◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 00:55:39.69 ID:nM4zGsWm0<>奈緒「加蓮! なあ加蓮!」

加蓮「……」

凛「奈緒……加蓮はもう……」

奈緒「うるさいっ!」

奈緒「約束してただろ! もっと一緒に歌おうって、踊ろうって!」

奈緒「なあ、返事してくれよ、加蓮!」

加蓮「……」

凛「……奈緒」

奈緒「止めるなよ、凛!」

奈緒「そんな涼しい顔しやがって……お前は何も思わないのかよ!」

凛「私だって信じたくないよ!」

奈緒「!」

凛「昨日まで楽しく話してたのに……一緒に笑ってたのに……!」

凛「でも……もう……」

奈緒「凛……」

加蓮「……」

奈緒「……加蓮」

奈緒「私も凛も、こんなに待ってるんだぞ? お前のことをさ」

奈緒「なあ返事してくれよ、加蓮……加蓮!」

奈緒「私と凛をおいてくのかよ!」

奈緒「起きてくれよ、加蓮! なあ加蓮!」」

奈緒「かれえええええええぇぇぇんっ!!!!!」

加蓮「うるさい!!!!」


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<>奈緒「なぁ、返事してくれよ、加蓮!」
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 00:56:58.50 ID:nM4zGsWm0<> 奈緒「お、加蓮。起きたか」

加蓮「そりゃ起きるに決まってるでしょ、あんなに耳元でうるさくされたらさあ!」

加蓮「っていうか何よ、さっきの三文芝居!」

凛「あれ、下手だった?」

凛「結構がんばったつもりだったんだけどな……」

奈緒「感情移入が足りてなかったのかもな」

奈緒「んー……こんな感じか……?」

奈緒「すぅ……」

奈緒「かれええええええええええぇぇぇぇぇんっっ!!!!」

加蓮「うるさい!!!」

加蓮「あー、もうっ! せっかく気持ちよく昼寝してたのに!」

加蓮「あんなに耳元で叫ばれるから目覚めちゃったじゃない……もう寝れないんだけど……」

奈緒「寝れなくていいんだよ」

加蓮「……どういう意味?」

奈緒「そのままの意味……わっ、そんな睨むなって」

凛「……もしかして忘れてる?」

加蓮「何を?」

凛「レッスン時間」

加蓮「え……あっ」 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 00:58:07.27 ID:nM4zGsWm0<> 奈緒「……忘れてたな」

加蓮「……うん、忘れてた」

加蓮「そっか……だから二人とも私を起すために……」

凛「そういうこと」

奈緒「気持ちよさそうに寝てたからちょっと忍びなかったけどな」

加蓮「いや、それは嘘でしょ」

加蓮「起こすならもう少し普通に起こしてよ」

奈緒「いや……さ」

奈緒「一回、やってみたくならないか、こういうの?」

加蓮「ならないけど」

奈緒「そうか……」

加蓮「……」

凛「……昨日そんな感じのアニメ見たんだよ、奈緒」

加蓮「ふーん。で、それに感化されたってこと?」

凛「みたい」

加蓮「そう……でも、凛も止めてくれればよかったのに」

凛「それがさ……」

凛「……私も一緒に見たんだよね」

加蓮「凛……」

凛「い、いいじゃん、別に……面白かったから仕方ないし……」

奈緒「な! 面白かったよな!」

凛「うん……すごく面白かった」

奈緒「うんうん!」

奈緒「なあ、アレってまだ続きがあるんだ!」

奈緒「よかったら続きも一緒に見ないか?」

凛「わかった。いいよ」

奈緒「よし、決まりだな!」

加蓮「……ちょっと、私をのけ者にしないで欲しいんだけど」 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 00:59:29.51 ID:nM4zGsWm0<> 奈緒「あ、すまん」

