◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 14:01:54.66 ID:PtNgj2Y0<>サカキ様FC会員番号一桁は俺のもの。
異論は認めない。

前スレ
ttp://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1255366063/l50

のくす牧場
ttp://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1255366063-0.html<>したっぱ「私たちはロケット団残党だ」
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 14:04:25.02 ID:PtNgj2Y0<>書きためてないから、パート速報ならゆっくりも許されると思い、
のんびりと書き連ねる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 14:12:56.80 ID:PtNgj2Y0<>
したっぱB「そのためのこれですか……」

上司の机の上に置かれたのは複数の金の玉。
ご丁寧に実物大(?)と同じサイズだ。

上司「名付けてゴールデンブリッジ大作戦!」

したっぱB「…………」

そのまんまだなと突っ込まないでおく。

上司「作戦内容は五人抜きしたポケモントレーナーを勧誘するという作戦だ」

上司「その金の玉を餌に使ってな」

したっぱB「ゴールデンボールを餌にですね……」

上司「英訳するな。 エキサイト翻訳で再翻訳をするくらい酷いことになる」

したっぱB「……はい」

正直、効果的な作戦とは思えない。
まあ、上手く行けば御の字程度に思えば良いだろうか。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 14:19:03.11 ID:PtNgj2Y0<>
したっぱB「分かりました。この金の玉を持って、橋を封鎖して待ち伏せておけばいいんですね」

上司「もう、封鎖は終わっている。君は現在行われている作戦に加わってくれるだけでいい」

したっぱB「はい」

正直、気の進まない任務だが。
久々のポケモンバトルをメインとする任務だ。

手持ちのアーボとコラッタ。
育てるには丁度良い機会だろう。

ついでに機会があれば、ここらへんの野生のポケモンも捕まえてみるのもいいかもしれない。
そこまで、考えたところで敬礼し、鍔を返して部屋を退出した。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 14:28:39.05 ID:PtNgj2Y0<>
しかし、運命とは皮肉なもの。
もし、神様が居たら恨みます。そう思う日になることを彼は想像していただろうか。

したっぱB「私に無くて、彼らにあるもの……」

ゴールデンブリッジに向かう道中でBは考え込んでいた。
二人が出世し、Bは取り残されている。

実際には、二人とBに大した差はない。
違いがあるとすれば、それは得意分野の違いと、
ただ、二人は運が良く、Bは運が悪かったくらいである。

しかし、Bはそれでよしと済ませられる性格でも無かった。
ようするにめんどくさい性格なのだ。

したっぱB「したっぱ はサンドはともかく、同時期に貰ったズバットを見る限り、」

したっぱB「ポケモンを育てることを得意としていない」

したっぱB「しかし、戦局眼。そして、判断力は目を見張るものがある」

したっぱB「そして、Aは周りを見えず、強引なところがあるが」

したっぱB「それに差し引いても、余りあるパワーがあり、流れを引き寄せることができる」

したっぱB「私に足りないところは……」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 14:37:59.03 ID:PtNgj2Y0<>
人の長所、短所は人それぞれである。
そして、この三人は組むことにより、互いの短所を埋め合い、長所を生かし合う関係にあった。

オツキミ山の上司はいけ好かないだけであって、決して無能ではない。
三人を組ませるだけの理由があるから、三人を組ませたのだ。

だから、誰かの何処が劣っていたとしても、他二人がフォローし、
常に最大級の成果を残してくることができた。

だが、それは今となっては意味の無いものだ。
三人は今、ばらばらであり、Bは一人で二人に追いつかなければならなかった。
三人に差は確かに無い。だが、それは総合的に見たらの話だ。

したっぱB「ふむ……」

Bの長所は頭脳にある。
直感的なしたっぱとは違い、彼は論理的に物事を運ぶ傾向があった。
それゆえに諦めも早いというのが、彼の短所だろう。

その短所、ゆえにオツキミ山で手柄を逃したのだから、
まあ、先ほど言った運が悪いというのは当てはまらないかもしれない。

したっぱB「ん? あれがゴールデンブリッジか?」

川の上を通る、横に広い橋。
たしかにあれだけ広ければ、ポケモンバトルには困らないだろうと、Bは納得した。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 15:20:04.07 ID:PtNgj2Y0<>
××「よぉー! お前がそうだな!?」

橋の一番奥で手を振る男が一人。
ロケット団の制服を着ているとこから、あの人がここを取り締まってる人なのだろう。

自分は帽子を外して、手を振る彼の元へと歩み寄る。

したっぱB「先輩ですね、よろしくお願いします」

先輩「かってぇ、奴だなぁ。 まあ、よろしくな!」

腕を上下にブンブンと振る握手を交わす。

先輩「聞いてると思うが、ここのルールを改めて説明しよう」

したっぱB「はい」

先輩は大げさに両手に広げると声高らかにルールの説明を始めた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 15:29:14.84 ID:PtNgj2Y0<>
先輩「ここのゴールデンボールブリッジは5人勝ち抜き戦!」

先輩「五人勝ち抜けば、豪華な賞品がもらえる! という単純なルールだ」

先輩「まあ、五人勝ち抜く奴なんてまれだけどな」

先輩「そして、この五人勝ち抜き戦は、実は四天王andチャンピオンを模しているんだ」

先輩「まあ、トレーナーの明らかにレベルは違うけどな」

先輩「それでも此処を抜けられるトレーナーはかなりの腕前ってこった」

先輩「そして、賞品の金の玉を渡し……」

したっぱB「その勝ち抜いた人を勧誘するのが私達の仕事ですね」

先輩「イエス!」

先輩は親指を立てて、ウィンクを飛ばした。
正直、このノリについて行けそうにはない。

先輩「その際には多少強引な手段も仕方ないだろうな」

したっぱB「なるほど……」

本当の意味でこれは餌なのだろう。
少しくらい腕の立つトレーナーならば、おもしろがって挑戦してくれるかもしれない。
しかし、本当に腕の立つトレーナーが挑戦してくるのかは怪しいものだが。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 15:34:05.19 ID:PtNgj2Y0<>
先輩「という訳で留守番を頼む」

したっぱB「え?」

先輩「なぁに、五人抜きなんて極稀にしか居ないさ」

先輩「俺がトイレに行ってくる時間だけだ。その間、留守番をしてくれればいい」

したっぱB「はぁ」

先輩「んじゃ、任せたぜ!」

そういって、先輩はトイレに向かって全速力で駆けていった。
あの調子ならすぐに戻ってくるだろう、そう思い、心の何処かで隙が出来ていた。

×××「よろしくお願いしまーす!」

先輩が出て行って、早々、新たな挑戦者が現れた様だ。
橋に居る五人は手慣れた様子で挑戦者を迎えてくれていた。

この分なら、自分の出番は無さそうだ。
そう思っていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 15:43:03.83 ID:PtNgj2Y0<>
したっぱB「なんだって……?」

もの凄い勢いで勝ち抜いていく赤色の少年。
間違いないあいつだ、オツキミ山で出会ったあいつだ。

あぁ、二人目を抜いた。そう思っている内に三人目を……
怒濤の勢いというのはこういう時に使うのだろうか。

明らかに橋のトレーナーは相手になってなかった。
そして、瞬く間に橋を攻略して行き。

×××「ん、これで終わり?」

俺の目の前にやってきた。
オツキミ山の赤い奴。
たった一人でオツキミ山の半数のロケット団員を倒したという……
その中の一人は私なのだが。

したっぱB「あー……えーと……」

彼に適わないことは分かっていた。
幸い、相手は俺に気付いてない。
このまま、金の玉を渡して見て見ぬふりをすれば……

したっぱB「駄目だ……」

それだけは出来ない。
これはいわば、自分に巡ってきた挽回のチャンスなんだ。
あの二人に追いつくための。

恐怖といった感情を頭を振って、かき消す。
そして、意を決して、相手の目を見据えた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 15:53:32.37 ID:PtNgj2Y0<>
したっぱB「おみごとーッ! 5人抜き おめでとう!」

出来るだけ明るく振る舞った。
恐怖を振り切るために。

したっぱB「賞品にこれをプレゼントしよう!」

そういって、彼に金の玉を握らせた。
そこで気付いたのだろう、俺がどういう存在なのか。

×××「おまえ……」

彼は金の玉を握らされる手をふりほどこうとしたが、それを俺は許さなかった。
覚悟は決めた、もう、逃げない。
手を握りしめたまま、力を込める。

したっぱB「それだけの腕があればロケット団でも偉くなれるのにもったいないぜ…ッ」

×××「くっ……」

相手の手にもふりほどこうと力が篭もる。

したっぱB「ポケモンバトルだ……私に負けたらロケット団に入って貰う……」

×××「ふんっ、俺に勝てるとでも?」

したっぱB「勝負はやってみなくちゃ分からない」

×××「やれるものなら、やってみろ」

したっぱB「無理矢理 入れてやるさ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 16:01:12.44 ID:PtNgj2Y0<>
互いの手がふりほどかれる。
金の玉は上空高くに飛んだ。

落下する、私と彼は同時に腰に手を伸ばす。

金の玉が空中で止まり、落下を始めた。
徐々に加速する金の玉。

それに伴い、場を張りつめていく空気。
ピリピリとした感触が実に不愉快だ。

同時にボールを握る。

地面に落下し、軽く跳ねる金の玉。

それと同時に閃光が二カ所で走った。

×××「行け! ピカチュウ!」

したっぱB「アーボ、『かみつけ』!」

ピカチュウ「ピッ!?」

ロケット団をやっていると自然に不意打ちも上手くなるというもの。
それは通常バトルに置いても同じであり、先を切ることが出来た。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 16:09:48.99 ID:PtNgj2Y0<>
×××「惜しいな、『でんこうせっか』だ」

ピカチュウ「ピッ!」

アーボが口を開き、噛みつく瞬間、ピカチュウは姿を消した。
いや、姿を消した訳ではない。
アーボの懐に入り込まれたのだ。

アーボ「シャー……?」

不味いっ。 アーボはピカチュウを見失ってしまっている。

したっぱB「アーボ! 下だ!」

×××「遅い! 『たたきつけ』ろ!」

ピカチュウはアーボの懐で器用に横に回転し、尻尾でアーボの顎をかちあげた。

アーボ「ガッッ!?」

鳴き声とは違う、奇妙な声を出し、アーボは仰向けになって倒れた。
口から血を流し、牙はひび割れて、所によっては折れていた。

したっぱB「くそっ!」

アーボをボールに戻し、次のポケモンを繰り出そうとする。

×××「もう、やめよう」

その行為を片手で静止する少年。
目に敵意は無いように見えた。

×××「あんたじゃ俺には適わないよ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 16:20:12.94 ID:PtNgj2Y0<>
その言葉を聞き、何かが吹っ切れた気がした。

したっぱB「ふっふっふっ……はっはっはっ!」

思わず笑みが零れた。

したっぱB「アーッハッハッハッハッ!!」

もはや、笑いが止まらなかった。

×××「ど、どうしたんだ?」

何が起きたのか分からないといった表情で少年は私を見つめていた。
そりゃ、当然だろう。 私だっておかしいと思う。
少しいかれた野郎に思われても仕方ない。

したっぱB「悪の象徴! ロケット団ッ!!」

したっぱB「誇りを胸に悪を貫くのが私たちの流儀ッ!!」

したっぱB「戦わなければいけないから戦う!」

したっぱB「勝ち負けなんて、二の次ですッ!!」

二人と私の違いはここだったのだろう。
ようするに私には覚悟が出来てなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 16:29:01.11 ID:PtNgj2Y0<>
×××「……傷つくのはポケモンなんだぞ!?」

したっぱB「だから、どうしたというんです? 私たちは悪の象徴、ロケット団の団員ですよ?」

×××「この……屑がッ!!」

屑、なんて腹の立つ言葉だ。
だが、今の自分にはすんなりと馴染んでいく。
間違いなく今の自分は屑だったのだろう、そして、これから変わっていこう。
ロケット団員の一人として、悪を貫く。

したっぱB「行け、ズバット」

飛び出すと同時に相手のピカチュウの上空に布陣する。

×××「その攻撃は前に見たッ!」

ピカチュウの電気袋から静電気が流れていた。
そうか、見たと言ったな。ならば、この駆け引きは私の勝ちだ。

したっぱB「ズバット、『どくどく』は放ちましたね?」

×××「な……ッ!?」

『でんじは』に集中していた、ピカチュウの背中に紫色の液体。
猛毒を起こす、最狂の毒攻撃。 『どくどく』だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 16:45:14.04 ID:PtNgj2Y0<>
×××「いつの間にッ!」

飛び出すと同時に『どくどく』を時間差で降りかかるように上空に放った。
あとはズバットのスピードを使い、ズバット自身を囮にするだけだった。

ズバットのスピードは速い。集中しなければ、とても捉えることは出来ないだろう。
そして、『ちょうおんぱ』を警戒していたのならば、尚更、意識はズバットに向くだろう。

あの二人のズバットと同じズバットの軌道を描いたのは正解だった。
二人なら、この男の印象に残るバトルをしてくれたと。信じて良かった。

したっぱB「流石は私のチームメイト達です」

ピカチュウの顔色はどんどん悪くなって行った。
そこにズバットにピカチュウの『でんじは』により、麻痺をしているところ、
力を振り絞って貰い『ちょうおんぱ』で混乱させ、交代させる。

×××「見直したよ……ロケット団」

したっぱB「あまり大人を舐めるなってことですよ」

とりあえず、一矢を報いることは出来た。
しかし、ここまでだ。

麻痺持ちのズバットでは、奴のもう一匹の手持ち。
フシギダネには、どう抗っても勝てないだろう。

したっぱB「ありがとう」

ズバットに素直な感謝の気持ちを告げる。

×××「手加減しないよ」

そこから、一方的な展開だった。
見るに堪えかねるような。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 16:47:12.21 ID:PtNgj2Y0<>ゴールデンボールブリッジ編も終わったので、一度、中断します。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/13(火) 19:15:59.86 ID:VQ8pZ.DO<>いまさっき偶然発見したけど好きだこーいうの
頑張って完結させてもらえたら嬉しいな<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 20:12:40.96 ID:BGH2S6AO<>パー速だとやっぱ、見てる人減るんだなぁ
とりあえず、続きを携帯からいきます<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 20:16:26.06 ID:BGH2S6AO<>
先輩「おい、どうしたんだ!」

先輩はこの参上を見て、驚きを隠せなかった。
金の玉はバトル中に無惨にも破壊され、
草むらには所々、血が飛び散っており、あるところには肉が付着していた。

したっぱB「赤い奴です、先輩」

私は先輩を見、笑った。
それを見た先輩は一歩後退する。

おかしかっただろうか?
出来る限り、柔らかい表現をしたつもりなのだが。

だが、先輩は一歩後退するだけで足を留め、駆け寄ってきた。
自分に向かってではない、胸に抱いた、ズバットに向かってだ。

あまりに酷い姿だった。思わず、先輩は口を手で塞いだ。
そして、私の肩を揺すった。

先輩「ポケモンセンターに行くぞ」

したっぱB「それが何を意味しているのか分かっているのですか?」

ロケット団は犯罪組織だ。
それが公共施設の利用などしようものなら、自首しに行くようなものである。

先輩「俺に任せろ」

先輩は胸を張って答えた。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/13(火) 20:35:58.57 ID:wxBJykDO<>見てるよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/13(火) 20:45:27.00 ID:6LxBawAO<>一瞬金〇玉が飛び散ったのかと思ったなんて…言えない<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/13(火) 21:14:03.42 ID:yzuKRMDO<>>>22
wwwwww

パー速だとみんな極端に書き込まなくなるだけだから
見てる人はまあそれなりにいると思うよ
完結させてねノシ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/13(火) 21:17:36.17 ID:FMMD9.Q0<>パー速は保守や支援が不要だから書き込みが減るのは当然<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 22:58:04.27 ID:0oKHFb20<>すみません、ねてました。

とりあえず、一つ言いたいことは
すっげぇ、おもてぇ!<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 23:16:37.96 ID:0oKHFb20<>
先輩「ようするにこういう服を着ているからロケット団だとバレるんだ」

先輩は右手で左肩を掴み、マントを翻すような仕草で服を脱ぎ捨てる。
中から表れたのは至極普通の私服を着た好青年だった。

先輩「この姿なら、バレやしない! さあ、ズバットを貸してくれ!」

したっぱB「…………」

どう反応していいのか分からない自分から、半ば強引にズバットを奪い取ると、
ポケモンセンターに駆けていった。

したっぱB「…………」

中に入る時、先輩は大きく手を振っていたが、そこは知らないフリをする。
先輩が中に入って暫くすると、けたたましい警報がポケモンセンターの中から鳴り響き、
直後、先輩が赤色のズバットを抱えて、走り寄ってきた。

先輩「作戦失敗だ! 最初から不審な目で見つめて来てたんだが」

先輩「IDカードを見せたと同時にロケット団の後に続けて名前を叫ばれて……」

したっぱB「貴方、この辺りで顔売れてたんでしょ!」

先輩「人気者は困る」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 23:28:15.42 ID:0oKHFb20<>
したっぱB「しかし、それだとズバットの命が……」

先輩「まだ、手はある。 この状況、まだ、瀕死の状態」

先輩「ズバットの生命力がまだ残っているならば、あるアイテムで復活することができる」

したっぱB「あるアイテム?」

先輩「『げんきのかけら』さ」

したっぱB「こんな様子じゃフレンドリーマートにも入れないじゃないですか」

先輩「俺たちは何の組織だ?」

したっぱB「こんな時になんですか、悪の組織だから追われてるんじゃないですか」

先輩「そうだ、きれい事など言ってられる状況じゃない、どうせ被りきっている汚名だ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/13(火) 23:38:44.36 ID:0oKHFb20<>
先輩「後は頼んだぜ」

先輩は親指を立て、民家に窓から突入した。

先輩「ロケット団、参上! 金目の物を寄こせッ!」

民間人「ロ、ロケット団!?」






その後、色々とあり、『げんきのかけら』により、ズバットは一命を取り留めましたが、
先輩は刑務所に連行されました。
またしても、赤い少年の手によって。

なお、刑務所内で先輩は「こうするくらいしか、あなをほるの技マシンイベントを消化する方法が思いつかなかった」と
供述しており、カツ丼を美味しいそうに食べていたとのことです、<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/13(火) 23:39:20.62 ID:xuklCYDO<>前スレ読んだけど、これかなり面白いな

支援<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 00:04:51.56 ID:MhZ1f2s0<>
少し時間を遡らせて頂こう。

これはBがハナダシティに配属が決まる前の話。
つまり、したっぱのサイドの話に戻る。

上司「あなた達が今回、新たに配属された二人ですか」

したっぱ「はい!」

したっぱA「はっ!」

タマムシシティのロケットゲームコーナーの地下施設。
ここではタウリン、インドメタシンと言った、強化アイテム、
また、安い値段で高い効果を提供する苦い薬などの開発が行われていた。

グレン島には別にポケモンの遺伝子に関わる研究が行われていると聞いているが、
詳しいことは知らない。
まあ、下っ端風情が知ることの現状というのは組織の中心部には決して関われず、
いつでも、末端のことくらいのものだ。

上司「あなた達の任務はとりあえずは警備ということになっています」

したっぱ「とりあえず?……ですか」

上司「えぇ、そうです」

今回の上司はかなりエリートと言った感じの女性だった。
眼鏡をかけており、髪の毛は長い。

上司「貴方達には少しばかり、実験に付き合って頂きます」

したっぱA「実験ですか?」<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 00:39:33.82 ID:FX0W/cAO<>
悪の組織の実験と聞いて、良いイメージが湧くものではない。
身体を改造、機械化し、スペックの向上。
または、薬による精神的抑制の解除、新世界への旅立ちが連想される。

