以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 20:51:42.58 ID:PN/tlU9u0<>
モバマス・星輝子SSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432813892
<>輝子「今日、私は少し、恋を知る」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 20:52:27.25 ID:PN/tlU9u0<>


変わらない、ためにも。

大切なこと、だからこそ。

言っておかなくちゃ、いけないことが、ある。



な、なあ親友。

聞いてほしい話が、あるんだ。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 20:53:34.57 ID:PN/tlU9u0<>


法子「♪エブリデイどんな時も ♪ポンデリング持ってたい」

みちる「♪サンドもクロワッサンも ♪ホットに食べたい」



法子「もぐもぐ!」

みちる「フゴフゴ!」

時子「…」



法子「♪おーねがい!」

みちる「♪ドーナツパン!」



法子「じゃーん!! 今週新発売のドーナツー!!」

みちる「いえーい!!」

時子「ちょっと待ちなさい」



法子「? どうしたの時子さん?」

時子「そのめちゃくちゃな歌やめなさいよ。あと様をつけなさい。それからみちるは何でここにいるの」

みちる「? チームフラワーの打ち合わせですよ?」

時子「さっきからパンとドーナツを食べてるだけじゃない」

法子「そういう会だよ?」

みちる「そうですよ!」

時子「…じゃあ私の所にわざわざ来てやるのやめてくれるかしら」

法子「ええー? 一緒に食べようよ時子さん! これドーナツ!」ノソッ

みちる「そうですよ! パンもどうぞ!」ドサッ

時子「………」





比奈「(けっこう怒ってないっスか、アレ)」

杏「(いやいや、時子は懐いてくる後輩には優しいから。豚の皆さんには厳しいけど)」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 20:54:41.09 ID:PN/tlU9u0<>


ワイワイ ガヤガヤ



輝子「…」

輝子「…♪」

輝子「…フン♪ フン♪」



P「輝子ー」

輝子「ん、や、やぁ親友。あれ、もうレッスンの時間か…?」

P「いや、まだだけどな。調子はどうだ?」

輝子「フヒッ…い、いいぞ」

P「そうか。…キノコくんたちはどうだ?」

輝子「…き、今日もシイタケクン筆頭に、みんな元気だよ」

P「そうか、ならよかった」ナデナデ

輝子「フヒッ…く、くすぐったいぞ…でもうれしいな」

P「まだ時間あるけど、レッスンには遅刻しないようにな」

輝子「お、オッケー…なんちゃって」

P「ふふっ」



< 豚! ちょっと来なさい!



P「おっと…それじゃあまた後でな」

輝子「あ、ああ、ありがとう…親友」



輝子「…♪」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 20:55:54.56 ID:PN/tlU9u0<>


フヒ…

どうも。

キノコアイドル、星輝子です。

あ、キノコアイドルっていうのは、プロデューサーが、考えてくれたよ。

肩書き…っていうのかな。



今日も、事務所は平和で。

机の下は少しだけ、ジメジメしていて。

キノコたちも元気そうで。

…うれしい、ね。



プロデューサーも、元気そうで、イイネ。

親友の元気は、私の元気…フフ。



輝子「…♪」

乃々「…」

輝子「…や、やぁ、お隣さん」

乃々「あ、おはようございます…」

輝子「…ど、どうかしたか…? さっきからこっちを気にして…?」

乃々「あ、いえ、輝子さんとPaのプロデューサーさんは…今日も仲がいいなと思って…」

輝子「お、そ、そうか…フヒ…な、なんかテレるな…」

乃々「ふふ…」

輝子「まあ、プロデューサーは親友だからな…」



お隣の机の下の友達、ボノノさん。

ボノノさんは私と一緒で内気で、

たぶん、私よりネガティブだけど、

でも、最近は頑張ってアイドルをやっている…みたいだ。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 20:58:15.45 ID:PN/tlU9u0<>


輝子「お隣さんも…Coのプロデューサーと、仲良しだよね…」

乃々「えっ、あ、まあ、はい…」

輝子「知ってるぞ…Coのプロデューサーのこと、好き、なんだよな」

乃々「…いや、その…」



詳しくはわからないけど、

いわゆるその、デート…的なところに行ったと、

言ってた気がする。



輝子「フヒ…ウワサは聞いたぞ…壁に耳あり、床にはキノコ…だ」

乃々「何ですかそれ…」



私は…恋とか愛とか、そういうキモチは、まだよくわからない。

でもみんな結構、そういうこと、言うよね。

知ってるぞ。うん。



輝子「担当のプロデューサーと仲がいいのは、いいことだよね…」

乃々「えっと…はい、そうですよね…ですよね」



乃々「わ、私の話はさておき…輝子さんは」

輝子「?」

乃々「輝子さんは…よくPaのプロデューサーさんを友達とか、親友と、その、呼んでいますけど…」

輝子「う、うん」

乃々「その…好き、では、ないんですか?」

輝子「フヒッ!?」



ゴッ!



