以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:36:42.23 ID:CfQYMuc90<>


ハルオミ「下乳、だ」

アリサ「……」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431772592
<>ハルオミ「今のムーブメントはな……」(ゴッドイーター2) 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:37:38.64 ID:CfQYMuc90<>

ハルオミ「本来、胸と言えば人はどこを見る?」

ハルオミ「そう、谷間だ」

ハルオミ「どんなに露出度の高い衣服を着ようと、下着姿、水着姿だろうと、まず目が行くのは……その柔らかに押し上げられた山と山のぶつかり合い! 生命の故郷とでも言うべき、俺達を温かに包み込んでくれるそのっ、神秘の境目だ……」


ハルオミ「しかぁし!!」

ハルオミ「…………それには、例外が存在する……」

ハルオミ「そう、もう分かるだろう?」

ハルオミ「その例外こそが…………」


ハルオミ「下乳」ビッ

アリサ「…………」


ハルオミ「本来、乳房下部の丸みというものは、普段見えないものだ」

ハルオミ「見えない……それ故、なにか谷間以上にっ……!」

ハルオミ「見てはいけないものを見ているような……そんな気持ちに、させてくれる」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:38:18.17 ID:CfQYMuc90<>

ハルオミ「つまりな、下乳ってのは俺達にとって禁断の楽園であり、そこに実る禁断の果実なんだよ!」

ハルオミ「さらに、谷間や横乳の露出はせずに首元まできっちりガードすることで、よりいっそう下乳が強調される!」

ハルオミ「人は誰もが思うだろう…………」


ハルオミ「『あれ? それ下着とかどうなってんの?』」

ハルオミ「と、」

アリサ「……///」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:39:27.25 ID:CfQYMuc90<>
ハルオミ「『まさか……つけてな……いやいやそんなばかな、しかし……』想像力はやがて危険な妄想を孕みながら拡大し続けっそしてっっ!!」

ハルオミ「…………もう視線は、釘づけだ」


ハルオミ「ここまで言えば、解るだろ? 俺の言いたいことが」

ラケル「なるほど」



ラケル「私にケンカを売っているのですね」

パチンッ

神機兵『……』ガション

ハルオミ「まった!! まったぁあ! 落ち着け! 話せば分かる!!!」

ラケル「もう充分すぎるほど、待って差し上げましたよ……?」ニコッ


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:40:35.60 ID:CfQYMuc90<>
ラケル「話が終わるまで耐えただけ、感謝してほしいぐらいです」

ハルオミ「だから違うんだって、俺が言いたいのはさぁ……」

アリサ「……変態」

ハルオミ「! ……今の、もっかい」

アリサ「言いません」

ハルオミ「つれないな……」

アリサ「……ハルオミさん、どん引きです。そんなふうに……私を……私の、その」

ハルオミ「下乳」

アリサ「……///」ササッ

ハルオミ「ははっ今更隠すことないだろ?」

アリサ「急に呼び出されたと思ったら、こんな……。この件は、きちんと上に報告を」

ハルオミ「……待てよアリサちゃん」

アリサ「……」

ハルオミ「いやらしい目で見られることが、ショックか?」

アリサ「当たり前です! 私はっ」

ハルオミ「じゃあ……」


ハルオミ「いったいどんな目で見られると思ってたんだ……?」

アリサ「っ……!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:41:09.44 ID:CfQYMuc90<>
ハルオミ「その格好…………私服のみでなく、クレイドルの制服になってまで続ける理由……なにか合理的な理由があるのかい?」

アリサ「そ、れ……は」

ハルオミ「認めちまえよ。楽になるぜ」


ハルオミ「お前さん、見せたがりなんだろ……?」

アリサ「あぁああ! いやぁああ!」

ハルオミ「どん引きです、とか軽蔑の視線を浴びせながらも、心の底では『そう』見られることを望んでる」

ハルオミ「私は悪くない……悪いのは、えっちな目で見てくる向こうだと」

ハルオミ「そうすることでキミは、さらに相手を罵倒し蔑むというS的欲求をも満たしている…………違うか? アリサ・イリーニチア・アミエーラ……」

アリサ「ぁ……あぁ」ガクッ

ペタン……

ハルオミ「自分を受け入れたほうが、楽に生きられるぜ?」

ラケル「そろそろ撃っていいかしら……?」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:41:39.84 ID:CfQYMuc90<>
ハルオミ「ごほん! ……というわけで、大きく話題は反れてしまったが……」

ハルオミ「俺が言いたかったのは、そう!!」



ハルオミ「ユニットの結成だ!!!」


ラケル「ユニッ……ト?」

アリサ「ごめんなさい……ごめんなさいオレーシャ……私はっ……ぁあっ」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:42:21.92 ID:CfQYMuc90<>
ハルオミ「そう、ユニット……つまり、アイドルユニットの結成だ」

