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HTML化した人:lain.
【オリジナル】さくら十字路
1 : ◆69P4OyLUtJa.2012/12/18(火) 08:28:53.49 ID:racUGC560
「桜十字路」バス停。
県立さくら高校の最寄りであるこのバス停は、通学時間帯ともなれば同校の生徒でごった返している。
正門の目の前にあるこのバス停を利用する生徒は、バス通学者全体の99%。
しかし、何事にも例外はある。
歩いて10分、2つ隣の「栃ヶ谷警察署下」のほうが本数は多いので、そちらを利用する生徒も中にはいる。

そんな数少ない例外の1人が、
3年D組筆頭委員、
佐野[ピーーー]である。



このSSはフィクションです。
実在の人物、団体、事件等とは一切関係ありません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355786933
2 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/18(火) 15:27:00.60 ID:2oljyjCv0
6月18日、月曜日。
前期中間試験が先週金曜日で終わり、この日から通常授業である。
佐野も通常通り栃ヶ谷警察署下で降り、10分ほど歩いて1限の授業教室である307教室へ向かう。
桜十字路で降りれば2分なのだが、彼はそこへ行くバスに乗ることを拒否している。

普通は登校したらホームルーム教室である210教室へ向かいそうなものだが、
さくら高校は単位制であるため、朝と帰りのショートホームルームは無い。
クラスで集まるのは、月曜日2限のロングホームルーム(LHR)のみである。
さくら高校では、登校したら授業教室へ直行が普通である。
3 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/18(火) 15:42:10.82 ID:2oljyjCv0
そんなわけで、通常通り1限の授業を終えた佐野は、
2限のLHRに出席する。
通常授業は90分×4時限だが、LHRだけは45分である。

今日は6月18日。
10月に行われる文化祭の企画書の提出締め切りは、6月20日である。
一見早いようだが、そこには単位制、二学期制ならではの事情がある。

夏休み明けの授業開始日は8月29日。
2週間後の9月14日に、前期期末試験が始まる。
それが終わると、今度は「履修指導」の期間がある。翌年度履修する科目を決めるための、要は個人面談である。
それが終わるのが10月10日。
文化祭は、10月13日。

さくら高校にはSHRが無い。
9月14日以降、LHRが行われるのは、試験返却期間中の9月24日と、前期最終日の10月10日だけである。
だから、夏休み前に企画だけは決めておかないと、間に合わないのである。
4 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/19(水) 15:18:30.86 ID:Wh8xUBg60
そんなわけで、今日のLHRで企画を決めないといけないのだが、

「みんな、何やりたい?」

代表生徒の高木が問いかけても、答える者はいない。

3年D組は、団結力が低い。
そして、学校行事に関心が薄い。
ゆえに、このクラスで話し合いをすると、担当者が独断で決め、他の生徒が一方的に従うという形になる。
それで全く異議が出ないのだから不思議である。

文化祭も全クラス強制参加でなかったら、不参加になっていただろう。
そういえば、5月下旬の体育大会も、色別対抗リレーの代表選手は実行委員が指名していた。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/12/19(水) 16:08:25.40 ID:zoHJTTkDO
期待してる
6 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/21(金) 00:10:45.72 ID:c8hBibp60
佐野の座席は中央先頭。右隣は代表生徒高木。正面に担任の内田。
特に聞き耳など立てなくても、高木と内田の会話は自然と佐野の耳に入ってくる。
それによると、どれだけ待っていても意見が出そうにないので、2人で決めてしまおうと考えているようだ。
まあ、いつもの展開といえばそれまでなのだが。

おそらくサボる生徒が多いので、少人数でできるものが良い。
特定の人に任せると、その人が来なかったときに破綻するので、誰でもできるものが良い。
2人が出した結論は、

「フランクフルトでどう?」

賛成1、反対0、棄権29。
本議案は、賛成多数で可決されました。
7 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/22(土) 23:42:33.76 ID:3dnBPmkF0
昼休み。
食堂や購買はさくら高校には無い。昼食は弁当を持参するのがこの学校の常識である。

さくら高校は単位制であり、クラスで集まるのは月曜2限のLHRだけ。
クラスの生徒との繋がりはほとんどなく、むしろ前年度からの友人や部活仲間のほうが繋がりは強い。

3年D組のHR教室である210教室には、現在15人の生徒がいる。
しかし、そのうちD組の生徒は5人。
ここにいない25人は、他の教室や屋外のベンチなどで、友人や部活仲間と一緒に食べているのである。
ここにいる5人のうち4人は、友人と一緒に食べる場所としてこの教室を選んだ生徒である。