上司「何、実験と言っても改造等といったことはしないさ」

こちらの考えを読んだのか、上司は笑って言った。

上司「今、ロケット団に足りないのは主力となりえる人材の圧倒的不足ということは知っているな?」

話には聞いたことがある。
元より、その情報源はしたっぱBなのだが。

上司「まあ、主力が少ないのだ」

上司「その結果がオツキミ山のあの惨事」

上司「数により、たこ殴るのが私たちの基本戦術だが」

上司「少しでも強い相手が出てきただけであの様だ」

赤い少年のことを言っているのであろう。
いくら数による消耗を狙っても、一撃で倒される程の実力差では
削れるものも削れないのだ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 00:40:44.65 ID:FX0W/cAO<>
悪の組織の実験と聞いて、良いイメージが湧くものではない。
身体を改造、機械化し、スペックの向上。
または、薬による精神的抑制の解除、新世界への旅立ちが連想される。

上司「何、実験と言っても改造等といったことはしないさ」

こちらの考えを読んだのか、上司は笑って言った。

上司「今、ロケット団に足りないのは主力となりえる人材の圧倒的不足ということは知っているな?」

話には聞いたことがある。
元より、その情報源はしたっぱBなのだが。

上司「まあ、主力が少ないのだ」

上司「その結果がオツキミ山のあの惨事」

上司「数により、たこ殴るのが私たちの基本戦術だが」

上司「少しでも強い相手が出てきただけであの様だ」

赤い少年のことを言っているのであろう。
いくら数による消耗を狙っても、一撃で倒される程の実力差では
削れるものも削れないのだ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 00:42:07.05 ID:FX0W/cAO<>
悪の組織の実験と聞いて、良いイメージが湧くものではない。
身体を改造、機械化し、スペックの向上。
または、薬による精神的抑制の解除、新世界への旅立ちが連想される。

上司「何、実験と言っても改造等といったことはしないさ」

こちらの考えを読んだのか、上司は笑って言った。

上司「今、ロケット団に足りないのは主力となりえる人材の圧倒的不足ということは知っているな?」

話には聞いたことがある。
元より、その情報源はしたっぱBなのだが。

上司「まあ、主力が少ないのだ」

上司「その結果がオツキミ山のあの惨事」

上司「数により、たこ殴るのが私たちの基本戦術だが」

上司「少しでも強い相手が出てきただけであの様だ」

赤い少年のことを言っているのであろう。
いくら数による消耗を狙っても、一撃で倒される程の実力差では
削れるものも削れないのだ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 00:52:14.67 ID:FX0W/cAO<>
上司「私たちはあまりにも弱すぎる」

上司「そこで多少無理をしてでも積極的に育ていこうということになった訳です」

そこまで言い切ると、彼女のテーブルの上に置かれたコーヒーを啜った。

したっぱA「にて、内容は?」

上司「とりあえず、コラッタとドガースとズバットとアーボ。既にこの四匹と進化系のプログラムは作成されています」

上司「ですので、貴方達にはこの四匹を完璧にマスターして頂き」

上司「成果が出れば、貴方達にはグループの指揮官。そして、教官になって頂きます」

したっぱ「ゆっくりしているというか、急造的と言うべきか」

そのまま、感じたことを口走る。
上司は笑って、仕方ないんです。と、答えた。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 00:53:44.23 ID:FX0W/cAO<>
上司「私たちはあまりにも弱すぎる」

上司「そこで多少無理をしてでも積極的に育ていこうということになった訳です」

そこまで言い切ると、彼女のテーブルの上に置かれたコーヒーを啜った。

したっぱA「にて、内容は?」

上司「とりあえず、コラッタとドガースとズバットとアーボ。既にこの四匹と進化系のプログラムは作成されています」

上司「ですので、貴方達にはこの四匹を完璧にマスターして頂き」

上司「成果が出れば、貴方達にはグループの指揮官。そして、教官になって頂きます」

したっぱ「ゆっくりしているというか、急造的と言うべきか」

そのまま、感じたことを口走る。
上司は笑って、仕方ないんです。と、答えた。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 01:02:08.04 ID:FX0W/cAO<>
したっぱA「どうして、俺達なんだ?」

上司「貴方達の仲を聞いているのと、唯一、オツキミ山で最後まで戦っていましたので」

上司「他のところでも実験は行われていますが、こういうのは」

上司「やはり、根性と向上心が高い人を選んだ方が効率がいいですしね」

したっぱA「俺達の仲というと?」

上司「これは基本、二人一組で行われ……」

したっぱA「悪いが降りさせてもらう」

Aは鍔を返すと、そのまま、部屋の出入口である扉に足を運んだ。
そして、扉を開けると最後に。

したっぱA「そんな意気地無しと組む気にならねぇ」

と、言い残し、部屋をでていった。

上司「なにかあったのですか?」

という質問に対し、俺は作った笑顔で少し、と答えた。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 01:17:51.96 ID:FX0W/cAO<>
その後、俺はその話を承諾した。
上司は二人が好ましいのですが。と、口をこぼしていたが。

ポケモンについては組織が新たに支給してくれるらしい。
つまり、手持ちは一気に五匹に増えることになる。

そして、その内の四匹を使いこなさなくてはならなかった。
いや、使いこなしてみせよう。

プログラムの開始は明日から。
ポケモンが揃うと同時に開始される。

土下座するしか、無かったあの状況。
今となってはとてつもなく悔しい。

だからこそ、強くなりたかった。
真正面から戦えるだけの力がほしかった。

少年の実力に嫉妬する一方で、彼の実力に惚れていた。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 01:19:13.75 ID:FX0W/cAO<>すみません、もう、いつ寝てもおかしくないくらい眠いので寝ます。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 01:21:10.04 ID:FX0W/cAO<>すみません、もう、いつ寝てもおかしくないくらい眠いので寝ます。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 01:59:20.53 ID:oNVOg.Io<>済まぬが昨日途中までしか見れなかったんで、あらすじを頼む<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/14(水) 08:10:02.02 ID:FX0W/cAO<>>>40
産業にすると

赤い奴→連邦の白い奴
したっぱ、A、B→黒い三連星
ロケット団→戦いは数だよ兄さん!<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 08:32:42.21 ID:FX0W/cAO<>
プログラムの内容は至って普通なものだった。
いうならば、短期強化合宿といったところだろうか。

それぞれのポケモンの技、特性、能力の把握、
ありとあらゆるシミュレーションにより、判断力を養う。

正直、自分に合っている気がしなかった。
こういうのはBが得意だと思った。
Bの詰め将棋のような戦い方にこそ必要なものだと。

だが、ポケモントレーナーとして、必要な知識であるのも
理解出来たため、必死に内容を頭に叩き込んだ。

なにより、プログラム内容に実戦が入っているのが嬉しかった。
やはり、机上の勉強よりも、実戦の方が自分の性にあっている。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 08:47:11.00 ID:FX0W/cAO<>
数日の日々が過ぎる。

したっぱ「今日の相手は?」

今日は対トレーナー戦の実戦練習だ。
コンクリートに囲まれた部屋に窓が取り付けられている。
窓の外では研究員が数名、機械やらパソコンやらを忙しなく動かしており、
こちらに注意を向けていた。

人数は少ないが、決して気持ちの良いものでは無かった。

機械音『元ハナダシティ所属の下っ端です』

したっぱ「ハナダシティ…」

あの後にしたっぱBがハナダシティに配属になったことは風の便りで知っていた。
だから、ほんの少し期待をしてしまった。

したっぱ「…………」

××××「あんたが相手か」

鉄の扉から入ってくるのは見知らぬ顔。
まあ、世の中、そう都合の良いものばかりではない。

俺は一度、深呼吸をして。
手持ちを確認する。

ズバット、コラッタ、アーボ、ドガース。
どれもレベルは低い。

進化に必要なのはレベルだけではなく、きっかけも必要だが、
この相棒達はレベルがそもそも足りてなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 09:00:26.51 ID:FX0W/cAO<>
機械音『始まりの合図は自由にどうぞ』

部屋の天井、四隅のスピーカーから、
始まりとも言える合図を告げられた。

だからといって、すぐにボールを投げる訳ではない。
相手も同様だ。

ボールを投げるタイミングは自由。
そして、殺さない程度にトレーナーへの攻撃は許されていた。

××××「…………」

相手は腰を沈め、ボールに手を伸ばし、
相手である俺の様子を伺っている。
俺はというと直立で、ボールに手を添えてるだけだ。

何度か体験したが、この状態では下手に構えを取らない方が良い。
常にリラックスした体制が良いというのが持論だった。

真正面から対峙する状況に置いて、隙を伺うことに意味はあまりない、
戦う前から疲れてしまう。

自分にとって、この状況はただのきっかけ待ちだった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 10:03:54.13 ID:FX0W/cAO<>
しかし、待つのにも飽きて来る。

したっぱ(きっかけを作ってやるかな)

徐にポケットに手を入れ、目当ての物を人差し指と中指で挟み相手に見えないように取り出す。
取り出したのは一枚のコイン。

ロケットゲームコーナーで使われるあれだ。
それを相手の死角から、床に落とす。

チャリンという音が部屋に響く。

それに大袈裟に反応したフリをし、
首ごとそちらに向ける。

したっぱ(これできっかけになっただろう……)

首は動かしたが、目は離さない。
横目で相手がボールを手放すのが見えたため、
自分も右手に添えたボールを手首だけで投げる。

距離は必要無い、求められるのはスピード。
それだけなら、手首だけで問題無い。

××××「ラッタ! 『たいあたり』だ!」

トレーナーに向けて、躊躇無く攻撃を指示する相手トレーナー。
しかし、ラッタと羨ましい。そう思った。

したっぱ「ドガース」

言うのはそれだけで十分だった。
モンスターボールが開くと同時に現れたのは、紫色の粘り気のある液体。

ドガースの『ヘドロばくだん』。
技マシンで覚えさせた技だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 10:15:05.69 ID:FX0W/cAO<>
粘り気のある毒素のある液体。
相手の勢いを削ぐには十分過ぎる技だった。

ラッタ「チャウチャウ…」

真正面から、それを受けたラッタは攻撃をやめ、
目に付いたヘドロを必死に払っていた。

運が良い、そう思った。

××××「ラッタ、どうした!?」

交代はしないのか?
ならば、戦闘不能になって頂こう。

したっぱ「戻れ、ドガース」

したっぱ「そして、行け。ズバット」

ボールからズバットを出し、直後、指示を出す。
技は『つばさでうつ』だ。

ラッタ「チャァッ!」

××××「ラッタ!」

視覚を奪われ身動き出来ないポケモンに対してなんて、
無条件に急所攻撃だ。

レベル差であってもダメージは大きい。
『ヘドロばくだん』のダメージも合わせれば……

ラッタ「ちゅぅ〜……」

倒せたとしても不思議ではない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 10:24:27.95 ID:FX0W/cAO<>
機械音『戦闘続行不能。よって勝者、したっぱ』

したっぱ「続行不能?」

数迫置いて、そうか、と気づく。
相手はあのラッタしか育てきれて無かったのだ。

むしろ、ラッタだけを育てて来たのだ。
だから、ロケット団では珍しい進化系のポケモンを持って居たのだろう。

××××「くそぉ……」

したっぱ「…………」

なんか、つまらないな。
そう思った。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 10:35:05.86 ID:FX0W/cAO<>
×××「どうだ?」

ガラスの向こうの部屋の中。
対戦場からは見えない位置に男は居た。

研究員「はっ、サカキ様。それなりの効果は上げては居ます」

サカキ「それなりか」

サカキは難しい顔をした。
ロケット団の戦力の補強は急務だが、
数を増やせば良いものではない。

ロケット団くらいの組織の主力レベルとなると、
そこらへんに頃がって居るようなものではない。
かといって、組織で育てるには時間がやはりかかりすぎるようだ。

それなりの成果では意味が無かった。
来たるべき決戦の時は近いのをサカキは感じて居た。

また、ロケット団は悠長に構えられる程の規模では無かった。
周りから常に狙われる立場だ、表からも裏からも。

現在、サカキ自身が各地に周り、足を運ぶから持っているようなものである。

サカキ「全体のレベルの向上は?」

研究員「計画を初めてから一ヶ月」

研究員「元から手持ちでレベルが高いものも居たため」

研究員「ちらほら、進化系が見え初めては来ましたね」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 10:46:54.45 ID:FX0W/cAO<>
サカキ「元より強いポケモンのことを言っているのではない」

サカキ「どれだけ成長したかを聞いているんだ」

研究員「は、はい。数値化した全体のポケモンのレベルの向上は2、3」

研究員「目覚ましく成長しても、5くらいですね」

研究員「死線を超えるような経験をしたならまだしも、」

研究員「いくら実力が拮抗しているとはいえ、練習である以上仕方ありません」

サカキ「ふむ……」

身体的、肉体的な成長は本来、飛躍的に成長するものではなく、
じっくりと時間をかけてするものだ。
だから、これは予想はついた。

仕方無いものとして、現状に満足するしかない。
むしろ、期待しているのは……

研究員「まあ、レベルがほとんど成長しない者も一名居ますが」

思考を中断され、どうでもいい話題をふられる。

サカキ「そんな奴は切り捨てろ」

研究員「やる気が無い訳ではないんですよ」

研究員「むしろ、対戦では一番優秀な成績を持っています」

サカキ「……詳しく聞かせろ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 10:59:27.11 ID:FX0W/cAO<>
研究員「簡単に言うとトレーナーの実力がずば抜けているんです」

研究員「トレーナーの実力がありすぎて、多少のレベル差は簡単にひっくり返す」

研究員「ポケモン同士の実力が近いなら、苦にもせずに勝つくらいです」

研究員「そのせいで、ポケモン達に楽に勝たせてしまうため」

研究員「ポケモンは成長しないんです」

サカキ「……本人は知っているのか?」

研究員「告げてません。才能に恵まれている者には珍しく自身を無能だと思っていますので」

研究員「彼の今までの環境がそうさせたのでしょうか?」

研究員「確か、彼でしたっけ。赤い少年ことレッドと最後まで戦った男は」

研究員「まあ、勉強熱心なのは良いことです」

そう言って研究員は笑ってみせた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 11:09:18.13 ID:FX0W/cAO<>
サカキ「だが、いくらトレーナーとしての実力が高くてもポケモンが成長しないのではな」

研究員「強い奴と戦わせたら良いのではないでしょうか?」

サカキ「強い奴?」

研究員「暇な人、誰か居ませんでしょうか?」

研究員「正直、彼は埋もれさせるには勿体ない存在です」

サカキ「考えておく」

そう言い残し、サカキは部屋を出る。
トレーナーの育成、それが実を結びつつある予感に口の端を歪ませながら。

トレーナーが強くなれば、自然とポケモンも強くなる。
トレーナーとポケモンは比例する、それをサカキは理解していた。

だからこそ、トレーナー育成特化したプログラムなのだ。
今回はそれが極端に出た結果だろう、サカキはそれを少しだけ、修正をしてやるつもりだった。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/14(水) 11:20:00.50 ID:mUkZdASO<>みてるよみてるよ、ジャグラーのマイクの如く凝視してるよ!
頑張れ<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 11:21:01.36 ID:FX0W/cAO<>
これから、暫く、したっぱはロケット団のプログラムに沿って、
修行を続けることとなる。

その間に起きた出来事を他の人物を通して、
みんなも一緒に体験して貰おうと思う。

ただ、少しだけ、時間がまたもや遡ってしまうのをご了承頂きたい。

したっぱA「くそっ! 赤い奴と勇敢に戦っただぁ!?」

したっぱA「あんな野郎、すぐに土下座しやがった意気地無しじゃねぇか!」

したっぱA「シット! シット! シィィーット!!」

時系列的には上司に実験に参加しろと言われて、
断り、部屋を出ていった直後。

Aは荒れに荒れていた。
元々、感情を隠せる程、器用な性格をしていなかった。
それが今、いつも以上に明確に表面化していた。

したっぱA「俺一人でリベンジしてやる」

したっぱA「あんな奴の力なんざ必要ねぇーッ!」

これから始まるのはしたっぱAの頑張り物語である。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 11:34:31.61 ID:FX0W/cAO<>
正直、内面に入るよりも、端から見ていた方が楽しいので、
暫くの間、このままの状態で観察を続けよう。

したっぱA「あー、おもしれーことねーかなー?」

Aは今、ロケットゲームコーナーから出、
タマムシシティの中心部、ビルのようなデパートが立ち並び、
屋上にはピカチュウやピッピのバルーン。
そして、年中垂れ下げられている、大安売りの垂れ幕。

ここはそう、ショッピングモールという場所。

したっぱA「えーと……」

オシャレに疎く、買い物慣れしてないAにとっては、正に地獄に近い場所。
何を隠そう、この私も興味本意で行った際に、
人が怖い、オシャレ怖い、手招きしてくるバーの紫のママさんらしき人が怖い……とトラウマを埋め込まれた因縁の場所だ。

したっぱA「ポケモン関連の場所は無いのか?」

人は孤独を感じると、仲間を探そうとする。
そう、別にゲームコーナーを探すのはオタだからではない、
仕方のない結果なんだよ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 11:59:17.82 ID:FX0W/cAO<>
したっぱA「……大分、町から離れたな」

人波から避ける様に行動していれば、必然的とも言える。
ここは町の離れ、木々が茂っており、涼やかな風が流れていた。
また、そこらに埋められている草や花に人の手が加わっていることに
したっぱAは気付くことは無かった。

したっぱA「場所は広いが……トレーナーは居ないか」

Aはポケモンをボールから出す。
出たのはコラッタとズバットだ。
二匹とも、この時点では三人の中で最高レベルのポケモンだった。

したっぱA「とりあえず、出してみたものの……」

一応、ポケモンを鍛えるようとしたが、
何をすれば良いのかわからなかった。

Aは直感的というよりも、直情的だ。
それゆえ行動に出るのは早いが、中身が伴っていない場合が多い。

いつもなら、二人がフォローしてくれるが今はその二人は居なかった。

したっぱA「とりあえず、腹が減ったな……コラッタ、あの木から木の実を三つ取って来てくれ」

コラッタは頷くと木の上に身軽な動きで駆け登った。

×××「いけません!」

木の実を落とそうとした所で、それを止める声がした。
声の質からして女性だろう。

したっぱA「誰だ、お前は?」

エリカ「私の名前はエリカ。この庭の所有者です」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 12:12:52.57 ID:FX0W/cAO<>
したっぱA「庭?」

そこで初めて、Aは周りを注意してみた。
整えられた草木に花、良く見るとここらは道になっている。
しかし、庭というにはあまりにサイズが広すぎた。

したっぱA「公園じゃないのか?」

エリカ「れっきとした私有地です」

したっぱA「広すぎだろ……」

Aがそう思うのも無理はない。
ここからでは端が見えないのだ。

エリカ「大体、どうやって入ったのですか?」

エリカ「そもそも、ここは男性禁止の場所ですよ?」

したっぱA「気付いたらとしか言えないな」

Aの言っていることに嘘偽りは無い。

エリカ「そんなことがあるはずがないじゃないですか!」

そして、エリカがそう思うのも仕方の無いことだった。
ここに入るまでに番犬用のポケモンが多数配置されている。

普通に歩いて来るだけではバレないはずがないのだ。
もっとも、したっぱAが普通に歩いて来たとは限らないが。

本人に言わせれば真っ直ぐだ。
草木があろうと真っ直ぐ。
本人は木々茂って来たなとしか、感じて居なかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 12:24:50.26 ID:FX0W/cAO<>
したっぱA「……そんなことを言われてもなぁ」

