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HTML化した人:lain.
ソラニン
1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 00:51:29.92 ID:Vxt1Zq2o
背に生える羽を使って別に変な事じゃない。
今の世の中じゃ普通の事。

前スレ(第一部)
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1220195633/
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 00:53:31.65 ID:SccUoToo
>>1

2ch規制あるから
書き込めなかったのよ・・・
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 00:54:32.71 ID:UBkdddUo
そうなのよ、VIPは鬼女に突撃したせいで駄目なんだよ


なので>>1
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 00:55:41.20 ID:SccUoToo
スレ主の人
出来れば酉をつけてほしい
板が変わるんだし
ID変わるから・・・
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:00:57.41 ID:py6knGco
>>1
6 :四狐◇nsr1a0n2008/09/03(水) 01:01:14.02 ID:ouexZag0
>>1

じゃあ此処限定で酉付けようか
あんまり好きじゃないんだけどね
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:02:19.18 ID:SccUoToo
本物かどうか分からないところが
wwww
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:03:20.78 ID:EMFoiXgo
実際酉つけてくれたほうが追いやすいってのはある
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:05:24.65 ID:4OkVIsAo
ヒント:本スレはまだ落ちてない=鳥つけられる

どうでもいいけど>>6は誰なんだ、誰の鳥のコピペなんだ
10 :四狐◇nsr1a0n2008/09/03(水) 01:06:26.05 ID:ouexZag0
>>7
まぁ、それが掲示板の弱点だからね
Fox4なんて判る人いないか
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:09:10.95 ID:4OkVIsAo
>>10
軍事(空)が好きなのはよくわかった
でもなんだっけそれ、思い出せない
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:09:38.26 ID:BS2aZcIo
VIPはアク禁中だったから、こっち来てくれて助かったwwww
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:09:47.18 ID:YLUcTjwo
酉は半角#
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:10:40.07 ID:UBkdddUo
確認できたかな
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:11:20.41 ID:4OkVIsAo
もしかしてトリップのつけ方を知らないという落ちなのか

名前欄に半角#に続けて適当な文字列を入れるんだ
16 :四狐◇nsr1a0n2008/09/03(水) 01:12:37.52 ID:ouexZag0
>>15
なん…だと…

きゃー
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:12:57.50 ID:UBkdddUo
酉じゃない?
18 : ◆SQ2Wyjdi7M2008/09/03(水) 01:15:10.14 ID:w7IByLE0
>>1

酉テスト
・・・やってみただけ
19 :四狐 ◆b31BYoYbAM2008/09/03(水) 01:15:49.84 ID:ouexZag0
ゴメス、超ゴメス
酉付けた事ないんで知らなかった
わー恥ずかしい
20 :名前 ◆WBRXcNtpf.[sage]:2008/09/03(水) 01:16:22.50 ID:4OkVIsAo
例:名前欄に 名前#12345678 と入力した場合
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:19:37.14 ID:SccUoToo
>>12
( ´∀`)人(´∀` )ナカーマ
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:20:14.54 ID:h.IgDUs0
どん・・・まい・・・誰だってあるミスさ・・・・
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:20:24.95 ID:w7IByLE0
頭かかえて足バタバタさせてる姿を勝手に想像して萌えた
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:20:37.94 ID:LQ56Lo2o
>>19
おkだけどまさか>>16で書いた文字をそのまま使ってないよな?
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:20:45.77 ID:SccUoToo
なんだ・・・
酉の付け方を知らなかっただけか・・・
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:22:17.97 ID:4OkVIsAo
あー、あと今更なんだけどね、8桁全部数字だけ、っていうトリップキーはやめておいた方がいいよ、すぐ割れるから
まあ今回は本人確認だけだからさして問題にならないわけだけど、誕生日にはお祝いされちゃうし?
27 :四狐 ◆b31BYoYbAM2008/09/03(水) 01:22:25.29 ID:ouexZag0
>>24
違うのを入れたから大丈夫

アホな俺だけど、頑張るから!
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:23:48.24 ID:SccUoToo
>>27
楽しいストーリーを頼みますww
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:23:52.96 ID:/z/eYpso
まあ気にするなって
俺も今さっき2年位使ってる専ブラの便利な機能を発見したよ
単純過ぎて泣けたもん
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:25:05.60 ID:SccUoToo
>>29
どんな機能だい?
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:25:37.15 ID:4OkVIsAo
ってうわ俺嫌みな言い方…不快な思いをさせてしまって申し訳ない
なんとか直せないものかね…
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:26:42.97 ID:LQ56Lo2o
>>27
そか
頑張ってくれ期待してる

パー速での判別
尻がo→専ブラ
尻が0→ノーブラ
尻がO→携帯
33 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 01:26:56.69 ID:ouexZag0
>>26のも気になるけどもういいや!
小さい事気にしたらでっかくなれないって
偉い人が云ってた

今日から、ってのはさすがに厳しいから
明日の昼頃から本編開始と思っていて欲しい
云っておくと、舞台は地球じゃないよ
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:27:12.04 ID:/z/eYpso
>>30
いや単純過ぎて恥ずかしくて言えねえ
もうね俺バカじゃねえのって感じです。
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:28:53.36 ID:h.IgDUs0
>>32
pspは専ブラですか?
36 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 01:28:57.31 ID:ouexZag0
>>33
09/03(木)の昼頃って事ね
まだ書き溜めてすらいない
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:29:53.50 ID:h.IgDUs0
え?今日火曜じゃないの?
38 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 01:33:33.85 ID:ouexZag0
ああもう、グダグダじゃないか俺…

もういいや、書いてくる
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:33:46.86 ID:SccUoToo
>>35
PSPで来てごらん
どういうID末尾になるか俺も楽しみw
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:35:59.52 ID:4OkVIsAo
もしよかったらもう一機のYF-23、グレイゴーストにもスポットを…
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:39:17.50 ID:h.IgDUs0
>>38
wktk
>>39
pspで来ました。たぶん通常ブラじゃないかな。
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:43:27.50 ID:SccUoToo
>>41
41 以下、パー速民g(ry 2008/09/03(水) 01:39:17.50 ID:h.IgDUs0 (PC)

そうだね PC表示になってら・・・
PSP用の専ブラがあれば専ブラ表示になるんだろうか・・・?

そろそろスレ違いだなROMってるよ・・・
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:49:16.98 ID:h.IgDUs0
>>42
かもしれんね。

ちゃんと保守してね////
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 01:51:05.89 ID:Vxt1Zq2o
描いたから置いていくよー。
俺は男友と女がこんな感じをイメージした



|ω・`)つhttp://www2.uploda.org/uporg1649472.jpg


>>43
パー速は落ちないから保守はいらないよww
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 01:57:41.12 ID:h.IgDUs0
そうか・・ここはパー速か・・どうりで重いわけだ・・・
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 02:00:04.54 ID:tVREg8Io
さっき追いついた

そして>>1超乙
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 02:12:03.30 ID:C/HKoKQ0
PSPでtest
もちろん前スレもオワタブラウザで見てました
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 02:12:06.60 ID:1.M0L6Yo
今追いついた
>>1乙!!!
49 :以下、VIPに変わりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 02:22:00.16 ID:pjorEWQ0
明日も学校だけど眠れんwwwwww
>>1
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 02:35:33.13 ID:Dqs6wM6o
>>1
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 03:09:40.69 ID:tv4Ptes0
今追いついた

>>1乙
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 04:00:15.48 ID:ptsAOe6P
p2だとどうなるんだろちぇき
ちなみに携帯p2
53 :漫画書くとか言ってたしがない絵師です。2008/09/03(水) 04:34:46.20 ID:iw2BUMSO
>>1乙!仕事場から見てるよ!


>>44

女可愛いな!男友もキャラが滲み出てて好感持てるよ。

54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 05:51:44.92 ID:P4udwcAo
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/sora_nin.html
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 06:46:45.23 ID:gmSfaE.0
iPhoneだとけつはiだよ
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 08:07:02.29 ID:kmBcbzco
>>52
携帯P2って何?
フルブラウザとは違うの?

>>55
ID末尾がiなの?

vipスレ完結したのは知ってるんだが
1000まで行ったんだろうか・・・
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 08:08:34.66 ID:Vxt1Zq2o
>>53
仕事乙!!
褒めてくれてありがとうwwwwww

>>56
ちゃんと行ってたよwwwwwwwwww
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 08:11:49.54 ID:kmBcbzco
>>57
    ヘ⌒ヽフ
   ( ・ω・) dd
   / ~つと)
絵も“空を自由に飛びたい”フォルダに
保存させてもらいましたw
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 08:59:05.15 ID:Vxt1Zq2o
>>58
そんな事いうから調子に乗って描いちゃったのぅpしてみる俺wwwwwwww


.∧_∧
(´・ω・`)つhttp://www2.uploda.org/uporg1649774.jpg
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 09:06:08.36 ID:iw2BUMSO
>>59

こーゆー感じの絵は大好きだ。あーもー帰ったら絵書こう!!
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 10:32:21.78 ID:dATzZxA0
>>56
VIPだと末尾がiだったけどここだと0みたい
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 12:24:15.10 ID:4OkVIsAo
>>59
ペロッ、これは…原稿用紙…!
ICのではないな、さあその調子で漫画化するんだ
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 12:41:12.04 ID:3wTIpADO
作業中の女教師さんも描いてしまった反省はしてない。
これで最後にしますんで…!

http://imepita.jp/20080903/453450

前スレでGJくださった方、ありがとうございました!

>>59
私もこういう絵大好きです!そういう絵が描ける59さん素敵。
64 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 14:14:26.47 ID:ouexZag0
お、おお…なんか盛り上がってるな

俺は出だしからもうヒーヒー云ってるよ
これ、今日中に始められるのか…?
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 15:42:11.05 ID:4OkVIsAo
大丈夫、始まらなくてもSSM撃ったりしないから
66 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 18:32:54.31 ID:ouexZag0
なんとか始める事は出来そうー
人増えたら始めようか
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 18:38:03.64 ID:UBkdddUo
ROMってる奴出てこ〜い
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 18:47:04.06 ID:4OkVIsAo
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 18:48:29.65 ID:3wTIpADO
待ってたぜ!
70 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 18:59:35.16 ID:ouexZag0
じゃあ始めるよ
71 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:02:36.02 ID:ouexZag0
女「そーらをじゆうにーとーびたーいなーっ」
男「また随分と懐かしい歌を…」
女「だって飛びたいんだもん」
男「判った判った。ほれ、さっさとせんと遅刻するぞ」
女「むー」

俺の名前は男
何処にでも居る、普通の高校生
隣を歩いているのは同級生の女
小学校時代からの幼馴染だ
72 :しがない絵描き ◆kF7YKoOcms2008/09/03(水) 19:04:58.03 ID:iw2BUMSO
待ってたぜ>>1

夜勤明けで寝ててまたこれから夜勤だけど応援すっぜ!

明日の休みまた絵を描きたい。
73 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:05:04.35 ID:ouexZag0
男「しかし、今日はいい天気だな…学校行くのが面倒になるくらい」
女「こういう日って、尚更飛びたくなるよね!」
男「飛べるかっつーの。俺達は人間だぞ」
女「気分の問題だって! もう、連れないなぁー男くんは」
男「はいはい…」
74 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:09:09.51 ID:ouexZag0
俺には何か人に自慢出来るような
そんな大した能力とか特技とかはなかった
強いて云えば、理系科目が得意だという事くらいか
それ以外は平凡極まり無い、ただの17歳
そんな俺の人生は今日この日から
少しずつガタつき始めて行くのだった

――多分
75 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:13:38.21 ID:ouexZag0
男友「いっせーのー…」
男「せっ!」
男友「っしゃーウィナー! 泣け跪け身も心もズタボロになれー!」
男「くそっ…お前インチキしてないよな?」
男友「ははは、なにをおっしゃってるのかサッパリですなぁ」
男「ちぇ、これで三日連続昼飯奢りかよ…」
76 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:18:51.92 ID:ouexZag0
女友「あんたも律儀ねぇ。私だったら払わないわよ?」
男友「男はお前みたいな薄情者とは違って義理堅いんだよ」
女友「なによ、やる気?」
男友「暴力は嫌いだからな、やんならカードでやろうぜ?」
女友「…いいわ、受けて立とうじゃないの!」
男友「フゥハハー! かかってこいこのアマ!」
男「俺、先に行ってるからなー。ごゆっくり」
77 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:39:48.85 ID:ouexZag0
女「…へぇー。で、今二人は?」
男「教室でポーカーやってるよ。面倒だから置いてきたけど」
女「ふーん(やったっ、男くんと二人っきりでお昼ご飯っ)」
男「…ところで女」
女「ん? 何?」
78 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:42:16.00 ID:ouexZag0
男「お前が食ってるのって、一体何?」
女「え? 抹茶スパゲッティークリームあんみつ風だけど…」
男「…OK、俺先に教室戻るわ」
女「ええっ!? な、なんで!?」
男「食欲無くした」
79 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:46:58.15 ID:ouexZag0
教室に戻ると、口の開いた財布を卓上に放り出し
そしてその近くで真っ白になった男友がいた

男「ヘイ男友。どうしたそんな全財産奪われたような顔して」
男友「お、おお…男か…気をつけろ、女友は化け物だ…」
男「…負けたのか」
男友「チクショー! 俺の汗と涙の結晶のバイト代がぁー!」
男「ほれ、ラムネパンだ。これ食って英気を養え」
男友「ラムネパンとかお前、嫌がらせか!」
男「うん、割と」
80 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:51:17.99 ID:ouexZag0
昼休み後の授業は化学だった
担当の女教師先生がホワイトボードの前で説明をしている
俺は自習でやったところだったので暇を持て余し
女は先程から真剣な目つきで授業を聞いている
男友はラムネパンをなんとか食道に押し込もうとし
女友は消しカスで作ったゴム玉で遊んでいた

毎日がこんな感じ
特にこれといって変化もない日々
81 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 19:55:10.89 ID:ouexZag0
俺はちょっと飽きてきていた
不変に贅沢をいうのも考えものかもしれないが
マンネリ過ぎていると思っていた

男「(なんかこう、面白い事はないもんかな)」

後ろから物凄い音がした
男友がパンを詰まらせぶっ倒れたのである
教室には笑いが起きた、先生は呆れ顔になった
俺は一人、男友に感謝していた
82 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:00:48.69 ID:ouexZag0
男友「あー吃驚した…喉から直に水分が消えるのを感じた…」
女友「そもそも授業中にパン食うなっつーの」
男友「だっ、誰のせいであんな物を食べる羽目になったと!」
女友「男でしょ?」
男「俺は与えただけだ。女友が全財産奪わなきゃ他のもんが食えてたよ」
女「いや、そもそも奢りでラムネパンって…」
男友「俺に他のパンを選ぶ権利はないのかよ!」
男「そんなものないね」
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 20:02:48.43 ID:djoh0HE0
>>78
ちょwww山wwwww
84 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:06:30.54 ID:ouexZag0
放課後、俺達は帰路に着いていた
俺と女は家が隣同士
男友と女友も近い地区に住んでいたので
中学校からほぼ毎日、四人で帰っていた
向かって右から女友、女、俺、男友といった具合だ

男「……」
女「…男くん?」
85 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:11:12.94 ID:ouexZag0
男「へっ? あ、いや、何?」
女「どしたの? なんかボケーっとしちゃって」
女友「好きな人の事でも考えてたんじゃないの?」
男友「何っ!? お前浮いた話題あんのか! よし、俺に話せ!」
男「乗らされてんじゃねーっつの。そんなもん生まれてこの方ないわ」
女「でも男くん、最近よくぼーっとしてない?」
男友「じゃああれだ、若年性痴呆」
男「海に沈めるぞ」
男友「いやーん恐ーい」
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 20:15:24.50 ID:Its2pkSO
追い付いた
とりあえず全裸で待っとけばいいんだな?
87 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:17:33.14 ID:ouexZag0
女友「じゃあどうしたっての?」
男「いやさ、なーんか面白くないなぁって」
男友「面白くない、とな?」
男「ああ。例えばこう、なんか宇宙人的な何かが来たりとかさ…」
男「兎に角、非現実的な事でも起きないかなぁー、と」
女友「うははは! その歳でまだ宇宙人とか信じてるのか!」
男「む、失敬な! 宇宙人は絶対いるって!」
女友「男ってそういうトコ、お子ちゃまよねー。カッワイー」
88 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:22:47.09 ID:ouexZag0
男「ぐぬぬ…」
男友「落ち着け男。俺にはお前の気持ち、よく判る」
男「男友…」
男友「宇宙は…漢のロマンなんだよな!」
男「Exactly(その通りでございます)」
男友「YEAAAH」
男・男友「ピシ ガシ グッグッ」
女「…女友ちゃん」
女友「ごめん女、私に話振らないで…あれは解せないわ…」
89 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:28:44.19 ID:ouexZag0
その後、男友らと別れ
俺と女は家の前に着いていた

男「そいじゃ、また月曜にな」
女「うん…ね、ねぇ男くん」
男「ん?」
女「明日ってその…暇、だったりしない?」
90 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:34:58.29 ID:ouexZag0
男「特に用事とかはないな…どっか行きたいのか?」
女「う、うん!」
男「最近あまり遊べてなかったもんなぁ…よし、行くか」
女「やったぁ! 私、行きたいところあるんだ! そこでいい?」
男「ああ、後で携帯にメールしといてくれよ」
女「わかった! じゃ、明日九時に家の前ね!」
男「あいわかった、任しとけ」
91 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:39:29.61 ID:ouexZag0
その晩、俺と女は夜遅くまでメールした
明日行く所は最近、湾岸地区に出来た海洋都市らしい
温暖化かなんかのせいで海面が上昇し
今では地球の約八割半を海が占めている
人口が増えつつ在る今、海上に人が住む為の街を作るという計画があり
そのデモンストレーションの一環で作られたところだそうだ
92 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:44:49.15 ID:ouexZag0
男:でもそこ出来たばっかりなんだろ? 人、凄いんじゃないか?
女:大丈夫! 本当はまだ一般公開されてないんだけど
  お父さんの知り合いがそこの役員の人で特別に入れてもらえるの!
男:…俺が一緒に行っても大丈夫なのか?
女:お父さんにはもう話通してもらってるから大丈夫!
男:手回し早いな…わかった
女:じゃ、明日ね!
93 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:50:51.66 ID:ouexZag0
携帯の画面を閉じ、窓の外にふと眼をやった
空には数えきれないほどの星が輝いている
昔はこれほどの星は見えなかったらしい
昔の人は勿体無い思いをしていたのだなと思う

男「海洋都市、か…なんだかSFみたいな話だよなぁ」
男「…寝るか。寝坊したら怒られるし」
94 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 20:55:44.00 ID:ouexZag0
俺は部屋の灯りを消し布団に潜り込んだ
その時だった

ズドォォォオオオンンン――――

男「!?」
95 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 21:00:14.93 ID:ouexZag0
突然の轟音に俺は飛び起きた
暗くなっていた周囲の家にも灯りが灯り始める
慌てて窓を開け、窓枠に足を掛けて身を乗り出す
気がつくと、女も窓を開けて顔を出していた

女「おっ、男くん! 今の音聞いた!?」
男「ああ! なんなんだ一体…」

眠りにつきかけていた夜の街は一気に叩き起こされた
俺達は何処かとも判らぬ音のした方向を探した
しかし、結局それが何なのかは判らなかった
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 21:01:45.08 ID:mdeQcnMo
>>59
>>58です、ただいま・・・
見れない。・゚・(ノдヽ)・゚・。
97 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 21:02:43.28 ID:ouexZag0
第一話終了
以降は二日置きに投稿していく感じで
連続だと参っちゃうからね

キャラクターに変化見られるけど
名前同じで別人として捉えてね
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 21:04:53.24 ID:mdeQcnMo
>>97
お疲れ様
まだ読み始めたところだけどw

ぼちぼち見させてもらいますw
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 21:16:31.78 ID:vulQyyko
誰か絵再うpしてええええええええええええええええええええええええええ
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 21:18:14.88 ID:vulQyyko
忘れてた>>1乙、規制は怖いぜ



あと、女教師は俺のイメージでは、黒髪ロング、褐色、メガネ、白衣、たばこ
同じやつがいなくて軽く泣きそうだった、おれ変?
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 21:40:07.09 ID:UBkdddUo
再うpは書いた人がいいかどうか分からんぞ
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 21:42:44.75 ID:vulQyyko
書いた人カモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン
103 :しがない絵描き[sage]:2008/09/03(水) 22:18:26.03 ID:iw2BUMSO
明日の朝に描きます。

夜勤なんてなくなればいいのに

てか>>1今回の設定はかなり現代に近い?
104 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 22:26:29.48 ID:ouexZag0
>>103
夜勤お疲れ様です
今の所はね、今の所は…

男達の制服は学ラン
女達の制服はセーラー
皆知ってるね
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 22:34:32.07 ID:zsCuPUDO
なんだか平凡だな、ここから前作のように化けるのをwwktkしながら待ってます。



それより舞台は前回とは時間軸が違うだけ?
それとも全く別の世界?

差し支えなければ答えてもらっていいですか?
106 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 22:40:10.46 ID:ouexZag0
>>105
平凡なのは仕様です

とりあえず全く別の世界
ではないと思ってもらっていればいいかな、と
前回はファンタジックな感じだったけど
今回のはほぼSFみたくする予定
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 22:43:17.73 ID:Its2pkSO
二日置きってことは次は土曜日ってことでおk?
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 22:46:39.80 ID:4OkVIsAo
Q.結局YF-23とF-22どっち派なんですか?
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 22:52:58.62 ID:vulQyyko
>>103
再うpの許可してください
そしてついでに再うpしてください
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 22:57:29.32 ID:vulQyyko
>>109
あー、2行目冗談で書いたのに冗談に見えんくなってしまった


褐色、黒髪ロングの女教師書いてください><
111 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/03(水) 23:09:07.17 ID:ouexZag0
>>107
ごめんね、一日置きだったね
次は金曜日に書くね

>>108
YF-23
でも一番好きなのSu-47
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 23:11:02.45 ID:4OkVIsAo
前進翼ktkr!
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 23:13:44.08 ID:rBPkD8so
VIPだと規制されて書き込めなかったけど、ここなら書けるwwwwww

>>1期待sage
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/03(水) 23:15:17.98 ID:8oRJObUo
ベルクートと聞いて
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/03(水) 23:18:52.30 ID:Its2pkSO
>>111
OKわかった。
久々にゆっくり寝れそうだ

女教師に期待おやすみ
116 :しがない絵描き ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/04(木) 00:26:22.27 ID:HrpJQESO
もしかしてこのスレで絵をうpした人の事かな?前スレでしか僕描いてないけど…?

http://mup.vip2ch.com/dl?f=41931

http://mup.vip2ch.com/dl?f=41929

とりあえず男と女教師ね。
117 :しがない絵描き ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/04(木) 00:29:52.44 ID:HrpJQESO
>>109

とりあえずソラニンのやつは新しく描きますよ。んで今日はまだ仕事だから明日…ね?
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 06:18:09.29 ID:ZS0frrIo
おはようございます

SSも
絵描きさんも待ってます
119 :しがない絵描き ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/04(木) 06:42:49.34 ID:HrpJQESO
もうちょっとで夜勤終わるー!!

はやく家帰りてー
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/04(木) 08:39:56.49 ID:ZS0frrIo
>>119
お疲れ様
急ぎすぎて事故らないように
落ち着いて帰って下さい
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 12:15:55.71 ID:5oOqe/.o
知らない間に>>1が書きはじめてる・・・!wwwwww
>>59ですが>>58いるかな?いたらもう一回ぅpするよww
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/04(木) 12:25:35.99 ID:ZS0frrIo
>>121
来たw
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/04(木) 12:27:11.99 ID:ZS0frrIo
・・・あれ?
ゴメンこれから仕事なんで・・・
また来ます・・・
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 12:30:42.27 ID:USW7Qjco
>>121
漫画原稿用紙の端っこに描いちゃって裁ち切り線を大幅に突き抜けちゃったドジっこさんですねわかります
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 12:33:15.82 ID:5oOqe/.o
>>123
ごめんよー、また来たら言ってくれ><

>>124
ついついやっちまったんだおwwwwwwwwww(´・ω・`*)
126 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/04(木) 15:33:34.50 ID:2tlMbLk0
バイト行く前に描き逃げしておこう
え、風花? 一体なんのことやら

ttp://imepita.jp/20080904/558910
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/04(木) 16:53:07.18 ID:SQn45sDO
>>126
風花にしか見えねえwwwwww

だが俺は桐条派だ。
ツンデレいいよツンデレ
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 18:22:34.76 ID:nzq7c3oo
>>117
おk
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 21:33:49.21 ID:5oOqe/.o
だれもいないな。


ぅpをするなら今のうち
|ω・`)つhttp://www.uploda.org/uporg1652283.jpg
続きは描けないけどこれだけ。
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/04(木) 21:37:31.09 ID:jjx9GcAO
>>129

残念、俺が居た
GJ!
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/04(木) 21:39:12.65 ID:d879Q.AO
>>129
俺も居るぜ!
GJ!
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 21:44:55.38 ID:nzq7c3oo
お前だけに良い格好させっかよ
GJ!
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/04(木) 22:31:31.64 ID:tRizqkDO
>>127
こんな所におれがいるとはな
そして>>129GJ
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 00:02:39.53 ID:9I8hqyMo
>>125
123ですただいま・・・
遅くなってスミマセン
今から見てきます・・・
135 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 00:33:00.65 ID:YnYRP..0
>>129
よし、書く気起きてきた


今日の分は昼頃に始めるのでそのつもりで
バイト二日連続って何事
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 01:00:11.77 ID:9I8hqyMo
>>135
お疲れ様です
バイトに影響の無いように
無理しないで下さいね
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 08:51:17.38 ID:hkaHwISO
>>135
乙カレー
バイトがんばれよ
気長に待ってる

あと>>129再うpヨロ
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 11:09:01.19 ID:KZwoS160
パー速初めて来たけど保守とかいるの?
といってみるテスト
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 12:04:11.08 ID:UEZhG2Qo
>>138
概ね要りません
あまりに下のほうにあると
鯖落ちの時に被害を被るくらい
140 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 13:54:44.26 ID:LVbqpCs0
今日の分、始めるよ
141 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 13:58:53.24 ID:LVbqpCs0
翌朝、起きると雨が降っていた
眠気眼を摩りながらリビングに行くと
付けられたテレビからはニュースが流れていて
父はそれを見ながら茶を啜っていた

キャスター『…昨晩の落雷による影響で一部交通機関に大きな遅れが…』
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/05(金) 14:00:10.98 ID:/iOBpvwo
待ってたぜ!
143 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:01:38.78 ID:LVbqpCs0
男「へぇ、昨日のって雷だったの?」
父「ああ。変な雷だったよなぁ。雨降り出す前に落ちるなんて」
男「(でも雷にしちゃ、音が変だったような…)」
母「…男、女ちゃん、そろそろ来るんじゃない?」
男「えっ? 今何時…ってうわ! もう五十分かよ!」

俺は大慌てで着替えを済ませた
別にどしゃぶりっていうわけでもないし
海洋都市は屋内式らしいので大丈夫だろう
傘をさし、家の前で待っていると女が来た
144 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:05:11.19 ID:LVbqpCs0
女「おはよー、男くん!」
男「おはよう…って、お前昨日寝れたか? 眼が眠そうだぞ」
女「えへへ…あの後、中々寝付けなくて…」
男「ったく…歩きながら寝るなよ? 危ないからな」
女「が、頑張る! ちょっと危ないけど…」
男「おしっ、じゃあ行くか」
女「うん!」
女「(男くんと出掛けるのが楽しみで寝れなかった…なんていえないや)」
145 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:11:55.98 ID:LVbqpCs0
地元の駅から出ている山吹色の電車に乗り
さらに都市部の駅で青い車体の地下鉄に乗り換える
この地下鉄は海洋都市計画の物資輸送の為に企画が上がり
一足先に公に公開されて今に至っているらしい

女「(うつら…うつら…)」
男「おーい女、起きてるかー?」
女「はうっ!? お、起きてるよ! 本当!」
男「…今のは完璧に落ちてたよな」
女「うぐぅ…」
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 14:15:03.32 ID:UEZhG2Qo
wktkwktk
147 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:16:36.89 ID:LVbqpCs0
男「はぁ…降りる駅、終点なんだろ? 寝てろ、着いたら起すから」
女「えっ…でも悪いよ…本当にいいの?」
男「向こうに着いたら、お前に案内してもらわないといけないからな」
男「眠いままで微妙な案内されたってこっちが困るだけだし」
女「じゃ、お言葉に甘えて…よいしょっと」
男「! お、おい。頭を肩に乗せ…」
女「(すー、すー)」
男「…はぁ。ま、いいか」
148 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:21:38.52 ID:LVbqpCs0
女の寝息をBGMに、地下鉄はどんどん進んで行く
地下鉄のトンネルは閉鎖的で、なんだか不気味だ
ふと、子供の頃に見た怪獣映画を思い出す
地下鉄の先頭車両から小さな怪獣が乗り込んできて
人々を殺していくというものだった
あれは今でも脳裏に焼き付き、トラウマになっている

男「(はは、あんなもんが出てきたらどうしようってか…)」
149 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:26:14.21 ID:LVbqpCs0
俺は昨晩の事を思い返した
あの爆発のような、形容し難い音
ニュースでは落雷と行ってはいたものの
俺はどうも納得いかなかった
小さい頃から今に至るまでの十数年間
数えきれないほどの雷の音を聞いてきているが
その中であんな音を立てた雷には覚えが無い
150 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:30:41.20 ID:LVbqpCs0
あの音は、例えるならそう
まるで隕石でも落っこちてきたような――

男「(そういや、あの怪獣は隕石となってきたんだっけか…)」

途端、身震いが起きて、嫌な記憶が蘇る
俺は女の寝顔を見てそれを忘れようとした
そして、漸く震えが止まった頃
地下鉄は終点に着いた
151 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:35:16.54 ID:LVbqpCs0
男「さて…おーい、女。着いたぞー」
女「ううん…あと五分だけ…本当に…」
男「…うりゃ(こつん)」
女「はうっ! あ、あれ? 此処どこ?」
男「終点だっつの」

駅のホームに降りる
終点の駅には人は少ない
というのも、この駅はまだ未完成らしい
海洋都市への線路も完全に開通しておらず
周辺の施設等も建造途中なのだという
152 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:39:49.62 ID:LVbqpCs0
よってここに来る人は事業関係者が殆どだ
見渡せば確かにサラリーマン風の人しかいない
私服の俺達は正直浮いていた

男「うわー超場違いだな、俺達」
女「私服なの、私達だけだね…制服でも来てくれば良かったかな」
男「いや、それは逆効果だろ…で、これからどうするんだ?」
女「あ、うん。えーっとね…確か、こっちだったかな」
153 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:43:57.47 ID:LVbqpCs0
携帯を見ながら先を行く女に着いて行くと
そこは関係者以外立ち入り禁止の区域だった
入り口付近には警備員が一人立っている

女「あ、あの…」
警備員「ここは関係者以外立ち入り禁止の場所ですが、何か御用でも?」
女「えっと、これを見せれば通してもらえるって聞いてるんですが…」
警備員「…ふむ、少々御待ちいただけますか?」
154 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:47:13.10 ID:LVbqpCs0
女から何かカードのようなものを受け取った警備員の一人は
無線で何処かと連絡を取り合っているようだった

警備員「こちらゲート前です、通行証を持った女の子が…」
警備員「…はい…はい、判りました」
警備員「どうぞ御通り下さい。少し待てば、迎えの車両が来ますよ」
女「はいっ、ありがとうございますっ!」
155 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:51:53.56 ID:LVbqpCs0
入り口から中に入ると、其処は開けた場所だった
コンクリート打ちっ放しの無機質なトンネル状の空間で
真ん中を貫くように、これまた簡易なホームがあった
トンネルの両端にはレールが敷かれている
ホームにはスーツ姿の人が数人いるだけだった

女「やっぱ、浮いてるよね…私達」
男「そうだろうな…ん、電車、来たいみたいだな」
156 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 14:56:28.81 ID:LVbqpCs0
ホームに滑り込んできたのは、地下鉄と同じ型の車両だった
ただ、地下鉄のものと比べると車両が少し短くなっていたのと
それから天井にガラスがはめ込まれた吹き抜けがあった
俺達は最後尾の車両に乗り込み、そして間も無く電車が発車した
地下鉄の時と同じ空間が、ずっと続いて行く

男「地下鉄って、なんかつまんないよなぁ」
女「ずっとトンネル続きだもんね。風景も何もないし」
男「それにこの暗い空間が、どうにもね…」
157 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:00:46.44 ID:LVbqpCs0
女「ムスクルス、まだかなぁ…」
男「ん? ムスクルス?」
女「あ、まだ話してなかったよね。海洋都市の名前なんだって」
男「…空中都市の間違いじゃないんだよな?」
女「え? なんで?」
男「いや、なんでもない…」
158 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:04:18.40 ID:LVbqpCs0
と、真っ暗だった視界がいきなり明るくなった
それは思わず眼を瞑ってしまう程のものだった

男「うおっ、まぶしっ! 一体なんだって…!」
女「わぁ…こ、これってもしかして海の中…?」

そこには真っ青な海が広がっていた
どうやらこのトンネルには途中に海が見えるよう
透明な素材で作られた部分があるようだ
159 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:08:22.27 ID:LVbqpCs0
地下鉄に乗っていた間に雨は上がっていたらしく
上を見ると、太陽の光が海面でゆらゆら揺れている
それは初めて見る美しさだった

女「綺麗…こんなの、生まれて初めて見たよ…」
男「俺もだ…息を呑む美しさってのは、こういうのを云うんだろうな…」
160 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:13:27.69 ID:LVbqpCs0
海中の美しさに気を取られ、何分経ったのだろうか
透明なトンネルは終わりを告げ、再び視界は暗闇に染まった
ほどなくして車内アナウンスが聞こえてきた

アナウンス『間も無く、ムスクルスに到着します
      御降りの際、お忘れ物の無いよう御注意ください
      間も無く、ムスクルスに到着します…』

無機質な声が、海洋都市への到着を告げた
161 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:20:16.12 ID:LVbqpCs0
到着すると、そこは先程の無機質なホームとは打って変わり
近代的な場所になっていた
白を基調とした壁に濃淡の青二色のラインが走っており
駅名が記してある看板には『MuSculuS』の文字があった
ロゴのようなものにはクジラが使われている

男「お、おお…SFだ、SFの世界だ…」
女「男くん、こっちこっち!」

女はさっさと先に行っていた
ホームから地上に出る為の長い長いエスカレーターを上り
漸く地上に出た。通算して一時間半振りの地上だ
162 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:25:41.87 ID:LVbqpCs0
ヒュォォォオオオ――

冷たく、心地よい潮風が吹いてくる
女の髪がそれに靡いて綺麗だった
そして、その視界の奥に光る何か

男「あれが…そうなのか?」
女「うん。あれが海洋都市、ムスクルス」

駅から伸びる高架線の先に
海洋都市、ムスクルスが輝いていた
163 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:28:27.37 ID:LVbqpCs0
二回目終了

というわけで次回は海洋都市編
固有名詞出すと中二病っぽいよな!
でもそうじゃないと話進め難いんだ
ごめんね
164 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/05(金) 15:34:17.66 ID:LVbqpCs0
オマケ
ttp://imepita.jp/20080905/537210
ttp://imepita.jp/20080905/537430

仕事やんないで何やってんだ俺
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 15:46:40.99 ID:PX2X6jMo
>>163
全然おk

ホムンクルスかとおもった・・・
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 15:47:42.96 ID:PX2X6jMo
下のは元々の画像に貼り付けたの?
すげえwww
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/05(金) 16:44:24.70 ID:LLDHaSgo
しご…と…?

