VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:19:56.38 ID:REiU83pN0<>※注意※
タイトル通りのアマガミ×仮面ライダーSSだよ!
地の文も入れたかったけど、自分が書いたら絶対に戦闘描写で長ったらしくなるから割愛。
ご了承ください。
また、いちゃいちゃ成分が極端に薄いです。
ご都合主義多し。
キャラが改変。
無事で済んでいる人が少ない。
鬱あり。
こういった成分を多く含んでいるので、使用容量、用法を守りお読みください。
なお、これらの成分にアレルギーな方はブラウザバック推奨。
途中までは書き溜めされています。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1333275591(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
<>橘純一「変身!」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:20:38.45 ID:REiU83pN0<> 美也「相変わらずにぃには変態さんだなー!」
純一「男子中学生としては、あるべき姿だ!」
美也「堂々と言うことじゃないと思うけどね。美也に手を出さないでねー?」
純一「ちょ、それはないない」
美也「なにをー! ふーん! いいもん、にぃになんて愛しのあの人といちゃいちゃする妄想でもしてればいいんだ!」
純一「ま、待て! 蒔原さんとはまだなんとも……」
蒔原「私が?」
純一「ま、蒔原さん!? い、いやこれは言葉の綾というかなんというか……」
蒔原「ふーん……一体なんだろう? ふふっ」
純一「蒔原さんまでからかいますか? とほほ――」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:21:44.63 ID:REiU83pN0<> きゃあーーーーーーー!!!
純一「……? 今の声……み、や?」
パァァァン!!
ボトン――
――血ぬられた肉片、微かに垣間見えた人肌。
――地面に落ちたそれは、かすかに見覚えのあったもので……。
――悲鳴の聞こえた先には、生理的嫌悪と恐怖が湧きあがる異形の姿。
――その異形の持つ物体は……変わり果てた……
純一「み……や……?」
蒔原「橘君! 早く逃げて――」
パァァァン!!
純一「え、まきは――」
――鮮血を垂れ流しながらも、蒔原さんであった肉体は、まるで奈落に連れて行こうとする死神のように俺の方を掴み……。
――そして、美也と同じように、地には美しかった顔が……。
純一「う、う、う……うわあああああーーーーーーー!!!」
――俺の悲鳴を皮切りに、学校中に、鈍い音と悲鳴が交差して……。
――気がついた時には、動いている者がほとんど姿を消していた。
――いや、蠢いている異形らの姿が、そこにあった。
――――そして、その異形に立ち向かう、仮面の戦士の姿も――――
――――俺は確かに、覚えている――――
――――あの時の記憶も――――
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:23:08.68 ID:REiU83pN0<> ???「――いち、純一」
純一「……うぅ……」
???「あ、やっと起きた。……大丈夫? ずいぶんとうなされてたようだけど……」
純一「……ああ、大丈夫だ。梨穂子。」
梨穂子「それならいいけど……朝食出来てるから、早く下に降りてきてね」
純一「ああ……ごめんな」
梨穂子「……ううん、私、幼なじみだから」
バタン
純一「……ごめんな、美也。ごめんな……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:25:04.06 ID:REiU83pN0<> 純一「……ごちそうさまでした」
梨佳「おそまつさまでした」
梨穂子「じゃあ、そろそろ学校行こうか?」
純一「……すまん、今日は先に行かせてくれ」
梨穂子「え? ……あ、うん。分かった」
純一「……ごめんな」
バタン
梨佳「……多分、また……」
梨穂子「うん……思い出したんだと思う。二年前の、あの日のこと」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:42:33.82 ID:REiU83pN0<> 純一「……冬、か」
――学校に向かう男女の人だかり。
――今は久遠と錯覚する平穏が流れている。
――そう、あくまで錯覚でしかない。
――この平和も、誰かが人差指で一突きすれば、もろくも壊れる可能性を孕んでいる。
???「よっ、大将!」
純一「……梅原か」
???「おはようございます! 先輩!」
純一「それに路美雄も……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:44:03.02 ID:REiU83pN0<> 梅原「まーたしけた顔して、なんだ? 人肌でも恋しくなったか?」
純一「……知らん」
路美雄「あれ? 桜井先輩とは一緒じゃないんですか?」
純一「ああ。……少し、独りになりたくて、な」
梅原「……そうか」
路美雄「それじゃあ、僕たちはお先に失礼します」
純一「……すまない」
梅原「なーに、俺達もそういう時があるからよ」
路美雄「僕も、たまに思い出しちゃう時がありますからね……」
純一「……そうか」
梅原「じゃあな」
路美雄「あまり落ち込まないでくださいね?」
純一「そうする」
――梅原は兄と弟を失い、路美雄は姉二人と父を失っている。
――俺も、あの事件がきっかけで、両親と妹の美也を失ってしまった。
――初恋の人も。
――クリスマスの夜に告白しよう。
――そう決心した、終業式の日のことであった。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:47:11.46 ID:REiU83pN0<> 純一「(創設祭、か……)」
――輝日東高校の一大行事、創設祭。
――毎年クリスマスに行われるそれは、男女ともに大きな意味を持つ。
――この行事で彼氏、彼女を連れている者は勝ち組と呼ばれ、それ以外の人類は負け組と呼ばれる。
――まぁ、主に男子でささやかれている言葉だが。
――それに、俺にはまったく関係のないことだ。
???「純一? 次の授業、移動教室だけど……どしたの? ぼけっとして」
純一「……少し考え事をしてた。すまんな、薫」
薫「……また、あの時のこと、思い出してた?」
純一「……無理に思い出そうとしなくていい。今を見ろ」
薫「ごめん。今でも、ちょっとね……」
――薫も、肉親である母を失っている。
――元々母子家庭の上で、母を失った薫は、現在では隣町の親戚の家で下宿しているらしい。
――交通費も、わざわざバイトで稼いでいるそうだ。
――なぜ無理やりこの輝日東に通ったのかが謎だが、そこは個人の事情なので関係ないところだろう。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 19:58:34.22 ID:REiU83pN0<> 薫「あー、だめだ。どうも勉強の調子がつかめん」
純一「集中しろ、としかいえん」
薫「なによー。高校になって急に頭がよくなった貴方とは色々とちがうのよー!」
純一「暇だったからな」
薫「相変わらずそればっかりね」
???「ねぇねぇ、そこのサングラスの君」
純一「ん? ……確か、森島先輩、でよろしかったでしょうか?」
はるか「ザッツライト! ちょっとばかし君に興味があってね!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 20:01:14.88 ID:REiU83pN0<> ひびき「はるか。だから――」
はるか「ちょぴーとだけだから!」
純一「……俺に興味、ですか? 随分と物好きなんですね、先輩」
はるか「褒め言葉として受け取っておくわね。で、本題なんだけど……その黒いサングラスって、おしゃれ?」
薫「!」
純一「……」
はるか「……あれ?」
ひびき「だからはるか、多分それは……」
はるか「いやね、君の姿をたまーに見かけるんだけど、学校でも、通学路でも、何故かずーっとそのサングラスをかけてるから、ちょっと気になってね?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 20:03:48.07 ID:REiU83pN0<> 薫「……行こう、純一」
純一「……」タン、タン、タン……
はるか「え、ちょっと――」
タン、タン、タン……
はるか「……行っちゃった」
ひびき「……はるか、男の子の方はともかく、取り巻きの女の子、完全に怒ってたわよ」
はるか「……ちょっと、やばい話題だったのかな?」
ひびき「私も怒ってるの。いい、日常生活でサングラスを手放さない人は、大抵……」
はるか「大抵?」
ひびき「……盲目だったり、目にキズがあったり、目になにかしら問題を抱えている人だと思う」
はるか「あ……」
ひびき「はぁ……後で、謝ってきなさい」
はるか「……うん」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 20:06:30.63 ID:REiU83pN0<> 薫「まったく、あの先輩もデリカシーがなさすぎじゃない?」
純一「事情を知らない人にとっては、気になるのは自然の摂理だろ。それに……このキズを、俺は忘れるわけにはいかないんだ」
薫「……でも、あの時はしょうがなかったんだよ。今とちがって、純一は……」
純一「……」
薫「……ごめん」
純一「……気にするな」
???「ちょっといいかい?」
純一「……はい?」
???「あんた、橘っていう奴だろ? 梨穂子の知り合いの」
純一「そうですが。……梨穂子の知り合いですか?」
瑠璃子「あ、そうだ、自己紹介しなくちゃね。私は茶道部部長の夕月瑠璃子だ。でこっちが……」
愛歌「……飛羽愛歌」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 20:09:23.28 ID:REiU83pN0<> 純一「茶道部部長……ああ、梨穂子の方から話は聞いています。確か、先輩でしたよね」
瑠璃子「ああ。……で、いきなりなんだけど……これ、運んでくれないか? 茶道部の部室まで」
純一「こたつ?」
瑠璃子「男手が欲しくてね。で、偶然、梨穂子がよく話している奴がいたから、丁度いいな、って思ってな」
愛歌「……噂の人物」
純一「なるほど……分かりました。薫は先に戻ってくれ」
薫「ほいほーい」
瑠璃子「なんか、二つ返事で受けてくれたのは嬉しいけど……随分と物分かりがいいんだね?」
純一「断る理由もないので」
瑠璃子「ふーん。なんか……」
愛歌「変わったやつ……」
純一「よく言われます」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:08:53.25 ID:REiU83pN0<> 純一「……ここでいいんですか?」
瑠璃子「どうもねー。いや、随分と力あるんだね」
純一「鍛えてますから」シュッ
瑠璃子「……なるほど、頼りがいもあって珍しく気のきく奴ってことか。梨穂子がゾッコンなのが少しだけ納得できたかな」
純一「? ……で、飛羽先輩、どうしたんですか? 先程からじーと俺を見つめて……」
愛歌「……サングラス」
純一「……ああ、気になりますか」
愛歌「謎があれば解明したくなる。人間の性」
瑠璃子「まぁ、確かに私も気になる性質ではあるね」
純一「……これは――」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:11:46.64 ID:REiU83pN0<> 梨穂子「すいませーん! 集合って、明日でしたっけ、明後日でした――て、あれ? 純一がなんで部室に?」
瑠璃子「あー、その……まず、集合は今日だったが、こいつのおかげで事は終わったから大丈夫だ」
梨穂子「あちゃー、また日程間違えちゃったか」
純一「相変わらずだな。……それでは、俺はここで」
瑠璃子「あ、そうか、昼休みも終わるしな……ありがとな、今度部室にきたら、お茶でも出してやるよ」
純一「それはどうも。……そうだ、梨穂子」
梨穂子「ん? どうしたの?
