◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 18:12:13.37 ID:MxFKlWEAO<>


◆H0UG3c6kjA改め◆2/3UkhVg4u1Dです。


前スレ

フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」 + フィアンマ「安価で、」上条「幸せなら何でもいいです」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353577810/



・(元)右方のフィアンマさんがもう一回世界を救う為に努力しつつ上条さんといちゃつくお話


・時間軸不明、新約以降(色々と)捏造

・基本はほのぼの進行

・キャラ崩壊注意

・>>1は(安価スレの割に)遅筆




※注意※
当スレのフィアンマさんは女性です。
安価次第で著しく展開が変わります。
エログロ展開の可能性があります。
小ネタを挟む可能性があります。




感想・雑談・考察・予想はお気軽にどうぞ。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355303533
<>フィアンマ「…安価け焼きそば」上条「どう見ても焦げの塊だろ!」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:13:48.26 ID:oXh56m7SO<> スレたて乙。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/12(水) 18:13:52.17 ID:MxFKlWEAO<>
・連続安価取得、連投は良識の範囲内でご自由にどうぞ <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:16:19.72 ID:8ZcL25+40<>
○(元)右方のフィアンマ(本名:Ofelia=Cannavacciuolo《オフィーリア=カンナヴァッチュオロ》)

一人称は『俺様』。

『神の右席』から除籍されたローマ正教所属の魔術師兼修道女。
(元)『右方のフィアンマ』として扱える術式は『神の如き者』に関連した『聖なる右』など。
その身に『世界を救える程の力』を宿している。
その特殊な才能や思考法を元に、『神の右席』に所属出来る身体であるにも関わらず、例外的に通常魔術と特殊術式を併用出来る、所謂天才。
自らの職業(=右方のフィアンマ)を示していた赤い衣装を、現在は単なる衣服として使用している。


"白馬の王子様"を割と本気で信じてしまっている系女子。
夢は『上条当麻のお嫁さん』。
世界平和と人類皆平等について極限まで突き詰めて考えた結果、世界が歪んでいることに気がついた。
世界の歪みは自らの手で正さなければならない、という常軌を逸した考え(義務感)に囚われ、一時正気を喪った。
優秀な魔術師だが、人を傷つける・殺害するのは苦手。同情的で涙もろい気質。
しかし、身を守る為等、どうしても必要とあらば容赦はしない。

料理上手。ただし、和食は上手く作れない。
肝心なところで詰めが甘かったり微妙に失敗したりするドジっ娘。天然気味。
頭は悪くないのだが、日常生活において、やや常識が欠けている。所謂世間知らず。
『虚空年代記』と呼ばれる、禁書目録にすら保管されていない特殊な『原典』を所有・保有している。
現在はその『原典』による精神汚染が減退している為、概ね自分の思うように人生を生きている。
世界を救わなければならないという義務感はだいぶ減った。
また、その『原典』の影響の為、他人の名前や能力を把握出来る場合が多い。

16歳(高校一年生)、とある高校に通学中。
身長(172cm)に栄養分諸々を取られた為か、胸が無い(=AAサイズ。本人は時折気にしている)。
赤い髪を順調に伸ばしている。現在は肩を少し越す程度。
色白で細く、美人系寄りの可愛らしい顔立ちをしている。

また、前作で『神浄』を二つに分けた内の『慈愛に満ちた脆弱性』たる『神上』であることが判明。

天使(属性含)に友情・被救助・改心、人外(属性含)に恋愛・好意フラグを立てる傾向がある。



本作のメイン主人公。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:16:31.74 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:17:22.99 ID:8ZcL25+40<>
○上条当麻

一人称は『俺』。

ありとあらゆる異能の力を破壊・消滅させる『幻想殺し』の右手を持つ学園都市に住む男子高校生。
過去の記憶から人間不信気味。世界への憎悪を我慢している。
神聖にして異能を消し去るその右手の副作用のせいかどうかは不明だが、とことん不運。
右手が異能の力を消すことと幸運が消えることとを関連付けて解釈しているので、自分の右手を億劫に思っていた。
現在は人を救える優しい右手として、自分に誇りを持つよう心がけている。
一般的な男子高校生らしい感性をしている少年。
正義感はそれなりに強いが、基本的に厄介・面倒事を嫌う。
ただし、お人好しな面があるので、一度気を許す(=自分のテリトリーに入れる)とどこまでも優しくする。
そのせいで何度か裏切られたことがあるので、現在はどんな人間に対しても半信半疑。


可愛い女の子と運命の出会いを果たしたい系男子。
夢は『オフィーリアと暖かい家庭を築いて楽しい食卓を囲むこと』。
女性にモテる傾向にあり、しかしそのことに気がつけない為、親友からは『選り好みするな』と揶揄混じりな注意を受けている。
が、彼は未だに(自分がモテているとは)信じていない。
髪をツンツンに立たせているのは、少しでも女の子にモテたいと考えている為。
尚、年下は恋愛的に対象範囲外。
肝心なところで鈍感なので、自分の恋愛事には疎い。

人が傷つく姿はなるべく見たくない性格。
敵味方の区別にいつも難儀する。
自らを『偽善使い(フォックスワード)』などと自嘲する。
完全なお人好しではなく、完全な人嫌いでもない、そこに関してはとても人間らしい少年。
自分のせいで周囲が不幸になっている、と軽く思い込んでいる節がある

また、前作で『神浄』を二つに分けた内の『正義感に塗れた暴力性』たる、本質的な『神浄』であることが判明。

所謂早年生まれで、15歳(高校一年生)。
親友と差のある身長(現在170cm)の低さを時折気にしている。
黒い短髪をワックスでツンツンに立たせている。
適度に日焼けをした、健康的な容姿。



本作のメインヒロイン。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:17:30.83 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:18:05.80 ID:8ZcL25+40<>
○一方通行

一人称は『俺』。

暗部組織『グループ』の構成員。
現在は『グループ』含む旧暗部が活動停止した為、暇を持て余している。
学園都市『超能力者』第一位の能力である『一方通行』を所有し、操る。
また、本名は本人曰く"忘れた"。よって、能力名を名前として使用している。
打ち止めを助けた時、天井亜雄によって撃たれた後遺症から、妹達に演算代理を頼んでいる。
その為、バッテリーが切れると言語が理解出来ず、歩けない。
普段は杖をついて歩く。
バッテリー総量は能力使用モードで最大三十分。
普段着ている服のセンスは、かつての親代わりである木原数多譲り。

性悪説を信じている系?子。
人生最大の汚点を知られたシスターの少女に諭され、一生懸命生きることを決めた。
打ち止めや黄泉川愛穂、芳川桔梗といった光の中で生きるべき善人を眩しく思う。
これ以上汚れた手で打ち止めに触れたくない、あのシスターに懺悔して甘えてしまうから、という理由から、絶対に人を殺さない。
それは日常であっても仕事であっても同義。
不殺主義を貫いている。

料理は人並み。お菓子作りの才能がある。
策士な所もあるが、大概は大人ぶっているだけで少年らしい感性。
猫好き。

17歳。
顔立ちの整った、細い身体。
白髪に赤瞳と人目を惹く見目をしている。


彼?居ない歴=年齢。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:18:16.29 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:19:28.40 ID:8ZcL25+40<>
○垣根帝督

一人称は『俺』。

暗部組織『スクール』のリーダーを務めていた少年。
現在は『スクール』含む旧暗部が活動停止した為、暇を持て余している。
学園都市『超能力者』第二位の能力である『未元物質』を所有し、操る。
想像力が逞しく、基本的には平和主義。仕事以外で人死にを出すのは好かない。
ホスト予備生とも、チンピラとも見える服は仕事用。普段はシンプルなシャツ・ズボンを好む。
本当の入信まではしていないが、密かに十字教を信仰している。

性善説を信じている系男子。
"とある出来事"から、学園都市の全てを掌握したいと考えるようになった。
老若男女問わず、人の幸せそうな笑顔を好む。
あくまでそれは彼の性格であり、仕事時に殺すかどうかは別問題。

料理下手。ただし、お味噌汁だけやたらと上手い。
策士にして、常識人。
無類の犬好き。

17歳。
顔立ちの整った、所謂モデル体型。


彼女居ない歴=年齢。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:19:30.04 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:20:02.53 ID:8ZcL25+40<>
○麦野沈利

一人称は『私』。

『アイテム』のリーダーを勤める少女。
旧暗部の活動は停止したが、自らの意思で『アイテム』を存続させている。
学園都市第四位のレベル5であり、有する能力は『原子崩し(メルトダウナー)』。

気に入らないという理由で相手を殺したり、仲間の死をなんとも思わない、とても残忍な性格。
また、ミスを許せない人間でもある。
ミスをしてしまった場合はそれ以外の事で帳消しにしようと別の目的を見出そうとし、それにこだわることで結果的に本来の目的にさえ意識を向けなくなる。
だが、この傾向はオフィーリアの慈愛に触れ、ほぼ消えた。
『アイテム』メンバーの命を脅かされ、木原病理に脅されるまま動く程、仲間を大切に思っている。
我侭で自己中心的。
その一方で、自分が周囲からどう見られているのか気にする一面もある。

プライドの高い女王様系女子。
格下の泣き顔に悦を感じる。
壊すことしか出来ない能力だと自負しており、仲間と親密になろうとはしない。

料理上手。特にオムライスが得意。
非常に短気だが、これといったものは譲らない。
また、親密になった相手の為に怒る事も、泣く事も出来る、本来は情に厚い人格。
猫が好きな寂しがり屋。
普段はそうでもないが、戦闘等でテンションが上がると非常に下品かつ汚くなる。

18歳。
美人だが、気のキツさが表れている。


彼氏居ない歴=年齢。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:20:03.59 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:20:27.72 ID:8ZcL25+40<>
○木原数多

一人称は『俺』。
学園都市の研究者の一部では有名な、『木原一族』の科学者。
かつて一方通行を直接開発、研究していた。
しかし、"とある出来事"以降、一方通行とは離れ離れに。
最後にくだらない理由で大喧嘩してから和解出来ずに離れたことを気に病んでいた。
顔に刺青をしている。
暗部組織『猟犬部隊』、その中でも上の地位にいた為、アレイスターから直接指令を受けていた。
現在は一方通行の活躍によって暗部抜け、まったくもってフリー。
人道的な方面から一方通行を再開発しても良いかもしれないな、とうっすら考えている。

一方通行(=XXXXX)を遠まわしにでも守る為に暗部へ身を堕した経歴を持つ。
だが、『絶対能力進化(レベル6シフト)』計画に一方通行が参加したと聞き、やや幻滅。
正確にはそこまで見境の無くなった彼に絶望し、以降、殺して楽にしてやろうと考えていた。

無能化した一方通行に敗退したのは、木原の理論が『自身が開発したデータ』や『性格・行動原理』などを元に組まれた、『対最強の能力者』専用のものだったことに起因する。

目一杯科学と才能に愛されている男性。
口は悪く暴力的なものの、元は穏和なインテリ。
"とある出来事"について調べており、その詳細を知った瞬間から木原病理を憎んでいる。

家事が壊滅的に出来ない。
常識はあるものの、それを上回る非常識な振る舞いをする時がある。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:20:28.87 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:20:56.66 ID:8ZcL25+40<>
○木原病理

一人称は『私』『病理ちゃん』。
学園都市の暗部に君臨する『木原一族』の一人。
普段はパジャマを着て車椅子に乗っている女性。
絶望に満ちた瞳をしており、その悪意は優しげな口調でさえ滲む。
かつて垣根帝督(=『未元物質』)を直接開発、研究していた。
その為、『未元物質への戦闘』に対しては絶大なる強さを誇る。

敵対勢力の様々な試みに干渉して挫折させ、秩序を守ることを得意分野とする『諦め』のプロフェッショナル。
彼女自身も『他人を諦めさせるというスタイル』以外の様々なものを諦めてきた。
幼少期から脚が動かず、また女性であった為、研究において様々な差別を受けた。
元は繊細な女性であった為に差別に対して深く傷つき、やがて人格すら歪んでいった。
自分らしく生きることさえやや諦めている節があり、全てに諦念と絶望を抱いている。

垣根帝督の実の母親。垣根弟というクローンを生み出し、『使用』していた。
しかし彼を産んだのは研究する為であり、心底から愛しているかどうかは不明。
"とある出来事"を起こした本人であり、一方通行や木原数多、垣根帝督が絶望に堕ちた姿を優雅に愉しんでいた。

車椅子生活だが、家事が得意。
常識が少し抜けている部分があり、どこか天然な雰囲気を醸し出している。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:20:57.67 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:21:14.70 ID:8ZcL25+40<>
○垣根弟

一人称は『カキネ』。

学園都市第二位、垣根帝督の体細胞クローン。
帝督の事は『兄貴』か、『垣根帝督』と呼んでいる。
学園都市『超能力者』第二位の能力である『未元物質』を精製するだけの能力(=『物質精製(マテリアライズ)』)。
想像力に乏しく、食欲が旺盛。
患者服のようなものを着せられて培養基に入っていたが、服のセンスは垣根帝督と同様。

「〜〜と、カキネは述べた」等、過去形で完結するやや説明口調の話し方をする。

キャベツと油揚げの味噌汁を何より好む。
垣根帝督<オリジナル>については好きでも嫌いでもない。
子供の割に策士。しかし、何かと諦めが早い。
無類の犬好き。

見た目は9歳。
実年齢は不明だが、垣根本人より年下であることは確か。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:21:16.03 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:21:54.17 ID:8ZcL25+40<>
○オーディン(=オッレルス)

一人称は『私』『俺』。

『グレムリン』の主要構成員を務める魔術師。
隻眼で黒い毛皮のコートの中に灰色の装束を着ており、物々しい眼帯を左目に着け、鍔広の帽子を被っている金髪の青年。
『主神の槍(グングニル)』へ至る道を模索している。
純粋な魔神と化しており、完璧な存在であるが、完璧であるが故の弱点も抱えている。
即ち、文字通り『無限の可能性』を持つが故に、あらゆる物事に対して、成功する可能性と失敗する可能性の両方を抱えている。
確率が完璧に五分五分であるがゆえに予想がつかず、非常に厄介なことになっている。
厄介な『可能性』を制御するために、暗躍を始めている。
主神の力を思うがままに振るう。本来は優しい性格なようで、所謂DV気質。

虚ろな瞳をしており、オフィーリアの持つ『絶対の成功率(=幸運)』に興味を示す。
拷問・虐待をすることに躊躇は無く、人を傷つける事をやや好む傾向がある。

世界中の幸運と不運を逆転させる等(世界単位で滅茶苦茶にする)ことを愉しそうだと感じる人物。
完全に危険人物かというとそうでもなく、オフィーリアの言葉には耳を傾ける傾向がある。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:21:55.18 ID:MxFKlWEAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介<>saga<>2012/12/12(水) 18:22:17.23 ID:8ZcL25+40<>
○ウッルル(=オティヌス)

一人称は『私』。

オーディンの暗躍を食い止めるべく動いている魔術師。
青いセーターに牛柄っぽい柄のミニスカートを履いており、右目を髪で隠しているほっそりとした少女。
魔神になるはず、の不純物止まり。魔神のなり損ない。
不完全な存在であるが、代わりに完璧であるが故の弱点を持っていない。
だが、それでも尚オーディンに勝利することは出来ないと自覚している。
数多くの魔道書の『原典』の知識を実用化し、魔神としての力を振るう為に『北欧王座』を利用している。

意思の強い瞳をしており、上条当麻の持つ『絶対の失敗率(=不運)』に興味を持っている。
オーディンに協力的な者は皆死すべし、とまでの過激的な考えを持つ。

世界はありのまま滅ぶことが一番美しいと考えている。退廃的で自虐的。
危険人物かというとそうでもなく、上条当麻の言葉には耳を傾ける傾向がある。
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/12(水) 18:22:57.09 ID:MxFKlWEAO<> 登場人物多過ぎだろ……本編書いてきます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:27:02.00 ID:oXh56m7SO<> キャラ紹介乙。


>上条当麻

云々かんぬん…
…………
………
メインヒロイン


?! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 18:34:07.01 ID:8ZcL25+40<> 《>>24様 表記間違いではありません(念のため)》


浜面「ソフト…は、結構あるみてえだが…ヴェスペリアーやるか」

垣根弟「ヴェスペリアーとはどのようなゲームだ、とカキネは追及した」

浜面「シリーズモノみてえだな。内容はー…RPG。テーマが『"正義"を貫き通すRPG』らしい」

垣根弟「ロールプレイングゲーム、とカキネは認識した」

こくりと頷き、浜面が掃除を終えるのを待って、綺麗になったコントローラーを握る。
世界観などは壮大で、見ているだけでそれとなく引き込まれていく。
無感動気味な性格ながらも興味は惹かれたらしく、垣根弟はコントローラーをいじる。
このゲームは基本一人用だが、戦闘時には四人まで協力可能となっている。
元々『未元物質』を生み出す能力を持つ垣根弟の演算力はすこぶる良く、それはテレビゲーム相手にも適応した。

垣根弟「ゲームは得意なのか、とカキネは質問した」

浜面「>>27」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:37:20.49 ID:oXh56m7SO<> …まぁ、それなりにはできる方なはずなんだが…お前のコントローラー捌き見てると自信が木っ端微塵になったな…うん。

…まだ、あいつら帰ってこない、よな……?なぁ垣根弟、このゲームキリがいいとこまで行ったら、ちょーっと暴れるゲームヤらないか?つグラセフ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 18:37:44.14 ID:PUlvj0/h0<> >>26

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 19:20:30.53 ID:7ymGaUuN0<>
浜面「…まぁ、それなりには出来る方なはず、なんだが…お前のコントローラー捌き見てると自信が木っ端微塵になったな…うん」

垣根弟「浜面仕上の自信を打ち砕く事に成功した、とカキネはドヤ顔を実行した」

浜面「ドヤ顔なんてどこで覚えやがった、おい。…まだ、あいつら帰ってこない、よな……? なぁ、垣根弟、このゲームキリがいいとこまで行ったら、ちょーっと暴れるゲームヤらないか?」

垣根弟「暴れるの定義が不明だが、賛同しておく、とカキネは頷いた」

浜面が差し出したのは、GTAと呼ばれるゲーム。
『グランド・セフト・オート』(Grand Theft Auto、略称:GTA、グラセフ)は、アメリカのゲーム制作会社・Rockstar Gamesが発売したコンピューターゲームのシリーズ。
車を盗んで街中を走り回るなど、犯罪・殺人を中心にした自由度の高さが特徴。2012年11月時点で、全世界でシリーズ累計は1億2500万本の売り上げを記録している大ヒット作品である。
テーマは"『殺られる前に殺れ!』 これがこのゲームで生き残る手段だ!"。

ゲームタイトルは直訳すれば『車両窃盗』といった意味であるが、シリーズでは車に限らず陸海空の様々な『乗り物』がミッションにフィーチャリングされている。
非常に自由度が高いがその内容が生き残るためなら誰彼構わず巻き添えにする事も可能であり、暴力的過ぎるという批判も強い。
その為『暴力・出血表現が含まれている』などの注意喚起シールがほとんどのシリーズのパッケージに貼ってあるのだ。
現在浜面が手にしているそれも例外無く貼ってある。
18歳以上が対象で、本来垣根は購入出来ない筈だが、そこは暗部の住人といったところか。

ヴェスペリアーを終え、垣根弟は大人しくゲームを始めた。
所謂有害ゲームなのだが、暴力的描写には慣れているのか、無感動なだけか。
無表情で淡々と進めていく様は、正直、浜面よりも上手い。

垣根弟「戦闘演習に近い、とカキネは…」

感じた。
言い切る前に、ドアが開く。
そこに居たのは、まだやや眠そうな垣根帝督と、麦野沈利である。
麦野はテレビ画面を見、浜面を見た。

浜面「あ…いや、あれ、あれですよ、その、」

麦野「>>30」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 19:29:07.48 ID:oXh56m7SO<> はーまづらーァ?

…ハァ。あんたねぇ、もう少し教育ってもんを考えなさいよ

いい?この子はあんたみたいなできの悪い子じゃないし、見た目9才でも『零歳児』、なの。

『白』にも『黒』にも染まるのよ?

こーいう事をするのが正しい、なんて認識をするようになったら、…『私達』みたいになったら、あんた責任とれんの?

というわけで……




お仕置き決定だクッソヤロォォオオオ!!!!!!


しかも私のヴェスペリアとグラセフのデータ上書きしてンじゃねェェよクソッタレェェ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 19:31:01.69 ID:ULATAy5c0<> >>29

(垣根とハモる、それを見てニヤニヤしてるアイテムメンバー)
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 19:34:58.63 ID:oXh56m7SO<> あ、やべ、よく考えたら木原病理に実験されてた数年前の期間と、キャラ紹介の「実年齢は不明」とか考えると零歳児あり得ねーじゃん…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 19:38:20.06 ID:ULATAy5c0<> >>31
>>1がなんとかするさ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 19:50:15.08 ID:7ymGaUuN0<>
麦野「はーまづらーァ?」

浜面「はいっ!」

反射的に、ピン、と背筋を正す浜面。
垣根弟はいうと、テレビ画面内でどうやってヘリを強奪するかに頭を働かせている。

麦野「…ハァ。あんたねぇ、もう少し教育ってもんを考えなさいよ」

浜面「…ごもっともで」

ちょっとした出来心で、などと、浜面は言い訳しない。
尚、垣根弟は良い方法が浮かんだらしく、どの武器を使うか、視線を画面内へ走らせた。

麦野「いい? この子はあんたみたいなできの悪い子じゃないし、見た目9才でも『零歳児』、なの。『白』にも『黒』にも染まるのよ? こーいう事をするのが正しい、なんて認識をするようになったら、…『私達』みたいになったら、あんた責任とれんの?」

垣根弟「実験年数等を考慮して正確には零歳児とは言い切れない、とカキネは補足した…、…オーケー、ムカついた」

浜面「…軽率だった」

垣根弟は無事ヘリを強奪し、主人公の動きを眺める。今さっきの発言は、移動の邪魔をしたNPCに対する文句らしい。
NPCを殺害すること無く、人ごみの中で如何に人を避けて歩くか、楽しんでいるらしい。

麦野「と、いうわけで……」

垣根はうとうととしていたが、状況を認識する。
眠気を覚ますべくぐしりと目元をこすり、状況を正しく把握した。

未元崩し「「お仕置き決定だクッソヤロォォオオオ!!!!!! しかも私(俺)のヴェスペリアとグラセフのデータ上書きしてンじゃねェェよクソッタレェェ!!!」」

見事にハモった。
フレンダや絹旗は浜面を憐れむでもなく、そんな二人の重なった声音にやっぱりお似合いだとにやついていた。
絶体絶命。
麦野だけでなく垣根をも怒らせた浜面の罪は重い。
ここで壁の染みにされてしまっても仕方が無いのだが、そう簡単に生きる事を放棄出来る筈もなく。
すいませんごめんなさいと謝罪しながら壁の方へ追い詰められていく浜面。
もはやこれまでか、と情けなく顔を下に向ける彼の前に、一人の人影。
垣根弟は無表情で両腕を広げ、彼を庇うように浜面の前に立っていた。ゲームを一旦やめたようだ。

浜面「>>35」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 19:52:15.27 ID:P+7E9VBo0<> ここここここいつがどうなってもいいのか!!(やめろ!お前まで巻き添えに!)

あっ…… <> アセロラ<>sage<>2012/12/12(水) 19:58:30.06 ID:qkRhGEEo0<> >>34 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 20:05:59.61 ID:7ymGaUuN0<>
浜面「ここここここいつがどうなってもいいのか!!(やめろ! お前まで巻き添えに!)」

絹旗「うわ」

フレンダ「うわー」

麦野「…オイ」

垣根「…あ?」

浜面「あっ」

絹旗「…何というか、流石浜面、超浜面です」

フレンダ「…今のはあまりにも酷いって訳よ」

本音と建前が逆となってしまった浜面の姿は、とてつもなく格好悪い。
この場に居る全員を敵に回した、と浜面仕上は思う。
流石に無感動な垣根弟といえど、今の発言には幻滅したことだろう。
今度こそ壁の染みになるのだ、と、それでも最後の悪あがきで、浜面は腕て己を庇う。
だが、垣根弟は浜面の前から退く事は無かった。両腕を広げたまま、淡々と言う。

垣根弟「攻撃の許可は出来ない、とカキネは庇護した」

垣根「あん? 理由は?」

垣根弟「将来この個体が浜面仕上を娶る時にキズモノでは問題がある、とカキネは説明した」

娶る。
…お嫁さんに、する。

麦野「>>38」

垣根「>>40」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:09:50.76 ID:P+7E9VBo0<> はぁぁまづらぁぁぁ!!私の息子に何しやがったぁぁぁぁぁ!!!

………あっ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:10:19.35 ID:znIAePMEo<> うえ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:11:11.70 ID:P+7E9VBo0<> はぁぁまづらぁぁぁ!!俺と沈利との息子に何しやがったぁぁぁぁぁ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:20:47.45 ID:P+7E9VBo0<> うえ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 20:26:27.34 ID:7ymGaUuN0<>
麦野「はぁぁまづらぁぁぁ!! 私の息子に何しやがったぁぁぁぁぁ!!!」

絹旗「…超、息子?」

にや、とする絹旗。

麦野「………あっ」

今更ながら気づいたように後悔する麦野だったが、垣根も同じように怒っている。

垣根「はぁぁまづらぁぁぁ!! 俺と沈利との息子に何しやがったぁぁぁぁぁ!!!」

バサァ、と展開される翼。
メルヘン、だとか、そんな揶揄を出来る気迫ではない。
対して、身に覚えの無い浜面はもう訳もわからないままに首をぶんぶんぶんと横に振る。

浜面「何もしてねーよ! どうしてこうなったのか俺にもさっぱりだっつの!」

垣根弟「先程無言で決めた、とカキネは発言した。ついでに言うと、何かされた訳ではない、とカキネは麦野沈利と兄貴の発言に困惑した」

麦野(む、息子じゃないわよ、産んでねえし…)

困惑、という割に表情は変わっていない。
麦野は何故息子と言ってしまったのかと悔やみ。
垣根はというと、少し考えた後、問いかける。

垣根「…そもそも、お前、何でこんなのと結婚したいとか思っちゃった訳?」

こんなの、呼ばわりは酷いが、先程の浜面の発言がひどかった為、相殺してノーカウントである。
理由はある、と頷いた上で、垣根弟は自分のオリジナルを見上げた。

垣根弟「>>43」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:28:29.41 ID:oXh56m7SO<> >>1が一応はNCスレの時に性別のボーダーを越えるのは珍しいなksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:29:44.01 ID:qOBFPU4Y0<> 初体験(ゲーム)を捧げた <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 20:40:11.96 ID:7ymGaUuN0<> 《>>36 ×あっ ○あっ……   脱字失礼しました  >>42様 常識が通用しない物質を延々と生み出す生活してたら常識が通用しない発想になるかなと》


垣根弟「初体験(ゲーム)を捧げた、とカキネは回答した」

垣根「……」

麦野「……はーまづらぁ…」

言葉が足りないのは、やはり子供故だろうか。
フレンダは何となく意味を察したものの、敢えてフォローはしない。
浜面仕上は、だらだらと冷や汗が体中から噴き出すのを感じていた。

麦野「…はーあ、まづらーぁ…」

浜面「…………」

垣根「お前の気持ちはよくわかった、とりあえずこっち来い」

言われるがまま、垣根弟は一度浜面を振り返って見た後、垣根にくっつく。
垣根はひょいと垣根弟を抱き上げ、無慈悲に宣告する。

垣根「死刑確定だ、クズ野郎」

麦野「全身穴だらけにしてやるから安心しろよ、はーまづらぁ」

浜面「ひ……うわああああああああああああああああああああーーーーーーーっ!」






上条当麻は、雪の中を逃げていた。何から逃げているのか、もはやわからなくなりながら。
イギリス清教の魔術師が居たら保護してもらおうと思ったものの、見当たらない。
歩いている内に体力は尽き果て、やがて、彼はばたりと倒れた。
雪はどこまでも冷たく、抱きしめるように、上条の体温を奪っていったのだった。

上条(ちく、しょう…)

不幸だ。
口の中でそう呟いて、目を閉じる。
不意に、細い少女の腕が自分を持ち上げたことに気がついた。
しかし、抵抗も質問も出来ないまま、上条の意識は、絶たれる。


上条は、暖かな部屋で目を覚ました。
目の前には、白くて細い脚。
見上げた先には、一人の少女が居た。
青いセーターに、牛柄っぽい柄のミニスカート。
右目は髪で隠されているが、細身の美人だろう。
そんな彼女は上条が目を覚ました事に気がついたのか、目を開ける。

オティヌス「…まだ死んではいなかったか。間に合ったようで何より、『幻想殺し』」

上条「>>46」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:43:21.66 ID:oXh56m7SO<> 失礼ですが、貴女はどちら様ですか?非常にお美しいですね結婚してください <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:44:11.60 ID:qOBFPU4Y0<> 死んでるようなもんだ…
ってゆうか君は誰? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 20:52:21.53 ID:7ymGaUuN0<>
上条「死んでるようなもんだ…っていうか、君は誰?」

オティヌス「…ウッルル。魔神のなり損ないだ」

上条「…何で俺を?」

魔神。
聞き違えでなければ、彼女はそう言った。
オフィーリアから魔術について聞かされた上条は、その単語の意味を知っている。
正確に説明出来るかと言われれば難しいが、要点は押さえている。
つまり、強大な力を持つ魔術師。それも、『神の右席』ですら比較にならない程の化け物級の力。
眼前の細い少女がそれ程までの力を持っているとは思えなかったが、オフィーリアを見ればわかるように、魔術とは見目に反応されるものではない。
ひとまずそう聞き返した上条は、警戒していた。
何か、とんでもないことに巻き込まれるのではないか、と。
対して、ウッルルはじっと上条を見つめる。

オティヌス「何、手伝って欲しい事がある、というだけだ。…どちらにせよ、お前は捜索にかけられている。学園都市側に連れ去られれば、最悪の措置を受ける事になるだろう。私に協力して時間を潰した方が効率的だ」

その発言が本当かどうかは不明なものの。
上条は無断で学園都市を抜け出してしまったのだ、何らかのペナルティは免れないだろう。
オフィーリアが居ないのなら、無理矢理に帰る必要も無い。

上条「手伝って欲しい、事…?」

オティヌス「お前の好いている、…元、右方のフィアンマの所在を握っている人物の目的達成を阻止したい」

上条「>>49」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:54:26.65 ID:oXh56m7SO<> ……詳しく話せ。知ってる事全部ッッ!←胸ぐら掴む
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 20:56:22.45 ID:qOBFPU4Y0<> ……詳しく話せ。知ってる事全部ッッ! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 21:06:09.93 ID:7ymGaUuN0<>
上条「……詳しく話せ。知ってる事全部ッッ!」

オティヌス「そう急かさずとも、話すさ。そのつもりで、お前を拾ってきたのだから」

彼女は、猛る上条の態度に下がる事無く、淡々としていた。

オティヌス「まずは前置きをしておく。私は、元、右方のフィアンマの所在を握る人物の所在は知らない」

上条「…、」

オティヌス「…私と違い、完全な魔神になった魔術師がいる。私がお前に目を付けたように、あちらは右方のフィアンマに目をつけたことだろう。現在、何をされているかは読めない。が、アイツの性格からして、ロクな目には遭っていないだろう」

上条「ん、だと」

起き上がろうとするが、体の芯から疲れきっている上条はうまく動けない。
ぼふりとベッドにより深く沈む彼の顔を見下ろし、ウッルルは冷静に言う。

オティヌス「最後まで聞け。……ヤツは現在、この世界を自分の好き勝手に歪ませるべく、動いている。私は、それを阻止する為に動いている」

彼女は、魔神の持つ『無限の可能性』について語った。
50%を100%にしたいなら、絶対の成功をもたらす彼女の存在は、その場しのぎの幸運として、確かに多少なりとも有用だろう。

上条「…俺は、どうすればいい」






目を覚ました彼女が最初に見たのは、拘束されている自分の姿だった。
上条に言うべきことは、言えるだけ言った、伝えた。
彼女はぼんやりとした表情で、眼前の青年を見上げる。
隻眼。黒い毛皮のコートの中に、灰色の装束。
物々しい眼帯は左目に着けられており、鍔広の帽子を被っている、金髪の、青年。

フィアンマ「…魔神、オーディン」

呻くように呟いた彼女の細い手に触れ。
青年は、虚ろな瞳でうっすらと笑んだ。

オッレルス「…良い夢は見られたかな」

一方通行の腕の中から、オフィーリアを攫い。
抵抗する超能力者をものともせず、彼は彼女を自らの根城まで運んできた。

フィアンマ「…>>52」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:13:58.30 ID:oXh56m7SO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:17:02.41 ID:PkojgMg00<> 何が目的だ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 21:25:30.69 ID:7ymGaUuN0<>
フィアンマ「…何が目的だ」

拘束は完璧で、術式の隙を突こうにも、生憎彼女は北欧神話に詳しく無い。
ぎり、と歯ぎしりをした後、彼女は臆せずに青年を見上げる。

オッレルス「ちょうど、君や、現右方のフィアンマ…いや、上条刀夜が考えていたことと、ちょうど正反対の事、といったところか」

オフィーリアや上条刀夜が目指していたのは、四大属性の正常化。
及び、それに付随する世界の救済や、世界平和の達成。
それの正反対といえば、四大属性を乱す、世界を貶める、戦乱で世界を満たす、などがある。
世界を滅茶苦茶に壊す。救いとは正反対の、破壊と不幸の到来。
邪悪な考えだ、とオフィーリアは黙したままに、不快感を滲ませる。

オッレルス「…知っているようだが、私は完全な魔神だ。つまり、可能性の調整に難儀している」

フィアンマ「…それを、俺様の特性たる幸運や、『預言』の間借りで補おうという訳か。失敗率を減らす為に」

オッレルス「そんなところかな。話がわかっているのなら、こちらもすぐお願い出来る」

自分に協力しろ。
そう言外に告げる彼へ、オフィーリアは凛として答える。

フィアンマ「協力なら、しない」

オッレルス「……」

この程度では不愉快にならないのか、はたまた顔に出さないだけなのか。
魔神オーディンは彼女の左手を触ったまま、指を動かす。
そして、恐るべき力で、彼女の左手の人差し指の爪を、剥いだ。

反応が、遅れる。

あまりの激痛に、視界が一瞬、暗く消えた。

遅れて訪れた感覚に、オフィーリアは歯を食いしばる。
痛い、熱い、辛い、苦しい。

フィアンマ「が、っっ……ぐ……あああ…!!!」

叫ぶ彼女をいたわる人間は、どこにも居ない。
まるでチョコレートの包み紙をはがしたかのような気軽な動作で凄惨な行為を行ったオーディンは、淡々と言う。

オッレルス「協力してくれるかな」

フィアンマ「っ、っ、…>>55」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:27:10.93 ID:oXh56m7SO<> イエッサー!了解であります! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:29:10.58 ID:PdDBPbLDO<> >>54
ワロタ


安価なら、いっ嫌だっ! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 21:37:50.42 ID:7ymGaUuN0<>
フィアンマ「っ、っ、…いっ、嫌だっ!」

絶対に協力しない。
嘘を言っていれば良いものを、彼女は正直に断る。

オッレルス「そうか。…なら、君が承諾するまで、何枚でも剥がすだけだ」

彼はそう言って、彼女の中指の爪に手をかける。
力を籠める動作をする訳でも、痛々しさに目を背ける訳でもなく。
むしろ、痛みの予兆に歯を食いしばる彼女の表情を眺め、うっすらと笑みすら浮かべている。

べり、と、文字に起こせば簡単な音。
ぐちゅり、という肉の水音と、絶叫と、濃厚な血液の臭い。

フィアンマ「ぁ、…あ…」

悲しく無いのに、意思とは正反対に、涙が流れていく。
涙は彼女の白い頬を伝い、服へと染み込んで消えていった。
痛い、と言わず、かといって協力するとも応えず、かひゅ、と浅い呼吸を繰り返し、オフィーリアは目を閉じる。

オッレルス「…綺麗な形の爪だ」

そんな事を言いながら、オーディンは彼女の小指の爪に手をかけた。
やはり気軽な動作で、軽く剥がされてしまう。
手を血に汚しながら、彼は首を傾げた。

オッレルス「何枚でも剥がすが、私もこんな事をしたい訳じゃない。君はただ、問いかけに頷けば良い。そして、協力してくれれば良い。たったそれだけの話だろう? 簡単なことじゃないか」

フィアンマ「>>58」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:42:05.29 ID:oXh56m7SO<> 自分のせいで、誰かを酷く傷つける事を許諾なぞできるものか

剥がしたくば全部剥がせ。喋らんがな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:42:46.81 ID:5aWXLeH70<> >>57

ペッ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 21:51:43.12 ID:7ymGaUuN0<> 《フィアンマちゃんに唾かけてもらうってご褒美じゃないか…》




フィアンマ「自分のせいで、誰かを酷く傷つける事を許諾なぞできるものか」

オッレルス「……」

フィアンマ「剥がしたくば全部剥がせ。喋らんがな」

オッレルス「強情だな。魔術師とはそんなものだが」

目を開ける。
涙で潤む金の瞳は、それでも強い意思を秘めている。
もう、彼女は誰にも助けを求めないと決めた。
『預言』は頷いて許しを乞えと告げているが、それにも従わない。
何者かに人生を操られて生きるのは、もうまっぴらごめんだった。
軽蔑の眼差しで、ぺっと唾を吐きかけるオフィーリアに対し、オーディンは淡々と手の甲で顔を拭う。

オッレルス「それなら、とりあえず全部剥いでみようか」

笑って、彼は少女の爪に手をかける。
耐え切れず、彼女は数回『痛い』と声を漏らした。
ただ、許諾は与えない。頷きはしないし、協力の意思も無い。



左手の薬指と右手の人差し指から小指にかけての爪以外を剥がれ。
しゃくりあげながらも、彼女は首を横に振った。
自分が手を汚さないにしても、進んで誰かに人を殺させたくなんて無かった。

オッレルス「…仕方が無いな。やり方を変えよう」

フィアンマ「…なに、…を、…する、つもりだ…」

オッレルス「>>61」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:55:59.10 ID:5aWXLeH70<> 椅子に縛り付けて顔を上に向け
おでこに毎分水滴を一滴たらす
これを続ける <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:56:17.88 ID:oXh56m7SO<> 軽くジャブ程度に…

蛍光灯を膣に無理矢理突っ込んで、腹パン中で蛍光灯を砕く→乳首、クリ、舌、鼻にピアスをつける→頭を固定してライターで鼻を骨が見えるまで焼きつづける
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:57:22.10 ID:MxFKlWEAO<> 全然ジャブじゃないよ、全然ジャブじゃないよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:57:25.05 ID:5aWXLeH70<> >>61

頭大丈夫かお前 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 21:58:41.76 ID:e5VRU5D/0<> >>61

思考回路が女子高生コンクリ殺人の犯人といっしょだなお前 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:00:24.06 ID:oXh56m7SO<> キチデレって言うから…

なんなら再安価、安価↓でもいいっす <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/12(水) 22:11:34.71 ID:MxFKlWEAO<> 《記載し忘れましたが、どうしても>>1が捌けない場合のみ、安価下で適宜採用していきます》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:27:54.43 ID:BQKaey1IO<> ゴキブリSOやっぱり居たね
安心したわ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !red_res<>2012/12/12(水) 22:34:14.17 ID:7ymGaUuN0<>
「心配しなくても、ボクシングで例えれば軽いジャブ程度だと思うよ」

自分の感覚では。
そう言いながら、彼は彼女の衣服に手をかけた。
強姦されるのだろうか、と身を強ばらせる彼女に対して、オーディンは緩く首を横に振る。

「犯すつもりは無い。流石に、修道女相手にそれは可哀想だからね」

そんな事より、もっと人間の自尊心を砕く行為なのだから。
拘束から逃れる事も出来ないままに衣服を脱がされ終わり、オフィーリアは息が止まりそうな程の緊張を感じた。
先程の爪剥ぎなど比にならない程の、恐怖と、痛みの予知。
『預言』はとっくに警笛を鳴らしていて、今すぐ謝罪と許諾をしろと囁く。
だが、彼女は従わなかった。謝らなかったし、許しを乞う事もしなかった。
オーディンが取り出したのは、小型の蛍光灯だ。部屋の天井にはめ込むタイプの、二分の一程度のサイズ。
彼はそれを、何の躊躇も無く、彼女の晒された秘部の内、膣内へと挿入した。
それだけでも処女膜は引き裂かれ、激痛を生む。男性器で突き破られるのとは訳が違う。文字通り、呼吸が止まる程の激痛。

「ぁ………」

それだけには留まらなかった。
膣内に挿入する為に使っている左手とは逆の手で、彼女の下腹部を叩く。
当然、中に入っている割れやすい蛍光灯はぐしゃぐしゃに割れ、彼女の子宮を滅茶苦茶に傷つけていく。
涙を流すことさえ忘れた。息をすることさえ苦痛と感じられる程に、痛みが体の内側を満たしている。

「頷けば良い。たったそれだけの話だよ」

優しく言って、彼は蛍光灯の残骸を適当に放る。
次に取り出したのは、所謂ピアッサーだった。
自宅用のそれは、本来キンキンに氷水等で冷やした耳へ使う物だ。
彼はそれを、まず、目についた胸の突起へと施した。
バチン、というバネの音と、胸に激痛が走る。下腹部の違和感と痛みに、彼女はそれどころではなかった。
胸の突起から上がって、鼻。その次に視線を下へと下げ、陰核へ。
ショック死してもおかしくない程の痛みだというのに、残酷な事に、彼女の意識は健在だった。
あまりの痛みに嘔吐しながら、オフィーリアは神へと祈った。
助けてもらえるとは思っていない。だが、ここで上条の名を叫ぶことは躊躇われた。

「……そんなに痛いものなのか」

ふむ、と何やら納得した様子で、オーディンは懐からライターを取り出した。
彼女が勝手に舌を噛んでしまわないよう、猿轡を噛ませる。次いで、しっかりと頭を固定した。
物理的、魔術的、双方から拘束された彼女は、もう逃げる事は出来ない。

「…最後の質問だ。…返事が良い返事なら、私はこれ以上君に酷いことをしなくて済む」

かち、とライターのスイッチが入れられる。
好意的な唸りと、否定的な唸り。
ここまでの苦痛に囲まれて尚、彼女は後者を選択した。
失望の色を滲ませ、オーディンはライターを点火したまま、彼女の鼻を焼き始めた。

「………」

オフィーリアは、血まみれの手を握り締める。
どこもかしこも痛くて、呼吸もままならなくて、それでも、前を向いた。
肉が焦げ、鼻の骨が露出して尚、彼女はもう泣かなかった。救いを求めなかった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:34:15.39 ID:MxFKlWEAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 22:34:45.74 ID:7ymGaUuN0<>
気付けば、視界が曇っていた。
先程までの光景は何処にも無く、服もそのままで、下腹部への痛みも無い。

オッレルス「幻覚についてはあまり強く無いんだ」

男の声が遠くに聞こえる。
どうやらずっと夢想の中に居たようだが、あの苦痛は事実だった。
息絶え絶えに俯き、オフィーリアは浅く呼吸を繰り返す。
爪を剥がれた事までは現実で、先程の蛍光灯以後が感覚を伴った幻覚。
オーディンはというと、あそこまでされて尚頷かない彼女に、困惑していた。
彼は十字教信者ではない。故に、『神の子』の決意に等しい彼女の感覚が理解出来ない。
オフィーリアは、異常者だ。
目立ったそれではなく、表面からは沈んだ場所に、確かな異常性を抱いている。
異常と言ってしまうと、それは語弊になるかもしれない。
無償の愛に、慈愛に満ちた彼女は、『神の子』と同じように、処刑をされても何を憎むことは無い。
世界が幸せになれるのなら、いつ死んでしまったとしても構わない。
他者の幸福の為なら、殺されてしまっても、如何なる屈辱と辛酸を味あわされようとも、構わない。

フィアンマ(…ざまあみろ、クソッたれ)

これ程までの苦痛を受けて尚、自分は自分のやるべき事を貫き通した。
彼女が暴言を吐いたのは誰に対してか、誰にもわからない。

フィアンマ(……当麻の所へ戻ると、決めたんだ)

そして、目についたものは全て救う、と。
目の前で、困惑のままに自分を見つめている男の事も、含めて。

フィアンマ「…俺様は頷かない。承諾しない。何をしても同じだ」

オッレルス「……、」

フィアンマ「…これは、お前に悪意を抱いているからではない。……俺様は今まで、沢山の人間を傷つけてきた。その自分が、遠まわしにでも、能動的に誰かを傷つけることは、承服しかねる。………お前が何の為に、世界を壊したいのかは知らない。知る必要も無いと思っている。だが、此処で死ぬ事になったとしても、俺様はお前に教えを説く事にする。もしも暴力で全てが思うままに動くと思っているのなら、やめておけ。他人を傷つける度にお前自身が傷つくと、何故わからん」

オッレルス「…>>72」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:40:42.51 ID:oXh56m7SO<> ハハハハハハハハ……いかにも聖職者の言いそうな事だね…なるほど。確かに君の言い分はわからなくもない。

…けどね?それは君が今まで心優しい人達と触れあってきた人生だからこそ、『本当のクソッタレの悪党』を知らないから言えるんだよ?

君のカラダにこれ以上傷を増やしたくはないんだけどなぁ?

それでも嫌なら…頷かないなら……

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:42:41.83 ID:ECgt5CHJ0<> 上条当麻を殺してもいいんだぞ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 22:49:32.66 ID:7ymGaUuN0<>
オッレルス「…上条当麻を殺してもいいんだぞ」

最悪の脅し文句だった。
実際、彼は何をするかわからない。
直接的に先程の幻覚の内容を行わなかったのは、ショック死されては困るから、ただそれだけの理由だった。
彼がどうやって彼女が上条に好意を抱いているのかを知ったのかは、不明。
前々から目を付けられていたのなら、全てがバレていても仕方のない事だ。

オッレルス「……それでも良いなら、首を横に振れば良い」

フィアンマ「………」

本人を苛めても言う事を聞かないなら、本人の周囲を消せば良い。
オーディンは手を伸ばし、彼女の頬を撫でた。
慈しむような手つきだった。丁寧ななで方だった。
骨董品か、はたまた美しい人形でも愛でるかのような。

オッレルス「…沈黙は、それでも構わないという肯定を示す事になる」

それでも良いのか、と彼は問う。
オフィーリアは無言のままに、上条の居場所を『預言』で探った。
アバウトな位置は掴めたし、傍に居る人間の呼称もうっすら掴めたが、彼がそれでこの男に立ち向かえる程安全かどうかは不明だ。

フィアンマ「…>>75」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:53:46.35 ID:oXh56m7SO<> 結局屈するしかないって事は暴力で言うことを聞かせられるという事を肯定する事に…安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/12(水) 22:54:35.13 ID:lRPapVb6o<> 当麻はお前なんかに殺されはしないさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:54:47.47 ID:PMVibtSa0<> くたばれ糞野郎 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 22:57:04.38 ID:PdDBPbLDO<> 赤レスはマジビビった、つーか赤い時点で予想ついて内容読んだら予想通り……
幻覚ってサイコーだね、なかったことにするにはちょうど良い!

SOさんのグロいのも嫌いじゃないですが、上条さんとフィアンマちゃんにはしっかりラブラブして欲しいんで膣乳首クリとか失明や取り返しつかない関係は[このスレの主人公二人の場合]苦手っす
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/12(水) 23:07:05.96 ID:7ymGaUuN0<>
フィアンマ「…当麻は、お前なんかに殺されはしないさ」

彼女は従わない。
もう、彼女が快く従う人間は、たった一人と決めてある。
例え何があろうとも、世界でただ一人になろうとも、きっと自分を信じてくれる彼だけだと、決めている。

オッレルス「…彼は『幻想殺し』、即ち『不幸』だ。絶対の性質。…如何に私が50%の失敗率を抱えていたとしても、勝利出来る」

フィアンマ「そうではない。何もわかっていないな」

彼女は緩く首を横に振り、乾いた唇を舌で舐め、潤した。

フィアンマ「お前程度では、当麻を殺す事は出来ないと言っているんだ」

物理的に、考えれば。
上条当麻は、自分と戦って死ぬ筈だった。
上条刀夜と戦った時に、うっかり死んでもおかしくなかった。
彼の『不幸』は、決して彼を殺さない。
だから、オーディンが如何なる暴力を振るおうとも、上条は死なない。
上条当麻が傷つけられるのは嫌だったが、オフィーリアには、不思議とその確信があった。

オッレルス「…俺、程度…?」

今、何と言った。
そう聞き返さんばかりに、オーディンはそう復唱した。
気が違ったかのように、オフィーリアは微笑んでみせる。
どれだけ苦痛に塗れようと、聖女は二度と歪まない。間違えない。

フィアンマ「思い上がるな、たかが魔神程度で」

上条の決意がどれだけ重く、そこから生み出される力がどれだけ莫大か、オフィーリアは知っている。
計り知れない程の破壊力を秘める自分の世界を救える程の力と同じように。
彼は、世界を殺せる程の力を持っている。だって、完全なものを二つに分けたのだから。

フィアンマ「……当麻は死なせない。…俺様は、屈しない。……そして」

お前を、救う。

オーディンは、耳を疑った。
聖職者らしいお綺麗な言葉ではあったが、この状況で言えることとは思えない。
思考を混沌に堕され、彼は黙り込む。

フィアンマ「………駄目だな。俺様は異常なままだ。…普通、此処は睨んで殺すと息巻くところだと言うのに」

独り言を呟いて、オフィーリアは自分の手に視線を移す。
爪が剥がれた場所には赤い肉。視覚的に痛々しかった。

オッレルス「…>>80」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:08:05.31 ID:oXh56m7SO<> いや、俺はあくまでこのキャラの思考パターンでこの状況下ならどうするか、で考えて安価したいから…
さっきのは、キチデレ+悪+拷問時+傷つける事をなんとも思わない=アレ

安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:09:34.88 ID:D9Vs7V2fo<> 分かったから黙れ
安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:09:49.16 ID:PMVibtSa0<> っち…(治癒魔術) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/12(水) 23:12:43.55 ID:MxFKlWEAO<> キチデレの醍醐味はキチとデレの落差、という訳で>>1はイケメンなオーディンさんを書く事を強いられているんだ…!


ちょっと風呂ってきます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:13:23.44 ID:oXh56m7SO<> いってらー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:14:49.77 ID:PdDBPbLDO<> >>79
あー確かに設定としては眼球抉ったりしそうですよね
なんかさっきのアレも納得です、SOさんの周りって>>80みたいな人多いんですか?


>>1様乙です、いってらっしゃーい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:19:39.15 ID:tjb//ZAF0<> SOの長文安価、グロい思考、>>1への絡みを
ムカつくって思う連中ではないのか?

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:22:49.98 ID:oXh56m7SO<> 俺は敵作るタイプだからなー…
というかむしろ>>80は正常かつ当たり前の反応かと。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:29:01.18 ID:PdDBPbLDO<> >>86
遠回しに私のこと異常って言ってますよね!?

>>85
なるほど納得です、確かにそれらは嫌われるのに事足りますよね
私はSOさんのノリ好きですけど嫌われても仕方ないと思ってますし、さっきのグロレスとか沢山非難されてましたしね?
けど話してみると良い人なんだけどなぁ…多分
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:31:39.92 ID:tjb//ZAF0<> >>87

ネットで良い人も糞もわからんでしょwwwwww

俺だってもしかしたら人殺してるかもしれないじゃん
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:32:03.77 ID:oXh56m7SO<> 俺はいい人じゃないけど、DOは異常なまでにいい人だから誤解はせんでくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:33:46.43 ID:tjb//ZAF0<> DOは良い人そうなのはわかるから誤解はしないけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:36:21.83 ID:PdDBPbLDO<> >>88
最低限[ネットの中]では良い悪いありますよー

>>89,90
照れるなぁ……えっ??
なんで俺が良い人…? しかもやっぱり異常なのか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:38:06.30 ID:tjb//ZAF0<> >>91

はいはい、女の子、女の子。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:40:21.56 ID:PdDBPbLDO<> >>92
なんの事だかサッパリ!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:44:02.75 ID:tjb//ZAF0<> >>93

もはや自白だよねー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:45:29.05 ID:PdDBPbLDO<> >>94
なんかもーこっちが何を言ってもどう受けとるかは相手次第なので諦めました…
それより何で知ってるんですか!?

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:46:48.99 ID:tjb//ZAF0<> >>95

何でって…昨日当てたから <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/12(水) 23:46:52.09 ID:MxFKlWEAO<> バレンタインにフォーチュンクッキー作るフィアンマちゃんかわいいと思ったが、道のりはまだ遠いな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:49:46.87 ID:PdDBPbLDO<> >>96
仲間由紀恵ファンの忌々しいあの方でしたか…


>>1様
ちょっと早いけどって断りを入れて小ネタで出しましょう!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:50:24.62 ID:tjb//ZAF0<> >>98

忌々しいって酷いわね貴女 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:53:42.03 ID:PdDBPbLDO<> >>99
だって貴方のせいで変態発言とか自重しなければいけなくなってしまった… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:54:42.71 ID:tjb//ZAF0<> >>100

良いじゃん別に
変態淑女 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/12(水) 23:56:51.87 ID:6xkfDMX0o<> わかったから馴れ合いやめようよー <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 00:02:53.14 ID:kYs73e4S0<> 《基本的に小ネタは描写していない期間の話を書くことにしてるので…季節モノはその内…》


オッレルス「…っち…」

舌打ちをして、彼は彼女の腕へ触れる。
そのまま掴んでへし折ることも出来ただろうに、それはしない。
彼はそのまま数度、決まった動きで彼女の手や腕を指でなぞる。

オッレルス「……」

フィアンマ「……苦しそうだな」

オッレルス「…君の話か?」

フィアンマ「いや、お前の話だよ」

オッレルス「…別に、そんな事は無いが」

度重なる苦難にも、微笑みを浮かべて受け入れる彼女の姿が、彼の中で、とある人物と重なる。

オッレルス「……怖がれば良いじゃないか。許してくれと、死にたくないと、これ以上傷つけないでくれと…」

治癒術式を受け、爪は元通りとまでにいかないものの、だいぶ修復される。
生えかけ程度で、まだ肉の見える指先。
オーディンの独り言がどこに向けられているのかは、彼しか知らない。

オッレルス「礎になれるなら、その為の犠牲なら、…仕方が無いという言葉を使えば、自分がどんな風になっても良いのか」

自分で傷つけておいて、その言葉。
けれど、オフィーリアは首を傾げなかったし、返事もしなかった。
魔術的な治療で補えない分は、包帯を巻く。
丁寧に包帯を巻かれ、彼女の手は不自然な白に覆われた。

フィアンマ「……」

オッレルス「…それでも、俺は。…君に、…生きて欲しかったよ…」

包帯を巻き終えて、彼は項垂れた。
何かトラウマを刺激したのだろうかと思いながら、彼女は彼の様子を眺める。

フィアンマ「…」

オッレルス「…>>105」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 00:13:26.25 ID:14MwC9uSO<> …やはり、全部壊してしまおう。彼女を奪ったこの世界なんて。こんな世界なんて要らない……ブツブツ

…そうだ。手始めに、アレを、上条当麻を壊そう。アレも霊装にしてしまえば役にも立つだろう… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 00:17:37.86 ID:58e3iRSZ0<> 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ だ嫌だ嫌だ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !red_res<>2012/12/13(木) 00:50:12.46 ID:kYs73e4S0<>
「…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だだ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」







嫌悪感と自己否定が、彼を埋め尽くす。
世界を憎み嫌い、それを我慢出来なくなった、狂気を得た原初の理由が、思考を埋めていく。

突き刺した槍、血まみれで微笑む彼女。
自分は彼女を心の底から愛していた。
彼女だけが全てで、魔神の座など捨ててしまっても構わないと思えた。

例えどんな事があったとしても、守りきるつもりだった。

それなのに。

それなのに、それなのに、それなのに。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 00:50:13.58 ID:TGUCq7NAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 00:51:24.72 ID:kYs73e4S0<>
治療の為、少しだけ拘束が緩んだ事を確認して。
オフィーリアは、手を軽く動かした。
ゴキン、という硬質な音と共に、拘束がだいぶ解ける。
彼女はそのまま脱出する訳でもなく、眼前の男へ手を伸ばした。

フィアンマ「……苦しそうだな」

そして、同じ事を再度言った。

フィアンマ「……」

自分も、こんな顔をしていたのだろうか。
上条に止めてもらうまで、こんな顔をして、沢山の人を傷つけていたのだろうか。
きっと、この男には、自分にとっての当麻のような味方はどこにも居なくて。
居たとしても、その人はきっと、もう、彼の事を直接庇えはしなくて。
わがままを言える程子供ではないから、全てを憎む事に転化した。

幻覚とはいえ、あれだけの事をされて、尚。
オフィーリアは、この男を哀れだと思った。

何かが違えば、自分もこのようになっていたからか、それは知れない。

物々しい眼帯を着けていない方の隻眼に、涙は滲んでいない。
もう、彼は泣く事が出来ないのかもしれない。
それ程までに世界に絶望し、全てを滅茶苦茶にして採算を取ろうとしているのかもしれない。

伸ばした手で、オフィーリアは彼の前髪を掴んだ。
その事に意識を現実へと引きずり戻され、オーディンはのろのろと視線を上げる。
爪が無いが故に力を籠めると痛い手で、それでも彼女は、彼のコートの布地を握る。
そして引き寄せると、弱々しい力で抱き寄せた。

オッレルス「………」

何かを言おうとして、言葉が出てこない。
落ち込む自分を、かつて心から愛した彼女は、いつもこうして抱きしめてくれていたような気が、する。
すたぼろの身体で、疲れきった様子で、それでも自分がこれ以上沈まないように。

フィアンマ「…すべてが終わった後に悔やんでも、どうにもならんだろう」

後ろを振り向きがちな自分へ、彼女は前を向けと強引に方向を変えさせた。
そんなところが、好きだった。
重ねる事は良くないとわかっているし、理性は"目の前の人物は『彼女』ではない"と告げている。

フィアンマ「…苦しいなら泣けば良いじゃないか。喚けば良い。それは、子供の為の特権ではない。苦しい時に何かに縋ろうとするのは人間の業で、権利だ。……そして、暴力は頼るべき宛先じゃない」

オッレルス「………、」







オッレルスはどうする?(台詞可)>>+2


《今日は寝ます。お疲れ様でした》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 00:57:53.34 ID:O0o8sZuJ0<> >>1乙
安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 01:02:19.77 ID:14MwC9uSO<> ……黙れ。お前に何がわかる。クビシメ

愛する人がいて、生きて、帰りを待ってもらえるお前なんかにィ………ッッ!!!

……目の前で、生涯愛すると誓った人を…親しかった友人達に陵辱、拷問をされた上で虐殺されてみろ。それなら少しは俺の気持ちがわかるんじゃないのか?
何も辛い目にあった事がないお嬢様が、真の悪意に晒された事がないくせに吠えてんじゃねぇよ……あ゙あ゙?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 01:04:42.38 ID:58e3iRSZ0<> >>110

良くもまぁそこまで妄想できるなお前 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 01:05:40.38 ID:14MwC9uSO<> >>1には負けるがな! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 01:07:29.09 ID:58e3iRSZ0<> >>112

どっこいどっこいだろ <> 小ネタ:独白
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/13(木) 01:29:14.82 ID:TGUCq7NAO<>

誰かに笑って欲しいと、思う。
誰でも、幸せでいて欲しいと、思う。

『預言』の影響が強すぎた幼い頃、望まないながら、沢山の経験の記憶を得た。
人間の記憶に色濃く遺るのはやはり悲劇や惨劇で、楽しい事はあまり残らない。
制御をロクに出来なかった子供の頃、俺様は何度も夢という名の経験記憶を蓄積させられた。

大切な人が死んだ。
大切な人が虐げられた。

努力しても届かずに、最悪の結果だけが遺る。
誰の記憶かは不明だったし、そもそもランダムで取得された情報だろう。 その辺の教育機関が作るものより、余程強い道徳の教科書だった。

自分という身体が、そうした強烈な喪失感を覚えた事実は無い。
愛する人をいたぶり殺されたという、"事実"は。


だが、感覚はわかる。


悲しみを知っている。
哀しみを、理解している。

だからこそ、世界を救う事を望んだ。
皆に、幸せになって欲しかった。
もう何ら悲劇の起こる事の無い、優しい世界が欲しかった。

そんな綺麗事を望むのは、悪い事なのだろうか。そんな綺麗事を望むのは、愚かなのだろうか。



「…それでも、俺様は」



この身を犠牲にしてでも、世界中に、幸せになって欲しい。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/13(木) 01:31:49.66 ID:TGUCq7NAO<> ミサカネットワーク全人類版機能付き、世界にたった一つの概念化した『原典』、アカシックレコード。

精神防壁などが強いとあまり読み取れません


…宗教防壁がググっても未だによくわからない


おやすみなさい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 01:39:13.84 ID:DBgw7DqH0<> フィアンマに犯される夢を見ろー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 01:48:00.14 ID:14MwC9uSO<> 乙なのよな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/13(木) 11:45:21.58 ID:TGUCq7NAO<> 幸せな夢見ました

夕方には再開する予定です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 14:00:44.14 ID:14MwC9uSO<> よかったな

つっこむのも野暮かとは思ってたが、どうしてもモヤモヤするから聞く。
前スレ、ヴェント戦終了時にアッークアさんが、お前のパパが黒幕だって嘘ついた(と思ってた)けど、実際にパパ黒幕だったよな?アッークアさんだけハブられて知らされてなかったのだろうか…

真実知ったアッークアさんは瓢箪から駒みたいな感じだったのだろうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 17:50:57.85 ID:YqvGb46DO<> だが、ヴェントが『真実』を話したことを知っていたからこそ、『それらしい類似話』をかぶせる形で、アックアは嘘をついた。

ってやつですよね?
そのレスから6個後に[嘘をついた]が[言葉を放った]に訂正されてましたよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 18:08:53.66 ID:14MwC9uSO<> いや訂正されてて、仮に嘘をついてなく、真実だと知ってて話していたとしてもおかしいんでね?と。
ヴェントがペラペラ秘密を話しちゃって、流石に不味いから嘘を混ぜて攪乱させる場面なのに、さらに重大な秘密バラしてどうすんのってなっちゃうし。
嘘っぽい真実を話してヴェントのバラした秘密も嘘だと誤認させようとしたとしても、そんなら最初から明らかな嘘をつけばいいのにってなるやん?
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 18:25:38.68 ID:49Wj6Ftd0<> 《>>119様 ちょっと読み返しましたが、>>120様にご説明いただいた通りです、ありがとうございます。アックアさんは嘘(つまり上条刀夜は無罪)と思っていました。表立って動いていたのはフィアンマちゃんだったので。アックアさんに限らず右席メンバーは刀夜さんの暗躍を知りませんでした》


彼女の言葉に、オッレルスは甘えなかった。
むしろ、その発言は彼の怒りを発露させるものだった。

オッレルス「……黙れ。お前に何がわかる」

ぎり、と怒りを噛み締める。
オーディンは彼女の細い首へ触れ、圧倒的な握力でぐいと絞めた。
このまま握力任せに切断すれば確実に殺害出来るというのに、それはしない。

オッレルス「愛する人がいて、生きて、帰りを待ってもらえるお前なんかにィ………ッッ!!!」

ぐ、と指が食い込んでいく。
これは痣になるだろうな、とうっすら判断しながら、オフィーリアは自分の首を絞めている彼の手の感触に意識を向けた。
殺してやりたいという感情を表現する為に掴んでいるだけで、殺すつもりは無いらしい。

オッレルス「……目の前で、生涯愛すると誓った人を…親しかった友人達に陵辱、拷問をされた上で虐殺されてみろ。それなら少しは俺の気持ちがわかるんじゃないのか?」

わかったような口を利くな。
つまりは、そういうことで。
虚ろな隻眼に、怒りや悲しみの色が浮かぶ。
彼にだって、大事な人が居た。だから、今、苦しい。

オッレルス「何も辛い目に遭った事がないお嬢様が、真の悪意に晒された事がないくせに吠えてんじゃねぇよ……あ゙あ゙?」

フィアンマ「…そう、思うか」

ぽつり。
呟くように、彼女は問う。

オッレルス「実際、そうだろう? 何も喪った事など無いクセに、知ったようなことを…!」

フィアンマ「…仮にも、世界最暗部たる『神の右席』の右方の座に居た俺様が、何も知らないと、…本当に、そう思っているのか。何も知らないから、綺麗事を掲げていると、そう思っているのか。…どうしようもない悪意の餌食になどなったことは無く、自らの無力感に打ちひしがれ、心の底から絶望して気が狂った事は無いと、…お前は、そう俺様を断じる事が出来る程、俺様の人生について詳しいのか」

何も知らないから、綺麗事を並べて微笑んでいられる。
なるほど、確かにそういうものなのかもしれない。悲劇を経験し、精神を穢された人間は、悪意を他人に振りまこうとするのかもしれない。
だが、それは万人に当てはまる法則ではない。

フィアンマ「…何も、喪っていない訳が無い。……現在の愛する相手も、…俺様が一方的に想っているだけで、あちらは何とも思っていないのかもしれない。……お前の感情など、完全に理解出来る筈は無い。何しろ、同じ人間ではないのだから。…綺麗事を突き通すには、理由がある。お前には予想もつかないような理由がな」

オッレルス「ッ、」

更に、強く力を籠めた。
だが、彼女は抵抗しない。
オーディンが愛した『彼女』と同じように、静かに受け入れるだけ。

『聖職者ってのは、自分の運命に挫けない。そして、悪の誘いには頷かない。そういう、モン』

『彼女』の発言を思い浮かべ、オーディンはきつく自分の唇を噛む。

フィアンマ「…俺様の発言程度でそんなにも揺らぐ程、お前は何を怖がり、悔やんでいるんだ」

正確には、発言のみではない。
彼女の生き様、それ自体が、オーディンの後暗い部分を強く刺激する。

オッレルス「>>124」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 18:25:46.24 ID:YqvGb46DO<> 確かにねー、けどそれはアックアさんの優しさだよ!
もしくは、どうせフィアンマと上条は一緒にいるんだから簡単に確認できるじゃないですか?
だから嘘をついても意味がない、それなら余計な事を言っといてフィアンマを問いただしたときにより一層ショックを受けさせようとしたとか?

まぁ結論的に誤認させても惑わしても[どうせすぐにバレる]から嘘じゃなくより衝撃的な真実を言った
あとは…嘘ってことにしようと思ったけど、[安価スレなんだからしっかり安価を活用しよう]と思って修正したら可笑しくなったんでしょうね
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 18:27:28.93 ID:vmQ3Akkx0<> 貴様には関係のないことだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 18:28:11.01 ID:YqvGb46DO<> >>1様が来てるとは……>>123は気にするな、私の勝手な考察だ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 18:29:55.92 ID:vmQ3Akkx0<> >>125

(・∀・)ニヤニヤ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 18:37:37.72 ID:YqvGb46DO<> >>126
全力で私を見逃せぇっ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 18:38:46.32 ID:dqEJNIKv0<> >>127

つ(ギアスキャンセラー) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 18:42:10.00 ID:49Wj6Ftd0<> 《日本語おかしかったので訂正。右席メンバーは上条刀夜―右方のフィアンマ間の連携について噂・嘘話程度との認識をしていました》


オッレルス「貴様には関係のない事だ」

血が滲むような、苦悶が見えた。
オーディンが手を離し、一気に気管が解放された為、オフィーリアは数回げほげほと咳き込む。
金の瞳は明確にオーディンの姿を映し、そこに悪意は見えない。

オッレルス「……何もかも壊す道は、私自身が定めた。これを変えるつもりは無い。…いくら諭されようと、誰も望んでいなかろうと」

フィアンマ「……憎いから、そうするのか。それとも、それしか選択肢が無いのか」

オッレルス「…両方だよ。…まさか、死者の名を騙って説教するつもりか?」

フィアンマ「俺様はそこまで傲慢ではない。大体、死者の想いなど、遺された生者が勝手に定めるものだ」

オッレルス「……、」

フィアンマ「徹底的に陵辱され尽くしたお前の心を、誰も慰めてやらなかった。だから、歪んだ。何も見えなくなった。故に、世界を壊す。…理由はわかった。協力するのはまた別問題だがね」

オッレルス「…大人しく従えば良いものを」

言いながら、オーディンは、かつて親友が『彼女』にしたことと同じ事をしている、と思った。
圧倒的な悪意で彼女の人生を更に穢してみたところで、こういった聖職者らしい輩は変わらないだろう。

オッレルス「………悪意を向けたらどうだ、少し位」

フィアンマ「『汝の敵を愛せ』。…無理だな」

彼女は目を伏せ、数度深呼吸をする。
掠れた声の呟きは、聞かせないように気をつけているボリュームなのか。
それでも、そのか細い声は、彼の耳に届いた。

フィアンマ「…どうして、誰も助けてやらなかったんだ」

無償の愛。
気味が悪い程に、彼女の思想は徹底されている。











オッレルスはどうする?>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 19:53:25.55 ID:14MwC9uSO<> …誰も好き好んで、俺みたいな人間を助けようとは思わないだろうさ。自分とは無関係、善意で助けようとしたら拒絶された上に、自分を酷く傷つけられる。
…普通の精神を持つ人間が、そんな態度をとり続ける人間を助けるものか。
…周りが助けなかったんじゃない。俺が周りを拒否したんだよ。俺を救えるとは、欲しい者を取り返してくれるとは、到底思えなかったからね

……俺の中で猛り狂う悪意の奔流は、もう世界中にぶちまけなければ気が済まない。

『汝敵を愛せよ』?
……敵だろうがなんだろうが、俺はもう、誰も愛せないよ

…暫くそこで、拘束されてろ。俺はお前の大事な奴を見つけ出して、壊してやる。…精々、何もできないまま壊される事に怯えてろ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 19:57:44.44 ID:HQiik3LC0<> 上条当麻を壊しに行く <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 20:10:58.25 ID:bG/k5cmh0<>
オッレルス「…この世界で、俺を救おうとする馬鹿なんて君位のものだろう。……駄目だな。君のように真っ直ぐな人間を見ていると、つくづく自分が嫌になる」

言って、オーディンは拘束術式を、再び整える。
眼前の少女を絶望させてやりたい、と思った。
圧倒的な悪意で塗りつぶし、自分のような人間に二度と同情しないような、そんな者へ作り替えてやりたいと。

オッレルス「…君に憎悪を教えてあげよう。もう二度とコイツだけは許さないと、敵にしても愛することなど出来ないと。……それから、…俺が上条当麻を殺す事は出来ないなんていう下らない幻想も、この辺りでぐちゃぐちゃにさせてもらう。…死ぬよりも辛い目に遭わせたとして、それも愉快かな。彼の特殊な右腕は、少々の加工を施せば霊装にもなるだろうし」

オーディン、ひいては『グレムリン』にとって、上条当麻及び『幻想殺し』は要らないモノだ。
壊してしまっても、消してしまっても、誰も何も言わないだろう。
自分を追い詰めることで前進する性質を『グレムリン』内で最も強く持つ彼は、何もかもを振り払って前へ進む。

オッレルス「…やめてくれ、と言わないのか?」

何を言ってもどうせやるくせに、そんなことを言う。
オーディンの口元は歪んでいた。
瞳の緑はどこまでも空虚で、何を映す事も無い。

対して、オフィーリアは希望を捨てなかった。
泣かず、喚かず、怯えず。

フィアンマ「俺様は、当麻を信じている。…そしてそれは、お前程度の浅い悪意では穢せないし、覆す事も出来ない。……無傷で帰って来られると良いな」

オッレルス「……、」

強がりではない。
本当に信じているから、彼女はブレない。揺らがない。
心配そうな顔をしないし、涙を流すことも無い。
必ずこの顔を恐怖と哀願と後悔で染めてやる、と決意して。

オーディンは振り返る事無く、薄暗い部屋を後にした。





沢山の事情を聞かされ、脳内で整理して。
オーディン側が動きを見せてから対応する為、上条はウッルルとしばし過ごしていた。
上条は現在、ポケットから取り出した携帯の画面を眺めている。
そこには、前の携帯からデータを移動させた、一つの写真画像。
顔を赤くしながら口付けている、上条と、オフィーリアの姿。

オティヌス「……恋人なのか? 元、右方のフィアンマとは」

上条「>>134」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 20:36:12.11 ID:14MwC9uSO<> んー。友達以上、………恋人、付近?か?