残りの1人は、一緒に食べる友人のいない生徒。
佐野である。
彼は中央先頭の座席で、1人で弁当を食べている。
8 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/23(日) 00:01:34.82 ID:xvqGgFxp0
なぜ彼には友人がいないのか。
それを説明するためには、まず彼が一浪していることを押さえておく必要がある。

中学生の頃は、彼にも友人はいた。
それは決して多くはないが、「友人がいた」と宣言するには充分である。
中学校を卒業した彼は、家から近いという単純な理由で、学年制の県立松井高校に入学した。
しかし、入学してすぐの4月15日に、事件は起きた。

この日行われた数学のクラス分け試験。
問題用紙が配られたら裏返しにすると指示されていたのだが、
彼の後ろの席に座っていた生徒が、それをしていなかった。
それを見た彼は、

「裏返しにしろって言われたよな!」

その声は、隣の教室にも聞こえていた。

良く言えば正義。
悪く言えば試験妨害。

この事件で、佐野は謹慎1週間。
しかし、謹慎が明けても佐野が登校することはなく、
4月30日に退学願を提出した。
9 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/23(日) 00:33:52.32 ID:xvqGgFxp0
さくら高校には中退者特別入試というものがある。
しかし、その出願資格は「1年以上高校に在学していたこと」となっている。
1か月で退学した佐野には、当然資格は無い。
彼は仕方なく、一般入試でさくら高校を受験した。

16歳でさくら高校に入学した佐野は、一浪していることを気にしているわけではない。
実際、入学時に提出した生徒基本票を見れば、「県立松井高校中退」と書かれているので、
担任をはじめとする教員の間では、この事実はかなり知られている。
生徒の中には教員と親しい関係の人もいるので、退学の事実も口コミで広まっていることだろう。

それよりも佐野が警戒しているのは、松井高校での悲劇を繰り返すことだ。
自分と無関係の事柄に首を突っ込んだ結果、あのような事件が起きた。
それは試験中に限ったことではなく、授業、LHR、休み時間、委員会、あらゆる場面で起こりうることだ。
そのすべてを回避するためには、





自分と無関係の生徒とは、一切の関わりを持ってはならない。





一見すると、同じクラスの生徒は関係があるように思えるが、
松井高校の事件で叫んだ相手は、同じクラス、それも後ろの席の生徒である。
この事件がきっかけになっている以上、少なくとも後ろの席の生徒は、無関係とみなさなければならない。

栃ヶ谷駅西口から桜十字路方面のバスに乗れば、車内で他の生徒に声をかけられる。
入学当初、そのような事例を何度か経験した。
このままではいけない。そう思った彼は、本数が少なく桜十字路に入らない、藤坂駅行きに切り替えたのである。

弁当を1人で食べるのも、栃ヶ谷警察署下で降りるのも、
すべては悲劇を繰り返さないための予防措置である。
10 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/25(火) 00:25:54.09 ID:X5B8yBfE0
7月20日、金曜日。

栃ヶ谷警察署下交差点。
栃ヶ谷駅からのバスは、10分ほど国道を南下して、この交差点に辿り着く。
さくら高校の生徒がよく利用する、桜十字路経由立花台行きは、この交差点を右折する。
ここから2つ目が桜十字路。
一方佐野は、ここを直進する藤坂駅行きを利用している。
立花台行きに比べ本数は少ないが、高校や大学が無いため圧倒的に空いている。
そして何より、さくら高校の生徒は滅多に乗らない。
生徒との接触を避ける彼は、入学当初からこの系統を利用している。

この日は夏休み前最後の登校日。授業は一切無く、135分間のLHRのみが行われる。
11 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/27(木) 22:40:06.57 ID:FKoYV6Gn0
訂正
LHR90分・大掃除45分


午前9時、LHR開始。

夏休み明けの8・9月の行事予定表を配付。初日の8月29日は9時にこの教室に集合し、避難訓練をする。
夏休み中に登校するときも制服着用。登校したら事務室前の名簿に名前を書く。
センター試験の説明会があるので、受ける人は今日の11時に視聴覚室に集合。
筆頭委員は11時に会議室に集合。センター試験を受ける人はそちらが優先。

それだけだった。

内田は連絡を終えると、
「10時半から掃除だからそれまで教室で待機しててくれ」
と言い残して、教室を出てしまった。
12 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/27(木) 23:00:08.50 ID:FKoYV6Gn0
現在時刻、9時20分。