総武線->新宿->埼京/りんかい線
で合ってるかしら
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/05(金) 17:17:01.76 ID:hkaHwISO
>>1
出だしの眠気眼を邪気眼と見間違えた俺は厨二
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/05(金) 23:52:14.69 ID:qK3SlQoP
>>168に言われてから読み間違いに気付いた俺はもっと高位の邪気眼遣い
そういうちょっとクスっとさせるネタかと思ってたぜwwww
170 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/06(土) 00:27:39.09 ID:EFQfFlw0
>>167
パンフレット制作、面倒極まり無い
電車は総武線でなく中央線のイメージで
本物はもっと濃い、橙だけどね

>>169
眼科持ってこぉぉぉおおおい!
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/06(土) 00:58:53.81 ID:jWYOdU6o
>>170
中央線かぁ、なんだか沿線の風景まで想像できるようになって深まった
ところでそのお仕事はイラレをm(ry
172 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/06(土) 02:04:18.02 ID:EFQfFlw0
>>171
使うよーイラレもフォトショも!
だからMac、ってわけでもないけど
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/06(土) 23:47:47.96 ID:gnyCcA6o
いつの間にか来てた>>1

なんかソラニンとは別方向の話みたいでwwktkだ
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/07(日) 00:10:15.35 ID:sVSM.l.o
メラニンスレの仲間かと思って期待した
どうやら違ったようだ
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/07(日) 19:54:53.68 ID:EYkYi2AO
次はいつなりか?
176 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 20:03:19.35 ID:ceNcNJc0
ごめんね、先程仕事一段落したので
今晩九時頃から始めるよ
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/07(日) 20:29:42.86 ID:/kMMkVA0
>>176
待ってるよw
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/07(日) 20:59:01.17 ID:0vvoCrAP
そろそろか
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/07(日) 21:05:08.18 ID:a9jqwxoo
ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
180 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:18:09.34 ID:ceNcNJc0
行列おもしれぇwwww

とか云ってないで始めよか
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/07(日) 21:18:56.35 ID:/kMMkVA0
>>180
いいのか?www

wktkwktkwww
182 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:20:19.35 ID:ceNcNJc0
海洋都市『ムスクルス』
その名前の由来は地球上で最大の動物である
シロナガスクジラから来ているらしい
成る程、ロゴにクジラが使われているのも納得出来る

俺と女はムスクルスのエントランスホールにいた
そこで女の父親の知り合いの部下の人が俺達を迎えてくれた
話を聞いた所、どうやら建設チームの人らしい
183 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:24:25.22 ID:ceNcNJc0
部下「君らの事は、女ちゃんのお父さんから聞いてるよ」
女「今日は、お世話になります」
男「お世話になります」
部下「ハハ、そう固くならないでいいよ。さ、掛けて掛けて」

俺達は促されて、ホールのソファに座った
部下さんは向かいのソファに座り、パンフレットを取り出した
184 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:28:48.87 ID:ceNcNJc0
部下「…こほん、じゃあまず。ようこそ、海洋都市ムスクルスへ!」
部下「話は聞いてると思うけど、ムスクルスは海洋都市計画の一環で作られた
   世界初の海上都市だ。ここは玄関口のエントランスホール。
   向こうにあるゲートから、ムスクルス内に入る事が出来るんだ」

そういって部下さんが示した方には
警備員二人が両脇に立った大きな扉があった
185 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:31:53.89 ID:ceNcNJc0
部下「それでは、中に入る前に簡単にムスクルス内部を説明しておこうか」

この後、部下さんによってムスクルスの内部説明があったのだが
少々長いのでかいつまんで説明しておこうと思う
186 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:36:29.35 ID:ceNcNJc0
ムスクルスは大きく分けて、三つの区画で構成されている
まず一つは居住区。その名の通り、人が生活する為の区画だ
居住用マンションの他、公園やデパート等生活に必要な施設が揃っている
二つ目に工業区。これは居住区に住む人達が働く為の区画で
協賛企業の支社等が入る予定だそうだ
また、此処には既にムスクルス本体の発電施設があるらしい
そして、最後にあるのが企業区
一番小さな区画だが、この企業区こそ海洋都市の心臓部だという
ここには海洋都市計画の本部が置かれており
ムスクルスの全機能を担う巨大コンピューターがある
187 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:42:22.90 ID:ceNcNJc0
部下「今回君達が入れるのは居住区、あと、少しなら工業区にも入れるよ」
女「企業区は駄目なんですか?」
部下「うーん、残念だけどね…彼処には、“マザー”があるから」
男「“マザー”って、例のコンピューターですか?」
部下「その通り。もし、マザーに万が一の事があったら、大変だからねぇ」
部下「さっ、話はここまでにして。早速中に行こうか」
女「はいっ!」

部下さんは両手で膝を叩いて元気良く立ち上がり
女は子供のように明るい顔で後に続いた
俺は立ち上がり、ゲートのほうを見る
あの先に、一体どんな光景が広がっているのだろう
188 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:48:09.27 ID:ceNcNJc0
俺達は部下さんに案内され、居住区を歩いていた
大きなビルが、さながら柱の様に連なっている
見ると某有名デパートの看板まである
そのデパートも、協賛企業の一つだそうだ

部下「この計画には、多方面から多く企業が
   協賛企業に名乗りを上げてくれてるんだ。
   それほどムスクルスは期待されているという事さ」
189 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:51:35.06 ID:ceNcNJc0
成る程、先程説明していたように
これだけの施設があれば海上だろうが何処だろうが
一般生活を送るには十二分に足りるだろう
マンションの部屋も見せてもらったけれども
こちらもかなり充実した内装になっていた
けれど、まだ誰も入居していないからだろうか
俺達の他に動いている影は見えず
居住区はさながらゴーストタウンに見えた
190 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 21:55:50.16 ID:ceNcNJc0
男「此処には作業員の人とかはいないんですか?」
部下「居住区と、それと企業区は大体の設備が完成しているからね。
   元々此処に当てられていた人も、今は殆どが工業区に回されてるんだ」

これほどまでに立派な街だと、静かなのは非常に不気味だ
いつだったかに見た、誰も居ない都心の写真集を思い出した
191 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:00:08.10 ID:ceNcNJc0
部下「年内には入居者の公募が始まる予定だから
   来年の今頃にはここも人で賑わっていると思うよ」
女「その時にもう一回、皆で来てみたいねっ」
男「ああ。男友はこういうトコ、好きそうだもんな」
部下「さて、どうする? 店の中とか見てみるかい?」
女「うーんどうしよう…」
192 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:04:12.82 ID:ceNcNJc0
部下「はい、こちら部下…あ、課長…えっ!? そ、それは本当ですか!?
   はい…はい、判りました! 直ぐにそちらに向かいます!」
部下「ごめん、突然だけど急用が入っちゃったんだ。少し外してもいいかい?」
女「あっ、はい。でも、私達はどうすれば…」
部下「居住区の中の施設は好きに見ていて構わないよ
   この無線機を渡しておくから、何かあったら連絡してね」

そういって部下さんは無線機を女に渡すと
少し慌てたように去って行った
193 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:05:36.98 ID:ceNcNJc0
しまった、>>192の文頭が抜けちゃった…
下のが一番最初にくると思って


その時だった、部下さんの服の中にあった無線機がなった
194 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:08:33.20 ID:ceNcNJc0
男「行っちゃったな…どうしたんだろうな?」
女「何か事故とかでもあったのかな?」
男「そうかもなぁ…で、これからどうしようか」
女「え、えーと…とりあえず、デパートの中とか見てみようよ!
  まだやってないけど、下見みたいな感じで!」
男「よし、そうするか。じゃ、まずそこの中から見て行こう」
女「うん!」
195 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:13:21.12 ID:ceNcNJc0
それから俺達は近くにあったデパートに入り
そして――

男「此処は、何処だ…」

俺は迷っていた
196 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:16:31.66 ID:ceNcNJc0
あの後、女と共にデパートの中を見て回っていたのだが
ちょっとトイレに行っている間に女が見えなくなっていた
あらかじめ云っておくべきだったのだろうが
しかし当時の俺の膀胱は限界点にまで達していた
197 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:19:56.15 ID:ceNcNJc0
店内を一通り見てみたのだが、女の姿は見当たらない
とりあえず携帯で連絡を取ろうと思ったのだが

男「…? 圏外になってる…」

どうやらまだ電波がここまで来てないようだ
しかし、じっとしていても仕方ない
俺はデパートを出て、周囲に女の姿を探した
198 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:22:27.67 ID:ceNcNJc0
そして、気がつけば其処が何処だか全然判らなくなっていた
パンフレットも連絡用の無線機も、共に女が持っている
俺は完璧に迷子になっていた

男「うーむ…これは、どうすればいいんだろうか…」
199 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:26:55.72 ID:ceNcNJc0
これからどうすべきか、考えながら目の前を見る
すると、少し離れた場所に人影が見た

男「(女?)」

しかしよく見ると、それは女とは違った
背丈は女より少し低く、髪も短く切られている
そして何より、近づいてみて判った事だが
その人は影でなくとも全身黒ずくめだったのだ
頭の先からつま先まで、上着から靴までも
黒以外の色は透き通るように白い肌の顔だけだ
200 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:30:46.00 ID:ceNcNJc0
男「(事業関係者の人か…? にしちゃ、格好が変だけど)」

とりあえず、俺はその人に話しかけてみようと思った
こうして立ち尽くしているよりは状況を打開出来るだろう
小走りでその黒ずくめの人に近づく
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/07(日) 22:34:30.05 ID:RGPECoI0
お、再開してる
202 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:35:40.65 ID:ceNcNJc0
男「あのー…」
黒ずくめの人「…?」

よく見ると、その人は女性だった
いや、女性というよりは少女だろうか
俺と同じくらいか、若しくは少し年下くらいの顔立ちだった

男「此処の関係者の人ですか?」
黒ずくめの少女「…似た様なものだけど、何か用?」
203 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:38:20.11 ID:ceNcNJc0
男「いや、実は今日此処の見学に来たんですが、道に迷っちゃって…」
黒ずくめの少女「…そう。エントランス前までなら案内出来るけど、する?」
男「御願いします。このまま此処にいたんじゃ埒が明かないですし」
黒ずくめの少女「…わかった。貴方の名前は?」
男「ああ。俺、男っていうんです」
黒ずくめの少女「!」
204 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:41:28.24 ID:ceNcNJc0
俺が名乗った時、その少女の少し眠そうな眼が見開かれた
突然の事だったので少し吃驚してしまう

男「…あ、あの。どうかしたんですか?」
黒ずくめの少女「…いや、なんでもない。こっち、来て」

そういうと少女は遅めのスピードで駆け出した
俺はそれを追うように続く
205 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:45:22.63 ID:ceNcNJc0
ふと、前を行く少女の格好を見る
上は黒の大きなコートで、全身を覆うようにしている
随分大きいサイズなのか、後ろの方が風でふわふわと浮いていた
靴は黒のブーツで、かなりしっかりした作りに見える
自分の事を事業関係者に似た様なものだといっていたが
やはりとてもそうには見えない姿だ
しかし、エントランスまでの道を案内出来るという事は
この海洋都市に関してそれなりの知識はあるようだ
206 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:49:22.35 ID:ceNcNJc0
それから、数分が経った頃
前方にエントランスのゲートが見えてきた
どうやら、そこまでは遠くはないが
随分入り組んだ所に迷い込んでいたようだ

黒ずくめの少女「…此処から先へは、一人でも大丈夫?」
男「もう見えてますし、大丈夫です。ありがとうございました」
207 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:52:16.12 ID:ceNcNJc0
黒ずくめの少女「…男、だっけ? 貴方の名前」
男「あ、はい。そうですけど」
黒ずくめの少女「…リンネ」
男「へ?」
リンネ「…私の、名前。まだ名乗ってなかったから」
男「あ、ああ。そういえばそうでしたね…なんか、変わった名前ですね」
208 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:56:04.10 ID:ceNcNJc0
リンネ「…前にも、そう云われた事がある…」
男「も、もしかして怒ってます?」
リンネ「…いいえ。ただ、懐かしいなって思っただけ」
男「(懐かしい…?)」
リンネ「…それじゃあ」

そう云うとリンネさんは駆け足で走っていった
その後ろ姿は、何処か寂しげにも見えた
リンネさんの小柄な姿が、無機質な都市に消えた
209 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 22:58:56.87 ID:ceNcNJc0
第三回終了ー
前までちょっとグダグダだったから
今回で少し発展させられたかな

え? これは本当に空人の続編なのかって?
続編ですとも。面影殆どないけど!
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/07(日) 23:01:30.90 ID:RGPECoI0
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/07(日) 23:01:32.32 ID:r4ysZREo
なんかかなりいい感じだな
wwktk
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/07(日) 23:03:27.49 ID:/kMMkVA0
前が空で今回が海って感じを受ける
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage 名前でネタバレですね、わかります^q^]:2008/09/07(日) 23:04:18.40 ID:dR2Duc6o

また女はヒロインの座を落とすんですねわかりました^q^
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/07(日) 23:08:36.94 ID:VS0oVOI0
女ほったらかしで帰っちゃ駄目だろww
215 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 23:09:07.16 ID:ceNcNJc0
>>212
海、ね。いいよねぇ海
今年は湘南に行って玉砕してきたよ

実は海じゃ無いかもしれない


>>213
逆に考えるんだ
「新ジャンル系で女という名前だからってヒロインな訳がない」
or
「女って名前の時点でヒロインの座から落ちる事確定」
と考えるんだ
まぁ、これが新ジャンル系かも怪しいけど
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/07(日) 23:10:30.65 ID:/kMMkVA0
>>214
帰ってないんじゃ?
人目につきやすい
玄関まで移動したとか
迷子センターみたいなところへ
移動したんだと思った
217 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/07(日) 23:11:56.01 ID:ceNcNJc0
>>214
帰ってないよ
>>216みたいな解釈をして下さいな
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/07(日) 23:12:12.16 ID:/kMMkVA0
>>215
まあ、ガンガレwwww

そういやここ数年浜辺に行ってない件
潮風に当たりつつ車を走らせたい・・・
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/08(月) 09:33:37.63 ID:mb39WgSO
追い付いた乙
今回は女友の存在もたまには思い出してあげてください
220 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 20:18:58.80 ID:RqA1e0Y0
前作で影が薄かった人々も今作は活躍するよ!
多分

本日分、九時から始めます
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/09(火) 20:20:07.90 ID:WAaXmq.o
まってますw
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/09(火) 20:20:49.67 ID:qGMrWmMo
┣¨キ(o゚Д゚o)┣¨キ
223 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 20:58:25.58 ID:RqA1e0Y0
始めるよ
224 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:00:54.74 ID:RqA1e0Y0
俺はリンネさんを見送ると、エントランスの入り口を開けた
女は戻って来れてるだろうか
もし戻っていなかったらスタッフの人に云って無線を掛けて貰おう
そう考えながらエントランスホールに入った時だった

女「男くーんっ!」
男「あ、女…うわっぷ!」
225 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:03:19.91 ID:RqA1e0Y0
入るなり、女が飛びついてきた
突然の事だったのでバランスを崩し
危うく転びかけてしまう

女「し、心配したんだよっ!? 男くんに、もしもの事があったらって…私…! 」
男「わ、悪かった…とりあえず落ち着け。な?」
226 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:07:12.22 ID:RqA1e0Y0
ぐずっている女を必死で慰めていると
向こうから部下さんが寄って来た

部下「いや、無事で良かったよ。怪我とか、ないかい?」
男「この通りピンピンしてますよ。迷った時は困りましたけどね」
部下「すまなかったね。無線機を二つ渡しておけばよかったなぁ…」
男「そういえば、ムスクルスの中って携帯使えないんですね」
部下「近いうちに通す予定だけど、今はね…これも、伝えておくべきだったね」

俺達は行きに座っていたソファーに再び座り直す
そして、女が漸く落ち着きを取り戻してきた時だった
部下さんが口を開いた
227 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:10:32.12 ID:RqA1e0Y0
部下「さて、男くんが無事に戻ってきたところでなんだけど
   二人にちょっと話があってね」
男「話?」
女「何かあったんですか?」
部下「うん。これがまた厄介な話でね…」

部下さんはあからさまに困った顔をしながら頭の後ろを掻いた
顔にも若干疲れが出ているようにも見える
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/09(火) 21:13:59.48 ID:WAaXmq.o
来た
229 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:14:04.23 ID:RqA1e0Y0
部下「実はね、このムスクルスに侵入者が入ったみたいなんだ」
男「…侵入者?」
部下「うん。君らも行きに見てきて判ったと思うけど、
   このムスクルスには本部から発行されている通行証か、
   もしくはそれに準ずる何らかの書類がなければ、来れないようになっているんだ」
女「それって、これですよね?」

女はそういって鞄から一枚のカードを取り出した
クジラのロゴが入った白いカードだ
230 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:17:31.98 ID:RqA1e0Y0
部下「そう、それが通行証。普通はそれを使って入るんだ」
男「それで、その侵入者ってのは…」
部下「実は先程連絡が入ってね、地下鉄の駅に居た警備員が、
   何者かに襲われて気を失っていたんだ」
女「お、襲われたって…!」
部下「地下鉄の方のゲートにも何者かが入った形跡が残ってる。
   どうやって入ったかは判らないけど、
   管理コンピューターに違法アクセスしたみたいだね」
231 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:21:42.11 ID:RqA1e0Y0
周りに不穏な空気が流れている
女を見るとあからさまに怯えていた
しかし、侵入者か
まるでスパイ映画だな

部下「今、本部属の警備隊があちこちを探しているんだ。
   ゲートに入ってからの消息は未だに掴めていないけど、
   もしかしたらもうムスクルス内に入り込んでるかもしれない。
   それで君らを呼び戻そうと思ったんだけど…」

いや、侵入者とかそんな物騒なモンが入ったとかなら
俺達も連絡があった時に一緒に連れてってくれれば良かったんじゃないか
あの時にはまだその事が判ってなかったとは思えないし
232 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:25:18.04 ID:RqA1e0Y0
部下「あの時は、僕も慌てていたからね。
   君らを彼処に置き去りにしてしまった事は謝るよ。本当済まなかった」
男「…それで、これから俺達はどうすればいいんですか?」
部下「申し訳ないけど、今日の所は見学は此処までって事にしてもらえないかい?
   これから居住区内の捜索も始まる事だしね」
女「残念だけど、そういう事なら仕方ないですね…」

見ると、エントランスにフルフェイスヘルメットを被り
手には物騒な事に銃を持った人達が集まり始めている
防弾チョッキにはムスクルスのマークがある
部下さんがさっき云っていた、本部の警備隊だろうか
233 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:28:33.06 ID:RqA1e0Y0
部下「警備隊のほうも集まり始めたね。さっ、行こう。駅まで送るよ」
男「はい」
女「はーい」

俺達は自分の荷物を取ると、部下さんの後に続く
横目で警備隊のほうを見た
ヘルメットの下から、こちらを睨む様な視線を感じた
234 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:31:45.61 ID:RqA1e0Y0
部下「そうそう、男くん」
男「はい?」

俺達は三人で駅までの高架線の上を歩いていた
女は少し先を、何かを蹴りながら歩いている
よく見るとそれは小石だった。小学生か、あいつは
235 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:34:56.60 ID:RqA1e0Y0
部下「道に迷って、よく戻って来れたね。入り組んでいて大変だったろう?」
男「え、ええ。まぁそうですね…ハハハ」

俺は部下さんに、リンネさんに道を案内して貰ったとは云わなかった
もしかしたら、彼女が例の侵入者なのかもしれない
けれどその事を部下さんに教えたらどうなるんだろう
俺はせめてもの恩返しのつもりで、リンネさんの事を黙っていた
236 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:38:22.87 ID:RqA1e0Y0
女「あ、鳥!」
男「ん?」

女が声を上げ、右手で西の空を指している
見てみると、確かに黒い鳥のような影が随分遠くにあった
黒い所から見るに、カラスか何かだろうか

部下「へぇ、珍しいね。この辺りでカラスなんて殆ど見ないのに」

遥か向こう、都市のビル群にそのカラスのような鳥は消えて行った
俺はその姿に、何故かリンネさんを重ねて見ていた
237 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:41:20.54 ID:RqA1e0Y0
その後、俺達は部下さんに見送られ
今は帰りの電車の中に居た
俺達以外には乗客は誰も居ない
窓の外には海中の青い景色が続いている
隣では女が、また寝息を立てている
238 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:46:25.05 ID:RqA1e0Y0
男「(リンネさん、か…あの人、一体何者なんだろうか…)」

俺が名乗った時に見せた、あの表情
彼女はどうして、あんな反応をしたんだろう
同じ名前の人が知り合いにでも居たのだろうか?
いや、でも俺の名前は比較的多いほうだろう
となると、もっと他の理由だろうか?
理由を聞いておけば良かったと、少し後悔した
また会えるとは正直考え難い

男「(…俺も、少し疲れたな。寝よう…)」

そう思って、俺は瞼を閉じた
239 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:51:22.17 ID:RqA1e0Y0
すると、車両が少しカタカタと音を立てて揺れた
微弱なものだったが足から振動が伝わってくる
そしてその振動に合わせるかのように

ウォォォオオオンンン――

それは、とても小さく聞こえた
まるで何かが、唸りを上げているかの様な音
少し気にはなったが、しかし微睡みかけていた俺に
さらに拍車を掛けるかのように睡魔が襲ってきた
そして、気がつけば窓の外はトンネルの壁になっていて
車内アナウンスが地下鉄の駅への到着を告げていた
240 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:55:05.95 ID:RqA1e0Y0
女「それじゃ、また明日ね!」
男「おう、おやすみー」

その後、行きと同じルートを使って俺達は家に帰った
都心部で女の買い物に少し付き合った為
時間は午後七時半くらいになっている
我が家では、もうそろそろ夕飯の時間だ
空いた腹を気にしつつ、俺は玄関のドアを開けた
241 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 21:58:07.14 ID:RqA1e0Y0
男「ただいまー」
妹「おかえり! お兄ちゃんそしてキーック!」
男「ごふっ!」

玄関を開けた瞬間、妹に飛び蹴りをかまされた
この野郎、俺が出掛ける時にはまだ寝てた癖して
こういう時にはちゃんと起きていやがる
242 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 22:02:41.22 ID:RqA1e0Y0
男「お、お前な…少し加減というものを知れ…」
妹「ふんだ! また女ちゃんと出掛けたんでしょ? 知ってるんだから!」
男「またってお前、一ヶ月振りくらいだろう…」
妹「いい? 今度女ちゃんと出掛けるんなら、私に一言云ってからにしてよねっ!」
妹「(私だって、お兄ちゃんと一緒に出掛けたいのにぃ! むー!)」

云い終わると、妹はさっさとリビングに行ってしまった
俺は尻餅をついた形でそれを見ていた
243 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 22:05:47.01 ID:RqA1e0Y0
男「…はぁ、今日はなんだか、色々疲れたな…」
母「男ー、御飯よー。早く上がってきなさーい」
男「へーい」

スニーカーを脱ぎ、揃えてからリビングに続く廊下を歩く
キッチンのほうから、カレーの匂いが漂ってきた
244 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/09(火) 22:09:06.99 ID:RqA1e0Y0
第四話、終了
次回から学校に戻ります

男友「や、やっと出番が…!」
女友「ねぇ私ちゃんと出れるよね? ねぇ!?」
俺「さぁ?」
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/09(火) 22:09:48.34 ID:WAaXmq.o
>>244
お疲れ様でしたw
待ってますよwww
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/09(火) 22:15:01.77 ID:BynlS9so
うをぉぉぉぉぉおつかれぇぇ!!
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/09(火) 22:20:54.15 ID:Rezwk3ko
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/09(火) 23:11:20.22 ID:xGUvg6AO
おっつ(^ω^)
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/09(火) 23:55:47.31 ID:41dY9UcP

パー速だから当然だが、ゆっくりでまどろっこしいぜ
だが慌ててクオリティ落ちたら本末転倒だしな
wwktkしつつ待つしかないか
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/10(水) 06:05:36.00 ID:qE4ib3so
おはよう

>>249
ID末尾P来たww
スレ30番台の雑談を思い出すよw
・・・でPはどんな内容
(携帯キャリア?専ブラ?)なんだろ?
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/10(水) 06:21:06.91 ID:Zd9iRnMP
>>250
p2での書き込みが末尾pになるみたいだ
ちょっと特殊な専ブラと言えば良いだろうか
kwwskはこちら↓
http://akid.s17.xrea.com/
どうでも良いが、俺はDoCoMo規制の時に使い始めてそのまま使ってる
規制中も書き込み可能だったもんでな
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/10(水) 06:36:11.26 ID:qE4ib3so
>>251
http://p2.2ch.net/
の仲間なのか・・・

DoCoMo規制って事は
>>251は携帯キャリアって事か?
いろいろ有るんだな・・・d
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/10(水) 06:40:51.89 ID:Zd9iRnMP
>>252
仲間っつかそのものだな
携帯でも使えて便利(な部分もある)

ところでww書き込んだらなぜか二つ重なるなぁ
詳しくがくわわしくになってらwwww
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/10(水) 06:48:09.56 ID:qE4ib3so
>>253
よく分からんがwが2つになるのは
大文字だとパー速の仕様だと聞いた事がある
文面からはそれとはちがうっぽいが・・・

飯の時間だ・・・
またのw
ノシ
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 15:30:57.96 ID:93Y9zqoo
>>254みたいな子を[ピーーー]で[ピーーー]して[ピーーー]って言わせたい

[ピーーー]で[ピーーー]して[ピーーー]って言わせたいとなってるはず
256 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 18:27:12.01 ID:xc3S5qU0
なんか物騒な事を云ってる人がいるな…誤爆?

今日は九時半くらいから始めると思います
…しかしこのペースだと、いつ終わるか判らんな
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/11(木) 18:29:46.49 ID:oEmseoMo
>>256
今日は来れないけど
後でログ読まさせて貰います
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 18:31:38.68 ID:WBvyR0oo
[らめぇぇっ!]
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 18:38:52.97 ID:Rx.Go2E0
[たぬき]ったら[らめぇぇっ!]
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2008/09/11(木) 18:40:03.67 ID:93Y9zqoo
ひろゆきは包茎
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/11(木) 19:26:46.14 ID:BUZYSAAO
楽しみだぜww
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/11(木) 20:20:02.75 ID:2vZZkIDO
伏せられた部分がかなり気になるんだがwwwwww
263 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 21:50:26.97 ID:9mxTGsw0
たぬきが一体何をしたのか気になる…!

打ち合わせ長引いちゃったよー
始めるよー
264 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 21:53:12.25 ID:9mxTGsw0
月曜日の学校、朝のホームルーム前
俺は男友にムスクルスの事を話していた
女は女友と先程から談笑をしている

男友「へぇー、海洋都市ね! いいねそういうの、ロマンあるわぁ」
男「あまり海の上、って感じは無かったけどな。面白かったよ、色々と」
男友「…しかし、それ以前にッ」
265 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 21:57:30.15 ID:9mxTGsw0
男友は俺の机を“バン”と叩いた
そしてこちらに般若の様な形相の顔を向けてきた

男友「女と出掛けた、というお前が俺は憎いッ!」
男「そこかよ」
男友「お俺が十何回と誘って失敗してるというのにお前と来たら…!」
男「小さい頃から遊びに行くのなんて当たり前だったからなぁ…」
男友「そーいうところが憎いと云っとるのだこの野郎!」

鼻息を荒くした男友は
あからさまに不満げな顔をしていた
266 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:01:15.41 ID:9mxTGsw0
男友「もういいもん! 男には友達のよしみで良い事教えてやろうと思ってたけど
   そういう事なら俺だってそれなりの対応するもんね! 絶対教えねぇ!」
男「あ、そう。じゃあ自分の席に戻った戻った」
男友「ンなっ!? 其処は普通食いついて来るだろう!?」
男「生憎、俺はそういうのに反応出来ない性分なんでね」
男友「…お前、友達無くすぞ。主に俺とか」
男「元々少ないから、大した問題じゃないけどな。で?」
267 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:04:11.32 ID:9mxTGsw0
男友「結局聞くのか」
男「友達が云いたがってるなら、聞いてやるのが友達だろ」
男友「…女との遊び、セッティングしてくれるか?」
男「御易い御用で」
男友「よしっ、交渉成立だな! イェス!」

男友はガッツポーズをしてみせた
そんなに嬉しかったのか
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 22:05:26.70 ID:93Y9zqoo
お!始まった!
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
269 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:07:20.99 ID:9mxTGsw0
男友「んじゃ教えてやろう、良い事ってのはだな…」
男「ふむふむ」

そうして男友の話が始まろうとした時だった
担任の女教師先生が入ってきた

女教師「はーい! おっはよー少年少女諸君! さっさと自分の席に着く!」
男友「おっと、もうホームルームか。話の続きはまた後でな」
男「なん…だと…?」
女教師「ほら男友! 早く席に着かないと携帯預かってる間にメモリ消すぞー!」
男友「ひぃっ! 御無体な!」
270 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:09:45.94 ID:9mxTGsw0
結局、良い話とやらを聞く前にホームルームが始まってしまった
女教師先生がものすごい早さで、ものすごい適当な出席を取っていく

女教師「うん、皆いるね。ウチのクラスは元気があって大変宜しい!
    よーっし、それじゃそんな皆に私からイイ事教えてあげよう!」
男「(いい事…?)」
271 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:13:14.21 ID:9mxTGsw0
女教師「なんと! 今日我が校に転校生が来ましたーっ!
    しかも、喜べ男子諸君! 相当な美人だぞ!」

途端、クラスの男子から歓声が上がった
よく見れば、男友も立ち上がって喜んでる
もしや、良い話ってのはコレか?

