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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5
1 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/23(金) 23:49:05.62 ID:ANtCQ1x20
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」とは
 2ちゃんねる - ニュー速VIPで生まれた
 都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたりそんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
 まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりと色々活動しているスレです。
 基本的に世界観は作者それぞれ、何でもあり。

 なお「都市伝説と…」の設定を使って、各作者たちによる【シェアード・ワールド・ノベル】やクロス企画などの活動も行っています。
 舞台の一例としては下記のまとめwikiを参照してください。

まとめwiki
 ttp://www29.atwiki.jp/legends/

まとめ(途中まで)
 ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html

避難所
 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13199/

■注意
 スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
 本スレとはあまりにもかけ離れた雑談は「避難所」を利用して下さい。
 作品によっては微エロ又は微グロ表現がなされていますので苦手な方はご容赦ください。

■書き手の皆さんへ
 書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップ推奨(どちらも非強制)
 物語の続きを投下する場合は最後に投下したレスへアンカー(>>xxx-xxx)をつけると読み易くなります。
 他作品と関わる作品を書く場合には、キャラ使用の許可をスレで呼びかけるといいかもしれません。
 ネタバレが嫌な方は「避難所」の雑談スレを利用する手もあります。どちらにせよ相手方の作品には十分配慮してあげて下さい。
 これから書こうとする人は、設定を気にせず書いちゃって下さい。

※重要事項
 この板では、一部の単語にフィルターがかかっています。
 メール欄に半角で『saga』の入力推奨。
「書き込めません」と出た時は一度リロードして本当に書き込めなかったかどうか確かめてから改めて書き込みましょう。
2 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]:2011/12/23(金) 23:50:00.24 ID:ANtCQ1x20
前スレ↓
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/
3 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/23(金) 23:55:52.05 ID:U+4W7IwH0
スレ立て乙です!
単発祭り、何時頃からになるでしょうか?
4 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]:2011/12/24(土) 00:11:05.22 ID:NvR3YHzE0
>>3
そこはやっぱり性の6時間に(ぁ

というのは冗談で、そうですね、夜中は人がいないので朝9時以降がベストでしょうか?
5 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 00:11:56.87 ID:+tT4006j0
>>4
わかりました!新参者ですが、どうぞよろしくお願いします!
6 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/24(土) 00:18:43.97 ID:NvR3YHzE0
>>5
こちらこそ宜しくお願いしますですよ〜
そして作品wktkしてます♪
7 :吹き荒れる笛[sage]:2011/12/24(土) 00:32:32.44 ID:9k+kj6PDO
新しい人だって!?
お出迎えせねば!!
明日は笛一人でも性の六時間にとうかしてやりゅ!!
三本も書いたからね!!
8 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 00:48:49.79 ID:l946g0vBo
新スレ乙ですよー

投下時間がかぶるとあれだから、24日〜25日にかけて時間帯指定無しで散発的に投下するのがいいのかね?
読むほうとしても楽だろうし
9 :ソニータイマー/3DS[sagesaga]:2011/12/24(土) 12:11:49.71 ID:n4WL2mX10
スレ立て乙ですー
新人さんもやって来て嬉しいです!
作品楽しみにしてますね♪

さて、今回の単発はどうするか…
10 :ピューッと吹く笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:14:26.00 ID:+DvCR+8p0
投下祭りの最初の一発は俺が行くぜ
ちなみに三本1セットで残りは夜にでも投下します
11 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:31:02.38 ID:+DvCR+8p0
【都市伝説関連の会社に勤めてしまっていたらしいのですがもう駄目かもしれません】

 霧深い夜。
 世の中には決して触れてはいけない闇というものがある。
 闇は夜に満ち、夜に蠢き、何も知らない人々を飲み込んでその腹を満たす。
 俺はそういう不条理が嫌いだった

「やめて!助けて!」

 時計を見る。
 時刻はとうに九時過ぎである、しかも何が悪いって月曜日、やってられない。
 一杯ひっかけてきたいのはやまやまだったが惜しむらくは給料日前。
 この状況でも酒をおごってくれる気のいい上司などこんな寒い時代に居る筈もない。
 奢られる素直な部下も減った寒い時代なのだが。
 そんなことよりこの悲鳴だ。
 おそらくは女性が悪漢に襲われているに違いない。
 善良で健全な男子たる俺はほぼ間違いなく彼女を救わねばならない立場にいるだろう。

「こっちにこないで!」

 何があるかはわからない。
 しかしこれは間違いなくフラグ、美女を助けて惚れられるフラグ。
 不細工だったら悪漢ごと蹴り飛ばせばいいのだ。
 俺は装備を確認してから路地裏に乗り込むことを決意した。

「何をしているんだ!」

 路地裏に入り込み、ややダンディ気味な声で叫んでみる。
 決まったぜ、俺。
 だが次の瞬間、俺は我が目を疑うことになる。
 いや決して不細工な女性だったとかそういうわけじゃないんだよ。
 むしろ……

「うるさいわよ!覚悟なさい!」

「くっ……どうあっても始末するっていうのね」

 ナイフを両手で振り回して背の高い女性に跳びかかる美少女。
 彼女の姿に俺は覚えがある、俺の働く会社の受付の女の子だ。
 名前は確か雀座律葉。
 彼女はなかなかに苦労人で昼間は働きながら夜は学校に通っている。
 って、そんなことはどうでもいい。
 俺が割って入ろうとしたら完全に無視されていることよりどうでもいい。
 それよりだ。
12 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:31:32.97 ID:+DvCR+8p0
「……仕方ないわ、こうなったらやってあげる」

 路地裏の袋小路に追い詰められた女性がそう言うや否や彼女の口が大きく裂ける。

「今更だけど私の名前は口裂け女、これより貴方を含めて有象無象を裁断させてもらうわ」

 女性は鋏を懐から取り出して前方に投げ上げる。
 その間に鎌を懐から出して少女に投げつける。
 雀座さんが鎌を防いでいる間に女性は俊足を以て彼女に接近、先ほど前方に投げ上げた鋏をキャッチして一気に斬り込む。
 鋏が雀座さんの臓腑を貫いた。
 そう、思った瞬間だった。
 消える、少女の姿が霧のごとく霞んでぼやける。

「―――――あれは!?」

 音もなく突如として口裂け女の真上に現れる雀座さん。
 彼女はすばやく口裂け女の脳天にメスを何本も突き刺した。
 物も言わずに倒れる口裂け女。
 しかし彼女は止めとでも言わんばかりに目にも留まらぬ速さでメスを幾度も振りぬく。
 あっという間に口裂け女は口と言わず全身が裂けている状態になってしまった。

「あの……え、嘘だろ?」

 俺の視線は彼女の目の前で臓器単位でバラバラになった女性に注がれていた。

「駄目ですよ軌条さん、妙な正義感を発揮して人助けとか思っちゃったら
 サラリーマンはサラリーマンらしく仕事の後の一杯だけを楽しみに働けば良いのです」

「いや、雀座さん、一体何を……」

 見れば解る。

「見れば解るでしょう?町のゴミ掃除ですよ」

「ゴミ……?」

「切り裂きジャック、という娼婦専門の殺人鬼がいた事はご存知でしょうか?」

「いやまあ有名だから一応知ってますけど」

「じゃあ話が早いです、私は切り裂きジャックで、今行なっていたのはその活動の一環なのです」

「え、いやゴミって……」

「良いから良いから、目撃者は目撃者らしく口封じに……」

 普段と同じ、人のいい笑顔を保ったまま雀座さんは懐からメスを取り出す。
13 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:33:46.50 ID:+DvCR+8p0
「死ね」

 四本のメスがまるでロケットのように俺めがけて飛んでくる。
 とっさにカバンを足元に落とし、足を狙う二本の防御に成功。
 しかし残る二本は胸めがけて飛んできてそのまま突き刺さる。
 よろめくような強烈な衝撃。
 俺は物も言えずにその場で崩れ落ちる。

「まったく、営業の貴重な人材を始末しなきゃいけないなんて辛いです」

 彼女は俺に止めを刺すべく近づいてくる。

「ですが、それでもさようなら」

 やや大ぶりの鉈を取り出して、雀座さんはそれを俺に向けて振り下ろす。
 その瞬間、俺は動いた。
 彼女の背後をとり、羽交い締めにして地面に叩きつけた。

「―――――!?」

 信じられないといった顔の雀座さん。
 
「知っているかい雀座さん?」

 俺は懐に入れっぱなしだった雑誌を取り出す。

「本日月曜日は週刊少年ジャンプの発売日だ
 最初は女性を悪漢から救うつもりでいたからね、胸に仕込んでおいて本当に良かったよ」

 ジャンプにはナイフが突き刺さって大きな穴が開いている。
 これでは今週のれもん300%は読めそうにない。
 しかしある意味れもん300%以上のドキドキ展開なので許そう。
 なんせ女子高生を夜道で羽交い絞めにしているのだから。
 うわそれにしても良い香り、シャンプーの香りじゃねえかちょっと吸っておこう。

「さて、これで君はそう簡単には俺を殺せなくなった上に俺に捕まった訳だが……」

「わ、私をどうする気なのですか!」

 ヒャッハー、いうことを聞けば見逃してやっても良いんだぜー!?
 まずはおとなしくぺろぺろされてもらおうか!それにしても良い香りがしやがるううううう!
 まずはその綺麗な脇からだ!次に小鼻、そして首筋!その後は目なんかもたまらねえなあ!うひょおおおおおお!
 それともあれか?全年齢版ではやれないようなことでもやってやろうか!?
 リーマンのストレスなめんじゃねえぞおらぁ!
14 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:35:14.61 ID:+DvCR+8p0
「警察に突き出します」

 全国の少年少女の皆さん、これが本音と建前です!
 皆さんも上手に使い分けましょう!
 なーんてことを思っていた次の瞬間、俺はグルグルと宙を舞っていた。
 どうにも少女に腕力負けして投げ飛ばされたらしい。
 受身をとりそこねて地面にぶつかる。
 最近腰痛気味なのにこれでは死んでしまうぞ。

「それは困る……かな」

 起き上がろうとした俺の首筋にナイフが触れる。
 夜の外気を吸ってよく冷えたナイフはまさにそれこそが夜の具現であるかのように光を吸い込んで離さない。
 柄と刃が一帯になった構造はなるほど丈夫で乱暴な使用を前提として作られたものらしい。
 正直刃物マニアの俺としては垂涎ものなのだが今はそんなことを言っている場合では……

 いや、待てよ

 これでも俺は営業マン、話題の種ならば無限にある。
 しかもこれは特に詳しい趣味の話題。

 ―――――――ならばいける!

「あれ?そのナイフってもしかして……フクロナガサ?」

「解るんですか?」

 食 い つ い た !
 だと思ったよ、切り裂きジャック名乗っちゃうような恥ずかしい中学二年生特有の病気にかかっている女の子が!
 刃物マニアじゃないわけがない!
 トモダチ!リーマントオマエトモダチ!
 リーマン舐めるな!面白おかしい話だけなら無限にしてやるぞ!
15 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:36:30.90 ID:+DvCR+8p0
「解る解る!俺も家にあるもん!ただこれどうなの?
 ちょっと手入れが甘いような気がしてならないんだけど」

「うにゅー……人を切った直後なので少し刃こぼれしているんです
 さっき相手の胸を突いた時におかしくしてしまったみたいで……」

「良いかい、人を突き刺す時ってのは刃を横に倒して肋骨の隙間をくぐらせると良いんだ
 そうすると刃を損なうこと無く深くまで突き刺すことができるからね
 これは新選組でもよく使われていた平突きというやり方だ」

「軌条さんものしりなんですね」

 完全にノリが営業帰りの雑談である。
 話題は剣呑この上無いのだがやたら雰囲気はノンキというか……
 この隙を突いて逃げようとした瞬間だった。

「君たち、何をやっているんだね」

「しゃ、社長!?」

「社長助けて!」

 突如として路地裏に響く甘いテノールの美声。
 三つ揃えのスーツを見事に着こなし、青いネクタイをトレードマークにするイケメン。
 彼こそ俺が務める河城海運社長河城十氏である。
 これはまさに渡りに船、助けてもらえるに違いない!
 なんせ可愛い社員が今まさに殺されかかっているんだから!
 ヘルプミー社長!社長!社長!

「はぁ……雀座事務員、君の戦闘力は評価するがその頭の悪さにはため息が出るよ」

「す、すいません!今始末するので減給だけは!」

「そうじゃない、何故君はそこの人間に気づいて敵に誘い込まれたことに気付かんのだ」

 社長が服の袖から分厚い本を取り出す。
 黒革で装丁され、【七秘聖典】と何やら物々しい文字が金箔で書いてある。
 さらに驚くべきことにページの端の方も手垢を防ぐために金箔でコーティングがなされている。
 うーん、ブルジョアジー。
 あの本の中の文字がチラリと目に入る、その瞬間込み上がる吐き気。
 脳髄を揺さぶられるような頭痛。


「雀座事務員、君が尻に敷いている男性の目を閉じてやり給え
 この本を直視するのは只の人間には少々酷だ」

 雀座さんの手が僕の視界を覆う。

「励起せよ我が下僕、汝唱える者汝執り成す者汝盟約によって我が敵を廃絶する者」

 物凄い速さで本のページがめくれる音がする。
 そしてそれと同時に耳が痛くなるほどの蟲の羽音。
 その中に紛れて人が呻くような犬が低く唸るような声が聞こえる。
 俺の意識はそのまま遠のいた。
16 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:38:43.90 ID:+DvCR+8p0
「お、目が覚めた」

「しゃ、社長!?」

 目が覚めると、俺の目の前には社長が居た。

「心配したんですよ」

 そう言って社長は笑う。

「さっきのは何なんですか!?」

「あれは……都市伝説、闇に隠れて人を襲う悪い奴」

「……冗談ですよね?」

「マジです」

 社長が先ほどのと同じ本を取り出してパラパラとめくり始める。
 勿論目を塞いだ。

「元々僕の一族は都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した一族でね
 この会社も元々はその仕事を隠すためのダミー会社なのさ
 毎晩毎晩雇った都市伝説や契約者でお金持ちからの依頼に従って人に仇なす都市伝説を殲滅してるの」

 やべえ社長のご先祖様、人外とでも契約取ってきてるのか。
 営業の鏡だな。

「ならなんで俺は襲われかけたんですか……」

「うん、ありゃあ律葉ちゃんの癖だね
 あの子、意味もなく人殺したがるから意味があって人を殺せるとなおのこと全力で殺そうとするんだよね
 何も知らない人に見られたら口封じ最優先だけどそれを殺して良いって状態に脳内変換しちゃうのがあの子の悪い癖だよ
 僕もあの子を何回止めたかなあ……
 ジャック・ザ・リッパーだから暗殺とかには強いんだけどねえ」

「ジャック・ザ・リッパーですか……?」

 センス無い名前だなあ。
 今度バカにしてやろう、生きてたら。

「うん、彼女が本物ってわけではないがあの伝説から生まれた存在さ」

「都市伝説……ですか」

「うん、まあこんな事件に巻き込んでしまったのは律葉ちゃんの責任だし
 君さえ良いならばこれを機に我社の都市伝説関係部門への所属も考えて欲しいんだよね
 勿論待遇は今よりずっと良いよ、同期よりも出世のチャンスには恵まれるし
 福利厚生だって完璧、残業は増える……というか勤務時間が夜のほうが多くなるけどね
 見たところ戦闘経験無い割にはセンス良いみたいだし、契約者として働いてもらえればありがたいなーなんて……」
17 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:44:45.15 ID:+DvCR+8p0
「あ、あの……」

「なんだい?」

「契約ってなんですか?」

 真っ先にこれが気になってしまう悲しい営業マンの性である。
 
「あー!忘れてた!
 大事だよね、さすが我社の期待の新人営業マン細かい所に気がつく!
 契約ってのは都市伝説に自らの心を注ぎこむことで都市伝説への一定の命令権や力の行使権を得る契約のこと
 例えば僕はフサンの七秘聖典という魔術書と契約しているわけよ
 ただ契約にも容量みたいなものがあって、強力な都市伝説ほど容量を食うの
 心の器なんて呼んだりもするけどね
 この容量をオーバーすると死んだり、都市伝説化しちゃうから注意ね
 容量は人間性の薄い人間であれば有るほど大きく、強い感情を持てば持つほど一時に注ぎ込める心の力の量は増える
 ちなみに心の力を大量に注ぎこむのは都市伝説と深くリンクする行為だから飲み込まれるリスクも増えるから注意
 まああくまで経験則で、例外はいくらでも居るけどね
 相性が良ければ遥かに容量を超える都市伝説と契約しても平気なこともあるし
 ここまでで質問はある?」

「あの、ジャック・ザ・リッパーとか魔術書って都市伝説なんですか?」

「気にするな、都市伝説ってのは便宜的なあれだ
 正確には伝承上の存在みたいなぼんやりした区切りなんだ」

「えぇ……」

「世界にはアヴァロンやエクスカリバーの契約者だって居るんだ
 もう突っ込むな、絶対突っ込むな、お前のツッコミで世界がやばい」
 
 大人の事情って奴か。

「都市伝説との契約は大事だからね、これは一旦後に回しても良い」

「はぁ……」

「でも君が僕の誘いに乗ってこの会社の都市伝説部で働くか否か、それは今此処で決めてもらう」

「やらせてください」

「そうそう迷うのも当然だけど……って早いね」

 恐怖<出世

「人々を守る仕事なんてやりがいがあるじゃないですか!」

 本音と建前の使い方です。
 
「素晴らしい!それじゃあ今日から君も河城海運都市伝説部門の社員だ!」

【都市伝説関連の会社に勤めてしまっていたらしいのですがもう駄目かもしれません おしまい】
18 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 12:50:50.07 ID:+DvCR+8p0
午後09:00→会社の日常
午後11:00→社会科見学ツアーのお話

の予定です
19 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 13:01:21.68 ID:+tT4006j0
乙!主人公の本音と建前の使い分けが面白かったですwwww
どの都市伝説と契約するかも非常に気になりますね……
20 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 13:11:36.23 ID:+tT4006j0
前スレで予告させて頂いた、「未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説」の単発物ですが、
13:30頃投下してもいいですか?
21 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 14:04:14.87 ID:+tT4006j0
【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】

「はぁ……」

12月某日。
もうすぐクリスマスを迎えようとしている寒空の下、
ため息とともに一軒の大型プラモ店を後にする俺。
先ほどのお店でもう何軒目になるだろうか……ああ、見つからない。

「にしてもあの店員……悪気はないんだろうが、少しイラッとしたのは事実だな」

『えーと……申し訳ありませんお客様、当店では現在ゾ○ドは取り扱っておりません
それよりも、プラモデルをお探しでしたらこちらの商品はいかがでしょうか……』※実話です

「って……それよりって何だよそれよりって」

まあ、今はかなり知名度が落ちてきているとはいえあれは正直ショックだった。
店員が持ってきたのが、先日友人に乗り換えを勧められたガ○プラシリーズだったことも
落ち込み具合に拍車をかける。やはりアニメ効果か。劇場版か。
……正直、ゾ○ドが変形してガ○ダムになるという同人誌には一瞬心が引かれかけたが
俺もyesとnoをはっきりと言える日本人、友人の度重なる誘惑を今日まではねのけてきた。

「まあ、今週一番のショックはあいつに彼氏が居たという事実だが」

そう、先日友人宅へ遊びに行った際。
何時ものようにガ○プラへの改宗を勧めてくる彼女を振り払い、
トイレを借りて部屋へと戻る時である。

「また……を、して……危な…………するの!」

「ん?」

何やら、部屋の中で友人の声がする。まるで誰かと話をしているようだが、
今日は俺一人しか遊びに来ていないはず……妙だ、とは思ったがすぐに思いいたる。

「あいつ……いい年して一人遊びでもしてんのかよ」

これは僥倖。常日頃からバレンタインやクリスマスが来るたびに「彼女はいないのか」と
毎年のように俺をからかっているあの女に復讐する絶好のチャンスである。
ひょっとして俺に気が……なんて馬鹿な事を考えた頃もあったが、
一昨年のバレンタインに義理チョコと称したダークマタ―を食わされた事は今でも黒歴史だ。

とにかく、あいつの弱みを握れる機会を逃してはならない。
俺はそっと部屋のドアを開け、声の方へカメラ付きケータイを向けてシャッターを押した。



22 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 14:24:29.18 ID:fgm5JPkq0
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
23 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 14:28:42.92 ID:+tT4006j0
その後、友人宅を出るまでニヤニヤ笑いを堪えるのに必死だったのは無理もない。
家に帰った俺は早速ケータイ画像を確認し―――そいつを、見た。

ベッドの下から顔と腕だけを出し、友人と何か話している男の姿を。

「……ああ、そういうことな。だからあいつ、何処となく落ち着かなかったのか」

俺はバイト帰りに友人宅へ寄る事を、あらかじめ彼女にメールで送っておいた。
恐らく彼女は面食らったのだろう。彼氏との待ち合わせと被ったか、もしくは既に部屋へ彼氏が来ていただろうから。
かといって高校からの悪友と新しい彼氏、どちらも無下にできず……ベッドの下という隠れ場所を思いついたと。
よく見ればこの男、右手に何か持っている。解像度の問題でよくは見えないがプラモデルだろうか?
ひょっとしたら友人と同じガ○プラオタクなのかもしれない。共通の趣味から男女の恋愛が始まるのはよくある事だ。
まあ、ひとまずおめでとうと言っておくか。彼女の幸せを今は祈っておいてやるとしよう。

「シングルヘール、シングルヘール、シングルオールウェーイズ……」

でも、これくらいの呪詛は許容範囲という事で。


そして今日。バイト帰りに近所のプラモ店を回るものの、一向にゾ○ドの「Z」も見当たらん。
ただでさえ宝富ーから寿屋へ移った事で値段が高くなっているというのに、
そもそも商品事態が見つからなければ俺の薄っぺらい財布と相談のしようもないではないか。

「おおお、寒っ……仕方ない。今日はこの辺で帰るか」

結局、夜遅くまで探し回るも目当てのものは見つからなかった。
がっくりと肩を落としつつ、自宅のドアを開けて帰宅する。
24 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 14:42:40.29 ID:+tT4006j0
軽い晩飯を済ませた後、大人しく布団に入って寝ようとした―――その時。
寝返りを打った瞬間、背後でガチャッと何かが落ちる音がした。
あわてて振り向くと、俺の盾ライガー(全身白塗り)が棚から落下しているではないか!
思わず顔から血の気が引いた。あわてて確認するも、パーツの一部が取れているだけだった。
破損している様子もない事を確認し、ようやく胸をなでおろす。

「あっぶね……置き場所変えるべきか?というか、今ので完全に目が覚めた……orz」

まあ、元凶がプラモでは怒るに怒れない。この装甲をはめ直したら寝るとしよう。
そう言ってパーツを盾ライガーに取り付ける際……ふと、こんな事を考えてしまった。

(明日は見つかるといいな……そうだ、せっかくクリスマスなんだし)

今思えば、あれが全ての始まりだったのだと、確信している。

「この際季節限定の機体とか出ね―かな―、スノーライガーとかそんな感じで……」


……リーン……
25 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 15:01:15.94 ID:+tT4006j0
「……ん?なんだ、今の音?」

パーツをはめ込んだ瞬間、小さく鈴の鳴るような音が聞こえた気がしたのだ。
しかしそれっきり何の音も聞こえなかったため、空耳だろうと考えてそのまま寝てしまった。

翌朝。何時ものように目を覚ました俺は、日課にしている早朝のジョギングへ出かけた。
そして、あのプラモ店の横を通りがかった時……店の中に、信じられない物を見た。

「ん……!?おい、嘘だろこれ!いや、どっちかと言えば嘘であってほしくないけど……こんなことって……!」

嬉しさ半分、戸惑い半分で混乱している俺が見たもの。
ウィンドーガラス越しに見えた、その新作プラモデルと広告のポスターは―――

『冬季限定商品!ゾ○ドの盾ライガー:ウィンターバージョン:スノーライガー本日発売!』

―――無論、店の開くのを待ってすぐさま購入したのは言うまでもない。
26 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 15:43:16.61 ID:+tT4006j0
そして、何度か同じような経験をした後に、俺はやっと気付いた。
今まで店頭に並んだ事のない玩具商品……すなわち、未発売のプラモデル。
それを自分で作り、完成させる際に心の中で『販売してほしい』と願う。
すると翌朝、自分の作ったそれが新商品として―――いつの間にか店頭に並んでいるのだ。
もし気に入らなければ、元となるプラモデルの一部を外し、『販売中止』と願えばいい。
それだけで、翌朝にはそのプラモデルは消える。商品そのものだけでなく、人々の記憶からも存在が消えてなくなるのだ。
何故こんな力が自分に宿ったのかはわからないが、初めて能力を得たあの夜に確かに聞こえた小さな鈴の音。
あの鈴の音が原因なのは明らかである……結局の所、あの音が何だったのかさえわからないのだが。

ただ、これだけは言える。この力は、自分の思う以上に危険なものだと。

実は一度、ふざけて「本当に撃てるビーム砲(プラモサイズ)」を製作した事がある。
当時、自分の力の限界を試すのに夢中だった俺は自分の部屋で空き缶を的に見立て、
販売品を右手で持ちながら「発射!」と叫んだのだ。

瞬間。銃口から一筋の光が走り、横一列に並べていたコーヒー缶四つが一瞬のうちに真っ二つになった。

しばらくの間は、何が起こったかわからずに呆然と突っ立っていた。
が、我に帰ってすぐさま元のプラモデルをへし折り、「販売中止」と絶叫した。
……その後しばらくは怖くて部屋から出られなかった。テレビやネットのニュースも見れなかった。
幸いなことに『原因不明の殺傷事件』などはその日起こっておらず、心から安堵したのを覚えている。
何せ一歩間違えば町中で……いや、下手をしたら日本中で小型ビーム砲が乱射されていた恐れがあるからだ。
そう、この能力は一定の範囲なら(少なくともビーム砲に関しては)販売した商品に
本物の武器や兵器と、同等の性能を付け加えることも可能だったのだ。
また例の事件の翌朝、ビーム砲の存在は町中から綺麗に消し去られていたが
真っ二つにされたコーヒー缶は、元には戻ずそのままだった。
つまり商品の存在自体を消すことは可能であっても、その商品が与えた影響は残るのだ。
今のところ、ゾ○ドやガ○プラの新商品を偶に作る程度に抑えてはいるものの
自分には過ぎた力であることに変わりはないだろう。
いつの日か、力を乱用した報いが来るのではないかと恐れる日もある。

「まあ、それらをひっくるめても自分の欲しい商品がいつでも買えるのはさいこうだよな!」

そう言って俺は今日も自分の手の中のプラモに向かって「販売希望」と呟いた。
27 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 15:46:19.05 ID:+tT4006j0
以上です。時間がかかった上にあんまり面白くなくてごめんなさい……orz
書き溜めが消えたり、フリーズしたり……点検を怠っていた自分の責任です、本当にごめんなさいorz
28 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/24(土) 15:56:42.58 ID:NvR3YHzE0
お二方乙です〜
笛の人はギャグできたかwwwクソ吹いたわwwww
新参の人はシリアスチックね…成程、これは確かに恐ろしい
そして同じゾイド好きとして主人公の気持ちが良く分かるっつか店員酷ぇよwwwしかも実話だと…

>>27
フリーズは地球人類共通の敵だよね!
ところで、書きながら投稿されてたのかしら
29 :都市伝説初参加◇U+4W7IwH0[sage]:2011/12/24(土) 16:12:40.92 ID:+tT4006j0
>>28
ありがとうございます!
店員との会話はマジです、「ゾ○ドを探しているんですが……」って聞いたら
何故かエクシアリペアの大きいセット(5〜6000円くらいの奴?)を勧められました。
エクシアはどちらかと言えば好きです。でもライガーたちはもっと好きです。

>書きながら投稿されてたのかしら
はい、書き溜めが消失したので、思い出しながら必死に書いてました。
実は最初に出てきた友人(女)が某組織の一員という設定で

「今日から貴方も戦いなさい!」「な、なんだってー!?」

といったギャグ的なノリで閉めようと思ってたんですが(続ける気もあまりなかったし)
笛の人と若干かぶるような事に気づき、あわてて路線変更しようとして素っ転んだ結果
このようななんちゃってシリアスに……本当に、どうしてこうなった。
30 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/24(土) 16:34:27.32 ID:NvR3YHzE0
>>29
>何故かエクシアリペアの大きいセット(5〜6000円くらいの奴?)を勧められました。
また高いなwwwデスザウラーの方が安いじゃないすかwww

>エクシアはどちらかと言えば好きです。でもライガーたちはもっと好きです。
ガンダムならデビルガンダムとリボーンズガンダム、ゾイドならジェノブレイカーとバーサークフューラーが好きです
お気づきかと思いますが敵側大好きです(

>笛の人と若干かぶるような事に気づき、あわてて路線変更しようとして素っ転んだ結果
単発はどうしても『何も知らない一般人→契約or黒服の勧誘』という展開に行きやすいので、
ネタの被りは気にしなくても大丈夫だと思うぜ
読み比べて上下つけられるなんてことは無いと思うし、逆に同じ展開の違う色を楽しめると思えば何作でも読めちゃいますし


因みに連載の予定はあるのでしょうか(ワクワクドキドキ
31 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 17:36:57.21 ID:+tT4006j0
>>30
連載!?えーと……本当に思いつきから始まった単発物ですので、それほど長くは続かないかもしれないですが
というか途中で折れる可能性も……ネタを思いついた時に、たまに投下するぐらいでいいのなら、よろしくお願いします
32 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 17:44:28.24 ID:9k+kj6PDO
プラモデルの人乙でした
美少女プラモがあれば…
なんて恐ろしい能力なんだ!!
短編書きまくるのもありよ
33 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/24(土) 17:51:18.29 ID:NvR3YHzE0
>>31
>というか途中で折れる可能性も……ネタを思いついた時に、たまに投下するぐらいでいいのなら、よろしくお願いします
よぉし、全裸で待機してますの(恐喝じゃねぇか
34 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 18:01:47.33 ID:+tT4006j0
>>32
わかりました、とぎれとぎれになるかもしれませんが、よろしくお願いします

>美少女プラモがあれば…なんて恐ろしい能力なんだ!!
実は主人公、小型ビーム事件の数日後に「人間のような美少女プラモ」に挑戦してます (こりてない……)。
しかし、『等身大の商品は高すぎて手が出せなくなる』&『材料がゾイドやガンプラ関係しかない』という理由から
泣く泣く「レ・ミィの動くフィギュア・ランスタッグ付き」に変更しました。
しかし、彼の力が及ぶのはあくまでプラモの方だった為、レ・ミィボイスの動くランスタッグが誕生。
力が強い割にプラモとしての強度はそのままだった為……部屋の壁を登ろうとして穴を開け、そのまま落下。
破損し動けなくなった彼女(?)の最期を看取った後、彼は「生きたプラモの生産」を自ら禁じました。
35 :1レスネタ[sage]:2011/12/24(土) 18:26:55.98 ID:FphaMqCSO
今、世界は滅亡の危機にあった。
数々の仲間達は死に、もはや戦えるのは俺しかいない。
これが一体の都市伝説の仕業だというのだから、驚きだ。
しかも、「1999年の恐怖の大王」とか「マヤカレンダー」みたいな世界が滅亡する系の都市伝説じゃあない。
今、俺の前にいるのは「赤い部屋」だった。
今、俺のパソコンには真っ赤画面と流れる文字。俺とともに何体もの敵を倒した仲間達の名前。
俺は、このまま黙って死ぬつもりはない。俺だって、契約者なのだ。たとえ世界で最後の一人になったとしても、戦わなければならない。
敵はパソコンの中の「赤い部屋」だ。相手にとって不足なし。
「さぁ、勝負を始めよう」
俺はUSBメモリをパソコンに突き刺す。
すると、赤いモニターにいくつものウィンドウが出ては消えていく。
サイバー空間から来る敵にはサイバーに対処すれば良い。
俺の都市伝説は「コンピュータウィルスはセキュリティ会社の自作自演」だ。
目の前のパソコンでは、今まさに、「赤い部屋」と俺のコンピュータウィルスが戦っているのだ。
そして、ついに、決着がついた。
俺のパソコンはもはや赤い画面など映してはいない。
何人もの仲間を屠った都市伝説は退治され、世界は救われた、はずだ。うん、運営のとこにはいってないはずだし。
一息ついた時、俺の部屋の扉がノックされた。
「たかし君……あのね、今日……クリスマスだし、家族みんなで…………その」
「うっせぇ、婆!入ってくんじゃねぇぞっ!!ぶっ[ピーーー]ぞ!!!」
「ぁ……ごめんね。……ごめんね」
……扉の外の気配は去った。
こうして、俺の活躍により、世界は救われた。
モニターの向こう、歴戦の勇者である俺のいるネットの世界と、ちょっとふくよかな俺のいる、この6畳の部屋。
俺の世界は、救われた。
36 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 20:23:54.75 ID:VsaqIXh3o
先立って投下された方々乙です

あぁ、世界ってそういう……だめだこの男はやく何とかしないと
37 :Slider[sage]:2011/12/24(土) 20:25:08.11 ID:VsaqIXh3o

 街灯が夜道を照らす帰り道、後ろから誰かがついてきている気配を感じた。
 OL狙いの変質者の類かと思ったが、この独特の感覚はおそらく都市伝説だろう。……面倒だ。

「ねぇ、ワタシ、きれい?」
「見逃してあげるからとっとと逝ねブス女。」

 歩みを止めず、振り返ろうともせず、背後の口裂け女に言い放つ。
 一瞬唖然とした気配が伝わってきたが、それはみるみるうちに怒りのそれへと変わっていく。

「ふ、ふふふ、そう……。じゃあ刻まれて死……ッ!?」

 口裂け女が何事か言い終わる前に、周囲の街灯が爆ぜた。
 そしてそれら街灯やそこに繋がっている電線から青い球電が次々と現れ、口裂け女を取り囲む。

「見逃してあげるって言ったじゃない……後悔しても遅いわよ。」

 私は「Street Lamp Interference Data Exchange」という特異体質の契約者だ。
 翻訳すると「歩いているだけで通過する側の街灯を次々に消してしまう人々」。
 つまり私は、自分の周りの電化製品に干渉する能力を持っている。
 周囲を飛び交う球電も、街灯や電線などの『電源』に干渉して作り上げたものだ。

 私はくるりと口裂け女に向き直りつつ、告げる。

「さぁ、焼け焦げて頂戴。」

 100mを3秒で走る足も全方位から襲い掛かる球電には成す術もなく、バチバチと電気の迸る音が辺りに響く。
 その激しい音が止んだとき、全身を焼かれた口裂け女は光の粒となり、静かな夜道に消えた。

「……ま、少しはストレス解消になったかしら。一応感謝しておくわ、ブス女。」

 私はきびすを返し、少々晴れやかな顔をしながら家路へと戻った。


【終】
38 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 20:28:04.95 ID:VsaqIXh3o
単発祭に便乗
そして全国の口裂け女ファンの皆様に土下座
忠告に従わなかった口裂け女が悪いと思います
でも契約者の女の人の口も悪いと思います
39 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 20:41:50.41 ID:+tT4006j0
>>35
赤い部屋を始め、ネットを介して広がるタイプは厄介ですよね……まさかゲームのサーバーに潜むとは(合ってます……よね?)
母親のように聞こえた声、あれにつられてドアを開けていたら文字通り「赤い部屋」ENDだったんでしょうか
他のユーザー達が死んでいく中、親よりゲームという主人公が生き残ったのは皮肉と言うべきかwwww
>>38
電化製品に干渉する能力……かなり便利かつ攻撃的な都市伝説ですね
能力の解釈も独特で面白かったです!100m/3秒の足も雷撃には勝てなかったよ……

そういえば、うちの主人公の能力でスタンガンとか作れるかな?
あーでも「販売」だから自分以外の人にも渡っちゃうし……うーん

お二方とも乙です!
40 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 21:06:52.79 ID:+DvCR+8p0
【都市伝説関連の会社に勤めているのですがもうダメかも知れません】

 東京都蜷川区三条五丁目ハワード・ホールト記念館前にある会社。
 河城綜合警備保障、それが僕の務める会社の名前である。
 午後五時を告げるチャイムの音。
 まるで学校のようだがこの会社ではこれが当たり前である。
 この会社(の平社員)に残業という言葉は無い(表向きには)。
 完全三交代制で24時間フル稼働の職場なのだ。

「おはようございます!」

「おはようございます!」

 だからどんな時間でも挨拶はおはようございます。
 至ってまともなサラリーマンといった風体の人々が帰ってしばらくすると社屋の中は一時誰もいなくなる。
 ように見える。
 しかしよくよく目を凝らしてみると一人、二人、薄ぼんやりした影が忙しそうに社内を忙しく動き回っている。
 かくいう僕も今日は夜勤組。
 昼間は営業部で働き、夜は対都市伝説警備部で働く立派なサラリーマンだ。

「おはようございます軌条さん」

「おはよう雀座さん」

 昼間は受付で愛想笑いを振りまいている我社のアイドル雀座律葉さん。
 夜はジャック・ザ・リッパーとして悪人に殺戮を振りまいてらっしゃるキューティーガールである。
 正直受付で楽しそうに刃物を弄ぶのは我社のイメージに関わるのでやめて欲しいのだが社長は完全にスルーである。

「軌条さん今日は夜の勤務なんですかぁ?」

「うん、夜にしか開かない会社も有るからね、営業の仕事は時間を選ばないのさ」

「へー……」

「どうしたんだい?」

「いやぁ、軌条さんも慣れたものです、最初は同じ社員にすらビビっていたくせに」

「機密防衛の為に何も知らない僕を殺そうとした君が言うのかい」

「てへ」

 馬鹿だが強い、上に可愛いので許せ、と社長が言っていた。
 やはりロリコンなのだろうか家の社長は。
 この前もsサイズのメイドを侍らせていたし。
 先日の件については未だに根に持っているのだが平々凡々たるサラリーマンの僕としては社長の言うことに従うほかない。
 僕は適当に愛想笑いをしてその場を離れると営業に使う社用車のキーを取りに行った。
 さて、この間に会社の概要の説明なんてものをしてしまおう。
 河城綜合警備保障、表の顔は新興の警備会社で大胆な価格設定と抱き合わせで販売している保険商品で業績を伸ばしている業界中堅どころの新興企業。
 裏の顔はとある有名なグループ企業の主人の二人の娘が作った対都市伝説の為の世にも珍しい民間“企業”。
 僕は元々表の方の社員として入ったのだがちょっとしたトラブルからこちらの方でも働くことになってしまったのである。
 この会社の特色は『人と都市伝説に優しい企業』で人間と人外の社員が(なんと昼間も!)同じ数だけいるのだ。
 犯罪者の皆さん、間違ってもこの会社に強盗などに入らないようにしよう。
 受付嬢や掃除のおばちゃん、あるいは重役のおっちゃんとかに八つ裂きにされることが目に見えているからだ。
41 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 21:09:08.74 ID:+DvCR+8p0
「よーし、元気にしてたかー?」

 社用車であるヒッポグリフの太郎くんの住んでいるガレージ(?)に到着。
 僕を見つけると機嫌良さそうに嘶いてくれました。
 鍵の代わりである人参を渡すとそれをむしゃむしゃ食べてから僕を背中に乗せてくれた。
 そのまま窓から出発。
 今日もこうして僕の外回りは始まる。

 と、ここで電話。

 作戦担当部のホベンシオさんからだ。

「はい軌条です」

「ホベンシオだ、営業中に悪いが警備の方の応援に向かってくれないか?」

 ホベンシオさんはアメリカ人。
 元々不法移民の息子で、国籍を得て家族に楽をさせてやるために海兵隊に所属していた経歴があり、偶に戦争後遺症に悩まされている愉快なおっさんだ。
 作戦立案の能力は確かで現社長の信任も厚い方なので言うことを聞いて損は無いだろう。

「いいですけど、場所は?」

「奥多摩の水田地帯で泥田坊が大量に出ている
 そこの市長からの依頼なのだが今急いで回せる外回りの奴が少なくてな
 お前に白羽の矢が立った
 危険手当と緊急出動による営業ノルマ軽減の申請は俺がやっておくから急ぎで頼む
 現地で子供が襲われている可能性があるから注意してくれ
 発見した場合は救出最優先だ」

「泥田坊?」

「ああ、支給しているネイルガンでは戦えないだろうから都市伝説の使用を勧める」

「分かりました、ちゅーか【組織】みたいにレーザーガンとか実銃じゃあ駄目なんですか?」

「この会社は民間企業だ、釘打ち機以上の武器は配布できん、警棒も良いがあれだって訓練が必要だ」

「そうですね、それじゃあ行ってきます」

 僕が合図を送ると太郎くんは僕を運んで空を駆ける。
 三分ほどでたどり着いたそこには確かに大量の泥人間が這いずり回っていた。
 宵闇の中、よくよく目を凝らすとその中に白い影が一つ。
 子供だ。
42 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 21:13:03.78 ID:+DvCR+8p0
「あれだな……行くぞ太郎くん」

 太郎くんが蹄を鳴らして猛スピードで子供の方向へと駈け出す。
 
「おい君!」

 声をかける。
 驚いたような顔でこっちを見る子供。

「お兄さんの手を掴むんだ!」

「え!?」

 僕は彼を救い上げて太郎くんの背中に乗せた。

「大丈夫だったか!?」

「は、はい……」

 服がベチャベチャだ、用水路か小川で遊びでもしていたのだろうか?
 おかげで熱で獲物を探る泥田坊には見つからなかったのが不幸中の幸いか。

「太郎くん、このまま突っ切ろう!」

 太郎くんの巨体が宙を舞う。
 空を滑るようにして彼は泥人間の群れの中を突破していく。
 巨大な体から生み出される重たさと外回りで鍛えあげられた脚力による攻撃は泥田坊を次々粉砕していく。
 それはたとえるならば質量を持った暴風。
 正しく疾風怒濤の足さばきとでも言ったところか。
 え、僕?
 やだなあ、スーツが汚れるから太郎くんの背中でのんきしてるに決まっているじゃないですか。

「うわっ!」

 と思ったら不意の一撃を喰らって馬の上から落とされましたよハイハイワロスワロス。
 お袋に買ってもらった一張羅台無しで・す・よ。
 しばらく晩酌は無しだなあ。
 腹立ってきたなあ。
 でもちゃんと子供は守った辺りナイスだろ俺。
 金稼ぎといってもその中ではできるだけ善良で居たいじゃない。
 いやーでもお袋がへそくりで買ってくれたスーツがこれだもんなあ……。
 クリーニングでなんとかなるかなあ?
 畜生……畜生共め……よくも俺の大事な…………

 ―――――――――やるか
43 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 21:13:57.80 ID:+DvCR+8p0
「君、太郎君から絶対に離れるなよ?」

「え、あ、はい!」

「太郎くん、その子を連れてここから離れていてくれ」

 太郎くんは頷く。

「紅い靴、起動」

 履いていた革靴が紅く光り輝く。
 それと同時に僕の脚は僕の意思など完全に無視してステップを踏み始める。
 後ろから泥田坊が拳を振り下ろしてくる。
 だがそれはムーンウォークで(何故ムーンウォークなのかは僕にも分からない)鮮やかに回避、真横から回し蹴りを叩きこむ。
 横薙ぎに薙いできた別の泥田坊の腕をしゃがんで回避。
 一気に飛び跳ねて泥田坊の首を脚で挟み込み、そのまま体の回転を利用して頭を地面に叩きつける。
 近くにあった木を使って三角飛びをしながら次々泥田坊達を蹴り飛ばせ気分はちょっとしたライダーキック。
 甥っ子が最近見ているのだ。
 僕が子供の頃はちょうど仮面ライダーをやっていなかったから今一ピンとこないのだが。

「これでトドメだ!」

 最後の一体を蹴りで粉々にすると辺りからは都市伝説の気配が完全になくなっていた。
 太郎くんに乗った少年もなんとか無事らしい。
 しばらくすると軽トラに乗って女性がやってくる。
 女性は車から降りるとまず僕に頭を下げた。
 
「申し訳ございません!うちの息子が迷惑をかけて!」

「いえいえめっそうもございません!」

 そういって僕も頭を下げる。

「ええと、依頼人の太田様で……」

「妻です」

「そうでございましたか、しばらくしたら社員の者が参りますのでサインをよろしくお願いします」

「はい、本当に申し訳ございませんでした」

「いえいえ、このようなトラブルは弊社の専門ですのでバンバンご連絡くださいませ
 自分はこういうものでございます」

 そう言って名刺を渡す。
 まずは顔を覚えてもらおう。
 泥まみれだけど。
44 :スレ立て乙でした ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 21:14:22.89 ID:+DvCR+8p0
「何から何までありがとうございます」

「お兄ちゃんありがとう!格好良かったよ!」

 そう言って二人は帰っていった。

「やったぜ太郎くん格好いいだってさ!」

 フン、と鼻息
 うわ、ヒッポグリフに鼻で笑われた。
 でも良い、子供の笑顔を守ることができたんだから。
 子供に夢を与えるのが大人の一番の仕事だよね!

「さ、帰るぞ太郎君」

 太郎くんに跨って社屋まで飛ぶ。
 まずは安いスーツに着替えよう。
 そしてもう一度外回り。
 夜はまだまだ長いのだから。
 東京都蜷川区三条五丁目ハワード・ホールト記念館前
 河城綜合警備保障、都市伝説トラブルの際には是非ご連絡くださいませ。
 ご予算の範囲内で問題を解決させて頂きます。

【都市伝説関連の会社に勤めているのですがもうダメかも知れません】
45 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 21:15:57.31 ID:+DvCR+8p0
十一時から本来投下予定のお話
きっと一番面白い
46 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 21:21:30.62 ID:+tT4006j0
乙!
赤い靴か……回転蹴りと色から察するに、甥っ子が見てるのはカブトですかな
にしても、強盗に入ってはいけない建物ベスト100に入るんじゃないかこの会社
24時間営業の上に、社内の全員が殺しにかかってくるとか下手なホラーより怖いwwww
47 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:08:00.08 ID:+DvCR+8p0
【受付嬢は忙しい】

 その日は朝から五人ほどの小学生が会社を訪ねてきていた。
 社会科見学ツアーなのだそうだ。
 案内役は私。

「おはようございます!社会見学に来た蜷川小学校六年二組の皆様ですね!
 お姉さんは受付の雀座律葉、律葉お姉さんって呼んでくださいね!」

「「「はーい!」」」

 こんにちわ、私の名前はジャック・ザ・リッパー。
 性別は女性、なぜなら私はジャック・ザ・リッパー女性説から生まれた存在だから。
 
「皆さん今日は社会見学でこの会社にいらっしゃったと聞いてますが、この会社の名前を言える人は居るかな?」

「河城綜合警備保障です!皆が眠っている間に悪い人が悪いことをしないように皆の安心を守ってます!」
 
 その通り、都市伝説による犯罪を都市伝説で食い止める素敵な警備会社です。
 巷で有名なハーメルンの笛吹きの事件が切欠になって設立されて、
 それ以来都市伝説の存在を知る一部のブルジョワジーな皆様に支持されている素敵な会社。
 あ、勿論組織みたいに一般人は守りません。慈善事業じゃあないですし。
 でも表の仕事の時に乱入されたらまあ……やりますけどね。

「はい、よく言えました!」

 うはかわええええええええ!ショタかわええええええええ!
 今すぐ殺して解して並べて揃えて晒してええええええええ!
 お姉ちゃんがぺろぺろしたろうかほんま!
 あ、ちなみに私ロンドン出身なんかじゃなくて大阪出身です、念のため。

「それじゃあこの会社が何の会社か解った所で皆でこの会社を見て回りましょう!」

「「「はーい!」」」

 子供たちを引き連れて私はまず受付カウンターまで向かう。
 
「まずはここが受付!会社に来た社員じゃない人達はここでなんで会社に来たのかと自分の名前を言わなくちゃ駄目なんだよ」

「律葉おねえさーん」

 うぇひひ、可愛いのうwwwwwww
48 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:08:22.18 ID:+DvCR+8p0
「どうしたのかな?」

「僕達はそういうことしなくていいの?」

「うーん、今日は先生からもう許可をもらっているからオッケーなんだよ」

「へぇ……」

「当たり前だろケンジ」

「だって心配だしさあ」

「さて、こちらの人が受付のお姉さん(口裂け女)、名前は坂口凛って言うから凛お姉さんって呼んであげてね
 普段は律葉お姉ちゃんもこの人と一緒に働いているんだよ」

「「「おはようございます!」」」

「おはようございます、本日は社会科見学ツアーを楽しんでいってくださいね」

「お姉ちゃんなんでマスクしているの?」

「今の季節は風邪が流行っているから万が一にでもお客様に移さない為よ」

「へー!」

 にこりと微笑むマスクをした美人のお姉さま。
 はい、小学生専門の変態です。
 こいつを案内役にすると途中で何やらかすかわからないので私が小学生たちの相手をしてます。
 おい、睨むな凛。
 口裂けてる、見えかけてる、抑えろ、絶対抑えろよ。
 後でべっこう飴あげるからさあ。
 
「さ、さあ皆さん見学する場所はまだ沢山有るから早く行きましょうね!」

 駄目だ、急げ!私急げ!この場から一秒でも早く逃げるんだ!
 私は急いでエレベーターに子供たちを連れ込み……やばい。
49 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:08:51.34 ID:+DvCR+8p0
「うわっ、すげえ!」

「このエレベーター勝手に十三階まで動き出した!」

「は、ははははは!ハイテク!ハイテクですから!」

 ※無論呪いである
 ※恐らく悪霊の類である
 素早く周りを見回す私。
 居た!ああなんか薄ぼんやりした影が!影が!
 おぞましい何かが!
 
「あら?」

 わざとコインを何枚も落として小学生達の注意を床にひきつける。
 その隙に影に向かってナイフで斬りつける!
 命中!切断!エリミネエエエエエエエエエエエエエエエト!

「はいどうぞお姉さん」

「あらら、ごめんなさい。皆拾ってくれてありがとうね」

 無事に十三階到着。
 本当は五階の営業部の部屋から見せるつもりだったのだが……。

「十三階はプログラミングルーム、皆の家のコンピュータを守るセキュリティソフトを開発しているのよ」

 その実、赤い部屋などのコンピュータ系ネット系の都市伝説を退治する人達の部屋だったりもする。
 セキュリティソフトの中に魔術のコードを埋め込むだかなんだからしいけど詳しいことは忘れたわ!

「ここだけなんか不思議なデザインだね!」

「おもちゃ屋さんみたい!」

「あ、あそこで飲み物飲み放題だって」

「お父さんの読んでる本に乗ってたよ!グーグルの社内にそっくり!」

「その通り、実はこの階だけはプログラマーの人達の為に特殊なデザインになってるんだよ
 今日はプログラマーの人達のお部屋に入ってお話を聞けることになっているから皆でお邪魔してみようか!」

「良いの?」

「勿論!それじゃあまずこの部屋から……」

 ガチャリ
 私は打ち合わせ通りにドアを開けた。
 その瞬間、赤ん坊の鳴き声。
 大慌てで赤ん坊を何故か美少女フィギュアであやす女性。
 私は黙ってドアを閉めた。
50 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:09:27.24 ID:+DvCR+8p0
「皆、ここでちょぉっと待っててくれるかな?」

「「「「「はーい!」」」」」

 ありがとう良い子の皆。
 私は一人で部屋に入り込んで今度は子供に哺乳瓶でミルクを上げている女性に声を掛けた。

「なにやってんですか茜さん!」

「うぅ……子供が泣き止まないの!」

「貴方のところ行って子供たちに貴方が働いている姿を見せてこの会社は子供を連れているお母さんも働ける福利厚生の整った男女平等な会社ですってアピールする予定だったじゃないですか!
 その上なんですかこれは!美少女フィギュアしまえって言ったじゃないですか!」

「美少女フィギュアじゃないです!十分の一スケールセイバーフィギュアZERO仕様です!」

 こちらのスタイリッシュに和服を着こなすプログラマーの女性は茜さん。
 都市伝説【赤い部屋】なのだが人間に紛れて暮らしており、元ニートで重度のオタクという経歴を生かしてプログラマーとして働いている。
 私たちみたいな都市伝説はたいてい社長か会長にスカウトされてここで働いているのだが彼女もその一人である。

「オルタもありますよ!ライオンセイバーも!それに赤セイバーだって!
 青セイバーにいたっては一分の一スケールのやつを自作しました!」

「 は た ら け ! 」

 ちなみに腕は良い。
 社長のお気に入りである。

「それよりどうするんですかこの子泣き止みませんよ」

「旦那さえ……旦那さえ居れば……」

 駄目だこの人……。
 マジで駄目だこの人……。
51 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:14:14.94 ID:+DvCR+8p0
「そうだ、旦那のところに送れば良いんですよ」

「え?」

「そーっれ!」

「うわちょま……」

 何をトチ狂ったのかこの女、自分の子供パソコン画面にニュルっと突っ込みやがりました。
 って、え?入れるの?

「うそ……」
 
「いや、赤い部屋の子供なんだから入れるでしょう。あとは宛先指定して送るだけ!」

「自分の子供Eメール感覚だよこの人……」

 十秒後
 ちなみにこの間私はロッカーにフィギュアをぶち込んでます。

「あ、送り返されてきました。すやすや眠ってます」

「メール感覚!?」

「もう見学の子達呼んできていいですよ」

「え、ええ……」

 顔を営業スマイルに切り替えてからドアを開く。

「ちょっと企業秘密の書類が有ったから片付けに手間取っちゃったみたい、皆待たせてごめんね?」

「あれ?お姉さんさっきまで俺達と一緒に居たじゃん!」

「この階の別の場所見て回ってたよね?」

 シェイプシフターの田中二郎(女装趣味アリ)先輩がなんとかしてくれたようです。

「そ、そうだったねー!」

 ありがとう先輩。でも正直きもいよー
52 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:14:36.68 ID:+DvCR+8p0
「じゃあこの部屋を最後に見てまわろうか!」

「はーい!」

 とまあそんな感じで茜さんは子供たちの質問に答えたり赤ん坊抱かせたりしてこの会社が滅茶苦茶福利厚生のしっかりした会社アピールをしてくれましたとさ。
 ただ最後に

「あ、プログラミングって才能ですから努力で限界までやっても無理なもんは無理です
 皆さんも自分の得意なことを見つけてそれを限界まで伸ばす努力をしましょう」

 とか子供の夢を華麗にブレイクしたことだけは後で社長に報告な。
 あの後フォローきつかったから。
 マジきつかったから。
 次は企画宣伝部。
 新しいビジネスプランやら経営戦略を立案していく部署。
 ここは至って普通の……

「ハローエブリワン!君たちガ蜷川小学校の子供たちだね!」

 ごめんなさい、ここも変です。

「はい!」

「私ホベンシオ、ここの企画宣伝部長ダヨ!」

 つーかホベンシオてめえ何子供受け狙って外人キャラ作ってんだよ。
 お前日本語ペラペラじゃねえかよ。
 ボビー・オロゴンより露骨だよ。
53 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:15:04.59 ID:+DvCR+8p0
「おじさんアメリカ人?」

「ハッハッハ、チョトチガイマスネー、私元々メキシカン、まあ今はアメリカ国籍ダケードネ」

「マラカス?」

「イエス」

「サンバ?」

「それはブラジルネ」

「サボテン?」

「イエス」

「はい皆、企画宣伝部長のホベンシオさんに挨拶しようか」

「「「「「「こんにちわ!」」」」」

「ミナ挨拶シッカリ偉いね、私ノ国ミナ貧しくて礼儀作法ドコロじゃなかったよ
 だから私海兵隊入って戦ッタ……仲間たち皆……」

「はい!それじゃあホベンシオさんについて見学しましょうか!」

 急いでホベンシオさんの過去語りをストップする。
 そう、ホベンシオさんは元海兵隊の精鋭です。
 時々戦争の記憶を思い出してしくしく泣き始めるけど良い人なんです。
 企画課を一回りしたから次は社員食堂。
 ここでお昼ごはんだ。
 お昼ごはんが終わったら解散なので気持ちもなんだか軽い。

「うん、美味しいわ。サボっていないようねえ」

「あれー?おばちゃん何してるのー?」

「おばちゃんも会社の人?」

「あ、こら君たち勝手にお姉ちゃんから離れちゃ駄目……ってもう遅い」

 会 長 降 臨 

 なんであんたみたいな金持ちが社員食堂で食ってるんですか!
 ここは社員のもの!社長とか!会長とか!重役連中のものじゃないの!
 つーかガキ!なんだよおばちゃんって!ぶっ殺されるぞ!
54 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/24(土) 23:15:54.33 ID:+DvCR+8p0
「あれ?この子達って誰ですか?」

「社会科見学よ」

 そして何故か会長の娘さんまで居るし!
 あんた高校どうした!あ、冬休みかな。

「会長、ご迷惑をおかけしました!ほら皆、会長さんのお食事の邪魔しちゃ駄目だよ!」

「いいのよ雀座さん、この子達今日は社会見学に来ているんでしょう?」

 会長はそう言って子供たちに向けて微笑む。

「おばちゃんもこの会社の人だよ。おばちゃんはね、この会社で一番偉くない人」

「偉くない人?」

「そう、社員のために身を粉にして働かなくちゃいけない人」

「おばちゃんの言っていることよくわかんなーい!」

 堪忍や、胃袋崩壊するから堪忍して。
 頼むから無礼を働かんといて。
 うちが後でどんな目にあうか分からへん。

「いいのよ、分からなくて。でも三十年後、貴方たちが偉い人になったならこの言葉を思い出してね?」

「「「「「はーい!」」」」」

「返事の良い子は好きよ、それじゃあ雀座さん、私たちはもう行くわ
 普段社員が食べている物と同じ、なんてしみったれたことは言わない
 子供たちには社員食堂でも普段からは社員が食べないような一番いいものを準備させているから貴方も一緒にお食べなさい」

「ありがとうございます会長」

 会長と娘さんはそのままどこかに行ってしまった。
 こうして私のドキドキ社会科見学ツアーは無事終了したのであ……
 厨房から人の腕と思しきものが見えてるよー!見えてるよー!
 都市伝説用メニューは分けろってアレほど言っただろうがあああああ!
 バカ!この会社はほんとバカばっかりよ!
 私は水のおかわりを貰いに行くふりをしながら人間の手足(下ごしらえ済)を隠しに向かった。

【受付嬢は忙しい おしまい】
55 : ◆2PnxfuTa8.[sage]:2011/12/24(土) 23:33:51.86 ID:+DvCR+8p0
くっ……パトラッシュ僕もうつかれたよ……
56 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/24(土) 23:36:59.57 ID:+tT4006j0
>>55
笛の人お疲れさま―!
しかし、都市伝説用の食事とはいえ『人間の手足(下ごしらえ済)』が普通に出るのか……
意外とこの会社、ブラック側なのかな?それでも入社したいと思うから不思議
57 :その女、苛烈につき2011/12/24(土) 23:43:23.94 ID:L85LbULd0
 ーーーーねぇ、犬鳴村って、知ってる?
 戦前から何らかの事情で一般社会から隔絶されていて、村の入り口には「ここより先、大日本帝国憲法は通用せず。」って書かれた看板があるんだって
 もし、その村に入り込んでしまったら、鎌を持った村の住民達に追い掛け回されてしまうんだって
 ……追い掛け回されて、どうなるのか、って?
 決まってるじゃない

 殺されてしまうんだよ



 …それが、ごくごく一般的に人々の間で伝わっている、都市伝説「犬鳴村」の内容だ
 つまるところ、人殺しが許されている村があり、村の住民は全てが人殺しである、と言うそんな話
 そんな村、実際に日本国内にある訳がない
 ……が
 人々が噂すれば、その都市伝説は生まれてしまう
 それが、この世界の真理である
 故に、この世界の日本国に、犬鳴村は生まれてしまった
 当然、村人も都市伝説「犬鳴村」の一部であり、正確には人間ではない
 ただただ、村を訪れた者を[ピーーー]ためだけに存在する駒でしかない村人達
 それらは、静かに鎌を研ぎ獲物を待つ

 そして、この日
 その村に、久方ぶりに訪問者が現れた

「………」

 訪れたのは、真っ黒なスーツをまとった女だった
 日本人、ではない
 欧米人であろうか、美しい容姿をしている
 すたすたと、その女は「ここより先、日本国憲法は通用せず。」と書かれた看板を素通りし、村へと入り込んできた

「……ふん。看板の内容こそ若干違うが。「犬鳴村」で間違いはないようだな」

 ぼそり、女は呟く
 ずんずんと、村の中央へと向かっていく女
 その女の後をそろり、そろり……と
 鎌を、鉈を、包丁を、斧を、刀を、長刀を、槍を
 ありとあらゆる、刃物がついた凶器を持った村人達が、気配を押し殺してあとをつけ始めた
 人々が噂する通りに、女を[ピーーー]ために
 いつからか、「追いかける」事よりも「[ピーーー]」ことが主流となった村人達は、哀れな犠牲者を見つけたとしか思っていない

 村人達は気づかない
 女が、「組織」所属の黒服であるのだと
 村人達は気づけない
 女が、その中でも「過激」派に所属している存在であり………

「さて」

 ぴたり、と
 女が、足を止めた瞬間
 村人の一人が、興奮を抑えきれなかったのだろう
 雄叫びを上げながら、女に向かって突進していった
 槍を構え、女の無防備な背中に向かって突き立てる

 −−−−どすっ、と

 槍は、女の腹部を、あっさりと貫いて……

「都市伝説「犬鳴村」よ」

 しかし
 女は、苦痛など感じていない様子で、村人に
 否
 都市伝説「犬鳴村」自体に、告げる

「私は「組織」所属、ANo内「過激」派の者だ……私の部下が、貴様らの世話になったらしいな」

 以前に、女と同じような黒いスーツを着た者を殺したことがあることを
 そういえば、と村人が思い出した、直後

 どろり、と
 女の腹部に突き刺さった槍が、溶け始めた

「部下の仇をとらせてもらおう」

 それだけではない
 女の体が、どろり……と
 溶け始めているように、見えた
58 :その女、苛烈につき2011/12/24(土) 23:45:42.61 ID:L85LbULd0
 いや、違う
 女の、体が……

「……「過激」派としてのやり方でなっ!!!」

 女の、体が
 溶岩へと変化したのを
 女に槍を突き刺していた村人は、その身を焼き尽くされながら、確かにはっきりと、見た


 ドゴォオオオン!!と
 火山が噴火したような音が、周囲に響き渡って
 その瞬間には、もう
 都市伝説「犬鳴村」は、攻撃手段を…それだけではなく
 その存在そのものを、焼失させた


 どろ、どろ……ぽた、と
 その身から溶岩を滴らせる黒服の女
 …彼女は、アメリカのハワイ出身の存在である
 その名は、「ペレ」
 火の女神、もしくは火山の女神として言い伝えられている存在である
 あまりにも美しく、出会う男全てを魅了するといわれる存在
 ……しかし同時に、高い戦闘力を持つ存在でもある
 彼女が能力を発揮して物の数分もせずに「犬鳴村」を完全消滅させたことからも、その戦闘力の高さはうかがえるだろう
 ふん、と、ペレは己から滴る溶岩を、髪でもかきあげるようなしぐさですくいあげる

「この程度か。この国の都市伝説はこんなにも軟弱なのか」

 つまり、これに倒されたという「過激」派所属のその黒服は、もっと軟弱であったということだ
 …これは、「過激」派の黒服達を、もっと徹底的にしごきあげるべきだろう

 ペレがそうやって部下をしごく方法を考え出した、その時……彼女が持っている通信機が、小さく震えた
 別の任務に就いていた「過激」派の黒服……部下からの連絡だろう
 私だ、とペレはすぐに応じた

「あぁ、こちらは完了した。後始末をして帰還する。そちらは…………………」

 ………
 …………
 ……………

 通信機の向こう側の相手からの話を聞いていくペレの、その表情が
 どんどんと、険しくなっていく
 ビキッ、と
 通信機を持つペレの力に耐えきれなくなったのか
 小さく、通信機が悲鳴を上げる

「っの、馬鹿者がぁあああああああああっ!!!」

 感情を抑えきれなくなったペレが叫び
 どろっ、と、再び彼女の体が溶岩に変化し始めた!

「誰が!いつ!!そのような指示を出したっ!!!疑わしきは罰せよとは言ったが、都市伝説と契約している子供を無差別に殺せ、などとは指示しておらんわ、この大馬鹿者ばぁっ!!!!!」

 「犬鳴村」跡地に響くペレの怒号
 そして、彼女が叫ぶたび、彼女の体からマグマが飛び出し、あたりを焼いていく

「確かに、我々は「過激」派だっ!だが、我々「過激」派の役目は、甘っちょろい「穏健」派の討伐できぬ対象を討伐するのが役目!無差別殺人を許可している訳ではない、何を勘違いしているかっ!!!!」

 止まらぬ、マグマの流出

 …火山の女神ペレは美しい女神である
 が、同時に、あまりにも身勝手で短気で負けず嫌いで容赦のない女神である
 うっかり夫婦喧嘩で島を破壊しかけるレベルの短気さと苛烈さの持ち主である
 火山そのものの神格化は伊達ではない

「我々「組織」の黒服は、全てA-No,0の部下であり、我々の行動一つ一つ全てが「組織」及びA-No,0への評価へと繋がるのだ!ただでさえ、我ら「過激」派や「強硬」派は、馬鹿をやらかした連中のせいで肩身が狭いのだぞ!!これ以上、我々の評価を!!そして、「組織」とA-No,0の評価を落とすつもりか、この馬鹿者!知能0の考えなしがっ!!!!今すぐ、貴様を消しに行ってやる、そこから動くなよっ!!!!」

 どろぉっ!!!
 溶岩と化したペレの体温に、もはや耐えられなかったのだろう
 通信機は溶け落ちて、通信は切れた
 体から溶岩を滴らせたまま、ペレは部下の元へと急ぐ


 ……結局
 「犬鳴村」があった場所は、村自体が消滅したのち、さらにマグマによって焼かれてしまい
 「組織」内の事後処理部が、泣きながら後始末をしたのだそうだ                                                                                 終わってしまえよ、こんなネタ
59 :その女、苛烈につき2011/12/24(土) 23:49:31.99 ID:L85LbULd0
まーた「saga」入れ忘れたよ
常に目欄に入れとかないと忘れるな、こりゃあ


とりあえず、悪者じゃない(?)強硬派美人黒服出したよー
60 :その女、苛烈につき2011/12/24(土) 23:52:16.84 ID:L85LbULd0
強硬派じゃねぇよ過激派だ
しっかりしろ
61 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 00:15:35.95 ID:c5Aquja+0
1レスの人乙です〜
 何ちゅうダメ男wwwwwwだがそこが……良い?(訊くな
Sliderの人乙です〜
 おぉ、かっこいい…「Slider」か、覚えておこうかしら
笛の人乙です〜
 「赤い靴」と来ましたか、てか会社あの人等のかwwwwwwww
 雀座さん可愛い、そして茜さん何やってんのwwwww
花子さんとかの人乙です〜
 うひょう素敵美人抱きたい! そして「ペレ」って少し前に俺の使用予定リストにあった奴だwww(「ミノア噴火」に変更したけど
62 :その女、苛烈につき2011/12/25(日) 00:22:49.66 ID:Qmq18BIz0
>>61
ペレの能力に関しては女版赤犬を想像してやってくださいですの
63 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 00:26:32.59 ID:c5Aquja+0
>>62
(火音>要はワシの上位互換じゃろォ?
(清太>噴火は出来るけど溶岩にはなれねぇもんなぁ、火音姉ちゃん
64 :単発:クリスマスの夜に[sage]:2011/12/25(日) 00:26:39.28 ID:4RK14EzRo
「おかーさーん!」

 今年で小学校三年生になる杉田このみは、家に帰ってくるなりランドセルも下ろさずにリビングに駆け込んでくる

「あらあら、どうしたの?」

 キッチンからエプロン姿で出てきた母に、このみは小さな手をぶんぶん振りながら、真剣な顔で叫んだ

「クリスマスプレゼント、サンタさんに今からでも変えてもらえるかな!」

―――

「で、このみは何だって?」
「サンタさんに会いたい、ですって」
「何でまた」
「お友達と喧嘩したんですって。クリスマスのプレゼントを誰に貰うのかって話で」

 その言葉に、このみの父は苦笑を浮かべる

「こういう時って、僕がサンタの格好してプレゼント渡したりするべきかな?」
「逆効果じゃないかしら。お友達に『プレゼントをくれるのは親だ』って言われたらしいから」
「そうかぁ……まあ正しい事だけになんとも言えないね」

―――

 クリスマスの夜
 このみはベッドの上で布団をかぶって丸くなっていた
 サンタクロースが会いにきてくれると信じて
 けれども

「このみ、入るよ」

 聞こえたのは、ノックの音と父の声

「……お父さん」
「良い子は夜更かしはしちゃ駄目だよ」
「でも、わたしね、サンタさんに会いたいの」

 無垢な願いを語る娘の頭を、父はどこか困ったような笑みを浮かべてそっと撫でる

「このみにクリスマスのプレゼントを贈っていたのはね、お父さんなんだ」
「……そうなんだ」

 僅かな沈黙の後、このみはうつむいてぽつりとそう漏らした
 心の内では、そうなのかもしれないと思い続けていたけれど、否定したかった事
 子供が夢を踏み台に、大人の階段を昇る一つの出来事を経験し、寂しさのようなもので胸が一杯になり涙が溢れてくる

「このみ」
「なに、おとうさん」
「少しお出掛けしようか」
「でも、もうお外は真っ暗だよ」
「うん。だけどね、このみに今年のクリスマスのプレゼントがあるから」

―――

 厚手のコートと手袋を着たこのみは、父に手を引かれて夜の町を歩いていく
 あちこちの家の窓に、ちらちらとクリスマスツリーの電飾が輝いて見える中

「やあ、杉田さん」
「こんばんは。今年もですか?」
65 :単発:クリスマスの夜に[sage]:2011/12/25(日) 00:27:47.05 ID:4RK14EzRo
「いやいや、お互い様じゃないですか」

 近所に住む、このみのクラスメイトの父親とばったりと出会い、お互いぺこりと頭を下げて挨拶をする

「おや、今年は娘さんと一緒ですか」
「学校で色々あったようで、そういう事になりまして」
「まあ去年はうちの子でしたしね」

 このみは思い出す
 プレゼントをくれるのは親であると言ったクラスメイト
 その父親が、彼だと

「それじゃ、私はお先に」
「ええ、それでは良いクリスマスを」

 またお互いぺこりと頭を下げて、クラスメイトの父親は足早に去っていく

「ねえ、おとうさん」
「なんだい?」
「これから、どこへいくの?」
「言っただろう?」

 父は手袋に覆われたごわごわした手で、冬の夜の空気で冷たくなったこのみの頬を撫でる

「このみのクリスマスプレゼントのところさ」

―――

「揃ったか、野郎共!」
「「「「「サー、イエッサー!!!」」」」」

 町の一角にある、住宅地の狭間にひっそりと隠れるような公園で
 頼もしいとしか言えない野郎共の雄々しい声が響き渡る

「すいません、遅くなりました」

 このみの父は申し訳無さそうに、集団を率いる老人に深々と頭を下げる

「なぁに、事情は聞いている」

 白く長い髭をもしゃもしゃと撫でながら、赤い服を着た老人はがははと力強く笑う

「子供はいつか夢から覚めなきゃいかんのは確かだからな」

 その姿に、このみは思わず呟く

「サンタ、さん?」
「ほっほう、そうだとも! そして」

 いつもの穏やかな顔付きではない、引き締まった顔で赤い服に袖を通すこのみの父

「サンタクロースの正体は、良い子達の親御さんさ」

 大きい手のひらでこのみの頭を優しく撫で、『サンタクロース』のリーダーは集まる他の『サンタクロース』達に檄を飛ばす

「さあ、手前ぇんとこの気のいいガキ共にプレゼントをくれてやりたい奴ぁ、とっとと仕事を終わらせてきな! パパに戻るのはサンタクロースの仕事が終わってからだ!」
「「「「「サー、イエッサー!!!」」」」」

 居並ぶ男達は赤い服に袖を通し、大きな袋を担いで思い思いの乗り物へと向かう
 オーソドックスなトナカイ牽きののソリもあれば、小型の飛行機や気球、ペガサスやサーフボードなどという変り種もいて
66 :単発:クリスマスの夜に[sage]:2011/12/25(日) 00:28:41.60 ID:4RK14EzRo
 その中にはここへ来る途中に出会った、クラスメイトの父親の姿もあった

「今年も大変ですね、杉田さん」
「なに、大事な子供と、その友達と、友達になるかもしれない世界中の良い子のためですからね」

 このみの父もまたトナカイの牽くソリに乗り込むと、このみに向かって手招きをする

「ほら、おいで」
「……いいの?」
「このみは、サンタさんに会いたかったんだろう?」

 おずおずとソリに近付くと、トナカイ達が鼻先を寄せて、角をぶつけないように気遣いながら頬を突付く

「ほら、乗っていいってさ」

 温かい父の膝の上で
 父と共にトナカイの手綱を握り
 ソリと共に空を舞う少女の視界一杯に
 空一面に広がる闇のヴェールを彩る星々と
 眼下に広がる人々の営みを支える町明かりの海
 サンタクロースと共に過ごすクリスマスの夜は、確かに少女の望むクリスマスプレゼントだった

―――

 新学期の教室で、このみは『クリスマスプレゼントをくれるのは親だ』という話をして、喧嘩をした友達と顔を合わせる

「よう」
「ん」

 ややばつが悪そうに、お互い顔を見合わせて

「クリスマス、どうだった?」
「うん、プレゼントをくれたのはお父さんだった」
「だったろ?」

 クラスメイトの少年は、やれやれといった調子で肩を竦める

「サンタが居ねぇなんて、一言も言ってないのに。話は最後までちゃんと聞けよ」
「ん、ごめんね」

 そう言うと少年は、小さな紙袋をこのみに手渡す

「クリスマスに会えなかったから、今やるよ」
「……わたしに?」
「お、俺、将来は父さんみたいになりたいから! 今のうちにプレゼント渡す練習だよ!」

 少年は少し顔を赤くして、誤魔化すように自分の席へ戻っていき
 このみは紙袋を嬉しそうに、大事そうに
 鞄のポケットにしまい込むのだった
67 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/25(日) 00:30:32.23 ID:4RK14EzRo
というわけで久々に単発の季節ネタでしたとさ
単発祭用のネタが浮かばないので代わりに、みたいな?(爆)
68 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 00:33:36.18 ID:c5Aquja+0
三面鏡の人乙です〜
何これ凄い、心がほんわかする
それと甘酸っぱい、凄く甘酸っぱい、きゅんきゅんする、でもクラスメイトの少年はもげろ(マテ
69 :煉獄の時間エピローグ ◇DkTJZY1IGo(避難所から代理投下)[sage]:2011/12/25(日) 02:36:04.33 ID:0XDagjwu0


神は眠りに付きました。
全ての空想科学系都市伝説の頂点
この星の魂、万物の精霊の王。
ガイア仮説=ワカンタンカ。
哀しみの蒼に満ちた心が、最後には希望の蒼に変われた。
最後に人の可能性を示せてよかった。
……今度は何百年後に目を覚ますのかしら。
おやすみなさい。良い、夢を。
私達は人の業を背負って、これからも都市伝説と共に歩み、戦っていきます。

「分かっていたけど全身ズタボロだなあ……」

暦は学校町の病院のロビーで苦笑を漏らした。

あれから私達は衛悟も咎利も戦闘終了後緊張の糸が切れた瞬間共にぶっ倒れた。
その後エーテルさんの部下のE−No.達の手によってこの病院に担ぎ込まれたらしいことを衛悟から聞いた。
エーテルさんと上田さんはあの戦いの後でも普通にしてたらしい。
私にはちょっとまねできない。
私は今松葉杖を手にリハビリ中だ。
超加速の無理がたたった足は特に酷い。
細かな皹は数え切れないし筋も痛めてしまっている。
心の力の回復を待って上田さんの所に報酬を払いに行かなきゃなーと
そんなことを思っていると声をかけられた。
70 :煉獄の時間エピローグ ◇DkTJZY1IGo(避難所から代理投下)[saga]:2011/12/25(日) 02:37:01.46 ID:0XDagjwu0

「あ、暦ちゃんだー」
「亜里沙ちゃん!?」

指に包帯を巻いた亜里沙がこっちに近づいてくる。
考えても見れば、この病院に入院していてもおかしくはない。
私はちくりと胸が痛んだ。

「大変だったねー。ニュースで見たよー。
衛悟君や咎利君と一緒に校庭で戦時中の不発弾の爆発に巻き込まれちゃうなんて」

どうやら、組織の情報操作であの闘いの痕跡はそういうことになっているらしい。

「あ、あはは……怪我はしたけど大丈夫、この通り生きてるし
……それより亜里沙ちゃん……手、大丈夫なの?」

スイッチを押した結果を無差別の爆殺に摩り替える忌まわしき都市伝説
ボタンプッシュシンドロームから亜里沙を解放するためとはいえ
時を止めた状態で彼女の指ごと都市伝説を切断した犯人が自分であることを考えると恐ろしく憂鬱だ。

「あ、これ?うん……私も駅のホームで電光掲示板の落下事故に巻き込まれて……
お医者さんの話ではすっぱりと切れちゃったてたからかえって繋ぎやすかったんだってさ。
麻酔が切れた後は地獄だったけど……
でもちゃんとリハビリをすれば半年後くらいには元通りに動くようになりそうだってさ」

「ええと……その……なんといっていいのか……」
71 :煉獄の時間エピローグ ◇DkTJZY1IGo(避難所から代理投下)[saga]:2011/12/25(日) 02:38:00.85 ID:0XDagjwu0


よかった、何時もの亜里沙だ。
あの時は確認する暇も無かったが……
彼女に重傷を負わせてしまったが元に戻ると聞いて本当に良かった。

「まあでも、凄く酷い目にあったけど悪い夢から覚めた気もするんだ。
何かとても恐ろしいことがあったような……」
「それは、きっと悪い夢よ」
きっぱりと私は断言する。
亜里沙は都市伝説に巻きこまれて只でさえひどい目にあっているのだ。
これ以上はいいだろう。
「うん、そうだねーお互いさっさと直してまた部室で会おうよ!
暦ちゃんもお大事にね!」
「亜里沙ちゃんもお大事に……」
そういって亜里沙は去っていった。
「ふう〜……」
なんだかどっと疲れた。だけど、これも私が抱えるべき業なのだろう。
少なくとも……一人は救えた……はずだ……。
亜里沙を見送りながら、私はそう力なく口の中で呟いた。
72 :煉獄の時間エピローグ ◇DkTJZY1IGo(避難所から代理投下)[saga]:2011/12/25(日) 02:38:43.75 ID:0XDagjwu0
ギブスでガッチガチに固めた足が痛むけれど私は衛悟と咎利の病室に向かった。
「こんちわー」
「おーす!」
「マジで濃い三日だったよな……」
私にとっては本当に永遠のように長い72時間だったよ……
咎利がラジオの国際ニュースをつけっぱなしにしている。
ヘンペルは爆睡している。
国際宇宙ステーションの運営は順調。
アメリカのインディアン問題については貧困と医療格差は依然として重大な問題だが
一部の部族は経済的自立を達成し
現在の大統領は先住民の主権を強く支持する意見を表明した。
エーテルさん辺りか組織が手を回したのかな?
未来は、少しだけ善い方向に向かったようだ。
「お疲れ様」
病室の窓の外からぶら下がった蜘蛛がそう囁いた。
「ありがと、イクトミ。
ああ、でももう暫くはでっかい都市伝説と戦いたくないよ〜……」
「ああ、全くだ……」
「俺たちにはちと荷が重すぎたもんなあ……」
咎利と衛悟も心底から首を縦に振った。
「せめて怪我が直るまではゆっくり休みたいよ……」
暦は苦笑いを浮かべながらそうこたえた。

都市伝説は何れ惹かれあう。
彼女達の安らぎが何時乱されるかは分からない。
だが今、暫くは……

end……?
73 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/25(日) 03:02:23.57 ID:MroHfVxAO
ここまでスレ立て&投下された皆様乙です
どれもすげー読み応えでしたの
ご新規さんもいらっしゃって賑わってて何よりです
74 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[saga sage]:2011/12/25(日) 04:10:23.15 ID:21QG9gFg0
――――あるクリスマスイブの夜の事。

少年――――本条雄介は、性の六時間を堪能した彼女――――本条薫が眠ったことを確認すると、ベランダにでた。
「(……お、サンタキタ――――ッ!!)」
 小声で叫びながら、そりに乗ってやってくるショタロリコンのオジサンを見つけた。
 都市伝説化して追いかけようと思ったが、子供達に配るプレゼントが先だ。
 と、思っていたのだが、サンタクロースはいつのまにか、目の前にいた。
 いやはや、夢中になって気がつかなかった。
「メリークリスマス」
「めりぃくりすます」
 サンタクロースが挨拶をしてきたので、こちらもふざけながら挨拶を返す。
「……さっき、君は失礼な事を考えていなかったかい?」
「プレゼント配った後幼い自分を襲った相手にそんなことを思うわけないじゃないですかやだぁもぉ」
 雄介は、これでもか!!というぐらいの営業スマイルで、サンタクロースに微笑む。
「……それに関しては、二百五十七番目の弟が、すまなかった」
「いや、いいんですよ。毎年こうやってプレゼントを北の国から届けてくだされば」
 事実、雄介はサンタクロースに襲われかけたことがあり、それをネタにして毎年悪いことをしてもプレゼントを貰っている。
「もちろんわかっていると思いますが、彼女の分は?」
 雄介は室内に視線を向けるサインをしながら、サンタに訪ねる。
「もちろん、あるに決まってるじゃないか」
「さっすがサンタさんですね!!子供の夢を一度しか裏切らない!!」
 刺を入れた称賛を言いつつ、ベランダに用意してあったミルクとクッキーをサンタに差し出す。
「長旅、ご苦労様です」
「いやはや、これはありがたい。最近はこれを置いてくれる家がなかなかなくてね」
 サンタは苦労話をしながらも、袋からちゃんとプレゼントを二つ取り出す。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
 サンタクロースからプレゼントを受け取ると、雄介は心のそこから微笑む。
「それじゃあ、私は次の街へ行こうとするよ」
 トナカイの頭を撫でると、サンタクロースはすぐさまそりに乗って、空を飛んでいく。
「メリークリスマス!!」
 サンタクロースは、毎年と同じように、子供達に夢を与えにいった――――。

メリークリスマス。
75 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage]:2011/12/25(日) 04:14:07.09 ID:hmcJomkp0
久しぶりに投下。
DKGとファントムさんでクリスマスネタをやってみました。
明日は、プレゼントを見た薫の反応を書きたいです。
……マヤ文明編はいつか書く。
76 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]:2011/12/25(日) 09:07:46.79 ID:y4nj5R0z0
性の6時間は入試後アップかしら(wktk
かおるんの嬌声は近いかしら(sksk
そして過去に何があった雄介くんwwwwあともげろ
77 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 10:14:26.66 ID:8W7dZ51o0
>>62
黒服を始めとした組織についてはまだよくわかりませんが、いくつかの派閥に分かれているんですね。
にしてもこのペレさんが本当に格好いい!仕事にも自分なりの信念を持って行動してるみたいですし、
こういう女性って憧れますね……。
>>67
『サンタクロースは親』という事実にこういう解釈があったとは!
話の内容も面白いし、最後の場面なんか2828が止まりませんでした。
>>75
北欧では、夜中にプレゼントを届けてくれるサンタのために
子ども達がクッキーとミルクを用意しておく習慣があるそうですね。
サンタの業務に欠かせないスキルの一つが、「クッキーの早食い」だとか。
にしても、二百五十七番目の弟サンタは主人公に何したのかwwww

皆さん乙!
78 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 12:32:31.00 ID:ysGNuKSSO
組織の全容を把握してる人っているんだろうか
このスレのダーレスたる花子さんの人でも無理じゃね
79 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/25(日) 12:32:56.06 ID:MroHfVxAO
DKGの人乙です
雄介くん何があったんだww
80 :プラモデルの人[sage]:2011/12/25(日) 13:16:49.74 ID:8W7dZ51o0
どうもです。
先ほどまとめウィキを読んでいたのですが、自分の都市伝説と主人公の詳細なども掲載したほうがいいのでしょうか?
それとも、掲載用のスレなどが他にあるのでしょうか?祭りの最中に失礼します
81 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]:2011/12/25(日) 13:42:01.65 ID:rHOeJfUv0
>>80
こっちでも良い……と思う多分きっと恐らくメイビープロバブリー
不安だったら避難所にあげたら大丈夫ですよ〜たb(信用できねぇ
82 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 14:02:52.31 ID:ysGNuKSSO
詳細は好きにしたら良いんじゃないかな
あったら初めての人がとっつきやすい程度だし
他作品とクロスするつもりならあったほうが良いかもしらんけど
83 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 14:05:32.28 ID:sYkt2c3DO
>>78
このスレのラブクラフト達もいつの間にか加えられた設定とかあるから把握不可だと思われ
84 :プラモデルの人[sage]:2011/12/25(日) 14:31:04.04 ID:8W7dZ51o0
>>81>>82
ありがとうございます!
とりあえず、避難所の裏設定スレに上げておきました
読みにくければ、後で上げ直すかも……
85 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 15:05:43.90 ID:8b5LCyOs0
皆さん乙でした

>>56
まあブラックよりです
あれだよ
あの会長は悪人じゃないんだ
悪人はあの人の旦那なんだ
人間の手足が並んでいるのは「都市伝説だもの人間くらい食べるじゃん」
っていう人間であるはずの会長の引くぐらい冷静な思考の元でのアレなんだ
>>61
あの人達の会社です
これ事情を全部知っている人間がもし居たらマッチポンプだと思われかねないよね
でも会長としては
「人々の安心を守りつつ金儲けできるしいいんじゃね?」
っていう考えなんですよ
わりと破綻しているのです
ちなみに会長の娘さんがあと二十年くらいするともはやPMCと化したあの警備会社を継ぐ予定
元組織所属のコネを生かして彼女の兄を超える魔王ぶりを発揮します
86 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 15:18:15.06 ID:8b5LCyOs0
妄想都市伝説【ワイルドハント】

魔獣や英雄からなる無数の軍勢を呼び出したり、嵐や暴風雪を起こす能力を得られる操作系都市伝説。
契約者は死後の魂をそれに渡すことと引き換えに契約を可能にする。
契約後はワイルドハントが周囲の人間や地球そのものから心の力を引き出して軍団を召喚してくれるので燃費はとてもいい。
ワイルドハントの代表者として現れるソレはある時は騎士王、ある時は海賊、ある時は隻眼の大男、ある時は美しい女性の姿であらわれる。
それぞれに人格が異なるがいずれも契約者をより優秀な戦士として鍛えようとすることに変わりはない。
なぜなら彼らに取り立てられる魂はワイルドハントの一員として戦いに使用されるのだから。
87 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 18:24:51.45 ID:MroHfVxAO
「爆発しろ」
 私の呟きと同時に、私の前を歩くカップル達からちいさな爆発音が上がった。
 お察しの通り、私は「リア充爆発しろ」の契約者。
 それも、もともと契約していたのはただ一人の親友だった。
「あたし、彼氏できたんだ」
 だからもう契約解除なのと笑って言った彼女にその都市伝説をくれと頼み、晴れて私は契約者となった。
「爆発しろ」
 軽い破裂音が響き、周囲のそこここで爆発が起きる。リア充だらけじゃないか。ちくしょう。
 幸か不幸か。私にとっては不幸だが、もともとその程度の威力なのか、
 それとも契約者である私の力不足か、爆竹程度の爆発しか起きやしない。
 小爆発を起こしたカップルはと言えば、きゃあきゃあ歓声を上げて、なあにこわーいなんて甘ったるく抱き合ってやがる。ちくしょう。
 それに引き替え、こんなしょっぱい事しかできない私には、一生彼氏なんか出来ないかも知れない。
 たまらなく惨めになって
「リア充爆発しろ!!」
 絶叫してその場にしゃがみ込んだ。でもどれだけ連中が爆発したって、ちっとも慰められやしない。
「あの、お嬢さん」
 顔を上げると、そこには黒いスーツにグラサン姿の、なかなかイケメンのおじ様が。
 連れの女などは居ないよう。もしかしてナンパ?私に一目惚れしちゃいましたとか?ようやく私にも春の訪れが!?今12月だけど。
「あ…すみません。邪魔でしたか」
 涙を拭いて立ち上がると、彼はそうではありませんと言い、名刺を差し出してきた。
「組織…?」
「ええ、威力は子どもの悪戯程度とは言え、
 こちらの立場上、危害が発生する可能性を放置しては置けませんので」
 つまり私に、「組織」の管理下に入るか、契約を解除し、
 都市伝説を手放すか。どちらか選べと言うことらしい。
 私はしばし考えて。いや、考えるふりをして。
「貴方が…担当になって下さるなら、どこまでもついて行きます」
 声音にばっちり甘さを乗せてアピール。これに気付かない男はよほど鈍いか三次元不感症だ。
 黒服はしばしぽかんと私を見つめ、
「せっかくですが…私は今でこそ『黒服』ですが、都市伝説に飲まれる前からの妻と子が居りまして」
 ……やっぱり春なんか遠いんだなあ
「もうみんな爆発しろおおおおお!!!!」



終わり
88 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/25(日) 18:31:35.26 ID:MroHfVxAO
とりあえず単発投下。
ノイ×柳のクリスマスネタあるけど、日が明けてからの投下になるかもです。
89 :プラモデルの人[sage]:2011/12/25(日) 18:53:58.96 ID:8W7dZ51o0
鳥居の人乙!
威力が弱めで良かったが、ある意味洒落にならん都市伝説だwwww
やっぱり、都市伝説にも個体差があるんでしょうか?
90 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/25(日) 19:13:23.05 ID:MroHfVxAO
>やっぱり、都市伝説にも個体差があるんでしょうか?
自分も参加してあまり日がないのでこうとは言い切れないのですが、
都市伝説の個体差とか契約者の器の差みたいなのがあるんじゃないかなあと解釈しています。
91 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/25(日) 19:50:39.89 ID:MroHfVxAO
>威力が弱めで良かったが、ある意味洒落にならん都市伝説だwwwwwwww
ソニータイマーの人や花子さんの人などがもっと強カコイイ「リア充爆発しろ」の契約者を出されておりますよー
92 :プラモデルの人◇8W7dZ51o0[sage]:2011/12/25(日) 19:53:39.67 ID:8W7dZ51o0
>>91
今すぐ探してきます!
93 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 20:01:24.26 ID:sYkt2c3DO
>>89
都市伝説の中でも最初に生まれた一体は格別の力を持っているという設定をつけているが人によりけりかと
契約者がエネルギー注げば幾らでも強くなるから結局のところ契約者頼み
赤い部屋みたいな平凡な都市伝説も契約者のブースト次第では平行世界の運営みたいなことができます
94 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 20:17:31.38 ID:0XDagjwu0
>>89
その昔、「都市伝説を倒せば倒すほど都市伝説は強くなる」という(共通)設定がありました
しかしながら最近では、主人公はじめ登場人物の血筋だの異常だの才能だの絆の深さだので
あっと言う間に強くなる傾向にあるようなので、あまり気にしなくて良いかもしれません

ちなみに「契約できる数には限りがある」として、コストだの容量だのといった設定が取沙汰された事もありました
が、こちらも割かし登場人物の気合いだの根性だの天性だので何とかカバーしてるケースが多いです
用語についてはROMってると理解できた気にもなれますが、wikiのQ&Aを管理人と有志が作成したそうなんで、そちらも参照するとイイと思います

ちなみに、「数には限りがある」コストや容量が「オーバー」した場合、どうなってしまうのかについては
wikiのQ&Aよりも、実際に書かれた作品を読んだ方が、ぶっちゃけ面白いと思っています
容量オーバーが起こった場面をきっちり描写している作品は数少ないですが、まあ、お楽しみに探してみて下さい
95 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 20:23:49.93 ID:0XDagjwu0
>>89
失礼しました、明らかに>>94は話が脱線していますね
まあ、都市伝説の個体差に関しては、例えば同じ「口裂け女」をとっても
経験や才能や取り巻く環境などで能力は技術は変わってくると思いますがな
単発・連載に登場する「口裂け女」がみんな同じ能力や技術を持っている訳ではありませんしね
96 :ソニータイマー/3DS[sagesaga]:2011/12/25(日) 20:27:21.95 ID:GjXr9v8j0
鳥居を探すの人乙ですー!
疾風「『リア充爆発しろ』を使う時のコツはね、相手が自分より優れていると思うことと、相手が心の中では自分のことを見下して嘲っていると思うことなんだ。
そして、そこから生まれる悲しみやら怒りやら悔しさやら怨恨やらを手に集中させて、爆発させる対象をよく狙って…それを全てはきだすように…『爆発しろ!!!』と叫ぶんだよ」
97 :プラモデルの人◇8W7dZ51o0[sage]:2011/12/25(日) 20:36:44.69 ID:8W7dZ51o0
>>93>>94
ありがとうございます!
特に、wikiのQ&Aが物凄くわかりやすい……リンク先で街の全体や「組織」における派閥の方針までわかるなんて……

後、シェアード・ワールド・ノベルって事は有間の家やプラモ店も学校町内にあるんですよね
……繁華街のある南地区とかかな?
98 :シャドーマアッー!  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 21:01:07.45 ID:c5Aquja+0
そういえばプラモデルの人様、トリップの付け方間違ってますぜ
『 #000000 』みたいに『 # 』の後ろに好きな数列や文字列(多分何文字でも可)を打ち込むとできますの
『 # 』は半角じゃないと機能しませんのでご注意を


鳥居を探すの人乙です〜
契約者のおにゃのこ可愛そう……彼女に春が来たらんことを

>>88
>ノイ×柳のクリスマスネタあるけど、日が明けてからの投下になるかもです。
やっと…やっと性の6時間ネタが1本追加される……(←自分のしかなくてさみしかった

>>89
>やっぱり、都市伝説にも個体差があるんでしょうか?
都市伝説自身の力もあるし、契約者の器や体質、若しくは都市伝説と契約者の相性とかが関わってくるというのが俺の解釈かしら
うちの馬鹿は大して器もない癖に多重契約して血反吐を吐いたりしてますw
ぶっちゃけ一番相性良いのは「シャドーマン」と「レイヴァテイン」だけなのにねぇ

>>97
>特に、wikiのQ&Aが物凄くわかりやすい……リンク先で街の全体や「組織」における派閥の方針までわかるなんて……
(蓮華>特に方針が無いところもありますけどね
(ローゼ>蓮華ちゃんっ!?
(裂邪>まぁ穏健派だってのは紛れもない事実だけどな
99 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/25(日) 21:04:02.16 ID:8W7dZ51o0
>>98
あー、それで俺のだけひし形が白く……ありがとうございます!
100 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 21:06:46.87 ID:ysGNuKSSO
クロスしやすいから学校町に住んでる人が多いだけで
学校町の設定は使わなくても良いんよ
101 :小ネタ・こんな平和なクリスマス ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2011/12/25(日) 21:07:50.59 ID:c5Aquja+0
学校町のカラオケボックスの中に
何人かの高校生と多数の人外が集まって騒いでいた。
知る人が知れば彼らは一騎当千の都市伝説とその契約者だったのだが
盛り上がる彼らに今はそんなことは関係なかった。
約二名ほど常人も紛れ込んでいるが。
「鳥うめえ!!酒うめえ!煙草うめぇ!」
健康優良不良高校生矢田咎利がカラオケそっちのけでローストチキンをがっついている。
「色々といいたいことは有るけど咎利は咎利だなあ……」
その隣では濡羽色の髪の少女ヘンペルがカシスオレンジの入ったグラスを舐めている。
「俺は本当はこんな事をしてる場合じゃないんだが……仕事が……
リア充爆発しろとか都市伝説が活性化して騒ぎを起こすに決まって……」
「もう!エーテルはいつもそればっかり……部下の人がせっかく気を利かせてスケジュールを
空けてくれたんだからたまには休もうよ。
四文字の息子の誕生日ってのがちょっとあれだけど、折角なんだから……
ほら、もっとお酒でものみなよ」
「あ、俺がお酌しますよ」
その隣では組織のえらい人の赤毛の黒服とその都市伝説の銀髪ツインテ悪魔少女
そしてその部下の契約者の少年がちょっとぎこちないやり取りをしている。
「んっく……んっく……ぷはっー!
私が時間を忘れて只の女子高生やって何が悪いって言うのよ〜!!」
高いシャンパンをラッパのみしているリボンが特徴的
そしてちょっとテレピン油の香りのする女子高生が出来上がっていた。
「こ、暦……さん、俺ら未成年……」
「こまけぇ事はいいんだよ!!」
「咎利もああいってる〜
……おい、衛悟、私にも注げ」
「え!?あの、その辺にしといた方が……」
「ああん?時間は誰も待ちはしない。
今私は時間を忘れたいの、だから 早 く し ろ」
衛悟の喉元にいつの間にか優しくたおやかな腕が絡められ
その手元にはいつの間にかパレットナイフが握られていた。
「はぃいいい!」
「衛悟、お前も飲め」
「喜んで頂かせて頂きます……」
「それで良し……ああ、今だけが〜私の全てさ〜♪」
「暦ちゃんって飲むと人格変わるのね……」
この場に紛れ込んだ完全一般女子高生如月がちょっと引いていた。
「ウーロン茶をウーロンハイに摩り替えたのは不味かったかなー
あんなに張っちゃけるとは予想外予想外
まあいいや!うたう!」
「あんたの仕業か亜里沙!しかもいい加減にマイク放しなさいよ!」
そんな感じのカオスかつ平穏で馬鹿騒ぎのクリスマスの夜は更けていく……
この時ばかりは彼らは都市伝説、人、契約者といった宿命と自分が何であるかを忘れられ
年相応の少年少女、男と女として
共に浮かれ、騒ぎ、踊り、謳い、飲み明かす。
彼らは都市伝説と共に生き、共に戦ったのだから、
戦の後の戦勝パーティじみた馬鹿騒ぎも許されるだろう……
少なくとも今このとき、次なる戦いのときまでは……
102 :シャ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 21:10:10.16 ID:c5Aquja+0
そして代理投下完了

>>99
どう致しましてですよ〜

>>100
そうそう、また新しい隣町作るとかね(流石に多い?
103 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 21:29:12.77 ID:A6Yq5YPG0
クロスはともかく学校町以外に長く使われてる町なんてあるかね(笑)
104 :シャ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 21:38:33.06 ID:c5Aquja+0
>>103
言われてみれば、笛の人が時々使ってらっしゃる番屋町以外はあまり聞かないなぁ
永取市はTさんの人が使ってたので仕方ないけれど

あ、裂邪と正義が幼少過ごしてた○×町、未だ名前決めてない…3年後に使う予定なんだけど
105 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/25(日) 21:41:26.31 ID:0XDagjwu0
>>103
番屋町の住人ナメんなよ?
106 : ◆2PnxfuTa8.[sage]:2011/12/25(日) 21:51:57.19 ID:8b5LCyOs0
>>103
言ったな!
番屋町使って新しい話書くぞおらぁ!
つーか話終わらせるのタリーから一年くらいかけてゆっくりやるぞおらぁ!
つーか上田や魔法少女程書いてて楽しい主人公じゃないとおわらせられないことに気がついたぞおらぁ!

……あーあ
107 : ◆2PnxfuTa8.[sage]:2011/12/25(日) 21:53:35.52 ID:8b5LCyOs0
チュー訳でコンマでキャラメイクと舞台設定とかやってそのキャラで短編書くのやってみようかなと
108 : ◆2PnxfuTa8.[sage]:2011/12/25(日) 21:54:52.14 ID:8b5LCyOs0
【都市伝説関連の会社に務めているのですが上司についていけません】

「クリスマスパーティーを我が社で開きたいと思います!」

 社長がそんなことを言い出したのは十二月二十四日の朝だった。

「料理は豪華!ビンゴ大会あり!酒も飲み放題!そして参加条件はたったひとつ!」

 クリスマス、見事に予定が無かった俺は少しだけ期待していた。

「男性は女性を、女性は男性を連れての出席でお願いします!」

 [ピーーー]。
 社畜だって怒りを覚える時はある。
 
「ちなみにペアの相手は社外の人でもオッケーです!」

 重ねて命じる、社長[ピーーー]。
 残業につぐ残業で出会いの場所なんて無いんだよ。
 残業代払ってもらってるけどさ。

「誰を誘うかだな……」

 田舎の妹、駄目だ遠すぎる。

「あ、雀座さん」

 考えながら廊下を歩いていた時だった。

「あ、軌条さん」

 …………誘うべきか?
 こいつを?
 いやいやいやいや、ねえよ。

「ああ雀座さん、今晩のパーティー僕といっしょにどう?」

 しゃちょうがあらわれた!

「え?社長からのお誘いなんて勿体無いですよぅ!」

「おいおい、僕は社長としてじゃなくて一人の男性として君を誘っているんだぜ?
 一社員として我が社のアイドルを連れてパーティーに出られたら誇らしいしね」

「もう……社長ったら、仕方ないですね」

「ありがとう!」

 しゃちょうは雀座さんを誘ってしまった!
 社長は雀座さんを連れてどこかに行ってしまった。

「やべえ……どうしよう」

「しけた面してるわねえ軌条くん」

 そんな時、後ろから声をかけられる。
 口裂け女の坂口さんだ。 
109 : ◆2PnxfuTa8.[sage saga]:2011/12/25(日) 21:55:18.86 ID:8b5LCyOs0
「あ、坂口さん。実はクリスマスパーティーに一緒に出られる人が居なくて……」

「あらあらそれはお生憎様、私彼氏と行くからがんばってね」

 ファ●ク!
 駄目だ、直接女に声かけててもきりがねえ!
 ここは素直にホベンシオ部長か木蓮部長に女性を紹介してもらうか。
 僕はそう思ってエレベーターに乗った。
 うわ、勝手に十三階まで動き出した。
 まーだ除霊してなかったのかよこのエレベーター。
 軽く舌打ちして妙な気配のする場所を睨みつけると怪しげな気配は消えた。
 しかしエレベーターは十三階で止まる。
 下の階のボタンを押してドアを閉めようとすると……

「あ、乗ります乗ります!待ってええええええ!?」

 メガネをかけて髪を後ろで簡単に束ねただけの飾りっ気の少ない女性。
 プログラマーの茜さんだ。

「何階っすか?」

「一階です」

 待てよ、これはフラグ?

「そういえばクリスマスの予定って……」

「家族でパーティーですよ?旦那の方のお父さんに子供預けっぱなしだから早く引取りに行かないと……」

 既婚者でしたとさ。
 六階到着。
 ホベンシオさんがいらっしゃった。

「ホベンシオ部長、女性を紹介して下さい!」

「いきなりだなおい、木蓮さんに頼ればいいじゃないか」

「ホベンシオ部長……そうは言ってもあの人に紹介させるとか、ねえ……
 嫌味あてつけに他ならないじゃないですか」

「それもそうか、じゃあ私の娘なんてどうだい?」

「娘さんいらっしゃったんですか?」

「ああ、私とワイフの子供だからね、可愛いよ」

 ホベンシオさんが自慢気に携帯を取り出そうとしたところで彼の携帯が鳴り響く。
 
「おや、ワイフからだ」

「え?」

「もしもしどうしたんだい?」

「…………」

「なに?ああ分かった、じゃあ娘をつれていくよ」

「どうしたんです?」

「妻が風邪らしい、彼女の代わりに娘を連れて行けとさ」

「……おぉ」

「すまないミスター軌条」

「い、いえ……」

 駄目でした。
 
110 :シャ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 21:55:22.60 ID:c5Aquja+0
まさかここまで続けて番屋町が出てくるとは思ってなかった件

>>106
記憶違いなら申し訳ないけど
神崎士郎さんって番屋町でしたっけ?
111 :士郎くんも唯ちゃんと同じ番屋町だよ! ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/25(日) 21:58:02.39 ID:8b5LCyOs0
「おお軌条!どうしたんだい?元気なさそうじゃないか!」
 
 後ろから響く元気そうな声。
 女性の声。

「おお木蓮さん」

「おっすホベンシオ」

「部長!今日は営業って言ってたじゃないですか」

「今日はクリスマスパーティーだからな、早めに帰ってきたんだよ」

 バリバリのキャリアウーマン風の女性。
 木蓮さんは営業部長だ。
 三十歳にして営業部長だ。
 しかも女性でこの地位なのだから素晴らしい。
 ……ちなみに独身だ。
 親の追求がきつくなってきたらしく最近部下へのパワハラがひどい気がする。

「木蓮さん、貴方何時帰ってきたんですか?」

「え、ついさっきだけど」

「クリスマスパーティーの参加条件知ってますか?」

「おいなんだよそれ、あたしは聞いてないぞホベンシオ」

「異性のパートナーを同伴だそうです」

「しゃちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 木蓮さんが絶叫する。
 駄目だこの上司。
112 :ちなみに番屋町=山形市 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/25(日) 21:58:38.47 ID:8b5LCyOs0
「ちなみにそこの軌条くんもパートナーを探しているそうな」

「なに!?」

 ロックオン……された。

「どうやら今回ばかりは私たちの利害は一致しているらしいな……」

「え?ちょ、ま」

「契約件数=発言権!」

「何する気……」

「営業部長特権発動!」

 何故か木蓮さんの懐から大量の荒縄が飛んできて俺はあっさり捕獲された。
 そして目を覚ますと……俺はパーティー会場に居た。

「冴子がこんな立派な旦那さんを見つけてくるなんて……」

「私たちは貴方が結婚出来ないんじゃないか心配してたのよ……」

 え゛

「そそそそそ、そんなことないわよお父さまお母様」

 おい
 いつの間にこんなことになってるんだ
 おい

「あら、目が覚めたみたい、この人お酒弱いからすぐ酔っ払っちゃって……」

「おお、君が兵吾くんだね」

 誰だ、この目の前の老紳士だれだ。

「紹介するわ、私のお父様とお母様よ」

 おい、木蓮さん。
 おい、どういうことだよ。

「はじめまして、僕は冴子さんの恋人の軌条兵吾と申します
 冴子さんとは結婚を前提に……」

 意思とは無関係に口が動く。
 木蓮さんの都市伝説の能力だ。
 あんたはそこまでして自分の両親の追求かわしたかったのか!

【都市伝説関連の会社に務めているのですが上司についていけません おしまい】
113 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2011/12/25(日) 22:00:19.90 ID:8b5LCyOs0
山形なのは友人の親父の実家やら父方の親戚の家やらがあって作者が山形と妙に縁があるから
ゲソ天蕎麦食ったこと無い人はかわいそうwwwwwww
いやマジで、旨いから試してみて
アゴだしといってトビウオでダシとるの
114 :シャ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 22:06:11.24 ID:c5Aquja+0
被って申し訳ねぇorz 笛の人乙です〜
良いじゃない、木蓮さん可愛いじゃない!
しかし洗脳系か…どんな都市伝説かしら

>>111-112
そうか唯ちゃんもか
てかY県ってどこだろうなーと思ったら山形だったのかwww
一瞬でも「Yって、横浜?いやあれは横浜市だな」と割と鉄板なことを考えてた俺を罵ってくだs(帰
115 :シャ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 22:09:04.61 ID:c5Aquja+0
>>113
ゲソ天蕎麦とな、海産物大好きな俺からすれば炉利物レベルのよだれがじゅるり(
トビウオ出汁もあまり聞かないね、やばい腹減ってきた
ただ父上が海産物アレルギーだからなぁ……
116 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga sage]:2011/12/25(日) 22:10:02.98 ID:8b5LCyOs0
>>115
うめえぞートビウオ出汁うめえぞー
冷えたやつをぐいぐい行くのが乙だぞー
それほどしょっぱくないのがまたいいぞー
117 :シャ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/25(日) 22:33:30.22 ID:c5Aquja+0
ええい、本格的に腹減ってきたじゃないすかwwww
くそぅ蕎麦食いたい、近々食べるだろうけど無性に蕎麦食いたい
118 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga sage]:2011/12/25(日) 22:36:57.41 ID:8b5LCyOs0
アゴ出汁さえ手に入れば笛野郎の料理スキルでなんとかするんだけどな
アゴ出汁が手に入らない……
119 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]:2011/12/25(日) 22:58:52.62 ID:rHOeJfUv0
そんなレア食材なのか…
笛の人の手料理なんて胸熱///
120 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/25(日) 23:11:16.07 ID:8W7dZ51o0
どうでもいいですが、昨日の晩御飯はカレーうどんでした

プラモデル第二話、23:15ごろ投下しますー
121 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga sage]:2011/12/25(日) 23:12:00.59 ID:8b5LCyOs0
レアというか北海道だと手に入らないでござる
向こうだと多分簡単に手に入るんじゃないかなあ
向こうのスーパーはちゃんと見たこと無いけど

ちなみにこんなん作りました↓
某スレの物を一部パクったキャラメイクコンマ表

【人間判定】
偶数→人間
1,3,5→半人半魔(虚弱体質)
7,9→半人半魔(鋼の肉体)

※虚弱体質は家系判定6以上でカバー可能

【才能・容量】

1.契約即破滅、心の器はかぎりなく小さい
2.平凡極まりない器、普通の都市伝説なら契約はできる
3.平均よりややマシ、少し強力な都市伝説でも契約はできる
4.契約だけでなく戦闘に向けた契約の応用も可能になる
5.平均的な契約者としての容量
6.容量も充分で優れた契約者になり得る才能はある
7.容量は6と変わらないが心の器に満たされる力の質が格別
8.なにもせずとも魔を呼び寄せるほどの容量と力を持っている
9.神代の英雄に匹敵する契約容量を誇る
0.生まれながらに特殊な心のかたちを持つ、異常あるいは特化型の器を持つ人間、サンジェルマンに狙われる(主に才能を)

※才能・容量の値が0になった場合、判定は8に準ずる

【家系】(都市伝説についての知識や契約に向いた肉体を両親から授けられるか否か)

1.天涯孤独
2.一般的な家系に生まれる
3.都市伝説を知る一般人の家系に生まれる
4.数代前に契約者の先祖が居たが、都市伝説との縁は現在は絶えている
5.父母のどちらかが、あるいは両方が契約者である
6.父母のどちらかが、あるいは両方が契約者で何かの組織に属している、もしくはいた
7.古くから都市伝説を伝える家に生まれる
8.古くから強力な都市伝説を伝える一族の末裔
9.都市伝説の力を用いて古くより隆盛する家に生まれる
0.人の力のみを以てして人外を刈り取る技術を持つ家に生まれる

122 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/25(日) 23:15:50.20 ID:8W7dZ51o0
※この物語は、平穏とライガーたちを愛する一人の契約者の日常的な非日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
※後、作者は基本エロが苦手です。全裸待機なさっている方は、今すぐ衣類を身に付けてください。

では、【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】をお送りいたします。


数日前、俺こと有間出井が毎朝の習慣であるジョギングをしていた時のことだ。
だいぶ走ったしそろそろ戻ろうかな、と思って走る速度を緩めかけた瞬間……

「ほっほっほっほっ、ほっほっほっほっ……」タッタッタッ

「……ん?」

後ろから、和服のお婆さんに追い抜かれたんだ。
こんな朝早くに婆さんがジョギングしてるって時点で十分変なんだけど、
かなり年みたいだったのに元気だなーとしか思わなかったんだ、その時は。

事はその次の日の朝。
俺がジョギングで同じコースを走っていた時のことだ。
まだスピードを保っていた俺の横を、小柄な影がさっと通り過ぎた。

「ほっほっほっほっ……」タッタッタッ

あの婆さんだった。しかも今度は抜き去る直前、俺に向かって―――

「ほっほっほっほっ、ほっほっほっほっ……」タッタッタッ……クルッ

「えと、何か?」

「……ぷふっww」

「……は!?ちょ、今明らかに笑ってましたよね!?婆さ……」

「ほっほっほっほっ、ほっほっほっほっ……ぷふふふふww」タッタッタッ

婆さんはそのまま、笑いをこらえながら走り去っていった。

「何だったんだよあの婆さん……もう帰ろう」
123 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/25(日) 23:16:18.57 ID:8W7dZ51o0
こんなことが二、三日続き、一昨日のこと。
その日の前夜は、能力で販売したプラモデルが思ったようなものじゃなかったため仕方なく「販売中止」していた。
能力でいくらでも販売ができるからといって、俺の財布から金がいくらでも出てくるわけじゃないし。
そのため若干いらついてたのは否めない……けどな。

「ぷふふふふふふふ…………べー♪」

「………………………………待てや」

「ほっ?」

さすがにこれは………………もう切れてもいいよな、うん。

「ほっ?じゃねえ!年寄りだと思って我慢してれば調子乗りやがって……足遅い人馬鹿にしてそんなに面白いか!あ!?」

「ほーーーーーーーーーーーぅ!?」タタッ!

「待てと言っとろーがこの婆あぁぁぁ!」ダッ!

さすがにびっくりしたのか、ビクッとなった後ダッシュで逃げる婆さん。
それを、ジェノブレも真っ青の形相をしながら全速力で追いかける俺。
別に捕まえてどうこうしようというわけじゃない。ただ、人をからかったことを謝って欲しかっただけだ。
とうとう婆さんと並ぶまでに追いつき、横目で様子を伺ったとき……服の袖を婆さんがゴソゴソと探っているのに気づいた。

「一体何やって……うわっ!」

「ほっ!」ジャジャーン!

袖から婆さんが取り出したもの、それは―――

「ホッ、ピング……?てかそれ、どう見ても袖から出てくる大きさじゃ……!?」

「ほーーーーーーーーーーーっ!」ダンッ

―――ビョーン、という擬音はこういう時に使うのだろう。
一瞬で空高く飛び上がった婆さんを見ながら、俺はそんなことを考えていた。
124 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/25(日) 23:16:47.45 ID:8W7dZ51o0

その後、俺は友人(女)宅にて例の婆さんの話をした。信じてくれるとは思ってなかったし、笑い話のつもりで。
だから彼女に「ああ、ホッピングババアだねそのお婆さん」とさらっと返されたときはびっくりしたね。
もっとも、向こうも作り話と思って聞いていたのか、俺が詳しい事について詰め寄ると驚いた様子で
「嘘、本当に遭ったの」「あの、顔近」「怪我はない」「情報漏え…いや、まだごまかせ」と混乱気味だったが。
落ち着くのを待って話を聞くと、彼女は俺にとあるサイトを見せてくれた。
いわゆる「全国の都市伝説を集める」といった内容で、その中の「ババアシリーズ」という一覧の中の記述がこれだ。

『ホッピングババア:着物を着てホッピングに乗った婆さんが、走っている人や車を飛び越すという都市伝説』

「都市伝説……なんだよ、な」

「そうなんだけど……あの、もし心配だったらその、私も明日」

「……いや、これは俺の問題だ。明日決着を付けようと思う」

「一緒に……ってえぇ!?」

正直、友人の足ではあの婆さんに追いつくことさえ敵うまい。気持ちと情報だけありがたく受け取っておこう。
「お守り」と称したガンタンクを受け取りつつ、情報提供の礼を言って俺は友人宅を後にした。

そしてその日の夕方から夜にかけて、俺は体力の消耗を覚悟である物を作り、例の能力を使った。
『先着一名様限定・ホッピングババアのそれと同性能のプラモ1/1・ただし本物は当たり扱いで学校町の○○店にてのみ販売』
(ついでに光学迷彩スーツや、衝撃吸収用のヘルメットなどの防具もセットで。あ、あと壊れにくくしないとまたレ・ミィの悲劇が……。)



そして今日の朝。俺はあの婆さんと決着をつけるため、ここに来ていた。

「ほっほっほっほっ、ほっほっほっ……ほっ?」

背後の笑い声が途切れ、足音も止まる。どうやら、俺の格好がいつもと違う事に気づいたらしい。
俺は背負ってきた『ホッピングのプラモデル』を片手に持ち、婆さんのいるであろう方向へ振り返ってニヤッと笑う。
それをじっと見ていた婆さん、いや都市伝説【ホッピングババア】……その顔にも、ゆっくりと笑みが広がりつつあった。
どちらともなく横一列に並び、ホッピングに片足をかける俺と婆さん。
昨日一日練習したとはいえ、ホッピングで飛ぶのが本職である婆さんにどこまで太刀打ちできるかはわからない。
だが、それでも―――

「意地があんだよ、男にはあああああああああああああああああ!!!」

「ほーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

現在時刻、朝の6:30。
後に、誰にも語られぬであろう決戦が今、火蓋を切った。
125 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/25(日) 23:20:47.62 ID:8W7dZ51o0
《同日、あのプラモ店》

『先着一名様限定・ホッピングババアのそれと同性能のプラモ1/1』(売り切れ)
「……え?これって、まさか……」

そして、この出来事が彼女との関係を大きく変えてしまう事になるなんて
その時の俺は思いもしなかったんだ。

ケース@:ホッピングババア(野良?)終わり
126 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga sage]:2011/12/25(日) 23:21:57.28 ID:8b5LCyOs0
乙でしたwwwwww
どうなるのこれwwwwwwww
どうなるのwwwwwwww
……まさか、恋愛フラグ
127 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/25(日) 23:26:49.91 ID:8W7dZ51o0
はい、という訳で主人公も学校町の仲間入りをさせてしまいました……いいのかなあ(汗)
前回がシリアス風味に終わってしまったので、今回は若干明るい感じに戻してみました。
友人(女)との裏設定も回収できたし……続きは一、二週間以内には上げたいなあ
決着はあえて言いません。強いて言うなら、有間は今でもたまにフル装備でジョギングへ出かける、としか。

では、投下失礼しました!
128 :犬神憑きと怪人アンサーの人 ◆vQFK74H.x2[sage saga]:2011/12/26(月) 00:00:22.91 ID:NYfI+VHg0
単発祭り、賑わってますねー
プラモデルの人様、投下乙です&ようこそですー

>>31
>というか途中で折れる可能性も……ネタを思いついた時に、たまに投下するぐらいでいいのなら、よろしくお願いします
wktkしてお待ちしています!

