以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 20:39:41.61 ID:BcK1G6AO<>ガラガラ

男「いらっしゃい」
女「いつもの」
男「あいよ」


女「ごちそうさん、うまかったよ」
男「お代はいつものとこに置いといてくれ」
女「それじゃぁ、また来るよ」
ガラガラ

女「あぁぁぁぁぁ、またデートに誘えなかったぁぁぁぁ」<>新ジャンル「常連客」 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 20:45:45.58 ID:Skv6ZGAo<>新ジャンル「常連客」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1201697533/
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 20:49:54.42 ID:8XxN8YAO<>おつかれ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 21:22:44.25 ID:kgwfnGAo<>おつ。廃墟にならんことを願うぜ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 21:38:34.54 ID:PG6wWkAO<>皆おつー!!
変な誘導かけた絵描ききますたww
またぽつぽつ支援させて貰うわ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 21:43:01.23 ID:7po.e0Ao<>みんなが綺麗に締めた後に余計なモノ投下した俺からも乙<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 21:49:21.80 ID:LOy72wY0<>どことは言わんが、脳がガチガチに凝り固まった古参だらけにならないことを祈ってるぜ。

いろいろやり切った感があるから、しばらくはwwktkする作業に専念させてもらうぜ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 22:05:11.61 ID:wTriPMAO<>こんばんは。いつもの頼むよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/02(土) 22:28:40.85 ID:eJnidwDO<>おつかれ。
書ききれなかった話の続きを書くか、新しい場所だから新しく話を書くか迷ってる。
とりあえず話し考えながらROMるわ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 22:59:36.19 ID:3nGIihco<>男「あ、いらっしゃいませ」
女「あ、店員さん」
男「いつも、ありがとうございます
  今日はお一人ですか?」
女「あ、はい…変…ですか?」
男「いやいや、そうじゃなくてどうしたのかな?って思って」
女「今日は一人で来たかったんです」
男「?そうなんですか?
  あ、すいません、ちょっと呼ばれたんで…
  ゆっくり見ておいてください。新しく入荷した新作もありますし。
  すぐに戻ります」
女「あ…はい…」
女(今日は服じゃなくて、男さんに会いに来たのになぁ…)

実際に体験した話でもいいかな?
付き合った彼女が服屋の常連だったころの話
もっとも、女の感情は漏れの妄想だがwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 23:06:48.70 ID:3nGIihco<>男(どうしたのかな?なんか様子がおかしいな?あの常連さん…)
女「…はぁ…」
男(こんなときはそっとしておいてあげたほうがいいのかもしれないな…)

女(早く接客しにきてよぉ…ここに30分もいてるのにぃ…)

男(あの服そんなに気になるのかな?でも、今日はそっとしてあげといたほうが…)

バイト(いらいらいらいらいらいら・・・・・・・・・・・・)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 23:13:47.85 ID:3nGIihco<>男「いらっしゃいませ〜」
バイト「いらっしゃいませ〜じゃなくて男さん!!」
男「うわっ!いきなり何?」
バイト「あの常連さんほっといていいんですか?」
男「いや、なんかいつもと感じ違うし、そっとしておいてあげたほうがいいのかな?って思って…」
バイト「あ〜もう!そうじゃなくて待ってるんだと思いますよ?」
男「なにを?あ、友達が来るのかな?」
バイト「あんた、だめだよ・・・」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 23:29:07.13 ID:3nGIihco<>バイト「とにかく、接客してきてください!!その仕事は僕がやっときますから」
男「う〜ん…わかったよ」(あんまり乗り気しないなぁ)

女「…はぁ」
男「ため息ついてどうしたんですか?」
女「わっ!店員さん!びっくりしたぁ」
男「ご、ごめんなさい!」
男(な、泣きそうになってる!?俺、なんかした?)
男「あ、あの…どうかしましたか?」
女「い、いえ、なんでもないんですっ!」(やっと話しかけてきてくれたよぉ)
男「そ、そうですか?」
女(あああ、でも何を話せばいいのか分からない)
男「その服、気に入りました?」
女「え?あ、はい!素敵ですね!これ!」
男「彼氏にプレゼントですか?」
女「へ?」
男「それ、メンズの服で、うんたらかんたら・・・・」
女(あああああ、違う、違うのぉぉぉぉ!)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 23:38:16.95 ID:3nGIihco<>女(…はぁ、変な誤解されたまま帰ってきちゃった…どうしよう)
女(結局、メアドも渡せなかったし、お店に1時間もいて変な風に思われたかなぁ)
女(ああああ、次どんな顔してお店に行こう・・・)

ピロリン♪

女(メールだ 誰からだろう?)
女友「やっほ 今、何してる? 暇だったら買い物行かない?この前言ってたお勧めのお店教えてよ!!」
女(よしゃああああああああっ!!こいつと今すぐお店に向かおう!!)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 23:51:10.62 ID:3nGIihco<>バイト「・・・・・・・・」
男「・・・・・・・・・・」
バイト「・・・・・・男さん」
男「うん?」
バイト「ひまっすねぇ・・・・」
男「うん・・・」
バイト「さっきの常連の人のこと、どう思ってるんですか?」
男「え?どうって・・・いいお客さんだけど?」
バイト「それだけっすか?」
男「?うん」
バイト「んじゃあ、おれ狙っちゃおうかなぁ」
男「えええええ!?でも、バイト君は彼女居たんじゃなかったっけ?」
バイト「この間、別れました」
男「そう・・・なんだ」
バイト「狙っていいすか?」
男「い、いやそれは・・・だめだろ」
バイト(お?食いついたか?)「え〜、でも可愛いし、性格よさそうだし絶対俺とならお似合いになると思うんですよねえ」
男「そうかも知れないけど、駄目」
バイト「なんでですか?」
男「お店に変なうわさが立つから、駄目」
バイト「・・・・それだけ?」
男「ただでさえお客さん少ないのにこれ以上減ったらお前クビだぞ?」
バイト「そっちですか・・・」(この人ほんとに駄目だわ・・・)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/02(土) 23:56:52.95 ID:3nGIihco<>女(よーし、女友と一緒にお店に行ってなんとかメアド渡そう)

ピロリン♪

女(あ、女友からメールだ)
女友「ごめーん、女 彼氏がどうしても今日会いたいって言うからデートしてくる〜
    またメールするから今度連れてってね」
女(・・・・・・・・・・・orz)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 00:03:51.69 ID:h7jNetMo<>ってこれは違うみたいだね
誰もいてないみたいだしやめとくわ
スレ汚しスマソ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/03(日) 00:18:27.92 ID:yiZTQcI0<>>>17
逆に考えてみるんだ。
三日規制を生き抜いた戦士の休息タイム、またはネタを考案中なんだ、と。

私はいいと思うぜ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 01:04:13.30 ID:h7jNetMo<>男(今日も暇だな・・・)
ウィーン
男「いらっしゃいませ」
  (やっとお客さんが来た!)
客A「わ〜これ超可愛い!」
客B「どれ〜あ、ほんとだ〜」
男「よかったら試着も出来ますよ」

女(今日も来ちゃったけど、どんな顔して入ろうかな…
  あれ?他のお客さんがいてるみたい)

男「ははは、そんなことないですよ」
客A「え〜うそ〜駄目だよこれwww」
客B「それは駄目だわwww似合ってないwww」

女(楽しそう・・・なんか入りづらいな・・・帰ろう・・・)

バイト(あれ?あの人この前の常連さん?帰っちゃった・・・なんで?)

バイト「ただいま戻りまs・・・」
男「あ、お帰り〜 紹介します うちのバイトのバイト君です」
客A「聞いてないよwそんなことw」
客B「あんたひどいwごめんなさいね、バイトさんw」

バイト(なるほど、これ見て帰ったのか・・・)

>>18
おっしゃ んじゃあ皆さんが英気を養うまで投下するぜ
空気違うかもだけど・・・
駄目なら言って下さい
すぐやめますw<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 01:18:46.49 ID:h7jNetMo<>女「もう、お店行くのやめようかなぁ」
バイト「そんなこと言わないでくださいよ」
女「え!?バイトの店員さん!?何でここに?」
バイト「お店から帰るところを見かけて追いかけてきました
    そしたら、公園で座り込んだから声を・・・」
女「そうなんだ」
バイト「お店、来てくださいね」
女「え?」
バイト「男さんああ見えて常連さんが来ること期待してるんですよ?」
女「え?嘘?」
バイト「この前なんか今日も来るかなぁ?なんて言ってましたよ?」(これは嘘だけど)
女「・・・・でも、今日は他のお客さんと・・・しかも可愛い女の子たちと楽しそうにしてたよ?」
バイト「やっぱ、あれ見て帰ったんですね?」
女「うん」
バイト「男さんもつらいんですよ 売り上げ取らないといけないし、あれもその一環です」
女「うう、そうなのかな?」
バイト「そうですよ だから、今からお店戻りましょう?」
女「え?今から?」
バイト「そうそう、後になればなるほど気まずくなりますよ、こんなのは ね?」
女「・・・・・・うん」
バイト「よし、んじゃあ一緒にもどりましょう!」
女(ありがとう、バイト君)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 01:57:15.68 ID:h7jNetMo<>男「ありがとうございました〜」
客A「ありがとーまた来るねー」
客B「おもしろかったよ〜ありがと〜」

男「ふぅ・・・」

ウィーン

男「いらっしゃいm・・・ってバイト君か」
バイト「俺だけじゃないですよ」
男「え?」
女「・・・どうも・・・」
男「あれ!?何で!?」
バイト「そこで偶然会って、無理矢理来てもらっちゃいましたwwww」
男「このばか!すいません常連さん、忙しいのに・・・」
バイト「常連さんの名前、女さんって言うらしいですよ?」
男「どこまで勝手な事するn」
女「違うんです!わ、私が勝手についてきて、勝手に教えただけですから…」
男「え?そうなんですか?」
女「は、はい」
男「・・・女さんがそう言うなら・・・バイト君、これからは気をつけて」
バイト「ハイwwwサーセンwww」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 02:04:47.96 ID:h7jNetMo<>女「今日こそはメアドを渡す!」

ウィーン

男「いらっしゃいm あ、女さん!」
女「あ、名前覚えててくれたんですか?」
男「はい、もちろん」
女「うれしいです///」
男「あ、いや、なんか照れるな///そんなに喜ばれると///」
女「・・・・・」
男「・・・・・」

バイト「あ〜、倉庫から出にくいわ〜この空気・・・」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 09:48:55.94 ID:mCXmd.DO<>いいよー、新鮮でGJ!
続き、楽しみにしてるよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 10:22:42.78 ID:xyn3t6DO<>>>23
ありがとう
脚色有りだけど、実話をもとに書いてます
今日の夜にまた投下します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 10:56:08.39 ID:qlCf8Xgo<>>>24
実話ってのが凄いな
夜間までwwktkさせてもらうよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 13:11:57.07 ID:LfwbbwDO<>実話かー

客相手の商売だと出会いあっていいよなー
客相手だからやな事もあるんだろうけど。

さて、昼からも一人で仕事しよー…<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 16:58:45.47 ID:7uxcjVso<>http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/jouren_kyaku.html
纏めて来たよ
新しい店を考えたり、他ジャンルのキャラが立ち寄ったり、珈琲店を出したり
変に気を使い過ぎず、もっと自由に書いていけばいいと思うんだぜ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/03(日) 17:12:15.78 ID:yiZTQcI0<>>>27
仕事がはやい。
さりげなくIDに潜ませているところもにくい演出だぜ。


男「いらっしゃい、何にする?」
女「強い武器をちょうだい。」
男「強い? 破壊力だけならこのグレートアックスがいちばんなんだが……」
女「じゃあそれ。」
男「いいのか? お嬢ちゃんには使えないと思うんだが。」
女「大丈夫。こう見えても力には自信があるんだから。」


男「そうか……振り回しすぎて目が回ったんだな。」
女「……」


こんな電波を受信したんだ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/03(日) 19:01:51.79 ID:obd2qQYo<>>>27
いつもお世話になってます<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 22:31:22.70 ID:/MgxJogo<>帰って来ましたwww
呼ばれてないのにただいまですwww
投下していくんで皆さんごゆるりと見てってください<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 22:37:13.73 ID:/MgxJogo<>あ、誰かわかんねwww
服屋の店員の話のやつです

男(この前の女さんの照れた顔可愛かったなぁ・・・)

バイト「?男さん?」
男「え?え?なになに?」
バイト「なにぼ〜っとしてるんですか?」
男「い、いや、別に!そんなことないよ!」
バイト「そうですか?あ、男さんにお客さんきてますよ?」
男「俺に?女さん?」
バイト「残念w違いますw けど・・・」
男「けど?」
バイト「女の人です」
男「女の人?」(誰だろう?)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 22:51:18.57 ID:7k0/fIAO<>続きマダー?(AA略<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 22:51:41.63 ID:/MgxJogo<>客A「あ、いたいた!おひさ〜ww」
男「あ、この前買い物してくれた方ですね?」
客A「そうそう、覚えててくれたんだ〜」
男「ええ」(あんなに騒がしかったお客さんを覚えてないわけがないよ)
客A「この間の服すっごい気に入ったから、また来ちゃったw」
男「それはありがとうございます」
客A「店員さんにも会いたかったし」
男「え?」
客A「店員さん名前なんていうの?彼女居る?」
男「名前は男です 彼女は・・・・・いてません」(な、なんなんだ?)
客A「そうなんだ〜 じゃあ、メアド交換しない?」
男「へ?な、なんでそうなるんですか?」
客A「だって、私男ちゃんのこと気に入っちゃったし
   彼女いてないなら、いいでしょ?」
男「い、いやそういう訳には・・・」

女(この前は名前覚えてもらったから今日こそはメアド交換するぞぁ〜
  あれ?お客さんかな? あ!この前の女の人だ!仲よさそう・・・ 
  バイト君の言ってた事やっぱり嘘だったんだ・・・)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/03(日) 22:52:28.44 ID:yiZTQcI0<>待ってたんだぜ。
wwwwktkさせてもらうよ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/03(日) 22:54:40.61 ID:yiZTQcI0<>>>34
草生やし過ぎだ……
気にせず続きをどうぞ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 23:00:07.89 ID:/MgxJogo<>男「と、とにかく、僕はここにいつでも居てますから
  服のことで聞きたいことがあればお店に来てください ね?」
客A「え〜、服のことじゃなくて男ちゃんのことが聞きたい〜」
男(ま、まいったなぁ・・・)

バイト「男さーん、お電話で〜す」

男(ナイスタイミング!!)「あ、仕事があるんで、すいません」
客A「ちょっと待ってよ〜」
バイト「はい、何か御用でしょうか?お客様?」
客A「男ちゃんは〜?」
バイト「ただいま手が込んでおりまして・・・」
客A「もう!またくるからって伝えといてね!」
バイト「はい、かしこまりました」

男「あれ?電話・・・?切れてる・・・? ん?メモが・・・」
バイト「俺が相手するんでそのまま裏に居てください」
男(バイト君・・・感謝!!)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 23:02:06.27 ID:qlCf8Xgo<>バイトGJwwwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 23:20:39.38 ID:/MgxJogo<>ウィーン

バイト「いらっしゃいm、あ!女さん!いらっしゃいませ・・・って・・・え?」
女「・・・・」
バイト(な、なんかめちゃめちゃ怒ってる感じがするんだけど・・・)
    「あ、あの〜?女さん?」
女「バイト君!!」
バイト「ひゃい!」
女「男さんはっ?」
バイト「今日は休みでありますっ!」
女「あの、女の人とデートでもしてるのっ!?」
バイト「あの女の人?デート?」
女「前にバイト君言ったよね、女の人と話すのも仕方なくだって
  売り上げがあるから大変なんだって」
バイト(このまえのあのお客さんのこと?なんで?あ、外から見られてたのか)
女「だからお店に戻ったのに、別の日にあのお客さんとお店でいちゃいちゃしてたのはなんでなのぉ・・・」
バイト「え〜と・・・あれは、あのお客さんが勝手に来てですね・・・」
女「ふぇええ バイト君がまた嘘つこうとしてるうぅぅぅ」
バイト「えええええ、嘘なんかついてないですよ〜って、ほら、泣かないでくださいよ〜」
女「・・・本当・・・?」
バイト(やべぇ・・・・か、可愛い・・・)
    「本当ですから、ね?近くにおいしいコーヒーの店あるんですよ そこで話しましょう」
女「・・・でも、お店・・・」
バイト「開けてても、誰も来ないんですからいいっすよw」

カランカラン
バイト「マスター、コーヒー2つ・・・ええええええっ!」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 23:37:22.73 ID:/MgxJogo<>客A「いらっしゃいませ〜 あら、あのお店のバイト君?」
バイト「ここで、なにやってるんですかっ!?」
女(あ、この前の女の人だ!)
客A「何って、ここでバイトしてんの バイト君こそなにやってんの?」
バイト「女さん、ここ出ましょう すぐに、急いで、光の速さで」

ぎゅっ!(バイトの襟が後ろからつかまれる音)

バイト「くえっ!」
客A「何で帰るのよ〜 あら?彼女さん?」
女「違いますっ!」
バイト(く、苦しいっ!!)
客A「な〜んか見たことあるなぁ・・・」
女「私もです!」
客A「え?」
女「男さんとお店でいちゃいちゃしてましたよねっ!?」
客A(なんで怒ってr・・・あ!はっは〜ん 男ちゃんもてるねぇ〜www)
   「男ちゃんのこと好きだからw」
女「え?す、好きだから・・・?」
客A「そう、だから私が彼女になろうかな〜って思ってるの」
女「そ、そんなの、駄目です!!」
客A「あなたには関係ないんじゃないの?www」
女「う・・・」

バイト(・・・・・・・・あ、去年死んだおばあちゃんが見える・・・・・・・・)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/03(日) 23:40:10.27 ID:/MgxJogo<>ちょい休憩
てか、お風呂入ってきますw
サーセンw<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 00:06:22.85 ID:xWehFkAO<>新境地wktk
ゆっくりいてらノ

>>27
専用まとめktkr あなたがネ申か…
しかしこれなんて一人羞恥プレイ?wwww
続きを読む為にTopに戻る→俺恥ずかしさに悶える→以下ループ
ト、トップ絵の変更を希望したい…!!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/04(月) 00:24:42.08 ID:fAmooLAo<>バイト(なんか、やっかいなことになっちゃったなぁ)
男「いらっしゃいませ〜」
バイト(あの人はいいよなぁ、気楽で
    多分これからとんでもないことになっていくのに・・・)

ウィーン

男「いらっしゃいませ 女さん」
バイト(え!?女さん!?)
女「・・・・あの・・・・男さん・・・・」
男「はい?」
女「あの、その・・・・よ、よかったら・・・メアド交換してもらえません・・・・・か?」
男「え?メアドですか?いいですよ、僕のでよかったら」
女「ほ、本当ですか?」
男「はい、女さんなら喜んで じゃあこれ、僕のメアドでs・・・」

ウィーン

客A「やっほー 男ちゃ〜ん!近くでバイト始めたから挨拶にきたよ〜」
バイト(うっわ、最悪のタイミング・・・)
客A「あれ?男ちゃんのメアドじゃ〜んwやった〜wげっと〜www」
女「あ!それ私の!!」
客A「いいじゃんw減るもんじゃないんだしw」
女「駄目っ!返してっ!」
男(なんだ、あの二人知り合いなんだ 仲よさそう)
バイト(この人絶対気づいてない!絶対!)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 00:25:39.41 ID:E5qYTbQ0<>>>41
だが、それがいい。
もうこれ以上ないって程マッチしてるんだぜ。

戻ってくるまでちょっと投下をば。
需要の有無は気にしないんだぜ。>>28の続きとして。

男「違う奴にしなよ。そうだな……ブーメランなんかどうだ?」
女「強いの?」
男「離れた場所から攻撃できるから、安全に戦えるぞ。」
女「じゃあそれ。」


男「投げたらそのままどっか行っちまったのか……」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 00:27:34.67 ID:ie70hwAO<>今北

>>43
女可愛いwwwwwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/04(月) 00:33:16.74 ID:fAmooLAo<>バイト「そういえば最近一緒に遊びにいってないですね?」
男「ああ、そうだね」
バイト「前はいつ行きましたっけ?」
男「ほら、この前ダンス教えてもらったとき以来かな」
バイト「ああ、そうでしたね!あれから練習しました?」
男「だめだめ、俺には向いてないよ」
バイト「そういわずにちょっと練習しましょ」
男「ええ、い、今から?」
バイト「もちろんです!ほら、この前教えた振り付けやってくださいよ」
男「こ、こうだっけ?」
バイト「違いますよwwwここをもっとこうやって・・・」
男「こう?」
バイト「そうですそうです!」

女(お店で男同士がくっついてくねくねしてた・・・!!!
  見ちゃいけないものを見てしまった気がする・・・・!!)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/04(月) 00:46:38.56 ID:fAmooLAo<>男「いや〜まいったな あれを見られてたんですか・・・恥ずかしいな」
女「ダンスの練習だったんですね///すいません///」

ウィーン

男「いらっしゃいませ〜」
バイト(うわ、外人だよ・・・)
女「英語しゃべれるんですか?男さん」
男「ほんとに少しなら」

外人「エクスキューズミー」
男「アハン?」
外人「あの〜これいくらですか?」
バイト(日本語!?しかも流暢!!)
男「あ〜○○円です・・・////」
女(アハン?って・・・・)
バイト(女さん!?目が冷めてるっすよ!)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 00:52:29.43 ID:OKsX8yEo<>こっちにもまとめられた
http://www23.atwiki.jp/new_jack/pages/363.html<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/04(月) 00:55:06.30 ID:fAmooLAo<>すんません
飯できたみたいなんで、食ってきます
武器屋の女可愛いwww

他の人のネタもみてみたいんだぜ?
なんか、スレの空気変えてしまって申し訳ない
あのまったり感は漏れは出せない・・・・orz<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 01:07:05.19 ID:E5qYTbQ0<>>>48
おまいさんはおまいさんでその道を行くべしなんだぜ。
展開が気になってしかたないんだ。

男「お嬢ちゃんは接近戦が得意か? この鉄の爪はどうだ?」
女「強い?」
男「爪で引っかいてもよし、籠手の部分で殴ってもよし。」
女「じゃあそれ。」


男「うっかり壁にぶつけて爪が折れたのか……」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 01:38:54.41 ID:xWehFkAO<>そーそー、前スレ終盤ではバッセンネタもあったしな
しっとりまったり、時にはポップにライトに…で良いんじゃないかね

それはそうと>>43=武器屋職人氏よ
近々おまいにも味わわせたる、覚えとけよウワアァァアンッ!wwwwww

おやすも<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 01:51:49.61 ID:E5qYTbQ0<>え? 私、私なのか!?
新しい二つ名をありがとう。

男「こんなんはどうだ? ちょっと扱いが難しいが、ヌンチャクだ。」
女「強い?」
男「ああ。鉄の棒でできていてな、斬撃を防ぐこともできるし、普通に殴っても十分強い。
女「じゃあそれ。」


男「ま、まあ……扱いは難しいんだ。ぶつけた頭、大丈夫か?」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 03:11:08.66 ID:E5qYTbQ0<>男「う〜む……じゃあ鎖鎌なんてどうだ?」
女「どうやって使うの?」
男「ちょうどあそこにいる奴みたいにだな。」

ヘイヘイヒュンヒュン


女「……やめておくわ。」
男「そうだな……お嬢さんには合わない気がする。」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 03:45:11.38 ID:E5qYTbQ0<>男「剣は使えるかい? いいものを入荷したんだ。」
女「強い?」
男「確かに強い。龍殺しと呼ばれているからな。ただ――」
女「じゃあそれ。」


男「重たくて振り上げることができない? 力に自信があるって言ったのはお嬢ちゃんだぜ?」
女「……」

方向がスレ違いになってきたな。
もしかしたら……これだけで新ジャンルができる!?
考えすぎか。<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/04(月) 12:45:08.83 ID:Q9QMPADO<>昨日はご飯食べた後に寝落ちしてしまいましたorz
今日の夜は書き込めないので、皆さんのネタでニヤニヤさせてもらいますwww
明日の夜にでも投下します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 14:06:16.01 ID:E5qYTbQ0<>男「ん〜……手軽な武器は、と。チャクラムなんかはどうか。」
女「それは? 強い?」
男「まあ確かに使いようによってはだが。くれぐれもなくさないようにな。」
女「じゃあそれ。」


男「これは腕輪じゃない。どうにかして取らないとな……」
女「……」

本来はこういうギャグ調を書くのが好きです。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 19:12:19.17 ID:E5qYTbQ0<>男「これ。東洋の手投げナイフなんだが……」
女「強い?」
男「威嚇用に使うみたいだが、そのまま攻撃に使っても威力はあるはずだ。」
女「じゃあそれ。」


男「うっかり握って手を切った? あ〜……治療してやるから奥に来な。」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 19:59:37.64 ID:xWehFkAO<>やべぇ武器屋ツボ過ぎwwwwwwww
武器屋常連の娘は俺の嫁で!

ところで「東洋のナイフ」ってクナイとか手裏剣の解釈でいいんじゃろか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/04(月) 20:31:46.51 ID:E5qYTbQ0<>>>57
おっと。
想像に任せるんだぜ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/05(火) 00:07:41.44 ID:dOcjwMAO<>武器屋のノリ好きだわwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/05(火) 01:17:58.97 ID:Thav4H20<>男「お嬢ちゃんは格闘を嗜むか? レガースなんかどうかな。」
女「強い?」
男「蹴りの威力を増幅してくれる武器だ。防具としても使えるぞ。」
女「じゃあそれ。」


男「返品? すねが痛かったからだって? 何を蹴ったんだ?」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/05(火) 07:13:42.23 ID:Thav4H20<>男「素人さんにはお薦めできないが、こいつはどうだろう。」
女「強い?」
男「なんでも東洋の剣士が使う剣らしい。扱いがとても難しいが、使いこなせるようになると何でも切れるとか。」
女「じゃあそれ。」


男「見事に曲がっちまったな……何を斬ろうとしたのやら。」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/05(火) 18:20:58.92 ID:Thav4H20<>男「この槍はどうだ?」
女「強い?」
男「これならリーチも長いし、用途もただ単に刺すだけじゃない。」
女「じゃあそれ。」


男「え? 足をひっかけて転んだからいらないって?」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/06(水) 17:23:25.49 ID:tpcjnH20<>http://netanabe.blog78.fc2.com/blog-entry-598.html#598

ここにもまとめられてたんだぜ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/06(水) 17:57:06.61 ID:vRfjtSc0<>服屋の人マダー?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/06(水) 19:58:46.14 ID:tpcjnH20<>男「この鞭はどうだ?」
女「強い?」
男「こう見えて意外と威力があるんだ。」
女「じゃあそれ。」


男「自縛するだろうと思ってはいたが、本当にするとは……」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/06(水) 23:49:53.02 ID:tpcjnH20<>男「こういうのはどうだ?」
女「強い?」
男「カタールといってな、手に装着する剣みたいなもんだ。使い勝手はいいぞ。」
女「じゃあそれ。」


男「装着してるのを忘れて、うっかり背中を掻いちまった? ……うわ、ひどい傷だな。」
女「……」
男「日に日に生傷が増えていくのは冒険者の性ってやつだろうが、これは違うだろ……」<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/06(水) 23:59:40.01 ID:VFzyzADO<>>>64
すいません
忙しくて、時間がとれなくて、書き込みが出来ませんです…
もう少し持っててください
武器屋の女は相変わらず可愛いwww
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/07(木) 00:05:02.40 ID:opK5B1go<>個人的に武器屋の女は幼女だと思うんだ・・・うん・・・<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/07(木) 00:21:32.50 ID:I2nOTUAO<>今だからこそ言う


武器屋の女は俺のよmうわ貴様だれだやめんk<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/07(木) 00:25:56.42 ID:V2CcB5Q0<>あえて言おう、店主は筋骨隆々のナイスミドルであると!

男「安全かつ威力も高い、弓なんてどうだろう。」
女「強い?」
男「正確に的を射抜くのは困難だが、威嚇にも使えるぞ。」
女「じゃあそれ。」


男「弦で指を切った? そりゃ素手でやればそうなってもおかしくないさ。」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/07(木) 01:43:24.26 ID:WTt1ZQAO<>>>66
今更だが、それは正式には“ジャマダハル”と言ってだな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/07(木) 04:57:12.95 ID:V2CcB5Q0<>>>71
日本を東洋と言っていることから、舞台はファンタジー世界内の西洋と想定する。
間違った文献で伝承されたために店主も間違って覚えてしまった、という設定は如何か?
つまり……だ。


私の勘違いなんです、ジャマダハルと脳内補正してくだしあ><


男「弓がだめとなると……ボウガンでどうだ。」
女「強い?」
男「これなら弦で指を切るなんてことはない……はずだ。」
女「じゃあそれ。」


男「矢を装填するのが面倒? 弓の時に気づくべきだろ……」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/08(金) 18:51:41.67 ID:HhUDdaQ0<>男「ちょっと特殊だが、火炎瓶なんてのもある。」
女「強い?」
男「即効性よりも持続性重視なんだ。相手に火傷を負わせるのは意外と効果的なんだぞ。」
女「じゃあそれ。」


男「使ったその日に……おねしょをした? 子供かよ……」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/08(金) 18:53:58.21 ID:w01G4wAO<>女可愛いよ女wwwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/08(金) 21:29:33.31 ID:HhUDdaQ0<>男「これなら安全だろう。」
女「強い?」
男「木でできているから刀身に触っても安全、かつ強い。」
女「じゃあそれ。」


男「はあ? ムサシと名乗る男に取られた? ……何をやってるんだあの御仁は。」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/09(土) 16:08:20.16 ID:TYrWf/Y0<>男「まあなんだ。ごくごく普通の剣にしてみるか?」
女「強い?」
男「正直言って強くはない。使いやすいのが利点といえば利点だが。」
女「じゃあそれ。」


男「橋の上で大男に奪われた、か。そのうち誰かが取り返してくれるさ。」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/09(土) 23:49:31.86 ID:TYrWf/Y0<>男「ちょっと特別なものを仕入れてみた。」
女「強い?」
男「これは氷でできていてな。この鞘に収めていないとすぐに解けちまうのが難点だが、切れ味はいいぞ。」
女「じゃあそれ。」


男「うっかり転んで落としたのか……氷だから粉々だろうな。」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/10(日) 00:01:11.82 ID:jRXphr.o<>>>75-76
武蔵に弁慶wwwwww何してはるんですかwwwwwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/10(日) 13:19:44.08 ID:GZ02j7k0<>男「これなんだが……実用性あるのか?」
女「強い?」
男「知らん。俺はこんなもんを使うくらいなら拳の方がマシだと思うんだが……」
女「じゃあそれ。」


男「死神に間違われて、子供に石をぶつけられた?」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/10(日) 14:44:13.84 ID:mY9Uotwo<>サイズ?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/10(日) 14:47:04.05 ID:/GQfMaM0<>ご明察。

男「じゃ、じゃあ、こいつはどうだ?」
女「強い?」
男「まあ……見ての通り盾なんだが、殴ってもそこそこ強い。」
女「じゃあそれ。」


男「攻撃を受けて手が痺れたのか……」
女「……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/10(日) 15:13:42.85 ID:mY9Uotwo<>サイズってどう使うんだろうなあ
普通にふったら突き刺さるし、斬るには一旦引く必要があるように見えるんだけどなあ

まあつまりハルバード最高ってこった<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/10(日) 15:22:16.57 ID:rHoOYt6o<>重量を生かして柄の部分でなぎ払うんじゃね?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/10(日) 18:19:04.26 ID:zBAwBEAO<>すれ違いざまにかっきったり、刃先を入れてそのまま振れば刃は完全に円を描くから切れんじゃね?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/10(日) 18:48:13.64 ID:/GQfMaM0<>ちょっと見ない間に論議が繰り広げられてたwwwwww
個人的には柄を持ってグルグルと回転してだな……いやいや。

男「う……じゃあメイスでどうだ!」
女「強い?」
男「使い方はただ殴る! 以上!」
女「じゃあそれ。」


男「殴った時の感触がいや? ……もう冒険者やめたら?」
女「!!!」
男「そんな顔するなよ……わかった、お嬢ちゃんの手に馴染む武器を探してみるからさ。」
女「……うん。」

それからしばらく経ち……武力で制圧した話は数あれど、
前代未聞の、魔王を説得した勇者の話が伝えられたという。
が、それはまた別の話である。


とまあ、ここらで幕引きしておくんだぜ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/10(日) 22:07:17.20 ID:dXqdXoAO<>戦闘用のサイズは、刃が直角ではなく、真っ直ぐか少し傾いた程度らしい
元は草刈りのアレだからなぁ

何にせよ>>85乙
買い手は魔王だったのか?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/11(月) 08:17:44.57 ID:lB3cxGEo<>>>86
俺の考えだと買い手は勇者で
自分にあった武器を探したけど結局見付からず
結局何も持たずに魔王の所にいって戦わずに説得したって感じじゃね?
>>85
あってますか?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/11(月) 18:17:39.41 ID:G9C1F0E0<>>>86-87
どっちも正解なんだぜ。

両方の展開を想定して後日談を作った。それぞれ想像した方をどうぞ。
gdgdになっているかもしれんが。


―女、魔王ver―

男「お嬢ちゃんが魔王だなんて冗談に聞こえるが、その姿を見たら信用せざるを得ないな。
  それでいつもでかいローブを纏ってたんだな。」
女「……」
男「しかしまあ、慣れない武器でよく今まで生き残っていたもんだ。」
女「これでも魔王だから……」
男「じっちゃ……いやいや、武器屋の名に賭けて、お嬢ちゃんに馴染む武器を探してみせるさ。
  それまで無茶はするなよ?」
女「……うん。」


―女、勇者ver―

男「でかいローブを纏った変わった子だとは思っていたが、お嬢ちゃんが噂の勇者だったとは。」
女「……うん。」
男「よくもまあ……魔王が説得に応じてくれたもんだ。」
女「実は……」

男「ふむ……今までうちの武器で何度も戦いを挑んだが、逆に心配された……と。」
女「……」

男(確かに、な……魔王とはうまい酒が飲めそうな気がするぜ。)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/11(月) 18:28:59.58 ID:JvQx2iIo<>どちらにしても絶対的なことがある

女 は 幼 女<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/11(月) 21:05:33.05 ID:G9C1F0E0<>さあ、あとは若い者に任せて……
老人は黙ってwwktkさせてもらうんだぜ。
書き手さんガンバ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/14(木) 03:02:40.09 ID:zbIK1AAO<>服屋の続きはまだか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/15(金) 05:43:29.31 ID:Y7fRKEAO<>人がいなくなってしまったな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>age<>2008/02/16(土) 17:15:56.43 ID:Kvm336DO<>期待アゲ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/19(火) 01:25:05.01 ID:0.A0tAAO<>書き手は何処にいったんだ・・・・・・<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/19(火) 02:41:22.97 ID:B7PoGso0<>私は完結させたからこれ以上続けることもないが、服屋さん来ないかなあ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>age<>2008/02/19(火) 15:16:54.81 ID:inoK52DO<>男「いらっしゃい お、久しぶりだね」

