SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/25(日) 18:28:20.80 ID:FZAaH8OUo<>
七月十六日<朝>

佐天涙子がそれを手に入れたのは、偶然である。
趣味である都市伝説や噂話といったものを求めて、それらのサイトを回っていたところレベルアッパーなる噂を目にすることになった。
実態の全く分からない物であったが、容易にレベルを上げることの出来る物であるらしく、無能力者である佐天にとって非常に興味深いものであった。
故にいつも以上に熱心に調べている過程で、それを見つけたのである。

悪魔召喚プログラム

それを見つけた時、佐天は軽く固まったものである。この科学の街で見るには、あんまりな名前である。
しかし、ジョークソフトか何かだと思ったそれを、佐天は携帯端末に落とすことにした。
朝からレベルアッパーを探していたが一向に成果が上がらず、かと言って手ぶらのまま終わるのは掛けた時間が勿体無いとの思いからであった。

しかしこれは、佐天が考えているよりもずっと危険な物であった。

ソフトを落とし終わった佐天が確認したところ、やけに容量があった。
慌てて先ほどのサイトを確認しようとするも、どの様な方法を使っても一向に繋がらなかった。
ウイルスかと思い即座に削除しようとするも出来ず、佐天はいよいよ参ってしまった。

佐天「……どうしよう」

1:女は度胸。とりあえず起動させてみよう。
2:初春エも〜ん!
3:レベルアッパーさがしてて、ウイルスにやられるとか恥ずかしくて誰にもいえない。ショップに行こう……。

下2
<>佐天「悪魔召喚プログラム?」 SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 18:29:29.56 ID:+SqYnlYMo<> 1 <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 18:30:17.05 ID:33hrCVJfo<> 1 <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 18:37:23.98 ID:uMrTs6tDO<> 1かなあ <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 18:49:24.76 ID:FZAaH8OUo<> ご飯作らなくちゃならなくなったので一旦中止です
遅筆の上、書き溜めも無いけどゆるしてね <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 20:43:52.76 ID:FZAaH8OUo<> 1:女は度胸。とりあえず起動させてみよう。

どうせ修理して貰うのならば、その前に一度ぐらい動かしてみてもいいだろう。
そんな安易な考えの下、佐天はソフトを起動させた。

複雑な魔方陣?が描かれた後、画面が切り替わる。
横長にして見るそれの、一番右上にあるHELPを迷わず開く。
なかなか凝って有るらしくヘルプは結構な量があったが、無視して名前にもなっている悪魔召喚の項目を探した。

佐天「なになに?仲魔?にした悪魔を呼び出すには、COMPを選択して下段のストックにいる悪魔を選択、
   そしたら上段の召喚枠を選択する。っと要約するとこんな所かな?ずいぶん簡単だけど大丈夫なの?」

悪魔を呼び出すと言うのに随分とお手軽なものである。佐天はそう思ったが、もともとジョークかウイルスかたちの悪いいたずらである。
特に考えもせず、説明の通りに実行した。
COMPを選択し、下段6枠の内左上にあるピクシーを選択、そして上段3枠の内の左を選択する。
ピクシーと言えば妖精である。画面に可愛い妖精の絵でも出てこれば御の字だ。佐天はこの瞬間までそう思っていた。

佐天が選択した瞬間、目の前の空間に小さな放電が起こる。その中に小さな、子供よりも小さな人影が浮かび、その像を結んでいく。
それは妖精であった。人よりも明らかに小さな体に透き通る羽。それはまさに妖精であった。

ピクシー「あなたがサマナー?あたしは妖精ピクシー。よろしくネ!」

一瞬の放電の後現れたその小さな妖精は、愛らしい笑顔と共にそう佐天に語りかけてきた。
これが佐天涙子の初めての召喚であり、初めての悪魔との邂逅であった。
<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 20:54:54.69 ID:FZAaH8OUo<> 1:女は度胸。とりあえず起動させてみよう。

どうせ修理して貰うのならば、その前に一度ぐらい動かしてみてもいいだろう。
そんな安易な考えの下、佐天はソフトを起動させた。

複雑な魔方陣?が描かれた後、画面が切り替わる。
横長にして見るそれの、一番右上にあるHELPを迷わず開く。
なかなか凝って有るらしくヘルプは結構な量があったが、無視して名前にもなっている悪魔召喚の項目を探した。