加蓮「むー……」

加蓮「……私も一緒に見に行っていい?」

奈緒「もちろん!」

加蓮「よかった……ふふ」

加蓮「……あ、でも大丈夫かな?」

奈緒「ん、何が?」

加蓮「続きから見るって事でしょ? 私ついていけるかな……」

奈緒「ああ、大丈夫」

奈緒「あたしが隣で必要な部分を逐一説明するから」

加蓮「……副音声みたい」

凛「ほんとにそんな感じだったよ」

加蓮「へぇ……」

加蓮「……ってそうだ! レッスン!」

凛「あ」

奈緒「あ」

加蓮「私を起こしたの二人なのに、なんで忘れてるの!」

奈緒「……へへ」

凛「……ふふ」

加蓮「笑ってごまかさないで!」

加蓮「ほら、早く行こう!」

奈緒「ああ」

凛「うん」
<>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:00:21.77 ID:nM4zGsWm0<> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


奈緒「……」

加蓮「助けて! 凛!」

凛「どうしたの、加蓮!?」

加蓮「腕が……腕が抜けないの!」

凛「腕が……あっ!」

凛「もしかして、奈緒の髪の毛に突っ込んじゃったの!?」

加蓮「中どうなってるのかなって……気になっちゃって……」

奈緒「……」

凛「あんなに手を突っ込んじゃだめって言われてたじゃん!」

加蓮「そうなんだけど……寝てるときなら大丈夫かなって思って……」

加蓮「ねぇ、どうしたらいい……?」

凛「……もう諦めるしかないと思う」

加蓮「えっ……」

奈緒「……」

凛「奈緒の髪の毛は来るもの拒まず、去るもの許さず……」

凛「一度手を中に入れたら最後、体がすべて飲み込まれちゃう……」

凛「……そう、注意されたでしょ」

加蓮「うん……」

凛「だから……だから、もう……」

加蓮「そんな……!」

奈緒「……」

加蓮「あっ……いや、体が……飲み込まれて……!」

加蓮「助けて! 凛、助けて!」

凛「……ごめん、加蓮」

加蓮「いや……いやっ!」

加蓮「いやあああああああああああぁぁぁっ!!!!」

奈緒「うるさい!!!」 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:01:47.95 ID:nM4zGsWm0<> 加蓮「あ、奈緒。起きた?」

奈緒「うるさいし重いし、起きないわけないだろぉ!」

加蓮「わっ、重いなんてひどい!」

奈緒「んなこといったって……人一人分は重いんだよ……どいてくれ!」

加蓮「えー……どうしよっかなー?」

奈緒「なあ、加蓮!」

加蓮「ふふっ、なーお♪」

奈緒「なんで余計に体重かけてくるんだよぉ!」

奈緒「あーもうっ、凛! 助けてくれ!」

凛「……」

凛「……えいっ」

奈緒「うわっ!」

奈緒「おっ、おい、凛! なんでお前まで……!」

凛「……なんとなく?」

奈緒「なんとなくって……あー!」

奈緒「なあ、つぶれる! つぶれちゃうから!」

奈緒「あたし、ぺしゃんこになるから、どいてくれ!」

加蓮「そうなったら私の部屋に敷いてあげるよ」

凛「ずるいよ加蓮。私だって敷きたいのに」

奈緒「怖い話するなよぉ!」

凛「ふふっ、冗談だよ冗談」

加蓮「そーそー。そんなひどいことするわけないじゃん」

奈緒「じゃあどいてくれよ!」

凛「……だってさ」

加蓮「えー? せっかくの両手に花状態なのにー」

奈緒「あたしだって花だよ!」

加蓮「あ、そっか」

凛「じゃあこれは……押し花になるのかな……ふふっ」

奈緒「だからぺしゃんこにするなってば!」 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:02:22.98 ID:nM4zGsWm0<> 奈緒「あー……疲れた」

加蓮「おはよ、奈緒」

奈緒「……おはよう」

凛「あれ、不機嫌?」

奈緒「そりゃあ……せっかく人が気持ちよく寝てたのにさぁ……」

奈緒「あんな起こし方されたら……あーもう、なんかすっごい疲れた」

加蓮「仕返しだよ、仕返し」

奈緒「仕返し?」

奈緒「……あー、この前のか」

加蓮「そ。私だってこの前そんな気分だったんだから」

奈緒「……ごめん」

加蓮「仕返しはすんだから許してあげる、ふふっ」

奈緒「……」

奈緒「……で、あたしはなんで起こされたんだ?」

凛「レッスンの時間、そろそろだよ」

奈緒「……あー」

凛「忘れてたんだ」

加蓮「人のこと言えないじゃん」

奈緒「……まあ、あれだ」

奈緒「起こし方は納得いかないけど……起こしてくれてサンキューな」

加蓮「いえいえ」

凛「どういたしまして」 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:06:15.77 ID:nM4zGsWm0<> 凛「ところで、奈緒」