女教師「まぁ残念な事に、その娘は一年なんだけどねぇ…
    でも良い先輩顔して近づけば、上手い事行くかもよーっ!」
男子全員「うぉぉぉおおお―――!」

女教師先生が、なんで教員になれたのか
この学校の七不思議の一つに加えたいところだ
272 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:16:04.99 ID:9mxTGsw0
男友「さて、休み時間になったし。早速下の階に行こうじゃないか!」
男「行ってらっしゃい」
女「写メ撮ってきてねー」
女友「それでさぁ、昨日のテレビでね…」
男「ほうほうそれでそれで」
男友「お前ら…好奇心とかそういうのはないのか!」
三人「あんまり」

昼休み、俺達四人は集まって弁当を食べていた
男友はさっさと弁当を食い終えている
273 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:19:26.36 ID:9mxTGsw0
男友「女達は判るが、男よ。何故お前は興味を示さないッ!?」
男「たかだか転校生だろう、そんな騒いでどうすんだ?」
男友「馬鹿野郎! 転校生ブランドを知らんのか貴様!」
男「知らん。っつーか勝手に変な単語作るな」
女友「アンタってそういうのにやたら反応するわよねぇ。飽きないの?」
男友「飽きる飽きないじゃない! これは漢の浪漫なの!」
男「わざわざ漢字にするところなのか? 此処」
274 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:22:12.08 ID:9mxTGsw0
女「でも、正直ちょっと気になってたりするんだよね」
女友「へぇ、女がそういうのって珍しいわね」
女「うん、先生があんな事云ってたから気になっちゃって」
男友「女って…もしかして百r」
女友「ふんっ!」

ずむっ

男友「オウフッ」

鈍い音を立てて、男友は崩れ落ちた
さらば友よ、君の犠牲は無駄にしない
275 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:26:05.29 ID:9mxTGsw0
男友「…って、勝手に[ピーーー]な! あと、いきなり手を出すな暴力女!」
女友「うるっさいわね! 本当なら貫手で殺したいところよ!」
男友「ンだとーこの零式! HOSにでもやられてしまえ!」
女友「意味判んない事云って、やるっての!?」
女「ふ、二人とも落ち着いて…」
男「ごちそうさまーっと」
女「男くんも御飯終わってないでなんとかしてよー!」
男「…はぁ、相変わらず面倒だな」

俺は妹が作ってくれたサンドウィッチを食べ終え
弁当箱を鞄に仕舞った
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 22:28:15.14 ID:93Y9zqoo
パー速だと
[ピーーー]→[ピーーー]
[ピーーー]→[ピーーー]
ってなるよ
メール欄に「saga」って入れればならないよ
277 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage [ピーーー]入ってうぜぇwww]:2008/09/11(木) 22:28:39.81 ID:9mxTGsw0
男「ほれ。行くぞ男友」
男友「へっ?」
男「…これ以上騒がれたら、こっちもたまったもんじゃねぇからな」
男友「おっ、男ぉぉぉおおお!」
男「五月蝿い黙れ沈めるぞ。お前らは来なくていいのか?」
女「う、うん。まだ私、食べ終わってないし」
女友「私もパース。男友なんかと一緒なんかじゃ余計にだわ」
278 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:31:48.48 ID:9mxTGsw0
男友「というわけで、一年のフロアにやってきました」
男「クラスは把握出来てるのか?」
男友「心配すんな、判り易いようになってるから」
男「は?」
男友「ほれ、彼処見れ」

そういって男友が指した方向を見ると
一つのクラスの前に男子生徒が集まっていた
十人はいるだろうか
279 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/09/11(木) 22:34:08.69 ID:9mxTGsw0
男「なんじゃありゃ…」
男友「まっ、俺らと同じ考えの奴は沢山いるってこった」
男「俺とお前を纏めるな」
男友「もう、男ったら恥ずかしがっちゃって!」
男「殺すぞ」
男友「(´・ω・`)」
男「で、どうするんだ? あれじゃ教室の中も見えんぞ」
男友「ふふん。そういう時は、これよ」

そういって男友は一枚の写真を取り出した
よく見ると、何処かで見た事のある女性の写真だ
ちゃっかり水着を着ている写真である
280 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:39:03.66 ID:9mxTGsw0
男「…もしかして、女友か?」
男友「イェスイェス。あいつ、なんだかんだで男子からは人気あるしな」
男「着てるのはウチの高校の水着か。いつ撮った?」
男友「授業中にな、こっそりと。いやーバレるかと思ってヒヤヒヤしたぜ」
男「…で、それをどうすんだ?」
男友「うん。俺がこれを使ってあいつらを引き付けるから、
   お前は例の転校生の写真を撮って来い。これ、カメラな」

そういって男友は小さなデジタルカメラを取り出した

男友「あーっ! こんなトコに女友の水着写真がー!」
男子生徒達「!?」
男「あ、こっち見た」
男友「わーコレ一体誰のだろー拾っちゃおうかなー!」
281 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:42:04.11 ID:9mxTGsw0
男子生徒達「それは俺達のだー!」

男「うわっ! 本当に来た!」
男友「ほれ、はよ行け! 此処は俺が…うおっ!」

男子A「それをこっちに寄越せぇぇぇえええ!」
男子B「女友は俺の嫁!」
男子C「やかましいこのハゲチャピン!」
男子D「うわっ、お前何処触ってんだよ!」
男子E「足踏んだの誰だよ!」
男友「…ええい! お前らにこの写真は渡さんッ!」
男子生徒達「待てぇぇぇえええ!」
282 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:44:33.85 ID:9mxTGsw0
――その頃
女友「…ふぇっくち!」
女「女友ちゃん、風邪?」
女友「うーん、そうかも…ヤだな、悪寒がする…」
283 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:48:05.57 ID:9mxTGsw0
男友を筆頭にし、男子生徒達は
屋上へ繋がる階段へと消えて行った
男友は無事に帰って来れるのだろうか

男「…行くか」

俺は人が殆ど居なくなったクラス前へと歩いて行った
ドア窓から中を見る
中に居る一年はまだ弁当を食べているのが多い
284 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:51:16.19 ID:9mxTGsw0
男「(そういや、どんな顔か判らん…そうだ)」

俺はクラスのドアを開け、近くにいた女子生徒に声を掛けた

男「ごめん、このクラスに転校生の子って居る? 用事を頼まれてるんだけど」
女子生徒「あっ、はい! 雀ちゃーん!」
雀「なにー?」

教室の奥のほうから明るい声が聞こえてきた
どうやら、転校生の名前は雀というらしい
随分可愛らしい名前だ
285 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 22:54:14.86 ID:9mxTGsw0
女子生徒「先輩の人が、用事あるんだってー!」
雀「わかったー! 今そっちいくねー!」

パタパタと彼女が駆けてくる音がする
さて、用事といったがどうやって写真を撮らせてもらおうか
云ったのはいいが、理由をあまり考えてなかった

男「(ま、学生新聞の取材とか云っておけばいいか…)」
雀「お待たせしましたー!」
286 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 23:00:12.38 ID:9mxTGsw0
男「ああ、お昼中悪か…!?」

俺は、我が眼を疑った。口は思うように動かず
ポケットの中でデジカメを握っていた手が汗ばむ
頬から首に向かって、汗が流れるのが判った

雀「先輩? どうかしたんですか?」

転校生の少女は不思議そうな顔をこちらに向けていた
その顔は、あの海洋都市で出会ったリンネさんそのものだった
287 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/11(木) 23:02:27.79 ID:9mxTGsw0
第五回終了
え、先が読めるって? 気にすんな

明後日から泊まりなので
明日中に六回目やりますよ
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 23:03:01.82 ID:93Y9zqoo
乙カレー
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 23:06:11.86 ID:ILFSXIAO

290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 23:08:08.98 ID:.UUBJ.Ao
乙!!
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 23:14:50.10 ID:7.6E9Lko
篠原重工業乙
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/11(木) 23:18:23.40 ID:Ce78LA.o
乙〜
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/12(金) 00:39:03.21 ID:9BYSr9w0
[ネ申]ったら今日も乙!
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/12(金) 04:27:48.26 ID:3ZLlgWoP

[ピーー]ワロタwwwwwwww
こ ろ す とか入れたらそうなるんかね
>>276
ピーーがピーーになるって分かんねえよwwwwwwwwwwwwwwww
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/12(金) 15:25:55.70 ID:J1AH8kYo
>>294
殺‍す→[ピーーー]
田‍代→[ネ申]
亀‍田→[切腹]


↑変な表示にはならないために
間に「&(ここは半角に変換)#8205;」を入れた
296 :なすーん[なすーん]:なすーん
                     __        、]l./⌒ヽ、 `ヽ、     ,r'7'"´Z__
                      `ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ   `iーr=<    ─フ
                     <   /´  r'´   `   ` \  `| ノ     ∠_
                     `ヽ、__//  /   |/| ヽ __\ \ヽ  |く   ___彡'′
                      ``ー//   |_i,|-‐| l ゙、ヽ `ヽ-、|!  | `ヽ=='´
                        l/| | '| |!|,==| ヽヽr'⌒ヽ|ヽ|   |   |
  ┏┓  ┏━━━┓              | || `Y ,r‐、  ヽl,_)ヽ ゙、_ |   |   |.         ┏━┓
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  ┃┃   ┃┏┓┃┗━━━.んvヘvヘゝ | l| ヽ  ヽ   /   _,.ィ ノ/川l/.━━━━━┛┗━┛
  ┃┃  ┏┛┃┃┗┓     i     .i  ゙i\ゝ`` ‐゙='=''"´|二レ'l/″           ┏━┓
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                   r|__     ト、,-<"´´          /ト、
                  |  {    r'´  `l l         /|| ヽ
                  ゙、   }   }    | _|___,,、-─‐'´ |   ゙、
                    `‐r'.,_,.ノヽ、__ノ/  |  |      |、__r'`゙′
                            |   |/     i |
                             |          | |
297 :なすーん[なすーん]:なすーん
なすーん


なすーんのやりすぎには注意しましょう。
HOST:ntaich224090.aich.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp―Useragent:Mozilla/3.0 (compatible; JaneStyle/2.83)

298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2008/09/12(金) 15:34:14.05 ID:yQvQq72o
何度も失敗するw

ドラえもん → [たぬき](青)
デブ → [ピザ](青)
多村 → [スペランカー](青)
死ね → [ピーーー](赤)
殺す → [ピーーー](赤)
鮫島 → [禁則事項です](赤)
姉歯 → [ヅラ](青)
ひろゆきは包茎 → [あぼーん](赤)
みさくら → [らめぇぇっ!](赤)
あべひろし → [アタタタタタタタタタタタタタタタタタ](赤)
亀田 → [八百長](赤)
田代 → [ネ申](赤)
桧山 → [連絡無し](赤)
粉雪 → こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい(白)
ド ドド → ┣¨┣¨┣¨┣¨
魔力 → 魔翌力
翌力 → 翌翌力
w → ww
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage !蒼_res]:2008/09/12(金) 15:40:18.84 ID:2cGlNfso
[たぬき]
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/12(金) 18:41:07.27 ID:lZygGCs0
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/12(金) 18:48:11.59 ID:jqmCQIAO
試すなよww
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/12(金) 18:51:49.61 ID:a8fCQqso
[アタタタタタタタタタタタタタタタタタ]
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/12(金) 19:45:43.91 ID:hpZJfX6o
[禁則事項です]
304 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/12(金) 20:14:22.44 ID:sJzML7w0
なんかスレの方向性が変わってきてる…!

今晩中に第六回やるけれど
時間は少し遅くなるからヨロシク
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/12(金) 20:22:07.02 ID:uHAlWYSO
待ってるよー
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/12(金) 22:59:13.37 ID:jqmCQIAO
泊まりは何泊?
てか泊まり中は書けないパターン?
307 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/12(金) 23:11:22.44 ID:sJzML7w0
>>306
一泊。日曜には帰るよ、そんな金も無いし
泊まり中は無理だね

零時くらいから始めるよー
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/12(金) 23:20:42.37 ID:GJzwbgAO
[禁則事項です]
[ヅラ]
WKTK
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/12(金) 23:35:54.40 ID:6Nbrshs0
追いついた
wktkしてまってるわ

こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/12(金) 23:48:43.13 ID:yQvQq72o
wwktk
311 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/12(金) 23:55:20.35 ID:sJzML7w0
よっしゃ、始めようか

こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
312 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:00:22.48 ID:NHCui3.0
男友「うっひょー! 噂に違わずすげぇ可愛い娘だなぁ!」
女「なんていうか、お人形さんみたいだなぁ…羨ましい…」
女友「そう? 結構居そうな感じの娘じゃない? それなりに可愛いけど」
男友「いや、これはそうそうお目に掛かれるもんじゃないぜ、なぁ男?」
男「…ん? あ、ああ。そうだな…」

放課後の教室、男友達三人は
俺が昼休みに撮ってきた写真を見ている
其処にはこちらに明るい笑顔を向ける少女が写っている
彼女の名前は、雀と云った
313 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:03:27.02 ID:NHCui3.0
男友「しかし、この笑い方…出来るなッ!」
女友「なーに云ってんだか。普通の笑顔じゃないの」
男友「ふっ、甘いな。このさり気なく添えられた右手がだな…」
女友「(もう、付き合いきれん…)」
女「…男くん、さっきからどしたの?」
男「んあ? どうしたって、何が?」
女「なんかボーッとしてない? 五限の頃からずっと」
男「あー、まぁ、ちょっとな…」
314 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:06:44.99 ID:NHCui3.0
俺は内心引っ掛かっていた
あの雀と云う、転校生の少女
彼女の顔はある一人の女性と瓜二つだった
その女性はリンネさんと云った
ムスクルスで、道に迷っていた俺を助けてくれた人だ
雀ちゃんとリンネさんの顔つきは、よく似ている
瞳の色、髪型、パーツのバランス
違う所といえば、眼の垂れ具合だろうか
しかし其処だけを除けば、二人はそっくりなのだ
315 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:10:20.05 ID:NHCui3.0
男「(双子の姉妹、とかか? …俺を見ても何の反応もしなかったし)」
男友「…男、お前、さては雀ちゃんの事考えてるだろ!」
男「へ?」
男友「あーやっぱりそうなんだー! 何だお前、惚れたのか?」
女「ええっ! 男くんってああいう娘が好きなのっ!? か、髪切ろうかな…」
女友「女、落ち着きなってば…で、どうなの?」
男「え? え、えーと、その、なんだ…」
316 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:14:40.58 ID:NHCui3.0
質問攻めに遭い、俺が慌てふためいている時だった
閉まっていた教室の扉が開いた

部員「おーい男。そろそろ部活やっぞ、早く来ーい」
男「あやっべ今日俺部活だったんじゃんすか、というわけで」
三人「な、なんだってー!」

ぎゃあぎゃあ喚く三人を置いて
俺は教室から逃げるようにして出た

部員「? どしたのお前。なんか疲れてね?」
男「いや、気のせいだ…」
317 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:20:11.82 ID:NHCui3.0
サッカー部の練習中も、俺は雀ちゃんの事を考えていた
よくよく思い出してみると
彼女とリンネさんには全体で云えばかなりの差がある
雀ちゃんは明るくハキハキとした感じだったが
リンネさんは対照的に、全体に暗い雰囲気が漂っていた
また身長も、雀ちゃんの方が少し高い気がする
あと、これは当の本人に云ったら怒られる事必死だが
胸が違った、AとCくらい差があった
いずれもどうこうすれば誤摩化せるけど、違いは違いだ

男「(リンネさん、コートの上からでも判るくらい、無かったもんな…)」

俺はそんな事を考えながら、アップのランニングを終えた
318 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:24:21.60 ID:NHCui3.0
顧問「よぉーっし、今日はこれまで! 全員解散!」
部員達「うーっす!」

部活動が終わり、部員達が帰って行く
俺はと云えば、グラウンド各所に散らばったボールを集めていた
ジャンケンで、負けたのだ
319 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:28:09.00 ID:NHCui3.0
男「(チッ、彼処でチョキを出していれば…)」

ブツブツいいながら、泥で汚れたボールを集めていく
自分も蹴っ飛ばしていたとはいえ、なんだか釈然としない
しかも予想以上に泥が緩く、拾った傍から滑って落ちる
320 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:32:29.21 ID:NHCui3.0
男「あーもー…くっそたれめ! こんなもん、ちゃーい!」

ついに我慢の限界に達し、持っていたボールをぶちまけた
広いグラウンドに、五、六個のサッカーボールが転がって行く
すると、そのうちの一つを誰かが拾い上げた

男「あっ」
雀「ふふっ、せーんぱいっ! 手伝いましょーか?」
321 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:36:12.60 ID:NHCui3.0
十メートル程先に、雀ちゃんが立っていた
拾い上げたボールを抱えてこちらに走ってくる

雀「はいっ! どーぞ!」
男「お、おう、ありがとう…でも、どうして此処に?」
雀「友達と話してたら遅くなっちゃって、今帰ろうとしてたんです」
男「へぇ。転校してきて初日なのに、友達もう出来たのか」
雀「皆優しくていい人達ですよっ。先輩みたいに話しかけてくれる人もいるし」
男「は、はは…(云えない、写真撮る為だけだったとか云えない)」
322 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:39:26.09 ID:NHCui3.0
雀「さっ、ぱっぱと片付けちゃいましょ? 二人ならすぐ終わりますよ」
男「えっ…手伝ってもらっちゃって、いいのか?」
雀「私、中学時代にマネージャーやってるから慣れてるんですっ。ほら、早く!」
男「そ、そうか…それじゃ、やるか」
雀「はいっ!」

それから数分足らずでボールの片付けは終わった
ロッカーから着替えを終えて出てくると、雀ちゃんは待っていてくれた
323 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:42:53.60 ID:NHCui3.0
男「先帰ってても良かったのに、なんか悪いな」
雀「もう、そんな事気にしないでくださいよー。はい、ジュースでもどーぞっ」
男「お、おう…」

俺は受け取ったコーラのプルタブを開けた
“カシュッ”という心地良い音がする
スポーツの後に炭酸はあまり好きではないのだが
後輩からの好意を無駄には出来ない
324 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:45:28.93 ID:NHCui3.0
男「…じゃあ、今こっちで一人暮らししてるのか?」
雀「はいっ。お父さん達も暫くしたら来るって行ってますけどね」

俺達は学校からの帰り道にいた
なんの偶然か、家の進路方向が同じだったのだ
聞けば、今はマンションの部屋を借りて一人で生活しているらしい
俺より年下なのに、なんだか年上に思えてくる
325 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:50:06.26 ID:NHCui3.0
男「俺なんか、一人で暮らしたら自炊は兎に角、洗濯溜め込みそうだわ…」
雀「先輩、洗濯機とか使うの苦手そうですもんねぇ」
男「そうか?」
雀「だって、ボール集めるのでも彼処まで苦労してたもん」
男「そ、それとこれとは関係ないだろ…」
雀「ふふ、洗濯機の使い方が判らなくて、当ってる姿が浮かびます」
男「おいおい…」

俺達は笑い合いながら帰り道を行った
そうしているうちに、先程まであった疑問は消えていた
この娘が、リンネさんと同じ人な訳がない
ちょっと残念だったけど、どこか安心していた
326 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:54:52.52 ID:NHCui3.0
男「じゃ、俺、家此処だから」
雀「はいっ。今日はありがとうございました!」
男「いやいや、こちらこそ。手伝いとコーラ、ありがとな」
雀「それじゃ先輩、おやすみなさい!」

そういって雀ちゃんは笑顔で走って行った
後ろ姿は元気な女子高生そのものである
リンネさんとはとてもじゃないが、重ねられない

男「(やっぱ胸、大きかったな…まぁいいや…)」
327 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 00:58:25.81 ID:NHCui3.0
その晩、俺は宿題を片付け終え、暇潰しに漫画を読んでいた
結構マイナーな漫画家の、数少ない連載漫画だ
要約を簡単にすると
普通の小学生の少年が、ある日突然宇宙規模の騒動に巻き込まれ
その過程を経て成長していくといったものだ

男「(はは、ベスパ女とかありえねー)」

漫画にも次第に飽き、単行本をベッドの上に放り投げた
椅子に座ったまま、天を仰いでみる
頭上には相変わらずの白い光があるだけだ
328 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 01:02:29.53 ID:NHCui3.0
俺は海洋都市でリンネさんに会い
そして今日、雀ちゃんを一目見て
その瞬間にこう思った

『俺の人生は、もしかしたらとんでもない事になるのかもしれない』

よくありがちなパターンだ
ヒーローとヒロインが運命的な再会をして
其処に組織やらなんやらが現れて
そして気がつけば壮大な話に広がりを見せ
ヒーローは英雄的活躍をしていく
329 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 01:05:34.62 ID:NHCui3.0
内心、俺はそれを期待していたのかもしれない
不変な毎日の中、同じ様な会話で笑って過ごす学校
別に女達と過ごす毎日に嫌気がさしている訳じゃない
だけど、やっぱり一男の子としては
漫画のヒーローに憧れてしまう訳であって
それは高校生になっても変わる事は無い

男「(俺がヒーローで、リンネさんがヒロインってか…馬鹿みてぇだな…)」
330 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 01:09:30.19 ID:NHCui3.0
でも所詮漫画は漫画であって、現実になる事はない
そもそも、いざあんな物騒な立場に置かれてしまったら
俺みたいな奴はすぐに死ぬだろうな
ロマンスが始まる前に物語は終わってしまう
俺は、主役には足らない存在なのだ

男「(もう遅いし、そろそろ寝るか…)」

紐を引き、部屋の灯りを消した
視界が黒に変わって、静寂が訪れる
外から微かにサイレンの音がした
331 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/13(土) 01:11:32.07 ID:NHCui3.0
六回目終了。発展ねぇ!
ここまで広がりがないと飽きられそうだな…

というか、一体いつ終わるのか俺さえ判らない!
まぁいいや。次回は日曜日に
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/13(土) 01:12:28.24 ID:2kB/5Hco
乙!
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/13(土) 02:34:01.72 ID:RwynBVQP
FLCLネタktkr
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/13(土) 07:50:53.20 ID:maLPAAAO

朝から大興奮だぜww
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/13(土) 13:24:07.05 ID:f0bLxRko
9829
9829;
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/13(土) 13:24:16.59 ID:f0bLxRko
誤爆
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/13(土) 13:32:28.01 ID:f0bLxRko
誤爆ついでに乙
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/14(日) 01:45:42.42 ID:vwgaUzMo
四狐 ◆b31BYoYbAMいつもお疲れ様
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/14(日) 22:37:36.80 ID:J5E1JkAO
 _  ∩
(*゚∀゚)彡 続き!続き!
 ⊂彡
340 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/14(日) 22:52:45.84 ID:h9TwlcQ0
ご、ごめん…今日はちょっと無理だ…
今回だけ休ませてもらいたい
本来は月曜に更新するという事を忘れてた…
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/14(日) 23:03:03.75 ID:AMGzHZM0
>>340
把握
ゆっくり休んでくれよな
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/14(日) 23:21:04.75 ID:zSmqgUMo
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/14(日) 23:25:12.45 ID:J5E1JkAO
ゆっくりまったりしっかり休みたまえ
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/14(日) 23:32:32.60 ID:/syKsLoo
そんなことわりいれんでもいいんだぜ
書いてくれるのならどれだけ期間が開いてもいいんだぜ
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/14(日) 23:35:08.16 ID:zSmqgUMo
ヌルポ
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/14(日) 23:36:41.29 ID:bikdjkAO
ガッ
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/14(日) 23:47:18.44 ID:P1yOGDgP
ゆっくりブリブリしておいで〜
ってわけで作者は休み中か
仕事ならまだしも趣味なんだから、
自由に休んでちょーだいな
348 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 20:38:56.23 ID:IeZ8okc0
vip新ジャンル系凄い事になってるな…
しかし、良作でも途中で終わってて歯がゆいッ!

十時半くらいから始められたら、いいなぁ…
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 20:40:13.12 ID:n/rIHfwo
>>348
こんばんは
寝てなければ拝見させてもらいます
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 20:51:47.01 ID:Eg6G2oSO
久しぶりにリアルタイムで読めるな
wktkがとまらなぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
351 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:31:33.10 ID:IeZ8okc0
はじめるよこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
ちょっと今回は一部長い所あるからこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
そのへん勘弁してねこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/15(月) 22:32:39.66 ID:rMFDWfso
きたきたww
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 22:34:02.65 ID:UuQZmIAO
しやあこいやー
354 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:34:24.59 ID:IeZ8okc0
翌朝、起きると気持ちいいくらいの晴天だった
窓のカーテンを勢い良く開くと日光が差し込んでくる
こんないい天気は、本当久しぶりだ

男「んーっ! 今日は何か良い事がある気がするな!」

俺は意気揚々と階段を降りた
リビングでは父が新聞片手にお茶を啜り
キッチンからは母が野菜を切っている音がする
355 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:36:22.56 ID:IeZ8okc0
男「はよーっす!」
父「ああ、おはよう。なんだ、今日は随分元気いいな」
男「いやーだって外すげぇいい天気じゃん? なんかウキウキしちゃって」
母「全く…子供みたいな事云ってないで、早く御飯食べなさい?」
男「はーい」
母「…妹ー、遅刻してもしらないわよー」

夢の世界にいる妹からの返事は、結局無かった
356 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:38:32.46 ID:IeZ8okc0
学校への行き道
空は晴れ渡り、足取りはいつもより軽い

男「(今日は宿題とかも特にないし、実にいい気分だ)」
?「うぉーい! 男ー!」
男「うん?」

後ろからした声に振り返ると
向こうから男友が自転車に乗ってきた
357 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:41:18.86 ID:IeZ8okc0
男友「ぜぇ…ぜぇ…う、うぃーす」
男「おはよう。珍しいな、自転車登校なんて」
男友「ま、まぁな…いい天気だったもんで、衝動的に」
男「成る程。しかし、今日は本当良く晴れたな。良い事でもありそうだ」
男友「…良い事じゃないが、面白い事はあったぞ」

そういう男友の顔は悪戯小僧のようだった
358 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:44:36.98 ID:IeZ8okc0
男「面白い事? 一体何があったんだ?」
男友「聞きたいか?」
男「今日はそういう気分だ」
男友「よしっ、じゃあ特別に教えてやる!」
男「わーい」
男友「この街で昨晩、人が殺された」
男「なんだと」
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/15(月) 22:48:09.51 ID:6TVFd5Eo
面白いけど笑えねぇ
360 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:48:30.08 ID:IeZ8okc0
学校に着くと、クラス中は件の話で持ち切りだった
多種多様の曖昧な情報が飛び交っている

生徒A「俺ん家のすぐ近くだったからさぁ、昨日は寝れんかったぜ」
生徒B「警察官来てなかったって本当か? 自衛隊とか?」
生徒C「噂じゃ死んでたの、人間じゃなかったって話よ」
生徒D「何それ。宇宙人でも死んでたっての?」
生徒E「ロズウェル事件の再来なんじゃね」
361 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:50:58.06 ID:IeZ8okc0
女友「なーんか、朝からキナ臭いわねぇ」
女「事件があった近くのコンビニ、もう行けないや…」
男「しかし、皆色々知ってんのな。今朝発覚したばかりなのに」
男友「今のご時世、メールやらネットやらで情報は早く回るからな」

俺達四人は後ろの方で教室全体を眺めていた
皆同じ話題で盛り上がっている
しかし、人が死んだので盛り上がるとは不謹慎なものだ
362 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:53:26.08 ID:IeZ8okc0
男友「しかし、話を集めれば集めるほどミョーな事件だ」
男「そうなのか?」
男友「ああ。警察は出てきてないし、情報規制も激しい」
女「ニュースで全然やってないもんね」
男「そうなのか?」
男友「ああ、1チャンでやってるかと思ったら、これがな」
363 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:56:32.21 ID:IeZ8okc0
女友「あと警察出てきてないって、本当なの?」
男友「そうらしいぜ? ほれ、これ写真」

そういって差し出したのは携帯の画面だった
其処には深夜に撮られたであろう写真が写っている
白いワゴン数台に、スーツ姿の人と白衣姿の人

男友「ネットで出回ってた写真。現場近くの人が撮ったそーだ」
女「これ、警察の車じゃないの?」
男友「ネット住人曰く、な。公安のじゃないかという意見もある」
女友「公安って…アニメの見過ぎだっつの」
364 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 22:59:28.78 ID:IeZ8okc0
男友「それに、死体が人間のじゃなかったってのも気になるな」
女「人のじゃなかったって、どう云う事なの?」
男「はは、羽でも生えてたんじゃねぇか?」

俺がそういった時
男友はちょっと驚いた顔をした

男友「…なんだ。男、聞いてたのかその話」
男「へ?」
男友「死体に、羽が生えてたっての。まぁ有り得ない話だけどな」
365 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:02:35.66 ID:IeZ8okc0
男「う、嘘だろ…冗談で云ったのに…(…んん?)」

ふいに、軽い頭痛がした
本当に微かな、ちくりとするようなものだったけれど

女「男くん、どうしたの? 顔色、ちょっと悪いよ?」
男「いや、大丈夫。心配すんな」
女「そう? なら、いいんだけど…」
男「(羽が生えたって…なんで俺、あんな事いったんだ?)」
366 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:05:18.44 ID:IeZ8okc0
現代文の授業中
周りは殆ど寝ていたり、隣同士で話をしている
酷く詰まらない課題文を読み終えた俺は暇だった
ポケットから携帯を取り出してみる
朝の殺人事件について、何かやっているかもしれない

男「(ニュース、ニュースと…ありゃ、無い)」

たまにどうでもいい事を報道したりするのに
こういうニュースはやらないのか
当地に住む側としてはとても不安なのだが
367 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:07:38.26 ID:IeZ8okc0
男「(じゃ、某掲示板でも見るか。スレ探せばあるよな…)」

お気に入りからトップページを出し
検索ワードに地元の名前を入れ、検索してみる
すると結構の量のスレッドが出てきた

男「(えーっと…じゃ、これでも見てみるか)」

そのうちの一つを適当に選んで見てみる
368 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:11:41.63 ID:IeZ8okc0
【殺人】○○市の住民ちょっと来い【事件?】

1 : 名無し:2012/09/15(月) 13:15:48 ID:???0
 今朝見つかった死体って、やっぱ殺人事件関係なの?
 ニュースつけてもやってなくて


101 :名無し :2012/09/15(月) 13:41:39 ID:jahwyug/a
 >>99
 この死体(?)の写真って合成?

102 :名無し:2012/09/15(月) 13:42:47 ID:iawyhdn4
 >>101
 朝から出回ってるやつだろ。


 どうみても合成です本当にありがとうございました



103 :名無し:2012/09/15(月) 13:44:47 ID:0ka178hsu
 でも本当、妙だよな。このスレ以外にも何個か立ってるけど
 マスコミが放っておくかね


104 :名無し :2012/09/15(月) 13:45:39 ID:habvc452i
 こんな田舎街を取り上げる程マスゴミは暇じゃないんです(><)


105 :名無し:2012/09/15(月) 13:47:11 ID:ahgNerVg1
 >>104
 お前は全○○市民を敵に回した
 


369 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:12:40.97 ID:IeZ8okc0
106 :名無し:2012/09/15(月) 13:47:51 ID:qsek/rPJ0
 >>105
 ちょwwwww IDwwwww

 昨日の晩、俺あの近くのコンビニ使ったけど
 二時には死体もなんもなかったぞ


107 :名無し:2012/09/15(月) 13:48:05 ID:eQjiuLCJO
 ○○市民必死だなwwwww



108 :名無し:2012/09/15(月) 13:50:29 ID:1pah2DV70
死体、羽があったんだってね


109 :名無し:2012/09/15(月) 13:52:38 ID:OvS+UWpKO
 >>108
 人外……ごくり

110 :名無し:2012/09/15(月) 13:53:49 ID:agah87sfu
 いや、でもマジらしいぞ

 近くの交番に行っても何も知らないとか言うし
 これ本当に警察絡んでなさそうだな
370 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:15:05.26 ID:IeZ8okc0
男「(羽、なぁ…とりあえず、最初から読んでみるか)」

俺は一番下にある
最初から読む為のリンクを押した
数秒経ち、画面が変わる
しかし、そこにはスレッドは表示されず

“このスレは削除されました”

とだけ書かれていた
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/15(月) 23:17:03.66 ID:tzRoD6SO
日付が近未来ww
アナログ放送終わっちゃうよぉwwww
372 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:17:46.26 ID:IeZ8okc0
男「(…んん? 変なの…じゃ、他のスレを…)」

携帯の戻るで検索結果画面まで戻り、更新を押す
しかし、数分前まで表示されていたスレは全て消えていた

男「(そんな馬鹿な…オカルト板にまであったはずなのに)」
373 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:20:23.27 ID:IeZ8okc0
その後も、事件に関わるスレッドは何回か立ったが
それもまた少し経てば片っ端から消されていった
なんでこんな事をするんだろうか
別に只の噂話だけなんだろうし、消す必要なんてないはずだ

男「(意図的に消すようにしているのか…? でもなんで…)」

結局、そのまま疑問が解消されないまま授業は終わった
374 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:23:29.39 ID:IeZ8okc0
昼休み、今日は弁当は持ってきていない
俺達は定期的に食堂を使うようにしている
そして今日は学食はパンの日だ

男友「今日は焼きそばパンがある…腕が鳴るな」
女友「ハハッワロス。クリームパンこそ正義よ!」
男友「ふんっ! あんなの甘いだけじゃねぇか。スイーツ(笑)」
女友「なによ、そっちは炭水化物の固まりじゃない!」
375 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:25:55.71 ID:IeZ8okc0
男「あの二人、仲良いよなぁ」
女「そうだねー(私もあんな風に男くんと…いや、なんか違うかな…)」
男「俺は小倉クリームにでもするか。女は?」
女「私? そうだなぁ…サラダパンかな」
男「たくあんパンだろ」
女「サラダパンだもん!」
376 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:28:11.06 ID:IeZ8okc0
そんな会話をしながら食堂に向かっていた時だった

?「せーんぱーいっ!」
男友「む、この声は…?」
男「あ、雀ちゃん」

廊下の後ろから、雀ちゃんが駆けてきた
手には巾着袋みたいなものを抱えている
377 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:31:31.77 ID:IeZ8okc0
雀「おはようございますっ」
男「おはよーっつか、もう昼だけどな」
男友「何、男って雀ちゃんと仲良いのかっ!?」
女「(ガーン!)」
女友「(判り易いわね、女…)」
男「いや、昨日一緒に帰ってな。で、どした?」
378 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:33:25.72 ID:IeZ8okc0
雀「お昼、まだですよね? 私、お弁当作ってきたんですけど…」
四人「な、なんだってー!」
雀「良かったら一緒に食べませんか? 屋上で!」
男「う、あ、え、えーっと…」

三人を見てみる
男友は今にも襲いかかってきそうな顔だ
女友はそこまで興味は無いようだがこちらを伺っている
そして女は、涙汲んでいる
379 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:35:43.60 ID:IeZ8okc0
男「(女の子を、泣かせる訳にはいかんしな…かといって、断るのも…よし)」
男「い、今から俺達食堂行くからさ、そこで皆で食べようぜ、なっ?」
雀「えー…先輩と二人っきりで食べたかったのに…ま、いっか!」

その後、雀ちゃんを加えた五人で
何処かギクシャクした昼御飯を終えた

男「(ま、今日だけだろう…あ、卵焼き美味い…)」

が、それから数日間
俺は雀ちゃんからの弁当攻撃に悩まされる事になる
380 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/15(月) 23:37:30.84 ID:IeZ8okc0
えーと、七回目…だよな。終了
次で少し発展出来ると思う
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 23:38:21.17 ID:Q4tfYQAO
おつかれぇい!
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 23:39:43.56 ID:dH0WcEI0
乙  次回も楽しみにしてるよ
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/15(月) 23:41:16.63 ID:rMFDWfso
おつっした また楽しみにしてます!!
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/15(月) 23:41:25.56 ID:tzRoD6SO
乙!!
次回が待ち遠しいぜっ
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 23:45:37.09 ID:UuQZmIAO
乙ww
これは早く続き読みたくなるなwwww
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/16(火) 00:01:24.69 ID:gVTsiaUo
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/16(火) 00:09:34.98 ID:uVi0c.SO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
今回も女は当て馬ですか?
しかも女友も健在だしヤヴァイんじゃね?
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/16(火) 00:17:04.14 ID:IeL/9lIP
ペロ…これは羽!!
ってな感じで事件の香り、話が動き始めたな
wwktkして待つぜ
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/16(火) 01:00:05.50 ID:3yuKMXYo
相変わらす
安定した文章力だな

お疲れ様でしたwww
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/16(火) 01:43:20.42 ID:GfbZRU.0
乙です
391 :今日のバーーローー:阿笠博士まで体が小さくなる[sage]:2008/09/17(水) 05:10:00.53 ID:nxNhiOEo
wwktk
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/17(水) 09:00:00.84 ID:Nuubc6AO
今夜か…
 _  ∩
(*゚∀゚)彡 雀!雀!
 ⊂彡
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/17(水) 18:58:40.77 ID:mOxTRcAO
  雀!おっぱい!
   _  ∩
  (*゚∀゚)彡
   ⊂彡
394 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/17(水) 20:08:48.11 ID:VCZqjuQ0
今日は結構遅くなっちゃうよー
ごめんよー
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/17(水) 20:23:39.09 ID:Nuubc6AO
全裸で腕でも振って待ってるぜww

 _  ∩
(*゚∀゚)彡 続き!続き!
 ⊂彡
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/17(水) 22:33:46.33 ID:CwgnkESO
そろそろくるかな?
397 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/17(水) 23:36:24.81 ID:Y3RwnQSO
>>1乙!!仕事忙しくてROMってたけど展開待ち遠しいぜ!

