和材 ◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 14:50:20.95 ID:dlFCvI1V0<>初投稿です

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<>鉄脚旅人「ここが呪いの町、ハイナムか」
◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 14:51:36.99 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人「まずは村長に詳しい話を聞きたいな。あそこにいる村人に聞いてみよう」

鉄脚旅人「失礼、ハイナムの村長の家はどこかな?」

村人「イヒヒ、あんたよそ者だな。匂いでわかるぞ。禍々しさに触れたことのない匂いだ」

鉄脚旅人「やはり呪いの村、住人ですら只者ではないようだな」

村人「イヒヒ、うちらは匂いに敏感でね。あんた右足を引きずっているな。そこから鉄の臭いがするなぁ。しかも呪いの匂いもいする。大方治療法を求めにやってきたってところか」

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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 14:53:41.27 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人「・・・すごいなハイナムは。そのとおりだ。私はある魔物との戦いの折、右足を鉄に変えられてしまったのだ。村長にお目通りしたいのも医療を求めてのもの。できれば行く先を教えて欲しいのだが」

村人「イヒヒ・・・いいだろう。だが、そういうやつはごまんときた。
が、そのほとんどが希望を失って帰っていった。あんたはここの呪いを受けいれられるかな?
さあついてこい、連れてってやる」

鉄脚旅人「感謝する」
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 14:55:31.80 ID:dlFCvI1V0<> 村長「なるほど、それでハイナムへ訪れたというわけか」

鉄脚旅人「はい高名な解呪師の紹介をいただければと。体の鉄化は日に日に進行するばかり。いずれは全身が鉄になってしまうでしょう。早急な解決を求めています」

村長「ここに来てわかったと思うが、ハイナムは小さな村だ。そして皆呪いに溺れている。私とてな。
呪術師は対価なしには動きはせん。もし呪いを解きたいのならば近場の森へハイナム花を取りに行くと良い。
ハイナム花とは金色に輝く花でな。数年に一度、一輪だけ咲く花だ。そのハイナム花と金貨があれば解呪してくれるであろう」

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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 14:56:32.91 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人「なるほど。詳しくありがとうございます。これはお礼の印です」

村長「ほう、王国でしか制作していない勇者印の金貨か。
勇者の魔王討伐の旅立ちに伴って発行された一時期限定のもの。
珍しい物だ、ありがたく頂戴する。
解呪師は村のハズレにいる。地図を描いておこう」

鉄脚旅人「感謝します」
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 14:58:04.57 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人「ここが近場の森か」

鉄脚旅人「ずいぶんと中にはいったけど、そこそこ深い森みたいだな」

???「キャー!」

鉄脚旅人「女の子の悲鳴だ、魔物に襲われているのかもしれない! 助けに行かないと

鉄脚旅人「大丈夫か!」

少女「た、助けて! スライムに襲われたの!」

鉄脚旅人「任せろ! セイヤ!」

緑色のスライムを鉄脚旅人が剣を一閃して切り裂いた
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 14:59:02.88 ID:dlFCvI1V0<> 少女「はぁ・・・はぁ・・・あ、ありがとう」

鉄脚旅人「なんてことはないよ。怪我はないかい?」

少女「うん、大丈夫」

鉄脚旅人「それより、なんでこんな魔物が出る森に一人でいたんだい? 危険だよ」

少女「・・・どうしても、ほしいものがあるの。それをみつけるまでは帰らない」

鉄脚旅人(うーん、深く聞かないほうがいいのかな。でも少女一人をこのまま捨て置くのも気が引ける)
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:01:02.85 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人「よし、きめた。僕も欲しいものがあるから、それが見つかるまでは一緒に探そうよ。
僕の方はどこにあるかもわかってないからどこへ行っても大丈夫だからさ」

少女「本当? ありがとう! でも私も森のどこにあるかわからないの」

鉄脚旅人「ハハッ、おたがいさまだね。一緒に探そうか」


足を引きずる旅人と、森を彷徨う少女は数時間、探しものを続けた」
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:02:06.00 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人「だいぶ疲れたね。森は足場が悪いから体力の消耗が激しくてこまるよ」

少女「私は歩き慣れているから平気よ。お母さんと森の散歩は良くしたから」

鉄脚旅人「それはすごいや・・・ん? いま、なにか光らなかったかい?」

少女「え! どこどこ!」

鉄脚旅人「確かこっちだったような・・・あ、走ると危ないよ! 追いかけなきゃっ」
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:02:31.93 ID:dlFCvI1V0<> 少女「・・・あった、探しもの」

ふと少女の視線の先を追うと、そこには金色に輝く花があった。 <>
◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:03:41.94 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人「ハイナム花・・・」

鉄脚旅人(なんてことだ、少女もハイナム花をさがしていたのか)

少女「・・・実はね、私のお母さん呪いの研究家だったんだけど、実験に失敗して狂っちゃったんだ」

少女「私、どうしてもお母さんを元に戻してあげたくて、気づけば森にいたの。それでスライムに襲われちゃったんだ」

少女「ハイナム花は数年に一度、一輪しか咲かないて聞いてたから、諦めかけてたけど、見つかってよかった」

少女「旅人さんのおかげだよ、ありがとう!」
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:04:19.81 ID:dlFCvI1V0<> 鉄脚旅人(あぁ、なんということか。わたしはこの健気な少女からハイナム花を取り上げることなどできない)

鉄脚旅人「・・・少女ちゃん、村まで送るよ。お母さんを大切にね」

少女「本当に有難う! 旅人さん!」 <>
◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:04:59.95 ID:dlFCvI1V0<> そして、旅人は呪いの町ハイナムを立ち去った。鉄となった右足を引きずりながら。
彼の心には母を思う優しき少女の姿が黄金の花となって咲いているのだろう。
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:05:54.06 ID:dlFCvI1V0<>
「お母さん、ハイナム花だよ。私、森にいってとってきたの」

「・・・」

「途中でスライムに襲われたんだけどね、旅人さんが助けてくれたんだ」

「・・・」

少女「ふふっ、きれいなお花だね、お母さん」

死体「・・・」
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:06:28.31 ID:dlFCvI1V0<> 「病を治そう、体を治そう。そういうやつはごまんときた。が、
そのほとんどが希望を失って帰っていった。あんたはここの呪いを受けいれられるかな?」
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◆qAGli9ClEk<>sage saga<>2015/04/03(金) 15:07:02.55 ID:dlFCvI1V0<> 終わりです ご視聴ありがとうございました <>