したっぱA「とりあえず、済まなかった」

したっぱAがここでロケット団の制服ならば、直ぐに襲われていただろう。
人込みに身を投じるため、流石の彼も私服には着替えていた。

エリカ「……名前は?」

したっぱA「え?」

エリカ「私は名乗りました、あなたも名乗ってください!」

したっぱA「んー……」

周りからはAと呼ばれて居るが、そのまま出す訳にもいかないだろう。
かといって、本名はもう捨てて無い。

彼は嘘をつくのは苦手だった。
偽名という発想に行き着いた時には、遅かった。

エリカ「名乗りもしない、目的も分からない、そして、男性……」

エリカ「本当に悪気が無いのなら、話せば許してさしあげられたのに……」

エリカ「仕方ありません! 規定に乗っ取り、一度捕らえさせて頂きます!」

エリカは着物の裾からボールを取り出し、ポケモンを放つ。
閃光の中から現れたのは、無数の蔓を纏った生物。モンジャラだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 12:44:47.11 ID:FX0W/cAO<>
したっぱA「おぅ、分かりやすいじゃねぇか」

木の上で事の様子を眺めていたコラッタを手で指示し、
モンジャラの前で構えさせる。

エリカ「そのポケモンで私に敵うと思いなのですか?」

したっぱA「不足か?」

エリカ「……構いません」

エリカは腕を上げる、同時にモンジャラの無数の蔓が立ち上る。

したっぱA「やっべぇか?」

エリカ「『つるのムチ』っ!」

上げた腕をコラッタに向かって、突き出すと、
モンジャラのそれも呼応するかのように、
コラッタに向けて、伸びて行く。

したっぱA「くっ…コラッタ!」

エリカ「無駄です!」

Aが指示を出すと同時に、何重ものツルが芝生の敷き詰められた地面に叩きつけられる。
土を掘り返し、草が宙を舞う。
コラッタの居た場所は見事に茶色に染まっていた。

エリカ「くっ……!」

コラッタの姿の無いことに気付いたらエリカは周りを見渡す。

エリカ「居たっ!」

発見するのは早かった。
コラッタの居る位置はモンジャラの斜め後ろ。

したっぱA「『ひっさつまえば』! かましたれっ!」

エリカ「後ろよ!」

叫んだとにはもう遅い。
コラッタはモンジャラの死角から襲い……ツルを噛みちぎった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 12:45:47.19 ID:FX0W/cAO<>中断します
眠い<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/14(水) 12:47:39.38 ID:mUkZdASO<>おう、おやすみ
エリカ様出てきて嬉しい<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/14(水) 14:27:40.66 ID:mUkZdASO<>自分以外見てる奴いないのかなぁ、心配だ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 15:15:37.21 ID:4iNCuUAO<>みてるよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 15:17:04.48 ID:6lqQtcDO<>みてる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/14(水) 15:50:24.03 ID:Zq4WTAAO<>やっぱり俺のエリカ様はぷりちーきゅ〜とかわいい<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 16:38:30.06 ID:8CEtMgAO<>みてる
したっぱ3人ともいいキャラしてるな<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 17:44:55.56 ID:FX0W/cAO<>あと少ししたら再開します。
ながら投下で。


オツキミ山で目安にしてたレベル。

したっぱ
・サンド:Lv.20
・ズバット:Lv.8

したっぱA
・ズバット:Lv.18
・コラッタ:Lv.16

したっぱB
・ズバット:Lv.12
・アーボ:Lv.10

レッド
・フシギダネ:Lv.30
・ピカチュウ:Lv.28

俺がポケモンをすると、レッドはこのレベルに5引いたくらいです<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/14(水) 18:22:01.69 ID:FX0W/cAO<>
したっぱA「しゃあッ!」

渾身の攻撃が決まりAは声を上げてガッツポーズを取る。

エリカ「ふふ…」

一方エリカは裾で口元を隠し、不敵に笑う。

したっぱA「何を笑っているんだ?」

エリカ「あなた、勉強嫌いでしょ?」

したっぱA「むっ……それがどうしたってんだ?」

エリカ「ふふ…」

エリカは更に楽しそうに笑った。
Aにはそれが意味することが分からなかった。
ただ、彼にも感じることはできた。

したっぱA「何がどうしたってんだ?」

エリカ「モンジャラにとってツルは髪の毛のようなもの」

コラッタ「チュッ! チュッ!」

コラッタの前足がモンジャラのツルの中に取り込まれていた。

エリカ「これくらい、数日もすれば再生できるんです」

したっぱA「コラッタ!」

もはや、Aは話を聞いて無い。
それを知ってか知らずか、それでもエリカは話を続けた。

エリカ「つまり、一本や二本ちぎられた所で痛くも無い。ってことですわ」

エリカの満面の笑顔。
Aにとっては、逆上させるものでしかない。

したっぱA「チクショォー! コラッタァッ!」

エリカ「叫んでる暇があれば、ボールに戻したらどうですか?」

コラッタはもう後ろ足と尻尾以外、すべて、モンジャラに取り込まれていた。
エリカに言われ、Aはボールに手を伸ばすがもう遅い。

エリカ「『からみつく』っ!」

コラッタの悲鳴が庭中に響いた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 18:47:46.04 ID:FX0W/cAO<>
エリカ「『でんこうせっか』を移動に使い『つるのムチ』をかわしたまでは見事っ!」

エリカ「しかし、最後は勉強不足ですね。ちゃんと知っていれば、一矢報いることができましたのにねぇ」

再び、口元を裾で隠す笑い方。

したっぱA「クソッ」

Aはコラッタを救出すべく、ボールに手を伸ばす。

エリカ「待ちなさい!」

それをエリカは指を差して制止する。

エリカ「モンジャラの中にいる貴方のコラッタは気絶させているだけです」

エリカ「ここでモンジャラが少し力を入れれば……ふふっ、おもしろいことになると思いませんか?」

したっぱA「……チッ」

両手をゆっくりと挙げる。
その様子を確認したエリカは満足そうに頷いた。

したっぱA「俺をどうするつもりだ?」

エリカ「決まりでは警察に渡すことになっていますね」

したっぱA「……ッ!」

エリカ「ですが、事情を聞かせてくれま……」

×××「エリカさーん!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 19:03:20.64 ID:FX0W/cAO<>
庭の奥から声が聞こえた。
先程のコラッタの悲鳴を聞き付け駆け付けたのだろう。

エリカ「なんてタイミングの悪い……」

一度、叩きのめせば、素直に話してくれると思った。
元々、捕らえる気も警察に突き出す気もエリカには無かった。

したっぱA「ふんっ」

エリカの意識が別の所に向いた隙に、一歩後ろに下がる。

エリカ「動かないでください!」

だが、このまま逃走は許してもらえなかった。

エリカ「良いですか!? 動いたら、コラッタを……えーと、『まきつけ』ますよ!」

したっぱA「回収できそうにないな……」

Aはおもむろに両手を下げる。

エリカ「何をしているんですか! 動いたら貴方のコラッタが!」

したっぱA「いいや、あんたにはそれはできないな」

したっぱA「だが、もし、したら一生恨んでやるからな!」

したっぱA「肝にめいじやがれ!」

指を操作し、服の裾から白い玉を飛び出させる。
Bに取り付けて貰った仕掛けだ。
もちろん俺は渋ったが、あいつは引かなかったので、
とりあえず、付けておいた仕掛けだ。

Bに感謝せざる得ない。

したっぱA「ぜってー、倒してコラッタを取り戻してやっからなぁ!」

エリカ「きゃっ!」

白い玉を地面に叩き付ける。
破裂音と共に、白い煙が辺りを包み込んだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 19:20:05.98 ID:FX0W/cAO<>
×××「な、なんですかこれは〜!?」

一足遅く駆け付けた少女が白い煙に包まれた空間に驚嘆の声をあげた。

エリカ「何、驚嘆してるんですか…ケホッコホッ」

真っ白に染まったエリカが煙の中から姿を現した。

×××「おぉ、そうでした、そうでした。大丈夫そうで何よりです!」

敬礼のポーズを取る少女にエリカは呆れる術しか持つことが出来なかった。

エリカ「粉の煙り玉ですか……もう少し、高級な物を使って頂きたいですね」

身体中に付着した、白い粉をパンパンと払った。
それを見た少女も手伝おうと頭を叩く。

エリカ「痛い、痛いですって」

×××「エリカさんの美しい黒髪が白く染まって白髪のように……そんなの私には耐えられません!」

エリカ「いたたっ、分かりましたから! 自分でやりますから!」

少女を振り払い、自分で頭の上の粉を叩き落とす。
振り払われた少女は少し、しょぼくれていた。

エリカ「貴方は手の届かない背中とかをやってくださいませんか?」

×××「はい、喜んで!」

元気を無くしたかと思ったら、すぐに復活する。
忙しい方だと、エリカは思った。

エリカ「っ!? そこはお尻です! 背中をしてください!」

×××「ここですか?」

エリカ「一緒です! 馬鹿ですか!? 間違えないでください!」

×××「馬鹿とは失敬な、間違えてるんですよ!」

エリカ「馬鹿ですね!?」

続々と集まるジムトレーナー達。
いつものことだと、集まっては散っていった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 19:31:53.13 ID:FX0W/cAO<>
×××「それで何があったんですか?」

頭にたんこぶを作って、エリカの背中の粉を落とす少女が聞いた。

エリカ「んー」

何があったと聞かれれば、侵入者を追い払ったということになるだろう。
しかし、少女がそういうことを聞きたいので無いということをエリカは気付いていた。

エリカ「演技を見破られてしまいました」

×××「演技……ですか?」

エリカ「こう、口元を隠して見下すように相手のコラッタを人質に取ってですね」

エリカは先程の行動、再生するようにポーズを取っていった。

×××「わあ、凄い! 格好良いエリカ様、見たかったです!」

エリカ「そ、そうでしょうか?」

少し照れ臭そうに顔を俯かせた。

×××「しかし、敵も羨ましいですね。そんなエリカさんを見られるだなんて……くぅ〜幸せ者めっ!」

×××「恨んでやりますっ!」

エリカ「それは違うと思います」

二人のやり取りは実に微笑ましいものだった。
私も二人の間に入りたい。
あと、>>64。特大パネルで焼き増しを頼む。

>>64「任せろ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 19:37:28.48 ID:FX0W/cAO<>
×××「だから、コラッタがあそこで伸びているんですね?」

そう言い、少女は指を差す。
指の先には芝生の上に気持ち良さそうにコラッタが伸びていた。

エリカ「あらあら」

日差しは強い。
夏も本番で虫ポケモンが活性化する時期だ。

セキエイ高原で行われる、ポケモンリーグまで、あと半年くらいだった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 19:38:43.49 ID:FX0W/cAO<>中断します

持病が発病しましたが問題ありません。
サカキ様のパネルが欲しい方はサカキ様FCに入ると貰えます。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/14(水) 19:43:39.03 ID:mUkZdASO<>ながらはやめた方がいいと思うよ、ゆっくりでいいからじっくり書きなよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/14(水) 19:50:14.49 ID:bW7WRlIo<>はっふー!<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/14(水) 23:23:53.89 ID:MhZ1f2s0<>>>74
書きためる時は大体、学校で真面目に授業を受けてる時なんだ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/15(木) 07:47:59.66 ID:8KzxZASO<>そうか、すまないね<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 07:49:35.10 ID:QEUbqwAO<>
タマムシデパートの屋上にて。
Aは悩んでいた。

一番の主力である、コラッタを捕らえられ、
手持ちはズバットのみとなっている。

したっぱA「ズバット一匹ではな……」

飛行タイプとはいえ、あのモンジャラに勝てるヴィジョンが思い浮かばなかった。

したっぱA「はぁ……」

大の字に寝転がる。
太陽の光が眩しかった。

したっぱA「あの女……エリカと言ったな……」

思い出す。
何もかも上回られた結果になったが、
何かヒントがあるはずだ。

無いなら無いなりに頭を使った。

したっぱA「…………」

とりあえず、分かったのは相手が草タイプと言うことだけだ。
だが、それが分かったところでどうにかなるというもんでもなかった。

そもそも、タイプの問題でどうにかなるなら、
ズバットでどうにかなっている。

彼は彼なりに実力差というものを感じていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 08:06:44.71 ID:QEUbqwAO<>
したっぱA「とりあえず、明日、また行こう! 決めた!」

両足を空に向かって上げ、振り落とす。
その反動で上半身を起こした。

したっぱA「分からなければ、戦ってみればいい」

したっぱA「うじうじしてても、何も始まらねぇ」

基本的に彼は馬鹿なのだ。
だから、考えても分からないことは行動によって解決しようとした。
だから、だろうか。

したっぱA「財布の中身はと……」

彼が手持ちを増やすことを選んだのは。

したっぱA「700円か」

ここはタマムシデパート。
ポケモン関連のアイテムはなんでも揃っている。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 08:35:35.57 ID:QEUbqwAO<>
次の日。

エリカ「〜♪」

エリカの一日は早い。
ドードーが鳴くと同時に彼女は目覚める。

まだ、空に太陽が昇りきってない内に身体を起こし、身支度を整える。
着物の着込みは馴れたものだが、それでも時間がかかり、
全てが終わる頃には空に太陽が姿を現していた。

身支度を終えたエリカは朝食を取りに台所へと向かう。

冷蔵庫の上に置いてある袋の中から、食パンを一枚抜き取り、
トースターに入れて、レバーを捻る。

食パンが焼き上がるまで、時間がある。

エリカは冷蔵庫から、赤色のビンと牛乳パック。
そして、林檎を取り出した。

ビンと牛乳は机の上に起き、林檎を片手に流し台へと足を運ぶ。
流し台の前に構えると、立て並べられた沢山の包丁の中から、
比較的、小柄な物を選び取り、これまた手慣れた手つきで林檎の皮を向いていった。

林檎の皮は綺麗な螺旋を描き、一度も切れることなく林檎を丸裸にする。
その林檎をまな板の上に起き、半分に、また半分にと縦に切っていく。

林檎を全て切り終わると同時にチーンというトースターが焼き終えた合図が鳴り響いた。
時計を見ると、六時半。
そろそろ、彼女が来る頃だろうか。

×××「チワーッス!」

玄関の方から、威勢の良い声が聞こえて来る。
チャイムを鳴らさないのはいつものことだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 09:17:39.76 ID:QEUbqwAO<>
×××「きょうっのちょーしょく♪ なぁにっかな♪」

エリカ「困ったものですね…」

いつの日からかはエリカは忘れたが、彼女が朝食を食べに来るのはもはや日課だった。
上機嫌な歌と共に彼女は一直線に台所へと向かった。

×××「白米♪ 玄米♪ お赤飯!」

歌の終わりと共に台所の扉を開ける少女。
さて、今日はどんな服装だろうかと、エリカは扉の向こうを見据えた。

×××「ん? 何かついてますか?」

短パンにジャケット、ポケモンの世界で今流行っているらしい、
彼女にとってはいつも道理のガールフレンドという衣服だった。

頭についている、ナイトキャップを除けば。

エリカは黙って、頭を指差す。
それに合わせ、彼女は頭を触り、ナイトキャップの存在を確認する。

×××「あぁーっ!」

それに気付いた彼女は顔を真っ赤にして、
ナイトキャップを外した。

×××「な、な、なんで出ていく時に言ってくれなかったんですか!」

エリカ「知りませんよ……」

×××「こんな恥ずかしい格好で街中を徘徊」

×××「きっと私はこれから先ずっと後ろ指を差されながら笑われる運命……」

×××「もうお嫁に行けません! エリカさん、貰ってください!」

エリカ「朝食なら自分でパンを焼いてくださいね」

食器棚から、湯呑みと皿を取り出し、
一度、机の上に並べた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 09:29:35.83 ID:QEUbqwAO<>
×××「パンって……ポケモン界を代表する大和撫子な貴方が洋食だなんて!」

エリカ「別に良いじゃないですか。好きなんですよ、イチゴジャム」

そういって、エリカは赤いビンを持ち上げる。

×××「乙女としては完璧ですが、和の女としてはどうなんですか!」

エリカ「この世界に和は無いと思いますよ」

そういって、エリカは左手に皿とビン、右手に湯呑みの牛乳パック、
食パンをくわえ、少女の横を通り過ぎる。

今日の食パンの焼き加減を確かめつつ、廊下を歩く。

エリカ(今日は完璧…)

後ろから聞こえる、「台所借りますよ」という声に対し、
右手を上げ、返事を返しつつ。

上機嫌で廊下を歩いていった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 09:48:09.70 ID:QEUbqwAO<>
その後、和室の畳の上に座布団を敷き、
重々しい木の机の上に洋物の皿と湯呑みを並べ、
湯呑みの中に牛乳、皿の上にはイチゴジャムのたっぷりと塗りたくられた食パンを並べ、
朝食を食べるエリカとか、
少女が二人分の目玉焼きとハムを携え、部屋に乱入し、ぐちぐちと文句並べるなどの話が続くが
趣味に走るのはこれまでにし、話を進めるとしよう。

バトルよりも、こういう日常の方が書くのが好きで、
つい、力を入れてしまうのは悪い癖である。

そして、時間は現在に至るというには、
あまりに駄文が多過ぎた。

エリカ「〜♪」

庭を歩くエリカにそれに続く少女。
ジムリーダーの仕事に追い回される彼女にとって、
朝夕の散歩は至福の時だった。

その散歩に付き添うことを許されている少女も、
信頼されていると言えるだろう。

夏の日差しを感じつつ、木々の囁きを楽しんだ。
少女もこの時ばかりは静かだった。

しかし、今日はいつもと少し様子が違った。
木々の囁きの中に、ざわめきの音が混ざっていた。

エリカ「来ましたか」

エリカの表情が変わり、裾の中からモンスターボールを取り出した。

×××「知っている人ですか?」

えぇ、とエリカは微笑み。

エリカ「ななしのごんべいさんです」

と、続けた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 09:49:19.53 ID:QEUbqwAO<>中断。<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 17:56:42.92 ID:QEUbqwAO<>
したっぱA「名無しの権兵衛とはひでぇな」

Aは腰のボールに手を伸ばし、構える。

エリカ「名前を教えてくださらないんでしょう?」

エリカは口元を裾で隠し微笑んだ。

したっぱA「残念ながら名乗れる名前がねぇんでな」

エリカ「それは残念です」

したっぱA「ああ、残念だ」

互いに間合いの外。
不意を付ける立ち位置では無い。

×××「むぅ、私は置いてけぼりですか」

エリカの後ろで頬を膨らまし、不服そうに二人の様子を眺める少女。
二人の間に入ろうと声を出す。

×××「エリカさん、彼は侵入者ですか? それとも、お客様ですか?」

敵意を込めたの目でAに向け指を差し、エリカに問いかけた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 17:58:58.39 ID:QEUbqwAO<>
エリカ「来るのは分かっていましたが…形式上では、侵入者でしょうか?」

したっぱA「まあ、許可貰ってないしな」

エリカ「では、侵入者ってことで」

二人の間でとても、侵入者と領主に思えないやり取りが行われる。
その様子に少女は疑問符を出すが、今はどうでもいいことだと考え直す。

×××「んじゃ、やっつけちゃっていいですよね?」

少女は二人の間を遮るようにエリカの前に出る。
腰のボールに手をかけて。

×××「先ほど、ガールスカウトとガールフレンドと名称を間違えられた私が相手をしましょう!」

右手でボールを握りしめ、前に突きだし、左手首を右腕の肘の所で交差させ、ポーズを決める。

したっぱA「てめぇには用はねぇんだよ」

×××「貴方が無くても私にはあります。 それとも、貴方」

×××「ジムリーダーは倒せる自信はあっても、ジムトレーナーは倒せる自信はないの?」

したっぱA「ジムリーダー?」

その疑問を口にすると同時にAはエリカに視線を合わせ、それに気付いたエリカは微笑み頷いた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:01:08.84 ID:QEUbqwAO<>
したっぱA「ふーん」

