以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/04(火) 16:47:18.11 ID:QyWcXWT/0<>
ここは王国領土のはずれの海沿い。
今日もウミネコが鳴き
今日も魚が跳ね
今日も潮風が吹く
なんの変鉄もない海沿い。

しかし皆さんには入江奇妙なとんがり帽子の家が見えるだろうか。

昔からここには魔女が住んでいるとされていた。
大人達はここを「魔女の入江」と呼び誰も近づかなかった。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391500037
<>魔女「さて魔法屋さんの開店よ」 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage saga<>2014/02/04(火) 17:09:25.20 ID:ntMPxHvDo<> 続けて <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/04(火) 17:34:15.33 ID:QyWcXWT/0<> すると一羽のカラスが飛んできてとんがり帽子の家の前に降り立つとドアを嘴でノックした。

コンコン…

「はーい!」

中から若い女の声が聞こえた。

ガチャ

ドアを空けて出てきた。長い黒髪の女性。背は少し高くメガネをかけており、切れ長の釣り目はノックをしたカラスを見るなり笑みに細まった。

女性「あら?カラスさんの郵便屋さんだったのね。おはよう。ご苦労様」

しゃがみこんで頭を撫でる。
カラスは胸にくくり付けた書状の入った筒を誇らしげに見せる。

女性「手紙?」

女性は筒を空け手紙を見て読み上げた。

手紙には

「背景 私の偉大で愛しい娘の魔女へ 貴方に二つの選択肢を与えます。貴方もいい歳なんだし今すぐ魔法界に帰って来て家業を継ぐか、結婚しなさい。ps 今月から仕送りをやめます。」

女性は手紙に握りつぶしカラスの口に突っ込むとカラスの首を掴み言った。

魔女「私は人間界で暮らすと決めたの。家には帰らないし結婚もしません。仕送りもいりませんから。とそう伝えて下さる?」

カラスがコクコクコクと頷くのを確認し
魔女は手を離した。

カラスは鳴きながら朝方の空へ飛んでいった。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/04(火) 17:45:00.30 ID:QyWcXWT/0<> 魔女「とは言ったものの…」

ポストに貯まった請求書の山を見て頭を抱える。

魔女「今月の税金も払ってないし…これからどうしよう…」

んーと頭をひねりながら魔女は考えた。

魔女「そう。お店を開きましょう!」

そういうと魔女は家のドアに魔法で文字を描き始めた。

「Magic shop 魔法屋」
あなたのお悩みなんでも解決します。

魔女「これでいいわね!さてと朝食を食べたらもう一眠りしようかしら」

そう言いながら家の中に入っていった。
<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/04(火) 22:53:16.13 ID:GPL4LQLtO<> なんか面白そう <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/05(水) 02:48:03.78 ID:GaPzlhHI0<> その日はそのまま夜が来て一日が終わった。

次の朝
魔女はノックの音で目を覚ました。

コンコン…

どうやらかなりの時間寝てしまった事は頭痛が教えてくれた。

ノックの音は次第に大きくなる。

ドンドン…ドンドン!!

魔女「誰かしらこんな朝から」

?「おい!いるんだろ!?魔女だかなんだか知らんが今日こそ利子だけでもきっちり返して貰うからな!」

ガチャッ

魔女がドアを開けると青筋を立てた強面の若い男が立っていた。

魔女「あら?ごきげんよう」

借金取り「あぁ?生憎ご機嫌斜めだボケェ!てめぇの溜め込んだ借金のせいでわざわざこんな所まで取り立てに来てやってんだからなぁ!」


<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/05(水) 07:35:34.09 ID:GaPzlhHI0<> 魔女「まぁそれはお疲れでしょう?さぁどうぞお入りになって?お茶の一つでも出させて下さいな!」

借金取り「あぁ!?こっちはそれどころじゃ…」

まぁまぁと魔女は借金取りの手を引き中に引き入れると椅子に腰掛けさせた。

借金取り「じゃ…まぁなんだその…一杯だけな…」

魔女「紅茶でよろしくて?お砂糖は?」

借金取り「かまわねぇ。砂糖は三つ頼む」

魔女「あら?意外と甘党なのかしら?ふふふ」

借金取り「余計な世話だ!」

魔女は笑いながら紅茶を用意して借金取りの前に出した。

魔女「さぁどうぞ」

借金取り「あ…あぁ悪いな…」ズズッ

魔女「どうかしら?」

借金取り「おぉこりゃうめえ!」

魔女「ふふっ最後の紅茶ですから味わって召し上がって下さいね」

借金取り「さ…最後?」

魔女「ふふっそれ…私の特性毒入り紅茶ですもの」

借金取り「なんだと…!!てめぇ…!!図りやがったな!!ウグッ…」

借金取りは腹を押さえてそのまま床に突っ伏した。

魔女「そのまま聞いてくださる?私商売を始めましたの。でもお客様が中々来なくて…」

借金取り「ウググッ…」

呻き声しかあげれないでいる借金取りがさっきまで座っていた椅子に腰掛けると借金取りの尻に足を乗せ魔女は続けた。

魔女「あー誰かお客様になって下さらないかしら…どんな悩みも必ず解決してさしあげれるのに…」

借金取り「なんだ!?俺に…どうしろってんだ…ウグッ…」

魔女「あら?何かお困り?」

借金取り「腹がいてぇんだよ!!猛烈に!!」

魔女「まぁ大変。こちらの魔女特性の解毒薬はいかが?」

借金取り「てめぇ白々しいぞ…!てめぇが盛った毒だろうが」

魔女「まぁ怖い!怖くて震えて一つしか無い貴重な解毒薬を落としてしまいそうですわ!」

そういって魔女は小瓶を揺らす。
借金取りは悲壮な顔をして小瓶を目で追う。

借金取り「止せっ!やめろ!!」

魔女「ではお買上になられます?」

借金取り「クソッ!あぁ買ってやるよ!!いくらだ!?」

魔女「1000万ゴールドですわ」

借金取り「いっせ…!!」ブリッ

借金取り「うぉぉぉ!!」

魔女は笑いながら鼻を摘まんで答えた。

魔女「糞を撒き散らしながら死に行く気分はどうかしら?伝説に残る死に様ですわね!ふふふっ」

借金取り「分かった!!買う!!早く!!早く寄越せ!!」

魔女「毎度ありー!」

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/05(水) 07:54:51.97 ID:X/6sL8gDO<> 1000万ポンと出せるって凄いな
ちゃんと稼げる様になったら過剰分は返してやれよ? <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/05(水) 08:19:53.00 ID:/HKDLCHdo<> いや全額返せよwwwwwwwwwwww <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>saga<>2014/02/05(水) 08:56:41.22 ID:sre/WgUJo<> ひでぇ仕返しと思ったがどう考えても借金してる方が悪いことに気付いた
<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/05(水) 12:50:47.63 ID:Kr5w/2NbO<> やりすぎて後で殺されそうだなこの魔女 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>saga<>2014/02/05(水) 12:53:37.64 ID:sre/WgUJo<> もしかして青空カフェの人?違ったらスマン <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 01:42:23.42 ID:9R4dmRiY0<> 魔女は借金取りに小瓶を差し出した。

借金取り「あ…は…早くっ!!」

借金取りが悲壮な顔をして伸ばした手は空を切った。

魔女「そういえば1000万ゴールドのお支払がまだでしたわね。私の借金はいくらだったかしら?」

借金取り「500万ゴールドだ…っ!!頼むっ!後生だ…!早くそれをくれ…!もう…もう…げん…か…」

涙目でせっかくの強面が台無しになっている借金取りを見下ろしながら嬉しそうに魔女は言った。

魔女「では差し引き500万ゴールドですわね?」

今度こそ借金取りは解毒薬を手にしそれを一気に飲み干した。

さっきまでの激痛と便意が嘘のように消えた。
むしろ前より体調がよくなっている気さえした。

借金取り「はぁ…はぁ…てめぇ…よくも…」

魔女「利子は三日に一割にしておきますわね?」

脱力している借金取りの手を取ると手際よく親指に朱肉を押しつけ借用書に拇印を押させた。

借金取り「こ…こんなのは無効だっ!無効っ!王国警備隊に殺人未遂でしょっぴいて貰うからな!」

魔女「あら?それは困ってしまいますわ。どうしましょう」

魔女はほら貝を取りだし杖でコンコンと叩いた。

すると…

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 01:46:37.98 ID:9R4dmRiY0<> 「いっせ…ブリッ。うぉぉぉぉ!!分かった!買う!買うから!早く!早くそれを

借金取り「やめろぉぉぉぉお!!!」

魔女「人様の店内で糞も漏らした挙げ句借金を踏み倒す人の事なんて誰が信用して下さるかしら?」

借金取り「ちくしょぉぉぉおお!!!」

借金取りは泣きながらとんがり帽子の家を飛び出していった。

魔女はそれを見て「またのご来店をお待ちしておりますわー!」と手を振るのだった。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 05:47:23.46 ID:9R4dmRiY0<> 借金取りの男が去ったあと魔女はいたずらっぽく笑う。家に帰り先程の小瓶と紅茶を作る時に入れた薬の小瓶を拾い「お腹関係」と掛かれた棚に戻す。
その瓶には「下剤」と「整腸剤」と掛かれていた。

魔女「殺人未遂なんて失礼しちゃうわね?」クスッ

借金の返済も終わり、取り合図残ったお金を何に使うかで悩んでいた。

んー!人指し指を口に当て天井を見る。こうすると決まって良い答えが浮かぶのだ。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 05:49:51.15 ID:9R4dmRiY0<> 魔女はなんでも教えてくれる魔法の天井と呼んでいた。

天井には「>>17」と浮かんできた。

魔女はとりあいずそれを実行してみる事にした。 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/06(木) 05:56:28.50 ID:4yNDGhk/0<> 借金取りに謝罪する <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 07:05:12.92 ID:9R4dmRiY0<> 魔女「そうよね…やっぱりやり過ぎちゃったわよね…?何だかんだいってもあの人は私の家に来てくれる唯一の人間だもの…それなのに私あんな事しちゃって…」

魔法の天井に叱られ魔女は少ししょげたような顔をした。

謝るなら何かお詫びの品が必要だと考えた魔女は再び人差しを口に当て天井を見上げた。

魔女「お願い魔法の天井。今度ピカピカにお掃除するからもう一度力を貸してくださらない?借金取りさんの好きな物を教えて欲しいの」

天井には「>>19」と出た。

魔女はパァッと笑顔になり「>>19」の用意に取りかかった。


<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/06(木) 07:09:04.07 ID:q9z0TtZ7o<> 魔女 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/06(木) 10:23:02.38 ID:eVjKK6Pno<> いったいどういうことだってばよ… <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>saga<>2014/02/06(木) 11:37:37.24 ID:57aFytpAo<> 安価かよ <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 15:08:41.33 ID:SyiUUz0M0<> 一方その頃…借金取りはいうと

借金取り「はぁ…なんてこった…。惚れた女の前でウン○漏らすなんて…もう終わりだ…俺は…いっそこのまま…」

魔女の入り江を出てすぐの小川で下着を洗い、それを干しながら自己嫌悪に耽っていた。

ポチャン…

小石を川に投げて俯いては「はぁ」とため息を漏らしていた。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 16:51:51.78 ID:SyiUUz0M0<> パカパカ…
蹄の音に男が振り向くと半身半獣が大きな弓を抱えて立っていた。

借金取り「なんだ。ケンタウロスか…」

ケンタウロス「どうしたんだ?大の男がこんな男で縮こまって…らしくないじゃないか?いつもの威勢はどうしたんだ?」

借金取り「ほおっておけ…俺は今センチメンタルなんだよ」

ケンタウロス「なんだよ。失恋でもしたのか?はっはっは!こいつは傑作だ!お前は女に興味がないと思ってたよ!」

借金取り「うるせぇ!俺も男だ!惚れた女の一人や二人っ!!いや一人ぐらいいるわ!」

ケンタウロス「おーおー!やっぱそうやって威勢よくしてた方がお前らしいや!何があったか知らねぇが俺に話して見ろよ?」

借金取り「なんの事はねぇ…ただ惚れた女の前で大恥かいてきちまったのさ…お前誰にも言うなよ?実は…」

借金取りは魔女の入り江であった事を全て話した。

ケンタウロス「はっはっはっは!!!」

借金取り「笑うんじゃねぇ!!」

ケンタウロス「いやっ!はっは!そんな事で悩んでたのか?俺を見てみろよ!下半身丸出しだぞ!糞なんて歩きながらしまくるしな!だが恥だと思った事は一度もねぇ!これが俺の生き方だ!」