ラケル「……話を聞きましょう」

ハルオミ「……そう言ってくれると思ってましたよ」

ハルオミ「まず、ラケル博士。あなたは有人式神機兵の正式採用式典にて、シプレと同じ衣装で登場。そしてシプレの中の人であることを明かすと、『コイメカ』をとびきり可愛く歌いきり、ファンのメルシー!を得た」

ラケル「ありがとうございます」

ハルオミ「さすがの俺もあれには驚いたぜ。会場のシプレファンならばなお衝撃的だったに違いない」

ハルオミ「天は割れ、地は裂け、正に天地開闢! あの日、アイドル界に文字通りの激震が走った。そう…………あなたはシプレの中の人としてのみでなく、」


ハルオミ「一人のアイドル! ラケル・クラウディウスとしてあの日! デビューした!!」

ラケル「研究だけでも忙しいというのに、ライブやイベントのオファーがやみません」

ハルオミ「あぁ、仕方ない。これまでシプレはバーチャルアイドルという性質上、そういう売り方、使い方をできなかったからな……」

ハルオミ「けれど、これからは違う」

ラケル「ユニットを組むことで負担を分散させると同時……本格的なアイドル活動を開始しろ、……と?」

ハルオミ「そのとぉおり! ……だがユニット結成にはそれ以外に、3つのメリットがある」

ラケル「3つ……? なんでしょうか……」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:43:19.73 ID:CfQYMuc90<>
ハルオミ「ふっ……第一に、あなたが気にしていた……激しく踊れないという点!」

ラケル「……!」

ハルオミ「言い替えれば、ダンスイメージの弱さ。それを補うことができる」

ラケル「確かに……手の振り付けのみでは、限界を感じていました」

アリサ「あの……でも私も、そんな踊りとか」

ハルオミ「アリサちゃんの身体能力なら大丈夫さ。すぐ上達する。それに、実はアリサちゃんはダンスイメージよりもビジュアルイメージが高い」

ラケル「それが最初に言っていた……」

ラケル「下乳」

アリサ「ぁ……あぁっ」カタカタ

ラケル「そして痴女的素質の話ですか」

ハルオミ「その通りです!」

アリサ「あぁあああ……」ガクガク


ラケル「……しかしつまり、アリサがビジュアルイメージ要因ならば……」

ハルオミ「そう…………ユニットは、3人!!」

ハルオミ「ダンスイメージ担当のユニットメンバーはこの子だ!!」


ハルオミ「カモン! ナナ!!!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:44:00.60 ID:CfQYMuc90<>

ナナ「はーい! 香月ナナ! じゅうななさいでーす! おい、おい!」

アリサ「ナナさんはリアル十七歳でしょ……」

ラケル「なら誰がリアルじゃない十七歳だと言うのですか……?」

アリサ「い、いえ私はそんなつもりではっあのっ……」

ハルオミ「ぅおっほん! ……元気! 明るい! へそ! ふともも! けもみみヘアー! というわけで、抜群のダンスイメージを持つ、ブラッド隊所属の香月ナナちゃんだ。この3人のユニットで! あなた方をアイドルとして売り出していく」

ナナ「えへへー、よろしくね! ラケル博士! アリサさん!」

ラケル「ふふ……ナナと一緒にできるなんて、嬉しいわ」

アリサ「……言っておきますけど、歌もダンスも私が一番ですから!」

ハルオミ「キャラが昔に戻ってるぞー」

ラケル「あなたの精神攻撃(ことばぜめ)のせいでは……?」

ハルオミ「ふむ……まぁ基本はツンツンもありだが。アリサは属性で言えばクール。ナナはパッション。ラケル博士がキュート。だからな」

ナナ「で、ハルオミ先生、あと2つのメリットってなぁに?」

ハルオミ「それについては…………実際に体感してもらった方がいいだろう。よし、行くぞ! みんな俺についてこい!!」

ナナ「はーい!」テクテク

ラケル「ふふふ……」キュラキュラ

アリサ「私が、私が一番うまく……」フラフラ


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:45:06.81 ID:CfQYMuc90<>
……
−フェンリル極東支部、訓練場

ナナ「ここって……」

アリサ「神機使い用の……訓練場、ですね」

ラケル「えぇ、けれど今は」

神機兵A『うぉおおおお!』ダダダダダッ
神機兵B『でやぁああ!』ザシュッ!
神機兵C『ちぃっ! そこ!』バァン! バァン!

ダミアン「どうしたぁ! 動きがトロいぞ! そんなゴリラみたいな動きでアラガミを捉えられると思うな!!」

神機兵達『『はいっ!!』』


ハルオミ「神機兵第一部隊隊長、兼指導教官、ダミアン・ロドリゴ殿。真壁ハルオミ以下三名、訓練の見学に参りました!」

ダミアン「おぉ! ハルオミ。なんだ堅苦しい挨拶なんぞしおって、……って」

ラケル「お邪魔いたします……」

ナナ「わー……すごーい!」

アリサ「もうここまで神機兵運用の環境が整っているんですね……驚きました」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:46:04.74 ID:CfQYMuc90<>
神機兵A『な、な……』

ナナ「?」

神機兵A『生シプレだぁあああーーーー!!』ドダダダダダダダダ!