純一「……先輩方はどうやらこれについて知りたいらしいから、説明よろしく」
梨穂子「え? でも、サングラスは――」
純一「……別に、ただ、1人の男の失敗談を話すだけだろ? 後で迫られたら面倒だからな。……失礼します」
タッタッタ……
梨穂子「あ……(……多分、思い出すのが怖いんだ。……そうだね、純一自身じゃなくて、私だったらまだ……)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:12:40.53 ID:REiU83pN0<> 梅原「よう! 純一も帰りか?」
純一「ああ。……路美雄もか」
路美雄「はい。あはは、そろそろ一緒に帰るような仲の女の人とかそばに欲しいところですけど……なかなか」
梅原「それに比べていいよな、純一は! 男子の間で人気な桜井と同棲してるんだからよ!」
純一「同棲じゃなくて下宿だ。ったく……こんな調子でいつ敵が来ても――」
ピピピ!ピピピ!
純一・梅原・路美雄「!!」
路美雄「トライアルサーチャーが反応確認! 数は三! 方向はそれぞれ別方向ですね」
梅原「じゃあ、何時も通り分担してかかるか」
純一「そうしよう。……終わった後は、喫茶店でいいな」
梅原「おうよ!」
路美雄「お互い、気をつけていきましょう!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/04/01(日) 21:14:16.49 ID:+0U2J8wAO<> (0M0) <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:29:35.42 ID:REiU83pN0<> 紗江「すっごいね。先輩の泳ぎって、そんなに速いんだ」
逢「全国レベルになると、もう想像もつかないような数字が並ぶので、やっぱり……憧れますね」
紗江「いいなぁ。私は全然泳げないから……」
逢「暇な休日なら、泳ぎ、教えますよ?」
紗江「え、でも、七咲さんだって練習が……」
逢「水の中の心地よさを共感できる人がほしいんです。来年にでも、海に行きましょう」
紗江「海、ですか……いいですね、夏が楽しみです」
逢「ふふっ」
ガルルッ……
逢「え? ……今、犬の声が聞こえませんでしたか?」
紗江「七咲さんも聞こえましたか? ……野良犬、なのかな?」
逢「……一応、ここから早く離れましょう」
紗江「そうですね。かみつかれたら……! な、七咲さん!!」
逢「どうしまし――」
ガルッ!
逢「――え?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:31:50.85 ID:REiU83pN0<> ――迫りくる太い腕。
――その腕は、人のものではない。
――異形の姿が、私の目に入り込んだ。
――その狂気がこもった視線は、私と中多さんに向けられている。
――この一瞬の光景には、覚えがある。
――二年前、中学校の終業式。
――突然町に襲いかかった、怪物たち。
――目の前で人が血を流し……
――死んだ。
――理解した、今度は私の番が来たのだ。
――あの時、そう、今と同じように、怪物の手が迫ってきた。
――そして、同じように死ぬと思ったときに……あの人が、助けてくれたのだ。
――仮面の戦士。
――目の前に現れた時は、あまりにもその背中は頼もしくて……
――その戦士に抱きつき、泣き続けた。
――あの時は、巡り合わせで私は助かった。
――しかし、奇跡に近い巡り合わせはもう起きるはずがない。
――願わくば、中多さんだけでも助かることを祈るしか、私にはできない。
――流れる光景は、とてもスローに感じて……
ブォーーーン!!
ドン!!
トライアルD「ギギャッ!!」
キキィーーー!!
――怪物を吹き飛ばす、バイクに乗った王子様も、しっかりと目に刻み込まれた。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:34:45.03 ID:REiU83pN0<> 純一「トライアルDか。……そこの二人は今すぐ逃げろ。死ぬぞ」
紗江「へ、そ、その……」
逢「あ……」
純一「……腰が抜けたか。無理も……ないか。巻き込まれるなよ」
――その背中は、あの時のあの人の背中と……
純一「……変身!」
――まったく、同じように重なって見えて。
【TURN UP】
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:36:12.93 ID:REiU83pN0<> 純一(ギャレン)「はぁー……たぁ!」
トライアルD「ギッ!」
純一(ギャレン)「たぁ!」
バン! バン!
トライアルD「ギギッ!」
ビリビリビリ!!
純一(ギャレン)「……行動パターンに少し変化がある。だがそれでも……」
【BULLET】
【RAPID】
純一(ギャレン)「ふぅっ……!」
バシュンバシュンバシュンバシュンバシュン!
トライアルD「ギギィッ!!?」
純一(ギャレン)「大元のパターンは変わってないようだな。……これで終わりだ」
【FIRE】
【UPPER】
純一(ギャレン)「はぁぁ……はぁっ!!」
トライアルD「ギギャーーー!!」
ドォーーーン!!
純一「……反応消滅」チュイーン
タッタッタ……
純一「……立てるか? 二人共」
逢「あ、その、はい……私は。けれど……」
紗江「〜〜〜!」フルフルッ
純一「……じゃあ、歩けるか? 喫茶店まで。紅茶でもおごらせてもらおう」
逢「……すいません」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:39:18.82 ID:REiU83pN0<> ――わたしの知らないところで、家族全員が死んだ、と聞いた時、わたしの心に生まれたのは、ほんの少しの安堵と、果てない絶望の混沌であった。
――家族が死んだ。母も、姉も、そして父も。わたしを縛るものは何もない。
――そう、そのはず、だ……。
――なのに、わたしはすべてを捨てきれない。
――覆いかぶさった仮面を、私は捨て切れていない。
――なぜ? もう、必要性のないものなはずなのに……?
――いや、必要だと理解していたから、わたしは捨てなかった。
――周囲は、自分をどう見てくれているのか?
――気の利く優等生、優良生徒の見本、学生としての憧れ。
――いや、これらはわたしが作りだした虚像にすぎない。
――じゃあ、なぜこれを捨てるといけないのか?
――依存しているのだ。
――この虚像に隠れていることで、わたしはやっと安心できるのだ。
――矛盾している。
――そんなこと、とっくにわかっている。
――でも、矛盾する存在、それがわたし。
――真実を見た者は、必ず絶望することであろう。
――その矛盾は、おそらくは優しい矛盾なのだ。
――誰も真実を知らずに、わたしから離れていく……それでいい。
――そう、それで……
トライアルD「ギゲェーーー!!」
綾辻「……え?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:43:51.89 ID:REiU83pN0<> ――全てを受け入れようと、自分の中で決意した時、その奇声は聞こえた。
――化け物、人の姿のシルエットを持ちながらも、人からかけ離れた不気味な存在。
――なんでだろう、わたしには、その姿は自分の心に見えた。
――素直になれず、汚れを溜めていくしかない心。
――この醜さを隠すため、わたしは矛盾を抱えていたのか……?
――じゃあ、この化け物は、わたしの心なんだ。
――なんで太い右手を振り上げているのか……これはおそらく、心の訴え。
――窮屈な空間に閉じ込められた心が、檻を壊そうとしている。
――ならば、それを容認すれば、この迷いは断ち切られるのか?
――そんな都合のいい話があるはずはない。
――じゃあ、この化け物は……何?
綾辻「ひっ……!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 21:52:15.41 ID:REiU83pN0<> ――そうか、これは天罰なのかもしれない。
――誰が目論んだのだろう、もしかすれば、父さんなのかもしれない。
――裏に潜む、醜い自分。それに嫌気がさしたのか。
――湧きあがる恐怖、死がすぐそこに歩み寄っている。
――逃げなきゃ! ……どこへ?
――逃げ場が、どこにもない。
――ずっとそうだった。逃げ場になる場所が、安心できる場所が、ずっと、ずーっと、欲しかった。
――でも、自分は奈落にいる。奈落は、右にも左にも行っても、抜け道がない。
――ならばどうする? ……這い上がるしかない。
――でも、自分にはその力はない。……誰かに引き上げてもらう?
――わたしの醜い心の姿を救う物好きなんて、どこにいる?
――一体、どこに……
【TACKLE】
ブォーーーン!!
梅原(ブレイド)「でりゃああーーー!!」
トライアルD「ゲェーーー!!」
ドン!!
キキィーーー!!
梅原(ブレイド)「ふぃー……間一髪ってところだな。……って、綾辻さん?」
綾辻「だ、だれ……?」
梅原(ブレイド)「ああ、まぁ、わかんねぇか。とにかく、今はこっちの相手しなきゃなんねぇから、ここから今すぐ、全速力で逃げろ!」
綾辻「……う、うん」
タッタッタ……
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 22:00:19.54 ID:REiU83pN0<> 梅原(ブレイド)「まさかクラスメイトまで襲われるとは……まぁ、かかってこいや!」
トライアルD「ギィーーー!!」
ビリビリ!!
梅原(ブレイド)「くっ……だっしゃぁーー!!」
キュィーン!
キィーン!!
トライアルD「ギギャ!?」
梅原(ブレイド)「力勝負はこっちの勝ちだな! だったら、一気に片、付けさせてもらうぜ!」
【MACH】
【SLASH】
梅原(ブレイド)「どりゃああ! 乱れ切りだぁーーー!!」
キン! キン! キン! キン! キン!
トライアルD「ギゲェーーー!!」
梅原(ブレイド)「これでおあいそだな!」
【KICK】
【THUNDER】
【LIGHTNING BLAST】
梅原(ブレイド)「はぁぁ……ウェェイ!!」
トライアルD「ギギャーーー!!」
ドォォーーーン!!