雀ちゃんカワユスWWWW巨乳の後輩とは趣味がいいWWWWWW
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/17(水) 23:52:20.64 ID:dOlnyDkP
第一部キノもしくはアリソン
第二部エウレカもしくはイリヤ
という個人的イメージ
さて続きはどうなるどうするwwktk
399 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:09:28.62 ID:b23gqoI0
わぁーい遅くなりすぎちまったい!
始めるよ!
400 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:11:44.73 ID:b23gqoI0
雀ちゃんがうちの高校に来て、一週間が経った
学校の雰囲気にも慣れ、友達は勿論の事
知り合いの人も沢山増えたという

男子生徒達「雀ちゃーん! 元気ー!?」
雀「はーいっ! ね、皆優しいでしょ? 先輩!」
男「ああ、そうね、うん…」
男子生徒達「男ー! 雀ちゃんに手ぇ出したら[ピーーー]!」
男「はぁ…」
401 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:14:20.49 ID:b23gqoI0
俺は雀ちゃんと共に屋上に向かう階段を上がっていた
あれから毎日雀ちゃんの弁当攻撃は続き
そして今日、俺はそれに降伏をしてしまったのである
男友はハンカチを口で噛みながら睨みつけてきた
女友は呆れたよな顔で溜め息をついていて
そして女は半泣き状態になって女友に慰められていた
あとで血祭りにされるかもしれないな、はは

男「(笑い事じゃねぇよ…)」
雀「先輩っ! ほら、着きましたよ!」
402 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:16:58.24 ID:b23gqoI0
気がつけば屋上へ続く扉の前にいた
そういえば屋上に来るのは随分久しぶり
というか、入学以来初めてかもしれない
扉開けると外から勢い良く風が舞い込んできた

雀「わぁー! 気持ちいいー!」
男「お、おお…」

そこからは街の風景が一望出来た
それは予想していたものより遥かに良い眺めで
俺は感嘆の息を漏らした
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/18(木) 00:17:30.70 ID:8A0iKrsP
こんな後輩欲しかったなぁ…
404 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:19:52.91 ID:b23gqoI0
男「へぇ、結構綺麗な場所だったんだなぁ…」
雀「そうですねぇー。さっ、お弁当食べましょ?」
男「ん、そうだな」

俺達は屋上のフェンスに背を保たれた
雀ちゃんが弁当を包んでハンカチを解くと
中からクマの顔が描かれた黄色い弁当箱が出てきた
この間も同じ物だったから、どうやらお気に入りのヤツらしい
405 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:23:02.59 ID:b23gqoI0
雀「今日のお弁当はー…じゃーん!」

開けられた弁当の中には
金色に輝く卵焼き、こんがり揚がった大きな唐翌揚げ
生ハムに巻かれたキュウリにはミニトマトが添えられ
御飯には牛そぼろが一面に敷き詰められている

男「おー、今日も美味そうだ」
雀「今日こそは! って思って頑張ってきました!」
男「そっか、ありがとうな。じゃ、いただきまーす」
雀「どーぞっ!」
406 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage 唐翌揚げって…何?]:2008/09/18(木) 00:28:59.83 ID:b23gqoI0
そうして俺達は弁当を食べ始めた
最初に貰った時から判っている事なのだが
雀ちゃんが作る卵焼きはとても美味い
俺が最初にそう云ったからか
先週二回ほど貰った時も入っていた

男「……」
雀「? へんはい? ほうかしはんへふは?」
男「まず飲み込んでから話せ…いや、卵焼きな」
雀「ごっくん…あっ、もしかして今日のはマズかったですか?」
男「そうでなくて。俺が好きだからって云ったから入れてくれてるのか?」
407 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:30:43.73 ID:b23gqoI0
雀「はいっ! だってほら、折角なら好きな物食べてもらいたいじゃないですか!」
男「そっか。なんか注文してるみたいで悪いな。作るの、面倒だろ?」
雀「ううん、そんな事ないです! 私得意なんですもん、卵焼き!」

気がつけば俺の弁当箱からは
卵焼きが真っ先に消えた
他のと均等に食べていたつもりだったのが
こういうのは上手く行かない事が多い
408 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:34:14.78 ID:b23gqoI0
男「(むぅ、もう少し食べたかったな…)」
雀「せーんぱいっ」
男「うん? …むぐっ!」

いきなり卵焼きを押し込まれた
慌てていたので、あまり噛まずに飲み込んでしまう

雀「物足りなそうでしたので、今の最後の一個ですっ!」
男「お、おうサンキュー…だけど今度からは段階を踏んでくれ、吃驚する」
409 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:36:44.75 ID:b23gqoI0
その後、弁当箱の中を綺麗に食べ終わり
俺は手を合わせて“ごちそうさま”と云った

男「今日も美味しかったよ。ありがとうな」
雀「えへへっ、どーいたしまして!」

満腹になった腹を軽く撫で、上を向いた
青い空を白い雲が漂い、鳥が空を飛んでいる
410 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:39:48.37 ID:b23gqoI0
男「はーっ、いい天気だな…」
雀「そうですねぇ…」
男「…なぁ、雀ちゃん」
雀「もう、ちゃん付けなんてやめてくださいよぅ。呼び捨てでっ!」
男「あ、ああ。そうか? …じゃあ、雀」
雀「はいっ! なんですか?」
男「なんで俺に色々してくれるんだ? 弁当作ったり、部活の片付け手伝ったり」

あの日以来、雀はサッカー部のマネージャーになりたがっている
その意思表示なのか、片付けを二回程手伝って貰っていた
411 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:43:15.20 ID:b23gqoI0
雀は俺の問い掛けに、少し考える様な素振りを見せた

雀「そうですねぇ…一番最初に声を掛けてくれた先輩、だからかな?」
男「他の奴じゃないのか?」
雀「他の先輩方は遠目から見ているだけでしたから」
男「成る程ね」

俺は一週間前の、クラスの前に群がる同級生達を思い出した
412 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:46:23.26 ID:b23gqoI0
雀「そういえば、あの時の写真が使われる学生新聞っていつ出るんですか?」
男「へっ? あ、ああ! あれはだな、え、えーっと…」
雀「ふふっ、冗談ですよ。本当はそんなんじゃないって、私知ってます」
男「すまん、あの時は男友に頼まれててな…」
雀「やだなぁ、先輩は謝らないで下さいよ! 後で男友先輩にお灸据えなくちゃ!」
男「(…合掌)」
雀「でも、声を掛けて来てくれた事以外にも、理由はあったりして…」
男「…それ以外の、理由? 何かあるのか?」
413 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:49:54.69 ID:b23gqoI0
俺の問い掛けに、雀がこちらを見る

その時だった、俺は息を呑んだ
いつも見開かれていた両眼瞼が少し閉じている
見た目はちょっと眠そうにも見えるのだが
瞳の奥からこちらに向けられる、強い何かを感じた
そう、それはまるで――

雀「…知りたい?」

――あの人のような
414 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:54:59.52 ID:b23gqoI0
男「す、雀…?」
雀「…くすっ」
男「?」
雀「アハハハッ! 吃驚したでしょ先輩! 変な顔ー!」

先程の表情は何処へやら
雀は呆然とする俺を差し置いて大笑いしていた

男「んなっ! じょ、冗談なのかよ!」
雀「いやぁーちょっとやってみたけど、先輩! 今の顔最高でしたっ!」
男「こっ、こいつー! 年上をおちょくりおってからに!」
415 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 00:57:51.71 ID:b23gqoI0
雀「私、先戻ってますねー!」
男「あっ、こら! 人の話を…」

俺が云い切る前に、雀は階段を下りて行ってしまった
俺は一人、屋上に取り残される
時計を見ると、昼休みが終わるまでにはまだ時間があった

男「はぁ…もう暫く、此処にいるか…」

その後、俺は心地良い日差しに負けて眠ってしまい
眼が覚めた時には、五限はとっくに始まっていたのだった
416 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:00:16.00 ID:b23gqoI0
男友「ったく、屋上で居眠りして授業サボるとかねぇよ」
男「我ながら、らしくない失敗をしてしまったな…」
女友「ま、気持ちは判るけどね。今日暖かいし」
女「(ええっと、卵焼きと、ハンバーグと、ポテトサラダに…)」
女友「女、ぼーっとしてると先行っちゃうぞ」
女「え? あ、ああっ! 待ってよ、みんなぁ!」

学校が終わり、俺達四人は下駄箱に来ていた
ふと周りを見るが、雀の姿は見えない
最近は雀を加えて五人でよく帰っていたのだが
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/18(木) 01:01:07.20 ID:A2uhh6Yo
お久しぶりです
楽しみにしてますwww
418 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:03:19.02 ID:b23gqoI0
男友「ありゃ、今日は雀ちゃん来ないのな」
女友「用事でもあるんじゃない? いつも男くんにベッタリ、て訳にもいかないし」
男友「…おい男、お前、雀ちゃんに何かしたのか!?」
男「…ぼでぃー」
男友「あぼしっ!」
女友「(女、良かったじゃん。今日は男と二人っきりで帰れるね)」
女「(うん…て、えっ、えええええええええ!?)」
女友「(照れない照れない! しっかりやんな!)」
419 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:06:05.27 ID:b23gqoI0
靴箱を開けて、中からスニーカーを取り出す
と、スニーカーの上に一枚の紙が置かれていた
三人に気づかれないようにそれを見る
其処には可愛らしい文字で

“先輩へ 雀より”

とだけ書かれていた

男「(こ、これって所謂ラブレターみたいなもんか? いや、でも雀の事だし…)」
男友「おーい、男ー。お前マジで置いてくぞー」
男「わっ、ちょ、待ってくれよっ!」

俺はその手紙を制服のポケットにねじ込んだ
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/18(木) 01:10:18.87 ID:1jHzcMAO
手紙とかもらってみてーよこの野郎ッ!
421 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:11:05.73 ID:b23gqoI0
それから暫くして、俺は女と二人で帰路に着いていた
男友達はつい先程、分かれ道で別れたばかりだ

女「…ね、ねぇ。男くん」
男「んー? なんだ?」
女「あっ、あの、明日なんだけど…その…お、お弁当作ってきてもいいかなっ?」
男「…女、どうした? 熱でもあるのか?」
女「ないってば! ひっ、酷いよ…いくらなんでもそんな事云わなくても…」
男「ご、ごめん…え、えーとそうだな…作ってきてもらえるなら、頼みたいな」
女「本当!?」
男「明日はいつも母さんが弁当作ってくれる日だけど、たまにはいいだろう」
女「じゃ、じゃあ明日は私がお弁当作ってくるからね!」
422 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:13:29.15 ID:b23gqoI0
そういうと女はとても嬉しそうな顔をした
昼間泣かせてしまった分、俺は救われた気分になった

女「よぉし! じゃあ今からスーパー行ってこなきゃ! じゃあね!」
男「おう、気をつけてなー」

そういって女はスーパーの方に走って行った
その時にはもう俺達の家の前に来ていたのだが
あの分じゃ多分それにも気づいてないだろう
俺は翌日の弁当に期待をしながら家に入った
423 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:16:34.85 ID:b23gqoI0
夕飯を食べ終え、俺は自室の机に向かっていた
好きな小説家の昔の短編集を読んでいると
ふと、ポケットの中に手紙を突っ込んでいた事を思い出した

男「(そういえば…あー、結構ぐしゃぐしゃだ…)」

若干申し訳ない気分になりつつ、俺は手紙を開く
424 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:18:38.54 ID:b23gqoI0
すると其処には表の字体とは全く異なった
随分簡素で無機的な文字が短く書かれていた

“今晩零時、駅前に来て下さい 雀”

俺はそれを見て不思議に思った
差出人は雀のはずだが、表の中の字体に差がある
意図的にやったのかもしれないが
そんな事しても大して意味もないだろう
もしかしたら、同級生の男子達の悪戯かも知れない

男「(今は…十一時か。今から行けば間に合うっちゃ間に合うな…さて)」
425 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:21:04.05 ID:b23gqoI0
うちは門限等にはとてもルーズな方だ
両親はすでに自室に戻っており
妹ならもう既に寝てるだろう
帰りが遅くなっても、昼間寝た分大丈夫な筈だ
そういって何度も失敗をしているのだけど

男「(本当だったら行かなきゃマズいし、ま、嘘だったらその時はその時で…)」

俺は自室の壁に掛けてあった上着を羽織り
大きな音を立てないようにして家を出た

426 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/18(木) 01:23:35.87 ID:b23gqoI0
第八話終了
そろそろ空人の続編っぽくなってきたよね、ね!
俺だってこんな後輩欲しかったあばばばばばー

時間が遅くなってゴメンよー
今後学祭で忙しくなるから
下手したら二日、三日置きになるかも
でも俺頑張るから!
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/18(木) 01:26:51.26 ID:A2uhh6Yo
>>426
お疲れ様
前作とは違った雰囲気で楽しんでるよw
無理の無い程度に
ぼちぼちやって下さいw

あと絵師さんw
wktkなんだがwww
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/18(木) 01:34:59.09 ID:A3zHy0Yo
こう謎がでてきて色々考えながら読んでるから楽しいねww
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/18(木) 03:16:13.65 ID:8A0iKrsP

平和さにニヤニヤ謎にニヤニヤ
wwktkだぜ
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/18(木) 03:48:29.68 ID:PecunMSO
乙!!
変な時間に起きてしまったww
明日からテストなのに…
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/18(木) 10:41:55.90 ID:FxqyZEAO
432 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 13:11:34.43 ID:B.RNbUSO
いちおつ!誰もいないと思うが…やっちゃえ!

http://imepita.jp/20080920/472480

http://imepita.jp/20080920/472010

http://imepita.jp/20080920/471511

http://imepita.jp/20080920/471170

http://imepita.jp/20080920/470820

雀ちゃんが…ない。
433 :今日のバーーローー:元太が大爆発[sage]:2008/09/20(土) 13:18:55.49 ID:/HUQPvso
男友wwwwww
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 13:21:15.53 ID:PnxzeQso
>>432
www
来たw
435 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 13:36:38.54 ID:B.RNbUSO
http://imepita.jp/20080920/488120


いたWWWWWWWWWW


やべ、男の妹がいたんだったな
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 13:38:46.10 ID:PnxzeQso
>>435
ww
ソラニン画像フォルダ保存してますwww
437 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 13:40:51.56 ID:B.RNbUSO
よし、じゃあヒマを共有しよう。


とりあえず妹かいてくる。

リクエストあればよろSixWW
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 13:43:15.06 ID:PnxzeQso
>>437
下校中の風景とか
そんなのでもおk?
439 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 13:52:29.90 ID:B.RNbUSO
http://imepita.jp/20080920/498370


いいじゃないか!なるべく応えるお!
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 13:54:23.66 ID:PnxzeQso
>>439
蹴られてるのは兄・・・だよなwww
441 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 13:55:18.89 ID:B.RNbUSO
http://imepita.jp/20080920/498370

なるべく応えるお!
442 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 14:07:05.78 ID:B.RNbUSO
>>440

なんか前にあったよな一瞬…WWWW

http://imepita.jp/20080920/506330

男友「しかしまぁ、世の中にはスキモノがいるものだな…フフ」

女友「いこいこ」
女「えっ!?ええー!?」ジタバタ
443 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 14:24:33.06 ID:B.RNbUSO
>>437

http://imepita.jp/20080920/517060


下校中だと思ってくれれば不幸中の幸い。

それにしてもこの男、モテモテである
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/20(土) 14:48:01.48 ID:/HUQPvso
それにしてもこの絵かき、ノリノリである。
445 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 15:03:39.51 ID:B.RNbUSO
http://imepita.jp/20080920/539680

あっしは気合い入れて絵が描けないタチでして…落書き師とでも呼んでくだせぇ。ソラニンスレに引っ付いては絵を描いてやすよ。八割ボツですがWWWWWWWWW
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 15:43:49.13 ID:pyBXG.AO
うはwwww女と雀かわえぇwwwwwwww


そして俺は男友に惚れた
447 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 19:07:01.41 ID:B.RNbUSO
http://imepita.jp/20080920/685130

さて、そろそろ仕事に行かなければ…付き合ってもらった人トンクス

ソラニン続きwwktkだぜ!
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 19:11:14.60 ID:txVyr2Ao
>>447
気をつけて行ってらっしゃい
ノシwww
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/20(土) 19:37:01.81 ID:/HUQPvso
>>447
GJでした
行ってらっしゃーい
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 19:46:25.31 ID:tMwRDoAO
いってらっしゃい
451 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/20(土) 21:05:35.88 ID:nNhtOA60
し、仕事終わった…疲れた…

絵師のお陰で描く気力が戻ってきたよ
今晩深夜にでも続きやってみせる!
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/20(土) 21:06:30.29 ID:.3o1z/6o
>>451
お疲れ様でした

無理の無い程度でやって下さい
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/20(土) 22:43:31.31 ID:oFavanYo
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/sora_nin.html
過去ログを参照しやすいように整えてみた
454 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/20(土) 23:43:54.52 ID:B.RNbUSO
>>453


すげーっ!おいらの絵が載ってる!マジ乙!!
455 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:22:03.90 ID:rYgOJMM0
>>453
まとめの中の人、乙
実は今やってるのはタイトル考えてたりげふんげふん

さて、始めよか
456 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:24:47.10 ID:rYgOJMM0
時刻は午前零時五分前、駅前に人はまばらだ
会社や遊びからの帰りの人達が帰路を急いでいる

男「(さて、吉と出るか凶と出るか…)」

携帯を開いてみる
雀からは着信もメールもない
まだ五分あるけども
これはやはり一杯食わされたのか?
457 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:26:34.84 ID:rYgOJMM0
男「(むぅ、どうしたもんか…ん、あれは…)」
雀「せんぱーいっ!」
男「雀…(ちょ、マジか!)」

こちらに駆けてきた雀は制服のままだった
表情もいつもと変わらない、天真爛漫そのものだ
458 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:28:02.94 ID:rYgOJMM0
雀「良かった…手紙、見てくれたんですね」
男「あ、ああ。まぁな…で、話って?」
雀「ここじゃちょっと話し難いんで、移動しません?」
男「ん、判った」
459 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:31:09.44 ID:rYgOJMM0
俺は雀に先導される形で暗い道を進む
その道中、色々なパターンを考えていた
例えば、実はやっぱりこれは芝居であって
今から行くとこに臓器バイヤーでもいるんじゃないかとか
そんな有り得なさそうな最悪のパターンを考えていた
常にそれくらいの最悪のパターンを考えておけば
大体は最終的なショックは少なくて済む
俺なりの処世術だ
460 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:34:44.83 ID:rYgOJMM0
男「(売りに飛ばされるなら、やっぱ南の方かなぁ…)」
雀「先輩、着きましたよっ」
男「え? あ、ああ…って、此処は…」

そこは最近立ったばかりの大きなマンションだった
駅からはそこまで離れていない好立地という事で
話ではもう全室入居者が決まってしまっているらしい
461 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:37:48.51 ID:rYgOJMM0
男「此処って…この中入るのか? なんかやばくない?」
雀「大丈夫です。ここにほら、鍵もあるし」
男「あれ、お前の家って此処じゃなかったろ? なんでまた?」
雀「近いうちに両親が来るんで、こっちに越すんです」
男「ああ、成る程」
雀「さっ、行きましょ?」

マンションのエントランスを抜け、エレベーターホールに向かう
それにしても内装が凄い、さながら高級ホテルのようだ
イタリアのメディチとかもこんななのかな、行った事ないけど
462 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:40:14.46 ID:rYgOJMM0
階は六階、ここまで来ると結構な高さがある
街の夜景はそれなりに綺麗だった
遠くの方に強い光源が在るように見える

男「あのへんは新宿か? 随分明るいな」
雀「此処もそれなりに都心に近いですしね」
463 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:42:15.78 ID:rYgOJMM0
エレベーターを降りた場所から少し歩き
その階の一室の前で雀は止まった
どうやら此処が雀の部屋らしい

雀「此処、私の部屋です」
男「おう…やっぱり、入るのか?」
雀「はい…駄目ですか…?」
男「い、いや。此処まで来たら入るよ…」
464 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:45:18.87 ID:rYgOJMM0
部屋の扉が開いて、俺達は室内に入った
中は白を基調としたモダンな感じの内装だった
しかし、家具類が運び込まれてないので生活感はない
というより、段ボールとかもないんだが

男「荷物はないのか?」
雀「明日搬入するんです…先輩、すいませんがちょっと待ってて貰えませんか?」
男「ああ、判った」
雀「すいません、すぐ戻るので…」
465 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:48:52.06 ID:rYgOJMM0
俺は何にも無いリビングに一人になった
頭の中にはなんだかよく判らない思考が渦巻いている
エロなのかグロなのか、はたまたサスペンスか
どれもハイレベルなとこまで考えてしまう

男「(いかん遺憾、落ち着け俺。とりあえず携帯で気を紛らわせよう…)」

そう思って携帯を開いた
が、見てみると携帯は電源が落ちていた
妙だ、さっきまで使っていたのに
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 00:50:58.98 ID:UuK3YUAO
なんだなんだ?
携帯がどうしたって!?
467 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:51:38.01 ID:rYgOJMM0
男「(あ、あれ? おっかしいな…)」

電源を入れようとするも、うんともすんともしない
まさか壊れたのか?

男「(嘘だろ…ついこないだ変えたばかりのamadanaが…)」
?「…大丈夫、壊れてはいない」
男「!」
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 00:53:20.30 ID:uxsWOv20
469 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:54:20.29 ID:rYgOJMM0
それは低いトーンの声だった
後ろを振り返ると、そこには雀が居た
制服から着替え、Tシャツと短パンを着ている
しかしその表情は先程までのとは違った
昨日の昼間に見せた、あの表情だ

男「す、雀…? いや、もしかして…」
雀「…雀というのは偽名」
男「リンネ、さん…?」
雀「……(こくり)」
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 00:59:08.53 ID:UuK3YUAO
な、なんだってー!?


いや待ておっぱいは!!
おっぱいはどうしたというのだ!!!!!
471 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 00:59:33.08 ID:rYgOJMM0
目の前にいるリンネさんを見る
簡単な服装で身を包んでいる彼女は
学校でいつも見せていたその表情は影も形も無く
あの日、ムスクルスで会った時のものだった
ただ、何処か違和感を感じる
それが何処かは判らないのだが

男「けど、なんでリンネさんが此処に…」
雀「確かめたい事があるから…」
男「確かめたい事…?」
雀「そう」
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 01:00:35.38 ID:UuK3YUAO
な、なんだってー!?


いや待ておっぱいは!!
おっぱいはどうしたというのだ!!!!!
473 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:01:18.03 ID:rYgOJMM0
そういうと彼女はこちらに近づいてきた
俺の前に来るとしゃがみ込み、顔を近づけてくる

男「な、何を…」
雀「ふふ、大丈夫。怖くなんてない、すぐに慣れるから…」
男「ちょ、ちょっと待てよ!(い、いかん…)」
雀「嫌がっても、身体は正直ね?」
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 01:05:03.71 ID:UuK3YUAO
すまんROMる
475 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:05:25.72 ID:rYgOJMM0
彼女の白く透き通った手が伸びてくる
俺の頭の中は大パニックになっていた

男「(おおお落ち着け俺、沈まれ俺!)」
雀「私、ずっと我慢してたんだよ…? 判るよね?」
男「わ、わかるって…(駄目だ、止まれ俺の思考、止まれ)」
雀「来て…先輩」
男「(…あ、もう、だめかも、やばい)」

その時の俺は、もう頭の中が真っ白だった
ただ片隅に残るドス黒い何かが俺を支配していた

男「(…もう知るか、どうにでもなれ)」
476 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:07:45.91 ID:rYgOJMM0
そして、彼女が今にも俺と重なろうとした時
リンネさんの後ろから何かが飛んできて
そして

――ガチンッ

雀「痛ッ!」
男「何事!?」
?「…何してるの?」
477 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:10:17.62 ID:rYgOJMM0
気がつくと、リビングの入り口に人が立っていた
その姿は一度見たら忘れられないようなものだった
コート、ズボン、スリッパ、そして髪や瞳まで
眠たげな表情、しかし瞳の奥から伝わってくる力は強い

――忘れるものか、あの日の事を

男「リンネさんっ!? えっ、じゃあこっちは!?」
リンネ「…全く、眼を離した隙に何をするかと思えば…」
雀「もう! だからっていきなり湯たんぽ投げないでよお姉ちゃん!」
男「お姉ちゃんだぁ!?」
リンネ「…事情は説明するわ。雀、早くまともな格好になってきなさい」
478 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:13:32.63 ID:rYgOJMM0
雀は頭を摩りながら、すごすごとリビングを後にした
残されたのは俺とリンネさんの二人
妙な空気が、部屋一面に充満している

リンネ「…久しぶりね。元気だった?」
男「はぁ、まぁそれなりに…」
リンネ「…そう、良かった。妹が変な事をして、御免なさい」
男「妹…というか、双子?」
リンネ「…ええ。一卵性双生児」
男「(成る程。似てる訳だ)」
479 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:15:38.11 ID:rYgOJMM0
よくよく思い出せば、先程の雀が扮するリンネさんは
胸がちょっと大きかった
なんか不自然だなと思ってたけど、理由はそれか

リンネ「…今、物凄い失礼な事考えてない?」
男「へっ!? い、いや! そんな事ない! もう全然、何にも考えてない!」
480 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:18:14.01 ID:rYgOJMM0
やがて、着替えを終えた雀が戻ってきた
今度はちゃんとした私服姿である

雀「いやぁー、やっぱこういう服装のほうが落ち着くね!」
リンネ「…当たり前じゃない。そもそも、なんであんな事したの?」
雀「えー? いやぁちょっと先輩をからかいたくってさ! 似てたでしょ?」
男「ああ、まぁそりゃね…てか、からかいたくてってなぁお前…」
481 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:20:36.46 ID:rYgOJMM0
リンネ「…あんな事、二度としないように。今度やったら…」
雀「わ、判ったからお姉ちゃん、怖い顔止めて…夢見そう…」
リンネ「…まぁいいわ。それより、男くん」
男「はい?」
リンネ「…今日、君を雀に呼ばせたのには理由があるの」
男「理由、ですか?」
リンネ「…ええ、それはこれからのあなたの人生にも関わる、大事な事」
男「人生にも? そりゃまた随分デカい話ですね…」
482 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:23:13.87 ID:rYgOJMM0
俺は半信半疑で、いや、殆ど信じちゃいなかったけど
リンネさんの次の言葉を待った

リンネ「…今、あなたは命を狙われてる」
男「…はい?」
リンネ「…信じられないかもしれないけど、これは本当の事」
男「い、いや。そう云われましても…」

突然命を狙われてる、なんて信じるのは只の馬鹿だ
そして少なくとも、そこまで俺は馬鹿ではないつもりだ
483 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:26:22.00 ID:rYgOJMM0
雀「いきなりでごめんね、先輩。でも、これは本当なの」
男「雀まで…なんなんだ? 姉妹揃って、俺を茶化そうと?」
リンネ「…いいえ。私達は君を保護する役目を与えられてる」
雀「これもその一環なのよ。安全な場所に避難させる、っていうね」
男「安全って、外はそんなに物騒なのか? そうには見えんがね」

俺は皮肉を込めた口調で云った
つい先日殺人事件は起きたけど、だからってこんな事するか?
俺は若干、二人の話にイライラしてきていた
484 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:29:11.36 ID:rYgOJMM0
男「大体、危険っていう確証はあるのかよ?」
リンネ「…確証?」
男「そう。それも無しにこんなトコ連れ込むなんて、犯罪じゃねぇか」
雀「うーん、それはちょっと難しいかなぁ…」
男「ほら見ろ。やっぱり嘘じゃないか。さぁ、早く此処から出してくれ」

俺は口調を少し強めて云った
茶番にこれ以上付き合うのは御免だ
485 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:32:32.36 ID:rYgOJMM0
リンネ「…判った。今から順を追って説明する」

そういうとリンネさんは立ち上がった
俺は咄嗟に身構える

リンネ「…まず、これを見て」
男「な、なんですか…」

リンネさんはコートから手を出し
首の部分で止めていたボタンを外した
するりと、コートが足まで一瞬で下がる
486 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:35:22.39 ID:rYgOJMM0
その瞬間、俺は息を呑んだ

男「な、ななな…」
リンネ「…これが何か、判る?」
男「な、何って…!」

リンネさんの背からは、黒の羽が伸びていた

487 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:37:04.70 ID:rYgOJMM0
第九話終了、次で十話か
まだ半分も終わってねぇ(笑) 長過ぎ(笑)
でもここまで来たら続けてくよ
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 01:39:26.83 ID:9Wo4u0Io

続きwwktk
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 01:39:41.58 ID:qLca8Lso
( ´ー`)フゥー...おもしろいね

黒羽ってことは前作の彼女と関係が?!

(´∀`*)ウフフ
490 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 01:47:19.00 ID:rYgOJMM0
あ、そーだ
リンネ達だけ固有名あるのなんだか変だから
今度から各キャラに名前付けるてもよい?
vip速でもないし、新ジャンルスレでもないし
そのほうが動かし易かったりする
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 01:53:23.78 ID:UuK3YUAO
>>490
それは書き手の思うままに(`・ω・)b
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 01:54:08.01 ID:9Wo4u0Io
GJ
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 01:56:16.36 ID:0Q3SHnw0
正直ちょっと違和感だけど>>1がしたいなら
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 02:02:03.36 ID:AKDF9UAo
いまさら名前が変わるのもどうかと思うが
>>1がそれでいいなら別に構わないよ
495 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/21(日) 02:03:57.05 ID:rYgOJMM0
じゃあこうしよう
これも連載が終わったらまとめzip出すから
それのほうは名前付けておくよ
とりあえずスレでは今後も名称変更無しで
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 02:06:30.82 ID:AKDF9UAo
>>1
いつもwktkで待ってるんだ
ありがとう
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 02:19:38.14 ID:0Q3SHnw0
おk、これからも頑張ってくれ
498 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/21(日) 04:23:31.20 ID:RQQm9ISO
おやおや急展開じゃ!


てか一卵性か!描き直さなきゃだなと思った休憩時間。

いちおつ!!
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 04:56:50.10 ID:BCW/tADO
1乙!絵描きさんも乙!
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 06:15:40.80 ID:Hm4rVsMP
1ちょつー
双子か二重人格か、はたまた転生体とアストラルボディな感じかと思ってたが、
双子が正解だったか…と後出しジャンケンしてみたり
羽が出てきていよいよ前部と繋がりが見えてくるかな?
wwktkだぜ
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 18:06:22.11 ID:yKZBFto0
>>1超乙!!
相変わらずの神展開
俺も守られてー!
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 19:28:37.77 ID:kKfWEBQo
仕事してて思ったんだが
雀とリンネって一卵性双生児な訳なら
雀だけ高校に行って
リンネはなぜ高校に行ってないんだろう・・・
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 19:35:29.13 ID:.9jlmsco
羽のせいじゃ?
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 19:54:31.05 ID:kKfWEBQo
>>503
リンネには合って雀にはない・・・
のかな?・・・

まあ、続編をwktk
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/21(日) 20:07:52.50 ID:Milj5vQo
いないことになってるとか?
506 :以下、VIPに変わりましてパー速民がお送りします2008/09/21(日) 22:40:18.73 ID:94.sUgE0
今日、本屋行ったらソラニンてマンガあったからこれかと思ったら違ったorz
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/22(月) 23:30:13.13 ID:/G4rGAAO
あれ、次の更新はいつじゃら?
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/22(月) 23:33:48.87 ID:OQZbXvwo
>>507
2-3日に1度位しか来れないみたいな事を言ってたから
まったり待ってようよ・・・

続きは皆待ってると思うw
509 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/23(火) 05:13:39.95 ID:D8RGlYSO
明日当たりに四孤さんがくるのを願って絵でも描いて待つか。
510 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/23(火) 07:18:02.86 ID:D8RGlYSO
http://imepita.jp/20080923/258110

まずは書き直したリンネさんと雀ちゃん。


http://imepita.jp/20080923/258850


とりあえず主人公が証拠うんぬん言ったのがなんとなくウケたのでこれを(笑)
511 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/23(火) 07:20:24.20 ID:D8RGlYSO
http://imepita.jp/20080923/258400

多分これはお色気雀描こうとして失敗したんだ…反省している
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/23(火) 07:33:26.93 ID:SAKpMcAO
かわいいな。

絵師さん乙
513 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/23(火) 07:57:29.08 ID:D8RGlYSO
http://imepita.jp/20080923/259200


朝早くからありがとう!って今日は祝日か…ワーキングプアのおっさんは今日も夜から仕事でーす!祝日などなーい!!