借金取り「ちぇっ…馬と一緒にすんじゃねぇや…」

ケンタウロス「まぁとにかく…ちいせぇ事で悩んでねぇで当たって砕けりゃいいんだよ!」

ケンタウロスはブルルと鼻を鳴らすとさて狩りの時間だと言って弓を担ぎなおすと「頑張れよ」と借金取りの方をポンポンと叩くと「丁度客人のようだしな」と言って森の奥へと消えていった。

魔女「借金取りさーん?借金取りさーん?」

魔女は杖に股がり空を飛びながら借金取りの名を叫んでいた。

借金取りはとっさに岩場の影に隠れてしまった。

借金取り「冗談じゃねぇ…!どの面下げて会えってんだ…!大体わざわざ追い掛けてくるなんてなんの用だ…!?またなんか怪しげな術を使うかもしれんぞ…」

魔女「おかしいわねぇ…魔法の地図だとこの辺を指してるんだけど…」

魔女は行きたい場所の在処を所在を示す魔法の地図をしげしげと見つめながら呟いた。

少し考えたあと大きく息を吸い込むと

魔女「う○こ漏らしの借金取

借金取り「やめろやぁぁぁぁあ!!!!」

魔女「あっいた!」

借金取り「やめろや!大声でいうのとかやめろや!そういうのやめろや!」

魔女「だって出てきて下さらないんですもの…」

借金取り「当たり前だっ!あんな目に合わされておめおめと出てこれるかよ!」

魔女「あら?私なら気にしてませんわよ?だって人ってそういう仕組みなんですもの」ニコッ

借金取り「俺が気にするんだよっ!!」 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 17:14:34.40 ID:SyiUUz0M0<> 魔女「まだ…怒ってらして?」

魔女はうるんだ瞳でそういうと上目遣いで借金取りを見つめた。

借金取り「べ…別にもう…気にしちゃいねぇよ!起こっちまった事は仕方がねぇ!もう過去には戻れねぇんだ!笑うなら笑いやがれ!」

魔女「笑うなんてとんでもないですわ!私貴方に謝罪をしたくて…」

借金取り「謝罪だと?どういう風の吹き回しだ?まさかまた裏があるんじゃ…」

魔女「裏なんてありませんわ」

バサッ

魔女は肩まで掛かっていたローブの留め具を外した。

珠のような白い肌が水面が反射する日の光に当たって柔く光っていた。

その余りにも女性らしい均整の取れた体に借金取りは息を飲んだ。

借金取り「ばっ…ばか!服を着やがれ!」

魔女「あら?お気に召しませんか?確かに最近運動不足でちょっとだけプニッとしてるかも知れませんが」

借金取り「そういう事じゃねぇんだよっ!俺はそんな風にお前をどうこうしたいんじゃねぇ!するならもっとこうムードのある酒場でだな…少し酔ったお前をこう…支えながら…宿まで送るよっつってだな…」

魔女「私はすぐにでも許して戴きたいのですわ…」

借金取り「分かった!許す!許すから!服を着てくれ!」

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/06(木) 17:31:02.36 ID:SyiUUz0M0<> 魔女「本当ですの!?」

シュルル…パチン

借金取り「あぁ男に二言はねぇ…」

魔女「ふふっ!ありがとうございます!」

借金取り「あ…詫びたいのは俺の方こそ…なんだ…実は、500万もの大金はすぐには用意出来そうにねぇ…こっちも今はカツカツでな。王国も不景気のせいで返済が滞りまくりだ。まぁ多少の贅沢はできる程度ではあるが…」

魔女「それでしたら気にしないでくださいな!お薬も500万ゴールドに負けておきます。」

借金取り「いや借用書は絶対だ。情でそれを歪めちまったら金貸しの名折れだぜ?借金取りには借金取りのプライドってもんがある」

魔女「借金取りさん…そうだわ!それなら今週末は空いてまして?デートをしまょう?きちんとエスコーターとして貴方の時間を買いますわ!1時間100万ゴールドで!」

借金取り「ひゃくま…マジでいってんのか!?」

魔女「その代わり素敵なお店に連れてって下さいな?」

借金取り「おうよ!任せとけ!週末迎えを寄越すから楽しみに待っとけよな!」

魔女「はいっ!」
<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/06(木) 18:04:12.12 ID:1ebciwC+0<> 意外と据わりの良いまとまり方かも? <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/06(木) 22:45:10.30 ID:GjRUwK2Ro<> せやな
借金しといて騙して脅して踏み倒した挙句強請ったんじゃクズすぎる <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/07(金) 16:42:57.61 ID:7IWvGUub0<> その夜魔女はとんがり帽子の家に帰ると跳ねて喜んだ。

魔法使い「あぁ今週末初めて王都に行くのねっ!なんだか緊張してしまいますわ!さすがなんでも名案が思い付く魔法の天井っ!言う通りにして正解でしまわ」

天井に向かってウィンクをする魔女。

しかしはっと気が付く。
魔女は魔法のローブしか持っておらず今日は木曜日今からドレスを注文していたのでは間に合わない。

魔女「どうしましょう…」

ここは魔法の天井に…と思ったが思い止まった。

このぐらい自分で解決しなくてはなんでもお悩みを解決する魔法屋の名折れだ。

とりあいず明日アルラクネ(神話に登場する女神の嫉妬で下半身を蜘蛛に変えられた悲劇の少女)の装飾店に出向いてみる事にした。 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/07(金) 16:45:07.58 ID:7IWvGUub0<> そして夜が来てとんがり帽子の家の電気が消える。

魔女の入江はとても静かだ。
波の音と潮風のざわめきだけが静寂を揺らした。 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/07(金) 16:49:50.53 ID:7IWvGUub0<> 次の朝。

朝日が上る頃魔女は杖に腰掛けアルラクネのいる村に向かった。

アルラクネのいる村はそう遠くなく小一時間程で到着した。

魔女は村の入り口に降り立つと近くで遊んでいた子アルラクネ達に道を聞き腕のいい服飾屋の場所を聞いた。
<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/07(金) 17:15:51.74 ID:7IWvGUub0<> 「案内してあげる!」と子アルラクネ達が先導してくれた。

子供達は沢山の足があるため足が早いが
時々後ろを振り向きながら魔女を案内してくれた。

その見返る姿が堪らなく愛らしく魔女は微笑みながら後に続いた。

服飾屋に到着すると魔女は子アルラクネ達にクッキーのお礼をして頭を撫でた。

子アルラクネ達はとても喜んだ。

案内された服飾屋の看板には「UNIKUMO」と書かれており中に入ると沢山の服が展示されていた。

「ごめんくださーい」と魔女がいうと中からアルラクネが出てきた。

魔女「急ぎの注文があるのだけど宜しくて?」

アルラクネ「まぁ!魔女のお客様なんて珍しい!どうぞどうぞお掛けになって!」

魔女はアルラクネに事の次第を話し週末までに黒いパーティードレスが欲しいと伝えた。

するとアルラクネは少し困ったような顔をして

アルラクネ「丁度黒の服に使う素材が切れてしまって…納品は来週の頭になってしまうのよ。残念だけど他の色を選ぶか待って貰うしかないわね…」

魔女「それは困ったわね…そうだ!私がその素材を取りに行ってあげる!とびきりいい黒の素材はなんの繊維なのかしら?」

アルラクネ「ダークキメラの獅子の鬣(たてがみ)が最高峰と言われているけど…とてもじゃないけど用意出来ないわ!危険過ぎるし市場にも出回らない幻の繊維だもの!でも一度でいいから最高のそさ素材で最高の服を仕立ててみたいわぁ…」

魔女「決まりね!もし私がたてがみを持ってきたら余りは貴方に上げるわ。その代わり安くしてくれなきゃ嫌ですわよ?」

アルラクネ「ほんと!?安くなんてとんでもない!代金はそれで十分よ!」

魔女「あら?それはいいわね!約束ですわよ?」

魔女はアルラクネが出した紅茶を一口飲むと今日の夜には帰るからと告げ店から飛び立った。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/07(金) 17:29:59.28 ID:7IWvGUub0<> アルラクネの村からダークキメラのいる闇の渓谷へはかなり距離がある。

魔女の最高スピード(時速150キロ)でも三時間は掛かる。
しかしそんな事は言っていられなかった。

もうスピードで空を駆ける魔女はまるで昼の空を
割る黒い流れ星のようだった。

畑を耕す農夫達が魔女に手を振っていたが魔女は全神経を飛行に集中させていたので気付かなかったようだ。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/08(土) 07:56:41.23 ID:rdNEm+LM0<> 魔女が飛んでいると空が曇ってきた。
この辺は闇の渓谷の更に奥にある竜の棲み処と呼ばれる火山の灰で日光が届かないのだ。

闇の渓谷まであと少しと言うところで魔女になにかが近づいてくる。

カラス色の黒く輝く翼をはためさせて魔女と並走飛行をして来たのはクロウハーピーと呼ばれる黒翼の翼人だ。

クロウハーピー「ねぇねぇなにしてんの?こんな所に魔女がなんの用?」

魔女「貴方には関係ないわ。うっとおしいからあっちに行きなさいな。雷を落とすわよ」

クロウハーピー「ふふふっ!怒ってる?怒ってるの?」

魔女は黙って速度を上げる。

クロウハーピーは余裕な顔をして着いてくる。
やはり飛行能力では翼人には叶わない。

望み通りに答えてもいいが維持の悪いカラスの事だ。
邪魔をすることはあっても手助けはしないだろう。
<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/08(土) 07:57:17.62 ID:rdNEm+LM0<> 訂正
維持×
意地○ <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/10(月) 18:55:55.92 ID:WuXOiuEr0<> まだー? <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/10(月) 18:56:24.84 ID:WuXOiuEr0<> sage忘れすいませんm(__)m <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/10(月) 19:00:25.16 ID:H7d+DZaI0<> 玩具の光り物でもばらまけばOK <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/11(火) 10:40:35.63 ID:qBZcRSCQ0<> 魔女は舌打ちをするとピアスをひとつ外しわざと「大事なピアスが!」とクロウハーピーに聞こえるように言った。

クロウハーピーは「大事な物もーらいっ!」と言って嬉しそうに急降下していった。

魔女「お気に入りのピアスでしたのに…」

魔女は心底残念そうに呟くとダークキメラのねぐらに急ぐのだった。 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/11(火) 10:55:58.48 ID:qBZcRSCQ0<> 魔女はダークキメラのねぐらである洞窟にたどり着いた。

中から獣のうめき声が聞こえる。

普通の人間なら臆してしまいそうだが魔女は他所の家に上がるように「ごめんくださーい」と言って入っていった。

入り口に入ってすぐに「どちら様?」という女性の声が聞こえた。

暗闇に慣れた目を凝らすと年頃の娘が目を丸くして魔女を見ていた。

しかしよくみるとただの娘では無い事は直ぐに分かった。
下半身は蛇の胴を持つ「ナーガ」だ。

ナーガ「あなた誰?旦那様の友達?」

人は余程珍しいらしく上から下まで舐めるように見ながらナーガは言った。

魔女「突然押し掛けて御免なさいね?ここにダークキメラがいたはずなんだけど知ってる?」

ナーガ「やっぱり!旦那様のお友達のかたなのね!友などいらぬ!なんて!旦那様ったら嘘をついて!」

口調は起こってるが嬉しそうにナーガは奥へとシュルシュルと入っていった。

ナーガ「旦那様ー?旦那様ー?お友達がお見えですよー!」

ナーガが呼ぶ獣のような呻き声が止む。

そして… <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/11(火) 11:08:09.25 ID:qBZcRSCQ0<> ダークキメラ「ガァァァァァァアアアア!!!!!!」

