も昔も仲が良いんだね。羨ましいなぁ」

 少々強引な止め方だったが、シャルロットは意に介さなかった。
 純粋に幼馴染と言うものを羨んでる様子である。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:21:07.35 ID:GBHrcVtqo<>
シャル「何時もね、箒や鈴が一夏と昔話をしていると良いなーって思うんだ」

紅莉栖「あっ。それは、うん。解るわね」

岡部「ほう……クリスティーーナよ。貴様もそのような感情を抱く事が──」

紅莉栖「黙っとれ」

まゆり「あははっ」

 談話が響く家庭科室。
 本来ならここへ岡部が来る理由は無かったが、楯無が今日から不参加になるため手元として徴収されていた。

 かと言って特別やる事は無く、だらだらと会話をする時間が続く。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:21:35.66 ID:GBHrcVtqo<>
まゆり「ねぇねぇオカリン」

岡部「む?」

まゆり「まゆしぃはまだ、オカリンのあいえすを見たことが無いのです」

岡部「そう言えば……そうだろうな」

 “石鍵”は未だに一般公開をされいない。
 不安定な要素(無段階移行を主軸とした完全自立進化型の為、未だに全容は発表されていない。出来ないと言ったほうが正しい)が多く、未だに見送られていた。

まゆり「ちょっとね。ちょーっと見てみたいかなぁって思ったんだけど……ダメかなぁ?」

岡部「むう……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:22:02.33 ID:GBHrcVtqo<>
 ちらりと、視線を紅莉栖に移し相談を持ちかける岡部。
 ここで紅莉栖に相談する理由など、あるはずも無いのだが無意識に岡部の目線は紅莉栖へと移って行った。

 まゆりはIS学園の生徒ではない。
 いくら生徒会長発効のIDがあるとはいえ、アリーナ内まで案内をするのはどうかと思える。

 そう思ったのは、岡部だけでなく紅莉栖も一緒だった。

紅莉栖「(馬鹿、何で私を見るのよ。あーもう)」

 頼られてまんざらでも無い紅莉栖である。
 何とかその場を凌ごうかと考えていると、意外な方面から助け舟が出航してきた。

シャル「──それだったら、年末に行われる全学年個人別トーナメントに来れば良いんじゃないかな?」

 助け舟を出したのはシャルロットであった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:22:29.15 ID:GBHrcVtqo<>

 ─全学年個人別トーナメント─


 年間の総決算として行われるそれは、IS学園での年内最大級の催し物と言えた。

 その規模は“キャノンボール・ファスト”並で、中継やアリーナでの観覧も許可されている。

 専用機持ちは強制参加。

 候補生も訓練機での参加が義務付けられ、成績上位者もコレに含まれている大規模なイベントである。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:22:56.93 ID:GBHrcVtqo<>
シャル「正確な日時はまだ出てないけど、12月中のはずだから。僕に配布されるチケットをまゆりちゃんにあげるよ」

まゆり「えっ、良いの……?」

 発効されるチケットは“激”が付くほどのレア物で、席によっては数十万の値打ちが付くほどの物だった。
 IS学園生徒、それも出場が確定している専用機持ちに発効されるチケットとなれば良席必須である。

シャル「うん。僕は別に呼ぶ人も居ないしね、仲良くなった印に」

まゆり「あ、ありがとー!」

 ガシッ、とシャルロットの腕を掴むまゆり。
 相当感激しているようで、相当な喜びようだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:23:33.88 ID:GBHrcVtqo<>
岡部「そう言えば、そんな催し物があるとかなんとか……言ってたな」

紅莉栖「忘れるなよ……年内で一番大きいイベントじゃない」

シャル「あははっ、オカリンらしいね」

まゆり「オカリンはそう言っていっつも、色々忘れちゃうのです」

岡部「えぇい! だから、貴様等は同時に話すなとアレ程──」

紅莉栖「言ってない言ってない」

まゆり「?」

シャル「?」

 首を傾げる2人。
 気を抜くと、直ぐにどっちがどの発言をしたか解らなくなる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:24:02.97 ID:GBHrcVtqo<>
岡部「な、何でもない……気にしないでくれ」

 声に触れるのはよそう。
 なに、大丈夫さ。ちゃんと聞き分ければ解らないはずが無い。
 幼馴染であるこの俺が、まゆりの声を聞き間違えるはずなど。

 ──と、岡部は心の中で自身にそう言い聞かせた。

「ねぇ、オカリン」

 またしても、背後から聞こえてくる馴染み深い声。

岡部「……」

 岡部にはその声の主がどちらか、胸を張って断言する勇気を持ち合わせてはいなかった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 00:24:36.63 ID:GBHrcVtqo<> おわーり。


本日もありがとうございました。
素敵な絵まで貰ってしまった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(長屋)<>sage<>2011/11/13(日) 00:39:37.53 ID:vf+/p62No<> おっつー。

シャルまゆりコンビいいな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(島根県)<>sage<>2011/11/13(日) 00:39:42.75 ID:l36dZgZvo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2011/11/13(日) 00:46:40.87 ID:xyl5/aqL0<> おつつ。次も楽しみにまってるよwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 01:04:34.11 ID:C2aJQF7IO<> 乙
>>763のイラストを見て「プロフェッサーオカリン」と言う言葉が浮かんできた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)<>sage<>2011/11/13(日) 01:58:21.99 ID:ma5OSSTdo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 02:26:09.83 ID:+eclNhRIO<> シャルとまゆしぃのコンビは最高だな!

乙〜 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 02:33:57.66 ID:2OZqPBBDO<> 乙
シャルのオカリン呼びは罠だった件
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東海・関東)<>sage<>2011/11/13(日) 03:50:51.79 ID:M/ItFu4AO<> 某グラハム×ISスレのせいで、ダリルって名前を見た瞬間IS学園を闊歩する厳つい黒人想像した <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/13(日) 12:57:04.09 ID:J/Oge8L20<> >>803
同じく
あっちの作者が誤爆ったかと思った <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 14:06:37.72 ID:Gv9VCNaC0<> ちくしょう>>763がPS3じゃちっちゃくて見えねぇちくしょう(;_;) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 16:54:41.57 ID:xkkMbPl1o<> いちおつ!
もちろん岡部はダルを呼ぶん、だよな?

そして紅莉栖は一夏にプレゼント→弾兄妹登場かなーwwwwいや、むしろ虚かな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(茨城県)<>sage<>2011/11/13(日) 19:16:46.01 ID:LaI5MSnRo<> 自分の望む展開を強要するようなレスは慎めよー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 19:24:43.76 ID:9BrELMrlo<> つか今後の展開を予想するのもやめろよ
つまらなくなる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/13(日) 19:29:48.61 ID:fPeS/MD5o<> >>1が好きなようにおながいします <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)<>sage<>2011/11/13(日) 21:00:56.73 ID:uIjAUnq8o<> >>1頑張れ! <> ◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/13(日) 21:05:26.49 ID:GBHrcVtqo<> >>1です。

えーっと……予測系はなんら問題無いので>>1的には大丈夫です。
作品的に予測しやすいのか、>>1の考えてる事が単純過ぎて読み易いのかは謎ですが展開言い当てられていてもわはーっとしてるだけです。

それで、読み手の方々が面白くないと感じてしまえば>>1は何も言えないのですが……。
って感じです。
事実、結構な頻度で言い当てられていて、楽しんだりしています。
よく言えば王道で、悪く言えばマンネリなのだろうかと。


話しは変わりまして、ちょっとアンケートを取らせて頂きたいのです。
投稿速度についてです。

今までどおり、新聞の四コマ漫画のように小出しで毎日(更新頻度高)

いっきにドパッっと投下されるタイプ

どちらの方が、宜しいかなと。
前者であれば、今まで通り緩やかに最終回に向けて行きます。
後者であれば、わりかし早い速度で最終回に辿り着きます。

>>1のやりたいようにやりゃ良いじゃん、と突っ込まれそうなのですが……。
読み手側の意見超大事ってことで、なにとぞ。

多数決で多い方で投稿します。
今月は沢山書こうと思っておるのです。

明日の朝-昼位までの集計で出させて頂きます。
長文になってしまった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(島根県)<>sage<>2011/11/13(日) 21:07:19.44 ID:l36dZgZvo<> 一気に投下するときは日刊じゃなくて週刊くらいになるの? <> ◆H7NlgNe7hg<>saga sage<>2011/11/13(日) 21:10:52.50 ID:GBHrcVtqo<> >>812
肝心なことでしたね。
早ければ2.3日に1回。
遅ければ1週間に1回。

日刊であれば、美味しいところで切って翌日。
と言う少年誌的なイやらしい投稿が見せれます。

一気に投下の場合は、完全にその物語(話し?)が完結するところまで投稿するのでもやもやしません。

その程度の違いなのです。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(山口県)<>sage<>2011/11/13(日) 21:23:39.97 ID:LEn2iukBo<> 小出しで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 21:31:47.71 ID:il/HI9eIO<> 小出しで次スレいこかーw <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)<>sage<>2011/11/13(日) 21:33:59.02 ID:PEzIPMHXo<> 終わりが来るとわかっていても、それは遅くであって欲しいと思う
それが人の心ではないか?  --どっかで聞いた