前スレで好きなキャラに蛍の名があった事に動揺を隠せない…
好かれる要素なんてあったっけ
129 :プラモデルの人 ◆Fc41GULPZE[sage]:2011/12/26(月) 00:44:17.05 ID:Exp4bSqi0
すいません、>>124の中の一文を訂正します
×「……いや、これは俺の問題だ。明日決着を付けようと思う」
○「……いや、これは俺の問題だ。明後日決着をつけようと思う」

>>126
>……まさか、恋愛フラグ
避難所の裏設定スレでも書いてますが、彼女を含む有間の友人は全員「組織」の一員であり都市伝説持ちです。
また、向こうに書き忘れた設定として【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】の能力の一つに
『販売する商品の名前もある程度決められる』という物があります。
ですので、本来ならいつもの通りどこにでもありそうな商品名をカモフラージュで付けることにより
主人公こと有間出井の能力が発覚する恐れはありませんでした(事実、光学迷彩スーツなどはそうしてます)
しかし、ここで『能力で作った商品は翌日販売される』というルールが足枷になります。
翌日発売とはつまり、『午前0:00を一分でも過ぎれば販売されるのが一日伸びる』という事。
故に貫徹の許されない有間は、それこそ死ぬ気でプラモを作り続けました……が、最後のホッピングの完成間際に
集中力が途切れてしまった彼は、>>125のようなそのままのタイトルで販売してしまったのです。
無論、このままでは単なるウケ狙い商品と見られる可能性も無くはないですが……有間が店をでた数十分後、
偶然ガンプラを漁りに来た友人(女)に売り切れのコーナーが見つかってしまったのです。本当に運が悪い。
ちなみに恋愛へ行くかは未定です。所属派閥どころか、彼女の名前すら決めてませんし……orz
>>128
>前スレで好きなキャラに蛍の名があった事に動揺を隠せない…
少なくとも、自分がこの世界へ足を踏み入れる切欠を作ったのは>>128と前スレ>>961‐962の短編です。
あの短編を読んでなかったら自分も有馬出井も【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】も
今こうして必死に悩んだり楽しみながらこのスレを楽しむことはできませんでした。
貴方の作品と、貴方が生んだキャラ藍澤蛍ちゃんはとても素敵です。自分は少なくともそう思っています。
130 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]:2011/12/26(月) 11:29:33.40 ID:eZD00CEX0
>>128
はっはっは、ほたるんは好かれる要素しかないじゃないですかw
気持ちは分かりますけどね、俺も裂邪が好かれる理由が未だに(影に飲まれました

>>129
派閥と言えば、穏健派ならR-No.とかどうでしょう(勧誘やめぃ
ただNo.内で班に分かれてるのでかなり面倒ですが…
131 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga sage]:2011/12/26(月) 12:08:38.72 ID:YHD8lB3W0
ほたるちゃんの不幸ぶりは見ていてゾクゾクするのよ……うふふ
132 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]:2011/12/26(月) 12:27:49.67 ID:n0xLVQry0
昼休みに入ったところで感想をば
プラモデルの人乙です〜
「ホッピング婆」と対決…何故かフォーゼのホッピングスイッチを思い出した
きっとあれくらいアクロバティックな戦いだったに違いない
ガールフレンドにばれたか、今後の展開にwktk

そして出井くん、ようこそ学校町へ!
変態ばっかりだけどゆっくりしていってね!(各方面に謝れ
やるべきことが終わったらクロスの機会を伺おうかしら

>>127
出井くん……ほろり
133 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/26(月) 19:44:06.38 ID:Exp4bSqi0
>>130
>派閥と言えば、穏健派ならR-No.とかどうでしょう(勧誘やめぃ
((((;゚Д゚))))
「R-No.」って、あの「赤い幼星」の所属してる班ですよね?
友人(女)が能力三倍増しの幼女集団の下っ端に配属されるって事ですよね!?(ぉぃ
…………すいません、>>130さんがよろしければですが……友人(女)こと「古田 紫亜」をよろしくお願いしますm(__)m
名前等の詳しいプロフィールは後で裏設定スレに上げておきますので。
>>132
>きっとあれくらいアクロバティックな戦いだったに違いない
はい、あんな感じです。距離と高度が別次元でしたが。
ちなみに二人の使用したホッピングは両足を乗せて飛び跳ねるタイプでした。
>ガールフレンドにばれたか、今後の展開にwktk
すいません、今のところ出井から見た紫亜は「唯一の女友達」レベルです。
その上彼女の契約した都市伝説を「紫亜の彼氏」と勘違いしてますので……。
>やるべきことが終わったらクロスの機会を伺おうかしら
なん……ですと……!?いえ、すごく嬉しいのは確かですがどうしよう、一生分の幸運をここで消費してる気分がggggg

感想あリがとうございました!
134 :プラモデルの人 ◇ENERGYLIGER[sage]:2011/12/26(月) 20:50:31.40 ID:Exp4bSqi0
避難所の裏設定スレにて「古田 紫亜」および「古田 万理」の設定をupしました!
135 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/26(月) 20:51:49.71 ID:Exp4bSqi0
しまった……連投すいません
136 :>>130=シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/26(月) 22:34:39.07 ID:Jfhvkj750
>>133
>「R-No.」って、あの「赤い幼星」の所属してる班ですよね?
(ローゼ>失礼しちゃいますわ! その呼び名は好きではありませんのよ!(プンスカプンスカ
(裂邪>仕方ないっちゃ仕方ないわな、その二つ名が一人歩きしてる以上は

>…………すいません、>>130さんがよろしければですが……友人(女)こと「古田 紫亜」をよろしくお願いしますm(__)m
俺が『NO』と言うと思っているのかい?
俺はこのスレでノリが水素より軽いと言われているんだぜ?(一度だってネェヨ

というかこちらこそ宜しくお願い致しますのorz
さてさてR-No.所属に当たって幾つかご契約の方を確認させて頂きます(面倒くせぇ

●研究・戦闘(現象・使役・物品)・事後処理・防衛・偵察・物資調達・支援・救護班の10班の中よりお好きな部署をお選び下さい。担当の黒服を手配致します
  尚、「マヤの予言」事件(2011年10月28日)以降に編入された方はもれなく雑用班も選択できます
●R-No.所属の契約者様には任務の際は“R”で始まるコードネームで名乗って頂きます
  主にその契約者の能力などで判断してつけていますが(例:天沢翔騎→Reflector、黄昏裂邪→Rainbow)、
  名前の由来が例の赤い人らしいので『Redcomet』などどうでしょう(そのまんまじゃねぇか
137 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/26(月) 23:36:35.45 ID:yTdXIfpSO
このスレの悪癖
ひきこもり
138 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/26(月) 23:42:31.50 ID:Exp4bSqi0
>>136
(紫亜>本当にいいんですか!?うわぁ……大佐にちなんだコードネームまでいただけるなんて!
(紫亜>あ、部署は……「殺人鬼」さんは戦闘向きな都市伝説ですけど、母さんは「私には向いてない」って……
でも、やっぱり直接話し合わないと分かり合えないことも有ると思うんです!だから、使役担当希望でお願いします!
後はここに印鑑を……はい!これからよろしくお願いします!

シャドーマンの方、そして「R-No.」の皆さん!
快く迎えていただき、本当にありがとうございます!
※『古田 紫亜』が「R-No.」に配属されました。
139 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/27(火) 00:01:38.51 ID:qrVg+g1s0
あ、番号はこちらで決めちゃいましたが構いませんか?
140 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/27(火) 00:14:41.67 ID:PCZ/gzkO0
ありゃ、俺ってば勘違いしてたか……
紫亜ちゃん、もしや『組織所属の契約者』じゃなくて『黒服』でしたか?
141 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/27(火) 00:33:01.06 ID:LWRDREHDO
今気づいた
雑談こっちでした方がよくね?
142 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/27(火) 00:34:10.87 ID:qrVg+g1s0
え?もしかして、番号がつくのって『黒服』だけだったんですか?
すいません、無しでお願いします!紫亜は飲み込まれるどころかまだ器余裕ですので!
143 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/27(火) 00:43:13.61 ID:YmPxSXRy0
>>142
了解です〜
よぉし、担当黒服を今日中に考えますね♪
ロリかショタか青年か(注文の多い料理店か
144 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/27(火) 00:46:08.72 ID:qrVg+g1s0
>>143
ありがとうございます!
145 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/27(火) 01:32:26.20 ID:YmPxSXRy0
オッケーぃ、設定固まってきたよ〜(早ッ
担当さんはR-No.3313、「ムノチュア」に飲まれた黒服ってことで
詳細は仕事終わったら裏設定スレにあげますの
146 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/27(火) 10:28:27.36 ID:qrVg+g1s0
>>145
シャドーマンの人、ありがとうございます!
(紫亜>私からの呼び方は、勿論「大尉」です!
(出井>……だろうと思った。その内紫亜の外伝とか書く予定だそうで……
(紫亜>しかも愛機(サザビー≒ムノチュワ)と一心同体だなんて……いいなぁー

(万理>化物を羨ましがる必要はない。お前は、人間のままでいいんだ……!

(出井>なあ、今のって……。
(紫亜>うぅ……(母さん……まだキャラも不安定なのに)
147 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/27(火) 12:31:37.28 ID:YmPxSXRy0
ほう、「モンキーマン」をあぁ使うとは……御主なかなかやりおるな(誰
実は「モンキーマン」も入れようと思ってたんだけど良い感じの見た目と能力が思い付かなかったというorz
しかしおにゃのこに慕われるなんて羨ましいぞ大尉…

そういや、加入時期はいつ頃に致しましょうか?
それによってうちの死に損ないが先輩になるか後輩になるか(いい加減怒られるぞ
148 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/27(火) 13:21:25.28 ID:qrVg+g1s0
>>147
出井が契約したのが二週間前、紫亜はそのさらに一か月前に組織入りしたという設定です
149 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/27(火) 13:26:34.53 ID:YmPxSXRy0
>>148
ということは11月くらいかな?
裂邪とほぼ同期になりそう

あぁ、同僚もまとめた方が良いかしら
こっちは流石に帰ってからにしますのorz
150 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/28(水) 00:09:46.83 ID:F2H6Pvi60
※この物語は、ガンプラ達を愛するとある少女の非日常的な日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
※後、作者は基本いきあたりばったりです。設定を今回もかなり変更しましたので、大目に見てくださいお願いしますorz。

それでは外伝【「R-No.」の若き彗星】プロローグをお送りいたします。


『初めまして。早速ですが、研究・戦闘(現象・使役・物品)・事後処理・防衛・偵察・物資調達・支援・救護班…………以上、10班。
この中よりお好きな部署をお選び下さい。尚、「マヤの予言」事件(2011年10月28日)以降に編入される為もれなく雑用班も選択できます』

『……「殺人鬼」さんは戦闘向きな都市伝説ですけど、母さんは「私には向いてない」って……
でも、やっぱり直接話し合わないと分かり合えないことも有ると思うんです!だから、使役担当希望でお願いします!』

『戦闘(使役)担当を希望、と……では、こちらが「組織」に現在所属する班の一覧です』

『えーっと……赤い、幼星……!?この班!この班でお願いします!』

『穏健派の「R-No.」に多大な興味……「組織」については現在「過激派」におられる万理様からも聞かされておられなかったようですが?』

『……はい。今まで母さんがそんな危険な仕事についていたなんて……父さんも……』

『……お父様の事についてはお察しいたします。それで、何故そこまでの興味を?』

『あの……その、名前が……私の……名前元になった人の二つ名に、似てるんです……』

『…………………………は?』


『後はここに印鑑を……はい!押しました!』

『ありがとうございます。後日、担当の黒服を手配致します。また、「組織」間の会話において本名は極力伏せてください。
R-No.所属決定後、任務の際は“R”で始まるコードネームで名乗って頂きます。それでは宜しくお願い致します……《     》さん』

『は、はい!こちらこそ、これからよろしくお願いします!』


――――――これが、もう一ヶ月も前の事になろうとしている。


私が小学生ぐらいの時に父さんが『不慮の事故』で死んでから、母さんは殆ど家にいることはなくなった。
帰ってくるのは月に一、二回か、『ここでやるべきことは終わった』と新しい街へ引っ越す時だけ。
何度友達が出来ても、いつかはお別れしなくちゃならない。私は自然と、一人でいることが多くなった。
暇な日も、家にこもることが多くなった。ガンプラやアニメで気を紛らわしてたら、視力が少し落ちて眼鏡をかけた。
よく観るアニメは、父が遺してくれたもの。「赤い角付き」に乗って戦う、私の名前の元になった公国の軍人。
周りを惹きつけるカリスマ性。自信に満ちた言葉とそれに見合う高い実力。自分の意思を貫き通す、強い心。
いつしか私は、彼と彼の愛機達に対して……憧れに近い物を抱くようになった。
そして、中学二年生の夏。私と母さんがこの町……学校町に引っ越してすぐのこと。
誤ってカバンに入ってた、赤いゲルググの頭が。教室に入った際にクラスメイトに見つかり、
その場で皆に「ガンプラオタク」とからかわれていた時があった。

自分の好きなガンプラを否定されることが。
父さんの遺してくれた思い出が汚されることが。
俯いたまま何も言い返せない自分自身が…………嫌で、惨めで、情けなくて、消えてしまいたくなった時―――

『いや、それなら俺はいわゆるゾイドオタになるんだが。文句ある?』

思わぬ言葉に顔を上げた。私を囲んでいたクラスメイトの輪が、サッと開いた。
扉の近くにいる、今来たばかりの様な数人の男子……その中の一人が、ゆっくりこちらへ歩いてきた。
そしておもむろに自分のカバンに手を突っ込むと、

『ほら。今日も昼休みに、いくらか進めようと持ってきてるんだ』

ニッパー。ランナーについたプラモデルのパーツ。サイコロのような銀色の六面体(後に「コアブロックス」という物だと知った)。

『お前、いつも一人でじっと座ってるからさ、どう言う奴かよくわかんなかったんだ。さっきもあいつらと「誰が最初に話しかけるか」
って話してたんだが…………なんだよ、結構いい趣味してるじゃん。この頭部だけでもわかるぜ、きれいにバリも取ってあるし』

初めて、だった。ガンプラを認めてくれた子も、こんな親しげに話しかけてくれる子も。
その男子はしばらくゲルググの頭部を眺めていたが、『あ、そうだ』と言って…………右手を、差し出してきた。

『……え?』

『握手だよ、握手。俺、《有間 出井》っていうんだ。よろしくな』

私は微かな胸の鼓動を感じながら、彼……有間君の手を取って、答えたのだった

『私は…………《古田 紫亜》っていいます。こちらこそ、よろしく…………!』


【「R-No.」の若き彗星】プロローグ   終わり
151 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/28(水) 00:16:52.50 ID:F2H6Pvi60
はい、という訳で紫亜の「組織」編入&出井に誑かされるまでをお送りしました(ぉぃ
彼女の「誰とでもまず話し合って解り合おうとする姿勢」や「ガンプラを壊されるとプッツンする」のは
こういった幼少期のトラウマが原因だったりします。ぶっちゃけ、大佐が居なかったら病んでます。確実に。
この二年後、出井たちによって本来の明るさを取り戻していった紫亜は出井と同じ高校に進学。
趣味を理解し合える友にも恵まれ、充実した学生生活を送っていました……一か月前までは。
ちなみにバレンタインでの「ダークマター事件」は中学三年生の頃に起こったことにしてます。
また、万理ーダさんの都市伝説についても纏まりつつあったり……気長に更新を待っていただけるとありがたいです。

では、ゲリラ投下失礼しました!
152 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/28(水) 03:41:00.45 ID:FnQ/NF7Ko
乙でした−
オタクと言われてからかわれるのはめんどくさいよなと昔を思い出す
ナイスなフラグのたてかただぜ!
学校にプラモもってったら問答無用で没収だったっけか


説明シーンが分かりやすい人!みたいな、こんな感じのこういうシーンやこういう描写はこの作者が上手いってのある?
参考にしてレベルアップしたい
153 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 08:17:29.38 ID:aPYfiLJ60
やべっ、班分けしてるのは現在R-No.だけって言うの忘れてたorz

プラモデルの人乙です〜
あら可愛い、もし俺がクラスメイトなら即行で話しかけたな
なんだこの甘酸っぱい気持ち……そうか、俺が求めていたのはこれか……!

>>152
んー、Tさんの人とかかな?
確実なのは、俺は説明下手くそだということですねorz
154 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 08:27:45.22 ID:aPYfiLJ60
あうち、中途半端に読んでた
前に避難所の雑談であがってた奴だと、
男同士の描写は花子さんとかの人、戦闘シーンは笛の人、
エロ描写は三面鏡の人で、変態描写は恐れ多くも俺らしい
他何かあったかしら…

あ、戦闘シーンは八尺様の人もオススメ
笛の人を“熱い”と表現するなら、彼は“クール”な感じ(失礼だったらごめんなさいorz
155 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 09:55:56.25 ID:aPYfiLJ60
連レスごめん、言い忘れ
百合と鬱は犬神憑きと怪人アンサーの人だと思う
あと男勝りな女の子ははないちもんめの人

話題からずれるかもだけど、地の文の書き方はルーモアの人や怪奇チャンネルの人が好き
飲み込まれるってこういうことなんだなぁ、と
156 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/28(水) 10:42:58.49 ID:F2H6Pvi60
>>152
>ナイスなフラグのたてかただぜ!
自分の好きな事を他人に認めてもらうのはすごく嬉しいですし、
誰も意図せず見事な「飴と鞭」の構図になりましたからね。
>学校にプラモもってったら問答無用で没収だったっけか
実は中学時代、ハサミと間違えてニッパーを学校へ持っていったことがあるんです(実話)
自分は忘れたふりして隣の人に借りてましたが。出井が正直羨ましいです。
ちなみに彼、没収されないようゲルググの頭ごとプラモセットを教師らの目から隠し通してます。常習犯ですし。
>参考にしてレベルアップしたい
自分も心からそう思います。
>>シャドーマンの人
>やべっ、班分けしてるのは現在R-No.だけって言うの忘れてたorz
自分のシリーズでは『正確な班分けをしているのは「R-No.」ぐらいで、他は所属こそすれども各々好きな担当に首を突っ込む』
という解釈で行こうと思います…………しかし、意外に自由だな「組織」
>あら可愛い、もし俺がクラスメイトなら即行で話しかけたな
黒髪セミロング+縁なし眼鏡+可愛らしい顔立ちで最強に見えます。
そういや、主人公たちの見た目……数日中に纏めておきますごめんなさいorz
>なんだこの甘酸っぱい気持ち……そうか、俺が求めていたのはこれか……!
思春期の気恥ずかしさとかと思い出しつつ書きました。書いた後自分が悶絶しましたが(後書きが七分近く遅れたのがそれです)

感想ありがとうございます!そしてシャドーマンの人が挙げられた作品を読んで精進いたします!
157 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/28(水) 11:34:09.72 ID:FvW0lhlAO
笛の人乙です。
なんという愉快なブラック企業ww
プラモデルの人もいよいよ本格始動ですね。
続き楽しみにしてます!
158 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 11:52:27.20 ID:aPYfiLJ60
>>156
同じNo.内で穏健寄りとか過激寄りとかに分かれてることもあるぐらい自由ですぜ…あったよな、確か(うろ覚え
見た目は暫く書いてからというのもありですよ、元々連載の予定がなかったそうですからまだキャラが不安定だったりするでしょうし
俺もキャラ数名見た目が全然思い付いてなかったり(ぁ

あと俺の話は全く参考にならないから注意してね!
変態描写は笛の人の方が上だからね!
俺のはいきなりエロシーンで始まる連載もあるからね!
159 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/28(水) 12:14:54.08 ID:F2H6Pvi60
>>157
>続き楽しみにしてます!
ありがとうございます!

>>158
>見た目は暫く書いてからというのもありですよ、元々連載の予定がなかったそうですからまだキャラが不安定だったりするでしょうし
わかりました、一応紫亜の外見は>>156で確定ということで
>俺のはいきなりエロシーンで始まる連載もあるからね!
えっなにそれこわい
160 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 12:33:35.33 ID:aPYfiLJ60
>>159
そういえばダークマター事件が中3で、それが一昨年だから今は高2、という解釈であってるかしら


エロシーンといってもS○XじゃなくてG行為ですけどね;
あとそんなに生々しい書き方じゃないしやってるのが小学生だから大丈夫…の筈
『これって本スレアウトかな?』と思うギリギリのラインを敢えて上げるのが俺的な変態描写のコツ
自分のストッパーはとっくに外れてるし、ここはレ○プシーン上げても何の音沙汰もないから安心して書けますの(キリッ
161 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/28(水) 13:15:48.34 ID:F2H6Pvi60
>>160
>そういえばダークマター事件が中3で、それが一昨年だから今は高2、という解釈であってるかしら

はい、大体そんな感じです。年は出井の方が一つ上ですが。
市販のチョコを溶かした後冷やして固めるという単純作業で出来たそれは、今まで無遅刻無欠席を貫いてきた
出井の鉄の胃袋さえも侵食し、彼を丸二日寝込ませるという快挙を成し遂げています。
また、この件に責任を感じた紫亜は出井の看病をしに付きっきりで看病をし、クラス中が二人の中を邪推してましたが
当の出井はこの事件から紫亜からの好意を「勘違い」と思い込んでしまいます…………頑張れ。
162 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 13:32:26.45 ID:aPYfiLJ60
>>161
切ないwwww
でも恋愛にすれ違いは付き物よね♪

(裂邪>俺達は出会った時から両想いだったな……つまらなかったんじゃないか?
(ミナワ>と、とんでもないです! 寧ろ、その…同じ気持ちだったのが嬉しかったです///
(裂邪>ッヒヒ…お前が良いなら、俺もそれで良いよ
163 :やる気なさそうな人[sage]:2011/12/28(水) 14:32:28.26 ID:o/O4rcwDO

シャドーマンの人は変態描写に定評があると言うよりは
変態で定評があるって言った方が近いと思います
164 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/28(水) 14:44:07.39 ID:F2H6Pvi60
万理さんの都市伝説を思いつきましたが……無理があるかなあ、これwwww
後に避難所へ投稿します。

>>163
その発想はなかった 
165 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 14:48:05.44 ID:aPYfiLJ60
>>163
きゅうしょに あたった!(男のアレ的な意味で
こうかは ばつぐんだ!(男のアレ的な意味で

お、俺はへへへ変態じゃないないもんっ!?
166 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/28(水) 15:38:38.26 ID:F2H6Pvi60
万理ーダさんの都市伝説【○○○○○城】を上げときました

……シリアス苦手なくせに、そういった設定がどんどん出てくるのは何故だろう
167 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/28(水) 15:49:04.71 ID:aPYfiLJ60
>>166
よくあることだ気にしない
俺も昔はエロ描写というかセクシーシーンとかあまり書きたくなかった人だったけど、
ここに来てからは問答無用ですね(

思えば都市伝説ryスレに出会って1年と半年、俺も色んなものに目覚めましたとも
ロリにしか興味なかったのにショタとか人妻とか女教師とかBLとかGLとか男の娘とかとかとか
にしては依然としてロリキャラの方が多い我が作品
処女作の主役がロリコンじゃなくなるので来年からは減少するかも
168 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 23:57:57.99 ID:LeIwxfxb0
【上田明也の暗闘〜ちょっと昔のお話〜】

 ほんの一、二年前の話だ。
 上田明也が心の器という意味では正しく最盛期だった頃の戦い。

「都市伝説は人を食わせれば食わせるほど、都市伝説を食わせれば食わせるほど強くなる」

 カサカサと這いまわる無数のネズミたち。
 彼らは皆、上田明也の秘める芳醇にして濃厚な心の力で都市伝説として強化され使役される怪物。
 正しく聖書の悪魔(レギオン)。

「そうだったなぁ、メル?」

「その通りですご主人様」

 汲めども尽きぬ無色透明いな心の力は正しく尽きることなき奇跡の杯。
 白くも黒くも染まる透明な力、奇しくも聖杯の在り方に酷似していた。

「じゃあ、もっと殺さなくてはなるまいよ
 肉欲食欲休息欲、今の俺を満たせるのはお前だけなのだから
 俺を満たせぬ世界になんの価値があろう
 俺を満たす者だけに俺は価値を認める
 奪おう、与えよう、満たそう、乾かそう、犯そう、奪おう、零にして百にしよう
 人は皆裏切りあい憎しみあい奪いあうこの世界で俺一人が責められなくてはならない道理も無い筈だ」

 日本中を渡り歩きながら続けた殺戮
 被害者は報道されただけでも20人
 その実被害者は人間だけで99人、都市伝説も含めれば無害有害並べて揃えて既に500体超。

「大好きですご主人様、私にもっともっと力をくださいね?」

 その殺戮は彼という人間自身の本来持っていた都市伝説と契約する為の器も広げていた。
 侵食よりも早い成長、それが上田明也が自我を保っていた理由でもある。
 
「無論だ、俺は今やっと自分の為すべきことを理解したのだから」

 その代償として無色透明な彼の属性は黒く紅く染まっていたのだが。
169 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/28(水) 23:58:50.07 ID:LeIwxfxb0
「マスター、今日の晩御飯はなんなんですか?」

「そうだな、酢豚にでもしようか。健康に良い」

 そう言ってにこりと笑ってから、足元の人骨を踏みつぶす。
 砕けた骨の欠片も瞬く間にネズミたちの餌になって消えた。

「昨今の殺人鬼は健康を気にするの?」

 上田が暗い路地裏から出ようとした時だった。
 その出入り口を塞ぐようにしてスタイルの良い黒服の女性が立っている。
 上田にはこの女に見覚えがあった。

「F-No.333……三原沙耶、だな?」

 彼とこの女性が始めて会ったのは数寄屋町で起きた廃水族館倒壊事件でのこと。
 その時はまだ上田は無力な少年だったのだが三原は彼の瞳に水族館事件の犯人と同じ真性の邪悪さ、そして彼の父と同じ闘争本能の片鱗を見ていた。
 だから成長した彼が【ハーメルンの笛吹き】と契約し、
 【ハーメルンの笛吹き男】として暴走を始めた、と聞いた時も彼女は至って自然なことだと思った。
 いやそもそも、暴走したとさえ考えてなかった。
 暴走とは無軌道な物だ。
 上田明也という少年はハーメルンの笛吹きによって方向性を与えられていて、それに向かって直進しているだけだ。
 だからその行動は完全犯罪のように緻密に計算されていて、なおかつ暴走してるとしか見えないほどの荒々しさを持っているのだ。
 当初、彼女はサンジェルマンと他No.の無能さを嘲笑っていた。

「久しぶりね、ぼうや」

 しかし予想外な事態が起きた。
 F-No.1、サンジェルマンが最も信用する部下が上田明也に殺された。
 無論彼は即座にサンジェルマンが再生治療を施したのだがこの事態はF-No.の黒服達を恐怖に陥れた。

「悪いがもうぼうやって年ではないな」

 No.0含め、我々はあの男を見誤った。
 利用はできない、危険である故殺せ。
 F-No.内部の過激派が行動を始めていた。

「じゃあ、大人扱いしても良いんだー?」

 唇に人差し指を当ててうふふ、と笑う沙耶。
 上田は構うことなく真っ直ぐに歩いてくる。
170 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/29(木) 00:00:11.09 ID:92L+oYnp0
「構わないぜお姉さん、あんたのデカイ乳と尻には昔から興味があったんだ
 無論ツルツルペタペタしてるのも良いがそれだけじゃあ飽きるだろう?
 徹底的に“大人扱い”してくれよ」

 三原沙耶は、F-No.5である鵲崎笹木率いる親サンジェルマンの穏健派である。

「貴方がお父様くらい立派な人になったら考えてあげる」
 
「面白いね、じゃあ立派になった所をみせてやろうか。こいつでヒィヒィ言わせてやるよ」

 上田は腰の鞘から村正を抜いて見せる。

「あら、ずいぶん短小だこと」

 サンジェルマンからは「放っておけ」と命令されている。
 しかし彼女自身は早急に上田明也を打倒し、ハーメルンの笛吹きと引き剥がした上でF-No.が保護すべきだと考えていた。
 そうすれば確実にこの青年を、師匠である明久の息子を守れる。
 三原沙耶はそう考えていた。

「そちらの方もお父様を見習ってはいかがかしら?」

「男はサイズじゃねえぞお姉さん?」

 上田は三原との距離が2mほどになったところで指をパチンと鳴らす。
 メルの手で三原の頭上にばら撒かれる9mmパラベラム弾。
 三原はこの鉄雨を前にして不動。
 敢然としてこの鉄塊に正面から挑む。
 或るものは弾き飛ばされ、或るものは正面からひしゃげ、或るものは掴み取られた。

「穴だらけにした女性が好みなのかしら?ずいぶんマニアックな趣味に育っちゃって」

 真っ直ぐに上田へと疾走する三原。
 常人ならば目で追うことすらできない速度。
 至近距離から突き出される手刀は上田の頬を削る。
 首を狙ったつもりだったが躱された。
171 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/29(木) 00:00:33.81 ID:92L+oYnp0
「思ったより、やるみたいね」

 三原は即座に腰を低くして両手を軸に回し蹴りを繰り出す。
 躱されたならばもう一撃、それは当たり前の行動だった。
 上田は無様に地面を転げてそれもなんとか凌ぐ。

「――――もう一発!」

 高く飛んで地面に這いつくばる上田にかかと落としを放つ三原。
 地面に寝そべる上田と目が合う。
 ドクン、と腹の奥の方で何かが震えた。
 それは原始の恐怖。
 人がまだ野生の獣達に追われていた頃の記憶の現れ。

 三原沙耶はその男の猛禽類のような瞳に恐怖を覚えていた。

 耳をつんざく奇声。

 眼の前の男がこれを出しているのか?

 振り下ろした脚に村正が突き刺さり、そのまま彼女の肉と骨を切り裂く。
 致命的なミス、近距離戦の心得がない筈の彼にカウンターを食らわされるとは三原は夢にも思ってなかった。

「――――――集れ!」

 それと同時に無数のネズミが三原に殺到する。
 三原は一瞬だけ顔をしかめるが慌てること無く都市伝説の力を発動する。
 荒ぶる赤雷、これが彼女の持つ“ピラミッドパワー”の力。
 電撃を操るだけのシンプルな力だがそれゆえに彼女の持つ拳法と相性が良かった。

「電撃か、炎熱ならば肉の壁を形成できた物を!」

 上田は舌を打つ。
 鼠達は痺れて使い物にならない。
 三原は素早く後ろに下がって構えを整え上田の出方を伺う。
172 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/29(木) 00:01:06.26 ID:92L+oYnp0
「貴方のデータは収集済みよ?」

「だろうな、これでもバレないようにやってるつもりなんだが……」

「犯行が、じゃなくて犯人が、ね」

「ああ、知名度システムは重要だからな」

 隠れているメルによる援護射撃が三原の傷ついた右足に纏めて叩き込まれる。
 さすがの三原も足元がふらついた。

「村正の傷は治りが遅い、喰らった己を呪うんだな!」

 上田が右手を掲げるとそれに合わせて大量の鼠が三原に向かう。
 尽きぬ灰色の洪水。
 それを止める為の赤電も終わらない。

「俺は鼠達を操るのに箸を持ち上げるほどの力も使わない」

 鳴り止まぬ小さな命の悲鳴。

「対してお前はどうだ?」

 鼠だけではない、適当な小動物すら操って攻撃を続ける。
 ただただ防御行動を続けさせるためだけの進軍。
 そしてしばらく電撃でしびれていた鼠も時間が経てば復活。
 電撃で止めるというアイディアは即効性はあった。
 しかしそれも量が多すぎればどうのしようもない。
 純粋な物量だけで言えば既に超一流の域にある攻撃だった。

「その攻撃はお前自身の力を使っている」

 上田は高笑いする。

「力が尽きるのはお前が先だ!」

「く……このままだと、不味いか」

「さーて……あいつが止めに来ないってことは殺して良いってことだよな」

 ゆっくりとナイフを指で振り回しながら近づく上田。

「いっただっきま〜っ」
 
 と、そこで顔面蒼白になる上田。
 物も言わずに全力で走りだす。
173 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/29(木) 00:01:37.16 ID:92L+oYnp0
「メル!」

「はい!」

 鼠の行軍が止まる。
 代わりに大量の子供達が路地裏になだれ込んできた。
 逃走の際に上田がよく使う手口だった。

「ちょ、待ちなさい!」

「わりぃ!お前との殺し合いは後だ!」

 上田は子供のように綺麗な笑顔を残して再び三原に背を向けた。
 恐らく本人は気づいてないのだろうが、今のやり取りを彼は楽しんでいたのだ。
 戦闘を快楽とし、戦争を悦楽とし、闘争を娯楽にするその精神性が彼の強さの根本なのだ。
 だからこそ溢れでた子供のような純粋な笑顔に三原は少しだけ優しい気持ちを抱いてしまっていた。

「おぉっと、そこまでですよハーメルンの……」

 現れる数名の黒服。
 上田はうんざりといった顔をしている。
 どうやら彼の逃走の原因はこれではないようだ。

「危ないわよ!」

 三原の警告はもう黒服たちには聞こえない。
 上田は一緒に走っていたメルを投げつけてそのうちの半分の動きを封じる。
 そして刹那の内に間合いを詰め、流水のような柔らかい動きで彼らの懐に入り込む。
 そこに力は感じられない。
 消えては現れ、消えては現れ、予想を超えるような滅茶苦茶な動きが瞬く間に二度、三度繰り返される。
 それが終わる頃には黒服たちは肉塊になっていた。
 
「……うそ」

 そう呟いた頃には上田の姿はもう見えなくなっていた。
174 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/29(木) 00:02:03.45 ID:92L+oYnp0
「どうだったよ、三原ちゃん?」

 そんな彼女の背後から響く重々しい声。

「だから言ったじゃあないですか、やるだけ無駄だって」

 その主と共に現れる碧眼金髪の紳士。

「この素人ごときにあっさり切られたモブ共はどうするの?」

「組織が私に寄越した黒服ですから……まあ命令違反で私が処刑したことにしますよ」

「ふん、悪党だなあお前も」

「そんな私とつるんでいる貴方は何なんですか?」

「くくく、お前と三原にだけは言ってるだろう。悪党だよ、最高まで成長した息子と殺し合いてえだけの悪党さ」
 
「ああー、だから逃げたんですか」

「勝てない相手の目の前には、というか逃げ切れない相手の目の前には絶対現れないからな、あいつ」

 三原は全ての事情を理解してやれやれとため息を吐いた。 

【上田明也の暗闘〜ちょっと昔のお話〜おしまい】
175 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/29(木) 00:08:07.19 ID:UIgl/Qko0
乙です〜
あら懐かしい上田さんですこと
メルたん元気そうだよメルたんかぁいいよメルたんメルたん頂戴下さい(
176 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/29(木) 00:08:23.42 ID:92L+oYnp0
ちょいと昔の話
おっかしいなあ……三原ちゃんと上田五分五分くらいで終わる筈だったのに……
唯一の勝てる可能性を全力で上田が掻っ攫って行ったぞー?
177 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/29(木) 00:10:33.91 ID:UIgl/Qko0
>>176
>唯一の勝てる可能性を全力で上田が掻っ攫って行ったぞー?
さすが上田wwwwwwwwwww
178 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/29(木) 00:28:58.80 ID:lBGrYs+20
乙!
ああ、同じF-No.内でも穏健派と過激派に分かれてるのか……シャドーマンの人が以前言った意味が分かりました(遅
そしてこれはいい感じの悪系主人公……というか、最後の上田父ってあれですよね、娘と同年齢の子と浮気したロリ(ry
179 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/29(木) 00:31:57.47 ID:lBGrYs+20
追伸
明日辺り、第三話を上げられるかもしれません。出来なかったらごめんなさい。
その際はお詫びとして万理ーダさんでお好きな妄想をどう(城に取り込まれました)
180 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/29(木) 12:57:50.71 ID:lBGrYs+20
【予告編】


「……ではやっぱり……」

『ああ……宝富ーを始め、めぼしいプラモデル・玩具専門店の本店を探ってみたが……そのような商品を販売した形跡は一切なかった』

「そうですか…………有間、君」

『……本来こういった件は、「R-No.」戦闘班の中でも「物品」に所属する者が担当すべきだが……』

「……いえ、この件は……この件だけは、私に……!」

『わかっている。この一ヶ月で、君も「殺人鬼」もかなり経験を積み、成長した。万が一彼と戦闘になっても遅れは取るまい。
だが君が、知り合いだという事で温情をかけようとしている可能性も否めないのだ……少なくとも、上層部から見れば、な」

「ありがとうございます、大尉……大丈夫です。今までの仕事と何ら変わりません。「組織」の傘下に入るよう説得をして、もし従わない場合は都市伝説との契約を切らせ……記憶を、消す」

『そうだ。良い連絡を期待している』ブツッ……ツー、ツー、ツー……

「……んで……なんで、貴方なん……ですか…………ぅぁぁぁぁぁぁぁ…………!」


『…………』
≪キキキキ……アノ嬢チャンモ災難ナコッタナ≫
『……【モンキーマン】、聞いていたのか』
≪ヤット契約者ドノニ頼ル事ナク、仕事ヲコナセルヨウニナッタ矢先ニ「知リ合イヲ売レ」ダモンナァ……イヤハヤ、人間ハ恐ロシイゼ≫
『私を含め、黒服や上層部はもはや「人」とは言い難いがな』
≪「元人間」ダロウ?俺カラスリャ同ジヨウナモンダヨ、キキッ!≫
『……そうか』
≪ンデヨウ、俺ァ未ダニぴんト来ネェンダガ……ナンデ『嬢チャン一人』ナンダ?≫
『ッ……!』
≪アノ「有間」トカイウがきの周リニャ、他ニモ腕ノタツ奴ラガゴマントインダロ?ソレモ、ワザワザ上層部カラノゴ命令トキタモンダ≫
『……彼女が「組織」の傘下に入りもう一ヶ月になるな』
≪キキ?ソレガドウシ…………ハハーン、ソウイウ事カヨ≫
『恐らく見極めているのだろうな、《紫亜がどこまで「組織」に忠実であるか》と』
≪キキキキキキキキ!ツクヅクエグイナァ、「組織」ノオ偉イサンッテノハ!ソンナニ母親ノ二ノ舞ガ怖イノカネェ!≫


ピンポーン

「ん、誰だこんな時間に……はーい、どちら様ー?」←インターフォン

『あの、有間君……古田です。……ちょっと、上がらせてもらってもいいですか……』



【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】第三話《ケースA:ベッドの下の殺人鬼(紫亜)》

今週までには書き終わる予定
181 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga]:2011/12/29(木) 12:59:21.29 ID:92L+oYnp0
>>177
あれだわ、上田のスキル“戦闘民族”には心眼(B)も入ってます
同じ心眼持ちには通じないから奴は父親とか息子とかに相性が悪い
>>178
外見年齢は同じだけど三原ちゃんは黒服だから年齢が……
上田の話はハーメルンの笛吹き男でドゾー


本妻以外に年下の女侍らせるのは誇り高き上田の駄目駄目な血統でしょうか
明尊くんvs霙ちゃんもやったらだいたいこうなる
明尊くんの慢心スキル発動して大概彼のほうが負けるけど

初期上田久しぶりに書いたけど大好きな上田節使い放題で楽しかったな
戦闘中の台詞増やせないのがつまらないけど

あ、こいつvsこいつ見たいってのあったら書くかもしれません
無論笛キャラの範囲で
182 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/29(木) 21:18:47.59 ID:Gd+qXV8+0
>>181
国中兄vs国中妹とかどうでしょう
183 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/29(木) 21:35:23.58 ID:92L+oYnp0
>>182
(い……言えない、一瞬そいつら誰だったっけと考えてしまったこと)
(そして思いつかない……そのシチュが)
184 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/29(木) 21:45:26.89 ID:lBGrYs+20
まだ途中までしか読んでませんが、上田の妹さんVS浮気相手の黒服とか
185 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]:2011/12/29(木) 21:53:16.93 ID:R/CEblTDO
>>184
そ れ だ
186 :知らぬところで知らぬ間に ◆W5H6Y5Rl3M[sage saga]:2011/12/30(金) 23:53:14.21 ID:y6bDQyoxo
 目を開ければ、そこには見知らぬ天井
 自分がベッドに横たわっている事に気がついて、繰はがばりと身を起こす
 いや、起こそうとしたところで身体に力が入らず、ベッドから転げ落ちそうになった
 その身体を優しく支えたのは、心配そうな顔をしたディランだった

「繰ちゃん、まだ寝ていた方がいいよ」

 改めて、そっとベッドに横たえられながら
 繰は不安げに呟いた

「……菊花、は?」

 その言葉に、言いあぐねて押し黙るディラン

「消滅しました」

 あっさりとそう告げたのは、ディランの傍らで書類にペンを走らせていた、A-No.18782

「な、んで……」

 ただでさえ顔色の悪い繰の顔から、更に血の気が引いていく

「あなたと、そのお友達を助けるためですよ」

 繰に視線も向けずに淡々と述べるA-No.18782の肩を、ディランがぐっと掴む

「事実確認はいずれ必要かと思いますが?」
「今でなくても、いいでしょう?」
「先生、大丈夫……私は大丈夫だから、教えて」

 大丈夫とはお世辞にも言えない、震えた声
 虚勢であると誰にでも判る様子にも関らず、A-No.18782はペンを止めて繰に向き直る

「あなたは『八尺様』に、文字通りの意味で命を握られていました。契約者でなければあっさり持っていかれていたでしょうが、そこは流石の耐久力といったところでしょうか」
「あの子は、それから私を助けるために? でも『八尺様』は、倒すための能力を持った人をあなたが手配していたはずじゃ」
「確かに、我々は容易に『八尺様』と『くねくね』を倒せる状況にはありました。ですがあの状況で『八尺様』を倒した場合、握ったままのあなたの命もまた、それに引き摺られて持っていかれていたでしょうね」

 ぐ、と
 繰が息を呑む

「ついでに言えば『くねくね』は本体を直視するのは難しいので、憑いている人間を狙っていました。菊花さんの判断が無ければ、宮定さんとそちらのお友達の命を拾うのは難しかったでしょう」

 そちらという言葉に促され、繰はA-No.18782の視線の先、すぐ隣のベッドの方を見る
 そこには確かに生きている顔色の弥依が、すうすうと穏やかな寝息を立てていた

「『八尺様』と『くねくね』の業を肩代わりする事で、宮定さんの命を取り戻し、そちらのお友達の正気を取り戻し狙撃を回避し、更には『八尺様』に捕らわれていたもう一人のお友達の魂も解放しました。これ以上は無い完璧なお仕事でしたよ」

 そう賞賛しながらも、A-No.18782は呆れたように肩を竦める

「彼女のような実力を持った都市伝説を失うのは、我々にとっても相当の痛手でしたが」
「そう思うのなら! 何か手を打ってくれれば!」

 悲痛な声を上げる繰に、A-No.18782は軽く首を振る

「狙撃をすれば、『八尺様』ごと宮定さんが死にます。他の手を打とうと時間を掛ければ、あの状況ならそのまま殺されます。菊花さんを確保するためにあなたを捨て駒にする手もありましたが」

 ちらりとディランに視線を向けて、ふうと溜息を吐き

「ディランさんが既に現場に向かっていましたので。あの状況で宮定さんが人質に取られたら……ディランさん、どうにかできる自信はありますか?」

 繰の命を盾にされていたら
 ディランの沈黙は、その返答となっていた

「でも、何でっ……あの子が、そこまで!」
「それだけ、菊花さんはあなたが大事だったのでしょう」
「でも、私は菊花に犠牲になってもらってまで!」
「そちらで寝ているお友達や、逢瀬さんに同じ事を言われたら、あなたは彼女達を守るために戦う事を放棄できますか?」

 その言葉に、繰は何も言えず
 その目にじわりと涙を浮かべて俯いてしまう
187 :知らぬところで知らぬ間に ◆W5H6Y5Rl3M[sage saga]:2011/12/30(金) 23:53:50.08 ID:y6bDQyoxo

「そういう事です。さて……後程で結構ですので。気持ちが落ち着いたら、そちらの書類に目を通しておいて下さい」
「……書類?」
「私が担当していたのは、菊花さんと契約していた宮定さんですので。あなたが菊花さんとの契約を失った以上、私は担当を外れますのでその手続きを」

 菊花との契約を失い、黒服の後ろ盾を失う
 自らが置かれたその状況を理解して、繰は背中に冷たいものが走るのを感じる

「わた、し……もう、たたかえ、ない?」
「そうですね。ディランさんとの契約は仮契約だそうで。体力や耐性は以前と同じかそれ以上かとは思いますが、対都市伝説の戦闘能力は無いに等しいでしょう?」

 これまでの繰を知っている者ならば、挑発にも等しいA-No.18782の言葉に激昂する様を想像しただろう
 だが、今の繰は違う

「ひっ……ぃ、嫌……」

 身を竦めてがたがたと震えながら、焦点の定まらない目で慌ただしく周囲を見回している

「死っ……殺され……やだ……怖、いっ……」
「繰ちゃん!?」
「先生……わたっ、私っ……死ぬ……死んじゃうよぉ……都市伝説に、ころ、ころされっ……」

 これまでの、気丈さを通り越して高圧的ですらある様子からは想像もできない、錯乱したかのような有様
 すぐさま肩を抱いたディランに縋りつき、真っ青な顔でぼろぼろと涙を流す

「繰ちゃんに、何を」
「元々、ちょっとした怪談でも悲鳴を上げて逃げ出すような性分だったようですから。恐怖の対象に対抗できる力を失って、パニックを起こしているんでしょうね」

 厳しい視線を向けてくるディランに、A-No.18782はやれやれと肩を竦める

「ともあれ、宮定さんは我々の管轄から外れますので。落ち着いたらそちらの書類に目を通して、署名の上で提出するようお伝え下さい」

 事務的にそれだけを伝え、あっさりと部屋から出て行ってしまうA-No.18782

「待って下さい、まだ話は終わっては」

 思わずそれを追おうとしたディランだったが

「せん、せ……やだ……置いて、いかないで」

 縋り付く繰を振り解くわけにもいかず、仕方なくベッドに腰を下ろす

「わかってるよ、繰ちゃん。僕は何処にも行かないから」

 そっと震える肩を抱き、落ち着かせるように頭を撫でる
 ディランに抱かれて幾分か落ち着きを取り戻したようだが、それでも物音や気配に敏感に反応し、悲鳴を上げて身を竦ませる
 凶悪な都市伝説に対して臆する事なく戦いを挑んでいたのは、力を奮い打ち倒そうとする攻撃的な意思で誤魔化していただけだったのだと
 繰の本来の、弱々しく脆い様を見せ付けられ
 ディランは、今はただ
 抱き締める事しかできなかった

―――

「おはようございます、先生!」

 玄関の扉を開けた途端に飛び込んできた元気な声に、葉鳥はやや辟易した様子で微妙な表情を浮かべる

「君、いつも元気だね」
「そりゃあもう! 先生とお会いできる機会はいつも元気です!」

 ショートカットの黒髪と大きめの眼鏡
 小柄な体躯をぱりっとしたビジネススーツで包み、きびきびとした動きで頭を下げる
 次々と事故死する葉鳥の担当に自ら立候補した、今年大学を出たばかりの新卒の変わり者である

「さて、本日が締め切りの原稿を戴きに参りました!」
「ほいほい、出来てるよー」

 辞書ほどの厚さになった紙束と、その上にちょこんと乗った小さなUSBメモリを、担当の女性が座ったソファの前にどすんと置く

「この間、いい感じのものが見れてさ。まあそこそこ調子良く書けたよ」
188 :知らぬところで知らぬ間に ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/30(金) 23:54:52.15 ID:y6bDQyoxo

 くいと眼鏡の位置を直し、鼻息を荒く原稿を読み耽る担当の女性

「熱心だねぇ。編集部に持って帰ってから、何人かで誤字脱字の添削するんでしょ?」
「先生の原稿を最初に読めるなら、熱心になろうってなもんです!」

 手にした紙束を抱き締めて、興奮を隠さずに頬を染める担当の女性

「面白い子だね、君」
「はっ、光栄です!」

 笑顔でそう応える担当の女性の顔を眺めながら、葉鳥の内心にうずうずといつもの気持ちが湧き上がってくる
 彼女の世界が終わるのを見てみたい、と

「そういえば先生!」

 ほぼ原稿を読み終えた担当の女性が、唐突に顔を上げる

「ん、なに?」
「この原稿、私以外が見たりしました?」
「んー、特に誰かと相談したり、取材に行ったりしてるわけじゃないしね。僕と君以外はまだ見てないけど?」
「そうですか!」

 そう言うと担当の女性は、ハンドバッグをごそごそと探り

「私ですね、先生のデビュー作である『一人の世界と独りの世界』が大好きでして!」
「ああ、僕の性分をなんとなく書いたら本になっちゃったアレ?」
「ええ! 人はそれぞれの世界を持っていて、命の灯が消え果るという事は世界が滅びるに等しい事だという! あれに私は感動しました!」
「ふぅん、そうなんだ」

 そう言ってくる輩は、いつも『命は世界に等しいほどに重い』と勘違いしている
 いつもは、そうなのだが

「人の命を奪うという事は、世界を滅ぼすに等しいという事ですよね! 消え逝く一つの世界の最期を見届けるというのは、それを己の手に収めるに等しい行為だと!」
「へぇ、そんな事を言ってきた人間は、君が初めてだ」

 人間は、である
 これを初めて葉鳥に語ったのは、かつての親友である『友達』である

「あれ、もしかして先生の考えとは違ってました?」
「いや、大体そんな感じ。珍しいリアクションだったから、ちょっとびっくりしただけ」

 もっとも葉鳥は、そんな世界の一つ一つが不意に無意味に突然に滅び行く様を観察するのが好きなだけなのだが

「そうですか! じゃあ!」

 原稿の束を抱えたまま、担当の女性はソファから立ち上がり
 葉鳥の胸に、飛び込んだ

「私は、先生が大好きです! 愛していると言っても過言ではありません!」

 葉鳥の胸元から、満面の笑顔で見上げてくる愛くるしい笑顔
 その笑顔の下に視線を落とすと、そこには抱き抱えた原稿の束に隠した、折り畳み式のナイフが握られており
 それは葉鳥の腹に深々と突き刺さっていた

「先生、知っていますか? トラックに轢かれて死んだ前任の担当。あれ、実は私の姉なんです」

 ぐり、と
 刃を握る手に力が篭る

「仇討ち、とか、そういう……つもり?」
「まさか!」

 本当に、心の底から否定するように声を荒げる担当の女性

「姉が先生の担当だったから、私は先生の本に興味を持ち出会う事ができたんです! そして姉が死んで担当の座が空いたのは、最早運命でしかないと思いました!」

 ずるりと引き抜かれたナイフから、綺麗なフローリングの床に赤い点がぱたぱたと落ちる
189 :知らぬところで知らぬ間に ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/30(金) 23:56:25.47 ID:y6bDQyoxo
「私は、先生の世界を独り占めしたいと思いました! まだ世に出ていない、誰も読んでいない作品を私だけが読み! 先生の世界を終わらせて、誰もが触れ得ないものにしたいと!」
「はは、監禁とかして、自分だけの作品を書かせたりとか、そういうんじゃないんだ」
「監禁なんてすぐ露見するじゃないですか! そうしたら全て台無しです! 私だけの世界を先生に創り上げてもらっても、すぐにデリカシーの無いマスメディアに食い散らかされるのが落ちです!」

 血塗れの腹を抑えて崩れ落ちる葉鳥
 霞む視界の中で、改めてソファに座りじっくりと原稿を読み返している編集の女性

「残念、だなぁ……君、とは、良い友達に……なれそ、う、だったのに」
「でもただの友達じゃ、先生を自分だけのものにはできませんから!」

 ああそうか
 手段が直接的かつ短絡的なだけで、この子は自分と良く似ている
 そんな事を思いながら、葉鳥は重たくなった瞼を下ろし
 その分の体力で、肺と、喉と、舌を動かす

「でも、ね? 君がいくら自分だけのものとしようとしても……君の記憶の中にある限り、日常のほんの些細な事で少しずつ少しずつ漏れ出していって、いつか君だけのものではなくなるんだよ」

 見届けられないドミノ倒しのために、牌を一つ並べ足し
 葉鳥の身体から溢れた『バタフライ・エフェクト』は、その命と共に次々と崩れ落ちていくが、その羽ばたきは小さな小さな揺らぎを残していく

「大丈夫ですよ、そんな事をしなくても」

 そして
 まるでその行為に気付いたかのように
 羽ばたき消えていく蝶を慈しむように手を空中に差し伸べて

「もう全て読み終わって、全部私の頭の中に入りましたから」

 先程ナイフが出てきたハンドバッグから、ペンケースほどの大きさの缶が取り出し
 積み上げられた原稿の束とUSBメモリにその中身、ライター用のオイルをぶちまける

「最初から、そのつもりです」

 濡れた原稿用紙の一枚を摘み上げ、安物の100円ライターで火を点ける
 炎はオイルで濡れた紙を瞬く間に燃やし、その指から落ちて
 一瞬で原稿用紙の束をテーブルごと燃え上がらせた

「先生の作品を抱いて、私も逝きますから」

 倒れ伏した葉鳥の傍らに傅いて、葉鳥を刺した血に塗れたナイフの先端を、ぴたりと己の首筋に当て
 赤い、赤い蝶が舞うように
 血飛沫の赤と、炎の赤が、舞い躍った

―――

「大変でした」
「なう」

 泣き疲れてディランの胸に抱かれたまま寝ている繰を尻目に、ダミアを抱いたサキュバスが憔悴した顔で囁いた

「えっと……どういう、事?」
「繰さんの部屋、燃えました」

 サキュバスの話によると、ディランの部屋とは反対の隣側、二つ下のフロアで火災が発生
 そこそこに延焼し繰の部屋を焼いた辺りで消し止められたという

「とりあえず持ち出せるサイズのものは、片っ端から部屋の外に放り出して無事だったんですが。ベッドとか家具類は軒並み全滅だと思われます。放水も景気良くぶち込まれましたので」

 幾分かしっとりとした髪が張り付く頬で、ダミアのふかふかした毛並に頬擦りをするサキュバス

「空き部屋があればそっちを借せたんだけどって、大家さんに言われました。丁度、一緒に焼けたところにしか無かったそうで」

 はふうと大きく溜息を吐くサキュバス

「繰さんがこんな時に、こんな事が起きなくてもいいのに……」
「それなら」

 ディランは、何かを決意するかのように頷き

「僕の部屋に、一緒に住もうと思うんだ」
190 :知らぬところで知らぬ間に ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/30(金) 23:56:57.53 ID:y6bDQyoxo
「やっと仲がそれなりに進展しましたか」

 ちょっと期待に満ちた笑顔を浮かべるサキュバスに、ディランは苦笑を浮かべて首を振る

「本当の契約をするのは、繰ちゃんの気持ちが落ち着いてからじゃないと」
「まあ、確かにそうですね。今の状態で契約の話なんかしたら、なんか繰さんの境遇と感情に付け込んでるみたいな感じになっちゃいますし」

 そうは言いながらも、サキュバスはディランの顔を上目遣いでじっと見詰める

「それでも、契約をしちゃった方が繰さんには良いんじゃないですか? 聞いた限りの様子だと、恐怖で潰れちゃいますよ?」
「僕が、守るから」

 泣き腫らした繰の顔を見詰めながら、ディランは宣言する

「繰ちゃんの心も、身体も、命も、全て僕が守るから」
「守るのも良いですけど、もうちょっとがっつかないと本当に進展しませんよ? お互い、そういう事では押しが弱いんですから」
「あ、うん……でもね、やっぱり繰ちゃんが高校を卒業しておかないと。教師と生徒っていう間柄だと、やっぱり、ほら」
「ホント、強いんだか弱いんだかよくわかんないですね、二人とも……ん、これ何です?」

 サキュバスがふと目に留めたのは、A-No.18782が置いていった書類だった

「それは……繰ちゃん、菊花ちゃんが居なくなっちゃったから、『組織』の構成員を解任されるって」
「そんな事、書いてませんよ?」
「え?」
「ほら、解任じゃなくて転属です。Aナンバーの担当が外れるので、Dナンバー預かりでディランさんが担当になるって」

 そう言えばA-No.18782は、自分が繰の担当を外れるとしか言っていなかった

―――

「宮定繰は戦闘成果は相当なものだった。我々の抱える都市伝説と契約させ、引き続き手元に置いていくべきではなかったのかね?」

 A-No.18782の直接の上司、と言っても当然ながらNo.0などではなく、数ある派閥のうちの一つの長でしかない男、は不機嫌そうに問い掛ける

「都市伝説との結び付き、能力の習熟や信頼関係の構築にはかなりの時間を要したと前任であるA-No.11110から引き継いでおりましたので。こちらから用意した都市伝説と契約させたところで、充分な戦力にはならないと判断しました」

 直立したまま表情一つ変えずに、A-No.18782は語る

「また、彼女はディラン・ドランスフィールドとの仮契約関係でもあります。繋がりの薄い都市伝説をあてがったところで、契約が上手くいくとは思えません」
「だからといって、みすみすDナンバーに手駒をくれてやるわけにもいかんだろう」
「使えない手駒を置いておくぐらいなら、Dナンバーの内部に我々に通じる可能性を残しておくのも手ではありませんかね」

 もっとも、通じるような縁にならないように悪印象を残してきたのだが、とA-No.18782は内心で舌を出す

「それに、こちらが抱えたまま彼女に何かがあれば、それこそ我々の責任を問われる形になりますが。Dナンバーからの追求を受ければ、A-No.0も我々一派に大きく介入してくる可能性があります」

 下っ端であるが故に、面倒事は御免だといった様相で、僅かに表情を崩すA-No.18782
 無論、表情は演技でしかない

「なるほど。面倒事を避けるのも長生きのコツか」
「ご理解いただけたようでなによりです。では私は報告書の作成や各種手続きがありますので」

 深々と頭を下げて、上司の部屋を出ていくA-No.18782
 こきこきと首を鳴らし、肩を回しながら溜息を吐く

「A-No.11110、押し付けられた面倒事はまあ片付きましたよ。まったく……日頃から後輩に『私に何かあったら』なんて語る先輩は、持つものじゃありませんね」

 かつて繰の担当をしていた女黒服の顔を思い出しながら

「まあ、律儀に付き合う私も私なんでしょうけど。全く、難儀な性分です」

 A-No.18782はもう一度深い溜息を吐いて、こつこつと廊下を歩いて行ったのだった
191 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/31(土) 00:01:51.86 ID:P+txg6Ovo
前回までのお話は前スレ
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/951-954
他色々まとめwiki辺りをご参照下さい

あと
>>187-188の間で下記の一行抜けてました。wikiではテキスト丸コピペできるので直ってると思います

「先生の原稿を最初に読めるなら、熱心になろうってなもんです!」
192 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/31(土) 00:27:00.29 ID:GpfmEbwZ0
>>191
三面鏡の人乙!
自分以外の他人をドミノの牌程にしか思っていなかった葉鳥……ある意味相応しく、そして呆気ない結末でしたね。
が、そんな『バタフライ・エフェクト』によって思わぬ事態が発生!なんと、ディランが操ちゃんと同居することに!

>「繰ちゃんの心も、身体も、命も、全て僕が守るから」

……いつかこんなかっこいい台詞うちの鈍感にも言わせてやりたい(ぉぃ
193 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/31(土) 01:11:41.47 ID:P+txg6Ovo
>>192
> ある意味相応しく、そして呆気ない結末でしたね。
派手に戦うキャラでなし、まあ所謂因果応報というやつで
死んだ人から何かが繋がる形で色々決着がついたお話でした

繰の同居についてはまあ、元々どうにかしてさせたいなと考えてはいたのでついでに仕込みました(爆)

> ……いつかこんなかっこいい台詞うちの鈍感にも言わせてやりたい(ぉぃ
なにせディランは私が作ったキャラじゃありませんので、実に格好良いのですww
194 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/31(土) 03:37:49.12 ID:6WvYd43K0
あれ、ディランちゃんって今「組織」扱いでしたっけ?
以前花子さんとかの人がダレン暗殺事件以降にD-No.0〜10が軒並み欠番になってるとか仰ってたような…
現在はどうなのかは存じないけれど

三面鏡の人乙です〜
繰ちゃん…かわいい、じゃねぇや、かわいそう…
そして葉鳥さんもまたあっけなく…
誰も知らない黒幕が誰も知らないところで絶えるって哀れと言うか虚しいと言うか
このもやもや感が俺は好きだな
…デジャヴュか、前もいった気がしてきたorz
195 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/31(土) 04:01:58.50 ID:P+txg6Ovo
某生放送見てたらこんな時間

>>194
> あれ、ディランちゃんって今「組織」扱いでしたっけ?
在籍してなくても(仮)契約してるんだから、元いたところで預かってくれっていう感じで
無理なら繰は除籍しちゃおうかって話になったら、Dナンバーの人なら放置しないだろうっていうA-No.18782の打算付き

どうでもいいけど18782(いやなやつ)の先輩が11110(いいひと)という、毎度どうでもいい番号遊び

> 誰も知らない黒幕が誰も知らないところで絶えるって哀れと言うか虚しいと言うか
まともに戦ったらワンパンでのされる程度の強さなので、こういう決着なのは仕方ないものでww
表向きには『友達』が黒幕という形で決着するのではないでしょうかね、宏也さんが倒してるので
196 :[sage]:2011/12/31(土) 07:32:01.96 ID:ZB4e4rtN0
葉鳥さん逝ったあああああああああああ!
予想以上にさらっと行ったなあ
もうちょいえぐく行くかと思ってたのに!
『友達』殺してなかったらと考えるとまたニヤニヤできるね
197 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/31(土) 11:33:16.06 ID:rby4jIFAO
笛の人乙ですー
やっぱり悪の上田さんはカコイイ!

三面鏡の人乙ですー
繰ちゃんカワイソス
表面強気な女の子が実はすごく脆いのってじーんと来るなぁ
そしてA-No.18782は実はいい人だと思った
198 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/31(土) 15:48:14.03 ID:P+txg6Ovo
コミケとかどうなってるかなぁ
一度行ってみたいなぁとはたまに思うけど、人混みが死ぬほど苦手なのでやっぱり一生行かないと思う

>>196
> もうちょいえぐく行くかと思ってたのに!
当初は、持ち帰るとか食べるとか色々考えておりましたがww
えぐくやると、それはそれで色々と飛び火しそうなのでさらっといきました
まあ繰の部屋には飛び火したわけですけどね(爆)

> 『友達』殺してなかったらと考えるとまたニヤニヤできるね
あらゆる都市伝説を自在に扱うチートですからねぇ
そうでなくても部屋に他の誰かがいれば、担当さんは行動を起こさなかったでしょうし

>>197
> 表面強気な女の子が実はすごく脆いのってじーんと来るなぁ
これからしばらくはですね、夜もまともに寝れなくてディランのベッドに行くわけですよ
いやまだ一緒に寝るだけですけどね?wwwwww

> そしてA-No.18782は実はいい人だと思った
単に、先に頼まれて(命令されて)いた事を優先的にこなしただけの黒服思考なんですけどねww
199 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)[sage]:2011/12/31(土) 15:55:17.13 ID:O4BgdYqDO
〜もしこのスレのキャラが聖杯戦争に出たらどんな鯖がつくか妄想〜

影守さん→キャス狐
禿→李書文
翼→ガウェイン
れっきゅん→慢心王
バイトくん→フランケンシュタイン
エーテル→エミヤ
蛍ちゃん→ジャックザリッパー(アポカリファ)
上田ァ!!→ネロ帝
200 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)[sage]:2011/12/31(土) 16:02:16.13 ID:O4BgdYqDO
>>198
食べるいいじゃないすか食べる
完璧っすよそれ
と思ったけどあれで美しいからそれで良いのかしら
操にささやかな幸福が訪れたのがまた…
最後まで物語を紡ぎ続けたなあと感慨に溢れてます
自分の行動が思わぬ結果を招くのがよかったっす
201 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2011/12/31(土) 16:16:30.99 ID:P+txg6Ovo
>>199
> れっきゅん→慢心王
すげぇ仲悪そうwwwwww

> 上田ァ!!→ネロ帝
そいつをよこせ おれはかみになるんだ

>>200
> 食べるいいじゃないすか食べる
本人より作品に愛が向けられてると、ちょっと違うかなーと思ったり思わなかったりしたもので
で、原稿食べさせようかなと思ったけど紙って意外と食べるの大変な上に量の描写したので諦める事にww

> 操にささやかな幸福が訪れたのがまた…
佳奈美と繰にはもうちょっとだけ先のお話があるので、そちらも楽しみにしていただければ

> 自分の行動が思わぬ結果を招くのがよかったっす
あの時のこれが、みたいな展開がとても大好きなので
もっとも、自分の場合は前に書いたものを読みながら「あ、これってこういう事にできるなぁ」みたいに後付けしまくってるんですけどねww
202 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)[sage]:2011/12/31(土) 16:30:38.88 ID:O4BgdYqDO
>>201
ネロ帝と上田は似て非なるものと見せかけたそっくりさん
上田が皇帝特権を上手く運用して戦うイメージ
きっとそんな感じ
れっきゅんとギルは喧嘩しあいながらもそこそこやっていけると思うんです


あとづけでできるものをばらまいておくのも技術です
だから良いのです
笛の人はアタランテちゃんで戦ってみたい
203 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2011/12/31(土) 16:43:59.59 ID:6WvYd43K0
慢心王について詳しく
204 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2011/12/31(土) 18:13:43.35 ID:rby4jIFAO
>コミケとかどうなってるかなぁ
昨今は男子の女装コスの数がハンパないwwww

>いやまだ一緒に寝るだけですけどね?wwwwwwwwwwww
ちくしょーディランもげろwwww

>単に、先に頼まれて(命令されて)いた事を優先的にこなしただけの黒服思考なんですけどねwwww
なるほど彼女のデレは繰ちゃんではなくNo.11110に向かっている。と…
205 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/31(土) 20:20:49.86 ID:GpfmEbwZ0
某同人誌ではガチ○ピンは生きながらにして精霊・英霊にまで昇華した結果
「挑戦者(チャレンジャー)」のクラスを与えられていますがwwww
206 :[saga]:2011/12/31(土) 20:53:52.75 ID:ZB4e4rtN0
【とある平唯の貞操危機】

「待ちなさい唯ちゃん!」

「来んな!こっち来んなああああああ!」

 はい、のっけから口調乱れてますがF-No.屈指の凡人キャラ平唯ちゃんです。
 私はさっそく乙女の花をとある同性愛者によって散らされる危機に陥っています。

「イケメン☆ビーーーーーーム!」

「あん!」

「らっめえええ!」

「妊娠しちゃうううう!」

「よし、まずは三体!」

 始まりはつい一時間ほど前。
 三原さんがK-No.の残した資料とサンジェルマンの研究資料から作った究極百合生命体“ANEKI”を生み出したことから始まります。
 彼女は研究の為と主張してF-No.の所有する大図書館の中にANEKIを解き放ったからさあ大変。
 館内の女性は残らず貞操の危機にさらされていると……
 あ、私はイケメンなので視線だけでANEKIを撃退してます。
 イケメンですからなんでもありです。
 たとえば身体能力をあげてみたり、あとイケメンだから顔が傷つかないようにバリアー出せたり、
 意外と何でもありです、因果律操作ってレベルです。

「「「「キマシタワー」」」」

 囲まれた!?
 なんということでしょう。
 一本道で四体のANEKIに囲まれてしまったじゃないですか。
 え、なんでこんなに冷静なのかって?

「※イケメンに―――――限る!」

「「「「イキマスワー」」」」

 私の周りに張り巡らされる光の網。
 男性、しかもイケメンと私が認めた人しか入れないバリア!
 貴様ら女性がイケメンだなんて……だなんて……
 あれ?
 
「うわこっちくんな!」

 なんで一人だけ宝塚風の美人がいるんだよおおおお!
 おっかしいだろうが!男役だもんな!そりゃあイケメンだ!
 
207 :[saga]:2011/12/31(土) 20:54:21.09 ID:ZB4e4rtN0
「イケメンッレイ!」

 横ピースでウインク

「んほおおおおお!」

 ビクビクしてANEKIが昏倒

「イケメンシュウウウウウト!」

 振り返ってスマイル!

「ひっぐうぃいいいあああああ!」

 ANEKIが泡を吹いて失神しました。
 私を囲むANEKIは排撃に成功。
 このまま脱出用エレベーターに……

「いける!これならば確実にこの狂った研究室から……!」

「――――――脱出できる」

 この声は……

「え?」

 三原沙耶!

「なーんて思っちゃった?」

 この背中から舐めるような視線、間違いない。
 やだ私視姦されてる!
 眼で犯されてる!
 始めてなのにいいいいいいい!
 じゃねえよ、とりあえず持っていた組織支給の光線銃を後ろに向けて撃ってみます。
 あ、直撃したっぽい。

「いや、こっちは向かないでくださいね?」

 ダメージを確認しようと思って振り向いた瞬間、彼女は飛び上がる。
 私の頭上を飛び越えている!?
 
208 :[saga]:2011/12/31(土) 20:55:03.43 ID:ZB4e4rtN0
「ほら、貴方の能力って……顔見たらアウトじゃないですか」

「そうですけど……」

「なら、見なきゃイイ」

「いや、無理でしょ」

「貴方が私の目を見るのが先か
 私が貴方を犯すのが先か」

「おい誰か止めろよ」

「残念ながら鵲さんは孤児院の子供たちと町に遊びに行っている
 つまり貴方をヤルな……じゃなくてマッドな実験するなら今!」

「マジで誰か止めろよ……」

「あ、No.0なら止めに来ませんよ、邪魔じゃないかぎり他人の実験は止めない主義ですから」

「実験じゃねえだろこれ!明らかにレイプだろ!」

「恋愛って……科学実験みたいなものだと思うんですよね(はぁと)」

「んな訳あるか!」

 そう言って素早く振り返る。

「あなたと……反応したい!」

 野郎、目をつぶって唇差し出してやがる。
 すかさず光線銃出してしゃぶらせてやりましたとも。
 最大出力でファイア!

「#”!%$”!%!#%!#!!!!!?」

 ヒャッハー、焼き払ってやったぜ。
 酸化しちまいな。
209 :[saga]:2011/12/31(土) 20:55:39.85 ID:ZB4e4rtN0
「あああん!口の中で白くて濃ゆいのがたっぷり出てるよおおおお!」

 ふ ざ け ん な
 なんで生きてるの?
 化物なの?

「鍛え方が違います」

 さりげなくサイドに回りこむ三原さん。
 それをイケメンバリアーで防ぎつつ腹筋に光線銃を叩きこむ。
 ひるんだ隙を突いて走れ私。
 背後確認、だれも居ない。

「足遅いなあ」

 前方確認。
 奴が居た。
 今度は冷凍光線に切り替えて前に向けて撃ちまくる。

「ニョホホホホホホホホ!諦めておとなしくキマシタワーされなさああああい!」

「いやだあああああああ!」

 イケメンバリアーがもはやATフィールドのレベルです。
 私はすばやく近くの小部屋に逃げ込んでロックをかける。

「お、おのれえ……籠城ですか」

「はっはっは!まさかこの部屋には入ってこれまい!
 なんといったって電子ロックをしてあるんですから」

 とか何とか行っている間に通風口を使って逃げ出そうとする私。
 気分はちょっとしたミッションインポッシブル。

「よーし今の……」

「ひゃうん!?」

 正面衝突!
 誰だ!レモンだ!
 なにやってんだ!
 上半身シャツだけだし!

「ななななななにが起きてるんだよ唯ー!」

「知らないわよ私だって!なんかANEKIが出たのだけは解ってるよ!」

「さっき襲われかけて服犠牲に逃げてきたんだぞぉ!」

「予知能力どうしたのさ!」

「今日は調子がわるいんだ!」

「あるんだ……」

「あるよ」

 そんなことしている間に扉から爆音が響く。
 あれは八極拳の秘技のなんちゃら!?
210 :[saga]:2011/12/31(土) 20:56:18.91 ID:ZB4e4rtN0
「あ、それちなみにただの発勁な
 秘技でもなんでもない基本技だ」

「解説有り難うレモンちゃん、でも鉄の扉がなんか目こめこになってる今はそんなこと説明しても……」

「解ったから助けろ!」

「うわひっでえや、年上に物頼む態度じゃあねえぞ」

「やだやだ!こんなところでしにたくないー!」

「ちっくしょう!こっちが泣きたいわ!」

 絶体絶命!手段なし!
 こうなったら……
 爆音と共に扉がぶち破られる。
 素手で三原ちゃんが鉄の扉破ってきたようです。

「私はレモンを生贄に捧げぇ!」

「え?」

 私はレモンちゃんを三原さんに投げつけました。

「ぴぎゃあああああああああああ!?」

「―――――逃げる!」

 見☆捨☆て☆て☆み☆た

「キャッ!?」

 先ほど冷凍銃を撃ちまくっていた方に走りこむ。
 
「待ちなさい唯ちゃああああああん!」

 狙い通り追ってきた!
 うわ、レモンちゃん確保済みだ!
 小脇に抱えられて気を失ってる!

「ていうかなんで目をつぶってるのに方向解るのよ!」

「匂い!」

「キモッ!」

「捕まえたあ!」

「キャアアアア!犯される!」

「人聞きが悪いなあ、事実だけど」

 私の顔を見ないように他所の方を向きながら三原ちゃんは目を開ける

「あれ?」

「ふふ」

 彼女に目に写ったのは氷の鏡に映った私の顔でした。
 
「※ただしイケメンに限る!」

 背中に電流が走ったかのようにその場で崩れ落ちる三原さん。
 よっしゃ!
 私はレモンちゃんを引きずって脱出エレベーターに駆け込んだのであった……

【とある平唯の貞操危機】
211 :[saga]:2011/12/31(土) 21:00:20.16 ID:ZB4e4rtN0
【おまけ、笛吹探偵事務所の大晦日】

上田「…………」

茜さん「……………」

彼方「あけましておめでとうございま……あれ?」

レイモン「…………」

明尊「おぎゃー」

彼方「これは僕が世話するべきなのでしょうか」

明尊「うん」

彼方「―――――!?」

絶賛寝正月進行中
212 : ◆P2TEEDCFe2[saga sage]:2011/12/31(土) 22:51:47.58 ID:3aCUre490
笛の人乙です。

早速で申し訳ありませんが、マヤの予言編の方を投下させてもらいます。
クリスマスの方は……来年に。
213 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2011/12/31(土) 22:53:24.84 ID:3aCUre490
「っな……何よ、こいつ……!?」
 真っ黒な身体が月光に映え、そのシルエットを浮き上がらせる
 悪魔のような翼を羽ばたかせ、鋭い牙と深紅の眼を輝かせるそれは―――巨大な蝙蝠だった
「こふおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
 蝙蝠は、耳を劈く甲高い声で、
 空全体を揺らすが如く雄叫びをあげた
「ジャガーロードの次は蝙蝠男か。『マヤの予言』は日本の特撮アニメが好みなのか?」
「いい加減にしろ」
 平常心を保たせるためにいったファントムジョークだったのだが、DKGには通用せずどつかれる。
「本人が聞いたら、激怒するな」
「「蛸は黙れ」」
「そういう所だけ仲いいな……」
 水城は、もう怒鳴る元気もない。
 確かにこのファントムジョークを『マヤの予言』達が聞いていたら激怒するだろうが、そんなものはどうでもいい。
「誰よー!! 『親分みたいな奴もきっと大した事無いに決まってるわ』なんて言ったの!? あれどう見ても中ボスレベルだけど、今までとは格が違うじゃないのよ!!」
『『『自分でしょうが!!』』』
「そうでした……」
 蝙蝠がギロリと目を動かした瞬間、全員一気に散らばり物陰に隠れる。
 突如現れ原理のわからない攻撃でジャガー人間を殺したのだ。警戒は怠るべきではない。
「(散るって言っても私達は自然と一緒に行動してますけど。これも愛の力ですね!!)」
「(お前随分余裕だな)」
 蝙蝠というのは、超音波を発し、跳ね返った超音波を感じ取ることで、障害物などを確認し、あまり◇に頼らない傾向がある(これはイルカやクジラも同様)。
 物陰に隠れると言うのは、ベストな判断というべきだろう。

 それが都市伝説でなければ。

214 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2011/12/31(土) 22:54:02.00 ID:3aCUre490

「うぎゃー!!」
 百花が目を付けられ、不可視の攻撃をギリギリ避け、地面が抉り取られる。
「な、なに今の!? 可憐な乙女から先に狙われるのって、やっぱりお約束!?」
「それなら薫が一番に狙われるべきだー!!」
 百花の言葉にファントムが顔を出し、彼女アピールをする。
 あの人バカなんですか?
 と共に行動した者達が呆れたため息をつく。
 そう、もちろん顔を出したファントムに飛びこんでくる。
「……甘いな」
 ファントムは黒いコートを回転しながら脱ぎ、勢いを付けて蝙蝠に投げつける。
 蝙蝠はそれを衝撃波で切り裂こうとするが――――突如霧となり、蝙蝠の視界を防ぐ。
「殺(ヤ)りな」
 ファントムが言うと、菊はメイスを投げつけて、見事に射抜いて見せる。
「『イャル・レウォルフ』!!」
 花びら型の光の刃が10、20と飛んでいき、蝙蝠を八つ裂きにする。
「目をふさげろ」
 薫――――DKGは、ゲイ・ボルグを弓矢の代わりにして、シェキナーの弓にセットする。
 ――――シェキナーの弓とは、太陽の36万5000倍明るいという聖なる光輝シェキナーの弓の事。
 これはDKGの模造品であり、かなり消耗しているため、太陽と比べればその光は見劣りする。
 だが、それでも太陽に匹敵するほど眩しい。
「消えろ」
 ゲイ・ボルグがシェキナーの弓から放たれる。

 刹那、大きな爆発が起きた。

215 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2011/12/31(土) 22:54:43.49 ID:3aCUre490
          ◇

 蝙蝠を撃破した後、
「何で爆発するんですかおバカァ!! それにボス戦前にそんなに消耗しちゃってどうするんですかおバカおバカおバカァ!!」
「そんなにバカバカ言うな。関西人だったら切れられてるぞ」
「反省の色なしなうえにディープな都市伝説知識をA・RI・GA・TOU!!」
 薫は正座で雄介のお説教を聞かされていた。
「私達なんかさっきの光で頭クラクラしてるんだけど!! 堪忍袋の緒が切れました!!」
 百花まで説教に加わり、この上ない屈辱である。
「何で屈辱なのよ!?」
「……メタは、ダメ」
「菊、さっきのメイス砕けたから、また強度を増して作ってみた」
「……ん、ありがとう」
「説教の途中ですよ!?」
 ギャーギャーと騒いでいると、玄鳥と水城が雄介に話しかけてきた。
「……ジャガー人間は消されて敵の居場所はわからない。ここから先どうする?」
「……さっきの爆発だ。きっと『マヤの予言』の方も新たに強い敵をしかけてくるかもしれない。どうする?」
 雄介は、スカルマスクを被った瞬間、白い武装に黒いコートが体に装着される。
「……方向はわかっている。それに、ここからでも既に『マヤの予言』が感じ取れる域にいる。帰ろうとしても、返してはくれないだろうな」
「じゃあ……」
「突き進む。それに、助っ人がいるみたいだぞ?」
 ファントムが上を指を刺す。
 先程の爆発でここら一帯は禿げてしまい、上には木の枝すらない。
 見えるのは、登り始めた月ぐらいだ。その月を背に何かが落ちてきた。
「トァ!!」
 スタッ、と見事一行の前に着地した。
 それは、赤青黄色に身を包んだ忍者の様だった。
 一部の人間が目を輝かせるが、それ以外は各々の武器などを構え警戒を忘れない。
「人も知らず、世も知らず、影となりて悪を打つ―――」
 バサッ!!と三色の装束を脱ぎ、金色の鎧に身を包んでいる。

「――――ゆーのるぁぶうぉーりあーにてトレジャーハンター!!本条総司!!あっ参〜上!!」

 ドカーン!!と、三色の煙を背に、バカがまた現れた。
216 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2011/12/31(土) 22:55:21.37 ID:3aCUre490
「「ひざまずけ」」
「ぐふ!?」
 薫とファントムはこの中で一番のバカを踏みつける。
「何でお前がここにいるんだオ〜バカ野郎」
「さっさとこの場にいる人たちの体力を回復させて並ぶ時は先頭でおとりになれオ〜バカ野郎」
「……扱いが、酷い」
 実は一番チートな人間が、ここにいた。
「……誰、これ?」
「菊、誰なのにこれはおかしいぞ。それにやめておこう」
 菊がメイスでツンツンとつついているのを、水城が慌てて止めに入る。
「……ねえ、それ何?」
 先程までは忍者だと思ってテンションが上がっていた百花だが、『ゆーのるぁぶうぉーりあー』辺りで減滅し、如何わしい目つきで総司を見ている。

「これは、一応俺の義理の兄。つまりこいつの実の兄貴だ」

 ファントムではなく、雄介でもなく、薫が、平然として、しらっとそう言った。
「「「…………はい?」」」
 どこからツッコミを入れればいいのだろう?
 と、ファントム以外の人間が、混乱の中、首をかしげた。
「とうとう……この婚姻届にサインをする決心がつきましたか!!」
「バカ。まだ出せないだろ」
「あれ!?嬉しいところを否定してないすごいうれしい!!」
「ゆー!!僕の許しを受けずに――――」
「「お前は黙れ」」

 この後、総司が身代わり地蔵という名の都市伝説の力を使い、一行の体力を完全にしたのだが、今はそんなことを考えられなかった。
217 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2011/12/31(土) 22:57:49.38 ID:3aCUre490
……すいません。投下宣言のトリップ間違えました。

それと、投下終了です。

雄介「ネロは薫の方が似合っていると思います!!」
薫「何でそう思うんだ?」
雄介「なんだかんだでチートだから」
218 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2011/12/31(土) 23:54:10.89 ID:GpfmEbwZ0
笛の人、ファントムさんの人乙でした!
来年もいい年でありますように………
219 :劇場版嘘予告[saga]:2012/01/01(日) 10:00:22.45 ID:IuFbAfXv0
【劇場版、嘘予告】

今世紀
デェン
最大の
デェン
戦いが
ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル……
始 ま る !

「今度の敵は?」

「魔法少女マニア?」

「この町で戦えるのは今は君たちだけだ、存分に闘争を楽しもう、魔法少女達よ」

(スーパーマジカリリリカルー♪)

「なんなのよなんなのよなんなのよ!こんなの聞いてないわよ!」

(不思議な奇跡でギャラクシー♪)

「我々は魔法少女愛好会、魔法少女を愛するあまり、魔法少女に打倒されるためだけに生まれた悪の組織」

(ステッキ一つでー♪)

「我々はこれより学校町からマイナスエネルギーを集め最強の怪物“キメラ”を生成するのだ!」

(お悩み解決ー♪)

「そんなこと!」

(悲しみなんて♪)

「学校町を守る!」

(吹きとばせ♪)

「「私達が許さない!」」

「萌ええええええええええええええええええええええええええ!」

「うわっ」

「きもちわる」
220 :劇場版嘘予告[saga]:2012/01/01(日) 10:00:57.64 ID:IuFbAfXv0
デンデケデケデンデンデン

「霙!?」

「朔夜ちゃん、私に構わず……!」

「そんなこと絶対にしない!私は町も貴方も諦めない!」

 友情
 デンデケデケデンデンデン

「奴らを倒すためには魔女の世界に伝わる伝説の魔道具“ダコタの釜”が必要かもねえ」

「おばあさま、それはどこに!?」

「魔女世界の最奥、ブリュッテンヒルドの城に……」

 冒険
 デンデケデケデンデン

「あのお兄さん……ちょっと格好良いかも」

「朔夜ちゃんが異性に興味を……報告しなきゃ」

 そして、恋
 デンデケデケ……


 この冬、笛フィルムが送る感動と興奮の新作!
 劇場版「魔法少女サクヤギャラクシー〜急襲、魔法少女愛好会!学校町最後の日!?〜」
 乞うご期待!

 劇場前売り券で選べる二つの予約特典!
 A朔夜ちゃん印の羽箒
 B霙ちゃんおっぱいマウスパッド

 同時上映「スタコラハム二郎〜人面ハムスターを追え!〜」も見てくれなのだ!
221 :犬神憑きと怪人アンサーの人 ◆vQFK74H.x2[sage saga]:2012/01/01(日) 23:28:37.97 ID:JDCa+1QM0
プラモデルの人様、笛の人様、三面鏡の人様、DKGの人様投下乙ですー

趣味を分かってくれる人が増えるのって嬉しいですよね!
メルちゃん可愛い…昔の上田さんもカッコイイ…ww
ぎゃあああああ!!私の葉鳥さんがーーーー!!(お前のじゃない
ANEKI……なんて恐ろしい生命体なんだ…
扱いがアレだけど頑張れ総司さん!

>>199
アポカリファのジャックさんのクラスを見て、「蛍の境遇も合わせると間桐家っぽい悲惨な感じになるんじゃない?」とか考えてニヨニヨしてた馬鹿は私です

>>219->>220
公開日はいつですか!?(ガタッ
222 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2012/01/02(月) 01:15:38.63 ID:tzhmBSEC0

―――2011年:12月30日―――

「……ではやっぱり……」

『ああ……宝富ーを始め、めぼしいプラモデル・玩具専門店の本店を探ってみたが……そのような商品を販売した形跡は一切なかった』

「そうですか…………有間、君」

『……本来こういった件は、「R-No.」戦闘班の中でも「物品」に所属する者が担当すべきだが……』

「……いえ、この件は……この件だけは、私に……!」

『わかっている。この一ヶ月で、君も「殺人鬼」もかなり経験を積み、成長した。万が一彼と戦闘になっても遅れは取るまい。
だが君が、知り合いだという事で温情をかけようとしている可能性も否めないのだ……少なくとも、上層部から見れば、な』

「ありがとうございます、大尉……大丈夫です。今までの仕事と何ら変わりません。「組織」の傘下に入るよう説得をして、せめて協力関係にまでは持っていく。仮に力に溺れている、または都市伝説に支配されている場合は契約を切らせ……記憶を、消す」

『そうだ。良い連絡を期待している』ブツッ……ツー、ツー、ツー……

「ふん、やはりあの男も契約者だったか。だからあの時忠告したはずだが……」チラッ

「………で………」

「……こんな大規模な都市伝説、いつ過激派に見つかってもおかしくなかった。私たち穏健派で対処できればいいのだが……」チラチラッ

「……んで……なんで、貴方なん……ですか…………ぅぁぁぁぁぁぁぁ…………!」

「紫亜をここまで悲しませるとは…………うむ、喉笛を引き裂く程度で済ませておいてやろう!」


※この物語は、平穏とライガーたちを愛する一人の契約者の日常的な非日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
※後、時間軸の関係でまだ2011年を抜け出せていません。 予めご了承ください。

では、【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】をお送りいたします。


223 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage  saga]:2012/01/02(月) 01:44:23.72 ID:tzhmBSEC0


「……くぅ、すぅ……むにゃ……ありま、くん……えへへ」


「……という訳だ。わかったら早く貴様の都市伝説を呼び出せ、そして紫亜に土下座して詫びろ」

「……ああ、よくわかったぜ。お前がいるべき場所は紫亜の隣じゃなくて病院だって事がな」

「今なんと言った貴様あああああああああああ!私の話をちゃんと理解していたのか!?」

「やかましい、お前こそ今何時か理解してんのか!?そもそもそんなふざけた話信じられるわけないだろ、ボケ!」

「よーしよく言った今ここで死ねっ!」

「上等だ、かかってこ…………」

瞬間、背筋に悪寒が走った。ヤバイと思う間もなく、その場から飛び退く。
さっきまで俺が座っていた場所に……拳ほどの大きさの石が降ってきた。

『私の能力も紫亜が広げてくれたようなものでな、相手の視覚外に物体を―――』

「…………マジ!?え、じゃあ本当にあんた、紫亜の彼氏とかじゃなく…………!」

「いずれそうなる予定だ!だが今日くたばる貴様には関係ない、紫亜を泣かせる奴は何人たりとも生かしてはおかんわああああああああ!!」

紫亜の彼氏、いや都市伝説【ベッドの下の殺人鬼】が吼えるとほぼ同時に、俺はフル装備のまま外へと飛び出していた。
そのまま走って逃げる俺を、【殺人鬼】と石礫が追いかけてくる…………ああもう、どうしてこうなった!


今からおよそ30分程前、正確にはAM6:00頃。
新しい朝の習慣となりつつあるホッピングバトルの為、何時ものようにフル装備を着込んでいると
ピンポーンとチャイムが鳴った。

「ん、誰だこんな時間に……はーい、どちら様ー?」←インターフォン

『あの、有間君……古田です。……ちょっと、上がらせてもらってもいいですか……』

「何だ紫亜か。どうした、こんな朝早くに。また未知の物質でも生成したか?」

紫亜は料理が苦手だ。初めて紫亜の家へ遊びに行った時、窓から立ち込める紫色の煙には驚いたものだ。以来、たまに俺が料理を作りに彼女の家へ行く事になったのだが、未だに何を混ぜたらカレーライスからあんな色の煙が出るのか想像もつかない。最近は得体のしれない物体を作り次第、俺に相談するようになったが……油断すれば「ダークマター」の悲劇再びである。
ちなみに俺が来るまでは、料理の失敗はうまい棒等の駄菓子で埋めてたらしい。こいつ、よく今まで生きてたな。
が、そんな俺の予想とは裏腹に…………いつになく真剣な声で、紫亜は続けた。

「大事な話、なんです……有間君にとっても、私たちにとっても……」

「……そっか。まってろ、今チェーン外すから」
224 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2012/01/02(月) 01:45:04.55 ID:tzhmBSEC0
さすがにそこまで言われては、「だが断る」と締め出すわけにもいかない。
俺は玄関の鍵を開け、紫亜を中へと入れた……のだが。

「さて貴様、何故我々が来たかはもうわかるだろう。「組織」に従うか記憶を消されるか、どちらか選べ」

「……誰?てか、何言ってんのこの人?」

「さ、殺人鬼さん……!どうして、何でここにいるんですか!?」

「紫亜を一人きりで男の所へ行かせる訳がないだろう、死角に『飛び』ながら後を付けさせてもらった」

「あー、この人が例の彼氏か……初めまして、友人の有間出井といいます」

「か、彼氏!?何でそんな発想に行くんですか有間君ー!」

紫亜、まさかの彼氏同伴。あれか、「今日から結婚を前提にお付き合いします」とかわざわざ宣言しにきたのか?
もしそうだとしたら流石に容赦しないぞ。お前らのガンプラ一つ一つにガイロス帝国のマークを彫り込んでくれる。


そんなわけで取り敢えず話を二人から聞いてみたんだが…………正直、交際宣言の方がマシだった。
途中から流しながら聞いてたので、主な内容を確認してみよう。
@目の前の青年は、一ヶ月ほど前に紫亜と契約した都市伝説【ベッドの下の殺人鬼】だ。
A彼と紫亜は都市伝説とその契約者を管理(?)する「組織」に所属している。傘下に入るか、契約を破棄して記憶をすべて消されるか選べ。
(ここで紫亜が泣き出してしまい、慰めているうちに寝てしまった。今は完全に熟睡している)
B俺は日本全国に影響を与えるほどの都市伝説と契約したはずだ。今すぐ本性を表し、紫亜に土下座して詫びろ。
Cなお、契約理由は彼女に惚れたため。紫亜可愛いよ紫亜(略


どう考えてもおかしい人です、本当にありがとうございました。
しかもこの男、紫亜への執着だけは本物だ。Cだけで20分近くしゃべってたし。危ない。色んな意味で危なすぎる。
紫亜は今でこそ明るくなったが、未だに昔の事を引きずっているのか他人には強く出られない場面をよく見かける。
恐らく彼氏の妄想に付き合いきれず俺に助けを求めたんだろうが、泣き出すまでとは……余程、堪えてきたんだろうか。

「くぅ……すぅ……」

寝ている紫亜を横目で見ながら、「ごめん」と小さく謝る。

「(一ヶ月も……紫亜がこんな事になっているのに気付かなかった……何が友達だ、俺の大馬鹿野郎!)」

恋愛は人の自由とは言うが、流石に紫亜をこんな男の毒牙にかけるのは納得できない。というより、俺自身が嫌だ。
隙あらば何時でも通報できるよう、俺はケータイに110をセットしてチャンスを伺っていた―――


「それが何で寒空の下、殺人鬼と命懸けの鬼ごっこやってんだよー!」

「待たんかあああああああああああああああああ!!」


拝啓、まだ見ぬ機獣達よ。俺、今日死ぬかもしれません。

(後半へ続く)
225 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2012/01/02(月) 01:45:37.26 ID:tzhmBSEC0
な、何とか前半部分だけできた……後半は後日投下予定です。
ちなみに紫亜が現在寝ているのは、少し前まで出井が寝ていたベッドの中です。
226 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)[sage]:2012/01/02(月) 12:10:01.36 ID:GFLhslI30
乙でした
そうか……ついに幼馴染を守る戦いが始まったのか……
良いのよ、幼なじみを殺って組織から華麗に逃げ回りつつ暴れるルートでも……
主人公補正があれば逃げ回れるから
墜落していく飛行機から脱出とかさあ……
冗談ですごめんなさい
組織のみなさん怖いです逆らっちゃ駄目デースゴメンナサーイ
>>221
だよねええええええええええええええええ!
蛍ちゃんとジャックちゃんが路地裏で添い寝してるの妄想しちゃったもんおれええええええええええええ!
あと翼さんとガウェインが妙に息が合いすぎて大きなお姉さん達にハァハァされてる様子とかさあ!
何故かフランケンシュタインと会話成立しちゃうバイト君とかさあああああああああ!
禿に掘られる李書文とかさああああああああああ!
227 :プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM[sage]:2012/01/02(月) 18:38:27.71 ID:tzhmBSEC0
>>223の紫亜の寝言、ありま→あるまに変換しておいてくださいorz

>>226
>そうか……ついに幼馴染を守る戦いが始まったのか……
出井は混乱してはいますが、「この男はやばい」という事だけははっきり理解してます。
>良いのよ、幼なじみを殺って組織から華麗に逃げ回りつつ暴れるルートでも……
欝はちょっと苦手なんですが……IFで書こうかな?
>蛍ちゃんとジャックちゃんが路地裏で添い寝してるの妄想しちゃったもんおれええええええええええええ!
美少女二人が寒空の下身を寄せ合って寝ている様子が目に浮かぶようです
ちくしょう、可愛い

感想ありがとうございました!

228 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 21:05:19.63 ID:7K014Tdi0
誰かに聞かせなければならない気がした言葉↓

相手から殴られようが罵倒されようが笑って文句の一つも言わない。これはMなんかじゃなくて自分が傷ついても表に出さない優しい性格なだけです。
相手を殴ったり、傷つけるのが好きな人はSなんかじゃなくただのゴミです。
229 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 21:07:34.14 ID:7K014Tdi0
盛大なる誤爆
230 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)[sage]:2012/01/02(月) 22:06:32.80 ID:GFLhslI30
それは本当に誤爆なのですか……
正直に言ってご覧なさい……
231 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)[sage]:2012/01/03(火) 01:15:40.07 ID:lTxKu7HAO
いっそはっきり言うのも優しさかもしれない
まったく違和感のない誤爆をみてそう思った
232 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)[sage]:2012/01/03(火) 01:23:46.68 ID:lTxKu7HAO
とりあえずシャドーマンのひとちゅっちゅってことだ
233 :以下、あけまして[sage]:2012/01/03(火) 09:26:26.56 ID:Tlp2APRSO
Q00. あなたは都市伝説を信じますか?
Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか?
Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか?
Q03. Q02.のどこが好きですか?
Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか?
Q05. Q04.のどこが好きですか?
Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか?
Q07. あなたのフェティズムを教えてください。
Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。
Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!!
Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか?
Q11. あなたは/好きですか?

234 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage]:2012/01/03(火) 10:51:35.16 ID:469mDDwY0
Q00. あなたは都市伝説を信じますか?
あったら良いなとは思います。

Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか?
揉んだら胸が大きくなる。

Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか?
大体が好きです。

Q03. Q02.のどこが好きですか?
……なんと答えれば良いのでしょう?

Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか?
ネタや噛ませ犬と化している口避け女さん。

Q05. Q04.のどこが好きですか?
ネタキャラや噛ませ犬と化しているから。

Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか?
百鬼夜行。(強そう)

Q07. あなたのフェティズムを教えてください。
うーん……唇。(何にも塗ってなくて細くてちっちゃいのがベスト)

Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。
燃える歌全般。

Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!!
何に対して?

Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか?
誰も……イマセンヨ?

Q11. あなたは/好きですか?
エエ、トテモトテモダイスキデス。
235 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/03(火) 12:26:25.80 ID:yaIRt8Tz0
Q00. あなたは都市伝説を信じますか?
案外そこらへんに転がってそうな気もしますね。というか、最初が00?

Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか?
動物・日常系。人を襲うでもなく、ひっそり共存してる感じの。

Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか?
現在「夢の国」編を読んでいるのですが、お祭り感覚で楽しそうですね。

Q03. Q02.のどこが好きですか?
別々の世界が一瞬、または大きく重なっては離れていくところ。

Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか?
烈邪、上田、蛍ちゃんと色々あるんですが……強いてあげると「すねこすり」(ぉぃ

Q05. Q04.のどこが好きですか?
ちっちゃくてふわふわで甘えん坊で……やばい、本気で一匹飼いたくなってきた

Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか?
「こんなこともあろうかと」……凡庸性高すぎでしょう、あれ

Q07. あなたのフェティズムを教えてください。
巫女さんや着物姿の女性が振り返るとき見える首すじや背中の当たりですかね?

Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。
やっぱ「夜鷹の夢」ですね。ゾイドのOP以前に歌詞が深くて……ギエロン星獣のMAD動画は泣けます(´;ω;`)

Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!!
皆ー!巫女さんは好きですかー!

Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか?
エナジーライガーさんですが、何か?

Q11. あなたは/好きですか?
/も無印もフューザーズもジェネシスも大好きです!
236 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/03(火) 14:25:19.12 ID:/blWvYzN0
>>228
>相手を殴ったり、傷つけるのが好きな人はSなんかじゃなくただのゴミです。
(蓮華>顔 貸 し て 下 さ い
(日天>ネタにマジレスは大人げないぞ

>>232
>とりあえずシャドーマンのひとちゅっちゅってことだ
ちゅっちゅだなんて、そんな……えへへ///

>>234
>うーん……唇。(何にも塗ってなくて細くてちっちゃいのがベスト)
若ぇのに分かってんじゃないの
唇ってのは塗ってないのが一番だよな!
服着てるより裸が良いよな!と言おうと思ったがこれは違うな(なんなんだ

>>235
>裂邪、上田、蛍ちゃんと色々あるんですが……強いてあげると「すねこすり」(ぉぃ
(裂邪>何故俺が上げられたんだ
(シェイド>何度モソレ言ッテルガ、単純ニソレダケ人気ガ有ルンダロ。私ハ認メンガ
(ミナワ>だってご主人様はカッコ良くて可愛くて優しくて素敵で純粋でそれからそれから……うふふ♪
237 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/03(火) 15:03:14.92 ID:/blWvYzN0
そして>>233を久々に見たのでもう1回やってみる

Q00. あなたは都市伝説を信じますか?
何度か見たよ「シャドーマン」

Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか?
やっぱり「シャドーマン」かな、連載スタートがあれだったし、思い入れがある

Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか?
『ハーメルンの笛吹き』は未だに好きです、メルたんハァハァ純ちゃんペロペロ

Q03. Q02.のどこが好きですか?
もう書いちゃったよ……ロリキャラが可愛いんです、はい

Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか?
先に挙げたメルたんと純ちゃん、それと吉静ちゃん、あと連載・単発含めてあちこちで活躍する全ての「花子さん」、
それから小梅ちゃんとこっくりたんとレティたんとニーナたんとエリカさんとメイたんと沙々耶ちゃんと菊花たんとミズキちゃんとノイノイとかおるんとほたるんとユキちゃんと葉様と三尾ちゃんとあかりちゃんと小鳩ちゃん、
あと単発で「人面犬」と契約したネコミミフードのロリっ子好きだなー
思いつく限りではこんな感じですがまだまだいる筈だ

Q05. Q04.のどこが好きですか?
み ん な か わ い い ♪
それから殆どロリですね、ロリっ子最高ですね!ロリっ子万歳!ロリっ子マジ救世主!!

Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか?
ミナワと愛の契りをですね(

Q07. あなたのフェティズムを教えてください。
スク水大好きです、ただしロリに限る
黒タイツも好きです、でも綿は認めません、あとこれもロリに限る
ブルマも好きです、汗だくになってると尚良しです、やはりロリに限る
というか濡れてる女の子好きです、べったべたでぐっしょりな女の子LOVEです、そしてロリに限る
それから揉まれてる胸が大好きです、これは別にロリじゃなくても良いです(ぇ?

Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。
歌としては『Eternity Blood』と『ローリンガール』、『パラジクロロベンゼン』、『龍ノ啼ク箱庭拠リ』
最近ハマってるゲーム音楽や映画音楽などとしては、
『終焉終末(MH3)』、『決意のテーマ(フレッシュプリキュア)』、『レクイエム・フォー・ドリーム(同タイトル)』、
『凶星の監察官(SRWOGs)』、『片翼の天使(FF7)』、『妖星乱舞(FF6)』

Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!!
ロリキャラがどんどん増えれば良いと思うよ!
というか増やして下さい(←こいつの所為でインフレ起こすけど

Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか?
後ろって…あら、そんなところで何やって――――――――むぐっ、むっ、んっんふ、ふあ、や、らめぇっ……

Q11. あなたは/好きですか?
私は(ロリが)好きですよ(
238 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/03(火) 15:11:10.54 ID:yaIRt8Tz0
>それから揉まれてる胸が大好きです、これは別にロリじゃなくても良いです(ぇ?
ロリ巨乳ですね、わかります
239 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/03(火) 15:16:32.59 ID:/blWvYzN0
>>238
>ロリ巨乳ですね、わかります
ロリ巨乳大好きなんですけどねー
虹には当然多いけど、惨事はかなり少ないんですよね
だから胸だけは成人で妥協してるんです




……あの、たった今『せいじん』で変換したら『性神』って出たんですけど
俺のPCどうなってんの……orz
240 :以下、あけまして[sage saga]:2012/01/03(火) 16:14:42.99 ID:qkRwjAzI0
>>236
>……あの、たった今『せいじん』で変換したら『性神』って出たんですけど
おめでとう!!
貴殿のPCは変態検定にて一流変態と認定されました!!

あれだろ、「ようじょおかしたべる」を一発変換しようとすると「幼女犯したべる」とかって変換されるんだろ
何?「幼女犯し食べる」になった?それはもう手遅れだ
241 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/03(火) 17:06:29.18 ID:TYxvJepM0
>>240
今スマホだからあれだけど、確かPCでもそうならなかったぞwww
242 :以下、あけまして2012/01/03(火) 18:04:59.06 ID:yaIRt8Tz0
>>241
まさか、「自分の予想を超えた変換文字が表示される」都市伝説か!?
スーパーハッカーなどの電子系に強そうだwwww

しかしPCにまでエロ認定されるのか……さすがシャドーの人
243 :以下、あけまして[sage]:2012/01/03(火) 18:09:20.41 ID:yaIRt8Tz0
下げ忘れすみませんorz
244 :以下、あけまして[saga]:2012/01/03(火) 23:24:54.83 ID:2Ypf5oXP0
「どうしても行くのかい?」

「ええ、だってこの町には夢が無いもの」

 そう言って彼女はどこか遠い町に行ってしまった。
 田舎とは言えどテレビのあるこの町で彼女の顔をその先一度も見なかったことから推測するに恐らく彼女の夢はかなわなかったのだろう。
 まあそんなものだ。
 夢は破れ、希望は砕け、努力は無に帰して、そして平凡な日々が続く。
 努力が報われるのはほんの一部の才能ある人間であって、そんな人間に限って努力もしない訳で。
 結果として世の中では負ける役の人ができて、幸せな人間と不幸な人間が一人ずつできる。
 
「やだなあ、夢なんてそこらに満ちているじゃないか」

 そういった僕を君は笑ったね。
 でもね、どこにでも居る普通の人間な君が片田舎の高校のミスコンに合格したりアイドル事務所に合格したのは偶然なんかじゃないんだ。
 それで君が妙な自信をつけてしまって妙な方向に夢を追いかけだしたことはまったくもって僕の予想外だったし、
 それで僕の知らないところに行って勝手に失敗したのかもしれないけどそれだって僕は知らないことで、予想なんてできなかったこと。
 ああ、夢が敗れるなんて辛いだろうね。
 でも君一人が不幸になれば君を蹴落とした人間は幸せになるだろう?
 君はどうするのかって?もう充分幸福な思い出があったじゃないか。
 思い出一つで人は幸せに生きて行けるらしいぜ?
 どの道君みたいな平凡な人間は平凡な人生を生きていくしか無いんだからそこそこ幸せな夢を見れたと思えば上出来さ。
 なあ、理想を抱いて溺死しろ。

「君は無欲だねえ」

 黒い犬は笑う。

「僕は幸運なんて求めない、だからといって不幸も求めない」

「君は自分のために能力を使わないのだね」

「僕の人生は僕のもの、誰かを幸せにするためのもの」

「でも、君はそう言って関わる人々を不幸にしてきたじゃないか」

「僕は運を奪っていない、望んだ人々に少しだけ前借りさせただけさ
 ドラマティックな人生を望む人々にはむしろ感謝されてもいいくらいだよ」

「ハハッ、ドラマティックな人生を望む人間なんてのは大概前借りを必要としない強運の持ち主か、悪運の持ち主だ
 見たところ君は彼らに感謝されようという恩着せがましい人間ではないみたいだが?」

「ああ、ソレは“知らなかった”、きっと“偶然”さ」

 クルクルクルクル廻る車輪
 運命の輪は何もしない
 生き様くらいは計画的に
 マイナスはマイナス、プラスはプラス
 
「彼らを僕が不幸にしたんじゃない、元から不幸なのさ」

 クルクルクルクル回る運命
 車輪は虚しく空回り
 この世の憂さを弾いたら
 あとに残るは夢ばかり

「だって僕は帳尻だけは合わせているんだから」

 遠くで手を振る妻と息子
 犬の散歩ももう終わり
 僕は至って幸せだ

 運命の車輪は映画のフィルム
 入場料は貴方の幸福
 良い夢を抱いて朝まで眠れ
245 :以下、あけまして2012/01/03(火) 23:34:14.27 ID:7la2EtLDO
【運命の輪】の契約者
寄り添う犬はソフトバンクのお父さんを黒くしたのだと思ってください
不幸な人間を不幸に
幸せな人間を幸せに
その根源は“無為”
果てしなく無害な存在
頼まれれば不幸の前借りもさせてくれるあたり良い人かもしれない
幸運の前借りの使い方次第ではもっと幸せになれるのに
普段は道行く不幸な人の人生における幸福のバランスを無作為に入れ換えてる
246 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/03(火) 23:46:05.78 ID:yaIRt8Tz0
>>245
乙!
人の幸福や不幸の度合いは生まれつき決まっている……なんか考えさせられるなあ
宝くじで大金持ちになった人も散財して破産したり、それが元で前より貧窮したり自殺したり……義妹とその恋人に殺された人もいたなあ
やっぱり目の前の幸運に振り回されるよりは普段通りの自分でいろって事なんでしょうか
247 :以下、あけまして[sage]:2012/01/04(水) 08:56:13.92 ID:I9PQ4ahDO
\ハットリーン/からインスピレーション受けた筈なのに人畜無害なキャラになっちまったでござる
悔しいでござる
248 :ソニータイマー/携帯[sage]:2012/01/04(水) 13:52:27.79 ID:GpRBU5pDO
>>233をやってみる

Q00. あなたは都市伝説を信じますか?
居たら面白いと思うけど、信じないかなぁ
Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか?
メリーさんの電話、髪の伸びる日本人形、
異次元に続く階段、4時44分に学校の巨大な絵の前に立つと吸い込まれる、など
Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか?
厨二コンビ
Q03. Q02.のどこが好きですか?
キャラ
Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか?
赤い半纏
Q05. Q04.のどこが好きですか?
可愛いから
Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか?
老治水、画霊、ゲーム脳、ブラックホールはホワイトホールに繋がっている
いQ07. あなたのフェティズムを教えてください。
ツインテロリ大好き!
そしてフェチというならやはり髪ですね。ツインテールや黒髪ロングは勿論、女の子が髪をほどく瞬間になびく髪とか、
お風呂上がりで少し濡れた髪とか、風に吹かれてなびく髪とか、髪を縛ってるときの生え際とか、旋毛とか、たまりません。
姉がまだうまく髪を縛れない妹の髪型を整えてあげて、髪に櫛を通す姉は妹のさらさらの髪にときめき、妹は姉に髪を触られて頬を赤らめる、みたいな展開も萌えますな
あと足も割と好きです
Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。
炉心融解、コネクト、ゆりゆららららゆるゆり大事件、私、主役の赤座あかりです
Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!!
「ぼくのかんがえたさいきょうのとしでんせつ」的なものを使いたい場合は、その都市伝説の話を作り、
ネットやリアルで流行らさなければならない、というのはどうでしょう?
Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか?
そんなことより、貴方の肩に乗ってるのは誰?
Q11. あなたは/好きですか?
純愛百合は大好きです!
249 :以下、あけまして[saga]:2012/01/04(水) 21:54:10.20 ID:1oKxP7R+0
「心から誰かを愛せたら幸せだろうな」

 そう願っていた。
 目を覚ますと、家族はおろか親戚すら誰もいなくなっていた。
 残されたのは莫大な遺産と無駄に広い家屋敷。
 既に友達は皆就職しており、家に残っていた三年前のカレンダーと唯一生き残った祖母の遺書だけが僕と世界をつなぐ唯一の縁だった。
 話しかけてくる人間という名前の生物は皆異臭を放つ肉塊だし、
 見慣れたはずの実家の周りの自然の中に美を認めることなど到底出来なかった。
 恋人は最初に僕を診察していた医者と結婚したそうだ。
 今はどこか遠い所で幸せに暮らしているのだという。
 腕の良い探偵が教えてくれた。
 検査の為に続く入院。
 死んだほうがマシなくらいの退屈の中で、僕はその少女に出会った。

「お兄ちゃん、私を見て逃げないの?」

「え?なんで逃げなくちゃいけないんだ?」

「私ね、吸血鬼なんだよ」

「面白い事をいう子供だね、ご両親は?」

「見つからないの……」

 彼女はよく笑った。
 全て腐り落ちる世界で彼女だけは美しかった。
 だから僕の検査入院が終わる頃、無駄に広い家に一人住人が増えた。
 探偵に彼女の両親を探してもらうように依頼して、僕は為すべきこともないままに彼女と二人だけで時を過ごした。
 彼女は度々僕の血を求めた。
 彼女は普通の食事を受け付けない僕のために何時も一生懸命料理を用意してくれた。
 まずくてしょうがなかったが一生懸命食べた。
 月明かりが美しい晩だった気がする。
 黒い服の男が家に押しかけてきて僕に銃を向けてきた。
 彼女は僕を守るためにその男を殺した。
 何を思ったか僕はその男の肉を口に含んだ。
 眼を丸くして少女が僕を見ていた。

「…………おいしい」

 信じられなかった。
 それが分かってしまうと、僕には町に満ち満ちるあの不快な人間たちがよく肥えた豚や羊に見えてきた。
 恐ろしかった、人間を食べたくて食べたくてしょうがない。
 でも食べたくない、そんな事間違っているから。
 そんなことを少女に涙ながらに告白した。
 少女は聖母のように微笑み、僕を抱きしめてこう言った。
 
「じゃあ人間じゃなくしてしまえば良いんでしょう?」

 その日から、僕にも正常に見える人間が少しずつ増えてきた。
 大学にも行けるようになってきた。
 大学を卒業したらどこか楽な職場に就職して、正体はわからないけれどもこの可愛らしい少女の為に生きていこう。
 二人で普通に生きていこう、そう思っていた。
 
「調査を頼まれた娘の両親はもうこの世には居ない」

 探偵が調査結果を持ってきた。

「どんな人だったんですか?」

「ああ、貴方も理解しているとは思うがそのお嬢さんは人間ではない」

「知っています。吸血鬼でもなんでも構いません、どんな人かわかればそれで良いんです」

「吸血鬼、か。吸血鬼ですら無いよ。そこのお嬢さんは……この地球の存在ではない
 人間を主食とし、自分の因子を人間に植えつけることで増殖する都市伝説、エーリアンの類だよ
 幸い、育ての親――彼らは研究者だったんだが――の教育が良かったらしく今のところは君だけで我慢しているようだがな」

 それでも構わなかった。
 僕は彼女の為に生きることを決めたのだ、死ぬこともまた……
 
「口にしづらいことも含めてこの資料に載っている、報酬は指定した口座に振り込んでくれ
 それとこれは親切、今君が少女にやらせていることはやめさせたほうが良い
 幸い君の家は裕福なようだし、食事に関しては我慢して、その少女と二人で末永くこの家で生き続けたほうがいい」

 そう言って探偵は僕の家を出ていった。
 少女は終始彼への敵意を隠さなかったが、僕はそれを宥めた。
 他人の親切は素直に受け取りなさい、と昔祖母が言っていたから。
 幾度この少女と朝を迎えるのだろう
 幾度この少女と月を眺めるのだろう
 止まぬ狂気がこの理性を押しつぶすまで。
250 :以下、あけまして[saga]:2012/01/04(水) 21:58:55.02 ID:1oKxP7R+0
きっとあのファッキンわんこと契約者の仕業
でも幸せなんだから良いよね!
真実の愛だよね!
251 :以下、あけまして[saga]:2012/01/04(水) 22:14:34.06 ID:1oKxP7R+0
Q00. あなたは都市伝説を信じますか?
信じるよ!きっといるよ!
Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか?
実はね、特に無いんだ
Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか?
花いちもんめの人のとドクターの人のが好きなんだ
Q03. Q02.のどこが好きですか?
花いちもんめの人の作品はとにかくキャラが立ってて好き、ドクターの人のはエロティシズムと話作りの巧さ
Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか?
決められません
Q05. Q04.のどこが好きですか?
決められません
Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか?
他人を操作できるやつがいいな
Q07. あなたのフェティズムを教えてください。
基本何でもありですが背の高い女性が好きです
自分の身長より大きい女性を見つけると(二年に一回くらい、引っ越してからは増えた)ドキドキします
Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。
嵐のBELIEVEとか、あとはキング・クリムゾンのエピタフ(ザ・ピーナッツバージョン)とか
Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!!
もっと書く人増えれば良いな、お互いにレスとかつけないで沢山の作者が自分の作品だけ好き勝手にあげるわけよ
誰も何も言わずに黙々と大量の作品が積み重なって何時しか一部のマニアの間で名前の知れたスレみたいになったりして
Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか?
椅子です、付き合い始めて四ヶ月ほどでしょうか
Q11. あなたは/好きですか?
好きといわれれば正直疑問です、好きと言われたからハッキリというのは好きってのとは違うと思いますしね
252 :犬神憑きと怪人アンサーの人 ◆vQFK74H.x2[sage saga]:2012/01/04(水) 22:39:59.63 ID:DYfzSnBn0
プラモデルの人様、単発の人様乙ですー

紫亜ちゃん……その寝言は可愛すぎるよ(グハァ
殺人鬼さんの執着がイイなぁ……ww
わんこと契約者さん、良い仕事しますねぇ…
ロリッ子都市伝説ちゃんとの蜜月、狂気に侵食されていく理性……この雰囲気最高ですww

>>226
>蛍ちゃんとジャックちゃんが路地裏で添い寝してるの妄想しちゃったもんおれええええええええええええ!
なん……だと…!?(ガターン
zeroOPの雁夜おじさんみたいな感じですかー!?