Aは腕を組み少しの間、考えるそぶりを見せ、すぐにやめる。

したっぱA「関係ねぇな。俺はコラッタを返してもらうついでに、借りを返しに来た」

エリカ「コラッタを置いていったのは貴方でしょうに」

したっぱA「だから、丁重にこうして返して貰いに来たのさ」

エリカ「丁重にですか」

エリカは視線をそらし、嘆息を吐く。
Aはその仕草が何を意味するのか理解できなかった。

×××「だーかーらー! エリカさんと戦うなら、私と先に戦ってください!」

またも、蚊帳の外に追い出されていた少女が必死に加わろうと声を荒げた。

したっぱA「邪魔をするんじゃねぇ」

×××「私に勝ったら邪魔しませんよ」

×××「貴方みたいな乱暴な人が、エリカさんと手合わせ願うなんて100億年早いってことを教えてあげる」

したっぱA「チッ」

Aは矛先を変え、視線を少女に合わせる。
少女は満足した様に頷き、ボールを握り直した。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:03:04.93 ID:QEUbqwAO<>
エリカ「これより、このバトル! 私の名の元に置いて、ポケモン協会公認バトルに認定します!」

したっぱA「はぁ?」 ×××「はい?」

二人が同時に間抜けな声を出した。
エリカはそんなこと、お構いなしに話を進める。

エリカ「えーと、名無しの権兵衛さん。 貴方、手持ちは何匹でしょうか?」

したっぱA「……二匹だが」

戸惑いが隠せず、Aは素直に手持ちを明かしてしまう。

エリカ「そうですか。では、貴方も二匹でお願いしますね」

×××「えぇー!? どーしてですか! そもそも、なんでジム戦になってるんですか!?」

エリカ「その方が楽しめるじゃないですか」

エリカはいつもの笑い方で少女に微笑みかける。
たまにその少女すら圧倒することを考えるのが、また、エリカであった。

エリカ「それにルール無しでやられて、貴方にこの庭を荒らして欲しく無いんです」

遠い目で少女から目を反らした。

×××「そういうことですか……それなら、フシギソウちゃんは使えませんね」

少し声のトーンを落として、少女が答える。
エリカは「大味すぎるんですよ」と、付け加えた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:05:21.58 ID:QEUbqwAO<>
したっぱA「ルールなんて、どうでもいい。まずはコラッタを返せ」

二人のやり取りに痺れを切らしたAが二人の間に割ってはいる。
その様子にエリカは見下すように笑ってみせる。

エリカ「主導権はどちらにあるとお思いですか?」

したっぱA「?」

明らかに声のトーンが沈み込んでいた。

エリカ「貴方のコラッタは丁重に預からせて貰っています、このバトルに勝てば返して差し上げましょう」

エリカ「ですが、それはこちらの条件を飲んで頂いたらの話です」

したっぱA「……くっ」

硬直するAに対し、エリカは楽しそうに小さく笑ってみせる。

エリカ「くれぐれも立場をお間違えならないよう、よろしくお願いいたします」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:07:58.41 ID:QEUbqwAO<>
エリカ「ルールは手持ち二匹までで、先に相手のポケモンを全員戦闘不能にしたら勝利です!」

エリカ「場所は……丁度、この範囲ですね」

そういうと、エリカはモンジャラを出しツルを伸ばさせた。
ツルは地面に直線を描き、ポケモンリーグにあるようなバトルフィールドを作った。
エリカ「大体のルールは分かりますね?」

エリカが問いかけるとAは頷いた。
ポケモントレーナーたるもの、ポケモンリーグには一度は憧れるものであり。
Aも例外でなく、テレビで見たことはあり、ルールくらい把握していた。

エリカから見て、左右に設置されたトレーナーズラインボックスにAと少女が入る。

エリカ「では、名無しの権兵衛さんとアサエのジム公式戦を始めます!」

アサエ「私、名前あったんですね」

エリカ「先ほど検索し、FR・LGのNPCトレーナーの項目で確認しました」

アサエ「作者は初代の無印しかやったことありませんし、見逃してたんですね」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:10:31.91 ID:QEUbqwAO<>
エリカ「では、気を取り直しまして……」

エリカが手を空高く上げ、

エリカ「始めッ!」

勢いよく振り落とした。
それと同時に、二方向からボールが投げられる。

アサエ「頼みましたよ、フシギダネ!」

したっぱA「行け、ピジョン!」

ボールから飛び出たのは背中に大きな種を背負った緑の蛙と、
頭に流れるように美しい毛を生やした大きな鳥だった。

したっぱA「あの赤い奴と同じポケモンかッ」

苦い記憶がAの脳裏を掠める。

アサエ「飛行タイプとは卑怯なッ!」

したっぱA「エリカを倒すためにわざわざスーパーボールを買って捕まえてきたんだよ」

エリカ「アサエ、もし負けたらお仕置きが待っていますので、そのつもりで」

アサエ「そんな始まった後に殺生なー!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:13:05.67 ID:QEUbqwAO<>
二人のプチコント見てるほど、したっぱAも辛抱強くない。

したっぱA「ピジョン、『かぜおこし』だ!」

ピジョンは上空に飛び、両翼で風を拭き起こす。
カマイタチの様に肌を切り裂く性質を含む風は草を舞い上げ、フシギダネへと襲いかかる。

アサエ「風の攻撃は嫌いです、攻撃がそのまま、防御になっているので……」

アサエ「ですので、フシギダネ!」

フシギダネ「ダネェ!」

それだけでフシギダネは反応し、『はっぱカッター』を放つ。
放たれた葉っぱは横に高速回転し、『かぜおこし』の風を切り裂き、ピジョンに向かう。

フシギダネ「ダネェッ」

ピジョン「ピィーっ!」

それぞれ、攻撃が同時に相手へと伝わる。
フシギダネはその場で身が引き裂かれるのを耐え、ピジョンは翼に葉っぱをくらい、バランスを崩した。

アサエ「フシギダネ! よく耐えた!」

アサエ「あと、もう一踏ん張りお願い!」

フシギダネ「ダネ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:15:50.29 ID:QEUbqwAO<>
ピジョン「ッ!」

フシギダネから新たに放たれる、超低空の『つるのムチ』。

したっぱA「ピジョン! んな攻撃なんざ『ふきとばせ』ッ!」

指示を飛ばすA、その技の内容は間違っていない。
しかし、ピジョンは今、バランスを失っており行動出来なかった。

アサエ「自分のポケモンの状態くらい、把握したらどうですか!?」

フシギダネのツルはピジョンの真下で急上昇し、容易くピジョンの足を捉えた。

ピジョン「ッ!」

アサエ「そのまま、引きずり落としてやれ!」

フシギダネ「ダネェェェ…ッ!!」

ピジョンの身体をそのまま、地面に叩きつける。
地面に微かな窪みを残し、ピジョンの身体がバウンドする。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:18:13.44 ID:QEUbqwAO<>
アサエ「畳みかけろ! 『のしかかり』ッ!」

ピジョンが首を振って薄れる意識を取り戻した時、目の前にあったのは緑の物体。
それは大きくなり、自分に落下してくるのに気付いた時にはもう遅い。

ピジョン「ピェェーッ!」

大きな振動と共にフシギダネはピジョンの上に落下した。

したっぱA「ピジョン!」

アサエ「休まないでッ!」

フシギダネはそのまま、ツルを伸ばし、ピジョンの手足の自由を奪う。
ピジョンは怯んでいて抵抗できず、されるがままだった。

アサエ「エリカさん直伝の奥義……ッ!」

人差し指と親指を立 て、空高く腕を伸ばした。

アサエ「『ギガドレイン』!」

フシギダネをピジョンの削った体力を一気に吸い上げ、枯渇させた。

ピジョン「ピ……ピィ……」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:20:35.01 ID:QEUbqwAO<>
エリカ「ピジョン! 戦闘不能!」

エリカはピジョンの戦闘続行が出来ないことを確認すると、手を挙げて宣言した。
アサエはフシギダネを下がらせ、Aはピジョンをボールに閉まった。

したっぱA「……くそッ」

アサエ「タイプで負けるなら、私たちは『草専門のジム』として看板を掲げません」

Aに告げると、アサエはフシギダネを労い、ボールに収めた。

アサエ「やっぱ、めんどくさいです。エリカさん。フシギソウちゃん、使いますよ?」

エリカはやや困った様子でそれを承諾した。
それを確認し、アサエはフシギソウをフィールドに放つ。

したっぱA「進化系か」

アサエ「それぐらいは分かりましたか」

したっぱA「うるせぇ。 ゴルバット、黙らせてこい!」

Aのボールから姿を現したのはズバットの進化系、ゴルバットだった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/15(木) 18:21:40.05 ID:QEUbqwAO<>ここまで、書き溜めた分で一度中断します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/15(木) 18:49:01.05 ID:IaMl/Hk0<>一応見てるぞ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/15(木) 19:11:11.85 ID:cNAJpoAO<>できるだけ急いでね<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/15(木) 19:24:05.58 ID:8KzxZASO<>>>98
急かしてやるなよ<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/16(金) 20:08:30.57 ID:IisvdUAO<>ごめんなさい
HG面白いです<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/16(金) 21:10:42.62 ID:J5vKbYAO<>質問
FRRGは未プレイなんだが、ランスとか出てくんの?
HGSSから名前拝借?

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/16(金) 22:05:04.86 ID:Btdyx.Ao<>fire red
leaf green<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/16(金) 22:17:04.89 ID:IisvdUAO<>>>101
俺もFRLGはやったことないけど、出てこないと思う

ただ、幹部で名前ありなくらいだから、
レッドが出会ってないだけで、
当時からサカキ様の頼れる部下だったと妄想

どうせ、金銀編まで行くし、出しちゃっても大丈夫かなと

それにロケット団のみんながサカキ様が戻るまでのまとめ役として認めるくらいだし


一応、上司以外の登場人物は全て原作にモデルが居る
したっぱ三人衆はパーティーの原形が無くなってるけど<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/17(土) 13:42:49.49 ID:plNNGISO<>ああ、そっかぁ名前が付いただけで多分同一人物だよな。
幹部二人がアテナ&アポロか。
ポケスペ(嫌いなやついたらすまん)のシャム&カーツも幹部がモデルなんだよな。 <> 101<><>2009/10/17(土) 14:46:00.31 ID:fgih5MAO<>>>102
RとL間違えるとかうわあああああああ
厨房か俺…

>>103
全文納得した!ありがとう

自己補完スキル探しの旅に出てくる…
<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/17(土) 23:15:30.37 ID:MAWVhoc0<>ごめんなさい、まだ、書いていません
現在、HGでエンジュタウンです。パーティーは

サンド:Lv.24
ニドラン♀:Lv.24
ヒノアラシ:Lv.24
コラッタ:Lv.24
ひきゃく:Lv.20

マツバ倒しに行ってきます<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:32:01.41 ID:rTfIlIAO<>
アサエ「ゴルバット? ゴルバットにしては……」

出てきたゴルバットは進化系というには些か幼かった。

したっぱA「……このゴルバットは、ピジョンを捕まえる時に進化したんだよ」

アサエ「そうですか、それでピジョンと一緒に戦力アップしたので勝てるぞー!って意気込って訳ですか」

したっぱA「うっせーよ」

Aは左手を腰の後ろに回し右手の親指と人差し指でL字を描き、前に出す。

したっぱA「俺とゴルバットのコンビを侮らないで欲しいってもんだぜ……ったくよぉッ!」

ゴルバット「キィー!」

その伸ばした右腕にゴルバットは飛び降り、翼を纏うように畳む。

したっぱA「ピジョンと一緒と思ったら、怪我するぜぇ?」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:33:33.96 ID:rTfIlIAO<>
アサエ「……良いでしょう」

アサエ「二度とエリカ様の周りをうろつかないように」

アサエ「トラウマを刻んであげようか…です!」

上空高く指を差す。 その先にあるのは雲一つ無い晴天。
みごとなまでの『にほんばれ』だ。

アサエ「見よ、太陽は真っ赤に燃えているッ!」

アサエ「どんな花に咲くのか無限の可能性を持つ、ツボミよ!」

アサエ「その可能性の一端を私に見せてみせろッ!」

フシギソウ「ソォォ……ッ!!」

フシギソウのツボミが、まるで周りの光を吸収するかのように中心に輝き、
その光はツタを通り、フシギソウへと流し込まれていく。

エリカ「ほどほどでお願いしますね」

エリカは心配そうに告げるが、アサエは何の反応も示さない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:35:38.44 ID:rTfIlIAO<>
したっぱA「ゴルバット! 相手の背後を取れッ!」

Aがいくら馬鹿とはいえ、ポケモンに関しての知識はある。
技の名前、ポケモンの種類。
分からないといえば、細かい特徴など。
だから、Aは分かった。

相手が何をしてくるのか。
それがどれだけやばいのかも。

アサエ「道を示せっ! 『ソーラービーム』っ!!」

アサエが右手を突き出すと同時に、凝縮されたエネルギー砲がフシギソウの口から放たれた。
地面を削り、空気を引き裂き、音を超え、空間全てと消し去る。

したっぱA「ぬうぉぉッ!」

それはAの頬を掠め、そのまま、奥へと消え去った。

ゴルバット「キィッ!」

フシギソウ「ッ!?」

いち早く、行動を開始したゴルバットはフシギソウの背後を取っていた。

したっぱA「ゴルバット! その技は連射出来ない! 今の内に刻んでやれッ!!」

ゴルバット「キィーッ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:40:36.21 ID:rTfIlIAO<>
ゴルバットはフシギソウに向けて翼を広げ風を切り裂き、滑空する。

アサエ「果たしてそうなのでしょうかねぇ」

フシギソウ「ソウっ」

フシギソウは口を開けた。 口の奥には目映いばかりの光の塊。
その光はゴルバットを包み込み、そして……

エリカ「だから、ほどほどにしてくださいと……ッ!」

エリカのモンジャラがゴルバットを『つるのムチ』で締め上げていた。
逆さまになっているゴルバットの片翼は焦げ上がっている。

エリカ「言いましたじゃないですかッ!」

そのまま、モンジャラのツルはアサエに襲いかかった。
アサエはエリカからの攻撃に何も抵抗出来ず、身体をツルで巻き付けられる。

アサエ「ひゃあっ! エリカさぁん、どうして……」

エリカ「やりすぎです!」

そう言って、エリカの指の差す先には悲惨な姿に変わった庭だった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:43:19.64 ID:rTfIlIAO<>
したっぱA「割り込むのもルールか?」

巻き付けられたゴルバットをボールに戻し、エリカをにらみつける。

エリカ「貴方の敗因はやはり知識不足によるところが多い」

エリカ「一日でズバットをゴルバットに進化させたといい、あのコラッタといい」

エリカ「貴方はポケモンを育てる才能が感じられます」

いつものように口を裾で隠す。
しかし、目は笑っていなかった。

エリカ「分かっているのでしょうか?」

エリカ「貴方のポケモン達はアサエを倒せるだけの実力はあることに」

したっぱA「負けてねぇよ」

エリカ「負けん気だけは一人前ですね、トレーナーとしては半人前ですのに」

したっぱA「あぁ?」

エリカ「貴方のコラッタはここです」

エリカはAに歩み寄り、ボールを握らせる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:49:28.83 ID:rTfIlIAO<>
エリカ「準備は整いました」

したっぱA「何の準備がだ?」

エリカは背中を見せ距離を取る、お互いが戦いやすいように。

エリカ「自分の目的を忘れましたか?」

そして、くるりと一回転しこちらに向き直る。
その右手にはモンスターボールが握られていた。

エリカ「私と戦いたいんでしょう?」

したっぱA「へっ、覚えてたか」

Aも渡されたボールをそのまま、前に向ける。

エリカ「アサエは暫く、反省してください」

アサエ「えぇ〜……」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:51:21.66 ID:rTfIlIAO<>
エリカ「私はこの一匹だけで十分です」

エリカの手の上から開かれたボールの中から表れたのはキレイハナ。

エリカ「攻撃の一つでも当てて見せれば、負けを認めてさしあげますよ?」

しぱったA「ざけんじゃねぇぞッ!」

ボールからコラッタを出し、

したっぱA「『でんこうせっか』ァッ!」

奇襲をしかける。 が、

エリカ「あまいですね、『フラッシュ』」

閃光によって、それは遮られた。

したっぱA「……くっ」
エリカ「ひでん技も馬鹿にできないでしょう?」

キレイハナは踊り出す、光り輝く粉をバックに。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:53:40.78 ID:rTfIlIAO<>
エリカ「『しびれごな』っ!」

したっぱA「コラッタ、距離を取れ!」

コラッタは距離を取ろうと背後に跳ぶ。

エリカ「させません!」

そのコラッタの退路を阻むように虹色輝く葉が襲いかかる。

エリカ「『マジカルリーフ』っ! 続けて……」

キレイハナは回転する。 花びらと共に舞い踊る。

エリカ「狂い咲け、狂気の乱舞! 『はなびらのまい』っ!!」

コラッタ「……ッ!?」

したっぱA「囲まれた!?」

エリカ「貴方の戦い方はお粗末すぎます」

エリカ「ただ、闇雲に戦うだけでは勝てない……」

エリカ「勝てるものも逃してしまう」

エリカ「それを理解し反省してくださいっ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 05:56:16.88 ID:rTfIlIAO<>
花びらに包まれ、横たわるコラッタ。

キレイハナはフィニッシュを飾るように、両手を上に捧げていた。

したっぱA「…………」

エリカ「…………」

したっぱA「……くそっ、これで終わった訳じゃないからなッ!」

エリカ「続きはやらなくても?」

したっぱA「苛立つ奴だなっ。 ここまでやられて気づかないと思ってるのか!」

エリカ「ふふっ」

エリカはいつもの笑い方をする。
それが酷くもどかしく思い、Aは地面を蹴る。

彼女の笑みを止めるにはあまりに実力差がありすぎた。

エリカ「私たちは毎朝、この時間にここに居ますよ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 06:02:53.17 ID:rTfIlIAO<>
したっぱA「……あぁ?」

エリカ「それだけです、歓迎しますよ」

エリカ「それはもう手厚くです」

そう言って、笑いかける。

したっぱA「……けっ」

Aは最後にいらだちを吐き捨てると、その場から姿を消した。

アサエ「なんで、誘ったのですか?」

不満そうにモンジャラに締め付けられたアサエが口を漏らす。

エリカ「貴方はこれから庭を直してくださいね」

エリカ「それまで、ジムにも私の家にも出入り禁止です」

アサエ「え〜」

その後、Aは何度も庭に足を運ぶことになる。
出来るだけ速く、強くなるにはどうすればいいのか。
彼はこの時に理解していた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 06:08:43.84 ID:rTfIlIAO<>中断します

とりあえず、エリカ編終わりで
次回からしたっぱの話に戻ります<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/18(日) 08:19:42.51 ID:uskA/aco<>おもしろい
頑張ってくれ<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:32:14.97 ID:jMlWkV.0<>
ここで話は再び、Aからしたっぱに戻そうと思う。
よって、三人称視点もこれまでということだ。
君たちに会える日をまた、楽しみにしている。