佐天「なになに?仲魔?にした悪魔を呼び出すには、COMPを選択して下段のストックにいる悪魔を選択、
   そしたら上段の召喚枠を選択する。っと要約するとこんな所かな?ずいぶん簡単だけど大丈夫なの?」

悪魔を呼び出すと言うのに随分とお手軽なものである。佐天はそう思ったが、もともとジョークかウイルスかたちの悪いいたずらである。
特に考えもせず、説明の通りに実行した。
COMPを選択し、下段6枠の内左上にあるピクシーを選択、そして上段3枠の内の左を選択する。
ピクシーと言えば妖精である。画面に可愛い妖精の絵でも出てこれば御の字だ。佐天はこの瞬間までそう思っていた。

佐天が選択した瞬間、目の前の空間に小さな放電が起こる。その中に小さな、子供よりも小さな人影が浮かび、その像を結んでいく。
それは妖精であった。人よりも明らかに小さな体に透き通る羽。それはまさに妖精であった。

ピクシー「あなたがサマナー?あたしは妖精ピクシー。よろしくネ!」

一瞬の放電の後現れたその小さな妖精は、愛らしい笑顔と共にそう佐天に語りかけてきた。
これが佐天涙子の初めての召喚であり、初めての悪魔との邂逅であった。
<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 20:56:11.79 ID:FZAaH8OUo<> なんかおかしい
2重になってる <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 20:58:20.84 ID:jwEKqqmDo<> 書き込みエラー出たり以上に更新までが長かったりしても書き込めている

だから一回送信して、後はずーっと放置最高 <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 22:47:17.35 ID:FZAaH8OUo<>
ピクシーは佐天の顔の前を行ったり来たりしていた。

ピクシー「ねーねー、生きてるー?」

生きてはいるであろう。息はしているし、視線は常に自分の方を向いている。確実にこちらを認識している筈である。
だと言うのに一向に反応が無い。
故にその様な問いが出るのも無理からぬことである。

ピクシーは困り果てていた。
呼び出されたは良いが、これではどうしたら良いのか全く分からない。
いっそバチッ!と電撃でも食らわせてみようか、などと物騒な事を考え始めた矢先の事だった。

佐天「何か出たあああああ!!」

不意打ちのシャウトである。
もろに喰らったピクシーは平衡感覚を失い、墜落しそうになっていた。
そこに佐天の手が伸びる。

佐天「うわ!うわ!何これ、立体映像?!あ、触れる!ロボット?でも生き物っぽいし何だろコレ〜?」

再起動した佐天に掴まれたピクシーはぐにぐにと捏ね繰り回された。それはもう容赦無く。
いまだに騒ぎながら捏ね繰り回す佐天の好きにさせておけば、遠く無いうちに潰されてしまうだろう。
実際はどうだか分からないが、少なくともピクシーにそう危惧させる位には捏ね繰り回していた。
故に先ほど思いついた案を、自爆覚悟で実行した。即ち、零距離での電撃である。

ピクシーより放たれた魔翌力が電撃へと姿を変え、佐天へと襲い掛かった。
零距離より放たれた魔法は、違わず佐天に当たり、佐天と掴まれている自分とを痺れさせた。

佐天(白井さんってすごい)

バチバチと体を駆け巡る痛みに声にならない悲鳴を上げながら、いつも電撃を受け止めている友人を密かに尊敬するのであった。
<> 今日はここまで<>sage<>2011/12/25(日) 22:49:31.13 ID:FZAaH8OUo<>
七月十六日<夕方>

復活を果たした2人は暫く喚きあっていたが今は落ち着き、情報交換をしていた。
と言っても、ピクシーは難しい話は分からず、悪魔という存在がいるということが分かった位だった。
佐天にしても目的があって呼び出した訳ではなく、寧ろ出鱈目だと思っていた位である。
結局、自己紹介をしただけの様なものだった。

しかしそれではいけないと思い、困った時のHELP頼みである。
なにか無いかと探していった中で、重要そうなことは2つ。

悪魔を存在させるには、マグネタイトなる物が必要であるという事。これが無くなると、召喚も維持も出来なくなるという事。
携帯端末を見ると確かに、Mの様な記号の横の数値が徐々にではあるが減っていた。
とりあえずマグネタイト節約の為、用の無いピクシーは戻す事にした。

2つ目は地図である。
困った時は頼れとの言葉と共に、学園都市内の座標と店名及び人名が書かれていた。
『ホテル業魔殿、ヴィクトール・フォン・フランケンシュタイン』
座標が指し示す場所は、意外と近場であった。

