VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2012/07/07(土) 19:33:54.16 ID:3tpOhfBk0<>※禁書の美琴SSです。
ある日
とあるコンビニ
店員「ありがとうございましたー!」
ウィーン…
コンビニの入り口からでてくる御坂美琴……
美琴「………」
美琴「(やった…とうとうやったわ…!!)」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1341657234
<>美琴「ゲ、ゲコ太対決ですって!?」
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 19:37:17.20 ID:3tpOhfBk0<> 美琴「コンビニのスポーツドリンクに付いてくるゲコ太ストラップシリーズ第6弾…!
その中でも最もレアものの、『会社をリストラされてヤケ酒したあげくゲコゲコしちゃう』ゲコ太ストラップ!!
とうとう手にいれたのね!!」
美琴「いやあ、毎日あきらめずにペットボトルを買った甲斐があったわね、
これで、第6弾のゲコ太ストラップはすべてコンプリート…
私のゲコ太コレクションに、これでまた一つ新たな仲間が増えたわ!
…よーし、そしてこのストラップを携帯につけて、っと…」
さっそくストラップを携帯につける美琴…
美琴「ああー、にしてもこのゲコ太ストラップ、数あるコレクションの中でもかなり可愛らしいわねえ
…ああもう、なんか…誰かに自慢したい気分だわ…!!
……誰かいないかしら…誰か…」
?「あれ、そこにいるのは……御坂さんじゃないですか?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/07(土) 19:39:30.06 ID:kTPvRoIDO<> 面白そう期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 19:41:17.68 ID:3tpOhfBk0<> 美琴「って、初春さんに…それに佐天さん!?どうしたの、こんなところで?」
佐天「ええ、今から2人でセブンスミストに買い物をしに行くところだったんですよ!
初春も今日はジャッジメントの仕事も非番っていうし…」
初春「そうだ、御坂さんも一緒にどうですか!?」
美琴「え…私?…うーーん、そうねえ、私は…」
美琴「(って、あ…そうだ、いい機会だわ!
この2人にさっきのゲコ太ストラップ、さっそくみてもらおう!!)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 19:46:04.89 ID:3tpOhfBk0<> 美琴「うーーん、そ、そうねえ私もちょうど携帯を機種変しようか悩んでいたところなのよねえ…
だから、ちょっと行ってみようかしら…」
初春「え、御坂さん、その携帯変えちゃうんですか?」
佐天「えーー、どうしてですか、まだまだ最新の機種なのに…」
美琴「う、うん、まあ、そうなんだけど、さ…ほら、見てよ、携帯のこの部分、
ちょっと傷ついてるでしょ?この部分の傷がちょっと、気になって…」
初春「え…?傷って…どこですか…??別に傷ついてなんか…」
美琴「そ、そんなことないわよ、ほらよく見てよ…『この』ストラップをつけている
部分付近とか、特に…ほら…」
初春「そ…そうですかね…別に何ともなってないような…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 19:53:35.20 ID:3tpOhfBk0<> 美琴「いや、よく見てよ初春さん、ほらここのストラップの部分!
やっぱちょっと、傷ついてみっともないでしょ?ほら、ほら!」
初春「え、ええ…?そうですかあ?私には別になんとも…」
佐天「(ちょ、ちょっと初春!!)」
初春「(え…な、なんですか佐天さん?)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 19:55:54.15 ID:3tpOhfBk0<> 佐天「(ひょっとして御坂さん……今つけているゲコ太ストラップを褒めてほしいだけなんじゃあ…)」ひそひそ…
初春「(え…そうなんですかね…?)」ひそひそ…
佐天「(うん…だって、あのゲコ太ストラップ、いままでつけていたのと違うし
…多分最近手に入れたお気に入りのやつなんだよ…きっと)」ひそひそ…
初春「(な、なるほど…だからあんなに携帯のストラップの部分を強調してたんですね…
わかりました、そういうことならさっそく…)」ひそひそ…
初春「あ、あっれえー、御坂さん、そういえばその携帯の…」
美琴「え、な、何!?」ぴくっ!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:11:34.47 ID:3tpOhfBk0<> 初春「…携帯の…………、あ、いや…ええっとその…、………」
美琴「………?初春さん??」
佐天「(何!?どうしたの初春!?どうして急に黙っちゃうのよ!?)」
初春「(…あ、い、いや…だって…あの御坂さんのストラップよく見てくださいよ佐天さん…)」
佐天「(ええ?いったいどういう……って、えええ!?
な、なによあのゲコ太ストラップは……!!
は、はっきり言って全然可愛くないじゃない…!!)」
初春「(そ、そうなんです!!ど、どこを褒めたらいいのかわかんないんです!!)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:17:42.29 ID:3tpOhfBk0<> 佐天「(なんなの、あの、まるで、『会社をリストラされて…ヤケ酒したあげく、ゲコゲコ吐いちゃってる』
設定としか思えないようなゲコ太は…!なんなの…あの悲痛そうなゲコ太の表情は…!!
た、確かに、全然褒めるところが見当たらない…!)」
初春「(そ、そうなんです…!しかもきっと、あのゲコ太の哀愁のただよい具合からいって40代半ばくらい…
それなりに社会的地位もあって、所帯も持っていた風な感じなのに…リストラにあっちゃって…)」
佐天「(や、やっぱり……奥さんと子供に…に、逃げられちゃったりとかもしたのかな…?)」
初春「(あのゲコ太の死んだような両生類の目から推察するに……可能性ありますよね…
きっと、今の不況具合からいって、再就職も大変なんだろうし…
とにかく、…あまりに哀れで……ほめようがないんです!!)」
佐天「(御坂さん……な、なんでこんなストラップをあんなに嬉しそうに…
…け、けど初春!な、なにか褒めないと!ほら、御坂さん待ってるよ!!)」ひそひそ…
初春「(わかってます、わかってますけど……!!)」ひそひそ…
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:24:49.39 ID:3tpOhfBk0<> 初春「御坂さん…えっと、ええっと、その……携帯の……あの…」
美琴「え!?な、何何?携帯の…何!?携帯のなんなの初春さん!?」
初春「(だ、だめです、佐天さん!!わたし、やっぱり、あのゲコ太を褒めるところが見当たらない…!!)」
佐天「(け、けけけど初春!!御坂さん、めっちゃくちゃ食いついてるよ!!やばいって、何か言わないと
ほ、ほら…!!)」
初春「(そ、そんなこと言われても…)」
黒子「あら…?3人ともこんなところで何をやっているんですの?」
美琴「って、あれ、黒子!?」
佐天「白井さん!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:34:16.62 ID:3tpOhfBk0<> 美琴「どうしたのよ、こんなところで何してるのよ」
黒子「ちょうどジャッジメントのパトロール中だったんですのよ。
そういうご三方こそ、こんなところでどうしたんですの?」
佐天「私と初春は、ちょうどセブンスミストに買い物に行くところだったんですけど…」
初春「ええ、そこでちょうど偶然、御坂さんに会ったところだったんです…」
佐天「(…助かった…話が流れた…白井さんに助けられたね、初春!)」
初春「(あ、危なかったです…)」
黒子「ふーん、そうだったんですの………それはそうとお姉さま…
携帯のストラップが昨日までつけていたものと違うようですけれど…」
佐天・初春「!!??」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:38:52.35 ID:3tpOhfBk0<> 初春「(さ、さすが白井さん!!一発で御坂さんの携帯の変化に気が付くなんて…!)」
佐天「(って感心してる場合じゃないよ初春!白井さんの登場で、せっかく話が逸らせたと思ったのに!!)」
美琴「え!!あ、そうそう!そうなのよ、気がついた!?実はこれ今日、手に入れたレア物のゲコ太ストラップで…」
黒子「………なんなんですのよ、そのまったく可愛げがないゲコ太ストラップは…」
美琴「」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:47:22.18 ID:3tpOhfBk0<> 美琴「………………、え……?可愛げが……え?」
美琴「な、な、何いってんのよあんたは!ほ、ほら、よく見てよ、かわいいじゃないのよ!」
黒子「なに言ってんですのよお姉さま…その完全に『社会的に見捨てられた』ようなゲコ太の表情…
ダメな大人…もとい、ダメなカエルの典型ですのよ……かわいさもかけらもない……
なんでそんなストラップをつけているんですの…?」
美琴「んな……!!」
佐天「(う、うわあああああ、し、白井さん!!い、言っちゃったよ初春!!
御坂さん、めちゃくちゃショックそうな顔してる!!!)」
初春「(かわいげがない、って…堂々と……白井さん…空気読めなさすぎです!!)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:54:41.36 ID:3tpOhfBk0<> 黒子「…まあ、とにかくお姉さま!いつも言っていますように、お姉さまは学園都市第3位にして常盤台中学のエース!
そんなゲコ太みたいな幼稚きわなりないストラップをつけるなんて言語道断ですのよ!
それにスカートの下に短パンをはいたりもいい加減おやめになってくださいまし!!
お姉さまも、たまには黒子の言うことを……って、お、お姉さま!?」
美琴「可愛げがない…可愛げが……」フラフラ…
黒子「え、ちょ……お、お姉さま!?ど、どこに行くんですの?お話はまだ終わっては…ちょ…お、お姉さまぁ!?」
美琴「」フラフラ……
落胆した表情でその場を後にする美琴……
佐天・初春「(あーーあ…)」
………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:55:42.77 ID:3tpOhfBk0<> さわりはこんな感じで
また少し休憩して書いていきます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 20:56:43.36 ID:kXF6Uojzo<> いいぜ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/07(土) 20:57:15.78 ID:1liz26NDO<> これは期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/07(土) 21:08:58.12 ID:kTPvRoIDO<> 面白い <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 21:42:35.01 ID:3tpOhfBk0<> 再開
……とある公園
美琴「…よく考えたら…あの3人は、私と違って別にゲコ太のファンでも何でもないし…
黒子に至っては、ゲコ太を幼稚だの何だの言ってバカにするし…
このストラップの価値が分かるわけないかあ…
けど、あーあ…こんなに可愛いのに…」
美琴「やっぱ、この可愛さが分かるのは、私と同じゲコ太ファン…
生粋の『ゲコラー』じゃないとわかんないのかしらね……」
美琴「けど、そういえば私、ゲコラーの友達なんていないし…
…なかなかこのストラップの可愛さを共有できる人なんて…」
?「あーーー、そのゲコ太ストラップ!!可愛い!!」
美琴「……え!?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 21:44:38.09 ID:3tpOhfBk0<> 小学生1「すごい、そのゲコ太!ペットボトルシリーズ、第6弾のレア物じゃん!」
小学生2「実物は初めてみるよ、いーなあ…!」
小学生3「これ、お姉ちゃんのだよね!!すごい、ちょっと良く見せて!」
美琴「え、ええ…いいわよ」
小学生3「わーーい、ありがとう!!」
美琴のそばに駆け寄る児童たち…
美琴「(…って、ようやくゲコ太の可愛さを共有できる人とであったと思ったら、小学生かあ…
そういえば、ゲコ太って小学生に人気があるんだっけ…
…こりゃ、確かに黒子に幼稚だのなんだの言われても仕方ないかぁ…)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 21:51:58.49 ID:3tpOhfBk0<> 小学生1「うわー、やっぱかわいいなあ!」
小学生2「やっぱこのリストラされて酒に走っちゃって、ダメな大人、もとい
ダメなカエルって感じなところが可愛いよねえ」
小学生3「そうそう、このなんていうか、『金の切れ目が縁の切れ目』、っていうか、
リストラされたとたん、奥さんと子供にも逃げられたような感じが、哀愁があっていいよねえ」
わいわい…
美琴「(……って、この子たち、ちゃんとこのゲコ太ストラップの可愛さの本質がわかってる!
すごい、かなりの『ゲコラー』だわ、この子たち!!)」
小学生1「すごいね、お姉ちゃん!!ひょっとしてゲコ太のグッズ、たくさん集めてるの!?」
美琴「え、ええ…まあね」
小学生2「えーーそうなんだ、ほかにも持ってるの!?見せてよお願い!」
美琴「ええっと、例えばそうねえ…ほら、このゲコ太のハンカチとか…」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 21:58:24.77 ID:3tpOhfBk0<> 小学生3「うわあ!これも知ってる!通信販売でしか買えないレア物だあ!!」
小学生2「ほんとだ、すごいね、お姉ちゃん!!」
小学生1「うんうん、ゲコラーの鏡だよお姉ちゃんは!」
美琴「え、ええ…そ、そうかなあ…いやあ…そんなことは…えへへ…」
美琴「(や、やばい……ど、どうしよう、なんか小学生でもなんでも…
…自分のコレクションを褒められるとめちゃくちゃうれしいんだけど…!)」
小学生1「ねーねー、お姉ちゃん!他にも持ってない!?お姉ちゃんのゲコ太グッズ、ほかにも見せてよお!」
美琴「んもう、しょうがないわねえ…そしたらこの…」
?「くくく……その程度のゲコ太グッズを所有している程度で…ゲコラーの鏡、だと?
……はん!笑わせるぜ!」
美琴「……え?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 22:05:48.04 ID:3tpOhfBk0<> 小学生1「な……あ、あんたは…!!」
小学生2「いったいなんの用よキング!!」
キング「ふふ…いやあ…下校中、レベルの低い『雑魚ゲコラー』共の会話が聞こえてきたからさ、
少しからかいに来ただけさ…くくく」
小学生3「な、なんですって!!」
美琴「え、えええ……?キングって…??
え…なになに何よ急に……一体なんなのよ、この子は…」
小学生3「こいつは、僕たちの小学校で最強のゲコラーキング…通称『キング』って
呼ばれてるなんだ……」
小学生1「ええ…噂では古今東西のゲコ太グッズを所有していると聞くわ
…気をつけてお姉ちゃん…こいつは…危険だわ…」
小学生2「そう…こいつとの『ゲコ太対決』に負けて…僕たちのゲコ太コレクションは、皆こいつのものに…」
美琴「ええ!?なによそれ…!?一体どういうことなの!!??ゲコ太対決って一体…!??」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 22:16:02.77 ID:3tpOhfBk0<> キング「くくく…仕方ない、そこの世間知らずのお姉ちゃんに、少しだけ、
この俺の実力を教えてやるか……なあ、お姉ちゃん、その携帯につけてるゲコ太ストラップ…
確か、ペットボトルのおまけシリーズ、第6弾のレア物だよなあ…」
美琴「ええ…、それがなんだってのよ!?」
キング「それと同じゲコ太ストラップ……俺は携帯に『3つ』付けている」
じゃら…
携帯をとりだし、ストラップを見せびらかすキング…
美琴「んな…!!!!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 22:24:07.54 ID:3tpOhfBk0<> キング「ははは!!ショックだったようだな、その程度のレア物…
おれくらいのゲコラーになると複数持っていて当然、というわけなんだ…
悪いな、格の違いをみせちゃって…お姉ちゃん」
小学生1「き、気にしないでお姉ちゃん!!あいつが特別なだけなんだから!」
小学生2「そうだよ!だって、あいつ、毎月のお母さんからの仕送りのお小遣いを全部ゲコ太に
つぎこんでる、って噂だし!!」
小学生3「そうそう、お菓子のおまけのゲコ太グッズのレア物を手に入れるために、駄菓子屋の
おばちゃんと癒着しているという噂もあるんだから!!」
キング「ふふ…雑魚ゲコラーほどよくさえずるものさ…それじゃあ、俺はこれで…
ゲコ太グッズの自慢話の腰を折って悪かったな…お姉ちゃん…くすくす…」
この場を立ちさろうとするキング…
美琴「……ちょっと……待ちなさいよ…」
キング「……何だと…?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 22:32:58.13 ID:3tpOhfBk0<> 美琴「さっきから黙って聞いていれば、好き勝手言ってくれちゃって……
……あんたのランドセルにつけてるそのゲコ太ストラップ…
確か『就活中でなかなか内定がとれないで、ヤケ酒してゲコゲコしているゲコ太』ストラップ…!
確か、ペットボトルシリーズ第5段のレア物よねえ…」
キング「はん!よく知っていたな!これこそ本物のレアもの…!第6弾のレアものとはレベルが違う
伝説の…!!」
美琴「私もそのストラップ……筆箱に『4つ』つけているわ」
ジャラ…
鞄から筆箱をとりだし、見せびらかす美琴
キング「……なん……だと…?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 22:40:50.83 ID:3tpOhfBk0<> 小学生1「す、すごい!!第5段のレアものを4つも持ってるだなんて!!さすが、お姉ちゃん!!」
小学生2「あのキングを出し抜くなんて!!ほんとにすごいよお姉ちゃん!!
ってか、そんなレアもの4つも持ってるなんて、いったい何本ペットボトル買ったんだよ、お姉ちゃん!!」
キング「く……てめえ…いいだろう、認めてやるよ……!!
こうなったら、お姉ちゃん…俺と対決だ!!『ゲコ太対決』しようぜ、お姉ちゃんよお!!」
美琴「な、なによ、さっきも言っていたけど……いったいなんなのよ、ゲコ太対決って!!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 22:55:27.79 ID:3tpOhfBk0<>
………
そのころ…
下校中の上条当麻
上条「んっふふー、んっふふー、んっふっふー♪
さーて、今日の晩御飯の食材でも買いに……
って、あそこの公園にいるのは……御坂じゃねーか…
って、周りにいるのは……小学生…か??」
何やってんだアイツ…小学生と…?」
……………………
美琴「…いったい、なんなのよ、ゲコ太対決って!?」
キング「ルールは簡単だ!!今、現在自分が持っているゲコ太グッズを
一品づつ出し合って、レア度が高いほうが1勝!!先に5勝したほうが勝ちだ!」
美琴「なるほどねえ…どうやらルールは単純みたいね…」
キング「くく…まだルールの説明は終わっていないぜお姉ちゃんよお…
俺はまだ、肝心なこといっていない、このゲコ太対決のもっとも本質的なルールを…な!」
美琴「…本質的なルール?いったい何のことよ!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 23:06:23.41 ID:3tpOhfBk0<> キング「そう…このゲコ太対決に惨めにも敗北した敗者の末路についてさ…!