神機兵B『オゥ! メルシー』シュバッスタッ

神機兵C『ラケルちゃーーーーーん!!』ブンブンブン!

ラケル「……ラケル、ちゃん……?」

ハルオミ「お気に召さないか? その呼び方」

ラケル「…………いえ、生シプレ、なんて面妖な呼び名よりは」フリフリ

神機兵C『うぉおおお! ラケルちゃんが俺に手を振ってくれたぁあああ!』ビョーン

ダミアン「こらお前ら! その機敏な動きを訓練で発揮せんか!! そもそも休んでいいとは言ってないぞ! 訓練を再開しろ!!」

神機兵達『『さ、サー! イエッサー!』』

ダミアン「ラケルちゃんが見てくれている! いいとこ見せろよ!!」

神機兵達『『イエッサー!!』』


アリサ「すごい……さっきより数段キレのある動きに……」

ハルオミ「さ、もう分かるよな。これが二つ目のメリットだ」

ナナ「えっと、つまり……」

ラケル「士気の向上、ですね……?」

ハルオミ「ご名答」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:47:00.39 ID:CfQYMuc90<>
ナナ「でも、今はわたし達、関係ないよね? 士気の向上とユニットを組むこと、関係あるの?」

ハルオミ「もちろんあるさ。神機兵パイロットに志願したやつらの動機は、その大部分が、家族を、家を、この手で守りたい。そういう思いだ」

ハルオミ「そしてさらに言うなれば、これまで自分達を守ってくれていたゴッドイーター達を、今度は自分達が助けたい」

ナナ「……!」

ハルオミ「そういう気持ちだ。だから、」

ラケル「自分達の守るゴッドイーターがアイドルに加わることで、『この子を守っているのだ』という具体的な感覚を抱くことができ、士気の向上を図れる……と」

アリサ「なるほど……」

ハルオミ「そうだ。3人の歌が、ダンスが、応援の気持ちが! ……彼らに力をくれる」

ナナ「そっか……わたしたちの応援で……!」

アリサ「これも、戦いなんですね……」

ハルオミ「あぁ。で、三つ目のメリットだが」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:48:17.01 ID:CfQYMuc90<>
カツ……カツ……カツ…………

サカキ「それは、私から説明しよう」

アリサ「!」

ナナ「支部長さん!」

ハルオミ「ミスターペイラー・サカキ。今回のユニット企画、出資者の一人だ」

ラケル「まぁ……そうだったのですか。ありがとうございます」

サカキ「いやいや、ラケル博士らの神機兵、そしてラケルちゃん達のアイドルユニットは、これからの世界の行く末を左右しうる存在だからね。当然のことだよ」

アリサ「世界の……行く末を?」

サカキ「そう。それが、三つ目のメリットにも繋がってくるわけだ」

ナナ「どーいうことですか?」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:49:12.82 ID:CfQYMuc90<>
サカキ「ふむ……現在、各地で降っている赤い雨と、それに接触した者に高確率で発症する不治の病……黒蛛病」

サカキ「その赤い雨は、アラガミにもある変化を起こしている」

ラケル「感応種……」

サカキ「そう。周囲のアラガミを活性化させ統率する厄介な存在だ。……しかし、変化は、それだけに留まらない」

アリサ「それって……」


サカキ「感応種が、さらに感応種を喰らい……もしくは赤い雨を浴び続けてか……とにかく体内に特殊な偏食因子を貯め続け…………とうとう、」



サカキ「人型のアラガミが現れた」

アリサ「っ……!」

ナナ「人型の……アラガミ? 人の姿をしてるってこと……?」

サカキ「その通りだ。そしてそれは、特異点になりうる存在だと思われる」

サカキ「この結果から、赤い雨は特異点を生み出すための地球の意志が……っと、これは今、関係なかったな」

ナナ「人の姿をしてるなら、仲良くなれないかな! そしたらアラガミともう戦わずに済むかも!」

サカキ「……そう、なればいいけどね。この人型のアラガミは、ある特性を持っている。見たまえ」ピッ


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:50:14.82 ID:CfQYMuc90<>
……
−危険区域