こういう同級生ほしかったなぁ…
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/23(火) 20:44:12.86 ID:FJDuN2DO
やっぱり絵かきさん上手いなぁ!女可愛いよ女。
そんな絵かきさんに触発されて描いてしまった…!

http://imepita.jp/20080923/737980

絵が上手い人も、物語を書ける人も、本当に憧れるわー。
515 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:32:10.58 ID:B78HclM0
よ、よし…書き終わった…
最近話をどうしようか、
ものすごい考えてしまうな…

それじゃあ第十話、どうぞ
516 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:34:51.67 ID:B78HclM0
俺は今、自分がどういう状況に置かれているのか
そういう事を考える事が困難だった
えっと、後輩に連れてこられたマンションで
再会した恩人の背中には羽が生えていた、という状態か?
これで動揺するなというほうが無理がある

男「そ、それは一体どういう仕掛けになって…」
リンネ「…仕掛けなんかない。これは私の身体の一部」
男「マジかよ…」
雀「まぁ、驚くなっていうほうが無理があるもんね」
517 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:37:25.15 ID:B78HclM0
リンネさんは広げた羽を折り曲げると元の椅子に座った
よく見るとリンネさんの椅子だけ背もたれがないタイプだ
やはり羽が邪魔になるのだろうか

男「けど、一体どうして羽なんか…」
リンネ「…生まれつきよ。ちゃんと空も飛べる」
男「雀にはないのか?」
雀「うん。まぁ、ちょっとあってね」
男「…じゃあ、説明してもらおうか。どうして俺なんかが命を狙われるんだ?」
518 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:40:09.12 ID:B78HclM0
リンネ「…実を云うと、私達はもうずっと前からあなたを見てきてたの」
男「私達っつーと、お前ら以外にもいるって事か」
雀「私とお姉ちゃんが属してる組織がね。表立った活動はしてないけど」
リンネ「…その組織の最重要監視対象、それがあなた」
男「ちょっと待て、俺は別に監視されなきゃいけない事はしてないぞ?」
リンネ「…それはあなたというより、あなたの先祖に原因がある」
男「俺の、先祖?」
519 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:43:36.76 ID:B78HclM0
リンネ「…そう。あなたの先祖は著名な科学者だったの」
男「科学者?」
リンネ「…もうずうっと前、何百年以上も昔のね」
男「そりゃ初耳だな…でも、だからって俺が監視されなきゃ…」

俺が面倒くさそうにぼやくと
リンネさんが少し声のトーンを上げて云った

リンネ「…それは、あなたが彼の生まれ変わりだからよ」
520 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:47:10.22 ID:B78HclM0
男「はぁ!? う、生まれ変わりって…なんじゃそりゃ!」
雀「生まれ変わり、というより転生したっていったほうが正しいみたいよ?」
男「で、でも俺には前世の記憶なんて一切ないぞ!?」
雀「時間がそれなりに経てば、記憶なんて消えちゃうもんよ」
男「…俺が、忘れてるだけかってか?」
雀「そうそう」

命を狙われてると云われ、羽が生えた人を見せられ
そして今度は俺自身が転生した科学者と来たか
ここまで来るともうなんにも驚かなくなるな
さながら悟りの境地だ、今ならきっと宙に浮ける
521 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:51:12.11 ID:B78HclM0
男「つか、俺がその転生した科学者っていう証拠は一体何処にあんだよ…」
リンネ「…男くん、あなたが生まれたのはいつだか覚えている?」
男「1995年、5月3日だけど…」
リンネ「…丁度その日、私達の組織があるものを発掘したの」
男「あるもの?」
リンネ「…それに記されていた文にはこう書かれていたの」
リンネ「“これが発掘された時、応じて私はこの世に戻る”と」
522 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:54:32.83 ID:B78HclM0
男「なんじゃそりゃ、SFじゃねぇんだぞ…それで?」
雀「で、丁度その日に生まれたのが先輩、だから監視してたって訳」
男「俺以外にも同じ誕生日のやつなんて一杯いるだろ!」
雀「うん。だからシラミつぶしに全員を監視してきてたの」
男「なんつー生産性の悪い…それで、何で俺が生まれ変わりだって判ったんだ?」
リンネ「…それは、私があなたに会えたから」
男「?」
523 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 21:57:38.70 ID:B78HclM0
リンネ「…私とあなたは前世で会っている。そして私はその記憶を継承してる」
男「なん…だと…?」
リンネ「…他の監視対象にも何度も接触をしたわ。けど、結局皆違った」
リンネ「…確証を持って、そうだと云えるのはあなただけ」
男「…その、俺の今の姿と前世の姿は同じなのか?」
リンネ「…ええ。服装も歳も違うけど、見間違える訳ない」

正直この馬鹿臭い話をさっさと切り上げて
家に帰って眠りにつきたいとも思ったが
目の前で語るリンネさんの眼は真剣そのものだった
524 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:00:38.71 ID:B78HclM0
男「…まぁいい。百歩譲って、俺がその科学者の生まれ変わりだとしよう」
男「それじゃあなんで、俺は命を狙われなきゃならんのだ?」
雀「そっちは私が説明するよ。先輩、先週あった事件、覚えてる?」
男「うちの近所であったとかいう、例の殺人事件か?」
雀「そう、その殺人事件。それについて何か妙な事は聞いてない?」
男「妙な事…羽があったとかなかったとか…って、まさか!?」
525 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:03:13.18 ID:B78HclM0
雀「そ。そのまさか。殺されたのは私達の組織の一員なの」
雀「先輩の監視員として活動してたんだけど、敵対勢力にやられちゃって」
雀「お姉ちゃんがこっちに来たのも、彼を欠いた為の補填要員としてなの」
男「その敵対勢力って連中が、俺を殺そうとしてる奴らか?」
雀「その通り。彼らにとって、先輩はあってはならない存在だからね」
男「あっては、ならない存在…?」
雀「彼らの活動に支障を来す、邪魔な存在って事」
526 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:06:32.64 ID:B78HclM0
男「…その連中、一体何者なんだ? 俺にどう関係している?」
リンネ「…それは、今はまだ云えない」
男「云えないって、それが一番大事なトコじゃないか…」
リンネ「…今必要以上に知れば、あなたの生活に支障をきたす事になる」
雀「私達は先輩に情報を与えるのが役目でなく、守るのが役目だからね」

目の前の二人の、双子の女の子に守られてるという俺
なんだか男として大変情けない位置にいる気がする
527 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:10:36.57 ID:FpWjMCY0
リンネ「…今日は、もう駄目。これ以上、あなたを此処にいさせるのは危険」
男「ちょ、待ってくれよ! 俺はまだ聞きたい事が…!」
リンネ「…此処一帯は、既に敵対勢力の監視下なの。このマンションも然り」
男「一帯がって…その勢力ってどういう連中なんだ…」
雀「多分、先輩が思っている以上に大きな組織だよ。それは間違いないと思う」
528 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:12:49.01 ID:FpWjMCY0
リンネ「…雀、男くんを送って。私は周辺を警戒する」
雀「オッケー、気をつけてねお姉ちゃん」

リンネさんは窓際まで行き、ガラス戸を開けた
肌寒い夜風が部屋に吹き込んでくる
リンネさんがベランダの手すりに足を掛ける

男「ちょ、リンネさん! 危ない!」
リンネ「…それじゃ、またね男くん」
529 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:15:12.83 ID:FpWjMCY0
リンネさんは足を思い切り伸ばし、夜の中に飛び込んだ
俺は慌ててベランダに出て下を見る
すると、リンネさんの身体は下ではなく上にあった
黒い羽が闇夜にとけ込みながら羽搏いている
そしてあっという間に、その姿は見えなくなってしまった

男「ほ、本当に飛んだ…」
雀「先輩も疑り深いね。ま、無理もないけど」
530 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:18:15.50 ID:FpWjMCY0
俺は雀に連れられて、マンションの部屋を出た
ふと思い出し、携帯の電源を入れてみる
すると何事もなかったかのように電源が入った

男「おお、付いた」
雀「あっ。この部屋の中、機械系統妨害網が張られてるって云うの忘れてたね」
男「機械系統妨害網?」
雀「敵さんも何処から見てるか判んないからね。盗聴とか、隠し撮りとか」
男「成る程」
531 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:22:18.76 ID:FpWjMCY0
俺の自宅まで送ると云う雀の後に俺は続く
どうにも、俺は妙な話に巻き込まれ始めてるのではないか
ふと空を見上げても、其処には相変わらずの暗闇がある
周りは何も変わってないはずなのに、俺だけが変わり始めている
嘘だと信じたい、これが夢なら早々と覚めてもらいたい

だけど、内心で俺はワクワクしていた
まるで漫画やゲームの話じゃないか、しかも俺が主役っぽい
こんな事を体験出来る機会なんて、そうそうない
俺の中で、肯定と否定が争い合っていた
532 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:25:23.71 ID:FpWjMCY0
時間は午前二時半、俺と雀は俺の自宅の前に来ていた
幸い道中は特に何か障害にぶち当るという事はなかった

雀「よし、なんも起きなくて良かったね。お姉ちゃんの御陰かな?」
男「悪いな、なんか…」
雀「何云ってるの! これは私達の仕事なんだから!」
男「ああ、それもそうか…」
533 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:28:12.96 ID:FpWjMCY0
雀「それじゃあ、そろそろ私行くけど…先輩」
男「うん?」
雀「唐突にあんな話しても、信じろっていうほうが無理だっていうのは判ってる」
雀「でも、私は駄目でも…せめてお姉ちゃんだけは信じてあげて?」
男「ああ…まだ実感ないけどな。とりあえず心には止めておくよ」
雀「ありがとう…それじゃ、また明日学校で!」

そういって雀は、いつもの表情で別れを告げて走り去った
俺は鍵を開けて、物音一つしない自宅に入った
534 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:31:16.60 ID:FpWjMCY0
自室に戻り、ベッドの上に寝転がる
上では電球の灯りが光り、部屋を照らしている

男「(命を狙われてる、か…はは、俺はまだ17だぞ?)」

科学者の生まれ変わりと云われても、納得出来ない
確かに理系の科目は好きだけど
ただそれだけで、何か発明出来たりするわけじゃない
535 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:35:10.16 ID:FpWjMCY0
俺は普通の、その辺にいくらでもいる
一介の高校生なんだと思っていた
でも今、それを否定され始めている、真偽は判らない
しかし、不安を生み出すにそれは十分事足りた

男「(俺、これからどうなるんだろうな…)」

紐を引っぱり、灯りを消した
部屋の暗闇が自分の内面のように見えた

536 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/23(火) 22:37:39.39 ID:FpWjMCY0
第十話、終わり
なんかテンポ悪いような気がすんな…
やっぱ大雑把な考えの構成じゃ
上手い事進まないもんだね

とりあえず風呂入って今後の展開考えよう
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/23(火) 22:43:39.30 ID:KoqPewSO
乙!!
今日は来るの早かったね。
次回も待ってるよ。
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/23(火) 23:34:02.33 ID:lTcCE.AO
いやー、全然いい文章だと思うよww

今日も乙ww
539 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/24(水) 00:14:51.83 ID:Cf3UFESO
@お疲れっす!!仕事場から見てるぞー!


次回もワクテカしちゃうぜーっ!


540 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/24(水) 12:05:07.03 ID:Cf3UFESO
今日も妄想が爆発。

http://imepita.jp/20080924/430900

そろそろやざくれそうです。
541 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/24(水) 12:09:06.87 ID:Cf3UFESO
http://imepita.jp/20080924/431330

ついでに女友書き直してみた。


http://imepita.jp/20080924/432270

ボツになったリンネさん


http://imepita.jp/20080924/432520

主人公が細くなりすぎた。


http://imepita.jp/20080924/433220

自分の存在感の薄さにようやく気づき始めた男友
542 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/24(水) 12:14:55.83 ID:Cf3UFESO
http://imepita.jp/20080924/439630

女はかませなのか…?!女可愛いよ女。
543 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/24(水) 12:20:28.80 ID:Cf3UFESO
とりあえず今日のラスト。もう寝ます(笑)もうちょっとストーリーに沿った挿絵を描いた方がいいな。

http://imepita.jp/20080924/442720


正直すまんかった。
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/24(水) 22:02:02.87 ID:tQA5.BQo
各話の挿絵を描くんだ
545 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/25(木) 02:34:25.20 ID:mxPesESO
>>544

おk。なんとなくやってみるお!
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/25(木) 11:43:41.76 ID:F0YeGsAO
>>545
あ、うpするときもうちょい明るく出来ないかい?
若干見えづらいのだよww
547 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/25(木) 19:53:40.32 ID:mxPesESO
>>546

携帯でゴメスだお…パソコンが直ればパソコンで綺麗にやれるのだが…善処するお!
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/25(木) 21:04:23.81 ID:iwJTU6Qo
まとめ収録時に色の薄いもの等を勝手に補正掛けさせてもらってます
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/26(金) 22:58:21.11 ID:5neofmYo
今日あたり来るかな?
550 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/27(土) 00:20:24.23 ID:fbJgs2SO
待ってるよ!!
551 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/27(土) 11:10:38.58 ID:xi388x60
リアルでまたバタバタし始めちゃったから
続きは明日以降になっちゃうよ! ゴメス!
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/27(土) 11:21:23.26 ID:sX75krgo
>>551
了解

ま、パー速はちっとやそっとでは落ちないから
書き溜めておいてねwwww
553 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:22:31.40 ID:a.OT6Ow0
よしっ、やっぞ
今回からいよいよ本題に入り始めるぞ

それでは妙なテンションで十一話、開始
554 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:24:14.09 ID:a.OT6Ow0
次の日の朝、いつも通りの時間に俺は眼が覚めた

男「(ん、朝か…)」

上半身を起し、周りを確認する
特に変化したような場所はない

男「(昨日の、夢じゃないんだよな…?)」
555 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:28:00.88 ID:a.OT6Ow0
男「おはよーっす」
父「やぁ、おはよう」
妹「あっ、お兄ちゃんおはよー」
男「…待て、なんでお前がこの時間に起きてる?」
妹「えへへ、たまにはこういう時間に起きるのも悪くないと思って」
母「妹、パン焼けたわよー」
妹「はーい」
556 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:30:22.48 ID:a.OT6Ow0
母さんに呼ばれて妹がキッチンに向かう
俺は父さんの隣の席に座った

男「珍しいね、あいつがこんな時間に起きるなんて」
父「いや、正確にいうと起きてはいないよ?」
男「へ?」

ガッシャーン
557 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:33:10.59 ID:a.OT6Ow0
妹「ああっ!」
母「もう! 寝惚けてるんじゃないの! 早く片付けなさい!」
妹「ふぇえ〜ん」

男「…あいつ、まさか寝てないんじゃ?」
父「だろうね。眼の下に、よく見たら隈があったし」

俺は半分呆れつつ、いつも通りの朝食を摂った
558 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:37:12.02 ID:a.OT6Ow0
学校への通学路
いつも見慣れている光景
けど、何処か身構えている自分が居た

男友「うぉーっす、男」
男「おう、おはよう男友」
男友「…お前、昨日寝たか?」
男「んー、ちょい遅くまで起きててな…少し眠い」
男友「やや優等生のお前が珍しいなぁ。授業中気をつけろよ」
男「ああ、資料集の背で叩かれないように気をつける」
男友「おまっ、人のトラウマを!」
559 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:40:12.57 ID:a.OT6Ow0
ホームルームが終わり、一限の授業が始まる
今日の一限は倫理の授業だった

男「(殆ど寝れなかった身にこれはキツい…)」

あの後、布団に潜り込んだのはいいのだが
中々寝付けなかったのだ
ようやく寝れたと思ったらすぐに眼が醒めてしまった
560 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:42:13.24 ID:a.OT6Ow0
男「(なんだって昔の人の考えを覚えなきゃならんのだ…)」
男「(これだから哲学は嫌だ。個人概念の押し付けじゃないか)」
男「(もっとこう、他に教えるべきものが…あるんじゃ…な…)」
男「……」

教師「おい、誰か男起こせ。資料集の背で殴っていいぞ」
男友「よっしゃ!」

ガッ
561 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:45:08.10 ID:a.OT6Ow0
一限終了後

男「…あンの野郎…本気で殴りやがって」
女「男くん、大丈夫?」
女友「授業後、速攻で逃げたわねアイツ」
男「大体、隣のやつがやるのが普通だろ? なんだって三席後ろのアイツが…」
女友「よっぽどやりたかったんじゃない?」
男「あー…駄目だ、ものっそい痛い…ちょっと保健室行ってくる」
女「あっ、じゃあ私付いて行くよ…(チラ)」
女友「(グッ!)」
女「(ぐっ!)」
562 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:47:51.19 ID:a.OT6Ow0
保健医「あーこりゃコブになってるね! 相当な力で殴られたでしょ!」
男「コブとか…倍返しだな」
女「(ば、倍って…どうなるの男友くん!?)」
保健医「まー下手に触んなきゃ大丈夫だから! さぁ教室に戻った戻った!」
男「へいへい」
女「ありがとうございました」
563 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:50:22.25 ID:a.OT6Ow0
男「…あ、そうだ女」
女「! な、何!?」
男「どしたよそんなに驚いて…まぁいいや。お前、今日雀見たか?」
女「雀ちゃん? ううん、見てないけど、どうかしたの?」
男「いーや、なんでもない。ほれ、早く行こうぜ。先生にどやされちまう」
女「うんっ!」
女「(雀ちゃんの呼び方が呼び捨てになってたけど、大した事ないよね! 多分)」
564 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:55:06.28 ID:a.OT6Ow0
俺は教室に戻り、その後も授業を受けた
教壇では女教師先生が熱弁を振るっている
俺は消しカスを集めて作った練り消しモドキを
こねくり回して手を持て余していた

男「(雀のヤツ、聞きたい事あったんだが…やっぱり休んでたか)」
男「(これで、昨晩の事が嘘じゃないって事になるな…)」
男「(…今も、例の敵が何処かから見てきてるのかもしれない)」

そう考えると、背筋に寒気が走った
565 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 14:58:27.28 ID:a.OT6Ow0
やがて、いつもと何にも変わらない授業が終わり
いつもと何にも変わらない昼を迎えた
違う事と云えば雀が居ない事
それと男友が机に突っ伏しているという事

女友「…あんた、一体何したの?」
男「日本史、世界史と理科の資料集三点セット」
女「(ほぼ鈍器!)」
566 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:04:03.53 ID:a.OT6Ow0
女「それで、それがまた臭くってさー!」
女友「判る判る! 臭いよねー!」

弁当を口に運ぶ俺の目の前では
女達が相変わらずよく判らない会話をしている

男「(毎度思うのだが、一体何が臭いのだろうか)」
男友「…はっ! お、俺は一体何を…」
男「もうちょっと寝とけ」ガッ
男友「ふごっ!?」
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/28(日) 15:07:03.02 ID:tioUdbYP
まさかのらきすたwwww
568 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:07:06.26 ID:a.OT6Ow0
それからも、いつもと変化ない
何にも起きない午後の授業を終えた

男友「っしゃー! 終わったー! 家帰る! なんか頭ガンガンするし!」
女友「当の本人は全く持って覚えていないみたいね…」
女「男くん、今日部活だったっけ? どうする? 待ってよっか?」
男「んあ、いやいいよ。今日は先、帰っといてくれないか?」
女「うんわかった。それじゃあ、また明日ね!」
男「おう、またなー」
569 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:11:12.60 ID:a.OT6Ow0
女達が帰った後、俺は屋上に向かった
今日は部活には朝のうちに休みの届けを出してある
屋上のフェンス越しにグラウンドを見ると
各運動部が今日の活動を行っている

男「おお、こういう光景は初めて見るな…」
男「あ、西岡のやつシュートミスってやんの。だっせー」
男「野球部は…あ、そういえば今日は練習試合か」
男「むぅ」
570 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:14:33.99 ID:a.OT6Ow0
別に体調は其処まで悪くはなかった
未だに頭は痛いが、激痛というわけでもない
ただ、なんとなく出る気が起きなかった
昨日の事が喉の奥に突っ掛かっていたのだ

ふと、周囲を見回す
何処かから見られている気がして
しかし結局それらしき影は何処にも見えない
571 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:18:08.32 ID:a.OT6Ow0
男「はぁ…もう、どうすりゃいいんだこれから…」
女教師「やぁやぁどうしたどうした少年!」
男「なんぞ!?」

振り返ると其処には女教師先生が立っていた
格好は相変わらずの白衣姿である
風で白衣がなびいていて、なんとなくかっこいい
572 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:21:31.06 ID:a.OT6Ow0
男「先生、なんだってこんなトコに…」
女教師「ふふん、私の放課後は此処からグラウンドを眺める時間なのさ」
男「はぁ、さいで」
女教師「しかし、君こそ珍しいな。いつもはサッカーしてるじゃないか」
男「色々ありまして、今日は休みです」
女教師「ははぁ…さては悩み事だね?」
男「まぁ…そんなもんです」
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/28(日) 15:23:41.65 ID:iIugMXIo
今日はこんな時間に投下なんだねw
574 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:24:24.32 ID:a.OT6Ow0
女教師「ならば私に話してみなさい。助言してあげれるかもよ?」
男「助言ですか…?」
女教師「そうそう! だからその胡散臭い通販見る様な眼は止めてお願い!」

女教師先生は今年になって入ってきたばかりの新任教師だ
しかしその性格や言動は他の教師を逸脱した何かがあり
一部男子生徒、また少数の女子生徒からカルト的人気を得ている
そういえば、生徒の相談事にもよく乗っているって聞いたっけ
575 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:28:13.83 ID:a.OT6Ow0
男「じゃ、お言葉に甘えさせてもらってもいいですかね?」
女教師「おう! 浮いた話沈んだ話どんとこい!」
男「…先生は、今まで考えても無かった事がいきなり出てきたらどうします?」
女教師「なんだ、思春期の青年によくある悩み? 中二病?」
男「えーっと、もっというと…有り得ない事が現実になったら、かな」
女教師「ははっ、有り得ない事、ねぇ」
女教師「いいかい男くん、世の中にね、有り得ない事なんてないんだよ」
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/28(日) 15:29:27.68 ID:tioUdbYP
京極堂ktkr
577 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:31:23.47 ID:a.OT6Ow0
男「有り得ない事、なんて…ない?」
女教師「そ。例えば、今私達が暮らしている地球が一瞬で滅ぶとか」
男「んな馬鹿な…」
女教師「馬鹿な話じゃないさ。CERNの実験が失敗したり、隕石が墜落したり」
女教師「兎に角、私達人間が予測出来うる事なんて限られてるわけだよ」
女教師「大体、天気予報すら満足に当てられないのに森羅万象を予想出来る?」
男「そりゃ無理ですけど…」
578 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:34:36.16 ID:a.OT6Ow0
女教師「だからね、なんでも“ああ、こういうもんなのか”で終わらせればいいの」
男「それ、色々投げ出してませんか?」
女教師「違う違う。放棄じゃなく、享受よ。現実を甘んじて受け入れるの」
男「享受…」
女教師「大体、有り得ないと思う事こそが放棄よ。考える事を諦めてる」
女教師「なんでも現実として見て御覧。するとそこには真理が見えるはずだよ」
579 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:37:07.84 ID:a.OT6Ow0
男「真理、か…なんだかなぁ」
女教師「ま、若いうちはそういう考えを持てば得するぞ、とでも思っておきな」
男「そんなもんなんですかね」
女教師「そうそう。私が若い頃はね…って、こりゃ年寄り臭いか。たは」

女教師先生は頭を掻きながら、保たれていたフェンスから離れ
下へ続く階段のほうへと向かって行く
580 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:41:12.84 ID:a.OT6Ow0
女教師「…ま、君はまだ若いんだ。物事は難しく考えないほうがいいよ?」
女教師「生キャラメルみたいに柔らかいノーミソ、酷使しないように!」
男「生キャラメルって…俺の脳はそんなんじゃないですって!」
女教師「アハハ! ごめん! 今のは言い過ぎたね!」

そういって女教師先生は笑ってみせた
まるで子供のように無垢な笑顔だ
581 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:45:14.79 ID:a.OT6Ow0
女教師「でも、これから先、君ら若者が生きていく上でそういう思考は必然だよ」
女教師「いざ目の前に立ち塞がった時、対応出来るようにしておきなさいな」
男「立ち塞がった時、ですか?」
女教師「そそ」

それまで背を向けていた女教師先生が振り返る
その表情は笑顔、というより企み顔になっていた

女教師「例えばあんな風に、ね」
582 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:50:17.22 ID:a.OT6Ow0
ズドォォォオオオンンン――――


男「!?」

夕暮れの紅色が校舎を染めて行く
グラウンドのサッカーボールは無抵抗に転がり
運動部員達は音のした方向に顔を向けている
太陽が焼けていく中、確かにそれは響いた

後ろを振り返る
女教師先生はもう振り返って階段に向かっていたが
一瞬見えたその口元は、確かに笑っていた

583 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/09/28(日) 15:52:08.54 ID:a.OT6Ow0
第十一話終了
胡散臭いSFみたいになってきたぞ
こういうの初めて書くから不安だ

しかしネタを出す度に当てられるのは
嬉しいやら悲しいやら
今度からもっと判り難いのだそうかな
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/28(日) 16:01:21.34 ID:iIugMXIo
どっかのエロゲっぽいがw

wwktkで次回を待ってます
お疲れ様でしたw
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/28(日) 16:01:56.37 ID:tioUdbYP

元ネタに脊髄反射しちゃうのが俺の悪い癖
自重自重
586 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/28(日) 16:30:03.74 ID:QJ6ChwSO
乙!!ついに始動ですな!!

急いで描いた挿絵的なやつ

http://imepita.jp/20080928/591030


http://imepita.jp/20080928/590690


http://imepita.jp/20080928/590410


とりあえず次回Wktk でーす。

587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/28(日) 16:50:54.40 ID:OB18qkAO
まさかこんな時間に来てるとはww

次もwwktkしてるんだぜ
588 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/28(日) 18:11:40.24 ID:QJ6ChwSO
暇潰しにおいてきます。

http://imepita.jp/20080928/549600


http://imepita.jp/20080928/550020


一話挿絵。
589 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/28(日) 18:20:18.10 ID:QJ6ChwSO
http://imepita.jp/20080928/656320

一話ボツシーン。

http://imepita.jp/20080928/656920


http://imepita.jp/20080928/656320

二、三、四話挿絵集。SFっぽいのかけなくてスマソ。
590 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/28(日) 18:22:59.55 ID:QJ6ChwSO
http://imepita.jp/20080928/657350


すまん三、四話あたりの挿絵。
591 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/09/28(日) 18:29:59.41 ID:QJ6ChwSO
http://imepita.jp/20080928/663900

http://imepita.jp/20080928/663670

http://imepita.jp/20080928/662940


五話〜十話まで。
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/28(日) 18:30:21.75 ID:iIugMXIo
絵師さんまで大量投下してたw
保存してますwwww
593 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/28(日) 18:46:26.86 ID:QJ6ChwSO
ミスってスレ消化してサーセンWWWWWWWWWWWWWWWWW


自分も書き溜めして一気に投下してるのでWWWWW


保存マジありがとうございます。
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/28(日) 20:46:05.21 ID:AgP.kYAO
絵師さん乙乙乙乙乙乙乙
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/28(日) 23:05:25.35 ID:tioUdbYP
ラノベだと挿絵によって売れるかどうか決まる場合も多いよなぁ
と嫌味ったらしくプレッシャーをかけてみるww
(笑)が付けられないようにガンガレ絵師様
596 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/09/28(日) 23:38:40.24 ID:QJ6ChwSO
みんなそれぞれの想像があるからなかなか難しいけど少しでも乙言ってくれる人や>>1が現れるまでの暇潰しのために頑張るよ!


こんなもんでスマソ><
プレッシャー恐いけど描きつづけるわ!
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/01(水) 17:29:35.81 ID:av6dpUAO
続き今日?
598 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms2008/10/03(金) 19:24:09.64 ID:CVsSCESO
今回はなかなか焦らしてるな
599 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/03(金) 21:24:11.46 ID:qAHl.zU0
ども、前>>1こと四狐です

学祭まで一ヶ月きって実生活が大分慌ただしくなって来てます
よって平日に話を書く暇がありません
土日と休みなので十二話はその間に書き込みたいと思います
続き待ってくれている方々、申し訳ない…
誰か前の話の設定でSSでも書いてくれないかなぁ…
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/04(土) 00:08:58.95 ID:Osig9sAO
いくらでも待つぜww

そして気が向いたら単発で書くぜww
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/04(土) 07:38:34.24 ID:K9CK7/Io
友と女友でスピンオフを書こうかと・・・
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/04(土) 13:16:04.97 ID:3SHJRbs0
>>600-601
第一部の女と友の馴れ初めとかお願いしたい
アフターストーリーで話し有ったけど
いろいろと掘り下げて欲しいなww
603 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:39:26.99 ID:WFxuc260
よーし、微妙な時間だけど始めちゃおう
どうせいつやっても変わらないしな!

それではほぼ週刊連載「ソラニン」
第十二話、どうぞ
604 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:41:06.37 ID:WFxuc260
キャスター『昨日、夕刻頃に首都圏各地で確認された
      原因不明の爆発音について、政府は現在調査中との…』

朝起きて見たニュースでは、昨日の事をやっていた
夕暮れ時に突如として鳴り響いた爆音
コメンテーターのおっさんがなにやらよく判らない事を云っている

コメンテーター『今回の件で考えられるのは、第三国の武力介入が…』
605 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:43:11.29 ID:WFxuc260

父「まるで戦争でも起きそうな感じだな、全く」
母「もう、物騒な事云わないで頂戴。早く御飯済ませて」
男「(戦争、か…)」
妹「…ベーコン、もーらいっ!」
男「あっ! この野郎!」
母「ほら! あなた達も喧嘩してないの!」
606 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:45:42.70 ID:WFxuc260

学校への行き道でも
道行く人達から聞こえてくるのは
やはりあの爆発音についての噂話だけだった
この分じゃ学校でも同じ様な具合だろう

主婦A「あの音、例の国の攻撃かもしれないんですって!」
主婦B「まぁ〜怖いわぁ…」
主婦C「政府は一体何してるのかしらねぇ?」
607 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:48:49.48 ID:WFxuc260

男「(はぁ…ったく…)」
男友「おーい! 男ー!」
男「おう、おはよう男友…って、なんだその手に持ってるノートは?」
男友「俺特製の取材ノートだ! 朝から色々聞いてまわってんのさ」
男「はぁ、さいで」
男友「いやーしっかし、昨日のアレはマジ吃驚したな! お前も聞いただろ?」
男「んなもん、正直どうだっていいよ。戦争したけりゃすればいい」
男友「おいおい随分冷めてるなぁ…折角の特ダネなのに」
男「はっ」
608 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:50:48.73 ID:WFxuc260

学校に着いて教室に着いても、状況は変わってなかった
クラスメート達は互いの意見を云い合っている

学生A「だから! あれは最終戦争の前触れなんだって!」
学生B「自衛隊か米軍の迎撃ミサイルの爆発音なんだろ?」
学生C「でもそれだったらニュースでやるはずじゃない?」
学生D「いや、あれはワームホールが開いた音ね」
学生E「世界は滅ぶんだよ! 恐怖の大王が降って来たんだ!」
学生F「それより俺、この辺りに出るって云う電ノコ女が…」
学生G「なにそれ」
609 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:54:43.47 ID:WFxuc260

男友「うーん、カオスだな…」
女友「皆朝からあんな感じよ。もう、なんか頭痛くなってくるわ…」
女「本当に、戦争が起きちゃうのかな…そしたら私達、どうなっちゃうの?」
男友「さぁねぇ…名目上米軍がどうにかしてくれるかもしれないけど…」
女友「もしかして、徴兵制度とか出ちゃったりしてね。アンタなら行けるわよ」
男友「ちょ! それ俺に[ピーーー]っていってんのかよ!?」
女友「大丈夫! アンタに[ピーーー]価値なんてないから!」
男友「俺の価値って一体…」
男「…戦争、ね。いいんじゃん、戦争。面白そうで」
女「男くん…?」
男「本当、起きてくれるんなら大歓迎だよ。喜んで徴兵されてやるよ」
男「そんで何もかも壊れてしまえばいいんだ。はは、全く…」
610 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga ミスった]:2008/10/05(日) 02:55:45.29 ID:WFxuc260

男友「うーん、カオスだな…」
女友「皆朝からあんな感じよ。もう、なんか頭痛くなってくるわ…」
女「本当に、戦争が起きちゃうのかな…そしたら私達、どうなっちゃうの?」
男友「さぁねぇ…名目上米軍がどうにかしてくれるかもしれないけど…」
女友「もしかして、徴兵制度とか出ちゃったりしてね。アンタなら行けるわよ」
男友「ちょ! それ俺に死ねっていってんのかよ!?」
女友「大丈夫! アンタに殺す価値なんてないから!」
男友「俺の価値って一体…」
男「…戦争、ね。いいんじゃん、戦争。面白そうで」
女「男くん…?」
男「本当、起きてくれるんなら大歓迎だよ。喜んで徴兵されてやるよ」
男「そんで何もかも壊れてしまえばいいんだ。はは、全く…」
611 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 02:57:07.62 ID:WFxuc260

男友「お、おい男。お前、今日はどうしたんだ…? なんか変だぞ…」
男「変? この俺が? 全然! むしろ変なのは俺以外だ!」
男「何が最終戦争だ、ワームホールだ、恐怖の大王だ! バカバカしい!」
男「もう沢山だ! 冗談なんて一つでもあれば十分なんだよ!」
女「あっ、男くん!」

俺はもう我慢出来なくなっていた
気がつけば俺は鞄も忘れて教室を飛び出した
後ろから女達の声が聞こえたけど
もう構ってもいられない
頭の中がどうにかなりそうだった
612 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:00:47.72 ID:WFxuc260

女友「…一体どうしたっての? 男くん」
男友「わからん。けど、今朝からなんかいつもと様子は違ったな」
女「(男くん…)」

ガララッ

女教師「はーいはいはいはい! もうホームルームの時間だぞー! 席着け!」
女教師「…と、その前に。今全速力の男くんとすれ違ったけど、何かあった?」
男友・女友「いや止めろよ!」
613 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:04:14.66 ID:WFxuc260

女教師「いやいや、若いフラストレーションは止めたら可哀相だからねぇ…」
女教師「んで、誰か何かあったから知らない? 例えば女ちゃんとか」
女「いえ、私はなんにも…でも、なんか悩んでたみたいです」
女教師「悩み事ねぇ…(ま、今のところは別に放っておいても…!?)」
女教師「(何よ、今ホームルーム中よ。頭に響くから後にしてくれる?)」
?『(いえ、そういう訳には…実は…)』
女教師「(!…わかった。そういう事なら話は別ね…)」
614 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:06:44.71 ID:WFxuc260

女教師「…ごめーん、委員長。ちょっと来てくれるかしら?」
委員長「あ、はい。なんでしょうか?」
女教師「今日私学校休みにするから、教頭先生に伝えておいてくれる?」

全生徒「はぁぁぁあああ!?」

女教師「ああ、大丈夫大丈夫! 話は多分通るから! それじゃ、後ヨロシクね!」
委員長「ああっ! せ、先生!」
女「ほ、本当に行っちゃった…」
男友「…俺、教師目指そうと思うんだ…」
女友「ええ…アンタでもきっとなれるわ…」
615 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:09:09.60 ID:WFxuc260

女教師「そいで、敵さんの動きは?」
?『現在市内各所に展開しています。恐らく、先輩の誘拐目的かと』
女教師「うーん、やっぱ昨日のアレが効いたのかしらね?」
?『まぁ、先輩は今学校なんでしょう? 警備を回せば防ぐ事は…』
女教師「それがね…彼、飛び出して行っちゃったのよ、学校」
?『んなっ!? そ、それじゃもし敵に見つかったら…!』
女教師「だから私が先行して彼を探すわ。火器使用許可、下ろしといてね」
?『…市街地戦は出来れば勘弁して下さいね。後が面倒なんで』
女教師「何いってんの、もうここまで来たら引き下がれないでしょう?」
女教師「私達、いえ、今と今後の人類には彼がどうしても必要なのよ」
616 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:12:05.36 ID:WFxuc260

気がつけば、今自分が何処にいるかわからなくなっていた
街を流れる川の近くなのは確かだか、こんな場所あったか?
どうやら川沿いに進んでいたみたいだ、初めて見る場所だ
周りに人は居ない、川の流れる音が申し訳ない程度に聞こえる

一体なんだってんだ、最近の俺の周りは
変な女の子に自分が転生した科学者だと云われ
背中から羽が生えているという酔狂な姿を見せられ
自分は命を狙われているだとか云われる始末だ
そして原因不明の爆発音に、踊らされる周囲の人々

617 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:15:05.23 ID:WFxuc260

何処でどう間違えたんだ?
俺の今までの人生でこんなにこんがらがってた事なんてない
俺は普通に一般高校生の人生を歩んでいたはずなのに
畜生め、俺にどうしろっていうんだ?