女「お久しぶり ちょっと色々あってね…」

男「いつものでいいかい?」
女「うん」

男「はいよ …何があったか知らないが、来てくれてよかったよ」

女「そう?」

男「女さんがこないと、張り合いが無いからね」

女「あら、嬉しい」

女「…私ね…転勤になるかも…」

男「!…そうか…淋しくなるな…」

女「それだけ?」

男「…」


女「ご馳走様 こっちに居る間は来るから、よろしくね」

男「ああ、ありがとう」

女「…それじゃ…」

がらがら

男「…」

女「…バカ…」

これが限界だわ
誰か続き頼む<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>age<>2008/02/19(火) 19:06:10.53 ID:inoK52DO<>めげずにカキコ

がらがら
男「いらっしゃい おまえか…」

客「来ちゃダメだった?」

男「いや…」

客「つれないね」

男「昔からだろ」

客「そうだったね 昔からそっけなくて、どうしたいかも言わずに…」

男「…何にする?」

客「いつもの」

コト…

男「結婚したらしいな」

客「あなたは?好きな人出来た?」

男「そうだな…いや、なんでもない…」

客「次の人は大事にしてあげなさいよ」

男「…」

客「不器用なんだから…」



ダメだ
うまく書けない…<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/19(火) 20:43:58.42 ID:.xLiY4ko<>>>96-97 切ねぇ…

過疎ってr……間違えた、知る人ぞ知る名店ってことで
ひっそりやってる方が相応しいな、ここは

今度は携帯じゃなく、PCから
http://vipmomizi.jog.buttobi.net/cgi-bin/vestri/src/vestri21518.jpg
もう一度看板掲げとくよ

また顔出すよ、大将<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/19(火) 20:52:30.87 ID:d1AVbWMo<>(・∀・)イイヨイイヨー<> 96<>sage<>2008/02/20(水) 01:03:06.69 ID:rdljN9.o<>男「次の人か…いやいや、何を考えてるんだ俺は」

がらがら

男「いらっしゃ…うわわっ!」

女「驚いた!?」

男「女さん!? どうしたんだ?その格好は?」

女「へへ〜 どう?これ?」

男「か、かわ…っ!いや、いいと思うよ」

女「今日ね、私の送別会なんだ
  だから、思いっきり…おしゃれして…ウッ…なれ…ない…化…ヒクッ…粧もして…グス…」

男「…女さん?」

女「グス…ごべんなざい〜」

男「あ〜あ〜もう、相変わらずの泣き虫だなぁ ほれ、お絞り」

女「ありがどう〜」

男「はは、ひどい顔だな、化粧が台無しだ」

女「だっで〜」

男「初めてここに来た日もそんな感じだったなぁ
  土砂降りの雨の中、傘も差さずに入ってきたときは幽霊かとおもったよ」

女「ひどい〜」

男「思い出すな〜… 2年ほど前だったかな?」

女「…○月×日…1年と9ヶ月ぐらい前…」

男「よ、よく覚えてるな」<> 初めての出会い<>sage<>2008/02/20(水) 01:31:10.65 ID:rdljN9.o<>男「あ〜あ、酷い雨だな…こりゃお客さん来ないかな?」

女将「今日はしめちゃいますか?」

男「そうだな、これじゃお客さんも来ないだろうし…閉めるか」

女将「はいよ、んじゃ暖簾入れてきますね」

男「ああ、よろしく」

ガラガラ

女将「きゃあああああああっ!」

男「お、おい!どうしt…うわあっ!」

女「…まだ、あいてますか?…」




男「た、大変だったんですね」

女「ごめんなさい!驚かせちゃって!」

女将「でも、ついてないわね
   突然の雨に走ってたら転んで、起き上がったところに車に水をかけられて
   機嫌の悪い野良犬に追い掛け回されて、スカートかまれてちぎられたって…
   いまどき、漫画でもそんな人いないわよ?」

女「なんだか、今日はついてないみたいで…
  どこかお店に入って雨が止むのを待とうと思ったらここが目に入って…」

女将「そんな日もあるわよ それに、悪いことがあったらその分いい事があるんだから」

男「そうそう、たとえば今日のこの料理はサービスですから」

女「え?」

男「今日は閉めようって話をしてたところにお客さんが来てくれたんです
  今日の仕込み分はお客さんがが来てくれたおかげで、無駄にならずに済んだ」

女将「洋服も貸してあげるわね その格好じゃ外も歩けないでしょ?」

女「え?え?でも、そんな…」

男「遠慮なんかしないでください これもなにかの縁です」

女将「そうそう」

女「…ありがとうございます」<> 100に戻って<>sage<>2008/02/20(水) 01:45:17.43 ID:rdljN9.o<>女「そのあと、三人で遅くまで飲んだのおぼえてる?
  すごく、あったかくて…最低な一日が最高の一日に変わった時だった」

男「そうだったなぁ…なんか、懐かしいな」

女「あのときの女将さん、いまどうしてるの?」

男「!…結婚…したそうです…」

女「!ご、ごめんなさい!」

男「いや、謝らなくても…それにいい旦那さんと結婚できて幸せそうだったし…」

女「…」

男「ここで女将やってるより、そのほうがよかったんだ、あいつにとっちゃあね」

女「それはちがう!」

男「え!?」

女「はじめのころしかあってないけど、女将さんとっても幸せそうだった!
  羨ましかった!出来るなら私が女将さんになr…!」

男「…女さん」

女「なんでもない!もう帰る!」

ガラガラ

男「…一番分かってないのは俺なのかなぁ…」<> 数日後<><>2008/02/20(水) 02:13:46.52 ID:rdljN9.o<>ガラガラ

男「いらっしゃい」

女「…いつもの…」

男「はいよ」

女「あの…この前は…ごめんなさい
  二人のこと何にも知らないのに、勝手なこと言って…」

男「…」

女「私、あと一週間で転勤になるの
  だから、毎日来るね」

男「…」

女「…」

コトッ

女「え?これいつものと違う…」

男「あの日…初めて女さんに出した料理だ…覚えてるかい?」

女「え?」<> 数日後<><>2008/02/20(水) 02:14:13.26 ID:rdljN9.o<>男「この料理、覚えてくれないか? …あ〜…その…」

女「?」

男「この料理は…女将が仕込んで出すものなんだ」

女「!」

男「ちゃんとした料理は俺が作るんだが…あ、いや、これも立派な料理なんだけど、なんというか…その…」

女「…」

男「料理しかとりえのないばかな男だから…え〜…その…俺にも…支えがほしくて…」

女「…」

男「い、いや、もちろんお互いが支えあってだな…あ〜〜!もう!何言ってんだ!俺は!」

女「…ぷっ」

男「似あわんな…こんなのは…」

女「くすくす」

男「…女さん、こんな俺だけど…いや、こんな店だけど女将になってくれませんか?」

女「…嫌…」

男「え?」

女「お店の女将じゃなくて、男さんの女将にしてください」<> 数年後<><>2008/02/20(水) 02:32:30.66 ID:rdljN9.o<>男「あ〜あ、酷い雨だな…こりゃお客さん来ないかな?」

女将「今日はしめちゃいますか?」

男「そうだな、これじゃお客さんも来ないだろうし…閉めるか」

女将「はいよ、んじゃ暖簾入れてきますね」

男「ああ、よろしく」

ガラガラ

客「まだ、やってる?」

女将「いらっしゃいませ もちろん さ、こちらへどうぞ」

男「いらっしゃ…」

客「久しぶり」

男「おう、またきたのか」

客「あら、駄目だった?」

女将「いいえ、今度は私がお返しする番ですよ、女将さん」

客「え?お返し?」

男・女将「この料理はサービスで、洋服もお貸ししますよ」

客「!あなたあの時の…」

男「さて、今日は店じまいして」
女将「朝まで三人でお話しましょう?」
客「ふふ、喜んで」

表通りからは見えないお店だけど
おいしい料理と、素敵な笑顔のその店は
お客様に末永く愛されました

皆様のまたのご来店心よりお待ちいたしております
                      店主・男 女将より<> 96<><>2008/02/20(水) 02:34:43.68 ID:rdljN9.o<>早めに完結させましたけど出来れば皆さんでサイドストーリー作ってください
なんか、どこかの昼ドラみたいになっちゃった…orz<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/20(水) 02:40:58.88 ID:K4cnjZEo<>乙、久しぶりに居酒屋ver.見たわ
やっぱほっこりするなあ
ここは「何処かにある、とある店の日常の1コマ」が描かれる場所だから
同じ設定である必要はないんだぜ?

新作も期待してるよ、俺もまたなんか描いて持ってこよう<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/20(水) 04:56:29.40 ID:/w3fsFM0<>乙!
居酒屋だとなんだかしっくりくるなあ。

さあて……武器屋はやっちゃったし、どの店でネタ作ろう……
<> 1993年1月24日<>sage<>2008/02/20(水) 18:13:49.80 ID:r/0tu06o<>女「こんにちはー」
店員「おかえりない」
客A「おかえりー」
客B「よぅ雪乃ちゃん」

女「Aさん、Bさんこんにちは。今日も寒いですねー」
店員「寒いですね。でも、いつもの、なんですよね?」
女「はい、いつものです」
店員「じゃあ、ストーブの前の席、空いてますから」
客A「なんだかそこ、雪乃ちゃんの指定席みたいになっちゃったなぁ」
女「ごめんなさい、いつもいい場所もらっちゃって」

店員「はい、ライムサワー薄めと皮、それとおでん。それにしてもこの寒いのにライムサワーですか」
女「お酒、強くないですから」
店員「でも、飲みたい」
女「はい。ここにきて、お酒飲まないのは反則です」
店員「いい心がけです。競馬打ちの鏡」
女「ギャンブル狂みたいに言わないでください」
店員「土日全部来てるじゃないですか。年明けなんか平日なのに金杯まで」
女「好きなだけです、競馬が」

客B「こらー店員、あんまし雪乃ちゃんとばっかり話すんなー」

ここは東京府中。
日本で一番大きい競馬場の西門を出てすぐに、豪華なスタンドとはまったく色の違う、バラックの飲み屋街があったりする。
競馬帰りの殆どの人は駅直通の高架を使っていて、ここの光景を知っている人間は意外と少ない。
だからなのか、ここに集まる連中は、総じて年配。
そこの色は、電球のオレンジとアスファルトのグレー。

舞台は西門から2番目に離れた、飲み屋街の中ではかなり小さめで、それほど客の多くない、だから常連率の高い店。
競馬帰りの常連客を「おかえりなさい」と出迎えてくれる店。<> 1992年12月12日(1)<>sage<>2008/02/20(水) 18:27:39.57 ID:r/0tu06o<>女(はー、どうしよう)
女(うーん、あ、もうはじっこまできちゃった)
女(でも、女ひとりで、こんなお店に入るのも、はー)
女(でも、えーい、ここ空いてるし)

店員「いらっしゃーい」
女「ど、ども」
店員「おひとりですか。じゃ、あそこの席に」
女(め、メニュー、メニュー、あ、壁にかかってるのか、えーと)
店員「なんにしますか?」
女「あ、えと、あの」
店員「あせらなくていいですよ、ゆっくり決めてください」
女「あ、あの、なにかおすすめ、とかあります?」
店員「他の店とあんまし変わらないですよ」
店員「おでんかモツ煮か、あと焼き鳥。お酒はどうします?」
女「じゃ、じゃあ、トリ皮ください。あ、あと、お酒、お酒は、うーん、アルコールの少ないので」
店員「ライムサワーとか薄められるけど、まだ寒いし」
女「あ、いや、それでいいです。それください」

女(きんちょうするー)<> 1992年12月12日(2)<><>2008/02/20(水) 18:44:45.75 ID:r/0tu06o<>店員「おまたせー。はい、トリ皮とライムサワー」
女「あ、ありがとうござます。いただきます」
女(ううっ、憧れの西門の飲み屋だー)
コクコク、パクパク
女(あうう、多分普通の味なんだろうけど、なんだか凄く美味しく感じる)
女(でも)「寒い」
店員「やっぱり寒いんじゃないですか?」
女(うあ、聞かれてた)
女「い、いやいや、大丈夫です。はい」
店員「ちょっと待っててくださいね」

店員「はい、おでんです。サービスですよ」
女「え、でも、え、申し訳ないし」
店員「いいんですよ。もう今日はお客さんこない時間ですし、余らせてもしかたないですから」
女「え、え?」

客A「おーい店員、聞こえてるぞ。こっちには無いのか?」
店員「あたー、分かりました。Aさん、Bさんおでんですね。選べませんよー」
客B「ハハッ、誰も奢れなんて言ってないぞー。今日のAさんの結果知ってるだろーに」
客A「だははは。オレとBさんと、それからそのおねーちゃんのおでん、全部オレにつけてくれ」

女「え、えぇ?」
店員「ありがとうございます!」
女「いいん、ですか?」
店員「いいんですよ。AさんもBさんもああいう人なんです」

客A「ところでおねーちゃん」
客B「こっちこないかー?」
女「え、え、え?」<> 1992年12月12日(3)<>sage<>2008/02/20(水) 19:16:29.97 ID:r/0tu06o<>店員「ちょっと、変な声かけないでくださいよ」
客B「なんだー、俺ら、そんな信用ないかー?」
店員「悪い人たちじゃないんですけど、すみませんね」
女「い、いえ、いいんです。私そっち行ってもいいですか?」
店員「!!」客A「うお!?」客B「おおー」
店員「あ、はは、すぐ皿とグラス移動しますよ!」

女「こ、こんにちは、はじめまして」
客A「あ、おう、はじめまして」
客B「Aさん、どもるなよ」
客A「うるせぇ」
女「AさんとBさん、ですね。よろしくおねがいします」
客A「お、おう、よろしくな」
客B「よろしくね」
客A「店員!おまえもこっちこい、年寄りばっかだと、間が持たん」
店員「はい、わかりました。じゃあ、余ったの一掃しましょうか」

客B「よっし、じゃあこっから先は全部Aさんの払いだ」
客A「わっはー、まかせとけい」

女「とったんですか?今日」
客A「おう、7Rとメイン。ねーちゃんはどうだったんだ?」
女「はは、オケラ、です」
客B「おねーちゃんなのに、オケラなんて言葉使うか。偉いなー」
店員「なんで偉いんですか」
客B「偉いんだよ。競馬言葉ってのを分かってる」
女「あ、いや、そんな」
客A「気に入った!!ねーちゃん、名前、なんていうの?」
店員「Aさん、いきなりすぎますよ」
女「○○って言います」
客B「いや、そうじゃない。苗字じゃなくて、名前」
女「あ、その、雪乃って言います」

客A「よっしゃ、雪乃ちゃんね。乾杯しよう」
客B「乾杯だー」
女「いいん、ですか、こんなので」
店員「いいんですよ、こんなので。乾杯しましょう」
客A「なにに乾杯かな?」
店員「新しい仲間の雪乃さんと、そうですね、アイルトンシンボリに」
「「かんぱい!」」<> 1992年12月12日(4)<><>2008/02/20(水) 19:30:27.41 ID:r/0tu06o<>
競馬談義の華の後

客A「おう、もう真っ暗だな。そろそろあがるわ」
客B「いい時間だ。冬は夜が早いや」
客A「んじゃ雪乃ちゃん、また来いよ」
女「ありがとうございます。またきます。今日は本当にごちそうさまでした」
客B「こんど雪乃ちゃんがとったとき、お返ししてくれよー」
店員「Bさんは自分の分しか払ってないじゃないですか」
客B「こんどとったときに払うんだよ。そんときはおじさんのおごりだぞー雪乃ちゃん」
女「期待してます。ありがとうございます」
客A「じゃあなー」
客B「またなー」

店員「はじめてなのに、なんかすみませんでしたね」
女「いえ、私、すごく楽しかったんです。本当に」
店員「珍しいですよね、雪乃さんみたいな若い女性がこんなところに」
女「私、ここにあこがれていたんです」
店員「・・・」
女「もう遅いし、また今度来たときお話させてください」
店員「はい、わかりました。是非また来てください」
女「はい、また来ます」

空を見上げれば、そこはもう殆ど真っ暗で、西側だけがほんのりと明るい時間帯。
だけど周りを見渡せば、道端にテーブルを並べ、沢山の人たちが笑っている。
みんなが馬券をとったわけじゃないはずなのに、なぜかみんなが笑っている。
白熱灯の明かりと、焼き鳥の煙、鍋の湯気。

女(また明日、ここに来よう)<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/20(水) 23:24:44.28 ID:0iqtm1co<>遅くなってすいませんでした
いろいろ忙しくて時間が作れませんでした
今日も少しの間ですけど書いていきます

ブ〜ンブ〜ン…
男「あ、メールだ」

バイト「女さんですか?www」

男「誰でもいいだろ」

バイト「照れなくてもいいですよwww」

男(え〜と…なになに)
メール(女)「お疲れ様です お仕事中にすいません 明日、お誕生日ですよね?よかったらお食事行きませんか?もちろんおごっちゃいますよ」

男「あれ?俺、誕生日言ってないのに…」

バイト「あwwwサーセンwww俺が教えちゃいましたwww」

男「また勝手なことを!…まあ…今回はいいか」

バイト「お誘いっすかwwwいいっすねwww」

男「…おまえクビにするぞ…」

ブ〜ンブ〜ン

男「あれ、またメール…
メール(客A)「やっほー!男ちゃん明日あいてる?空いてたら飲みに行かない?てか行くよ〜w」

バイト「今度は客Aさんですか?」

男「なんでわかった?」

バイト「さすがにそんな嫌そうな顔してたら誰でも気づきますよ…」

男「そんなに嫌な顔してた?」

バイト「…ええ…そりゃあもう…」

男「そっか…」<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/20(水) 23:54:08.84 ID:0iqtm1co<>男「とりあえず返信しなきゃいけないな…」

バイト「もちろん、女さんと行くんですよね?」

男「まあ…ね…////」

男「わざわざ、メールありがとうございます 奢りじゃなくても結構ですから、お食事行きましょう…っと
  これでいいかな?」

バイト「かたいっすねえwwwもっとフランクでいいと思いますよ」

男「そうかも知れないけど、お客様だしね」

バイト「ちょっと俺に打たしてくださいよwww」

男「あ、こら!返せ!」

バイト「了解〜!んじゃ仕事終わってからで良い?遅くなるから明日は帰れなくなるけどそれでもいい?っと
    これで、送りましょうwww」

男「そんなわけあるか!」

バイト「ちょっw待ってくださいよww携帯がw危ないですってwww」
男「良いから返せって」
バイト「だめですwwwこのまま送りますwwwって、あれ?」
男「え!?なに!?」

バイト「あれ?なんで?・・・・・・・すいません・・・・・・客Aさんに送信されちゃったみたいです・・・・・」

男「へ?今のメールが?」

バイト「はい…俺の打ったメールが…」

男「・・・・・・・・えええええええええええええっ!!!」

バイト「すいませんっ!ほんとすいませんっ!」

男「どーする!?これ、どーする!?」

ブ〜ンブ〜ン

男「・・・・・・・・・・・メールだ・・・・・・」
バイト「・・・・・・・・・・・・メールっすね・・・・・・」

メール(客A)「あれ〜wwwノリノリじゃんwwwいいよ〜 んじゃ明日は勝負下着履いてくね〜www」

バイト「あ、僕、今日、用事あるんで早退します・・・・・」

男「あ!おい!逃げるなぁぁぁ〜・・・・・」<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/21(木) 00:22:14.12 ID:gaFeexEo<>ウィーン

男「いらっしゃいませ〜 あ!」

客A「男ちゃ〜ん!明日まで待ちきれなくて来ちゃった〜w」

男「あ、いや、あのメールは・・・・」

客A「ノリノリだからびっくりしちゃったwwwもちろん帰る気なんて無いから安心してw」

男「いや、だから、そうじゃなくって」

ウィーン

女「男さん メールの返事直接もらいに来ちゃいました」

男「!!!」

バイト(うわぁ・・・・女さんって何でこんなにタイミング悪いんだろ・・・)

客A「返事?なに?あの子からも誘われたの?」
女「あれ?なんで客Aさんがここにいてるんですか?」

男「あ〜、その〜、二人に一度に聞かれると答えられないんですけど」(こ、怖い・・・)

客A「男 ち ゃ ん ?」
女「男 さ ん ?」

男「く、詳しくはバイト君に聞いて欲しいんですけど…って、あれ?バイト君!?
  あいつ…逃げたな…」

バイト(それは無理っす!俺が悪いんですけどそれは無理っす!ご愁傷様です男さん・・・)<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/21(木) 00:37:00.43 ID:gaFeexEo<>男「はぁ…昨日は大変だったなぁ…」

ウィーン

バイト「っんませんでしたあぁっ!!」

男「おまえなぁ…」

バイト「何でもしますっ!掃除も接客も全部やりますっ!」

男「はぁ…もういいよ…」

バイト「え?そうなんですか?ど、どうなったんですか?」

男「二人とも断った」

バイト「え!そんな…女さんはいいんですか?」

男「あの状態でどうしろと…」

バイト「すいません…」

男「今日はバイト君は倉庫整理 終わるまで出てきちゃ駄目だからね」

バイト「いや、それだけはご勘弁を!」

男「何 か 問 題 で も ?」

バイト「いえ…行って来ます…」




バイト「お…終わりましたぁ」

男「はい、お疲れ様」

バイト「飯、食ってきていいっすか?」

男「うん、いってらっしゃい」

バイト「行って来ます」<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/21(木) 00:54:14.38 ID:gaFeexEo<>バイト「疲れたぁ…あれはないよなぁ…」

バイト「さて、それじゃはじめますか
    このままじゃさすがに悪いもんな まずはっと…」



男「さて、今日も一日終わったな〜」

バイト「おつかれっす」

男「それじゃ帰ろうか?」

バイト「ういっす 了解っす」

男「んじゃまた明日」

バイト「男さん俺からのプレゼント貰ってくれないっすか?」

男「なんだいきなり?くれるなら貰うけど…変な物じゃないだろうな?」

バイト「それはお楽しみって事でw
    とりあえず、ついてきてください」

男「?」


男「なんだ、いつものカフェじゃないか」

バイト「とりあえず入ってくださいw」

カランカラン

「「ハッピーバースデー!!」」

男「!!マスター!客Aさん!…それに女さんまで!」

バイト「無理言って集まってもらいましたw」

客A「誕生日ならそう言ってよ〜w」

女「お誕生日おめでとうございます」

マスター「よっ!いよいよオヤジの仲間入りだなw」

バイト「気に入ってもらえましたか?w」

男「みんな…ありがとう…ウッ…」<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/21(木) 00:57:16.19 ID:gaFeexEo<>バイト「ちょっwwwなに泣いてんすかっwww」

男「泣いて…無い・・って」

バイト「泣いてるしwwww」

マスター「とりあえず座りな 話はそれからだ」

バイト「それじゃ、男さんのオヤジ入りを祝って」

「「かんぱ〜い!!」」<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/21(木) 01:49:04.29 ID:gaFeexEo<>マスター「今日が誕生日だってこと忘れてたよ すまんね」

男「いえ、こちらこそお店貸し切にしてもらってすいません」

マスター「いつも来てくれてるお礼だよ 気にしなさんな」

客A「バイトくん強いねぇw」

バイト「そりゃあ、昔鍛えられましたからwww」

女「ちょっと、バイト君飲み過ぎだって」

バイト「そんなこと無いっすよwそれより女さんも飲んで飲んで」

女「あ、ちょっと 私、弱いから駄目だって」

男「あ〜あ〜もう、バイト君何してるんだ!」

バイト・客A「「おっと主役登場!」」

男・女「「はもるな!」」

マスター「どっちもどっちだ」<> 服屋のやつ<>sage<>2008/02/21(木) 02:08:49.95 ID:gaFeexEo<>客A「バイトく〜んwあたしたち気が合いそうだねぇwww」
バイト「いやwww俺は勘弁っすwww」
客A「な ん で す っ て 〜  ちょっとこっちへ来て飲みなさいwww」
バイト「いやwwwwちょっwwwとwwwwサーセンwwww」


女「楽しそうだなぁ…」
男「僕が相手じゃ駄目ですか?」
女「いえいえ!そういう意味じゃなくて…」
男「…メール…」
女「はい?」
男「ありがとうございました うれしかったです、誘ってもらえて」
女「いえ…////」
男「よかったら、今度僕から誘って良いですか?」
女「え?」
男「その…今度は二人きりで…////」
女「…はい…////」

客A「あ〜いちゃいちゃしてる〜!邪魔してやる〜!」
バイト「ほらほら、あんたはこっちw邪魔しちゃ駄目ですってw」
マスター「俺の酒が飲めねぇってのか〜」
バイト「ちょwマスターw酔っ払いすぎですってwww」
客A「あたしもいちゃいちゃしたい〜!」

〜後日談〜
この日を境に男と女はよく遊ぶようになり
自然と付き合っていくようになりました

え?客Aさんですか?
この日以来バイト君と仲良くなって毎晩飲みにいってるうちに
付き合うことになったらしいです


近くにカフェのあるこじんまりとした洋服店
きっとあなたの近くにあるはずですよ?
ほら、たとえばあのお店・・・・・
入ってみましょう

ウィーン

男「いらっしゃいませ 当店では素敵な恋愛が出来る服をおいております」
バイト「もちろん、アフターケアまでばっちりです」
女「私もここで素敵な恋愛が出来ました よかったらいかがですか?」

「皆様のご来店スタッフ一同お待ちしております」 男・バイト・女より<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/21(木) 02:24:52.87 ID:gaFeexEo<>ちょっといきなり感がぬぐえないけど完結です
まだ、いろいろエピソードがあるんだけど次がいつになるか分からないので
とりあえず終わらせました
残りの話はちょこちょこ書いていきます

居酒屋さんは相変わらずいい雰囲気出してるwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/21(木) 03:47:57.46 ID:g1bArsDO<>>>122
キタコレw
あげとくぜwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>age<>2008/02/21(木) 03:48:52.50 ID:g1bArsDO<>あがって無かった…orz<> 1992年12月13日(1)<>sage<>2008/02/21(木) 18:23:12.35 ID:eKTmWxoo<>女(結局、また来てしまった。昨日の今日なのに)

店員「いらっしゃい。って、あ、昨日はどうもありがとうございました」
女「い、いえ、こちらこそ、昨日はありがとうございました」
店員「どうぞ、ちょうどストーブの前、空いてますから」
女「あ、ありがとうございます」
店員「今日はどうします?」
女「え、えと、じゃあ、トリ皮と、今日はモツ煮」
女「あと、お酒は・・・」
店員「昨日のと同じにしますか?」
女「はい、おねがいします」

店員「はい、トリ皮とモツ煮、それとライムサワー薄めです」
女「ありがとうございます」
パク
女(う、モツ煮、美味しそうだったけど、自分には微妙かも)
店員「はい唐辛子です。モツ煮は人によって好みがあるから、苦手だったら唐辛子を沢山」
女「え、大丈夫です。美味しいですよ」
店員「ありがとうございます。ムリはしなくてもいいですからね」
女(顔に出てた?もしかして)

客B「うーす」
店員「おかえりなさい」
客B「今日Aさんは来てないんだね。やぁCさん。って、あれ、えーと、おねーちゃん」
店員「雪乃さん、ですよ」
客B「ああ、そうだ、雪乃ちゃん。今日も来たんだ」

女(!!店員さん、名前覚えていてくれたんだ)<> 1992年12月13日(2)<>sage<>2008/02/21(木) 18:25:53.61 ID:eKTmWxoo<>客C「Bさん、あのおねーちゃん、知ってるの?」
客B「ああ、昨日ね、はじめて会って、Aさんと一緒に飲んだんだよ」
客C「いいねー、ここも、ああいう若いおねーちゃんがいると、なんかこう、変わるよな」
客B「雪乃ちゃん、もしよかったら、コッチ来ない?」

店員「あんまり毎回無理言うと、セクハラ言われますよ」
客B「勘弁してよー。オレさ、こんなところで若い競馬好きに会えてうれしいんだよ。しかも若い女の子だよ?」
店員「若い女の子だからです。雪乃さんが来なくなったらどうするんですか」
女「そっち、いっていいです?」
店員「いいんですか?あんまり無理することないんですよ?」
女「いえ、違うんです。私がお話したいんです。本当なんです」

店員「雪乃さんがそういうなら、構いませんが」
客B「ほうら、雪乃ちゃんがそう言ってるんだ、店員、まいったか」
店員「はい、まいりました。お皿移しますね」
女「グラスくらい自分で持ちますよ。ごめんなさい、気を使っていただいて」

客C「はじめまして、Cです」
女「はじめまして、雪乃っていいます。よろしくお願いします」
客C「お願いしますって言われちゃったよ、Bさん」
客B「にやけるなよ。ほら、乾杯しよう」
客C「ちょっと待ってくれ。店員さん、とりあえず熱燗おかわりね」
店員「はい」

客C「んじゃ、雪乃ちゃんとの出会いに」
客B「オレは2回目だけれども」
「「かんぱーい」」<> 1992年12月13日(3)<>sage<>2008/02/21(木) 18:32:50.75 ID:eKTmWxoo<>客C「ようし、なんでもいいからどんどん食い物持ってきて」
店員「じゃあ、例によっておでん大放出でいいですか?」
客B「おう、それでいいよー。ほら雪乃ちゃんも温かいの食べな。冷たいの飲んでるんだし」
女「ありがとうございます。じゃあ私もおでんをお願いします」
客C「なーに言ってるの。おでんはオレが買い占めたの。雪乃ちゃんは頼まなくていいの」
女「え、でも、昨日も今日もだと、申し訳ないし」
客C「いいの。オレは今日がはじめてだから、いいの」
客B「オレも昨日おごってあげてないから、いいの」
店員「この人たちがこう言い出したら、聞くわけ無いですよ、諦めて食べてください」
女「あ、ありがとうございます。いただきます」

客B「で、雪乃ちゃん、今日はどうだった?」
女「それが、その、今日も、あの、オケラ」
客C「なに、雪乃ちゃん、馬券下手なの?」
女「あの、その、かなり下手なんだと思います」
客B「そういう時もあるさ。オレも一時期酷いもんだった」
店員「あんまり雪乃さんをいじめたら、だめですからね」
客C「わかってるよ。店員だって馬券下手なくせに」
女「え、店員さんも競馬やるんですか?」
店員「そりゃまぁ、ここで商売やってるわけですし。ちょっとだけですよ」
女「へー、そうなんですか」

以後、競馬談義

客C「雪乃ちゃん、そんなんばっかしじゃ冷えるだろ。店員さん熱燗と猪口、もうひとつね」
店員「え?雪乃さん大丈夫なんですか?」
女「え、えと、大丈夫だと思います」
店員「うーん、はい、おまたせ」
客C「おうおう、ほら雪乃ちゃん、あったまるぞ」
女「ありがとうございます。いただきます」

くいっ
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>age<>2008/02/21(木) 18:40:09.28 ID:g1bArsDO<>>>127
どうなる?www<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/21(木) 18:46:11.97 ID:vkOMacAO<>雪乃はかなりの絡み酒とみたwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>age<>2008/02/21(木) 18:48:01.02 ID:g1bArsDO<>>>129
絡みwww見たいwww早くwww<> 1992年12月13日(4)<>sage<>2008/02/21(木) 18:49:23.15 ID:eKTmWxoo<>店員「雪乃さん、雪乃さん」
女「あ、あれ?私」
店員「本当にお酒弱いみたいですね」
女「え、私、寝ちゃってたんですか。あれ、BさんとCさんは?」
店員「さっき帰りました。雪乃さんに謝ってましたよ」

女「ご迷惑かけてしまって、すみません」
店員「いいんですよ。よくあることです。気にしないで」
女「すみません・・・」
店員「今、お茶持ってきますから、ちょっと待っててください」

店員「はい、お茶です」
女「ありがとうございます。いただきます」
店員「あ、あの、昨日帰るときに、何か言いかけてましたよね?」
店員「ここに憧れていた、って」
女「あ、はい。そうなんです。私ここに憧れていたんです」
店員「そりゃまた、珍しいというか」

女「この間のジャパンカップの日なんです」
女「私、ひとりで競馬場に来てたんですけど、すごい人出だったじゃないですか」
店員「府中で大きいGIのときは、すごいですものね」
女「いつものとおり上の高架を使って府中本町まで行こうとしたんですけど、人が多すぎて、たまには下の道を使おうかな、って思いまして」
女「それでここの前を歩いてたんです」

女「私、地元は北海道なんですけど、去年就職で東京に来たんです」
女「コンピュータ関係の職場なんですけど、人付き合いが苦ってっていうか、職場の人たちはいい方ばかりなんですけど、なんか打ち解けられなくって」
女「こっちに知り合いもいないものですから、いつのまにか毎週競馬場に来るようになってたんです」
女「競馬は大好きなんですけど、競馬場でもやっぱりひとりで」

女「そんなときに、ここの、飲み屋街って言うんですか?、ここの人たちを見て、思ったんです」
店員「どんな風にですか?」
女「みんな笑ってるなぁ、って。どうしてかな、って」
店員「言われてみればそうですね。ここらで飲んでる人たちは、みんな笑ってます」
女「そうですよね。競馬帰りだから、みなさん馬券で勝った人たちばかりじゃないと思うんですよ」
女「勝った人も負けた人もいるはずなのに、みんな楽しそうにお酒を飲んでいたんです」

女「そのとき、気がついたんです。自分が最近、笑っていないって」
女「でもここの人たちは、みんな笑ってるって」
女「そしたら、すごくみなさんが羨ましくなってしまって、もしかしたら自分もここでなら笑えるんじゃないか、って」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/21(木) 18:49:48.41 ID:QZKbSoAO<>1992年と言えば弟の誕生日か…<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/21(木) 18:50:17.20 ID:eKTmWxoo<>てか、見てくれてる人がいた。うれしい。<> 1992年12月13日(5)<>sage<>2008/02/21(木) 18:53:47.36 ID:eKTmWxoo<>店員「それで、ここに憧れていた」
女「そうなんです。あれ以来、競馬場に来るたびにここの前を通っていたんですけど、どうしても勇気が出なくて」
女「先週から中山開催になったからお客さんも少なくて、これなら、って決心して、それで昨日ここに入ってみたんです」
店員「ウチはここらでも、お客さんの少ない店ですしね」
女「!!あ、いえ、そういう意味じゃなくって」
店員「冗談ですよ。ははっ」

女「あ、こんな遅くまですみません」
店員「いいんですよ。結構こういうことがあって、最後のお客さんとよくお話するんです」
女「本当にありがとうございました。私ばかりこんなお話、長々と」
店員「ここに来てるみなさんが笑っているのは、ここも競馬だからなんだと思いますよ」
女「え?」
店員「うまく説明できないですけど、みなさん競馬場で勝ったり負けたりしますよね」
店員「その後ここに来て、勝ったら大笑いですし、負けていたらしんみりとしないで、誰かと笑い飛ばすんです」
店員「何度かここに来れば、必ず知り合いが沢山できるんですよ」
店員「その人たちがお互いに勝っても負けても笑っているんです。ここはそういう所なんだと思います」
店員「みなさんにとっては、競馬場で競馬をやって、ここで飲んで騒いで帰る、って言うのが、ひとつの競馬なんじゃないでしょうか」
女「なんとなく、分かるような気がします」
店員「ほら、雪乃さん、昨日と今日で3人もお知り合いになったじゃないですか」
店員「ちょっと強引だったけど、ここはそういう所なんですよ」

