◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:22:54.58 ID:EPNALE0e0<>不定期更新

遅筆

以上のことにご注意ください。

あ、「さくら荘のペットな彼女」と「みずたまぱにっく。」のクロスです。

同じミスはしてはいけない(戒め)
本当にすいませんでした。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1351959774
<>水田マシロ「水明芸術大学付属高等学校?」
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:25:14.48 ID:EPNALE0e0<>
「さくら荘」は6巻直後。

「みずたま」は3年後の設定。

といっても大した変化じゃなく年を合わせただけなんですが。 <>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:26:13.38 ID:EPNALE0e0<>
マシロ「って、スイコーっすよね。 なんで?」

アサミ子「ほ・お・ら、ましろんももうコウコウセーに慣れてきちゃった訳だしぃ、そろそろ社会勉強が必要っしょ? だから、しばらくスイコーに行ってきて欲しいな? 明日から!」

いやいやいや。

マシロ「『な?』って言われても、イキナリ言われてハイソウデスカとはいかないって」

アサミ子「大丈夫よましろんっ!」

マシロ「え?」

アサミ子「許可はとってあるからっ」

マシロ「誰のっ!?」

アサミ子「学校の?」

マシロ「学校の!?」

アサミ子「あと向こうの学校も?」

マシロ「は、はあ?」

アサミ子「さらには向こうの下宿先も?」

根回しがすごいっ!
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:27:06.13 ID:EPNALE0e0<>
アサミ子「だ・か・ら、行く事はもう決まってるのっ」

何を言ってるんだこの人は。 悪魔か……。 いや、魔女か。

アサミ子「んふふ〜ん、そうよ〜私が魔女よ〜」

マシロ(うお、また読まれた!?)

まあ、顔に出やすいから。

マシロ「は、はあ……。 って、明日出発ってことは早く準備しないとダメじゃん!」

アサミ子「……」ニヤニヤ

マシロ「す、すいません今日はもう帰りますバイト代は削っておいて下さい!」ダッ

そういうことは忘れないで伝える、ザ・まじめ。

アサミ子「あ、ましろ〜ん」

マシロ「はいぃ!?」キキー

アサミ子「ましろんのお家の許可はもうとってあるからね〜」

なんてこった。

<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:28:10.94 ID:EPNALE0e0<>
――なんやかんや翌日、さくら荘

千尋「そーゆー訳で神田、さっさと迎えに行ってらっしゃい」

空太「……なにがそういう訳なのか分かりませんが、取り敢えず先生は何で俺の部屋に自然に入って来てるんですか?」

千尋「アンタの部屋にプライバシーなんて無いのよ」

空太「教師ならそこを尊重してくれよ!」

千尋「元から上井草が壊してるし、蝶番だってバカになってんでしょ。 話を逸らしてないでさっさと迎えに行きなさいよ」

空太「話が逸れるような事をしたのはアンタでしょうが! だいたい俺は今忙しいんですよ!」

千尋「右手が忙しいことくらい私だって分かってるわよ」

空太「寸分も合ってないからね!? 蝶ですら番いになってんのに先生は……」

千尋「なるほど死にたいようね神田。 いいわよ、冥土だろうが浄土だろうが送り届けてあげるわ」

空太「失言でしたすいませんでした! ……俺は忙しいって言ってるじゃないですか。 暇な先生は仕事でも探したらどうです?」

千尋「仕事が無いから暇なんじゃない考えればわかるでしょう」

空太「暇なら先生が行けばいいでしょ」

千尋「やーよメンドくさい」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:29:17.42 ID:EPNALE0e0<> 空太「それが教師のセリフかよ! だいたい俺は忙しいんです! プログラミング! C言語! ゲーム作ってるんすよこっちは!」

千尋「神田、せめて日本語喋りなさいよ……」

空太「何で俺が憐れみの目で見られてるんだよ!」

ましろ「空太」ヌッ

空太「ぬわっ。 ……なんだ椎名か。 これはまた突然現れたな」

ましろ「私は空太が日本語を喋られなくなっても気にしないわ」

空太「入ってくるなり俺のライフをガリガリ削るなあおい!? ていうか今堂々と日本語で会話してるよね!?」

千尋「この写真の奴を駅まで迎えにいくだけの簡単な仕事よ。 日本語が喋れない神田でも出来るんだから」ヒラヒラ

空太「せめて日本語しか喋れない俺から日本語を取り上げるの辞めてくれない!?」

千尋「写真見たらさっさと行きなさい、余計な詮索したらぶっ飛ばすから」

空太「分かったから早く出てって下さい!」

千尋「分かればいいのよ」ステステ
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:30:04.57 ID:EPNALE0e0<>
空太「……アマゾネスは去ったな。 で、椎名はなんの要件だ?」

ましろ「私も行くわ」

空太「どこに?」

ましろ「駅」

空太「写真のこの人を迎えに?」

ましろ「そうよ」

空太「その要件で部屋まで来たのか? エスパーかよ」

ましろ「違うわ」

空太「知ってるよ」

ましろ「ボストンバッグには入れないもの」

空太「そっちのエスパーかよ! なんで知ってるんだよそっちのエスパーを!?」

ましろ「空太」

空太「なんだよ」

ましろ「二人きりの時は、名前」

空太「お、おう……」

ましろ「……」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:30:41.19 ID:EPNALE0e0<>
空太「ま、ましろ」

ましろ「なに?」

空太「い、いや、呼んだだけだ」

ましろ「空太は意味不明ね」

空太「椎、……ましろが呼ばせたんだけどな」

ましろ「これで心置きなく旅立てるわ」

空太「あん? どこにだよ」

ましろ「駅よ」

空太「お前本気で着いてくるつもりだったのかよ!?」

ましろ「冗談なんか言わないわ」

空太「ああ、そう……」

ましろ「空太、元気なさそうね」

空太「半分は誰かさんが原因だよ」

ましろ「それは可哀想ね」

空太「誰かさんってし、……ましろのことだからな」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:32:19.90 ID:EPNALE0e0<>
ましろ「ありえないわ」

