◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:27:58.81 ID:FMug7RhZ0<>グッドルーザー球磨川×ひぐらしのクロスオーバーSSです

キャラ崩壊と話の矛盾が一番怖いですが頑張ります。

それではどうぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1354188478
<>グッドルーザー球磨川―雛見沢の無限回廊―
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:32:54.75 ID:FMug7RhZ0<> やぁ、球磨川くん。

随分とご無沙汰してるじゃあないか、半年ぶりかい?

え? まだ一週間? 前にも言ったようだけど、僕ぐらい生きてると時間の感覚が麻痺してくるんだよ。看過してくれ。

さて、須木奈佐木さんと闘う前に簡単に死んじゃった様だけど、どうしたんだい?

ふんふん……え? 球磨川くん、僕に会いたくて来た?

なんだ、君もそういう可愛いところがあるんだ。純粋に気持ち悪いぜ。

それで? 何の用だい?

どうせ君のことだ、僕の顔を久しく見てないから寂しいんだろ。お茶目さんめ。

え? 違うって? それともなんだい? 僕が君に何かちょっかいをかけたとでも言うのかい?

あはは。心当たりがありすぎて分からないや。僕はちょっかいかけたり横車を押すことに全力を尽くしちゃう人だから。

あぁごめんごめん、それで? 用件は?

……

……球磨川くん

君がいる場所は水槽学園じゃあ無いみたいだね。

てか、何でそこにいるのかが謎だよ。安心院さんもびっくりだ。

ちなみに誤解されないように言うけど、今回の件に僕は関わっていない。というより、初めて知ったからね。

それじゃあ、事情を知った上で君の創りだす物語を楽しませてもらうよ。

あぁ、それじゃあその村の事情を知ったゲームマスターの僕はどうすればクリアか考えておくよ

まぁ君にとっては無理難題なミッションかもしれない。

でも僕の安心院ゲームを(最終的に代理がクリアしてしまったとはいえ)勝たずして勝ってしまった君には何の問題も無さそうだ。

その人物はゲームを進めていく内に分かる。逆にストーリーを進めるにはイベントとか起こさなきゃいけないけど、ガンバレ。

じゃあ、プロローグはここまでだ。君好みのミステリーでホラーな観光を存分に続けてくれたまえ。


”雛見沢村”で


あ、そうだ。その村のことについて説明してあげよう―― <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:36:27.05 ID:FMug7RhZ0<>

球磨川『うーん、悪い村だなぁ』

球磨川『空気は不味いし見た目も寂れてるし誰もいないし、最低の村だぜ』

球磨川『とても毒ガスが蔓延して村人全員が死に絶えた村には見えないね』

球磨川『……そういえば、何で僕はこんな所に来たんだっけ?』

球磨川『確か僕は生徒会室で……まぁいいや』

球磨川『あー、此処って何処の村なんだろ』

球磨川『咲ちゃんもいないし、これじゃセクハラが出来ないじゃないか!』

球磨川『……』

球磨川『ふぅ……あ』

球磨川『今日ジャンプの発売日だった!』
<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:40:40.35 ID:FMug7RhZ0<>

球磨川『へぇ……これが古手神社か』

球磨川『こんな場所にオヤシロ様なんてのが祀られていたなんて信じがたいね』

球磨川『もし仮にオヤシロ様ってのがいたとしても』

球磨川『この村の惨状を見て何もしてやらないなんて冷たい神様だね』

球磨川『はぁ〜参ったなぁ、僕一人語りって性に合わないのに』

球磨川『人っ子一人いやしない』

球磨川『よし決めた!』

球磨川『休憩して、一旦帰って考えない!』

球磨川『そうだね、それがいい』

球磨川『よし帰ろう』




球磨川『やれやれ……安心院さんの気まぐれじゃないとはいえ、この世界は僕を弄ぶのが好きみたい――』

バチィッ!

球磨川『』 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:45:57.26 ID:FMug7RhZ0<> え?

もう死んだのかい球磨川くん?

馬鹿め、さっき僕の所に来たばかりじゃないか。

もう馬鹿すぎて馬と鹿に申し訳ないからカタカナ表記でバカと言わせてもらうよ。バカめ。

ふんふん……

村から出ようとしたらもの凄い電流が流れたって?

当たり前だよ、僕が仕掛けたんだから。

君がやった事は例えるならポケモンの地形を無視して一気にチャンピオンロードまで行くような荒技、いや裏技だぜ。

え?説明されなかったって?

仕方ないじゃないか、忘れてたんだから。

あはは。そんな顔するなよ、流石の安心院さんもそんなサドでは無いさ。

お詫びと言っちゃあなんだが、球磨川くん。一人語りは苦手だと言ってたよね?

もうすぐ君にはイベントを起こそうと思ってる。

そしてそのイベントが発生した後は、君の自由行動だ。僕から嫌がらせを受けることもない。

まぁ、死んだら強制的に此処へ来るんだがね。

それまで、雛見沢の地形でもなるべく把握しておきたまえ。

面倒臭がりの君が全て把握しようと思ってるなんて微塵にも思ってないが。

というわけで話は以上。

安心院さんからの須木奈佐木さんとの戦いを控えた君への、愛情を込めた贈り物だぜ。

有り難く受け取ってくれ―― <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:52:38.82 ID:FMug7RhZ0<>
球磨川『――大嘘憑き(オールフィクション)』

球磨川『本当に、安心院さんは僕を虐めるのが好きだね』

球磨川『もうすぐイベントが起きるみたいだし』 

球磨川『じゃあ、あっちの方にでも行ってみようかな』


〜旧ダム建設現場跡地〜

球磨川『安心院さんが言うには……確か、此処でダム反対運動ならぬ戦争が勃発してたらしいけど』

球磨川『村人達が必死に足掻いたおかげで村はダムに殺されずに済んだわけだ』

球磨川『お金貰えるんだったら村なんて捨てちゃえばいいのにね』

球磨川『村の権力者も何考えてんだか』

球磨川『さ、じゃあ次はあっちに行ってみようかな』

球磨川『僕としては早く帰りたいところだけど』 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:53:57.95 ID:FMug7RhZ0<>
〜雛見沢分校〜

球磨川『此処は学校みたいだね』

球磨川『お邪魔しまーす!』

球磨川『うわぁ、凄い悪臭』

球磨川『まぁ数十年前だとはいえ大量の死体が長時間放置されてた場所だし、床や柱に死臭が染み付いたのかな?』

球磨川『此処までミステリチックだと、某小学生探偵が現れてもおかしくないぜ』

球磨川『安心院さんが言うには此処で雛見沢分校の生徒が一人を除いて死んだらしい』

球磨川『結局、その生き残った子も病院で死んじゃったらしいけど』

球磨川『女の子らしいから、一目見ておきたかったぜ』

球磨川『さて、此処にもう目ぼしい物は無いし、そろそろ引き上げようか』

球磨川『次は何処に行こうかな』


数時間後


〜古手神社〜

球磨川『イベントなんて全く起きないじゃないか』

球磨川『もう日が暮れちゃったよ』

球磨川『そういえば』

球磨川『この神社の中は見てなかったな』

球磨川『意外に禁断の祭具殿とかあったりして』

球磨川『なんてね』 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 20:58:07.16 ID:FMug7RhZ0<>
球磨川『あったし……』

球磨川『ベタな展開だけど、せっかちな安心院さんらしいっちゃらしい』

球磨川『きっと此処にイベント発生へのきっかけがあるに違いない!』

球磨川『とまぁフラグ全開な台詞だけど探索でもしてみようか』

ガサゴソ……

球磨川『本当に、ミステリー小説の舞台にするにはうってつけだよね』

球磨川『趣味の悪い拷問器具が取り揃ってる』

球磨川『安心院さん、また僕を面倒なゲームのプレイヤーにして』

球磨川『なんであんなサディストになっちゃったんだろう』

球磨川『安心院さんの温かい心はいづこへ……』

球磨川『うわー、これすごい』

球磨川『チェーンアレイ、まるで漫画みたいだ』

球磨川『うーん、とてもじゃないけど振り回すのは無理だ』

球磨川『――大嘘憑き(オールフィクション)』

球磨川『へぇ、チェーンアレイを振り回す北斗の拳のモブキャラってこんな気持ちなんだ』ブンブン

球磨川『それっ』ビューン

カーン

球磨川『!』

ガァァァンッ!!