女「・・・」(まずい、私、泣きそうになってる)
女「ありがとうございます。そろそろ私、帰りますね」
店員「気をつけてお帰りください。ありがとうございます」
女「店員さん、さっき3人知り合いになった、って言いましたけど、4人です」
女「店員さんともお知り合いです」
店員「あ、はは、そうですね。お知り合いです」
女「来週もまた来ますね」
店員「よろしくお願いします」

女(私もみんなと笑えるのかな)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/21(木) 18:58:24.05 ID:eKTmWxoo<>今日はここまでです。
絡み酒設定、面白そうなんで、続き書けたら入れてみるかもしれません。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/21(木) 19:43:26.75 ID:gT77LiE0<>知らぬ間に服屋と居酒屋が展開されていた。
いいのう……
wwktkせずにいられない。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/22(金) 00:28:56.35 ID:fYgP3IDO<>服屋の人って実話をもとにしてるんだよなぁ…
実話何割なんだろう?
話半分でもモテ過ぎだろwww<> 1992年12月19日(1)<><>2008/02/22(金) 10:13:38.13 ID:dFljWjMo<>女「こんにちは」
店員「いらっしゃ・・・、おかえりなさい」
女「え?おかえりなさい?」
店員「ここらの店ではですね、常連さんが店に来てくださったときは、おかえりなさいって言うんです」
店員「ほら、競馬場からおかえりなさい、なんですよ」
女「私、常連なんですか?」
店員「もちろんですよ。今日で3日連続じゃないですか。立派な常連です」
女「あ、あの」
店員「おかえりなさい、雪乃さん」
女「あ、えーと、えと。た、ただいま」
店員「え?」

客A「ははははは、ただいま、かー」
客B「新婚さんみたいだな」
女「え?え?あの、その」
店員「いや、あの、いらっしゃませの代わりですから、ただいまと返されましても」
女「あ、あ、そうなんですか。すみません」
客A「とか言って、二人とも顔赤くないかー?」
店員「Aさん、雪乃さんが困ってますよ」
女「・・・」

店員「ほらほら、冗談は終わりです。雪乃さん、今日は何にしますか?」
女「えっと、いつものライムサワーとトリ皮と」
女「他になにかお勧めってあります?」
店員「じゃあ今日は、鳥串ひととおりでどうです?苦手なのはあります?」
女「いえ大丈夫です。じゃあそれでお願いします」<> 1992年12月19日(2)<><>2008/02/22(金) 10:16:11.00 ID:dFljWjMo<>店員「はいおまちどうさまでした。いつものと、鳥アラカルト」
女「あ、ありがとうございます」

女「あ、そうだ、Bさん、日曜日はすみませんでした」
女「あとAさん、土曜日はご馳走様でした」
客B「いやいやいや、こっちこそごめんね。無理して飲ませちゃって」
客A「飲ませたのかよ。大丈夫だった?」
客B「店員が残ってくれたしな」
客A「ほーう、店員とふたりきり、かい」
女「あ、そうですけど、その、別に」
店員「Aさん」
客A「悪かった悪かった」
店員「Aさんだって、結構残って飲んでるじゃないですか。ふたりきりですよ」
客A「それとこれとは」
客B「なー」
女「・・・」
店員「ほら雪乃さんが黙ってしまった」
客A「ごめんごめん」

客B「でもほんとにごめんな、先週は」
女「い、いえ、今日は大丈夫です。先週は仕事で疲れてたんです」
女「今日はちゃんと飲めますから大丈夫です」
店員「無理しなくてもいいんですからね」
女「それに今日、勝ったんですよ。なので、もう一杯お願いします」<> 1992年12月19日(3)<><>2008/02/22(金) 10:19:40.01 ID:dFljWjMo<>
30分後

女「そーれーでーですねー。きょうのメイン、とったんですよー。しばたクロース」
客A「おう、やったじゃない。柴田柴田で決まったよな」
客B「角田がずっこけたもんなぁ」
女「しかもわたし、スカブーすきなんですー」
客B「スカブー?」
女「スカーレットブーケでーす」
店員「あの、雪乃さん、ちょっとろれつが」
女「だいじょーぶですよー。わたし、きょうはとったんですー」
女「なのでー、AさんとBさんにあつかんおねがいしまーす」

客B「はははっ、ご馳走になるよ、雪乃ちゃん」
客A「お、おうっ、いただくよ」
店員「はい、熱燗ですね」
女「じゃんじゃん、のんじゃってくださいー。わたしがかつなんて、めずらしいんですからー」

さらに30分後

女「それでですね。わたし、てんいんさんと、Aさんと、Bさんと、ここでのめてたのしくてたのしくて」
客A「うんうん、そうか。そうだよな。ここ、たのしいもんなー」
客B「うん、たのしいよな。オレらもゆきのちゃんとのめて、たのしいぞー」
女「あははっ、ほんとにたのしいんですよー、あははは」
客A「たのしいぞー」
客B「おーう、たのしいぞー」
店員「あの、雪乃さん?AさんもBさんもかなり、あの、酔ってます?」
客A「あーたりまえだー。ゆきのちゃんのさけだぞー」
客B「よっぱらわなくてどーするー」
女「あははは」<> 1992年12月19日(4)<><>2008/02/22(金) 10:23:46.45 ID:dFljWjMo<>客A「じゃあまたなー」
客B「ゆきのちゃーん、またなー」
女「Aさん、Bさん、おつかれさまー」

店員「大丈夫ですか?」
女「だいじょーぶですよー。きょうは、すごくだいじょーぶです」
店員「はいお茶です。すこし休んでから帰るといいですよ」

女「みなさん、やさしいですよね。こんなわたしに」
店員「そうですね。みなさんいい人たちなんですよ」
店員「それに嬉しいんでしょうね。雪乃さんみたいな若い方が輪に入ってくれて」
女「わたしやっぱり、ここでは、へんなそんざいなんですか?」
店員「・・・確かに珍しいお客さんですよ。でも、大切なお客さんです」
店員「AさんもBさんも、Cさんも、先週今週で、今まで以上に楽しそうに笑ってますよ」
店員「それは、雪乃さんがいるから、です」
店員「雪乃さんはもう、ここの常連です」

女「・・・」
女「・・・ちょっとだけ、みないでいてもらえます?」
店員「・・・はい、分かりました」
女「ぐすぐす、ぐす・・・うわあああぁぁぁん」
店員「・・・」

女「ぐす、ぐす・・・、ふぅ」
女「ごめんなさい」
店員「いいんですよ。それと、実は私も楽しいんです」
店員「私も、ほら、同世代の方が少ないから、雪乃さんが、来てくれるようになって、嬉しいんですよ」
女「ほんとですか?」
店員「本当ですよ」
女「そうですか・・・、私も店員さんとお話できて、楽しいです」
女「それと、もうこっち見ても大丈夫、です」

店員「大丈夫ですか?足元とか」
女「今日は本当にごめんなさい」
店員「謝ることなんかないですよ。明日、また来てください」
女「ありがとうございます。本当に。明日、また来ます」
店員「ああ、そうだ。雪乃さん、今日、すごく楽しそうに笑ってましたよ」
女「!!」
店員「また、明日」
女「はい」<> 1992年12月20日<><>2008/02/22(金) 10:30:24.62 ID:dFljWjMo<>女(ううー、入りにくいよー。昨日あんな醜態晒しちゃったし)
女(入りたいけど、どうしよう、どうしよう)
客C「あ、雪乃ちゃんじゃない。どうしたの。ほら入ろう」
女「え、あの、今日は、えっと」
客C「どうしたのさ。ほら」

店員「あ、おかえりなさい」
店員「Cさん、雪乃さんも一緒ですか」
客C「おう、そこで一緒になってね」
女「あ、あの、こんにちは。その、あの、昨日は」
店員「おかえりなさい、雪乃さん」

客A「おーCさん、雪乃ちゃんと一緒かよ」
客B「おかえり、雪乃ちゃん。昨日は楽しかったよ」
客C「え?Aさん、Bさん、昨日も雪乃ちゃんと飲んでたの」
客A「おうよ、羨ましいだろー」
客B「オレなんて、3回連続」
店員「ほら、回数競ってどうするんですか」

店員「雪乃さん、今日もいつもの、ですか?おでんも一緒にどうです?」
女「あ、はい、お願いします」

客A「雪乃ちゃん、今日どうだったのさ」
女「ヤマニンゼファーとダイタクヘリオスの1点でした。撃沈」
客B「そっかー、おれはとったぞ」
客C「店員さん、熱燗ねー。Bさんに乾杯だわ」
店員「はい、ちょっとお待ちください」

昨日は昨日、今日は今日。
毎週土日、同じ時間がここでは過ぎていくのでありました。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/22(金) 10:30:29.73 ID:Syl9UoAO<>いいなぁ……<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/22(金) 10:33:23.25 ID:dFljWjMo<>今日は休みなんで、一気に書きました。
常連誕生編はここまでです。
次回からは常連日常編となります。<> 1992年12月26日(1)<><>2008/02/22(金) 19:33:12.83 ID:Ih2AMsEo<>女「こんにちは」
店員「あ、おかえりなさい」
客C「やぁ、雪乃ちゃん」
客A「おかえりー」

店員「座ってください。いつものでいいです?おでんも」
女「はい、いつもの、お願いします」
店員「なんか、いつものに、おでんが追加されちゃいましたね」
女「寒いですから。暖かくなったら、わからないですけど」
店員「今日はどうでした?」
女「東のメインは取れました。1番人気ですけどね。結局全部だとマイナスです」
客A「マザートウショウか。あれの母親、エイティトウショウな、あれも強かったんだぞ」
女「優駿で読んだことあります。強かったみたいですね」
客C「雪乃ちゃん、優駿まで読んでるの?」
店員「ほんとうに競馬が好きなんですね。はい、いつもの、です」

客A「もう、明日で最後だね」
客C「そうだね。明日で今年も終わりか」
店員「明日は、ここも忘年会ですね」
女「え?ここ、忘年会やるんですか?」
店員「いえいえ、なぜか最後の日だけはここの常連さんがみなさん来てくださるんですよ」
客A「それで、なんとなく忘年会になっちゃうわけ」
客C「当然雪乃ちゃんも来るでしょ?」
女「え、えと、いいんですか?」
店員「当たり前です。是非来てください」
客A「店が明るくなっていいや」<> 1992年12月26日(2)<><>2008/02/22(金) 19:35:32.12 ID:Ih2AMsEo<>客C「あ、そうだ、Dさんも来るんでしょ、明日」
客D「ええ、来ると思います」
客A「Dさん、こちら雪乃ちゃんね。こないだからずっと来てくれてるんだ」
女「あ、Dさん、ですか。よろしくお願いします」
客D「Dです。よろしく」
店員「Dさんは馬券上手で有名なんですよ」
客D「いえ、そんな」
客A「なに謙遜してんの、西のメイン取ったくせに」
女「え?ナリタタイシン、取れたんですか。すごい」
客D「いや、まぐれですよ。あの馬、強いかもしれないですね・・・」

客D「それじゃ、僕はこれで」
店員「ありがとうございました」

女「Dさんって静かな方なんですね」
客A「そうだねぇ、だけどいい人だよ」
客C「絶対に人が嫌がるようなこと、言わないよな」
店員「よく来てくださるんですけど、物静かな方です」
女「なんか、馬券師って感じですね」
客A「どーせオレらは馬券おやじ、だしー」
女「い、いえそんな、そういう意味じゃ」
客C「Aさん、すねるなって」
客A「でも、競馬が楽しいからいいんだけどねー」
店員「そうです。楽しむのが一番です」
女「私も、負けてばかりですけど、競馬が楽しいです。特に最近は」
客C「じゃあ明日は最後のお楽しみだ」
客A「気合入れないとな」
女「はい、がんばります」<> 1992年12月27日(1)<><>2008/02/22(金) 19:39:40.32 ID:Ih2AMsEo<>女「こんにちは」
店員「おかえりなさい、どうでした?」
女「あはは、とれるわけないですよ、あんなの」
店員「ですね。私も買ってみたけど、ダメでした」
店員「さ、みなさんもう来てますよ。雪乃さんも座ってください」
女「はい」

客A「やぁ雪乃ちゃん、どうだった?」
客B「無理だったろ」
女「ええ、無理です、あんなの」
客C「オレらもだよ。当然取れない。ところがなぁ」
客A「Dさん、買ってたんだって」
女「えええっ?買ってたんですか?」
客D「前残りがあるかと思っただけですよ。トウカイテイオーも良くなかったですし」
店員「Dさんはほんとすごいですね」
客B「しかも馬連で1000円だってさ」
女「ええええええ、30万ですか。私万馬券なんて1回も取れたことありません」

客C「さささ、雪乃ちゃんも来てくれたし、忘年会開始だ」
客A「よっし、乾杯するぞ」
店員「すでに2回も乾杯してますけどね」
客B「いいの、これが本番の乾杯」
客A「ほら、最後だよ、店員も来な」
店員「はい、いま行きます」
客C「じゃぁ乾杯の音頭は、雪乃ちゃんだ」
女「え、ええ?私ですか」
店員「・・・雪乃さん、どうぞ」

女「えと、あの、Dさん、おめでとうございます」
女「それとあの、私まだ一月しかここに来てないのに、こんな良くしてもらって、ありがとうございます」
女「来年は、1年後は、ちゃんとした常連になりたいと思いますっ!!」
女「こんなので、いいですか?」
客B「完璧!」
客A「じゃあいくぞ!」

「「乾杯!!」」
<> 1992年12月27日(2)<><>2008/02/22(金) 19:42:31.49 ID:Ih2AMsEo<>
競馬談義中

客C「ミホノブルボン、惜しかったよなぁ。やっぱ距離だったかな」
女「3冠目の前でしたね。でも私、実はライスシャワーの方が好きなんです。今日もライスシャワーから買ってました」
客A「なんだか雪乃ちゃん、渋いよね」
客B「そうそう、普通トウカイテイオーって言いそうだけど」
女「なんか、ライスシャワーって、一生懸命な感じがするんです」

店員「気になってたんですけど雪乃さん、それ、カメラですよね」
女「はい、そうです。たまに馬を撮ってるんです」
客A「でも、今日は馬、走ってないよ?」
女「ええ、たまにはスタンドとか、撮ってみると面白いかなって、そう思って」
客C「なんか、ほんとに渋い趣味してるよね」
客B「オレらより渋くないか」
店員「ええ、渋いですね。というより、かっこいいですよ」

女「あの、その、今日カメラ持ってきたのは、もうひとつ目的があって」
女「みなさんの写真、撮らせてもらってもいいですか?」
客A「おおー、いいぞ」
客B「雪乃ちゃん、カメラマンだ」
客C「いい写真撮ってくれよ、オレの葬式の時使うわ」
女「じゃあみなさん、普通にしててください。そういうのがかっこいいと思うんです」
客B「あいよ、了解」
女「店員さんも普通にしててください」
店員「え?私も撮るんですか?」
女「そうです。ここのお店の普通がいいんです」
店員「はい、分かりました。普通にしてます」
女「それとあの、Dさんも、いいですか?」
客D「私はちょっと、苦手ですし」
女「そうですよね。ごめんなさい、無理言って」
客D「・・・顔が写らない、程度なら・・・」
女「あ、ありがとうございます。じゃぁ、手元のグラスとか撮らせて下さい。そういうの、かっこいいです」

パシャ、パシャ、パシャ
<> 1992年12月27日(3)<><>2008/02/22(金) 19:46:23.90 ID:Ih2AMsEo<>女「みなさんありがとうございます。年明けに写真持ってきます」
客A「おー、ありがとう」
客B「期待してるよ」
客C「ウチのに見せてやろう」

客D「・・・雪乃さん、まだフィルム残ってます?」
女「え?Dさん、写真撮るんですか?」
客D「昔、少しだけ。もしよければ、カメラ貸していただけますか」
女「え、ええ、もちろん」
客D「ありがとうございます。じゃあ、みなさん普通にしてていただけます?」
店員「意外ですね」
客C「へー、今度はDさんがカメラマンだ」
女「いざ撮られる側になると、結構緊張しますね」
客A「飲んでればいいんだよ。ほら、雪乃ちゃん、グラス空いてる」
女「あ、店員さん、おかわりお願いします、これ、グラス」
店員「はい」

パシャ

女「え?」
店員「え?」
客D「カメラありがとうございます。いいカメラですね」
女「あ、はい、どうも」
客B「Dさん、やるねぇ」
客D「雪乃さんだけ写ってないのも」
女「やっぱり今の、私を撮ったんですか?」
客D「すみません」
女「いえ、ありがとうございます。でも、なんかやっぱり恥ずかしいですね」

客A「雪乃ちゃん、まだフィルムあるの?」
女「えと、あと3枚くらい、なら」
客A「んじゃみんなで、記念写真撮ろう」
客B「いいねー、みんなでならDさんもいいだろ?」
客C「記念だからさ、撮ろうよ」
客D「・・・わかりました」
店員「じゃあ私が撮りますね」
客B「まったまった、ちょっとまってて」<> 1992年12月27日(4)<><>2008/02/22(金) 19:52:52.05 ID:Ih2AMsEo<>客B「ほら隣の店からつれて来たから、店員さんも並んで」
店員「すみません、隣さん」
隣の店員「いいですよ、ちょっとくらいなら。じゃあ撮りますね」
客A「ほら、みんな並んで。店員、雪乃ちゃん、真ん中」
店員「ちょっと、みなさんが中へ」
客C「いいのいいの」
女「え、ちょっと、あの」
隣の店員「ほら、いいですか、撮りますよー」

パシャ

客A「おっしゃ」
客B「出来上がり、たのしみだなー」
客C「雪乃ちゃん、いいのあったら焼き増し頼むね」
女「え、ええ、もちろんです」
客C「じゃあ飲みなおしだ」

客A「じゃあなー、来年もよろしく」
客B「よい年をね」
客C「またなー」
客D「では、また。よいお年を」

女「ふぅ」
店員「お疲れ様でした。みなさん、写真なんて滅多にないでしょうし、嬉しそうでしたね」
女「そうですか、それなら良かった」
店員「本当に、雪乃さんが来てから、ここが今まで以上に明るくなりました」
女「そんな」
店員「Dさんがあんな風に、自分から何かするところ、はじめて見ましたよ」
女「そうなんですか。でも、私、何か、ここを乱したりしてませんか」
店員「乱してなんかないですよ。ここを明るくしてくれています」
店員「だから、来年もまた、通ってください、ここに」
女「はい、来年もまた、よろしくお願いします」
店員「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
店員「・・・よいお年を」
女「・・・金杯の日、平日ですけど、ここって開いてるんですか?」
店員「ええ、開催日はやってます。来ていただけますか?」
女「もちろんです。職場休みですし、来ます」
店員「ありがとうございます。お待ちしています」
女「じゃあ私も帰ります。・・・よいお年を」
店員「はい、来年もよろしくお願いします」

女「・・・あの」
店員「どうしました?」
女「い、いえ、なんでもないです。来年もよろしくお願いします」

女(来年も、また)
<> 1993年1月7日<><>2008/02/23(土) 00:28:22.69 ID:ZXZWOvco<>女(写真、写真。ちゃんと写ってるかな)

バサバサ

女(へぇー、わりとまともに撮れてる)
女(暗かったから心配だったけど、やっぱり50mmf1.4、奮発して買ってよかった。競馬場では使い道無いけど)
女(あはっ、AさんもBさんも笑ってくれてる。いいなぁ)
女(お店の様子もばっちりだし、あ、これDさんの手元かな。これはこれで渋くていいな)
女(うーん、店員さんがこっち向いてくれてる写真がないなぁ)

パサパサ

女「え?こ、これ」
女(私と店員さんの、写真・・・)
女(あの時、Dさんが写した写真・・・)
女(私だけじゃなくて、店員さんもちゃんと入ってる。綺麗な、構図)
女「すごい・・・」
女(これって、Dさんって、カメラにすごく詳しいんじゃ)
女(もしかして、レンズのことも分かってて。Dさん・・・)

女(あ、最後は記念写真だ)
女(うわぁ、みんな笑ってくれてる。Dさんも、あ、店員さんも!・・・よかった)
女(あ、私も、笑ってる・・・)

女(すぐ焼き増ししに行こう、いつ仕上がるかな)<> 1993年1月16日(1)<><>2008/02/23(土) 00:35:51.75 ID:ZXZWOvco<>女「こんにちは」
店員「おかえりなさい」
客A「やぁ、雪乃ちゃん」
客B「おかえりー」
女「あ、よかった、みなさん揃ってる」
客C「相変わらずさ」
女「みなさん、お待たせしてしまってすみませんでした。写真、持って来ました」

客A「おー、待ってたよ」
客B「どれどれ」
女「みなさんが写ってる分、焼き増ししてきましたので、はいCさん」
客C「お、ありがと」
女「これがAさん、こっちがBさん」
女「で、これがDさんです」
女「そして、これが店員さん」
店員「私の分もあるんですか?なんか、恥ずかしいですね」
女「そして、これが全部の写真です。後でみなさんで回してください」

客A「いやー、やっぱり照れるな」
客B「なんかAさんと一緒の写真ばっかりだな」
客C「うわぁ、なんかウチのに見せたら怒られそうだ。酔っ払いだな」
客D「ありがとうございます。いい写真ですね」
店員「私、仕事しているときってこんな感じなんですね。ありがとうございます、雪乃さん。大切にします」
女「いえ、へたくそな写真でごめんなさい」

女「それと、あの、これ」

ガサゴソ

女「記念写真、引き伸ばしてきました。4切サイズで、あの、安物ですけど、一応フレームも」
女「ちょっとみなさんが小さめだったので、大きくしました」
客B「おおー、すごい」
客A「いいなー、これ」
客C「飾ろうよ、ここにさ」
店員「いいですね。本当にいい写真です。飾りましょう、ここに」
女「飾ってもらえるんですか?よかった」
店員「もちろんですよ。また店がにぎやかになりました。ありがとうございます」

客C「あれ、そういえば、雪乃ちゃんの写った写真、記念写真だけだね」
客B「Dさん、撮ってたよね」
客D「・・・だめ、でしたか」
女「あ、いえ、違うんです、違うんです」
店員「?」
女「あ、あの、その、これです・・・」<> 1993年1月16日(2)<><>2008/02/23(土) 00:39:26.78 ID:ZXZWOvco<>客A「どれどれ」
客B「おおお」
客C「これは、また」
客D「・・・」

女「Dさん、ありがとうございました。すごく、いい写真だと思います」
女「私が写ってるのが、すごく恥ずかしいですけど、でも、すごく嬉しい写真です」
客D「いいカメラでしたから、それと、いいレンズでしたし」
女「!!」(やっぱり、Dさん)
店員「Dさん、ありがとうございます」
女「あ、この写真、店員さんの分です」
店員「え、雪乃さんの分は?」
女「私のは、もう、持ってます。大丈夫です」

客A「記念写真もだけどさ、これも引き伸ばせばよかったのに」
客C「そうだよな」
女「そ、そそ、それは無理です。さすがに恥ずかしいです」
店員「私も、かなり照れくさいですよ。勘弁してください」
客B「んじゃさ、オレにも焼き増ししてくれない?この写真」
女「え?え?どうしてですか」
客B「いやさ、オレも雪乃ちゃんの写真、1枚くらい持っていたいしさ」
客A「いいねー、オレも欲しいな。店員が写ってる部分はどうでもいいけど」
客C「オレも欲しい。ウチのに見せてやりたいな。怒られるかな」

女「わ、わわ、分かりました。みなさんの分、焼き増ししてきます」
客D「・・・あの、できれば、私の分もお願いできますか?」
店員「Dさん」
女「分かりました、来週持ってきます。あんまり他の人に見せないでくださいね」

客C「そういや写真代は?」
客A「おお、そうだ、忘れてた」
女「いえ、いいんです。みなさんにはかなりお世話になってますし」
客B「そういうわけにもいかないだろ」
客D「店員さん、雪乃さんにおでんを、ひとつ」
店員「はい、分かりました。今日は雪乃さんのメニュー、全部半額です。雪乃さん、写真、ありがとうございます」
女「え?いいんですか?そんなつもりじゃ」
客A「分かってるよ、雪乃ちゃん。じゃ、オレは、串盛り合わせ3人分、みんなにな」
客B「熱燗みっつと、雪乃ちゃんはライムサワー、薄めだっけ?」
客C「出遅れた。店員さん、なんか適当に」
店員「はい」

客A「さあ、飲みなおすか」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/23(土) 02:01:12.34 ID:4i/zm2DO<>なんか、少しづつ雰囲気が出てきたなぁ
良い感じだなぁ
って言うか、競馬にカメラに深い知識を持っててびっくりだわ
趣味を生かした書き込み乙です<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/23(土) 09:37:53.91 ID:LD9QucAO<>Dさんがながもんに見えてきた<> 1993年2月6日(1)<><>2008/02/23(土) 16:37:48.54 ID:dmXW7cYo<>女「こんにちは」
店員「おかえりなさい」
女「あれ、今日は誰も来てないんですね」
店員「その内来ると思いますよ。雪乃さんはいつものでいいですか?」
女「はい、いつものでお願いします」
店員「じゃ、ちょっと待っててください」

女「結局、誰も来ませんでしたね」
店員「そうですね。でも結構あるんですよ、こんなこと」
女「ふぅ」
店員「どうしました、元気ないですね」
女「い、いえ、たいしたことじゃないんです」
店員「やっぱり常連さんがいないと寂しいですか」
女「それもあるんですけど、昨日仕事で失敗してしまって、多分それで私」
店員「私でよければ、聞きますよ」
女「・・・ありがとう。熱燗でいいです?飲みながら聞いてもらえれば」
店員「はい、ご馳走になります」

店員「そうですか、失敗したのも辛いけど、フォローしてもらえなかったのも辛かったんですね」
女「私、職場でうまくいっていないから、どうしてもこうなっちゃうんです」
店員「職場の方とうまくいくようには、できませんか?」
女「でも、私、そういうの不得意だし」
女「いいんです。私にはココがありますから。だから、大丈夫なんです」
店員「・・・」
<> 1993年2月6日(2)<><>2008/02/23(土) 16:41:49.98 ID:dmXW7cYo<>店員「・・・雪乃さん」
女「はい?」
店員「確かにこの店を特別に思ってくれている雪乃さんには感謝します」
店員「でも、それだけでいいんですか?職場でも笑っていたく、ありませんか?」
女「え?」
店員「以前に言ってましたよね、ここに入るのにすごく勇気が必要だったって」
女「え、はい」
店員「誰かと分かり合えるようになったり、どこかにいられるようになるためには、どうしても壁を乗り越える勇気が必要なんじゃないでしょうか」
女「でも、ここと、職場とでは、その」
店員「・・・すみません。職場のことも知らない私が、こんな無責任なことを言ってしまって申し訳ないと思います」
女「・・・」

店員「本当にすみません、なんか変な言い方になってしまいました」
女「いえ、そんな」
店員「あの、照れくさいですけど、正直に言います」
女「あ、は、はい」
店員「私はここで笑っている雪乃さんしか知らないんです」
店員「だから、常連のみなさんにとって、私にとって、雪乃さんは笑っている人なんです」
店員「ですけど、ここに来ることが出来るのは、週に2日だけです」
店員「残り5日が笑っていない雪乃さんだと思うと・・・」
女「・・・」
店員「私は、笑っている雪乃さんが、本当の雪乃さんであってほしいと思っています」
店員「すみません。こんな言い方、私の勝手な思い込みですね」
女「店員さん・・・私も、笑っている自分が本当の自分なのが、いいです」

女「私、決めてかかっていたのかもしれません。職場はうまくいかなくて当たり前だって」
女「そんなこと、決まっているはずないのに。ここにはじめた入った時の勇気を、思い出してみます」
女「今日はありがとうございます。愚痴まで聞いてもらってしまって」
店員「いえ、私こそ本当にすみません。私が勝手に思ったことなんです。いまさらではありますけど、あまり気にしないでください」

店員「・・・あの、最後に、いいですか」
女「はい」
店員「雪乃さんがその、職場でもうまくいくようになって、笑えるようになったとして、ですよ?」
店員「それでも、できれば、ここに通ってもらえますか?」
女「当たり前です。私はここの常連、なんですよね」
店員「はい、雪乃さんはここの常連です。安心しました」
女「安心、ですか?」
店員「え、あの、ほら、せっかく雪乃さんが来るようになってくれて、ここ明るくなったし、常連さんも楽しいそうですし」
店員「・・・その、私も、楽しいんです。ああ、酔っ払ってるのかな」
女「店員さん・・・」

そのころ隣の店では

客A「どんな話してんのかねー、ふたりで」
客B「たまには二人にしたら面白いって言ったの、Aさんだろ」
客C「店員も雪乃ちゃんも、オレらの子供みたいなもんだしな」
客D「なるようにしかなりませんよ。けど、うまくいくといいですね」<> 1993年2月14日(1)<><>2008/02/23(土) 19:24:49.03 ID:rNoDeNEo<>女「こんにちは」
店員「おかえりなさい」
客A「おかえり雪乃ちゃん」
客C「おかえりー」
女「あ、今日はみなさんお揃いですね。よかった」

店員「いつものでいいですか?」
女「はい、いつものでお願いします。どうしたんですかAさん?にこにこして」
客A「いやいや、今日、ちょっとみんなで賭けしてるんだ」
女「賭け事は競馬だけで十分じゃないですか。それで、何賭けてるんですか?」
客B「いや、後で教えるよ」
客C「それより座りなよ。まだ寒いだろ」
店員「はい雪乃さん、いつものです」
女「ありがとうございます。いただきます」

客C「で、どう思う」
客B「あの、袋の大きさは、やばいなぁ」
客A「オレ見た瞬間に勝ちを確信してるぞ」
女「どうしたんです、今日はなんか声が小さいですね」
客A「いやいやいや、今日も冷えるってね。寒いと声も、ね、ほら」
客C「ほら、声出してくぞ」
女「なんですか、それ。あ、それと・・・これ」

客A「!!」客B「!!」客C「!!」
女「バレンタインですから、これ、持ってきたんです」
客C「うっしゃ!」客A「うしっ!」客B「あああ」
女「どうしたんですか?甘いもの迷惑でした?」
店員「みなさん、いいかげんにした方がいいですよ」
女「え?」<> 1993年2月14日(2)<><>2008/02/23(土) 19:28:24.48 ID:rNoDeNEo<>女「それで、私が、バレンタインのチョコをみなさんに持ってくるかどうか、賭けていた、ということですか」
客A「ごめん、はしゃぎすぎた」
客B「悪かった」
客C「ごめんな」
女「あはは、みなさんらしいですね。気にしてません」

女「はいAさん、Bさん、Cさん」
客C「ありがとう」
女「これ、Dさん」
客D「私もですか。ありがとうございます」
女「それと、はい店員さんも」
店員「あ、ありがとうございます。いいんですか?」
女「当たり前じゃないですか。はい」
店員「どうも・・・って、みなさん、なに覗き込んでるんですか?」
客A「同じだよ」
客B「オレらのと一緒だ」
客C「あらら」
女「な、なな、なんですか。同じに、きき、き、決まってるじゃないですか」
店員「みなさん、いいかげんにしましょう」

女「ふぅ、それで誰が勝って、誰が負けたんですか?」
客A「オレと、Cさんの勝ち。あ、後、店員も、な」
店員「!!」
女「てて、店員さんまで!?」
店員「すみません!なんか、のせられてしまって」
女「今回はいいですけど、あんまり私を賭けの対象にしないでください」
店員「すみません」

女「あれ?Dさんは?」
客D「私、賭け事は競馬だけにしてるんです」
女「Dさんらしいですね。みなさんも少し見習ってください」
客C「かなわないなぁ」
女「結局負けたのはBさんですか。私がみなさんに持ってこないわけ、ないじゃないですか」
客A「いや、持ってこない方に賭けたんじゃないんだよ、Bさんは」<> 1993年2月14日(3)<><>2008/02/23(土) 19:32:47.79 ID:rNoDeNEo<>女「え?」
客B「店員だけに持ってきて、それでオレらがいるから渡しにくくて、オレらが帰った後に渡す」
女「な、ななな、なんですか、それ!!」
客A「まぁ、雪乃ちゃんの持ってきた袋の大きさで勝ちは見えたけどな」
客B「オレの読みが甘かったか」
女「いいかげんにしてください」
客C「ごめんごめん。ほらBさん」
客B「ほら、3人の分、3000円」
客A「店員、それじゃこれで、適当に見繕って」
店員「はい、用意します」
客C「結局、身内で賭けても、こうなるんだよな」

客D「私も、これを」
店員「どうしたんですか?1000円」
客D「私も読み間違えてました」
女「Dさんまで」
客D「冗談です。これで私も仲間に入れてください」
客B「さすがはDさんだ。店員、4000円分、適当にな。もちろん店員も食えよー」
店員「ありがとうございます」

客B「じゃあ、乾杯いくぞ」
客A「今日は何によ?」
客C「決まってるだろ。雪乃ちゃん、ありがとう!!」

「「かんぱーい」」
<> 1993年2月14日(4)<><>2008/02/23(土) 19:36:15.97 ID:rNoDeNEo<>
競馬談義中

客C「しかし富男も突然穴あけてくれるから、やりにくいよな」
客A「13番人気だったんだって?」
女「私、ユメノトビラ買ってました」
客B「なんで?」
女「名前が素敵だな、って」
客B「雪乃ちゃん、馬券当てる気あるの?」
女「どうしても、名前とか血統とかから買っちゃう癖があるみたいで」

客D「Aさん、ちょっといいですか?」
客A「おう、どうした、Dさん」
客D「雪乃さんのあの紙袋、まだ何か入ってますよ、あれ」
客A「・・・ああ、そういうこと、か。わかった。Dさん、Cさんに声かけといて」
客D「了解です」
客A「Bさん、ちょっと」
客B「ん、どうした?」

客B「店員、勘定頼むわ。オレ今日は帰らんと」
店員「早いですね。ちょっと待っててください」
客A「すまん、オレもだ。なんか酔っ払っちまった」
女「大丈夫ですか?Aさん」
客A「ああ、大丈夫、年をとると酒に弱くなっていかんな」
客C「オレも、今日、娘来てるんだわ。あがるよ」
客D「じゃあ、私もあがります」
店員「ありがとうございました。また来週」
女「お疲れ様でした」

客A「雪乃ちゃん、今日は本当にありがとな」
客B「味わって食べるよ」
客C「ウチのに見せ付けてやる」
客D「それじゃ」<> 1993年2月14日(5)<><>2008/02/23(土) 19:41:33.21 ID:rNoDeNEo<>女「今日はみなさん早かったですね」
店員「そうですね。でも、みなさん喜んでましたよ」
女「喜んでもらえたなら、なによりです」
店員「私も、久しぶりにこんなの貰いました。ありがとうございます」
女「ほんとうですか?結構貰ってるんじゃ」
店員「ほんとですよ。くれる相手なんかいません」
女「・・・そうなんですか。私も、渡す相手が、その、いなかったんです」
店員「あの、お付き合いしてる方とか、いないんですか?」
女「いるわけないじゃないですか。毎週土日、ここに来て、そんなの分かってるはずです」
店員「はい、分かってはいましたが、ちょっと確認してみました」
女「店員さん、意地悪いですよ。私もちょっと確認させてください」
女「店員さんは、付き合っているヒト、いるんですか?」
店員「はい、いません。言い切ります」
女「そうですか」