というわけで長く続く今まで通りに一票 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)<>sage<>2011/11/13(日) 21:44:25.14 ID:vjwy8i2wo<> モチベ維持のために毎日やることを強くオススメいたします
書いてない時間が長くなるとやる気は衰えていくもんなんだぜ… <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:50:01.86 ID:GBHrcVtqo<> アンケート実地中ですが、今日の分を置いておきますね。
往きます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:50:39.66 ID:GBHrcVtqo<> >>794  続き。




 ─校門─


まゆり「オカリンありがとう、ここまでで良いよ」

岡部「あぁ。気をつけて帰れよ」

 本日分の作業が終了し、校門までまゆりを送り届けに来た岡部。
 外はもう暗かった。

岡部「あぁ、そうだ。ダルに例のトーナメント。俺のチケットをやるからと言っておいてくれ」

まゆり「了解なのです! きっとダル君も大喜びするよー」

岡部「うむ。恐らく助手も呼ぶ相手など居まい……ルカ子も呼べるな」

まゆり「あっ、でもそうすると……フェリスちゃんや萌郁さんが……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:51:08.62 ID:GBHrcVtqo<>
 シャルロットから善意で貰えるチケットが1枚。
 岡部、紅莉栖から2枚。

 現在、ラボラトリーに居る面子は5人。
 あと2枚足りない計算になる。

岡部「ふむ……フェイリスと萌郁の分か。解った、何とかなるか解らんが手を回してみよう」

 心当たりがあった。
 専用機持ちの中で当れば、2枚位は都合出来るかもしれないと。

まゆり「うんっ。楽しみにしてるね! じゃぁまた明日」

岡部「気をつけてな」

まゆり「トゥットゥルー♪」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:51:37.46 ID:GBHrcVtqo<>
 元気に駆け出して行くまゆり。
 目を細めながら、後姿を見つめる姿はまるで──。

紅莉栖「お爺ちゃんみたいね」

岡部「なっ! 助手……何時の間に」

紅莉栖「別に。邪魔しちゃ悪いと思って顔を出さなかっただけよ」

岡部「何を邪魔すると言うのだ、まったく……」

紅莉栖「はいはい。……んで、ちょっと顔貸しなさいよ」

岡部「む?」

紅莉栖「整備室。行くわよ?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:52:08.72 ID:GBHrcVtqo<>
 そう言い終えると紅莉栖はもう校舎へと向かっていた。
 無言で頷いた岡部も、それに続く。

 2人の顔はすでに、にやけたものでは無くなっていた。


 ─整備室─


紅莉栖「じゃぁ、ISを展開して」

岡部「……」

 粒子が岡部を包んだと思うと、一瞬の内に全身装甲のISを身に纏った。
 ここ最近は実戦訓練が積めていないとは言え、少しずつ操縦も上達してきている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:52:35.08 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「OK. まずは、パラダイムの出力を0にするパッチを当てるから」

岡部「なぁ──助手よ」

紅莉栖「ん? なに?」

 カタカタとキーボードを打ち込みながら返事をする紅莉栖。
 作業に集中しているせいか、岡部の歯切れの悪さには気付かないでいた。

岡部「パラダイムなのだが……その、少々苦手でな。このまま使わなずに、とは無理だろうか」

紅莉栖「あー、アレね。最初にブラックアウトしちゃったから苦手意識が出来たってこと?
     大丈夫よ。そうならないように、私が居るんだから」

岡部「あぁ……うむ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:54:02.07 ID:GBHrcVtqo<>
 どうにも乗り気になれない岡部。
 実を言うと、最初に展開して以来“刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト-を起動したことが無かった。

紅莉栖「……YES!! パッチは無事に作動したわ。正直、ここが難問だったのよねー」

 岡部の気持ちを知ってか知らずか、何時の間にやら科学者モードに移行している紅莉栖。
 このプログラムがどうだとか、ここが大変だったとかをドヤ顔で岡部に説明する。

 このパッチが完成したのは今朝方だった。
 衣装の裁縫に手を貸す為、脳をフル回転させ詰まっていた問題を悉く解決し今に至る。

 一般的なIS開発局であれば、数人のスタッフが数週間かけて行う作業を結局一日で終わらせてしまった。
 やはり“牧瀬 紅莉栖”もまた、稀代の天才であった。

紅莉栖「──でね、ここがもう大変で……岡部?」

 不意に岡部の顔を覗くと、表情が何時にも増して曇っていた。
 科学者モードへと移行していた紅莉栖も表情を読み取り、一気にクールダウンする。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:54:28.64 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「えっと……どうした?」

岡部「いや。すまなかった、何でもない」

 どう考えても何でもないような物言いでは無い。
 表情は暗く、歯切れも宜しくない。

紅莉栖「操縦者がそんな顔していたら、動作テストなんて出来る訳無いじゃない。
    何かあったのなら説明して欲しいんだけど……」

 声のトーンが低くなる。
 こう言った表情を岡部が作っているときは、結局何も語らないのを解っているからだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:54:56.43 ID:GBHrcVtqo<>
岡部「発動した時の気持ち悪さ……不愉快さを思い出してしまってな。少々しり込みしていただけだ」

紅莉栖「……そ。どうする? 止める?」

 勿論、それが本音で無いことは解っている。
 が、追求しても仕方が無い。

 世界線の違った紅莉栖であれば、ここで強引にでも聞き出しただろう。
 しかし、今の紅莉栖はその記憶が完全ではない。

 それ以上、踏み込んで聞くことは出来なかった。

岡部「有能なる助手が作ったと言うのであれば……試さない訳にもいかんだろう。自信はあるのだな? もうあの経験は簡便だ」

紅莉栖「とっ、当然! 完璧よ!」

 フルフェイスの中で、確認は出来ないが岡部は柔和な笑顔を作っていた。
 そして、そのまま作業開始を促す。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:55:22.33 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「本当に良いのね……?」

岡部「無論だ」

 ──カチッ。

 パッチをインストールさせる。
 インストール時間は驚くほど早く一瞬で終わった。

紅莉栖「OK. パラダイムを起動して……」

岡部「……」

  ──ジャキッ。

 “石鍵”の両肩部のユニットが音を立ててスライドし、円柱状のビットを一対射出する。
 ふよふよと浮かぶビットは、12個に分離し空中を漂う。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:56:07.74 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「よし……どう岡部? データでは観測をしてないけれど」

岡部「大丈夫だ……ハイパーセンサーにも何も知覚されていない」

紅莉栖「じゃぁ、エネルギーの供給を開始するわよ……?」

岡部「あぁ」

 岡部の短い返事を受けたあと、紅莉栖は徐々にパネルに触れた指を動かしていく。
 0%と表示されていたステータスが少しずつその数字を上げて行った。

 ──2%────4%──────8%。

岡部「んっ……」

 即座にハイパーセンサーが稼動量を上げる。
 視界が何時もよりクリアになり、鮮明に見える世界。

 この画像度は、超高感度ハイパーセンサーをも凌駕していた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:56:38.77 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「8%をキープ。視界はどう……?」

岡部「なっ、何とか落ち着いている……」

 次々に飛び込んでくる情報。
 自らが待機する座標情報や、室内にある機器類の情報まで脳内に飛び込んでくる。

紅莉栖「でも、まだキツそうね……6%。これでどうかしら」

岡部「……あぁ、これ位が丁度良い。と言うか、限界だろうな」

紅莉栖「OK. 6%で固定するわね」

 最終的に“刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト-の稼働率は6%で固定された。
 6%の稼働率で出来る事を、紅莉栖が岡部に説明していく。

 正直、6%では超高感度ハイパーセンサーと同等であること。
 相手の動きを読む、軌道を予測すると言った機能は全面的にカットされていること。

 以上であった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:57:05.39 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「ちょっと勿体無い気もするけど……これが限界よね」

岡部「あぁ。充分だ」

 色々な映像が見えて、訳が解らなくなる。
 そう言い掛けたところで岡部は口をつぐんだ。

紅莉栖「コア自体に情報を処理して貰えれば良いんだけど……コアに干渉出来ないからね」

 “石鍵”のコアである“ダークマター”(岡部命名)に紅莉栖は何度かアクセスを試みていた。
 しかし、毎度弾かれるのがオチで何ら発展を見出せないでいる。

 必然的にパッチを作り、ガジェットの出力を調整するしか手がなくなっていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:57:31.51 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「引き篭もりってレベルじゃないわよ、ったく」

 ぶつぶつとコアに文句を垂れる紅莉栖。

紅莉栖「一度、開発者である束博士に見てもらいたいわね」

 コアを解析出来る唯一の存在。
 ISの親であり“石鍵”を岡部に宛がった張本人“篠ノ之 束”なら、或いは“石鍵”の全貌を明らかに出来るだろう。

岡部「あぁ。だが博士は今も尚、全世界の諜報機関やらなにやらから逃げ回っているのだろう?」

紅莉栖「そ。居場所に数千万から数億の懸賞金までかけられているほどよ」

 そんな人物にそう会えるはずも無い。
 結局は自分達でなんとかするしかないのだと、2人は苦笑いを浮かべながら頷きあった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:58:05.54 ID:GBHrcVtqo<>