あれから更に日々が過ぎた。
随分、成長したとは思う。
しかし、強くなったという実感は無かった。

したっぱ「ポケモンも成長しないしなぁ」

ポケモンの実力は変わりなかった。
自分がいつも使っているせいで強くなったことが自覚できていないだけかもしれない。
ただ、新しい技を覚えてくれなかった。

ただ、それでも成長したと思うのは、相手のポケモンの特徴、特性、技を理解。
それにより戦略に広がりが出来た。

相手のポケモンも徐々に強くなり、今までの戦略では決して楽に勝たせては貰えなかっただろう。
そして、今日もまた、自身を鍛えるために、このバトル場に立っている。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:33:14.94 ID:jMlWkV.0<>
したっぱ「今日の相手は?」

いつものやりとりだ。
最近では情報も細かくなっており、相手のロケット団内の成績まで教えてくれる。
近頃、やっと1桁代の相手と戦うようになってきた。

いつになったら、一位と戦えるのか……
だが、一位ともなると、都合というものもあるのだろう、
上位に行けば行くだけ、優遇扱いをされているはずだ。

せめて、どういう奴が一位なのかと思い、周りの下っ端にも話を聞いてみるが、
どうも周りも知らないようで、ロケット団内では謎の存在とされている。

また、自分のランキング情報は晒させて貰えない。
どうやら、ランキング情報を明かしてくれるのは上位10位以内らしい。
自分もその11位以下の一人だろうと納得する。

そして、いつもの様に今日もあの赤い少年と戦うために自分の腕を磨く。
ただ、少しだけ、いつもとは違っていた。

機械音『今日の相手の情報はありません』

したっぱ「ん? どういうことだ?」

×××「こういうことだ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:34:08.62 ID:jMlWkV.0<>
扉が開くと同時に表れた男は明らかにロケット団の下っ端とは雰囲気が違っていた。
異端とでも言うべきだろうか、表現する術が見つからない。

綺麗な黒いスーツを着こなし、ポケットに両手を入れる佇まい。

したっぱ「……なっ?」

見たことがある顔。忘れるはずがない。
数年前、自分はこの男に憧れ、心服し、ロケット団に入った。

彼の力になりたい。 彼の様になりたい。
彼の背中を追えば、大きくなれる。

言葉では表せられない、それだけの強い感動と衝撃があった。

サカキ「いつも、相手の情報が得られるとは限らない」

サカキ「ポケモントレーナーたる者、いつ、何処であっても」

サカキ「戦う場と戦えるポケモンが居れば、戦うには十分理由だろう?」

したっぱ「サカキ……様」

あり得ないと思った。 思わず腰のボールを落としてしまう程に。
しかし、この威圧感、空気は他の者に出せるはずがないと身体が理解していた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:35:25.73 ID:jMlWkV.0<>
サカキ「次の作戦のために調整がしたくてな」

サカキ「そこで、今すぐに戦う準備が出来ている君が選ばれたという訳だ」

したっぱ「……光栄です」

気づいたら、頭を下げていた。
足先から手先まで伸ばし、出来る限り背筋を伸ばしたまま、深々と頭を下げた。

サカキ「君は戦う相手に礼儀を尽くすのかな?」

したっぱ「いえ……すみません……」

言いたいことは分かった。しかし、それを実行するというのは不可能というものだ。
例えば、師匠と弟子の関係で弟子が師匠に対し、礼儀を欠くということが出来るだろうか?
あり得ない。 尊敬する者に対しては精一杯の礼儀を尽くす、それが人っていうものだ。

サカキ「ふん、まあいい。 全力で来たまえ」

したっぱ「はい、分かります」

元より全力で行くつもりだった。
勝てるとは思えないが、自分の全てを発揮せずに負けるのは無礼に値する。
それにサカキ様には自分の全てを受け止められるだけの器があった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:36:19.37 ID:jMlWkV.0<>
サカキ「合図は必要かな?」

ここでは合図なんて必要ない。
恐らく、萎縮しているであろう自分に対する配慮なのだろう。

したっぱ「いえ……」

ここに入った時にバトルは既に始まっている。
顔合わせも終えた、心おきなく戦うべきなのだろう。

だから、既にボールは落としておいた。
反射的に身体が動いてしまったが、これぐらいのことをしなくては勝負にならない。

したっぱ「『でんこうせっか』だ! コラッタ!」

サカキ様の足下まで転がっていたボールから飛び出すコラッタ。
そのまま、サカキ様の胸元に向けて、攻撃をしかける。

サカキ「ふんっ、心配するまでも無かったか」

サカキ様が口の端を歪ませるのを確認出来た。
そして、いつの間に出したのか、コラッタの目の前に立ちふさがるのはサイホーン。

サイホーン「ぐぉぉおお!!」

攻撃をしかける前に口を広げて吠える癖のある、サイホーン。
数年前に戦ったあのサイホーンだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:38:14.82 ID:jMlWkV.0<>
サカキ「『つのでつく』だ」

したっぱ「退くなよ! コラッタ!」

空気を奮わせて、咆吼するサイホーン。
コラッタは毛を逆立てて、その場に堪えきった。

したっぱ「お前になら行ける、その口に『たいあたり』!」

コラッタは口の中に飛び込む、そして、衝撃を与えると後方に一回転して、反撃を食らう前に脱出した。
サイホーンは急に口の中に飛び込んできたため、ひるんでしまっている。

したっぱ「休むな、『おいうち』だッ!」

またも口の中に打撃を加えるコラッタ。二度目の急所への攻撃。
ポケモンの実力差を考えて、倒せるかどうか微妙だ。

サイホーン「ぐ……ぐおぉぉ……」

サイホーンは耐えきった。
ある程度、予想していたことだが、できればここで倒したかった。

サカキ「戻れ」

だが、サカキ様はサイホーンをボールに戻した。

サカキ「君は私のサイホーンを知っているようだ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:39:21.42 ID:jMlWkV.0<>
したっぱ「…………」

黙って頷く。
相手はサカキ様だ、あれだけ癖を攻められれば気づくだろう。

サカキ「このサイホーンは相手の洞察力を計るためのポケモンだ」

サカキ「タイプで攻めなければ、こいつを真正面から倒すのは難しい」

サカキ様は腰のボールに手を回す。

サカキ「既にテストはクリアしていたとはな」

サカキ「君がどうして、オツキミ山という辺境の地に居たのか理解に苦しむ」

そして、奇襲をする訳でもなく、真正面から堂々とポケモンをボールから放つ。

サカキ「それは私の管理不足か」

人数が増えすぎた組織は隅々まで、目が行き渡らない。
それは仕方のないことだ。
だから、組織には階級というのが存在する。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:41:03.63 ID:jMlWkV.0<>
閃光の中から姿を現したのは少し肌色味のかかった毛並みの胴の長い猫。
ペルシアンだ。
前足の甲を舐め、毛繕いをしている。

サカキ「君は私の期待に応えてくれるかな?」

この人にだけは、自分に対して失望はして欲しくなかった。





<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/18(日) 22:42:17.57 ID:jMlWkV.0<>ここまでで中断。
パー速に来るとペース落ちる理由が分かってきた。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/18(日) 23:04:11.55 ID:uskA/aco<>定期的に何時投下しますって宣言して書き溜めるとモチベーションがある程度保てる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/19(月) 00:59:54.76 ID:bWoBYUAO<>もし1が可能なら、読み手としても>>128の案は嬉しいな
自分のペースで納得いくのを書いてほしいから無理は言わないけど
<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/19(月) 08:58:48.16 ID:BGaTKoAO<>とりあえず、時間はリアルも暇では無い状況だから、
不定期更新でやらせて頂きます

あと、自分が言ったのはモチベが下がるとかじゃなくて、
パー速だとスレが落ちる心配がないから、
急がずにまったりゆっくりと行けるなぁって意味だから心配しないで<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/19(月) 14:24:06.51 ID:uDPxD.SO<>来るまで雑談しててもいいかい?<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/19(月) 17:23:27.37 ID:Ydxd7.o0<>いくらでも自由に
むしろ、自分もこっそりと名無しで雑談に加わるくらいの勢いで<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/19(月) 17:38:54.47 ID:CKOwg.AO<>雑談やっほー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/19(月) 18:50:30.19 ID:uDPxD.SO<>おお、わかったありがとう。根詰めんと気楽にやってくれな。

スキマスイッチのデビュー曲、「view」が個人的したっぱソング。
解散後の投げやりなイメージだけど。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/19(月) 23:08:12.88 ID:qJquCiIo<>
したっぱ「コラッタ! 『ふいうち』ッ!」

コラッタはペルシアンの先を取るため、相手の死角へと移動する。

サカキ「『ねこだまし』」

が、ペルシアンの『ねこだまし』によって、寸のところで遮られてしまう。

サカキ「『みだれひっかき』」

怯んだ所を連続攻撃で畳み掛けられる。
ペルシアンの鋭い爪は小柄なコラッタの身体を引き裂き、
鮮血が雫となって宙を舞った。

したっぱ「戻れ、コラッタ」

戦闘続行不可を確認すると手早くボールに戻した。
出来るだけ、傷を負わせない様にするための配慮だった。

サカキ「おしまいかな?」

これからです。心の中で呟いた。
サカキはそれを読みとったのか否か、笑みを浮かべた。

したっぱ「スバット、『ちょうおんぱ』!」

もはや馴れた技だ。
相手の頭上を取り、『ちょうおんぱ』を放つ。

サカキ「『いやなおと』」

しかし、それすらもニャースの放つ音により、相殺される。

サカキ「『きりさく』ッ」

前足を浮かせ、後ろ足で蹴り出す。
すらりと伸びた手足は頭上に布陣するズバットに軽々と届かせ、
そのまま、打ち落とすように翼を引き裂いた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/19(月) 23:09:06.76 ID:qJquCiIo<>
ペルシアン「シャーッ!」

ズバットよりも早く着地したペルシアンは落下するズバットに照準を定める。

したっぱ「戻れ!」

だが、落下しきる前にボールへと戻す。
勝負が決まったなら続ける必要はない、トレーナーの判断でこれ以上傷つけさせる訳にはいかない。

サカキ「ふむっ、少し賢すぎるな」

したっぱ「アーボ、『へびにらみ』っ!」

サカキ「『ちょうはつ』だ」

ペルシアン「ニャッww」

ペルシアンは露骨に見下し、鼻で笑って見せた。

アーボ「シャーッ!!」

怒りによりアーボの『へびにらみ』はただの『にらみつける』へと成り下がっていた。

したっぱ「チッ……なら、『どくばり』だ!」

『ちょうはつ』された状態では攻撃技以外、使用は難しくなる、
ならば、いっそ、作戦を変えて攻撃技に変える。

せめて、毒でも麻痺でも良いから、状態異常にかけなければ、
ポケモンの実力差から、勝負にならない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/19(月) 23:10:01.79 ID:qJquCiIo<>
サカキ「『かげぶんしん』」

が、それすら読まれていたのか。
それとも、攻撃手段全般に対する対応なのか。

渾身の『どくばり』は見事に影を射抜くことになる。

サカキ「『かみつく』だ」

ゆらりと揺れるペルシアンの影とは正反対の方向。
つまり、アーボの背後から表れ、その喉元に噛みついた。

アーボ「シ……シャァッ!」

怯むことなく、アーボは余った尻尾でペルシアンの首に巻き付き、締め付ける。
だが、実力差があまりに違いすぎる。

長く耐えられるはずも無く、アーボは力尽きる。

したっぱ「……戻れ」

心の中で、よく頑張ったと告げる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/19(月) 23:11:13.07 ID:qJquCiIo<>
サカキ「さて、全ての攻撃がいなされ、ほぼ一撃で3匹が倒された」

サカキ「今の気分はどうかな?」

ペルシアンは何事も無かったかのようにサカキ様の側で毛繕いをしていた。
こっちは満身創痍で、あっちは戦いとも思っていない。

したっぱ「ドガースっ!」

腰にはあと一匹しかいない。
こいつでどうにかするしかない。

サカキ「闇雲に『だいばくはつ』をするという訳ではないらしいな」

したっぱ「『だいばくはつ』は最後の切り札です」

したっぱ「最近のドガース、マタドガスは決まって自爆要員ですが」

したっぱ「自分のはそうではありません」

サカキ「無闇やたらに『だいばくはつ』をしていたのなら失望していたところだ」

サカキ「安心したよ。 まだ、見込みがある」

したっぱ「…………」

サカキ「…………」

対峙するドガースとペルシアン。 この状況、不味いなと思う。
真正面からの対峙に隙を伺うとか、戦略とかはあまり効果を出さない。
単純なポケモンとトレーナーとの力量が計られる。

だが、何故だろう。 こんな状況なのに胸の高鳴りが止められなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/19(月) 23:12:58.40 ID:qJquCiIo<>今回は少ないけど、ここまでで中断。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/20(火) 13:28:46.02 ID:XmHgksDO<>これは久々にいいバトル描写のスレ<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:11:21.35 ID:ywe3S920<>
サカキ「最後の一匹、どう戦う?」

手元に残ったドガース。
『えんまく』と『スモッグ』、そして『どくガス』。
それらを上手く使い、攪乱するというのはあまりにベタだろうか?

したっぱ「ドガース」

しかし、それしか思い浮かばない。
ドガースに手で指示を出し、技に加え細かい指示を出す。

伝えるだけならば、口の方が早い。
それに激しい戦闘ではこちらの指示を見逃す可能性が高い。

だが、今の状況では手で指示を出すのは相手から作戦を隠蔽するために役立つ。

サカキ「…………」

サカキ様は身構える訳でもなく、ただ黙って事の成り行きを見守っていた。
自分から攻めていく必要はない、自分の行動を見破り、打ち破る。
サカキ様からすれば、それだけで良いのだろう。

だが、時間があるということはそれだけ綿密な作戦を実行できるということでもある。

したっぱ「……もういいぞ、ドガース」

所々に巻かれた煙、それらは『えんまく』と『スモッグ』、そして『どくガス』によって作られている。

サカキ「準備はいいようだな」

したっぱ「はい、ありがとうございます」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:12:47.14 ID:ywe3S920<>
サカキ様の目に殺気は宿っていない、
それでも自分を見据えられると筋肉が硬直し、汗が噴き出るのは何故だろうか。
そして、何故、自分は笑みを浮かべてしまうのだろうか。

したっぱ「『かげぶんしん』!」

ドガースが複数に増える。
いくつかは影だ、だが、まったく一緒と言うわけではない。
ペルシアンの実戦経験、サカキ様の洞察力、その両方を持ってすれば、
容易くどれが本体か見破られるだろう。

だが、そのための準備だ。

サカキ「むっ」

ドガース達はそれぞれの煙の中に姿を消す。
煙の中に隠れたドガース達はこれで傍目からは見破れないはずだ。

サカキ「…………」

ペルシアン、サカキ様は動かない。
じっと、相手の出方をうかがうように、周りに注意を向けていた。
だが、構えないところを見るとまだ、余裕があるということだろう。

したっぱ「…………」

流石、サカキ様だ。 トラップには引っかかってくれない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:13:41.44 ID:ywe3S920<>
『えんまく』と他二つを使い分ける理由は二つあった。
一つが持続性だ。 『えんまく』は長い間残るが、『スモッグ』と『どくガス』は短期間で薄まる。
だから、『スモッグ』と『どくガス』は随時、追加しなくては無かった。

ならば、『えんまく』だけを使えばいいだろうということになるかもしれないが、そういう訳でもない。
『スモッグ』、『どくガス』を使う理由は相手を嵌めるため。

『えんまく』、『スモッグ』、『どくガス』は傍目から違いが分からない。
そして、現在、ドガース達はそれらの煙の中に隠れている。
つまり、もし、相手が焦って煙に闇雲に攻撃をしてくれた時、
『スモッグ』、『どくガス』の煙に突っ込んでくれれば、毒にかかる可能性が高い。

上手くかかれば、勝つためには相手を状態異常にかけるという最低条件が満たされる。
だが、その作戦は破棄する必要があるだろう。
現状からどうにかして、相手に近づいて毒をかける方法を……

サカキ「なかなか考える」

サカキ様はクックッと声を出して笑った。

サカキ「採点すると50点といったところか」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:14:59.63 ID:ywe3S920<>
ペルシアンは跳ぶ、そして、一つの煙の固まりへと飛び込んだ。
そして、弾き出される紫の玉。 ドガース。

その勢いのまま壁に衝突。そして、無惨に地面を転がった。

したっぱ「なんだって?」

どうやって、見破られた。
それだけが頭を駆けめぐる。

ペルシアンに『みやぶる』、またはそれに類する技を使われた気配はない。
そもそも、ペルシアンは覚えない。

また、必中技を使われた訳でもない。
そもそも攻撃された技は『きりさく』だ、関係ない。

ならば、どうして。 まさか、最初から何処にいるのか分かっていた?

サカキ「『かげぶんしん』は物理的な干渉を与えることはできん」

そこまで考えたところでサカキ様が自分の疑問に答えた。

サカキ「君のドガースが煙の中に入る時、不自然に煙が動くのを見えていた」

サカキ「発想は良いが……その程度だ」

そこまで言い、サカキ様はボールを取り出した。
おそらく、ペルシアンをしまうためだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:16:34.92 ID:ywe3S920<>
サカキ「ロケット団内のランキング1位と言ってもこんなものか」

サカキ様は少し落胆をしたように、息を吐いた。
落胆されても無理はない、結局一度もサカキ様を驚かせるようなことが出来なかったのだ。
……ちょっと待って欲しい。

したっぱ「ランキング1位?」

サカキ「ふむ、口を滑らせてしまったか」

口を滑らせたというのは嘘だろう。
もっと精進しろという意味だろうか。

したっぱ「…………」

少し思考を落ち着かせろ。
記憶をたどれ、何か見落としてる場所がある。

したっぱ「…………」

サカキ様は落胆した。 何に落胆を?
自分がランキング1位であることを知っていた。
そして、ランキング1位がこんなものかと落胆した。

つまり、サカキ様は自分に期待をしていて……
そもそも、最初から自分に会いに来ていた?