フォックス『こちらフォックス、目標を確認。地上部隊を展開した』

ツルギ『……なんだこいつ……』


金髪の少女『……あふぅ』

ツルギ『どう見ても、ただの女の子じゃねぇか!』

ルカ『だがアラガミ反応は確かにその地点から出ている』

金髪の少女『……むにゃむにゃ、おにぎり……』

ツルギ『……寝ちまった。今の内に捕獲するか!?』

フォックス『待て! アラガミ反応多数!!』

ドォオン ドダッドダッ

ツルギ『うおっ!? 油断した! こいつらどこからっ……!』

ルカ『後退しろ、ツルギ!』

ツルギ『バカ言うな! 斥候がビビってどうする!』

フォックス『ルカの言う通りだ、合流ポイントまで後退しろ!』

金髪の少女『……あふぅ、なんだかうるさいの……』

フォックス『偏食場パルス増大っまずいぞ!』

ルカ『周辺の全アラガミ、活性化!!』

ツルギ『なんだ……なんなんだこいつはっ!! うわぁああああああああ!!』


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:51:22.98 ID:CfQYMuc90<>
……

サカキ「……映像はここで途切れている。そして、録音に残されたその後の音声が、」

カチッ


しゃーなりしゃなりおじょおさまぁ〜〜♪

アリサ「これは……」

ナナ「……歌?」

サカキ「そう。この歌声が聞こえだすと同時、偏食場パルスはさらに異様な増大を見せ、周囲のアラガミは本来考えられない活性化率と、統率された動きで襲い掛かっている」

アリサ「そんなっ……じゃあ、この歌が」

サカキ「アラガミの感応現象を、強化している。そう考えられるね」

ナナ「でも……歌声。三人ぶん聞こえない……?」

サカキ「情報によれば、今の金髪の少女以外に、危険地域内で月を見上げる銀髪に赤い目の女と、アラガミの背に乗って駆け抜ける黒髪の少女がいるという」

ラケル「なるほど…………ようやく話が見えました」

ナナ「えっ、え? どゆこと?」

ラケル「つまり…………私達三人で、その人型アラガミに対抗しろ、と」

サカキ「そう。さすがラケル博士。呑み込みが早くて助かるよ」

アリサ「私達が、まさか……あの歌に、歌で」

サカキ「歌で感応現象を強化する……感応現象を心の響き合いだとすれば、理論上は可能なことだ。そして、それを相殺し、打ち消すことも」

ハルオミ「っと、あのパツキンのかわいこちゃん含め、人型の感応種アラガミのことを、本部は『偶像種』と名付けたそうだ。…………そこで!」

ハルオミ「その偶像<IDOL>を喰らうアイドル……そう、三人のユニット名は!!」


ハルオミ「『IDOL E@TER』だ!!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:53:11.54 ID:CfQYMuc90<>
……数週間後
−フライア、エントランス


ナナ「ふぅ……お疲れー」

アリサ「お疲れ様でした。では、また」

ナナ「うん、またねー!」

スタスタスタ

ジュリ「ナナ、訓練の方はどうだ?」

ナナ「あ、ジュリウス隊長。みんなも。訓練って、レッスンのことだよね? えーっとね、すっごく大変だけど、すっごく! 楽しいよ!」

シエル「ラケル先生が指導してらっしゃるんでしたよね……さぞ苦労なさって……」

ジュリ「あぁ……先生の訓練はスパルタだからな……」

ナナ「疲れるけど、言うほどじゃーないってー。おでんパンいっぱい食べれば大丈夫! ラケル博士もアリサさんも、みんなおでんパン食べて頑張ってるよ!」

ギル「……まったく。よくそんな時間があるな」

シエル「ラケル博士は、神機兵に関してはレア博士とクジョウ博士に任せ、自らの研究は黒蛛病治療に絞っているそうです」

ナナ「アリサさんも、サテライト地区の支援を、信頼できる人にある程度任せてるから大丈夫だって。確か同じクレイドルの……」

ギル「そう言や、お前らのユニット。フライアに黒蛛病患者を集めて、大規模なライブをやるらしいな」

ナナ「うん! 一般の人も入れるけど、最前席は黒蛛病の患者さん全員で埋まるよ。みんなも見に来てよねー?」

ジュリ「あぁ、もちろんだ」

シエル「必ず行きます」

ロミオ「……」

ナナ「……? ロミオ先輩、元気ない?」

ロミオ「えっ、いや……そんなことないって」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:53:58.95 ID:CfQYMuc90<>
ギル「……寂しいんだろ?」

ロミオ「なっばっそんなんじゃっ」

ナナ「??」

ギル「ナナがアイドルになって、なんだか遠くなったように感じてるんだ。こいつ」

ロミオ「だかっちがうって!」

ナナ「えへへ……なぁんだ!」ギュッ

ロミオ「わっ!!? な、ナナ!?」

ナナ「大丈夫! ずっと一緒だよ! だって、ブラッドは家族だもん!!」

ロミオ「ナナ……」

ジュリ「フッ……そうだな」

ナナ「ロミオ先輩も、わたし達のライブ見に来てよね!」

ロミオ「お、おぅ、あ、当たり前だろっ!?」

ナナ「えへへっよかったー」

シエル「……ふふ」

ギル「はははっ」



アハハハハハ!
フフフ エヘヘヘ
ワーワー


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/16(土) 19:54:04.20 ID:1PtjhnXV0<> その金髪の少女はビッチですよ、ビッチ!! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:56:53.45 ID:CfQYMuc90<>
……
−フライア、局長室

レア「……このフライアでの大規模ライブが、目前に迫ってまいりましたわ」

グレム「ふん、本部め。グッズ販売に口出ししてきおって」

レア「まだグッズ生産の一括受注にこだわってらしたの?」

グレム「アイドルイーターの内二人は我がフライア所属だぞ。利益を上げれるときに上げて何が悪い。……それに本部は、グッズの質を落として原価を下げる傾向にある。それではファンは納得せん」