紅莉栖「──それはそうと」

 突然、紅莉栖が思い出したように口を開けた。
 それまでの声色と違って、どこか笑みを含んだ口調である。

紅莉栖「鳳凰院凶真さんは遂にコスプレデビューですか?」

 ニヤニヤと口角を歪ませ、目はイヤらしく釣りあがっていた。
 口に手をあて、わざとらしくプププと声を発する。

岡部「ぬぬぬ……」

紅莉栖「いやー、これはデジカメを用意しなくちゃね。漆原さんや……あぁそうそう、橋田にも写真を送ってあげないと」

岡部「おっ、おい」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:58:31.68 ID:GBHrcVtqo<>
紅莉栖「まゆりが何度誘っても首を縦にしなかった鳳凰院さんがついにコスプレとは……恐るべしIS学園ってとこね」

岡部「ぐぬぬ……」

 学校行事である以上、断ることも出来ない。
 生徒会役員になってしまった以上、欠席も許されない。

 岡部に退路は無かった。

岡部「なぁ、助手よ……」

紅莉栖「なによ」

 紅莉栖の目と口は今もなお、イヤらしく変形している。
 明らかに面白がっていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:59:01.68 ID:GBHrcVtqo<>
岡部「俺は一体、何の仮装をさせられるのだ……?」

紅莉栖「それは秘密。言ったら不公平になるからね。まぁ当日せいぜい恥を振りまきなさい」

岡部「ぬぅ……」

 紅莉栖の心根では、ほんの少しだが岡部とコスプレをしてみたい。
 いや、ちょっとだけ。ほんのちょっとだけど、一緒に衣装合わせをしてみたい。

 言葉には言い表せないが、そんな事を思っていた。
 しかし、代表候補生でもなく専用機も持ち合わせない紅莉栖が上位に食い込むはずも無く夢は夢として終わった。

 この意地悪な態度は、紅莉栖のちょっとした可愛い嫌がらせであることを岡部は知らない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 21:59:38.72 ID:GBHrcVtqo<>
岡部「クリスティーーーッナ。覚えていろよ……この怨みは必ず……」

紅莉栖「@ちゃんねるにも、あのコテハン鳳凰院うんたらさんがコスプレした(゜∀゜)ってスレを立てないとね」

岡部「すみませ……申し訳ありませんでした」

 それはそれは、見事な土下座を繰り出す岡部倫太郎。
 @ちゃんねる内でも外でも、“鳳凰院凶真”が“栗ご飯とカメハメ波”を言い負かす事など出来るはずが無かった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/13(日) 22:00:31.71 ID:GBHrcVtqo<> おわーり。

今日もありがとうございました。
どうぞ>>811 の回答もよろしくお願いします。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/13(日) 22:29:02.37 ID:fPeS/MD5o<> 小出しのほうでお願いします <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 22:45:42.49 ID:UUd/agoQo<> 今まで通りで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(高知県)<>sage<>2011/11/13(日) 23:01:59.08 ID:RWHRJupGo<> 乙
更新はいままでどおりだとありがたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 23:23:36.39 ID:dSwfYwLIO<> 小山の方で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 23:24:07.04 ID:nQ/Oo91IO<> おつおつー
小出しがうれしいかなー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 23:29:34.12 ID:Gv9VCNaC0<> 乙

気になるんだが岡部とかのコスプレってもう決まってるの? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(大阪府)<>sage<>2011/11/13(日) 23:36:16.47 ID:jWGzmJd90<> 早く終わってもいいこと一つもないしからな
じっくり続けてほしいな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(福島県)<>sage<>2011/11/13(日) 23:41:09.83 ID:4qrBvWo10<> いちおつ
このSS読むのが毎日楽しみ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 23:48:44.91 ID:nA6AWiR60<> 乙
小出しで頼む <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(長崎県)<>sage<>2011/11/13(日) 23:50:22.67 ID:A1k9GIHmo<> 乙!
毎日の楽しみだぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/13(日) 23:56:46.00 ID:M/ItFu4AO<> 長時間の単独行動を可能にする莫大なエネルギー、物音一つ立てない繊細な姿勢制御、障害物越しや入り組んだ地形でも直接五感を通せるパラダイム・シフト、いざという時にも落とされない耐久力
どう考えても斥候・偵察用の機体です本当に(ry

アンケートは小出しで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/14(月) 00:05:09.06 ID:9wGOUpHT0<> >>706
でも言ったが小出しの方が好き
緩やかにガンバッテ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)<>sage<>2011/11/14(月) 00:52:32.93 ID:R6UKTMTXo<> 小出しちゃんがいいよぉ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 03:28:39.29 ID:DoYPv/VTo<> 今まで通りのが良いかな <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:01:49.84 ID:YOPogCt+o<> >>1です。

こんな時間にこんばんわ。おはようございます。
アンケートありがとうございました。

皆さんが小出し好きなのを把握しました。
(#゜Д゜)ドッカンドッカン投下しろよゴルァ! って言われると思ったのでちょっと吃驚です。

そんな訳で投下を開始します。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:02:19.86 ID:YOPogCt+o<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:03:02.04 ID:YOPogCt+o<> >>835  続き。




 ─各自の反応─


 ハロウィン仮装イベント。
 それは選出された乙女達に、それなりの動揺と決意を与えた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:03:41.94 ID:YOPogCt+o<>

 〜篠ノ之 箒の場合〜

 自室内をうろうろと右往左往する箒。
 同室である“鷹月 静寐”も最初は何事かと思っていたが、ぶつぶつと仮装がどうたらと呟いて居たので直ぐに原因は解った。

箒「ま、まさか本当に選ばれることになるとは……」

 両手で顔を覆ったり、急にうずくまったりと忙しないことこの上無い。
 静寐もそんな箒には慣れっ子になっていた。

箒「よっ良し!」

 ──1位になって、一夏とデートする事になったら────告白しよう。

 何度目の決意表明かは解らないが、箒は1人拳を強く握り締めた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:04:11.70 ID:YOPogCt+o<>
箒「そうと決めたら、素振りだな! うむ、それが良い」

 パシッ、と立てかけてあった真剣を手に取り部屋を後にする箒。
 向かう先は剣道場。

箒「集中力を高めるには、居合いが一番だ」

 仮装大会と集中力になんの関係性があるかは定かではない。
 が、箒の目は真剣そのものだった。  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:05:00.70 ID:YOPogCt+o<>

 〜セシリア・オルコットの場合〜


セシリア「〜〜♪」

 熱いシャワーを全身に受け止め、その日一日の汗を流す。
 本来ならば薔薇を浮かべたバスタブに浸かりたかったが、ここは自国の自室ではなく学園の自室である。

セシリア「ふふふ……7位と言うのが少々気に入りませんが──」

 ──魅力で、他の女子達に負ける気はいたしません。
 
 自信たっぷりの表情でシャワーに打たれるセシリアだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:05:28.06 ID:YOPogCt+o<>
 その体は引き締まり、出るところは出て、引っ込むべき箇所は引っ込んでいる。
 日ごろ重ねてきた地道なダイエットの甲斐もあり、自分でもパーフェクトと言いたくなるようなボディラインを維持していた。

セシリア「この体を持ってして、1位に君臨してさしあげますわ……!」

 ザーザー、と熱いシャワーを浴びながら蒼穹の瞳は1位の台座を確かに狙い据えていた。

セシリア「ばん……♪」

 指で拳銃を作り、一夏の部屋がある方向へ向けてそれを放つ。
 ウィンクを伴ったその表情は自信に満ち溢れていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:06:15.59 ID:YOPogCt+o<>
 
 〜凰 鈴音の場合〜


鈴音「よぉーっし! よしよし! 順位はまぁどうでも良いとして、まずはオッケーね」

 1人大声ではしゃぐ鈴音。
 クラスで上位10名に選ばれたことを確認したときはクールぶって、一切感情に表さなかったがここは自室である。

 同室には“ティナ・ハミルトン”がポッキーをくわえながら漫画を読んでいるが、鈴音の視界には入らなかった。
 ティナもティナで、鈴音のテンションがおかしいのは何時ものことと気にしていない。

鈴音「要注意人物は……やっぱり千冬さんね」

 重鎮のように1位に君臨した、女教師。
 一夏の実姉であり、目の上のたんこぶと言える存在だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:06:44.04 ID:YOPogCt+o<>
鈴音「千冬さんさえ倒せば、もう障壁は無いも同然なのよね……」

 ぶつぶつと打倒、最強の敵をシミュレートする。
 仮装自体は配布されるので手のうち用が無い。

鈴音「条件は同じ……とすれば──」

 若さで勝負。

 ここの所、大好きだった夜更かしを止めスキンケアをしっかりとしてきた鈴音である。
 肌には自信があった。

鈴音「一夏とデートするのは、私なんだからね……!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:07:11.85 ID:YOPogCt+o<>

 〜シャルロット・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒの場合〜


シャル「はい、ラウラ」

 人肌に暖めたホットココアをラウラに手渡す。
 就寝前には何時もコレを飲んでいた。

ラウラ「ん。何時もすまない」

シャル「どういたしまして」

 ちょこん、とベッドの上に座りちろちろとホットココアを飲むラウラ。
 シャルロットはその後ろに腰を下ろし、ラウラのプラチナに輝く髪を梳かしていた。

 2人の格好はお揃いのパジャマ。
 猫の形を模したものだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:08:06.98 ID:YOPogCt+o<>
 暖かいホットココアを飲みながら、シャルロットに毛繕いを受けるのがラウラの日課であり。
 また楽しみであり幸せでもあった。