空太「ありえるわ! で、結局なんでここに来たんだよ。 また裸になれって言うのか?」

ましろ「ストリーキングね」

空太「アホか! 俺が脱いでも何の得にもならんわ、どうせなら椎名とか青山の方が目の保養になるっての」

ましろ「私の裸が見たいのね」

空太「おう、見せれるもんならここで脱いでみろよ」

ましろ「……」ヌギヌギ

空太「ごめん椎名さん俺が悪かっただから無言で服脱ぐの辞めて下さいお願いします!」

ましろ「空太はどっち付かずね」

空太「そんな『やれやれ』みたいに言うのやめてもらえませんか……」

ましろ「やれやれね」

空太「実際に言わなくていいでしょ! なに、俺をK.O.したいの椎名は!?」

ましろ「私はOKよ」

空太「なに言っちゃってるの!?」

ましろ「空太」

空太「あーあー、はいはい、今度はなんですか?」

ましろ「恥ずかしいわ」

空太「脱ぎかけで止まってるからだろ! 早く着ろよ!」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:33:43.33 ID:EPNALE0e0<>
ましろ「……」モソモソ

空太「だいたい、恥ずかしいならもっと恥ずかしそうに言えよ」

ましろ「恥ずかしいわ」

空太「変わってねーよ」

ましろ「難しいわ」

空太「……そーかい」

ましろ「七海のを参考にするわ」

空太「何をだよ」

ましろ「恥ずかしいの」

空太「なんで青山を参考にするんだよ」

ましろ「美咲におっぱいを揉まれている七海は恥ずかしそうだもの」

空太「………………」

ましろ「想像した」

空太「ばっ、椎名がそんなこと言うからだろうが!」

ましろ「空太はえっちね」

空太「……もうそれでいいです」

ましろ「空太」

空太「あん?」

ましろ「名前」

空太「分かったよ、……ましろ」

ましろ「早く、駅」

空太「俺だって忙しいんだけどなー……」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/04(日) 01:36:12.10 ID:EPNALE0e0<>
今日はここまで。

書き溜めあるうちはそれなりに早いと思う。

それと、荒らし紛いのことをしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

海よりも深く反省しております。なにとぞご赦免ください。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/04(日) 13:35:29.30 ID:VWamecEfo<> その心意気は買った。頑張ってくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/08(木) 22:22:05.22 ID:hHlkH0FIO<> 待ってるよー <>
◆.6mrbJ9aro<>saga sage<>2012/11/09(金) 23:44:28.89 ID:CUsLf57W0<> 投下していきますー <> ◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/09(金) 23:45:18.36 ID:CUsLf57W0<> ――駅

マシロ(迎えがくるって言ってたけど、どんな人なんだろう。 変な人じゃなければいいんだけどなあ)

(忍『ぶるぁしろーん! こんど『ばらの団。』の活動でコスプレするんだけどましろんはこれとこれとこれならどれにするそれともわ・た・し? 最近はみんなもコスプレしてくれるからわたしのなかのコスプレ魂(コスプレッソ)に火がついちゃってもう暴走(バースト)寸前だよぉ!』)

あそこまで変な人はそういない、ハズ……。 いや、あの人みたく心を読むような相手がいるかも……!?

空太「……あの人か?」

ましろ「……」

空太(そういや名前聞いてないじゃん! あのアマゾネスめ言ってけよ! なんて声掛ければいいんだよ!? こんな声の掛け方なんて完全にナンパじゃん!)

ましろ「ねえ」

マシロ「んえ? あ、はい、自分っすか?」

空太「って、もう声掛けてるし……、まあいいや。 えっと、この写真って、君で合ってるよね」

マシロ「まあ一応自分、っすけど」

空太「おお、合ってた良かった。 今日からさくら荘に住む、……えーっと、ごめん、名前教えてもらっていい?」

マシロ「水田マシロ、……っす」

空太「水玉シローさん、ね」

マシロ「あー、はい、まあ、そんな感じ? っす」

名前を間違えられるが、まあいつものことなのでスルー。
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/09(金) 23:46:20.13 ID:CUsLf57W0<>
空太「水玉さんをさくら荘に連れて行くように言われたんだけど、話とかって聞いてるかな?」

マシロ「あ、はい。 イキナリだったですけど」

空太「こっちも結構イキナリだったよ……」

マシロ「あー、なんかすいません」

空太「なんで水玉さんが謝るんだよ」ハハハ

マシロ(あの人の責任が大きいんだろうなー、とか)アハハ…

空太「あー、じゃあ早速だけど移動しようか」

ましろ「待って」

空太「……どうしたよ」

ましろ「空太は人の話を聞くべきね」

空太「お前にだけは言われたくないセリフだなあおい!」

キレーな人だなあ、シンピ的ってーヤツ?
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/09(金) 23:47:25.00 ID:CUsLf57W0<>
空太「用ってのはなんだよ。 済ませるならさっさと済ませようぜ」

ましろ「右手が忙しいのを?」

空太「違うわ! お前が引き止めたんだろうが! 水玉さんだって聞いてんだぞ!」

マシロ「?」

ましろ「右手が忙しいから行きたくなかった」

空太「やめて! 各方面に誤解を撒き散らすのはやめて!」

マシロ「??」

水田マシロ、十六歳高二。 そういう話題にはまだまだ疎い。

ましろ「空太は不思議ね」

空太「あーもーそれでいいよ……」

マシロ(仲良さそうだなー……)

まさか、オトコとオンナのカンケーってやつ!? 流石高校生進んでるってこと!?