教室に戻ってきた担任の内田は、代表生徒高木と話し始めた。
隣に座っている佐野には、話の内容がよく聞こえてくる。

「会計担当って決めた?」
「大川です」

昇降口の掲示板に文化祭の実施要項が張り出されている。
この掲示板を見る生徒はほとんどいないが、佐野は毎日見るように心掛けている。
それによると、各団体の企画書の提出期限は、7月20日、すなわち今日である。

企画書には団体名や代表生徒、会計担当、顧問などを書く。昇降口の掲示板に様式が張り出されている。

「団体名は?」
「フランクンシュタイン」

決めた覚えは無い。
佐野はLHRを欠席したことは無いが、6月18日以降、文化祭に関する話し合いは一度も行われていない。
おそらくいつものパターンで、高木が独断で決めたのだろう。他の生徒に確認しないのはどうかと思うが。
13 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/31(月) 01:27:56.00 ID:HNowByyw0
訂正
筆頭委員会は11時30分開始

 9時00分→10時30分 LHR
10時30分→11時15分 大掃除
11時30分→       筆頭委員会
同             センター試験説明会




その後は特に何事も無く、また何の話し合いもせず、LHRは終了。
大掃除を終えた佐野は、210教室で出席確認をした後、会議室へ。

筆頭委員会は、生徒総会に次ぐ議決機関。
総会に出す議案は、すべて事前にこの委員会を通さなければならない。
他にも部活の新設など、重要な事柄はすべてここで審議される。
選挙監理委員や会計監査委員もこの中から選ばれる。

生徒と関わりを持たない主義の佐野が、なぜこのような役職に就いているのか。

抽選で決まったのだから仕方がない。
14 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2012/12/31(月) 01:48:20.02 ID:HNowByyw0
「本日の議題は、選挙管理委員選出についてです」

10月10日、すなわち前期最終日が、生徒会役員選挙の投開票日である。
これに備えて準備をしたり、当日行われる立会演説会の進行をしたりするのが、選挙管理委員である。
人数は6人。
投開票だけは、各クラス2人ずつの筆頭委員の仕事である。

「選挙管理委員をやりたい人は、手を挙げてください」

佐野の主義は、「自分と無関係の生徒と関わりを持たない」である。
抽選で決まったとはいえ、彼は筆頭委員。
委員会における発言は、委員という立場では、十分に関係のある事柄である。
筆頭委員の仕事は、委員会に出席し、意見を述べること。
4月の委員会では一度も発言しなかったが、これでは駄目だ。
筆頭委員たるもの、積極的に発言しなければならない。

寂しさというのも、少しはあったのかもしれないが。

真っ先に手を挙げたのは、3年D組、佐野であった。
15 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/06(日) 01:32:09.12 ID:GhFYH1fk0
>>11筆頭委員会優先に修正


その後5分ほどかけて、残る5人が立候補。

「選挙管理委員はこちらの6人に決定しました」

これで今日の筆頭委員会は終了である。

大抵の委員はそのまま真っ直ぐ帰るのだが、佐野は帰れない事情がある。
彼はセンター試験を受験する予定なので、本来ならばその説明会に参加しなければならなかったのだが、
筆頭委員会と重なったので参加できなかったのだ。

せめて担任の内田から資料だけでも受け取っておこう。
そう考えた彼は、職員室へ向かった。

「じゃあこれが資料。出願は9月27日だから忘れないように」

センター試験の出願は意外と早く、10月にはセンターに願書を送らなければならない。
校内締切は余裕を持って、全体履修指導が行われる9月27日に設定されたようだ。
単位制のさくら高校では各生徒の登校日はばらばらだが、この日は全生徒が確実に登校する。

「わかりました」

ここで帰ってもよかったのだが、彼には一つ気になることがあった。
目の前にいるのは担任の内田。せっかくだからこの場で聞いてしまおう。

「文化祭の会計担当っていつ決めたんですか?」

「ああ、なんか勝手に決めたみたいだぞ」

勝手に決めた。
やはり高木の独断だったのか。

もっとも、会計担当に決まったのは佐野ではなく大川なのだから、彼には全く関係の無いことなのだが。

「そうですか」

彼は今度こそ帰ることにした。
16 : ◆69P4OyLUtJa.[sage]:2013/01/06(日) 01:33:19.10 ID:GhFYH1fk0
ちなみにフィニッシュラインは文化祭の予定
17 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/10(木) 23:11:56.75 ID:wDRTFU6T0
8月29日、水曜日。