したっぱ「…………」

そこまで気付くと身体が歓喜で震えた。
そして、心は申し訳なさでいたたまれなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:19:02.96 ID:ywe3S920<>
だから、ボールを握っていた。
最後の一匹。ここでは手持ちとして含まれない一匹だ。
故に腰には巻いてない、ポケットに入れてた一匹。

したっぱ「あと一匹、ご教授お願いしても良いでしょうか?」

サカキ「ポケモンはあれで全部だろう?」

したっぱ「支給されたポケモンはあれで全てです」

ですが、と続け、

したっぱ「私の相棒は残っています」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:20:18.95 ID:ywe3S920<>
言い終わると同時にボールを投げた。
中から出てくるのはサンドだ。

他の手持ちに比べて、何故かこいつだけはレベルが高かった。

サカキ「君だったか」

そう呟くのが聞こえた気がした。

サカキ「良いサンドだ」

と、言うとサカキ様はボールを腰に戻し、再び、自分と対峙してくれた。

サカキ「始めようか……私を失望させてくれるなよ」

先ほどと同じように悠然と立つサカキ様に比べ、ペルシアンは臨戦態勢を取った。
ペルシアンに敵として、初めて認められた。 眼光が自身を貫き、身体を震わせた。

したっぱ「いけるか?」

問いかける。

サンド「キュー」

相棒は一差し指を立て、左右に振って答えてみせた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:21:35.12 ID:ywe3S920<>
もう、身体に震えはなかった。 ペルシアンに対しての恐怖もない。
緊張もない、あるのは不思議な安心感と開放感だ。

したっぱ「んじゃ、行こうか」

サンドは構えた、いつでも行動出来るように。
自分の指示を忠実に実行できるように。

サカキ「ほう、これは……」

サカキ様は物色するように自分とサンドを見た。
そして、サカキ様の指が動く。

ペルシアン「ニャー……」

ペルシアンは体勢を低くし……
地面を蹴った。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:23:49.96 ID:ywe3S920<>
ここまで来て、初めて、ペルシアンから動いた。
自分がサカキ様に挑むという構図が消えてなくなった。

サカキ様の方から自分を探りにきた。

ペルシアン「シャーッ!」

口を大きく開けて、サンドに襲いかかる。
技の名は『かみつく』だろう。

したっぱ「『こうそくスピン』ッ!」

言い切る前にサンドは行動していた。
身体を丸めて、横に高速回転。
それにより、食い込もうとしたペルシアンの牙が弾かれる。

サカキ「むっ」

したっぱ「よしっ! 休ませるな!」

サンドの行動は早い、ペルシアンと比べても劣らない程に。
サンドが攻撃態勢を取った時にはペルシアンは反射的に横に跳ぶ。

だが、おしい。サンドの手から手裏剣を飛ばすように放たれるのは流れ星、『スピードスター』。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:25:06.12 ID:ywe3S920<>
サカキ「『みだれひっかき』だ! ペルシアン!」

ペルシアン「シャーッ!」

ペルシアンは身体を強引に捻り、『スピードスター』と真正面から対峙する。
そして、鋭い爪を向きだしに振り回す。
腕を振るたびに『スピードスター』は撃ち落とされ、消滅していく。

全部、防ぐのはそう難しいことではなかった。

ペルシアン「ニャーン…」

だが、弾いた先にサンドは居ない。
サンドは次の行動に移っている。

サンド「キューッ!」

相手の頭上、真っ逆さまに落下するサンド。
真下に振り上げた爪は紫色に変色していた。

したっぱ「『どくばり』だッ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:26:24.07 ID:ywe3S920<>
サカキ「…………」

したっぱ「……これでも駄目か」

サンドの爪は地面に突き刺さった。
数滴の血と共に。

ペルシアン「…………」

首筋に赤い一線を付けたペルシアンが数歩離れた場所でサンドを睨んでいた。
あと、一歩が届かなかった。 皮一枚で避けられた。

サカキ「毒か……」

ペルシアン「……にゃあ」

よく見るとペルシアンの顔色が悪い。
足下が少し震えていた。

サカキ「一撃必殺を狙えるあの場面、よく耐えたものだ」

サカキ様はペルシアンをボールに戻して言った。

実力差からして、急所に当たったとしても一撃で倒せないのは分かっていた。
だからこそ、『どくばり』に切り替え、確実に毒を与えるようにしたのだ。

だが、それは確実に攻撃が当たるという確信があったからだ。
避けられるとは思いもしなかった。
かすり傷で毒を負わせたのは、運が良かったとしか言いようがない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:28:24.37 ID:ywe3S920<>
サカキ「期待している」

それだけ言い残し、サカキ様は部屋を後にした。
それと同時に自分はその場に座り込んだ。

バトル中は気にしてられなかったが、あの威圧感を前にしてずっと戦っていたのだ。
心身共にもう、限界が近かった。

したっぱ「……あれがサカキ様」

改めて感じた距離。 力の差。 実力の半分も出しちゃいない。
このくらいのことは知っていたはずだが、改めて体感するのとはまた話が違う。

なまじ強くなった分、よく分かるというもの。
今も変わりなく、忠誠を誓いたいと思えるお方だった。

したっぱ「…………」

汗ばんだ手で拳を作り、握りしめる。
今日という日、忘れられそうにもない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:29:19.56 ID:ywe3S920<>
これから数日後……
自分は新しい配属先が決まる。

別に他の町に行くということではない。
これ以上、みんなと一緒にプログラムを受ける必要はないと告げられただけだ。

そして、その配属先が。

アテナ「ほら、ちんたらしてるんじゃないよ!」

したっぱ「は、はい!」

こういうことだ。
まさか、幹部の一人のお世話になることになろうとは思いもよらなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 15:31:10.77 ID:ywe3S920<>ここまでで中断します。
やっと話が進ませることが出来た。

必要だったとはいえ、エリカで遊びすぎたな。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/20(火) 16:14:42.45 ID:ywe3S920<>今から、また日数が結構進んで参考にならなくなるので、
全員の参考にしてたポケモンのステータス

したっぱ
・サンド Lv.35
・ズバット Lv.14
・アーボ Lv.10
・ドガース Lv.10
・コラッタ Lv.10

したっぱA
・ゴルバット Lv.25
・コラッタ Lv.19
・ピジョン Lv.22

したっぱB
・ズバット Lv.18
・アーボ Lv.14

サカキ様
・サイホーン Lv:24
・ペルシアン Lv:53<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/20(火) 17:06:43.63 ID:Li7Ze6SO<>お疲れ。
アテナ様キター!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/20(火) 18:58:48.31 ID:FhaeZQco<>お、きてたのか。乙<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 10:09:47.44 ID:nJhAbPMo<>
アテナ「ったく、どうして、あたくしが…」

具現化できそうなくらいの不機嫌なオーラを出したアテナさんの後ろを歩いてゆく。
理由は簡単、ただ単に急に呼ばれて、付いてこいと言われたから。

アテナ「さっさと付いて来なッ!」

したっぱ「はい!」

それ以外のことは何もしらない。
それ故に、話を広げるものも、推測することもできない。

よって、これ以上のこの事に関して思考を無駄とする。
かといって、他に考えることもないのだが。

したっぱ「…………」

そういえば、最近、Aの奴が早朝にここを抜けだしてるのを見たことがある。
様子から見て、よく抜け出しているようだが……まあ、俺とは関係無い。

そもそも、あれ以来、口も聞いていない。
話すこともないし、謝るつもりもない。
だから、現状を維持し続ける。
少なくとも自分から行動を起こす気にはなれない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 10:10:42.07 ID:nJhAbPMo<>
アテナ「話は聞いているのかい?」

歩みを止めず、顔だけ覗かせた。
俺は顔を横に振る。

アテナ「チッ、まあいいでしょ」

頭をかいて、めんどくさそうな口調で言葉を続ける。

アテナ「サカキ様から言われてるのは、あなたの教育だ」

アテナ「使えるものにしてくれってな」

アテナ「まあ、あなたの問題を言わせて頂こう」

右足を地面に叩きつけ、左手を腰へに置く。
そして、左足を引き、同時に腰をひねる、胸は真正面を向くように。
右手を真正面に出し、指先まで伸ばしきる。

アテナ「あなたのポケモンは弱すぎる!」

悪の組織たるもの、ポーズにも拘るものである。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 10:11:38.07 ID:nJhAbPMo<>
アテナ「勝手にだが、ロケット団の技術であなたのポケモンの実力を数値化させてもらったよ」

どこからともなく取り出した紙。 どこにしまってあったかは問うてはならない。
そこらへんは悪の組織たる者の嗜みというものだ。

俺たちは相手の変身を待たず、準備を待たずに平然と不意打ちや攻撃をするが、
悪の組織たる者の嗜みである。

アテナ「結果はなんとも、言い難いくらい素晴らしいものだ」

広げた紙を指先で弾き、口の端を魅了的にゆがめる。
そして、足を振り上げ、

アテナ「支給したポケモンが全部初期レベルってどういうことよ!」

俺に向けて投げつける。
振りかぶった時に白いチャイナドレス(ロケット団改良)、の太股の切れ目から、
別の白い何かが見えたとかそんなことは無かった。

悪の組織はある意味では、正義の味方よりも人道的で子どもの教育に役立てる。
ロケット団の技術はこういう所でも高性能なのだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 10:12:54.50 ID:nJhAbPMo<>
投げつけられた紙を素早く受け取り、中身を読んでみる。
だが、数値化したところで基準が分からなかった。
単純に見て、分かるのはサンドが飛び抜けているということだけだろうか。

アテナ「とりあえず、あんたはこれから、あたくしの元で頑張って貰う」

アテナ「そして、ポケモンを鍛えるのを怠るんじゃないよ!」

こうして、新しい日々が始まった。
そして、新しい日々は何事もなく、順調に進んでいく。

あの日までは……


<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 10:14:44.56 ID:nJhAbPMo<>とりあえず、ここまでで一区切り。
描きためてくる。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/21(水) 12:17:33.52 ID:kyo6RASO<>乙!アテナ様かわいいよアテナ様
白……だと………<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:36:09.31 ID:nJhAbPMo<>
したっぱA「ん?」

いつもの時間、いつもの場所。
朝だというのに夏の日差しは強く、汗が止まらないそんな日。

あまりに静かな庭に一人ぽつんと取り残されている自分。

したっぱA「もう少し待つか」

花の匂い、草の匂い、人工的に作られたものでありながら、
自然に包まれたこの空間。

嫌なものでもなく、むしろ、安らぎを感じる。
だから、気づかなかったのかもしれない。
心の奥底に感じる違和感。

だから、俺は逃してしまったのかもしれない、この日の舞台に立つことを。
それは言い訳か。

    @      @      @      @      @

今日は監視カメラを見張る任務だった。
ゲームコーナーの地下にある、このアジトの存在に気づく者はおろか、
侵入してくる奴なんて、居ないに等しい。

元より、そんな状況が起きたことが一度もない。
現在が早朝であるがゆえ、あくびをしてしまう者も居るほどの怠慢っぷり。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:37:06.39 ID:nJhAbPMo<>
だが、物語りが進むときはいつだって唐突だ。
前触れはあった、あのオツキミ山。
そして、話にしか聞いてないが、ゴールデンボールブリッジを五人抜きした男。

名前はもう知っていた。 赤い奴ことレッド。
トレードマークとも言える帽子が目の前のテレビに映し出されていた。

したっぱ「こいつは……オツキミ山で邪魔をした奴ッ!」

下っ端モブA「侵入者!?」

下っ端モブB「サカキ様とアテナさんに伝えろッ!」

始めての自体に監視室は騒がしくなる。
俺はというと、五つのモンスターボールを腰に取り付けていた。

今すぐに描けだして、戦いたいという気持ちに駆られた。
ロケット団の元で、アテナさんの元で、鍛えられて、かなりの日数が過ぎている。

成長したという実感があった、あの土下座した屈辱を今、返したい。
あの時のあいつなら、戦える自信はあった。少なくとも勝負になる自信は。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:37:58.95 ID:nJhAbPMo<>
アテナ「ちっ、幹部が私しか居ないってときに……」

アテナ「第一、どうしてサカキ様の居るアジトがこんなに手薄なんだよ」

額に指をやり、眉間に皺を寄せる。

アテナ「まあ、今言っても仕方ないな」

アテナ「あなたには付いてきてもらうよ」

したっぱ「自分ですか?」

アテナ「あなたしか居ないんだよ、あたくしと一緒に戦える奴が」

したっぱ「え?」

自分はいつの間にここまで評価されていたのだろうか?
ロケット団の人材不足はそれほどまでにやばいということか。
無難に考えて適材箇所ということだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:38:51.08 ID:nJhAbPMo<>
アテナ「行くよ!」

したっぱ「はい!」

何はともあれ、自分に選択肢はない。
納得した訳ではないが、ついて行かざる得ない。

騒ぎが大きくなれば、抜け出せるだろうか。
そして、手合わせ出来る機会が得られるだろうか。

そんなことを考えて、アテナさんの後ろを付いていった。



したっぱ「…………」

アテナ「…………」

事もあろうか、持ち場がサカキ様の部屋の前。
こうも奥地だと手合わせ出来る機会は訪れそうにもない、
そして、何よりこの持ち場を離れる訳にはいかない。

元より、私情に振り回されて良い持ち場じゃない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:39:44.35 ID:nJhAbPMo<>
自分ってここまで、評価されていたのだろうか。
悩んでいても仕方ない。

事の成り行きを見守るだけだ。

それに今回はレッドの他に、二人の侵入者が居るらしい。
一人でオツキミ山のロケット団を暫くの間、再起不能にした男でも、
一人で立ち向かうのは厳しいと悟ったのだろうか。

それとも全く関係の無い、別の誰かか。

アテナ「…………」

アテナさんはというと、黙って腕を組んでいる。
忍耐力が高いのだろうか、集中力があるのだろうか。
しかし、隣でこうもどっしりと構えていてくれるのは心強かった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:40:39.04 ID:nJhAbPMo<>
暫くして、奥が騒がしくなるのが聞こえる。
自分の前の通路を駆ける、下っ端達。

アテナ「…………」

それでもアテナさんは動かない。
指示を出す素振りもない。
まるで最初からこうなることが分かってるかのように落ち着いている。

そんなアテナさんが横にいると、良くも悪くも安心してしまう。
勢いに任せて行動を……という訳にもいかないらしい。

アテナ「…………」

何より、時折、こちらを見る視線が怖い。
金縛りでも覚えているのではないだろうか。

技マシン01でメガトンパンチ……懐かしいネタだ。
今ではきあいパンチだけど。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:41:51.22 ID:nJhAbPMo<>
騒ぎは徐々に大きくなってゆき、近づいてくる。
ロケット団の大半がやられたのだろうか。

徐々に自分の前を通る人物が減ってゆく。

そして、奥の角から見覚えのある影が姿を現した。
トレードマークの赤い帽子。
あの時と変わらぬ姿でそこに歩み寄ってきた。

レッド「あと何人倒せば良いんだ?」

レッドは特に疲れた様子もなく余裕を持った様子で語りかけてくる。
流石に自分のことは覚えてないようだ。

今すぐに戦いたい気持ちを抑えきれずに腰のボールに手を伸ばすが、

アテナ「収めろ」

それを一言で静止される。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:42:47.63 ID:nJhAbPMo<>
レッド「……お前は俺と会ったことがあるのか?」

そんな割り切れない気持ちを悟ったのだろうか。
レッドは自分に問いかけてきた。

レッド「最近、一度でも戦った人は全員、二度とポケモンバトルをしてくれなくてね」

レッド「お前みたいな人は珍しいよ、それもロケット団に居るなんてな」

レッドがボールを前に掲げる。

レッド「…………」

したっぱ「…………」

数歩の距離を置いて、そのまま、立ちつくす。
長いか短いかは分からない時間が過ぎた。

アテナ「分かってるな?」

二人の間に割って入ったのはアテナさんだった。
自分はレッドの目から顔をそらし、距離を置いた。

レッド「残念だ」

それだけ言うと、サカキ様の居る部屋へと姿を消した。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:43:38.41 ID:nJhAbPMo<>
したっぱ「さて……」

アテナ「来るよ」

今度は二人で構えを取り、見据える。
見据えた先には先ほど、レッドが表れた角。

そこから表れたのは見覚えのある顔だ。

エリカ「ここにレッドさんは来ませんでしたか!?」

アサエ「エリカさん! 待ってください!」

エリカ「アサエ、遅いです!」

表れたのは、お嬢様ことタマムシシティのジムリーダー。
『草』のスペシャリスト、エリカ。

しかし、大人しくお淑やかという世間一般の評価とは違うようだ。

したっぱ「行け、サンドパン」

何も言わずにポケモンを出した。
エリカも理解したようで、自分に続いてポケモンを出す。
アサエと呼ばれた少女も続いた。

アテナ「チッ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:44:37.86 ID:nJhAbPMo<>
アテナさんもボールに手を伸ばす。
だが、同時に大きな衝撃音。

アテナ「ッ!?」
したっぱ「なッ!?」
エリカ「これは…っ?」
アサエ「なんですか!?」

地下全体を揺るがし、天井に着いた砂や埃がパラパラと降り注いだ。
震源はどうやら、背後の部屋からのようだ。

したっぱ「アテナさん」

アテナ「なんだい、したっぱ」

したっぱ「退路は確保出来ていますか?」

アテナ「……んだと?」

不機嫌オーラが具現化されるような錯覚を覚える。
だが、ここで退くわけにはいかない。

本来ならばあり得ないことなのだが、このアジトは半壊したと言ってもおかしくない状況のはずだ。
防衛に失敗した、俺たちのやるべきことは何か。
状況はそこまで進行している。

先ほどまで、レッドのことばかりに頭が行っていたが、
さっきの振動のおかげで冷静さを取り戻すことができた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:45:39.01 ID:nJhAbPMo<>
アテナ「何が言いたいんだ?」

したっぱ「サカキ様の退路、確保しといてください」

アテナ「サカキ様が負けると思ってんのかい?」

したっぱ「思っていません。自分が言っているのか勝ったあとの話です」

したっぱ「このアジトの状態は今、他が付けいる隙」

したっぱ「つまり、格好の餌食って訳ですッ!」

したっぱ「サカキ様と言えど、訓練された集団に孤立無援に戦うことは不可能です!」

アテナ「…………チッ」

言いたいことは通じたようだ。

アテナ「下っ端の癖に生意気な」

したっぱ「後で謝りますので、今は見逃してください」

だが、アテナは動かない。
それは目の前に二人が居るからだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:46:41.48 ID:nJhAbPMo<>
アサエ「ノンノンノン、行かせませんよ」

エリカ「そちらの思い通りにことが進むと思っているのでしょうか?」

二人とも現状を理解しているようだ。
今がサカキ様を捕まえるチャンスであることも分かっている。

アテナ「分が悪いねぇ」

分が悪いのは元より承知。
そして、この提案を口に出した時には覚悟は決めていた。

したっぱ「行ってください」

アテナ「……何を言ってるんだい? 一人で適うと思ってるのかい?」

したっぱ「そこまで自分、強情ではないです」

ジムリーダーにジムトレーナー、二人でかかって来られれば、結果は見えてる。

したっぱ「捨て駒は下っ端の役目ですよ」

アテナ「……格好付けやがって」

アテナ「どうせ、散るなら派手な花火を上げやがれ」

したっぱ「イエス、マム」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:49:07.97 ID:nJhAbPMo<>
アテナさんは駆けだす。
おそらく、ポケモンを取りに行くのだろう。

『あなをほる』と『そらをとぶ』を使えるポケモンを。

エリカ「行かせると思っているのですか」

エリカがボールから出していたのはキレイハナ。
虹色の葉、『マジカルリーフ』がアテナに向かって放たれる。

したっぱ「マタドガス!」

瞬時にボールからポケモンを出し、アテナを守る肉壁として扱う。
マタドガスは耐久力に優れている、一発食らったくらいじゃ倒れない。

したっぱ「敬語にも疲れていた所だ……」

マタドガスをすぐに戻し、代わりに出すのはゴルバット。
大きい翼を羽ばたかせ、サンドパンの上に布陣する。

したっぱ「この身、悪に落として数年」

したっぱ「学んだのは世の汚さと人の醜さ、現実と夢の違い」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:52:30.08 ID:nJhAbPMo<>
したっぱ「そんな世界だからこそ輝くのが正義という二文字」

したっぱ「善悪に違いはあれど、どちらに置いても正義の意味に違いはない」

したっぱ「自分の信じる道を突き進み、顧みず! それが悪の華ッ!」

したっぱ「本当の悪に邪悪無しッ! 胸にあるのは信念よッ!!」

息を軽く吸う。

したっぱ「ここを通るなら……」

数拍の溜め、同時に二匹に指で指示を出す。

したっぱ「俺の屍、超えて行けェッ!!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/21(水) 14:53:30.40 ID:nJhAbPMo<>中断します。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/21(水) 17:07:21.60 ID:kyo6RASO<>惚れてまうやろ…<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/21(水) 17:07:26.81 ID:xqRVHYDO<>こんなかっこいいしたっぱなら
嫁にいきたい<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 08:26:17.03 ID:AeiBukAO<>ながら投下行きます
地の文、フルバースト<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 08:46:39.65 ID:AeiBukAO<>
アサエ「はっ! 何を言うかと思えば!」