>禿に掘られる李書文とかさああああああああああ!
李書文さん逃げてーーーーーー!!??

調べてみたら、ジャックさんとマスターさんは疑似母子のような関係だったようで……なんというか、非常に萌えました
マスターさんを一途に慕うジャックさんを想像したらもう…!

>>227
>ちくしょう、可愛い
蛍が美少女にカウントされている事に動揺しつつ、シュチュエーションが好み過ぎて……!
253 :単発ネタ[sage]:2012/01/04(水) 23:09:26.73 ID:pSoLwJXSO
「好きだ」
そう告白してきたのは、クラスでもあまり目立たない男の子。
勉強が得意なわけでも、運動が得意なわけでも、なかった。
顔も、まあ、普通だった、かな。
でも彼も、私も、お互いに普通じゃない事を知っていた。
彼と初めて会ったのは、私が口裂け女に終われていた時。
やられ役の多い口裂け女だけど、戦闘能力の低い私には荷が重かった。
彼は組織所属の契約者で、私はフリーの契約者。
その時の彼は強く。格好よかった。
だから
「私も」
彼と私は付き合う事になった。
彼と私のコンビは強かった。
彼は元々、一人でも殆どの敵を一掃できる能力を持っていた。
それでも、不意打ち、奇襲や、初見殺しな能力で死にかける事もあった。
そんな時には、私の能力が役に立った。
彼と私は強かった。強すぎた。
いつか、私達は組織にすら危険視されていた。
ただの悪人の契約者。私達を逆恨みする契約者。組織を敵とする集団。そして、組織。
昼夜を問わない、度重なる襲撃。戦闘。争い。
「もう、疲れたよ」
私が二十二回、私達が五十一回、そして百十二回目の彼の死を前に私は呟いた。
「そっか」
彼は、ただ悲しそう呟いて、息絶えた。
私は、もう、疲れたんだ。
だから


「好きだ」
そう告白してきたのは、クラスでもあまり目立たない男の子。
けれど、
「ごめん」
私と彼が付き合う事はない。
「そっか」
彼は、ただ残念そうに呟く。
「うーん、夢のようにはいかなかったか」
そう言って、残念そうに彼は笑う。
うん。ごめんね、『夢と違う』ことをして。
本当に、ごめんなさい。
254 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/04(水) 23:55:23.54 ID:EeYoea+AO
Q00. あなたは都市伝説を信じますか?
見たことないけどどこかには居る。と思ってる
Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか?
HAARP、注射男、ロンパールーム
Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか?
赤マントと赤いはんてん、悪の秘密結社。他にもたくさんあるけど、まだ読み切れてないので…
Q03. Q02.のどこが好きですか?
前者は読んでてほっこりするので。後者は鬼畜に見えて最後少しほっと出来たから。
Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか?
おにゃのこは皆好き。男だと上田さん、妬見女くん、日天さん
Q05. Q04.のどこが好きですか?
前二人はキャラの濃さ、日天さんはまともで苦労性な所
Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか?
HAARP、リア充爆発しろ
Q07. あなたのフェティズムを教えてください。
少女が好きです。性的な意味でもそうでなくても、物語という世界の象徴たる存在にしてあげたい。
Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。
サンホラ、ボカロ、V系、ショパンなど
Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!!
こんな楽しい世界はそうそうないぜ!!
Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか?
やだなぁ…気付いちゃった?後悔しない?
Q11. あなたは/好きですか?
ああ大好きだ!!
255 :以下、あけまして[saga]:2012/01/04(水) 23:56:24.80 ID:1oKxP7R+0
単発の人乙でした
バタフライ・エフェクトオオオオオオオオオオオオオ!
映画思い出しちゃったじゃないかああああああああああ!
泣くぞ!
俺泣くぞ!
アレはなくぞ!
良い話でした、ありがとうございました
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/05(木) 14:50:26.21 ID:y10NY+VW0
「ハッピーバースデー」

「ああ、ちょっと早い二十歳の誕生日だ」

「覚えているかい?昔の約束」

「うん、忘れてはいないさ」

「そんな笑顔で言う奴は初めて見たよ
 俺がこうやって尋ねた奴は皆顔面を蒼白にして首を横に振ったもんだ」

「そうなの?僕にとってはありがたいことなんだけどなあ……」

「くっ……ふふ」

「笑うこと無いじゃないか!」

「いや、なに……あんまりおかしかったんでねえ」

「涙、出てるよ?」

「馬鹿、これは心の汗だ」

「馬鹿なのはどっちなのさ」

「あーあ、こういうのも結構悪くないもんだな」

「こういうのって?」

「誰かに恐れられるんじゃなくて誰かに感謝されるような生き方」

「ふふふ、そう?」

「感謝しているぜ、あんたにはよ」

「ああ……感謝はこっちこそさ、君のお陰で二十歳まで生きていることができたよ」

「……あーあ、なんで死ぬかなあお前は」

「命ってのはそれだから面白い。時間が来た、さらばだムラサキカガミ」

「また会おうぜ友人」

「え、それって……?」

「……生きていりゃあまた会えるさ、待ってるぜ、友人」
257 :これもワンコと契約者の仕業なんだ![saga]:2012/01/05(木) 14:52:44.56 ID:y10NY+VW0
>>252
これしかねえ!
と思いましたよ
お母さんと呼ばれて戸惑う蛍ちゃんと蛍ちゃんを守るために必死なジャックちゃんと

あ、無論虐待プレイもありでしたけど
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/05(木) 21:06:31.04 ID:y10NY+VW0
携帯からだと繋がらないということか
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2012/01/06(金) 09:21:45.26 ID:E+zQ0j1AO
携帯も繋がったよー
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/06(金) 22:11:53.23 ID:uIeMhp6i0
 私は契約者というものらしい。
 きゅっと握って念じると、どんなものでもドカーンって弾ける。
 お父さんがそうやって教えてくれた。
 だから普段はきゅっとしちゃ駄目だと言われた。
 お父さんは私にこの能力の使い方を教えてくれた。
 私はこの能力を制御できるようにならなきゃいけないらしい。
 私もそう思う。
 だって可愛い猫さんも鳥さんもわんちゃんも、まだ小さい妹もドカーンってしたくないもん。

「一緒に遊ぼう!」

「うん、良いよ!」

 公園で遊ぶ男の子に話しかける。
 人と、特に男の子と話すのは苦手だけれども先生の言うとおりにしていれば先生の予想通りに男の子は反応するので最近は慣れてきた。
 公園でできる遊びといえば限られていた。
 砂場で城を作ったり、追いかけっこをしたり、かくれんぼをしたり。
 でもそれが楽しかった。

「ねえ君、近くの子?また遊べる?」

 眼の前の男の子は遊ぶのが楽しかったようだった。
 この程度で楽しいと思えるなら彼はきっと幸せなのだろう。

「うん、そうだよ。新しく出来たアパートに引っ越してきたの
 タイチくんはこっちに引っ越してきてから初めてのお友達なんだよ」

 男の子は嬉しそうな顔をしていた。
 本当に馬鹿だ。
 
「じゃあまた明日ね!」

「うん、でもまって、その前に指切りしよう」

「え?」

「また明日も遊ぶ約束」

「「ゆびきりげんまん嘘ついたらハリセンボンのーます」」

「「ゆびきった」」

 キュッとして……まだ爆発はさせない。
 私は家に帰ってきて、言われた通りの時間でドカーンってする。
 うまくいったらしい。
 お父さんは褒めてくれた。
 子供が相手だと“がーど”が緩くなるって言っていたがよく分からないのでどうでもいい。
 お父さんが褒めてくれたことだけで私は幸せでお腹いっぱいだった。

「上達のためには実践が一番だよ」

 そういって笑ってくれた。
 お兄ちゃんが今日は居ないし、お母さんは妹の世話で忙しいので私はお父さんを独り占めできる。
 その日はお父さんと一緒に眠って、翌日、あの公園に行った。
 誰も居なかった。

「あんた、暇だから一緒に遊びなさいよ。魔法少女プリティキュアキュアごっこ」

「ごめんなさい、他の友だちと約束しているの」

 その子はひとしきり一人で遊ぶと遠くで遊んでいた小学生の男の子達からサッカーボールを強奪してハットトリック決めて帰っていった。
 本当はあの子と魔法少女ごっこで遊びたかった。
 でも私は約束している。
 昨日の男の子と約束している。
 夕日が沈んでもあの子は来なかった。

「嘘吐いたら……」

 私は嘘をついてない。
 だからハリセンボンを飲まなくて良い。
 私は悪くない。
 約束を破ったのはあの子だ。
 あの子を爆発させるように言ったのはお父さんだ。
 お父さんの言うことを聞いた私は良い子だ。
 
「私は悪くない」

 口に出して言ってみるとそれはそれは気持ちが良かった。
 遠くからお兄ちゃんが私を迎えに来ている姿が見えた。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/06(金) 22:22:47.37 ID:uIeMhp6i0
人を一人殺すごとに武術でいうと一段分くらい強くなるみたいな話を時代小説で読んだのと少年兵の話を読んだのでこの話
身寄りの無い子供で契約者だったりすると悪い大人に拾われて武器として使われるのかもしれません
262 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/06(金) 22:28:48.01 ID:YaU6j7Wk0
単発の人乙です!

>身寄りの無い子供で契約者だったりすると悪い大人に拾われて武器として使われるのかもしれません
この話の「先生」や「お父さん」が黒い……男の落としかただとか、その男の子をあっさり殺させてるところが
「私」も身寄りが無くて、この「お父さん」に引き取られたんでしょうか……依存してるように見えますし、将来がすごく不安でなりません
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/06(金) 22:50:47.16 ID:88PCbkRDO
>>262
将来はきっと魔法少女のコスプレでヒャッハーしてるよ!!
264 :犬神憑きと怪人アンサーの人 ◆vQFK74H.x2[sage saga]:2012/01/07(土) 01:05:57.33 ID:24xcm3160
単発の人様乙ですー
切ない……好きという気持ちだけではどうしようも無い事もありますが…
ムラサキカガミ……粋な都市伝説じゃないか…
>お父さんと一緒に眠って
の所、(自主規制)しか思い浮かばなかった……憑かれてるのかな…

>>257
>お母さんと呼ばれて戸惑う蛍ちゃんと蛍ちゃんを守るために必死なジャックちゃんと
ジャックさん可愛いよおおおおお!!(床ゴロゴロ

>あ、無論虐待プレイもありでしたけど
虐待プレイだとスキルの一つが段階を追って伸びますからねww
普段は戸惑いながらもジャックさんに優しく接するけど、時折憑かれたようにジャックさんを虐待して、時間経過と共に虐待がデフォになるとか!
精神崩壊が進みつつも、蛍が優しいお母さんに戻る事を信じてるジャックさんとかあああああああああ!
265 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/07(土) 01:19:00.89 ID:oqAh7/Mf0
>>264
>(自主規制)しか思い浮かばなかった……憑かれてるのかな…
ああ、貴方もでしたかアンサーの人……いや、俺がそこまで墜ちたのか……
雑談で単発の人曰く、「ちゃんとそこそこいい体になったらアレしてアレしてアレだから!」だそうですorz
>精神崩壊が進みつつも、蛍が優しいお母さんに戻る事を信じてるジャックさんとかあああああああああ!
そして抵抗もせず倒れる少女をみて、ふと「自分に酷い事をしてきた大人たち」と自分が同類になっている事に気づく蛍ちゃん
ショックと自己嫌悪で崩れ落ちた彼女に、それでも変わらぬ信頼と愛情を持ちつつ擦り寄ってくるジャックちゃん
謝りながら抱き合う二人→泣きつかれて路地裏の場面へ…………おお、繋がった!
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/07(土) 06:57:37.77 ID:xqAi4C6DO
COOOOOOL!!
さいっこうにCOOLだよあんたたち!!
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/07(土) 18:06:57.07 ID:9duhJNFX0
「バスカヴィルの黒犬、標的を一度狙えば離さない自律行動型の都市伝説」

「然り、故に一度発動すれば相手を確実に仕留め、主の意識せぬ攻撃まで防御する最良の使い魔」

「時空間を跳躍し、鋼鉄を容易く切り裂く牙を持ち、主人の言うことに完全に従う」

「然り、されど君は私の眼前に立っている」

「我が名はサンジェルマン伯爵、不死の超人にして時間旅行者、貴殿の使い魔が我が臓腑を抉ったところですぐに再生し
 貴殿の使い魔が空間を跳躍して我が居城に至ろうとも、それと同時に我が城は時空を超える
 故に討伐不可能、至極当然の理というものだ」

「なるほど、夜盗の類かと思えば面白い男が来たものだ」

「貴方はコナン・ドイル、かの有名なシャーロック・ホームズを主人公とする一連の推理小説群の作者とお見受けする」

「然り、我こそコナン・ドイル、バスカヴィルの魔犬の契約者也
 かくも月朱き晩に我が家を尋ねたのは何故か教えていただこうか」

「用事は瑣末なこと、それよりも貴殿の使役する魔犬、本来はあそこまで強力な存在ではなかった筈だ
 そもそも……バスカヴィルの魔犬などという名前自体、持っていない存在の筈」

「当然だ、この私が作品に描き、名前を与えたことにより、人々の想像力が注ぎ込まれ只の幽霊犬だった彼らの内に結晶したのだ
 世界で私一人のみが御しうる最強の都市伝説、のつもりだった」

「それも今宵この時この私に破られた、とでも?」

「そうかもしれん」

 月の赤光を反射する滑らかな毛皮、床を確かに掴む純白の爪、鋭利極まりない牙
 コナン・ドイルの指を鳴らす音と共に数知れぬ黒犬の群れがサンジェルマンに襲いかかる。
 サンジェルマンはどこぞより真紅の棍を取り出してそれを一時に薙ぎ払う。
 
「もう一度だ」

 再び大挙して押し寄せる黒犬。
 まるで一つの生き物かのように自在に集合離散してサンジェルマンを取り囲む。
 再び一閃、しかし今度はわずかに間合いを外す。

「襲撃のタイミングに緩急をつけたようですね」

 サンジェルマンの持つ棍はいかんせん長すぎる。
 これでは至近距離まで迫る魔犬を屠ることなど到底不可能。
 そう思われた時だった。
 棍が突如として縮み、腕ほどの短さになったかと思うと至近距離まで近づいてきた黒犬を殴打した。

「なに?」

「中国に伝わる如意棒と呼ばれるものです、昔は宝貝などと呼ばれていたそうですが……まあ今は都市伝説、あるいは貴方のような魔術寄りの方であれば仙道の産物と言うのが一番わかり易いでしょうか」

「アジアの人間の遺した術か」

「然り、契約により奇跡を生み出すアトランティスの遺産」

「アトランティス?」

「おっと、しゃべりすぎたか……」

 再び襲いかかる無数の犬達。
 しかしサンジェルマンはもはや動きを覚えたと言わんばかりに如意棒を用いてそれらを簡単にいなす。
 屠った犬の数が百匹を超えたところでドイルはそれを止めた。

「なるほど、解ったよ私の負けだ。私の制作の腕では神代の都市伝説には勝てないらしい」

「そうですか、そう思ってもらえたならば結構。ですがそれ、まだ強くなりますよ?」

「どういうことだ?」

「もっと小説を書いて人気になり、貴方の作品をもっともっともっともっと有名にするのです
 どこの国でも知らぬものが居なくなるほど、ヨーロッパどころか地球の裏側にまで貴方の作品の名前が知れ渡るほど
 その為に……」

 それを聞いた瞬間、ドイルはやれやれといった顔で砕けた調子で止めに入った。

「あーわかったわかった、それ以上は言わなくても解る
 シャーロック・ホームズを復活させろっていうんだろ?」

 コナン・ドイルの目の前の男は嬉しそうに頷いた。
 コナン・ドイル自身はやれやれとため息を吐くばかりであった。
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/07(土) 18:48:50.78 ID:xqAi4C6DO
ミスターサンジェルマンお気に入りの作家に新作と主人公の復活をねだりにいくの巻
269 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/07(土) 19:41:59.79 ID:oqAh7/Mf0
なん、だと……まさかのコナン・ドイル契約者説wwww
バスカヴィルの魔犬にこんな誕生秘話があったとは……想像力豊かな契約者によって新たな名と力を得たわけですね

この形式でひとつ思いついたんですが↓
@ラヴクラフト死亡後、邪神たちが密かに都市伝説化
A存在も対処法も曖昧のため、弱点なしのやばい存在に
Bダーレスらに何者か接触→詳しい設定を作ることで邪神たちの動きを制限
Cしかし調子乗った彼らによって、新たに種類豊富な邪神たちが誕生
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/07(土) 20:22:14.71 ID:xqAi4C6DO
大丈夫!!この世界はラブクラフトさんが彼らの作品の通り奴らを“見つけた”ことになってるから!
水魔と関わりのある古い家にはアレ関係の本あったりとか
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage]:2012/01/07(土) 20:57:22.67 ID:ws+U3KGU0
落ち着くんだ…
クトゥルフ関係は避難所でも度々上がった話題だが
ラブクラフト(笑)というのが大方の意見…っぽい感じだったず
今は時期じゃないかもしれない…とにかく落ち着くんだ……!!
272 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/07(土) 21:25:24.18 ID:oqAh7/Mf0
>>270-271
わざわざありがとうございます……避難所に事典乗ってたので有りかと思ったんですが……
落ち着くために取り敢えず0:00頃後編投下したいと思います
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage]:2012/01/07(土) 21:43:23.87 ID:ws+U3KGU0
>>272
どうもクトゥルフ関係は伝承で無くて創作だろってことで
都市伝説として扱うのはいかがなもんか…って空気だったはず
首尾よく行くことを願ってるぜ…
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2012/01/07(土) 21:46:04.51 ID:8HNd3hWBo
創作云々言ってたら神話な人とかいるじゃないですかー!
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/07(土) 21:48:25.03 ID:PD8jD18SO
神話は神話
クトゥルーは小説じゃないか
まあ、使ってる人いたはずだけどね
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/07(土) 21:53:08.96 ID:i6+ljBqt0
>>273
はは、今、避難所の方の広告が「萌え萌えクトゥルー神話」になってるんだぜ
きっと問題ないさ
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2012/01/07(土) 21:53:12.71 ID:8HNd3hWBo
あ、そういう意味か
どっちかというとクトゥルーの方が都市伝説よりに思ってた
都市伝説なんて結局誰かが言い出したデマが大半だしなあ
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/07(土) 22:03:37.38 ID:PD8jD18SO
まあ、小説だからとか理由にならないんですけどね
「フランケンシュタイン」とかいるしね
「リア充爆発しろ」とか意味不明なのいるしね
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]:2012/01/07(土) 22:13:19.86 ID:8HNd3hWBo
確かにそういうのはたくさんいるよね
ジャンル的にオリジナル物とのクロスな二次創作でなければおkじゃない?
「ラブクラフト(笑)というのが大方の意見〜」の流れ見てないから
どういう風に話が進んでるのか知らないけれど
280 :如月のロゼッタ ◇DkTJZY1IGo(代理投下)[sage]:2012/01/07(土) 22:15:03.20 ID:jXaiX5pz0
ショートボブの少女、如月風乃は
中央高校の美術室で一人寂しく絵を描いていた。
彼女の友達の小島亜里沙も空野暦も今は居ない。
亜里沙は駅のホームの落下事故に巻き込まれて入院中。
暦も衛悟や咎利と一緒に
校庭で戦時中の不発弾の爆発事故に巻き込まれて大怪我を負った。
「二人とも命が助かってよかったけれど……」
だけどあの事故が起こった翌日、私は奇妙な文言を何処かで見た気がする。
【ハウ・ザ・アース・ヴォズ・ウォン】
【地球はこうして勝ち取られた】
意味は良く分からないが良くあることなので気にしていない。
香介君は今日は来ていない。
高元先生はさっき一度見に来たが
忙しいらしくまた職員室に戻ってきた。
そのため、今美術室に居るのは如月一人だ。
彼女は影が薄いと良く言われる。
よく居たっけ?と質問されるのはしょっちゅうだ。
「そりゃ暦ちゃんみたいに天然系じゃないし
亜里沙ちゃんみたいに底抜けに明るいわけでもなし。
というか中央高校の皆が濃すぎるのよ」
しかし、今日は誰も答えを返す人は居ない。
「帰ろう……」
帰る前に図書館で何か本を借りていこう。
如月は図書室で一冊の本を借りていった。
タイトルは「2001年宇宙の旅」
今から四十年前に書かれたSF小説だ。
帰り道、何気なく空き地を見渡すと猫が集会をしている。
だが車座になった猫の集会の中心に居るのは
どうみても段ボール箱を被った猫耳猫尻尾をつけた女の子だ。
その女の子の下には
【生きているか死んでいるか観測するまで分かりません】
【九つ命をもっています】
とかの文字が浮かんでいる気がした。
みゃーみゃーみゃーみゃとても騒々しい。
「ぶち騒がしい、とりあえずわれらうちの話を聞けみゃー」
猫耳猫尻尾の女の子が地面をポン!と叩くと猫達がいっせいに黙った。
とりあえず皆気がついていないようなので
私もスルーすることにする。
なんだか今日は奇妙な日だ。
何気なく見た飛んでいる蝶の下に
【香港で羽ばたくとニューヨークでハリケーンが起きます】
とか書いてあったり。
野に咲く花の周囲に飛んでいる熊蜂の下には
【可能性の象徴、科学に飛べる事を否定されても】
【気合と根性で自分が飛べると信じているから飛んでいます】
とか書いてある。
「相変わらず詩的で面白いなあ」
思わずクスッと如月風乃の顔に笑みが浮かんだ。
咎利君の連れているカラスには
【この世の事例を全て調べ尽くすことが出来ます】
衛悟君の体には直接
【水は溶け合ったものの全てを記憶しています】
暦ちゃんは
【セスナ機と複葉機が時間を越えて事故を起こしました】
亜里沙ちゃんは
【全てのスイッチを同時に押すと爆発します】
だけど亜里沙ちゃんの文字は掠れていて殆ど読み取れない。
こんな調子でこういう風に書き込まれていた。
というか中央高校の学校にいる人は生徒も先生も皆そんな人ばかりだ。
中にはぞっとするような文面もあるけれど。
まあ、深く考えても仕方が無いけど。

「ただいまー」

今日も一日世は述べて事もなし。
玄関の靴入れの隣に置いてある
ロゼッタ・ストーンのレプリカの置物をつるりとなでて家に入る。
その下には【困難なものを解読する暗喩です】だって。
気になって調べて見たけど
英語圏のことわざや隠喩で、
ロゼッタ・ストーンは解読することを言うんだってさ。
ロゼッタストーンの中身はプトレマイウス王の治世について書かれた
エジプトの歴史書だったけどその解読が難航したことからそういう慣用句になったみたい。

【続く?】
281 :278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/07(土) 22:22:23.00 ID:jXaiX5pz0
流れをぶった切って代理投下!
sageでなくてsagaにすべきでしたね!大失態!

この作者の過去作が気になる方は
本スレの過去ログをトリップで検索して下さいね
282 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/07(土) 22:33:36.62 ID:Q43TsQTB0
投下された皆々様方乙


クトゥルフ神話のを2つ程使ってる馬鹿がここに
1つは面倒な辻褄合わせをして存在を確立させ、もう1つは都市伝説として存在しうるものだったのでそのまま使用してたり
283 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/07(土) 22:42:10.17 ID:oqAh7/Mf0
>>282
(紫亜>あ……そういえば、ショゴスと契約したという人がR-NO.におられたような……
284 :犬神憑きと怪人アンサーの人 ◆vQFK74H.x2[sage saga]:2012/01/07(土) 22:48:12.64 ID:24xcm3160
お二方投下乙ですー

>>265
繋がったー!
プラモデルの人様凄いです!なんて素敵なプロット…!
285 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2012/01/07(土) 23:13:48.15 ID:YM8GTQHW0
皆さん乙です。
では、私も少し『マヤの予言編』を投下させていただきます。
286 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/07(土) 23:14:07.35 ID:Q43TsQTB0
っしゃあ、感想タイム入ります

>>206-210
ANEKI怖ぇwwwwwwwwでも何故だろう、嫌いじゃないわ(ぁ
そしてレモンたんカワイソスwwww

>>211
親共仕事しろwwwwwwww
ある意味彼方くんにとっては将来の予行演習になrそうかそういうことかもげろ彼方!(

>>213-216
ありがてぇ、どう片付けようか悩んでたところだったんだぜ
この後フラカンぶつけたら「マヤの予言」終われそうだな…ウヒヒ

>>219-220
特典B欲しい(
てかどんな愛好会だよwww怖ぇよwww

>>222-224
紫亜ちゃんかぁいい紫亜ちゃんペロペロ
そして始まる修羅場…紫亜ちゃんは誰のものに!?(趣旨変わっちょる
「キャラが勝手に動き出して収拾がつかなくなったorz」とかあったら言ってね!れっきゅん派遣しちゃうよ!(ぇ

>>244
「運命の輪」か……ほう、面白そうな
しかし何故犬なんd(帰れ

>>249
これは…何だか心がもやもやする、嬉しいのか悲しいのか複雑な色
それも全部犬ッコロの所為か!(

>>253
せ、切ない、これは切ない…
でも感動したわ、そういう使い方もあるのか

>>256
泣いた、超涙出た
意外な使い方するな…考えればそうだよね、「紫鏡」

>>260
例のあのロリっ子か、純真だなぁ…
これ見ると今の方が相当歪んでる気もしなくもない(ぁ

>>267
何やってんだよサンジェルマンwwwww
しかし面白いな、コナン・ドイルが契約者か…

>>280
風乃ちゃんもだったのか…そしてこれまた面白いものを
しかし中央高校の美術部は都市伝説関係者しかいないのかしら、今年増えちゃう予定なんですけど
287 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2012/01/07(土) 23:15:14.66 ID:YM8GTQHW0
「……で、お前は何で来た?」
「酷いなー。実の兄貴に向かって。昔みたいに『お兄チャーン』って呼んでくれよ」
「黙れ。お前の目的を吐けって言ってるんだ」
 雄介――――ファントムは、実の兄、総司を木の枝にぶる下げて、枝で突きながら尋問を行っていた。
 そんな光景を見て、ポンポンと薫に百花が肩を叩く。
「……ねえかおるんかおるん」
「るんってなんだ気持ち悪い!やめろ鳥肌がたつ!!」
「今はそんなのどーでもいいじゃない!……それでさ、さっき私達の疲れを取ってくれたの人ってさ、かおるんは置いておいて、旦那さんの実のお兄さんなんでしょ?」
「置いて置いてないな。ま、事実だが?」
「それでよくあんな風に拷問まがいな事できるよね」
「当然の報いだ。……花の乙女の四肢を突き刺して拷問をした奴に同情する善意はいらない」
「……ちなみに、その、花の乙女、は?」
「絶世の美少女の俺に決まってるだろ」
 百花達は、ますます本条薫という人間(都市伝説?)がわからなくなった。

288 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2012/01/07(土) 23:15:54.10 ID:YM8GTQHW0

 その頃、男性陣は吊るされている総司の周りに集まって話し合いをしていた。
「本条さん達のお父さんとは、あの本条弘さんだったんですか……」 
「ツバメくんとやら、あの人は確かに陰陽師としては優秀だが、その本性は獣だ狼だ。その本性の所為で妻を七人捨てる羽目になった性欲の塊だ。けっして『さん』だなんて呼ぶんじゃない」
「お前が言える立場じゃないな。独占欲の塊」
「……話を戻してもいいか?」
「「お前は黙ってろ蛸」」
「ついさっき来たお前にまで言われないといけないのか俺は!?」
 哀れなた……嫌、水城である。
「だが、さっきから聞きたいことが聞けてないんだが?」
 ファントムが、ウリウリと、総司の頭を突く。
「僕が今の状況を理解していないとでも?」
「……ってことは、やっぱり?」
「ああ、マヤの予言をGETしに来たのさ☆」
 ペロッと舌を出し、ウィンクで決めなくてもいいところを決める総司。
「「「気持ち悪いからやめてくれ」」」
 結果、男性陣からの拒絶だった。
289 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2012/01/07(土) 23:18:25.06 ID:YM8GTQHW0
「……まあ、冗談はこれまでにして、だ」
 水城が手をパンと叩くと、先程までの喧騒が嘘だったかのように静まった。
 彼はリーダーの才能やら、その類の都市伝説を使えるわけでもない。
 ただ、彼の真剣さが伝わっただけだろう。
「敵陣はもう目の前。さっき偵察させてみたが……囲まれていた」
「そうですか。……あれだけ派手な光を出せば、包囲して様子見は当然でしょう」
 この状況を打破するため、どうするか水城と玄鳥は頭の中でシュミレーションを繰り返す。
 特にそう言った事が得意というわけではないのだが、ここにはそういった物をまかせられる『頭脳』が無い。
「……別に、包囲されてるからって、僕なら突破できないわけじゃない」
 いつの間にか、総司は自分を拘束していた縄をほどき、ファントムの隣に座っている。
 シャッと右手を振ると、噴水から水があふれ出るかのように、その手から何十枚ものカードがあふれだす。
「数には数だ。この都市伝説達だけでも、十分殲滅できる」
 今度は左手に二枚のカードを見せつける。
 『進む』と『退く』。
「さあ!!自分だけで考えてみると良い!!影となり闇を切るか、陰に隠れ闇から逃げのびるか……」
 二枚のカードを、男性陣だけではなく、女性陣にも見せつける。
 総司の目に映るのは――――




「さあ、改めて選択しろ」



 ニア 『進む』

    『退く』


290 :DKGとファントムさん  ◆m0.bp8Dx9r/H[saga sage]:2012/01/07(土) 23:20:27.88 ID:YM8GTQHW0
……投下終了。
最後のは何だかゲームに影響されてしまいましたごめんなさい。

しばらく私はこの話に手を付けられないかもしれません。
付けられるかも知れませんが。

選択は花子さんの人かシャドーマンの人、お願いしまーす。(わかり切ってるけどね
291 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/07(土) 23:31:51.13 ID:Q43TsQTB0
DKGとファントムさんの人乙です〜
そっか数増やせるんでしたね、やった!「フラカン」討伐できそうだ!
花子さんとかの人が何もなければ俺が書こうかしら、書くもん溜め過ぎたんでかなりかかると思うけどorz

てか水城さんの扱いwwww最後はびしっとやってくれたけどwww
292 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/07(土) 23:38:10.01 ID:i6+ljBqt0
乙でしたの〜!
シャドーマンの人様が続きのシーン特に決めていらっしゃらないなら、こっちでちょっと書きたいシーンあるんで書いていいかな?
明日11時待ち合わせで出かけなきゃいけないんで今夜中は無理だし、明日も書けるかどうかわからんが
い、一週間以内には!!
293 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/07(土) 23:42:33.25 ID:Q43TsQTB0
>>292
了解、お任せしますの♪
俺は先に他のシーンをば……降りてこい速筆の神様!(
294 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/07(土) 23:52:37.10 ID:i6+ljBqt0
>>292
いえっさ、了解、構想がっちり固めとくわ



あ、それと、書けるかどうかわからんうえ、時期逃したネタなんですが
百花ちゃん、菊が参加する獄門寺家の新年会って、興味ある?
295 :【チョイえろ& ◆rKb67h1NRGep[saga]:2012/01/08(日) 00:08:24.88 ID:efiSWxFK0
 ある夜、私が部屋で寝ているとお父さんが入ってきた。
 彼は何も言わずに私の布団の中に入ってきた。
 そんな時は多分お母さん達が忙しくて寂しいのだろうから私は気を利かせて相手をしている。
 なんてのは冗談で、相手をさせてもらっているというのが正解だ。
 私はお父さんのことが好きだし、お父さんも私の気持ちを色々有った末に受け入れてくれた。
 だから何も問題はない。
 まずお父さんの胸に私の胸をおもいきり押し当ててから唇を合わせる。
 まだキスは慣れない、唇を軽くしゃぶって、舌で頬の内側を舐めて、それから舌をピチャピチャと絡ませる。
 私は軽いのでキスの間にお父さんの上に跨る。
 それから口を離す、少し名残惜しそうな声をあげるお父さんが愛おしい。
 唾液が私の口から細くこぼれていく。
 長くしていた髪が下に垂れ下がって視界を塞ぐ。
 愛する人の顔だけが見える世界。
 幸せな世界。
 彼にまたがったままパジャマのボタンを1つずつ外す。
 待ちきれ無くなったのかお父さんは私の服に手を伸ばすがそれを止めて首を振る。
 わざと焦らすようにしてパジャマのボタンをゆっくり外す。
 私だって待ち切れない、でも駄目、そうするようにとお父さんが言ったのだから。
 窮屈なのでパジャマの下にはブラジャーはつけてない。
 パジャマの上のほうを脱ぐとすぐに私の胸が露わになる。
 それを見てお父さんはいやらしく笑う。
 その綺麗で濁った瞳で見つめられる度に切なくてお腹の奥の方が熱くなってくる。
 下の方を脱ごうとしているとその間にお父さんに胸の先端を摘まれてしまう。
 興奮して体が震えてしまった。
 それを知ってか知らずか私の乳首を指でふにふにと摘んだり、優しくなでさすったり、軽く爪を立ててみせたりする。
 背中に冷たくてむずがゆい痺れが走ってたまらずその場でへたってしまう。
 脱ぎかけのズボンをそこら辺に投げ捨てて私はパンツだけの姿になってしまった。
 そしてお父さんは自分も服を脱ぐ。お父さんのアソコは既に大きくなってて、ドキドキしてしまった。
 あんな物が自分の体の中に入るなんて未だに信じられない。
 私はすぐに起き上がって自分の隣に寝そべったお父さんのだいじなところを舌で舐めて濡らしておく。
 お父さんの指がわたしのアソコをなぞる、既にさっきから濡れていたので指は途中までスルリと中に入っていった。
 まるで宝石を磨くように満遍なく、しかもゆっくり丁寧に私の体の内側がなぞられていく。
 私も負けないようにお父さんのアソコを先端だけ口に含む。
 歯を当ててしまうと怒られるので唾をいっぱいかけながら唇と舌で何度も愛してみる。
 お股がムズムズして集中できないせいか、今日は適当じゃないか?といたずらっぽく聞かれてしまった。
 ごめんなさい、というと先ほどまで前をいじっていた指が急に後ろの方にきてにゅるりと私の中に入ってしまった。
 痛い、けど痛いのがまた興奮する。お父さんだったら痛くても嬉しいのだ。私はちょっと変な子なのかもしれない。
 でもお父さんが喜んでくれるなら変な子でも良いかな……。急に背筋に冷たいものが走る。
 お尻の穴を舐められている!?恥ずかしいからやめてといってもやめてくれない。思わず声を出してしまった。
 怖くって少し泣いてしまう。するとお父さんは少しきまり悪そうな顔で私に謝ってくれた。
 体勢を変えてお父さんと正面から向き合う。黒くて底の見えない瞳がこっちを覗いている。
 吸い込まれそうな瞳に見とれている内にお父さんが私に覆いかぶさってきた。
 お父さんは大人だからやっぱり少し重たい。重たさが心地良いのだけれど。
 お父さんが下半身を私にこすりつける。私は少し腰を浮かせてお父さんをアソコに受け入れやすいような体制を作る。
 ゴリゴリと身体の内側を侵す異物感、お父さんが私の中に入ってきた。
 暖かい。大好きなお父さんが私の中にいる。お父さん、お父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さん。
 良い匂い、大きな手、私の身体の中で幾度も幾度も波打ち跳ねて掻き回す。
 下半身から熱が上ってきてドロドロと心と一緒に身体が溶けて混ざっていくような錯覚を覚える。
 お父さんの顔を見ながらうっとりとしてキスをする。お父さんがもっと欲しい。お父さんに溺れていたい。
 私も腰を左右に動かしてみたり、お父さんのタイミングに合わせて擦りつけてみたり、工夫をする。
 私の中でお父さんが急に大きくなる、間違っても逃げられないように私は足を絡ませて強く強く抱きしめた。
 私の中にたっぷりとお父さんの愛の証を刻んで欲しかった。
 私はお父さんにお願いした。お父さんが好きで好きでしょうがないからお父さんの子供が欲しいと。
 まだ私は子供だけど、学校でそういうことができる年だとは教えてもらったし、好きなのだから構わないと思った。
 お父さんは一瞬困ったような顔をしたが諦めたように私に完全に身体を委ねた。
 私はお父さんを抱きしめる。強く抱きしめるごとに私の中でもお父さんを強く抱きしめられている気がする。
 彼の大事なところはビクンビクンと私の中に赤ちゃんの元を流しこんでくれる。
 お父さんの下からグリグリとアソコを押し付ける。一滴も無駄にしたくないと思った。
 私の頭をお父さんが撫でる。優しいお父さんが大好きだ。私を幸せにしてくれるといったお父さんが好きだ。
 お父さんが私の両手を抑えつけて乱暴に腰を叩きつける。獣みたいに荒々しく、まるで憎んでいるかのようでさえある。
 その激しさに興奮する。意思なんて関係なくお父さんのものにされてしまっている恐怖がまた快楽を煽る。
 力は本当に強くて、腕が痛い。腰だってあんなに重いものを何度もぶつけられるから痣にならないか心配だ。
 痛い、気持ちいい、痛い、気持ちいい、痛い、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい
 嬌声を上げてもっと激しくとねだる、うるさい口をお父さんに塞がれる。
 自分の鼻息が聞こえる。意思に反して身体がブルブルと震え、脳の中までしびれるような感覚が走る。
 一際高い声を上げて私はそのまま気絶してしまった。

「やめようとは、思わないのか?」

 私が目を覚ますとお父さんはタバコを吸っていた。私はお父さんに後ろから抱きついて首を横に振る。

「私ね、大好きなお父さんに女の人として扱ってもらえて幸せだよ」

 お父さんはため息を深く吐く。

「お前がそれで良いというならそれで良いさ、俺だってどうせもうやめられない」

「なんで?」

「だってほら、お前が愛おしくてしょうがない。お前が幸せならば、俺はこれでいい」
296 :【チョイえろ& ◆rKb67h1NRGep[sage]:2012/01/08(日) 00:11:46.29 ID:efiSWxFK0
一レスでエロを書く
となるとこの手しかなかったぜ!
年齢書いてないからセーフですが何か
地の文異常ニトリだけどひゃっほい
297 :【チョイえろチュッチュごめんね><】[sage]:2012/01/08(日) 00:13:01.12 ID:efiSWxFK0
まさかとは思うけどスレ消されたら俺の責任ですごめんなさい
298 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 00:35:11.03 ID:TkPQQJRp0
これは……感想書いたら削除されかねんから避難所で書きますの


>>294
>百花ちゃん、菊が参加する獄門寺家の新年会って、興味ある?
(百花>わお、それ楽しそう! あ、友達も連れて行って良いのかな?
(玄鳥>僕達も招待されてるみたいだけど
(百花>ううん、そっちじゃなくて別な友達

(裂邪>(何か嫌な予感がするんだが…)
299 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 00:40:39.18 ID:TwP6WM470
では、投下します!
300 :DKGとファントムさん  ◆lzXMjKhUPM[sage]:2012/01/08(日) 00:54:14.19 ID:r3t05nZe0
花子さんの人よろしくお願いしまーす!!

それと総司について捕捉説明。
前にも言ったと思うんですか、総司は都市伝説を貸し借りしています。
仕事ならば、聖剣やらゼウスの雷やら何でも貸してくれますよ。
仮契約なので、負担は本来の千分の一!!
お買い得だよー!!
それと、総司はほとんどの神話、伝承、都市伝説を封印しているので、何でもだしちゃってください。

>百花ちゃん、菊が参加する獄門寺家の新年会って、興味ある?

薫「……何で俺に誘いがないんだ。龍一とも交流あっただろうが」
雄介「キャラが面倒くさいんですよ。最近は作者自体わからなくなってきたらしいですし。それに『若ー!!』は薫の事警戒してませんでしたっけ?」
薫「その若は龍一の事かオイっ」
301 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[saga]:2012/01/08(日) 01:00:53.76 ID:TwP6WM470
遅くなりました、手違いで書き溜めを消してしまいまして……orz今度こそ!

前回までのあらすじ:紫亜萌えの変態殺人鬼と命をかけた鬼ごっこ中

・???視点

「それ」はいつからかそこに存在していた。長い年月か、つい最近かは定かではない。
「それ」は道行く人を脅かして楽しんでいた。それこそが「それ」の存在意義であったから。
故に、悲鳴も上げず逃げ出しもせずに「それ」を追ってきたあの人間に対し、「それ」は一種の恐怖を覚えた。
思わず対車用の切り札を使い、無様に逃げ出してしまったほどだ。
翌日、あの人間は来なかったが「それ」はある事を自覚しつつあった。

自分があの人間にリベンジしたがっている事に。

そのさらに翌日、あの人間がやってきた。ご丁寧にも自分の切り札そっくりな物を携えて。
生涯初めての強敵を前に―――「それ」は、笑みが溢れるのを抑えられなかった。

そして今日。何時ものようにあの人間との勝負を楽しみにしていた「それ」だったが……

「…………?」

来ない。いつもの時間帯をすぎても、姿一つ表さない。
今更怖気付いたわけでもあるまいに……などと考えながら歩いていた「それ」の背後に、

『立ち入り禁止』と書かれた看板が、ストンと落ちてきた。

・出井視点

「ここも立ち入り禁止!?なんで今日に限ってどこもかしこも通行止めなんだよ!?」

「待たんかあ!今なら即死させてやる、だから止まれぇ!」

「誰が止まるかぁ!俺はまだ人生終わらせる気はさらさらない……くそっ、ここもか!」

現在、背後から追ってくる変態を撒こうと街を走って逃げてるんだが……大晦日だからかどこもかしこも道がふさがってる!
『立ち入り禁止』『この先工事中』『ここから先は一方通行』……よりにもよってこんな時に同時多発的に道路工事しなくてもいいのに!

「不味い、確かこのまま行くと行き止まりに……なって……」

まさ、か。
振り向くと、【殺人鬼】は『気付いたか』と言うようにニヤリと笑っている……やられた!
こいつ、俺が通る道の先……『視覚外』の道に看板を移動させて俺を誘導していたのか!
しかし気付いた時にはもう遅く、俺の目の前には袋小路が……こうなれば最後の手段だ、間に合え……!
302 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 01:02:20.70 ID:TwP6WM470
「さあもう貴様に逃げ場はないぞ、早く諦め……む?」

セーフ!ギリギリで《光学迷彩スーツプラモ》の発動に成功できた!
本来は婆さんとのホッピングバトルを一般の方々に見られないよう作った物だが……まさかこんな形で役に立つとは
このまま横を素通りさせてもらうぜ、変態殺人鬼!

「あ、そういや婆さんとの勝負時間すぎてるじゃん……参ったな不戦敗kいっだああああああああああああああああ!」

頭に何か大きな物が降ってきた!?衝撃自体は《ヘルメット》で殺したものの首が!首が痛いぃぃぃぃ!

「……そこか。姿を消せるとは意外だったが、所詮は紫亜が広げてくれた我が能力の敵ではなかったな」

不味い、バレた……と俺が思った瞬間、一瞬で現れた大量の砂によって、首から下を埋められてしまった。
さっき降ってきた物の正体を横目で伺うと、『立入禁止』の看板が。へ、ヘルメットがなければ最悪死んでるぞ!?

「ぐ……なんで俺の居場所が……」

「ふん。簡単な事だ、お前の頭に直接落とすのではなく『お前の頭上に落ちるよう』能力を使っただけの事……さて」

そう言うと【殺人鬼】は、巨大な鉈を振り上げ……どこから出した!?てかこれ、本気でヤバ……


「紫亜を泣かせた罪、その命をもって償えええええええええええええええええええええええ!?」ドゴーン

「紫亜ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


終わった。確実に死んだ。

さようなら俺が作った機獣達、未完成なままの機獣達よ。どうか心ある人達に拾われる事を祈る。
さようならクラスの悪友達、並びに先生方。もう貴方達と馬鹿みたいな話で盛り上がる事もないんだな。
さようならホッピング婆さん。あんたとの決着、出来ればきっちりつけておきたかったな。
そして、さようなら紫亜。唯一の女友達のお前を、こんな変態野郎から助けられなくて…………本当にごめん。
ココだけの話、一時期お前に惚れてたときもあったんだぜ?まあ、お前はなんとも思ってなかったみたいで諦めたけどさ。
ああ、なんでこんな事になってしまったんだろう。やっぱり、あの冬の夜得た能力のツケが回ってきたんだろうか。
人智を超えた力なんて持つもんじゃないな、やっぱり凡人は平凡な日常で満足するべきだったんだ。
あ、ついに痛みも感じなくなったか……そりゃそうだ、首を切られたんだか…………ら…………。

――――――ちょっと待て。いくらなんでも、もう意識切れてもおかしくね?
それに痛みを感じなくなったというより、痛み自体来てないような。恐る恐る目を開けてみると――――――


「ぁ……有間君ーーー!目が覚めたんですね………よかったぁ………」

目の前に、涙目の紫亜がいた。その後ろでは、手錠やらロープやらで雁字搦めの【殺人鬼】と仁王立ちしている婆さん

「よかった………ぐすっ、本当、に………………よかっ………うぁぁぁぁぁぁん………!」

「…………えっと…………何、この状況?」

とりあえず、また紫亜が泣き止むまで待つしかなさそうだ。



ケースA:ベッドの下の殺人鬼(契約者:紫亜)終わり
303 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 01:05:47.41 ID:TwP6WM470
ようやく終わった……次回でいよいよ、紫亜が出井に「選択」を迫る予定です。
後、婆さんの処遇も決めたいと思ってます(一応、野良都市伝説がフラフラしてるのは「組織」的にもまずいですよね?)
304 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 01:31:48.16 ID:TkPQQJRp0
プラモデルの人乙です〜
「ホッピング婆」まさかの再登場wwwwwしかも活躍してるwwwww
そして解決か…おめでとう紫亜ちゃん、出井くんもげろ(
305 :夢幻泡影 † 兄弟:中  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 01:46:23.55 ID:TkPQQJRp0
「…自分が死ぬ覚悟と。相手を殺す覚悟がなければ…お前は俺に一生勝てない!
 俺が手本を見せてやる……自分が死ぬ覚悟って奴を!!」

裂邪が叫んだ、その直後
シェイドは漆黒、ミナワは蒼碧、理夢は純白、ウィルは紅蓮、「レイヴァテイン」は黄金、
それぞれ形が崩れ、煙か液体のような姿に変わってゆく

「っ!? こ、これは……!?」
「シェイド! ミナワ! 理夢! ウィル! 行くぞ!!」
「了解シタ」
「はい、ご主人様!」
「OKィ!」
「がってんでい!」

各々の掛け声と共に、5つの都市伝説が完全に無形となり、裂邪の身体を包み込んだ
フラカン戦の『シャドーズ・ウトガルド』に始まり、ローゼとの戦いの『リュツィフェール』、
そしてこの戦いの『ゾディアック』、『胡蝶之夢』、『ファンタズマゴリア』、『インプローバブル』、
『シャドーズ・アスガルド』、『シャドーズ・ラグナロク』
裂邪の9つ目の融合であり――――彼の、持てる力の全て

【『コラプサーズ・ラグナロク』!!】

月が降りてきたかと思わせる眩くも神々しい黄金の鎧
天使の最高位である熾天使のものよりも多い、赤青黒白の4対の翼
その圧倒的な存在感が、その恐怖にも似た威圧が、正義と大王の身を竦ませた

「なっ………この、感覚は………!?」
「た、「タナトス」…?」
【ヒハハハハハハハハ……正義ィ、「恐怖の大王」
 お前等の戦いは…ここで最後(レッツト)だ!!】

裂邪は両手で黒い翼に触れると、黒い剣が出現し、それを構えて正義達に斬りかかった
2人は手に持っていた剣を用いて防いだが、その手は小刻みに震えていた

「ぐぅっ……なんという力だ……!」
【当然だ! 俺の“中”には5つの都市伝説の力が凝縮されている…
 お前等が戦っているのは1人じゃない、“5対2”と同じだ!】
「でも、目標が一つだけだから…こっちの方が戦いやすい!」

裂邪の剣を弾き、渾身の蹴りを喰らわせる正義
反動で後方に飛ばされるが、翼を広げてブレーキをかける
その隙を、正義は逃さない

「大王!」

頭上の黒雲が低く唸り始め、光を地へと突き立てた
だが裂邪はあらかじめ生成していた大きなシャボン玉で、雷の衝撃をシャットアウトした

【ウヒヒヒ、惜しかったなぁ?】
「いや、狙い通りだ!」

裂邪の眼と鼻の先、正義が剣を振り上げて飛びかかり、一気に振り下ろす
刃は油断していた裂邪の鎧を袈裟切りに切り裂いた
―――かのように思えたが

「っい、夢!?」
【言ったろうが、“惜しかった”って】

そう、夢
正義が斬った人影は霧散し、本物の裂邪は彼の背後に平然と立っていた
裂邪は先程正義が自分にそうしたように、黒い刃を振り上げた
が、振り下ろされるその前に、がしっと腕を掴まれる

「やらせんぞ!」
【ちっ、「恐怖の大王」…!】

そのまま大王は裂邪の身体を勢いよく投げ飛ばした
空中で逆さまになりながら速度を殺し、赤い翼から炎の弾丸を射出するが、
大王はマントを翻し、それを受け止めた

「ハァ、ハァ…ごめん、大王」
「気にするな、まずはあいつを倒す事を考えろ」
【“倒す”? そりゃまるで俺を殺す気が無いように聞こえるな】
「勿論、無いよ。ボクも死ぬつもりは無い
 ボクにはお兄ちゃんを殺す理由がこれっぽちも無いから」
【ウヒヒヒヒヒ…ヒハハハハハハハハハ!
 …随分舐められたもんだな、あぁ? まだそんな甘いこと抜かせる元気があるってのか】

声を荒げ、怒りを露わにする
それと同時に、黒い翼が洞窟内の端まで届く程に大きく広がり始めた
306 :夢幻泡影 † 兄弟:中  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 01:47:18.73 ID:TkPQQJRp0
「少年、また何か来るぞ!」
【良いものを見せてやろう……言っとくがこの姿は基本形態、力を抑えた姿でな
 本気を出す為には、一々それなりの準備をしなきゃならねぇんだ】

広がった翼が、裂邪を包みこみ始める

【……変身、『コラプサーズ・シャドー』】

黒翼が彼を完全に包み込むと、ふわりと宙に浮かんで球体を作り出す
まるで皆既日食のような、不気味かつ不可思議なそれが、少しずつ変化を見せ始める
上部の表面に、ぽう、と大きな泡が6つ、7つと浮き出てきて、
下部からは白くたなびくベールが前方に2つ、後方に2つ、脚か触手のように伸び出で、
後方より炎の蛇が出現し、2、3回その球体に巻きついて、
前方、正義達に面と向かったところから、金色の頭部が顔を出した
4本の脚、巻きつく蛇、泡は亀甲模様、頭は亀の意匠、そして黒い胴体が甲羅だとすれば、
その姿は宛ら、伝説上の生物であり、四神の一つ――『玄武』

「っ……さっきのよりも大きい……!」
【【ヒハハハハハハハハ……これが“私”のもう一つの姿だ
   命乞いなどしてくれるなよ? 時間の無駄だ】】
「ふん、また巨大化か…馬鹿の一つ覚えだな!」

大王が右掌を頭上に翳すと、またも黒雲が唸り始め、暗闇に霹靂を落とした
霹靂は岩盤を穿ち、焦げ臭い匂いと共に破片を辺りに撒き散らす
あの巨体は、どこにもない

「消えたか……何処に――――――――ッ!?」
【【不意打ちをするのなら場所は一つだろう?】】

しゅるりと無数の触手が伸びて、先端の刃を突き立てる
庇いに向かった正義がその剣で数本弾き落とすが、間に合わなかった
大王の腕に、つぅ、と赤い筋が走る

「っ大王!」
「くっ……問題無い
 だがさっきの瞬間移動…一体どうやったんだ?」
「多分、影から影へ移動したんだと思う…それがシェイドの能力だったから」
【【御明答だ。「シャドーマン」の力を最大限に発揮した私の力…とくと味わうが良い】】

その瞬間、球体の表面がゆらりと波打ったかと思えば、そこから夥しい数の触手が伸び出てきた
正義も大王も、剣1本で何とか触手から繰り出される攻撃を耐え凌いでいる

【【しぶといな…ならばこれはどうだ?】】

球体に巻きついた炎の蛇が動き始め、地面に向かって体当たりを仕掛けてきた
触手を振り払い、足場を強く蹴って2人は左右にそれぞれ回避した
しかし蛇は大地を焦がしながら、2つに分かれて触手と共に追撃を開始した
剣があれば触手は何とかできるが、炎はどうにもできない

「このっ、少しは直接向かってくればどうだ!?」
【【ヒハハハハハ、文句があるなら私に触れてみるが良い
   尤も、この空間に影がある限り、私に触れるどころか近づく事さえ出来ないだろうが】】
「影…………ッ! 大王!」

敵の攻撃を躱しつつ、正義は反対側にいる大王を呼ぶ
大王はただ、こくんと強く頷いて、触手を払って蛇の攻撃をジャンプして避けながら、
空中で手を広げてそれを己の雲に向けた
ゴロゴロと唸り声をあげて黒雲が降らせたのは、雫――――――洞窟内に、雨が降る
しかしそれは、人を不快に、もしくは愉快にさせるような気持ちの悪い匂いを放っていた
それが何なのか、答はすぐに判明する事になる
蛇の炎が、洞窟内をあっという間に火の海に変えてしまったのだ
大王が降らせた雨の正体は、ガソリン
それに「鬼火」の炎が引火して、地面を真っ赤に染め上げたというのが真相である
炎の勢いはさらに増し、唯一の光源として1つ灯っていた「ヴァルプルギスの夜」さえも掻き消す程に燃え上がる
そして

【【ぬぅっ………お、前達………!!】】
307 :夢幻泡影 † 兄弟:中  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 01:47:45.88 ID:TkPQQJRp0
苦しげな声をあげた玄武は、徐々にその形を崩していき、
裂邪の姿は、元の4対の翼の鎧騎士に戻った

「影は光の反対側に出来るもの……これだけの炎に囲まれれば、光ばかりで影なんて出来ない
 「シャドーマン」の力を引き出した姿だから、光の多い所では長くいられなくなる…!」
【…炎は酸素を喰らって存在を維持する…ここがただでさえ空気の薄い洞窟内だと知ってこの作戦に出たのか?】
「大丈夫だよ。さっき剣を交えて分かったんだ…その姿のままなら、絶対に勝てる!」

自信に満ちた表情で、赤々と燃える炎の中、正義と大王は剣を構えた
ごうごうと盛る火の海に、裂邪の笑い声が反響した

【ウヒヒヒヒヒヒヒヒ……ヒハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!】
「っ…何がおかしい? 気でも狂ったか?」
【正義、お前今何つった?『この姿のままなら勝てる』だぁ?ッヒヒヒヒヒヒヒヒ……
 んじゃあ、良い事を教えといてやるよ、愛すべき馬鹿な弟にな】

そう言って、裂邪は右手を差し出し、三本の指を立てた
と同時に、背中に生えた泡で出来ている翼が、徐々に広がっていくのが分かった

【俺はまだ……あと3つ、変身を残している
 残念だが、他の姿は「シャドーマン」由来じゃなくてね…光如きじゃ止められん】
「―――――――――ッ!?」
「おい少年! 今兄は何と言った!?」
「…お兄ちゃんは……まだ3回変身できる……!」
【光栄に思うが良い! これが俺の…第2の変身だ!!】

泡の翼が裂邪を包み込む
今度は先程のような球体ではなく、細く長い形となる
真ん中の少し膨らんだ部分に黒い4つの脚が、その背側になるところには白い鰭が生え、
さらにめらめらと燃える赤い尾鰭と、黄金に輝く槍のように尖った頭部が現れる
身体の全体を占めるシャボン玉が、蒼碧の鱗のように見えるその姿、まさに『蒼龍』

【【ウヒヒヒヒヒヒ……お待たせ致しました、第2ラウンドと行きましょう
   “私”に勝つという意思がまだ、貴方達の心に残っていれば、ですが】】


  ...To be Continued
308 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 01:51:50.43 ID:TkPQQJRp0
お久しぶりですね皆さん
作者としてのシャドーマンの人ですよ(ウザッ
裂邪のイメージCVは中尾隆聖さんなので、裂邪=フリーザで妄想して下さい
【【】】の部分は裂邪とシェイド、裂邪とミナワみたいに、発現させてる都市伝説と同時に喋ってる且つエコーみたいなのがかかってる感じ

…しまった、第2の変身の後に『コラプサーズ・バブル』って入れるの忘れてたorz
309 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 02:26:36.95 ID:TwP6WM470
シャドーマンの人乙ですー
烈邪、まさかの5段変身!?残り三つの変身も楽しみです!
にしても戦闘のレベルが違いすぎる、こいつと同期の紫亜って一体……orz
>「ホッピング婆」まさかの再登場wwwwwwwwwwしかも活躍してるwwwwwwwwww
解決編でも説明しますが、一応何が起こったかというと↓

@ホッピング婆さん、後ろに落ちてきた看板と足音に気付く
A反射的に隠れたところ、命懸けの鬼ごっこ中の二人を発見
B気付かれないよう後をつけたら、強敵(出井)が命の危機に!
C背後からホッピングのバネで【殺人鬼】を突き飛ばす、【殺人鬼】は壁に激突し気絶(>>302のドゴーンがそれです)
D出井も切られたと思い込み気絶、婆さんは彼を掘り起こしていつもの決戦場(土手)へ
Eその頃、起きてすぐ状況を理解し有間宅を飛び出してきた紫亜と遭遇→次回へ

といった具合です……いやーご都合すぎかな?
310 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/08(日) 02:45:05.78 ID:xKHN95BAO
投下された皆さま乙ですの
きゅんきゅん切ない系の短編が多いですねえ
バラエティに富んでいてどれも繰り返し読みたくなってしまいます

ところで本条兄さんのキャラ転換っぷりにワラタのと、出井くんは実はすげー戦いの才が隠れてるんじゃないかと妄想してみたりとか
れっきゅんの多段変身に胸熱になってみたりとか
皆さん続きを楽しみにしてますの
311 :ヘタレ姉妹と過激な母と。 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/08(日) 02:49:41.30 ID:xKHN95BAO
「これはどーゆーことですか(棒」
 東区の墓地。
 周囲数十メートルの地面やら建築物に無惨に開いた無数の穴を目の当たりにして、
 O-No.99の温和そうな、あるいは温和を装っている通称「鉄面皮」も流石に引きつっていた。
 この双子、特に緋色は都市伝説を完全に制御下に置いているにも関わらず、
 仕事―その能力の都合上、どうしても他者との戦闘が中心になるのだが―を任せると
 必要以上に周囲の被害が甚大になる傾向がある。
 それが彼女達の臆病さ故という事は、もう数年面倒を見ているこの黒服も把握してはいる。
 何時も所在なさげにおどおどしている紫は勿論のこと、
 表向きは生意気で図々しい態度を取る緋色ですらも―むしろ彼女の方がメンタルは脆いかも知れない―
 相手の反撃を恐れすぎるが故に、無理を押しても敵を初撃で片付けようとしてしまうのだ。
 二人ともまだ子供なのだからと常々自分に言い聞かせては来たものの、とうとう今日は堪忍袋の緒が切れた次第だ。
「す…すみません」
 姉よりかは空気を読む術を心得ている紫が、自分がやったわけでもないのに、
 さながら蝦蟇の油売りの見せ物ででもあるかのように脂汗を流しながら頭を下げた。
 一方、辺り一帯に季節外れの雹を降らせてこの惨状を招いた当人は、ふてくされてそっぽを向いている。
「緋色ちゃん」
 紫が緋色のパーカーの袖を引いた。
 謝罪を促していることは当人たちを含め誰の目にも明らかではあるが、
 それでも緋色は自分たちの担当黒服と目を合わせようとしなかった。
 「…そんっなに、破壊行為が好きならさ、明日からA-No.に担当変えてあげようか?」

312 :ヘタレ姉妹と過激な母と。 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/08(日) 02:51:15.56 ID:xKHN95BAO
 完全に凍り付いている声音に、紫がひっと小さく息を呑み、緋色の方も一瞬で顔色が変わった。
「ごっ…ごめんなさいっ!ごめんなさい!ごめんなさい!それだけはイヤ!」
 この双子にとって「過激派」や「強硬派」の多いA-No.やB-No.は同じ「組織」に属しているにも関わらず、仲間ではなく恐怖の的でしかない。
 それをよく知っているO-No.99は、「過激派」の中でも彼女たちが最も恐れる人物を引き合いに出して、効果的に双子の恐怖心を煽った。
「いーんじゃない?もうA-No.99に面倒見てもらいなよ。
彼女だってきっと、君たちの世話なら喜んでするさ」
「そんなこと…」
 あるわけないと続けようとした緋色が、O-No.99の背後からこちらに近づく人影を目敏く見つけ、顔色を失くした。
313 :ヘタレ姉妹と過激な母と。 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/08(日) 02:52:17.24 ID:xKHN95BAO
 A-No.99『赤坂千草(あかさか ちぐさ)』は黒いキャリア風のスーツを着た、辛うじて若いと言える女。
 明るいブラウンに染めてある髪は隙なく纏められ、自信に溢れた眼差しはやや威圧するようでもある。
「お久しぶりね、O-No.99」
「お久しぶりです、A-No.99」
 ヨーロッパは如何でしたと表面だけは慇懃にO-No.99が頭を下げた。
「それなりに緊張感はあったわね。それに比べて日本(ここ)は…まるで昼寝をしているみたいね」
 「組織」までが。
 「組織」至上主義の彼女にとって、どちらかと言えば穏健派の発言力が強く、外部とも必要とあらば連携を厭わない
 ここ学校町の「組織」の現状は愉快なものではないらしく、
 瞳に宿る険が強くなり口調は吐き捨てるようだ。
 やはりこの女は、生粋の過激派なのだ。
 双子は改めて、この女ではなくO-No.99「ウラシマさん」が自分たちの担当黒服であることに感謝した。
 この女黒服を母として生まれたにもかかわらず、双子が「組織」入りする際に穏健派に所属する事を熱望したのは、
 彼女に対する反発と恐れがあったという事は否定できない。
「あたし、ジュース買ってくる」
 事実、形式的な挨拶を交わすと、緋色は紫の手を引いてそそくさと立ち去ってしまった。
 その場に残されたのは、二人の黒服。
 会話の口火を切ったのは女だった。
「…まあ、つまらない儀礼はここまでにしましょう」
 
「…『死神』の契約者?」
「そう。外見は十歳程度の、黒髪に青い瞳の女の子供。もしかしたら、二十歳位の若い男が一緒かもね」
「『組織』のデータベースに無いのなら、フリーの契約者かも知れません。
 探してはみますが…そんな子供を何故?」
 過日、千草が呼び寄せたヨーロッパの友人が、野良と思われる都市伝説を排除しようとしたところ、
 一般人と思しき少年と「死神」を使役する少女、少女の連れの若い男に阻まれた経緯を話すと、O-No.99の表情が曇り、 あらゆる可能性を考慮した上で先ずは事情聴取すべきではないかと述べた。
「『組織』に加入が決まった者が一名は殺害され、もう一人も殺されかけた…
 それだけでは足りないと言うの?」
 見る間にその表情を怒りに染め上げた千草はその視線で射殺さんとばかりに目の前の男を睨みつけた。
 聞く耳持たずか。
 睨まれた男は鼻白んだ表情であらぬかたを向いた。
314 :ヘタレ姉妹と過激な母と。 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/08(日) 02:53:03.37 ID:xKHN95BAO
「『組織』の体面と、何より志気に関わるとは思わなくて?」
「A-No.99」
 どうせ無駄には終わるが、念のため此方の理も述べておかねば。
「ここ学校町では、人間と契約者、都市伝説が…小競り合いはあっても表面上は、平穏を保っております。
『組織』外の協力者を刺激しない為にも…今のような非常の折、平地に乱を起こすような事は厳に慎んで頂けますよう」
 握り締められた女の拳が僅かに震えた。
「…それが『穏健派』の見解というわけね」
「あくまで僕個人の見解であり、『穏健派』の総意ではありません。
納得頂けなければご自身で…」
「もう結構」
 腰抜けが舐めた事を。
 口には出さずともはっきりとそう言いたげな表情で、千草は身を翻した。

「『組織』じゃなくて自分の面子でしょーが。
 あの女のオトモダチだもん。大方自分からケンカ売って返り討ちにでもされたんでしょーよ」
「ひ、緋色ちゃん」
 こっそり物陰に隠れて一部始終を窺っていた双子のもとに真っ直ぐ歩み寄った千草の姿に反射的に身構える。
「どうせ聞いていたんでしょ」
 実の娘に向けるにはかなり温度の不足した視線を向けると、用件だけをこれまた低温の声音で述べる。
「そういう訳で、もし該当しそうな契約者を発見した場合、直ちにA-No.に引き渡しなさい。生死は問わないわ。
直接発見していなくても、学校などでそのような契約者の存在を掴んだ場合も私に連絡しなさい。いいわね」
 一方的に言い捨てて立ち去る母親の背中に紫が呟いた。
「…私たち、学校になんか行ってないよ…………お母さん」
 でも二人とも知っている。そもそも彼女達が学校に行っているか、どのような生活を送っているか、
 そんな事に興味を示すような女ではないと。もしかしたら、何年前に自分たちを生んだかも忘れているかも知れない。
「緋色ちゃん、紫ちゃん」
 「ウラシマさん」が駆けつけてくれたので、少し凹んでいた気持ちがほっと暖かくなる。
「聞いてた通りだから。それっぽい女の子を見たら、或いは『死神』を使う契約者を見たら、僕のところに連れてきて貰えないかな。
あくまで任意でね。A-No.が身柄を押さえる前に『尋問する』って事にして保護するから」
 よかった。やっぱり「ウラシマさん」だ。
 少し安心したものの、事によったら、同じ「組織」の者と事を構えなくてはいけないかも知れない。
 ふたりの少女は硬い表情で頷いた。

315 :ヘタレ姉妹と過激な母と。 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/08(日) 02:53:41.73 ID:xKHN95BAO
 …ほぼ同時に、墓地からひとりの若い男が歩み出てきた。
 年の頃なら二十歳前、やや痩せ気味の長身に、凛々しくはあるが地味な顔立ちをしている。
 どこか陰のある雰囲気に、身につけた革のライダースジャケットとグローブが見る者によっては幾分アンバランスに映るかも知れない。
「…ふうん、『組織』が動くのか」
 まあ「組織」の身内を殺してるとあれば無理もないか。
 取り敢えず新宮さんには教えてあげなくては。
 携帯電話を取り出し、ワンプッシュで彼女の携帯を呼び出す。
「…あ、もしもし?
…………え!?なんで勝手に動いちゃうんだよ!?
今からそっちに行くから動かないで!
……何言ってんだよ!俺が居なけりゃ新宮さんひとりでどうやっ」
 言い終わる前に切られた。
(いつもいつもなんでこんなに勝手なんだ!)
 暫く渋い表情で携帯を眺めていた彼だが、ぶつくさとひとり文句を呟きながら走り出した。



続く
316 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/08(日) 03:02:23.00 ID:xKHN95BAO
投下は以上です。
前回は前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1318689302/l20
です。

双子は「組織」所属です。
母親であるA-No.99は過激派です。すでに花子さんの人が抹殺予約済みww
いや自分が「どうぞ殺して下さい♪」って差し出したんだけどwwwwww
双子の担当黒服であるO-No.99は「ウラシマさん」の呼び名が示すとおり、「玉手箱」の能力を使うことが出来ます。
最後にちらっと出てきた男については、また次回になりそうです。
317 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/08(日) 09:21:00.22 ID:4FXZXEBF0
おはよう!皆様乙なのだぜ!
そして、俺は今日11時に待ち合わせだ!でも、まだパジャマ姿だ!!間に合うのかこれ!?(さっさと着替えろ

>>298
>(百花>わお、それ楽しそう! あ、友達も連れて行って良いのかな?
菊「ん」(こくこく頷いている

多分、正月(元日)にばったり顔合わせてそのまま誘われるって感じになると思うので、百花ちゃんがお友達と一緒にいるところに遭遇すればいいかな?

>(裂邪>(何か嫌な予感がするんだが…)
やだなぁ、嫌な予感だなんて
ちょっとこわもてのお兄さんが一杯いるだけじゃないですか

>>300
>薫「……何で俺に誘いがないんだ。龍一とも交流あっただろうが」
すまない…上にも書いた通り、偶然ばったり顔を合わせ、そのまま誘うというパターンを想定したため、薫ちゃん達はどう誘ったもんかなぁ、って思いまして
龍一とは顔見知りですが、あいつ、今年の元日は家の人総出での初詣の時以外は家から出ないうえ、新年会の時以外は、ほぼ家に伝わる刀置いてある部屋にこもってますよ
……っは、初詣のときに顔を合わせれば(周囲に組の人がいる状態でどう関われと/多分、近づくのを躊躇われるレベル(強面的な意味で
318 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 09:46:38.70 ID:uV5Q7WhR0
多段変身が思いの外受けて俺歓喜
基本的に巨大戦が好きなので俺の連載の半分には巨大な敵が出たりします
『夢幻泡影』の場合は大体裂邪だけどね
巨大な敵に立ち向かうのってなんか良いじゃない、俺としてはいまいち迫力に欠けてる気がするので精進したいところ

>>317
初詣か、偶然そこに裂邪が居合わせたことにすれば!
そういや獄門寺家だから、翼くんも来るのかしら
「首塚」の関係で漢と麻夜も行けるかなぁ、と
319 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 09:49:56.79 ID:uV5Q7WhR0
おっと
>>317
かおるん達はお菊さんからも行けそうな
時間あれば初詣で鉢合わせな話書いてみようかしら
DKGとファントムさんの人の許可があればですけど…
320 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/08(日) 09:56:07.05 ID:4FXZXEBF0
>>318
>そういや獄門寺家だから、翼くんも来るのかしら
あー、ごめん、翼は来ない
「首塚」の新年会で子供達に弄ばれてる最中だと思うから(間違っているようで微妙に間違っていないから困る/具体的に書く予定はないですが、あいつは大体例年通りの正月だと思います
321 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 10:03:55.34 ID:uV5Q7WhR0
そうか、「首塚」側も新年会あるんだったwww
322 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/08(日) 10:21:30.22 ID:4FXZXEBF0
>>321
今年は漢君もきっと弄ばれていると思うので、翼も少しは楽でしょう(何
323 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 10:46:02.08 ID:uV5Q7WhR0
>>322
完全に女だと思われてセクハラされてみたりとか
麻夜が苛立ちつつも喘ぐ漢が可愛いから手が出しづらかったりとか
そんな妄想しつつハァハァ(
324 :ソニータイマー/3DS[sagesaga]:2012/01/08(日) 10:46:27.27 ID:9473Tozc0
皆様乙ですー!
如月ちゃんの都市伝説おもしろいなー。すごく便利です
ところで、うちの如月十四日と同じ苗字ということで、従兄弟同士という設定にしたいのですが如何でしょう?

裂邪くんがラスボスっぽくてかっこいい!
ラスボスっぽい主人公というのは良いものですね
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/08(日) 11:12:26.76 ID:zlKGfClDO

裂邪はもう人間じゃないレベルだな


O-No.も出てきたのか
O-No.0も出るのかしら


>>324
いとこって同じ苗字である必要無くない?




裂邪はもう人間じゃないレベルだな
326 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/08(日) 12:22:37.55 ID:uV5Q7WhR0
>>324
> ラスボスっぽい主人公というのは良いものですね
元々ガチで世界征服目指して正義に殺される予定だったので、その名残ですね
ラスボスっぽいけどカマセです、さすが裂邪(

>>325
>裂邪はもう人間じゃないレベルだな
既に人間やめかけてますからねぇ
これからどんどん正義に身長が抜かれていくという悪夢が(

> O-No.0も出るのかしら
O-No.0は確か占い師と少女の人が出す予定だったような

>いとこって同じ苗字である必要無くない?
互いの了承があればそういうコラボもたまには良いんじゃないかしら
327 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 17:25:17.61 ID:TwP6WM470
※この物語は、平穏とライガーたちを愛する一人の契約者の日常的な非日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
※後、作者は文才に乏しいです。いくつか読みづらい文章などが出てくるやもしれません。

では、【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】第四話をお送りいたします。


「有間君……本当に、よかったです……」

「むぐぐぐぐぐぐ……」

「ほっ!」ドヤァ

数分後、紫亜はようやく泣き止んでくれた。【殺人鬼】も目を覚ましてすぐ俺に飛びかかろうとしたが、手錠で両腕を拘束されていたため
横にいた婆さんに素早く取り押さえられてしまった。今は婆さんに猿轡を噛ませられた上に、手足にロープなどを追加されつつある。
…………正直言うと、かなり哀れだ。かといって止めさせるわけでもないけど。なんせ殺されかけたんだし。

「……紫亜、落ち着いたところで聞きたいんだが、あの後一体何が?というか、ここ俺の家だよな?」

「うん……そこのホッピングババ……じゃなくてお婆さんが、有間君を連れてきてくれたんです」

紫亜の話によると、目が覚めて部屋の惨状に気づいた彼女は、すぐさま家を飛び出して俺と【殺人鬼】を探しに行ったんだそうだ。
すると、土手の向こう側から気絶した俺を背負って歩いていた婆さんを発見。事情を話して俺の家まで届けてもらったらしい。
その後婆さんに教えてもらった場所で【殺人鬼】を回収し、看板や砂山やらを片付け終えた後に俺の家で合流。

大体の話の流れはこんな感じらしい。ただ、何故婆さんが俺を背負ってきたかはわからないとの事。

「もしかして、俺がいつまで立っても来ないから探してたのか?」

そう婆さんに尋ねると、満面の笑みでサムズアップを返してきた(【殺人鬼】の手錠は既に二桁に達しつつある)。
恐らく俺が【殺人鬼】に殺されそうになった時も、婆さんが助けてくれたのだろう。

「そっか。助けてくれてありがとう、婆さん」

「私からも改めてお礼を言います……ありがとうございました、お婆さん。【殺人鬼】さんの暴走も止めてくれて」

「ほっほっほー!礼には及ばんよ嬢ちゃん。我が《らいばる》の危機とあらば当然の事じゃよ」

「むぐぐ……むぐぐぐぐ……!」

…………ん?

「どうした、我が《らいばる》よ。そんな驚いたような顔をして……あ」

「ば……婆さんが喋ったー!?」


紫亜の説明によると、現在彼女と婆さんは仮契約の状態にあるらしい。

「私の契約者としての器もまだ余裕あるし、仮契約だから殆ど影響もないしね」

「都市伝説やら「組織」やらの説明は昨日そこの変態から聞いたとして、それって普通の契約とどこか違うのか?」

「えっと……契約も仮契約も色々方法があるんだけどね?私とお婆さんの場合は単なる『会話の成立』を目的とした物だから」

要は、婆さんの言いたいことがこちらにはちゃんとした言葉で伝わり、こちらの言葉は婆さんの使っている言語(バネ語とかか?)に変換され
向こうに伝えられるという、言語翻訳器に近い契約だそうだ。互いの力を借りたり強めたりは出来ないそうだが。
……よく考えれば、「ほっほっほ」しか喋れないホッピング婆さんと紫亜で会話が成立するはずもないよな。納得できた。
328 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 17:25:49.42 ID:TwP6WM470

「でも、仮とはいえ契約は契約!これでお婆さんも野良から「組織」保護下の都市伝説にジョブチェンジです!」

「あ、やっぱり都市伝説がウロウロしてるのは不味いのか。説明聞いたとき『あれ?』とは思ってたんだ」

「儂はこれまで通り過ごさせてもらうぞ、あくまで保護じゃからな。言っとくが戦闘には参加せんし、期待もするでないぞ嬢ちゃん」

「そのとおりだぞ紫亜!お前は俺が守ってやるからな!」

「「馬鹿な!?」」

何時の間にあの拘束から抜け出しやがったこの変態!?思わず婆さんと同時に声を上げてしまったじゃないか……ってあれ?

「さ、早くこの男の化けの皮を剥がすぞ……え?」

「……もそも……元はといえば、全部殺人鬼さんが…………しかも事もあろうに有間君をこ……こ、kkk殺そうだなんて……!」

紫亜さーん?その両手に握られた中華鍋は一体どこから……あれ、デジャビュ?

「し、紫亜!?まて落ち着け、俺はお前のためを思って……!」

「殺人鬼さんの…………殺人鬼さんの、馬鹿ーーーーー!!」

【殺人鬼】、三度沈黙。怒らせた紫亜は結構怖いのだ。婆さんはまた嬉々として気絶した変態を縛り上げにかかっている。
今度こそ僅かばかりの哀れみも失せたので、無視して先程の鍋の事を紫亜に聞いてみた。

「ああ、『能力の貸し借り』は本契約の特徴の一つです。これも【ベッドの下の殺人鬼】の拡大解釈で……それよりも」

と、言って紫亜は急に真面目な顔になって………こう、切り出した。

「単刀直入に聞きます。有間君は……今後、どうしたいですか?」

「どういう意味だ?」

「朝にも説明したとおり、出井君は何らかの形で都市伝説と契約しています。それも、分類が難しい新世代の都市伝説と」

「ああ、【プラモデルを作ると翌日店で販売されてる】っていう能力か……え、世代とか分類とかってあるの」

「基本【使役:現象:物品】の三つに……ってそれは置いといて。担当の黒服さんに聞いた話によれば……」

都市伝説と都市伝説は惹かれあう。俺が契約している限り、別の都市伝説が襲ってくる可能性もあるのだ、と。

「…………」

「都市伝説だって、人間と同じです……いい人だけとは限りません。【すねこすり】のような無害な存在から【トンカラトン】【くねくね】【八尺様】といった、人を問答無用で即死・発狂させたり……最悪、死よりも怖い状態に陥れる者も、数多くいます」

「…………」

『人智を超えた力なんて持つもんじゃないな、やっぱり凡人は平凡な日常で満足するべきだったんだ―――』

「ですから、「組織」の一員として私はここで……有間君に《選択》してもらいます」

「選択……?」

「はい。「組織」の傘下に入り、契約者として戦う道。契約を破棄し、記憶も消して日常へと帰る道」

どちらか一つだけ、選んでください。
329 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 17:26:43.52 ID:TwP6WM470

「…………俺は」

正直、殺される直前であったなら迷わず後者を選んでいたはずだ。能力が消えてもプラモデルが消えるわけじゃないし。
流石にホッピングやヘルメットは回収されるだろうが、スノーライガー達は手元に残るだろう。
それに俺自身、そんなに出来た人間じゃない。体力と短距離走にちょっと自信があるだけの、何処にでもいるゾイドオタクだ。
いつ殺されるかわからないような生活なんてまっぴらだ…………でも。

「紫亜も……戦ってるんだよな」

「え?あ、はい……一ヶ月ほど前から」

友人が日常の裏で……時には命懸けの戦いを繰り広げている一方で、平和な日常を享受する……。

本当にいいのか、それで。

「紫亜。悪いけど…………俺は命懸けの生活はしたくないし、自分ができるとも思えない」

「……そう、ですか……では、記憶を消し」

「でも、記憶は消さないで欲しい。「組織」入りは出来ないけど、民間協力者って形は駄目か?」

「えっ?いえ、せめて協力関係にまで持っていければいいって言われてますけど……」

「じゃあ、それで頼む。やばそうな都市伝説にあったらすぐ「組織」に連絡するし、紫亜が危ないときは……その、何とかする」

「……わかりました。じゃあ、ちょっと書いて欲しい物がいくつか……」

……結局、俺はどっちも選べなかった。紫亜の事を見捨てられなくて、婆さんとの決着をつけたくて、もっと色んなプラモが作りたくて、
その一方で戦うことも怖くて……こんな中途半端な道を選ぶ事になってしまった。本当に最低だな、俺。

「あ、そうだ紫亜。さっき言ってた危険な都市伝説についてもっと知りたいから、これからちょくちょく互いの家行き来しようぜ」

「はい、私が有間君の家に…………えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

まあ、紫亜との関係が元通りになった事でよしとしようか。てか、何慌ててるんだこいつ?
今までだってよく、お前の家に遊びに行ってただろ。

「そ、それは慣れというか、気まずさがないというか……あぅぅ……」

気まずさ?何となく自分の部屋を見渡してみる。

・床にめり込んだ拳ほどの大きさの石
・棚の中や上に並べられた機獣たち
・岩と穴ぼこだらけの庭
・もはや生身の部分が見えなくなっている変態

…………うん、紫亜からすればかなり気まずいな。特に最後のが。真面目な彼女からすれば当然とも言える。
仕方ない、これからも俺の方から出向くしかないようだ。



「はい、これで完了で……あ、そうだ有間君」

「ん?」

「そ、その……色々あったけど、来年も、よろしくお願いします!」

「あ……うん。こちらこそ、今後ともよろしく」

そういえば大晦日だったな、今日。来年こそいい年になりますように。
330 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 17:30:36.51 ID:TwP6WM470
こうして、俺の日常的な非日常が始まった…………のだが。
新年早々、俺はまた新たな都市伝説と出会う事になる。
そして「彼女」は、紫亜が警告していたあの【危険な都市伝説】の一人だったのだ―――――


『トン…トン…トンカラ、リン……?トン…トン…トンカラ、テン……?トン…トン…トンガッ!?』ガシャーン


―――――た、多分……。


第四話:終わり
331 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/08(日) 17:31:18.15 ID:TwP6WM470
以上です。いや、予想以上に出井がへたれてしまった……どうしてこうなった
次回登場するのは、花子様の人から許可を頂いた「彼女」なんですが……ああ、文才が欲しい
ちなみに婆さんも言ったとおり、あくまで保護下にあるだけで行動制限とかはありません。
婆さんは今日も《らいばる》とのホッピングバトルに熱中しております。

では、ゲリラ投下失礼しました!
332 :女と男とエトセトラ ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/08(日) 20:56:40.50 ID:c58ZfJOHo
 真っ暗な部屋にカーテン越しに浮かぶ街灯の明かり
 僅かにカーテンが揺れる度に、そこに何かが居るように感じる
 冷蔵庫やエアコンの待機駆動音
 僅かにその音がぶれる度に、それが何かの唸り声のように感じる

「う……ぅ……」

 ベッドの上で布団を頭まで被り、目をぎゅっと瞑り耳を塞いでいても
 今度は己の呼吸や心臓の鼓動が、恐ろしい程に響いてくる
 そんな様子で一睡もできず朝まで過ごし
 窓の外が明るくなり、雀の鳴き声が聞こえ始めた頃

「繰ちゃん、朝だよ?」

 遠慮がちなノックと共に扉を開いて顔を覗かせたディランの姿に、繰は安堵したようにくたりと枕に倒れこんでいた

―――

「いや、私はもう担当を外れているんですが」
「解任じゃなくて転属なら、引き継ぎをちゃんとしてくれないと困るって言伝されてきましたので」

 ディランと繰が学校へと行っている時間、サキュバスは『組織』の施設でA-No.18782の後ろをついて歩き回っていた

「ディランさんと私は部署も違うわけで。色々と部署や派閥のしがらみがありますから、ずっとついてこられると色々困るんですが」
「じゃあ、繰さんについて知ってる事を全部話して下さい」
「本人に聞いて下さいよ」
「あの子、自分の事についてほとんど何も理解してないんです」

 A-No.18782の服の袖をぎゅっと掴み、サキュバスは上目遣いにサングラスの下にある瞳を見詰める

「あの子、もう三日もまともに寝てないんです。卒業するのに学校も休みたくないからって、無理してふらふらのまま学校に行くし」
「あー、なるほど」

 何か事情を察したように、A-No.18782が唸る

「宮定さんって、私や前任者が担当してた頃は、そりゃあもう毎晩のように敵を求めて夜の町を彷徨ってたんですがね」
「毎晩……ですか?」
「ほぼ毎晩です。今思えば、ずっと不安だったんでしょうね。寝ている間に何かあったらどうしよう、って」
「寝なくても平気……ってわけじゃないですよね?」
「学校で寝てたそうですよ。授業中の居眠りだったり、保健室や屋上だったり」
「何で、家で寝ないで学校で」
「都市伝説が騒ぎを起こさないような、昼間で人が居るところなら安心して眠れたという事でしょう。お友達も同じ学校に居ますしね」
「菊花ちゃんが居ても、そこまで……」
「ディランさんと会ってからは、随分と落ち着いていたんですがね」

 その口振りから、二人の仲は充分に理解している雰囲気だ

「ディランさんに、さっさと本契約をしてもらうべきじゃないですかね?」
「あの方と本契約をするには、圧倒的に性知識と恋愛度胸が足りません。後者についてはディランさんもですが」
「……難儀な方々ですね」
「まったくです」

 サキュバスとA-No.18782は、お互い肩を落として軽く溜息を吐く

「ともあれ、誰か居ないと寝られないんですから解決策は簡単じゃないですか」
「簡単?」
「あなたなりディランさんなりが、添い寝でもしてあげて下さい。手を握るとか抱き締めるとかすれば効果は充分でしょう」
「すいません、あたしは無理です」
「ふむ、そりゃまたどうして」
「今、あたしって普通の食事でお腹を満たしてるんです」
「それが何か?」
「サキュバスの本来の食事が何だと思ってるんですか! 繰さんを抱っこして寝るなんて、粗食でダイエットしてる食べ盛り女子高生の目の前にカレー皿を置くようなもんですよ!?」
「なら残る手は一つでしょう」

 A-No.18782はサキュバスが掴む袖をやんわりと振り解いて、作り笑いを浮かべた

「ディランさんにお伝え下さい。頑張って下さいね、と」

―――
333 :女と男とエトセトラ ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/08(日) 20:57:24.12 ID:c58ZfJOHo
「繰、大丈夫? 顔色悪いよ?」
「大丈夫……次の授業の、準備しなきゃ」

 昼食も終えた昼休みの終わり際
 精気の無い蒼白さで、目の下にはやや隈が浮いている繰に、佳奈美が心配そうに声を掛ける

「今更、真面目になったつもりも無いけど……卒業ぐらいはちゃんとしないと、働くのも大変でしょ」

 元々、卒業できないようならすっぱり学校を辞めて、『組織』の構成員として生きていくつもりだった繰
 そのための力であり技能であった菊花との契約を失った今、貯金が尽きる前に働き口を探さなければいけない

「それに、先生は真面目だから」

 繰が名前を呼ばず、ただ先生とだけ呼ぶ相手はこの学校ではただ一人だけ

「留年とかしたら、きっと気にすると思うから、頑張らないと」
「でもね、今の繰の方がずっと心配だと思うよ?」

 佳奈美は正面から繰の頬にぺたりと両手を当てて、むにむにと顔を揉みしだく

「菊花ちゃんが居なくなって不安なのも判るけど……辛いなら、一人で抱えてちゃダメだよ? あたしは頼りないかもだけど、学校には契約者の先生や生徒もいっぱい居るんだし」
「ん……ありがと」

 疲れ果てた顔色は変わらないものの、表情にはやや柔らかさが戻ってきた気がする

「んー、まだ元気なーい」

 そう言うと佳奈美は、繰の頭をぎゅうと胸に抱く

「か、佳奈美?」
「あたし達は、色々怖いものを普通の人より知ってるけど。今まで繰がそうしてきてくれたように、そういうものから守ってくれる人はたくさん居るんだよ」

 そんな様子を見たクラスの女子達が、何事かとわらわらと集まってくる

「佳奈美ー、どうしたの?」
「なんか宮定さんが元気無いっぽいね」
「ずるいなー、私も繰ちゃん抱っこするー」
「わたしもわたしもー」

 三年生になった折の、契約者を一つのクラスにまとめるためのクラス換えで、繰は佳奈美と同じクラスに編成されており
 不自然さを減らすために相応の人員入れ替えがあったものの、昨年のメイド喫茶に巻き込んだ面子の大半は残留しており、なんだかんだで繰の存在はあっさり馴染んでいた
 割とスキンシップ過剰の風潮があるこのクラスで、色々悩まされる事も多かった繰であったが
 佳奈美以外にも心を開ける友達が増えたのも事実である

「そういえばさー、繰ちゃん」

 背中に覆い被さって抱きついていた女生徒が、耳元で呟く

「ディラン先生との関係ってばどうなってるの?」
「か、関係って?」
「……あれだけバレバレで誤魔化せてると思ってるの?」
「英語の授業だけ熱心さが違うし」
「朝とか帰りとかよく一緒だし」
「繰ちゃんが、名前を呼ばないで先生って呼ぶのディラン先生だけだし」
「目が合うと赤面してるし」
「姿を見るとちょっとはにかんでるし」
「ディラン先生、宮定さんの事だけ名前で呼んでるし」
「先生も割といつも繰の事を目で追ってるし」

 周囲の女生徒から一斉に指摘されて、自分の態度が周囲に全く隠せてなかった事に、絶望的な程の羞恥心が湧き上がる

「きょ、教師と生徒なんだから、関係も何もそれだけよ。先生は真面目な人なの、皆知ってるでしょ?」
「うん、真面目よね」
「真面目過ぎるよね」
「そもそも学園祭の時のアレぐらいの据え膳で手を出さないって凄いよね」
「あ、それ知らない。何それ」
「当事者だけの秘密」
「ずるーい」
「こんな調子で、卒業したとしても進展すると思う?」
「どうかなぁ」
334 :女と男とエトセトラ ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/08(日) 20:58:03.70 ID:c58ZfJOHo
「進展と言えば佳奈美の方はどうなん?」
「学園祭に来てた彼氏とはどうよ?」
「こっちにとばっちり!?」
「卒業したら結婚ってホント?」
「えー、らっぶらぶぅ」
「卒業したらするかもだけど、まだ予定も立ってないよ!? 式とかどうすればいいんだかわかんないし、少なくとも親とか親戚と相談してから!」
「招待しろー」
「ブーケよこせー」
「披露宴で美味しいもの食べたーい」
「彼氏の周りの良い男紹介してー」
「欲望がストレート過ぎるよ!?」

 どうしようもない騒がしさの中
 それが妙に心地良くて
 繰の意識は、うとうととしたまま
 するりと眠りに落ちてしまっていた

―――

「ん……」

 気が付くと、そこはベッドの上
 冬の早い夕暮れに、窓の外は既に暗くなりかけている

「繰ちゃん、大丈夫?」

 そう言って顔を覗き込んできたのは、見慣れた愛しい人

「先生……授業は?」

 外の様子からして、既に放課後であろう時間
 何か理由をつけて保健室に放り込まれたであろう繰はともかくとして、少なくともディランは六時限目に繰のクラスで授業があったはずである

「クラスの皆がね、昼休みに職員室に来て。繰ちゃんについていて欲しいって」
「……受験生も多いのに何やってんのよ、もう」

 溜息を吐きつつも、その気遣い自体はそれなりに嬉しくは感じている

「教師として問題は無いの、そういう行動は」

 自分のせいでディランの評価を落とすような事はしたくない
 そういう思いで、やや強い口調で訊ねる

「校長先生は、都市伝説に理解のある人だから」

 そう言ってから
 繰が寝ている間から、ずっと握っていた手に、僅かに力を込める

「それに、教師として問題があったとしても……繰ちゃんの方が大事だから」

 その言葉に、繰の顔が真っ赤に染まる

「不安な時は、ずっとこうしていてあげるから。それで足りない時は」

 握っていた手を引き、繰を引き起こすと
 ベッドの縁に座り、その胸に繰を抱き寄せる

「ずっと、こうしていてあげるから。だから、安心して」
「先生……」

 胸の鼓動を
 温かさを
 においを
 すぐ傍にいるという全てを感じながら、繰は顔を上げ
 ディランの顔を見詰めて、求めるようにそっと目を閉じ
 ようとしたところで

「先生」
「どうしたの、繰ちゃん?」
「ちょっと入り口の扉、思い切り開けてきて」
335 :女と男とエトセトラ ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/08(日) 20:58:41.86 ID:c58ZfJOHo
 僅かながらの熟睡と安堵のせいで取り戻した感覚が、ほんの少し隙間の開いた保健室の扉に向けられる
 そんな繰の言葉と同時に、慌てて扉から離れていく足音がいくつか聞こえてきた

「……油断も隙もありゃしない」
「油断とか隙とか、あったの?」

 状況が掴めず首を傾げるディランに、繰は苦笑を浮かべていた

―――

「様子はどうだった?」
「途中でバレたけど良い雰囲気ー」
「あれでいて進展が無いってのもどうなんだろうね」
「なんか、ずっと傍にはいるけどそれだけって感じになりそうかなぁ」
「どっちも押しが弱いのよねぇ」
「佳奈美といい繰といい、あんだけ良い男を捉まえておいてさー」
「そうそう、佳奈美もなんかラブラブだけど、そこからもう一歩が長そうよね」
「どうも遠慮しがちなのよ、あの子達」
「やっぱり私達の計画を進めるべきね」
「佳奈美んちの方には連絡つけてるんでしょ?」
「ん、佳奈美のお母さんてば超ノリノリ」
「彼氏の方は?」
「佳奈美のお母さんから連絡先貰ったから、これから」
「うっし、そっちに計画を持ちかけて、受けて貰えるようなら速攻よ」
「ついでに繰も巻き込むべきね」
「ディラン先生には話す?」
「ダメダメ、絶対黙っていられないと思う」
「委員長とか、獄門寺くんとか、小鳥遊くんにも話してないもんね」
「嘘とか隠し事とかダメそうだもんね」
「あ、でも獄門寺くんは割と気付いてるっぽいよ?」
「え、マジ?」
「相談って基本女子トイレでしかしてないのに」
「ノリノリで喋ってる時に声が漏れちゃったかな?」
「内緒話でもたまたま聞いてしまう事があるのですよ、にぱー☆」
「ともかく、内緒モードは継続。衣装の方は繰のも都合つけれる? できればディラン先生のも」
「ふふふ、わたしの就職先を舐めちゃいけないわね。繰とディラン先生の写真、できれば全身入ってるやつ頂戴。サイズは一応学園祭の時のデータはあるけど、育ってる可能性もあるから測っておいて。繰ちゃんは特に胸辺り」
「佳奈美のも?」
「一応。体育の着替えの時に触った感じは、その……ご愁傷様だけど」
「よーし、三月頭には準備を終わらせるわよ。余計な気を遣わせないように受験組は死ぬ気で受かれ」
「内定決まってる就職組、入試が終わるまでの間は任せたわよ」
「おうよ、任せときなさい」

 水面下で進む女子集団の企みは、着々と進行していく
 それが何かは、当事者達には明かされないままに
336 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/08(日) 21:01:20.80 ID:c58ZfJOHo
前回までのお話は186-190辺りと
他色々まとめwiki辺りをご参照下さい

佳奈美と繰のお話は終わりに向かってじわじわと進行中、みたいな?
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/08(日) 21:04:56.96 ID:efiSWxFK0
皆さん乙乙でした
組織契約者となったか……これより数多の試練が待ち受けるであろうと思ったけどその前にトンカ裸トンちゃんくるのか
シリアスか、ほのぼのか、明日はどっちだ!
ドクターの人の話はもうエピローグムードだな
エピローグきっちりしてる話好きです
エピローグなしでぱっときっちゃう話が増えてきて困る
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/08(日) 21:40:22.55 ID:efiSWxFK0
 彼岸に見た夢、綺麗なキセキを描いて飛んでいく鳥たち。
 彼岸に見た夢、かなわぬ願いに囚われ血の涙を流す惑乱の死霊。
 彼岸に見た夢、白んでいく宇宙の色によく似た恋の欠片。
 数多の夢を見ていた。
 現実を忘れるほどに。
 忘れたかったのだ。
 僕は人を殺してしまった。
 切欠は些細な口喧嘩――少なくとも僕にとっては――で、僕の言葉がどうにも彼女から冷静さを奪ったようなのだ。
 僕は滔々と事実を並べ立ててみただけのつもりで何か間違ったつもりはないのに。
 時として事実は悪口雑言よりも人の心を抉ってしまうらしい。
 殺人事態は正当防衛の結果だと言わせてもらおうか。

「救急車かな」

 口に出して言ってみる。
 駄目だ、何かが違う。

「いや、ケーサツだね」

 ノンノン。
 そうじゃあないんだよ。

「僕はもっとやるべきことがある」

 さて、なんだ?
 僕が求めていることとは……そうだ、まず逮捕されないこと。
 正当防衛なんて言っても信じてもらえるとは限らない。
 その上それが認められるとも限らない。
 この死体を処理しなくてはいけない。

「どうやって処理すれば良いんだろう?」

 幸いここは家の中、死体を処理する方法にはことかかない。
 分解してすこしずつ下水道に流そうか。
 その間は冷蔵庫にでも入れれば良いだろう。
 ああ、駄目だ。彼女が居なくなればきっと怪しまれてしまう。
 チマチマ時間をかけている間に……警察に踏み込まれたら終わりだ。
 様々な方法が浮かんでは消える。
 アレも駄目、コレも駄目、1つずつ羅列していく中に最良の方法は見当たらない。
 いやだ、捕まりたくない、犯罪者なんて嫌だ。なんでこんな女みたいなゴミの為に、そもそもこいつは邪魔だったんだ。
 邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔、居なくて良いのに、無くなってしまえばよかったのに。
 つまらない女の為に人生を棒になんてふりたくないしいやだもうほんとうになんでこんなことにこんなことになるんだったらこうなったらもう……

「ああ、そうだ」

 僕はタンスと壁の隙間に彼女を押し込んだ。
 何度押しても入らない。
 台所から牛刀を持ってきて、風呂場で彼女をバラバラにして、血を抜いてから同じ場所に押しこむ。
 綺麗にお片づけできた。
 これだけ丁寧に収納していればいいや、そうだ、ソレでいいんだ。
 指が少しはみ出て邪魔だから……

「へぇ」

「だ、だれだ!?」

「御続けなさい、それが貴方の業なのでしょう」

 尼姿の女性がいつの間にか僕の後ろに立っていた。
 
「しまい続けなさい、貴方の人間の本質はしまうということなのでしょう?
 ならばそれに従うだけです、貴方はアタリマエのことをしていてそれを責めて良い人間はどこにもいません
 収納をその本質とする貴方が邪魔なモノをしまって何が悪いのですか?」

「え、あ……」

 言うとおりに指を折り曲げてタンスの奥の角にひっかけて収納を終える。

「よく出来ましたね、よろしければ……もっとしまってみる気はありませんか?」

「しまう?」

「この世には汚いものが多すぎる、貴方はそれを疎ましく思っているのでしょう?
 それにもう、自らの本質に気づいた貴方は“収納”をやめられない」

 この女は何を言っているのだ。
 嫣然と微笑んで彼女は僕に一枚の紙切れを差し出す。
 隙間女と書かれたそれを目の前に僕はゴクリと唾を飲みこんで……しっかりと頷いた。
 言われたとおりにそれに名前を書く、次の瞬間、一分の隙もなくタンスと壁の間に収納されていた筈の邪魔なモノは消えてなくなってしまった。
 生まれて初めて、心から爽やかな気持ちになれた。
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/08(日) 21:42:31.54 ID:efiSWxFK0
今日のノルマ終了
書いてる自分も良く分からない話
340 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/09(月) 04:48:35.53 ID:bSgn7rWAO
プラモデルの人乙ですー
うん、出井君はもげればいいと思う

三面鏡の人乙です
あとはみんなで幸せになるだけだ!

単発の人乙です
新しいタイプの隙間女だ…
341 :プラモデルの人 ◆CmUeXhBqxg[sage]:2012/01/09(月) 11:34:02.74 ID:CWg8dEQO0
>>337
>トンカ裸トンちゃんくるのか
トンカ裸トンwwww誰が上手い事を言えとwwww
後、一応出井は「組織」に入ったわけではありません、協力体制にはありますが

>>340
>うん、出井君はもげればいいと思う
平和大好き鈍感野郎、それが出井クォリティー!(ぉぃ
……トンカラトンについても、詳しい事はまだ紫亜から聞いてないので……

三面鏡の人、単発の人乙ですー

知らない間に埋められていく外堀…………いよいよ感動のクライマックスか!?
そしてこの尼さんは一体何者なんだろう、「隙間女」自身か、それとも都市伝説を貸し与える何者かか……
342 :計画知ってる男子共  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/09(月) 15:59:44.67 ID:7OGJ9t8w0
 …中央高校の三年生の某クラスにて、着々と進行している計画
 基本、女子集団によって進んでいる企みではあったが
 そこに、関わっている男子もいた

「ディラン先生の全身入ってる写真、見つけたぞー」
「「アァ、サンキュ、真樹」

 花房 真樹だ
 ノリが良く、イベントやら楽しい事が大好きな性格である彼
 女子集団の企みを知り、それはもうノリノリで参加していた

「あ、そうだ。獄門寺君がこの計画気づいてるっぽいんだけど、何か言ってた?」
「龍一?あぁ、知ってるっぽかったけど……「人様と世間様に迷惑かけないなら、勝手にやっとけ」ってさ」
「なるほど、それなら問題ないね」
「迷惑はかけないよね!」
「むしろ、人のためになる事だよね!」

 当事者となるであろう当人達がどう思うかはさておき
 今回のような事を、どちらかと言うと止める事が多い龍一が傍観の立場に立っているらしいと知り、もはやブレーキはない
 ノンストップゴー!である

「委員長には、知られないままの方がいいよね?」
「知ったら止めてきそうだし、当人達に喋りそうだし。黙ってた方がいいだろ」
「よし、じゃあ方向性は今のままで!」
「真樹、余計な気を使わないように、受験は全力で臨むように」
「専門学校なら推薦とれそうな感じだから大丈夫だっつの。んじゃあ、俺は念の為、龍一を口止めしてくる」

 ぱたぱたと、女子の輪から離れた真樹
 それを見送り、女子達はきゃいきゃい話す

「いやー、真樹って本当、こういう時協力的だよねー」
「獄門寺君対策にばっちりだしね」
「ノリいいし、こういう時も協力的だしわりとまとめ役とかなりやすいから頼りにならなくもないんだけど…」
「モテないよね」
「モテないね」
「なんていうか、「友達としてはともかく、彼氏にするにはちょっと…」ってタイプと言うか」
「最近、ちょっと痩せてきて格好よくなった気もしないでもないけど、やっぱりどこか致命的に「彼氏にするにはちょっと…」っていう雰囲気が」
「残念だよね」
「色々とね」

 きゃあきゃあきゃいきゃい
 女子達の、無責任な人物評やら何やらは、にぎやかに続いていく


「…っくし」
「……風邪か?…受験生なのだから、体調には気を使っておけ」
「あー、うん、気を付ける。それより、さっきの話だけど」
「……当人達と、委員長と小鳥遊に知られなければいいのだろう?………黙っておく」
「サンキュ!頼んだぜ」

 あぁ、と、真樹に頷いて見せた龍一
 彼が立ち去るのを見送り、小さくため息をついた
 …まったく、自分のクラスメイト達は…

「みー、内緒なの?」
「……あぁ、だから、花子さんも、小鳥遊達には話さないようにしてくれ」
「み、わかったの!」

 龍一の傍で話を聞いていた花子さん
 ぴ!と、龍一の言葉に元気に返事した
 女子達がトイレでしていた計画を、龍一に伝えたのは花子さんである
 女子トイレは彼女のテリトリー
 そこでの情報は、ほぼ全て彼女に入るといっても過言ではない

「………」

 静かに目を閉じる龍一
 卒業の時は、近づいてきている

 ……己が、家を継ぐ日が近づいてきているのだ、と
 それを、否応なしに自覚して


 その前に
 己は、抱えている迷いや未練を断ち切るべきであるのだ………と
 自身に強く、言い聞かせるのだった

to be ?
343 :計画知ってる男子共  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/09(月) 16:01:09.79 ID:7OGJ9t8w0
>>332-335の三面鏡の人様のネタを見て、思いついてぱっと書けそうだったので乙代わりな意味も込めて(普通に乙しなさい
龍一は突込みその他の作業を色々と放棄したようです
344 :プラモデルの外伝 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/09(月) 16:09:09.44 ID:CWg8dEQO0
Q:都市伝説はどこから来るの?
A:うーん……皆の頭の中から?

―――2011年・某日―――

草木も眠る丑三つ時。
学校町のとある路地裏にて、白い布の塊がうねうねと蠢いていた。
しかし目を凝らせば、その白い布が包帯であることは容易にわかるだろう。
それほど数多くの包帯がまるで生き物のようにとぐろを巻き、その場で絡み合っているのだ。
そしてそれらは、様々な形を取り始める。ある包帯は刀に。またある包帯はタイヤに。そしてまたある包帯は、その内部に人の姿を形取る。
やがて包帯の群れが消えたとき……その後に、一人の少女が座り込んでいた。

「………ぅ、ぁ………ふぁぁぁぁぁぁ」

包帯に包まれた裸体、胸元に抱かれた日本刀、同じく包帯が変化した自転車……都市伝説に多少詳しいものなら、すぐに見当がつくだろう。

「…とん…とん…とんから、とん…………とんからとん、と……いえー」

そう、《一般人にとってかなり危険な都市伝説》の一つ。みんなのトラウマ怪人【トンカラトン】の誕生である。

軽い欠伸をし、自分の特徴とも言うべき言葉を何度も繰り返しつぶやくトンカラトン。
早速自らの本能に従い、道行く人々を仲間にするべく立ち上がろうとした瞬間、

「とん…トン…トンガッ!?」ガンッ!!

「はぁ、はぁ……や、やった!やったぞ!コチラO-No.4296、たった今生まれたと思われるトンカラトンを発見!直ちに……!」

背後から現れた黒服の男に、鉄パイプの様な物で思いっきり殴られた。たまらず崩れ落ちるトンカラトン。

「よし!あのトンカラトンを一人で仕留めたとなれば、俺の「組織」内での評価も……なぁ!?」

「………と……とん…とんか、ら……」

「く、こいつまだ…………(落ち着け、所詮相手は死に体……後一撃で仕留められる!それにこのトンカラトンは独り!)」

「……とん、とん……」

「(『トンカラトンと言え』と言われたあとで返事をすれば、もう俺に手は出せないはずだ……しかし……ほほぅ)」

「…とんから…ん…」

「(そうしたら少しこいつで『楽しむ』とするか……へっへっへ、よく見りゃ生まれたての割には、良い身体つきしてるじゃねえか)」


もし後に、この出来事を一言で表すとしたら……文字通り『自業自得』という他は無いだろう。


345 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/09(月) 16:09:53.15 ID:CWg8dEQO0
「……とんからりん、と……いえー?」アレー?

「『トンカラトン』!さあ、もうお前は俺の思うがままだ…………………………………………今、なんて?」


何とこのトンカラトン、後ろから頭を強く殴られた衝撃で……自らの代名詞とも言える『トンカラトン』を忘れてしまったのだ。
しかし、目の前の人間が《ルールを破った》事は本能的にわかったので――――――

「………おまえ、るーるやぶった………るーるやぶるやつ………てき!」スチャッ

「不味い、逃げ…………ぐぁぁぁぁぁぁーーー!」

とりあえず逃げ出そうとしたそいつを、持っていた日本刀で切り捨てた。


黒服の男の足先から包帯が巻き付き始めたのを確認し、トンカラトンは満足げに頷く……が、すぐに困ったような表情になった。

「………とん…とん…とんから、りん………?とん…とん…とんから、てん………?」

どうやらまだ思い出せないらしい。その場で必死に頭を抱え、似たような言葉を口に出しては首を振っていた。
……やがて諦めた様な顔で日本刀を鞘にしまい、背中に背負い直した。そしてそばに置いてあった『二台』の自転車を見て再び首をかしげ、
右の少し大きめの自転車にまたがる。そしてそれに乗って路地を抜け出し、トンカラトンは静かに夜の街へと消えていった。


「………とん…とん…とんから、こん………?とん…とん…とんから、かん………?とん…とん…とんがっ!?」ガシャーン


…………どうやら、自転車も間違えたらしい。


後にこのトンカラトン、《トンカラトン狩りに長けた「組織」の有能な人員》を次々と返り討ちにした事で有名になるのだが、
それはまた別の話で。

外伝:トンカ裸トン誕生の秘密(終わり)



おまけと言う名の蛇足

「く、くそ……まさかフェイントを仕掛けてくるとは……あーあ、惜しかったなぁあの乳尻太もも」

「さっさと退治しておけばこんな事にならなかったのに、私の馬鹿……あ、もう身体だけじゃなく精神も女寄りになってきてる……」

>応援に来たぞ、O-No.4296……!?なん、だと……

「あ、O-No.5276?ごめん、しくじっちゃっ「包帯巻き全裸美少女キタ━━━(゚∀゚)━━━!!」…………はい?」


「ちょ、待って待って!私一応、元男だよ!?」

>今は美少女だ、問題ない!さあ、俺と一つになろう……色んな意味で!

「この馬鹿!やめろ、落ち着け……そうだ!『トンカラトン』、と言え!」

>『トンカラトン!』フフフ……いただきまーす!

「ひ……!」

イヤァァァァァァァァァァァァァァ……………………


その後、完全に「女」にされたO-No.4296は、O-No.5276とコンビを組み「組織」で大活躍したとかしなかったとか。

終わり!
346 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/09(月) 16:14:41.74 ID:CWg8dEQO0
本編がなかなか思いつかないので、取り敢えず誕生だけさせてみましたトンカ裸トンちゃん。
といっても生まれた時からドジっ娘だったわけでもないはずなので理由を考え抜いた結果……御免なさいorz
ちなみに言葉が全部ひらがななのは、あくまで「生まれたて」というのを強調&殴られたショックなので、
出井や紫亜達と出会う頃にはカタカナや漢字も使えるようになってる…………はず。

では、ゲリラ投下失礼しました!
347 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/09(月) 16:32:40.05 ID:CWg8dEQO0
補足:一番上のQ&Aは出井が紫亜に聞いた最初の疑問と返ってきた答えです
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/09(月) 21:23:11.45 ID:Xw7mp9Ss0
だからあれほどダルマにしてからヤれと……
さらば黒服君の性欲は忘れない
乙でした、乙でした
349 :花子様の人達[sage]:2012/01/09(月) 21:57:03.95 ID:BnrJxpc30
おつしたー
言えと言われない時にトンカラトンと言うのもNGって基礎情報すっかり忘れてた・・・。アホの子成分とこう合わせるかと。
あれ、クイズ番組で問題文読んでる途中で自信満々に答えたら
ブブー「〜ですが、この(ry」と問題に続きがあったみたいないやらしさだ

350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/09(月) 22:25:52.82 ID:Xw7mp9Ss0
 ある日、僕の家――金子家――に皇帝が来た。
 それは冗談とか少し早いエイプリルフールとかなんかでは断じて無く、某国の皇位継承権を持つ唯一の少女(とはいっても僕と同じ年な訳だが)が僕の家に転がり込んできたのだ。
 なんでも母方の叔母の旦那の親族らしく色々複雑な経緯の後、日本の一般家庭に匿うことになったそうな。

「お母様!日本のご飯はおいしゅうございます!この焼き鮭なるものはおかわりがございますか!」

「あらあら嬉しいこと言ってくれるじゃない。それならちょっと待ってて、今すぐ焼くわ」

 そんな彼女は無茶苦茶日本に馴染んでいた。
 日本語ペラペラである。なんでも勉強して覚えてきたのだそうだ。勤勉なようで羨ましい。
 僕は早々に朝御飯を食べ終わると勉強道具を(さりげなく彼女の分まで)確認して(足りない物はそれとなく追加してから)から学校に向かう。
 しばらくすると後ろから彼女が追いかけてくる。

「セージ!この私を置いていこうとするとは貴様はなんと冷たいのだ!それでも私の学友か!」

「悪いな、俺はお前と同居人になった覚えはあるが……」

「お前など気やすく呼ぶでない!陛下と呼べと命令したであろう!」

「いやお前お袋にはそんなこと言わねえじゃん」

「お母様は日本における我が母も等しい人である故、そのような真似はできぬ」

「……分かりました、陛下」

「ふふん」

 嬉しそうな顔するな。

「ま、まあ……友人同士で陛下も少々堅苦しかろう、別にクラウディアちゃん、あるいはクリスちゃん、もしくはディアちゃんと呼んでも良い」

「了解致しました陛下」

「だからそれをやめろといっているではないかー!」

 まるで子供みたいで笑ってしまう。
 もう少しからかってやろうと彼女の表情を伺うと何時になく真剣な表情をしている。

「―――――セージ、そのまま少し伏せていろ」

 突然、クラウディアが僕を突き飛ばす。
 すると僕の立っていた場所に真っ白な羽が何本も突き刺さる。

「おや、気づかれましたか……」

 どこから聞こえるのか分からない男の声が辺りに反響する。

「ふむ、不意打ちとは真に匹夫に相応しき戦い方であるな、警備を抜けたところを見ると……貴様も“教会”の手先か!」

「いかにも、ミスクラウディア、貴方には死んでもらう……と言いたいところですが……
 不意打ちも失敗しましたし、ここは“寺院”勢力のテリトリー、逃げることに致します」

「させるとおもうか?」

 クラウディアの右手が紅く、そして毒々しく光り輝く。
 光は爽やかだった朝の風景を一変させて、まるで大火に見舞われた街の如き有様にする。
 
「獣の数字によって与えられる権限に於いて命ずる!」

 凛と響く声、赤光を貫く華々しき美声。

「我に我が敵を屠る力を貸し与え給え!」

 “獣の数字”これこそが彼女が“教会”に追われる所以、幼い頃よりその存在を秘匿されて育てられた所以。
 “獣の数字”は五分間だけ彼女に彼女が望むものを与え、さらに常に彼女の命令を聞く使い魔までも贈与する。
 しかし、それと引き換えに彼女はどうにも碌でもない死に方をする運命にあるそうで……

「ギャアアアアアアアアアアアア!」

 燃え盛る焔の音色と遠くから聞こえる悲鳴の二重奏、どうやら彼女の使い魔が仕事を終えたらしい。

「ふぅ……大丈夫だったかセージ?」

 尻餅をついた僕を心配そうに見下ろす陛下

「なあ、僕を突き飛ばす必要って有ったのか?」

「ば、馬鹿者!もしものことがあったらどうする!」

 お前は私の最初の友達なのだからな、そう言って背中を向けた彼女の顔は紅く染まっていた。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/09(月) 22:32:31.59 ID:Xw7mp9Ss0
ちなみにセージくんハーフです
誠司なんだけどクリスちゃんの発音悪くてセージになってるんじゃなくてマジでセージです
金子セージです
お母さんヨーロッパの方です
お父さんは金子禎司とかそんな名前、多分
お父さんは寺生まれ、セージくんのお兄さんが寺を継ぐ予定なのでセージくんは優雅なものです
352 :プラモデルの人 ◆O7UlIyT0Jc[sage]:2012/01/09(月) 23:04:00.96 ID:CWg8dEQO0
乙ですー!
>“獣の数字”これこそが彼女が“教会”に追われる所以、幼い頃よりその存在を秘匿されて育てられた所以
あれ、もしかして誠司の家、体のいい隠れ蓑じゃ……まあ見つかってますが
一日(?)5分限定とはいえ、願望成就と使い魔の贈与か……碌でもない死に方が気になるけど、かなり強力な都市伝説ですね

>>348
>さらば黒服君の性欲は忘れない
きちんと止めを刺さず先走った結果ですね……結果彼(女)は、O-No.5276と契約し新しい人生を歩む羽目になりました。
ちなみに二人の番号は《O-No.4296→オーノー死にキャラ、No.5276→ゴフナロ→ごふのり→漁夫の利》という下らない言葉遊びだったりします

>>349
>言えと言われない時にトンカラトンと言うのもNGって基礎情報すっかり忘れてた・・・。アホの子成分とこう合わせるかと。
相手がうっかり『トンカラトン』といった瞬間、トンカ裸トンちゃんは本能に従い日本刀で襲い掛かります
その為、いつまでも正解にたどり着けないという……(たまに思い出しても「………んー?」という感じです)

>あれ、クイズ番組で問題文読んでる途中で自信満々に答えたら〜みたいないやらしさだ
まさか問う側が問題文を間違えているなど、誰が予想出来ましょう……【トンカラトン】という都市伝説を知っている者なら尚更です
…………本編に至るまでに数多くの黒服たちの犠牲があったはず…………よくぞ生き延びてきた(違
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/10(火) 10:09:06.79 ID:qQFMkrADO
赤セイバーはドヤ顔可愛いようウワーン
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/10(火) 12:02:18.89 ID:qQFMkrADO
誤爆
355 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/10(火) 14:40:10.68 ID:wMQZa91AO
花子さんとかの人乙ですー
花房くん…いい人なのになんて不憫な

プラモデルの人乙です
裸に包帯って裸より(切られました)
O-No.4296とNo.5276はきっといいコンビになるに違いない

350の方乙です
666のクラウディアちゃんマジ強
「ろくな死に方しない」ってことですが例えば不死系の都市伝説と多重契約したらその心配も要らないのかな?
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)[sage]:2012/01/10(火) 18:55:57.57 ID:Stwetb1G0
>>355
>O-No.4296とNo.5276はきっといいコンビになるに違いない
完全に精神が女の子になったものの、O-No.4296はたまに男だった頃が懐かしくなるそうです
まあ、O-No.5276とは現在も良きパートナー同士ではありますが
357 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/10(火) 21:28:59.56 ID:strVo0FV0
投下された皆様乙です〜

>>311-315
緋色ちゃんも紫ちゃんもかぁいいよハァハァ
僕としては紫ちゃんが好みだなハァハァ
名前が良いよね、虹の両端の色っていうのが
そしてお母さんキター!