梅原「反応なし……ふぃぃ。綾辻さんがいるのにはびっくりしたが、これでいっけんらくちゃ――」チュイーン
綾辻「う、梅原、君?」
梅原「――っと、もう遠くに行ったかと思ったのに。ありゃりゃ、見られちまったか」
綾辻「ど、どういう……?」
梅原「困ったなぁ。これじゃあ、大将に怒られちまうぜ。……綾辻さん、これから、時間あるか?」
綾辻「……これ、から……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 22:04:04.99 ID:REiU83pN0<> ――自分でも自覚があるくらい、私は好奇心の塊だ。
――動物のように色んな場所に突っ込んでは、よく飼い主……もとい、ひびきちゃんに怒られてしまう。
――今日も、もしかしたらとんでもないことをしでかしてしまったようで……
はるか「……まだ怒ってる?」
ひびき「当たり前です。どうして今日中にあの男の子のところに行かなかったの?」
はるか「なんていうか……謝るのが、なんだか怖くて」
ひびき「色恋がらみで、よく男子達の誘いを断ってるのに、変なところでしおらしくなるのね?」
はるか「今回は色々と違うのよ! 完全に私が悪いってのが、どうも……」
ひびき「だから謝るんでしょう?」
はるか「ごもっともです」
ひびき「まったく、らしくもな――!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 22:04:32.72 ID:REiU83pN0<> ――自分でも自覚があるくらい、私は好奇心の塊だ。
――動物のように色んな場所に突っ込んでは、よく飼い主……もとい、ひびきちゃんに怒られてしまう。
――今日も、もしかしたらとんでもないことをしでかしてしまったようで……
はるか「……まだ怒ってる?」
ひびき「当たり前です。どうして今日中にあの男の子のところに行かなかったの?」
はるか「なんていうか……謝るのが、なんだか怖くて」
ひびき「色恋がらみで、よく男子達の誘いを断ってるのに、変なところでしおらしくなるのね?」
はるか「今回は色々と違うのよ! 完全に私が悪いってのが、どうも……」
ひびき「だから謝るんでしょう?」
はるか「ごもっともです」
ひびき「まったく、らしくもな――!」
<>
二重投稿すいません<><>2012/04/01(日) 22:05:44.89 ID:REiU83pN0<> はるか「? どうしたの?」
ひびき「……多分、誰かにつけられてる」
はるか「……本当?」
ひびき「多分。なんだか、すっごく怖い感じ」
はるか「……早く離れましょう」
ひびき「そうしたほうがいいわね。まずは人の多い場所まで行って、様子を――」
トライアルD「ギッギィーーー!」
はるか「……へ?」
ひびき「きゃっ!? え、何、あれ……!?」
トライアルD「ゲッゲッゲ!」
はるか「ひびきちゃん! 今すぐ逃げよ!」
トライアルD「ギギ!」
ビリビリビリ!
バチーン!
はるか「キャッ!?」
グギッ
はるか「イタッ! っーーー!」
ひびき「はるか! 大丈夫!?」
はるか「私に構わないで、逃げて!!」
ひびき「そんなことできない!」
はるか「けれど! 今逃げなきゃ!」
トライアルD「ギギギギ!」
ひびき「……それでも、私はあなたの親友だから……見捨てるわけない!」
はるか「ひびきちゃん……」
トライアルD「ギギィーーー!!」
ひびき「くっ……」
はるか「いやあああ!!」
???「でえええええりゃああああああ!! アームストロングキック!」
<>
二重投稿すいません<><>2012/04/01(日) 22:14:33.50 ID:REiU83pN0<> ドーン!
トライアルD「ゲゲゲェ!?」
路美雄「よかった、間に合った」
ひびき「輝日東の生徒!? ダメ、今すぐ逃げて!」
はるか「危険よ!」
路美雄「ジュリエットさんを助けに来ました」
はるか「……へ?」
路美雄「まぁ、今は意味が分からなくていいんですけど……そう、いずれ、あなたが……。とにかく……!!」
カチャン!
路美雄「あの怪物に、貴方方を指一本触れさせない! 変身!!」
【OPEN UP】
路美雄(レンゲル)「はっ! ていやっ!!」
キン! キン!
トライアルD「ギギ! ギギギ!」
バリバリバリ!
路美雄(レンゲル)「やっぱり、その電撃は厄介ですね。だったら、こっちだって!」
<>
二重投稿すいません<><>2012/04/01(日) 22:18:59.60 ID:REiU83pN0<> 【STAB】
【RUSH】
路美雄(レンゲル)「はぁぁ……てりゃあああ!!」
キンッ!!
トライアルD「ギギガァァ!!?」
路美雄(レンゲル)「よし! これだったらまだリモートを使わなくても!」
【BLIZZARD】
トライアルD「ギゲゲェッ!?」
カチーン……
【BITE】
路美雄(レンゲル)「たりゃあああ!!」
パリーン!
ドゴーン!!
路美雄「よかった、無事に終わった。大丈夫ですか!? 森島先輩!」チュイーン
はるか「え、えへへ……ちょっと、歩くのもきついかも……」
路美雄「失礼します。……あっちゃあ、腫れてる。本格的に挫いちゃったみたいですね」
ひびき「ごめん、はるか……怪我、させちゃって」
はるか「ううん、むしろありがとうをいいたいくらいよ。……その、後輩君も、ありがとう。あなたが来なかったら、私たち……」
路美雄「募る話は後にしましょう。……学校も近いですし、保健室へ行きましょうか。肩、お貸しします」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:20:06.40 ID:REiU83pN0<> 【喫茶店】
梅原「まさか、一気に三人もばれるとはね」
純一「正確には、路美雄の方も含めて五人だな。それも全員輝日東の生徒と来た。やはり、仮説の信憑性が高まってきたな」
梅原「……だとしたら、面倒な話だ」
純一「……そう、だな。……中多さん、そろそろ、落ち着いてきたかな?」
紗江「……は、はい」
純一「それは良かった。……まず、綾辻さん、中多さん、七咲さん。今回の事態に関して、疑問はいくつかあると思う。被害者からの質疑として、答えられる質問なら答えられる。何も用がなければ帰ってもいい。とはいっても、七咲さんは聞きたいことが大アリな顔をしているが」
七咲「……もしかしてあなたは、二年前のあの事件の時、怪物と戦ってましたか?」
純一「それは先輩たちの方だな。あの時は、俺も、梅原も、ここにはいないが路美雄も、被害者だ」
七咲「……じゃあ、質問がもう一つ。あの怪物は、いったいなんなんですか? ……私も二年前、同じような怪物に襲われました。けれどその時は情報が提供されなかった」
純一「混乱を避けるためだ。それに、怪物に襲われた、と言っても、信じてもらえんのが現実だ」
七咲「……教えてください。あの怪物に、私の友達は殺された。そして、今も襲われた……聞かなきゃ、ずっとうやむやのままだと思うので」
純一「……信じるか信じないかはお前たち次第だ。だが俺が話す話は、真実だ」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:24:16.40 ID:REiU83pN0<> 【保健室】
路美雄「この世界には、アンデッドと呼ばれる、不死の怪物が存在していたんです。なんで存在しているのかについては詳しく説明しませんが、とても強力な怪物だと認識してください。人を大量に[ピーーー]事も、はたまた、街一つ滅ぼすのも容易な力を持っています」
ひびき「……と、いうことは、あの怪物はアンデッド?」
路美雄「……いや、三年前、ほとんどのアンデッドは封印されました。現在存在するアンデッドは、人に害をなさず、人と共存しているアンデッドだけです」
はるか「え? じゃあ、あの怪物は……?」
路美雄「……あれはトライアル。人がアンデッドの力を使い、生み出した、人から創造された怪物です」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:25:26.22 ID:REiU83pN0<> 純一「とある組織が、アンデッドの細胞と、人間の細胞を組み合わせることで生み出した、人工怪物の実験体。だからトライアル」
梅原「アンデッドじゃないからと言って油断しちゃいけねぇ。むしろ、下手なアンデッドよりよほど強い。不死ではないにしろ、普通の兵器じゃあいつは殺せないだろうな」
純一「それが、今、お前たちを襲った怪物の正体。そして、二年前……この街に突如現れ、多数の人間を殺した怪物の正体だ」
梅原「普通の兵器じゃ殺せないから、対抗手段は基本ない……ただ一つの対抗手段、それが……俺と橘、路美雄が持つライダーシステムだ」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:30:16.02 ID:REiU83pN0<> コトッ
路美雄「このライダーシステムは、本来アンデッドを封印するために作られたものです。封印したアンデッドの力を逆に利用することで、アンデッドに対抗するんです」
路美雄「アンデッドの力を借りることで、先程見た通り、鎧に武装して、アンデッドが封印されているラウズカードを利用して、戦う」
路美雄「トライアルへの対抗手段はこれだけ。僕たちはこれを使って、不定期ににあらわれるトライアルと戦っているわけです」
はるか「でも、そんな……」
路美雄「森島先輩?」
はるか「危険よ! だって、あなた、私より年下じゃない! 危険な仕事は、警察だったり、他の大人だったりに任せればいいのに、なんであなたから戦うの!?」
路美雄「……このシステムは、全ての人間が使えるわけではないんです。このシステムを使うためには、アンデッドとの融合係数が重要になってきます」
ひびき「係数?」
路美雄「要は、アンデッドとどれだけ息が合うか、という解釈でお願いします。……融合係数が高い人はほんとに少数です。でも、偶然にも、僕と橘先輩達は融合係数が高かった」
はるか「でも! 戦えるのはあなただけじゃない! もう少し大人で、戦える人を探せば――」
路美雄「でも、敵は待ってくれない」
はるか「あ……」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:32:34.99 ID:REiU83pN0<> 梅原「……俺は、兄と弟をトライアルに殺された。路美雄は、姉二人と父さんが殺された。そして……橘は、両親と……妹を殺された。妹さん、生きてたら、ちょうど、七咲さん達と同じ年齢だったっけかな」
純一「……そうだな」
七咲「え……?」
紗江「そん、な……」
綾辻「……」
純一「……そして、俺は……」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:33:28.57 ID:REiU83pN0<> はるか「……もしかしたら、だけど……」
路美雄「?」