男「(落ち着け、俺…一時の感情に流されちゃ駄目だ…)」
男「(そうとも。別にこんなに慌てる必要なんてないんだ)」
男「(俺は普通…普通の高校生なんだよ…周りもいつも通りじゃないか)」
男「(敏感になり過ぎてるんだよ俺…そうだとも)」

618 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:17:32.92 ID:WFxuc260

男「よし…とりあえず学校に戻ろう。そして今まで通りの学生生活をするんだ…」

そうやって戻ろうと、踵を返した時だった
直ぐ近くで車の急ブレーキの音が聞こえた
何事かと思い音のする方向を見ると
向こうから黒いバンが走ってくるのが見えた

男「なんだろ…って、なんかこっちに向かって…うわ!」

619 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:19:36.72 ID:WFxuc260

間一髪の所で道の脇に逃げる
もし動いていなかったら轢かれていたところだ
なんという危険運転だろう

男「あっ、危な…危なかっ…た…?」

黒いバンは直ぐ近くで停車していた
ほどなくして、バンのドアが開く

620 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:22:50.70 ID:WFxuc260

そして中から現れた人々に、俺は絶句した
アニメか映画でしか見た事のない格好
なんだろう、特殊部隊とでもいうのだろうか
全身に装甲服を纏い、顔にはフルフェイスヘルメット
そして手には、黒塗りの銃が握られている

男「な、なななな…」
隊長「目標を確認した。全員周囲を警戒しろ」
隊員達「了解」

621 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:24:40.05 ID:WFxuc260

男「なんなんだよお前ら!」
隊長「君にそれを教える義務は我々にない。兎に角、ついてきて貰おうか」
男「(…ああもう…どうにでもなっちまえよ、クソ…)」
隊員「大人しくしろよ。出来れば一発も撃ちたくないんでね」
男「…勝手にしろ…」

?「ちょーっと待ったー!」

隊長「なっ、なんだ!?」
男「(この声…何処かで聞いた覚えが…!)」

622 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:27:13.82 ID:WFxuc260

遠くから何かが猛スピードで突っ込んでくる
背中に何やら長いものを担いだ人がバイクに乗ってるようだ
その人はヘルメットを被っておらず、服装は白衣――
――白衣?

男「女教師先生!?」
女教師「そして喰らえ銃底スマッシュ!」

バキッ

623 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:30:14.58 ID:WFxuc260

隊員「ぎゃっ!」
隊長「なっ、何者だ!?」
女教師「担任だッ!」
隊員達「(ええーッ!?)」
男「せ、先生! どうして此処に!?」
女教師「教え子の居場所が判らん教師が何処にいるよ?」
隊長「…! そうか。貴様、明星機関の人間か!」

624 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:32:43.21 ID:WFxuc260

女教師「ピンポーン。物判り良いね隊長さん。ウチに来る?」
男「みょ、明星機関…?」
女教師「おーっと話は後だ、男くん。この人達、タダじゃ通してくれないみたいよ」
隊長「…総員、安全装置解除。障害を排除しろ!」

カチッ

女教師「ふふん…そんなオモチャで私のノコギリと戦うつもり?」
男「(ノコギリ…? そういえば…)」

学生F『それより俺、この辺りに出るって云う電ノコ女が…』

625 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:35:42.49 ID:WFxuc260

女教師「男くん、バイクの後ろに隠れててね。ちょっとグロいから」
男「ぐ、グロいって…」
隊長「撃てぇッ!」
男「うおわっ!」

ガガガガガガガガガ

男「ほっ、本当に撃ってきた! つか、女教師先…生…? あれ?」
隊長「ば、馬鹿な…なんで銃弾が効かない!?」
女教師「私の教え子の作った防弾システム、舐めんじゃないわよ!」

626 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:37:59.41 ID:WFxuc260

隊長「くっ…“遺産”の一つか…酔狂なものを!」
女教師「んじゃ、そういう事だから。じゃあね」
隊員達「!?」

その時に聞こえた音は、なんと形容すればいいのか判らないけど
無理にでも云えば布を裂くような音
もしくは耳のすぐ近くでチェーンソーを鳴らされてる感じだろうか
発砲音の後には薬莢が落ちる音が聞こえて
その数が使用弾薬の数を物語っていた

627 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:39:31.74 ID:WFxuc260

男「(…静かになったな…)」
女教師「男くん、終わったよ。でもま、眼は開けないほうがいいよ」
男「な、なんでですか?」
女教師「リアル人狼、見てみる?」
男「! …結構です…」
女教師「よろしい」

628 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:42:13.78 ID:WFxuc260

女教師「それじゃ、そろそろ行こうか。流石に五月蝿くしすぎたからね」
男「五月蝿いってレベルじゃねぇッスよ…で、何処に行くんですか?」
女教師「私達の機関の場所。もうこの街が平和である時間も少ないよ」
女教師「連中もいよいよ活動を活発にしてきた事だしね」
男「…先生、俺、一体どうすればいいんですか?」
女教師「今はとりあえず眼を閉じてなさいな。道は私達が示してあげる」
女教師「さぁ、行こうじゃないか男くん。君はここに留まるべき人じゃあない」

眼を瞑ったままの俺の手を、女教師先生の手が握った


629 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/05(日) 03:46:10.97 ID:WFxuc260
第十二話終了
自分でいうのもなんだけど、こうなるともうただのラノベだな
こんなのニュー速で出来る訳ねぇwwwww

回を重ねるにつれて人減ってる気がするな…
やっぱりこういうのはパー速でも駄目なのかもしれんね
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 03:47:48.31 ID:Ip4iucso
ラノベとんだことない俺にとっては新鮮

時間が微妙すぎっすよwwwwwwwwwwwwwwwwww
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 04:11:55.98 ID:AoE6B3cP

むしろVIPでラノベやらんで何処でやる
厨二マンセーだぜ
もし純文学とかやったら…
いやそれはそれで読みたい気もするがwwww
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 15:01:45.41 ID:AWPGkw2o
減ってないよー
読者も週一巡回でリアルタイム反応が無いだけだよ〜
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 16:24:16.54 ID:VkYIDQUo

俺は見てるぞ
<●><●>
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/05(日) 16:31:55.94 ID:dEvhyIwo
>>629
俺はタブ開いてwktkで待ってるw
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 19:07:18.57 ID:7GiXeLco
投下時間と睡眠時間が重なってて反応遅れちゃうんだぜ!?
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 19:31:07.60 ID:i1WTe.AO
>>1
更新してないか毎日見てるよ
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/05(日) 19:39:40.63 ID:dEvhyIwo
>>635
それは往々にしてあるなwww
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 22:31:19.75 ID:ss8MzUko
俺も初期スレから読んでるんだから頼みますぞ
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/05(日) 23:01:16.22 ID:AogybAgo
>>629
みてるよー

面白くなってきたな!
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/05(日) 23:21:12.99 ID:Tes8dwAO
毎日覗いとるわww

時間が時間だからリアルタイムでレスポンス取れんだけじゃい
641 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/06(月) 00:08:00.46 ID:.yFjQgw0
うわー微妙な時間に書いて本当ごめんよー!
次回はそんな事しないから! 多分!

642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/06(月) 00:10:23.23 ID:Q0Dv3Rgo
書ける時間帯でいいぞww
続きが早く読みたいからwwww
643 :635[sage]:2008/10/06(月) 03:20:08.48 ID:9nBdQVso
朝でも夜でも見れるから好きな時間に投下してくれて構わないんだぜ!?
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/06(月) 03:20:13.18 ID:s./MvWwo
>>641
dat落ちしないから
いつ投下してもおk wktkで待ってる
自分の健康だけには注意されたし
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/07(火) 17:14:29.80 ID:07SAG.SO
久々にソラニン第一部読んだ

あの絵はマジで泣ける…
会社のPCの壁紙なんだぜwwww
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/09(木) 08:56:48.70 ID:lY2KxwSO
不定期だが確実に読んでるんだぜ!
ただ朝見ることが多いからレスしても間に合わないのよ

ってことで続きをガンバレ!
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/11(土) 14:31:16.25 ID:w2OZz.DO
俺も見てるぜ
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/13(月) 15:48:45.61 ID:ULh37cSO
土日月どれかやると思ったんだが
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/13(月) 20:01:36.65 ID:itpElwSO
今夜あたり来てくれるといいなー
650 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/13(月) 22:12:56.81 ID:kldK0Dg0
ただいま広げすぎた風呂敷を
上手く畳む方法を必死になって考えています
また微妙な時間に書く事になるかも…

そして今になって気づいたけど
次でやっと半分行くか行かないかじゃな(ry
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/13(月) 22:15:58.77 ID:rM4wxSQo
>>650
おかえりw


ミミ:::;,!      u       `゙"~´   ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ  ゞヾ  ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/   ゙̄`ー-.、     u  ;,,;   j   ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\   ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/    J   ゙`ー、   " ;, ;;; ,;; ゙  u ヾi    ,,./ , ,、ヾヾ   | '-- 、..,,ヽ  j  ! | Nヾ|
'"       _,,.. -─ゝ.、   ;, " ;;   _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ  | 、  .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
  j    /   ,.- 、  ヾヽ、 ;; ;; _,-<  //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─--  エィ' (. 7 /
      :    ' ・丿   ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、  i     u  ヾ``ー' イ
       \_    _,,......::   ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... '  u ゙l´.i・j.冫,イ゙l  / ``-、..- ノ :u l
   u      ̄ ̄  彡"   、ヾ ̄``ミ::.l  u   j  i、`ー' .i / /、._    `'y   /
              u      `ヽ  ゙:l   ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_   ̄ ー/ u /
           _,,..,,_    ,.ィ、  /   |  /__   ``- 、_    l l  ``ーt、_ /  /
  ゙   u  ,./´ "  ``- 、_J r'´  u 丿 .l,... `ー一''/   ノ ト 、,,_____ ゙/ /
        ./__        ー7    /、 l   '゙ ヽ/  ,. '"  \`ー--- ",.::く、
       /;;;''"  ̄ ̄ ───/  ゙  ,::'  \ヾニ==='"/`- 、   ゙ー┬ '´ / \..,,__
、      .i:⌒`─-、_,....    l   /     `ー┬一'     ヽ    :l  /  , ' `ソヽ
ヾヽ     l      `  `ヽ、 l  ./  ヽ      l         )  ,; /   ,'    '^i
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/13(月) 22:38:51.48 ID:5WQvLJko
>>650
作者不在の為休載かと思ったよ。
続き楽しみにしてるから頑張れ!
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/14(火) 01:17:48.44 ID:iEbiNHQo
>>650
まあまあ、畳む事考える前に他にも風呂敷広げてみようぜ
654 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:26:13.86 ID:82Mp46Y0
Q 微妙な時間にしか投下出来ないんですか?
A Exactly(その通りでございます)

というか書き終わったらすぐ投下したい
→書き終わるのが大体深夜
→結果的に深夜に投下せざるを得なくなる


というわけで第十三話、どうぞ
655 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:28:31.00 ID:82Mp46Y0
女教師先生が運転するバイクは市を出て高速に乗り
そのまま下り方面に向かっている
俺は渡されたヘルメットを被って後ろに座り
そして女教師先生はノーヘルである
既に都市部からは遠く離れた場所に来ている
平日という事もあって、高速はガラガラだ

男「…先生、一体何処までいくんですか?」
女教師「あともうちょっと行ったトコ」
男「さっきもそう行ってましたよね」
女教師「そうだっけ? まぁ兎に角もうすぐだから」
男「(不安だ…)」

656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/14(火) 01:29:14.99 ID:Lbd9Gpoo
キタ━━━━ ヽ(@∀@-)ノ━━━━!!!!
657 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:32:00.85 ID:82Mp46Y0
気がつけばバイクは山岳部にまで来ていた
県境が近づいている
と、女教師先生が進路を少し変えた
バイクは本道を離れ、工事中の看板の横を通り過ぎて行く

男「ちょ、工事中って今、看板! 道ないんじゃ!?」
女教師「大丈夫大丈夫! 全然問題ないから!」

先生は大丈夫と云っていたが、成る程確かに道は続いている
暫く進んで行くとトンネルが見えてきた
トンネル入り口には警備員の人が立っている

658 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:36:06.00 ID:82Mp46Y0
男「やっぱ、通れないんじゃないんですか?」
女教師「大丈夫、あれもうちの組織の人だから。うぉーい!」
警備「…ん? ああ、女教師さんですか。お帰りなさい」
女教師「そちらこそ、御務め御苦労様。何か変化はあった?」
警備「いえ、特には…おや、そちらの少年は?」
女教師「例の子よ。ちょっと早まっちゃったけど連れて来たわ」
警備「ははぁ、彼が、ですか…わかりました。本部にも先に伝えておきます」
女教師「ありがとう」

挨拶を交わし、そのままバイクはトンネルの中に入っていく
トンネルの中にはオレンジ色の蛍光灯が光っていた

659 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:38:39.00 ID:82Mp46Y0
男「このトンネルって一体なんなんですか?」
女教師「元々は圏央道の一環で作られてたんだけどね、周辺住民と一悶着して」
女教師「まぁ御陰様で上手い事偽装には成功したんだけども」
男「偽造って…」
女教師「今はここが、機関に通じる唯一の道なの。ほら、見えてきた」

先生の肩越しに見えてきたのはエレベーターホールだった
バイクを一旦止め、下のボタンを押すと扉が開く
俺達はバイクに乗ったままエレベーターに乗り込んだ

660 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:41:47.68 ID:82Mp46Y0
女教師「ふぅっ。ここまでくればもう一安心ね。もう降りても大丈夫だよ」
男「…先生、そろそろ説明してくれませんか? 機関と、それとさっきの連中の事」
女教師「そうだね。本部に着くまで少しあるし、手短かにだけど話そうか」
女教師「さっき男くんを攫おうとしたのは、太陽系総連っていう組織の実働隊」
男「太陽系総連…?」
女教師「まぁ手っ取り早くいうと、現時点でこの星を手中に納めてる連中よ」
女教師「そして私達はそれに対抗している組織。名前は明星機関」
男「もしかして、リンネさん達がいる組織ってのも…」
女教師「ピンポーン」

661 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:43:50.16 ID:82Mp46Y0
タイミングよくエレベーターが到着を知らせる
扉が開くと、そこは開けた場所だった
高校の体育館ぐらいの広さはあるだろうか、全面白塗りになっている
降りてみると、床に矢印と英語でENTRANCEと書かれている
俺達はそのまま真っ直ぐ進んで行く

男「さっきから思ってたんですけど、此処って滅茶苦茶でかいんですね…」
女教師「そりゃー、世界規模の組織を相手取るんだもの。こっちだってそれなりにね」
男「はぁ、成る程…ところでどれくらい歩くんですか?」
女教師「もうじきよ。ほら、彼処に見えるドアくぐればメインブロックだから」

662 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:45:36.17 ID:82Mp46Y0
やがて、見えてきた自動ドアを通ると
そこには先程のエントランス以上の広大な空間が広がっていた

男「お、おお…な、なんだ此処は?ブラムか? 東亜重工か?」
女教師「ここが明星機関本部のメインブロック。通称は“フォージャー”」
女教師「トンネルがあった山があったでしょ? あれ自体が此処の偽装なの」
男「うひゃー、すげぇ…まるでSFだ」
女教師「空想科学じゃないよ、これはリアルの物だからね」

663 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:49:03.91 ID:82Mp46Y0
男「こんなのを作る科学力が、今の世の中にあったなんてなぁ…」
女教師「ふふん。実際はこんなメガストラクチャーなんて、世界に幾つもあるよ」
男「そうなんですか?」
女教師「まぁ大体が太陽系総連の拠点だったりするんだけどねぇ…さて、迎えはと…」
男「迎え?」
女教師「あ、来た来た」

ふと、遠くから何かの機械音が聞こえてきた
よく見ると向こうの方から車らしきものが走ってくる
その運転席に座っている人に、俺は見覚えがあった

664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/14(火) 01:51:20.24 ID:Lbd9Gpoo
ブラムwwwwww 東亜重工wwwwwwww
弐瓶ファンかwwwwwwwwwwwwww
665 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:51:42.42 ID:82Mp46Y0
雀「せんぱーいっ!」
男「す、雀か!?」

雀は俺達の近くに車を止めると、運転席から降り立った
格好は学校の制服ではなく、会社のオペレーターみたいな格好だった
胸には顔写真入りの名刺が付けられている

女教師「やほ、雀ちゃん。御迎え御苦労様」
雀「二人共、怪我は?」
女教師「あんな生っちょろい連中に傷つけられる訳ないでしょ? それより状況は?」

666 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:54:07.29 ID:82Mp46Y0
雀「あー、それなんですけど…ちょっとマズい、かな?」
男「マズいって、何かあったのか?」
雀「それは長官から聞いたほうが良いよ。さ、二人とも乗って!」

俺達は雀が運転する車に乗り、メインブロックを走って行く
道行く途中、あちこちに居る人達が俺達の車を見ていくのが判る
なんだか小っ恥ずかしい、というか雀は免許持ってたのか?

雀「特例免許、ってやつ。まぁ公道じゃ適応されないからあんまり意味ないけどね」

成る程な

667 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:56:34.81 ID:82Mp46Y0
やがて車はメインブロックの一番大きな塔に到着した
見上げてみた所、ざっと四十メートルくらいだろうか?
上のほうが光で明るくなっているのが見える
車を降り、エレベーターに乗って上まで上がる
そして最上階に着くと、そこは管制室になっていた
雀と同じような服を着た人が五、六人
そして一番高い場所に一人、中年の男性が座っていた
が、なんか変だった
先程から微動だにしていない

668 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 01:59:16.09 ID:82Mp46Y0
男「な、なぁ雀…あの男の人、寝てたりするか?」
雀「うん寝てるね…でも、いつもの事だよ。気にしないで」

いつもの事って…あれが長官じゃないだろうな?

女教師「長官ー、男くんを連れてきましたー」
長官「…んん? おや、女教師くんじゃない。いつ戻ったの?」
女教師「たった今です」

やっぱりお前が長官かい

669 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:03:19.16 ID:82Mp46Y0
長官「あ、そう…ふむ、君が男くんか」
男「ども」
長官「…久しぶりだな」
男「はい?」
長官「あ、いや。碇司令の真似だから。いや一回やりたかったんだよねぇー」
男「先生…」
女教師「気にしないで。いつもの事だから」
男「(不安だ…)」

670 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:06:45.16 ID:82Mp46Y0
長官「さて、冗談は置いておいて。本題に入ろうか…」

長官の眼が、突然真剣なものになった
アホ面晒していても、態度を変えると印象も変わるもんだ
よくよく見ると結構厳つい顔をしている

長官「女教師くんや、リンネくん達からも少しは話を聞いているかな?」
男「あーまぁーちょっとだけ…」
長官「宜しい。さて、本当なら長々と話をしたい所だけど…」

671 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:09:12.96 ID:82Mp46Y0
その時だった、メインブロック中に響き渡るようにアナウンスが流れた

アナウンス『本部に接近する高速の飛行物体、複数確認。数、五』
アナウンス『都市部全域に第一種厳戒令、発令済み』

長官「…という訳だ。今はゆっくりもしていられない。女教師くん」
女教師「はい。本部より管制塔連絡。全飛行隊に直ちに出撃命令、迎撃に当るよう」

アナウンス『飛行隊長より連絡、全飛行隊出撃。隊員は機体に搭乗、戦闘出撃を開始』

672 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:12:06.97 ID:82Mp46Y0
男「敵って…太陽系なんたらって連中ですか?」
女教師「その通り。しかも連中、第一種厳戒令まで出したからこりゃ本格的な戦闘だね」
男「第一種…な、なんだって?」
雀「第一種厳戒令だよ、先輩。今頃、都市部全域に避難勧告が出されてるはず」
男「それも連中の仕業なのか?」
長官「奴らにとっては、そんな命令を出す事など簡単な事なのだよ」

喉元がごくりと鳴った
いよいよもって冗談じゃなくなってきた
ひょっとして俺は、物凄い事に巻き込まれてるんじゃないのか?
いやそうだろう、それ以外考えられない
というか、今更になって云う事でもないだろうな

673 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:16:36.16 ID:82Mp46Y0
長官「…女教師くん。男くんを第二ハンガーデッキに」
女教師「はい…って、もう見せるんですか? アレを」
男「(アレってなんだよ、アレって)」
長官「下手したらアレに頼らざるを得なくなるかもしれんからな」
女教師「判りました…アレを使えるの、男くんだけですもんね」
男「(俺しか使えないって一体…)」
長官「そうだ。アレは男くんのものだからな」
女教師「アレだけは私達でも動かせませんもの」
男「(……)」
長官「アレは仕方ないよ、うん」
女教師「ですよねぇ、アレは」

男「アレアレうるせーよ!」
長官・女教師「サーセン」

674 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:19:52.80 ID:82Mp46Y0
その後、俺は女教師先生に連れられて
本部から少し離れた場所に着た、雀も一緒だ
入り口にはHD 2と書かれている
此処が第二ハンガーデッキだろうか

男「ぼそぼそ(なぁ雀、此処に一体何があるんだ?)」
雀「ごにょごにょ(きっと見たら吃驚すると思いますよ?)」
女教師「はーい、男くん一名ごあんなーい」

二人に促されるまま、俺はハンガーデッキに入った

675 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:23:18.73 ID:82Mp46Y0
そしてそこにあるモノを見て、俺は愕然とした
今の今までも、十分吃驚させられるモノを見せられ
驚かされる体験をさせられてきたが
今目の前にあるものが一番インパクトがあった

人間として、というより、いち男の子としてだろう

男「な、なんじゃこりゃー!」
女教師「人型ロボットだけど?」

其処には、灰色の巨人が立っていた



676 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:26:09.05 ID:82Mp46Y0
第十三話、終わり

今回は結構遊んだなぁ
御陰ですごい変な事になってきたなぁ
弐瓶先生好きです
アンドソーオン高いよね


677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/14(火) 02:35:21.81 ID:Lbd9Gpoo
もうねwwwwwwww超構造体とかそのうち出てくるんじゃないかとwwwwwwwwwwww
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/14(火) 02:41:14.61 ID:3.B2ep2o
乙!
面白かったぜwwwwww
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/14(火) 02:43:57.18 ID:U.ImG2ko
乙。おもしろかったぜ!
でも・・・ボードでてくると思ったら人型ロボット・・・
680 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/14(火) 02:51:53.20 ID:82Mp46Y0
ボードは出すよ! 多分! まだ判んないや

これ以降はこんな感じで進んでいくので
その辺を理解した上で読んでいってほしい

目標は今年中に終わらせる事です
俺のバカ!


681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/14(火) 03:29:30.47 ID:FGD4wnwP

すっかりボードかと思ってたらR・田中一郎とはな
ロボとハーレムは男のロマンだね!
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/14(火) 09:18:12.33 ID:0vU5G6AO
人型ロボットってどんな形なんだ?
勝手にエウレカのニルバーシュに脳内補完しとくわ
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/14(火) 10:28:30.39 ID:iEbiNHQo
ゲッターの様なダサカッコイイの想像しとく
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/14(火) 17:55:46.68 ID:B8NREgAO
人型ロボットに搭載されている武器は複脳式弾体加速装置ですね分かります
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/16(木) 12:26:22.30 ID:a.QWDgDO
BLAME!だっけか
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/16(木) 20:07:55.08 ID:JosttyUo
>>685
YES!!!
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/16(木) 22:24:17.64 ID:tSNeuQAO
最近しがない絵かきこねえなぁ
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/17(金) 08:07:55.99 ID:TGfOewAO
まったり待とうぜ
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/17(金) 12:17:08.28 ID:I3622cw0
ちょっと遅いが乙
面白かった。
690 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/18(土) 02:10:23.28 ID:o78A1Fg0
ttp://imepita.jp/20081018/074350

本編までの間に主役メカのイラストでも
去年、構想段階の時に描いておいたものを
大学の友人に頼んでリデザインしてもらった

画像は時間無くてラフを加工して誤摩化したという
それでも一応は見れるって流石フォトショだね!
時間と余力があれば清書したいと思っている

本編はもうちょっと待ってね

691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/18(土) 02:33:09.79 ID:dNUJzvEo
脚の構造とか見ると基本浮いてるって感じだね
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/18(土) 05:41:55.12 ID:nHdHar.P
ロボロボしくて素敵
693 :しがない絵かき ◆kF7YKoOcms[sage]:2008/10/18(土) 08:56:45.83 ID:xWU/F.SO
うおーなんか久々にソラニン見たよ!最近仕事が忙しくてまともにこれなかったが、相当話が進んでる!


四孤さん乙!しかもメカニックデザインイカすー!!


今日から三連休なのでなんかしら投下しますね。
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/18(土) 14:47:58.52 ID:G5xkoU2o
ANUBISチックなロボットか
大好物だ
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/19(日) 14:47:01.16 ID:UY6jS1Eo
想像を遥かに超えるクオリティーに驚愕した
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/19(日) 23:54:03.58 ID:WZmj.mko
アニメ化はまだか
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/20(月) 23:24:51.49 ID:X.gjWL2o
ロボットかよwwwwwwww
弱冠萎えたがしかし>>1はとんでもない伏線を用意しているものと大いに期待
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/22(水) 23:57:46.50 ID:i.aTFEMo
ラーゼフォンに出てきたヴァーミリアンを思い出した
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/23(木) 11:03:13.70 ID:eJQy65oo
>>698
tune the rainbowだけが俺の記憶
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/25(土) 18:11:15.75 ID:.Mwa4.AO
今夜は期待してもいいのかしら
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/26(日) 00:31:54.40 ID:.ieIc06P
来ないねえ
702 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 01:32:45.61 ID:YeYBvX.0
こんばんわ

本当ならもう書き終わってる頃なんだけど
学祭の準備やら課題やらバイトやら
全然書けてなかった! 本当申し訳ない
今から光速で書いてまた微妙な時間に投下します

703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/26(日) 01:48:00.55 ID:7r3PVaM0
来たか、それじゃ俺は寝る
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/26(日) 01:55:06.64 ID:Vpc1djIo
>>702
久しぶりw
たぶんリアル遭遇はめったに無いと思うので
ぼちぼち待ってますよ

お休みなさい
705 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 16:28:16.89 ID:CLq5uaE0
考えれば、二週間ぶりなんだよな…
これだから学祭はくぁwせdrftgyふじこlp

それでは第十四話、始めます

706 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 16:33:05.92 ID:CLq5uaE0
男「ろ、ロボットって…そんなさも当たり前のように云わんでも…」
女教師「私達にとっちゃ、当たり前だからねぇ」

俺は眼前に立つ人型のロボットを見る
よくアニメとかで出てくる、ヒーローのようなロボットではない
全身が灰色一色で塗られており、所々にナンバリングがされている
正直な感想を云うならば、地味だ

707 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 16:38:39.28 ID:CLq5uaE0
女教師「これが私達の切り札、というよりは人類の切り札よ。名前はラーム」
男「lamb(羊肉)?」
雀「raam(稲妻)だよ…そんな弱っちい名前付ける訳ないでしょ?」

女教師先生はラームと呼ばれたロボットに近づき、俺を手招きした
近くに行くと、不意に“ガチッ“という音がした
すると胸部分が前に迫り出してきた、コクピットだろうか
中には前後に座席が計二つ、前の席に操縦桿らしいものは見当たらない
代わりに半透明の丸い球体が二つ、左右に設置されている

708 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 16:42:27.53 ID:CLq5uaE0
女教師「御覧の通り、操縦は基本二人で行うの。一人でも動かせるけどね」
男「この丸っこいのは何ですか?」
女教師「操縦球っていってね、それに手を置くとパイロットの思考を読み取って
    本体が動く仕組みになってる、らしいわ」
男「らしい?」
女教師「実はまだ一度も起動してるトコ見た事ないのよね」
男「なんと!?」

それじゃコイツが動くかどうかも判らないじゃないか

709 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 16:48:02.43 ID:CLq5uaE0
雀「それは、この子のニューロンネットワークシステムが」
男「待て。そのニューロン? だかなんだかは一体なんなんだ?」
女教師「簡単に云うと、人の思考を電気信号に変換して機械を動かす仕組みよ」
雀「で、そのシステムが認識出来る人は、たった一人なの」
男「それが、俺って訳か」
雀「うん」
男「はぁ…しかし、なんだってそんな面倒なシステムにしたんです?」

710 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 16:54:03.45 ID:CLq5uaE0
女教師「ラームはね、実をいうと私達が作ったんじゃないの」
男「じゃあ一体誰が?」
女教師「昔の君」
男「俺がかよ!」
女教師「多分、ラームが他者に使われるのを懸念したんでしょうね」
男「ったく面倒臭い事を…」
女教師「でも、御陰でこの子の悪用は防げたわ。君以外には無用の長物ですもの」

711 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 16:59:22.49 ID:CLq5uaE0
男「成る程…大体話が見えてきましたよ。コイツに乗って俺に戦え、と」
女教師「当らずも遠からず」
男「はぁ…俺は5121小隊に配属された覚えはないんだけどな…」

よく見りゃ、なんとなく士魂号に見えなくもない
おまけに複座型か、偶然であって欲しいもんだ

712 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:04:30.12 ID:CLq5uaE0
女教師「まぁ当分は出撃しなくても済むわよ。連中もまだ始めたばっかだし」
男「でも結局そのうちは戦う羽目になるんでしょう?」
女教師「そりゃあ、そうじゃなきゃ此処に連れてきてないわよ」

その時だった、ハンガーデッキにアナウンスの声が響いた

アナウンス『飛行隊より入電。敵部隊と交戦、三機撃墜』
アナウンス『敵残存戦力は都市部への逃亡を計っている模様』

713 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:10:05.32 ID:CLq5uaE0
(※ここから飛行隊視点になります)


フェザー1「フェザー1よりフェザー各機、目標はあと二機だ」
フェザー1「厳戒令が出されてるとはいえ、市街地戦は極力避けたい」
フェザー1「目標が都市部に入る前に落とすぞ」
フェザー隊『了解』

フェザー隊の戦闘機群が首都に向かって編隊を組み飛んで行く
遥か前方には太陽系総連所属の戦闘機が二機
レーダーに間違いが無ければ、あと数分もすれば追い付けるだろう

714 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:16:25.87 ID:CLq5uaE0
が、フェザー1は妙な違和感を感じていた
太陽系総連の軍にしては攻撃の手が緩いのだ
これまでもニュースでは各国の紛争と称していながらも
幾度となく太陽系総連と戦ってきていた
それに比べて今回の襲撃はあまりにも微弱だ
厳戒令を出しておきながら五機の戦闘機だけとは
単なる斥候だろうか? しかしそうは考え難い
もう世間に隠す必要は無くなりつつある

フェザー1「(じゃあ一体…連中の目的はなんだ?)」

715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/26(日) 17:17:51.57 ID:1KO8lEAO
目的とは!?
うはww気になるwwwwww
716 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:20:06.74 ID:CLq5uaE0
ふと、レーダーに変化が起きた
前方にいた二機の敵機反応が消えている

フェザー1「フェザー2、レーダーから敵機反応が消えた。そちらはどうだ?」
フェザー2『同じく反応が消えてます。レーダー範囲から出たのでしょうか?』
フェザー1「そんな訳はない。こちらは減速してないし、敵も加速してなかった」
フェザー2『じゃあ撃墜されたのでしょうか? でも、一体何が…』
フェザー1「敵の罠か…?」

気がつけば編隊は市街地に入っていた
下には東京の街並みが広がっている
また、前方には都市部の高層ビル群が見える

717 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:25:53.71 ID:CLq5uaE0
フェザー1「(敵反応も消えた…一度本部に帰投したほうがいいな)」

その時だった、機体内に警告音が鳴り響いた

フェザー1「なんだ!?」
フェザー3『レーダー捕捉! 新たな敵機、数三!』
フェザー4『これは…本当に戦闘機なのか!? なんて速さだ…』
フェザー2『こちらに向かってきています! 接触まであと60!』

718 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:30:05.08 ID:CLq5uaE0
フェザー1は動揺していた
敵が消えたと思っていたら、また直ぐに敵が現れた
その敵は先程のとは違い、明らかに交戦してくるつもりだ
もしかしたら何機か、下手すれば自分も落ちるかもしれない

フェザー2『接触まであと20切りました!』
フェザー1「周囲に警戒しろ!」

しかし、ここでフェザー1は妙な事に気がついた
敵機影が、見えないのだ

719 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:34:44.01 ID:CLq5uaE0
もうすでにレーダー上では肉眼で確認出来る距離にいるはずだ
では上か、と思って見ても其処には何も見えない

フェザー1「各機、周囲に気を配れ! 何処から来るか判らんぞ!」
フェザー2『接触まで、あと5! 4! 3! 2! 1――』

爆音が響き、レーダー上から味方機の反応が一つ消えた

720 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:40:52.32 ID:CLq5uaE0
フェザー3『フェザー2がやられた! 今の、一体なんだ!?』
フェザー1「フェザー3、何が起きた!? 敵は!?」
フェザー3『わ、判りません! 何か、黒い大きな影がフェザー2に…』

その通信も直ぐに途絶え、また爆音が鳴った

フェザー1「何処だ! 何処に敵はいる!?」
フェザー4『か、確認出来ません!』

721 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:45:28.35 ID:CLq5uaE0
レーダーを見ると、敵の反応は編隊に混ざるようにして存在している
しかしどういう訳か敵を見る事は誰にも出来ていない
パイロット達は恐怖に駆られていた

フェザー1「(くそっ、このままではやられる一方だ…)」
フェザー1「(しかし何故敵が見えない? レーダーには映っているというのに)」

722 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:49:03.84 ID:CLq5uaE0
フェザー1「(…そういえば、さっき黒い大きな影がどうとか――)」

キィィィイイインンン――

フェザー1「? なんだこの音は」

フェザー1が最後に見たものは
自機に突っ込んでくる敵の機影だった



(※飛行隊視点終了)
723 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 17:56:24.10 ID:CLq5uaE0
アナウンス『フェザー隊、正体不明の敵と交戦、フェザー1、2、3、墜落』

男「墜落って…やられたって事ですか? つか正体不明って…」
女教師「フェザー隊がやられるとは、敵さんも強力な戦力を導入してきたわね…」
男「先生…」
女教師「…仕方ないわ。雀ちゃん」
雀「はいっ」

先生の顔がちょっと強張っている
俺の頭の中に嫌な想像が湧いた

724 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 18:00:57.33 ID:CLq5uaE0
女教師「長官にラームの使用許可を貰ってきて、大至急」
雀「わかりました!」
男「やっぱり…てか、本気ですか?」
女教師「冗談でこんな事云うと思う? マジよ、マジ」
男「でも、本当に俺がコイツを動かせる保証なんてないんですよ?」
女教師「男は度胸! なんでもやってみるものよ」
男「阿部さんかよ!」

725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/26(日) 18:02:50.62 ID:1KO8lEAO
やっぱいつでもどこでも有名なんだな、阿部さんってwwwwww
726 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 18:05:42.31 ID:CLq5uaE0
雀が戻ってきた後、すぐにハンガーデッキは慌ただしくなった
先程まで俺達三人しかいなかったデッキには
多くの整備員達が集まり、ラームを調整している

整備班長「バッテリーの交換が終わったら火器系統のチェックだ!」
整備班長「整備ミスがあればそれが俺達の命にも関わるんだからな!」
整備班長「万全の状態に持って行け! ミスするんじゃねぇぞ!」
整備員達「おーっ!」

男「ふぇー、さながらパトレイバーみたいだな…」
女教師「男くん、こっちこっち!」

727 :四狐 ◆b31BYoYbAM[sage]:2008/10/26(日) 18:11:01.70 ID:CLq5uaE0
女教師「パイロットスーツ。向こうに更衣室あるから着てきて頂戴な」
男「へぇ…なんか、ツナギみたいですね…」
女教師「うん? なんか不服そうだね」
男「あ、いや。アニメとかだとパイロットスーツて、なんかこう、
  タイツみたいなの多いからてっきりそういうの着せられるのかと」
女教師「あのね、あんなの着ておいてまともに戦えると思う?」
女教師「アレは、アニメ上の演出。単なるエロ要素よ」
男「(否定出来ない…)」

728 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/10/26(日) 18:15:54.60 ID:CLq5uaE0
女教師「生憎これはリアルなの。ちゃんとしたのじゃないと、死んじゃうよ?」
男「し、死ぬ…ま、まぁ確かにそうですけど、何もそこまでいわんでも…」
女教師「ほらほら、御託はいいからさっさと着てくる!」

俺は女教師先生に背中を押される形で
ハンガーデッキの出口に向かう
後ろを振り返り、灰色の巨人を見た
本当に、俺にあれが動かせるのだろうか
巨人は何も云わずに其処に立っていた




729 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/10/26(日) 18:18:18.47 ID:CLq5uaE0
第十四話終了、グダグダすぎだろjk

二週間も待たせてこんなでごめんよー
そして来週は学祭だから更新出来るか判らん…
というわけで、また次回
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/26(日) 18:23:24.68 ID:1KO8lEAO
うはー

十分楽しいよww

次が気になって仕方ないわww
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/27(月) 03:59:11.96 ID:cOtFm9cP
今読んだ
次は見知らぬ天井ですねwwktk
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/28(火) 22:06:54.85 ID:Oz4sEgSO
乙!