>>327-330
紫亜ちゃんマジ紫亜ちゃんハァハァ
ここで「ホッピング婆」がレギュラー化するとはwwwwww
協力関係か…ウヒヒヒ、裂邪と絡む理由が出来たぜ(ぁ
トンカ裸トンちゃんハァハァ(

>>332-335
佳奈美ちゃんかぁいいよハァハァ、繰ちゃんかぁいいよハァハァ
というか皆かぁいいよハァハァ(もういい
三面鏡の人のガールズトークすげぇや、読んでてほわほわする
性欲掻き立てられちゃうわぁ

>>338
こ、怖ぇ……背筋が寒くなったぜ
「隙間女」にそういう使い方があるか…
それより契約者の男の才能がすげぇ、収納と聞いて何故か純ちゃん思い出しちゃったけど(
尼姿の女性は何者なのかしら

>>342
真樹くんカワイソスwwwwww
AAはあんなにハーレムやってるのに(やめれ
そしてこれは龍一くんの未練解消フラグ……
続きもwktkせざるを得ない!

>>344-345
トンカ裸トンちゃんハァハァ(2回目
O-No.4296は自業自得すぎるwwwwwwwうちのレジーヌより酷ぇよwwww
そして末永くお幸せに〜♪
トンカ裸トンちゃんの本編活躍もwktk

>>350
クラウディアちゃんハァハァ(もういい
「獣の数字」強ぇwwww5分限定ってのは良いデメリットね
セージくんにドイツ生まれのローゼとルートと会わせて「ビールに合いそうなお名前ですわね」とか言わせてみたい
ソーセージくんもげろ(
358 :プラモデルの人 ◆siBMmRFba.[sage]:2012/01/10(火) 22:13:25.02 ID:Stwetb1G0
シャドーの人有難うございます!
>>357
>紫亜ちゃんマジ紫亜ちゃんハァハァ
(殺人鬼>よし、そこに直れ!私の手でその首吹っ飛ばしてやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!?         ドゴーン
(婆さん>少しは反省せんか、このバカタレ!

>ここで「ホッピング婆」がレギュラー化するとはwwwwwwwwwwww
すみません、実は当分婆さんの活躍は本編で書かれないと思います(ぉぃ
……紫亜の外伝を進められればあるいは

>協力関係か…ウヒヒヒ、裂邪と絡む理由が出来たぜ(ぁ
そういえば時期的にはシャドーの人の裂邪と同期になるんですよね、うちの紫亜……戦闘力は戦車とママチャリ程に開いていますがorz
(紫亜>「入れた水が媚薬に変わるスプレーのプラモ」など要求されたらどうしましょう……有間君なら出来なくはないんですけど
(出井>……その、紫亜の同期の人って一体……
(婆さん>……比べるのも失礼じゃが、一番近いのはあの馬鹿(気絶中)じゃな。一方通行に近いアレとは違い、向こうは相思相愛のようじゃが

>トンカ裸トンちゃんハァハァ(
カタカナや漢字を使えるようになったものの、相変わらず自転車に乗るのは下手です

>トンカ裸トンちゃんハァハァ(2回目
(トンカ裸>「ん………ありが、とう?」
本編合流までのトンカ裸トンちゃんも書こうかな……

>O-No.4296は〜くお幸せに〜♪
(O-No.5276>はい!絶対に幸せになります!
(O-No.4296>はあ……ま、悪い奴じゃないし別にいっか♪あれで完全に女に成れた気がするし
(実は、O-No.4296の考えは大正解です。詳しくは、後日上げる予定の裏設定にて……)
359 :陛下と僕と獣の数字[sage]:2012/01/10(火) 22:36:42.24 ID:Hcvug3kV0
「あのような心引かれる物語は始めてだ。人が皆己の欲望を素直に受け止めてその為に戦い、結果としてそれが人々の救いになる。
 たとえるならば欲望賛歌、人間の業を堂々と愛するという所信を表明した作品だ。
 皇帝特権を以て命ずる、この話をここで終わらせることは許さぬ」

「え?そうはいってもこの前ので話はお終いで……」

 俺は家で陛下とアニメの話をしていた。
 ちょうど先週最終回を迎えたばかりのアニメで、魔法少女ものと思わせておきながら濃厚な昼ドラ展開や、
 戦闘シーンの作画の気合の入り方が一部で話題になっていた作品だったのだ。
 主人公のライバルが主人公が幼い頃にどこかに消えた父親の愛人かつ弟子とは思わなかった。
 ラストなんかも世のため人のために戦うラスボスを主人公が
 それは理想論であり日常を生きる街の人々にとって迷惑な上に違法だからどんな正義をかかげた所で認められる訳ないだろう
 と論破して殴り倒すなんていう展開で見ていて大変清々しかった。

「郵便でーす!」

「あ、今月の雑誌来たかな?」

 やってきたのは定期購読しているアニメ雑誌。クラウディアさんお気に入りである。
 その表紙にはデカデカと例のアニメの第二期決定と書いてあった。

「おおおおおおおおおおお!見よセージ!だから言ったではないか!余の言う通りこの物語は終わらせるべきではないのだ!」

「馬鹿な……」

 能力でも使ったのかこいつは

「む、なんだ。余を疑っているのか」

「当たり前だろう、お前の能力を使えば何でも願いが叶うんだから」

「馬鹿を言うな、この能力は五分間だけ余にありとあらゆる能力を与えるだけだ。願いを叶えるのは能力を与えられた余自身であるのだぞ?
 五分でアニメの第二期を決定させられてたまるか」

 本当にこいつ日本に馴染んでやがる……。
 
「さて、今日は日曜日だ。お母様が葱がないと仰っていたな」

「だからどうした」

「買いに行く、ついて参れ」

「嫌だといっても」

「連れて行く」

「ですよねー」

「セージは友である私と買い物に行くのが嫌なのか?」

 甘えた目付きでこっちを見つめる陛下。
 ハハッ、こんな可愛い女の子に頼まれたら断れるわけ無いじゃないか。
 いや普段はなんつーの?無気力系で?ちょっとオタク入ってて?冷めたキャラしてますけどね?
 女の子一人に買い物行かせるほどダメ人間じゃないっすよ?荷物持ちをしてやる程度のジェントルマンシップは見についてますから

「はぁ……そんな訳ないだろう?ほら、どうせ用意に時間がかかるんだろう?
 お袋に他に買ってくるもの無いか聞いてくるからさっさと支度してきな」

「セージ!お前は本当に気が利くな!皇位を継いだ暁には余“自身”の第一の家臣にしてやろう!」

 適当な生返事を返して俺は部屋を出た。

「おふくろー?」

 母を探しに自宅に併設された寺の庭に向かう。
 俺の予想通り彼女はそこで掃除をしていた。今日は見慣れない外国人も一緒だった。
 
「おや、貴方がセージくんですね?」

 母と同郷の人だろうか?

「え、ああええっと、はい、金子セージです」

 背の高い男、金髪碧眼眉目秀麗、黒い服のあちこちに金のアクセサリで飾ってるのにそれがちっとも嫌味に見えない。
 
「あらセージどうしたの?」

 クラウディアが買い物に行こうとしている。
 自分もついていくから買ってきて欲しいものは無いか、俺はそう尋ねた。
 その瞬間、その黄金の男はにやりと笑ったような気がした。
360 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/10(火) 22:39:25.67 ID:strVo0FV0
>>358
>すみません、実は当分婆さんの活躍は本編で書かれないと思います(ぉぃ
にゃん…だとwww
まぁ仮契約だとそれくらいは仕方ないよね!(

>そういえば時期的にはシャドーの人の裂邪と同期になるんですよね、うちの紫亜……戦闘力は戦車とママチャリ程に開いていますがorz
(シェイド>マァ、契約シタ時期モ違ウカラ仕方ナカロウ。裂邪ガ私ト契約シタノハ8年前ダカラナ
(裂邪>早いもんだな、時が経つのは
(ナユタ>待ちたまえ、君は8年だろうが僕はまだ1年経っていないのだが?

>(紫亜>「入れた水が媚薬に変わるスプレーのプラモ」など要求されたらどうしましょう……有間君なら出来なくはないんですけど
(裂邪>…俺を何だと思ってるんだ
(理夢>いや、そう思われても仕方ねぇだろテメェの場合
(裂邪>薬なんて使わなくともミナワは元々感じやすいし
(ミナワ>や、やだっ、ここここんなところでそんなこと堂々と言わないで下さいよぉ!///

>(トンカ裸>「ん………ありが、とう?」
グハァ(萌え死にました
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/10(火) 22:39:34.57 ID:Hcvug3kV0
台詞入れるとあっという間に吹き飛んでいくスペース
クラウディアちゃんは最近赤セイバーにハマっている作者の趣味の産物です
どうせだし今まで出した悪役全部こいつらにぶっとばさせるか
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/10(火) 22:42:57.61 ID:Hcvug3kV0
>>357
金子セージってのは実はネロ帝の家庭教師であるストア派の哲学者セネカのアナグラムだったりします
お父さんの金子禎司はTの字でTさん意識してるけど出番はきっと無い
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/10(火) 22:48:53.52 ID:Hcvug3kV0
sage忘れてたでござる
セージくんは戦闘能力有ることにしようか無いことにしようか迷うところだ
364 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/10(火) 22:58:31.55 ID:strVo0FV0
うっぷす、1レスでなければ被るところだった申し訳ないですorz

笛の人乙です〜
っちょ、そのアニメってシルバームーンかwwwww
てか第2期ってリアルですか(ワクワク
そしてこの男は……あいつか……!

>>362
>金子セージってのは実はネロ帝の家庭教師であるストア派の哲学者セネカのアナグラムだったりします
そうだったのかwww

>>363
>セージくんは戦闘能力有ることにしようか無いことにしようか迷うところだ
笛の人の男性キャラは大体戦闘能力あるので、逆に無しにしてみては如何でしょう(ぇ
365 :プラモデルの人 ◆siBMmRFba.[sage]:2012/01/10(火) 23:10:05.56 ID:Stwetb1G0
>>359
>この能力は五分間だけ余にありとあらゆる能力を与えるだけだ。願いを叶えるのは能力を与えられた余自身であるのだぞ?
(出井>【製作する人たちの脳に『このアニメの二期を作らねば』とテレパシーで暗示をかけられる力が欲しい】とすればいいんじゃないか?

>その瞬間、その黄金の男はにやりと笑ったような気がした。
逃げてーどう見ても敵だからクラウディアちゃん逃げてー



笛の人乙でした!
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/10(火) 23:20:56.13 ID:Hcvug3kV0
>>364
なしにしちゃうか
それもまた……面白そうだ
>>365
できなくもないがレベルが足りないでござる
今の獣の数字はA〜Eのランクで言うとBくらいだからなあ
ランクAまで行くと超能力も自由自在
今は物理的に可能な範囲のことまでしか……
367 :プラモデルの外伝 ◆siBMmRFba.[saga]:2012/01/11(水) 01:51:45.07 ID:AUcYGfIQ0
Q:あの子、そんなにやばい奴だったのか?
A:酷い言い方かもしれませんが……見た目に騙されちゃ駄目です。あの子もまた、【      】なんですから……

―――2011年・学校町某学校の校庭にて―――

草木も眠る丑三つ時。
生徒はおろか先生方も皆帰宅した学校は、どことなく不気味な印象を受ける。
そんな夜の学校で、どこからかポーンポーンと音がしている。
よく目を凝らして見てみると、校庭で一人の生徒がボールを蹴っている。
何故こんな夜更けに?と不思議に思いながらも話しかけようと近づいて……ようやく気がつくのだ。
その女子生徒には頭が無くて。蹴っていたそれはボールではなく……彼女自身の頭部なのだという事に。

その正体は、夜の校庭に出現する都市伝説【深夜のサッカー部員】である。

サッカー少女は後ろの気配に気がつくと、首から上だけでニヤッと笑う。
そして片足を振り上げ、哀れな目撃者を殺すため……自らの頭による殺人シュートを放った。
人間の目では追いきれないほどの勢いで放たれた頭部が、そのまま目撃者へと一直線に迫り――――――


――――――目撃者が抱えていた『日本刀』により、まっぷたつに切り捨てられた。


「………ちょっと、びっくり、した」

何が起こったかわからない……そんな感じに固まっていたサッカー少女だったが、目撃者の一言でハッと我に帰ったかのように動き出す。
まったく予想だにしてなかった展開に、思わずじりじりと後退りをするサッカー少女(胴体のみ)。
その時、雲の切れ間から溢れた月光が、一瞬だけその「目撃者」の姿を映し出した。

「………とん…とん…とんから、ぱん………?」

包帯に包まれた裸体、胸元に抱かれた日本刀、傍の木に立てかけられた自転車……もう、誰だかおわかりだろう。

「………いいや。とんからぱん、と……言えー」

そう。この前生まれたトンカラトンこと、【トンカ裸トン】ちゃんその人である。
……まあ、言えと言われても頭が潰された以上、返事のしようがないわけで。

『お前!よくもあたしの頭を…………蹴り殺、ぎゃんっ!』

まるでそう言ってるかの様な勢いで襲いかかってきたサッカー少女は、トンカ裸トンちゃんに改めて切り捨てられたのだった。


「………とん…とん…とんから、ぺん………?とん…とん…とんから、ぽん………?」

フラフラと危なっかしい運転をしつつ、学校を後にするトンカ裸トンちゃん。
その後ろで、倒れ付したサッカー少女の腰先まで……既に、包帯が巻きついていた。

【本日の戦い:居合切りにてトンカ裸トンちゃんの勝ち】
終わり
368 :プラモデルの外伝 ◆siBMmRFba.[sage]:2012/01/11(水) 02:05:08.20 ID:AUcYGfIQ0
おまけ

「お、あれが学校に住み着いたというトンカラトンか……なぁ!?」

『うぅ、何で私がこんな目に……はっ、あの包帯女は!』←頭がないトンカラトンを想像してください

「……こいつ、もしかして元・都市伝説か?頭が無くて、深夜の校庭に出るといえば……ってうぉっ!」

『よくノコノコと顔を見せられたものだ……![ピーーー]ぇ、トンカラトン!』

「ちょ、なんだよこの殺気!?お、O-No.5276!目標を発見した、すぐ援護を頼むって危なっ!」

『逃げるなあああアアアアアアアアアアアア!!』


終わり!
369 :陛下と僕と獣の数字[sage]:2012/01/11(水) 10:28:12.17 ID:efnQ9Maf0

「はぁ……」

「セージ、お母さんこの人とお父さんとでお話するから少しクラウディアちゃんと寺を開けてくれる?」

「オヤジ……じゃなくて父さん帰ってきてるの?兄ちゃんは?」

「今だとお父さんの代わりに葬式行ってるんじゃないかしら」
 とりあえず葱と卵と牛乳と海苔と鶏むね肉と猫缶(安い奴)とシチューの素と単二電池買ってきておいて
 これお金、お釣りは好きに使いなさい」

「あ、セージくん」

「なんですか?」

「今この街ではタチの悪い都市伝説がウロウロしている。気をつけるといいでしょう」

「は、はぁ……」

「貴方男の子なんだからクラウディアちゃんを守ってあげなさいよ?」

「解ってるよ母さん」

 今度こそお金をもらって家に戻る。
 クラウディアが白いフリルと赤い薔薇のワッペンの付いたカーディガンと押さえ気味な赤色のスカートを来て待っていた。
 彼女の美的センスは良く分からない。
 とりあえず紅くなくては駄目らしい。

「遅いぞセージ!この私を待たせるとは何事だ!このツケは高くつくぞ!
 そうだな、さしあたっては私にあのソフトクリームとやらをまた食べさせるのは必須だな」

「いやなんかお前の国の人に会ってな、金ピカな伯爵だったけど……」

「おお、サンジェルミか。奴も心配性だな、私は心配ないといっておるのに」

 うわ、通じた。
 いつも金ピカなんだあの人。

「そういえばあの人が危険な都市伝説がウロウロしてるから気を付けろって……」

 そこまで言いかけて僕は自分がミスをしたことに気がついた。
 我が庭で狼藉を働く輩が居るとな!?それは我が手を以て誅伐するしかあるまい!と彼女は意気揚々と駆け出していった。
370 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 22:15:56.89 ID:9fSAURMd0
お二方乙です〜



避難所表示されなくなったんだけど、俺だけか?
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/11(水) 22:21:18.47 ID:HC/SRuUS0
乙〜!

避難所、俺もつながらないな
372 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 22:22:48.19 ID:9fSAURMd0
>>367-368
どんどん仲間(?)が増えるトンカ裸トンちゃん
サッカー少女も何か可哀想www

>>369
あぁ、やっぱりサンジェル……ミ?
いやきっと偽名に違いない
373 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 22:27:53.23 ID:9fSAURMd0
>>371
北海道でダメなら全国規模と考えて良いかな…
スマホでもダメだったから携帯も不通らしい
メンテか何かかしら
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/11(水) 22:33:24.43 ID:efnQ9Maf0
皆様乙でした
つながんねえわ
マジつながんねえ
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/11(水) 22:41:06.31 ID:HC/SRuUS0
他のしたらば系掲示板にもつながらないっぽいんで、したらばサーバーが全体的に落ちてるのかも
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/11(水) 22:42:07.31 ID:HC/SRuUS0
…ところで、今家族がベストハウス見ててですね、壮絶浮気現場修羅場ってのをやってましてね
ちょうど、母親が娘の彼氏奪って、そこに父親まで帰ってきてど修羅場ってシーンになってまして
何故か脳裏に思い浮かんだのが上田だったので笛の人に土下座してくるorz
377 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 22:44:23.47 ID:9fSAURMd0
>>375
了解ですの、復旧までこっちで待機かな


久々に本スレで雑談ができそうな
378 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 22:45:46.30 ID:9fSAURMd0
>>376
>ちょうど、母親が娘の彼氏奪って、そこに父親まで帰ってきてど修羅場ってシーンになってまして
確かに上田ならありそうwwwwww(血だらけになりました
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/11(水) 22:47:31.05 ID:HC/SRuUS0
>>378
ちなみにその番組では、興奮しすぎた父親が心臓発作起こしてたんで、「あ、上田ならこれはねーわ」って思ったんでさらに土下座であるorz

しっかし、浮気現場を突き止めてそれを報告して本人たちの前でも暴露とか、アメリカのテレビ番組すげーな
380 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 22:53:40.67 ID:9fSAURMd0
>>379
>ちなみにその番組では、興奮しすぎた父親が心臓発作起こしてたんで、「あ、上田ならこれはねーわ」って思ったんでさらに土下座であるorz
あー、上田なら彼氏と乱闘するか気が合っちゃうかだよなぁ、と勝手な妄想

>しっかし、浮気現場を突き止めてそれを報告して本人たちの前でも暴露とか、アメリカのテレビ番組すげーな
世界って凄いよね
イギリスだったか、韓国車をボロクソに貶してる番組があったような
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/11(水) 22:58:32.62 ID:HC/SRuUS0
>>380
>あー、上田なら彼氏と乱闘するか気が合っちゃうかだよなぁ、と勝手な妄想
あぁ、ありそうだwwww(上田に失礼

>世界って凄いよね
まったくだぜ
ど修羅場に陥っているシーンも、一方が拳銃持ち出して立てこもり自殺を図ろうとしても、一方が自暴自棄になってビルから飛び降りようとしても、全部カメラに収めてるんだからな
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/11(水) 23:03:09.61 ID:efnQ9Maf0
ちょっとほっこりしちゃったじゃねえかwwwwwwwwwwwwwwww
まあ、あれだ
上田は多分彼方になら寝取らせてやってもいいかなあぐらいには思ってる
ソレ以外だと全力で行くな、うん
茜さんふわふわしててそこらへん結構危ないし
383 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 23:03:16.84 ID:9fSAURMd0
>>381
>あぁ、ありそうだwwww(上田に失礼
というか浮気問題になりそうなキャラが上田家しか思い当たらないってのも不思議なものでwww
大体鴛鴦夫婦やってそうだもんなぁ、龍一×在処とか宏也×佳奈美とかとかとか
そういう意味では笛の人やっぱすげぇよ

>ど修羅場に陥っているシーンも、一方が拳銃持ち出して立てこもり自殺を図ろうとしても、一方が自暴自棄になってビルから飛び降りようとしても、全部カメラに収めてるんだからな
色んな意味で人間の恐ろしさが分かるwww
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/11(水) 23:03:50.73 ID:efnQ9Maf0
陛下とセージくんが見てる素敵アニメ「続・殺戮の魔法少女ミラクル☆サクヤ」

設定
十三人の選ばれし魔法少女が魔法界の至宝たる魔道具「バビロンの門」を手に入れる為に戦うよ!
十三人にはそれぞれ星座を模したゾディアックコンダクターが与えられていて魔法少女達に本来の能力以上の力を与えているよ!
参加のためにはコンダクターで契約した魔翌力を帯びた生物をマスコットにしなくてはいけないよ!
コンダクターの破壊かマスコットの死亡か本人の死亡で敗退だよ!
魔法少女といっても魔法使いの世界から来た両親共に魔法使いの純血の魔法使いと、人間が魔法使いになったパターンがあるよ!
魔法使い協会少女部門によって百位まで階梯が決められているよ

だから決闘前に名乗る時は
「協会認定魔法少女階梯第十三位“朝月”サクヤ!またの名を魔法少女シルバームーン☆」(格好いいポーズ)
みたくなります

ちなみに
「協会認定魔法少女階梯第二位“無銘(ナノルナヲモタズ)”、人は私を流星少女メイデンメテオールと呼ぶ」(ジョジョ立ち)
とか

ほかにも
「協会認定魔法少女階梯番外“明日”香!魔名は自由と平和と時の使者プリティキャストよ!」(きゃるーん♪)
とか

そして
「協会認定魔法少女階梯第一位“レイモンド”橙、弾けるレモンの香り!キューティーレモネード……ゴルァ!考えた奴表でろ!」
なんてのもあります

385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/11(水) 23:04:47.34 ID:efnQ9Maf0
あらすじ
学校町に降り立つ蝙蝠を従えた一人の少女の影
彼女は朝月サクヤ、この度この町で開かれる「バビロンの門」を巡る戦争に招かれた摩羯宮(カプリコーン)の魔法少女
正義の魔法少女を志す彼女は失踪した父親を探すことと正義を貫く力を得るために戦争に参加した
至って平凡な少年である天野スバルを獅子宮(レオ)の魔法少女に襲われているところから助けて寝床を確保した彼女は彼の小学校に転入
マジカルアイテムでどたばた騒ぎを起こしながらもなんだかんだで学校に馴染んでいく(※ここまで第三話)

しかしある日、突如現れた処女宮(ヴァーゴ)の魔法少女“霧雲ミゾレ”がスバルを誘拐してしまう
助けに行くサクヤ、しかし彼女の前にミゾレが仕掛けたマジカル近代兵器が立ちふさがる
クレイモア地雷や機関銃掃射を回避しながらも廃工場に進むとそこにはミゾレが待っていた
驚くべきことにミゾレは同じような方法で既に魔法少女の三分の一を狩っていた
魔法使いの誇りは無いのかと問い詰めるサクヤ
そんなものは無いとサクヤの主張を一笑に付すミゾレ
彼女はサクヤとは違う人間から魔法使いになった魔法少女
とある魔術師によって意識不明で目が覚めないようにされた彼女の家族を救うためにこの戦争に参加していたのだ
二人の対決が不可避になったかと思われたその時、今回の戦争で最強の魔法少女と目される天秤宮(リブラ)の魔法少女“橙レイモン”が乱入してくる。
前々から厄介に思っていた二人を同時に潰そうと襲いかかるレイモン
絶体絶命のピンチを前にスバルの身柄の安全の保証を条件に二人は渋々手を組むことになる
なんとか危地を脱した二人は互いに次こそ仕留めると誓いあってその日は別れるのであった(※ここまで第五話)

戦争が本格化してからしばらく、残りの魔法少女は既に半分
彼女がスバルと通う小学校が巨蟹宮(キャンサー)の魔法少女によって攻撃される
絶体絶命の危機、しかし摩羯宮のコンダクターから与えられた新たな力“魔女式華麗装甲(マジックアームズ)”によって逆転勝利をする
調査の必要性や武装の不備を実感して実家に礼装を送り届けるように連絡するサクヤ
そして様々な魔法少女についてのの調査を進める中でサクヤはミゾレの抱える事情を知ってしまう
しかしそれはミゾレと契約するマスコットキャラ“魔法使い上田アキナリ”の罠だった
そう、ミゾレは“魔翌力を帯びた生物”というルールの間隙を利用して“魔法使い”と契約していたのだ
(ちなみにカモフラージュの為に普段はオコジョに変身してミゾレの胸の隙間に隠れてました)
アキナリはミゾレの懇願も無視してサクヤに無情の一撃を加える
彼女を庇ってバットンを失い敗北するサクヤ
何故かミゾレとアキナリは彼女にトドメを刺さずにその場を去るのであった(※ここまでで第九話)

ミゾレの過去に背負うものに打ちのめされ、またコンダクターも失ってサクヤは戦争に敗北した
しかし、ここでミゾレが町から出ようとする彼女に人馬宮(サジタリウス)のコンダクターを渡す
マスコットには実家から送られてきた人格を持った魔術礼装“魔弓・零式(ネームレスワン)”を使用してサクヤは戦争に復帰する
天秤宮(リブラ)のレイモンと獅子宮(レオ)の明日晶に挟撃されて窮地に陥っていたミゾレを助け二人を撃破、彼女はアキナリに宣戦布告をする
本来魔法少女が扱えるレベルを大きく超えた魔弓を駆るサクヤ、そしてルールの隙をついて魔法少女百人分の魔翌力を得た状態でアキナリに操られているミゾレ
壮絶な戦い、その中でアキナリは自らがサクヤの父でありミゾレの仇であることを明かす
彼は「バビロンの門」を手に入れ、世界中の不幸な人々を救うために戦っていたのだ
彼がサクヤを見捨てて彼女の家を出たのは彼なりの正義を求めてのことだったのだ
しかしその為にサクヤの人生をズタズタにしたことをサクヤは許せる訳もない
ミゾレがアキナリに反抗した一瞬の隙を突いてサクヤの必殺技「魔弾・月光花(コノハナサクヤ)」が直撃
こうして戦争の勝者はサクヤに決まった
奇跡は誰も救わない
人間に救えるのは目の前の人間だけ
だからサクヤはバビロンの門を破壊しミゾレと自らとスバルでなんだかんだで幸せな家族生活を始めるのであったとさ
めでたしめでたし
おいスバルてめえ爆発しろ
386 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 23:05:12.81 ID:9fSAURMd0
>>382
>ソレ以外だと全力で行くな、うん
意外な回答が来たz(歴史は繰り返す

>茜さんふわふわしててそこらへん結構危ないし
俺もそこが不安ですwww
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/11(水) 23:06:11.18 ID:efnQ9Maf0
以上全十三話の魔法少女物語
中立中庸の上田が善に傾くとこれだけ迷惑な存在になります
悪に傾くと今みたいな感じ

しかも都市伝説と関係ない!
スバルくん最後まで活躍しない!
どっかでアニメ化してくれませんかね
388 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 23:09:31.79 ID:9fSAURMd0
これだけ言いたい

>しかしある日、突如現れた処女宮(ヴァーゴ)の魔法少女“霧雲ミゾレ”がスバルを誘拐してしまう
絶対処女じゃないだろwwwwwwww
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/11(水) 23:13:22.51 ID:HC/SRuUS0
>>383
>色んな意味で人間の恐ろしさが分かるwww
人気番組らしいぜ
まぁ、俺達もベストハウスで一部放送していたのをうっかり見てたけどな!!
モザイクでまくりだったぜ!(裸とかいやんばかんあっはん的な意味で)

>>384-385
くっそ、どこから突っ込めばいいんだwwwwwwwww
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/11(水) 23:17:13.39 ID:S1PF+lHDO
>>386
ちゅーか彼女は自分が女性だと言う意識が低い
まあもともと無生物に近いし、無意識のうちに上田の求める女性像が投影されただけの姿だし
男バージョンもあるのよ
じつは

非処女宮ですが何か
このネタの為に乙女座は開けた
>>389
まあ、あれっすね
とりあえず龍騎とフォーゼかよwwwwwwwwwwから始まり
非処女宮wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwとか
晶さんじゅうななさいwwwwwwwwww
とかいかがかと
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/11(水) 23:21:28.62 ID:HC/SRuUS0
つーか寒い!ガチで寒い!!
冬将軍絶好調ですね!!!
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/11(水) 23:22:51.56 ID:S1PF+lHDO
ドラマCDではサクヤが霙に「この非処女宮!」とかやらかすシーン入るよ
あと語られなかったほかの星座の少女の話とか
393 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 23:24:47.59 ID:9fSAURMd0
>>389
>モザイクでまくりだったぜ!(裸とかいやんばかんあっはん的な意味で)
人気の理由はそこだな!(違

>>390
>まあもともと無生物に近いし、無意識のうちに上田の求める女性像が投影されただけの姿だし
それもそうか……うちの弟の「恐怖の大王」と似た立場だな

>このネタの為に乙女座は開けた
作中でもネタにされてるんだろうかwww

>晶さんじゅうななさいwwwwwwwwww
今気づいたわ、何で晶さんいるんすかwwwwwwww

あとレモンちゃん、何で名乗りがキュアレモネードwwww
394 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 23:25:23.46 ID:9fSAURMd0
あ、避難所つながったよー
395 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/11(水) 23:28:35.73 ID:9fSAURMd0
>>391
>つーか寒い!ガチで寒い!!
北海道には到底及びませんが、本州における南国も寒いです…
ただいまミノムシ状態

>>392
>ドラマCDではサクヤが霙に「この非処女宮!」とかやらかすシーン入るよ
やっぱりあるんだwwwwwww
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/11(水) 23:32:00.37 ID:S1PF+lHDO
>>393
この作品でネタ化してないのなんて上田とサクヤだけですよ
晶さんは第一話から少女(笑)だし
レモンは王道の魔法少女だし
悪の魔法使いを取り締まる上田の姿を見て正義に憧れたサクヤちゃんとかシリアス
殺した悪人にも家族がいる事実に耐えられなくなってミゾレを拾って逃げた上田とかシリアス
上田の話のリライト版を練り直したもんだったりする
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/12(木) 08:59:58.21 ID:mkV8+i8DO
豪快に都市伝説と関係ないけど「続・殺戮の魔法少女ミラクル☆サクヤ」を書きたいと思いましたまる
時間できたらいっそスレ立てようか
398 :プラモデルの外伝 ◆siBMmRFba.[sage]:2012/01/12(木) 10:14:08.15 ID:PBfVEbx50
………どうしよう、初めて魔法少女ものに興味がわいてしまったorz
399 :プラモデルの外伝 ◆siBMmRFba.[sage]:2012/01/12(木) 10:33:20.65 ID:PBfVEbx50
>>372
>サッカー少女も何か可哀想wwwwww
実はかなり戦闘力高いんです、このトンカ裸トンちゃん。本能にまかせてる分、剣に迷いがないので。
……大抵の都市伝説なら、素でも返り討ちにできるほどなんですが。
400 :プラモデルの外伝 ◆siBMmRFba.[sage]:2012/01/12(木) 10:35:52.50 ID:PBfVEbx50
追記:元サッカー少女はO-No.5276によって保護(?)されました(ぉぃ
401 :マナーモードの笛[sage]:2012/01/12(木) 15:38:59.07 ID:mkV8+i8DO
また漁夫の利だと…
令呪をもって命ずる、爆発せよ5276
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)[sage]:2012/01/12(木) 17:08:38.78 ID:PBfVEbx50
>>401
>また漁夫の利だと…
O-No.5276の名誉のために言っておきますが、普段の彼は子トンカラトンを元に戻しているだけの良い人です。
ただ今回はサッカー少女自身が望んだため仕方なく連れ帰り→妻と眠る彼女に欲情→愛人一号と…………。

うん、やっぱり爆発してもいいかもしれない(こら
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/12(木) 17:26:35.47 ID:mkV8+i8DO
ねとられと言えば気になる男子を祖母に持ってかれたサクヤちゃん
笛世界の魔法少女は魔女の進化前です
>>402
でしょう?
さあ、次は爆発させる話を書くのです
そこから復活してこそのヒーロー、主人公です
404 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/12(木) 17:57:34.44 ID:PBfVEbx50
>>403
すいません、一応主人公ではないので……今後も増えると思いますし(ぉぃ
ただちょっとお級は据えるべきかなと思い始めたのも事実です。出井とは違って、自覚して喰ってますし……

では、18:30頃【鎧武者編】突入です。
405 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/12(木) 18:39:23.08 ID:PBfVEbx50
Q:自転車に乗ってるのって、なんか意味あるのか?
A:移動が楽、とかかな?武将だって、馬に乗って突撃するし……


―――2011年12月1日・学校町のとある路地にて―――


草木も眠る丑三つ時。

「………とんからぼん、と言えー」

>『トンカラトン!』……な、馬鹿な……うわああぁぁぁぁ…………

今日も今日とて、「組織」から派遣された黒服を返り討ちにした【トンカ裸トン】ちゃん。
最近はよく似た人間ばかり、なんて考えつつその場を立ち去ろうとして………その足が、ピタリと止まった。


「………誰」

「気づいていたか……流石は巷で噂になっている都市伝説よ。先程も見事な手際であった」

「…………」

「一切の反撃を許す事無く、一瞬で勝負を決める剣の腕……都市伝説としての己の特徴を逆手にとり、敵を罠に嵌める頭の切れ……」

「………?」

「うむ、まさに我が相手として不足なし。明日『○○びる』とやらの廃墟前にて、お主と手合わせ願いたいのだが」

「ん……(コクリ)」

「快い返事、感謝する。申し遅れた、拙者は………」

そう言いつつ壁の向こうから現れたのは、栗毛の馬に乗った鎧武者姿の男。そして……その背には、いくつもの矢が突き刺さっていた。

「………都市伝説、【鎧武者】と申す」


そして次の日、まだ太陽も昇らぬ時間。
廃墟を挟むように二つの人影が向かい合うように立っていた。
騎馬の上に誇った鎧武者と、自転車に跨ったトンカ裸トンちゃんである。お互い片手に日本刀を構え、その場から一歩も動かない。
やがて空がうっすら明るくなり、太陽が顔をのぞかせた瞬間……二人はほぼ同じタイミングで、相手に向かって駆け出した!

「ゆくぞ【トンカラトン】!いざ、尋常に勝負っ!」ダッ!

「………!おまえ………敵!」ザッ!

406 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/12(木) 18:40:23.34 ID:PBfVEbx50


―――ここで一つ思い出して欲しい。
生前から愛馬と共に戦場を駆け抜けていた鎧武者の方……ではもちろん無く。
生まれてから数週間たつトンカ裸トンちゃんが未だに自転車を自由に乗りこなせておらず、
まして今は片手に日本刀を持っており、バランスが大変悪い状態であるという事。
さらに言えばこの日の地面は雪と冷気で凍っており、非常に滑りやすくなっていた。

―――結果。トンカ裸トンちゃんの自転車は騎馬とすれ違う直前でスリップし、ほぼ横倒しのまま突っ込んだ。

「…ッ!」サッ

「な、消えた!?うおぉっ!」ヒヒーン!……ドシャァッ

勝敗を分けたのも、やはり慣れの違いだった。

日頃から転び慣れているトンカ裸トンちゃんは、本能モードだった事もあり素早く回避。体勢をすぐに立て直す事が出来た。
一方鎧武者の方は、自転車に騎馬が足を取られ転倒。本人も落馬し、地面を無様に転がってしまう。
それでも何とか起き上がろうと地面に刀をつき、顔を上げた鎧武者だったが…………

「ああ、これが」

目の前で刀を振りかぶるトンカ裸トンちゃん。彼女を見上げる鎧武者は、まるで何かが満たされたかの様に―――

「これが……………………敗北か」

―――笑みを浮かべながら、切り捨てられた。


「………」

日本刀を背負い直し、自転車を起こそうとしたトンカ裸トンちゃんだったが……ふと、鎧武者の方を見た。

「………わらっ、てた………切られるのに、わらってた」

不思議だった。今まで自分が切ってきた相手は、いずれも泣くか……憎しみに満ちた顔をしていたから。
ふと彼の足元に目をやると、どこからか出てきた包帯が巻き付きつつあるところだった。

「………」


しばらく経って、その場を自転車に乗って立ち去ったトンカ裸トンちゃん。
その後ろで倒れた武者の横には―――脱がされた鎧と、背中に刺さった矢が置いてあった。


【本日の戦い:袈裟斬りにてトンカ裸トンちゃんの勝ち】
終わり
407 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/12(木) 18:41:29.34 ID:PBfVEbx50
おまけ

「……じゃあ、元に戻る気はないと言う事か?」

「元々拙者は「首塚」に入り、将門様に仕えようと思っておってな。手土産に最近名の売れてきた『彼女』の首を手土産にと……」

「で、見事に返り討ちにあったわけだ……あたし同様に」

「お主もか……このような醜態を晒した以上、将門様にのこのこお目通りも出来まい。だがお主らについて行けば」

「自分を負かし、なおかつ生かした『彼女』にお礼が言えると。別に私達は構わないけど……はぁ、またか」

「まただね……はぁ」

「………?」


【その日の夜】

「あー……やっぱり?」※ドアの前

「うん……仕方ないとはいえ、なあ」※ドアの前


>大丈夫、俺は絶対お前を裏切らない……だから……

>あぁ……ぬし、さまぁ……もっと……もっとぉ……


「「…………はぁ」」



終われ!
408 :>>405訂正 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/12(木) 18:57:24.48 ID:PBfVEbx50
Q:自転車に乗ってるのって、なんか意味あるのか?
A:移動が楽、とかかな?武将だって、馬に乗って突撃するし……


―――2011年12月1日・学校町のとある路地にて―――


草木も眠る丑三つ時。

「………とんからぼん、と言えー」

>『トンカラトン!』……な、馬鹿な……うわああぁぁぁぁ…………

今日も今日とて、「組織」から派遣された黒服を返り討ちにした【トンカ裸トン】ちゃん。
最近はよく似た人間ばかり、なんて考えつつその場を立ち去ろうとして………その足が、ピタリと止まった。


「………誰」

「気づいていたか……流石は巷で噂になっている都市伝説よ。先程も見事な手際であった」

「…………」

「一切の反撃を許す事無く、一瞬で勝負を決める剣の腕……都市伝説としての己の特徴を逆手にとり、敵を罠に嵌める頭の切れ……」

「………?」

「うむ、まさに我が相手として不足なし。明日『○○びる』とやらの廃墟前にて、お主と手合わせ願いたいのだが」

「ん……(コクリ)」

「快い返事、感謝する。申し遅れた、拙者は………」

そう言いつつ壁の向こうから現れたのは、栗毛の馬に乗った鎧武者姿の人物。
ごつい見かけとは裏腹に、その声から『女性』だとわかる。そして……その背には、いくつもの矢が突き刺さっていた。

「………都市伝説、【鎧武者】と申す」


そして次の日、まだ太陽も昇らぬ時間。
廃墟を挟むように二つの人影が向かい合うように立っていた。
騎馬の上に誇った鎧武者と、自転車に跨ったトンカ裸トンちゃんである。お互い片手に日本刀を構え、その場から一歩も動かない。
やがて空がうっすら明るくなり、太陽が顔をのぞかせた瞬間……二人はほぼ同じタイミングで、相手に向かって駆け出した!

「ゆくぞ【トンカラトン】!いざ、尋常に勝負っ!」ダッ!

「………!おまえ………敵!」ザッ!


409 :>>406も一部訂正 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/12(木) 18:59:22.56 ID:PBfVEbx50


―――ここで一つ思い出して欲しい。
生前から愛馬と共に戦場を駆け抜けていた鎧武者の方……ではもちろん無く。
生まれてから数週間たつトンカ裸トンちゃんが未だに自転車を自由に乗りこなせておらず、
まして今は片手に日本刀を持っており、バランスが大変悪い状態であるという事。
さらに言えばこの日の地面は雪と冷気で凍っており、非常に滑りやすくなっていた。

―――結果。トンカ裸トンちゃんの自転車は騎馬とすれ違う直前でスリップし、ほぼ横倒しのまま突っ込んだ。

「…ッ!」サッ

「な、消えた!?うおぉっ!」ヒヒーン!……ドシャァッ

勝敗を分けたのも、やはり慣れの違いだった。

日頃から転び慣れているトンカ裸トンちゃんは、本能モードだった事もあり素早く回避。体勢をすぐに立て直す事が出来た。
一方鎧武者の方は、自転車に騎馬が足を取られ転倒。本人も落馬し、地面を無様に転がってしまう。
それでも何とか起き上がろうと地面に刀をつき、顔を上げた鎧武者だったが…………

「ああ、これが」

目の前で刀を振りかぶるトンカ裸トンちゃん。彼女を見上げる鎧武者は、まるで何かが満たされたかの様に―――

「これが……………………敗北か」

―――笑みを浮かべながら、切り捨てられた。


「………」

日本刀を背負い直し、自転車を起こそうとしたトンカ裸トンちゃんだったが……ふと、鎧武者の方を見た。

「………わらっ、てた………切られるのに、わらってた」

不思議だった。今まで自分が切ってきた相手は、いずれも泣くか……憎しみに満ちた顔をしていたから。
ふと彼女の足元に目をやると、どこからか出てきた包帯が巻き付きつつあるところだった。

「………」


しばらく経って、その場を自転車に乗って立ち去ったトンカ裸トンちゃん。
その後ろで倒れた武者の横には―――脱がされた鎧と、彼女の背中に刺さっていた矢が置いてあった。


【本日の戦い:袈裟斬りにてトンカ裸トンちゃんの勝ち】
終わり
410 :プラモデルの反省 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/12(木) 19:01:09.34 ID:PBfVEbx50
以上です。何度も申し訳ありませんでしたorz
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/12(木) 22:22:51.54 ID:bil4WidY0
 アーカムシティ、という街がある。
 世界でも有数の都市伝説研究機関“ミスカトニック大学”を抱える特異点。
 人間だけでなく人外も悪意に駆り立てるこの街で、今日もまた一人の罪なき少女が悪意の犠牲になろうとしていた。
 
「やめて!来ないで!誰か助けて!」

「声を立てるなよ、お嬢ちゃん。万が一にも誰かが来たら困るだろう?お巡りさんとかさあ、それとも……お化けとか」

 片手にピストルを持った大男。少女の衣服は既にはだけ、とっさのところで少女が逃げてきたのだろうことを伺わせる。
 しかし、この街の裏路地には、悪意の犠牲になる少女をわざわざ助けようとする物好きは居ない。
 どうせ誰かが通報するだろう、そういう無関心な人間ばかり。

「さあ、大人しくしな!さもないと4つ目の穴を掘られることになっちまうぜ!」

「イヤアアアアアアア!」

 絹を裂くような悲鳴は虚しく漆黒の空に吸い込まれるばかり。
 しかし、男の手が少女の長い髪に触れたその時だった。

「Ph’nglui mglw’nafh Cthulhu R’lyeh wgah’nagl fhtagn(死せる神は、預言者の館にて、夢見るままに待ちいたり)」

 名状しがたき声、歌うようでありながら、呪うようにも聞こえる。
 それは天使のコーラスであり、悪魔の誘い文句、美しくも醜悪。
 そしてそれに呼応するかのように近くのマンホールを押し上げて青い光を纏った棘の付いた蛸の足――触手――が何本も現れて大男を捕獲する。

「や、やめろ!殺すな!殺さないでくれ!助けてくれ!」

 それを聞き届けたかのように帽子を目深に被り、片手に目玉を装飾した分厚い本を持つ東洋人の青年が月を背後に飛び降りてくる。
 隻眼の青年は悲しげに少女を見つめる。
 そして指を少し動かすと大量の触手が男を地面に跪かせた。

「見下ろして俺は答えるのさ、“やだね”と」

 次の瞬間、大量の触手が男を包み込み、あっという間に彼をどこかに運んでいった。

「安心すると良い、殺しはしない。」

 青年はシニカルに笑っていた。
 青年は少女に自分のトレンチコートを脱いで渡す。

「今夜は冷える、急いで帰ると良い。それと今日のことは他言無用だ、良いね?」

 少女は二度頷いてからその場を走り去った。
 彼女が消えた後、青年は路地裏の安アパートの窓を憎らしげに眺めながら呟く。

「救いを求める人々に手を差し伸べない人間が、救いを得る権利などない
 世は全て等価交換、善意は善意に還り、悪意は悪意に還らねばならぬ
 貴様らの無意識の悪意は今ここで貴様らに還る…………!」

 そう呟いて青年が手元の書物を開く。
 群青の風に黄金色の光を添えて彼の持つ本の中から小さな生き物がワラワラと湧いてくる。

「何をやっているの?」

 その声に驚いて青年は本を閉じる。
 召喚されていた筈の小さな何かもあっという間に掻き消えた。

「…………文月、姉さん」

 そこには魔女のような服を着た、背の高い東洋人の女性が立っていた。
 女性は青年の頬に触れて目を見つめて妖艶に笑う。

「文月と呼んでも良いのよ?」

「……すまない、またやりすぎるところだったよ」

「貴方は他人の痛みに優しすぎるし自分の怒りにわがまますぎるわ、それは契約者として、魔術師として大きな欠陥よ」

「…………」

「ま、それでも私よりは優秀だけどね」

「まあな」

「カッチーン、今日は日本のお母様から良い物届いていたけど貴方には分けてあげないんだから」

「それはやめて、絶対俺宛のものも有るよ?」

 青年は本を懐に入れて女性について歩きだす。
 彼はミスカトニック大学の学生、かつ“螺湮城本伝”の契約者でもあり、そしてなにより心優しい正義の人だった。
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/12(木) 22:29:14.03 ID:bil4WidY0
聞いて下さい奥さん
こいつ本編だと第一話で幼女のヒロインぶち犯してるんですよ
環境次第で善にも悪にもなるんですねほんと!
ただ軸は同じでエニシング・ゴーズな人
欲望に忠実に見えるのはあくまで自分の欲望に忠実だった彼の父親や、父に嫌われていた彼を養子に迎えた家のお母さんや、彼の魔術の師である錬金術師の影響
もし教会とか寺で育てられてたら執着の無い人間になってた
413 :単発ネタ[sage]:2012/01/12(木) 22:46:49.38 ID:DO3efKjSO
夜の公園を男は走っている。
何が起きているのか、理解できなかった。
男は契約者である。
都市伝説の世界に足を踏み入れているのだ、常識はずれな事には慣れていたはずだった。
男の後を追うのは、黒い服の男女八人。
感情も表情も皆無の組織の黒服。
いや、八人の中に一人だけ、感情の見える青年がいた。
青年は黒い服を着てはいたが、黒服ではなく契約者のようだった。
「組織、組織が何故、俺を狙う!」
男は逃げるのをやめ、青年と対峙する。
「俺は、俺は一般人に、迷惑をかけた事は、ないはずだ!」
男は、都市伝説と契約して以来、その能力は都市伝説関係者との戦いにしか使用していなかった。
その能力は強く、殆どの都市伝説や契約者を一撃で仕留めた。
昼は普通に仕事をし、夜はパトロール。
この街を守るのだと、男は頑張っていた。
一般人に迷惑などかけず、一般人を守ってきた。
その自分が何故。当然の疑問だった。
「何故?何故と聞かれれば、貴方が組織の勧誘を蹴ったからですね」
黒服の青年は答える。
けれど、それは命を狙われねばならない理由とは到底思えなかった。
「貴方が、その辺の有象無象の契約者ならどうでもよかったんですけどね。
 貴方、強いでしょう」
「強い、強いから何だって、いうんだ!?」
「例えば、人間と同等の知能を持つライオンがいたとします」
「は?」
「貴方、そいつが街を歩いていたら、仲良くできます?」
黒服の青年が何を言いたいのか、男にはさっぱり分からなかった。
「か弱い人間にできるのは、襲われたり食べられたりしないよう、
 媚びへつらうか、大勢で銃を持ってきて殺してしまうか、隔離して人間と住み分けるか」
青年は男が理解しているかどうかを気にすることなく、喋り続ける。
「我々組織の理想は人間と都市伝説の共存です」
組織には穏健派も過激派もある事を一切無視し、自分の理想を組織全体の物のようにしながら、青年は喋る。
「媚びへつらう事は共存とはいえない。住み分ける事は拒否された。
 では、銃を持って殺してしまうしかない」
そう言い切り、黒服の青年は男に銃を向ける。
414 :単発ネタ[sage]:2012/01/12(木) 22:48:00.18 ID:DO3efKjSO
青年の銃口が男に向くより速く、青年が、青年のいた場所が、周りの黒服を巻き込みながら、爆発した。
それが男の能力。
『ツングースカ大爆発』という、UFOや反物質、マイクロブラックホールなど様々な説の飛び交う原因不明の爆発と契約した、男の能力である。
あらゆるモノを爆発させる能力。
けれど、
「さて、さてどうなる……」
この能力による攻撃は、すでに何度目か分からず。
この能力による攻撃が、意味のない事だと分かっていた。
聞こえたのは、背後からの銃声。感じたのは、耳元を掠める銃弾。
黒服の青年が、男の後ろに立っていた。
「銃にはまだまだ慣れませんね。この距離で外すとは」
そう言う黒服の青年は無傷で、青年と共に吹き飛ばした黒服もまた、何事も無かったかのように、男を取り囲んでいた。
これが瞬間移動なら、それでよかったのだ。
それならただ、当たるまで、あるいは、何処に逃げても意味が無い程の爆発で、攻撃すればよかった。
問題は、ただ一つの問題は、爆発し、肉塊となった青年や黒服の死体が、すぐそこに存在しているという点である。
いつの間にか、まるで始めからそこにいたかのように立つ黒服の青年と、
爆発でバラバラになった黒服の青年は、見比べてみてもまったくの同一人物で、これで数度目の確認にもかかわらず、
何が起きているのか、さっぱり理解できなかった。
「何の、何の契約者なんだ……」
「私は黒服と契約……」
答えなど期待していなかった男の呟きに、黒服の青年はあっさりと自分の都市伝説をばらす。
先程と言い、人に自分の知識や知恵、考え等をひけらかすのが好きなのだろう。
そして、その都市伝説は
「していた黒服、と契約していた黒服、と契約していた黒服と契約していた黒服と契約していた黒服と契約していた……」
かなりイレギュラーな存在だった。
「とまあ、黒服の契約者が容量に限界がきて黒服化。その黒服と契約した人がまた黒服化して、を九人繰り返した黒服との契約者です」
どこからともなく現れる都市伝説「黒服の男」。
いくらでも量産可能な組織の「黒服」。
最大九人の黒服を召喚する能力。
攻撃され、誰かが死んだとしても契約者を含む十人の内、一人でも生きていれば、再び十人になる能力。
そして、ここにいるのは八人。つまり、二人の黒服がこの場にいないのだ。
ここの八人をいくら殺そうとも、別に待機した二人が即座に召喚する、無限の兵。
「そんな、そんな無茶苦茶な、契約者が……」
「そうですね。無茶苦茶です。自然には生まれないでしょう。組織が造りでもしなければ、ね」
黒服の青年は、まだまだ何か教えたかったようだが、いい加減喋り過ぎだと思ったのか、思い出したように男に銃口を向ける。
それに合わせるように、他の黒服も銃を向ける。
もはや、男は抵抗しない。
いくら目の前の青年達を爆破しようと、この銃口はまた自分へと向くのだ。何度でも。何度でも。
男は既に、諦めていた。
「さようなら、ライオンさん。人間の安息の為に」
そして、夜の公園に銃声が響いた。

415 :[sage]:2012/01/13(金) 12:08:58.44 ID:NqgTn6vDO
乙でした
爆発力が足りなかったか…
同じ都市伝説を使ってるからなかなか面白かったっす
同じ都市伝説でも限定条件が違ったりして個性がでるよね


アメコミぽい話書きたいなあ
アメコミぽい挿し絵入りで
416 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/13(金) 12:51:27.90 ID:fGrb+Ldg0
Q:要するに言われた言葉をそのまま返せば襲われる事は……
A:普通ならそうなんですが……あれは反則です、フェイントなんて……


―――2011年12月2週目・学校町繁華街にて―――


草木も眠る丑三つ時。
この時、南地区にある繁華街は……異形たちがあちこちに転がる、死屍累々の地獄絵図と化していた。

『…お……おの、れ…』ガクッ

『まさか……再生が、追いつか……貴…様…ら』ガクッ

そう最後に言い残して更に多数の異形が沈む。彼らの身体は、そのまま土塊となり崩れ落ちた。

『馬鹿な……よもや、これほどの力の差が……!』

「ひ、怯むな!敵は【たった二人】なんだぞ!泥さえあれば無限に増え続けるお前らの敵じゃないはずだ!」

異形たち―――都市伝説【泥田坊】の契約者である黒服が、己の兵たちに激励を飛ばす。
しかしその足はガクガクと震え、彼の額には大粒の汗が浮かんでいた。

白き包帯に包まれた裸体が刀を振るえば、彼女を取り囲む泥田坊たちが一瞬で刻まれ、泥より細かい粒となって四散する。
赤きヘルメットと褌姿の男の蹴りは、命中した泥田坊のみならず、後ろに控えていた兵をも巻き込み彼方へと吹き飛ばす。

「(な、何故だ………さっきまで、本当についさっきまで俺は、圧倒的に有利だったはずじゃあ………!)」

まるで今まで信じてきた物が虚構だったかのような、足元が崩れてどこまでも下へ落ちていく嫌な感覚。
それが恐怖だと気づいた時には黒服の―――《O-No.25613》の不死身の兵団は、僅か一桁にまで減っていた。


―――時間は数十分前まで遡る。
トンカ裸トンちゃんはいつもの通り、自身の後をつけてきた黒服に対し『………とんからちん、と言えー』と訪ねた。
そして『トンカラトン!』と相手が答えたのをきっかけに、本能モードへと移行。不幸な黒服へと襲いかかる。
一般人よりやや強い程度の黒服が、トンカ裸トンちゃんに勝てる道理もない。そう……それは殆ど決まりきった結末のはずだった。

今日の黒服も、今まで同様『ただの』黒服だったなら。

「………ハァ………ハァ………ぇ?」

「アハハハハ、どうした【トンカラトン】!俺を切るんじゃなかったのか?さっきよりも動きが鈍くなっているぞ!」

『『『『『ぐぉぉぉぉぉぉぉ………田〜を〜か〜え〜せ〜………』』』』』

本能モードから目覚めたトンカ裸トンちゃんは、初めて『相手を仕留めていない』という事実を認識し、愕然とする。
さらに黒服の周りには、先程まで居なかったはずの異形たち……店先の肥料から生まれた、数十体もの泥田坊の群れが蠢いていた。
そう、度重なる地味な被害に業を煮やした「組織」は、ついに【契約者である黒服の一人】O-No.25613の派遣に踏み切ったのだ。
泥田坊はその名の通り、泥から生まれる都市伝説。切ろうが殴ろうが砕こうが、泥ある限り何度でも復活する。
この不死身の兵たちが彼を守り、トンカ裸トンちゃんを足止めし……ついに本能モードが切れるまで、彼女を疲弊させたのだった。
417 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/13(金) 12:52:37.04 ID:fGrb+Ldg0

「見ろ、もう力の差は歴然だ。素直に「組織」の軍門に降り、俺の玩具にならないか?」

「………」

「そうか……なら、さらに躾が必要だなぁ!」パチンッ!

O-No.25613が指を鳴らした瞬間……トンカ裸トンちゃんの身体から『六本の腕が生えた』。

「………ッ!?」

「六輪咲き(セイスフルール)……ククク、気付かなかったのか?お前の身体が、とっくの昔に『泥まみれ』だった事に!」

泥ある限り泥田坊は生まれる。すなわち、『泥あるところなら何処にでも出てくる』という解釈も可能なのだ。
トンカ裸トンちゃんの両手足を拘束するように四本、首元からは二本の腕が包帯についた泥から伸びてきていた。

「逃がすか……締め上げろ!」

「がっ…はぁ…!」

二本の腕が一つに合体し、そのまま彼女の首をギリギリと絞める。
必死に振りほどこうともがくも、彼女の四肢もきつく締め上げられ、動かす事すらままならない。

「あぐ、ぐぅぅ……か……は……」

酸素不足で目の前にモヤが掛かり、身体の力が抜けていく。手に持っていた日本刀が力なく地面に落ちる。
やがて周りの泥から蘇った泥田坊たちも加わり……トンカ裸トンちゃんはその身を完全に封じられた。

「ぅ……ぁ……」

「終わりか……安心しろ、お前は存分に『可愛がって』やるぜ……存分になぁ……!」

下卑た欲望を隠しもせず、一歩ずつトンカ裸トンちゃんに歩み寄るO-No.25613。
その手が彼女の双丘に伸びようとした、まさにその時。


「待たんかこの悪人がああああああああああああああああ!!!」

「な、何だ!?ちぃっ、あと少しのところで!」

『『『『『ぎゃああああああああああああああああああああ!!!』』』』』

―――絶叫と共に、一台のトラックが泥田坊を轢きながら迫ってきた。


泥田坊たちを盾に、間一髪でよけたO-No.25613は、トラックの側面に描かれた物を見て驚愕する。

「サガワ急便……馬鹿な、『赤褌の飛脚』は2005年前に全国から消えたはずだ!」

「とうっ!」

彼の驚愕をよそに、トラックから人影が飛び出してくる。瞬間、車の姿が消え……後に降り立つ一人の男。

「………?」ケホケホッ

「なん、だと……」

赤いヘルメットに赤い褌。背には蜂を思わせる透明な羽。

「市民のピンチに誘われて、闇夜を駆ける浪漫道!褌戦鬼・レェェェェッド、クロス!!」

―――まごうことなき変態がそこに居た。
(後半へ続く)
418 :プラモデルの訂正 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/13(金) 13:00:43.64 ID:fGrb+Ldg0
2005年前に全国から消えたはずだ×
2005年に全国から消えたはずだ ○
419 :死んでも構わない、とは言わせない  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 17:10:50.44 ID:5q/EkR1H0
 −−−選ぶべき選択肢は、とうの昔に決まっている
 だが、問題は囲まれているという状況
 そして、水城にとって問題なのは、ここに、菊以外に「組織」所属ではない契約者が多数いる、と言う事実
 …それも、自分よりも年下の契約者ばかり、と言う事実が、問題であった
 水城は、「組織」所属の契約者としては「一般人を悪しき都市伝説および都市伝説契約者から守る」と言う考えを植え付けられ
 同時に、菊からは「一般人であろうが契約者であろうが、悪しき者に害されようとしている者がいるならば助ける」と言う考えの影響を受けている
 特に、菊からの影響に関しては、相手が年下である方がその考えが及びやすい
 ……だから、こそ
 水城はこの状況において、いかに「自分以外」の被害を最小限にとどめる方法を考える
 総司とやらは、「……別に、包囲されてるからって、僕なら突破できないわけじゃない」 と言った
 だが、そうだとしても、薫や百花達に全く被害が出ないとも言い切れない
 ならば…いかに、そちらに被害が出ないように行動すべきか?
 正直なところ、水城は元々、考えることはあまり得意ではない
 それでも、何とか考え抜き……一つの、答えにたどり着く

「…囲んでいる連中を一か所におびき寄せられりゃ、少しは楽になるよな」
「……?」

 水城の発言に、菊が小さく首をかしげた
 何をするつもりなのか、とそう問いかけるように
 答えの代わりに、水城はコートから新たな蛸を生み出す
 …蛸を生み出す度、体力を消耗している水城
 正直なところ、あまり余裕はない
 だからこそ、たどり着いた答えともいえるが

「何だよ、「自分が囮になって連中を引き寄せるから先に行け」とでもいう気か?んな死亡フラグみたいな…」
「あぁ、そうだ」

 薫が、半ば冗談めして言ったその発言を、水城はあっさりと肯定した
 あまりにもあっさりとしたその答えに、発言した薫自身「は?」と、言葉を止める

「その方が効率がいいし、お前達が怪我をする確率も下がるだろ」
「ちょっと待った。じゃあ、一人で囮になるあんたはどうなるの?」
「俺の事はどうでもいい。大切なのは先に進むことで、そのさいの被害をいかに小さくするかだろ?」

 まさしく、自分の事などどうでもいい、と言うように水城は話を進める
 その選択肢を選ぶことによって、自分が命を落とす可能性
 それについて、考えていない訳ではないのだろう
 ただ……単純に、「それによって自分が命を落とそうが、別にどうでもいい」と考えている
 ただ、それだけのことだ
 己の命に関する扱いが、あまりにも軽いのだ
 己の命には、何の価値も存在しない
 もし、仲間と呼べるものができたならば、それらの為に自分の命を消費するのは当たり前の事である
 水城は、本気でそう考えている
 それは両親を失った後、あまりよろしくない連中に拾われて育ってしまったが故に根付いた思考回路であり、そう簡単に修正できるものではない
 生き残れればそれでいい。死んだら死んだで、自分だけが死ぬのなら別に問題はない
 その、どこか投げやりにも見える思考回路は、たとえ具体的に口に出さずとも、先ほどの水城の発言と態度で、ある程度は周囲に伝わっているだろう

「あのね…」

 さすがに、その考え方はどうかと思ったのだろうか
 百花が、発言しようとして…それよりも、早く
420 :死んでも構わない、とは言わせない  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 17:11:38.83 ID:5q/EkR1H0
 ぽふ、と
 菊の手が、水城の頭に触れた

「菊?」
「……っめ」

 菊がしゃべる内容は、あまりにも短く、その意図を周囲が把握するのは至難の業だ
 とりあえず今のは、どうやら水城を叱ったらしい、とは伝わるが

「…一人、は、っめ」

 ついでの、この発言
 そして、菊はじ、と、総司を見つめた
 そうは言っても、菊の目元は長い前髪で隠されてしまっているため、どんな表情なのかははっきりとしないのだが

「…守れ、る?」
「は?」
「みんな」

 本気で考えを伝える気があるのか?と歌いたくなるレベルの発言
 それでも、総司が菊が伝えようとしていることを理解できたのは、この場が切迫した状況だからだろうか?

「…そっちの蛸を出せる奴だけじゃなく、自分も囮になる。で、こちらに、子供達を護れるだけの力があるなら先に行け、と?」
「……ん」

 こくこく
 総司の言葉に頷く菊
 正解だったらしい

「え、でも、囮だなんて…」
「平気」

 玄鳥の言葉に、菊は軽くメイスを振って答えた
 まるで、バットでも振るような気軽さで振っているが、そんな気軽さでぶん回していい物ではない

「二人、なら、大丈夫」
「菊、俺は別に一人でも…」
「……っめ」

 ぺちん
 一人で囮になろうとしている水城に、今度は軽くデコピンしている菊
 …奇跡的に、手加減は成功したらしい
 痛みに悶絶しているわけでもなく、水城はきょとん、としている

「………先、行ってて」

 後で追いつく、と
 菊はファントムに軽く告げて
 今すぐにでも、囮として動き出してしまいそうな水城が勝手にいかないよう、そのコートを軽くつかんだのだった



to be ?
421 :死んでも構わない、とは言わせない  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 17:13:44.85 ID:5q/EkR1H0
>>287-289の続きっぽく
一緒に行動している人数が多くなって状況描写が大変になるだろうと思いまして、とりあえずいてもいなくても関係なさそうなうちの子を場から離脱させるような感じで
あれだよ、囲まれてるならおとりの方に敵がくるよう誘導して、手薄になったところを突破すればいいよね!!
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)[sage]:2012/01/13(金) 18:44:39.53 ID:fGrb+Ldg0
>一人で囮になろうとしている水城に、今度は軽くデコピンしている菊
絶体絶命だというのにこの微笑ましいやりとりwwww思わず和んじゃいました

DKGの人乙です!
423 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 19:19:39.09 ID:5SXiaMIN0
>>422
DKGの人様だと思った?
残念!最底辺作者の俺でした!!(トリップ的に
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)[sage]:2012/01/13(金) 19:24:55.37 ID:fGrb+Ldg0
>>423
花子さんの人、並びにDKGの人……本当に申し訳ありませんでしたorz
まだ読みが足りないな俺
425 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 19:33:54.39 ID:5SXiaMIN0
>>424
お気になさらずですぜー

なんというか、毎回タイトル違うのいれてたり>>421で紛らわしい書き方した俺が全面的に悪い
426 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 19:35:42.66 ID:5SXiaMIN0
っつか「○○だと思った?残念!●●でした!」ってあれ、元ネタなんなんだろうな
結構あちこちで見る気がするんだが
427 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/13(金) 19:53:44.45 ID:W7R+EF2AO
プラモデルの人乙ですー
執筆ペースの早さに嫉妬
それにしてもトンカ裸トンちゃんテラツヨス
そして勘違い激しい鎧武者ちゃんもテラカワユ
笛の人乙です
サンジェル…ミさんwwww
何者wwwwww
>豪快に都市伝説と関係ないけど「続・殺戮の魔法少女ミラクル☆サクヤ」を書きたいと思いましたまる
…何かを脱いで待っています(キリッ

単発の人乙ですー
きっと減った黒服さん達はこうやって補充されていくんだね!

花子さんとかの人さん乙ですー
菊さまと水城さんの無事をお祈りしてますぜ

>名前が良いよね、虹の両端の色っていうのが
さすがシャドーマンの人だ!
言われるまで全然気付かなかった!←
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/13(金) 20:02:54.83 ID:kJMQsBmSO
『エロ画像だと思ったか? 俺だよ!
まさに外道!』

『エロ画像だと思った?残念カナちゃんでした!』

『○○だと思った?残念!●●でした!』


じゃね?
429 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 20:15:17.23 ID:fGrb+Ldg0
>>427
>執筆ペースの早さに嫉妬
いえいえ、思いついたネタをただ書いてるだけなので誤字脱字矛盾の多い事orz
あ、後半は今日中に上げる予定です

>それにしてもトンカ裸トンちゃんテラツヨス
以前にも書きましたが、並の都市伝説なら素で撃退出来るほどの剣の腕を持ってます。
ただ、今回の敵であるO-No.25613のような『都市伝説と契約者の連携攻撃』には、初めて戦うタイプというのもあり大苦戦です。
というか、軽く苦戦させるつもりがトンカ裸トンちゃんの勝ち目が見えてこない。無限増殖する兵団とかマジどうしろと。
一瞬IF扱いでR18敗北エンドにしようかとも(ぉぃ
どうしようかと迷っていたんですが……以前雑談の方で許可を頂いた【飛脚の褌】と、個人的に気に入った都市伝説【クマバチ根性飛行説】を
取り入れたチートな助っ人「褌戦鬼・レッドクロス」の誕生に至りました。裏設定の一つの回収も兼ねて。
ちなみに、O-No.25613の名前元は技名からもわかるように《25613→ニゴロ+1と3でB→ニゴロビー→ニコロビン》というwwww
430 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 20:18:42.63 ID:fGrb+Ldg0
>きっと減った黒服さん達はこうやって補充されていくんだね!
あれ……補充できるのか、それじゃあO-No.25613の派遣された意味がwwww
よし、結末少し変えよう。よく考えたらトンカ裸トンちゃんの首絞めたりしてるし(ぇ
こいつのトンカ裸トン化は止めて…………(ΦωΦ)フフフ…
431 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/13(金) 20:32:40.21 ID:W7R+EF2AO
>あれ……補充できるのか、それじゃあO-No.25613の派遣された意味がwwwwwwww
待ってええ!自分もほんの思いつきだったんだ!
432 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 20:37:12.49 ID:fGrb+Ldg0
>>431
いえいえ、むしろありがとうございます……これで円満にこの騒動を終わらせられそうですし(ニヤリ
取り敢えずこの外道には地獄見てもらうことにしました♪
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/13(金) 20:46:58.38 ID:kJMQsBmSO
感情の無い黒服は組織の大量生産品
感情のある黒服は希少な元人間
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 20:51:21.96 ID:jiR64C000
「♪I don't want no teen-age queen
 ♪I just want my M14
 ♪If I die in the combat zone
 ♪Box me up and ship me home
 ♪Pin my medals upon my chest
 ♪Tell my Mom I've done my best」

 巨大な帆船の上、銃を片手にノリノリで歌う白人の男性。
 そしてその横で髪を梳かす美しい女性。

「アーサー王、仮にも貴方聖剣の担い手じゃないの?」

「いや知らねえし、あれもう返したし。姉ちゃんが持ってるんじゃねえの?」

「きっがるねえ……なんか色々恨みつらみとかたまってたりしないわけ?」

「いやもうどうでもいいよそういうのさあ」

「威厳に関わるわよアーサー王がM14スプリングフィールドって」

「いやあアメ公も良い銃作るよね」

「おぉのう……」

「先輩たち何やってるんスカ」

「あ、ドレイクくんオッツー、今度はドコイクの?」

「あー……今度は南極でも行こうかと思ってるんですけどどうっすかね」

「南極誰もいないじゃん、略奪できないんじゃん」

「うー……」

「二度目の生を受けたんだから私はどっかで略奪(ショッピング)したいなあー」

「あーもう、行動範囲全然広くならないじゃないですか!」

「あら、わるい?私たち海賊じゃない」

「いえなんでもないですヘカテーさん。野郎ども!行先変更だ!」

 男たちの返事が聞こえる。

「……どこっすか」

「うーん、日本で」

「日本の?」

「学校町にでも行ってみようか」

「え?何行ってるんですか王様」

「いやなに、アヴァロンが見つかったって話を聞いたから……」

「何年前ですか?」

「もう一年は経過してるじゃないっすか!」

「良いから行こうぜドレイク君」

「もー……あそこ行く度に寿命縮むん……うぉわ!?」

 その時だった。
 海を裂き、天を揺らし、地まで届く咆哮を以て一匹の巨大なシーサーペントが現れる。

「邪魔くせえなあ、さっさとかたすか」

「やだ、せっかくセットした髪がまたグシャグシャになっちゃう」

「あーあ……総員配置についてー」

 三人は声を揃えてシーサーペントに問いかける。

「「「ワイルドハントを知ってるか?」」」

 ソレと同時に心の力を凝縮した弾丸が、神代の魔術が、圧倒的物量の艦砲射撃がシーサーペントをかき消した。
 あとに残るのは穏やかな海面。
 そこには呵々大笑するアーサー王の声だけが残っていた。
435 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 20:57:10.12 ID:fGrb+Ldg0
>>434
単発の人乙です!
もしかして、以前【ワイルドハント】の設定を上げていた方ですか?>>86
これはまたとんでもない都市伝説が学校町にwwww
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 21:00:55.08 ID:jiR64C000
>>435
ククク……私は普段の単発の人ではないのだよ
ワイルドハントお得だよ!
今回出てきた全員が戦いに協力してくれる上に燃費も良いよ!
そしてそれは確かに私だ!
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 21:11:20.56 ID:jiR64C000
雑談が無いなんてつまらないので誰か来い!
都市伝説と関係ある内容でも無い内容でもいいから!
438 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 21:11:21.58 ID:fGrb+Ldg0
>>436
あれ、まさか単発の人って固有名詞……!?
てっきり単発を上げる人たちの総称かと思ってました、すみません

ところで、このやられたサーペントもワイルドハント入りですか?
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 21:11:58.59 ID:jiR64C000
>>438
勢い余ったから消滅したんじゃないかなあ……
まあ可能性は0ではないっす
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/13(金) 21:14:21.56 ID:miSwZ7wko
Qチートきゃらや強キャラ、ジョーカーキャラはどのようにすれば受け容れられるのかについて
どうぞ!
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 21:16:38.56 ID:jiR64C000
>>440
A
まずCVを若本にします
そして主人公の師匠や両親などにします
そして出番を極端に削ります
あら不思議!どんなチートでも許される気がする!
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/13(金) 21:20:27.88 ID:miSwZ7wko
アイテムなんざ使ってんじゃねぇ!
が思い浮かぶww
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 21:26:44.78 ID:jiR64C000
なーんちゃって!でもいいんだゾォ!
若本ボイスなら大抵許される
許される
444 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 21:27:03.66 ID:fGrb+Ldg0
>>441
つまり、ビアディーデビルを若本ヴォイスにしろと……
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 21:30:19.51 ID:jiR64C000
>>444
むしろ入野自由にしてみたらどうだろう
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/13(金) 21:39:35.42 ID:jiR64C000
触手使って格好いいキャラが居ても良いと思うんだ
447 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 21:41:50.89 ID:5SXiaMIN0
乙を叫びつつ


>>428
>じゃね?
なるほど理解

>>446
うちの子だけど水城……と言おうとして、別にあいつは格好良くなかった
448 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 21:47:52.79 ID:5SXiaMIN0
まず、触手ができる都市伝説が限られる現実がなー
タコ系烏賊系以外で触手できそうなのって何だ、クラゲか?(海洋生物から離れろ
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/13(金) 21:48:36.05 ID:NqgTn6vDO
>>448
もっこりいやんえろわーむとか…?
450 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 21:50:03.11 ID:5SXiaMIN0
>>449
その呼び方やめwwwwwwww
451 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 21:51:17.88 ID:fGrb+Ldg0
>>449
元ネタがわからない……勉強不足か
452 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 21:52:00.31 ID:fGrb+Ldg0
あ、O-No.25613ならできるな、泥田坊の応用で
453 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 21:54:18.23 ID:5SXiaMIN0
>>451
「モンゴリアンデスワーム」ですね
ここ(http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-82.html)とかここ(http://ryoshida.web.infoseek.co.jp/kaiki2/124uma01.htm)参照
454 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/13(金) 21:56:15.09 ID:SMP7hxGM0
シェイドの『闇誘拐』は触手と言えるのだろうか
と言おうとしたけど『シャドーズ・ラグナロク』は触手使ってたな…
裂邪が別段かっこよくなかったのが残念
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/13(金) 21:58:17.95 ID:NqgTn6vDO
触手が幾何学的な模様作って襲いかかるとか?
456 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 22:00:10.17 ID:fGrb+Ldg0
>>453
ありがとうございmぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!



ゴメン俺コウイウノホントムリ
457 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 22:04:11.00 ID:5SXiaMIN0
>>456
すまん、閲覧注意って書き忘れてしまった
苦手な方もいらっしゃるよな、あれ系は

プラモデルの人の頭をいい子いい子して慰める
ナデナデ( ,,´・ω・)ノ"(' ω ' 。)
458 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 22:07:17.12 ID:fGrb+Ldg0
>>457
すみません…………昔からああいう長い虫や幼虫系が大の苦手でして…………
シャクトリムシは大丈夫、でも毛とかぬめりがつくともうダメorz
459 :花子さんとかの人  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/13(金) 22:09:26.59 ID:5SXiaMIN0
>>458
安心してくれ……
俺も……ダメなんだ………(参考アドレス先の画像は、視界に入った瞬間にそのアドレス映してたタブ消した)
460 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/13(金) 22:20:14.26 ID:fGrb+Ldg0
>>459
…………鎧武者ちゃんの苦手なものに追加します(ぉぃ
461 :やる気なさそうな[sage]:2012/01/13(金) 23:11:47.42 ID:MttKhCMDO

葉も本気出せば触手っぽいもの出せる
かもしれない
けど
使う場面思いつかないや
462 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/14(土) 00:01:19.14 ID:u70zSW3c0
というか触手を使うメインキャラが少ない気がする
うちの50人ちょいのキャラの中でも裂邪とレジーヌしかいないし…
まぁカッコいいだけならメインで無くても良いんだけどねっ
463 :単発ネタ ◆W5H6Y5Rl3M[sage saga]:2012/01/14(土) 21:12:18.41 ID:bxxIIiSso
 小さなマンションの一室
 仏壇の前に置かれた写真立て
 そこに収められた少女の笑顔は、とても朗らかで
 その前に座る夫婦の沈痛な面持ちを、悲痛な程に際立たせていた

「あなた達に頼る事は、もう何一つありません。帰って下さい」

 少女の父であった男は、はっきりとそう告げる

「娘が不安を訴えた時。我々が捜査をお願いした時。あなた方、警察は何もしてくれませんでした」

 その喉から絞り出される声は、犯人への憎悪と等しいほどに恨みに満ちており

「あなた方がやったのは……ただ私達夫婦を、娘の死に様を、マスコミと共に晒し上げて、無様に犯人を取り逃がした。それだけです」

 少女の母であった女は、夫が糾弾する様をただ黙って聞いている
 目の前に平伏する老刑事に視線を向けたまま

「あの時は、私は捜査から外されていました」
「だから、責任が無いと?」
「いいえ……無理を通してでも現場に捻じ込むべきでした。そうしていれば、報道が過熱しているうちに手を打てたかもしれなかった」

 老刑事は顔を上げて、真っ直ぐに男の顔を、目を見詰める

「どうか、私を。いや……警察を、今一度信用して下さいませんか。犯人の逮捕にはあなた達の協力が必要なのです」
「そうやって、私達をまたマスコミの晒し者にするつもりですか」
「犯人の逮捕に、今一度必要な事なのです。大々的な報道がもう一度あれば、必ず犯人を逮捕してみせます」

 老刑事の真剣な顔と声に、男は僅かにたじろぐ
 だが

「……帰って下さい。もう、事件の事を大っぴらにしてもらっては、困るのです」
「それは、どういう」
「俺が犯人探しを引き受けたからだよ」

 玄関口にいつの間にか立っていた青年が、薄笑いを浮かべながら靴を脱いで部屋に上がり込む

「この事件に関する報道が途絶えて、今日で丁度一年」

 青年は、人差し指を突き立てて、にやりと笑う

「今日からきっかり一週間後に、あんた達が探してる犯人は死体で見付かるよ。死体発見の通報をくまなくチェックしてな、その中に必ず奴の死体がある」

 くくっと喉を鳴らせて笑う青年
 夫婦はそれに動じた様子もなく、ただ俯くだけ
 老刑事は鋭い眼光を青年に向ける

「お前さん、殺し屋でも気取ってるのかね?」
「くっ……くはは! 詐欺師呼ばわりは何度もされたが、殺し屋扱いは初めてだな!」

 青年はさもおかしそうに笑いながら、どかりと老刑事の前に座り込む

「半分正解だが、半分ハズレだ。殺し屋ってのは依頼を受けて金を貰うもんだろ? 俺はこっちから殺させてくれと頼みにきて、金は一銭も取らないからな」

 刑事の前で殺すという事を口走ったせいか、青年は誤魔化すように首を振る

「ああ、殺させてくれってのは正確じゃないな。別に俺が手を下すわけじゃないし、誰かに頼んだりするわけでもないんだからな」
「お前さん……『契約者』か」

 老刑事の言葉に、青年はひゅうと口笛を吹く

「あんた、知ってるんだ。警察にそういう部署とかあったりすんの?」
「あるわけが無い。警察ってのはね、常識と平穏を守るためにあるんだから……ただ、私が知っているだけだ」

 その眼光が、青年を射竦める

「お前さん、何をするつもりだ?」  アンタタチ
「別に、悪い事はしねぇよ。不甲斐ない警察の尻拭いさ」

 青年はそう言って、またくくっと喉を鳴らす

「全国放送規模の報道が一年以上続けられ、その報道が途絶えてから一年以上が経過した者をターゲットにして、だ。狙いを定めてから更に一週間の間、ターゲットに関しての全国放送規模の報道が一切無ければ……そいつは死ぬ」

 自らの能力を説明してから、青年は念を押すように老刑事の目を見詰める

「言っておくが俺は、この能力を罪の無い者や、罪のはっきりしない者にも使った事はない。恨まれていようが逮捕され刑に処された者にもだ」
「我々警察が捕らえる事ができず、公の場に出ずに逃げ遂せている者のみを対象にしているという訳か」
「それも、被害者や遺族に意思確認をした上でな。どうしても法で裁きたい、警察を信用したいと言われりゃ、すっぱり引き下がるのが信条さ。元々は殺しのための能力じゃ無ぇしな、俺の『志○けん死亡説』は」
「……犯罪者は、法の下で裁かれるべきだ」
「俺もそう思うよ。だが、実際のところ裁けてないから仕方ないじゃん?」
464 :単発ネタ ◆W5H6Y5Rl3M[sage saga]:2012/01/14(土) 21:13:16.76 ID:bxxIIiSso
「今一度、報道を利用すれば、私の能力で逮捕してみせる。全国放送規模の報道で、『逮捕された』という情報を流せば、どこに隠れている犯罪者でも二十四時間以内に逮捕ができる。それが『高○名人逮捕説』の能力だ」

 想像以上の効果的な能力に、青年は一瞬絶句し

「おいおい……何でその能力、もっとバンバン使わないわけ?」
「一介の刑事に、そうそう報道機関に働きかけて、未確定の情報を流させる事はできんよ。都市伝説の契約能力など、契約者しか理解しないだろうからな」

 その言葉に、青年はやれやれと肩を竦める

「今回はできんの?」
「今回だけだがね」
「何でだよ」
「金さ」

 老刑事は、自重気味に笑った

「マスコミを動かすにゃあ金がいる。定年間近のジジイが用意できたのは、たったの一回分だけだ」
「じゃあ最後の質問だ」

 笑みの消えた顔で、青年は老刑事をまっすぐに見据える

「何で、この事件を解決しようと選んだ?」
「一度関ったから、じゃあ駄目かね」
「ふぅん……それじゃま、決めるのはそっちだな」

 青年はそう言うと、それまで黙って話を聞いていた夫婦を振り返る

「こっちの刑事さんに任せりゃ、逮捕される。ただし犯人は……初犯で計画性は無しときたらまあ死刑は無ぇわな、加害者様の人権が大事で大事で仕方ない今の日本の司法じゃな」

 夫婦は、やや狼狽した様子で青年と老刑事を交互に見る

「刑事さんを突っぱねて俺に任せたままにしておけば……一週間後、犯人は罪の報いを受けてあの世逝きだ。勿論、殺すのは俺でもあんた達でもない。人一人殺して逃げ回ってる奴が、逃亡先でたまたま死ぬだけ、有る意味で天の裁きってやつだね」

 あからさまに死を誘う青年の言葉に、老刑事は何も反論しない

「あんた達は選ぶわけじゃない。ただ、どうあって欲しいかを口にすればいい。娘を殺した奴が、どう裁かれるべきかを」

―――

 逃亡を続けた殺人犯の最後は、あまりにも呆気なかった
 ネタの無い頃合だったワイドショーは大々的に食いつき、その有様は一週間が経った今でも世間を賑わせている

「マスコミは結果にだけはよく食いつくね。警察の捜査の邪魔ばっかりしやがる癖にな」

 ワンセグでニュースの映像を見ながら、青年は小馬鹿にしたように笑う

「あんたも大変だったね」
「私は金を出しただけだよ。犯人が捕まって欲しいと願ったのはあの子の親だし、報道での呼び掛けで集まった情報で動いたのは潜伏先の所轄の警察達だ」
「あんたの能力が無けりゃ、その情報も入らなかったり、警察がドジ踏んだりしたかもしれないだろ?」
「私の契約能力なんてもんが、ただの妄言かもしれんだろう?」
「だが、あんたは経過を語り、結果が残った。まあ今回は俺の負け……いや、まあポイントでいきゃあ勝ちなのかな」

 青年が見ていたワイドショーの内容は、先程までの殺人犯逮捕のものとは比べ物にならない大騒ぎのものだった
 逮捕された男の親族だったという大物政治家の急死に、マスコミはこぞって喰らいついていたのだ
 その大物政治家は一年程前に違法な献金の問題で公の場から姿を晦ましており、様々な方面から手を回してマスコミ各所を黙らせていたのだが

「お前さんが狙ってたのは、最初からそっちだったのかい」
「献金問題のついでに親戚の犯罪の話題まで押さえつけてたんだ。警察にまで圧力を掛けて、担当の刑事を捜査から追いやったりもしてたしな」
「罪の無い者や、罪のはっきりしない者には手を下さないんじゃなかったのか?」
「はっきりしてるぜ? あのジジイを告発しようとして変死した秘書、俺の親父だもん」

 そう言って青年はけらけらと笑う

「まあ、大事な証拠を息子に盗み見されるような警戒具合じゃ、当然の結果だったのかもしれんけどね。だからまあ、アレだ。『被害者遺族の意思確認』はしっかりしてあるぜ?」
「殺人事件の犯人は、ついでだったとでも言うのかい」
「まとめて片付けた方が後腐れ無いかなと思っただけだよ。片方だけ始末すると、関連報道が賑わって狙うチャンスが先送りになるしな」

 ワンセグの映像を切り、携帯電話をポケットに押し込み
 青年は老刑事の肩をぽんと叩いて、そのまま擦れ違うように歩いていく

「お前さん、その都市伝説との契約を解除する気は無いのかい」
「警察と裁判所がもっとまともに機能するようになったら、そもそも使う機会は無いかもな」

 ひらひらと手を振りながら去っていく青年を、老刑事は黙って見送る
 それは青年の行動を認めたためか、己の不甲斐なさを認めたためか
 老刑事は何も語らず、静かにその場を去るのみだった
465 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/14(土) 21:16:57.81 ID:bxxIIiSso
佳奈美と繰のネタの合間になんとなく思いついたけど
都市伝説名の響きがアレで単発以外に使いようが無かったというネタでしたとさ
466 :あらぶるホイッスル[sage]:2012/01/15(日) 14:09:28.01 ID:sqtpL4kDO
ドクターの人乙でした
かっこいいなあ、かっこいいのに名前が……
名前が…………

これって名前報道されてなくても狙えるのかしら
467 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/15(日) 14:29:40.53 ID:Un/Sf53g0
皆様乙です〜

>>405-407
「鎧武者」さん……ほろり
トンカ裸トンちゃんも戦いの間に色んな事を学んでるんじゃないかとドキドキ
漁夫の利はもげていい(

>>411
おぉ、上田が正義正義やってるwwww
文月姉さん可愛い(

>>413-414
なるほど、この発想は無かった……
その設定だけお借りしてみたいな、ただ話の展開が思いつかないというorz

>>416-417
おっとここで新キャラ登場か!
それも例の赤い褌wwwwww

>>419-420
お菊さんかぁいいよハァハァ(
さてこの後の展開どうしよっかなー(ぁ

>>434
噂のワイルドハント来た!
やばげな奴らが揃ってるなぁ……

>>463-464
いいねぇこういう単発、事件が解決してよかった
少女の年齢によっては俺が犯人をry
468 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/15(日) 14:31:30.76 ID:VEFODKec0
最後の展開迷ってたら、あっという間に二日たった……orz
後編は今晩辺り投下予定です

三面鏡の人乙ですー
法の裁きか、天罰か……色々と考えさせられますね
娘を殺した相手に対し、それでも「死」ではなく「逮捕」を選んだ両親の心中はいかに……

名前は「有名人死亡/逮捕説」とすればいいのではないでしょうか?
469 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/15(日) 14:40:25.30 ID:Un/Sf53g0
>>440
>Qチートきゃらや強キャラ、ジョーカーキャラはどのようにすれば受け容れられるのかについて
笛の人が仰ってるように出番を減らせばある程度認められる気がする
出番ってのは、俺としてはやたら無双してる話を書かないって言う意味で、かな
日常くらいならバンバン出しても良かろう、将門様とか盟主様とかみたいに
敵だったら日常は諦めましょう(ぇ

あとCV若本さんは便利、何でも許せる
俺もニャルラトテップのCVは若本さんのイメージです
いつか裂邪vsニャルで間接的にフリーザvsセルやるんだ…

>>444
>つまり、ビアディーデビルを若本ヴォイスにしろと……
俺的にビアディーさんは……誰だっけ、福山潤? ルルーシュの

>>448
>タコ系烏賊系以外で触手できそうなのって何だ、クラゲか?(海洋生物から離れろ
4月からクラゲの都市伝説の契約者を出す奴がここに

>>456
>ゴメン俺コウイウノホントムリ
プラモの人も虫嫌いか…案外このスレ虫嫌い多い?(←幼虫とか大好き
470 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/15(日) 14:43:06.07 ID:Un/Sf53g0
>>468
>名前は「有名人死亡/逮捕説」とすればいいのではないでしょうか?
そういや俺、「○○生存説」っていう都市伝説使う予定あるんだよな…(名前もこのまま使用予定
それで歴代の死亡した敵キャラを復活させたりするんだ(※ただの迷惑です
471 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/15(日) 15:01:07.52 ID:VEFODKec0
シャドーの人ありがとうございます

>俺的にビアディーさんは……誰だっけ、福山潤? ルルーシュの
あールルーシュか……いいかもしれませんね、はい。
妹第一の彼と違い、こっちは完全な利己主義者ですが。

>プラモの人も虫嫌いか…案外このスレ虫嫌い多い?(←幼虫とか大好き
単純に姿形が嫌いなのもあるんですが………幼少期、隣の梅の木から毎年毛虫が家の方へ落ちてきましてですね……
婆ちゃんが一匹ずつ踏み殺してたんですが、その期間中はいつも玄関先が地獄絵図だったというorz
ちなみに現在その木はありません。俺が高校生の時に枝全部落とされた上、防虫剤かけられてました。

>「鎧武者」さん……ほろり
初めてでしょうからね、「真っ向から戦っての敗北」を味わえたのは。
生前の彼女は初陣に出る直前に……故に5276とトンカ裸ちゃんは彼女にとっての恩人なのです。

>漁夫の利はもげていい(
だからこういう事言うと、むしろその人に切りかかる勢いです(ぉぃ
(武者娘>我が名は都市伝説【鎧武者】!またの名を、主様の愛人二号である!

>トンカ裸トンちゃんも戦いの間に色んな事を学んでるんじゃないかとドキドキ
様々な出会いと触れ合いを経験し、彼女もゆっくりとですが成長しているのです。

>それも例の赤い褌wwwwwwwwwwww
【熊蜂根性論】と組み合わさるとチートに見える!

>それで歴代の死亡した敵キャラを復活させたりするんだ(※ただの迷惑です
おお、何かクロスものに使えそう

蘇る過去の亡霊たち!
今、色んな物語の主人公たちが集い、最後の決戦の火蓋が切られる!
それぞれがボスキャラたちと奮戦する中、何故かイチャラブしてる裂邪とミナワ!
そして、美味しいところだけ持っていくチートキャラ!(色々と待て
472 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/15(日) 15:20:06.89 ID:Un/Sf53g0
>>471
>あールルーシュか……いいかもしれませんね、はい。
もっとダンディーな方で言えば藤原啓二さん(だっけ?)かしら
野原ひろし…というとイメージ悪いか……アリー・アル・サーシェス、マース・ヒューズ、木原数多とかですね
ビアディーさんみたく丁寧語で喋るキャラはドクタートモウキとか(チョイスが酷ぇ

>婆ちゃんが一匹ずつ踏み殺してたんですが、その期間中はいつも玄関先が地獄絵図だったというorz
なるほどそりゃ嫌いにもなるわwwwwwwww

>(武者娘>我が名は都市伝説【鎧武者】!またの名を、主様の愛人二号である!
愛人ってはっきり言うなwwwwww

(ローゼ>…裂邪さん、ワタクシは愛人に数えられるのかしら?(ビクビク
(裂邪>…数えるか否かなら、数えるかも知れん…

>【熊蜂根性論】と組み合わさるとチートに見える!
今後の活躍にwktkせざるを得ないぜ!

>それぞれがボスキャラたちと奮戦する中、何故かイチャラブしてる裂邪とミナワ!
(裂邪>そこまで空気の読めない奴じゃないぞ
(シェイド>モハヤ『裂邪とミナワ=イチャラブ』ノ式ガ定着シテイルナ…クフフ
(裂邪>今俺を笑ったな!?
473 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/15(日) 15:37:09.48 ID:VEFODKec0
>>472
>もっとダンディーな方で言えば藤原啓二さん(だっけ?)かしら
なんか凄くしっくりきた気がwwww

>なるほどそりゃ嫌いにもなるわ
ですよね……一番のトラウマは、前半分だけ潰された奴がウネウネト……イヤアアアアアアアアアアアアアアア

>愛人ってはっきり言うな
親化した翌日、O-No.0との挨拶ではっきり言い放ちましたからねこの娘。
というか裂邪、それ浮気じゃ(泡に包まれました

>今後の活躍にwwktkせざるを得ないぜ!
ちなみにというかやはりというか、例のあだ名をトンカ裸ちゃんにつけるのもこいつです!

>(裂邪>そこまで空気の読めない奴じゃないぞ
あ、気を悪くされたのならすいません……ただ、息のあったコンビネーションを見せてくれるのではないかと
474 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/15(日) 15:53:40.33 ID:Un/Sf53g0
>>473
>なんか凄くしっくりきた気がwwww
俺もさっきあの話読み返してみたら、もう藤原さんでしか脳内再生されなくなったwww

>ですよね……一番のトラウマは、前半分だけ潰された奴がウネウネト……イヤアアアアアアアアアアアアアアア
それはイヤアアアアアアアアアアアアアアアア!?(←虫は好きだがグロは苦手

>親化した翌日、O-No.0との挨拶ではっきり言い放ちましたからねこの娘。
そういや、O-No.って大丈夫なのかしら
確か占い師と少女の人が使用予定だったような…

>というか裂邪、それ浮気じゃ(泡に包まれました
(裂邪>……色々あったんだ(頭を押さえつつ

本当は「マヤの予言」が既に終わっててそのシーンも書いてる筈なんだうわあああああ(オチツケ

>あ、気を悪くされたのならすいません……ただ、息のあったコンビネーションを見せてくれるのではないかと
(裂邪>そりゃあもう、ミナワだけとは言わずRainbowの名にかけて7つの都市伝説のコンビネーションを見せてやるよ
(ビオ>自分ハ未ダ登場シテイナイデアリマスガ?
(ナユタ>作者としては69話で顔出してるから大丈夫って言う認識らしいがね
(リム>酷いメタ発言バクね
475 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/15(日) 16:04:59.25 ID:VEFODKec0
>>474
>確か占い師と少女の人が使用予定だったような…
なん、だと……!?不味かったら上司とかに直したほうがいいですかね

>(裂邪>そりゃあもう、ミナワだけとは言わずRainbowの名にかけて7つの都市伝説のコンビネーションを見せてやるよ
(紫亜>それ、すごく見てみたいです!←時系列的にシェイドとミナワしか知らないと思われ
476 :やる気なさそうな人[sage]:2012/01/15(日) 16:14:42.46 ID:VFojxYhDO

占い師の人がどういうO-No.を考えてるかによるんじゃないかな
特殊なナンバーだったら、例えばH-No.はほぼ実験体、k-No.はほぼ居なくなったし、T-No.は確かある目的のために作られた設定だった、と思うし
477 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/15(日) 16:22:18.36 ID:cuMeXkgmo
>>466
> これって名前報道されてなくても狙えるのかしら
顔と名前が知れ渡ってる有名人、ってのが限定条件でしょうなぁ
それじゃないとデスノート級になってしまうww

> 少女の年齢によっては俺が犯人をry
犯人が思い切りロリコンとかでないなら高校生ぐらいじゃないですかね?ww

>>468
> 名前は「有名人死亡/逮捕説」とすればいいのではないでしょうか?
都市伝説そのものとしてちゃんと元ネタが判った方がいいかなぁという事で
死亡説と逮捕説で一番有名であろう件を選んでみた次第でありますww
478 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/15(日) 16:26:56.64 ID:Un/Sf53g0
>>475
>なん、だと……!?不味かったら上司とかに直したほうがいいですかね
そんな貴方にアドバイス
『O』ではないけど『O』に似た文字に変更すれば良いのさベイベー♪(誰
例えば『ο-No.(オミクロンナンバー)』、まぁ打ち込むのは面倒だけどね

>(紫亜>それ、すごく見てみたいです!←時系列的にシェイドとミナワしか知らないと思われ
(裂邪>どんな状況で出会っちまったんだろう…
(理夢>いや、最近の主ならシェイドかミナワしか使わない事も多いしな
(ウィル>「レイヴァテイン」持って一人で終わらせちまう事もありやすねぇ
(裂邪>…お前らもしかして怒ってる?

>>476
>占い師の人がどういうO-No.を考えてるかによるんじゃないかな
それもそうですね、ちょいと過去レス漁ってこようかしら

>>477
>犯人が思い切りロリコンとかでないなら高校生ぐらいじゃないですかね?ww
ほう、それは残念(どういう意味だ
479 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/15(日) 16:31:35.18 ID:VEFODKec0
>>478
>『O』ではないけど『O』に似た文字に変更すれば良いのさベイベー♪(誰
すみません、その案ありがたく頂戴いたしますm(__)m
『ο-No.(オミクロンナンバー)』、通称『感染系都市伝説担当部署』という事で一つ
480 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/15(日) 16:41:17.00 ID:KE3g9M2AO
>そういや、O-No.って大丈夫なのかしら
確か占い師と少女の人が使用予定だったような…
あちゃー。自分も使っちゃいました。
他のNo.を考えて修正した方がよさげかな。占い師と少女の人がどういう位置づけにするかもわからないし…
481 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/15(日) 17:15:33.56 ID:cuMeXkgmo
>>478
> 『O』ではないけど『O』に似た文字に変更すれば良いのさベイベー♪(誰
これを見て○(まる)ナンバー、○の部分は誰が発言してもどこからともなく修正音が鳴るなんてのが頭に浮かんでしまった
七不思議の誰も知らない最後の一つみたいな?ww

> ほう、それは残念(どういう意味だ
ロリっ子が被害者の方が良かったというのかね君は!wwwwww

>>479
> 『ο-No.(オミクロンナンバー)』、通称『感染系都市伝説担当部署』という事で一つ
オミット、ミクロンを合わせた響きと感染系という部署のお陰で
隔離とか細菌とかのイメージが脳内で(爆)

>>480
> 他のNo.を考えて修正した方がよさげかな。占い師と少女の人がどういう位置づけにするかもわからないし…
特殊な役割でないなら、番号さえ被らなければ別派閥なんて使い方も
いや自分がAナンバーでやったんですけどね(爆)
482 :やる気なさそうな人[sage]:2012/01/15(日) 17:20:32.30 ID:VFojxYhDO

まあいろいろ言っても
自分もO-No.一人出してたけどね
483 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/15(日) 17:22:31.38 ID:VEFODKec0
>>481
>隔離とか細菌とかのイメージが脳内で(爆)
おお、何というフィット感wwwwしっくりきたので次回からこれで行こうと思います
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県)[sage]:2012/01/15(日) 17:47:56.05 ID:EOWiuOOdo
辞書登録とかしておけばパっとめんどくさい文字も出せるぜ
誰かが組織のbフ使用予定者をまとめてくれてたリストをどこかのスレにあげてた記憶があるんだがどこだろう
485 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/15(日) 18:21:26.94 ID:Un/Sf53g0
2時間かけてようやく占い師と少女の人のレスを発見…目が、目がぁぁぁぁ(
どうやらO-No.の上位は強硬・過激派寄りみたいな

>>479
>すみません、その案ありがたく頂戴いたしますm(__)m
お気に召したようで何よりですの♪

>>480
>他のNo.を考えて修正した方がよさげかな。占い師と少女の人がどういう位置づけにするかもわからないし…
アドバイスパート2♪(帰れ
キリル文字で『о(オー)』というのがありますぜ!(『キリル』もしくは『ロシア』で変換すると出ます
読みはアルファベットの『O』と被るけど、カタカナ表記を『オウ』とかにして差別化したりすれば大丈夫、かな?



ちょいと飯
486 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage]:2012/01/15(日) 18:38:49.62 ID:VEFODKec0
>>485
>2時間かけてようやく占い師と少女の人のレスを発見…目が、目がぁぁぁぁ(
お疲れさまでしたー!
上位は強硬・過激派寄りか……うん、大丈夫だ
487 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage]:2012/01/15(日) 18:39:56.41 ID:VEFODKec0
っとと、自分のはもうο-No.(オミクロンナンバー)だから関係なかったwwww
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/15(日) 18:41:17.69 ID:CAbJj1YAO
>>484
八尺様の人がまとめてたような記憶が
探すと>>485のシャドーマンの人みたいなめにあいそうだww
489 :彼はこうして片目を失った[sage]:2012/01/15(日) 21:26:17.51 ID:F+d00OjT0
 あの幼い少年を養子として引き取った時に気がつくべきだった。
 あの男が、自分の損得でしか動かない男がどのような意図を以て私にこの少年を預けたのか。

「お母様、見てください。この本に書いてあった通りにしたら“契約”というものができました。これで僕も魔法使いですよね?」

 右の眼窩から血を流しているのに笑う少年。

「申し訳ございませんお母様、床はすぐにきれいにします」

 少年はまるで当たり前のように自分の右手を治めるべき目玉の消失した眼窩に当ててぼそぼそと小さく呟く。
 すぐさま血は止まり、少年の青白い顔も見事に健康的な色に戻っていく。
 しかし、彼の目はもう無い。

「どうしたのですかお母様?」

「あれー?二人共また何か……」

 魔術の練習を終えて部屋から出てきた娘が悲鳴をあげる。

「お姉ちゃん見て見て!本に書いてあるとおりにしたら“ルーン文字”と契約できたよ!」

 娘と少年はそのまま気絶してしまった。
 私はこの少年をとりあえず医者の所につれていくことにした。

「やはりそうなりましたか……」

 嬉しそうに笑う医者、この男が私にこの子供を養子にするように依頼したのだ。
 魔術の手伝いには丁度いい頭の良い子だと。
 母親を亡くして世話できる人間が居ないのだと。
 容量も中々、言葉遣いもしっかりしていて私は魔術の助手に二重の意味で向いていると思って子供を引きとった。
 一つ目は純粋に助手として契約者としての能力、二つ目は古くから契約者を多く輩出している家の子供ということで種馬としての役割。

「どういうことかしら?誰にも教えられずルーンが読める子供なんておかしいわ、異常よ。貴方が仕込んだのでしょう!
 あんな幼い子供にこんな酷い真似させるなんて信じられないわ!」

「知りませんよ、私も確かにルーンは使いますが……」

「じゃあなんだって言うのよ!他所様から預かった子供をこんなにしてしまって、どう責任をとれば良いの!」

「あー、そこらへんも含めて今彼の実の親を呼んでます」

「え?」

 ちょ、ちょっとまって。心の準備が……心の準備がまだできてない。
 土下座で済まないレベルだわ、どうしましょう本当に一生をかけて償うくらいじゃないともう……
 実の娘もちゃんと教育できず、他所様から預かった子供は傷物にしてしまうし……

「あー、ヨツバさんですか?」

「この度は本当に申し訳ござい……」

「いや、あいつが勝手に読んだんでしょう?その本。完全に自業自得ですよ。片目を代償にして契約もきっちり成立しているならたいしたもんです。さてあの年でどれほど強くなったか……」

 そう言って少年の実の父親はニヤニヤと笑っていた。
 ……バケモノだ、何故笑っていられるんだ?

「俺の知り合いにも剣術の修行中にオヤジに片目潰された奴が居たんですよ、いや強かったなあ……」

「明久さん、それよりも彼が何故ルーン文字に関する本が読めたか説明を」

「おっとすまねえ」

 その少年の父によれば、少年は“異常”に言葉が早く、大人が読むような本もパラパラと眺めるだけで理解してしまう上に外国語まで教えるとすぐに覚えるのだそうだ。
 だから自分で本を読んで“なんとなく”で読めてしまったのではないかとのことだった。
 異才だった。魔術関連の都市伝説と契約した人間や私達のような都市伝説“魔女”の家系にあるものからすれば喉から手が出るほど欲しい才能だ。
 サンジェルマンが私にこの少年を送りつけた理由はそれか。
 私の家は確かに日本に帰化した魔女の一族で、ルーンや密教の真言、さらにはクトゥルフに関係する魔術書など解読自体難しい本が大量にある。
 それらを全てあの子供に解読させればサンジェルマンは知識を得られるし、あの男は自分の息子が強大な魔術師になると思ってるのだろう。
 この二人は……子供のことをなんだと思っているんだ。
 だが怒った所でしかたない、何の得にもならないことと一族を大切にすることが魔女の流儀。
 それに感情に任せて怒鳴り散らすほど私は子供ではないのだ。
 その場を丁寧に辞去して私は少年を家に連れ帰り、尋ねた。

「なんであの本を読んで儀式の真似をしようと思ったの?」

「だって、読んだら褒めてくれると思ったんだもん
 本をいっぱい読んでその話をして褒めてくれるのってお母様だけだったんだもん」

 私は何も言わずに彼を抱きしめた。
 その日から彼は手伝いの少年などではなく、本当の意味で私の息子になったのだと思う。 
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/15(日) 21:53:43.77 ID:F+d00OjT0
この前の善良上田の話の前日譚
リライトバージョンマジでやるとしたらこのあたり肉付けして第一話かなあ
あのイカタコハマチ触手アタックは実はルーンで制御しながらやってるんだぜ
全く別の魔術体系を好き勝手組み合わせるのは魔術の家に生まれなかったからやれる滅茶苦茶なチートなんだ
英語とロシア語と中国語を組み合わせながら一文ごとに文法も変えて文章書いている感じ
あと上田少年の異常性が言語系の都市伝説の契約コストをほぼ0にしていることにはまだ誰も気づいてない
491 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/16(月) 00:01:11.92 ID:fOy0jlql0
ヨツバさん可愛い(
というか明也ちゃんも可愛い(
善堕ちか否かでこうも印象が変わるのか…恐ろしいね
笛の人乙でした〜

>>481
>これを見て○(まる)ナンバー、○の部分は誰が発言してもどこからともなく修正音が鳴るなんてのが頭に浮かんでしまった
しかし修正音が『ピー!』となってしまえばそれらはP-No.に(ならねぇよ

>ロリっ子が被害者の方が良かったというのかね君は!wwwwww
正直その方が抜けるじゃない!(

>>484
>誰かが組織のbフ使用予定者をまとめてくれてたリストをどこかのスレにあげてた記憶があるんだがどこだろう
すまん、あるのは覚えてるんだけどNo.0リストしか見当たらなかった……orz
492 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage]:2012/01/16(月) 00:11:10.03 ID:GaGlOhC00
前回までのあらすじ:赤褌=英語でa red loin cloth【レッド・ローイン・クロス】


赤いヘルメットに赤い褌。背には蜂を思わせる透明な羽。

「市民のピンチに誘われて、闇夜を駆ける浪漫道!褌戦鬼・レェェェェッド、クロス!!」

―――まごうことなき変態がそこに居た。


「な、何者だ……?」

「外道に名乗る名など持っておらん!……む、そこの少女は都市伝説か?」

………最初に名乗ったのは何だったんだろう、などと考えていたトンカ裸トンちゃん。
すると、謎の赤褌男は懐から小瓶を取り出し「そぉぃっ」と彼女に向かってそれを投げた。

「………!」パシッ

「その【御魯菜民志―】には、俺のRC細胞が入っている!それを飲めば、少しは体力が回復するはずだ!」※要は血の混じったオ○ナミンです

「ん………ありが、とう?」

「……はっ!?」

あまりの衝撃に呆然と立っていたο-No.25613だったが、赤褌男の『体力が回復』という言葉を聞き我に返った。
いつでも攻撃できるよう泥田坊たちを男の背後に回らせ、自身も指を突きつけて問い詰める。

「貴様、見たところ「組織」の契約者ではないようだが……その女に手を貸すと言うのなら、容赦はせんぞ?」

「んっ…ぷはぁ」コクン…コレ…アンマリオイシクナイ

「……やはり【飛脚の赤褌】が警告した通りだったか……とうとう化けの皮が剥がれたようだな!」

ο-No.25613に向き直る赤褌男。表情こそヘルメットで見えないが、彼の両拳は怒りでブルブルと震えていた。

「容赦しない?こちらの台詞だ!例え都市伝説だろうと、ここまで女子供を酷い目に……絶対に許さんぞ、悪の「組織」共!」

「はぁ?ふ、ふははははははは!笑わせるなよ一般人、生憎お前のような馬鹿に付き合ってる暇はないんだ……」

「………!」…カラダガウゴク…

そう言いつつ、赤褌男の背後で巨大な泥の『鎌』が出来上がった事を確認したο-No.25613は、

「ヒーローごっこはあの世でやってろ、この変態が!」

「………?」………アレ?

泥田坊たちに指令をだし、始末させようとした―――が。

「フンッ!」バキッ!

『ぐぉぉぉっ!?』グシャァッ!……パラパラ

「………」イマノ…ナンダロ…?

振り返ることなく、後ろに裏拳を叩き込んだ赤褌男。その一撃をくらった『鎌』は、泥に戻る事なく……そのまま四散した。
493 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage]:2012/01/16(月) 00:11:55.35 ID:GaGlOhC00

「お、俺の泥田坊が……貴様、一体何をした!?」

「泥で身体が作られていようと、それを維持する都市伝説の『核』がどこかに存在する!私はそれを《根性で破壊した》だけだ!」

「『核』だと!?」

「………かく………?」ジー……

すなわち、泥田坊という都市伝説が泥の身体を維持するために必要な『エネルギーの中心部』……それを破壊したのだ、そう男は告げる。
決して倒れぬ不死身の兵団……契約者である自分さえ知らなかった思わぬ弱点に、思わずうろたえるο-No.25613。
一方、二人の会話を聞いていたトンカ裸トンちゃんも周りの泥田坊たちに目を凝らし…………。

「………あ」…アレカナ?

「あ、ありえん!仮にそれが本当だったとして、何体もの泥田坊が合体したあの『鎌』!複数の核を一撃で破壊するなど不可能だ!」

「たまたま一か所に集まってたんだろう、《運良く》な!」

「く…ならば、先にあの「…ふっ!」女……!?」

赤褌男は後回しにし、標的をトンカ裸トンちゃんに変えようと再び指示を出すο-No.25613だったが、泥田坊たちからの返答が無い。
まさか、と思い向こう側を見た彼の眼に映ったのは、先程の『鎌』のごとく泥田坊たちを吹き飛ばすトンカ裸トンちゃんの姿だった。

『『『ぐぉぉぉぉ……』』』パラパラ……

「おお……倒すの、凄く楽になった」

「なん、だと!?」

「やるな……(【御魯菜民志―】には軽い体力回復程度の効果しかないはず……なんと、自力で『核』を見つけ出したというのか!)」

「ぐ…おのれぇぇぇぇ!所詮二人だ、囲んで一気に潰せ!」

ο-No.25613の叫びと共に、繁華街が泥田坊の群れで溢れかえった。
傍から見ても絶体絶命の状況で、トンカ裸トンちゃんと赤褌男……レッドクロスは自然と背中を預けあう形となる。

「それ程の腕を持っていたとは……余計なお世話だったようだな」

「(フルフル)けっこう、危なかった………」

「……今はあの「組織」の手先を倒す事だけを考えるとしよう。行くぞ!」ダッ

「ん………あいつ、敵!」タッ

ほぼ同時に地面を蹴り、二人のヒーローは泥田坊の群れへと突っ込んでいく。


そして―――――戦いという名の、一方的な処刑が始まった。


「ゆ、夢だ……これは悪い夢だ。泥田坊が……俺の、俺の無敵の兵団が、たった二人に……!」

「………はぁっ!」ズシャァッ!

「レッド・ナックル!」ドゴォッ!
494 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage]:2012/01/16(月) 00:13:15.92 ID:GaGlOhC00

そして、現在。
護衛の泥田坊たちも崩れ去り、完全に無防備となった黒服・ο-No.25613。
棒立ちとなった彼に向かい、トンカ裸トンちゃんが距離を詰め……

「これで………おしまい」

「う、うわあああああああああ…………なんてな」

彼女の日本刀がο-No.25613を切り捨てたと思いきや、その身体がボロボロと崩れだした。
その光景にトンカ裸トンちゃんはもちろん、駆け寄ってきたレッドクロスさえも目を見張り驚く。

「まさか……こいつも泥田坊か!?くそっ、いつの間にか入れ替わっていたのか!」

「………逃がし、た?」

「ああ、どうやら……少女よ、どうした?泣いているのか?」


「え………あ」ポロッ


レッドクロスに言われ、初めて自分が泣いている事に気づくトンカ裸トンちゃん。
必死に止めようとするも、一度自覚したそれを止めることはできず……。

「え、あ、あれ……なん、で」ポロッポロロッ

「…………(スッ)」

「………ぁ」

必死に目元を拭うトンカ裸トンちゃんの頭に、レッドクロスはそっと手を置いてやる。
その今まで感じた事のない暖かさに……もう彼女は、耐える事ができなかった。

「う、ぐすっ…ひっく……うわぁぁぁぁぁ……」

「よしよし……(襲われたショックが今頃来たのだろうな……おのれ「組織」!こんな少女にまで手にかけようとするとは!)」

「うわぁぁん……うわぁぁぁぁぁん……(逃がし、ちゃった……ルール破った奴、逃がし……何だろう、この気持ち……)


―――その辛く思い気持ちが《悲しさ・悔しさ》であり、レッドクロスの手から感じた温もりが《優しさ》だと―――


……トンカ裸トンちゃんが知るのは、また別のはなし。


【本日の戦い:終始劣勢、レッドクロスの助けが入るも敵には逃げられる】
【トンカ裸トンちゃんの負け(初)】
終わり
495 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage]:2012/01/16(月) 00:21:37.33 ID:GaGlOhC00
辛く思い気持ち×
辛く重い気持ち○

今日はこの後おまけを二つ程書いて終わりにしたいと思います。
496 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/16(月) 00:30:44.86 ID:Rk8lXfx70
良い、泣いてるおにゃのこは良いな!最高だ!!
赤褌かっけぇwwwwwwずれてるのもまたwwww
おまけもwktk
497 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage saga]:2012/01/16(月) 01:10:46.55 ID:GaGlOhC00
おまけ@〜その後のο-No.25613〜

―――トンカ裸トンちゃんとレッドクロスが立ち去った後―――

スゥ・・・ガチャ、グチャ、ゴチャ…スクッ

(25613>ふぅ……やっと行ったか。どうやら奴ら、黒服が都市伝説に飲まれ一体化している事は知らなかったらしいな。

(25613>あの女が切りつけた瞬間、自らを泥に戻す事で何とか奴らの目を誤魔化せた……。

(25613>しかし、まさか俺の能力にあんな弱点が……くそ!次に会ったら今度こそ……!


