VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/15(水) 23:19:26.08 ID:l9tyY82DO<>シスター「吸血姫様〜♪お早うございます〜♪」



吸血姫「………ぽ〜っ……

……って、シスター!?
あ、あなた!!部屋に入ってくる時はノックしなさいよ!!」

シスター「しましたよ?でも、吸血姫様がよく眠ってらして気付かなかったようなので……

でも、おかげで吸血姫様の可愛い寝顔が見れました〜♪」

吸血姫「なっ/////」

シスター「吸血姫様、とても可愛いかった……。
まるで、神がつかわした天使の様なお顔で……」

吸血姫「……………。

シスター。私は由緒正しき闇の吸血一族の末裔。
あなたが信じ求めている聖なる偶像とはワケが違うわ。」

シスター「そうでしょうか……?
私には、吸血姫様も十分神の御化身に見られます。
例えあなたが魔のモノであるとしても……」


吸血姫「……いいわ。そう信じていればいいわ。今に、己の考えの甘さ、そして愚かさに気付くわ。


さぁ、シスター。今日もあなたの清らかで聖なる血を頂けるかしら?」


シスター「………はい。分かりました。」

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<>シスター「さて、今日も吸血姫様に私の血を捧げる時間ですね。」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/15(水) 23:50:28.80 ID:l9tyY82DO<> 我が屋敷に、このシスターが住み着いてからもう数週間が経った……


そして、彼女は毎日、私にその身に蓄えてる清らかな血を捧げてくれる……


吸血姫「……シスター。」

シスター「はい?なんでしょうか?」

吸血姫「今日はどれくらい保ってくれるのかしら?」

シスター「……吸血姫様が満足する最後まで、耐えてみせるつもりです。

私は、神様を信じています。神はきっと私に、吸血姫様の試練に耐える力を下さるはずです!!」


吸血姫「そう……それは楽しみ……」


耐える……
そう、吸血行為はただ相手の血を吸うだけではない……


吸血姫「……じゃあ、失礼するわね。
………カプッ」


シスター「っ!!………はぁ……はぁ……」

吸血姫「……ん………んん」

シスター「……はぁ……はぁ……
……感じます……私の体の中に………闇が……吸血姫様の中から流れ込んでる………」



血を吸う代わりに、私の体内から闇の流れが相手の体に入っていく……


シスター「………寒い……冷たい………です………」

人間の中に闇が積もってゆけば、その人間は人ではなくなる…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/15(水) 23:56:24.29 ID:l9tyY82DO<> 吸血姫「……んん………シスター?」


シスター「…………」


吸血姫「シスター?

………シスター!?」


シスターの体は私の腕の中でぐったりしてる
私よりも大人で大きなシスターの体は、次第に私に重心を預けて覆い被さってくる……


吸血姫「シスター!?起きて!!目を覚まして!!」


シスターは目覚めない……

目を閉じたまま………



動かない……



まさか………シスターが……死んでしまった…?



吸血姫「シスター………」


シスター「………うぅ……」

吸血姫「シスター!?」

シスター「………あぁ……吸血姫様………

お早うございます………」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/16(木) 00:08:53.78 ID:c9oUU86DO<> 私は今まで自分が血を吸う相手の命なんて考えた事がなかった……

人間一人の命なんて、どうでもよかった……



……でも、このシスターだけは違う………

シスターは今まで吸った中でも高ランクの美味な血の持ち主だから?

いや……違う……



シスター「吸血姫様、すいませんでした。
また、吸血姫様の闇に耐えられませんでした……」


吸血姫「………いいのよ。
私こそごめんなさい。もう少しで、あなたを……」


シスター「いいえ、私が未熟だったのがいけなかったのです。
私の心が弱いから、神への信仰がひ弱だったから、いとも簡単に闇に呑まれかけてしまったのです。」


吸血姫「………シスター……」


シスター「そのように悲しい顔をなさらないで下さい………」


シスターは優しい顔で、私の小さな身体をギュッと抱きしめてくれた……

温かい………シスターの胸の中……

もし、シスターが死んでしまったら、もうこんな温かい言葉も抱擁もかけて貰えなくなってしまう……



だから………私はシスターを殺したくなんかない……


吸血姫「シスター……もう、あなたの血なんか……」

シスター「吸血姫様は血をお吸いにならないと、また理性を保てなくなってしまうのですよね?