ましろ「ねえ」

マシロ「は、はひ!」

ましろ「あなたは何色になりたい?」

マシロ「……えあ、自分っすか?」

ましろ「そう」

マシロ「え、あー、多分白、じゃないいすか、ね」

名前的にも、猫耳的にも。 いや、あれは忘れよう。

ましろ「……名前の通りなのね」ちら

空太「?」

ましろ「……」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/09(金) 23:48:25.08 ID:CUsLf57W0<> マシロ「はあ、まあ」

ましろ「椎名ましろよ」

空太「ここで自己紹介かよ。 あー、神田空太だ、よろしく」

マシロ「あ、はい、よろしくお願いします」

同じ名前ってだけで、なにやら運命みたいなものが、イマジネーションがシンパシーを送ってくる的なものを感じる。 なにかはよくわかんないけど。

――道中

マシロ(結構賑わってる街だなぁ)

ましろ「……」

空太(……)

マシロ(あと首が軽い。 最近はチビリが乗ってることも増えたからなあ)

空太(く、空気が重い……! 椎名はともかく水玉さんも喋らないなんて……、なんとか話題を作らないと)

ましろ「……」

空太「あ、あー水玉さんって幾つなの?」

マシロ「え? あ、十六、っす」

空太「あ、じゃあ同い年なんだ」

マシロ「あーはい、まあ」

空太「この時期にこっちに来るってことは、転校とか?」

マシロ「いや、そういう訳じゃないってゅーか、け、研修、みたいなカンジ? っす」

行って来いとしか言われてねー、まあいつものあの人っぽいけど。

空太「ウチに研修に来てもなんもないと思うけどね」

マシロ「あ、あはは……」

空太(でもさくら荘に呼ばれるわけだから、それなりに問題児なのか……? 全くそんな風には見えないけどなあ。 青山みたいなタイプだったり?)

<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/09(金) 23:55:49.59 ID:CUsLf57W0<>
ましろ「空太」

空太「ん、どうした」

ましろ「おなかへったわ」

空太「さくら荘になんか置いてあるだろ。 それまで我慢な」

ましろ「…………」

マシロ「あ、あ〜……。この辺のことあんまりよく知らないんで案内してもらってもいいっすか?」

空太「え? ああ、別にいいけど。 つっても商店街だし案内もなんもないと思うけど」

マシロ「えー、と、なんかおいしいモノ的な?」

空太「そうだな、そこの肉屋のコロッケとかはおいしいけど、」

マシロ「ちょ、ちょっと買ってきてもいっすか?」

空太「別にいいけど……?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/10(土) 00:07:49.93 ID:rSC//vbq0<>
マシロ「えーっと、すいません」

空太「謝らなくてもいいと思うけど」

マシロ「ええ、まあ、はい。 じゃ、じゃ買ってきますね」

ましろ「……」

空太「そんなに腹減ってたのかね」

ましろ「空太は甲斐性無しね」

空太「なんか不当な評価をされた気がするぞ」

ましろ「綾乃が言ってたわ」

空太「綾乃さんにはもうそろそろ苦言を呈していい気がするんだけど」

ましろ「ここぞというときに奢れない男は無価値だって」

空太「無価値!? コロッケひとつでそこまで言われなきゃならんの俺!?」

ましろ「奢れない男は甲斐性無しだって、千尋も言ってたわ」

空太「あのアマゾネスの言うことは金輪際真に受けなくていいからな」

ましろ「?」コテン

空太「いや、可愛く小首かしげてもダメだから」

ましろ「………………」

空太「いや、急に黙るなよ」

ましろ「空太は卑怯ね」

空太「無価値で卑怯とかさっきからひどくない椎名さん」

マシロ「すいません、お待たせしました」

空太「あ、いや、そんなに待ってないから大丈夫」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/10(土) 00:15:57.51 ID:rSC//vbq0<>
マシロ「えっと、どれくらいあるのかわからなくて、そのー、買いすぎちゃったというか」

ましろ「なに?」

マシロ「えー、半分貰ってくれませ、んか、ね?」

ましろ「もらうわ」

マシロ「えっと、神田さんの分もあるんで」

空太「なんか悪いな」

マシロ「いえ、食べきれないんで」

空太「ありがと。 ほかに気になるとことかある?」

マシロ「あ、いえ、もう大丈夫、っす」

空太「じゃあ食べながら帰るか」

マシロ「はい」

空太(なんという気配り……! こんな人がさくら荘にいてくれるなら楽だなあ)

ましろ「コロッケおいしいわ」ハムハム

マシロ「あー、どうも、っす?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/10(土) 00:17:25.20 ID:rSC//vbq0<>
――さくら荘、玄関

空太「ただいまー」

ましろ「ただいま」

マシロ「失礼しまーす……」

空太「じゃあ部屋まで案内するから」

マシロ「あ、はい」

空太「んー、仁さんが抜けた跡になるけど103号室だなあ。 えっと、103号室は一階の」

ましろ「空太」

空太「なんだよ」

ましろ「マシロは一階じゃないわ」

空太「そりゃあ椎名は女だからね」

ましろ「違うわ」

空太「何言ってんの?」

ましろ「私は二階よ」

空太「いや、それを言ってるじゃん!」

ましろ「マシロは女だもの」

空太「だから何言ってんの!?」

ましろ「水田マシロは女だもの」

空太「は?」

ましろ「水田マシロは女よ」

空太「は?」チラッ

マシロ「はい、その、なんかすいません」

なんか謝っちゃう。
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/10(土) 00:18:28.59 ID:rSC//vbq0<>
空太「はあ!?」

マシロ「」びくっ

空太「あ、いや、驚いただけで疑ってるわけじゃ!」

マシロ「あ、い、いえ、慣れてる、っすから」

七海「あなた達の声、二階にまで響いてるわよ。 ……あら、あなたが今日からさくら荘で暮らすっていう?」

マシロ「あ、はい」

七海「私は青山七海、よろしくね。 えーっと、荷物とかって、この後届く予定なの?」

マシロ「一応、これだけ、っすけど……」

ジョシコーセーとしては少なすぎる荷物。 相変わらず自分には無頓着のマシロ。

七海「随分と少ないわね、服とかってどうするの?」

マシロ「あの、制服はウチの制服を使えばいいらしくて、ここではジャージでいいかなー、……とか」

七海「……まあいいけどね」

空太「ウチの制服って、水玉さんはどこの学校行ってた?」

マシロ「一応、アン女に……」

空太「アン女! へー、お嬢様だ」

マシロ「ん、んー?」

そうでもないっす。 道場の娘っす。 なんかすいません。

七海「……」ジトー

空太(……うぐ、地雷でしたか)

七海「ていうか男の人と間違えるなんて、流石にデリカリーじゃないの?」

空太「デリカリー?」

七海「神田君みたいにデリカシーが無い人のことよ」

空太(でも、青ジャージに頭にタオルで女って気づけっていう方が無理なんじゃ……)
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/10(土) 00:19:47.05 ID:rSC//vbq0<>
七海「えっと、とりあえず今空いてる201号室でいいかしら」