はっきり付き合ってくれだとかは言った事ねーな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 20:39:22.24 ID:Jo3dxdGCo<> 魂のかたわれだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 20:39:32.71 ID:Remzt+2D0<> >>133

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 20:49:33.73 ID:bG/k5cmh0<>
上条「魂の片割れだ。…文字通り、な」

『神浄』を二つに分けた内の、自分に足りないもの。
愛する、許す、そういった優しくて弱い精神の塊。
だからこそ、自分は彼女を守るべきだったのだ。

オティヌス「片割れ、か」

上条「…大事なんだ。多分、この世界で誰よりも大切なんだと思う」

オティヌス「……」

自分の右手を優しいと言ってくれた。
騙してでも一緒に居たかったんだ、と泣いていた。
例え何があっても、これまでもこれからも、大好きだと言ってくれた。
挫けそうな時に、一生懸命励ましてくれた。
一緒にいるだけでこんなにも満たされる女性を、上条は他に知らない。

上条「…なのに」

待っていてくれ、と彼女は言った。
恐ろしい魔神の手にとらわれ、どれだけ心細かっただろう、恐ろしかっただろう。
こうして考えている今も、何かとんでもない事をされているかもしれない。
それら全てを覆い隠して、安心させるように、彼女は待っていて欲しいと告げた。
たった一人で戦地へ向かい、誰にも助けを求めなかったのは、誰にも傷ついて欲しくないからで。
身勝手な優しさだった。彼女の為に死んでも良いと思える人間がいると、何故気付いてくれないのだろう。
否、彼女の傍には、今までだってそういった人間が居たのだ。
けれど、彼女が甘え、頼り、守ってもらった結果、喪うことになった。

来年も再来年も一緒に居たいと笑っていた。
自分と一緒に居る時間が何よりも幸せなのだと、呟いていた。

上条「……オーディン、だっけ。ソイツが襲ってきたら、俺は具体的にどうすればいい?」

オティヌス「>>138」 <> アセロラ<>sage<>2012/12/13(木) 20:53:17.35 ID:XbSK/zRL0<> 上条さんマジカッコよす! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 20:55:11.54 ID:24gk451Uo<> 天使を召喚する
その間時間を稼いでくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 20:55:35.91 ID:Remzt+2D0<> 死なないように気をつけろ 
右手を奪われるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 20:56:40.21 ID:14MwC9uSO<> お前はとにかく逃げて、何がなんでも生き延びる事のみ考えろ。右手を常にかざして、360゚どこから魔術を撃たれても消せるように心かけろ。常に警戒を怠るな
今はまだ私達側も迎撃準備は整っていない。だから、現時点で幻想殺しに死なれた場合、オーディン側の勝利となると思え。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 21:02:13.20 ID:bG/k5cmh0<>
オティヌス「天使を召喚する。その間、時間を稼いでくれ」

上条「天使…」

『神の力』を思い浮かべ、ぞっとする上条。
そんな彼に対し、ウッルルは緩く首を横に振った。

オティヌス「十字教の方じゃない。…といっても、わからないか。戦争時のような事にはならない。天使を召喚してヤツを殺せるとも限らないが…とりあえず、死ぬなよ」

上条「…でも、俺が狙いって訳じゃないんだろ?」

オティヌス「直接の狙いで無いにしても、物はついでと殺す恐れは高い」

上条「……」

オティヌス「…最悪、私の後ろにでも引っ込め。現状、私とヤツは引き分けるように出来ている。ひとまず、といったところだが」

あちらもそれで困っているだろう、と言葉を零し。
彼女が見やったのは、上条の持っている携帯の画面。
画像は先程のまま、カップルのキスの姿。

オティヌス「………」

オーディンは、聖女系の女に弱い。
元右方のフィアンマもその部類だろう、とウッルルは推測した。
悪意に満ちている女に対しては興味をなくしてすぐに殺すが、前者は別だ。
気に入られた場合、愛玩人形のような扱いを受けることになる。
ウッルルは、そんな彼の事が大嫌いだった。殺してやりたい程に。

オティヌス「…彼女を人間として生かしたいのなら、死ぬなよ」

上条「…人間と、して?」

オティヌス「…説明されたいのか?」

上条「…、…化け物にでもされるっていうのかよ」

オティヌス「>>143」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 21:03:12.18 ID:Remzt+2D0<> それで済めばいいがね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 21:03:55.64 ID:24gk451Uo<> 先ほどお前が想像した天使のような存在になるだろうな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 21:10:13.80 ID:bG/k5cmh0<>
オティヌス「先程お前が想像した天使の様な存在になるだろうな」

上条「……」

『天使の力』の塊、大天使『神の力』。
あれは人ではなく、正真正銘の大天使だ。
そんな人外に、オフィーリアが組み替えられる。
どれ程のおぞましい技術を使えばそんな事が出来るのか、と上条は背筋が寒くなるのを感じた。

オティヌス「…こちら側も、私単身という訳じゃない。色々と、今人脈を広げてはいる」

上条「……準備が整うまで、万全の状態では戦えないってことか」

オティヌス「そういうことになる。…そして、お前が死んでしまうと、極端に対抗手段が減る」

だから、死ぬな。
そう告げて、彼女は外を見やる。
もうすぐ、夜が来る。





十一月に入った。
直接出向く必要性を感じなかったオーディンは、ひとまず、サローニャを向かわせる事にした。

サローニャ「それで、そのツンツン頭ちゃんをぶっ潰してくればいいの?」

オッレルス「それでも良いし、…まぁ、腕を一本持って帰ってきても良いよ。殺すに至らずとも」

サローニャ「……もしかして、あの赤い髪の女の子ちゃんが関係してたりする?」

オッレルス「>>146」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 21:14:35.77 ID:Npf+MOO+o<> 余計な詮索はしないことだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 21:17:20.61 ID:14MwC9uSO<> ンチュ…レロォ…←ディープキス

…心配せずとも、俺は君以外に靡くつもりはないよ
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 21:32:58.60 ID:bG/k5cmh0<>
オッレルス「…」

オーディンは無言のままに、サローニャを手招く。
サローニャはきょとんとした後、素直に彼へと近づいた。
そんな彼女の柔らかな唇へ、彼は口づけをする。
それも、挨拶程度の軽いものではなく、舌と唾液を絡ませ合う、淫靡で濃厚なものだ。

サローニャ「んむ、」

オッレルス「ん、…っは…」

ちゅ、れろ、と舌が摩擦し合い、サローニャはぞくぞくと背筋を震わせる。
如何に強力な魔術師といえど、修羅場の経験は足りない15歳の少女。
拙いキスに対して愛情表現とされる濃厚なそれを受ければ、瞳は自然ととろつく。

サローニャ「ふぁ…」

オッレルス「…、…心配せずとも、俺は君以外に靡くつもりはないよ」

くすりと笑って、彼は酷薄な微笑を浮かべる。
恋する乙女のように、はたまた本当に恋する乙女か、サローニャは顔を赤くして「お、お任せちゃん」と言い残し、出て行った。
上条当麻を倒すべく、既にいくつかの用意は済ませてある。術式の下準備だ。

オッレルス「…まあ、あの出来損ないに殺されるのがオチかな」

冷酷に呟いて、彼は退屈そうな顔をする。
そもそも、サローニャを好きならば、サローニャという名前は与えない。
きちんと『グレムリン』の正規メンバーとして、北欧神話に沿った名前を与える。
あくまで彼女は、雇われの補充要員だ。使い捨てるつもりしか、持ち合わせていない。
無事目的を達成したのであればもう一度口付けてやっても良いが。
靡くも何も、彼女を愛してなどいない。そもそも、誰も愛してなど、いない。
『彼女』を喪ってからずっと空白のままの心は、誰に満たされる事もなく今のまま。

『俺様は、当麻を信じている。…そしてそれは、お前程度の浅い悪意では穢せないし、覆す事も出来ない』

オッレルス「…信じた位で愛する人間が死なないなら、暴力に打ち勝てるなら。…最初から、この世界に悲劇なんて起こらない」









ウッルルはうっすらと魔力の流れを感じ取り、上条を見やった。

オティヌス「…そろそろ来るか」

上条「まさか、オーディン…!?」

オティヌス「最初からヤツが来るとは思えないな」

現在地から出れば、そこには一人の少女。
緑を貴重とした衣装に、膝上まである革のブーツを身につけている、スタイルの良い金髪の女の子だ。

サローニャ「ま、個人的な恨みちゃんはそこのツンツン頭ちゃんにたんまりだしね。それを除いても、一生懸命お仕事ちゃんしないと」

上条「オーディンの差金か、テメェ」

サローニャ「>>149」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 21:47:39.64 ID:O0o8sZuJ0<> そうだケヘェッ(問答無用のそげぶで舌が無惨な事に <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 21:50:44.67 ID:vozcETa10<> そうだけど?あの赤髪の女も馬鹿だよねー
グボッ!(そげぶ) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 21:59:58.71 ID:bG/k5cmh0<>
サローニャ「そうだけど? あの赤髪の女も馬鹿だよねー」

ウッルルの言っている、オフィーリアが捕らえられているという話は的中。
赤髪の女の知り合いはオフィーリア以外にもいるが、わざわざこの場所で言うということは、そういうことだ。
上条はカッと頭に血が上ったことを認識した。
口上はこの程度で良いかと、術式を発動しようとした、その刹那。
サローニャは、自分の身体が吹っ飛んだ事に、ようやく気づく。

サローニャ「グボッ! っ…が…!?」

見えなかった。
認識出来なかった。
何が起きているのか、よくわからない。
そんな少女の腹部や顔へ、右拳が叩き込まれる。

上条「お前ら全員が、オフィーリアを虐げても何とも思わねえ連中なら。それがまかり通る、その幻想をぶち殺す」

嫌に、冷静な声だった。
オフィーリアを馬鹿にされたことで、上条の頭には血が上ってしまっていた。

上条「…謝れよ」

彼を止められるのは、暴力か、最愛の彼女の制止か、そのどちらか。
偽善者という自覚を持って日々生きている上条だが、敵には容赦しない。
ましてや、愛する人間を馬鹿にされて、笑われて、我慢出来る筈もなかった。
連続して叩き込まれる打撃に、サローニャは物理的に手腕でガードするが、間に合わない。
何の異能も持ち合わせない圧倒的な暴力が、彼女を傷つけていく。

上条「謝れって言ってんだ」

このままでは、殴り殺す恐れが高い。
そう判断したウッルルは、『説明の出来ない力』で上条をサローニャから引き剥がした。

上条「何で止めんだよ!

怒りで目の前が見えていない上条は、怒鳴る。
対して、ウッルルは冷静以外の何者でもなかった。

オティヌス「>>152」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:04:31.32 ID:tr9xd/u30<> 死んでしまったら情報が引き出せないだろう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:08:16.42 ID:O0o8sZuJ0<> やめたげてよぉ!……という冗談はやめておいて

>>151 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 22:22:41.60 ID:QxJELEvO0<>
オティヌス「死んでしまったら情報が引き出せないだろう」

それでは困る、とウッルルは緩やかにため息をついた。
冷静な彼女につられて、上条も段々と自分がクールダウンしてきたのを感じる。
上条に殴られ、あちこちを傷つけられたサローニャは、上条を睨んだ。
そして、術式を発動する。

サローニャ「っ、ッ…」

展開される『レーシー』。
『森の支配者であり、そこに住むすべての動物達の王』であるというレーシーの伝承を基にし、支配した『森』の中に住まう『森の住人』を支配する事が出来る。
本来の支配地たる『森』はロシアの1地域に存在するが、支配地から連れてきた動物と、移動先の植物に『酸素と二酸化炭素のやりとり』をさせる事で、例外的に『飛び地』を作成する事が出来る。

そして、此処はその『飛び地』に当たる。
だが、彼女の術式も、魔神のなり損ないには通用しない。
即座に見抜かれた植物を『北欧王座』で破壊され、サローニャは愕然とする。

サローニャ「あ…」

上条「……」

オティヌス「…さて、話を聞かせてもらおうか」

サローニャ「ッ…、……何も話さないけどね。…私を傷つけたら、オーディンちゃんは激怒必死だよ? サローニャちゃんは愛されてるから」

少女の希望的観測。
ウッルルは自分と上条が居た隠れ家に彼女を引っ張り込み、一言こう告げた。

オティヌス「>>155」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:25:10.13 ID:9xUAnFKR0<> そもそも、サローニャを好きならば、サローニャという名前は与えな い。 きちんと『グレムリン』の正規メンバーとして、北欧神話に沿った名前 を与える。 あくまで彼女は、雇われの補充要員だ。使い捨てるつもりしか、持ち合 わせていない。
(これをオティヌスのセリフっぽくしてください) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:31:27.97 ID:O0o8sZuJ0<> おそらくお前は使い捨てだぞ?奴は本当に『グレムリン』のメンバーにするつもりならば北欧神話に沿った名前を与える。
お前の名前は何だ?北欧神話に関連性はあるのか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:31:44.48 ID:14MwC9uSO<> …………そうか。なら慎重に聞き出すとするよ。(…哀れな。真実を教えるのは、残酷か…)

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 22:37:29.90 ID:QxJELEvO0<>
オティヌス「恐らく、お前は使い捨てだぞ? 奴が本当に『グレムリン』のメンバーにするつもりならば、北欧神話に沿った名前を与える。お前の名前は何だ? 北欧神話に関連性はあるのか?」

サローニャ「…、」

目を見開き、ようやく気付いて絶望する彼女へ。
ウッルルは、オーディンへ協力している者へ向ける憎悪を確かに向けて、嫌悪感と共に言う。

オティヌス「そもそもだな。ヤツに愛されているのなら、お前がそんなに綺麗な肌をしているのはおかしな話なんだよ」

愛していれば愛している程、つまりは彼が執着する程に、跡が残る程痛めつけられるのだから。
そう言葉を付け加えたウッルルに、今度こそサローニャは項垂れる。

オティヌス「まあ、安心しろ。正規メンバーでないのなら」

サローニャ「え…?」

もしかして、命だけは助けてくれるのか。
そんな希望を抱き、サローニャは顔を上げる。
魔神のなり損ないたる少女は、寒気がする程の酷薄な笑みを浮かべた。

オティヌス「適当に聞き出して、適当に殺す。埋葬位ならしてやっても良い。…何なら、『死者の軍勢』として扱うのも悪く無い」

冷たい床にぺたりとお尻をつけた状態で、サローニャは後ずさる。
掠れた声で、助けて、と呟いた。声に出ているかは、怪しいところだが。

上条「>>159」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/13(木) 22:39:52.63 ID:vozcETa10<> どうせ殺すなら囮にしようぜ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:46:14.93 ID:14MwC9uSO<> …なぁ、いっそこっち側に引き込めないか?

色々、後で役に立ってくれそうだし。オフィーリアの居場所への水先案内人とかさ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 22:54:01.62 ID:QxJELEvO0<>
上条「…なぁ、いっそこっち側に引き込めないか?」

オティヌス「…何?」

どう調理してくれようと考えていたウッルルは、上条の言葉にのみ耳を傾ける。
うまく言えないけど、と前置きをした上で、上条は言葉を続けた。
オーディンに騙された様子のサローニャを、哀れに思ったのかもしれない。

上条「色々、後で役に立ってくれそうだし。オフィーリアの居場所への水先案内人とかさ」

先程は滅茶苦茶に殴ったものの、落ち着いている上条はいたって優しい少年だ。
出来る事なら人には死んで欲しくないし、苦しむ人を見て楽しむ趣味も無い。

オティヌス「非正規メンバーが居場所を知っているとは思えないが」

上条「でもほら、スパイ的な働きをしてくれるかもしれないだろ?」

何とか説得しようとする上条。
ウッルルは仕方無いとため息を吐きだした後、彼女を引っ張って奥の部屋へと引っ込んだ。



数時間後。
ウッルルは少しだけ出かけてくると言い残し、隠れ家を出て行った。
残された上条は、落ち込んだ様子のサローニャにおずおずと話しかける。

サローニャ「……」

上条「…嫌なら、教えてくれなくても良い、けどさ。…どうして、『グレムリン』に入ったんだ?」

サローニャ「…私の祖国は、エカテリンブルク。今は、復興の為に、…学園都市や、アメリカに毟られてる。いろいろなものを。……のどかな場所だった。素敵な、優しい場所だった。…絶望している私へ、声をかけてくれたのがオーディンちゃんだった。……優しい笑顔を見せてくれて、大丈夫だよ、って…笑いかけて、くれて、…私も手伝うから一緒に再興しよう、って…言って、くれた…」

上条「……」

サローニャ「…その結果が、これ。…おバカちゃんもいいとこだね…。……ロクにスパイなんか出来ないかもしれないのに、どうして私を生かしたの…?」

上条「>>162」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:56:29.18 ID:vozcETa10<> 俺の慰みモノになってもらうからだクケケケケケケ

とまぁ冗談はさておき

カッとなって殴ってしまった謝罪と
女の子は殴れてもさすがに殺せないからな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 22:57:36.11 ID:14MwC9uSO<> …もし、オフィーリアがあの時、あの場所にいたら、きっと形はどうあれお前を助けたんじゃないか、と思ったから。
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/13(木) 23:15:17.37 ID:QxJELEvO0<>
上条「…もし、オフィーリアがあの時、あの場所にいたら、きっと形はどうあれお前を助けたんじゃないか、と思ったから」

サローニャ「…オフィーリアって、元右方のフィアンマの、あの赤髪女の子ちゃんかな」

上条「お前の…いや、オーディンのところに囚われてるなら、そうだ。……オーディンって野郎は、平気で人を騙せる野郎なんだな」

サローニャ「…、…でも、私は被害者って言い切れない。……私は、あの赤髪ちゃんの処遇は知らない。ただ、存在を知ってるだけで、どこの部屋に閉じ込められているのか、オーディンちゃんに何をされたのかも、知らない」

上条「…そっか」

どれだけ救いようが無い悪人でも。
少しでも善性が残っているのなら、絶対に。
手を伸ばして、精一杯救おうとするの、オフィーリアという少女だ。
けれど、それを指針にしてしまう辺り、やはり自分は偽善者止まりか、と上条は苦く笑う。
オフィーリアが酷い目に遭っていなければ良いが、と思いつつ。







ぼんやりとした表情で、彼女はパンをかじっていた。
バターがたっぷりと使われ、レーズンの練りこまれた高級なパンのようだが、正直、味はあまり感じない。

オフィーリアは現在、承諾していないにも関わらず、『グレムリン』の正規メンバー扱いとなっていた。
いずれ陥落すると見込んで、あらかじめ名前を与えられた、というところか。
拘束は緩んでいるものの、部屋自体に仕掛けられたそれは重い。

オッレルス「…やあ、フリッグ」

フリッグ。
それが、彼女に付けられた北欧神話上の名前だった。

『フリッグ』とは『オーディン』の妻であり、最高位の女神だ。
『オーディン』と共に"玉座"『フリズスキャールヴ』に座す権利を持つ。
また、『予言』の能力を持っているが、決して口にすることはない。

皮肉にも、彼女の状況にお誂え向きの女神が居たのだ。

そんな彼女は現在、赤い服ではなく、やや華美なドレスのようなものを纏わされている。
部屋の内装も変わり、やはり華美だ。
しかし、これは、オーディンの妻の女神フリッグの住む宮殿―――『海の宮殿(フェンサリル)』を模したもので、服とセットで強力な拘束・結界の意味合いを成す。
『守護』といえば聞こえは良いが、魔術的な意味合いとしては、要するに外へ出られなくするということだ。

オッレルス「調子はどうかな。だいぶ体調は良くなっているように思えるが」

フィアンマ「……」

彼女は無視をするでもなく、オーディンを見やった。
監禁されて数日が経過しているが、ストックホルム症候群にはかかっていない。

フィアンマ「…当麻に何かしたのか」

オッレルス「>>165」






《今日は寝ます。お疲れ様でした》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 23:19:31.20 ID:TGUCq7NAO<> >>163
×するの
○するのが

安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 23:30:19.52 ID:uQT8rNL50<> 刺客を送りつけた以外はまだ何も <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 23:35:51.00 ID:14MwC9uSO<> 乙 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/13(木) 23:44:32.22 ID:TGUCq7NAO<> 名前を付けるという遠回しなプロポーズか…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/13(木) 23:54:08.96 ID:s+qVlXXR0<> >>167

寝てねー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/14(金) 00:00:01.15 ID:6gNAy2MSO<> ここまで露骨にオッさん押しか。だから上条さんがメインヒロイン表記だったのかね…
垣フィアスレのリベンジかの?


…たまにはあえて新規開拓で逆らってみようかね… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/14(金) 00:35:09.41 ID:Crhnw7NAO<>
いや、もうすぐ寝ます…寝ます。

あくまでもメインヒロインは上条さんです。今後ヒロインが増えたとしても。オッレルスさん押しは癖でつい…。

リベンジとかは考えて無…いで……… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/14(金) 00:37:35.04 ID:6gNAy2MSO<> >>1の霊圧が消えた……? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/14(金) 00:53:20.28 ID:/6LJ1AwW0<> なん……だと……? <> 小ネタ:らいじんといっしょ。
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/14(金) 01:06:27.49 ID:Crhnw7NAO<>

トール「飯持って来…すげぇ内装になったもんだな。もうすぐ完成だったか」

フィアンマ「食事か」ちら

トール「今日もパンだけどな。…レーズン、リンゴと交互にしたって、飽きねぇ?」

フィアンマ「別に飽きはしない。過去、こういった生活をしていたからな。慣れている」

トール「へー。窮屈な生活か」

フィアンマ「ラプンツェル辺りでも想像してくれ。その方がずっとメルヘンチックだ」もぐ

トール「飯は?」

フィアンマ「ん? 胚芽パンと野菜スープと水、時々牛乳だったが」

トール「…毎日かよ」

フィアンマ「慣れてしまえば、贅沢を知らなければどうという事は無い」

トール「なるほど」

フィアンマ「…」もきゅもきゅ

トール「…野暮な質問だが、今欲しいモンは? 用意出来そうなモンは用意してやるよ。あの野郎の目を盗んで、だけどな」

フィアンマ「ん…あれが食べたい」

トール「あれ?」

フィアンマ「カッパマキだ」

トール「か…河童って伝説の生き物か…巻くのかよ」

フィアンマ「美味いぞ? 味気ないが」

トール(河童を簀巻きにした…霊装の隠喩かと思ったが、美味い…? となれば、食いモンか)


トール「只でさえ味気ない食生活に味気ないもの加えてどうすんだよ! …ちなみに食感は?」


フィアンマ「しゃきしゃきとしているが」

トール「…内臓は…っつか、随分とエグい食いモンだな…」

フィアンマ「……?」もぐもぐ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/14(金) 01:11:20.47 ID:6gNAy2MSO<> サブヒロイン:オーディン
サブヒロイン:らいじんとーるnew!

<> 小ネタ:まじんといっしょ。
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/14(金) 11:12:12.83 ID:Crhnw7NAO<>
オッレルス「…」すー

フィアンマ「……」っミ毛布

オッレルス「……」ぱさっ

フィアンマ「……」ぼんやり

オッレルス「…」すー


フィアンマ(…当麻に逢いたい)はー

オッレルス「…」くー


フィアンマ「……」うとうと

オッレルス「…」

フィアンマ「…ズレているな」よいしょ

オッレルス「…」ぱち


フィアンマ「…毛布一枚…いや、有る無しで寒暖に差は出るはずだ」うん

オッレルス「……、」


フィアンマ「…」すやー

オッレルス(……俺が言えた事ではないが、異常者だな。…異常、だ)もふ <> 小ネタ:(元)せんせいといっしょ。
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/14(金) 11:13:38.02 ID:Crhnw7NAO<>
フィアンマ「勉強をしたいのだが」

ベルシ「勉強か」

フィアンマ「お前の元の職業は教師だろう?」


ベルシ「……そうだが」こく

フィアンマ「ならば、他者よりも教えるノウハウがあるはずだ」

ベルシ「もう二度と教鞭はとらないつもりだったが、…何について学びたいんだ」

フィアンマ「北欧神話、…オーディンが付けた、俺様の名について。…時間をただ浪費するのもつまらんからな。端的な説明でも構わん」


ベルシ「『フリッグ』か。フリッグは、愛と結婚の女神。また、豊穣の女神でもある」

フィアンマ「なるほど」ふむふむ

ベルシ「オーディンの妻にして、バルドルの母。また、最高位の女神だ。主神オーディンと共に玉座フリズスキャールヴに座す権利を有する。フィヨルギンの娘だ。また、予言の能力を持っているが、決して口にすることはない。ロキ…ウートガルザロキとはまた違う神の悪意によって、息子バルドルを失う」

フィアンマ「ほう。ノートとペンが欲しいところだ」ふむふむ

ベルシ「…最初から勉強熱心な若者とは珍しい」ふむ

フィアンマ「遊興に浸れる状況でもないからな」

ベルシ「……」こく

フィアンマ「……退屈だ」ぽふ

ベルシ(自らの状況は分かっているだろうに、長閑だな)

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/14(金) 12:19:59.54 ID:Crhnw7NAO<> キチデレにキチってるとか言われたくないな…

今日は来られないかもしれません 出来たら夜に来ます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/14(金) 12:54:47.59 ID:6gNAy2MSO<> 小ネタ乙。キチガイだからこそ、同種〈きちがい〉の人間がわかるのさ…

いや知らんけど

その内ウートもかね?チラチラ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 11:23:43.51 ID:3rx4AEZP0<> 《ウーさんもその内…! フィアンマちゃんの現状の衣装やら部屋内装やらはこちらをご参照ください→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:FriggSpinning.jpg》


オッレルス「刺客を送りつけた以外は、まだ何も」

フィアンマ「……」

何も、という割には、やることはしっかりやっている。
オフィーリアは上条の命の危機に怯えるでもなく、ただ一言「そうか」と相槌を打った。
傍らの、結界を強める霊装たる糸車を指先でなぞり、彼女は退屈そうに息を吐きだした。

オッレルス「心配は、しないんだな」

フィアンマ「したところでどうにかなるものでもあるまい。何より、並みの魔術師程度では当麻が傷つけられる恐れも低い」

霊装の一部である柔らかで真っ白な糸を指に巻きつけ、彼女はそう発言する。
その瞳には上条当麻という少年の強さに対する信頼の色。
強がりでない真っ直ぐな発言に、いつもオーディンは苛々とさせられる。
この女の心底絶望しきった悲しげな表情を見れば、この苛立ちは治まるはずだ、と我慢して。

フィアンマ「…それで、その刺客とやらは戻って来たのか?」

余裕の笑みすら浮かべて、オフィーリアは彼の瞳を見やる。
その辺りの余裕は、『右方のフィアンマ』として人を使う立場にいたからかもしれない。

オッレルス「>>181」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 11:26:56.92 ID:KZYwRCCm0<> さてね、使い捨ての駒に過ぎん。
生きていようが死んでいまいがどうでもいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 11:38:14.02 ID:HRurgViIO<> 案外、戻ってきてたりするかもね <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 11:44:05.88 ID:3rx4AEZP0<>
オッレルス「案外、戻ってきてたりするかもね」

フィアンマ「…興味は無いのか」

オッレルス「わざわざ周囲の生死に一回一回気を配っていると、精神が破滅するよ」

さらりと言って、彼は確認を取る。
通信術式による確認の結果、サローニャは戻ってきていないし、連絡も無いとのこと。
もう到着しているはずで、戦闘も終了しているはずなのに。

オッレルス(上条当麻の強さはともかく、なり損ないが居るんじゃ、『使い捨て』程度ではどのみちどうにもならないだろう)

魔神候補の相手をするのであれば、魔神自らが出向きでもしない限り、打倒は不可能。
上条をウッルルから引き剥がして攻撃するか、とオーディンはぼんやりと思う。
そこに、サローニャへの心配や後悔といったものは一片たりとも存在しない。

フィアンマ「…俺様の協力が無ければ、事を起こせない訳でもあるまい。当麻にこだわる必要性があるのか?」

上条を攻撃対象から少しでも外させる為に、オフィーリアはそう促した。
協力しない、という意思もしっかりと籠めて。

オッレルス「>>184」 <> 小ネタ:げんじゅつしといっしょ。 
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/15(土) 11:49:06.18 ID:l807/wfAO<>

ウート「よぉ。そこそこ元気そうだな」

フィアンマ「食事とまともな睡眠を取得していれば、大概の人間は健康そうなものだよ」

ウート「そんなもんかね」

フィアンマ「…そんなものだよ」

ウート「…さっさと頷いちまえば楽なのに、アンタもなかなか強情だな」

フィアンマ「自身でもそうは思うが、譲れないものがある」

ウート「なるほど。…リーダーが気に入ってる位だし、純粋培養のお嬢様かと思ってたんだが、」

フィアンマ「だが?」

ウート「ちょいと印象が違うな」

フィアンマ「残念ながら、お嬢様とは対極の位置に存在するからな。親の顔も知らん孤児だ」

ウート「はー。…逃げ出そうとか、そういう発想はねえの?」

フィアンマ「逃亡は簡単だが、すぐに捕まってしまっては元も子もないだろう?」

ウート「その場しのぎをするつもりはねえのか」

フィアンマ「無いな」

ウート「堅実だな。…さて、俺は俺で仕事任せられて来てるから、よろしく頼むぜ」

フィアンマ「…好きにしろ」

ウート「もちろん。…っと、」

ウート(『元手』<じょうほう>が少ないんだよな…)


上条『フェリーチェ』

フィアンマ「…当麻」

上条『…爪、…痛そう、だな』

フィアンマ「…痛いさ。見た通りに」

上条『遅くなってごめんな』

フィアンマ「……帰りたい。…当麻と、一緒に居たい。当麻と一緒に、ご飯食べたい。…当麻と一緒がいい。当麻、…当麻……っ…ひくっ…当麻、」ぎゅう


ウート(…こういうの、真面目に同情するキャラじゃねえんだけど)なでなで

フィアンマ「…当麻に、…あいたい…」ぎゅう

ウート(……勘弁してくれよ。真面目に逃亡手伝うとか、リーダーに逆らうとか、俺そんな騎士キャラじゃねえんだって…畜生)もご <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 12:03:52.32 ID:yXMtTQhw0<> 上条当麻を攻撃対象から少しでも外させようとしても
無駄だぞ。
意味はあるともさ、君が絶望してくれる。それだけだよ
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 12:18:34.01 ID:3rx4AEZP0<>
オッレルス「上条当麻を攻撃対象から少しでも外させようとしても無駄だぞ。意味はあるともさ、君が絶望してくれる。それだけだよ」

そうしなければ、苦しませなければ。
きっと、オーディンはこの苛立ちを消すことが、出来ない。

フィアンマ「下らん理由だ」

オッレルス「君にとってはそうかもしれないが、私にとってはそうじゃない」

君を見ていると、苛々する。
そう呟いて、オーディンは暇そうに糸車を見やった。
彼が直接動かずとも、指示さえしておけば、大概の準備は整っていく。
現在はサンドリヨンとウートガルザロキが『炉』の準備に入っている。
強大な力を持つ者が動くのは、危機に瀕した時か、どうしても自分の手でやらなければならないことがあるか、そのどちらかでいい。

フィアンマ「そんなに苛立つというのなら、俺様に関わらなければ良い。殺すのは容易だろう。…どうせ、死なないがね」

オッレルス「死にたいのか?」

フィアンマ「…どうだろうな。絶対に死にたくないと言えば、嘘になる。だが、積極的に死にたい訳でもない」

身体をミンチにされても、時間をかけてゆっくりと蘇る。
そんな彼女にとって、死とはあまりにも遠い概念だ。
例えオーディンが彼女の身体を引き裂き、心臓の動きを止めても、『預言』を元に修復されていく可能性が高い。
寿命で死ねるかどうかも怪しい、そんな、化け物。
それが、彼女の持つ莫大な才能であり、資産であり、体質だった。

フィアンマ「……お前はそこまで絶望しているのに、よく死にたいと思わないな」

オッレルス「>>187」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 12:41:52.10 ID:qBJevP6a0<> どうせなら私と同じような苦しみを
他の人間が味わうことの無いように世界を壊してしまえば良いと思ったからな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 13:30:22.49 ID:pNkL+h6r0<> 死んでしまったら世界を壊せないじゃないか <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 13:38:48.12 ID:3rx4AEZP0<>
オッレルス「死んでしまったら、世界を壊せないじゃないか」

フィアンマ「…そんなにも復讐したいのか」

オッレルス「…私から大切なものを奪った人間は、既に殺したが。その程度で済む程の想いじゃない」

フィアンマ「……哀しい人生だ」

オッレルス「何とでもいえば良い。生憎、私は魔神であって、聖職者じゃない」

だから、お優しい理論なんて必要無い。
そう告げて、オーディンは部屋から出て行った。
残されたフィアンマは、怠惰のままに糸を撫でる。
本物の糸ではなく、多少加工のされたそれは、ワイヤーの如く。
指に食い込ませ、流れる赤い血液にぼんやりとしながら、オフィーリアは項垂れる。

フィアンマ「…当麻」

無事でありますように。
一人、祈る。


数日が、経過した。
レイヴィニア=バードウェイの働きによってサンドリヨンは戦闘不可となったものの、『炉』の製造は完了する。
準備は、少しずつ、進んでしまっていた。


一方。
上条当麻は、サローニャが療養する為の部屋を綺麗にしてやり。
ウッルルと話す事もなく、ただぼんやりと居たのだが。
唐突な訪問者に、よく見知ったその顔に、驚愕と困惑を隠せないでいた。

上条「…御坂? 何で此処に」

美琴「>>190」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 13:46:10.33 ID:+a6fIyERo<> こいつほんといらん時に来るの好きだな安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 13:48:05.10 ID:pNkL+h6r0<> なんでって……あんたを探してたら
そこの女の人がいきなり現れて気がついたらここに… <> アセロラ<>sage<>2012/12/15(土) 13:48:17.68 ID:linoTr220<> >>187をえなりくん風に <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 14:01:59.68 ID:3rx4AEZP0<> 《>>185 ×『預言』 ○『虚空年代記』そのものの力》


美琴「何でって……あんたを探してたらそこの女の人がいきなり現れて気がついたら此処に…」

上条「そこの?」

上条が振り返った先に居るのは、ウッルルの姿。
彼女はミニスカートから見る長い脚を組み、暇そうに本を読んでいる。
上条に片付けるなと強く言っていた辺り、魔術に関する写本か何か、だろうか。

しかし。
上条が目を覚まして掃除を始めた時、ウッルルは眠っていた。
加えて、食事を摂り、その後はああして読書をしていたのだ。
美琴を拾ってくるのなら、外に出てもおかしくない。

美琴「あー、…あれよ。あの、…当麻の携帯から出てる微弱な電磁波を追って来た訳。GPSのハッキングとかね」

上条「電磁波…」

確かに彼女は電撃使い、それも学園都市最高の『超電磁砲』だ。
電磁関係に関する事であれば、上条が知らないようなことまで出来てもおかしくは無い。
上条はそう考え込んだところで、違和感に気がつく。

 "あの御坂美琴が、何の前触れも無しに自分の下の名前を呼んだりなどするだろうか?"

純粋な疑問。
視線を向けた先、御坂美琴はいつも通り、強いて言えばもこもことしたコートを着込んでいる位なもの。

美琴「…やっぱ合わねえな、こういうのは。騙すよりも、正々堂々と攻撃した方がわかりやすいってモンだ」

オティヌス「上条当麻、下がれ」

迷った上条が一歩だけ下がると、すんでの所で上条の足元に穴が空く。
御坂美琴の姿をした『何か』の指先からは、光が放たれている。
電気や砂鉄の剣などといった生易しいものではなく、アーク溶断ブレードと呼ばれる恐ろしい武器だ。

上条「ッ、誰だ!?」

美琴「『グレムリン』の直接戦闘担当」

彼女の姿が、女性的な印象の、少年に変わる。

トール「雷神トールとでも名乗っておこうかね」

ウッルルは本を放り、一瞬で上条の前に立つ。
同時に、トールは二歩下がって間を取った。

上条「オーディンの命令で来たって訳か。俺達を殺しに!」

トール「>>194」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 14:16:43.93 ID:VearyCVx0<> 殺しはしないさ

ただある女の救出を手伝って欲しい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 14:33:22.34 ID:+L17AtDm0<> そうだとしたら? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 14:50:14.16 ID:3rx4AEZP0<> 《>>192 ×見る ○見える ×電気 ○静電気》


トール「そうだとしたら?」

上条「簡単に殺される訳ねえだろ」

トール「ま、そうだろうな」

そんな簡単に生を放棄出来る筈もない。
そう呟いて、トールはアーク溶断ブレードを宿したままの指先を上条の方へ向ける。
ピリピリとした緊張感の中、ウッルルは指先一つ動かさずに力を発揮した。
『北欧王座』の圧倒的な力に吹き飛ばされ、トールは無事着地する。
どれだけ回避すれば避けた事になるのかもわからないまま、空中に跳んで逃げたのだ。
雷を司る彼にとって、天候を利用する魔術は難しいことではない。
運悪く立ち込めきてている暗雲へ一度視線をやり、地面はアーク溶断ブレードで特殊な文字を記した。
雷鳴が轟くと共に、現れたのは一つの戦車。

タングリスニとタングニョースト。
魔法のヤギが引く、半永久的に破壊出来ないもの。

いくら右手を突き出していれば問題無いとはいえ、上条は多角的な攻撃に弱い。
戦車を右手で防いだ瞬間にアーク溶断ブレード辺りで首を落とされてしまえば、死ぬ事が確定する。

トール「興醒めさせんなよ」

雷神トールは、一切の妥協容赦無く、襲いかかる。





その頃、学園都市。
少しでも体力を付けるべく、一方通行はフレメアと遊びに行った打ち止めの迎えも兼ねて、歩いていた。
そんな彼の腰元にこつん、と小さい頭がぶつかる。

垣根弟「わぷっ」

ぶつかった衝撃でぺたんと尻餅をついた少年の背丈は、打ち止めより少し低い。

一方通行「あン?」

視線を下に向ける。

垣根弟「む、これはいいところに、とカキネは脳内データと眼前の人物の人相を一致させた」

一方通行「…で、このていとくンにそっくりなガキはなンなンですかねェ?」

独り言を言って思い出すのは、垣根帝督の『弟が出来た』という一言。
つまりは、御坂美琴にとっての打ち止めのように、クローンということだ。

一方通行「イイ所に、ってのは何だ。何かから逃げてンのか?」

垣根弟「>>197」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 14:54:39.14 ID:vpBlO3fN0<> パパとママがカキネのお婿さんをボコボコにしてる
助けて <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 15:09:03.69 ID:vpBlO3fN0<> >>196

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 15:12:39.21 ID:plJsX/6SO<> …カキネの家が暗部残党から襲撃を受けた。現在、双方共に負傷者を多数出しながら交戦中。へるぷみーとカキネは事態の緊急性を報告した <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 15:20:05.54 ID:3rx4AEZP0<>
垣根弟「パパとママがカキネのお婿さんをボコボコにしている、助けて、とカキネは救援を要請した」

一方通行「オマエが追われてる訳じゃねェンだな。…っつか婿って」

垣根弟「頼む、とカキネは強硬手段に出た」

一方通行「服引っ張るンじゃねェよ、伸びるだろォが」

杖をついている人間に対してバランスを崩させてはいけない。
そういった基本的常識を学ばされている筈もなく、自由な垣根弟に引っ張られ、一方通行は移動させられるのであった。

やって来たのは、『アイテム』が隠れ家としてよく使用する個人サロン。
麦野沈利の私物といえばそうだが、リース料を忘れている事が多い為、彼女にその自覚は無い。

一方通行「…で、婿ってのはどれだ」

垣根弟「今正に麦野沈利から頭をはたかれている浜面仕上だ、とカキネは回答した」

一方通行「っつゥか何でボコボコにされてンだ」

垣根弟「>>201」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 15:27:57.77 ID:/UaKpFb20<> カキネの初体験を捧げた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 15:29:55.19 ID:plJsX/6SO<> 僕のマミーは僕が悪戯しようが人に迷惑をかけられようが絶対怒らない優しい人だが、鮭の弁当をひっくり返した時だけは鬼子母神と化すんだよHAHAHA!とカキネは最近テレビで見たアメリカンジョークっぽい口調で説明した <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 15:40:04.31 ID:3rx4AEZP0<>
垣根弟「僕のマミーは僕が悪戯しようが人に迷惑をかけられようが絶対怒らない優しい人だが、鮭の弁当をひっくり返した時だけは鬼子母神と化すんだよHAHAHA! とカキネは最近テレビで見たアメリカンジョークっぽい口調で説明した」

一方通行「ていとくンは見せて良いテレビの内容の線引きを真面目に考えた方がイイだろォな」

やれやれとため息を吐き出し、一方通行は惨状に視線を向ける。
麦野沈利はいつもの美貌がどこへやら、恐ろしい表情で浜面の頭をぶっ叩いており。
周囲の絹旗やフレンダといったメンバーは、一切関与しない様子。
垣根は麦野を止めるどころか加勢しており、浜面の尻をぶっている。

垣根弟「このままだとキズモノを娶る事に、とカキネは危機感を覚えた」

一方通行「……何だかなァ…」

暗部らしからぬ風景。
自分が凱旋宣言をして暗部組織を解放したとはいえ、あまりにも平和的過ぎる。
まあいいか、と結論づけて、一方通行は一旦場所を離れ、鮭弁を手に、仲裁に入るのだった。

一方通行「オイ第四位」

麦野「あぁ!? 邪魔すんじゃねえよクソ野郎!」

一方通行「これやるから一旦止めとけ、マジで死ンじまうぞ」

ほら、と差し出されたお惣菜屋さんの袋。
その中身を一瞬で把握し、麦野は目を見開く。

麦野「………お弁当? …しゃ、…鮭、弁?」

垣根弟「物資による懐柔か、とカキネは学んだ」

垣根「お前どこ行ったかと思えば一方通行呼びに行ってたのかよ」

垣根弟「誰でも良かったのだが、とカキネは肯定した」

浜面「た、助かった…」

垣根弟「この土壇場で婚約者を助けられる人材を連れてきたカキネはカッコイー? とカキネは問いかけた」

浜面「げほ、>>204」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 15:43:13.61 ID:plJsX/6SO<> ああ、カッコイイー!一皮剥けやがって!惚れちゃいそーだぜカキセラレータぁ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 15:46:55.96 ID:/UaKpFb20<> かっこいいー!嫁にしてやるぜ!チューしてやろうか(ありがとうカキネ弟)
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 15:55:48.38 ID:3rx4AEZP0<>
浜面「げほ、かっこいいー! 嫁にしてやるぜ! チューしてやろうか(ありがとうカキネ弟)」

いつも、本音と建前が逆になる。
そんな彼はまたも格好悪い様子を晒した為、垣根にぶっ叩かれる事となった。
垣根弟はというと、照れるでも嬉しそうにはにかむでもなく、オリジナル譲りのドヤ顔を発揮していた。
ふと、一方通行は一人の少女に睨まれている事に気がつく。

絹旗最愛。
『暗闇の五月計画』―――学園都市最強の超能力者である一方通行の演算パターンを参考に、各能力者の自分だけの現実(パーソナルリアリティ)を最適化、能力者の性能を向上させようというプロジェクト。『一方通行の精神性・演算方法の一部を意図的に植え付ける』という、個人の人格を他者の都合で蹂躙する非人道的な暗部らしい計画の被験者だ。
一方通行が存在しなければ被害を被る事は無かった少女の一人である。
鮭弁を食べ始めている麦野、浜面の頬を限界まで引っ張っている垣根、鯖缶をサブおかずとして麦野に勧めているフレンダへ一言言い残すと、一方通行は絹旗最愛と共に外へ出た。


一方通行「敵意満々で睨ンでンじゃねェよ」

絹旗「……」

一方通行「…俺に何か言いてェ事があったンじゃねェの?」

絹旗「>>207」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:00:47.43 ID:plJsX/6SO<> 超是非私のモノになって下さいお兄ちゃンオシタオシ
ウフフ、ヘハ、フハハハ!!お兄ちゃンは超私のモノ!誰にも渡さない……!ペーロペロペロ!
お兄ちゃん大好き大好き大好き大好き大好きスリスリ

安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:01:21.66 ID:FqUDNGOp0<> 言いたいことは2つです

1つはあなたが居なければあの実験はなかったというまぁ怨みと言えば怨み
1つはあなたが居たからこそのこの能力 その御礼です
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:02:10.22 ID:FqUDNGOp0<> やべぇ>>206が見たい <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 16:15:09.01 ID:3rx4AEZP0<>
絹旗「言いたいことは二つです」

一方通行「あン?」

恨み言を覚悟して、一方通行は絹旗を見つめる。
罵倒されることには慣れてしまっている。
昔の彼であれば運が悪かったなと冷たく突き放すところだが、今は違う。

絹旗「1つは、あなたが居なければあの実験は無かったという、まぁ、怨みと言えば怨み」

一方通行「……」

やはりか、と一方通行は思う。
自分という存在がなければ、『暗闇の五月計画』が立案されることは無かった。
それにしても絹旗がまた別の実験で被害に遭っていたおそれは否定出来ないものの、自分という存在が彼女を遠まわしに傷つけたことは、確かだ。
落ち込むでもなく、かといって突き放すでもなく、真面目に受け取った一方通行へ、絹旗は二つ目の内容を話す。

絹旗「もう1つは、あなたが居たからこそのこの能力。…その、御礼です。超ありがとうございました」

一方通行「…そォかい」

打ち止めと同じようなことを言う、と一方通行はため息を呑み込んだ。
どうにも、最近の自分は簡単に許されてしまっている気がする。






上条当麻は、暖かな食卓を囲んでいた。

上条「…なぁ、」

オティヌス「何だ」

上条「何で敵とご飯食べてんの?」

オティヌス「このトールが『グレムリン』を裏切ってでも此方へついて、学園都市に眠る『主神の槍』の素体たる少女を救いたいと言った上、現在は準備期間だから、だが?」

トール「そうそう。だからさ、そう堅くなるなよ」

上条「何でそこでさらっと納得出来んのかわかんねえよ」

オティヌス「魔術師とはそもそも組織に向いている人間じゃない」

上条「…そんなもん、なのか…? ……っつか、裏切りがバレたら殺されるんじゃねえのか」

ちら、と上条は隣の少年を見やる。
あの後戦車を踏破して身体を曲げ、ブレードを防いだ瞬間、この少年は楽しそうに笑っていた。
たった一人で戦争レベルの事が出来る戦争代理人、と名乗っていたような気もする。
知らず知らずだろうが、無意識レベルで敵の(裏切った以上味方なのかもしれないが)命を心配する上条に、甘ちゃんだなとトールは笑った。

トール「>>211」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:25:11.84 ID:uawIOrSm0<> 女を救出出来るか出来ないかで死ぬか死なないか別れるかもなー
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:28:31.82 ID:plJsX/6SO<> まぁそん時はそん時だお前優しいなー惚れちゃいそーだぜオシリサワサワ
なぁ、後でベッドで語り合わないか?ガッシ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:32:56.05 ID:plJsX/6SO<> 今更だが>>183フィアンマさんの本名が… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:33:58.86 ID:IId0S3mt0<> トールがホモに… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 16:38:53.47 ID:3rx4AEZP0<> 《>>212様 あくまでウーさんの把握している情報上の名前が『フェリーチェ』でした。なので、フィアンマちゃんは幻覚と即座に認識した上で、上条さんの幻覚を被ったウーさんに抱きついて泣いてました》


トール「まぁ、そん時はそん時だ」

上条が心配しようとしまいと、死ぬ時は死ぬ。
そう言われたような気がして、食事を終えた上条は視線を落とした。
そんな彼の臀部を手のひらで撫で、トールはにこりと笑んでみせる。

トール「お前優しいなー、惚れちゃいそーだぜ」

上条「い、っ」

淫靡に尻を撫でられている感触に、上条は思わず固まる。
女の子に尻を撫でられるのも別に好きという訳ではないが、男に尻を撫でられるというものは、なかなかゾッとくるもので。

トール「なぁ、後でベッドで語り合わないか?」

がっし、と肩を掴まれ、上条はぴしっと石のように固まった。
頭の中を廻っているのは、今まで感じた事の無かった『貞操の危機』の五文字だった。

上条「え、あぐ、…う、ウッルル」

助けて、と言わんばかりの視線が、ウッルルに向いた。
彼女はマイペースにパンをかじり、首を傾げる。

オティヌス「ヤるなら鍵を閉めてヤってくれ」

トール「了解」

上条「了解じゃねえよ! 待って!? 上条さんのお尻の危機! いやああああ!」

誰か助けて、とじたばたする上条。
がちゃ、とドアを開けて出てきたのは、どこか妖精のような雰囲気を漂わせている少女―――サローニャ。

サローニャ「だ、だめ! ツンツン頭ちゃんはサローニャちゃんがあれこれちゃんするの!」

トール「えー、男同士じゃないと出来ないコトがあんだよ」

上条「た、助かったサローニャ、ど、っ、どうにかしてくれ! っていうかコイツそういう趣味なの!? どうなの!?」

サローニャ「>>216」

トール「>>218」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:42:13.68 ID:plJsX/6SO<> いわゆるカヲルくんポジです(笑) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:43:28.89 ID:IId0S3mt0<> そうだよ。女の子に変装して男を釣って
いざって時にお尻にズブッとやるって
本人から聞いた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:45:34.77 ID:plJsX/6SO<> ニヤニヤ(*´∀`)♪ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:47:05.20 ID:IId0S3mt0<> 男も良いもんだぜ?ハァハァ
大丈夫、痛くしないからしっかりほぐすからガシッ

じゃあヤろうかズルズル(上条さん引きずられ) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 16:55:03.78 ID:plJsX/6SO<> サローニャちゃんとあれこれハァハァ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 16:56:36.45 ID:3rx4AEZP0<>
サローニャ「そうだよ。女の子に変装して男を釣って、いざって時にお尻にズブッとやるって本人から聞いた」

トール「男も良いもんだぜ?」

上条の耳元に届くのは、男の荒い吐息。
ともすれば欲情の色を含むそれにぞっとしながら、上条はじたばたと身動く。
しかし、細い腕とは対比的に、トールの腕力は強い。

トール「大丈夫、痛くしないから、しっかりほぐすから」

がっしりと抱きすくめられ、ぎゃああ、と上条は逃げようとする。

上条「何も! 何も大丈夫じゃない!!」

どうしてこんな事に、と涙目で暴れる上条。
サローニャは魔術で反撃しようと試みるも、まだ怪我が尾を引いていて調子が出ない上、彼女よりも明らかにトールの方が実力が上であった。
そしてウッルルはというと、別に上条を助けるでもなく(助けるのは上条の命のみのようだ)、牛乳を飲み干して写本へ手を伸ばす。
今この場において、彼の尻を守る意思と力、両方を持ち合わせる人間は存在しなかった。

古人は言った。
力なき善は悪にも劣る。

トール「じゃあヤろうか」

上条「いやああああああ!! 何でもするからああああ、何でもするからあああああっ!」

サローニャ「ご、ごめんねツンツン頭ちゃん…犬にでも噛まれたと思って…多分トールちゃんは病気ちゃん持ってないと思う」

上条「そこじゃなああああああい!!」

うわあああん、と泣きそうになっている哀れな被害者と、乗り気元気な雷神は、部屋の中へと消えた。







オーディンが独立して動いている間。
サンドリヨンの身柄をマリアンに引き渡したウートガルザロキは、オフィーリアに会いに来ていた。
退屈していたということもある。

ウート「よぉ、フリッグちゃん」

フィアンマ「…ウトガルデロック、だったか?」

ウート「間違っちゃいねえが、ウートガルザロキで頼むぜ。今日はお嬢さんにお土産。物騒なモンじゃねえから安心しろ」

フィアンマ「土産?」

首を傾げる彼女へ、彼は箱を渡す。

ウート「>>222」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:04:51.33 ID:plJsX/6SO<> タッタタラーラタータラーラーラー♪チェスセットと本数冊〜(某青狸風に)
結構好きだって聞いてさ。暇だろうし、なんなら俺が相手すっから。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:05:34.72 ID:95gUyDFb0<> >>221

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 17:14:56.97 ID:yrX+P5Tq0<>
ウート「タッタタラーラタータラーラーラー♪ チェスセットと本数冊〜」

どこぞのアニメで通用しそうな明るさで中身を簡易的に説明するウートガルザロキ。
オフィーリアは素直に箱のリボンを解き、ぱかりと開けた。
中に入っているのは先刻彼が言った通り、チェスのセットと数冊の本だ。
わざわざ買ってきてくれたのか、ときょとつく彼女に対し、彼は軽薄そうに笑う。
或いは、やや照れ気味に。

ウート「結構好きだって聞いてさ。暇だろうし、何なら俺が相手すっから」

フィアンマ「…勝手にこんな事をしても問題無いのか?」

ウート「え、何? 俺の心配? 問題ねーよ。別に、脱獄道具与えた訳じゃあるまいし」

フィアンマ「…ありがとう」

暇潰しの道具があるか無いかで、監禁生活の苦しさは変わる。
調度欲しい物でもあった為、オフィーリアは心の底から嬉しそうに微笑んだ。
真面目な雰囲気というものが大の苦手なウートガルザロキは、首を横に振る。

ウート「そういやお姫さんが暇してたな、と思っただけだ。財布も重かったしな」

フィアンマ「それは事実だが、感謝する。…ん? 怪我をしているのか」

オフィーリアはふと、ウートガルザロキのスーツの裾端の焦げや、脚の切り傷のようなものに気がつく。
別に問題無いと言おうとした刹那、彼女は一旦箱を傍らに置き、彼の腕を掴んだ。
周囲をぐるりと見回すと、糸で自分の指を傷つけて血を出した後、彼の腕の傷口付近に血文字で何かを描く。
オーディンの計画に協力することと、目の前の怪我人を癒す事は、彼女の中で別枠に入っているのだ。

フィアンマ「…これで良いか」

スーツ越しなのでわかり辛いが、傷口は塞がったようだ。
ウートガルザロキは目を瞬く。

ウート「…いやいや、何でそこで治療?」

フィアンマ「? 怪我人が居たら治療するだろう」

ウート「普通そうはならねえだろ。忘れてるのか知らねーけど、俺『グレムリン』のメンバーだぜ?」

フィアンマ「知っているし、忘れてもいないが。それとこれとは別だろう。何故訝しがる。…もしや、怪我をしていたかったのか? …マゾヒズム、といったか」

ウート「>>225」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:16:46.51 ID:6fepFrT20<> 俺はノーマルですぅー
女には興味無いだけですぅー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:20:34.22 ID:plJsX/6SO<> そーじゃなくて。一応君にとっては敵だろ?何?汝敵を愛せよーって?
えー、なになに?フィリーチェちゃんって聖女系女子?超カワイー
頭撫でていー? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:21:58.11 ID:pNkL+h6r0<> ウゼエwwwwww <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 17:29:51.81 ID:yrX+P5Tq0<>
ウート「そーじゃなくて。一応、君にとっては敵だろ? 何? 汝敵を愛せよーって?」

フィアンマ「…それは鉄則として思っているが、」

ウート「えー、なになに? フェリーチェちゃんって聖女系女子? 超カワイー」

フィアンマ「聖女と呼べる程の事はしていな、」

ウート「頭撫でていー?」

フィアンマ「…好きにしろ」

やや高めのテンションに対し、真面目な返答ではワンテンポ遅れる。
オフィーリアは困ったように口ごもりながら、箱を拾い上げて膝に乗せた。
ウートガルザロキは呑気に数回彼女の髪を撫でる。

フィアンマ「…せっかくお前が居るんだ、チェスがしたい」

ウート「ん、セットはこの辺で良いかね」

チェスセットをオフィーリアから受け取り、のんびりとウートガルザロキはチェスセットを並べていく。
女には手加減する趣味なのか、自分の側の駒をいくつか間引いて。

ウート「どっちが先にやる?」

適当な椅子をセットし、彼は首を傾げる。
迷った結果、じゃんけん。当然、絶対の幸運を所有するオフィーリアが勝利。

ウート「……ん」

こつ、こつ、と互いに駒を動かしていく。
白いチェス盤上で、白い駒と黒い駒が移動させられていく。

フィアンマ「………チェック」

ウート「やっぱ強ぇな」

当たり前か、と笑って、彼はそのまま負けを選ぶ。
女子供に手加減するタイプかと問われ、首を横に振った。

フィアンマ「…オーディンは、…昔、何があったんだ。恋人を殺されたんだろう? ……それで、世界を憎んでいる。………いや、…お前に聞いても仕方が無い事か。…お前は、どうして『グレムリン』に所属しているんだ。何か、やり遂げたい事が?」

ウート「>>229」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:38:23.05 ID:plJsX/6SO<> …あー、そーゆーのは俺も含めて、構成員に聞かない方がいいっぽい。

グレムリンに所属してる奴等の大半は、ケルマディック海溝くらい深くて重たい理由があるあるなんだよ。俺は重たいのちょーキライだからこの話はやめやめ!そんな事よりもっと楽しい話しねぇ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:40:03.59 ID:IId0S3mt0<> >>228

あ、襲ったりしないからね?俺女には興味無いから
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/15(土) 17:45:51.30 ID:l807/wfAO<>
ちょっと飲み行ってきます

ホモごり押しの流れにちょっとワロタ
オーディンさんは男好き男達を統括して…堕落した楽園とはグレムリンの事だったのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:51:21.60 ID:plJsX/6SO<> 悪いとは言わないがキャラ被りは不味いだろうと思わなくもないww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 17:51:37.51 ID:SOzhU60a0<> オーディンさんの目的は人類同性愛化計画だな

子供が出来なくなれば世界は破滅だ <> アセロラ<>sage<>2012/12/15(土) 19:31:37.81 ID:linoTr220<> ちょっと見てなかったら何この雰囲気ホモばっかですやんwwww <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/15(土) 19:47:12.22 ID:l807/wfAO<>
トールくんとサローニャちゃんの肩抱いてウーさんにお酌してもらってるオーディンさん考えたら吹いてしまった、何だその飲み会

>>232様
恐ろしい計画だ… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 22:07:04.91 ID:MYBg4gub0<>
ウート「…あー、そーゆーのは俺も含めて、構成員に聞かない方がいいっぽい。『グレムリン』に所属してる奴等の大半は、ケルマディック海溝くらい深くて重たい理由があるあるなんだよ。俺は重たいのちょーキライだから、この話はやめやめ! そんな事よりもっと楽しい話しねぇ? あ、襲ったりしないからね? 俺、女には興味無いから」

フィアンマ「わかった。…同性愛者か」

ウート「っていうか、そもそもあんまり人を好きにならないタイプっていうか。あ、フェリーチェちゃんの事はまーまー好きよ?」

軽いノリ過ぎて、真偽不明となってしまっている。
それこそが幻術使いのあるべき姿なのかもしれないが。
ウートガルザロキは今度はナイト等を除外せずに再度チェスを開始する。
わざわざじゃんけんなどせずとも勝敗は見えているので、連続勝者のオフィーリアから開始。

ウート「……或いは。…フェリーチェちゃんみてえな子が傍に居たら、…『グレムリン』なんて魔術組織自体、出来なかったかもしれねえな。少なくとも、俺は―――」

フィアンマ「……、」

ウート「なーんてな。シリアスぶってみるのもなかなかイイもんだ。そういえば、トールの野郎にカッパマキがどうこうって言ってたらしいけど、そんなに美味いモンなの? 日本料理だっけ?」

フィアンマ「そうだよ。スシの一種だったか…キュウリが挟んである」

ウート「あれ、カッパの肉じゃねーの?」

フィアンマ「そんな希少なものだと思っていたのか。あれだよ、カッパの好物と言われているキュウリを丸め込んでいるから、カッパマキ」

ウート「へー。…ロールケーキみたいな感じ?」

フィアンマ「そうだな。つくり方は似ている」

ウート「ちょっと興味あるな」

フィアンマ「…いつか食べてみれば良い」

ウート「そうする」

オーディンの計画が成功した暁には、きっと現代の文明なんてロクに残っていないとわかっていながらも。
ウートガルザロキは、笑って相槌を打った。
軽薄に笑って、嘘で丸め、受け流す。そうして生きてきたのが彼で、これからだってそうして生きていくしかないのだ。
例え何があろうとも、"もう二度と"ヒーローの真似事なんて、しない。





垣根帝督は現在、垣根弟と共に、木原病理の病室へやって来ていた。
冥土帰しにお願いした影響で、彼女は現在、垣根に対抗する手段を持たない。
彼女はもはや、良才の研究家で、歩く事の出来ない細身の女性というだけだった。

垣根「…よぉ、クソババア。元気だったかよ」

病理「>>237」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 22:18:02.29 ID:zyKZ//Ido<> ていとk……あなた、こんなところに何故?

帰りなさい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 22:38:42.90 ID:TTTTOfpP0<> あら、帝督。ママに何か用かしら? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 22:43:34.62 ID:MYBg4gub0<>
病理「あら、帝督。ママに何か用かしら?」

垣根「ムカつくなテメェは相変わらず」

病理「あら、あらあらあら? もしかして、もうママと呼ぶのは恥ずかしい…? まだ子供なのに…」

垣根「…こ、の、クソババア……っ! 誰がガキだコラ」

病理「そうやってムキになるところがガキっぽいと思われるんですよー」

垣根「…ま、ババアにガキって言われてもな」

病理「帝督、お口になめこをつっこみますよ?」

垣根「ふざけんな」

垣根弟「喧嘩はよくない、とカキネは仲裁した」

病理「お久しぶりですね」

垣根弟「確かに久しい、とカキネは事実を確認した」

垣根「……」

ベッドに座った垣根病理は、どこまでも無力な女性だった。
子供を産んだとは思えない程のスタイルの良さも、かえってそのか細さが際立つように思えた。
幸薄いお姉さん。そういった感じの印象だ。
垣根弟は病理に甘えるでもなく、垣根の手を握ったまま動かない。

病理「それより、どうしてお見舞いになんて来てくれたんですか?」

もう、私には何も無いのに。
諦めのプロは何もかも諦めて、むしろせいせいとした表情で、そう問いかけた。

垣根「>>240」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 22:55:23.37 ID:TTTTOfpP0<> とりあえず俺の実の母親だからな…
これフルーツの盛り合わせ良かったら食ってくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 23:03:10.90 ID:8sahpLLi0<> >>239

早く良くなれよな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/15(土) 23:17:21.66 ID:MYBg4gub0<>
垣根「とりあえず、俺の実の母親だからな…これ、フルーツの盛り合わせ。良かったら食ってくれ」

垣根が差し出したのは、甘そうな果物が盛り合わせになったフルーツバスケット。
奇遇なことに、かつて一方通行が木原数多へ贈ったものと同じ見舞い品だ。
別に木原一族の人間がこれを食べる決まりになっているという訳ではなく、本当に偶然だ。
病理はきょとんとしながらも、大人しくバスケットを受け取る。

病理「何だか遅効性の毒物でも入っていそうですねー」

垣根「ねえよ。…早く、良くなれよな」

病理「うーん。早く良くなっても、行き場所がありませんし」

垣根「あ? 最近まで居た研究所は」

病理「それを帝督が言うんですか? 滅茶苦茶にしてしまったじゃないですか」

垣根「そりゃそうだが、…お前の才能なら他にもまぁまぁ行き場所あったんじゃねえの?」

病理「私の、所謂最盛期は終わってしまいましたから」

垣根「…ふーん」

垣根弟「失敗が度重なれば流石に復活は難しい、とカキネは補足した」

病理「そういう事です。まぁ、諦めてますけど」

さらりと言って、病理はバスケットの中からみかんをチョイスした。
皮を丁寧に剥き、ゴミをゴミ箱へ捨て、丁寧に白い筋まで取って食べ始める。

病理「後ろ盾もありませんし、その内死ぬかもしれませんね」

諦めますか、と軽く言って、彼女はみかんを食べ終える。
垣根はしばらく黙った後、発言した。

垣根「…くっだらね。………俺が、…守ってやるよ。仕方ねぇから」

病理「母親だから、ですか? 気にしなくても」

垣根「そうじゃねえ」

病理「では、何故?」

垣根「>>243」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 23:32:54.96 ID:8sahpLLi0<> 俺が護ると決めたからだ!
勝手に死ぬんじゃねぇぞ?母さんよニカッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 23:42:03.70 ID:8sahpLLi0<> >>242

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/15(土) 23:47:18.17 ID:plJsX/6SO<> 抱きしめて

……やっぱり、そうかもしれねぇ。単に母恋しいだけなのかもしれねぇ。
……うまく、今の気持ちを言葉にできねぇ。ただ、あんたには元気で、生きてて欲しいと思ってる。

……………母さん。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 00:06:21.24 ID:oIzKsB4E0<>
垣根「俺が護ると決めたからだ! 勝手に死ぬんじゃねぇぞ? 母さんよ」

口元を歪ませ、垣根はにかっと笑ってみせる。
病理はきょとんとした後、首を傾げてみせた。

病理「それはそれは、何だか素敵で格好良いですねー。諦めさせたいです」

垣根弟「そこは諦めてはいけないのでは、とカキネは指摘した」

垣根「コイツ、これが口癖だから」

肩を竦め、垣根は垣根弟の頭を撫でる。
垣根弟は大人しく撫でられ、垣根にすりすりとなついた。

病理「…帝督」

垣根「あん?」

病理「気をつけて帰るんですよ」

垣根「バーカ、誰に言ってやがる」

言って、学園都市第二位は背を向ける。
そして、垣根弟の手を引き、静かに病室を出て行った。
暗部を抜けた彼に、もう、見捨てるべきものは、無い。




サローニャ、サンドリヨンを使い捨て。
オーディンは何の感慨に浸るでもなく、暇を持て余していた。
オフィーリアはというと、本を読んでいる。

オッレルス「……その本は?」

フィアンマ「童話だが」

オッレルス「…童話か」

フィアンマ「……そんなに退屈なら、俺様に構うのではなく、他の人間の相手をしたらどうだ」

オッレルス「>>247」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 00:21:14.66 ID:0Nnz7/XQ0<> 他の人間で遊ぶと直ぐ壊れるからつまらん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 00:30:00.14 ID:qQktpbqSO<> …なぁ、小さい頃なんかに、空に浮かぶ月に触れてみたい、なんて考えたりしなかったかい?…俺はある。今は亡き彼女ともそんな話をしたよ。

…俺が、何をしでかそうとしてるか…特別に教えてあげようと思ってね

『月を落とす』んだよ。


間もなく儀式が開始される。勿論、月が動く事で、様々な大災害も起き始めるだろう…君の恋人が死ななければいいな?