乃々「あ」

輝子「〜〜〜」

乃々「だ、大丈夫ですか…頭打ちましたけど」

輝子「…あ、うん、大丈夫だ…ちょっとびっくりして…ぶつけただけだ…」イタイ


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 20:59:43.34 ID:PN/tlU9u0<>


好き…?



輝子「わ、私が…ぷ、プロデューサーのことを…?」

乃々「はい…」

輝子「好きって、えっと、その、好き…?」

乃々「え、あ、はい」

輝子「フヒ…そ、そんな私なんて、ボッチだし…キノコ女だし…」モソモソ



困ったぞ。

私はそんな、特別なそれは、ないし。

でも…



輝子「で、でも、そうだな…好きかどうかでいえば、………す、好き、かな。プロデューサーの、こと」

乃々「!」パアア

輝子「あっ、ま、まって、その…ちがうんだ」



思わずボノノさんをさえぎる。



輝子「ぷ、プロデューサーは、親友で、私をアイドルにしてくれて、その、やさしいし、好き…だけど」



どうしよう。

何て言ったらいいのか。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/28(木) 20:59:43.46 ID:XBRWe6cWo<> 杏と比奈の組み合わせに見覚えが <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:01:02.04 ID:PN/tlU9u0<>


輝子「…わ、私はその、恋愛…みたいなのって、よくわからなくて」



少しずつ、少しずつ、説明する。



輝子「みんなの、その、好きとかそういう話は、もっと、その、カップルでとか、い、イチャイチャ…したりする、そういうの…だろ? そういうのは…まだ、わからないから…」

乃々「それでも、好きって言えるって、十分ステキなことだと思うんですけど…」ニヘラ



ボノノさんが笑ってる。

なんか、楽しそう…?



輝子「キ、キモチワルく、ないかな、私…?」

乃々「別に大丈夫かと…あ、いえ、私が言えることじゃないですけど…」



この日は、レッスンまでずっと、ボノノさんとボソボソ、こんな話が続いた。

こういうのを、コイバナとか言うのかな…フフ。

イケてるヤツらみたいだな…私たち。

あっ、いや、なんでもないです。



乃々「あの…もし余計気になってしまったならごめんなさい…。でも輝子さんの、Paプロデューサーさんへのキモチって気になりますし…。親友のその先…というか」

輝子「その…先…」



なんだか難しいことになってきたような、気がする。

私は今の毎日が楽しいし、

プロデューサーのことは、けっこう好きだぞ。

フヒッ…あ、改めて言うと、ちょっと恥ずかしいな…。



ムム…。

好きっていうのも、難しいもの、だね。





杏「(杏もプロデューサーのこと結構好きだよ、だからウチ来て料理と洗濯と掃除してくれないかなー)」グデー

比奈「(あー私も、ご飯作るのはお願いしたいっスねー)」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:03:38.78 ID:PN/tlU9u0<>


翌日、お昼過ぎ。



みんな出払っていて、事務所には、私ひとり。

でも日差しもあったかいし、キノコたちも元気そうだし、イイネ。

静かだね…。



ガチャッ ガチャガチャッ



輝子「?」



バンッ!



亜季「お疲れさまです! 大和亜季、ただいま戻りました!」

輝子「フヒッ」ビクッ

亜季「おや輝子殿! お疲れ様です! 今日もキノコ栽培作戦展開中でありますか!」

輝子「や、やぁ…レッスンお疲れ様です…。そ、そう、今日もひとりで、キノコ栽培だよ…フヒッ」

亜季「いやいや、変わらず平穏、いいことです!」



Coチームの元気お姉さん、亜季さん。

いつも誰かと戦ってるみたいな感じの、ちょっとおもしろい人。

でも、私にも明るく接してくれる、ステキな人だ。



輝子「亜季さんは…やさしいね」

亜季「いえいえ! そうだ輝子殿! 頂き物のドリンクがあるんですが輝子殿もいかがですか? 午後のティータイム的な感じで!」

輝子「い、いいの…? じゃあ、あの、いただきます…」



最近、事務所のみんなと、少しずつ、仲良くなれている気がする。

ちょっとだけ、うれしい。

フヒ…これからも、迷惑がられない範囲で、頑張ろう…。



亜季「はい! 海外の果実で作ったドリンクらしいですよ! 独特の風味だそうですが、すごく元気になるとか!」ドン



机に置かれた紫色のジュース。

マストレさんがたまに作るドリンクに、似てる感じ…?


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:04:58.40 ID:PN/tlU9u0<>


< オエエエエッ!!!!! マズスギマス!!!!!

< ヒャッハー!!!!!