佐天「……どうしよう」

1:疲れたからもう寝よう。
2:科学の子として勉強しよう。 達成値60
3:ちょっと体を動かそうかな。 達成値20

コンマ以下 99:経験値+2 達成値以上:経験値+1 達成値未満:経験値±0 00:経験値-1
経験値+10でレベルアップ 現在 頭脳:レベル0.0 身体:レベル2.0

下2
<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 23:00:06.32 ID:jwEKqqmDo<> ksk <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/25(日) 23:06:07.44 ID:33hrCVJfo<> 2 <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 22:28:13.64 ID:4+EWqgaxo<>
2:科学の子として勉強しよう。 達成値60  .44 判定:失敗 現在 頭脳:レベル0.0 身体:レベル2.0

私は超能力者になる為にここに来たのだ。
怠惰に青春を浪費する為でもなく、ましてやムキムキマッチョウーメンになる為でもない。

適当な事を言いつつ、勉強した。
たいして捗らなかったが、宿題を少し終わらした。早めにやれば後が楽なのである。

七月十七日<朝>

佐天「う〜〜業魔殿業魔殿」

今、業魔殿を求めて歩いている私は、中学校に通うごく一般的な女の子。
強いて違うところをあげるとすれば、悪魔を召喚出来るってとこかナ。
名前は佐天涙子。

そんなわけで学生寮の近くにある業魔殿にやって来たのだ。

佐天(……ここ、だよね?)

辿り着いた建物には、確かにホテル業魔殿と掲げられている。
しかし、見た目はまるっきり普通のホテルである。とても悪魔などのオカルティックな雰囲気はしない。
意を決して入ってみると、中は中世?を思わせる豪華な内装であった。

佐天(なんか凄い所に着ちゃったな。でも、学生寮の近くでホテルって採算合うんだろうか)

入ったすぐのロビーには青白い肌をしたメイドが1人いるだけだった。
<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<><>2011/12/26(月) 22:28:41.73 ID:4+EWqgaxo<>
不健康そうなメイドに若干引きつつ、目的であるヴィクトールさんが居るか聞いてみたところ、

メイド「どの様なご用件でしょうか?」

などと聞き返してきた。
正直に、悪魔について聞きに来た。と言っていいものか?
目の前の人物が関係者であるか分からない。寧ろヴィクトールさんですら、本当に関係者なのか?
もし無関係だった場合、不味いことになるのでは?いや、この人なんか青白いし寧ろこの人が悪魔?
思考が迷走し答えに窮していると、思わぬところから救いの手は差し伸べされた。

??「学生が我がホテルに何用だ?」

不意に掛けられた声の方を見ると、異様な雰囲気の人物が立っていた。
タキシードにマントと言ういでたちで、まるでスクリーンから飛び出してきた吸血鬼の様である。
そして雰囲気と言うべきかオーラ、存在感と言ってもいい、そういった物が一般人とは違って見えた。
勿論私には念視能力などないが、それでも分かる。この感じは悪魔であるピクシーに通ずる物があった。

佐天「貴方がヴィクトールさんですね?」

ヴィクトール「いかにも我輩の名前はヴィクトールだが。……ほう、貴様はサマナーだったか。ついて来るがいい」

確信を持って悪魔召喚プログラムを起動させた携帯端末を見せると、やはりヴィクトールは関係者であったらしく、ついて来るように言い歩き出した。
突然背を向けて歩き出した為、慌ててその背に駆け寄る。
先ほどまで居たメイドは、いつの間にか消えていた。
<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 22:29:09.80 ID:4+EWqgaxo<>
どこぞの部屋から隠し扉を潜り地下に降りると、そこには謎の機械や魔方陣などがある部屋に出た。

ヴィクトール「まさかこの街にサマナーが居るとはな、して見知らぬサマナーよ我輩に何の用だ?」

佐天「聞きたい事があってきました。……それと、さっきからサマナーって何の事ですか?」

部屋に入るなり問いかけてきたヴィクトールに訪ねた訳を言い、ついでに先ほどから気になっていた事を聞いてみた。
すると少し驚いた顔をしつつ、何を聞きたいのかと言うので、手に入れた経緯を話しつつ、
HELPに書かれていることは本当なのかとか、何故私が手にする事になったのかを聞いてみた。
それに対するヴィクトールの回答は以下の通りであった。
曰く、HELPの内容は本当で、異界があり悪魔も存在している。そしてこのソフトを使えば悪魔と交渉したり、使役したり出来ること。
曰く、手にしたのが私であるのは偶然であること。何か特別な意味は無いとのこと。
また、サマナーとは召喚者であり、悪魔を召喚使役する者をデビルサマナーを言うらしい。
因みに、ソフトを削除できない理由は分からなかった。

