以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/01/07(水) 16:36:19.80 ID:s7n4x5M0<>http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1225532661/
見れない可能性があるので、載せて頂いてるまとめブログのURLも貼っときます。
http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1225532661-0.html

ジャイアン「んん?ここは何処だ?」の続編、第二部です。
このSSは前作のネタバレを含みますので、読んでいない方は先にこちらをご覧下さい。<>カツオ「んん?ここは何処だ?」 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/01/07(水) 16:39:55.62 ID:s7n4x5M0<>坊主頭の少年は目を覚まして辺りを見回す。大きな広間の中には見知った顔の人物。
妹のワカメ、甥のタラヲ、友人の中島、知人のイクラ、同じく知人の甚六。
そして、見慣れぬ顔が一人。計6人の男女が倒れている。

カツオ「起きろ、ワカメ!」

カツオはすぐに妹を抱き起こす。

ワカメ「お、お兄ちゃん?ここは・・・?」

カツオ「わからない。中島と野球をしていた所までは覚えているんだけど・・・。それより、皆を起こすのを手伝ってくれ!」

カツオとワカメは手分けして、残りの人物を起こして回る。起き上がったものは皆、現状を把握できてはいないようだ。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/01/07(水) 16:40:19.44 ID:s7n4x5M0<>タラヲ「うえ〜ん!此処は何処ですか〜!」

イクラ「バブ〜〜!!」

中島「磯野!とりあえず、野球しようぜ!」

カツオ「中島、落ち着けよ。どうみても、そんな状態じゃないだろ!」

中島「・・・ごめん、ちょっと寝惚けてたみたいだ・・。っつ、頭が痛いな。」

カツオ「僕もだ。どうやら、僕達は何者かに襲われて監禁されたみたいだな。」

甚六「な、何だって!父さん、ちゃんと身代金払ってくれるかな・・。」

カツオ「甚六さん、あんたって人は・・・。」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/01/07(水) 16:41:05.19 ID:s7n4x5M0<>---12月11日 15:25-----------------------------------------------------------------
[たぬき]「さて、そろそろ頃合だな・・。」

[たぬき]は廃墟の工場から外を見下ろした。階下には数台のパトカーが急ブレーキをかけて、まばらに止まっていく。
ドアを開けた警官は銃を携帯し、次々と工場に入り込んでいく。近くで騒がしい声と物音が響き渡る。
・・ややあって、戸外で静寂が広がると、部屋のドアがぶち破られた。

大石「ようやく、見つけましたよぉ。犯人さん!!」

波平「わしの息子達を返してもらう!!」

二人の男は[たぬき]に近寄っていく。警察は依然、銃を構えたままだ。しかし、[たぬき]に焦燥の様子は見られない。

[たぬき]「君達を待っていた・・・。」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:41:58.38 ID:s7n4x5M0<>---12月11日 15:25-----------------------------------------------------------------
ドラえもん「さて、そろそろ頃合だな・・。」

ドラえもんは廃墟の工場から外を見下ろした。階下には数台のパトカーが急ブレーキをかけて、まばらに止まっていく。
ドアを開けた警官は銃を携帯し、次々と工場に入り込んでいく。近くで騒がしい声と物音が響き渡る。
・・ややあって、戸外で静寂が広がると、部屋のドアがぶち破られた。

大石「ようやく、見つけましたよぉ。犯人さん!!」

波平「わしの息子達を返してもらう!!」

二人の男はドラえもんに近寄っていく。警察は依然、銃を構えたままだ。しかし、ドラえもんに焦燥の様子は見られない。

ドラえもん「君達を待っていた・・・。」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:42:23.20 ID:s7n4x5M0<>--ジャイアンとスネ夫の「ゲーム」より2年前、雛見沢のとある廃墟・・・。------------

一人の少年が部屋の中央に立っている。気を失っていたのか、今し方周囲の異様な光景に気づいた様だ・・。
少年にはおびただしい程の鎖が少年の体中に突き刺さっている。
・・・いや、薄皮一枚のところで引っ掛かっているといったほうが正しいのかもしれない。

??「い、痛い。なんなんだ?これは・・。僕は一体?」

少年が首を動かした反動で少年の首に引っ掛かっていたワイヤーが切れた。
繋がっていたワイヤーの先には、カセットテーププレイヤー。
どうやら、ワイヤーが切れると再生する様、細工が施されていたようだ。テープは再生される・・。