レア「どうやら……もう少し綿密な打ち合わせが必要なようですね……?」

グレム「…………同感だ」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:58:17.12 ID:CfQYMuc90<>
……

レア「ですから、衣装代をケチってはいけません!」

グレム「これはケチっているから布地が少ないのではない! もっとこう大胆に露出した方が客も喜ぶと」

レア「見せればいいというものではありませんわ! それよりも二重に着込めるタイプの衣装にして、舞台上で脱ぎ、素早く着替えることでスムーズに次の曲へ」

グレム「その曲の次はダンスナンバーだろう! 休憩もとらずにはっ」

レア「ノリのいい曲だからこそ勢いを殺さずにっ」

コンコン

グレム「誰かね、こんなときに」

レア「私が呼びましたの……」

グレム「なに……?」

レア「ラケル本人と、そのプロデューサーを」

グレム「!」

ラケル「……お邪魔致します……お久しぶりですわね、グレム局長……」

グレム「ラケルちゃ……じゃない、ラケル博士。お忙しい中、わざわざ」

ラケル「いいえ、……私の研究も、一定の目途が立ちましたから」

グレム「そうか。それはなにより。……ところでラケルちゃ……博士、一つ頼みが」

ラケル「……なんでしょうか?」

グレム「この色紙にサインを貰えると……あ、いや、娘がどーしても欲しいって言うもんだから! わはははは!」

レア(じゃあなんで色紙が二枚あるのかしら)

ラケル「もちろん、構いませんわ……」

キュポンッ サラサラサラ

グレム「いやーありがたい! わははは!」

レア「さ……それじゃあ聞かせてもらうわよ。あなたの方針を。ブラッドの副隊長さん……いえ、今は」


レア「アイドルイーターの、プロデューサーさん……?」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 19:59:18.10 ID:CfQYMuc90<>
……ライブ当日
−フライア特設会場


ザワザワ ガヤガヤ


ムツミ「ナナさんやアリサさんが、アイドルかぁ……すごいなぁ」

アスナ「たのしみだね! わたしグッズいっぱい買ってもらっちゃった!」

ロミオ「おでんパンキーホルダーとかシプレ仕様神機兵フィギュアはともかく、三人特製のナンクルナイザーって……ほぼ外れのロシアンルーレットじゃん!」

コウタ「いやーこないだの復刻ゲロゲロキッチンでの三人の料理すごかったよな、まさにゲロゲロって感じでさー!」

シエル「審査員の方が、倒れるほどでした」

ジュリ「あの後緊急搬送され、どうにか助かったそうだ」

ギル「……ナナはともかく、アリサさんやラケル博士まで、アレとはな……」

ワーワー!

ジュリ「始まったか……!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:00:42.64 ID:CfQYMuc90<>
……

〜〜♪

ジュリ「最初の曲は、やはりコイメカか……」


ラケル『じしんーだけはいっちょまえ♪ だけどこたーえーが分からぁなーいーの☆』


サツキ「敵情視察に来てみたけど……なるほど。なかなかのものね」

フラン「……神機兵のバックダンサー、生で見るとすごいインパクトです……」


ワーワー! オゥメルシー!
パチパチパチパチ

ラケル『ありがとうございますっ! それでは、次はアイドルイーターの三人で』

アリサ『アラガミ出現以前のヒット曲をカバーします』

ナナ『アタシポンコツアンドロイド! いってみよーーー!!』

オォー! ワーキャー!

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:01:35.87 ID:CfQYMuc90<>
グレム「うぉおお! ラケルちゃーん!」

クジョウ「はいっ! はいっ! はいっ!」ブンブン!


〜〜♪


アリサ『はーだーかーになっちゃおっかっなー♪』

ナナ「なっちゃえ!」

ラケル『はーあーとーみぃせちゃおっかっなー☆』

ナナ「みせちゃえ!」


ロミオ「ナナー! がんばれー!」ブンブン

コウタ「いいぞアリサー!!」ブンブン


アリサ『きょおから厄介なこーいっするー』

3人『『女の子なんです♪』』

ナナ「じゃんじゃん!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:02:16.11 ID:CfQYMuc90<>
アスナ「わー! すごいすごい!」ブンブン

リッカ(黒蛛病患者に無料で配られたサイリウム……何か細工されてる。でもいったいなにを……)


ナナ『ね、が、おーにちゅっなななんちゃってー♪』

ラケル「てへぺろ!」

アリサ『だ、だ、だーいたんすぎちゃったあわわぁ』

ラケル「ばかばか!」


ムツミ「あ! ラケルさんが神機兵のてのひらに乗って」

アスナ「ロボットもラケルさんも、赤く光ってる……きれい……」


ラケル『きょうから不条理でーきゅーとっな』

3人『『女の子なんです♪』』

ラケル「じゃんじゃん?」


ワーワー! キャーー!