夏休み明け初日は授業は無い。
避難訓練が終了したら、各教室に戻り、45分間のLHRを行う。11時30分放課。

そのLHRの内容はこんな感じであった。
推薦入試を受ける生徒は、LHRが終わり次第視聴覚室。
選挙管理委員は同じく会議室。
工芸I履修者は作品の返却をするので同じく工芸室。

以上。

昇降口の掲示板によると、8月30日に試食会なるものが実施されるらしい。
調理団体はそれぞれ代表3人が参加すると書かれていたが、
3年D組の代表はどうなったのだろうか。
代表生徒の高木と会計担当の大川は参加するとして、あと1人は?
18 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/10(木) 23:21:08.99 ID:wDRTFU6T0
佐野の主義は、「自分と無関係の生徒と関わりを持たない」である。

彼は3年D組の生徒として、フランクンシュタインなる団体に参加することが確定している。
隣に座っているのは、そのフランクンシュタインなる団体の代表生徒。
これを無関係と解釈してしまえば、あらゆる事柄が無関係になってしまう気がしていた。
そうなれば、この先社会で生きていくときに不自由が生じるだろう。
そうならないためには、「無関係」の枠組みを少しずつ小さくしていく必要がある。

寂しさというのも、少しはあったのかもしれないが。

「高木さん、ちょっといいか」

彼はさくら高校に入ってから初めて、他の生徒に自ら声をかけるという行為をした。
19 : ◆Eagmb/zb5ubV[saga]:2013/01/12(土) 23:16:23.45 ID:CweNxnY/0
「ん?」

高木は声のした方を振り向く。そこにいたのはもちろん佐野。
普段声を出さない人にいきなり話しかけられたら、誰でも驚くだろう。

「試食会のメンバーって決めた?」

しかし、本当に驚いたのは、佐野のほうであった。

「え?決めたでしょ?」

彼は今年の4月以降、LHRを欠席したことは無い。
そして彼の記憶では、試食会のしの字もLHRでは登場していない。

高木が独断で決めたのか、それとも…

「それで?」

「いや、何でもない」

放課までの30分を、佐野は寝て過ごした。
20 : ◆69P4OyLUtJa.[sage]:2013/01/12(土) 23:17:25.30 ID:CweNxnY/0
繝医Μ繝繝励Α繧ケ
21 : ◆69P4OyLUtJa.[sage]:2013/01/12(土) 23:18:32.38 ID:CweNxnY/0
>>19はトリップを間違えた
>>20はその旨書こうとしたら文字化けした
22 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/15(火) 15:45:03.73 ID:GFWz6jB50
この日の選挙管理委員会は、日程の確認と、公示ポスターの張り出し。
ポスターは担当教員の橋本が作っていたので、委員の仕事は張り出しのみ。

その日程を確認しておこう。

公示、8月29日水曜日。
告示、9月27日木曜日。
立会演説会、10月10日水曜日。
投開票、同日。

ちなみに前期期末試験は、9月14日金曜日?21日金曜日。
週が明けて24日月曜日?26日水曜日が試験返却期間。
27日木曜日、全体履修指導(要は説明会)。
28日金曜日?10月9日火曜日、個別履修指導(要は個人面談)。
10日水曜日、前期最終日につきLHRのみ。
11日木曜日?12日金曜日、文化祭準備期間。
13日土曜日?14日日曜日、文化祭当日。

ちょっと長くなったが、ここで一度確認しておきたい事実がある。

LHRは、毎週月曜日に行われる。
9月17日と10月8日の月曜日は、祝日である。
10月1日月曜日は、個人履修指導期間中。

そうすると、文化祭前のLHRは、9月3日、10日、24日の月曜日と、前期最終日の10月10日水曜日なのだが、
その10月10日のLHRを使って、立会演説会と投開票が行われる。

残されたLHRは、3回。時間にして135分。
最後のLHRは、9月24日月曜日。

3年D組の文化祭は、まだほとんど決まっていない。
少なくとも佐野は、何も決めた覚えは無い。

間に合う保証はどこにも無い。

もっとも、高木が全て独断で決めるのであれば、5分でも充分なのだろうが。
23 : ◆69P4OyLUtJa.[sage]:2013/01/15(火) 15:46:18.95 ID:GFWz6jB50
?は波ダッシュが文字化けしたものである。
24 : ◆69P4OyLUtJa.[sage]:2013/01/20(日) 14:09:09.67 ID:P2X19db40
設定確認