佐天「私、これからどうすればいいんですか?」

ヴィクトール「好きにすればいい。使うのも使わないのも、持って置くのも捨てるのも貴様の好きにするがいい」
ヴィクトール「そんな物を持っていれば要らぬ争いに巻き込まれるかも知れぬ故、捨てるのもいい」
ヴィクトール「しかし、上手く使えば貴様の力にもなるだろう。結局は貴様しだいだ」
ヴィクトール「もし貴様がサマナーを続けるのであれば、研究に協力しろ。代わりに我が秘術の力を貸してやろう」

ヴィクトールは自分の事は自分で決めろ、とそう言った。
また、サマナーを続けるなら何やら力を貸してくれるらしい。
<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 22:29:40.26 ID:4+EWqgaxo<>
七月十七日<昼>

業魔殿から帰ってきた私は、自室にて昼食を食べていた。

佐天「……どうしよう」

下3
<> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 22:31:50.15 ID:3LeiIzqoo<> ウイハルーに電話 <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 23:10:20.03 ID:FbsqJEie0<> ぴくしーとおしゃべり <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 23:10:27.95 ID:L1Dpu1oa0<> 重福さんを呼んで相談 <> SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)<>sage<>2011/12/26(月) 23:37:52.95 ID:4+EWqgaxo<> >>20
この時期重福さんって連絡取れたっけ? <> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/01(日) 18:51:31.01 ID:j/bwd97Ho<>
重福さんを呼んで相談

私は未だ悩んでいた。
思いがけずに手に入れた物であるだけに、扱いに困っていたのである。
捨てるにしても使うにしても、決断できずにいた。

佐天(皆に相談してみようかな)

相談できそうな人といえば、初春に御坂さん、白井さんや固法先輩、それにアケミ達や最近知り合った重福さん。
……そういえば重福さんに、手紙を出していなかった。
思い出した時に、書いてしまおう。

佐天(ついでに、これの事も書いておこうかな。といっても実物を見せないと信憑性がないし、近いうちに会えないか聞いてみよう)

手紙の最後に、相談したい事があるから会えないかと書いておく。
これについては相談してから処遇を決めよう。これは決して問題の先送りではない。
手紙でのやり取りの為多少時間が掛かるかもしれないが、決して先送り等ではないのである。大事な事なので2回言っておく。

佐天(今から出しに行ったとして、着くのは明日の朝かな。明日読んですぐに来たりして……って、流石にそれはないか)

一瞬変な予感がしたが、気にしないことにした。
確かに彼女には何やらフラグが建っている気がしないでもないが、流石に、いや流石にない。ないはずである。
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/01(日) 18:52:25.69 ID:j/bwd97Ho<>
そんな訳で一番近くのポストに来たのだった。

佐天(さて、手紙も出したしこれから如何しようか)

特に予定も無いため、これからの事を考えようとした矢先、何やら異様な気配がした。
とても小さな感覚であるが確かに感じる。上手くは説明出来ないが、なにかズレているような。

感覚に従い、違和感の方へと裏路地を進んでいく。
幾つかの角を曲がった先、細い裏道にそれはあった。

佐天「空間が歪んでる?」

そうとしか言いようのない光景があった。
まるで蜃気楼のようでもあり、まるで混ぜっ返したようでもあり、まるで半透明な別の風景を重ねたようでもあった。

異界の入口である。
実物を“見る”のは初めてであったが、HELPの中の記載やヴィクトールから話を聞いていたし、
何よりこの感覚はピクシーやヴィクトールなどの悪魔に関わる際に感じていた物とよく似ていた。

佐天「……どうしよう」

1:こんな経験滅多にないよね。入ってみよう。
2:初春がいるかも知れないし、支部に行ってみよう。
3:特に予定も無いし、街をぶらぶらしてみるか。

下2
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/01(日) 21:10:19.62 ID:Ve4iv+Voo<> ksk
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/01(日) 21:23:36.33 ID:xhTE6M6ro<> 1 <> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:25:49.71 ID:d+LD6ncpo<>
1:こんな経験滅多にないよね。入ってみよう。