はるか「……もしかして、その橘君っていう子のかけているサングラスも、関係、あるの?」
路美雄「……先輩はやっぱり勘がいいですね。……橘先輩は……右目を潰されて、左目も傷がついてます」
はるか「!!」
ひびき「!!」
路美雄「……聞いた話だと、友達をかばったときに、やられた傷だって。……整形手術で、少しは見た目がましになるはずなんです。けれど……」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:35:19.86 ID:REiU83pN0<> 純一「……これは、俺の罪の証なんだ。……あの時、美也を救えなかった。あの時、好きな人も、クラスメイトも、目の前で、殺された。……俺は、無力だった。俺は、それが悔しかった」
梅原「……だから、俺達は自分から戦うことを志願した。復讐だ、って言われたら……その通り、かもな」
梅原「けど、自分の手で、どうにかしたかったんだ。もう、俺たちみたいなやつが出ないように」
純一「もう、後悔はしないように」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:35:50.93 ID:REiU83pN0<> 路美雄「もう、誰かを悲しませないように」
路美雄「だから、僕たちは戦う」
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|M0)<><>2012/04/01(日) 22:39:31.69 ID:REiU83pN0<> 梅原「すまねぇな、湿っぽい話をしちまって。とにかく、まずは皆が無事でよかった。……だが、油断はしないでくれ。ここ最近、輝日東高校の生徒中心に、この街の人達がトライアルに狙われている」
純一「何故かはわからないが、おそらく、お前たちがまた襲われる可能性は重々ある。もちろん、俺たちも急いで向かいはするが……」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:39:59.72 ID:REiU83pN0<> 路美雄「最低でも、その場から逃げられるような心構えをしておいてください。出没しているトライアルには理性はありません。ですので、少しばかり頭を動かせば、逃げ切ることは可能です」
路美雄「とにかく、まずは死なないこと。これだけは約束してください」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:43:30.04 ID:REiU83pN0<> カランカラン……
梅原「よーす、お疲れさん」
路美雄「はぁ……先輩に、心配させちゃったなぁ」
純一「路美雄は、確かに戦闘のセンスはあるが、いかんせん見た目がな……特に先輩相手だと、変身前は頼もしく見えないのが現実だな」
路美雄「否定できないところがまた」
梅原「まぁまぁ、愛しのプリンセスにいいとこ見せられたんだからよ!」
路美雄「……あまり、釈然としない顔で帰って行きましたけどね」
純一「それはこちらも同じだ。特に、後輩達には無用の恐怖心を植え付ける結果となってしまった」
梅原「しょうがねぇよ。むしろ、あいつらにとっては、知れたことに価値があるってもんよ」
純一「……そう考えるか。……で、今日の出現状況や襲撃対象から見て、何か目的があることは確か。だが、輝日東高の生徒ばかりを狙うのには、いったい何の意思が……?」
梅原「なんで輝日東の生徒なのかが分からないな。この意思を読み取れば、行動もしやすいんだがなぁ」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:45:14.09 ID:REiU83pN0<> 路美雄「敵はBOARDの残党で、テロ組織。トライアルのデータを悪用して、怪物兵としてトライアルを運用している」
梅原「だが、トライアルに関してはあくまでデータだけであったため、不完全なトライアルしかあっちは生み出せていない……っていうのが、先輩の報告だったよな?」
純一「ああ。トライアルの量産化計画……実現すればとんでもない話だが、あっちは目途が立っていない。おそらくは、その量産計画に、一連の行動は関係あるのか?」
路美雄「……つまりは、さらにデータがあればその計画へ一歩近づくんですよね?」
純一「データ……もしかすれば、あちら側は何か欲しがっているんじゃないのか?」
梅原「連中が欲しがるもの? ……トライアルはアンデッドと人間の細胞から出来る。……人間の細胞はいくらでも手に入るが……アンデッドの細胞は?」
路美雄「現在、封印されていないアンデッドは二体。でも、一体は細胞を提供するはずがないし、もう一体は行方不明」
純一「……仮説の一つだが、おそらく連中は……俺たちのラウズカードを欲しがってるんじゃないのか?」
梅原「つまりあれか! 先輩が言ってた、BOARDの計画……残党なら、その意思を受け継いでいてもおかしくない」
路美雄「あるいは当時の発案者と同じように企んでいるか……どちらにせよ、僕たちのラウズカードを狙っているなら、連中の行動に一応の理由づけはできる」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:49:19.54 ID:REiU83pN0<> 純一「トライアルを襲わせているのは、トライアルに勝たせて、ラウズカードを奪うため」
梅原「輝日東の生徒ばかりを狙うのは、俺たちをより確実におびき出すため」
路美雄「もしかして、二年前の事件も、ラウズカードが狙いだったのかも?」
純一「ラウズカードは、烏丸さんに預けていたって、先輩が言っていた」
梅原「ラウズカードはよほどのことがない限り世に出ない。そう、トライアルみたいな、ラウズカードの力を使わなければ倒せない相手が出るぐらいの事態じゃなければ……」
路美雄「だったら実際に起こして、無理やりにでもラウズカードを世に出す。ライダーシステムを使わせる事は、ラウズカードを表に出すことと同義ですから」
純一「事態を把握させるためには派手じゃなきゃならない。だから、街全体を襲った。テロ紛いの襲撃までして」
梅原「一応の説明はつくな。……けれどよ」
路美雄「仮説にすぎない。これだけじゃ、状況証拠だけで判断したに過ぎない」
純一「……梅原、路美雄」
梅原・路美雄「?」
純一「……先輩たちと合流しよう」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:53:48.86 ID:REiU83pN0<> 純一「……只今帰った」
梨穂子「御帰りなさい。……帰り、遅かったね。もしかして、今日も?」
純一「……ああ。輝日東の生徒がまた襲われた」
梨穂子「そう……大丈夫?」
純一「問題ない。だが、ここ最近出現の間隔が小さく――」
梨穂子「違うよ。あなたは怪我とかしてない? それに、なんか、ここ最近無理してるような気がして……」
純一「……」
梨穂子「……だって、あなた、この季節になると、顔が……怖くなる」
純一「……俺は……修羅にならなければならないんだ」ギロッ
梨穂子「!」
純一「……」
タッタッタ……
梨穂子「…………だってあなた、二年前のあの日から笑ってないんだもん」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:56:24.54 ID:REiU83pN0<> 紗江「……ありがとう。こんな時間まで付き合ってもらって」
七咲「……いいですよ。私も、少し、ねむれなかったですから……」
紗江「私、やっぱり、その……怖くて……」
七咲「しょうがないですよ。……私も、二年前のあの時から、ずっと怖いですから……」
紗江「あ、七咲さんは、二年前の事件にあったことがあるって言ってましたね」
七咲「……ええ。そう、まるで今日みたいに……でも、二年前も、今日も、ライダーが助けてくれた」
紗江「ライダー……」
七咲「(少し怖いイメージを感じましたが……多分、優しいんだとは思う。サングラスをかけることで橘先輩は色々と有名だったけど、話したのは初めてだったからな……。でも、あの人達は家族を失っている、そして今は戦っている。一体、何を思って戦っているんだろう)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/04/01(日) 22:58:44.79 ID:REiU83pN0<> 梨穂子「なんだか、純一と学校に行くも久しぶりだね」
純一「輝日東の生徒ばかりが襲われている今は、警戒する必要があるからな」
梨穂子「……もう、そうやっていつも」ボソッ
純一「?」
梨穂子「……ねぇ、純一」
純一「……」
梨穂子「……もう、止めない? 戦うこと」
純一「……」ギロッ
梨穂子「ひぅ!? ……だって、私、純一が怪我をしたりするところを見たくないし、だって、もしかしたら死ぬかもしれないんだよ!? ……あなたが戦うたびに、私の胸は締め付けられるの。それに、朔也さんにも言われたよね、あなたが変身するのは危険だって……」
純一「……俺が戦いをやめれば……」
梨穂子「……?」
純一「……自分から死を選ぶかもな」
梨穂子「純一!」
純一「……」
タッタッタ……
梨穂子「……なんで、あなたはそんなに、変わっちゃったの……?」
梨穂子「純一が……見えないよ」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 22:59:28.74 ID:REiU83pN0<> 【放課後】
七咲「……っぷはぁ!」
ひびき「はい、それじゃあ次はプル、キック、ドルフィンキックで基礎ドリルをこなしていって。そのあとは、インターバルを設定してタイムを記録していくから」
七咲「はい!」
ひびき「タイムの伸びはいいペースだと思うから、まずはそこだね。まだ一年生だから、長い目で見るのもあるけれど……」
七咲「じゃあ、次の大会の競技は――」
純一「塚原先輩!」
ひびき「あなたは……橘君、でよかったかしら。今は女子水泳部の活動中よ。部外者は立ち入り禁止なはずだけど」
純一「それはすいません! 水泳部の人達を、今すぐここから避難させてください!」
ひびき「え!? そんな、いきなり――」
純一「今すぐ逃げないと危険――! サーチャーの反応が……もうすぐ来る!」
ひびき「来る……?」
七咲「え……?」
純一「変身!」
【TURN UP】
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:05:29.54 ID:REiU83pN0<> ドゴォォォーーーン!!
バシャーーーン!!
七咲「きゃああ!?」
ひびき「!? 一体何が起こったの!?」
純一(ギャレン)「今すぐ逃げろ! プールに落ちてきたのはトライアルだ!」
七咲「うっ!? ……さっきの爆発で、足が……! 先輩逃げてください!」
ひびき「ダメ! 逃げれなくても、先輩としてあなたを守る!」
バシュン! バシュン!
キン! キン!