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:42:55.51 ID:s7n4x5M0<>「ガガガ・・やぁ、北条悟史君。
君は両親を亡くしてからというもの親戚の家に預けられ、そこで妹を守る為に長く耐え忍び続けてきた。
自由を手に入れることを求めて・・・。だが、方法を間違えたな。
君はしだいに自らの精神が限界に達するのを感じ、叔母をその手にかけてしまった・・・。」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:43:57.67 ID:s7n4x5M0<>少年の名は北条悟史。
彼はある事故(自殺とも言われている)によって若くして両親を亡くし、妹の北条沙都子と共に親戚の叔母の元へ預けられた。
慣れないせいもあってか、そこではあまり上手く馴染めず、特に沙都子と叔母の衝突は激しかった。
それ以後悟史は沙都子を庇いながら日々を送っていくことになる。
しかし、しだいに重苦しい生活を続けていく中で悟史の精神も限界へと追い詰められていき、遂に彼は叔母をその手にかけてしまった。
叔母を雛見沢の山中で殺害した悟史は帰路、奇妙なものを見る。青い図体をした頭のでかい何かが悟史の方へとゆっくり向かって来るのだ。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:44:36.73 ID:s7n4x5M0<>危険を感じた悟史は踵を返し、逃げようとした。
その刹那、悟史の背中に強い衝撃が走り、悟史は地面に崩れ落ちる。
青い図体の奇妙なそれは、右腕に金属の砲塔を装着しているようだったが、その事を確認する間もなく、悟史は意識を失った。
そして、目覚めた彼は現在に至ったのである・・。先程のテープは尚も続ける。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:46:31.34 ID:s7n4x5M0<>「人を殺めた君が欲すのは「自由」。だが、君にはわかっている筈だ。
「自由」を得る為には「忍耐」が必要だということを・・。目の前を見てみたまえ。」

テープの声に促され、悟史は前を見た。机の上に目覚まし時計の様な物が置かれている。

「それは爆弾だ。このテープの再生が終わってから丁度、5分経つと爆発する。
死にたくなければ、「自由」を手に入れることだ。
君の体を貫く呪縛を引きちぎり、「忍耐」によって痛みを超えろ!妹を守れるのは君だけだ。ゲームスタート!」

テープが終わると説明どおり、爆弾のカウンターが動き始めた。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:47:07.80 ID:s7n4x5M0<>悟史「く、くそっ!やるしかないのか・・。」

悟史は考える間もなく、自分の左腕に突き刺さった鎖を見据え、覚悟を決めて思い切り自分の肉もろとも引きちぎった。
辺りに鮮血が飛び散る。

悟史「ぐわぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

左腕を押さえ、声を押し殺す悟史。だが、彼はすぐさま右足の鎖を引き剥がす。

悟史「あぁっぁぁあぁぁっぁ!!」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:47:30.34 ID:s7n4x5M0<>声にならない叫びをあげながらもひたすら鎖を引き剥がしていく。
タイマーはいつの間にか残り2分をきっている。鎖は背中と喉元、右腕に残された3つ。
それでも、悟史は背中と右腕の鎖を1分足らずで引きちぎることに成功した。
過剰な身体の痛点を越え、最早痛覚などというものは麻痺していた。
しかし、ここで悟史の手は止まる。唯一つ残された喉元の鎖。
それは今までの様に大雑把に引きちぎれば、命に関わる出血量となるからである。
一方、残り時間は遂に1分をきり、悟史は背水の陣へと追い込まれた。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/01/07(水) 16:47:58.33 ID:s7n4x5M0<>悟史「て、的確にそれでいて早く・・・。やるんだ悟史、僕はまだ沙都子を守らなくちゃいけないんだ!」

悟史は慎重に首に突き刺さる鎖を手で持ち、それを引っ張っていく。
場所が場所なだけに、その痛みはいままでの苦しみの比ではなかった。時間は残り30秒弱・・。

悟史「っうがぁぁぁああぁっぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!」

悟史の喉元からは血が滴り落ちる。だが、浅い!鎖はまだ根強く喉にしがみついている。
あと少しの力を入れれば取れそうなのだが、脳に走る痛みの度合いがそれを許そうとはしなかった。
下手をすれば死ぬかもしれない・・・。刻々と迫るタイムリミットは遂に残り10秒。

悟史「がはっ、はぁっ!あ、あと少し・・なんだ。さ、沙都子が僕の帰りを待って・・いる。
・・ぼ、僕は生きなくちゃいけないんだぁ!」

タイマーがゼロの目盛りを指すか否か、悟史は最後の鎖を引きちぎる・・・。

――・・・。<>