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:06:19.61 ID:PN/tlU9u0<>


輝子「亜季さんは…その、最近アイドル活動は、楽しい?」ゲホッ

亜季「そうですね、楽しいですよ! P殿もやりがいのある仕事をどんどん取ってきてくださるので!」ゴホゴホ





ティータイム。

亜季さんが、お口直しの紅茶を入れてくれた。

おいしい。



向かい合ってソファに座っている、亜季さんと、私。



給湯室に目をやると、

机の上に、さっきの謎ドリンクのビンが見える。

ムラサキフウセンタケのような艶やかな色の液体は、まだ残っている。



亜季「…さきほどは本当に申し訳ありませんでした。ここまで酷い味とは知らず…っ!」

輝子「いや、い、いいよ、大丈夫…。でもホント、おいしくなかったね…」



ひどい目にあった。

亜季さんも一口で噴き出したし、

私もあやうく、ライブモードになりそうだった。



今も口にわずかに残る謎ドリンクの匂い。

ちょっとむせる。



亜季「…で、急にお仕事の話とはどうされましたか? 何か悩み事でも?」

輝子「あ、いやお仕事は、私も楽しくて…」

亜季「? すると他に?」

輝子「えっと、その…」



こんなこと聞いていいのかな。

いいよね? せっかくだし…ね?



輝子「…亜季さんは、こ、コイバナとか…そういうの、得意?」

亜季「ブフッ」



フヒッ…亜季さん、今日は噴いてばっかりだな。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:08:01.33 ID:PN/tlU9u0<>


亜季「なるほど、そういう話でありましたか」

輝子「フヒッ…は、恥ずかしいなこれ…」

亜季「いやいや、よくぞ話されたものです。立派ですよ!」



ほめてもらえるのはうれしいけど、

こういうのは、ホント慣れないな。

ボッチ生活が長いもので、なんてな。



亜季「好きなんですね、Paチームのプロデューサー殿のこと」

輝子「う、うん。でも親友として好き…というのと、その先って、その、わからないというか」

亜季「うんうん」



亜季さんがニコニコしている。

亜季さんはふだん、サバゲー? のことばっかり言ってるように見えるけど、

実はしっかりしたお姉さんでも、あると思う。



亜季「なるほどぉ…。ただあいにく、私もそのテの話は得意でないもので…」

輝子「そ、そうなのか…」



亜季「しかし、しかしね! 物でも人でもそうですが、好きという気持ちを大切にするのはよいことですよ!」ガタッ

輝子「そ、そう…?」

亜季「そうですとも! それに恋愛であろうとなかろうと、パートナーとの熱き信頼関係というものは、幾多の試練を前にとても大事なものです! 古今東西の英雄譚で示されている事実でありましょう!」



楽しそうだ。亜季さんらしい、ね。



亜季「答えは一つではありませんし、好きの形も自由です! しかしだからこそ、信頼や親愛、感謝の気持ちなどはきちんと伝えるべきであります!」



演説を聞いているみたいだ。カッコイイ。



輝子「あ、ありがとう。参考に…なるよ」

亜季「なんのなんの! このくらいしか私には言えませんが!」



元気だし、スタイルもいいし、イケてる人だな。すごいな。



輝子「カッコイイ…ね」

亜季「お言葉、感謝であります!」ニコー

輝子「…亜季さんは、その、好きな人とか、いるの?」

亜季「えっ?」



一瞬、沈黙が広がる。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:09:15.31 ID:PN/tlU9u0<>


亜季「………えっ、私ですか!? 私!?」



二度聞かれた。

ウフ、何だ…その反応。

私が黙ってうなずくと、

むぅ…とつぶやきながら上を向いて、考えるしぐさをする亜季さん。



亜季「ん〜いやぁ、そのですね…」



何か、あるんだな。

それは、ボッチの私でも…わかるぞ。



亜季「私はあの、担当のプロデューサー殿に大いなる親愛の情を抱いておりまして、あっいえ、それは仕事の上での信頼関係といいますか、そういうアレなんですが」

輝子「あ、はい」

亜季「しかし最近その…ですね、ちょっと…」モゴモゴ

輝子「…」

亜季「…」



ポン



輝子「フヒッ…ちゃ、ちゃんと思い切って言っちゃおう…ぜ!」ニヘラ

亜季「えっ、何ですそのテンション」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:10:50.95 ID:PN/tlU9u0<>