ザシュッ


(25613>へ、あ……?

(武者娘>悪いが……お前には『次』も、『今度』も無い!

(25613>ぐぁぁっ!貴様、何を……ひぃっ!ほ、包帯が……!

(25613>か、身体が……変えられていく!?俺の、俺の身体がぁぁぁぁ……!

(武者娘>…………

(25673>お、おのれ……泥田坊共!この女を殺せー!


シーン……


(25673>ど、どういう事だ……能力が、発動しない!?

(武者娘>……前々から疑問には思っていた。“都市伝説と一体化している黒服”がトンカラトン化するとどうなるか……。

(武者娘>一般人は自我を失う。我々都市伝説も記憶や容姿、能力の一部は残るものの放っておけば完全なトンカラトンとなる。

(武者娘>ふむ、どうやら今回のような場合……記憶と自我が保たれる代わりに、『都市伝説の情報が以前の物から上書きされる』らしいな。

(25673>馬鹿な……では、かつて俺を飲み込んだ泥田坊は……!

(武者娘>新しくトンカラトンとして生まれ変わったか、一方的に契約を解消され消滅したか……どの道、もはや貴様に抵抗の術はない。

(25673>ま、待て……任務は失敗したが、俺は【あのトンカラトン】を一人で追いつめたんだぞ!新たな反逆者の情報だってある!

(25673>それに……こんな独断行動、あの潔癖症の【ο-No.0】が許すはずが……「一般人女性7名、女黒服2名……」……!?
                       ・・・・・
(武者娘>貴様が今まで『反逆の恐れあり』と偽り、壊してきた女性たちだ……任務の名目で住処を空けさせ、貴様の全てを探らせてもらった。

(武者娘>R-No.の新入り達や、相棒の少女にも手を出す予定だったとは……《我ガ部署ノ汚点ヲ掃除セヨ》これが【ο-No.0】直々の命令だ。

(25673>ひ、あ……た、たす、助け……!

(武者娘>…………女を欲望のはけ口としか考えん人間の屑め…………!

『嫌……嫌ぁ……!助けて、お父様……!いやぁぁぁぁぁぁ!』


(25673>貴様のような輩が一番嫌いだ、この下衆がぁぁぁぁぁぁ!!


ズバッ……ゴトッ
(終わり)
498 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage saga]:2012/01/16(月) 01:17:28.77 ID:GaGlOhC00
うわああああああ最後の最後でorz
(25673>貴様のような〜×
(武者娘>貴様のような〜○
499 :1/2[sage saga]:2012/01/16(月) 01:22:54.80 ID:HbMfoumWo
 十二月二十四日。
 イルミネーションが輝き、陽気な音楽が鳴り響き、人々もどこか浮かれたように歩いている。
 だが、喧騒は街中だけであって、ひとつ道を曲がり小路に入ると静かな寒い夜となる。
 人通りが少ない路地に彼らはいた。

「準備はいいか、野郎ども!」
「応!」

 二十名ほどの武装した男達。
 彼らの目的はひとつ。

「いいか、今年こそあのクソッタレな赤い爺いどもに一泡吹かせてやるぞ!」
「応!」

 聖なる夜に子供達の枕元にプレゼントを置く、聖夜の象徴を狩る者達。
 去年も一昨年も一昨々年も彼らは人々に見えないところで戦っていた。
 一夜限りの戦いは日本全土のみならず、国外でも繰り広げられ、今では世界各国に支部までできている。

「武器の準備は整ったか!」
「応!」
「お祈りは済ませたか!」
「応!」
「敵は赤い死に損ないだ! 征くぞ!!」
「応!!」
「メリイイイイイイイイイイイ!」
「クリスマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアス!!」

 かしゃり

「――え?」
「伍長!?」

 兵士達の士気が最高潮まで高まった瞬間、号令をかけていた兵士が倒れた。
 ざわめきが少なかったのは兵士達がこの日のために何事にも動じぬよう鍛錬された証ではあるが、伍長は己の鍛錬の結末を見届けることはできなかった。
 地に伏した伍長の体からはすでに生命反応が失われている。

「誰がいかせるかい、阿呆」

 突然の声。
 声の主は背後でも横からでもなく真正面に姿を現した。

「動くな!」

 伍長の次――兵長の声と共に無数の銃口が声の主に向けられる。
 全てが当たれば蜂の巣どころの話ではない。
 しかし恐る風もなく声の主――老人はその姿を兵士達の前に見せる。

「散!」

 兵長の一言で兵士達が老人を取り囲む。
 たとえ老人と言えど一切の油断がない。そもそも彼らの敵は色こそ赤いが老爺なのだ。

「貴様は奴らの手の者か」
「誰が答えるかよ、阿呆」

 兵長の迫力に怯むことなく老人は右手に持つあるものを兵士達に向ける。

「……スマートフォン?」
500 :2/2[sage saga]:2012/01/16(月) 01:23:38.19 ID:HbMfoumWo
 かしゃり

 スマートフォンから音が鳴るとひとり、兵士が倒れる。

 かしゃり

 どさり

 かしゃり

 どさり

「契約者か!」
「気づくのが遅い喃」

 この間にもばたばたと倒れていく兵士。
 そのどれもがわけもわからぬと表情をしているのはどこか滑稽だ。

 とん
 とん
 とん

 スマートフォンを三回タッチ。

 どさ
 どさ
 どさ

 タッチした人数が倒れたのを見て、ようやく兵長が老人の契約している都市伝説を把握した。

「あのスマートフォンから離れろ! 『写真に写ると魂を抜かれる』契約者だ!!」
「もう遅いわい」

 兵長の判断ミスを告げるとすれば――敵前逃亡を許さなかったことにある。
 彼ら兵士は戦うために集められた義勇軍のようなものだ。死ぬ義務はない。そのミスが戦局を大きく左右する。

 かしゃり、かしゃり、かしゃり、かしゃり

 老人の指がスマートフォンの画面をタッチするたびに死人がひとりまたひとりと増える。

「触って撮れるのはいいが、流石に疲れる喃」
「――今だ!」
「連写ができるのも知らんのか、阿呆どもめ」

 かしゃかしゃかしゃかしゃかしゃ

 兵士に向けられたスマートフォンが半円を描く。
 緩やかとも言える動きなのに、全ての兵士は崩れ落ちた。
 簡単に。実に簡単に、この日のために鍛えられた兵士達はその命を失った。

「終わりましたか」
「ああ。全部終いよ」
「この中に彼らと成ったあなたの息子さんを殺した兵士はいましたか?」
「いいや。居らんかった」
「では、次の場所へ行きましょう。そちらにならいるかもしれません」
「……居やせんよ」

 大正生まれの老人は、歩みを進める黒服に毒づくとその後ろについていった。
 仇はすでに老衰で死んでいることを老人が知っていることを知らぬ黒服に。
 行き場のない恨みを晴らすためだけに自分の曾孫くらいの青年達を殺すことを是としないまま。

 十二月二十四日――クリスマスイブ。
 町では、何も知らぬ老若男女の笑顔で溢れている。

501 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:25:37.73 ID:HbMfoumWo
やめてよ、そんなの入らないよ!だから無理にいや、あっ、あっ……やめて!お願い!いや、いやあああ!
ん、ん、あ……ああ……ん、あぁ……だ、から、そんなの、入らないって言ったじゃない……
マイナスのネジ穴にプラスドライバーを差し込むなんて無理よ
(札幌の方言で「大変遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。昨年中は色々とご迷惑をお掛け致しました。多々ご迷惑をお掛けするかもしれませんが今年もよろしくお願い致します」の意)

そんなわけで先月の24日に投下予定だったものを投下しました。
さて、これから前回の続きを投下していきます。

前回は→http://www29.atwiki.jp/legends/pages/4575.html
502 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:26:15.16 ID:HbMfoumWo
 初めて至村さんと出会ってから一ヶ月。
 戦い方を教えてやると言われ師事していた時から約三週間。
 至村さんは今日も公園に来なかった。

「何かあったのかな」
「だろうな」
「アメにも何があったかわからないの?」
「てめえと一緒に行動してる俺にわかるわけねえだろうが」
「匂いとか」
「匂いでわかんならてめえもわかるはずだ、契約者」

 この三週間で『人面犬』との関係も若干変わり、『人面犬』にはアメという名前が付いた。
 最初は永六輔のような声をしていたからロクスケと呼ぼうとしたんだがめっちゃ怒られた。
 じゃあ浅田飴だと言うと呆れたような口調でアメでいいとのこと。だから『人面犬』のフルネームは浅田アメだ。
 その代わりというか何というか、アメもこちらを契約者と呼ぶようになった。
 信頼の表れと取っていいものかどうか。

「で、今日はどうする気だ?」
「別にいつも通りかな。後一時間くらい待って来ないようなら帰ろう」
「帰りに都市伝説と遭わなきゃいいけどな」
「怖いこと言うなよ……」

 ちなみに、あれから都市伝説と三回ほど戦っている。
 最初が『口裂け女』で、次が『トイレの花子さん』、昨日が『首無しライダー』だ。
 都市伝説相手の戦い、というか喧嘩すらしたことがないもんだから怖くて怖くて仕方がない。

 昨日なんておしっこチビるかと思った。
 ……いや、思っただけであって実際に漏らしたりはしてないよホントに。いやいやマジでマジで。
 思わぬことが起きたらビックリするのは当たり前のことじゃん?
 いきなり首が無い人見たら驚くに決まってるじゃない。人じゃなかったんだけどさ。
 あくまで比喩的な表現でチビると言っただけであって、実際は足が震える程度だよ。そうそう、めっちゃ足が震えただけ。
 決して漏らしたりなんかしてないッスよ。
 確かに悲鳴を上げて逃げ出そうとした情けない自分を認めるけどさ、漏らすわけなんかないじゃない、嫌だなあ。
 それでもなんとかかんとか撃退できたんだからそのくらいどってことないよ、うんうん。
 ほとんどアメが戦ったことも認めるよ、遠くから石投げつける程度しかできなかったしね。
 それとおしっこ漏らすとは話が違うんじゃないかなあと思うわけよ。
 戦いの役に立ってないこととおしっこ漏らすことはイコールで結んじゃあダメなんだよ。
 役立たずが皆、おしっこ漏らすわけじゃないでしょ? そういうことを言いたいわけ。わかる?

「てめえは少し自衛のために戦いに慣れとくべきなんだよ」
「うーん、別に逃げれば死なないからいいんじゃない?」
503 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:27:22.83 ID:HbMfoumWo
「死んだよ」
「そうか」

 西区にある小さな喫茶店――江良井と錨野のふたりは奥の席に座っていた。
 利発そうな少年が運んできたコーヒーを一口飲み、一息吐く。

「きみが原因なのは言うまでもないとは思うけど」
「ああ」
「あの日〈組織〉との戦いを終えた僕らがきみらの戦いを止めることが出来たのは本当に偶然だった」
「……」
「あの時点ですでに重傷。両手両足はもとより臓器に至っては全滅――この一ヶ月、僕らに出来たのは痛みと苦しみを取り除くだけだった」
「安らかに逝けたのか?」
「多分。きっと」

 一月前、〈組織〉との戦闘が終わりすぐに高城が自らの能力である『アメリカ村』が強制的に解除されたのを知った。
 走る彼らが見たものは血塗れになって横たわる新居と、顔色ひとつ変えずに立つ江良井。
 高城が咄嗟に『アメリカ村』を発動させて〈ゲーム王国〉の面々を異界に匿った。
 都市伝説とはいえ、イリアスも左半身をやられている。
〈組織〉の黒服をひとり屠った後の黒服の撤退までは錨野の描いた絵の通りに進んだものの、江良井の復活と参入は予想外であった。
 病院へ運ばれた新居の状態は言うまでもない。

「病院に無茶を言ってまだ霊安室にいる。生前からの希望は遺体はその辺に捨てといてくれと言われていたが、法律上は流石にそうはいかない。
 本人の希望にできる限り近い形、火葬のみで結構。遺骨はぼくらが連れて行く。そこで江良井くん。きみが搬送し、きみが火葬場まで連れて行くんだ。
 それが新居忠を殺した男の義務だ。――嫌だとは絶対に言わせない」

 いつも身に纏う飄々とした空気がない。
 悲しみと怒りと別の感情と。
〈ゲーム王国〉の仲間、新居忠の死は錨野にとってどれだけのものなのか。その心中は本人にしかわからず、錨野は語らない。そして江良井も問おうとしない。

「俺は葬儀屋だ。依頼が入れば動く」
「そうか……いや、そうだったね。きみはいつも――いや、今言うことじゃないか」

 自分のコーヒー代をテーブルに置き、錨野が立ち上がる。

「遺体の引き取りは今から……そうだね、準備もあるだろうから三時間後で結構。それじゃ、また後で」

 それ以上何も言わず、振り返らず錨野は立ち去った。
 葬儀屋という仕事に就いてから何度も見た光景。
 ひとりになった者の背中――しかし、今の錨野は似て非なるものだ。
 彼にはまだ仲間がいる。

 対して江良井は――
504 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:28:28.73 ID:HbMfoumWo
「お、元気してたか、バカ息子。一ヶ月も顔見せないから熊に食われたのかと思ったぞ」
「お蔭さんでな」
「お前のことだからどうせまーたロクでもないことに巻き込まれてるとは思ったけどよ、あんまり俺を巻き込むなよ」
「会社から電話がいったそうだな」
「当たり前だろ。従業員が連絡なしで三日も四日も無断欠席なら普通の会社なら心配するだろ」
「で、お前は何と答えたんだ莫迦親父」
「『お尻ピリピリ病にかかりまして、しばらく入院してるんです。面会謝絶と言われてるのでお見舞いは結構です。いつもいつも愚息がご迷惑をおかけしてすみません』だけど?」
「殴られる覚悟は出来たか?」
「おいおい、父親を殴るなんてとんでもない息子だな。大体何日も無断欠勤するお前が悪い。悲しいなあ、父さんはそんな風に育てた覚えはないぞ」
「育てられた覚えもない」
「――で、若返ったのはそのゴタゴタが原因か?」
「そうだ」
「また面倒臭いことしやがって。お前はナイスミドル向けじゃないな。チョイ悪親父はブームを過ぎたかに見せかけて今まさに盛り上がろうとしてるんだぞ? この俺を中心に」
「……もう喋るな」

 疲れたように頭を抱える江良井。
 新居から逃げられた翌日に会社に出向いた江良井が上司から聞いたのは奇病に罹ったせいで出勤できなかったとの言葉であった。
 犯人は言うまでもなく実の父。
 四日ぶりに出社した日から今日まで同僚を含めて妙に温かい眼で見られたのはそのせいだった。
 もっとも、都市伝説絡みで無断欠勤をせざるを得ない場合は過去にも何十回もあり、その都度父親の虚言で免れているのだが。

「んで、今日は何の用だ?」
「ここ最近この町で何かおかしなことはなかったか?」
「別になーんにも。この町にしてはいつも通りさ。どこかしこで暴れる連中がいたり、表沙汰にできない人死にが出たりは日常茶飯事だ。そう言えばここ最近『山崎渉』の落書きは見ないな」
「そうじゃなく……上手く言えないが、この町がこの町じゃないようなことはないか?」
「言いたいことが良くわからねえな。今のお前が巻き込まれていることがそれか?」
「確信は持てないが」
「何かあれば〈組織〉の連中が動くだろうよ」
「動いていないから問題なんだ」

 江良井と新居が戦った同日、錨野達は〈組織〉と戦っていた。
 早々に撤退して以来、〈組織〉の動きはないと言う。

 錨野達に対する警戒を緩めたか。――否。
〈ゲーム王国〉建国を掲げる連中を見逃すほど〈組織〉は甘くない。
〈ゲーム王国〉と〈組織〉の間で何らかの密約が交わされたか。――否。
 穏健派ならいざ知らず、彼ら過激派は密約など交わしはしない。
 共通の敵を江良井に定めたか。――否。
〈ゲーム王国〉は江良井を敵とすればどうなるか知っているし、〈組織〉も第一級監視対象者である江良井に対して敵との認識はしない。
 別の案件を抱えて手一杯の状況か。――否。
 以前姿を現したA-102のナンバーから察するに彼が所属しているのは、たとえ〈組織〉全体が動いていても独自の行動が許されている異端のグループである。別の案件で手一杯ということはありえない。

〈ゲーム王国〉を泳がせている最中か。
 そう考えるのが可能性として一番高い。

「どうでもいいけど俺が巻き込まれるのだけは勘弁してくれよ」
「文句はあいつらに言ってくれ」
「ところでよ、今度ニコ生主やろうと思うんだけどどう思う?」
「知るか阿房」
505 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:29:41.43 ID:HbMfoumWo
 新居の火葬が終わった後も、彼は動きを見せなかった。
 火葬に立ち会ったのは錨野ただひとり。
 火葬場から立ち上る煙を見上げ、何を思ったのか。
 誰も何も言わず、錨野が口を開いたのは葬儀の金額を払い終えてからだった。

「四十九日が終わり次第、ぼく達はきみの敵となる」
「そうか」
「最初からそうすべきだった。ぼく達の――いや、ぼくの覚悟が足りなかった」

 錨野は語りだす。
 自らの思いを、新居が骨となった今。

「この町における何者にも勝る最善は敵対しないことだと思っていた。この町は怖い。
 祟り神や笛吹き、寺生まれ、三国時代の武将、魔法使い、影使いや変身ヒーロー――今では話もあまり聞かないが――最強の主婦もいる。
 名前を挙げればキリがないが、ぼく達は彼らとは関わらずに水面下で事を進める予定だった。
 だがそうはいかない。江良井卓――きみがいるからだ。ぼく達……というよりは、ぼくがこの町で何かをする上できみだけは避けて通れない存在なんだ」
「過大評価だ」
「敵にならないのであればそれでよかった。だが、ぼく達のような異分子はこの町で誰かの敵にならなければならない。それがきみなんだよ。
 そういう風にできているのさ。この町――あえて括弧付きで呼ばせてもらおう――『学校町』の意思によってだ」
「『学校町』の意思とやらに俺が選ばれたとでも言うのか?」
「いや、違う。彼らこそが『学校町』そのものなのさ。皆は違うと言うだろう。だが、この町の害意に対して彼らはどうして戦う?
 何かを守るため? 誇りのため? そこに戦いがあるから? 与えられた任務だから? 快楽に浸りたいから? 気に入らないから?
 どれも違うね。彼らこそが『学校町』だからだよ。彼らが『学校町』だから彼らは戦うのさ」
「……」
「異変に対して素知らぬ態度で何も知らぬ一般人のようにただ過ごしていればいい。次の朝にはいつも通りお日様は東から昇る。
 きみも知っている通り、この町は様々なところから目を付けられている。放っておけば彼らが終わらせてくれるのにどうして自分達の手で決着をつけるんだい?
『学校町』に住む彼らには戦わないという選択肢があるのにそれを選ばないのはどうしてだい?
 一般人は『学校町』に意思はないと言うだろう。本当のところはどうだかなんてぼくにもわからない。
 だがね、ぼくは思うのさ。『学校町』が彼らを生み出したんじゃないかってね」
「自分を守るためにか?」
「いいや。『学校町』が『学校町』であるためにさ」

 町の意思。
 何かの比喩でそう言う者はいるだろう。
 だが錨野は本気で言っている。
 錨野風に表現するならば『学校町』は己の意思を持っていると。
 俄かには信じられない話だが、ありえないと江良井が一蹴しないのは江良井もまた感じているからなのか。
 信じられぬことが罷り通るこの町なら意思があってもおかしくはないと。
506 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:31:43.96 ID:HbMfoumWo
「ハワード・フィリップス・ラブクラフトの名前を聞いたことは?」
「クトゥルー神話なら読んだ」
「彼の綴った物語の中に『ネクロノミコン』と呼ばれる書物がある」
「知っている」
「それはラブクラフトが作り出した空想上の書物さ。どんな巨大な図書館にも置いていない」
「……大英図書館にもな」
「その通り。彼は世間に想像上の本が現実に存在すると思わせることに成功した数少ない者のひとりなのさ。
 彼の素晴らしさはそれだけじゃない。『アーカム』に向かおうとする者だって現れた。存在しない本や町を求めてだ。
 彼が綴る物語により、たくさんのモノが現実味を帯びた。そう、まるで――」
「――都市伝説のように、か」
「さて、ここまで言えばぼくの目的もわかってきただろう?
『学校町』はどこにある? 千葉県? 埼玉県? それとも東京?
 もっと言おう。学校町は通称にしか過ぎない。いつから、誰が呼び始めたのかもわからない。
 じゃあ、この町の本当の名前は? 今、僕らが立っているこの場所の正確な住所は?」

 今この場に存在するが世界中のどこにも存在しない町――学校町。
 だからこそ錨野は括弧をつけたのか。敬意の証に。

「『学校町』は存在しない町だ。だが、ぼく達がいるこの場所は『学校町』に間違いがない」
「だからお前達は『学校町』を〈ゲーム王国〉に書き換えるのか」
「違うね」

 静かに首を振る錨野。
 己の高揚を隠さず。だが、強く。

「現存しない国を現存させる。存在しないものが存在した時、世界はどうなるのかが知りたい。それだけだ」
「ラブクラフトはシェアワールドという形を取ることにより己の創作物を都市伝説に近付けた。お前のしていることは――」
「――ラブクラフトの一歩先だ」

 無から有を生み出す奇跡は都市伝説で行える。
 それとは限りなく似ているが限りなく異なる奇跡は可能なのか。
 ラブクラフトの一歩先と錨野は口にした。
 彼の眼には学校町がどのように見えているのか。

「そのためにはね、江良井くん。きみはぼくの敵じゃなければダメなんだ。遅いと笑われてしまうかもしれないが、ようやく覚悟ができた」

 正面から江良井の目を見据え、

「ぼくはきみの敵だ」

 ――敵となる宣言。
 対して、江良井の答えはひどくシンプルなものであった。

「そうか」

 この瞬間、錨野は江良井の敵となり、江良井は錨野を敵と認めた。
 老若男女区別なく、一切の容赦なく。
 総ての敵を殺害する男――江良井卓が錨野蝶助を敵と看做した。
 そして、物語は動き出す。
507 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:33:17.50 ID:HbMfoumWo
「なあ。あんた、〈ゲーム王国〉の人間だろ?」

 至村賢が声をかけられたのは陽が落ちるか落ちないかというくらいの夕方。
 彼らの仲間が死に、ひとりで火葬を終えたリーダーの下へと向かう最中のことであった。

「〈組織〉所属の契約者って言えば用件はわかるな?」

 やや恰幅の良い男――年齢は三十代であろうか――は口元にどこか野卑な笑みを浮かべて至村の前方に立っている。

「……用件はわかった」
「そりゃ良かった。場所はここでいいな?」
「かまわない」
「そう固くなるなよ。俺は金堂摩沙彦。能力は――自分で判断してくれ。〈ゲーム王国〉さんよ」

 黒の手袋をはめる金堂。
 その指先からは白い筋のようなものが見える。

「……〈ゲーム王国〉じゃない、俺は至村賢ってんだよ」
「ちなみにあんたの能力は?」
「企業秘密だ」

 前方の金堂へと同じくらいの警戒心を後方にも向ける。
 金堂の武器はほぼ間違いなく手袋に装備された斬鋼線だろう。となると警戒すべき都市伝説は『首なしライダー』か『ピアスの穴から出る白い糸』だ。
 どちらかが囮で油断したところをもうひとつの本命での攻撃に繋がるはずだ。微かに聞こえてくるバイクの駆動音は味方か、都市伝説か。

「俺はお前さんだけを倒せばいいのか?」
「あんたらの敵は沢山いるが、あんたの敵は俺ひとりだ。――俺の能力、見当は付いたようだが甘く見てるとあっさり死ぬぜ」
「そいつは怖いな」

 ゆっくりゆっくりとふたりの距離が縮まる。
 金堂の射程距離がどれだけのものなのか、至村の射程距離がどれだけのものなのか、どちらも間合を計りつつ近付く。
 至村の間合まであと一歩のところで金堂が動いた。

「いくぜ、至村賢!」
「来い、金ど――え、あ……」
「一丁あがり」

 血も噴かず傷もつかずその場に崩れ落ちたのは至村であった。
 見るまでもなく、その顔は死の色に染まっている。
 あっけなく決着は付いたのだ。

「ご苦労様でした」
「これで契約破棄っと」
「契約を続けなくていいのですか?」
「使いどころのない都市伝説だって説明したのはあんただぜ? こうして結果が出ただけ良しとしてもらいたいな」
「まあいいでしょう。十分とは言えませんが『志村けん死亡説』のデータが取れたのは僥倖でした」

 どこからともなく現れた黒服から渡された契約書にサインし、彼が元々契約していた都市伝説との再契約を済ませる。
 このためだけに本来契約していた都市伝説との契約を破棄し、『志村けん死亡説』と契約していたと知れば至村は何を思うだろうか。

〈ゲーム王国〉と戦闘後、〈組織〉がしたことは戦闘時にいた〈ゲーム王国〉の面子の徹底的な調査と監視であった。
 電話の盗聴は元より、彼らが使用した通信の徹底的な監視。彼らの能力全てを知ることは出来なかったが、彼らのメンバーは調べ終えた。
 メンバーは全部で六人。うち、江良井が殺した新居を除くと五人。
 その上で立てられた作戦――〈ゲーム王国〉メンバーの殺害。

 金堂摩沙彦を受け持つ黒服、A-107に割り当てられたのは至村賢の殺害であった。
 A-107が入手できたのは顔写真と名前、身長、体重――表層的な情報のみであり、何と契約しているのかは全く不明。
 そこで利用したのが使いどころのない都市伝説『志村けん死亡説』である。
 都市伝説の中で使い道のないものは多々存在するが、『死亡説』もそのひとつ。――何しろ、使うにあたって相手が同姓同名でなければ意味がない。
 だから己の担当する嘱託契約者、金堂に契約させて拡大解釈により同音異語でも発動可能にした。
 元から契約している都市伝説を契約破棄させたのは多重契約で金堂が飲まれるのを危惧したためだ。

「俺の仕事は終わりだな?」
「今回の報酬です」
「はいどうも。――それじゃ、また何かあったら呼んでくれ」
「どちらへ?」
「ソープ。人ひとり殺した金が泡風呂一回分ってのは悲しいなあ。今度からもうちょっとイロつけてくれよ」

 ぶつくさと言いながら立ち去った金堂へ答えることも見送ることもせず、横たわる至村の遺体を少し調べたA-107もまた現れた時と同じように姿を消した。
 ただ遺された至村を見つけたのは他の誰でもない江良井であった。
 一般人がするのと同じように至村に近付き声をかける。
 とはいえ、至村の顔色を見て事切れていると判断できたのは、数多くの敵を屠ってきたからであり、葬儀屋として数多くの遺体を見てきたからである。
 このまま放置するか否か――この町では人死は珍しくない。ただの殺人であれば警察の管轄だが、少しでも都市伝説が絡んでいれば事情は変わる。
 江良井は至村の死因が何に拠るものか見当が付かないでいた。

「人、殺し……?」

 その迷いがあったから――少年と『人面犬』に出遭った。

508 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo[sage saga]:2012/01/16(月) 01:36:25.64 ID:HbMfoumWo
投下完了。
アーカムといい、死亡説といい、かぶりまくりだが後悔も反省もしない。
それでは今宵はこれにて。
509 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage saga]:2012/01/16(月) 01:41:27.19 ID:GaGlOhC00
おまけA〜その後のレッドクロス〜

(赤褌>名前だけ言って寝てしまったか……よほど疲れていたようだな。

(トンカ裸>くぅ……すぴー……。  ←(おんぶ中です)


トン……トン……トンカラ、トン……トトトン、トン……トンカラ、トン


(赤褌>む?あの集団……もしや、さっきのは。

(トンカ裸>むにゃ……。

(トンカラ達>“トンカラトン”と、言え。

(赤褌>トンカラトン!やはり仲間同士の合言葉か。すまないが、この娘を頼む。黒服に先程襲われてだな……。

(トンカラ達>…………感謝、する。  ←トンカ裸ちゃんと自転車回収

(トンカ裸>(スッ)……これ。   

(赤褌>包帯……?ああ、ありがとう。


トン……トン……トンカラ、トン……トトトン、トン……トンカラ、トン


(赤褌>よかった……無事、仲間の所へ届ける事が出来たようだ。

(赤褌>しかしこの左腕に結んでくれた包帯、一体どういう意味が……おや?一人遅れて来るな。

(トンカラ>……俺はまだ、“トンカラトン”と言って……それは?

(赤褌>これかい?先程、君の仲間の一人がくれた物だが……ああ、皆そこの角を右へ曲がって行ったよ。

(トンカラ>……お前も、仲間か……仕方ない。トン……トン……トンカラ、トン……。

(赤褌>行ってしまったか……なに、同じ正義の道を進むならいずれどこかで会えるだろう!


『落ち着いたかい……君、名前は?』

『……とんかられん、と言えー……くぅ』


(赤褌>その日までしばしの別れだ……また会おう、【包帯戦姫・遁殻 恋】よ!
(終わり)
510 :プラモデルの外伝 ◆CmUeXhBqxg[sage saga]:2012/01/16(月) 01:44:16.60 ID:GaGlOhC00
投下は以上になります。
ちなみに補足しておくと、トンカラトン達が解いて渡した包帯は『トンカ裸トンちゃんの左腕部分』になります。

危うく葬儀屋の人とぶつかりそうになった……!
511 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/16(月) 04:52:24.07 ID:gfBBUObAO
434の人乙です
ワイルドハントかっこえー

三面鏡の人乙ですー
この青年と老刑事が相棒になったらすごい格好いいドラマが出来そう

笛の人乙です
善堕ちした明也さんのショタ殺しぃ←

プラモデルの人乙です
レッドクロスとトンカ裸トンちゃんのフラグですか
リ…リア充共め…

葬儀屋の人乙ですー
こうして聖夜は守られたんですね
次は性夜を(
そして人面犬ちゃんを呼ぶ時は
「アメちゃーん」
と呼ぶんですね…

>2時間かけてようやく占い師と少女の人のレスを発見…目が、目がぁぁぁぁ(
おおお…乙です

>どうやらO-No.の上位は強硬・過激派寄りみたいな
あ、じゃ変えた方が良さげだ

>キリル文字で『о(オー)』というのがありますぜ!(『キリル』もしくは『ロシア』で変換すると出ます
読みはアルファベットの『O』と被るけど、カタカナ表記を『オウ』とかにして差別化したりすれば大丈夫、かな?
アイディアありがとうございますー(感涙)
キリル文字о(オウ)使わせていただくことにしました。
512 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/16(月) 08:16:34.12 ID:GaGlOhC00
笛の人乙ですー
ルーンで“螺湮城本伝”を制御できる……何という才能の塊
『人は環境で変わる』とは言うものの此処までキャラが変わるんだよな上田……

葬儀屋の人乙ですー
ス、スマートフォンと『写真に写ると魂を抜かれる』の組み合わせがやばすぎるwwww
しかし、爺さん……気持ちはわかるが、息子さんは本当にそれで報われるんですか……(´;ω;`)
〈ゲーム王国〉の一斉排除か……江良井卓と錨野蝶助の完全対立と言い、今後の展開も楽しみです

>>496
>赤褌かっけぇwwwwwwwwwwwwずれてるのもまたwwwwwwww
基本はいい人なんです、基本は……でもこの場面をよく考えてみると
『下半身赤褌姿のヘルメット男が包帯巻きの全裸少女を泣かせている』というかなり危ない構図にwwww
……もう、色んな意味で深夜でよかった

>>511
>レッドクロスとトンカ裸トンちゃんのフラグですか
残念ですが、恋愛要素はお互いありません。
トンカ裸トンちゃんはそういった感情がまだ未発達ですし、レッドクロスに至っては「ヒーローとして自分がすべき事」をやっただけです
あえて上げるとするなら↓
トンカ裸→レッドクロス『暖い手の人』
レッドクロス→トンカ裸『正義の同士』
トンカラ達→レッドクロス『同胞の恩人』
といった感じです
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/16(月) 13:47:18.38 ID:IYAqLWtf0
皆さん乙でしたあ
レッドクロス……イケメンじゃねえかレッドクロス
レッドクロスというと格好良く聞こえちゃうじゃねえかレッドクロス
そういえばアメコミに似たような名前のが居た気がするレッドクロス
さて私はここまでで何回れっどくろすと言ったでしょう
写真のおじいちゃんはあれだな
コンピュータおばあちゃんを思い出すな
全く関係ないのに
カメラでの攻撃ってことは予備動作を除けばほぼ光の早さだよね!
あれ、すごくね?
葬儀屋の人のネタがアーカムだったり志村けん死亡説だったりするのは実は狙ってやった説
これをこれから笛の人は押していきたいと思います
我々は全員葬儀屋の人の掌の上で踊らされる人形にすぎなかったんだ!
葬儀屋の人の作品に刺激を受けたのでアーカムシティを麻婆豆腐で埋め尽くす謎の悪党「キリングマーボー」と覆面を被った正義の魔法使い「マスターストレンジ」の戦いを書こうかなあと思います
マーボー豆腐出す都市伝説ってなんかあったかなあ
手から唐翌揚げや和菓子を出す能力なら見たこと有るんだけど……
514 :単発ネタ[sage]:2012/01/16(月) 15:00:38.95 ID:Gx79/ceSO
彼は恋をしたことがなかった。
それどころか、女性に性的興奮を覚えた事すらなかった。
三次だろうと二次だろうと、ロリだろうと熟女だろうと、彼を満足させる事はできなかった。
もしや自分は男が好きなのではないか。
そう思い、そちらの方にも手を出してみたが、気持ち悪いという感想しかなかった。
そうして二十余年、彼は恋など知らずに生きてきた。
しかし、性欲がないわけではなかった。ムラムラする事もあった。
けれど、彼を満足させるモノはなかった。
適当なモノで鎮めてもいまいちスッキリしない。
彼は常に欲求不満であり、苛々していた。
だから
「私、奇麗?」
という、道端で突然、大きなマスクをした女に質問され
「知るかボケ!」
と即答してしまったのも、まあ、仕方のない事だったのだ。
「っっぅわあ!!?」
もちろん、「口裂け女」であるその女にそんな事を言えば、襲われるのは当然だったが。
彼は都市伝説には詳しくなかったが、口裂け女くらいは知っていた。
本物ではなく、真似をして鋏を振り回すキ○ガイだと思っていたが。
男はすぐに逃げだし、交番はどこだったかと頭を巡らす。
それより、携帯電話だと思いいたり、坂を駆け降りながらポケットをさぐる。
ふと、ただ直感のみで右へ跳ぶ。直後、彼のいた地面に鋏が刺さる。
「チッ」
静かに舌打ちをして、口裂け女は鋏を抜き、彼に鋏を向ける。
「マジかよ……!?」
アスファルトの地面に鋏が刺さる現実に混乱しながら、彼は辛うじて二撃目を避ける。
そして、
「そこの人!私と契約して下さい!助けますから!!」
どこからかそんな女の叫びが聞こえた。
この状況は何だとか、契約とは何かとか、そんな事は三撃目が彼の頬を掠った瞬間に吹っ飛び、「助ける」という単語に飛びついた。
「契約するから助けろ!」
そう言った彼の目の前には、今まさに鋏が振り下ろされようとしていた。
が、突然、口裂け女の両腕が、落ちた。まるで初めてから飾りだったかのように、ボトリと。
彼と口裂け女の耳に響いたのは、ゴロゴロと転がる車輪の音。
見れば、車椅子に乗った女が、坂を駆け降りてくる。
「だあぁぁぁぁらっしゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そして、その女はそのまま、口裂け女に体当たりした。
一瞬、口裂け女は車椅子を受け止めようとして、腕が無い事に思い至る。
そして、大きな音がした。
「あうっ!」
口裂け女に体当たりしたは良いが、乗っていた女も投げ出され、地面を転がった。
かなり痛いだろうに、女はすぐに彼の元へ這っていった。
「怪我はありませんか、契約者さん」
「何だ、これ……」
「混乱してますよね。でも説明は待ってください。まず、口裂け女をどうにかしないと」
「そうか、これが……」
「……?あの」
「これが恋か!」
「はいぃ!!?」
515 :単発ネタ[sage]:2012/01/16(月) 15:01:37.10 ID:Gx79/ceSO
彼の言葉に、女は驚く。
自分の容姿に自信などなく、なにより出会ったばかりなのにそんな事を言われるとは思わなかったのだ。
「結婚しよう」
「え!?ぇと、ふつつか者でs、違っ!あの、そのっ、そういうのは、もっと段階を踏んで……」
女はすっかり混乱していた。
そして、口裂け女の事を忘れていた。
「あ」
「え?」
女が後ろを見れば、口裂け女がいた。
無くした腕の代わりに、その口に鋏をくわえていた。
そして、口裂け女が走りだした。鋏を女の首に向けて。
女はとっさの事に、手も足もだせずなかった。
有名な話だが、口裂け女は100mを3秒で駆ける。
そんな速度で、接近する鋏の威力はどれほどのものか。
「彼女に触れるな不細工女」
そして、彼がバットのように振った車椅子に、その速度で突っ込んだ時の威力もどれほどだったろう。
「うぉぉぉぉ…………腕が痺れたぁ……」
腕を押さえながら、彼はしゃがみ込んだ。腕が折れていないのは奇跡と言ってもよかっただろう。
ひしゃげた車椅子とともに車椅子と転がった口裂け女は身体中が傷だらけになっていた。
何より、くわえていた鋏が、顔を貫き、その口はさらに大きく裂けていた。
「……………………」
それでも、それほどの傷を負ってなお、口裂け女は立ち上がった。
「しぶといな」
「契約者さんはさがっていて下さい。私が何とかします」
彼の半分程度しかない背丈で、彼を守るように立つ。
けれど、口裂け女はくるりと向きを変え、彼と女のいる方向とは別の方向へ走っていった。
ようするに、不利と悟って逃げた。
「……助かったのか?」
「みたい、ですね」
そう言って、二人はため息を吐いた。
「さて、さっきの続きだが」
「え?」
「子供は何人欲しい」
「え!?いや、あの、ですね」
「ペットは犬と猫、どちらがいい。もちろん、それ以外でも構わないが」
「待っ、待ってください!早いです!いろいろと早すぎます!!」
「……それもそうか」
「あ、分かってくれましt」
「こんな道端でこんな話をするのはダメだな。まずはどこかの喫茶店に行くのが先か」
「え…………ちょっと、待っ、契約者さん!?話を聴いて、待って!抱き上げないで!契約者さん!?」
彼は全く話を聴かず、暴れる女を簡単に抱っこして歩きだした。
その後、とある喫茶店で、一人の男と都市伝説「だるま女」が目撃されたが、それはまた別の物語である。

彼は恋をしたことがなかった。
それどころか、女性に性的興奮を覚えた事すらなかった。
彼は自分の性癖を理解していなかったから。

516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/16(月) 17:48:55.96 ID:QazycHGDO
自らの愉悦(セイヘキ)の在処を知ったというのか…
この主人公はとてつもない契約の才能を秘めているにちがいない
続き見たいわあ
517 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/16(月) 18:57:09.71 ID:GaGlOhC00
まさに運命の出会い……末永くお幸せに


ふと思ったんですが、この人【だるま女】に一目惚れしただけで、自身の性癖には気づいてないのでは…………?
【客の消えるブティック】とかと出会わなくて本当に良かったwwww
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/16(月) 19:04:41.64 ID:QazycHGDO
>>517
なん……だと?
しかしそれはそれで面白いな
自らの罪深さに苦しみ、愛することすら拒絶するか
それとも己をあるがままに受け入れるか…
519 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/16(月) 19:12:02.72 ID:GaGlOhC00
>>513
>レッドクロス……イケメンじゃねえかレッドクロス
な、何故『ヘルメット取るとイケメン』と言う裏設定がバレた!?

>レッドクロスというと格好良く聞こえちゃうじゃねえかレッドクロス
頭部:赤いヘルメット
上半身:羽用の穴付きジャケット、もちろん赤
下半身:赤褌『のみ』
足:ランニングシューズと長靴下、無論真っ赤

文章だと外見を気にせず活躍させられるからいいですよね!

>そういえばアメコミに似たような名前のが居た気がするレッドクロス
調べたところ、【キャプテン・アメリカ】という作品の敵キャラに『レッドスカル』という奴がいました……こいつかな?
なお、レッドクロスは英訳から思いついたので上記の作品及び敵キャラとは一切関係有りません

>さて私はここまでで何回れっどくろすと言ったでしょう
レッドクロス・5回
れっどくろす・0回
520 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/16(月) 19:15:52.55 ID:GaGlOhC00
>>518
それ以前に「自分は『両手足がなかった』から彼女を好きになったのか」と悩みそう…………
いかん、一気に欝展開になりそうだ
521 :やる気なさそうな人[sage]:2012/01/16(月) 19:36:58.22 ID:Gg15XAmDO

今度は敵の手足を斬り落として見ればいいじゃない

敵が女だったとしても男だったとしても
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/16(月) 20:23:05.17 ID:IYAqLWtf0
そうあれかしと叫んで切れば世界はするりと片付き申す
523 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/16(月) 20:41:45.48 ID:fOy0jlql0
皆様乙です〜(最近この形式ばかりだな…

>>497
>R-No.の新入り達や、相棒の少女にも手を出す予定だったとは……
>相棒の少女
(裂邪>俺に殺らせれば良かったものを……!!
(ローゼ>……あの、お気持ちは分かるけれど他のNo.との揉め事は極力避けたいですわ

>>499-500
スマホと「写真に写ると魂を抜かれる」か、面白い組み合わせね
しかしすげぇ確信犯だな黒服…真実を知りながらも関係のない青年を殺め続ける老人の心中や如何に

>>502-507
とうとう敵対するか……そして卓さんとアメが合流、一気に物語が加速するね!
ところで賢さん…永遠に「企業秘密」だなんてっ……!

>>509
遁殻恋wwwww激しく勘違いじゃねぇかwwwwwwww
だがそこがいい、でもレッドクロスもげろ(

>>514-515
まさかの欠損大好きかwwwwwwwwwwwwww
この発想は無かった、すげぇな……
524 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/16(月) 20:49:55.92 ID:fOy0jlql0
>>511
>あ、じゃ変えた方が良さげだ
でもまぁ、「組織」は同No.内でも考え方が違ったりするので大丈夫だったりしますよ〜
やる気なさそうな人の黒服Oは穏健寄りですし
とは言っても占い師と少女の人がO-No.使用宣言をなさったのが極最近なので仕方ないと言えば仕方ない

>キリル文字о(オウ)使わせていただくことにしました。
そしてお気に召したようで何よりですの

>>512
>残念ですが、恋愛要素はお互いありません。
時の流れというものは恐ろしいもので、唐突に「こいつらくっつけちゃえ♪」というほんわか発想が生まれたりもするのです
キャラが長生きしてたらの話ですが(

当初、裂邪とミナワをくっつけるつもりなんてなかったんだぜ…

>>513
>マーボー豆腐出す都市伝説ってなんかあったかなあ
都市伝説じゃないけど、麻婆豆腐に纏わる怖い(?)話ならあったよ
こちら↓
http://horror-terror.com/c-real/entry_8268.html
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/16(月) 21:26:04.54 ID:IYAqLWtf0
「キリングマーボー」

 アーカムシティ、という街がある。
 世界でも有数の都市伝説研究機関“ミスカトニック大学”を抱える特異点。
 人間だけでなく人外までも悪意と害意に駆り立てる異常にして異形の街。
 数多の犯罪、数多の快楽、数多の陰謀、数多の欲望。
 弱者は肉となり、強者はそれを食らう。
 
「すみません学生さん」

「え?私ですか?」

 そんな街の降霊学科に通う学生。
 彼は女性に道を尋ねられていた。

「ミスカトニック大学はどちらの方向にありますか?」

「えーっと、それなら向こうの曲がり角を曲がればすぐですけど……」

「ありがとうございます」

「あ、待って下さい。もしかして……貴方日本の方ですか?」

「ええ、そうですけど……」

「おおおおおお!私日本マニアなんです!私ミスカトニックの学生なんです!
 案内させて下さい!この街は何しろ治安が悪いですから!」

「あらあら……」

 そんな必要はないのだけどねえ、と呟く女性。
 しかしそれを聞いてない学生はニコニコしながら女性に手招きをする。
「こっちですよお姉さん!」

「あらあら、元気の良い人ね」

 そう言って尼姿の美しい女性はにこりと笑った。

「私、ニンジャが大好きなんですよ。闇に紛れていきなり現れる、クールです!」

「そうなんですか……ニンジャねえ」

「はい、ニンジャです。この街は治安が悪いですがニンジャが来てくれたら悪いやつを倒して街を平和にしてくれると思うんです
 私の知っているニンジャは主君に従い正義を貫くクールな戦士です!」

「ふむふむ……なるほど」

「あ、着きましたよミスカトニック大学」

「へえ、ここが……」

「どこに行こうと思ってたのですか?」

「それは秘密です、案内はここまでで充分ですわ」

「これは失礼しました、でも……」

「大丈夫ですよ、迎えがそろそろ来る頃ですから。ここまで案内していただきまして、本当にありがとうございます
 これはささやかながらお礼です」

 そう言って尼僧は巻物を渡す。

「家に帰ったら開けてみてください。忍者についても色々書かれていると思いますから」

「おお!?良いんですかこんなものをもらって!」

「ええ、貴方が持つべきものですよ。それは」

 尼の女性はそう言って頷いた。
 まもなく迎えが来たので学生はそのまま家路についた。
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/16(月) 21:28:36.04 ID:IYAqLWtf0
「んあ、ケインじゃん」

 途中、彼はサークルの先輩に会う。

「おやどうしたんですか先輩、こんな時間に?
 まだ日も登っている内から登校なんて魔術科の生徒らしくもない」

「いやあ博士課程ともなると色々勉強大変なのよ」

「そいつはお気の毒、時間ができたらまた飲みに連れて行ってくださいね」

「綺麗なお姉さんの居る店?姉ちゃんにバレたらぶっ殺されるからなあ。返り討ちにするけど」

「さすが先輩、頼りになりますね」

「また調子いいこと言って……、言っておくが本命が居ないと遊びは面白くないからな
 本命あっての遊びだ。お前はそこんとこを……ってもうこんな時間か、そんじゃあ行くわ」

「はい、でわでわ」

 サークルの先輩と別れて家路を急ぐ青年。
 この季節になるとアーカムも日が沈むのは早い。
 夜になるまえに家に着こうと急いだ青年は路地裏を通っていた。

「忍者、忍者ならこういう時屋根伝いに走っちゃうのかなあ」

 青年は紅に染まる空を見上げる。
 よそ見をしていたせいか、彼は向こうから歩いてくる男とぶつかった。

「すいません、失礼しました」

「いや構わないさ、物思いにふけるってのは誰にでもあることだからね」

 なんでもないといったように男は笑う。
 笑いながら、どこからか皿を取り出して青年の顔面に叩きつけた。
 路地裏に響く青年の悲鳴。
 彼が悲鳴を上げるのも無理は無い。
 彼に叩きつけられた皿の中身には赤黒く染まる激辛麻婆豆腐が入っていたのだから。
 激痛で転げまわる青年の上に馬乗りになって麻婆豆腐をこれでもかと叩きつける男。
 笑っている。
 高らかに笑っている。

「おいおい!なんで泣くんだ!この世で一番うまいものをご馳走してやっているんだぜ?
 笑えよ、笑わねえか?笑え!笑えと言っているんだこの●●●●!
 俺みたいに!口が裂けちまうくらいに笑って笑って笑って笑いまくれよ!
 そうか!解ったぞ!足りねえんだな!もっと欲しいか!
 済まねえ誤解してたよ!」

 男は懐から鋏を取り出して青年の手足を地面にくくりつける。
 青年の悲鳴などまったく聞いていないようだ。
 男は懐からなおも麻婆豆腐を取り出して青年の顔に叩きつける。

「うめえええええよなあああああああああああああああ!?
 麻婆豆腐ってやつはよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
 俺はこの味を世界中の皆に知ってほしくってさあああああああああああ!
 見ろよ俺の顔!始めて麻婆豆腐を食った時からこの笑顔の表情が固定されちまっててさあ!
 俺は気づいたんだ!涙に濡れるこの街にトラックいっぱいの麻婆豆腐を食わせてやろうってね!
 のべつ幕なしに麻婆豆腐を食わせれば皆笑顔!この街も平和になるってもんさ!
 ポリ公も!ギャングも!ヤク中も!娼婦も!学生も!リーマンも!子供も!父ちゃんも!母ちゃんも! 
 ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

「契約者ー、もうそろそろ組織の人間が来るわ」

 笑い転げる男の肩にそっと手を置く口裂け女。
 まるでピエロのようなメイクをしているせいで口が裂けていることが分からない。 

「おっと、もう時間か。悪いなハニー」

 すでに青年は気を失っている。
 気管に麻婆豆腐が入って窒息死するのも時間の問題だろう。

「こんなつまらない所で捕まったら本当につまらないわよ、逃げましょう」

「オーケィ、じゃあな青年、最後に一つ良い事を教えてやる」

 男は目を垂れ下げて口角を極限まで吊り上げながら言い放つ。

「麻婆豆腐は飲み物です……バッハハーイ!」

 口裂け女の運転する車に乗って男は走り去っていった。
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/16(月) 21:29:45.05 ID:IYAqLWtf0
 その翌朝、上田は自宅で新聞のニュースを食い入るように眺めていた。
 紙面には【キリングマーボー現る!神出鬼没で被害者続出!】と書いてあった。

「キリングマーボー……」

「どうしたの?」

 新聞を読んでいる彼の目の前にコーヒーを置く文月。
 彼女は彼の呟く言葉に耳を疑う。

「許せん……麻婆豆腐を殺人の道具に使うなんて」

「は?」
 
「姉さん、俺決めたよ。このキリングマーボーは俺が退治する」

「いや、だからそのキリングマーボーって……」

「これは俺の戦いだ、悪いが姉さんは手を出さないでくれ」

「おいこら話聞けや」

「普段はまあ巫山戯ているけど、俺は何時か姉さんのことを守れる男になりたいんだ
 そして男として姉さんを……いや、姉さんと一緒になりたい
 その為にもこいつは超えなきゃいけない壁だ。俺の力で絶対に倒してみせる!」

「やだ……そういう事言われると恥ずかしいっていうか、私だって乙女なんだゾ
 そういうことはもっとちゃんとした場で……
 ―――――――じゃねえよ、さらっと関係ない話でごまかそうとするな」

「ちょっと麻婆豆腐買ってくる!」

「おいこらあああああああああああああああ!」

 こうしてアーカムに拠点を置く博士課程真っ最中の大学生魔法使い【マスターストレンジ】と
 アーカムを一瞬で麻婆豆腐地獄に陥れた狂気の悪党【キリングマーボー】の戦いは始まったのである……





 一方その頃




「うっ……ああ、俺は一体何を?」

 ケインは起き上がって自分が部屋のベッドで寝ていたことに気がつく。
 彼には昨日の襲われた記憶が全くない。
 
「とりあえず洗濯物をとりこむか……」

 しかしそれをまったく不自然に思わずに洗濯物を取り込むために彼は窓を開ける。

「おっとっと……!」

 窓を開けて洗濯物に手を伸ばした瞬間、突然強い風が吹き、彼は体制を崩す。
 その結果として彼を待ち受けていたのは

「うわああああああああああ!?」

 落下だった。
 しかし、彼はとっさに空中で姿勢を立て直し見事に地面に着地してしまう。

「え?」

 この時彼はまだ気がついていなかった。
 瀕死の彼はアメリカでしか存在しない都市伝説【NINJA】と契約していたことを。
 そして彼が【NINJA】と最良の相性を誇る契約の器であることを。

【「キリングマーボー」おしまい】
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/16(月) 21:47:21.76 ID:IYAqLWtf0
適当に書いた単発の世界を全て融合させる試みを始めました
529 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/16(月) 21:52:06.17 ID:fOy0jlql0
マジでやったのかキリングマーボーwwwwwww
「NINJA」が出たよ! お友達ができて良かったね風音ちゃん!(
尼姿のお姉さんは例のあの人か……
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/16(月) 22:10:26.57 ID:IYAqLWtf0
尼姿のお姉さんは契約によって人間の才能を引きずりだす実験とかしてるはず
適当に書いた単発は全て融合してディケイドのごとくカオスになります
531 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/16(月) 22:14:05.77 ID:fOy0jlql0
>>530
>尼姿のお姉さんは契約によって人間の才能を引きずりだす実験とかしてるはず
何故かシュラウドを思い出してしまった俺ってorz

>適当に書いた単発は全て融合してディケイドのごとくカオスになります
これからどんどんカオスになるのか…胸が熱くなるぜ!
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/16(月) 22:26:10.12 ID:IYAqLWtf0
>>531
気持ちは解るぜ!
ちなみに荒耶宗蓮がモデルなんだよ!
何故か女性にしちゃったけど
533 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/16(月) 22:26:48.20 ID:GaGlOhC00
>>523
>(ローゼ>……あの、お気持ちは分かるけれど他のNo.との揉め事は極力避けたいですわ
公式記録外の女性型都市伝説も含めれば、一体何人が犠牲になったのやら……武者娘の逆鱗に触れた結果、この外道は首と息子を切断されたそうです。
(ο-No.0>〔やっぱり、直接謝罪行かなきゃ駄目?〕
(ο-No.5276>当たり前でしょうが!一日中密閉された部屋の中で閉じこもってるから、こういう事態にも気づかないんです!
(ο-No.0>〔だって、外の空気は身体に悪いし〕
(ο-No.5276>つべこべ言わない!下手すりゃあの、『赤き幼星』の面々とウチの全面戦争にもなりかねなかったんですよ!?
(ο-No.0>〔わかりました……今、外出用のスーツとマスク取ってくるから……〕
(ο-No.5276>当然ですが、筆談ではなく肉声で謝りに行くべきです。無論、マスクその他も却下!
(ο-No.0>〔!?〕

>遁殻恋wwww激しく勘違いじゃねぇかwwwwwwww
完全に名前だと彼は思ってます、はいwwww

>当初、裂邪とミナワをくっつけるつもりなんてなかったんだぜ…
マジですか!?

って、キリングマーボー!?>>513が本当になったwwww
>尼姿のお姉さんは契約によって人間の才能を引きずりだす実験とかしてるはず
ああ、やっぱり隙間女そのものじゃなかったんですか……しかし本当に何物
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/16(月) 22:37:38.84 ID:IYAqLWtf0
いやあ……あの尼さんはマジで謎
筆者が目的とか決めてないし
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/16(月) 22:46:16.57 ID:IYAqLWtf0
【陛下と僕と獣の数字 第四話】

「なるほど、そういうわけで君は僕の家に無断で、しかも土足であがった訳だ」

「あ、あははは……いやそのたまったまですね。そちらの不定形で名状しがたきスライムが……」

「スライムじゃない!彼女は僕の愛しい人だ!
 それ以上その耳障りな音を出してみろ!今すぐ僕は君を殺す!」

「…………」

 やあ、全国の視聴者の皆様こんにちわ。金子セージだ。
 今日僕は陛下と一緒にお買い物をしている最中に何か名状しがたきものを見つけてしまってちょっとついていったら拉致されちゃったんだよね。
 謎のお兄さんに縛り上げられて地下室に監禁中さ!
 あーあ、どうせ同じ目に遭うんだったら金髪でちょいと吊り目で背が低いんだけど出るところは出ている美人さんにやられたかったな。
 ああそうだ、陛下にやってもらおう。
 グルグル巻にしてもらって蹴ってもらおう。
 うひょおおおおおおおおおおたまんねえや!妄想しただけでこのつらい現実も忘れられるぜ!
 え?なんでわざわざ名状しがたきものを追いかけたかって?
 ほら、僕って寺生まれじゃん?
 だからなんていうかこういうのってほうっておけないでしょ?
 あ、僕が「日常がー」とか「平和がー」っていってばかりの一昔前の無気力系キャラだと思った?
 違うんだよ、寺生まれだからやっぱり地域の人々の為とか思って妙なものごとには余計な詮索をしちゃうんだなー
 しかも大抵ヒットなんだよこれがさあ……
 え?じゃあなんで陛下を連れてこないかって?
 それはほら、女の子を巻き込まないようにと思ってね。
 ちゃんと「用事を思い出したから先に帰ってて!」とか言ったから。
 おれのばあかああああああああああああああ!

「そうか、君もまた彼女の美しさが分からないのか」

 え?

「じゃあ簡単だ」

 眼の前のお兄さんがニヤニヤと笑っている。
 
「君も」

 お兄さんの右腕がドロリと溶ける。

「同じようにしてあげよう」

 はい腕を高く上げて!陛下!陛下!助けて陛下!
 早く来てええええええええええええええええ!

「そこまでだ!」

 壁をぶち抜く轟音。
 来た!クラウディア皇帝陛下いらっしゃった!
 これでかつる!
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/16(月) 22:46:57.98 ID:IYAqLWtf0
「なんだい君は?」

「我が名はクラウディア・リインカーネーション・オクタウィア!
 獣の数字の契約者にして!そこの男の仕えている皇帝である!」

「そう、それでは皇帝陛下」

 男は指を鳴らす。

「死ね」

 突如としてクラウディアの後ろから漆黒のスライムが投網のような形になって襲いかかる。

「ふん、他愛ない。皇帝に隠し事なぞ通用せん」

 クラウディアは右手から冷気を放ってスライムを凍らせる。
 獣の数字による“絶対命令権”で“借り上げていた”都市伝説の力だ。
 彼女は一時的に他の都市伝説の力を奪い取ることができるのだ。
 しかしどこで奪い取ってきたのだろう。

「馬鹿な……!?」

「これは誅伐だ。黙して頭を垂れよ
 我が庭を荒らし、我が家臣に無礼を働いた罪は大きいぞ」

 そう言ってクラウディアは拳を振り上げる。
 男は叫び声をあげて抵抗しようとするがその時間も与えずに彼女の拳は男の胸を貫いた。
 そして心臓を抜き取り……握りつぶした。

「フハハハハハハハハハハハハ!なんだ!
 なんだなんだなんだなんだ!
 てっきり貴様の血はそこの化物を同じく黒く染まっていると思っていたが……
 契約がまだ浅かったらしいな!人間ごときが皇帝に勝利できる道理は無い!」

 クラウディアはそう言って笑った後に僕のロープを解く。
 忘れそうになるが彼女は残酷だ。
 僕を含めた自分の所有物を守るためならばどこまでも。
 でもその姿は単に愉悦に酔っているようにも見える。
 僕は少しだけ怖くて、だけど狂おしいほどに愛らしくも感じられた。
 あの狂気が、凶気が、狂喜が。
 獣の数字を持つ暴君、貴方はあまりにも美しい。

537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/16(月) 22:48:35.22 ID:IYAqLWtf0
「―――――私聞いたこと有るよ、皇帝を刺すのは何時だって奴隷だってね!」


 クラウディアが僕に肩を貸したまさにその瞬間。
 憎しみに彩られた少女“のような”声が響く。

「危ない!」

 凍りついていたスライムが再び動き始める。
 それは高速で陛下の心臓を狙う……が、僕がそれはさせない。
 何もできない僕だけど、男の子だから今目の前に居る女の子を守ることだけはできる。
 僕はクラウディアを突き飛ばした。
 胸が貫かれる。

「させんよ」

 だがそれはあのスライムによってではない。

「こいつは私の臣下で……大事な友だちだ」

 陛下が、僕の胸を貫いていた。

「獣の数字の名前において命ずる」

 赤い光がスライムに注ぎ込まれる。
 あんな膨大な心の力を注がれては並の都市伝説なら耐えられない。
 よしんば耐えたとしてもその頃には獣の数字が持つ魔力によって存在改変が行われている筈だ。
 同一存在でいることはできない。

「自害せよ」

 スライムは光の粒となって消滅した。
 陛下は僕の胸から腕を抜き取る。
 傷はない。
 痛みもない。
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/16(月) 22:49:05.79 ID:IYAqLWtf0
「これは……?」

「ふん、皇帝特権によってあの錬金術師から能力を借りてきたのだ」

「錬金術師……?」

「お前が先ほど会った男だよ、まあ良い。この辛気臭いところをさっさと出るぞ」

 陛下は僕の手を引っ張る。
 だが僕はそんな陛下の手を握って彼女をその場に引き止める。

「少し待っててくれないかな?」

 僕は手をあわせて簡単にお経を唱える。 
 声が空間に染みとおる。
 淀んだ空気が透き通っていく錯覚さえ覚える。
 クラウディアはきょとんとした表情で僕を見ていた。

「よし、おしまい」

「何をしていたのだ?」

「お経唱えてたの、今の人達を弔っていたのさ」

「今の奴らは敵ではないか」

「山川草木悉皆成仏、死ねば人すら仏だよ」

「つまり……セージはお前を殺そうとした奴らにすら情けをかけたのか」

「違うけど今はまあその理解で良いよ」

「なるほど……面白い、今のお経とやらを教えよ
 これは皇帝の命令である」

「え?」

「敵にすら慈悲を与えるとはいかにも王らしいではないか
 その考え方、気に入ったぞ」

「は、はあ……」

「そうと決まったらまずは帰宅だ!急ぐぞ!」

「はいはい、解ったから腕引っ張るな」

「それはそうと私の活躍がなければ貴様は死んでいたのだからそこらへんは感謝することを許可しよう
 あと私の華麗な戦いぶりについて言葉を尽くして賞賛することも特別に許可してやる
 詩人でない貴様には中々荷が重いとは思うが何緊張することはない
 私は寛大故言葉の拙さはいくらでも許して……」

「はいはい、そういえばアイス買い忘れてたから帰りに買っていこうか」

「わーい!」

 無邪気に喜ぶクラウディアを見つめながら僕はどうやって彼女に踏んでもらおうか真剣に考えていた。

【陛下と僕と獣の数字 第四話 おしまい】
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/16(月) 23:09:15.67 ID:IYAqLWtf0
ますますわからないクラウディアちゃんの能力
要するになんでもありなんじゃねえかとか言っちゃ駄目
クラウディアちゃんがうまく使ってるからそう見えるだけ
540 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/16(月) 23:23:06.23 ID:GaGlOhC00
これでまだB、さらに上の段階があるのかwwww
しかし、能力借りるには何か条件でもあるんだろうか……問答無用だったら手が付けられんが

>スライムじゃない!彼女は僕の愛しい人だ!
>憎しみに彩られた少女“のような”声が響く。

…………あれ?
もしかしてこいつら、本当に相思相愛だったり…………?
541 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/16(月) 23:43:38.15 ID:fOy0jlql0
笛の人乙です〜
黒いスライムと聞いて百合スライムを思い出したのは俺だけで良い
クラウディアたんカッコ可愛いよハァハァ
俺も踏まれたいよハァハァ

>>532
>ちなみに荒耶宗蓮がモデルなんだよ!
あの渋めのおじ様がモデルなのかwwwwwwwwwww

>>533
>(ο-No.5276>つべこべ言わない!下手すりゃあの、『赤き幼星』の面々とウチの全面戦争にもなりかねなかったんですよ!?
(ローゼ>あらあら、ワタクシはそんな物騒な事は致しませんわ、おほほほほほほ♪
(ルート>トップの姉貴ィ、目ェ真っ赤っかじゃないのぉ

>完全に名前だと彼は思ってます、はいwwww
後から『改名したのか?』とか更に勘違いが広がっていくんじゃなかろうかwwwww

>マジですか!?
本当は裂邪は人間の少女とくっつける予定だったんですよ
ミナワはあくまでただのヒロインと言う事でね
それがどうだね、今や恐らく中で出した回数ならジュニア部門でトップクラスですよ(
542 :プラモデルの外伝 ◆8lsxNFACAo[sage]:2012/01/17(火) 00:28:53.04 ID:y+mYdpyT0
>>541
>(ルート>トップの姉貴ィ、目ェ真っ赤っかじゃないのぉ
【扉の外】
(ο-No.0>(うわぁ……入り辛い、と言うか入るのが怖い)
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/17(火) 12:52:24.03 ID:1wo91NBDO
アーカムシティは昔の雰囲気が残る古都だという
そうなると俺の書くアーカムは都会っぽすぎる
旧市街と再開発地域に分ければ良いよね!!
544 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/17(火) 15:05:22.34 ID:y+mYdpyT0
トンカ裸外伝第5話、【悲しき別れ編】今晩投下予定です。
時系列的には>>509の翌日、正確には2011年12月3週目からスタート。
545 :単発ネタ[sage]:2012/01/17(火) 15:16:20.43 ID:DFaf4eqSO
酷い雨だった。
まさにバケツをひっくり返したようなという表現がしっくりくる。
今日は一日晴れだと言っていた天気予報はなんだったのか。
まあ、折りたたみ傘を持っていたからよかったけど。
今日は私の誕生日だというのに本当に気がめいる。
「誕生日にこんな事をしてるのも、どうかと思うけど。ねぇ?」
誰も喋らないから、なんだか寂しくなって、こちらから話しかけてみる。
それでも、目の前の黒服の男達は何も言わない。
突然だが、私は契約者だ。「電磁波」と契約している。
何?都市伝説じゃない?そんな事はない。
「電磁波で攻撃を受けている」とか、「電磁波で考えている事を読まれている」とか、『電磁波』は色々な事ができるらしいから。
私が通学中、電車に乗っていた時の事だ。
暇つぶしに「電磁波」の能力で電車内の人の思考を読んでいたのだが、そこに組織の人間がいたらしい。
それも、過激派に分類される。
まあ、そんな訳で、過激派が他の派閥に秘密にしてるに情報を色々知って、口封じに狙われているわけだ。
私だって、誕生日くらい家でダラダラしたかったのだ。
でも、黒服が来るのを察知したら出かけるしかない。
親やお兄ちゃんに迷惑をかけるわけにはいかないから。
黒服は全部で六人。全員、無感情、無表情な奴らだ。
正直に言って、こいつらは嫌いだ。
人間にあるべきものが、頭の中に無くて気持ち悪い。
さて、黒服が銃を取り出そうとしている。
全員、同時に、ぶれが無くて本当に
「気持ち悪い」
言っちゃった♪
相手が普通の人間なら、失礼だけど、どうせこいつら気にしないし。
そんな事してるうちに、銃口がこちらを向いていた。
でも、私は何もしない。
だって、私の攻撃はもう終わっている。
そうして、黒服は発砲した。それぞれ、隣の黒服に向かって。
私の能力は他人の思考を読むだけじゃあない。
他人の思考に介入する事もできる。
例えば、「隣の黒服が自分を狙っている」と思い込ませるとか、ね。
「さて、帰ろうかな」
今日は私の誕生日なのだ。こんな連中に邪魔されたくはない。
前から欲しかったバックをお兄ちゃんがプレゼントしてくれると言っていた。
楽しみだな。
「ん?」
ふと、上を見ると雨とは違う物が、こちらに向かって落ちてきた。


546 :単発ネタ[sage]:2012/01/17(火) 15:17:04.39 ID:DFaf4eqSO
酷い雨だった。
土砂降りといって良い。
今日は一日晴れだ新聞の天気予報には書いてわったはずだ。
傘なんて持って来なかったからびしょ濡れだ。
「終わりましたか?」
そう言って横に立つ黒服の女は自分だけ傘をさしている。
「終わったよ。雨のせいで、目印の黒服がいなかったら全然見えなかったけどな」
突然だが、俺は契約者だ。「ロズウェル事件」と契約している。
能力はいたって簡単。UFO、みたいな物を落とす事だ。
しかも、こんな街中で使っても、誰もUFOには気がつかない。ロズウェル事件は隠蔽された事件だから。
そんな俺の戦法は、敵に気がつかれない遠距離からの攻撃だ。
「で、今回の奴は何やったんだよ。傘と雨で分からなかったけど、女っぽかったよな」
「酔っ払って、公園で全裸になって騒ぎました」
「嘘吐け」
「ええ、嘘ですよぉ。でも、討伐対象の情報は、あまり教えたくないのも事実なんですよね」
「なんでだよ」
「例えば、何人も殺した強盗、でも家では病弱な息子の為に頑張るお父さん。とか、深い理由を知るとやりにくくなるでしょう」
「それは……」
「まあ、簡単に言うと、今回の相手は、組織の重要な物を持ち出したと言った所ですよぉ。
 それを放置すると、何に使われるか分からない。だからこうして、討伐するしかなかったのです」
「そうか……」
[ピーーー]とか、やり過ぎな気もするけど、平和の為なら仕方ないのかもな。
最近組織に入った俺にはよく分からないけど、俺達みたいな契約者を野放しにはできないしな。
「嘘ですけどね」
「え?」
「何でもないですよぉ」
…………?
何なんだか。
この黒服の事はよく分からないな。
まあ良いや。
「さて、帰るか」
「はいはい〜」
黒服はどうでも良さそうに、ひらひらと手を振る。
まあ、黒服は死体の片付けとか、隠蔽とか、これからの方が色々忙しそうだしな。
俺はさっさと帰らせて貰おう。
帰ってパーティーの準備をしないと。
今日は可愛い妹の誕生日だからな。

547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/17(火) 15:55:54.33 ID:1wo91NBDO
ああ、なんという悲劇
誰を憎めば良いと言うのだ
胸がキリキリと締め付けられるようだ


でもなぜか愉悦を感じてしまうのは話の筋が美しいからです
548 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/17(火) 18:29:00.24 ID:y+mYdpyT0
え、まさかこの二人…………うわああああああ(´;ω;`)
黒服の女は恐らく全て知ってるだろうな、家族関係とか洗えばすぐ分かるし……

後で兄が気づいたとしても、妹を自ら手にかけた以上もう後戻りもできないはず
最近「組織」のブラックな面を描く作品が多いぜ……自分も書く予定なのに(ぉぃ
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/17(火) 20:05:20.94 ID:WJnhqhSG0
いくら「組織」の中で強硬派とか過激派とか、ブラックな面を積極的に請け負っている連中が肩身狭い事になっていても、ブラックな面を書く人がいる限りそういうようには見えない現実
肩身狭いせいでこっそり四面楚歌に近い現状なペレのネタ書こうと思っていたけど先は遠い
550 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/17(火) 21:12:49.69 ID:M5hAGhZY0
妹が死ぬ展開は苦手だと何度言えば分かるんだうわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!(落ち着け
このブラック展開!そして嘘吐きな女黒服! 俺は分かってたぜ、あんたやっぱり(ここから先はオタマジャクシ塗れで読めない
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/17(火) 21:52:06.49 ID:WJnhqhSG0
妹死亡展開に傷ついているシャドーマンの人を慰めるポジションはいただいた
ヨシヨシ( ,,´・ω・)ノ"(´っω・`。)
552 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/17(火) 22:11:49.81 ID:M5hAGhZY0
>>551
ふえーん、おにーちゃーんっ!(抱きっ
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/17(火) 22:13:15.47 ID:Vig5HR/i0
そして私は投下を始めるのであった
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/17(火) 22:14:15.54 ID:DFaf4eqSO
こんなに傷ついて
可哀相に……
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/17(火) 22:16:10.63 ID:WJnhqhSG0
>>554
シャドーマンの人を泣かせた犯人が出たぞー!
囲めーーー!!

そして
>>553
投下待機
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/17(火) 22:20:17.34 ID:Vig5HR/i0
【陛下と僕と獣の数字 第零話「彼女が生まれる前の話」】

「黒い服……あんた組織の人間か!?待ってくれ、殺さないでくれ!彼女は……彼女はただ!」

「偶然にも獣の数字を持つ少女の母体となった、それだけだ。君にも、君の恋人にも罪はない
 そして私ならば彼女を救える、私が君たちを救うことを確約しよう」

「じゃあ……」

「ああ、私に任せて死ね」

 漆黒のコートを纏った男は懐から短刀を取り出して青年に投げつける。
 青年はギリギリの所で短刀を都市伝説の能力で弾き飛ばし、男の方を凝視する。
 
「騙した……ガァ!?」

 騙したな、と言おうとしたその次の瞬間、男の膝が青年の顔面にめり込む。
 男は青年の首に深々ともう一本の短刀を突き刺して思い切り引っ張る。
 見事に物別れした首と胴体。
 男は青年の胴体を蹴り飛ばして懐から火炎放射器を取り出し、一気に焼き払った。

「私が何時嘘偽りを言った?若き吸血鬼よ。私は嘘をついてはいないではないか」

 男は火炎放射器を自らの能力で収納してからニヤリと笑う。
 
「私は貴様ら二人を救ってやろうといったのだ」

 男はドアを開けるとそこにはぐっすりと眠る美しい女性が居た。
 彼は自らの能力で巨大な斧を取り出して振り下ろす。
 大きな音がして女性は胴体から真っ二つになった。
 溢れ出る臓物の中にはまだ数ヶ月の胎児が紛れていた。
 男は迷うこと無くそれを踏みつぶす。
 そして焼き払う。

「せめて痛みを知ること無く……とは思ったのだがな」

 不快そうにつぶやきながら男はそのまま部屋を出る。
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/17(火) 22:21:19.48 ID:Vig5HR/i0
「―――――やあ、過激派の黒服さんだね?」

 男の目の前には一人の黒服が立っていた。

「そういう君は?」

「僕は……穏健派というか、なんというか、強いて言えば良心派
 嘘をつかない過激な黒服さんは今何をしていたんだい?
 ここの家族はそもそも僕の担当で……」

「ああ、そう。仕事は終わったから事後処理を手伝ってもらえると幸いなんだが……」

「あのさあ、こういう勝手な真似をされると困るんだ。君たちみたいな人のせいで組織のイメージが悪くなるんだよね
 そうなるとあちこちでの活動が制限されてしまって……」

 黒服は明らかに怒りに震えていた。
 男はその様を見て笑いが止まらないのだが、それを懸命に抑えようとはする。

「ククク……そうは言うがねえ、こうでもしないとあの女の胎から生まれる娘が世界を滅ぼしていただろうさ」

「だからって平和に暮らしていた家族を惨殺して家に火まで放っちゃう訳?」

 先ほどの火炎放射器による炎がカーテンに登り始めていた。

「ああ、万が一ということがあるからな。徹底的に滅ぼす」

「そうやってありとあらゆる物を傷つけて、殺して、滅ぼしていって、全てを滅ぼしきれると思っているの?」

「さあ?」

「さあって……」

「無一物」

 男は焔を背景にして語る。

「仏に逢うては、仏を殺し、祖に逢うては、祖を殺し、羅漢に逢うては、羅漢を殺し、
 父母に逢うては、父母を殺し、親眷に逢うては、親眷を殺して、始めて解脱を得ん
 何者にも囚われず、振りかかる火の粉をただ無心に潰す
 私はそういうシステムだ、そういう存在として世界に居ることを許されている」

「そういって殺された人間の気持ちになったことは?」

「無い」

「僕の家族はあんた達みたいな人間に殺された
 百のために一を殺す?それを百回繰り返せば百が死ぬんだよ」

「ああ、一万のためなら百程度死ぬさ」

 その言葉と同時に黒服は男に飛びかかる。
 疾い、驚くべき疾さだ。しかし、男の目の前でその黒服はバラバラの肉片へと変化する。

「ちなみに、先ほどの“佛に逢うては〜”という話だが、あれは君を挑発するために言った誤りの解釈だ
 君はなにか勘違いしていたようだが私は嘘をつかないとは言っていない」

 男は話している間に展開していたワイヤーをしまうとそのまま燃え盛る家から脱出してしまった。
 翌日、現場検証に来た黒服は燃え残った家等を調べた結果“罪のない人々を殺すしかないと判断した心優しい黒服が罪の意識から自殺を試みたもの”と判断する。
 こうして“獣の数字”を持った子供を持ってしまった夫婦と、“獣の数字”を持つ子供の対処を任された黒服の事件は終幕を迎えた。
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/17(火) 22:22:00.70 ID:Vig5HR/i0
「よくやってくれました」

 翌日、黒衣の男のもとに“とある高貴な方”が訪れる。

「これで本物の“獣の数字”の持ち主は守られることでしょう
 あれが世界を滅ぼす存在だと信じているのは“教会”の愚者共だけですよ
 獣の数字とは“人という獣”を導きうる真の王者の証
 言うなれば人間という種の可能性です
 彼女を守るためならば……」

「これ以上私はその話を聞かない方が良いだろう、君にとって邪魔になるかもしれないからな
 あの事件はあくまで偶然起きた契約者同士の戦い」

「失礼しました、報酬はいつもどおり幾つかの別件の依頼の依頼料を水増しする形で支払わさせて頂きます」

「人の話を聞かぬ奴め……まあいい、そうしてくれ」 

 “とある高貴な方”はニコニコと笑いながら退室する。

「凶刃を堂々と振るうから疎まれるのですよ
 若者というのは本当に思慮が浅い……」

 “とある高貴な方”の独白を聞く人間は誰も居なかった。

【陛下と僕と獣の数字 第零話「彼女が生まれる前の話」 おしまい】
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/17(火) 22:31:21.09 ID:Vig5HR/i0
・“とある高貴な方”
主君の子供(クラウディア)を守るため&自分の実験のために一計を案じる
組織の一員としては組織間の争いに関わること無く永世中立で独自の道を走っている
救えるのならば能力の範囲内で人を救おうとするが必要ならばあっさりと殺す
とてつもない長命の為に人間らしさが磨耗してしまっているが
根の所では善良な人間である為に“一線”の上をふらふらしている

・黒衣の男
異義もなく異議もなく報酬のために無実の家族を暗殺
人の心が無いわけではなくて取捨選択に関して無茶苦茶クールなだけ
黒い服はミスリードの為のもの
嘘はつかないで全てを正直に話さないだけ、のふりをした嘘つき

・穏健派ぽい黒服
黒衣の男を最後まで過激派の黒服と勘違いして死んでいった
能力は特に考えてない
家族を殺された記憶だけが残っている
誰も見捨てたくない
故にその手で誰をも救い得ないと看破されていたが
それを指摘される前に死んだのは幸福だったのだろうか
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/17(火) 22:35:09.40 ID:Vig5HR/i0
主義主張としてまじめに頑張る過激派や強硬派が叩かれるなら
私利私欲で不埒に突き進む暗殺者が彼らの分まで頑張れば良い
そうして世界の平和は保たれる
そんな気がする
561 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/17(火) 23:46:08.21 ID:M5hAGhZY0
笛の人乙です〜
ええい、やっぱり切ない人殺しは健在なのかwwwwwww
高貴な方か…尼姿の女性と並ぶ程の怪しさが良いね
562 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/18(水) 09:06:27.36 ID:LIY5uQdi0
今朝気がついたらPCの前で寝落ちしてました、申し訳ありません

笛の人乙です
……誰を憎み、誰を恨めばいいのか……背景を知ってしまうと、この拳を振り下ろす先がorz
でも『百のために一を[ピーーー]?それを百回繰り返せば百が死ぬんだよ』→『ああ、一万のためなら百程度死ぬさ』の切り返しが印象に残りました
確かに四捨五入すればどちらも【百分の一】だけど……何だろうこの釈然としない感じ
563 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/18(水) 10:05:46.89 ID:LIY5uQdi0
Q:いくら何でも、ちょっとやりすぎな気が……。その、ミクロンナンバーでしたっけ?
A:『感染系都市伝説担当部署:ο-No.(オミクロンナンバー)』。お掃除部隊の異名で呼ばれる、対都市伝説用“殲滅”部隊―――。


―――2011年12月3週目・学校町のとある廃墟―――

チュン……チチュン……

「………ふぁぁ………んみゅ?」

小鳥のさえずりで目を覚ましたトンカ裸トンちゃんは、自分がフカフカの台の上で寝ていた事に気がつく。
眠い目をこすって起き上がると、どうやら何処かの廃墟らしかった。穴の開いた天井から、朝の日差しが漏れている。
彼女は寝室に当たる部屋で寝ていたらしい。

「私……ぁ」

『終わりか……安心しろ、お前は存分に『可愛がって』やるぜ……存分になぁ……!』
『まさか……こいつも泥田坊か!?くそっ、いつの間にか入れ替わっていたのか!」』

『………逃がし、た?』

「………ぅ、ぁ………」

目覚めて最初に思い出したのは、初めて『敗北』を喫した時の記憶。
再び襲ってきた重い気持ちにトンカ裸トンちゃんが泣き出しそうになった時、

「おはよう、いい朝だぞ……おお、目覚めたか若き同士よ!」バターン!

「!?」ビクッ

ドアを思いっきり音を立てて開きながら、一人のトンカラトンが部屋へと入ってきた。
突然の出来事に思わず泣くのも忘れ、吃驚しているトンカ裸トンちゃんを他所に、
後からワラワラと入ってきたトンカラトン達が彼女の周りに集まってくる。

「お前が悪い黒服に襲われていると斥候から連絡が来たときは、みな血の気が引いたわ」
「間の悪い事に、こちらは先日の「組織」との戦いで日本刀の数も足りなく」
「自転車を飛ばしても現場までぎりぎり間に合うかどうか」
「仮に間に合ったとて、素手で契約者と都市伝説に勝てる通理も無し」
「実際、見捨てるもやむ無しとの意見まで出た」
「『だが同士を見殺しにして何が正義か』と駆けつけたものの」
「正直、手遅れだろうと思っておった……しかし、やはり最後には正義が勝つ!」
「よもや我々と同じく正義の心を持った人間に出会えようとは!」
「あの赤褌の様な人間がもっと増えれば、我々も共存の道を……?どうした若き同士よ、口を開けたまま固まって?」

まるで延々と続くかに思えた、息継ぎ無しのマシンガントーク。
話の内容は全くわからなかったが、彼らによってこの廃墟へ連れてこられた事だけは理解したトンカ裸トンちゃん。
また、彼らが自分と『同じ存在』であるという事も。

「………一度に喋られると、わかりにくい」

「おおこれは失礼した、何せ我らにとっては初めて出会う女性の同士だ」
「道を誤る前に保護しなければとみなで行方を探しておった」
「もしくは心無き黒服に危害を加えられるのではないかと……いかんいかん、自己紹介もまだだと言うに」
「申し遅れた、我々は【集団トンカラトン】!『殺人衝動を克服した一団』にして―――」

―――人と都市伝説の共存を図る、正義の集団なり!
その言葉と共に、その場にいる全てのトンカ裸トン達が一斉に拳を突き上げて「おおおおお!」と叫んだ。

「きょう………ぞん?」
564 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/18(水) 10:06:35.69 ID:LIY5uQdi0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
12月11日
わたしのなもえはとんからとんてす
きようからにつきをかくことになりもした
わたしはいももてしふんかたれなのかわかりもせんてしたか
おなしとんからとんのひとたちかおもえまとんからとんたよとおしえてくれもした
わたしはきようからみんなとここてくらすそうてす 
たいちようかましまおしえてくれるそうてす

12月13日
きょうも いいてんきです
はやいもので ここにきてもう みっかがたちました
たいちょうからは みっかぼうず にだけはなるなよと いわれましたが
みっかぼうずがわからないので あとでききにいこうと おもっています つづけられないひとのことだそうです

12月15日
今日はかんたんなかん字をおぼえました。
たいちょうが言うには、わたしは「おぼえるのが早い」そうですが、まだまだだと自分ではおもいます。
でもたいちょうにあたまをなでてもらうと、うれしくて何だかぽかぽかしてきます。
早くみんなのように、すらすらときれいでむずかしいかん字がかけるようになりたいです。
そうしたら、たいちょうにもっとなでてもらえるかな?

12月17日
今日は、木刀を使ったくんれんをしました。
みんな二人ずつくんで、お互いあたまやかたに付けたふうせんをわり合いました。
私はさいごまでかちのこり、何と隊長にもかってしまいました。
「どこできたえた」と聞かれたので、正直に「みんなの動きを見ていた」と答えました。
すると隊長はおどろいてましたが、やがて笑いながら私のあたまをなでてくれました。
相変わらず何だかポカポカします。

12月20日
前から気になっていた「共存」について、隊長に聞いてみました。
隊長は「人と都市伝説が仲良く暮らせること」だと言いました。
でも、いきなり私達が目の前に現れたら人間はびっくりするだろうし、悪い黒服もやってくるそうです。
だから人助けをしたり、若いトンカラトン達を説得したりして、少しずつ歩み寄ることが大事だそうです。
そう言って、隊長はまた私の頭をなでてくれました。でも今日はポカポカだけじゃなくて、胸が少しキュッとなりました。
何でだろう………?












12月30日
今日は、黒服さん達と話し合いの場を設けた日です。
今、応接室に隊長とくr
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(後半へ続く)
565 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/18(水) 12:34:08.35 ID:w5EEQjHs0
ぎやああああああああ
まだ前半なのに何だこの胸が抉れるような感覚は!?
い、いや、まだ前半だ落ち着け俺、そうだ虚数を数えよう、…………どうやってorz
566 :やる気なさそうな人[sage]:2012/01/18(水) 14:46:30.77 ID:2GxU4S/DO

>>565
−無限大から+無限大まで積分すればいんじゃね?
567 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/18(水) 14:55:32.25 ID:lFfM4K5C0
>>566
俺が数VC苦手だと知っての狼藉かwwwwwww
568 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/18(水) 15:31:00.70 ID:LIY5uQdi0
>>565
>まだ前半なのに何だこの胸が抉れるような感覚は!?
実は3回で終わらせる予定でしたが、書いてる自分が耐え切れなくなり分けてしまいました……
でもよく考えたら、後半も同じくらい書かなきゃ駄目だという罠orz
569 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/18(水) 22:44:31.57 ID:lFfM4K5C0
>>568
>書いてる自分が耐え切れなくなり分けてしまいました……
あるあるなの
いくつか泣きながら書いた話が…
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/18(水) 22:59:58.72 ID:9rBsUOjA0
例えば
人間並みの知能や自我を持った人間でない生物が居た時
人間はどのような行動をとるだろうか?
ということだよね
圧倒的な暴力が無い限り交渉なんて無理なんや!
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/19(木) 04:14:04.24 ID:fnn45P8H0
>>570
その論理でいけばアメリカは交渉上手ということになる
果してその論理は妥当なんだろうか



果してその論理は妥当なんだろうか
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/19(木) 08:26:35.14 ID:o7e7iRiDO
いや、アメリカは前提を整えはするけど話し合う気は薄いんじゃないかな…
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/19(木) 10:16:29.59 ID:0HHSPz220
たまには圧倒的暴力なしの交渉も欲しいもんです

せめて、創作の中でだけでも、そういうのがあってもいいじゃない
夢を見てもいいじゃない
人間だもの
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/19(木) 11:04:29.41 ID:F5tTb8pSO
暴力なしの交渉ってどんなだ
575 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/19(木) 12:02:54.91 ID:OBwZC3P60
裂邪vsメリーさんは交渉に入るのかどうか
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/19(木) 13:12:22.77 ID:SXV8Rs8H0
純粋に、暴力なしに、話し合いとかで解決
創作世界内だけでも、そんなことがあってもいい、と夢見ていいじゃない
人間だもの

暴力なしでは交渉なんざできねーよ、なんて諦めたらそこで試合終了だよ
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/19(木) 13:28:24.76 ID:F5tTb8pSO
よく分からんけど
ガンジーを書けという事か
578 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/19(木) 13:29:05.56 ID:OBwZC3P60
(裂邪>んじゃやってるな俺、無血戦闘
(シェイド>真夜中ニハタ迷惑ナ話ダ
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/19(木) 13:35:10.21 ID:SXV8Rs8H0
>>577
ならば正座して待とう
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/19(木) 13:52:59.44 ID:F5tTb8pSO
いや
自分には無理だよ
書けない書けない
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/19(木) 14:00:15.79 ID:SXV8Rs8H0
>>580
(´・ω・`)
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/19(木) 14:12:40.36 ID:o7e7iRiDO
都市伝説「ガンジーですら助走つけてぶん殴るレベル」
もはや都市伝説ですらない
583 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/19(木) 19:30:42.62 ID:NLq3Hokh0
>>570-582
な、何か凄い話になって来てるような……!
後半はおまけを伴い深夜投下予定です


あ、それからシャドーの人に頼み事というか質問が

淡い水色の瞳に同じ色のロングヘア・外見ロリの16歳・【スター・ゼリー】と契約した黒服少女が目の前にいます

さて、レジーヌさんならどうすると思いますか?
584 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/19(木) 19:54:39.73 ID:ObBK79f50
>>583
(レジーヌ>食す(性的な意味で
585 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/19(木) 20:05:58.80 ID:NLq3Hokh0
>>584
や、やっぱり……それで、申し訳ありませんがこの娘は以前レジーヌさんに反抗→食われたという設定を加えてもいいですか?
586 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/19(木) 20:34:07.32 ID:ObBK79f50
>>585
(レジーヌ>なかなか締まりが良かった、胸の張りも丁度良い、と私は食した感想を述べる

和訳:構わん、やれ(ゲンドウポーズ
587 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/19(木) 20:39:18.52 ID:NLq3Hokh0
>>586
ありがとうございます……よし、出来た!

ο-No.2
契約都市伝説【スター・ゼリー“人食いスライム”説】後に【“流星飛来説”】も追加
外見>>583
今回の任務:集団○○○○○○の殲滅
588 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/19(木) 20:54:37.47 ID:ObBK79f50
>>587
wktkせざるを得ないz

> 今回の任務:集団○○○○○○の殲滅
ぎやあああああああああああ(黙
589 :突撃!上田家晩御飯![sage]:2012/01/19(木) 21:19:53.86 ID:aYu/QBlo0
【突撃上田家晩御飯】

 高級そうなレストランを貸しきって顔を付き合わせる四人の影。

「兄貴、親父はまだか?」

 巨体の男、暇そうに酒を飲んでいる。

「俺に聞くなよ、俺に」

 目付きの悪い男、不機嫌そうにチーズとサラミを食べている。

「パパなら武者修業だとかいって道場破りしているんじゃないかなあ」

 髪の長い女性、ため息を吐いて煙草に火を点けた。

「お父さんもお兄ちゃんの就職を祝うお食事会なんだからちゃんと時間通りに来て欲しいよねえ
 ていうかこのあと色々お仕事有るんですけどー
 神崎君過労死しちゃうよー」

 この中で一番若い女性、パソコンを操りながらブツブツと文句を続ける。

「ていうかあれだよね、長男の就職が一番最後って……あれだよね」

「まったくだ、弟どころか妹よりも遅れるとは……」

「だよねー、一応は姉として言わせてもらえば悲しいわ
 養子に出された先の娘さん働かせて食わせてもらっていたとか情けなくて情けなくて……」

「俺はもうこの家の子供じゃないから良いだろ、お母さんに言われなきゃ来ない気だったし
 つーかおっかしいだろお前ら俺の就職祝いに来たんじゃねえのかよ……」

 だってねー、と顔を見合わせる三人。
 内訳は明也の父親である上田明久の娘二名息子一名である。
 早い話が兄弟だ。

「大学の講師になれたっていうのはまあ偉いけどさ。今まで仕事もしないで何してたの?」

「博士号とる為に勉強してたっつってんだろ」

「なんの博士号?」

 唯が素直な疑問を口にする。
 明也は少し沈黙した後

「……魔法(ボソッ」

 少々言いづらそうに答えた。
590 :突撃!上田家晩御飯![saga]:2012/01/19(木) 21:20:25.73 ID:aYu/QBlo0
「しつもーん、魔法って大学で教えるの?」

「おい待て弟、お前は地元民だろうが。知らない訳無いだろうが」

「いやそりゃあ一応こっちで働いてるし?夜道歩いてたら化物にも襲われたこと有るよ?しかも撃退したよ?
 でもほら……ねえ。俺と唯は兄ちゃん姉ちゃんと違って一般人ですから」

「どこの世界にアメフトのスタープレイヤーと女子大生兼大企業社長を一般人カウントする馬鹿が居る」

「なぁう、ひあー」

「無駄にカッコウヨクしかも発音は悪く言うなよもうやだこの弟」

「あれ?

「あ、もしもし神崎くーん?うん、まだ時間かかりそう
 そこらへんは叔母さんの言うとおりにしながら緩くやっておいてー
 え?緩くって?緩くは緩くよ、頼んだからね」

「あーあ、煙草切れちゃった。買ってこようかな」

「お酒おかわりー」

「俺はあの父親の下に生まれたのが間違いだったのではないかと偶に思います」

「ほら、俺飽きてきたから兄ちゃんも飲めよー」

「じゃあ姉ちゃんがそれ飲むわ」

「あーすいませんお父さん来ないみたいなんで四人で始めます
 料理だけ五人分ください私食べるんで」

「仕切るなよ唯……」

「いいよ、お父さんに食わせる飯はねえ
 もう乾杯もしちゃったんだし何を構うことがあるっていうの?」

「そうだな、パパなんぞ放っておこうぜ」

「姉ちゃん……」

 しばらくするとお酒と一緒に料理が運ばれてくる。
 一人だけ戸惑っている明也を他所に彼の兄弟たちはノリノリで準備を進めている。
591 :突撃!上田家晩御飯![saga]:2012/01/19(木) 21:20:56.81 ID:aYu/QBlo0
「はい、じゃあ改めてお兄さんのミスカトニック大学講師に就職したお祝いの乾杯」

「乾杯」

「乾杯」

「かん……ぱい」

「しっかしあれだよな、養子に出されたり、母親違ったせいで隠し子扱いだったり、家出同然で出ていったりしたけど……
 兄弟四人で集まれて本当に良かったと思うよあたしは」

「本当にね、まさか明人兄ちゃんが癸酉くん頼って頼って家出してアメフトの選手になるとか思わなかったよ」

「お前一番親父に可愛がられてたのにな」

「いやだってほら、俺って日本で終わる器じゃないから」

「ところで姉ちゃん、組織の仕事どうなの?」

「弟よ、お前がそれを聞くか。F-No.0と交流有る家の子供のくせに」

「俺は組織とは無関係だもん、だから就職やばくて焦ってたんだろうが」

「成程な、でもお前素直にあの男に頼れば済んだ話だからなそれ?
 いやお前がコネで就職とかごめんだぜ!とか言い出した時は心配で……」

「言うなよ、それ言うなよ」

「解った。この中で一番平和に生きてきたのは……唯か?」

「違うよお姉ちゃん、お母さん死んだ後は叔母さんに社長にさせられてそれが大変だった」

「あー、そういやそうなのか。組織の仕事もやめたもんな」

「女子高生社長とか客寄せパンダだろうと思ったらあのザマだよ
 あそこまで働かされるとは思わなかった」

「……なあ兄ちゃん姉ちゃんそして妹」

「なんだ弟」

「俺達親に恵まれなさすぎじゃね?」

「あー、少なくとも私は本来パパを一発殴って良いレベルだよね
 物心ついた時にはもうF-No.の施設居たし」

「本当にクズだよあいつは、外面良いけどさ
 なあ、考えたんだけど今回も迷惑かけられてるし四人がかりで親父を……」

 シニカルに笑う明人。
592 :突撃!上田家晩御飯![saga]:2012/01/19(木) 21:22:13.38 ID:aYu/QBlo0
「えっ、ちょ、馬鹿やめろ。俺の為の祝いの席をぶち壊す気か」

 焦る明也。

「良いねえ!パパとのバトル燃えるわあ」

 こちらもまたシニカルに笑ってみせる月美。
 F-No.が誇る最強戦力であり、戦闘狂であるところの彼女が戦いを忌避する筈がない。

「ちょ、私非戦闘員なんですけど。お兄ちゃん助けろ」

 と、言いながらも唯も護身用の光線銃を準備している。

「命令形?」

「助けてお兄ちゃん(はぁと)」

「いやだ(はぁと)」

 しかし無駄である。

「畜生こうなったら二人共徹底的にいこう!」

 他人を働かせたりすることにおいて彼女の右に出る人間は居ない。
 彼女の言葉を聞いて明人と月美は嬉しそうにグッと拳を握りしめた。
 やる気満々である。

「絶対やめろよお前ら……」

 明也ちゃんブルー。

「すまん子供たちよ、遅れた!」

 その時、店のドアを開けて和装の男がレストランに現れる。
 月美、明也、明人、唯の父親である明久である。

「やっと来た、遅いぞ父さん」

「もう始めてたよ!」

「パパー、来てくれないから寂しかったぜ」

 先ほどまできな臭い相談を始めていたとは思えない笑顔で父親を迎える三人。

「おや?明也だけちょっと不機嫌だなあ、すまんかったすまんかった
 お祝いに花束を選んでいたら遅くなってな」

「なに、構わんよ」

 さすがの明也も苦笑い。

「じゃあ兄ちゃん、改めて報告したらどうだ?」

「ああ、そうさせてもらおう
 えーっと、この度朝月明也はミスカトニック大学にて講師の職に就くことが決まりましたので
 その報告を血を分けた親である上田明久様にさせていただく次第です」

 心から嬉しそうに明久は頷く。

「おめでとう、採用試験によくまあ合格したもんだ。頑張ったな」

「ところで父よ、もう一つ嬉しいお知らせだ」

「え?」

「あんた今度からおじいちゃんだぜ」

「おぉう……」

「え?」

「弟、私聞いてない」

「へえ……!」
593 :突撃!上田家晩御飯![saga]:2012/01/19(木) 21:22:49.08 ID:aYu/QBlo0
「いや本当にびっくりしたよ、なんか採用決まるまでは黙っていることにしてたんだとさ
 まあ元々女系家族なのでなんか蚊帳の外にされたのは気にしてないがマジびっくりだわー」

「太宰に話した?」

「ああ、話したら喜んでたよ」

「そうか、それはなおのことよかった……」

「しかし我が弟ながらひっでえな……、気づけよ」

「名前は決まってるのか?」

「男の子だったら俺のサイン送ってやるよ」

「決まってるらしいが最終決定ではないからまだ待っていろと」

「なるほどなあ……あ、俺もめでたい知らせがあるんだった」

「なに?」

「ほら、母さんが死んでから結構経つじゃん?」

「うん」

「だからお父さんもそろそろ寂しくなってきて……」

「え?」

「再婚することにしましたー」

「…………」

「…………」

「おい」

 凍りつく場の雰囲気を華麗にスルーして明久は話を進める。

「ちなみに今日は相手も連れてきています、今呼ぶぜ
 三原ちゃん?ちょっと来てくれない?」

「おい」

「え?」

「はぁ?」

 聞きなれた名前に明人以外の三人の表情が歪む。
594 :突撃!上田家晩御飯![saga]:2012/01/19(木) 21:23:49.04 ID:aYu/QBlo0
「こんにちわ皆さん、そしてお久しぶり、さらには初めまして
 唯さんの担当をしていたり月美さんの同僚をしていたりする三原沙耶です」

 お母さんって呼んでも良いんだゾ、と急に現れた三原が言った瞬間。
 四人の目が合った。
 そして

「いや俺としてはなんていうの?こんな年寄りにわざわざ付き合うなんてと止めたんだけど……」

 と、明久が言おうとした次の瞬間、まずは月美がフォークを投げつけていた。
 ギリギリのところでそれを止める明久の眉間に唯の光線銃によるレーザーが飛ぶ。
 バランスを崩した明久に、極限までの脱力と緊張の落差から破壊力を生む居合の技術を生かした明人のタックルが突き刺さる。
 普段ならば止め切れていただろうが明也が硬化のルーンでさり気なく威力を底上げしている。
 明久は簡単に吹き飛んで壁を突き抜けていった。

「な?親父だろ?」

「だな」

「おい三原どこ行った、マジどこ行った」

「逃げたぞ、あいつ今の攻防の間に逃げた」

「あの三原さんってなんなの?」

「「「女の敵」」」

「さーてこうなったらとりあえず料理なんて食べてられないわ、トドメ刺すまで追いましょう」

「おい、俺のお祝い……」

「もう十分食ったじゃねえか兄ちゃん」

「そうじゃなくて……」

「お兄ちゃんお姉ちゃん、ヘリのチャーターできたよ!」

「オッケー、じゃあ私と唯は上空から探す
 弟共は陸上から叩け」

「サーイエスサー」

「……もうやだこの家、お姉ちゃんのとこかえりゅ」

 やはりここに俺の安息はない。
 そう思う明也なのであった……。

【突撃上田家晩御飯 おしまい】
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/19(木) 21:28:28.23 ID:aYu/QBlo0
お母さんが居ると絶対発生しない全員集合イベント書いてみたくなったので書いた
お母さん居ると明人と月美が全力で逃げ出すから集まらない
こっちの世界線だと朔夜ちゃんが先に生まれます
本編だと
「[ピーーー]バカ親父」
なのがこっちの世界線だと
「パパ素敵!大好き!」
になるんだけど書くことは無い筈
596 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/19(木) 21:30:23.65 ID:NLq3Hokh0
色んな意味で突撃したくないwwww
というか、この時間軸では霙ちゃんはどうしたんだ上田父

乙です!
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/19(木) 21:49:39.05 ID:aYu/QBlo0
ミゾレちゃんは朝月家で育てられてるよ!
明久くんと仲いいよ!
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/19(木) 22:15:14.26 ID:yguFILNV0
ハートにぐさりと突き刺さる言葉を見つけてきたぜ!!↓


物書きの端くれとしてはっきり言わせてもらう。
世の中の作家志望よ、人の死に乗った感動以外を描ける作家になれ。
人を感動的に殺せば誰だって泣くんだよ。
初恋の人がが不治の病とか誰だって泣くんだよ。
だけどあたしはそう言う話が嫌いだ。
そうじゃないんだよ、殺さずに泣かせろ!殺 さ ず に !
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/19(木) 22:21:24.00 ID:aYu/QBlo0
ゾクゾクするねえ
そうなるとやっぱ友情努力勝利がなんというか……泣けるな
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/19(木) 23:59:02.47 ID:F5tTb8pSO
文章の中にある言葉は辞書の中にある時よりも美しさを加えてなければならない。
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/20(金) 00:16:41.09 ID:bRCJU9Yoo
美しいというよりも生き生きとしてるとか輝いてるとか、そんな感じになればいいよな
臓物って言葉もグロテスクな文章中に出すときは臓物として輝いてなければいけないと思う
こう、サーモンピンク色に
602 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/20(金) 01:09:27.60 ID:J/lFuC7b0
笛の人乙です〜
なんて騒がしい奴らだwwwwww貸し切りで良かったなwwwwww
唯たんハァハァ(

>>598
先生、泣ける話はおろか、人を殺す話すら書いたことがない俺はどうすれば

>>601
そうそう、折角良い言葉使っててもただ使うだけじゃ宝の持ち腐れだよね、とこれまで書いてて心底思った
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]:2012/01/20(金) 01:43:27.78 ID:XArMYMjY0
感動的な殺し方に興味が無いから何一つとして問題ない
楽しく愉快に肉塊を生み出せるかが大事だと思ってる
読み手に痛みが伝わるような話が書けるようになりたい
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/20(金) 01:51:53.45 ID:bRCJU9Yoo
偏ればいいってもんでもないんだろうけどな
多方面に興味は持ちたいもんだ
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/20(金) 02:00:18.79 ID:AEjSUMZl0
美学や持論なんか聞きたくもないよ

作品を書いてよ
606 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/20(金) 02:11:04.14 ID:u/S7Tk5X0
前回までのあらすじ:途切れた日記、そして……


―――12月30日・22:30。
その日は「組織」の穏健派に位置する黒服たちと、隊長含む頭格の数人による対談の場が設けられる日だった。
主な内容は『トンカ裸トンちゃんや他のトンカラトンたちの安全』を保証するため、集団全員が仮にではあるが「組織」の保護下に入る事について。
初めは黒服たちの話を警戒していた隊長たちであったが、彼らも自分たち同様に人と都市伝説の共存について真剣に取り組んでいると分かり、今回の様な対談を開くまでに至った。

「………『今日は、黒服さん達と話し合いの』………」

「お、まだ続いてたのかその日記」

「………うん」

対談に参加しないトンカラトンたちは皆、応接室前のロビーに集まっていた。何せこの対談次第で、自分たちの行き先が大きく変わるのだ。
隊長の呼び掛けに答え、各地で人助けやボランティアを行なっていたトンカラトン(この集団に所属する者たち)全員がこの廃墟に集結していた。
その『遠征組』の一人が、トンカ裸トンちゃんに話しかけてきたのだ。

「はー本当に偉いねえ、この娘は……俺だったら二日で放り出してるよ」
「ははっ、お前早すぎwwww三日坊主ってレベルじゃねえぞwwww」
「ほう……そこまで笑うんならさぞ自信があるんだろうな、そういうお前は何日までなら書けるんだ?」
「馬鹿め、俺はハナからそんな物書かねえよww」
「「なおさらタチ悪いじゃねえか!」」
「ちょ、おま、日本刀抜くなって!」
「なんだなんだ、喧嘩か!よし、俺が混ざれば数も合う……」

ヒュンッ         

ゴッガッドゴッ

「いだっ!?一体何が……ハッ!」

「………喧嘩、駄目」

「「「「……すいませんでした、お嬢!」」」」

危うく一戦始めようとしたトンカラトンたちを、トンカ裸トンちゃんは日本刀のひと振りで沈める。
瞬殺された四人を見て、他のトンカラトンたちがドッと笑い出す。そんな、いつもの光景。いつもの日常。

「ふぅ………『今、応接室に隊長と黒服さんたちが』………」

…………その、はずだった。

「………あ………ちょっと、違う。『隊長たちとくr』………」

その時、バターン!と大きな音を立てて応接室のドアが開く。
対談が終わったのかと皆が考える間も無く、そこから傷だらけの隊長たちが飛び出してきた。

「……はぁ、はぁ……」

「あ、終わり……!?た、隊長!」

「隊長!?どうされたんですか、そのお怪我は!?」
「まさか、あの黒服たちが……!」

「…………げろ…………」

「隊長!隊長ー!」

「落ち着け、お嬢!何か言いかけて……」


「…んな……皆、逃げ「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」………!」


隊長の声に覆いかぶさるように、応接室から何人もの断末魔が響いた。
607 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/20(金) 02:12:06.00 ID:u/S7Tk5X0

「……何だよ、今の叫び声……!」
「絶対普通じゃない、あれは……おい!誰か出てくるぞ!」

……やがて断末魔が途絶えた頃、一人のトンカラトンが何者かの足音を捉える。
その足音の主は応接室とロビーを結ぶドアをくぐり、その姿を現した。
淡い水色の瞳に同じ色の長い髪。小・中学生くらいに見える身長とは裏腹に、発育は悪くないようだ。
《女の子》特有の身体のラインがうっすらとわかる。

「……!遅かったか……!」

「……え?誰?」
「女の子だと……やばい、結構好みかも」
「黒服を着ているという事は、「組織」の人間か?」
「おい女、さっきの悲鳴は一体何だ!?それに、何故隊長たちがボロボロに……!」

戸惑いを隠せないトンカラトンたちを気にする事なく、少女は彼らを一人ずつ指で指しながら

「21、22、23……うに、さっきのと合わせて26体いるね」

そう呟くと、その場の全員に聞こえるような声で、こう言い放った。

「初めまして、ο-No.所属【消化処分】のο-No.2です。早速だけど、皆さんは美味しい?」

「「「「「…………は?」」」」」

「だから、皆さんは美味しいのかと聞いているの。私まだ食べたことないからわかんないし」

「……どういう、意味?」

意味不明な言葉に、思わず反応してしまったトンカ裸トンちゃん。彼女に目を向けたο-No.2は、興味深そうに目を細める。

「君が噂の……ふーん、本当に女の子なんだ。さしずめ《トンカ裸トン》ちゃんかな?」

「………答えて」


「さっきの言葉はね、そのままの意味だよ。だって私―――“トンカラトンを食べた”事、まだ無いから―――」


その言葉と共に、彼女の両腕がぐにゃりと崩れ…………近くにいたトンカラトンたちに向かって伸び、その全身を飲み込んだ。

「「「………!?……!…!!…………」」」

「んっ……はぁ……中の上、かな?食べられる人数も多いし、今日は当たりに入りそう……♪」

飲み込まれた彼らはしばらく藻掻いていたが……やがて、包帯と日本刀のみを残して跡形も無く消え去った。
あまりの出来事に、言葉を失うトンカ裸トンちゃんたち。やがて、我に帰った数人がο-No.2に切りかかる。

「てっ……てめぇぇ!よくも同士たちを……!」
「さっきの悲鳴……まさかお前、自分の仲間まで!」

トンカ裸トンちゃんも走り出そうとするも、隊長にガシッと片手を掴まれてしまう。

「……!?隊長、何で……」

「いかん、皆下がれ!そいつに刃物は―――!」

隊長の制止も空しくο-No.2に数本の日本刀が降り下ろされる。彼女は微動だにせず、それらを全て受けきり………

「な……!刀が、突き抜け……」

「ば、化物……うわぁぁぁぁっ……!」

………刀ごと、切りかかってきたトンカラトンたちを飲み込んだ。

「ふぅ……はい、後20人。次は誰から食べられたい?」
608 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/20(金) 02:13:09.14 ID:u/S7Tk5X0

「……何で……何で、こんな酷い事……」

思わず溢れたトンカ裸トンちゃんの呟きに、ο-No.2は事もなげに答える。

「ん?いや、だってこれがゼロりんからの命令だし。《廃墟ニ巣食ウ集団とんからとんヲ殲滅セヨ》って、今朝早くメールで」

「嘘……だって、隊長が「話し合い」だって……皆仲良く、なれるって」

「皆仲良く、か…………トンカ裸トンちゃん、それ凄い勘違い」

「勘、違い……?」

「この世のルールはたった一つ…………【強者は食べ、弱者は食べられる】…………これだけだよ」

ο-No.2がそう言い終えた瞬間、彼女の腕がトンカ裸トンちゃんに向かって伸びた。

「……!お嬢ーーー!」

「ぁ……(早―――よけられ、な―――)」

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」


ザシュッ


【トンカ裸サイド】

「……ガハッ……!」

―――嘘だ。こんなの、嘘だ。

「あ、外れた」

―――何で。何で私がなんともなくて、

「たい……ちょう……?」

―――隊長が、あいつに、貫かれてる、の?

「お前たち、彼女を連れて、早く……ぐぁぁっ!」

「隊長ぉぉぉ!」


「……いい、か……誰も、恨む……な……」

そう最後に言い残して。私たちの隊長は、あいつの中へと消えた。


その後の事は、よく覚えていない。
あいつに隊長が食べられるのを見た私は、身体中の力が抜けて動けなくなったらしい。
そのまま放って置かれても可笑しくなかったのに、皆は私を抱えて廃墟の中を逃げ回ってくれた。
外に出ようにも、何か大きな物が置いてあって出られなかった。アレもあいつがやったんだろうか。
そして私は、地下にあった食料貯蔵庫の中へ隠された。他の皆がどうなったかは……大体、想像がつく。
あいつは一旦私がいる場所の真上まで迫ったが、「あれ?何だ、もう26体食べてるじゃん♪」と言ってそのまま立ち去った。
少し経って大きな揺れと共に、何かが崩れるような音が頭の上でした。怖かったけど、そっと貯蔵庫の扉を開けて周りを見た。

「………何、これ………皆……皆、どこ……!?あ、あぁ………」

何も、無かった。応接室も、ロビーも、食堂も、訓練場も、寝室も………何もかも全部、ただの瓦礫になっていた。
その瓦礫のあちこちに、見慣れた包帯や日本刀が――――――

「ぃゃ……いやぁ…………ころ、す……!あいつ、絶対殺…………ぁ」


『誰も、恨む……な……』


「………たい、ちょう……私、どうすればいい……うぁぁぁぁぁぁぁ………」

あいつは嫌い。大嫌い。皆の敵を討ちたい。でもそれをすれば、隊長の言葉を裏切ってしまう。
その時の私に出来たのは、ただただ涙を流す事だけだった…………。
(終わり)
609 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/20(金) 02:32:00.55 ID:J/lFuC7b0
ぐはぁ、俺の心臓がぁ(ヤメレ
トンカラレンちゃん……ぐすん
でも鬼畜なロリも好きだぜハァハァ
プラモデルの人乙でした〜
610 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/20(金) 03:21:31.59 ID:u/S7Tk5X0
>>609
自分も書いてて辛かった……
あとこの娘は鬼畜というよりあれです、【全ての感情が“食事”へと繋がる】感じ
『人生美味礼賛』とか『ダブアク牙王』とか聞いてたらいつの間にか出てきてたキャラでもあります

おまけ【ο-No.サイド】

(ο-No.2>やっほーゼロりん、久しぶり。集団トンカラトン計26体の殲滅任務、無事完了したよー。
(ο-No.0>〔ご苦労でした、ο-No.2。その様子だと、満足できたようですね〕
(ο-No.2>うん、お腹一杯♪……でさ、ちょっと気になる事があるんだ。ゼロりんから貰った資料によるとあいつら、人助けとかしてたんだっけ?
(ο-No.0>〔ええ。その途中で穏健派の一部と接触し、自分たちの集団を「組織」の保護下に置こうとしていたようです〕
(ο-No.2>まあ、弱い群れが自分らの身を守るため強い集団に媚びるのは当たり前だ、として。この任務、何で私だったの?
(ο-No.2>正直味の割には、大した事なかったよあいつら。いくら数が揃ってても、あの程度ならもっと下のο-No.でも問題ないよね?
(ο-No.0>〔……最近、トンカラトンによる『一般人への被害』が増えてきていたのは知っていますか?〕
(ο-No.2>黒服中心に襲ってたトンカ裸トンちゃんとは別件だっけ?……そういや、あの子も一緒に食べちゃったのか私。もったいない。
(ο-No.0>〔え?〕
(ο-No.2>ああいや、こっちの話。で、その事件がどうしたの?まさかそっちもあいつらの仕業でしたーなんて落ちじゃ……。

(ο-No.0>〔似たようなものです。その事件を起こした個体たちは“正義の集団トンカラトン”を偽り、被害者たちに接触したのですから〕
(ο-No.2>…………はい?