シャル「皆して、仮装出来るみたいで良かったね」

ラウラ「あぁ。コレでまたあれだ……思い出のアルバムに一ページだな」

シャル「ははっ、面白い例え方だね」

ラウラ「日本ではそう言うとクラリッサが言っていたのだが……ふぁぁ」

 ココアと、毛繕いの心地よさで眠気が誘発される。
 ラウラは途端にこっくりこっくりと頷き始めた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:08:36.52 ID:YOPogCt+o<>
シャル「よし、歯を磨いてから寝ようね」

ラウラ「あぁ……」

 歯を磨いた後は、猫耳のフードを深く被りもそもそと布団へと入っていくラウラ。
 その様子を見届け、電気を消した後シャルロットも自分のベッドへと潜り込んだ。

シャル「(一夏、僕もがんばるからね……)」

 腕にはめられたブレスレッドにそう呟き、軽く口付けをしたあと眠りに落ちる。
 夢の中では、仮装大会で1位に輝いたシャルロットが一夏と腕を組んでデートをしていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:09:41.28 ID:YOPogCt+o<>

 〜更織 簪の場合〜


 普段より、一段と布団の隆起が激しくなっている。
 原因は簪が布団を被りながら、ベッド上で正座をしていたからだった。

簪「どっ……どどどうして……私が、10位以内に……」

 発表を見たときは我が眼を疑った。
 気が動転して失神しそうにもなった。

簪「まさか、お姉ちゃんが……」

 姉であり、生徒会長である楯無が手配りをしたのかとさえ思った。
 しかし、姉がそんな人で無いことは解っている。

 この結果は“更織 簪”個人に与えられた栄誉ある結果だった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:10:13.39 ID:YOPogCt+o<>
簪「もっ……もし、1位になったら……」

 ボスン、ボスンと布団が跳ね回る。
 ぐねぐねと体をくねらせながら、身悶える簪。

 何時にも無く、テンションが高かった。

簪「がっ……頑張って、みようかな……」

 小さく。
 けれども、力強く簪は思いを胸にした。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:11:06.37 ID:YOPogCt+o<>

 〜更織 楯無の場合〜


 生徒会室。
 部屋には会長である楯無と、会計の虚が2人してお茶を楽しんでいた。

虚「そう言えば、上位入賞おめでとうございます」

楯無「ありがと。っま、当然と言えば当然なんだけどね」

 その言い方に嫌味は無く、心から当然と思っているような口ぶりであった。
 IS学園会長である以上は最低限の人気もあるということである。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:11:49.45 ID:YOPogCt+o<>
楯無「1位の千冬センセは別問題として……まぁ男の子2人がセンセに入れたの嫉妬しちゃうけど」

 悪戯に笑みを浮かべ、軽口を叩く。
 もしかしたら一夏……或いは岡部が自分に入れるのではと期待していた節があったのも事実ではあった。

楯無「会長が男の子2人に負けちゃうかー」

 鉛筆をくわえながら、順位票に眼を落す。
 男子2人の得票率は凄まじく、桁が違った。

虚「当然と言えば当然でしょう。みな、歳相応の女子ですからね」

楯無「あーあ、色んな意味で妬けちゃうわね」

 ペラりと、書類を捲り違うページへと視線を移す。
 そこには-全学年個人別トーナメント-と記載されていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:12:16.02 ID:YOPogCt+o<>
虚「アリーナを貸切、大々的に催されるそうですね」

楯無「うん。生徒会の面子……だと私と一夏くん、倫ちゃんが参加するから虚ちゃん達には結構しわ寄せが行くと思うの」

虚「構いませんよ、慣れてますから」

楯無「あはっ♪ 頼もしー」

 口調は笑っているが、楯無の眼に笑みは一切無かった。
 虚もそれを解っている。

 年1回行われる全学年個人別トーナメント。
 昨年の覇者は現生徒会長である“更織 楯無”であった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:12:59.91 ID:YOPogCt+o<>
楯無「今年は荒れそうね……」

虚「えぇ。歴史上初のイレギュラーが2人。それにIS学園創設以来の専用機数です」

楯無「無事に終われると良いんだけど」

 参加者名簿に眼を落す楯無。
 そこには“織斑 一夏”“岡部 倫太郎”の名前が記載されている。

 その名前を見つめる楯無の目線は、真剣そのものだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 04:13:53.79 ID:YOPogCt+o<> おわーり。


アンケート共々、毎度本当にありがとうございました。
完走目指して頑張ります。

プロニートの>>1は朝6時からスーパー銭湯へ入浴しに行くのでした。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(静岡県)<>sage<>2011/11/14(月) 04:38:35.72 ID:aI7Z+pav0<> 投下乙でした
早朝からスーパー銭湯とは羨ましい…
月曜のこの時間から出勤準備中な我が身が恨めしいったら
明日の投下も楽しみにしていますね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 08:50:23.62 ID:ctIVdlDDO<> 早朝から乙だぜぃ。

前々から思ってたんだが、「簡便」ってIS原作では普通に使われとるんかね?
「勘弁」が正しいと、私は思っているわけだが。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(島根県)<>sage<>2011/11/14(月) 10:42:38.50 ID:DNNKfbR9o<> 変換ミスだと解釈している <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 10:59:12.10 ID:VVobDm3IO<> 朝銭湯か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 17:32:02.39 ID:DtdsOO2H0<> >>1お疲れ様

スーパー銭湯と聞くとなのはを思い出すな <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:28:05.60 ID:YOPogCt+o<> >>1です。

この漢字違うくね?
と思ったら、十中八九>>1の変換ミスです。
愛嬌だと思って、勘弁してくらさい。

と言う訳で、もう1回投下行いますです。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:28:35.09 ID:YOPogCt+o<> 往きます。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:29:37.37 ID:YOPogCt+o<> >>868  続き。




 ─家庭科室─


まゆり「ちくちくちく♪ ちくちくちく♪」

 まゆりがIS学園へと、衣装作りに来てから数日が経過していた。
 シャルロットや紅莉栖の手伝いもあってか順調に仕事は進んでいる。

シャル「まゆりちゃんは早いし、正確だし本当に上手だよね」

紅莉栖「えぇ。伊達にコスプレ衣装を作ってないわね」

まゆり「えへへ。これはね、もう慣れなのです」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:30:07.98 ID:YOPogCt+o<>
 お喋りをしながらでも、まゆりの製作速度は落ちない。
 場所によってはミシンで。時には手縫いで。

 次々と衣装を完成させていく。

まゆり「はぁ……でも、もう直ぐ終わっちゃうんだよね」

紅莉栖「ん?」

シャル「もう明日だからね、31日」

まゆり「うん……」

 不意に、針を進める手が止まった。
 まゆりの視線は下に落ち込んでいる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:30:34.74 ID:YOPogCt+o<>
紅莉栖「あーえっと、ほら。明日は丁度土曜日だし、会長がまゆりも是非来てねって言ってたから」

まゆり「うん。楽しみだねぇ」

 明日が過ぎればまた、何時も通りの日常に戻ってしまう。
 岡部の帰ってこないラボへと戻らねばならない。

 岡部がラボへ帰ってくるその日まで、まゆりはラボに居続ける。
 守り続ける決心を固めていたが、ここ数日の出来事が楽しすぎて少しばかり悲しい気分になってしまった。

まゆり「よっし! 後ちょっと。頑張るのです!」

 顔をあげて奮起する。
 再び針と糸は、布を服へと変形させていく。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:31:03.29 ID:YOPogCt+o<>
シャル「よし。僕も頑張ろう!」

紅莉栖「そうね。後ちょっと、頑張りましょう」

 明日は10月31日、ハロウィン当日。
 女子3人の最後の作業は夜22時過ぎまで続いた。

紅莉栖「しかし……これ、本当に着るのかしらね」

 ぷぷぷ、と含み笑いを漏らす紅莉栖。

まゆり「えー、絶対似合うよー」

シャル「あはは……僕は参加者なのに知っちゃって良いのかな」

 衣装を製作している3人は勿論、誰がどの衣装を着るか知っている。
 中には衣装? と疑問を抱いてしまうものから、何これと首を傾げてしまう物まで。

 紅莉栖の手が縫い進める赤い布が、己の存在感を強く主張していた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:31:30.03 ID:YOPogCt+o<>  

 ─第1アリーナ─


岡部『ぐぬぅぅ……っ!!』

 パラダイム・シフトにより増幅されたハイパーセンサーによって、捉えられる敵影。
 岡部の目の前には専用機“ミステリアス・レイディ”が水のマントを羽織っていた。

楯無『ほらほら、どうするの?』

岡部『くそっ……攻撃がすべてあの水に弾かれてしまう』

 開放されたエネルギーにより、出力が大幅に上がった“ピット・粒子砲”が楯無に向けられる。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:31:56.10 ID:YOPogCt+o<>
 ────ピビポボポボポボポボポボポボポ!!!!