奈緒「なんだ?」

凛「奈緒の髪の毛の中って本当はどうなってるの?」

奈緒「は?」

凛「いや、本当に何か収納されてたりするんじゃないかなって」

加蓮「りんごとか、バナナとか」

奈緒「んなわけないだろ」

奈緒「しいてボールペンが入ってるくらいだな」

凛「えっ」

加蓮「……ホント?」

奈緒「ああ。ちょっと待ってろ」

奈緒「よいしょっと……えーっと確かこの辺に……ああ、あったあった、ホラ」

凛「!」

加蓮「!」

奈緒「……なんてな」

奈緒「これ、この前――」

加蓮「――すごい、すごいよ奈緒! まさか本当にモノを収納することができるなんて!」

凛「わぁ……」

凛「ねぇ、ほかには何か入ってないの?」

奈緒「あ、いや……」

加蓮「ね、収納するところも見せて!」

凛「あ、私も見てみたい」

奈緒「……あ、ああ」

奈緒「よい……しょっと」

加蓮「おー」

凛「すごい……」

奈緒「……驚いてるところ悪いが、これただのマジックだぞ?」

凛「えっ」

奈緒「裕子から教わったんだよ……一発芸にできないかなって思ってさ」

奈緒「ま、そんな驚かれるんだったら大成功ってことだな」

加蓮「……」

奈緒「……な、なんだよ?」

加蓮「……いや、ボールペンくらいだったら本当にしまえそうだなって」

凛「ね……ちょっと試していい?」

奈緒「だめに決まってるだろ!」

奈緒「ほら、レッスンなんだろ、行くぞ!」

加蓮「はーい」

凛「じゃ、後でね」

奈緒「後でもやらせないからな!」 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:06:52.32 ID:nM4zGsWm0<> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


凛「……」

凛「……」

凛「……ん」

凛「んっ……」

奈緒「か、加蓮! 凛が! 凛が目覚めたぞ!」

加蓮「ほんと!?」

凛「奈緒……? 加蓮……?」

奈緒「奈緒と加蓮の記憶がある……!」

奈緒「やっぱりこの凛は本物みたいだ!」

凛「……どういうこと?」

加蓮「驚かないで聞いて、凛」

加蓮「実はあなたは今日までずっと寝ていたの」

加蓮「……あなたが生きていた時代から3000年後の今日まで」

凛「3000年後……?」

奈緒「ああ」

凛「……じゃあ、奈緒は3017歳で、加蓮は3016歳」

奈緒「そんなに人が生きられるわけないだろ」

凛「でも私は3000年寝てたって……」

奈緒「そりゃ凛は冷凍保存されてたからな」

凛「冷凍保存……」

加蓮「私たちはクローンだよ……あなたの知る奈緒と加蓮の」

凛「そうなの……?」

奈緒「ああ、凛が目覚めるのを待つためにな」

加蓮「うん。何十年も、何百年も……たくさんのクローンに魂を移して、凛が目覚めるのを待っていたの」

凛「私を……」
<>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:07:44.03 ID:nM4zGsWm0<> 奈緒「聞いてくれ、凛」