純一(ギャレン)「がはぁ!? くっ! 射撃だと!? 射撃をするトライアルは……まさか!?」
トライアルE「お前が、今のギャレンか」
純一(ギャレン)「トライアル……E!!」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:06:04.50 ID:REiU83pN0<> 地震なう
震源地どこだろうか <>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:08:55.25 ID:REiU83pN0<> トライアルE「お前と遊ぶ気などない。さあ、潔く死んでもらおう」
バシュン! バシュン! バシュン!
純一(ギャレン)「くぅっ!」
ピチュン! ピチュン!
純一(ギャレン)「お前があああ!!」
【RAPID】
バシュンバシュンバシュン!
トライアルE「ふんっ!」
パンパンパァン!
【UPPER】
純一(ギャレン)「おらあああ!!」
タンッ!!
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:12:11.02 ID:REiU83pN0<> トライアルE「ふっ、俺を倒すには力が足りん!」
キィン!!
純一(ギャレン)「ぐふっ!? だが、お前だけは許すわけにはいかないんだあああ!!」
【ABSORB QUEEN】
【FUSION JACK】
シュイイイン!
ボアアア!
純一(ギャレン)「てぇりゃあああ!!」
スバッ! スバッ!
トライアルE「銃剣に変えて、近接戦にシフトしたか。だが……」
ガシィッ!
トライアルE「冷静さを失った太刀筋だ。何より、高機動フォームであるジャックフォームを、室内で選択するのは決定的なミスだ! この距離なら、抵抗は出来まい!」
バシュンバシュンバシュンバシュンバシュン!!
純一(ギャレン)「ぐあああああ!!」
トライアルE「橘朔也の記憶を持つものとして、非常に残念だよ。……[ピーーー]」
七咲「そ、そんな……だめえええ!!」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:19:16.01 ID:REiU83pN0<> http://www.youtube.com/watch?v=KRmCEO-0zRM <>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:25:58.88 ID:REiU83pN0<> 【DRILL】
【TORNADO】
【SPINNING ATTACK】
???「たぁぁ!」
トライアルE「ぐあっ!?」
純一「な、何?」
七咲「あ、あれは……」
トライアルE「くっ! まさかジョーカーまで参戦するとは……」
始(カリス)「危なかった。大丈夫か? 純一」
純一「くぅ……すいません、冷静さを欠いてました」
始(カリス)「今は謝っている場合じゃない。……しかし、トライアルの完成体が投入されるとはな」
トライアルE「……ギャレンだけはともかく、ジョーカーも含めるとなると……今の俺では実力不足か。撤退するとしよう」
ボン! ボン!
始(カリス)「何!?」
純一(ギャレン)「煙幕弾か!」
シーン……
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:34:25.81 ID:REiU83pN0<> 【SPIRIT】
始「思ったよりも、事態は面倒な方に進んでいるようだな」
純一「……クソッ! 俺としたことが……」チュイーン
始「……お前の境遇からして、しょうがない。だが、次からは気を付けることだな」
タッタッタ……
始「……様子から見るに、怪我をしているな」
七咲「あ、その……お久しぶり、です」
ひびき「え? 七咲、この人と知り合い?」
始「……二年振りか。こういった形で再会はしたくなかったな。……足を貸せ」
七咲「ん……」
【RECOVER】
七咲「あっ……」
始「それも、同じようにこのカードを使っているとなると……運命か。足はもう問題ない。水中の運動に関しても支障はないはずだ」
七咲「あ、ありがとうございます」
純一「相川さん。ほかのみんなも同行していますか?」
始「ああ。今日が集合の日程だったのが幸いだった。橘は梅原のところに、上城は路美雄のところに向かった。後は連絡を待つだけだ」
純一「え? でも、朔也さんと上城さんはバックルを……」
始「それを含めて、今日話合うところだったんだ」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:38:09.14 ID:REiU83pN0<> 【喫茶店】
純一「お久しぶりです。朔也さん、上城さん」
睦月「久しぶりだね、純一君」
朔也「元気そうで何よりだ」
純一「ええ、まぁ」
梅原「大丈夫だったか、学校のプールの方は?」
始「それについてこれから話し合いたいと思う」
路美雄「その前に……飲み物、頼んでいいですか?」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:39:37.92 ID:REiU83pN0<> 朔也「トライアルEだと!?」
睦月「しかも理性がちゃんとある、完全体か……」
始「ああ。おそらく、二年前に確認されたトライアルEと同じ個体だろうな」
梅原「確か、完全体のトライアルはEだけなんですよね?」
朔也「ああ。他の完全体トライアル……要は、封印処理されていたトライアルはE以外は倒した。だが、Eだけは取り逃がしたままだったんだ」
純一「……そう、あいつが美也を、みんなを殺した」
朔也「落ち着け。復讐心に囚われることはあってはいけない」
純一「……」
睦月「現時点最強のトライアルが現れた。一体、これが意味することは何なんだ?」
梅原「……朔也さん、相川さん、上城さん」
路美雄「これは、僕たちなりで考えてみた仮説なんですけど……」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:40:21.89 ID:REiU83pN0<> 始「敵の狙いがラウズカード、か……。確かに、可能性としては十分にあり得る」
朔也「あるいは、バックル自体を狙う可能性も否定できない」
睦月「バックルを使わせて、消耗させるためにトライアルを……完全体のデータが揃う前にトライアルを作りだしているのは、数を優先させているから? あれ? でも、完全体のトライアルEがいるんだったら、データはあるはずじゃ……」
始「いや、トライアルEには意思がある。研究資料になることは誰だって嫌だろう。ラウズカード、バックルを狙っているんだとして、狙う目的は一体……?」
朔也「……場合によっては、これをより完成形にすることを急がなければならないな」
コトッ
純一「新しいバックル? これは?」
路美雄「レンゲルのバックルに似ている感じがしますが……」
朔也「これは、俺が開発を進めている新世代ライダーシステムだ。アンデッドの力を擬似的に再現したラウズカードで戦う、より扱いやすい方向性を目指したシステムだ」
梅原「朔也さん、いつの間にこんなやつ作ってたんですか」
朔也「かなり時間がかかってしまったがな。だが、融合係数にあまり左右されないシステムだから、完成すればよりトライアルと戦いやすくなるだろう」
路美雄「完成ではないんですか?」
朔也「変身システムは一応完成した。だが、決め手となる技のカードがまだ完成していない。だが、それが完成すれば、強力な戦力になるだろう」
梅原「なんか、やっと事態が進展したって感じですね」
朔也「ああ。そもそもこういった事態が予想外だからな。後手後手になりがちだったが、これで攻勢にできるといいんだがな」
<>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:42:23.55 ID:REiU83pN0<> 書き溜めはここまで。
今からまた書き溜めるから、少し待ってくれ。
投下は深夜になってりまうが……よろしく頼む。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<>sage<>2012/04/01(日) 23:42:54.06 ID:spGaTTUio<> 面白い!
一点だけ指摘。「綾辻」じゃなくて「絢辻」ね <>
|M0)<><>2012/04/01(日) 23:47:04.65 ID:REiU83pN0<> >>59
ぐあああああ、またミスったぁぁ
前回一人称ミスったから、今回は……って思ってたらこれだよ。
気をつけます。ご指摘ありがとうございます。 <>
|M0)<><>2012/04/02(月) 02:45:09.50 ID:loL86CYK0<> 純一「そう、ですか……」
始「……純一」
純一「はい」
始「……気持ちはわかる。だが、より早急にトライアルを倒さなければならないのは事実だ。お前が持つバックルは、決してお前の復讐にあるためなんかではない」
純一「……」
始「お前が焦り、怒りだけに身を任せる真似をすれば……俺は、お前から全力でバックルを奪うこともためらわない」
純一「……ええ、分かってますよ」
朔也「始、釘をさすのはそこまでにしておけ。俺も、人のことは言えないからな……」
純一「そんな、朔也さんは……」
朔也「何、俺も似たようなものだからな。……だが、冷静でいて欲しいのは事実だ。前にも言った通り、純一がキングのカードを使うのは禁止だ。……でないと、周りの人達を悲しませる事となる」
梅原「その通りだ。……剣崎兄さんは守りたいもののために身を投じたけどよ、お前はそんな必要がないんだから」
路美雄「そうですよ。それに、先輩が急にいなくなったら、桜井先輩が……」
純一「……梨穂子は……関係ない……っ!」
朔也「……」
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 02:46:01.65 ID:loL86CYK0<> ――兄さんと会ったのは、兄さんがバイトでうんぬんで親父と知り合ったときだった。
――それからというもの、東寿司の常連客となった兄さんと俺は、よく遊ぶ仲になったっけかな。
――給料日前はよくカッパ巻きを死ぬほど食べたり、変なドジをするような人だったけど、それでも俺にとっては、必死に仕事に取り組み、仕事に誇りを持つ兄さんに憧れていた。
――兄さんは、仕事については詳しく話してくれなかった。今思えば、俺に対する思いやりだったんだな。
――けれど、ガキで、無駄に好奇心旺盛だった俺は、だだをこねて、無理やり兄さんから、兄さんが今やっている仕事について教えてもらった。
――アンデッドと戦うライダー。世界の滅亡がかかっている決死の戦い。
――それを聞いた時、俺は思わず背筋がぞっとした。不安になっていく俺の顔に勘付いた兄さんは、そんな俺に向かって、笑顔で答えてくれた。
「でも、たとえどんな奴が敵になっても、俺は、俺の守りたいものを守りきる! だから、大丈夫だ!」
――その顔は、その背中は、俺には、とても大きすぎて……。
――そして、その言葉を最後に……兄さんは、俺たちの前から消えてしまった。
――唯一、バトルファイトについて知っていた俺に、朔也さんが気を利かせて、真実を語ってくれた時、俺、柄でもなく号泣したっけかな。
――言葉の意味を知ってしまったから。
――多分、決心を固めてたんだな、って、俺は察したんだよ。
――……で、中学時代。
――バトルファイトの遺産、トライアルが、俺たちの町を、俺たちを、襲った。
――俺の目の前で兄さんが死に、知らないところでは兄さんがもう一人、そして親父が死んじまった。
――きっかけはいきなりで、きっかけはあまりにも理不尽なものだった。
――今、俺の手元にあるバックル。
――剣崎兄さんが使っていた、魂のバックル。
――俺、守れるかな……。
梅原「寝る前に考えることじゃないな……あいつ、ほんとに大丈夫だろうか。もし、あいつが剣崎兄さんと同じように……そうだな、そうさせないために、俺と路美雄ががんばらなきゃな!」
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 02:46:35.26 ID:loL86CYK0<> ――家族が殺されて、悲しむだけの僕だった。
――けど、心の中でふつふつと、何かが湧きあがっているようなきがした。
――今思えば、あれはおそらく憎しみの一種だった。
――そして偶然のめぐりあわせで、自らが適性者だと言うことを知り、そして……橘先輩達と、睦月先輩達と出会った。
――ライダーになることで、僕は強くなれる。
――最初は、そんな愚かな考え方をしていた。
――けど、朔也先輩や、睦月先輩から、それよりも大事なものを教えてもらった。
――大事なのは、自分自身の強さ。
――自分の中でしか、本物の切り札は存在しない。
――始さんからそう言われた時、その時はまだ意味が分からなかったけど……
――剣崎さんについての話を聞いた時、初めてその意味を理解した。
――自分は何をしたいのか、自分は、何をすべきなのか……
――それを見つけた俺は、とにかく努力を重ねた。
――トライアルの戦闘パターンを覚え込み、始さんや朔也さん、睦月さんから戦闘訓練でもまれたり……
――後悔しないように。自分のしたいことをできるように。
路美雄「……僕、絶対に守ります。橘先輩たちも、そして……愛しのジュリエットさんも。みんなを!」
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 04:20:19.24 ID:loL86CYK0<> 梨穂子「純一、お風呂が入って――」
梨穂子「……あれ? ……どこにいったんだろう? 怪人が出たわけでもないだろうし……あっ、もしかして」
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 04:20:52.12 ID:loL86CYK0<> 純一「はぁ……はぁ……」
純一「(ダメだ、もっと走らなくちゃ、俺は納得できない。誰よりも強い体を手に入れて、トライアルを、トライアルEを……!)」
純一「(家の前に戻ってきたが、後、もう少し……ん?)」
バタッ!