亜季さんの話は、ちょっと意外なものだった。



亜季「つまり…ですね、私は、仕事のパートナーとして、プロデューサー殿をお慕いしているわけです」

輝子「う、うん」

亜季「…ですが、その、そのことにおいても、最近は、ちょっと欲…的なものが出てきておりまして」

輝子「?」

亜季「Coチームの、たとえば乃々殿や、最近だと飛鳥殿など、プロデューサー殿と仲良い…ような、ですね」

輝子「あ、ああ、そうだね」

亜季「それを見て、こう…私も、…というか、その」

輝子「…うらやましい、ってこと?」

亜季「…」



歯切れが悪い。

亜季さんも、いろいろ悩むんだね。

意外だ。



失礼かもしれないけど、ちょっと、親近感がわく、よ。



小梅「わ、私を一番かまってほしい…みたいな?」

亜季「い、いえ、そこまでは…いや、でも、はい、確かにそういう…感じも…」





亜季「!?」

輝子「!」





小梅「こ、こんにちは…お疲れさまです」ヒョコッ

輝子「や、やあ小梅ちゃん。い、いたのか…」

亜季「小梅殿、いつから…?」

小梅「えへへ…ごめんなさい、わりと最初から…」

亜季「…」///


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:13:06.44 ID:PN/tlU9u0<>


つまり、要するに。

亜季さんも、もっとCoのプロデューサーと仲良くなりたいんだね。

だけど、自分より仲良しだったり、好きって言ってる人がいるから…



小梅「…どうしていいか、わからない?」

亜季「小梅殿ぉ…あまりいじめないでほしいであります…」

小梅「あっ、ご、ごめんなさい。そんなつもりじゃ…」アセアセ



気がつけば、亜季さんの顔は真っ赤だ。

でも、なんだろう、うつむく姿が、色っぽい。

亜季さん美人だなぁ、って今更だけど、思う。



輝子「あ、亜季さんごめん…私が聞いたばっかりに、変な空気になっちゃって…」

亜季「あ、いえそれは別に…ただ、私も未熟者だなぁと思いましたよ」

小梅「…で、でも、つまり亜季さんは、Coプロデューサー、好きってこと、なの?」



今日の小梅ちゃん、なんか、積極的だな。



亜季さんに目をやると、再び上を向いて、考えていた。

沈黙が、流れた。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:16:04.22 ID:PN/tlU9u0<>


輝子「フヒ…」



少しして、再びこちらを向いた亜季さん。

いつもの笑顔だ。



亜季「…さて、どうなんでしょうな。まだ私にもわかりません」



顔はまだちょっとだけ、赤い気がする。

だけど、勇ましい、いつもの亜季さんだった。



亜季「わかりませんが、今は夢中になれることもあり、仲間にも恵まれ、プロデューサー殿にもよくして頂いております」

輝子「う、うん」

小梅「うん」

亜季「思うことはいろいろ、私もありますよ。けれどそれは仕事と同じく、今は一つずつ、確実に歩を進めていくだけであります!」ビシッ

輝子「カ、カッコイイね、亜季さん」

小梅「そうだね」



ホントに、カッコイイと思う。



亜季「むーん! こんな話をしていたら、何かムズムズしてきますな! 少し早いですが、レッスン室で身体を動かしてくることにします!」



亜季さんは立ち上がると、大きく伸びをして、

私たちの方に向き直した。



亜季「輝子殿、今日はありがとうございました。きちんと相談に乗れなくて申し訳ありません。ですが、刺激になる時間だったと思います。輝子殿にも、私にも」

輝子「フヒッ…そんな、かしこまらないで…あ、でも、こちらこそ、ありがとうございました」

亜季「小梅殿、またゆっくりお話でも致しましょう。今度は小梅殿の話も聞いてみたいところであります」

小梅「あ、はい、私もお話したいです。ありがとうございました…」

亜季「では今日はこれで! お疲れさまです!」



ガチャ バタン


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:17:23.82 ID:PN/tlU9u0<>


輝子「…あの、小梅ちゃん」

小梅「ん、うん、何?」

輝子「小梅ちゃんは、担当プロデューサーが、他の人と仲良くしてるのって、嫌?」

小梅「………」ムー

輝子「………」

小梅「私は…今はそういうのは、ないかなぁ。あ、でも、プロデューサーさんに構ってもらえなくなるのは、辛いかな…」

輝子「フヒ…なるほど」



小梅ちゃんは、正直で、強い子だね。

カワイイね。



輝子「…」ナデナデ

小梅「え、えっ? えっと…」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:20:28.85 ID:PN/tlU9u0<>


バァーン!



幸子「カワイイボクが戻りましたよ! お疲れさまです!」

飛鳥「…お疲れさま。二人だけかい?」



幸子ちゃんと飛鳥ちゃんが、戻ってきた。

最近、けっこう仲のいい二人。

言ってることは、よくわからない時もあるけど。



小梅「お、おかえりなさい…そうだよ」

輝子「おかえり…」



楽しいね。でも、そうなんだな。

人によっては、この友達が、ライバルになったりも、するんだもんな。

ムム…。



できるなら、私は、みんなと仲良くしてたい、けどな。

難しいこと、なんだな…。



飛鳥「二人で談笑中だったのかな? お邪魔をしたね」

小梅「あ、いや、大丈夫だよ…」



まあ、今は楽しく、していよう。



幸子「喉が渇きましたね! 何か残ってましたっけ?」

輝子「………給湯室の机に、栄養ドリンクがあるから、お二人とも、どうぞ…」

小梅「!?」



輝子「世の中、いろいろ、難しいね…」メソラシー

小梅「え、輝子ちゃん…」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:22:46.95 ID:PN/tlU9u0<>


亜季「…プロデューサー殿! 折り入ってお願いがあります! あの、えっと、今度一緒に…」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:26:06.22 ID:PN/tlU9u0<>