突然魔女の前に暗黒色の巨大なキメラが飛び出してきた。

魔女はまったく動じる事なくニコッと微笑むと「ご機嫌いかが?」と挨拶をした。

ダークキメラは驚かない魔女をグルルルと唸り怪訝な顔でまじまじと見ると鼻をクンクン鳴らした。

魔女は「あら大きな鼻♪」と楽しげに鼻に手をかざす。

ダークキメラとは頭が獅子。胴が山羊。尻尾が蛇の三頭合成生物だ。

ダークキメラ「貴様からは濃い闇のにおいがする …何者だ?」

ダークキメラが聞くと魔女は

魔女「わたくしは魔女と申します。あなた目が見えなくて?」

山羊「獅子の目は人間にやられたのです…」

銅の部分の山羊が礼儀正しい口調で答えた。 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/11(火) 17:04:48.16 ID:k24mmPN2o<> キメラって、それぞれ別の生物かよ! <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/11(火) 18:18:58.63 ID:qBZcRSCQ0<> 蛇「突然大勢の人間が押し掛けてきてな獅子は闇の渓谷を護る為に戦ったんだぜ!ケヒーッヒヒヒッ!」

軽口を叩くのは尾の蛇だ。

山羊「結果…敵軍は退いたが獅子は目を失ったのです…」

魔女はそういえば少し昔に王国から大規模な掃討作戦の為魔術部隊に加わって欲しいと使いが来たのを思い出した。

古の戦いで兵器として作り出された彼らだが今はもう生物としてこの世に根付いている。

魔女は人の手で作っておいてそれを人の手を駆逐する事に疑問を持った。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/12(水) 06:20:39.79 ID:h3K5B1290<> 一応色んなキメラがいるから補足します。
このタイプのキメラです。

http://m.game.watch.impress.co.jp/img/gmw/docs/459/831/html/dd02.jpg.html <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/12(水) 06:24:36.57 ID:MDpXxCcN0<> 俺の想像と同じキメラだった <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/12(水) 17:19:00.28 ID:h3K5B1290<> 蛇「あいつらよぉ…急に来てよぉ…片っ端から殺し始めやがってよぉ…あいつらが何したってんだ…俺らが何したってんだんだよぉ…。ケヒヒヒ…人間…人間…人間…ニンゲン…ニンゲン…ニンゲェェェェェン!!!」

蛇は急に虚ろな目になると人の形をした魔女に食らいかかった。

しかしあと少しでその牙が魔女に届くというところで、獅子は大きな前足で蛇の胴を踏みつけ、それを止める。

蛇「ぐげぇぁ…!」

獅子「止さんか、俺の客人だぞ」

獅子が蛇を一睨みすると蛇は正気に戻ったようで大人しくなった。

蛇「ケヒヒッケヒヒヒッ…すまねぇ…頭に血が昇っちまってよ…」

そういいながらすごすごと後ろに下がっていった。 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/13(木) 03:07:59.86 ID:/0txvSVR0<> 獅子「無礼を詫びよう、客人よ。して俺に用とはなんだ?」

魔女「あなたのたてがみを分けていただきたくて参りました。もちろんただでとは申し上げません」

蛇「なんだと!?図に乗るなよ。ちょっと魔法をかじったニンゲン風情がっ!」

後ろから蛇が口を挟む。

獅子「黙れっ!尾など噛み千切ってもすぐに生えてくるのだぞっ!失礼…なるほど…しかし蛇が怒るのには理由があってな。このたてがみは我らの誇りだ。そう易々と譲る訳にはいかん。それに見会う対価を用意してあるんだろうな?半端な物なら我らの怒りに触れると思え」

魔女「目を治して差し上げますわ」

獅子「出来るのか!?」

魔女「えぇもちろん」

山羊「恐れながら獅子殿。それだけでは余りに容易かと…」

獅子「むっ…確かにそれだけでは我らが誇りに関わる。他に何か無いのか?」

魔女「ではこうしましょう?何故人間が攻めてきたかを突き止める。っていうのはいかが?」

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/13(木) 07:27:46.54 ID:m8J/EwFDO<> ふむ <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/14(金) 06:57:24.35 ID:i2F7Eoi80<> 山羊「そんな事が?」

魔女「可能ですわ」

獅子「うぅむ…ではそれで異論はないな。山羊よ」

山羊「確かにそれならば…」

魔女「まずはここは魔物の巣窟…竜の棲み処の目と鼻の先ですわ。こんな危険な所に人間が好んでくるはずはありません」

獅子「言わずと知れた事。それまで人が足を踏み入れたという話は聞いた事が無かったな。しかしそれがあの時…大挙して押し寄せたのだ。」

山羊「ここには別段、人に取って価値のある物があるとは思えません。」

魔女「いいえ。ありますわ。少し記憶を覗かせて頂いても?」

獅子「よかろう。好きにしろ」

魔女「では失礼致しますわね?」

魔女はそういうとそっと獅子の顎に手を添え
獅子の大きな瞳を見つめた。
<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/14(金) 07:28:39.24 ID:i2F7Eoi80<> 魔女の頭に獅子の記憶が流れ込んでくる。

いくつもの日々が泡のように浮いている。

魔女はその中から闇の渓谷が攻められた日を見つけるとその泡に触れた。

魔女は突然怒号や悲鳴の飛び交う戦場に放り出された。

まるで現実と見紛うような記憶の鮮明さだった。

獅子は光を奪われた目の奥でこの時のことを忘れた事は無かったのだろう。

魔女は兵士の一人に訪ねる。

魔女「一体なんの為に闇の渓谷を攻めているのですか?」

兵士は答えた。

兵士「そんな事も知らずに戦場に来たのか!?王の王杓が盗まれたんだよ!ここの化け物にな!」

魔女「あらそうなんですの?犯人は分かっているのかしら?」

兵士「黒い翼の化け物だ!ていうか魔導軍はもっと後衛のはずだろ!?なんでこんな所にいるんだ!?」

魔女「はぐれてしまいましたの。おきになさらず」

そういって魔女は走って後衛を目指した。
弓が飛び交う戦場で空は逆に危険だ。

記憶を覗く術は大変便利だが他人の記憶で傷ついた場合そのあまりの現実味に現実の魔女にも影響が及ぶ。

下手をすれば死に繋がる危険な魔術だ。 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/14(金) 07:46:46.67 ID:i2F7Eoi80<> 後衛についた魔女は将軍と商人のいる馬車を探す。

一番後方に一際装飾の派手な赤い馬車があった。

これだ。と思い魔女が近づくと近衛兵に止められる。

近衛兵「貴様何をしている!」

魔女「魔導軍より急ぎの通達がありましてよ。そこを通してくださる?」

近衛兵「なんだそうか。戦場では何が起こるか分からん。悪く思うな」

魔女「えぇ、御苦労様」

近衛兵をやり過ごした魔女はローブの中から小さな貝殻を取りだし馬車にくっつけた。

もうひとつの貝殻で馬車の中の声を聞く。

将軍「えぇい王杓はまだ取り返せんのか!」

商人「まぁまぁそう焦らずとも…魔の物どもの死骸を装飾にして高く売れば我らの懐が暖まるのですから…私達は闇の魔物の死骸を運んだらここにある本物の王杓を王に献上すればいいだけの事」

将軍「一応外に聞こえるように言っておかぬとな…建前がある故」

商人「くくくっ将軍殿は舞台の才もお有りのようで…」

将軍「ふっふっふっ笑いが止まらぬわい」

魔女「あら、悪趣味ね」

魔女はそういって馬車の馬の手綱を握ると前線に向けて馬に鞭を入れた。

ヒヒーン!!

馬が嘶き馬車は前線へと向けて走り出す。

中でわめき声が聞こえるが魔法によって閉じられた馬車の扉は開かない。

ナニゴトダ!バシャヲトメロ!
ワタシニイワレマシテモ!

兵士達「将軍自ら突貫なされた!?」「うぉぉぉぉ!!将軍に続けぇ!!」

兵士達は走る馬車を追いかけた。

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/14(金) 11:29:21.53 ID:RdH9yi8so<> 記憶弄るとどうなるんだ <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/14(金) 15:00:39.95 ID:TLgrILnDO<> 確かに気になる <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/02/14(金) 16:07:52.03 ID:XqqfFN0c0<> 記憶に入ってるってことは過去であって厳密には過去では無いしな……
過去に干渉してるわけじゃ無いし気になる <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/15(土) 07:27:06.87 ID:60QpDkKR0<> 馬車はそのまま突き進み遂にはダークキメラが暴れている最前線に躍り出た。

ダークキメラも兵士達もとても前線には似つかわしくない派手な馬車が飛び出してきたのを見て動きを止めた。

魔女は馬車を降りながら大きな声で叫んだ。

魔女「貴方が闇の渓谷の主殿とお見受けします!ここに真実をお持ちしました!兵士の方達も聞いて下さい。」

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/15(土) 20:26:02.68 ID:60QpDkKR0<> ダークキメラは今まさに甲冑ごと噛み砕かんとしている兵士を口から離すと魔女の方に向き直った。

獅子「真実だと?」

蛇「騙されねぇぞ!敵のいう事に耳を傾けるバカがいるか!」

山羊「いや…あの者は…ただの人間じゃない…寧ろこちら側に属する者の匂いがしますね…」

獅子「話してみよ…」 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/02/18(火) 16:31:43.91 ID:X+5bYHcc0<> 魔女「この戦は仕組まれたのです!王の王杓は盗まれてなどおりませんわ!」

兵士「なんだと…!?嘘を申せ!我らも闇の渓谷の翼人が王杓を奪って飛び去ったのを確かに見たぞ!」

魔女「あれは偽物にございます」

兵士「その証拠は!?よもや無い等と申されまいな!?」

魔女「馬車をお調べになられたら分かりますわ」

魔女はコンコンと杖で馬車のドアをノックした。

するとあんなに固く閉ざされていたドアが開き中から将軍と商人が転がり出てきた。

将軍「な…何事だ!?」

兵士「将軍閣下失礼致します!馬車を改めさせて頂きます!」

将軍「なにっ!よせ!!おいよせと言うに!」

兵士「軍の大義に関わる問題なのです!御免!」ドカッ

将軍「うおわぁっ!」

将軍は馬車から転げ落ちダークキメラの前で止まった。

獅子「貴様が総大将か…?」グルルル

<> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/03/08(土) 06:36:42.92 ID:rbVEqppk0<> 支援 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<><>2014/03/12(水) 02:24:29.18 ID:9HJZvCGe0<> 兵士「あったぞ!王杓だ!」

将軍「あ…あ…これは…」

商人「どど…どうしましょう…」

将軍「かくなる上は…」シュラ

将軍は立ち上がりながらすらりと剣を抜いた。

兵士「この後におよんで…!将軍!」

将軍「でやぁっ!!」ズバン!!

商人「ぎゃひっ…!」ドサァ

将軍はその派手な剣を商人に降り下ろした。

将軍「皆のもの聞けぃ!これは目標を泳がせてからて叩く為に行った事なのだ!こやつは商団を牛耳り国益などそっちのけで私腹を肥やしておったのだ!」 <> 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします<>sage<>2014/03/23(日) 15:36:03.61 ID:b/wP+hPoo<> おもしろいな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/04/05(土) 17:22:55.05 ID:9ZL39u+J0<> 商人「あぐぐ…っ」

将軍「おのれまだ息があったか!我が国にたかる蝿め!」ブン

バチィッ!!