正しくそこは異界であった。
纏わり憑く違和感も、見ているだけで不安になってくる空も、先ほどの路地とは圧倒的に違った空気であった。
辺りはコンクリートの壁で覆われ、振り返れば今まであった道は消え行き止まりになっていた。
最近(といっても昨日からであるが)よく感じる異質な雰囲気の中、後ろの行き止まりの前にある“歪み”だけが現実のようであった。

湧き上がる不安から、少しもたつきながらもピクシーを召喚する。
一瞬の発光の後に現れた小さな妖精に、自分でも驚くぐらい安心したのだった。

ピクシー「お久〜、……って異界じゃない。佐天ってばなんでこんなとこいるのよ?」

佐天「いや、なんか入口見つけちゃって。気になったから入っちゃた」

ピクシー「バカね〜、佐天なんかがこんな所にいたら、すぐ悪魔に食べられちゃうんだから」

ニシシッと意地悪そうな顔でからかってくる。
まるで友達と話しているようで、とても安心した。

佐天「じゃあさ、もし襲われたら助けてよ」

ピクシー「どうしよっかな〜。……まあ気が向いたらね」

佐天「え〜、私たち友達じゃん」

ピクシー「いつ友達になったのよ……。でも、そっか、友達か〜。……いいよ助けてあげる。けど佐天もちゃんと戦いなさいよ!」

どこのツンデレだよ。
他愛無い会話のお陰で、なんだか仲良くなれた気がする。
しかし、無能力者の私に戦えるのだろうか。

この時私は、戦うという事を良く分かっていなかった。

<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:26:26.43 ID:d+LD6ncpo<>
ピクシーと二人になって気を大きくした私は、異界の一本道をズカズカと進んでいった。
COMP(悪魔召喚に使う機械の事をこう呼ぶらしい)をきちんと確認せず、ほぼ無警戒に進んでいた。

佐天「だから初春は、もうちょっとお洒落なパンツを履いてもいいと思うのよ」

ピクシー「他人の下着の心配とか、佐天ってばバカなんじゃ……まって、何か居る」

突如ピクシーが立ち?止まり、前を真剣な表情で見ていた。
つられて見てみると、確かに何か居た。
小さな子供ぐらいの大きさで、でっぷりとしたお腹を持った不健康そうな肌をした何かが。

ピクシー「あれは餓鬼ね。あたし達よりちょっと強い程度だから、二人掛りならなんとかなるわね」

佐天「え?ちょっ、いきなり襲い掛かるのは如何なものかと……、まずは話し合いとか」

ピクシー「バカね、こういうのは先手必勝なのよ。って気付かれちゃったじゃない」

佐天「まあまあ、気付かれちゃったものは仕方ないよね」

気付かれた事に私は安堵していた。
ピクシーはああ言っていたが、普通の中学生である私にはいきなり誰かを襲うなど出来なかった。

<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:27:04.84 ID:d+LD6ncpo<>
ガキ「なーんでこんな所に人間がいるのかなー」

どこか酔っぱらった風な感じで近付いてくる。

ガキ「ま、なんでもいっか。しかし、こんな明るい夜は、どっか遊び、行きてーな」

まるでこちらのことなど気にした風もなしに。
この時、私は初めて見るピクシー以外の悪魔に軽くパニックになっていた。
また、ピクシーとの関係から悪魔を恐ろしいものだと認識出来ていなかったのだ。

ガキ「なあ、ちょっと遊んでくれよ!」

ピクシー「佐天!あぶない!」

ピクシーの声で我に返る。
気付いた時には、ガキが飛び掛って来ていた。咄嗟に両手で顔を隠す。
次の瞬間、鋭い痛みが奔った。

なおも襲い掛かろうとするガキを、横からピクシーが突き飛ばした。

ピクシー「しっかりしなさい!来るわよ!」

そう、ピクシーが檄を飛ばすも、私は恐怖に腰が抜けていた。
目の前で、小さな体で奮闘するピクシーを見ても、動けずにいた。
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:27:35.34 ID:d+LD6ncpo<>
右腕を見れば三本の紅い線が奔り、そこから血が流れていた。
痛い。どうして私は血を流しているのか。何故私は襲われているのか。私はここで死んでしまうのか。