(ο-No.0>〔手口はこうです。まず貴方が食した方を○グループ、事件を起こした方を×グループとします〕
(ο-No.0>〔×グループのトンカラトンたちは各地へ散らばり、○グループを見つけるとそのまま彼らのすぐ後ろに付きます〕
(ο-No.0>〔決して離れず、されど向こうに気づかれず。あたかも『やや遅れ気味の集団の一人』と見られるように〕
(ο-No.0>〔そうして被害者たちとの距離を詰めていき、向こうが警戒心を解いたところで「大事な話がある」と誘い出す〕
(ο-No.0>〔または「トンカラトン」の合図をわざと聞かず、ルールを破ったのが被害者のように仕立て上げ……次々と凶刃にかけていったのです〕
(ο-No.2>えーっと……要するにその○グループが善行で勝ち得た信頼を、逆にそいつらが利用したって事?
(ο-No.0>〔ええ。一応何度か説明をして、人助けを一時止めるよう忠告したのですが……〕
(ο-No.2>聞き入れてもらえ無かったわけか。でもこんな作戦、よく穏健派が了承したよね……先走ってた馬鹿もいたけど。
(ο-No.0>〔赤き幼星を初めとする穏健寄りの皆様には、説明と共に資料を配布しました。『害がないと思って声をかけた一般人の被害数』を、ね〕
(ο-No.2>一般人にはトンカラトンの違いはわかんないしね。下手に無害だと信じられても困るって事か。
(ο-No.2>……って、ちょっと待って?私が選ばれた理由について、まったく触れられてないよね今までの話!?
(ο-No.0>〔いえ、ちゃんと触れましたよ?というか、貴方が触れました。『先走った馬鹿』……つまり、「組織」の意向を無視した裏切り者〕

(ο-No.0>〔そんな彼らと病原菌共を、跡形もなく綺麗さっぱり消し去ってくれる人…………これが貴方が選ばれた理由です〕
(ο-No.2>……………………あはっ♪
(ο-No.0>〔これからも頼みましたよ、ο-No.2…………貴方の望みを叶えるために〕
(ο-No.2>はいはーい、ゼロりんの命ずるままにー!

(ο-No.2>(……レジーヌさん、待っててくださいね……この私が、“今度は”貴方を食べちゃいますから……!)
(終わり)
611 :プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/20(金) 03:22:16.58 ID:u/S7Tk5X0
投下は以上になります……やっと、寝れる(バタッ
612 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/20(金) 03:59:31.94 ID:6zrI6VSAO
>>514-515
単発の人乙ですー
純情なだるま女さんカワユス
みんな幸せなんだから性癖なんか何でもいいさ!

>>545-546
やだああ酷いよ
真実を知ったら兄ちゃんどうなっちゃうのかな

笛の人乙ですー
>>525-527
ああ…キリングマーボーvs上田の夢の対決!ケインがどう絡んでくるかも楽しみだ!

>>535-538
クラウディアちゃんつえー!!!!
強く誇り高い美少女…うあああ萌える

>>556-558
なんだかキーパーソンがぞろぞろ出てきてる?

>>589-594
なんという幸せな戦闘一族wwww

プラモデルの人乙です
うああああ…胸がぎゅっとなるよ

>>606-608
…うああああ(号泣)
なにも言えない…
613 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/20(金) 08:07:03.66 ID:J/lFuC7b0
プラモデルの人またまた乙です〜
これは良い野望、何故だか俺も燃えてきたぜ!(真っ白に燃え尽きました
一方その頃R-No.は、っていう話書いてみたいな…OK出たら書いてみようかしら

>>610
> 『人生美味礼賛』とか『ダブアク牙王』とか聞いてたらいつの間にか出てきてたキャラでもあります
> 『ダブアク牙王』
話が合いそうだ、飲もうぜ(清涼飲料水
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/20(金) 08:30:51.47 ID:e8mRJtqDO
プラモの人乙でした
空が綺麗だから、今日は機嫌が良いから、憎たらしいから、暇だから、気になってた映画が封切りだら

だから食べる


言ってみただけですごめんなさい
ついそんな感じかなあと妄想しただけですごめんなさいゲンジバンザイ
615 :プラモデルの外伝 ◆7amcKXBrf.[saga]:2012/01/20(金) 11:06:51.00 ID:u/S7Tk5X0
>>612
>…うああああ(号泣)
何せようやく持てた『家族』を、一夜にして奪われましたからね……そしてここからプラモ本編へと繋げる予定です

>>613
>一方その頃R-No.は、っていう話書いてみたいな…OK出たら書いてみようかしら
OKです、問題ありません。というか寧ろありがとうございますm(__)m

>これは良い野望、何故だか俺も燃えてきたぜ!(真っ白に燃え尽きました
裏設定で詳しく書く予定ですが、彼女がこうなった一応経緯を簡単に書くと↓

@孤児だった彼女は幼少期に【スター・ゼリー“人食いスライム”説】と契約、周辺の生き物で食いつなぐ(食べ物への執着はこれが原因)
Aその後、引き取られた施設で強盗に遭遇、『人の味』を知る
B施設の職員や子供、更に自分を捨てた家族を食い殺していく(実はあの廃墟……)
C「組織」に目を付けられるも、逆に担当に来た黒服を食って同化。姿を偽り「組織」の人員を内側から食べ尽くそうとする
Dそして最初に襲ったレジーヌさんに敗北。そのままお持ち帰りされ『食べられる喜び』を知る(処女喪失)
Eしかし殺される事なく見逃されたため、彼女にとってレジーヌさんは食べたいほど好きなのに、自分の嫌いな『食べ残し』をした人間……
Fその後【“流星飛来説”】や物理攻撃無効など能力を加えすぎた結果、黒服化。ο-No.2【消化処分】としてο-No.0にスカウトされる
Gそして12月30日に集団トンカラトン殲滅、翌日に「組織」へ報告←今ココ

【最終目的:まず完全勝利(戦闘面で)、その後食べる(性的な意味で)、最後に愛する(物理的に一つに)。後、ショゴスと多重契約もしたい】

>話が合いそうだ、飲もうぜ(清涼飲料水
改めて聞いたら、何か歌詞とか台詞とかがぴったりくるww大人向けダブアクって感じで大好きです
後、見た目は『電波女』の藤和エリオが一番近い気がします。粒子は出ませんが。
(ο-No.2>二つの欲望、叶えるため この身体、人を超える♪ 

>>614
>空が綺麗だから、今日は機嫌が良いから、憎たらしいから、暇だから、気になってた映画が封切りだら
(ο-No.2>全ての道がローマに通ずるように、私にとって全ての物事は“食事”に繋がるだけだよ♪
はい、そんな感じです。
分からない生き物は食べててみる、美味しかったら食い尽くす。
機嫌が良ければ丸呑みで、機嫌が悪けりゃちびちび噛る。
大好きだから一緒になりたい。大嫌いだから消えて欲しい。故にどちらも食い尽くす……本人も自覚がありつつも、立派に破綻してます。
何故なら、それ以外に感情を表す術を知らないので。
616 :プラモデルの外伝 ◆7amcKXBrf.[saga]:2012/01/20(金) 11:09:46.82 ID:u/S7Tk5X0
Cに追記・彼女の見た目は元々>>583です。食べた黒服は男性でしたから。
617 :ソニータイマー/携帯[sagesaga]:2012/01/20(金) 21:57:10.67 ID:4l4KUfyDO
>>610

>あとこの娘は鬼畜というよりあれです、【全ての感情が“食事”へと繋がる】感じ
廻女「えへへ、私と気が合いそうだね! 今度バイキングに行こうよ!」←学生会『七つの大罪』暴食担当、大抵何でも食べる悪食で雑食な総食系幼女
618 :プラモデルの外伝 ◆7amcKXBrf.[saga]:2012/01/20(金) 22:15:22.58 ID:u/S7Tk5X0
>>617
>廻女「えへへ、私と気が合いそうだね! 今度バイキングに行こうよ!」
(ο-No.2>え、いいの?ありがとう!あ、バイキングの後は貴方も食べていいかな?←組織【消化処分】担当、食事でしか物事感情を表現できない見た目ロリ少女
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/20(金) 22:46:39.14 ID:anxrkRAc0
【鴉〜魔界剣客譚〜 第一話「運命の夜」】

 千葉県夜刀浦市。
 人口は60万人、海に面した土地で名門飯綱大学を抱えるベッドタウン。
 特産品は佃煮、ピーナッツ、等々。
 白い髪、浅黒い肌、ラフな服装の少女がその街の繁華街を駆ける。
 少女を追うのは数名の黒服。
 その瞳に意思は感じられず、彼らが十把一絡げの量産品であることをはっきりと示していた。
 
「はぁっ、はぁっ……」

 狭い路地裏を抜け、少女はなおも走り続ける。
 周囲の人間は何故かこの異常事態にったく気づいておらず、少女を助けようなどとはしない。
 無表情で彼女を追いかける黒服。
 逃げて、逃げて、逃げて、彼女の身体でしか通れない狭い建物の隙間を抜けて別の通りに出る少女。

 しかし

「こちらNo.3452、補足対象を発見しました」

「発見しました」

「発見しました」

「発見しました」

「発見しました」

 先回りされていた。
 
「応援を要請、これより捕獲行動に移ります」

「……ここまで、か。君たちはどこまで愚かなんだい?」

 歯をギリギリと食いしばり、黒服達を睨みつける少女。
 幾つもの光線銃の銃口が彼女に向けられる。
 絶体絶命、その時だった。

「お前ら何やってんだあああああああああああああああ!」

 黒服の一人を殴り倒しながら突如として現れる青年。
 片手には出前用の岡持ち、ラーメン屋のお兄さんといった風情である。
 殴られた黒服は立ち上がり、まるで何かと連絡をしているかのようにブツブツと喋り始める。
 
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/20(金) 22:47:03.24 ID:anxrkRAc0
「こちら捕獲部隊、一般人が乱入してきました」

「任務の障害とみなし……」

「これでもくらえ!」

 抵抗も無く蹴り飛ばされ、食べ残しのラーメンをかけられる黒服。

「さっさと逃げるぞ嬢ちゃん!」

「え?え?ちょ、ちょっとまて!巻き込まれるぞ!」

 青年は少女の手を引いて走りだす。
 ゆっくりと遠ざかる二人の影。

「任務の障害とみなし、排除をします」

「許可が降りました」

「「「「「発射」」」」」

 号令と同時に青年だけを光線銃の光が容赦なく貫いた。
 
「え?」

 信じられない、といったような顔で青年は自らの胸元を見る。
 穴が空いていた。
 心臓の拍動に合わせるリズムで血が流れていた。

「あーあ……嘘だろ?しかたねえなあ……」

 青年は少女の手を離し

「嬢ちゃん、逃げろ」

 その場に倒れた。
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/20(金) 22:47:31.65 ID:anxrkRAc0
「障害排除、任務を継続いたします」

「くっ……なんでこんなことに!?
 組織は私と話しあう予定が有ると聞いていたぞ!」

「その質問には我々下部の黒服ではお応えいたしかねます」

 逃げようと振り返った少女。
 
「応援要請を受理しました」

「受理しました」

「受理しました」

「受理しました」

 しかしそこにはまた別の黒服。
 少女は足元に転がる青年の死体を見下ろす。

「貴女には我々と共に来ていただきます」

「同意していただけない場合は強制的に連行させていただきます」

「……すまない、関係ない君を死なせてしまった」

 少女は懐から心臓に似た形の肉塊を取り出す。

「―――――そして私はもっと酷い真似をする」

 彼女はそれを青年の胸に空いた風穴に差し込んだ。

「許してくれなどとは言わない、でもせめて」

 ビクン、と青年の体が大きく震える。

「蘇れ」

 何も言わずに青年は起き上がる。
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/20(金) 22:48:35.98 ID:anxrkRAc0
「障害復活、排除を開始します」

「「開始します」」

「「「開始します」」」

「開始します」

「「開始します」」





「―――――――――鴉!」

 少女の悲痛な叫びが谺する。

「――――――――――御意」

 まるで黒服のように感情を押し殺した青年の声がそれに応える。




 続いて黒服たちが光線銃の引き金を引く。
 しかし、青年は少女を抱えると空中に飛び上がり光線を回避し、黒服たちの後ろを取るような位置に着地する。

「君はここに」

「……うん」

 青年の右手に光が集まり、漆黒の刀とも剣とも判別のつかない刃物――小烏丸――に姿を変える。
 青年は左腕を腰に当て、右手の甲を見せるように天へと突き上げる。
 腕で隠れていない顔からチラリと覗く右目が凍てつくほどに冷たかった。

「小鴉丸、限定解除」

 少女の声と共にいつの間にか青年の腰についていた鞘が分解、変形、合体を繰り返して青年の身体を纏う鎧となる。
 顔まで覆う鴉を模したその甲冑の、目に当たる部分が紅く光ると同時に、青年と黒服は動き出した。
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/20(金) 22:49:08.27 ID:anxrkRAc0
「目標が死体を用いて抵抗を開始、射殺します」

 光線が少女に向けて飛ぶ。
 しかし青年は瞬時に少女の目の前に現れると飛んできた光線を鎬で反射し刃で切り裂き受け流していく。
 一瞬、黒服たちの攻撃が止む。
 それと同時に青年は剣を高く投げ上げ、陸上選手のようなクラウチングスタートの構えに入る。
 投げられた剣は高速で回転し、黒服たちの群れの中に飛び込んでいく。
 瞬く間に積み上げられていく死体、否、肉塊。
 一人の黒服が仲間を犠牲にしながら何とかそれを受け止める。
 しかし、その瞬間黒服の顔面を青年の足が踏みつける。
 青年は小烏丸を奪い返すとその黒服の頭を踏みつぶしながら跳躍。
 この時点で数名の黒服が逃走を開始する。

「小烏丸、変形」

 少女がそう呟くと中に入っている筈の人体の構造など無視して漆黒の鎧が変形を始める。
 まずは背中から翼のようなパーツが生え、それがゆっくりと降りてきて腕と一体化。
 次に足だった場所は外れて翼の真ん中に装着される。
 頭の部分の鴉を模した兜は九十度方向を転換して完全に鳥の頭の形となった。
 漆黒の戦闘機、SR-71“ブラックバード”
 それを小さくした機械に青年は変貌していた。

「行け、小烏丸。一人も生かして帰すな」

「御意」

 少女の声に反応して戦闘機と化した青年は真夜中の空を飛ぶ。
 人ごみをかき分けて走る黒服。
 逃げる、逃げる、逃げる。
 人ごみを抜けて左右を見回し、後方を確認した黒服が前を振り返ると……居た。
 眼の前に、戦闘機の姿をした青年が、ハチドリのように空中で静止していた。
 悲鳴をあげる暇さえなく、黒服たちは蜂の巣にされた。
 蜂の巣にされた黒服は、周囲の人々に気づかれることもなく光の粒として消滅したのである。

「小烏丸、停止」

 命令と同時に戦闘機から人の形に戻り、鎧が鞘に変形し、最後には光の粒になって青年の身体の中に入っていく。
 そこで青年は我に返り、辺りを見回す。
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/20(金) 22:49:35.93 ID:anxrkRAc0
「あれ?さっきのやつらは?逃げきったのか……
 無事だったみたいでなにより」

 良かった、と本当に嬉しそうな顔で青年は微笑む。

「ありがとう」

 少女は小さな声で青年にお礼を言った。

「礼には及ばないさ」

「本当に……ごめんなさい」

 少女は深く頭を下げた。
 何のことだか分からない青年はあわてて少女に頭をあげるように言う。

「でも、その……」

 その時、少女のお腹が大きな音で鳴る。

「あれ?お腹へってるの?」

「え、あ、これは……!」

「じゃあ家に来なよ!俺の家、ラーメン屋やってるんだ!」

「でも……」

「良いから良いから!ほらこっちだ!」

「あの、名前は?」

「俺は鷲山九郎、君は?」

「私は……トト」

「ふーん、やっぱ外国の人か。なんか色々あったみたいだけどまあ……」

 とりあえず食べてからってことで、そう言って青年は笑った。
 とりあえず食べてから、彼女もまずは彼についていくことを決めたのだった。

【鴉〜魔界剣客譚〜 第一話「運命の夜」 続】
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2012/01/20(金) 22:51:04.97 ID:anxrkRAc0
とりあえず夜刀浦市で書いてみた
続くかどうかは分からない

鷲山九郎(スヤマクロウ)→マクロス

秘密だぞ!
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2012/01/20(金) 22:52:19.72 ID:anxrkRAc0
タイタス・クロウから取ったのも秘密だぞ!
ちなみに戦闘機形態だけじゃなくてバイク形態もあるぞ!
モデルはブラックバードをモデルに作られたバイクであるスーパーブラックバードだぞ!
627 :プラモデルの外伝 ◆7amcKXBrf.[saga]:2012/01/20(金) 23:00:13.02 ID:u/S7Tk5X0
乙!
謎の少女と巻き込まれる主人公……王道ですね!
そしてブラックバードが格好いい!!
ttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/97/Lockheed_SR-71_Blackbird.jpg
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]:2012/01/20(金) 23:18:34.57 ID:anxrkRAc0
本物は偵察機だから大して戦闘能力ないのも秘密だぞ!
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/20(金) 23:52:17.82 ID:e8mRJtqDO
都市伝説スレは見た目より人がいる
しかし出てこない…
だけのはず…
630 :ソニータイマー/3DS[sage]:2012/01/21(土) 00:45:17.96 ID:EbQiLuNu0
>>618
>(οーNo.2>え、いいの? ありがとう! あ、バイキングの後は貴女も食べていいかな?
廻女「駄目だよ! 私の体は私のデザート兼非常食なんだから!
…まぁでも、貴女の体がとびきり美味しくて、しかもそれを少し食べさせてくれるんならお礼に左手くらいは食べさせてあげないでもないけど…」
631 :プラモデルの外伝 ◆7amcKXBrf.[saga]:2012/01/21(土) 01:01:39.81 ID:61NSktj40
>>630
>…まぁでも、貴女の体がとびきり美味しくて、しかもそれを少し食べさせてくれるんならお礼に左手くらいは食べさせてあげないでもないけど…」
うん、いいよ?たまに能力で隕石に乗ってきたやつ食べてるけど、ゼリーみたいで冷たくて美味しいし……じゃあ、バイキングの後に左手交換だね!
632 :プラモデルの訂正 ◆7amcKXBrf.[sage]:2012/01/21(土) 01:03:01.87 ID:61NSktj40
(οーNo.2>うん、いいよ?たまに能力で隕石に乗ってきたやつ食べてるけど、ゼリーみたいで冷たくて美味しいし……じゃあ、バイキングの後に左手交換だね!
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/21(土) 09:10:04.15 ID:qQhoAE7DO
何だよ魔界剣客譚って…
厨二病にしてもやばすぎるだろセンスが…
八十年代かよ…
昨日タツノコプロの「鴉―KARAS―」見たからって影響受けすぎだろ…
トランスフォーマーのつもりがマクロスっぽくなってるしさあ…
いやどっちも変型ロボットだし、これとは全然違うし
個人的には武装錬金のテイストもあるんだけどそこはそれ
634 :ソニータイマー/携帯[sagesaga]:2012/01/21(土) 16:26:32.29 ID:2NvBqqZDO
>>632
>(οーNo.2>うん、いいよ?たまに能力で隕石に乗ってきたやつ食べてるけど、ゼリーみたいで冷たくて美味しいし……じゃあ、バイキングの後に左手交換だね!
廻女「わーい! えへへ、こーしょーけつれつだね! 楽しみだなぁ!」
※廻女は8歳だから交渉決裂と交渉成立を間違えています
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/21(土) 16:55:55.45 ID:3MSwANESO
貴女達ちょっと宇宙に行って栗饅頭を食い尽くしてきてくださいな
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]:2012/01/21(土) 16:58:23.65 ID:mBSSBoVAO
>>635
ドラ○もん乙
637 :プラモデルの訂正 ◆7amcKXBrf.[sage]:2012/01/21(土) 17:27:09.72 ID:61NSktj40
>>634
>廻女「わーい! えへへ、こーしょーけつれつだね! 楽しみだなぁ!」
(οーNo.2>お互い左手と物別れになるんだから、決裂でも問題ないよね♪で、何時にしようか?場所は?店員さんやお客さんも食べられる?
※外見ロリの16歳ですが、過去が過去なので一般的常識がほとんどありません。また、恐らく精神年齢は外見と同程度です。
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/21(土) 23:25:44.02 ID:99Beax+F0
【陛下と僕と獣の数字 第五話】

 夜刀浦市立第一高等学校。
 どこにでもある普通の公立高校。
 治安は良く、進学実績もそこそこのまあまあ良い感じの高校だ。

「今年の二年B組の出し物は……筋肉喫茶だ
 男子は全員上半身裸で筋肉をアピール、女子は裏方に回って料理を作れ」

 担任が少々筋肉フェチでしかも男なことを除けば

「先生よ、それには反対だ!」

 陛下が手を上げて異義を唱える。

「女子だからといって誇れぬ肉体を持っていないというのは偏見でしょう!
 女子が筋肉を誇ってはいけないという理由があるのか!?」

 駄目だこいつ。

「ほう……クラウディア君、そう言うからには君とてそれ相応の筋肉は持っているのだろうな」

「無論、私は幼少の頃よりレスリングを習わされてきています
 鍛えあげられた肉体は殿方にも劣らぬ強度と筋肉を誇っている!」

 ドヤ顔するなよ陛下……
 そして羨望の眼差しで見つめるなよお前ら……
 陛下はゲーム風に言うと特殊技能「カリスマ」を所持しているせいか何故か何をやっても人の尊敬を集めてしまう。
 生まれながらにして王の器を持つということなのだろうか
 
「良かろう!良い筋肉だ!女子も筋肉に自信がある物は給仕の大役を認めようではないか!」

 いつの間にか陛下は脱いでらっしゃった。
 うわすげえ腹筋六つに割れてる。
 ミラ・ジョヴォヴィッチかよ、ララ・クロフトかよ。
 お前吹き替えは絶対田中敦子さんにやってもらえよな。

「うぉおおおおおおおおおおおおおお!」

 謎のテンションである。
 完全に陛下のテンションが皆に伝染している。
 後で皆「なんであの時は調子に乗っちゃったんだろう……」って後悔するのに

「じゃあ二年B組は筋肉喫茶で良いな?」

「YEAHHHHHHHHHHHHHH!」

「レッツ、パーリィ!」

「YEAHHHHHHHHHHHH!」

「という訳で書記の鷲山君、頼んだ」

「あいあいさー」

 と、そこで違和感を感じる。
 書記の須山九郎、彼一人だけがこの異常な狂奔の中で冷静を保っている。
 彼はしれっと提出する書類に【喫茶店・軽食】と書いて生徒会対策兼賢者モード時の為の保険までかけている。
 ホームルームが終わった後、体育の授業の為に体育館に向かう僕は鷲山くんに話しかけてみることにした。
 
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/21(土) 23:27:02.97 ID:99Beax+F0
「須山、筋肉喫茶って書かなかったな」

「当たり前だろう、あんなものを真面目にやるなんていかれている」

 まったくだ、お前が正しい。

「そう思うよ、筋肉喫茶なんてやってられないからな」

「ラーメン屋なら頑張るんだけどなあ」

 鷲山君の実家はラーメン屋である。
 なかなか繁盛しているようで高校を卒業したら彼は家を継ぐのだそうだ。

「ところで金子」

「なんだ」 

「お前さ……生きてるってなんだと思う?」

「分からない」

「迷える衆生に道を示すのが僧の役目じゃないのか?」

「俺は僧じゃない、兄貴と親父だけだ」

「じゃあなんなんだ、お前のジョブは」

「スチューデント?」

「だーよなー……」

「急にどうしたんだ、生きていることの定義を問うなんて」

「いや、最近身近な人が死んでねえ」

「それはご愁傷様だったな」

 手をあわせておくとしよう。

「生きてるとか死んでるとか、存在するとかしないとか
 なんだか正直良くわからなくなってきたよ」

「そうだなあ……」

 それが簡単に解ったら宗教何て要らないよ。
 と僕はニヒルに答えようかと思ったがそれもあんまりだ。
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/21(土) 23:27:31.08 ID:99Beax+F0
「仏様が言っていた
 空即是色、色即是空、とな」

「なんだそりゃあ」

「有るものは無いし、無いものは有る」

「訳わからん」

「解ったら仏だよ
 あともう一ついい言葉を教えてやろう」

「なんだ?」

「本来無一物」

「意味は?」

「零から生まれた生き物が還る処もまた零でしかない」

「……つまりあれか、生にも死にも違いなんて無いんだと」

「違うけど今はそんなもんでいいよ」

「ふーん」

「ただね」

 僕はね

「無一物中無尽蔵
 なんもないけどそれゆえになんとでもなる
 ZERO=ALL」

「……成程」

 じゃあこれでいいのか、と鷲山は呟く。

「今目の前にあるものを否定するなんて辛いだけだからな
 どんなことが有ったとしても、自分の目で見たことは事実なんだし、それを飲み込んで受け止めて生きていくしかない」

「解った、そうだな。死んだ人は死んだ、生きている人を大切にしていよう」

「それで良いんじゃないか、死んだ人に感謝して、生きている人を大切にする
 だってほら、お前は生きているんだから」

「死んだら?」

「零さ、今そこにいるお前は零でない。だから生きている
 零を思考することなど不可能だ、零は観測することしかできない」

「そっか……、少し気持ちが軽くなったよ」

「それは重畳」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/21(土) 23:28:17.45 ID:99Beax+F0
「ところでお前の従妹さんが次は体育の授業ということでハッスルなさってるが」

「おぉのう……」

 クラウディアがダンク決めていた。
 お前本当にこのクラスに馴染んでるなおい。
 体育の授業が終わり、放課後。
 下校する途中は商店街を通り抜けながらクラウディアとの雑談が僕の日常である。

「なあセージ」

「どうしたクラウディア」

「あの鷲山という男」

 珍しい、他人のことなど気にしない陛下が僕との雑談で他人の話題を出すなんて。

「本当に生きているのか?」

「は?」

「うん、生気がしないんだ。やつから」

「何言っているんだ?」

「心臓も動いている、顔色も良い、しかしヤツには生者の気配が無い」

「親戚の人が死んだらしい、それが原因だろう?」

「ふむ……まあそういうことにしてお……」

 一瞬だけ、閃光が走る。
 次の瞬間に爆炎が。
 そして最後に暴風が。

「うっ……つぅ……」

 僕はといえば何とか助かっていた。

「大丈夫だったかセージ?」

 路地裏に蹴り飛ばされていたおかげで直撃を免れた僕は路地裏から顔を出す。
 クラウディアは平気な顔をして立っていた。
 服が黒焦げになっているが爆心地と思しき方向を見てニヤニヤと笑っている。

「俺は助かったがお前は?」

「私に人間の兵器は効かぬ」

「他の人は?」

「あ、しまった」

 路地裏から出て辺りを見回すとちょうど夕刻で買い物に来ていた人々が炎に焼かれ、爆風を叩きつけられてうめいていた。
 地獄絵図である。
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/21(土) 23:30:03.57 ID:99Beax+F0
「すまぬセージ、うっかりしておった」

 クラウディアはその情景を見ても眉ひとつ動かさず、ただ僕にだけ“約束をうっかり忘れた子供のような”顔をして謝った

「……仕方ない、救急車に連絡するぞ」

「お、怒ってるのかセージ?すまなかった、特に気にしていなかったからつい守るのを忘れてしまったんだ
 なんなら今から能力を使ってでもここの人達を……」

「いやいい、能力は使うな」

 僕が怒っていると勘違いされてしまった。
 陛下が少し涙目であらせられる。
 この人は他人のことが本当にどうでもいいのだ。

「お前を狙った攻撃ならばそれは相手の思うつぼだ、クラウディアは辺りを警戒していて」

「ならば任せよ!この私に奇襲の類は無意味だからな!」

 さすが幼少時より暗殺者に狙われ続けただけはある。
 未来予知じみた直感を持つ彼女に任せていればその心配はないだろう。

「ごきげんうるわしゅう異国の皇帝よ」

 なに?

「何者だ貴様!」

「強いて言えば這い寄る混沌、あるいは無貌の……まあ良い」

 声が響く。
 透き通る刃のような美しい声。

「夜刀浦の街に少々縁があって罷り越しました、今宵は偉大なる皇帝陛下に多少の土産物を持って挨拶に伺ったところです」

 陛下の見ている方向に、男は居た。
 漆黒のスーツに身を包み、ステッキをついてキザにポーズまで決める長身の男。
 浅黒い肌に黒い髪、瞳は見ているだけで吐き気を催すような暗い光を湛えていた。

「言いたいことが解らんな?」

「貴女ともあろう方が理解なさらないとは……残念至極
 貴女ならばきっと喜んでいただけると思ったのですがね、このような大殺戮は」

 男はマッチを擦り、足元のポリタンクを蹴り倒す。
 きつい匂いの液体が溢れてピタゴラスイッチのように蹴り飛ばされたポリタンクが別の仕掛けとぶつかって各所にガソリンが飛び散る。

「僅かな火であってもこうしてしまえば炎が炎を呼んでこの商店街程度は火の海にできるでしょうねえ
 貴方も私も人間の兵器では傷がつきませんから、まあそこそこ特等席で地獄が見られるカト
 貴方はこういうの大好きでしょう、暴君?」

「やめろ!」

「悪いね少年、君には聞いてない」

 男が指をパチンと弾くと僕の身体はひとりでに地面へと叩きつけられる。
 
「貴様良くもセージを……!」

 そう言ってクラウディアは一足に男に飛びかかる。
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/21(土) 23:31:05.22 ID:99Beax+F0
「ひえー怖い怖い」

 男は大げさに驚く振りをしながらマッチをポロリと落とす。

「あ、びっくりして落としちゃった」

「――――――――!?」

 男の足元のガソリン溜りにマッチが落下していく。
 陛下の足では間に合わない。
 絶体絶命か、そう思われた瞬間だった。


「鴉、限定解除」


 白刃が二回、宙を舞う。


 黒翼が二度、軌跡を描く。


 マッチの火は、剣の閃きによって消し去られていた。

「来ましたか鴉!」

「這い寄る混沌、貴方の好きにはさせない」

「ククク、私の庇護下から逃げるとは愚かな真似をしたものだ
 死体に都市伝説としての貴方の力を埋め込んだ所で私を討伐できるとでも?
 大人しく我が下に還るのです!」

 怯え惑う人並みを分けて白髪の少女が現れる。
 そして鴉のような甲冑を纏った漆黒の騎士が彼女を守るようにして寄り添う。

「獣の数字の契約者様、本来関係ない貴方様を我々の戦いに巻き込んでしまい、申し訳ありません」

 少女はクラウディアに深く頭を下げる。

「構わん、それよりそこの男だ」

 クラウディアの瞳孔が収縮してまるで獲物を見つけた鰐や獅子のようになっている。

「あの男、至極不快である。貴様らが何者かは知らぬが私の手伝いをする許可を与えよう」

「ありがたき幸せ」

 少女は再び深く一礼して一歩下がる。

「おーっと、ストップストップ!二対一なんて面白くないよー!?
 今回は挨拶に来ただけなんだ、今日からこの街を死ぬほど面白い俺のおもちゃ箱にするからよろしくねって」

「そのような戯言、聞く耳持たぬわ!
 我が獣の数字を以て命ずる!貴様は座して死を待て!」

 獣の数字が紅く輝く。
 赤光が目にも留まらぬ疾さで男を幾重にも拘束して動きを封じる。

「なっ!?あれ?時間跳躍ができない……!」

「肉片も残らぬほどに切り刻みなさい、鴉」

「御意」

 鎧の剣士が剣を男に投げつける。
 剣士が幾つもの印を結ぶとあっという間に剣は無数に増え、数え切れない程の物量で男を串刺しにする。
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/21(土) 23:32:33.37 ID:99Beax+F0
「がァっ!?」

「ダストザダスト、混沌もまた混沌に帰りなさい」

「く……裏切り者、め
 俺が死んだ所で第二第三の俺がお前の所に現れるぞ!」

 散り際に、男は吼える。

「相克こそ混沌の証なれば」

 少女はそう答えていた気がする、しかし風が吹いてよく分からなかった。
 わずかに残ったケシ粒のような肉塊を、クラウディアの呼び出した龍が焼き払って男は完全に消滅した。
 遠くから救急車のサイレンの音色が聞こえてきたので、僕と陛下、そして謎の二人組はそそくさとその場を退散した。

「やはりそうか」

「え?」

 陛下は納得が行ったというような顔つきで頷いている。

「あの鷲山という男、死人だ!何かの能力で無理矢理魂を身体に縛り付けられている!」

 何故そのように嬉しそうな顔で話すのか、僕には分からなかった。
 分からなかったのではなくて、分かろうとしなかったのだけど。
 それが怖かっただけなのだけど。

【陛下と僕と獣の数字 第五話 続】
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga ]:2012/01/22(日) 00:42:32.83 ID:4mTGWzNH0
スレではただいまニャル祭りと称してニャル様をラスボスにした話を書きまくろうぜみんなー
ついでに夜刀浦市の設定も使ってこのスレが日本のアーカムを有名にしたスレだーくらい言える程度にはがんばろうぜ―
みたいなことを考えています
学校町だとできないこともフリーダムにできるのでカモン
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方)[sage]:2012/01/22(日) 01:17:00.43 ID:rVSjzp2U0
おー!
それで、明日は俺の予定ですが……ごめんなさい、学校町です……
だから夜刀浦市にはο-No.2ことつーちゃんが出張する予定!
647 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/22(日) 13:40:32.91 ID:rVSjzp2U0
【???サイド】

「ほほぅ、これはこれは……路地裏のお嬢さーん、こんばんはー」

…………隊長……皆……置いていかないで…………

「うわぁお、見事に目が死んでらぁ……何が貴方の身に起きたか、にはぜーんぜん興味ありませんが……」

…………みん、な…………殺す……駄目……約束……でも……

「その恐怖、その嘆き、その絶望、何より矛盾したその覚悟!他の心無い『私達』はともかく、慈悲深い『私』のハートにピン、ときました!」

…………ぇ…………だ、れ…………?

「というかー、私もこのままじゃ朝日と共に消し飛んじゃう運命ですし……そこの包帯さーん!貴方今『死にたい』ですかー?」

……………………死にたく、ない……………………

「って事は『生きたい』という事ですよね?よし来た交渉成立、これからよろしくお願いしまーす!じゃあまずは―――」


   ―――その身体、ちょーっと借りさせて下さいな♪


※この物語は、平穏とライガーたちを愛する一人の契約者の日常的な非日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
※二週間ぶりの本編ですので、一部キャラ崩壊を起こす危険性があります。

では、【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】第五話をお送りいたします。


【出井サイド】

―――都市伝説同士は惹かれあう。以前紫亜から聞いた言葉だ。

その時は『どこの幽波紋だ』とあまり気に止めてなかったが、今なら何となくわかる。

強い磁力が周りの鉄を引き寄せるように、都市伝説と関わった者もまた……厄介事を引き寄せてしまうんだろう。

「……くぅ……」

「今まさに、我が家の玄関で熟睡してるこの包帯女みたいにな……はぁ」


2012年1月2日。
新年初の婆さんとのバトルを終え帰宅した俺を待っていたのは、玄関先で眠る一人の少女だった。
背中の日本刀。左手以外ほぼ全身を白い包帯で包まれたその姿(何故か左手部分の包帯は真っ黒だったが)。
もうこの時点で普通じゃないのに、輪をかけてヤバイのがその格好……あちこち見える肌の色からすると……間違いない。
この娘、全裸に直接包帯巻いてやがる。おかげで見事なボンキュッボンが丸分かりだ。

「……あれ?そういえばこんな都市伝説、紫亜から聞いてたような……」

「んうぅ……」ゴロン

「わ、馬鹿、寝返りをうつな!見える、色々と見えるから!」

不味い、こんな所を人様に見られでもしたら……俺の社会的立場は一瞬で地に落ちてしまう!

「しょうがない、連絡も兼ねて部屋まで連れていくか……どっこいしょ」

「ムニャ……すぴー……」ムニュ

「…………………………」


どこが、とは言わないが。色々と柔らかかったです。

648 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/22(日) 13:41:14.14 ID:rVSjzp2U0
とりあえずベッドに寝かせ、紫亜に連絡しようと携帯を手にとった時。

「……うー……」

「お、起きた。……何かまだ寝ぼけてるっぽいけど」

ゆらゆらと揺れていたその目が、俺の方を向いてピタリと止まる。
次の瞬間、突然ビクッとなって後ずさる彼女。思わずこっちもビクッとなった。
まあ、寝てる間に知らない部屋の中で知らない人間と出逢えば、そりゃ驚くか。

「落ち着け、怪しい者じゃない……というか、まずお前が怪しい。お前は誰だ?」

すると謎の都市伝説(仮)は右手でこちらを指さして、

「………トンカラ、レン……と、言え………」

「トンカラレン?……とんから、れん……名前か?」

名前があるって事は、都市伝説じゃなくて人間か?取り出した携帯を充電器に繋ぎ直す。
そして俺の中で彼女の位置づけが、謎の都市伝説(仮)から謎の包帯痴女(仮)にランクダウンした。

「何で家の玄関で寝てた?どこから来た?」

「……わかんない……何も、わかんない……」

……?どうも要領を得ない。
「言えない」ならともかく、「わからない」とは……まさか。

「君の名前、『とんから れん』でいいんだよな?」

「……とんから、れん……?とんから、てん……とんから、りん……?」

「……もしかして、思い出せないのか?」

「とんから……とん、から……誰?私、誰……?」

頭を抑えながら、苦しそうにしている包帯痴女。どうやら記憶喪失とかいう奴らしい。
取り敢えず『とんから』と言うのが名字で間違いないと思う(『遁殻』かな?)。
それで次に、名前以外に思い出せるものはないか聞いてみたんだが……。

「私……私……!?あ、あぁ、あぁぁぁぁ……!?」

「おい、急にどうし―――」


『おお、目覚めたか若き同士よ!』
『偉いぞ、だいぶ字も覚えてきたな。覚えるのが早くて、私も教えがいがある』
『何と……天より与えられし武勇とは、この事か……若き同士よ、お前の優勝だ!』
『我々はトンカラ※※!殺人衝動を克服した、正義の集団トンカラ※※だ!』
『人と都市伝説……いつかきっと手を取り会える日が来るはずだ。私はそう信じている』

『……いい、か……誰も、恨む……な……』


「ぅぁぁ……うぁぁぁぁぁぁぁ……隊長……たい、ちょう…………!」ポロポロ

「た、隊長?というかまず落ち着け、一体何を思い出したんだ!?」


彼女が落ち着くまで数十分近くかかった。今は泣くだけ泣いた後、疲れてまた眠ってしまったようだが。
しかし、途切れ気味の話の中で聞こえた単語を元に状況を整理すると、彼女は何らかの都市伝説らしい。
そして…………。

「……彼女の家族を「組織」が皆殺し……!?どういう事だ、紫亜から聞いた話と全然違うぞ」

紫亜の話が本当なら、あいつの所属するR-No.とやらはいわゆる穏健派に位置するらしいし――――――穏健派?
そうか!わざわざ『穏健派』などという言い方をするという事は……「組織」内に複数の派閥が存在している、という事か!
仮にそいつらを『過激派』とすると、同じ「組織」の仲間をあっさり殺すのも理解できる……無論、納得はしかねるが。

「要するに違う派閥の奴らは味方ですら無い、か……胸糞悪い」
649 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/22(日) 13:41:51.82 ID:rVSjzp2U0

「組織」も一枚岩じゃないんだな。横目で眠っている包帯少女を見ながら、そんな事を思った。
時折また「隊長、隊長」と呟くような寝言が聞こえる。彼女の中でこの隊長という人物は、相当大きな存在だったのだろう。
何でも身寄りのない彼女を引き取り、家族と共に人と都市伝説の共存を考えていたらしい。
そんな人や自分の家族をこの子は一晩で、それも彼女自身の目の前で奪われたんだ…………どれだけのショックだっただろうか。
自分の名前を忘れてしまうほど…………。

「…………」ソッ

「……ぁ……えへへ……」ナデナデ

傍へ近寄って頭を撫でてやると、悲しげな寝顔が少しずつ和らいでいくのがわかる。今の俺にはこんな事ぐらいしかできないけど。
でも、せめて…………。

「せめて……夢の中だけでも、幸せに……」

「ムニャ……たいちょう……だい、すき……」


日が完全に登りきるまで、俺は彼女の頭を撫で続けていたのだった。


自分の腹の音でハッと目が覚めた。どうやら撫でているうちに、自分もベッドに突っ伏して寝てしまっていたようだ。
というか、ベッドの中にあの包帯少女がいない!?

「一体どこへ……?これは?」

枕の上に置いてあったのは、ノートの切れ端を使った書き置きだった。


〔助けてくれてありがとう。でも私といると、あなたも危険。思い出せないけど、危険〕


「だから、迷惑かけないように出ていったって?……ふざけんな!」

あの話が本当なら、彼女は今も『過激派』の連中に追われてる事になるじゃないか!
いや、それ以前にあんな格好で街を歩いてたら、間違いなく人の目に留まる!
警察などに補導されたら、もう手の出しようが―――そうだ!

「―――紫亜の所属は『穏健派』!『過激派』に襲われてる都市伝説の少女がいると分かれば、手を貸してくれるかもしれない!」

すぐさま俺は、登録してあった紫亜の番号へ電話をかけた。

『……はい、紫亜です。どうしました、有間君?』

「紫亜、悪いんだがすぐ『穏健派』の人達と連絡が取れないか?悪い奴らに終われてる都市伝説の子が……!」

『お、落ち着いてください有間君!えっと……まず、その子の特徴は?』


「ああ、そうか……えっと、追われているのは女の子だ」

『はい』

「まず、日本刀を背負っていてな」

『…はい』

「全身が白い包帯で包まれてて」

『…はい…?』

「あ、そうそう『とんから』って名字らしい」

『トンカラ………えぇぇぇぇぇぇ!?』


途中、紫亜がパニックに成りかけたものの、何とか『穏健派』の上司達に連絡を取ってくれるよう頼む事が出来た。
しかしまさか【トンカラトン】という名前だったとは……見つけたら、教えてあげなきゃな。

「ありがとう紫亜、恩に切る!俺の方でも探してみるから!」

『あ、待ってください!もしその話が本当なら、今の有間君じゃο』ピッ

(後半へ続く)
650 :笛の部首は竹冠?[sage]:2012/01/22(日) 14:11:25.99 ID:CSb5vXPDO
プラモの人乙でした
隊長はもう消した!!
誰だよお前
組織も一枚岩ではないからな
完全に一枚岩じゃねーか
ここまでテンプレ

まったく、こんないたいけな少女にトラウマを与えるとは許しがたいな!!
お兄さんがウルトラマンになって助けに行っちゃう!!
しかし彼女に潜り込んだ生き物はなんだったのか
か裸とんちゃんの中暖かいなりぃとか言ったらぶっ殺されますね
羨ましいからそこ替われよもう
とにかく乙でした
651 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/22(日) 14:20:11.84 ID:bnJMCl+AO
プラモデルの人乙ですー
冒頭の???ってまさか……
652 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/22(日) 14:57:58.32 ID:S2K58fR60
>>650
>まったく、こんないたいけな少女にトラウマを与えるとは許しがたいな!!
例の事件はトンカ裸トンちゃんを、他者との関わりに対して相当臆病にさせました
「皆、私がいなければ……」といった感じですね

>か裸とんちゃんの中暖かいなりぃとか言ったらぶっ殺されますね
暖かいかどうかはともかく、居心地はいいそうです
イヤらしい意味ではなく、「負の感情が渦巻いてる存在の中」という意味で

>>651
>冒頭の???ってまさか……
朝日で消し飛ぶ、『私達』というセリフから大半は気づくと思ってました
左手の黒い包帯に見えるのが『彼女』です……フフフ
653 :猫と鼠とひつぢの夜  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/22(日) 15:42:42.90 ID:6aVJr4Mx0
 夜、人々がすでに寝静まっている、その時間
 人気のない公園のベンチの上に、ちょん、と、小さな影の姿があった
 猫、だ
 少々デ………大柄で、ふわふわとした毛をもった、猫
 ベンチの上にちょん、と座って、じっと夜空に浮かぶ月を見上げている
 その表情は、猫にしては少々知識が高いように見えて…そして、何かを悲しんでいるような、悔やんでいるような、そんな様子に見えた
 ゆらり、ゆらり、尻尾を揺らし、月を見上げ続ける猫の、その横に……ちょろり、と
 猫よりも、ずっと小さな影が、近づいてきた
 にゃ?と、その気配に気づいた猫がそちらを見ると

「ちゅう」

 と小さな返事
 そこにいたのは、ハツカネズミ
 誰かに飼われているのだろうか、首に真っ赤リボンをつけている
 ハツカネズミは、猫を恐れる様子もなくちょろちょろと近づいて……てんっ、と、猫の隣に座った
 …文字通り、座ったのだ、人間の子供がベンチに腰かけるように、後ろ足を前方に投げ出して
 どう見てもハツカネズミとは思えない動きだが、このハツカネズミ、既に半分ハツカネズミをやめて都市伝説になりかけている存在なので問題はない

 ハツカネズミの名前は、ノロイ。都市伝説「鼠は沈みゆく船から真っ先に脱出する」になりかけているハツカネズミ
 そして、猫の名前はダミア。元「組織」D-No.10にして、都市伝説「翼猫」そのものである

 ちゅちゅちゅ、とノロイが声をかけると、にゃぅ、と、ダミアは短く返した
 再び、猫の視線は夜空の月へと向けられる
 てちてち、てちてち、と
 ダミアとノロイが座っているベンチに、また新たな影が近づいてきた
 てちてち、軽快に駆けてきていたそれは、ダミアとノロイの姿を見つけると、っぴょん、とベンチの飛び乗って

「めぇ」

 と一声鳴いた
 …羊だ。とはいえ、実物の羊と比べると、体格はずっと小さい…何せ、ダミアより、ちょっと大きいかな?程度の大きさなのだ
 丸っとしてふわふわもふもふした愛らしい姿はデフォルメした羊の姿に近い
 都市伝説「羊を数えると眠くなる」と言う存在だ、個体名はまだない
 明らかに自然の存在ではないその羊は、ダミアの様子に首(と、思われる部分)をかしげた

「めぇ、めめぇ?」

 何かあったのか?と言うように、声をかける羊
 ダミアは答えない
 代わりに

「……ちゅう」

 と、ノロイが返事を返した
 ちゅちゅちゅぅ、と説明を続けると、羊は理解したらしかった
 めぇ?と、ダミアの顔を覗き見ている
 大丈夫?と、気を使っているらしい

「……にゃあ」

 気にするな、と言うように、ダミアは首を左右に振った
 ……もう、過ぎてしまった事なのだ
 そして、自分は、やれるだけの事をやり……彼女もまた、大切な存在を救おうと、彼女自身ができる精一杯をやった
 ただ、それだけだ
 自然な存在ではない……都市伝説である、自分達
 その自分達とて、「命」ある存在なのだから、死ぬ時は死ぬし、消える時は消える、ただそれだけだ
 月を見上げ続けるダミアを、ノロイが見上げる

「ちゅ、ちゅちゅ。ちゅぅ」
「…にゃむ」
「めぇ、めぇめぇ、めめぇ」

 羊もまた声をかけてきたが、ダミアは月から視線を外さない
 尻尾を揺らしながら、消えてしまった友(と、少なくともダミアは思っていた)の事を想う
 いまさら考え込んでも、何も変わらない、と、そうわかりきっていながら
 そんなダミアに付き合い、ノロイと羊も月を見上げる
 猫とハツカネズミと羊が、公園のベンチに座って月を見上げるという、奇妙な光景がそこに出来上がっていた


 ……どれだけ、そうしていただろうか
 やがて、ダミアは背中に折りたたんでいた翼を広げた
 そのまま、まるで月にでも向かって飛ぶかのように飛びあがり、どこかに消えていく
 それを見送って、羊はめぇ、と一声鳴くと、ベンチから飛び降りて、てちてちと駈け出し、闇の中へと消えていく
 最後に、ノロイだけが残されて

「……ちゅちゅっちゅー」

 と、どこかハードボイルド気味に呟き、彼もまた、どこかへと去って行って
 後には、ただベンチだけがぽつん、と残されたのだった                                                                                                    to be ?
654 :猫と鼠とひつぢの夜  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/22(日) 15:43:31.70 ID:6aVJr4Mx0
前スレ ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/951-954  での三面鏡の人様のネタの後のアミアの様子っぽいの
猫は猫なりに考える事でもあったんでしょう
655 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/22(日) 15:58:23.04 ID:S2K58fR60
乙ー
一見和やかに見えるんだけど、話してる内容やぬこの心中を考えると……(´;ω;`)
656 :[sage]:2012/01/22(日) 16:00:10.16 ID:CSb5vXPDO
乙でした
ハードボイルド…
俺には解るぜ動物達の台詞が!
絵的には子供向けなんだけど大人に人気の絵本みたいだなあ
月にはね、猫達の楽園があるんですよ
菊ちゃんとダミアの静かな友情に乾杯
657 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/22(日) 16:13:40.11 ID:S2K58fR60
>>656
>月にはね、猫達の楽園があるんですよ
ドリームランドですね、わかります
ダミア、ウルタールの猫達とも友達なんだろうか……
658 :猫と鼠とひつぢの夜  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/01/22(日) 16:16:02.36 ID:6aVJr4Mx0
>>655>>657
猫だし悪魔なんで表に出にくいけど、ダミアなりに悲しいとかさみしいとか、そういう感情があったのかもしれません

>ダミア、ウルタールの猫達とも友達なんだろうか……
どうだろうなぁ
属性的には悪魔だし、ダミアは

>>656
>俺には解るぜ動物達の台詞が!
セリフや声に関してはご自由にご想像くださいですの

>月にはね、猫達の楽園があるんですよ
ドリームランドじゃねぇかwwww
659 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/22(日) 18:49:39.99 ID:bnJMCl+AO
>>653
なんだろう…全部動物語なのに感情が切々と伝わってくるよ!
乙でしたー
660 :笛@エロは気にするな! ◆2PnxfuTa8.[saga ]:2012/01/22(日) 21:15:41.48 ID:4mTGWzNH0
【鴉〜魔界剣客譚〜 第二話「契約の代償」】

 出前から戻るともう店じまいで、九郎は出前から戻るのが遅れたことを店主に謝るとすぐに服を着替えて外で待っているトトの所に向かった。

「お待たせ」

「構わないよ、これくらい」

 そして彼はトトを連れて自分の住むマンションに向かう。

「ここが俺の家、一人で住んでいるから遠慮は要らないよ」

「あの……ご両親は?」

「親父はさっきの店で一人暮らし
 お袋はだいぶ前に病気でね」

「……すいません」

「良いの良いの、気にしてないから
 俺の部屋は一階だからすぐに着くよ」

 マンションに入って通路を真っ直ぐ。
 一階の最奥にあるのが彼の部屋だ。

「親父によればここでは昔からのルールで戦闘行為が許されてないらしいからまあ隠れている分には安全だと思う
 事情はよく分からないけどまあしばらくはここでのんびりしていきなよ
 ああそうだそうだ、ラーメン作ってあげないとね」

 そう言って九郎は台所に引きこもる。
 野菜を刻む音、香ばしいごま油の香り、野菜を炒める音、豚骨と鶏がらのスープの香り、肉を切る音、香辛料の香り。
 唐辛子の赤、チャーシューの茶色、スープの白色、麺の黄色。
 しばらくすると彼はラーメンを二人分運んできた。

「どうぞ」

「ありがとうございます」

 会話も無しにひたすら食べ続ける。
 ニュースはここのところ連続している児童誘拐事件で持ちきりだった。
 食べ終わったのは殆んど同時だった。

「さてと」

「はい」

「どちら様ですか」

 トトは少し悩んだ後

「…………神様です」

 素直に答えることにした。
 ラーメンを食べさせてもらっておいて嘘を吐くのも気が引けたのだろう。
661 :笛@エロは気にするな! ◆2PnxfuTa8.[saga ]:2012/01/22(日) 21:17:45.08 ID:4mTGWzNH0
「ん?」

「えっと、あなた達の表現では都市伝説といえば良いのでしょうか」

「ああー、都市伝説ね、都市伝説。その中でも特に強力なものは昔は神だのなんだの呼ばれてたって話ですよね」

「……ずいぶん平然としてますね」

「うん、親父が情報屋だったからね」

「情報屋?」

「うん、世間一般の裏事情とかそういうのを調べては売るお仕事
 元々父さんの方の爺ちゃんが戦後に始めた商売だったんだけど何故か大当たりしちゃったらしくって
 お父さんも後を継いで働いていたんだけど母さんに出会ってからは引退したんだとさ
 今のラーメン屋は元々母さんのお父さんの店で、お父さんは母さんも、母さんの方の爺ちゃんが死んでからも一人で店を続けてるんだ」

「へぇ……」

「“組織”に追われてたってことはあんたは悪い神様?」

「ち、違います!」

「だろうね。“組織”は確かに一般市民を守ることが多いがそればかりじゃないらしいし」

「私は実験台として追われていて……」

「ふうん、まあ神様さえ恐れない奴らばっかりだし不自然ではないか」

「あの……九郎君はどうしてそんなに詳しいんですか?」

「ネットで調べたり、噂で耳にしたり」

「へえ……」

「世界は情報で満ちている、それを聞くか聞かないかは自分次第」

「情報屋さんになる気なんですか?」

「爺ちゃんの孫で、父さんの息子だからな、二人の心意気くらいは大事にしたい
 “何も知らずに何もできない”ってのは嫌だからな
 それが俺の心意気」

 九郎はため息を吐く。
 ニュースを眺めていた。

「ところでトトちゃん」

「なんでしょう」

「俺の記憶が正しければ……“組織”の黒服に俺は撃たれた気がするんだけどさ
 なんで俺は生きているの?」

「…………それは、その」

「トト、というからにはあれか
 確か古代エジプトの魔術を操る神様だった筈だ
 俺が死んだのを無理矢理蘇生させたってところか」

 事実はもっとひどい。
 彼女は“組織”の追撃によって魔力を大幅に消耗していた。
 そんな状態で彼女は九郎に自分の眷属である“八咫烏”の契約書を埋め込んだ。
 無論、名前と姿が同じというだけで本物には及ばぬ力しか持ってないのだがそれでもその能力は本来死体である彼を擬似的に蘇生させる程度の力は有ったのだ。
 今のところは八咫烏の契約も九郎の自前の心の力で機能しているが、この八咫烏との契約はトトを介して行われたもので九郎の心の器を本来以上に圧迫している。
 このままでは九郎の精神や肉体を何時崩壊させるか分からないのだ。
662 :笛@エロは気にするな! ◆2PnxfuTa8.[saga ]:2012/01/22(日) 21:18:23.70 ID:4mTGWzNH0
「……はい、大体そういう感じです。状況が状況だったので勝手に契約させていただきました」

「先に飯食っておいて良かったぜ。腹いっぱいじゃ怒ったり泣いたりもできないし
 かなり追い詰められた状況だからその術で生き返らされてこうして意識と記憶と身体がしっかりしているだけでもラッキーだ」

「……ごめんなさい」

「構わないよ、元々父さんには“組織に関わるな”と釘を刺されてたのに俺がでしゃばったんだ
 男が目の前で追われている女の子を助けられないなら死んだのと一緒だよ
 それが俺の心意気」

「はぁ……」

「だからあれだ、気にするな。俺が悪いんだ」

 そう言って九郎は立ち上がってベランダに出る。
 何も言わずに星を眺めてる。

「馬鹿だなあ、俺」

 そう言ってから頬をパチンと張る九郎。

「さて、寝るか」

「あ、あの九郎さん!今の状態だと無理矢理な契約だったので……」

「明日で頼む!俺は寝るぜ!」

 押し入れから布団を出してトトに投げつける九郎。

「自分で引いて寝てね!毎朝六時起きだからうるさくても文句言うなよ!」

「きゃいん!」

 布団を頭から被って悲鳴をあげるトト。
 しかし構わずに自分だけさっさと布団を敷いて九郎は電気を消す。

「……寝ちゃった」
 
 寝息を立てて眠る九郎。
 トトはため息を吐く。

「契約の回路をしっかりつないでおかないと何時暴走するか分からないんだけどなあ……」

 揺すっても起きない。
 呼んでも起きない。
 彼女はまだ解っていない。
 彼なりの流儀としてトトの前では九郎はできるだけ平気そうに振舞っているが、自分が一度死んだと聞いて落ち着いていられるわけがないのだ。
 たとえ己が愚かであったと解っていても、それでもなお突如として命を奪われた理不尽に怯えているのだ。
 
「……仕方ないか」

 トトは静かに呟いて布団を敷く。
 宵闇の中でも人外である彼女の視力は衰えない。
 九郎から流れこんでくる心の力のおかげで回復した魔力で彼女はマンションの一角を防御用の要塞に改造することにした。
 神霊クラスの都市伝説であるトトは最低限の心の力さえあれば大規模な魔術的改装を一瞬で行える。
 作業自体はほぼ一瞬で済み、マンションにおいて彼の部屋の周りだけは組織や彼女と同じレベルの都市伝説が入ってこれないように強固且つ気づかれづらい結界が張られた。

「あとは……これだけだね」

 眠る九郎の前で難しそうな顔をするトト。
 寝苦しそうな顔をしているところから考えるに、契約の負担が重たいのだろう。

「……こればかりは本当にごめんなさい」

 静かにトトは呟いた。
663 :笛@エロは気にするな! ◆2PnxfuTa8.[saga ]:2012/01/22(日) 21:22:34.91 ID:4mTGWzNH0
「…………む?」

 丑三つ時、下半身に何か妙な感覚を覚えながら九郎は目を覚ます。
 何故か、トトと目が合った。
 彼女は九郎の布団の中に入り込んでいた。
 真っ裸で。

「あ」

「あ」

 トトも驚いていたがどう考えたって驚く権利が有るのは九郎の方である。

「あの……俺の上で何やっているんですか」

 彼も冷静を努めようとは思った。
 思ったのだ。

「これはその、契約の回路をきっちり繋げないと暴発する危険が有って……
 あと魔力不足なんで供給の方を……お願いしたいなあって」

 事後承諾ってレベルじゃない。
 最中承諾である。
 目が覚めるにつれて鋭敏になっていく感覚で九郎は事態をはっきりと把握する。
 ねっとりとしていて、暖かくて、むずがゆい感覚。
 人間は本当に慌てると何もできないものである。

「動かれると色々面倒なんでおとなしくしていて下さいね?」

 九郎は信じても居ない神に祈った。
 いや、目の前に神は居るのだが。
 少女の滑らかな肌と九郎のパジャマが擦れる。
 自分より幼く見える少女に良いようにされている状況が九郎の被虐的な部分に火をつけてしまっていて、彼も抵抗することも出来なかった。
 そう、高校生男子に抵抗できる筈もなかった。
 荒い呼吸の音が聞こえる。
 痺れるような快感が走る。
 トトの妖しげな笑みが薄れ行く彼の意識に最後に残った映像だった。

「――――――!」

 目覚まし時計がうるさい。
 九郎が目覚めると六時だった。
 自分の服に乱れは無く、隣では少女がスウスウと眠っていた。

「……夢だ、夢。駄目だわ俺、あんな夢見ちゃうとかもう本当に男子高校生だわー
 恥ずかしいわ、無いわ、どんな顔しておはようとか言えば良いんだ
 …………そうだ、まずは学校だ。学校行こう
 父さんの店に寄って仕込みを手伝ってから学校に行こう
 なんか料理作ってメモを残していけばバッチリだ」

 九郎は野菜炒めを皿に盛ってからラップに包んで家を出た。
 その後姿を見ながらトトは悪戯っぽく笑っていたのだが彼がそれに気づくことはなかった。

【鴉〜魔界剣客譚〜 第二話「契約の代償」 続】
664 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/22(日) 21:25:57.62 ID:S2K58fR60
笛の人乙でした!

……ふむ。意識飛んだという事はあれか、そこから先は本能の赴くまま……。
九郎もげろ。末永くもげろ。今度つーちゃん派遣していいですか?
665 :笛@エロは気にするな! ◆2PnxfuTa8.[saga ]:2012/01/22(日) 21:32:48.93 ID:4mTGWzNH0
ほら、笛の最初の作品で第一話で主人公がヒロインれいぽうしてたじゃないですか
だから逆れいぽうされる展開は何時か書こうと思ってたんだ


邪神で童貞卒業とか恐らく今までの創作作品で一つも無いおとてっぷwwwwwwwwww
666 :笛@エロは気にするな! ◆2PnxfuTa8.[saga ]:2012/01/22(日) 21:34:59.14 ID:4mTGWzNH0
>>664
バッチコイっす!
もう皆さんガンガンつかいまくっちまってください
667 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/22(日) 21:37:31.16 ID:S2K58fR60
>>666
ありがとうございます!
よし、これで『ル・ラグ』との決戦がかけるwwww
668 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/22(日) 21:38:20.17 ID:S2K58fR60
あ、それからR-18部分は避難所の方に上げる予定ですか?
669 :笛@エロは気にするな! ◆2PnxfuTa8.[saga ]:2012/01/22(日) 21:45:20.37 ID:4mTGWzNH0
>>668
いやー……どうしよう
九郎君意識失ってたからなあ
九郎くん多分寝ている間に処女も喪失してたからその辺りもあれだしもうほんとう色々とアレだと思われ
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/22(日) 22:20:18.72 ID:4mTGWzNH0
(さすがにふたなりは不味かったか……と笛野郎は己の性癖のニッチさに絶望するのであった)
671 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/22(日) 22:32:31.17 ID:D4LhTNZD0
(なぁに、先日北海道の作家達はへんtゴホンゴホン、変わり者が揃ってると話題に出たばかりだからそういうことだと思ってるぜ)
672 :プラモデルの人 ◆Y5QFUmhmw6[sage]:2012/01/22(日) 22:42:29.11 ID:S2K58fR60
>>669
>九郎くん多分寝ている間に処女も喪失してたからその辺りもあれだしもうほんとう色々とアレだと思われ
>処女も喪失
お互い初体験が意識無しだと……トトちゃんの方はこう、葛藤とか気恥ずかしさ的な物はなかったんでしょうか
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/22(日) 22:43:51.05 ID:CSb5vXPDO
(邪神で脱童貞wwwwwwwwwwとか言ってたが褐色ロリで脱童貞とかなんかいらっとしてきたお)
(鴉の能力とかオサレポイント高すぎて妬ましいお)
(くくく…どうせ能力有る分ハードモードだから恐れ戦くがいいお)
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/22(日) 22:44:50.73 ID:CSb5vXPDO
>>672
処女喪失は
九朗くんの方ですが
なにか
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/22(日) 22:48:52.15 ID:CSb5vXPDO
>>671
なんかもう突き抜けることにするお…
676 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/22(日) 22:57:56.05 ID:RwDC5ikB0
>>672
ヒント:お尻が未体験な人は男女問わず『処女』と言ったりする

>>675
突き抜けちゃえ突き抜けちゃえ♪(ヤメレ
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 07:51:29.78 ID:dfKm1GUDO
早くバトル書きたいなあ
今日こそかっこいいバトル書くんだ…
萌えもエロも好きだけどやっぱりバトルが一番興奮するよね!!
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/23(月) 22:30:22.12 ID:N0PTj3IV0
誰か折らぬか
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 22:30:49.58 ID:jDugqu3ko
ふんぐるい
680 :[sage]:2012/01/23(月) 22:31:48.10 ID:N0PTj3IV0
いあ!いあ!

じゃなくてどうなの最近のクトゥルフラッシュ
と元凶にして一番楽しんでいる笛野郎が聞いてみたり
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 22:33:16.94 ID:jDugqu3ko
突きぬけるのもそれはそれでいいんじゃない?
682 :[sage]:2012/01/23(月) 22:35:11.00 ID:N0PTj3IV0
だよね!
突き抜けてなんぼだよね!
ところでひたすら可愛い女の子と主人公がイチャイチャする話書きたいんだけど上手くいかないんだ
助けて[たぬき]!
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 22:37:14.86 ID:jDugqu3ko
そりゃあんた可愛い女の子が邪神だったりふたなりだったりするからじゃ…
684 :[sage]:2012/01/23(月) 22:38:45.61 ID:N0PTj3IV0
それくらいの方が萌えるかなあって思ったんだけどねえ
可愛い女の子にだったら何されても良いよもう、と笛野郎は自分の危ない性癖をポロリとあれします
クラウディアちゃんなんかはあざとくいこうと思ったんだけどキャラ付け意外と強くて……
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 22:42:59.66 ID:jDugqu3ko
可愛い女の子の味付けが濃いのに男の子の性格が薄味だから対等にイチャイチャできないんじゃないか?
いっそ捻って味付けも濃いかわいい女の子が男の子を愛玩する方向でイチャイチャさせればいいとおもう
686 :[sage]:2012/01/23(月) 22:45:07.43 ID:N0PTj3IV0
それだ……
それだよ
その視点が欠けていた
男の子視点で書いてしまうから駄目だったんだ!
すくなくともクラウディアちゃんの問題は解決だ!
九郎君はキャラ濃いけど作者がまだ書けていない気がする
キスから始まる恋どころのレベルじゃねえからまああれだが
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 22:56:52.43 ID:jDugqu3ko
どこかの崩月流甲一種第二級戦鬼のように背景は濃いけど性格がまっとうに近いから
怪奇現象に相対した時の可愛い女の子のペースについていけないのかもしれない
日常生活で男の子が主導権を握って関係性の下剋上をおこせばキャッキャウフフるかもしれぬ
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/23(月) 23:04:42.09 ID:N0PTj3IV0
なるほどなるほど
そんな感じでいこう
あ……そうだ、どうせだから戦闘でやってみるか
インスピレーションキマシタワー
689 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/23(月) 23:07:24.55 ID:W9kjmnvD0
いくぞー
690 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/23(月) 23:07:56.89 ID:W9kjmnvD0
ο-No.2がその指令を受け取ったのは1月某日。
恐らく生まれて初めてであろう「組織」の外で出来た友達と、バイキングへ出かけた帰りの事だった。

「《夜刀浦市ニテ這イ寄ル混沌ノ化身ヲ複数目撃……今後ノタメニ一体捕獲、モシクハ喰ライテ成分ヲ報告セヨ》……這い寄る混沌って何?」

まあ、食べてもいい物ならばきっと新型の都市伝説か何かだろう。左手の再生はまだだけど、さっと食べて帰れば問題ないか。

―――後に。ο-No.2ことつーちゃんは、この時の楽観的な考えを後悔する事になる。


「がぁっ……ぐぅぅぅぅぅぅ……負ける、もん、か!ぜっ、たい……」

『『ギギギギ……おのれ、小娘ぇ……!』』

「絶対に…………消化して、やる…………!」

夜刀浦市ホラースポットの一つ・《虎臍反吐論の洞窟》。
現在、この洞窟の中で文字道理『喰うか喰われるか』の激闘が行われていた。

『無駄だと言うのがまだ分からんか、小娘!』
『氷のごとき暗黒の塊であるこの【ル・ラグ】を喰らうなど不可能だというのに……』

「だ、まれ……お前は、私が、食べるん、だ……」

『這い寄る混沌が化身の一人たる我を喰らおうとするとは……』
『ククク、クハハハハハハハ!何たる悪食!何たる暴食ぅ!』

ο-No.2の全身は、【スター・ゼリー】の消化能力をフル回転させ、体内の【ソレ】を取り込もうとするのだが、先程から一向に消化が進む気配すらない。
姿形は『髑髏のような頭が二つ』付いていること以外は、ただの気持ち悪いコウモリだ。動きは素早かったものの、片手で捉え切れる程度でしかなかった。
にも拘らず。この【ル・ラグ】とか言うコウモリは、全力消化に耐え……あろうことか、内側から彼女の精神を侵そうとしているのだ。

「(や、やばい……そろそろ、バイキング分の体力が切れそう……!)」

『(ちっ……なまじ『喰う』事しか頭にないせいか、精神汚染が思うように進まん……!)』
『ならば、これはどうかな!』

「えっ……?な、熱、熱いぃぃぃ!!」

突如として、ο-No.2の体内で音も無く羽ばたき始めた【ル・ラグ】。
何事かと考える暇も無く、彼女は燃えるような高熱を感じ絶叫した。全身からうっすらと水蒸気が上がっている。
これは―――まさか。

『クハハハハ……やはりその身体、熱や乾燥に弱いようだな!』
『どうだ、我が翼から放たれし【不浄の黒き火の粉】の味は!』

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

軽口に答える余裕もなく、ただただ叫び続けるο-No.2。スライム系の都市伝説共通の弱点を完全に突かれたのだ。
さらに、絶え間ない不浄の火の粉はそれ自体が【ル・ラグ】の一部……すなわち、あの【這い寄る混沌】の一部でもある。
周りの水分によって火種は消えても、その中に内包された邪悪なる混沌は少しずつ、しかし確実に彼女の身体と心を蝕んでいった。
絶え間ない苦痛と熱に耐えていたο-No.2だったが……やがて熱気で頭が朦朧としたのか、フッと全身の力を抜いてしまった。

「ぁっぃ…ぁっぃょぅ…(……あ、れ?何で私、頑張ってたんだっけ……)」

『ふぅ、ようやく限界を迎えたか……だが人の身でありながら』
『この我を、本気で喰らわんとするとはな』

無防備となったο-No.2の精神と肉体を、混沌が這い寄り侵食していく。
自分の全てが作り替えられるような恐怖に……彼女はただただ怯える事しか出来なかった。

「ぁ……ぁぁぁ……」

『さあ小娘、我と一つとなるがいい……残念だな、もし仮にお前が―――』


ただし、それは。


『―――例えば【ショゴス】のような、同じ邪神の一族であったのなら。この化身ごときではあるいは、違う結末であったのやもしれんな』


・・・・・・・・・・・・・・・
その単語を聞くまではの話だった。
691 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/23(月) 23:08:33.77 ID:W9kjmnvD0


「…………………………は」
 
      ・・・・
脳裏に浮かぶはあの女性。かつて自分の心を喰らい、この身を食べ残した【ショゴス】の契約者。
いつか必ず、あの人の全てを食べ尽くす……あの時固くそう誓ったハズの、我が人生のメインディッシュ。
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それを私は――――――我が身可愛さに、諦めようとしていたのか?


「…………あは…………ははは」

『……精神が耐え切れずに壊れたか……哀れな。』
『所詮こやつも其処らの有象無象と変わらんというわけか』


【スター・ゼリー】では敵わない。だが【ショゴス】ならわからない。
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それはつまり――――――今の私ではあの人に届かないと言う意味か?


「…………るな」


腹立たしい。何よりも誰よりも、先程までの情けない自分自身が。
目の前に用意されたご馳走に手を付ける事無く、あろうことかその食材に―――全ての始まりの思いまで、奪われそうになったのか。


「…………ざけ、るな」


自分の身体など知った事か。あの人を超えるためだけに、人である事などとっくに捨てた。
自分の精神など知った事か。あの人を喰らい尽くしたい、そのたった一つの思いがあればいい。
自分の限界など知った事か。あの人を『愛する』為ならば――――――


「ふざ、ける、なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


――――――限界なんて、バラバラにして胃袋に放りこんでしまえ!



『馬鹿な、まだ言葉を発する気力が…………グッ!?』
『こ、これは!』

呻き声を上げるとほぼ同じく、【ル・ラグ】の身体にも変化が訪れていた。
まるでお湯に漬けられた氷のように、身体の表面が剥がれては崩れ溶けていく。
これは―――まさか。

『馬鹿な……そんな馬鹿な!我が、この我が!』
『いくら戦闘面で他の化身に劣るとは言え【這い寄る混沌】の一部たる我が……!?』

余りの出来事に狼狽し、今まで以上に暴れ回る【ル・ラグ】。だが、いかに否定したくともそれは揺るぎない事実。
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有り得ない事に、彼女は今―――この邪神の化身たるコウモリを、消化しつつあった。

「私は超える!あの人を超える!這い寄る混沌か何か知らないが、お前程度なんて前菜以下だぁぁぁぁ!」

『『馬鹿な…………バカナァァァァ!』』

【ル・ラグ】の全身が完全に崩壊し、周囲に混じり消えていく。最後に残った双頭も、また……。

『『オボエテイロ……ワレガホロボウトモ、イズレダイニダイサンノワレガガガガガガガガ…………』』

捨て台詞を残し、半透明の闇の中へと姿を消した。



「……はい……化身の一つと思われるコウモリを、ぐぅっ!失礼しまし……消化、に……成功……至急、迎えを」ピッ

ο-No.0への連絡を済ませたο-No.2は、ようやく意識を手放した。
その顔は、疲れきっているように見えて…………どこか、やり遂げたような表情をしていたそうだ。
(終わり)
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/23(月) 23:12:33.39 ID:N0PTj3IV0
乙でしたー
ついに限界を超えたか……
覚醒反撃は王道ですよ
熱いねえ、いいねえ
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/23(月) 23:23:36.74 ID:N0PTj3IV0
くっ、お前らこっちでも雑談すりゃアいいじゃない!
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 23:25:33.34 ID:jDugqu3ko

食われおったww
美味なんだろうか
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/23(月) 23:32:26.39 ID:a2itfpFO0
>>693
こっちで雑談して、一般の人に引かれると恥ずかしいし…(某恋愛シミュゲームのラスボス風に
696 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/23(月) 23:33:46.99 ID:+HYuy1I90
皆様乙です〜
くそっ、祭参加したい! 色々精神不安定だけど書いちゃおうかしら
夜刀浦市でもなければ学校町ですらないかなりイレギュラーでフリーダムでメッタメタなあのシリーズを……
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/23(月) 23:34:45.80 ID:N0PTj3IV0
逆に考えて
此処に来る時点で一般人なわけがない
大なり小なり倫理を超えてしまったところのある人ばかりさ

ならば

何故彼らとの語らいの切欠になるこの場を使わないのか、と
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 23:38:06.99 ID:9UhPTfpAO
都市・・伝説?
感がすごいな
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/23(月) 23:42:15.04 ID:N0PTj3IV0
解る解る
都市伝説って書いてあるけど
「人界の理を超える存在達に立ち向かう為に自らもまた境界を超えた契約者達」
って解釈で良いと思いますまる
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/23(月) 23:43:15.69 ID:jDugqu3ko
それでも異世界が〜とか魔女がどうしたとかに比べたらまだこのスレ向けの題材というか、違和感がない感じ
説明付けたもん勝ちだって!
701 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/23(月) 23:51:03.72 ID:W9kjmnvD0
>>692
>ついに限界を超えたか……
色々振り切ってしまった気がしないでもないですが……とにかくつーちゃんの勝利です!
ちなみに目を覚ました際の第一声は「レジーヌさーん!」だったそうです

>>694
>美味なんだろうか
残念ながら痛みと熱に耐えながらの勝利だったので、正確な味はほとんど記憶に無いそうです
(ο-No.2>甘くて辛くて苦くて渋くて酸っぱくて……吐き気を催すほどに美味というか……やばい感じ、だった
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/23(月) 23:54:33.61 ID:N0PTj3IV0
ちゅーわけで皆夜刀浦市に遊びにおいでよ!
そして名状しがたいコズミック・ホラーしたり王道バトルしてってよ!
>>701
やはり王道ですよ
格好いいもんがちですよ
明日辺りまとめておきますです
703 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/23(月) 23:54:52.01 ID:+HYuy1I90
>>701
>吐き気を催すほどに美味というか
名の通り『混沌』とした味だったと…
704 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 00:05:03.93 ID:24uiPEB70
>>702
>やはり王道ですよ格好いいもんがちですよ
そう言っていただけると感無量です……!

>明日辺りまとめておきますです
ありがとうございます!

>名の通り『混沌』とした味だったと…
はい、そんな感じです。この世全部の味をごっちゃにしたような、しかしそのどれでも無いような……
705 :しーえむ2012/01/24(火) 10:57:18.99 ID:QKFrTjZDO
モンスターとか伝説の武器とか神話とか都市伝説とか魔法とかUMAとかが大好きなそこの貴方!!
自分のオリジナルの作品を発表してみたいがスレ立てはちょっと…というそこの貴方!!
ホラーもバトルもラブコメもほのぼのも鬱もエロも書きたい読みたいそこの貴方!!

都市伝説と(ryで少し書いてみませんか?

ここはたとえ明らかに都市伝説じゃないものでも皆面白がって受け入れてくれますし、話につまったらアドバイスももらえます
確実に読んでもらえてレスもつくので創作意欲も燃え上がる!!
話を書くなら都市伝説スレだよ!!

現在は一番最初の舞台である“学校町”だけでなく、日本のアーカムシティ“夜刀浦市”を舞台にしたクロスも増えてます
このスレで夜刀浦を有名にしようという勢いでやってるのでぜひともWikiでお話をチェックしてね!!
706 :しーえむ リンクつき2012/01/24(火) 11:06:42.78 ID:QKFrTjZDO
モンスターとか伝説の武器とか神話とか都市伝説とか魔法とかUMAとかが大好きなそこの貴方!!
自分のオリジナルの作品を発表してみたいがスレ立てはちょっと…というそこの貴方!!
ホラーもバトルもラブコメもほのぼのも鬱もエロも書きたい読みたいそこの貴方!!

都市伝説と(ryで少し書いてみませんか?

ここはたとえ明らかに都市伝説じゃないものでも皆面白がって受け入れてくれますし、話につまったらアドバイスももらえます
確実に読んでもらえてレスもつくので創作意欲も燃え上がる!!
話を書くなら都市伝説スレだよ!!

現在は一番最初の舞台である“学校町”だけでなく、日本のアーカムシティ“夜刀浦市”を舞台にしたクロスも増えてます
このスレで夜刀浦を有名にしようという勢いでやってるのでぜひともWikiでお話をチェックしてね!!



「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5-SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/24(火) 13:29:21.20 ID:ZEv6QF+g0
いいCMだ
浮気先で使わせてもらおう
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/24(火) 14:44:35.21 ID:xlIQpWBR0
ククク……皆もこのCMを使ってもっともっと作者を呼び込もうではないか
書ける作品の自由度が高くてしかも世界観もはっきりしてわかりやすいなんて一見矛盾した条件が揃った場所は中々無いと思うぞ><
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/24(火) 15:05:47.24 ID:ksWyqZlDO
>>708
矛盾した条件の揃った場所か、まさに『這い寄る混沌』の祭り場に相応しい!
710 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/24(火) 15:13:16.44 ID:6R1+RRG90
(ニャル>がっひゃっひゃっひゃっひゃ、皆も混沌に飲まれるが良い!!
(ローゼ>本スレまで貴方で毒そうと仰るの……?(ゴゴゴゴゴゴゴ
(裂邪>(…避難勧告出そうか)
711 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 17:02:57.81 ID:24uiPEB70
>>710【※〔〕は筆談です】
(ο-No.2>えーっと、ゼロりん?そのバズーカと弾は一体……?てか、銃口……
(ο-No.0>〔先日ο-No.2が命懸けで取ってきた成分を元に作った、対邪神用特殊炸裂弾頭です〕
(ο-No.2>うんそれは分かってる、完成には私も立ち会ったし。問題は、何で銃口をあっち>>710に向けてるのかって事で

(ο-No.0>〔え?実際に効果があるか、テストするに決まってますが……何か?〕

(ο-No.2>『何か?』じゃないでしょ!?駄目だってゼロりん、まだローゼさん達も居るんだよ!?
(ο-No.0>〔彼女なら問題ないでしょう。伊達に何度もぶつかっていません、互いの力量ぐらい把握してます〕
(ο-No.2>いや、仮に信頼した上での言葉でもそれは…………あれ?R-No.の人達が居るって事は…………!
(ο-No.0>〔さて、発射準備完了です。危険ですのでο-No.2は下〕

(ο-No.2>い……イタ━━━(゚∀゚)━━━!!レージーーーヌーさーん…………!!(ドドドドドドドド…………)

(ο-No.0>〔〕
(ο-No.0>…………。

(ο-No.0>ふぁいぁ〜(バシュッ!)
712 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/24(火) 17:16:33.24 ID:6R1+RRG90
>>711
>(ο-No.0>ふぁいぁ〜(バシュッ!)
鬼かwwwwwwwwwwwwwwww
713 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/24(火) 17:30:08.97 ID:6R1+RRG90
筆談で思い出した
学校行って1日ずっと筆談してた奴って俺以外いたりするんだろうか…
寂しかったぞあれは
714 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 17:47:29.38 ID:24uiPEB70
>>712
>鬼かwwwwwwwwwwwwww
一応、信頼はしての判断だと思うんです……きっと。多分。メイビー。

>学校行って1日ずっと筆談してた奴って俺以外いたりするんだろうか…
何があったんですか
715 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/24(火) 18:00:38.72 ID:6R1+RRG90
>>714
>一応、信頼はしての判断だと思うんです……きっと。多分。メイビー。
つーたんは泣いていいwww

>何があったんですか
中学で1回、高校で1回かなぁ
喉の調子が悪くて声が全く出なくなった時がありまして……
だから中学の時にノート1冊に日常よく使う言葉をざっと書いて、授業始まる前に『風邪で声が出ません』と事前交渉してたり
高校の時はそのノートをそのまま使ってました
休憩時間の細かい会話が面倒でしたが、高校の時は電子辞書があったのでタイピングして会話してたりw
716 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 18:08:50.11 ID:24uiPEB70
>>715
>つーたんは泣いていいwwwwww
無論、帰宅後すぐに泣きついてます。レジーヌさんと会話することなく吹き飛びましたし(ぉぃ
というか、今思ったんですが【ル・ラグ】の情報から作っても他の化身には効かないような気がしてきました
だってニャル様の化身てあれ、一体ごとにもはや別の存在っぽいしwwwwww

>喉の調子が悪くて声が全く出なくなった時がありまして……
おおぅ、それは大変だ……喉弱いんですか?
ちなみにゼロりんの場合は「呼吸すると外気が体内に入る」為、スーツ内の酸素で補っているからです
717 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/24(火) 18:13:19.82 ID:6R1+RRG90
>>716
>無論、帰宅後すぐに泣きついてます。レジーヌさんと会話することなく吹き飛びましたし(ぉぃ
俺がよしよしした後に食事になってくるぜ(

>だってニャル様の化身てあれ、一体ごとにもはや別の存在っぽいしwwwwww
そういえばwwwwwww
だ、だがあれだ、俺の出してるニャルは変身タイプだから、『ル・ラグ』になった瞬間の対策が出来ると考えれば!

>おおぅ、それは大変だ……喉弱いんですか?
時期的に声変わりだったのかなぁ……中3と高2の時だったので
718 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 18:24:00.80 ID:24uiPEB70
>>717
>だ、だがあれだ、俺の出してるニャルは変身タイプだから、『ル・ラグ』になった瞬間の対策が出来ると考えれば!
ちなみに、>>710ではどの化身をイメージしてたのでしょうか?

>俺がよしよしした後に食事になってくるぜ(
(ο-No.2>ヤ・ケ・喰・い・じゃー!いっただっきまぁぁす!(ガブッムシャムシャゴクン
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/24(火) 19:28:40.33 ID:JlTaso450
>>708
浮気先でCM使わせてもらったの、と事後報告
ただ、人いない時にやったんで、後で人いるときにもっかい使わせてもらうわ
720 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 19:53:14.33 ID:24uiPEB70
>>708
同じく、昔見てた所へ宣伝
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/24(火) 21:15:07.20 ID:xlIQpWBR0
宣伝はガンガンつかっちまってくだせえ
もうそれはもうお好きなように……
722 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/24(火) 21:19:29.46 ID:F3Y7TcgW0
>>718
> ちなみに、>>710ではどの化身をイメージしてたのでしょうか?
俺のニャルは基本は『暗黒の男』もしくは『黒き男』と呼ばれる化身でいることが多いですね
『這い寄る混沌』や『無貌の神』、『闇をさまようもの』などは戦闘時になるイメージ
今現在で変身タイプは俺だけっぽいので、『がっひゃっひゃっひゃ』と笑ったら変身する奴です(マテヤ

> (ο-No.2>ヤ・ケ・喰・い・じゃー!いっただっきまぁぁす!(ガブッムシャムシャゴクン
さあ召し上がr(ここから先は血塗れで読めない
723 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 21:24:23.32 ID:24uiPEB70
>>722
>『暗黒の男』もしくは『黒き男』
(ο-No.0>〔ふむ……違う化身に対しては効果なし、と〕
(ο-No.2>なん、だと…………orz

>さあ召し上がr
(ο-No.2>(ガツガツムシャムシャバリボリ)…………ふぅ、御馳走様でした♪
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]:2012/01/24(火) 22:50:45.76 ID:xlIQpWBR0
【鴉―KARAS― 第三話「黄金の夢」】

「ただいまー」

 九郎は昨日まで誰も居なかった部屋にいつもどおりに帰ってくる。
 新米の契約者に過ぎない彼はトトの魔法の気配に気づくこともできない。

「おかえりなさーい、ご飯にする?お風呂にする?
 それとも…………ワ・タ・シ?」

 九郎が家に帰ってくると、トトはすっかり元気になっていた。
 本来この夜刀浦の街は魔力充満する魔都。
 魔術を扱う神である彼女にとってはこの上なく素晴らしい土地なのだ。

「な、何を言ってるんだ!?」

 昨日の出来事、彼にとっては夢を思い出して動揺する九郎。
 そんな彼の様子に満足したのかトトは笑い始める。

「冗談だよーん
 家、散らかってたから綺麗にしておいたよ」

「確かに綺麗になってるな」

「パソコンの中身も綺麗にしたよーん」

「―――――え!?」

 あの中には、というか付属の外付けHDDには集めに集めたエロスファイルが有るのだ。
 しかも情報屋としての仕事に使う情報の一部も混じっている。
 そもそも普通の人間には解除不可能なプロテクトがなされているのだがそれでも九郎は慌て始める。

「ウソウソ」

 胸をなでおろす九郎。
 それがおかしくてまた笑う。
725 :ふえぇ……[saga]:2012/01/24(火) 22:51:44.08 ID:xlIQpWBR0
「ハッハッハ、九郎は一々リアクションが良いなあ」

「やめろよ洒落にならないんだから馬鹿」

「知恵を司っちゃう私にバカと言うとは何事だ、お前結構失礼だな」

「匿ってもらっているくせによく言うぜ」

「ありがとう九郎、感謝しているよ」

「調子良いなあもう……、っていうかなんだよ。やたら元気だな
 態度も妙にでかくなってるし」

「そりゃあ元気にもなりますよ、九郎は気づいてないみたいだけどこの土地すっごい良い感じの霊地だもん
 今の私ならどんな奴が来ても怖くないね」

「へえ……、俺が最初見た時はお前追われていた気がするんだけど」

「そ、そそっ、それはほら、魔力切れ起こしていて……」

「ふぅーん」

「なんだよぉ!疑うなよお!今の私は強いんだぞ!
 どれくらい強いかって言うと漫画とかアニメみたいなレーザービーム撃ち放題って感じ
 ゴジラだろうがベムラーだろうがガタトノーアだろうがどんと来いだよ」

「そんなにすごいの?」

「うん」

「じゃあ契約した俺の能力はどうなってる訳?」

「それはねえ」

 その時突然、足にプロジェクターを装着した鳩がベランダに舞い降りる。
 プロジェクターは起動すると同時に一人の男の姿を映し出す。

「それを知る必要はないでしょうね」

 ちゃぶ台の上に乗る黄金の影。
 碧眼金髪絢爛豪華。
 黒のスーツと蛇をあしらったネクタイを身につけ、片手にはダイヤのついたステッキを振り回す男が突如として現れた。
726 :ふえぇ……[saga]:2012/01/24(火) 22:52:27.39 ID:xlIQpWBR0
「だってほら、貴方はこの少女と関わらないで平和な日常に帰っていくのですから」

「――――誰だ!?」

「慌てるな九郎、それは幻影だ。都市伝説の力ではない純粋な科学力の産物だよ」

「いやあ大したものですよ、さすが神霊レベルの魔術行使となると結界の作り込み一つとっても美しい
 さすがの私も直接の侵入は諦めたレベルです」

「今日は何の用だ?サンジェルマン」

 男の名前はサンジェルマン伯爵。
 組織のF-No.を率いる奇人。
 しょっちゅう「研究に夢中で政治的なことに関心は無い男」と言われているがその実は老獪な手腕を持って様々な事件の陰で暗躍する怪物でもある。

「そこに引き篭もられると困るんですよねー、捕まえにいけないじゃないですか」

「サンジェルマンって?」

「私を追いかけさせていた黒服の親玉だ」

「君が下っ端達の報告にあった青年ですか、傀儡にされた気分はいかが?」

「傀儡?俺は俺の心意気に従っているだけだ、結果がなんであろうとね」

「はん、中々言うことで」

「サンジェルマンよ、残念ながらこの土地には不戦の約定がある
 貴様ほどの都市伝説であってもこれを破ればどうなるか解っているだろう?」

「解っていますよ、だからこうしてつまらないマジックで貴方と話しに来たんじゃないですか」

「ふん」

「やれやれ、取り付く島もない。ではそこのお兄さん
 その少女を渡してくれるなら貴方の身の安全を保証しても良い」

「断る」

「こちら側とも話し合いの余地無しですか」

「話し合い?だまし討ちと強奪の間違いだろう」

「ハハッ、弱者の言い分が通るわけ無いでしょう。“話し合い”で
 我々には時間がない、多少強引な手段も辞さない覚悟です」

 半透明の姿のままにサンジェルマンは空中に腰掛ける。
 そして深く溜め息をつく。
727 :ふえぇ……[saga]:2012/01/24(火) 22:54:52.14 ID:xlIQpWBR0
「なあ、あんた組織の偉い人なんだろう?」

 九郎はそんなサンジェルマンの目を真っ直ぐに見据える。

「ええ、一応そういうことになっていますね」

 その鋭さにサンジェルマンは少々驚く。
 そして少しだけ口元を緩める。

「確かサンジェルマンというと黄金練成に至った本物の錬金術師って話だが……」

「ふむ、子供のくせに中々知っているではないですか」

「そんなあんたならばこの世なんて思いのままだろう
 何故こんな少女一人を追い求めるんだ?」

「それは……貴方は知らないのですか?」

「さあ?」

「………………」

 トトは唇を噛み締める。

「若いなりに心得ていますね
 しかしその行動は無駄なんですよ
 貴方が知っているなら今教えた所で損は無い、知らないならば教えることで貴方の動揺を誘える
 ですから教えてあげましょう。その娘の正体は邪神ナイアトラップ
 人類に破滅と混沌を齎す邪悪の権化です」

 トトに緊張が走る。
 これで九郎が彼女を拒絶したら……、そんな恐怖が彼女を襲う。
 最悪、契約の回路を通して無理矢理彼の精神を乗っ取って……と彼女が考えた時だった。

「ああ、そう」

 彼はまるでその話を聞いてなかったかのようにあっけらかんと答えた。
 九郎のリアクションの薄さにサンジェルマンは驚いた。

「おや、あまり気にしてないようですね」

「俺は他人の言うことは信じない。俺は俺の目だけを信じる
 俺の目にはこいつが悪いやつには見えない、俺は俺の目が信じたこいつを信じる
 むしろ……あんたのほうが悪者に見えるぜ、組織のお偉いさん」

「ククク……中々達者な口だ。見合う実力が無ければ滑稽なだけなんですがね
 組織に追いかけられてあなた達は無事でいられると思っているのですか?」

 サンジェルマンの心は踊っていた。
 この青年、どうもサンジェルマンの好みのタイプらしかった。

「その組織をどれほど掌握できているかも怪しいね
 この前俺を追いかけてきた黒服に元人間は一人も居なかった
 そして今、あんたは幻らしいとはいえ自らここに来ている
 あんたが本当にサンジェルマンだっていうなら私兵だって居る筈なのに
 トトへの行動は組織に知られていない行動なんじゃないか?
 だとしたらある程度あんたの行動に合点が行く」

「中々に聡いですね
 Good、腕の良い情報屋、そして契約者を見つけましたね、ナイアトラップ
 気が変わりました。そこの青年もまた危険分子だ、そして研究対象にもなりうる
 貴方達、否、貴方に降伏の選択肢はなくなりましたよ
 残されたのは屈服だけだ」

「成程、それであとの用件は?」

「今日は宣戦布告だけだ。重ねて申し上げますが不戦の約定を破る気はありません
 私は能力を持つ人間には敬意を払う主義でしてね、無粋な方法で戦うのはやめておきましょう
 もし派手に動いて組織の方に目を付けられると困るのは私ですし」

「ならば早く帰った方が良いぞサンジェルマン
 貴重な命のストックをこれ以上は減らしたくないだろう?」

「ん……?」

 次の瞬間、ホログラムのサンジェルマンが血反吐を吐いて倒れる。
 ホログラムは消失し、鳩はそのままその場で気絶した。
728 :ふえぇ……[saga]:2012/01/24(火) 22:55:26.79 ID:xlIQpWBR0
「トト、今のは?」

「丑の刻参りみたいなもんだよ、姿さえあればそれを起点に呪殺できる
 魔力さえ残っていればあんな奴怖くもなんともないんだから」

「じゃあさっき言っていた命のストックって……?」

「それが貴人サンジェルマンの厄介な点だ。奴はほぼ無限といっても良いくらいに命のストックがあるんだよ
 奴の錬金術の真の成果はそれだ」

「成程ね……ずいぶん厄介な敵に目をつけられたみたいだね」

 ハフゥと溜め息をつく九郎。
 その様子を見て目を伏せるトト。

「……私のせいだ。ごめんなさい」

「気にしないって言ったじゃん。俺は男だ、俺の敵は俺が選ぶ
 そして俺が守るべきものもまた俺が選ぶ」

 そういって彼は台所に向かう。
729 :ふえぇ……[saga]:2012/01/24(火) 22:55:52.57 ID:xlIQpWBR0
「料理作ってやるよ、何が良い?」

「え?」

「片付けはできているが料理は下手だろう?」

「な、なんでさ!なんで解るのさ!」

「缶詰は減っているのに生の食材は減っていない
 作っていった料理じゃ足りなかったらしいことはまあ缶詰の減りから解る」

「身体ボロボロだったから回復に食べただけなんだからね!
 九郎の心の力の供給が万全だったら八咫烏を通して私にも流れこんでくる筈なんだから!」

 言い訳を始めるトトを無視して九郎は話を進める。

「しかし生の食材が手を付けられてないってことは……料理をほとんどしなかったということで
 怠惰な性格ではないトトが料理をしなかったのはできなかったのだと考えるのが一番自然な訳よ」

「うー……!」

「という訳で作りたいものが有るなら何でも言ってくれよ、作るから」

「……ラーメン」

「はいはい」

 九郎は器用に食材を刻んだり麺を茹で始める。
 そんな彼の背中に向けてトトはポツリと呟く。

「信じてくれて、ありがとう」

「ん?どうした」

「な、なんでもないよ!」

「ああ、そう?ニュースつけておいて、面白い情報が転がってるかも知れないから」

「……このテレビってのどうやってつけるの?」

「……なん、だと?」

 まずはトトに機械の使い方を教えなくてはいけないらしい。
 九郎はやれやれといった感じで笑った。

【鴉―KARAS― 第三話「黄金の夢」 続】


730 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/24(火) 23:12:38.11 ID:24uiPEB70
乙!
サンジェルマンと全面対決か………さて、今後どうなることやら

>ガタトノーアだろうがどんと来い
馬鹿な、あのティガでさえ……!と思ったが、そういやトト=ニャル様だったな
クトゥルフの息子には少々荷が重い相手かも知れな…………待て。つまり、ガタノトーア自体は存在するのか!?

>サンジェルマンの心は踊っていた。
>この青年、どうもサンジェルマンの好みのタイプらしかった。
ここで二人に別の意味で危機が迫っていると邪推してしまったのは
最近読んだ『モンゴリアンワームによる協会の双子陵辱未遂事件』を読んだからに違いないorz

そういや、陛下とサンジェルマンは協力関係にありそうだったけど…………まさか、な
731 :ふえぇ……[sage]:2012/01/24(火) 23:22:52.02 ID:xlIQpWBR0
>>730
あれだ、あの怪獣の名前についてはトトちゃん噛んじゃったんだ
サンジェルマンは敵として出たほうが輝く、うん
これからはこう……シリアスな感じで行こうと

あとあれです
トトちゃんは型月的に言うとキャスターです
陛下はセイバーです
明日くんはライダーです
明日君と夜行君をそろそろ出してやりたい今日この頃
732 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/25(水) 03:29:00.03 ID:RDhR/vrAO
プラモデルの人乙ですー
つーちゃんがんばったね!(なでなで)

笛の人乙です
どんどん夜刀浦市の混沌が紡がれていく…
エロかと思ったら甘酸っぱいラブコメとかなんたる変幻自在
そしてサンジェルマン…
九郎君逃げて超逃げてー
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/25(水) 09:54:40.38 ID:ITAxUmMDO
今回はアドバイスを参考に色々盛り込んでみたよ!!
ラブコメっぽくイチャイチャさせるんだ…
第三話から九朗くんを巡る三角関係なんて素敵だよね!
九朗くんのキャラもしっかり掘り下げたい
セージはあくまで陛下の優秀な添え物だからこれからも陛下メインになる予定
734 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 10:18:01.25 ID:Hk+l3uSH0
ノとトが逆になってるだけと見せかけて
怪獣がガタノゾーアであるところをガタノトーアと言おうとしているという
これはつまり焦り過ぎて滅茶苦茶噛んでることを表現している……さすが笛の人だぜ…グハァ(萌え死にました
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/25(水) 10:39:46.32 ID:ITAxUmMDO
>>734
(完全に不覚をとったことに気づいた音)
(ケンタウロスの能力を発動する音)
(こっそり影の人の首を折る音)
(花子さんの人あたりが「影男!!影男!!」と探し回る音)
(なんやかんやでアークオルフェノクを倒す音)
736 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 10:46:56.63 ID:Hk+l3uSH0
>>735
素だったのかよwwwwww
あ、あれだ、クトゥルフ神話に出る方の邪神は『ガタノトーア』の読みが多いから、
他の邪神も簡単に捻り潰せるみたいなことにすれbあら、ケンタウルスさん何かご用ですk(ゴキリッ
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/25(水) 10:52:59.43 ID:ITAxUmMDO
>>736
影男の人…
貴方にはエロが多すぎる!!
(木場さんはカイザになぜなれなかったのかと悲しむ音)



巣で間違えた
言い分けはしない!
738 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 11:04:26.55 ID:Hk+l3uSH0
>>737
> 貴方にはエロが多すぎる!!
そっ、そんなことないもんっ!?
ラブイチャとかハーレムが多いのは認めるけどエロは然程多くないもんっ!?

> (木場さんはカイザになぜなれなかったのかと悲しむ音)
最後の最期だけだったよね…何故だろう、ホントに
個人的にオーガさん大好きなので、俺の中のイメージは木場=オーガ
739 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 11:27:50.82 ID:JA7BlZUg0
また避難所に行けないぜよ
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/25(水) 11:51:12.10 ID:ITAxUmMDO
携帯からならいけるね
741 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 12:29:23.91 ID:JA7BlZUg0
>>740
なん…だと……?
やはりスマホは携帯として扱われないのかorz
742 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 13:49:42.06 ID:JA7BlZUg0
というか聞いて下さいよ
未だに避難所繋がらないんだけどさ、
今の状態になる寸前に実は俺避難所にいたんですよ
それで俺のニャルラトテップの裏設定というかネタバレ書いて、投稿ボタン押したら………

誰が密告ったんだ!(マテヤ
743 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/25(水) 16:00:09.43 ID:G70lP72V0
>>732
>つーちゃんがんばったね!(なでなで)
(つーちゃん>…………?この手、食べてもいいのかな?   ※駄目です

>>742
>誰が密告ったんだ!(マテヤ
「それは 紛れも無く 奴さ」←元ネタ忘れた
影の人乙ですー、そうか夢に出てきたニャル様だから『決まった形が無い』のか……納得
744 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 16:19:13.20 ID:83eR3L1J0
今気づく、ちゃんと上がってたのね、したらば偉い偉い

>>743
> 「それは紛れも無く奴さ」←元ネタ忘れた
女性限定の死亡フラグブレイカー、『COBRA』のOPですねwww
俺も見たことも読んだこともないけど(

> 影の人乙ですー、そうか夢に出てきたニャル様だから『決まった形が無い』のか……納得
強いて言えば理由はもう1つ


姿決めちゃうと勿体無い気がしたの(ぁ
745 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/25(水) 16:31:07.05 ID:G70lP72V0
>>744
>俺も見たことも読んだこともないけど(
俺も知らないですwwwwww後で動画見てみよう

>姿決めちゃうと勿体無い気がしたの(ぁ
あー、なんとなく分かる気が……正体不明ってのが一番怖いですよね


【ル・ラグ】の設定を上げときましたー
因みに火の粉はつーちゃんが体内で『消化』しちゃったので、外部には一切漏れていません。
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/25(水) 18:00:20.98 ID:E+0zN0iFo
>>744
> 女性限定の死亡フラグブレイカー、『COBRA』のOPですねwwwwww
ネタコラではフラグブレイカーだけど原作では普通にフラグ消化してるので注意だ
コラにも多々使われている痛快な台詞回しは癖になるよ

>>745
> 俺も知らないですwwwwwwwwwwww後で動画見てみよう
ニコニコチャンネルにスペースコブラ(アニメ版)があるので第1話は無料で観れるよー
野沢さんの声はマジ惚れる
747 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 18:02:43.77 ID:IgtB3X/g0
>>746
>野沢さんの声はマジ惚れる
オッス、オラ悟空!
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/01/25(水) 18:19:40.27 ID:E+0zN0iFo
>>747
> オッス、オラ悟空!
そっちの野沢さんもいい声だけど野沢那智さんだよ!wwwwww
749 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 18:25:19.99 ID:IgtB3X/g0
>>748
>そっちの野沢さんもいい声だけど野沢那智さんだよ!wwwwww
ですよねーwww
ウィキ先生に聞いてみたら、ポケモンではウコンとかやってたのね
アンパンマンでもエチケットマンとかすげぇ懐かしいキャラを………惜しい人を亡くしたもんだ…
750 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/25(水) 18:47:30.82 ID:G70lP72V0
>>749
>ウィキ先生に聞いてみたら、ポケモンではウコンとかやってたのね
ロコン?キュウコン?
751 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 18:50:42.76 ID:IgtB3X/g0
>>750
>ロコン?キュウコン?
いいえ、ウコンです。ウコンの力!
ポケットモンスターエメラルドに登場したポケモントレーナーですの
752 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/25(水) 19:28:38.02 ID:G70lP72V0
>>751
>ポケットモンスターエメラルドに登場したポケモントレーナーですの
あ、そうなんですか……エメラルド、って事はバトフロ限定?

ウコンと言えば、『継続的にウコンを飲むと肝機能の底上げになる』という都市伝説がありますね
753 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/25(水) 22:11:44.97 ID:IgtB3X/g0
>>752
>あ、そうなんですか……エメラルド、って事はバトフロ限定?
イエスイエス
そういや俺、エメラルドのバトフロはドームとファクトリーとチューブしかクリアしてなかったっけ…orz

>ウコンと言えば、『継続的にウコンを飲むと肝機能の底上げになる』という都市伝説がありますね
一瞬『肺機能』に見えていやっほう!!とかぬか喜びしてしまった俺を見てくれ、こいつをどう思う?orz
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:40:30.97 ID:zqs4libc0
【陛下と僕と獣の数字 第六話】

「鷲山くん、今度一緒に遊びにいかないか」

「え?」

「この前のお礼も兼ねてだ!」

「ああ……」

 そんな感じで事件の有った翌日、陛下はさっそく九郎に接触していた。
 僕の都合は特に考えていない辺りがまた泣けるぜ。

「俺だって、解ったのか」

「私の眼力の前では仮面なぞ無意味故、しかし中々洒落たデザインだったな」

「ふぅん……まあ良いぜ、契約者同士話は有るだろうしな。場所は……」

 うーん、完全に僕の存在は無視ですか。

「無論、私はセージを連れてくるし貴様はあの少女を連れてくるのだぞ
 場所は街の北側にある遊園地が良いな、ダブルデートという形式にしておこう
 セージはあれで遊園地が好きだしな」

 クラウディアちゃん愛してる。
 マジチュッチュ、ディアちゃんマジディアディア。
 でも僕が好きなのは遊園地じゃなくて油淋鶏だ。
 食べ物だ、場所じゃない。話し聞いてなかっただろお前。

「あ、ああ……それなら一応了解とってから返事とさせてもらおうか」

 若干困ったような表情をする九郎。
 そりゃあそうだ、同級生がそんなメルヘンな趣味持っているなんて聞かされたらドンびくわ。 

「うむ、それでは色よい返事を待っているぞ!」

 そういって陛下は僕を連れて教室を出ていった。

「クラウディア、なんでわざわざ彼らに接触を?」

「うむ、あの九郎という男はまあ善人というか常識人というか、良きにつけ悪しきにつけ筋の通った気分の良い男だ
 しかし奴の側に居るあの女を見定めねば少々危険に思われてな」

「あー、あのちっちゃい子」

「そうだ、恐らくあれが九郎を蘇生させた都市伝説だろう」

「まだ死んだとも決まった訳じゃないのに……」

「いいや、私の直感が正しければ間違いなくあれは一度死んでいる
 そして私の直感は八割方当たる」

「ふぅん……じゃあ良いけど」

 家に続く帰り道。
 商店街にはまだあちこちに昨日の事件の爪痕が刻まれていた。
 警察が忙しく歩き回っている中に黒服の人達も混じっている。
 おそらくは組織の人間だろう。
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:40:56.75 ID:zqs4libc0
「ひどいことになったものだな」

「一体なんだったんだろうね、あの這いよる混沌ってのは」

「詳しくは分からぬが……少なくとも邪悪な意思を以てこの街に顕現した都市伝説ではあろうな
 あれは早々に打ち倒さねばならないだろう」

「できるの?」

「余の辞書に不可能の文字はない」

「一人じゃあきついだろうに」

「一人なものか、セージよ。貴様が居るではないか」

「そう言われると照れるなあ」

「まあとにかく共通の敵を持つ九郎達が私たちにとっては何者なのかをはっきりさせておきたいのだ」

「なるほどね」

「そういうわけで、明日は遊ぶぞ。セージ」

「本来の目的は!?」

「ハハッ、自ずと知れてこよう」

 しばらく話していると家の前に到着。
 今日の帰り道は平和でなにより。

「ただいま帰りました母上殿」

「ただいまー」

「お帰りなさい、クラウディアちゃんにお手紙来ているわよ」

「おおなんと、国のものからでしょうか」

「ええ、伯爵様からみたい」

「ありがとうございます」

 陛下は部屋に戻ってから手紙の封を開けて中身を読む。
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:41:50.87 ID:zqs4libc0
「ふむ、奴の過保護ぶりには呆れてしまうな
 幾ら父上から念入りに頼まれていたとはいえ何もそこまで」

「なんて書いてあるんだい?」

「うむ、最近この街に教会とは関係のない危険な都市伝説が紛れ込んでいるとのことだ
 教会の奴らがまるで危険みたいな口ぶりなのだからこれが笑えてしょうがない
 恐らく昨日の男もその危険な都市伝説関連だと見るべきだろうな」

 いや、充分危険だと思います。

「奴らの神でも引っ張り出さない限り相性で勝てないものを延々と襲ってくるのだから愚かにも程があろう」

「あははは……」

 やっべええええ、リアクション困るうううう!