将軍が止めを刺そうと振りかざした剣に突然稲妻が落ちた。

将軍「か…かへ…っ」プスプス

魔女「死ぬほどでは無いはずよ…?あなたは少し黙りなさいな」

そういうと魔女は死にかけの商人の傍らに座り込み頭を撫でた。

商人「うぐぅ…」ヒュー…ヒュー

苦しそうに商人は唸る。

魔女「まぁ苦しそう…。でも貴方の策略で死んでいった者達の痛みに比べたら些末な苦しみですわ。さぁ…私が貴方を救って差し上げます。罪を償いなさい」

商人「あ…あぅ…馬車の荷台の…底が開いてください…」ガフッ

魔女は兵士に目配せをする。

兵士は荷台の底を開けた。

そこには将軍の手紙が入っており内容は「闇の渓谷の魔物を装飾品として売る。協力しろ。」と言った内容が書かれていた。

魔女「よく真実を話してくれました…さぁ疲れたでしょつ?ゆっくりおやすみなさい…」

魔女が商人の目に手を宛がうと商人はそのまま動かなくなった。

魔女「さぁ!これでわかったでしょう?この戦にはもうなんの意味もありません!国王軍はさっさと引き返す事です!」

兵士「そんな…俺達はなんの為に…」

魔女「貴殿方は王の為に戦った…それ以上の何ものでもありませんわ…」

兵士長「退却ー!退却しろー!怪我人の手当てを急げ!」

魔女「兵士長殿?一つお願いしても宜しいでしょうか?」

兵士長「戦を止めてくれた事に感謝します!なんなりと!」

魔女「魔物の手当てもしてくださらない?」

兵士長「はっ!?魔物の手当てでありますか?」

魔女「人間も償わなくていけませんわ?それで宜しいですわよね?ダークキメラさん?」

獅子「好きにしろ…」

魔女「えぇ…。獅子さん?ちょっといいかしら?」

そういうと魔女は獅子の顎に手をかけ記憶に入る時と同じように獅子の目を見つめた。









<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/04/05(土) 23:21:08.47 ID:2d5nIBLCo<> 進展してきたか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/04/06(日) 20:30:12.15 ID:1p7Q4IQU0<> すると世界は光に包まれいつの間にか元の世界に戻っていた。

蛇「おい…てめぇ今何しやがった…?」

山羊「記憶が書き変わった…?」

魔女「ふぅ…」

魔女は一息着くと人の顔程もある獅子の大きな目に奇妙な色の目薬を差した。

獅子「ぐぅ…」

魔女「少し染みるかしら?ふふっ」

獅子「あ…おぉ…見える…!見えるぞ!!」

蛇「マジかよ!すげぇや!」

山羊「なんと…!」

獅子は光を取り戻し子犬のようにはしゃいだ。

獅子「ナーガ!ナーガよ!!キャンサーを呼んで参れ!!客人に礼をするぞ!」

ナーガ「は…はいっ!」シュルシュル

獅子の歓喜の咆哮にナーガは驚き慌て、ぎこちなく這いずりながら洞窟を出ていった。

獅子「礼を言うぞ。客人よ…」

魔女「お礼なんて…ならたてがみを多目に分けてくださってもいいんですのよ?」

獅子「俺のたてがみだけでは俺の気が治まらん!山羊の角と蛇の鱗も持っていってくれ!」

魔女「あら!それは素敵ね!」

蛇「げっ!マジかよ!鱗剥ぐの痛いんだぜ!?」

山羊「私は構いませんよ?何しろ獅子の恩人ですから…」

しばらくしてキャンサー(サソリの亜人)がナーガにせかされてやって来た。

キャンサー「一体どうしたっていうです?旦那?散髪なんて…?ハーピーのお嬢に失恋した時以来じゃありやせんか?」

獅子「よ…余計な事をいうな!さっさと済ませろ!それと山羊の角と蛇の鱗もだ!」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/04/06(日) 22:30:17.75 ID:OayX3Bq9o<> 乙!
外伝のネタに獅子の失恋話ができるな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/04/28(月) 01:36:25.39 ID:ApgrGqVh0<> 魔女は意気揚々とアルラクネのいる村を目指した。

村に着くと早速アルラクネに素材を渡すと鱗と角で装飾品を作って貰らせた。

アルラクネは至高の素材で服を仕立てられる事を喜んだ。

そして沢山の足で一度に作業をし一晩で漆黒のドレスを完成させる。

白銀に輝く蛇の鱗のブローチに山羊の角から削り出したバレッタも完成した。

魔女は余りの出来に関心すると余った素材を全て村に提供するととんがり帽子の家に戻った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/04/28(月) 03:05:34.78 ID:Fw+evc8So<> 乙
更新まってるぞ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/04/28(月) 06:24:04.91 ID:7uMmgIYG0<> 乙! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/05/21(水) 05:48:37.93 ID:QvOyjsfF0<> 魔女「ただいまー!」

誰もいない家のドアを勢いよく開けると漆黒のドレスとまるで社交ダンスのように踊りながらクルクル回って見せた。

魔女「なんて素敵なのかしらっ!こんなに週末が楽しみだと思った事はないわ…!」

魔女は目を閉じてドレスを抱き締めた。

??「なぁにやってんだ?」

魔女「あら?帰ったの?」

灰色の猫が窓の枠に怪訝な顔で座りながら話しかけてきた。

灰猫「あぁ…まったく久々帰ったら布と一人で踊ってるんだもんな…最高の主人だよ…あー最高だ」

魔女「うるさいわね…!結局その様子邪魔た失恋してきたのね…?」

灰猫「うるせぇ…てめぇが俺を猫に変えたりしなきゃ俺だってなぁ…」

魔女「ふふっ可愛いんだからいいじゃない。ほらおいでなさい」

ブスッとして部屋に入り魔女にまんざらでもない様子で撫でられているこの猫。

魔女の飼い猫は黒猫と決まっているがこの猫は灰色だ。

しかしこの猫は普通の猫じゃない。

実は…

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/05/21(水) 12:50:09.92 ID:F4i6oqRn0<> 更新してたか
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/04(水) 02:45:28.57 ID:dlRHQnm7O<> バステト…
女神の左目の化身。

その昔女神により地に使わされ多くの人間を殺めた殺戮の魔獣。

だったが…

魔女の魔法でただの猫に変えられてしまった。

しかも真実の恋を手にいれなければ魔女の呪いは解除されないというお約束付きだ。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/06(金) 05:51:23.15 ID:HKbsy6z1O<> 魔女「でもテト?今回は本気だって言ってたじゃない」

ドレスをシワにならないように大事そうにクローゼットに掛けながら魔女はバステトをテトと呼んだ。

テト「その呼び方は止めろ。俺は地上の全ての生命を滅ぼす存在だぞ?」

魔女「ふふっ、それでも今は私の可愛いテトじゃない?」

テト「うるせーさっさと飯寄越せよ」

魔女は「はいはい」と言った仕草で魚をお皿に置く。

魔女「で?今回はなんでダメだったの?」

テト「あいつ…可愛い顔してネズミなんて食べるんだ…口の回りを真っ赤に血で汚してな…うぅ!思い出しただけて震えるぜ!」

魔女「まぁそりゃ猫だもの」

テト「それだけならまだいい。事もあろうにそれを俺に進めた挙げ句、断ったら感性の不一致とか言って俺の事を捨てやがったんだよ」

魔女「ふふっ」

テト「笑い事じゃねぇよ…ったく」モグモグ

魔女「おいし?」

テト「あ?あぁまぁな…んで?お前随分と上機嫌だったようだが?なんかあったのか?」

魔女「ふふっ…週末私デートなの」

テト「ふぅん…」モグモグ

魔女「あら?驚かないの?」

テト「別に…」モグモグ

魔女「私週末デートなの?」ギュ!!

テト「ギニャッ!わかった!わかったから尻尾踏むな!詳しく聞いてやるよっ!!」

魔女「私の事好きなんですって」

テト「へぇ…魔界にもそんな物好きはいねぇと、思うがな…」

魔女「魔法の天井が言ったんですもの!間違いないわ!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/07(土) 15:28:22.88 ID:idMsrgm0O<> テト「ふぅん…で?お前はそいつの事好きなのか?」

魔女「え?」

テト「いや…お前が好かれてるのは分かった」

魔女「えぇ!」キラキラ

テト「んで?お前はそいつの事好きなのか?」

魔女「ん?」

テト「ダメだなこいつ…」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/07(土) 15:32:48.74 ID:idMsrgm0O<> テトは食事を終え、耳を後ろ足で書きながら言った。

テト「お前デートとかした事あんの?」

魔女「した事はないけどお話とかで読んだ事はあるわ」

テト「お前経験人数は?」

魔女「経験人数?」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/07(土) 16:08:56.75 ID:idMsrgm0O<> テト「男性経験の人数だよ…!言わせんな!恥ずかしい!」

魔女「吸精の事かしら?無いわ?他人の精を吸わなきゃ足りないような貧相な魔翌力なんて持ち合わせて無いもの。どれだけ無駄に消費してるのかしら?」

テト「なるほど…お前そんなんでデートが出来ると思ってるのか?」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/09(月) 06:57:39.36 ID:t/IJH/4AO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/12(木) 18:18:16.54 ID:ktmb1CmLO<> 魔女「出来るわよ!簡単簡単!」

テト「どうだかな…」

魔女「あー楽しみッ!」

テト「やれやれ…まぁいいさ…俺には関係ねぇしな…」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/12(木) 18:26:44.65 ID:ktmb1CmLO<> そして週末…

魔女の入り江に馬車が入ってくる。
そしてとんがり帽子の家の前で止まった。

コンコン…

従者「魔女様は居られますか?」

魔女「来たわ!!はぁい!今行きます!」

魔女はダークキメラのドレスにブローチ・髪留めを身に付けると小走りで玄関へ行きドアを開けた。

品の良さそうなシルクハットの従者が立っていて魔女を見るなりうやうやしく礼をした。

従者「お迎えにあがりました。さぁ馬車へどうぞ。王都へ参りましょう」

魔女「それじゃあテトいい子にお留守番してるのよ?」

テト「…」フリフリ

テトは横になったまま、返事の変わりに尻尾を振った。

バタン… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/15(日) 06:10:26.98 ID:BkvWDssuO<> 乙
テトさんかわいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/16(月) 07:59:33.29 ID:EfcV7kOkO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/16(月) 13:04:24.90 ID:16IHOOZkO<> テト「さて…っと」

テトはめんどくさそうに立ち上がると一伸びしあくびをすると二・三度瞬きをするとピョンピョンと二階の天窓に登る。

テト「ったく…世話が焼けるぜ…」

そう呟くと風を纏い空に消えた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/16(月) 13:53:42.88 ID:16IHOOZkO<> 馬車の中で魔女は外を眺めつつしばし従者との談笑を楽しんだ。

すると窓から王都が見えてきた。

魔女「まぁ!あれが王都なのね!」

従者「えぇ。今は丁度王都建国50周年の記念で大変賑わっておりますよ」

魔女「あらそうなの?あんな者でも50年も国を納められるのですね…!」

従者「あんな…者?」

魔女「あら失礼…!気にしないで下さいませ」



魔女は王都と重ねて、王子の事を思い出した。




「回想」


王子「何故…!何故僕を受け入れてくれないのです!王族の最たる血を引いているっ!この国の次期国王になるんです!その時は貴女に側にいて欲しいのです…!」

魔女「ふふっ…はな垂れを治してから出直してらっしゃいな」

王子「僕は…鼻など垂れては…」

魔女「ふふっではごきげんよう…」

王子「いつか必ず僕を認めさせて見せるッ!この国を千年王国にしてみせるッ!!」

魔女「…ふふっ楽しみにしてますわ」


「回想終了」


魔女「懐かしいわね…一体どんな国を作ったのかしら…楽しみですわ」

従者「ま…まもなく到着です。ご用意を」

魔女「かしこまりましたわ、ありがとう。貴方のお陰で道中楽しく過ごせたわ」

従者「いえいえ私めこそ仕事を忘れて楽しませて頂きました」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/16(月) 16:06:10.49 ID:16IHOOZkO<> 気付けば昼過ぎ、王都の門の前に止まった馬車を降りると「ここからは私がご案内致します」と一人のメイドが魔女の前にかしずいた。