月がインパクトする…地球最後の刻は今より72時間後。精々、最後の人生を噛み締めろ。


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 00:31:52.74 ID:0Nnz7/XQ0<> アルマゲドン2007 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 00:41:14.15 ID:oIzKsB4E0<>
オッレルス「…なぁ、小さい頃なんかに、空に浮かぶ月に触れてみたい、なんて考えたりしなかったかい? …俺はある。今は亡き彼女ともそんな話をしたよ」

フィアンマ「……」

彼がそんな事を言い始めたのは、彼女の手にある童話の本の表紙に月の絵が描かれているから、だろうか。
オフィーリアは注意深く、静かに話を聴く。

オッレルス「…俺が、何をしでかそうとしてるか…特別に教えてあげようと思ってね」

フィアンマ「…、…何を」

オッレルス「『月を落とす』んだよ」

時が、止まる。
そんなことをすればどれだけの犠牲が出るかわかっていながら、オーディンは笑う。

オッレルス「間もなく儀式が開始される。勿論、月が動く事で、様々な大災害も起き始めるだろう…君の恋人が死ななければいいな?」

ただ、彼女を絶望させる為に。
そして、自分が受けた苦しみを、他者へ与える為に。
世界への復讐。
個人的な事情の為に、全ての人類の生活を徹底的に叩きのめす。

オッレルス「月がインパクトする…地球最後の刻は今より72時間後。精々、最後の人生を噛み締めろ」

フィアンマ「…そんな事をすれば、最悪お前も死ぬ事になるぞ」

オッレルス「構わないよ。…君の悲しみ、痛がり、絶望する顔さえ見る事が出来れば」

調べた情報から推測したとして。
上条当麻は、恐らくその儀式を止めに来る。
多くの人々の命が救われたとしても、上条当麻という少年は、死ぬ。
そう思うと、オーディンは愉快でたまらなかった。

フィアンマ「……三日間か」

呟いた彼女は、糸を握る。
金色の瞳が、初めて敵意に輝いた。
しかし、その視線はオーディンに向けられているものではなく。

フィアンマ「…三日の後。世界が危機に晒されるのであれば、救わねばならないな」

オッレルス「…本気で言っているのか?」

此処から逃れる事すらままならないくせに。
そう言外に指摘するオーディンに、オフィーリアは一度だけ頷く。

フィアンマ「それが、俺様の使命であり、利子の返済だ。……どうせ、俺様が何か言ったところで、すがり付いてみても、やめる訳でもあるまい?」

オッレルス「>>251」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 00:46:03.17 ID:qQktpbqSO<> さぁ?上条当麻を君の手で殺害して、一生俺の玩具になってくれる…というなら、少しだけ考えるふりをしてあげるよ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 00:48:58.73 ID:0Nnz7/XQ0<> 今の言い方は鶏冠にきたな
実行日を早めよう <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 00:58:31.41 ID:oIzKsB4E0<>
オッレルス「今の言い方は鶏冠に来たな。実行日を早めよう」

二日後にする。
そんな事を言って、彼は長い脚を組んだ。
怒っている、頭に来た、と言った割に、その表情はどこまでも冷静だ。
或いは、怒っているというよりも、その怒りさえ楽しんでいるのかもしれない。

オッレルス「…やれるものならやってみれば良い。君程度ではどうにもならない」

フィアンマ「…どうかな」

自分一人ではどうにもならなくても、上条が居れば。
そんな事を思いながら、彼女は冠を脱いで床に置いた。
別に今すぐ逃げるという訳ではない。
まさか、魔神の目の前で逃げる程馬鹿ではない。

オッレルス「…冷静だな。48時間後に、地獄を見る事になるんだぞ?」

フィアンマ「わかっているよ。…そして、…そんなものは、沢山見てきた。だから、もう繰り返させる訳にはいかない」

白い透け気味の布越しの腕は、細い。
非力にしか見えないその腕は、魔術を用いることで驚異的な力を誇る。

フィアンマ「………誰かが泣いて苦しむ位なら、」

この自分が、死ねば良い。
たったそれだけのシンプルな話だ、という言葉を、彼女は飲み込んだ。




上条当麻は、ぐすんぐすんと泣いて落ち込んでいた。
言うまでもなく、目の前で余裕の表情を浮かべている雷神のせいで。

上条「ひ、酷い…」

トール「>>254」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:00:39.92 ID:0Nnz7/XQ0<> ふぅ……最高だったぜ
やっぱりアナルは初物に限る締まりが違う
さて、もう一回戦行こうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:02:14.48 ID:qQktpbqSO<> …お前があんまりにも泣くから、キスとペッティング、指でアナル弄り倒すだけに留めておいてやっただろうが…
おい、これ以上泣くと…ちょっとマジで俺の性欲の抑えが効かなく…Gokuri… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:03:01.90 ID:M/oXQv/H0<> こいつら……腐ってやがる……!! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 01:16:53.48 ID:oIzKsB4E0<>
トール「…お前があんまりにも泣くから、キスとペッティング、指でアナル弄り倒すだけに留めておいてやっただろうが…」

上条「う、ううう…」

トール「おい、これ以上泣くと…ちょっとマジで俺の性欲の抑えが効かなく…Gokuri…」

上条「ひぃっ、やめてください! もうストップで! 頼むから!」

毛布を手繰り寄せて身体を隠し、泣きじゃくる姿はもはや処女を喪ったばかりの乙女にも等しい。
そんな姿にきゅんとときめきながらも、ひとまずトールはやめてあげることにした。
今ヤらなくても、その内ヤる時が来るのだから、そんなに急いでヤる必要も無い。
ゆっくりと攻略していけば良いか、と頷いたトールはいそいそと服を着る。
上条もぐすんぐすんと顔を手の甲で拭いながら、貞操を穢された事に落ち込むのだった。



サローニャ「あ、お帰りちゃーん」

上条「……」

トール「深刻そうな顔だな。何か問題があったのか」

サローニャ以外は上条を心配する事無く。

オティヌス「オーディンのヤツが、計画を変更したらしい」

トール「は? 『主神の槍』の方じゃねえのか」

オティヌス「違う。月を堕す儀式の準備をしているようだ」

トール「月、…天体に直接影響する術式か」

オティヌス「そうだ。…世界を壊す事が目的なんだ、可能性の制御完成を一旦放棄してでもやりたい事なんだろう」

上条「…オフィーリア…」

ようやく精神的ショックから立ち直った上条は、静かに項垂れる。
ここまでの事態に発展しているのだ、さぞ彼女は酷い目に遭わされているに違い無い。

上条「…俺の右手で儀式場を破壊出来るか?」

オティヌス「>>258」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:20:34.67 ID:0Nnz7/XQ0<> 無理だ。魔術でも科学でもない失われた技術、ロストテクノロジーを使っているからな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:27:14.31 ID:qQktpbqSO<> サーチ系に引っ掛からず、常時移動し続ける複数の儀式場に同時接触できるならな。
…アレは一つの生き物みたいなタイプだ。どっかが欠損しても修復されるし、常に逃げる。

ついでに、科学でも魔術でもない、所謂losttechnologyも使用しているみたいだ

……あ゙あ゙ー…あのキチガイ死んでくんねーかな頼むから一番苦しい死に方してくんねーかな私専用のサンドバッグになってから <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:28:09.90 ID:0Nnz7/XQ0<> ロストテクノロジーがSOに採用された気分 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:32:00.66 ID:qQktpbqSO<> なんか折角新しい感じのが出てたから、無下にしたくなくて無理矢理ぶっ込んでみた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:33:27.51 ID:0Nnz7/XQ0<> 魔術も科学もあるならロストテクノロジーくらいありそうだなと思って <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 01:40:30.10 ID:oIzKsB4E0<>
オティヌス「サーチ系に引っ掛からず、常時移動し続ける複数の儀式場に同時接触できるならな。…アレは一つの生き物みたいなタイプだ。どっかが欠損しても修復されるし、常に逃げる」

上条「常に逃げる…?」

生き物のようなタイプ。
となると、そうそう見つける事は出来ない。
また、破壊するにも追いかける事が先決とされるだろう。
後は妨害か、何かと相殺するか、そのどちらか。

オティヌス「ついでに、科学でも魔術でもない、所謂『衰退技術(losttechnology:ロストテクノロジー)』も使用しているみたいだ」

解析したらしく、ウッルルはそう話して、やれやれとため息を吐き出す。
その瞳には激しい憎悪の炎が灯っており、オーディンへの嫌悪感が窺える。

オティヌス「……あ゙あ゙ー…あのキチガイ死んでくんねーかな、頼むから一番苦しい死に方してくんねーかな…私専用のサンドバッグになってから」

上条「……ウッルルの力で止める事は出来ないのか?」

オティヌス「私一人ではどうにも。…ま、此処に居る全員の力と、遠方からの援護を全て充てれば、…多少、どうにかなるかもしれん」

それにしても、どうなるか。
あまりにも未来が見えてこない状況に、ウッルルは深く深くため息をつく。

ロストテクノロジーとは、何らかの理由により現代では失われてしまった科学技術のことだ。
『機械の誤作動を誘発する妖精』の名を冠する、謎の魔術組織―――『グレムリン』。
機械という概念が生まれてから発生した、『世界の片側がもう一方を蝕む象徴』が好むにはふさわしい技術だろう。

トール「『グレムリン』ってのは、"大掛かりな仕掛けで、小さな目的を実現する"傾向がある」

サローニャ「…ってことは、オーディンちゃんの私欲ちゃんかな」

トール「そういうことだろうな」

オティヌス「…はー、面倒臭い」

そうは言っても、妨害しない訳にもいかない。

オティヌス「…あの馬鹿には私が対応した方が良い。という事は、残りを分ける事に…」

サローニャ「はいはい、サローニャちゃんはツンツン頭ちゃんとが良いです!」

トール「俺も」

上条「うぐ…」

オティヌス「>>264」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:43:52.15 ID:qQktpbqSO<> いや、お前らが二人で組め。戦力的に釣り合いがとれる。上条当麻はもう一人メンバーを呼ぶからそいつと行動しろ。
…私は独自に少し動く。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:46:30.93 ID:VYb82HfA0<> あ、そうだ幻想殺しを強化
といっても両手に宿らせる方法があるが
やってみるか?

方法は……………


トールの精液を腸内に直接注いで幻想殺しの精液をトールに直接飲ませればOK

っておやおや、また幻想殺しがトールに引きずられてベッドルームに… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:49:35.99 ID:qQktpbqSO<> あれ、ひょっとして>>1? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:50:43.44 ID:VYb82HfA0<> は? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:52:58.57 ID:qQktpbqSO<> いやまさかの>>1が参戦かと思った

某安価スレで>>1自身が安価取りに参戦するやつがあったもんだから <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 01:53:49.26 ID:oIzKsB4E0<> 《>>265様 いえ、違いますよ》


オティヌス「あ、そうだ、幻想殺しを強化…といっても、両手に宿らせる方法があるが、やってみるか?」

上条「りょ、両手?」

どのような方法を用いれば果たして幻想殺しが両手に宿るのか、と上条は首を傾げる。
対して、ウッルルは顔色一つ変えずに方法を話した。

オティヌス「方法は……………」

上条「…方法は…?」

サローニャ「方法ちゃんは…?」

トール「方法は…?」

オティヌス「トールの精液を腸内に直接注いで、幻想殺しの精液をトールに直接飲ませればOKだ。これは父性が子種に宿るという偶像の理論が適用されていて…って、おやおや、また幻想殺しがトールに引きずられてベッドルームに…」

トール「さて、二回戦といこうぜ」

上条「嫌だああああああああ!!!」

オティヌス「世界の為に頑張ってこい」




残るは、一日。
全ての準備を終えたオーディンは、オフィーリアの様子を眺めていた。
長い赤い髪はやや傷み、それでいて尚、美しい相貌は変化しない。

オッレルス「残すは後一日」

フィアンマ「…考え直すつもりは、無いんだな」

オッレルス「無いな」

フィアンマ「……馬鹿な男だ。…結局、何に満たされる事も無いまま、死を迎えるだけで終わるとは」

オッレルス「>>270」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 01:54:09.08 ID:VYb82HfA0<> 安価スレの意味あるのかそれ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 02:07:06.58 ID:KABsx8ct0<> 死を向かえられる
それだけで私は満たされるクハハハハハ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 02:15:07.73 ID:oIzKsB4E0<>
オッレルス「死を迎えられる。…それだけで、私は満たされる。…くっ、…はは、…はははは」

フィアンマ「……誰にも胸を張れん人生か」

オッレルス「そんな事は無いよ。…少なくとも、私は私の復讐をやり遂げたと、自らに胸を張れる」

フィアンマ「……」

オーディンは手を伸ばし、彼女の顔に触れる。
くい、と顎を上げさせると、口付けせんばかりに顔を近づけた。
虚ろな瞳と、金の瞳。
両者から放たれる感情の色が、交錯する。

オッレルス「…前から言っているじゃないか。……君を絶望させたい、と」

フィアンマ「…」

彼女が向けるのは、哀れみ。
それが憎悪でないことに、オーディンはまたも苛立ちを覚える。
自分のトラウマを刺激する少女の態度が、気に入らなかった。
どう穢せば自分が満足するのかも、不明になってくる。

オーディンが部屋を出て行った後。
オフィーリアは本とチェスセットを片付け、ドレスの裾をややちぎった。
ところどころ白い脚が露出して淫猥だが、動きやすくなった為、彼女は頓着しない。
そんな彼女の居る部屋へ、一人の魔術師が入って来た。
ウートガルザロキ。幻術使いだ。

フィアンマ「…ウートガルザロキ」

ウート「うえ、逃げる気かよ」

フィアンマ「そうだよ。…妨害か? やってみろ。出来る事なら、俺様も荒事は起こしたくない」

ウート「>>273」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 02:17:37.05 ID:KABsx8ct0<> 別に逃げたって世界は破滅する。好きにしたら <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 02:24:05.88 ID:qQktpbqSO<> えー…君がここに居れば、かーなーりー強力な防護術式が発動できるから、例え月が堕ちてもシェルターになるんだぜー?

やめよやめよ。そんな面倒な事せずにさ、俺と酒でも飲みながら何かゲームでもしようぜ?ダチも呼ぶからさー

…頼むよ。下手に行動するより、何もしない方が良い時もあんだからさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 02:30:22.81 ID:qQktpbqSO<> 自分なら何とかできる、何でもできる。助けられる。俺にもそんな風に勘違いしてた時があった。
……そんで、ものっそい、取り返しのつかない『余計な事』をした。そんで今俺はここにいる。
だからさ、何もしなければ、想定してる以上の事は起きないんだから、やめよう?


も出来たら追加でたのむ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 02:37:52.23 ID:oIzKsB4E0<>
ウート「えー…君がここに居れば、かーなーりー強力な防護術式が発動できるから、例え月が堕ちてもシェルターになるんだぜー?」

明るい口調だった。
明るい笑顔だった。
まるで、心の暗さを塗りつぶすかのような、明るさ。

ウート「やめよやめよ。そんな面倒な事せずにさ、俺と酒でも飲みながら何かゲームでもしようぜ? ダチも呼ぶからさー」

何なら此処で出来る事何でもする、と付け加え、彼は笑ってみせる。
確かに、彼女が此処に居れば防護術式は発動されたまま。
核シェルターよりも更に強力なものだ。
外側からも、内側からも、そう簡単に破壊される事は、無い。

フィアンマ「そういう訳には、」

ウート「…頼むよ。下手に行動するより、何もしない方が良い時もあんだからさ」

自分の保身の為だけ、という訳ではなかった。
それならば、自分だけ逃げ込めるようなシェルターを時間をかけて造れば良い。
ウートガルザロキは、珍しく本気だった。真面目だった。

ウート「大体、君が頑張る必要なんかどこにもないんだからさ」

フィアンマ「……俺様は、…世界を救うに限らず、当麻を守りに行かねばならない」

ウート「…本物なんか、捨てちまえよ」

彼はオフィーリアに近寄り、彼女を見つめる。
まっすぐで、射抜くような視線だった。

ウート「そんなに上条当麻が欲しいなら、俺が幾らでも幻術を作ってやるよ。幸せな思いをさせてやる。本物か偽物なんかなんて、質量と、予測外な事を起こすかどうかの違いしか無い。…確かに、今俺が持ってる情報じゃ正確な『上条当麻』は創れないだろうけどさ。フェリーチェちゃんが教えてくれりゃ、それなりのスペックのモンが出来上がる。ソイツと話せば良い。それで、良いだろ。…それじゃ、駄目なのかよ」

彼には、ヒーローのような行動は臨めない。挑めない。

フィアンマ「…俺様にしか、世界を救う事は出来ない」

ウート「……、…自分なら何とかできる、何でもできる。助けられる。俺にもそんな風に勘違いしてた時があった」

フィアンマ「…、」

ウート「……そんで、ものっそい、取り返しのつかない『余計な事』をした。そんで今、俺はここにいる」

フィアンマ「ウー、」

ウート「だからさ、何もしなければ、想定してる以上の事は起きないんだから、やめよう?」

諭すような、懇願だった。
彼が此処に立っている理由には、悲劇がある。苦悶がある。後悔がある。
そして、ウートガルザロキは、彼女にそんな想いをして欲しくなかった。
欲しい幻想を全て用意するから、此処に居ようと懇願する。
ともすれば、人を堕落させる、悪夢のような言葉かもしれない。
けれど、それは確かな優しさだった。例えば、妹に対する兄のような。

ウート「……だから、…」

『それは事実だが、感謝する。…ん? 怪我をしているのか』

彼は、自分の怪我を治して、利害関係無く微笑んでくれるような人を、もう失いたくなかった。

フィアンマ「…全て喪った世界で、お前と一緒に生きろと言うのか」

ウート「>>277」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 02:41:55.47 ID:7kHJBT8F0<> それは別にご自由に、どうぞ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/16(日) 02:52:54.55 ID:E6pZsVXAO<> 《今日は寝ます、お疲れ様でした》



安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 02:53:11.81 ID:qQktpbqSO<> 乙安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 02:55:27.51 ID:cHktKxgu0<> 別にそれは自由にすれば? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 03:02:24.24 ID:cHktKxgu0<> 乙 <> 読まなくてもいい? キャラ紹介2<>saga<>2012/12/16(日) 13:04:49.47 ID:V3YVSx/l0<>
○ウートガルザロキ

一人称は『俺』。

『グレムリン』の正規メンバーを務める魔術師。
スーツを着た軽薄そうな金髪の男。
外見や態度からは、『この世のあらゆるものと真面目に取り合わない』というスタンスが感じ取れる。
幻覚系統の魔術に長け、特に『五感のひとつが得た情報を他の五感に移す』ことによって、炎の写真で火傷の痛みを負わせたりといった戦法を得意としている。
ただしこの術で精密な幻覚を見せるためには、相当量の『素材』を相手に提示しなくてはならない。
質量を自分が肩代わりすることで、自らが取得している情報に沿った精密な幻覚を見せる事も出来る。

元々は真面目な性格をしていた。
幼い頃に両親を喪い、唯一の家族である妹の病気を治そうと奮闘していたが、その努力全てがむしろ『余計な事』となり、妹を死なせてしまった経験がある。
それ以降彼は嘘や虚飾で自らを繕うようになり、そうすることで自分を守ってきた。
幻術使いになったのは妹が死ぬ少し前からの事であり、それ以外の物理的な魔術もそこそこに扱える。
妹へ『マッチ売りの少女』を参考に幸福な幻想を見せたが、それすらも死への恐怖を与えるという裏目に出た。
一生懸命やっても失敗した時の悲痛を知っている為、もう二度と勇敢なヒーローの真似事はしないと堅く誓っている。

オーディンに拷問され、重傷ながらも怪我を治療して微笑むオフィーリアの姿を、健康な自分と違って病気に苦しみながらも自分を応援してくれた妹の姿に重ねている節がある。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 13:04:50.42 ID:E6pZsVXAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介2<>saga<>2012/12/16(日) 13:05:36.30 ID:V3YVSx/l0<>
○トール

一人称は『俺』。

『グレムリン』の正規メンバーを務める魔術師。
腰まである長い金髪と相まって、どこか少女的な印象を受ける少年。
黄色と黒を基調とした体のラインに沿う上着とズボンを着用し、肩にはストールを纏っている。
純粋な個人としての力でもって戦争という状況を実現する、破格の力を持った存在。
『雷神』と評される生粋の戦争代理人であり、『グレムリン』の中でも特に直接的な戦闘行為を専門に担当する。
しかし、スプラッター映画は苦手、お化け屋敷に入りたいとは思わないという性格。
神話的事実の応用で、適切な材料さえ手元にあれば女に化ける事が出来る(=変装術式)。

『グレムリン』一の男好き。
自分と同年代が特にストライクゾーンとなる。
その為、上条当麻に性的な興味を持ち、実際に性的行為にも及んでいる。

かっぱ巻きを河童という生き物、或いはその肉が巻かれていると想像する等、日本については詳しく無い。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 13:05:37.82 ID:E6pZsVXAO<> + <> 読まなくてもいい? キャラ紹介2<>saga<>2012/12/16(日) 13:06:33.13 ID:V3YVSx/l0<>
○サローニャ=A=イリヴィカ

一人称は『私』『サローニャちゃん』。

元ロシア成教、現『グレムリン』所属の魔術師。
白い肌に金髪を持つ15歳の少女で、出身はエカテリンブルク。
ロシア成教系魔術である『レーシー』を扱い、術式の使用に合わせ、緑を貴重とした衣装に膝上まである革のブーツを着用している。
ヨーロッパの一員である事を誇りに思い、アジアの一角と呼ばれることを最大限に嫌う、典型的なロシア人の思想を持つ。
第三次世界大戦終結後、世界各国が復興に向かう中、祖国が学園都市やアメリカの踏み台として使われる事を許せず『グレムリン』に参加。
『正義を利用して利益に結びつけられる』と考えている連中を、ロシアやヨーロッパ地域から押し返す事を目的として行動する。

会話中の名詞などに『ちゃん』をつける傾向がある。

本来ウッルルに殺されてもおかしくないところを上条に助けてもらった為、心から感謝している。
その感謝がやや好意に変化しつつあるので、トールとは口喧嘩する程度に仲が悪い。
オーディンに好意を抱いていたものの、騙されたと知って現在は憎悪の念を抱いている。
惚れっぽい性格である可能性が浮上。

上条の事は『ツンツン頭ちゃん』と呼んでいるものの、実は名前を呼びたいと思っている。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 13:06:34.42 ID:E6pZsVXAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 13:06:48.02 ID:V3YVSx/l0<>
ウート「別に、それは自由にすれば? …俺には、君を無理やり止める権利もないしねー」

少し寂しそうに笑って、それでも彼は明るく、軽い調子でそう言った。
『グレムリン』に忠義を尽くすつもりは無いらしく、オフィーリアを止めもしなければ、支援もしない。

フィアンマ「…また、もう一度会えれば良いな」

ウート「どうかね。……ま、全部失っちまったら、…失敗したら、俺の所に来いよ。さっきも言ったけど、幻術位ならいくらでも披露してやるから」

言いながら、彼はオフィーリアへハサミを手渡す。
手でドレスをちぎっては最悪全て破れてしまう恐れがあったからだ。
オフィーリアはそれをありがたく受け取ると、動きやすさ重視で服を切っていく。
術的防護についても考えたが、上条と会って触れられ、破れてしまってはどうしようも無いので、敢えて意識しないで切っていく。

ウート「元からミニスカってのは普通だけど、こういう異常なシチュってエロいな」

フィアンマ「それに興奮するかどうかは別だがね」

ウート「そうだな。ま、俺はしないけど」

後ろは地面につかない程度、前は膝上10センチの丈。
綺麗に切り終わったオフィーリアは袖にも少し切り込みをいれると、ウートガルザロキへハサミを返す。

フィアンマ「助かった。すまないな」

ウート「爪が生えきってないし、あんまり力入らないだろうと思ってさ。…じゃ」

彼はそう言い残して、部屋を出て行く。
逃げるのかもしれないし、隠れるのかもしれない。
精神的な支えにはあまりならなかったが、彼女に居場所を作ってくれた事は確かだ。

フィアンマ「……さて、…動くか」





上条当麻は、涙目で怒っていた。

上条「駄目だったじゃねえか!」

オティヌス「すまんすまん、いけると思ったんだが駄目だったようだ」

上条「他人事だと思って…ッ!」

トール「良い人生経験だったと思うけどな」

上条「テメェは黙っとけ」

ウッルルの言った子種理論を行ったところ、上条の両手に幻想殺しが宿る事は―――無かった。

オティヌス「そう怒るな」

上条「怒るに決まってんだろうが!」

サローニャ「ツンツン頭ちゃん、まあまあ…あ、そういえば少しだけ解決策ちゃんが見つかったっぽいよ」

上条「解決策?」

オティヌス「>>289」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 14:36:17.13 ID:qQktpbqSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 14:39:56.63 ID:qQktpbqSO<> …はっきり言って、最早月堕ち〈ムーンフォール〉は阻止できんと見るべきだろう。
実質、儀式場が発見、破壊ができない事と、術者本人が明確でないからだ。

…だから、『直接月を受けとめる』。

…少し前に『黄金錬成』のアウレオルス・イザードという錬金術師と接触した。彼の力を補強、増幅させ、4人の巨人を召喚、受け止めてもらう。
また、彼のメンタル面の補強と思考固定には学園都市、level5『心理掌握』に協力要請する。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 18:37:20.04 ID:NNRsiq0a0<>
オティヌス「…はっきり言って、最早『月堕ち〈ムーンフォール〉』は阻止できんと見るべきだろう。実質、儀式場が発見、破壊ができない事と、術者本人が明確でないからだ」

上条「ならどうやって、」

オティヌス「…だから、『直接月を受けとめる』」

上条は、ややギョッとした。
そんな事が、本当に出来るのだろうか。
ただの夢物語ではない、とウッルルは説明を付け加える。

オティヌス「…少し前に、『黄金錬成』のアウレオルス・イザードという錬金術師と接触した」

上条「あぁ、アイツか…」

たった一人の女の子を助ける為に、力を得て、道を踏み外した青年。
そんなイメージで思い出しながら、上条は頷いた。

オティヌス「彼の力を補強、増幅させ、4人の巨人を召喚、受け止めてもらう。また、彼のメンタル面の補強と思考固定には学園都市、level5―――『心理掌握』に協力要請する」

上条「…科学だろ? 頼んで大丈夫なのか?」

オティヌス「そうも言っていられない状況だろう。…不可能だった場合は、…そうだな、彼のイメージをしっかりと固定して、勝利をイメージさせられるような人員を捜す」

上条「そんなヤツ、居……オフィーリア、か?」

オティヌス「『預言』を持つ彼女が適切に励ましていけば、巨人が崩れる事は無い筈だ。そして、彼女が『グレムリン』本拠地から逃げ出したという情報も手に入っている」

上条「今、アイツ何処に居るんだ?」

オティヌス「サーチ系魔術で探ってはいるが、あちらもオーディン側に見つからないように逃げているんだろう。さっぱり引っかからない」

上条「…オフィーリア」

捕まれば、現状以上にタダでは済まないと知っていながらの、逃亡。
恐らくそれは、この『月堕ち』を食い止める為に。

オティヌス「…アウレオルス=イザードは間もなく到着する。そろそろ儀式が完了する頃だ。私は学園都市の『心理掌握』の所へ少しだけ行ってくるが、お前達はどうする? 上条当麻とトールは逃げる理由がむしろ見当たらないだろうが、サローニャに関してはそうでもあるまい」

サローニャ「祖国ちゃんが壊滅しそうなのに、逃げないよ。出来る限りの努力ちゃんを、する」

オティヌス「そうか。…気をつけろよ」

言って、彼女は隠れ家から出て行った。
猶予は、後半日。




ウートガルザロキは、オーディンに睨まれていた。
彼は逃亡の手伝いこそしていないものの、引き止めなかったからだ。

ウート「そう睨む事ねえだろ。裏切った訳じゃあるまいし」

オッレルス「…何故彼女を止めておかなかった。お前に一度会ったと聞いているが」

ウート「>>292」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 18:40:35.52 ID:ich0wAr+0<> 引き留めておけって言われてないしー
月落ちたらどうせしんじゃうしー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 18:41:50.29 ID:qQktpbqSO<> みさきち出るか……っ


まぁ十中八九出んだろうが安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 18:54:32.30 ID:qQktpbqSO<> …あんたも知ってるだろ?俺がここに居る理由。

俺は命令された以上の事と、命令された以外の『余計な事』はしない。
ここに入った時に、あんたもそれを承諾したじゃねーか。

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/16(日) 19:02:06.35 ID:E6pZsVXAO<> みさきち書くの久しぶりだな…。
ウーさん格好良い…チャラいのに

ちょっと過去編とか書くので遅くなります <> アセロラ<>sage<>2012/12/16(日) 20:43:14.58 ID:E3lxYg/p0<> みさきちキタか・・・
あとウーさんかっこいい <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 20:53:32.11 ID:cYLBiw3K0<>

ウート「…あんたも知ってるだろ? 俺がここに居る理由」

肩を竦め、彼は言う。
何もかも喪って失意の中にあるウートガルザロキを拾い上げたのは、オーディンだ。
つまり、ウートガルザロキの全ての事情を、オーディンは知っている。

ウート「俺は命令された以上の事と、命令された以外の『余計な事』はしない。ここに入った時に、あんたもそれを承諾したじゃねーか」

だから、咎められる筋合いは無い。
『余計な事』を最も嫌うウートガルザロキの言葉としては、正当なものだった。
オーディンは一度、「そうだな」と相槌を打った上で。

オッレルス「…その割に、頼んでいない事はしていたが」

オフィーリアに本を差し入れ、チェスセットを与えた。
或いは、その支援がなければ、彼女は退屈に毒され、誘いに頷いていたかもしれない。
暴論だが、ありえない話ではない。
彼の善意によるたった一度の『余計な事』は、またも裏目に出る。

『…ありがとう』

心の底から嬉しそうに微笑んだ少女の顔。
幸せそうに笑ってお礼を言う、優しい声音。
妹と、似ていた。自分が死なせてしまった、妹と。

『ありがとう、兄さん』

ウート「……」

だから。
情が移らなかったと言えば、嘘になる。

ウート「只の気まぐれだ。…それより、俺を叱ってる時間を、お姫さん捜す時間に宛てた方がマシじゃねえの?」

オッレルス「…手伝ってもらう」

命令なら何なりと、と軽く言う彼へ、いくつかの命令がくだされる。
幻術使いは魔神に背を向け、やる気無く仕事に取り掛かるのだった。


逃亡は予想内なのに、どうして苛立っているのか、自分でもわからなかった。
見ているだけで気に障るというのに、何度も顔を見に行った理由も。

オッレルス「……」

苛々としながら、サーチ術式の準備に取り掛かる。
捕まえたら、上条当麻が死ぬ様を、拘束した状態で見せてやろう。
悲しませて、苦しませて、辛苦に咽ばせよう。

オッレルス「…そうしたら、すっきりするはず、なんだ」




―――本当に、そうだろうか。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 20:53:33.53 ID:E6pZsVXAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !蒼_res<>2012/12/16(日) 20:54:11.24 ID:cYLBiw3K0<>
昔、俺はとある魔術結社に所属していた。
そこで親友を作り、裏切られる事となった。
そこには、幼馴染である彼女も所属していた。
世界の全てを正常化・清廉とする事を指針としていた組織だ。
今や没落しきっている貴族の家出身だった俺には、莫大な資産と時間があった。
故に、彼女を愛し、彼女を守る為に、魔術を学んだ。
単身で居るよりは何処かの組織に属した方が良いだろうとも思い、属した。

彼女は聖人だった。
この世界に二○人と居ない、貴重な才能の持ち主。
けれど、俺が好きだったのは、そんな才能なんかじゃなくて。
イギリス清教の修道女兼王権神授説の巫女役として。
或いは、『下女すなわちメイド』として、働いている様だった。

彼女は気がキツいと言えばそうなのかもしれないが、意思の強い女性だった。
聖職者らしく生きており、罪人にも手を差し伸べようとする優しい人だった。
そんな強い彼女を、それでも支えたいと、懸命に魔術を学んだ。
気付けば、魔神と呼ばれてもおかしくない程の実力を持ち合わせるようになり。
それでも彼女は俺に対して一切態度を変えず、幼馴染として、ほほ笑みかけてくれた。

結婚なんて出来なくて良い。
手を出す事が許されないとしても、一緒に居たかった。
気弱になる度に励ましてくれる彼女の傍が、愛おしかった。
生涯、彼女だけを…シルビアだけを愛すると、誓った。

笑顔が素敵な女性だった。
別に、泣き顔が悪いという訳ではなくて。
時に豪胆と称される気質と、快活な笑顔が。
眩しくて、輝かしくて、優しくて、綺麗で、愛らしかった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 20:54:12.26 ID:E6pZsVXAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !蒼_res<>2012/12/16(日) 20:54:43.06 ID:cYLBiw3K0<>
彼女は、急に巫女役を辞めた。
魔術結社としての働きに専念したいから、という理由だった。
大きな組織を抜けた事で、その組織からは守られないが、俺が守ればそれで済むと、思っていた。

魔術結社の指針に対する行動が、段々と異常さを帯びてきた事に、気づけないでいた。
彼等は過去の生贄等における正常化の実証などに手を出し始めた。
そして、その最初の実験体に選ばれたのが、シルビアだった。
親友だと思っていたメンバーに傷つけられ、犯され、貫かれ、彼女は無理に笑っていた。
彼らを憎まないでいてやって欲しいと、俺に言っていた。
礎になれるなら、その為の犠牲なら、仕方がない。
むしろ、自分一人の犠牲ですべてが片付くなら、それで充分じゃないかと。

爪を剥がされても、彼女は泣かなかった。
蛍光灯を挿入され、殴られて、内臓レベルで滅茶苦茶にされても。
卑猥で下劣な方法で虐げられても、彼女は逃げなかった。
槍で貫かれ、割腹され、痛みとは裏腹に死ねなくても、怖がらなかった。



「……嘘だ…」

内臓をかき集めて元に戻したら、間に合うような気がした。

「ビア…シルビア……」

拘束から抜けられたのは、彼女が死んでからの事だった。
衝動のままに殺した男達の死体など、どうでも良かった。

「嘘だ、…嘘だ、嘘だ嘘だ…!!」

血の海の中で泣きながら全てを元に戻そうとしても。
何も変わらなかった。救えなかった。
泣いても、喚いても、誰も彼女を助けてくれなかった。
大きな力を持っていたクセに、俺は役立たずだった。

何が、彼女を守りたい、だ。
何が、彼女の支えになりたい、だ。

何も出来なかったじゃないか。

逃げろと言った、首を横に振られた。
助けようともがいた、無駄だった。

「何で、…何で、君じゃなければいけなかったんだ…」

世界中にはこんなにも沢山の人が居るのだから、他の人でも良かったじゃないか。
彼女でなければならなかった理由など、何処にある。

「シルビア……シルビア、シルビア………、…シルビア……」

延々と名前を呼んだところで、返事等無かった。
世界に復讐してやる、と思った。
その過程で死んでしまったとしても、彼女の居ないこんな世界から消えられるのなら、本望だ。




唯一の心の支えを喪った俺は、何もかもを捨てた。
そして、魔神の地位を手に入れた。
達成感など、何処にもありはしなかった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 20:54:43.98 ID:E6pZsVXAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 20:55:18.99 ID:cYLBiw3K0<>

ウッルルは、無事、学園都市へと侵入した。
アレイスターの監視が緩んでいるのか、敢えて見逃されているのか。
そこの辺りはひとまず考慮しないとして、ウッルルは『心理掌握』を探していた。
詳細情報は捜した為、手元にある。サーチ術式に間もなく引っかかる筈だ。

そして予定通り、彼女は眼前に現れた。

星の入った瞳。
背に伸びるほどの長い金髪。
長身痩躯。
豊かな胸。

本当に中学生かどうか怪しい程に、成熟した見事なプロポーション。
レース入りのハイソックスに、レース入りの手袋を着用している。

食蜂「あらぁ、私に何か御用かしらぁ?」

オティヌス「一刻を争う」

食蜂「ふぅん。…私の読心力でも読めないなんて初めて」

学園都市超能力者序列第五位―――『心理掌握』、食蜂操祈。
彼女はウッルルの思考を読もうとして、防護術式に阻まれた後、首を傾げた。
学園都市の『闇』に多少関わっている彼女は、不穏な雰囲気をすぐさま察知したようだ。
普段取り巻きとしている女子学生を追い払い、静かな場所を確保した食蜂に対し、ウッルルは軽く自己紹介した後、依頼内容について話した。
彼女はふむふむと真面目に聞いた後、是非を答える。

食蜂「>>304」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 21:10:09.51 ID:qQktpbqSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 21:11:19.03 ID:m4Wj1xBR0<> 面白そうだからOK☆ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 21:19:10.76 ID:cYLBiw3K0<>
食蜂「面白そうだからOK☆」

オティヌス(…軽いな)

大丈夫かコイツ、と思いながらも、ウッルルは頷いた後、彼女を連れて隠れ家へと向かった。
月が堕ちてくるその時まで、後少し。まだ時間はあるが、準備は整った。

世界の命運を賭けた闘いが、始まる。




オフィーリアはサーチを避けられるよう『預言』に沿って時々工夫しながら、逃げていた。
何処へ逃げれば上条が居るかは、わかっている。
早く行かなければ、もうすぐ儀式が完了してしまう。

フィアンマ「けほ、…ん」

ようやくの、安全圏。
視線の先、見慣れたツンツンとした頭の少年が居た。
その傍らに居るのは、妖精のような印象を受ける美少女。
嫉妬こそしなかったものの、オフィーリアは近寄って良いものか迷い、立ち止まる。
どうせ、月の堕ちるのを止めに行けば、自分は死ぬおそれが高い。
会わない方が良いのでは、と思った。

フィアンマ「……」

これだけ長く会っていなかったのだから。
諦念を抱き、弱気になるまま、彼女は物陰に隠れた。

上条「サローニャ」

サローニャ「はいはいちゃん?」

上条「>>307」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 21:52:02.23 ID:SbZNHjxOo<> 少しだけ、外してくれないか? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 21:55:25.06 ID:qQktpbqSO<> …何で、俺はお前に押し倒されて、深いキスされてんっ…だよ

…今度はお前が俺のカラダ目当てかよ…

トールといい、お前といい、グレムリンには変態しかいないのか?! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 22:04:10.44 ID:nKpiYVQU0<> また修羅場か… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 22:04:48.40 ID:nKpiYVQU0<> 今更だけど上条さん掘られたのねアッー <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/16(日) 22:36:20.40 ID:E6pZsVXAO<>
往来ちゃんで大胆なサローニャちゃん…やや路地だろうけど。

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/16(日) 22:52:36.93 ID:yPWrdB9j0<>
上条「…何で、俺はお前に押し倒されて、深いキスされてんっ…だよ」

サローニャ「う、え、ええっと」

物陰から覗いた先。
上条はサローニャに押し倒された状態で、顔を赤くしていた。
酸欠による赤面だが、嬉しがって照れているように思えなくもない。

上条「…今度はお前が俺のカラダ目当てかよ…。トールといい、お前といい、『グレムリン』には変態しかいないのか?!」

サローニャ「ち、違うよ! サローニャちゃんはトールちゃんと違う。……私は、…ツンツン頭ちゃんの事が、本当に、本気で」

好きなの。
助けてくれて、ありがとう。

可憐な少女の声が、耳に届く。
オフィーリアは、それに対する上条の返答を待たず、一歩踏み出した。
人気の無い場所に行って、月を止めなければならない。

フィアンマ「…例え、当麻が俺様ではない誰かと恋人になっても」

仕方が無い。
こんな、どうしようもない化け物に「好きだよ」と言ってくれた、その思い出だけで充分じゃないか。

フィアンマ「…当麻が幸せなら、死んだって良い」

自分に言い聞かせるような言葉だった。
白い柔らかな布は、涙でまた少し、透ける。


人気の無い丘までやって来たオフィーリアは、段々と近づいてくる月のある空を見ていた。
道中、訳がわからないながらも怯える人々の為に即興でシェルターを作ってきた。
『預言』ごと、頭や身体をぐしゃぐしゃにされれば、きっと死ぬだろう。
それでも、怖いという思いはまったくない。自分じゃなくても、誰かが上条を幸せにしてくれる。

フィアンマ「…後二時間、か」

思いながら、その時を待つ彼女の背後に、誰かが立った。
ベルシと呼ばれる、『グレムリン』所属の魔術師だ。

フィアンマ「…俺様を捕らえに?」

ベルシ「いいや、そうではないよ」

フィアンマ「そうか。…先生。……好きな相手が、誰からも愛される才能を持っていた場合。俺様は、諦めて笑顔で引き下がった方が良いと、そう思わないか?」

ベルシ「>>313」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 23:06:29.87 ID:qQktpbqSO<> …一つ。私は『諦める』という単語が大嫌いだ。教師としても、個人的にも。…あまり好きではない奴を思い出すからな。

何でもそうだが、やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい。諦めると必ず悔いが残る。
何とかできるのは、未来を変えられるのは、『今』の自分しかない。
個人的には、努力すべきだと思う。

だが、強制はしない。君が身を引くべきだ、それが正解だ、それが自分が満足できる、と思うならそれがいい。その選択の自由は君が持っている。どうするかは君次第だ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/16(日) 23:51:35.63 ID:yPWrdB9j0<> 《今日はここまで。お疲れ様でした


安価下》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/16(日) 23:52:33.19 ID:qQktpbqSO<> 乙安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/17(月) 10:45:47.25 ID:7JBsPkB4o<> >>312
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/17(月) 18:10:08.73 ID:UZSARbUk0<>
ベルシ「…一つ。私は『諦める』という単語が大嫌いだ。教師としても、個人的にも。…あまり好きではない奴を思い出すからな」

ベルシは、木原加群は、北欧神話について教えた一生徒に対する態度で、オフィーリアに答えを返す。
厳しくも、優しいとも、両方の要素を兼ね備えた凛々しい声音だった。

ベルシ「何でもそうだが、やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい。諦めると必ず悔いが残る」

フィアンマ「……、」

ベルシ「何とかできるのは、未来を変えられるのは、『今』の自分しかない。個人的には、努力すべきだと思う」

フィアンマ「……」

上条の決死の制止すら振り切った自分勝手な女が。
これ以上彼を振り回す事を、許容出来るのか。

ベルシ「だが、強制はしない。…君が"身を引くべきだ、それが正解だ、それが自分が満足できる"、と思うならそれがいい。その選択の自由は君が持っている。どうするかは君次第だ」

『預言』や使命感に突き動かされるまま、何だかんだで逃げてきた。
追い立てられていれば言い訳が出来る。
もし失敗しても、自分一人の責任ではないと言い訳出来る。
こと、彼女は超個人的な事柄について自ら決定することが怖かった。

フィアンマ「……もし、…この『月堕ち』を乗り越えて生き残ったなら。…頑張って、みる」

勇気が出たら。
そんな一文を気弱に付け加える少女に、かつての教師は軽く笑った。

ベルシ「一番正しいと思う事を、まっすぐにすれば良い。それが良く出ても、悪く出ても、精一杯やった事に価値がある」

教師らしい綺麗事いえば、そうかもしれない。
オフィーリアはもう一度だけ"頑張ってみる"と繰り返し、いよいよもって儀式の影響を受け、堕ちてくる月に身構えた。




それとはまた違う場所で。
サローニャは周囲の人を守る事に、トールは武力的支援に、ウッルルはアウレオルスと食蜂操祈の間の取り持ちに奮闘していた。
上条当麻は、サローニャの告白に対する返事を、脳内で再度呟いていた。
眼前の巨人に触れないようにしながら、考える。

上条(…>>318) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 18:10:56.41 ID:s4QGFHZAO<>
sageてしまった あげ
安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 18:12:37.45 ID:q9XHtyYP0<> さっきオフィーリアの気配みたいなのしたんだけどなぁ… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/17(月) 18:25:21.93 ID:UZSARbUk0<>
上条(…さっき、オフィーリアの気配みたいなのしたんだけどなぁ…)

未だ、彼女には会えていない。

上条(…サローニャにはちゃんとお断りしたけど、…何か申し訳ねえ。好きな女の子が居ない間に、フラグ・イベント更新とか…)

彼女は安全な場所に居るのだろうか。
自分の居るこの場所とはまた違う場所で対処している気がする、と、彼はぼんやりと思う。
何はともあれ、自分は出来る限りの事をしよう、と思いながら、上条は空を見上げる。
尋常ではない近さに堕ちてきた月。
アウレオルスの『支えよ』という命令に従い、巨人はしっかりと月を受け止めている。
だが、『心理掌握』のメンタル補強があって尚、天体が堕ちてくるという状況に、アウレオルスは折れてしまいそうになる。
彼の弱気は、すなわち戦力の低下に直結する。
ウッルルは適宜儀式場に線を描き足す事で、どうやらアウレオルスを支えているようだ。
ただ一人、やる事の明確に見当たらない上条は、視線を彷徨わせる。
『幻想殺し』を持つ彼は、魔術に限らず、あまり異能の力に近づかない方が良い。

結果として、上条はオフィーリアを捜す事に専念する事とした。
余計な事をするよりは、自分に出来そうなことを真面目にした方が良い。

上条「…オフィーリアを捜さないと、危ないもんな」

きっと、近くに居る。
何の確証もなくそう思った上条が振り返った先、少しの間を空けて。
一人の青年が、オフィーリアを抱えて悠然と立っていた。
ぞわぞわと、気付けば心の内側に入り込むような恐怖に、上条は一歩下がる。

上条「なん、…誰、だ…?」

オッレルス「オーディン。既に知っている事だろうが、純粋な魔神だよ」

名乗って、彼は脇に抱え、ぼんやりとした様子のオフィーリアを見やる。

オッレルス「あっちの出来損ない達は月に集中しているようだし、この辺りで軽く殺させてもらおうか。なぁ、オフィーリア? 喜んでも良いよ、。特等席だ」

フィアンマ「、…けほ」

彼女は指先で何か事を起こそうとして、何かの力で攻撃されたらしく、血の塊を吐き出す。
息は浅く、乱れている。内臓に何かダメージを喰らっているのかもしれない。

上条「>>321」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 18:26:38.14 ID:mxrnisXSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/17(月) 18:27:40.91 ID:7jOryKDu0<> あー……よしお前を殺す <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/17(月) 18:41:14.57 ID:UZSARbUk0<>
上条「あー……よし、お前を[ピーーー]」

全身の血の気が引く感覚と。
同時に、頭に血が上る感覚と。

オフィーリアをサローニャに馬鹿にされた時すら比べ物にならない程の怒りが、腸を煮えたぎらせる。
ぎり、と歯ぎしりをした上条は、勝算の計算すら忘れて、拳を握る。
路地裏でのケンカ経験が役に立つとは思わないが、コイツだけは殴り殺してやる。
そんな衝動を胸に、上条は彼を睨みつけた上で、一歩踏み出す。
途端、地面が揺れた。唐突な地震に、上条は思わずバランスを崩す。

オッレルス「…[ピーーー]、か。…果たしてそれが、実行出来れば良いが」

フィアンマ「ッ、…オーディン、…」

オッレルス「涙ながらに命乞いをしてみるというのなら、見届けるよ。だからといって逃がすつもりは無いが」

地震と共に湧き上がるように現れたのは、『貪欲なる一対の狼』。
ロストテクノロジーで造られたそれは、上条の右手で触れても壊れる事は無い。
本質としては生き物に近く、内側の魔翌力が尽き果てるまで上条に襲いかかる。
生身の人間が、ましてや聖人でも何でもない少年が立ち向かえるものではない。
飢えたる狼は上条の両足に噛み付いた上、深く深く歯を食い込ませる。

上条「が、っぐ…!」

激痛の余り立ち上がれない上条の様子を眺め、オーディンはうっすらと笑った。
動けない少年に対し、右手をすり抜ける形で『見えない力』が攻撃を重ねる。
全身にダメージを喰らい、上条はふらふらとしながら地面に手をついた。
成すすべもないままに、出血と打撃の痛みやダメージが全身に残り、上条はげほげほと咽せた。
意思とは無関係に唾液が溢れ、うまく息が出来ない。
そんな上条の様子にオフィーリアは自分が痛いかのように目を伏せ、口端から血を流しながら言う。

フィアンマ「…やめ、ろ。……もう、良いだろう。充分絶望した、だから…」

泣きそうな声。
掠れた声音を聞き、上条はのろのろと再び立ち上がろうとする。

オッレルス「>>324」 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 18:42:00.06 ID:s4QGFHZAO<>
またしくじった…ピーは殺す、です

安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 18:43:50.09 ID:7jOryKDu0<> まだまだ
だって死んで無いじゃないか <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 18:52:04.85 ID:UZSARbUk0<> 《>>319 ×、。 ○。》


オッレルス「まだまだ」

不屈の闘志で立ち上がる少年を前に、青年は笑みを浮かべる。
無邪気とは程遠い、邪気と悪意に満ちた微笑みを。

オッレルス「だって、死んで無いじゃないか」

上条を殺すまで、彼の行動は止まらない。
攻撃を受けるとわかっていて尚、上条は一歩、また一歩と進んでいく。
そんな少年に攻撃の隙をみすみす与える程優しい訳がなく。
彼は何のモーションも見せないで、上条の身体を吹き飛ばした。

と、そこに救援が現れる。

魔神のなり損ないたる少女、ウッルル。
アウレオルスの支援よりも先に上条の命を確保しにやって来たらしい。
吹き飛ばされた上条の身体を上手く受け止め、彼女はオーディンを睨みつける。
対して、魔神もやや敵意を持った眼差しで視線を返した。
たったそれだけで、その場所の気温が十度以上下がったかのようだった。

オッレルス「あちらの支援はもう良いのか? 出来損ない」

オティヌス「構わん。もう私が居なくても問題無いだろう」

オッレルス「絶対の不運を抱えたお前が、私に勝てるとでも?」

オティヌス「>>327」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:03:25.44 ID:JkdgIaTK0<> いいや、私じゃ勝てないだろうさ。ただし、これは直感だが、お前の言う絶対の不運はお前の可能性を塗りつぶす。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:05:17.68 ID:2Y5kwDyF0<> >>326

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 19:14:07.73 ID:UZSARbUk0<>
オティヌス「いいや、私じゃ勝てないだろうさ。ただし、これは直感だが、お前の言う絶対の不運はお前の可能性を塗りつぶす」

オッレルス「…私の可能性を?」

オーディンは、ちらりとオフィーリアを見やる。
体に力が入らない彼女は、無駄と知っていながら、上条に手を伸ばそうとしている。
無駄な足掻きをさせない為にオーディンは一度彼女の腹部を蹴ると、改めて抱え直した。

オッレルス「彼女が絶対の幸運と知っていて、その発言か」

オティヌス「不運たる存在との物理的距離が、変動を及ぼす訳ではない。…そもそも、私はお前と違って可能性に縛られている訳じゃない」

だから、押し返せる。
そう言わんばかりの彼女に、オーディンはやれやれといった調子でため息をついた。
現状、彼女とは引き分けになるように出来ている。
だが、オーディンの腕の中には、幸運の象徴たるオフィーリアが存在している。
まるで招き猫のように、彼女が傍に居るというだけで、その場に幸運が降ってくる。
元々、オーディンが欲し、強く興味を持っていたのは彼女の『預言』というよりも、その体に宿る絶対の幸運率だ。


『見えない力』が、互いにぶつかり合った。




>>+2のコンマ一桁(18:52:04.85←この場合は『5』)で当たり判定


0〜5 オーディンの攻撃がウッルルに当たる

6〜9 ウッルルの攻撃がオーディンに当たる
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:15:54.31 ID:97VT2xWv0<> ほら <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:30:41.75 ID:mxrnisXSO<> 甘くみるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:36:18.62 ID:m8yAiQr40<> オーディンの方が確率高いのね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:37:51.10 ID:mxrnisXSO<> オフィーリア分なんだろぅ? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 19:40:00.61 ID:UZSARbUk0<> 《>>330  19:30:41.7『5』 結果:オーディンの攻撃がウッルルに当たる  ご協力ありがとうございます >>331-332様 オフィーリア分です》


バチン、という音。
何千何万もの衝撃があまりにも高速で音を立てたせいで、それはほぼ一つに集約された。
勝利したのは、幸運を抱えている魔神。
ウッルルは『説明出来ない力』に吹き飛ばされ、廃屋の壁に背中を叩きつけられる。
上条をしっかりと抱きしめて庇ったが、そのせいで防護術式がうまく働かなかったようだ。

上条「ッ、ウッルル…!」

オティヌス「…気に、するな…何、…死んだ訳じゃ、あるまいし…」

一瞬息が詰まったが、何とかウッルルは立ち上がる。
例え上条が右手を前に出したとしても、範囲攻撃の為、殺しきれずに喰らってしまう。

オッレルス「拍子抜け、かな。押し返せていないじゃないか?」

嘲弄の声。
ウッルルは自分の後ろに上条を庇い、魔神の前に立つ。
相対する青年と少女は、正反対の瞳をしていた。

オッレルス「それよりも。お前が支援をやめたせいで、どうやらくじけているようだよ」

ほら、と指差した先。
罠かと思いながらも振り返れば、崩れかけている巨人、地面に座り込んだ食蜂操祈、オーディンの攻撃の余波をまともに喰らい、血を吐いているサローニャ。
止める力が弱まった為、月はどんどんと近づいてくる。
ウッルルが抜けた上に攻撃を食らった事で、諦念があの場所を支配しているのだろう。

魔神候補は、悩む。
上条を守らなければならない。
でも、放っておけば月を食い止めきれない。
どちらかを選ばなければならないが、故に、動けなかった。
彼女はあくまで、基本的に普通の感性をしている。
何かを犠牲にする事に対して躊躇するのは、当たり前の事だった。

上条「>>335」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:41:10.28 ID:m8yAiQr40<> オフィーリア…オフィーリア…
うぐっ!?(中条) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 19:44:03.17 ID:mxrnisXSO<> …ウッルル、あっちを頼む。一先ず月堕ちを食い止めてくれ。
…俺は、自分の大事なモンくらい、自分が取り返したい。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 19:57:31.15 ID:UZSARbUk0<>
上条「…ウッルル、あっちを頼む」

オティヌス「上条、」

上条「一先ず月堕ちを食い止めてくれ」

ウッルルが庇ってくれた時間で、どうにか歩ける程度には回復した。
とはいえ、上条の脚からは出血しているし、頭の中はぐらぐらと揺れる。
渋るウッルルへ、上条は真剣な表情で告げる。

上条「…俺は、自分の大事なモンくらい、自分が取り返したい」

それは、確かな決意。
地球一つよりも遥かに重い、少年の勇気。
だからこそこの少年はヒーローと呼称されるのだろうかと思いながら、ウッルルは一度頷いた。
儀式場へ一瞬で移動する彼女に視線を向けるでもなく。
上条は、オーディンを睨んで相対した。
殺してやりたい程に憎いが、まずは彼女を取り返す事が先決だ。
魔神が50:50の可能性を持っているのなら、自分は不運である為、まず負けてしまう。

オッレルス「『禍を引きおこす者の放りし砥石、喉を切り合う宴の始まり』」

警戒する上条に対し、オーディンは軽く何かを空中へ放った。
それまで隠れ潜んでいた筈の一般人が暗示状態にかかり、各々、手近な武器を手にした。
その数にして、九○人。選抜されたのは、上条よりも体格の良い男八十八人と、サローニャ、そしてトールだ。
それら全ては上条に向けられ、敵意ある視線を向けてくる。

上条「どういう、ことだ」

オッレルス「『オーディン』は、大鎌で干し草を刈っていた9人の奴隷に会うと、彼らの大鎌を研ぐと申し出た。彼の砥石は、奴隷達が皆砥石を買いたいと望むほどよく仕上げた。『オーディン』が砥石を空中に投げ上げると、奴隷達は死ぬまで乱闘し合い、お互いの喉を切り合った……と、ここまでが神話的事実」

そして、それを組み直した催眠術式が、『砥石の宴(ベルヴェルクの申し出)』。
『死者の軍勢』とは違い、生身の人間を使う為、上条は不用意に傷つける事が出来ない。
出来ない事は無いのだが、彼らを殴ったところでオーディンにダメージが行くわけではない。
一般人の、恐らく男達の妻や子供であろう人々は、不安げな視線を上条に向けている。

オーディンは手を伸ばし、猫でも愛でるかのようにオフィーリアの顎元をくすぐる。
その指から逃れる事も出来ないまま、彼女は荒い呼吸を繰り返す。

上条「どうすれば…、」

人間の本能である『所有欲』に呼応するこの術式を用い、彼らを敵意で支配しても、言動までを統制出来る訳ではない。

トール「>>338」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/17(月) 20:06:52.22 ID:mxrnisXSO<> おい当麻ぁ?俺は構わねぇから全力でヤっちまえ!当麻にならいくらでも殴られてやんよ!
心配すんな!俺達は当麻のヘッポコぱんちじゃ死にやしねぇ!
オーディン殺りてぇならアレを狙え!オーディンの弱点… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:08:03.31 ID:zrMAwaR+0<> >>337

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:17:32.15 ID:mxrnisXSO<> >心配すんな!『俺達は』当麻のヘッポコぱんちじゃ死にやしねぇ!


皆さん「「「「 えっ 」」」」

安価↓ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 20:22:19.42 ID:UZSARbUk0<> 《勝手に複数形ワロタ  >>336 ×手を伸ばし ○指先を伸ばし》


トール「おい当麻ぁ? 俺は構わねぇから全力でヤっちまえ! 当麻にならいくらでも殴られてやんよ!」

上条「トール、」

トール「心配すんな! 俺達は当麻のヘッポコぱんちじゃ死にやしねぇ!」

サローニャ「そんなに弱くないよ、ツンツン頭ちゃん!」

トール「オーディン殺りてぇならアレを狙え! オーディンの弱点…」

言いかけたところで、トールの表情が苦悶に歪み、身体を折って二歩下がった。
上条が聞き返そうとしたところで、ナイフが飛んできた。
操られているのは人間であり、上条は果物ナイフに立ち向かう術を持たない。
避けるのは不可能だと判断した上条はナイフを左腕で受け止め、歯を食いしばる。

上条「トール! トール、ッ、大丈夫かよ!」

トール「っぐ…げほ、…」

オッレルス「後七歩、強制的に下がらせてしまっても良いのだがね」

雷神トールは、『神々の最終戦争』においては大蛇・ヨルムンガンドに致命傷を与えるが、その勝利のあと『9歩退く』。
特殊な術式を行使したのだろう、トールは一歩も動けないまま、むしろ前進するしか無くなる。
オーディンは満足そうに笑って、戦況を眺めるだけ。
その間にも、上条に向かってナイフが投げられ、銃弾が飛び、拳が振るわれる。
避けるのにも限界があり、上条はどんどんと傷だらけになっていった。
制服越しに血液が溢れ、地面を汚していく。

上条「げほ、っ…が、…っぐ…ごほ、……」

サローニャ「ツンツン頭ちゃ、ん」

告白は断られたものの、上条に好意を抱いているサローニャは苦しそうに涙を流す。
けれど、彼女の手に握られている凶器は容赦なく振るわれた。

フィアンマ「っ、…オー、ディン……」

掠れた声で、ぼやけた意識で、彼女は言葉を紡ぐ。
魔神は耳を傾け、薄く笑んだままに聞き返した。

フィアンマ「何を、…すれば、…お前の、乾きは、……俺様の絶望以外で、…癒える。……どうすれば…」

自分を痛めつけられる以上に、オフィーリアは他者が傷つく事に弱かった。
絶望する一歩手前で、彼女はそう問いかける。
問いかけというには弱い、呟きのような、或いは、懇願。

オッレルス「…>>342」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:24:11.15 ID:m8yAiQr40<> だぁぁぁから、何回も言ってんだろ!
世界の終わりと上条当麻の死!
あははははは!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:25:55.44 ID:JkdgIaTK0<> いつからお前の絶望程度で乾きが癒えると錯覚していた? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:27:48.04 ID:mxrnisXSO<> ………もう、俺にもわからんよ。何が欲しいのか、何を持ってして、この渇きが癒えるのか。

ただ、破壊衝動だけが募るばかりだ…だから、壊す。彼女を奪った世界も、不愉快な幻想殺しも、お前も…全部。

安価↓ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 20:37:16.74 ID:UZSARbUk0<> 《>>340 ×乾き ○渇き ×『9歩退く』 ○『9歩退く』。そして、死に至る》


オッレルス「…いつから、お前の絶望程度で渇きが癒えると錯覚していた?」

フィアンマ「…っ、」

オッレルス「確かに、私の最優先事項は君の絶望を見る事だが、…そもそも、私が復讐したいのは世界全体だ。だから、その為なら何人でも殺す。上条当麻は当然としても、トールも、サローニャも、そこの男達全員も、未だ月を食い止めようと足掻いている人間全ても」

フィアンマ「オーディン、」

オッレルス「…お前の方法で俺を救うには、……遅かったんだ」

独りごちて嘲笑し、オーディンは無表情に周囲を見渡す。
上条は『奴隷達』によって地面に倒されていた。
ぐったりとした彼は、それでも浅い呼吸を繰り返していた。
そして、まだ死んでいないという事実が、堪らなくオーディンの苛立ちを募らせる。
彼は何の気なしにため息のような息を吐き出す、と。
未完成故に物理的な効果の強い『主神の偽槍(グングニル・レプリカ)』を投げた。
それは弾道を定められており、まっすぐに上条へと向かっていく。

オッレルス「本来、あれは心身共に大ダメージを与えるものだが、…さて、どうだろうな」

フィアンマ「ぁ、……」

上条は、ただ、顔を上げた。
ただそれだけで、回避行動に移る事は出来なかった。
地面を無様に転がって避ける事すらままならない。







>>+2のコンマ一桁(18:52:04.85←この場合は『5』)で当たり判定


0:上条が記憶喪失(エピソード記憶) 
1:フィアンマが記憶喪失(エピソード記憶)
2:トール・サローニャ重傷(症)
3:ウッルルによる妨害により、全員軽傷(症)
4:上条死亡
5:上条重傷(症)
6:『虚空年代記』破壊
7:全員無傷
8:オーディン重傷(症)
9:フィアンマ死亡
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:38:29.61 ID:7JBsPkB40<> なんて怖い安価なんだ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:40:29.44 ID:mxrnisXSO<> さぁて賽子投げてみっか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:41:26.72 ID:7JBsPkB40<> 上条さぁぁぁぁん!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:41:30.59 ID:mxrnisXSO<> ……あ。




<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:42:15.88 ID:7JBsPkB40<> >>348

二回目の書き込みもフィアンマ死んでるじゃないですか! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:44:49.53 ID:mxrnisXSO<> っべー…殺っちまったわー…コンマだから許してねテヘペロ☆




いやまさかドンピシャとはおもわなんだよ…安価↓ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 20:55:06.20 ID:UZSARbUk0<> 《>>330  20:40:29.4『4』 結果:上条死亡  ご協力ありがとうございます》


如何に、魂が『神浄』であっても。
上条当麻という少年を構成しているのは、至って普通の人体だ。
多少の回復能力があったとしても、それは変わらない。

どこかの超能力者のように、翼で自分を守る事なんて出来ない。
どこかの超能力者のように、『反射』で身を守る事なんて出来ない。
どこかの超能力者のように、砂鉄の盾を作る事なんて、出来ない。

だから。
自然なことに。
彼は、槍に貫かれた。
未完成であるが故、それは魔術的な意味合いが薄い。
すなわち、それは単なる物理的な凶器。
鋭い刃に貫かれた少年の心臓が止まるのに、そう時間は要らなかった。

「……と、ま」

オーディンはオフィーリアの表情を見た上で、ようやく、彼女を解放した。
『月堕ち』はどうにか食い止められたらしい。だが、オフィーリアにとって重要なのはそこではない。
ふらふらとしながら、時々地面に這い蹲りながら、彼女は上条に近寄る。
槍は彼の身体から引き抜かれ、二度程震えて付着した臓物を払った後、オーディンの手元へと戻った。

「…当麻、」

オフィーリアは上条を抱きかかえ、その顔を覗き込む。
そこに生命の色は無く、抱いている身体は段々と冷えていった。

「……嘘だ…」

オフィーリアの纏っている白い衣装は、上条の赤黒い臓物や、血液で染められていく。

「ま、…当麻……」

誰も、答えない。

「嘘だ、…嘘だ、嘘だ嘘だ…!!」

ぼろぼろと涙を流す彼女に、差し伸べられる手は、無い。

「当麻……当麻、当麻………、…当麻……」

『右手の奇跡』で蘇らせる事は、出来ない。
現状、オフィーリアが蘇らせられるのは、自らの手で殺した人間だけ。
上条はそれには当てはまらないし、そもそも、『幻想殺し』がある時点で、蘇生は望めなかった。

「…当麻……」

呼んでも、応えない。
死者が返事をする訳が無い。

グロテスクな血だまりの中、彼女はもはや独りぼっちだった。

「………当麻、……」

何度も名前を呼んでいれば、返事をしてくれる気がして。
また、笑って頭を撫でてくれるような気がして。
抱きしめて、微笑んでくれるような気がして。照れる顔が、見られるような気がして。
けれど、何も無い。変化は訪れない。

呆然とする彼女の後ろ姿を見つめ、魔神は言葉を投げかける。

「……、…>>353」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 20:57:26.37 ID:97VT2xWv0<> 所詮はクズかペッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 21:01:25.21 ID:mxrnisXSO<> 何だ、やっぱり口だけ男だったな。
もう少し粘るか、と期待もしたが。
まぁいい。君の絶望の表情も見れた事だし、破壊作業に戻るか。『月堕ち』再開。

…ハハハハハ…何だ、あれだけ豪語したわりには、俺に敵意と憎悪を向けてるじゃないか <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 21:17:12.72 ID:UZSARbUk0<>
オッレルス「……、…何だ、やっぱり口だけ男だったな」

冷酷で、残酷な言葉だった。

オッレルス「もう少し粘るか、と期待もしたが。まぁいい」

彼女は、何も応えなかった。

オッレルス「君の絶望の表情も見れた事だし、破壊作業に戻るか。『月堕ち』再開」

疲弊しきった儀式場の人間を追い立てるように、オーディンは仕掛けておいた儀式を執行する。
正確には、その命令を出した。
ふと、彼はオフィーリアの様子に気がつく。
そして、揶揄するように指摘した。

オッレルス「…ハハハハハ…何だ、あれだけ豪語した割には、俺に敵意と憎悪を向けてるじゃないか」

フィアンマ「…ずっと、我慢をしていたのだが」

白い服は、今や赤く染まり。
『燃える赤』としての彼女の真価を発揮するには充分な状態だった。

フィアンマ「…俺様は、…誰にも、嫌われたくなかった。自分の意思で何かをする事が、怖かった。常に少し先の未来を見通せば、俺様の策など穴ばかりで、どうにもうまくいかないと、わかっていた」

彼女の右手に握られているのは、いつの間に切断したのか、上条の右手が握られていた。
彼女はそれを軽く宙に放り、『聖なる右』でキャッチする。
神経レベルでバラバラに散ったそれを吸収した『聖なる右』は、ぼやけた幻想から、肉を得た実体へと変貌する。

フィアンマ「それでも、…そんな俺様を助けてくれた人は沢山居た。頼らせてくれた人も、…救ってくれた人も、……俺様を庇って死んだ人も、居た。……どうして、俺様のような人間の為に命を賭けるのか、その時はわからなかった」

『奴隷達』は矛先を変え、彼女に襲いかかる。
サローニャは泣いていたし、トールは悔しそうな表情だった。
それらを見た上で、彼女は一度だけ右手を振るう。
ありとあらゆる戦力は、彼女の前において関係無い。敵、試練、困難は倒れ伏す。それこそが、絶対の常識。

フィアンマ「当麻が助けに来てくれた時。俺様は、謝るだけだった。いつか、当麻を守る事で、その恩を返したいと思っていた。だが、それは間違いだった。本当に大切なら、守るのではなく、戦場からもっともっと、完璧に遠ざけておくべくだったんだ」

『聖なる右』は、いつも以上に歪な形をしていた。禍々しい色合いをしていた。

フィアンマ「…人の幸せを願えば願う程、どこかの誰かを不幸にする。救う為の力で、それでも俺様には暴力という手段しか無い。何かを救おうとすれば、何かを喪うことになる。誰かの幸せを願う程、誰かを不幸にする。それでも、俺様は願わずにはいられない。世界中の人々が幸せで、平和で、心地良い世界に生きることを。………それで、一番大切なものを喪った。馬鹿馬鹿しいとは思う。自分でも」

オッレルス「…それで? 玉砕覚悟で、俺に立ち向かうと」

『たとえ自分の思いで誰かを傷つける結果になったとしても、今度はその傷つけた人を助ければいい。救おうと頑張ればいい。…違うのか?』

嘲笑混じりに問う青年に、オフィーリアは頷いた。
自分は世界を見て、個人を喪ったのだ。
もはや、何をしても、どうにもならないのかもしれない。

彼女はもう一度、右手を振る。

『月堕ち』が、止まった。
元の位置へ、天体が戻っていく。儀式場が破壊されたのだ。

フィアンマ「『rappresaglia094(報いる者)』」

魔法名を名乗った上で、彼女はゆらりと右手を水平に掲げる。
これでもし彼を倒せないのなら、自分の力はそれまでだったということだ。
それでも。
勝算なんて気にしないで、当麻は立ち向かう筈だから。
彼女はやめない。逃げない。

そして、『聖なる右』を行使した。







>>+2のコンマ一桁(18:52:04.85←この場合は『5』)で当たり判定


1〜9 フィアンマの勝利

0 オーディンの勝利

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 21:19:02.89 ID:mxrnisXSO<> この確率ww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 21:19:33.58 ID:+HqoWr3Z0<> 当てたらごめんね! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 21:21:35.95 ID:mxrnisXSO<> けっこーギリギリだったなー… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 21:22:41.24 ID:+HqoWr3Z0<> 2人そろってギリギリだった… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 21:37:04.01 ID:UZSARbUk0<>
たかが十字教の力。
魔神は、当然の事ながら、受け止めきれると思った。
だが、予想以上に力は強い。
彼が知っているのはあくまで不完全な彼女の『右手の力』であり、『幻想殺しの器たる右手』を取り込んだ後の完全な力ではない。

フィアンマ「俺様の『聖なる右』は、ありとあらゆる試練、困難を乗り越える力を持つ。お前が強ければ強い程、…邪悪であればある程、俺様の神聖なる力は比例して吊り上がる事になる。そして、確実に"超える"」

オッレルス「ッ、」

彼は、彼女本体を攻撃しようと考えた。
だが、術式を行使しようとした、その一瞬手前で。

オッレルス「…シルビア、」

自らが自らに禁じている『死者の軍勢』を使う事は、出来なかった。
ずっと昔に亡くした愛しい人に、止められたような気が、した。
それは当然錯覚で、そんなはずはなくて。

けれど、ここで負けてしまうのも、悪くはないと思えた。

オッレルス「ぎ、……ッ、が…!!」

耐え切れず、彼の細い身体は吹き飛ばされた。
地面に何バウンドかした後、まともな着地も出来ないまま、地面の上へと倒される。
指先一本動かす事もままならない彼は、一度咳をして、呆然と空を見上げた。
『月堕ち』の儀式場は全て破壊されてしまった。完全な敗退だった。