女「じゃぁ」
ガサゴソ
女「これ・・・」

店員「これ、バンダナですよね」
女「はい、店員さんの今してるの、もう大分古そうだったから」
店員「ありがとうございます」
店員「・・・ちょっと待っててください」

店員「してみました、どうです?」
女「こんなの買ったのはじめてでしたから、私、よくわからなくって」
女「でも、よかった。バンダナしてくれて。よく似合ってます。かなり贔屓目かもしれないけど」
店員「ありがとうございます。来週から早速、使わせてもらいます」
女「はい、受け取っていただけて、嬉しいです」

店員「今日は本当にありがとうございました」
女「ごちそうさまでした。また、来週ですね」
店員「ええ、また来週」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/23(土) 21:11:12.20 ID:G.LKKs.o<>Dさんとフラグ立つかと思ったら違ったorz
でもこのオッサン達いいなぁーwwwwwwこんな飲み屋いいよなーwwwwww<> 1993年2月27日(1)<><>2008/02/24(日) 00:16:17.87 ID:GldWLp.o<>女「こんにちはー」
店員「おかえりなさい。今日は早いですね、まだメイン前なのに」
女「ええ、ちょっといいことあって」
店員「どうしました?」
女「珍しく、大きいの取れたんですよ」
店員「それは良かった」
店員「お話は飲んでから、ほら、座ってください。いつもの、ですね?」
女「ええ、いつもので。でも今日は沢山いきますよ」
店員「ありがとうございます。少々お待ちください」

客A「やぁ雪乃ちゃん」
客B「よう」
客C「おかえりー」
女「あ、みなさんも今日は早いんですね」
客B「どうだった?」
女「今日はご機嫌です。久しぶりに奢らせてください」
客A「おー、豪気だねー」
客C「これ飲み終わったら、遠慮なくいただくよ」

店員「はい、お待たせしました」
女「ありがとうございます。みなさん、乾杯してもいいです?」
客B「おおお、珍しいね、雪乃ちゃんから言い出すのは」
女「たまにはテンション高いときもあります」
客D「せっかくですから。乾杯しましょう」
客A「おう」
客B「で、何に乾杯するの?雪乃ちゃん」
女「え、えと、あの、その、たまに馬券を取った私に、ではまずいですか?」
店員「いいんじゃないですか、たまになんですから」
女「あんまり、たまに、たまに、って言われるとちょっとひっかかりますけど」
客C「気にしなさんな。ほらいくよー」

「「乾杯!!」」
<> 1993年2月27日(2)<><>2008/02/24(日) 00:23:13.86 ID:GldWLp.o<>女「みなさんに、熱燗、えっと4本ですか、お願いします。私もライムサワーおかわりで」
店員「はい、わかりました」
客A「いやー、雪乃ちゃん、今日はほんとにご機嫌だね」
女「ええ、こんなに気分いいの、久しぶりです」

女「・・・あの、今、気づいたんですけど、みなさん、なにかおかしくありません?」
客B「ん?なにが?」
女「なんというかこう、にこにこ、というか、にやにや」
客C「そうかなぁ」
店員「ぷっ」
女「店員さんっ!?」
店員「い、いや、なんでもありません」

客A「雪乃ちゃん、今日馬券取ったんだよね」
女「え、ええ」
客B「いつもなら、どのレースで、どの馬でって、すぐに言うはずなのに、今日は言ってないよね、まだ」
女「え、あ、そういえば、あの、まだでした」
客C「当ててみせようか?」
女「え?え?」
客B「中山9R、クロッカスステークス、4歳オープン」
女「!!!」
客D「多分、雪乃さんの買い目は、いつもの馬券から想像して、単勝8番を1000円」
客A「配当は3万4千円か」

女「・・・はい、そうです。金額まで、ぴたりです」

客B「さすがはDさん。よく見てるわ」
女「だって、だって、私の名前で、しかも美人だなんて」
女「買って嬉しかったし、勝って嬉しかったし、でも、恥ずかしくて言えないじゃないですか」
女「うーーーー、恥ずかしい」

客A「雪乃ちゃん、これなーんだ?」
女「え?それ、私と同じ馬券」
客B「はい、オレもまったく同じ馬券」
客C「Bさんと同じく、単勝8番1000円」
女「えー?みなさん買ってたんですか?」
客D「私はビコーアルファー本命でしたので、外しました」
客B「Dさんは、相変わらず、ちゃんと馬券買うんだねぇ」<> 1993年2月27日(3)<><>2008/02/24(日) 00:27:23.42 ID:GldWLp.o<>客D「でもなぜか、私も同じ馬券を持っています。ほら」
女「Dさん、まで・・・」
客D「応援馬券なんて、久しぶりです」
客D「気持ちがいいものですね。昔を思い出しました」
客A「いつになくDさんが語るねぇ」
客D「あ、いや」
女「みなさん・・・」

店員「あの、実は私も、持ってます」
女「店員さん」
客C「なにをいまさら、店員さんなら持ってて当然だろ」
客A「全然驚かないんだけど」

女「最初から、みなさん分かってたんですね」
客B「いや、みんなで示し合わせたわけじゃないんだよ」
客A「そうそう、店に来たとき、Bさん、Cさんが買ってるのは聞いたんだけど、Dさんと店員が買ってるのは知らなかったし」
店員「私は自信がありましたよ、みなさん買ってるって。さすがにDさんが買ってるかどうかは自信なかったですけど」
女「うー」

店員「雪乃さん、多分まだ馬券、換金してないですよね?」
女「ええ、明日コピーしてから換金しようか、って」
店員「今、換金してきますよ。もちろんコピーもとってきます」
店員「みなさんも馬券、預けてもらえます?」
客A「おう、頼むよ」
客B「はい、悪いね」
客C「のむなよー」
客D「お願いします」
女「えと、はい、それじゃ」

店員「じゃぁ、ちょっと待っててください。すぐ戻りますから」<> 1993年2月27日(4)<><>2008/02/24(日) 00:32:18.29 ID:GldWLp.o<>店員「お待たせしました」
店員「みなさんの分の払い戻しと、馬券のコピーです。間違ってたら言ってください」
客A「おー、ありがとう」

店員「それとですね、実はコピーは2枚づつとってきたんです」
女「え?」
店員「この応援馬券6枚、そこの、この間、雪乃さんが持ってきてくれた記念写真と一緒に、飾りましょう」
客B「いいねー、いい考えだ」
客C「いいぞ、いいぞ」
客D「いい記念になりますね」
女「いいんですか?」
客A「ここの常連が、みんな同じ馬券を買ったのなんて、こりゃはじめてだよ。ほんとに、いい記念だ」
店員「じゃあ、飾りますよ」
女「みなさん・・・」

客B「というわけで、最初は雪乃ちゃんの奢りだったわけだけど、実のところ今日は全員が勝っていたわけだ」
女「みなさん、意地悪ですよ」
客C「お詫びにここからは、店員さん、なんでもいいから、じゃんじゃん持って来い!!」
客A「今日は飲むぞー」
店員「じゃあ、まずは乾杯からですね」
客C「ほら、恥ずかしがらずに。雪乃ちゃん」
女「・・・わかりました。じゃぁ、いきます」

全員「「ユキノビジンに」」

「「乾杯!!」」

1993年2月27日中山9Rクロッカスステークス(4歳オープン)芝1600m

この日、地方、岩手からの移籍後、中央初参戦した一頭の牝馬がいた。
綺麗な栗毛と、丁寧に編みこまれた美しいたてがみ。
10頭中、9番人気であったにも関わらず、その馬は、このレースを見事に勝利する。
この後、その馬は、1993年の牝馬クラシック路線を賑わせる、歴史に名を残すサラブレッドの一頭となる。

単勝8番、配当3430円、鞍上は安田富男。
馬名、ユキノビジン

その日、その馬の前途を祝うがごとく、府中の片隅に歓喜の声が鳴り響いた。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/24(日) 00:34:06.91 ID:egkyHUAO<>これって…実話か?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/24(日) 00:39:51.86 ID:GldWLp.o<>実話ではないですよ。
だけど、ディテールはかなり詳細なところまで、事実を拾ってきています。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/24(日) 00:47:45.78 ID:GldWLp.o<>というわけで、常連日常編、これで完了です。
次からは最終章、常連発動編なんですけど、ラストは決まっていますが、内容がまだ、ちょっと考えています。
競馬の話とかは簡単なんですけど、男女の機微は難しいものです。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/24(日) 01:24:06.06 ID:o6Ctx6DO<>かなりwwktk<> 1993年3月6日(1)<><>2008/02/24(日) 18:03:53.55 ID:p0uxARMo<>女「こんにちは・・・」
店員「おかえりなさい。今日は随分早いですね。まだメイン前なのに」
女「ええ、ちょっと・・・、あ、いつもの、お願いします」
店員「・・・はい、お待ちください」

客A「やぁ雪乃ちゃん。早いね」
女「Aさんこそ」
客A「いやぁ、もうメインまで買い終わったからさ」
女「そうなんですか・・・」
客A「どうした?なんか元気ないぞ」
女「・・・ええ」
店員「お待たせしました。いつものです」
女「ありがとうございます。いただきます」
店員「雪乃さん、どうしました?今日は、本当に元気ないですよ?」
客A「馬券外したか?」
店員「体調でも悪いんですか?」
女「いえ、そうじゃなくて、あの・・・」

客A「話、聞かせてよ。どうしたのさ」
店員「・・・」
女「・・・私、転勤することになりました」
店員「!!」
客A「え!?いつさ?どこへ?」
女「4月からです。行き先は北海道支社」
客A「北海道!?」
店員「・・・」
女「私のいる会社が今度、北海道支社を立ち上げることになりまして、それで北海道出身の人たちが、かなり移動になるんです」
女「私も、北海道組ですし」
店員「・・・ずっと、北海道なんですか?」
女「分かりません・・・、でも多分、余程のことがないと、こっちには戻れないと、思います」
女「うわさでは聞いていたんですけど、まさかこんなに早く決まるなんて思ってなかった」
店員「・・・」
客A「その、転勤さ、断るわけにはいかないの?」
女「・・・無理です。私みたいな2年目に。ひとりですし」
女「一緒に行くチーフなんて、この間、お子さんが生まれて、こっちにマンションを買ったばかりで、それでも行くんです」
客A「そうか、会社員だもんな」
女「断ることって、辞めるのと一緒みたいなものです。昨日、辞令出ちゃいました」
店員「・・・もう、決まってしまった、ことなんですね」<> 1993年3月6日(2)<><>2008/02/24(日) 18:06:35.11 ID:p0uxARMo<>客B「うーす」
客D「こんにちは」
店員「あ、おかえりなさい」
客D「どうしたんです?」
客B「ん?なにがだ、Dさん」
客D「いえ、なにか、深刻そうな感じで」

客A「・・・あのさ、雪乃ちゃん、4月に転勤なんだって、さ」
客B「ええっ!?」
客D「!!」
客B「え、え?どういうこと?」
女「4月から北海道に行くことになりました」
客D「・・・そうですか」

客C「きたよー」
店員「おかりなさい・・・」
客C「ん、どうしたの?みんな立ち上がっちゃって」
客A「あー、分かった。オレが説明するから、Cさんはそこ座って」

客B「じゃぁ、雪乃ちゃんがココに来れるのも、今月一杯なんだ」
女「そういうことになります」
女「あと、全部で、7回です」
客C「残念だ。ほんとに残念だ」
客D「残念、です」
女「ありがとうございます。みなさんには本当に良くしてもらって・・・」
客A「でも、ほらさ、今日で最後ってわけじゃないんだし」
客B「そうだよ。ほら後7回も来れるんだろ」
客C「オレ、なるだけ来るようにするから」

女「すみません、今日は帰ります」
女「暗い話しちゃってごめんなさい。私、明日からの残り、楽しみます」
店員「雪乃さん・・・」
女「ほんとうにごめんなさい、店員さん。ここを暗い場にしちゃって」
店員「・・・また、明日、来ていただけますか?」
女「ええ、もちろん。大切な一月にしなきゃならないですから」
店員「・・・はい」

女「あの、店員さん?」
店員「はい、どうしました?」
女「あ、あの・・・、いえ、なんでもありません。じゃあ、また明日」
店員「・・・ありがとうございました。また、明日」<> 1993年3月27日(1)<><>2008/02/24(日) 18:44:24.30 ID:p0uxARMo<>女「こんにちはー」
店員「おかえりなさい」
客A「おー、来たな。雪乃ちゃん」
客B「おかえりー」
女「あ、店員さん。いつもので、お願いします」
店員「はい、いつものですね」

客C「今日はどうだった?」
女「またもやダメでした。サンドピープルが軸でした」
客A「そっかー」
店員「はい、お待たせしました」
女「ありがとうございます。いただきます」

客B「雪乃ちゃんと、こうして飲むのも、今日と、明日だけかぁ」
客D「Bさん・・・」
女「気を使わないでください。とりあえず乾杯しませんか?」
客A「いやー、今月何回乾杯したかなぁ」
店員「ほんとうに、毎回、最低でも3回以上は乾杯でしたね」
客C「アル中になるなよ、雪乃ちゃん」
女「あはは、すでにそうかもしれません」
客B「結構飲めるようになったよね?」
店員「最初はあんなに弱かったのに」
女「そうですか?あんまり意識してませんでした」
客A「ささ、本日1回目、やるぞー」

「「かんぱーい!」」

客B「明日はなに買うの?Dさん」
客D「まだ決めてませんけど、ラガーチャンピオンとかが面白いかな、と思ってます」
客C「聞いたか?またDさんの穴だ。みんな印付けとけよ」
客A「おうよ。雪乃ちゃんは?」
女「ナカミアンデス、かな」
店員「それもまた、穴ですね」
客B「でもなー、雪乃ちゃんの穴は根拠がなぁ」
女「そうです。名前が面白いだけですから。ほら、中身が餡です」
客C「たいやき、みたいだね」
女「でしょ、そこがいいんです」<> 1993年3月27日(2)<><>2008/02/24(日) 18:50:02.24 ID:p0uxARMo<>
競馬談義中

女「あはは、たのしかったですー、ほんと、たのしかったですー」
客A「4ヶ月ってとこか、オレも楽しかった」
客B「店が明るくってなぁ」
客C「雪乃ちゃん、オレらの娘みたいなもんだからなー」
客D「・・・」
女「Dさーん、しゃしん、ありがとうございました。あれ、すっごくたいせつにしてるんですよー」
客D「よかった。喜んでもらえて、私も嬉しいですよ」
女「てーいんさんもー、いっつも、おいしいとりかわ、ほんとに、おいしかったですよー」
店員「・・・雪乃さん。ありがとうございます・・・」
女「Aさんも、Bさんも、Cさんもー。たっくさん、ごちそーになっちゃって、ありがとーございました」
客A「お、おう・・・」
客B「Aさん・・・、明るく、さ」
客C「・・・」
女「ほらっ、かんぱいしましょー、もう、なんかいも、できないんですから、かんぱい」

客B「そうだな、ほら、乾杯するか」
店員「・・・待っててください。今、持ってきます」
女「てんいんさん、ほら、はやくー」
客A「店員、一緒に乾杯しよう」
店員「・・・ええ、そうですね」
客C「ほら、やるぞ。明日の勝利に、だ」

「「かんぱい!!」」

店員「雪乃さん、大丈夫ですか?」
女「だいじょうぶ、ですよ。うん、だいじょうぶ、です」
店員「あんまり無理して飲んだらだめですよ」
女「てんいんさん、さいごまで、やさしい、ですね」
店員「雪乃さん・・・」

女「・・・てんいんさん?」
店員「どうしました?」
女「・・・わたし、いきたくない」
店員「雪乃さん、そんなこと」
女「いきたくない!」
女「ほっかいどう、いきたくない。いきたくない」
客A「!!」客B「!!」客C「!!」客D「・・・」

女「ね?てんいんさん。いくな、っていってください」
女「おねがいです。行くなって」
女「行かないでくれって、言ってください!!店員さん。お願いだから」
女「私、店員さんが、店員さんのことが・・・」
<> 1993年3月27日(3)<><>2008/02/24(日) 23:16:36.03 ID:iK8soB6o<>店員「・・・雪乃さん」
女「っ・・・」
店員「なに・・・、言ってるんですか、雪乃さん」
店員「ほら、飲みすぎですよ」
店員「前に、言ったじゃないですか。ここでだけじゃなく、職場の人たちとも、仲良くやっていくんだ、って」
女「店員、さん?」
店員「ここは・・・、ここは、毎週土日の夢みたいなところなんです」
店員「現実があって、夢があるんです。現実を壊して、夢を見ても、いいことなんかありません」
女「店員さん・・・それが、答え、なんですか?」
店員「・・・それと、私は、ここを、この店を守るのが精一杯の、小さな人間なんです」
店員「雪乃さんのお気持ち、ありがとうございます。嬉しいです。ですけど・・・すみません」

女「・・・わかりました」
女「ごめんなさい。今日は、帰ります。明日、来ますから。最後の日だから、来ますから」
女「これ、お勘定です。じゃぁ」
店員「・・・」


客A「Bさん、Dさん、あっち。頼むわ」
客D「わかりました」
客B「Aさん、Cさん、店員な。締め上げとけ」
客C「まかしといてくれ、今回ばかりは厳しくいくわ」
客D「頼みます」


女「店員、さん、店員さん。どうして、どうして・・・、私、なんてことを」
女「わあああぁぁぁぁん」

隣の店員「ちょっと、店の前で、どうしたんですか?」
客B「隣の、ちょっとごめんな」
隣の店員「え?あ、Bさん」
客D「すぐ、すみますから」
客B「わりい、外のテーブル借りるよ。それと、熱燗ふたつと熱いお茶だ。それなら客だろ」
客D「無理言ってすみません。それとティッシュ、箱で」
隣の店員「うーん、わかりましたよ」<> 1993年3月27日(4)<><>2008/02/24(日) 23:20:10.13 ID:iK8soB6o<>客B「雪乃ちゃん?大丈夫」
女「ごめんなさい。ごめんなさい」
客B「ほら、お茶飲みな」
女「・・・すみません」
客B「辛かったよな。楽しかったのかもしれないけど、その分、苦しかったんだよな」
女「・・・はい」
客B「お酒、強くなんか、なってないよな。楽しいって、思わなきゃならなくて、それで、飲んでたんだよな」
女「はい」

客B「店員な、ここらの店にしちゃ、若いだろ」
女「え、たしかに、そうかもしれません」
客B「あの店は、2代目なんだよ。先代は、店員の母親がやっていたんだ」
女「え?お母さん?・・・じゃあ、なぜ店員さんが・・・」
客B「4年前、だったかな、亡くなったんだ」
客B「父親を早くに亡くしていたから、店員、小さい頃から、あの店でうろちょろばかりでなぁ。オレらの子供みたいなもんだ」
客B「店員が大学出て、就職して、先代はそれをすごく喜んでた。その矢先だったよ。気が抜けたのかな」
女「・・・」

客B「それで、店員さ。店を継ぐって言い出して。職場も無理だから、辞めてさ」
客B「あの店、土日しかやってないだろ?当然それだけじゃ食ってけるわけ、ないんだよ」
客B「先代も平日はパートで、土日はあの店でって、店員と二人で生きてたんだ」
客B「店員もさ、平日は警備員のバイトやってるよ。そうやって、あの店を続けてるんだ」

女「そうだったんですか」
客B「ここからはオレの想像だけど、多分合ってる自信はある。店員とも付き合い、長いからな」
客B「もし雪乃ちゃんを引き止めて、雪乃ちゃんが今の職場を辞めちゃったら、生活、困るだろ?」
客B「かといって、遠距離恋愛っていうんだっけ?若い連中は。そうしようとしたって、休めない体だ、雪乃ちゃんに寂しい思いをさせる」
客B「そして店員が北海道に行こうにも、あの店を閉めるわけにもいかない。母親の形見みたいなもんだからな」
女「・・・」
客B「ま、そんなところだ。理屈っぽくて、店員らしい」
客B「それともうひとつ。店員、今の店を守るって意識が強いからさ、それと照らしあわてるのかな、雪乃ちゃんが一時の感情で今の職場を辞めるってのが、納得いかないんだよ」
客B「ま、そんなところだな」

客B「だけどな。オレらは、納得しないよ」
女「え?」
客B「それが今ここで、オレとDさんがここにいて、雪乃ちゃんと話してる理由だ。どんな理由であれ、善意であれ、理屈だって」
客B「雪乃ちゃんを泣き顔だけは、見たくないんだ」
<> 1993年3月27日(5)<><>2008/02/24(日) 23:21:44.51 ID:iK8soB6o<>客A「おい、店員」
店員「はい」
客C「わかってるんだろうな」
店員「・・・はい」

客C「確かに店員さんの言ってることは、その通りだよ。いかにも店員さんらしい考え方だ」
客C「雪乃ちゃんだって、北海道へ行って、幾らか泣けば、ふっきって普通の生活に戻れるだろうな」
客A「ここでオレらみたいな年寄りと、あんなに仲良くやれる娘だ。ちょっと勇気出せばどこでも明るくやってけるさ」
客A「だけどな。店員。おまえさん、オレらの雪乃ちゃん、泣かせたんだぞ」
店員「はい。そうです。その通りです」
店員「みなさんのお怒りはもっともです。私がもっとしっかりしてれば・・・」

客C「そうじゃねぇ!!」
客C「いい加減にしろ!そうやって取り繕うんじゃない。理屈だけか?悪いのは自分だけで十分です、か?」
店員「・・・じゃあ、どうしろっていうんですか!?」
店員「私には、この店も、雪乃さんも、選ぶことができない!!」
店員「だったら!雪乃さんはいいヒトです。ここにこれなくたって、必ず幸せになれます」
店員「そうして、私はここの店を守れば、それでいいじゃないですか。それじゃまずいんですか!?」

客A「久しぶりだな」
客C「ああ、久しぶりだ。店員が、そんな大声あげるの。なんか、懐かしいよ」
店員「Cさん・・・」
客A「おまえさん、店継いでから、頑張りすぎだよ。たまには昔の、やかましかった昔に戻れよ」
店員「Aさん・・・」
客C「それとな、店員さんの理屈には、気がついてるだろ?大きな穴があるぞ」
客C「店員さんの心は、どうなんだよ、痛まないのか?」

店員「・・・痛いです。こんなに痛いのは、母さんがいなくなったとき、以来です」
客C「そうか。痛いか。そうだろうな」
客A「なぁ店員、この店、大切か?」
店員「それは、それは当然です」
客A「店を継ぐって、なんだ?のれんを降ろさないことか?」
店員「それは・・・」
客A「先代が言ってたよ。この店では、自分が笑ってる、みんなが笑ってるってな。だからみんなも自分も笑えるんだって」
店員「!!」
客C「なぁ、店員さん。雪乃ちゃんがいなくなって、笑えるか?作り笑いじゃないぞ?笑えるか?」
客C「店を継ぐっていうのは、ただ店を開けることじゃない。思いを継ぐってことだ」
客A「この店の、ここらの店の、売りは何だ?みんなが笑う店だろうが、誰かが泣く店じゃない。笑えない店員がいる店で、みんなが笑えるか?」

客A「それとだな、気がついてるんだぞ。オレら、全員だ」
客A「おまえさんのバンダナってんだっけ?それ」
店員「気づいて、たんですか・・・」
客C「当たり前だろ」
<> 1993年3月27日(6)<><>2008/02/24(日) 23:25:33.69 ID:iK8soB6o<>客D「雪乃さん、2月14日、店員さんにバンダナ、渡しましたよね」
女「え?どうして、それ」
客D「みなさん、気づいてますよ。あの古いバンダナ、先代が店員さんに買ってあげたものなんです」
客D「店員さんが学生の頃でしたか、あんまり店を手伝う手伝うって、ね」
客D「それならって、先代が。嬉しそうでした。先代も、店員さんも」
客D「それ以来、ずっと。あのバンダナは、あの店と一緒に、店員さんにとって、数少ない母親の残してくれたものだったんです」
女「そんな、私、そんなこと知らなくて」

客D「雪乃さんのバンダナをしている店員さんを見て、驚きましたよ。同時に嬉しかった」
客D「やっと、店員さんが、私の息子みたいな存在が、雪乃さんを、私の娘みたいな方を受け入れたんだ、って」
客D「自分の母親と同じくらい、それ以上に大切なヒトを」
客B「Dさん?どうしたの、らしくなく、話多いぞ」
客D「今、いいコトを言っているところです。黙っていてください」
客B「ああ、はい、わかりました」
客D「雪乃さん、あなたは、店員さんにとって、そういう存在なんです」
客D「先代、店員さんの母親と同じか、それ以上の。店員さんにとって」

女「Dさん・・・私」
客D「ほら、あの店はまだ閉まっていませんよ。明日じゃだめです。今行かないと、だめですよ」
女「はい、もう一度行ってきます。Bさん、Dさんありがとうございます!」
客D「行きなさい、雪乃さん」
女「はいっ!!」

客D「Bさん、急いでお勘定お願いします。私は、見届けてきます」
客B「ずるいぞ。ちょっとまて、オレも行く」
隣の店員「あ、お勘定、ちょっとー」
客B/D「そんなもの、後でだ」


客A「ったく、オレらがどれくらい、店員のこと見てたと思ってるんだ?」
客A「母親のバンダナを外して、雪乃ちゃんのバンダナつけたんだろ、それが正直な心なんだろ?」
客A「いいか、嘘つくなよ。絶対に。店員、雪乃ちゃんの事、どう思ってる」
店員「・・・好きです。そうです、好きです」
客C「それは、雪乃ちゃんの転勤とか、自分の事情とか、そういうもので、消せるものなのか?」
店員「消せません。消せるわけ、ないじゃないですか」
客C「じゃあ。分かってるだろ。BさんとDさんが雪乃ちゃんの面倒みてる」
客A「ほら、行ってこい」
店員「はいっ、行ってきます!!」
<> 1993年3月27日(7)<><>2008/02/24(日) 23:27:23.28 ID:iK8soB6o<>
女「あっ!!店員さん」
店員「っ!!雪乃、さん」

女「店員さん。店員さん。あの、私、私、店員さんが、店員さんのことが・・・」
店員「雪乃さん。私から言わせてください。私が言わなきゃいけないんです」
女「店員さん・・・」

店員「さっきはごめんなさい。雪乃さん、好きです。私は雪乃さんが、好きなんです」
女「・・・店員さんっ」
店員「仕事とか、お店とか、勝手なことばかり、すみませんでした。今はそんなことはどうでもいい。好きです」
女「私も、私も、店員さんのことが」
女「大好きです」
店員「雪乃さん・・・」
女「大好きです。店員さん」
<> 1993年3月27日(8)<><>2008/02/24(日) 23:29:58.28 ID:iK8soB6o<>客A「ふぅ」
客B「よう、Aさん、Cさん。言ってやってくれたかい?」
客C「おうよ。Bさんはいいやな、雪乃ちゃんと話できて」
客B「それがな、美味しいところDさんに持ってかれた」
客D「すみません」
客A「さすがはDさんだ」
客D「でも、いまさら言えたものでもないですが、無責任に炊きつけちゃって、よかったんですかね」
客B「いいんじゃないの。まずは、本当のコトを言うことからだよ」
客C「後はなるように、なる、ってね」
客A「若いってのは、いいなぁ。オレがあと30若かったら、雪乃ちゃんを泣かせなかったのに」

客B「ところでお二人さん、そろそろ、座らないかー?」
女「!!」
店員「!!」
客A「店の前でさ、夜はまだ寒いだろ」
女「え?なんでみなさん」
客C「なんで、じゃないだろ」
店員「あ、ああ、そういえば」
客B「こっちは最初からずっと、ここにいたんだけど」
女「そ、そそ、そうでしたよね」

隣の店員「それどころじゃないですよ」
店員「あ、隣さん!?」
隣の店員「あれだけ店の前で大騒ぎして、ここらの人たちがどうすると思います?」

女「あ、あああ」
客G「いやー。すごいもの見た」
客H「ねーちゃん、よかったなー」
客I「店員、うまいことしたなー」
以下略

女「あーーーーー」
<> 1993年3月27日(9)<><>2008/02/24(日) 23:32:00.50 ID:iK8soB6o<>客D「隣さん、これ」
隣の店員「あ、さっきのお代ですか。いいです。あんな面白いもの見せてもらえましたし」
客D「そうですか。今度、そちらにも顔出します」
隣の店員「ありがとうございます。いっそ、こっちの常連になりませんか?」
客D「そういうわけにはいきません。私は、ここの常連なんです」
隣の店員「そうですよね」

隣の店員「どうです?今日は、こちらと合同で、ってことで」
客A「いいねぇ」
客C「おっし、テーブル運ぶぞ」
女「な、そんな」
店員「・・・仕方ないですね」
隣の店員「売り上げは、折半ですよ」
店員「はい、わかりました」
客B「それと店員。今日はこれ以上、雪乃ちゃんに近づくなよ」
店員「え、どうしてですか」
客D「どうしてか、言わせたいですか?」
客A「雪乃ちゃんは、みんなの雪乃ちゃん、だからだよ」

客C「じゃあみなさん、グラスは行き渡ったか?」
客G「おー」
客B「いいぞー」
客H「そらこい」
客A「雪乃ちゃんと、店員に、だ。気合入れていくぞー」

「「乾杯!!!!」」


その日、府中、西門の片隅に歓声が沸きあがった。
普段なら、雑多な、とりとめのない、ノイズの様な声が、この日だけは一点を向いて。
小さな出会いは、小さな出会いを繋ぎ、少しだけ大きな輪を作る。
ここは、府中西門飲み屋街、アスファルトのグレーと、電灯のオレンジの彩る一角。
いつもの土日より、少しだけ長い喧騒がそこにある。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/24(日) 23:33:24.30 ID:iK8soB6o<>というわけです。後はエピローグとなります。
多分、明日の夜、書くと思います。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/24(日) 23:41:01.04 ID:b4rp4EDO<>ちょっと感動しちゃったぜ…<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/24(日) 23:45:25.32 ID:iK8soB6o<>ありがとうございます。書いたかいが、あるってもんです。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/24(日) 23:50:23.32 ID:egkyHUAO<>いや、感動した
続き楽しみにしとく<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/24(日) 23:53:17.94 ID:iK8soB6o<>決まってるじゃないですか。最後は、ハッピーエンドです。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 00:02:00.15 ID:/W5YhsAO<>ごめん。泣いた<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 00:03:33.07 ID:/Lvtu3Uo<>ありがとうございます。ほんと、このスレ見つけてよかった、って思っています。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/25(月) 01:07:42.25 ID:5bxr2ADO<>文章書くのうますぐる…………
感動した<> 1993年3月28日(1)<><>2008/02/25(月) 19:55:14.88 ID:q5SoUQoo<>女「あ、えと、こんにちは」
店員「お、おかえりなさい。雪乃さん」
客A「おお、来たな」
客C「昨日はお疲れさん」
女「昨日は、本当にありがとうございました」
客B「年寄りのお節介だよ。でも、よかったな」
女「あ、はい・・・」
客A「ほら、照れるなよ、いまさら」
客D「立ち話もなんですから、座ってください」
店員「雪乃さん、いつものですか?」
女「はい、お願いします」

店員「お待たせしました」
女「ありがとうございます。いただきます」
客A「それじゃ、乾杯するか?」
女「あ、あの、その前に、いいですか?」
客D「・・・席、外しましょうか?」
女「いえ、いてください。みなさんにも聞いて欲しいんです。お願いします」
客C「わかった、聞くよ」
女「ありがとうございます」

女「私、やっぱり、今日が最終日です」
客B「えっ?」
女「私、北海道に行きます」
<> 1993年3月28日(2)<><>2008/02/25(月) 19:59:21.16 ID:q5SoUQoo<>店員「・・・」
客D「決めたんですか」
女「はい。昨日帰ってから、それと今日一日、ずっと考えました」
女「店員さんと、その、昨日のあれ、私の思いが、その伝わって・・・あーやっぱり恥ずかしい」
客A「わかったわかった、それで?」

女「もう明日にでも辞表を出そうか、とか、そんなことを思ってたんです」
女「でも、よく考えてみたんです」
女「今いきなり職場を辞めたら、職場の人たちに迷惑をかけてしまいます」
女「こんな風に考えたのは、昨日、BさんとDさんから、このお店のお話を聞いたからだと思います」
客B「オレは、そんなつもりじゃ」
女「いえ、感謝しています。ほんとうに」
女「自分ひとりだけで生きているわけじゃないんです。誰かに大きな迷惑をかけて、それでこの店で笑っていることなんて、できません」
女「そんな勝手な生き方、いいはずありません」
女「ちょっと前までの私だったら、こんな考え方じゃなかったと思います。嫌だと思ったら、逃げ出していたと思います」
女「でも、みなさんと、店員さんと、沢山お話させてもらって。私、ちょっとだけ成長できたと思ってます。だから、すごく感謝しています」

客D「そうですか。でも、それにしても今日で最後というのは」
客C「そうだよ、休みとかにこっち来れば、いいじゃない」
女「ごめんなさい、最終日って言ったのは、そう言った方がみなさん、くいついてくれるかなって」
客A「おいおい」
女「私、休みには、なるだけ来るようにします。みなさんと、会いたいから」
客B「店員じゃなくって?」
女「なっ、あの・・・、はいそうです。店員さんに会いたいからです。でも、みなさんとも会いたいのも本当です」

女「そして、私、必ず帰ってきます」
女「きちんと仕事して、胸を張って帰ってきます」
女「もしどうしても転勤できなかったら、その時はこっちで別の職場を探して、そして帰ってきます」
女「もちろん、ちゃんと仕事して、ちゃんと引継ぎして、なるべく人に迷惑をかけないようにして」

女「店員さん・・・待っていて、貰えますか?」
<> 1993年3月28日(3)<><>2008/02/25(月) 20:02:36.73 ID:q5SoUQoo<>客A「店員」
店員「あ、あの、雪乃さんの、決めたことです。いいと思います」
客C「ほら、違うだろ。昨日を思い出せ」
店員「・・・はい。正直寂しいです。でも、雪乃さんの考えたこと、私もそれが一番いい答えだと思います」
店員「待っています。雪乃さんが戻って来るのを、必ず待っています」
店員「それと、土日はここがあるから無理ですけど、私もどこかで北海道に会いに行きます」
女「店員さん。ありがとう」

女「私、寂しいですけど、心配はしてません。昨日と今日で、その、伝わりましたから。伝えてもらえましたから」
店員「雪乃さん・・・」

客B「そこで・・・ちゅう、しないの?」
店員「!!」
女「なっ!!」
女「す、すす、するわけないじゃないですか」
客C「雪乃ちゃんが24で、店員さんが26だろ?そんな恥ずかしがることもなぁ」
女「年齢の問題じゃありません。見世物でもありません」
客D「ほら、そろそろ座って乾杯しませんか?」
店員「そうですよ。座ってください、みなさん」
客D「それに、今日はカメラがありません」
女「Dさん!!」

客A「じゃあ、乾杯いくぞ!!音頭は、店員」
店員「はい。・・・雪乃さんの前途に」
客C「やっぱり当事者じゃ、だめか。雪乃ちゃんと店員さんの前途に、だ」
客D「ふたりに」
店員「みなさんに」
客B「この先もずっと、な」

「「乾杯!!」」
<> 1993年3月28日(4)<><>2008/02/25(月) 20:05:30.56 ID:q5SoUQoo<>客A「今日さ、ここまで全然競馬の話してなかったな、そういや」
女「あ、そうだ、2着だったけどラガーチャンピオン来ましたね。Dさんはすごいなぁ」
客D「相手を間違えました。外しましたよ」
客C「あら、そうなの?オレ、昨日Dさんが押したもんだから、適当に流して取っちゃったよ。万券」
客D「店員さん。熱燗ひとつください。勘定はCさんで」
客C「わかったよ」
客B「西はガチガチだったしなぁ。極端だったよ、今日は」
客A「そういえば、来月だよね、桜花賞」
店員「ユキノビジン、出るでしょうね」
女「勝てるかな」
客D「わかりません。ベガは強いと思います」
女「私は、ユキノビジンの他だと、マザートウショウとマックスジョリーから買う予定です」
客A「2週間も前に買い目が決まってるあたり、雪乃ちゃんらしいな」
女「私、札幌で買いますから」
客B「こっちも買うよ。別の場所で応援してても、同じレースで同じ馬を応援するんだ。ちゃんとどこかで、繋がっているんだよ」
女「はい。そうですね」
客C「Bさんが、これまた、クサいことを」

競馬談義中

店員「雪乃さん。あの、これを受け取ってもらえますか?」
客B「それって」
女「店員さんの、お母さんの、バンダナ・・・」
店員「古くて、汚くて申し訳ないんですけど、できれば」
女「いいんですか?大切なモノじゃないんですか?」
店員「はい。とても大切な物です。だからなんです。私が雪乃さんに渡せるので、これ以上の物はありません」
客A「店員にしちゃ、上出来だ。雪乃ちゃん、受け取ってあげな」
客D「そして、それを持って、ここに帰ってきてください」
客B「待ってるからさ」
女「わかりました。ありがとうございます。とても嬉しいです」

客A「雪乃ちゃんが戻ってくるまで、こりゃ常連やめられないな」
客B「どの道いつも来てるくせに」
女「ほんとう。でも、病気とか怪我とかしないでくださいね」
客C「その前に馬でパンクしないようにしないと、な」
女「私も、気をつけます。切実かも」
店員「雪乃さん・・・」<> 1993年3月28日(5)<><>2008/02/25(月) 20:08:09.10 ID:q5SoUQoo<>客B「さ、名残惜しいが、そろそろおいとましよう」
客A「そうだな。雪乃ちゃん元気でやれよ」
客C「寂しいなぁ」
客D「お元気で、雪乃さん。戻ってくるのを、こっちで待っています」
女「みなさん・・・、本当にいろいろ、ありがとうございました」
女「私、私、みなさんに会えて、ほんとうに良かった」
客A「こっちこそ、だよ」
客C「雪乃ちゃん、あんたはオレらの娘だよ。自慢の娘だ」
客B「じゃあな」
女「また、また、お会いしましょう」

店員「・・・大丈夫ですか?」
女「ぐす、ぐす、ぐす・・・」
店員「どうぞ、お茶です。落ち着きますよ」
女「ぐすぐす、ありがとうございます」

店員「あー、照れますね、二人きりは、やっぱり」
女「何度もふたりで話しましたけど、やっぱり昨日の今日だと、ですね」
店員「みなさん、遠慮して早くに帰ったんでしょうね」
女「優しい人たちですね」
店員「昨日つくづく思いました。敵わないな、って」

店員「・・・雪乃さん」
女「あ、あの、えっと」
店員「!!」
女「どうしました?」
店員「まさかとは思いますけど、帰ったフリして、隠れているんじゃ」
女「まさか」

ガタン!!