メイド「どうぞこちらへ」

魔女はメイドに案内されるまま門を潜った。
天までそびえる城壁に相応しい豪華な門は
大勢の人を吐き出し
同じぐらい大勢の人を飲み込んでいた。

魔女「ふうん…」

メイドの後に続きながら魔女は鼻を鳴らす。
入り口近くは市場を形成しており
人が様々な物を売っていた。

魔女「ねぇメイドさん?ちょっと市場を見て回りたいのですけどよろしくて?」

メイド「それは困ります。旦那様とお会いになってからお二人でどうぞ」

魔女「…借金取りさんたら随分じらすのね…」

魔女は名残惜しそうに市場を後にした。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/16(月) 22:27:06.41 ID:8Oq5C3dpO<> 乙です <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/16(月) 23:32:55.61 ID:1IHSK3YCO<> 乙
やっぱりテトさんはかわいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/18(水) 18:57:32.12 ID:NgiqLd9+O<> 市場を抜けると馬車が用意されていた。

メイド「ここからは馬車で移動します。どうぞお乗りください」

魔女「結構距離があるのね」

メイド「ほんの二区画程です。すぐに着きます」

魔女「そ?なら失礼しますわ」



そういうと魔女は馬車に乗り込んだ。
先程の従者とは違いメイドは無口な方だった。
多くを語らず質問にだけ答えるという質の様だ。

魔女「綺麗黒髪ね」

メイド「お褒めに預かり光栄です」

魔女「…」

メイド「…」

魔女「…そうだ。クッキー食べる?」

メイド「いえ…お心遣い感謝致します」

魔女「…」

メイド「…」

魔女「借金取りさん…」

メイド「…」ピクッ

魔女「…!」

メイド「…」

魔女「ふふっ…」

メイド「…どうかされましたか?」

魔女「いいえ…ふふっ」

メイド「そうですか」

魔女「借金取りさんって」

メイド「…」ピクッ

魔女「ふふふっ」

メイド「…なんですか?」

魔女「素敵な方よね…?」ニヤニヤ

メイド「旦那様に評価を着けるなんて烏滸がましい事は致しかねます。私はただの使用人なので…」

魔女「そうなの?素敵だとは思わない?」

メイド「ですから…そういう発言は出来ません」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/19(木) 06:39:37.66 ID:1NcoCLFYO<> 魔女は構わず続けた。

魔女「体つきも悪く無いし、筋も通ってるし…」

メイド「…」

メイドは何も言わないが「賛同します」と言った表情で魔女の言葉を聞いていた。

魔女「でも…あの強面じゃねぇ…?」

メイド「…っ!!旦那様はとても心優しい方ですっ!顔で判断するなんて幼稚だと思いますっ!」

魔女「そう?」

メイド「えぇ!身寄りの無い私を拾って下さったのは大旦那様ですが、旦那様は都会の暮らしになれない私に色々教えて下さったり優しい言葉を掛けて下さったりしたんですっ!」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/19(木) 07:54:11.88 ID:tOE2ORIO0<> でも借金取りなんだよなぁ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/19(木) 23:55:27.29 ID:gHYKWvh5o<> 台無しだよ! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/20(金) 02:46:46.06 ID:uNy+dyvtO<> そういや借金取りだったwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/20(金) 13:27:21.52 ID:GLTperyG0<> 借金取りに来ただけで傷あり墨入れのおっさん想像してやんなよ……

強面でもいい感じにきまったダンディなおっさんかもしれんだろ

口は悪いけど <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/21(土) 04:46:10.38 ID:0VmJi1v1O<> そうだな(´・ω・ ` ) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/21(土) 06:32:49.63 ID:8HVolVgiO<> 魔女はクスリと笑うとメイドに顔を近付けた。

メイド「な…なんですか!?」

魔女「あなた借金取りさんの事が大好きなのね…?」

メイド「なっ…!?ばっ…!何を…!?」

魔女「それで私に素っ気ない態度だったんでしょう?」

メイド「ち…違います!」

魔女「安心しなさいな。私は貴女から彼を取ったりするつもりはなくてよ?」

メイド「ほんと…ですか?」

魔女「もちろん!ただ夕食をご一緒するだけよ?」

メイド「そんな…旦那様は…今朝から何回も眉毛を整えて私に何度も「どうだ?今日の眉毛は?」って聞いてきたから…私はてっきり…」

魔女「ふふっ!確かにツルツルのあの頭じゃ他に気を使う所ないものね!」

メイド「旦那様を侮辱するなら許しませんよっ!」

魔女「やっと本音が出た…」

メイド「あっ…」

魔女「いいのよ?気にしなくて、私女の子とは本音で話したいの」

メイド「そうなんですか?」

魔女「もちろん!他にはないの?彼のいい所もっと教えて?」

メイド「はいっ!」パァー

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/21(土) 06:43:21.47 ID:8HVolVgiO<> メイド「まず旦那様って寝顔がとても可愛いんですよ!それとこれはレアなんですけど!どのぐらいレアかと言うと一月に一回見れるか見れないかなんですが!なんとあの顔で指をしゃぶってる時があるんですよ!これがもうめっちゃかわいくてたまらんって感じなんです!そして朝起きると他の人に見つからないように窓際のサボテンに水をあげるんです!しかも話しかけながら!可愛いでしょう!?わたし始めてそれを見た時からあー旦那様ってなんて心が清らかな方なんでしょうと思いました!でもたまに優しすぎる所があって!最初に買ったサボテンは水を上げすぎて枯れてしまったんです!その日は旦那様も水をずっと飲んでいて吐いても飲むんです!薄れゆく意識の中でずっと「ごめんなぁ…ごめんなぁ…チクちゃん…」って言ってて…もう一生この人に着いていこうと決めた瞬間でした。お庭の畑の所には意外にも綺麗な字で「チクの墓?我が友ここに眠る?」とか書いてあってもう旦那様と同じお墓に入るのは私だな!って決めました!!他にもですね…!!!」

魔女「…ふふっ」

魔女はうんうん!と相槌を打ったりしながらメイドのはしゃぎようをみて微笑んでいた。
ちょっとだけ引きながら…

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/22(日) 01:40:37.96 ID:hjDRlaQwO<> スバラシイナー(´;ω; ` )トオイメ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/22(日) 07:35:02.37 ID:DOgPjmoLO<> メイド「それでですね!!旦那様はそんな私を見て言ったんです!なんて言ったかというとですね!」

魔女「えぇなんて?」

コンコン…

馬車の運転手「あの…到着したのですが…」

メイド「今いい所なんですッ!!」カッ

馬車の運転手「ひっ…!」

魔女「残念もっと聞いてたかったけれど時間のようね…!またお話しましょう?」

メイド「えぇ!是非!」

魔女「約束よ?今度はお茶とクッキーを用意しなきゃね」

メイド「それは素敵ですね!楽しみです!」

魔女「えぇ、私もよ」ニコッ

魔女は馬車を降りてメイドに振り向きながら
そう言うと屋敷に向って歩き出した。

メイド「魔女さん…ッ!!わたし…勘違いしてました…!」

魔女「?」

メイド「旦那様を怪しげな薬とか魔法で虜にしてる悪い魔女だと思ってましたっ!」

魔女「ふふっ魔女をそんなに簡単に信じていいのかしら?」

魔女はメイドにウィンクして振り返りまた歩き出した。

メイド「でも…話してみたらすごく…素敵な女性で…あの…なんていうか…その…嫌な態度をしてすいませんでしたっ!」

魔女は振り向かず手をフリフリと降ると
屋敷のドアの前についた。

ドアの向こうからなにやらコソコソ話が聞こえる。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/22(日) 07:56:23.10 ID:DOgPjmoLO<> ?「ほら旦那様…っ!早く開けて差し上げないと…!」

?「ま…まままま…待てッ!まだ開けるな!えーとこういう時は深呼吸だッ!すーはーすーふーはーふー!」

?「落ち着いて下さい!ただのデートなんですよ!?それでも王都西地区を納めるこの家の当主なんですか!?」

?「バッ…バカ…!!デートじゃないやい!ただのあれだよ!食事だよ!」

?「じゃあなんでそんなに緊張してるんですか!?えっ!?もうターゲットが屋敷の前まで来てる?メイドからのサインはどうなっているのですか!? もうこうなったら予定変更です!皆に伝えなさい!プランDに変更です!」

?「なんだよ!プランDとか聞いてないぞ!俺にも伝えとけよ !」

?「旦那様はそのままでいいんです!大人しくしててください!」

?「お…おい!何するんだ!!やめろっ!!やめろって!うわぁぁむぐぅぅぅ!!んーーんーー!!」

中のやり取りを聞いていた魔女はこれはただ事では無いと思いドアを開ける。

バァン!!

魔女「借金取りさん!?ご無事ですか!?」



しかし広間には誰もおらず静寂が広がっていた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/23(月) 00:56:08.66 ID:4CZecHeVO<> 借金取りさん……(´・ω・ ` ) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/23(月) 12:47:28.77 ID:hG2MAkeGO<> 魔女「借金取りさん…?」

?「よく来ましたね。王都西地区を治めるこの屋敷へようこそ御越しくださいました」

魔女「!?」

フロアの二階から聞こえた声の先には燕尾服を来た獣人が立っていた。白い毛並みはハスキーの獣人だろうか…

メイド長「わたしの名前はメイド長!この館の雑務を取り仕切る物の長です。本日はこれからお食事という事ですね…」

魔女「えぇ!しかし肝心の借金取りさんの姿が見えませんが?どちらに?」

メイド長「では食事をより楽しんで頂く為に食前の適度な運動を催しましょう!」パンパン

メイド長が手を叩くと、天井から二人の黒い執事が舞い降りた。
一人は静かに、もう一人はグルルルルと唸っている。

ドーベルマンの獣人だ。

メイド長「ドー!ベル!この方の運動に付き合ってあげなさい!」

ドーと呼ばれた静かな方が囁くような声で「はい」答える。がベルと呼ばれた方は既に魔女に飛びかかっていた!

ベル「せりゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

魔女「ふぅ…!なんなのよ…もう…」

魔女がスッと手を翳すと強い風が起こりベルと吹き飛ばした。

ベル「やるじゃん…やるじゃんやるじゃん!ドー!こいつ強いんじゃん!!同時にいかなきゃ勝てないじゃん…!」

ドー「勝つのが目的なの?疲れてドキドキさせてから旦那様に会わせるのが作戦Dじゃないの?」

ベル「バ…バカじゃん!それ本人の前で言ったら意味ねぇじゃん!」

ドー「あ…んーん、でもわたしの声はあなたみたいに大きくないから聞こえてない…はず」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/23(月) 17:51:08.69 ID:hG2MAkeGO<> 魔女「何をコソコソ話してるの?」

ドー「…っ!?」
ベル「なにっ!?」

転移魔法でいきなり近くに現れた魔女に驚き二人は跳びずさった。

魔女「ふふ…魔法は初めてかしら?」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/23(月) 18:42:00.32 ID:hG2MAkeGO<> 魔女「他にも色々あるのよ?」パチン

魔女が指を鳴らすと一瞬魔女の周りの空気が歪んだと思うとなんと魔女が二人になった。

魔女「こういう催しは嫌いじゃないわ!お心遣い感謝致します」

魔女はメイド長にうやうやしくお辞儀をする。

ベル「魔法だかなんだかよくわかんねぇけど相手に背を向けるなんてアタシらなめてんじゃん!?」

ドー「隙だらけ…!」

二人同時に一体を攻める。
普通なら一対一になりがちだが一人ずつ確実に仕留めるやり方を見るとこの二人はかなり訓練されているようだ。

魔女「そう来るのね。いいわ!遊んであげる!」

またしても転移魔法で二人の攻撃をかわすと魔女は詠唱を始めた。

魔女「我森羅万象の理を識る者なり…聞こえし者は答えたまえ…」

ドー「ベル…魔法の弱点は詠唱前に黙らせる事…」

ベル「要は攻撃の手を休めるなって事じゃん!それいつもと同じじゃん!楽でいいじゃん!!」ヒュッ!ドゴーン!!