このゲームに負けたゲコラーは手持ちのゲコ太グッズをすべて勝者に譲り渡す、というルールがあるのさ!!」
美琴「な、なんですって!!?」
キング「ゲコ太対決の敗北とは…すなわち、自分がいままで集めてきたゲコ太グッズの数々を失う、ということだ…
どうだ…ここまで聞いて、このキングと戦う度胸があるかい…?」
美琴「っく……!」
小学生1「い、いけない、お姉ちゃん!!キングの口車に乗っては!!」
小学生2「そうだよ、僕たちみんな、こいつとの対決に負けて、貴重なゲコ太グッズを失ったんだから…!」
小学生3「お姉ちゃん、ここはいったん退いて…」
美琴「いいわ!!やってやろうじゃない!!」
小学生1「お、お姉ちゃん…!!そんな…」
キング「はは!!いい度胸じゃねえか…!後悔しても知らねえぞお姉ちゃんよお…!!」
……………
公園の茂みに隠れ、その様子をうかがう上条……
上条「…………」
上条「……(ゲコ太対決って…
…いったい全体…小学生相手に……何やってんだ御坂さん……)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 23:11:34.74 ID:3tpOhfBk0<> また少し休憩します。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/07(土) 23:13:34.96 ID:9hG582MYo<> 乙
食蜂派閥の巻ロールの子は出てくるかな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 23:53:50.13 ID:3tpOhfBk0<> 上条「(ゲコ太対決って……御坂さん……小学生相手に何ムキになってんだ…みっともない…
声掛けるタイミング失っちゃったし…ここの茂みから、しばらく様子を見ておこうか…)」
………
キング「では行くぞ、お姉ちゃん!!さっそく第一戦目のゲコ太グッズを…!」
美琴「ちょ、ちょっとまちなさいよ!!ゲコ太グッズを出し合って、その勝敗は一体だれが決めるのよ!?」
キング「はん!何かと思ったらそんなことかよ!!」
小学生1「それなら、問題ないよお姉ちゃん…」
小学生2「僕たちが2人のゲコ太グッズのレア度を判断して勝敗を決めるから」
美琴「え?……3人が…?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/07(土) 23:55:20.23 ID:3tpOhfBk0<> キング「ああ、その3人はこう見えて『ゲコ太鑑定士』の資格を持っている…
ゲコ太対決の審判には持ってこいだぜ」
上条「(な、なんだよ『ゲコ太鑑定士』って!?そんな資格あるのか!?どんだけ狭い業界の資格だよ!!)」
美琴「へえ…3人ともあの資格持ってるんだ…それなら審判として安心ね…」
上条「(ああもう!!当然知ってるのかよ御坂さん!!ホントどうしょうもねーな!!)」
キング「ってことでさっそくいくぞ第一戦目!!勝負!!」
美琴「ええ、行くわよ!!」
※ここからは、茂みから美琴を見守る上条さんのツッコミもあわせてお楽しみください
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 00:10:16.80 ID:qdgvx+0f0<> キング「まずは俺も一品目のゲコ太グッズ!!
ゲコ太チップスについてくるゲコ太カードのレア物!!
『互いの両親にまで挨拶して結婚する予定だったゲコ子に振られて、
ヤケ酒してゲコゲコするゲコ太!!』」
美琴「同じくこっちもゲコ太チップスのレアカード!!
『隣に住む子供のケロヨンにダメ人間呼ばわりされて、そのショックでヤケ酒してゲコゲコしちゃうゲコ太!!』
小学生1「勝者、キング!!」
キング「くくく…まずは一勝…」
美琴「く…今のは仕方ないわ…私の負けね」
上条「(ええええーーーーー!!!??、ちょ、もう…な、何これええええ!!!
わずか5秒程度で勝敗が決まったけど……全然、わかんないんですけど!!)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 00:16:19.70 ID:wOP2gZbOo<> そういやゲームで上条さんが美琴のためにゲコ太のレアカードゲットしてたっけ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 00:28:16.67 ID:qdgvx+0f0<> キング「では第2戦のゲコ太グッズ!!
ゲコ太ボールの銀のゲコタを5個集めて手に入るレアもの!!
『友達の連帯保証人になって借金返す羽目になってヤケ酒してゲコゲコしちゃう』ゲコ太のおもちゃの缶詰!!」
美琴「こっちは、クレープ屋のおまけで手に入れた限定版ゲコ太グッズ!
『別れた彼女が結婚することになってヤケ酒してゲコゲコしちゃう』ゲコ太のストラップ!!
小学生2「勝者、お姉ちゃん!!」
美琴「よし、これでイーブンね!!」
キング「ちいい…やるな」
…………
上条「(ええーもう…なにこれえ…何を基準にして勝敗きめてるか全然わかんねーし……
てか、そもそもゲコ太って何者なんだよ!?
そんな事あるごとにヤケ酒してゲコゲコしちゃうようなキャラクターなの!?酒におぼれすぎだろ!!
御坂さんこんなのが好きなのかよ!?)」
…………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2012/07/08(日) 00:33:53.62 ID:cuLbme6Xo<> チャージ三回フリーエントリーノーオプションバトル!!! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 00:45:00.74 ID:qdgvx+0f0<> こんな感じのバカバカしいやりとりに、上条さんの心のツッコミが飛び交ってから約30分が経過…
2人の対決はとうとう架橋に入る…
小学生1「これで、4対4…」
小学生2「ああ…かなり拮抗した戦いだったけど…とうとう次で勝敗がきまる…」
キング「はは…さすがだなお姉ちゃん…俺とここまでやりあえたのは、あんたがはじめてだぜ…」
美琴「そっちこそ…あんたがここまでのゲコラーだとは思わなかったわ…」
キング「久し振りに骨のある相手にあえて楽しかったぜ…だが、最後に勝つのはこの俺だ…
次は、この俺の最大のゲコ太グッズで挑むぜ…覚悟しな、お姉ちゃん!!」
美琴「何よ、こっちだって、最後はとっておきのゲコ太グッズで……(げっ!!)」
上条「(はあ…やっと最終戦かよ……もうツッコミつかれたわ…って、あれ……
御坂のやつ……何あせってやがるんだ…?)」
美琴「(手持ちのゲコ太グッズって……私もう……『これ』しか持ってないじゃない…!!
ど、どうしよう…!!こ、これって別にレア物ってほどじゃないし……こ、これで勝てるかしら…!?)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 01:01:53.90 ID:qdgvx+0f0<> キング「それじゃあいくぜ、俺の最後のゲコ太グッズはこれだあ!!
雑誌ゲコ太ライフで限定10名にしか当たらない超レアもの!!
『特に理由もなく、ただ単に酒を飲みに行って、酒におぼれてゲコゲコしちゃう』ゲコ太の財布!!」
小学生2「で、でたあ!!ゲコラーキング最強のレア物が!!」
小学生1「結局、ただ単に酒好きで酒におぼれるダメガエルという、ゲコ太の本質をついている一品!!」
…………
上条「(ええ…もう、結局、特に理由がなくてもゲコゲコしちゃうのかよ……
要はただのアル中じゃねーかゲコ太のやつ…
いや…もう、どんな設定でゲコゲコしちゃっても今更、おどろかねーけど……
んで…?御坂のやつは、何を出すんだ…??
さっきあせってたみたいだったけど…)」
…………
小学生3「さあ、このキング最強のレア物に対して、お姉ちゃんが出す品は!?」
美琴「わ……私の最後の品は……こ、これよ…」
上条「(あ、あれ…って…確か……)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 01:13:15.68 ID:qdgvx+0f0<> 小学生1「お、お姉ちゃんの最後のゲコ太グッズって……このストラップ??」
小学生2「あれ、これって確か、ええと……なんの限定グッズだっけ?」
小学生3「ああ、私知ってる!確かこれって…携帯のペア登録でもらえるゲコ太ストラップだ!」
美琴「……………」
…………
上条「(あれって、俺とのペアのストラップのやつ…か?
けど、これってレア物なのか…??
別に男女で契約すれば手に入るし…大したことないんじゃあ……)
…………
美琴「(私が今持ってる手持ちのゲコ太グッズはもう…このストラップしかない…
出してはみたものの、これじゃあ…あのゲコ太財布には勝てる可能性はほとんどないはず……
ど、どうしよう…負けちゃったら、アイツとのペア物の、このストラップまで奪われちゃうことに……
けど、もう私は、これに勝負をかけるしかない!!)」
小学生2「それじゃあ、最後の対決……勝敗は…!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 01:21:54.93 ID:qdgvx+0f0<> 小学生2「勝敗は……お姉ちゃん!!」
美琴「………え??」
小学生1「これで、お姉ちゃんの5勝!!アンタの負けにキング!!」
キング「ああ……参った……俺の…負けだ…」
小学生3「やったね!!お姉ちゃんの勝ちだよ!!すごいよ、あのキングに勝つだなんて!!」
美琴「えええ!?ちょ、ちょっと待ってよ!?ほんとに!?私の勝ちなの!?」
キング「ああ…俺の負けだ…そのストラップは…俺が喉から手が出るほど欲しかったが…
手に入れることができなかったレア物だ…そのグッズ以上の品を俺は持ち合わせてはいない…」
美琴「え!?そ、そーなの!?だってこれ…普通にペアで携帯を契約すれば手に入るやつよ!??」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 01:29:00.84 ID:qdgvx+0f0<> キング「いや、だってさあ…それって、女子と2人でペア契約しなきゃいけねーじゃん…
2人で写真とか取ってさあ…そんなの恥ずかしくてできねーもん…手にいれられねーよ」
小学生1「そうそう、男子とペア契約なんかしたら、学校でからかわれちゃうし…」
小学生2「ゲコ太グッズは好きだけど…とてもそこまでのリスクは負えないよ」
美琴「あ、ああ…な、なるほどね…」
美琴「(そういえば、この子たち、小学生だったわね…
それなら確かに…男女のペアとか一番恥ずかしがる年ごろだもんね…)」
小学生2「ってことで、勝者、お姉ちゃん!!」
小学生1「やったね、お姉ちゃん!!」
美琴「う、うん…あはは…」
…………
上条「(なんか知らんけど…御坂が勝ったみたいだな…
いや、ほんとなんか知らんけど…)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 01:37:43.61 ID:qdgvx+0f0<> キング「負けたよ、お姉ちゃん…悔しいが、敗者の宿命だ…俺のいままで集めたゲコ太グッズは
全部あんたにやるよ」
美琴「え?…ああ、いらないわよ、そんなの」
キング「……え?」
小学生1「い、いいのお姉ちゃん?お姉ちゃんが勝ったんだよ?」
美琴「ええ……そのかわり、アンタは今まで勝負して人から獲ったものを返すこと。
いい、わかった?」
キング「あ、ああ、わかったよ…」
小学生2「お、お姉ちゃん…」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 01:46:25.45 ID:qdgvx+0f0<>
美琴「これからは、人のものを奪ったりしないで、
同じゲコ太を愛するゲコラーとして、仲良くするようにしなさいよ
きっと、その方が楽しいわよ?わかった?」
キング「…ああ、わかった、約束する」
………
上条「(……御坂のやつ…小学生相手にムキになって、一時はどうなることと思ったけど…
どうやら、最後はちゃんとお姉さんらしいこと見せて、締めてくれそうだな……
……やれやれ……これで俺も安心して夕飯の買い物に行けそうだ…)」
………
小学生1「……お姉ちゃん、ほんとにありがとう」
小学生2「うん、まさか僕たちのゲコ太グッズまで取り返してくれるなんて!」
小学生3「お姉ちゃんはほんと、ゲコラーの鏡だね!!ゲコラークイーンだよ!!お姉ちゃん」
美琴「え、ちょ、何よそれ……クイーンだなんてやめてよ、恥ずかしいからさ…!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 01:53:30.08 ID:qdgvx+0f0<> キング「いや…俺からも言わせてくれ!!アンタこそ真のゲコラー…クイーンオブゲコ太、だ!!」
美琴「え…い、いや…ちょ、ちょっと」
小学生1「そうそう、クイーンだよお姉ちゃん!!ク・イーン!ク・イーン!」
小学生2「クイーン!!クイーン!!」
小学生3「ゲ・コ・ラー!ゲ・コ・ラー!」
キング「クイーンオブゲコ太!クイーンオブゲコ太!」
小学生1「かわいい!かわいい!」
美琴「ちょ…あ、…あの……//////////」
…………
上条「げ…」
上条「(げ、げえええええええーーーーー!!!な、な何これ!!何なのこれはああああ!!!
御坂さん……かんっぜんにバツゲームじゃねーかあああ!!!
み、見てるこっちが恥ずかしくなるんですけどおおおおおお!!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:04:15.18 ID:qdgvx+0f0<> 上条「(これじゃ完全に公開処刑…!!ま、待ってろ御坂…!!今俺が助けてやるからな!!
………って、あ、あれ…ちょっとまてよ……?御坂さん…)」
………
小学生2「クイーン!!クイーン!!」
小学生3「ゲ・コ・ラー!ゲ・コ・ラー!」
美琴「い、いやあ…ちょ、ちょっとまってよ、アンタたち、わ、私がゲコラークイーンだなんて…
え、えへへ…恥ずかしいなあもう…」
………
上条「(げ、げええええ!!何考えてんだ御坂さん!??何ちょっと嬉しそうにしてんのおおおおお!!?
自分がいま、どんな辱めを受けているか認識してねーーのかよぉ!??)」
ひそひそ…
女子生徒1「ねえねえ…あれって、常盤台の…」
女子生徒2「『超電磁砲』…、い、いやまさかあ…」
上条「(公園にいる人たちも明らかに不審がってるし…も、もうだめだ!!
見てるこっちが恥ずかしくなってきた…!!!早くあいつの目を覚まさせてやらねーと!!)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:07:48.29 ID:qdgvx+0f0<> 小学生3「ゲ・コ・ラー!ゲ・コ・ラー!」
小学生1「クイーンオブゲコ太!クイーンオブゲコ太!」
美琴「え、えへへ…も、もうちょっとやめてよアンタ達…クイーン、だなんて、ちょっと良いすぎなんじゃあ…」
上条「…御坂さん」
美琴「えへへ……」
上条「御坂さん」
美琴「…………え?」
……………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:12:29.73 ID:qdgvx+0f0<> …………
…………
美琴「…………」
上条「…………」
美琴「……………ええっと…アンタ………いつから?」
上条「…………え?」
美琴「…い、いや、だから………いつから、見てた、って聞いてんのよ」
上条「う、うん……ええっとその…」
美琴「…………」
……………
上条「み、美琴さんが、『…いったい、なんなのよ、ゲコ太対決って!?』っていうところから、かな」
美琴「ほぼ最初からじゃねーーかあああああああ!!!!!!」
ビリビリビリビリィィィ!!!!!!!!
上条「どわああああああああ!!!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:19:52.40 ID:qdgvx+0f0<> 上条「ちょ…な、何すんだよ御坂!!子供達が見てる前で堂々と電撃出してんじゃねーよ!!
あぶね〜だろうがああ!!」
美琴「うっさい、アンタは!!な、ななな何、人の行動を覗き見てんのよ!!サイッテーじゃない!!」
上条「い、いや、最初は普通に声かけようと思ったんだけど、御坂さんが小学生相手に
真剣な顔してゲコ太対決をしてて、とても声をかけれる雰囲気では…」
美琴「や…///////、ややややめろっていってんでしょうがああ!!!!!」
ビリビリビリビリィィィ!!!!!!!!
上条「どわああああああああ!!!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:26:47.49 ID:qdgvx+0f0<> 小学生1「お姉ちゃん…?だれだれ、そのお兄ちゃん??」
小学生3「お姉ちゃんの知り合い??」
美琴「あ、い、いや…こいつは…」
小学生2「あれー、ちょっと待って、そのお兄ちゃん…鞄にお姉ちゃんとペアのゲコ太ストラップつけてる!!」
上条「え…?あ、い、いや、これは…」
キング「なるほどな…お姉ちゃんが持ってる携帯のペアゲコ太のもう一人の持ち主が、そのお兄ちゃん、ってことか…
ってことは、お兄ちゃんもかなりのコアなゲコラー…
まったく…悔しいが仕方ない…アンタにやるよ俺の称号を…!!」
上条「え…そ、それって一体どういう…??」
キング「お兄ちゃん…アンタのこと……キングと呼ばせてもらうぜ」
上条「あ、アホかああああーーーーーーーー!!!!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:33:29.13 ID:qdgvx+0f0<> キング「さて、それじゃあ改めて祝わせてくれ、アンタ達二人こそ真のゲコラー…ゲコラークイーンとキング、だ!!」
小学生1「ク・イーン!ク・イーン!キ・ン・グ!!キ・ン・グ!!」
小学生2「クイーン!!クイーン!!キング!キング!」
小学生3「ゲ・コ・ラー!ゲ・コ・ラー!!」
小学生「かわいい!かわいい!」
上条「や、やめろおおおおおーーーーーーーーー!!!!!!」
美琴「や、やめてええええええーーーーーーーー!!!!!」
その場からダッシュで立ち去る美琴と上条
小学生1「え、あ、あれえ、どこ行くの!?お兄ちゃん、おねえちゃーーん…」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/08(日) 02:36:25.37 ID:gV4g6IwAO<> 一話のフェードアウトが脳内再生された <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:52:29.78 ID:qdgvx+0f0<>
……それから。
とある公園
小学生A「あー、クイーンだあ」
美琴「だから、クイーンはやめて、っていってるでしょ?」
小学生B「ねーねー、クイーン、見てよ僕のゲコ太ストラップ!」
小学生C「それよりも先に私のゲコ太のハンカチ見てよ!」
……
…………
その様子を眺める上条と黒子。
上条「……あの対決の噂が広がって…御坂のやつ…すっかり小学生の人気者だな…」
黒子「ああもう……お姉さまったら……小学生相手にあんなに嬉しそうに……
黒子は悪い夢でも見ているようですわ…お姉さま…」
上条「ま、まあ白井……そ、そこまで言わなくても別にいーじゃねーか…
…御坂もゲコ太の話題ができて、なんか嬉しそうだし…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 02:58:25.66 ID:qdgvx+0f0<> 黒子「き、きいい!!な、何を言っているんですのよ!!そもそも上条さん!!