 相変わらず、間抜けな発射音を奏でながら掃射される弾丸。
 強力なエネルギー弾と実弾を交互に繰り出すそれは、あっけなく水のヴェールによって対象への衝突を阻まれる。

楯無『速射性は変わらず、威力の向上に成功したのね。うんうん♪』

 まるで、教師が生徒を採点するかのように微笑みながら分析をする楯無。
 戦闘が始まってからこっち、未だに傷一つ付ける事が出来ていない。

 アリーナの地面には“白式”を展開したままの一夏が突き刺さっていた。

岡部『ワンサマーの復帰は期待できそうに無いな……』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:32:24.38 ID:YOPogCt+o<>
 2対1のIS戦闘訓練。
 今日は今までサボって来た分を取り返す! と楯無が名乗りをあげた。

 取り返すためには、ちまちまとした訓練では補えない。
 本気の実戦が必要であると主張した楯無は、2対1での戦闘訓練に着手した。

 既に一夏は“零落白夜”での攻撃に、カウンターをあわせられ撃墜されていた。

一夏『痛ててて……くっそ、もうエネルギーが……』

 上空を見上げると、じりじりと間合いを詰められる“石鍵”の姿が視界に入る。
 残りエネルギーは後、僅か。

 上空へ飛び上がり、参戦しようにも足手まといになるだけだった。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:32:52.44 ID:YOPogCt+o<>
一夏『だったら……』

 ──シュゥゥン。

 “雪羅”の形状を、カノンモードに切り替え荷電粒子砲をスタンバイさせる。

一夏『まだだ……チャンスは一度。それまで、楯無さんに気付かれちゃダメだ……』

 息を潜める一夏。
 アリーナ上空では岡部が“サイリウム・セーバー”を展開していた。

岡部『射撃ではダメだ。あの水のヴェールに全て阻まれる』

 だとしたら、残る選択肢は近接戦闘しか残されていない。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:33:18.78 ID:YOPogCt+o<>
楯無『ふうん。おねーさん相手にショートレンジを挑もうって訳ね』

 左右一対で浮いている“アクア・クリスタル”から展開されていた、水のヴェールが形状を変える。
 右手には蛇腹剣“ラスティー・ネイル”が握られていた。

岡部『眼帯娘よ……貴様に叩き込まれた技、今こそ使わせて貰おう……』

 岡部の瞳が強く光る。
 スラスターを吹かし、一気に“ミステリアス・レイディ”の懐へと飛び込んで行った。


……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:33:48.25 ID:YOPogCt+o<>

ラウラ「今日はナイフでの格闘戦をレクチャーする」

岡部「ナイフか……」

 手渡されたのはゴム製のナイフ。
 その刃をぐにぐにと触りながら、感触を確かめる。

ラウラ「ゴム質だが、刺されば怪我は免れない。真剣にな」

岡部「あぁ」

 アリーナは現在、2学年がクラス内対抗戦を行う為にそれ以外の生徒は使用出来ない状態になっていた。
 そこでラウラはISでの実戦時にも役に立つよう、ナイフを使った生身での実戦訓練に手を伸ばした。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:34:14.56 ID:YOPogCt+o<>
 ──ヒュッ! ッシュ!

 岡部が振り回すたびに、空を裂く音だけが虚しく響く。
 大振りの一撃を避け、ラウラが岡部の頬にナイフを当てる。ゴム質の冷やりとした感触が皮膚をなぞる。

ラウラ「大振りはNGだ」

岡部「っぐ!」

 ──シュ。 シュシュ。

ラウラ「浅くとも、何度も切っていれば良い」

岡部「あっつ!!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:34:46.00 ID:YOPogCt+o<>
 足の脛や、腹部をナイフで次々になぞられていく。
 摩擦で攻撃箇所に熱を感じた。

ラウラ「上背は関係無い。地面を這うように──」

岡部「ぬおっ!?」

 下から突き上げて迫るナイフに驚いた岡部は、思わず跳躍しそれを避けようとしてしまった。
 それを見抜いていたラウラは着地地点を先読みし、止めを刺す。

岡部「ぐぇ……」

ラウラ「飛んだら終りだ。負けましたの合図だな」

岡部「ぐぬぬ……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:35:07.07 ID:YOPogCt+o<>
 腹部に軽くだがナイフを付きたてられ、呻く岡部。
 日ごろのトレーニングのお陰で腹筋も付いてきたが、痛いものはやはり痛かった。

ラウラ「次は、急所への攻撃を教える。全ての動作を流れるようにこなすまで今日は終わらないからな」

岡部「むう……」

ラウラ「左頚動脈から始める連撃だ。良いか──」


……。
…………。
………………。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:35:33.61 ID:YOPogCt+o<>

 パワーアシストを全開にまで上げ、岡部の攻撃が始まった。
 楯無はあえて攻撃を受ける構えを見せている。 

岡部『左頚動脈!-ワン-』

楯無『む……』

 ──カキュィン!

 “サイリウム・セーバー”と“ラスティー・ネイル”が衝突する。
 刃を纏った赤いエネルギーにより“ラスティー・ネイル”を包む少量の水分がジュッと蒸発した。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:36:00.18 ID:YOPogCt+o<>
岡部『右頚動脈!-トゥ-』

 本来ならば、ナイフを2本持ち攻撃を仕掛けるのが正しいとあの時ラウラは言っていた。
 しかし、ISのパワーアシストをフルに活用すれば片手剣で充分補えるとも。

 岡部はラウラの教えを忠実に再現してみせた。

岡部『胸部!-スリー-』

 ──チュィィン! キィン!

岡部『急所!-フォー-』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:36:42.01 ID:YOPogCt+o<>

一夏『すげぇ……凶真、何時の間にあんな戦い方を……』

 上空を見上げる一夏が呟く。
 岡部の成長は見るに著しく、この一ヶ月でかなりの操縦者になりつつあった。

 それも、全ては岡部の肉体的な動作を全て感知しラグ無く行う“石鍵”の性能の高さ故である。
 岡部の戦闘技術向上は、そのままIS戦の技術向上へと繋がっていた。


岡部『(さすが、ノーガードだ。ここまで全て防ぎきるとは)』

楯無『(この攻撃はラウラちゃんね。それにしても、こんな複雑な動きを簡単にこなすなんて……)』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:37:11.98 ID:YOPogCt+o<>
 ──ギィィィン!

岡部『腹部!-ファイブ-』

楯無『(コレを防いで、ラストの突きが来る……)』

岡部『うおおおおおおおお!! 頭部!-シックス-』

 ──キュイイイイイイイイ!

岡部『──なっ、全て凌がれた……だと』

楯無『まだまだ!』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:37:40.97 ID:YOPogCt+o<>
 岡部が放った最後の突きを軽くあしらい、楯無が声を張った。
 
 ──次はおねーさんの番。
 
 岡部の鼓膜を振るわせた台詞は容赦なく実行に移される。

楯無『左腕-セブン- 右腕-エイト- 頭部-ナイン-』

 ──ザン! ザン! ガキィィ!!

岡部『がっ……』

楯無『胸部-ラスト-』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:38:08.35 ID:YOPogCt+o<>
 ──ジャキッ。

 蛇腹剣が姿を変え、鞭の様にしなった。

 ──ヒュンヒュンッ!!

 その軌道は十字を描き“石鍵”の胸部を切り裂く。
 怒涛の連撃により、膨大なシールドエネルギーを保有する“石鍵”ですら1コンボで全てを削り取られる。

 操縦不能になった“石鍵”はPICによりゆっくりと地上へと落下していった。


一夏『今だ!!』

楯無『おそーい』 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:38:45.50 ID:YOPogCt+o<>
 ──バシュゥゥゥゥウウウウ!!

 “ミステリアス・レイディ”へと照準を合わせていた荷電粒子砲をあっさりと回避する楯無。
 全てのエネルギーを放出した“白式”は白いガントレットに戻り、展開が強制解除された。

一夏「ふはー……避けられちまった」

楯無『はいはい、お疲れ様』

 全ての敵を蹴散らし、優雅に地上へ降り立つ霧纏の淑女。
 展開を解除し、岡部と一夏へと口を開く。

楯無「お説教──ダメ出しは後にして、2人とも上がって良いわよ」

岡部「2人かかりで、1回も攻撃が当らんとは……」

一夏「あぁ……情けないやら悲しいやら」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:39:16.39 ID:YOPogCt+o<>
楯無「あら。2人ともそんなことないわよ?」

 ──IS学園生徒会長は最強であれ。

楯無「故に、私はそう振舞う。最強のおねーさんを相手にしてるんだから、気にしちゃダメよ?」

一夏「はぁ……」

岡部「言葉が出んな」

 溜息を付く2人の男子。
 反面、楯無はニコニコと笑顔を作っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:40:02.46 ID:YOPogCt+o<>
楯無「(倫ちゃんの仕上がりが良い。これなら、万が一強襲があっても自分の身は守れそうね)」

 そんな事を裏で思いながら、第1アリーナを使ってのIS実戦訓練が終了した。

楯無「それはそうと、明日はハロウィン当日ねー。おねーさん楽しみだわ♪」

岡部「俺は憂鬱だがな」

一夏「俺はどっちかって言うと……楽しみ、かなぁ」

楯無「んー? んんんー? それって、楯無おねーさんの仮装が見れるから? それとも、本当のお姉ちゃんの仮装が見れるから?」

 ニヤニヤと何時もの笑いを浮かべながら一夏に近寄る楯無し。
 何時の間にやら開かれた扇子には-近親○○-と意味深に書かれている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:40:45.05 ID:YOPogCt+o<>
一夏「ちょっ、違いますよ! 久々にISを使わないようなイベント行事だから、って思って」

岡部「そう言えば、この学園に入ってからISを使わない行事は始めてだな……」

楯無「倫ちゃんが転入してきたのは、文化祭が終わってからだったものね」

 文化祭を除けば、IS学園で開かれる催し物は当然だが殆どISに関係したものである。
 各生徒はIS戦闘やそれに伴なう競い合いを楽しんでいたりもするが、基本的には普通の高校生。

 このような、普通の高校で開催されるイベントは大好評で楽しみにされていた。
 明日はハロウィン、10月31日。

 生徒会主催の、息抜きとも言える行事がいよいよ開催される。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/14(月) 21:42:13.50 ID:YOPogCt+o<> おわーり!