マシロ「あ、はい」

七海「うん、じゃあ着いて来て」クルッ

てってって

ましろ「空太は鈍感ね」

空太「悪かったよ」

ましろ「私じゃないわ」

空太「分かってる」ハァ

千尋「あら、帰ってたの」

空太「ああ、はい。 ……っていうか、先に名前とか出身校くらい教えてくれたっていいじゃないですか」

千尋「あ? ……あんたもしかしてあの子を男と勘違いしたんじゃないでしょうね?」

空太「……それですよ」

千尋「節穴すぎるでしょあんた」

空太「返す言葉も無いです」

千尋「やめてよねー、相手側から怒られるのは私なんだから」

空太「相手方? たしかアン女の生徒って言ってましたけど」

千尋「あの子が男子と見間違えられるなんてよくあることらしいんだけど、あんたほどの人間がアン女の生徒を間違えるはずが無いわよね〜?」

手のひらひらひら。 これはあれか、イヤミか。

空太「楽しそうっすね、先生……」

千尋「だって楽しいものー」アッハッハ

空太(大きくなってもこうはなるまい)
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/10(土) 00:20:49.61 ID:rSC//vbq0<>
千尋「てゆーかね神田、あの魔女に釘刺されるのは私なんだから、もっと気ィ引き締めなさいよ! 私の管轄内でヘマ起こしたらぶっ飛ばすわよ!」クワッ

空太「そこは普通教師としてどんと構えて私に任せろくらい言ってくれるところでしょうよ!」

千尋「……」ウワァ

空太「そんな露骨に嫌な顔しなくても」

千尋「なに、教師が何でも尻拭いすると思ってんの? 教師なんてそんな大層なもんじゃないんだからアテにするだけ無駄よ」

空太「だからなんで教師がそういうセリフを言っちゃうかなあ!」

千尋「教師だって人間なの、嫌いな生徒の一人や二人いるって」

空太「あんまり私情を挟むと解雇とかあるんじゃないですか?」

千尋「そんなもん気にしてたらやってけないわよ」

かっこイイようなかっこワルいような。 やっぱりかっこワルいか。

空太「ていうか先生向こうの人と面識あるんですね」

千尋「でなかったら監督をわざわざ頼まれないでしょ。 あんな魔女、知り合いってのがもう間違いよね」

空太「魔女って、言い方悪いですよ」

千尋「あんなヤツ魔女以外の何者でもないわ! こっちはもう大台乗ってるっていうのにあんな若作りしやがって憎らしいったらない。 大体ちょっとできることが多いからって遊びすぎなのよ、タマにはツラ見せに来いってんのよ!」

空太「うん、こっから先は愚痴になるからさっさといこうか椎名さん」

ましろ「……千尋は哀れね」

空太「言ってやるな」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/10(土) 00:21:32.82 ID:rSC//vbq0<> ここまで

デリカリーっていうことばの語感は本当にすごいと思う。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/10(土) 10:09:07.00 ID:4fKSRXcIO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/11/18(日) 18:20:23.38 ID:+2/u35/jo<> まだかな <> ◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:26:31.75 ID:YQSdkvjp0<> お待たせしました

続きです <>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:28:32.69 ID:YQSdkvjp0<>
――201号室

七海「ごめんね、早々に失礼なこと言っちゃって」

マシロ「い、いえいえ」

慣れてるっすから。

七海「こんなに可愛いのに間違えられるなんて。 あとで神田君にはキツく言っておくから」

マシロ「ん、んー?」

可愛くはないんじゃないかなー、とか。 相変わらず自分の潜在能力(ポテンシャル)に気づかないマシロ。

七海「名前は、なんていうの?」

マシロ「水田マシロ、っす」

七海「まし、えーと、椎名さんと同じ名前なのね」

マシロ「あ、はい」

七海「珍しいこともあるものね、同じ名前の人が一緒に暮らすなんて」

マシロもましろも初めての経験なので、どう転ぶことになるやら。
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:29:38.16 ID:YQSdkvjp0<>
七海「この部屋が水田さんの住む部屋ね。 なにかわからないことがあったら聞いてくれればいいから。 あと、は……。 あ、夕飯と買い出しは当番制だから、水田さんもそこに入ってもらうけど、大丈夫?」

マシロ「あ、大丈夫、だと、思、います」

七海「うん、ありがとうね。 まあ流石に今日いきなり何か作れとは言われないと思うから、気楽にしててくれればいいと思うけど」

マシロ「はあ」

七海「それと、お風呂は自由に入っていいけど鍵をしっかりかけること。 神田君みたいのに覗かたら大変だし」

マシロ「ありがとう、ございます」

七海「あ、トイレは玄関の隣ね」

マシロ「は、はい」

七海「それくらいかなー。 わかんないことがあったら、またいつでも聞いてね。 部屋の中は自由にしてくれていいよ。 ……それでさ」

マシロ「な、なんっすか」

七海「水田さん、アンジェリカ女学院の生徒なのよね?」ズイ

マシロ「はあ、まあ」ジリ

お嬢様じゃあ、ありませんけど。

七海「…………へん?」

マシロ「え?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:30:56.74 ID:YQSdkvjp0<>
七海「制服見せてくれへん……?」

マシロ「は、はあ」

七海「ほ、ほら、アンジェリカ女学院の制服って人気やない? 滅多に身近で見られるもんでもないし……」モジモジ

マシロ「別にいい、っすけど」

制服をみせるくらいどおってこたあない。 男物に変えられなければ。 まああれはあれで過ごしやすかったんですが、それはさておき。

七海「あ、それと、私たち同い年なんだから、敬語は無しにしましょ」

マシロ「了解っs、了解……」

人見知りのマシロにとってはイキナリ砕けた口調はハードルがッタッケーんだけど。 いつも『みんな』に話すみたいに気楽に話せるようになれたら、嬉しいかな。

マシロ「えーと、これなんだけど」バサ

七海「うわ……、本物のアン女の制服だ……」

マシロ「ど、どうしたの?」

七海「いや、これなら毎年着てみたい制服一位になるのも納得」

マシロ「んー、まあ。 そう、かも?」

その制服に相変わらず短パンジャージのマシロ。 流石に長ジャージはやめたけど。

―――なっなみーん!