佐野(主人公)内田(担任)橋本(選管担当教員)→男
高木(代表生徒)大川(会計担当)→女
25 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/20(日) 14:21:55.74 ID:aAHKHooe0
昇降口に2枚、各階の廊下に1枚ずつ、合計6枚のポスターを貼って、
この日の委員会は終了。
立候補の受付は橋本がすると宣言したため、委員の仕事は9月27日の告示まで何も無いことになる。
ちなみに9月27日は、センター試験の出願日でもある。
出願する人は、それが終わってから委員会に来ればよいとのことであった。

現在時刻、11時50分。
放課から20分が経過しており、ほとんどの生徒はすでに帰宅している。
逆に部活動をする生徒は、完全下校の17時30分まで校内に留まるだろう。
この時間帯に帰宅する生徒は、一部例外を除いては、選挙管理委員の6人だけである。
そのため、桜十字路を通るバスも、この時間帯はかなり空いている。あと15分早ければ、おそらく1本目では乗れなかっただろう

しかし、どれだけ空いていようと、佐野がこの系統を利用することはない。
10分歩いて、栃ヶ谷警察署下を利用することに決めている。
26 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/25(金) 23:55:35.91 ID:zPBggZLg0
栃ヶ谷警察署下。

南北へ走る片側2車線の国道と、西へ向かう片側1車線の市道が交わるT字路である。
その北側にあるバス停で、佐野はバスを待つ。

西側の市道から、バスが曲がってくる。
その行先表示は、栃ヶ谷駅西口。
ここから栃ヶ谷駅へ行くルートは国道を北上する他になく、
どう考えてもこのバスに乗るのが最善である。

しかし、彼は乗らない。

そのバスの行先表示には、確かに「桜十字路経由」の文字があったからだ。

どれだけ空いていようと、この系統には絶対に乗らない。
乗客にさくら高校の生徒がいれば、接触の可能性が排除できないからだ。
無関係の生徒との接触を徹底的に避ける彼は、この程度でも看過できないのである。

…仮にそうだとすると、今日のLHRでの行動は何だったのだろうか。

10分後。
南側の国道から来た1台のバスが、交差点を通過し、バス停に停まった。
表示は栃ヶ谷駅西口。経由の表示は無い。
佐野は、迷わず乗り込んだ。
27 : ◆69P4OyLUtJa.[sage]:2013/01/28(月) 14:57:27.03 ID:uPbLiLV00
今更だが鬱展開注意
28 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/28(月) 15:28:58.14 ID:uPbLiLV00
9月3日、月曜日。

月曜日の2限はLHRと決まっている。
10時45分開始、11時30分終了。
…のはずだが、実際には11時00分頃にすべて終わることが多い。

たとえば今日の内容はこんな感じである。
工芸?の作品返却がまだの人は昼休みに工芸室。
奨学金説明会、12時00分会議室。
図書室から新着図書の案内を配布。

以上。

ちなみにこの時点で10時58分だが、11時30分までは教室にいなければならないことになっている。

そういえば、8月30日に試食会なるものが開催された。
3年D組は調理団体であるため、参加義務があったはずだ。
佐野は詳細を知らないが、一体どうなったのだろうか。そもそも参加したのだろうか。

佐野の席は、幸いにも代表生徒高木の隣。
こういうことを聞くには、かなり都合がよい。

佐野は3年D組の生徒として、フランクンシュタインなる団体に参加することが確定している。
高木はそのフランクンシュタインなる団体の代表生徒。

「高木さん」

自分と無関係の生徒とは考えられなかった。
29 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/01/31(木) 23:22:33.56 ID:lrwNJHj60
「ん?」

一方の高木。何やら怪訝な顔をしている。

「試食会ってどうなった?」

相手がどんな表情をしていようと、佐野には関係ない。
フランクンシュタインに参加することが確定している以上、その団体に関することは知っておく義務がある。
彼はそう割り切っていた。

「は?」

「いやだから、試食会ってのがこの間あったみたいだけど、どうなったのかなって」

「…は?」

このあたりで止めておけば、彼もまだ生き残る可能性はあったのだろうが、
今の彼にはそれに気付く余裕はない。

「結局誰が出たんだ?」

「……は?」

「というか、出たのか?」

フランクンシュタインに関することは知っておく義務がある。
彼はそう割り切っていた。

割り切るという行為が、他人に迷惑をかけるだけの自分勝手な行為であるとも知らずに。

「いい加減にしてよ!」

高木のこの一言で、ようやくそれに気付いた佐野。
しかし、時すでに遅し。

「すいませんでした」


翌週9月10日月曜日。2限LHR。
210教室に、佐野の姿はなかった。
30 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/02/06(水) 08:34:25.29 ID:f5vv8RvR0
9月18日、火曜日。