純一「(あぁ……視界が横になっている。倒れたのか……貧弱な体だな。まったく。……でも、まずい、寒空の下で、ボドボドの汗だくの体で眠る……風邪をひくこと必至だな)」
純一「(……まぁ、いい。少し眠ったら、また走って、射撃訓練と格闘訓練を――)」
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 04:21:59.58 ID:loL86CYK0<> 純一「…………ん」
梨穂子「あ、やっと起きてくれた」
純一「……俺の部屋? ……俺は、いつの間に部屋に戻ってたんだ?」
梨穂子「家の前で倒れてたんだよ? 走りすぎて、寒い中で不貞寝しちゃってたんだよ」
純一「すまんな、手間をかけさせた……」ムクッ
梨穂子「だーめっ! 今日はもう動かないで、安静にしてください」
純一「……立ち止まるわけにはいかない」
梨穂子「もうっ、純一はなんでそんなに、なんでそんなに……もう少し、自分を大切にしてよ……」
純一「立ち止まった俺に、価値などないんだ! 俺は、そう……美也のために、自分のために、戦うんだ。だが、このままでは……」
梨穂子「でも! でも! あなたはたった一人なんだよ? 怪我したり、無理をして倒れたり、苦しむのはあなたなの! そして、あなたが苦しむ姿を見るのは、私は、辛いんだよ……」
純一「……が、わかる」
梨穂子「……え?」
純一「何が分かる! お前に何が分かるんだ! お前は何も失ってない! お前はそうやって、なんで、俺なんかに、笑ってくれられているんだ! 俺は、こんなに罪深いってのに! 俺は、こんなにも、醜いのに! 俺は、俺は……」
梨穂子「……じゅん、いち?」
純一「……少し……出か、ける」
梨穂子「あっ……」
タッタッタ……
梨穂子「……私、また、純一を泣かせちゃったの、かな……」
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 04:50:24.38 ID:loL86CYK0<> ここで一旦人物紹介。
原作に色々改変されているところが多々ですので、一応解説を。
《橘純一》
このSSの主人公……のはず。仮面ライダーギャレンに変身する。
両親と妹の美也、さらにはクラスメイト(初恋の人である蒔原美佳や上崎裡沙含む)を殺されている。
右目を潰され、左目には深い傷が残っている(この傷は上崎をかばった際に負傷したもの、かばった後に上崎は殺された)。
人一倍の復讐心を秘めており、爆発した際は暴走気味になってしまう。
原作との性格の違いは
・変態紳士じゃない
・恋に関してはまったく興味がない
・復讐だけに生きている
こと。
実は、アンデッドの融合係数については特殊な体質を持っている。
結構剣本編初期の橘さんに似ている感じ。
さらに言うならば、実は橘とは親戚。
《梅原正吉》
純一の親友であり、純一の理解者。仮面ライダーブレイドに変身する。
剣崎とは少し古い知り合いで、剣崎は東寿司の常連客だった(注文するものは8割かっぱ巻きだったらしい)。
兄と弟をトライアルに殺され、さらに剣崎への憧れから自らブレイドになることを志願する。
純一と少し違い、復讐心よりは、剣崎のように「自分の守りたいものを守りたい」という気持ちから戦っている。
復讐心にかられる純一のことを、親友として心配している。
《樹里路美雄》
純一と梅原の二つの意味での後輩。仮面ライダーレンゲルに変身する。
姉を二人と父をトライアルに殺されている。上城睦月とは親戚であり、その関係でライダーと関わることとなった。
最初は唯の復讐心からライダーに志願したが、睦月達からの教えもあり、自分のやりたいことのためにライダーとして現在は戦っている。
森島はるかに恋心を抱き、自分の名前からはるかをよく「ジュリエットさん」と心の中で呼んでいる。
原作より断然頼もしい性格で、見た目に反してかなり鍛えられている。
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 05:15:21.79 ID:loL86CYK0<> 《桜井梨穂子》
梨穂子はかわいいなぁ!
梨穂子はかわいいなぁ!!
梨穂子はかわいいなぁ!!!
梨穂子はかわいいなぁ!!!!
梨穂子はかわいいなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
【只今、封印中……】
純一の幼馴染。
家をトライアルに壊され、家族を殺された純一を半分無理やりに家に居候させた。
純一を温かく見守り続けており、時間がたつごとに焦りを募らせていく純一を一番心配している。
しかし、純一とはうまくいっていない。
《棚町薫》
純一の中学時代からの悪友。
トライアルによって母を殺されている。現在は隣町の親戚の家に居候している。
隣町からわざわざ輝日東に、それも交通費を稼ぎながら通う理由はお察しください。
純一のよき理解者の一人でもある。
《絢辻詞》
純一のクラスメイト。そのきれいな笑顔の裏にある正体は仮面優等生の顔である。
家族がトライアルに皆殺され、親戚の支援を受けながら独り暮らしをしている。
元々は家庭の方針で仮面優等生をしていたのだが、現在もその仮面を捨てられないでいる(自分の中にある醜い面を隠すため、自分への安心感を得ているため)。
現在、次第に病んできている状態にある。
《七咲逢》
純一の後輩、一年生。
二年前の事件で、トライアルによりクラスメイトを殺された。
絶体絶命の危機の時に、トライアルから始こと仮面ライダーカリスに助けられた経験がある。
……さすがロリコンライダー、と思った奴は正直にSPINNINGATTACKされてください。
《森島はるか》
このSSで数少ない非被害者。
相変わらず天然です。
《中多紗江》
同上。
美也がいない代わりに、七咲と親密になっている。
《橘美也》
二年前の事件で、トライアルEによって殺された。
ご冥福をお祈りします。
……いやね、美也が嫌いなわけじゃなくて、むしろああいった妹キャラ大好きなわけなんですけど、いやね、自分も苦渋の決断でしたよ、でもね、純一を動かすためには必要な犠牲だったと私は思いたいんですけど、でもですね、やはり美也がいないSSって結構辛い(ry
《上崎裡沙》
二年前の事件で、トライアルEによって殺された。
アーメン。
裏話として、殺された時の状況としては……
・純一、裡沙をかばう
↓
・問答無用に負傷させられる
↓
・純一に忍び寄るトライアル
↓
・純一に放たれる銃弾を裡沙がかばう
↓
・死亡
……と、最後まで裡沙ちゃんらしく死にました。
ある意味一番の悲劇のヒロイン。
でも、この死に方が純一のトラウマを加速させることとなった。
<>
|M0)<><>2012/04/02(月) 05:32:12.09 ID:loL86CYK0<> 続編上げるのが、もしかすれば明後日とかになりそうです。
ホテルにPCがあればいいんだけど……。
と、言うわけで今回はこのスレからは退散。
かみんぐすーん。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)<>sage<>2012/04/03(火) 00:21:01.57 ID:jajw/+/Po<> >>1乙 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 01:36:42.20 ID:3af2/qzC0<> 見ている人いないかもしれないけど再開。
でもスローペース。 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 01:43:36.42 ID:3af2/qzC0<> 純一「……はぁ、はぁ」
タッタッタ
純一「はぁ……くそっ」
タッタッタ
純一「くそっ、くそっ……」
ダンッ!
純一「俺には……どうすることもできないのかぁ!」
ダンッ!