「で、その危険な都市伝説って?」

「神様、邪神の類だそうだ、もはや都市伝説って騒ぎじゃないと思うのだがな」

 ツッコミを待っているのだろうかこの少女は

「そうだな」

 だからって突っ込むと思うなよ!
 あーでもクラウディアちゃんになら突っ込まれても構わないよ!
 ふはははは!男のくせにずいぶんと情けない声をあげるのだな!とか言われて口では言えないあんなことやこんなことをされるのも吝かではないよ!
 ちなみに本来はやぶさかじゃなくてやふさがだったらしいね!
 でも今では廃れた言い方だしやっぱり吝かでいいよね!
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:42:26.19 ID:zqs4libc0
「で、奴らは私に好意を抱いているのだそうだ」

「好意?」

「そうだ、まあ碌でもない奴らに人気が出てしまうのも私の美貌と知性、そしてカリスマ故
 それは特別に許してやるとしよう」

「でも厄介だな」

「何故だ?」

「触らぬ神に祟り無し、って知ってる?」

「ああ」

「好かれているということは向こうから接触を求めてくる可能性が有るってことだ」

「向こうから触ってくる上に祟りのある神か」

「そゆこと」

「厄介だな」

「そうなると……やはり同じ敵を相手にしている鷲山との連携は大事かもな」

「いや、それについても手紙があってな」

「え?」

「鷲山九郎はその邪神に乗っ取られている可能性があるのだそうだ」

 思い出す、先日の戦いを。
 あの禍々しい黒い甲冑を纏って剣を振るっていた姿。
 あれが本当に鷲山九郎なのだとしたら……確かに乗っ取られているのかもしれない。

「明日のダブルデートが少々面白くなってきたな」

「面白いなんて言っている場合じゃないんじゃないの?」 

「ふん、この私にとって危地こそが揺り籠、悲鳴こそが子守唄
 相手が何であろうと私自ら見定めるだけだ」

 不敵に笑う陛下。
 彼女に引っ張りまわされるのがなんだかんだで楽しみな僕が居ることに僕は気づいていた。


【陛下と僕と獣の数字 第六話 続】
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:43:55.58 ID:zqs4libc0
【鴉―KARAS― 第四話「変性の力」】

「で、俺の能力ってどうなるの?」

「鞘を鎧に作り替えたり、刀剣を作り替えたり、更に自分自身をバイク・飛行機に作り替えたり能力まで有る
 変えて替えて換えて代えて還って帰って却って反る
 それしかできないがゆえに全てを手にすることが出来る」

「俺の記憶が正しければ単純特化型って奴か
 六つに分類される都市伝説の能力の発現のうち、その一つにだけ特化した契約回路
 それ以外には一切開かず、契約したとしても何も起きない
 それどころか都市伝説の条理すらそちら側に引きこむ異常な回路だ
 向いているとか得意とかそういう次元じゃない
 全てがその方向にねじ曲がる才能、もはや呪いだろう」

「ああ、だからこそ本来ならば引き出されないレベルの八咫烏の力が生まれている
 まあまだ経験が足りないからあと十年は必要だろうけどね
 完全に能力を引き出すには」

「十年、ねえ。他の武器を練習した方が早いんじゃないか?」

「たった十年で神にも及ぶ力が手に入るんだ。誇張じゃないぞ?
 ならば安いものだろうに。お前のような才能に恵まれた人間は中々居ない
 契約を武器だと思うな、武器だけではない、もっと広範な用途を持つ道具だと思え」

「成程」

「そして戦いになれないうちは私が身体を操って戦わせるから安心しろ」

「ありがとう」

「単純特化について知っている割には自分の体について知らなかったのか」

「契約はするなと言われていたからな」

「……ごめんね><
 まあ契約するまでは分からないからね、それこそとてつもない医療技術と錬金術
 それに魔術の心得と都市伝説の知識が無い限り
 じゃあさっそく能力の練習といきますか」

「練習?」

「来てるんだよね、私の敵が。大したことないし倒しておかないと」

「その敵の名前って?」

「ナイアトラップ、私自身だ」

 そう言って彼女は指を鳴らす。
 次の瞬間、九郎の目の前には地獄が広がっていた。
 燃え盛る商店街、人々の悲鳴、哄笑する男、怒り狂う少女。
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:44:32.06 ID:zqs4libc0
「なんだこれは?」

「空間転移、平行世界の運営や時間操作に並ぶ操作系統究極の一
 条件付きとはいえこなしてしまう辺り如何に私が……
 なんて言っている暇はなさそうだな」

 足元に転がってきたのは老婆の腕。
 
「その、なんだっけ。俺の身体を操ってくれ」

「ああ」

 二人の姿に気づかずに少女に話しかけ続ける男。
 男の周囲には、否、商店街全体に燃料が撒き散らされている。
 少しでもそれに火をつければ……辺りは大火災に見舞われる。 
 男が持っていたマッチを投げ捨てたその時

「鴉、限定解除」

 宙を疾駆する漆黒の影。
 
 九郎は振るう。
 白刃が二回、宙を舞う。

 九郎は飛ぶ。
 黒翼が二度、軌跡を描く。

 マッチの火は、剣の閃きによって消し去られていた。

「来ましたか鴉!」

「這い寄る混沌、貴方の好きにはさせない」

「ククク、私の庇護下から逃げるとは愚かな真似をしたものだ
 死体に都市伝説としての貴方の力を埋め込んだ所で私を討伐できるとでも?
 大人しく我が下に還るのです!」
 
 そこから後のことを九郎は覚えていない。
 ただ目が覚めると自分はベッドの中に居て、トトが自分の顔を心配そうにのぞき込んでいた。
 

【鴉―KARAS― 第四話「変性の力」 続】
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:45:29.92 ID:zqs4libc0
【鴉―KARAS― 第五話「皇帝来たる」】

「ただいまー」

「おかえりなさい、お風呂にする?ご飯にする?それともあ・た・し?」

「もう定番だよねその挨拶」

「で、何か有ったの?そんな難しそうな顔して」

「うん、昨日会った契約者ってウチのクラスの女子なんだけどさ」

「うむ」

「お前とそいつの親戚の――こいつもクラスメート――奴と四人で遊びたいんだとよ」

「此処に呼ぶ分なら構わないぞ、何をされても返り討ちにできる」

「ところがどっこい、遊園地だとさ」

「……お互いに能力が使えないじゃない」

「衆人環視の元だしな」

「話しあうだけなら最高の場所ね」

「暗殺にも最高だろう」

「暗殺?」

「相手がサンジェルマン伯爵と決まった時から心配なのはそれだよ」

「少なくとも九郎に限っては暗殺の心配はないよ」

「何故?」

「死んでるからね、私が処置しなきゃそもそも心臓だって動かないし」

「あー……そういやそうか」

 改めて事実の重たさにため息が出る。
 そう、彼は死んでいるのだ。
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:46:07.86 ID:zqs4libc0
「ありがとうな」

「巻き込んだのは私だし、ごめんなさい」

「謝るなよ」

「お礼言わないでよ」

「「悪いのは……」」

 声が重なった所で互いにため息を吐く。

「この話は無しか」

「そうだね」

「ま、とにかくサンジェルマンの私兵には無茶苦茶強いのが四人いる
 トランプの役になぞらえてフォーカードと呼ばれる奴らだそうだ」

「なにそれ」

「お前知らなかったの?」

「情報屋と同じレベルで情報なんて持ってないから
 組織に関わらないように言われていた割には詳しいんだねえ」
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/25(水) 22:46:35.74 ID:zqs4libc0
「ああ、本当に危険なのは何も知らないことだからな
 まずはスペード、こいつは先代も今のも剣術の達人、とにかく一対一が強いそうだ
 次にハート、今は空席だと言われている
 先代のハートは暗殺されたそうだが基本的には暗殺者の為の名前だ
 もしかしたら先代のハートはサンジェルマンに暗殺されたのかもな
 ダイヤは戦術・戦略面に強い、情報に関わる都市伝説じゃないかと睨んでいるが詳細不明
 クラブは今のところ一番の古株、魔女だと言われている
 魔術系都市伝説同士の戦いならば恐るに足らないが……だからこそということもある
 気をつけておくに越したことはないだろう」

「へえ……、となると怖いのはダイヤかな」

「同じ見解だ」

「情報力は馬鹿にできないってのは学ばせてもらっているつもりだしね」

「ああ、まったくだな」

「じゃ、これからその遊園地に行こうか」

「え?バイト有るんだけど」

「馬鹿だなあ、遊園地が閉まってから行くんだよ
 先んずれば人を制すだ、先回りして罠を貼っておくに越したことないだろう?」

「成程、じゃあバイト終わってから行きますか
 そろそろ時間だし行ってくるよ」

「デート!デート!」

「なんか違う気がする〜……」

「いってらっしゃーい」

 バイトに向かう九郎をトトは嬉しそうな顔で見送っていた。


【鴉―KARAS― 第五話「皇帝来たる」 続】
763 :悔い改めよハーレクィン!と彼女は言われた ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:47:49.10 ID:IgtB3X/g0
今回の物語は日夜都市伝説が蠢き戦いや騒動を繰り広げる
学校町の話――ではない。
それは、特別に暑苦しい昼下がりの事だった。
千葉県夜刀浦市民会館二階ホールにて
フォトモンタージュ現代美術展が
開かれている事を知る人間は殆ど居なかった。
別段秘密にされていた訳でもない。
市民会報や掲示板にはちゃんとお知らせのビラが貼られていたし
ネット上の市のホームページの行事欄にはきちんと記載されている。
ただ、興味の対象として捕らえる事が出来なかったのだ。
皆、日々の生活や興味の対象は幾らでもある。
態々それを見に行くものの殆どが
美術自体を生業にするものや出展した関係者達だ。
だから……彼女が偶然にこの美術展を知り
此処に訪れた事は夜刀浦市民にとって非常な幸運だっただろう。
「おもしろいわねー」
人も疎らな美術展の会場で一人の女子高生が真剣に
モンタージュ写真を見ている。
彼女の名前は空野暦。
リボンと艶やかな長い黒髪が特徴的な女の子。
そして出来うる事なら平穏な日々を送りたいと
心底から願っている契約者でもある。
「痛っつつつつつ……」
暦は痛みに対しては我慢強いと自負しているが……
彼女の左足にはまだゴツいギブスが厳重に撒かれ
松葉杖を付かねば歩く事すらままならない状態である。
これはとある都市伝説との戦いの後遺症だ。
「靭帯はズタズタだし骨は粉々だもんねぇ……」
叫びを上げてもおかしくないし恥ではない重症だ。
知り合いの伝を当たって都市伝説による治癒を施せば
こういう傷など直ぐに治ってしまう。
いや、寧ろ自分の都市伝説を使用すれば
一瞬すらも掛からないのだが……
「油絵が専門だけどフォトモンタージュも
表現方法の勉強になるわー」
都市伝説に頼りすぎれば飲み込まれてしまうかもしれない。
それに今は少し戦いの輪廻を離れたい気分だったのだ。
764 :悔い改めよハーレクィン!と彼女は言われた ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:48:23.60 ID:IgtB3X/g0
リハビリがてら3時間かけてこんな遠くの街の美術展まで来てしまう辺り……
少し普通の人と既にずれているような気もしないでもないが……
「えーと……次はー」
さまざまな写真によって芸術的なモンタージュになっているモノクロ写真が目に入った。
機械仕掛けを写した画像のカットが、男の姿の上につぎはぎされている。
彼の胴体からは歯車とワイヤーが突き出し、片方の目は小さな時計の文字盤に置き換えられていた。
それは機械人間の肖像画だった。
『人皮機械』
それがその肖像モンタージュ写真のタイトルだった。
美術品の出来としては非常に良い出来だ。
吸いつけられるように目が離せない。
「泣き叫べ、と時計に言われたんだ」
と見知らぬ男の肖像画がしゃべった気がした。
それはまるで質の悪い電話から聞こえてくるようなキーキー声だった。
暦は驚いてあとずさった。
「何これ……こんな禍々しい絵見たこと無い……」
これは……怪異だ。
さっさとこんな写真からは離れたかったのだが
どういうわけかこの写真から離れる事も目をそらすことも出来ない。
黙って暦は時計の文字盤の形をしたその写真の目を見つめる。
気力を総動員してこの絵を読み解こうとするように。
……作り手の感情の色が一切見て取れない。
人と機械がこの上なく醜いバランスで混在しているのに美しい。
混沌としているのに……
震える指でまさぐった制服のポケットに硬いものが当たる。
その途端暦はこの何ヶ月間持ち歩きはするものの
使用を禁じていた自らの都市伝説の存在を思い出す。
時を駆ける翼……レアード複葉機から創られたナイフの事を。
心を決めて躊躇い無く刃の部分を強く握り締めると鋭い痛みが走る。
それでようやく目を逸らす事が出来た。
すると何時の間に現れたか、直ぐ近くに謎の黒人が立っている。
時計の文字盤の透かしが入ったモノクル(片眼鏡)を掛け
蜘蛛の巣のような模様が入った黒のタキシードを着た中年紳士だ
これまた黒くて硬そうな帽子を被って黒い葉巻を吸っている。
顔色まで黒人の平均以上に黒い。
その紳士は先ほどから暦を観察していたのだろう。
哂って頷きかけてきた。
765 :悔い改めよハーレクィン!と彼女は言われた ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:48:46.35 ID:IgtB3X/g0
「君の持っているナイフは凄いね」
奇妙に抑揚の無い声だった。
「力を欲する契約者皆から羨ましがられるだろう」
「あんまり欲しくなかったんだけど……まあ成り行きで……」
「それでは君は幸運な娘だね」
氷点下のように辺りは寒い。
幾ら今日が暑いとはいえクーラーが効き過ぎでないだろうか。
「ところが君はそう嬉しそうでもないようだね」
黒い紳士は薄哂いを浮かべながら言った。
暦は微かに頷いた。
「暫く君を見ていたんだが……
どうやら君は力と才能ある選ばれし者なのに
人間との遊び方をまるっきり知らないようだね」
「……人付き合いは上手じゃないのよ」
「一つこの私が教えてあげようか」
暦は黙って頷いた。
「人は己に無い物を欲しがる」
紳士の声は妙に抑揚無く続けた。
「人の魂は欲望の塊、罪の詰まった袋だ。
利のない友達など決して長続きはしない。
快楽を与えてくれないものなどに見向きもしないんだ」
暦はなんだか催眠術に掛けられている気分になってきた。
「その力があれば君はそれこそなんだって出来るんだよ?
君はただ一方的に奪い、好きな者や友達にそれを与えるだけでいいんだ。
気兼ねも遠慮も必要ない。
権力者や人生の勝利者は皆やっている事さ。
弱者だけがくだらない道徳をよく唱えて
その弱肉強食の宇宙のコトワリから目をそむける。
いちいち魚の身になっていたら刺身は食べられないだろ?
苦しみに喘ぐ者が居る一方でそんな不幸や惨めさとは無縁のもの……
いや、むしろそういう弱い敗者を踏みつけにすることで
自らの幸福や平穏のありがたさをしみじみと実感できるものさ」
「ううう……」
「君だって本当は分かっているんだろう?強者なんだから。
奇麗事では何一つ解決しない。
決断できる強者の闘争と力のみが全てを解決していた。
他の人間より力を手にいれ、成功し、金持ちになった人間には
友情だの間の名誉だのはひとりでに集まってくるものだ。
どうだね?人間との遊び方がこれでよく分かったかね?」
「そりゃ……もうよくわかったけどさ……」
766 :悔い改めよハーレクィン!と彼女は言われた ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:49:17.93 ID:IgtB3X/g0
「ただ素直に心の赴くがままに従って
君の力で素敵なものを集めればいいんだ。
この世界の素敵なもの、綺麗な物が皆貰えたら、勿論君は嬉しいだろ?
いいよ!皆君に上げよう!
いやいやお返しに何かする必要は無いよ。
ただ私が言ったとおりに君が遊んでくれるだけでいいんだ――どうだね?」
酷く甘やかな誘惑だ。
黒い紳士は嬉しげな反応を期待して暦に哂い掛ける。
暦はおぼろげながら自分が既にある種の戦いに巻き込まれていると感じた。
だがどう対応していいか掴みかねている。
この黒い紳士――おそらく人間ではない。
話す言葉は聞き取れる。
だが心の色が全く見えない。
暦は黙って首を振った。
「何だって!?これじゃまだ足りないっていうのかい??
一体何が不足なのか教えてくれないか?」
「私は振りかかる火の粉だけは払う。
……でもその生き方は好きになれない」
暦は端的にそう答えた。
黒人の紳士はガラスのような虚ろな目で暦を見つめた。
この男……白目が無い。
「そんな事は問題じゃない」
男は冷ややかな声でそう呟いた。
この人外はどういうわけか人を不安にさせる。
けれども暦はなんだかこの男が哀れに思えてならない。
767 :悔い改めよハーレクィン!と彼女は言われた ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:49:50.59 ID:IgtB3X/g0
「貴方の話し振りだと強者は別に何をやってもいいってことになるじゃない。
私は周りの友達も今の人生も結構気に入ってるんだから」
相手は急に顔を顰めた。
だが直ぐにまた剃刀の刃のような嘲笑いを浮かべた。
「悔い改めよ!ハーレクィン!」
まるで神のように黒い紳士は声を落として囁いた。
「時間を弄ぶ道化にすぎない人間よ、それは神を冒涜する能力だぞ。
人間の手に時間を返そうとするなど……
それは門にして鍵、全にして一、一にして全なる者にのみ許されている。
君は友達が好きだといったな?
だが君が居る事で君の友達はどういう利益を受けている?
何かの役に立つか?幸福にしているか?
いいや、そんなことはない。
多分これまで君は時間だけを見つめてそんな事気にも留めなかったんだろうね暦……
いずれにせよ、時間を操る強大な能力。
そして心の色と時間を覗き込むその才が本当に皆に受け入れられていると思っているのかい?
強大な力におののき排斥されるのが関の山なんじゃないかい?
そうだ、そのつもりは無くても、君は本当は世界の敵なんだ!!
それなのに、君はやっぱり誰かが好きだなんていうのかね?」
暦は一瞬自信が無くなってこの男の言う事は正しいのではないかとさえ思った。
「我々はただ皆を放っておいてもらいたいんだよ。
君がもし本当に友達や人間の事を大事に思うならそれに協力してくれるね?」
「えー、やだー」
何一つ真実を語っていないものに従うつもりは毛頭無い。
暦は黒い紳士の心が潜んでいる手ごたえの無い闇の中に真っ直ぐ目を向けた。
幾ら努力しても彼の心の色が見えない。
黒ですらない空っぽの透明な闇の中に落ち込んでいく気がする。
「無駄な努力など止める事だな」
皮肉っぽくニヤリと黒い紳士は笑った。
「我々に立ち向かう事など出来るわけが無い」
それでも暦は諦めなかった。
「それじゃあ、あなたの事を心底から愛してくれる人は誰も居ないの?」
男は押し黙って顔を歪めた。
「……時弄ぶ忌まわしい神殺しの小娘、何れその報いを受ける日が来るだろう」
そういって黒い紳士は消えていった……
「なんだったのかしら……一体……」
だんだんと恐ろしい寒さは引いていった。

【続く】
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:51:15.78 ID:IgtB3X/g0
代理されてなかったことに気がついたので
そしてこの続きのお話も投下されたのでそちらも代理しますの
769 :悔い改めよハーレクィン!と彼女は言われた ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:51:54.11 ID:IgtB3X/g0
「しつこいなあ……あーもう……きりが無いなあ……」
千葉県夜刀浦市民会館の屋上を戦場にして空野暦は戦い続けていた。
屋上のタイルの罅割れから青黒い煙のようなものが噴出し
それが凝り固まって異形を形成する。
見た目は犬に似ているが
気弱なものは正気を欠くおぞましい見た目をしている。
注射針のようなのたくる鋭い舌。
腐った肉がカーテンのように垂れ下がり
青味がかった腐敗液を滴らせる
この上ない悪臭を漂わせながら歩く魔獣。
狂気の妄想、語られてはいけないもの。
ホラー映画のみを舞台とすべき怪異。
唯の人間が出来ることなど
本来は悲鳴を上げながら貪り食われるだけなのだが……
しかもそれに相対するのは松葉杖に寄りかかる少女だ。
だがその少女の暦は騒ぎもしない、喚きもしない。
ただ脳裏にフライト計器を呼び出す。
彼女の契約している都市伝説、レアード複葉機の効果だ。
だが空を飛ぶための計器ではない。
時空を超えるための飛行機なのだ。
時計は現在居る時間を。
人工水平儀、高度計、昇降計は空間に置ける位置を。
燃料計は心の力の残量を。
油圧系は心の力の出力を。
対気速度計は周囲の時間の加速度合いを。
タコメーターは体内時間を。
旋回計は過去に向かっているか未来に向かっているかを。
定針儀は時間跳躍先を。
ラジオスタックは現在居る世界線と元居た世界線を示している。
「範囲指定はナイフの軌道上先端部のみ……
……限定空間範囲における周囲時間最大減速……」
嵐の中を冷静に操縦桿を握るパイロットのように。
770 :悔い改めよハーレクィン!と彼女は言われた ◇DkTJZY1IGo(代理)[sage saga]:2012/01/25(水) 23:52:30.94 ID:IgtB3X/g0
自らに襲い来る腐敗した魔犬に対し
レアード複葉機とセスナ機との翼より削りだされたナイフを片手で数度閃かせる。
……もし他の人間が彼女を見ていたらタイミングが早いと評するだろう。
敵の遙か手前でナイフを振ったようにしか見えないだろう。
暦の脳内で激しく対気速度計が減少する。
その間にも魔犬は彼女の喉笛を噛み破らんと跳躍し……
空中で見えない紐に縛られたかのようにぎこちなく止まった。
それは先ほど暦がナイフを滑らせた場所で……
    キャンバススプリット
「――空間裂く銀の翼」
暦は一言呟いた。
魔犬の喉から尻尾までが滑らかにズレ……
腐敗した肉が三枚に下ろされる。
どさ、と音を立てて切り裂かれ、再び青黒い煙になって空中に消える……
レアード複葉機の持つ時間操作能力をフル活用して
ナイフが通った軌道の空気分子の時間を限りなく減速。
ゼロに近づけて空間にピン止めする……
時間を止められたナイフの軌道上の空気分子は……
分子一個分の厚み以外持たない地上で最も鋭利な刃と化す。
その刃の檻に突っ込もうものなら五体をバラバラに寸断されて当然。
暦は只悲鳴を上げるだけがとりえの悲劇のヒロインなどでは断じてない。
運命と言う脚本に対し、力持つ人間が頑強に抗った時……
その物語はがらりと変わる。
これではモンスターの登場する恐怖劇(ホラー)ではなくB級アクション映画だ。
「……インターバルまで十五分と言った所かしら」
勝利に沸き返る訳でも安堵の息をつくわけでもない。
あの黒い紳士が消えた直後からこいつ等は現れ始めた。
先ほどから暦はこの都市伝説と戦っているが殲滅したわけではないのだ。
一時的にバラバラにしたところで
ジャスト十五分後にはまた建物や物質の角から現れる。
微かに自分の使うのと同じ時間系都市伝説と似た気配を感じる。
空間や時間を越えて逃げた所で無駄だろう。
こいつをどうにかして殺しきるしかない。
一旦落ち着いた所で携帯電話を取り出す。
とりあえず衛悟に掛けて見る。
「もしもしー衛悟ーはろーわたしー。
ん、今ちょっと千葉県夜刀浦市に居るんだけどさー。
さっきからゾンビ犬にきりなく襲われてちょっと難儀してるのよー
斬り刻めば一旦は撃退できるんだけどー。
なんかそういう都市伝説に心当たりないかなーって」

【続く】
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/26(木) 10:15:52.84 ID:7nsggzsDO
代理乙
感想は避難所にて
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/26(木) 12:22:04.23 ID:7nsggzsDO
他所の作品の理不尽なバッドエンドに憤りを覚える時はやはり自分も白の軍勢なのだと実感を得られます
773 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/26(木) 14:37:42.92 ID:87Ra1Dom0
>>772
しかし少しでもエロに走ると私のようにピンクの軍勢になってしまうのでお気をつけて
というか皆でなろうぜピンクの軍勢
774 :こっくり無残 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/26(木) 20:40:16.07 ID:QtVm4WGV0
※この話に用いられた方法は、ついさっき思いついた物であり効果が実際にあるとは限りません


深夜0:05、千葉県夜刀浦市の某高校にて。

「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいで下さい。もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」

『新年最初の獲物キタ━━━(゚∀゚)━━━!!』

ススッ

「おおっ!凄ぇ、本当に動いた!じゃあ、次は……」 『ふっふっふ……』

私は都市伝説【こっくりさん】。
生前は、立派な一匹の妖狐…………になる直前で、漁師に撃たれて命を落とした哀れな狐の霊です。
いやー最近私を呼んでくれる子供がすっかり居なくなっちゃって、ノロノロコロコロ出来なくて鬱憤たまってたんですよ、色々と。
その間暇すぎて、人間共の暮らしに溶け込んでたら何か人化の術使える様になるわ、特技が強化されるわでw
『小銭飛ばし?何それ美味しいの?』状態ですよもうwwでも別に努力したわけでもないのになー、なんでだろうなー。
……まあいっか。今はこのいたいけな男子高校生をどうやって嵌めようか考えましょう……ふっふっふ……。

『少年……君に恨みはないが、これも【こっくりさん】としての宿命なのですよ』

だから私は悪くない。悪いのは油揚げも御神酒も用意せずに、私を呼び出した君自身です。
さあ、次の質問は?

「こっくりさん、こっくりさん、あなたは女の子ですか?」 『……え?』

……え?いきなり何聞いてるのかこいつ……確かに生前は雌だったので「はい」に移行する。
おいやめろ、無言でガッツポーズすんな腹立つ。

「こっくりさん、こっくりさん、あなたの履いている下着の色は?」 『はい!?』

いや、本当に何聞いてるの!?答えるわけが「返事なし……ノーパンか」何でわかるの!?
その後も、そいつのよくわからない質問は続いた。

「こっくりさん、こっくりさん、あなたがよく着る服は?」 『いつもは巫女服だけど、って惜しい!もう少しで指を離しそうだったのに!』

「こっくりさん、こっくりさん、あなたの尻尾はモフモフですか?」 『自慢じゃないけど、まあ毛並みは良い方ね』

「こっくりさん、こっくりさん、あなたの男性経験は?」 『……その、生前に稲荷さまからお情けを……って何言わせるんじゃー!』

「こっくりさん、こっくりさん、あなたは今まで何人殺しましたか?」 『ふっ……自慢じゃないけど一桁よ!少年でようやく二桁目(泣)!』


「……こんな物かな。さて、そろそろ終わりにしようか」 『よ、ようやく帰れる……』

駄目だ、精神的にもう限界。悔しいがこいつは諦めて、また次の機会を―――。

「よいしょっと」ペリッ 『はっ?』

次の瞬間、私は自分の目を疑った。先程まで五十音の並んでいた紙が、一瞬で真っ白に―――違う。

『か、紙を……二枚重ね……?』

「これで『はい』か『いいえ』しか答えられないよな。こっくりさん、こっくりさん、お願いがあるんです」

そう言ってそいつは、左手で傍らのカバンを探って、一本の万年筆を取り出した。
そしてその蓋を器用に片手で開け…………。

「俺の、新しい雌奴隷になって下さい」 『…………ふっ…………ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ!!』

あれだけ質問した挙句に、最後は奴隷になれ!?オーケーよくわかった、要は自殺志願者かこのガキ!殺す!こいつは絶対に殺す!
そう心の中で叫びながら、私は『いいえ』の文字のところまで一気に十円玉を移動させた。

「危なっ、指離すとこだった……でも、嬉しいですよこっくりさん」 『は?何を言って』


「だって、わざわざ自分から『はい』に行ってくれるなんて。そんなに奴隷になりたかったんですか?」『…………!?』


思わず自分が十円を動かした場所、その下に書かれた文字を見る。そこに書かれていたのは…………『はい』。
…………なん、で…………!?ま、まさか!さっき剥がした紙の『いいえ』の部分の下に『はい』と書いて…………!

「さて、こっくりさん。もし本当に奴隷となってくれるなら、この万年筆にお入り下さい」 『……ぃ……ぃゃ……』

こいつはルールを破っていない。だから、私も【こっくりさん】のルールに従い、選ばなければいけないのだ――――――

『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………………!!』

――――――目の前に示された、二つの『はい』のどちらかを。(終)
775 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/26(木) 20:41:06.06 ID:QtVm4WGV0
投下完了!
776 : ◆2PnxfuTa8.2012/01/26(木) 22:12:59.28 ID:A9+BXghX0
代理おつでした
こっくりさんこっくりさん中に出させて下さい
こっくりさんこっくりさん胸で挟んで下さい
こっくりさんこっくりさん……実は昔から貴方のことが好きでした

順番が逆になってしまったけど、僕と一緒に生きて下さい



どうしてこうなった!どうしてこうなった!
まとめて乙でした
777 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/26(木) 22:17:31.52 ID:QtVm4WGV0
>>776
>順番が逆になってしまったけど、僕と一緒に生きて下さい

何故か感動したwwどうもですー
778 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/26(木) 22:24:23.44 ID:QtVm4WGV0
……今更ながら【こっくりさんの恐怖】とかでも良かった気がする
こっくりさん『による』恐怖、と見せかけてこっくりさん『が味わう』恐怖……こっちが良かったかな、うん
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]:2012/01/26(木) 22:31:41.23 ID:X3w8yBb/0
>>778
>……今更ながら【こっくりさんの恐怖】とかでも良かった気がする
何かと思ったらもしやタイトルの話かwww
俺はこっちの方が好きだぜ、『こっくり無惨』って何だかそそるタイトルじゃない
実はタイトル見ただけで下半身が元気になっちまいまして(馬鹿野郎
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/26(木) 22:34:30.09 ID:A9+BXghX0
>>778
クリムゾン的なコンテクストを考えるに無惨が圧倒的にグッド
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]:2012/01/26(木) 22:38:07.07 ID:X3w8yBb/0
>>780
>クリムゾン的なコンテクストを考えるに無惨が圧倒的にグッド
『○○極』とかね
782 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/26(木) 22:46:17.40 ID:QtVm4WGV0
>>779
……エロを期待した人を釣る形になりそうですが……

>>780-781
……?あの、つかぬ事をお聞きしますが、そのクリムゾンて何ですか?
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]:2012/01/26(木) 22:49:33.76 ID:X3w8yBb/0
>>782
>……エロを期待した人を釣る形になりそうですが……
釣りもまた一興ですの(←何度か釣ろうとして失敗してる奴

>……?あの、つかぬ事をお聞きしますが、そのクリムゾンて何ですか?
俺は同人誌『クリムゾンコミック』シリーズのつもりで話してるけど、>>780がどうかは知らぬorz
賛否両論あるけど俺は好きよ、エロエロで(
機会があれば是非一読
784 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/26(木) 22:55:29.64 ID:QtVm4WGV0
>>783
>俺は同人誌『クリムゾンコミック』シリーズのつもりで話してるけど、>>780がどうかは知らぬorz
検索してきました、まさかのセフィリアさん※あって超びっくりwwwwww
強姦ものしか見当たらなかった……成程、極だの無残だのの意味が分かりましたorz


※セフィリアさん=ブラックキャットに出てきた抹殺者のNo.1。おそらく作品中最強の女性。
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]:2012/01/26(木) 22:59:47.53 ID:X3w8yBb/0
>>784
>検索してきました、まさかのセフィリアさん※あって超びっくりwwwwww
ジャンプ系が多いイメージですね、あの作者
だから俺にとっては大体知ってるキャラなので外れが無いんですよ
胸とかの偽造もありませんし(何をクソ真面目に語ってるんだ

>強姦ものしか見当たらなかった……成程、極だの無残だのの意味が分かりましたorz
逆に純愛ものが滅多にないんですよ
そういう意味でも俺の期待を裏切らない素晴らしい同人誌です(だからお前は…
786 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/26(木) 23:14:28.13 ID:QtVm4WGV0
>>785
>胸とかの偽造もありませんし(何をクソ真面目に語ってるんだ
あ、それは確かに珍しい

>逆に純愛ものが滅多にないんですよ
一応あることはあるんですね
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]:2012/01/26(木) 23:29:09.75 ID:X3w8yBb/0
>>786
>あ、それは確かに珍しい
貧乳はあくまで貧乳、巨乳はデフォの大きさを超えない程度の丁度良い巨乳
さらにキャラは元に近い絵で書いてくれます(時々あまりにも似てないのがあるのでそれらに比べればマシ
小○生の時からお世話になってました(※買ってません

>一応あることはあるんですね
あったと思う…あまりにも凌辱系が多いので1つくらいは、といった感じ
読んだ気がするんだけど思い出せない…むぅorz
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 00:01:26.62 ID:XyErmA9SO
クリムゾンはエロ同人界のファーストフード
789 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/27(金) 00:36:21.11 ID:WFC/XKaJ0
>>788
それは褒めてるのか貶してるのか判断がムズいぞwwwwww
790 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/27(金) 01:06:50.85 ID:hxB80iAR0
>>788
マクド的な……?
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 08:22:26.15 ID:PZMojUhDO
パラッパッパッパー…ふぅ
792 :ふくやのこびと ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/27(金) 23:03:35.41 ID:p7wNj1olo
 平時にはゆったりとしたリビングであるはずのその空間
 部屋の中央にあったはずの淡い色合いの上品なソファーは部屋の隅に追いやられ
 磨き上げられたフローリングの上には何体ものマネキンが立ち並んでいる
 大きなテーブルを彩っていた花瓶やテーブルクロスは除けられて作業台と化し、代わりに大きな紙が広げられていた

「やほー、しゃちょー」

 中央高校の制服姿の少女がぱたぱたと部屋に駆け込んでくると、ソファーに寝転がってスケッチブックと睨み合っていた男がそちらへ顔を向ける

「おう、もうそんな時間か」
「時計見ようよ、しゃちょー」
「そんなもん見てる暇があったら手か頭を動かすっての」

 社長と呼ばれた男はそう言って、手にしたスケッチブックに視線を戻した
 彼はこの町に店を構える衣装デザイナー兼ブティックの経営者である

「しゃちょー、デザインあがりそう?」
「まあなんとかな。三月仕上げの期間は丁度手が空いてたから良かったものの、六月仕上げでこんな仕事持ち込んできたらブン殴ってたぞ」
「ブン殴ってからちゃんとやってくれるけどね、しゃちょー」
「仕事だからな。引き受けた以上は仕上げるのが筋ってもんだ」

 そう言われて少女は、苦笑いを浮かべる

「じゃあさ、しゃちょー」
「何だ?」
「もう一着追加いける?」

 社長はふむ、と小さく唸り
 ぱたむと閉じたスケッチブックを片手に持ち直し、少女の頭を思い切り引っ叩いた
 しかも縦で

「ひぎゃっ!? ……い、いや、た、縦はマジで痛いっ!?」

 ごつりと鈍い音の一撃を食らった脳天を押さえて悶絶する少女

「クソやかましい、二着同時とかナメてんのか。体格までぴったりな双子とかじゃあないんだろう?」
「前の依頼のふにふにつるぺたすとーんと真逆の、ぴしすぱぼいーんかな? 外見もほんわか系と真逆のクール系」

 涙目のまま顔を上げて、自慢するようににぱぁと笑う少女の脳天に、再び叩き込まれるスケッチブック

「おふぉぉ……ほ、星が見える……」
「馬鹿かお前は。いくら暇とはいえ他の雑務もある中で、男女セットで合計四着とかナメてんのか」
「だ、だって! これのチャンスを逃したら、結婚式とか華やかな事とか全然やりそうにない娘なんだもん! 晴れの舞台を彩ってあげるのが、しゃちょーの仕事なんでしょ!?」
「本音は?」
「面白そうだったから、つい」

 三度叩き込まれた攻撃に、流石にダウンしてソファーに倒れ込む少女
 頭を押さえてうーうーと唸っている

「……まあ引き受けた以上はやるしか無ぇな。先に逢瀬って娘の方のデザイン上げて、縫製の連中がそっち仕上げてる間にもう一件のデザインをやる」
「うー、おー、流石しゃちょー」
「時に、お前は卒業とか大丈夫なのか?」
「ういうい、なーんも問題なし。これから卒業式まで二ヶ月ぐらい休んでも楽勝楽勝」
「よし、それじゃあ学校休め」
「ほいほい……って、なんですとっ!?」
「冗談だ。というか学校は行って逐一サイズ測ってこい。年頃の女の子は一週間前のサイズがアテにならん」
「おうさ、毎日揉んで確かめちゃる」
「あと日曜祝日問わずプライベートな時間は全部うちに来い。パターン切ってからレース縫いやら刺繍入れやらしてたら、ぶっちゃけ縫製を工場に回す余裕も無い。搬送考えたら間に合わん」
「しゃちょーの『アレ』も込みでも?」
「込みでも下手すりゃ、ラストスパートで徹夜仕事になる」
「徹夜も『アレ』込みで?」
「たりめーだ」

 そう言うと社長は、スケッチブックを床に置いて腕を頭の後ろで組み

「つーわけで、頼む」
「ほいさ」

 すうっと目を閉じて、ものの数秒で寝息を立て始める
 その寝姿を確認して、少女は音を立てないようにこっそりと部屋から出ていった
 雑然と並ぶ資材、整然と並ぶ道具類
 その影から隙間から、ひょこり、ひょこりと姿を現す小さな影
 それらはこそこそと、ソファの傍らに置かれたスケッチブックへと集まってくる
793 :ふくやのこびと ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/27(金) 23:05:26.04 ID:p7wNj1olo
「寝た?」
「寝たね」
「デザインはできてる?」
「まだラフだね」
「仕上げる?」
「デザインは自分でやりたがるよ」
「じゃあどうしよう?」
「どうしよう?」

 顔を見合わせる小さな人の姿をした集団
 その意識がスケッチブックに向けられている、その隙に

「確保ーっ!」

 出ていった時と同じように、音を立てずに部屋に戻ってきた少女が、小さな集団を両手でがばりと抱きすくめ

「わー!?」
「また捕まったー!?」
「ずるいぞー!」
「反則だー!」
「やかましい」

 つい今し方まで寝こけていたはずの社長が、気だるそうな顔でむくりと起き上がる

「俺と契約してんだから平時から働け、チビ共」
「僕達『小人さん』は、主が寝てる時に代わりに仕事をするんだぞー!」
「寝てる時も仕事が進むんだから充分じゃないかー!」

 きゃいきゃいと騒ぐ『小人さん』達に、社長は笑顔で告げる

「お前達が働いてくれて、俺が寝ずに働くぐらいのペースで仕事が進む。それなら俺とお前らが寝ずに働けば、更に倍のペースで仕事が進むな?」
「鬼だー!?」
「鬼がいるー!」
「黙れ。俺は社長で、お前らとは契約してるんだ。俺の決定に従え」
「都市伝説舐めんなー!」
「都市伝説の契約は雇用契約じゃないぞー!」

 睨む社長と喚く『小人さん』達

「ごめんねー、あたしが持ち込んだ仕事なの」

 少女は抱えた『小人さん』達の頭を撫でる

「あたしも手一杯頑張るし、通ってる間はご飯も作るから頑張ってくんないかな?」
「よしきたー!」
「任せとけー!」
「お前ら、契約者舐めてんのか」
「『小人さん』は可愛がってくれる方の味方さー!」
「むしろ契約のやり直しを要求するー! こっちと契約するー!」
「そいつがうちに就職したらそれも考えてやる。とりあえず今は働けお前ら」
「じゃーデザインさっさとあげろー」
「型紙も作れないだろー」
「やかましい、体型合わせたマネキン作ってんだ、下地の型ぐらい先に引けるだろうが」
「それじゃ、あたし型紙やりますから、『小人さん』に手伝ってもらっていいですか?」
「そいつらお前の言う事の方が良く聞くしな、任せた」

 そう言うと社長は、またソファーに転がってスケッチブックを開く

「布は六番のケースの使え」
「はいよ……って、これお店で一番高級なやつ!」
「色のイメージ合わせたらそれだ。着せるのにもバタバタしそうだし、ちょっと暴れたぐらいじゃシワやヘタレにならない良いもん使わんとな」
「むー、布面積が大体あれぐらいで……職人さん達の経費が」

 脳内で算盤を弾いた少女が強張った顔で振り返る

「しゃちょー、予算から盛大にはみ出します!」
「お前が身体で払え」
「ひゃい!? しゃ、しゃちょーのえっちー!?」
「あほう、働いて返せって事だ。給料から天引きな」
「なん……だと……? うぐー、むう……佳奈美と繰のリアクションを考えたら面白そうだからまあいいか」
「あとはお前の友達を片っ端から顧客にしてしまえ。次から社割は無いがな」
「む、その手があった」

 かくして少女の就職先をも巻き込んだ、佳奈美のクラスメイト達の陰謀は着実に進んでいく
 来るべき、卒業式
 その日に向けて
794 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M[sage]:2012/01/27(金) 23:09:28.82 ID:p7wNj1olo
前回までのお話は>>332-335辺りと
他色々まとめwiki辺りをご参照下さい

卒業式までの繋ぎネタというかなんというかそんな感じで
脳内のネタストックが卒業式後ばっかりなので、前倒しで卒業式やっちゃうのも手ですが
同級生諸氏の書き手の方々の動向はどうなのかなぁとww
795 :笛温泉[sage]:2012/01/28(土) 08:41:14.39 ID:WoUyFJNDO
ダクタァの人乙でした
妖精「ブラック契約者と契約したんだがもうダメかもしれない」
これは卒業式楽しそうだな
うちの高校生はセンター当日に人助けして遅刻→爆死の王道パターンから真っ白になりながら卒業式を迎えてます
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/28(土) 11:32:32.57 ID:afEBfWNW0
【陛下と僕と獣の数字 第6.5話】

「くっ……どちらも想像以上の能力だった」

 半身から血を流しながらも歩き続ける男。
 這い寄る混沌ナイアトラップ。
 彼はクラウディアによる拘束とトトに使役された九郎の斬撃で瀕死となっていた。
 しかしそれでもバラバラになった存在を繋ぎあわせて自らの肉体を再構成。
 この世に再び具現しようとしていた。

「だがしかし、詰めが……甘かったな
 我々の内に目覚めた自殺衝動、そして眠れるアンチ・クライスト
 良いさ、今はしばらく力を溜めて……再びこの街を悪意で染めてやる」

 そう言って、這うようにして路地裏の闇へと溶けていこうとする這いよる混沌。

「駄目だ」

 ガシリ、と男の頭をつかむ腕。
 死の舞踏、振り返った男はそんな題名の絵画を思い出した。
 
「お前に明日は来ない」

 厳かに呟く髑髏の仮面。
 驚くほど軽い音をさせながら這い寄る混沌の頭骨が砕けていく。

「や、やめてくれ!」

 “これ”は這いよる混沌の中でもとびきり弱い個体だ。
 そしてとびきり弱い個体であるがゆえにとびきり強い悪意を持っている。
 単純に純粋に、都市伝説の力さえ使わずに無力な人々を害することだけに特化した個体。
 だからこそ、こんな悲鳴もあげる。

「お前に」

 仮面の青年は厳かに繰り返す。

「明日は」

「やめろ!離せ!くそっ!なんで逃げられないんだ!少し身体をバラバラにすればそれだけで……!」

「来ない」

 仮面の青年は何本かの骨を地面から取り出すと這い寄る混沌を串刺しにして地面に貼り付ける。
797 :陛下と僕と獣の数字[saga]:2012/01/28(土) 11:33:09.29 ID:afEBfWNW0
「ほう、私がやられたか」

「しかしそやつは私の中でも最弱の存在」

「策を弄して数を殺すことしかできない」

「化身と呼ぶにもはばかられるような小物だ」

 それと同時に次々と現れる異形の怪物達。
 或るものは象のような鼻をした四腕の巨漢。
 或るものは幾つ物触手が絡まりあった異形。
 或るものは無数の目がついた蝙蝠。
 そして或るものは純白の美しい肉体に赤いマフラーだけを巻いている。
 まるでヒーローのように。
 見るだけでも正気を削られていくような狂気の一群。
 しかし仮面の青年は怯まない。

「死神の力を得ているな?」

「答える義理はない」

「ふん、我々を前に逃げる素振りすら見せぬとは……人間も愚かになったな」

「俺は悪を見過ごさない」

 言うが早いか仮面の青年はまず巨漢の顔面を殴り潰す。
 青年に掴みかかろうとした巨漢の腕をバク転で回避して空いた土手っ腹に前蹴りを叩きこむ。
 横から現れた触手の数々を手刀で切り裂くとその一品に骨を仕込ませて飛んでいた蝙蝠向けて投げつける。
 直撃、目を貫かれた蝙蝠はふらふらと落ちて行く。
 蝙蝠を踏みつけにして英雄の似姿とでもいうべき邪神の化身が青年に襲いかかる。
 蹴りと蹴り、拳と拳、同時に幾つもぶつかる。
798 :陛下と僕と獣の数字[saga]:2012/01/28(土) 11:33:41.05 ID:afEBfWNW0
「猛れ狂骨!」

 後ろから跳びかかった巨漢を肋骨のような形をした刃が八つ裂きにする。
 
「その姿ではどちらが正義か解からんな?」

 “英雄(エロイカ・パロディア)”とでも呼びたくなるその化身は笑う。
 しかし哀れなものでも見るかのように青年はそれを見下して仮面の下から嘆息する。

「正義とは誰かに認めてもらうことではない。自らに恥じぬことだ」

「は?」

 その刹那、仮面の青年――明日真――の拳が邪神を貫いた。
 ただの拳であれば死ぬことはなかっただろう。
 しかしその拳は死神の鎌の具現。
 いくら程度の差があろうとも、いくら神の化身であろうとも、死は等しく訪れる。 

「その魂、旭日の光と散華しろ」

 彼らの戦場に朝日が差す。
 それと同時に歪な英雄の巨像は光の粒子になって消滅した。

「さて、次はこいつか」

 青年は仮面を外して写真を覗き込む。

「こいつが鍵になるっていうのが本当なら……」

 裏に蜜柑のマークがついたその写真には褐色の肌と白い髪の少女が写っていた。
 
【陛下と僕と獣の数字 第6.5話】
799 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/28(土) 11:57:10.54 ID:TF6kMQe90
乙ですー
死神の力を得ているらしいとはいえ、ニャル様の化身×4を瞬殺!?
何かまたトトちゃんが目的らしいし……文字通り人物関係が混沌として来ました

それからお願いなのですが……ο-No.1こと《久遠 会》(くどう かい)君を、2年B組に入れていただいてもよろしいでしょうか
筋肉喫茶には「狐耳の女子がいるなら賛成」
800 :陛下と僕と獣の数字[saga]:2012/01/28(土) 12:26:29.59 ID:afEBfWNW0
バッチコイ!
明日君はとてつもない修練を積んだからのう……
本編と違ってマジものの正義の味方ですよええ
久遠くんはバッチコイです!
801 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/28(土) 12:35:00.02 ID:TF6kMQe90
ありがとうございます!
ゼロりんから指令くれば、また絡むこともあるやもしれません
802 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:01:46.44 ID:Arvgqdvc0
どうも皆さん、シャドーマンの人です


これからお送り致しますはちょっとおかしな物語です


イカれた話とも言います


世界に広く知れ渡っている童話や昔話を、都市伝説ryスレ的発想でカオスにしたらどうなるか


というバカバカしい試みをこれまで3回もやってました


今回で4回目となります





今夜お送りするのは『桃太郎』です


登場人物は全て私の連載に登場するキャラクターがやってくれます


これから5分から10分間、貴方の眼は貴方の身体を離れ、この不思議な時間の中に入って往くのです


(裂邪>おい、何で『ウルトラQ』風なんだよ


黙れ。物語始まるから早くスタンバって!


(裂邪>チッ、はいはい




     †     †     †     †     †     †     †
803 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:02:45.21 ID:Arvgqdvc0
今や昔のそのまた昔
あるところに子供のいないお爺さんとお婆さんが住んでいましt

(婆?>ぐすっ………お婆さんって言われましたぁ………
(爺?>おいコラ馬鹿作者、俺の嫁を泣かしやがって能無し野郎、さっさと『マヤの予言』進めやがれ!

後者は謝るけど前者は仕方ないでしょうが!
『桃太郎』はジジイとババアが最初に出てくるってのが相場なの!分かる!?

(爺>俺は飲まれかけてるし、ミナワは既に飲まれてるから歳はとらねぇだろうが!
    てか作者テメェ知ってるか? 『桃太郎』という話が作られた当時、諸説ある中の一つである室町時代は、
    乳幼児や若者の死亡率が高くて平均寿命は大体15歳程度、結婚するのはそれより早いか少し遅いくらいだ!
    つまり30には既に孫もいるかも知れないし、何よりも40歳に達したら長寿扱いだったんだぞ!
    この事から、俺達はどちらかと言うと新婚カップルとしか言いようがないんだよ!

何で始まって早々登場人物と喧嘩しなきゃなんねぇんだよ!?
小説なんだし見た目は見えないんだから爺婆でも別に良いだろうが!
てか“ミナワ”って言うな! 『桃太郎』にそんな登場人物はいない!

(爺>逆に言えば俺は『夢幻泡影』の主役であって『桃太郎』には登場しないだr

お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました

(爺>っちょ、スルーしやがっ……じ、じゃあ行ってくるよ
(婆>は、はい、お気をつけて
(爺>お前も気をつけろよ、川に落ちたりしたら風邪引くからな
    増水してたら戻ってこいよ、無理に洗おうとするなよ
(婆>もぉ、心配性なんですからぁ♪

さっさと行けやリア充が
ゴホン、お婆さんが川で洗濯をしていると、川の向こうからどんぶらこ、どんぶらこと…

(婆>わぁ、なんて大きなッ……大きな……クラゲ?

大きなクラゲが流れてきました

(婆>…あの、何で川なのにクラゲが流れてくるんですか?

シャドーマンの契約者プレゼンツ『海月の唄』、4月上旬連載決定!

(婆>CM!?

同時期に連載する『母は強し』、『仮面晩餐』も宜しくね♪
さて、お婆さんが巨大クラゲを総スルーして暫くすると、また川の向こうからどんぶらこ、どんぶらこと……

(婆>わ、今度こそ大きな桃が流れてきました

捻りが無いのは許してちょ
大きな桃を見て驚いたお婆さんは、早速それを拾って家に持って帰りました

(婆>あなたぁ♪ こんな大きな桃拾いましたよ♪
(爺>おぉ、お帰rってデカッ!? 何処で拾ったんだそんな桃!?
(婆>えへへ、上流の方から流れてきたんですよ
(爺>あぁ……学校町なら少なからずあるような気がするわ

※ここは学校町じゃありません。悪しからず

(婆>ねぇあなたぁ、早速食べませんか?
(爺>そうだな、包丁を持ってきてくれ、俺が切るよ
(婆>とんでもないですよ、私が切ります
(爺>お前が怪我したらと思ったら胸が抉れるような思いになる、俺がやるよ
(婆>私だって、あなたが私の為に怪我をしてしまったらと思うと……
(爺>…そうだな、じゃあ二人で切ろうか
(婆>え、そ、それってケーキカットじゃないですか///

リア充爆発しろ
とかなんとか言っている内に、2人は大きな桃を仲良く食べてしまいましたもげろ

(爺>ゲフッ……も、もう桃なんて懲り懲りだ……
(婆>あ、あはは……確かに暫くは見たくないですね;
(爺>全くだよ…ぐぅ、このままじゃダメだ、なんか運動したい……
(婆>ダメですよ、急な運動は身体に毒になっちゃいます
(爺>それもそうか………………なぁ、
(婆>何ですかあなt
804 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:03:20.32 ID:Arvgqdvc0
お婆さんが言い終わるより先に、お爺さんはお婆さんに覆い被さりながら、
己の唇で彼女の唇を塞ぎ、口腔内に舌を滑り込ませました
彼女はそれを受け入れるように、自分の舌をお爺さんの舌に絡ませます
つつつ、とお婆さんの頬に二人の涎が混じったものが垂れ流れてゆくのを、
お爺さんは指でそっと拭って、顔を離していきました
名残惜しそうな顔をして、お婆さんは彼の顔が離れるギリギリまで舌を絡めていました

(婆>ふあっ……あ、なた?
(爺>軽い運動だったら大丈夫だろ……今から、その…………良い、よな?
(婆>ぁ……あの………し、寝室で、やりましょうね?///

二人は寝室へと消えてゆき、真昼間だったと言うのに翌朝まで家中に嬌声が響いておりました、マジで死んでくれ寿命で





それから9ヵ月後

(赤子>天上天下、唯我独尊
(爺+婆>キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!

二人に待望の赤ちゃんが生まれました
きっと、あの時食べた桃のお陰に違いないと、そう思ったお爺さんとお婆さんはその赤ん坊に

(爺>よし、お前の名は黄昏未來d

“ 桃 太 郎 ”と名付けました

(爺>待てやゴルァ!! じゃあお前はあの状況で肉が流れてきたら『肉太郎』と名付けんのか!?

桃太郎はすくすくと育ってゆきました

(爺>いや時経つの早過ぎ!?
(桃太郎>母さん、俺が洗濯行くよ
(婆>え、良いんですか? それじゃあお願いしますね♪

桃太郎がここまで育つと何があるか、皆もう知ってるよね?
そうさ! 女の子が気になる思春期さ!
それは身近な女の子に、つまり己の母親に白羽の矢が立ったりする訳ですよ
若過ぎてほぼ同い年みたいなもんですからね、そりゃあもう興味持ち過ぎて油断している隙に後ろから抱きついたr

(桃太郎>父さん、母さん、鬼退治に行ってきます

え? もうそんな展開?

(婆>も、桃太郎さん、急に何を仰って……
(桃太郎>先日、隣村に鬼が現れたと聞きました
     人を襲い、家を焼き、食料や財産を奪い……非道の限りを尽くしたとも聞いています
     それを聞いて、とても胸が苦しくてならなかった
     誰かが立ち上がらなければ、きっと鬼はまたやってくる…何れは、この村にも
     傲慢かも知れないけど、俺が鬼を止めてきます
     俺が行かなきゃ……ダメなんだ!

やめてー、そんな真面目にしないでー

(爺>……自分が一度誓った事に、男はドン!と胸を張れ……ってか
(婆>…宜しいのですか?
(爺>こいつの意思は固い。俺達じゃ止められんよ
(桃太郎>父さん…!
(爺>おい、“あれ”を持ってきてやれ
(婆>はい、あなた♪

お婆さんは一度部屋の奥へと姿を消すと、両手に何かを持って再び部屋に戻ってきました

(桃太郎>そ、それは……
(婆>うふふ♪ 桃太郎さん、貴方が欲しいものは“金色の枝”? それとも“銀色の剣”?

待 て や

(桃太郎>“金色の枝”って……「レイヴァテイン」じゃないか……そっちはもしかして「ティルヴィング」?
(ティルヴィング>『僕と契約して殺人鬼にならないかね?』
(桃太郎>うわ、喋った、しかも何か紫の禍々しいオーラが…
(爺>どちらも役に立つだろう、別に両方持っていっても良いんだぞ?
(桃太郎>…あの、普通の刀をくれませんか?
(爺>だよな、分かってたよ。出してやってくれ
(婆>はい、それと私の特製吉備団子も持って行って下さい。お腹が空いたら食べて下さいね?
(桃太郎>有難う、母さん
(爺>それと……これ、お守り代わりに持ってけ
805 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:04:23.54 ID:Arvgqdvc0
お爺さんは何かが入った布袋を桃太郎に渡しました……ってそんなシーン原作にも台本にも無いよ!?

(桃太郎>……父さん、母さん……長い間、お世話に
(爺>待て桃太郎、それはまた今度だ
(桃太郎>え?
(爺>死にに行く訳じゃないんだろ?…生きて帰ってこいよ
(桃太郎>…はい!

ぼくのしってるももたろうとちがう(

(桃太郎>じゃあ、行ってきます!!

そして桃太郎は、お爺さんとお婆さん、村の人々の声援を背に受け、
鬼の根城である鬼ヶ島へと旅立ったのでした





さてさて、桃太郎がそうして歩いておりますと

(桃太郎>あれ?

道端に、お腹を空かせたらしく倒れている……犬だと思う?違うね!

(桃太郎>…リムさん?

バクが倒れていました

(バク>も、桃のお兄さん、桃のお兄さん……お前が眠って見た夢を、一つオイラに下さいな……バクゥ
(桃太郎>夢は無いけど、吉備団子ならあるよ。これじゃダメですか?
(バク>許す許すバク、よこせバク

食えたら何でも良かったバクは、桃太郎が差し出した吉備団子をさっと奪ってもきゅもきゅ食べ始めました
すると、小さなマレーバクのような姿が一変、象の鼻、虎の足、熊の胴体を持つ白い毛並みの怪物になってしまいました

(獏>クッククク、サンキュー桃太郎! で、テメェ何処に行くんだ?
(桃太郎>鬼を退治しに鬼ヶ島へ
(獏>ハァ?一人でか? 馬鹿じゃねぇかテメェ………仕方ねぇ、俺様もついていってやるぜ!

獏 が 仲間に なった !
ここから展開早いです、さらに桃太郎達が歩いていきますと

(獏>ん? おい桃太郎、あれを見ろ
(桃太郎>何ですk……あ

木陰にひっそりと立つのは……あれ、黒いローブの人間が……っちょ、シェイドさん、何まだ台本読んでるんですか!?

(某S>ムゥ……コ、コレハ攻撃デモナク、宣戦布告デモナク……私ヲ生ミ出シタオ前達ヘノ……逆襲ダ

いや台本じゃない!来年のR-No.新年会にやるネタ帳だ! 確かに声一緒だけど今練習しなくても良いじゃん!?

(桃太郎>…シェイドさん、出番ですよ
(某S>ム?……ア、シマッタ


――――準備中です。暫くお待ち下さい――――


木陰にひっそりと立つのは、どう見ても真っ黒だし禍々しいけど人型だから猿で良いよね、猿がいました

(猿>…モ、桃太郎、桃太郎、吉備団子ニ付ケタ腰ヲ一ツ私ニクレナイカ?

シェイドさん、逆です

(桃太郎>は、はぁ……えっと、食べられるんですか?
(猿>形ダケデ良イダロ、ドウセ茶番ダ

こっそり何か言ってるよこいつ!?台詞間違えたクセに!?
806 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:05:39.63 ID:Arvgqdvc0
き、気を取り直して、一行がさらに進んでゆきますと

(雉>へいへいへいへいへぇーい!!

やたらテンションが高い燃える雉が飛んできました

(桃太郎>…え、これ雉?
(猿>ソノ筈ダガ…
(獏>どう見ても朱雀か鳳凰かフェニックスだろ
(雉>おう桃の旦那ァ! その腰に提げた吉備団子、お一つあっしに下さいやせんかぁ!?
(桃太郎>あ、はい、どうぞ
(雉>おぉう有難ぇ! ここで会ったのも何かの縁! あっしも御供致しやすぜぇ!!

久々にウィルの台詞書いたけど、こんなテンションだったっけ
こうして、桃太郎は 原 作 通 り に 獏、猿、雉を仲間にしました

(桃太郎>原作に獏はいないぞ

あーあー聞こえなーい






そしてやってきました千葉県夜刀浦市

(桃太郎>違う

はいはい分かったよ生真面目くん
海です、海ですよ海海海、SeaですMarineですOceanです

(獏>ゲシュタルト崩壊起きそうだ
(雉>Marineって形容詞じゃありゃせんでしたっけ?
(猿>名詞モアルガ、ソウナルト『海兵』ダナ
(桃太郎>それにしても酷い時化だ…これじゃ船で渡れないよ……ん?

ふと、桃太郎が目を向けた先、そこにはこの荒れた海を渡れそうな大きな船g

(桃太郎>み、「ミドガルドシュランゲ」…ビオさん!?

誰 だ こ ん な と こ ろ に 兵 器 捨 て た 奴

(船>《……認証Data照合……TasogareMikuru,Shade,Lim,Will……確認》

っちょ、せめて役の名前で言って!?

(桃太郎>ビオさん、俺達を鬼ヶ島まで連れて行って下さい!
(船>《Yes,Boss》

もはや何でもありですね
 船 はその長い機体に桃太郎と獏、猿、雉を乗せ、蛇のようにくねりながら水上を走り、
目的地である鬼ヶ島へと一直線に向かって行きました


さあ、ラストスパートです

(桃太郎>頼もぉぉぉぉぉぉぉ!!!

鬼ヶ島―――
 船 が 先端のドリルで門を破壊し、桃太郎達は敵地に乗り込みました
獏、猿、雉、そして 船 が 並び、桃太郎が一歩前に出て、刀を抜き取り高らかに宣言します

(桃太郎>俺は桃太郎! 鬼共を成敗しにここにやってきた! 覚悟しろ――――――

そこまで言ったのは良かったのですが

(鬼>がっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ……よく来たな小僧共
   だが一つ情報が足りんかったようだが? 鬼は集団ではなく…“我”のみだ

そこに立っていたのは、漆黒のマントを羽織った褐色の男性でした
しかし、声を聞けば“男性”だと分かるのですが、その顔はマントの影に隠れてよく見えませんでした
いえ、もしかしたら元々存在しないのかも…あれ?

(桃太郎>ひ、一人…? そんな、色んな村を襲っていたのはたった一人の鬼だって……?
(獏>おう、テメェが鬼か。未だに『マヤの予言』編の裂邪vs正義の戦いが『コラプサーズ・バブル』止まりで、
   『コラプサーズ・ドリーム』にすらなってねぇんだ。その鬱憤、晴らさせてもらうぜぇ!!
(雉>ここで会ったが百年目ぇ! ささっと焼いちまいやしょう!
(船>《目標補足……弾丸装填完了》
807 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:06:48.01 ID:Arvgqdvc0
(猿>…待テ、様子ガオカシイゾ?
(鬼>がっひゃっひゃっひゃっひゃ、我に戦いを挑もうというのか?……愚か也
   その考えがどんな浅はかなものか、我が直接貴様等の身体に叩きこんでやろう
   この我、『這い寄る混沌』……ニャルラトテップがぁ!!!

ぎやああああああああ俺のSAN値があああああああああああ!?
え、ちょ、鬼役は将門様か秀雄さんか夢子ちゃんがやってくれる筈だったのに!?

(鬼>幾多の同志が活躍しておる今ぁ!! 我が出ずしてどうするのだぁ!!

いや別にあんたが原初って訳じゃないでしょ!? そりゃまぁこのスレで初めて登場したニャルはあんただけど!?
てか早速マジで『這い寄る混沌』モードじゃん!?
え、えっと、鬼は幾つもの触手や腕、喰腕が絡み合い、それが不定形に動き続けるアメーバのような姿になりました

(鬼>【がっひゃっひゃっひゃ、感謝せよ小僧! この我が直々に神罰を執行してくれる!!】

ええい、これだからトリックスターって奴は!
ニャルラトテップ、じゃなかった、鬼は無数の触手を伸ばして桃太郎達に襲いかかった
桃太郎は刀で切り刻み、獏と猿は爪で薙ぎ払い、雉は燃える身体で焼き払い、船は機関銃で木っ端微塵に砕いた

(桃太郎>っくぅ、シェイドさん!
(猿>了解シタ

猿は影に溶け込むと、影から鬼と同じように無数の触手を伸ばし、
鬼の触手と取っ組み合うような形で対峙した

(鬼>【ほう、その後どうするつもりだ?】
(猿>持テル力ヲ叩キ込ムダケダ……!
(船>《目標捕捉…原子番号22金属元素製特殊弾丸装填……発射》

絵的にはアルトアイゼンのスクエア・クレイモアを想像して下さい
 船 が 有りっ丈のベアリング弾を鬼にぶちまけると、鬼の原形質の巨体がぐらりと揺れました

(鬼>【ぐっ……がっひゃっひゃ、これしきの事で】
(獏>だったらこれはどうだ!?

獏が雉の炎を纏い、鬼の巨体に突っ込んでいく
鬼は一気に火達磨になり、天にも届く声で轟いた

(鬼>【があああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??】
(桃太郎>い、やった!?
(鬼>【なんちゃって】

よく見れば、鬼の姿が変わっている
先程のアメーバのような姿が、いつの間にか藁で出来た背の高い案山子の姿になっていた
ニャルラトテップ、じゃなくて鬼の化身の一つ―――『ウィッカーマン』

(鬼>【残念だったな、この姿の我には火は通用せん】
(雉>め、面目ねぇ!
(桃太郎>くそっ、こいつかなり手強い……!
(鬼>【どうした? 来ないのなら今度はこちらから行くぞ!】

案山子を包む炎が掻き消え、再びそれは姿を変える
『這い寄る混沌』、『ウィッカーマン』と巨大な化身が立て続けに現れた一方で、今度は人間台の大きさだった
漆黒の具足を身に纏い、右手にドス黒い刀一本を持った武士―――『悪心影』

(鬼>【そろそろ貴様の相手をしてやろう、小僧!!】

桃太郎に剣を振るう鬼
振り下ろされる黒刃を、澄んだ白刃が抑えた
しかし、幾ら桃太郎と言えどもまだ子供、力は鬼の方が上だった

(桃太郎>くっ、こ、これくらい!
(鬼>【がっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!
    言葉と力が矛盾しておるぞ!? いいぞその混沌、もっと我に見せてくれ!!】
(猿>『影法師(ドッペルマン)』!
(獏>『白虎』ォ!!

猿は鬼と同じ姿になりその刀で、獏は虎の前足を振り上げ、鬼の背後から攻め入った
その瞬間、鬼の具足の背が割れて飛び散り、深淵とも言うべきその中より刀を持った白骨の腕が飛び出した

(猿>何ッ!?
(鬼>【図に乗るな小物がぁ!! 邪神であり形を持たぬこの我が此れしきの事、出来ぬとでも思ったのか!?】

刀が振るわれ、猿と獏はそのまま吹き飛ばされ、壁にぶつかった

(桃太郎>シェイドさん!理夢さん!
(鬼>【他人の心配をしている場合か馬鹿が!!】
(桃太郎>ッ!?
808 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:07:39.46 ID:Arvgqdvc0
黒刃が白刃を打ち破り、桃太郎はその場に倒れ、彼の手を離れた刀が届かぬ所で落下し地面に突き立てられる
立ちあがろうとする彼の喉元に、鬼は黒い刀を向けた

(鬼>【勝負ありだな……死ぬ覚悟は出来たか?】
(桃太郎>…ふざけるな…こんなところで死んでたまるか!
(鬼>【そうかそうか、さらばだ――――――むっ!?】

鬼がひょいと後方にジャンプすると、先程まで鬼が立っていた場所が抉れ、
地下から電撃を放つドリルを回転させながら、 船 が 勢い良く顔を出す

(船>《…奇襲失敗……作戦変更》
(鬼>【ほう、まだ抗うというのか?】
(雉>当り前でい! あっしらはまだ戦える!!

雉が炎の龍へと姿を変え、鬼に向かって突撃を始める
鬼は具足の武士の姿から一変、ボロボロの外套を纏った、不気味に笑うカボチャ頭の男―――『ハロウィンマン』に変身した

(雉>ッ、また形が―――――
(鬼>【がっひゃっひゃ、墜ちろ蚊蜻蛉!!】

浮遊する鬼の周囲に突如邪悪な炎を灯したカボチャのランタンが5、6個ほど現れ、
炎の龍にそれらを一気にぶつけ始めた
カボチャによる物理的なダメージは薄いが、その中の邪悪な炎が雉に侵食する

(雉>っぎ……す、いやせ、…桃の、旦那………

龍から再び鳥の姿に戻り、炎の鳥は弱々しくも墜落した
それを愉しげに見届けると、鬼は振り返って 船 に 目をやった
 船 は 全砲門を鬼に向け、ベアリング弾の内蔵されたタンクのハッチを開放する

(船>《射、殺》

チタン製ベアリング弾と鉛弾が一斉に鬼に襲いかかる
しかし

(鬼>【機械人形が……暫く寝ておれぃ!】

闇は変わり続ける
鬼の姿は筋骨隆々、頭に見た事も無い生物の面を被った男性神―――『セト』へと変えた
鬼が右手を差し出すと、掌から砂の渦が生まれ、巨大化し、
砂の竜巻は 船 を いとも簡単に飲みこんで吹き飛ばしてしまった
ずずん、と重い音が響き、船は落下する

(船>《……機体……損、傷………80%………危………険………》
(桃太郎>み…皆が………
(鬼>【がっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!
    良いザマだ、勝気で乗り込んだ者共が敗北を喫するこの光景! 何とも言い難い滑稽なものよ!!
    それでどうだ? 敗れて滅んで何か残るのか?
    人間というものは等しく愚かなものだ、光を追い求めてはやがて闇に飲まれ滅びゆく!
    貴様等もそうだろう? 勝利と言う栄光を求め、今まさに我が手で滅びゆこうとしている!!】

鬼が闇に包まれ、闇の中から巨大な影が姿を現す
身体は獅子であるが、その頭は三重冠を頂く貌の無いスフィンクスのようで、
背からは翼の如く、鋭い爪と牙、そして白い片翼を持った女性の上半身が2対、伸びている
『無貌の神』―――ニャルラトテップの化身の中でも、最も強力と謳われるものの一つ

(鬼>【安心せよ、貴様等の肉は、血は、魂は、この島の地へと融けて苦しみながら生き続ける…
    そうして永遠に、貴様等と同じように我に打ち勝とうとする愚者を呼び続けるが良い
    直に仲間も増える事だろう……がっひゃっひゃっひゃっひゃ……がっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!】

巨大な怪物と化した鬼は前足を擡げ、狙いを桃太郎に定める
そしてゆっくりと、それを下ろして踏み潰そうとした時だった

(桃太郎>…………違う
(鬼>【んん?】
(桃太郎>栄光も名誉も要らない……ただ、皆が悲しむところを見たくなかったから……
     村の人達から笑顔と、明るい声を奪ったお前が、許せなかったから……!!

桃太郎はもう一度、力強く立ち上がった
その目は凛としていて、諦めの色など微塵も見られなかった

(鬼>【……分からんな。何故立ち上がる? この圧倒的なる絶望的な状況で、何が出来るというのだ?】
(桃太郎>言わなくても分かるだろ……俺には、いや俺達には、お前に“勝つ事”が出来る
     まだ、俺達が負けた訳じゃない!!

その時
桃太郎の懐が、眩い光を放ち始めた
彼が手に取ったそれは、父から託されたお守り
袋を開け、彼は光に包まれたその中身を取り出した
809 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:08:09.43 ID:Arvgqdvc0
(桃太郎>……父さん、母さん………俺は生きて帰る。皆の笑顔を、取り戻す為に!!
     現れろ! キメラテック・オーバー・ドラゴン!!!

桃太郎は手にした“希望(カード)”を天に翳す
刹那、島全体が激しく揺れ始め、鬼はバランスを崩し一歩、また一歩と退いた

(鬼>【なっ、一体何が――――――――こ、これはぁ!?】

桃太郎の背後に聳えるのは、巨大な機械龍だった
手足も翼も無くとぐろを巻いた胴体、雄叫びを上げる6つの頭
さて、少し思い出して頂こう

こ れ は 『 桃 太 郎 』 で す

(鬼>【ば、馬鹿な、従者を召喚した上にこの地鳴りは……!?】
(桃太郎>「キメラテック・オーバー・ドラゴンが地震を起こした」…
     その名の通り、キメラテック・オーバー・ドラゴンを召喚し、同時に地震を起こす…!!

キメラテック・オーバー・ドラゴンの6つの口が開かれ、奥から電撃を放ちながら光が充填されてゆく
揺れ続ける地震の所為で、鬼は身体の自由が利かなかった

(鬼>【……がっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ……良かろう、それも良かろう!
    戦い続けよ若き戦士よ! 強大なる力に捻じ伏せられる事無く、ただ只管に、狂人の如く我武者羅に!
    貴様が戦いに迷いを覚えたその時、我はまた貴様の前に現れる!
    二度と再び千なる異形の我と出会わぬ事をこの宇宙に祈るが良い!! がっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!】
(桃太郎>あぁ…祈り続けてやるさ! 行け、キメラテック・オーバー・ドラゴン!
     『エヴォリューション・レザルト・バースト』!!

6つの光条が交わり、巨大なる光条となって、それは混沌を呑みこんだ
後には何も残らない
この島に残ったのは幼い英雄と、それに仕えた3匹の仲間、そして 船 だけ
彼等は、鬼に勝利したのだ




810 :夢幻泡影 in Fantasy † 悪を滅ぼす大和魂  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:08:41.61 ID:Arvgqdvc0
(婆>あ、あなた! あの子が…あの子が帰ってきましたよぉ!!
(爺>ッハハ、見りゃ分かるよ。おーい!桃太郎ぉー!!

それから暫くして
桃太郎は鬼に奪われた食料や宝物を 船 に 乗せて3匹のお供と一緒に村へ無事に帰ってきました
そこには、彼の帰還を願っていた村人の声援で溢れ返っていました

(桃太郎>はは…勝ったんだ、俺達
(獏>何今更言ってんだよ、バーカ
(船>《大勝利、デアリマス》
(雉>おー、随分と賑やかなお出迎えでい!!
(猿>…桃太郎ヨ、行ッテ来イ。オ前ノ愛スル者達ノ元ヘ
(桃太郎>シェイドさん……はい!

桃太郎は駆け出して、手を振る村人達に元気いっぱい叫んだ

(桃太郎>父さん、母さん、皆……ただいま!!










(獏>さーて、と……良い夢見られたか?







     †     †     †     †     †     †     †






ガバッ

(裂邪>………毎度毎度思うんだが……夢オチにする意味は果たしてあるのか?


   めでたしめでたし
811 :背徳の蕾“影之新”  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/28(土) 17:11:51.58 ID:Arvgqdvc0
…あぁ、言いたい事は身に染みるほど分かるよ…
何でこんなの書いてるんだろうね、俺orz
新参の諸君、これが『キャラが勝手に動く』と同時に『作者の暴走』が原因で起こる悲劇です、皆は真似しないよーに!

それじゃwikiにあげてきまーす
812 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage]:2012/01/29(日) 01:06:35.56 ID:XQlq1Qse0
乙!
何だこの桃太郎wwww内容がぶっ飛んでるのにすごく面白かったです
思わずまとめwikiから他の三話も読んできたんですが、これが一番楽しかったwwww

…………名前、気に入ったんですか
813 :初夢ネタ・紫亜編 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/29(日) 01:54:40.60 ID:XQlq1Qse0
「……報告も終わったし、今日は疲れました……お休みなさい、殺人鬼さん」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ガタンゴトン……ガタンゴトン……

「ふぁぁ……あれ?ここ、電車の中ですか?」

「で、その中でも私はガンプラを作っていると……しかもガンタンクですか」

「うーん……おかしな初夢です……≪ピンポーン≫あ、アナウンス?」

≪次は活けづくり〜活けづくりです≫

「!?し、しまった!まさかこれって『ぎゃああああああああああああああああああああ』っ!?」

「うっ……や、やっぱり【猿夢】!起きなきゃ……!」

「(か、身体が動かない!声も!)」

≪次はえぐり出し〜えぐり出しです≫

『あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!』

「(そんな……次は私の番!このままじゃ……!)」

≪次は挽肉〜挽肉です〜≫

「(嫌……嫌ぁ……!殺人鬼さん……大尉……お婆さん!)」

ウィーン……

「(有間、君…………私は、貴方の事がs)」


グシャッ


チーン……       ←粉々にされたガンタンク


ブチッ        ←紫亜の中の何かが切れた音


≪次はすりおろし〜すりおろしです〜≫

『すりおろしだー!すりおろしだー!』ワラワラ

「…………(ガシッ)」

『…………え?』

「貴方達……夢の中とはいえ、よくも……よくも私のガンプラを……!」

『……え、何?何なの?てか何で動けr』


ジ ゴ ク ヲ ミ ル カ ク ゴ ハ イ イ デ ス ネ ?


『(ゾクッ)じょ、乗車拒否!乗車拒否〜!』


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

…………あ………しあ……紫亜…

「紫亜!どうした、しっかりしろ!」

「…………ハッ!はぁ、はぁ、はぁ……あ、れ?」

「良かった……夜中に突然、紫亜の苦しそうな声が聞こえたから、心配したぞ」

「殺人鬼、さん……(なんでしょう……何か、とてつもなく怖い夢を見ていたような……)」


「悪い夢でも見たのか?よし分かった!今日は私が隣で一緒に寝てブフォッ!?」

「だ、大丈夫ですからー!」

(終)
814 :プラモデルは静かに作りたい ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/29(日) 01:56:16.83 ID:XQlq1Qse0
寝付けないので、思いつき初夢ネタ投下ー
他のキャラで作るかどうかは未定です……ああ、ネタがまた一つ消えた
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/29(日) 08:40:48.67 ID:9j3L5JaR0
乙でした
ネタは足で集めるもの

強い心が悪夢を乗り越える!
816 :1レスネタ[sage]:2012/01/29(日) 08:50:17.82 ID:ckenxNFSO
「人間と都市伝説の間に子供ってできるのかな」
「知らないわよ」
気になって尋ねてみたら、冷たく返された。
彼女は僕と契約している都市伝説だ。
昔は優しかったんだけど、最近は顔を合わせるたびに罵倒される。
マゾちっくな趣味は無いから、正直、傷つく。
彼女が僕に冷たくなったのは、僕が彼女に好きだと言ってからだ。
告白して、フラれたわけだ。
「何?こっち見ないでくれる?」
「あ、ごめんね」
でも、僕は知っている。
彼女が僕をフッたのも、罵倒するのも、僕を大事に思ってくれているからだ。
僕と彼女が仲良くならないようにしているんだ。
「ねえ」
「何よ」
呼びかければ、無視せずに反応してくれる。
「好きだよ」
「………………バカじゃないの」
彼女は少しだけ顔を赤くして、一瞬嬉しそうにして、すぐに悲しそうな顔をする。
そして、最後に怒るんだ。
彼女の名前は「エイズ・メアリー」。
彼女自身が、彼女が僕を突き放す理由。
僕は構わないのに。
817 :カノントータスさんマジ怖い ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/29(日) 10:39:10.13 ID:XQlq1Qse0
>>815
>ネタは足で集めるもの
ですよね……頑張ろう

>強い心が悪夢を乗り越える!
一瞬とはいえ、おそらく紫亜はあの時覚醒状態だったはずです
金縛りを打ち破った上に、【猿夢】が恐怖するほどの殺気……怖い

>>816
こ、これは………なんて切ない
お互いに両想いであろう描写がまた………(´;ω;`)
818 :シャ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/29(日) 11:11:09.10 ID:QJ0K9LPO0
そういえば昨夜言ってなかった、投下された皆様乙
後程まとめて感想書きますの…さぁて、何処からだっけ(ぁ

>>812
>何だこの桃太郎wwww内容がぶっ飛んでるのにすごく面白かったです
そう言って頂けると有り難いですの
まず『桃太郎』なのに戦闘シーンを入れたのが大きな間違いでしたよ、ええorz
因みに、原作の『桃太郎』に近づけようと、鬼の娘が桃太郎に近づいて暗殺を謀るも彼に恋心を抱いて葛藤する…っていうシーンも入れようと思ったけど没りましたorz

あと、桃太郎役の黄昏未來(タソガレ ミクル)くんは以前単発で出した裂邪とミナワの間に生まれた長男です(誰も知らねぇよ

>思わずまとめwikiから他の三話も読んできたんですが、これが一番楽しかったwwww
俺もこれが最高傑作だわwwwwwww
思えばスケダンの『さるかに合戦』を見て始まったのがこのシリーズだったが、まだ『さるかに』には手を出してないなぁ…ぐふふ(

>…………名前、気に入ったんですか
一夜限りなの(キリッ
819 :シャド@長いけどごめんね  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/29(日) 12:06:58.97 ID:QJ0K9LPO0
>>619-624
すげぇ、かっくいい!
しかしその発想はなかった、変形か……よし(何を考えたんだ

>>638-644
筋肉喫茶wwwwwwwでもおにゃのこもやるなら悪くないかも(ぇ
九郎くんも関わってきて良い賑わいね!

>>647-649
シリアスだけど言っちゃいます、出井くんもげろー(
後半もwktk、前の話と一緒に反応ネタ書いちゃおうかしら、今なら書ける気がする

>>653
なにこれかわいいのにせつない
ノロイかぁいいよノロイ、ひつぢかぁいいよひつぢ、ダミアかぁいいよ……ほろり

>>660-663
「八咫烏」か、地元で祀られてるからなんか馴染み深いぜ
九郎くんはもげろ千切れろ爆ぜちゃえ♪(

>>690-691
何という生への、いや食への執着wwww
だがそこに痺れる憧れる、つーちゃんハァハァ

>>724-729
これは面白くなってきたぞ、トトちゃん達にとってサンジェルマンは敵か
そして彼等と関わったクラウディアちゃんにとっては……むぅ

>>754-757
おぉう、九郎くんとトトちゃんのことが知れたか…しかもデートだともげろ
そしてクラウディアちゃんドジっ子wwwかぁいいwwww

>>758-759
変化に特化してるってことで良いのかしら、笛の人の作品では珍しいような
そしてこれがあの話に繋がるのか…!

>>760-762
フォーカードの名が出たか…久々に敵側のあの人が見られるかしらん?
そして無邪気なトトちゃんかぁいいかぁいい

>>763-767
暦ちゃんが再び怪異へと…忙しいなぁ暦ちゃん
しかしギプスはめてるのに美術展ってwwwww

>>769-770
暦ちゃんかっこかわいい! でも無茶しないでwww
ところでゾンビと言えど、よく犬と戦えるなぁ…俺なら逃げるぞ(

>>774
改めて乙ですの
いやぁしかし妄想と下半身が膨らむわぁ、こっくりちゃんハァハァ

>>792-793
モブも可愛く書いちゃうのが三面鏡の人クォリティ
セクハラ未遂発言も考慮してしゃちょーさんはもげていい(

>>796-798
まさか先に明日くんが出てくるとは…しかも心なしか強くなってる!?
目的はトトちゃんか、どういう理由なんだろうwktk

>>813
プラモの恨みは恐ろしいwwwwwwwww
哀れ「猿夢」、そして哀れ殺人鬼www

>>816
くそっ、こんな哀しい関係があってたまるか!?www
何か方法はないのかい、多重契約してでも何か方法が………ぐすっ
820 :カノントータスさんマジ止めて、もうサウロナイツのHPは0だよ ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/29(日) 12:38:17.85 ID:XQlq1Qse0
カメさん怖いカメさん怖い((((;゚Д゚))))

>>819
>シリアスだけど言っちゃいます、出井くんもげろー(
後半が出来るまで走り続ける刑に処す(ぇ

>後半もwktk、前の話と一緒に反応ネタ書いちゃおうかしら、今なら書ける気がする
前の話……ああ、つーちゃんによる【正義の集団トンカラトン捕食事件】か
こちらこそwktkしております

>何という生への、いや食への執着wwww
(ο-No.2>レジーヌさんと相見えるまでは、引かぬ!媚びぬ!顧みぬー!

>ところでゾンビと言えど、よく犬と戦えるなぁ…俺なら逃げるぞ(
正確に言うと、ゾンビ犬ではないです。更に言えば、犬でもないです(姿形的に)
トドメに、逃げたくても【ティンダロスの猟犬】からは逃げる事はほぼ不可能ですorz

>いやぁしかし妄想と下半身が膨らむわぁ、こっくりちゃんハァハァ
(ο-No.1>……真夜、新入りだ。色々と教えてやれ
(真夜>かしこまりました、ご主人様……飯綱ちゃんだったわね?まずは、一緒にお風呂入りましょうか
(飯綱>ぅ……ぐすっ……

>哀れ「猿夢」、そして哀れ殺人鬼www
【猿夢】→金縛りを解かれた上、頭を鷲掴み→恐怖のあまり、夢から無理やり紫亜を追い出す(記憶があやふやだったのはこれが原因)
殺人鬼→添い寝を希望するも、顔を真っ赤にした紫亜に枕を投げつけられる→紫亜の枕ハァハァ
…………と、このように両者には大きな違いが(待て
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/29(日) 12:51:18.53 ID:9j3L5JaR0
れっきゅんと単発の人乙乙だお
れっきゅんったらまーたカオスなギャグに走っちゃってー><
原作の桃太郎の流れを絶妙に踏襲するなんていけない子だなあまったく
次はどシリアスな人魚姫とかでどうでしょう
王子様れっきゅんで姫さまはミナワちゃんで
邪悪な魔女は……サンジェルマン使ってもいいっすよ
単発の人の話は切ないのう
短い行数の中に話を綺麗にまとめるの難しすぎ
やってみてすごいことなのだと改めて実感しました
人間同士なら最近は薬を使うだかすれば大丈夫だそうですが……
都市伝説だから(´;ω;`)ブワッ
こういう悲しさを漂わせた作品好きです
822 :某スレのパクリに定評がある笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 13:04:32.04 ID:9j3L5JaR0
という訳で皆様の作品に目を通した所でちょっと小話
823 :某スレのパクリに定評がある笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 13:08:09.15 ID:9j3L5JaR0
TRPGには属性というものがあるそうです
自分はfate経由でこれを知ったのですがついつい嵌ってしまい自分のキャラに属性を決めたりしています
今回は9パターンプラスαの属性の代表者に属性の特徴について語っていただきましょう


“善・秩序〜上田明尊の場合〜”

「世の中にはルールがある
 たとえ俺がどれだけ偉大であったとしても人として生きていく以上それは守るべきであろう
 そうすることで人々皆が幸せになり、素敵な生き方ができる
 いい事だろう?
 悪法もまた法なりっていうしルールが理不尽でも正当な方法で変えていくつもりだよ」

 善と秩序の属性を持つ明尊くんは自分の良心と社会の規律に従って生きることが幸せだと疑いません。
 しかしその反面秩序を乱す人間には己の為他人の為どこまでも残酷。
 後ろめたさがないというのは怖いことです。

“善・中立〜明日真&朝月咲夜の場合〜”
 
「目の前で困っている人がいるんだから放っておける訳無いだろ!
 そりゃあ勿論法律は大事だ、守るべきだとは思う
 ただどうしようもない緊急事態には……多少無茶せざるを得ないと言うか……
 いや、悪いとは思ってるんだ」

「私は正義の味方よ!その為にはやれることはやるってだけ!
 自分が絶対とは思わないけど明らかに悪いルールだったら仕方ないじゃない!」

 社会の有り様に対しては忠実でもなければ反抗的でもない。
 ただ良心が痛む時は社会に対しての反抗も厭いません。
 常識的な人間というより良識的な人間というべきでしょう。
824 :某スレのパクリに定評がある笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 13:09:51.47 ID:9j3L5JaR0
“善・混沌〜サンジェルマン伯爵&鷲山九郎の場合〜”

「社会秩序?犬に食わせておきなさい
 私には世界中の人々のために為すべき研究も守るべき大切な人も居る
 人間の作った秩序が我々に何を与えたというのですか?」

「俺は良いんだよ、俺の善悪は俺が決める
 他人が俺について決められることなんて何一つ無い
 俺は俺に対して胸を張れる生き方をするのさ
 皆がなんと言おうとまずいことには反対するよ
 筋肉喫茶とか筋肉喫茶とか」

 善意を以て秩序を踏みつぶしていきます。
 敵を作りやすいのが特徴です。
 他人からは悪党と同じように見られるのですが行動理念を理解してそれに付き合えれば良心的な人間と解る筈です。
825 :某スレのパクリに定評がある笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 13:10:26.43 ID:9j3L5JaR0
“中庸・秩序〜橙・レイモンの場合〜”

「ルールは大事だ。自分が所属する場所のルールは守る
 いいとか悪いとかじゃなくて生きるってのはそういうことだよ
 秩序が悪いなんてことはないしね」

 善悪や自分の気持はあんまり気にしません。
 理性的に動く人間です。
 秩序の維持を優先し、そこに感情は挟みません。
 自分と他人にきっちり線を引いているので多くの相手に対して仲良く出来ます。

“中庸・中立〜平唯&金子セージ〜”

「いや、まあなんていうか流れに任せるっていうか
 私なんかが一々主張なんて……」

「好きにしてくれって感じ?俺は何もしないよ
 一応は常識とか良心とかもあるけど、場合によっては投げ捨てるし」
 
 小市民です。普通の人です。一般大衆です。
 その場の雰囲気でなんたらかんたらって感じです。
 しかし本当に善も悪も秩序も混沌も歯牙にかけない化物も混じってるので注意。
 フェリシアや上田明也がソレにアタリます。

“中庸・混沌〜クラウディア&霧雲霙の場合〜”

「皇帝の命令である!全員私に従え!
 無論お前たちの話も一応は聞くけどあくまで決めるのは私だ
 民の話を聞くのも皇帝の勤めだからな
 民は皇帝の為に存在するからしてその順序がくつがえることはない
 当たり前だ」

「不倫とか犯罪者とか言われても愛があるから合法です!
 しいて悪いことしようとか思いませんけど自分最優先で!
 皆は私が悪いことをしていると思うんでしょうけど皆だって大好きな人は居る筈ですよ!
 という訳で私だけが非難される言われはないんですよ……ったくよお(チッ
 とにかく私はわるくなあああい!」

 好きなことをやっているだけ。
 善悪の意識はありません。
 文句を言われると腹が立つそうです。
826 :某スレのパクリに定評がある笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 13:12:04.51 ID:9j3L5JaR0
“悪・秩序〜上田明久&太宰龍之介の場合〜”

「世間様のルールを破るのは悪いことだ
 絶対にやってはいけない
 しかしルールの範囲内で自分の利益を求めるのは決して悪いことではない
 俺は上田家の掟の中で俺の欲望を満たすよ」

「世界の平和を守るために悪党がいくら死んだ所で構うまい
 人命、平和、そのためならば俺は誰であろうと殺す
 百人の市民のためなら俺はたった一人の子供すら……」

 秩序を大切にしますが自分の良心という物を気にしない主義です。
 秩序の為には手段を問うことはありません。
 ルールを盾にえげつないことをしてくるので怖いです

“悪・中立〜天野スバル&ショタ上田明也の場合〜”

「法律?組織?大事だと思うよ
 適当に距離とって自分のやりたいようにやるってことで
 大事なのは自己満足だと思うよ」

「いいんじゃね?ちょっと悪知恵使えば人生は楽になるんだし
 ママンがこっそり言ってたけど正直者はバカを見るんだろう?
 パパンがこっそり言ってたけど弱い人間は生きて行けないんだろう?」
 
 常識の範囲内で自分勝手
 嘘つきで欲しいものは上手いこと奪い取る
 小悪党っぽいともいう
 笛野郎の作品世界では自分に戦闘力無いキャラがこんな感じのことが多い

“悪・混沌〜鵺様&トトの場合〜

「私は愛するものが欲しい
 私は娯楽が欲しい
 何でも欲しいの、私のために全てあるんだから私が手に入れる
 憎ければ傷つけるし、愛おしければ慈しむ
 当たり前よ」

「ナイアトラップをぶっ殺すぞ―
 その為にはなんでも利用するわ
 愛情も温情も全てが私の道具
 世界は私の為にあるわ、フリーダム!」

 他人などどうでもいいのです
 他人にやさしいのは自分の為です
 悪党とか言うのでなく危険性の塊
 善・秩序の人から見れば憎悪の対象でしか在りません
 
827 :某スレのパクリに定評がある笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 13:15:40.40 ID:9j3L5JaR0
とまあこんな感じです
善悪は自分の信じる善への意識の強さ
秩序混沌は周囲の定めたルールに従うか否か
が基準です
笛作品の傾向としては強大な人外は混沌に寄りやすいです
あと組織の長が混沌持ちということが多いです
828 :赤い幼星 † プラモデルの人に土下座orz  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/29(日) 22:18:55.20 ID:QJ0K9LPO0
「……やっぱり気に入らんな」
「どうかしましたか?」

「組織」本部、R-No.上位メンバー専用デスクにて
ノートパソコンに向かってキーボードを叩いていたR-No.1―六条 蓮華が、その手を止めて見た先は、
堂々とデスクの上に足を組んで座り、資料を見続けている黒尽くめの少年―黄昏 裂邪の不服そうな表情だった

「この間ο-No.から来たっていう通達と資料を見てたんだが…」
「あぁ、「トンカラトン」殲滅作戦ですか?」
「そうだ」
「あの胡散臭い集団ならきっと裏があるに違いありませんの」

と割って入ったのは、頬杖をついてこれまた不服そうに溜息を吐いているR-No.0―ローゼ・ラインハルト
彼女の言葉に賛同して、裂邪は深く頷いた

「裏がある、っていう線はあるな。色々と怪しい節がある」
「と、言いますと?」
「説明を呼んでいる限りじゃ、確かにやってる事は正しいかも知れんが…
 これじゃワンピの赤犬がオハラのバスターコールでやった事と同じだ」
「は?」
「要するに、“行き過ぎ”だと仰りたいのね?」
「簡単に言えば裏切り者を探してそれを駆逐すれば良いだけの話
 それなら「サイコメトリー」なり何なりによる捜索で被害を最小限に抑えられる筈だ
 その場にいなかった奴はその時点で容疑者に入る訳だし
 善を装っている悪を確実に潰す為に、善までも一緒に潰してどうする
 成長の良い花まで間引くか普通?」
「ο-No.0は昔からそういう方でしたわ…自分の気に入らないものを片っ端から否定して…!
 あぁ、あの防護スーツを思い出すだけで憎たらしいですわ!」

いつになくお怒り気味のローゼに、裂邪も言葉を詰まらせた

「…何かあったか?」
「気にしないで下さい。R-No.0とο-No.0はある種の犬猿の仲ですので」
「成程。しかし気に入らないもの、か……蓮華ちゃん、作戦の前後の黒服の人数とか分かる?」
「R-No.50の「地獄耳」で分かった範囲のものですと…帰ってきたのは確か、ο-No.2ただ一人でした」
「…交渉を装うとしてもたった一人じゃ行かせねぇよな」

ひょい、と裂邪はデスクから飛び降りて、ドアの方へと歩き出す

「裂邪さん、どちらへ?」
「ο-No.0に直接話がある」
「へっ!?」
「事の深層を探る。今回の件、気になる事が多すぎる」
「いえ、あの、他のNo.との諍いは避けて…」
「ワタクシも行きますわ! 何だか虫の居所が悪くなってきましたの!!」
「貴方は私利私欲の為でしょうが、そこに座って紅茶でも飲んでて下さい!」
「ローゼちゃん、悪いけどこの部屋n」
「ο-No.の部屋までの近道を知ってますわ! だらだら歩くのも能力使うのも勿体ないので研究班に調査させましたの!」
「っちょ、私の班をそんな事の為に!?」
「早いに越した事は無いな、助かる」
「裂邪さんも何を呑気な……もう、勝手にして下さい」
829 :赤い幼星 † プラモデルの人に土下座orz  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/29(日) 22:19:23.52 ID:QJ0K9LPO0
頭を押さえる蓮華を余所に、裂邪とローゼは部屋を出ようとした
が、突如としてドアが開け放たれた
鈍い音が響き、血相を変えて現れたのはR-No.3―栄 日天

「R-No.0! R-No.1! たった今―――――ん?」

我に返った日天が室内を確認すると、
そこには額を押さえて蹲る裂邪と、それを宥めるローゼの姿があった

「…何かあったのか?」
「お前が急にドア開けたからだろうが!?」
「あ、そうか、すまなかった」
「随分軽いなこの野郎…!」
「まぁまぁ、それで何かありまして?」
「あぁ、さっきR-No.3313から連絡があった
 昨年末、学校町で黒服数名を返り討ちにした女性型「トンカラトン」を見つけたらしい」
「おい、それってあの噂の……!?」
「とは言え、発見者は3313が担当してるRedcometの友人らしく、
 件の「トンカラトン」は学校町にて逃亡中のようだ……」
「…そういえばο-No.の殲滅作戦の対象も「トンカラトン」……何も関係なければいいけど…!
 蓮華ちゃん! すぐに偵察班の手配を!」
「今やってます」
「ローゼちゃん! 俺も出るぞ!」
「待て! お前が出るとこの町を消されかねん!」
「はぁ?何で俺がそんな事」
「現にβ-No.を壊滅させた時、南極の氷を溶かして海面の水位を0.3メートルも上げたのはお前だろ!?
 町の中で大暴れされては逆に迷惑だ!」
「俺だって場所ぐらい弁えるわ! たかが「トンカラトン」くらい、シェイドだけで十分だ!」
「もう、喧嘩は止して! 裂邪さん、いえRainbow、貴方は暫く待機を
 今はRedcometにお任せ致しましょう」
「…りょーかい」
「R-No.3、念の為使役特化戦闘班も出撃して下さる?」
「分かった、すぐに現場に向かう」

部屋を飛び出す日天を、深刻な面持ちで見送るローゼ
丁度その頃、件の「トンカラトン」を探して町を駆ける一人の青年の姿が目撃されたそうだ―――――



   ...To be Continued/改めてプラモデルの人に土下座orz
830 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/29(日) 22:24:59.90 ID:QJ0K9LPO0
参考:>>606-608>>610>>647-649

きっとR-No.はこうなっていただろうという妄想
キャラの台詞はあくまでキャラ独自の見解です、ノットイコール作者の見解ですので悪しからずなの
重ね重ね土下座orz

あ、出動しましたけどこちらから物語に干渉するようなことはないと思いますのでご安心を
したらしたで後半にも支障が出るでしょうし、あくまで「反応」ということで受け取って下さいませ(
831 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/29(日) 22:36:06.30 ID:QJ0K9LPO0
>>820
>カメさん怖いカメさん怖い((((;゚Д゚))))
集中砲火でも喰らったのかしら……強く生きるんだ

>後半が出来るまで走り続ける刑に処す(ぇ
死ぬぞそれwwwwww

>こちらこそwktkしております
と言う訳で書いちゃいましたの

>(飯綱>ぅ……ぐすっ……
泣いてるロリっ子の可愛さときたらハァハァ

>殺人鬼→添い寝を希望するも、顔を真っ赤にした紫亜に枕を投げつけられる→紫亜の枕ハァハァ
こいつはwwwwwwwwwwwwwww

>>821
>原作の桃太郎の流れを絶妙に踏襲するなんていけない子だなあまったく
若返り設定使いたかったんだけど上手くイメージできずにあんな形になったというorz
よくよく考えたら、ミナワにだけ桃食べさせて幼くして裂邪が興奮して襲いかかって妊娠出産、というパターンもありだったorz

>次はどシリアスな人魚姫とかでどうでしょう
なかなか良い線行ってますね
実は『人魚姫』と『鶴の恩返し』を構想してるんですよ
ほら、どっちもバッドエンドじゃないですか
だから裂邪とミナワにすると失恋した時を思い出して脳がストップかけるんですよorz

>邪悪な魔女は……サンジェルマン使ってもいいっすよ
早速魔女じゃねぇwwwwwwwwww
せめてヨツバさんか鵺さんでしょwwwwいや遣り口は確かにサンジェルマン向けだけどwww

>>823-826
前に避難所で上がってた奴ねン
あれってfateでも使われてたのか……
裂邪は何にしてたっけな、確か【善・混沌】だった気がする
832 : ◆2PnxfuTa8.[sage]:2012/01/29(日) 22:54:36.24 ID:9j3L5JaR0
影男の人乙乙お
れっきゅんが気づいたか……
良いのよ、上田のダーティな仕事に気づいても
バトル展開になっても
上田が死んでミゾレちゃんが復讐鬼になっても
と思ったけどやっぱカオスすぎるのでやめませう

まあ上田のダーティな仕事がバレるのは死ぬ時だけどな!
奴の死後は霙ちゃんが全部引き継いでる
833 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 22:55:18.77 ID:9j3L5JaR0
【鴉―KARAS― 第六話「真っ暗闇」】

「ほれほれ、デートだぞデート。可愛い女の子と二人きりで遊園地を回るなんて中々無いゾ」

「嬉しいけど……真夜中じゃなかったらな。只のホラーだぜ」

 九郎とトトは真夜中の遊園地に来ていた。

「でもこうしておかないと危険なんだよ?
 昨日は共通の敵が居たから戦わなくても済んだけど、あのクラウディアって娘は危険よ?」

「危険?スポーツ万能、成績優秀で人々から愛される海外からの留学生が?」

「ええ、危険。貴方は“獣の数字”って知っているかしら?」

「聖書の黙示録に出てくる悪魔の指揮者の持つ数字のことだったっけ?」

「雑だけどまあそんな感じで良いわ
 それを持っているのがあのクラウディアという少女な訳」

「お前が少女というとなんかこう……違和感」

「イイじゃない、私数千才よ?」

「あー……そうだね、まあどうでもいいけど」

 どーでもいいのぉ?と不満そうに呟いて九郎の目を見るトト。
 焦る九郎を見てトトはニヤっと笑う。
834 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 22:55:45.40 ID:9j3L5JaR0
「話続けるわよ、それでその獣の数字の能力が厄介なの」

「ふむ」

「簡単に言えば小規模な願望装置
 賢さを願えば賢さが、膂力を願えば膂力が、宣言した通りの能力が手に入る
 宣言すれば直感や幸運さえも手に入るわ
 “ケセランパサラン”の達人になるとそれを擬似願望装置みたいに使えるらしいけど
 それにそっくりだわね」

「んな馬鹿な……」

「更に厄介なのが、というか一番厄介なのが使い魔、貴方も見たでしょう?
 彼女を常に赤い龍が守っている
 本来ならば龍という都市伝説があんな風に人間に使われるわけないのに
 半自律的に彼女を常に守っているの
 もし話し合いがうまくいかなかった場合、彼女が何らかの気まぐれを起こした場合
 死ぬのは間違いなく私たち」

「まあ警戒しないと駄目だな」

「サンジェルマンのこともあるし協力できれば嬉しいけど……
 あ、まずはあの観覧車とジェットコースターにしようか」

「ああー何かしらトラップをしかけるのね」

「そんな訳無いだろう、遊ぶぞ!」

「はぁ?」

「任せろ、少しいじればすぐ動く!」

「いやだって前もってトラップを……」

「どうせ無駄だ!」

「お前が言い出したんじゃねえかよ!」

「まあ安心しなって」

 ジェットコースターの座席に乗り込むトト。
 慌てて追いかける九郎。

「私にもちゃあんと考えがあるんだ、それじゃあハッシーン」

 電気も通ってないのに動き始めるジェットコースター
 真夜中、だれも居ない遊園地の中で二人の悲鳴が反響する。
835 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 22:56:35.75 ID:9j3L5JaR0
「ところでクロオオオオオオオオ!」

「な、なんだああああああああ!」

「やっぱあとでええええええええええ!」

「喋るどころじゃねえもんなああああああああああああ!」

 幸い遊園地は充分に広いので声が外に届くことはない。
 五週くらいしたところでトトは飽きたのかジェットコースターを止める。

「……楽しかった」

「何したかったの?」

「意味はない、次はメリーゴーランドだね」

「はぁ……」

「ごー!ごー!」

 怪訝そうな顔をする九郎を連れてトトは無理矢理メリーゴーランドに乗り込む。

「いい機会だ。今日はお前の能力についての話をしようと思う」

「ああ、聞かせてくれ」

「そもそもな、お前は変化系の能力しか使えない」

 ファンシーな音楽と共に回る馬。

「だがそれはお前が一つのことしかできないというわけではない」 

 回転する風景。

「むしろ逆、お前は普通の能力者に比べれば万能に近いと言っても良い」

「どういうことだ?」

 回転する世界。

「変化する、そのたった一つを極めることができるお前は全てを可能にする
 お前自身が“お前の為したいことを可能とする自分”に変化していけば良いのだから
 極めてしまえば強化も変化も操作も具現も創造も全ては等しい」

 反転する常識。
836 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 22:59:13.11 ID:9j3L5JaR0
「ハーメルンの笛吹き男、という殺人鬼が昔居ただろう?」

「ニュースで見たな、親父が関わるなって言ってたっけ」

「あれもまた、特化型だ。操作特化の化物だ」

「そんなのと一緒かよ」

「お前だって関係者なら奴の化物ぶりは知っているだろう
 能力の上ならばお前はあれに並びうるんだ、誇れ」

「……お前がそう言うならそういうことにしておこう」

「そっか、ならばよし
 お前は常に変化のイメージを忘れるな
 お前はそれしかできない、しかしそれをするだけでお前の力は100%引き出せる
 常人には決して追いつけぬ力がな
 それじゃあ次行くぞ次!」

「はいよー」

 今度は観覧車。
 ゆっくりと動き出す観覧車に乗って二人は向い合って座る。

「隣に来ても良いんだぞ九郎」

「え、いやちょっと恥ずかしいっていうか……」

「と、いうかあれだ」

「ななな、なんだよ?」

「そっち行くわ」

「え?」

 ピッタリと寄り添う。
 トトの体温が伝わってくる。
 この前の夢の感覚を思いだしてしまう。
 と、九郎は思っている。
 それが夢かどうかは分からない。

「何時何処で襲われるか分からないからな
 契約者を守れなくては困る」

「なんだ……」

「どうした?」

「いや、なんでもない」

 まるで子供みたいにただただはしゃいで遊ぶだけ。
 九郎には彼女の狙いが分からない。
837 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 23:00:06.06 ID:9j3L5JaR0
「九郎、此処は充分だ。次に行こう」

「はいはい」

「良いから良いから!遊園地は飽きたから次だよ!」

「わけわからないなあ……」

「そんな顔してないでついてきなよ!ほら、日頃のお礼だよお礼」

「犯罪じゃんこれ」

「気にするなよ、絶対にばれないから」

「その心配はしてないけど……」

 次にトトが向かったのは街に一つだけのカラオケボックスだった。
 わけも分からないまま首を傾げる九郎を尻目にトトは無人のカラオケボックスで歌いまくる。
 
「おい、ここ定休日じゃねえか」

「それがいいんだよ、貸切だぜ?」

「犯罪だねえ」

「大丈夫、証拠は全て隠しているから」

「こう……もっとこっそり罠を張るもんだとばかり」

「罠なんて張っても無駄だよ。良いから楽しもうぜ」

「……あーあ、マジで訳わからん」

「良いからなんか歌いなよ、私は単に今九郎と遊びたいだけなんだし
 それとも何?いやなの?」

「いやじゃないさ、ただ
 ……ただ俺にくらい本当のことを言ってくれても良いじゃないか
 あんまり秘密を作られると俺悲しい」

「仕方ないなあ。解ったよ、言うよ」

「ああそうしてくれ」

「正直に言えばこれはあれだ。クラウディア達と外で会わなくても済むようにちょっとした事件を起こしているんだ
 約束は午前中だろう?
 午前だけでも行くかもしれない所や行く予定の場所で事件が起きていれば……」

「最悪でもリスク回避、うまくすれば家に呼び込めると?」

「ああ、でも……」

「でも?」

 その時だった。
838 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 23:02:23.30 ID:9j3L5JaR0
「すいません、警察ですが」

 声、本来なら人払いしてあって誰も来られない筈のこの建物に九郎達以外に入り込んだ人間が居る。
 ただの人間ではない。契約者、あるいは邪神の化身。
 どちらにせよ……強い。

「状況が状況よ、どうにかしてから話を聞きましょう」

「ああ、今回は仕方ないな」

「――――――鴉、解放」

「御意」

 とっさにトトが呪文を唱えて九郎の都市伝説を起動させる。
 それと同時に壁を貫いて銃弾がトトに向けて飛んだ。
 彼女はそれを回避しきれずにわずかに腕に銃弾を掠らせた。

「とりあえずは不法侵入と公務執行妨害か
 この調子だと、とりあえず殴り倒してからだな」

 壁を切り裂いて九郎が声の主の下まで疾駆する。

「鳥型の使い魔?H-No.やK-No.からの報告には…………!」

 九郎が刀の峰を声の主の脳天めがけて振り下ろす。
 直撃、しかしそれは声の主――明日真という男――にではない。
 仮面にだ。
 明日の持っていた仮面に、その一撃は直撃した。

「――――――!?」

「止められた!?」

「ほうほう人間か。そっちが暴力で来るのならば不本意だが仕方ない
 峰打ちってことは……人間に危害を与える気は無いらしいな
 ならば予定変更、喰らえ!」

「ゴフッ!?」

 男は九郎を蹴り飛ばし、仮面を自らの顔に嵌める。
 九郎はトトに操られて素早く受身を取ると再び明日に斬りかかる。

「おっと、変身中に斬りかかるのはマナー違反だ」

「なに?」

 所詮傀儡に過ぎない九郎の太刀筋では歴戦の勇士たる明日を傷つけることはできない。
 明日は素早く銃弾を九郎の腿に叩きこむ。
 鎧で弾かれるが九郎の体勢は崩れる。
 その隙に、明日は高らかに叫びながら都市伝説を起動する。
839 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 23:03:41.67 ID:9j3L5JaR0


「変……身!」

 
 仮面から大量の骨が生えて男の体を包み純白の鎧と化す。
 左手を腰に溜めて右手を天高く突き上げる。
 
「行くぞ、ナイアトラップの一“トト神”」

「な、何者!?」

「仮面ライダー、名前はない」

 男は真っ直ぐにトトに向けて走りだす。

「鴉!」

 トトの声と同時に九郎は男とトトの間に回りこむ。
 男は拳を振りかぶって九郎を殴りつける。
 漆黒の鎧に拳が直撃、グラリと九郎の身体が揺れる。
 しかし九郎は刀を力任せに叩きつけて明日を力任せに吹き飛ばす。
 筋肉はすでに悲鳴をあげているがそれすらも細胞レベルで作り変えることでつぎつぎと損傷を回復していく。
 まるで強化能力でも持っているかのような戦い方である。
 しかしこれこそが特化能力者の持つ特化故の万能の力。
 彼らにルールは通用しない。

「強いな、鴉っていうのか」

 まだ余裕綽々といった様子で明日は構え直す。
 
「フォッシルフラッド!」

 地面に拳を叩きつける。
 それと同時に九郎は突きを放つ、しかしそれは届かない。
 現れたのは、骨。
 化石、古代最強の存在と呼ばれた恐竜の化石。
 その群れ、疾走する暴力。

「砕け散れ!」 

 群れが九郎とトトに迫る。
 九郎は刀を投げつけて印を結び、刀遠隔操作して最初の何体かを吹き飛ばすがそれでも追いつかない。
 トトの方も九郎の操作に気を取られて魔術の発動が一瞬遅れる。

「しまっ!」

 まず、九郎が群れに飲み込まれた。

「うそ、魔術が弾かれている!?」

 次にトトも化石の山の中に飲み込まれた。
 カラオケ屋があった場所はとっくに更地である。
 しかし「組織」による人払いの装置が働いているのか人が寄ってくる気配はない。
 全身の痛みにたえて九郎が目を開けると、トトを押しつぶす化石の山の上に明日が座っていた。
 
840 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 23:04:17.97 ID:9j3L5JaR0
「これで遊びはお終い、次は仕事の時間
 君たち二人には覚悟してもらおうか」

「デタラメすぎるわ……、都市伝説自体からは力を感じないのに!」

「カハッ……!どうしたもんかなこれ」

 九郎は焦っていた。
 このままではトトの身が危ない。
 かといってこいつは強すぎる、勝てやしない。
 逃げる?
 ありえない。
 女の子を置いて逃げるなんて……違う。
 何故そこまでこだわる?何の義理がある?
 それはやっぱり命を救われた義理だ。
 傷ついた女の子を追いかけまわす輩が許せなかった。
 でもそれ以上に

「結構、好みのタイプなんだよな」

 だからこそ、だった。
 付随するすべての理由は言い訳に過ぎなかった。
 単にこうして一緒に居たかった。
 其れを是と彼の魂が謳った。
 心臓が一際強く鼓動する。
 心の奥から意思が湧き出す。
 勝てないのならば、勝てる自分に作り替えれば良い。

「なんか言ったか?少し待ってろよ少年、もう動けないはずだぜ
 おとなしくしていれば悪いようにはしないってば」

「そこから……どけ」

「え?」

「トトの上から……!」

 ――――自分が変われば、世界は変わる。
 トトが九郎の身に起きた異常事態に気づいた時だった。
 明日は携帯電話で誰かと話を始めた。
841 :KARAS ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 23:04:53.81 ID:9j3L5JaR0
「あーもしもし、美緒さん?
 ごめんなさい例の対象捕まえようとして勢い余って建物壊しちゃいました
 修復班をこっちに寄越しておいて下さい
 あと対象はしっかり捕まえておきましたけど、単に遊園地で遊びたかっただけの害の無い都市伝説でした
 人間の世界のルールについてはしっかり言い聞かせておきますので今回は警視庁の俺達の班で保護観察処分ということでなんとかなりませんか?
 もう四体もこの街に侵入していた妙な奴らを狩ったからそのお手柄と引換ということでよろしくお願いします
 足りないならこいつらに積極的に人助けさせますから。俺が監視して。
 家?そのうち帰ります。
 出世?もう充分権限はもらっているのでもうコレ以上は要らないです
 はい、わかりました。でわでわ」

 プツッ、と通話を切る。
 化石の山からヒラリと降りて明日は二人に話しかける。

「えっとさ、ボコボコにしておいてあれだけれども話を聞いて欲しい」

「……もう聞くしか無いじゃない」

「…………」

 明日の気さくな感じが二人の戦意を完全に折っていた。

「ああ、聞いてもらおう。君たち、この街のナイアトラップ狩りの手伝いをしてくれ
 その代わりにそこのお嬢さんがしていたことを“警察は”見逃す
 なんていうか……司法取引?」

「ちょ、ちょっと待って!私は人を傷つけるようなことは!
 今回だって少しダブルデートに使われそうな施設で警察沙汰起こして明日の午前中だけでも使えなくしようとしただけなの!」

「あ、の、ねえ。そうは言っても今回みたいに施設にこっそり忍び込んだりするとそこの責任者が怒られちゃう訳。
 そして悪くすると首を切られて、もっと悪いと家族が路頭に迷っちゃったりするわけ。
 そういう被害は組織や警察でできるだけなかったことにしようとしているけどそれでも0にはできないの。
 たとえ自覚はなかったとしてもそういうことだって有るんだからちゃんと考えなさい」

「う……」

「あと少年、女の子を守ろうとする姿は格好良かったぜ
 次からはもう少し周りの迷惑を考えるんだな
 言うことを聞くだけが大切にするってことじゃない。相手が解っていないことを教えて上げるのが愛情だ
 まー自覚してなかったとかー余計な感情が混じってたとかなら仕方ないよなー若いもんなーっと」

「…………ごめんなさい」

「俺に謝る必要はないぜ」

 明日真は照れくさそうに仮面の下で笑った。

【鴉―KARAS― 第六話「真っ暗闇」 続】
842 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/29(日) 23:08:11.71 ID:9j3L5JaR0
様々な名前を無断で出してしまい真に申し訳ございませんでした
真に申し訳ございませんでした
いかなるご叱責をいただこうとも文句は言えないレベルでございます
真に申し訳ございませんでした

変化特化
笛作品に二人しか居ない系統特化型
強化特化とかマジでDB世界の住人レベルだろうと
843 :初夢ネタ・ゼロりん編 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 00:00:28.87 ID:7n30vw2u0
「……あ………さ…………ま………」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「お願いです、娘は……※※だけは見逃して下さい!」

「あ?舐めてんじゃねえぞこのアマ!」ドガッ

「あぐっ!」

「……!お母様、大丈夫で……コホ、コホッ!」

「たかが桃一つ探し出すのに、俺達がどれだけ手間かけたと思ってんだ!ああイライラする、一家代々に渡って隠し続けやがって!」

「……お願いです、どうか娘だけは……私に出来る事なら何でもやります……ですから!」

「そうかそうか、何でもか………ならとっとと死ね」ガシッ

「ぐっ……あ、が、あ゛あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛!」ドロドロ・・・・・・

「お母様!おかあさまーーー!!」

「………※、※………にg」グチャッ……

「ははは!溶けた肉の塊、一丁上がりってな!見たか、俺の能力【腐食ウィルス】の力を!」

「あ、あ……ゴホ、ゴホゴホッ!」

「おいおい汚えなぁ、血反吐まき散らしやがって……このまま放っといてもくたばっちまいそうだ」

「カフッ……く、薬……」

「ひょっとしてこれか……?おおっと、手が滑った!」パリーン

「ぁぁっ……!ゴ、ゴホ、ゴホッ!」

「辛いか?苦しいか?ならお前にここで二つ、選ばせてやる」

「ゴホッ……選、ぶ……?」

「お前自身の病気で死ぬか、俺のウィルスで死ぬかだ。どっちにしてもお前は「病」から逃げられないがな!ははははは!」

「………病………か」スッ


―――おばあさま、このモモはなあに?なぜ、はこの中にしまってあるの?

―――これはね、むかーしむかしのご先祖様から我が家に代々伝わる、不老不死になれる【天界の桃】だよ

―――ふろーふし?それって良いことなの?

―――あんまり良いことじゃあ無いよ……友達がみーんなお爺さんお婆さんになっても、その人だけは同じ姿のまま

―――そのうち周りが、知らない人ばっかりになって……独りぼっちになっちゃうのさ

―――わたしだって……モモ食べなくても、いつも独り……コホッ、コホッ

―――また咳が出てきたね……大丈夫、※※にもきっと良い友達が出来る。病気だってすぐ治るよ…………


「ん?何だ、その小汚い箱は……!おい、まさかそいつは!」

「(……結局……最後まで友達、出来なかったな……)【天界の桃】よ、私は―――」

「よ、よせぇぇぇぇぇ!」

「―――あなたと、契約します」ガブッ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「…………!はぁ、はぁ……夢、ですか。何故、今更あの夢を……コホ、ゴホゴホッ!」ポタタッ

「ぁ……秋広の出番ですね。『病に冒されたまま』不老不死となった私には、気休め程度だとしても……」

『ゼロりん、これ私オススメのクッキーなの!食べて食べて♪……うに?ちょ、血ぃ出てるよ!?大丈夫!?』
『……あんまり一人で抱えこむな、久遠を思い出すからやめろ。何の為に俺達がいると思ってるんだ』
『ο-No.0!貴方と言う人はいつもいつも……!』
『〔あらあらローゼさん、そんなに怒るとシワが増えますよー〕』

「…………友達、か」(終)
844 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 00:13:46.67 ID:OhRY42JN0
笛の人乙です〜
何と言う教訓回wwwwww皆も夜中に遊園地とかに侵入したりしないようにね!
明日くんは味方だったか、まずは一安心だな…

プラモデルの人乙です〜
初夢ネタ第2弾…ぐすっ、ゼロりんちゃん…
いっぱい友達作ってね、そして然り気無く彼女が入ってるwww
845 :初夢ネタ・ゼロりん編 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 00:31:01.22 ID:7n30vw2u0
という訳で、今回はゼロりんことο-No.0でした……って、影の人とR-No.の方達が来ておられる!?

>>828-830
影の人乙でした!
うぉぉぉぉぉぉ!本当に裂邪やローゼ達だー!本当にありがとうございます!

>善を装っている悪を確実に潰す為に、善までも一緒に潰してどうする
(ο-No.0>〔……ローゼさん。あなたは蚊を見た時、それが病原菌を持っているか調べてから殺すのですか?〕
(ο-No.0>〔違うでしょう?血を吸う吸わないに関わらず、蚊を見たら反射的に叩きたくなるはずです〕
(ο-No.0>〔私はただ、『危険かもしれない蚊の一群』を掃除しただけの事……何か問題がありますか?〕

>「R-No.50の「地獄耳」で分かった範囲のものですと…帰ってきたのは確か、ο-No.2ただ一人でした」
……彼女の体内に「穏健派の黒服達と集団トンカラトン全員」が入ってると知ったなら
この二人はどんな顔をするでしょうか

>重ね重ね土下座orz
こちらこそ土下座モノです、本当にありがとうございましたm(__)m
日天か……チョイ役でもいいので出してもいいでしょうか

>>831
>集中砲火でも喰らったのかしら……強く生きるんだ
あのね……カメさんを囲むようにサソリさんが四匹いるのにね、こっちの初期メンバーも四匹なの
サソリさんを減らしても、カメさんはアトレー王子(主人公)のトカゲを一撃で沈めるしね、カメさんを集中して倒しても
周りのサソリさん達は王子ばっかり狙い撃ちして結局沈むから、王子とトカゲの経験値だけ貯まらないの…………(´;ω;`)
三獣士達はもうすぐ二桁なのに、王子だけまだレベル4なんだよう…………゚(゚´Д`゚)゚

>死ぬぞそれwwwwww
ジョギングで鍛えてるから問題ない(ぇ

>と言う訳で書いちゃいましたの
重ね重ねありがとうございました

>泣いてるロリっ子の可愛さときたらハァハァ
注※事後です

>こいつはwwwwww
新年もこいつはブレませんとも、ええwwwwww

>>834-841
笛の人乙でした!
明日真君つええ……あの二人をあっさり沈めやがった
一応これで互いの手の内が分かっているわけですね……陛下の赤い龍も使い魔って事は悪魔なんだろうか
846 :何回やっても何回やっても王子ばかりがね〜ら〜わ〜れるよ〜 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 00:47:03.36 ID:7n30vw2u0
>>844
>いっぱい友達作ってね、そして然り気無く彼女が入ってるwww
先天性白皮症(アルビノ)の為紫外線にも弱く、子供の頃から病気がちだった彼女は
本来なら多感な青春を送るはずの十代の殆どをベッドの上で過ごしました。
いーくんやつーちゃんに混じってローゼさんが出てきたのも、友達だと思っているというよりは
『友達の定義はわからないけど、日頃よく話しているのはこの三人』というだけだったり…………。

あ、ちなみに桃の効果で身体の能力は衰えませんし、『他の病気』には一切かかりません。
【腐食ウィルス】の黒服である過激派の男は、この後長期戦の末ゼロりんに撲殺されました。
847 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 08:26:51.53 ID:QML/2NHj0
>>845
> (ο-No.0>〔私はただ、『危険かもしれない蚊の一群』を掃除しただけの事……何か問題がありますか?〕
(ローゼ>そういう考え方が「組織」内での争いを生むんですわ!
     可能性があるだけなら、後で何とでも出来るとはお考えにならなくて!?
(裂邪>………楽しそうだな、ローゼちゃん
(蓮華>二人は磁石なんですよ。互いに反発し合いながらも、互いに引き寄せ合ってるんです
(レジーヌ>ジュルリ
(日天>レジーヌさんは帰れ

> この二人はどんな顔をするでしょうか
全くだ…あぁこっちがドキドキしてきた(何故

> 日天か……チョイ役でもいいので出してもいいでしょうか
どうぞどうぞ、今は男なので注意なの(当初は男装ロリでした

> 三獣士達はもうすぐ二桁なのに、王子だけまだレベル4なんだよう…………゚(゚´Д`゚)゚
王子……ほろり

> ジョギングで鍛えてるから問題ない(ぇ
そういえばそうかwww

> 注※事後です
それでお風呂に行ったのか! いーくんもげもげ(

> 一応これで互いの手の内が分かっているわけですね……陛下の赤い龍も使い魔って事は悪魔なんだろうか
聖書において『赤い龍』と表現される悪魔は確かサ…………おっと誰か来たようだ
848 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 08:34:21.40 ID:zhtm9sTr0
>>846
> 『友達の定義はわからないけど、日頃よく話しているのはこの三人』というだけだったり…………。
(裂邪>互いに互いを信頼してるなら友達だ
    互いに互いの命を預けられるならそれは“家族”になる
れっきゅんの家族論(

> 【腐食ウィルス】の黒服である過激派の男は、この後長期戦の末ゼロりんに撲殺されました。
ゼロりんちゃんには裂邪がなでなでしてあげるの(何故に
849 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 12:47:00.58 ID:0mRDdvmY0
本スレで聞くべきだと思ったので


世間一般の“可愛い妹”ってどんな感じ?
俺ってば自分の妹を愛しすぎちゃってるからあんまり考えたこと無かったんだけど
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/30(月) 15:02:08.27 ID:uVzHnF1DO
>>849
朝は起こしに来てくれて
昼はお弁当持ってきてくれて
夜は魔法少女に変身して闇の使徒と戦う妹かな
兄は闇の使徒の幹部なんだ
851 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 15:28:52.06 ID:BPk7gaDl0
>>850
ありがとう、でも後半2行は無理www
前半は有り難く頂きますの
852 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 15:37:50.15 ID:xHgBoQ1m0
無理って何だ無理って
キャラの参考にしたいなんて一言も書いてないじゃないかorz
申し訳ないです
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/30(月) 15:44:29.06 ID:uVzHnF1DO
>>852
やってみろよ!!
諦めんなよ!!
854 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 16:20:01.16 ID:gpmiTwNi0
>>853
いや構想してる話が変態な兄のほのぼのコメディなんですよw(そんなのばっかりじゃねぇか
でもついさっき面白い話考えたからそっちの設定の参考にさせて頂きますの
バウンティハンターってカッコいいよね!
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga CWシナ作成に追われてます]:2012/01/30(月) 16:45:05.42 ID:lDOBycdp0
皆様乙〜
くっそ、最近本スレも避難所もロクに見れてないぜ、流れを追うのが大変だ
856 :三行[sage]:2012/01/30(月) 17:01:08.79 ID:uVzHnF1DO
>>855
ニャルラ大戦V
〜夜刀浦は燃えている〜
ダクタァの人は卒業式イベント書いてる
857 :以下、名無しにかわりまして いとう のぶえ がお送りします[sage]:2012/01/30(月) 18:50:47.88 ID:QRoJHTZo0
おっ笛の人
大きなカチコミもなく
クトゥルーネタを押し通せたか!
やったな!