ベルは攻撃が大降りだが一撃の破壊 力は文字通り岩をも砕く。

ドー「そうたけどそうじゃない。詠唱無しで使える魔法もある。闇雲に動き回ったら隙を与える事になる」



魔女「くっ…!」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/23(月) 20:00:24.95 ID:hG2MAkeGO<> 一方のドーは冷静そのもの。
常に分析し威力はそれ程では無いがダメージより行動力を奪う類いの攻撃を狙って来る。

ドー「…シィッ!!」シュッバッ!!

ベルの大降りの攻撃に合わせて
気配を消して攻撃してくるドーの攻撃を避けるのは至難の技だ。

加えて魔法の詠唱が出来なければ攻撃系の呪文は使えない。

魔女は防戦一方を強いられていた。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/23(月) 22:51:44.99 ID:lnQTaX/tO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/24(火) 03:04:40.93 ID:N49+cFVPO<> 魔女「思ったよりやるじゃない…」ヒュッヒュッ!

ベル「ここまで当たらないと腹立ってくるじゃん…!」ゴウッ!ドゴーン!

ドー「しゃべる暇があればもっと動いて…」シュッシュッシュッ!!

魔女「まぁ大体動きと癖は把握したわ…じゃ今度はこっちの番ね!」パチン!

指を鳴らすともう一人の魔女が杖を構える。
転移魔法で二人の後ろに突然現れたと思うと
身長ほどもある杖を軽々と振るった。

ブォン!!

ベル「棒切れなんざ折るだけじゃん!!」シュッ!

ドー「ベル!!ダメッ!!」

ベルは杖の攻撃をハイキックで迎え撃った。
ガキィィィン!!

ミシミシミシッ!!!

ベル「うぐぅ!」バッ!

余りの衝撃にベルは後ろに飛び退いた。

ベル「あれ、ただの棒切れじゃないじゃん!!めっちゃ固いじゃん!!」

ドー「大丈夫…?」

魔女「他人の心配をしてる場合かしら?」

ドーは背後から突然聞こえた声に驚き、後ろ回し蹴りを放った。
しかしそれは空を切った。

魔女「残念…はずれー」

ドー「きゃっ!」

魔女は杖でドーの足を掬い上げ転ばすと顔の横に杖を突き立てた。

魔女「可愛い声出せるじゃない…お姉さん意地悪したくなっちゃうわ…」スススッサワサワ…!

ドー「ひっ…!」

ベル「オラァ!!」ブォン!

魔女「あら残念!」ヒュッ!

ベル「ドー!大丈夫じゃん!?」

ドー「ありがと…」スッ

魔女「さてと貴女達頑張ってたけどそろそろ潮時ね。これ以上やると可愛がりすぎちゃうから終わりにしましょうか?」

ベル「ちょっ…!ちょっとタンマじゃん!!」

魔女「タンマ?」

ベル「メイド長ッ!!この人なら大丈夫じゃん!首輪…外してもいいじゃん!」

魔女「首輪…?」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/24(火) 06:34:36.02 ID:N49+cFVPO<> メイド長「ふふふ…いいでしょう…まだまだゲストも本気を出せてないようですし…いいでしょう…!許可します!貴女達の本気を見せて見なさいっ!」

ベル「そうこなくっちゃじゃんっ!聞いたかドー!本気でいくじゃん!」パチン!

ドー「わかった」パチン

二人は首輪の留め具を外す。
魔女は何が始まるのかとワクワクしてそれを見ていた。

魔女(特に変わった様子はないわね…)

ベル「特に変わった様子はない…って顔じゃん?」

ドー「ベル…屋敷を壊さないように」

ベル「わかってるに決まってんじゃん!!」フッ

ドー「ならいい…」フッ

魔女「消えた!?」

ベル「終わりじゃんッ!!!」

ドー「取った…」

魔女「早い…!?」

二人のあまりの早さに魔女が一撃を覚悟した瞬間。
広間に怒号が響いた。

借金取り「止めんかっ!!!!!!」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/24(火) 19:12:07.71 ID:N49+cFVPO<>
ドー「旦那…」

ベル「様じゃん…」

借金取りの怒号に一同が固まっていたが
魔女は嬉しそうに借金取りに駆け寄る。

魔女「借金取りさんっ!無事だったんですねっ!」

借金取り「無事も何もこいつらは俺の使用人だ…やれやれ…すまんな。まさに手荒い歓迎になっちまった」



パチパチパチパチ

メイド長「素晴らしい方を捕まえましたね旦那様」

借金取り「メイド長お前なぁ…」

メイド長「うちの番犬のエース二人が枷着きとはいえ完全に圧倒されてしまいました。」

魔女「最初から全力でもよかったですのに」

メイド長「ほう…大した自信ですね。私には最後の一撃で終わりに見えましたが?」

魔女「そうかしら?」

そういうと広間にいた2体の魔女は消えてなくなった。

メイド長「二人とも消えた!?」

魔女「こっちですわ!」

魔女はシャンデリアの上から手を振りながら声をかける。

メイド長「なるほど最初の転移で本体はシャンデリアの上に転移し二人の近くに出現させたのは分身…」

魔女「ご名答」

魔女はウィンクをしながら答える。

メイド長「分身を戦わせている間に詠唱時間は十分にあった…つまり最初の段階でもう決着は付いていたんですね…」

ドー「そんな…」

ベル「私達の完全な負けじゃん…」

魔女は事実を知り座り込んだ二人の頭を優しく撫でると

魔女「貴女達はよく頑張ったわ。よく鍛練を積まれています。これからも頑張ってね!」

ドー「はい」

ベル「次は負けないじゃんっ!」

魔女「ふふっ…楽しみにしてるじゃん」

ベル「真似するなじゃん!」

ドー「クスクス…」

ベル「ドーまで笑うなじゃん!」

三人は揃って笑っていた。それを見ながらメイド長は魔女の強さ、したたかさに関心していた。

メイド長「ふっ…旦那様が入れ込む理由が分かったような気がしますよ…」

借金取り「いい女だろ?」

メイド長「えぇ…!」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/25(水) 00:39:24.69 ID:uwvB7NWEO<> 強すぎwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/25(水) 06:04:41.90 ID:39A6klxqO<> メイド長「ところでどうやって縄と猿ぐつわを取ったんですか?」

借金取り「お前なぁ…この館の主は俺だぞ。お前が見張りを命じたやつらは俺の使用人なんだからよ…」

メイド長「あっ…」

借金取り「お前の強さは頼りになるけど変なとこおっちょこちょいだよな…」

メイド長「ふふっ」

借金取り「まさか……ふっ全ては計算の内って事か?」

メイド長「伊達にこの館を先代に任されてはおりません。旦那様の行動も全て予測できます」

借金取り「なるほど恐れ入ったぜ。その分だと飯の用意までしてありそうだな」

メイド長「あっ」

借金取り「おいおい…」

メイド長「い…一刻で用意させます。旦那様は魔女様と市場でも見てきて下されば…」

借金取り「あぁそういう事ならそうするか…」

メイド長「では馬車の手配をさせますのでお待ちください」ニヤリ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/25(水) 07:55:57.94 ID:uwvB7NWEO<> メイド長かわいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/25(水) 08:05:00.65 ID:39A6klxqO<>

ドー「いってらっしゃいませ」

ベル「お土産待ってるじゃーん!」

二人に見送られ馬車が出る。
魔女は初めての市場に思いを巡らせ目を輝かせていた。

魔女「ねぇ借金取りさん!市場って世界中の物が集まるんでしょう?私すごく楽しみですわ!」

借金取り「はしゃぐなよ…子供じゃないんだからよ」

魔女「ふふっ!楽しみなんですもの!」

借金取り「ふっ…まぁなんださっきはすまなかったな…改めて詫びさせてくれ。あいつらも悪気はねぇんだ。ただちょっとお節介でな…」

魔女「いいんです。こうして借金取りさんと市場に行けるんですもの」

借金取り「そうか…あと…その…なんだ…えっとだな…」

魔女「?」

借金取り「そのドレス…よく似合ってると思うぜ」

魔女「まぁ嬉しいっ!頑張った甲斐がありましたわ。気に入って下さってよかったです。ダークキメラさん達にお礼をしなくては…」

借金取り「ダークキメラッ!?それってあの闇の渓谷の主か!?」

魔女「えぇちょっとたてがみを分けて戴きにいって参りました」

借金取り「魔物と話せるのか?」

魔女「私が魔女という事をお忘れですか?」

借金取り「あ…あぁそうだったな」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/26(木) 01:07:23.40 ID:p/EWvOxeO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/26(木) 05:22:27.84 ID:MKKPgv/UO<> 借金取りさんかわいいし <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/26(木) 05:25:22.55 ID:Kp7k5ErOo<> あんな立派な家柄なのに借金取りなんてケチな商売してるのか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/26(木) 07:14:34.25 ID:MKKPgv/UO<> >>111
魔女さんにしか貸してない可能性が……ないか <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/27(金) 04:34:06.10 ID:uEosihpPO<> 借金取りは思い出したようにそういうと窓の外を見た。市場がすぐ側まで来ていた。

借金取り「そういや王都に来るのは初めてって言ってたな?この辺は最近物騒らしいから…気を付けろよ」

魔女「あら?私は心配いりませんわよ」

借金取り「市場で魔法の類いは使わないでくれよ。魔導都市との戦争は大昔の事だが年寄り連中は未だに魔法をよく思ってない輩もいる」

魔女「そうなんですの?」

借金取り「遺恨ってのは中々消えるもんじゃねぇのさ」

魔女「人は自分より強い物に対してそれが危害を加えて来なくても安心出来ない生き物ですものね…」

借金取り「そういうこった…まぁ安心しろ。俺と一緒なら襲ってくる奴等はいねぇだろうしな」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/28(土) 10:37:55.31 ID:5oCXomyAO<> 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/29(日) 07:53:41.33 ID:ucPpr4aTO<> 借金取り「それに言ったろ?俺は一時間100万Gで雇われた王国一のエスコーターだぜ?用心棒ぐらいこなさなきゃバチがあたんぜ」

魔女「ふふっ」

借金取り「アンタはとにかく今日を楽しく過ごす事だけ考えていてくれりゃいいのさ。市場に行ったらまずは世界中の食料や香辛料があるエリアにいこうぜ!」

魔女「世界中の!?まぁ楽しみ!」

借金取り「あぁ、たまにすげぇ珍しいもんとか売ってんだぜ」

魔女「魔法のアイテムとかは売ってないんですか?」

借金取り「おいおい…そりゃさすがに…」

魔女「ないんですのね…?」シュン

借金取り「王都を舐めすぎだろ…最近出来た魔導ショップは最近の若者んなかじゃ流行りらしいぜ」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/30(月) 06:21:58.63 ID:P4m+jQqEO<> 魔女「絶対に行きたいですわっ!!」

借金取り「かしこまりました。お嬢様…ってか?」

魔女「ふふっ。くるしゅうない」ニコッ



馬車は市場の前に止まる。
魔女は借金取りの手を引き馬車を駆け降りた。

借金取り「おっとと…とんだおてんばお嬢様だな」

魔女「早く早くですわ!」

借金取り「はいはい…」フッ

借金取りは魔女の手の柔らかさを握りしめながら平静を装っていた。
二人はまず、食料品売り場に向かう。

魔女「これは!?これはなんですの?」

借金取り「ん?それはあれだ…竜の島でしか取れないドラゴンフルーツだな…ちょっとすっぱいが癖になるぞ」

魔女「まるでお星様の様ですわ…!」

借金取り「おい…店主これいくらだ?」

店主「んー?客かー?…って!!あわわわ!!!!失礼しましたっ!!!領主様とは露知らず…!!!」

借金取り「何慌てテンだよ…これ二個くれ」

店主「はっ!!いや!!どうぞ!お持ちください…!!」

借金取り「アホか…ただで貰う訳ねぇだろ…」

店主「いえ…!!いえいえ!!利息すら払えてない上に…」

借金取り「おい…俺は買い物をしに来たんだ…お前も店主なら商売をしろ」

店主「はっ…ははぁ!」

借金取り「気が変わった…ここの果物を全て寄越せ」

店主「はっ…!!全部ですか!!?」

借金取り「お前なぁ…最低限の品揃え過ぎる…もっと賭けろ、そして勝て…!」

店主「しかし…それでは店は…また借金を…」

借金取り「金を借りる事をビビるなっていつも言ってんだろ…生きた金ならいくらでも借りやがれ。可能性が在る内はむしり取ったりはしねぇだろ…。ただ、甘やかすつもりはねぇ責任は果たせ」