球磨川『……まぁ、跳ね返るかなーとは思ったけどさ』

球磨川『なにこの取って付けたような急展開、笑えな――』 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 21:03:05.60 ID:FMug7RhZ0<>
――圭一くん!おっはよー!


――圭ちゃん久しぶり!何年ぶりだっけ〜?


――暇じゃないのかな?かな?


――レナさんと魅音さんじゃあずいぶん温度差がありますじゃん!?


――皆でお弁当楽しいな♪楽しいな♪


――レナに圭ちゃん、また明日ね!


――嫌な事件だったね


――嘘だッ!!


――お昼、何食べた?


――私、前原圭一は命を狙われています


――死にたくない……そして全てを暴きたい

――俺をここまで追い込んだ何かの正体を

――泥を啜ってでも草を食んででも生き残る!






――ごめんなさい



『――大嘘憑き(オールフィクション)』 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/11/29(木) 21:04:19.33 ID:FMug7RhZ0<>











―球磨川禊の不甲斐無い庇い立てまたは前原圭一の錯乱過剰防衛―









<>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/11/29(木) 21:05:47.26 ID:FMug7RhZ0<> 急用が入ったんで今日はここまで。


何となくキリの良いところで区切れたとは思うけど、おかしい所とかあったらすまん。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)<>sage<>2012/11/29(木) 21:25:54.45 ID:G+ZWK6hAO<> ほう
クマーもひぐらしも好きだから期待させてもらおう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)<>sage<>2012/11/29(木) 22:54:44.19 ID:EOpzs2Ip0<> 無理せずがんばってくれ。
完結させてくれるのならどれだけ遅くても構わんのだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<>sage<>2012/11/29(木) 23:00:07.84 ID:LUY405Juo<> 面白そう
ありそうで今まで無かった組み合わせ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/11/30(金) 13:41:22.46 ID:26dw7lQA0<> 期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2012/11/30(金) 15:19:33.77 ID:LrnezGbC0<> 乙です
メタサイド:ベルンカステル、安心院さんetc
駒サイド:球磨川、圭一、レナetc
という認識で大丈夫ですか?
そもそもメタサイドとか無いのかもしれませんが、もしネタバレにならない範囲であれば教えていただいてもよろしいでしょうか

是非とも完結させてくださいお願いします <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(熊本県)<>sage<>2012/11/30(金) 15:21:22.15 ID:hRFo43b8o<> これは期待

ゆっくり完結させてくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)<>sage<>2012/11/30(金) 22:38:06.87 ID:suEQA4sB0<> お疲れ
スレタイ見て一瞬富山かと疑ってしまったすまん <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/01(土) 09:14:37.00 ID:AzVmpnuN0<> >>16
安心院さんが面白半分で裸エプロン先輩を雛見沢に閉じ込めてるって感じです。
ベルンカステルは出ません


意外に好評だった、これは死んでも完結させるぞ

気軽に長い目で見てくれよな!









<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/01(土) 09:17:10.93 ID:AzVmpnuN0<>

球磨川『――っと』

球磨川『此処は……古手神社、の外みたいだね』

球磨川『なるほど、安心院さんはこの事を言ってたわけだ』

球磨川『今まで漂っていた鼻を衝くような臭いも』

球磨川『木々が枯れ果てて汚染された空気も』

球磨川『年月を経て廃墟と化した家々でさえ』


球磨川『まるで夢でも見ていたみたいに――元に戻っている』


球磨川『とはいえ、僕は此処から何の指示も出されてないし』

球磨川『そうだ』

球磨川『僕は天才的な閃きをしてしまった様だ』

球磨川『あの分校には可愛い女の子がいると聞いたんだったぜ』


―回想―

雛見沢の分校には君好みの可愛い子がいっぱいいるぜ。

君らしく、セクハラでもしてあげなよ。

君には天国だろうから――


―回想終わり―


球磨川『あの後ロリコン呼ばわりされたのは腑に落ちないけど』

球磨川『可愛い子が揃っているなら行ってみよう!』

球磨川『決して疚しい気持ちなんてこれっぽっちも無いんだぜ?』

球磨川『これは冗談抜きで本当だ、信じてほしい』

球磨川『僕はただ、あわよくば着替えシーンが見れたらそれでいいんだぜ?』 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/01(土) 09:21:39.33 ID:AzVmpnuN0<>
球磨川『雛見沢分校までの道がもう分からなくなっちゃった』

球磨川『この状況を言うなれば迷子ってわけか……面白いね』

球磨川『今回のゲームは僕を楽しませてくれそうだ』

球磨川『初っ端から迷路でプレイヤーを惑わせるなんてね』


圭一「……?レナ、雛見沢にあんな人いたか?」

レナ「え?……初めて見る人かな、かな?」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/01(土) 12:03:38.57 ID:KClemYyio<> 頑張れ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2012/12/01(土) 14:26:44.20 ID:7gw9it4h0<> いよいよ次から邂逅か……部活メンバー全員にとって球磨川が天敵な気がしてならない(トラウマ的な意味で)
如何に>>1が『大嘘憑き〈オールフィクション〉』をただのおまけとして書けるかに期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)<>sage<>2012/12/01(土) 17:10:18.99 ID:2CJUjjwso<> クマーとかいるだけでレベル上がりそうですね <> ◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/01(土) 19:30:16.13 ID:AzVmpnuN0<>
俺、前原圭一はレナと一緒に学校へと歩いていた。

すると目の前で、制服姿の男子が一人でブツブツ呟いていた。見覚えの無い顔だったので、レナに確認を取ったがやはり此処の住民では無いみたいだ。

もしかしたら新しく来る人か?と思った俺は声を掛けてみることにした。もしかしたら同じクラスメイトになるかもしれないしな。

「すいませーん」

球磨川『ん?』

その男子は俺の声に反応したのか、こちらを向いた。顔はいい、が格好良いと言うよりは可愛いに近いな。

いや、別に俺が格好良いとかそういうのは思ってないからな。勘違いすんなよ。

まぁいい、話を続ける。

「雛見沢の人じゃないですよね?何処から来たんですか?」

レナ「圭一くん!知らない人に声掛けちゃ」

球磨川『僕は水槽学園から来たんだけど』

水槽学園……?

聞いたことの無い学校だな、というより。コイツの喋り方が少し気になるぜ。

まるで作ったかの様な……こいつが喋るたびに騙されている様な気分だ。

「それで……雛見沢に引っ越してきたんですか?」

球磨川『あはは。まぁ、そんな所かな』

球磨川『それで君は、そんな可愛い彼女とギャルゲーよろしく登校中かい?」

レナ「か、かわいい彼女……はぅ」

レナ「って彼女とか、違います!そ、そんなじゃないです!///」

「あれ?違うのか?」

レナ「圭一くんっ!」

やっぱ、レナは可愛いぜ畜生。 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/01(土) 19:32:58.74 ID:AzVmpnuN0<>
球磨川『それじゃあ僕は失礼するよ』

「あれ?学校に通うんじゃないんですか?」

球磨川『手続きとかあるんだよ、当たり前でしょ?なに言ってんの?』

イラつくなぁ……。

果てしない苛立ちを覚えたのはさておき、どうやらコイツは学校に通うそうだ。

レナ「そういえば、名前はなんていうんですか?」

球磨川『僕?』

お前以外に誰がいるんだよ、とツッコミを入れようかと思ったがどうどう。落ち着け。

球磨川『僕の名前は石川五右衛門、しがない侍さ』

レナ「お侍さん……へぇ〜変わったお侍さんだね!」

……

……

「嘘だろ」

球磨川『バレた?』 <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/01(土) 19:43:44.07 ID:AzVmpnuN0<> ごめん見逃してた