ラケル「みなさん……これからもアイドルイーターの三人を、どうか」

3人「「しるぶぷれ!!」」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:03:12.68 ID:CfQYMuc90<>
……後日
−フェンリル極東支部、病室


ヤエ「はい、これでおしまい。明日には退院できるわ」

アスナ「ありがとう!」

ヤエ「いえ……私たち医療スタッフはなにも……」

ユノ「……黒蛛病の患者達が、こんなに急激に回復するなんて」

アスナ「アイドルイーターのお歌を聞いてから、みんなどんどんよくなっていったんだ!」

ユノ「そう……やっぱり歌には、不思議な力があるのね。私も負けてられないわ。サテライト地区にも、フェンリル居住区にも、いっぱい歌を届けて、みんなを笑顔にしないと!」

アスナ「うん! ユノさんならできるよ! あと、アイドルイーターとのジョイントコンサートとかも、いつかやってね!」

ユノ「えぇ、私も、彼女達とはいずれ共演したいと思ってるの。楽しみに待っててね」

アスナ「わーーい!!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:04:18.45 ID:CfQYMuc90<>
……
−極東支部、支部長室

サカキ「……配備された神機兵、そして神機兵乗り達の活躍はめざましく、各支部の状況は好転……サテライト拠点の増設や、生活環境の充足も、徐々にだが進んでいる」

ハルオミ「あぁ、ダミアンさんみたいな歴戦の神機使いが、各部隊をまとめてるんだ。強いハズだぜ」

ラケル「そうですね……」

サカキ「うむ、引退したゴッドイーターにとって、新たな活躍の場があるのはいいことだ」

ラケル「……神機兵の運用は、例えるなら戦車。既存のゴッドイーターは、歩兵ということになります」

ハルオミ「……ようやく、人類も……互角のとこまで来た、ってことか」

サカキ「…………だが、楽観視はできない」

ハルオミ「……偶像種」

サカキ「そう……通称『フェアリー』と呼ばれる3体の偶像種アラガミが、ここ極東を目指し進軍している。……大量の、アラガミを引き連れてね」

ラケル「……」

サカキ「……あなた自身の提案とはいえ、この作戦で本当にいいのかい? この作戦は」

ラケル「もちろんですわ。……そのための、IDOL E@TER……でしょう?」

サカキ「……そうだね」

ハルオミ「さて、そんじゃあ……俺達ゴッドイーターも準備にかかりますか」


ハルオミ「この……決戦の」



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:05:35.60 ID:CfQYMuc90<>
……


ソーマ「見えたぞ……あれだな」

リンドウ「ありゃあ……また随分な大群だ。……呼び戻された途端これとはなぁ」

ソーマ「……」

リンドウ「なぁソーマ。あれを指揮してるアラガミは、人型をしてるそうだぞ」

ソーマ「…………それがどうした」

リンドウ「……ま、お前が大丈夫ならいーんだけどな。とにかく、」

ソーマ「生きて帰ること」

リンドウ「そういうこった。……行くぜぇ!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:06:24.89 ID:CfQYMuc90<>
……

コウタ「よし! お前ら! 絶対にこの極東を守るぞ!!」

エリナ「はいっ!」

エミール「ふっ……この私の騎士道がある限り、ねずみ一匹通れないと知れ!」

エリナ「ねずみなんて見逃していいから! ちゃんとアラガミを倒してよね!」

コウタ「というか、神機兵が全面に展開しての戦いだから、前に出すぎるなよ? 神機兵部隊と連携して敵を叩くんだ。いいな!」

2人「「はいっ!!」」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:07:05.79 ID:CfQYMuc90<>
……

ハルオミ「こいつぁ……!」


ルフス・カリギュラ「ガァアアアアアアアアアッ」


ギル「赤いっ……カリギュラ!? 確かに、あの時」

ハルオミ「ケイトをやったのとは、別の個体だろうよ。ちっ……偶像種、こんなもんまで引き連れてくるとは、たいした人気だぜ」

ギル「っ……」

ハルオミ「ヘタレるなよ、ギル。今の俺らなら……このぐらい余裕でやれる!」

ギル「……はいっ! やりましょう、ハルさん!!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:08:37.06 ID:CfQYMuc90<>
……

ヒバリ「第一部隊、第二部隊、第三部隊、アラガミとの交戦を開始しました!」

サカキ「神機兵の部隊は?」

ヒバリ「そちらも全部隊が交戦中! 今のところ、こちらが押しているようです」

サカキ「……よし。このまま……」

ヒバリ「! 特殊な偏食場パルスを観測……! アラガミが一斉に活性化します!」

サカキ「来たか……!」


……

フラン「偶像種アラガミの偏食場パルスです。発信源を探知」

グレム「よぅし! フライア、全速前進!! 突っ込むぞぉ!!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:09:09.95 ID:CfQYMuc90<>
……

ラケル「っ……く、……はぁ」

アリサ「ラケルさん、大丈夫ですか?」

ラケル「えぇ……神機兵に運んでもらいますから、ご心配なく」

アリサ「……そういうことでなく」

ナナ「いっちにっ……あーあー」

ラケル「さぁ、とうとう……直接対決です。私達の歌で、この戦いに……人類に勝利を」

ナナ「よぉーし! アラガミにも声を届けちゃうぞ!」

アリサ「……はい! がんばりましょう!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:10:36.76 ID:CfQYMuc90<>
……

神機兵A『見えるっ……そこっ!』ダダダダダ!