どっばぁぁん
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:31:55.99 ID:YQSdkvjp0<> 七海「!?」

美咲「おっはようななみん今日から新しい仲間がさくら荘に来るって聞いて夜しか眠れなかったよ!」

七海「美咲先輩ドアは静かに開けてください!」

美咲「ななみんは今日も可愛いなー。 あれ、もしかしてチミが今日から仲間のさくら荘かい?」

マシロ「は、はい」

美咲「おっほーぜひともよろしくね! あ、今日はみんなで鍋だから覚悟しておくのださくら荘くん!」

マシロ「はあ……?」

七海「さくら荘くんは流石に無いですよ」

美咲「んー、じゃあなんて呼ばれたい?」

マシロ「え、えっと、苗字か名前で呼んで貰えれば」

美咲「名前はなんていうんだい?」ズイ

マシロ「水田マシロ、っす」ジリ

美咲「おっけー分かったよ! 今からさくら荘くんはましろんだ、って、あ〜んこれじゃあましろんと被っちゃうね〜」

マシロ「?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:33:02.38 ID:YQSdkvjp0<>
七海「同じ名前なんて凄いですよね」

美咲「う〜ん、じゃあキミはマシロくんで!」

マシロ「」

七海「マシロ、くん?」

美咲「こう、びびびーって来たんだよ! マシロくんはマシロくんって呼べ〜って」

七海「あ、はい」

美咲「よし挨拶終わり! 私はお鍋の用意してくるんだもーん!」ドバァン

七海「ドアは静かに閉めてください……」

マシロ(ま、まさか本当に忍みたいなひとがいるなんて……! あ、あのひとまで実は男ってことは無いよね!?)

(美咲『おっほーぜひともよろしくね!』バインバイン)

マシロ(無いな、うん、無い)

七海「……マシロくん、で、いいのかな?」

マシロ「えっと、なに?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:34:11.98 ID:YQSdkvjp0<>
七海「うん、さくら荘ってなにかめでたいことがあると、すぐにお鍋を囲むの」

マシロ「はあ」

七海「今日もたぶんお鍋になるかも。 ほら、マシロくんの歓迎パーティーで」

マシロ「そんな、わざわざ申し訳ないっす」

七海「なにかにつけて、みんな騒ぎたいだけだから、気にしないで」

まあ確実に弄り回されるだろうけど。

七海「それに、今日の料理当番は私だし、楽できるなら楽したいもの」

鍋ならどんぶり勘定で済むしね、マシロも鍋は寮と実家の道場でよく作る。

―――お〜いななみん! 千尋ちゃんが呼んでるよ〜!

マシロ(メガネさんも同名さんがいるんですね……)

本人にツッコまれないからかメガネさん呼ばわりのマシロ。
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:35:42.91 ID:YQSdkvjp0<>
七海「あらら、ん〜。 呼ばれちゃったみたいだから行ってくるね」

マシロ「あ、うん。 いってらっしゃい」

七海「どこになにがあるかは自分で見た方が分かるだろうし、ちょっと回ってみたら?」

マシロ「はあ」

七海「まあ荷物の整理が終わってからでいいと思うけど。 それじゃあこれからよろしくね、マシロくん」ガチャ

マシロ「あー、えっと」

七海「はーい! 一体何の用ですかー!?」パタパタパタ

マシロ「よろしく……」

そういえば共学って久しぶりだなあ、ある意味今までも共学だったと言えなくもないけど。

マシロ「やっていけるのかなー、これ……」

退屈はしないだろうけど、なあ。

マシロ(……回ってみよう)
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/11/18(日) 22:37:33.44 ID:YQSdkvjp0<> ここまで

続きはまた次回。


サ   ム   ゲ   タ   ン   は   ゆ   る    さ   な   い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)<>sage<>2012/11/18(日) 22:46:04.83 ID:Z3lH6V+AO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/18(日) 23:38:06.10 ID:JIRYJ/4to<> おつ
純粋に作品が好きな人に同情するよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2012/11/21(水) 00:08:22.96 ID:CQ8AN7S+o<> 待ってる <> ◆.6mrbJ9aro<>saga sage<>2012/12/02(日) 22:15:38.99 ID:RdxiHxWo0<> 書き込むよー <> ◆.6mrbJ9aro<>saga sage<>2012/12/02(日) 22:16:36.10 ID:RdxiHxWo0<>
――101号室

空太「なんとか昼間から先生に絡まれるのだけは回避できたな……」ヨッコイセ

ましろ「……」トスン

空太「椎名はさ、用事とか無いのか? いや、俺が引っ張って来たんだけどさ」

ましろ「用事は無いわ」

空太「ん、そうか。 じゃあ部屋戻れるな」

ましろ「いや」

空太「はい?」

ましろ「やることがあるもの」

空太「なんだよやることって」

ましろ「……秘密よ」

空太「はぁ?」 <>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/02(日) 22:17:32.00 ID:RdxiHxWo0<>
ましろ「恥ずかしいもの」

空太「お前は俺の部屋で恥ずかしいことしようっての!?」

ましろ「空太はえっちね」

空太「お前が言い出したんだろうが! 怖い、冤罪大国日本怖い!」

ましろ「えっちよ」

空太「いや、待て椎名、早まるな、その認識はおかしい!」

ましろ「…………」ムスッ

空太「お、おう、どうした椎名」

ましろ「空太は分からず屋ね」

空太「はい?」

ましろ「名前」

空太「……あー」

ましろ「……」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/02(日) 22:18:24.26 ID:RdxiHxWo0<>
空太「いや、悪かったよ、ましろ」

ましろ「わたしはわたしの仕事をするわ」

空太「仕事?」

ましろ「……」ゴロン

空太「……仕事?」

ましろ「空太を見てるわ」

空太「は」

ましろ「…………」ジー

空太「はあ!?」がたっ

ましろ「………………」ジー

空太「え、えっと、ましろさん、これは一体どういう」

ましろ「こういうのが良いって美咲が言ってたわ」

空太「宇宙人のいうことを安易に信用しない!」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/02(日) 22:19:04.55 ID:RdxiHxWo0<>
ましろ「美咲はいい人よ」