三度の連続行使という無茶をした為、『聖なる右』は空中分解。

天空を左右する術式が無理に何度も行われたせいか、雨が降ってきた。
死屍累々と周囲に人が倒れた中、雨を防ぐでもなく、たった独り立ち尽くすオフィーリアは、視線を上条に向けた。
のろのろと、歩み寄る。膝をついて、冷たい頬に触れた。

フィアンマ「……まだ、告白していなかったんだ。…デートもしていないし、…。デートの場所は思いつかなかったから、当麻に決めてもらおうと思っていた。…それで、…恋人になって欲しいと、言うつもりだった。その答えが是でも非でも、満足すると思った。……思い上がったから、…バチが当たったのかもしれない」

そんな事は無い、と言い返せる人員は居ない。

フィアンマ「……それで、…それで。……元の日常に、戻りたかった。学校に行って、他愛もない話をして、当麻と笑い合いたかった。寒くなる事を口実に、…ずっと、当麻にくっついているつもりだった。当麻なら、許してくれると思って」

叶わなくなってしまった、未来の話だった。

フィアンマ「…ぜんぶ、…俺様が、悪かったんだ。…身分不相応な願いを、…強欲にも、全部、叶えようとしたから。……どうして、こんな事になっちゃったんだろう。……脳内の本に生かされて、身体を切り刻まれても絶対に死なないような、そんな化物が、…思い上がって恋をしたから、…天罰が下ったのかな。…俺様が、当麻の持っている筈の運全部奪って生まれてきたから、こんな風になっちゃったのかな。……俺様が産まれてこなければ、…当麻は、誰かと笑い合っていられたのかもしれない」

いつだって、痛みは後からやってくる。
膝をついたまま動かない彼女を見かねて、ウッルルは言葉の選択に迷った後、そっと声をかけた。

オティヌス「>>361」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 21:59:11.68 ID:mxrnisXSO<> …落ち着け。そんな訳ないだろう…
お前は今少し肉体と精神が疲労しすぎているだけだ。アジトでゆっくり休もう。
…とりあえず、引き上げるぞ。…負傷者も遺体も、回収と治療、弔いが必要だ

……キツい事を言うが、そこでずっと泣いていたって逝ってしまった者は生き返らんぞ。
本来、命はほいほい取り戻せるような軽い物じゃない。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 22:01:32.22 ID:UNycb2RN0<> >>360

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 22:11:00.19 ID:UZSARbUk0<>
オティヌス「…落ち着け。そんな訳ないだろう…」

彼女が産まれてこなければ、上条は彼女ではない誰かを愛したかもしれない。
だが、それは『もしも』の話であって、現実とは何ら関係の無い話だ。

オティヌス「お前は今少し肉体と精神が疲労しすぎているだけだ。アジトでゆっくり休もう」

フィアンマ「……」

彼女は黙ったまま、上条の右手の止血を行った。
死体にそんな事をしても、何の意味も無いというのに。
そこだけは敢えてウッルルは注意せず、言う。

オティヌス「…とりあえず、引き上げるぞ。…負傷者も遺体も、回収と治療、弔いが必要だ」

フィアンマ「…とむ、…らい…?」

あまりの精神的苦痛に、事実をぼやかそうとしているのだろうか。
何処か信じられないといった様子で、のろのろと彼女は聞き返した。
冷たい雨が上条の身体を打つが、彼は何ら反応しない。

オティヌス「……キツい事を言うが、そこでずっと泣いていたって逝ってしまった者は生き返らんぞ。本来、命はほいほい取り戻せるような軽い物じゃない」

だからこそ、扱いは慎重になるべきで、尊い。
金でも何でも、取り返す事の出来ない貴重なものだから。

オティヌス「…だから、一度引き上げる。休み、身体を癒せ」

フィアンマ「………」

オティヌス「…何も、すぐに燃やすと言っている訳じゃない。心の準備は必要だろう」

ウッルルは沈痛な面持ちで上条を見やり、負傷者の手当等を始めた。
アウレオルスはイギリス清教、食蜂操祈は学園都市の機関。
ウッルルは最低限の手当をした後、適切に動いた。

オフィーリアはしばらくぼんやりと上条の髪を撫でた後、ふらりと立ち上がった。
彼女が歩み、近づいた先。横たわっているのは、一人の青年だった。

オッレルス「……」

指先一本動かせないながらも、彼に意識はあった。
隻眼から放たれる視線だけを動かし、オフィーリアを見た彼は、何の色も表情へ浮かべない。
彼女はオーディンの身体に跨ると、手を伸ばした。細い指は、爪が生えかけの非力な腕は、青年の首へかかる。
オーディンは魔術で反撃どころか、身動いて逃げる事も出来ないまま、彼女を見上げた。
周囲はバタバタとしていて、二人の様子に気付かない。

フィアンマ「……、………」

オッレルス「>>364」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 22:13:41.12 ID:e+XnPUbU0<> いいぞ!実に良い!その顔!その怒り!
それこそが私の求めた絶望!ははははははは!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 22:50:42.31 ID:1hgFT8eoo<> 殺せ
俺を殺せばそこのなり損ないが魔神になるだろう
そうしたら上条当麻を生き返らせることもできるかもしれない
もう疲れたんだ…シルビアの元へ行かせてくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 23:02:37.47 ID:mxrnisXSO<> ……[ピーーー]のかい?俺を。

いや、文句を言うつもりはないよ。君には俺に復讐する権利がある。

好きなように殺せ。どうせ俺はシルビアと同じ所へは行けない。
…地獄で君を待つ事にするよ
…願わくば、君が俺と同じ復讐者となって、世界を壊す事を。


安価↓ <> アセロラ<>sage<>2012/12/17(月) 23:09:58.25 ID:zXY9b8kc0<> おぅふ・・・
上条さん・・・



>>1よ上条さんは生き返るよね? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 23:11:48.86 ID:UZSARbUk0<> 《>>366様 何とか採算を合わせて>>1に書いた通りにしたいなあ、とは考えております》


オッレルス「殺せ」

簡潔に、彼は言った。
彼女は無表情のまま、彼の瞳を見下ろす。

オッレルス「俺を殺せば、そこのなり損ないが魔神になるだろう」

フィアンマ「……」

オッレルス「そうしたら、上条当麻を生き返らせる事も出来るかもしれない」

彼女は、指に少し力をこめた。
ぐ、と気管を塞がれて苦しいながらも、彼は解放されたように薄く笑む。

オッレルス「もう、疲れたんだ…シルビアの下へ行かせてくれ」

ぼんやりとした様子で、目を閉じる。
周囲はまだこの事態に気がついていないのか、気がついていて敢えて黙っているのか、動きは変わらない。
オフィーリアは、力を籠めたまま、言った。

淫靡な笑みを浮かべ、決定的な一言を。

フィアンマ「お前が、死んでその女のところへ行けると思っているのか?」

オッレルス「…、」

首を絞められているのとはまた別に息が詰まる彼へ向けて、彼女は発言する。
ともすれば淫らに誘うような、低い、粘ついた声だった。

フィアンマ「言っただろう。俺様は、お前を救うと。そして、『汝の敵を愛せ』とも言った筈だ。お前は嘲笑っていたが、俺様は本気だ。そんな簡単に死なせてもらえると思っていたのか? 甘いんだよ。何処まで世界に甘えれば気が済む? 例え俺様が此処でお前を殺しても、お前は絶対にその女には会えない。『神の如き者』の名をもって保証する。約束する。確約する。お前はいつまでたっても孤独なままだ。何を後悔しても反省しても逃亡しようとしても殺されて楽になろうとしても一生涯罪を償い続ける事になる。舌を噛み切って死ぬのなら、それよりも先に舌を切り取ってやる。何度心臓の動きを止めても、必ず蘇生させてやる。お前が自らの罪を洗い流すまで、俺様は救う事をやめない、関わり続ける。疲れたなどという理由で逃げられると思っているのか。お前の見てきたものは、そんなに甘いものだったか。優しい世界だったか。違うだろう。ほら、お前のお望み通り、俺様はどこまでも絶望しているぞ。それでは悔しいから、次はお前を希望にすることにするよ。自殺を計ろうとしたのなら、脳を砕いてやっても良い。勿論、殺すのとは別だがな。お前には『幻想殺し』が無い。故に、俺様はお前を殺して何度でも生き返らせる事が出来る。一生涯と言ったのは、正確には間違いなのかもしれないな。何度でも蘇り、お前は償いをさせられるのだから。何、拒絶するのは最初だけだ。その内、俺様に対して感謝するようになる。俺様は寛大であり、敬虔だからな。勝手にお前を裁いたりはしないし、個人的な復讐をしようとも思わない。悪意も敵意も憎悪も無いよ。俺様はお前を許す。だが、神はお前を許す事は無いだろう。決してとは言わんがね。贖いの手伝いをしてやると言っているんだ。……俺様はどんな罪人でも平等に愛しているよ。愛さなければならないし、そうしなければ俺様が生きている理由が消失してしまう。今や、俺様には何も無い。…、いや、そうとも言い切れないか。俺様はお前を愛するよ。何処までもいつまでも、そして愛している相手を更生させる為の最大限の努力をする。献身的に生きるのが向いているんだ、少々窮屈かもしれないが、俺様は頑張るよ。お前の為に」

首を絞める力が、弱まる。
彼女は、笑っていた。
もう何も怖いものなど世界中のどこにも無いと思っていた魔神が、思わず背筋を震わせる程に。

フィアンマ「…死んで償え、とは酷い言葉だと思わないか? 俺様はその言葉があまり好きではなくてな。今まで、その鉄則に従って殺してしまった相手は蘇らせたんだ。…お前から世界を救った事で、ようやく利子がチャラになったところなんだよ。これで、お前に尽くせるな」

慈しむように、彼女はオーディンの首を撫でた。
何度も撫で、愛でるように、優しくさする。
乱暴さの欠片も無い事が、かえって彼女の異常性を際立たせているかのようだった。

フィアンマ「…嬉しいだろう? 執着とは、愛の裏返しというからな。お前は俺様を愛していたんだろう? それが情愛で無いにしろ、…そうだろう? ならば、俺様もそれに報いなければ。俺様の魔法名が『rappresaglia094(報いる者)』である以上、」

金の瞳は、濁ってはいない。
むしろ、美しく輝き、澄んでいた。
何もかもを破壊され尽くした街のように、すっきりと。
綺麗過ぎる程に。気味が悪い程に。

フィアンマ「…どうした。あんなに強気だったじゃないか?」

オッレルス「…>>369」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 23:13:07.26 ID:mxrnisXSO<> まぁ、ちゃんと伏線張ってたし、何事もなかったかのように生き返るでしょーな

安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 23:17:41.74 ID:7JBsPkB40<> くふふふふ……
さらばだ(自殺、オティヌス魔神に。) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 23:23:49.61 ID:JkdgIaTK0<> はたしてオーディンが自殺できるのだろうか?神話的な意味で <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/17(月) 23:35:31.07 ID:UZSARbUk0<>
オッレルス「…く、ふふふふ…」

残念だったな、と言わんばかりに。
彼は彼女を嘲笑って、息の根を自ら止める。
最後に一言「さらばだ」と告げた彼の首を触り、オフィーリアは首を傾げる。
オーディンが一度死んだ事で、魔神はウッルルへと権利が譲渡された。

フィアンマ「…さて、範囲はどうだろうな」

ぼんやりと呟いて、彼女は右手を翳す。
複雑な文句を紡ぎ、神聖な光が舞った後、眼前の死体に息が吹き込まれた。
オーディンが自らを殺す為に編んだ術式への『預言』による干渉は、『他殺』とみなされたらしい。
自殺にして、他殺。
オーディン自身の自殺にして、オフィーリアによる殺人。

オッレルス「……、」

フィアンマ「…おはよう、オーディン」

『主神の妻』は、やんわりと笑った。
赤い長い髪が、ゆっくりと揺れる。
オーディンは最早魔神としての身体を持たず、単なる魔術師に過ぎない。
言うなれば、魔神のなり損ない。
心底絶望した彼に、オフィーリアは彼女らしからぬ悦楽に満ちた満面の笑みで言った。



フィアンマ「さあ、懺悔をしよう」





ウッルルは、魔神となったことで、名を『オティヌス』と改めた。
また、格下げとなったオーディンは『オッレルス』と。

そして。

オフィーリアは現在、一旦オッレルスを放って、とある人物の所へ来ていた。

ウートガルザロキ。

失敗したら戻っておいで、と言ってくれた、軽薄そうな青年だ。

ウート「…、フェリーチェちゃん」

迷惑そうではなく、単純に、純粋な驚愕。
オフィーリアはしばらく黙った後、言葉に困って視線を地面に落とした。

ウート「>>373」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/17(月) 23:51:01.46 ID:mxrnisXSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/12/17(月) 23:54:46.88 ID:yhmLlkmY0<> おかえり <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 00:07:20.23 ID:5QjbJsDe0<>
ウート「おかえり」

だから余計な事をするなと言ったんだ。
だから引きこもっていれば良かったんだ。

それらの言葉を全て呑み込んで、彼はのんびりと言った。
本来、この言葉は彼ではなく、上条が彼女に言うべき言葉だった。
自分にさえ無理をしていたオフィーリアだったが、その言葉に唇を噛み締める。
ウートガルザロキを困らせると思いながらも、涙が勝手に零れていった。
彼は少し困った声を出して、彼女を家の中に招き入れた。

ウート「……」

フィアンマ「…だめ、だった」

ぽつりと、彼女は言う。
青年は急かさずに、何が、とだけ聞き返した。

フィアンマ「…お前が言った通り、駄目だった。…何も、救えなかった。…いや、世界は救えたが…、…一番大事なものを、まもれなかった…」

ぽた、と落ちた雫が、彼女の太ももを濡らす。

フィアンマ「……取り返しがつかない、……」

ウート「…、」

危惧していた通りの事態だと思い、軽口を一旦しまって、彼は目を伏せる。

フィアンマ「…まだ、…告白も、していなかったのに。……デートの約束も、していたのに」

『俺、兄貴らしい事してやれてなかった。…一緒に遊びに行こうって、約束も守れずに、』

後悔を語るオフィーリアの姿が自分の過去に重なり、ウートガルザロキは目を逸らす。

フィアンマ「……恋なんてしなければ良かった。当麻に接触しなければよかった。…出会わなければ、…よかった。…うまれて、こなければ…」

しゃくり上げ、彼女は唇を噛む。
本当は大声を出して泣きたいのかもしれない。

フィアンマ「俺様のせいだ…」

死んでしまってから悔やんだところで、どうしようも無いのに。
オフィーリアは両手で顔を覆い、一言謝罪した。
別に、ウートガルザロキに泣き顔を見せたくてやって来た訳ではないのに、涙が止まらない。

ウート「>>376」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:11:36.96 ID:2Yc3J+Lz0<> で、どうすんの
現実逃避するなら幻覚を用意するけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:12:10.03 ID:QZdwpdqO0<> ふーん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:13:53.79 ID:N1pJsqBSO<> …まぁ、泣きなよ。気がすむまで。
…辛かったろ。大丈夫。大丈夫。もう心配事はないんだから、しばらく休も?な?←抱きしめて頭撫でる <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 00:23:16.48 ID:5QjbJsDe0<>
ウート「ふーん」

軽く相槌を打って、ウートガルザロキはタオルを放る。
彼女はそれをキャッチすると、顔を拭いた。
ぐしぐしと拭いた後、数度深呼吸を繰り返す。

ウート「…それで、現実逃避しにやって来た訳だ」

フィアンマ「……、…」

否定は出来ない、といった様子。
彼は小さく笑って、責めている訳ではないと告げた。

ウート「…それで、お嬢さんが満足するなら良いけどさ」

温めたタオルを渡して、青年は肩をすくめる。

ウート「どうも、そうは思えないな」

フィアンマ「…ん。……そういうつもりで来た訳ではない」

ウート「泣きに来たって事か? ま、別にいいけどさ」

温めたタオルで目元を温める彼女の様子を見て、彼は苦く笑う。
どれだけ『余計な事』をしているんだろう、自分は。

ウート「…ま、気が済むまでゆっくりしていけばいい。俺はどうせフリーだから、只今絶賛求職中の暇人だし。『グレムリン』はあるけど、リーダーが行方不明になってるし」

フィアンマ「……チェスがしたい」

ウート「いいよ」

やや子供っぽい態度を取るオフィーリアに笑って、彼はチェスセットを並べる。
ついでにタオルを回収すると定位置に放り、先行は彼女に譲った。

フィアンマ「……、…少し、疲れた」

ウート「そっか」

こつ、と駒を進めていく手には、元気が無い。
爪はだいぶ生えているが、力が入っていないように見えた。

ウート「そういえば、フェリーチェちゃんにお願いがあったんだけど」

フィアンマ「…ん?」

手を止めて、首を傾げる。
もうだいぶ元気が出たのか、涙の跡は見当たらない。

ウート「>>380」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:27:23.14 ID:N1pJsqBSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:42:15.49 ID:Tmgst+n00<> 上条当麻を生き返らせたいか? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 00:48:29.59 ID:5QjbJsDe0<>
ウート「上条当麻を生き返らせたいか?」

フィアンマ「…、…お願い、では…なかったのか?」

ウート「ほら、俺って軽いからさ。思い出した事から先に言う訳。…で、どうなの」

フィアンマ「…それは、…本人、という意味でか? ヴェータラ術式における死体や、幻術の話ではなく?」

ウート「そうじゃなくて、普通に、ご本人のオハナシ」

どうなの、と問いかけるウートガルザロキに対し。
オフィーリアは珍しく負けを認めてキングを倒すと、投了の宣言をした。

フィアンマ「…生き返らせたいに、…決まっている」

ウート「……」

フィアンマ「…もう一度逢いたいに決まっているじゃないか。……そうでなければ、…後悔など、しない」

倒したままのキングを指先で転がし。
彼女はため息を飲み込み、聞き返す。

フィアンマ「…それで、そんな事を聞いてどうするんだ。…お前は幻術使いだろう。幻想を創る事は出来ても、『幻想殺し』を持った当麻を異能の力で蘇らせられる訳もあるまい。それとも、何か心当たりが?」

ウート「>>383」





《今日はここまで。お疲れ様でした》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:50:23.85 ID:N1pJsqBSO<> 乙安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:51:05.48 ID:Tmgst+n00<> 冥土帰し <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:52:16.85 ID:Tmgst+n00<> 乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 00:56:13.15 ID:1oRgOHCAO<> >>381
×当麻を蘇らせ
○当麻本人を蘇らせ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 01:25:49.68 ID:N1pJsqBSO<> 最後の辺、完全に急ぎすぎたな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 01:33:04.94 ID:Vz0vpM5DO<> 乙です
最近忙しくて読めてなかったのですがやっと追い付きましたー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 07:49:18.59 ID:J6o2B/Jo0<> 長文の安価やるとストーリーが速まるから嫌 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 11:40:36.27 ID:N1pJsqBSO<> あんま言いたくなかったが、急ぎすぎってのは、早く上条さん見たいからって上条さん復活の安価を仕掛けるタイミングが明らかに早すぎるって事な。
オッさん戦の最後の辺でも若干無理があったり、たかが幻術使いのウーさんに死者蘇生系技術なんてあるわけないのに、方法を明示せず>>1に丸投げしたからウーさんがあほの子に… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 12:53:33.43 ID:N1pJsqBSO<> すまん>>389は忘れてくれみなかった事に <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 13:04:37.21 ID:eCd7148Ho<> 乙でした <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 13:50:05.58 ID:cTErHShb0<>
ウート「冥土帰し」

フィアンマ「…人物か?」

ウート「そうそう。学園都市の、抜群に優れた…優れ過ぎた医者」

フィアンマ「…死に瀕した人間を救うのであればまだしも、既に死んだ人間を甦させるのは流石に医者の領分ではなかろう」

ウート「医者のみって訳じゃねえんだよ、そいつ」

患者を助ける為なら何でもする。
つまりそれは、魔術科学異能物理問わず知識を知っているという事と同義。
魔神とはまた違う形で、万能の知識に精通している者。
それを頼れば多少なりとも蘇生が見込めるのではないか、という提案だ。

ウート「…ま、あくまで可能性って話だ。……厳しいとは思うがね」

フィアンマ「……今なら黒魔術にでも手を出せる気分なんだ。…出来るだけの事は、してみる。ありがとう」

ウート「お礼ってのは成功してから言うもんだぜ?」

フィアンマ「…それで、お願いというのは何だったんだ?」

ウート「……笑わない?」

フィアンマ「笑わない」

ウート「ちょびっとでいいからさ。…兄さん、って呼んでくれ。オニーチャンって棒読みでも良いぜ?」

駄目? と首を傾げる彼に、オフィーリアは首を横に振った。
呼ぶだけで良いのか、と言う彼女に、彼はこくりと頷く。

フィアンマ「…兄さん」

ウート「…ありがと」



オフィーリアは、オティヌスの所に戻って来た。
彼女はトールやサローニャの手当をした後、オッレルスの下までやって来た。
何もかも剥奪され、虚無感に憂いながら拘束に甘んじる彼の様子を眺め、オフィーリアは言う。

フィアンマ「…もし、…当麻を蘇らせたなら。お前の眠りを妨げない」

つまり、死んだらもう蘇生させないでおいてやる、ということ。

オッレルス「…>>394」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 13:54:09.77 ID:N1pJsqBSO<> 死人を甦らせる術を持っているならシルビア生き返らせとるわっベシッ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 13:57:01.34 ID:k5rWc+r/0<> …俺は無理だ。冥途返しとオティヌスに頼め <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 14:10:15.15 ID:cTErHShb0<>
オッレルス「……俺は無理だ。冥土帰しと、オティヌスに頼め」

フィアンマ「…」

オッレルス「…もし上条当麻を蘇らせられるなら、俺は此処に居ないよ」

自分の愛する人間を、蘇らせていたに違い無いから。
その事に満たされていたのなら、そもそもオフィーリアから上条を奪ってはいない。
そう言外に述べて、オッレルスは項垂れる。

オッレルス「科学と魔術、双方の知識を混ぜれば、或いは多少なりとも可能性が。…………、…すまなかったな」

ぽつり、と。
呟くような謝罪に、オフィーリアは口を噤む。

フィアンマ「…別に、…恨んではいないさ。憎んで、恨んで、お前に敵意を向けたところで…当麻が帰ってきてくれる訳じゃない」

実際、『あの日』の激情とは違って、彼女の感情は諦念に近かった。

フィアンマ「…お前には感謝しているよ。多少は、…人に対して敵意を向けた事で、…俺様は人間らしくなれた」

彼女が本来持つべき燃え盛るような憎悪は、片割れたる愛しい彼が持って逝ってしまった。

フィアンマ「……ありがとう」

だから、彼女はオッレルスを罵倒しなかった。
『あの日』に全て吐きだしたから、もう言う必要が無いとでもいうかのように。
大事な、中核をなす大切な人を喪った彼女の瞳は、かつてのオーディンに似ていた。
けれど、彼女は復讐という手段には移らなかった。
そんな事をしても、上条が喜ぶとは、思えなかったから。


オフィーリアは、オティヌスの下まで戻ってきた。
彼女はオフィーリアを見やり、砂糖を多量に溶かした甘いココアを差し出す。
大人しく受け取って啜る彼女は、本題を切り出した。
そしてようやく、疲れた頭で、冥土帰しがどのような人物だったかを、思い出した。

フィアンマ「…学園都市の冥土帰しと、お前に頼れば。…或いは、蘇生の方法が見つかるのではないかと、言われた。……やはり、無理か」

オティヌス「>>397」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 14:23:11.07 ID:N1pJsqBSO<> その方法の場合、冥土に肉体を修復させたとしても死体は死体だし、肉体修復させ、死者蘇生系魔術を用いても、幻想殺しに打ち消される可能性がある。
だから、右手を切断してから蘇生術式をかける事になる。
ただ、もし幻想殺しが右手に依存してるなら、右手を義手に切り替えれば、ゾンビとしてなら生き返らせるだろうが、本質が体の方に依存してるならそもそも打ち消されて死体のまま。

というか、オーディンと同じになった所で、あのオーディンが甦らせる術を知らないのに、格下である私では完全な死者の復活術式などわからんよ

安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 14:25:38.73 ID:QZdwpdqO0<> 冥途返しはタイムマシーンを持ってるから
行けるんじゃね? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 14:33:46.20 ID:cTErHShb0<>
オティヌス「冥土帰しは『時間逆行装置(タイムマシーン)』を持っているから、過去に行けるんじゃないか? その場合、過去のお前から上条当麻を奪う事になるが」

フィアンマ「…、」

オティヌス「…もしかすると、もう破棄されているかもしれないな。残っていれば、可能性はある。正確な時間逆行というよりは、平行過去世界への一時移動及び帰還補助装置といったところか」

フィアンマ「…つまり、他の世界に現存する俺様から、…オフィーリアという人間から、上条当麻を奪う、と」

オティヌス「そうとも限らない。お前ではない誰かと結ばれている上条当麻かもしれないし、誰の事も愛していない上条当麻かもしれない。お前と過ごした思い出は無いだろうから、本当の意味では上条当麻を呼称すべきですらないかもしれない。何しろ、存在する時間軸が違う時点で、別人なのだからな」

他人から奪って、自分の人生を完成させるか。
喪った喪失感を埋める、たったそれだけの為に、他人の人生を滅茶苦茶にするのか。

やらないよりは、やった方が後悔は残らない。
だが、これに関してはそう簡単に断じて良い問題なのだろうか。

フィアンマ「……、」

オティヌス「…それでも、良いのなら。一応、コンタクトはとってみるが」

どうする。
意思の強い瞳に射抜かれ、ココアを飲み干したオフィーリアは、マグカップを片付ける。
オティヌスに背を向けた状態で、言葉を返した。答えを、出した。

フィアンマ「>>400」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 14:37:09.85 ID:N1pJsqBSO<> 奪う。例え自分の知る上条当麻でなくとも、誰かの者であっても。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 14:38:17.96 ID:U29XcdSp0<> >>399

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 14:49:12.35 ID:cTErHShb0<>
フィアンマ「奪う。例え、自分の知る上条当麻でなくとも、誰かの者であっても」

表情を見せなかったのは、意地だろうか。
オティヌスは簡素な相槌を打つと、冥土帰しへ個人的なコンタクトをとり始めた。
オフィーリアはマグカップを丁寧に洗い、指先に絆創膏を巻き直すと、自分に与えられた部屋に入った。
電気もつけず、ベッドの中、オフィーリアは毛布を被る。
自分のしているこんなことを知ったら、上条はどんな顔をするだろう。
自分が良い思いをする為なら、誰から何を奪っても構わないなどと。
その世界の上条当麻は、とても幸せなのかもしれないのに。
それでも、彼に逢いたい。傍に居て欲しい。笑って欲しい。

いつから自分は、彼の幸せを願えない人間になってしまったんだろう。

フィアンマ「……」

こんな事をして取り返した先に、果たして幸せなどあるのだろうか。
そもそも、今自分が手元に引っ張り戻そうとしているのは、自分に笑いかけてくれた彼じゃない。

フィアンマ「……」

自分に優しくしてくれた彼じゃない。
思い出なんか共有していないし、もしかすると、自分のような人間は嫌いなタイプかもしれない。

フィアンマ「…どうすればいいんだ」

それなら。
だって。
どうしたらいいのか、わからない。
自分はただ、彼に好かれていなくてもいい、一緒に居たかっただけなのだ。
それを叶える為の努力が最悪の方法だったとして、誰に責められるだろう。

フィアンマ「…当麻」

ごめんなさい。
謝って、彼の右手をもらった自分の右手を見て、目を閉じる。




冥土帰しは、悩んでいた。
『時間逆行装置』、もとい『異世界循環平行移動装置』は現存している。
厳重にロックをかけてはあるが、使う事は出来る。
だが、事情を知った以上、あれを使うべきか、悩む。

例えば、学園都市第二位に要請して身体を創ってもらうだとか。
例えば、学園都市第一位に要請して架空のベクトル計算をしてもらい、その身体に魂を吹き入れるだとか。

考えれば方法が無い訳ではないのだが。

どうするか決めて、彼はぼやいた。

冥土帰し「>>403」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 14:52:41.95 ID:N1pJsqBSO<> ま、いっか!僕、知ーらねっ

安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 14:55:21.27 ID:qEyLTVb50<> あとこの過去に記憶を飛ばす装置と
過去と未来にメールを送れる装置はどうしようかねぇ… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/18(火) 14:57:10.12 ID:1oRgOHCAO<> どう見ても某自分を騙すゲームです、本当にありがとうございました <> ◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 15:10:25.20 ID:cTErHShb0<>
冥土帰し「あと、この過去に記憶を飛ばす装置と過去と未来にメールを送れる装置はどうしようかねぇ…」

何か、活用する事は出来ないだろうか。
これらを活用すれば、オフィーリアの人生そのものからやり直す事が出来る。
異世界、別時間軸の上条当麻を単純に連れてくるのと、どちらがより人道的だろうか。
しかし、冥土帰しにとって、上条当麻は大切な患者だった。
その彼を助けるのであれば、直接的な過去から手助けをするべきなのではないか。

冥土帰し「…少し、選択肢を増やしてみよう」

患者を生かす為に、彼は最大限の努力をする。
そしてその努力は、医者に何をさせることも厭わない。
彼はそう呟いた後に、オティヌスへ連絡をした。
よりまともと呼べそうな手段で、オフィーリアと上条当麻を救う為に。




オティヌス「…おい」

コンコン、とノックされる音で、オフィーリアは目を覚ました。
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
オティヌスは返答を待たずに部屋へと入り、彼女を見下ろす。

オティヌス「学園都市へ向かうぞ。良いか」

フィアンマ「…ん」

ぐし、と目元をこすり、彼女はのろのろと起き上がる。
みょん、と跳ねた髪を指先で正してやりながら、オティヌスは事情を説明した。




魔術を使えば、学園都市にやって来る事は容易い。
純粋な魔神となった彼女には転移が失敗する可能性があったが、オフィーリアの幸運がカバーしたらしく、セーフだった。
やって来たのは、大きな病院。
上条が何度もお世話になった、冥土帰しの在籍する病院だった。

オティヌス「邪魔するぞ」

冥土帰し「よく来たね」

オティヌス「世間話をするつもりはない。こちらは切羽詰っているからな」

フィアンマ「……」

冥土帰し「まず、…選択肢を提示する。君はその中から選べば良い」


一つ、オティヌスに『過去と未来にメールを送れる装置』を使って支援してもらいながら、運命を変える。(1)
一つ、『異世界循環平行移動装置』を用い、上条当麻本人を連れてくる。(2)
一つ、超能力者に頼り、彼を取り戻す手段を模索する。(3)


フィアンマ「…俺様は、…」




>>+2のコンマ一桁(18:52:04.85←この場合は『5』)で選択判定


0〜2 1の方法

3〜5 2の方法

6〜9 3の方法 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 15:12:23.12 ID:N1pJsqBSO<> ある意味commaにしない方がよかったような… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 15:17:02.67 ID:cTErHShb0<> 《ちょっと考えた結果方法を変えました 申し訳ありませんがご協力ください

1IDにつき1票でご投票ください

区間は409-413で

番号(1〜3)でお願いします
》 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/18(火) 15:17:58.79 ID:1oRgOHCAO<>
>>409-413です、失礼しました <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 15:18:00.51 ID:N1pJsqBSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 15:20:27.81 ID:nDFn5doX0<> 全部試すってダメだよね

1 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 15:22:29.12 ID:N1pJsqBSO<> あえて2にしようかと思ったが、仕方ないから3にしとく <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 15:31:10.49 ID:5WhucTpQo<> 3 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 16:13:33.74 ID:0T9wFgy50<> 3かなぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 16:44:33.30 ID:N1pJsqBSO<> 決定か


ただ、やっぱり作って魂=人格や記憶をぶちこんだとしても、結局は別人でしかないんだよな…自画の連続性がないし… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 16:55:26.43 ID:p1XRDGWq0<> 人体錬成を… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:03:46.94 ID:N1pJsqBSO<> >>415フィアンマ「…当麻取り返そうと人体錬成したら等価交換で触覚と視覚を失った…」

真理くん「もう一度会いたいと思ってたから、二度と会えなくなったんだな」
みたいなオチになりかねねー…

もしくは鎧に魂定着した上フォンスさんになるとか… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 17:06:29.60 ID:eNZfMrbP0<> 《投票結果:1(一票)、2(零票)、3(三票) 結果:超能力者に頼り、彼を取り戻す手段を模索する  唐突な選択方法変更ながらもご協力いただきありがとうございました   なにそれこわい…》


フィアンマ「…超能力者を頼る。何人か、面識もある」

冥土帰し「なら、まずこちらからコンタクトをとってみるね? 君の名前を出せばわかるかな?」

フィアンマ「問題無い」

目を伏せ、オフィーリアは促されるまま、診察室の外に出た。
待合用のソファーに座り、俯く。
どの方法を用いて彼を救ったとしても、やっぱり別人なのかもしれない。

フィアンマ「……」

上条の脳から引き出した死の直前までの全ての記憶は、『虚空年代記』に保管してある。
勝手に覗き見るような真似はしないが、これをどうにかしてぶち込んだところで、彼は彼と言い切れないような気がする。


程なくして、超能力者二人がやって来た。

学園都市第二位、未元物質。
学園都市第四位、原子崩し。

いずれも、彼女と面識のある人物だった。
第三位に関しては、これから行なう事が暗部に近い要件であった為、呼び立てなかった。
第一位は現在、番外個体の体調悪化により、出てこられない。

麦野「…ひっどい顔」

麦野はそう笑って、オフィーリアの頭をわしゃわしゃと撫でた。
乱暴ななで方ではあったが、労わるような優しさが感じられる。

彼女の持つ能力は、『原子崩し』だ。
『量子論を無視して電子を曖昧なまま操る』特性。
そして、彼女はセオリー通りに手伝うつもりなど無かった。

麦野「そこのホストもどきが身体創って、プログラミングで組んだ『記憶』をぶち込んだところで、何の解決にもならない」

垣根「って訳で、さっき俺とコイツは別の方法を考えたんだが」

フィアンマ「…別の、方法?」

麦野「『0次元の極点』。あの第一位の開発をした研究者が提唱したんだ、不可能に見えて可能。ノウハウも学んできた。最初は、机上の空論としか思えなかったけどね」

垣根「それで、俺の能力は、つまるところ『この世界に存在しない物質を引き出し、操作する力』。…過ぎた過去ってのは、もはや"概念"であって"存在しない"ものだ。俺の能力は、うまく扱えば"概念"を物体化する」

事前に実験でもしたのだろうか。
垣根帝督と、麦野沈利は自信に満ちた表情を浮かべる。
今まで人を殺す為に使ってきた力で、壊す為の力で、救う。創る。

垣根の創った『未元物質』を切断して切断して切断して、特殊な『0次元の極点』を創る。
後は、そこから、この時間軸の過去の上条当麻を、生きている状態で引っ張ってくれば良い。
鶏と卵の関係―――タイムパラドックスの影響も考慮されたが、垣根曰く『上条が死んだ』という事実のみが後から消えるらしい。
歴史の修正というべきか。抜き取った事実に合わせて、現実が変革される。

使い方によっては、転じて、世界を滅ぼせる程の力。

垣根と麦野は、上条を救った事を忘れるかもしれない。
だが、オフィーリアは忘れない。『虚空年代記』がある限り、彼女は重要だと感じた情報を忘れられない。

上条当麻を殺した世界を、騙す。

フィアンマ「…常識が通用しないな。科学サイドの常識は、よくわからんが」

垣根「>>419」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:11:23.41 ID:N1pJsqBSO<> よく考えついたんだよ…


問題は幻想殺しにキャンセルされないかどうかだ……!安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:19:08.49 ID:FYNz8Uc10<> 合い言葉は ラ・ヨーダ・スタ・セッラ

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:44:24.49 ID:N1pJsqBSO<> 後は、幻想殺しにキャンセルされないために、幻想殺しが処理しきれない物量の未元物質を転送、包み、確保をする。
そのために、第五位に協力依頼して、俺達level5の脳を繋げる。levelアッパー事件みたいに、俺を主軸に、第一位、第三位、第四位の脳波をリンク、転送先に大量の未元物質を演算し続ける。


とか?安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:46:19.49 ID:oA5HJyJ60<> いっそのことレベル5全員協力させてしまえ
kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:48:01.32 ID:N1pJsqBSO<> 後は未来が変わりすぎないように、ウーさんの幻術も転送、展開させ、史実通りになったように見せかけるとか…安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:49:05.69 ID:oA5HJyJ60<> 良いこと思いついた 上全部
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/18(火) 17:52:10.17 ID:1oRgOHCAO<> 無茶振りだよ…こんなのあんまりだよ…再安価はしませんが

今思うとこれまで構築してきたフィアンマちゃんの人脈すげえ…これがオフィーリア勢力か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 17:59:37.20 ID:hNwJRWJs0<> さぁ>>1の腕の見せどころだ
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 18:12:55.77 ID:eNZfMrbP0<>
垣根「良いこと思いついた」

麦野「あん? 何よ」

垣根「上条当麻は『幻想殺し』を持ってる。これにキャンセルされちまうと少々マズい」

麦野「なるほど?」

垣根「キャンセルされないためには、『幻想殺し』が処理しきれない物量の未元物質を転送、包み、確保をする。その為に、第五位に協力依頼して、俺達『超能力者』の脳を繋げる。『幻想御手』事件みたいに、俺を主軸に、第一位、第三位、第四位の脳波をリンク、転送先に大量の未元物質を演算し続ける。…ってのはどうだ」

麦野「それは提案?」

垣根「提案」

麦野「一部却下。…何も知らない中学生のガキ巻き込んでまでやる事じゃねえだろ」

垣根「…何か甘くなってねえ?」

麦野「うっせえ。XXXちょん切るぞコラ」

垣根「おい」

フィアンマ「?」

咄嗟にオフィーリアの耳を塞ぐ垣根に対し、麦野はふんと鼻を鳴らす。
仲が良いのだろうか、とオフィーリアはうっすらと思う。

垣根「…そもそも、一方通行の脳も演算補助を受けてる身、さほど効果は望めねえか。となると」

冥土帰し「二人なら、昏睡しないで済むかもしれないね?」

垣根「…何かこう、脳波繋げるってエロいな」

麦野「言ってろチンピラ」

麦野沈利と垣根帝督の脳波を繋げる機器を用意しながら、冥土帰しは思い出したように憂いた。

冥土帰し「これは、僕がタイムワープした時に感じた問題点なんだけどね? 未来が変わる可能性というのは、思っているよりもずっと高いんだ」

対策はこれで本当に充分か。
問う言葉に、垣根は少し悩む。

垣根「…流石に、過去を変える為のオブジェクトまで用意してらんねえな。かといって垣根弟を連れてくる訳にもいかねえし、そもそもアイツそこまで演算出来ないしな」

フィアンマ「…知り合いに、…陽動の幻影を創る事を得意とする人間が居る。…それで、何とかなるか?」

垣根「要するに、その過去の住人達が『未来は変わらない』って思ってりゃそれで問題無い」

フィアンマ「…少しだけ、待っていてくれ」





『預言』の応用によって通信術式を構築し。
オフィーリアは申し訳ないと思いながらも、ウートガルザロキへ連絡した。

フィアンマ「…ウートガルザロキ」

ウート『はいはい』

フィアンマ「…当麻を蘇生させるというか、…取り戻す手段について、わかった。…それで、…ウートガルザロキの協力が要る。…頼めないだろうか」

ウート『……』

フィアンマ「…お前が、余計な事をしたくない主義だというのは、わかる。でも、………」

お願い。
縋るような少女の声。
既知感はあった。失敗の既知感だった。

フィアンマ「沢山の幻影を見せてもらう事になるし、…お前を疲弊させる事は、わかっている」

それでも、どうか。一度だけ。

ウート『…>>428』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 18:13:16.69 ID:Vz0vpM5DO<> なんか気付いたら皆に>>1様がいじめられてる…ワロタ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 18:20:08.64 ID:FYNz8Uc10<> 良いですよ!報酬はご飯奢ってくださいね <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 18:49:05.73 ID:eNZfMrbP0<>
ウート『…良いですよ! 報酬はご飯奢ってくださいね、…ちなみに何処行けばいいんだ? 遠距離でも構わねえが、精密さは減るぜ?』

フィアンマ「…現在位置が学園都市なのだが」

ウート『なら、乗り込んじまった方が早いな』

報酬があるから、働く。これは、仕事だ。
そう割り切って、彼は軽く受け入れる。
彼を使うのに食事の提供だけというところが、オフィーリアへの多少なりの思い入れを表現していた。

ウート『二時間以内には行くから、泣くなよ』

フィアンマ「…そうそう泣かんよ」

ウート『うっそだー、フェリーチェちゃん結構泣き虫だろ』

軽口を叩きながら、彼は幻覚を使う準備をする。
下準備なしに、魔術師は動けない。

ウート『よくわかんねーけど、…"過去"の元リーダーに一泡吹かせるってのも面白そうだしな。注文通りの幻覚で良いんだな?』

フィアンマ「あぁ」

そう言って、彼は通信を切った。
間もなくこちらへやって来る事を見越して、オフィーリアは垣根達の下へ戻る。

垣根「連絡ついたのか?」

フィアンマ「問題無い。ただ、彼が到着するまで時間をくれ」

麦野「私達に急ぐ理由は無いから、別にいいわよ」

その時を、待つ。





ウートガルザロキがやって来たのは、それから一時間後の事だった。
歴史の修正によって自分が死ぬ(過去のオーディンによって殺される)かもしれないと聞かされて尚、彼は協力をやめなかった。

ウート「そんで、そのどこでもドアの向こう側が過去で、俺の領地か」

垣根「そうなるな」

フィアンマ「…、…すまない」

ウート「何謝ってんだよ、報酬はきっちり貰うぜ?」

フィアンマ「だが、」

ウート「いーのいーの。………人生で一度位、…兄貴らしい事を、成功させてみたいから、…さ」

オフィーリアが出来る事は、もう何もない。
故に、彼女は部屋から外へ出た。
後は、成功を祈るだけ。奇しくもそれは、病院にあるべき、手術の成功を祈る一般的な少女の姿と、同じだった。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 18:49:06.90 ID:1oRgOHCAO<> + <> Modification of history 
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !nasu_res<>2012/12/18(火) 18:50:02.82 ID:eNZfMrbP0<>





如何に、魂が『神浄』であっても。
上条当麻という少年を構成しているのは、至って普通の人体だ。
多少の回復能力があったとしても、それは変わらない。

どこかの超能力者のように、翼で自分を守る事なんて出来ない。
どこかの超能力者のように、『反射』で身を守る事なんて出来ない。
どこかの超能力者のように、砂鉄の盾を作る事なんて、出来ない。

だから。
自然なことに。
彼は、槍に貫かれた。
未完成であるが故、それは魔術的な意味合いが薄い。
すなわち、それは単なる物理的な凶器。
鋭い刃に貫かれた少年の心臓が止まるのに、そう時間は要らなかった。

「……と、ま」

オーディンはオフィーリアの表情を見た上で、ようやく、彼女を解放した。
『月堕ち』はどうにか食い止められたらしい。だが、オフィーリアにとって重要なのはそこではない。
ふらふらとしながら、時々地面に這い蹲りながら、彼女は上条に近寄る。
槍は彼の身体から引き抜かれ、二度程震えて付着した臓物を払った後、オーディンの手元へと戻った。

「…当麻、」

オフィーリアは上条を抱きかかえ、その顔を覗き込む。
そこに生命の色は無く、抱いている身体は段々と冷えていった。

「……嘘だ…」

オフィーリアの纏っている白い衣装は、上条の赤黒い臓物や、血液で染められていく。

「ま、…当麻……」

誰も、答えない。

「嘘だ、…嘘だ、嘘だ嘘だ…!!」

ぼろぼろと涙を流す彼女に、差し伸べられる手は、無い。

「当麻……当麻、当麻………、…当麻……」

『右手の奇跡』で蘇らせる事は、出来ない。
現状、オフィーリアが蘇らせられるのは、自らの手で殺した人間だけ。
上条はそれには当てはまらないし、そもそも、『幻想殺し』がある時点で、蘇生は望めなかった。

「…当麻……」

呼んでも、応えない。
死者が返事をする訳が無い。

グロテスクな血だまりの中、彼女はもはや独りぼっちだった。

「………当麻、……」

何度も名前を呼んでいれば、返事をしてくれる気がして。
また、笑って頭を撫でてくれるような気がして。
抱きしめて、微笑んでくれるような気がして。照れる顔が、見られるような気がして。
けれど、何も無い。変化は訪れない。

呆然とする彼女の後ろ姿を見つめ、魔神は言葉を投げかける。

「……、…何だ、やっぱり口だけ男だったな」





―――ここにおける『上条当麻』とは、"幻想"であると定義する。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 18:50:04.25 ID:1oRgOHCAO<> + <> Modification of history 
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !nasu_res<>2012/12/18(火) 18:50:25.68 ID:eNZfMrbP0<>
上条は『奴隷達』によって地面に倒されていた。
ぐったりとした彼は、それでも浅い呼吸を繰り返していた。
そして、まだ死んでいないという事実が、堪らなくオーディンの苛立ちを募らせる。
彼は何の気なしにため息のような息を吐き出す、と。
未完成故に物理的な効果の強い『主神の偽槍(グングニル・レプリカ)』を投げた。
それは弾道を定められており、まっすぐに上条へと向かっていく。

オッレルス「本来、あれは心身共に大ダメージを与えるものだが、…さて、どうだろうな」

フィアンマ「ぁ、……」

上条は、ただ、顔を上げた。
ただそれだけで、回避行動に移る事は出来なかった。
地面を無様に転がって避ける事すらままならない。


そんな彼の身体を、白い何かが包み込んだ。
ともすれば天使の翼のようなそれは、とても温かい。

ぐったりとしたまま、上条は何だろうと首を傾げる。
攻撃とは思えなかった。オーディンが槍を投げた事は、わかっていたけれども。

そんな彼の身体を、『未元物質』ごと、一人の少女が引っ張る。
"何か"を超えたその先、そこは簡素な部屋だった。
ぼんやりとする上条の身体を包んでいた『未元物質(白い何か)』は離散し。
やがて少年は、頭上の人々を見た。

チンピラのような服装の少年。
オフィーリアに攻撃をしていた、鮭好きの少女。
軽薄そうな、スーツを着た青年。

上条「なん、だ…?」

訳も、わからないままに。
上条は、気を失った。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 18:50:26.83 ID:1oRgOHCAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 18:51:01.45 ID:eNZfMrbP0<>
大至急手当を行う必要がある、と冥土帰しは治療に奮闘し始めた。
全てはうまくいったし、騙す事も出来た。
機械による演算力の増強を解かれ、垣根と麦野はゆっくりと息を吐き出す。
精密な幻覚を見せる為に麦野に一発殴ってもらったウートガルザロキも、同じく疲れていた。
ゆっくりと呼吸した後、三人の貢献者はどこか満足そうな表情を浮かべる。

垣根「…思いの他、あっさりうまくいったな」

麦野「…さっきのはどういうカラクリになってんの?」

ウート「企業秘密って事で」

垣根と麦野は部屋から出、帰るべき場所へ向かう。
オフィーリアに礼の言葉をかけられ、照れくさそうな表情を浮かべていた。
遅れて出てきたのは、ウートガルザロキだった。
体調の悪そうな彼の背中を摩り、うまくいった安堵感やら申し訳なさやら、自分は何もしていないという無力感やらで、オフィーリアは

ウートガルザロキに抱きついて泣いた。
やっぱり泣いたな、と笑いながら、彼は待合用の椅子に座る。

ウート「痛って…必要だったとはいえ、結構効いたな…」

フィアンマ「生きてて良かっ、げほっ、…う……、…ありがとう…」

ウート「…>>437」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:00:20.02 ID:NMoLagy4o<> 礼は全部終わってからな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:02:42.51 ID:N1pJsqBSO<> いーっていーって…俺は仕事をしただけなんだから。食事、楽しみにしてるから。←抱きしめて頭ナデナデ

…あ。←上条さんに見られた <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 19:10:25.12 ID:eNZfMrbP0<>
ウート「…いーっていーって…俺は仕事をしただけなんだから」

フィアンマ「ん…」

彼は笑って、彼女を抱きしめる。
もう二度と抱きしめる事の叶わない妹の代わりにするように。

ウート「食事、楽しみにしてるから」

そっと頭を撫でて、穏やかに微笑んだ。
軽薄そうないつもの笑みより余程、その整った容姿が際立つかのようだった。
オフィーリアはもう一度ありがとうと言って、彼の肩辺りに顔を埋める。
その様は、恋人のようにも、兄妹のようにも見える、和やかな風景。
ウートガルザロキは彼女の髪を撫で、ふと、顔を上げた。

ウート「…あ」

いつの間にやら、手当は終わっていたらしい。
松葉杖をついた上条当麻が、憤怒の形相でこちらを見ていた。
正直、その辺のホラー映画よりも怖いし、危機的状況だ。

フィアンマ「ん、…ん?」

ぐし、と目元を擦り、オフィーリアは振り返る。
涙で滲む瞳に映ったのは、少年の姿。
彼女はウートガルザロキから離れ、彼に近寄る。
その間に幻術使いは一旦逃げる事にした。

オフィーリアは上条に手を伸ばしかけ、その前に、今、全ての状況を話す。
一度上条が死んだ事や、自分がした事についても、全て。
全部を聴き終え、上条は思考を落ち着けたところで、彼女を見つめた。
ふらつく身体を、しっかりと松葉杖で支える。

上条「>>440」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:12:00.84 ID:N1pJsqBSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:12:41.63 ID:p5eSQQtV0<> とりあえず…オフィーリアから離れようかそこの男ドドドドド <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:14:01.26 ID:N1pJsqBSO<> ※ウートさんはすでに逃亡済みですの安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:16:41.92 ID:gwLMtLxo0<> あ、ほんとだスマン

kskst
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:17:22.99 ID:gwLMtLxo0<> 申し訳ないけど再安価求 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 19:18:23.07 ID:eNZfMrbP0<>
上条「とりあえず…オフィーリアから離れようか、そこの男」

ウート「もう離れてるだろ!」

上条「もっと物理的にだよ!!」

ウート「怖っ! 顔怖!」

上条「うるっせえ!」

廊下の分かれ目までそろそろと逃げていたウートガルザロキに対し、上条はやや怒り気味に言った。
さっさとこの場を去れということらしい。
本来多少の感謝を抱かなければいけないとわかったものの、それでも嫉妬の方が優ったようだ。
はいはい、と肩を竦め、彼は二人から離れる。ごゆっくり、等と軽口を残して。

二人きりの、病室の廊下で。
互いに黙り込んでしまった上条とオフィーリアの内、後者が沈黙を破った。

フィアンマ「…それほどの傷であれば、入院だろう。病室について聞いてくる」

絞り出すように言うと、彼女は冥土帰しへ話しかける。
目的場所である病室の号室について聴き、上条と共にやって来たその場所は、個室。
気を遣ってくれたのだろうか、と思いながら、オフィーリアは上条に座るよう促した。

上条はベッドに腰掛け。
彼女は、その隣に座る。

上条「……」

フィアンマ「…………」

上条「…>>446」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:19:18.11 ID:N1pJsqBSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:20:56.73 ID:Tmgst+n00<> その…ただいま <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:21:53.82 ID:gwLMtLxo0<> 俺なんかの為に頑張ってくれたんだってな…
ありがとう…
ただいま、オフィーリア…もう絶対離れない
俺はお前を愛してる。良かったら俺と付き合って…交際してくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 19:26:37.92 ID:1oRgOHCAO<> >>444
×号室について
○何号室かについて <> アセロラ<>sage<>2012/12/18(火) 19:38:30.34 ID:X2mTquTj0<> よかった・・・
戻ってきたよ・・・上条さん



紫煙 <> 小ネタ:お弁当
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/18(火) 21:04:58.66 ID:1oRgOHCAO<>

フィアンマ「…アイサイベントウとは何だ」

上条「ぶっ」

フィアンマ「?」

上条「どこで聞いたんだ、そんな単語」

フィアンマ「青髪が食べたいと言っていた」

上条「青ピが?」

フィアンマ「しかし、容易には手に入らない食べ物らしい」

上条「…まぁな」

フィアンマ「…当麻は食べた事があるのか?」

上条「んー…無い。"まだ"」

フィアンマ「…」うーん

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 21:25:13.42 ID:cCfUHtR60<>
上条「…その…ただいま」

ぎこちなく言う上条。
オフィーリアは左手を伸ばし、上条の右手を握った。
その手指や手首は細い。不健康な程に。

上条「…あんまり飯食ってなかったのか?」

フィアンマ「…食欲が無くてな」

断食したい所ではあったが、オティヌスに無理やり促され、パンを少し食べる程度。
おかげで彼女の体重は不自然に何キロも落ちてしまったし、全体的に細い上、やつれた印象が残っている。
何の音もしない静か過ぎる病室の中。
オフィーリアは上条の手を握り、指を絡ませる。
そして、おずおずと切り出した。ずっと、言おうと思っていたことだ。

フィアンマ「…当麻」

上条「ん?」

フィアンマ「…当麻に、言おうと思っていた事が、ある。ずっと」

上条「何だ?」

涙はもう枯れ果てた。
嬉しいし、感動もしているものの、もう泣こうとは思わない。
彼女は数度深呼吸した後、俯く。
もしかすると、断られるかもしれない、と思いながら。

『何とかできるのは、未来を変えられるのは、『今』の自分しかない。個人的には、努力すべきだと思う』

思い浮かべるのは、一人の先生の言葉。
優しい後押し。無理をさせない、フォロー。
思い浮かべ、自らを奮い立たせ。
オフィーリアは顔を赤くして、緊張しながら言った。
今まで潜ってきた血の流れる修羅場以上に、緊張した様子で。

フィアンマ「…愛してる。俺様の、恋人になってくれ」

顔を上げる。
上条と、目が合った。
握ったままの手が、震える。

それでも、きっと。

この答えが是でも非でも、自分は、納得出来る。

上条「>>453」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 21:26:45.56 ID:h2gJrvzD0<> (無言でキス)

よろしく、オフィーリア <> sage<>sage<>2012/12/18(火) 21:33:58.01 ID:2Yc3J+Lz0<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 21:42:00.30 ID:cCfUHtR60<>
上条「……」

言葉が怖くて、怯えるままに、オフィーリアは目を瞑る。
上条は顔を近づけると、無言のままにそっと口づけた。
柔らかな感触さえびくつく彼女の様子を見て、上条はうっすらと笑む。
元々、彼女から言われなければ、自分から『好きだ』と言うつもりだった。

上条「よろしく、オフィーリア」

フィアンマ「……、」

わ、う、と言葉にならない声を漏らした後。
オフィーリアは硬直して、しばし動くのをやめた。

上条「…おーい?」

フィアンマ「……、…ぁ」

ひらひらと目の前で手を振られ。
オフィーリアははたと現状に気がつき、ベッドに敷かれていた毛布を頭から被った。

上条「!?」

フィアンマ「と、ま…」

上条「…な、何だ…?」

フィアンマ「…大好き」

上条「…それは、嬉しい…けど、何で毛布被ってんの?」

フィアンマ「恥ずかしいんだよ」

上条「……」

フィアンマ「……」

上条「…出ておいでー」

フィアンマ「…嫌だ」

おーい、と声をかける上条に対し、オフィーリアは完全に毛布で自分を隠す。
もぞもぞ、と動くばかりで、どうにも出てくる様子が見られない。







上条はどうする?>>+2 <> sage<>sage<>2012/12/18(火) 21:45:10.85 ID:2Yc3J+Lz0<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 21:47:19.14 ID:pVEHKcn10<> 出てこないなら自分から入っていけばいいじゃない

とゆうわけで毛布の中へお邪魔します <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 22:03:11.69 ID:cCfUHtR60<>
上条(一向に出てこないな…)

うーん、と考え込む上条。
別に出す必要は無いのだが、蚊帳の外というのは寂しいものがある。
そんな訳で、上条は毛布の中へお邪魔することにした。
もぞもぞと入り込んだ先、オフィーリアはいつ脱いだのか、きちんと靴を脱いでいた。
スーツ姿であるが故に貴重なパンチラ等は無かったものの、それはそれで、状況的に良かったかもしれない。

上条「オフィーリア」

フィアンマ「…」

袖から見える手首は、やっぱり細い。
顔も、不健康に白くて細い。
食欲を亡くしたのは、きっと自分が死んでしまったからで。
そう思うと、申し訳ないような、少し嬉しいような、でもやっぱり申し訳ないような。
そんな複雑な感情を元に上条は腕を伸ばし、倒れこむ形で彼女の身体を抱きしめる。
身体に残るダメージは確かにあり、まともなバランスは保っていられない。
それはもう、松葉杖が必要な程に。
押し倒すような形となり、上条はドキドキとしながらオフィーリアを見つめた。

上条「…お、…オフィーリア…」

お互い、あずかり知らぬところで発生したが、現在、性行為にはトラウマがある。
上条はトールとの行為、オフィーリアは蛍光灯の幻影拷問。

フィアンマ「……、…と、…当麻。…、…ま、……まだ、…こういう、……それは、…早いと…」

上条「…>>459」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:04:52.67 ID:N1pJsqBSO<> …早くなんかねぇよ。むしろ遅いくらいだ←鎖骨舐め <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:06:00.10 ID:TKEOmIg00<> >>458

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:12:12.93 ID:TiIEg45M0<> おい、トラウマどうした上条さん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:13:28.10 ID:N1pJsqBSO<> ケツの穴と下の口に突っ込むのは別なんじゃね <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 22:25:51.83 ID:cCfUHtR60<> 《男とスレンダーな女の子は別なんだろうか》


「……早くなんかねぇよ。むしろ、遅いくらいだ」

硬直するオフィーリアに対し。
毛布の中、押し倒した側である上条は、彼女の鎖骨に舌を這わせる。
くっきりとしている白いそこを舐められ、こそばゆさにオフィーリアは身じろいだ。

「と、うま…」
「…オフィーリア…」

鎖骨から、そのまま首へと舌を動かす。
慣れない感覚にびくつき、オフィーリアは手近な、毛布の壁を握り締める。
毛布の中に二人分の体温があるこの空間は、暑い。

「…シャワー位、」
「……、…いや、でも」

我慢出来ないし、したくない。
そう呟いて、上条は彼女の手を、そろそろと自分の股間に触らせる。
先程冥土帰しに着替えさせられた患者服越し、薄い生地を押し上げ、突き破らんばかりに上条のそれは怒張している。

そして、彼女が頷きかけたところで。
個室のドアが、空いた。






冥土帰し「…一応、そういう行為は謹んで欲しいね? 隣に患者さんも居るからね」

上条に投与する点滴を持ってきた、医者の姿が、そこにはあった。

上条「…不幸だ……」






一二月。
恋人を持つ学生にとっては、クリスマスプレゼント予算に悩まされ。
恋人を持たない学生にとっては、クリスマスの予定が埋まっている人間への妬みに悩まされる月だ。
上条当麻は本来、この後者にあたる方だった。
しかし、今年からはもう前者である。世の中の流れでいえば、勝ち組の方である。
上条は退院し、残念ながら素敵な行為には及べなかった彼女と共に、学校へ通っていた。

上条「…はー」

そして。
上条当麻は、現在。
進路調査について、悩まされていた。

上条「…俺、何の仕事が向いてると思う?」

フィアンマ「んー? >>464」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:26:46.46 ID:N1pJsqBSO<> ダンボールおじさん <> sage<>sage<>2012/12/18(火) 22:29:44.16 ID:2Yc3J+Lz0<> 魔術師 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:29:58.78 ID:TiIEg45M0<> 俺様の夫……………………自分で言ってて恥ずかしくなってきた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:30:09.17 ID:Zy3VtBFF0<> 教師 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:30:24.13 ID:N1pJsqBSO<> そうだな…赤い、Mマークがついた帽子を被って、ツナギと白手袋、茶靴を履いて、モクモク髭を生やし、食べると肉体強化されるキノコをかじりながら亀の化け物から俺様を助け出す職業に就けばどうだ?