>>22
頑張る

>>23
自分は大嘘憑きでひぐらし世界を崩壊するような展開は無いようにしたい。
一応、自身と相手の蘇生&ストーリーには影響の無いレベルの現実に対しては使おうかな、と。
ちなみに雛見沢症候群や雛見沢大災害はなかったことにした。
みたいな展開はありません安心院さんがキッチリとスキルにロックを掛けてます

安心院さんこういう時便利だよな……おっと誰か来たようだ

>>24
クマー良いキャラだよな。


<>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/01(土) 20:02:16.48 ID:AzVmpnuN0<> 球磨川『失礼しまーす!先生いますかー!』

知恵「……?どちら様ですか?」

球磨川『今日からこの雛見沢分校に通いたいと思った球磨川禊でーっす!』

知恵「いや、学校は通おうと思って通えるわけじゃないんですけど……」

知恵「そうだ、手続きとか」

球磨川『手続き?』

知恵「ほら、親御さんとかと一緒に来てもらわないと……」

球磨川『あれ、前にしたよね?』

知恵「……え?」

球磨川『ほら、この間にお母さんと一緒に来たんですけど』

知恵「……」

球磨川『ダメかな?』

知恵「……球磨川くん、学校に通いたい気持ちはよく分かりました」

知恵「でも、だからと言って嘘をついちゃ……」

球磨川『おっと、それじゃあ遅いんだよね』

球磨川『知恵先生』


――大嘘憑き(オールフィクション)


球磨川『手続きを”していない”という”事実”と』

球磨川『僕が知恵先生に”会ったことが無い”という”事実”を』

球磨川『なかったことにした』

球磨川『つまり、知恵先生の中には僕が手続きをしたという”嘘”と僕は先生に会ったことがあるという”嘘”が残る』

球磨川『「結果」だけだ!この世には「結果」だけが残る!』

知恵「……あれ?」

球磨川『あ、先生』

知恵「球磨川くん……ごめんなさい」

知恵「私、すっかり忘れてて……確かに、いつかは知らないけど手続き、しましたね……」

球磨川『あ、でも』

知恵「大丈夫です!先に教室に行っててください!」

ガララッ

球磨川『いや、後で校長先生にも同じことしないといけないんだけどね』

球磨川『まぁいいけどさ』

球磨川『それじゃあ皆』

球磨川『球磨川禊ハーレム計画の』

球磨川『幕開けだ』 <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/01(土) 20:11:04.43 ID:AzVmpnuN0<>
教室で沙都子との戦い(一方的なトラップ地獄だったが)で出来たたんこぶを擦りながら魅音に朝見た綾小路五右衛門(仮)の話をした。

普通ならこの雛見沢に不審者が現れてしまったもんだと怯えそうなものだが、我らが委員長様は

魅音「ふ〜ん?中々面白そうな子が来てくれたんじゃない?」

と、笑いながらその話題を流した。

俺としては流してほしくないんだけどな……。

「いや、真面目な話だぞ?ソイツの喋り方も、なんていうか作り物って感じがするんだよ」

魅音「作り物?」

「顔に似合わず括弧付けた口調っていうか……」

そう、あの口調にはどうにも馴染めない気がする。

馴れたらそうでもないかもしれないが。

魅音「ほほぅ?つまり自分の方がレベルが高いと言いたいわけ?さっすが雛見沢のプリンス、前原圭一!」

「ばっ、そういう意味じゃねぇよ!」

「ただ、アイツの顔を見たら決して格好良いなんて言えないぜ。可愛いって感じだし」

魅音「ふーん……まぁおじさんを落とせる男なんていないけどね!なっはっは」

そんな自己を高く評価して高笑いする魅音に俺は心からの賞賛を送りたいぜ。

やれやれ、今日も相変わらずの魅音だったな。

レナ「ねぇ圭一くん。明日はさ、予定とかあるかな?かな?」

圭一「え?」

魅音「あ、そうそう!圭ちゃんの為にレナと二人で考えたんだー!」

圭一「なにをだよ?」

この二人の事だ、何か企んでるんじゃないか?

しかしそうやって疑う余裕も無くなった。

レナ「明日――」

球磨川『おはよーっ!』

コイツの登場で。
<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/01(土) 20:12:18.50 ID:AzVmpnuN0<>
球磨川『今日からこのクラスに転入することになりました、球磨川禊でーっす!』

やけに明るい態度で挨拶をしているが、クラスの皆はポカンとしている。

かく言う俺もポカンとしてる。

レナ「あ、五右衛門さんだよ!だよ!」

とレナが言うと、ソイツはキョトンとした顔で尋ねた。

球磨川『レナちゃん、その五右衛門って人?誰かな?』

アンタが朝名乗った名前だよ。

球磨川『僕の名前は球磨川禊なんだけど』

レナ「え?でも、五右衛門さんだって……」

「レナ、多分無駄だと思う」

球磨川『?』

コイツ、もとい球磨川はまるで朝のこと自体もう忘れてしまったかのように首を傾げた。

傾げられても困るってのが本音だが。

魅音「へぇ〜、君が圭ちゃんの言ってた子か……確かに、格好良いというよりは可愛い顔だね」

球磨川『僕も男子としてはかっこいいって言われたいんだけど』

球磨川『それも悪くない』

というより、手続きはどうしたんだ?

もう済ませたのか?それにしてはやけに早いような……

「なぁ球磨川、お前ってもう手続き済ませたのか?」

球磨川『おいおい圭ちゃん、先輩には敬語を使うべきだと思うけどね』

……え?

レナ「先輩……?」

魅音「年上……?」



「「「えぇぇぇぇぇぇっ!!?」」」

レナ「と、年上!?」

球磨川『うん、年上』

魅音「せ、先輩!?」

球磨川『うん、高3』

圭一「嘘だろ!?」

球磨川『君たち意外と失礼だぜ』

球磨川……先輩かよ……

ん?

「あれ?」

「高校生って此処入れんのか?」

魅音「あ」

レナ「確かに」





球磨川『何で僕を見るんだい?』 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/01(土) 20:28:34.17 ID:AzVmpnuN0<>
待てよ、落ち着け俺。COOLになれ、前原圭一。

今、俺の目の前にいる男は球磨川禊。

俺たちの先輩であり同時に高校三年生だ。ということはつまり、何で此処にいるんだ?という話になる。

そう、何故高校三年生がこの雛見沢分校に恥ずかしげも無く通おうとしているのか?が問題だ。

つまり

「何で転入できてんだぁ!?」

魅音「そうだよ!球磨川……先輩!」

レナ「球磨川さん、先生たちの許可は出たんですか?」

球磨川『もちのろんだぜ』

出たのかよ!

魅音「でも、校長先生もよく許可するよねー」

レナ「特別生ってことなのかな?かな?」

何だ?もう納得してんのか!?

球磨川『!』

球磨川『魅音ちゃん、ナイス指摘だ』

ガラッ

「どうしたんだ?」

レナ「急に飛び出しちゃったね」

魅音「アタシ、なんか言った?」





球磨川『ふぅ……』

「球磨川先輩、何しに行ってたんだ?」

球磨川『ちょっと野暮用があったんだよ、大人の事情さ』

野暮用か大人の事情かどっちかに絞ることは出来なかったのか。

と俺は密かに突っ込んだ。
<>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/01(土) 20:30:49.16 ID:AzVmpnuN0<> 今回は少し早いけどここまで。

一応、グッドルーザー球磨川風にキャラ視点の地の文を導入してみた。
話、文章共におかしいところがあったら指摘頼む。

それじゃあバイト行ってくる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/01(土) 22:00:25.94 ID:xBggf6LIO<> 元々無かった物を無かった事には出来ないんじゃないんじゃなかったっけ?