あなたが、その、お姉さまとその小学生との幼稚極まりない戦いを止めてさえいれば…
…こんなことにはならなかったんですのよ!!」
上条「い、いや、だからそれは…」
児童1「あーこいつ、キングじゃね?」
上条「…え?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 03:02:33.82 ID:qdgvx+0f0<> 児童2「えーー、こいつが?なんでわかるんだよ?」
児童3「間違いねーよ、ほら、クイーンと同じゲコ太ストラップをカバンにつけてるだろ?」
上条「あ、い、いや…ちょ、ちょっと」
児童2「あー、ほんとだ、こいつがキングかあ…すっげー!はじめてみた!!」
児童1「キ・ン・グ!!キ・ン・グ!!」
児童2「キーンーグ!!キーンーグ!!」
児童「キングオブゲコ太!!キングオブゲコ太!!」
上条「い、いや、だ、だだだから、それやめてくれええええええーーーーーーー!!!」
ダッシュでその場を立ち去る上条……
黒子「はあ……もう…なんていうか…
…いい気味ですわ…」
おしまい
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/08(日) 03:05:31.32 ID:qdgvx+0f0<> 予想以上に早く終わってしまいました…長編じゃなく、短くてすいません。
こんど、暇な時につれづれなるままに他の禁書SSを書いていこうと思いますので
勘弁してください。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/07/08(日) 03:39:46.40 ID:3eTRGF1q0<> 乙。
ほっこりする話でした <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)<>sage<>2012/07/08(日) 04:07:45.24 ID:ZvTP4TxAO<> 万が一園内にリアルゲコ太が入ると戦争が起こるな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<><>2012/07/08(日) 08:16:25.54 ID:MGPGGQjUo<> クッソワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/07/08(日) 08:49:31.11 ID:6CMvf4Nv0<> 面白かったwwwwwwwwwwww
乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 12:12:18.49 ID:TaWwzQVIO<> 乙
操祈→常盤台の女王
美琴→ゲコ太界のクイーン
これはむぎのんにも何か称号が欲しいな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 12:25:54.54 ID:CrmCYjTCo<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)<><>2012/07/08(日) 15:16:11.05 ID:yTnRlU21o<> >>61
熟女クイーンで……あれ、何かビーム状の…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/08(日) 15:51:50.63 ID:gV4g6IwAO<> 上げんなよ…
サーモン・オブ・クイーンってとこか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 16:22:43.97 ID:qOz6DLED0<> オールドクイーン <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)<>sage<>2012/07/08(日) 16:27:30.02 ID:KvJgemdK0<> >>65
超オールドクイーンの間違いじゃ無いですか? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 16:51:02.18 ID:P71XPfSro<> 絹旗逃げろ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/08(日) 17:37:41.00 ID:gV4g6IwAO<> お前ら…あのコートがダサいだけで制服着ても違和感ないというのに <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 19:41:02.90 ID:Zxdu8JV90<> 乙でした
美琴かわいいなぁ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/07/08(日) 20:49:31.12 ID:Wv30SFaG0<> 乙。これは良い短編。
>>68
ふざけんなよ…試しに脳内でセーラー服を着せてみたらイメクラにしか(ry <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/08(日) 22:12:23.46 ID:Mz/jM9ZY0<> 漫画家美琴の人ですか? <>
美琴「(こ…告白……ですって…!??)」<>sage<>2012/07/12(木) 19:59:59.96 ID:uV2M/AfH0<> また美琴関係で2作目投下します
ある日
美琴「うわあ…もうこんな時間…補習がながびいて、佐天さん達との待ち合わせ時間にすっかり遅れてしまったわね」
カランカラ―ン
とある喫茶店に入る美琴
美琴「ごめんごめん、3人とも。補習がながびいて…」
佐天・初春「しーー!」
美琴「…え?な、なになに?どうしたの?」
佐天「(ダメですよ御坂さん…今、そんな大声だしちゃあ)」ひそひそ
初春「(ほら…見てください…あそこの席の2人……邪魔しちゃ悪いじゃないですか)」
美琴「(……あそこの席って……?ん…??)」
※ちょっと前に、某スレで書きかけだったのを更新をサボって落としてしまったSSの再投下版です
<>
美琴「(こ…告白……ですって…!??)」<>sage<>2012/07/12(木) 20:00:52.52 ID:uV2M/AfH0<> …………
美琴達と離れた席にいる2人の男女
女「どうしたの、突然?こんなところに呼び出して…」
男「実は……実は大切な話があるんだ」
女「大切な話…?一体なんなの…?」
男「実は……実は俺、……お前のことがずっと好きだったんだ!!」
女「え…!?」
男「今年の春、クラスが一緒になってからずっと…!そ、それで、も、もしよかったら…
俺と付き合ってもらえないか!?」
………
<>
美琴「(こ…告白……ですって…!??)」<>sage<>2012/07/12(木) 20:02:02.69 ID:uV2M/AfH0<> 佐天「(うわあ…あの男の人……、つ、ついに言ったよ初春…!)」
初春「(ほ、ほんとですね……な、なんかこっちまでドキドキしてきました…!)」
美琴「(え……う、うそ、あ、あれってもしかして…)」
佐天「(え、…ええ!会話の流れからもしかして、って思ってたんですけど…)」
初春「どうも2人は同じ学校の同級生みだいですけど……とうとう、告白しちゃいましたね」」
美琴「(こ…告白……ですって…!??)」
<>
美琴「(こ…告白……ですって…!??)」<>sage<>2012/07/12(木) 20:03:36.61 ID:uV2M/AfH0<> 黒子「(ほらほら…2人とも…よそ様のプライベートの会話に聞き耳を立てるだなんて…
あまり良い趣味とは言えませんですわよ)」
初春「(ま、まあ……それはそうですけど……け、けど、どうしたって聞えてきちゃうんだからしょうがないじゃないですか)」
佐天「(それに、なんだかんだいって、白井さんも気になっているんでしょ?)」
黒子「(なーに言ってるんですの、佐天さん。ワタクシはそんな見ず知らずの方同士の恋路の話なんて興味ないですわ。
ほら、お姉さまもこの2人になにか言ってくださいまし…)」
美琴「……………」
黒子「(……って、……お姉さま……??)」
佐天「(そ、それで、……それで…女の人の返事は……!?)
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:04:56.41 ID:uV2M/AfH0<> ………
女「……気持ちは嬉しいんだけど……
けど、ごめんなさい…私、貴方の気持ちには
答えられないわ…」
男「な……ど、どうして!?わけを…わけを説明してくれ…!!」
女「悪いんだけど…私は……貴方のこと、友達として、しか見れないの…
それに…私……、他に付き合っている人がいるから」
男「そ……そんな……」
女「ごめん……ごめんね……これからもいい友達同士でいようね……
それじゃ、私、他に用事があるから…」
男「あ……ちょ……ま、待っ…」
男「…………」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:06:23.71 ID:uV2M/AfH0<> ……………
佐天「(……あちゃー、だめだったかあ…)」
初春「(…男の人、がんばって告白したのに……なんだか可哀想ですね)」
佐天「(うん…、けど、仕方ないよ初春。なんていうか、こればっかりはさあ)」
黒子「(そうですわ。かわいそうですけど……あの殿方も、きっぱりとあきらめるしか道はありませんわ)」
美琴「…………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:08:16.50 ID:uV2M/AfH0<> 美琴「………けど、すごいよね、あの男の人」
佐天「え?すごいって……どういうことですか御坂さん」
美琴「え、いやぁ……だってさ、好きな人に「好き」って伝えるなんて、
なかなかできることじゃないじゃない?
それって、ものすごく勇気がいることだと思うし……
そりゃ、結果はふられちゃったわけだけど……それでも私は、あの男の人…
自分の思いをストレートに伝えて、すごいなって、尊敬するけどな」
初春「言われてみれば………好きな人に告白する、ってすごく勇気がいることですもんね
結果的にふられちゃったけど……あの男の人、すごく頑張りましたよね」
佐天「確かに……御坂さんの言うとおり、告白なんてなかなか簡単にできる
もんじゃないですよね」
黒子「…………………、」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:11:14.09 ID:uV2M/AfH0<> 黒子「(…あ、あらあらぁ……?
な、な……なんなんですの、このお姉さまの発言……この表情は…
…まるで、
『好きな人に告白するのってなかなか勇気がいることだけど…いまの男の人の告白を見て、勇気をもらったわ…!
うん!私も今度、意中のあの人にアタックしちゃおうかしら!?』、みたいな表情はあぁぁ……!!!
ま、まずいですのお姉さま……はやくなんとかしないと…!)」
………
初春「あ、けど、私、御坂さんがそんな恋愛の話するの、初めて聞いた
ような気がするんですけど!」
美琴「え、そ、そうだっけ?」
佐天「あー、確かに。御坂さんがそんな話するなんて、ちょっと珍しいですよねえ…
……ははーーん、ひょっとして御坂さん、今、自分にも告白したい好きな人がいたりするんじゃあ…」
黒子「」ぴくっ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:18:38.28 ID:uV2M/AfH0<> 美琴「え、えええ!!!??ちょ…な、なに言ってんのよ佐天さん!?
ないない!ないわよそんな…私に……好きな人だなんて…」
佐天「あーー、なんかそのあわてよう、ますます怪しいんですけどっ!」
初春「友達同士、隠し事はいけませんよ御坂さん!!教えてくださいよ、
その意中の人を!!」
美琴「い、いや、だ、だから、そんな人はいないって…!」
佐天「隠したって無駄ですよ御坂さん!あ!そうえいば以前、わざわざ私の部屋までクッキー作りにきたこともあったし!!
あれって、結局誰へのプレゼントだったんですか!?そろそろ教えてくださいよ!!」
美琴「い、いやだから佐天さん…ちち、違うってば…私とアイツはそんな…」
初春「『アイツ』!?アイツ、って誰のことですか御坂さん!!詳しく教えてくださいよ!」
わーわーきゃーきゃー…きゃっきゃうふふ…
黒子「……………」わなわな…
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:23:15.30 ID:uV2M/AfH0<>
パン!!
盛大に手をたたく黒子
黒子「そ、それはそうと3人ともっ!!!
そ、そんな糞つまんねえ恋愛話よりも、もっと別の話を…
…そ、そう!…そんなことより『サメ』の話でもしようじゃありませんの」
佐天「…って、え、えええ!!きゅ、急になんなんですか白井さん!??
な、なんで急にサメの話を…!?」
初春「……何で急に突拍子もないこというんですか…白井さん。
せっかく今から、御坂さんの恋愛トークを聞こうとしているのに…
…サメの話は白井さん一人でしててくださいよ」
黒子「だまらっしゃい初春!!!
だいだい、お姉さまに意中の殿方なんているはずがないんですわ!
つまんないこといってお姉さまを困らせるんじゃないんですのよ!」
佐天「ちょ、あーーもう、話の腰をおらないでくださいよ、白井さん!
せっかく御坂さんの恋愛話を聞こうと……って、あ……」
美琴・黒子・初春「え?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<><>2012/07/12(木) 20:27:49.57 ID:UeYkDpQA0<> 来てた♪ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:29:37.06 ID:uV2M/AfH0<> ……
からんからーん
失恋男「………」
店員「あ、ありがとうございましたー…」
喫茶店を後にする失恋男……
…………
佐天「だ、大丈夫ですかね……告白した人…
…放心状態で店をでていきましたけど……」
初春「や、やっぱりなんか……可哀想ですね…
…ほら…なんかものすごく後ろ姿がさびしい、っていうか……」
黒子「とはいえ、先ほど佐天さんが言ったように……こればっかりは仕方ないことですわ。
…まあ心配しなくても、あの殿方にもいずれ、良い女性に巡り合う日が来ますわよ」
初春「そ、そうですよねっ」
美琴「(……………)」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:31:43.01 ID:uV2M/AfH0<> 次の日の放課後……
………一人、下校中の美琴。
美琴「(告白、かあ……)」
郊外を一人下校する美琴
美琴「(………昨日のあの男の人……ほんと勇気あるなあ……
けど、本当は好きな人に告白なんて……皆当たり前にしてることなのよね…)」
美琴「…………」
美琴「(もし……もし……私が……アイツに…好き、って告白したとしたら……
アイツ……なんていうかしら……)」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/12(木) 20:32:49.36 ID:NSmuvGSao<> サメの話wwこの黒子は間違いなく稲中ユーザー <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:33:44.88 ID:uV2M/AfH0<> ……………美琴、妄想中。
上条『……気持ちは嬉しいんだが……
けど、ごめんビリビリ…俺、お前の気持ちには答えられないんだ…』
美琴「な……ど、どうして!?わけを…わけを説明してよ…!!』
上条「悪いんだけど…俺は……お前ののこと、単なる知り合いとしか見てないし…
それに…俺……、他に付き合っている人がいるから…
…ほら、お前もあったことあるだろ、インデックスっていう、シスターの格好した女の子…』
美琴『そ……そんな……』
上条『ごめん…ほんとごめんなビリビリ……それじゃ俺…これから用事があるから…』
…………
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:40:01.62 ID:uV2M/AfH0<> ………
………
美琴「(うわああああーーーーー!!!)」
美琴「(あーーーもう!!無理無理!!ダメだ、告白なんて無理だわ…!絶対無理!!)」
告白して、アイツにそんなこと言われた日には、私……私……!!)」
美琴「…………」
美琴「(……と、とにかく!!この妄想はもう終わり!!もっと他のこと考えよう!!
もっと他のこと……)」
…………
?「ちょ……だ、だめですって、ちょ、ちょっと、何やってんですか!!」
?「いいんだ、ほっといてくれ!もうこうするしかないんだあ!」
?「い、いや、だから、だめですって!」
…………
美琴「……ん?この聞き覚えのある声は……」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:41:18.30 ID:uV2M/AfH0<> …………
とある公園
上条「ちょ……落ち着いて…落ち着いてください!!
そ、そんなことしてなんになるっていうんですか!!」
男「は、離せぇ!お願いだ…もう死なせてくれ!!
僕の人生もう終わりなんだ!!」
上条「い、いや…人生終わりだなんて…オーバーな……
と、とにかく落ち着いてください…ほ、ほら、公園で遊んでる子供が見てますよ…
…って……あ、あれ?」
美琴「………なにやってんのよアンタ…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:42:36.07 ID:uV2M/AfH0<> 上条「って…あ、あれ…御坂さん…なんでこんなところに…?」
美琴「それはこっちのセリフよ…
…なんでアンタは公園で見知らぬ男の人を羽交い絞めにしてるわけ…?
ったく……今度は一体なんのトラブルに巻き込まれてんのよ…
………って、あ、あれ…?その男の人…」
男「あれ……君は確か……昨日の喫茶店にいた…」
美琴「あ!……昨日の…告白してた…男の人…!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:44:03.03 ID:uV2M/AfH0<> 上条「な、なんだ、御坂の知り合いかよ!だったら、この人を抑えるの手伝ってくれよ!」
美琴「別に知り合いってわけじゃあ……、え?…っていうか抑えるって何?一体、どういうことよ??」
上条「どういうこと、って…見てわからねえのかよ!この人、暴れて大変なんだって…ほら!!」
失恋男「は、離してくれえ!!大好きだったあの人に振られて…
僕の人生はもうおしまいなんだ!
だからもう…あの水の中に飛び込んで、人生を終わりにするんだ!!
お願いだ!離してくれ!!」
上条「い、いや……だからって、公園の噴水に飛び込んだって死ぬことはできないと思うんですけど!
むしろ、公園で遊んでる園児に迷惑だから止めましょうって…ね、ね!」
失恋「うるさい!だまれ!!もうきめたことだ!!頼む、離してくれえ!!」
上条「ほ、ほら御坂!!ぼさっとしてないで、手伝えって!!まずはこの人を
落ち着かせないと……!!」
美琴「え、ええ…も、もう…わかったわよ…!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:46:21.07 ID:uV2M/AfH0<> …………
…………一時間後…。
とりあえず落ち着きを取り戻した失恋男。
失恋男「……彼女とは今年の4月、同じクラスのなって知り合って…
僕の一目ぼれだったんだ
…それからずっとずっと好きで好きで…
とうとう昨日、勇気を振り絞って告白したら……みごとに撃沈してしまった、ということさ…
は、ははは…」
上条「は、はあ……そうだったんですか……そ、そりゃあまあ……なんていうか、大変でしたね…」
美琴「…………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:47:55.48 ID:uV2M/AfH0<> 失恋男「…………はあ……」
上条「(……とりあえず、落ち着いてくれたのはいいけどさ…
けど……こんな状態で放っておいたら、またさっきの調子で暴れそうだし……
この人、なんとか元気づけてあげられないかな……なあ、御坂?)」
美琴「……………」
上条「(おい、御坂!)」
美琴「(え、な、なに!?)」
上条「(なに、じゃなくてさ、なんとかこの人を元気づけてやるの
お前も手伝えよ!なんか、このままじゃあ目覚め悪いだろ、お前だって)」
美琴「(え、ええ……そうね、わかったわよ…)」
失恋男「…………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:49:33.36 ID:uV2M/AfH0<> 失恋男「……最愛の彼女に振られて……僕はこれからどうやって
生きていけば……はあ……このまま生きていても希望なんて……」
美琴「……………、」
上条「んな……そ、そんなこと言わないでくださいよ、ねえ!
そんな、好きな人に振られたくらいで!まだまだ人生は長いんだから!
な、なあ、御坂!!」
美琴「………え……、あ、ああ、そ、そう!そうですよ!
そんな悲観的にならないでくださいよ!」
失恋男「そんなこと……そんなこと簡単に言うなよ!!
……君達だって分かっているんだろう!!最愛の人に振られた時のつらさを……
君達だって、みたところ僕と同じくらいの年齢みたいだし……
恋の一つや二つくらい……経験してるわけだから……、
僕の今の気持ちくらい、わかるだろう!!」
上条・美琴「え……………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:52:38.15 ID:uV2M/AfH0<> 上条「…………」
美琴「…………」
上条「…………」
美琴「………、で、どうなのよ……?」
上条「………どうって、なんだよ…?」
美琴「い、いや、だ、だから…アンタ………その人の言うように…
…こ、恋の1つや2つくらい、経験してんのかって聞いてんのよ!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/12(木) 20:55:56.24 ID:gIQ9VJ7AO<> 期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:57:29.36 ID:uV2M/AfH0<> 上条「え……え、ええっとそれはあ……」
美琴「………、ま、まあ、そーよね、あるわけないわよね!!いくらお年頃つっても
アンタみたいなボンクラがそんな、恋愛なんか経験してるわけないわよね!」
上条「は、はああ!な、なに言ってんだよ御坂…あ、あるよ!ありますよ!!
高校生の上条さんが、恋愛のひとつやふたつ、経験がないわけないじゃないですか!」
美琴「えっ……!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 20:59:48.64 ID:uV2M/AfH0<> 美琴「……………、……………へ、へ、へえーー、あ、あるんだあ…
…けど……ま、まあ…なんていうか……口だけならなんとでも言えるもんねえ……」
上条「は、はああ!な、なんだよ御坂、俺のこと疑ってんのかよ!!
う、嘘じゃねーよ!!ホントのことだって」
美琴「へ、へーーそ、そーですか!だ、だったら、その時の体験談、
聞かせてもらおうじゃないの!!」
上条「え!?………あ、ああ、いいぜ!
………あ、あれは、い、いつのことだったか…えーと…
…そ、そう!!中学3年生のときだったかなあ……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:02:56.44 ID:uV2M/AfH0<> 上条「そ、そう……彼女とは同じクラスでさ……あ、相手から告白されて、
一年くらい付き合ったのかなあ…
…そ、それで、まあ……もろもろの事情で別れたわけだけど…
…あ、ああ……あれは大恋愛だったなあ…うん、うん」
美琴「へ、へ、へえーー、そ、そうなんだあ…
…って、ちょ、ちょっと待ってよ!…あ、アンタ……
その付き合った人って、もしかしてあのシスターの格好した子のことじゃあ…!」
上条「え、い、インデックスのことかあ!?
ち、違うって!俺が付き合ったのはもっとこう……年上の……グラマーな感じのお姉さんだったさ!!
なんか、こう……大人、って感じの人だったかな……は、はは…」
美琴「へ、へ……へえええええ……そ、そそそそーなんだぁ…
ふーーん…グラマーな……大人な感じの、ねえ…」
上条「あ、そ、そう!それに、そんな感じのオトナの恋愛を、あと2〜3回
経験したかなあ…」
美琴「へ、へ、へえええ…そんなグラマーなお姉さんと複数回付き合った
ことがあるんだああ……へ、へえ……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:05:19.59 ID:uV2M/AfH0<> 美琴「………あ、あれ、けど、アンタ…
…付き合ったことあるうちの一人、って同じクラスの同級生、って言ったわよね…?
…それなのに、年上のお姉さんって……一体どういう……」
上条「…………!!…っう、う、うるさいなあ、いーだろそんな細かいことは!!