安価↓ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 22:43:56.71 ID:cCfUHtR60<>
フィアンマ「んー? 魔術師」

上条「あのな、『幻想殺し』があるのに向いてる訳ねえだろ」

フィアンマ「…魔術師狩り?」

上条「嫌だよ! 何その物騒な職業!?」

フィアンマ「…でも、今まで似たような事をしてきているぞ?」

上条「確かにしてきてるかもしれないけどさ…もっとこう、現実的な職業をだな、」

フィアンマ「魔術師は現実的ではないというのか。…俺様は現実的ではないのか…」

上条「いや、そうじゃなくてな!? ……そういえば、オフィーリアは例えば志望動機とか聞かれてどうするつもりなんだ?」

フィアンマ「…神様のお告げで」

上条「トンデモ回答だよ!」

フィアンマ「それで今まで何とかなってきたんだ」

上条「…そうなの?」

フィアンマ「そうだよ」

上条「…いいな…」

フィアンマ「……俺様の、…お、…夫でも…」

上条「? 何か言った?」

フィアンマ「…言っていない」

上条「でも今何か、」

フィアンマ「言ってない」

そんな事を言い合っている内に、放課後の時間は失われていく。
どうにかして、上条は将来の目標などを適当に紙に書いて提出しなければならない。
以前は『しあわせになれればなんでもいいです』等と書いていた訳だが。

上条「うー…」

フィアンマ「…>>470と書いたらどうだ」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:45:26.25 ID:2Yc3J+Lz0<> 専業主夫 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:48:29.50 ID:vZ+obeMp0<> 教師 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 22:53:02.12 ID:cCfUHtR60<>
フィアンマ「…教師と書いたらどうだ」

上条「教師?」

フィアンマ「当麻なら、性格的に考慮しても、そうおかしくないと思うぞ」

上条「…俺、割と説教臭かったりする?」

フィアンマ「当麻程説教臭い人間は、教皇さんしか心当たりが無い」

上条「えー…まぁいいや、とりあえずそうする。書かないと帰れないしな」

教師、とペンで綴り、上条は満足そうな表情で提出する。
小萌はふむふむと眺め、帰る許可を出した。
上条は立ち上がり、帰り支度を済ませた上で、オフィーリアの手を引き、外に出る。
オフィーリアは嬉しそうに握り返す。握手のような形ではなく、晴れて恋人繋ぎ。
親友に殴られたとしても隠すつもりの無いらしい上条は、こそこそとする事なく彼女を誇示する。

上条「そういえば、デートの約束、まだ果たして無かったな。何処か行きたいところ、無いのか?」

フィアンマ「>>473」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 22:54:52.57 ID:Tmgst+n00<> 水族館に行きたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/12/18(火) 22:55:40.48 ID:2Yc3J+Lz0<> 家でのんびり <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:36:56.32 ID:Tmgst+n00<> >>473
sage忘れてますよ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 23:37:44.76 ID:eVL8HDYQ0<>
フィアンマ「家でのんびりしたい」

上条「外じゃなくて良いのか?」

フィアンマ「…レジャー施設の大半は一人でも楽しめるが、二人で過ごす空間を強く実感出来る家の中は、そうそう構築出来んのだぞ?」

上条「…」

難解な言い方をしているが、つまる所。
遊びに行くのなんていつだって出来るから、当麻と二人きりで過ごしたい、と。
そういうことである。

上条「…まぁ、家の方がいちゃいちゃしようがあるもんな」

フィアンマ「…いちゃ、…何の擬音だ」

上条「乳繰り合いを表現する為の擬音かな」

フィアンマ「……」

上条「いたたた! 上条さんのお腹をぺちぺちするのはやめなさい!」

無言でぺちぺちと手加減気味に叩くオフィーリアは、ふと思い出したように要求を付け加える。

フィアンマ「だが、あれが食べたい」

上条「あれ?」

フィアンマ「…長細い…チョコがかかった…」

上条「チョコプレッツェルか」

二人でスーパーに向かい。
お菓子コーナーを眺めれば、お目当ての赤い箱。

上条「これで良いのか?」

フィアンマ「あぁ」

手を繋いで、笑みを浮かべつつ帰る。
穏やかな日常が、ようやくまともに帰ってきた。




家に帰って来て、制服から楽な格好に着替え。
夕飯にはまだ早いので、のんびりとしていたところ、オフィーリアがプレッツェルの箱を開封した。
一本取り出し、ぱくりと口に咥える。
そして、上条の方を向いた。

フィアンマ「んん」

上条「…もしかして、ボッキーゲーム、か…?」

フィアンマ「ん」

じー、と見つめてくる金の瞳。
どことなく、輝いているような、羞恥に潤んでいるような。

上条「>>476」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:38:06.05 ID:2Yc3J+Lz0<> >>474
ありがとう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:39:30.41 ID:+rxewiy60<> あむカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリチュー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:42:56.13 ID:Tmgst+n00<> >>476
いえ大丈夫です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:48:48.56 ID:UIsbxUaS0<> 安価じゃなくてコメントなら
kskstか安価下ってやってくれる?
kskst <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/18(火) 23:50:17.85 ID:eVL8HDYQ0<> 《少し迷いましたが安価下採用で》


上条「あむ」

躊躇い無く、反対側を口に咥え。
羞恥はさておいて、上条はかりかりかりかりと恐ろしく早い勢いでかじり始めた。
あまりの速さに硬直するオフィーリアに配慮するでもなく、上条は九割方を食べ尽くし。
もぐもぐと口を動かして適当に流し込んだ後、口づけた。
唇を重ねたまま、しばらく離れない。口の中には、チョコレートの味が漂っている。

フィアンマ「ん、…ん」

上条「ん…」

フィアンマ「…ふぁ、ふ」

そっと、口を離す。
長いキスで少し呼吸が苦しかったのか、オフィーリアは数度やや荒い呼吸を繰り返した。

フィアンマ「…ん」

上条「…このゲーム、どこで聞いたんだ?」

フィアンマ「…土御門が」

上条(グッジョブ土御門)

オフィーリアは一度のゲームで満足したのか、もぐもぐとプレッツェルを食べる。
何となく、ハムスターに見えないでもなかった。

フィアンマ「お前は駄目だ」

シャミセン「みゃー」

猫に食べさせまい、とオフィーリアは箱を高く掲げる。
シャミセンはじとっと彼女を見上げ、お座りをした。

フィアンマ「……そういえば、もうすぐクリスマスか」

上条「何か食べたいケーキとかあるか? 欲しいプレゼントとか」

フィアンマ「>>482」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:51:38.25 ID:N1pJsqBSO<> ブッシュドノエル <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:53:16.31 ID:UIsbxUaS0<> 当麻の初めてが欲しい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/18(火) 23:53:42.51 ID:Tmgst+n00<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 00:02:18.75 ID:W5b8ddW10<>
フィアンマ「当麻の初めてが、欲しい」

上条「…はじ、…」

フィアンマ「………その、…俺様は、何かと当麻に知らない事を教えてもらったが、…逆は、そんなに無いだろう?」

上条「あぁうん、魔術の知識位だな」

フィアンマ「…今年は祈らないで家に居るつもりだ、だから…二人で居る訳で…つまり、…」

性的な事案であるが故に、言葉に出ない。
もごもごと、彼女は言い訳のように付け加える。

フィアンマ「クリスマスは即ち主の降誕祭で、そういった行為は謹むべきという話もあるが、そもそもそこまで縛られるべきでも、…もう右方のフィアンマからは降りた事だし、………別に避妊しなければどうということも…」

彼女がそんな事を言い出したのは、トラウマに立ち向かいたいという思いもあった。
上条には決して語らないが、幻覚だったにしても、あの思い出は辛い。
だから、蛍光灯などという無機物の恐ろしい記憶ではなく、上条のそれで貫かれた思い出で染め直したかった。

対して。
上条はというと、トールとの行為を思い返していた。
確か、自分は挿れる側ではなかったはず。
となれば、彼女に初めてを捧げる事は可能…と思いたい。

フィアンマ「…駄目なら、良い。…俺様の体質上そうそう子は成せんだろうが…、…一応、そういった危険性も孕んでいる事だしな」

上条「>>486」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:04:01.03 ID:7+Z7qGySO<> しかしフェラーリはされていたな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:15:18.36 ID:+4AeSQt40<> じゃあ俺はお前の初めてを貰うからな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 00:24:39.77 ID:W5b8ddW10<>
上条「じゃあ、俺はお前の初めてを貰うからな」

フィアンマ「…ん」

こくん、と頷き、オフィーリアは誤魔化すようにチョコプレッツェルを食べる。
ケーキに対しての要望が無い辺り、その辺のこだわりは存在しないようだ。
もぐもぐ、と動く彼女のほっぺたを何となく軽くつつきながら、上条は今年は何を買おうかと考える。
昨年までは一人暮らしだったから、何も心配要らなかったのだ。
親友は親友で義妹だったり、居候先のパン屋にバイトだったり、色々と忙しいらしく。
完全に暇人だった自分は、毎年適当にケーキを買い、シチューを作り、安売りのチキン一本で満足していた。
しかし、今年は隣に彼女が居る。なので、もう少しこだわってみても良いかもしれない。



そして、冬休みに入った。
ずっしりと出された宿題をさらりと片付けたオフィーリアと違い、上条は補習とのダブルパンチに項垂れる。
流石に、彼女の宿題を写させてもらうというのは情けない。そこは、プライドを死守したい。

そんな訳で、今日も今日とて補習である。

上条「…はぁ」

帰る途中、女子中学生に絡まれ。
上条当麻は、やれやれとため息をついた。

美琴「あんた、大丈夫なの? べっ、別に心配なんかしてないけど、…ロシアから全然帰ってこなかったし」

上条「>>489」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:25:53.88 ID:/H3elKQ30<> 一回死んだよ
あと彼女が出来た <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:25:57.27 ID:+4AeSQt40<> えっと……あなた誰?(記憶喪失のフリ) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 00:32:22.98 ID:W5b8ddW10<>
上条「えっと……あなた誰?」

まるっきりわからない、といった風に、上条は首を傾げてみせる。
完全に困惑した様相で。完璧な演技で。
対して、御坂美琴はショックを受けた様子で固まった。

美琴「…、…う、そ…わ、…私よ。み、御坂美琴」

上条「…ミコトさん?」

美琴「なん、…なんで…」

どうして、忘れられてしまったのか。
あまりのショックに涙すら浮かべて、御坂美琴は訴え掛ける。

美琴「ほっ、本当に覚えてないの!? あんた、私の妹を助けたじゃない! ううん、それだけじゃない。私の事も、遠まわしに救ってくれた…」

思い出を語るには。
彼女は、上条に対してマイナスイメージが大きい。
何か、優しい思い出。模索する。

美琴「大覇星祭の時の罰ゲームで、二人で写メ撮った事も、覚えてないの…?」

上条「>>492」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:34:03.09 ID:+4AeSQt40<> シャメとはなんですか?バツゲーム…わからない
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:35:17.95 ID:7+Z7qGySO<> …あの、すみません、本当にわからないんです…じゃ、俺はこれで <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 00:43:20.88 ID:W5b8ddW10<>
上条「…あの、すみません、本当にわからないんです…じゃ、俺はこれで」

美琴「ッッ……」

きっと、自分が知らない間に、何か事件に巻き込まれて。
そして、記憶を喪ってしまったんだ。
そう思うと、美琴は自分の無力が恨めしかった。
わざわざロシアまで彼を追いかけて、結局、恩返し出来なかった。
悔しくて悲しくて、立ち尽くす美琴に、少々申し訳ないと思いながらも、上条は歩いて行った。

上条(悪いな、御坂。でも、一回死んだっていうから、あんまり危険な思いしたくねえんだ)

オフィーリアを心配させたくない。
そう思うと、危険の可能性は最低限以外のもの以外、全て回避したかった。




シリアスモードは、長く続かなかった。
上条が鍵を開けてドアを開けた先。
オフィーリアはいつも通り出迎えてくれていたのだが。
その格好が、いつもとはまるで違った。
ひらひらとしたレース使いの、赤いエプロン。ちょっとファンシーな感じがするデザインだ。料理用というよりは、コスプレ用。
且つ、エプロンの下に何も着ていないのか、どうか、不明なものの、とりあえず、エプロン以外の布は見えない。

フィアンマ「お、お帰り。…お風呂にする? ご飯にする? ……それ、それとも…俺様に…?」

上条「……」

上条当麻は、考える。
こんな幸せな一日があって良いのか。いや、ない(反語)。

上条「…あーはいはい、ゲンコロゲンコロー。上条さんの人生がそんな甘い訳ないじゃん」

スルーしようとする上条。
オフィーリアは慌てて彼の手首を掴んだ。

フィアンマ「じょ、冗談だ。一番最後の候補はクリスマスまで無しだ」

上条「…っていうかそれ、どうしたんだよ」

フィアンマ「今日、報酬を授けるべく、ウートガルザロキに会った際にもらった。加えて、先程の台詞は日本文化でも重要だから一度やってみろと言われてな。……似合わんか」

どうせ胸もないし、とやや拗ね気味の様子である。

上条「>>495」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:47:09.25 ID:7+Z7qGySO<> とりあえずウートには今度何か送るわ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 00:53:56.98 ID:/H3elKQ30<> 超似あってる <> 小ネタ:報酬 
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 01:00:57.89 ID:W5b8ddW10<>
ウート「ん、遅かったな」

フィアンマ「色々と家事をしていてな」

ウート「家事? あぁ、上条当麻と住んでたんだっけ。新婚さんか」

フィアンマ「…ま、まだ結婚はしていないが」

ウート「まだ、って事は追々するつもりはあるんだな?」

フィアンマ「…当麻の意思による」

ウート「ふーん。ま、座れよ」

フィアンマ「あぁ。何でも好きなものを注文しろ」

ウート「そのつもり。…あ、そういや」

フィアンマ「ん?」

ウート「新婚さんで思い出したんだけど、はいプレゼント」っ箱

フィアンマ「…何の為に」

ウート「あれだよ、あれ。クリプレ」

フィアンマ「…クリスマスプレゼントか」

ウート「そうそう。中身はエプロン」

フィアンマ「すまないな」

ウート「とはいっても、あんまり調理には向いてねえかもしれねえ」

フィアンマ「? 調理用ではないのか」

ウート「いうなれば、衣装みたいなモン」

フィアンマ「ほう」

ウート「この前の"かっぱ巻きの話"以降、日本文化についてテキトーに調べてたんだけど」

フィアンマ「ふむ」

ウート「そういう衣装用のエプロン着る時は、下の下着以外身につけないモンなんだと」

フィアンマ「……」

ウート「いや、俺じゃなくて上条当麻に見せろって話。…で、お決まりの台詞があって」

フィアンマ「台詞?」

ウート「『ご飯にする? お風呂にする? それとも私にする?』っていうやつ」

フィアンマ「聞き覚えが無いな」

ウート「だろうな。ま、日本の男はそれで喜ぶらしいぜ?」

フィアンマ(…当麻もそうだろうか)

ウート「日本人はムッツリ多いらしいから、有効だと思うけどな」

フィアンマ「…むっつり?」

ウート「…俺、いつかフェリーチェちゃんがえげつない下ネタ聞かされてショック受ける日来ないかすげえ心配」

フィアンマ「??」



《今日はここまで。お疲れ様でした》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 01:04:33.41 ID:7+Z7qGySO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 01:06:45.71 ID:skUW3ttDO<> 乙でした、フィアンマの可愛さは世界を救う… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 01:06:48.37 ID:5wrpVUDM0<> 乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 01:44:14.70 ID:+5zRuk5mo<> おつー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 09:52:18.71 ID:ExiK598/0<> 日本人は少なくとも江戸時代からHENTAIな所があるからな…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 10:50:21.67 ID:E1SkSo5co<> 日本人は少なくとも江戸時代からHAMADURAな所があるからな……
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 11:34:12.64 ID:LnAcUtKL0<> 《日本人は少なくとも江戸時代から世紀末帝王な所が…?》


上条「超似合ってる」

笑みながら言って、下心混じりに上条は彼女の身体を抱きしめる。
すす、と手を下げてお尻を撫でてみた。下着はぱんつのみ身につけているらしい。
この前はさっさと出てけっていう態度取ってごめん、などと内心でウートガルザロキに謝罪しながら、上条はしばらく彼女の身体を抱きしめたままでいた。
居心地が悪いのか、オフィーリアは口ごもって動かない。
真っ赤なエプロンとは対比的に白い肌がやや扇情的である。

上条「そういえば、何作ったんだ? 晩飯」

フィアンマ「シチューとサラダだが」

上条「そっか、ありがとな」

大人しく撫でられ、上条が満足したのなら、とオフィーリアは一旦下がった。
服を着るのなら不躾に見るのも良くない、と我慢して上条は配膳をする事にする。



夕飯を終え。
しゃかしゃか、と二人並んで歯磨きをしつつ。
ふと、オフィーリアは思い出したように問いかけた。

フィアンマ「そういえば、トールと話をしたのだが」

上条「? いつしたんだよ」

フィアンマ「今日だよ。通信術式でな」

上条「なるほど。それで?」

フィアンマ「当麻は"ミニスカサンタ"とやらに"燃える"のか?」

まるっきりわかっていない様子での問いかけに、上条は咳き込みかけた。
どうも魔術師、特に元『グレムリン』メンバーとやらはサプライズ好きというか、オフィーリアに余計な知識を吹き込む事が好きらしい。

上条「>>505」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 12:22:33.79 ID:7+Z7qGySO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 14:00:39.47 ID:7+Z7qGySO<> はー。いいか、ミニスカサンタってのはな…

(俺はオフィーリアにミニスカサンタの発祥、歴史、敬意、自分のこだわり…カラーリングやオプションパーツ、スカート丈何cmがブーツとの黄金比なのかとかをねっとりぐっちょり説明した。
ああ、ミニスカサンタ万歳。ミニスカサンタオフィーリア万歳。そして熱く熱く語り、ついでにトールに2デシリットルくらいの感謝を心の中で捧げた) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 18:42:49.18 ID:64SPr9v40<>
上条「はー。いいか、ミニスカサンタってのはな…」

語りだす上条当麻。

ミニスカサンタの発祥。
ミニスカサンタの歴史。
ミニスカサンタへの敬意。
ミニスカサンタに対する、自分なりのこだわり。
果てにはカラーリングやオプションパーツ、スカート丈何cmがブーツとの黄金比にして理想か。
通常の女の子とちょっぴり感覚のズレているオフィーリアは、首を傾げながらも引かずに真面目に聴き続けた。

時に情熱的なオーケストラの演奏の如く。
時に静謐なる川の水の流れる音の様に。

ねっとり、あるいはぐっちょりと懇切丁寧過ぎる程に説明しながら、上条は思った。

上条(俺はオフィーリアにミニスカサンタの発祥、歴史、敬意、自分のこだわり…カラーリングやオプションパーツ、スカート丈何cmがブーツとの黄金比なのか、とかをねっとりぐっちょり説明した。ああ、ミニスカサンタ万歳。ミニスカサンタオフィーリア万歳。そして熱く熱く語り、ついでにトールに2デシリットルくらいの感謝を心の中で捧げた)

酷い言われ様のトールではあったが、それも致し方あるまい。
ちなみに彼は現在、オティヌスの隠れ家にてサローニャからアタックされつつオッレルスにアプローチをかける日々を平穏に送っている。

フィアンマ「…それで、…結論としては、好きなのか」

上条「好きだよ。俺に限らず大抵の男はきゅんと来ると思うよ。特に好きな子なら」

フィアンマ「……着てやろうか」

上条「>>508」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 18:45:43.51 ID:7+Z7qGySO<> 尻軽サローニャェ…

安価ならむしろ着てくれなきゃビルの屋上から飛ぶ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 18:46:31.62 ID:5wrpVUDM0<> いいのか? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 19:05:00.88 ID:64SPr9v40<> 《サローニャちゃんは惚れっぽい子なだけなんです…》


上条「いいのか?」

きらきら、と輝く瞳。
オフィーリアはコップに汲んであった水で口を濯ぎ、ブラシを洗い。
少し視線を彷徨わせながら、こくりと頷いた。

フィアンマ「…ただし、衣装は当麻が用意してくれ」

上条「任せろ、こだわって選んでくる」

ちなみに、過去水着等を買いに行った影響で、お互いのサイズはわかっている。
あの頃より多少痩せてしまったかもしれないが、少しマイナス計算すれば問題無いだろう。
上条も同じく口を濯ぐと、寝る準備。
学校に通いながらきちんと掃除をした為、部屋が汚いということは無い。

フィアンマ「…おやすみ」

上条「ん、おやすみ。また明日な」

不安がるように、彼女は指先を上条のパジャマに引っ掛ける。
上条はその手を握ると、改めて彼女の身体を抱きしめた。
自分が死んだ時(とはいっても、当然上条自身には想像もつかないが)の絶望たるや、オーディンに暴力を受けたオフィーリアの姿を見た時の怒りとは比べ物にならないだろう、と上条は思う。

上条「…もう、どこにも行かないから、…安心してくれ」

フィアンマ「……………うん」

自分が見ていないだけで。
きっと何度も泣いたのだろうと思いながら、上条はオフィーリアの髪を撫でる。
慰め宥めるように、背中をさすった。






間もなくクリスマス。
という訳で、垣根帝督は悩んでいた。
学園都市第一位になってやりたかった事は、一方通行が代理で行ってくれた。
それに対して自分は彼の恩人を救ったので、そこはそこでイーブン。
悩んでいるのは、物騒な事柄に対してではない。

垣根「…彼女欲しい」

はー、とため息を吐き出す。
願わくば、自分が死んだ時に蘇らせようとする程の、とある少女のような―――自分を愛してくれるであろう、情の深い美人が良い。

垣根「候補は…」

『アイテム』メンバーである。
相談相手の候補としては、今思い浮かべた『彼女』や、一方通行、木原病理。

垣根「よし」







※垣根は誰(>>511 麦野沈利・絹旗最愛・フレンダ=セイヴェルン)と恋仲になりたい、と誰(>>513 一方通行・木原病理・フィアンマの中から一人)に電話する? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/19(水) 19:05:56.43 ID:jLA8P6QAO<> >>511には滝壺理后も追加で

安価下 <> アセロラ<>sage<>2012/12/19(水) 19:08:52.54 ID:1LsM/Puc0<> むぎのん! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 19:10:26.10 ID:mHJbgY1N0<> >>511

よくやったクソコテ
kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 19:13:39.20 ID:7+Z7qGySO<> 病理 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 19:22:39.88 ID:64SPr9v40<>
時計を見やる。
午後十時、暗部時代であれば働いていた時間帯だ。
誰を候補にするかは決めた。麦野沈利にしよう。
加えて相談相手に決めたのは、自らの母親であり、能力開発を行った木原病理。
この時間では一方通行は打ち止めに付き合って寝ているかもしれないし、オフィーリアは彼氏との濃密な時間を過ごしているかもしれない、と思ったからだ。
別に垣根が想像しているような『エロい事』を毎晩するのが恋人という訳ではないのだが。

垣根「…アイツ個室だしな。大丈夫だろ」

何はともあれ。
かける相手と話す事柄は決まった、と頷いて、垣根は電話をかける。

垣根「……」

1コール、2コール。

病理『はいもしもしー』

垣根「よぉ。俺だ」

病理『オレオレ詐欺ですか、怖いですね…』

垣根「絶対わかってんだろテメェ。オレオレ詐欺なんかよりお前の方が百倍怖いっての」

病理『それで、帝督の御用は何ですか? あ、もうすぐクリスマスだからお母さんと過ごしたーい、とかそういう』

垣根「そんな事があってたまるかクソボケ。…あれだ、…相談だ、相談」

病理『おや、相談ですか。どうぞどうぞ?』

垣根「好きな女、…って抽象的に話す必要はねえな。麦野沈利と恋人関係になりたい。どうすりゃいい」

病理『友達は自分の力で開拓出来たのに、恋人となると違うものなんですね』

垣根「……」

病理『うーん…そうですねぇ…』

垣根「……具体的に頼む」

病理『>>516』

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 19:29:58.91 ID:7+Z7qGySO<> んー…そーですねー…私の体験談でよければ。

とりま御飯に誘いなさい。演技でもなんでもいいから、照れながらね。

んで、相手がイケる口なら酒飲ませ。んで、彼氏いるんですかー?とか、相手の事を褒めちぎったりとかしなさい。あ、ただ、本当に心にも思ってない事とか、本人が自分には当てはまらないと考える事はえぬじーです。

後は、『…俺じゃ、ダメか?お前の彼氏になれねぇ?』とかなんでも言って、キスでも決めなさい。
後はメルアドゲットしてからお家でなりホテルでなり愛を語りなさい。
それからクリスマスイブを迎えろ。最高のクリプレとシチュを用意してな! <> アセロラ<>sage<>2012/12/19(水) 19:57:12.20 ID:1LsM/Puc0<> ぶわぁ〜っといっちゃってください
男は押しが肝心ですよ?
とにかく相手に自分が相手のことを好いている事を分からせましょう
そうすれば相手もきっと自分を好いてくれるはずです <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 19:57:16.01 ID:7+Z7qGySO<> んー…そーですねー…私の体験談でよければ。

とりま御飯に誘いなさい。演技でもなんでもいいから、照れながらね。
基本的に、皆で遊びに行くとかして何度か個人的に一緒に遊ぶ、話す等の最低限のワンクッションを置かないと、クリスマスイブに誘えません。誘っても「え、何であんたと?」ってなります。なので、『プライベート的な意味で』誘いなさい。

で、相手の趣味によって店を選べ。場合によっては質素だったり洒落てたりしないといけない場合がありますから。

ある程度相手がイケる口なら酒飲ませ。んで、彼氏いるんですかー?とか、相手の事を褒めちぎったりとかしなさい。あ、ただ、本当に心にも思ってない事とか、本人が自分には当てはまらないと考える事はえぬじーです。

それから、空気を読みながら『…俺じゃ、ダメか?お前の彼氏になれねぇ?』とかなんでも口説いて軽くキスでも決めなさい。
後はメルアドゲットしてからお家でなりホテルでなり愛を語りなさい。
それからクリスマスイブを迎えろ。最高のクリプレとシチュを用意してな!


最後に、もし式を挙げるなら呼びなさい。親がいなければ貴方が悪く見られるでしょうから

に修正で。安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 20:00:42.78 ID:mHJbgY1N0<> 修正したところで安価取れなきゃ意味がない訳だが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 20:04:44.41 ID:7+Z7qGySO<> とるつもりがない時はいいんだよ。誰かのインスピレーションになったりすればいいし、ksk代わりだし。
俺ならこーいうのを言いたいってのを置いときたいだけなん
安価↓ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 20:08:25.99 ID:64SPr9v40<>
病理『ぶわぁ〜っといっちゃってください。男は押しが肝心ですよ? とにかく、相手に自分が相手のことを好いている事を分からせましょう。そうすれば相手もきっと自分を好いてくれるはずです』

垣根「…そんなモンかね」

病理『心配しなくても、帝督はイケメンですから大丈夫だと思いますよ』

垣根「アイツ面食いなのか…?」

病理『麦野沈利は周囲にあんまり男が居ないようですし、ゴリという二文字が無い程度の強い押しに陥落する見込みです』

垣根「…ま、頑張ってみる。押せばいいんだな?」

病理『そうですよー。引いたら、彼女諦めそうですし』

頑張ってくださいねー、という呑気な声。
どーも、と適当な相槌を打ち、垣根は電話を終える。
かちかち、と携帯をいじり、表示するのは麦野沈利の連絡先。
垣根弟を世話する過程で連絡先を交換しておいたのだ。

垣根「…押し、ねえ」

彼女は気が強い。
だが、乙女チックなところもあるだろう。
垣根の経験上、ああいった強い女は柔らかい部分があるのだ。
例えば、ホラーが苦手だったり、ぬいぐるみが好きだったり、裁縫が趣味だったり、と。

垣根弟「…む、…夜中に電話とは何事だ、とカキネは…」

垣根「…寝とけ」

垣根弟「むぐっ」

毛布を頭からかぶせられ、ダウンする垣根弟。
彼は眠そうな顔をひょこりと毛布から覗かせる。

垣根弟「そもそも兄貴は麦野沈利と既に交際していたのでは、とカキネは問いかけた」

垣根「>>522」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 20:10:06.84 ID:FaAuJzTRo<> 盗み聞きとはおもしれぇじゃねえか
明日はおやつ抜きな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 20:29:09.57 ID:/K8QfIvU0<> >>521

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 20:40:31.99 ID:64SPr9v40<>
垣根「盗み聞きとはおもしれぇじゃねえか。明日はおやつ抜きな」

垣根弟「いたいけな幼子を脅迫するのは、加えてその内容は罰則としても少々内容が過酷過ぎるのではないか、とカキネは指摘した」

垣根「明日は本来さつまいもの味噌汁がおやつになる予定だったんだが」

垣根弟「………デートの邪魔をするぞ、とカキネは脅迫し返した」

垣根「…お前本当可愛くねえな」

垣根弟「あぐ、ぁぐあ、たんまたんま、とカキネは」

頬を摘み、ぐるんぐるんと回されじたばたとする垣根弟。
ともすればせっかくの愛らしい容姿も、こうした策士的な部分で台無しである。

垣根弟「うぐ、諦める、とカキネは訂正した」

垣根「別に諦める必要はねえけどな。…ま、聞かれたモンは仕方ねえ。お前も手伝え」

垣根弟「何を手伝うのか、とカキネは聞き返した」

垣根「決まってんだろ。アプローチだよ」

垣根弟「…クリスマス用のアクセサリーとして女を用意するのはいかがなものか、とカキネは述べた」

垣根「明日のおやつはサルミアッキな」

垣根弟「流石にそれだけは無理だ、とカキネは拒否した」

垣根「…別に、アクセサリーって訳じゃねえよ。前々から悪くねえなとは思ってたんだ」

うりうりと垣根弟の頬で遊び、垣根は携帯をいじる。
この時間に電話はあまりよくないだろうから、メールが最適だろう。
さて、どのようにしてメールし、デートに誘えば良いか。

垣根弟「好物を引き合いに出せば良いのでは、とカキネは口頭支援した」

垣根「あー…」







麦野に送るメールの文面>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 20:45:28.31 ID:zfpTKM1y0<> 息子が鮭が食べたい鮭が食べたいと
うるさくてかなわん
どっか良い鮭売ってるところ知らないか?
学園都市外でもいいぞ。あと良かったら案内頼みたい <> アセロラ<>sage<>2012/12/19(水) 20:48:09.64 ID:1LsM/Puc0<> >>1さんよサルミアッキとはなんでせうか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 20:50:32.00 ID:g+kOj9JW0<> >>525

わかんないならggrks


kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 20:57:40.48 ID:aDslrtmu0<> >>524

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 21:03:35.92 ID:64SPr9v40<> 《サルミアッキとは→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%AD  安価下(=>>527)採用でいきます》



----------------
To:麦野
Title:(無題)
----------------
息子が鮭が食べた
い鮭が食べたいと
うるさくてかなわ
ん。
どっか良い鮭売っ
てるところ知らな
いか?
学園都市外でもい
いぞ。
あと、良かったら
案内頼みたい
----------------

垣根「ついでにお前も引き合いに出したけど、良いよな?」

垣根弟「この個体の身柄は現在、兄貴に依存している。好きにすればいい、とカキネは承諾した」

垣根「ん、」

文章に誤字や脱字が無いか、見直してから送信。
垣根弟は眠気が押し寄せてきたのか、ベッドに入って眠り直す。
しばらく待ってみたが、返事はこなかった。
なので、彼も眠る事にする。


翌日。
垣根は、携帯のバイブ音で目を覚ました。
暗部組織に居た頃は、よくこうして不健康な目の覚まし方をしていたように思う。

垣根「あん…? 麦野か…」

垣根弟のアホ毛を摘みつつ、垣根はもう片手で携帯をいじくる。
ほどなくして、文章が表示された。







麦野沈利による返信内容>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 21:08:07.63 ID:4XTWGZ6r0<> 息子って言うな!

まぁ…息子みたいなもんだけどさ…

鮭好きなあたり息子と認めても良いねうん

良い鮭ねぇ…やっぱ北海道とか?

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 21:17:44.61 ID:cN+qG1f+0<> >>529

案内してやるよ、ついでに北海道旅行にでも
行くか

べ、別にお前の為なんかじゃなくて
息k…垣根弟のためなんだからな! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 21:39:45.73 ID:64SPr9v40<>

----------------
From:麦野
Title:昨日の
----------------
息子って言うな!

まぁ…息子みたい
なもんだけどさ…

鮭好きなあたり、
息子と認めても良
いね、うん。

良い鮭ねぇ…やっ
ぱ北海道とか?


案内してやるよ、
ついでに北海道
旅行にでも行く


べ、別にお前の為
なんかじゃなくて
息k…垣根弟のた
めなんだからな!

予定はいつにする

----------------

垣根「これは結構脈アリなんじゃねえの? …冬の北海道か…」

滅茶苦茶寒そうだ、と呟いて、垣根は気軽にメールを返信していく。
現在の『アイテム』は暗部組織としてもだいぶライトな部分にあたる。
その為、休業することは容易だった。
何より、学園都市第一位の後ろ盾という強い味方がある。

垣根「長文メール派なのかね」

言いながら、起き上がる。
朝食を摂らなければならない。

垣根「…旅行か」

外出許可が降りれば良いが。
呑気に、思う。




オフィーリアは、上条に断りを入れた上で、単身、イタリアへやってきていた。
何故来たのかというと、パンを買う為である。
たかがパンを買う程度なら日本でも全く問題無いのだが、重要なのはそこではない。
彼女が来たかったのは、この『Baker terra(大地の実りのパン屋さん)』である。

フィアンマ「久しいな」

テッラ「おや、お久しぶりですねー」

フィアンマ「…あれから、アックアとはどうなんだ」

オフィーリアがテッラを殺した事で露呈した、アックアのテッラへの恋愛的好意。
それは進展したのか、と、彼女は応援をしにやって来たのである。
本来同性愛は罪であるものの、彼女はあえてそこは無視するらしい。
敬虔である以上に愛情深いからなのか、それは不明である。

テッラ「>>533」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 21:43:29.91 ID:7+Z7qGySO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 21:44:30.40 ID:wNdcPHGp0<> ……私、痔になりました
太すぎてちょっと… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 21:57:55.37 ID:64SPr9v40<>
テッラ「……私、痔になりました」

しんみりとした答え。
思わずオフィーリアをしんみりとした表情になる。

テッラ「太すぎてちょっと…まぁ、お察しいただけると嬉しいですねー…」

フィアンマ「…立っていて良いのか?」

テッラ「むしろ、座ると痛い位ですしねー」

フィアンマ「…ん」

オフィーリアは手を伸ばし、慰めるようにテッラの頭を撫でる。
彼はゆっくりとため息を吐き出すと、礼を言って会計済みのパンを袋に詰め始めた。
この店は客が多い時とそうでない時の差が大きく、現在は後者にあたる。

テッラ「そちらは順調ですか?」

フィアンマ「…まぁ、そうだな。そろそろ修道女はやめる羽目になるかもしれん」

テッラ「…婚前交渉はあまりおすすめしませんけどねー」

フィアンマ「俺様もそう思うよ。案ずるな、その内婚約する」

テッラ「あまり振り回してはいけませんよ?」

フィアンマ「……」

む、とむすくれる彼女に対してのんびりと笑い、テッラは紙袋を手渡す。
いくつか購入した覚えのないパンは、どうやらおまけのようだ。

フィアンマ「…ま、何かよほどの困り事があれば協力はする」

テッラ「今のところはありませんけどねー」

しばらく世間話と近況報告をして、終えた後。



オフィーリアは家に帰ってきた。

フィアンマ「ただいま」

上条「お帰り。何のパン買ったんだ?」

フィアンマ「>>536」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:07:14.44 ID:hLNCjyuv0<> タイで人気の死体パン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:08:34.19 ID:5wrpVUDM0<> パリジャンヌ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 22:19:29.03 ID:64SPr9v40<>
フィアンマ「パリジャンヌ<フランスの貴婦人>だそうだ」

上条「へー…あ、本当だ、何か女の人っぽい形してる」

所謂創作パンか、と思いながら受け取り、少し温める。
買ってきたのはその女のような形をした、少し可愛いパン。
その他におまけとしていただいたのはメロンパンとシュトーレンである。
メロンパンは売れ残りという意味合いもあったのだろうが、シュトーレンはクリスマスプレゼントと考えても問題ないだろう。

上条「この白い粉ついてるのは貰ったのか?」

フィアンマ「シュトレンは、ドイツの菓子パンだ。シュトーレンとも言うが…。生地にはドライフルーツやナッツが練りこまれている。表面のそれは、砂糖がまぶしてあるんだよ」

上条「結構甘そうだな」

フィアンマ「慣れと、その個人の味覚によるんじゃないか?」

上条「なるほど。…食べた事あるのか?」

フィアンマ「パンについてはそれなりに詳しいつもりだが」

言いながら、彼女はパン切り包丁を手にスライスしていく。
もぐ、と一枚口に咥えながら、上条にもう一枚差し出した。
上条はのんびりと受け取って口にする。甘いものの、甘ったるいという程でもなかった。

フィアンマ「…ん、…そういえば、課題は終わったのか?」

残りを片付け、次いでメロンパンを口にしながら、問いかける。

上条「>>539」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:21:16.43 ID:7+Z7qGySO<> 脳内車椅子の美人なおねーさんが諦めちゃってくださーいって言うから諦めた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:22:07.68 ID:/H3elKQ30<> 上 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:22:08.68 ID:hLNCjyuv0<> 助けてオフィーリア… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:32:30.27 ID:skUW3ttDO<> つーかアックアさんはアッークアさんだから掘られる(掘らせる)側だと思ってたぜぃ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 22:35:12.87 ID:64SPr9v40<> 《アックアさんの股間のメイス♂が聖母属性に優ったのでは》


上条「脳内車椅子の美人なおねーさんが『諦めちゃってくださーい』って言うから諦めた」

やる気のない一般男子高校生。
それが上条当麻である。

フィアンマ「…やらないのか?」

上条「よくわかんねーし、応用多いし…もう良いだろ」

半分位はやった、とふてくされる上条。
オフィーリアはもぐ、とメロンパンに噛み付きながらため息混じりに言った。

フィアンマ「軟弱だな」

上条「な、ッ」

フィアンマ「貧弱ともいうか」

上条「え、」

フィアンマ「…俺様の好きな男はその程度の事で困難を放り出す格好悪いヤツだったということか」

ぷい、とそっぽを向く。
どこか失望の声音も感じられた。
うぐ、と言葉に詰まる上条。
言葉責めといえば聞こえは良いかもしれないが、何というか、嫌味である。

フィアンマ「…俺様を助けに来てくれた当麻は格好良かったのに。…脳内の女にたぶらかされて、たかが課題を投げ出すのか…」

上条「…>>544」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:36:53.95 ID:/H3elKQ30<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:37:41.67 ID:iZtjFHDq0<> オフィーリアがフェラしてくれたら頑張る <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:46:27.63 ID:skUW3ttDO<> 情けない上条さんがゲスい上条さんに…

アックアの件は>>1様のおかげでなんか納得しましたー <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 22:47:54.32 ID:64SPr9v40<>
上条「…オフィーリアがフェラしてくれたら頑張る」

フィアンマ「…ふぇ?」

知識がないが故の反応。
上条は何だかものすごく申し訳ない気分になりながら、説明を始める。
エロ本を読ませれば手っ取り早いのかもしれないが、生憎手元にそんなものはない。

―フェラチオとは(出典元:ウィキペディア)―
フェラチオ は、オーラルセックスの一種である。
性的関係においてパートナーが相手の男性器(陰茎)を、口に含んだり舌を使うなどして刺激する行為。
語源は、ラテン語の fellare(吸うという意味の動詞)。
フェラチオする人は、相手の男性器のうち陰茎の部分を口に出し入れ、し、男性器に対し唇・舌を使って刺激する。
カップルの間で行われる場合は、性交(セックス)の前戯として行われることが多い。口内に射精することもある。
喉の奥深くまで男性器を挿入する行為はディープ・スロートと呼ばれ、男性が相手の口の奥まで陰茎を強制的に入れる行為をイラマチオと呼ぶ。イラマチオはフェラチオではないとされているが、強制的なフェラチオとする考えもある。
イラマチオは、陰茎の先端がのどの奥に達するので、場合によってはイラマチオをされる人が窒息による呼吸困難などになることもある。
フェラチオは短縮されて『フェラ』と呼ばれることが多い。
文語的には「吸茎(「口淫」の一形態)」、フェラチオの隠語として"尺八"、"F"、"フェラーリ"、などがある。


上条の説明を受け。
真面目に記憶へ刻み込んだオフィーリアは、少し迷う。
悩んだ様子で、しばらく黙った。
上条はというと、謝るべきかと視線を彷徨わせた。

上条「……、」

フィアンマ「…>>548」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:49:14.92 ID:/H3elKQ30<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 22:50:14.33 ID:iZtjFHDq0<> 頑張る!(力ずくでズボンとパンツをひっぺがして即尺) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/19(水) 23:05:17.53 ID:64SPr9v40<>
「…頑張る!」

まるでスポーツの開会宣言よろしく、そう意気込んだオフィーリアは、上条のズボンに手をかける。

「え、いや、ちょっ、シャワーは、」
「言う程汚い訳でもあるまい」

ぐい、と力ずくでズボンとパンツを脱がされ。
強引な手段に、それでもどこぞの雷神を思い浮かべまい、と上条は我慢する。
さらけ出された上条の下半身を見つめ、オフィーリアはおずおずと上条自身を握る。
まだ柔らかなそれは勃起、つまりは性的興奮状態とは程遠い。

「…、…俺が頼んでおいて何だけど…別に、美味しいもんじゃないんだぞ…?」
「……俺様は、当麻の為なら何でも出来る」

その言葉は事実である、と。
上条当麻は、己の身体で知っている。
勢いでベッドに倒れ込んだ上条と、倒した側のオフィーリア。
金色の瞳はどこか情熱的にギラついている。
でも、とやや情けない声を出す上条に対し、彼女は先程与えられたばかりの知識に対して一直線に行動した。
まだ萎えている彼の男性器を口に含み、キャンディーにでもするかのように、亀頭へ甘く舌を這わせる。
初めての感覚にビクつく上条の腰を押さえ、オフィーリアは口の中を効果的に使って愛撫をした。

ぴちゃ、    くちゅ、   ぬち。

静かな部屋に遺るのは、淫猥な水音と、上条の微かな喘ぎ声。
それと、オフィーリアの時折咳き込む声。
アダルトビデオとは程遠い舌技は拙く、それがかえって性的興奮を煽る。

「ッ、…は、ぁ…」

彼女は修道女だ。
普段の生活や、性的知識に対する乏しさからも判明しているように、彼女は清廉だ。
そんな女の子の口内を自分の性器が穢しているかと思うと、上条は我慢ならなかった。
背徳感が背中を駆け上り、拙い快感を増強させ、奔流を走らせる。

「や、べ、…出る、」
「ん、ぐ…」

どうして射精時に「やばい」と言ってしまうのか、上条にはわからない。
ただ、自慰で出すよりも余程精神的な充足感の伴った快楽が身体中を襲った事は確かだった。
けほけほと噎せ、ティッシュで後片付けをしながら、オフィーリアは上条を見上げる。
口元は濡れているし、彼女の顎を伝っているのは、恐らく彼の精液だろう。

「…当麻、…満足、したか。…頑張れるか?」

ドキドキとしながら、上条は答える。

「>>551」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 23:10:18.22 ID:5wrpVUDM0<> やってやる!

絶対に終わらせる! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 23:11:49.03 ID:9bRsjIapo<> ↑ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/19(水) 23:12:00.56 ID:J5LvG6d30<> も、もう一回だけ… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/19(水) 23:54:53.97 ID:jLA8P6QAO<>
カレー美味え

カップルらしい行動について悩んでます
ボッキーゲームはしたし…何かありませんか


1時までには再開します <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:01:14.46 ID:P/AfJH3b0<> 食べ歩きとか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:01:15.09 ID:r0IrtUySO<> ベンチで手を繋いで色々下らない雑談

プリクラ

二人で何かゲームして、負けた方が相手に甘い言葉囁く

エロい事する

往来でキスをみせつける

食事に行く

食べさせあう

ライヴとか野球観戦とか行く

一緒にお風呂

ぐらいしか思い付かねーわすまん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:03:46.73 ID:aI28Ie4Q0<> カラオケ

プール
膝枕
耳掃除
手をつないで散歩

とかですかねぇ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/20(木) 00:05:57.72 ID:OU3n8DZAO<> ありがとうございます、参考にさせていただきます…!
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 00:26:59.71 ID:ZGaCbD9A0<>
上条「やってやる! 絶対に終わらせる!」

どこぞのあんぱんの顔をしたヒーローではないが。
元気百倍、といった様子で後片付けを手伝った後。
上条は礼代わりに優しく彼女の頭を撫で、ペンケース等を出して課題に立ち向かい始めた。
男とは、好きな女の子の献身的態度に応じてものすごい潜在能力を引き出せる生き物だったりする。
故に古人は言ったものだ、『日本男は立てるもの』と。
オフィーリアは上条の態度に満足したらしく、パンのゴミの片付けをした後、洗濯を開始した。
此処に来たばかりの頃は訳もわからず戦ったものだが、今や洗濯を行ってくれる頼もしい戦友だ。

上条「……出来た」

数時間後。
口から魂でも出てきそうな顔で、全ての課題を終わらせた上条はぐたりと机に上体を預ける。
疲れきっているのは頭だけで、身体はそう疲れてもいない訳だが。
どれどれ、と課題を眺め、大体が正解していることを把握し、オフィーリアは満足気な笑みを浮かべる。
彼女は元来、何事も真面目に行う人間が大好きだった。

フィアンマ「ご苦労」

上条「うぐ…ま、オフィーリアのおかげだな…はぁ」

フィアンマ「…気分転換に外に出るか?」

上条「そうする…」

出来上がった課題達をまとめて学生鞄にしまいこみ。
立ち上がった上条は、軽く行き先を決め、着替える時間を取った後に、彼女の手を引いた。

上条「…そういえば、そのワンピースは?」

彼女は白に金のリボン飾りのあしらわれたワンピースを纏っていた。
靴下は膝上のオーバーニー(黒)なので、何処か童話の登場人物を思わせる。
身長に比例して脚が長いので、童話の国の若女王といったところか。

フィアンマ「アックアに貰ったんだよ。帰り際に会ってな」

上条(…オフィーリアは、もしかして、男に貢がれる才能でも持ってんのか…?)

上条「クリスマスプレゼントか?」

フィアンマ「『>>560』と言っていたが」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:28:40.29 ID:r0IrtUySO<> 先行投資 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:29:51.52 ID:P/AfJH3b0<> リサイクル <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:33:25.11 ID:r0IrtUySO<> つまり、テッラさんのおさが…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:33:53.89 ID:eocs8pH30<> >>561
想像させるんじゃない……! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 00:37:18.79 ID:ZGaCbD9A0<> 《白い服を着てベッド上で乱れるテッラは可愛いのである 扇情的とも言うのである》



フィアンマ「『リサイクル』と言っていたが」

上条「誰かのお古なのかもな。その割には綺麗だけど」

フィアンマ「…どこぞの王族が一度着たきりのものを押し付けられて、少々の加工を施した後、俺様に渡した…と、そんなところじゃないか?」


その頃。
どこぞの島国にて。

リメエア「くしゅん! あらあら、どうしたことかしら…」

ウィリアム=オルウェルにタンスの肥やしを押し付けた王女が、くしゃみをしていた。





上条「加工?」

フィアンマ「丈直し、或いは反対に布や飾りの付け足し。ヤツは裁縫の才能があったからな」

上条「へー、意外」

フィアンマ「そうか?」

ひとまず似合っているし、汚い訳でもないから良いか、と結論付けて。
上条は、彼女と共にゲームセンターへとやって来た。
格闘ゲームや音ゲーを楽しんだあのゲームセンターではなく、もう少々コアな空気の薄い方のゲームセンターだ。

フィアンマ「…ゲームか」

上条「プリクラ撮ろうかと思って」

フィアンマ「…プリクラ?」

上条「正式名称はプリント倶楽部なんだけど、ほとんどの人がそんな事はどうでもいいだろうな…カップルとか、女の子同士がよく撮るものなんだけど」

フィアンマ「写真か」

上条「そうだな、ちょっと特別な写真」

フィアンマ「…どうして撮ろうと思ったんだ」

上条「>>565」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:40:08.76 ID:r0IrtUySO<> んなもん俺のタミャスィーが『プリクラとれよ』ってぼやくからに決まってんだろうが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 00:41:14.94 ID:aI28Ie4Q0<> 記念に…さ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 01:02:15.08 ID:ZGaCbD9A0<>
上条「記念に…さ」

写真は嫌いだったか、と首を傾げる上条。
対して、オフィーリアは化粧の必要はないのかと聞き返した。
元々が美形である彼女にそんなものは必要無いのだが、どうやら自覚は無いらしい。

プリクラの機械は、意外と空いていた。
冬は寒いので、わざわざ撮ろうと思う人が居ないのかもしれない。
ある程度混み合ってはいたものの、機械は常に二台程空いている状況だった。
コスプレプリクラ衣装貸出サービスというものもあるのだが、今回は除外。
選んで入った機械に500円を投入する。
学園都市製というのもあってか、美肌に見えるような加工、多彩なフレーム、合成機能等もあった。
適当にぽちぽちと押していけば、機械からはある程度、ポーズへの指定がくる。
勿論、それには従わなくても良い。従わなくても良いのだが、単純にピースのみというのも味気ない。

機械『カメラに向かってピースしながら、もう片手でハグをしちゃおう! さん、にい、いち、』

上条「早い早い、」

フィアンマ「っ、」

上条にぎゅっと抱き寄せられるまま、シャッターが切られる。
笑顔があったかどうかは怪しかったが、照れ顔は写ってしまったことだろう。

機械『ちょっと時間を多めにとるから、彼女さんをお姫様だっこしてみよう! 後ろの段差も有効でーすっ ごお、よん、さん、』

上条「お姫様抱っこか。よいしょ、」

フィアンマ「…重くないか?」

上条「…あのな。俺、そんなに非力じゃないからな?」

荷物を大量に詰めたダンボールの方がまだ重い、等と言いながら、上条は彼女を抱えたまま、カメラに向くよう促す。
オフィーリアはカメラに顔を向ける事はせず、僅かに上体を起こす。
そして両腕を上条の首後ろに回すと、頬へと口づけた。
結婚式の広告で、よく花嫁がするようなポーズだ。

上条「……〜〜〜っ」

フィアンマ「……、…ッッ」

ちょうど、撮影タイムが終わった。
横に回れば、らくがきタイムが始まる。
上条はそっと彼女を降ろして立たせ、赤くなった顔を数度こすった。


そして、らくがきである。
プリクラの醍醐味の一つでもあり、ペンの種類も豊富だ。






上条は何と書く(描く)?(二人の頭上に○○のスタンプを二個位押す、など)>>+2

フィアンマは何と書く(描く)?(同上)>>+4



《今日はここまで。お疲れ様でした》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 01:06:42.47 ID:r0IrtUySO<> 乙。フレームとかイタズラ書きはしないのな安価↓ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/20(木) 01:07:52.60 ID:OU3n8DZAO<>
いや、安価内容によります。お好きならくがきで!


安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 01:08:05.17 ID:aI28Ie4Q0<> 大好きだ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 01:15:36.23 ID:k3DmU1xJ0<> ハートマーク

らぶらぶ <> 小ネタ:食べ歩き
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/20(木) 14:56:56.63 ID:OU3n8DZAO<>

フィアンマ「当麻、あれが食べたい」

上条「…くまんじゅう?」

フィアンマ「熊の生首の形をしたマンジュウだそうだ」

上条「また古典的なダジャレ…お、チョコレート餡?」

フィアンマ「…」じぃいー

上条「分かった分かった、買うって」

フィアンマ「半分でいい」

上条「? 食べたいんだろ?」

フィアンマ「半分がいい」

上条「…あ、分かった。もしかしてカロリーを気にし、」

フィアンマ「…当麻と半分こがいい」

上条「……、」

フィアンマ「…だから、半分でいい」しゅん

上条「……何か、ごめん」

フィアンマ「?」

上条(そうだよそもそもオフィーリアはダイエットとか考えるような割とドライな子じゃないだろそうだろ、何だよ半分こがいいって可愛いなちくしょう)かぁあ

フィアンマ「…当麻、くまんじゅう。買ってくれるのなら早くしろ」くいくい
<> アセロラ<>sage<>2012/12/20(木) 18:42:56.63 ID:qV1GZ6TF0<> 北海道あたりに売ってそうだな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 18:51:23.06 ID:fIOIg/xw0<>
フィアンマ「…これはどういった趣旨の機能なんだ」

上条「『らくがき』機能、だから、要するに落書きしちゃっていいですよって事」

フィアンマ「…落書き…」

上条「…世界遺産に対する犯罪行為的な"落書き"想像してるだろ。そっちじゃなくて、…何というか…ほら、ケーキでいうところのデコレーション」

フィアンマ「なるほど」

なるほど、ふむふむ。
数度頷いたオフィーリアはようやく理解したのか、はたまた周囲の女学生から『預言』で情報を取得したのか。
何だか慣れた手つきで、写真に落書きを始めた。
上条もそんな彼女の様子を見やり、丸っこいペンを選択して綴る。
自分の方に吹き出しを書いて、その中に『大好きだ』、ついでにエクスラメーションマークのスタンプをぺたり。
上条がふと彼女の手元を見やれば、そこには『らぶらぶ』の文字であったり、きらきらとしたペンで描かれたハートマーク。

フィアンマ「一般的にはこういった落書きが普及しているようだが、これで良いのか」

上条「…やっぱ調べたんだな」

軽く笑って、上条はこくりと頷いた。
二人用を選択して、印刷。
仲の良さが、プリクラからでも充分にわかる。

上条「これどっかに貼るかな」

フィアンマ「…手帳等は無いしな」

上条「んー」

ひとまず財布にしまおう、とお互いにしまいこみ。
上条とオフィーリアは、のんびりと帰路へつくのだった。




数日後。
少年・垣根帝督は、垣根弟と共に空港に居た。
彼の膝の間には垣根弟がちょこんと座り、彼に購入してもらった猫型キャラメルを舐めている。
彼らが何故こんなところにいるのかというと、鮭巡りという名の北海道旅行へ向かうからである。

垣根「…遅かったな」

麦野「女の準備には時間がかかるもんなんだよ」

垣根「お前一人?」

麦野「>>575」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 18:55:19.56 ID:NMoufQTl0<> 明後日フレンダと滝壺と絹旗がくる
浜面は留守番 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:01:35.96 ID:hEVJy05m0<> 第二位と旅行行くけど行く?って聞いたら
皆、用があるって言ってたんだけど
なーんかやたらとニヤニヤしてたのよねぇ
なんなんだろ

そんなことより今日から一週間鮭巡りよろしくねー <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 19:10:29.74 ID:fIOIg/xw0<>
麦野「第二位と旅行行くけど行く? って聞いたら、皆、用があるって言ってたんだけど、なーんかやたらとニヤニヤしてたのよねぇ…なんなんだろ」

垣根(いい仕事しやがる。全員に何か奢ってやろう、今度)

麦野「そんなことより今日から一週間鮭巡りよろしくねー」

垣根「こちらこそ。ほら、お前も飴食うのに集中してねえで挨拶しろ」

垣根弟「よろしく頼む、とカキネは挨拶を済ませた」

むぐむぐ、とキャラメルを頬張る姿は只の子供。
麦野はそんな垣根弟の様子に表情を和ませ、ふと思い出したように荷物を預けに行く。
手荷物はまた別に持っていくものの、大きなトランクは別に送っておかなければならない。

垣根「旅行、ねえ。初めてだな」

垣根弟「てっきり経験があったのかと、とカキネは首を傾げた」

垣根「残念ながらねえよ。それどころじゃなかったってのもあるが」

それを思うと、今はとてつもなく平和だ。
垣根は垣根弟を抱え上げる形で立ち上がり、麦野をもう一度待ってから、飛行機に乗る。


飛行機が離陸して、三十分。
一時間程で北海道には到着する為、垣根は退屈していた。

垣根「そういや、お前は旅行の経験あんの?」

麦野「教養磨き程度に、ね。ガキの頃の話よ」

垣根「ふーん。関係無いけど、飛行機で酔うタイプだったりする?」

麦野「>>578」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:17:26.91 ID:jQdg7KU40<> そんなわけないじゃない

あっ…パサッ←酔い止め落ちた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:18:27.15 ID:aI28Ie4Q0<> そこまでじゃない <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 19:23:39.47 ID:fIOIg/xw0<>
麦野「そこまでじゃない。大体、酔いなんて慣れないヤツが起こすモンだし」

垣根「ま、乗り物は乗り慣れてるか」

麦野「客席側だしね」

垣根「違いねえ。お前が運転してる風景はむしろ違和感だ」

麦野「あんたもそうでしょ?」

垣根「まあな」

超能力者は、暗部という組織の中でも丁重に扱われる。
逆にいえば、そう簡単に死ぬ事も許されないと、そういう事でもあるのだが。
そういった暗い事柄はひとまず置いておいて。

麦野「そういえば、あんたは旅行した事あんの?」

垣根「あん? ねえよ」

麦野「『置き去り』出身だっけか?」

垣根「そうそう。…ある意味そうじゃなかったんだろうが…まぁ、いいや。それで」

自分の世話をしていた研究者が母親と知ったのはつい最近の事で。
だから、扱いとしては『置き去り』で良いだろう、と垣根はしみじみ思う。

垣根「下調べはして来たが、鮭だけって訳じゃねえだろ? 別に嫌って訳じゃねえが、…甘いモンとかどうなんだ。嫌いなの?」

麦野「>>581」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:27:29.74 ID:r0IrtUySO<> 好きよ?でも、鮭さんはもーっと好き♪ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:27:49.51 ID:4bUi7iov0<> 好きよ。一番好きなのが鮭ってだけ
普通にパフェとか食べるし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:28:20.66 ID:aI28Ie4Q0<> 嫌い…では…ないかな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 19:39:04.97 ID:fIOIg/xw0<>
麦野「好きよ。一番好きなのが鮭ってだけ。普通にパフェとか食べるし」

垣根「へー」

麦野「何よ、その珍しそうな顔」

垣根「いや、何か体重とか気にして食わねえイメージがあってな」

麦野「節制は当たり前だと思うけど?」

垣根「そりゃそうだが」

気を遣っている訳ではないのだが、垣根は基本的に余計な事を言わない。
特に、女に対してはエスコートを前提として話している事が多い。
故に、麦野は何となく気分が良かった。対等でいられるからだ。
現在はもう、『アイテム』を奴隷のように下に見ている訳ではない。
だが、自分が力を誇示すれば、彼らを怯えさせてしまうことを、知っている。
そういった人間<かくした>は、彼女が真に心を明け渡す相手には向いていない。
彼女が能力を行使しようとして尚、悠然と防いで笑っていられるような、人間<かくうえ>。
それこそが、彼女が傍に居て何の苦痛も感じない相手だ。
そして、彼女よりも序列が上の垣根は、当然の事ながらその人間に当てはまる。

けれど、麦野沈利は考えないフリをする。
恋愛など馬鹿馬鹿しい事で、自分には似合わないと思うから。
率先して女性らしい美貌を保っているものの、彼女は男にかまけたくなかった。
それは、母親が父親のいいなりになっている様に嫌悪感を覚えたからかもしれないし。
それとは関係無く、彼女のプライドが高いから、なのかもしれない。




そして、何のトラブルも無く。
彼等は、北海道へ到着した。

麦野「それで、最初は何処に行く気? 予定はざっと立てたんじゃなかったっけ?」

垣根「>>585」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:42:42.05 ID:r0IrtUySO<> 北海道民って海岸でテント張って海で遊ぶとかすんだっけ?安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 19:54:21.82 ID:P/AfJH3b0<> 北海道札幌市中央卸市場に行こうかなーと
どう? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 20:01:54.22 ID:fIOIg/xw0<> 《北海道海岸…寒そうだ…》


垣根「北海道札幌市中央卸市場に行こうかなー、と。どう?」

麦野「市場か。…ってことはほぼ確実に鮭があるわね」

ホテルへ荷物は置いたし、ある程度片付けもした。
身軽な現在、体力と時間はまだまだ余っている。
これから一週間あるとはいえ、初日から楽しむのも悪くはない。

垣根「モノも良いだろうし、ついでに土産に入る鮭とばとかも買っておけば良いんじゃねえの?」

麦野「言われなくてもそのつもり」

鼻歌でも唄いかねない麦野の様子に、本当に鮭が好きなのだなあ、と小さく笑い。
垣根はひとまず、彼女を満足させるべく、市場の鮭を売っていそうな箇所へ向かうのだった。





喧嘩をした。
一文で表すと何だか平和的だ。
しかし、現状はそうではない。
最初こそ簡単な口論だったものの、段々と大きな喧嘩に発展してしまい。
今や、何が原因で喧嘩をしたのかすらも、思い出せない。
そんな訳で、落ち込み半分のオフィーリアは、一方通行と共にファミレスへとやって来ていた。

フィアンマ「…すまないな」

一方通行「構わねェよ」

彼は彼で、友人である垣根帝督は北海道旅行中だし、打ち止めと番外個体はこの頃よそよそしいし、黄泉川や芳川は色々と忙しそうで…つまるところ、退屈中の退屈だったのである。

フィアンマ「…迷惑ではなかったか。こんな昼間から」

問いかける声は、沈んでいる。

一方通行「>>588」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:05:31.22 ID:LsiSd0b30<> 暇だったから良いけどォ…
喧嘩した理由を言わねェと解決できないぜ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:16:40.03 ID:r0IrtUySO<> 構わねェよ。いくらでも好きなだけいろ
恩人の家出場所くらい、いくらでも提供してやる。

……ついでに、もしなンか悩んでンなら聞くぞ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 20:27:38.54 ID:fIOIg/xw0<>
一方通行「構わねェよ。いくらでも好きなだけいろ。恩人の家出場所くらい、いくらでも提供してやる」

フィアンマ「…あまり恩人と言われるとこそばゆいな。あの場において最善、もしくは当たり前の事をしただけなのだが」

一方通行(そォいう慎み深いところが、かえって恩返しきれねェ感じすンだよ…)

一方通行「……ついでに、もしなンか悩んでンなら聞くぞ」

フィアンマ「…悩み、という程でもないのだがね。喧嘩をしてしまって困っている」

一方通行「あン? 原因は」

フィアンマ「わからん。話している内に、お互いヒートアップしてしまってな…大人気なかったと、反省はしている」

はぁ、とため息を吐き出すオフィーリア。
一方通行は相談に乗る気であったものの、仲直り方法というものには疎い。
番外個体との喧嘩はある意味コミュニケーション方法であるし、打ち止めはお菓子一つで割と機嫌を直してしまう。
芳川とはそもそも喧嘩する程最近は沢山話していないし、黄泉川は叱る事はあっても怒る事はほとんどない。
また、垣根帝督と喧嘩したとしても、ヒートアップはしない。
そもそも、言い争う内容もくだらなすぎて、お互いが譲歩するまでもなく終わってしまうものだ。

一方通行「原因不明、ね…」

フィアンマ「…謝れば良いとは、思うのだが。いかんせん、頭を冷やそうと出てきてしまったからな…」

一方通行「…月並みだが、物と一緒に謝るなンてのは。たかが一度の喧嘩で、…縁が切れちまうって事はねェだろ」

言いよどんだのは、木原数多に対して経験があるからだったりする。
自分の問題はさておいて、と一方通行は話した。

フィアンマ「物?」

一方通行「プレゼント。…人ってのは、好きな食いモンを食ってる時、大概気分が良い。だから、商談を良く進めたい時は、相手方が好きなモンを食わせてプレゼンすンだよ。それと同じで、相手の好きなモンを渡して、食べて落ち着いてもらった上で謝ればイイ。謝罪の時の菓子折りは、そォいう意味合いもある」

フィアンマ「なるほど、なるほど」

頷いた彼女はアイスティーを啜り、何事か考え込む。
一方通行はハンバーグを口にしながら、ゆっくりと答えを待った。

フィアンマ「…婚約」

一方通行「あン?」

フィアンマ「婚約指輪を贈ろうと思うのだが」

一方通行「何をどォしたらそこまで話が飛ぶンですかねェ!?」

フィアンマ「当麻の好きな食べ物を想像したのだが、月並みのものしか浮かばなくてな。ピンチこそチャンスとも言うだろう。この喧嘩という危機的状況の仲直りを兼ねて軽いプロポーズをしようと思うのだが」

一方通行「>>591」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:36:22.32 ID:r0IrtUySO<> アホか!大半失敗するわァ!ンなもン通用するのはドラマとかだけだわ!

いいか、具体例を挙げてやる。
…くりぃ○しちゅーの○○さンはなァ、ケンカして、仲直りするために婚約届けを持って彼女の家まで行って、情熱的にプロポーズしたらものの見事に玉砕を……クッ……グスン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:44:05.60 ID:aI28Ie4Q0<> プロポーズはそンな軽くするもンじゃねェ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:44:57.38 ID:/VMt8Ua+0<> >>590

マジで?
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:48:26.05 ID:r0IrtUySO<> 前テレビで見た <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:51:57.85 ID:r0IrtUySO<> あ、婚約届けじゃねぇ、婚姻届けだわ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 20:53:20.64 ID:fIOIg/xw0<> 《それはキツい…》


一方通行「プロポーズはそンな軽くするもンじゃねェ」

やれやれ、とため息を吐きだし。
ハンバーグを食べ終わった彼は、水とコーヒーを飲んだ後、彼女を見つめる。

一方通行「好きなヤツと、一番好きな場所で、好ましいシチュエーションでやるモンだ。仲直りの手段に使うモンじゃねェし、そもそも、それで相手が怒りの勢いで断ったらどォすンだ。一生消えない傷になンだろ」

フィアンマ「…そんなものか?」

一方通行「俺は恋愛事には詳しくねェが、恐らくな。おすすめはしねェよ」

悪党が恋愛相談とは、と思ったところで、そもそももう自分は悪党ではないのだった、と一方通行は思う。
オフィーリアはアイスティーのおかわりを持ってくると、ガムシロップとミルクを溶かし、ストローでかき混ぜる。
味覚は大丈夫なのかと心配する一方通行だが、これは適正量である。

フィアンマ「…とりあえず、好きな食べ物が効果的である事は間違い無いんだろう?」

一方通行「人間心理学的に鑑みればな」

フィアンマ「……」

うーん、と考える様子で、彼女は追加注文をする。
目の前に到着したトマトクリームパスタを口にしながら、しばらく考え込む。
天然なのかどうなのか、闇の臭いのしない少女だと思いながら、一方通行はコーヒーをおかわりするのだった。



うって変わり、同時刻。
とっくのとうにクールダウンした上条当麻は、街中を宛てもなく歩いていた。
言うまでもなく、オフィーリアを捜す為である。

上条(結構キツい言い方しちまったな…)

泣いていないだろうか、と思いながら、辺りを見回す。
そんな彼へ、誰かが声をかけた。




声をかけてきたのは誰?(垣根弟・麦野沈利・垣根帝督・一方通行・右方のフィアンマ以外の禁書キャラ)>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 20:58:02.61 ID:hEVJy05m0<> ウーなんたらさん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 21:01:10.06 ID:r0IrtUySO<> オッレルス <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 21:13:18.53 ID:fIOIg/xw0<>
オッレルス「上条当麻」

上条「ッ、」

忘れる訳もない、男の声。
上条はオフィーリアが彼に何をしたか、自分が死んだ後の空白の期間を知らない。
自らを殺すべく槍を投げ、うっすらと笑っていた記憶しか無い。
背筋がぞわぞわとする感覚に囚われながら、上条はゆっくりと振り返る。
彼が知るオーディンとは違い、彼は一般的な青年のように見えた。
衣服も、ウッルル、もとい現在のオティヌスが着ていたものを、男性版にしたかのようなものだ。
ただし、纏う雰囲気は、上条がよく知るオーディンのそれ。
知らぬ間に入り込み、気づいた時にはギロチンに首をかけられている。
そんな、恐ろしい、緊張感。

上条「な、なん、っ、の用だ!」

もしや、またオフィーリアを利用しに。
そう思えば、瞬時に拳を握り、間合いを取る。
そんな彼を嘲笑うかのように、もしくは揶揄するように、オッレルスは首を傾げる。

オッレルス「あの子はどうしたんだ? 一緒じゃないのか」

上条の中で、一直線に情報が繋がる。
先程から一向にオフィーリアが見つからないのは、もしや、この男が攫ったからではないのか。

上条「それはこっちの台詞だ! テメェ、オフィーリアにまた何か、ッ」

オッレルス「……」

彼は、応えないし、答えない。
その事が、より、上条の神経を逆撫でする。


彼は、もうオフィーリアだけは傷つけないと決めている。
世界中を壊して回ったとしても、オフィーリアだけは二度と傷つけはしないと。
それは『空白の期間』、死に逃避しようとした自分を何度も蘇らせた彼女への憎悪にも似た執着と。
自分と同じ立場にまで堕ちればいいと、酷い事をしてしまった自覚があるからだ。
圧倒的な悪意を与えたにも関わらず、彼女は、オッレルスに『ありがとう』と言った。
必要以上の傷を、オッレルスに与えようとはしなかった。一度首を絞めたとはいえ、殺すつもりではなかった。
だから、彼はもう二度と彼女を傷つけない。むしろ、世界中の悪意から守るつもりでいる。
反対に、彼女の大切なものまで守るつもりは無いので、彼女以外は相変わらず平気で傷つけるのだが。

とはいえ、上条がそんな決心を知る筈もなく。
敵意丸出しで、睨みつけるだけ。

上条「何しにきやがった。また世界中を滅茶苦茶にして、俺達を引き裂こうとしてんのかよ」

オッレルス「…>>600」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 21:15:46.55 ID:aI28Ie4Q0<> そんなことはしないし、するつもりもない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 21:16:59.03 ID:r0IrtUySO<> それは暫く休むよ、ただ、君が彼女を蔑ろにしてると小耳に挟んでね……? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 21:24:59.81 ID:fIOIg/xw0<>
オッレルス「…それは暫く休むよ、ただ、君が彼女を蔑ろにしてると小耳に挟んでね……?」

上条「暫くって、……蔑ろになんか、」

してない、と、今は言い切れない。
散々な口喧嘩をした結果、彼女は出て行ってしまった。
しかも、これだけ探しているのにまったく見つからない。見つかる気配も無い。
見目の良い彼女は、代わりの男などいくらでも見つけられるだろう。
その場しのぎなら、どんな男と一緒にいてもおかしくない。
逆に、女性といたところで安心は出来ない。彼女は男性的な部分があるし、女の子にもまぁまぁモテる。
だから、彼女が何をしていてもおかしくない。誰と居ても、上条には責められない。

上条「……別に、蔑ろにしてる訳じゃねえよ」

自分は、誰よりも彼女を大切に思っているし、愛している。
上条にはその自信があったし、羞恥を気にせず、声を大にして言う事だって出来る。
でも、今回傷つけてしまった。両者に責任があったとしても、上条は彼女を傷つけた。

上条「…お前には関係無いだろ」

オッレルス「>>603」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 21:37:37.42 ID:aI28Ie4Q0<> 彼女はある場所にいる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 21:51:19.48 ID:lILVSCAeo<> いいや、さっき行ったファミレスで彼女がいたからね。噂もその時聞いたものだよ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 22:01:33.45 ID:fIOIg/xw0<>
オッレルス「いいや、さっき行ったファミレスで彼女がいたからね。噂もその時聞いたものだよ」

上条「ッ、ファミレス!? どこだ、教えろ」

オッレルス「人に物を頼む時には、言い方というものがあると思うがね」

例え格が落ちても、元は魔神。
ましてや、気質はサディスト以外の何者でもないオッレルスの物言いは、キツかった。
上条は、何故自分がと思いながらも、お願いしますと頭を下げる。
それで満足したのか、オッレルスはそれ以上引っ張る事無く、どのファミレスかを教えた。
上条はオフィーリアを捜しに走り、オッレルスはサーチ術式を巡らせる。
反応は良好で、且つ、彼女の居場所はファミレスから離れていた。
が、呼び止めて正確な位置を教える必要性を、彼は感じない。

オッレルス「そもそも、俺は上条当麻に会いに来た訳じゃないんだ」

彼がやりたいのは、オフィーリアを囲む悪意の排除。
その為なら、学園都市をまるごと滅ぼす事も厭わない。
何かと、これと決めると暴力的に一直線に出るのが、彼の悪いところだ。
その点は、ある意味上条当麻にも似通っているのだが。


上条は、ファミレスまでやって来た。
店内を見渡しても、彼女は居ない。
まさか偽情報を掴まされたか、と思いながら店員に特徴を提示して聞けば、四十分程前に出て行ったとのこと。

上条「…っ、」

ツレの特徴も聞かないままに、上条は再び走り出す。
何だか、嫌な予感がした。


オフィーリアは一方通行と別れ、路地裏に居た。
彼女は現在、静かに追われていた。
本来『グレムリン』が仮想敵とする筈であった、暗部の『新入生』に。
『駆動鎧』を纏っているそれは動きが尋常でない程に速い。
目的はわからない。『卒業生』―――垣根帝督や一方通行と接点を持つ、"一般人"だからかもしれない。
他人を巻き込むまいと路地裏を移動する彼女は、何度か直線移動をしていて、誰かにぶつかった。

フィアンマ「すまな、…」

オッレルス「随分急いでいるように思えるが、何か問題でも」

フィアンマ「…良いところに、と思ってしまった自分を恥じるとするよ。何かはよくわからんが、組織から追われている。俺様と一緒に居ると、お前も巻き込まれるぞ」

オッレルス「>>606」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:10:11.55 ID:qYwmPzXDO<>
よし、ならばまずはそいつらを殺……否壊すとしよう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:11:31.14 ID:aI28Ie4Q0<> 上条当麻が巻き込まれそうだぞ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:12:32.70 ID:r0IrtUySO<> …良いところに?おかしいね、俺にまた囚われて『可愛がられる』とは思わないのか?