ところで
ttp://bungakuneko.blog.fc2.com/blog-entry-228.html

本当にやってたんだな…買うか?
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/30(月) 20:34:35.49 ID:uVzHnF1DO
>>857
まさか上手くいくとは思わなかったよ!!
さあみんな楽しく書いてね!!
学校町だけじゃないクロスの拠点を作りたかったんだ…
859 :あの〜砲撃王子ばかりをロックオン♪ ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 20:45:47.41 ID:7n30vw2u0
>>847
>可能性があるだけなら、後で何とでも出来るとはお考えにならなくて!?
(ο-No.0>あなた達穏健派のそういった姿勢が、今回の事態を招いた一端だとは考えないのですか?
(ο-No.0>『ああすれば仲良くなれる』『可能性だけならまだいい』そんな物事の後回しな考えの方が、私からすれば理解に苦しみますね!

(ο-No.1>……おい、緊急の用事って言うから来てみれば……なんだこれは。高度なガキの喧嘩か?
(ο-No.2>硬いこと言わない♪あのゼロりんが感情を剥き出しにして喧嘩する、世にも珍しい場面じゃない……あ、ついにマスクとった!
(ο-No.1>まあ、向こうはR-No.1、3、5にRainbowもいるしな……何かあれば戦闘準備に入れるようにしておくか

(ο-No.1(Rainbow……黄昏裂邪。あれだけの都市伝説を抱え込んでいれば、いずれ…………久遠…………)
(ο-No.2>(レジーヌさん♪レジーヌさん♪私の事、覚えてくれてるかなー♪)

>どうぞどうぞ、今は男なので注意なの(当初は男装ロリでした
えーっと、裂邪のセリフからするとR-No.はトンカ裸トンちゃんの「討伐」方向でおk?

>それでお風呂に行ったのか! いーくんもげもげ(
自我のないほど低級なこっくりさん達は「力」だけ奪って強制成仏させられています
飯綱達の様に自我を持ち、かつ力の強いこっくりさんは例の罠で奴隷化、反抗的な個体は(性的に)調教・屈服させます
(ο-No.0>〔同じ複数の都市伝説を従えていても、ローゼさんのお気に入りであるRainbowとはそこが大きな差ですね〕

>聖書において『赤い龍』と表現される悪魔は確かサ…………おっと誰か来たようだ
!『ヨハネの黙示録』十二章及び十三章に記される竜、それはサt(ゴシャアッ

>互いに互いの命を預けられるならそれは“家族”になる
(ο-No.2>じゃあ、私といーくん、そしてゼロりんは家族だねっ!
(ο-No.1>この部署に来た時から、命はあんたにあずけてる。これからもよろしく頼むぜ、No.0さん。

(ο-No.0>〔二人とも、そしてここにいない全ο-No.達に、感謝を〕
(ο-No.0>…………ありがとう、ございます

>ゼロりんちゃんには裂邪がなでなでしてあげるの(何故に
(ο-No.0>〜〜〜〜〜!?

(ο-No.2>あ、逃げた
(ο-No.1>嫌がってる……というよりは、慣れていないんだろうな
860 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 21:18:11.69 ID:ta+SC1O/0
>>859
>えーっと、裂邪のセリフからするとR-No.はトンカ裸トンちゃんの「討伐」方向でおk?
しまった、重要な台詞書き忘れてる!?
ちょいと最後の台詞追加

>>829
「R-No.3、念の為使役特化戦闘班も出撃して下さる?
 目的はあくまで確保。少しの戦闘なら止むを得ませんわ………討伐は出来るだけ回避して下さい」
「分かった、すぐに現場に向かう」

こんな感じですの
861 :カメさん〜狙って 撃ち続けても いずれはサソリに落とされる〜♪ ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 21:21:08.71 ID:7n30vw2u0
>>860
>目的はあくまで確保。少しの戦闘なら止むを得ませんわ………討伐は出来るだけ回避して下さい
了解ですの
862 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 21:32:53.35 ID:ta+SC1O/0
>>859
>(ο-No.0>『ああすれば仲良くなれる』『可能性だけならまだいい』そんな物事の後回しな考えの方が、私からすれば理解に苦しみますね!
(ローゼ>先走って極論に達する貴方達の考えこそ理解出来ませんわ!
     最悪の展開(バッドエンド)なんて、ワタクシの幼気(ワガママ)で止めてみせますわ!!
(裂邪>…裏を聞きに来ただけなのにどうしてこうなった
    それよりο-No.0だったか、案外可愛い顔してるのに何でマスクなんて被ってるんだ?勿体無い
(蓮華>(…ナンパ?)

>(ο-No.1>(Rainbow……黄昏裂邪。あれだけの都市伝説を抱え込んでいれば、いずれ…………久遠…………)
(裂邪>(なーんか訳ありっぽそうな目でこっち見てるな……まさか“あっち”じゃないよな?)

>(ο-No.2>(レジーヌさん♪レジーヌさん♪私の事、覚えてくれてるかなー♪)
(レジーヌ>(テケリリリリリリ……お代わり)
(日天>(あんたぶっ飛ばすぞ!?)

>(ο-No.0>〔同じ複数の都市伝説を従えていても、ローゼさんのお気に入りであるRainbowとはそこが大きな差ですね〕
(裂邪>これはこれで厄介なところもあるぞ
    やり過ぎると貧血になって暫くベッドに括りつけられてレバーばかり食わされる、まぁ鰻の肝出してくれるから良いんだけど
    それ以上にあいつらと一緒にいるのが楽しいんだけどな

>!『ヨハネの黙示録』十二章及び十三章に記される竜、それはサt(ゴシャアッ
無茶しなさって……

>(ο-No.0>〜〜〜〜〜!?
ゼロりんかぁいいwwwwww
863 :アイテム〜回復も 試してみたけど 王子が外しちゃ意味が無い♪ ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 22:06:30.66 ID:7n30vw2u0
>>862
>最悪の展開(バッドエンド)なんて、ワタクシの幼気(ワガママ)で止めてみせますわ!!
(ο-No.0>最悪の感染爆発(バッドエンド)が起こる前に、予防策を立てるのが我々ο-No.の仕事です!
(ο-No.0>ワガママなど、個人の意思だけでどうにかなるほど……この世界は、甘くない……!

(ο-No.1>というか。R-No.の奴らは一体何しに来たんだ?
(ο-No.2>この前の『集団トンカラトン殲滅作戦』についてだと思うよ?皆私が食べちゃったけd………あ゛。
(ο-No.1>………馬鹿が。

>それよりο-No.0だったか、案外可愛い顔してるのに何でマスクなんて被ってるんだ?勿体無い
(ο-No.1>No.0は「組織」でも有名な潔癖性だ。いくら自室内だからと言って、本来はマスクも筆談もしないというのはありえない事だが……。
(ο-No.2>うにー!それより虹さん、君彼女居るでしょ!?
(ο-No.2>いくら銀髪・淡紅眼の食べちゃいたいほどの美少女だからって、ゼロりんに手を出すのは絶対ダメー!

>(裂邪>(なーんか訳ありっぽそうな目でこっち見てるな……まさか“あっち”じゃないよな?)
(ο-No.1>(所詮、個人の器には必ず限界が来る……だからアレも仕方なかった。仕方なかったはずだ…………!)ギリッ
(ο-No.2>いーくん……。

>(レジーヌ>(テケリリリリリリ……お代わり)
(ο-No.2>(……ッ!あの目!目の前に横たわる獲物を品定めするような、カエルを丸呑みにする寸前の蛇のようなあの眼……!)
(ο-No.2>(あ、は……覚えてて、くれた………………アハハハハハハハハハハハハハハ!!!)
(ο-No.2>(れじぃぬさぁん……♪いつか、あなたの全てを喰らう日を、楽しみにまってて下さいね……♪)タラー    ←ヨダレ

>それ以上にあいつらと一緒にいるのが楽しいんだけどな
(ο-No.1>(楽しい、か……)

―――久遠は、貴方様のお傍にいられるだけで、とても嬉しゅうございます―――

(ο-No.1>(………久遠………)

>ゼロりんかぁいいww
(ο-No.2>さあ、そこの君!ゼロりんを陰ながらそっと愛でる会に参加しよう!
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/01/30(月) 22:08:29.04 ID:5hNuzFaI0
【聖母の涙】

「仕方ないですよね、性癖ですものね」

 彼女は優しく笑う。

「うん」

 そう言って、すでに青アザの痛々しい彼女の顔を思い切り殴りつける。
 物も言わずに吹き飛ばされて床に叩きつけられる彼女。
 硬い床。
 馬乗りになって首を絞める。
 僕の下で苦しそうにもがく彼女はすごく愛らしかった。
 でも胸が痛くなる。
 こんな可愛らしい女性を痛めつけているなんて僕は最低の人間だ。
 おそらく俺より最低な人間など刑務所でも探してこない限り出てこないだろう。
 首を締めるのをやめて腹を殴りつける。
 小さく悲鳴をあげる彼女。
 僕の顔に向けてそれでも手を伸ばしてくる。
 だから手首を捻ってみる。
 慣れているのかそれくらいでは痛くないらしい。
 腕をねじり上げて組み敷くと彼女の荒い息遣いが聞こえる。
 あと少し腕を強くひねれば関節が外れるだろう。
 骨が折れるかもしれない。
 痛くて痛くて彼女は泣いていた。
 声を出せば僕がためらうと思ったのだろうか?
 そんな彼女の優しさが僕には辛かった。
 だから、手を離して、彼女を抱き起こして、涙をそっと拭いてから

 もう一度顔を殴った。

 放心したような顔でソファーに倒れこむ彼女。
 そのまま彼女はピクリとも動かなくなった。

「……ごめん、ごめん」
 
 なんで僕はこんなにも優しい娘を殴りつけなくてはいけないんだろう。
 なんで僕はこんなにも愛らしい娘を傷つけなくてはいけないんだろう。
 口から謝罪の言葉がポロポロと溢れる。
 放心状態の彼女の胸に埋もれたままに僕は泣き続けていた。

「仕方ないんですよ」

 ポン、と僕の頭の上に手が乗る。
 柔らかくてやさしい手が僕を撫でる。
 
865 :tannpatu[saga]:2012/01/30(月) 22:09:02.08 ID:5hNuzFaI0
「う……うぅ、ごめんね。僕がこんな男だから……」

「気にしないで下さい
 でも……私以外の女の子にこんなことしたら駄目ですよ?」

「うん、こんなことしない。人を傷つけて喜ぶなんて最低だもん」

「解っているんなら良いの」

 僕を撫でていた手が僕を抱きしめる。

「愛してる」

 顔を上げた僕の目に映る彼女の顔には傷一つ無い。

「僕も……君以外の女性なんて考えられれない」

「その台詞じゃあまだまだね」

 デコピンが額に入る。

「え?」

「ふふ、もうちょっと私を喜ばせる台詞が言えるようになってね?」

「…………うん」

 そう言った僕の瞳を彼女は見つめてにこりと笑った。
 首を締めた後も消えて行く。

「ふふ、本当に馬鹿な子、愛おしい子」

 彼女は“マリア像の涙”の契約者。
 彼女の涙にはあらゆる怪我や病気を治す能力がある。
 彼女はきっと僕を救うために神様が地上に遣わせた天使なのだと思う。
 ぼくは君を絶対に離さない。

【聖母の涙 おしまい】
866 :tannpatu[saga]:2012/01/30(月) 22:12:33.02 ID:5hNuzFaI0
リョナラーにも優しい都市伝説スレ!
皆も書いてみようぜ!

はい、ごめんなさい冗談です
ふたばの東方スレで何気なく目に青あざ作ってる早苗さんがあまりに美しすぎたのでそのインスピレーションのままにかきたてました
血がどくどく出てるのは只のグロですよ
死ぬことはないけど痛そうでつらそうってのが良いんです
自己嫌悪やばいぜ!
867 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 22:21:12.13 ID:ta+SC1O/0
笛の人乙です〜
治癒系都市伝説をこう使うか……俺に無い感性なので純粋に感動するぜ
しかし己の性癖との葛藤もすげぇよ、>>866読んでると笛の人の心の叫びなんじゃないかと思うくらい
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2012/01/30(月) 22:28:39.19 ID:5hNuzFaI0
現実に都市伝説は居ないので救いは無いのですよ……
夢幻の中にしか魂の救済は無いのですよ……
普段明るい話ばっかり書いているとこういうのを書きたくなる……
869 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 22:29:36.14 ID:7n30vw2u0
笛の人乙です!
……【ダルマ女】といい、【エイズ・メアリー】といい、最近の短編モノは何故にここまで胸を打つものがあるんだろう……
いつか、彼の心の傷まで癒される事を願って止まないです
870 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 22:35:50.24 ID:ta+SC1O/0
って勝手に笛の人と判断しちゃった訳だがあってるんだろうかと今更不安に

>>863
>(ο-No.0>ワガママなど、個人の意思だけでどうにかなるほど……この世界は、甘くない……!
(蓮華>それは聞き捨てなりませんね、そもそも幼気というものは―――――
(裂邪>やめろ蓮華ちゃん、君まで入ったら完全に泥沼化しちまう

>(ο-No.2>いくら銀髪・淡紅眼の食べちゃいたいほどの美少女だからって、ゼロりんに手を出すのは絶対ダメー!
(裂邪>ミナワは別格だ、あいつがこの場にいたら全てが霞んであいつ以外何も見えなくなる
    それに俺は『可愛い』とは言ったが『好き』だとは言ってない
    人間的に『好き』だとは言えるが性的には言えないな
    それと言っておくが、“彼女”じゃなくて“嫁”だ
(ローゼ>まだ入籍してらっしゃらないでしょうが!
(日天>ツッコむところはそこじゃない

>(ο-No.1>(所詮、個人の器には必ず限界が来る……だからアレも仕方なかった。仕方なかったはずだ…………!)ギリッ
>(ο-No.1>(………久遠………)
あぁ、いーくん……彼に幸福が来る事を心より

>(ο-No.2>(あ、は……覚えてて、くれた………………アハハハハハハハハハハハハハハ!!!)
(レジーヌ>私の脳は特別製でね。今まで出会った女は全て記憶している。と私は胸を張って自慢する
(日天>“女は”だろ?

>(ο-No.2>さあ、そこの君!ゼロりんを陰ながらそっと愛でる会に参加しよう!
(裂邪>やるなら堂々と
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2012/01/30(月) 22:39:59.51 ID:5hNuzFaI0
>>869
彼はすでに救われているのですよ
救いのないものを救うからこその聖母
必滅の定めから愚者を、身を削ってまで救うからこその聖者
彼は救済されているのです
>>870
これだけ厨二病なのは笛野郎だけ!
厨二病作品書きたい人はこのスレにあっつまれー!
872 :だから次は絶対勝つために♪『王子の励まし』だけはさ〜いごにとっておく〜♪ ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 22:52:27.29 ID:7n30vw2u0
>>870
>(裂邪>やめろ蓮華ちゃん、君まで入ったら完全に泥沼化しちまう
(ο-No.1>幼気……市辺りなら覚醒も可能か?
ガタガタ(や、やらせません!いくら何でもこんな幼い子相手に……鬼!悪魔!)
(ο-No.1>………Bコース追加
ガタッ(ヒッ……)

>ミナワは別格〜“彼女”じゃなくて“嫁”だ
(ο-No.0>…………えーと…………Rainbow、さん?
(ο-No.2>性的に見れないって、それはそれでどういう事!?私だってレジーヌさんに操を立ててなきゃ襲っtギャイン! ←(秋広で殴打
(ο-No.1>(その幸せ……果たしていつまで続くかな)

>(ローゼ>まだ入籍してらっしゃらないでしょうが!
(ο-No.0>問題点はそこじゃないと思いますが………!?
(ο-No.2>いてて……うに?どしたの、ゼロりん?
(ο-No.0>いえ、何でも(一瞬、寂しげに見えたような……まさか、ですね)

>あぁ、いーくん……彼に幸福が来る事を心より
本編登場までに、救済フラグを乱立させておきますとも!(ぇ

>(レジーヌ>私の脳は特別製でね。今まで出会った女は全て記憶している。と私は胸を張って自慢する
(ο-No.2>レジーヌさーん!覚えてくれたんですねー!私、超・感激ですー!!
(ο-No.2>いずれ貴方と一つになれる日を、楽しみにしててくださいねー!!
(ο-No.1>(こいつもこいつで、ある意味歪んでいるな)

>(裂邪>やるなら堂々と
(ο-No.2>では、こちらが会員カードになります♪
873 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/30(月) 23:14:06.77 ID:ta+SC1O/0
>>871
>厨二病作品書きたい人はこのスレにあっつまれー!
先生! 厨二っぽい技名が思いつきません! どうすれば良いですか!?

>>872
>(ο-No.1>幼気……市辺りなら覚醒も可能か?
(蓮華>今のところ、都市伝説に飲まれた元人間にはよく見られますが…純粋な都市伝説の覚醒は未だ調査中です
(裂邪>見た事はないが、“人間以外の”幼気もあるかも知れないな。元狐とか

>(ο-No.1>………Bコース追加
どんだけ酷いんだそれwwwwww

>(ο-No.0>…………えーと…………Rainbow、さん?
(裂邪>…ん、もしかして俺やばそうな事言ったか?
「「「「思いっきり」」」」
(裂邪>いかんな、思った事を口に出すのが俺の悪い癖だ……
    あぁ、理由は知らないけど一回顔出して外歩いてみなよ、何なら今度美味い喫茶店紹介するz
(ミナワ>れぇぇぇぇぇぇつぅぅぅぅぅぅやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
(裂邪>げふっ!?
(シェイド>…暫ク浮気シテイナイト感心シテイタガ……ヤハリコイツハコイツカ

>(ο-No.0>いえ、何でも(一瞬、寂しげに見えたような……まさか、ですね)
ほぅ、ゼロりんは気づいたか(ニヤッ

>本編登場までに、救済フラグを乱立させておきますとも!(ぇ
wktk、でも嫌な予感しかしないwww

>(ο-No.2>いずれ貴方と一つになれる日を、楽しみにしててくださいねー!!
(レジーヌ>楽しみだ(←『一つになる』=『合体(性的な意味で)』と思ってる

>(ο-No.2>では、こちらが会員カードになります♪
(裂邪>(ο-No.全員が入ってるのかして会員No.がかなり下の方だな…というか他のNo.は入ってるんだろうか)



(ローゼ>…べ、別にあんな方の事なんて何とも思ってませんの(裂邪より一足先に
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/30(月) 23:23:23.12 ID:uVzHnF1DO
>>873
とりあえずドイツ語でオッケー
875 :『カノントータスが怖すぎる』歌い手は私、プラモデルの人でした ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 23:34:53.18 ID:7n30vw2u0
>>871
>彼は救済されているのです
……なら、外野がとやかく言えた義理でもないか……

>>873
>(裂邪>見た事はないが、“人間以外の”幼気もあるかも知れないな。元狐とか
(ο-No.1>そうか……感謝するぞNo.0、これでまた俺は……!
(ο-No.2>(はぅ!い、いーくんの顔が『腹黒モード』になっている……!)

(ο-No.0>………コホ、コホン。それで、何の用でしたかローゼさん?
(ο-No.2>(こっちはこっちで強引に話戻したー!?)

>どんだけ酷いんだそれwww
反抗時に飯綱が受けた(性的)調教&先輩方との複数Pです(ぉぃ
自分のせいで他の皆にまで迷惑が……というよりは、『また冥さんや震さん辺りにいじめられる』恐怖ですね

>あぁ、理由は知らないけど一回顔出して外歩いてみなよ、何なら今度美味い喫茶店紹介するz
(ο-No.0>え、あ、ふぇ?それは、どういう「>れぇぇぇぇぇぇつぅぅぅぅぅぅやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」っ!!
(ο-No.2>にーじーさーーーん?後で、レジーヌさんと一緒に裏まで来てもらえますか?
(ο-No.1>………  ←懐かしいものを見る目付き

>ほぅ、ゼロりんは気づいたか(ニヤッ
あくまで引っかかった程度です……今は(ΦωΦ)フフフ…

>(レジーヌ>楽しみだ(←『一つになる』=『合体(性的な意味で)』と思ってる
(ο-No.2>はい♪(←『一つになる』=『合体(性的な意味でも、捕食的な意味でも)』

>(ローゼ>…べ、別にあんな方の事なんて何とも思ってませんの(裂邪より一足先に
(ο-No.0>………ふん(実はR-No.のブロマイド一枚ずつ持ってたり)
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/30(月) 23:37:08.29 ID:uVzHnF1DO
消化不良(カタオモイ)か…
877 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/30(月) 23:40:33.36 ID:7n30vw2u0
>>876
>消化不良(カタオモイ)か…
上手いww座布団一枚!

良くも悪くも、「人を愛する」という事がわからないだけなんです
愛する方法として知っているのは「食べて一つに」とレジーヌさんに教わった「性的に一つに」だけなので……
878 :やる気なさそうな人[sage]:2012/01/30(月) 23:42:21.41 ID:tpAUxmADO

>>874
ドイツ語なら何をいっても
なんて言ってるか分からないからかっこよく見える!




Y-No.0「ところで何でこいつらトンカラトンが出たくらいで大騒ぎしてるんだ?」




>>幼気
三尾(幼気がわがままだったら葉さまは何で使えないんでしょう。
  もしかしてわがままに振る舞ってるように見えてちゃんと考えて……)
879 :以下、名無しにかわりまして リチャード、ジェームス がお送りします[sage]:2012/01/30(月) 23:47:53.28 ID:QRoJHTZo0
単発の人のは何かいいな
この話だと彼女の、…、彼女…
待てよこれ、彼の救済よりもあれなのは彼女の方の…?


そしてプラモデルの人とマッの人がハイレベルなやり取りを始め出したぞ…
これは一体…
880 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 00:19:38.74 ID:2/CtR1sr0
>>874
>とりあえずドイツ語でオッケー
げ、現状維持だと……?
そろそろ飽きるかなぁと思ってロシア語とラテン語まで用意したのにorz

>>875
>(ο-No.0>………コホ、コホン。それで、何の用でしたかローゼさん?
(ローゼ>…あら、何のようだったかしら? というか裂邪さんは?
(日天>(ド忘れしてる!?)
(蓮華>裂邪さんなら先程ミナワさんとシェイドさんが連れ帰りましたが

>自分のせいで他の皆にまで迷惑が……というよりは、『また冥さんや震さん辺りにいじめられる』恐怖ですね
確かに怖ぇwwwwwwww

>(ο-No.2>にーじーさーーーん?後で、レジーヌさんと一緒に裏まで来てもらえますか?
(レジーヌ>私だけで良いなrグエッ
(日天>帰るぞ

>あくまで引っかかった程度です……今は(ΦωΦ)フフフ…
今後にwktkせざるを得ない
あぁ、創作の神よ、俺に500時間の猶予をくれ…(多いわ

>(ο-No.0>………ふん(実はR-No.のブロマイド一枚ずつ持ってたり)
多分最近になって裂邪のブロマイドも出回ってると思うwww
あとレアな奴が『日天とルートのツーショット』、『レジーヌ×ロベルタ&羅菜&ロール(※R18)』とかw

>>878
>なんて言ってるか分からないからかっこよく見える!
でも流石に『クーゲルシュライバー』は必殺技にしたくないぞwwww

>Y-No.0「ところで何でこいつらトンカラトンが出たくらいで大騒ぎしてるんだ?」
(ロベルタ>正確には、出た後の対処法が問題だった感じかなー?
(ラピーナ>真面目な人がことごとくいなかったから遊び放題だったよー
(ルート>ぐすっ…日天さん何処ぉ……? 寂しいよぉ……
(ライサ>よしよし、元気出してルートお姉様

>三尾(幼気がわがままだったら葉さまは何で使えないんでしょう。
(裂邪>老けてるんじゃね?
(理夢>言い方が悪すぎるだろ。せめて『幼くない』って言えよ

>>879
>待てよこれ、彼の救済よりもあれなのは彼女の方の…?
それ以上はやめろ、俺の新しい扉が開きそうだ(ぁ

>そしてプラモデルの人とマッの人がハイレベルなやり取りを始め出したぞ…
ごめんね! 俺ってば返事書かないと気が済まない性癖持ちなの(どんな性癖だ
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 00:32:32.09 ID:ypFFMKDSO
つ「幻想ネーミング辞典」
882 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/31(火) 00:33:37.51 ID:Pof4R5ZL0
>>879
>そしてプラモデルの人とマッの人がハイレベルなやり取りを始め出したぞ…
すいません、受け答えが止まらなくなっちゃってorz

>>880
>(ローゼ>…あら、何のようだったかしら? というか裂邪さんは?
>(レジーヌ>私だけで良いなrグエッ
(ο-No.2>ううぅ……もっとお話したかったのにぃ……
(ο-No.1>………全員帰ったか。まったく、本当に何の用だったんだか
(ο-No.0>(ただのお気に入りにしては、少々入れ込み過ぎでは………?)

>あとレアな奴が『日天とルートのツーショット』、『レジーヌ×ロベルタ&羅菜&ロール(※R18)』とかw
二枚目、誰がどうやって撮ったww

>(ラピーナ>真面目な人がことごとくいなかったから遊び放題だったよー
あー、でも確かに調子乗りすぎたかも……他の作者様方、気分を害されたのでしたらお詫び申し上げます
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 00:46:42.91 ID:66WuAK0Jo
ここは日本語になんかそれっぽい読み仮名方式だ!

虹天降臨・最終幕――黄昏

↑これ全部で読み方ラグナレクな!
884 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 00:51:03.88 ID:SfL965VV0
>>881
> つ「幻想ネーミング辞典」
何それ欲しい

>>882
> (ο-No.0>(ただのお気に入りにしては、少々入れ込み過ぎでは………?)
とんでもない理由で招き入れましたからねw

(ローゼ>えーっと、裂邪さんはR-No.……
(裂邪>え、あの、ローゼちゃん?「組織」に入れってもしかしてR-No.になれってことか!?
(ローゼ>?えぇそうですわよ、それも上位メンバーとして…

その後周囲の猛反発を受けて現在に至る

> 二枚目、誰がどうやって撮ったww
(レジーヌ>ハメ撮りという奴だな、と私はしれっとNGギリギリの言葉を出す

> あー、でも確かに調子乗りすぎたかも……他の作者様方、気分を害されたのでしたらお詫び申し上げます
逆に皆もキャラ会話やろうzごめんなさいごめんなさい反省してます石投げないで踏まないでやぁんそこはらめぇ
885 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 00:54:36.27 ID:o/AKxglK0
>>883
> ↑これ全部で読み方ラグナレクな!
その心意気がすげぇよwwwwww

逆なら考えてるんだけどなぁ、横文字を日本語っぽく
『ラグナロク・レンディーヴィル(黄昏裂邪)』とか
886 :以下、名無しにかわりまして ジョン がお送りします[sage]:2012/01/31(火) 00:58:52.04 ID:UWOtb8ao0
ぬっ、説明が足らなかったか
後半からο-No.0とR-No.0のハイレベルな
心理的駆け引きを見せられてるかのように錯覚し
外野から「ぐぬっ…くっ…?」とか思いながら見てたわけだ
887 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/31(火) 03:44:03.69 ID:EsU5Y4AAO
投下された皆さまおつですよー
一週間来られなかったらえらい進みようだ

>>754->>757
せ…セージ君が壊れた…?

>>758->>762
なんだかサンジェルマンのきな臭さが見えてきたというか…でもサンジェルマンの部下だからすんげえ変態なのかも

>>763->>770
暦ちゃんテラカッコヨス
こんなヒロインは憧れですなあ

>>774
少年すげーwwww
きっとこの後エロ不幸な目に遭うんだろうなこのこっくりさん…

>>792->>793
小人さんたちかぁいい!
お持ち帰りぃ〜(実用的な意味で)

>>796->>798
明日真くんかっけぇぇ…かっこいいヒーローに成長したなぁ

>>803->>810
飲みかけの紅茶と崩壊した腹筋返して…

>>813
紫亜ちゃん…根性出すポイントが…

>>816
もげろと言うべきか、押し倒せというべきか…どっちにしろ応援してやりたくなるな

>>823->>826
すごい説得力…
笛の人のキャラは行動原理に筋が通っているので見習いたいですの

>>828->>829
組織のれっきゅん格好いい…しかし南極でいったい何がwwwwww

>>833->>
トトちゃんかぁいい…
しかし明日真くんはほんとに強くなったなあ
おまけに大人の男になっている

>>843
ゼロりん…貴女のことは嫌いじゃないぞ

>>862->>863
ちょwwR-No.がカオスwwww
日天さんに差し入れですの
つ胃薬
そしてゼロりんをそっと愛でる会に参加希望

>>864->>865
…痛そうだけど、それで幸せならいっか。

>逆に皆もキャラ会話やろうzごめんなさいごめんなさい反省してます石投げないで踏まないでやぁんそこはらめぇ
ノイ「えーっと、こう踏めばいいの?」
飛縁魔「もう少しばたつくまで踏んでやるといいのよー」

ジャガー人間編の続きを投下。
今週中くらいにニャル様編も投下させていただきます。
あと、今回ウラシマと赤坂姉妹は出てきませんが、о(オウ)-No.は夢や記憶、肉体年齢を操作できる能力者を抱え、
被害者のアフターケアを重点に置いた部隊であるとさせていただいていいでしょうか?
888 :少年と少女と居候 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/31(火) 03:45:24.24 ID:EsU5Y4AAO
「いたっ!」
 小さく悲鳴をあげて、黒髪の少女が転んだ。セーラー襟のワンピースと揃いの白いベレーが転がる。
「「「ババリバリッシュ!!!」」」
 転んだ少女を獲物と見たジャガー人間達が少女に飛びかからんと地を蹴った。

「ばくはつしろー!!!!」

「「「ババリ…!!」」」
 無論爆発はしないものの、一声で聴覚を破壊されたジャガー人間達が平衡感覚を失い
 もんどりうって地面に転がったところを飛縁魔とリジーが手早く掃討する。
 その間にノイが起き上がり、駆け寄った柳と一緒に小さな交差点へ出る。
 見た目には大したダメージはないようだ。
「中学校はこっちでいいんだよね?」
 柳の言葉に極が眉を微妙にひそめ、
「中学校ですか…墓地ではなくて?」 
 確認というよりむしろ控えめな不同意のような言い方が、ムーンストラックと柳には少々引っかかった。
「極。どうした?」
 いささか気遣わしげに表情を覗き込まれて、極の気分は落ち着かず、視線を外してやり過ごす。
「極くん、学校じゃ嫌なの?」
 「そりゃーお年頃の男子ですもんねぇ。
クラスメイトに家の人と居るところなんて見られたくもないわね」
 飛縁魔は少々からかう調子だ。
 家の人。
 リジーは別にして、彼らとの関係は「居候」それで片が付くが、ひとりだけそうではないのがいる。
 柳の言葉を受けたノイが学校がヤなの?トーコーキョヒ?フトウコウ?と
 テレビやら何やらで中途半端に聞きかじったらしい単語を並べて、
 具合が悪いのかと額に手を当てようとした時
「触るな!」
 極の大声と共にノイの手が弾かれ、一同は一瞬唖然として極を見つめた。
「い、イタル…?」
 たいして痛くもなかったものの、驚いて弾かれた手をさすりながらおそるおそる極を見上げるノイ。
「あ…」
 極も自分のしたことに驚いた様子で自分の手と皆の表情に忙しく視線を往復させた、その時。

「「「ババリバリッシュ!!!」」」

 動揺が全員の反応を鈍らせ、気がつけば囲まれていた。
「間に合わない!?」
 飛縁魔の炎とノイの声が発せられるより早く飛びかかってくる。深手は免れない、たとえ死なないにしても。
「イタル様!」
 未だ棒立ちの極をリジーが伏せさせ、隠すように覆い被さった刹那。
 さながら陽の光のような眩しい煌めきと、発砲と言うにはいささか重厚な衝撃音が、彼らを救った。
『……?』
889 :少年と少女と居候 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/31(火) 03:46:18.40 ID:EsU5Y4AAO
 一同が周囲を見回すと、すぐ近くの民家のベランダに、ひとりの少女と、その後ろには長身の若い男。
 ジャガー人間達は全て光となって四散している。
「はろろーん、なのですよ」
 小さな王冠の乗ったピンク色のツインテールヘアに、裾に天使の絵画をプリントした膝上丈の黒いドレス。
 ごく標準的な日本の風景には限りなくミスマッチな風体にも恥じらうことなく
 悠然と手を振りベランダから飛び降りた。
「幻!」
 駆け寄るノイはごく自然に受け止めているようだが、
 その身形といい、いきなりどこぞのベランダから挨拶かますようなアレな振る舞いといい、
(可愛いけど、頭は少々可哀想なのかも)
 と、柳と飛縁魔以外の全員は少々引いた。
 ちなみに柳が引かないのは、幻と知己を得た際にはっきり
「この子、変な子」
 との感想を抱いたため、今更驚きもしない所為ではある。
 飛縁魔は飛縁魔で、柳から話には聞いていた珍妙な少女の実物に興味津々と言ったところ。
「後ろのおにーさん、あんたの彼氏?」
 幻の後ろのライダースジャケット姿の青年に向かって、飛縁魔の遠慮ない一言。
 ノイも興味があるのか、わくわくした面持ちで幻と青年を見比べている。
「ひどい誤解なのです。ばざいとしゃいしょーをよーきゅーするですよ」
「それ、俺のセリフ」
「危ないではないか!女性があの様な…だいたいあの家は貴女の家か」
「ツッコミ所はそこなのか」
 少々ズレたムーンストラックのツッコミと、それに更にツッコむリジー。
 幻は涼しげにそれらを聞き流すと、マタタビオフに行くのですよーと学校の方向を指で示した。
 わーいと歓声を上げて駆け出したノイをムーンストラックが慌てて追いかける。
「極くん、いいの?」
 柳が肩にそっと手を置いたが、極の表情は硬いまま。
 その極を気遣うようにリジーが寄り添い、駆けていくセーラー服の後ろ姿を睨みつけていた。


続く
890 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/01/31(火) 05:24:18.39 ID:EsU5Y4AAO
忘れてた。
前のお話は>>311->>315です。
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 07:05:40.58 ID:7t4foyEDO
>>879
くくく…気づいたか
そもそもこの作品の裏設定に
※聖母様は契約者ではありません
※聖母様はろくでもない神様の類です
※聖母様は青年の悪性をこそ愛してます
ってのがあるんだよ!
いくら体が丈夫だからって人間の精神であんな行為に耐えられるわけないじゃないですか!
悪党には悪党の神が居るんですよ
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 07:29:57.78 ID:7t4foyEDO
鳥居の人乙でした
ジャガーマン騒動か…
なんか久しぶりな気がする
893 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 08:07:22.71 ID:WB3tmA9X0
>>886
> 外野から「ぐぬっ…くっ…?」とか思いながら見てたわけだ
なるほどそういうことでしたか。てへっ♪(
因みに俺は駆け引きだなんてウヒヒヒヒ

>>
894 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 08:26:00.11 ID:otQFiLyT0
すまぬ、途中投下と共に書き忘れだorz
鳥居を探すの人乙です〜
極くんの本心が垣間見えたか…さてどうなる
そしてまほろんかぁいいよまほろん、まほろんは俺の妹

>>887
> 飲みかけの紅茶と崩壊した腹筋返して…
犬嫌いになる頃のれっきゅんあげるから許してちょ(許せねぇ
なかなか受けたようで満足ですの

> 組織のれっきゅん格好いい…しかし南極でいったい何がwwwwww
まさかあれが『夢幻泡影』最終回のネタバレだとは誰も思うまい(

> つ胃薬
(日天>あぁ、ありがt
(ルート>素人が選んだ薬なんてダメぇ!! はい、アタシが処方した胃薬ぃ♪
(日天>え、あ、あぁ……有り難く頂こう;

> ノイ「えーっと、こう踏めばいいの?」
ノイノイに踏まれるとかなんていうご褒美
今日一日頑張れるぜグハァ(

> 被害者のアフターケアを重点に置いた部隊であるとさせていただいていいでしょうか?
おぉ、なんか面白そう
俺はそれでいいと思うぜ!

>>891
> いくら体が丈夫だからって人間の精神であんな行為に耐えられるわけないじゃないですか!
いや貴方のキャラなら割と耐えられそうだよwww
しかしそうだったのか…

>>892
> なんか久しぶりな気がする
ごめんなさい、いやマジでごめんなさいorz
もう3ヶ月も経ってる…ペースあげねぇとまずいな
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 18:38:37.35 ID:7t4foyEDO
もっと人を呼び込む案は無いかしら
ROMってる人は多いのだと揉めたり妖怪蘊蓄大会になるたびおもうけど
896 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 18:51:53.77 ID:2/CtR1sr0
>>895
>もっと人を呼び込む案は無いかしら
例えばプラモデルの人は、犬神憑きと怪人アンサーの人の「某教団の自動小銃が云々」で自分の命を弾丸に変えるという発想に惹かれて参加なさってた(と勝手な解釈、プラモデルの人ごめんなさいorz)ので、
なんか「そんな事できるんだ!」みたいな意外性のある使い方をばしっ!と決めてみたりとか

ただこれまでの話を読んでると、鬱単発とかはその傾向が多い気がする
つまり、鬱が苦手な人とかは来てくれない可能性もある
という訳で、なんかヒーローヒロインやってるような奴で意外性のある使い方をすれば!って言われてもどうやりゃ良いんだよというのが率直な感想(お前が言い出しっぺだろ
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 19:54:06.89 ID:ypFFMKDSO
27日にまとめた単発が60くらい閲覧されてるから
それくらい人はいるんだろうな

898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage]:2012/01/31(火) 20:26:06.48 ID:UWOtb8ao0
>>897
ごめんそれ俺が何度でも見てる所為
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage]:2012/01/31(火) 20:37:50.26 ID:UWOtb8ao0
いや、しかし
俺が7、8回くらい更新していたとしても
差し引けば40〜50強の人は見ている、はずだ

影男の人よ、要はJOJOの様な話もあっていいのでは、ということか
あのような機転を書くのは面白そうで、結構難しそうでもあるな
900 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 20:43:09.80 ID:2/CtR1sr0
>>899
>影男の人よ、要はJOJOの様な話もあっていいのでは、ということか
何だかんだ言って未だにジョジョ読んでないから分かんないけどきっとそういう事だと思うぜ!(
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 21:02:20.61 ID:ypFFMKDSO
沖縄とは珍しい
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/01/31(火) 21:13:12.22 ID:UJ4B5o1P0
いかん、大事なことを忘れていた
主に、シャドーマンの人辺りに伝えたほうがいいんじゃね?って事を

……今日は、「愛妻の日」だ
903 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/31(火) 21:18:17.28 ID:Pof4R5ZL0
>>886
>心理的駆け引きを見せられてるかのように錯覚し
いや、あれは『穏健派のこういった考えに対しゼロりんならどう返すだろうか』って考えてたら自然と筆が動いてたというか……
ハッ!もしや、これが影の人の言う『キャラの一人歩き』と(黙

>>887
>少年すげーww
実際、この作業中もずっと十円玉から指を離してないので【こっくりさん】のルールを破った事にはならないのですよ
そして相手がルールを守っている以上、【こっくりさん】も出された質問に答える義務があり……(ΦωΦ)フフフ…

>きっとこの後エロ不幸な目に遭うんだろうなこのこっくりさん…
>>820にて大いに妄想してください(ぉぃ

>紫亜ちゃん…根性出すポイントが…
根性ではありません、愛です(ぇ

>ゼロりん…貴女のことは嫌いじゃないぞ
彼女にも色々あったのですよ

>そしてゼロりんをそっと愛でる会に参加希望
(ο-No.2>はーい、一名様ご案内ー♪

>>896
>例えばプラモデルの人は、犬神憑きと怪人アンサーの人の「某教団の自動小銃が云々」で自分の命を弾丸に変えるという発想に惹かれて参加なさってた
はい、あの話を読んだのがきっかけでこの世界、もとい都市伝説に興味を持ったのは間違いないです
皆様、不束者ですが今後ともよろしくお願い致します!

>>902
1月31日→1、31→I、31→あい、さい→愛妻か!
904 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 21:19:18.19 ID:2/CtR1sr0
>>902
>……今日は、「愛妻の日」だ
時期的に連載終わってる筈なのに裂×ミナを書けと仰るかwww
いや待て落ち着け俺、愛妻家はまだいる……そうか日×ルーか!
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/01/31(火) 21:21:22.64 ID:7t4foyEDO
思えば初期笛はジョジョ路線を狙ってた
気がする
906 :ジョジョ路線がDB化してた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/31(火) 21:41:49.01 ID:XrqllRug0
【陛下と僕と獣の数字 第七話】

「……疲れた顔してどうしたの?」

「ハッハッハ、二人共眠れなかったのか?
 はしゃぎ過ぎてしまって眠れないなんて中々可愛い所があるではないか!」

「……いや、その、あれだ」

「なんでもないです、ええ」

 約束の日、遊園地に現れた二人は妙に疲れた表情をしていた。
 いったい何があったのだ。
 一晩中どこかでゴミ拾いのボランティアでもさせられたような顔してやがる。
 クラスメートとして純粋に九郎くんの心配がしたくなるよ、うん。

「そうかそうかならば良い!今日は同じクラスに居る契約者同士親睦を深めようと思ったのだ!
 まずはあの遊園地に行こうではないか!安心しろ、私は四人分の年間フリーパスを持っている」

「な、いつの間に……!?」

「この前雑誌についてたはがきを送ったら当たった」

 まさに皇帝特権である。

「さあクロウ、そして謎の都市伝説よ!」

「いや、あの、大声で都市伝説と言われても……」

「おお済まなかった、お前の名前を聞かせてくれ
 私の名前は……」

「もうお聞きしました、私はトトと呼んで下さい」

 少女の名前はトトさんというらしい。
 まあ髪の色や肌の色は変わっているが外国人の多いこの街ではそれほど目立たない。
 陛下に対しても中々堂々とした態度である。
 都市伝説には無意味に傅く輩が多い中で、彼女は礼を尽くしながらも威厳は保っている。
 陛下に大声で名乗らせなかったのは気遣いからだろう。

「ところで陛下」

「ふむ、クラウディアでよい」

「ではミス・クラウディア」

「なんだ?」

 男連中置いてけぼりである。
 僕は鷲山に話しかけようと思い口を開きかけた。
907 :ジョジョ路線がDB化してた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/31(火) 21:43:19.73 ID:XrqllRug0
「貴方は何故尾行をそのまま放っておいているのですか?」

 え?トトさん貴方何を言って……

「我が威光に惹かれて寄ってくる羽虫程度、一々構っていられないからな
 攻撃態勢に移ったらそこで排除すれば良いが……
 お前が鬱陶しく思うならば掃除させよう」

 こいつら何言ってるんだ……
 好戦的に笑う陛下の服の袖から赤い光が漏れる。

「いえ、それには及びませんわ。どうせ殺した所でまた湧いてくるでしょう
 九郎、そいつらは警戒する必要はないよ」

「解った」

 九郎お前まで!

「うむ、良きかな良きかな」

 置いていかれているのは“俺”だった!
 ていうか鷲山お前一般人じゃねえのかよ!
 お前まで何当然みたいな顔で参加してるの?

「クラウディア、お前家でもこんな感じなのか?」

「あー……いや、流石に学校と家の半径50mくらいになると結界がきつくなるからな
 あの手の奴らも忍び込めはしないよ」

「通学路は?」

「ふん、襲われた所で倒せばいいだけだ」

 結界ってなに?
 寺か、寺の力か。画面の前のお前!俺が寺生まれだからって何でも知ってると思うなよ!?
 ていうか我が家にも結構危険が迫ってたんですね!

「ま、あれだ。細かいことは気にせずにお互いに親睦を深めようではないか!」

 陛下豪快すぎます。
 トトさんも九郎くんも苦笑いじゃないですか!

「ほれ、まずはあのスプラッシュマウンテンとやらだ!」

 僕達を引っ張ってガンガン進む陛下。
 休日だけに混んでいたが少し待っていたら僕達の順番が来た。
 回転率は良いらしい。
 スタッフの方からレインコートを渡された。
908 :ジョジョ路線がDB化してた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/31(火) 21:44:23.31 ID:XrqllRug0
「ふむ、これはなんだ?衣服にしては透明だし……」

 首を傾げる陛下。

「レインコートだよ、濡れるからね」

「成程成程」

 鷲山の方を振り返ると……

「ほら、トトバンザイしろバンザイ」

「ば、ばかにするな!これくらい一人で……」

「はいばんじゃーい」

「バカバカバカァ!」

 兄妹か、貴様ら兄妹か。
 くっ、妬ましい!あんな可愛い妹が居たら……くそっ!
 いや実の妹とか言うんじゃなくてそう見えるだけだけどさ!
 むしろ血の繋がらない妹の方が色々と……ファック!
 ファック!何故だ!何故俺には朝っぱらから
 “おにいちゃーん、早く起きないと遅刻するよ?”
 とか
 “おにいちゃーん、お弁当作ってきたから一緒にたべよ?”
 とか
 “おにいちゃん、黙っていたけど私、魔法少女プリティチャイムなんだ!”
 とか
 “そんな!?おにいちゃんがダークネビュラの幹部だったの!?”
 とか
 “どうして私をかばったのよお兄ちゃん!”
 とか
 “お兄ちゃん……大好きだよ。だから死なないで!”
 とか
 “おにいちゃあああああああああああああああん!”
 とか言ってくれる妹が……あれ?

 お れ 死 ん だ ?

 なんで!何が悲しくて妄想で死ななきゃいかんのだ!
 俺は妹なんぞ要らぬ!妹故に人は悲しまねばならなくなる!
 妹故に人は苦しまねばならなくなる!
 ならば俺は妹なぞ要らぬ!
 うわあああああああああああああああ!

「おい、どうしたんだ金子?」

 僕を現実に引き戻したのは鷲山の声だった。
909 :ジョジョ路線がDB化してた笛 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/01/31(火) 21:45:18.23 ID:XrqllRug0
「え?」

「さっさと座らないと」

「ちょっと考え事していたんだ、すまんすまん」

 僕はそう言ってさっさと座席に座って安全装置を下ろす。
 しばらくすると水の上にプカプカ浮かぶジェットコースター的なあれが動き始める。
 スプラッシュマウンテンの始まりだ。
 ゆっくりと坂を登っていく機体。
 頂点まであと少し。
 ……そういえば、陛下はどうした?
 さっき考え事をしていた僕に声を掛けたのは鷲山だった。
 つまり陛下は僕に声をかけていなかった。

「コワイコワイコワイコワイヤッバイコレマジムリヤメルベキダッタヨモウシヌッテシンジャウッテゲンカイゲンカイ」

 ん?囁き声が聞こえる?

「ウワアトチョットジャナイカモウチョウシニノルンジャナカッタカモワタシモマダマダダナアフハハハハ」

 あれ、もしかして陛下って……

 ガクン

 その時、すごい勢いで機体が下り坂を進み始めた。
 えーっと、確か腕をあげるんだったっけ。
 じゃなくて陛下だ。

「…………」

 返事がない、ただの高校生のようだ。
 無論、僕はカメラ目線で両腕をあげてましたが。
 そりゃああんた千葉県民ですよ?
 こういうところにも来慣れていますよ。
 水を被るのも慣れたもんです。
 機体が止まる頃には陛下も息を吹き返し、何事もなかったような顔をしていた。

「いやー楽しかったな!」

 偶然僕達の前に座っていた鷲山達は気づいていない。
 陛下と楽しそうに話している。
 くっ……どうするおれ!
 どうする!

「じゃあ次はあれなんてどうかな?」

 そんな中、鷲山が指さしたのはお化け屋敷であった。
 僕の悩みなんか知らない皆はそうしようかと言ってニコニコ笑いながら歩き出した。
 
【陛下と僕と獣の数字 第七話 つづく】
910 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[saga]:2012/01/31(火) 21:49:56.95 ID:Pof4R5ZL0
笛の人乙ですー
先にまとめスレの方に上がってたので「あれっ(メ・ん・)?」と思ってました

>>908の妹妄想の流れwww完全に腹筋やられましたwww
というか陛下……まさか自分と弱点一緒だったとは(ぇ
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2012/01/31(火) 21:52:08.29 ID:XrqllRug0
陛下も始めてのジェットコースターは無理だったとさ……
この間に鷲山くん達が面白い事になってるからそれはそっちで
妹ネタは影男の人が使わなさそうなので発案者として責任もって回収
912 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/01/31(火) 22:46:10.84 ID:2/CtR1sr0
ビビる陛下可愛い抱きしめたい
てかセージの妄想wwwwwwwwwwクソ噴いたwwwwwwwwwwwww
次はお化け屋敷か…嫌な予感しかしない
笛の人乙でした〜

>>911
>妹ネタは影男の人が使わなさそうなので発案者として責任もって回収
まさかこんな方法で回収するとは思ってなかったよwwwwwww
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage]:2012/01/31(火) 23:04:25.90 ID:UWOtb8ao0
笛の人乙
細かいネタに笑っちまった
次がお化け屋敷って事は確実に来るな
914 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/02/01(水) 00:09:53.74 ID:nrR9O5WAO
>極くんの本心が垣間見えたか…さてどうなる
土砂降り後晴れってとこですねえ、お互いに。

>(ルート>素人が選んだ薬なんてダメぇ!! はい、アタシが処方した胃薬ぃ♪
(日天>え、あ、あぁ……有り難く頂こう;
愛妻の日だー!愛妻の日を実行してるぞー!もげー!!

笛の人乙ですー
あいかわらずセージ君はいい味出してるなwwww
お化け屋敷楽しみです
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/01(水) 09:47:45.78 ID:i26h69mDO
僕の探してきた最強のマイナー都市伝説大会やろうず
916 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 12:04:47.82 ID:nwlE52at0
今でこそメジャーになったが、俺が来た当時はマイナーだったんだぜ、「シャドーマン」…
マイナー都市伝説か、ちょいと頑張ってみようかしら
917 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/01(水) 14:31:24.51 ID:RND+SSMQ0
【鴉―KARAS― 第七話「疲れた」】

「疲れた」

「疲れたね」

 ため息を吐く。
 昨日の晩は妙な警官に捕まったせいで彼女らは壊れた建物の修復や遊園地のゴミ拾いをさせられたのだ。
 何故私のような非肉体派があんな労働を強いられなくてはならないのだろうか。
 “普通の人間の気持ちを理解するために能力禁止!”とか爽やかに言われても訳がわからない。
 まあ、あの警官自体は自分の正義感に忠実なタイプらしいし利用もしやすいから言うことは聞いておいたが本当に面倒だった。

「ま、これからが正念場だよ」

 そう言って九郎に軽く笑ってみせる。
 うん、と九郎は答えた。
 馬鹿だな、なんで私なんかに向けてこんな笑顔を見せるのだろう。
 ……でも一も二もなく私を信じてくれたのだから無碍に扱うのも可哀想か。
 小さな人間なりに命を賭けたのならば応えないのは神ではない。
 とはいえ実は魔術の神でもなんでもないこの私がどう応えてあげられるだろうか。
 命を還す術が使えるわけでもないし、彼の身の安全を保証できるわけでもなし。
 ま、できないんだしほうっておくか。
 利用し尽くしてそれでも生きてたら優しくしてやろう。
 なんてことを考えていた時だった。

「おお、来たか!」

 少女の声が耳に入り込む。
 私にはそれが龍の吐息のように聞こえた。
 真紅の暴君が私たちを見つけたのだ。
 人間には分からないのだろうが、私達にはあれが恐ろしくてしょうがない。
 ここからが正念場よ。
 心のなかでもう一度九郎に告げる。
 彼は静かに頷いた。

「まずはここだ!」

 少々の問答の後、私たちはスプラッシュマウンテンとやらに乗ることになった。
 昨日は似たようなものに乗っていたので大して怖くない。
 九郎に公衆の面前で屈辱的な扱いを受けた為か係員のお姉さんには完全に子供扱いされてしまった。
 おのれディズ●ー、私は十二歳ではない。三千十二歳くらいだぞ。
 しかし二人で一緒に座ることには成功したものの私たちは図らずも陛下に後ろをとられるような席に案内されてしまった。

 背後を取られた。

 これは戦場においては即死につながる失敗である。
 策を弄さずして自然と有利な状況に持っていくとは流石は獣の数字の契約者といえよう。
 とはいえ、この至近距離なら気付かれないように軽い暗示をかけることはできる。
 細かく小さな暗示を積み重ねれば獣の数字の契約者とて操ることは可能。
 なんせ私は魔術の神(ということになっている)のだから。
 都市伝説にとって大事なのは周囲からの認識。
 認識さえいじれば“そういうこと”になるのだ。
 だが、ここで下手に魔術を使えば足が着く。
 ならば私の本来の力を使えば良い。
 私の真の姿を見せてしまえば怪しまれるまもなく確実に無害化できる。

 ガタン

 スプラッシュマウンテンの機械が動き始める。
 坂を登る中で、私は“トト”としてではない本来の姿を見せようとした。
 まさにその時だった。
918 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/01(水) 14:33:19.13 ID:RND+SSMQ0
「…………ヤメルベキ……」

 背後から突き刺さるささやき声。
 馬鹿な?
 何故察知された?
 行動の気配を読んだというのか?

「……シヌッテ…」

 妙な動きをしたら殺すというのか!?
 馬鹿な、しかし既に背後を取られている以上ありえなくもない。
 警告をされているということは向こうとしてはまともに話し合う気はあるのか……。

「アトチョット……チョウシニノル……ナ」

 ――――――――やばい
 そもそも力で勝てる相手ではない。
 とはいえ向こうも下手に暴れたくはないはず。
 これでやっとこさ純粋な話し合いのステージってところか。

「フハハハハ……」

 笑っている……?

 ガクン

 機体が急に早く動き出す。
 下り坂らしい。
 とりあえず周りに合わせて腕を上げる。
 幼女っぽい笑顔でカメラにスマイル。
 さりげなく後ろを確認するとあの契約者はうたた寝をしていた。

 どれだけ大物なのだ。

919 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/01(水) 14:34:31.12 ID:RND+SSMQ0
「いやー楽しかったな!」

 獣の数字の契約者、クラウディアは笑いながらこの遊園地の地図を眺めていた。
 恐るべき相手だ。絶対に敵に回してはいけない。
 
「トト、お化け屋敷から妙な気配がするんだけど」

「知ってる」

「どうする?」

「好きにしろ」

 九郎と念話で話す。
 
「じゃあ次はあれなんてどうかな?」

 九郎がクラウディアにお化け屋敷の場所を指差し示す。
 何のつもりだ九郎?
 わざわざ怪しげな場所に行くなんて……
 とりあえず笑顔を装いながら私の中々聡い契約者を信頼してついていくことにしてみた。

【鴉―KARAS― 第七話「疲れた」 続】
  


920 :CM[saga]:2012/02/01(水) 15:13:54.16 ID:RND+SSMQ0
モンスターとか伝説の武器とか神話とか都市伝説とか魔法とかUMAとかが大好きなそこの貴方!!
自分のオリジナルの作品を発表してみたいがスレ立てはちょっと…というそこの貴方!!
ホラーもバトルもラブコメもほのぼのも鬱もエロも書きたい読みたいそこの貴方!!

都市伝説と(ryで少し書いてみませんか?

ここはたとえ明らかに都市伝説じゃないものでも皆面白がって受け入れてくれますし、話につまったらアドバイスももらえます
確実に読んでもらえてレスもつくので創作意欲も燃え上がる!!
話を書くなら都市伝説スレだよ!!

現在は一番最初の舞台である“学校町”だけでなく、日本のアーカムシティ“夜刀浦市”を舞台にしたクロスも増えてます
このスレで夜刀浦を有名にしようという勢いでやってるのでぜひともWikiでお話をチェックしてね!!



「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5-SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/
921 :プラモデルの人 ◆Y5QFUmhmw6[sage]:2012/02/01(水) 15:29:44.20 ID:Z+Y4Ykiu0
笛の人乙です―
陛下の独り言が思わぬ効果をwwwwwwああもうこの二人可愛すぎる
そして、お化け屋敷に謎の気配か……はたして何が潜んでいるのやら

>>915
マイナー都市伝説か……ちょっとこちらでも探してみます
922 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 17:25:14.65 ID:kXftm2um0
勘違いwwwwwwwwwwwトトちゃんかぁいいなぁもう(
てかここまで考えてあの呟き台詞を書いたのかと思うとやっぱすげぇよ笛の人
笛の人乙でした〜

そして書き忘れ
>>914
>愛妻の日だー!愛妻の日を実行してるぞー!もげー!!
(日天>なっ、ま、まだ婚姻届は提出してないぞ!?///
(ルート>こここここここここ婚姻!?………キュー(パタンッ
(日天>ルートぉ!? しっかりしろ!
(裂邪>あーあ、お熱いこったねぇ
(日天>呑気な事言ってないでライサを呼べっ!?
(裂邪>キスで起こしてみては如何ですか、王子様?
(日天>焼き殺すぞ!?
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/02/01(水) 21:55:28.80 ID:/Ej6Qw5k0
>>922
>(日天>なっ、ま、まだ婚姻届は提出してないぞ!?///
魔だという事は、つまりいつかは提出するなるほど
式はいつのご予定で?
924 :[saga]:2012/02/01(水) 21:57:55.30 ID:RND+SSMQ0
くくく……トトちゃんの勘違いネタは絶対やろうと思ってたのよ
あの娘意外とばかなのよ
925 :[saga]:2012/02/01(水) 22:00:25.07 ID:RND+SSMQ0
【雪姫】

「本日は戦後始めての大寒波がこの夜刀浦市を……」

 男はリモコンを押してテレビを消す。
 寒いのは知っている。
 聞き飽きたそのニュースに彼はうんざりしていた。
 チャイムが鳴る。

「はーい?」

 こんな日にわざわざ一人暮らしの男性を尋ねる人間なんて誰なのだろうか?
 彼は覗き窓からドアの外を眺める。
 迫る灰色の塊。
 避ける暇もなく迫る、迫る、迫る。
 ぷつりと潰された眼球、眼窩を抜けて走る白刃。
 何をすることも出来ずに彼は死んだ。
 
「すまん」

 刀の持ち主は静かに頭を下げる。
 口元に巻いたマフラーを外して彼は自分の背後に向けて声をかける。

「由紀、こいつを食え」

「はい」

 男の背後から青白い顔をした和服の女性があらわれて、まだ暖かい死体に息をふきかける。
 あっという間に死体は凍りつき、男は死体から刀を引きぬく。
 雪女は男の指示通りに女性の首筋に食らいつき、凍りついた肉を引きちぎり咀嚼し嚥下する。
 口元からはゆるゆると血を流し、白い着物を紅く染めてしまう。
 目には恍惚の色が浮かび、柔らかな肉の迸りに頬が紅潮する。
 そんな雪女の様子を見て男は静かに頷く。

「おいお前たち、なにをやっているんだ?」

 男の背後からぬるりと現れる黒服。
 男は驚きもしないで質問を返す。

「そういうあんた達こそ何者だ?」

 黒服はドアの隙間に広がる情景を見て全てを察する。

「自らの都市伝説に人間を食わせて回っている契約者の存在を許す訳にはいかない」

 黒服の右手が赤く燃える。
 灯る焔、巡る火炎、黒服が契約した都市伝説の名前は“火車”。
 雪女にとっては天敵である炎を操る都市伝説。

「死ぬがよい」

 男はとっさに民家のドアを閉めて雪女を扉の向こうに逃がす。
 しかし至近距離から尽きぬ業火が刀を持った男に降り注ぐ。
 男は躱すことも出来ずにその直撃を受けた。
 
「……ふん、容易い任務だ――――――」

 炎の中から白刃が伸びる。
 黒服の腹を掠り鮮血を豪雪の中に散らす。
926 :[saga]:2012/02/01(水) 22:00:44.35 ID:RND+SSMQ0
「……惜しいな」

「くっ!?何故耐えられたんだ!」

「ユニチカ、トレカ、これが何か解るか?
 耐熱繊維だよ、炎での攻撃は良くされるからな」

 男は瞬時に黒服の後ろに回り、彼の背中を斬りつける。
 反撃に炎が舞うが一度動き出した男はまるで影のように消えては現れて動きを捉えることができない。

「しかし雪女の契約者ならばそれでも炎には……!?」

「俺は」

 黒服の胸から刀が生える。
 次の刹那、黒服の首が飛ぶ。
 ゴムマリのように飛んだ首が最高点まで辿り着く前に黒服の両腕が見事に胴と物別れする。
 男は足だけになった遺体を思い切り蹴り飛ばす。
 
「契約者ではない」

 吐き捨てるようにそう言って男はドアを開ける。
 雪女が飛び出すように出てきて男に抱きつく。

「契約者だったら……こんなことをする必要もなかったんだがな」

 彼女に聞こえないように男は小さく呟いた。

「行くぞ」

「はい」

 刀を鞘に収めると男はそのまま歩き出す。
 はるか遠くには何人かの黒服たち。
 
「……面白い」

「何故貴方は」

 感情の感じられない声で雪女が尋ねる。

「何故貴方は私に固執するのですか?」

「お前など心底どうでもいい」

「では何故契約すらできぬ貴方が私を守ろうと……」

「お前を本当に守りたいなら契約でもしてヒトクイをやめさせればいい
 俺はただ待っているだけだ……」

 近づいてきた黒服の男たちが光線銃を構える。
 蛇のように低い姿勢で光線を回避するとそのまま最速最短で彼らの側に近寄り、黒服達を真っ二つにする。
927 :[saga sage]:2012/02/01(水) 22:01:15.31 ID:RND+SSMQ0
「切る相手が現れるのを」

 カチン、と刀を納めると同時に黒服の身体は真っ二つになる。

「俺は……ただ待っているんだ、お前はそれまでの役に立つ暇つぶし道具だ
 この街には切り刻みがいのある敵が居る、そいつを見つけるまで俺は動かない」

 男はため息を吐く。

「さて、なんでお前は俺の顔をまじまじと見ているんだ?」

「へ?いや、なんでもないです。なんでもないですよ」

 男はまだ知らない。
 雪女が契約をした所で人食いをやめられないかもしれないことを。
 男はまだ知らない。
 雪女が男に心惹かれてしまっていることを。

「さて、今日の宿を探すか」

「お金が……」

「適当に殺して奪うか、奪うかすれば良いだろう」

 都市伝説による食人と、人間による殺人、別々に行われる事件故、手が出しづらい。
 かくして魔剣士と雪姫は今日も旅を続けるのであった。

【雪女 おしまい】
928 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 22:06:03.80 ID:kXftm2um0
>>923
>式はいつのご予定で?
(日天>……す、する予定は無いz
(裂邪>日天の初告白を記念して今年の7月21日に、現場となった海水浴場を占拠して盛大に披露宴を行う予定だ
(ローゼ>R-No.総出でお祝い致しますわ♪ 勿論、所属の契約者さん達もご一緒にね♪
(裂邪>清太に漢、百花先輩達も呼んでやろう。タキシードとウェディングドレスはロビィちゃんが持ってる筈だ
(ローゼ>料理はミナワちゃんに任せて、フルーツは蓮華ちゃんが…あぁん今から待ち遠しいですわぁ♪
(日天>……………(←嬉しさ半分で半泣き

>>924
>あの娘意外とばかなのよ
おにゃのこはちょっと抜けてるくらいが丁度良いんだぜ
トトちゃんハァハァ
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2012/02/01(水) 22:08:44.35 ID:RND+SSMQ0
>>928
しかし抜けてるとパートナーとしてはなあ……
というのもあって笛作品の女性は基本的に女狐ってます
ぼくのかんがえたさいきょうひろいんである霙ちゃんとか霙ちゃんとか
930 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 22:16:12.13 ID:kXftm2um0
あぐぅ!?被りそうだったごめんなさいorz
笛の人乙です〜
人食いの「雪女」だなんて珍しい、そしてちょっと物悲しい…
彼は雪女ちゃんの気持ちに気付いてくれるのだろうか
そしてやっぱり言っちゃう、もげr(切り刻まれて食料になりました

>>929
>しかし抜けてるとパートナーとしてはなあ……
(裂邪>プチンッ
(ナユタ>『あまり若い内から怒ってばかりだと老けるよ?』
(裂邪>お陰様で老けねぇよ!!

>ぼくのかんがえたさいきょうひろいんである霙ちゃんとか霙ちゃんとか
ホントに好きだな霙ちゃんwwwwwwww
笛の人にここまで愛されるキャラも珍しい(マテヤ
931 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/01(水) 22:17:05.84 ID:Z+Y4Ykiu0
>>924
>あの娘意外とばかなのよ
慢心やうっかりで逆転されるのもまたニャル様らし………おや、こんな時間に来きゃ(ry

>>928
>(ローゼ>R-No.総出でお祝い致しますわ♪ 勿論、所属の契約者さん達もご一緒にね♪
紫亜や大尉も参加できると聞いて
932 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/01(水) 22:22:02.02 ID:Z+Y4Ykiu0
笛の人乙です!
人喰いを止められない雪女か……過去に何かあったのか、生来のものなのか
そして剣士はもげてい(氷漬けにされました

そういえば火車は我が地元の妖怪ではないか
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/01(水) 22:26:44.19 ID:i26h69mDO
>>930
北辰一刀流を使う魔剣士と儚げで生まれながらにして悪でしかあれなかった雪姫
という組合わせで最強伝説やりたかったんだ…
霙ちゃんは可愛いからなあ
一途で淫乱で巨乳で美人でクレバーだからなあ
上田が気合い入れて仕込んだだけはある
>>931
まあうっかりは常備ですよねえ
トトちゃんも神様モードなら…
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/01(水) 22:30:09.06 ID:i26h69mDO
>>932
人食いはどうなんだろうねえ
普通は要らない筈なんだけどねえ
心の力の不足は人食いじゃなくても生活に不足ない程度にはたまってる筈だし
剣士さんがあれしてるぶん
935 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 23:03:10.01 ID:kXftm2um0
>>931
>慢心やうっかりで逆転されるのもまたニャル様らし………おや、こんな時間に来きゃ(ry
無茶しなさって……

>紫亜や大尉も参加できると聞いて
(ローゼ>どうぞどうぞですの♪
(裂邪>紫亜さん、ついでに彼氏さんも呼んでみたらどうすか?

そういや紫亜ちゃんって高校何年でしたっけ(←ド忘れorz

>>933
>という組合わせで最強伝説やりたかったんだ…
意外な組み合わせでかなり新鮮よね!
伝説と言う事はこのまま続くか今後何らかの形で登場したりするのかしら

>上田が気合い入れて仕込んだだけはある
全くだぜ、上田もげろもげろ(
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/01(水) 23:08:55.29 ID:i26h69mDO
>>935
笛式李書文みたいなのやりたいからたぶん夜行くんみたいにそこかしこで現れる予定
やつの父は上田のパパに流派の誇りをかけた決闘で殺されてる

霙ちゃんなら上田の首にキスマークつけて第十五次上田家大戦の火種になってるよ
937 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 23:15:26.45 ID:kXftm2um0
>>936
>やつの父は上田のパパに流派の誇りをかけた決闘で殺されてる
親の復讐でvs上田とかやりそうだなー…とか思ったけど
彼がそういう目的は無いか、上田が「親の事とか押しつけんなよー」とか言って華麗に逃げるかのどっちかかなぁとか勝手な妄想orz

>霙ちゃんなら上田の首にキスマークつけて第十五次上田家大戦の火種になってるよ
多い多い多いwwwwwwwwwwwww
938 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/01(水) 23:15:47.08 ID:Z+Y4Ykiu0
>>935
>(裂邪>紫亜さん、ついでに彼氏さんも呼んでみたらどうすか?
(紫亜>かれ………ふぇぇぇぇ!?
(どうしよどうしよ誘おうとは思ってましたけどこのままR-No.内で有間君が彼氏認定にいえ嬉しくない訳ではないんですがでもこんな外堀を)
(殺人鬼>(ああ、今日の紫亜も可愛いなぁ……しかしRainbowもおかしな事を言う、契約者である紫亜に私がついていくのは当然であろうが)

>そういや紫亜ちゃんって高校何年でしたっけ(←ド忘れorz
確か冬の時点で高二の設定でしたので、今年で高三になりますね
ちなみに出井の誕生日は紫亜より早いので、9月に入るまで一つ上になります

>>933
>上田が気合い入れて仕込んだだけはある
己上田
939 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/01(水) 23:17:05.91 ID:Z+Y4Ykiu0
>>936
>霙ちゃんなら上田の首にキスマークつけて第十五次上田家大戦の火種になってるよ
オーケー、まず何処から突っ込もうか
940 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 23:29:26.03 ID:kXftm2um0
>>938
>(どうしよどうしよ誘おうとは思ってましたけどこのままR-No.内で有間君が彼氏認定にいえ嬉しくない訳ではないんですがでもこんな外堀を)
(裂邪>(ブーケを紫亜さんに渡しちゃおう大作戦ー)
(ロベルタ>(イエーイ!)
(凛々>(ルートにはもう言うといたで!後はバレんように他の連中にこの事を知らせるだけや!)
(ラピーナ>(それに2人を何とかして隣同士にしなきゃいけないんだよー、シャアちゃんってあんなだし、「殺人鬼」も邪魔しそうだよー)
(裂邪>(終わるまで気絶させようか?)
(凛々>(そら流石にやりすぎちゃう?)
(ロベルタ>(穏便に穏便にー!)
(裂邪>(だな。黒服で人込みを作って誘導及び離別させるくらいか)

きっとこんな作戦会議が行われてるに違いない

>ちなみに出井の誕生日は紫亜より早いので、9月に入るまで一つ上になります
そうでしたか、有難うございます〜♪
百花よりも一学年上か、覚えておかねば
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2012/02/01(水) 23:30:49.97 ID:RND+SSMQ0
>>937
第一次は上田の話のラストであった親子喧嘩な!
第十三次は朔夜ちゃんの話のラストであった親子喧嘩な!
也「偶には親子で風呂入ってみた」
尊「うわ親父傷だらけだな、攻撃かわせなかったのかよワロッシュ」
也「傷は男の勲章って言葉も知らないのか?」
尊「……ってあれ、おい首筋のそれなんだよ。母さんは昨日俺と一緒に観光してたから……」
也「あ、うわやっべ……」

   開  戦  !

>>938
霙ちゃんはあれだよ
中学生だけど小学生の頃からえろえろ仕込まれてるから
まあ妙な女になびくよりはマシだしなんだかんだで奥さん最優先だから許されてるけど
お前は二番目なって毎回言われる霙ちゃんぇ……
942 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 23:36:11.87 ID:kXftm2um0
>>941
>第十三次は朔夜ちゃんの話のラストであった親子喧嘩な!
っちょ、ほぼ年に1回あるじゃないすかwww

>   開  戦  !
敢えて妙なところをツッコもう
風呂場で暴れんなwwwwwwwwwwwwwww

>お前は二番目なって毎回言われる霙ちゃんぇ……
それでも二番目なのか…看護師さん…友美ちゃん……(もうやめろ
943 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/01(水) 23:41:21.32 ID:Z+Y4Ykiu0
>>940
>きっとこんな作戦会議が行われてるに違いない
なんかとんでもない計画が進行しつつあるww
というかラピーナは「シャアちゃん」って紫亜の事呼んでたんですね

>まあ妙な女になびくよりはマシだしなんだかんだで奥さん最優先だから許されてるけど
えーw

>お前は二番目なって毎回言われる霙ちゃんぇ……
二番目でも……と思いつつ上田に尽くすのが健気すぎるんですが
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2012/02/01(水) 23:46:07.74 ID:RND+SSMQ0
>>942
友ちゃんは色々とランクづけできぬお方
看護婦さんとはわりとドライな関係
その他もろもろの前では適当かましてます
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]:2012/02/01(水) 23:47:11.80 ID:RND+SSMQ0
>>943
いい子です霙ちゃん
だから笛人気はたかいのですよ
上田の浮気は血統だから仕方ない
戦闘民族だから血が絶えないように気を使ってるんだよ
946 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/01(水) 23:49:58.04 ID:kXftm2um0
>>943
>というかラピーナは「シャアちゃん」って紫亜の事呼んでたんですね
『ラピーナは他人を本名で呼ばず自分が勝手につけたニックネームで呼ぶ』という設定があったのをド忘れしてまして(ぁ
即興で考えた結果、「シャアちゃんでいっかぁ♪」ということにorz

そうなると裂邪はどう呼ばせようか、『にじ』か『なな』か『れっきゅん』か…
947 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 00:02:24.33 ID:c3hxdchU0
あ、>>946のラピーナの設定はR-No.以外ね(ローゼとかは普通に『ローゼさん』とか呼んでる
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 14:45:19.76 ID:iY6Jm6qz0
ラピーナちゃん祭りも始まると聞いて
949 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 18:05:13.00 ID:/hHXP7W60
>>948
どんな祭だよwwwwww
950 :笛ぇ……、ラピーナちゃん祭りはっじまっるよー ◆2PnxfuTa8.[saga sage]:2012/02/02(木) 18:15:06.86 ID:3Gi0BwwE0
くそっ、IS気になってたのに打ち切られた!
どんな話かまったく知らねえよ地区証明!
メズール様がヒロインとかまじかよおい!
なあ!首置いてけヨォ!
951 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 18:17:33.41 ID:UDMBdwJC0
キュアホワイトがヒロインだと…見ておくべきだったかorz
ってか何始めようとしちょるwww
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/02(木) 18:27:00.94 ID:NBpxZsqDO
>>951
ラピーナちゃんの話を大の男がよってたかって書くラピーナ祭りがはじまるよー
953 : ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:50:32.80 ID:3Gi0BwwE0
【陛下と僕と獣の数字 第八話】

 という訳でお化け屋敷。
 病院風である。
 ここは不景気の煽りを受けて倒産した病院で、怪しげな実験の犠牲者達の霊が未だに彷徨っているという設定なのだそうだ。
 まあ怖い。
 しかし……

「ハッハッハ!これがお化け屋敷か、私は始めてだから楽しみだぞ!」

「えーん、お兄ちゃん怖いよう」

 こいつらのほうが怖い気がします。
 ていうかトトさん妹キャラで通すことにしたんですか?
 キャラぶれ過ぎじゃないですか?

「はいはい……コレ終わったら次どこ行こうかな」

 おのれ九郎、トトちゃんを適当にあしらいやがって!
 妹だぞ!?血の繋がってない妹だぞ!?
 世界遺産レベルのレア物だ、そんなものエロゲかエロゲかエロゲの中にしかいない。
 それこそ可愛いメイドさんレベルの貴重品だ。
 そんなトトちゃんをわりと適当に扱ってるなんてどうなんだそれは!

「チェッ、食いつき悪いなあ」

「トトとやら、私をお姉ちゃんと呼んでもいいぞ
 妹という物は今まで持ったことがないから少し興味深い」

「え?」

 妹キャラにこっちが食いつくとは思わなかった。
 確かお兄さんはいたんだけど権力争いに巻き込まれて全員暗殺されてたとか言ってたっけ。

「……おねえちゃーん」

 うひょひょひょひょ、かわええのうwwwwwかわええのうwwww
 
「コレはイイ( ゚∀゚ )!
 トト、お前は私の妹になれ( ^ω^ )!」
 
 陛下気に入りすぎです。
 どんだけ家族愛に飢えてるんですか貴方は。
 トトさん戸惑っているじゃないですか。
954 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:51:18.26 ID:3Gi0BwwE0
「これは命令である!」

「は、はぁ……」

 陛下トトちゃん肩車し始めちゃったよ。
 くそっ、百合百合しいなあ……妄想が猛るなあ。
 女が二人並んでいればカップリング楽勝です。

「お客様四名様でお願いします」

 僕達はフリーパスを見せてお化け屋敷の中に案内された。
 
「どういう順番で行くの?」

「ここはやっぱ男二人が前後を固めるべきじゃないかなあ」

 鷲山が当たり前のような顔で言い放つ。
 冷静に考えろ鷲山、多分そこの女子ニ名は俺たちより強い。

「妹( ^ω^ )妹( ^ω^ )」

 陛下はもうどうでもいいかんじですね。

「…………」

 トトさんブルー入ってますね。
 猫に弄ばれる鼠レベルのブルーですね。
 都市伝説にとって彼女は恐ろしい存在らしいし当然といえば当然か。

「じゃあそれで良いんじゃないの?」

 そんな状況で反対意見など言える筈もなく、僕は一番前を任されることになってしまいましたとさ。
 賑やかに僕を盾がわりにしながら僕達はお化け屋敷の中を進む。
 会話はない。
 おどろおどろしい音楽と共に正体不明の笑い声や通路から突然伸びる腕が僕達を驚かせる。

「キャキャキャキャキャキャ!」

 けたたましい声をあげながら人体模型が倒れこんでくる。

「うわっ!」

 驚いて転びそうになりながら後ろに飛び退いた。
 ポスッ
 バランスを崩して転びそうになった僕を柔らかい何かが受け止める。
955 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:53:15.58 ID:3Gi0BwwE0
「わーお」

 トトさんの声。

「……セージ、貴様なにをやっておる」

 やや怒り気味陛下。

「え?」

 成程、どうやら陛下の胸に当たったらしい。
 コレほど柔らかくて張りのあるものはおっぱいしかあるまいよ。
 鷲山の声が聞こえない辺り奴は後ろからこのToLOVEるをニヤニヤと笑っているのだろう。
 ちなみに春香ちゃんが最近でないのはキャラ造形が矢吹御大のカミさんがモデルだったからだそうな。
 
「ど、どうしたの?」

 ラッキースケベ、か。だからといってすぐに頭をどけると思ったか?
 せっかくのラッキースケベだぜ?
 俺はそんじょそこらの草食系ハーレム男子とは違う。
 庶民系一般男子としてこの一生に一度有るか無いかの機会を丁寧に堪能してやるぜ。
 後頭部で愛しの陛下の素敵なおっぱいを余す所なく堪能してやるぜ!
 あああああああ!ふわふわ!ふわふわだよお!形も良いし!
 張りもあって最高だ!伝わってくる体温とか!どことなく良い香りが漂ってくる辺りとか!
 顔を埋められなくて残念だよおおおおおおおおお!
 でもすげえええええ!興奮してくるよおおおおおお!
 忠誠心が鼻から噴き出しちゃううううう!

「この……ド変態め!」

 ややアッパー気味に後頭部に突き刺さる拳。
 ギャグマンガのように吹き飛ばされて顔から地面に激突するのだがその程度大したことはない。

「いったいなあ……、いきなり殴ることないじゃないかよぉ……」

 とまあ表面上はあくまでいやらしい気持ちなんて一切無かったアピールをしつつ起き上がる。
 振り返る。
956 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:54:23.01 ID:3Gi0BwwE0




 ――――Then there were none



 そして誰もいなくなった。
 どういうことだ?まるで出来の悪い推理小説だ。
 B級ホラーかよ。
 さっきまで俺にアッパーを食らわせていた陛下。
 それに肩車してもらってたトトさん。
 鷲山だって冷静に考えれば俺が陛下の胸に後頭部タッチした時点で既に消えていたのかも……

「……まさか、な」

 僕には戦闘能力なんて無い。
 もし今僕がバトル展開に持ち込まれたりでもしたら抵抗する暇もなく殺される。
 お化け屋敷で本当のお化けを相手にするなんて誰も思わないじゃないか。
 どうしよう助けて神様仏様皇帝陛下。

「お兄さん一人?」

 身構えながら後ろを振り返る。

「どうしたんですか?そんなびっくりして」

 おっぱい

「私はお化けじゃないですよ、もしかしてお友達と逸れたんですか?
 私もちょうどはぐれちゃった所で……」

 そこにはいっぱいおっぱいな女の子が居た。
 年頃は僕と同じかちょっと上。
 クラウディアなんか目ではなかった。
 おっぱいはパワーだ。陛下のおっぱいがギガクラスだとすると彼女のそれはテラの単位で測るべき豊乳力を持っている。
 この娘、本当に日本人なのか!?

「宜しければ一緒に行きませんか?
 女の子一人じゃあ怖いんですよね」

 いやでもお互いに知らない人同士だし……

「勿論!」

 本音と建前が逆になるのもまた人間である。

「うふふ、それじゃあ行きましょうか」

 その子の腰のポーチで魔女のキーホルダーが揺れる。
 何を思ったか彼女は僕の手を握って歩き始めた。
957 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:55:33.07 ID:3Gi0BwwE0
「ああそうそう、私の名前は美空。星野美空と言います」
 
「えっと、僕は金子セージと言います」

「セージさんってなんていうか整った顔立ちしてますよね
 もしかしてハーフの方?」

「ああ、そうなんですよ。母が外国の人で」

「成程成程、日本人離れしているわけですね」

 ※お互い様です。
 その時突然血糊べったりのナースさんが僕達を追いかけてくる。

「きゃあ!」

 僕はすばやく美空さんの手を引いて走りだす。
 男らしいですよ俺。
 ナイスですよ俺。
 しばらく走ると長めの廊下に出る。

「な、何か出ませんよねえ?」

 美空さん近いです、胸近いです。
 寄ってます、むちゃくちゃ寄ってます。
 陛下のを仮に天使のほっぺとするのならばだ。
 彼女のそれは深淵の接吻とでもいうべき妖しげな魅力がある。
 気を抜けばどこまでも堕していくことのできそうな性的魅力を秘めている。
 ……しっかし今日はおっぱいに縁のある日だなあもう。

「ははは、大丈夫大丈夫。どうせ偽物なんだから」

「こういうところって一つは本物が混じってそうじゃないですか?」

「まっさか、お化けなんて居る訳無いじゃないですか」

「セージさんってお化けとか信じない人なんですか?」

「ええ、お化けなんて居たならとっくに世間に知れ渡ってますよ」

 都市伝説を目の前にしているくせに良く言うよ、と思う。
 でも都市伝説と呼ばれるものはお化けとは違うとも思うのだ。
 あと美空ちゃんの前で格好付けたかったし。
958 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:56:12.41 ID:3Gi0BwwE0
「ですよねえ!」

「そうそう、だから楽しめる距離で楽しく付き合っていけば良いじゃないですか
 このお化け屋敷みたいに
 人間にとって役に立つならば、面白いならば居るように振る舞うのもまた楽しいものです」

「うふふ、セージさんって面白いですね」

「そうですかね?」

 いやー陛下達心配だなあ。
 でもまああいつら皆一般人じゃないし大丈夫だろう。
 むしろ心配なのは僕の方だ。

「ええ、大好きですよ。そういう考え方」

「そう言われるのは始めてだ」

「あっ、あれ出口ですかね?」

「ああ本当だ」

 もうおしまいか……
 まあ思えばこの子に会うまでに既に結構な距離歩いたし仕方ないか。
 惜しいなあ。

「良ければ連絡先交換しません?」

「え?」

 フラグがたった!
 フララがたった!
 クララがたった!

「携帯電話とかありますかね?」

「あ、ありますあります」 

 赤外線で携帯のアドレスを交換する。
 これはおそらく絶賛モテ期到来中ってことか。
 今まで生きてて良かった……。

「ぶじとうちゃーく」

 そう言ってお化け屋敷を出ると先に他の皆は出てきていた。
 やっぱりね、どうせ新しい刺客とかに襲われたんだろうけど上手いこと撃退したんだろ?
 あれ?皆若干疲れてらっしゃる?楽勝ムードではない?
 それになんか若干イライラして…………
959 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:57:15.27 ID:3Gi0BwwE0
「おいセージ、お前は何をやってるのだ」

「金子……そこの美人なお姉さまは誰だ」

 クラウディアちゃんも鷲山も待てよ、落ち着けよ。
 なんで二人共そんな般若のような表情なんだよ。

「にゅふふ……」

 トトさんなんであんたは“ヒャッハー人間のどす黒い感情が渦巻いてるぜえ!愉悦!愉悦!(まさに外道)”みたいな顔してるんですか
 そんな表情でにゅふふとか言われると可愛いじゃないですかもう

「あら、セージ君のお友達ですか?」

「え、あ……はい」

「あはは、お邪魔みたいですね
 セージくん、お姉さんは楽しかったですよ。縁があったらまた会いましょう
 さようなら〜」

 素敵な笑顔で駆けていく美空さん。
 ああ、胸が弾む。
 ただし俺のな!(まさにトキメキ)

「流石わがクラスでも一ニを争うイケメンであらせられる金子くんだ……
 お化け屋敷ではぐれた隙に女の子ひっかけちゃうとは……」

 うわああああああああ!待って!
 鷲山が背中からスタンド出してる!
 近接パワー型のスタンド出してる!
 特に鷲山の怒りがマックスになってるよ!
 理由はシンプルだ俺!俺はあいつを怒らせた!

「連絡、待ってますからね」

 耳元で小さく囁いて美空さんは素早くその場を離脱する。
 後に残された俺は笑顔の素敵な三人への言い訳を考えなくてはならないようだった。

【陛下と僕と獣の数字 第八話 続】

 
960 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:57:51.09 ID:3Gi0BwwE0
【陛下と僕と獣の数字 第8.5話〜wikiの単発作品の殺戮少女を見ると良いかもしれません〜】

「というわけです所長、代理として護衛の任務は果たして来ました」

「完璧だ、仕事はそれでオシマイ。あとは好きに遊んでくると良い」

「そうは言いますけど私一人で遊んでこいっていうんですか?」

 不満そうな声を上げてみる。
 電話の向こうから苦笑いするお父さんの声。

「できたら……お父さんと一緒に来たいなあ」

 その直後に猫撫で声で甘えてみる。
 心底可笑しそうにお父さんは笑う。

「済まないがそれはできないな。代わりに今度どこかに連れていこう」

「約束だよ?」

「ああ」

 通話が切れる。
 さて、さっさと帰ることにしよう。
 それにしても……あのセージとかいう人中々イケメンだったなあ。
 反応が初心なところも中々可愛いがいかんせん包容力が足りないのが物足りない。
 愛するより愛されたい私としてはハードボイルドで血と硝煙の香りがして雰囲気がマッチョで(ガチマッチョは引く)、でも捨てきれぬ優しさを漂わせる年上じゃないと駄目なのだ。

「お、メール」

 何台も持っている携帯の一つが鳴る。
 
「お兄さんからだわ、消去」

 基本的に小言しかないので見ないことにしている。
 友達からのメールはさっさと返信しておこう。
 映画を見に行くからついてこいとのことである。
 初めて会った時から自分勝手なところが変わらないなあ。
 でもそういうところが好きなんだけどね。

「あらこれ……」

 別の携帯にさっそくセージくんからのメールが来ていた。
 うわ……メールだとテンションたかいなあ……。
 適当に色よい返事しておくか。
 あの後お友達にボコボコにされたと思うんだけどどうなんだろう。
 まあその程度でこりるとも思えないんだけどさ。
961 :陛下と僕と獣の数字 ◆2PnxfuTa8.[saga]:2012/02/02(木) 20:59:14.64 ID:3Gi0BwwE0
「あの後は無事に友達に会えました、ありがとうございましたっと」

 偽名を使って接触した相手だから距離を置かなければならないのだろうが嫌いではないタイプだ。
 まあ友達としてメールで探りを入れるのは大事だろうし、お父さんの命令通りしっかり付かず離れずで監視しておこう。
 でもなんで都市伝説の力を使って探ろうとしないんだろう?
 それも含めて私はまだまだ学ぶ必要がある。
 より完璧な兵器でいるために。
 そして同時に完璧な兵器の運用者である為に。

「おや霙さん」

 電車に揺られて家路につく私の前に黄金の伯爵が現れる。

「伯爵様ですか、お父さんを通じて任務については報告がございますのでしばしお待ちください
 少なくともあのセージという人には言われた通りにしました」

「グッド、凡庸な青年ですがその凡庸さが何時か武器になる
 どうしようもなくなったら彼にも陛下を守るために働いてもらいましょう」

 しかし、知り合いの子供にそんな真似をさせるとはこの男も一体どういう神経なのだろう。
 
「解せぬ、という顔ですね」

「はい」

「仕方ないのですよ、わが友であり師でもある“トト神”を殺したあの少女
 あれは今相当に弱っていますから……少しでも暗殺の為の手駒を増やしたい」
 
 電車の中でそんなこと大声で言っていいのか?
 ああ、人払いは済んでいるのか。

「期待していますよ、貴女には」
 
「ありがとうございます」

 事務的に返事をする。
 伯爵はにこりと笑って何処かに行ってしまった。
 電車は家のある街の駅に着く。
 今日もまた悪いこともしていない人の命を奪うような真似をした。
 でもそれは私がお父さんの命令を聞いて私の意思でやったことだ。
 だから、良い。
 私は悪くない。
 私は幸せだ。
 私みたいな子供の中では群を抜いて幸せだ。
 私を迎えに来ていたお父さんに手を引かれて私は私の家に帰る。
【陛下と僕と獣の数字 第8.5話〜wikiの単発作品の殺戮少女を見ると良いかもしれません〜 つづく】
962 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 21:06:05.29 ID:c3hxdchU0
春香じゃなくて“春菜”だぜ(

笛の人乙です〜
何というおっぱい祭wwwwwセージもげろもげろ
消えた原因はトトちゃんルートで明らかになったりするのかしら、wktk
そしてやっぱり偽名だったか…てか明尊くんェ……
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/02/02(木) 21:06:28.93 ID:3Gi0BwwE0
とにかく次スレ立ててくる!
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/02/02(木) 21:14:13.09 ID:3Gi0BwwE0
>>962
うひょおお
うっかりミスった
もうどうにでもなーれ><
965 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 21:37:26.82 ID:c3hxdchU0
そういやToLOVEるダークネスのコミックス欲しいな…俺の愛しの美柑ちゃぁ〜ん♪(黙

>>963
おぉ、気がつけば950超えてたのね
お願いしますです

>>964
>もうどうにでもなーれ><
投げるなwwwwww
でもあれだな、美柑たんに出会うまでは春菜派だったので出てこなくなったのは少しショック…
966 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/02(木) 21:48:06.32 ID:vT3zEWmt0
ゆかなさんと言えば『ブラックキャット』のリンスとか『犬夜叉』の神無とかもでしたっけ

笛の人乙です!
あ、一応元となった【トト神】がおられたのか………しかし、トトちゃんが殺したとはどういう事か

>どうしようもなくなったら彼にも陛下を守るために働いてもらいましょう
そしてサンジェルマンが黒ーい、混沌よりも黒ーい
霙ちゃん来たのはやっぱりセージとの繋がりを持たせて、良いように動かすためなんでしょうね………
そしてこの子は相変わらずお父さん大好きだと言うwww
967 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/02(木) 21:53:14.74 ID:vT3zEWmt0
>>952
>ラピーナちゃんの話を大の男がよってたかって書くラピーナ祭りがはじまるよー
なん、ですと………!?
968 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 21:53:34.88 ID:c3hxdchU0
>>966
>ゆかなさんと言えば『ブラックキャット』のリンスとか『犬夜叉』の神無とかもでしたっけ
神無たんもだったのか……それは気付かなかった…
コードギアスのC.C.もそうだし、案外俺の好きなキャラ多いなゆかなさん
ほのかたんハァハァ
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 22:02:48.71 ID:NBpxZsqDO
トトちゃんはねえ…
トト神ですらないのかもしれない
そのうち都市伝説のデータは鯖っぽく表示予定
970 :シャドーマッ@あくまで思っただけですorz  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 22:11:37.49 ID:c3hxdchU0
何かすごく空気の読めない事を考えてしまった…


霙ちゃんが高校生である九郎くん達に『お姉さん』と呼ばれている事に気づいて、
「あぁ、霙ちゃんが成長したのかな」とかただ漠然と考えてたんだけど
霙ちゃんが初登場した『シルバームーン』は確か現代からおよそ15年後、
その彼女が登場しているという事は、彼等の話も15年後若しくはそれより後の話になってくる
さて、夜刀浦市の高校の2年B組にはプラモデルの人のいーくんことο-No.1がいらっしゃる
そして皆大好きつーちゃんことο-No.2や、八尺様の人のこよみんが夜刀浦市と学校町を行き来していることを考えると、
学校町と夜刀浦市の時間に10年以上の差異が生じている事になる
つまり……

      ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ               ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ        /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、           ,         }.    l\/  `′
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ        |   _|
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |.  \      夜刀浦市はニャル様の所為で
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   >
.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__   時間が歪曲してしまっているんだ!!
       ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'    /
       l   `___,.、     u ./│    /_
.        ヽ.  }z‐r--|     /  ト,        |  ,、
           >、`ー-- '  ./  / |ヽ     l/ ヽ   ,ヘ
      _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、       \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
     /   !./l;';';';';';';\    ./    │   _
      _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i
.     |     |:.l. /';';';';';|=  ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」 ))
      l.    |:.:.l./';';';';';';'!    /:.:.| i´|.ー‐' | / |    |. !   l
.     l.   |:.:.:.!';';';';';';';'|  /:.:.:.:!.|"'|.   l'  │-==:|. ! ==l   ,. -‐;
     l   |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l   |    l. |   | /   //
       l  |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l    l、 :|    | } _|,.{::  7 ))
        l  |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ'  ::::::|;   7
.      l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ  ::::::!′ :::|   .:/
.       l |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!   /ヽ::: `:::    ::::  ....::..../
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 22:13:58.97 ID:NBpxZsqDO
こよみん→昔の話、名誉の第一接触者
つーちゃん→黒服に年は関係ない
972 :シャドーマッ@あくまで思っただけですorz  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 22:21:03.06 ID:c3hxdchU0
>>971
有難う、その答えが欲しかった(普通に質問しろよ

やはり未来の話だったか……この時で霙ちゃん幾つなんだろう
973 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/02(木) 22:25:46.79 ID:vT3zEWmt0
>>970
>時間が歪曲してしまっているんだ!!

な、なんだってー!?

つまり、この祭りの終焉と共に夜刀浦市は『十五年前』の姿へと戻るんですか?
ちなみにいーくんもつーちゃん同様、学校町からの派遣組ですが……解決と同時に未来へ置き去り……!?

>皆大好きつーちゃんことο-No.2
なんか照れるwwwありがとうございますm(__)m

>>971
>こよみん→昔の話、名誉の第一接触者
つまり、ニャル様はまず美術館から侵略を始めたと

>つーちゃん→黒服に年は関係ない
あー成程、未来のつーちゃんか……確かにそういう考え方でもおかしくはないですね
でもそれは裏を返せば、15年以上経っても未だにレジーヌさんと戦えてないというorz
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 22:28:34.83 ID:NBpxZsqDO
>>972

>>973
成長には長い時間が要る…
もしくは
つーちゃんの最初のお話から大分時間が経ったとか
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 22:29:13.18 ID:NBpxZsqDO
>>972
そこらへんははっきり決めないよ!!
976 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/02(木) 22:29:35.49 ID:vT3zEWmt0
今更気付いた

『現代の学校町』から『15年前の夜刀浦市』に派遣されたのがつーちゃん
『15年後の学校町』から『現代の夜刀浦市』に派遣されたのがいーくん

よし!(何がだ
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 22:37:30.79 ID:NBpxZsqDO
まだ私には秘奥義
【それが同じ夜刀浦とは限らない】
が残ってる!
978 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 22:43:51.13 ID:c3hxdchU0
>>973
>ちなみにいーくんもつーちゃん同様、学校町からの派遣組ですが……解決と同時に未来へ置き去り……!?
なんかそういうストーリー良いな
使っちゃおうかしら、時空が歪んでその一帯だけ未来になっちゃってる町…あぁ、妄想が膨らむ膨らむ

>なんか照れるwwwありがとうございますm(__)m
つーちゃんかぁいいよつーちゃん
つーちゃん俺だ!食べてくれ!(何だこいつは

>>975
>そこらへんははっきり決めないよ!!
了解ですの
なんか脳内でナイスバディな大学生くらいの霙ちゃんが浮かんだのは秘密で良いよね♪(


そういやもうちょっと(単位:週間)したら夜刀浦市お借りしますの
979 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 22:45:24.65 ID:c3hxdchU0
>>977
>【それが同じ夜刀浦とは限らない】
「パラレルワールド」だと……まさか零人くんと僕等の陽子ちゃんが!?(マテ
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 22:50:34.09 ID:NBpxZsqDO
>>979
やは天

霙ちゃん大学いく年の頃にはたぶん九尾と仲良くやってけるようになってる
この辺りで霙ちゃんの幼女時代に九尾とりついてた話をしようかな
981 :プラモデルの人 ◆GsddUUzoJw[sage saga]:2012/02/02(木) 23:00:09.52 ID:vT3zEWmt0
>>977
>【それが同じ夜刀浦とは限らない】
つまり……

      ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ               ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ        /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、           ,         }.    l\/  `′
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ        |   _|
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |.  \      夜刀浦市はIFの可能性を内包した
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   >
.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__   いわば『もう一つの学校町』だったんだよ!!
       ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'    /
       l   `___,.、     u ./│    /_
.        ヽ.  }z‐r--|     /  ト,        |  ,、
           >、`ー-- '  ./  / |ヽ     l/ ヽ   ,ヘ
      _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、       \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
     /   !./l;';';';';';';\    ./    │   _
      _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i
.     |     |:.l. /';';';';';|=  ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」 ))
      l.    |:.:.l./';';';';';';'!    /:.:.| i´|.ー‐' | / |    |. !   l
.     l.   |:.:.:.!';';';';';';';'|  /:.:.:.:!.|"'|.   l'  │-==:|. ! ==l   ,. -‐;
     l   |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l   |    l. |   | /   //
       l  |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l    l、 :|    | } _|,.{::  7 ))
        l  |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ'  ::::::|;   7
.      l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ  ::::::!′ :::|   .:/
.       l |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!   /ヽ::: `:::    ::::  ....::..../

こういう解釈も(ry

>>978
>使っちゃおうかしら、時空が歪んでその一帯だけ未来になっちゃってる町…あぁ、妄想が膨らむ膨らむ
個人的にはどうぞです

>つーちゃん俺だ!食べてくれ!(何だこいつは
(つーちゃん>モグモグ……?前に食べた事あるような……

>なんか脳内でナイスバディな大学生くらいの霙ちゃんが浮かんだのは秘密で良いよね♪(
上田もげろ、マジでもげろ
982 :シャドーマッ  ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 23:17:13.12 ID:c3hxdchU0
>>980
>この辺りで霙ちゃんの幼女時代に九尾とりついてた話をしようかな
wktkせざるを得ない

>>981
>いわば『もう一つの学校町』だったんだよ!!
なぁ↑〜んだぁ↑〜ってぇ↓〜(『とある』風かよ

>個人的にはどうぞです
では有り難く
ボスキャラどうしよっかなーウヒヒヒ♪

>(つーちゃん>モグモグ……?前に食べた事あるような……
前のは『炉利に萌えるもの』と呼ばれた俺、今のは『炉利を貪るもの』と呼ばれた俺
そしてこの俺こそが『這い寄る変態』と呼ばれる俺だ!(←這い寄る変態シャドロリペッド
983 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/02(木) 23:45:13.71 ID:QhCs+xvY0
あれ、そういや新スレ立てた?
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/02/02(木) 23:48:51.47 ID:ASM5ips1o
へい旦那
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328185735/
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2012/02/03(金) 00:01:06.64 ID:sCeZeTRI0
皆様乙ー!!


このスレの間に「吸血鬼、拾いました」の続きが間に合う見込みはない

        *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    もうどうにでもな〜れ
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚
986 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/03(金) 00:12:28.40 ID:qEKYfIW50
>>984
おっと、スレ立て乙でした
987 :シャドーマンの ◆7aVqGFchwM[sage saga]:2012/02/03(金) 00:14:07.96 ID:qEKYfIW50
安定の書き忘れorz
>>985
頑張って!俺はもう無理だ!(ぁ
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/03(金) 13:26:58.22 ID:vzZNsH9DO
最近プリティベルが面白すぎてたまらない
あの作品の最萌えキャラは作者
異論は認めぬ
989 :吸血鬼、拾いました  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/02/03(金) 17:17:11.16 ID:/1lMYRJ40
 「組織」の過激派や強硬派所属の黒服や契約者を殺す事を、風夜は「狩り」と言う
 自分達が狩人、相手は獲物、と
 風夜が狩りの対象に選ぶのは過激派強硬派の中でも、非道な実験を行っていたり、悪質ではない都市伝説や契約者を「悪質であると言う事にして」殺すような連中だ
 「組織」の全てが悪であるとは思っていない
 だが、過激派強硬派には、その手の類の外道が多い
 だから、狩る
 そのような行いをしている者と、そうではない者、どう見極めているというのだ、と言う者もいるだろう
 「組織」に所属している訳でもない自分達が、そのような行いをしている者達をどう特定しているのか、と
 …それを特定するのは、いつも風夜だ
 どこかの誰かと電話で話をして、メールを受け取り、そうして、狩りの対象を選んでいく
 その電話の相手が、メールの相手が誰なのか
 10年近くも付き合ってきながら、自分はまだ、知らないのだ



「アーサー、ギル。ほら、これ」

 どこか、うきうきとした様子で、風夜がそれをアーサーとギルベルトに見せた
 ……さて、どのような反応を示したらよいものか
 アーサーは、しばし悩む
 ギルベルトの方は……こちらも、どう反応したらいいのかわからないのだろうか
 おろおろおたおたした様子だ
 風夜が見せてきたのは、どうやら外套のようだった
 マント、とでも言うべきだろうか
 夜の闇をそのまま塗り固めたような、漆黒のそれ
 まるで、映画に出てくる貴族ぶった吸血鬼が身に着けているマントによくに散る

 とりあえず、満面の笑みを浮かべてきている風夜に対して、何かリアクションをしなければなるまい
 へたにすねられても困る

「……どうしたんだ、そのマントは」
「ほら、俺、ギルと契約して吸血鬼の能力手に入れただろ?だから、今度から狩りの時はこれを着ようかと思って」
「…………目立つと思うのだが」

 夜の闇にまぎれる事も、できそうではある
 できそうではある、が
 …それ以前に、悪目立ちしそうなのは何故だろうか

 アーサーの言葉に、えー、と不満そうな声を上げる風夜
 二人のやり取りを、ギルベルトはおろおろと見守っている

「……第一、外見に特徴がついては、「組織」に目をつけられやすくなる、いいのか?」
「それは構わないさ」

 アーサーの忠告めいた言葉にも、風夜は笑ってそう答えてくるだけだ
 かすかに眉をひそめたアーサーに、風夜は続けてくる

「どちらにせよ、そろそろ、連中に目をつけられてくる頃だろうしね。だいぶ狩ってきたから」

 だからか構わないのだ、と
 風夜は、そういって笑う
990 :吸血鬼、拾いました  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/02/03(金) 17:18:55.10 ID:/1lMYRJ40
 …「組織」に目をつけられると言うのは、あまり良い事ではない
 狩りの対象にならぬ者まで、自分達を討伐対象と判断して、襲い掛かってくるかもしれないからだ
 ……それに
 ちらり、とアーサーはギルベルトに視線をやった
 …かすかに、怯えている様子のギルベルト
 「組織」に目をつけられる、その可能性が恐ろしいのだろう
 そんな臆病なギルベルトの様子に気づいた風夜
 ぽふぽふと、ギルベルトの頭を撫でた

「大丈夫だよ、ギル。「組織」に目をつけられたって怖い物なんてないさ」
「……っご、ごめんなさい………でも……」
「…大丈夫」

 どこか、意味ありげに笑う風夜
 怯えたままのギルベルトを安心させるように、言う

「…手は、打ってあるから」
「………?」
「大丈夫、詳しくは言えないけど。俺達には秘密の味方がいるからね」

 大丈夫さ、と
 そういってくる風夜

 …秘密の味方
 それが、風夜に「組織」過激派や強硬派の情報を与えている人物なのだろう、と、アーサーはそう考えていた
 その人物が、「組織」内部にいる者だろう、とも
 …つまるところ、「組織」にとっては裏切り者と呼んでもいいだろう
 「組織」の内部情報を、部外者たる…それも、「組織」の者を狩っている自分達に、流しているのだから
 いつの間に、風夜がそんな相手と手を組み始めたのか、アーサーは知らない
 もしかしたら、二人で「組織」から逃げ出したあの時に、既につながりを持っていたのかもしれない

 何故、風夜だけが、その人物とやり取りをして、自分達にその人物の情報を話そうとしないのか
 …考えた事がない訳ではない
 だが、普段はあまり、考えないようにしていた
 風夜が、信用している相手なのだ
 悪いことはないだろう、と
 …アーサーは、そう考えることにしていたのだ

 と、風夜の携帯に、メールの着信音が響いた
 この着信音は……

「…っと、いいところに」

 携帯の画面を確認して
 風夜が、笑みを深めた

「うん、ちょうどいいね」

 ばさり、と
 マントを羽織る風夜
 す、と、自分達に手を差し伸べてきた

「アーサー、ギル、行こう………狩りの時間だよ」

 風夜がギルベルトと契約してから、初めての「狩り」
 ……風夜が調子に乗らないよう、調子に乗っても問題ないよう、自分がサポートしなければ
 狩り、と言う言葉に、ぴくりと震えたギルベルトの手を取って、アーサーも立ち上がった



 さぁ、狩りの時間だ
 獲物がどんな姿をしていようが、自分達はそれを狩ってみせよう
 たとえ、その行いが間違っている、と罵られたとしても


 それが、自分達の、自分達の運命をめちゃくちゃにした相手への「復讐」なのだから








to be … ?
991 :吸血鬼、拾いました  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/02/03(金) 17:22:23.62 ID:/1lMYRJ40
ひっさびさの続き。前回は前スレのこの辺りhttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/637-641

情報を教えてくれる誰かがいるっぽい事と、吸血鬼能力手に入れてなんだか厨2秒方向にノリノリな風夜
駄目な予感しかしない
992 :吸血鬼、拾いました  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/02/03(金) 17:24:02.84 ID:/1lMYRJ40
リンクちゃんとはらさなかったけどもういーや(大の字
993 :鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ[sage]:2012/02/03(金) 19:46:23.17 ID:CUkNX5kAO
笛の人乙ですー
>>917->>919
トトちゃんああ勘違いww
とりあえず幼女っぽい笑顔見せて

>>925->>927
こーゆー一見ドライに見える関係って燃えで萌え
男の方は何かと契約してるのか…と思ったら北辰一刀流か

>>953->>961
えっちょっと待って陛下
自分もトトちゃんに(自主規制)とか言われたいから代わ(この世から消し飛びました
そして霙ちゃんの魔性っぷりすげー。一途な魔性って最強だと思う

>時空が歪んでその一帯だけ未来になっちゃってる町…あぁ、妄想が膨らむ膨らむ さすが日本のアーカム…自分も使いたいが扱いきれるか

>>989->>990
花子さんとかの人乙なんだぜ
秘密の情報網に期待すると同時に…
風夜くんが厨2のお病気に罹患していらしたとは…幻と気が合いそうだ(こいつは不治)
994 :吸血鬼、拾いました  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/02/03(金) 20:03:41.24 ID:e7meXC9D0
>>993
乙ありですのー
因みに、レスリンクつなげる場合は>>989-990って感じでやりますのだぜ

>風夜くんが厨2のお病気に罹患していらしたとは…幻と気が合いそうだ(こいつは不治)
年齢は17歳(今年時点で18歳になる予定、生き延びられたら)ですからね…
まだまだ厨2にあこがれたい年頃だったんですよ、きっと…
995 : ◆2PnxfuTa8.[sage]:2012/02/03(金) 21:57:10.35 ID:2R6r3pZM0
花子さんの人乙でした
久しぶりに読めて嬉しいっす
厨二病は男の子にとってアタリマエのことなので気にしない
勝利すべき黄金の剣をカリバーンと呼びたくなる年頃なんだよ、きっと
>>993
待ってるよ!
待ってるよ!



梅ネタで埋めちゃいますね
996 :吸血鬼、拾いました  ◆nBXmJajMvU[sage saga]:2012/02/03(金) 22:13:31.31 ID:e7meXC9D0
>>995
>久しぶりに読めて嬉しいっす
単発とかはたまにやってたけど、続きは全然書いてなかったね(瀕死

>勝利すべき黄金の剣をカリバーンと呼びたくなる年頃なんだよ、きっと
くっそwwwwwwwwwwwwww





あぁ、あと、風夜、一応「組織」にいたころはFNoに色々されてた設定で行こうとしたんですが、おkですかね?
以前避難所で聞いたんですが、その頃ちょうど笛の人武者修行中だったのかお返事いただいてない思い出なので改めて
997 :単発ネタ[sage]:2012/02/03(金) 22:16:58.06 ID:o6whOiVSO
十余人を殺した契約者の殺人鬼。
その男は今、困っていた。
「人を[ピーーー]のはですねー、悪い事なんですよー、ダメなんですよー」
先刻から周りをふらふらとする黒服の少女。
非常にうざく、殺してやりたいのだが、できない。
「人を[ピーーー]のをやめてですねー、反省しないといけないんですよー」
なぜなら、黒服の少女は「幽体離脱」と契約していた黒服であり、現在霊体だからだ。
魔よけに関係する都市伝説など、霊体に攻撃する方法を持たない契約者にはどうしようもない。
そんな少女が、一時も休まず、説教してくる。
うんざりしそうになるが、契約者はこの状況をどうにかする方法を知っていた。
「だからですねー」
「わかったわかった」
「はいー?」
「もう人を殺さない。襲わない。反省もしてる」
「本当にー?」
「本当だ」
「そうですかー」
契約者の言葉に、少女は満足そうに微笑み、消えていった。

「分かってくれましたー」
何処か、黒服の少女が満足そうに微笑んでいた。
「分かってくれたんですか……」
少女に声をかけたのは黒服の男。
「はいー、もう人を殺さないと約束してくれましたー」
「その約束、これで四回目ですけどね」
うんざりするように黒服の男は言う。
四回目、そう四回目である。
あの契約者が知っていた状況をどうにかする方法。それは少女に人を襲わないと約束する、ただそれだけ。
もちろん、契約者は約束など守るつもりなどない。
「そろそろ、ちゃんと討伐してくれませんか」
「えー?だって約束してくれたよー?」
「その約束が守られた事がありましたか!現実を見てください!!」
苛々としながら、黒服の男は声をあらげてしまう。
その言葉に少女は
「現実?」
何を言っているんだこいつは、という顔をしていた。
「嫌ですよ。そんな物は貴方達が見ていてくださいよ」
「なっ……」
少女の言葉に、男は驚き、呆然とする。
その間に少女は
「私は理想の為に生きるー、そして理想の為に死ぬ女ー」
その部分だけ抜き出せば良い台詞になりそうな事を言いながら、立ち去ってしまうのだった。

998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/02/03(金) 22:25:20.68 ID:2R6r3pZM0
乙でした
なんだそれwwwwwwwwwwwwちょっとかわいいwwwwwwwwwwww
でも駄目だよwwwwwwwwwwww

>>996
サンジェルマンに掘られた設定にしても良いのよ……
冗談ですごめんなさいお好きなようにお願いします
実は爆弾埋めこまれてても最新技術の実験体で覚醒するとすごいでもなんでもおすきなようにどうぞ!
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/02/03(金) 22:25:52.29 ID:2R6r3pZM0
【元ネタ】聖書
【系統】非実体系
【契約者】クラウディア
【呼称】獣の数字
【性別】なし
【身長・体重】なし
【属性】秩序・悪
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 霊格EX 幸運E− 能力EX 

【スキル】
対霊装甲:B
 霊格B以下の都市伝説の攻撃を完全に無効化する。
 しかしランクが低くても大がかりな能力発動ならば傷つけることは可能。

皇帝特権:A
 本来持ち得ないスキルも、本人が主張する事で短期間だけ獲得できる。
 該当するスキルは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等。
 ランクがA以上の場合、肉体面での負荷(神性など)すら獲得する。
 だがクラウディアはまだ使いこなしていないのでランクが下がっている。

【能力】
『皇帝式・真紅の厄災(ロッソドラゴーネ)』
 聖書にある赤い竜を呼んで意のままに操る能力。
 シンプルではあるが操っているものが竜なので極悪な破壊力を持つ。
 尾だけを出して狙った相手を拘束もできる。

『皇帝式・漆黒の厄災(ネロアニマーレ)』
 自らを獣に変える能力。
 人間的な感情を封印して引き換えに膨大な力を手に入れる。
 使いすぎると……

『皇帝式・群青の厄災(アズーロフェニーチェ)』
 死亡した時に1/2の確率で自動的に復活する能力。
 ネロ帝はこれのせいで[ピーーー]なかったとかなんだとか。
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]:2012/02/03(金) 22:27:34.74 ID:2R6r3pZM0
【元ネタ】エジプト神話?
【系統】神霊系
【契約者】鷲山九郎
【呼称】トト神?
【性別】???
【身長・体重】130cm/22kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷C 霊格A 幸運C 能力A+

【スキル】
陣地作成:A
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。

道具作成:A
 都市伝説の力を帯びた器具を作成できる。
 血肉を用いて自分の眷属である都市伝説との変則契約書をあっという間に作ってみせた。

改造手術:B
 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。
 このランクが上がればあがる程、正純の都市伝説から遠ざかっていく。
 また、自分を素材とする場合のみ他人にもこのスキルを用いることができる。

【能力】
『懶惰で優美な女神(ネモ)』
 シンプルな呪いの類。
 男性ならば一目見るだけで心奪われ、女性でも意思が弱ければ支配されてしまう美貌
 またその顔は見る人ごとに異なっている

『魔剣劇場(ナイト・オブ・ラウンド)』
 ティンダロスの猟犬の“攻撃対象の範囲を広げる”
 低レベルな使役もできるが操作系の能力者にかかれば逆に支配されてしまう。

『玉麗翡翠(エメラルドタブレット)』
 上の二つの能力を封印して使用可能になる。
 都市伝説“錬金術”が自由に使えるようになる。

1001 :1001Over 1000 Thread
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | もうたらい回しは勘弁だぜ
 |_____ _____________
         ∨
    ⊂⊃
   .∧_∧          ,  ⌒ヽ
  .( ´Д`)_        (       ヽ⌒ヽ
  ( ̄ヽ   ヽ_ヽ   /⌒.\ ⌒ヽ    ⌒ヽ
  |. T |      ̄ ̄´ /\ \  /⌒)   ⌒ヽ
⌒ ヽ_ノ、    ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  /⌒ヽ   ⌒ヽ
 ⌒ヽ  ⌒⌒ヽ⌒, ⌒ヽ,  ⌒⌒,ヽ ノ⌒ヽ⌒    )
(   ⌒ヽ  ⌒    ,  ⌒ヽ   ⌒ヽ  ,    )              SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
 ヽ   (              ,          )                 http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
   (   丶   (        )     ノ  丿

1002 :最近建ったスレッドのご案内★Powered By VIP Service
このヌイグルミ知ってる奴いる? @ 2012/02/03(金) 22:26:45.93 ID:BnoJWXYDO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1328275605/

【デスクトップ】伺か雑談スレ【アクセサリ】 @ 2012/02/03(金) 22:20:55.98 ID:oU0WySwCo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1328275255/

青年「間違えて鬼は内って言ったらマジで鬼が来た」鬼「とりあえずお茶出せ」 @ 2012/02/03(金) 22:16:49.65 ID:HfjUT5Eio
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【vipperと猫が日本縦断】ピピの旅スレ避難所 @ 2012/02/03(金) 21:58:25.26 ID:cxgkztP3o
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大魔王「勇者と子作りしろ」魔王「ヘァッ 」3 @ 2012/02/03(金) 21:55:55.04 ID:IGVAnDMTo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328273754/

シャルロット「マジ疲れたわー」ラウラ「だねー」 @ 2012/02/03(金) 21:49:57.99 ID:ym/Kv0J30
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328273392/

バレンタインに手作りお菓子、頑張って渡すのだ! @ 2012/02/03(金) 21:40:48.42 ID:Sbmv3vx2o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1328272848/

久々実家帰ったら… @ 2012/02/03(金) 21:35:36.90 ID:PGHOBO5DO
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