アサエは鼻で笑った。
その自信はジムリーダーであるエリカが傍らに居るお陰か、
はたまた、ジムトレーナーである自負か。

アサエ「瞬殺っ! あるのみっ!!」

喉を相手に見せると、首を掻かっ切る動作を見せる。
それと同時にキレイハナの首が飛んだ。

アサエ「えっ!?」

見上げるとくるくるっと回転するキレイハナのいつもの笑顔。
首元から降り注ぐ、赤い液体が綺麗に装飾し、その世界の狂喜を彩っていた。

その一滴が頬に付着する。

アサエ「……っつ!」

燃える様に熱く、体内の血流が沸騰するかの様な錯覚に陥る。
咄嗟に服の裾で拭うが、熱さは消えなかった。

むしろ、伸び広がってゆく。

アサエ「あ……あぁ……っ」

爪を立てた。痛みよりも熱さの方が耐え切れなかった。
頬が引き裂かれ、血が溢れ出てきた。

溢れ出た血のせいか、熱さは消えた。
瞬時に伸び広がった血を溢れる血で洗い流す。

溢れる血が付着した部分から皮膚が爛れていったが、
気にしてはいられなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 09:10:20.94 ID:AeiBukAO<>
アサエ「はぁ……はぁ……」

気付くと頬は無くなっていた。
触れようとすると、硬い何かに指先が当たった。

アサエ「あ……あぁ……」

エリカさん、苦しくて逃げ出したい。
助けてください。

言葉にはならない。
口が思うように動かない。

助けを求めようと真っ赤に染まった部屋を見渡した。
キレイハナの胴体からは噴水のように赤い水が吹き出しており、
その先に全身でそれを浴びるサンドパン。
その双眸は自身を捕らえていた。

アサエ「ひっ!……ぁ……」

エリカさん!
一歩後ろに下がる。

背中に柔らかい何かに当たった。
いつも抱きしめていたから分かる、エリカさんの感触。

思いは通じたと思い、振り返る。

アサエ「……っ!?」

朧げな瞳、だらしなく口から一筋の赤い軌跡。
首は異常なまでに細い、捩られたかのように皺が寄っている。
腕は糸で吊されたかのように空中に固定されており、
胸元の服は引き裂かていた。

豊満な二つの双胸の間にあるの四つの穴。
まるで、何かに噛み付かれたかのようだ。
そこからもまた、赤い液体が溢れ出していた。

下半身は見当たらない。
腹部のあるはずの場所には白いいびつな形をした棒が垂れ下がっており、
ピンク色のチューブのような何かが、漏れ爛れいる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 09:28:00.54 ID:AeiBukAO<>
×××「ペチャ……クチュ……」

背後から何かをしゃぶるような音が響いた。
振り向いた。

そこにエリカさんの下半身があった。

白く、美しいラインを描いた足は紅によって、より引き立たれている。
大事な部分は見えない。
青紫色の生き物によって、遮られていた。

×××「ペチャ……クチュ……」

音の発信源はどうやら、あそこからの様だ。
逃げ出さなきゃ、本能はそう告げている。
しかし、金縛りにあったかのように四肢の全て、指先まで動かなかった。
目を閉じることも叶わない。

×××「…………」

音が止んだ、同時に動いた。
両翼を広げ、身をよじらせて、

こちらを覗き込むように。


その双眸は怪しく光っていた。

アサエ「あ……あ……」

   @      @      @      @      @

アサエ「あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

エリカ「アサエ!?」

言い切ると同時に不気味に輝くゴルバットの双眸。『あやしいひかり』。
それは複数の敵を捕らえ、物理的干渉の影響は精神世界にまで及ぶ。

敵に何が起きたのかは相手の反応を見るに想像するのはたやすい。
人に使うにはやはり、躊躇われる技だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 09:33:08.38 ID:AeiBukAO<>中断します。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/22(木) 09:56:01.75 ID:OVT7qwAO<>おお…おおぉ…
びびった…

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/22(木) 10:42:58.59 ID:YcdCm6SO<>あやぴかの本気…ゴクリ
したっぱcoolすぎる<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:43:14.98 ID:G2NcSbs0<>
エリカ「アサエ! しっかりしてください!」

アサエ「あぁ……エリ……カ……さ…ア゛ァ゙ァ゙ァ゙ッ!!」

しかし、流石ジムリーダーと言うべきか、一緒に狙ったはずのエリカは寸のところで裾により光を遮断していた。
視覚による干渉がないかぎり、『あやしいひかり』は効果を発揮しない。

キレイハナ「…………」

キレイハナにも混乱した様子が無い以上、上手く回避したのだろう。
ほぼ必中の技であってもジムリーダーレベルであれば、真正面から当てるのは容易くないということか。

しかし、場に出されたフシギソウ、そして、ジムトレーナー。
一人と一匹の動きは封じた。 これで1対1、やっと対等という状態だ。

エリカ「くっ……キレイハナッ!」

だが、それであっても不利な状況であるというのは変わりない。
ジムリーダーとロケット団下っ端。 格があまりにも違いすぎる。

エリカ「ゴルバットに向けて、『リーフブレード』っ!」

したっぱ「守れサンドパン! 『きりさく』ッ!」

素早い動きでゴルバットに接近するキレイハナの前に立ちふさがるのはサンドパン。
硬質化された細長い葉は止まらず、そのまま、振りかぶられる。
それをサンドパンの鋭い爪によって、受け止めた。

サンドパン「キューッ!」

しかし、耐えきれるものではない。
弱点であり、実力差がありすぎる。
爪にヒビが入り、三本ある内の一つが音を立てて砕け散った。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:44:17.68 ID:G2NcSbs0<>
したっぱ「サンドパンッ!」

こうなることは想像出来た、だが、思わず叫んでしまった。

エリカ「タイプのことをお忘れですか?」

エリカの表情が変わる。明らかに敵意の篭もった目だ。
だが、育ちの良さのせいか殺意を込めるまでには至っていなかった。

したっぱ「タマムシジムリーダー。 草のエキスパート。 その名はエリカ」

したっぱ「ロケット団の一下っ端とは格が違いすぎる」

したっぱ「戦術、知識、恐らく俺はお前の足下にも及ばない」

それは最初から認めている。
本当に二人でかかって来られたら瞬殺されていたところだろう。

したっぱ「だからこそ、一番信頼出来るポケモンで挑む」

したっぱ「行けるな、サンドパン」

サンドパンは折れた爪を立て、左右に振って見せた。
進化前から変わらない仕草、それを確認し自分は戦えると確信する。

エリカ「……どうして貴方のような方がロケット団なんかに」

エリカは唇を噛んで、耐えるように声を出した。

したっぱ「ポケモントレーナーは強い者に憧れる」

したっぱ「そして、多くの者はチャンピオンのワタルがその対象だ」

ただ、と付け加え、

したっぱ「俺にとって、その対象がサカキ様だった。それだけのことさ」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:45:41.76 ID:G2NcSbs0<>
エリカ「そうですか……」

残念そうな目で言い、ゆっくりと閉じた。
そして、次に開けた時は穏やかな顔立ちには不釣り合いの闘争心溢れる目に変わっていた。

エリカ「例え、どういう事情であれ、アサエにやったことは許せません」

エリカは指を立て、キレイハナに指示を飛ばした。
キレイハナは舞い踊り、同時に粉を飛ばす。

対象はこちらではなく、錯乱状態に陥っているアサエとそのポケモン、フシギソウだ。
一人と一匹は次第に動きを鈍くさせ、アサエは自身を支えきれなくなり、膝から落ちる。

エリカ「おやすみなさい」

エリカはそれを抱き留め、頭を撫でる。
心なしかアサエの表情が安らいだのは気のせいだろうか。
交遊を持っていない、自分には分からなかった。

エリカ「さて、」

アサエを壁に座らせると両手をパンパンッと払い、視線を自分に向ける。
逃げ出したくなるほど、威圧感のある視線だ。
殺意が篭もってないとはいえ、ロケット団で戦っていた相手とは比にならなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:46:56.90 ID:G2NcSbs0<>
エリカ「モンジャラ」

ボールを出し、それを放り投げる。
出てきたのは宣言道理のモンジャラ。

相当、鍛えられているのがすぐに分かる。
キレイハナと同等くらいか。

したっぱ「更に状況が悪くなったか?」

サンドパンの様子を見る。
相手を見据え、折れた爪で構えている。
怯んだ様子はない。

ならば、行ける。 無根拠で確信的の自信が沸き上がる。

エリカ「まずは、」

指を差す、同時にエリカの手持ちの二匹が動き出す。

エリカ「そのゴルバットを封じさせて頂きますッ!」

『つるのムチ』、『マジカルリーフ』。
その両方がゴルバットに襲いかかる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:47:57.16 ID:G2NcSbs0<>
したっぱ「やらせるか!」

サンドパンが駆ける、うねるツルに接近し切って捨てる。
同時にモンジャラから複数のツルがサンドパンに標的を変え、襲いかかった。
1、2、3……数えるきるのは難しい。
サンドパンは最初の一本を身体を捻り、辛うじて避ける。
そのまま、勢いを殺さずに一回転して、爪を振るった。
ツルが斜めに切り裂かれる、切れ目から緑色の液体が飛ぶ。

サンドパン「……ッ!」

バックステップ、先ほどまで居た位置に二本のツルが突き刺さる。
更にバク転の要領で後ろに跳ぶ、今度はしなったツルが一本、音を立てて地面にヒビを入れる。

そこでサンドパンは止まる、同時に前後から襲いかかるのは二本のツル。
捕らえようと横に振るった。

サンドパン「キュー……」

サンドパンは体勢を低くする、そして、地面を蹴る。
移動はしない、その場で横に高速回転を行う。
『こうそくスピン』、巻き付こうとしたツルを弾き返す。

サンドパン「キュッ!」

一息を吐く間もなく、サンドパンは跳ねる。
視線の先にあるのは先ほど弾いた、ツル。
一瞬の溜め、その後に放たれる一撃、『ブレイククロー』は容易くそれを真っ二つに裂いた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:48:54.48 ID:G2NcSbs0<>
エリカ「くっ…見込み以上の実力のようですねっ!」

実力的にはサンドパンはモンジャラに負けている。
ただ、サンドパンは指示を出さずとも一匹で満足に戦うことが出来た。
俺はそれをフォローするだけ、下手に指示を出すよりも、その方が強かった。

だが、モンジャラの判断も正しい。咄嗟に標的を変えた大量のツル。
それはサンドパンの足止めの役割を十二分に果たし、『マジカルリーフ』はゴルバットへと悠々と襲う。

したっぱ「ゴルバット、『エアカッター』!」

ゴルバットはサンドパンの様にはいかない。
自分の意思で動くよりも、指示を飛ばす方が効率が良い。

ゴルバットは翼を振り回し、迎撃を開始する。
だが、高速で飛来する虹色輝く葉を迎撃するのは難しい。
およそ半分を打ち落としたところで虹色の矢はゴルバットの翼を貫いた。

したっぱ「チッ! 戻れ、ゴルバット!」

これ以上の戦闘は危険だと判断し、ゴルバットをボールに戻す。
そして、すぐにボールを選び握りしめる。
一時的にとはいえ、一匹となったサンドパンにかなりの負担を与える。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:50:05.82 ID:G2NcSbs0<>
この隙に二匹がサンドパンを仕留めようするだろうと思ったが、

エリカ「…………」

エリカは動かなかった。

したっぱ「どうしたんだ?」

思わず、問いかける。

エリカ「いえ、ポケモンを大切にする方がロケット団に所属するなんて、やっぱり……」

この後に及んで、エリカは非情になりきれていなかった。
やはり、エリカは育ちが良かったんだと思う。
この世界の同情は、侮辱に値するということを知らないのだ。

したっぱ「勘違いするなよ?」

だから、口に出す。 嘘の言葉を。
自分も非情には成りきれない人間だ、だから、相手に非情に成って貰わなければ戦い辛かった。

したっぱ「ゴルバットを戻したのは……そこのアサエとか言ったな?」

したっぱ「そいつが目を覚ました時の足止めのために必要だからだ」

出来るだけ声のトーンを落として言う。
見せかけの威圧には、アテナさんの元で働く過程で何度も使ってきた。
もう、馴れていた。

エリカ「ッ!?」

エリカが目を見開き、身体を硬直させる。
暫くして、握り拳を作り、身を震わせた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:55:00.84 ID:G2NcSbs0<>
エリカ「貴方は……」

歯ぎりしが聞こえそうなくらい歯を噛みしめ、唸るように口に出す。

エリカ「貴方は人ですかっ!!」

殺意が身を貫く。極寒の地に裸で居るような寒さが身を突き抜ける。
だが、引く訳にはいかない。

したっぱ「俺はロケット団だッ!!」

身を震わせて言う、それが気迫によるものか、恐怖によるものか、はたまた、武者震いというものか。
どれなのかは分からない、ただ、唇の端がつり上がるのを止められなかった。

   @      @      @      @      @

結果は見るも散々だった。
手持ちのポケモンは全て見るも無惨なものだ。

五体満足なポケモンは一つとて居ない、俺も含めてだ。

サンドパンは両手の爪が根本から折られており、マタドガスは二つのボールがくっついた所が半分裂かれている。
ゴルバットの翼は見る影もなく、アーボックの顔の模様はもはや何をしめしているのか分からない。
ラッタは足を折られて苦しそうに藻掻いている、そして、俺は右腕がポッキリと逝ってしまっていた。

サカキ様は無事に脱出できただろうか? 十分に時間は稼いだと思うが。
しかし、負け戦に取り残された者の気分というのは案外、寂しいものだ。
もう少し、達成感があると思ったが、空虚感に包まれる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 15:56:34.54 ID:G2NcSbs0<>
エリカ「貴方は……」

歯ぎりしが聞こえそうなくらい歯を噛みしめ、唸るように口に出す。

エリカ「貴方は人ですかっ!!」

殺意が身を貫く。極寒の地に裸で居るような寒さが身を突き抜ける。
だが、引く訳にはいかない。

したっぱ「俺はロケット団だッ!!」

身を震わせて言う、それが気迫によるものか、恐怖によるものか、はたまた、武者震いというものか。
どれなのかは分からない、ただ、唇の端がつり上がるのを止められなかった。

   @      @      @      @      @

結果は見るも散々だった。
手持ちのポケモンは全て見るも無惨なものだ。

五体満足なポケモンは一つとて居ない、俺も含めてだ。

サンドパンは両手の爪が根本から折られており、マタドガスは二つのボールがくっついた所が半分裂かれている。
ゴルバットの翼は見る影もなく、アーボックの顔の模様はもはや何をしめしているのか分からない。
ラッタは足を折られて苦しそうに藻掻いている、そして、俺は右腕がポッキリと逝ってしまっていた。

サカキ様は無事に脱出できただろうか? 十分に時間は稼いだと思うが。
しかし、負け戦に取り残された者の気分というのは案外、寂しいものだ。
もう少し、達成感があると思ったが、空虚感に包まれる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 16:00:27.06 ID:G2NcSbs0<>
――コツッ コツッ

背後から足音が聞こえた。
一人であることから、エリカ達では無いようだ。
レッドもエリカ達と合流してるはずだから、それも無いだろう。

まだ、この基地に残っている者、大体想像は出来た。

したっぱA「……何が起きたんだ?」

Aだ。 三人の襲撃時、彼は居なかったという報告を耳に入れている。
それどころでは無かったため、気にもとめていなかったが、今となって怒りがこみ上げてくる。

したっぱA「おい、どうしたと聞いているんだ!」

何故、こいつがこんな偉そうにしているんだ?
どこに今まで行っていたんだ?

あの時に土下座したことは情けないものだったと今でも思っているが、決して間違った判断じゃなかったと思っている。

だが、そのことで俺のことを卑下するのは別に構わないと思っていた。
しかし、今の貴様に俺を卑下する資格はあるのか?

したっぱA「がはっ!」

気付くと拳を振るっていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 16:01:57.96 ID:G2NcSbs0<>
したっぱ「ぐっ……」

左手で殴ったにも関わらず、右腕に激痛が走った。
だから、続けて殴ろうとしたが、そこで止めてやった。

したっぱ「二度と俺にその面を見せるんじゃない」

したっぱA「…………」

Aは黙って、俯いた。
多少は反省はしているようだ、反省したところでどうだという話でも無いが。

したっぱA「すまなかった」

それだけを言い残すとAはその場から立ち去った。
足音も聞こえなくなったところでようやく、長く息を吐いた。

したっぱ「…………」

本当に何も残らない、あるのは極めて不明確な空しさだけだった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/22(木) 16:11:05.42 ID:G2NcSbs0<>中断します。
あと、少し書いたらロケットゲームコーナー地下アジトは終わりで、したっぱBの話になります。

書きたいところが書ける時の快感は手が届かなかった掻きたいところが掻ける時並の快感。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/22(木) 16:53:46.01 ID:YcdCm6SO<>お疲れ。
ハードボイルドさが堪らんぜ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/23(金) 00:22:53.92 ID:.qwKv/Qo<>乙!
アニメとかだと美化されてるけど、ポケモンバトルって本来はこのくらいの負傷があってもおかしくないよね<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:06:56.15 ID:.P.R9QAO<>試合だと、ここまでする必要は無さそうだけど、
トレーナーアタックが普通のロケット団戦は
身どころか命の危険があるために、
相手を無力化する意味でも瀕死にするのが基本みたいなイメージ

レッドもエリカも試合じゃ、あそこまでやりません。
いっても、アニメ版のサトシのリザードンが暴走するレベル<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:16:26.68 ID:.P.R9QAO<>毎度、思うけど
ルール無しじゃ、マチス最強だよな

ポケモンを公使した戦争から目立った傷も無く帰還してんださぜ?<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:28:06.64 ID:.P.R9QAO<>マチスさんがあんなハイテンションなのもよく分かるな
俺達のやってるポケモンバトルなんざ、マチスさんにとって文字通り遊びでしかない

だから、あんなに笑うことができ、負けた後も持ち前の明るさで
気持ち良く送り出してくれるんだ

そして、一人きりになった時、良い時代になったもんだと、
アクア号の看板で煙草をふかしてるんだよ。

戦争中、どれだけ酷い経験をしてきたか……
想像するのはたやすくない、しかし、明るさを失わないマチスさんは
どんだけ強い人間なんだ

そりゃ、あんな引きこもりテクニックを使っても、
ジムトレーナーからは親しまれてるはずだよ!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:30:50.44 ID:.P.R9QAO<>マチス布教はここまでにして、さっさと続き貼ります<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:33:01.46 ID:.P.R9QAO<>
ロケットゲームコーナーの地下の出来事は収まるべきところで収まる。
マスコミにはレッドの名前は報道されなかったし、エリカの名前も出てこない。
もちろん、ロケット団の名もだ。

警察の介入があるかと思えば、そうでもない。
ロケットゲームコーナーは数日の休業の後にいつも通りの営業を続けている。
あの襲撃は無かったかの様に物語は進んでいく。

そういえば、レッドはどうしてロケット団と対立しているのだろうか?
その理由は至極単純なものだ、ポケモンを商品として、道具として、研究材料として扱い、更には兵器としての製造する。
そんなロケット団がレッドは許せないからだ。

そして、彼にはロケット団と真正面から戦えるだけの力があった。

この世界にミサイルや銃器といった類のものは存在しない。
ポケモンが存在するからだ。彼らは銃器よりも強い。
だから、人々はポケモンを使役することに長けるようになった。