…まぁ、それはともかく、その不届き者について詳しく教えろ。……完膚なきまでに叩き潰してやる


と既に終わってても置いてみたり <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 22:22:24.91 ID:fIOIg/xw0<>
オッレルス「上条当麻が巻き込まれそうだぞ?」

フィアンマ「当麻が? まさか、俺様を捜しているのか?」

オッレルス「そのようだったよ。今頃、君が居たファミレスに行って、居なかったと知り、街中を再び駆けずり回っているんじゃないか?」

フィアンマ「……、」

オフィーリアは、不安げな表情を浮かべる。
自分の心配といった風ではなく、上条の命の心配だ。
彼を巻き込ませない為には、二通りの方法がある。

さっさとこの問題を片付けてしまう。
もしくは、上条を巻き込ませないよう、路地裏で決着をつける。

フィアンマ「当麻が路地裏まで来なければ良いが…」

オッレルス「…相変わらずだな」

上条の心配にうろたえている間にも。
彼女の背後からは、どこか不気味な機械音が聞こえてくる。

オッレルス「追われているのは君一人か?」

フィアンマ「そうだよ。反撃すべきか、話でどうにかなる相手か、見極めているのだが、」

オッレルス「…何というか、…甘いというか…」

言っている間に、声が聞こえた。
駆動鎧の中身、即ち、『シルバークロース=アルファ』。

シルバー『一般人が増えたか』

彼の呟きに、少女の声が返す。

黒夜『構わないよ。やっちまえ』

オフィーリアは背後とオッレルスを交互に見比べる。

フィアンマ「…という訳で、逃げていたのだが」

オッレルス「これはもう、手っ取り早く壊してしまった方が良いような気もするよ」

フィアンマ「そもそも、お前の目的は何なんだ」

シルバー『>>610』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:25:13.76 ID:aI28Ie4Q0<> kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:25:43.29 ID:r0IrtUySO<> 知れた事。魔術sideの人間を引き入れて、統轄理事長に反逆するための糸口にする事だ

我々だけではない。我々以外の暗部グループも魔術sideをじょじょに仲間に引き入れ、暴れている <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 22:38:28.05 ID:fIOIg/xw0<>
シルバー『知れた事。魔術sideの人間を引き入れて、統轄理事長に反逆するための糸口にする事だ』

その為なら、多少手足を折ってしまっても構わない。
半殺しにしたところで、学園都市の科学技術で身体を治してしまえばいいのだから。

シルバー『我々だけではない。我々以外の暗部グループも魔術sideを徐々に仲間に引き入れ、暴れている』

そもそも、『新入生』とは、『グレムリン』に対抗する為に編成された暗部組織だった。
だが、『グレムリン』は現在、空中に浮いた状態。
暗部組織が暴走するのは、別段おかしくない事だった。
ましてや、旧来の暗部とは違って、『新入生』達には自分達以外に喪うものが、失うものが無い。
最悪、彼等は魔術サイドの人間を多少殺してしまっても良いのだ。
その"実績"を元に、学園都市統括理事会を脅迫出来るのだから。

暴力による交渉。
カジノのテーブルを、銃弾で滅茶苦茶にするかのような振る舞い。

『駆動鎧』は、銃口をオフィーリアに向ける。

オッレルスは、オフィーリアを傷つけないと決めている。
心身ともに傷つけまいと、努力することを決めた。
そして、上条当麻が居ない時。彼女を守るヒーローが存在しない時。
彼女を傷つけようとする悪意全てから、守ると。
彼女に向けられた暴力は、暴力で塗りつぶし、安全地帯を確保すると、決めた。
それにかつて失敗した彼の再びの決意は、金塊よりも重い。

オッレルス「…とりあえず、君に武器を向けているのは否定しようがない事実だし、殺しても良いかな」

フィアンマ「>>613」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:40:05.59 ID:r0IrtUySO<> よし、殺っちまえ!コクン <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:41:02.62 ID:aI28Ie4Q0<> [ピーーー]のはダメだ。話を詳しく聞きたいからな。それに俺はもう誰も殺したくない。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 22:43:48.68 ID:qYwmPzXDO<> >>612
ksk代わりなのは解ってるけど躊躇無さすぎワロタ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 22:59:20.01 ID:fIOIg/xw0<>
フィアンマ「殺すのはダメだ。話を詳しく聞きたいからな。それに、俺様はもう誰も殺したくない」

オッレルス「心配しなくても、手を下すのは俺だよ」

フィアンマ「…お前にも罪を犯して欲しくないんだ」

オッレルス「…あんまりそういう発言をしないでくれ」

惚れそうだ、などと呑気な事を言う割に、彼はほとんど容赦をしなかった。
『駆動鎧』は、『見えない力』によって大破した。
滅茶苦茶に大破した機械の中から、小さな機械に入った人が出てくる。
それすらも力で押さえつけ、オッレルスは冷酷に見下ろした。
オフィーリアから少し離れ、シルバークロースがほとんど動けない状態になっているのを確認した上で、彼女に聞こえないよう囁いた。

オッレルス「喜んで良い、私も魔術師だ」

シルバークロースは、いつにない緊張に、汗が身体中を覆っている事に気がついた。
過去に、制裁で顔を焼かれた時と同じような、恐ろしさ。
得体の知れない恐怖を、目の前の男から感じる。
倒れ伏したままに怯える彼へ、オッレルスはうっすらと笑って残酷に告げる。

オッレルス「彼女のお願いがなければ、今頃少しずつ身体を毟られて死んでいるところだったよ。…さて、話を聞こうか」

喉が干上がって声も出ない彼の身体を強引に起こし。
尋問が、始まった。




黒夜海鳥は、通信が途絶えた事にため息を漏らしていた。
だから、あれ程出し惜しみをするなと言ったのに。

黒夜「…さて、どーおすっかなー…」





フィアンマ「…それで、何故統括理事長に反抗したいんだ?」

オフィーリアの質問の仕方は、優しい。
オッレルスの眼光は、北極海よりも冷えている。
がちがちと歯の根が鳴るのを感じながら、彼は話す。
鈴を転がすような美声で。

シルバー「…>>617」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 23:03:21.94 ID:DMcEMZSA0<> だってパパったらお小遣い月五千円じゃ足りないって
言ったら認めんって魔術発動させんだもん
あの☆野郎… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 23:03:42.23 ID:r0IrtUySO<> …自由と権利、置き去りや、我々のような者が生きていける施設、道、金、制度を作らせたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 23:04:38.29 ID:aI28Ie4Q0<> 言うと…思うかっ! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 23:12:44.91 ID:fIOIg/xw0<>
シルバー「……自由と権利、『置き去り』や、我々のような者が生きていける施設、道、金、制度を作らせたい」

フィアンマ「『置き去り』…は、孤児のようなもの、だったか」

シルバー「定義はそれで正しい…が、これは私個人の目標、条件であって、あの女もそうかはわからない」

フィアンマ「あの女?」

シルバー「……」

黙り込む彼の腹部へ、唐突な重圧。
オフィーリアに質問に答えなければ、オッレルスの手で死ぬより辛い目に遭わされる。
そう判断したシルバークロースは、大人しく全て吐露した。
黒夜海鳥は暴れ回りたい欲求を組織的に解消している。
『置き去り』として酷い実験に"使われた"彼女は、学園都市を憎んでいる。
最終的には、先程シルバークロースが述べた目標を掲げ、交渉に失敗すれば、学園都市を壊す恐れが高い。

じろ、とオフィーリアはジト目でオッレルスを見やる。
彼はその瞳を見返す事に耐え切れず、視線を逸らした。

シルバー「……誰かが実現してくれるというのなら、それに越した事は無い。だが、現状、そういう訳にもいかない…」

そして、全てを話した自分は『上』、はたまた黒夜に殺される、と笑った。
何もかもを諦めた、諦念しか浮かび上がらない笑み。

フィアンマ「…今話した内容に嘘偽りが無いのなら、…俺様が救ってやる」

そして、それが。
彼女の『病気』に引っかかった。
その笑顔、というよりも、この状況が。
学園都市が壊れれば、今以上に世界は混沌として、戦乱に満ちる。
それは、即ち世界の死。

シルバー「救う…?」

フィアンマ「安全な場所を用意してやる。暗部と呼ばれる場所へ首を突っ込むのはもうしないつもりでいたが…仕方あるまい」

こく、と頷く彼女の表情は、頼もしかった。

オッレルス「…それは、」

フィアンマ「…駄目か?」

遠まわしに、手伝ってくれと言っているようだ。
オフィーリアは、縋るような瞳をオッレルスに向ける。

オッレルス「…>>621」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 23:18:33.16 ID:aI28Ie4Q0<> はぁ…仕方ない。
上条当麻を呼んでおく
あとはお前たちの好きにしてくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/20(木) 23:22:31.23 ID:r0IrtUySO<> ……ハァ、バカか君は。君に何ができる?法を、生きる道、施設…etc。それらを作るのは容易じゃない。金で何とかできるものはあるだろうが、法は理事会で決められる。
…彼らがこの都市の一番の利益になるための礎になる置き去りを救う法を作ると思うかい?
…例え仮にアレイスターと直接交渉をした所で、脅迫材料もなし、メリットもなしでできるわけないだろう。
アレイスターがよしんばOKを出しても、今までの実験が明らかになったり、今後怨みを持つ研究者からも狙われるようになる。
それでも救えると言うのかい? <> アセロラ<>sage<>2012/12/20(木) 23:23:23.47 ID:qV1GZ6TF0<> わかったよ・・・
安全な寝床ぐらい用意してやる <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/20(木) 23:39:11.92 ID:fIOIg/xw0<>
オッレルス「………ハァ、バカか君は。君に何ができる? 法を、生きる道、施設…etc。それらを作るのは容易じゃない。金で何とかできるものはあるだろうが、法は理事会で決められる」

フィアンマ「…」

オッレルス「…彼らがこの都市の一番の利益になるための礎になる『置き去り』を救う法を作ると思うかい?」

む、とむくれる彼女に、彼はやれやれと言葉を続ける。

オッレルス「…例え、仮にアレイスターと直接交渉をした所で、脅迫材料もなし、メリットもなしでできるわけないだろう」

フィアンマ「……」

むむ、と頬を膨らませるオフィーリアに対し、オッレルスは言葉を続けた。

オッレルス「アレイスターがよしんばOKを出しても、今までの実験が明らかになったり、今後怨みを持つ研究者からも狙われるようになる。それでも、救えると言うのかい?」

フィアンマ「言えるさ」

現実的な言葉を聞かされても、彼女は意思を変えない。
そもそも、説得程度で折れる位なら、彼女はとうにかつてのオーディンの誘いに陥落していた筈だ。

オッレルス「どうやって?」

フィアンマ「金で何とか出来るものは出来るのだから、除外する。要するに、脅迫材料とメリットを生み出せば良いんだろう?」

オッレルス「それはそうだが、」

フィアンマ「別に、俺様一人でやり遂げようとするから無理が生じる訳であって、そうでなければ実現不可能という訳でもあるまい」

オッレルス「…此処に来て、上条当麻を引き合いに出すんじゃないだろうな?」

フィアンマ「違う。当麻を巻き込んでどうする。…お前だ」

オッレルス「…私がどうしたんだ」

フィアンマ「お前は強力な魔術師だろう」

オッレルス「…まぁ、否定はしないよ」

フィアンマ「オーディンの知識に応じた力量と、『預言』、右方のフィアンマの力量…散らばっている暗部組織。オフィーリア=カンナヴァッチュオロの築いている人脈、及びそれに応じた効果。『勢力』という一括り。…これだけの材料があれば、やるべき事は捻出出来る。救済だって、実行出来る」

オッレルス「…話が見えないんだが、」

フィアンマ「………物騒な事をする予定が立ったが、…当麻には、内緒にしてくれるか?」

シルバークロースから少し離れて立ち上がり、オフィーリアはオッレルスを見つめる。
何らかの策が浮かんだらしく、まるでつまみ食いを黙っていて欲しいとでも言わんばかりの顔をしている。

フィアンマ「…頼む」

口約束だけしてバラされたらどうするつもりなのだろうか、とオッレルスは思う。
そもそも、あれだけの事をされて信頼し、一緒に戦って欲しいと言う事が異常だ。

オッレルス(無い場所を豊かにする。…『主神の妻』も納得か)

フィアンマ「…もしかすると怪我をさせるかもしれん、…巻き込んでおいて何だが、…降りてもいい」

オッレルス「>>625」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 00:10:42.23 ID:SS8LfboSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 00:14:20.80 ID:VqXQnU1z0<> 誰に言っている <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/21(金) 00:17:51.10 ID:AQgM9iLAO<>
今日はここまで。
お疲れ様でした

上条さん安定のヒロイン…

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 00:19:42.05 ID:SS8LfboSO<> 乙ィ <> 小ネタ:キチ→ヤンデレ
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/21(金) 10:35:10.70 ID:AQgM9iLAO<>

オッレルス「彼女に会いたい」

オティヌス「…は?」


オッレルス「…彼女に逢いたい」はぁ

オティヌス「どの彼女だ。お前の場合、女癖が悪過ぎてわからん」

オッレルス「私の妻に決まっているだろう? それ以外は割とどうでもいいんだ」

オティヌス(本気で誰だ…ん? あの少女か)

オティヌス「生かしてやっているだけでは満足出来ないのか」

オッレルス「お前に生かしてくれなどと頼んだ覚えは無い。…会いたい」はー

オティヌス「…」

オッレルス「彼女が上条当麻に蔑ろにされていないか心配で」

オティヌス「嘘をつけ」

オッレルス「半分は本当だよ」

オティヌス「残り半分は」

オッレルス「罪滅ぼしがてら、彼女を守りに行こうと」

オティヌス「…連れて行ってやろうか」

オッレルス「……」

オティヌス「何だその顔は」

オッレルス「いや、お前が私の願いを叶えるとは、気味の悪い事もあるものだと。明日は槍が降るな。或いは月か」

オティヌス「引きちぎるぞ貴様」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 11:52:22.14 ID:SS8LfboSO<> 小ネタ乙。
ただ、このスレのドSオッさんに愛されるとなると、最低でも瞼に洗濯ばさみ3つつけて思いっきり引っ張ってとるとか、首輪つけて散歩しろとか四つん這いになってケツを出せ思いっきり蹴りとばしてあげるからとか両手を頭の上で縛ってわき腹を延々と突っつきまくりとかされかねないなどうしよう <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/21(金) 12:29:56.87 ID:AQgM9iLAO<> 彼の指針が新しくなった以上一番最後の以外、そういうのからは外れるから、フィアンマちゃんにはしないような…
つまり矛先が

あっ

上条さん逃げてー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 12:54:51.85 ID:SS8LfboSO<> 標的が上条さんなら、手足拘束して、「トール、『食べていい』ぞ」の一言で十分…… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 17:59:38.56 ID:OLWMCgCl0<> 《>>631様 トラウマ刺激どころじゃないエグさ…》


オッレルス「誰に言っている」

彼はそもそもとして、自殺志願者だ。
今でこそオフィーリアを守るという名目で生きているものの、オフィーリアが一緒に死んで欲しいと言えば殉じる事だろう。
そもそも、怪我や死が怖くて『グレムリン』のリーダー等務まる筈もない。
しかし、生ぬるい心配の言葉がいかにも彼女らしくて、オッレルスは声を抑えて笑った。

オッレルス「怪我が怖いなら、最初から君には付き合っていない」

内緒にして欲しいのなら、内緒にする。
そう言ってくれるオッレルスに、オフィーリアは安堵の笑みを浮かべた。

オッレルス「それに」

フィアンマ「ん?」

オッレルス(妻と共同作業を行う事、妻を守る事は夫の義務でもあるしね)

彼の中で確定した事実は、個人の意思を無視した内容だ。
だが、彼にとってそれが真実であるのならば関係無い。

オッレルス「いや、何でもないよ。計画の立案から始めよう」

フィアンマ「その前にコイツを退避させる」

シルバー「本気でやるつもりなのか…?」

フィアンマ「むしろ、この状況でこんな冗談を言うと思うのか?」

彼女はいたって真面目な様子で微笑みかける。
その様は、シルバークロースにとって、何だか救世主のように見えた。





所変わって、北海道。
市場で大量の鮭を買い込んだ三人は、現在、ホテルのレストランで鮭料理を食べていた。
正直、垣根弟は既に鮭に飽きてしまったのだが、顔には出さないし、口にも出さない。
幼いなりに、垣根帝督の恋の成就を願ってである。

垣根「いつから鮭好きなの?」

麦野「>>634」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:01:35.49 ID:SS8LfboSO<> 産まれた時から <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:03:29.61 ID:MeDO55W30<> 子供の時に家出して、おなか減って泣いてたら
男の子(垣根の子供時代)が
奢ってくれた。美味しかったなぁ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:04:59.78 ID:MeDO55W30<> 麦野は垣根と気付いてない
垣根はなんとなーく覚えてるが
麦野だとは思っていなかった

の設定を追加出来たら <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 18:18:39.46 ID:OLWMCgCl0<>
麦野「子供の時に家出して、おなか減って泣いてたら、男の子が奢ってくれた。美味しかったなぁ…」

ぼんやりと思い返す彼女の表情は、どこまでも和やかだった。

麦野「その頃からずっと好き。ま、おふくろの味ならぬ、思い出の味ってヤツじゃないの?」

食べる度に、思い出す。
産まれた瞬間から孤独だった彼女には、思い出というものの比重が大きかった。
けれど、幾ら食べても、食べ比べても、その男の子が奢ってくれた鮭以上に美味しい鮭は見当たらなかった。
現在、未だに出会えてはいない。もしもその男の子ともう一度出会えたのなら、捜すまでもないのだろう、と麦野は思う。

麦野「…何か、実はお嬢様なんだからね、みたいな事言ったらさ、」

垣根帝督は、うっすらと思い出していた。
幼い頃、研究者(要するに木原病理なのだが)と共に外部機関へ向かう途中。
研究者を待つ暇な時間に、公園で泣いている可愛い女の子を見つけた。
手持ちの金はあったので、思わず声をかけた。女の子は垣根の声に反応し、おなかがへったの、と言った。
奢った後、私はお嬢様なのだと言われ。そうなんだ、と興味無く笑ったのを覚えている。

麦野「そいつ、全然興味示さなくて。ま、あの歳で妙に金持ってたから、あっちも金持ちだったのかもしれないけど」

『か、かんちがいしないでね! たまたまおさいふをわすれただけで、わたしはむぎのけのおじょうさまなんだから』
『ふーん。で、しゃけうまかったの?』
『…ま、まぁまぁってところかしらね』
『へー』
『……ねえ、あんた』
『あん? なに』

高飛車な女の子だったように、思う。
偉そうで、でも涙目で、愛らしくて、手に持っているのはぬいぐるみだった。

麦野「…ガキだったから、叶う訳もない約束なんかしちゃってさ」

『しょくじのおれいに、わたしとけっこんさせてあげてもいいわよ』
『うわえらそー、むかつく』
『よろこびなさいよ!』
『はいはい、またあえたらな』
『…ねえ』
『なんだよ』

麦野「馬鹿馬鹿しいと思う。…「『もう一度会えたら、絶対結婚しなさいよ。あんたのタキシード買ってあげる』ってやつか?」…え?」

思い出と照らし合わせ、問いかける。
麦野の動きが、止まった。彼女はフォークを取り落としかけ、眉を潜める。
お互いに、わかっていなかった。
麦野は垣根だと気付いていなかったし、垣根は『あの子』が麦野沈利なのだと、今の今まで気づいていなかった。

垣根「……」

麦野「……」

垣根の見ている前で、麦野沈利の顔が赤く染まっていく。
感情のコントロールが利かないらしい、彼女は珍しく寡黙になっていた。

垣根「…そっか。…お前があの子だったのか」

何だか妙な既視感があるはずだ、と垣根は軽く笑う。
垣根弟は映画ばりの運命の再開に、感動という感情を認識していた。

麦野「……>>638」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:23:54.76 ID:SS8LfboSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:25:22.95 ID:1yu+sHxz0<> た、タキ、シー、ド買い、に行く?(嬉しさ感極まって顔真っ赤で泣きながら) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:26:27.37 ID:1yu+sHxz0<> やっと会えた、こんなに近くに居た嬉しさやら
なんで気付かなかったのかやら色々です
うん <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 18:38:51.50 ID:OLWMCgCl0<>
麦野「……た、タキ、シー、ド買い、に行く?」

顔を真っ赤にしていた彼女は、垣根の言葉に再度現実を認識する。
募る嬉しさと、感動と、どうして気づかなかったのかという自分への自責の念と。
顔を赤くしたままの彼女の瞳から、ぼろぼろと涙が流れる。
周囲の人は痴話喧嘩かと垣根達の方へ視線をやったが、雰囲気から読み取ってくれたらしく、垣根へ非難の視線が向けられる事は無かった。

垣根「残念ながらまだ買うには早ぇな。俺まだ十七だし」

言いながら、垣根はポケットに手を突っ込む。
清潔なハンカチを取り出すと、そのまま麦野へ手渡した。
麦野は素直に受け取ると、涙で濡れた顔をハンカチ越しに両手で押さえる。

麦野「髪染めてるし、…顔、変わってるし…全然、気づかなかっ、た…」

垣根「だろうな。俺も今の今まで気づかなかったしよ」

麦野「まだ、あのぬいぐるみとってある。……、…嫌わないで」

後半は、消え入りそうな声だった。
強気ではあるものの、垣根の思っている通り、彼女には弱い部分がある。

麦野「…口は汚いし、…こんな、化け物で、…でも、……私…」

食事を終え、垣根弟の口を紙ナプキンで拭いてやり。
垣根帝督は、うっすらと思う。
思い出の事を考慮すると、ますます、麦野の事が好きになった。
この局面で『嫌わないで』という本音の出てくる彼女を、抱きしめたいと思った。

垣根「>>642」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:43:02.46 ID:4xI6NHwm0<> むぎ……沈利、こっち向け(キス)

嫌いだったら旅行誘わねえよ
実はこの旅行は(この旅行の真の目的説明) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:48:59.54 ID:4xI6NHwm0<> >>641

の 実はこの旅行は(この旅行の真の目的説明)
は垣根弟が口を滑らして喋っちゃった
的な感じで

kskst <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/21(金) 18:54:12.77 ID:OLWMCgCl0<> 《>>642が安価なのか安価下希望なのか少し不明なので安価下》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:55:02.97 ID:4xI6NHwm0<> >>643

kskstって入れてるじゃないですか!

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:56:49.40 ID:4xI6NHwm0<> >>641-642 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 18:58:23.76 ID:BVwntTYjo<> もはやお前はなにがしたいのか <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 19:04:47.04 ID:OLWMCgCl0<> 《>>644様 採用したいと思ってしまって…》


垣根「むぎ……沈利、こっち向け」

麦野「何よ、…ん」

ハンカチで顔を拭き、顔を垣根の方へ向ける麦野。
そんな彼女に対し、垣根は笑みを浮かべたままに、口付ける。
柔らかな唇の感触にドキドキとしながら身を強ばらせる麦野に対し、垣根は体勢を元に戻した。

垣根「嫌いだったら、旅行…誘わねえよ」

麦野「…、」

それはつまり、嫌いではないし、嫌いにもならないということ。
口ごもる麦野を見上げ、垣根弟は食事を終えて言った。
空港でのおやつが足りなかったという復讐でもある。

垣根弟「この個体を引き合いに出して、鮭という食べ物で麦野沈利を誘ったのだし、とカキネは補足した」

垣根「…言うんじゃねえよ」

麦野「…騙したのかよ」

垣根弟「メールの件は虚偽、且つ、実はこの旅行の真の目的は兄貴と麦野沈利を恋愛関係に至らしめるきっかけ作りだった、とカキネは真実を吐露した」

垣根「…お前な」

はぁ、とため息をつき。
麦野は落ち着きを取り戻した後、洗わないハンカチを返す訳にはいかないとポケットにしまいこんだ後、食事を再開する。
さっさと食べ終えてしまうと、彼女は垣根弟の頭を撫でた。

麦野「…、なら、目的は叶ってるわね。……じゃあ、振り回されて疲れたでしょ。ごめんね」

垣根弟「>>649」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 19:10:32.02 ID:NeehN94r0<> 楽しいから構わない。
ママと呼んでも構わない? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 19:51:13.30 ID:EVmOo8sR0<> ↑ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 19:57:59.09 ID:OLWMCgCl0<> 《>>647 ×洗わない ○洗っていない》


垣根弟「楽しいから構わない。ママと呼んでも構わない? とカキネは問いかけた」

麦野「まだママって歳じゃないんだけどね。ま、いいわ」

ぽふぽふと撫で、麦野は立ち上がる。
赤面も動揺も消え、どうにか落ち着きを取り戻したようだ。
垣根弟も麦野に続いて立ち上がり、差し出された彼女の手を握る。

麦野「…、先に部屋行ってるから」

落ち着いたとはいえ、公衆の面前でキスをしたこともあり、恥ずかしかったのだろうか。
そう言い捨てて、彼女は垣根弟の手を引きながらレストランを出て行った。
垣根も同じく立ち上がり、彼女達を追いかけるべく、ひとまず、会計をすることにした。




ホテルの一室をとり。
オフィーリアとオッレルスは、かりかりと白墨で適切に線を綴っていた。
シルバークロースを守る為の、頑丈な結界術式である。

フィアンマ「いくつか混ぜるか」

オッレルス「競合を起こさない程度に控えた方が良い」

フィアンマ「それはわかっているがね。…ん」

視線を彷徨わせ、彼女は壁の尖った部分に指を押し付ける。
流れる血液を陣の適切な箇所にぽたぽたと落とせば、後は勝手に術式が発動した。
シルバークロースは初めて目にする『うっすらと目に見える魔術』に目を瞬かせた。

フィアンマ「これでこの場所は安全だ。感知もほとんど出来ない」

シルバー「……」

フィアンマ「…どうかしたのか?」

シルバー「…>>652」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 20:19:43.03 ID:SS8LfboSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 20:34:57.13 ID:RENnO2wQ0<> こんな魔術初めて見た <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 20:46:14.30 ID:OLWMCgCl0<>
シルバー「…こんな魔術、初めて見た」

フィアンマ「こんな、ということは見た経験があるのか?」

シルバー「いや、今日が初めてといえばそうかもしれないが…てっきり、攻撃にしか使えないものだと」

フィアンマ「科学と系統は違えど、応用は利く。防護、回復、治癒、攻撃…儀式系はまた特殊な括りになるから、説明しなくても良いな」

例えば。
優秀な電撃使いは、電撃を用いて人を殺す事が出来る。
だが、ただそれだけという訳ではない。
その電気を使って心臓マッサージをする事も出来るだろうし、電磁ソナーとして周辺の状況を探る事も出来る。
応用力こそが人間の強みで、優秀さの現れでもある。ただ電気を放って人を殺すのでは、兵器と変わらない。
故に、優秀な魔術師というのは、攻撃にのみ優れた者の事を言うのではない。
探知、防護、治癒、儀式、それらに精通して、且つ攻撃にも優れた能力を持っている者こそが、真に優秀な魔術師と言える。

フィアンマ「…とはいえ、不便な部分もあるが」

切り傷一つ治すにも、無数の方法があり、効果も強いものではない事が多い。
絆創膏を貼れば消毒も殺菌も治療薬塗布も済んでしまう科学サイドとは違い、術式で治す場合には、現状の手持ちでどれだけの事が出来るかの判断をして、それぞれ施さなければならない。
状況や条件によっては実施出来ない事もあるので、万能の技術ではない。
だからこそ、魔術師には下準備と豊富な知識、多彩な応用力が求められる。
そこに関しては、オフィーリアよりもオッレルスの方が優れているだろうが。

フィアンマ「部屋から出るなよ」

言い残して、彼女は廊下に出た。
『人払い』を施した事もあり、そこに人気は無い。
立っているのは、オッレルスとオフィーリアだけ。

フィアンマ「……解決には、しばらく時間がかかるな。当麻に連絡せねばなるまい。……、」

オッレルス「……」

フィアンマ「…本当の事を話せば、絶対に巻き込まれに来る。かといって冷たい言い方をすると、…現在、喧嘩中なんだ。嫌われても困る。…何か知恵は無いものか」

ちら、と視線を向けられ。
オッレルスは、首を傾げて言う。

オッレルス「>>655」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 20:53:24.88 ID:SS8LfboSO<> 別に、黙っていればいいだろう?わざわざ言う必要は皆無じゃないか

喧嘩中なら隠し事するには好都合だし、巻き込みたくないなら何も伝えず、秘密裏にやるべきだ。

……それとも、本当は巻き込みたいんじゃないのか?一緒にいる、仲直りするチャンスと理由になるものな? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 20:57:01.91 ID:G04X8YVz0<> さっさと仲直りしろよめんどくさい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 20:58:44.58 ID:2SN3e0Jp0<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 21:06:26.94 ID:OLWMCgCl0<>
オッレルス「さっさと仲直りしろよ、面倒臭い」

フィアンマ「だが、」

オッレルス「君が彼を巻き込みたい、そして仲直りをしたいと思うのなら、連絡すれば良い。喧嘩したまま死んでも後悔しないなら、それはそれで連絡すれば良い」

ため息を吐き出すオッレルスは、応援とも妨害ともつかない発言をする。
彼女が連絡しようと考えている理由は、上条に自分を探して欲しくないからだ。
ふとした拍子に事件に巻き込まれて欲しくない。
それならば連絡しない方が良いのかもしれないが、連絡しなければしないで彼は首を突っ込んでくるような気がする。
別に、彼女は後々仲直り出来れば、今のタイミングで出来なくても良いのだ。
平穏な時であればともかく、有事に上条を巻き込みたい訳ではない。

オッレルス「…そんなに心配せずとも、24時間姿を現さなければ、大概の人間は捜すのを一旦諦める。…君が連絡したいというなら止めないが、彼の為に連絡するというのならお勧めはしない」

オッレルス(上条当麻は所詮、君を守るだけの力は持ち合わせていない。君は俺だけを頼って、俺を盾にすれば良いんだ。上条当麻を関わらせたくないのならそうすればいい、連絡などしなければいい。そのまま喧嘩別れをしてしまったとしても、俺は一向に構わない)

フィアンマ「…わかった」

彼女は、携帯電話を手にしない。
連絡をすれば、ほんの少しでも、上条をかかわらせてしまう。
白墨をポケットにしまい、オフィーリアは時計を見やる。
夜が来るまで、まだ時間があった。
そして、暗部の戦いというものは、基本的に夜に行われるものだ。

フィアンマ「……空腹だ」

オッレルス「…気が抜けるな」

フィアンマ「計画の執行時刻までまだ時間はある。空腹だ」

ぐいぐい、とオッレルスの服袖、つまりはセーターを引っ張るオフィーリア。
敢えて日常を演じる事で、自分を奮い立たせようとしているのかもしれない。

フィアンマ「お前と一緒に食事が摂りたい」

オッレルス「……>>659」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 21:18:18.47 ID:SS8LfboSO<> ……悪いが、シルビア以外の女性とは誘われても一緒に食事をしないと決めている。他を当たってくれ

(…例え彼女が自分を忘れて他の女性と親密になる事を望んでいたとしても、こういった事は譲れない) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 21:23:17.53 ID:Z8vC2mE10<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 21:32:27.17 ID:OLWMCgCl0<>
オッレルス「…………悪いが、シルビア以外の女性とは誘われても一緒に食事をしないと決めている。他を当たってくれ」

フィアンマ「どうしても?」

オッレルス「…う」

フィアンマ「…どうしても?」

じ、と見上げてくる澄んだ金の瞳に、オッレルスは顔を逸らす。
落ち込んだ声音に、耳を塞ぎたくなる。

オッレルス(…例え彼女が自分を忘れて他の女性と親密になる事を望んでいたとしても、こういった事は譲れない)

オッレルス「…、…どう、しても」

フィアンマ「そうか」

あっさりと離れ、それ以上オフィーリアは粘らない。
そもそも、一緒にご飯を食べたいというのも、再度合流におけるトラブル発生の恐れを警戒してに過ぎない。
故に、粘る必要が無い。強請る必要がない。

フィアンマ「では、一時間後に…そうだな、適当にサーチでもしてくれ。こちらからもかけるが」

背を向け、あっという間に姿を消す彼女に、未練の素振りは無い。

オッレルス(好意を振りまいたり、好意のあるフリをしたり…)

過去の彼であれば、直ちに彼女を捕まえてひっぱたく位はしていたかもしれない。
だが、指針を立て直した彼には、それが出来ない。
この怒りは何処にぶつけようと考え、学園都市の暗部組織にぶつけてやる、という結論に至った。




結果として。
オフィーリアは、街中を歩く上条を避けるように動いていた結果、トールと出会った。
そんな訳で、彼女は学園都市のファーストフード店で、トールとご飯開始である。

トール「新発売って言葉に惹かれて無茶すんのはよくねえな。サルサバーガー滅茶苦茶辛い」

フィアンマ「冬ということで、身体が温まるように生姜が…と、そうではなく。…お前は何をしに来たんだ。まさか、たかが食事をする為に観光へ来た訳ではあるまい?」

トール「あん? >>662」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 21:53:11.33 ID:Z8vC2mE10<> よくわかってるじゃん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 21:54:50.56 ID:l4/75a7U0<> おかしいか?よくやるんだけど <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 22:02:13.77 ID:OLWMCgCl0<>
トール「あん? おかしいか? よくやるんだけど」

フィアンマ「よくやるのか?」

トール「…え、駄目?」

単なる旅行だったらしい。
正確には、トールはこうして度々人知れず学園都市を訪れては、その状況を把握している。
塔の中の姫君ならぬ、ビルの中のお嬢さん<フロイライン>をビル越しに見る為でもあるが。
渦中の問題には一切関係無いのなら巻き込む訳にはいかない、とオフィーリアは思う。

フィアンマ「そうか。ならば良いんだ」

トール「そ? …ところで、オーディンの野郎知らない?」

フィアンマ「知らんな」

トール「こっち来てるって聞いたんだけどな…」

彼を追いかけて来た訳ではないだろうが、天下の男好きは一度関係を持った男はすべからく気になるらしい。
オフィーリアはしれっと知らない、と言った後、クリームグラタンバーガーを口にした。
甘ったるさを誤魔化す為に飲んだコーヒーは、クリームの甘さでまた甘くなる。
砂糖を大量に入れているのか、と首を傾げつつ食べる内。
オフィーリアは非常に申し訳ないとは思いながらも、依頼を口にした。
上条の彼女であればまずしないと思われる依頼だが、彼女はトールと上条の間に何があったか知らない。
むしろ、親友や戦友の域にある友人なのだろう、と思っている節がある。

フィアンマ「…観光中すまないが、頼みがある」

トール「頼み?」

もぐ、とバーガーにかぶりつき、彼女は丁寧に言う。
本題は伏せたまま、依頼内容だけを、帳尻を合わせながら。

フィアンマ「当麻と喧嘩中なんだ。それで、帰る事が出来ない。だが、当麻を嫌っている訳ではない。…そして、当麻は何かと首を突っ込む癖がある。という訳で、お前に当麻の身辺警護を依頼したい。あまり表立たない形で頼む。…ま、お前の場合当麻に警護がバレてしまっても良いのだが」

トール「ん、>>665」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 22:05:17.09 ID:SS8LfboSO<> ……それは、つまり…(…神は言っている…よく味わっても構わない、俺に当麻をくれると…?)
よしヤるわキラキラ
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 22:10:28.85 ID:zU6s+5fN0<> 当麻を性的に頂いていいなら <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/21(金) 22:12:22.37 ID:AQgM9iLAO<>
雷雷マジチャレンジャー…モロに言うとは

ちょっと風呂行ってきます <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 22:13:32.61 ID:AQgM9iLAO<>
雷雷って何だよ 彼は雷神だよ


…何か、…オーディンさんとトールくんのセクロスって凄そうだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 22:33:18.73 ID:SS8LfboSO<> シルビアに悪いから、愛してるからと食事すら断るのに男とヤっちゃうオッさんww <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 22:54:49.59 ID:ArPBXDli0<> 《>>668様 男はノーカン…か、或いは自分が全く愛を向ける(=靡くor本命にしてしまいそうなorシルビアと同列にしてしまいそうな)可能性の無い相手はセーフ、とかそういう彼なりの謎基準があるのでは(サローニャちゃんにはキスしてましたし)》


トール「ん、当麻を性的に頂いていいなら」

フィアンマ「構わんが、条件付きだ」

トール「え、そんなあっさり許可して良いの?」

フィアンマ「条件付き、と言っただろう?」

ぱあっと表情を輝かせる少年に対し、オフィーリアは片手でバーガーを食べつつ、もう片手の手のひらを見せる。
人差し指と中指以外は握られている。ちょうど、ピースの形だ。

フィアンマ「二点ある。一つ、当麻が嫌がっているにも関わらず行為に及ぶ事は禁止だ」

そして、もう一項。

フィアンマ「二つ、如何なる女に化けたとしても、俺様に化けるのは禁止」

トール「…そんだけ?」

フィアンマ「後は当麻の自制心とお前の誘惑の仕方に任せる」

やっぱりあっさりとしている、と思うトール。
上条が嫌がっているかどうか、出し抜いてしまえば問題無いのでは。
というよりそもそも、上条を見に行けない彼女が状況を知る事は出来ないのでは。
そう思うトール。
対して、彼女はバーガーを食べ終わり、コーヒーを啜りながら微笑む。

フィアンマ「言っておくが、契約を破った場合はそれなりの代償を払ってもらう。それは性行為に対するというよりも、身辺警護という職業上において、当麻に傷をつけたということで、だ。…軽く考えているようだが、見えない訳ではないからな」

彼女の『預言』は、千里眼に通じるものがある。
或いは、『フリッグ』について学んだ結果、習得したのか。
故に、トールの行動を定期的にチェックする事は可能なのだ。

フィアンマ「…お前を強い男と見込んで依頼しているんだ」

トール「……ま、合意の上ならいいんだろ?」

なら、そこへ持っていくまで。
何やら自信があるのか、トールは頷いた。

そして、彼等は別々に分かれる。





依頼を果たすべく、トールは上条宅までやって来た。
もしかすると、自分の姿に拒否反応を示して、家に入れてくれないかもしれない。
手持ちの霊装は充分。

トール「…さて、誰に化けるかね」





トールは誰に化ける?(フィアンマ以外の女性禁書キャラ)>>+2

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 22:58:12.46 ID:SS8LfboSO<> サローニャ忘れてたww

安価なら神裂さん <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 22:58:58.52 ID:Z8vC2mE10<> 縺九s縺悶″ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 22:59:41.89 ID:Z8vC2mE10<> すみません文字化けしました…

安価ならオルソラ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 23:07:43.89 ID:ArPBXDli0<> 《>>670様 思い出してあげてください…っ》

トール「警戒心を解くなら…シスター繋がりといきますか」

上条が愛しているオフィーリアは、シスター。
そんな訳で、安直な発想から、彼はシスター・オルソラへと化けた。
彼はどんな男でも基本的に喰える為、男性がどんな女性を好むか知っている。
その知識へ沿った結果、穏和そうな巨乳物腰柔らか聖女系となったのだ。

オルソラ(トール)「んん、あー…完璧なのでございますよ」

しれっと言いながら、トールはインターフォンを鳴らす。
上条は結局オフィーリアを見つけ出せなかった事に落ち込みつつ、意気消沈した様子で応答した。

上条『はい…』

オルソラ(トール)「お久しぶりなのでございます」

上条『…オルソラ?』

思わず、上条はがちゃりとドアを開ける。
その先にはオルソラ―――もとい、彼女に化けたトールが、のんびりと立っていた。

上条「アドリア海の時以来だな、元気だったか?」

オルソラ(トール)「モチのロン、でございますよー」

上条「ところで、学園都市には何をしに? っていうか、俺に用か」

オルソラ(トール)「アドリア海の事件の際にはお世話になりました」

上条「いやいや…って、会話が巻き戻ってる!」

オルソラ(トール)「学園都市に来た理由でございますか?」

上条「お、おお、そうそう。何か困った事でもあったのか? 俺で良かったら相談に乗るぞ」

オルソラ(トール)(やっぱ巨乳には弱いモンだな)

オルソラ(トール)「>>675」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 23:08:33.69 ID:Lcu0GJyt0<> 実は……俺だよ!!!!バリバリ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 23:11:27.35 ID:SS8LfboSO<> …実は、私の貴方への思いが押さえきれなくなったので… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 23:16:09.33 ID:ArPBXDli0<>
オルソラ(トール)「…実は、私の貴方への思いが抑えきれなくなったので…」

上条「え…?」

トールはあざとくも、修道服の裾をきゅっと握る。
顔は少々赤らんでおり、照れている様子が明らかだった。
トールは上条の身体をとても好ましく思っていて、且つ結構我慢の限界なので、嘘という訳でもない。
ドギマギとしながら、咄嗟に『彼女がいるんだ』と言うのを忘れた上条。

オルソラ(トール)「…くちゅん」

寒い、ということをアピールする為に、くしゃみを一つ。
上条は眼前の相手をオルソラだと思っている為、当然気遣う。

上条「あ、ごめん、…えっと、…立ち話も何だし、入れよ」

オルソラ(トール)「ありがとうございます」

ぺこ、と頭を下げるトールを迎え入れ、上条はドアと鍵を閉める。

上条「狭い部屋だけど、ゆっくりしていけよ」

トールは上条の右手に触れられないよう注意しながら、進む。
勧められるまま、椅子代わりのベッドへと腰掛けた。
万が一があってはいけないと考えているらしい上条は、ちょっぴり離れてカーペット上へ直に座る。

上条「…その、…想いが抑えきれない、…って、どういう…?」

オルソラ(トール)「……」

上条「…俺、その…彼女が、出来たんだ。だから、そういう恋愛的なアレには…応えられないっていう、か…」

オルソラ(トール)「>>678」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 23:25:25.13 ID:SS8LfboSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 23:26:58.34 ID:Z8vC2mE10<> (ま、そう簡単にはいかないわな) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/21(金) 23:40:50.16 ID:ArPBXDli0<>
オルソラ(トール)(ま、そう簡単にはいかないわな)

オフィーリアに化ければ一発、とはいえ。
契約違反がバレれば、不殺主義の彼女に死ぬよりエグい目に遭わされる恐れが高い。
例え彼女が事を起こさなくても、何やら彼女に執着しているオーディンが『気を利かせて』何かしようと考えても、怖い。
そんな訳で、オルソラ路線を今更捻じ曲げる訳にはいかなかった。

オルソラ(トール)「…私は、…それでも、…どうしても」

ぎゅう、と修道服の裾を握り。
トールは俯き、泣きそうな声を出してみせる。

オルソラ(トール)「あなたが、…貴方様が、好きなのでございます。…学園都市へ、来てしまう程に…」

上条「オルソラ…」

オルソラ(トール)「私では、上条さんの恋人には敵わないかもしれません…」

それでも、好きで。
好きで、愛おしくて、一緒に居たくて、傍に行きたくて、やって来た。
そう話す内に、じわじわと目に涙が溜まっていく。

上条「……、」

オルソラ(トール)「…ですから、…せめて、一夜の夢でも、構わないのでございます…」

一晩だけで良いから、抱いて欲しい。
そんな一言に、上条は口を噤む。
恋人が居る身で、果たしてそんな事をして良いのか。良い筈がない。
けれど、泣いているオルソラを無下に突き放せない。
それこそが、上条当麻の甘さ。一般人に留まらざるを得ない、所以。

上条「…お、…俺は―――――」






上条の警護をトールに任せたオフィーリアは、てくてくと歩いていた。
たどり着いた先にはオッレルスが居り、彼女を待つ形で立っていた。

フィアンマ「さて、そろそろ始めるか」

まずは、叩きのめして、上下関係を教え込んだ上で、支配下に置く。
暗部組織は幾つかあるようだが、まずは誰から狙うべきか。

フィアンマ「…こちらから向かう必要は無かったようだな」

背後の殺気に振り返る。
そこには、一人の少女が居た。
12歳程度の年齢、だろうか。
前を揃えた黒い髪は肩甲骨の辺りまで伸びているが、アクセントのために耳元だけが金色に色を抜かれている。
小柄な身体を締め付けるように、黒い革と錨で出来たパンク系の衣装で身を包み、白いコートをフード部分だけ頭に引っかけて、袖を通さず羽織っている。

黒夜「そォだな。死ぬか、生き地獄か。暗部に狙われた以上、日常には帰れねェだろォけど、準備はいーいー?」

彼女は、自らが持つ強大な能力を、オフィーリアに向ける。
殺してしまっても構わない。少々外したなら、治させれば良い。
勝利を確信した、攻撃的な態度。それこそが、彼女の攻撃性、即ち、精神性。
そして、彼女は敵方の逃亡を待つような真似はしなかった。
放たれる攻撃に対して、窒素で形作られた大量の槍を見て。
彼女の防御は、実に実に、シンプル過ぎる程にシンプルだった。

フィアンマ「槍か。危ないな」

彼女は一歩踏み込み、オッレルスの背中に隠れた。
元魔神に、レベル4の力など、『窒素爆槍』等、つまようじが飛んできた程度の認識に過ぎない。
とはいえ、勝手に盾にされたオッレルスはため息を漏らす。戦場に立っているとは思えない軽さで。

オッレルス「…>>681」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/21(金) 23:42:39.59 ID:l4/75a7U0<> はい、その槍没収(指パッチン 槍消滅) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 00:13:11.75 ID:nmpaQRj30<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 00:27:53.04 ID:bEHkj8Vo0<>
オッレルス「…はい、その槍没収」

言うなり、彼は軽く一度、指を鳴らした。
マジシャンが手品を開示したように、槍が消滅する。

オッレルス「…そもそも、主神オーディンの力を使う俺に『槍』を向ける事が間違っているんだ」

黒夜「な…っ」

カラクリが読めない。
指を鳴らしただけ、という行為に、何の意味が付加されているのか、黒夜海鳥にはわからない。
意味を知っているオフィーリアやオッレルスがわざわざカラクリを口にするはずもなく。

黒夜「ッ!」

焦りを無理矢理に押さえ込み、彼女は自分が持ちうる全ての『腕』を解放する。
大量の槍が飛んでくるも、やはりオッレルスは軽い調子で、

オッレルス「…バカの一つ覚え、だったかな。日本語で言うところの」

そんな事を言いながら、槍を消す。

黒夜「あァ…!?」

全身の血液が沸騰するような苛立ちを覚えながら。
彼女は『窒素爆槍』の展開を、一方向ではなく全方向へ変える。

オッレルス「…というか、君は戦わないのか」

ちら、と振り返った彼に、オフィーリアはにこっと笑みを見せた。

フィアンマ「…オーディンは格好良いな」

オッレルス「………」

フィアンマ「お前が居てくれると、俺様は安心して呼吸が出来る。頼りにしているぞ」

オッレルスの背中、セーターをやんわりと握りながらの、柔らかな笑み。

オッレルス「……、…」

良い様に扱われている。
そうは思いながらも、彼は彼女を庇う以外の選択肢は選ばなかった。
全方位を取り囲む攻撃は、勿論、オッレルスの背後に隠れているオフィーリアの事も狙う。
彼女を射程圏内に設定してしまった黒夜の運命など、とうに決まっていた。

全方位の槍を防いだとしても、直接的に突き刺せば良い。
そう思って、全方位からの槍を放ち、空白地帯へ酸素を流す事で爆発させ、視界を奪った上で、この手で串刺しにしてやる。
そんな恐ろしい計画を実行すべく、黒夜は長い窒素の槍を突き刺した―――筈だった。

只の一撃も、当たっていない。
全て、かき消された。
それどころではなくて。

黒夜海鳥の身体は、ノーバウンドで吹っ飛ばされ、全身に均一の重いダメージを受け、無様に地面へ倒れてしまっていた。
苦痛は、遅れてやって来た。呼吸が、苦しい。

黒夜「が、…?」

オッレルス「…>>684」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 00:39:53.09 ID:6xCbkVmSO<> 愚かだな…

君は、まだ自分が

『誰に』喧嘩を売ったか

わかっていないらしい…

教えてやる。骨の髄まで、冷酷無慈悲な『魔神』の恐ろしさを…←説明できない力で複数回吹き飛ばし、空中ピンボール状態を暫く継続→黒夜の両膝小僧を砕き、両肩の関節を砕き、何度も腹を踏みつける→幻影で大量の虫を生み出し、黒夜の上を這いずらせる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 00:45:37.06 ID:4fLTMGcDO<> 魔神なんだからそんなに力とか使ったら50%の確率で失敗して危ないよ、とか思ったけどよく考えたら既に魔神じゃなかった…

安価上 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 00:47:34.52 ID:nmpaQRj30<> まだやるかい?

やるならこれ以上容赦はしないよ?

殺しはしないさ

ただ、死んだ方がましだ、と思うような苦痛をお前にあたえるよ? <> 小ネタ:キチヤンデレ 
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/22(土) 01:14:13.68 ID:bEHkj8Vo0<> 《久々のオーディンさんというかオッレルスさんマジギレと拷問リョナだ…。魔神やめたから力こそ純粋なそれに劣るものの完全にヒット確定じゃないですかーやだー 今日はここまで。お疲れ様でした》



オッレルス(『…オーディンは格好良いな』)

オッレルス(良い様に使われている気がしない訳ではないが、そもそも自らが定めた指針に従わないというのは良くない。……格好良い、か。上条当麻よりも上位かどうかは聞き忘れたが、後で聞けば良いか。…いや、別に上条当麻より上位存在である必要はないのか。そもそも、俺はあの口だけ少年よりも遥かに上に居るんだから。……『お前が居てくれると、俺様は安心して呼吸が出来る。頼りにしているぞ』…そうか。安心してくれているのか。あれだけのことをした俺に安心やありがとうという言葉は似つかわしくないが、彼女が言うならそれはそれで真実なんだろう。爪はもう元通りに生えてきたようだが、やはり綺麗な手だ。何人も殺しているとは思えない程に白くて細い指をしている。端正な顔立ちだということを除いても微笑んだら画になるし、泣き顔は泣き顔で悪く無い。…もう二度と泣かせるつもりはないし、誰かに泣かせろとも思わないが。喧嘩中と聞いたが、このまま喧嘩別れしてしまえば良いんだ。蘇らせる程に愛しているのだろうが、そもそも、私が一度殺した事には変わりない。つまり、彼は居ないことと同じだ。……どうにもヤツと自分を比較してしまう傾向にあるな。ヤツは彼女の恋人であって、それ以上でもそれ以下でもない。何も心配しなくても、彼女は俺のものだ。物品扱いはよくないのかもしれないが、事実は確定されている。彼女自身がそれを否定しようとも、真実である事には変わりがない。爪を剥がし、幻覚上で処女を奪い、傷つけた俺には彼女を守る義務と権利がある。それは彼女を傷つけた事などほとんど無い上条当麻よりも遥かに重く強いものであるはずだ。女はキズモノにしたら身柄を引き受けなくてはならない。だから、シルビアも恐らく許してくれるだろう。食事はしていないし、キスもしていない。…仮にしても、…否、彼女を穢す訳にもいかないか。なかなかうまくいかないものだ。彼女は俺だけを頼ってこんな風に俺だけを盾にして俺に守られて生活していれば良いんだ。だって俺達は結婚しているのだから。つまり、夫婦なのだから。書類は提出していないし指輪も贈ってはいないが、その辺りは追々やっていけば良い事だろう。義務があってもなくても守ると決めたのだから守るが、やはり妻は夫が守るべきものだろう。ましてや、彼女は俺を倒したとはいえ、基本的には俺よりも格下の存在なのだから。華奢な少女を一人で戦場に放る訳にはいかない。……それにしても、この敵はしつこいな。誰を敵に回しているのか、まるで理解していない、状況が把握出来ていない。組織内では上部に居るようだが、所詮は単なる一都市の学生か。俺に刃を向けただけでも問題なのに、彼女に武器を向けた以上は容赦する訳にもいかないな。本来であれば殺してやりたいところだし、殺してやる事も出来るが、そのことで彼女に完全拒否を喰らってしまっても困る。こんな子供の二、三人、殺してしまっても何の問題も…、…彼女相手に誤魔化しや嘘は効果をもたらさない、か。……違うんだ、別に俺は背後の彼女を愛している訳ではなくて、罪悪感に突き動かされるままに守って、傷つけないように努力しているのであって、何か特別な意味がある訳じゃないんだ。別に彼女と居ても安らぐ訳ではないし、彼女と四六時中一緒に居たい訳では……そうでもないか。別に一緒に居ても苦ではないしな。もちろんシルビアに敵うべくもない存在ではあるが、それなりに大切には思って…そう、これは、恐らくあれだろう、友情や所有欲という一般的で凡庸な感覚に過ぎない。もしくは、それに準じた下らない錯覚であって。そういえば、後ろから甘い匂いがするな。彼女の体臭とは少々系統の違う甘さだが、夕飯は甘いものを食べたんだろうか。気になるが、聞いたところで不可解そうな態度を取られる恐れが高い。リスクを背負ってまで拘泥する事ではないが…気になる。願わくば彼女の全てが知りたい。大方の情報は調べたりして知っているが、過去、思考法、現在状況をリアルタイムで知りたい。…彼女と俺の思考が一直線に繋げたら良いのに。彼女の『預言』によって俺の思考を読み取る事は防護策次第では可能なのかもしれないが、その逆を実行したい。何をどうしたら俺を許したり、こんな風に縋る方向へ向かえるのか……嗚呼、だが俺の思考が逆流して彼女の思考回路を穢してしまっては非常に困る。彼女には彼女のままでいて欲しい。あの時の絶望した顔といったら艶かしくてたまらなかったが、…今はもう、そうでもないな。彼女に限っては、先程の取り繕ったようなものでも構わないし、笑顔の方がずっと気分が良い。嘘を見抜く時の瞳は澄み過ぎていてつい視線を逸らしてしまうが、今度は我慢しよう。彼女の目をじっと見つめていたら、多少なりとも思考が理解出来るかもしれない。勿論そんなことを行ったところで彼女と同じ異常という名の清浄過ぎる思考には至れないだろうが、共感という手段を用いる事が容易になる。…さて、この年頃の女の大の苦手なものは何だったかな。虫は苦手だろう。能力は…掌が関係しているのか。身動きを取れないようにすれば、彼女に危害が及ぶ事は無いだろう。蹴る力はどの程度にしようか。潰してしまえば死んでしまうし、殺さないというのもなかなかどうして、手加減とは難しい。心身ともに痛めつければ、そう何度も虐待を繰り返す必要も無いだろう。…駄目だな、想像すると興奮する。興奮すると手元が狂う。それにしても、学園都市の『置き去り』を救うとは、また無茶な事を言い出すものだ。それでも協力してしまう辺り、俺も馬鹿になってしまったのかもしれないが…まぁ、ひとまず。俺以外が彼女を傷つけるのは、非常に不愉快だ。俺でさえ指針に従って傷つけていないのに)



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 01:17:38.28 ID:6xCbkVmSO<> …まぁ、アレだ、>>1がオッさん×フィアンマが大好きなのはよくわかった
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 07:21:55.05 ID:+yKIC9iL0<> >>687

お前がリョナ好きってのも理解した <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 08:44:53.25 ID:6xCbkVmSO<> いや全然リョナでも拷問でもないじゃん軽いジャブですらないlevelじゃん
てか自分で書いといてなんだが、やってる事が全然冷酷無慈悲でも魔神でもないじゃんww
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 11:17:31.19 ID:tr4MPIC00<>
オッレルス「…愚かだな…」

うまくいかない呼吸に苦しみながらも、ロクな防御の術を持たない黒夜は、どうにかして攻撃しなければ、と考える。
攻撃こそが彼女の強み、強大さ、そして、唯一の防御。

オッレルス「君は、まだ自分が『誰に』喧嘩を売ったかわかっていないらしい…」

黒夜「…が、…ぐ…ゥ…」

起き上がろうとしたものの、身体中が鉛のように重い。
それでも気力でどうにかのろのろと起き上がる彼女へ、オッレルスは無慈悲に笑んだ。

オッレルス「教えてやる。骨の髄まで、冷酷無慈悲な『魔神』の恐ろしさを…」

どんな人間でも、やめてくれと泣き叫ぶ暴力を。
それはただ、彼の背後に居る少女の安全圏を構築する為に、振るわれる。

ようやく起き上がれた彼女は、攻撃に移る前に吹き飛ばされた。
一度だけではなく、先程と同じ、全身に均一の重いダメージを受ける攻撃を、複数回。
方向は、下から。故に、少女の身体は空中へ浮いた。地に足をつけることすら、許されない。
オッレルスは説明出来るような動作は行わない。そんなことをする必要は無い。
彼は、躊躇わない。
彼女に向けられた暴力は、暴力で塗りつぶし、安全地帯を確保すると、決めた。

黒夜が痛みを感知するのと、両膝小僧がごきゃりという奇妙な音を立てたのは、0.5秒程の誤差しか無かった。

黒夜「ひ、っ」

幼き暗部の女王は、これまでに感じた事の無い悪意と暴力に戦慄する。
太刀打ちしようが無い。何せ、攻撃をする猶予がコンマ一秒も与えられないのだから。

オッレルス「腕があれば攻撃は継続させられる、か」

腕をミンチにする事は簡単だった、が、それでは見慣れ過ぎていて、型通りで、面白くない。
だから、オッレルスは彼女の両肩の関節を砕いた。骨も傷つける。
そうしてようやく、滞空時間が終わった。格闘ゲームのベテランと初めてプレイする人間の手加減なしな試合の様に、事は進んでいく。
地面に再び倒れ、動けない彼女へ近寄り、オッレルスはその小さな腹部を踏みつけた。

オッレルス「たかが学園都市の暗部が、世界最暗部に居た私や彼女に勝てるというのが思い上がりなんだ」

黒夜「げ、ぁぐ、げほ、ぅ、あ」

何度も、何度も、飽きもせず。
踏みつけられる度に、彼女の内臓は的確に傷つけられていく。
涙を流して命乞いすらさせない程の時間を空けない暴力を加えながら、彼は指先を僅かに動かした。
彼女の腕や顔、胸の、服の内側を。得体の知れない、化け物じみた虫が這いずる。
絶叫するも、身体をかきむしることも出来ない。何せ、両肩から既に動かせないのだから。

絹旗最愛であれば、或いは。
窒素の盾を創る事で、これらの攻撃を多少は防げたかもしれない。
だが、彼女は黒夜海鳥だ。防御性など欠片も無い。

オッレルス「こんなものか。一応、君達は『グレムリン』に対抗する為に編成されたんじゃないのか?」

強者にとって、弱者を一方的に甚振る事程愉快な事はそうそう無い。
だから、彼もそのセオリーに則って、更に危害を加えようとした。
もう、戦闘手段を奪った、12歳の少女に対して。どこまでも、無慈悲に、残酷に、冷酷に。
そんな彼の腕を掴み、ぐいと、後ろに引っ張って抱きしめ止める人間が居た。

フィアンマ「それ以上は駄目だ。必要無いだろう」

無闇に痛みつけてどうするのか、という意図を持って、彼女は彼を止める。
かつて爪を剥がされ、幻覚上とはいえ、口にするも悍ましい暴力を受けた被害者とは思えない、強い意思と、怯えの無さで。

オッレルス「…>>692」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 11:34:33.23 ID:4fLTMGcDO<> kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 11:47:39.60 ID:6xCbkVmSO<> …必要ない?その理由こそ必要ないな。俺がやりたいからやるんだよ。一種の性癖のようなものだ

俺は君と違って喧嘩を売られて許してやる程良心的じゃない。大体、最初に降伏するチャンスはあげたじゃないか。それを蹴ったのはこの子供だ。所謂、『許してやるのは最初だけ』だよ

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 11:58:01.59 ID:tr4MPIC00<>
オッレルス「……必要ない? その理由こそ必要ないな。俺がやりたいからやるんだよ。一種の性癖のようなものだ」

無理やり振り払う事はせず、彼は冷静に言う。
むしろ、その冷静さが恐ろしい程だ。
静かな緑の瞳には、敵意も戦意も無い。強いて見つかるのは、遊興の意図のみ。

オッレルス「俺は、君と違って喧嘩を売られて許してやる程良心的じゃない。大体、最初に降伏するチャンスはあげたじゃないか。それを蹴ったのはこの子供だ。所謂、『許してやるのは最初だけ』だよ」

フィアンマ「もう充分戦力は奪った筈だ」

オッレルス「それだけでは足りない」

チャンスは与えた。
そして、敵方はそれを棒に振った。
故に、殺す寸前まで追い詰めてしまっても、何ら問題は無い。

本物の戦場においては、オッレルスの考え方の方が正しい。
そして、此処は紛れもなく本物の戦場だった。

オッレルス「大体、こんな子供一人居なくても、計画に何ら変更は無いじゃないか?」

フィアンマ「そういった問題ではない」

オッレルス「君は甘すぎるんだ」

フィアンマ「お前は厳しすぎるんだよ」

オッレルス「その甘さで、また何か喪いたいのか?」

フィアンマ「……、」

黒夜「…ッ」

彼女の腕はもう使い物にならなかったが、壊れた部品を繋いで作った機械の腕は、別物だ。
彼女の演算が可能である限り、その腕だけは、付け足せばいつでも使える。
そして、黒夜海鳥は、甘い理論を振りかざす善人染みたオフィーリアを殺害対象に認定したらしい。
窒素の槍が飛ぶ。跳ぶ。
それは、彼女の左胸に突き刺さる筈だった。

フィアンマ「…チャンスは二度与えるべきだと考えているんだよ、俺様は」

彼女は、何もしなかった。
ただ、自動的に、『第三の腕』が彼女を守りきる。
残念ながら、彼女は力の使い様によっては魔神をも超える。

オッレルス「それで、駄目だったじゃないか? どうするんだ」

やや怒り気味の声は、オフィーリアに向けられたものではない。
せっかくの慈悲を打診したオフィーリアに対して、尚凶器を向けた馬鹿な子供に対してのものだ。

黒夜「…ッ、>>695」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 12:06:40.34 ID:6xCbkVmSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 13:09:31.68 ID:tleX/Au80<> >>689
お前の中ではそうかもな
異常者め

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/22(土) 13:12:59.54 ID:eSMaeog7o<> (勝てないことを悟り泣く) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 13:54:17.52 ID:amM2qXOg0<>
黒夜「…ッ、…う…」

どうしても、勝てない。
何度攻撃を仕掛けても、悠然と、笑って消されてしまう。
能力者にとって、自らの能力とは自分の中核をなすものでもある。
故に、それが通じない相手には憎悪を抱き、執着するものだ。
『置き去り』であった彼女には、悪意と闇と、能力だけが親しい友人だった。
そして、その暴力をもってすれば、全てを支配出来ると、思っていた。
けれど、目の前のこの男や、甘い理論を口にしている女にすら、勝てない。
これから、恐らく、自分は殺される。殺されるで済めば良いが、簡単に殺してはくれないだろう。
万策尽き果てた。せめてこの女を殺せばと放った槍でさえ、女本人の力で阻害された。
ぼろぼろと涙を流し、死に対して純粋に恐怖し、その涙すら自分で拭えないままに、少女は怯えた。

フィアンマ「……」

オッレルス「…両肩を砕いた。だから、能力は使えない」

フィアンマ「治療すればそうでもあるまい」

オッレルス「この敵意に満ちた子供を?」

フィアンマ「俺様は聖職者だぞ。という訳で」

オッレルスの怒りも何も恐れず、彼女は黒夜を抱き上げる。
攻撃性も何も忘れ、ただの幼い一人の女の子として泣きじゃくる彼女へ、オフィーリアは優しく笑いかける。
彼女はフリッグ。愛と豊穣の女神を司る。

フィアンマ「…少し、説教をしようか。見た所、若作りではなく、本当の子供のようだしな」






上条「…お、俺は――――うう、」

上条当麻は、言葉に詰まっていた。
オフィーリアが居るから、と告白を断れば、トール扮したオルソラはもっと泣いてしまう。
そして、女の子を泣かせるのは、嫌だった。男として。

オルソラ(トール)「上条さん…?」

上条「…>>699」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 14:11:05.86 ID:6xCbkVmSO<> 悪い、オルソラ。この際だからはっきり言う

俺は彼女がいるし、その彼女を愛してる。だから、俺のカラダは一晩たりとも貸せないし、お前を慰める事もできない。

…ごめんな。←右手でオルトール頭に手を置く <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/22(土) 14:15:54.41 ID:KXI3hiEAO<> そういえば上トーのエロは需要あるんでしょうか トー上の方が良いのか…うーん 需要あれば書きます


安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 14:20:56.04 ID:GzJWgQqv0<> >>698

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 14:29:20.09 ID:amM2qXOg0<>
上条「…悪い、オルソラ。この際だからはっきり言う」

オルソラ(トール)「…、」

上条「俺は彼女がいるし、その彼女を愛してる。だから、俺のカラダは一晩たりとも貸せないし、お前を慰める事もできない」

嫌だったけれど、それでも。
オルソラと、オフィーリアと、どちらを泣かせる方がまだ耐えられるかといえば、上条にとっては前者だった。
沈痛な面持ちで、彼は手を伸ばす。
そして、利き手である右手で、彼女の―――彼の頭に、触れた。
ぽん、と軽く。手を、置いた。

上条「…ごめんな」

当然、幻想殺しは上条の意思に関わらず発動する。
即ち、オルソラの仮面が、バラバラに砕け散る結果となった。

トール「あ」

上条「…あ?」

思わず、上条は固まる。
反対に、トールは逃げも隠れもせず、にこりと笑んだ。

トール「久しぶりだなー、当麻」

上条「………うわああああああ!!!」






ホテルの部屋が、手違いでとんでもない事になっていた。
それはあくまで麦野沈利の主観によるものだ。
本来、垣根達はツインの部屋をとっていたはずなのだ。
それが、ダブルの部屋に、子供部屋との仕切り付きのルームに早変わりしていた。
垣根が謀った訳ではなく、純粋なトラブル。
つまり、麦野沈利は、想いを伝え合った垣根帝督とその日にベッドインする予定となってしまった。

垣根「…こればっかりは俺のせいじゃねえしな。…階は離れるだろうが、改めて一室申請してくるか?」

麦野「…>>703」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 14:33:28.23 ID:6xCbkVmSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 14:34:28.93 ID:k+U2eLQp0<> ………一緒が良い <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 14:45:03.84 ID:amM2qXOg0<>
麦野「…………一緒が良い」

垣根「…あん?」

麦野「…一緒で我慢してやるって言ったんだよエセホスト」

垣根「誰がエセホストだコラ。…ま、お前がいいならいいけど」

フロントへ行こうか迷った垣根だったが、扉を開けて中に入る。
それなりの金を出して確保したこのホテルは、手違いを除けば完璧だ。
オートロック完備、防音設備、遊興道具、温泉施設…と、その辺のマンションより優秀だ。
麦野はどうしても垣根に暴言を吐きがちになってしまうことを毎回後悔しているらしく、項垂れる。
自分がある意味目の敵にし、腹が立つと思っていた男が実は幼少期に惚れた男だったのだと今さっき気づいたのだから、急な変化に口調や意識がついていくはずもない。
今更、本性を隠すなどという時期は過ぎてしまっているのだから。

垣根弟「それではごゆっくり、とカキネは気を利かせ…くー」

垣根「うわ早ぇ」

実際に気を利かせたのかはさておき。
疲れていたのもあるだろうが、垣根弟はベッドに入るなり目を閉じて眠り始める。
驚愕の入眠速度に肩をすくめながらも、垣根は垣根弟に毛布をかけた。
子供部屋との仕切りに手をかければ、あっという間に二つの部屋へと分かれる。
麦野はベッドに座り、落ち込んだ自らを鼓舞した後、垣根を見やった。
垣根はうーんと何やら考え込んだ後、彼女の隣へ、ほとんど距離を空けずに腰掛ける。

垣根「そういや、真面目に自分からは言ってなかったな」

麦野「何を」

垣根「あれだ、あれ」

麦野「あれ?」

指示語で言ってしまった垣根は、少し緊張している。
それでも、そう、今一度、告白しなければ、胸を張って恋人とは言えまい。

垣根「>>706」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 14:50:55.60 ID:FOwt8eEg0<> 俺はお前の事が好きだ大好きだ
むしろ愛してる
俺と結婚を前提に付き合ってくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 15:10:16.38 ID:FvX+EGtK0<> 俺はひとをしっかり愛した事がない
そんな俺でも、人を愛したいと思った
だから…

俺と付き合ってくれ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 15:19:56.30 ID:amM2qXOg0<>
「俺は、人をしっかり愛した事がない」

「……」

いつにない真面目な雰囲気に、麦野は黙り込む。
体の向きを少し変え、麦野をじっと見つめながら、垣根は言う。

「そんな俺でも、人を愛したいと思った」

「……」

「だから…」

麦野沈利の心拍数が、高まる。
その美貌ゆえに告白された経験は無い訳でもなかったが、今回は今までとまったく違う。

「…垣根、」

相手方が、玉砕覚悟で言っているのではない。
そして自分も、ロクに話を聞かずに笑ってフるつもりもないし、そんなことも出来ない。

「俺と付き合ってくれ」

真剣な、言葉。
彼真っ直ぐな黒い瞳にドギマギとしながら、麦野は何度か深呼吸を繰り返す。

「……私で、いいなら。…うん」

「お前が良いんだ」

プライドを払って頷く麦野の頬に、少年の手が触れる。
男性らしいながらも、無骨というよりは綺麗な手指が、彼女の柔らかな頬を触った。

「お前が、好きだよ。沈利」

「……私も、…私も、ね。…帝督が、好きだよ。ずっと、好きだったよ。初めて、何の損得も無く、私に優しくしてくれた、帝督のこと、」

そして、これからも。これからは、もっと好きになる。

彼女自身が気にする程太くなどない、むしろ細い女性的な身体つきの、彼女を。
垣根帝督は抱きしめて、充足感に、微笑んだ。










上条は、部屋の隅っこに追い詰められていた。

上条「やめろ来るな本当もう嫌なんだって」

トール「そんなに嫌がらなくても。お前だって多少は楽しんでたんだろー?」

オルソラに扮していたトールに対してとは一転、上条は泣きそうになりながら後ずさる。

上条「ッ、っていうか何で俺の家がわかって…つけてきたんじゃないだろうな! 言っとくが、俺にはオフィーリアがいるから、もうあんなことはしないぞ!」

トール「>>709」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 15:24:36.69 ID:5VoufK2P0<> 先っちょだけ!先っちょだけだからハァハァ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 16:27:41.59 ID:IKmBrlua0<> うえ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 16:40:11.18 ID:/OWVxno10<>
トール「先っちょだけ! 先っちょだけだから」

はぁはぁ、と息を乱しながら迫るトール。

上条「先っちょだけって言う男は大体先っちょじゃ済まねえんだよ!」

トール「それはエロゲのやり過ぎじゃねえの?」

上条「何でエロゲ知ってんの?」

トール「まぁ、ほら…な?」

上条「な? じゃねえよ! とにかく嫌だ」

トール「そう言うなよ。今回も痛くしないし」

上条「い、嫌だ…」

トール「わかった、俺が下なら良いんだな?」

上条「一言もそんな事言ってねえし、駄目に決まってんだろ!」

トール「何だよ、つれねえなー」

迫られ、取っ組み合いに発展する両者。
とはいえ、トール側に上条を傷つける意図は無い。
仕方が無いと判断した彼は、今夜、上条を一晩中口説く羽目になるだろう。





『世の中の全ての人間が、仲良しこよしになりてェとか思ってンじゃねェぞ』が基本の概念だった黒夜海鳥。
彼女は現在、両腕を使えない為、脚だけは治療してもらい、ホテルの一室で食事を摂らされていた。
二時間程の説教があり、一方通行の思考パターンを植えつけられていた事も手伝って、か。
少女は、完全に陥落していた。
オッレルスによる"鞭"に対し、オフィーリアの"飴"が甘すぎたのかもしれない。
木で出来ているように見えるスプーンで、ほどよく冷まされたリゾットを、口に含まされる。

黒夜「…ん、…」

フィアンマ「胃腸は問題無いか」

黒夜「…問題ねぇよ」

フィアンマ「…ふー」

湯気の立つ、スプーンで掬われたリゾットへ息を吹きかけ、オフィーリアはそっと黒夜の口元に運ぶ。
抵抗する気の無い彼女は、大人しくむぐむぐと食べた。説教がよほど効いたらしい、敵意は微塵も無い。
此処は、シルバークロースの居るホテルの部屋だ。結界はそのままであり、安全な場所である。

オッレルス「…どんな説教をしたらあの子供がこうなるんだ?」

フィアンマ「んー? >>712」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 16:49:35.62 ID:7KesGEuK0<> 知らねぇよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 16:52:30.99 ID:CJMJzfUE0<> 俺様だからだなドヤァ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 17:03:59.50 ID:/OWVxno10<>
フィアンマ「んー? 俺様だからだな」

どや顔をしながらのコメント。
何か術式を使った訳ではないのか、とかえって不審に思うオッレルスだったが、あえて突っ込まない。
ふふん、と得意げな彼女だが、彼女も何だかんだで十年程修道女をやっている。
『右方のフィアンマ』時代に培った話術や、『預言』を用いた諭し等があったのだろう。

オッレルス「…まあ、いいか。…それで、第一段階は終了した。次は」

フィアンマ「困った時の天使頼み、というヤツだ」

オッレルス「天使、」

フィアンマ「エイワス。…知識を司る守護天使。……問題は、『この事態』に興味を示してくれるかどうか、だが」

黒夜にリゾットを食べさせ終わり、ゴミを片付け。

フィアンマ「その可能性を高める為に、お前に協力してもらうんだ」

オッレルス「……なるほど」

平凡で凡庸な人間に、守護天使は興味を持たない。
興味を持たないということは、力を貸す事も無い。

フィアンマ「…人脈を目的の為に使うのは少々気が進まないが…善行の為だ、仕方あるまい」

オッレルス「…具体的に、今からどうするつもりだ?」

フィアンマ「具体的に? そうだな」

彼女は、のどかに笑ってみせた。
そして、夕飯のメニューを一部開示するかのように、軽々しく言う。

フィアンマ「とりあえず、俺様はこれから一回死ぬ」







夜更け過ぎ。
一向に帰る様子を見せないながらも襲う態度をもやめたトールに不信感を抱きつつ。
上条はさっさと、恐るべき速さでシャワーを浴び、きちんと服を着込み、部屋へと戻った。
そして、ふと、思い出したように問いかける。

上条「…あの、さ」

トール「ん?」

上条「…オフィーリアの居場所、知らないか?」

喧嘩をしているから、帰れない。
そう言っていたな、とトールはぼんやりと思う。

トール「>>715」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 17:26:20.02 ID:6xCbkVmSO<> 全く知らんなキッパリ

俺で我慢しとけ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 17:38:43.19 ID:EoR+KvlL0<> >>714

(押し倒し) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 17:54:08.90 ID:/OWVxno10<>
「全く知らんな」
「…そっか」

上条が心配しているのは、彼女が危険な目に遭っていないかどうか、ただそれだけだ。
勿論、一緒に居られるのなら、それに越した事はない。
だが、彼女には彼女で何か考えがあるのだと、思う。

「……」

オッレルスに言われた言葉が、突き刺さっている。
蔑ろにした。喧嘩をした。彼女を探し出す力もない。
落ち込む上条の身体を、少女的な印象の少年が押し倒す。

「俺で我慢しとけ」
「だから嫌だって、」
「喧嘩、したんだろ? なら、しばらく戻ってこないさ」
「……、」

甘言。
砂糖を求め泣きそうな子供に、麻薬の白い粉を握らせるような。

「彼女は彼女で、今頃何かやってんだろ」
「…、…オフィーリアは…」

自分を嫌いにならない。そんな自信は、無い。
不幸体質によって、幼い頃散々他者からコケにされてきた上条当麻は、自分に自信が無い。
もっと怯えて暮らすべきだったのだ。彼女に愛されるよう、努力すべきだったかもしれない。
上条はそんなに悪くないのに、彼はどんどんと落ち込んでいく。

「…」
「…だから、さ。当麻」

その隙間を、埋めてやる。
細い指に頬を撫でられ、上条はとうとう陥落する。

「……トール、…」

泣きそうな声。
慰めるように、愛でるように、トールは上条の首筋へ口づけた。
痕は付けず、舐め、じゃれつくように吸い付き、そのまま上条の服へ手をかけた。
ゆっくりと脱がされていきながら、それでも、上条はもう突っぱねる事が出来なかった。
トールの口説きに陥落したのではない。自分という存在に、過去のように、あまり価値を感じなくなったからだ。
こそばゆさに身じろぎ、上条は目を閉じた。何も見ないように、見えないように、見えてしまわないように。

「な、当麻…寂しいの、全部埋めてやるよ……」







オッレルスは、オフィーリアの死体の髪をなでていた。
彼が殺した訳ではない。彼女が自殺し、エイワスへ直接交渉をかけにいったのだ。
その間、身体が傷つけられることの無いように、時間がかかった場合は腐らないように守るのが、彼の役目だった。
故に、彼は先程からずっと、冷たい身体の髪を撫でている。
『虚空年代記』は治療要請をしているが、彼女本人の言葉に重きを置いている為、オッレルスは動かない。
赤い髪は美しく、死者の瞳はどこか虚ろで。完全に死んでいる訳ではないところが、それはそれで綺麗に思える。

黒夜「…死ん、でる…?」

オッレルス「…綺麗だろう?」

言って、彼は緩やかな笑みを浮かべてみせた。

黒夜「…よく死体の頭なんざ撫でられるな」

頭おかしいんじゃねえの。
そう言わんばかりの視線に、別段怒るでもなく、オッレルスは笑ってみせた。

オッレルス「…>>718」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 18:05:27.23 ID:6xCbkVmSO<> 浮気する上条さん(笑)

安価なら

綺麗な顔してるだろ。死んでるんだぜ、それ。
大した怪我もないのに、ちょっと打ち所が悪かっただけで、もう……動かないんだぜ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 18:07:45.78 ID:WDPKGpmuo<> もう一回その体で生き返るの?
なら、

これが死体じゃなくなるとしても気持ち悪いと感じるかい?