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/01(土) 22:00:53.74 ID:xBggf6LIO<> >>33
これを無かった事にしたい。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/01(土) 22:01:02.87 ID:vqQUe42H0<> 人物視点の地の文>人、それを一人称形式と呼ぶ

そんなことはともかく雛見沢に球磨川はアカン……

やらないとは思うが過負荷撒き散らしたらそれだけで発症する人出てきそうだ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/02(日) 13:09:45.33 ID:EWm3mby00<> 安心しろ、もう俺が発症した <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/12/02(日) 21:08:48.75 ID:Lu/b6AFZ0<> ほ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/02(日) 21:31:14.09 ID:u2eETHrgo<> >>37
ここ保守いらないんだけど <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/04(火) 05:57:16.06 ID:WJaALa7K0<> 部活シーンの部分が書き溜めできてないからもうちょい待ってくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/04(火) 06:21:31.71 ID:wB9OvhkOo<> わたし待つわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/04(火) 07:12:21.10 ID:ZTj75GBAO<> いつまでも待つわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/04(火) 07:26:49.71 ID:w33Hj0fHo<> 待ちます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします <>sage<>2012/12/07(金) 10:14:50.92 ID:+5i7E05M0<> クマーの部活動……
勝つまであきらめないのに絶対勝てないし、ルールは守っても勝つためには手段を選ばないし……

部活メンバーのSAN値が直葬しないことを祈るばかりです <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/07(金) 19:37:16.14 ID:Sy2H0i470<> >>43

それが難しいんだよね……

とりあえず、あんまり待たせてもアレなんで部活動までを投下する

本当、球磨川の「負けて勝つ」をどうすればいいのかで本当挫折してます。

多分このSSで一番書くのに苦しむのはクマーと部活メンバーの頭脳戦。 <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 19:40:24.00 ID:Sy2H0i470<>
レナ「……それで、話を戻すけど」

レナ「明日、圭一くんに村の案内をしてあげようと思って」

「案内?」

魅音「圭ちゃんさ、まだこの雛見沢一人じゃ周れないでしょ?」

確かに、俺はまだ町へ行くのと学校へ行く以外は不安だが……

だから案内ってことか?

球磨川『面白い、僕も同行させてもらおう』

レナ「お断りします」

球磨川『ぐはっ』

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 19:44:29.33 ID:Sy2H0i470<>
〜次の日〜

なるほどな、なるほど。

この男は俺たちにしつこく纏わりつきたいわけか……。

「球磨川先輩……なんで来てるんですか」

球磨川『なんでって?僕がこんな可愛い子二人とデートしてる圭ちゃんに嫉妬しないわけがないじゃないか』

俺はこの先輩から圭ちゃんと呼ばれる羽目になってしまった。

まったく、悪寒がするぜ。

と、自分の感想も程々に。球磨川先輩は俺に嫉妬してきたようだ……確かにレナも魅音もレベルが高いけどな。

球磨川『ほら、発育が良いよね二人とも!』

そっちかよ!

レナ「え、それはどういう意味……?」

球磨川『そのままの意味さ、二人とも実に素晴らしい果実を実らせて……』

球磨川『あ、でもレナちゃんは魅音ちゃんに比べると小ぶりかな?』

レナ「はうっ!!」

球磨川『ひでぶっ』

魅音「で、出た!れなぱん!今日はいつにも増してキレがいいっ!」

「お、恐るべし……」

恐るべし、れなぱん。

俺は5mほど吹き飛んだ球磨川先輩に合掌した後、レナと魅音に今回の趣旨を説明された。

レナ「と、いうわけで今から雛見沢案内だよ!だよ!」

魅音「圭ちゃん、迷子になっちゃダメだよ〜?」

「迷子にならないように案内してくれるんだろ!?」

魅音「それはどうかな〜?」

雛見沢を案内するって言っておいてそれはどうかな?は無いだろう。

平和に案内してくれよ……。

魅音「それじゃあレッツゴー!」

「「『おーっ!』」」

レナ「はうっ!」

球磨川『あべしっ』

うわぁ……よく飛ぶな。

「ご愁傷様だぜ、球磨川先輩」

魅音「確かに、ちょっと変わってるね……はは」

「無理しなくてもいいぞ、魅音」

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 19:54:57.88 ID:Sy2H0i470<> レナ「此処はね、古手神社っていうの!」

魅音「次の休みは、此処でお祭りがあるからね」

「祭りか……」

この小村での祭りとなれば、村人がどれだけ集まってくるんだ?

レナ「じゃじゃーん!レナの特製弁当スペシャルバージョンだよ〜!」

「うぅむ……凄い量だ」

食べきれる量とかは計算してないだろうな、レナは。

まぁ、皮肉にもこれを食すメンバーが一人増えたんだ。そんなに残ることは無いだろう。

球磨川『置いてかないでよー』

なんて棒読みでやって来た球磨川先輩は、ピンピンしている。

凄いな、この人の防御力。

魅音「此処はね、古手神社っていうんだ!」

球磨川『あ、まだ新しいんだ』

魅音「え?」

球磨川『いや、こっちの話』

どちらかと言えば古めだと思うけどな?

いや、そう言ったら失礼なんだけどな……梨花ちゃんに。

梨花「呼んだのですか?」

「うおぉっ!?」

急すぎるぜ梨花ちゃん。というかなんで分かったんだ、エスパーか。

梨花「何となく神社の悪口を言われた気がするのです」

圭一「き、気のせいだぜ?梨花ちゃん」

……梨花ちゃんということは?

沙都子「その通りでしてよ!」

ガァァンッ!!

俺の頭上にタライが落ちてきた。何処から落ちてきたのかはあえて追求しないでおこう。

圭一「隙ありっ!」

沙都子「むにぃっ!?」

掛かったな沙都子!隙だらけだぜ!

圭一「今日という今日は勘弁ならねぇぜ!沙都子ォッ!」

沙都子「ひはは!ははひへふははいはひ!(訳:いたた!離してくださいまし!)」

圭一「今までの極悪非道な悪行の数々を謝罪するんだなっ!」

沙都子「へへひひはんほふへひ〜!(訳:圭一さんのくせに〜!)」

球磨川『絵ヅラからして君が極悪非道に見えるんだけど』

レナ「沙都子ちゃんをいじめちゃダメだよ!」

魅音「小さい子に手を出すのはよくないと思うなぁ(ニヤニヤ」

んぐぐ……!

梨花「犯罪者なのです。にぱー☆」

球磨川『やーいやーい性犯罪者ー』

ええい言うなっ!言うな!

皆まで言うなぁぁっ!! <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 19:57:16.69 ID:Sy2H0i470<>
恐るべき、歳の暴力……。

この北条沙都子とは今、バチバチと敵対心の火花が飛び散っている仲だった。

顔だけ見れば可愛いのにな……げふん。

そしてこっちは古手梨花。名前どおり、この古手神社の巫女さんだ。

この歳で巫女をしているってのは驚きだ。

沙都子「あら?そちらの方はどなたですの?」

レナ「球磨川さん。昨日雛見沢に引っ越してきたんだって!」

球磨川『始めまして梨花ちゃん沙都子ちゃん!減気いっぱい高校三年生の球磨川禊でーす!』

何で自己紹介時だけこんなに明るいんだ!?