前期期末試験が始まった。

さくら高校は単位制である。
平たく言えば、「すべての科目が選択科目」である。
時間割を見て自分が履修したい科目を登録し、その授業に出席する。
それ以外の時間帯は来なくてよい。

定期試験も同じ。自分が履修登録した科目の試験だけ来ればよい。
それ以外の時間帯は来なくてよい。
違いがあるとすれば、授業が1時限90分であるのに対し、試験は60分であることくらいか。

3年次にもなると、履修する科目も少なくなってくるので、
ある1日は一切試験がない、などということも普通にある。

そんなわけで、先週金曜日から始まった前期期末試験、
佐野の最初の試験はこの日の3限(数学B)だったりする。

そしてその数学Bの試験で、事件は起こった。
31 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/02/11(月) 08:00:59.23 ID:C2pT8ker0
さくら高校の定期試験。

まず解答用紙が配られる。これは名前を書いたら裏返しにしておく。
次に問題用紙が配られる。すぐに解答用紙の下に入れ、見えないようにしておく。
たまに両面印刷の解答用紙があるが、臨機応変に。

数学Bも、同じだった。
片面印刷の解答用紙が配られ、名前を書いて即裏返し。
表を向けている人がいれば、試験監督の教員が注意する。

たとえば、佐野の後ろに座る内藤がそうである。
彼は名前を書き終えているにも関わらず、解答用紙の表を向けている。
当然、試験監督の橋本が注意に向かう。

しかしそこで、それを妨害する声が掛かった。






「裏返しにしろって言われたよな!」






その声は、隣の教室にも聞こえていた。



32 : ◆69P4OyLUtJa.2013/02/13(水) 23:30:40.28 ID:Jtc2JNuJ0
佐野は橋本の手によって、直ちに連れ出された。
向かう先は職員室。

「内田先生来るまでちょっと待っててくれ」

5分後、担任の内田が到着した。試験監督は他の先生と交代したようだ。
当事者である佐野、担任の内田、学年主任の橋本の3人は、第一応接室へ向かう。

「前の学校でもやったんだって?」

入学時に提出した生徒基本票には、「懲罰の記録」という欄がある。
普通は空欄だが、佐野の場合は「謹慎1週間 試験妨害のため」と記載されている。

第一応接室に到着。
やがて、校長が入室した。応接室の空気は一気に緊張する。
佐野が立ち上がり、校長の前へ。

ここまで来ればその後の展開は予想できるだろう。

「懲戒状  停学2週間  3年D組11番   佐野[ピーーー]  試験妨害のため」
33 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/02/24(日) 01:13:05.64 ID:vkNDqt4+0
10月2日、月曜日。

停学が明けたら、個別履修指導の期間に入っていた。
卒業年次である3年生は、個別履修指導でなく進路指導を行うことになっているのだが、

「佐野は卒業見込み無しだからな」

学期中に停学処分を受けた場合、その学期の履修科目はすべて未履修となる。
その結果、卒業要件の74単位を下回り、さらに必履修科目である体育が未履修となった。

留年が確定した佐野は、次年度履修する科目を登録しなければならない。
彼はとりあえず今年度と同じ科目を登録することにした。

参考までに、センター試験の出願期日が9月27日だったのだが、
卒業見込みの無い生徒は出願できないこととなっている。

帰り際に選管の資料を受け取って、今日は終了。
立候補したのは計8人。
会長選と副会長選は通常の選挙、書記選と会計選は信任投票になるようだ。

ここで一つ気付いたことがある。
事実上文化祭前最後のLHRである9月24日月曜日を、佐野は欠席している。
その前のLHR、9月10日月曜日も欠席である。

他の生徒と関わりを持たない彼は、文化祭に関することを全く知らないのである。
このまま当日を迎えると、役割分担などが分からず、活動に支障が出る可能性が高い。

幸運にも、彼の座席は担任内田の目の前。今度登校したときに確認しておこう。
34 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/02/24(日) 01:33:50.60 ID:vkNDqt4+0
間違えた
10月2日は火曜日
月曜日では2週間経過してない
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/02/24(日) 10:31:51.16 ID:HaYGlirDO
オリジナルは珍しいな
続けたまえ
36 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/02/27(水) 22:06:36.35 ID:vGud8IcP0
10月10日、水曜日。

結論から言おう。
聞けなかった。

この日は前期最終日、かつ生徒会役員選挙の投開票日。
9時から立会演説会が行われるため、体育館集合となっていたのである。
終了後すぐに教室に戻って投票、それが終われば筆頭委員はすぐに会議室で開票。
担任内田と話をする時間は取れなかった。