空太「性格はいい人でも人格に信用が置けないんだよっ!」

ましろ「そう」じー

空太「いや、そう、じゃなくて」

ましろ「………………」ジー

空太「そ、そうだ、ましろの仕事って、原稿はいいのか!?」

ましろ「もう終わってるわ」

空太「えーと……、えーと……」

ましろ「空太」

空太「なんだ」

ましろ「いやなの?」

空太「嫌じゃないけど恥ずかしいんだよ」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/02(日) 22:19:42.20 ID:RdxiHxWo0<>
ましろ「大丈夫よ」

空太「なにが」

ましろ「恥ずかしいのを乗り越えれば見えるものがあるって仁も言ってたわ」

空太「あの人の発言を鵜呑みにするのだけはマジやめてくれ!」

ましろ「空太は照れ屋ね」

空太「ベッドに寝転がりながら言うのやめてくれませんかね!?」

ましろ「私はいつでもいいわ」

マシロ「」

空太「誤解を招く言い方はよせ! これだって今誰かに聞かれたら非常に危険なんだぞ!」

ましろ「そう」

空太「そう、じゃねーの!」

マシロ(こ、ここここここここここれが噂に聞く保健体育!? オトコトオンナのカンケイ!?//////)

なにか覗いてはイケナイものを覗いたんじゃないの!?
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/02(日) 22:20:27.41 ID:RdxiHxWo0<>
ましろ「空太、」

空太「はい、今度はなに!?」

ましろ「うしろ」

空太「!」グリン

マシロ(ななななな、ななななななななななななななななななな//////)

ましろ「空太は不注意ね」

空太「これって俺だけのせいじゃなくない!?」

ましろ「違うわ」

空太「いやお前にも責任あるから絶対!」

マシロ(どどど、どどどどどどどど……///)

空太「あー、水田さん。 まずは落ち着いて」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/02(日) 22:22:19.33 ID:RdxiHxWo0<>
マシロ「……あー、その、お二人は付き合っていらっせるので?」

いらっせる、おらっさる? どーよーして日本語がてんやわんや。

空太「いや、それはない!」

ましろ「…………」ムスー

マシロ「えー……、と」

空太「俺と椎名の間柄には特別な事柄は一切起きてないから。 やましいことなんて一つも無いから」

ましろ「私と空太はずっこんばっこんよ」

空太「ばっ、お前なに言ってんの!? 大体ずっこんばっこんなんて誰から教わるんだよ仁さんか!」

マシロ(ずっこんばっこん……、シーソー?)

そういう方面には滅法疎いマシロ。 こういうところは中学生時代から変わらず。

ましろ「美咲が言ってたわ」

空太「美咲先輩はアテにしちゃいけない年上の一人だから!」

マシロ(これは、見てないほうがいいのかな……?)

ましろ「美咲はいい人よ」

空太「確かにいい人だよ宇宙人の中ではね!」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/02(日) 22:23:12.41 ID:RdxiHxWo0<> マシロ「えっと、お、お邪魔しましたぁ……」

ましろ「空太、難しいわ」

空太「お前の思考回路のが難解だ!」

聞こえてないや。 でも楽しそうだしいいかな?

マシロ(こっちが101、で、隣が102、103。 あ、お風呂は一階にしかないのか)

初めて涼橋寮に来た時を思い出すなあ。 あの時はチビリが逃げ出しちゃって、追いかけてたんだっけ。

マシロ(そうしたら、お風呂を見つけて。 ……///)

と、とにかく他のところも回ってみよう。 まだ食堂の方には行ってないんだしっ。

マシロ(おじゃましまーす……)ガチャ
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga sage<>2012/12/02(日) 22:24:41.57 ID:RdxiHxWo0<> これくらい。

話が進まない病にかかったの助けて(笑) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/04(火) 14:16:02.96 ID:REzcU6hi0<> 乙 <>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:07:57.09 ID:ZWhzaBtW0<> ノロってすごい

投下していきやす。 <>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:08:22.96 ID:ZWhzaBtW0<>
美咲「んあー! マシロくんまだ来ちゃダメだよー! 今マシロくんが驚いて腰を抜かしちゃうような飾り付けをしている最中なんだからねえ!」

マシロ「えぇえっと、す、すいません?」

美咲「謝って済んだら警察はいらんねんあんちゃん、それなりの誠意を見せてもらわんとなあ」

七海「んなぁっ!? 誠意ってそんな、あかん、あきませんよ先輩!」

美咲「えー、ななみんってばオマセさーん。 一体何を想像したのかなー?」

七海「なんにも想像してませんって!」

千尋「……あんたって意外と耳年増よね」

美咲「かく言う千尋ちゃんは耳以外も年mいひゃいいひゃい、ひひふほひっははへはほーん!」

千尋「うっさい全然事実じゃないわよ! 大体まだ年増って年齢じゃないわ!」

マシロ「??」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:09:36.62 ID:ZWhzaBtW0<>
美咲「うへぁあ〜、マシロく〜ん、千尋ちゃんが苛めるんだよぉ〜、慰めて慰めて〜」

マシロ「え、よ、よしよし?」ナデナデ

美咲「おぉ〜、マシロくんもなかなかにテクニシャン。 気持ち良くて意識が持っていかれそうになるね!」

マシロ「はあ、どうも……」ナデナデ

美咲「はあ、マシロくん、お母さんみたい。 眠くなってくるよー」ホワホワ

七海「ダメですよ美咲先輩、飾り付けもまだ終わってないんですから!」

美咲「え〜? だってもうマシロくん見ちゃってるんだもーん。 もうどーんとお鍋をすればいいんでないかい?」

七海「それは、そうかもしれませんが」

千尋「ビールが美味しけりゃなんでもいいのよ飾りなんて。 鍋を囲んでりゃぁ大体のことなんてどーでも良くなるってもんでしょ」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:10:37.76 ID:ZWhzaBtW0<>
美咲「さっすが千尋ちゃん! 言うことのスケールが違うねぇ! よっ、飲んだくれ!」

