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HTML化した人:伊吹
ちいさなあんずとてんのほし
1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:37:07.97 ID:asBUu46k0
みじかーいおはなし
多分モバマスだとおもって書きました

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460810227
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:37:52.74 ID:asBUu46k0



枝から落ちた青い杏と、空に輝く星の話。


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:39:31.42 ID:asBUu46k0



風に吹かれて枝から落ちた、固くて青い杏の木の実。

地面に落ちてころころと、転がるうちに岩の陰。



「わたしはきっと、このままくさっていくんだろうな。」


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:43:16.52 ID:asBUu46k0



そんな時、空から誰か声をかけます。



「ねえあなた、あなたはなあに。」

「わたしはあんず。まだ、あおいけれど。」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:46:16.95 ID:asBUu46k0



続けて杏も問いかけます。



「そういうあなたはいったいなあに。」

「わたしはほし。いきなりはなしかけてごめんなさい、さみしかったからつい。」

「いいよ、わたしもさみしかったから。」


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:50:34.45 ID:asBUu46k0



星は一際輝いてこう言います。



「ねえねえ、わたしたち、ともだちになりましょう?」

「それはいい、たいくつしなくてすみそうだ。」

「あなたとあえるのは、おひさまがみていないあいだだけだけど。」

「それでもいい、まっているじかんもきっとたのしいものだとおもうから。」



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:55:04.08 ID:asBUu46k0



それからと言うもの、初めてできた友達どうし一夜一夜話をします。



「あなたはどこでうまれたの?」

「たかいきのうえ。あなたほどたかいところではないけれど。」


「あなたはどんなところにいる?」

「くらくてひろい、なにもないところ。」


「あなたはちいさくてかわいらしいわ。」

「そんなことはじめていわれたよ。」


「あなたはきらきらしていてきれいだね。」

「そんなことはじめていわれたわ。」


「わたしたちって、けっこうにているのかもしれないわ」

「そうかな、そうだったらうれしいな」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 21:58:52.96 ID:asBUu46k0



そして最後にはいつも同じ一言を。



「またあした。おはなししましょう。」

「またあした。おはなししよう。」



9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:02:17.43 ID:asBUu46k0



だけれど、それもそう長くは続きません。

楽しい時間とは裏腹に少しずつ杏は腐っていきました。


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:05:51.07 ID:asBUu46k0



ある日杏は星に言います。



「このままわたしはだめになっていくのかな。」



星は悲しげにちかちか瞬いて言います。



「もうすぐおわかれなのかしら。」

「それはいやだな、せっかくともだちになれたのに。」


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:09:12.37 ID:asBUu46k0


今度は優しくぼうと光って言います。



「じゃあ、いつかとおいとおいひに、またともだちになりましょう。」

「それなら、こんどはもっとちがうわたしであいたいな。」

「こんどはふたりできらきらしましょう。」

「わたしににあうかな。」

「きっとにあうわ。まあるいかわいいあなたなら。」

「ありがとう。きらきらしかたは、まだわからないけれど。」

「それならわたしがじめんおりて、あなたのそばでおしえてあげるわ。」

「ありがとう。わたしはちいさいままだろうから、はぐれてしまうかもしれないけれど。」

「わたしがおおきいわたしになって、どこにいたってみつけてあげる。」

「ありがとう。うれしいな。うれしいな。」


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:15:46.17 ID:asBUu46k0


また一夜話し続けた友達どうし。

いつも通りのお別れをします。



「またあした。おはなししましょう。」

「またあした。おはなししよう。」


13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:17:36.37 ID:asBUu46k0


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14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:20:45.22 ID:asBUu46k0


そしていつかの遠い遠い明日の話。

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:25:40.53 ID:asBUu46k0

「あんずちゃーん!起きてー!」

「んん……後5分……」

「んもー、もうすぐライブが始まっちゃうよぉ?」

「えー。今日はもうお休みでいいんじゃない?」

「お客さんたちも楽しみにしてくれてるんだからぁ……」

「キャンディあげゆから、一緒にはぴはぴしちゃお?」

「しょうがないなぁ……ちょっとだけだよ?」

「ありがとー!きらりんもいーっぱいはぴはぴしちゃうにぃ☆」

「じゃ、いこっか」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:29:14.28 ID:asBUu46k0



サイリウムの星空に、隣り合わせできらきら光る、ずっと昔から友達の二人。

ここにいるよと芽吹いた杏ときらりと光る星の話。


17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/04/16(土) 22:31:06.55 ID:asBUu46k0
おしまい

モバマスだと思って書いてたんです。
読んでくれた人がいたらありがとう。また次もよろしくお願いします。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/04/16(土) 22:55:51.32 ID:XXqBXaioo
おつおつ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/04/16(土) 23:04:45.02 ID:e5VNZklwO
乙乙
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/04/16(土) 23:49:48.74 ID:NsAWhI9eo
はぁああああああん
そいそいそいそい!



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