忙しそうだけど頑張ってね!
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/29(水) 12:32:55.28 ID:rljmuIAO
乙!

次回楽しみだ〜
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/03(月) 23:13:50.30 ID:sb81P.AO
ザ・ワールド
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/03(月) 23:16:31.50 ID:bPEmDOwo
でも世界は回っている
736 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/04(火) 22:49:54.31 ID:Yym/5AI0
学祭終わった
近いうちに続き始めるよ
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/04(火) 23:28:17.29 ID:4wKenr.o
おつかれさまぁ
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/05(水) 01:00:49.16 ID:Cl3ouUAO
乙currysummer

ゆっくり休んみつつ続きを頼むよ
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/09(日) 19:34:04.58 ID:u90s/6AO
今宵は期待していいものか
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/10(月) 04:10:24.75 ID:bMslpUDO
ロボットが好きな俺は期待しているんだぞ
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/15(土) 12:50:02.93 ID:vJ/sz6SO
わふ
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/15(土) 15:02:37.85 ID:horrea2o
うふ
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/15(土) 15:41:10.53 ID:Hmg4dAAO
>>1は生きているのだろうか
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/15(土) 15:49:45.77 ID:27/rclEP
俺達のロボはこれからだ!
は無しで頼みたいとこだが…
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/16(日) 00:20:18.52 ID:uS1JT6AO
プリンセス・ロボ
もなしでお願いしたいもんだ
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/21(金) 03:46:47.59 ID:8YXGJUDO
俺がガンダムだ
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/21(金) 09:52:43.29 ID:9QkpUNko
>>1はどこだ
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/21(金) 15:15:47.43 ID:2UN2hYSO
日曜には来るんじゃね?
気長に待とうよ
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/21(金) 19:05:36.69 ID:/YAP4QAO
>>747
IDがうんこ
750 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:28:44.12 ID:dVr9lVU0
着替えを済ませて、ハンガーデッキへの道を歩く
パイロットスーツは想像してた通りの着心地、ではなかった
見た目はちょっとツナギっぽい服だったが
実は内側に件のラバー素材のアンダースーツがあったのだ
それが身体に密着しているようで気持ち悪い
アニメとかで見るといいなぁとか思っていたが
いざ自分が着る立場となるとこれほど嫌なものはないな

751 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:32:06.30 ID:dVr9lVU0
デッキに付くと、整備員達が最終チェックを終えたようで
半分くらいの人員がその場からいなくなっていた
女教師先生と雀の二人が整備班長のおじさんと話をしている

女教師「お、来たね男くん。紹介するよ、この人は整備班長の親方さん」
親方「おう、お前さんが男か。女教師やリンネ達から話は聞いとるよ」
男「はぁ」
親方「来ていきなり出撃で何かと不安だろうが、儂らが整備をした機体だ。
   大船に乗ったつもりで頑張ってくれよ! ははは!」

752 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:37:00.89 ID:dVr9lVU0
女教師「男くん、こっちこっち」

先生に促されるまま、俺はラームのコクピットハッチに近づく

女教師「君が乗り込んだらすぐに閉まるから、スーツ挟まない様に気をつけてね」
男「了解です…はぁ、マジでやるんですか?」
女教師「今更何弱気な事いってんの! さぁ乗った乗った!」
男「うおっ! ちょ、乗りますから押さないで! あ、危なっ!」

俺が座席に転がり込むと同時に
コクピットハッチが後ろにスライドした
閉まり行くハッチの隙間から、三人の姿が見えた

753 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:42:33.92 ID:dVr9lVU0
コクピットの中は案外、居心地悪くなかった
座席に背中が埋もれるように感じる
もっと固いシートを考えていたので驚いた

男「ふぅ…ったく、先生も強引だな…」
女教師『なんかいった?』
男「うわびっくりした!」
女教師『ラーム内とこっちは無線で繋がってるから、そのへんヨロシク』
男「そういう事はもっと早く云って下さいよ…」

754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/21(金) 23:43:09.37 ID:sf3WjSMo
きたw
755 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:45:25.21 ID:dVr9lVU0
女教師『さて。男くん、準備はいいかしら?』
男「大丈夫です、多分」
女教師『雀ちゃんも大丈夫?』
雀『はいっ、準備オッケーです!』
男「雀もいるんですか?」
女教師『今回雀ちゃんは外部からのバックアップ係だからね』
雀『先輩、私がしっかりバックアップするから! 任せて!』
男「(不安だ…)」

756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/21(金) 23:45:28.81 ID:PNKckwoo
唐突にキター
757 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:48:01.71 ID:dVr9lVU0
女教師『それじゃまず、操縦球に手を置いて』
女教師『その状態で、君とラームの思考はリンクされるはずよ』
男「成る程。よっと…」

ヴンッ

男「うお!」


758 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:52:21.69 ID:dVr9lVU0
俺が操縦球に手を置いた瞬間
薄暗かったコクピット内に明かりが点いた
座席目の前のコンソールに意味が分からない文字が並ぶ
それが暫く続いた後
青いスクリーン上に白文字で英文が浮かび上がった

I haven't seen you for a long time,My master.
I kept waiting at long time.
I showed up again by you,
and was waiting for time when people were saved.
That time finally came.
My power is your power.
Let's defeat the enemy, and regain everything now.
Save our rock.

759 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:55:12.09 ID:dVr9lVU0
男「("save our rock"って…なんだ? ロック?)」
女教師『おーい、男くんや。中はどうだい?』
男「へ? あ、ああ。特に問題ないですけど…これ、どうやって動かすんですか?」
女教師『さっきも云った通り、ラームと君の思考は今繋がった状態なの』
女教師『だから君が考えた通りに、ラームの身体が動くはずよ』

760 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/21(金) 23:59:50.24 ID:dVr9lVU0
女教師『何か適当な動作考えてみ。ハンガーデッキが壊れないよう気をつけてね』
男「(…手を、握る)」

グンッ

男「!」
雀『動いた…』
女教師『うん、大丈夫みたいね』
男「す、すげぇ…本当に動くのかよ…」

761 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:05:04.64 ID:wqw8rXQ0
男「こういうの、漫画とかだとよくある設定だよなぁ」
男「…あ、そうだ。試してみたい事が…」
女教師『うん?』
男「(がちょーん)」

キュイーン

男「動くのかよ!」
女教師『何やってんの…』
雀『?』

762 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:09:24.71 ID:wqw8rXQ0
女教師『…ま、操縦はなんとか出来そうね。早速だけど出撃してもらうわよ』
男「…あの、いきなり実戦で、しかも敵がよく判らないってヤバいんじゃ…」
女教師『何いってんのー、滅多な事なきゃ死にゃしないって! 私達もいるし』
男「いや死にますって! 死ぬ! 俺死んじゃう!」
雀『心配しないで先輩! 私がしっかりサポートするから!』
女教師『それに、ラームは君が創ったんだ。もっと自分の発明を信じなさい』
男「だから俺は実際に作った本人じゃねぇっての…」

763 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:13:51.49 ID:wqw8rXQ0
アナウンス『警告。第二ハンガーデッキより、MH-1出撃します。
      ハンガーデッキ内の整備員は総員退避して下さい』

女教師『今から三十秒後に、其処からガイドレールに沿って射出口まで
    打ち上げるから、その後目的地域まで飛んで行ってもらうわよ』
男「飛ぶって…コイツ、飛べるんですか?」
女教師『背部と脚部にブースターが付いているから、多分飛べるんじゃない?』
男「なんという微妙な根拠…」

764 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:16:32.59 ID:wqw8rXQ0
アナウンス『人員の退避の完了を確認。カウントスタート。30、29、28…』

そうこうしているうちにカウントが始まった
徐々に近づいてくるその時に身体が少し震える
いくらいったって、やっぱり怖いもんは怖い
操縦球を握る手に汗が滲んできた

765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/22(土) 00:20:39.32 ID:o2jcpm.o
うん面白い!!
雀を無意識に何度もチェと読んでしまう俺はとあるサッカーチームのサポ
766 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:24:55.86 ID:wqw8rXQ0
男「(これで飛行に失敗したらどうなるんだ…?)」

死ぬのか? 俺は

男「(嫌だ! こんな…訳わかんないトコで死ねるか!)」

アナウンス『射出まで、10、9、8、7…』

男「(飛べる…絶対に! 俺は飛べる!)」

767 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:27:43.02 ID:wqw8rXQ0
アナウンス『3、2、1、射出』

ガコンッ

男「うわっ!」

機体の下部をロックしていた部分が外れ
土台が一気に上昇を始めた
スピードは予想以上に速く、全身に強い重力を感じる

768 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:34:05.56 ID:wqw8rXQ0
男「う、ぐっ…!」
女教師『男くん、大丈夫!?』
男「なんの…これしきッ!」
雀『先輩!』
女教師『もうすぐ射出口を出るわ! それまで耐えて!』

男「うおおおぉぉぉおおお!」

キイイイィィィ―――

769 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:36:57.16 ID:wqw8rXQ0
ドンッ

雀『ラーム、射出口を出ました!』
女教師『男くん、今よ!』
男「行っけぇぇぇえええ!」

オオオォォォンンン―――

770 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:40:45.69 ID:wqw8rXQ0
男「とっ、飛んだ…飛べた! すげぇ本当に飛んでる!」
雀『やったぁ! 先輩凄い!』
女教師『男くん、やったじゃない! さすが私の教え子!』
男「へへへ…意外となんとかなるもんですね」
女教師『何いってるの! これが君の当たり前なの! 自信持ちなさい!』
男「はいっ!」

771 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:44:06.87 ID:wqw8rXQ0
男「よし、このまま一気に敵に向かいますか!」
雀『あ、先輩。その前に一つ云いたい事が…』
男「ん? どうした雀」
雀『その…方向、逆なんだ…』
男「なん…だと…」
女教師『そういや射出口と反対だったっけ』

やっぱり、色々不安だ

772 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/11/22(土) 00:49:35.56 ID:wqw8rXQ0
というわけで、第十五話終了

滅茶苦茶間隔空いてしまって申し訳ない
そして次回も、まぁ今回よりは短いだろうけど
年末でレポートやらなんやらで
間が空くかもしれないんで気長に待って下さいな
こりゃ今年中に終わらせるのはもう無理だな
エンドはもう決まってるので、必ず終わらせるよ

あと最近になって
ソラニン以外で新ジャンル系の書きたいなぁとか思ってたり
同じ話長く続けててもモチベーション保ち難いし
近々捻くれた新ジャンルをニュー速でやる、かもね
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/22(土) 00:56:25.46 ID:g21VSZso
>>772
お疲れ様でしたwww
新作できたら
もしよければここに
アナウンスをお願いしたいwwww
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/22(土) 01:24:49.49 ID:k/tp7YAO
>>772
お疲れww
書いてくれるなら間隔は気にすんなww
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/22(土) 11:06:40.54 ID:GXKPskIo
ウホッ
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/23(日) 00:14:33.62 ID:idfrmyUP
良いソラニン…
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/26(水) 10:14:03.69 ID:I1xva/A0
操縦席2つってのでジンキ:エクステンドの初期モリビト2号思い出した
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/28(金) 00:53:25.61 ID:WZc03AE0
過疎ってるな・・・誰もいないんだろうか・・・
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/28(金) 00:57:29.96 ID:LIUj5awo
ふひひ
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/28(金) 03:16:54.22 ID:N8fMcEIP
居ないよ?
誰も居るわけないじゃん

フヒヒ
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/28(金) 15:36:29.34 ID:ujsSnwAO
ふひひ
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/11/30(日) 14:29:49.78 ID:v9VFXOAo
間は空いたけど、やっぱり熱いな!!
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/04(木) 00:16:55.65 ID:H78OxsAO
俺の股間がバーニング!!
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/04(木) 00:47:17.63 ID:U6Ez0RgP
キミを視姦でスパーキング!
785 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/04(木) 01:37:14.23 ID:JvofSdc0
変なこといってるとエロ要素一切なくすよ!
今のトコ無いけどな!

来週の金曜までに漫画の課題があるから、続きはそれ以降かな
この調子だと、終わるの来年の四月くらいに…ヒィ!
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/04(木) 01:42:11.29 ID:qGuRengo
>>785
まあ、ぼちぼち待ちますよwww

無理しないようにやって下さいwww
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/04(木) 02:14:37.32 ID:5bZU0pQo
長期連載決定ですねwwwwwwwwwwwwww
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/04(木) 09:17:23.38 ID:7N0D2RQo
連載中にどんどん構想が膨らんで(ry
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/05(金) 00:49:56.61 ID:vcIKssAO
これいつ漫画化するの?
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/05(金) 21:04:48.49 ID:/hStrISO
明日かな
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/07(日) 13:23:34.86 ID:grYcUwSO
今日こないかな
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/07(日) 21:20:00.91 ID:scK.DcSO
wwktk
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/09(火) 14:32:05.95 ID:njff/aMo
____   r っ    ________   _ __
| .__ | __| |__  |____  ,____|  ,! / | l´      く`ヽ ___| ̄|__   r‐―― ̄└‐――┐
| | | | | __  __ |  r┐ ___| |___ r┐  / / | |  /\   ヽ冫L_  _  |   | ┌─────┐ |
| |_| | _| |_| |_| |_  | | | r┐ r┐ | | | /  |   | レ'´ /  く`ヽ,__| |_| |_ !┘| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|‐┘
| r┐| |___  __|. | | | 二 二 | | |く_/l |   |  , ‐'´     ∨|__  ___| r‐、 ̄| | ̄ ̄
| |_.| |   /  ヽ    | | | |__| |__| | | |   | |  | |   __    /`〉  /  \      │ | |   ̄ ̄|
|   | / /\ \.   | |└------┘| |   | |  | |__| |  / /  / /\ `- 、_ 丿 \| | ̄ ̄
 ̄ ̄ く_/   \ `フ |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |   | |  |____丿く / <´ /   `- 、_// ノ\  `ー―--┐
           `´ `‐' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐'     ̄          `  `´          `ー'    `ー───-′
794 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/15(月) 18:45:55.56 ID:8Gql2JQ0
ども、前回から相当間が空いてしまったなぁ
大学の課題で漫画描いて、新都社への掲載も済んで
レポートも一段落したのでいい加減再開したいと思います
とりあえず今週の土曜に続きを上げる予定
あと大学も休みに入るので更新頻度上げていきます

あと、こういう所に載せてたのって
書き直して賞とかに出してもいいのかなぁ…とか最近考えていたり
直さないといけない部分も多々あるけどね
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/15(月) 18:47:42.80 ID:CtCwtpco
スレ主と分かるようにすればいいんじゃね?

ガンガレw応援してるよw
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/15(月) 21:56:46.44 ID:ZzDpckAO
>>1は美大かなんかなのか?
掲載ってどんなの送ったの?
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/15(月) 22:34:17.27 ID:fikSuck0
ふと思い出してソラニン最初っから全部読んでやっとここまで追いついたぜ!
>>1ガンガレ
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/16(火) 01:32:11.80 ID:NcLOolAP
受賞して書籍化されたとして前書きか後書きに、
「VIPPERに捧げる」とか書いてくれたらこんなに嬉しい事は無い
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/17(水) 10:05:49.85 ID:aE.W5sAO
そんなことしようもんなら俺たち歓喜だけど
また新参タンが流れ込んでくるぞ('A`)
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/19(金) 00:07:11.91 ID:lRazUsAO
   *      *
  *     +  800です
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/19(金) 03:53:02.61 ID:S4vrjUAO
縦読みで

V
I
P
P
E
R





で良くね?
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/19(金) 19:49:00.56 ID:zRTGaISO
今日だねぇ
803 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:07:33.97 ID:GokArMQ0
始めるよー
804 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:10:27.07 ID:GokArMQ0
機関の本部から出撃し
ラームは首都圏に向けて飛行を続けている
先程まで山奥だった眼下の風景も
今は居住区域に入っており、民家が続いている
コクピット内は上全面にスクリーンがあり
外部の風景が投影されている
さながら何かのアトラクションのようだ

男「(うーん、これは意外と楽しいぞ)」

805 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:13:17.15 ID:GokArMQ0
女教師『男くん、聞こえる?』
男「そりゃもう、バッチリと」
女教師『よろしい。そろそろ飛行隊が撃墜された地区に入るわ』
女教師『こっちもレーダーで監視しているけど、警戒しといてね』
男「了解。よし、レーダーレーダーと…あ、あれ?」

その時、俺は初めて気がついた
コクピットにレーダー画面が無いのだ

806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/21(日) 01:14:41.67 ID:0Ww3Ulgo
wktk
807 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:17:32.91 ID:GokArMQ0
男「せ、先生、レーダー画面がないんですけど…」
雀『それについては私が説明するね』
雀『元々ラームは二人乗りようなの。操縦者と計器観測者みたいな感じね』 
雀『それで、操縦者のところには機動に最低限必要な計器しかないの』
男「あー成る程…って、それじゃ肉眼でしか確認出来ないじゃんか!」
雀『それは大丈夫。こっちでラームからレーダー情報を受信してるから』
雀『武器制御もこっちでやってるから、必要になったら出すね』

808 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:20:01.38 ID:GokArMQ0
男「…そういう事はもっと先に云っておいてくれないかね…」
雀『ご、ごめんなさい…』
男「はぁ…ん? 待てよ。じゃあ本来のその、計器観測者ってのは誰なんだ?」
雀『それは、お姉ちゃんだよ』
男『リンネさん…?』

その時だった、機体内に警告音のような音が鳴った

809 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:24:50.62 ID:GokArMQ0
女教師『男くん、来たわよ。12時方向から高速熱源、接近中!』
男「い、いきなり真っ正面から!? でも何にも…」
女教師『高度が違うからかもしんないわね…注意して!』
男「んな、注意しろっつったって…」
雀『この敵、すごく速い…気を付けて先輩! そろそろ来るよ!』
男「うわー! うわー!」
女教師『ああもうっ! 少しは落ち着きなさい! 雀ちゃん、シールド展開!』
雀『了解です!』

810 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:27:06.79 ID:GokArMQ0
瞬間、モニター全面が薄いグリーンで覆われて
直ぐにまた普通の色に戻った
シールドが張られたという事だろうか

女教師『今こっちから操作してシールドを張ったわ! 衝撃に備えて!』
男「はっ、はい!」
雀『敵機、接近! 上から来ます!』
男「!」
811 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:32:54.98 ID:GokArMQ0
次の瞬間、機体全体を大きな揺れが襲った
シールドで覆われていた為か、機体にダメージはないようだが
それでも頭を揺さぶられる様な、強い衝撃だった

男「うわぁぁぁあああ!」
女教師『男くん! しっかりなさい! 男の子でしょ!』
雀『敵機、ラームを離れました! 旋回してまた来るつもりです!』
女教師『男くん、こうなったら、やられる前にやるしかないわよ!』
男「やられるっていわないで下さい!」
女教師『雀ちゃん、アームナイフ出してあげて!』
雀『了解! 先輩、武器出すよ!』
812 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:36:04.72 ID:GokArMQ0
雀がそういってからすぐだった
機体右腕下側が展開し、中から大振りのナイフが現れた
ナイフは手元までロボットアームで運ばれ
柄を握ると腕はまた元の状態に戻った

男「お、おお! なんだこれ!?」
女教師『ラームの接近戦武装、アームナイフよ』
女教師『相手が接近してきた所をそれでグサっとやっちゃいなさい!』
男「軽く云わないで下さいよ! 遠距離用の武器とかないんですか!?」
女教師『ない!』
男「威張る様にいうなぁぁぁあああ!」
813 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:39:54.28 ID:GokArMQ0
雀『敵機来るよ! また上から!』
男「クソッ! こうなったらやぶれかぶれだ!」

上を見ると、なにか黒い点のようなものが見えた
そしてそれがどんどん近づいてくるのも判った
敵機が急降下してきているのだ
俺はラームの両腕をそれに向かって突き出させた

814 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:43:50.62 ID:GokArMQ0
男「うぉぉぉおおおりゃあああ!」

―――ッドォォォオオオンンン

衝撃波で機体が少し揺れた
敵の切先をラームの両手がしっかりと握っている
そしてようやく、敵の姿を見る事が出来た

男「っ! こ、こいつは…!?」

815 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:47:34.24 ID:GokArMQ0
ラームが掴んでいたのは敵の爪先、らしいところだった
らしいというのは、それが足のようになっていたからである
しかし人間の脚部と比べて、それはかなりシンプルだった
例えるなら円錐、いや、三角錐だろうか
足だけでなく、機体全体がそのような感じで構成されていた
それこそ無機質という言葉がぴったりの外見だった

816 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:52:11.82 ID:GokArMQ0
暫くの間、そのまま静止していたのだが
やがてラームの両手を振り払い
再び高速で距離を取られてしまった

男「先生! なんなんですかアイツは!?」
女教師『判らないわ…私達も、あんなの初めて見た…』
女教師『多分、太陽系総連の戦闘用ロボットだと思うけど』
女教師『…まぁ、なんにせよタダじゃ帰らせてもらえないわね』

817 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 01:56:20.84 ID:GokArMQ0
敵のロボットは、少し離れた場所で静止した
こちらの様子を伺っているようにも見える

女教師『…男くん、今から云う事をよく聞いて』
男『?』
女教師『モニターで確認した限り、多分あのロボットは接近戦用に
    特化されたものだと思うわ』
女教師『超高速で移動、相手に機体先端部分を向けて突撃して貫く、
    それがアイツの攻撃手段よ。全身が武器になりうる訳』
男「はぁ…って、それじゃこっちに勝ち目殆どないんじゃ…!」

818 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:00:09.75 ID:GokArMQ0
女教師『まぁ聞きなさいな。例え突貫攻撃が強いとしても、それをするには
    常に超高速で移動していなきゃならない。それを封じれば勝てるわ』
男「封じるって…一体どうやって?」
女教師『市街地戦に持ち込んでやるのよ。下を見てみて』

そういわれて俺は下を見た
そこは俺達が住んでいる街から目と鼻の先にある都市だった
高層ビル群が軒を連ねているそれは
上から見るとさながら剣山のようにも見える

819 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:05:02.97 ID:GokArMQ0
女教師『あそこに誘い込めば、敵も高速では移動し難くなるはずよ』
男「でっ、でも市街地には民間人がいるんじゃ…!」
女教師『それは大丈夫よ。首都圏全体には第一種厳戒が出されてるの』
女教師『皆地下シェルターに避難していて、今あの街は完全に無人よ』
男「成る程…じゃあ、もうやるしかないんですよね?」
女教師『生きてこっち戻ってきたかったら、ね』
男「…判りましたよ…やってやろうじゃないですか!」

俺は操縦球を握り直し、ラームを急降下させた
それに合わせて敵も降下を始める

820 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:08:45.45 ID:GokArMQ0
完全に無人になった都市は静かだった
高層ビルの窓にラームの機体が映っている
車道には乗り捨てられた車が点々としていた
信号は赤のまま点滅を繰り返している

男「(本当に、誰もいないんだな…)」
雀『先輩! 11時から来るよ!』
男「!」

821 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:12:14.33 ID:GokArMQ0
左斜め前のビルを体当たりでぶち破り
敵ロボットが突っ込んできた
スピードは今までのものより格段に落ちていたが
それでもそれなりの勢いはついていた

男「ぐっ…この、野郎ッ!」

ラームは両手でそれを受け止め
勢いを付けてそのまま車道に打ち付けた
傍に止められていた車を巻き込んで
敵ロボットは地面にめり込んだ

822 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:15:41.88 ID:GokArMQ0
男「やったか!?」
女教師『…いや、まだよ!』

粉塵の中から敵が再び仕掛けてきた
今度は腕部を使ったパンチのような攻撃だった
といってもこちらも尖っているので
さながらランスで攻撃してくるようにも見えた
それをアームナイフを使って受け止める
が、その直後に腹部に蹴りを喰らってしまった
ガードに徹した一瞬の隙をつかれたのだ

823 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:20:25.16 ID:GokArMQ0
男「ぐっ!」

そのまま吹っ飛ばされ、舗装道路上を滑るようにした後
延長線上にあったビルの一階部分につっ込んだ

男「あだだ…くそっ、一杯食わされたな…」
雀『先輩、大丈夫!?』
男「あ、ああ。俺は大丈…夫…!?」
雀『…先輩? どうかしたの?』

824 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:25:16.66 ID:GokArMQ0
男「…先生」
女教師『ん、何? どうかした?』
男「…今、一般市民は皆避難しているんですよね?」
女教師『え、ええ。そうだけど…って!』
雀『あ、あれってもしかして!?』
男「なんで…なんであいつらが此処にいるんだよ!?」

俺が、ラームが見るその先に
尻餅をついている人達の姿が見えた

それは、女達だった


825 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/21(日) 02:32:56.62 ID:GokArMQ0
16話、終了
初戦闘シーン…書いててちょっと楽しかった
次回は来週中に上げるよ


>>796
一応美大生やってるよ

あと宣伝みたいだけど
新都社では510名義で漫画投稿しているので
ソラニンとは気色が大分違うけど暇なら是非


それと賞への投稿云々の話だけど
まだこの話自体書ききれていないし
とりあえず、今は先の話という事で
ちゃんと回収出来なかった伏線も多々あるから
それも含めてちゃんと書き直したいな

826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/21(日) 02:38:06.94 ID:0Ww3Ulgo
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/21(日) 02:47:18.57 ID:kUuXueoo
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/21(日) 04:29:09.46 ID:oINEB7oP
おっつー
賞の話は取らぬ狸というか、
だったら良いな的な夢物語だから気にすんなよっと
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/21(日) 07:50:30.77 ID:zt82rQAO
乙でした。
新都社のマンガちょっと探してくる
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/21(日) 08:48:46.95 ID:2wTSICko

俺も新都社のマンガ探してくる
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/22(月) 05:16:31.16 ID:U82kTYDO
乙ー
戦闘シーンは実に王道だな
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/22(月) 17:54:50.57 ID:jA/G4gAO
タイトルを忘れてたこのスレを久々に見たくなっていろいろ調べて過去ログ見てきたらパー速に移ってたのか!!!
3ヶ月と20日間気づかなかった俺ってorz




80くらいまでは読んだけど、前スレの世界とドコかで繋がってる設定でおk?
833 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/23(火) 02:21:59.41 ID:LECx4Bk0
>>832
大丈夫、まだ慌てる様な時間じゃない
ドコかどころか完全に繋がっているんだぜ!
そう思えないのは俺の話の見せ方が悪い


17話、24日の午前零時半から始めるよ

834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/23(火) 15:32:46.74 ID:aeJP/E2P
思い切りクリスマス中に更新…
かっけーよ>>1かっけーよ
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/23(火) 16:34:28.11 ID:jiNNBISO
前作から全部読んで追い付いたwwwwktk
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/24(水) 00:31:03.02 ID:JChG9YAO
来るか!?
837 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:32:20.37 ID:82C8QDE0
来たよー
始めるよー
838 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:34:42.28 ID:82C8QDE0
俺は動揺していた
何故無人のはずの街に人が
しかも俺の身内で
よりによって女達がいるんだ

男「(もし、あと数メートル突っ込む場所がずれていたら…)」

そう考えただけでぞっとした

839 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:37:41.22 ID:82C8QDE0
男「先生! ラームって外部スピーカーとかあるんですか!?」
女教師『ちょっと待って! …よし、これで外にも声が聞こえるはずよ!』
男「女! 聞こえるか!?」

俺の声に、尻餅をついていた男友を起そうとしていた女達が動きを止めた

女『えっ!? も、もしかして…男くんなの!?』
男「おし、聞こえてるな! お前ら早く此処から離れろ!」
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/24(水) 00:40:05.10 ID:g/DooxIo
きた
841 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:41:23.19 ID:82C8QDE0
男友『ま、待てよ! 一体全体何がどうなってんだ!? つかそのロボット…!』
男「説明は後だ! 今は早く逃げろ! 敵が直ぐ近くにいるんだ!」
女友『て、敵って…一体何のよ!? シェルターにはもう入れないのよ!?』
男「兎に角此処にいたら危ないんだ! 早くしろ!」
雀『先輩! 正面にヤツが!』
男「!」

女達から視線を少しずらす
かなり遠くで、あのロボットが構えを取っている

842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/24(水) 00:42:33.29 ID:JChG9YAO
キタ――(゚∀゚)――!!
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/24(水) 00:45:45.80 ID:rjR4bASO
リアルタイム遭遇キタ――(゚∀゚)――!!
844 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:46:37.17 ID:82C8QDE0
男「野郎…車道で一気に加速して突っ込む気か!」
男「みんな! 早くしろ! ヤツが来るぞ!」
女『に、逃げろっていったって…どうすればいいの!?』
男「ここから少しでも離れるんだ! 急げ!」
雀『駄目! 来る!』

遠くからジェットエンジンの音が近づいてくる
一直線に伸びた車道、加速するには十分の距離だ

845 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:50:56.53 ID:82C8QDE0
男「(くそっ! 間に合わない!) 女ぁぁぁあああ!」

―――ズドォォォオオオンンン

凄まじい音が辺りに響き、粉塵が舞った
しかし俺は一切の衝撃を感じなかった
見ると前のほうで緑色の何かが張られている
それはラームのシールドによく似ていた

846 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:54:22.18 ID:82C8QDE0
男「(…一体、何だ?)」

粉塵が晴れて行く
そしてその正体がはっきりしてきた

男「あれって、まさか…リンネさん!?」
リンネ『…ごめん、遅くなった』

其処には女達三人の前に立ち
片手を前に突き出すリンネさんの姿があった

847 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 00:58:36.78 ID:82C8QDE0
男「みんな! 大丈夫か!?」
女『う、うん…なんとか…』
男友『し、死ぬかと思った…』
女友『生きてる…のよね?』

どうやらみんな無事のようだった
俺はふぅと胸を撫で下ろした

848 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:03:10.89 ID:82C8QDE0
女教師『なんとか、間に合ったみたいね』
男「先生!」
女教師『ついさっき、リンネにそっちに行く様に連絡してたの。
    本当、ジャストでナイスなタイミングだったわね』
男「でも、あのシールドは一体…?」
女教師『あれはラームから技術を得て作った携帯用シールド装置よ』
女教師『私のバイクについてた防弾システムも、元々ラームの技術なの』
男「そうか、だから連中はあれの事を“遺産”って呼んでたのか…」

849 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:07:29.50 ID:82C8QDE0
リンネ『…男くん』
男「あっ! は、はい!」
リンネ『…そろそろ、シールドが保たなくなる。早く、して…』
男「りょ、了解っ! うおりゃあああ!」

―――ガガガァァァアアアンンン

リンネさん達のシールドにぶつからないように
俺はラームを敵に飛びつかせた

850 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:11:35.28 ID:82C8QDE0
男「今のうちに、三人を避難させて下さい!」
リンネ『…わかった。こっちは任せて』

路上に押さえ込んでいる敵ロボットが
ラームを振りほどこうともがいている

男「この野郎! 少しは大人しくしろよっ!」
男「(このままじゃ、また逃げられる…そうだ!)」

851 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:16:05.18 ID:82C8QDE0
男「雀! アームナイフって左腕にもあるか!?」
雀『うん! 両腕の標準装備だからあるよ! でも、どうする気?』
男「左腕のアームナイフを展開してくれ! 今すぐ!」
雀『ええっ!? で、でも今左腕は敵を掴んでて…』
男「いいから! 早くしないとまた逃げられる! 急げ!」
雀『わ、判った!』

852 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:20:47.67 ID:82C8QDE0
―――ガシュンッ

左腕が、先程の右腕みたいに展開した
ロボットアームが左手のほうに移動する

男「(上手くいってくれ!)」

―――バギンッ

853 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:23:45.29 ID:82C8QDE0
男「よっしゃあ!」

左腕の先に掴んである敵ロボットのボディに
アームナイフが深々と刺さっていた
ロボットアームの軌道上に敵が居たのだ

女教師『成る程、アンカー代わりにしたって訳ね!』
雀『先輩すごい!』
男「これでもう逃げられないぞ!」

854 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:28:16.55 ID:82C8QDE0
ラームはそのまま敵を両腕で持ち上げ
都市上空に飛び上がる
そして、地上から十分高さを取った所で
一気に急降下をした

男「これで、終わりだぁぁぁあああ!」

―――ドォォォオオオンンン

855 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:32:36.01 ID:82C8QDE0
周囲に巻き上がった砂埃が視界を隠した
それがゆっくりと消えていく
地面はラームを中心にクレーター状に凹み
敵ロボットは四肢を周囲に散らし沈黙していた

男「はぁっ…はぁっ…や、やっ…た…」

856 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:36:07.91 ID:82C8QDE0
女教師『…あー、あー。男くん、聞こえる? 無事?』
男「な、なんとか…ふひぃ…」
女教師『周囲に敵性反応無し、と…男くん、お疲れ様』
男「あ、ありがとうござます…」
女教師『敵はもういないみたいだから、とりあえず帰投して。疲れたでしょ?』
男「そ、そりゃあもう…」

857 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:40:41.86 ID:82C8QDE0
女教師『リンネウス、あなたもお疲れ様。本当、助かったわ』
リンネ『…当然の事をしたまでです』
女教師『あと其処にいる三人の学生、うちの学校の子達なんだけど、
    その子らも機関本部に連れてきてくれないかしら』
リンネ『…? いいんですか? 彼らは一般市民なのでは…』
女教師『ええ。でも、こうなったのはどうやら偶然じゃないみたいだしね』
男「(…偶然じゃ、ない?)」

先生の、その言葉の意味を知った時
俺達は自分達の“運命”とやらを知る事になる



858 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/24(水) 01:45:20.66 ID:82C8QDE0
というわけで17話おしまい
次の18話で今年の更新は終わりにしようと思う
もうそろそろ次スレにいかないとまずいね

あと7×さんがログ取っててくれてたんだけど
更新止めちゃってるみたいだから
新しい人向けにまとめとか作ったほうがいいのかな

859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/24(水) 01:48:48.36 ID:JChG9YAO
乙(゚∀゚)!!