本日もありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 21:44:37.41 ID:tPkLxyDIO<> ┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 21:48:40.52 ID:d4cyZAyIO<> オカリンは最強のブレード使いにでもなるつもりか?
ゴム製とはいえ、ナイフがトラウマになってるんじゃないかと思ったけど、もっと悲惨な目に遭ってたし平気そうね。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 22:03:25.34 ID:f9IYtMypo<> 乙!

というか流石にオカリンは潜在能力が高いな…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 22:10:19.00 ID:UOG90f+IO<> 乙
モアッド・スネーク「戦いの基本はCQCだ!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(山口県)<>sage<>2011/11/14(月) 22:11:42.92 ID:iWx58BOUo<> >>902
セブンスソードですねわかります

いちおつ
やはりまゆしぃは圧倒的天使 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)<>sage<>2011/11/14(月) 22:27:43.15 ID:+e5K2fXpo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/14(月) 23:41:44.81 ID:ueJjE7gDO<> >>1乙、redEyes良いよねー、今月から新雑誌の創刊号で連載再開らしいからあっちも早く続きが読みたいお <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 00:38:17.63 ID:zxRWbrUSO<> 乙

ヨルムガンドが好きだということはわかったwwwwwwwwww
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 01:03:36.58 ID:ZDemNOLwo<> ヨルムガンドそのままだったwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(岡山県)<>sage<>2011/11/15(火) 02:08:02.64 ID:ciU62sTu0<> 身長だけはヨナとは違うなww <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:26:44.13 ID:gOZJgFGao<> >>1です。

おはようございます。
今朝も短いですが投稿させて頂きます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:27:21.88 ID:gOZJgFGao<> >>899  続き



 ─10月31日 ハロウィン─


 体育館の垂れ幕には大きく“IS学園 はろ☆いん 仮装大会”と銘打ってあった。

紅莉栖「凄い熱狂……」

 舞台袖から、客席を見渡す紅莉栖。
 技術提供者として、生徒会側からその後のサポートも依頼されていた。

まゆり「紅莉栖ちゃーん! ちょっと手伝ってくれるー?」

 控え室がある方からまゆりの声が届く。
 着付け準備がかかる人が多く、舞台袖は準備と着替えで大忙しだった。

紅莉栖「おっと、すぐ行くー!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:28:06.77 ID:gOZJgFGao<>

 ─控え室─


千冬「コレが……私の衣装か? カチューシャ、いや耳か」

楯無「うーん、役職柄知ってはいたけどこれは……ISを部分展開すれば演出が……」

シャル「にっ、似合ってるかなぁ」

ラウラ「むう……なんだか引きずって動き難いな」

セシリア「何ですの……この小道具は……」

鈴音「なによ……これ」

箒「これは、髪を解かなければならないな」

簪「……包帯?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:28:44.39 ID:gOZJgFGao<>
 各自に渡された衣装を見つめ、各々の反応を見せる。
 何人かはヒクヒクと顔を引きつらせていた。

虚「お披露目は30分後ですが、すでに会場は生徒で溢れ返っています。
  迅速にお着替え下さい」

 タイムスケジュールを見ながら黙々と宣告する虚。
 司会進行には“黛 薫子”“布仏 本音”と書いてあった。

まゆり「お着替はまゆしぃがお手伝いします!」

紅莉栖「えっと、私も着付けの手伝いを」

虚「この御ニ方には、今回の衣装製作を手伝って頂きました。着付け方が解らない場合は手伝って貰って下さい」

 そう告げると、虚は控え室を出て反対側に設置されている男子用の控え室へと足を伸ばした。

 女子用控え室のテンションは急降下で、特にセシリア・鈴音の落ち込みようは相当なものである。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:29:15.58 ID:gOZJgFGao<>
セシリア「どう言うことですの、これ……」

鈴音「知らないわよ……私のだって、なにこれ……」

 己の美貌やプロポーションに自信があった2人。
 その衣装は、互いに殆ど肌が見えないようなものであった。

紅莉栖「あーっと、セシリアに鈴。2人はドーランを塗るから、衣装を着たら鏡の前に来てね」

セシリア「ドー……」

鈴音「ラン……?」

紅莉栖「後の皆さんは、各自化粧を自分でお願いします」

 仮装お披露目30分前。
 準備は着々と進められて行った。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:29:42.04 ID:gOZJgFGao<>

薫子「ふむふむ……1番人気は投票で1位になった織斑先生か」

本音「むにゃむにゃ……ねーむーいー」

 実況席では、薫子と本音が2人して椅子に腰を下ろしている。
 本音は台に突っ伏して、むにゃむにゃとあくびをかいていた。

薫子「もう、まだ眠いの?」

本音「うんー……昨日、深夜……番組面白くて、ぐぅ……」

薫子「始まったら起こすからね!」

 そのまま眠りに付く本音。
 その横で、再びオッズに目を落す。

 スペシャル限定デザート2週間分とあって、薫子自信も相当悩んでいた。

薫子「織斑姉弟……やはり、この2強よね。岡部君も捨てがたいけど……現職生徒会長ファンの数も結構居るし」

  本投票前までの、事前予想では1位千冬。2位楯無。3位一夏。4位岡部。
  となっていた。

薫子「あと、30分……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:30:08.51 ID:gOZJgFGao<>

 ─男子更衣室─


岡部「コレが衣装か……小物まで完備しているとは芸が細かい」

一夏「なんだコレ? 付け歯? ん?? 凶真のもあるぜ」

 渡された衣装に目を通す2人。

 耳が付いたカチューシャ状のソレを頭に装着する一夏。
 シャツを着込み、タイを締める岡部。

岡部「カツラまで被るのか……もはや別人だな」

一夏「俺はこうで良いのかな……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:30:34.98 ID:gOZJgFGao<>
 ──コンコン。

 2人が試行錯誤しながら、着替えを続けているとノックが響いた。
 ワンテンポ遅れて、ドアが開く。

虚「失礼します、大丈夫ですか?」

一夏「えぇ、俺も凶真も平気ですよ」

虚「もう着替えもほとんど出来ているようですね……あとは、舞台栄えするようお化粧が必要でしょうか」

岡部「男でも化粧が必要なのか……?」

虚「はい。舞台とはそう言うものです」

一夏「って言っても、俺達化粧なんてしたこと……無いよな?」

岡部「うむ」

虚「解りました。では人を寄越しますのでもう少々待機していて下さい」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:31:01.56 ID:gOZJgFGao<>
 そう言って、虚は直ぐに控え室を出て行った。
 扉を閉めて寄りかかる。

虚「……」

 どきどき、と心臓が高鳴る。
 虚の目に飛び込んできた映像は、十代少女をときめかせるに充分なルックスを持った人間だった。

虚「ふう……椎名さんか、紅莉栖さん。どちらかに化粧をして貰いましょう」

 再び反対方向へと足を伸ばす。
 もう直ぐ開演。

 “IS学園 はろ☆いん 仮装大会”開催まで、残り30分を切っていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:32:14.15 ID:gOZJgFGao<>  

   ──フォーントリガー発動──




ニア
   
   ──男子控え室には。


   『牧瀬 紅莉栖さんに行って貰いましょう』

   『椎名 まゆりさんに行って貰いましょう』
  <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 06:33:13.22 ID:gOZJgFGao<> おわーり。


スレも残り僅かなので、お遊びトリガー。
正直物語には左右されないです。
どっちかの描写しか書けないので、どちらかをお願いします。

今日もありがとうございました。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 06:40:09.68 ID:l8M4irhKo<> 乙!
ここは紅莉栖に! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 06:51:50.27 ID:eAOOFxoDO<> 乙です