翌日、夕方。



ガチャ



輝子「お、お疲れ様です…」

P「おうお帰りー」

輝子「や、やあプロデューサー。レッスン終わったよ。異常なし…です」

P「そうか、了解。お疲れ様だな」ナデナデ

輝子「フヒ…あ、ありがとう」

光「やあ輝子ちゃん、おかえり!」

輝子「あ、ただいま…フヒッ」



P「光はそろそろ準備しとけよ。もう少ししたら仕事行くぞー」

光「もちろん大丈夫だ! ホラ、アタシの準備はもうできている!」

P「お、もう行けるか。よしよしえらいえらい」ナデナデ

光「あははっ、くっ、くすぐったいぞプロデューサー!」

P「ははは。もうちょっとだけ待ってなー」



今日も親友は、みんなにやさしい。

昨日の亜季さんの件を、思い出すね。

私は…それは別に、いいかなと。

だって、みんな仲良し、いいよね。

フフ。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:29:10.32 ID:PN/tlU9u0<>


バン!



裕子「エスパーユッコただいま参上! お疲れ様でーす!!」

P「おうお疲れ様。あれ、柚と茜は一緒じゃなかったのか?」

裕子「柚ちゃんはぴにゃこら太のぬいぐるみでふざけすぎて、今そこで穂乃香ちゃんに絞られてます。茜ちゃんはまた走ってきますって…」

P「何やってんだよ…」

裕子「あっ、でもレッスンはちゃんとやってましたからね! 全員ちゃんと!」



別レッスンをやっていたユッコさんも戻ってきた。

賑やかって、いいよね。楽しいね。



裕子「そんなことよりプロデューサー! これ見てください!」ゴソゴソ

P「そんなことって」

裕子「サイン、やっとまとまりましたよ! これでどうですか!」



ユッコさんが、ノートを取り出す。

そこにはユッコさんが練習中と言っていた、サインが書かれていた。

ひらがなで「ほりゆうこ」。

「ほり」のうしろに、「☆」と、顔文字が入っていたり、

「こ」の端っこが、くるんってなっていたり。

…イイネ。かわいい。

…私の意見は、聞いてないか。フフフ。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:31:06.96 ID:PN/tlU9u0<>


裕子「はいここ! ここね! わかりますか、ここスプーンですよ! 私といえばスプーン、スプーンといえばエスパー、エスパーといえばエスパーユッコですよ!」

P「この『ほ』の上は?」

裕子「これはリボンですよ!」

P「あーなるほど! リボン入れたのか!」

裕子「プロデューサーが言ってくれたんじゃないですか! ユッコは頭のリボンもその、あの、………かわいいなって! だから! だから!」

P「何自分で説明して照れてんの…」

裕子「〜〜〜もう!! もう!!!」バシバシ

P「痛い痛い」アハハ



………。



裕子「で、どうですか! 似合ってますよね!」

P「うん、いいんじゃないかな、かわいいぞ」

裕子「ホントですか! やった♪ やった♪」

P「この☆マークもかわいくまとまってるな」

裕子「でしょう! まさにスター、なんちゃって! みんなのスターこと、サイキックアイドル堀裕子ですよ!」



………スター。



P「ユッコはいつでも楽しそうだな。いいことだ」ナデナデ

裕子「えへへ! もっとほめてくれてもいいですよ!」フンスフンス



………。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:33:25.44 ID:PN/tlU9u0<>


P「さて、そろそろ光を連れていかないとな。お疲れ様、ユッコ」

裕子「はーい」



時子「フンッ」ゲシッ

P「痛っ!」



裕子「あ、お疲れ様です」

P「………時子か、急にどうs」

時子「様をつけなさい」

P「…トキコサマ」

時子「………貴方この後の予定は?」

P「え、いやだから今から光を仕事に」

時子「その後は?」

P「…事務所に戻って軽く作業があるくらいだけど。何かあったのか? 時間取る?」

時子「アァン? 私じゃないわよ。ぶっ飛ばすわよ」

P「…?」

時子「チッ…耳貸しなさい」グイッ

P「お、おい…」

裕子「?」










時子「 」ボソボソ

P「………え」



バッ










P「………」

時子「後でいいわよ。そのかわり、きちんとしなさいよ」

P「…わかった、ありがとう、時子様」

時子「フン」

P「…よし光、お待たせ。いけるか?」

光「もちろんだ!」



バタバタ バタン


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:35:06.89 ID:PN/tlU9u0<>


裕子「…何かあったんですか?」

時子「ないわよ。それより貴女今日これで予定終わりよね? 夜はご飯行くから一緒に来なさい」

裕子「えっ! 時子様と!?」

時子「嫌なの?」

裕子「ええっ、め、滅相もない! 行きます! えっ、でもなんで急に…?」

法子「私もいるよー!」バッ!

みちる「あたしもいます!」モグモグ!

時子「…」

裕子「(あっ、これすっごい食べる流れだ)」

時子「行くわよ」ギロリ

裕子「は、はい…」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:37:41.85 ID:PN/tlU9u0<>


………。

机の下は、今日も平和。

キノコクンたちも、みんなおだやか。



ん…?