千尋「あんた馬鹿にしてんでしょそうでしょ。 なんだったら無関係者立ち入りで追い出したっていいのよ?」

美咲「私だって立派な関係者なんだもーん! 私とななみんの間には切っても切れない太くて硬くて大きな絆があるんだから!」

七海「なんで先輩はそういうもの言いをするんですか!」

千尋「全くもってウブよねえ、青山」

美咲「マシロくぅん、鍋に入れたいものとかある? 鴨鍋猪鍋石狩鍋スッポン鍋闇鍋アンコウ鍋ねぎま鍋サムゲタンとなんでもござれだよ?」

七海「サムゲタンは鍋じゃないですよ」

千尋「入れたいもの入れるんなら闇鍋が一番手っ取り早いんじゃない? 私は絶対参加しないけど」

美咲「千尋ちゃんが参加しなかったらマシロくん歓迎お鍋じゃなくなっちゃうじゃ〜ん、全員が参加できてこその鍋であると私は思うんだけどマシロくんそこのところ一言お願いできるかな?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:11:34.76 ID:ZWhzaBtW0<>
マシロ「……みんなで食べたほうが、その、おいしいと思う、っす」

美咲「だよねだよね、やっぱり闇鍋がイチバンだ!」

千尋「アンタ、よく恥ずかしげもなくそんなこと言えるわよね。 私なら死んでも言えないわ」

美咲「早速具材を買って来るんだもーん! あ、マシロくんもついてきて〜」ガシッ

マシロ「うぇえ!? あ、ちょっと、」

どたどたどた

七海「もう買ってあるんですけど……」

千尋「いーんじゃないの、別に。 上井草なりの歓迎術でしょ。 買い物も捗るだろうし、上井草の特異性を説明する手間も省けて一石二鳥よ。 あ、」

七海「どうしたんですか?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:12:39.30 ID:ZWhzaBtW0<>
千尋「ビール買って来てって言えばよかった」

七海「上井草先輩は成人してないじゃないですか」

千尋「別にバレないでしょ」

七海「バレるバレないの問題じゃありません! だいたいさくら荘を監督してるはずの先生がどうしてそんなにズボラなんですか!」

千尋「私はビールが飲めるならなんでもいいしねー。 最近は給料も羽振りが悪くて安い発泡酒ばっかなのよ、青山も分かってくれるでしょ?」

七海「未成年に同意を求めないでください! ていうか、生徒に奢らせる気だったんですか!?」

千尋「上井草、金は持ってんのよね。 ビールの一本や二本楽勝でしょ」

七海「……先生って、つくづく教師っぽくないって思います」

千尋「それはどうも」

七海「褒めてないですよ」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:13:20.05 ID:ZWhzaBtW0<>
千尋「分かってるわよ」

七海「そうですか」

千尋「そうよ」

七海「はぁ……、神田くんとましろ呼んできます」

千尋「はいよー。 あ、ましろを呼ぶ必要は無いと思うけどね」

七海「どういう意味です?」

千尋「呼ばなくても分かるからよ」

七海「?」

千尋「今頃乳繰りあってんじゃないの〜? 夕方も夕方からってのが若いわよね〜、夜まで待てないっていうそういうアレで、」

空太「誰が誰と乳繰りあってるんですかね!?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:15:10.69 ID:ZWhzaBtW0<>
千尋「あん? なんだ聞こえてたの。 あんな狭い部屋に男女が二人キリなんてヤることっちゃあ一つしか無いじゃない」

七海「神田くん、やっぱり不潔やって! ウチらまだ高校生なんやから、清く正しいお付き合いをせな!」

空太「いや全くの無実だから! だいたい青山だって俺の部屋で二人きりだったこともあって、その上間違いなんて無かったろ」

七海「二股かけよう思てたん!? 二人の間をウロウロしてカラダだけいただく気やったんやな、このエロ魔人!」

空太「落ち着け青山!」

千尋「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ……、あーハラ痛いわ……、ぷ、くく……!」

ましろ「七海は勘違いしてるわ」

七海「なんなん……?」

ましろ「空太が目当てにしてるのは私のカラダよ」

空太「おま、馬鹿野郎! 誰がいつその旨の発言をしたんだよ!?」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:16:18.26 ID:ZWhzaBtW0<>
七海「そんな、ウチとは遊びやったん……? 神田くんはウチに興味無いん!?」

空太「ナニ言っちゃってんの!?」

千尋「青山って、ムッツリスケベってやつよねぇ。 見てて面白いからいいんだけど」

空太「いや、止めろよ止めてよ止めてください! なんか青山がキャラじゃないこと散々口走っちゃってるんですけど!?」

ましろ「空太のせいね」

空太「10割お前らの責任だろうが……!」
<>
◆.6mrbJ9aro<>saga<>2012/12/20(木) 22:17:41.56 ID:ZWhzaBtW0<> 書き溜め尽きて万策尽きた

しばらくこもると思うな <>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:47:02.52 ID:s00qx6nO0<> ――スーパー

美咲「よいしょー、どーん!」

マシロ(ひ、ひと一人抱えたままスーパーまで来ちゃった……。 どんな体力をしてるんだ、一体……)

忍に抱えられてたときもここまでの距離は無かったし。 いや、あの時は長時間抱えられたままだったけど。

美咲「へいへいマシロくん、ノリが悪いぞー。 お店についたらまず掛け声を出す、これ基本だよねぇ、うん!」

マシロ「はぁ……?」

美咲「だからマシロくんも一緒に言うんだもーん。 はいよおいしょおおおぉぉぉい、どおおぉん!」

マシロ「ど、どーん」

美咲「元気無いぞー、もっとお腹から声をだそう! あめんぼあかいなあいうえおー!」

マシロ「お……、おー!」

お店の入り口の前で、もはやヤケクソのマシロ。 思えば視線を集めること自体は割りと多い……のか? ただ慣れるかどうかは別問題なわけで。
<>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:47:51.17 ID:s00qx6nO0<>
美咲「それじゃあ早速店の中に突入だ、各人必要なものは現地調達、目的のブツを各々回収して回ること。 いいね? じゃあ私は先に集めちゃうんだもーん!」ピュー

マシロ「あ」

なに買うのか聞いてないや。

ぅおおおぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁぁ……

……ああ、上井草さんの楽しそうな声。
あのひとみたいに元気が大爆発してるひとだ。

マシロ(鍋かー、最近ウチでも作ってないからなー。 普通に白菜とか白滝とかでいいんだろうか)

定番をいれておけばいいかなー、とか。 安易だけど堅実的な考えのマシロ。 いや、定番を外しに外したひとがいるからとかそういうことは思っていない。

マシロ「しいたけ、ニンジン、えのき。 えーっと」

定番を指折り数え、カゴに入れる。 あとはなにかあったっけ。

マシロ「あとは豆腐……とか、どうっすか?」

誰に聞いているんだか。
<>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:48:48.19 ID:s00qx6nO0<>
マシロ「ここの豆腐、ウチの近所より高い……」

すっかり主婦の目線になっちゃったマシロ。 料理することも買い出しすることも多くなった分、値段には敏感なのかも。

美咲「まっしーろくんっ」トン

マシロ「うひゃあ!?」

思わずスットンキョーな声が出るマシロ。 ていうかいまの聞かれてたのかそうなのか?