オカリン初コスプレならやはりまゆしぃを <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 06:58:09.74 ID:df73KkvDO<> 助手で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東海)<>sage<>2011/11/15(火) 07:15:00.87 ID:yWy3QI/AO<> クリスティーナで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)<>sage<>2011/11/15(火) 07:16:10.04 ID:PUYhqVzko<> クリスティイイイイナッッ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岩手県)<>sage<>2011/11/15(火) 07:26:08.52 ID:IekKL8mro<> まゆり! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/15(火) 07:28:46.41 ID:bYCmN+3Lo<> クリスティーナ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 07:36:47.00 ID:4BmS0q0IO<> クリスティーナ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 07:37:42.57 ID:8ocyw1hE0<> どっちも迷うが助手で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)<>sage<>2011/11/15(火) 07:39:04.10 ID:gb0gMVFPo<> 乙です
迷うけど助手で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(新潟・東北)<>sage<>2011/11/15(火) 08:01:23.57 ID:Uzq1BzpAO<> 乙です
まゆりで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 08:20:21.83 ID:oak/rC2DO<> 朝から乙だニャン、>>1しぃ。
今後出番が少なくなるであろうまゆしぃでお願いするニャ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(宮城県)<>sage saga<>2011/11/15(火) 09:04:31.66 ID:cPMeOySa0<> おつおつ
まゆしぃで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/15(火) 09:07:33.57 ID:15SuMMOz0<> >>1乙〜。


お前たち!真の助手スキーならばここはまゆしぃに化粧してもらおうず!
そしてあの忌々しいクリスティーーーーーーンナ!をドギマギさせてやるのだッ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西・北陸)<>sage<>2011/11/15(火) 09:19:11.97 ID:EPc515jAO<> クリスティーナ希望 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage.saga<>2011/11/15(火) 09:21:49.39 ID:CyyVDAT/0<> 乙!
岡部の晴れ舞台……ならばサポートするのは助手のつとめ! ということで助手で。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(高知県)<>sage<>2011/11/15(火) 09:52:22.52 ID:ugm5IfSeo<> 乙!
助手だろうここは <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 10:07:10.13 ID:fWq4w6sbo<> 助手
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/15(火) 11:07:23.63 ID:HjQoEVeR0<> ドーランか…二人ともある意味酷い事になりそうだ…
ここは助手で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 11:15:27.24 ID:2FtfEySSO<> 乙

ドーラン塗られる乙女の美貌カワイソス
トリガーは天使まゆりで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 11:27:08.14 ID:aw6433pho<> 牧瀬 紅莉栖さんに行って貰いましょう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(静岡県)<>sage<>2011/11/15(火) 11:50:46.10 ID:NgozzLL3o<> 助手派なので <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 11:59:01.38 ID:Qt4j5T2go<> 乙です
まゆりで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 12:04:28.70 ID:H2yauvlIO<> 乙、まゆしぃ☆で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 12:05:25.42 ID:+uoyq2gIO<> 小出しで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(鹿児島県)<>sage<>2011/11/15(火) 12:05:26.48 ID:BY6yaeP0o<> まゆ氏で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 12:09:04.18 ID:1nHnw0aUo<> 選べないのであえて選ばないことによって両方を選んだのと同じ効用を得る
俺はそうやって数々のチャンスをふいにして来た <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(長屋)<>sage<>2011/11/15(火) 12:22:28.27 ID:T5dHi5jwo<> くりごはんさんで! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県)<>sage<>2011/11/15(火) 12:22:46.79 ID:n9s3Ho7so<> 乙です!
ここは今後出番が減りそうなまゆりで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 12:26:09.20 ID:P/lwKwDHo<> まゆりに日の光をー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(北海道)<>sage<>2011/11/15(火) 12:53:39.51 ID:vv228uSko<> おつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/15(火) 12:58:05.70 ID:15a1r3hDo<> まゆしぃで! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)<>sage<>2011/11/15(火) 13:29:21.38 ID:fZb8elxd0<> クリスティーナさんで! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 13:29:51.88 ID:IkyVUUFIO<> 助手gogogogo!!. <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 14:03:50.03 ID:QAkFjT3IO<> まゆしぃに一票! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東)<>sage<>2011/11/15(火) 14:53:16.16 ID:k/WDaKzAO<> ヽ(*゚д゚)ノ<カイバー の人で!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 15:15:19.86 ID:YSINPlVW0<> まゆしぃで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 15:23:46.57 ID:dVYkCrIjP<> ま <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 15:24:22.18 ID:dVYkCrIjP<> ごめ・・・

ここはコスプレの本まで買って読んでいるまゆしぃ一択だろJK <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)<>sage saga<>2011/11/15(火) 15:26:54.02 ID:/+hUDr0Y0<> 助手派が多いか
ここはまゆりで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)<>sage<>2011/11/15(火) 15:29:00.76 ID:DJn17Gnho<> 助手で! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<><>2011/11/15(火) 15:38:24.60 ID:dBrp8gDQ0<> まゆりに一票 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)<>sage<>2011/11/15(火) 15:45:53.69 ID:8dIByAhYo<> まゆしぃに一票 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 16:03:26.71 ID:QQ6nI1u8o<> セレセブで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 16:06:30.47 ID:Tf8NKtLIO<> 牧瀬氏に一票だお <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 16:20:52.59 ID:RzmWbOXSO<> まゆりに一票! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 16:28:16.24 ID:Nr3E9dtIO<> 助手 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(島根県)<>sage<>2011/11/15(火) 16:53:07.94 ID:DGwo/s+Bo<> 助手 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)<>sage<>2011/11/15(火) 17:07:21.84 ID:JNnbBURoo<> 牧瀬クリスティーナさんで <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 17:09:27.28 ID:+3V3FVQSO<> これもう助手確定だろ…ってかいつまでやるんだ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/15(火) 17:14:46.65 ID:3X8NgdbAO<> 下手すりゃ埋まっちまうんじゃね?

助手で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage.saga<>2011/11/15(火) 17:15:41.70 ID:xxi4TwhR0<> 結構接戦だぞ。今でこそ少し助手が勝ってるが。
現在俺の集計ミスがなければ>>972までで
紅莉栖 26
まゆり 20

かな。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:22:27.08 ID:gOZJgFGao<>        _
     σ   λ
     〜〜〜〜 
    /´・ω・ )   <ココまで!!
 _, ‐'´  \  / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/


>>1です。
吃驚するほど、アンケ貰って正直びびッてるです。
ありがとうござします。

集計間違えたら怖い……と思ってたので>>973さんありがとうございます。
と言ってしまいます。

牧瀬 紅莉栖に行って貰います。
まゆりを支持して頂いた方は申し訳ありません。


次スレを立てました。
次もよろしくお願いします。

紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」 V
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1321345141/ <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:23:55.52 ID:gOZJgFGao<> 穴埋めを投稿します。

往きます。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:24:39.73 ID:gOZJgFGao<> >>920  続き、ではない。




 ─未来ガジェット研究所─


 カタカタと、キーボードが打ち込まれる音が響く室内。
 もう直ぐ冬になると言うのに、半袖のシャツを着ている大男がソコには居た。

ダル「今頃オカリンはコスプレしてる真っ最中かー……」

 ギィ、と背もたれに体重を預け天井を仰ぎ見た。

ダル「僕も行きたかったぜマジに……まゆ氏、後は頼んだ」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:25:10.00 ID:gOZJgFGao<>
 ──コンコン。

ダル「んお? 開いてるおー、っつか誰だろ」

るか「こ、こんにちわ」

ダル「お、るか氏。おっつー」

るか「お邪魔します」

 入室して来たのは、ラボメンNo.006.である“漆原 るか”だった。
 その手にはビニール袋をぶら下げている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:25:36.98 ID:gOZJgFGao<>
ダル「ソファー空いてるからドゾー」

るか「あっ、はい。ありがとうございます」

 んしょ、とソファーに腰を下ろするか。
 橋田は何故か、ドギマギしていた。

ダル「(るか氏と2人っきりって中々ないシチュ……これは……)」

 ゴクリ。
 喉が鳴る。

るか「──あの」

ダル「っ! ななななななにか!?」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:26:09.37 ID:gOZJgFGao<>
 不意に話しかけられ、声をあげる橋田。
 るかは首を傾げながら手に持っていたビニール袋を机に置いた。

るか「これ、家の神社でなった柿なんですけど良かったら……」

ダル「おー柿とはまた渋いチョイスー。ゴチになります」

るか「今日って、まゆりちゃんは居ないんですか?」

ダル「あれ? 聞いてない? 今日はIS学園でコスプレイベントがあるんよ」

るか「あっ! あれって、今日だったんですか? 勘違いしてた……」

ダル「にしても、オカリン羨ましいお……女の園でコスプレとか……マジ爆発しろし!」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:26:31.88 ID:gOZJgFGao<>
 ぎりりと拳を握り締める橋田。
 悔しそうな表情を作っていたが、思い出したようにまた口をあけた。

ダル「そーいや、るか氏聞いた? もしかしたら、12月に開催されるIS学園のイベントチケット。用意出来るかもって」

るか「あっ、はい。まゆりちゃんから聞きました。でも……あれって凄く高価なんですよね?」

ダル「うんうん。オクで席によるけど○万円から○○万円まで行く超絶レアチケット……オカリン見直したよ、あんたカッケェよ」

 IS学園の方向を向き、キリッと表情を作る。

るか「でもアレって、生徒1人につき1枚しか発行されないことでも有名ですよね……?」

ダル「後は国が販売するチケット分になるから仕方ないっちゃ仕方ない訳だが……あれ? オカリンどうやって工面すんだろ」

るか「ですよね……おか──凶真さんと紅莉栖さんで2枚。あと3枚足りない計算に……」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:26:58.79 ID:gOZJgFGao<>
 1枚はまゆり。そして2枚目は橋田に配られるだろう。
 そうすれば自分や、フェイリス、萌郁は行けないことになる。