何か元気が、ないんじゃないかって?

大丈夫だよ…別になんともないよ…フフ。










沙理奈「あら、こんにちは」

輝子「!」ビクッ

沙理奈「あ、ごめんね、おどかしちゃったかしら」

輝子「い、いや…大丈夫、だよ」

沙理奈「ウフ、今日もそこにいるのね」

輝子「ま、まあね…」

沙理奈「…元気ないじゃない。何かあったの?」



沙理奈さんが、プロデューサーのイスに腰を下ろした。

脚、キレイだな…。



松本沙理奈さん。

前に、イベントで一緒になったのをきっかけに、挨拶するようになれた。

見た目は、こう、イケイケな感じの人で、

グラビアモデル顔負けの、すごいスタイルのお姉さん。

私なんかとは、住む世界が違うね…と思っていだんだけど、

最近は、喋れるようになった。

というか、いつも沙理奈さんから声をかけてくれる。

やさしい人、だね。



沙理奈「悩み事?」

輝子「い、いや全然そんな…ユッコちゃんがどうとか…ないよ」

沙理奈「えっ?」

輝子「あっ、違って、あ、いや」

沙理奈「フフッ。なぁに一体。詳しく教えて♪」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:38:46.90 ID:PN/tlU9u0<>


沙理奈「ふーん、ユッコちゃんがね」

輝子「う、うん…」

沙理奈「遠慮してるの?」

輝子「べ、別にそんなつもりは…ただ、楽しそうだから、邪魔しちゃ悪いかなと、その…」

沙理奈「それを遠慮っていうのよ」

輝子「フヒ…そ、そうか」



話しながら、ちょっとわかってきた。

実は、ユッコちゃんがうらやましかったのかも。



輝子「ユッコちゃんって、あの、えっと、プロデューサーのこと、好き…なのかな」

沙理奈「…どうかしらね。でも、輝子ちゃんがそれを言うなんてね」

輝子「えっ」

沙理奈「輝子ちゃんも好きなんでしょ? Paのプロデューサーさんのこと」

輝子「あ、いや、私はその…親友で…」



沙理奈さんに改めて、説明する。

私は親友として、プロデューサーが好きで。



輝子「…あ」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:39:42.71 ID:PN/tlU9u0<>


輝子「…わかった、かも」

沙理奈「ん?」

輝子「沙理奈さん、私まだ、恋愛ってその…わからなくて、ね」

沙理奈「うん」

輝子「プ、プロデューサーは、私みたいなボッチを、アイドルにしてくれて、やさしくて、信頼できて、………親友として、すごく好きで」

沙理奈「うんうん」

輝子「このまま、ずっと続けばいいな…って思ってたんだ」



輝子「でも、ユッコちゃんを見てて思ったんだ。恋愛の好きって、たぶん親友を、もっと…向こうに連れていくんだなって」

沙理奈「…」

輝子「それで、ずっと一緒ってないのかな、って思って、ちょっと寂しくなってた…の、かな」

沙理奈「…そっか」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/28(木) 21:44:41.36 ID:xPO8lszFO<> なんだこのアイドル達
子供からお姉さんまで皆かわいいじゃねぇか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:45:20.86 ID:PN/tlU9u0<>


沙理奈「…ねえ、隣いい?」

輝子「えっ、いいけど…狭いよ?」

沙理奈「大丈夫よ♪」



ギュムッ



輝子「お、おおおう…!」



沙理奈さんが、アンダーザデスクに入ってきた。

そこには、狭い机の下に入るために、

体育座りする沙理奈さんと、

その仕草によって、

ぎゅっと、

ぎゅぎゅっと、

盛り上がった沙理奈さんの…胸があった。



輝子「フフ…い、いい胸、してんじゃねえか…なんちゃって」

沙理奈「ウフッ、なぁに? そのキャラ」



沙理奈さんは、身体を寄せて、私の頭を撫でてくれた。



沙理奈「輝子ちゃんも、いろいろ悩んでいるのね」ナデナデ

輝子「フヒ…カッコ悪いね」

沙理奈「そんなことないわよ。みんな恋や愛には悩むものだし、輝子ちゃんの場合それが友達とか親友なんだなってだけよ」

輝子「…ん、そ、そうか」





沙理奈「フフッ。じゃあお姉さんが、いいこと教えてあげる」

輝子「フヒ」

沙理奈「恋愛なんて形は自由よ。好きに決まりなんてないし、お互いが大好きなら、どんな形だってありなのよ」

輝子「う、うん」



亜季さんも、似たようなことを言っていた気がする。



沙理奈「でもね、じゃあなんで、世間のみんなは恋とか愛とか言ってるんだと思う?」

輝子「…?」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:46:25.41 ID:PN/tlU9u0<>


沙理奈「一つは、いつかは形が変わっちゃうから。親友関係は続けられると言ったって、男女間じゃそうもいかない。PaPさんだって、輝子ちゃん以外の女の子と恋仲になるかもしれない。そうなったら、あまり仲良くしてもらえる時間はなくなるわよね? 特定の誰かと密接になるということは、いろいろなものが失われたりするのよ」