よく考えずに、危険を危険と認識できず踏み込んだ、自業自得である。
しかし私は意味も無い思考のループに囚われたままだった。

ピクシー「キャッ!」

ピクシーの悲鳴で落していた視線を上げる。
彼女は傷だらけだった。

襲われる前に言っていた、相手は自分達より強いと。
なのに逃げもせず、自分を守る為だろう、その場に留まって一人戦っていた。
なぜ、あんなにも小さな体なのに、自分よりも大きな相手に立ち向かえるのか。

私には出来そうも無かった。
所詮、無能力者の私には、彼女のように立ち向かう事など出来ない。
彼女に比べれば、たいした傷でもないのに、ブルブルと震えて動く事も出来ない。

所詮、私は無様で愚かな無能力者でしかないのだ。
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:28:24.78 ID:d+LD6ncpo<>
――いいよ助けてあげる。――

諦めていた思考に、ふと思い出される。
それは、異界に入ってすぐの頃の会話だった。
不安に駆られた私を安心させてくれた言葉。

もしや彼女はあの時の言葉を律儀に守っているのだろうか。
その言葉を守って、自分より強い相手に立ち向かっているのだろうか。

不意にこちらをチラリと見る彼女と目があった。
傷だらけになりながらも、その目は決して諦めてはいなかった。

――けど佐天もちゃんと戦いなさいよ!――

ああ、そうだ。あの後彼女はそう言っていた。
未だ諦めていないのだ。私が立ち上がって、一緒に戦う事を。

私は本当に馬鹿だ。
なにが無能力者だ、なにが出来ないと言うのだ。

出来る出来ないじゃない。

――私たち友達じゃん――

目の前で友達が戦っているのだ!
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:28:46.70 ID:d+LD6ncpo<>
嘘みたいに体が軽かった。
先ほどまで少しも動く気配を見せなかった脚は、一歩毎に速度を増し、
握りこんだ右手は痛みを忘れ、振り抜かれる時を今か今かと待ちわびていた。

頭は真っ白になり、視界はピクシーに襲い掛かるガキしか見えなくなる。
言葉にならない雄叫びを上げながら、右手を振り上げる。
スローモーションとなった不気味なガキの顔が、ゆっくりと驚愕に変わっていくのを見ながら、私は顔面に右手を叩き付けた。

勢いだけの一撃が筋張った顔をぶち抜き、ガキの小さな体を二、三バウンドさせながら吹き飛ばした。

ハア、ハア、と肩で息をしていると、横を電撃が通過していく。
よろよろと起き上がり始めていたガキを、容赦の無い電撃が襲った。

ピクシー「もっと早く来なさいよ、バカ佐天」

佐天「こっちは素人なんだから。これでも頑張ったんだって」

電撃に襲われ、光の粒子へと変わっていく相手を見据えながら、私たちは軽口を言い合っていた。
映画のヒーローみたいにカッコいいものではなかったが、私はこの戦いで、何か大事なものを手に入れたような気がした。

ピクシー「……もうだめ。とりあえず一旦ここから出なさい」

佐天「ちょっと、ピクシー!ピクシーってば!」

私は突如気を失った相棒に驚きながらも、急いで彼女を戻し一目散に異界から脱出するのであった。
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:29:34.27 ID:d+LD6ncpo<>
コンマ以下 99:頭脳+8 身体+20 60以上:頭脳+6 身体+18 60未満:頭脳+4 身体+16 00:頭脳+2 身体+14
経験値+10でレベルアップ 現在 頭脳:レベル0.0 身体:レベル2.0

下1
<> SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)<>sage<>2012/01/02(月) 20:47:31.08 ID:COsOIHQUo<> てや <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/01/06(金) 21:31:48.09 ID:NrxoXQgIO<> 続けてな
とある?アニメみたことないが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/01/20(金) 01:49:39.54 ID:WFTQU15Ao<>
  バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
  バン       バンバンバン゙ン バンバン
  バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
   _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
      \/___/ ̄ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/02/19(日) 01:04:26.80 ID:+su6DiNpo<> バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
  バン       バンバンバン゙ン バンバン
  バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
   _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
      \/___/ ̄
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/02/19(日) 17:56:50.91 ID:08oJ6H2G0<> メガテンの世界は禁書のグレムリンのような科学と魔術の融合の完成形だよな。真Uだと悪魔を人工で作ったり、その上救世主をも創造したりやNIKEだと神さえ作ろうとしたらしいよな。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/02/19(日) 18:29:50.67 ID:3AAmH5zpo<> 餓鬼とはいえ素手で倒す佐天さんすげえww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/03/05(月) 13:14:11.14 ID:9F8pN6l3o<> まだか <>