奈緒「今この世界は滅亡の危機にある」

凛「……」

加蓮「悪の大魔王が復活して地球を滅ぼそうとしているの」

加蓮「そしてそれを防げるのは蒼の力を持つ凛だけ」

凛「蒼の力……」

奈緒「ああ……蒼は悪の大魔王の弱点なんだ」

奈緒「その剣をひとたび振るえば、たちまちにしてやつらは消滅するはずだ」

凛「……」

加蓮「……お願い、凛」

加蓮「私たちを……ううん、世界を助けて……!」

凛「……ちょっと待って、混乱してる」

加蓮「……そうだよね」

加蓮「目覚めてすぐの凛にたくさん話しすぎちゃったかも」

凛「うん……何がなんだかわからない」

凛「……でも、わかったことがひとつだけある」

凛「私のこの蒼の力で……世界を救えるんでしょ?」

奈緒「ああ」

凛「……それなら私は戦うよ」

奈緒「!」

加蓮「!」

凛「私の力で救えるのなら……」

凛「この蒼の力で救えるのなら」

凛「私はこの蒼の剣を世界のために振るうよ」

奈緒「凛……!」

加蓮「ありがとう……!」

凛「ふふっ……お礼は世界を救ってからでいいよ」

凛「……さあ、どんな奴でもかかってきな」

凛「私の秘儀――」

マストレ「渋谷、北条、神谷。いるか?」ガチャ

奈緒「えっ」

加蓮「あっ」

凛「――アイオライト・ブルーですべて消し去ってあげる!」

マストレ「ほう」

凛「……」

凛「……えっ」 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:09:05.58 ID:nM4zGsWm0<> 凛「……と、トレーナーさん?」

凛「どうしてここに……?」

マストレ「それは私の台詞だ」

マストレ「私のレッスンをサボってまで、お前たちは何をやっていたんだ?」

加蓮「あちゃー……」

奈緒「やっべ……」

凛「……」

凛「……え、演技力レッスンです」

マストレ「ほう。それは私のレッスンよりも優先すべき出来事なのか?」

凛「それは……」

奈緒「……凛」

凛「うん……」

加蓮「その……トレーナーさん」

加蓮「ごめんなさい!」

奈緒「ごめんなさい!」

凛「ごめんなさい!」

マストレ「うむ。素直に謝ることはいいことだ」

マストレ「さあ来い。レッスンを始めるぞ」

加蓮「……許された?」ボソッ

マストレ「今日は足が動かなくなるまでみっちりしごいてやるからな」

奈緒「……だめみたいだな」ボソッ

凛「……」

加蓮「……ごめんね、凛」

奈緒「ああ……悪ノリがすぎた」

凛「ううん、ノった私も私だから……」

マストレ「ん、どうした? 腕も動かなくなるまでみっちりしごいてほしいか?」

凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

マストレ「ははは、そうおびえるな。普段の1.5倍のレッスンを行うだけだ」

マストレ「たかがレッスンだ。死にはしない」

加蓮「ひっ……」

凛「う……」

奈緒「うぅ……」

加蓮「……ねぇ、凛」

加蓮「アイオライト・ブルーで何とかできない?」

凛「できるわけないでしょ……」






おしまい <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:10:25.82 ID:nM4zGsWm0<> わちゃわちゃはしゃぐTPが好きってノリと勢い

誤字脱字、コレジャナイ感はすいません。読んでくださった方ありがとうございました。 <>
◆6QdCQg5S.DlH<>saga sage<>2017/03/15(水) 01:10:58.86 ID:nM4zGsWm0<> 最近書いたの
朋「夢と違うじゃない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488982119/

清美「乱れた風紀に天罰を」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488206473/

ありす「フレデリカさんがポッキーをくわえて寝ています」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1478869305/

朋(どうしよ……すっごく鼻がムズムズする)
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486731215/


よかったらこちらもよろしくお願いします <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/03/15(水) 01:23:06.26 ID:0a53OB+o0<> 面白かった 乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/03/15(水) 02:16:02.19 ID:TayQwIrnO<> 笑いしか出てこなかったくらいには面白かったよ
TPはやっぱいいね <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/03/15(水) 07:26:23.71 ID:W8SyRitVo<> 癒されるなあ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/03/15(水) 08:54:26.83 ID:aJ4qEZdKO<> 乙
TPっていいものですね〜 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/03/15(水) 10:33:57.85 ID:a6OwIuVao<> 乙

おいちょっと待てユッコ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/03/15(水) 11:07:40.57 ID:jLWcx0wnO<> トラプリは仲良しだなあ…w <>