て、てかお前はどーなんだよ御坂!!お前も俺とそんなに年変わんねーし、
当然、恋愛の1つや2つ経験してきてんだよなあ!?」
美琴「え……、わ、わたしぃ!!??…………え、えっと、それは………」
上条「あ、あれあれぇ!?どーしたのかなあ!?さっきまで、威勢よく
俺には質問してきたくせに、自分のことになると急にだんまりになって…」
美琴「あ、……あるわよ……」
上条「え……?」
美琴「だ、だから、あるわよ私にだって、恋愛の経験くらい!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:07:16.24 ID:uV2M/AfH0<> 上条「へ、へええ…あ、あるんだあ……御坂さんにも……
け、けど、だったら、その体験談、聞かせてもらおうじゃねーか!」
美琴「え!?…え、ええ……い、いいわよ…そ、そうねえ…
え、えっと……あ、あれは小学6年生のときだったかしら…
2学年くらい年上の男の人と付き合ってて…
……ま、まあ……もろもろの事情で別れたんだけど、あ、あれは大恋愛だったわねえ…は、はは…」
上条「へ、へえ…そ、そーなんだあ……け、けど、なんか、その、付き合ってた時の
具体的なエピソードとかないわけえ?なんか、出会ったときの話とかさあ…」
美琴「え、エピソードォ!?え、えっと……ええっとお……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:12:37.31 ID:uV2M/AfH0<> 美琴「え、エピソードエピソード…そ、そうねえ…えっと……まず…
出会いは……そ、そう!私が不良に絡まれてたときに助けてくれて
それが最初の出会いで…」
上条「………、不良にからまれて、って……
御坂さんに限って、そんな助けてもらう必要なかったんじゃあ…」
美琴「う、ううう五月蠅いわねアンタは!!ってか、アンタがそれを言うか!??」
上条「…え?」
美琴「あ、いや……な、なんでもない…
なんていうか…こう…お人よしでお節介な人だったのよ!!とにかく!それが最初の出会いなの!!」
上条「ふ、ふーーん…」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:16:32.38 ID:uV2M/AfH0<> 美琴「そ、それから、え、ええっと、そうそう!!告白は、その彼からで
なんかこう……そう!!告白されて、私がOKした瞬間に、空から花火がバーン、って鳴り響いたわ!」
上条「だ、だせえ!!何そのエピソード!!花火打ち上げるとか
超お子様の発想じゃねーか!!その彼氏、ホントに年上だったのかよ!?」
美琴「は、はああ!な、何言ってんのよアンタは!告白の瞬間、花火だなんてめちゃくちゃ素敵じゃない!
そ、それで一年くらい付き合ったのかしらねえ…うん、うん」
上条「へ、へえ…そんな感じの彼氏と一年も、ねえ」
美琴「あ!そ、そう!それで、…ち、ちなみにこんな感じのオトナの恋愛を、あと2〜3回は経験したかしらねえ…」
上条「そんな感じの彼氏と複数回もおぉ!!??
何回花火打ち上げてもらってんだお前はああ!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:20:13.62 ID:uV2M/AfH0<> 上条「て、ていうか御坂!!花火がどうとか、まんまお前の趣味じゃねーか!
どーも、なんかうそくさいんですけど!!」
美琴「は、はああ!?な、なななーに言ってんのよアンタは!
ホントの話だって、ホントの!!だいたい、アンタこそそのグラマーな女ってのは、一体……!
って……あ、あれ……?」
上条「え、どーした御坂?」
美琴「あの……男の人は……?」
上条「え、あ、あれ…?さっきまでここにいたのに……って、あ、ああ!
何時の間にあんなとこにっ!」
……
公園のジャングルジムのてっぺんにいる失恋男…
上条「ちょ、な、なにやってんですかアンタは!」
美琴「は、はやく降りて来てくださいよ!」
失恋男「は、ははは……もう……いいんだ……どうせ君達…
僕の悩みを真剣に聞く気はないんだろ……?
まあいいさ……どのみち僕の人生はどうせ終わりなんだ……だからもう……終わりにするんだ……
ここから飛び降りて……僕の、人生を……!!」
美琴「い、いや……ジャングルジムから飛び降りたって、
人生終わらないと思うんですけどっ!!」
上条「と、とにかく降りて来てください!!ほ、ほら、園児が、公園で
遊んでる園児達に迷惑ですからあ!!」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:20:53.39 ID:uV2M/AfH0<> 今日はここまでで。また暇なときに投下します。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)<>sage<>2012/07/12(木) 21:28:11.57 ID:DQsAL/1oo<> ジャングルジムでも頭から逝ったら死ぬ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/12(木) 21:40:46.44 ID:yqt0SRjA0<> 乙
よりによって上条さんが振られた男のフォローなんてできるわけが……あ、その男にフラグを立てる流れならいいのか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)<>sage<>2012/07/12(木) 21:48:28.19 ID:mOVoBmJZ0<> 乙
黒子も他人事だと発言がノーマルなんだよなww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/12(木) 21:57:20.92 ID:FL/wVsdDO<> 投下きてた!乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<><>2012/07/12(木) 22:05:43.01 ID:sbi+F1h+o<> 上条×失恋男のSS期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/12(木) 22:13:37.34 ID:bdBVpJrM0<> 失恋した男にやさしくするとコロリと落ちるという
上条さん……罪な男だ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/12(木) 22:43:17.78 ID:PIDs2QIl0<> 上条さんと美琴テンパりすぎだろww
乙ですの <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/12(木) 23:53:15.72 ID:YWWfrVXAO<> 変なトコでいじっぱりだからなww
男wwww <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/13(金) 00:32:34.15 ID:yVAtw9nIO<> はたから見ればただの夫婦漫才ですの
乙です <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<>sage<>2012/07/13(金) 20:54:52.59 ID:n+ePPIqxo<> ふられたところで、目の前でいちゃこらされたら、そりゃぁねぇ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 22:20:46.39 ID:+u3k8PIj0<>
一時間後…
ようやくジャングルジムから降りてきた失恋男…
失恋男「…………」
上条・美琴「………」
美琴「(とりあえずまた、落ち着かせることには成功したけど……)」
上条「(ああ…ここからどうやって、元気づけるかが問題だ…なんかかなりメンタル弱そうな人だしな…)」
失恋男「はあ………生き延びたところで…なんになる、っていうんだ…僕みたいなダメ人間…
やっぱり死んだほうがいいんだ……」
美琴「(ちょっと!!まだあんなこと言ってるわよ!このままじゃあ、またジャングルジムの上に
上っちゃうわよ!アンタ、なんか気の利いたセリフ言いなさいよ!)」
上条「(そんなこといわれても……えっと…ええっとぉ…)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 22:38:36.74 ID:+u3k8PIj0<> 上条「も、もう!!いい加減元気だしてくださいよ!!…こ、この先の人生まだまだいろんなことが…!」
失恋男「……こんな見ず知らずの僕のことを慰めてくれるなんて……君はすごくいいやつだな…
男から見ても…君はとても魅力的な男だと思うよ…」
上条「え!?急に何を言い出すんですか…い、いやあ…そんなことは……へへへ…」
失恋男「きっと、僕と違って、さぞかし女の子にもモテモテなんだろうな」
上条「え………」
失恋男「そんな可愛い常盤台中学の女友達もいて……僕と違って、さぞ女の子の扱いもうまくて…
とうぜん、失恋の経験だってないんだろ……?そんな君に、そもそも僕の気持ちがわかるはずないよな…はは」
上条「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 22:41:01.77 ID:+u3k8PIj0<> 上条「モテモテって…!?い、いやいや急に何言い出すんですか!!そんなこと全然ないですよ!!
いやあ、なんていうか俺なんて、女との出会いもないし、例えあっても全然相手にされなくて、
はは…もうほんと笑っちゃうくらいモテなくて…」
ビリビリビリビリィ!!
上条「だあああああ!!!きゅ、急に何しやがるんだ御坂!!なんでお前は急に人に電撃あびせるのおお!!?」
美琴「アンタがふざけたこと言うからでしょうがああ!!
アンタ……次、同じようなこと言ってみなさい……全力で ぶっ 殺 す わ よ!!
上条「えええええーーーー!!ぶ、ぶっ[ピーーー]のおぉぉぉ!!??
そんな気に障ること言ってつもりはないんですけど!?」
失恋男「はあああ……いいよなあ…僕と違ってモテる男はああ……」
上条「(ああもう……なんてめんどくさい人だ…)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 22:58:58.25 ID:+u3k8PIj0<> 美琴「ちょっともう!!いい加減にしてくださいよ!!昨日の告白の時は、あんなにすごかったのに…
どうして今はそんなに情けないんですか!?早く、元気だしてくださいよ!!」
失恋男「昨日の告白が……すごかった…?はは…何を言っているだい、君は…
あんな無様に振られた僕の何がすごかった、って言うんだよ
…そんな、僕を元気づけるための安っぽい嘘は…」
美琴「嘘じゃありませんよ!!」
失恋男「……!?」
美琴「たとえ、結果が駄目だったとしても…
…好きな人に好きだ、って想いをはっきり伝えることができるなんて……生半可な覚悟じゃあ、
とてもそんなことはできないし……すごく勇気があって格好よかったですよ!!」
失恋男「そ、そうかな…?」
美琴「ええ!!私にも好きな人がいるけど……今は、とても告白なんてする勇気ない……
相手からの返事を想像しただけで、とてもそんなことできなくて……
だから、昨日のあなたの告白をみて、私すごく尊敬したんですから!!
ダメ人間だなんてとんでもないです!!だからいい加減、元気だしてくださいよ!!」
上条「御坂………」
失恋男「…………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 23:06:05.88 ID:+u3k8PIj0<> 失恋男「そうか……失恋した僕のことをそこまで褒めてくれて…嘘でもありがたいよ」
美琴「そんな…嘘だなんて私…!」
失恋男「いや、いいんだ……ありがとう。おかげでようやく目が覚めたよ」
上条「え!?それじゃあ…」
失恋男「ああ……そうだな…いつまでもクヨクヨしてたら駄目だよな…
もう大丈夫だ……これからは前向きに生きることにするよ」
美琴「ほんとですか!!よかった…!」
失恋男「2人とも。見ず知らずの僕のためにホントにありがとう。
この恩は一生忘れないよ…
それじゃあ、僕はこれで」
………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 23:16:07.15 ID:+u3k8PIj0<> ………
………
上条「いやあ、良かった良かった…一時はどうなることかと思ったけど…
あの男の人……なんとか元気になってもらってよかった…なあ、御坂?」
美琴「……で、どうなのよ?」
上条「…え?どうなの、って、一体何がだよ御坂?」
美琴「い、いやだから……そのさっき言ってた、昔付き合ってたグラマーなお姉さん、って一体どこの誰なのよ…?」
上条「え?」
美琴「な、何人か付き合ったことがある、って言ってたけど、も、もしかして…
…ま、まだ連絡とりあって会ってたりとか…」
上条「え?あ、あー、なんだよ、まだその話するのかよ…
あーもう、わかった、わかりましたよ。薄情するよ。嘘だよ、あの話は全部」
美琴「…え?」
上条「…なんだよ、わかってて聞いたんだろ、白々しいな…
あーーはいはい、そうですよ、上条さんは、いままで女性と付き合ったこともない冴えない男子高校生ですよ」
美琴「へ、へええ…そうなんだ…ふ、ふーーん」
ほっ、と胸をなでおろす美琴…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 23:31:06.68 ID:+u3k8PIj0<> 美琴「ま、まあそうよね!嘘。に決まってるわよね!!
あ、アンタみたいなボンクラがそんな華々しい女性遍歴があるわけないもん!えへへ…」
上条「何、笑顔になってんだよ、性格悪いな御坂さん!?
ってか、それを言うなら、お前だって、どーせ全部、嘘だったんだろ!!」
告白された時に花火がなんだの……どーせ、全部作り話だったんだろうが!!」
美琴「うっ……、ま、まあ…そうだけど…け、けど、あの場面では、ほら、仕方ないじゃない!?
嘘ついてでも、あの男の人を元気づけてあげなければならなかったし!!」
上条「ったく、やっぱりそうかよ…まあ、お前がオトナな恋愛を経験してるだの…
今、好きな人がいるけど、勇気がなくて告白できないだの…
明らかに御坂さんのキャラじゃないもんな…」
美琴「……え?」
上条「けどまあ、確かに、お前の言うとおり…結果的にあの人が元気になってくれたから、それでよかったんだけどさ」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 23:35:09.74 ID:+u3k8PIj0<> 美琴「…………」
上条「よーし、問題も片付いたし、それじゃあ俺はそろそろ帰…」
美琴「……嘘じゃない……」
上条「…え?なんだって?」
美琴「……いや、だから……花火だの、オトナの恋愛、っていうのは嘘だけど……
す、好きな人がいる、っていうのは嘘なんかじゃあ……」
上条「おい…御坂……」
美琴「え?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/14(土) 23:51:15.61 ID:+u3k8PIj0<> 上条「あ、………あれ、あれ、見てみろ………」
落胆した顔で、公園の外の郊外を指差す上条…
美琴「え……?あれ、なんかビルの前に人だかりができてる……一体……?
…ってげええええ!!!!」
…………
学園都市郊外のとあるビルの前
ざわざわ…ざわざわ…
野次馬1「何々…?アンチスキルまで集まって…一体、何があったの…?」
野次馬2「男の人がビルの屋上にいて、飛び降りようとしてるんだって…
今、アンチスキルが説得中なんだけど、聞く耳もたないんだって…」
野次馬3「何々?なんでそんなことになってんの!?」
野次馬3「どーも、なんか女に振られたらしいよ?」
…………
ビルの下の路上から男を説得するアンチスキルの面々
黄泉川「馬鹿なことはやめるじゃん!!」
鉄装「そ、そうですよ!!はやまらないでください!!」
失恋男「う、うるさい!!おまえらに僕の気持ちがわかってたまるか!!
僕はもう生きてても仕方ないんだ…!!だから、おしまいにするんだ…
このビルから、飛び降りて、僕の…人生を……!!」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 00:03:42.99 ID:31qJfEY40<>
ビルの下まで駆け寄る美琴と上条…
美琴「ちょ、ちょっとちょっと!!何やってんですかああーーー!!」
上条「ついさっき、『これからは前向きに生きることにするよ』、とか言ってた人が、なんで
今まさに、ビルの屋上から飛び降りようとしてんのぉお!?」
失恋男「ああ…君たちか…実はあれから君達と別れたあと、ああ、やっぱり俺駄目だ、って思いなおして…
やはり当初の予定どおり、人生をおしまいにすることにしたんだ…」
美琴「えええええーーーー、この5スレの間にもう、元に戻ったのおおおおーーー!??
アホかアンタはあああああーーー!!」
上条「>>119の自分の発言に責任持てよおぉぉx!どんだけメンタル弱いんだよお!!?」
失恋男「はは…なんだよ>>119って…?わけの分らないこと言って…
とにかく……僕の決意の邪魔をしないでくれないかい…?最愛のあの人に振られた僕は…
もうこの世にいてはならないんだから……!!」
上条「だ、だめだコイツ…はやくなんとかしないと…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 00:15:11.33 ID:31qJfEY40<> 黄泉川「なんだ、お前の知り合いか…?あいつ、さっきから何言ってもビルから飛び降りる、って聞かねーじゃん?
ほんと、こっちも参ってるんだよ…」
鉄装「私たちが何を言っても、聞く耳持たないみたいで……知り合いなら、なんとか私たちの変わりに説得して
もらえないでしょうか?」
美琴「いや、実は、私たちも別にそこまでの知り合いってわけじゃあ……ねえ?
…って、アレ?」
美琴「(…アイツは……?さっきまでここにいたのに…)」
………
ざわざわ…
野次馬1「お、おい、見てみろよ!!」
野次馬2「誰かがビルの屋上にあがって来たぞ!?」
野次馬3「あの高校生…男を説得するつもりか!!」
美琴「(んな!!あ、あの馬鹿、まさか!!)」
………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 00:21:33.87 ID:31qJfEY40<>
いつの間にか、ビルの屋上まで上がっている上条。
失恋男「な、い、いつの間にこんなところまで!!」
上条「飛び降りるだなんて、馬鹿な真似はやめるんだ!!…ほら、そんなところにいたら、危険だから……
はやく、こっちに来てください!!」
ゆっくりと失恋男につめよる上条…
…………
ビルの下の郊外
黄泉川「な、なに勝手なことしてんじゃん、アイツは!!下手に近づいて、相手を刺激したらどーするじゃん!!」
鉄装「私たちですら、距離をとってビルの下から説得してたというのに…!!
美琴「(あんの馬鹿…!!あんなに近づいて、相手が飛び降りたらどーするつもりなのよ!!)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 00:59:36.67 ID:31qJfEY40<> ビルの屋上
失恋男「こ、これ以上近づくな!!」
上条「!?」
失恋男「もう……いいんだ、僕のことなんか、ほっといてくれ……
僕は、最愛の彼女に振られ…生きる希望を失ったんだ…何度も言っているじゃないか…
こんなダメ人間な僕は、もう、このまま…死んだほうが……」
上条「ばっかやろおおお!!!」
失恋男「え……」
上条「御坂も言っていたじゃねーか、アンタは、人に想いをストレートに伝えることができる勇気
のある人間だ!!ダメ人間なんかじゃあ全然ないんだよ!!もっと自分に自信をもてよ!!」
失恋男「………」
上条「それに、一度振られたからってなんだよ!!諦められないんなら、
これから自分を必至で磨きなおして、振り向いてもらえるように努力すればいーじゃねーか!!
けど、死んじまったら努力することも、もう一度告白することもできねーんだ!!本当にそれで満足かよ!!」
失恋男「それは……」
失恋男「……………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 01:03:36.50 ID:31qJfEY40<> 失恋男「……わかった…君の言うとおりだ……死ぬのは、やめることにするよ…」
上条「ああ、やっとわかってくれたか…ほら、そこは危険だから、こっちに…」
失恋男に手を差し伸べる上条
…………
ビルの下の郊外
鉄装「あ、なんか説得がうまく言ったみたいですよ」
黄泉川「いきなり相手に近づくから、一時はどうなることかと思ったけど……うまくいって良かったじゃん」
美琴「…………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 01:23:14.07 ID:31qJfEY40<> ビルの屋上
失恋男「一度ならず二度までも…僕の命を救ってくれて…本当にありがとう」
上条「いえ…そんな」
手を差し伸べた上条の手をつかもうとする失恋男
……その瞬間。
失恋男「あれ、ちょ、バランスが崩れて…あ、やば……!!」ぐらっ
上条「…え?……ちょ、危ない!!!はやくつかまっ…!!」
失恋男「ひ、ひいいいい!!た、助けてえええ!!」グイッ!!
上条「え、ちょ、ーーー!!!!」
体のバランスを崩し、屋上から落ちそうになった瞬間、
……上条の裾を掴んだ失恋男。
失恋男「ぎゃあああああーーーーーーー!!!!」
上条「どわああああああーーーーーーーー!!!」
ビルの屋上から落下する失恋男と……上条。
……………
野次馬1「うわあああ、結局飛び降りたああああーーー!!」
野次馬1「いや、飛び降りた、っていうか、なんかバランス崩して落ちたっぽいぞおおおおーーー!!