店員「!!」女「!!」
客B「悪かった。ごめん」
客A「Bさんが隠れてようっていうからさ」
客D「人のせいにしない」
客C「本当に帰るから、今度は本当だから、ごゆっくりー」

女「たしかに、敵いませんね」
店員「格好いいんだか、格好悪いんだか」
女「店員さん?」
店員「はい?」
女「あ、あの、その、えっと、さっきの、つづき」
店員「・・・はい」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 20:12:54.31 ID:LFojmjwo<>C<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 20:21:25.29 ID:LFojmjwo<>ありゃ?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 20:30:20.50 ID:q5SoUQoo<>C??<> 1994年6月11日(1)<><>2008/02/25(月) 22:31:05.24 ID:q5SoUQoo<>客A「いやー、蒸し暑くなったな」
客C「店員さん、オレ冷で」
客B「こっちオレとDさんにジョッキふたつな」
店員「はい、お待ちください」

女「こんにちは!!」
客D「!?」客A「雪乃ちゃん!」客B「どうしたのさ」客C「びっくりした」
店員「・・・おかりなさい。雪乃さん」
店員「いつもので、いいですね」
女「はい」

店員「お待たせしました」
客A「店員、お前知ってたな」
店員「あ、はい。知っていました」
客C「どういう了見だよ」
店員「あ、えーっと」
女「私が、黙っていて欲しいって言ったんです」
客B「年寄りを驚かすなよ」
女「いつもからかわれているから、仕返しです」
客D「ここのみなさんに、倍返しされますよ」
女「すみません。それは、勘弁してください」

客A「まあ、とにかく座りなよ」
客C「今回はどれくらい、こっちにいるの?」
女「それがですね。今回は・・・」
女「ずっと、こっちです。私、帰って来ました」
客B「帰ってきたんだ」
客D「転勤できたんですか?」
女「いえ、前の職場は辞めました。でも、立ち上げ最初のプロジェクトはちゃんと終わらせて、ちゃんと引継ぎもしてきました」
女「それで、こっちに再就職を見つけまして、これでもSEって結構就職口、あるんです」

女「今日、引越しだったんです。まだ、荷物もほどいてないですけど」
女「とにかく、まずはと思って、ここに来ました」
客A「そうかあ、どこに越してきたの?」
女「もちろん、府中ですよ。本町駅の近くです」
客C「あれ?店員の部屋じゃないの?」
女「あ、ええっと、その、それは」
客B「ん?」
女「店員さん・・・」
店員「あ、その、私も、明日引越しするんです」
店員「雪乃さんと、一緒の部屋に」
客A「おー、そういうことか、やるなー」
客C「全部内緒にしてたわけね」
女「あ、いえ、さっきのはいたずらでしたけど、こっちの話は、ほら、恥ずかしいから」
客B「わかったわかった。ほら、久しぶりの雪乃ちゃんのお越しだ」
客D「乾杯、ですね、これは」
客A「店員、自分のジョッキ持ってこっちこい。今日はいじめる」
客C「それじゃ久々のアレだ。ふたりに!!」

「「かんぱい!!」」<> 1994年6月11日(2)<><>2008/02/25(月) 22:33:45.38 ID:q5SoUQoo<>客B「雪乃ちゃん、今日は馬券買ったの?」
女「ええ、ここに来る前に急いで」
客A「どうだった?」
女「システィーナ、から買っていたんです。惜しかった」
客C「また名前?」
女「はい、それとサクラユタカオーですし。栗毛も綺麗です」
客D「あの馬、結構強いと思いますよ。重賞も、もしかしたら届くかも」
女「そうなんですか。私、追いかけるつもりなんです」

競馬談義中

女「あ、そうだ、これお土産です。みなさんで食べてください」
客B「おおきい紙袋だなって思ってたよ」
客A「これ、なに?」
女「北海道名物、鮭トバです。おいしいですよ。店員さん、包丁借りますね」
店員「おつまみですか。営業妨害スレスレですよ」
客C「固いこというな」
店員「はは、冗談です」
女「そっか、あんまり考えないで持ってきてしまいました」

女「うーん、そうなると出しにくいなぁ」
店員「え?」
客D「まだ何かあるんですか」
女「これ・・・」
客A「日本酒だ」
客B「一升瓶で2本」
女「北海道の地酒で、国希って言います。私のお勧めです」
女「これはもう、完全に、営業妨害です、よね?」
店員「・・・」

女「すみません」
店員「はい。今日はもう売り上げ無視です。実は私も飲んでみたいし、食べてみたい」
客C「そうこなくっちゃ」
客B「店員、猪口6つ」
店員「はい、今行きます」
女「あ、私、つぎます」

その日、久しぶりの種類の喧騒が、その店に帰ってきた。
<> 1996年4月7日<><>2008/02/25(月) 22:38:39.27 ID:q5SoUQoo<>女「こんにちは」
客A「おかえりー、雪乃ちゃん」
客B「Cさん、タバコ消して」
客C「あ、ああ、ごめん」
女「ごめんなさい。あれ、店員は?」
客B「オレが馬券買い忘れてたって言ったら、自分の買うついでに行ってくれるって」
女「じゃあ、戻ってくるまで私が面倒みます。なにか注文ありますか?」
客D「雪乃さん、あまり動くと」
女「いいんですよ、少しくらい動いた方が」

客A「雪乃ちゃん、まだ仕事行ってるの?」
女「ええ、ぎりぎりまで行くつもりですけど、多分、来月には休みになると思います」
客B「そっかー、楽しみだな」
客C「ついにオレらの孫の誕生だ」
客D「名前とか、考えているんですか」
女「えっと、女の子だったら決めている名前があります」
客A「なんていうの?」
女「それはまだ、秘密です」

店員「お待たせしましたー。GIだけあって、混んでますよ」
店員「あ、雪乃、来てたんだ」
女「おかえりなさい」

店員「それは、こっちのセリフ。おかえりなさい、雪乃」
女「ただいま」
<> エピローグ/2020年12月12日<><>2008/02/25(月) 22:44:36.17 ID:q5SoUQoo<>
平日のそこに、昔の面影はすでにない。
昔あった暗いグレーではなく、明るいグレーに統一された、曲線と直線を繋げた、まるでオブジェの集まりような建物。
しかし土曜日、競馬場で1Rが始まった頃、そこの様相は一変する。
開けられたシャッターの中から、薄汚れた折りたたみテーブルとパイプ椅子が運び出される。
綺麗な建物の壁面に立てかけられる、店の看板。
中を見てみれば、壁に貼られた、黄ばんだポスター、お品書き。
昔と未来が融合して、そこは、それはもう、独特の空気を持った場所になっていた。

だが、変わらないものは、必ずある。

男(どうしようかな)
男(あ、もうはじのほうまで来てしまった)
男(ひとりで、入るのもなあ)
男(でも、えーい、この店、空いてるし)

店員「いらっしゃい」
男「あ、ど、どうも」
女「おひとり?じゃ、そこの席に」
男「あ、は、はい」
店員「雪乃ー、焼き鳥の方、ちょっと頼む」
女「はーい。笑顔ー、注文聞いてあげてー」
女の子「はーい」
男(うわ、若い女の子)
女の子「お決まりですか?」
男「え、えと、あの、お勧めとかあります?」
女の子「そうですねー、おでんかモツ煮か、あと焼き鳥。お酒はどうします?」
男「それじゃ、あの・・・」

これが、新しいお話のはじまり。

「常連客/府中西門飲み屋街 完」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 22:47:42.61 ID:q5SoUQoo<>これにて完結です。
長々とすみませんでした。

また機会があったら、別のネタで、どこかで。

なんかすごい達成感。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 22:51:13.73 ID:q5SoUQoo<>あ、あと、東京競馬場西門飲み屋街は実在しています。
本当に素晴らしいところです。
特に競馬おやじが好きな方にはたまりません。
機会が、ありましたら、ぜひ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/25(月) 22:56:31.61 ID:gUymY0Qo<>めっちゃ最高だったぜ!
超GJww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/25(月) 23:03:13.78 ID:5bxr2ADO<>最高だ…………GJ!!!!!!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/25(月) 23:06:11.03 ID:q5SoUQoo<>ありがとうございます。
それと、出てくる馬の名前、レースは、全て本物です。
90年代の競馬が、自分にとって一番楽しかったものでしたから、そういう舞台にしました。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/25(月) 23:40:20.43 ID:AxZSfUDO<>久しぶりに良い話を読ませてもらったぜ
ありがとう!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/26(火) 05:43:48.54 ID:dPry5I6o<>…鳥肌立ってる…話の流れが綺麗過ぎだ…。
かなり勉強になりました…そしてGJでした!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/26(火) 07:47:20.83 ID:.CRpIgAO<>GJとしか言いようがない<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/26(火) 12:42:33.52 ID:rabxyUAO<>久々に良作を読んだ
GJ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/26(火) 19:06:05.62 ID:TscCH.AO<>いいなぁ……

綺麗に澄んだお話だ……<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/26(火) 19:07:54.65 ID:SkeRV460<>なんとまあ……
凄腕の書き手さんが来てくれたもんだ、GJ!
これを期に活性化してくれることを祈るぜ!<> これやばい<><>2008/02/26(火) 21:47:07.20 ID:ssCli2AO<>始めの方に出てきた、スカーレットブーケが好き。ぐっと来た。俺、今その生産牧場で働いてる。ブーケの初子が生まれた年に入社。スカーレットメールから、ダイワスカーレットまで、産駒は全て見てきてる。(勿論調教もしてる。)こんな生産者冥利に尽きる話は無い!号泣しながら読んでます。gjです。
携帯からすまん<> 西門飲み屋を書きました ◆FXdw8GC5t.<><>2008/02/26(火) 22:47:31.32 ID:P8SJeaoo<>トリップテストも兼ねまして。

なんか、凄いお褒めの言葉ばかりで感謝しています。
もう一度、ありがとうございます。

>>214
まさか、生産牧場の方にまで見ていただけたとは。スカーレットメール、大好きでした。もちろんすかぶーの子供でしたから。
今は訳あって、競馬やめちゃったんですよ。なのでダイワスカーレットは、ごめんなさい、買っていません。<>
◆FXdw8GC5t.<><>2008/02/26(火) 22:49:24.37 ID:P8SJeaoo<>そして、なんでわざわざトリップなのかと言いますと、ちょっとした自己主張です。
蛇足かもしれませんけど、外伝、行きます。<> 1998年5月10日(1)<><>2008/02/26(火) 22:58:40.84 ID:P8SJeaoo<>客A「うーっす」
店員「おかえりなさい」
女「Aさん、おかえりなさい」
客A「おっ?笑顔ちゃーん」
女の子「Aじー、Aじー」
客A「おー、笑顔ちゃん、Aじーちゃんだぞー」
客D「あ、笑顔さん・・・Aさんに獲られてしまった」
客A「笑顔ちゃんは、Aじーちゃんが好きなんだもんなー」
女「ほんと、笑顔はAさんが好きなんだね」
客D「・・・」

女「でも、困ったわね」
店員「ああ、どうしたものか」
客A「どうしたのさ?」
客D「どうも冷蔵庫が壊れてたみたいで、今日の分の材料が・・・」
客A「あらー、どうするの?」
店員「ちょっと駅前まで材料買い込んで来ます。雪乃、電器屋さんには連絡しといたから、ここは頼む」
女「ええ、急いでお願いね」

女の子「おうまー、おうまー」
客A「そうだねー、テレビにお馬さんが映ってるね」
女「なんか、変な単語ばかり覚えてるような気がするなー。問題かな」
客D「笑顔さんも、もうふたつ、でしたか」
女「そうなんですよ。もう少しで二歳。最近はもう、やんちゃで手を焼いてます」

女の子「おそとー、さんぽー」
女「笑顔、今はちょっと散歩は無理なの」
女の子「さんぽー、さんぽー」
女「困ったわね」
女の子「さんぽー。う、うう、うえぇぇ」
客A「あのさ、雪乃ちゃん。よかったらオレが笑顔ちゃん、連れてってもいい?」
女「え?でも、メインまだ買ってないんですよね?」
客A「それでさ、散歩も兼ねて、笑顔ちゃんと競馬場でも行ってこようかな、と」
客D「私も、ついていきますよ」
女「Dさんも一緒なら、ま、いいですか。お願いできますか」
客A「オレも信用ないなー」
女「違いますよ。信用してます。いい意味でも悪い意味でも」
女「笑顔に変な言葉教えないでくださいよ。こないだなんか、おけらー、おけらーって言ってたんですから」
客A「ごめんごめん。じゃ、行こうか、笑顔ちゃん」
女の子「さんぽー」
客D「じゃ、行ってきますね」
女「いってらっしゃい。お願いします」


「常連客/府中西門飲み屋街外伝 笑顔ちゃん、はじめての競馬場」

<> 1998年5月10日(2)<><>2008/02/26(火) 23:01:48.99 ID:P8SJeaoo<>客A「ほーら笑顔ちゃん、あれがスタンドだよー」
女の子「すたんどー」
客D「Aさん、いきなり変な言葉を・・・」
客A「あ、ああ、そうだったな」
女の子「すたんどー、すたんどー」
客A「手遅れ、なのかな?」
客D「さあ、どうでしょう」

女の子「あ、おうまー」
客D「そうですね、お馬さんですよ」
客A「あ、やばい10Rもう返し馬だよ。買ってくるわ」
客D「私は見送りですから、笑顔さんの面倒は見てます。行ってきてください」
客A「おう、頼むわ」

客D「さ、ここ座りましょう」
女の子「うん、Dじー」
客D「寒くないですか?」
女の子「だっこー」
客D「え?」
女の子「だっこ」
客D「分かりました。それっ」

バサバサ

女の子「なにー?」
客D「これは、競馬・・・、その、新聞です」
女の子「しんぶー」
客D「はい、新聞です。ええと、マイラーズカップは・・・」
女の子「これーーー」
客D「えっ!?」
女の子「これーーーー」
客D「笑顔さん・・・これって」

客A「戻ったよー、ん?どうした?」
客D「いや、新聞ひらいて予想してたら、笑顔さんが、これって、指差して、その馬が、その」
客A「Dさんらしくないなぁ。なに驚いてるのさ」
女の子「これーーー」
客A「え、これって、ほんとにか」
<>
◆FXdw8GC5t.<><>2008/02/26(火) 23:04:02.94 ID:P8SJeaoo<>ごめんなさい。間違えた。
上の「マイラーズカップ」、「スイートピーステークス」に切り替えてください。<> 1998年5月10日(3)<><>2008/02/26(火) 23:06:10.66 ID:P8SJeaoo<>客A「・・・笑顔ちゃん。Aじーちゃん、笑顔ちゃんにお小遣いあげよう。これ」
女の子「わーーーい」
客A「それでな、この100円で、笑顔ちゃんの馬券、買ってきてあげるよ」
女の子「ばけんー」
客D「Aさん・・・、でも、いいですね。私買ってきますよ。100円、預かります」
客A「頼んだよ」

客D「買ってきましたよ。笑顔さん、はい、これ、馬券です」
女の子「ばけんー」
客A「Dさん、言葉」
客D「開き直りました」
客A「ははっ、そうだよな。笑顔ちゃん、ちゃんと持ってるんだぞ」
女の子「もってるー」
客D「もう少しでお馬さんが走りますからね、応援しましょう」
女の子「うん」

15分後

客A「・・・おい、これ、ほんとか?」
客D「まあ、3番人気でしたから、来ても不思議じゃないですけど」
女の子「・・・」
客A「あ、寝てるよ」
客D「この騒ぎの中で、よく」
客A「さすがはあの店育ちだ」
客D「さ、戻りますか。それっ」
客A「あ、ずるいぞ。オレにもおんぶさせろ」
客D「早いもの勝ちです」

客A「なぁ、Dさん。あの時のこと、思い出しただろ」
客D「ええ、覚えてます。楽しかったですね」
客A「まったく。親子2代で楽しませてくれるとは、すごい親子だな」
客D「ほんとうに。素敵な方々ですね」

客D「ほら、つきましたよ。笑顔さん」
女の子「・・・」
客A「天使だなぁ」
<> 1998年5月10日(4)<><>2008/02/26(火) 23:10:24.36 ID:P8SJeaoo<>店員「おかえりなさい」
女「すみませんでした。泣いたりしませんでした?」
客D「はい、娘さんお返しします」
客A「大丈夫だったよ。それより、面白い話があるぞ」
女「あら、寝ちゃってる」

客B「笑顔ちゃん、連れてったんだって?」
客C「ずるいぞ、ふたりして」
客A「へっへー」
客D「居たもの勝ちです」

女「はい、熱燗です。どうぞ」
客B「おー、雪乃ちゃんのお酌だ」
女「笑顔が寝てるときだけですね。私がそうやって言ってもらえるの」
客C「そんなことないよ。雪乃ちゃんは雪乃ちゃん、笑顔ちゃんは笑顔ちゃん」
女「どうですかね」
店員「それで、面白い話ってなんですか?もしかして、さっきのレースですか?」
客A「そうなんだよ、あんたら買ってたか?あの馬券」
客C「そりゃまあ、あの時のこと、思い出したし」
客B「やっぱりCさんもそう思ったか」
女「実は私も午前中に・・・」
店員「私も」
客A「それがな、Dさんが開いた新聞をさ、笑顔ちゃんが指差したんだよ。それがなんとさ」


1998年5月10日 東京11Rスイートピーステークス(4歳オープン)芝1800m
単勝2番、配当620円、勝利馬名、エガオヲミセテ。


客C「額縁、もういっこ用意しないとな」
客D「雪乃さん、またカメラ持ってきてください。今度は笑顔さんを真ん中にして、記念写真撮りましょう」
女「はい、ありがとうございます。来週にでも、持ってきます」
客B「じゃ、乾杯いくぞ」
客A「笑顔ちゃんに」

「「乾杯!!」」

女の子の手には、くしゃくしゃになってはいますけど、しっかりとその馬券が握られていました、とさ。
<>
◆FXdw8GC5t.<><>2008/02/26(火) 23:18:28.75 ID:P8SJeaoo<>このネタ自体は最初から考えてはいたんですけど、本編に入れると、冗長にすぎるので、外伝としました。
エガオヲミセテは本当に、システィーナと並んで大好きな馬だったんですけど、あんな結果になって残念です。
それも、本編に入れなかった理由のひとつです。やっぱり戻せない不幸は、こういう話には似合いませんしね。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/26(火) 23:54:26.21 ID:63PIxMAO<>馬名とかってやっぱり実在のを出してるわけ?<>
◆FXdw8GC5t.<><>2008/02/26(火) 23:59:17.46 ID:P8SJeaoo<>はい、実在です。レースの日付、結果も実際のものです。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/27(水) 00:04:28.44 ID:pWrOEgAO<>ほ〜
当時の資料をとっておいてあるのか…

とりあえずお疲れさん
いいもん読ましてもらったよ<>
◆FXdw8GC5t.<><>2008/02/27(水) 00:09:31.21 ID:asTp5nko<>いや、大体の時期と結果だけ覚えてるだけです。
詳細はUm@SQLを見て、確認してから書いてます。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/27(水) 00:13:28.50 ID:pWrOEgAO<>結果だけでも覚えてるからすげぇよ


俺も投下できるように考えてみるかな…<>
◆FXdw8GC5t.<><>2008/02/27(水) 00:19:11.95 ID:asTp5nko<>自分としては、このネタでこれ以上続けるのは、さすがにもう難しいかな。

新ネタ投下、期待してます。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/02/27(水) 20:24:08.93 ID:JhntFUAO<>>>228 自分も色々投下してきたし色んな投下みてきたけどこんな面白いのは初めてだ。マジ泣いた。ありがとう!!次は小説で(ry<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/02/29(金) 15:51:44.06 ID:lfLZgDoo<>競馬に興味はなかったけど、暖かい情景が浮かぶいい話だった
ラストはじわっと来たよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/07(金) 09:44:47.06 ID:xhBl99Mo<>ほ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/07(金) 20:00:30.78 ID:UGeeY7w0<>書き手いないなあ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/07(金) 22:26:53.86 ID:au.kqyoo<>自分もなんか書きたいんだけど、なかなかネタが出てこない<> その1<><>2008/03/09(日) 21:26:27.61 ID:c23emEoo<>女(あー疲れた。こんなにおそくなっちゃった)
女(あれ?こんなとこにお店なんてあったっけ?)
女(晩御飯もまだだし、なんかすごくいい匂いだし・・・)

ガラガラ
女(あ、お客さん、誰もいない・・・)
男「いらっしゃい」
女「あ、いいですか?」
男「はい、どうぞ、お座りください。何にしますか?」
女「えっと、いい匂いしてたので入ってみたんです。何ですか?」
男「あぁ、サンマですよ」
女「え?お客さんいないのに焼いてたんですか?」
男「いや、こうやって匂い出していたら、お客さん来てくれるかなって思いまして」
女「面白いことしますね」
男「ほら、現にこうやって、来ていただけたわけですし」
女「あはは、じゃあそのサンマください。あと、お酒は・・・」
男「一応ウチは、地酒がお勧めですね」
女「へぇ、どこのですか?」
男「地元のが多いですね。神奈川の」
女「あ、それ?」
男「これですか?丹沢山-隆-って言います。これにしますか?」
女「ええ、お願いします」
男「少々お待ちくださいね」
女「はい」

男「おまたせしました。どうぞ」
女「あ、すみません」
くいっ
女「・・・美味しい。はじめて飲んだけど・・・」
男「そうですか、それは良かった。どんどん食べてください」
女「ええ、サンマなんて久しぶりです。昔はよく食べたなぁ」
男「これ漬物です。サービスですよ」
女「いいんですか?」
男「ええ、折角のはじめてのお客さんですし」
女「ありがとうございます。いただきますね」
男「はい、どうぞ」

女「ごちそうさまでした。美味しかった」
男「ありがとうございます」
女「あの、こちら、定休日とか営業時間とか、どういう感じなんですか?」
男「ひとりでやっているものでして、そういうのは特に決めてはいないんですよ。大体今の時間くらいならやっています」
女「そうですか。また来ますね」
男「ありがとうございます。また、よろしくお願いいたします」<> その2<><>2008/03/09(日) 21:29:47.13 ID:c23emEoo<>女(あ、やってるやってる。今日もいい匂い出してるし)
男「いらっしゃい」
女「こんばんは」
男「今日は何にしますか?」
女「またいい匂いしてたし、えっとなんだろう」
男「ホッケですよ」
女「いいですね、それください。お酒は、その、この前の隆、を」
男「はい、お待ちください。魚だけじゃなんですし、他になにか食べますか?」
女「えっと、なにかおすすめとかありますか?」
男「そうですね、今日なら・・・そうだ、肉じゃがなんてどうです?」
女「あ、いいですね。それください」

女「おいしい。久しぶりだな、家庭料理みたい」
男「お一人暮らしなんですか?」
女「ええ、そうなんです。料理とか得意じゃなくって、こういうのはあまり作らないんですよね」
男「そうなんですか。普段はどうしているんですか?」
女「コンビニとかが多いですね。お恥ずかしながら」
男「あんまり偏った食事はよくないですよ」
女「そうですね。気をつけます」
男「あ、すみません。説教がましいことを」
女「あはは、なぜか男さんに言われると、素直にはい、って言っちゃいます」

女「ごちそうさまでした」
男「あの、一応ですけど、バランスとかそういうのも考えてますので、また来ていただけますか」
女「あ、あはははは、さっきの話ですか」
女「ええ、また来ます。その時はお願いしますね」<> その3<><>2008/03/09(日) 21:36:15.70 ID:c23emEoo<>女「こんばんはー」
男「いらっしゃい。今日は何にしますか?」
女「晩御飯まだなんですよ。この前のお話の通り、なにかバランスのいいお食事、お願いします」
男「はい、分かりました。お待ちください」

男「お待たせしました」
女「うわ、すごい。本当に晩御飯みたい」
女「ご飯にお魚、肉じゃがに味噌汁も・・・」
男「女さん特別晩御飯ということにしました。食べ終わったらいつものお酒にしましょうか」
女「はい。じゃぁ、いただきます・・・あれ?私、名前言ってましたっけ?」
男「・・・あれ?覚えてませんか?前回来て下さった時に」
女「私、結構酔っ払ってたからなぁ」
男「そういえばそうでしたね。あ、覚えていないかもしれないのでもう一度、私は男と言います。これからもよろしくお願いします」
女「はい。こちらこそ」

女「ごちそうさまでした。本当に美味しかった」
男「さ、じゃあお酒にしましょうか」
女「はい」

女「なんかすっかり家庭の晩御飯みたいになっちゃった」
男「すみません。一応居酒屋ではあるのですが」
女「いえいえ、本当に美味しくて、温かくって、すごく嬉しいんです」
女「しかも晩酌までできちゃうし」
男「あまり飲みすぎてはいけませんよ」
女「はい。って、またそういうコトを」
男「あ、そうでした。すみません」

女「そういえば、私が最初に来たとき、すぐにお酒出してもらえましたよね?」
男「ええ、そうでしたけど」
女「私、未成年に見られちゃうことが多くって、お酒を飲むと店の人にすぐ疑わしい目で見られるんですよ」
男「そうなんですか。うーん、たしかにお若く見えますけど。お幾つなんですか?」
女「22になります。来年の3月で学校も卒業」
男「大学生さんですか」
女「ええ、就職活動とか卒論とか、まぁいろいろです。だからここでご飯を食べれるのが、すごく助かってます」
男「それは良かった。いろいろ大変でしょうけど、頑張ってください。数少ない常連さんなんで、こちらも助かっています」
女「お互い様、ですか」
男「そうですね。これからもよろしくお願いします」
女「はい」<> その4<><>2008/03/09(日) 23:04:11.87 ID:tJEt4QIo<>男「いらっしゃい」
女「こんばんは」
男「晩御飯はまだですか?」
女「ええ、はい」
男「どうしました?元気ないですね」
女「え、いや、なんでもないですよ」

男「はい、お酒です」
女「どうも・・・あの、男さん?男さんも飲みませんか?」
男「・・・そうですね。たまには飲みますか」
女「ありがとう」

女「それでですね、第一希望の内定、取れなかったんですよ」
男「そうだったんですか」
女「あーあ、憧れてたのになあ。○○」
男「・・・大手ですものね」
女「それだけじゃないんです」
男「?」
女「私のお兄ちゃんのいた会社だったんです。一流だったし、お父さんもお母さんも喜んでた」
男「・・・そうだったんですか」
女「でも、みんないなくなっちゃった」
男「・・・」
女「お父さんとお母さんは、5年前に事故で」
女「お兄ちゃんは去年、病気で・・・」
男「・・・」
女「あ、あ、すみません。こんな話で」
男「いや、いいんですよ。辛いときとか苦しいときとか、沢山あるじゃないですか」
男「そういうときは、いつでもお話聞かせてください。あまり力にはなれませんけど」
女「そんな、申し訳ないし。それに、ここで温かいご飯を食べると、元気が出るんです。すごく私の力になってくれています」
男「そうですか。それは、照れくさいですけど、よかった」
女「またお話聞いてくださいね。今度は楽しいお話をしたいなぁ」
男「ええ、いつでも」
女「ほら、飲んでください」<> その5<><>2008/03/09(日) 23:08:20.96 ID:tJEt4QIo<>男「女さん、女さん」
女「ううーーーー」
男「大丈夫ですか?女さん」
女「だいじょーぶですー。けど、もー、のめません」
男「はい、お水ですよ」
女「ありがとー。わたし、そろそろかえりますね」
男「ありがとうございました。本当に大丈夫ですか?」
女「だいじょーぶ、でーす。それじゃーまたー」

ガラガラ、ドガラシャン

男「!!お、女・・・さん!?」
女「あたたー」
男「女さん・・・送っていきますよ」
女「えー、でも、わるいし」
男「いいですから。送ります」
女「・・・ごめんなさい」

男「ふー、星が綺麗ですね」
女「うーーーー」
男「ほら、頑張って、このまままっすぐでいいんですか?」
女「えと、うんと、たぶん」
男「女さん・・・」

女「・・・ふえー」
男「あ、女さん?女さん?」
女「・・・」
男「・・・しかたないなぁ。よいしょっと」
女「・・・おにいちゃん・・・」
男「っ!!女・・・さん?」
女「あったかいよ・・・おにいちゃん・・・」
男「・・・」<> その6<><>2008/03/09(日) 23:13:41.43 ID:tJEt4QIo<>女(あー、うー)
男「いらっしゃい」
女「あ、あ、男、さん」
男「店の前を行ったりきたり、どうしました?」
女「あ、あの、その、昨日は、その」
男「ああ、昨日の件ですか。全然問題ありませんよ。気にしないでください」
女「本当にすみませんでした。部屋まで送ってもらっちゃって」
男「いえいえ、ただ付き添っただけですから」
男「晩御飯はまだですか?」
女「あ、はい、まだです」
男「じゃ、ちょっと待っててくださいね」

女「あの、昨日は本当にごめんなさい」
男「気にしないでください。本当になんでもなかったんですから」
女「あ、あの、私、なにか変なコトとか言ってませんよね?」
男「変なこと、ですか?いえ、別に」
女「ほんとにですか?」
男「ええ」
女「・・・なんか、にやにやしてません?」
男「そ、そんなこと、ありませんよ」
女「あ、やっぱりおかしい。私、何か言ったんですか?正直に言ってください」
男「女さんは寂しがり屋さんだってことくらい、ですか」
女「な、なんですか、それー。うーーー」

女「もう何回もごめんなさいって言ってごめんなさい」
男「本当にもういいですから」
女「私、ひとりきりだし、学校でも友達とか、そのいなくって。その、相談とか泣き言とか言える相手がいなくって」
男「そういえば、就職先が○○希望ってことは、電子関係ですか」
女「そうなんです。なので、同じゼミにも女の子がもう一人いるだけです」
男「その方とは仲良くないんですか?」
女「仲が悪いってわけではないんだけど、その子、彼氏いるし」
男「今度で構いませんから、その方と一緒にウチに来てくださいよ」
女「え?その、えっと」
男「せっかくの大学生活なんですから、お友達とも仲良くしないと、ね」
女「・・・なんか、食事とかお友達とか、お兄ちゃんみたい・・・」
男「え?何か言いました?」
女「あ、いえ、なんでもない、です」<> その7<><>2008/03/10(月) 00:01:33.71 ID:6TJGDKgo<>女「こ、こんばんは」
男「いらっしゃい」
友女「こんばんはー」
友男「こんばんは」
男「あ、お友達ですか?」
女「ええ、この間、お話してた」
友女「女に話聞いてきましたー」
男「それはどうも。ささ、どうぞ」

男「みなさん、お酒は日本酒でいいんですね」
友女「はーい」
友男「はい」
女「お願いします」

男「はい、お待たせしました。お食事はどうします?」
女「そうですね。今日のおすすめを適当に」
友女「おー、かっこいい。なんか常連って感じだね」
友男「ほんと。オレよりずっとかっこいいよ。こういう飲み屋の常連って憧れるよな」
女「い、いや、そんな・・・」
友男「ほら、乾杯しよう」
女「う、うん」
友女「じゃ、いくよー」
「「乾杯」」