神機兵B『ライフル、ダブルファイア!』バキュンバキューン!

神機兵C『ただ、撃ち貫くのみ!!』ズガァアン!

ダミアン『うぉおおおおおっ……一刀両断!!』ブォオオン!

ズバァアアアアアアアッ!!


……

ジュリ「来るぞっ……周囲のアラガミを引きつけるんだ!」

シエル「了解!」

ロミオ「ナナ達には指一本ふれさせない! おさわり禁止ってな!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:11:13.27 ID:CfQYMuc90<>
……

カッコ悪いわよ アタシを堕とすの バレてるの〜〜♪


ナナ「聞こえてきた……!」

アリサ「はい! 私達もっ」


――煌めく思い出は風に流されて〜〜♪

ラケル(あと少し……少しだけ、)

フラン『反位相の偏食場パルス発生! アラガミ側と干渉し合っています』

ヒバリ『アラガミの活性化、収まっていきます! 成功です!!』


「あふぅ……うるさいの。きみたち、邪魔なの」

アリサ「! ……偶像種っ」

金髪の少女「みんな、消えちゃえばいいって思うな」

アリサ「私が行きます! お二人は続けて下さい!!」ダッ

ガキィイン!


――この道照らし別れは言わず
――お願い抱きしめて


「自分もいるぞ」

黒髪の少女「……せっかく連れてきたアラガミたちを倒しちゃうなんて、ゆるさないからな」

ナナ「っ! ラケル博士、私も行くね。……後、任せていいよね?」

ラケル「……えぇ、ナナ。こちらこそ、頼みましたよ?」

ナナ「……うん!!」ダッ

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:12:02.61 ID:CfQYMuc90<>
……

アリサ「やぁああっ!」ブォンッ!

金髪の少女「あふぅ……なーんかめんどくさいって感じ。なにムキになっちゃってるの?」

アリサ「必死にもなります……仲間のためなら!」

金髪の少女「あはっ、そういうの、くだらないって思うな」

アリサ「あなたには分からないかもしれないけどっ……みんな、神機使いも、神機兵乗りも、フェンリルも、サテライト拠点の人も、それ以外で暮らす人たちも!」

アリサ「みんなっ……みんな必死に生きてるんです!」

アリサ「それを、あなた達なんかに奪わせはしない!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:13:01.60 ID:CfQYMuc90<>
……

黒髪の少女「いっけぇガル美! シユ助!」

ガルム「グォオオオッ」
シユウ「キィイイイッ」

ナナ「わわっ! アラガミが出てきた!?」

ザシュッ! ドガァッ!!

ジュリ「無事か! ナナ」

ナナ「隊長!」

ロミオ「俺達もいるぜ!」

ナナ「みんな! 来てくれたんだ!」

黒髪の少女「ふん……そうやって傷をなめ合うしか能のない人間が。完璧な存在であるアラガミにかなうはずないぞ」

ナナ「違うよ! 誰も完璧になんてなれない……だから助け合って生きていくの!」

黒髪の少女「ばかばかしい……王者は常に孤高でなければならないんだ!!」

ナナ「あなたにだって……仲間はいるでしょ!!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:14:12.20 ID:CfQYMuc90<>
……

「……あなたでしたか、わたくしたちの邪魔をしているのは」

ラケル「……」〜〜♪

銀髪の女「あなたも、アラガミではないのですか? わたくしは、ただ星の意志に従い、新たなる世界への扉を開こうとしているだけです。なぜこんなことを。……あなたのしていることは、いたずらに滅びを加速させているだけ」

ラケル「……それでも」

銀髪の女「……」

ラケル「今を、捨てられない。例え今を選ぶことで…………全てが滅ぶことになったとしても」

――避けられない運命よ

ラケル「それが、人間です」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:15:15.36 ID:CfQYMuc90<>
銀髪の女「…………それが答えですか」ジャキン……

神機兵『……』グォオオッ

――愛され痛みさえも感じない
――怖くない少しでも時戻るなら

銀髪の女「このような傀儡などに!」ビュンッ

ガシュッ! バァン!