沙都子「よ、よろしくお願いしますわ」

梨花「よろしくお願いしますのです。にぱー☆」

球磨川『おい圭一くん、君はこんな可愛い子たちと毎日戯れているのかい?』

戯れる以外に何か言葉は無かったのだろうか。

「そういえば球磨川先輩。球磨川先輩って何処に家を建てたんですか?」

球磨川『家は無いんだよね』

「え……家無い、ってどういうことですか?」

球磨川『え?そのまんま』

球磨川『んーとね、何の計画性も無しに来ちゃったじゃん?』

いやそこで疑問形になられても。

まぁ本人がそう言うならそうなんだろう、と思いつつ俺は返事を濁す。

球磨川『それで、住む家どころかお金も無いんだ』

球磨川『まいっちゃうよねホント』

レナ「それじゃあ……これからどうするんですか?」

球磨川『誰かこの中で居候させてくれる心優しい人いない?』





・ <>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 20:01:05.33 ID:Sy2H0i470<>
沙都子「それで、これは一体何の騒ぎですの?」

「見りゃ分かるだろ?これからレナの手作り弁当に舌鼓だ」

あがぁ

沙都子「そんなの見れば分かるでございますわ!」

沙都子「どうして人様のお庭で、茣蓙なんて広げてますのよ!?」

圭一「神社は公共の場所だぞ!勝手に独占するなぁー!」

と、俺がまともな反論をすると梨花ちゃんも沙都子に言う。

梨花「圭一の言うとおりですよ、みんなのお庭にしますです」

圭一「くぅ〜!やっぱり梨花ちゃんはいい子だなぁー!座りな、そこ!一緒に食べよう!」

球磨川『え、という事は此処に泊まっていいんだ!』

「いやそれは違うと思いますよ!?」

梨花「いいですよ」

「いいのかよっ!」

魅音「それじゃホームレスに見えるんじゃない?」

球磨川『でも実際、ホームはレスしてないから大丈夫だと思うぜ』

球磨川『ほら、実際家はあるし……あ、やっぱ違うや』

日本語で喋れ、日本語で。さて……

「〜〜♪〜♪(口笛」

沙都子「Σ」

沙都子「しょうがないですわね、折角ですからわたくしもご一緒してさしあげましてよ?」

「お前に座る場所は無いし、食べる分も無いっ!」

球磨川『けどやっぱり胸を大きくするにはよく食べないといけないから此処座r』

レナ「はうっ!!」

球磨川『メメタァ』

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 20:23:44.28 ID:Sy2H0i470<>
魅音「じゃ、今日のところはこれで解散っ!」

魅音「レナに圭ちゃん、球磨川先輩もまた明日ね!」

圭一「魅音、今日はありがとな。楽しかったぜ」

レナ「また明日ね!」

魅音「うん!」


球磨川『あ』

球磨川『レナちゃん、ちょっとそこ走ってみてくれない?』

レナ「な、何でかな?かな?」

球磨川『いいからいいから、あの夕日に向かって5mほど』

「普通に5mって言ったほうg『よーいスタート』

レナ「え!?ちょ、ちょっと待ってよ〜!」

球磨川『……』

球磨川『なるほどね』

「なにが分かったんですか?」

球磨川『走ったときの揺れは魅音ちゃんの方が断然多いね』

「そ、それって……」

球磨川『胸だけど?』

このしれっと聞いてくる感じ、本当……

最高だぜ球磨川先輩!

レナ「は〜〜〜〜〜うっ!!!」

球磨川『ぐふぅっ……アッパーじゃなくて鳩尾に正拳突き……』

圭一「俺、心の中でしか喋ってないのに……」

ガクッ
<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 20:57:09.09 ID:Sy2H0i470<>
圭一「あ〜いてて……まったく、今日は厄日だぜ」

球磨川先輩はまだ気絶してるし……

レナ「圭一くんも、今日は付き合ってくれてありがとう」

レナ「楽しかった?」

圭一「あぁ、楽しかった。まだウチに帰るのが惜しいくらいだぜ」

レナ「じゃあさ、ちょっとだけ寄り道してもいいかな?かな?」
<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 20:57:35.20 ID:Sy2H0i470<>
レナ「今日は久しぶりだから〜なにがあるかなっ♪なにがあるかな〜♪」

「久しぶりって……」

レナの用は

「このゴミの山かよ!?」

レナ「ゴ、ゴミじゃないよぉ!レナにとっては宝の山だもん!」

いやどう見てもゴミの山にしか見えないけどなぁ……。

本人がそう言うならそうなんだろう。もうそっとしておこう。

レナ「わぁ〜新しい山だぁ〜わくわくっわくわく!」タタッ

「おい待てよ!うあっ!?」

足場も不安定だし……初見の奴が此処に来たら十中八九こけるだろう。俺みたいに。

痛む尻を押さえつつ体を起こすと、既に下まで駆け下りたレナが声を掛けてくる。

レナ「いいよ圭一くんはそこにいてー!すぐ済むからー!」

そう言い残してレナは向こうの方へと歩いていく。

「流石、田舎育ち……敵わん」

俺がこの宝(ゴミ)の山に慣れるのはもう少し先の話だろうな。

何にせよ、レナの宝探しが終わるのを待つか……。

「はぁ……」

……。



???「富竹フラァァァッシュ!!!」

「!!」

???「わっ」

「っはぁ!」

な、何だ!?

???「わぁ、びっくりしたぁ」

「それはこっちの台詞だよ!」

???「ごめんごめん、驚かすつもりは無かったんだ」

嘘つけ!

???「君は、雛見沢の人かい?」

「は……はぁ」

富竹「僕は富竹、フリーのカメラマン。この雛見沢にはたまに来るんだ」

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 20:58:53.15 ID:Sy2H0i470<>
「……写真てのは、被写体に断ってから撮るのが礼儀なんじゃないんすかね?」

富竹「いやぁごめんごめん。メインは野鳥の撮影でねぇ。今まで断った試しが無いんだよぉ。はっはっはっはっ」

「……」

何だこの人……腹立つな。

富竹「はっはっはっへぇあ……あぁいや」

俺の怪訝そうな視線に気がついた富竹さんが笑い声を止める。

レナ「けーいちくーん!」

ん?レナ?

レナ「待たせてごめんねー! もう終わりにするからぁー!」

富竹「連れがいたのかい……彼女はあんな所で何をしているんだい?」

「さぁねぇ……昔殺して埋めたバラバラ死体でも、確認してるんじゃないっすか」

俺はこれ以上この人と話す気は無かったので冷たくそう返した。

人の良さそうな態度をしているが、これ以上俺と口を利こうとは思わないだろう。

富竹「……」

富竹「嫌な事件だったね……腕が一本、まだ見つかってないんだろ……?」



<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 20:59:34.09 ID:Sy2H0i470<>
「え……?なに……が」

レナ「あっははは! 圭一くん! おっまたせー!」

富竹「じゃ、馬に蹴られる前に退散するかな。驚かせてすまなかったね、圭一くん」



レナ「待ったかな? かな?」



レナ「圭一くん?」

「え……あ、あぁ。で、どうだったんだ? 掘り出し物は……見つかったか?」

レナ「うん! 聞いて聞いて!」

レナ「あのね、あったの! ケンタくん人形!」

「ケンタくん人形?」

ケンタくん人形……

「っていうとアレか?ケンタくんフライドチキンの前に必ず置いてある、あの等身大人形の?」

レナ「そう! ケンタくん! はぅぅかわいいよぉ、お持ち帰りしたいぃ〜!」

「あれはゴミだろ、お持ち帰りしたきゃ持ってってもいいんだぜ」

事実、ゴミだしな。

レナ「……ケンタくん、ゴミの山の下敷きになってるの」

レナ「簡単には掘り出せないよ……」

「明日、俺も手伝ってやるよ」

球磨川『弁当の恩返しってことでさ』

「うわぁっ!?」

ドンガラガッシャァーン!

レナ「け、けーいちくーん!」

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 21:00:44.70 ID:Sy2H0i470<>
球磨川『ごめんごめん、驚かすつもりだったんだ』

ちょっとくらい申し訳ない態度を見せてもいいだろ!

あ〜いてて……さっきこけたダメージなんかより数倍酷いぜ……。

レナ「け、圭一くん?大丈夫?」

「あぁ……打ち所が良かったみたいだ」

「球磨川先輩、急に驚かすのは礼儀知らずじゃないんすか?」

球磨川『あはは、二度目だね』

……え?

「球磨川先輩……?」

球磨川『ん?』

「球磨川先輩、いつから此処に来てたんですか?」

球磨川『富竹フラァァァッシュのくだりから』

言えよ!