もうその体使わないなら安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 18:12:12.01 ID:ugPXah+h0<> 死んでいるが正確には死んでいないのだ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/22(土) 18:12:35.75 ID:KXI3hiEAO<> 上条さんほら、ヒロインだから…ヒロインは無罪…無…罪…

ちょっと風呂行ってきます

>>718様
はい、そのままの身体です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 18:24:29.51 ID:6xCbkVmSO<> ギルティーですのコクン <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/22(土) 18:30:14.76 ID:KXI3hiEAO<> やっぱりダメか…


十字教は愛する人に嘘をつくのが何よりも大罪だから、浮気したら体位から回数から全て教えなければならない掟があったような <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 18:51:25.27 ID:6xCbkVmSO<> 何その新手の羞恥プレイ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 19:11:34.87 ID:EqnubWRh0<> タイガーウッズを思い出す <> アセロラ<>sage<>2012/12/22(土) 19:28:43.63 ID:1Ld7OPhB0<> まさか上xトーのアッーな展開になってしまうのか?
誰得だよ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 20:06:29.93 ID:AUSLkh3V0<> 《上トーは…>>1得…かな…でも個人的にはオートーの方が…多分書きませんが》


オッレルス「…これが死体じゃなくなるとしても、気持ち悪いと感じるかい?」

黒夜「は?」

黒夜海鳥は、オフィーリアが自殺する瞬間を見ている。
何の疑問も恐怖も無く、淡々と自殺行為を行っていた。
故に、彼が抱えているそれは確実に死体である筈なのだ。
『虚空年代記』が無理やり生かしている現状、仮死体と呼んで差し支えない。
状況そのものを気味悪がる黒夜に構うでもなく、オッレルスは彼女の指に触れた。
かつて、自分が無残にも爪を剥いだ指。
そんな指を撫で、隻眼の青年は退屈そうに彼女の復活を待った。
まだまだ時間はある。彼女が戻って来る頃には、全て済んでいるだろう。

オッレルス「…それにしても」

この自分に、身体を明け渡すとは。
脳を砕かれれば流石に本当に死んでしまうというのに、そんな危険は感じなかったのだろうか。
そもそも、彼女は自分の死へロクに恐怖を感じていないのかもしれない。

不意に、体温が戻る。
所謂植物状態だった患者が目を覚ますように。
ゆっくりと、目を開ける。

フィアンマ「ん、…おー、でぃん?」

オッレルス「そうだよ。…正確には違うが、まぁ良いか」

フィアンマ「……ん」

眠そうな顔をして、オフィーリアは指先を動かす。
ベッドに血液で陣を描けば、徐々に身体が修復されていく。
ついでにオッレルスも手伝ってやりながら、問いかけた。

オッレルス「エイワスに交渉をして、アレイスターの所まで行ってきたんだろう? 無事戻ってきたということは、うまくいったのか」

フィアンマ「>>728」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 21:11:06.22 ID:gdiejDsk0<> はいはい加速加速 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 21:14:26.60 ID:6xCbkVmSO<> …何で、私はお前の顔なんか見てるんだ…?胸糞悪い。

ん?何故私は肉体離脱前と違う服を…


まさか、魂が入れ替わった…?←中身ウッルル <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 21:20:45.50 ID:AUSLkh3V0<>
フィアンマ(オティヌス)「…何で、私はお前の顔なんか見てるんだ…? 胸糞悪い」

オッレルス「……」

大きなショックを受けかけ、寸前にオッレルスは眉を潜める。
普段の彼女であれば、まず言わない言い方だ。
そして、彼女の一人称が『私』となることは、まずありえない。

フィアンマ(オティヌス)「ん? 何故私は肉体離脱前と違う服を…まさか、魂が入れ替わった…?」

オッレルス「…今月の私の一番の嘆きだよ。こちらも胸糞悪い」

ため息を漏らし、オッレルスは状況を把握する。
口調、自らに対する嫌悪感。
それらを総合して導き出されるのは、魂の入れ替わり。
精神がオティヌスである人間とは視線も合わせたくなかったオッレルスだが、オフィーリアの身体は離したくない。

フィアンマ(オティヌス)「どういう事だ」

オッレルス「それはこちらの台詞だ。…精神を用いる術式でも使用していたのか? はた迷惑な女め」

オーディンそのもの、といった痛烈な言い方に、オティヌス、もといオフィーリア…正しい呼称であればやはりオティヌスと呼ぶが正しいか。
彼女は嫌悪感甚だしい、といった様子でオッレルスを睨む。

オッレルス「…という事は、彼女はお前の身体にいった、…そうとも言い切れないか。仮にそうだと彼女が穢れる…」

フィアンマ(オティヌス)「…本当に殺してやろうか、貴様」

オッレルス「肉体離脱をする必要があったのか?」

フィアンマ(オティヌス)「>>731」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 22:06:29.05 ID:qPBAQ8//o<> またなんとややこしいというかめんどくさいことにするの好きだなお前
安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 22:11:45.11 ID:6xCbkVmSO<> でなければ死ぬ可能性がある魔術など施行しない。

というかいい加減離せ。その薄汚い手で触るなオーディン。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 22:24:22.31 ID:AUSLkh3V0<>
フィアンマ(オティヌス)「でなければ、死ぬ可能性がある魔術など施行しない」

舌打ちせんばかりに、オティヌスは苛立った声で言う。
そんなこともわからないのか、と言わんばかりの態度で。

フィアンマ(オティヌス)「というか、いい加減離せ。その薄汚い手で触るなオーディン」

オッレルス「私も触っていたくはないが、彼女に身体を守っていてくれと頼まれている。離す訳にはいかないな」

フィアンマ(オティヌス)「……」

オッレルス「…それに、この身体は私のものだ」

機嫌の悪そうなオッレルスは、それでも彼女を離さない。
魔術師とは、己が信念や信義に基づいて生きている人間だ。
つまり、どこまでも強情で、そうそう意見を変える事など無い。

フィアンマ(オティヌス)「…一時的に私が引き受ける」

オッレルス「……」

これ幸いとばかりに手を離すオッレルス。
正に、この両者は天敵だった。

黒夜「…二重人格か何か?」

オッレルス「いいや、そうではない」








トールとまたも行為に及んでしまった上条は、どん底にまで落ち込んでいた。
上機嫌なトールとは対照的に、罪悪感で心がいっぱいいっぱいだった。

上条「…はぁ」

トール「そんなに落ち込む必要あんのか? …彼女は彼女で、誰かとよろしくヤってるかもしれないぜ?」

罵倒ではなく、可能性の模索。
悪意の無い言葉に、上条は怒る事も出来ないまま、落ち込んだ。

上条「>>734」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 22:25:56.53 ID:6xCbkVmSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 23:26:06.20 ID:nmpaQRj30<> オフィーリア…会いたい… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 23:31:08.54 ID:nmpaQRj30<> オフィーリア… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/22(土) 23:40:55.15 ID:AUSLkh3V0<>
上条「オフィーリア…会いたい…」

トール「駄目だこりゃ…」

うう、と毛布の中にくるまる上条は、正直情けない。
アルマジロっぽいな、と思いつつ毛布越しに上条を突っつき。
トールはそれでも、オフィーリアを探してあげようとはしない。
別に妬いているだとかそんなくだらない理由ではなく。
彼女が上条の身辺警護をわざわざ自分に任せるということは、水面下で何かが起きていると考えたからだ。
本当に上条が心配なら、彼女本人が上条の傍に居て守れば良い。
喧嘩をしているから帰れない、などといったひ弱なメンタルをしていては、魔術師等務まらない。

上条「オフィーリア…はぁ…」

トール(…ま、連絡しないって事は…話したくない内容なんだろうな。…心配しなくても、オーディンがいってそうなもんだ)

自分は自分の仕事をこなすべきだろう。
そう考えながら、トールはぽんぽんと上条の頭を撫でるのだった。





オティヌス(フィアンマ)「…困ったものだ」

彼女は一人、困惑していた。
恐らくオティヌスも同時に肉体離脱系の術式を行使していたのだろうが、まさか入れ替わるとは。

オティヌス(フィアンマ)「……」

周辺を見渡し、状況を確認する。





オティヌスが命の危険を犯してまでやろうとしていたこととは>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/22(土) 23:51:11.83 ID:6xCbkVmSO<> 可愛い可愛い拾った死にかけ子猫を救うための魂連れ戻すため <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 00:34:12.67 ID:r4ORF5dY0<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 00:48:19.71 ID:BjlSUHrT0<>
彼女の足元に寄って来たのは、よろよろとした様子の子猫。
愛らしい容姿をしている、黒い猫だ。
だが、ほとんど死にかけている。もしや、この子猫を救う為に、オティヌスは命を賭したのか。
真偽は不明なもののそう判断すれば、オフィーリアが取る行動は簡単だった。
彼女はそっと子猫の顎下を優しくくすぐった後、ポケットの中に手を突っ込んで取り出したチョークを使って陣を描いていく。

オティヌス(フィアンマ)「一度蘇らせてしまえば後は治療を施すだけだ」

陣の中央でお座りをした子猫の身体の怪我が、徐々に治っていく。
現在地は、オティヌスの隠れ家のほど近い場所だった。
ほぼ完全に治った子猫を抱っこし、彼女は隠れ家の中に入る。
オーディンもトールも学園都市に居るのだから、当然、そこにはサローニャしか居なかった。

サローニャ「お帰りちゃん。子猫ちゃんは?」

オティヌス(フィアンマ)「無事治ったようだ」

子猫「うみゃー」

サローニャ「良かった」

ほのぼのとした空間。
先程までエイワスと共にアレイスターと交渉していた時の緊張感が嘘のようだ。

オティヌス(フィアンマ)「……、」

サローニャに言うべきか。
言ってどうなるというのか。

サローニャ「そういえば」

オティヌス(フィアンマ)「ん?」

サローニャ「>>741」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 00:56:38.88 ID:r4ORF5dY0<> いつまであなたはそのままなのかな? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/23(日) 01:15:09.79 ID:BjlSUHrT0<>
今日はここまで。
お疲れ様でした

安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 01:16:25.37 ID:FrPTLf2SO<> 乙安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 01:33:41.05 ID:hQYsGI0S0<> なんでフィアンマちゃんなの?


え?なんでわかったか?
口調かなぁ…あと無意識に俺様って言ってるし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 01:34:15.69 ID:hQYsGI0S0<> なんであなたはフィアンマちゃんなの?

ですスマン <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 12:55:48.01 ID:Fz7p/qS60<>
サローニャ「何であなたはフィアンマちゃんなの?」

オティヌス(フィアンマ)「…、」

何故わかったのか。
表情に出ていたのか先に察知したのか、サローニャは肩をすくめる。

サローニャ「え? 何でわかったか?」

オティヌス(フィアンマ)「俺様もオティヌスも口調は似ていると思うがね」

サローニャ「そうでもないよ。明らかに…口調かなぁ…あと、無意識に俺様って言ってるし、バレバレちゃん」

オティヌス(フィアンマ)「そうか。…まぁいい。……俺様も何故こうなったかはわからん。混線してしまったようだ」

サローニャ「…ご愁傷様ちゃん?」

子猫を解放して寝かせたオフィーリアへ、サローニャはコーヒーを手渡す。
差し出されたカップを大人しく受け取り、静かに啜る。
脅迫と交渉の結果、アレイスターに要求を通す事は成功した。
問題は、この後どうするか。仮にお互いが肉魂分離術式をもう一度使ったとして、元に戻れるのだろうか。
もしや一生このままなのでは、という思考に至る彼女をサポートする『預言』は、オティヌスの体内には存在しない。
そんな訳で、オフィーリアはオティヌスの身体でがっくりと項垂れた。





オッレルス「困ったな。吐きそうだ」

オティヌス、もといオフィーリアの身体から距離をとりつつ、オッレルスはショックを受けた声音でぼやく。
確かに、(彼の中で)妻の身体を(彼の中で)小悪党に盗られてしまっては、ショックでも仕方が無い。
ぼやいている割に表情がさっぱり変化していないのは、さすがは元魔神といったところか。

オッレルス「…早く出て行け」

フィアンマ(オティヌス)「…>>747」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 15:39:48.76 ID:FrPTLf2SO<> 出ていけるもんならとうに出ている。

魂の入れ替わった体での術式行使などできんわ。私の術式はオフィーリアの肉体とは合わないし、組めない。

…そういえば、今私はオフィーリアなんだよな…おい、ちょっと私のサンドバックになれ。罪滅ぼしと鬱憤ばらしに付き合うって事で。
オフィーリアに殴られるならお前も嬉しいだろ?うん? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 15:56:07.54 ID:YO3QJcAE0<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 16:07:12.69 ID:HpTkNoPU0<>
フィアンマ(オティヌス)「…出ていけるもんならとうに出ている」

はぁ、と現魔神は深いため息を吐き出す。
彼女とて、好きでオフィーリアと入れ替わった訳ではない。

フィアンマ(オティヌス)「魂の入れ替わった体での術式行使などできんわ。私の術式はオフィーリアの肉体とは合わないし、組めない」

誰にでも扱える一般的な魔術であれば、ともかく。
魂と肉体を分離させる術式は、個人個人のやり方に依存する。
個人が組みあげたということは、即ち、その内容は各個人の体質による。
よって、オティヌスがいくら望もうとも、そう簡単に元に戻る事は出来ない。
現状、彼女が出来るのは、オティヌスの身体を使用しているオフィーリアがここへ来る事だ。

そして、はたと。

彼女は気がついた。

フィアンマ(オティヌス)「…そういえば、今私はオフィーリアなんだよな」

どこか楽しそうに、そして悪い笑みを浮かべて。
彼女は、オッレルスを見やった。

フィアンマ(オティヌス)「…おい、ちょっと私のサンドバックになれ。罪滅ぼしと鬱憤ばらしに付き合うって事で」

オッレルス「何故私が」

フィアンマ(オティヌス)「オフィーリアに殴られるならお前も嬉しいだろ? うん?」

オッレルス「彼女本人にであればともかく、お前に殴られてもな」

嬉しいかどうかを否定しない辺り何ともいえない、と第三者である黒夜とシルバークロースはうっすらと思う。

フィアンマ(オティヌス)「許容しろ。素直に殴られておけ」

オッレルス「…好きにすれば良い」

考え方を変えたらしいオッレルスは、口元を歪ませた。
術式をロクに扱えないオティヌスのパンチなど、猫の拳程度にしか感じない。
考え方を転換させることで眼前の状況に対応する彼の精神は、そもそもまともではない。




そんな訳で、数時間程オティヌスがオッレルスの背中を蹴っていたところ。
ドアが開いた。入ってきたのは、オフィーリアが中身をであるオティヌスだ。

フィアンマ(オティヌス)「おや」

オティヌス(フィアンマ)「…何をしているんだ」

フィアンマ(オティヌス)「…鬱憤晴らしだ」

オッレルス「お帰り」

オティヌス(フィアンマ)「上手くいったよ。問題は無い。……現状が既に問題だが」

オッレルスはもう一度考え方を変えたらしい。
立ち上がり、汚れを払った後、彼はオフィーリアに近づき、つまり、オティヌスの身体を抱きしめた。
オフィーリアの身体よりも、魂に価値の比重を置いたらしい。

オッレルス「魔神の身体では、転移術式にも苦労しただろう。怪我はしていないか」

フィアンマ(オティヌス)(離れろ、吐く……! ううう)

オティヌス(フィアンマ)「>>750」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 16:28:15.57 ID:FrPTLf2SO<> ゴジダ・ツージさんがおおはしゃぎだなww

安価なら

何だ、急に抱きしめて。


…心配してくれるのは嬉しいが、離れてくれ。

…流石に自分(オティヌス)が嘔吐してるとこを見たくない。 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/23(日) 16:35:52.62 ID:pTMqVfaAO<>
やり直したい…やり直したいよ……

ちょっと誤字脱字多くてすみません…申し訳ないです どうか目を瞑ってください…

安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 16:47:59.41 ID:suQBYUPf0<> >>749

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 21:06:32.39 ID:H1C6D5h50<>
オティヌス(フィアンマ)「何だ、急に抱きしめて」

きょとんとしながら、彼女はついうっかり普通に抱きしめ返そうとして。
オッレルスの背後に居る、自分の身体の様子に気がついた。
瞳いっぱいに涙を溜め、嫌悪感からか口元を手で押さえて唸っている。

オティヌス(フィアンマ)「…心配してくれるのは嬉しいが、離れてくれ。…流石に、"自分"が嘔吐しているところを見たくない」

オッレルス「…まったく、私の邪魔しかしないな」

目障りそうにオティヌスを見やり、渋々、といった様子でオッレルスは離れる。
オティヌスは帰ったら何度も身体を洗おうと堅く自らに誓いつつ、オフィーリアを見やった。
もう慣れてしまったオティヌスとは違い、隻眼に慣れないのか、ふらふらとしている。
物を平面的にしか見る事が出来ないのが辛いのだろう、彼女は軽く壁に寄りかかって目を閉じた。

オティヌス(フィアンマ)「状況を整理しようか。俺様はとある事件を解決する為に肉体離脱を行った」

フィアンマ(オティヌス)「私は私で…子猫を救う為に肉体離脱を行っていた。…そういえばあの猫はどうなった」

オティヌス(フィアンマ)「心配せずとも、治療した後、サローニャに任せてきた」

フィアンマ(オティヌス)「そうか。…ん? 私の身体を使って魔術を?」

オティヌス(フィアンマ)「そうだとも。可能性の問題で、治療に失敗しかけたが」

オティヌスは、オフィーリアの身体を使えない。
オフィーリアは、概ねオティヌスの身体を使いこなしている。
その事が何故だか魔術師として劣っているかのようで、オティヌスはぎりぎりと歯ぎしりをする。

オティヌス(フィアンマ)「…しかし、困ったな。この状態で生きていく訳にもいくまい」

他者の知識を自分のものとして扱う事には慣れているのか、オフィーリアはオティヌスの知識を引用する形でうんうんと考える。
対して、オティヌスは『預言』による干渉に慣れないのか、苛立った様子だった。

オティヌス(フィアンマ)「解決策は考えるが…やはり、ここは古典的に両者の頭をぶつけるべきか」

オッレルス「>>754」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:16:13.10 ID:WbylP1DDO<> 君(フィアンマ)は魔術を行使できるのだろう?
ならばコイツ(オティヌス)が[ピーーー]ば良いだけの話ではないのか、死んで邪魔な魂が抜けたのであればそこに入るくらい造作もないはずだ
それに元は君自身の体なのだからなにもせずとも肉体に引かれることだろうしな
安価下 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:19:32.23 ID:nbKw88zj0<> それ採用 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 21:30:41.87 ID:H1C6D5h50<>
オッレルス「それを採用しよう」

こくりと頷いた彼は、あんまりやる気がなかったりする。
諦念とでもいうべきだろうか。何だかんだで精神的ショックを数回受けたからかもしれない。
冗談半分に言ったオフィーリアはその態度に苦く笑い、それでもダメもとで一回だけやってみるかという結論に至った。

オティヌス(フィアンマ)「という訳で、少し頑張ってみるか」

フィアンマ(オティヌス)「そんなファンタジー染みた事があってたまるか」

シルバー(魔術<オカルト>の時点でファンタジーだと思うが…)

オティヌス(フィアンマ)「やるだけやって、効果が出れば良いじゃないか?」

フィアンマ(オティヌス)「それはそうかもしれないが…舌を噛むなよ」

呆れたように言いつつ、オティヌスはタイミングを合わせる。
ごん、と両者の頭がぶつかった。

フィアンマ(オティヌス)「ぐ…!」

オティヌス(フィアンマ)「…い…、ひゃい…」

結果は明白だった。
要するに、そんなギャグ展開でどうにかなるほど、現実とは甘いものではなかったのである。
歯を食いしばって冷静に耐えるオティヌスに目もくれず、オッレルスは迷いなくオフィーリアの頭をさすった。

オティヌス(フィアンマ)「…やはりダメだったか」

フィアンマ(オティヌス)「常識的に考慮すれば当然だろう…」

大人しく頭をさすってもらい、痛みが落ち着いたところで接触を絶つと、オフィーリアは考え込む。
オティヌスと違って術式を用いる事は出来る為、やはり魔術で解決するしかないかもしれない。

オティヌス(フィアンマ)「…あれをやってみようかと思うのだが」

フィアンマ(オティヌス)「『あれ』?」

オティヌス(フィアンマ)「術式の応用だよ」

フィアンマ(オティヌス)「元の効果は」

オティヌス(フィアンマ)「>>757」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:33:22.06 ID:nbKw88zj0<> 魂の入れ替え <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:34:25.01 ID:sM46gJtK0<> 次元連結システムのちょっとした応用的な何か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:35:29.18 ID:sM46gJtK0<> あ、ヤバイ、当たっちゃった…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:39:41.64 ID:nbKw88zj0<> >>758

当たるのが嫌ならしっかり更新してから書き込もうか <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 21:43:52.90 ID:H1C6D5h50<>
オティヌス(フィアンマ)「次元連結システムのちょっとした応用的な何か、だ」

フィアンマ(オティヌス)「的な何か…適当過ぎるだろう。アバウトにでも説明しろ」

オティヌス(フィアンマ)「…というよりも、セフィロトの理論を応用した大規模代替術式だよ」

フィアンマ(オティヌス)「なるほど。…失敗すると周辺の人間を巻き込んで"シャッフル"が始まるぞ?」

オティヌス(フィアンマ)「下準備の徹底をすれば危険である恐れは低い。…そうか、俺様は現在幸運体質ではないのか」

困った、とため息を吐きだし。
迷いながら、オフィーリアは視線をそこかしこに走らせる。
ベッドの上に散らばる血液を見て何かを掴んだのだろうか。
ぴこーん、と名案が浮かんだところで、オティヌスが倒れた。
『死んでから蘇生』というのはなかなかに生命力を消費するので、疲れ果てていたのかもしれない。
オティヌスというよりも、そもそものオフィーリアの身体が。
如何に『世界を救える程の力』を秘めていようと、力を生み出すには相応の時間がかかる。

オッレルス「…何か準備が必要なら、しておこうか」

オティヌス(フィアンマ)「すまないな。俺様はひとまず、術式を組み立て直す」

黒夜「…結局、うまくいっちまったのかよ」

オティヌス(フィアンマ)「あぁ。俺様の辞書に不可能の文字はほとんど無い」






二日経った。
未だ、オフィーリアは帰ってこない。
電話は来ないし、メールの一通も寄越してくれない。
けれど、だからといって生活全てを放り出す訳にもいかないので。
昨日トールを追い出した上条は、朝食を作ろうと起きだしたのだが。

上条「…何でお前が飯作ってんの?」

トール「>>762」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:44:41.41 ID:sM46gJtK0<> いや、更新したんだがな……>>757が表示されなんだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:46:11.58 ID:sM46gJtK0<> oh......>>756だった……。
安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 21:47:11.60 ID:nbKw88zj0<> 精力付けてもらわないとつまらないからな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 21:58:10.78 ID:H1C6D5h50<>
トール「精力付けてもらわないとつまらないからな」

上条「つまらないってお前…あのな。昨日帰れって言っただろ」

トール「言ってたな」

上条「言ってたなって、」

トール「こっちはこっちで理由があんだよ。いいだろ、減るモンじゃあるまいし。どうせ、あの子が此処に居たら二人分の朝食が食卓に出されて、二人の胃袋に消えるんだしさ」

上条「……」

『行為』に及んでしまったこともあり、上条はトールにあまり強く言えなかった。
言おうと思えば言えるのだが、そもそも暴力を振るって追い出すレベルまで嫌いという訳でもなく。
セックスの事を除けば、彼は概ねクセが強いだけの良い友人であったりする。
作ってあった朝食は、一般的な洋食のそれだ。
簡易的なサラダやトースト、添えられたジャム、炒められたウインナー、ふわふわとしたスクランブルエッグ。
存外料理上手なんだな、と目を見張る上条に、トールは肩をすくめて笑ってみせた。

トール「女に化けて近づく関係でな。所謂『女の仕事』は出来るように練習した」

上条「何か、変装ってのも大変なんだな…」

トール「同情すんなら一発ヤってくれよ」

上条「あのな」

トール「冗談冗談。さ、食おうぜ」

身辺警護というのは、上条の自殺を食い止める事も入る、とトールは考えている。
だから、あまり彼を落ち込ませておく訳にもいかない。




試行錯誤を重ねた結果。
『虚空年代記』が機能を取り戻すまで、オフィーリアは記憶喪失になってしまった。
幸いなのは、両者が元の身体に戻れたというところか。
もう安全であるという判断を下した彼女は、術式の直前、オティヌスにシルバークロース達のことを頼んだ。
彼らは現在、ようやく病院に行き、治療を受けている。
彼らが退院する頃には、『置き去り』用の施設などが出来上がっている事だろう。

そんな訳で。
清掃を終えたホテルの部屋の中、オッレルスは少し困っていた。
『虚空年代記』が機能を取り戻し、彼女を元に戻すには後三日か四日、或いは一週間程かかってしまう。

フィアンマ「……誰なんだ」

毛布に隠れ、じー、と見つめてくる目は純粋だ。
何歳頃までの記憶しか無いのか、はたまたまったく記憶が無いのかはさておき。
少なくとも、上条やオッレルス、オティヌス達については知らないようだ。

フィアンマ「…誰だ。俺様とはどういう関係性の人間なんだ」

オッレルス「>>766」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 22:11:23.43 ID:r4ORF5dY0<> 私はお前の好敵手だよ…
そしてお前は私の数少ない友人だ
あと上条当麻の婚約者と言ったところか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 22:20:28.21 ID:FrPTLf2SO<> 置き去りのための施設を建てるもしくは買う、借りる費用、土地、建築費用、もしくは改装費用はどこから捻出したんだ…

安価なら

夫だキリッ


……いや嘘だ。君と友じ………

君のご主人様だキリッ

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 22:31:30.16 ID:H1C6D5h50<> 《>>766様 ヒント:オフィーリアちゃんのポケットマネーと脅迫》


オッレルス「夫だ」

キリッ、という効果音でもつきそうな程の、言い切り。
彼の中ではそれこそが真実なのだから、言いよどむ必要は欠片も無い。

フィアンマ「…おっ…?」

首を傾げ、ますます警戒心が高まったのか、オフィーリアは毛布に隠れる。
オッレルスは仕方なく言い直そうとして。

オッレルス「……いや、嘘だ。君と友じ………」

言いかけて、やっぱり気が変わる。
どうせ一週間したら彼女は元の状態を思い出してしまうのだ。
今、どんな事を吹き込んでも上塗りされるのだから、構うまい。

オッレルス「君のご主人様だ」

フィアンマ「…主人。…俺様は奴隷じゃない」

むすくれて、毛布から出てこなくなる。
そんな彼女へ、彼は優しい声音でしれっと嘘を吹き込んだ。

オッレルス「要するに、だから、夫だよ」

フィアンマ「…結婚した覚えが無いのだが」

オッレルス「紆余曲折あって、君が記憶喪失だからだ」

フィアンマ「…記憶喪失…」

これに関しては事実である。
人は、事実を交えた大げさな嘘に弱い生き物だったりする。

フィアンマ「…どのようにして結婚したんだ」

そして彼は、騙す事に長けていた。

オッレルス「君と出会ったのが四年前だ。魔術師であった君と私は最初こそ敵同士だったものの、数度の交流を経る内に親交を深めていった。君が組織から追放される際に私が身元を引き受け、その後、交際がスタートしたんだ。交際期間は割と短かったかな。君が一人は嫌だと落ち込んだ夜に、プロポーズをして、受け入れてもらった。指輪も贈ったんだが、紆余曲折あって…無くなってしまったようだね。それでも、君が私の妻である事には何ら変わり無いよ」

大嘘もいいところである。
のそ、と顔を覗かせて、オフィーリアは首を傾げた。
理路整然としている上に、彼の表情は真面目そのもの。
信用に足る、と判断したようだ。

フィアンマ「…俺様とお前が婚姻関係にあるのなら、何故子供が居ないんだ?」

どうやら、彼女の中では夫婦は子供をなしているというセオリーのようなものがあるらしい。

オッレルス「>>769」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/23(日) 22:41:21.88 ID:FrPTLf2SO<> …代理出産という形だが、いた。

…殺されたがね。上条当麻という日本人の少年に…

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 22:43:18.54 ID:r4ORF5dY0<> 冗談だ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 22:55:36.22 ID:H1C6D5h50<>
オッレルス「冗談だ」

フィアンマ「…冗談?」

オッレルス「婚姻関係には無いんだ」

フィアンマ「…違うのか」

オッレルス「籍は入れていない。だから、子供も作っていないよ」

フィアンマ「…子供は神から授かるもので、作るものではないのだが」

む、とむすくれるオフィーリアの頭を撫でて、オッレルスは困ったように少しだけ笑った。
このタイミングなら、沢山の事を吹き込めた。
上条当麻との関係をズタズタにして、『虚空年代記』に機能復活を食い止めれば、彼女は完全に自分のモノになる。
けれど、彼はそうしなかった。
そんなことをしても、オフィーリアが幸せになれるとは思えなかったから。

だからといって自分の欲を完全に封じるつもりはまったくないので、限定的な夫婦生活を楽しむ事には、した。






垣根と同じベッドで眠る事になんて、もう慣れた。
そう言い切ってしまいたいところだが、まだまだ彼女は慣れなかった。
それどころか、意識してしまって、垣根と妙な距離を取ってしまっている。
交際を開始したというのに、これではまるで喧嘩しているかのようだ。
現在は垣根弟を間に挟んで手を繋いでいるものの、垣根弟が居なければ距離を空けてしまう。

垣根「北海道の寒さってどれぐらいで慣れるモンなのかね。ま、どうでもいいか。何処か行きたい場所ねえの?」

麦野「…>>772」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 23:06:26.88 ID:r4ORF5dY0<> 小樽 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 23:13:41.99 ID:FrPTLf2SO<> 月の輪熊と戦える所ならどこでも


安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 23:30:24.43 ID:YO3QJcAE0<> 美味しい鮭料理の店 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/23(日) 23:46:57.64 ID:H1C6D5h50<> 《>>770 ×『虚空年代記』に ○『虚空年代記』の》


麦野「…美味しい鮭料理の店」

垣根「ブレねえな」

垣根弟「ブレない、とカキネは復唱及び賛同した」

麦野「良いじゃない。美味しいじゃない、鮭。あんたが私を鮭好きにしたんだから、責任とりなさいよ」

垣根「はいはい」

麦野「はいは一回」

垣根「はいよ」

言った後に、恥ずかしい事を言ったと顔を赤くして黙り込む麦野の姿は、垣根でなくても可愛いと思う事だろう。
つん、とそっぽを向きながらも、彼女は勝手に歩いて行かない。
旅行が終わって学園都市に帰ったら、結婚式場などを選定しよう、と垣根は思った。
多分、彼女とならやっていけるはずだ。

麦野「…でも。……もう、そんなに鮭に躍起にならなくても、良いのかもね」

つぶやきを、垣根は聞き漏らさなかった。

垣根「俺に会えたからか?」

麦野「…そうよ」

ぷい、とそっぽを向く様は、やっぱり可愛くて。
垣根は、ほんわかと表情を和ませた。







『グレムリン』の直接戦闘担当、雷神トールのお膝でお昼寝。

上条「…何で?」

トール「何が」

上条「何で俺、お前に耳掃除されてるんだ? っていうか、何でこんなに慣れてんの?」

トール「>>776」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 23:48:21.89 ID:YO3QJcAE0<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/23(日) 23:48:25.69 ID:FrPTLf2SO<> どちらの質問に対しても、俺から言えるのは一つだ。『言わなきゃわかんねーか?』だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:01:51.95 ID:Cg5MEKqSO<> 上条(わかんねーから聞いたのに何言ってんだコイツ………) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 00:03:52.74 ID:LiO8ghXo0<>
トール「どちらの質問に対しても、俺から言えるのは一つだ。『言わなきゃわかんねーか?』だ」

トールは、上条の身体が好きである。
だが、上条個人の事も、友人程度には好きだ。
なので、こうした行為について、深く考えない。
好きな相手には優しくしたいと思うのが、人間というものだ。
それにも関わらず、わざわざどうしてこんな事をするのかと聞くのは野暮が過ぎるのでは、とそういうことだ。

上条「……あのさ」

トール「あん?」

大人しく耳掃除してもらいながら(下手に動くと耳の粘膜が傷つくというのもあるが)、上条は呼びかける。
疲れた顔だった。オフィーリアが居ない事が、余程精神的に堪えてしまっているのか。
トールに身体を任せた上にこうして甘えてしまっているのだから、上条本人が思っているより、深刻なのだろう。
せめてメールの一つでも寄越してやれば良いのに、とトールは思う。

上条「お前、俺の事好きなの?」

トール「>>780」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:06:07.67 ID:QIsGVQAB0<> 好きだが?
もちろん友人としてだけどな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:07:22.04 ID:RXLpyWM10<> >>779

あとセフレ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 00:14:46.59 ID:LiO8ghXo0<>
トール「好きだが? もちろん、友人としてだけどな」

上条「…」

トール「あとセフレ」

上条「…」

トール「…え、っていうかマジにお前の事が好きでー、とか告白始めたらどうするつもりだったんだ?」

上条「謝ろうと思って」

トール「どん底に落ち込み過ぎだろ」

オフィーリア本人に禁じられている以上、トールはオフィーリアに化けて彼を慰める事は出来ない。
それ以外に上条のローテンションをどうにかする方法が無いので何ともならない。
耳掃除を終えて綿棒を捨て、トールはつんつんと上条の髪で遊ぶ。

上条「……はぁ…」

この年齢で、しかも彼女持ちでセフレが居るという事実。
今更ながらにそれが重たくのしかかってきて、上条は項垂れる。
いつから自分は、こんな、平凡とかけ離れた人間になってしまったのだろうか。

上条「…オフィーリアを捜す事とかって出来ないのか? サーチ系魔術…だっけ」

トール「>>783」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:16:51.95 ID:J6jw04yH0<> そっち系の術式はあまり得意じゃない <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:21:42.54 ID:QIsGVQAB0<> 出来るには出来るが、
曖昧にしかわかんないぞ? <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 00:30:28.80 ID:LiO8ghXo0<>
トール「出来るには出来るが、曖昧にしかわかんないぞ?」

上条「…どれ位の精度なんだ?」

トール「…日本地図出してきて、どこどこの都道府県、って赤ペンで囲める位?」

上条「学園都市内かどうか、しかわかんないってことか」

トール「そうなるな」

上条「やるだけやってもらっても良いか?」

トール「良いけど」

色よい返事をしたトールは、持ち合わせの材料で探知術式を発動する。
学園都市の中、という結果は出たものの、それ以上の絞込みは出来ない。
だが、ひとまずは同じ学園都市内に居るとわかり、上条はほっと胸をなでおろす。
同じ『恋人が連絡を寄越さない』にしても、近くの何処かと名も知らない国の何処かでは違う。

トール「しっかし、長い事何処に居るんだろうな。喧嘩って、そんなに酷い事言ったのか?」

喧嘩という理由のみで彼女が帰ってこないということは無いだろうと思いつつも、意地悪くトールは問いかける。

上条「>>786」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:33:46.78 ID:J6jw04yH0<> スキルアウトからカツアゲされている人を助けたときにナイフで切られた傷を見られて……
その時にあまり危険なことに首を突っ込むなって言われて <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:35:53.47 ID:J6jw04yH0<> 途中で送信しちまったorz
そっから売り言葉買い言で……←これを追加で <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:39:38.72 ID:Cg5MEKqSO<> ファーストキスがお互いじゃなかった事とか、俺がトイレ開けっ放しで用をたすのがいやだとか、ゴミ箱にゴミ投げて入らなかったらそのまんまとか、食事中に携帯いじるなとか、毎朝早くから本格お祈りをやりだすんじゃねーよとか、御飯のおかずが一品しかないとか… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 00:47:41.08 ID:LiO8ghXo0<>
上条「スキルアウトからカツアゲされている人を助けたときにナイフで切られた傷を見られて……」

トール「あー、当麻らしいな」

上条「その時にあまり危険なことに首を突っ込むなって言われて…」

順々に思い出していく。
本当に、些細な、些細過ぎるきっかけだった。

『仕方無いだろ、困ってたんだから』
『だからといって当麻が怪我をしてまで助ける必要があったのか』
『なら、見捨れば良かったっていうのかよ』
『そんな事は言っていないが、』

上条「そっから、売り言葉に買い言葉で…」

『言ってるじゃねえか。何だよ、オフィーリアだって俺と似たような事してんだろ』
『それとこれとは別だろう?』
『俺の心配の言葉は聞き流してるクセに、自分の話は聞けってのか』
『聞き流してなどいない』
『わかったよ、次から困ってる人も苦しんでる人も見捨てるよ。オフィーリアがそうしろって言うなら、』
『…ッ、いい加減にしろ!!』

上条「…悪気は無かったんだ。オフィーリアが人助けして怪我するのが嫌で俺が言った時、笑顔で聞き流してるように思えたから。…段々ヒートアップして、最終的に『このまま話していても埒があかない。頭を冷やしてくる』って言って出て行って…」

トール「で、現在に至るまで帰って来ない、と」

上条「…傷つけるつもりは無かったんだ。会ったら、すぐにでも謝るつもりでいる。オフィーリアが本当に言いたかった事も、わかってる」

トール「……」

言葉足らずなのか、言葉が多すぎるのか。
恐らく両方だろう、と結論付けて、トールはため息を飲み込む。

トール「…ま、その内帰ってくるだろ」

上条「…わからないだろ」

トール「たかが一回の喧嘩で帰ってこないとは思えないけどな。当麻が死んだ時のショックっぷりったら無かったんだぜ?」

上条「……」

そう言われても、落ち込むしかなくて。
上条は、毛布に顔を埋めた。





フィアンマ「まだ籍を入れていないということは、俺様とお前は婚約者なんだな」

解釈を口に出して納得し、オフィーリアはオッレルスにくっついていた。
彼女を誰も責められまい。何しろ、記憶が無いのだから。

フィアンマ「…俺様は、良い妻にはなれんぞ」

オッレルス「>>790」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 00:57:55.20 ID:QIsGVQAB0<> 別にいい
お前の婚約者は私ではなく、別の人だ

だから気にしなくていいのだよ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:02:55.17 ID:J6jw04yH0<> 上 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:03:07.59 ID:Cg5MEKqSO<> いい彼女だったから問題ないな。
それより、この婚姻届にサインを頼む。拇印で構わないから。判子もだ。
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 01:12:47.18 ID:LiO8ghXo0<>
オッレルス「別にいい」

フィアンマ「?」

オッレルス「お前の婚約者は、…私ではなく、別の人だ」

フィアンマ「…どういう、」

オッレルス「だから、気にしなくて良いのだよ」

オフィーリアは、今の言葉を噛み砕いて考える。
『預言』の先導や補填が無い彼女は、純粋だ。
例えば、小学校低学年の、ちょっとませた女の子程度の思考力。

フィアンマ「………」

オッレルス(…まあ、俺と結婚しても幸せにはなれないだろうし、)

フィアンマ「…俺様は、良家の出身だったのか。それで、婚約者が別にいたところを攫われて駆け落ちしてきたと…?」

オッレルス(斜め上の発想に至ったのか…)

フィアンマ「…苦労させたな」

オッレルス「いや、そうでもないよ」

フィアンマ「そうか。道道ならぬ恋だったのか。…なのに、…俺様は記憶を喪ったのか…」

何と情けなく、申し訳無い事だろう。
感情の高ぶりによって、ショックも手伝い、彼女は落ち込みつつ涙を零した。

フィアンマ「…だが、実際に俺様を守ってくれたのはお前なんだろう?」

オッレルス「そうだね」

事実は確かにそうである。
だが、それは数日間に限ったことだ。

フィアンマ「ならば、俺様はお前と結婚するべきだ。記憶は無いが、今から作れば良い」

生真面目さが悪く出る。
男でいうところの『子供が出来ちゃったんだから責任取って俺と結婚しよう』のような重さでの発言。

オッレルス「…、…>>794」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:14:25.00 ID:QIsGVQAB0<> ふざけんな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:16:11.96 ID:J6jw04yH0<> まあそうあわてるな
……困ったな
早く記憶を戻さないと間違いを犯しそうだ
<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 01:30:05.75 ID:LiO8ghXo0<>
オッレルス「…、…まあ、そう慌てるな」

純粋というのは、時に悪い方向に出る。
誰を騙しても罪悪感を感じないオッレルスではあったが、澄んだ瞳には弱かった。

オッレルス「……困ったな。早く記憶を戻さないと、間違いを犯しそうだ」

まして、場所はホテルの一室である。
彼の中でオフィーリアは依然として妻なのだが、それと手を出すのはイコールに繋がらない。
『虚空年代記』の修復作業を行おう、と、オッレルスは決意した。




一週間と、少し。
麦野沈利が垣根帝督と共に学園都市へ帰還した日。
オフィーリアは記憶を取り戻し、ようやく上条に電話をした。
本当は帰りたいのだが、まだもう少しだけやる事がある。

フィアンマ「…もしもし」

オッレルスに再三謝罪と感謝の言葉を述べた彼女は、携帯電話の受話口に耳をあてている。
前述の彼は、トールを連れて戻るべき場所へ戻ってくれたようだ。
つまり、上条とオフィーリアは、ホテルで、或いは寮の部屋で、静かな状況だった。
仲直りをするには、最適な電話場所だろう。何しろ、落ち着いている。

フィアンマ「…当麻、」

上条『>>797』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:40:10.89 ID:QIsGVQAB0<> ごめん、オフィーリア…
言いすぎた
もう一度会いたい… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:42:29.78 ID:J6jw04yH0<> オフィーリア、またかけ直す
今駆動鎧の群れに追われてるから!! <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 01:50:02.25 ID:LiO8ghXo0<>
上条『オフィーリア、またかけ直す』

静かな状況で、あるはずだった、のだが。
まるで、トールが居なくなった瞬間を見定めるように、黒夜達とは別働隊。
或いは、アレイスターの意思すら無視するような人間達の、最後の足掻きか。

上条『今、"駆動鎧"の群れに追われてるから!!』

オフィーリアが思っていたように、彼は、怒っている訳ではなかった。
"最後の足掻き"に追い掛け回されるまま、逃げていた。
裏路地を走り、何処までも逃げていく。人通りの多い場所でも、容赦なく狙われた。

ぷつん、と切れた通話。
オフィーリアは淡々と、携帯電話をしまう。
正直、携帯電話を握りつぶしかけた。

彼女は今、上条を喪う事を何よりも恐れている。
彼の貞操よりも先に、命を守る為、トールを派遣したほどに。
オフィーリアは人を傷つける事を好まない。
殺す事も、好きではない。できれば、やりたくない。

だが、上条当麻を傷つけるのであれば、話は別だ。

フィアンマ「………」

ふらりと、彼女は諸手続きを済ませ、ホテルを出て行く。
上条は他人を巻き込む事が嫌いなので、裏路地を逃げているだろう。






上条「はっ、はぁ……! 何なんだ、あいつ等…ッ」

懸命に逃げる上条に、味方は居ない。
そして、彼はやがて、壁際まで追い詰められた。
もう、逃げる事は出来ない。拳一つで、駆動鎧に勝てる訳もない。
彼の右手が通用するのは、精々弱い不良か、異能の力なのだから。

上条「ッ…なん、なんで俺を付け狙う!」

駆動鎧『>>800』

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:52:39.36 ID:QIsGVQAB0<> お前は邪魔なんだよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:53:58.53 ID:Cg5MEKqSO<> …………。←上条の股間を撃ち抜く <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:54:01.74 ID:neJo7NMS0<> 解剖して研究するためさアハハハハハハハハハ!!!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:54:11.25 ID:J6jw04yH0<> 「幻想殺し」を学園都市との交渉材料にするためだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 01:55:52.61 ID:neJo7NMS0<> 股関… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:02:12.29 ID:J6jw04yH0<> 名実共にヒロインになっちまうな…… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 02:06:23.72 ID:LiO8ghXo0<> 《ああああああああああうわああああああああ股間はあああああああ》



駆動鎧『…………』

駆動鎧は、何も答えない。
答えないまま、無慈悲に銃を使った。
そして、上条の股間を撃ち抜いた。
意図的なものだったのか、どうかはわからない。
人体の急所を狙い撃つ事で、殺す算段だったのかもしれない。
そして、それは成功したかのように思われた。股間を撃ち抜かれて生きている人間は、稀だ。
だが、それは何かに阻まれた。トールの置き土産である。
急所は大事だからー、と冗談半分に挟まれた股間部の霊装が、ガキン、という硬質な音と共に防いだのだ。
辛うじて防がれたものの、銃を撃つ側の人間が心変わりした訳ではない。
続いて心臓を撃とうとしたところで、駆動鎧の腕が不自然な方向へネジ曲がる。

フィアンマ「……」

上条「…オフィー、リア…?」

彼女は無蔵さに駆動鎧の『中身』の腕ごと無理矢理に捻じ曲げて叩き折る。
群れ、と上条が表現しただけあって、多数居た筈なのだが、ほとんどが手足を居られていた。
まるで、ボイルしてある蟹を折るかのような、淡々と、作業染みた手つきで、オフィーリアは彼らを手足を折っていく。

フィアンマ「……もう、二度と奪わせてたまるか」

彼女には、何も見えていない。
上条の驚く顔は。見えて、いない。
彼女が見たのは、駆動鎧が上条に暴力を振るった所だけだ。

フィアンマ「俺様から当麻を奪うな」

ゴキブリでも潰すかのような、徹底的な暴力。
カニの中身を引きずり出すように、駆動鎧を折って、そのまま引きずり出す。
『中身』の入った腕が、ごろん、と上条の前に転がった。

フィアンマ「……して」

怒っているのかどうかすら、定かではない。

フィアンマ「…殺してやる」

ただ、殺意はあった。二回目だからこそ、我慢出来なかったのかもしれない。
『天使の力』を宿している彼女の手足は、無慈悲に彼等の手足を引き裂いていく。
いくつかの達磨を積み上げていきながら、彼女はリーダーと思われる一体に近寄った。
倒れている彼の腹を踏みつける。それは、オッレルスの暴力にも似ていた。







上条はどうする?(台詞可)>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:08:19.86 ID:Cg5MEKqSO<> 待ってくれ!とどめは俺に刺させてくれ!





ぶっちゃけホッとした <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:12:12.49 ID:J6jw04yH0<> 駆動鎧に振るわれたとどめの一撃を打ち消したあと気絶 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 02:19:38.59 ID:LiO8ghXo0<>
殺してやる。
有言実行と、彼女は何かをしようとした。
そしてそれは、駆動鎧達に振るわれるとどめの一撃だと、上条は理解した。
だからこそ、止める。壁を蹴って跳び、右手を突き出した。
ガラスが砕けるような音がして、とどめが打ち消された。
それと同時に、上条は意識を喪う。走っていた疲れや、緊張感などが影響したのだろうか。

フィアンマ「…当麻…」

彼女は駆動鎧達を放り、上条に近寄る。
どこも怪我をしていないと知れば、ほっと一息ついた。

フィアンマ「…良かった」

安堵しながら、優しく上条の髪を撫でる。
そして、壁に寄りかからせると、彼女は再び行動を再開した。





上条には見せられない血なまぐさい行為の後。
彼等は、『置き去り』がいなくなると困る研究者が金を出して雇った人間達だと判断した。
おぞましい行為の数々を受け、白状した先の研究者も諦めさせ。
こんな暴力を振るっているところは見られたくなかったな、と今更の内容で、オフィーリアは反省する。
殺していないからセーフ、という線引きをしながら。

そんな訳で、今度こそ、二人は家に帰って来た。
上条はすやすやとベッドで眠っている。

フィアンマ「………」

上条「…>>810」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:23:57.40 ID:J6jw04yH0<> 本当に股間が吹っ飛ばされたかと……
ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:27:00.40 ID:XQzr3Zni0<> ごめん…オフィーリア…ごめん…zzz <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 02:34:11.84 ID:LiO8ghXo0<> 《>>805 ×無蔵さ ○無造作》

上条「…ごめん…オフィーリア…ごめん…zzz」

フィアンマ「……謝るのは俺様の方だが」

言いすぎた。
お互いに、自覚はあった。
喧嘩の根底にあったのは、お互いへの心配の気持ちだ。
怪我をしてほしくない、言っても従ってもらえない。
そんなストレスが積もり積もって、ヒートアップしてしまった。
オフィーリアとて、事件が起きなければ素直に帰っていた筈なのだ。
なのに、一週間も経過してしまった。

フィアンマ「…すまなかった」

ぺた、と上条の頬に触れる。
先程破れてしまったズボンは、丸めて捨ててある。
トールには感謝するしかないな、とフィアンマは思った。
傍らにある、使用形跡のあるコンドームが入ったゴミ箱の事など、わかっていたが。

上条「ん…」

フィアンマ「…目が覚めたか」

上条「…オフィーリア」

上条は謝罪の言葉と共に、彼女の身体を抱きしめる。
強く抱きしめられ、オフィーリアは、上条の肩に頭をもたれる。

フィアンマ「…ただいま」

上条「………」

フィアンマ「…後は、…すまなかった」

上条「…何処行って、何してたんだよ…」

誤魔化すべきかどうか、視線を彷徨わせて悩む。

フィアンマ「…>>813」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:36:04.68 ID:Cg5MEKqSO<> それはこちらの台詞だ。お前こそドコで、ナニをしてたんだ?え?なぁおい? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:37:58.97 ID:5HFAhRhA0<> 当麻こそトールとよろしくやってたようだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:38:23.28 ID:QIsGVQAB0<> 正直に話そう
実は…

(話し終わったあと)
…というわけだ
すまないな
はは、これじゃ当麻を事を悪く言えないな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:38:46.68 ID:J6jw04yH0<> ちょっと学園都市暗部関連でトラブってて……
すまん、巻き込みたくなかったんだ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:40:12.57 ID:5HFAhRhA0<> トールと上条さんのHシーン見たくなってきた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:41:12.27 ID:J6jw04yH0<> 見たいような、見たくないような…
下 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 02:45:58.87 ID:LiO8ghXo0<> 《上条さんとトールくんはどっちが上なのかわからない…》



フィアンマ「…当麻こそ、トールとよろしくやっていたようだな」

上条「」

ぎく、と背筋がびくつく上条。
オフィーリアは、怒ってはいない。
にこ、と微笑み、首を傾げた。
可愛らしいが、上条にとっては愛らしい死神にも等しい。

上条「えっと…その…」

フィアンマ「…当麻?」

上条「…ご、ごめんなさい!!!! でした!!!!!」

上条が土下座するのと、『聖なる右』がそんな彼の頭上を通り過ぎるのは同時だった。

フィアンマ「…外したか」

上条「」

がくがくぶるぶる。
身体を震わせる上条の上へ、降り注ぐ参考書。
『聖なる右』によってグラついた本棚の中身である。

フィアンマ「…十字教には、掟がある。こういった不貞があった場合、申し開きをせねばならん」

上条「も、申し開きでございますか」

がたがたがた、と震える上条を悠然と見下ろし、オフィーリアは頷く。

フィアンマ「内容全て。回数から何から、全て話してもらうぞ」

上条「……」

フィアンマ「返事はどうした」

上条「はい!」

フィアンマ「早くしろ」

話さなければ、大変な事になる。
不幸の予感に、顔を青くしつつも、上条は大人しく話し始めた。

上条「…>>820」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:47:47.77 ID:5HFAhRhA0<> 上条さんはノンケだっただろうから受けだな


安価は>>1に任せる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:51:00.46 ID:Cg5MEKqSO<> キスされながら愛撫されたり、手コキされながら舐められたり、結野アナをほぐされていれられたりしました…

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:52:08.56 ID:5HFAhRhA0<> >>820

何回ヤったかが抜けてるぞ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:53:33.28 ID:Cg5MEKqSO<> 数えてないってことさ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:53:50.89 ID:J6jw04yH0<> (実際よりもソフトかつ回数等少な目に話した後)
……というわけで、俺の方から求めた訳でもなく毎日のように盛ってた訳でもないです。はい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:54:16.71 ID:5HFAhRhA0<> そんなにヤったのか羨まし……けしからん <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 02:57:36.83 ID:YK7CmhCR0<>
上条「…キスされながら愛撫されたり、手コキされながら舐められたり、けつのあなをほぐされていれられたりしました…」

フィアンマ「何回だ」

上条「…何回、というと」

フィアンマ「それぞれの回数だよ」

上条「…キスは…一週間通しで…18回位で…」

フィアンマ「…」

上条「手コキは三回…」

フィアンマ「一週間あったんだぞ? 三回である訳が無いだろう」

上条「…六発です」

フィアンマ「後は」

上条「…も、もう許し」

フィアンマ「俺様を失望させるな」

上条「…舐められたのは、ちょっとカウント出来ない…。…けつの方は…」

フィアンマ「…方は?」

上条「…六回位…」

フィアンマ「……本当に?」

上条「…七回です…」

フィアンマ「七回だと、胸を張って言えるのか?」

上条「……」

フィアンマ「天地神明に誓って?」

上条「……じゅ、…十回…ぐすっ…位です…」

どうしてこんな羞恥プレイに。
そう思いながらぐすぐす泣く上条だが、残念ながら情状酌量の余地は無い。

フィアンマ「ほう。それで、良かったのか」

上条「……」

フィアンマ「答えろ」

上条「…>>827」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 02:58:43.14 ID:Cg5MEKqSO<> 気持ちよくないと言ったら嘘になるキリッ

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:01:09.39 ID:J6jw04yH0<> よかった………です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:05:15.86 ID:4BaQV3K20<> 上条さんはバイセクシャルに進化した <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 03:07:25.29 ID:YK7CmhCR0<>
上条「…よかった………です」

本を頭に被ったまま、土下座の体勢で、上条はそう語る。
ぐすぐすと泣く上条の様子を眺め、オフィーリアはどうするか吟味する。
元とはいえ、彼女は右方のフィアンマ。『神の如き者』を司る。
故に、彼女には『虚空年代記』を用いて人を的確に裁く権利がある。
そして、泣いているからといって、上条を全面的に許す訳もなかった。

フィアンマ「そうか。良かったな」

上条「…で、っ、でも! 好きとか、そういう訳じゃないんだ! 俺もトールも、だからッ」

フィアンマ「見苦しい。黙れ肉塊」

上条「はい」

フィアンマ「はいじゃない」

上条「」

ぐしぐしと目元を擦り、依然土下座をキープする上条へ、オフィーリアはゆっくりとため息を吐きだした。

フィアンマ「サンタは悪い子供にプレゼントを与えない。悪い子は、プレゼントを授かるに値しない。そして、当麻は悪い子だ」

上条「……」

フィアンマ「それだけヤったのなら、俺様と性行為に及ぶ必要は無いな。すっきりしているだろうし」

上条「」

フィアンマ「無闇に許しを得ようとするのは逆効果だぞ。…そうか。愛が無ければセックスをしても良いのか。ちょうど、俺様にも相手は多数いるのだが」

上条「>>831」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:09:32.37 ID:J6jw04yH0<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:14:58.46 ID:tXmRdNrE0<> 俺だってシたくてしたわけじゃねぇよ!
いまだに童貞だしね!入れられてばっかりだったからね!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:15:12.67 ID:Cg5MEKqSO<> ……俺ばっかり責めるのはおかしいんじゃないか?オフィーリア……?

ちょっと俺の話を聞いてくれ。場合によっては俺は怒らないといけない。

先日、統括理事長から

『オフィーリアこと、元右方のフィアンマに暗に[ピーーー]と脅迫され、置き去りを救うための金を出させられた、よってその分を請求させてもらう。現在彼女の居所が掴めないので幻想殺し、君に送らせてもらう。君から彼女に言ってくれたまえ。全額返済と〈あの金は元々何のために使う金だったか知っているか?〉と』って手紙がきた。

ついでに、あのオーディンとずっと一緒にいたらしいじゃねーかよ…

それに、トールに聞いたら両者合意ならヤっても構わないとか言ったらしいじゃねーか…確かに俺も俺だけど、そもそも、お前がそんな条件付き許可出さなきゃよかったじゃないか。

そんなに俺の事どーでもよかったのかよ?

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 03:22:18.23 ID:YK7CmhCR0<>
上条「俺だってシたくてしたわけじゃねぇよ! いまだに童貞だしね! 入れられてばっかりだったからね!!」

フィアンマ「シたくてした訳じゃない? 襲われたのか?」

上条「まあ、そうだな」

フィアンマ「で、抵抗したのか」

上条「したに決まってんだろ」

こうなってしまっては、嘘をつく他無い。
オフィーリアとトール間のやりとりを知らない上条は、自分を守る為にトールへ責任を投げた。
トールは遠方に居るし、適当に事が済むだろうと考えたからだ。

フィアンマ「…俺様は、トールに当麻を守ってくれるように頼んだ。…そして、当麻が嫌がっているのに襲うのは許さないと言った。加えて、時々トールを通して様子を"視"ていたが、お前はさほど嫌がっていなかっただろう」

上条「…」

フィアンマ「…もう、怒るのも馬鹿馬鹿しいな。そうだ、俺様が気にしなければ良いだけの話だ」

怒られるよりも、諦められる方が傷つくのは、好きの対極が無関心になるからだろうか。
オフィーリアは上条に被さっている本達を片付け、上条の体の汚れを丁寧に払った。

フィアンマ「俺様が我慢する事で済むのなら、…責める程の話題でもあるまい」

オフィーリアはそう言うと、台所へ消えた。





上条はどうする?>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:26:08.82 ID:Cg5MEKqSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:30:10.96 ID:hm9Blc5i0<> オフィーリアを性的に襲う <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 03:37:21.08 ID:YK7CmhCR0<>
彼女を失望させてしまったことが、巡り巡って上条を失望させる。
酷い事をしてしまった、と、今更ながら、落ち込んだ。
怒るのも馬鹿馬鹿しいなどと、言わせてしまった。
自分が一番好きなのは彼女であるというのに、他の人間と交わったことで、落ち込ませた。

上条「……」

上条は、そろそろと台所まで来た。
彼女は包丁を手に、ぼんやりとしている。
何かを切ろうとしていたのか、調理の気力さえこそぎ取られたのか。

上条「…オフィーリア」

近づいて、上条は彼女を後ろから抱きしめた。

上条「…本当に、ごめん」

フィアンマ「……、」

上条はそのまま、彼女の首筋へ口付ける。
オフィーリアは、包丁をぎゅっと握った。
上条は手を伸ばし、彼女の臀部をそっと撫でる。
太ももを撫で、機嫌を取るように頬へ口づけた。
このまま身を任せていれば、性的な行為へ及ぶことは間違い無い。
そんな予感すら得られる、淫靡な行動だった。

フィアンマ「…当麻」

上条「…>>838」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:43:16.79 ID:Cg5MEKqSO<> ksk <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 03:55:04.92 ID:yy3cbtWSO<> 正直、トールの悪戯と別れ話への不安とパニックであんまり覚えてないんだ、自暴自棄だったし……

……俺ホモじゃねえし。良かったんだ、と自分を偽ってとごまかしておかないと気持ち悪くて死にそうなんだ <> 小ネタ:エロ(雷神幻想) 
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !orz_res<>2012/12/24(月) 04:02:40.69 ID:YK7CmhCR0<>


「……トール、…」

泣きそうな声。
慰めるように、愛でるように、トールは上条の首筋へ口づけた。
痕は付けず、舐め、じゃれつくように吸い付き、そのまま上条の服へ手をかけた。
ゆっくりと脱がされていきながら、それでも、上条はもう突っぱねる事が出来なかった。
トールの口説きに陥落したのではない。自分という存在に、過去のように、あまり価値を感じなくなったからだ。
こそばゆさに身じろぎ、上条は目を閉じた。何も見ないように、見えないように、見えてしまわないように。

「な、当麻…寂しいの、全部埋めてやるよ……」

言って、彼はまず、上条の服を脱がしていく。
絶えず口づけをしながら、下着までをも脱がした。
ひんやりとした外気へ下半身が晒され、上条はひくりと震える。
そんな彼自身を温めるように、トールはそっと上条の男性器を握る。
先端を親指の指先で刺激し、執拗に虐げる。
自然な生理反応として勃起すれば、後は先走りが零れていった。
ぬるつく液体へ躊躇無く指を絡ませ、彼は上条自身をゆっくりと扱く。
下手なのではなく、焦らす為に。ゆっくり、ゆっくりと。

「っあ、」
「…当麻、俺のことも脱がしてくれよ」

上条は恐る恐る、トールの服に手をかける。
するり、と脱がした。彼の体温は、少々高めだ。
緩急をつけて扱かれ、上条は思わず吐息を甘く染め上げた。
したことのある行為だから、勝手はわかってしまっている。

手を這わせられ、尻を触れられる。
思わず目を閉じた上条に小さく笑い、手馴れた様子で、トールは唾液を潤滑油に馴らしていった。
体内を蹂躙する指は長く、奥の方まで届く。
クルミ大のしこりを責められ、何も考えられないまま、上条は快楽に呻く。
直接的な快感よりも、間接的な快感の方が、苦しい。そして、上等だ。

「は、…あ、やべ、待っ、トール、」
「遠慮すんなよ」

手をバタつかせる上条を歯牙にもかけず、トールは激しく扱いた。
他人の手による刺激と、両方を責められる快感から、上条は数度に分けて精液を吐きだした。
それらはとろとろとしており、トールの白い手を更に染め上げる。
彼は気にせず、馴らしを続行した。尻穴の周辺へ白い液体を塗りつけ、指でほぐしていく。

「トール、俺、イったばっ、あっあ」

情けない喘ぎ声を漏らしながら、上条は緩く首を横に振る。
その度に黒い髪が白いシーツの上で跳ねた。

「当麻はイったかもしれねえけど、俺はまだ一発も出してない。オーケー?」
「は、っ……ぁ、…」

とどめとばかりにしこりをぐりゅぐりゅと淫猥に刺激され、上条は何も言えなくなる。
正確には、抗議の言葉が全て、甘い喘ぎで上塗りされてしまう。
ぐずぐずに蕩けきったのを確認した上で、トールは僅かに舌なめずりをする。
彼は下に回ってヤられる方もそこそこに好きだが、上に回ってヤる方も好きだ。

その方が、ずっと、本能的な快感を得られる。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 04:02:42.58 ID:R9FHjV+AO<> + <> 小ネタ:エロ(雷神幻想) 
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !orz_res<>2012/12/24(月) 04:03:10.68 ID:YK7CmhCR0<>

トールの長い金髪の毛先が、上条の首にかかる。
それを払えない程、圧迫感と快感に身悶えながら、上条は喘いだ。
我慢しようと思っても、勝手に喘いでしまう。

「あっ、ぁ、ああ、っ、う、あ、」
「ッ、…やっぱ、…あれだな、…相性良いよな、俺達」

悪戯っぽく笑うトールは、持ち前の肉の凶器で上条を貫いている。
太さはそうでもないものの、長いソレは上条の腹部の深いところまで挿入りきっていて。
シーツを握り、乱暴な快楽に振り回されるまま、上条はぼろぼろと涙を流した。
コンドームをつけているというのに、肉の熱さが強く感じられる。
紛れもなくセックスをして、男に、同性に犯されているのだ、と。
突き上げられ、月並みな、ぱんぱんという音が耳に届く度、思い知らされる。
その屈辱感でさえも不道徳的な快楽へと変化して、逃げられない。
上条の腹は精液でどろどろに汚れていた。
トールは、人差し指で、不意に精の泉を拭う。
そして、苦い精液を口に含んだ。美味しくなど無いが、美味しそうに舐め取ってみせる。

「…当麻の"は"苦めだよな」

確認するかのように、同意を求めるかのようにそう告げると、体位を変えた。
正常位に近いものから、後背位へ。
獣が交わるような体勢で、トールは文字通りの逃げ腰を押さえつけた。

「ぁぐ、ひっ、ぁ、やめ、それ、それ、ぅあ」
「後ろから、好きだろ?」
「すきじゃにゃ、」
「普通にヤるより興奮してるクセに、嘘つくなよ」

メス犬のように突き上げられ、なすすべもないまま、上条は枕へと顔を押し付けた。
彼が腰を動かさなくても、上条を貪る為にトールが動くのだから、逃げられない。

「ッ、ッ、…あ、ああ、う、っあ」
「…は、……出そう、」

僅かに表情を歪ませて、トールは上条の頬を撫でた。
次に上条自身を扱き、そのまま、腰の動きを激しいものへとシフトされる。
腸奥をガツガツと穿たれ、被虐的な快感に泣きながら、上条は服従するように射精した。
それを見届けた後で手を離し、ずるりと自身を引き抜き、トール自身も、コンドームの中へ吐精する。

「…ん」
「…は、…ひゅぅ、…はぁ…ぅ…んん…」
「…もう一回するか?」
「………」

無言のまま、上条は、首を横に振る。
力ない否定は、かえって誘惑しているように、見えた。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 04:03:11.90 ID:R9FHjV+AO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/24(月) 04:05:02.20 ID:YK7CmhCR0<> 《今日(?)はここまで。

本当はオーディンさんとトールくんのSMプレイも書きたかったんですが…。

お疲れ様でした》 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 04:11:38.18 ID:Cg5MEKqSO<> 乙。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 04:17:24.98 ID:yy3cbtWSO<> ノンケが男に興奮って絶対ありえないから自暴自棄時の半誘導レイプを美化してトラウマをごまかす感じの安価にしたら何かが始まっていた

トールを女と思いこんでやった、好きなグラドルに化けてもらった、のが自然だったか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/24(月) 08:44:13.89 ID:34plO7Tno<> >>845
上条さんにはバイセクシャルの要素があったんだよきっと <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 12:46:45.79 ID:OXq7kW0q0<>
上条「…正直、トールの悪戯と別れ話への不安とパニックであんまり覚えてないんだ、自暴自棄だったし……」

フィアンマ「……」

真面目な声音で、弁解を。
言い訳ではなく、論理的な弁解だ。

上条「……俺、ホモじゃねえし」

ちらり、と疑うような視線にやや傷つきながら、上条は話す。

上条「良かったんだ、と自分を偽ってとごまかしておかないと気持ち悪くて死にそうなんだ」

ぎゅう、と強く抱きしめてくる上条の様子を眺め。
オフィーリアは、まな板の上へ包丁を置いた。
上条の返答次第では刺すつもりが無かったと言うと、嘘になる。

上条「…許してくれ」

フィアンマ「…本当に、反省しているのか」

上条「…してる。…だから、相手は沢山居るなんて言わないでくれ」

フィアンマ「……」

上条「…こんな事言うと、すげえ打算的だけど。トールは男だから、別分類したっていうのもある。……最初、アイツ、オルソラ…わかるよな? に化けたんだけど、…その時は、ちゃんと断った。……なんて、言い訳だよな」

呟いた上条を見やり、オフィーリアは彼の頬へ軽く口づけた。

上条「ん、」

フィアンマ「…、」

上条「…怒って、るか?」

フィアンマ「…>>849」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 12:49:19.70 ID:Cg5MEKqSO<> 怒ってにゃい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 13:34:54.47 ID:88V6rggR0<> >>848

(顔真っ赤でにへらーとしてる) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 13:58:28.62 ID:OXq7kW0q0<>
フィアンマ「…怒ってにゃい」

女なら、誰を差し置いても自分を選んでくれる。
単純にいえば、そのことが、嬉しい。

彼女は、シスター・オルソラのことを知っていた。
胸が豊かで、女性的な丸みのある、容姿に欠点がないと言い切っても問題ない程に素晴らしい容姿をしている、と。
自分の事をスレンダーだと誇示せず、むしろ貧相だと考えているオフィーリアにとって、それは優越感だった。
顔は真っ赤になっていて、それでいて、表情はふにゃんと緩んでいる。
何をさておいても自分のことを恋人が選んでくれるというのは、誰だって気分が良い。
にへらー、と柔らかな笑みを浮かべ、オフィーリアは振り返って上条を抱きしめ返した。
許してもらえた、と安堵しつつ、上条は彼女の背中を撫でる。
この一週間、トールとの行為で気を紛らわせてはいても、やはり、彼女が居なければ調子は出ない。
だから、厳密に上条当麻が愛していると認めているのは、彼女しか居ない。



クリスマスイブイブだから、先にクリスマスプレゼントを渡しても良い気がする。
そんな流れになって、上条は風呂に入っていた。
先にオフィーリアがシャワーを浴びたのである。
わざわざ説明するまでもなく、行為に及ぶ為であった。

上条「……」

女の子とそういった行為に及ぶのは、初めての経験だ。
上条少年の心臓は、心拍数を計測すればとんでもない数値をたたき出す程に高鳴っていた。
童貞を捨てられる、というのもあったが、何よりも。