しかも説得に入った男を道連れにしてーーー!!!!!」
野次馬2「せっかく説得に成功したっぽかったのにいいいいいーー!!あほだあああーーーーーー!!!」
黄泉川・鉄装・美琴「ちょ、え、ええええええええーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 01:36:31.65 ID:31qJfEY40<> 失恋男「うわあああああーーーーーーー」
上条「どわああーー、な、なんで俺までええええーーーーー!!!」
落下中の二人…
…………
黄泉川「くそ、もうどうしょうも…!!!……え!?」
美琴「ほんとに、あんの馬鹿はあああああーーーーーーーーー!!!!!」
ビリビリビリビリビリイイイイイイイ!!!!!
電光石火のごとく、能力でビルの壁面をかけあがる美琴。
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 01:50:23.34 ID:31qJfEY40<> ガシィッ!!!
上条「どわあああああーーーーーーもう駄目…って…え?」
失恋男「……あ、あれ?」
……落下中だった二人を見事、寸前のところでビルの壁面から受け止める美琴。
美琴「はあ…はあ……うう…お、重い……」
………
ざわざわ…
野次馬1「電撃使いの女の子が、二人を助けたぞ!!よかった!!」
野次馬2「けが人が出なくてほんとによかった!!」
野次馬3「ねえ、助けた女の子って、もしかして…常盤台の超電磁砲じゃあ……」
………
黄泉川「良かったじゃん……アイツのおかげでなんとか最悪の事態は免れたみたいじゃん…」
鉄装「ほんと…心臓が止まるかと思いました……」
…………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 01:59:39.07 ID:31qJfEY40<> …………
…………そして。
失恋男「いやあ…ほんとに君たち2人には、なんどお礼を言っても足りないくらいですね!!
ほんとに2人は僕の命の恩人です!!」
上条「そ、そうですか…ははは…」
失恋男「僕、これからは心を入れ替えて頑張ります!!最愛の彼女に振りむいてもらえるように
己を磨いて頑張っていこうと思います!!」
美琴「あー、そうですか…がんばってくださいね」
失恋男「ほんとにありがとうございました…!!それでは…」
上条・美琴「…………」
失恋男「そうだ!また、これからも、たまに僕の恋の悩みを聞いてもらっても…」
美琴「いいわけないでしょうがあああああーーーー!!!!アホかあああーーーーーー!!!!」
上条「こっちは、アンタのせいで死にかけてるんだよおお!!!いいから、さっさと行けえええーーーー!!!!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 02:09:20.77 ID:31qJfEY40<> ………
………
夕方。帰路につく上条と美琴。
上条「…ああもう、散々な目にあったよ…なんかどっと疲れた…」
美琴「………」
上条「……これからあの人…少しはあの撃たれ弱さを克服してほしいよな…
…毎度あんな感じだったら命がいくつあっても足りないし…なあ?」
美琴「………」
上条「…………、あ、あのお…御坂さん……?」
美琴「…………」
上条「……も、もしかして……怒ってる?」
美琴「あったり前でしょうが!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 02:18:02.27 ID:31qJfEY40<> 美琴「なんで!!アンタは、いっつもいっつも、後先考えずにあんな行動とっちゃうわけ!?」
上条「い、いやあ…その…」
美琴「アンタ!!今日、私が助けなかったら、確実にまた病院送り…
…いや、はっきり言って死んでたわよ!?分かってんの!??」
上条「ああ…そうだっただろうな……ホント、ありがとうな御坂。
今回、お前がいてくれて助かったよ」
美琴「……っ!わ、私が言いたいのは、そういうことじゃあ…!!!」
美琴「………、ああもういいわ……今回は私も疲れたし……
なんかもう…怒る気力もないわ…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 02:40:45.39 ID:31qJfEY40<> 上条「え……あの……御坂さん…」
美琴「……だいたい、命がいくつあっても足りないのは、アンタも一緒でしょ?
毎回毎回、トラブルかかえこんで……、ちょっとは自重しなさいよね…」
上条「……は、はあ…」
美琴「「……あーあ……やっぱ、ビルから落ちて、頭を強く打たれたほうが良かったんじゃない?
そのほうが少しは、マトモな人間になれたかもしれないわよ?……ま、その前に死ぬかもしれないけど」
上条「……す、すいません…」
上条「(や…やばい…御坂さんの機嫌がいつになく悪くなってる……
なんかこう……怒る気力もないとか言ってたけど……下手に怒鳴られるより…なんか怖い…
ここは下手に逆らわないでおこう)」
美琴「(まったく…)」
美琴「(ほんと変わんないわね、この馬鹿は……)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 02:50:19.83 ID:31qJfEY40<>
美琴「(いつだって、こいつは、目の前で困っている人をほっとかないんだ。
それが私だろうが、失恋した男だろうが、誰だろうが……
そう、コイツは出会った時からこういうヤツだった……
きっと、私の知らないとこでも、同じようなことを何度もしてるんだわ)」
美琴「(なんというか、もう、お人好しというか、おせっかいというか…
…要するに馬鹿なのよね、この馬鹿は)」
美琴「(けど………本当は)」
美琴「(私はきっと………コイツの…そういうところが一番……)」
美琴「…………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 03:03:19.93 ID:31qJfEY40<>
上条「あ、あのお、御坂さん?か、上条さんは、今回の一見、ものすごく反省しておりますので…
その…いい加減、怒るのをやめてもらえないかと…」
美琴「だから、もう怒る気力もない、って言ったでしょ?」
上条「い、いや…けど」
美琴「その代わり……まあ…
…別に私は、アンタがどうなろうが知ったこっちゃないから……いいんだけど。
ただ、アンタのまわりにいる仲間は、そうじゃあないだろうから、ひとつ忠告だけ、しておいてあげるわ」
上条「は、はあ…」
美琴「今回みたく、アンタがだれ彼かまわず、目の前で困っている人におせっかい焼いちゃう性格なのは知ってるけど。
なんでもなんでもトラブルに首つっこんでちゃあ、命がいくつあっても足りないのは、アンタのほうじゃないの?
まあ、そういうトコ、好きだけどさ。
けどこんなこと続けてたら、確実にアンタ、早死にするわよ?
入院代だって馬鹿になんないんだから、少しは自分の体をいたわってあげなさいよね」
美琴「(って…)」
美琴「(まあ……言っても無駄か)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 03:15:35.02 ID:31qJfEY40<> 夕焼け空が広がる学園都市郊外。
美琴「……って、もうこんな時間か。早く寮に帰らないと、門限に遅れちゃう」
上条「…………」
美琴「ってことで、アンタ。私はそろそろこの辺で…
……って、アンタ。何、急に固まってんのよ?どうしたの、突然?」
上条「……………………ええっと、その……御坂……さん?
御坂さんって……ほんとに俺が知ってる、『あの』、御坂さん、だよね?」
美琴「は、はああ?なーに寝ぼけたこと言ってんのよアンタは?馬鹿なこと言ってないで、
アンタも早く帰らないと門限があるんじゃあないの?」
上条「い、いや、だ、だって、なんか今……
ものすごーーく、御坂さんらしからぬ発言が聞こえて
きたような気がするんですけど……」
美琴「はあ?なーーにわけわかんないこと言ってるのよ?
私が何を言ったって……ん?
…あああああああああ!!!!!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 03:23:39.22 ID:31qJfEY40<> 上条「い、いやあ……なんていうか、御坂さんのことだから、せいぜい
『そういうトコ、嫌いじゃあないけどね』くらいだったらギリギリ分るんだけど…
なんかこう…御坂さんの発言にしては、すげえ新鮮だった、っていうか…
あ!な、なんていうの?こういう感じの、昔流行らなかったっけ?
ええと……ツンダラ?…じゃあなくて……あ、そうそう、ツンデ…」
ビリビリビリビリビリィィィィィ!!!!!!
上条「ぎゃああああああ!!!!!」
上条「ええええええ!!!!ちょ、ちょっとおおおおおおーーー!??み、御坂さん!?
な、な、なんで急に電撃ぶちかますのおおおお!!!???」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 03:38:00.51 ID:31qJfEY40<> 美琴「ば、ば、馬っ鹿じゃないの、ばっかじゃないのおおおおお!!?
ば、ち、違うわよ、わ、私そんなつもりで言ったんじゃないし!!!」
上条「え、い、いやあ、そんな必至に否定しなくても…」
美琴「え、て、いうか、そう!!たとえば、私最近、『黒密堂』で売ってるプリン
が美味しくてはまってるんから!?そう、プリンが好きなわけよ、私って!!
これって、要するに、好き、って言葉は、プリンにも適応される程度の
言葉ってことよね!?
ああもう、そういうことだわ!!要はアンタとプリンは同レベル……
いや、なんかもう…どっちかっていうと、プリンのほうが好きかしらね、私は!!」
上条「えええええええーーーーー!!?なんか急に発言がカオスなったと思ったら、
プリン以下宣言されちゃったんですけど!??な、何々なんなの、これ!?
御坂さんなりのアメと鞭なのおおお!!??」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 04:03:13.13 ID:31qJfEY40<> 美琴「そ、それに私、いちごおでんとか、武蔵野牛乳とか、ヤシの実サイダーとからも好きだから、
ま、まあ、アンタなんて、その辺のと同格、ってことかしらね!!
てか、あ、ああああーーーーー!!!も、も、もう私帰るっ!!!!」
上条「え、ええーー、み、御坂さん、急にどうしたんだよ、あの、ちょっと待てって」
美琴「あ、ああーー、うるさいわねアンタは!!!!私は、門限まであとちょっと
だから、急がないと門限に遅れちゃうから、ついてくるんじゃあないわよ!!」
上条「いや、だって、途中まではこれもこっち方面だし…」
美琴「ああーーーもう、だったらアンタは別ルートで帰りなさいよ!!
と、とにかく、ついてこないでよね!!!」
上条「え、ちょ、おい!だから、待てって言ってるだろ、なんだよ急に一体…」
美琴「うるさい、着いてくんな!!」
上条「あれ、っていうかお前なんか……いつの間にか顔が真っ赤に……」
美琴「なってない!!!!」
………………
………………
御坂美琴、せいいっぱいの告白
おしまい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/15(日) 04:05:40.08 ID:31qJfEY40<> また、短編でした。
2作書いても140スレ…
次書くときは、もうちょっと長めの話を書きます。
よろしくおねがいします。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)<><>2012/07/15(日) 05:29:40.09 ID:Z9s1kn0do<> こういう短いSSは途中からでも読みやすいしありがたい
>>1超乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)<><>2012/07/15(日) 09:14:57.61 ID:iDqPaTG80<> 上条さんは電撃だけはどんな状況、状態、どこから打たれても絶対防ぐけど、学園都市はそんな奴でも普通の高校生らしい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/15(日) 10:24:17.93 ID:hqMO1Vy+0<> 2人がタッグ組んで問題を解決する話はなんか微笑ましいな
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/15(日) 10:42:58.73 ID:zsohJBdF0<> 乙
細かいようだがスレじゃなくてレスな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/15(日) 18:58:32.06 ID:/kgksi7AO<> 乙!
読んだ時にあれ?と思ったら案の定ww
じゃん先生の口調もあってるし期待してる <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/15(日) 20:10:20.23 ID:8LW+fP6R0<> 乙です
なんかすごく和んだ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/16(月) 19:30:23.49 ID:9KSDSaFf0<> 可愛い話だなあ
また次もお願いします。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/17(火) 02:43:55.88 ID:ZrsbUaIDO<> 美琴はいちごおでんは嫌いだったはず
ガラナ青汁と二大地獄呼ばわりしてたし <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)<>sage<>2012/07/17(火) 11:53:10.20 ID:VLGUpn6C0<> そういえば今更だがゲコラーの縦ロールさんは出ないのかな
みさきち親衛隊の <>
幸いで最愛なる絹旗への手紙<><>2012/07/21(土) 21:15:55.38 ID:XNFwVb5k0<> 3作目
とある暗部のアジト
フレンダ「研究所からのデータ回収?」
麦野「正確には、ずいぶん前に閉鎖した研究所からだけどね。
そこに残存するデータをひとつ残らず回収する、ってのが今回の任務よ」
浜面「閉鎖した研究所って…?要するに、もう研究者は立ち退いて、今じゃ廃墟になってるってことだろ?
そんなところに研究データなんて残ってんのかよ??」
麦野「そりゃまあ普通は残ってるわけないわよね。本来なら、貴重な研究データを
そのまま残したまま、研究所を立ち退く馬鹿な研究者はいないだろうし。
けど例外もあるってことよ」
フレンダ「例外って?」
麦野「それは…」
※アイテムが主体。少しだけ長めの話になると思います。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 21:21:18.86 ID:XNFwVb5k0<> 絹旗「……不正な研究内容をアンチスキルに嗅ぎ付けられて、
夜逃げのように、超急いで研究所を去らなくならなかった場合や、
……研究中、超不慮の事故が起きて、人知れず研究者全員が死に、研究所が閉鎖になった場合……、
要は、超イレギュラーな自体が起きて突然、閉鎖する羽目になった研究施設には、
何らかの研究データが残ったままになっているケースがある…
そういうことでしょう、麦野?」
麦野「そういうこと。
まあ、当時の研究データがまるまるそのまま残存している、なんてことは流石に無いだろうけど。
ずさんな立ち退き作業が災いして、
研究施設内に、研究データのわずかな痕跡が残っていたりすることは、よくあるらしいわ」
浜面「なるほどなあ…まあ、大小あわせれば、星の数ほどある研究施設の中には
そんなところもあるってことか…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 21:25:04.36 ID:XNFwVb5k0<> フレンダ「廃墟になった研究施設から、研究データの痕跡を持ち帰るのが、仕事かあ…
なんかさ、それって、『墓荒らし』ならぬ『研究所荒らし』、って感じだねぇ、ねえ滝壷もそう思わない?」
滝壷「……うん、似てるかも」
麦野「ニュアンスとしては、そんな感じかしらね」
絹旗「……………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 21:28:49.47 ID:XNFwVb5k0<> 麦野「まあ…普通、この手の仕事の依頼主ってのは、たいていは
人の研究成果を横取りしようとする弱小な研究所連中でさ、ギャラも安いし…
いつもなら断ってたわけよ」
絹旗「……それじゃあ、なんで今回は、依頼を超引き受けたんですか…?」
麦野「ギャラがよかったからよ。
仕事は、いつもの仲介人を通して引き受けたから、依頼者は誰か知らないけど、
それなりの規模の研究所からの仕事からもしれないわね」
浜面「それで、その『研究所荒らし』する研究施設の場所はどこにあるんだよ」
麦野「資料によると………ええっと、○○学区の○番地、か…」
絹旗「………」
滝壷「………絹旗?」
浜面「……ん?って、どうした、絹旗?お前、なんか顔色悪くねーか?」
絹旗「…いえ、別に超なんでもありません」
浜面「………?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 21:43:23.67 ID:XNFwVb5k0<> フレンダ「○○学区の○番地ぃ?その辺ってさ、都市部からかなり離れてて、
寂れたところじゃなかったっけ?
そんなところに研究施設なんてあったかなあ…?」
麦野「さあねえ、けど資料には、はっきりそう書いてあるから仕方ないでしょうが」
フレンダ「うーーん、まあ、それならいいんだけどさあ」
麦の「……まあ、いつもの仕事に比べると地味な仕事だけど、
研究施設内を隅々まで探索することになるだろうから、それなりに人手がいると思うのよ。
ってことで、明日は、5人全員でその研究施設の探索に向かうわよ。
浜面は、移動用の車を用意しといてね」
浜面「へいへい、わかったよ」
フレンダ「あーあ、私はもっと、誰かをぶちのめす仕事とかがよかったなあ…」
麦野「はいはい、愚痴は聞かないわよ…
…一応、明日の任務内容の説明はこれで終わりだけど…
特に質問がなかったら今日はこれで」
絹旗「……麦野。悪いんですけど、明日のその任務、私は超欠席しますんで」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 21:47:58.49 ID:XNFwVb5k0<> …………
浜面「え……」
フレンダ「えー、どうしたの絹旗??」
滝壷「…やっぱり具合でも悪いの?」
絹旗「……どうしたもこうしたもありませんよ。研究所荒らし、なんて超かったるい任務…
とても私の性に超合わないんで、今回は抜けさせてもらいます」
……そう言いながら、席をはずそうとする絹旗。
麦野「………待ちなさい、絹旗」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 22:01:19.81 ID:XNFwVb5k0<> 絹旗「…なんですか、麦野」
麦野「なんですか、じゃねえだろうが。この任務は人手がいるから、5人全員で行く、
って今しがた説明したばかりだ。
……勝手な行動はゆるさないわよ」
絹旗「はん、麦野もヤキが回ったもんですね」
麦野「あ?何言ってんだ?てめえ」
絹旗「……『研究所荒らし』なんてハイエナみたいな真似、この世界でも
何の実力もない雑魚が引き受けるような、超くだらない仕事でしょうが。
それを、たかがギャラがよかったから、引き受けた、ですって?