<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 21:01:11.44 ID:Sy2H0i470<>
「なぁレナ、此処で昔何かあったのか?」

レナ「ダムの工事をやってたんだって!詳しいことはよく知らないけど……」

「ダムの工事? 例えば、そのダムの工事中に何かあったとか。事故とか」


レナ「知らない」


え?

レナ「レナ、去年まで他所に住んでたの」

圭一「レナも転校生だったのか?俺はてっきり……」

球磨川『”も”ってことは圭ちゃんも転校生だったの?』

話がややこしくなるから黙っててくれ、石みたいに。

球磨川先輩の口出しはとりあえず適当に相槌を打ち、俺はレナの話に耳を傾ける。

レナ「だからね、それ以前のことはよく知らないの……ごめんね」

「あぁ……そうか」

俺は富竹さんの言っていたこと、レナは知っているかと思っていたがそうではないらしい。

なら、これ以上話を続けても無意味だな。俺は話を終わらせた。

そんな俺にレナは相槌を打つと、ニッコリと笑った。

球磨川『何、お前ギャルゲーの主人公か何かなの?』
<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/07(金) 21:01:46.73 ID:Sy2H0i470<>
魅音「さて、今日は会則に則り部員の諸君に是非を問いたい!」

魅音「彼ら、前原圭一くんと球磨川先輩を新たな部員として我らの部活動に加えたいのだがいかがだろうか!」

球磨川『異議なーし!』

「先輩の異議は聞いてねぇよ!」

誰よりも早く異議無しを唱えたのは異議を唱えられる側の球磨川先輩。

本当にこの人はよく分からない、魅音達は気に入ってるみたいだが。

というより、あのゴミ……宝の山に行った日から2日も経たない内に雛見沢分校の生徒会長になった。

勿論、この球磨川生徒会長以外の副会長、庶務、会計、書記は誰一人として揃っていない。

学級委員長の魅音でも所属せず。

他の三人も自分の貞操を案じ、所属せず。

唯一、梨花ちゃんはたまに遊びに(手伝いに)行っている様だが、あの人と二人っきりになった女子は何をされるか分からない。

梨花ちゃんがどんなセクハラ紛いの言葉を投げかけられているのか……しかし、レナも付き添っているから球磨川先輩はしっかりと制裁を食らっているだろう。

レナ「レナは異議なーし!」

沙都子「おーほっほっほ! 貧民風情がわたくしの相手を勤められるかしら?」

梨花「僕も沙都子も賛成しますのですよ」

魅音「全会一致! おめでとう前原圭一くん&球磨川禊くん!」

魅音「君たちに我が部への入部を許可する!」

……って

「コラ! 順を追って説明しろ! 何の部活だ? 大体、俺は入るとはまだ言ってないぞ!」

球磨川『いいじゃん圭ちゃん、こんな可愛い女の子たちと一緒に和気藹々と部活動に勤しめるんだぜ?』

魅音「そうだよ圭ちゃん、こんな可愛い可愛い女の子たちと!」

「自分で言ってりゃ世話ねーよ!」

魅音は咳払いをすると、部活動についての説明を始めた。

魅音「え〜我が部はだな、複雑化する社会に対応するため(以下省略」

梨花「つまり皆でゲームして遊ぶ部活なのです」

球磨川『いいだろう、僕はこういうゲームに関しては最弱の男と呼ばれているんだ』

魅音「最強ではないんだ?」

球磨川『僕に勝つなんて言葉は似合わないんだよ』

沙都子「な、なぜか自虐的ですわね……」

球磨川『じゃあ、ゲームは何をするのかな?』

魅音「そうだねぇ……んじゃあオーソドックスに……」

<>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/07(金) 21:04:03.40 ID:Sy2H0i470<> ここまで。

こっから部活動のシーンを書いたらあとは鬼隠し編の終わりまで突っ走る。

早く綿流し編が書きたい……。

と、いうわけで広い気持ちでもう少し待ってほしい。

長い目で見守ってね。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/07(金) 21:05:29.66 ID:SGKvYVJ6o<> 乙
全編やるのかwwwwwwwwww <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/07(金) 22:57:27.04 ID:Sy2H0i470<> >>59

一応罪滅し編までの予定

あと一部は省く予定

全編とか先が見えないwwwwww
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/07(金) 23:16:52.49 ID:D3jKOmOM0<> 俺も全編+外伝とか途方もないのを考えた事ある <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/08(土) 01:00:58.78 ID:WW+WglNIO<> 祭囃子まで頑張れww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/08(土) 07:09:59.33 ID:YnAGWHhdo<> 乙〜

ながらくひぐらしに触れてなかったから、何篇がどんな話かすっかり忘れてることに気付いたwwww。新鮮な気持ちで読めるから結果オーライ!楽しみに待ってますわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/13(木) 00:32:50.30 ID:VvyxByrIO<> 更新まだぁ? <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/15(土) 08:25:16.17 ID:0jrbubdS0<> >>64

待ってくれ、もうすぐ。

書き溜めが消えて一気に書く気が失せたあの日から立ち直って今書いてるんだ。

まぁ……部活シーンのクオリティには期待しないで……orz <>
◆MGc5QZywA2<>sage saga<>2012/12/16(日) 20:57:32.58 ID:NnMhWG7L0<>
魅音「ババ抜きにしよう!」

魅音「あ、ちなみに確認しておくけど圭ちゃんと球磨川先輩、ルール知ってるよね?」

「勿論だぜ!」

球磨川『知ってる』

魅音「なら話は早い!」

魅音「それと、この部活はままごと遊びみたいなレベルじゃないからねぇ、本気でかかった方がいいよぉ?」

「楽しくやりゃいいじゃねぇか……そう凄むなよ」

魅音「あっまぁーーーーい!!」

んがぁ

魅音「会則第一条!狙うは一位のみ!遊びだからなんていう気持ちは許さない!」

沙都子「会則第二条!」

んごぉ

沙都子「その為にはあらゆる努力をすることが義務付けられておりますのよ!」

球磨川『本格的だけど、一位じゃない人にはペナルティとかあるの?』

魅音「ふっふっふ……そうだねぇ、じゃあ今日の罰ゲームは”一位がビリにいっこ命令!”」

球磨川『それって、何でも命令していいの?』

魅音「勿論!」

球磨川『……へぇ』


順番:魅音→圭一→球磨川→沙都子→梨花→レナ

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 20:59:38.61 ID:NnMhWG7L0<>
……ん?

このトランプ、けっこう傷物だな……。

「まさか、皆にはこの傷で伏せられたカードが分かってる、なんてことはないよな?」




ニタァ



「ちょ、ちょっと待てーーーっ!!」

球磨川『圭ちゃん、ハメられちゃったね』

「アンタもだよ!」

球磨川『な、なんだって!?(棒』

球磨川先輩は危機感を感じてないみたいだけどな!

俺は大ピンチだぜ!ふざけやがって、魅音!