そうねー
次スレの>>1にまとめがあると分かりやすいかもなぁ
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/24(水) 01:55:30.66 ID:tgV1f1QP
初めての奴だけじゃなく、今まで読んでた奴の中にも、
伏線の確認などで読み返したいのいるだろうしな
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/24(水) 08:56:27.12 ID:YOEGlMSO
第一部みたくwordでまとまった状態が希望です

ただの希望なので…
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/25(木) 11:59:02.35 ID:iU6ltf2o
>>858
全部即更新するとスレに参加する必要がなくなっちゃうから
客寄せにある程度まとめして更新止めてたんだYO
次スレ立ったら急ぎで更新するぜ
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/25(木) 18:29:30.24 ID:OT9MQQSO
2週間見ない間にこんなに・・・
お疲れ様a
864 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2008/12/30(火) 01:09:18.24 ID:wDy3kLY0
ごめん、今日30日から年明けまで出掛けないといけないので
今年中に18話上げるのは無理かな…申し訳ない

思えば九月の頭にスレ立てて1000行って、続編まで始めて
まさか続けながら年を越す事になるなんて思ってもなかったよ
それもこれも、読んでくれてる皆の御陰なんだな

来年になったら週刊更新くらい出来る様に頑張るよ
それじゃ皆、よいお年を!

865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/30(火) 06:32:12.70 ID:6TaOZgSO
>>864
良いお年を〜ー_ー )ノ"
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/30(火) 08:44:22.60 ID:1cldpxko
>>864
おはようございます
よいお年をお迎え下さい
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/31(水) 00:53:46.92 ID:4K4ppwAO
よいお年を(`∇´ゞ
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/10(土) 23:24:48.16 ID:aAHd2QAO
いやー、お前ら明けましておめでとう
今年も四狐と共に楽しくまったり行こうじゃないか
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/11(日) 01:02:53.69 ID:AUPKhEco
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)
870 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga 無駄に長いレスだな]:2009/01/13(火) 04:03:19.66 ID:W7YCKi20
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)

このAAいいなぁ! 煙草吸ってていいなぁ!
ずれてないといいなぁ! Macだからさ…
大丈夫だったら今後使おう

皆あけましておめでとうってもう半分近いじゃねーか!
今週の土曜から再開するよー!
そしてもう大学が休みに入るから週刊ペースで進めるよ!
多分! 頑張る!


そういや、最近三日規制が無くなって
ニュー速の新ジャンルやSSもなんだかヌルくなったね
空人の時は書き貯めして、半分徹夜してやったっけ
いいのでも無駄に長いとログ読む気起きない…

…無駄に長いのは、コレもか…まぁいいや…
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/13(火) 09:04:03.69 ID:Zoi1CTso
ウホッ
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/13(火) 09:42:35.61 ID:6qcyWoDO
書き溜めしてくれないと保守しながらは見る気になれないわ
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/13(火) 15:41:12.38 ID:RxULmsAO
3日規制は好きだったんだけどなぁ

そう言えば今週の土日と言えばセンター試験だな
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/13(火) 20:58:30.26 ID:V1W25Yco
なんか2日規制になったとか・・・
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/14(水) 04:00:57.28 ID:Vp8KL2Uo
ずれてないよー
合いそうだと思ってたから使ってくれると嬉しい

情報遅いよ、新年から2日規制だぜ
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/17(土) 19:28:23.52 ID:icJkAESO
今日だね
877 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:00:06.46 ID:cXHajhs0
始めるよ
今後もこの時間、土曜の25時に始めるようにする予定

それでは18話ドゾー
878 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:00:27.97 ID:cXHajhs0
本部に帰って、着替えを済ませた後
先生に云われて俺は会議室に向かっていた
其処に女達を待たせているらしい

男「(うーむ、会ってまず何を話せばいいのやら…)」

そうやって部屋の入り口で考えていたら
気がつけば五分時間が経っていた

879 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:04:26.56 ID:cXHajhs0
男「(とりあえず笑いながら入ってその後緩めに…いやいや…)」
雀「先輩?」
男「わー! 吃驚した!」

突然横から話しかけられて動揺してしまった俺を
雀が不思議そうな顔をして見ている

880 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:10:08.92 ID:cXHajhs0
雀「さっきから何してるの? 三人ともこの中に居るのに」
男「いや、な…どんな顔して、会えばいいんだろうってさ…」
雀「あー…でも、此処にずっと居ても仕方ないよ?」
男「それはそうなんだけどな…はぁ、覚悟決めて、入るか…」

そういってドアに手を伸ばした時だった
それまで閉まっていた扉が、勢い良く開いて

男友「じれったいんじゃボケー!」
男・雀「「わぁぁぁあああ―――!」」

881 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:13:46.84 ID:cXHajhs0
男「…つまり、全部聞こえてたって事か?」
女「あは、あはは…」
女友「そりゃ扉一枚だもの、嫌でも聞こえるわよ」

部屋の中には大きな会議用の机があった
その一角に俺達五人は集まっている

882 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:17:14.21 ID:cXHajhs0
男友「いやしかし、本当吃驚したぜ。なんかよくわかんねー警報が
   出たと思ったら、死にかけるわロボットが出るわ」
女友「オマケにそのロボットのパイロットが男くんだもんねぇ…」
男友「なぁ男、教えてくれよ。お前が乗ってたのとか、あの変なロボットとか。
   今一体何が起こっているんだ? 何か知ってるんだろ?」
男「いや、それが俺も周りに流されててあまり把握出来てないんだ…」
女「そうなの?」
男「ああ。学校飛び出した後、すぐにここに連れてこられたからな」

883 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:20:58.15 ID:cXHajhs0
女友「そうそう! あの時、本当驚いたんだから。何事だよって」
女「あれから一時間くらいしてからだったよね、警報が出たの」
男友「突然先生達が騒ぎだしてさ、それで皆で都心部に移動したんだ」
男「都心部? なんでまた?」
雀「シェルターがあるからだよ。都心地下に秘密裏に建造されてるの」
男「…そういや、シェルターに入れなかった、とかなんとかいってたよな?」
男友「そう! それだよ! アイツら嘘つきやがって!」

884 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:24:38.68 ID:cXHajhs0
男「アイツら?」
女「シェルターの管理局の人が、このシェルターは定員を超えてるから
  ひとつ隣のシェルターに移動しなさいって」
女友「そしたらそっちのシェルターも入れなかったのよ!」
男「成る程、それで彼処にいた訳か」
男友「ったく! 俺等を殺すつもりかっつーの!」

女教師「まぁ、そうなんじゃない?」
五人「「「「「わぁぁぁあああ―――!」」」」」

885 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:28:57.39 ID:cXHajhs0
女教師「何よ、人の事見て絶叫ってちょっと失礼じゃない?」
男「唐突すぎるんですよ!」
女「せ、先生…? なんで此処に?」
女教師「私、此処の関係者なのよ。とりあえず、三人とも無事でなによりだわ」
男友「なぁ女友、この状況を馬鹿な俺に判り易く説明してくれよ…」
女友「…無理」

886 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:33:10.05 ID:cXHajhs0
男友「つーか、俺等を殺す気だったって…!」
女教師「多分、ね。殺す気か、もしくは誘拐するつもりだったんだと思うわ」
女「そんな…殺すなんて…」
女友「私達が何したっていうんですか!?」
女教師「まぁ落ち着きなさいな。今から順を追って説明するから。その前に…」

女教師先生は机の上に腰を下ろすと
ドアに向かって声を掛けた

女教師「リンネウス! もう入ってもいいわよ」

887 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:38:39.24 ID:cXHajhs0
自動ドアが静かに開くと
其処には見慣れた顔があった

男「――リンネさん」
リンネ「……」
男友「そうだ! 先生! なんなんですかこの人!」
女教師「なんなんだって、何がよ?」
男友「羽ですよ! 背中の羽! 何あれコスプレかなんかですか!?」
女教師「お前は何をいっているんだ。大体命の恩人指差してアレはないでしょ」

888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/18(日) 01:41:27.04 ID:yAntXvE0
三ヶ月ぶりにキタ まだ続いてて吹いたww
しかも現在いるみたいだしww
889 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:42:47.44 ID:cXHajhs0
男友「命の恩人だろうが何だろうが、気になるのは気になるんですよ!」
女「というか、雀ちゃんにそっくり…」
女友「あーもー! なんだか頭がパンクしそう!」

面白いくらい慌てふためく三人を尻目に
俺は素朴な疑問をぶつけてみる

男「リンネウスってのが、本名なんですか?」
リンネ「…うん。でも、長いから皆大体リンネって呼んでる」

890 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:45:59.65 ID:cXHajhs0
男友「くぉらー! 男! お前何さも当然みたいな顔してんだ!」
男「ああ、まぁ、俺はもう知ってた訳だし」
女友「あ、判った! これはきっと夢よ! 女、ちょっとほっぺたつねって!」
女「えっ…う、うん…えいっ」
女友「痛たたたたたたたたたたた! シャレになんない! 何コレ現実!?」
女教師「少しは静かにしなさい!」

891 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:49:12.12 ID:cXHajhs0
それから少しして、漸く三人(特に男友と女友)が落ち着き
皆が席についたところで先生が話を始めた

女教師「じゃ、まず彼女から紹介しときますか」
女教師「彼女はリンネウス。雀の双子のお姉さんよ」
リンネ「…よろしく」
女友「はい、先生質問!」
女教師「何かしら? 羽以外でお願いね」

892 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:54:04.63 ID:cXHajhs0
女友「なんでリンネさんだけ英語の名前? 雀ちゃんは日本語なのに」
雀「私にも英語の名前あるんだけど、そっちあまり好きじゃないんだ…えへへ」
女教師「だから日本語の名前を使ってる訳。ちなみにリンネには日本語名はないわよ」
男「へぇー、そりゃ初耳だな。で、雀は英語だとなんていうんだ?」
雀「えっ!? え、えっと…モ、モンターヌス…」

男友「ないわー」
女友「ないわねー」
雀「うう…だから嫌だったのに…」

893 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 01:57:23.09 ID:cXHajhs0
女教師「はい、じゃあモンちゃんの話題はこれで終りね」
雀「モンちゃん云わないで下さい!」
女教師「こほん。で、リンネの背中の羽なんだけど、これは本物よ」
男友「ほ、本物って…まさか、動くとでも――」
リンネ「…動かせる」

そういってリンネさんは背中の羽を少しだけ動かした
それは端から見てちょっと可愛かった

894 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 02:00:45.58 ID:cXHajhs0
男友「お、おお…すげぇ、動いてる…」
女「モンちゃ…雀ちゃんには、羽はないの?」
雀「…うん。生まれつき羽があるのはお姉ちゃんだけ」
男「ふぅん。双子なのに、なんか変だな」
女教師「まぁそれにもちょっとした訳があるのよ」
男「訳ですか?」

895 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 02:03:59.12 ID:cXHajhs0
女教師「二人は双子だから同じ遺伝情報を持ってるんだけども、
    リンネはその遺伝子の中にあった“あるモノ”が覚醒したの」
四人「「「「あるモノ?」」」」
女教師「多分、皆も持っているはずよ。でもそれが覚醒してないだけ」
女友「じゃあ、それが覚醒すれば私達も…?」
女教師「ええ、無論羽を生やす事が出来るわよ」
男友「マジか…」

896 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 02:08:41.26 ID:cXHajhs0
女「そのあるモノって、一体なんなんですか?」
女教師「知りたい?」
女「はいっ!」

女はちょっと子供みたいに云った
それを見て、女教師は企み顔で答える

女教師「じゃあ、特別に教えてあげる。それは私達、第二世代人間の
    遺伝情報の中に埋もれてる、“羽を持った人間”についての情報」
男「羽を持った、人間…?」
女教師「そう。背に羽を生やした人――空人(ソラニン)よ」



897 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/18(日) 02:12:04.31 ID:cXHajhs0
18話終了
ようやっと“空人”の単語出せた…
ここまでどんだけ掛かってんだ…

さて、スレも残り100くらいか…
どうしよう、19話次スレにしようかな
埋め分で何か短編書くとか

898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/18(日) 02:37:13.17 ID:2A6bLwSO
>>897
今日も乙です!
短編も楽ふぅしみにしてます!
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/01/18(日) 07:33:05.71 ID:bP2HEAAO
>>897
乙です。
四狐さんのやりたいようにしてくださいな
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/18(日) 10:10:42.06 ID:YGMD52AO
四狐氏の好きなように短編書いてくださいな
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/18(日) 20:29:53.01 ID:MZV.eoSO
乙です。

好きなように書いてください
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/20(火) 20:57:04.21 ID:uxNK7W6o
いうなれば古代種か
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/22(木) 21:35:52.23 ID:eVsSJ3Eo
誕生日おめ
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/01/25(日) 01:13:59.64 ID:nqrSuYAO
そろそろか
905 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/01/25(日) 02:05:36.85 ID:xJk814w0
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)

今日の更新は無理っぽいや
待ってくれてた人には申し訳ない…

というか大学休みになったと思ったら
サークルとか学科展とかやる事がドッと出てきたんだ
定期更新まではもうちょっと掛かるかもしれない
いつもグダグダで本当駄目なやつだな俺は

906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/25(日) 02:35:55.31 ID:.7t14MDO
1の好きなペースでいい
前作→エウレカ
今作→エヴァ
みたいな感じがしてwktkしてるんだっぜ!
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/25(日) 04:10:19.17 ID:0f70E8YP
リアル優先の方が絶対良いしな
ソースは俺達
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/01/25(日) 07:58:04.27 ID:KKQLIyko
>>906
ああそれはあるねw
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/01/28(水) 02:34:26.32 ID:fw/28fY0
ずっと顔出さなかった甲斐があったよ!
一話まるまる読めたwwww
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/15(日) 15:28:21.36 ID:mGxZlcAO
点呼とるぞ〜
皆居るか〜?
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/15(日) 15:43:25.74 ID:T6EW1QAO
まだか?
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/16(月) 00:21:38.34 ID:sntsh6AO
いますよ
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/16(月) 00:55:38.54 ID:BsNTHfoo
なんかあったか?
914 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 01:51:25.04 ID:bMdX9DE0
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)

今晩和。一ヶ月くらい空いちゃったけど続き落とすよ!
今から始めちゃうよ! 前置きとかいらない!
915 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 01:53:29.01 ID:bMdX9DE0
“羽を持った人間” 空人――
最初にそれを聞いた時
俺はそれがよく判らなかった

男「羽を生やしたって…リンネさんみたいに?」
女教師「そう。彼らには皆、羽があったわ」

それから少し間が空き、女教師先生は語り始めた


916 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 01:57:41.77 ID:bMdX9DE0
女教師「もう何百年も昔、その時人類は繁栄の絶頂期だった」
女教師「地球という星の全てを掌握し、それは自然の力をも凌駕したらしいわ」
女教師「だけど、人類は愚かだった。例えどれだけ発展したとしてもね」
女教師「世界を巻き込む戦争が起きて、それは地球にも深刻なダメージを与えたわ」
女教師「そしてその戦争が終わった時、地球上に新たな人類が生まれたの」
男「それが…」
女教師「そう、それが空人」


917 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:00:36.11 ID:bMdX9DE0
女教師「何故空人達が現れたのかは、未だによく判ってないわ。
    けど羽を持つ空人は、科学を失った人類にとって脅威になったわ」
女教師「やがて空人達は地球を滅ぼしかけた人類を粛正の名目で虐殺したの」
女教師「そして人類はいなくなり、空人達の歴史が始まった」
女教師「でも時が経ち、空人達にも羽はいらなくなった」
女教師「やがて進化の過程として空人から羽は無くなった。それが今の私達よ」


918 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:03:32.55 ID:bMdX9DE0
男友「…あー、そーすると、あれですか。俺達には元々羽が生えていたと。
   で、要らなくなったから無くなったと」
女教師「意図的にそうしたんじゃないかって説があるけどね」
男友「なんだかなぁ…だって、俺達そんなの歴史の授業で教わってませんよ?」
女友「そもそも、昔が繁栄の絶頂って。今より上があるなんて思えないわ」
女教師「そりゃそうよ。御偉いさん方が隠しているんですもの」


919 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:07:12.59 ID:bMdX9DE0
女「隠してるって…じゃあ、私達が習ってきた事は本当は違うんですか?」
女教師「んー、違わないんだけど、違うんだよね」
男「(…空人…なんだろう、嫌な気分だな…)」

長官「それについては、私から説明しようか」

雀「あ! (今まで一話しか出番がなかった)長官!」
長官「括弧はやめろ括弧は」
女教師「説明って、いいんですか? この子達に話すのはちょっと早い気が…」
長官「ここにいる六人は、いずれ世界を動かす事になる。早い事もないだろう」
男「六人って、もしかして俺達の事ですか…?」
長官「ああ…丁度良い機会だ。この“星”に関する全て、そして、私が知りうる
   君達に関する全ての事を話そう」


920 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:10:05.84 ID:bMdX9DE0
長官「…まず、この“星”の事から話を始めようか。男くん」
男「はい」
長官「君はこの星の名前を知っているかね? 今君がいる惑星の名前だ」
男「え? …地球…ですよね?」
長官「そうだね。この星は今は“地球”という名だ」


921 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:14:25.89 ID:bMdX9DE0
長官「話を戻そう。空人達が“地球”で唯一の人類になってからの事だ」
長官「空人達は当初、科学を毛嫌いしていたんだ。人類が生み出した、
   悪魔の業だと。地球を滅ぼした元凶だとね」
長官「その後、やがて一人の男によって科学が少しずつ戻り始めた。
   彼は空人の発展の為に尽力し、そして科学を確実に成立させたんだ」
長官「彼は科学を全て非軍事目的に使った。羽を失った人々の為に
   羽の代用品を造り出したりなど、慈善事業が殆どだった」
長官「――しかし、世には彼と相反する考えを持つ者も多かった」


922 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:18:34.32 ID:bMdX9DE0
長官「彼が呼び戻した科学を、軍事目的で使い始める連中が増え始めたのだ」
長官「重火器、戦術機械、果ては核兵器まで。空人達は毛嫌いしていた人類と
   同じ過ちを起そうとしていた」
長官「そんな中で科学を呼び戻してしまった彼は自分を呪った。
   そして彼は、自分の過ちを償う為にある組織を立ち上げた」
長官「そこには彼の考えに賛同する人々が集い、世界に対抗した」
長官「やがてその組織は、当時の地球の支配者達まで詰め寄った」


923 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:21:41.42 ID:bMdX9DE0
長官「だが、その時だった。彼らは、地球上にある全ての核を起動したんだ」
長官「結果はいわずもがな、地球は人っ子一人住めない、死の惑星になった」
男「ちょ、ちょっと待って下さい!」
長官「ん? 何かね」
男「死の惑星になったって、じゃあ今僕らが住んでる星はなんなんですか!?」
長官「まぁ落ち着きたまえ。人の話は最後まで聞こうじゃないか」


924 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:25:04.53 ID:bMdX9DE0
長官「丁度その頃、例の科学者はある計画を推進していたんだ」
長官「テラフォーミング、って知っているかい? 他の惑星を地球と
   同じ環境にすることで人類を移住させようっていう計画さ」
長官「そしてその技術は、なんとか完成していた。例の科学者の力でね」
長官「地球が住めなくなったと見切りをつけた生き残った人々は、
   母なる星を捨てて宇宙へと旅立ち、そして新たな“地球”を作った」
長官「…もう気づいているだろう。それが今、我々がいる星だ」


925 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:28:26.67 ID:bMdX9DE0
男友「じゃ、じゃあこの星は、本当は地球じゃないって事かよ…」
女友「嘘でしょ…?」
長官「残念ながら、これは紛れも無い事実だ」
男「な、何か証拠になるものでもあるんですか!?」
長官「ああ、そうだな。では…」

その時だった
今まで静かだったスピーカーから館内放送が流れた


926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/16(月) 02:30:20.76 ID:BsNTHfoo
(; ・`д・´)…ゴクリ…(`・д´・ ;) 
927 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:31:47.42 ID:bMdX9DE0
アナウンス『長官、いらっしゃいましたら至急観測本部までお越し下さい』

長官「…ん、観測部から呼び出しか…仕方ない。この話はまた今度にしよう」
男「んなっ! これから肝心なところだっていうのに!?」
長官「何、心配しないでいい。私には君達に真実を話す義務がある。それじゃ」

そう云い残して、長官は部屋を後にした


928 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:35:10.23 ID:bMdX9DE0
男友「…はぁ、なんか、ミョーな事になってきたな…」
女友「とりあえず、頭を一回休めないとどうにかなりそう…」
女教師「そうね。とりあえず、今日のところはお開きにしましょっか。
    街に戻る訳にも行かないし、今日は此処に泊まっていきなさいな」
女「あ、じゃあお母さんに電話しなきゃ…」
女教師「それは私がしとくから大丈夫よ。だから安心して。雀!」
雀「はいっ」
女教師「皆を居住区に連れてってあげて。女ちゃん達は私の部屋で、
    男くん達にはどっか適当な空部屋に案内してあげて」
雀「了解ですっ!」


929 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:37:44.95 ID:bMdX9DE0
女教師「リンネウスは…悪いけどもうちょっと私に付き合ってくれる?」
リンネ「…了解しました」
女教師「よしっ、それじゃゆっくり休んでいってね!」

俺達は先生とリンネさんを残し
部屋から出た


930 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:40:43.70 ID:bMdX9DE0
雀「さて、それじゃ此処から分かれ道だからね。先輩達はそっち」
男「ちょっと待て、俺此処の事全然判らんぞ?」
雀「ナンバープレートに表記がないトコが空部屋だから、そこを使うといいよ」
男友「なんという適当な案内の仕方…」
雀「じゃ、また明日ね。女先輩達はこっちだよ」
女「あ、うん…ねぇ、ちょっと待ってくれるかな?」
雀「え? 別にいいけど、どしたの?」
女「…男くん、これ」
男「んあ?」


931 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:47:07.82 ID:bMdX9DE0
そういって女が手渡してきたのは
可愛らしい柄のハンカチに包まれた箱だった

男「これって…もしかして弁当か? 本当に作ってきてくれてたのか」
女「あ、あの、時間経っちゃったし、動いたから中滅茶苦茶かもしれないけど…」
男「…ありがとな。部屋に行ったらゆっくり食べるよ」
女「う、うん!」
女友「(女、よくやった!)」
雀「(むぅ、なんかジェラシー…)」
男友「(→ころしてでも うばいとる)」


932 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:50:57.64 ID:bMdX9DE0
その後、適当な部屋を見つけて男友と入った
入った直後に男友が殴り掛かってきたので
そこは丁重に脇腹への一発を噛ましておいた
今はベッドの上で静かにしている

男「さて、と…」

女から貰った弁当の箱を開けた
中は少し偏っていたが、見た目は悪くない


933 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:53:55.36 ID:bMdX9DE0
男「(…あ、卵焼き美味い…)」
男「(そういや女のやつ、ちっちゃい頃は俺の家に来る度に母さんに卵焼きの
   焼き方、教わりながら焼いてたよな…最初の頃はすげーマズかったけど)」
男「(俺が好きな味って、女が焼いてくれてた卵焼きの味だったんだな)」

昔の事を少し思い出しながら
俺は女から貰った弁当を食べ終えた


934 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 02:57:23.64 ID:bMdX9DE0
腹一杯になったところで俺はベッドに寝転がる
見慣れぬ天井がそこにあった

男「…地球じゃない、か…」

これから先、俺は、俺達はどうなっていくのだろうか
それを深く考える前に、俺は睡魔に身を委ねた



935 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/16(月) 03:02:03.10 ID:bMdX9DE0
というわけで、19話終了ー
前作との繋がりが段々見えてきたと思う
まだ説明不足なトコもあるけど
それは今後判ってくるから待っててほしい

このスレで書く本編は今回で終わりにするよ
丁度きりがいいところまで行ったし
残りは雑談とかで埋めていってもらえると嬉しい
さて、テンプレとか考えておこうかな…

936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/16(月) 03:10:02.45 ID:ITxX7dwo
つまり

現代

未来(そーらーをじゆうにー)

超未来(ソラニン)

ということか?
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/16(月) 03:53:33.16 ID:oVgl7ss0
>>936

>>935
> それは今後判ってくるから待っててほしい

って言ってくれてるのに・・・野暮だな
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/16(月) 22:19:19.60 ID:jBKF0Ygo
お、乙!
おら、わくてかしてきたぞ…!
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/17(火) 22:28:42.08 ID:ACbItoAO
次スレたてんの?
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/19(木) 03:10:33.38 ID:zjM.CUso
まだ早いだろww
941 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/02/25(水) 00:55:40.70 ID:ch4XFwE0
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)


只今次スレに向けてのんびり書き貯め中
三話くらい貯めておけれるのが理想だなー

ここで、ちょっとネタを明かすと
今回はあるバンドに強い影響を受けていて
そのアルバムを聴くとなんとなく筋が判るよ
14〜15話あたりにヒントが隠してあるから
暇な人は探してみるといいかもね

あと時代設定はー…そのうち判ると思うよ!
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/25(水) 03:22:23.45 ID:1G/zjwDO
期待しちゃうぜ
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/26(木) 14:28:19.23 ID:YAA9FSIo
期待してまってる
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/27(金) 01:36:43.67 ID:fk3DBwAO
べっ別に期待なんかしてないんだからねっ///
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/07(土) 13:50:24.17 ID:KyWvXGso
スレが埋まる間際だと書き込みを自重してしまうな
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/07(土) 16:13:11.21 ID:q4g3xO6P
VIP本体だとあれだが、パー速は過疎だからそんな気にする程でも無くね?
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/07(土) 17:37:30.61 ID:0ayAmnw0
はやく埋めて次スレ行かないと続きが読めなくね?ww
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/09(月) 21:54:12.08 ID:c4Hra6AO
埋め
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/10(火) 00:59:27.67 ID:bOZQpHso
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/10(火) 06:52:59.70 ID:WRU9IgAO
次スレ立ててから埋めてくれ
951 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/03/13(金) 22:34:42.58 ID:.TjXU5s0
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)

二十話書き終わったよ
現在二十一話執筆中

あれだな、中断するタイミング間違えたな
待たせてる分のモノは書くつもりだよ

952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/13(金) 23:37:27.15 ID:vPgGhgAP
ああ、パー速に入った時点でスピードよりクオリティの方が重要だ
頑張ってくれ
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/13(金) 23:40:08.12 ID:/v04cRYo
>>951
待ってる
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/15(日) 17:45:21.71 ID:sxnQsUgo
>>1の投下に合わせてスレ立て&埋めって感じか
955 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/03/18(水) 16:11:07.57 ID:lWB0kGc0
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)

二十一話の書き溜め完了ー
な、なんかまたグダグダ進行になりそうな悪寒
しかしこの調子でいけば次スレまでにかなり貯めれるな
数週間に渡って連載出来るかもね!
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/19(木) 00:37:03.78 ID:y/8pjkAO
>>1
期待して待ってる
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/19(木) 00:54:41.15 ID:tR2gEhUo
|ー゚)ニヤリ
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/20(金) 03:14:52.85 ID:lmvuJUSO
( ̄ー ̄)ニヤリ
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/21(土) 19:16:37.70 ID:WXvS1k20
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/21(土) 21:35:31.18 ID:mHZWacAO
( ̄∀ ̄)
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/21(土) 23:59:45.39 ID:z6ke0.AO
(´Д`)
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/24(火) 18:41:02.01 ID:mASY92AO
(´・ω・`)
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/26(木) 03:57:54.20 ID:h6vnkkSO
ヒソヒソ(  ̄∀(・。・;)ナニナニ?
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/29(日) 02:45:29.59 ID:Wv1eNZI0
(・ω・)
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/29(日) 06:44:03.31 ID:c9rDHUDO
過疎区
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/30(月) 01:12:29.83 ID:ieSInjs0
誰か新しいスレ立てた?
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/30(月) 08:54:48.67 ID:R3QhIUSO
まだじゃね?

この過疎っぷりからいくと995まで大丈夫なぐらいだろうがなww
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/30(月) 13:30:17.59 ID:w6EnyUQo
書き手がもう1話くらい書きだめできたら次スレ立てないか?
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/30(月) 16:59:28.78 ID:R3QhIUSO
>>968
んじゃスレ立てよろしくww
970 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/03/31(火) 02:18:29.47 ID:t4G5Y.Y0
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)

もう少しで22話書き終わるから
次スレ立ててもらっていいかい?
前回から一ヶ月以上も空いちゃったし
このままだとそのうち書き溜めもサボりそうだし

971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/31(火) 18:28:21.87 ID:mbXjKSEo
立てた
スレ立てなんて初めてに等しいから超緊張した…ってペースト2回押したのか俺はァッ!?
恥ずかしい限りです…どうもすみません

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1238491497/
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/01(水) 00:18:29.05 ID:BfkCNgSO
四狐が22話書き終わったら埋めかな?
973 :四狐 ◆b31BYoYbAM[saga]:2009/04/01(水) 00:59:47.67 ID:K7vJB6s0
      .,/i/i
     ミ 、|
     ./\_!    
   ,. イ., つ\_ゞ~ ~ 
  <《と_)_)

22話書き貯め終わったよ
次スレも立ててもらえたみたいだし
頑張っていくぞー! もう新学期始まるけど!

じゃあ皆、次スレでもよろしく!

974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/01(水) 08:25:23.72 ID:BfkCNgSO
よろぴく梅
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/01(水) 18:50:48.30 ID:P8qTnADO
頑張ってくだしあ宇目
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/01(水) 21:31:17.74 ID:Y.UyybAo

楽しみにしてるよwww
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/02(木) 12:40:19.87 ID:6kCNvoDO
埋め速度が遅すぎるwwwwwwww
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/02(木) 13:11:46.60 ID:CKABsjE0
人が減ったんだろ、ペース遅かったしな埋め
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/02(木) 13:39:25.42 ID:XguCH7Uo
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/02(木) 22:49:15.14 ID:kv3L6oSO
うめうめ
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/02(木) 23:38:26.40 ID:.jkJBEAO
埋め
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/03(金) 02:27:46.59 ID:RbupT9I0
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/03(金) 09:32:18.69 ID:hIoGNsDO
うめぇ
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 01:34:52.05 ID:Lpy6dMDO
埋め
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 01:42:53.06 ID:zS36YF.o
うめ
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 01:43:51.06 ID:zS36YF.o
埋め
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 01:44:20.40 ID:zS36YF.o
ヘイ!埋め
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 01:44:43.39 ID:zS36YF.o
ヘイヘイヘイ
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 01:45:04.03 ID:zS36YF.o
めんどいな
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/04(土) 03:32:32.95 ID:6X5ctl20
木某
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:41:11.29 ID:NefgELco
うめる
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:41:23.82 ID:NefgELco
うめた
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:41:47.85 ID:NefgELco
うめようとも
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:42:11.96 ID:NefgELco
だって
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:43:12.41 ID:NefgELco
ひまなんだもん
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:43:30.56 ID:NefgELco
はやくつづきよみたいし
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:43:37.86 ID:NefgELco
だからね
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:43:47.19 ID:NefgELco
うめるんだ
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 03:44:08.27 ID:NefgELco
さぁみんなもいっしょに
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/04(土) 06:01:14.61 ID:8qUqjsSO
>>1000なら週間連載!!



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