店主「は…はい!」

借金取り「てめぇの店主生命を賭けたラストチャンスだ。必勝のプランを練り必要な金額を一晩考えて明日屋敷に来い。二つ返事で貸してやる。ついでに、果物を届けてくれりゃいい」

店主「ありがとうございます!!ありがとうございます…!!」

借金取り「忘れるな…「貧すれば鈍する」もっとガンガンいけ」

店主「ははぁっ!!!」



借金取りはドラゴンフルーツを二つだけ手に取ると店を後にした。

借金取り「わりぃ…今日は仕事の抜きのつもりだったんだが熱くなっちまった…待たせたな。ほらよ食べてみろ」

魔女「ありがとうございます…なんかすごい迫力でしたわ!いつもあんな仕事を?」











<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/30(月) 06:42:06.35 ID:P4m+jQqEO<> 借金取り「まぁな…結構誤解されがちだが…借金取りってか俺は金貸しだ。金ってのはなんだと思う?」

魔女「ん…お金ですか?そんな事考えた事ありませんわ…」

借金取り「所詮は…金ってのは権利なんだ。多くの金、即ち権利があればより多くの行動を取れるからな。だから俺のじいさんはな…権利を支配したんだ…それで領主になった」

魔女「…」

借金取り「だが俺は…支配したいんじゃない」

魔女「えぇ。権利を欲する者へ足りない権利を補い与えたいという事ですわね」

借金取り「さすが闇の知の種族、話が早くて助かるぜ」

魔女「私達の魔翌力の概念と似てますわ…すんなり頭に入ってきましたわ」

借金取り「ほう!そうなのか!後学の参考にしたい…!是非魔翌力について教えてくれ!」

魔女「えぇ!いいですわよ!」



二人はお金の事…魔法の事を話しあった。
二人とも時間を忘れて買い物をしている間中話し合った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/30(月) 06:59:11.07 ID:zPwL+F9hO<> 借金取りさんがイケメンに見えてきた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/30(月) 07:29:32.70 ID:P4m+jQqEO<> ドン…!

浮浪者「おっととと…」

借金取り「おっとわりぃ…大丈夫か?」

浮浪者「おーいててて…ん?あんた領主の…」

借金取り「立てるか?」スッ

浮浪者「おーいててて!!!誰かぁ…誰かきてくれぇ!!」

若者浮浪者「どーした!!!」

中年浮浪者「おうおう領主のにぃちゃんよー!家の稼ぎ頭になにしてくれてんだぁ!?」

若者浮浪者「おいおいおいー大丈夫かよ…!!骨が折れてんじゃねぇかぁ…!」

借金取り「てめぇら…誰にたかってるかわかってんだろうな…」

中年浮浪者(あたりめぇだろうがよぉ!てめぇが無慈悲に俺から取り立てたせいで浮浪者なんざやるはめになったんだからよぉ!!!!)

借金取り「魔女わりぃな…こいつらと話がある…」

魔女「見ていてもよろしくて?」

借金取り「おいおい男同士の泥臭い「話し合い」になんざ淑女の目には見せる訳には…」

魔女「貴方が思ってるより私…死や痛みに近しいそ存在ですわ。どうぞお構い無く」

借金取り「そうかよ…じゃ行くぜ…!!」スッ

若者浮浪者(来るかっ…!!)

中年浮浪者「おいおい…!この上まだ暴力かよ…領主様は横暴だなぁ!」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/30(月) 07:44:44.31 ID:P4m+jQqEO<> 借金取り「これで勘弁してくれねぇか?」ジャラッ

浮浪者「あ?…おぉぉおおおおおお!!!すげぇ…!!!すげぇぞ!!!金貨だ!!!!」

魔女「ふふっ」

借金取り「まぁこれも権利の使い方だ…そりゃいくか…」

若者浮浪者「待てよ!!」

借金取り「あ?」

若者浮浪者(こ…こえぇ…!!だがしかし…)

借金取り「なんだ?」

若者浮浪者「あんたには…貸しがあんだよ…!」

借金取り「貸し?」

若者浮浪者「あんたのじいさんのせいで俺の親はなぁ…!!自ら…自ら……」

借金取り「そうか…だがな…分かるか?お前の親は未来の権利を放棄したんだ。今無い権利を得る為にな…」

若者浮浪者「とりあいず一発殴らせろやぁぁぁ!!!!」



バキィッ!!! <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/06/30(月) 08:09:54.20 ID:P4m+jQqEO<> 借金取り「止めるなよ…」

メイド長「恐れながら…先代からの命は絶対にございます…」

若者浮浪者「くっ…離せよっ!!ちくしょう…覚えてろ…!!」バッ

借金取り「おいっ!!!」

若者浮浪者「っ!?…なんだよ…!」ビクッ

借金取り「覚えている…必ずだ…!這い上がってこいっ!!」

若者浮浪者「くっ…ちくしょぉおお!!」

借金取り「…」

魔女「お見事ですわ」パチパチパチ

借金取り「かっこわりぃトコ見せたかよ…」

魔女「いいえ私の知る人間に貴方のような方はいませんでしたわ。力を持ちながらそれを振るわない…素敵でしたわ」

借金取り「そうか…照れるな…」

メイド長「ん…こほん…お迎えに上がりました。お二人ともお買い物は楽しめましたか?」

借金取り「おぉ悪いな…にしてもお前エプロンで来るなんてな…」

メイド長「私の野生の勘が知らせてくれました。旦那様が危ないと…格好など気にしてはおれません」

借金取り「そうかよ…んじゃ飯はまだなんだな…」

メイド長「えぇお二人が戻る頃には出来上がります。予定も変更になってしまいましたし…」ピィーッ!!

メイド長が笛を鳴らすと物陰からそろゾロゾロと柄の悪い男達が出てきた。

メイド長「今回は撤収!報酬は明日屋敷に取りに来てください」

借金取り「おい…!お前なにする気だったんだよ!」

メイド長「もちろんこの者たちに旦那様を襲わせてわざと負けさせ魔女様にいいとこを見て貰うという作戦です」

借金取り「なんだ「もちろん」って!!バカか!邪魔するなよ!!」

メイド長「邪魔されたのはこちらです。恋愛にはハプニングが付き物と書いてありましたのに…早馬で聞いた話では旦那様に先約が絡んだと聞きまして飛んでまいりました」

借金取り「そういうのはもういい!とにかく屋敷に着くまでの間は見張りもいらん!護衛も連れて帰っていろ!」

メイド長「しかし…」

借金取り「命令だ…っ!!」

メイド長「かしこまりました…」シュン…



メイド長はこちらを何度と振り返りながら屋根から屋根へ飛びうつり帰っていった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/06/30(月) 13:52:24.40 ID:ZmZG8ZSYO<> メイド長かわいい <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/01(火) 07:30:35.59 ID:7YM7kNRpO<> なんか借金取りさんなのにかっこよく見えた <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/01(火) 10:13:15.11 ID:dgBX7A+r0<> うんこ漏らしたけどな <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/07/06(日) 07:03:48.47 ID:+RqQJ7nMO<> 借金取り「はぁ…ったく…」

魔女「貴方は皆に愛されているようですわね

魔女にそう言われ借金取りは毛のない頭を照れ臭そうに書くと魔女に向けて「そんなんじゃねぇや」というのだった。

そして二人は市場の一番端にある魔導ショップの前に着いた。

魔女「ここが…」

借金取り「あぁ今流行りの魔導ショップだ。店主も変わったヤツらしい。なんでもそいつは未来でもなんでも見通す力があるそうで人の顔をみちゃ笑ったり泣いたりするらしい」



魔導士「」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/07/06(日) 18:31:46.47 ID:+RqQJ7nMO<> 魔女「あら?あなたどこかで?」

魔女は魔導士に見覚えがあった。
見た目はまだまだ少年と青年の間ぐらい。
焦げ茶色の髪。金色の瞳。

あれはそう…確か…
私の家に彼が…

ガバッ!!

思い出そうとしてると突然魔導士は魔女に抱きついてきた。

魔導士「し…ししょ…!!師匠ッ!!!どこいってたんですかッ!!私をあんな所に置き去りにしてっ!!」

借金取り「おいおいなんだぁ?知り合いかぁ?」

魔女「ん?思い出せそうではあるのですけど…」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/07(月) 01:52:16.53 ID:gQFXXGZnO<> 置き去りはカワイソーダナ <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/07(月) 22:45:33.72 ID:OF85mLZPO<> マドウシサン……(´・ω・ ` ) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/07/09(水) 06:30:20.04 ID:zyEWrORvO<> 魔女「思い出しましたわ…あれは…」




回想

魔導士「私を弟子にしてくださいっ!!!」

魔女「いいわよー?」

魔導士「ほ…ほんとですか!?てっきり「弟子は取らん」とか断られるかと…!」

魔女「そろそろ私も弟子の一人や二人作らなきゃと思ってた所なの!」

魔導士「あぁ!これぞ神のお導き…っ!」

魔女「そうと決まれば早速特訓ね」

魔導士「はい!なんなりと!!」

魔女「霊界の最下層には何がいると思う?」

魔導士「え?なんですか?急に…」

魔女「私のモットーはね?」ブゥン

魔導士の下に怪しげな魔方陣が現れた。

魔導士「え?うわっ…うわーーーーっ!!」ズズズッ

魔女「分からない事は自分の目で確かめる事よ?」

魔導士「ちょっ…そんな…っ!!」

魔女「大丈夫よ!一刻もしたら出してあげるから!うふふふっ!」

魔方陣に沼のように飲み込まれた魔導士はそのまま出てくる事は無かった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/10(木) 03:33:28.19 ID:jstDb1aRO<> 鬼畜杉wwwwwwwwwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/11(金) 21:33:44.45 ID:d0HtxPmpO<> おいwwwwwwww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/07/14(月) 18:22:42.11 ID:l2qJbyqdO<>
魔女「って事があった気がしますわ…!」

借金取り「お前そりゃあんまりだぞ…」

魔女「私も色々と忙しいんですのよ…いちいち弟子の世話なんて出来ませんわ」

借金取り「だったら最初から引き受けるもんじゃあねぇよ」

魔導士「でもいいんです…結果、霊界の方に色々とお世話になって死霊魔術も身に付いたし…そのお陰でこっちの世界に戻ってきてからも…お祓いや占いで生計を立てれましたし、こうして今では魔法グッズを作ってお店まで持てました…」

魔女「さすがは我が弟子ね」

借金取り「お前はなんもしねぇだろうよっ!」

魔導士「いえ本当に魔女さんのお陰なんです…「分からない事は自分の目で確かめる…これってずごく大事な事ですよね…魔女さんはそういう事を教えてくださったんです…」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/14(月) 22:06:49.49 ID:h06L4JJNO<> 魔導士すごいな……w <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/15(火) 04:49:29.86 ID:yqsh80FRO<> これで弟子と言えるのか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/07/16(水) 05:13:24.99 ID:lURuo6KtO<> 借金取り「出来がいいというかなんというか…」