沙都子「会則第二条。勝つ為にはあらゆる努力をすること、ですわ」

レナ「いくつかのカードは特徴的だから圭一くんもすぐに覚えられるよ」


球磨川『!』


「くそっ、どうしたら……」

球磨川『圭ちゃん、圭ちゃん』

球磨川先輩が俺に話しかけてくる。

うるさい、放っておいてくれ……


球磨川『閃いたんだよね』

球磨川『誰かを、もといこのゲームの首謀者魅音ちゃんをを大衆の下辱めに遭わせる方法』

球磨川『だからさ』




球磨川『手 伝 っ て よ ?』

そう言って俺を見た球磨川さんの顔は

人間とは思えない

負と虚で造られた様な顔だった
<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:00:05.34 ID:NnMhWG7L0<>
魅音「覚悟は出来たのかなぁ?圭ちゃん、球磨川さん」

球磨川『御託はいいからさっさと始めようぜ』

魅音「そうこなくっちゃ!」



球磨川『そうそう、この天井。やっぱり昔から建ってる学校だけに脆そうなんだよね』

梨花「……そうは見えないのですよ?」

球磨川『ほら、よく見なよ。あの右の辺り』

レナ「やっぱりそうは見えないけど、けど」

沙都子「もしかして、わたくし達の動揺を誘っているんですの?」

球磨川『どうだろうね』

魅音「(図星だ……)」

梨花「(図星……)」

沙都子「(図星ですわね……)」

レナ「(図星だね……)」

球磨川『それじゃあ、ゲームスタートだ』

球磨川『っとその前に』

球磨川『圭ちゃん、ちょっとトイレ分からないから着いてきてよ』

「え、えぇ……?」

俺かよ……って、そりゃそうか。男子は俺しかいないもんな。

球磨川『5分でもどってくるから』

魅音「なになに?作戦会議ー?」

沙都子「そんなことをしても無駄でございますわよー!」
<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:00:54.29 ID:NnMhWG7L0<>
魅音「圭ちゃんの手札を右から言うよぉ?」

魅音「3、4、9、J、Q」

「ぬああああ!」

球磨川『そして僕は右から3、5、8、9、J そしてJOKERだぜ』

魅音「へぇ〜じゃあ、球磨川さんがJOKER持ってるんだ(ニヤニヤ」

球磨川『知ってるくせにいやらしいなぁ魅音ちゃんは』

球磨川『その乳と一緒だね』

魅音「ど、どういう意味ですかそれ!」

球磨川『まぁいいや、圭ちゃん。早く3を引いてよ』

「おう!」

シュッ

「よーし!これで俺の手札は残り4枚だな」

球磨川『これで次は圭ちゃんが9かJを引けば残り三枚だ』

球磨川『さ、引くぜ沙都子ちゃん』

球磨川『一枚は同じ数字のカード、あるよね?』

沙都子「残念ながら、わたくしは球磨川さんの手札と同じ数字のカードはございませんわ!」

球磨川『へー』

シュッ

球磨川『あ、揃ったじゃーん!』

沙都子「え!?」

そう言って球磨川先輩が揃えたカードは7だった。

沙都子「な……!?」

球磨川『おいおい沙都子ちゃん』

球磨川『僕の言葉をそっくりそのまま鵜呑みにしちゃったのかよ』

球磨川『僕みたいな大嘘憑きの言葉は』

球磨川『右から左へ受け流すべきだぜ』

梨花「なにか聞いたことのあるフレーズなのです……」

球磨川『右から〜右から〜何かが来てる〜』

魅音「時代的にそのネタは無いよ」

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:01:23.25 ID:NnMhWG7L0<>
沙都子「(クッ……おもわず球磨川さんに乗せられてしまいましたわ……)」

沙都子「(しかし、こんなところでつまづいてなんていられませんのよ!)」

沙都子「梨花!引かせてもらいますわ!」

梨花「沙都子が燃えているのです、にぱー☆」

球磨川『え、何あれ可愛い』

梨花「にぱー☆」

レナ「はぅぅ!かぁいいよぉ!おっ持ち帰りぃぃ〜〜!!」

魅音「ちょ、ストップ、ストーーーップ!!」

魅音「部活の途中だよ!レナ、お持ち帰りはまた今度!」

レナ「はぅ……ごめんね魅ぃちゃん」

梨花「僕はお持ち帰り決定ですか?」

球磨川『僕がお持ち帰ろう』

梨花「お断りしますです」

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:02:19.56 ID:NnMhWG7L0<>
魅音「じゃ、引くよ圭ちゃん」

「あぁ、引いてみろ」

魅音「それじゃあ……9を引かせてもらおうかな」

クソッ……

魅音「当たり前でしょー?アタシがここで9引かなかったら圭ちゃん9揃えて手札残り3枚なんだから」

「それはそうだが……それでも俺はJを揃えるんだぜ?」

魅音「いいや違うね、球磨川さん」

魅音「球磨川さん、J持ってないでしょ?」

球磨川『その根拠はなんだい?』

魅音「Jのカードは特徴的なカードの一つなんだ」

魅音「今、少し球磨川さんのカードを見渡してみたけどそれらしきカードは無い」

魅音「何より、Jのカード2枚は既に最初捨てたんだよ。アタシが」

魅音はそう言って中央に捨てられたカードの山を雑に払い分ける。

すると確かに、Jのカードが二枚見つかった。

魅音「ちなみにさ、球磨川さんの手札の傷を見ると持っているカードはA、2、5、8、K」

魅音「どう?」

レナ「魅ぃちゃん名推理だね!」

球磨川『……傷を見るのは、やっぱりアンフェアだと僕は思うんだ』

魅音「あるぇ〜?今更抗議するんですか球磨川先輩〜?」

球磨川『だって、そうじゃなきゃ君たちが勝つ。ただの出来レースだ』

魅音「球磨川先輩は最弱なんでしょ?なら、球磨川さんが負けでいいじゃん」

「おい、魅音……」

球磨川『ふぅ』


球磨川『これ程褒められるとやっぱり叩きのめしたいって気持ちが増すぜ』


球磨川『さぁ、圭ちゃん。君から見て一番左のカードを引いてもらおうか』


「……なんかコレ、ババ抜きの意味を為してなくないですか?」

シュッ

「……あれ?」

魅音「どうしたどうした〜?そんな呆然としちゃってさぁ」

「魅音、J揃ったぞ」

魅音「……あれ?」

俺の手元には確かにJが二枚ある。そして俺の手札は残り3枚。

<>
◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:02:50.85 ID:NnMhWG7L0<>
魅音「あれ?あるぇ!?おかしい、おかしいよソレ!」

球磨川『何でだい?魅音ちゃん、僕の手札を見てJの傷が付いたカードが無いって思ったんだろ?』

球磨川『なら、魅音ちゃんの目が悪いか、頭が悪いってことだよ』

魅音「……」

球磨川『さ、沙都子ちゃん。引かせてもらうぜ』

沙都子「……(わたくしも見ていましたが……確かにJの傷が付いたカードはございませんでしたわ)」

沙都子「(どういうことですの……?)」

球磨川『♪』

沙都子「なっ!?」

球磨川『えーとこれは……10が揃った!』

魅音「じゅ、じゅう!?」

球磨川『疑うのかい?ほら』

確かに……球磨川先輩が持っているカードは10二枚。

あれ?でも、魅音がさっき見たって言ってたカードと全然違うんじゃないのか……?

球磨川『君たち、僕の手札を見てるんだろう?』

球磨川『なら、何でこうもバラバラの手札なのか分かる?』

魅音「……」

魅音「……」

魅音「……え?」

魅音が気づいた。

なぜ、魅音たちが”見た”カードと球磨川さんの持っているカードが違うのか。

魅音たちは、カードを知る為に傷を見る。

その傷と、カードが違うということは――







球磨川『さぁ、ゲームを続けようぜ』





――カードの傷を付け直している。

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◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:03:47.66 ID:NnMhWG7L0<>

現実ではそんなことはあり得ない。

傷を付け直す為には、少なくとも一度傷を消さなくてはいけない。

傷を――”消す”


魅音「どういうトリックを使ってんのさ……球磨川先輩」

球磨川『ん〜?』

球磨川『知らなかった?僕、マジシャンなんだぜ』

球磨川『手品のトリックっていうのは、最後に分かるからこそ手品なんだ』

レナ「え、ちょっと待って。球磨川先輩、ということは球磨川先輩の手札って……」

レナ「どのカードか分からない、ってこと……?」

球磨川『ご名答』



球磨川『でも僕は沙都子ちゃんから圭一くんの手札と揃うカードがあればそれを引くし』



球磨川『無ければ 決して 魅音ちゃんの手札と被らないカードを引くし』



球磨川『圭ちゃんにはどれを引けばいいのかを合図で教える』



球磨川『傷を見ていた君たちよりかは、幾分マシなプレイだと思うぜ』



球磨川『そして圭一くんが上がったら、僕は魅音ちゃんを絶対に上がらせない』


球磨川『でもね』

球磨川『罰ゲーム執行の権利は僕にあるんだ』

球磨川『魅音ちゃんを最下位に陥れた後は、圭ちゃんに僕が言う罰ゲームを魅音ちゃんに命令させる』



球磨川『僕が下す命令は――裸エプロンで僕に傅け』


魅音「……ハハ」

魅音「……ハハハ」


球磨川『どうしたんだよ、まだゲームは終わってないぜ』


球磨川『これだけ皆を待たせといてこのレベルの部活シーンじゃ僕が安心院さんに怒られる』

球磨川『きっと魅音ちゃんは、僕の策略を打破する打開策を考えてるんだよね?』



魅音「そうだよ」

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◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:04:32.45 ID:NnMhWG7L0<>