上条(…や、…やっぱり、…オナった事もないだろうし…エロいの、かな)

これから自分が作り出すオフィーリアの痴態を想像して、上条は湯船の中へぶくぶくと顔を沈める。




上条は、部屋に戻って来た。
しっかりと身体を清めた彼は、そうして、避妊器具を使い切っていたことを思い出す。

上条「あ」

フィアンマ「…ん?」

上条「…えっと、…ゴム、ないから」

買ってくる。
そう言いかけた上条の腕を、彼女の手が掴む。

上条「…オフィーリア?」

フィアンマ「…>>852」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 14:12:02.04 ID:KIxJTUuM0<> ゴム越しの愛は嫌だ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 14:13:13.88 ID:Cg5MEKqSO<> 生で構わん <> エロ(幻想右方) 
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !orz_res<>2012/12/24(月) 15:40:29.31 ID:OXq7kW0q0<>


「…生で構わん」
「な、」
「…そのままで、…いい」
「…いや、でも」
「…俺様はいくつか身体に加工を施している。…『神の右席』になる為、『虚空年代記』を受け入れる為。理由は様々だが…」
「……」
「…だから、そうそう子供はなせない。……勿論、可能性がゼロという訳ではないが。…子供が授かったら、俺様を捨てるという訳でも

ないんだろう?」
「それは勿論、学校辞めて働いてでもどうにかするけど」
「そうか」

なら、尚更要らない。
そう告げる彼女に、上条はちょっと迷った後、頷いた。
元々、現時点の彼の夢は『オフィーリアと暖かい家庭を築いて楽しい食卓を囲むこと』である。
それが少々早まったところで、問題はないだろう。

毛布の下、オフィーリアは何も着ていなかった。
程よく細い手足も、薄い胸も、下半身も、全て晒されている。
今度こそ、誰の邪魔が入る事はない。
上条は軽く着ていた服を脱ぎ捨て、彼女を押し倒した。
鎖骨に舌を這わせ、手指は胸へ。柔らかみはほとんど無かったが、すべすべとしている。

「…何か、…揉んだら、大きくなるって話があったな」
「……揉む部分が、ないのだが」
「そうか?」

首を傾げつつ、上条は彼女の胸をしばし刺激する。
脂肪は無い。沢山食べたらつくものでもないんだろう、と上条はうっすら思う。
緊張しつつ顔を近づけ、胸の突起を甘く舌で転がしながら、上条は彼女の下腹部を撫でた。
そのまま秘裂に指を滑り込ませ、うろ覚えの知識を総動員しながら、陰核を責め立てる。

「っ、う」
「…痛、い?」
「…いたくない」

きゅ、と毛布を握り締め、オフィーリアは身体をびくつかせた。
快感に慣れないが故に、彼女は快楽に弱い。

「……、」

反対の胸突起にも甘えるようにしゃぶりついた後、彼は顔の位置を下げる。
陰核を口に含むと、必然として、彼女は怖がって暴れた。

「ッ、当麻、やめ、」
「…ん」

興奮でぬるつく唾液を陰核に舌で何度も塗りつけてしゃぶる内、びく、と強い震えを見せ、オフィーリアは息を詰まらせた。
男性であれば射精があるので丸わかりなのだが、女性がイった瞬間とは非常にわかり辛い。

(ん、…ちょっとしょっぱいな)

甘い匂いがして、甘酸っぱくあるのに、しょっぱい。
不思議な味だな、等と思いつつ、上条はぴちゃぴちゃと愛液を舐めとった。

「と、ま、やりゃ、それ、や、」
「痛い訳じゃ、ないんだろ?」

痛い程に勃起している自分自身を自分で扱きながら、上条は聞き返す。
顔を真っ赤にして、オフィーリアは無言のまま、こくりと頷いた。

じゅる、と。
いやらしい音が部屋に満ち、オフィーリアはいたたまれなさに目に涙を溜める。
上条に愛撫される度に息が詰まり、否応なしに脚が震え、痺れるような感覚が遺る。
ローションなど到底必要無い程に濡れた事を確認し、指と秘部の間に糸が引いた事を見てから、上条は興奮気味に問いかけた。

「…お、オフィーリア」
「ん、…何、だ」
「…挿れて、いいか…?」
「……う、ん」

許可を得て、上条は扱いていた自身を、彼女の膣口にぴとりとくっつける。
破瓜は痛いという知識位はあるのか、不安げに瞳が揺れた。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 15:40:30.57 ID:R9FHjV+AO<> + <> エロ(幻想右方) 
◆2/3UkhVg4u1D<>saga !orz_res<>2012/12/24(月) 15:41:05.98 ID:OXq7kW0q0<>
「…当麻」
「…ん?」
「……」

手を、握っていて欲しい。
上条はその要求に頷き、左手で、彼女の右手を握る。
しっかりと指を絡ませ、自らの右手は、自身を支える事に活用した。
硬く勃起した自身を挿入し、上条は息を詰める。
何かの実感と共に、彼女の呼吸が一瞬、停止したことを感じて、止まる。
挿入自体に問題は無かった。ただ、オフィーリアは内壁がひきつるような痛みに身体を強ばらせる。
痛い。呼吸が出来ない程に痛い。
こんなに痛いのは、オーディンに爪を剥がされて以来だ。
だが、その程度。蛍光灯の比ではない。
それに、蛍光灯と違い、上条のそれには温かみがある。
トラウマを塗りつぶし、負けるものか、とオフィーリアは強く手を握った。

「ふ、…だ、大丈夫なのか?」

心配はしながらも、つい腰が動きそうになる。
そんな上条の様子に笑って、彼女は小さく頷いた。

「…だい、…じょうぶ、だから。…動け」
「……、…痛かったら、俺の背中とか、爪立ててもいいから、な」

言いながら、辛抱たまらず、上条は腰を動かし始める。
膣内は愛液でぬるつき、ぎゅうぎゅうと強く締め付けては、時々ひくついて奥へと誘う。
突き上げる度にぐじゅぐじゅと愛液が溢れるのは濡れやすいからか、それは知らない。
上条は気持ちよくても、オフィーリアがそうとは限らない。

「当、麻っ、い、ぃた、ぁっ、あ…ぁ、いっ、い…た……いぃい…」
「っ、ご、めん、」

拷問などと違って、耐える必要性は無い。だから、彼女は素直に痛い痛いと泣く。
ぼろぼろと涙を流して痛みに泣きじゃくるオフィーリアに申し訳ない気分になりながら、上条は数度口づけた。
痛がりながらも突き飛ばそうとはしないいじらしさに少しだけ表情を和ませて、指先を陰核へ近づけた。
先走りと愛液の混じった白っぽいぬるつく液体で陰核を刺激し、快感を与えながら、腰を動かす。
直接的な快感に呼応して、膣口がひくつき、上条の自身をびちゃびちゃに濡らした。

「あ、っ、ぅ、あ、…ッッ、…あっ、ぁ…く、りゅ…」

上条に抱きつきながら、数回膣を痙攣させ、オフィーリアは絶頂に至った。
上条も、彼女より十数秒遅れて、射精する。

「は、……ぁあ、…は…」
「ふ、…ひくっ、…ん、…」

数度口付け、上条は慰めるようにぎゅっと抱きしめた。
思考が冷静になっていくのを感じながら、宥める。

周囲より一足先に、大人の階段を昇った二人だった。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 15:41:06.89 ID:R9FHjV+AO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 15:41:56.95 ID:OXq7kW0q0<>
気づいたら朝だった。
片付けをして寝入ったのは、いつだっただろう。
曖昧にしか思い出せず、上条はぐったりとベッドに寝そべった。
カレンダーを見やる。
本日はクリスマスイブだった。
聖なる夜に性行為に及ぶというのは、十字教的にはあまりよろしくない。
それでも良いと決断した程に、オフィーリアが上条を愛しているということなのだろうが。

上条「……」

ちら、と上条はオフィーリアを見やる。
昨晩いろんな意味でなかせた為、疲れているように見えた。
シャワーを浴びたといっても涙の跡は残っている。

上条(…何か…人でなしみたいだ…)

エロゲ程度の知識(というよりも、処女の破瓜のイメージ)しか無かった上条は、あんなにも痛がるものだとは思っていなかったのである。

上条(いや、頑張ったけど…)

フィアンマ「……」

自分に言い訳をしながら、上条はオフィーリアを見つめる。
ふと、目を覚ました。

フィアンマ「…ん…」

上条「…おはよう。…その、…昨日は痛かっただろ。ごめんな」

フィアンマ「…>>859」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/24(月) 15:43:01.30 ID:te3wZFOyo<> 優しくしてくれると思ってたのに… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 15:51:05.11 ID:Cg5MEKqSO<> …今でも股が痛い…痛くてろくに歩けないから、今日はひょっこひょっこ歩く事になるだろうな…? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 15:51:55.10 ID:KYgJbR4DO<> それ以上に幸せな気分だった… <> アセロラ<>sage<>2012/12/24(月) 17:08:20.21 ID:TBU9zK0B0<> 何回もやってくれて・・・




だけど俺様は今世界中の誰よりも一番しあわせだ♪ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 19:52:53.71 ID:zaohbP2l0<>
フィアンマ「……今でも股が痛い…痛くてロクに歩けないから、今日はひょっこひょっこ歩く事になるだろうな…?」

上条「う」

ささやかな恨み言がヒットし、心痛にしょんぼりとする上条。
本気を出せば魔術を使って治す事は出来る。
処女膜の再生までをせずとも、痛くない程度に身体を"修復"は出来る。
何せ、彼女は原典によって生かされている化物も良いところなのだから。
だが、彼女は基本的に上条の前ではあまりそういった行為をしないと決めている。

彼が。
『普通の女の子』と形容し、認めてくれたから。

上条「…介助させていただきます」

フィアンマ「ほう?」

上条「…とりあえず、ご飯食べるか?」

フィアンマ「…食べる」

こくり、と頷く彼女に対し、上条は服を着て、のそのそと台所へ向かう。
身体的には大ダメージだが、彼女の中で、昨夜の行いは良い思い出だった。
だから、言う程彼を恨んでいる訳でもない。

フィアンマ(…修道女はやめることになりそうだが、…さて)

もふ、と毛布に顔をうずめていると、台所から良い匂いが漂ってくる。
甘い匂いである辺り、フレンチトーストか何かだろう。

フィアンマ「…、」

痛い。
痛い、が、しかし、立ち上がらない訳にもいかない。
壁に手をついて立ち上がると、適当にシャツを羽織る。
寒いので、スカートも穿いた。

彼女が行う事は、割と単純だった。
申し訳なさそうな顔で食事を作る恋人への、ハグ攻撃である。
上条の前においての彼女は、普通の女の子なのだから。




浜面仕上は、困惑していた。
彼はかつて、スキルアウトのリーダーを務めていた。
駒場利徳という少年が居て、彼は現在、何者かによって昏倒させられ、病院で眠っている。
その代わりにリーダーを務め、『計画』を実行し、とある無能力者にぶん殴られ。
『アイテム』の下働き状態で、現在は生きている。割と慎ましやか(?)に。
そんな彼は、今、垣根弟に押し倒されていた。意外と力が強いのは、能力の応用を覚えたということなのかもしれない。

浜面「……」

垣根弟「ヤらせろ、とカキネは格好をつけた」

浜面「>>864」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage saga<>2012/12/24(月) 19:55:00.85 ID:KIxJTUuM0<> アホかっ!殺されるわ! <> アセロラ<>sage<>2012/12/24(月) 19:57:31.63 ID:TBU9zK0B0<> オッケー☆ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 19:58:15.19 ID:nz6VHsLx0<> クソコテ死にさらせ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 20:32:24.67 ID:I5TZ/CqH0<>
浜面「オッケー☆」

人は、禁じられたものに興味を持つ生き物だ。
故に、禁断の恋というものは燃え上がってしまう。
なので、浜面はあえてOKサインを出してみた。
敢えてあっさりと承諾してしまうことで、興味を失ってもらえるのではないか、と期待したのだ。
何しろ、浜面仕上は無力な無能力者。
上条当麻のような特別な右手を持っていない、スキルアウト出身の平凡な少年だ。
だから、能力者を不快な気分にさせるのはまずい、と考えている。
いくら応用の幅が狭いとはいっても、垣根弟は垣根帝督のクローンな訳で。
つまり、未元物質を使ってぼこぼこにされてしまうと、非常に痛いと思う訳なのだ。
対して、垣根弟の思考は、浜面の心理学的・哲学的なものには基づいていない。

垣根弟「そう言ってもらえるとありがたい、とカキネは頷いた」

浜面(!!?)

予想と違う。
ばっ、と、垣根弟の小さな手を食い止める。
幼い少年は、いたって普通に浜面のベルトに手をかけていた。

浜面「ちょ、ちょいとストップ」

垣根弟「?」

浜面「…そもそも、何でそういう発想に至ったんだ?」

垣根弟「>>868」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 20:33:45.65 ID:hm9Blc5i0<> パパとママがしていたのを見た <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 20:35:39.53 ID:Cg5MEKqSO<> つ浜面所有AV『昼下がりの団地妻』(笑) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 20:36:12.77 ID:hm9Blc5i0<> クソワロタ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 20:56:02.13 ID:I5TZ/CqH0<>
垣根弟「…」

彼は浜面から一旦離れると、がさごそと周囲を漁る。
一体何をしているのかと思いつつ着衣を正す浜面の鼻先に、一本のアダルトビデオが差し出された。

『昼下がりの団地妻 "旦那が貪ってくれない" ―昼過ぎに訪れる淫猥な二時間―』

浜面「」

垣根弟「状況が酷似していたので、とカキネは胸を張った」

浜面「そこに山があったから、みたいな顔してんじゃねえよ!」

ばっ、と大人気なく垣根弟の手から、自らのコレクションであるアダルトビデオを奪い。
がくりと項垂れながら、浜面仕上は自分の知識を総動員して説教を始めた。





腕を組み、上条にやや寄りかかる体勢で。
オフィーリアは、外出していた。
何故かというと、上条が前に着てくれと言っていたミニスカサンタ衣装を購入する為である。

上条「…大丈夫か?」

フィアンマ「当麻のせいで倒れそうだ」

上条「ごめんって…」

くすりと笑って言う彼女に、上条はため息をつきながら支えつつ歩く。
ふと、意外な人物が、目的の店の前に立っていることに気がついた。

垣根帝督。
旅行帰りのリア充超能力者である。

垣根「久しぶりだな」

フィアンマ「久しいな」

垣根「そちらさんはデートか?」

フィアンマ「>>872」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 20:57:37.86 ID:Cg5MEKqSO<> そうだが?ドヤァ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 20:58:35.70 ID:6D24vW//0<> もちろんそうだ
そっちも幸せそうな顔をしているな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 20:59:13.19 ID:QIsGVQAB0<> そうだな…
久々のゆっくりしたデートだ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 21:16:07.18 ID:I5TZ/CqH0<>
フィアンマ「もちろんそうだ」

垣根「仲がよろしいことで」

揶揄するような口調に、オフィーリアはくすくすと笑った。
垣根が何故店の前で立ち往生しているかを、わかっているからだ。

フィアンマ「そっちも幸せそうな顔をしているな」

垣根「…まあ、色々あってな」

フィアンマ「それで、買って行かないのか?」

垣根とはメール友達の為、どのような性格かは把握済みである。
また、垣根にもバラしていることだが、彼女は彼の事情を"視"ることが出来る。
そんな訳で、垣根が恋人である麦野沈利へサンタさん衣装を買いに行こうとしていることはモロバレであった。
ただし、上条はさっぱり読めていない為、会話を黙って聞いている。

垣根「…買うつもりはあんだけどよ」

勝手がわからないし、こんなことをしたことが無いから、入りにくい。

フィアンマ「…」

ふむ、と考える素振りを見せ。
オフィーリアは、上条を見やった。

フィアンマ「当麻、選んで来てくれ。サイズはわかっているだろう?」

上条「わかってるけど、オフィーリアはどうすんの?」

フィアンマ「そこで時間を潰す」

そこ、と指差した先はショッピングモールである。
一人で立てるのか、と心配そうな目を向ける上条へ、オフィーリアは笑顔で返した。

垣根「デート中断してまで付き合う事じゃねえぞ」

フィアンマ「問題無い。当麻は"男とも話が楽しく弾む"からな」

上条「……」

言って、彼女は割と問題無い足取りで歩いて行った。
残された垣根と上条は、店の中に入る。
女性客はそんなに居なかった。彼女に着て欲しいと思う男性客が割と多い。

垣根「上条当麻、だったよな? お噂はかねがね。久しぶり」

上条「あぁ、…お久しぶりです」

垣根「いいって、敬語なんざ使うなよ。…女の子のサンタ服は赤派? 白派?」

上条「>>876」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:18:55.19 ID:ilPWq+R60<> 赤だな。尚且つミニスカでシャツ的な部分は
乳首が見えるか見えないかギリギリなやつで
下乳が見えるようなやつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:28:56.26 ID:Cg5MEKqSO<> ……………………………………………………………………………。


赤だ。


<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:35:33.89 ID:KYgJbR4DO<> >>876
その間の長さがなんか良いですね、SOさんには本当に驚かされますよ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:36:50.03 ID:+fiGTCxf0<> >>877

KY腐女子シャラーップ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:40:49.47 ID:KYgJbR4DO<> >>878
KYは認めざるをえませんが、何故腐女子扱い…?
ちなみにたいして面識もないていとくンにいきなり語る上条さんより、仕方無いから答えてる上条さんのがしっくりきたから[間の長さ]を誉めた訳です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:43:27.52 ID:Cg5MEKqSO<> IDの事じゃね? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:43:48.41 ID:+fiGTCxf0<> IDのことなんだが <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:44:43.38 ID:KYgJbR4DO<> えっ二つの意味でだと思ってた…… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:45:38.86 ID:+fiGTCxf0<> 自覚はあったのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:47:22.34 ID:KYgJbR4DO<> IDは流石に自分のくらいわかってますしねー、あと人によっては空気読めないと思ってる人も少なからずいるでしょうし… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:50:27.73 ID:+fiGTCxf0<> 何故腐女子扱いか?
腐女子っぽいからさ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:53:58.95 ID:KYgJbR4DO<> >>885
確かに私は漫画や小説やゲームならなんでも大丈夫なので、腐ってても読めますから否定はしませんけど……何故腐[女子]だと…腐[男子]の可能性もあったのに… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:55:02.30 ID:+fiGTCxf0<> 何故か?

俺は仲間由紀恵が大好きだからー <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 21:56:50.45 ID:KYgJbR4DO<> >>887
またアンタか……そうかそうか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:02:11.43 ID:CRniVxnF0<> あれ、なんか怖い <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:14:33.95 ID:KYgJbR4DO<> なんか女性だと解られてると発言に制限かかりますよね…気分的に…
獣耳紳士が集う某スレでは趣味全開のレスがしやすいんだけど…、まぁこのスレの人達(SOさんとか仲間由紀恵ファンさんとか)好きだから良いけど <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/24(月) 22:17:53.52 ID:R9FHjV+AO<> ここでDOさんのデレか…流石クリスマス <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:20:58.29 ID:KYgJbR4DO<> >>891
あの〜割とマジで照れてるんで勘弁して欲しいなーとか言ってみたり… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 22:38:41.29 ID:3hN2kNu/0<>
上条「……………………………………………………………………………」

たっぷりの間。
まくし立てる程仲が良い訳ではないために、上条は自重する。
これが土御門や青髪ピアス相手であれば、語ってしまっても良いのだが。

上条「赤だ」

垣根「赤か…」

上条「垣根さんは」

垣根「敬語。…俺は白派」

上条「…もふもふ帽子?」

垣根「…腰リボン。大きめ」

好きな色は違えど、垣根帝督と上条当麻は、今、この瞬間。
お互いの好みが合致したという感動に、思わず握手していた。
『阿』にたいして『吽』と返ってきたようなものだ。
がっし、と握手したまま、語り合う。
顔見知りが、一瞬にして親友へと飛躍した瞬間であった。





その頃、ショッピングモールにて。
身体を治した彼女は、辺りを眺めている。
何を探しているかというと、トール、ウートガルザロキ、オッレルス、オティヌスへのクリスマスプレゼントだったりする。

フィアンマ「…」

ベーコンチップに手を伸ばし。
女性の手と、重なった。

フィアンマ「あぁ、すまない」

麦野「いや、…って。久しぶり?」

フィアンマ「久しいな。元気だったか?」

麦野「>>895」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:41:28.36 ID:Cg5MEKqSO<> 産卵時期の鮭くらいには元気ね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:42:19.61 ID:YALt6m3o0<> ええ、運命の人にも出会えたしね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:44:32.38 ID:YALt6m3o0<> DOがデレた!? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:49:02.73 ID:KYgJbR4DO<> >>896
更新再開して安価して、その件一段落ついたのにどうして掘り返すの!?

ちなみに>>1様もスレ主ですし、さっきみたいに私達とも絡んでくれるから好きですヨーとか言ってみる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:52:17.62 ID:5HFAhRhA0<> やっぱりデレたなDO

そんな私はTRICK見つつ酒を飲む <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 22:56:17.09 ID:3hN2kNu/0<> 《DOさんがデレた。>>1にも彼女が出来るか…ッ》


麦野「ええ、運命の人にも出会えたしね」

フィアンマ「良かったな」

麦野「…色々と、…その」

フィアンマ「ん?」

麦野「…礼を言ってあげないでもない」

フィアンマ「…そうか」

少し顔を赤くする彼女へベーコンチップを譲り。
ほのぼのと笑むと、オフィーリアは別の棚へ向かった。
日本のクリスマスは、恋人達が幸せそうで良い。
そんな事を思いながら、オフィーリアは連絡を取る。
一見独り言なので、不審がられないよう、人気の無い棚に立ちながら。

フィアンマ「…お兄ちゃん」

ウート『うお、…おー、久しぶりー。何何、何かあったの?』

フィアンマ「いや、今買い物に来ているのだが…何か欲しい物は無いか?」

ウート『…いわゆるクリプレ?』

フィアンマ「貰いっぱなしでは、申し訳なくてな」

ウート『気にしなくていーのに。…んー』

フィアンマ「現在地がショッピングモールなんだ。だから、大体のものは揃えられる」

ウート『>>901』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:57:10.36 ID:Cg5MEKqSO<> やはり>>1は男だったよーだ。安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 22:58:17.11 ID:5HFAhRhA0<> >>1め油断したな

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 23:00:44.17 ID:KYgJbR4DO<> >>1様のバーカバーカ

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 23:01:51.17 ID:5HFAhRhA0<> >>902

調子乗らないの!

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 23:07:11.83 ID:KYgJbR4DO<> >>903
だって皆して虐めるから…、絶対他にも居ますよ女の子!
SOさんとか実は……みたいな…?

安価なら
身に付けられるものが良いかな、肌身離さず持っときたいし <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 23:22:53.48 ID:3hN2kNu/0<> 《…もしかすると、彼女を欲しがってる超絶美少女かもしれないですよ  いや  ないな》


ウート『身に付けられるものが良いかな、肌身離さず持っときたいし』

フィアンマ「アクセサリー類か」

ウート『高いモンじゃなくていいぜ? ヘアピンでも問題無いし』

フィアンマ「…マフラーは持っているのか?」

ウート『マフラー? …そういや持ってないな』

フィアンマ「好きな色は」

ウート『あれ、マフラーくれちゃう感じ? そうだなー…紫? 濃い目の』

フィアンマ「紫か。わかった」

てくてくと歩いて、衣類の販売店へと入る。通信は切った。
冬、ましてやクリスマスということで、マフラー類は沢山のラインナップがあった。
紫一つにしても、様々なものがある。
チェック、ボーダー、単色、グラデーションの色使い。

フィアンマ「……」

どれにしようかな、天にましますわれらが父の言う通り。
指先で運任せに決めたそれは、男性向けの単色ながら、少し飾りのついた暖かそうな薄手のマフラーだ。
レジに持っていき、会計した後、ラッピングを頼み。
十分程して、ラッピング済みマフラーの入った紙袋を手に、てくてくと歩く。
次に連絡を取ったのは、雷神トール。
食事中だったようだが、応答してくれた。

フィアンマ「すまない、食事中だったか」

トール『構わねえよ。また何かあったのか?』

フィアンマ「平和だよ。クリスマスプレゼントのリクエストを聞こうと思ったんだ」

トール『当』

フィアンマ「当麻の身体は却下する」

トール『やっぱな。欲しいもの、ね…』

フィアンマ「大概の品は揃う場所に居る。何でもいい」

トール『>>907』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 23:23:42.05 ID:Cg5MEKqSO<> 当麻の使用すみぱんつ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 23:24:29.89 ID:Rht2k/J20<> 気持ちがこもってりゃなんでも <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 23:33:06.62 ID:3hN2kNu/0<>
トール『気持ちがこもってりゃ、なんでも』

フィアンマ「これといって欲しいものは無いのか」

トール『大体揃ってるしな…欲しいモンも、必要なモンも。…あ、食べ物でも良いぜ?』

フィアンマ「わかった」

相槌を打ち、通信を切った彼女は、食料品店へ行った。
悩みながら、味を重視したフリーズドライ品近くへ足を運ぶ。
気持ちをこめる、ということは抽象的だ。
要するに、トールが嫌だと思わないであろうプレゼントを探して選べば良い。
食べ物でもいい、と付け加えた辺り、もしかすると食べ物"が"良いのかもしれない。
非常用というよりはインスタント食品に近いフリーズドライ系を数点。
それから、甘過ぎないクッキーを買い、サービスカウンターで包んでもらう。

フィアンマ「…これで良いか」

結構な数だが、トールは割と大食いなので、問題無いだろう。
そう判断して彼女は、どちらにかけるか迷って、先にオティヌスへ連絡した。

オティヌス『オフィーリアか。どうした、何かトラブルか?』

フィアンマ「そうではないよ。何か欲しい物は無いか」

オティヌス『唐突だな。…クリスマスプレゼント、というものか?』

フィアンマ「そうなるな」

オティヌス『オーディンのくb』

フィアンマ「ダメだ」

オティヌス『チッ。…欲しい物か…物品の方が、お前としては渡しやすいな』

フィアンマ「現在地がショッピングモールなんだ。という訳で、物品であれば、よほど特殊で無い限り用意出来ると思う」

オティヌス『>>910』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 23:34:58.91 ID:Cg5MEKqSO<> この間の仔猫の首輪と飼育セット <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/24(月) 23:39:15.10 ID:KYgJbR4DO<> >>909
[仔猫]を[ニャンコ]に変えて <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/24(月) 23:50:53.62 ID:3hN2kNu/0<>
オティヌス『この間のニャンコの首輪と飼育セット』

フィアンマ「飼育セット…というと、餌一式で良いのか?」

オティヌス『適当で良いぞ。まったく無い訳ではないんだ』

フィアンマ「そうか」

首輪の色は、等とやりとりをしながら、ペット専門店まで歩いていく。
中に入り、毛玉排出に効く、等と謳われているキャットフードに目が向く。
子猫は結構な量の餌を消費するらしく、食費がバカにならないそうだ。
それでも手放す気にはなれない、と言うオティヌスに、自分も猫を飼っているので同意しながら、手にもったカゴへ商品を入れていく。
ついでにシャミセンの分のおやつも購入しつつ、首輪を眺めた。
黒い色の首輪には名前を彫り込むサービスがある。だが、オティヌスが断った為、やめておくことにした。

壊れにくい猫じゃらし。
餌一式。
ついでに、おやつ。
黒い首輪を二つ。

それらを包んでもらい、受け取った。
トール、ウートガルザロキ、オティヌス、と三人分の紙袋で、両手が塞がりそうになる。
少々の疲労を感じながらクレープといちごタピオカミルクを購入し、フードコートの席に腰掛けた。
手荷物を隣の席に置き、クレープをもしゃもしゃと頬張りながら、連絡をする。

オッレルス『…誰かと思えば君か』

フィアンマ「ん、…体調は問題無いか?」

オッレルス『概ね元気だよ。死ぬ気力さえ湧かない程に。…何か用かい?』

フィアンマ「お前にプレゼントを贈ろうと思ったんだ」

オッレルス『…俺に? …そういえば、降誕祭か』

フィアンマ「…生ぬるいと思うかもしれないが、…お前に助けてもらった事は、事実だ。お前の御蔭で、俺様は思うままに事を進める事が出来た。その恩返しでも、ある。……どうしても要らないというのなら、…別だが。…何か、…渡せないだろうか」

オッレルス『…>>913』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 00:02:13.62 ID:Rw7FK2i10<> 君がくれるならなんでも…と言うのは無責任か…

…そうだな、君が選ぶ最高の酒を用意してくれ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 00:05:43.08 ID:vUYjsjsS0<> 美味い酒と肴 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 00:16:49.17 ID:/X9vJ7x50<>
オッレルス『…美味い酒と肴』

フィアンマ「…甘いものと塩気の強い方と、どちらが良い?」

オッレルス『その辺りは君に任せるよ』

フィアンマ「あぁ。…オーディン、」

オッレルス『…うん?』

通信を切りかけて、思い出したように彼女は言う。

フィアンマ「メリークリスマス」

オッレルス『…メリークリスマス』

彼はそう返すと、通信を切った。
彼女は、しばし、うーん、と考え込む。
酒を買うには、規制の緩い店で、変装術式を用いなければならないだろう。
ひとまず、クレープを食べきってから考えよう。
そんな訳で、彼女はタピオカ苺ミルクに手をかけた。



オフィーリアは各プレゼントを各人に渡した後、学園都市へ帰って来た。
要した時間、三時間程。
上条には誤魔化しのメールを送ってあった。あちらの買い物はとうに済んでいる。

フィアンマ「は、…ぁ…」

上条「んー…あ、オフィーリア。大丈夫か…?」

フィアンマ「はぁ、…問題無い。サンタクロースは大変だな」

上条「何の話?」

フィアンマ「いや、何でもない。…それで、好みのサンタ服は買えたのか?」

上条「>>916」 <> アセロラ<>sage<>2012/12/25(火) 00:18:32.18 ID:tb10sgzP0<> 親父かよwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 00:23:33.56 ID:vUYjsjsS0<> もちろんだ。ついカッキーと語り合っちまったぜ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 00:24:04.45 ID:Rw7FK2i10<> うん…まぁ、な <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 00:29:41.12 ID:/X9vJ7x50<> 《上条さんが選んだサンタ服はこちら参照→http://item.rakuten.co.jp/party-honpo/pw-26637s/ これにやや大きめのバックリボンともふもふ帽子がついたものです。 今日はここまで。お疲れ様でした》


上条「もちろんだ。ついカッキーと語り合っちまったぜ」

フィアンマ「…カッキー?」

上条「垣根。…ちょっと色々あって仲良くなったんだ」

フィアンマ「そうか。良かったじゃないか?」

上条「あぁ。…帰ろうぜ」

手を差し出され、上条の手を握る。
やんわりと数度握り、指を絡ませた後、そのまま腕を組んだ。
プレゼントを届けてきた今、オフィーリアは身軽である。


二人は、まっすぐに家へ帰ってきた。
上条は紙袋の中身を解体し、そっとオフィーリアに差し出す。
寒そうな衣装だな、と思いながら、オフィーリアは大人しく着替えた。

上条「…も、もう目、開けていいか?」

フィアンマ「ん、…構わんぞ」

もふ、と帽子を被り、オフィーリアは上条を見やる。
上条はドギマギとしながら、目を開けた。

フィアンマ「…、…似合う、か?」

上条「>>920」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 00:30:33.85 ID:Rw7FK2i10<> ああ…最高だよ、オフィーリア… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 00:31:54.68 ID:vUYjsjsS0<> ムラムラする! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 00:35:18.40 ID:qB9HrgkSO<> 乙なのよな <> 嘘?予告 
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/25(火) 00:58:54.71 ID:/X9vJ7x50<>

「…オーディン。……抱いても、…良いんだぞ?」
ローマ正教最暗部『神の右席』・(元)右方のフィアンマ――――オフィーリア=カンナヴァッチュオロ


「―――決着をつけようじゃないか」
魔神から堕ちた魔術師にして開店休業中の『グレムリン』リーダー――――オーディン(オッレルス)


「…望むところだ」
学園都市『無能力者(レベル0)』・『幻想殺し』――――上条当麻


「番外個体ちゃン、出ておいでェ…?」
学園都市最強の超能力者――――一方通行


「……何で、こうなっちゃうのかな…どうして…?」
学園都市第四位『原子崩し』――――麦野沈利


「あー、エロいことしたい」
学園都市第二位『未元物質』――――垣根帝督

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 01:00:01.65 ID:pMaFOq5DO<> 当然、乙だと言うことだ

建宮さんっ!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 01:04:58.83 ID:pMaFOq5DO<> ごめん乙って言ったけどまって、男性陣は良いとして女性陣の予告がなんだか純愛じゃない予感!?
あっ今気づいたけどサンタ服可愛いですねー <> 小ネタ:クリスマス
◆2/3UkhVg4u1D<>sage saga<>2012/12/25(火) 10:53:42.20 ID:upWouFOAO<>
トール「いい酒だな」ぴくっ

オッレルス「言っておくが、一滴たりとも譲らないぞ」

トール「えー、いいだろ一献位」

オッレルス「却下」

トール「…ははーん、フリッグちゃんにもらった訳か」

オッレルス「…だったら何だというんだ」

トール「別にー?」

オッレルス「………」ぐぐ

トール「いったたたた」じたじた

オッレルス「…抱いて欲しいならそう言え」ふん

トール「別にそういう訳でも…あるけどな。注ぐ?」

オッレルス「…」こく


トール「…十字教徒でもないのに、降誕祭祝うってのも妙だな」とくとく

オッレルス「日本はそういう国だ」ずず

トール「…」そろー

オッレルス「…」ばしっ

トール「痛っ、肴位いいだろうが」

オッレルス「駄目だ」


トール(魔神の性質かは知らねぇけど、本当独占欲強いな) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 13:52:08.41 ID:oS4nz0I50<>
上条「ムラムラする!」

フィアンマ「…素直過ぎないか?」

上条「エロかわいいから仕方ないだろ。男の性です」

似合ってる、と笑みながら、上条は彼女の帽子に触れる。
もふもふとしたそれは触り心地が良い。
バストが無い分、強調されるのはそのスレンダーさ。
きゅっとくびれを強調させるドレスは肩出しである。
ひらひらとした二段フリルのスカートから見える脚は真っ白で長く、細い。
ニーハイブーツもよく似合っており、その細さを強調している。
上条は華奢が好き、というこだわりは無いものの、その女の子らしい脚の細さにはついつい目を惹かれる。

上条(…何か、こう…)

踏まれたい。
そんなことをうっすらと思いながら、上条はスケベ心で彼女の太ももを撫でる。
くすぐったいのか、オフィーリアは脚を閉じた。

上条「ありがとな」

フィアンマ「? 何がだ」

上条「着てくれて」

フィアンマ「この程度で当麻が喜ぶのであれば、な」

ふにゃん、とはにかんだ彼女を抱きしめ、上条はどうにか欲情すまいと我慢するのだった。





垣根弟を浜面に預け。
垣根は、麦野と共に自宅マンションに居た。
麦野からもらったクリスマスプレゼントは、まだ開けないで置いてある。

垣根「沈利」

麦野「…何よ」

垣根「後生だ、着てくれ」

彼が差し出したのは、サンタ衣装だ。
上条と語り合いながら購入した、女性用のそれである。
彼は頭をフル回転させて彼女のサイズを把握し、それに合わせて購入してきたのだ。

麦野「>>928」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 14:35:36.77 ID:7y0F0WXV0<> わ、わかった <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 14:54:25.22 ID:qB9HrgkSO<> …な、なんでよ… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 15:06:19.03 ID:oS4nz0I50<>
麦野「…な、なんでよ…」

垣根「俺が着て欲しいからだ」

麦野「理由になってない」

垣根「あん? …良いだろ、俺の彼女なんだし。着てくれても。恋人にこういうの着て欲しいってのは、日本国内共通の男のロマンなんだよ」

麦野「…断る」

垣根「えー、何で」

麦野「馬鹿馬鹿しいから」

そうは言ったが、それは本当の理由ではない。
彼女は気が強そうに見えて、本当はそうでもない。
自分の脚が周囲の一般女子より太めである、と気にしているのだ。
普段はパンストやタイツを穿いているのも、そういった理由からのもの。
実際には太いという程太い訳でもなし、程よい肉付きの女性的な脚なのだが。
垣根の差し出してきたサンタ服は、脚が露出してしまう。
そして、そのセット内容にストッキングなどは含まれていない。
なので、尻込みしてしまっているのである。
ここは説得せねばなるまい、と、垣根は学園都市第二位の頭脳をフル回転させる。

垣根「>>931」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 15:55:53.86 ID:ObsQsWVso<> これを着て俺を踏んでくれ(キリ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 16:09:52.54 ID:pMaFOq5DO<> お前がその綺麗な自分の足を太いと勘違いして、しまいには俺が親友と選んだサンタコスすら似合わないと思い込んでるって言うなら…まずはその幻想をぶち[ピーーー]!!

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 16:11:55.85 ID:YKuTpr180<> 嫌ならしょうがないか…ズーンショボーン <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 16:27:43.12 ID:3ZU5JGA40<>
垣根「嫌ならしょうがないか…」

ずーん。
しょぼーん。

とてつもなく落ち込む垣根帝督。
実際はそんなに落ち込んでもいない。
超能力者にして暗部出身名俳優・垣根帝督の演出である。
思わぬ反応に、麦野は口ごもる。
そうしている間にも、彼女の色よい返事が来るまで、垣根はへこみ続けていく。

垣根「…はぁ…」

麦野「…ぅ」

垣根「…嫌か…そっか…」

麦野「……」

垣根「…結構頑張って選んできたんだけどな…まぁ、仕方ねえな…」

麦野「……」

がっくりと項垂れ、セットをそっとテーブルに置き、垣根はソファーで膝を抱える。
膝を抱えたまま落ち込んでいる彼の姿は、今にもきのこが生えてきそうだ。

垣根「……はぁ…はー…ぁあ…」

麦野「…>>935」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 16:31:59.59 ID:pMaFOq5DO<> …………き…着る…、着るから…着たら元気だしてくれる…? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 16:38:53.82 ID:JeJ9DXbl0<> >>934

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 16:46:46.97 ID:3ZU5JGA40<> 《垣根くんが選んだサンタ衣装はこちら参照→http://item.rakuten.co.jp/party-honpo/pw-04506s/》


麦野「……………き…着る…、着るから…着たら元気だしてくれる…?」

垣根「…馬鹿馬鹿しいんだろ…? 嫌なんだろ…?」

麦野「……、こ、…言葉の綾よ」

言うなり、彼女はセットを手に、普段あまり使っていない部屋へと消えた。
恐らく、予想通りであれば、着替えて出てきてくれるのだろう。
先程までの落ち込みはどこへやら、垣根は脚を伸ばして座り、うきうきとしながら待機した。
ちなみに彼は、麦野の事を太いと思った事は一度も無い。
グラマーで女性的でエロい体つきだ、と思った事は幾度もあるが。

垣根「……」

鼻歌でも唄いかねないテンションで待機する事、三十分。
麦野は、そろそろと部屋から出てきた。
白い帽子はちょっぴり布余りしたのか、兎の耳のようにへたりとたれている。

垣根「…、」

麦野「………」

白いクリスマスブーツもしっかりと履いてくれたらしい。
真っ白なサンタ衣装に身を包み、唯一顔を赤く染めている彼女は、天使のような愛らしさだった。
いつもの強気はどこへやら、生足では心もとないのか、スカートの裾を握っている。

麦野「………似合う? …似合うって言いなさいよ」

垣根「>>938」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 17:04:19.45 ID:pMaFOq5DO<> 麦野んが可愛過ぎてヤバい、サンタさん最高っ!!

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 17:18:02.53 ID:ywmO/CnR0<> すっごいムラムラする!マエカガミ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 17:38:27.09 ID:3ZU5JGA40<>
垣根「すっごいムラムラする!」

垣根の反応は素直なものだった。
思わず硬くなった股間を押さえ、自然と前かがみになる。
そんな様子に、麦野はいつもの下ネタを披露する余裕もなく、もごもごとした。

垣根「っ…」

麦野「…帝督」

麦野ははっとしながら、垣根にティッシュを差し出した。
何故かというと、彼が鼻血を出していたからである。
性的興奮のあまり鼻血が出る、という経験を初めてした垣根は、動揺しながらも言いたい事だけは言った。

垣根「すげえ可愛い。あー、エロいことしたい」

麦野「……、…」

麦野は視線を彷徨わせ、スカートを握る。
ぎゅう、と強く握ると、やがて、一言。
やっぱり口ごもり気味に言った。

麦野「……いいわよ、…しても」

垣根「…げはっ」

麦野「!? ちょっ、その血液量は不味い、」







サローニャ=A=イリヴィカは悩んでいた。
ひらひらとしたスカートから下着が覗いてしまう事も構わず、ソファーで膝を抱えている。
そんな彼女を尻目に、オティヌスは今日も今日とて子猫と戯れていた。
純粋な魔神だからといって、感覚まで異常とは限らない。
普段オーディンとは水と油程に気が合わない彼女だが、猫好きだけは共通していたりする。
とはいっても、彼女がオーディンに飼い猫を触らせる事は無いが。

サローニャ「オティヌスちゃん」

オティヌス「何だ?」

喉を鳴らす子猫をあやしながら、オティヌスはサローニャを見やる。
彼女は正に恋する乙女といった表情で、おずおずと相談を持ちかけた。

サローニャ「相談ちゃんがあるんだけど」

オティヌス「ほう。話してみろ」

サローニャ「トールちゃんに振り向いてもらうにはどうすれば良いかな」

話題の彼は現在、オーディン、もといオッレルスと酒盛り中である。
今頃長い髪を撫でられながらいちゃいちゃしているのかと思うと、その度にサローニャの腸は煮えくり返る。

オティヌス「>>941」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 17:40:07.57 ID:qB9HrgkSO<> ふたなりになるか、性転換するか、来世に男になれるよう願うとか…? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 17:45:37.53 ID:MnEAT6jC0<> ふたなりになれ <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 17:51:09.25 ID:3ZU5JGA40<>
オティヌス「ふたなりになれ」

サローニャ「…蓋?」

オティヌス「両性具有、ということだ」

サローニャ「無理無理ちゃん。…他の方法ちゃんは無いの…?」

オティヌス「あれだけアプローチされて靡かないんだ、だとすればお前の性格か、性別にしか問題は無いだろう。嫌なら…来世にご期待ください」

なぁ、と同意を求めるオティヌスに対し。
仔猫は呑気にうみゃあと鳴いて、彼女のほっそりとした手に擦り寄る。
ううう、と唸ったサローニャはがっくりと項垂れ、しばし考え込む。
やれるだけのことは、今までやって来ているのだ。
さりげないボディタッチだとか、手料理作戦だとか、色々と。
しかし。
サローニャの頬へのキスには無感動であるくせに。
オッレルスに尻をなでられれば顔を赤くするし、上条には自らアピールに行ったらしいと聞く。
彼女は、特別性格が悪い女の子ではない。
要するに、性別が問題なのである。
オティヌスの発言はサローニャへの意地悪ではなく、最善策を提示したと、それだけのことだ。

サローニャ「…わかった。ふたなりちゃんになる」

オティヌス「頑張れ」

サローニャ「やる気無い!? …オティヌスちゃんは魔神ちゃんだし、ふたなりになる方法とか、知らない? そういう術式とか」

オティヌス「>>944」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 18:05:56.47 ID:4OlAw1Cd0<> この薬を飲め <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 18:08:41.94 ID:qB9HrgkSO<> ないわけではないが、どちらかと言えば付加効果、副産物的な物になる。

…例えば、天使との『融合』なんて超しちめんどくさい儀式と生贄、術式を施した場合、『完全なる存在』になる時に両性になる。

とかな。そんな事するくらいなら金払って性転換でもした方が楽だ。なー、ミューズ(猫の名前)? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 18:09:56.57 ID:4OlAw1Cd0<> 手洗い石鹸みたいな名前の猫ですね <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 18:11:33.43 ID:qB9HrgkSO<> 俺もちょっと思ったがそっちじゃない、美の女神だったかなんだかの別読みだ

たしか <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 18:16:43.19 ID:3ZU5JGA40<>
オティヌス「ないわけではないが、どちらかと言えば付加効果、副産物的な物になる」

サローニャ「……」

真面目に聞くサローニャへ、オティヌスは続けて話した。

オティヌス「…例えば、天使との『融合』なんて超しちめんどくさい儀式と生贄、術式を施した場合、『完全なる存在』になる時に両性になる。…
とかな」

サローニャ「…う…」

面倒臭そうだ、とサローニャは思う。

オティヌス「そんな事するくらいなら金払って性転換でもした方が楽だ。なー、ミューズ」

巨額の金を出せば、何処かの闇医者が何とかしてくれる。
そんな無責任な事を言いつつ、オティヌスはミューズと名付けた仔猫を甘やかす。
ごろごろと喉を鳴らし、仔猫はオティヌスの指先をぺろぺろと舐めた。
サローニャはうんうんと考え込み、悩む。深く、考える。

サローニャ(…そもそもそんなにお金ちゃんが無い…でも…)

オティヌス「オフィーリアの寄越したおやつだぞ」

ミューズ「みゅみゃー、」

猫じゃらしの先端におやつを取付け、仔猫を翻弄しながら、オティヌスはサローニャを見やる。
ちなみに『ミューズ』とはギリシア神話で文芸を司る女神(ムーサ)の英語単数形である。
サローニャは決心を固めたのか、オティヌスを見、姿勢を正してぺこっと頭を下げた。

サローニャ「い、一生のお願い! お金貸して!」

オティヌス「…>>949」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 18:23:21.72 ID:qB9HrgkSO<> 言っとくが、私はそんなに金なんざもっとらん。

大体、お前も一応はフリーの魔術師なんだから、仕事請け負って魔術で稼げや <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 19:04:33.44 ID:X9o51nqP0<> 面倒くさいからこの薬飲め <>
◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/25(火) 19:11:54.34 ID:upWouFOAO<> オティヌスちゃんは何の為に性転換薬など… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 19:49:16.33 ID:dNvcyU2u0<> ちげーよチンコ生える薬だよ <> ◆2/3UkhVg4u1D<>sage<>2012/12/25(火) 19:52:16.62 ID:upWouFOAO<> オティヌスちゃんは何の為にちんこを手に入れようとしたんだ… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:10:01.22 ID:qB9HrgkSO<> うるさいから黙らせる薬とみた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:12:06.84 ID:uc6nhyGL0<> あれだよ興味本位だよ <> ◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 20:26:45.12 ID:zwOYOO0H0<> 《>>947 ×なー、ミューズ ○なー、ミューズ?》


オティヌス「…面倒くさいからこの薬飲め」

オティヌスは呆れたような顔をすると、仔猫におやつを与えつつ、手を動かした。
どのようなカラクリかは不明だが、彼女の手に、何やら瓶のようなものが握られる。
一見薬のようなものだ。ほとんど薬物である。
だが、科学のそれとは違い、構成成分はなかなかにえげつないものだ。
幼い頃、女であるオティヌスが男であるオッレルスに対抗心を燃やして作った代物である。
効果としては、男性器の追加。もしくは男体になるか。
効果がきっちりと説明出来ないのは、彼女自身が服用した事は一度も無いからである。
サローニャはそろそろと顔をあげ、その瓶を見つめる。
中身は赤黒い液体で、見ているだけで気分が悪くなりそうだ。そして、所謂薬臭い。

サローニャ「…薬って、…それ?」

オティヌス「そうだが」

サローニャ「え…えぅ…」

不味そう、と明らかに引いた表情を浮かべ、サローニャは小さく震える。
魔神になれる人間は皆感覚がおかしいのか、という偏見まで抱いているようだ。

サローニャ「…それ、飲んだら効くの?」

オティヌス「恐らく男性器が生える」

サローニャ「恐らく!?」

オティヌス「頑張れ」

サローニャ「わっ」

瓶をほうられ、反射的にキャッチするサローニャ。
彼女はしばし瓶の中身を見つめた後、そっと蓋を開けた。
そして、ひと思いに、ごくごくと飲み下していく。

オティヌス(…不味そうだな)





サローニャはどうなる?(>>+1のコンマ一桁で決定 19:11:54.3(4)←この場合は『4』)

0〜2 ふたなりになる(現在の身体+男性器)

3〜5 男になる(完全な男性体)

6〜8 効果なし(そのまま)

9 何かの手違いで猫耳しっぽつきになる <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:28:10.05 ID:EP80CQTz0<> えい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:28:57.76 ID:EP80CQTz0<> ちっ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:35:15.49 ID:n6gwfNd9o<> コンマとか関係なく猫耳をお願いしたいところだな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:37:55.33 ID:VUiWQbZ30<> いや待てよ、上条さん←トール←サローニャの
連結が… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 20:42:42.04 ID:zwOYOO0H0<> 《>>956 20:28:10.0『5』 結果:男になる   さろーにゃんちゃん可愛いだろうな… 三連結か…ゴクリ》


次の瞬間。
オティヌスの眼前に、サローニャによく似た美少年が現れた。
正しくは、彼女が美少年へと変化したのだ。
今まであった形の良かった胸はなりを潜め、スカートを押し上げるかのような、股間に膨らみ。
サローニャは不味い薬の入っていた空の瓶オティヌスに返し、自らの身体を見つめた。
今まですっきりとしていたパンツの中は、妙に膨らんでいる。

サローニャ「…成功ちゃん?」

そう呟いた彼女―――否、彼の声は、澄んでいながらも低かった。
声変わりを済ませた、15歳の少年。そういった感じだ。
身に纏っている衣装はそのままなので、妖精のような印象はそのままである。

サローニャ「…お、おお。何だか変な感じ」

オティヌス「…ズボンを穿け」

言いながら、彼女は仔猫を抱き上げる。
空となった瓶はまだ使える為に片付けておいて。
やはり自分の腕は確かだったのだ、と密やかなドヤ顔を発揮した。

そんな折、ガチャリとドアが空く。
今の今までオッレルスと酒盛りをしていたトールである。
ちなみに彼は結局一滴もお酒をいただけなかった為、シラフだ。

トール「あん? 誰」

オティヌス「サローニャだが」

トール「サローニャ?」

サローニャ「>>962」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:48:41.88 ID:qB9HrgkSO<> …ど、どう? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:50:17.04 ID:H0zvAunO0<> >>961

<>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 20:54:55.51 ID:zwOYOO0H0<> 《>>960 ×空の瓶 ○空の瓶を》


サローニャ「…ど、どう?」

トール「……」

雷神は彼の身体を上から下までじっくりと眺める。
細い体躯、白い肌、金の美しい髪。
妖精のような印象を受ける雰囲気。
そして何よりも、オッレルス程ではないがそれなりのサイズがありそうな股間部。
じっくりと舐めまわすように視線を向けられ、サローニャは思わず衣装の裾を引っ張った。
かあっ、と顔を赤くしているその顔立ちも、少年的なものへと少々変化している。

ところで、トールのストライクゾーンは同年代である。
上条当麻の身体を散々貪ったように、それは紛れもない事実。
思わず、トールはごくりと生唾を呑んだ。

この男を抱けないなら、こんな世界なんてオーディンに滅茶苦茶にされてしまえ。

そんな破滅的な考えが浮かぶ程、トールの食指は蠢いていた。

サローニャ「と…トール…ちゃん?」

澄んだ声。
ボーイソプラノともテノールともつかぬ、麗しい少年の声色。

トール「>>965」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:55:58.95 ID:aU9cvTfWo<> 正直たまらんですたい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:57:21.41 ID:pMaFOq5DO<> や・ら・な・い・か・♂ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 20:58:45.38 ID:MnEAT6jC0<> オティヌス!ベッドルーム借りるぞ!
1日くらい!
俺とこいつに客が来たらお前が応対してくれ

いくぞ(サローニャとベッドルームへ) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 21:03:24.83 ID:zwOYOO0H0<>
トール「や・ら・な・い・か・♂」

本気である。
獲物を物色する肉食獣どころではない。
今正にシマウマの首に噛み付かんとするライオンの瞳である。
サローニャは長い間のアプローチがとうとう実った事に思わず瞳を潤ませた。
んん、と誤魔化すように唸って、トールは綺麗な言葉に言い直す。

トール「男になっても綺麗だな。ちょっと話しようぜ」

言うなり、彼はサローニャの手を引いて部屋に消える。
どこか浮き足立った様子だった。
まるで、子供がご馳走を目の前にしたかのように。
オティヌスは同情の目を向ければ良いのか、祝福すべきなのかわからないままにため息を零す。

オティヌス「…はぁ」

一件落着なのだが、何だか釈然としない。




オフィーリアはサンタ服から白いワンピースへ着替え、シャミセンと戯れていた。
この猫は何故だか彼女、もしくは上条とでなければ散歩をしない。
うろついておいでと促しても、外に出ていこうとしない家猫なのだ。

フィアンマ「……」

シャミセン「みゃっ」

ぱしっ、とおやつをとり、貪るシャミセン。
心なしか、ちょっとふくよかになってきている気がする。
冬だから、というのを差し引いても、少々もこもこし過ぎなのではないか。

フィアンマ「……当麻」

上条「ん?」

フィアンマ「…シャミセンがその内歩けなくならないか心配なのだが」

上条「>>969」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 21:39:29.78 ID:T06wdjrC0<> 大丈夫だろ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 21:46:19.87 ID:6Bp86/U90<> だったら運動させれば?
ほら猫じゃらし <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 21:52:37.84 ID:zwOYOO0H0<>
上条「だったら、運動させれば? ほら、猫じゃらし」

ぷらんぷらんと先端が揺れる、特殊樹脂で出来ている猫じゃらしを受け取り。
オフィーリアはシャミセンの前にぷらぷらとちらつかせてみた。
シャミセンはじーっと猫じゃらしの動きを眺めている。
狩猟本能が刺激されるのか、と興味深く観察する事、一時間。

シャミセンが、動かない。

じーっと動きを眺めるだけ。
手元まで垂らして、ようやくぺしぺしと叩く程度。
飛び上がって噛み付くなど、チャレンジ精神がまるで感じられない。
もしやそれすらも出来ない程に鈍重なのだろうか、とオフィーリアは思った。

フィアンマ「…少しは動け」

シャミセン「うなー」

フィアンマ「おやつを抜くぞ」

シャミセン「みぃ」

フィアンマ「…ご飯も減らすぞ」

シャミセン「うみゃっ」

言うなり、ぴょんぴょんと飛び跳ねるシャミセン。
猫じゃらしで華麗に翻弄するオフィーリアに、上条は首を傾げた。

上条「…もしかして、動物語話せたりすんのか?」

フィアンマ「>>972」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 22:09:18.14 ID:pMaFOq5DO<> 当麻は、俺様が話せると思うのかニャ? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2012/12/25(火) 22:10:02.57 ID:T06wdjrC0<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 22:15:48.04 ID:zwOYOO0H0<>
フィアンマ「当麻は、俺様が話せると思うのかニャ?」

上条「ぶはっ」

フィアンマ「にゃー」

上条「…正直、オフィーリアなら出来てもおかしくないな、とは思う」

言いながら、上条はよしよしとオフィーリアの頭を撫でる。
親友にやたらとにゃーにゃー言う親友は居るが、敢えて連想しない。
男のにゃーと女の子のにゃーには月とすっぽん程の違いがあるのだ。
少なくとも、上条当麻という少年の脳内では。

フィアンマ「…その気になれば話せない事も無いだろうな」

上条「え、マジで?」

フィアンマ「この地球上に動物語を話せる人間が一人存在すれば。そしてその人間が魔術的に防壁を張っていない場合」

上条「なるほど」

ふむふむ、と頷く上条。
左手でシャミセンを翻弄しながら、オフィーリアは唐突に上条の頬を舐めた。
くすぐったそうに身じろぐ上条の頬を猫のように舐め、オフィーリアはじっと彼の瞳を見つめた。

フィアンマ「…俺様が猫だったら、飼っていたと思うか?」

上条「>>975」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 22:41:53.87 ID:pMaFOq5DO<> どんな姿でもオフィーリアはオフィーリアだ、だから…猫だとしたら多分飼っていたしペットとして以上に好きだったろうな
まぁ猫も可愛いけどオフィーリアが人で良かったよ、俺もお前も人だからこそこうして愛し合えるんだからな(優しく頭をなでる)

なんか今日は人少ないですね、時間的な問題でしょうか?
kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 22:43:00.49 ID:qB9HrgkSO<> 獣姦してたキリッ


安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 23:35:23.48 ID:qB9HrgkSO<> 逆に、飼いたいとは思っても、飼わなかったかもしれない。

俺は飼い猫も好きだけど、自由な猫が一番好きだからな <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/25(火) 23:45:06.35 ID:zwOYOO0H0<>
上条「逆に、飼いたいとは思っても、飼わなかったかもしれない」

フィアンマ「ほう?」

上条「俺は飼い猫も好きだけど、自由な猫が一番好きだからな」

でも、時々餌付けには行ったかも。
そう笑う上条にくすりと笑って、彼女はもう一度だけ、いたずらに彼の頬を舐めた。
上条もお返しにオフィーリアの頬を舐め、のどかに笑む。

上条「俺が猫だったら飼うのか?」

フィアンマ「傷だらけの黒猫か。保護せずにはいられんな」

上条「何で傷だらけ確定してんだよ」

フィアンマ「その辺りの縄張りの仔猫を守る為に猫パンチ一つで戦っていそうじゃないか?」

上条「…何か想像出来た…」

それでいて、不幸。
トラックに撥ねられても死なないような。

上条「…ま、それでもオフィーリアに拾われんなら悪くはねえかも…いや、やっぱダメ」

フィアンマ「? 何故だ」

上条「人じゃないとまともに触れないから」

フィアンマ「…そうか」

ふふ、と笑って、オフィーリアは上条にくっつく。
クリスマスは、静かに過ぎていった。





そして。
気がつけば年末である。
ここで、学園都市に在籍している学生には、二つの選択肢が与えられる。

一つ、学園都市内で過ごすか。
二つ、親元に帰るか。

そんな訳で、上条は悩んでいた。
彼は『無能力者』なので、他の能力者よりは外出許可が出やすい。
しかし、今年はいろいろな事がありすぎた。
父親である上条刀夜が結局どうなったのか、確かめず仕舞い。
詩菜に連絡すれば現住所を教えてくれるだろうし、歓迎もしてくれるだろう。

フィアンマ「…ゆっくり里帰りしてくるか?」

上条「んー」

フィアンマ「一緒に行っても良いのならついていくが、たまには一人でのんびりしたいだろう。俺様は俺様で、知り合いと過ごしても、イタリアに帰っても、オティヌスの所に行っても良い。…どうする?」

上条「>>979」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 23:52:51.09 ID:qB9HrgkSO<> まぁ、離れる理由はないから、一緒に里帰りしよう <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/25(火) 23:55:06.57 ID:Rw7FK2i10<> 上 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/26(水) 00:01:43.46 ID:sifO4obD0<>
上条「まぁ、離れる理由はないから、一緒に里帰りしよう」

フィアンマ「…良いのか?」

上条「良いのかって、何が」

フィアンマ「…」

上条「母さんはオフィーリアの事知ってるし、…それに」

フィアンマ「…それに?」

上条「正式にお付き合い始めました、って。…まだ言ってねえし」

フィアンマ「…、」

顔を赤くするオフィーリアになごみながら、何だか自分も恥ずかしくなって。
上条は彼女から一旦離れると、携帯電話をいじる。
かける相手は、勿論、母親である上条詩菜。

上条「……」

1コール、2コール…。

詩菜『はいもしもし、当麻さん?』

上条「あ、もしもし母さん。あのさ、もう年末だし、帰ろうと思うんだけど」

詩菜『はいはーい、母さんはいつでも大丈夫よ。オフィーリアちゃんは?』

上条「一緒に帰るつもり」

詩菜『じゃあガールズトークが出来るかしら。ご馳走用意しないとね、うふふ』

上条「…それで、なんだけど」

詩菜『なあに?』

上条「…父さん、帰ってる?」

詩菜『>>982』 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 00:08:17.26 ID:tHxOmQzSO<> とうやさんしんでたな。そう言えば。安価↓ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 00:10:21.44 ID:P30Kh6tDO<> 解ったクリスマスだから皆忙しいのかー
刀夜さんの件はどんな安価したらいいか解らない…

kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 00:12:16.13 ID:fKg8Ybx8o<> そうなんだよ、どうしたらいいかわかんない
難しい安価だな
なので安価下

>>1が展開だいたい決めてるなら

「……」

でも <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 00:15:09.50 ID:tHxOmQzSO<> じゃあ、決めてない時の場合のために、

安価なら


…ちょっと、長い出張中なのよ。だから、会えないかもしれないわね <> アセロラ<>sage<>2012/12/26(水) 00:20:19.73 ID:biTxNFGW0<> >>947
薬用石鹸おもいだしたwwwwww <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/26(水) 00:25:18.43 ID:sifO4obD0<> 《うーんうーん…アレイスターさんは妙なところでしくじるから…うーん  そういえばそろそろ次スレ立てないとアレですね》


詩菜『……』

上条「…、…母さん?」

詩菜『…出張が長いみたいで、年末は帰ってこられないかもしれない。だから、会えないかもしれないわね。…何か、刀夜さんに伝言があったの?』

上条「いや、そういう訳じゃないよ。ただ、会えるかなって思っただけで」

詩菜『うーん。…ごめんなさいね、母さんにはわからない、かな』

苦笑の色をにじませた声音に、謝罪を堪え。
上条はいついつまでには家に着くという旨を告げ、現住所を聞いた上で、電話を切る。

フィアンマ「…どうだった?」

上条「あぁ、…父さんは、…帰ってないみたいだ」

フィアンマ「…そう、か」

上条「…そういえば、オフィーリアはおせち食べた事ないよな?」

話題を転換し、上条は笑いかける。
悔やんだところで、過ぎ去ってしまった事は変わらない。
生きているのかもしれないし、死んでいるのかもしれない。
猫箱の中身を開けて確かめる勇気等、無かった。

フィアンマ「無いが、知識はあるぞ。栗きんとんは財産を表すのだろう?」

上条「そうそう、それぞれ意味があってさ。昆布巻きはよろ昆布、っていうダジャレから来てたり」

フィアンマ「ほう。…当麻がオセチの中で一番好きなものは何なんだ?」

上条「>>988」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 00:26:19.36 ID:Oqiw0aj20<> 鯑 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 00:26:38.48 ID:tHxOmQzSO<> いくらと鮭 <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/26(水) 00:34:20.93 ID:sifO4obD0<>
上条「いくらと鮭」

フィアンマ「…鮭の魚卵がいくらだったか」

上条「そうそう。ご飯に乗っけるとすごい美味いんだよ、アレ」

フィアンマ「いくらは近年入れ始めたのだったか」

上条「そうだな。一般的なのは数の子だし」

フィアンマ「鮭は…最強焼き、か?」

上条「…何か、滅茶苦茶強いってニュアンスで捉えてないか? あれは西京味噌っていうのに漬けこんでるから…」

しばらく続くおせち談義。
ふと、上条は思い立ったように、かちかちとメールを打った。
送る先は、先程電話したばかりの詩菜である。
父親が帰ってこないのは、ある意味上条とオフィーリアのせいでもある。
真実を話さない代わりに、なるべく明るい気分で新年を迎えたい。


--------------------
To:母さん
Title:あのさ
--------------------
オフィーリアに着物
ってレンタル出来る

母さんが昔着てたの
でも、多分着れると
は思うんだけど
--------------------

何となく、可愛い彼女の姿を見たくなった、というのもあるのだが。
しばらくして、返信があった。




詩菜からの返信内容>>+2 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 00:48:47.88 ID:P30Kh6tDO<> またなんて難しい安価だ、好きなおせちは速攻でみんなレスしてたのに……
kskst <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 01:05:45.48 ID:ps1Rbxg40<> もちろんあるわよ
可愛くしてあげるから楽しみにしていてね <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/26(水) 01:15:01.80 ID:sifO4obD0<>
--------------------
From:母さん
Title:Re:あのさ
--------------------
もちろんあるわよ
可愛くしてあげるから
楽しみにしていてね

--------------------

上条(よし!)

フィアンマ「…機嫌が良いな?」

上条「…ま、まぁな」

適当に誤魔化し、上条は冷蔵庫の中身を片付ける事にした。
しばらく家を空けるので、家の中を掃除した後、冷蔵庫の電源も落としておきたい。

上条「んー…あ、アイスあったぞ。バニラとミルクどっちが良い?」

フィアンマ「バニラ」

上条「はいよ」

渡されたアイスをむぐむぐと食べ、荷造り開始。
上条はそんなに心配しなくても良いのかもしれないが、オフィーリアはそういう訳にもいかない。

フィアンマ「…」

ぎゅぎゅ、とバッグに詰め込み、掃除もして準備完了。
上条の方は分類がしやすかったのか、さっさと終わっている。
こんな風に遠出の準備をしっかりするのは、イタリア旅行以来だ。

フィアンマ「…当麻」

上条「ん?」

フィアンマ「…、…一年、…途中からだったが、ありがとう」

上条「…」

フィアンマ「…来年も、一緒に居てくれ」

上条「>>994」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 01:16:23.17 ID:tHxOmQzSO<> ああ、来年も、再来年も、これからずーっとよろしく。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 01:17:30.92 ID:ps1Rbxg40<> あたりまえだろ…
俺とお前はずっと一緒だ…
愛してる、オフィーリア… <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/26(水) 01:35:10.96 ID:sifO4obD0<>
上条「当たり前だろ…」

トランクを放り置き、上条は彼女を抱きしめた。
気付けば、身長もだいぶ追いついている。

上条「俺とお前はずっと一緒だ…」

思い出す。
初めて出会った時の事を。

『…え? は? えっ?』
『…っ、』
『…結構な勢いで落ちたみたいだけど、どっか痛めてないか?』
『…ぁ…、…お、お腹うった………』

半年ほどの期間だったというのに。
何だか、果てしなく長い時間だったような気がしてくる。

『そういえば、名前聞いてなかったな。俺は上条当麻。上条が苗字。お前は?』
『…俺様は、…フェリーチェ=ミカエリス。ミカエリスが苗字だ』

『…おじい様、が…しんで、から…ずっと、ひとりだった…から…』
『…そっか。それでも、俺にとってのお前は、ただ優しいだけな、普通の女の子だよ』

「この俺様にここまでさせたんだ。必ず勝利の知らせと共に帰ってくるんだろうな?」
「優勝して、帰ってくるよ」

『……だから、……一度だけ、………一度だけで、いいから。……、…オフィーリアって、…呼んでくれ』

『俺がお前を止めるよ』

『…当麻に、言おうと思っていた事が、ある。ずっと』
『何だ?』
『…愛してる。俺様の、恋人になってくれ』
『よろしく、オフィーリア』

上条「愛してる、オフィーリア…」

強く抱きしめて、何度でも告白する。

これまでのように、また、沢山の何かがあったとしても。
きっと自分は、彼女と一緒に居る為なら、何でもしてしまう。

フィアンマ「…当麻」

上条「…ん?」

フィアンマ「>>997」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 01:36:13.71 ID:tHxOmQzSO<> 好き <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 01:38:47.83 ID:P30Kh6tDO<> >>996
(触れるだけのキスを) <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/26(水) 01:42:55.15 ID:sifO4obD0<>
「好き」

言って、彼女は顔を近づける。
そして、触れるだけのキスをした。
まるで映画の幕引きのように、優雅な動作で。
顔は赤いものの、羞恥は抑えられる程度になった。
それは、幾度も経験したことの証でもある。

上条と手を繋ぐ事。
上条に認めてもらう事。
上条と一緒に帰る事。
上条と一緒に過ごす日々。

その積み重ねの一つ一つが、これからの彼女を形作り、支える。
半身であることは関係ない。ただ、互いに想い合っているから。

「…俺も、大好きだよ」

上条も軽くキスを返して、抱きしめ合ったまま、目を閉じる。

『時よ止まれ、世界は美しい』と古人は言う。

けれど、上条は、この時間が止まれば良いとは思わない。
彼女とやりたいことは、まだまだ残っている。
この世界を好きになれる程の思い出を、彼女と作ろう。

「オフィーリア」
「ん」
「明日も明後日も、…何時間経っても、出来るだけ一緒に居ような」
「…うん!」






―――お正月が、やってくる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2012/12/26(水) 01:43:54.70 ID:H4HsGsEAO<> + <>
◆2/3UkhVg4u1D<>saga<>2012/12/26(水) 01:43:56.21 ID:sifO4obD0<>
次スレはこちら

フィアンマ「安価、で」上条「目一杯幸せになろうな」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356450151/ <> 1001<><>Over 1000 Thread<> ☆.。 .:* ゜☆.  。.:*::::::::::::::::゜☆.。. :*☆:::::::::::::::::: 。.:*゜☆.。.:*
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       lヽ、  /  Y    ,! ヽ-‐‐/          l
.     =@>‐'´`   l   ノ   ヽ_/          ノ:
      ,ノ      ヽ =@           _,イ:
    '.o  r┐   *   ヽ、 ヽ、_     ,..-=ニ_
    =@   ノ       ノヽ、,  !..□ /     ヽ
     ヽ        .ィ'.  ,!    ハ/    、   `!、    七夕に…
      `ー-、_    く´ =@    /     ヽ  
         ,!     `!  l              ヽ、__ノ    このスレッドは1000を超えました。もう書き込みできません。
         l     `! `! !              l
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世界一教育レベルの高い大学、それがここ、なす大学 @ 2012/12/26(水) 01:35:51.03
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春香「戦わなければ生き残れない」 @ 2012/12/26(水) 01:03:56.10 ID:6vkT7jwQo
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シンジ「ヴンダーで暮らす」 @ 2012/12/26(水) 00:45:18.88 ID:qlZXR9h30
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356450318/

フィアンマ「安価、で」上条「目一杯幸せになろうな」 @ 2012/12/26(水) 00:42:31.29 ID:H4HsGsEAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356450151/

Crazy dream @ 2012/12/26(水) 00:39:18.39 ID:UQ1DSyVbo
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パピーの死期が近いらしい @ 2012/12/26(水) 00:36:27.04 ID:VKF5QqTO0
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