男「いや、ウチの店で乾杯って言葉聞くのは、はじめてかもしれません」
女「そういえば、私が来てる時って、他のお客さん、いたことありませんね」
男「最近開いた店ですし。常連なんて女さんくらいですよ」
友女「でも、美味しい」
友男「おう、ほんとに。このお酒、いいですね」
男「ありがとうございます。そちらさんはその・・・」
友女「一応、彼氏でーす」
男「ああ、やっぱり」
友男「一応、ってなんだよ」
女「あははは」<> その8<><>2008/03/10(月) 00:05:46.48 ID:6TJGDKgo<>友男「それで女さんさ、卒論の調子どう?」
女「それがね。まだ、あんまり」
友女「でも、女さー、几帳面だから頑張りすぎなんだよ。もうちょっとさ、おおらかにさ」
友男「友女、おまえのやってるのは、手抜きって言うんじゃないのか?」
女「あははは、友男くん、言いすぎだよ」

友女「あれ?マスター、かわいい指輪ですね、それ」
男「あ、ああ、これですか」
女「ほんとだ。気づかなかった」
友女「へー、似合いませんね」
友男「こら、友女」
男「いいんですよ。確かに似合ってませんしね」
友女「ごめんなさい。ちょっと調子に乗りすぎました」
女(誰に、もらったんだろう・・・自分で買った、わけないよね)

友男「さ、そろそろ帰るか」
友女「ごちそうさまでしたー。3人分で割ってください」
男「はい。お一人1500円です」
友女「安っ!!ほんとですか?」
男「ええ」
友男「ほんと美味しかったです。それでこんなに安いなんて。また来ますね」
男「ありがとうございます。是非また、皆さんで」
友女「女、帰らないの?」
女「私?私は、その、もうちょっと。ほら、お二人の邪魔しちゃ、ね?」
友女「別に気にすることないのに。ま、じゃあまたね」

男「はい。お茶漬けです」
女「ありがとう・・・」
男「いいお友達でしたね」
女「ええ、この間、男さんに言われて、ちょっと勇気出してみたんです。そしたら、ほんとうに、意外なくらい仲良くしてくれて」
男「よかったですね。ほんとうによかった」
女「・・・ええ」<> その9<><>2008/03/10(月) 00:10:56.32 ID:6TJGDKgo<>男「その割には、なんか元気ないですね」
女「・・・あ、えと、その、その指輪って・・・」
男「・・・あ、ああ、これですか。これは、その、妹から貰ったものなんです」
女「妹さん、ですか」
男「疑わしい目で見ないでくださいよ。本当なんです。おぼえ・・・」
女「?」
男「私も薄っすらとしか、覚えていないくらい昔のことなんです。私も、妹も、本当に小さい頃の話です」
女「そうなんですか。妹さん、いたんですか」
男「ええ」
女「今は?」
男「遠くに住んでいます。そこそこ元気でやっているみたいです」
女「男さん、シスコン?」
男「な!?なんですか、いきなり」
女「だって、そんな覚えていないくらい昔に、妹さんから買ってもらった指輪なんて」
男「うーん、まいったなぁ。そう言われるとそうかもしれないし」

女「・・・実はこの間、私が酔っ払っちゃったときの事、少しだけ覚えてるんです」
男「あ、あの時ですか」
女「うん。あの時。ごめんなさい。お兄ちゃんって呼んでましたよね、私」
男「覚えてたんですか」
女「本当の妹さんがいたのに、私」
男「気にしないでくださいよ」
女「男さんって、顔とか体格とか全然違うんですけど、最初に来た時から思っていたんだけど、どこかお兄ちゃんに似ている気がしたんです」
男「そうなんですか」
女「ごめんなさい」
男「いいんですよ。実は私もあの時、その、お兄ちゃんって呼んでもらって、少し嬉しかったんです」
男「もうずいぶん、1年くらいかな、妹にも会ってなかったもので。しかも女さん、私の妹に似てるんです、なんとなくですけど」
女「えへへ。なんか可笑しいですね」
男「そうですね。可笑しいですね」

女「・・・お兄ちゃん」
男「それは、やっぱり、照れますから、止めましょうよ」
女「ですね。ちょっと残念だけど」<> その10<><>2008/03/10(月) 00:16:51.45 ID:6TJGDKgo<>女「こんばんはー」
男「いらっしゃい」
女「へへー」
男「どうしました?ご機嫌ですね」
女「じゃーん!!」
男「こ、これは」

男「そうですか。内定出ましたか」
女「一応、第2志望ではありましたけど、ここも立派な所です」
男「本当に良かった。うん、良かった」
女「男さん、私より喜んでるみたい」
男「あ、そうですか?そうかな」
女「嬉しいです。こうやって喜んでもらえると、私も頑張ったかいがあるし」
男「さて、ご飯まだなんでしょう?今日はおめでたい日だし、サービスしますよ」
女「え、そんな」
男「いいんですよ。数少ない常連さんなんだから。女さんの前途に、ね。今日は暖かい物にしましょう」
女「はいっ、お願いします」

女「ごちそうさまでした」
男「春からは社会人ですね。勤め先はどこになるんですか?」
女「多分、品川の本社だと思います。ここからだとちょっと遠いけど」
男「引越しはしないんですか?」
女「正直、迷ってます。ココに来れなくなるのも、その、嫌ですし」
男「ここはここ、仕事は仕事ですよ。あんまり無理はしないでくださいね」
女「またそうやって・・・」
男「あ、ああ、そうですね。でも、本当に、ここを大切にしていただいているのは嬉しいんですけど、実生活に負担をかけないようにしないと」
女「・・・男さん、そうやって、やさしいのは嬉しいですけど、私にとってココはすごく大切なお店なんです」
男「うーん、そういう意味で言ったつもりは」
女「ほんと、お兄ちゃんみたい」

男「・・・そういえば、ほら、来週はもうクリスマスですよ」
女「話、そらしましたね。でも、そっか、今年ももう少し」
男「女さんはクリスマス、どうするんですか?」
女「苦しい所をついてくるなぁ。ひとり、ですよ」
男「付き合っている人とか、いないんですか」
女「い、ま、せ、ん。ココに来ている度合いを見れば、分かりそうなものでしょう」
男「すみません」
女「ココって、クリスマスとかもやってるんですか?」
男「ええ、まあ、やっています」
女「じゃ、来ます。クリスマスやりましょうよ。ね」
男「はいわかりました。準備しておきますね」
女「やったー」<> その11<><>2008/03/10(月) 01:36:52.16 ID:6TJGDKgo<>
大学キャンパスにて

友女「おーい、女ー」
女「あ、友女」
友女「内定決まったんだって?やったじゃない」
女「うん。友女もでしょ?」
友女「まあね。ところでさ」
女「どうしたの?」
友女「こないだ、一緒に行ったあのお店。営業時間とかどうなってるの?」
女「あそこは、別に決まってないみたいだよ」
友女「そうなんだ。あれから何回か友男と行ったんだけど、いっつもやってないんだよね」
女「そうなんだ。私は結構遅くに行くから、いつも開いてるけど」
友女「そっかー。友男の友達とかにも話したら、みんなも行ってみたいって言ってるし、今度みんなで行こうね」
女「うん、そうだね」
友女「あ、そういや、今日はもう終わり?まだ昼前なのに」
女「卒論もまあまあだし。今日はもう終わり。あ、そうだクリスマス空いてる?・・・って、そんなわけないか」
友女「う、うん。まぁ、あれだ。なんかあった?」
女「そうだよね。なんでもないよ、じゃ、また明日ね」
友女「おー、また明日」


女(私、クリスマスに男さんと二人が嬉しいのかな。それともみんなで・・・)
女(あれ?いい匂い)
女(店、開いてるし。しかもこの匂いって)

男「いらっしゃい」
女「こんにちは。この時間もやってたんですか」
男「いえ、たまたまなんですよ。たまに昼間も開けるんです」
女「この匂いってもしかして?」
男「ああ、自分の昼飯も兼ねてるんですけどね。ハンバーグです。女さんも食べませんか?」
女「はい。食べます。なんか懐かしいなぁ」

女「昔、なにかいい事があったとき、お母さんが作ってくれたんですよ、ハンバーグ」
男「そうなんですか。お母さんの味にはかなわないかもしれませんけど、食べてください」
女「美味しい。なんか、お母さんの味を思い出します。あんまり覚えてないけど」<> その12<><>2008/03/10(月) 01:40:37.62 ID:6TJGDKgo<>女「こんばんは」
パーン
女「うわっ」
男「メリークリスマス」
女「あ、えと、その、男さん、なんか、似合わないんですけど」
男「・・・そうですか。すみません」
女「あ、ああ、落ち込まないで。えっと、こんなの久しぶりだから、その、えっと」
男「・・・」
女「あー、もう。メリークリスマス」
パーン
男「メリークリスマス」
女「男さん・・・」

男「はい、ケーキですよ。さすがに今日は日本酒はやめときましょう。シャンパンを用意しておきました」
女「なんか、のりのりですね」
男「年に一度ですし、ね。じゃあ開けますよ・・・うーん、と、よいしょ」
女「あー、シャンパンって開けるのドキドキしますよね。お兄ちゃんもそうだった」
男「まかせといてください。それっ」

ぽーん。しゃわわわわ

女「かんぱーい。このケーキって手作りなんですか?」
男「ええ、まぁ。うまく出来ないかもしれませんけど」
女「すごく美味しい。男さんって、なんでも作れるんですね」
男「いえ、そんな」

女「あ、そうだ。これ、はい、プレゼントです」
男「え?いいんですか?」
女「もちろんですよ。開けてみてもらえます?」
男「・・・はい。これって・・・指輪、ですか」
女「えっと、その、妹さんに、ね、対抗してみたんです」
男「・・・ありがとうございます。早速してみますね」
女「あ、その、妹さんの指輪は、外さないでください」
男「・・・」
女「妹さんは、多分お兄さんを思って、その。私は私の感謝を込めて、なんです。だから、その、両手に」
男「ありがとうございます。大事に、しますね」
女「・・・やっぱり、照れます、ね」<> その13<><>2008/03/10(月) 01:46:44.76 ID:6TJGDKgo<>男「女さん。私も、あの、プレゼントです」
女「え?いいんですか?」
男「さっきの私と同じ科白ですよ。開けてみてください」
女「あ、パスケース」
男「ほら、4月からは電車通勤ですよね」
女「ありがとう。実は私、引っ越すの止めるつもりなんです。ここから通おうかなって」
男「だいぶ遠いですけど、大丈夫なんですか?」
女「とりあえずは、です。結構愛着のある街ですし、ココも、ほら」
男「無理はしないで、って言ってもダメなんでしょうね」
女「はい、ダメです」

女「小さかった頃、なんですけどね」
男「はい」
女「クリスマスイブはこうやって、家族みんなでケーキを食べて、お兄ちゃんと一緒にプレゼントにわくわくしていて」
女「私、ませていたからサンタさんとかは信じてなかったんだけど、わかってはいたんだけど、それでも」
女「私が最後に貰ったプレゼント、2年前にお兄ちゃんから貰った、このマフラー」
男「・・・」
女「・・・泣くとか、思った?」
男「え?」
女「去年は、本当に一人だったから泣いちゃいました。だけど、今年は違った。本当にこの店に来てよかった」
男「私も、ここのところ、一人でしたから。まさかこんなクリスマスになるとは思っていませんでした」
女「えへへ。お兄ちゃん」
男「こらっ。それは止めてください、って」
女「今日くらい、いいじゃない」
男「うーん」<> その14<><>2008/03/10(月) 01:51:54.02 ID:6TJGDKgo<>
時は流れ、3月

女「こんばんは」
男「いらっしゃい、って」
友女「ごぶさたでしたー」
友男「こんばんは」
友A「どもー」
友B「お邪魔します」
男「今日は大勢ですね」

女「今日、卒論発表会だったんです。で、その打ち上げってことで、ゼミのみんなが」
友女「みんな、ここに来てみたいって、ずっと言ってたんですよ」
友A「すごく美味しくて、いい雰囲気の店だって聞いてたんで」
友B「かっこいい、ってか、渋いよな」
友男「ほら、みんな座ろう。女さん、ほら、あれ」
女「え、と、男さん。お勧めを適当に、それとみんなの分、隆を」
友A「おー。かっこいー」
友B「常連って感じだよな」
男「はい、少々お待ちください」

友女「女の卒論、教授連中がみんな褒めてたよね」
女「そう、だったかな」
友男「そうだよ。頑張ってたもんな」
友B「いやほんと、すごかったよ」
男「おまたせしました」
友A「あ、どうも」
男「そうですか、女さん、頑張ってましたか」
友B「ええ、すごく、もう」
女「・・・そんな」
男「私の妹、みなさん、仲良くやってくださいね」
女「!!」
友男「えー?妹なんですか?」
女「違う、違うよ。男さん、もう」
男「いつもの仕返しですよ。ははっ」
友A「なんだか、すごく仲いいな。流石は常連」
友B「いいなー」
女「男さん・・・」
友女「ほら、乾杯しようよ」

「「乾杯!!」」
<> その15<><>2008/03/10(月) 01:55:46.22 ID:6TJGDKgo<>友男「とりあえず、みんなの進路も決まったし」
女「みんなよかったね」
友女「たしか友Aって、女と一緒の職場だったよね?」
友A「おう、そうだよ。女、よろしくな」
女「よ、よろしくね」
友B「いいなぁ、女さんと一緒で。オレもあそこにすればよかった」
友女「なにいってんのさ」
女「あ、あの、友Aくん、よろしくね」
友A「おう。頼むな」
友B「なんか、やっぱり、悔しいぞ、この状況」
友女「私なんか、友男と一緒だしー」
友男「なー」
友B「孤独、だ」
女「あははは」

友A「それじゃねー」
友男「友女、大丈夫か」
友女「うー、飲みすぎたかも」
友B「オレも・・・」
友A「しかたないなぁ、ほら」
友B「すまん」

男「いいお友達ばかりですね」
女「うん。半年前までは、こんなこと考えられなかった」
男「でも今は、こういう状況なんですよね。良かったじゃないですか」
女「ここに来て、男さんといろいろお話して、そしてみんなと、こうやってお酒が飲めました」
男「よかったんですよ、ね」
女「はい!!」

女「来週にはもう、卒業」
男「女さんがここに来て、半年くらいですか」
女「不思議ですね。もう何年も前から、ココに来てたみたい」
男「私も店をやって長いわけじゃないですけど。そんなものなんじゃないんでしょうか」
男「居場所ってそういうものなんですよ。だけど、それも変わっていく」
女「私、卒業しても、就職しても、ココに来ます。必ず来ます」
男「・・・ありがとうございます」<> その16<><>2008/03/10(月) 02:01:59.40 ID:6TJGDKgo<>女「こんにちは」
男「おっ、早いですね、今日は」
女「卒業式でしたー」
男「似合っていますよ、それ」
女「お母さんが、買っていてくれたんです。私が大学に入る前だったのに」
男「そうだったんですか。お母さんも、お父さんも、喜んでいると思いますよ」
女「それと、お兄ちゃんも喜んでて、くれるかな」
男「そりゃもう。喜んでいるに決まってるじゃないですか」
女「男さんは?」
男「・・・綺麗ですよ。頑張りましたね。これからは社会人だ」
女「うん」

男「卒業式なのに、ここに来ていていいんですか?」
女「この後、みんなで打ち上げです。でも、その前に、男さんにお礼を言いたくって」
男「お礼?」
女「そう。私が、こんな私が、みんなと笑ってこうしていられるの、男さんのおかげです」
女「男さんが、お兄ちゃんみたいに、私を、その、だから」
男「女さんが、そう望んで、そうなったんですよ」
女「男さん・・・」
男「ほら、お酒は一杯だけですよ、この後がありますし」
女「残念」
男「ちょっと待っていてください」

がちゃーん

女「男さん!?」
男「あ、ああ、すみません。ちょっと手が滑って」
男(・・・なるほど。そういうこと、か)
男「お待たせしました。隆ですよ。せっかくですし、私もいいですか?」
女「?珍しいですね。でも、いいですね。乾杯しよう」
男「ええ、女さん、卒業おめでとう。そして、社会に出ても、頑張ってください」
女「うんっ!!」
「「乾杯」」
<> その17<><>2008/03/10(月) 02:03:09.26 ID:6TJGDKgo<>女「じゃあ私、打ち上げ行ってきますね」
男「はい、飲み過ぎないように」
女「ほんとに、心配しすぎ。・・・お兄ちゃん」
男「女・・・さん」
女「え?」
男「ずっと言えませんでしたけど、私は、ここにいる時は、女さんのお兄ちゃんでしたよ」
女「どうしたんですか?珍しい」
男「いえ、たまには、こういうのも、ね」
女「・・・お兄ちゃん、行ってきます」
男「いってらっしゃい。楽しんできてください」
女「うん」
女「どのみち三月一杯は休みだから、明日また来るね」
男「はい・・・」
<> その18<><>2008/03/10(月) 02:08:13.62 ID:6TJGDKgo<>女(ちょっと早いけど、開いてるかな?)
女「え?」

店主都合により、閉店とさせていただきます

女「な、なに、これ。昨日は・・・」
女(閉店って、どういうこと、昨日までそんなこと、そんなこと)

女(あ、鍵、開いてる)

ガラガラ

女「なっ!!」
女(なにこれ、なにも無い。食器も鍋も、椅子も。カウンターしか・・・)
女「え、これ、指輪・・・」
女(男さんがつけてた、妹さんの指輪)
女(これっ!!)
女(内側に、私と、お兄ちゃんの、名前)
女「あ、ああ、あああ」
女(思い出した。昔、お祭りの縁日で買って、お兄ちゃんにあげた指輪・・・)
女(お兄ちゃんにあげた、はじめてのプレゼント。お兄ちゃんと私の名前を書いて)
女(これって、これって、まさか)<> その19<><>2008/03/10(月) 02:13:50.67 ID:6TJGDKgo<>
男(女・・・)
女「お、男さん!?」
男(聞こえているのか。よかった)
女「男さん、どこ?」
男(女・・・ごめんな。ずっと、黙っていて、ごめんな)
女「男さん・・・、お、お兄ちゃん!?」

男(どうしてなのかは分からないけど、気がついたら、オレはここにいたんだ)
男(全部分かっていた。自分はもういないはずなのに、なんでここで店をやっているんだって)
男(だけど、すぐに女が来て、分かったんだ)
男(ああ、そういうことなんだって)
男(どこの誰なのか、神様なのかな?でも、誰でも構わなかった。多分、オレの未練だったんだ)
女「お兄ちゃん。どこ?どこにいるの?」

男(ああ、女のすぐそばにいるよ。いつだって)
男(最後のほんのちょっとだけ、誰かがオレをここにいさせてくれたんだろうな)
男(自分が一番大切にしていた誰かを、誰かの行く末を見届けさせてくれようと)
女「わかんないよ。お兄ちゃんなんでしょ?男さん、なんでしょ?」

男(そうだよ。男だ。お兄ちゃんだよ)
男(卒業おめでとう。就職おめでとう。そして、元気で、な)
女「お兄ちゃん。お兄ちゃん!!」

男(顔も、何もかも違ったのに、お兄ちゃんって呼んでくれてありがとう)
男(あの日、酔っ払った女をおんぶしたの、嬉しかったぞ)
女「そんな、まって、お兄ちゃん」

男(オレは2年も前に、いなくなった人間なんだ。でも、この半年・・・)
女「お兄ちゃん。お兄ちゃん」
男(女・・・)
女「・・・お兄ちゃん。楽しかったよ。嬉しかったよ。美味しいご飯、美味しかったよ」
女「クリスマスの日、楽しかったよ。プレゼント、嬉しかったよ」
女「あの日、おんぶしてくれて、温かかったよ・・・」
<> その20<><>2008/03/10(月) 02:18:29.01 ID:6TJGDKgo<>男(女・・・ありがとう。元気でな。)
女「お兄ちゃん。お兄ちゃん・・・ありがとう」
男(女・・・指輪、ありがとうな。これ、持って行くからさ。代わりに昔に買ってくれた指輪、置いてくな)
女「お兄ちゃーーーーん!!」
男(ありがとう)

女「ぐすっ、ぐすっ・・・」
女「ひどいよ。神様がいるならひどいよ」
女「こんなの。こんなのって」

女「・・・お兄ちゃん」
女「・・・」

女「ありがとう、お兄ちゃん。私に友達、沢山作ってくれたんだよね」
女「私に、沢山、ご飯を食べさせてくれたんだよね」
女「私と、沢山、お話してくれたんだよね」
女「お兄ちゃん・・・私、頑張るからね。ちゃんと生きていくからね。そして・・・いつか」
<> その21<><>2008/03/10(月) 02:19:42.71 ID:6TJGDKgo<>
その不思議な居酒屋は店を閉じた。
その後の女の人生がどんなものだったのか、それはご想像の範疇。
ただ、ひとつだけ、大事な大事なパスケース。
沢山の友人と、新しい職場、新しい人生。
指には、プラスチックの、それはもう安っぽい指輪。


そして、また。

若い男「あ、こんなところに店、あったんだ?」
若い男(いい匂いだなー)
若い男「こ、こんばんは」
年配の女「いらっしゃい」
若い男「あ?お、お母さん?」
年配の女「やだー、お母さんだなんて」
若い男「ご、ごめんなさい」
年配の女「さ、座って、なににしますか?」


「常連客/不思議な居酒屋 完」

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/10(月) 03:18:46.55 ID:PR5SMgDO<>読ませていただきました。
しんみりしたけど良い話だったと思います。こんな結末は予想できなかった…
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/10(月) 06:27:40.15 ID:gFyRLyoo<>なるほど結末はこういうのでしたか予想外です
でもなかなかのGJ
乙でした
<>
あなたの回線はvs302鯖に接続されてるですよ(新鯖)<>sage<>2008/03/15(土) 14:14:27.73 ID:EHYgc0Ao<>このスレ秀作ばっかりですげえ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/18(火) 00:48:27.47 ID:YwB9IIAO<>作品が少ないかわりに良作が多いと。
見事に反比例してますな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/18(火) 11:27:07.06 ID:SzmkNEso<>新しいのが読みたいな
誰か書いてくれないかな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/18(火) 18:04:54.27 ID:vr02AYDO<>男「いらっしゃい」
女「まいど〜また来たよ〜」
男「相変わらず元気いっぱいだな」
女「それだけが取り柄だからね〜いつものちょうだいね!」

コトッ

女「これこれ、これがないと一日が終わらないのよ」
男「自分で作ったりしないのは女としてどうなんだ?」
女「むいてない!あたしには!」
男「胸張って言うことか!ったく…そんなんじゃ嫁に行けないな」
女「行く気も無いしね〜」
男「…俺が悪かった…」
女「それか、男が私と結婚する?」
男「ブフォ!」
女「わっ!汚いな〜」
男「黙ってれば良い女なのに何でこんなになっちゃったかな〜?」
女「男の前以外はおしとやかな女だけどね〜」
男「それって、俺が男性として見られてないって事?」
女「幼なじみだからね〜」
男「男性としては?」
女「う〜ん…見れないwww」
男「もういいよ、食ったら帰れ」
女「は〜い、お休み〜」

ガラガラ

男「何であんなのに惚れちゃったのかなぁ…」

続きます<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/18(火) 18:14:09.76 ID:J2fprMAO<>新しい書き手さん来たぞ〜
わっふるわっふる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/18(火) 18:15:14.01 ID:J2fprMAO<>あげとこう<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/18(火) 18:23:26.75 ID:lEreVVYo<>今までとは逆のパターンか
期待age<> 260<>sage<>2008/03/18(火) 21:03:43.04 ID:vr02AYDO<>ガラガラ
男「いらっしゃい」
女「ヤッホー 今日は友達つれてきたよ〜」
友男「どうも」
男「はい、いらっしゃいませ」
女「それじゃいつものお願いね〜」
男「はい、かしこまりました」
女「かたいよ〜 いつもの感じでいいって」
男「他のお客さんが来てるから…」
友男「あ、気にしないでくださいね」
男「そうですか?それじゃお言葉に甘えて…」

コトッ

友男「へえ、これはおいしそうだね」
女「でしょ?実際おいしいから食べてみて」
友男「うん、美味しい!」
男「ありがとうございます」
女「じゃんじゃん食べてね〜」
女「あ、電話だ ちょっとごめんね〜」
友男「いいよ、気にしないで」

ガラガラ

友男「彼女…」
男「はい?」
友男「彼女、誰かと付き合ってるって思ってました」
友男「仕事が終わったらいつもすぐに帰るんです」
友男「この前はみんなでの飲み会断ってまで…」
友男「ここが好きみたいですね」
男「そうなんですか?」
友男「でも、安心しました」男「?」
友男「これで心置きなくアピール出来ます」
男「!」
友男「彼女、好きな人いてるんですかね?」
男「さぁ…私は知りませんけど…」
友男「よかったら応援してくれませんか?」
男「え!?い、いやそれは…」
友男「お願いします!僕、本気なんです!」
男「わ、わかりましたから、頭をあげてください」
男(まいったなぁ)<> 260<>sage<>2008/03/18(火) 21:45:36.26 ID:vr02AYDO<>ガラガラ
男「いらっしゃい」
女「お疲れさま〜」
男「はい、お疲れ」
男「いつものだな?」
女「うん、お願い〜」

コトッ

女「この前、友男に何か言われた?」
男「ッ!い、いや別に…」
女「…」
男「そんな目で見るなよ…」
女「だって、うそついてるの丸分かりだもん」
男「…そんなに?」
女「何年一緒にいてると思ってる?」
男「20年以上…」
女「じゃあ嘘つけないってわかるでしょ?」
女「白状しなさい!」
男「…おまえに好きな人がいないか聞かれた」
女「それだけ?」
男「協力してくれって言われた…」
女「?何に?」
男「おまえと付き合えるように…」
女「で?返事は?」
男「分かりましたって…」
女「いっちゃったの!?」
男「悪い!すまない!」
女「もう〜…だから昨日辺りから様子がおかしかったんだ〜」
男「で、でも、おまえ好きな人いてるのか?」
女「なにいってるの?」
男「え、いや別にそれくらいは聞くだろ…」
女「いないしつくるつもりも無い」
男「そ、そうか!それはよかった!」
女「?」
女「それより、友男君どうしよう…」
男「断ればいいじゃ…」
女「社内だからぎくしゃくするのがいやなの〜」
女「あ〜ん、もう、どうしよう〜」
男(困った顔もまた良いなぁ…)
女「ちょっと〜なにニヤニヤしてるの」
男「あぁ、ごめん」
女「男も付き合わない方に持っていくのに協力しなさいよ!しかも、円満に!」
男「ええ!」
女「自業自得!ね?」
男「わ、わかったよ…」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/19(水) 08:45:24.44 ID:0ESkE9go<>書き手さんウェルカム
続き待ってる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/23(日) 05:18:52.07 ID:HwySF2AO<>書き込みが止まったな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/23(日) 08:08:18.23 ID:mdK2ljQ0<>この続きがあると思うと書き込みもできない
ううむ、もどかしいじゃないか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/23(日) 13:01:24.18 ID:kVh/AEDO<>>>268
気にしなくても良いんじゃ無いか?
間が空いてるから期待ついでに書き込みってのもあったしな
ネタがあるなら投下汁<> 260<>sage<>2008/03/23(日) 23:21:49.69 ID:67gbanwo<>続きが遅くなってしまいすいませんでした

男「なんだかややこしいことになったなぁ…」
男「でも、あいつ…好きな人作るつもりも無いっていってたな…」
男「それって希望も何もあったもんじゃないな…はぁ…」

ガラガラ

男「いらっしゃい」
友男「どうも、いいですか?」
男「ああ、この前はどうも どうぞ空いてますんでお好きな席へ」
友男「今日は女さんは来てないんですか?」
男「あぁ…そういえば…いつもならもう来てるんですけどねぇ?」
友男「…そうですか 会社にはいてなかったんでここかなと思ったんですが」
男「連絡してみたらどうですか?なんなら僕がしましょうか?」
友男「いや、それはなんか違うというか…気が引けて…」
男「はぁ、そうですか」
友男「女さんは、最近いつ来ました?」
男「昨日も来てましたよ」
友男「言ってもらえましたか?」
男「え?なにを?」
友男「お願いしたじゃないですか…女さんにアピールしたいって」
男「あぁ」(わかってるけどさぁ…)
友男「なんか、好きな人がいてるのか?とか聞いてませんか?」
男(そこは自分で聞けよ…)「いやぁ、すいません、聞いてないですね」
友男「そうですか…なんかすいません、変なお願いしちゃって」
男「いえ、良いですy」

ガラガラ<> 260<>sage<>2008/03/23(日) 23:54:27.94 ID:67gbanwo<>女「じゃ〜ん、誕生日おめでとう〜!!って、友男くん!?」
友男「あ、女さん…誕生日?あぁ、店員さんの?」
女「う、うん、そう」
男「あ、忘れてた」
友男「そうなんだ、おめでとうございます」
男「あ、ありがとうございます」(なんか空気が…ピリピリしてないか?)
友男「あ、女さん、これ仕事の資料 会社に忘れてましたよ」
女「え?ああ!これ大事な書類!ありがとう!わざわざ届けに?」
友男「ええ、ここならいるかなって思ったんで」チラッ
男(何故睨まれる!?)
女「ありがとう〜ごめんね〜」
友男「いえいえ、それじゃ僕はこれで」
男「え?帰るんですか?」
友男「はい、今日は僕はお邪魔でしょうから」
男「いやいや、せっかくお越しいただいたのに」
友男「いえ、また今度 ゆ っ く り と 寄らせてもらいます」
男「そ、そうですか?」(目が…)
友男「それじゃあ、失礼します」

ガラガラ  ピシャン!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/24(月) 00:02:15.98 ID:Zwb7QcU0<>いいよ、いいよー
続き期待<> 260<>sage<>2008/03/24(月) 00:06:53.23 ID:cHE8i0so<>女「はぁ〜びっくりしたぁ〜まさか友男君が来てるなんて思ってなかったから」
男「びっくりしたのはこっちだよ」
女「なんか言ってた?」
男「お前もその質問か…」
女「お前もってことは、友男君も?」
男「うん」
女「なんて言ってたの?」
男「お前に好きな人が居ないか聞いてないかとか」
女「なんて答えたの?」
男「聞いてないって答えた」
女「…そう」
男「あのさ、きちんと言ったほうがいいんじゃないか?」
女「う・・・ん」
男「好きな人は居ないし、作るつもりも無いって言うのは簡単だろ」
女「言うのは簡単…簡単なんだけど…ね…」
男「お前さ、昔っからそうだけど、それってやさしさじゃないぞ」
女「え?」
男「人を傷つけるのが嫌で何も言わないのは優しさじゃないって言ってんの」
女「…」
男「昔っからなんかあったら自分が言わなかったら良いみたいな考えしててさ」
男「そんなに人とまっすぐ向き合うのが怖いか?傷ついた相手を見て自分も傷つくのが嫌か?」
女「…そんなんじゃ…ないよ…」
男「じゃあ何なんだよ」
女「私のこと何見てたの?」
男「は?」
女「20年以上一緒に居て私の何を見てきたって言うの?」
女「…もう少し分かってくれてると思ってた…」
男「またガキの頃の話か、もういいだろ」
女「よくない!あたしにとってはよくないの!」
男「あれはお前のせいじゃないし、お前が何もしなくても同じだったって言ってるだろ?」
女「もう知らない!帰る!」

ガラガラッ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/03/24(月) 00:07:07.75 ID:7GWEMNY0<>待ってたんだぜ<> 260<>sage<>2008/03/24(月) 00:15:40.20 ID:cHE8i0so<>女「もう知らない!帰る!」

ガラガラッ

女「あ…ごめん!どいて!」
タッタッタッタッタ…

男「…いつからそこに居たんですか?」
友男「…ずっと…いてました…」
男「そうですか」
友男「幼馴染…だったんだすね」
男「はい…あいつ言ってなかったんですか?」
友男「ええ、ただいつも行くお店があるって紹介されました」
男「あいつらしいですね」
友男「昔…何があったか…聞いちゃ駄目なんでしょうね」
男「…」
友男「すいませんでした、今度はちゃんと帰りますんで」
男「ケーキ」
友男「はい?」
男「この大きさは、一人じゃ食べ切れません…よかったら手伝ってくれませんか?」
友男「…はい…」<> 260<>sage<>2008/03/24(月) 01:37:05.25 ID:cHE8i0so<>男「昔ね…中学生の頃です、本当に仲の良い友達がもう一人居たんです」
男「暇があれば三人で遊んでました」
男「仲のよかったその友達は行動派でね、本当に明るくて楽しくて笑顔が可愛い女の子でした」
男「そのうち、その友達が高校生に恋をしたんです」
男「行動派らしく、すぐにその高校生に告白をしたんです」
男「意外なことに返事はOKで付き合えることになったらしいんです」
男「本当に嬉しそうに僕たちに話してくれてね、僕たちまで嬉しくなっちゃうくらいに」
男「その日からしばらくたって、また三人で遊ぶことがあったんです」
男「遊んでるといきなり友達が立ち止まるんです」
男「どうしたのか聞いてみると、前の方を指差しながら『あれ、彼氏』って言うんです」
男「指の指すほうを見てみると、女の子と楽しそうに歩いていく一組のカップルが居ました」
男「中学生ですしね、どうしていいか分からずに立ちつくしていると、友達が『帰る』って言うんですよ」
男「どうすることも出来ないまま、三人で無言のまま帰りました」
男「それから2・3日たった夜のことです」
男「女から電話がかかってきて、近くの公園に居るから来て欲しいって言われました」
男「携帯なんか無かった頃でね、女が言うには友達が家に居なくて親から連絡が来たらしいんです」
男「心配でいてもたってもいられなかったので、一緒に探しました」
男「結局、見つかったんですけどね…見つけたのは僕たちではなく警察で…」
男「雑居ビルの間で、遺体で発見されたんです」
男「それを知った女は泣き叫びましたよ、こう言いながら」
男「私のせいだ!私があんなこと言ったから!って…」
男「どうも、三人で帰ったあの日の夜に電話で話をしてて、口げんかになったらしくてね」
男「昼間のことが心配で、元気付けようと下らしいですけどね、どこで狂ったか…」
男「勢いで死んじゃえってニュアンスのことを言ってしまったらしいんです」
男「昔のことですし、子供が泣きながら話すことなのではっきりとは覚えてないんですけどね…」
男「でも、あれはあいつの…女のせいじゃないと思うんです」
男「高校生のこととか家のこととか受験のこととか、色々あったらしいんです」
男「女が喧嘩をしなくても結果は変わらなかった…そう思ってるんです…僕はね」
友男「…そう、だったんですか…」
男「・・・・・・・・・・・・」