神機兵『……!』

――あなたを独りにして逝けないよ
――もしこれが証でも

銀髪の女「……所詮は、ヒトの造りし紛い物。……さぁ、始めましょう。月に持っていかれてしまった…………破壊と再生を」


ヒバリ『!? 終末捕食特有の偏食場パルスを感知!! そんなっ!』

サカキ『やはり……』


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:16:24.55 ID:CfQYMuc90<>

――明日は二度と来ない永遠に
――知らない世界へと今旅立つの

ラケル(……お願い。今だけ……もう少しだけ保って……)

ラケル(黒蛛病の偏食因子を寄せ集めた……擬似的な特異点……)

――輝く日大切に祈ってる
――もし何が起こっても


ヒバリ『ど、同一のポイントで、もう一つの偏食場パルス! これっ……こっちも終末捕食の……!?』

サカキ『始まったようだね……終末捕食同士の、……対消滅が』

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:17:00.35 ID:CfQYMuc90<>

――神様もう少しだけ温もり感じたい
――これが定めだと受け止めるまで

銀髪の女「こんなばかな……わたくしの力と拮抗している……ならば直接っ」

バシュンッ

銀髪の女「!? 傀儡からっ……神機使いが!?」

ガキィイイン!!

ラケル(……こんなところまで付き合わせてしまい、申し訳ありません。けれど……)

ラケル(終末捕食を目指すあまり、多くの犠牲を生んできた私が……)

ラケル(せめてその犠牲を無駄にしないため、最後にできること……)


――命の灯が儚く朽ちていく

ラケル(それが)

銀髪の女「こんなっ……終末捕食同士が喰らい合って……!!」


グォオオオオオオオオオオオッ



――夢は終わりを告げて……



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:17:35.10 ID:CfQYMuc90<>
……

リンドウ「なんだぁ!? ありゃあ!」

ソーマ「……終末捕食だ」

リンドウ「なんだとっ」

ソーマ「喰い合ってやがる……天に伸びながら」


……

シエル「これはっ」

ジュリ「アラガミが、逃げていく……」

ロミオ「終わった……のか?」


……

ヒバリ「これはいったい……」

サカキ「まるで、神話の世界樹……生命の樹。終末捕食のぶつかり合いが、拮抗しながら螺旋を描いている……!」


サカキ「…………螺旋の樹……!」



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:18:30.66 ID:CfQYMuc90<>
……


この世の終焉に 我が身を委ねましょう


死が私を迎える前に 唯一つ是を誓います


この命は全て主の為に捧げました


彼の腕に抱かれて 我が罪は赦されるでしょう




I am home

I am home


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:19:09.57 ID:CfQYMuc90<>
……


ナナ「……ラケル博士、おでんパン。ここに置いとくね」

ナナ「ちゃんと食べてよね。じゃないと……元気でないよ」

ジュリ「……先生」

シエル「こうなることを……知っていたのでしょうか」

ギル「くっ……馬鹿野郎っ」

ロミオ「ぅう……二人共、勝手すぎるだろ……!」


ハルオミ「……あんた、確かにアイドルだったよ。間違いなくな……」

サカキ「赤い雨は止み……黒蛛病も消えた。そして二つの終末捕食は、螺旋の樹の中で喰い合っている」

サカキ「これがベストな結末かは分からないが……これだけは言える」

サカキ「あの二人によって、世界は救われたのだとね」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:19:38.40 ID:CfQYMuc90<>

生きなさい……


この世界で…………




私の、

大切な子供達……






END


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/05/16(土) 20:22:16.54 ID:CfQYMuc90<>

前回
ラケル博士「始まった、どきどき」(ゴッドイーター2)

前々回
ラケル博士「オンッナッノコハ コイッノキカイ……」(ゴッドイーター2)


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/16(土) 20:36:52.20 ID:5cOXCcbFO<> http://i.imgur.com/i66JWn3.jpg
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http://i.imgur.com/EKGfnmA.jpg
http://i.imgur.com/KWcarpH.jpg
http://i.imgur.com/gB4BgeR.jpg
http://i.imgur.com/VMb00SE.jpg
虚言癖 国士舘 中退 ウンフェ 飲酒運転 うつ病 長谷川亮太 無能 イジメ 詐欺 キッズライク 誘拐 ガイジ 自分語り チンフェ なかよし学級 ハッセ 恒心 前科 ストーカー 懐妊 不謹慎 アフィ 洋 犯罪 万引 尊師 逮捕 唐澤貴洋 韓国人 無差別開示 性病 ラブライ豚 盗撮
法律事務所クロス ドルオタパッカマン ニート ネトウヨ 虚カス 法廷 バックれ ドタキャン 神聖六文字 ○○○○ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/17(日) 01:24:29.09 ID:mcNejy2Io<> こんな話になるとは <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/17(日) 02:09:03.68 ID:fstHF/7+0<> 乙
RB編も楽しみだ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/17(日) 04:52:56.45 ID:+5xTHxDpO<> 乙

このままRBに突入してあの展開になることを期待 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/22(金) 07:56:48.29 ID:KDcrxLfFO<> このスレタイから予想外な展開に
乙、面白かったわ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/22(金) 14:02:43.34 ID:7YgcpETE0<> 乙
まさかまさかの展開
最後に出てきた神機使いはブラッド1でおk?
喚起が持ってかれたのは痛いけど統率と対話があれがRBのストーリー上の役目は代用できるかな <>