それにしても、3年D組30人中29人が全く同じ投票内容とは、佐野にとって完全に予想外だった。
2回目に集計した1年D組は20─10くらいに分かれていたのだが。

開票作業が終わり、結果を昇降口前に掲示したところで、選管の業務は終了。
既にLHRは終わっていたので、職員室にいる内田から、前期の通知票を受け取った。
停学があったので佐野の評定はすべて空欄(未履修)である。

ついでに文化祭の役割分担について聞いてみると、

「高木が今決めてる最中らしい」

まだ決まっていなかった。
明日からは準備期間に入る。こんな調子で間に合うのだろうか。
37 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/10(日) 23:27:59.27 ID:Qf3sPPU/0
10月11日、木曜日。

文化祭準備期間に突入した。

まずは各教室の机と椅子を昇降口前に運び出し、使用する団体に教室を明け渡す。
机と椅子を使う団体は、事前の請求に基づいて昇降口前から持って行く。

調理団体である3年D組「フランクンシュタイン」は、フードコートとなる駐輪場へ移動。調理室は目と鼻の先である。
こちらもテントと長机、木製看板の支給を受けるのだが、

「駄目だった」

テントと机は支給されたが、木製看板は借りることができなかったようだ。
その理由は、

「請求用紙出した?」

「あっ」

代表生徒高木、まさかの請求漏れ。
こんな調子で大丈夫なのだろうか。
38 : ◆Vv6WyaBAAT2Z[saga]:2013/03/10(日) 23:41:10.68 ID:Qf3sPPU/0
とりあえずテントと長机を設置したところで、

「あとは高木に任せる」

いつものパターン。

「仕事無い人は帰っていいから」

高木から駄目押しの一言が出たところで、大半の生徒は帰り仕度を始めた。
といっても、放課時刻の12時15分までは、校内にいなければならないのだが。

真っ先にその場を去った佐野は、気付くことはなかった。
帰り仕度をしていると思っていた生徒の半分は、買い出しの準備をしていたことに。
39 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/11(月) 16:21:09.07 ID:Y9XCJ3xb0
10月12日、金曜日。

この日からは登校したら各団体の活動場所に集合となる。
調理団体である3年D組は、駐輪場に集合する。

佐野が登校すると、すでに何人かの生徒が集まっていた。
現在、3年D組の活動場所にあるのは、テントと長机のみ。
これだけでは到底フランクフルトを売ることはできないだろう。

集合時刻である9時ぎりぎりに高木が登校した。

「当日の当番表ができたから確認しといて」

高木の手には30枚の紙。1人1枚ずつ配布される。
表面には10月13日、裏面には14日の当番表が書かれている。
それぞれ「調理」と「販売」に分かれ、1時間交代で当番に入るようだ。
文化祭は午前10時から午後3時までの5時間なので、
1時間あたり、調理販売それぞれ3人で担当すれば、ちょうど30人なのだが、

「俺は?」

どこを探しても佐野の名前が見つからない。

「あ、ごめん忘れてた」

確かに佐野は他の生徒と関わりを持たないが、それでも3年D組の生徒である。
当然、当番には入らなければならない。

幸い佐野は部活動に入っていなかったので、他の団体の都合で当番に入れない時間帯は無い。
空いていた時間帯に佐野の名前を書き込んで、当番表は完成となった。
40 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/13(水) 16:00:29.55 ID:rtjmax870
放課時刻の12時15分を迎えた。

正門を出ると目の前が立花台行き、道路を渡って反対側が栃ヶ谷駅行きの乗り場。
もちろん佐野は桜十字路バス停を利用しないので、どちらの乗り場も素通りである。

普段ならこの時間にこのバス停から乗る人はほとんどいないのだが、今は文化祭準備期間。
放課時刻が早くなれば、通学時間帯並みに混雑する。

栃ヶ谷駅行きに並ぶ生徒は、ほとんどが栃ヶ谷駅から電車で帰る生徒。
立花台行きは、もちろん立花台付近に住んでいる生徒もいるが、
この日に限っては立花台の業務スーパーに買い出しに行く生徒のほうが多い。

その中に普段は自転車通学の内藤の姿があったのだが、佐野は気付かなかった。
41 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 13:07:25.74 ID:d2voBpxz0
10月13日、土曜日。