美咲「マシロくんも将来りっっぱなお嫁さんになるんだねぇ。 私のもとを離れて、いつか見知らぬ男の人と西へ東へ組んず解れつ駆けて落ちるそんな壮大なスペクタクル恋愛がマシロくんにも待っているんだねぇ」

マシロ「いやあの、」

美咲「実家から飛び出してどこか知らない場所に骨を埋めることにした二人、不安を覚えながらも二人で強く生きていこうと決めて、床屋さんを開くことにするんだね」

マシロ「だから、」

美咲「でも旦那さんが戦争に行っちゃって、残された妻は生まれた子供達と店を切り盛りして夫の帰りを待ちつつ団地妻へと……」
<>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:49:23.32 ID:s00qx6nO0<>
マシロ「団……、なんっすか?」

美咲「でもでも〜、マシロくんにもいいひとの一人や二人いるんじゃないのどうなの〜?」

今はそういうひと、いませんから。
いや『ばらの団。』の面々もそういうのじゃないから勝手に頭の中に出て来ないでくださいっ!

美咲「どうしたのマシロくん、顔赤いよ?」

マシロ「ナンデモナイ、ッス……」

美咲「んー、そーお?」

マシロ「まあ、はい」

ていうかさ。
ていうかていうか、さ。

マシロ「あの、持ってるものがおかしいというか、その、なんなんっすか、それ」
<>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:49:50.46 ID:s00qx6nO0<>
美咲「鍋にいれるものたちだよ?」

だよ? じゃなくて。

マシロ「あ、いや、まあ、そうっすよね、はい」

美咲「だよねだよねー、ヘンなマシロくん」

いや、どう見てもソレたちは鍋にいれるものじゃないというか……。

マシロ「なんか、すいません」

美咲「んーっとね、」

マシロ「はい」

美咲「なんで謝ったの?」

マシロ「はい?」
<>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:50:26.20 ID:s00qx6nO0<>
美咲「んー、マシロくんはアレだねー、遠慮しちゃってるんだねー」

マシロ「え、えっと?」

美咲「私とマシロくんの間に遠慮なんて必要ないよ! 私たちの関係は誰にも邪魔出来ないものなんだもーん!」

あ、あの、すっごい注目集めちゃってるんですけど!?

美咲「だから、マシロくんが好きなものをぶち込んでしまえばいいんだよ! 熱く火照ったナカにドーンと大きいのいっとくれ?」

ざわざわ

マシロ「と、とにかく出ましょうもう!」

上井草さんの手をとって走り出すマシロ。 まだお会計があるからすぐには出られないのだけれど。

美咲「いや〜ん、マシロくんったらダイターンっ」

このひと、分かっててやってるんじゃないだろうか。ど天然って感じでもなさそうだし。

美咲「あ! ダイターンってなんか巨大ロボみたいじゃない!? よーし次の文化祭はこれでいこう! 主役は超目立ちたがり屋のオッサンで、ただの一般人でどうだ! 嫁なし職なし金なしの39歳、まさに三重苦だね!」
<>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:50:53.44 ID:s00qx6nO0<>
マシロ「知らねーし!?」

お会計を済ませながら、なんとか出せた言葉がこれだった。

美咲「そんな男がなぜか巨大ロボダイターンに乗り込んで戦うハメになるんだよ! 勝たないと地球の危機的な感じで! でも男は正義感もへったくれも無いからどんな手を使ってでも勝つズル〜い戦い方をして正義の味方とも敵とも言われず戦っていくんだね、自分が生き残る為だけに!」

マシロ「かっこいいのかかっこ悪いのか分かんないっすね」さいふしまい

美咲「地球は助かるけど、あまりに卑怯で素直に褒められない、みたいな? って、あー」

マシロ「なんっすか?」

美咲「お鍋くらいなら私が出したのにぃ〜」

マシロ「あー、いや、その、悪いっすよ」

美咲「マシロくん歓迎会なんだからマシロくんが出してちゃ意味ないじゃ〜ん! ほらほら〜、レシート見せて見せて!」
<>
◆.6mrbJ9aro<><>2013/01/23(水) 20:51:38.28 ID:s00qx6nO0<>
マシロ「え、あ、はあ」

気圧されて財布からレシートを出すマシロ。

美咲「あっちゃあ〜、やっぱりそれなりの値段にはなっちゃうよね。 ちかたない」

ちか……?

マシロ「あの、やっぱり自分が出しますって」

美咲「いーのいーの、先輩にどーんと任せておきなさい! こー見えても現ナマ結構持ってるんだも〜ん!」

現ナマなんて久々に聞いたぞ、とか思うマシロ。 ていうか一介の卒業生がなんでお金を持ってるんだろう。
もちろんそれはアニメ関係のあれだけど、そんなことはマシロが知るはずもなく。

美咲「おねーさん、いいとこ見せないとね!」

まあ、ほとんどが上井草先輩がカゴに入れたものなんだけど。
<>
◆.6mrbJ9aro<>sage<>2013/01/23(水) 20:53:14.82 ID:s00qx6nO0<> ジョシコーセーの成分。
読みましたけど、あれってやっぱりアンジェリカ女学院ですかね?

美少年がどうのとか中等部がどうとか言ってましたし。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/01/24(木) 17:00:51.38 ID:I0llMsgO0<> 乙 <>