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 01:57:48.72 ID:3af2/qzC0<> ???「えーと……もしかして、橘純一君?」
純一「……誰だ」
はるか「あ、その……声かけちゃ、ダメだったかな?」
純一「……いえ。……この時間の外出は危険です。今すぐ帰宅してください」
はるか「……だったら、さ。ごめん、家まで付き添ってくれないかな? 言われている通り、確かに夕方のあれに襲われたら……危険だものね」
純一「じゃあなんで外に出たんですか?」
はるか「そ、その……誰かに会えるって思ったから?」
純一「……はぁ」 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 03:17:08.91 ID:3af2/qzC0<> はるか「そ、その……ごめんなさい」
純一「……いきなりどうしたんですか?」
はるか「だって……休み時間の時、サングラスのこと……気を使わずに、ずけずけと……」
純一「ふぅ……それを肯定か否定かを決めるのは俺です。先輩の心配は結構ですよ」
はるか「そ、そう? それならよかったけど……そういえば」
純一「?」
はるか「あなたはこの時間に何をしていたの? ジャージ姿ってことは……」
純一「……軽く走っていました。鍛えないといけませんから」
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 03:36:53.25 ID:3af2/qzC0<> はるか「努力家なんだね。あ、でもそれぐらいはしないと危ないのか……」
純一「それが俺のやるべきことですから、ね」
はるか「……その、さぁ」
純一「はい」
はるか「路美雄君のことなんだけれど……」
純一「路美雄が何か?」
はるか「……あの子を、止めてもらえないかな? 戦うこと……」 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 04:34:09.50 ID:3af2/qzC0<> 純一「……」
はるか「わがままだってわかってるの! 話を聞いたときに、あの子の決意や思いはひしひしと伝わった! けれど、だってあの子、私より年下で、あんなに小さいのに、いつ死んでもおかしくないような状況にいるのは……おかしいって思ったの」
純一「……なんでですか?」
はるか「えっ、だって、死ぬかもしれないんだよ!?」
純一「そんなことだったら、全世界の警察はやめるべきじゃないですか?」
はるか「そうじゃなくて、だって、あの子はただの高校生で、警察の人と違って……」
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 04:52:43.37 ID:3af2/qzC0<> 純一「それでも、俺たちは自分から戦いの道を選んだ。先輩にそれを否定する資格は……ない、と自分は思いますが」
はるか「……ん」
純一「……そもそも、なんであなたはそんなに路美雄を気にするんです?」
はるか「え?」
純一「あなたは偶然路美雄に助けられた、ただそれだけのはず。話によれば知り合いでもなかったらしいですし、あいつは、そう、ただの後輩というべき。でも、あなたの言い分はまるで……あいつの姉みたいだ。いや、犬の飼い主みたいな言い分ですね」
はるか「そ、そんな……!?」
純一「俺にはそうにしか見えない。あいつがやりたいことを真っ向から否定して、あなたはなぜか庇護しようと必死だ。まるで捨て犬を拾った子供みたいですね?」
はるか「違う……! あの子には、助けてもらったから……だから……!」
純一「言い訳がましいのは嫌いです。……ここからは一人で帰ってください。俺は自分達の行為を否定されることが嫌いなんです。話も聞いてられません」
はるか「だ、だから違うの! 私はただ、ただ……」
純一「気をつけて帰ってくださいね。それでは」
タッタッタ…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/04/05(木) 06:29:40.97 ID:qrZd4tN0o<> 楽しみにして見てるよ。
1レスあったら
100ROMあると思ってよし! <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 07:26:12.62 ID:3af2/qzC0<> >>78
そういってくださいますとありがたいです。
ああ、ペースが遅い……。
すいません。 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 07:33:00.92 ID:3af2/qzC0<> 【学校】
???「……おい」
純一「……どうしましたか、先輩?」
瑠璃子「……少しばかり、面貸せ」
純一「……はい」
タッタッタ…… <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 07:47:52.56 ID:3af2/qzC0<> 【茶道部部室】
純一「今日は飛羽先輩はいないんですね」
瑠璃子「進路関係でね。うちらも三年だからねぇ」
純一「そうですね」
瑠璃子「……で、だ。うちらがなんであんたを呼んだか、わかるかい?」
純一「いえ? 気がかりは……」
瑠璃子「嘘だね」
純一「根拠は?」
瑠璃子「女の勘ってやつさぁね」
純一「なるほど」 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 07:59:52.12 ID:3af2/qzC0<> 瑠璃子「……けっこう視線とかあんたにぶつけている気なんだけどねぇ、ある意味大物かもな」
純一「お褒めの言葉どうも」
瑠璃子「皮肉だよ。……今日の部活、ずーっと桜井のやつ、しけた顔ばっかりしててさ」
純一「……」
瑠璃子「単刀直入に言うとね……桜井のやつを悲しませんなってことを言いたかったんだな」
純一「……」
瑠璃子「……あんたの今までに起こったことは、ある程度桜井に聞いたよ。あたしと愛歌も、クラスメイトを殺されててさ……あんたの身の上話に同情はするさ」
純一「……同情なんていりません」
瑠璃子「ああ、被害者はそう思うもんだよな。……でもな、それとこれとは別だ。桜井の家に居候しているんだろ? それに、幼馴染だからお互いによく知っているはずだ。事件の前のお互い、とかな」
純一「そうですね、まさか、幼稚園からの付き合いがここまで続くなんて、大抵の人は思いませんよね」
瑠璃子「そうだな。うらやましいところだよ」 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 15:16:45.48 ID:3af2/qzC0<> 瑠璃子「そう、桜井とあんたはよく知っている仲だ。だからこそ、あんたはなんで、わざわざ桜井を泣かせる様な真似をするかねぇ、って思って、くぎを刺したくなったんだ。年上のおせっかいともいわれかねないけどさぁ……うちらは桜井が好きなんだよ。あいつが笑ってねぇと、なんでか茶道部が辛気臭くなっちまう。いやだろ? 妙に沈んでる部活なんてさ」
純一「……じれったいですね。何を言いたいんですか?」
瑠璃子「だからよ! うちらは桜井を心配してる! だったら、桜井の心配の種を摘み取ってあげたいって思うもんだろ! それが、先輩ってもんじゃぁねぇのかなぁって思うんだけどさ」
純一「……残念ですが、先輩のご期待にはそえません」
瑠璃子「……おい、帰るんじゃねぇ」
純一「……」
瑠璃子「なんでお前は桜井を頼らねぇ! 確かに桜井はちょっと抜けたようなところもあって、お前みたいに戦っているわけではない! けど、人一倍あんたのことを心配してくれているんだよ! だったらよ、少しぐらいは背中預けてみてもいいじゃねぇか! 桜井は、あんたに、頼られてほしいんだよ……」
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/05(木) 15:58:05.11 ID:3af2/qzC0<> 純一「……俺にかまってどうするんです?」
瑠璃子「……え?」
純一「俺と梨穂子はただの幼馴染です。そう、事件の前は……今は、ほら、俺はすごく醜い。俺、サングラスを外すたび、吐き気がしてしょうがないんですよ。おかしいですよね、自分の顔なのに」
瑠璃子「……」
純一「……そして、俺は変わってしまった。目の前で妹を殺されて、クラスメイトを殺されて、初恋の人も、挙句には親も殺されて……もう、俺は昔に戻れない。もう、見失ってしまった。俺は梨穂子の幼馴染である橘純一じゃない。仮面ライダーという仮面をかぶった、ただの復讐鬼なんですよ」
瑠璃子「……随分ないいようだね」
純一「それが真理ですから。……でも、うれしいですよ」
瑠璃子「ん?」
純一「梨穂子のそばに、あなたみたいな優しい先輩がいてくれて。……よろしくお願いしますよ」
瑠璃子「は? おい、そりゃあいったい――」
ガラガラ……バタン
瑠璃子「……意味深な言葉だねぇ。なんだったんだ?」
ガタッ!
<ひゃぁ!?
瑠璃子「おや? ……あれま、まさかあんたがねぇ……いや、案の定か」
???「……そ、その」
瑠璃子「……ちょっくら話しないかい?」
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 00:08:01.22 ID:hFG+/1BF0<> 【少し前:喫茶店】
梅原「それ、本当ですか?」
朔也「……残念ながら、な。先日から全国でトライアルが出現している。地域によって数はまばらだが、それでも被害者は多数だ」
路美雄「そんな……僕達みたいな人が、また増えているなんて……!」
始「あちら側は大きなアクションを起こしてきた。もしかすれば、何かの予兆とも考えられる。警戒しておけ」
朔也「ライダーシステムの完成は急ぐが、ここは始にも大きく動いてもらう必要があるかもな……できるか?」
始「最初からそのつもりだ。問題ない。……だが、純一達は高校生だ。この町が活動範囲となってしまうのは……いかんせん、な」
梅原「そればっかりはなぁ……」
路美雄「先輩達は卒業も近いわけではないですからね」
純一「……なら、俺がこの町から出る」
梅原「おまっ! でも学校は?」
純一「退学するに決まっている。幸いにも旅に出れるほどの金はある。バイクもあることだしな」
朔也「……俺たちから取ってみればそれはありがたい。だが、もう少し自分の身のことも考えた方がいいんじゃないか?」
純一「心配してくれるんですか? ありがとうございます。ですが、今の高校に思い入れがすごくあるわけでもないですし、誰かがやらなければならないって自分は考えています。だったら、俺がやる」
朔也「……判断は少し待ってくれ。まずは出現状況を見て、そこで決断させてもらう。……あまり無理はするなよ」
純一「……」 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 01:51:27.06 ID:hFG+/1BF0<> 瑠璃子『桜井は、とにかく納得ができるまで行動し続ければいいとあたしは思う。あいつは多分、桜井のことをないがしろにしているわけじゃないって思うんだ。……でも、あんたがよく話してくれたような橘純一ってやつなら……もしかすれば、わざと遠ざけてるんじゃねぇかなぁとも思うんだ。完全に女の勘だけどな』
梨穂子「……純一は、まだ純一なんだよ。そう、私は、遠くもなく近くもないところで見守れれば、純一にとってはそれが一番なのかな」
梨穂子「(……でも、なんでだろう。さっきからすごく胸騒ぎがする。抑えようとしても、抑えきれないぐらいの)」
梨穂子「(……今日は勇気を出して、もう一度、そう、また、純一と話せたら……)」 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 02:54:24.60 ID:hFG+/1BF0<> 梨穂子「なんだか、勇気を出したいって時に、どうもこの公園に来ちゃうんだよねぇ」
梨穂子「……昔は、私と、純一と、そして美也ちゃんでよく遊んでて、私がよく転んでけがをして、泣いちゃったところを純一が励ましてくれて……」
梨穂子「でも、もう、そんな日には戻らない……」
梨穂子「あはは……勇気を出そうって思ってきたのに、余計しょぼくれちゃってどうするんだろう」
梨穂子「……美也ちゃんはもういない、純一は……なんだか遠い場所に行っちゃった」
梨穂子「私には、何ができるんだろうな」
梨穂子「……あーもう! しゃきっとしなくちゃ! 遅くなっちゃいけないし、早くかえろ――」
バシュン! バシュン!