さくら高校は、文化祭当日を迎えていた。

午前9時。
出席を取ると、9時台担当の3人はすぐに調理室へ。
エプロンを着け、手を洗い、3年D組に割り当てられた奥の調理台へ向かう。
文化祭は10時からだが、開始時に商品が無いと困るので、調理担当は1時間早く入ることになっているらしい。

冷蔵庫から「3年D組」と書かれたフランクフルトを取り出し、早速調理開始。
42 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 14:26:08.75 ID:d2voBpxz0
高木が残したメモに従って調理を進めていく。
担当者は3人いるので、
フランクフルトに切り込みを入れる係、それをゆでる係、販売場所の駐輪場まで運ぶ係に分かれる。

35本のフランクフルトを運び終えたところで、10時台の担当と交代。
特に行くあても無い佐野は、校舎内に貼られた各団体のポスターを眺めて時間を潰した。
昼食は持参した弁当を、この日だけ解放される屋上で食べた。

14時20分、フランクフルトは完売した。
その時佐野は、校舎2階でポスターを眺めていた。
43 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 22:26:53.76 ID:d2voBpxz0
>>41訂正

4行目
出席を取ると、【佐野を始め】9時台担当の3人は…
44 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 22:39:50.25 ID:d2voBpxz0
10月14日、日曜日。

一般に文化祭は、土曜日よりも日曜日のほうが混雑する(作者主観)。
さくら高校も例外ではなく、前日の2倍の来場者で溢れかえっていた。

この日も昼食を屋上で取った佐野は、担当時間帯の14時まで、やはり校舎内のポスターを眺めて時間を潰した。
友人知人の類がいない彼には、文化祭の定番である喫茶店の面白さが全く理解できないのである。

14時。
販売担当の佐野は、駐輪場に移動。
文化祭は15時までなので、彼は最後の販売を担当することとなる。

今度も高木のメモに従い、販売業務を行っていく。
注文を受けたら台帳に記入、代金を受け取って箱に入れ、整理券を渡す。
調理担当が商品を持ってきたら、整理券と引き換えに渡す。
45 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 22:50:04.99 ID:d2voBpxz0
14時25分、調理担当から「残り10本」の連絡があった。
近くにいる来場者にその旨案内をする。
3分ほどで10本分の注文があり、いつの間にか用意されていた「受付終了」の札を置く。

その5分後、調理担当が最後の10本を持ってきた。

「よし、これで最後」

それを見て、注文していた来場者が一斉にフランクンシュタインの前に並んだ。
これと同時に、3年D組の生徒もテントの周りに集まっていたのだが、
受け渡しに夢中の佐野は気付かない。

「完売です、ありがとうございました!」

最後の1本を来場者に渡し終えた佐野が、完売を宣言した、その時だった。
46 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 22:52:14.81 ID:d2voBpxz0










29発のクラッカーが、一斉に炸裂した。









47 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 23:00:03.32 ID:d2voBpxz0
3年D組の生徒は、全部で30人である。
高木が用意したクラッカーは、当然30発。
最後の1本を渡し完売を宣言したら、一斉に鳴らすという算段だったが、

「あれ?佐野、この話聞いてなかった?」

佐野だけが、聞いていなかった。
48 : ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 23:11:47.15 ID:d2voBpxz0
「高木さん、ちょっと聞きたいんだけど」

閉会式終了後、帰り仕度をしている高木を、佐野が直撃した。

「当番表って、どうやって決めた?」

「まあ…なんか適当に」

「適当?」

「1人ずつ入れない時間聞いて、あとは適当に」

「試食会は?」

「みんなが家庭科部の内藤がいいって言うから、それで」

1人ずつ。みんなが。

3年D組フランクンシュタインは高木のワンマン経営だと、佐野は考えていた。
高木が独断で全てを決めて、他の生徒はそれに従うのだと。

しかし、実際は違った。
生徒全員が協力して、クラスのために活動する。
それが本当の3年D組。

孤立していたのは、ただ1人であった。
49 : ◆69P4OyLUtJa.2013/03/15(金) 23:18:30.82 ID:d2voBpxz0
10月15日、月曜日。


「正午のニュースをお伝えします。

 本日午前7時頃、栃ヶ谷市の県立さくら高校校庭で、
 男性が倒れているのを見回り中の職員が発見し、110番通報しました。
 男性は搬送先の病院で死亡が確認されました。

 倒れていたのは、同校3年生、佐野[ピーーー]君。
 警察は自殺と見て、原因を調べています。」




50 :相原孝行 ◆69P4OyLUtJa.[saga]:2013/03/15(金) 23:20:09.66 ID:d2voBpxz0
以上で終了です。

参考までに前作「直通電車」



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