私は、吸血姫様のあんな姿をもう二度と見たくないのです………」



吸血姫「…………」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/16(木) 00:30:10.63 ID:c9oUU86DO<> 昔の私は、もっと冷血で残酷な吸血鬼だった……

人間の子供をさらって来ては、いとも簡単に殺してしまう……


………いや、本当はただの寂しがり屋だったのかもしれない………


私が血を吸って殺した相手は、闇によってその死体が魔物と化する

動く死体の魔物……つまりゾンビと言うワケだ

ゾンビとなった人間達は、私の忠実な下部として永遠に私の傍に仕えてくれる……

私は、一人じゃなかった………



でも、そこへ現れたのはこのシスター……
シスターは鎮魂歌を歌って、私のゾンビ達を成仏させてしまった……


吸血姫「嫌!!私を一人にしないで…………」

ゾンビだけが話し相手だった私にとって、ゾンビ達が消えることは………


吸血姫「一人ぼっちは………いや………」




シスター「ならご安心を。私が吸血姫様のお傍にいれば、吸血姫様は一人で寂しい思いなどしませんから!」


シスターの力強い言葉………

吸血姫「うるさい!!

お前ら人間が!!たった100年しか生きられない人間ごときが、私の孤独を満たせるとでも言うのか!!?不老不死でもない、ゾンビ以下のお前らが……!!」


私は冷たく引き離した……

吸血姫「………そうだ。悲しむ事などない。もう一度、ゾンビを作ればいいのよ。
貴方、確か私の傍に居てくれるんでしょ……?」

シスター「……はい……私が……一緒に……」

吸血姫「そぉ……ありがとう。なら、今すぐに私の下部にしてあげるわ!!」

ガブッ!!

シスター「ん!!………あ…あ……」


私はシスターの首に噛み付いた……
シスターを殺すつもりで………


…………ぎゅっ

吸血姫「!?」

でも…………シスターはそんな私の体を優しく抱きしめてくれた……… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/16(木) 00:43:59.21 ID:c9oUU86DO<> 私は……その時から、このシスターの温かさの虜になったのかもしれない……



シスター「…………吸血姫様………
貴方にも……神の……お恵みを……」



吸血姫「…………うぅ………ひっぐ………」


私の目から突然涙がこぼれた
シスターはその後もずっと私の事を抱いてくれていた………






私は、その日から吸血をやめた

吸血しない吸血姫………
一族の掟に背く振舞い


だが、私は吸血以上に楽しい、気持ちがいい

………そして、心が温まるモノを見つけた……


シスター「吸血姫様〜♪今日もお庭のお花さん達のお手入れを致しましょ〜♪」

吸血姫「………嫌よ……。面倒くさい……」

シスター「………そうですか……。
お花が咲いていれば、屋敷も華やかになると思ったのですが………………」


吸血姫「………そ、そんな残念そうな顔をしないでよ………

わ、分かったわ!手伝う!手伝うから……」


シスター「あ、ありがとうございます!!吸血姫様〜♪」


吸血姫「し、仕方ないわね………全く……」



このシスターの笑顔……

彼女の言葉を借りるなら、まさに天使の笑顔ね……


これを見ているだけで、私の心は妙に踊らされるのであった……





でも、私も一族の血には逆らえなかった……

ある日、吸血一族の本能が私を狂わせた
無性に誰かの血を吸いたくなった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2012/08/16(木) 00:54:32.87 ID:c9oUU86DO<> 最初に頭に思い浮かんだ相手はシスターだった……

シスターのあの美味しい血を吸いたい……
いっぱい吸いたい……

全てを飲み干したい……



しかし、私の中にヒトカケラ程度に残っていた理性がそれをなんとか拒んだ


でも、血を吸いたいという欲求には耐えられず、街におりて数人の子供を犠牲にしてしまった……


その子達の死体を持って帰った私の姿を見たシスターの顔……


思い出したくない……
あんな悲しい顔のシスターを見たことがなかった……

私はそんなシスターの表情に耐えきれず、屋敷の部屋に閉じこもった

シスターは黙って、私の殺した子供達の供養をしていた……



再び、私を襲った吸血衝動……


薄れゆく意識の中で、また私は街におりようとしていた……

しかし、私の目の前にシスターが現れた

優しい顔つきのシスター……何も言わずに私を抱きしめた……


後は………覚えていない……


気が付くと、私はシスターの首元に噛み付いていて、シスターの体はぐったりとしていた


急いでシスターを部屋に運んでベッドに寝かせた


なんとか一命を取り留めたシスターは、また優しい顔で私に言った……


シスター「また……私の血を差し上げますから………」



私に……シスターの血を吸う代わりに、他人を襲うな……と、約束させた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/16(木) 21:35:56.50 ID:bD74RXoIO<> 期待支援 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/08/21(火) 21:05:50.09 ID:3Kqet1aDO<> お前か
久しぶりだな


また期待しとくから好きに書いてくれよ <>