梨穂子「――……え?」
バタッ!!
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 03:12:43.32 ID:hFG+/1BF0<> 梨穂子「……あっ、あ、れ? ……何だ、ろう、急に、倒れちゃって……」
梨穂子「(起き上がれない。……すっごく体が熱い。……あれ? この手についてるのって何だろう……あ、血? ……赤い、臭い。……えっ!?)」
梨穂子「え、え、え? ……!?」
梨穂子「はぁ……はぁ……あぁ!?」
梨穂子「クッ……ンッ……!」
トライアルE「……本当に人間というのは脆い。まぁ、それのおかげで楽に済むがな」
梨穂子「っ……!?」
トライアルE「最悪お前を[ピーーー]ことになる。恨むなら世界の真理を恨むんだな」
梨穂子「あっ……」
梨穂子「(何も見えなくなってきたな……純一に会いたかったのに……ここで、なんで、こんなことに)」
???「キィィィサァァァマァァァ!!!」
【ABSORB QUEEN】
【EVOLUTION KING】
【DIA TEN】
【JACK】
【QUEEN】
【KING】
【ACE】
【LOYAL STRAIGHT FLASH】
???「ウガアアアアアアアアアアアアアアア!!!」 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 04:53:42.23 ID:hFG+/1BF0<> 【二年後……:輝日東高校そば】
ブォォォーーーン……
キキィ!
ガシャッ!
ブォォォーーー……
キキィーーー!
???「うぅ、まだバイクに慣れないよぉ」
???「我慢してくれよ、桜井。だったら二輪免許を取得したらどうだ?」
梨穂子「ん〜、でもバイク怖いよぉ。とにかく、梅原君のバイクがあるからまだ大丈夫」
梅原「ずっと乗ってる気かい!」
???「でも、バイクがあった方が色々と困りませんよ?」
梨穂子「はぁ……逢ちゃんは怖くないの?」
逢「最初は怖かったですけど……要は慣れです」
路美雄「それに、バイクに乗って走った時はなんだか感激しますよ」
梨穂子「ん〜……少数派の辛さが……」
梅原「……そろそろ来るぞ、変身だ」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/04/06(金) 05:01:50.50 ID:MvtDET9p0<> ところでsagaは入れないの? <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 05:05:52.03 ID:hFG+/1BF0<> 「変身!」
【TURN UP】
【OPEN UP】
【OPEN UP】
【OPEN UP】
ローチ(多数)「ギギィ!」
トライアルD「ギガガァ!」
【MACH】
シュタタタ!
【THUNDER】
【SLASH】
【LIGHTNING SLASH】
梅原(ブレイド)「でい! でりぁ! とりゃ! ウェイ!」
斬! 斬! 斬! 斬!
ローチ×4「ギギギィッ!!?」
ズゴォォォン!!
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/04/06(金) 05:08:10.41 ID:+iKmelaDO<> http://maneking.jp/index.html?guid=ON&ic=d31349499dd010d7a7a63653cbb280ef
このサイトかなりおいしい
いままでこういうの馬鹿にしてたけど月に1〜2万くらいは稼げるもんなんだな <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 05:17:56.76 ID:hFG+/1BF0<> 【STAB】
路美雄(レンゲル)「てぇい!」
カンッ!
ローチ「ギッ!」
逢(ランス)「たぁ!」
キンッ!
ローチ「ギィガ!」
梨穂子(ラルク)「え、えいっ!」
パシュンッ! パシュンッ!
ローチ「グゲェ!?」
ズドォン!
ズドォン!
ズドォン!
トライアルD「ギギギィッ!!」
バリバリバリン!!
梨穂子(ラルク)「キャッ!?」
梅原「桜井! もう少し距離を取れ!」
梨穂子(ラルク)「ごめん!」
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 05:33:18.85 ID:hFG+/1BF0<> 逢(グレイブ)「一気に勝負をつけちゃいましょう!」
っ【MIGHTY】
PIPI!
【BITE】
路美雄(レンゲル)「でぇぇい!!」
ダン! ダン!
トライアルD「ギグガッ!?」
逢(グレイブ)「はぁぁ……たぁっ!」
ギィン!!
トライアルD「ギィ!? ガアアア!!?」
ズッドォォォーーーン!!
【KICK】
梅原(ブレイド)「どっせいやぁ!」
ローチ×2「ギグガァ!?」
ズドォォォン!
ズドォォォン!
っ【MIGHTY】
PIPI!
梨穂子(ラルク)「……ふぅ……そこぉ!」
バッシュン! バッシュン! バッシュン!
ローチ×3「ギグガァァ!!?」
ズドズドズドォォォン!!
<>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 06:06:25.91 ID:hFG+/1BF0<> シュィーン……
梅原「ふぃ、まだこの人数は楽で済むな」
路美雄「でも、全員がそろうのは難しいですね」
逢「私たちも部活を引退しましたから、動きやすくはなりましたけどね」
梨穂子「やっぱり私もバイク、乗らなきゃだめなのかなぁ」
梅原「そんなに無理しなくてもいいけど……いや、これを機会に……」
路美雄「あっ……すいません、時間なので先に戻ります」
梅原「お、今日も森島先輩といちゃいちゃしてんのかぁ? うらやましいところだね、このこの!」
路美雄「だ、だからまだそういった関係にはなってませんよ! それに、梅原先輩だって、絢辻先輩の送迎しているじゃないですか!」
梅原「あぁ……まぁあれは、契約みたいなものだから、気にするな」
逢「なんだか、相変わらずですね」
梨穂子「(……そう、だね。みんな、少しずつ変わっても、変わらないところが、ある)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)<><>2012/04/06(金) 06:37:50.60 ID:9IngQ3g/o<> 梨穂子がラルクなのかぁ
キャラ的には薫かとおもってたんだけど
おっぱい的には梨穂子だよねぇ。
とにかく、先が楽しみ。 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 06:50:25.42 ID:hFG+/1BF0<> ――あの日からもう二年、私も大学生になった。
――正確には、大学生は本業じゃなく、今では「仮面ライダー」が本業だ。
――二年の間、私も、みんなも、少しながらも変わっていった。
――私と逢ちゃんがライダーシステムの適合者として選ばれて、
――一年前からは、謎の怪物「アルビノローチ」が出現するようになった。
――日本全国だけではなく、世界全体にトライアルやローチが現れるようになり、組織の動きは一層と活発化している。
――そんな中でも……純一は、行方不明。
――私がトライアルEに狙撃された日、私を病院まで運んだあと、ふっと姿を消してしまった。
――トライアルEは姿を消したが、状況から見て無事ではないと予想されている。
――純一が放った必殺の銃撃、その威力は絶大で、公園を半壊させた。
――純一は特殊な融合体質を持っている。
――普段の融合係数は一般的なのだが、感情が昂るのと比例し、何倍にも係数が急上昇するのだ。
――感情が最高に昂った純一の力は絶大であるのと同時に、危険な可能性を秘めている。
――私は、それだけが、不安で、不安で、しょうがない。
――今、あなたはどこにいるの?
――なんで、姿を消してしまったの?
――私は、あなたの背中に立てるように、このバックルを持っている。
――今なら、私だって……。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/04/06(金) 09:47:46.59 ID:WjEhVwl3o<> 七咲がランスとグレイブ2人いるよね
面白いから支援 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/04/06(金) 09:48:17.38 ID:WjEhVwl3o<> 七咲がランスとグレイブ2人いるよね
面白いから支援 <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 10:11:47.98 ID:hFG+/1BF0<> >>98
すいません、ランスです。
脳内補完でよろしくです。
まーたーみっすったぁーーー <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 10:20:12.71 ID:hFG+/1BF0<> ???「久しぶりだね、梨穂子」
梨穂子「……へ? その声って……」
純一「……ごめん、待たせたね」
梨穂子「……じゅ、純一ぃ!!」
タッタッタ
ダキッ!
梨穂子「なんで……もう! 待たせ過ぎだよぉ!」
純一「ごめんな。でも、もう離れないから……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)<>sage<>2012/04/06(金) 14:14:17.30 ID:Grm2AV0jo<> ニーサン...
橘も純一もこなせるって逸材だな <>
|0M)<朔也……作者です<><>2012/04/06(金) 21:12:19.45 ID:hFG+/1BF0<> 梨穂子「……ん……」
梨穂子「へ? ……ああ、夢、だったのか」
梨穂子「……ここ最近、この夢ばっかり見るなぁ」
梨穂子「……会えるのかな? ……まさかね。そんな都合のいい話なんて、ないよね。純一は、自分からこの町を離れる道を選んだんだから……戻ることなんて」
PIPIPI! PIPIPI!
梨穂子「ふぇ!? は、はい! もしもし! 桜井です!」
梅原「桜井! ローチの反応多数だ! おそらくトライアルも出てくるぞ!」
梨穂子「わ、分かった!」
梅原「そっちに向かうから、玄関前で待ってろ!」
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|0M0)<やぁ<><>2012/04/12(木) 16:25:51.91 ID:yQBCN5H20<> ハッピィ! バァースデイィ!! 梨穂子!!
梨穂子はやっぱりかわいいなぁ!!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>saga sage<>2012/05/13(日) 11:52:41.02 ID:DfWF6Y/u0<> 終わり? <>