以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:41:47.81 ID:6C3hvMERo<>
とあるジムにて――
トレーナー「ふうむ、このところ入会者が増えんなぁ……」
トレーナー「うちのジムの知名度を上げる方法、何かないものか……」
格闘家「だったらこういうのはどうでしょう?」
格闘家「インターネット上で、俺が挑戦者を募集するんですよ」
格闘家「――で、バッタバッタと挑戦者を倒せば、入会希望者が増えるって寸法です」
トレーナー「効果はありそうだな。しかし……勝てるのか?」
格闘家「これでも俺はプロですよ?」
格闘家「募集条件をプロ格闘家じゃない素人、にすればいいんです」
格闘家「さすがに素人には負けませんからね」
トレーナー「なるほど……よし、やってみるか!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1494002507
<>格闘家「身長170cm未満、体重60kg未満の奴の挑戦を受け付けるぜ!」
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:43:45.72 ID:6C3hvMERo<>
〜ネット上PV〜
格闘家「俺を倒せれば、賞金100万円くれてやらぁ!」
格闘家「プロ格闘家の実力ってやつを思い知らせてやるよ!」シュッシュシュッ
格闘家「みんなの挑戦、待ってるぜ!」ビシッ
ところが――
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:46:11.86 ID:6C3hvMERo<>
素人(195cm120kg)「やってやるぜ!」
素人(189cm95kg)「ぐへへへ……100万円はいただきだな……」
素人(205cm130kg)「あのチビスケに俺のパワーを思い知らせてやる!」
トレーナー「お、おい! 挑戦希望者が、やたら重量級ばかりだぞ!」
トレーナー「しかもプロじゃないとはいえ全員、何かしらの武道や格闘技経験がある……!」
格闘家「しまった……! 身長と体重に制限を設けるのを忘れてた……!」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:48:29.27 ID:6C3hvMERo<>
トレーナー「どうするんだ!? この体重差はいくらなんでも厳しいし、100万なんて払えないぞ!」
格闘家「……こうなったら仕方ない」
格闘家「今からでも、条件をつけることにしよう」
格闘家「や、やっぱ条件付けます!」
格闘家「身長170cm未満、体重60kg未満の奴の挑戦を受け付けるぜ!」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:51:13.91 ID:6C3hvMERo<>
素人(192cm105kg)「てめえ、ふざけんな!」
素人(200cm120kg)「いきなり条件付けてんじゃねーよ!」
素人(215cm145kg)「挑戦受けなきゃ、このジムブッ壊してやるからな!」
トレーナー「ひいいっ! 大勢の巨漢がジムに詰めかけてきてるよぉっ!」
格闘家「あわわわ……」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:54:20.12 ID:6C3hvMERo<>
「ツラ出せやぁっ!」 「逃げんなぁっ!」 「素人になら負けねえんだろうがぁっ!」
ガンガンガンガンガン! ガンガンガンガンガン!
トレーナー「ど、ど、ど、ど、どうしよう……」
格闘家「もうダメだぁ……」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:57:11.56 ID:6C3hvMERo<>
素人(188cm100kg)「いつまで引きこもってんだ!」
素人(202cm115kg)「挑戦受け付けるまで帰らないからなぁっ!」
「よさぬか……小さき者どもよ」
ゴゴゴゴゴ……!
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 01:59:42.92 ID:6C3hvMERo<>
巨人「……」ゴゴゴゴゴ…
「な、なんだ!?」 「きょ、巨人だ!」 「天から巨人が降りてきたぁっ!」
巨人「……」ズシン…
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 02:03:18.02 ID:6C3hvMERo<>
巨人「我は天界に住まう巨人なり……」
巨人「全ては天から眺めていた」
巨人「今すぐこの騒ぎを収めぬと、ただちに貴様ら全員を踏み潰すぞ……!」
素人(193cm110kg)「で、でかい……! でかすぎる……!」
素人(230cm150kg)「この人に比べれば、俺らなんてみんなアリンコだ!」
「す、すみませんでしたぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 02:06:25.29 ID:6C3hvMERo<>
巨人「……全員去ったようだな」
トレーナー「巨人様、ありがとうございました!」
格闘家「おかげで助かりました……!」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 02:10:30.06 ID:6C3hvMERo<>
格闘家「まさか、空に巨人が住んでるとは知りませんでした」
巨人「無理もない。我々は本来、君たちでは認識できない存在だからな」
格闘家「でもなぜ、俺みたいなちっぽけな人間を助けるために、わざわざ地上へ?」
巨人「無論、君の行為がいたって正当な行為だからだ」
巨人「闘いにおいて、体が大きい者の方が有利だというのは分かり切ったこと」
巨人「ならば、金を出し挑戦を受ける側がそこに条件をつけるのは、当然のことであろう」
格闘家「そういってもらえると……救われます……」
巨人「では、さらばだ。君のことは天界で見守っておるぞ……」ゴゴゴゴゴ…
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 02:13:10.61 ID:6C3hvMERo<>
格闘家「トレーナー」
トレーナー「ん?」
格闘家「巨人ってのは……体も大きければ、心も大きいんですねえ……」
トレーナー「うむ……これからは彼のようにもっと大きい心を持ち、ジム経営に励もうではないか」
トレーナー「無茶な売名行為をしなくたって、やっていけるさ!」
格闘家「はいっ!」
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 02:14:50.33 ID:6C3hvMERo<>
巨人「……」
巨人(我が彼らを助けた理由……本当は別にある)
巨人(それは――)
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 02:17:01.52 ID:WeWfXlFkO<> 小さい男の子が戦う姿が好きだから… <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/05/06(土) 02:17:23.56 ID:6C3hvMERo<>
一ヶ月前、天界にて――
巨人『あ、あのっ、すみません! やっぱ条件付けます!』
巨人『身長170m未満、体重60t未満の奴の挑戦を受け付けるぜ!』
大巨人A『この野郎、ふざけんじゃねえぞ!』
大巨人B『いきなり条件付けてんじゃねえ! 踏み潰されたくなきゃ金よこせ!』
…………
……
巨人(彼が他人のような気がしなかったからだ……)
おわり
<>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 02:20:18.52 ID:8j/nmQwA0<> [切腹]かとおもた <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 05:41:47.01 ID:xnlVvVoPO<> [切腹]擁護はちょっと… <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 13:14:57.49 ID:gIom9uR5O<> [切腹] <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 15:40:38.41 ID:sPVfRdC+o<> [切腹] <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 16:45:03.48 ID:DEVzN44v0<> オチはまあまあ面白かった
それはそうと[切腹]の対戦相手はユーチューバーに決まりましたね。完全にサクラの匂いがしますね。 <>