馬鹿も休み休み言ってください、麦野。上級の暗部ほど、仕事を内容で超選ぶってもんです」
浜面「お、おい、絹旗…」
絹旗「……『原子崩し』も地に落ちたものですね
私は、そこまで超落ちたくないんで、任務から抜ける、って言ってんですが」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 22:14:54.29 ID:XNFwVb5k0<> フレンダ「(げ………)」
浜面「(うわ…なんか嫌な予感が…)」
………
麦野「……絹旗。てめえ、ぶっ殺されてえのか?」
絹旗「……やるってんなら、別に私は超かまいませんよ麦野。
…まあ、今の地に落ちた『原子崩し』相手に、私は超負けませんがね」
麦野「へええ、言ってくれるじゃねえか…それじゃ試してみるか?今、ここで」
睨み合う絹旗と麦野。
麦野「お、おい、お前ら、おい…やめろって!」
麦野「浜面はだまってろ」
絹旗「超浜面はだまっててください」
浜面「………は、はい」
フレンダ「(うわー、浜面ダッサー。結局さ、浜面って男としての甲斐性ぜんぜんないよねえ)」
浜面「(うるせえな、フレンダ!!だ、だったらお前、この状況をなんとかしろよ!!)」
フレンダ「(え、えええ…そんなこと私にだってできるわけねーじゃん…)」
滝壷「………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 22:24:07.99 ID:XNFwVb5k0<> 滝壷「麦野……絹旗…」
麦野「……」
絹旗「……」
滝壷「けんかは……やめて」
麦野「……………ちっ」
絹旗「………」
拳をおさめる絹旗と麦野
浜面「(ほっ…とりあえず最悪の事態は免れたみたいだな)」
絹旗「……とにかく…明日の任務には、私は超参加しませんから。それはもう、決めたことです。
当然ギャラの配分もいりません。
…それじゃあ…私はこれで、超帰りますから」
バタン
そう言い残し、席をはずす絹旗
滝壷・フレンダ「………」
浜面「(絹旗……アイツ、いったい、どうしたってんだ??)」
麦野「…………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 22:37:39.68 ID:XNFwVb5k0<> ちょっと休憩します。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/21(土) 22:38:59.78 ID:7dSU1vyAO<> はい <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 23:31:02.84 ID:XNFwVb5k0<> 次の日…
車で件の研究所へ移動中の4人
浜面「ええっと○○番地…○○番地…」
フレンダ「ああもう、浜面ぁ…私さ、結構酔いやすいんだからさあ…もちっと、丁寧に運転してよぉ」
浜面「あーもう、うるせえなフレンダ。…へいへい、分かりましたよ」
フレンダ「しっかし、ホント寂れたとこだよねえ……」
浜面「確かにな……この学区内の都心からはずれて、もうずいぶん走ってるしなあ」
麦野「…………」
機嫌悪そうに、車窓を眺める麦野。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 23:36:26.37 ID:XNFwVb5k0<> フレンダ「……それにしても、絹旗さ。一体昨日はどうしちゃったんだろうねえ」
浜面「(ああもう…フレンダのアホ…なんで話題に出すんだよ…ただでさえ、
麦野の機嫌が悪いってのに…)」
麦野「けっ……知らねえよ、あの馬鹿やろうが…。
我がまま言いやがって…
…なんだかんだ言って所詮はまだまだケツの青いクソガキってことだろ」
フレンダ「あーまあ、確かに私たちの中でも一番年下だしねえ…」
浜面「年下って……そういえば絹旗ってそうなんだっけ。
確かに見た目小学生くらいだけど、一体何歳だったっけ…?」
麦野「糞ったれの絹旗の話はいいから、浜面。ちゃんと運転に集中しなさいよ」
フレンダ「ああもう、結局さ、浜面は無駄話は多すぎるよね、仕事なめてんじゃないの?」
浜面「お前が話振り出したんだろうがああぁフレンダ!!いい加減に……!って、あ……」
浜面「着いたみたいだぞ?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 23:41:49.95 ID:XNFwVb5k0<> 車から降り、とある建物の門の前に立つ4人
滝壷「………」
浜面「ええっと、廃墟になった研究施設って……ここ?」
フレンダ「確かに、もう人が使ってる感じではあるけど……なんていうか」
滝壷「……研究所って感じじゃないね」
フレンダ「うん、少なくとも研究施設って感じじゃあないよね、ええと、こういう施設、なんていうのかなあ」
麦野「…とにかく、はいってみるわよ」
フレンダ「ええ…麦野。入るのお…なんか建物古くてお化け屋敷みたいだし、建物の周りも草ボーボーだし…」
麦野「ぶつくさ文句言ってんじゃないわよ、そういう任務なんだから。ほら、行くわよ」
……………
…………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 23:51:54.53 ID:XNFwVb5k0<> ………
謎の施設内に入る4人
フレンダ「ごほっごほっ…うわあ…なんか埃っぽい…」
麦野「外で見た感じどおり…人の出入りはないみたいね」
浜面「麦野…やっぱり研究施設らしきものは一つもないみたいだぜ?パソコンのディスプレー一つないし…」
フレンダ「うん、やっぱり室内の感じから見ても……少なくとも研究施設じゃあないよね。
あー、あそこの部屋、なんかダンボールがある…」
浜面「一体何が入って……って、何だこれ??」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/21(土) 23:57:03.30 ID:XNFwVb5k0<> 滝壷「これって……おもちゃ…?」
フレンダ「あー、本当だ。このぬいぐるみとか……そーいえば昔、私の妹もこんな感じの持っ…」
麦野「無駄話はいいから。ほかに何か入ってないの?」
浜面「いや…この箱の中には、子供が使うような……おもちゃしか入ってない…
けど、何でこんなとこにおもちゃが…?」
フレンダ「そういえばさ、この部屋、埃っぽすぎて気づかなかったけど、内装が幼稚園っていうか小学校っていうか…」
滝壷「擁護施設……」
フレンダ「ああそうそう、そんな感じ……」
麦野「…………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/22(日) 00:07:28.85 ID:cC8qNoHt0<> 浜面「おいみんな……こっち来てみろよ!」
フレンダ「何よ、浜面何かあったの?」
浜面「ほら、この本棚にあったこの本……なんかアルバムみたいだぞ?小さい子供の写真がたくさん写ってる」
滝壷「……子供写ってる写真も、この施設内みたいだね」
フレンダ「私にもみせてみせて!……あー、本当だあ……こりゃあこれで、決まりかなあ…」
浜面「決まりって…?何だよフレンダ」
…いやあだからさ。………麦野ー、この施設ってさ。研究施設なんかじゃあなくて、
ひょっとして、『チャイルドエラー』のための擁護施設なんじゃない?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/22(日) 00:15:25.55 ID:cC8qNoHt0<> 浜面「ああ、なるほどな。おもちゃといい、子供のアルバムといい…それなら合点いくな」
フレンダ「ふふ、けどこのアルバムの中の集合写真、見てよ。この右下にいる女の子さ……
どことなく、絹旗に似てるよね」
浜面「確かに似てるけど……何言ってんだよ、フレンダ。絹旗の子供のころの写真がこんなとこにあるわけ
ねーだろ……って、まあ…アイツは今の子供か」
フレンダ「浜面アンタ……そんなこと絹旗の前で言ったらぶっ殺されるわよ」
浜面「そんなことより麦野……どうする?
ここが研究施設だった、ってのは、多分、依頼者の勘違いみたいだぜ?
ここに研究データなんてなさそうだし、とっとと帰るか?」
麦野「…………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/22(日) 00:22:14.59 ID:cC8qNoHt0<> 麦野「研究施設よ」
浜面・フレンダ「……え?」
麦野「だから、ここは、間違いなく研究施設だって。そう言ってるのよ。……それも超ウルトラ級のね」
浜面「え、いや…だって」
麦野「浜面クンさあ……ちょっと、そこの本棚動かしてくれない?ちゃんと背後の壁が見えるようにさ」
浜面「え……なんでそんなこと」
麦野「いいから!とっととしろっての!」
浜面「わ、わかったよ」
ずずずずずず…
壁に面した本棚をずらしはじめる浜面 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/22(日) 00:30:27.28 ID:cC8qNoHt0<> 浜面「はあ…はあ…こ、これでいいか、麦野…?って、な、なんだこれ?」
フレンダ「本棚に隠れてた壁に、小さなくぼみがあるね」
麦野「そのくぼみ、押してみてごらん、フレンダ」
フレンダ「え…?う、うんわかった」
ガコッ
浜面「一体、何が…って、えええええ!!??」
ゴゴゴゴ……
ゆっくりと壁が開き、地下へつながる階段が姿を現しはじめる…
フレンダ「え、ええ?な、なにこの階段!??もしかして…地下につながってんの!??
麦野「なんていうかまあ…ベタというか…まあ、定番よねえ
……ふん、にしても絹旗のやつ………『嫌な思い出』がある場所には来たくなかったって…そういうことか」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/22(日) 00:49:54.30 ID:cC8qNoHt0<> 浜面「お、おい麦野!!いい加減、説明してくれよ!!なんなんだよこの施設は!?
ここは一体……!??」
麦野「だから言ったでしょ、ここは研究所。
まあ確かに、表向きは『チャイルドエラー』のための擁護施設みたいにカムフラージュしてたみたいだけど?」
滝壷「カムフラージュ…まさか」
麦野「そう……チャイルドエラー達を実験体のモルモットに使ってることを隠すカムフラージュ。
きっと、この階段の奥には、それなりの研究施設があるんじゃあないかしらねえ……
……しかしまあ……びっくりだわ。まさか、あの『悪名高い』計画の研究施設が
こんなヘンピな場所にあったなんてねえ」
フレンダ「そ、それって麦野……もしかして…」
麦野「そう……すべて合点言ったわ。
この施設こそ、学園都市の歴史の中でも指折の残虐性を極めたことで有名な…
あの、『暗闇の五月計画』、の総本山なわけだ…
絹旗はまさに、この研究施設で、能力開発を受けていたと……そういうことかしらね」
…………
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/22(日) 00:50:34.63 ID:cC8qNoHt0<> 今日はここまでで。少し、シリアスな話になると思います。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/22(日) 00:59:54.57 ID:rvDYjshP0<> 乙 続きに期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/22(日) 02:10:45.51 ID:mehnXQoAO<> 乙
置き去りって事はシロワニさんとも関わりあるのかな
気になったとこの説明Thanks <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/22(日) 03:08:24.43 ID:F/Gg/S090<> 乙です。アイテム好きだし、題名とどう関わってくるのかが楽しみ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)<><>2012/07/22(日) 10:19:27.45 ID:EtnX+uGK0<> 乙です
これはなかなかない視点の話になりそう <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/22(日) 11:43:30.36 ID:u16wzEHIO<> 前2つとの差がw
シリアスでも絹旗ちゃんが可愛ければ問題なし! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/22(日) 12:41:09.42 ID:iOuTXZoDO<> 乙!
絹旗まじかわ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/07/25(水) 21:03:07.63 ID:cQz2+wHA0<> 何気にキャラのセリフ上手いし、期待してる
続きはよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2012/07/29(日) 00:58:03.14 ID:feqb/XMx0<> 再開
カツカツ…
地下の階段を下りていく4人
麦野「しっかしまさか、何の気なしに引き受けた仕事の舞台が、あの『暗闇の五月計画』の研究所とは……
研究所の位置には、いくつか噂があったけど……まさかこんな辺ぴな場所にあったなんてね」
浜面「あ、あのさあ麦野……その、暗闇のなんとか…計画、ってのは、いったいなんなんだ?」
麦野「『暗闇の五月計画』…あの第一位『一方通行』の精神や演算パターンを参考にして、
『自分だけの現実』を最適化する計画…
…っていえば聞こえはいいけど、噂に聞く限り、具体的な研究は吐き気がするような内容みたいね」
フレンダ「えーと確か、『置き去り』の子供を使って、無理やり第一位の精神とか演算パターンを脳内に
植えつけたんだっけ?私でも聞いたことあるよ」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 01:00:42.53 ID:feqb/XMx0<> 浜面「む、無理やり脳内にって…な、なんだよそれ??
そんなことして大丈夫なのかよ?」
麦野「大丈夫かって……つまんねえこと聞くのね浜面。んなわけないでしょうが。
実際、数十人いた被験者は、ほとんど死んだ、って話だし」
浜面「え、ちょ、ちょっと待てよ!?それだったら、なんで今まで世間で
騒がれてないんだよ!?
いくらなんでも、それだけの子供が急にいなくなったら、学校とか親とかが…」
フレンダ「いや浜面…だから『置き去り』を使うんだよ」
浜面「あ………」
麦野「何の身寄りもない『置き去り』は、この都市の研究者にとっては、
たとえ死のうがどうなろうが、事件性になる可能性が少ない格好のモルモットってわけだ。
『置き去り』の養護施設を語った研究施設がある、っていう黒い噂も聞いたことあったけど、
どうやら、ここもそのクチみたいね」
浜面「………本当に絹旗は、こんなとこにいたってのかよ…」
麦野「ええ、『優等生』だった、っていう話だけどね」
浜面「………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 01:19:57.50 ID:feqb/XMx0<> フレンダ「まあ、それもよく聞く噂話だけど、実際はどうなんだろうね」
麦野「まあ本当でしょ。あの悲惨の計画を生き抜いて、『窒素装甲』なんて稀有な能力を身につけてんだ。
実験の中で死んでった奴らに比べたら、そりゃ優等生だろうよ」
浜面「……あのさあ、さっきから気になってたんだけど……同じ組織の仲間がいた研究に関する話なのに…
…噂話でしか詳細を知らないのかよ?」
フレンダ「結局さ、浜面。絹旗は、自分の過去の話とか一切話したりしないだよ。
自分が『置き去り』であることも、『暗闇の五月計画』の被験者であることも、この計画の顛末も。
私も麦野も絹旗の口からは聞いたことないんだよ。
ただ、本人の口から聞かずとも、裏社会じゃ有名な話だから、それとなく知ってるだけで。
滝壷だって同じでしょ?」
滝壷「…うん。絹旗からは、そんな話、聞いたことない」
フレンダ「そりゃまあ、あんまりいい思い出もないだろうから、むやみに話たくない気持ちはわかるけどね」
浜面「………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 01:32:53.47 ID:feqb/XMx0<> フレンダ「そーいえば麦野、この計画って確か、被験者の一人が暴走して研究員を
全員殺しちゃったから、計画が破綻したんじゃなかったっけ?
もしそれが本当なら、今からいく地下の研究室に、殺された研究者の死体がまだ残ってたりすんのかなあ…?」
麦野「さあ、どーかしらねえ…それもあくま噂だし…真相はどうなのかしらねえ…」
浜面「あ、あのさあ…麦野」
麦野「何よ」
浜面「今回の任務の話なんだけど、…その…
要は、絹旗が人に語りたくもないような、悲惨な実験のデータを持ち帰って、
依頼者に渡す、ってことでいいんだよな…?」
麦野「そだね。……それがどーした、ってのよ?」
浜面「いや……それって、なんていうか……どうなのかな、って思って…
依頼者は、その研究データを参考にして、『置き去り』を使って同じような実験を繰り返すかもしれないし……
……それに、それに…なんか…仲間の絹旗のことを、売ってお金儲けしてるみたいで、
そういうの、俺はあんまり……」
フレンダ「ええと、それは……」
滝壷「……」
麦野「…………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 01:51:11.45 ID:feqb/XMx0<> 麦野「浜面……二つ教えといてあげるわ」
浜面「…え?」
麦野「まず一つめ。
私たちが、今日ここから持ち帰ろうとしている実験データは
あくまで実験の『残りカス』みたいなものにすぎなくて、
おそらく実験データの全容自体は、
もうとっくの昔に、この研究施設の上層機関が回収ずみと考えられるってこと。
この任務の依頼者は、あくまで、そのときに回収し損ねたかもしれない
ほんの一部の実験データを狙っているだけなのよ。
要するに、私たちがこの依頼を引き受けようが引き受けまいが、
浜面クンの言う『絹旗が人に語りたくもないような、悲惨な実験のデータ』とやらは、
すでにお偉方の手に渡ってて、絶賛利用されまくり、ってことね」かしらね」
浜面「………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 02:10:23.14 ID:feqb/XMx0<> 麦野「そんで2つ目。
下っ端浜面を除く私たち4人は、暗部として生きていくのに効率がいいからチームを組んでいるんであって、
お互いをいたわり合ったり、傷をなめあったりするために、チームを組んでいるわけじゃあないってことだ。
せっかくのギャラがいい仕事を、仲間を売るようでかわいそうだから、やめました、って言うんじゃあ暗部失格なんだよ。
……わかったら、スキルアウト上がりの下っ端ごときが、二度とつまんねえこと言うんじゃねえ」
浜面「な…、麦野、けどそれはいくらなんでも…!」
麦野「……実際この任務、絹旗は欠席する、とは言ったが、任務を遂行しようとする
私たちを止めようとはしなかった。
あれは、絹旗自身がこのことを一番よく分かってるからだ。
そう…この世界で生きることの厳しさをな」
浜面「……、けど、けど…俺は…やっぱり…」
麦野「くだらねえ…おしゃべりはそこまでだ。……ほら、着いたぞ」
…階段を降りきり、地下の施設へたどりつく4人
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 02:24:45.29 ID:feqb/XMx0<> あたりを見渡す4人。
麦野「地上のみすぼらしい養護施設とは、大違いねえ」
フレンダ「ほんとほんと。麦野の言うとおりだったね。
まさか地下にこんな広くて立派な研究施設があるなんてねー。
ってことは、やっぱりここで、残虐な実験が行われたってことなのかなぁ…」
麦野「フレンダ。あんたの期待してた研究者の死体は、転がってないみたいね」
フレンダ「いや…別に期待してないから…けど、見渡す限りは、死体どころかほとんど何もないねえ」
滝壷「……うん、少なくとも研究機器とかは、ほとんど見当たらない」
フレンダ「そうだよね…ねえ麦野。こんなとこに実験データなんて、本当に残ってるかなあ……??」
麦野「まあ、研究施設内も広そうだし、とりあえず探索してみないことには、何も分かりそうにないわね。
……よし、それじゃあ、3人とも。さっそく手分けして散策を開始するわよ」
浜面「………」
…………
………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 02:43:22.80 ID:feqb/XMx0<> ………
………
数時間後。
地下の研究施設を探索し終え、地上の養護施設へ上がってきた4人。
フレンダ「……うーん、結局、何にもなかったねえ…」
浜面「ああ……研究データどころか、被験者の髪の毛一本落ちてなかったみたいだしな」
麦野「……まあ、予想はしてたけどね」
フレンダ「ええ〜、そうなの麦野?」
麦野「…中堅どこの研究施設ならいざ知らず、
学園都市の上層機関が直接関与してるような実験の研究施設だからね。
研究データはおろか、それこそ被験者の髪の毛一本すら残さないように
徹底してるんだろう」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 02:58:18.49 ID:feqb/XMx0<> 麦野「それにしても、依頼者はあてが外れたわねぇ。
『暗闇の五月計画』の研究施設をつきとめるだけでも相当な労力を費やしたんだろうが……
…肝心の研究データが塵一つないとあっちゃあ、ショックでしょうね。
ま、こっちは言われたとおり、探索をしたんだから、ギャラはしっかりもらうけど」
フレンダ「うん。まあ仕方ないよね。
結局さ、残っているものといったら、一階の養護施設に残ってるおもちゃ、とか…」
浜面「この本棚においてあった『置き去り』の子供たちのアルバムとか、そんなのだけだしな……」
そう言いながら、本棚のアルバムをパラパラとめくる浜面…
麦野「『養護施設』を模するための備品類か…それくらいはもう、残しておいても問題ないと
判断したんでしょうね」
浜面「…まあ、俺は安心したけどな…やっぱり仲間の絹旗を売るような真似はしたくなかったし……」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 03:13:48.69 ID:feqb/XMx0<> ヒラリ…
滝壷「……はまづら。アルバムから、何か落ちたよ」
浜面「…え?」
………アルバムから落ちたものを拾う浜面。
フレンダ「なあにそれ…??手紙?」
浜面「…ああ、手紙だ手紙、エアメール」
滝壷「学園都市の外から届いた手紙だね。しかも、封が切られてない」
浜面「ホントだ、まだ誰も中身を見てない、ってことか…消印もずいぶん古いのに……
けど、…いったい全体、なんでアルバムなんかに挟まってたんだ??」
フレンダ「それになんか、電子メールが主流のこの時代に手紙なんて……
なんていうか、古いよねえ……」
浜面「……ええっと、差出人は………………え?」
…………
…………
麦野「おい…何やってんのよ3人とも。つまんないことしてないで、とっとと外に…」
浜面「…お、おいみんな、見てくれよ…
これって………」
麦野「はああ?なによ、いったいなんだってんのよ…?」
…………
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 03:22:20.85 ID:feqb/XMx0<>
…………
…………
そしてその数時間後
とある暗部のアジト。
絹旗「………」
アジトで一人テレビを見る絹旗。
絹旗「………」
ガラッ
部屋の扉が開き、任務から帰還した麦野をはじめとする4人……
麦野「仕事をサボタージュしといてアジトで一人、C級映画鑑賞とはいいご身分だな、絹旗」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 03:26:55.93 ID:feqb/XMx0<>
絹旗「…………サボタージュ、とは超人聞きが悪いですね麦野。
私は、気分が乗らない、っていう正当な理由で、
今回は『欠席』しただけです。サボったのとは違います」
麦野「はん、何がどう違うってんだよ、同じじゃねーか」
浜面「お、おい、お前ら…まだケンカしてんのかよ……やめとけよ2人とも…」
フレンダ「そ、そうだよ…な、仲良くしよっ、ね、ね?」
麦野「ふん…」
……絹旗から離れたソファに座る麦野。
絹旗「…………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 03:33:10.24 ID:feqb/XMx0<> 絹旗「…………それで?」
麦野「……あん?」
絹旗「…超わざわざ、廃墟になった研究施設に出向いて、お目当ての研究データは、見つかったんですか?」
浜面「…………」
麦野「ええ、あったわよ?」
絹旗「……っえ!?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 03:40:47.80 ID:feqb/XMx0<> 浜面「お、おい麦野っ」
麦野「……冗談よ。……なかったわ研究施設に、『実験データ』は何にもね」
絹旗「……そ、そうですか……」
かすかに、ホッと胸をなでおろす絹旗…
麦野「まったく、つまんない仕事だったわ。けど、まあこっちは
やることやったんだから、ギャラはさっくり頂戴するけどね。
言っとくけど、アンタのとり分はないわよ絹旗」
絹旗「……だから、初めに私はいらない、って言ったでしょうが…」
麦野「ふん………
あ、そーそー、けど絹旗。
『実験データ』は何も持ち帰ってこなかったけど、
アホの浜面がアンタに『おみやげ』を持って帰ってきたみたいよ?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 03:52:55.57 ID:feqb/XMx0<> 絹旗「……おみやげ…?」
浜面「(む、麦野のアホー!!お、おま……言うタイミングってもんがあるだろうが!!)」
麦野「(ん、んだよ、いつ言ったって同じじゃねーかよ、いいから、渡したいならとっとと済ませろよ、ほら)」
絹旗「……おみやげ、って一体なんのことですか、浜面…?」
浜面「あ、…え、ええっとお………絹旗……
これのことなんだけど……」
絹旗「え?」
絹旗「………なんですかこれ…?エアーメール……?一体…
……っ!!!」
浜面が差し出した手紙の宛名と差出人を見て…
…驚愕した顔を見せる絹旗 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 04:14:05.27 ID:feqb/XMx0<> 浜面「……絹旗これ……。研究施設で見つけてきた手紙なんだけど…
…宛名がお前の名前になってるんだ…
………それで、…それで……この差出人の名前……これってもしかして……」
絹旗「………………んですか…」
浜面「……え?」
絹旗「だから!!一体どういうつもりなんですか、って聞いてるんですよ浜面!!」
バシイ!!