書くのが遅くてすいません
今日はここまでで勘弁してください
また、後日書きに来ます<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/24(月) 03:11:50.37 ID:WydZYQAO<>来てくれた〜
乙ですよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/24(月) 12:00:34.90 ID:n0JeyxIo<>乙です
続き楽しみにしてますww<> 260<>sage<>2008/03/24(月) 13:51:51.93 ID:a0oZc0co<>男「それからしばらくして、あいつも元気を取り戻してきて普通になってきたんです」
男「いや、普通に振舞うようにしてたっていうほうが正解かもしれないですね」
男「普通なんですけど、なんか変わったっていうか、壁が出来たんです」
男「全部背負い込むっていうか、相手が嫌がることは言わない…というより異常に気を使うようになったんです」
男「友達同士の会話で相手が冗談で怒ると必要以上に謝ったり」
男「頼まれごとをされても絶対に断らなかったり…自分もつらいのに…」
男「誰かに嫌われるのが本当に嫌になったんでしょうね」
男「また、誰かが自分の前から消えるのが…」
友男「・・・・・・」
男「でも、それってちょっと違いませんか?」
男「なんというか…必要以上のことを言わないのと、相手を思いやるって…違うと思うんです」
友男「はい、分かります」
友男「会社でも、どれだけ忙しくても仕事は断らないですし、自分以外の人の意見しか採用しないですし」
友男「誰かがミスをしても、怒らずに全部処理してくれたり」
友男「そのせいか会社では人気者なんですけどね…でも、この話を聞いちゃうと…」
友男「僕たちは女さんの壁の向こうで仕事をしてるんですね…」
友男「なんか…切ないというか…悲しいです…」

男「少し…疲れました…今日はもうお店を閉めようと思うんですが」
友男「あ、すいません!帰りますね」
男「あ、そうじゃなくて、よかったら飲みませんか?」
友男「え?」
男「飲みたい気分なんです、よかったら付き合ってもらえませんか?」
男「それに、今日は僕の誕生日なんで」
友男「…はい!」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/03/26(水) 00:19:52.86 ID:d9QLIN6o<>恋敵だけどいい友になれそうな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/04/02(水) 05:10:50.31 ID:8BjPy2AO<>続きマダー?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/04/07(月) 14:23:19.78 ID:FTAWkY2o<>続きはまだですか・・・?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/04/19(土) 15:52:38.38 ID:k1k6LlY0<>続き<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/04/20(日) 05:05:44.23 ID:WGRAHkAo<>またーり待つよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/04/28(月) 23:09:45.89 ID:xX0ckY20<>男「いらっしゃいませ」

女「これ、お願いします」
っ『カレーパン、メロンパン、コーヒー牛乳』

男「毎度どうも。お客さんくらいですよ、このセットで買っていくのは」
女「好きなんだからしょうがないですよ」
男「ありがとうございます。っと、これおまけしておきますね」
女「ラスク?」
男「ええ。おやつにどうぞ」
女「ありがたく頂戴します」


『ラスクをおまけするサービス精神に溢れる店』として雑誌に載ることになるのはまた別の話。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/04/28(月) 23:23:18.58 ID:xX0ckY20<>男「いらっしゃいませ、ちょうどよかった」
女「なんでしょう?」
男「メロンパンを改良してみたんですよ」

もぐもぐ
女「これは……」
男「メロン果汁を使ったクリームを入れてみました。どうです?」
女「おいしいです」
男「よかった。これなら子供にも受けがよさそうだ」
女「私も子供……ですか?」
男「い、いや。そんなことはないですよ」
女「そうですか……」
男「あれ、お客さん? また来てくださいね〜」


メロン果汁たっぷりのメロンパンが女性、子供達の間で流行することになる。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/04/28(月) 23:35:29.15 ID:xX0ckY20<>男「毎度どうも。お客さんはメロンパンのどんなところが好きなんですか?」
女「何でですか?」
男「あ、いや。改良の参考になるかもしれませんし」
女「外側はカリカリ、内側はもふもふした食感がなんともいえないところ……ですね」
男「……」
女「何かおかしかったですか?」
男「いえ、とんでもないです。幸せそうに話すなあ、と思いまして」
女「あ……し、失礼しました」


近い未来、この店のメロンパンはカリもふ具合が絶妙だ、ということで人気になる。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/04/28(月) 23:47:24.59 ID:xX0ckY20<>男「今度はカレーパンの好きなところを聞いてみようかと」
女「そうですね。私が来るときは揚げたてなんで、さくさくとした食感が好きですね。
  中の具材も柔らかくてルーにしっかりマッチしていますし」
男「ふむふむ……なるほど」
女「そういえば、店員さんは洋食料理の経験がおありなんですか?」
男「しばらく下積みをしていたんですが、パンの道に目覚めてこの状態です。でもどうしてそれを?」
女「……勘です」
男「そうですか」


以降、揚げたての食感を保ち続けるカレーパンの研究に生涯を費やすこととなる。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/04/28(月) 23:56:26.23 ID:xX0ckY20<>男「コーヒー牛乳……はさすがに作れませんから聞きませんよ」
女「ほら、ここのカレーパンは少し辛めですよね。甘さで中和されるんですよ」
男「なるほど……うん、参考になる意見でしたよ」
女「? どういうことでしょうか」
男「次に来店された時の楽しみということで」
女「はあ」


この日、店主はある新作の試行錯誤に追われて徹夜をした。
いつあのお客さんが来てもいいように、と。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/04/28(月) 23:59:29.88 ID:xX0ckY20<>男「あ、いらっしゃいませ」
女「いつものセットをいただきますね」
男「今日はですね、ちょっと試して欲しい物があるんですよ」
女「?」
男「これです」
女「カレーパン、ですか?」
男「はい。食べてみてください」

もぐ

女「これは……」
男「ココナッツミルクを入れて辛さを控えめにしたんですよ。色から見てわかるようにグリーンカレーパンです」
女「初めて食べました」
男「味はどうです? あまり辛くないでしょう」
女「ええ。口当たりもまろやかで……癖になりそう」
男「よかった。お客さんにそう言ってもらえると徹夜して研究した甲斐がありますよ」
女「でも私のわがままで……すみませんでした」
男「いえいえ。パン屋といっても一種の職人ですから。日々研究は必要なんですよ」


他にも類を見ないグリーンカレーパン、これがこの店の看板商品になる日は近い。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/04/29(火) 15:08:50.00 ID:URHCZEAO<>久々のSSktkr<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/05/02(金) 05:32:15.19 ID:/jn7AiIo<>近所にメロンパン屋が出来たんだ
すぐ潰れると思ったら2年位続いてる
ちょっと買いに行ってみようかな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/05/12(月) 00:56:09.03 ID:Wa/31MAO<>続きマダー?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/05/14(水) 00:25:08.29 ID:SUjHKEoo<>最近立ててあっさり落ちた某店主を書きたくなるスレだ……<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/05/22(木) 15:31:44.41 ID:WYi8A2AO<>age<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/06/08(日) 01:21:38.74 ID:K5q9b6AO<>浮上<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/06/18(水) 07:38:46.47 ID:fRcZo2AO<>さらに浮上<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/06/18(水) 23:50:01.11 ID:a//jYSUo<>>>132見て気づいたんだけど1992/12/13て従兄弟の誕生日だったwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/06/21(土) 12:25:53.94 ID:8cYtU8Q0<>男「いらっしゃ…お嬢ちゃん、お嬢ちゃんじゃないか!」
女「武器ちょうだい」
男「最近顔見せなかったから心配してたんだぞ」
女「武器」
男「おっと。いいのが入荷していたんだった」
女「強いの?」
男「なんでも使い手を選ぶ剣らしいが、切れ味はピカイチだ」
女「じゃあそれ」


男「見限られちゃったか」
女「……」
男「このやりとりも久しぶりだな」
女「……うん」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/06/21(土) 20:09:49.32 ID:d66OTOAo<>お、ほんと久しぶりだな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/06/21(土) 23:11:05.02 ID:uWootgAO<>めっちゃ久しぶりにそのやりとり見たww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/06/29(日) 22:45:01.43 ID:wtQyfIco<>女「いらっしゃ……またあんたか……」

男「や。まいど」

女「はぁ……。で?今日は何?」

男「(どん)ユニコーンの角、99本だ。買取り頼む」

女「あんた生態系破壊する気まんまんだな。えーと……これでどう?」

男「文句ない。ありがとう、また来るよ」

女「たまには売るだけじゃなくて買ってね」


女「……いっぺんにじゃなくて10個ずつ売りに来たら9回も余分に会えるんだけどな……」


ちょっとゲームチックすぎましたか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/06/30(月) 00:25:44.80 ID:qSemK1Yo<>どう見ても密猟者でエルフや森の仲間たちから命を狙われます本当にありがとうございました
だがこうして見ると裏商売系もありかもしれんな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/06/30(月) 18:29:18.64 ID:mCjtuyIo<>女「チェックメイト」

男「また負けた……」

女「にひひ。さあ、出すもんだしな」

男「はい……」

女「しっかしあんたも懲りないねえ。毎日あたしに挑んでくるとは。ま、そのおかげで食いぶちには困ってないけどさ」

男「くっそー、次こそは……」

女「はぁ……なんなら今度無料で特訓でもしてあげようか?」

男「え、まじか!?」

女「ま、負け続けでやる気なくして常連がいなくなると困るしねー」

男「常連って……客か俺は」

女「だってあたしそれで利益出して食べてる人だし」


街角の賭けチェス<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/07/01(火) 21:07:23.47 ID:ktGqtuYo<>裏稼業ってこんなのかな


女「あらいらっしゃい。ご注文は?」

男「仕事を頼む」

女「一件来てるわ。3番街にたむろしてるゴミを掃除してほしいとのことよ」

男「えらく簡単な仕事だな、何かあるのか?」

女「依頼者は私の古い知り合いでね。その人の一人息子がそいつらに殺されたのよ」

男「ふん、あんたにも情は残ってたか。なら親の気が晴れるよう、派手にやってやろう」

女「あたしからも依頼をしたいのだけれど」

男「うん?なんだ?」

女「仕事が終わったら、今夜久々に、どう?」

男「……ふん、また今度な」

女「あらつれない」


そして一瞬スレが落ちたと勘違いしたので浮上<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/07/03(木) 01:03:14.74 ID:FQKFrqAo<>男(……すぱー……)

ガチャバタン!ドタバタ

男「うん?やけに騒がしいお客さんが来たな」

女「よお、先生。悪いけどまた頼むわ」

男「……はぁ、久々に来たと思ったらやけに重傷じゃないか。えらくミスしたみたいだね」

女「うっせ。さっさと治しやがれ」

男「はいはい。じゃあ、服脱いで横になってくれるかい」

女「おう……」ぬぎぬぎ

男「……ふむ、銃創はないみたいだね。代わりに胸の切り傷がひどいようだけど」

女「お、おいっ!変なとこ触るなよ!?」

男「変なとこって言われても患部なんだけどねえここ……まあ、これだけ元気があれば大丈夫そうだ。麻酔打つよ」


裏稼業ということで闇医者。闇医者には煙草ですよね<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/07/03(木) 16:49:01.91 ID:Lkrme0Uo<>医者の常連というとお爺ちゃんお婆ちゃんしか浮かばないぜ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/07/03(木) 21:05:19.30 ID:OzhhGm.0<>>>307
やめれwwwwwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/07/07(月) 09:01:46.96 ID:Y7pFUUAO<>しょっしゅう怪我して医者に行ってる究極的なドジっことか・・・

やっぱり無理あるか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/07/08(火) 00:09:44.30 ID:d5.E8Z6o<>からんからん

女「こんばんはー。お、今日は誰もいない。貸切りー♪」

男「いらっしゃいませ。何にします?」

女「ジントニック。それよりさ、来週の海、いけそう?」

男「ええ、大丈夫ですよ」

女「ほんと!?やった!遊ぶときぐらい友達目線で話してね?」

男「努力します」

女「あ、それとさ、友達にこんなレシピ教えてもらったんだけど……」

男「うん?……ふむ……」

女「海に行ったら作ってもらって言われたんだけど、どういうカクテル?」

男「え?あ、えーとですね……非常においしいカクテルですよ。フルーティーで」

女「そうじゃなくて!なんて名前のカクテルなのかって聞いてるの!名前あるんでしょ?」

男「まぁ、ありますけど……」

女「なんて名前?

男「……スオ……チ」

女「え?聞こえないんだけど」

男「……セックスオンザビーチ……」

女「…………」

男「別に卑猥なカクテルではないのですが……女性にこの名前を教えるのは恥ずかしいですね……」

女「あいつ明日[ピーーー]……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/07/28(月) 21:49:35.56 ID:BJtvyUAO<>age<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/08/21(木) 21:37:05.52 ID:7KfvvkAO<>誰かいらっしゃいませんかー?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/08/22(金) 00:12:11.27 ID:1kyF2bEo<>いません<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/08/22(金) 03:34:25.13 ID:NE0LvsAO<>おお、人がいたwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/08/22(金) 06:23:36.79 ID:q4eQ6sAO<>まだいるもんだな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/09/10(水) 23:38:54.51 ID:qxFzhnUo<>いないー???
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/09/12(金) 00:52:41.72 ID:1H/VmYg0<>いいなこのスレ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/09/25(木) 23:31:48.68 ID:vw467M2o<>ガラガラ

やってるかい?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/09/29(月) 00:27:53.57 ID:CR4ddZ2o<>男「お〜れは気ままな大判焼き屋さん〜っと」
女「こんにちは!」
男「いらっしゃい。何味にするね?」
女「渋い味を」
男「すみませんね、生憎と甘〜いもんしかないんでさあ」
女「お兄さんの渋〜い歌を」
男「お嬢さん……そいつは時価になるが、それでもいいかい?」
女「はい!」
男「よし。こいつはおまけだ」
女「え? でも」
男「渋いものには甘いもの、だろ?」
女「ふむ、そうですね……ありがたく頂戴します」

男「お〜れは気ままな」
女「大判焼き屋さん〜♪」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/09/29(月) 14:15:50.75 ID:j.o3qLIo<>おっ!?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2008/09/29(月) 17:25:33.03 ID:Kaim1ASO<>通りすがりのたい焼き屋さんかと思った<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/10/04(土) 23:37:40.31 ID:Prz.swg0<>続きはー?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/10/29(水) 19:46:50.44 ID:PhvI7Bg0<>あがれ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/11/25(火) 00:06:36.18 ID:/oIQTADO<>もうネタつきたかな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/11/29(土) 01:39:50.97 ID:Xj/pLSIo<>誕生日のつづき気になったままだ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2008/12/19(金) 20:00:43.24 ID:WB/SqnM0<>age<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/01/11(日) 00:12:06.26 ID:CEoqgWE0<>あげ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/02/03(火) 00:47:22.31 ID:rMy1EQAO<>久しぶりに来たらまだあったんだな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/02/20(金) 00:42:40.07 ID:9dJSqz6o<>まだ〜<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/03(火) 02:50:48.10 ID:I/eC5QYo<>〜楽器店〜

女「こんにちは」

店主「おや、いらっしゃい。今日はどうしたんだい」

女「うん、あのね。あたし、行きたかった音大に受かったの」

店主「そりゃまた……おめでとう、おめでとう」

女「ありがと。……それでね、その大学、外国なんだ」

店主「外国……すごいじゃないか」

女「それでね、むこうに住むことになるから、この店にも、もう滅多に来られなくなると思うんだ」

店主「そうか……寂しくなるな」

女「うん、あたしも、初めて楽器を買ったのがこの店で、それからずっと通ってるから……寂しいな」

店主「……もう、何年になるのかな」

女「9年。あたしが小学校四年生の時に、初めてここでヴァイオリンを買ったの」

店主「そうか、もうそんなになるのか。あの小さかったお嬢ちゃんが、もう大学生とは……早いものだ」

女「惜しかったね、あと一年で、常連10周年だったのに」

店主「ふふ、確かにな」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/03(火) 02:52:13.82 ID:I/eC5QYo<>女「……何年後になるのか分からないけど、今度あたしが来る時まで、店、あるよね?」

店主「失礼なことをいうな。これでも結構儲かってるんだからな。それに、私もまだ死ぬような歳じゃない」

女「そっか……そっか。うん、安心した」

店主「何年でも待ってるさ。一人前のヴァイオリニストになった君が、ストラディヴァリウスを持って、この店にやってくるのを」

女「ストラディヴァリウス!?」

店主「夢は大きい方がいいだろう?」

女「そ、それはそうかもしれないけど……できるかな、あたしに」

店主「できるさ。君ならきっと、いつかあの名器を弾ける日がやってくる」

女「……あたし、がんばるね」

店主「ああ、楽しみにしているよ」

女「うん。……それじゃ、行ってきます」

店主「ああ、行ってらっしゃい」



えーとストラディヴァリウスがヴァイオリンで、ストラトヴァリウスがメタルバンド。
うん、間違ってないはず、ストラディヴァリウスで合ってるはず<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/03(火) 03:03:12.60 ID:I/eC5QYo<>男「占って欲しい」

女「あのさあ……あたしが言うのもなんだけど、ことある度に占いに頼るってのはどうなの?」

男「あんたの占いは当たるから一向に構わない。占ってくれ」

女「はいはい……週に三度も占いにくる人なんていないわよ普通。それで、今日は何?」

男「消しゴムを無くした。どこにあるのか占ってくれ」

女「怒るよ?」

男「怒りたいのはこっちだよ!買ったばかりだったんだぞ!角もまだ一つしか使ってなかったんだぞ!」

女「(小せえ……)あーうるさい、怒鳴らないで。それじゃ占ってあげるわよ。ここに手置いて」

男「おう!」

女「……ふーむ、他の人間が持ってるみたいね。髪が短くて、逆立ててる若い男の人」

男「な、浦田の奴が!?」

女「名前言われても知らないわよ。とにかくその人が今持ってるみたいだから」

男「浦田……先月貸した500円もまだ返していないくせに消しゴムを黙って持っていくとは……」

女「(小せえ……)ほら、占い終わったんだから、お代」

男「あ、ああ。いつもありがとうな」

女「どうせならもっと大きいことで占いに来なさいよね」

男「俺にとっては一大事なんだよ!」

女(小せえ……)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/03(火) 12:15:45.49 ID:gYVuWp.o<>期待アゲ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/03/03(火) 14:52:27.66 ID:KFzwgIgo<>あがってる?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/03/03(火) 20:47:46.61 ID:MwlHEVAo<>>>334
333は、下がってた…;y=ー(゜д゜)・∵.<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/03/05(木) 00:35:30.78 ID:GScKYq.o<>漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/18(水) 15:49:04.82 ID:BL5Bwaco<>男「占ってくれー」

女「はぁ……今日は何?」

男「今だに嫁を貰えないんだが、俺の将来の嫁さんを探してほしい」

女「あ゛ぁ゛? 自分の旦那さえ見つからないのにてめえの嫁探せってか?」

男「自分のことは占っちゃいけないって某漫画に書いてたぞ!」

女「はいはい……ああめんどくさい。んじゃ占うからね。ここに手乗せて」

男「頼むぜ!」

女「……んー……あ」

男「うん? 見つかったのか?」

女「…………」

男「おーい、もしもーし」

女「駄目、みつからない。あんたは一生独身決定」

男「え、おいマジかよ!? 嘘だと言ってよバーニィ!」

女「よかったわね独身貴族。さ、代金払ってさっさとお帰り」

男「く、くそー俺は信じないからな!いくらお前が良く当たるからって、こればっかりは信じないからな!」


女「……何であたしが出てくるのよ……冗談じゃないわよ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/18(水) 16:00:24.23 ID:BL5Bwaco<>男「困った時の占い屋さん」

女「……もうあんたのことは金づると思うことにしたわ。好きなだけ来なさいよくそったれ」

男「来週の火曜の天気を占ってくれ!」

女「シバき倒すわよ」

男「えー頼むよー」

女「天気予報みればいいじゃない……」

男「天気予報なんか信用できるわけないだろ!」

女「占いよりはよっぽど科学的なのにねぇ……まぁ、ちょっとまってなさい」

男「おーう」

女「……ところで来週の火曜、何かあるの?」

男「ああ、会社の女の子とデートなんだ! しかも向こうから誘ってきてくれたんだぜ!?」

女「へぇ、稀有な子がいたものね。……出たわよ。ばっちり快晴、よかったわね」

男「おお、ほんとか!?」

女「ついでにその子との相性でも占って行けば?」

男「いや、大丈夫、問題ない!」

女「ああそう……しっかりやんなさいよね」

男「ああ、ありがとな!」

女「……火曜の夜は、一緒に飲んでやるか。かわいそうに……」

女「勝手に見えてしまうってのも不便なものねぇ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/18(水) 16:22:37.80 ID:BL5Bwaco<>んで火曜の夜

女「……そろそろかしら」

男「お、女あぁぁぁああ〜〜」

女「ほら来た」

男「うっううっ……ぐすっ……」

女「あー泣くな泣くな。悪い女に騙されるのも勉強だ」

男「け、けど何もあんな……」

女「はいはい、話しは飲み屋で聞くからね。奢ってやるから好きなだけ飲め、な?」

〜〜〜〜〜〜〜〜

男「……じゃあ、全部分かってたのか」

女「あんたがあまりにも嬉しそうだったからねぇ……あ、すいませんビールおかわり」

女「あそこで言っておけばあんたも痛い目見ずに済んだんだろうけど……」

男「いや、あのときの俺は多分何言われても聞かなかっただろうから……」

女「そう言われると助かるわ。言わなかったこと、責められるかと少しは覚悟してたんだけどね」

男「けど、次からは頼むな」

女「い・や。女を見る目ぐらい自分で養いなさい。よほど酷いことにならない限り教えてあげない」

男「ん……そうだよな。何でもかんでも頼ってばかりじゃ駄目だよな」

女「だからって常連のあんたが全く来なくなったらこっちも困るけどね。さ、飲んで元気だせ。また次があるさ」

男「お、おう!」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/18(水) 16:28:29.12 ID:BL5Bwaco<>男「さて、困った時は占いを――ん?」

カポー♂「もう来ねえよ!」
カポー♀「すぐに破局なんて、そんなことあるわけないでしょ!」

男「あーあ……」


男「おーす」

女「いらっしゃい」

男「少しはリップサービスも必要じゃない?」

女「あら、見てたの?」

男「ああいうのは調子いいこと言ってれば納得するだろうに」

女「占いの結果は正確に伝えなきゃ。自分の為にも、相手の為にもね」

男「ふーん……」

女「何よ?」

男「いや、占いの腕だけかと思ってたけど人間としてもけっこうまともなんだなぁと思って」

女「あんた今日料金二倍ね」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/03/20(金) 02:24:03.59 ID:2X/Yq7.o<>(・∀・)イイ!!続きまだ〜?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/21(土) 15:04:52.42 ID:kpUYbAYo<>男「明日晴れるかなぁ」

女「午後から曇りよ」

男「あ、そうなんだ。傘持って行こうかな」

女「雨は降らないから安心しなさい」

男「そっか」

女「そうよ」

男「…………」

女「…………」

男「もしかして今の商売?」

女「当たり前じゃない」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/21(土) 15:06:34.70 ID:kpUYbAYo<>男「もうお前に気軽に話題振れない……」

女「営業時間中に雑談しに来ないでくれる?」

男「じゃあ営業時間外だったらいいのか」

女「なんで店閉めた後も占いしなきゃいけないのよ」

男「いや別に占えとは言ってねえよ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/21(土) 15:14:23.43 ID:kpUYbAYo<>男「会社で花見があるんだけどいつがベストかな?」

女「このあたりなら来週の木曜みたいよ?」

男「早いな、ほんとに占ったのか?」

女「さっき暇だったから占ってみたのよ」

男「え、じゃあお代は――」

女「いただくわよ。あたしが取ってるのは技術料じゃなくて情報料だもの」

男「ちっ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/21(土) 15:25:44.48 ID:kpUYbAYo<>男「おーす」

女「いらっしゃーい」

〜〜〜〜〜〜〜〜

男「よし、ありがとう。じゃこれ、お代な」

女「はい丁度ね。ああ、そうそう。あなたにお祝いあげる」

男「え、何の?」

女「いつかやるとおもってたけど、とうとう一週間ずっと顔出したわよ、あなた」

男「え、じゃあ七日連続で占ってもらったのか。未来見通せすぎだろ俺の人生」

女「まぁ日頃ご贔屓にしてもらってるってことで、次の一回はタダにしてあげるわ」

男「え、ほんとか!? じゃあ今すぐ占ってくれ!」

女「はぁ?」

男「いやあ実はもう一個占って欲しいことがあったんだけどさ、流石に財布が軽くなって来たんで控えたんだよ。いやあ助かるなぁ」

女(ありがたみないわねぇ……)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/03/25(水) 02:38:13.17 ID:KuZ6e8wo<>ちゃんと見てるよage<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 01:43:04.74 ID:9ahzu0Yo<>男「今日は真剣な悩みで来たんだ」

女「はいはい……どうせあなたの悩みなんてたかが知れてるわよ」

男「脱サラして商売始めようと思うんだが、何がいいかな?」

女「……は?」

男「いや、だから会社辞めて、何か商売始めようと思うんだよ」

女「……はあああぁぁぁぁぁああああ!? あの大会社を!? 何で!? あんた馬鹿じゃないの!?」

男「そう言うなよ……」

女「はぁ……本気?」

男「本気だ!」

女「……そう。じゃあ、占ってあげない」

男「え、なんでだ?」

女「あんたの人生に関わることでしょ。それに脱サラまでしておきながら自分のしたいこともせずに、
  あたしにこれやれって言われたことやるの?人に頼ってないで、自分で決めなさい」

男「そ、そうか……確かにそうだよな……」

女「決まったらまた来なさい。その職業が本当にヤバい、向いてないって時だけ、教えてあげるわ」

男「おう、ありがとな」

女「できれば食べ物関係がいいわねぇ、ただで何か食べれそうだし」

男「……期待に添えれるように頑張るよ……」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 01:46:35.47 ID:9ahzu0Yo<>女「で、決まったの?」

男「ああ、小さいながら居酒屋でもやろうと思ってな」

女「あらーいいわね。愚痴を聞かせるには最適じゃない」

男「げえ……静かなバーに変えようかな……」

女「バーかぁ……お店の隅で商売できそうね」

男「人の店を取るなっ!」

結局居酒屋になったそうです
これで女も“常連客”<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 02:08:07.08 ID:9ahzu0Yo<>男「おーす」

女「あらいらっしゃい。買いだしの帰り?」

男「そんなとこだな。で、占ってほしいんだが」

女「はいはい、何?」

男「お客さんの中に運命の人とか現れないかな……?」

女「……この前あんたは一生無理って言ったでしょ」

男「いや、でも仕事変えたしさ、その辺も変わるんじゃないかなーって思って」

女「あんたは……お客様に下心を……」

男「い、いやだってよくある話だからさ……(特にこのスレじゃ)」

女「最後何か言った?」

男「いや言ってない! それより占ってくれ!」

女「はぁ……はいはい……」

女(この前の占いの結果と、あたしがこいつの店の常連になるだろうという仮定を合わせると……)

女「(やっぱりあたしか……)……いない」

男「ほ、ほんとか? 実はいるんじゃないのか素敵な女性が」

女「いないわよ。あんたはずっと一人身。決定」

男「く、くそお! 占いなんて必ず当たるわけないんだからな!」

女「人一倍占い利用してる男がよく言うわ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 02:25:22.24 ID:9ahzu0Yo<>女「さて、あいつの店にでもいってみようかしらね」


女「あら?」

ガヤガヤガヤガヤ……

女「あー……開店したばかりの店なんて、こんなもんかしらね」

女「満席みたいね……」

男「あれ、女?」

女「ああ、盛況みたいね、大将」

男「はは、大将ってなんかいいな。座らないのか?」

女「何言ってんのよ、満席じゃない。今日は帰るわ、また明日寄らせてもらうわね」

男「じゃ、明日は予約席作っておくよ」

女「ふふ、ありがと」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/03/26(木) 03:08:46.74 ID:zedzH06o<>続きを待ってる・・・
てゆーか見てるのオイラだけなのか?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 10:06:55.15 ID:n8WANjEo<>いつも見てますが<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 12:28:54.69 ID:xj7zkgAO<>ミテルヨー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 18:11:53.71 ID:9ahzu0Yo<>ガヤガヤガヤ……

女「あらあら、今日も一杯」

男「お、女。ここだここ」

女「本当に空けといてくれたのね、ありがと」

男「なに、お前には世話になりっぱなしだからな」

女「ビールと……串、適当に何本か貰える?」

男「へい!」

女(へい、ねぇ……あんなにイキイキして……転職は正解だったかしらね)

男「ビールお待ちどう」

女「ありがとう。中々うまくやってるみたいね」

男「まだ開店3日目だけどな。楽しくやらせてもらってるよ」

女「会社の元同僚とか来ないの?」

男「来る来る。何言われるかと思ったけど、笑顔で祝ってくれたよ」

女「良かったじゃない。いい友達を持ったわね」

男「ああ、ほんといい奴らだよ」

女「女運はゼロだけどね」

男「それを言うなよ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 18:17:53.83 ID:9ahzu0Yo<>男「はい、串盛り合わせ」

女「あら美味しそう」

友「男ー! 今日も来たぞー!」

男「おう、いらっしゃい!」

女「あれが今言ってたお友達?」

男「そうそう。元同僚の浦田」

女「ああ、あなたの消しゴム盗んだ人……」

浦田「男……この美人誰?」

男「ああ、俺がよく世話になってる占い師さんだ」

浦田「占い師!? へー占い師ってもっと胡散臭いのしかいないのかと思ってた」

女「あら、私は大丈夫なの?」

浦田「めっちゃ綺麗っす!」

女「ふふ、ありがと。お店来てくれたら一回サービスしてあげるわ」

浦田「ほんとっすか!」

男「スナックのママかお前は」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 18:28:59.25 ID:9ahzu0Yo<>女「……ああ、そうだ」

男「どした?」

女「いい機会だから、浦田君に会社での男はどんな感じだったのか訊いてみようかしら」

男「ちょ、それはやめろっ!」

浦田「いいっすよ、いくらでも暴露してあげます!」

男「やめー!」

女「男うるさい」

〜〜〜〜〜〜〜〜

浦田「――とまあこんな感じっすかねぇ」

男「…………」

女「あんた……それでよくクビにならなかったわね」

男「じ、人望はあったからな!」

浦田「ああでも社内イベントの企画とかは率先してやってましたねぇ。しかも必ず大成功するんすよ、こいつがやると」

女「へぇ、変な才能には恵まれてるのねぇ」

浦田「お前が決めた日は絶対晴れるんだよな」

女「晴れ男なのねぇ、あんた(ニヤニヤ)」

男「……女、ビールもう一本いかが?」

女「あら、ありがとう♪」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 18:46:59.45 ID:9ahzu0Yo<>浦田「じゃー俺はこれでっ!またな男!」

男「おう、またな」

浦田「女さんも、失礼します!」

女「はーいおやすみー」

男「…………」

女「あなた才能あるのねぇ、社員旅行の行き先もベストなところ選んで」

男「女に占ってもらいました……俺が選んだんじゃありません……」

女「安心しなさい、誰にも言わないから」

男「ほ、ほんとか!?」

女「企画を会社の人間でもない奴に、しかも占いで決めてたなんてバレたら、あんたの信用地に墜ちるわよ」

男「や、やっぱり……?」

女「ま、毎日ビール一本サービスで、黙っててあげるわ」

男「ありがとう女!」

女「これにこりて、何でもかんでも占いに頼るのはやめるのね」

男「ああ、そうするよ」

女「……あ、でもそれじゃああたしの売り上げが落ちるな……やっぱ好きなだけ利用していいわよ」

男「ええ……」

女「口止め料として、その度に焼き鳥サービスしてね」

男「へいへい……」


一人でも見てくれてるなら続けようかなと思ってたら以外に見てくれてた、ありがとう
次回からは名前欄に時間が昼なのか夜なのか書いてわかりやすくしようと思う<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/26(木) 18:48:28.60 ID:ivMszBYo<>面白いから続けてくれ<> 〜昼〜<>sage<>2009/03/26(木) 21:04:49.72 ID:9ahzu0Yo<>女「今ねぇ、面白いことがあったのよ」

男「面白いこと?」

女「取材させてくれないかって言われちゃった」

男「取材!? 雑誌か何かか?」

女「そうみたいね。週刊パー速」

男「すげえ大手じゃねえか……」

女「ギャラもそれなりによかったんだけどねぇ」

男「うん? その言い方だと、断ったのか」

女「ええ、お客は増えてほしいけど、行列ができるほどは嫌」

男「あー、メディアの宣伝効果ってすごいもんな」

女「あたしがやってる占い、これでも結構疲れるからね。一日に百も二百も相手してたら倒れちゃうわ」

男「俺も気軽に来れなくなるしなぁ……」

女「あんたはちょっと気軽に着すぎだと思うけど」<> 〜夜〜<>sage<>2009/03/26(木) 21:14:54.10 ID:9ahzu0Yo<>女「――、――」

男「――。――、――!」

おじさん「お姉さん、いつもいるし大将と仲良いようだけど、付き合い長いのかい」

女「え? あー……まだそれほどでもないわよねぇ?」

男「まだ一年ぐらいですよ。自分がこの人の店にふらっと立ち寄ったんですけど、
  その時の占いの結果が見事に当たってね。感動してそれからよく行くようになったんです」

おじさん「占い? お姉さん占い師なのかい」

女「ええ、駅の近くの×××××ってお店なんですけど。よかったらいらしてください」

おじさん「ああ、感動するほど当たるというのなら、また今度寄らせてもらうよ」

女「ありがとうございます」

男「明日の天気から無くした消しゴムの場所まで、何でも占ってくれますよ」

女「そんなこと頼むのあんただけだというに……」



このスレの書き手さん結構ストーリーがあったりするけど、
全然そんなの考えてないんでもしお題とか上げてくれれば喜んで書かせてもらいますぅ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/27(金) 01:40:49.52 ID:fTtfSsoo<>スマンスマン
ずっと物陰から見てました
やっぱ簡単にでも人いるぜをアピールしなきゃ書き手も落ち込んじゃうか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/27(金) 10:07:54.36 ID:Yvs3hKEo<>>>360
男か女の家族が出てくると面白そうなんだぜ<> 〜昼〜<>sage<>2009/03/27(金) 22:27:47.19 ID:ux0WgEIo<>男「そういやお前っていつも店開けてるけど、定休日とか作らないのか?」

女「作らなくても別に困らないからね。そこまでお客が多いわけでもないし」

男「平日の昼間ならなおさらか」

女「平日なんて、家に来客が何人かあるのと変わらないからね」

男「だからこうやって店開けてる最中でも俺と雑談ができる」

女「もしかしてあんたが店にいるから他のお客が来ないんじゃないでしょうね?」<> 〜夜〜<>sage<>2009/03/27(金) 22:38:27.49 ID:ux0WgEIo<>女「ビールおかわりー」

