VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2013/02/16(土) 08:10:16.36 ID:ocf4ZYHDO<>夢を見ていた。遠い遠い日の夢。まだ何も背負わずに生きていけた―――護るのではなく守られ、助けるのではなく助けられるだけの頃の幼き日々を―――夢に見ていた。

夢の中の私は泣いていた。次々と溢れ出る涙を両手で拭い、押し寄せる喧騒の中を泣きながら歩いていた。

今となってはどうして泣いていたのか、その理由までを思い出すことはできないけど……ただ寂しくて悲しかったことだけは鮮明に覚えている。

『―――っ』

夢の中の私は押し寄せる人波に弾かれ、転び、それが痛くてさらにまた激しく泣いた。

膝が痛くて周りの喧騒が怖くて一人が寂しくて誰も助けてくれないことが悲しくて―――それら全ての要素に夢の中の私はわんわんと泣くことしかできなかった。

そんな夢の中の私に手が差し伸べられた。その手はとても小さく、だけどどこか大きな印象を泣いてる私に抱かせた。

その手は私の悲しみを一瞬で吹き飛ばしてくれた。その証拠にさっきまで泣いていたはずの私がその手に気付いた瞬間、笑顔に変わった。

夢の中の私は、その手を掴み、そして―――



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<>女勇者「今度は私が貴女を守る」