…なるほど。



沙理奈「それにアタシたちもいつまでもアイドルではいられない。いつかは違う道に進む時が来る。そうなったらプロデューサーさんは? …ね? わからないものよ、この先なんて」

輝子「ムム…」

沙理奈「だから、恋とか愛とか、つまり輝子ちゃんの言う親友のその先、その先の形を作っていくの。変わっていく中で、変わらないでほしいものを、大切にするため」



なんとなくわかったような、そうでないような。

それにしても、沙理奈さん、髪サラサラだな…。

フヒ…色っぽいぜ…。いい香りするし…。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:48:04.02 ID:PN/tlU9u0<>


沙理奈「それともう一つ。みんな恋とか愛とか言うのはね、恋愛がそれだけ、素敵だからよ♪」

輝子「素敵…」

沙理奈「そう。一途な片思いでも、試練を乗り越える大恋愛でも、平凡な仲良しカップルでも、きっとなんでも物語があるのよ」

輝子「そ、そうなの…?」

沙理奈「まあ、いいことばかりじゃないでしょうね。でもきっと、たくさん素敵なところがあるのよ。だからみんな、前に進むの」



私は、どうだろう。

私は今、一生懸命、頑張って生きているかな…。



輝子「な、なんか、好きってのも、難しいね…」

沙理奈「フフッ、考えすぎても仕方ないわよ。困ったら話してみることね。アタシでも、乃々ちゃんや小梅ちゃんでも、プロデューサーさんでも」

輝子「フヒッ! プ、プロデューサーはさすがに…」



思わず声が裏返ってしまった。

でもそんな私を、笑顔で見つめる沙理奈さん。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:49:41.05 ID:PN/tlU9u0<>


沙理奈「あら、それも大事なことよ? そもそもプロデューサーさんは、どう思っているのかしら」

輝子「えっ」

沙理奈「輝子ちゃんは、親友として、でも大切に、プロデューサーと楽しくこれからも過ごしていたい。でもプロデューサーは?」



…そうか。そうだった。

そのこと、すっかり忘れてた。



沙理奈「輝子ちゃんと同じ思いかもしれない。あるいはもっと親しく、もっと恋人みたいになっていきたいと思っているかもしれない」

輝子「プロデューサーが、私と…!?」ガタッ

沙理奈「あん、狭いんだから急に動かないで」ギュム

輝子「あ、ごめん、えっと…」



どうしよう。

ああ、ダメだ、顔が熱くなってきた。

どうしよう、私キモイな。

えっと…えっと…。



沙理奈「あらあら、わかりやすい」ナデナデ

輝子「や、でも逆に、き、嫌われてるってことは…ないかな?」

沙理奈「ないない。断言してもいいわよ。それなら普段の関係はありえないって」

輝子「そ、そうか、え、えへ」

沙理奈「でも、もっと前に進んでいきたいのかどうかは…ね? 本人のみの知るところよ」



プロデューサーと、かぁ。

ううむ。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:50:58.26 ID:PN/tlU9u0<> 沙理奈「たぶん今は『お仕事をするパートナーとして好きだ』って言うと思うわよ。それは輝子ちゃんも、ユッコちゃんも、Paのアイドルはみんな」




輝子「な、なるほど。今すぐ恋人とかは…ないって感じか」

沙理奈「なりたい?」

輝子「あっいえ、その、えっとでも…」

沙理奈「フフッ、いいじゃない。でもそうよ。今すぐ恋人とはいかないかもね。でも、だからこそ今から恋するって、素敵じゃない?」



ううむ。



沙理奈「難しく考えないの。もっと仲良くなったら、きっと楽しいこともあるんじゃないか。ユッコちゃんや柚ちゃんも仲良しだけど、私ももっと仲良く! 今はそれくらいでいいのよ。そこからスタート」



そこから、か。



輝子「あ、ありがとう。なんか、頑張ろうって気になったよ」

沙理奈「そう? ならよかったわ♪」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 21:59:16.83 ID:PN/tlU9u0<>


輝子「さ、沙理奈さんは、…いろいろ、恋の経験が豊富な感じだね」

沙理奈「えっ? あはは、そんなことないわよ。一生懸命に生きて、時々見栄を張ってるだけ。普通の女で、普通のアイドルよ♪」

輝子「…? 今は誰かに、恋してる?」

沙理奈「ん? んー、興味ある?」

輝子「…ちょっとだけ」

沙理奈「…フフッ。話してもあげてもいいかなと思ったけど、そこで盗み聞きしてる子がいるから、やっぱりダーメ」

輝子「…えっ!?」バッ










乃々「………ど、どうも、偶然ですね…」

輝子「ボノノさん…いたのか」

乃々「す、すみません。最初から…でも言い出せなくって…」

輝子「そ、そっか…」



ボノノさん、今の話、聞いてたのか…。

はずかしいな…。

でも…まあ、いいか。



乃々「ごめんなさい…」

輝子「フヒッ…ボノノさん、一つ教えてあげよう…。沙理奈さんは、とてもやわらかくて、気持ちいいぞ…!」

沙理奈「あはは、何言ってんの。ハマっちゃった?」



少し、ゆるい空気が流れる。

いつもの空気っぽい。

そうだ、楽しまないと、ね。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 22:01:53.73 ID:PN/tlU9u0<>