魔女「まぁそうね。私は手取り足取り教えたりはしないんですのよ」

魔導士「はい!こうしてまた出会えたのも神の御導きがあったからですね!」

魔女「神…?違うわ。闇と闇は引かれ会うのよ。魔翌力を持つ物達は互いに意識せずとも引かれ会うの」

借金取り「さっきから魔導士の発言が聖職者みてぇだがあんた生まれは?」

魔導士「北の霊峰です」

借金取り「北の霊峰ってストリア教の総本山じゃねぇか…選ばれた物しか入れないんだろ…?」

魔導士「私は教祖の孫に当たります」

借金取り「それがなんでまたこんな所に…」

魔導士「死霊魔術なんて身に付けて帰ったら追い出されてしまいまして…はは…」

借金取り「そうなのか…まぁ帰る宛がねぇんじゃ可哀想だ。だが俺はあんたには見込みがあると踏んでてな…どうだこの魔導グッズもっと手広くやってみねぇか?」

魔女「こほん…!」

借金取り「わ…わりぃそういや仕事抜きだったな…」



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/16(水) 16:15:54.75 ID:pmwkrWE8O<> 魔導士さん…(´;ω; ` ) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/07/17(木) 04:57:27.92 ID:sGHdt/tGO<> 借金取り「しかし皮肉だな…ストリア教っちゃあ光の信仰の最たる宗教。人間のほとんどが信仰してるってのに…その孫が…神への冒涜と言われる死霊魔術のエキスパートってか…」

魔女「本当に残酷な運命もあるのね…」

魔導士「ありがとうございます…」

借金取り「いや…俺はつっこまねぇぞ」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/17(木) 05:26:05.34 ID:9YOoYfAzO<> 乙
魔導士www <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/18(金) 13:34:20.34 ID:W98UUzumO<> 魔導士は反抗期だったのかね(´・ω・`) <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/24(木) 19:30:40.28 ID:BVVWp9oxO<> まだ焦る時期ではない… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/25(金) 17:51:33.41 ID:0pjR//idO<> そうだな
? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/08/07(木) 18:32:37.46 ID:mDET9cU8O<> 魔女「…!あら…これ可愛いじゃない?」

魔導士「わかりますか!?さすが師匠っ!」

魔女が手に取ったそれはおおよそ可愛いとかけ離れたでき損ないの泥団子に目が描いてあるだけのような物だった。

魔導士「これは一番最初にハデスさんに教わった思い出の一品でして…」

魔女「へぇあの冥王が…」

魔導士「すごく優しい方でしたよ!霊界の最深部に辿り着いた私を見るなり「なにこの可愛い生き物!?」と言われた時はどうしようと思いましたが…」

魔女「相変わらずのショタ属性ね…引くわ…」

魔導士「ショタ?」

借金取り「俺は知らん。俺に聞くな」

魔導士「す…すみません…!」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/08/10(日) 09:25:40.05 ID:ZSLUP6BZO<> おいハデスww <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/08/25(月) 02:32:11.80 ID:jXnmaXdWO<> 借金取り「これが可愛いのか…?」

借金取りが魔女の持っているその商品をまじまじと見ながら首をかしげた。

魔女「えぇ、借金取りさんには見えませんわよ。これには「可愛い」という気持ちが込められています」

魔導師「分かるんですね!」

魔女「あら?私に分からない魔術なんてないのよ?」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/08/25(月) 05:22:42.39 ID:C8dkOMlQO<> 泥団子に可愛いを込めたのか… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/08/29(金) 17:20:34.22 ID:20VLfWrdO<> 魔女はそういいながら借金取りにその泥団子のような物を渡す。

魔女「ほら、触れてみて下さいな」

借金取りはそれを手に取る。
すると何か暖かいような生ぬるいような気持ちが手が流れ込んできた。

借金取り「うおっ…なんか…妙な気分になってくるな」

魔女「それがそれに保存された「かわいい」っていう気持ちですわ。それは感情を記憶しておく魔術。触れる事でその感情を取り出す事が出来ますのよ」

借金取り「なるほど…じゃ幸せな気持ちとか楽しい気持ちを保存すれば元気が無ぇ時とかに重宝するな」

魔女「そうですわね。昔は奴隷を快楽ヅケにしてそれを保存し、貴族が手軽に楽しめるように沢山作られたんですのよ。大戦の時に魔道具の類いはその製造方法も含めほとんど失われたようですが霊界ならその製造方法を知ってる物がいてもおかしくないですわね」

借金取り「なるほど…まぁどんな便利なもんも使い方を間違えたら誰かが泣きを見るって事だな…」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/09(火) 17:57:34.06 ID:WYB2YjwiO<> 魔女「でもホントあなた中々才能があったのね。素直に弟子にしとけばよかったわ」

魔導士「そんな…才能なんてとんでもないです…私教団の中でも落ちこぼれで…」

魔女「ふふふっそれは光の秘術を使えなかったからではなくて?」

魔導士「…はい…。どんなに訓練しても…どんなに勉強しても…光の秘術を会得出来ませんでした」

借金取り「光の秘術?」

魔女「主に回復・防御に優れた魔法系統に分類されるのが光の秘術ですわ」

借金取り「ストリア教の教祖の孫が光の秘術が使えないんじゃな…」

魔導士「えぇ…結果私は北の霊峰から逃げ出しました。魔女さんの所に行きました…北の霊峰でも有名人でしたよ!魔女さんは…闇の化身・滅びの魔女って言われてて…」

借金取り「へぇ…穏やかじゃねぇなぁ…」チラッ

魔女「見に覚えがありませんわ」



<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/09(火) 18:11:04.42 ID:WYB2YjwiO<> 魔女「貴方では絶対に光の秘術は使えないわ」

魔導士「はい…」

魔女「光の秘術は信仰心が触媒。つまり現世に魔の法を現す為の力の源。特にストリア教は唯一信仰の神ですもの…あなたは好奇心が強すぎて唯一信仰なんて無理よ。つまり浮気ばかりする悪い子には力なんて与えないってのが光のストリアの教えね」

魔導士「そんな…」

魔女「もう1つは貴方はストリアを越える強い光を宿している。それはそれは強い光よ」

魔導士「え…?」

魔女「あなたの光が強すぎてストリアの光の加護がかき消されてしまったのが原因ね」

魔導士「そうだったんですか…」

魔女「落ち込む事は無いわ。強い光は比例して強い闇を産み出せるのだから」

魔導士「ハデスさんも同じことを言ってました」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/09/09(火) 18:57:36.40 ID:ippO5dxEo<> いろいろと規模がおかしい
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/16(火) 20:41:58.97 ID:n1dOO23O0<> 借金取り「なるほどな…強い光が強い影を作るように…って訳か…」

魔女「えぇそうですわ」

魔導士「死霊魔術ってすごく深いんですよ」

魔女「貴方ならいい死霊使い(ネクロマンサー)になるわよ」

魔導士「はい!ありがとうございます!頑張ります!」

借金取り「なんだよ…いい死霊使いって…」

魔女「ふふっさてそろそろおいとましましょうか?」

借金取り「そうだな。そうだ使用人どもに土産を買ってくか。ここのおすすめは?」

魔女「私が見繕ってあげますわ。…これなんていかがかしら?」

そう言って魔女が手に取ったのは
商品棚には「おしゃべりの魔石」と「照れ屋の魔石」と変えてある。

借金取り「お前がやろうとしてる事が分かった。家のドーとベルで遊ぶ気だろ?家の使用人で遊ぶなよな」

そうは言っても借金取りも少し興味があるようで口元は緩んでいた。

魔女「おもしろいと思いません?」

借金取り「そうだな…ククク」

魔女「ふふ、メイド長には何がいいんでしょう?」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/16(火) 20:44:57.43 ID:n1dOO23O0<> 借金取り「なるほどな…強い光が強い影を作るように…って訳か…」

魔女「えぇそうですわ」

魔導士「死霊魔術ってすごく深いんですよ」

魔女「貴方ならいい死霊使い(ネクロマンサー)になるわよ」

魔導士「はい!ありがとうございます!頑張ります!」

借金取り「なんだよ…いい死霊使いって…」

魔女「ふふっさてそろそろおいとましましょうか?」

借金取り「そうだな。そうだ使用人どもに土産を買ってくか。ここのおすすめは?」

魔女「私が見繕ってあげますわ。…これなんていかがかしら?」

そう言って魔女が手に取った。
商品棚には「おしゃべりの魔石」と「照れ屋の魔石」と変えてある。

借金取り「お前がやろうとしてる事が分かった。ウチのドーとベルで遊ぶ気だろ?家の使用人で遊ぶなよな」

そうは言っても借金取りも少し興味があるようで口元は緩んでいた。

魔女「おもしろいと思いません?」

借金取り「そうだな…ククク」

魔女「ふふ、メイド長には何がいいんでしょう?」? <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/17(水) 02:26:21.93 ID:fXlqVfy4O<> 借金取り「あいつには普段マジで世話掛けてるからな…まともなもん買って喜ばせてぇな」

魔導士「大切な方への贈り物ならこちらの「心玉」などいかがですか?」

そういって魔導士は白い泥団子のような物を取り出した。

借金取り「こりゃさっきの泥団子じゃねぇか。「心玉」って言うんだなコレ。こんなかにはどんな気持ちが入ってるんだ?」

魔導士「その中には何も」

借金取り「じゃ空っぽって事か?」

魔導士「えぇなのでこれから借金取りさんのメイド長さんを思う気持ちを入れるんですよ」

借金取り「なるほど…ってそれ普通に言うより恥ずかしくねぇか?」

魔女「まぁまぁ魔導具に触れるいい機会ですわよ。物は試しといいますし」

魔女は「さぁさぁ!」と言うように借金取りにその白い泥団子を押し付けた。

借金取り「分かった!分かったよ!…んでどうやるんだ?」

魔導士「あっはい!えっとまず心を落ち着けて下さい」

借金取り「心を落ち着ける…」フゥー…

魔導士「そして心玉を手で包むように持って下さい」

借金取り「手で包むように持つ…」ギュッ

魔導士「そしてその方に伝えたい気持ちで胸を満たして下さい」

借金取り「うーん…うーん…」(メイド長いつもありがとう…メイド長いつもありがとう…)

魔導士「準備はいいですね?ではその気持ちを「心玉」に吹き込んで下さい」 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/17(水) 02:34:42.30 ID:fXlqVfy4O<> 借金取り「こうか?」フゥーッ…!

借金取りが息を吹き込むと魔導具が赤く、淡くキラキラと光りだした。

借金取り「おぉ光った…!」

魔導士「さすがですね!初めてで成功するなんてすごいです!」

魔女「中々筋がいいですわね!どうです?私の弟子にして差し上げましょうか?」

借金取り「それはマジで遠慮するわ…!」

魔女「ふふっさてとお土産も買ったし帰りましょうか」

魔導士「もう行っちゃうんですか…?」

借金取り「また日を改めて来させて貰うぜ?アンタとは商談の話もしたいからな」

魔導士「はいっ!お待ちしております!」

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/17(水) 02:53:31.95 ID:fXlqVfy4O<>


魔導士は店の外まで見送りをしてくれ「ありがとうこざいましたー」と馬車が見えなくなるまで手を振っていた。

借金取り「さてと…待たせちまったな。悪いな馬車急がせてくれ」

運転手「かしこまりました。はっ!!」

ガタガタ…ガタガタ…

借金取りは「少し揺れるが我慢してくれ…」そう言いかけてやめた。
魔女は全く平気な顔で過ぎ行く市場の景色を眺めていた。
その顔は故郷を懐かしむような…それとも何かに思いを馳せるような…そんな横顔だった。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/23(火) 06:05:18.31 ID:9MnHdYjXO<> 魔女の方を見つめる借金取りに気付いたのか魔女はハッとすると借金取りの方を向き直った。

魔女「ボーッとしてましたわ。ごめんなさい。何かおっしゃって?」

借金取り「いや…なんでもねぇ…」

憂いを帯びたその横顔に完全に見とれていた。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/09/23(火) 16:59:55.19 ID:441hMB4zO<> 借金取りがかわいく見えてきた
乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<><>2014/09/26(金) 17:37:03.35 ID:vk1TWHhsO<> 借金取りは魔女に悟られないよう横目で魔女の顔を見ていた。

夕日を少し眩しそうに見る切れ長の目
長いまつげ
透き通るような白い肌
つんとした高い鼻に
柔らかそうな唇…

魔女「ふふ…そんなに見られたら恥ずかしいですわ」

借金取り「!?」

魔女「私視てる物を感じる事も出来ますのよ?」

借金取り「…俺といるときはそれ…禁止な…」

借金取りは照れ隠しにそっぽを向くのだった…。 <>