ダル「オカリンのことだから、友達……は出来てないですよねー」

るか「そっ、そんなことは──……あぅ」

 庇護しようにも、口が閉じてしまう。
 るかにしてもやはり、岡部に高校1年生の友達が沢山出来る図は想像に難しかった。

ダル「んでもまぁ、用意出来るっつってんだから大丈夫なんじゃね? ぬか喜びさせるような事は言わないっしょ」

るか「そう──ですよね」 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:27:27.30 ID:gOZJgFGao<>
 橋田の一言でほっと胸を撫で下ろす。
 正直、このお誘いに対して一番喜んでいるのはるかだった。  

 あの岡部がISを駆り、飛び回る姿。
 装備を展開し攻撃を繰り出す姿を思い浮かべただけで、胸が高鳴る。

ダル「そして、今頃コスプレしてる訳だが……」

るか「まゆりちゃん相当張り切ってましたよ、やっとコスプレしてくれるって」

ダル「鳳凰院凶真、ついに陥落……一体なんのコスをさせられるのやら。写真が今から楽しみだお」

るか「そうですね。僕も楽しみです」

ダル「頼む、まゆ氏。お願いだから、オカリンだけじゃなく女生徒を……何卒女生徒のローアングルもお願いしますお!」

 パンッ。
 と手を合わせ、今度はIS学園に向かい祈りを捧げる橋田。

 IS学園ではまもなく、仮装お披露目が始まろうとしていた。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 17:28:10.05 ID:gOZJgFGao<>
これで、このスレでの投稿はおわーり!

本当にありがとうございました。
次スレも頑張ります。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(大阪府)<>sage<>2011/11/15(火) 17:37:03.68 ID:Z4tMhWxz0<> 乙?
次スレもガンバレ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 18:20:37.78 ID:NxrQVWqdo<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 18:28:28.29 ID:4BmS0q0IO<> ┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/15(火) 18:47:21.45 ID:XXzCSrQAO<> うめよう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 18:49:53.37 ID:zxRWbrUSO<> 乙
梅 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 19:08:24.68 ID:xD9DlM6DO<> 乙
産め <>
◆H7NlgNe7hg<><>2011/11/15(火) 19:09:44.00 ID:gOZJgFGao<> 開いたスペースを利用して、石鍵の現状スペックなんかを投下してしまいます……・。 <> ◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 19:10:14.71 ID:gOZJgFGao<>
操縦者:岡部 倫太郎
IS:石鍵(いしかぎ)


第4世代相当IS

“紅椿”同様に“無段階移行”-シームレス・シフト-システムが組み込まれている。
装備の換装は一切出来ず、無段階移行に完全に依存する形となっている。

世界で二人目のISを使える男に用意された専用機。
篠ノ之 束が、岡部 倫太郎にと機体をIS学園に押し付けた物。
スペックは未知数で完全にコア自身へ進化を任せてあると謳っている。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 19:10:44.35 ID:gOZJgFGao<>
全身装甲型で、素肌は一切見え無い。

背中に小型のウィングスラスターが二機搭載されているが、殆ど起動されていない。
牧瀬 紅莉栖が機動力の無さを嘆き、なんとかエネルギーを供給しようとするも全てがコアに拒否されている。

現在、エネルギーが別途蓄積されていることが牧瀬 紅莉栖により明かされている。
内包されているエネルギーは未知数であり、またその開放条件も判明されていない。

また“単一仕様能力”-ワンオフ・アビリティ-の発現もしていない。


ファーストフォーマット後。
ファーストシフト装備は以下の三点。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 19:11:15.41 ID:gOZJgFGao<>
ビット粒子砲

威力が極端弱く、牽制にすらならない。速射性のみが異常に高い。
実弾とエネルギー弾を交互に発射する。
ピビポボポボポボポボポボポボポ!! と特殊な発射音が特徴。
弾着音も パチュンバチュン と特殊な音が鳴る。


モアッド・スネーク

空中散布型の機雷。
形がクレイモア地雷に酷似しているので、敵が勘違いしやすい。
触れると異常なまでの加湿を行い視界が悪くなり目眩ましになる。
ハイパーセンサーを鈍らせる機能も付いている。


サイリウム・セーバー

物理刀剣。特徴として発光するが効果は無い。
振ると ブォン と良い音がなる。
“石鍵”のメインウェポン。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 19:11:51.60 ID:gOZJgFGao<>

上記ガジェットは、全てエネルギー供給量によって威力が変化する。
エネルギー依存の高い装備。

供給するエネルギーが高ければ高い程、威力等に変化が見られる。
初期設定では、エネルギー供給がされていないため玩具のような物だった。



無段階移行により以下の装備が実装される。 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 19:12:49.95 ID:gOZJgFGao<>

“刻司ル十二ノ盟約”-パラダイム・シフト-
12の小型ビット観測機。
殺傷性は皆無で、観測出来うる全ての事象を搭乗者である岡部倫太郎へ送信する。

初期稼働率は30%
現在は6%の稼働率で動いている。

脳に送られる情報量が凄まじく、岡部の脳では6%の稼働率が限界となっている。



 -UNKNOWN-

  未実装 <>
◆H7NlgNe7hg<>saga<>2011/11/15(火) 19:13:36.62 ID:gOZJgFGao<> おわーり。

プロットにある設定をネタバレしないように削って投稿しました。
穴が無いと良いのだけれど。

ありがとうございました。
これでスッキリHTML化です! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)<>sage<>2011/11/15(火) 19:14:22.03 ID:7b/TNOsi0<> まゆしぃ☆ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)<>sage<>2011/11/15(火) 19:18:05.73 ID:HB8gWQ7DO<> 乙ッッッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)<>sage<>2011/11/15(火) 19:18:37.73 ID:XXzCSrQAO<> うめる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海・関東)<>sage<>2011/11/15(火) 19:19:06.29 ID:q+2YXR/AO<> 1000 <> 1001<><>Over 1000 Thread<>                   、..:ヽ::.i::::i:::..:/::,                  .:.:.:.: .
                 、:.:.'.;.:.}:.|:.:.|:.:/:.:.:./             .: : : : :::... 、::::::v:.....:v...     .0::。::゚..
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         .: : : : ::===:.:\:.|:.:|://:.==             ∴∵o゚     、\::丶:*|::::|*/://。 =-o::○。=ニ
       ∴∵。o∞o.。三三二:::.:*::::二三三 . ...::*:::*..... *   .::::8 ::::::::::::::ー-::ヽx※::.:::.::※*::::/-' . :O:゚ 0 o゙::。
     ∴∵o゚       ゚:===.:./:i:.:i:.\:::::::*:.:.:*:.:.:.i: :i : :/:.... *::∴゚o..   .三ニ*※::::::::::::※=:ニ:三" ..:~....:::|:::.....
.    ::::8      8: ´./:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:\.::゙:\:.:ヽ:.:|:.:|:.:/:.:/::::..∵∴:゚:::∞ ゚--―"'※:::::::::※゙*ー--z \...:*::::::*../:.
.      ∵∴゚o     o゚.::´./:/゚:|:.:.|:.::丶*ー- .。::゚::: ::゚:::o:. -― * :: ∵ : : :゙彡/*/:*i:::i゙\\`::、ミ _*,:::'"゚゙':::* ―
        ∵∴゚ ∞ ゚∴∵。':/:.:.:i.:.:.i.:.:ヽ:*ー--o::::::::::::::::::::::o--―*  "゚ ¨ ゚"",;:"/::::::川::',::ヽ*\:゙  :::.:*'::,:.....:,:':*ー:
        ∵ : : : ∵           *--―o::::::::::::::::::::::o:―--*        "'':://:::|:!:::',::::ヾ゙     /::*":::゙*::\::
            ゚ ¨ ゚           * -一 :O:::: :::: :::o:::゚ー-- *                    ":/:::::::|:::丶:: ゙
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_ノ乙(、ン、)_          i m_\ <みんな終わってしまった     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                ノr'" _<00       / ,' 3  `ヽーっ
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   l 禁書  ⌒_つ    `'ー---‐'''''"   .l けいおん⌒つ `'ー---‐'''''"             `'ー---‐'''''"
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<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>南千秋ちゃんペロペロ @ 2011/11/15(火) 18:42:17.50 ID:q4DHk5Cio
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紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」 V @ 2011/11/15(火) 17:19:01.75 ID:gOZJgFGao
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上条「恋は!」美琴「儚く!!」心理「愛は」垣根「虚しく」 @ 2011/11/15(火) 15:24:11.96 ID:ZfHP8tF70
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オプチュウの次スレ @ 2011/11/15(火) 15:14:32.24 ID:lwHasQb6o
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煽り合って精神を鍛えるスレ【避難所】 @ 2011/11/15(火) 13:33:07.02 ID:cVK7PRw1P
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誰か話そう♪ @ 2011/11/15(火) 13:15:07.28
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【落選確実】橋下徹【無能】 @ 2011/11/15(火) 12:58:05.85
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【無料FPS】VIPでペーパーマン【VIPPM避難所】 @ 2011/11/15(火) 12:51:49.35 ID:4Dnxo23uo
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