沙理奈「あ、そろそろPaプロデューサーが帰ってくる頃ね。じゃあアタシはおいとまするわね」

輝子「あ、帰るのか…」

沙理奈「そうよ、乃々ちゃんもね」

乃々「あ、はい」

沙理奈「輝子ちゃん、意味はわかるかしら?」

輝子「…え、あ」

沙理奈「フフッ。たまにはゆっくりプロデューサーと話してみたら? 気持ちをぶつけるチャンスよ」



あう。

それは、うれしいけど。

何を言ったら、いいんだっけ。



沙理奈「そんな緊張した顔しないの。もう一回言うけど、告白するんじゃないんだから。親友なんでしょ。もっと仲良くなるために、いろいろ思うことを相談したり、少し甘えてみたりするの」

輝子「甘える…」

沙理奈「こう、ハグとかしてもいいのよ?」ギュッ

輝子「む、胸がたりないぜ…」

乃々「私も…」

沙理奈「あなたたちハグを何か勘違いしてない?」





沙理奈「たまには違う自分を見せたり、相手の違う一面を知ったり。それでまた、思うことは出てくるわよ。恋愛なんて、その先その先」

輝子「わ、わかった。頑張る…」



改めて、ってなると緊張するね。

ようし、それなら。



乃々「輝子さん、ライブモードはダメですよ」

輝子「フヒッ!? バレてた…!」

沙理奈「…まったくもう」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 22:04:02.24 ID:PN/tlU9u0<>


ガチャ



P「お疲れ様でーす。おお輝子、残っていてくれたのか」

輝子「や、やあ…いるよ」

P「今日はもう帰っちゃったかと思ったけど…いてくれてよかったよ」

輝子「あ、えっと、親友…少し、話をしないか…?」

P「もちろん、今日はそのつもりでいるよ」

輝子「フヒッ!? そ、そうだったのか…うれしいな」



時間、取ってくれるのか。

うれしいな。気持ちが通じたのかな。

こういうの、何ていうんだっけ。サイキック、かな。違うか。



P「ゆっくり話そうか。輝子もこっちの椅子においで」



向かい合わせに座るプロデューサー。

どうしよう。はずかしい、な。



輝子「じゃ、じゃあとりあえず、このエリンギクンの小噺を…」

P「ふふっ、輝子らしいな」

輝子「フヒッ…そ、そうかな」

P「いいよ、どんどんどうぞ」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 22:05:09.56 ID:PN/tlU9u0<>


アイドルの仲間は、みんな好きだ。

でもやっぱり、プロデューサーは、また違う、特別だな。



輝子「それと…ね」



親友。

この言葉の意味は、私なりのものかもしれない。

正しい意味なんて、私にはなんとも、わからない。

でも大事なのは、そういうことじゃなくて。

プロデューサーが、親友で。

親友と、大切にしていたいことがあって。

そしてそれは、思うだけじゃなく、

他人なんだから、きちんと伝えなくちゃいけなくて。










輝子「き、聞いてほしい話があるんだ…」



この日、私は少し、恋を知る。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 22:08:51.48 ID:PN/tlU9u0<>


おまけ



時子「………」

みちる「フゴフゴ! これおいしいですね!」

法子「でしょー! あたしも時子さんに教えてもらって知ったお店なんだよ! さっすが時子さん!」

裕子「ムムーン! これもおいしいです! さいきっく美味! 美食! 美少女! あっ美少女は私!」

みちる「あはは! 何言ってんですか!」

法子「ユッコちゃん相変わらずおもしろい!」



ワイワイ ガヤガヤ



時子「(食べてばっかりのうるさい二人の相手にと、別のアレを呼んだけど…)」

時子「(うるさいのが一人増えただけ…!!!)」ギリッ


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/28(木) 22:09:41.91 ID:PN/tlU9u0<>


以上です。



過去作に

みちる「もぐもぐの向こうの恋心」
裕子「Pから始まる夢物語」
飛鳥「青春と乖離せし己が心の果てに」
晶葉「世界はそれを、愛と呼ぶんだ」
トレーナー「もっともっと、好きにまっすぐ」

があります。

続き物というわけではないですが、
登場人物の関係はだいたい同じです。
よろしければどうぞ。


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/28(木) 23:33:01.34 ID:aSYnAEHWo<> うーん、残念 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/05/29(金) 01:51:39.36 ID:s5x+NLrwO<> 乙乙
良かった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/05/29(金) 20:52:10.69 ID:lNETcLQLO<> とっこさん、いい姉貴分してるじゃないですか <>