無理やり、浜面から手紙を奪いとる絹旗。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 04:16:02.59 ID:feqb/XMx0<> 浜面「お、おい!絹旗!??」
麦野「………」
絹旗「……はあ…はあ……はん…やっぱり浜面はどこまで
いっても超浜面ですね………ホント、超どうしょうもない…」
浜面「…え、あ……絹旗……聞いてくれ、お、俺はただ………え?」
ビリッ……
絹旗「…はん…超浜面はその差出人の女のことが超気になるみたいですから、
特別に、3つ教えといてあげます…
まず一つ目。確かに浜面が思っているように、その手紙に記された
差出人の名前は、私を産んだ女の名前です。
……『血縁上』では、母親にあたると言っていいでしょう」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 04:26:02.16 ID:feqb/XMx0<> ビリッ……ビリッ……
浜面「お、おい!?絹旗…お、お前、何やって…やめ…!!?」
麦野「…………」
絹旗「二つ目……結論から言えばその女はもう、この世にいません。
数年前、海外からの帰国中、飛行機の墜落事故で無様にも死んだ、
というのを、風の噂で聞きました」
ビリッ……ビリッ……
浜面「お、おい…き、絹旗……や、やめ…」
絹旗「そして三つ目」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 04:35:30.21 ID:feqb/XMx0<> ビリビリビリィ…!
絹旗「……その女は生前、私を捨てた女です。
そう…、手前の身勝手な都合で……それこそ粗大ごみのように…
…この都市に『置き去り』にした女なんですよ、浜面」
パラパラ……
ビリビリに引き裂いた手紙を、窓の外に捨てる絹旗
浜面「……あ……」
絹旗「はあ、まったく……超浜面には、ホントあきれはてます……
まさか私がこんな手紙を渡されて、超喜ぶとでも思ってたんでしょうかね?」
浜面「………」
絹旗「……自分を捨てた女の手紙なんて、誰が見たいって思うんですか…
浜面……馬鹿も超休み休み言ってください」
バタンッ
そういい残し、アジトから去る絹旗。
滝壷「………」
フレンダ「………」
浜面「……………絹旗…」
麦野「(……… )」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/07/29(日) 04:35:57.68 ID:feqb/XMx0<> 今日はここまでで。また暇な時に書いていきます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/07/29(日) 05:27:57.29 ID:onzkIjCAO<> 乙!
フレ/ンダにはしないでくれ下さい
展開上なら仕方ないけど <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/29(日) 05:37:45.29 ID:gRxCg9380<> 乙乙です。
ところで絹旗って何歳だっけか?公式で年齢は明記されてないよね? <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/29(日) 05:55:20.03 ID:BebdKGTDO<> 乙
絹旗は12歳じゃなかったっけ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/07/29(日) 10:47:44.96 ID:P+k7vaLIO<> 黒夜とタメだろうから12〜13歳ってとこだろ
つか黒夜は出ないんだろうか <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)<>sage<>2012/08/06(月) 21:25:56.43 ID:1alDLpgAO<> 待ってますよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/18(土) 11:37:15.06 ID:GlHvMWQDO<> >>159に指摘なかったからするが浜面の名前がむぎのんになってるぜ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 14:50:10.80 ID:1Uumue1F0<> 久しぶりですが、少しだけ更新
………
………
フレンダ「あーあ、やっぱ怒っちゃったね絹旗…
せっかく、この任務も終わったら、機嫌が直ると思ったのに…浜面のせいで、また怒ってどっか行っちゃったよ」
麦野「…だから、やめとけ、って言っただろうが。そんなキナ臭い手紙を持ち帰るなんてことは」
浜面「す…すまん」
フレンダ「そーそー、そもそも、誰にだって触れられたくないとか、思い出したくないとか、
そういう過去くらいあるわけだしさあ…
まして絹旗は、そういうのに特に敏感そうな訳なんだから」
浜面「はい……す、すいませんでした…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 14:54:11.00 ID:1Uumue1F0<> フレンダ「結局さ、浜面ってそういうデリカシーが全然ないわけよ。
あれかなあ、浜面って、新しく付き合った彼女とかに、過去に付き合ってた彼氏のこととかを
洗いざらい聞いちゃうタイプなのかなあ?」
滝壷「…………」
麦野「いやあ、フレンダ。それ以前に、浜面にそんな豊富な恋愛経験なんかないんじゃない?」
フレンダ「ああ、そうか……まあ、所詮は『超浜面』なんだから仕方ないけどさあ」
麦野「ああ、所詮超浜面だしな」
浜面「い、いやいやいや、もういいだろうが!何これみよがしに度が越えるくらい
責め立てちゃってんだよ!!お前らぁ!」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 15:06:35.40 ID:1Uumue1F0<> フレンダ「とはいってもさあ…浜面。これで明日も、絹旗が任務をボイコットしたらどうするのよお」
浜面「あ、明日?…明日の仕事っていうと…
ああ…確か、違法取引している組織のアジトの襲撃、だっけ」
麦野「しょぼい仕事だけど、正面から突っ込む役の絹旗がいないと、ちょっと手間取るかもしれないわねえ」
フレンダ「そーそー、結局さ、絹旗がいないと誰が『鉄砲玉』になんの、って話な訳よ」
麦野「…なんだかんだで、銃弾も防ぐ『窒素装甲』は使えるからな。
まあ、明日もサボっちまうようなら……こりゃあ、明日は、絹旗の代わりにフレンダにがんばってもらうしかないか…」
フレンダ「え…ちょ、ちょっと、麦野!?無理無理、無理だって、私に絹旗のポジションは!!」
浜面「……………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 15:28:13.42 ID:1Uumue1F0<> フレンダ「……まあ元々、絹旗はプロ意識は強いほうだから、仕事を2連続でボイコットすることはないと思うけどさあ…
けど浜面、明日絹旗に会ったら謝っておいた方がいいんじゃない?絹旗のこと怒らせたわけだしさ」
浜面「あ、ああ…わかったよ」
フレンダ「……まあ、さ。浜面にしてみたら、母親からの手紙を本人に届けようとしたわけだし、
良かれと思ってしたことなのかもしれないけどさ。
結局さ、私たちの間柄でそういう変な『友達ごっこ』的なこと、やめたほうがいいと思うんだよね
麦野の言っていたように、私たちは、お互いをいたわり合ったり、傷をなめあったりするために、
チームを組んでいるわけじゃあない、だからさ」
浜面「わ、わかったってば…」
麦野「よし…それじゃあ、今日はもうこれで解散。明日は、ここに朝8:00に集合ってことで。
滝壷はこのことを、絹旗にメールしといてくれる?」
滝壷「うん、わかった」
浜面「…………」
………
……… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 15:31:25.50 ID:1Uumue1F0<> ………
………
そして、次の日の朝
『アイテム』のアジトに向かう浜面
浜面「……ふわあ、眠い…。流石に2日連続で任務、ってのは疲れるよなあ…」
アジトのある、人気のない裏路地を歩く浜面
浜面「…………」
浜面「(………絹旗の奴…今日、ちゃんとアジトに来るかな…
今日の任務のことは、昨日の夜に滝壷がメールしたみたいだけど…)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 15:47:59.01 ID:1Uumue1F0<> 浜面「(…今日、絹旗と会ったら……やっぱ、フレンダの言うとおり、ちゃんと謝ったほうがいいよな…
昨日は俺が、あんな手紙を持ち帰ったせいで、絹旗のことを怒らせたわけだしなあ…)」
浜面「…………」
浜面「(………余計なお世話だったのかな……やっぱり……
そりゃあ、まあそうか……母親からの手紙、って言っても……絹旗を学園都市に捨てたようなような母親だもんな…
そもそも絹旗が、あんな悲惨な実験に絡んだのだって、絹旗を『置き去り』にした母親の所為でもあるわけだし…)」
浜面「(絹旗が、そんな母親のことを恨んでたって全然不思議じゃないよなあ……
確かに、そんな母親からの手紙の内容なんて、今更、読みたいなんて、思うはずが、ないか…)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 15:50:17.86 ID:1Uumue1F0<> 浜面「(それにもう…この世にいない、とも言っていた…
…確か、数年前に、飛行機の墜落事故か何かで死んだとかなんとか…
本当にもう、今更の話なんだよな…)」
浜面「(けど、なんだかなあ……何か、ひとつ気にかかってることがあるような…)」
浜面「…………ん?」
浜面「……あれ……あそこにいるのは……絹旗じゃねーか…!?
何やってんだ、アイツ、あんなところでうろちょろして……」
………
……… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 16:01:21.44 ID:1Uumue1F0<> ひと気のない、アジト周辺の裏路地で、うろうろする絹旗
絹旗「……ええっと、確か昨日……この辺に…………ない……やっぱり風か何かで…」ぶつぶつ…
浜面「お、おい……絹旗…?」
絹旗「…え!!
……な、……は……浜面!??ちょ、な、なんでこんなところに!??」
浜面「何って……いや、今日も仕事だからさ…普通にアジトに来たんだけど…」
絹旗「そ、それはそうなんでしょうけど……こ、こんな早い時間に来なくても…」
浜面「……?……いや、けどまあ、なんていうか、アジトの前まで来ている、ってことは
今日の任務には、参加する気はあるんだな」
絹旗「え、ええ…ま、まあ…超そのつもりなん、ですけど……」ごにょごょ…
浜面「……けどお前、それだったらアジトの中にも入らず、こんな目の前の路地裏で何うろうろしてたんだよ?」
絹旗「…!!?い、いや、それはだから……!!つまりその……」
浜面「(何だコイツ…?何か様子が変だぞ…??)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 16:09:48.30 ID:1Uumue1F0<> 浜面「あれ…それにお前…手に何集めてるんだ??……なんだその………紙屑??」
絹旗「………!!!い、い、いや……こ、これは…!!!」
浜面「………ええっと、絹旗……一体何やってんだお前…
…こんなカタギが寄り付かないような、人気のない裏路地のゴミ拾いなんて
お前が…そんなことするわけ……ない、よなぁ??」
絹旗「……い、いやだから、超なんでも……
…げ…!!?」
ぞろぞろ……
滝壺「おはよう、2人とも」
フレンダ「おはよー、ってああ、絹旗、ちゃんと来てたんだねえ、よかったよかった」
麦野「……っていうか、アジトの前で何たむろってんだ?お前らは」
ぞくぞくと集まるアイテムの面々 ……
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 16:21:22.83 ID:1Uumue1F0<> フレンダ「あれ、けど珍しいねえ…まさか、集合時間の30分前にメンバー全員がアジトの前まで、集まるなんてさあ…
……んで?一体、こんなとこで何やってたのさ、2人は」
絹旗「あ……うう……そ、その……」
浜面「………」
浜面「…………ええっと、絹旗……もしかしてお前……
昨日、自分がアジトの窓から投げ捨てた、手紙の欠片を拾い集めてたんじゃあ……」
絹旗「…………、…ち、ちが……///」
フレンダ「ええ?何々、なんだって?一体どういうことよ浜面?」
浜面「……やっぱりお前……お母さんからの手紙の内容を……」
絹旗「…………!!!超違いますからっ!!!!!」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 16:24:18.68 ID:1Uumue1F0<> …………
…………
フレンダ「おーい、生きてるー?浜面」
滝壺「大丈夫?はまづら…」
浜面「ぜんぜんだいじょうぶ、じゃない…」
フレンダ「いやあ、そりゃあまあ、そうだよねー、
絹旗から突然、あんなボディブロー浴びて平気でいられるわけないよねえ」
浜面「……うう…」
裏路地に倒れこむ浜面…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 16:34:27.93 ID:1Uumue1F0<>
『おかけになった電話番号は、現在、電波の届かないところに…』
麦野「…絹旗の野郎、携帯にも出やがらねえ…」
フレンダ「そりゃあ…顔を真っ赤にして、突然、浜面に一発お見舞いした後、ダッシュで逃げてったわけだしね……
私、あんなに顔を真っ赤にした絹旗、初めて見たよ……」
麦野「ったく…!居たたまれなくなって走って逃げるなんて…
…普段、大人びた口ぶりをしていても……所詮はガキか……」
フレンダ「絹旗……今日の任務、どうする気なのかな………って、まあ…、戻ってくる気配もないし…
…参加するわけ……ないよ、ねえ……」
浜面「………」
滝壷「………」
麦野「………」
麦野「ええっと……浜面クン……?」
浜面「は……はい…」
麦野「なんでこう……余計なことばっかりするのかなあ?」
浜面「………はい……すいませんでした…」
…………
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/19(日) 16:36:08.18 ID:1Uumue1F0<> 今日はここまでで。また暇な時に書いていきます
※>>206 ご指摘ありがとうございます…
あんまり読み返さないで、書いていってるんで、細かいミスはほかにもあるかも…すいません <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/08/19(日) 17:54:40.15 ID:c9dvC92E0<> 更新してましたか、乙乙です。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/19(日) 19:11:32.19 ID:T3ekJzoDO<> 乙
流石超浜面だな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/20(月) 16:40:44.76 ID:hfzWvNaz0<> 乙
はーまづらぁ… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/08/27(月) 21:04:37.45 ID:xC86UV+vo<> 漫才美琴を思い出す
期待 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/31(金) 21:02:05.42 ID:TNuQlRrDO<> 待つ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/01(土) 17:50:12.34 ID:+9YxeixM0<> まだかなあ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<><>2012/09/09(日) 11:52:12.80 ID:6KbaBpYL0<> 久しぶりに更新
………
………
………
暗い暗い…… とある研究所内
絹旗『………』
黒夜『…ひぐ…ひぐ…』
絹旗『…な、泣かないで…黒夜ちゃん…』
黒夜『もう…やだ……もう…やだよう…………こんなとこ…
パパとママのところに……帰りたい…帰りたいよお…』
絹旗『………黒夜ちゃん』
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 11:54:52.42 ID:6KbaBpYL0<> ガチャ…
科学者A『いやあ、またせたねえ君たち…えーと、それじゃあ、次は…
…黒夜ちゃん、いってみようか』
黒夜『いや…いやだ!!…私、能力なんか、全然欲しくない!!もう、能力開発なんていや!!
もうあんな実験するのいやだ!!いやああ!!』
科学者A『はは…まったく、何を言い出すかと思えば…
…せっかく君は、あの第一位の攻撃性に
適応しうる、貴重な才能をもっているというのに…
さ、だだをこねずに早く、研究室へ…』
黒夜『いや!いや!いやあああ!!はなしてよお!!』
絹旗『や、やめてください!!黒夜ちゃん、嫌がってるじゃないですか!!』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 11:59:09.60 ID:6KbaBpYL0<> 絹旗『や、やめてください!!黒夜ちゃん、超嫌がってるじゃないですか!!』
科学者A『まったく…しょうがない……それじゃあ、とりあえず…黒夜ちゃんは後回しにして…
次は、絹旗ちゃん、奥の実験室まで来てくれるかなあ』
絹旗『……わ、私は……、私も……嫌です』
科学者A『ん?なんだって?』
絹旗『超、嫌だっていったんです!!もう、こんな暗い研究所で実験なんかしたくないです!!
早く、ここから出して!!私を早く、お母さんのところへ帰してくださいよ!!』
絹旗『…私も……会いたい……お母さんに……会いたいよお……』
科学者A『あはは……まったく、面白いことを言うねえ、絹旗ちゃん……
子供たちの中で一番頭が良くて、優等生の君が何を言い出すのかと思えば…』
絹旗『え…?』
科学者A『お母さんに会いたい、だって…?わかっているんだろう?
いくら絹旗ちゃんがそう思ってても、お母さんはそんなこと微塵も思っちゃあいない、ってことくらい、さあ…』
絹旗『な、なにを言ってるんですか…?』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:05:41.89 ID:6KbaBpYL0<> 学者A『だって絹旗ちゃん、君は捨てられた子じゃあないか…実のお母さんに……
この学園都市に「置き去り」にされてたんだ、…それこそ、ごみくずのように』
絹旗『ち、違う!!母さんは…お母さんは、海外での仕事が超忙しくなって
一時的に学園都市に私を預けているだけ…!!
仕事が落ち着いたら、すぐに迎えに来てくれるって…!!』
科学者A『ははは…、そんなこと真に受けちゃあダメだよ、絹旗ちゃん。
けどそれから何年もたっているのに迎えに来るどころか、たった一度の連絡すら、ないんだっけ?