男「あいよー」

女性「こんばんはー」

男「……え゛?」

女性「おー、脱サラして居酒屋始めたって本当だったんだー」

女「何? 知り合い?」

男「……アネキ、なんでここに……」

女「男のお姉さん?」

女性「んー昨日あんたの家言ったらさ、あんたが居酒屋始めたって聞いたから、どんな店なのか見に来たのよ」

女「あの、男……読めないんだけど、あんたの家ってどういうこと? お姉さんじゃないの?」

男「あ、すまん女。えーとこの人は俺の従姉なんだ。近所に住んでて、小さいころからずっと一緒だったから
  親しみを込めてアネキって呼んでるんだ」

従姉「あたしもあんたも一人っ子だったからねー。……で、あなたはこいつの彼女?」

女「かの……っ!?」

男「違う違う!単なるうちのお得意さんだ!」

従姉「なぁんだ、やっと相手見つけたのかと思ったのに」

女(別に何かあるってわけでもないけど、そこまで必死に否定されると腹立つわね……)<> 〜夜〜<>sage<>2009/03/27(金) 22:46:01.87 ID:ux0WgEIo<>男「しかしとうとうアネキにバレたか……はぁ〜あ」

従姉「何よその嫌そうな溜め息は」

男「だってアネキの飲む量半端じゃないからな……これからは酒多めに仕入れないと……」

従姉「心配すんな、ちゃんと全部飲んでやるから!」

女「強いんですか?」

従姉「んーまぁまぁかな」

男「よく言うよ、ザルを超えたワクのくせして」

女「ワク……!」

従姉「なはは。酒に強い体に生まれたってのはいいねぇ、人生得してるよ」

男「それに付き合わされる周りの人間は人生損してるってこと忘れるなよ……」


とりあえず家族ではなくちょっと距離の離れた従姉というものを出してみた。
女のライバルにもなり得るし、どうだろうか。
細かなキャラ設定はまだ全然決めてない。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/27(金) 22:50:13.23 ID:ux0WgEIo<>義理の姉にしたらよかったああぁぁあぁああorz<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/28(土) 15:22:44.53 ID:aZeZJlIo<>           ,l、::::::::::::::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
           ,ハ::`丶、:::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,, -‐:〈
           {;;;;ヽ、:::::`丶、:::::::::::::l:;:;:;:;:;:; ィ";:;:;:;:;:;:;:}
           ,l;;;;;;;;;シ丶、:::::::`:`:ー'‐::'':"::::::::_, ィ"´;;l
          fうl;;;ミミ、  ``丶 、::::::::,: - ''"´  リ;;;;;;f-、
          { l l;;;;;ッ=`   (三> `^´ (三シ  ム;;;;;;ソl}
          t !;;;リ    _,,...,,_     _,,..,,_    l;;;//   かまわん、続けろ
           ゙l ヾ;lヾ:'ィテ;;;;;;;;;;;;;; i=i ,: ',;;;;;;;;;;;;.゙i;/l;//
           `ーll! i::;;;;`''==ヲ'  lヾ..;;;;;;;;;;..ノ ,!リノ
          /;;;/::ヾ、./ / / )      l'゙ /"i;;;;;;;;\_
       _,.-;;'";;;;;;;;r‐ /゙ ,/ /  /_!/`   /,,l;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;~\
  _,、-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / /  /   /.__,,,..-/ヽ /;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,、_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ノ / .ノ  / ,,, /  ノ/';;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙'';;;,,、_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ/ ノ  /  /,,,,/   /;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/    /  /;/ /;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ   ,    `゙  /―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;



むしろ義姉より従姉の方が自分的には面白いんだぜ<> 〜昼〜<>sage<>2009/03/28(土) 23:52:39.04 ID:4g0kCEQo<>従姉「こんちはー」

女「いらっしゃいませ……って従姉さん!?」

従姉「あいつに店の場所教えてもらって来ちゃった。いいかな?」

女「え、ええ、もちろんです。どうぞ座ってください」

従姉「ありがと。綺麗な店だねー」

女「ありがとうございます。それで、今日は何を占いましょう?」

従姉「んーじゃぁ……あたしが男と結婚できるか占って」

女「けっ……!?」

従姉「そ。結婚」

女「わ、わかりました……ではここに手を置いてください」

従姉「これでいいの?」

女「大丈夫です。ではすこしお待ちを……」

女(あいつの運命の相手で出てきたのあたしだったからなぁ……けど縁の変化で変わることもあるし……)
<> 〜昼〜<>sage<>2009/03/28(土) 23:57:48.55 ID:4g0kCEQo<>従姉「……どう?」

女「……すいません……」

従姉「そっか……男が貴方の占いは絶対あたるって言ってたしなぁ……」

女「で、でもこれは現時点での結果であって、人との関わりが変化することで結果が変わることもあるので……」

従姉「あはは、そんな必死にフォローしてくれなくてもいいって。半分冗談みたいなものだったし」

女「じょ、冗談?」

従姉「そ、冗談。あたしあいつとやたらと縁があるからさ、もしかしたら……って思って頼んだんだけど、
    流石にそこまでの縁はないみたいね」

女「そ、そうなんですか……」

従姉「あ、代金はちゃんと払うよ? はいこれ、代金一律よね?」

女「あ、はい。丁度ですね、ありがとうございます」

従姉「……ふーむ」

女「どうしたんですか?」

従姉「いや、結婚できないって言われたら、それはそれで燃えてきたなぁと思ってね」

女「は?」

従姉「ちょっと頑張ってみようかな」

女「はぁ……」

従姉「よし、ちょっと本気になってみよう。ありがとね、女さん」

女「あ、えっと……お役に立てたのなら光栄です」

従姉「あはは。そうだ、明日晴れるかな?」

女「天気予報では晴れだと言っていましたよ」

従姉「ズルいなぁ。もしかしてお金払わなきゃ駄目?」

女「冗談ですよ。朝は晴れますけど、昼から曇ります」

従姉「そっか、ありがと。じゃあね」

女「ありがとうございましたー」<> 〜昼〜<>sage<>2009/03/29(日) 00:03:08.99 ID:7R7L1EUo<>女「……男を本気で、ね」

女「従妹さんならもっといい男狙えるだろうに」

女「やっぱそういう問題じゃないのかしらねぇ」

女「……あたしはどう思ってるんだろ」

女「……常連客、よね。一番の金づる」

女「それだけよね……うん、それだけ」

女「……あ、店行けばビール一本サービスしてくれるか」

女「従妹さんに協力させられるのかしらねぇ、あたし」

女「……それはあまり気が進まないわね」

女「おかしいわね、あいつのことそんな風に思ってるつもりなかったんだけど」

女「……ま、今は深く考える必要ないか」<> 〜夜〜<>sage<>2009/03/29(日) 00:08:57.94 ID:7R7L1EUo<>ガラッ

女(開店から日も経って、やっと客の数も安定してきたわね)

従姉「あ、女さーん」

女「あ、従姉さん。もう来てたんですか?」

男「よう、いらっしゃい」

女「ビール。それと……つくねもらおうかしら」

男「あいよ」

男「そういや今日、アネキが店いったんだってな。迷惑かけなかったか?」

女「まさか、あんたじゃあるまいし」

男「どういう意味だよ……」

従姉「そういえばあの時当然のように聴いちゃったけど、女さんって天気も分かるんだね」

男「金取られるけどな」

従姉「え? 取られなかったよ?」

男「理不尽だ……」<> 〜夜〜<>sage<>2009/03/29(日) 00:32:00.96 ID:7R7L1EUo<>女「大将、裏メニュー頂戴」

男「ねえよ」

従姉「大将、30分で焼き鳥500本チャレンジやります」

男「ねえよ!」

女「面白みのない店ねぇ」

従姉「一体何屋よここ」

男「居酒屋だよ馬鹿野郎……」


こういう意味の無い小ネタを延々とやるのが好きなのだけれど、居酒屋だとやりにくいね
昼は結構やりやすいんだけど。
とりあえず進展もありながら小ネタメイン、そんな感じでいけたならなぁと。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/29(日) 10:47:00.26 ID:sLulggAO<>イイヨーイイヨーミテルヨー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/03/29(日) 14:45:32.63 ID:LRgs7MAO<>久しぶりにきた
楽しく読ませてもらってます<> 〜昼〜<>sage<>2009/03/29(日) 23:38:27.08 ID:7R7L1EUo<>男「たとえばだ」

女「何?」

男「小さい女の子がお前の店に来たとする」

女「ふむふむ」

男「で、女の子は、自分がピアニストになれるかどうか占って欲しい、と頼むわけだ」

女「うん」

男「で、占いの結果は“なれない”だった。普段お前は占いの結果を正直に言ってるけど、この場合もやっぱりちゃんと言うのか?」

女「ええ、言うわよ」

男「……そっかぁ……」

女「というより、“小さい女の子”なんて呼ばれる年齢で、将来が決まってる人なんていないわ」

男「え、そうなのか?」

女「そりゃそうよ。周囲との縁が無さ過ぎるもの」

男「ああ、おまえいつも言ってるな。縁が変われば、って」

女「そういうこと。だからそういうときはいつもこう言ってるのよ」

女「いまのあなたでは無理だけど、これから努力することによってこの占いの結果はどうとでも変わる。
  だからこんな占いなんか気にせずがんばりなさい、ってね」

男「へぇー。何だかお前、学校の先生見たいだな」

女「ふふ、女子高生の相手することは多いけどね。ほとんどが恋愛相談だけど」<> 〜昼〜<>sage<>2009/03/29(日) 23:48:19.10 ID:7R7L1EUo<>従姉「こんちはぁ……」

女「あら、元気ないですね」

従姉「競馬で負けた……」

女「ギャンブルはほどほどにしないと駄目ですよ? それで今日はどうしたんです?」

従姉「占いってさぁ、勝負事の結果もわかるの?」

女「なるほど……そういうことですか……」

従姉「ち、違うの! 別に次のレースの結果訊きにきたんじゃなくてさ、どうなのかなーって疑問に思ったから!」

女「まぁ、率直に言うとわかりますけどね」

従姉「すごい! 大金持ちになれるじゃん!」

女「あはは。一時期それでホントに稼いだこともありましたよ」

従姉「……なんだ、女さんだってやってるんじゃん」

女「けど、すぐにやめましたね」

従姉「なんで?」

女「味気ないんですよ、すごく。占いで得た結果で勝って、そのお金を手にした時、世界がとってもつまらない物に見えました」

従姉「なるほどなぁ……確かに一番おいしいところを楽しんでないもんなぁ」

女「そういうことですね。ですからもうそれ以来、自分の私欲のために占いをするのはやめました」

従姉「女さん占い師の鑑だなぁ」

女「あはは、ありがとうございます……けど、値引きしたりはしませんからね」

従姉「商売人の鑑だなぁ……」<> 〜夜〜<>sage<>2009/03/31(火) 00:28:23.07 ID:9ocmpm.o<>男「ほい秋刀魚お待ち」

従姉「おーいい匂い♪」

女「魚もいいわね……男、あたしクジラベーコン」

男「クジラは哺乳類だ」

女「陸を捨てておきながらよく哺乳類だなんて言えるわよね、恥ずかしくないのかしら」

男「クジラの大きさが陸にいたらえらいことだけどな」

女「リアルモンスターハンターよね」

男「野生のシロナガスクジラの親子が村を襲いました、とか大惨事だよな」

従姉「ねえ、あたし自分で秋刀魚の骨取れないんだけど」

男「じゃぁ頼むなよ……」

従姉「可愛い従姉の為に骨全部取って出してくれると思うじゃない!」

男「思わねえよ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/31(火) 00:30:06.57 ID:9qUrGBYo<>>>377
さんまは骨ごと頭から丸かじりが一番美味いww<> 〜夜〜<>sage<>2009/03/31(火) 00:35:40.43 ID:9ocmpm.o<>女「はい、取れたわよ」

従姉「お〜、女さん器用だねぇ」

男「ほー、綺麗なもんだな」

従姉「あ、そう? えへへ照れるなぁ」

男「意味が分からない……」

女「そうそう、三人でお花見行かない?」

従姉「あ、いいねえお花見! 今丁度満開だし、行こうよ男!」

男「おう、いいぞ。接待の無いお花見なんて久しくやってないしな」

従姉「やったぁ! 酒もツマミもタダだあ!」

男「……え?」

女「ま、男なら本職だしいいお酒用意してくれるわよね。おつまみも沢山作って」

男「……いや、ツマミは作ってやるけど酒は自分たちで買ってこいよ? 全部俺が出すとか無理だぞ?」

女、従姉「「……え?」」

男「……え?」


>>378
日本には秋刀魚をシシャモのように扱う人間がいるのか……<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/31(火) 02:52:54.91 ID:9qUrGBYo<>>>379
ん?んまいぞ?やってみ?
但し、しっぽから行くなよ。骨が引っかかるから。
あくまでも頭からが正解!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/03/31(火) 09:44:44.40 ID:5geO2Uoo<>>>380
食べ方が豪快すぎるぜ……<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/01(水) 00:51:07.28 ID:sv6zdnAo<>〜さあお花見だ〜

従姉「へえ〜、こんな場所あったんだねぇ」

女「あまり知られてない穴場なのよ。普段から人通りも少ないし。桜、三本もあれば十分でしょ?」

従姉「あたしは何本でも構わないよ。花より団子ってね」

男「はぁ、はぁ……一番飲み食いする奴が……はぁ、ちょっとぐらい、持ったらどうだ……」

女「だらしないわねえ、普段から営業とか言ってたんだから少しぐらい体力あるでしょ」

男「少しぐらいの体力でこの量に対応できるわけねえだろ!クーラーボックスに弁当だぞ!?」

従姉「はいはい、文句は後で聞くから早くビールだしてビール」

男「帰りたい……」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/01(水) 01:02:15.37 ID:sv6zdnAo<>女「おいしいわねえお弁当」

従姉「やっぱ本職は違うねぇ」

男「男としては女性に弁当作ってきて欲しいんだけどな……」

従姉「何夢見てんのよ。作れる人が作る、これが世界の真理!」

男「……もういいです。女、ビール取って」

女「え? もう無くなったわよ?」

従姉「焼酎ももうすぐ無くなりそうだけど」

男「ウワバミが二匹……」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/01(水) 01:07:55.95 ID:sv6zdnAo<>男「ぐー……かー……」

従姉「相変わらず弱いなー」

女「とりあえず、上着でもかけといてあげようかしらね」

従姉「……女さん」

女「ん?」

従姉「女さんはさ、こいつのことどう思ってるの?」

女「へ? どうって……常連客だったり、友達だったり……それだけよ?」

従姉「……ふぅん?」ずいっ

女「な、何?」

従姉「女さんがさ、男を見るときの表情ね、男を見るときにしかしない顔だって気付いてる?」

女「……え?」

従姉「なんていうかこう、すごく満足そうというか、幸せそうな顔で見てるんだよね」

女「それは……自分では気付かなかったわ……」

従姉「そうなんだ……で、女さんは男のこと、ほんとになんとも思ってないの?」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/01(水) 01:33:05.18 ID:sv6zdnAo<>女「う、うぅん……?」

従姉「この前あたしがこいつのこと本気で狙ってみるって言ったけど、女さん応援してくれる?」

女「…………」

従姉「あたしがもしこいつと付き合うことになったら、女さん祝福してくれる?」

女「…………」

従姉「答えられないってことは、少なくとも友達以上の感情は、ってことだよね」

女「え、えっと……」

従姉「……にひひ」

女「?」

従姉「頑張ろうね」

女「は?」

従姉「よし、この話終わり! おら男起きろ! まだ一時間しか経ってないぞこら!」

男「ね、寝かせてくれ……五時から起きて弁当作ってて……」

従姉「だーめー、今日店休みなんだから寝るなら夜寝なさいー」

女「……ふふっ」

従姉「うん?」

女「……頑張りましょうね」ぼそっ

従姉「……乾杯♪」

女「乾杯♪」


たまには関係が進展するネタも書かないとね。
個人的に従姉は好きなんで悪役に回らないように書いたつもりだけど、どう映るかな……
無理やり感が否めない……か?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/01(水) 08:53:25.73 ID:Rlozu/Yo<>なかなかええと思うよ<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/01(水) 17:18:10.56 ID:sv6zdnAo<>従姉「ロト当たったー!」

女「水難の相が出てますけどね」

従姉「……え?」

女「あと金運はあまり良くないみたいですけど?」

従姉「……嘘だな!」びしっ

女「ふふ、従妹さんもですよね」

従姉「ああそうさ、今回もカスリもしていなかったさ……」

女「水難の相は嘘ですけど、金運がよくないのは本当ですからね」

従姉「NOOOOOOOOOOO!!!」<> 〜夜〜<>sage<>2009/04/01(水) 17:51:49.28 ID:sv6zdnAo<>女「お勘定」

男「1500万円になります」

女「…………」

従姉「……うわぁ」

男「べ、別にいいだろエイプリルフールなんだから!」

女「関西じゃよくあることなのに……」

従姉「これだから東の人間は……」

男「お前らだって東側だろ……」

〜〜〜〜〜〜〜〜

女「あ、お釣りいいから」

男「え、いいのか?」

女「嘘よ」

男「……あ、もう日付変わってるけど」

女「嘘よ」

男「…………」

女「嘘よ」


四月うましかfin。
昨日寝る前に気づいたけど従姉に対して女の喋り方が敬語だったり違ったり。
まぁ、仲良くなってきた同年代に対してはよくあること。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/03(金) 02:46:54.52 ID:CYt9rUIo<>あぁ、今日は書き手サンの書き込みが無い・・・
毎日楽しみにしてる
プレッシャーに感じたらごめんなさい<> 〜夜〜<>sage<>2009/04/03(金) 22:01:51.01 ID:JnSkn1Io<>女「ねえ、男――」

男「ん、ああそれは――」

従姉「――なの。でさあ、男あたしが思うに――」

男「それはどうかと思うけどな……」

客「大将、いつも綺麗な子達と仲良くして羨ましいねぇ」

女「ふふ、お上手ですね」

客「で、大将はどっちの子に気があるんだい?」

女「……っ!」

従姉「……っ!」

男「え、ええ!? やだなぁ二人はただの友人ですよ、友人」

客「おや、そうなのかい? てっきり私はどちらかに気があるのかと思ってたが」

男「そんなわけないじゃないですかー」

従姉「……頑張ろう」

女「うん、頑張ろう……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/03(金) 22:08:54.46 ID:JnSkn1Io<>ああ、書き忘れてた
>>389
プレッシャーには全然ならないのです、
逆に毎日見てくれてる人がいるなら毎日かけるように努めてみようかな、とやる気が出るのです
まぁ、ネタが思いつかないと投下できないんだけども……
読み手の皆様いつも見てくれてとてもありがとう。
<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/04(土) 18:41:49.50 ID:7KCs6cwo<>男「終わりだ終わりだ終わりだ終わりだ」

女「終わらない。以上。はいお代」

男「いや、まだ何も……」

女「どうせミサイルが落ちてきて日本終わるとか思ってるんでしょ? 落ちてこない。はい教えたからお代ね」

男「……ドライだなー」

女「落ちてくるって分かればそれなりに慌てるかもしれないけどね」

男「なあ、お前明日世界が終るとしたら何して過ごす?」

女「そうねえ、すぐには思いつかないわ。あなたは何したいの?」

男「俺は、そうだなぁ……いつも通り、店開けると思うよ。世界が終るとしても、うちで飲みたいって人がいるかもしれないし」

女「……決めたわ」

男「あん?」

女「明日世界が終るとしたら、あなたの店にいるわ。世界が終るその瞬間まで、あなたと一緒に飲んでてあげる」

男「……ありがとな」

女「従姉さんはどうするのかしらね」

男「刹那主義だからなぁ。やることなさそうなら、アネキも誘って三人で終末まで飲み明かすか」

女「ふふ、いいわねそれ」


発射誤報が入ったときのVIPの勢いは異常<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/05(日) 22:02:06.51 ID:UNStelgo<>男「あーよかった何もなかった」

女「だから言ったでしょ、大丈夫だって」

男「……今更だけど女の占いってさ、必ず当たるよな」

女「そうねえ、まぁ二週間以内のことならほぼ当てられると思うけど。それ以降は少しブレてくるかしら」

男「すごいな……それって超能力みたいなもんか?」

女「どうかしらね。確かに、たまに勝手に見えてしまうことはあるけど。いつもやってる占いはちゃんと習ったものよ」

男「……じゃあやっぱり超能力あるんじゃないか」

女「羨ましい?」

男「まぁ、羨ましくないって言えば嘘になるけど。けどさ、いいことばかりでもないんだろ?」

女「ふふ、よく分かってるじゃない。逆に、勝手に見えるもので良いことなんてほとんど無いわよ」

男「そっか……大変だな、占い師も」

女「人の人生を左右する仕事をしてるんだもの。それぐらいは仕方ないわよ」

男「……嫌なことあったら、店来いよな」

女「あんたには結構救われてるのよ。お酒飲んで、からかって、愚痴って。いつもありがとね、相手してくれて」

男「お、おう。それはお互い様だしな」

女「ふふ、たしかにね。もう店に戻ったら?仕込みまだなんでしょ?」

男「あ、そうだな! んじゃ、また夜にな!」

女「ええ、またね」


女「……本当に、感謝してるのよ、あんたには」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/06(月) 02:17:26.04 ID:.7n9QIgo<>仕事終わって深夜の楽しみ
書き手さんオツであります<> 〜夜〜<>sage<>2009/04/06(月) 23:53:39.64 ID:zF4/qIoo<>従姉「……やっぱさ、先手必勝だと思うわけよ」

女「え?」

従姉「男! 明日デートしよう!」

男「はあ!?」

女「な……っ!?」

従姉「どうせ暇なんでしょ、明日定休日だし」

男「そりゃそうだけどよ……」

従姉「女さん明日の天気は?」

女「え? は、晴れだけど……」

従姉「ほらー絶好のデート日和。いいでしょ?」

男「はぁ……わかったよ……」

従姉「よし、じゃあ明日10時。駅前で待ち合わせね」

男「へいへい……」

従姉「にひひ、恨みっこなしね」

女「上手くいくように、願ってますよ」

従姉「……もしかして今何か占ったりした? 明日悪いことが起きるけど黙ってるとかない?」

女「ないない、絶対ない!」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/06(月) 23:59:02.11 ID:zF4/qIoo<>女「暇ねぇ……」

女「今頃従姉さんは、デート中か……」

女「……どこ行ったのかしら……」

女「まさか……」

女「……いや、流石にそれはないわよね、うん」

女「……けど、あの二人子供のころからの付き合いだし……」

客「こんにちはー」

女「いらっしゃいませー」

女(そして私は考えるのをやめた)<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/07(火) 00:29:48.14 ID:fshqA/Mo<>〜翌日〜

男「おーす」

女「あら、いらっしゃい。デートはどうだった?」

男「死ぬほど連れ回された……」

女「よかったじゃない、楽しかったでしょ?」

男「まぁアネキが楽しそうだったからよしとするか……」

女「じゃ、来週はあたしとデートね」

男「はあ!? 何でそうなるんだよ!?」

女「いいじゃない、あんたとまだ一度も遊びに行ったことないんだから。見たい映画もあるし」

男「はぁ……割り勘だぞ」

女「はいはい。じゃ、来週は一日相手してもらうからね」

男「休日がああぁぁ」


>>394
夜遅くまでお疲れ様です

誰かお題とかネタないですかー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/07(火) 02:23:51.27 ID:ma3ziOgo<>男と女の初顔合わせから
常連になるまでのエピソードが見たいかな・・・
年の設定はどうなってんだろ?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/09(木) 21:23:57.19 ID:O2rkX6wo<>ん〜
本編の進行はこのままでいいと思う。
欲を言えば今度の女とのデートで男が女のことを少し悩む程度に意識するといいかなと。
後、ネタになるかどうかは微妙だけど各キャラの過去(主に小さいころ)話とかどう?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/10(金) 09:42:58.21 ID:DlvDogDO<>やあ、書き手だよ
パソコンがぶっこわれて携帯難民だ、毎日楽しみにしてくれてる人ごめんなさい
二人のデートやっぱり書いた方がいいか……
どこか行ってほしいところあればどうぞ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/10(金) 14:54:10.11 ID:RJWs8a.o<>>>400
遊園地
TDSとかじゃなくて遊園地ねww<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/12(日) 19:04:23.74 ID:xt37WEDO<>女「遅いわね……あ、来た」

男「わ、悪い! 待ったか!?」

女「当たり前でしょ。約束の時間から何分経ってると思ってるの」

男「すまん、昨日遅くまで店開けてたから……」

女「ああ、じゃあいいわ。毎日お疲れ様」

男「そう言ってくれると助かるよ。で、どこ行くんだ? 映画か?」

女「それなんだけど、昨日偶然遊園地のフリーパス貰ったのよね。折角だし使わない?」

男「遊園地か……遊園地と呼べるものなんて、もう何年も行ってないな……うん、いくか」

女「ふふ、じゃあ行きましょうか」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/12(日) 19:12:17.02 ID:xt37WEDO<>女「平日だとやっぱり人少ないわねえ」

男「それに最近はみんな多少遠くても大型テーマパークに行くからなあ……遊園地自体、あまり流行らないんだろう」

女「そういえばあたしの実家の近くの遊園地も潰れたっけ……」

男「で、まずはどれ乗るんだ?」

女「じゃあ、ジェットコースターかしらね」

男「……まじか」

女「あら、苦手?」

男「ああいうのはどうもな……」

女「じゃあ、尚のこと乗らなきゃね。ほら行くわよ」

男「え、うそだろ? おいっ、うそだろ!?」ズルズルズル……<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/12(日) 19:34:35.62 ID:xt37WEDO<>男「し、死ぬかと思った……」

女「だらしないわねえ、それでも男なの?」

男「う、うるせえ……」

女「はぁ、じゃあ休憩がてら観覧車でも乗りましょうか」

男「さんせー……」

〜〜〜〜〜〜〜〜

男「ああ……落ち着く……」

女「……はぁ」

男「ん、どした?」

女「呆れてたのよ。折角のデートで観覧車なんてロマンチックなもの乗ってるんだから、
  少しは色気のある話でもあるかと思ったんだけど、期待した私が馬鹿だったわね」

男「あ、すまん……」

女「いいわよ、あんたにロマンチックな話されても、鳥肌たちそうだしね」

男「言うじゃねえか……」

女「悔しかったら、一番上まで来たときにキスの一つでもしてみなさい」

男「いや、それはちょっと……」

女「……はぁ……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/13(月) 21:13:15.64 ID:xWHQqQAO<>わっふる<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/13(月) 23:33:57.93 ID:Na4KUADO<>女「もうだいたい回ったかしら」

男「だな。そろそろ昼飯食わねえか?」

女「ああ、もうこんな時間だったの。外で食べる?」

男「そうだなあ、ここにはたいした物無いしな……」

女「じゃ、決まりね。どこで食べるかはあなたに任せるわ」



一気に書けなくて悪いね
ネタが思い付かなくてね<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/13(月) 23:59:24.31 ID:Na4KUADO<>〜昼食中〜

男「そういえばさ」

女「何?」

男「お前が占いで分かるのは、人間のことだけなのか?」

女「と、いうと?」

男「例えば、さっきの遊園地がいつまで残ってるとか」

女「ああ、さすがにそれは無理ね。ああいう沢山の人が行き交う場所は常に様々な縁が絡み合って刻々とその場を変化させてるから」

男「よく分からんが、占ってもすぐに結果が変化してしまうってことか?」

女「まあ、そんな感じね」

男「なるほどなぁ……で、次はどこ行くんだ?」

女「映画館。見たい映画があるのよ」

男「映画か……お前ってどんな映画見るんだ?」

女「ふふ、秘密♪」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/14(火) 00:42:32.71 ID:qmER9kDO<>男「……ホラーだとぉ」

女「嫌い?」

男「自分から進んでは見ないな……」

女「ま、たまにはいいじゃない。すいません、ペアシートお願いします」

男「なっ……!?」

女「いいじゃない、ドリンク付いてくるのよ? おっ得ー♪」

〜〜〜〜〜〜〜〜

男「……ドリンクってこれか?」

女「……そうみたいね」

男「……何でストロー二本出てるんだ?」

女「……仲良く一緒に飲めってことじゃない?」

男「……とりあえず、入るか」

女「ええ、そうね……」



言わなくても分かってるだろうけど、女がよく言う縁うんぬんは書き手自信の観念であって実際の占いは全然知らない<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/14(火) 13:19:04.91 ID:xvzH6YAO<>面白いから全く無問題
<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/14(火) 23:31:53.99 ID:qmER9kDO<>〜上映中〜

女(ズズー……)

男(ビクビク)

女「飲まないの?」

男「は、恥ずかしいだろ」
女「一人で飲むには多いんだけどねぇ」

『ギャアアアア!!』

男「ひぃっ!?」

女(周りのカップルと正反対ねえ……)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/15(水) 00:49:32.05 ID:s593IADO<>女「あーおもしろかったっ!」

男「夢見そう……」

女「飲む? 気分直しにはなるわよ」

男「……そうだな、もらうよ」

男「(ズズー)……お前さ、今日やけに絡んでくるな?」

女「うん? いつも絡んでるじゃない」

男「いや、今日はその、何て言うか……」

女「……ま、折角のデートだしね。ちょっと期待しちゃったりも、するものなのよ」

男「え? あ、あー……その、悪かったな……」

女「謝ることないわよ。ただのあたしのわがままだもの。
  あんたがあたしの期待に応える義務なんて無いし、あたしがあんたに何かを求める権利も、今は無いに等しいしね」

男「……権利ぐらいは、あってもいいんじゃないか?」

女「ふふ、ありがと。でも、やめておくわ。今のままでも、十分に楽しんでるから。」

男「……悪いな」

女「謝らないでってば。今日は付き合ってくれて、感謝してるんだから。楽しかったわよ」

男「ああ、俺もだ」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/15(水) 01:04:23.99 ID:s593IADO<>女「じゃあ、ここで」

男「ああ。けどホントに晩飯いいのか? 折角だし奢るぞ?」

女「いいわよ、今日はもう帰ってゆっくり休んで。疲れたでしょ?」

男「まあ、そりゃそれなりにはな……」

女「ふふ。折角の休日をあたしにくれて、ホントにありがとね。じゃ、また明日」

男「あ、お、おう。じゃあな」


男「……期待しちまう、か……」

男「アネキと同じ事言うんだな……」

男「……俺は、誰の期待に、応えられるんだろうな」


デート編おっわりー
携帯で長編はキツイね……全体を見渡しにくいから支離滅裂になりかけるよ
さて次からまた日常の短編だよ、お題も随時募集中<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/04/16(木) 21:03:36.64 ID:azor6AAO<>いつも楽しく読ませてもらってる

リクだが、女の家事するところとか。

扱いづらいやら構想に障りがとかならヌルーでお願い><
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/04/26(日) 21:01:18.50 ID:PXvkT/oo<>|ω・`)<> 〜夜〜<>sage<>2009/04/27(月) 16:49:24.12 ID:n7jyQoDO<>男「ありがとうございましたー」

女「…………」

男「……ん? なんだ?」
女「いえ……なんでもないわ」

〜〜〜〜〜〜〜〜

男「ふう……なんだ、いつの間にか女だけか」

女「…………」

男「女?」

女「よかったわね、明日が定休日で」

男「え?」

女「体調、悪いんでしょ?」

男「……よく分かったな……」

女「ふふん、伊達に毎日あんたの顔見てないわよ」

男「ああそうかい。まあ、そういうことなんで、今日は早めに閉めさせてくれるか」

女「ええもちろん。はいこれ、お代と携帯の番号ね」

男「あん?」

女「明日もし悪化してるようなら呼んで。看病しに行ったげるから」

男「……サンキュ」

女「じゃあ、おやすみなさい」

男「ああ、おやすみ」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/27(月) 17:00:34.26 ID:n7jyQoDO<>携帯「電話ですぜ」

女「はいもしもし?」

男「あ゛ー……女か……?」

女「……大人しく寝てなさい、今から行くから」

男「お゛ー……」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/27(月) 17:40:46.06 ID:n7jyQoDO<>女「店の二階でいいのよね……ここかしら」

女「はいるわよー」

がちゃ

男「あ゛ー来たか……」

女「来てあげたわよ……って汚っ! 何この本の山!?」

男「言い訳すると新メニューの研究だ……」

女「はいはい、適当に片付けるわよ?」

男「お゛ー……」

女「で、何なの? 風邪?」

男「風邪だな、これは……」

女「薬は?」

男「さっき市販の薬飲んだ……」

女「そう。なにか食べた?」

男「いや、何も……食欲無くてな……」

女「無理にでも食べなきゃ駄目よ。何か作るから、少しぐらい食べなさいよね」

男「わかった……女」

女「何?」

男「……ありがとな」

女「ふふ、まだ早いわよ」<> 〜昼〜<>sage<>2009/04/28(火) 00:47:34.83 ID:ZSQekUDO<>トントントントントン……

女「えーとお塩は……あーここか」

男「…………」

女「卵は……」

男(なんか……いいな、こういうの……)

女「もうお粥できるからね。起きられる?」

男「ん……」

〜〜〜〜〜〜〜〜

女「綺麗に平らげたわね……」

男「いや、うまかったもんで、つい、な……」

女「ふふ、ありがと。じゃ、あたし洗いものしてくるから、大人しく寝てなさいね」

男「ああ、悪いな」

女「別にいいわよ、貸しにしとくから」

男「おい……」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/05/12(火) 01:37:01.90 ID:2W7dj3ko<>久しぶりに見に来たが、ベタベタだな。
だがそれがいい。<> 旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv<>sage<>2009/05/29(金) 03:42:32.41 ID:lTcVFcUo<>書き手さんはまだ難民なのだろうか・・・<> 旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv<><>2009/06/02(火) 19:17:20.78 ID:xsf8xRQo<>(´ー`)あげげげげ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/06/08(月) 16:41:09.48 ID:8PypT0.o<>あげ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/07/02(木) 11:54:24.14 ID:nzrsRgSO<>とうちゃん、続きがみたいよう
(´・ω・`)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/07/11(土) 20:33:20.87 ID:b7a7UO60<>とうちゃんは、もう、いないのよ……<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/07/26(日) 15:26:34.65 ID:DsJq5gAO<>気長に待ってるさ〜<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/08/27(木) 00:48:39.60 ID:O/BhUQSO<>わしも見たいよう
(´・ω・`)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/10(土) 18:11:38.49 ID:0Hnr8YAO<>まだまだ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/11(水) 14:51:08.21 ID:JzESSDIo<>一気に見たけどやっぱり続きが見たいよう
(´・ω・`)<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/20(金) 17:36:59.30 ID:.exmycDO<>>>428
雷ドーン
全員「コピョコピュンピュンピィ!」
全員 死亡
終わり
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/21(土) 10:34:24.52 ID:WjJZUUDO<>乙!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/22(日) 11:17:47.46 ID:5N7h0sDO<>乙!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/22(日) 16:21:44.01 ID:QYwatgwo<>なんでやねんっ!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/23(月) 09:25:36.39 ID:hSOkZQDO<>なんでやねん
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/23(月) 20:46:02.46 ID:bVJaTQI0<>書き手さんはもう現れないんだろうか……<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/24(火) 16:45:32.67 ID:4/LOIEDO<>>>434
多分現れないでしょう
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/25(水) 15:46:14.18 ID:uhUmIADO<>乙!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/26(木) 20:06:27.35 ID:ht4zRYDO<>乙!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/27(金) 16:02:28.70 ID:sPUrJIDO<>乙!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/28(土) 09:05:06.80 ID:kCO/mADO<>乙!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/28(土) 16:01:06.05 ID:kCO/mADO<>乙!
<>