魅音「アタシはね、今凄いワクワクしてるんだ」




魅音「こんなにも異質な人間と、張り合えてるってのが」




魅音「でもね」




魅音「アタシはこの部活の部長なんだ」


魅音「絶対に負けやしないね!!」




球磨川『……それでこそ魅音ちゃんだぜ』


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◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:05:08.90 ID:NnMhWG7L0<>
俺と球磨川先輩が、ゲーム開始前に立てた作戦はこうだ――



――僕が傷を消す


「……え?」

球磨川『僕、手品が得意だからさ』

球磨川『まず、このカードの傷を見て』

そう言って球磨川さんがババ抜き前に余ったもう一枚のJOKERの傷を(いつ盗んだのかは知らんが)見せる。

「これが一体、何なんです?」

球磨川『覚えた?』

「覚えましたよ」

そう言うと、球磨川先輩はカードを両手で覆うように隠し、3秒くらいして手を開いた。

「……うおおっ!」

球磨川『消えたでしょ?』

確かに、カードの傷は消えていた。


どんなトリックなんだ……?


球磨川『だから、これで傷を見てカードを選んでいる彼女達を混乱させる』

球磨川『けれど、僕は圭ちゃんにカードを教えることができる』

球磨川『そして圭ちゃんが一位になった時は、魅音ちゃんにこう命令するんだ』



裸エプロンで、球磨川先輩に傅け。


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◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:06:28.45 ID:NnMhWG7L0<>
そして、魅音の番がやってきた。

魅音はジーッと球磨川先輩の手札を見ている。

「おい、魅音――」

魅音「分かったよ、圭ちゃん」

シュッ


魅音「球磨川先輩のカードは目を凝らせばよく分かる」

魅音「分かった、分かったよ!球磨川先輩に勝つ方法!」

球磨川『ふーん』

何でそんな興味が無さそうなんだ!?

魅音「球磨川さんさぁ、カードの傷は消せても汚れとかよれよれになった部分とかは……消せないもんねぇ?」

魅音「傷を消す、っていうマジックには驚いて思いつかなかったけど、よくよく考えてみるとそういうことだよね?球磨川先輩?」

球磨川『うん、そうかもね』

何でそんなに無関心なんだ!?


「ちょ、ちょっと。ヤバくないですか?この雰囲気」

球磨川『何で?』

「いや、だって流石の球磨川さんでもカードの汚れとか折れた部分とかは……」

球磨川『……あー、そういうこと?』

球磨川『圭ちゃんはそういう余計なことを考えずに自分の勝ちを待っていればいいさ』

「……うーん」

球磨川先輩はやっぱり、よく分からない。


本心では俺たちをどう思っているのか――。



梨花「僕たち、なんだかお邪魔虫のような気がしますです」

レナ「レナもそう感じてるよ……」

沙都子「あたくし、何だか球磨川先輩にカードを引かせるの嫌ですわ……」

球磨川『えー?』

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◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:07:12.11 ID:NnMhWG7L0<>
そして、魅音が引いた手札は勿論だが俺が本来揃えるはずだったカードなわけで……。

奇跡的にもう一枚だけ球磨川さんのと揃っているカードがあるか……?

なんて望みもあったがそれも空しく俺の引かされたカードは揃わなかった。

……

……ん?


魅音「ほら、圭ちゃん。ボーッとしてないで早く引かせてよ」

「ん?あ、あぁ……悪い」

魅音「さてさて……球磨川先輩の手札は……」

魅音「これだっ!」

シュッ

魅音「どうっ!?」

球磨川『うん、多分そうだろうね』

魅音「よっしゃー!」

……なんか、魅音一人で盛り上がってないか?

なんか、魅音は”ゲームに勝つんじゃなくて球磨川先輩に勝ちたい”みたいだな……


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◆MGc5QZywA2<>saga<>2012/12/16(日) 21:08:10.95 ID:NnMhWG7L0<>
そして一周。

魅音「どう!?」

球磨川『うわ、また引かれた』

魅音「へっへ〜(ニヤ」

球磨川『でもさぁ、もう一枚あるんだよね』

魅音「えー!」

球磨川『はい、これ引いて』

「あ、はい……」

シュッ

おかしい……。

何かがおかしい……。


何で皆、この流れの速さに気づいていないんだ……?


俺の手札は 残り二枚。


そしてもう一周。


球磨川『残念、これも圭ちゃんとお揃いなんだよね』

魅音「うわーっ!やられた!」

球磨川『はい、圭ちゃん。これ引いて』

「……」

シュッ

揃った。

俺の手札は 

残り一枚。




おかしい。


この流れは……おかしい。 <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/16(日) 21:12:39.16 ID:NnMhWG7L0<> 投下終了。待たせた上に少なくてごめん。

>>65で書いたように書き溜めが消えて何か空しくなって
書くのサボってましたごめんなさい


で、ある程度記憶を頼りに書き直したんだけど矛盾点とかある上にクオリティ低いorz


おかしい所とか矛盾とかあったら指摘よろ。


これが終わったら二度と頭脳戦心理戦みたいなのは書かない。書けない。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 01:33:51.58 ID:xo6GeePx0<> 乙ー
さすが球磨川さん、台無しにしたり引っ掻き回したりすることに全力をかけている <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 13:02:38.44 ID:MsQZyZ0+o<> 乙〜
ゆっくりでいいから気を取り直して頑張ってくれ <>
◆MGc5QZywA2<>sage<>2012/12/26(水) 07:34:35.69 ID:b7bppsjX0<> 違う、何かが違う。

俺が勝っていることに変わりは無いんだ。けれど


”なぜ魅音は、負けているのにあんなにヘラヘラとできるんだ?”


いや、それだけじゃない。


”レナも沙都子も梨花ちゃんも皆が楽しそうにゲームをしている”


「く……球磨川先輩?」

俺が球磨川先輩の方を向いた瞬間。

――球磨川先輩の顔は、再びあの負と虚で出来た様な顔へと変貌した。


球磨川『皆の』ボソッ

球磨川『今回のゲームに対する闘争心』

「……え?」

球磨川『1位への執着心』

球磨川『を』



球磨川『”なかったことにした!”』



球磨川『彼女たちに残ったのは、旅行先でするトランプの様な生ぬるい気持ちと』

球磨川『最下位にはなりたくないという軽い気持ち』

球磨川『つまり、今彼女たちの眼中にあるのは君じゃないんだぜ圭ちゃん』

球磨川『”彼女たちは既に一位を諦めているんだ”』

球磨川『さぁ、引かせてもらうぜ圭ちゃん』


何だ……何を言っている?

なかったことにした?どういう意味だ?

球磨川『ほっ』

シュッ


俺は目を疑った。

その球磨川先輩の引いたカードの目立ったカードの汚れが

一瞬で消えた―― <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/28(金) 20:19:42.76 ID:sdd6xvWvo<> このクロスには期待しているぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/28(金) 23:18:49.90 ID:jei41weTo<> 期待 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/01/22(火) 23:46:08.12 ID:s897Kycg0<> まだか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/05(火) 21:01:41.32 ID:ssM0Haj4o<> 続きはいつかな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/11(月) 23:15:26.54 ID:saxSw9gL0<> もう誰でもいいから書けよ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2013/02/22(金) 02:58:07.16 ID:F7h7Jf4k0<> 面白かった <>