……やっぱり大変だったんだろうねえ。お父さんと離婚しちゃってから、一人で絹旗ちゃんを育てながら
仕事をこなすのって…さあ
きっと、いつしか、絹旗ちゃんのこと、うとましく思ったのかもしれないよね』
絹旗『ち、違う…』
科学者A『いまごろ、海外の暮らしになじんで、新しく捕まえた男とよろしくやって、
幸せな家庭を築いているんだろうねえ。
…そう、『最愛』なんて名前を付けた子供のことなんて、さっぱり忘れて。
ひどいよねえ、捨てるくらいなら、そんな名前つけなきゃよかったのに』
絹旗『違う……』
科学者A『…優等生だからって、自分だけ特別、だなんて思っちゃあいけないよね、絹旗ちゃん?
君は『置き去り』。黒夜ちゃんや、他の子供たちと同じように、
お父さん、お母さんに捨てられた、いけない子なん…』
絹旗『違う!!!』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:13:19.58 ID:6KbaBpYL0<> 科学者A『はあ、まったく…絹旗ちゃんも頑固だねえ…はは…
まあ、そうやって現実から目をそらしたければ、それでもいいんだけどね。
けど、そんなことしていても、もう一生、お母さんに会えることはないと思うけど』
絹旗『……違う…違う…!!お母さんは…私を…迎えに……』
科学者A『……けどねえ、絹旗ちゃん。実は、お母さんに会える方法は一つだけあるんだ。
ああいや、これは、絹旗ちゃんに限らず…黒夜ちゃんや、ほかの皆にも言えることなんだけどさあ…』
絹旗『…え?』
科学者A『…この能力開発で、優秀な成績を収めることだよ。
そう、この実験でがんばってさ。
学園都市にも認められた優秀な能力者になれば、
きっと、お父さん、お母さんは見なおして、
捨てた君達にまた会いに来るかも…いや、確実に会いに来るだろうねえ』
絹旗『そ、…そんなこと…』
科学者A『もう…君達が選ぶ道はこれしかないんだよ。
この研究所で僕達の言うことを聞いて、良い子にしてがんばることしか、道はないんだ。
そうすればきっと…もう一度ご両親に会うことができるだろうねえ』
黒夜『………』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:15:56.16 ID:6KbaBpYL0<> 無言で科学者へ歩み寄る、黒夜
絹旗『…く、黒夜ちゃん…!』
科学者A『ああ、黒夜ちゃんは分かってくれたみたいだね、いい子だねえ、黒夜ちゃんは』
絹旗『黒夜ちゃん……行くんですか…実験室に…?』
黒夜『うん……実験は嫌だけど……わたし…わたしは、もう一度、パパとママに会いたいから…
ゆうしゅうな成績を収めて…もう一度、パパとママに…抱きしめてもらいたい…』
絹旗『黒夜ちゃん……そんな、そんなの…!!』
科学者A『いやあ、黒夜ちゃんは、ほんと良い子だねえ。…絹旗ちゃんはどうするのかなあ…
まあ、優秀な絹旗ちゃんのことだから、もう、決まってると思うけどさあ』
絹旗『私は……、私は………』 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:20:26.06 ID:6KbaBpYL0<> 科学者A『ああ、けど一つだけ、言っておくことがある。
この研究所で優秀どころか、一定の成績も
おさめることができなかった「わるい子」がどうなるかを、さ』
絹旗『……え?』
科学者A『さっきまで実験室で能力開発をうけていた○○ちゃんは、ちっともがんばらないで、
悪い成績だった、「いけない子」だったんだ。
いやあ、僕達だって、こんなことはしたくないんだけど…
「いけない子」はどこがいけなかったのか、ちゃんと調べないといけない。
これは、仕方のないことなんだ』
絹旗『一体…なにを…言ってるんですか…○○に……超何をしたんですか…?』
科学者A『いったろう、どこがいけなかったのか、調べないといけない、って。
絹旗ちゃんも気を付けなよ。あんまり、聞き分けのないことを言ってるとお、
ほら、こんな風に。
頭の中身を、さ。クリスマスケーキみたいにきれいに切り分けて、
どこがいけなかったのか、しらべることになるんだよ?』
絹旗『……っっ…!!!!!』
………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:21:32.71 ID:6KbaBpYL0<> がばあ!!
ベットから飛び起きる絹旗
絹旗「……はあ、はあ……!!!」
……絹旗が住む家の寝室
絹旗「…くそ……また、この夢……ですか……」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:23:59.81 ID:6KbaBpYL0<> しゃあああーーー…
バスルームでシャワーをあびる絹旗
絹旗『……、まったく…』
絹旗「(……最近、あのころの夢を超、思い出す…
…それもこれも、あんな依頼を引き受けた麦野と……
あんな手紙を持ち帰った、超浜面のせいです…!!)」
絹旗「……あんな手紙……、………」
絹旗「いまさら……いまさら私に……超、どうしろ、って言うんですか…」
…………
………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:29:06.62 ID:6KbaBpYL0<> そのころ…アイテムのアジトでは。
フレンダ「…絹旗が来なくなって、3日目、かあ……あーあ、今頃、何してんのかなあ…絹旗」
麦野「……どーせ、家で引きこもってC級映画でも見ながらゴロゴロしてんだろ。
あのクソガキ、3日もボイコットしやがって…もうシャレじゃすまされねーぞ」
フレンダ「けど、結局さ、絹旗がいないと、任務も手間取るわけど…
私もどっちかっていうと正面からつっこむタイプじゃないし…
『鉄砲玉』が少なくとも一人はいないと、アイテムの連携はうまくいかないよね」
麦野「うるせーぞフレンダ。そんなことは…分かってんだよ。
……ところで、……あの2人はさっきから何やってんだ?」
フレンダ「え?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 12:59:48.72 ID:6KbaBpYL0<>
…………
…………
浜面「ええっと……これとこれで、文章がつながるから…」
滝壺「これとこれでも文章がつながるよ」
浜面「ああ、ほんとだな…って、ことは…これとこれで…」
……………
フレンダ「ああ、なんか…
…こないだ絹旗が、窓から破り捨てた手紙の破片を拾い集めて
もとの形に復元しようとしてるみたいよ?」
麦野「ったく……何やってんだか…」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 13:01:31.02 ID:6KbaBpYL0<> 浜面「ああ、もう…難しいな…そもそも、絹旗が破った手紙のパーツも
全部回収できてないわけだし…
手紙の内容が全部分かるくらい、復元するのは難しいかもなあ…」
滝壺「多分、大半は風で飛ばされちゃっただろうから……けど、これで、少しだけ文章が読めるようになったよ」
浜面「うーん、けど、元々の文字をすすけて、なんて書いてあるかよくわかんねーなあ……何何、ええっと…」
麦野「いつまで、そんなつまんないことしてんのよ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 13:08:06.45 ID:6KbaBpYL0<> 浜面「つまんないことじゃないだろ?
……絹旗だって、本当は母親からの手紙を内容が気にかかってるみたいだしさ…
手紙の内容を伝えてやれば、あいつも…」
麦野「……そうだとしても、てめえで捨てた子供にあてる手紙に、何が期待できるんだ?
仮にその手紙を内容を復元できたとして、それは絹旗に見せていい内容なのか?
手紙の内容によっては、絹旗を傷つけることになるかもしれない」
浜面「……そ、それは…いや…けど…」
麦野「そもそも…絹旗が言っていたじゃない。その手紙を書いた母親はもうこの世にいないんだろ?
いまさら、数年前の手紙の内容が分かったからって、どうこうなる問題じゃあない」
フレンダ「………、へー…」
麦野「…なんだよ、フレンダ?」
フレンダ「え、あ、ああいや…なんでもない」
フレンダ「(こりゃ、驚いた…麦野も意外に
絹旗のこと考えてるのね…)」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 13:14:31.15 ID:6KbaBpYL0<> ……
……
浜面「………」
浜面「ところで、…麦野。その…絹旗が被験者になっていた、ナントカ、って
実験がひどかった、ってのは前に聞いたけど……やっぱ絹旗は唯一の生き残りはいないのかよ?」
麦野「『暗闇の5月計画』のこと?前にも話したと思うけど、
残虐非道な実験を『置き去り』に強いて、被験者はほとんど、死んだっていう、話だわ
まあ、私だって噂程度しか話は知らない」
浜面「ほとんど、ってのは、絹旗以外にも、少しは生き残りがいるってことか?」
麦野「ああ?さあ、だから知らねーよ、私だって。
…けど、まあ、運よく生き残りがいたとして
そいつらが、今なにをしているか、なんてことは考えたくないわねえ」
浜面「……どーいうことだよ」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 13:26:24.92 ID:6KbaBpYL0<> 麦野「そんな、裏社会で極秘になっていた実験の被験者が、その後まともな人生を送れるわけねーだろうが。
表の社会に戻るなんてことはまず不可能。身寄りもない。
そうなりゃ、当然裏社会で生きることになる」
浜面「そっか、そうだよな…」
麦野「盗みや殺しを働いて、豚箱に行く奴もいるだろうし、女なら身体を売って生きていくか……
それか、結局は、別の実験の被験者として、たらい回しにされるのか……ってのか相場かしらねえ」
フレンダ「うわあ…えぐいねえ…」
麦野「まあ、それは、『暗闇の5月計画』の生き残りに限った話じゃなくて、
『置き去り』の末路なんて大概はそんなものよ。
ちゃんとした保護施設に預けられることになれば話は別だが、
そうでなければ、人身売買されて、どこかの実験室のモルモットとして生きるケースが多いと聞くし」
フレンダ「都市にある保護施設の総数は、『置き去り』の数に対して少ないらしいね
こないだ、ニュースでやってたよ」
麦野「まあ、『置き去り』問題を適切に対処しないこの都市の上層部と、
この都市に子供を『置き去り』にする親が後を絶たない外の世界の人間、
一体、どっちが性根が腐ってんのかしら、って話だけどね」
浜面「………」
麦野「まあ、あれだけの実験を生き残ったうえ、暗部として生計をたてれている絹旗は、
言いようによっては……、
って……おい浜面……」
フレンダ「…え?…ええ!?は、浜面、アンタ一体、どうしちゃったのよ!?」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 13:47:24.86 ID:6KbaBpYL0<> 麦野「浜面……てめえ……なに泣いてやがんだよ?」
浜面「いや…なんかさ…俺は……スキルアウトとして、ずっと仲間と犯罪を犯して生きてきた…
ATMから金を盗んだこともあるし、カツアゲだってしたことある。
今だって、アイテムの下っ端として犯罪を犯して生きている…
…だから、今の麦野の話を聞いて……こんなこと、俺みたいなやつが思うのは可笑しいことなのかもしれないけど…」
浜面「なんかこう……
人間って、『ひどい』ことするんだな…って、
そう思ったんだ…
平然と子供を捨てる外の世界の親も…そして、その子供を喰いものにするこの都市の連中も…
そしたら、涙が止まらなくなって…」
滝壺「……浜面」
麦野「…………」
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 13:50:28.23 ID:6KbaBpYL0<> 面「…この手紙、麦野の言うとおり…もし本当に、絹旗のことを『置き去り』にした
母親からの手紙なんだったら、確かに何が書かれているかわかったもんじゃあない…
実の子供に対して、愛情のかけらもない…絹旗に見せるべき内容じゃないのかもしれない。
まあ、もしそうだったら、絹旗には見せなければいいだけの話だ。
けど、俺は…どうしても、そんな風に思えないんだ」
麦野「……何を根拠に言ってやがるんだよ」
浜面「いや…だってよお……、『年賀状』や『ラブレター』だって電子メールで済ませるこの時代に、直筆の手紙だぜ?
そんなもん…相手になんらかの深い感情がないと書かないだろ…絶対」
麦野「………」
浜面「……わかってるよ。それでも、絹旗の母親はもう、とっくにこの世にいない。
それだったら、手紙に何が書かれていようが、もう、関係ない…何も変わらない、って言いたいんだろ?
けど…、それでも、この手紙の内容で、絹旗の気持ちが、少しでも安らぐことがあれば…
俺はそれだけでも、構わないんじゃないか、って…ただ単純に…そう思うんだ…」
麦野「………」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 13:54:11.39 ID:6KbaBpYL0<> フレンダ「……え、ええっとさあ、浜面、滝壺。
…私もこんなのは、ガラじゃあないんだけど…
…手伝うよ。その手紙、つなぎ合わせるの」
浜面「フレンダ…」
滝壺「…ありがとうフレンダ」
フレンダ「ええっと、まあ……パズルゲームみたいなもんだよねえ…手紙をつなぎあわせるパズルゲーム」
浜面「まあ、パズルのピースはだいぶ足りないみたいだけどな」
………
麦野「けっ……私は…手伝わねーぞ………ん?」
ぷるるるる…… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 14:15:32.11 ID:6KbaBpYL0<> 麦野「もしもし?」
電話の主『あーもう、ようやく出たわね!こいつと来たら!』
麦野「一体何の用よ、新しい仕事?つまんない仕事なら、もうやんないわよ?」
電話の主『違う違う!電話したのは、仕事の依頼主からクレームがあったからよ!!
こないだ、アンタ達、『研究所荒らし』の仕事したでしょ!?!!アンタが書いた報告書、私も見たけどさ
研究所に出向いて、報告結果が「成果なし」、って一体どういうこと!?こいつと来たら!』
麦野「クレームだあ?クレーム、ってのは、成果があがらなかったことに対してか?そりゃ仕方ないでしょうが。
研究所に残っていたのは、おもちゃやアルバムの残骸だけで、
実験内容に関係するようなものは何もなかった、ってのは事実なんだからさあ…
そのことを私たちにクレームされても困るんだけど?」
電話の主『はあ……麦野、アンタ。この『研究所荒らし』の仕事の意味を全然、分かってなかったのね…
まったく…こいつと来たら』
麦野「…なんだと?一体、何言ってやがる?」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 14:33:16.70 ID:6KbaBpYL0<> 電話の主「確かに『研究所荒らし』の仕事は、廃墟になった研究所に残る研究データの痕跡を持ち帰ること。
けどそれは、何も被験者の髪の毛だとか、レポートの切れ端だとか、削除しそこねた電子データのこと
だけを言ってるんじゃあない、ってことよ。
アンタ達が、ガラクタだと思って持ち帰らなかった、おもちゃだとかアルバムだかの残骸も、
依頼者にしてみれば、十分、研究データをこそねるための貴重なデータと、なりうる、ってことよ…
…まったく、こいつと来たら!!」
麦野「はああ!?あんなもんは、表向き養護施設を装うために集めたガラクタだろうが!
そんなもんを持ちかえってどうやって、研究の情報をかすめ取る、ってんだ!!」
電話の主『いろいろあるでしょうが!
例えばさあ、高レベルの『読心能力』を持つ能力者を使えば、そういった置物からでも
なんらかの情報を得られる可能性があるじゃない!?』
麦野「んな……!!」
電話の主『とにかくアンタ達は、ただ機械的に研究室にあった備品を一つ残らず、回収すればよかったのよ。
持ち帰った備品の、取捨選択は依頼者がやるわけだからさあ……まったく、コイツと来たら!』
<>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 15:01:14.12 ID:6KbaBpYL0<> 電話の主『まあ、それだけなら、もう一度、やり直し、ってだけで
まだよかったんだけど…もうひとつ、最悪の事態が起きちゃったんだよねえ…』
麦野「最悪の事態だと…一体、どういうことだよ!?」
電話の主『あんた達に潜入してもらったあの『廃研究所』の場所が、
依頼者以外の研究団体に、情報が漏れた、ってことよ』
麦野「情報が…漏れた…?はああ?なんだそりゃあ??」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 15:05:47.84 ID:6KbaBpYL0<> 電話の主『チームに絹旗がいるアンタ達なら、もうわかってると思うけど…
あの『廃研究所』は、「暗闇の5月計画」を実施していた研究施設。
多くの研究団体が、その場所を突き止めようとしても、謎のままだった超レアな研究施設なのよ。
長年、極秘に捜索しつづけて、最近になって唯一その在り処を暴いたのは、
今回あんた達に『研究所荒らし』の任務を依頼した研究団体、だったのよ。
…それほどの極秘情報だったはずが、
こうもあっさり、情報が漏えいして、他の研究団体の周知の事実になった、ていうのは…
ねえねえ、なんでだと思う?なんでだと思うのよ?』
麦野「な、なんでって…それは…」
電話の主『ああもう、メンドクサイから、はっきりいってやろうか?
要は情報が漏えいしたのも、あんた達のせいなんじゃないかって、こと。
…あんた達、その任務の日に、他の研究団体の連中につけられていたんじゃないの?
まったく、こいつと来たら!!」
麦野「…付けられてたって……な、……んだとぉ!?」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 15:26:45.22 ID:6KbaBpYL0<> 電話の主『あー、なんかもう、ダイナミックにしくじっちゃったわねえ麦野…
言っとくけど、いつかの製薬会社からの依頼で、
『電撃使い』の侵入者を仕留めそこなった程度の失態とは、訳が違うわよ?
依頼者はカンカンに怒ってる。
ただ単に廃研究所から、情報をまともに持ち帰らなかっただけじゃなく、
依頼者達だけが知っているはずだった『暗闇の5月計画』の研究施設の在り処という、
貴重な情報を、あっさり漏えいさせたアンタ達にさ』
麦野「…………、」
電話の主『この上、あんた達が見逃した廃研究所の備品が、後から
情報を得た研究団体に奪われようもんなら、目も当てられないわよねえ
裏社会でのアイテムの評価にも大きくかかわってくる問題だもんね
……まったく、こいつと来たら。
今からでも、もう一度『廃研究所』に
出向いたほうがいいんじゃない??ま、もう遅いかもしれないけど』
麦野「……、ちい…!」 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 15:30:18.05 ID:6KbaBpYL0<> 電話の主『ああ、もうそれか、最悪、依頼者の怒りを沈めたければ、
昔、被験者だった絹旗を差し出せば、それでチャラになるかも…』
ブツッ!!
勢いよく通信を切る麦野。
麦野「…っの、くそったれがああ!!」
フレンダ「な、なになに!?一体、なんの連絡だったの、麦野!?」
麦野「どーもこーもないわよ!!いいから3人とも、とっとと行くわよ!!ほら、早く!」
浜面「い、行く、ってどこにだよ!?一体…!??」
麦野「だから、もう一回行くって言ってんだよ!!絹旗のいた、あの糞ったれの研究施設に!!」
…………
………… <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/09/09(日) 15:30:59.97 ID:6KbaBpYL0<> 今日はここまでで。また暇な時に書いていきます。 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 15:53:30.09 ID:Q+GPssVzo<> 乙 <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 16:21:18.05 ID:yv+eBOwV0<> 乙でした。絹旗の過去の夢がイイ感じにエグくて良いですな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/09(日) 19:41:31.39 ID:AOy+cLdDO<> 乙! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/09/21(金) 23:41:11.33 ID:FYrVQJ+00<> 続き待ってますよ <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)<>sage<>2012/10/14(日) 23:21:38.54 ID:fuf4xzKp0<> アイテムの面々って、「超〜」とか「結局〜訳よ」以外、口調とか雰囲気出すのが難しいと思うんだけど、スゲエ再現されてると思う。
ってことで続きに期待! <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/10/18(木) 00:27:13.67 ID:nu1LPH3Y0<> つづきまだかな <>
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/07(水) 08:34:04.95 ID:Pt0lT+5/0<> 蠕縺、 <>