もはや、過去の遺物なのだ。 銃器といった類の物は。
そして、その影響は人々の戦術にも与えいる。

この世界の戦い方はあるレベルを超えると現代のような組織化したようなものではない。
一人が英雄になれる、軍神になれる。そんな、戦い方も可能な世界だ。
単純な話、Lv.100のポケモンに対して、例え囲んだとしても、Lv.10くらいのポケモンが何十匹集まったところで倒せない。

まあ、実力が高ければごり押しが通用するのだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:34:27.24 ID:.P.R9QAO<>
よって、レッドは一人で烏合の衆であるロケット団と戦えるだけの実力者ということになる。
彼のレベルはもはや、ジムリーダーレベルの実力者。
トレーナーとしての力量だけなら、軽くそれを超えているかもしれない。

……レッドの話はこれくらいでおいといておこう。

あの事件、世間的には影響はないと言った。
しかし、関わった方々には確かな影響、そして、傷を残していった。

暫しの間、物語を進めるのを止め、その後の各々の動向を観察したいと思う。
お付き合い頂きたい。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:37:15.84 ID:.P.R9QAO<>
エリカ「あの……」

アサエ「なんですか、エリカさん?」

エリカ「……いえ、なんでもありません」

アサエ「なんですか、それ」

強すぎるくらいの日光、そして、涼やかな風がながれる。
風は木々の葉を撫で、葉は揺れ動き囁き合う。
大きな木の下に座り込み、アサエとそれを楽しんでいる。

いつも通りの庭、日課となった散歩の途中。

どう考えても気持ちいいはずなのだ。しかし、気は沈んでしまっている。

アサエ「エリカさーん」

エリカ「はい」

アサエ「昨日は済みませんね、寝込んじゃいまして」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:42:08.10 ID:.P.R9QAO<>
アサエの言葉、私が咄嗟についた嘘だった。
私たちの間で昨日のことは無かったことになっている。

アサエに昨日の記憶はない。
そのことを除いたら、アサエはいつも通りだ。
いや、いつも通りというには些か難しすぎるか。

――バサバサッ

鳥ポケモンが羽ばたいた。

アサエ「ひっ!」

その音に敏感に反応し、アサエは私を抱きしめる。
いつもなら憎まれ口を叩きながら、突き放すところだが、それをする気が起きなかった。
震えていた。 私の着物を強く握りしめる手が、胸が痛い程に震えていた。

優しくアサエを包み込み、身体全体でそれを感じる。
頭を撫でて、大丈夫ですよ。と、声をかける。

アサエ「あ……あれ?」

暫くすると、頭も冷静になってきたのか、顔を真っ赤にしたアサエが自分の身体を突き放す。
ったく、久々に優しくしてあげたのに、この様な扱いを受けるとは。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:45:20.20 ID:.P.R9QAO<>
アサエ「あ、あの違うんです!」

慌てふためいて、両手を左右に振りながら否定するその姿は見てて飽きない。
普段はいつ抱きしめようかと企んでいる癖に何故、こういう時にこそあまえたりしないのだろうか。
今のアサエなら、いくら抱きしめられたとしても、自分はそれから抗える自信が無い。

エリカ「安心してください」

そう言ってやり、頭を撫でる。
アサエは呻くような声を出して俯き、何かに耐えるように手を握りしめる。
普段からこうなら可愛いというのに、性格で損をしているというのはこういうことを言うのだろうか。

エリカ「ポケモンも出してあげませんか」

不意に問いかけてみる。
その言葉にアサエは身体をビクッと反応させた。

アサエ「え……は、はい、そうですよね! こんな良い天気、出してあげなきゃ可哀想ですしね!」

声は震えていた、無理をしているということが痛々しいくらいに分かってしまう。
ポケモンが嫌いになった訳でもないということも分かっている。

アサエ「え、えーと、フシギダネちゃん!」

無意識だろうか、フシギソウを選ばなかったのは……流石に考えすぎだろうか。
アサエは振りかぶり、勢いよく投げてみせた。
最も、ボールは前に飛ばず、後ろに放り投げられたのだが。

アサエ「あ、あれー? こんなヘマをしちゃうなんて……昨日、寝込んだ影響が続いてるのかな?」

厳密には寝込んだ影響ではなく、寝込んだ原因の影響だろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:46:39.18 ID:.P.R9QAO<>
アサエ「次こそは……」

戸惑うアサエは彼方へと飛んだモンスターボールを取りに行かず、腰のボールに手をかけた。
もう、見ていられなかった。

エリカ「……十分です」

私は後ろから抱きしめる。 震えているのがよく分かった。

アサエ「エリカさん……」

普段、元気を振りまくそれは涙声に混じっていた。

アサエ「私……どうかしちゃったんでしょうか?」

そのまま、アサエはゆっくりと膝を折った。 そして、顔を合わせず、言葉を繋ぐ。

アサエ「怖いんです……ポケモンが……」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/23(金) 18:51:32.87 ID:.P.R9QAO<>
アサエ「見るのは大丈夫なんです、触るのも……でも、でも!」

アサエ「分からないんです……分からないんです! 何もッ! 何もかも!」

悲痛の叫びは庭の静寂に消えていく。
植物――草は全てを受け流し、あるがままの姿を現す、さり気なさがあった。
そして、ここはそういう場所だった。

だからこそ、私は受け止める。

アサエ「どうかしちゃったんでしょうか? ……私、どうしたらいいんでしょうか?」

泣き声に笑いが混じる。感情の篭もっていない乾いた笑いだ。
自嘲とも、恐怖とも、受け取れた。

アサエ「こんな私……駄目ですよね……」

顔を覗かせる。引きつった笑顔。頬には二筋の涙。
胸が苦しい、見ているだけで辛い。

アサエ「ん……」

抱きしめた。強く強く抱きしめた。

エリカ「大丈夫」

それ以上の言葉が出てこなかった。
胸の中で泣きじゃくる少女の頭をなで続ける。

そして、胸の内に沸き起こる、一つの感情があった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/23(金) 18:52:41.11 ID:.P.R9QAO<>中断します。
テンション上がる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/23(金) 19:19:02.25 ID:Mpm2EkSO<>わくわくすっぞ!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/23(金) 19:24:21.97 ID:whLxSdMo<>>>1はながらでやってるって言ってたけど、全体の流れとか、終わり方とか決めてるの?<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/23(金) 20:00:20.24 ID:.P.R9QAO<>>>215
一応、オチまで決まってるけど、
その時にやりたいことを重視して、
修正しまくってるから過程は変わりまくってる

とりあえず、アサエのグダグダと退場は狙ったとだけ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/25(日) 12:06:36.08 ID:rEwKb.SO<>小さい頃からロケット団がずーっと好きだ。コミカルな部分と非道な部分両方持ってて素晴らしい。
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/27(火) 08:23:31.11 ID:hfP7I6AO<>とりあえず、報告
リアルがやばい<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/27(火) 08:47:35.65 ID:hfP7I6AO<>どれくらいやばいかポケモンに例えると、
始めてレッドと戦った時くらいやばい<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/27(火) 09:44:28.80 ID:RxvmQgSO<>>>219
が…がんばれ!したっぱ根性みせようぜ!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/27(火) 12:38:42.86 ID:AXuiQS20<>>>220
応援してくれた貴方に現状を報告すると、
まだ真っ白になっただけだ、真っ暗になって所持金半分ではない…っていう感じ

更新速度はかなり遅くなりますが、ちょびちょび投下していきます

あと、イブキさんが倒せない。パーティーは

ニドリーナ:Lv.36
デンリュウ:Lv.40
ラッタ:Lv.40
ヒノアラシ:Lv.37
サンドパン:Lv.38

きっと、アイテム縛りとか、勝ち抜き戦とかやめたら勝てるんだ!
でも、COM相手に対等の条件で勝てないとか惨め過ぎるだろ常考
そして、五連敗中の俺は本当に惨めすぎるだろ……<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/27(火) 12:41:52.08 ID:AXuiQS20<>氷タイプの技を使えるポケモンを連れてこいだなんて言う人は外道です。

強いポケモン弱いポケモンなんて人の勝手!
こんなことを言ってるから勝てないんだよ……という訳でまだ終わってないので頑張ってくる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/27(火) 13:23:39.28 ID:RxvmQgSO<>>>222
道具縛りか、ロマンだな…
自分はそこまでしてないが、完全に趣味パだから弱いったらないぜ!でも可愛いからいいんだぜ!おかげで催眠厨だぜ!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/27(火) 13:26:27.23 ID:SfYe7oAO<>先日やっとレッド倒してきた俺が通りますよ
つい、サカキ・したっぱ…敵は打ったぜ…て思った

まぁゆっくりでもいいから完結させてくれ!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/27(火) 16:24:22.65 ID:S8yUf9so<>縛りプレイとはマゾだな
俺もHGやるときに何か縛りつけるか…<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/27(火) 17:52:04.26 ID:hfP7I6AO<>>>223
一応、フィールド上と道具を持たせるのはありにしてる
前パーティーのゲンガーが恋しいよ

あの愛らしい腹を見たいよ

>>224
あぁ…次は勝ち抜き戦でアイテム禁止だ…

>>225
勝ち抜き戦はオススメしておきます
ポケモンが好きで、尚且つ敵トレーナーが好きな人には特に。

ジムリーダーが仕事をし始めるので

あと、シロナさんとかグリーンとかが鬼畜になる
なんで、あの人達がチャンピオンになれたのかよく分かるぜ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/27(火) 18:00:50.28 ID:hfP7I6AO<>とりあえず、今帰宅中だから
家に着いたら前に書き溜めてた分を投下します

一応、携帯からでも投下できるけど
現在が『きのこのほうし』に抗っている状態なので諦めてください<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/28(水) 11:41:55.44 ID:DmR8EdM0<>ごめんなさい、寝てしまいました<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 12:15:00.58 ID:DmR8EdM0<>分かっている、自ら進んで踏み込んだのは自分たちで彼は彼の信念を守るために戦ったことも、
それでも許せない。割り切ることが出来なかった。

   @      @      @      @      @

二人の散歩する様子を眺めていた。
最後に別れを言おうかとも思っていたが、そんな気分にはなれなかった。

最初から、そんな権利なんてないと分かっていたのに、どうして来てしまったのだろうか。

したっぱA「ばからしい……」

出て行く時に入った、監視室のテープ。
中に入っていたのは、エリカとアサエ、そして、したっぱだ。
声は拾えて無かったのでなんで、エリカ達があそこに居たのかは分からないが、
あそこに来た以上、したっぱは戦わざる得なかっただろう。

仕方ないことだ、むしろ、任務を全うしたと思うべきであることは分かっている。
だが、気に入らない。
このやりきれない感情は、したっぱを嫌う気持ちからなのか、それとも別の何かか?

どちらにせよ、もう二度と前の様に会うことはないだろう。
いつもの関係はいつもじゃなくなっている。
アサエがあんな状況だとか、自分その責任の一端があるとかそういう意味ではない。

エリカ達とロケット団の間に因縁が出来たのだ。

もはや、散歩好きな女性二人と名無しの権兵衛の関係ではなく、
一人のロケット団員とロケット団に仇なすジムリーダーの関係だった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 12:17:18.93 ID:DmR8EdM0<>
だが、割り切れない。どうしようもない感情もあったのだ。
心配だから見に来たと聞かれれば、否定は出来ないだろう。

自分はロケット団に忠誠を誓ってきた。そして、これからもそのつもりだ。
だけど、それでも……

したっぱA「あーくそ、出てこい!」

ボールから取り出すのはピジョット。
その上に跨った。やり場の無い苛立ちは速度に変えて飛んでいった。

方向はグレン島。そこが俺の新しい配属先だった。

   @      @      @      @      @

レッド「…………」

サカキには勝った。だが、逃げられた。
結果としては何も変わらず、あのゲームコーナーも日常通りに運営している。

レッド「しかし、よく生き残ったよなぁ」

あの時は感情的になりすぎていた。
結果、エリカには迷惑をかけてしまい、アサエという少女に多大な傷を負わせてしまった。
あの様子だと、二度とポケモンバトルは出来ないだろう。

面と向かって謝りたかったが、謝れる状況じゃなかった。

レッド「はぁ」

あの戦いで得たものといえば、何があるだろうか。

イーブイ「ブィ!」

あった、こいつだ。イーブイが連れ去られたことが元々の始まりだ。
イーブイに薬を打ち、眠らしたところを連れ去ろうとしたのをたまたま見かけたのだ。
そして、ロケット団を追いかけ見失った時にエリカに情報提供を求めた。

急な電話であっちも驚いたのだろう。
俺が突撃しようと考えているなんて、想像もしなかっただろう。
怪しそうな場所はすぐに教えてくれた。
直後で止めるような声が聞こえたが、無視してしまった。

二人を巻き込んだのは実質的、俺だった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 12:18:19.03 ID:DmR8EdM0<>
俺個人の成果は、子どもにしては上々と言ったところなのだろう。
しかし、やはり、自分一人で責任を持ち、落とし前を付けるべきだった。

二人が来てくれて助かったところはある。
だが、それでもだ。来て欲しくなかった。

これからは極力、他に協力を求めず、一人で行こうと思う。
一人で全てを背負えるくらい、周りに迷惑をかけないだけの力を付けようと。
そう誓った。

一人を除いてはこの旅、元々、一人きりだ。
一度、戦った相手は全員、俺を畏怖し、恐怖した。
ジムリーダーでさえ、冷や汗を流した。

あいつ以外、誰も俺と再び戦おうとする者は居ない。
誰とも関係を築けない。
自分から必要以上に関わらなければ、簡単なことだった。

   @      @      @      @      @

したっぱ「…………」

現在、医務室に居る。
もちろん、ロケット団の管理下のだ。

サカキ様は直接会いに来てくれて、ゆっくりと怪我を治してくれと言ってくれた。
アテナさんからは、自分を大切にしろと言われた。
ポケモンはロケット団専用の回復装置で回復してくれていた。

そして、現在、一人の看護婦の元で治療に専念している。

……いつから俺はこんな待遇がよくなったのだろうか。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 12:22:21.09 ID:DmR8EdM0<>書きためここまで。
こっから、二時前まで、ながら投下行きます<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 12:28:37.47 ID:DmR8EdM0<>
記憶を辿る……ここまで、多少優遇はされても良いかもしれないが、
ここまでされる程のことをした記憶はない。

アテナさんと一緒の時はアテナさんのフォローがあって任務を成功させて来たが、
オツキミ山、今回のロケットゲームコーナーといい、大事なところで自分は負けっぱなしなのだ。
我ながら勝負弱すぎると思う。
いくら、普通の仕事が出来ようとも重要なところで失敗する奴は凡夫以下だ。

あの後もロケット団に無様に回収されるのを待つだけの身であり、
あの時に警察が介入されていたら、間違いなく自分は捕らえられていただろう。
悪運は強い方なのかな。

看護婦「大人しくしといてくださいね」

付きっきりで看病をしてくれる看護婦。
四六時中一緒であり、日の大半を一緒に過ごしている。
そこまでしてもらっても申し訳ないのでと、席を外して貰うように言っているのだが、
断固それを拒否されてしまう。まるで誰かに命令されているように。

正直言うと、邪魔で仕方ない。早く任務に戻りたかった。

今の自分ではあまりに非力だ。だから、早く力を付けたかった。
もっと強い力を、今のままではサカキ様の役には立てない。
今、ベッドに寝転がっているのもアテナさんに言われているからであり、
それさえ無ければ、せめて訓練だけでもと外に出ているところだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 12:43:43.62 ID:DmR8EdM0<>
抜け出しても良いのだが、彼女が居る限りそれも無理だ。
結構うんざりしてきている。

自分の弱さを実感しているからこそ、今の状況が歯がゆい。
ポケモンの指示だけなら、片腕が動かなくても出来る。
任務に支障は出てはいけないから、それはまあ、仕方ないことだ。
しかし、訓練くらいなら……

看護婦「お願いですから、大人しくしててくださいね」

自分の感情を察したかのように看護婦が口を開く。
「分かっている」とだけ告げ、布団に潜り込んだ。
今は動かない、何をするにしても今はそれが一番だと分かっていた。

   @      @      @      @      @

ヤマブキシティ。ジムが二つある特異な町だ。
片方はエスパー女として有名なナツメが率いる、ポケモン協会公認のヤマブキジム。
もう一つはヤマブキジムにその座を奪われたタケノリ率いる、非公式の格闘道場。

ジムが二つあるのはヤマブキシティがタマムシシティに負けず劣らずの大都会であるがゆえであり、
ポケモンアイテムの大御所、シルフカンパニーの高層ビルがこの町の象徴として、中心立てられていた。

そして、町に大きければ大きい程、光も強く、影もより強い闇を放ち隠れている。
ここはヤマブキシティのロケット団地下アジト。悪の組織が地下を好むのはおきまりだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 12:52:12.24 ID:DmR8EdM0<>
自分の今居る部屋は比較的大きい。
赤い絨毯の上に置かれた黒みのかかった木の机。
そこに座るのは丸刈りでスーツをピシッと着こなした大柄な男。
ロケット団の総帥、サカキ様、その人だ。

サカキ「アテナ、あの したっぱ の様子はどうだ?」

アテナ「仰せの通り、とびきりな美人な看護婦の元で おねんね してますよ」

「ただ」と、付け加え肩をしかめると。

アテナ「女下手なのか、看護婦が美人過ぎて時折、逃げだそうとするらしいです」

サカキ「ハッハッ! 元気なのは良いことだ」

高らかにサカキ様は笑って見せた。
こんな風に笑ってみせるサカキ様は久々に見る。
そして、自分もまた、似たような心境だ。

将来有望な若い者が育つ。これほど、楽しみなことが人生にあるのだろうか。
したっぱの成長は著しい。単純に力だけを考えるならば私と同等くらいはあるだろう。
だが、経験では私の方が圧倒的に上だ。
逆に言えば、そこしか、自分がしたっぱよりも勝っていると確信を持って言えるのが無かった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 13:04:13.14 ID:DmR8EdM0<>
正直に言えば、あの時に置き去りにしようと考えていた。
カントーのジムリーダーでも屈指の実力者、タマムシジムリーダーエリカ。
そして、タマムシのジムトレーナーで一番の実力を持つ女性、アサエ。

あの時から、したっぱ の才能には目を付けていたが、二人を相手にしては捨て駒として使わざる得ないと思っていた。
もし、あのまま、エリカが地下アジトに残るようなことになっていたら、
自分たちはアジトを警察に荒らされるのを指をくわえて見ているしか無かっただろう。

しかし、結果は即時退散だ。レッドと合流したエリカは退くことを決意した。
おかげであの後に私たちはアジトに戻ることが出来、ロケット団に関するデータの破壊。
ポケモンの回収、そして、したっぱの回収を行うことが出来た。

警察の足止めはロケット団員でも事足りる。
時間を稼ぐ程度ならば容易いものだ。

そのおかげもあって、証拠は隠滅。
ロケットゲームコーナーも晴れて、営業再開という訳だ。

これは全て、したっぱの手柄と言っても良いだろう。
もう少し経験がつけ、人の上に立てる存在になった時、彼は幹部にすることが決まっている。
そして、そこまで育てるのが自分の役目でもあった。

その時が来て、名前を決める時は『アポロ』とでも進言してみようか。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 13:19:29.99 ID:DmR8EdM0<>
サカキ「子が育つような心境か?」

つい顔に出てしまったのだろうか、だが弟子が育つというものはきっとこういう気持ちなんだろう。
悪だって、正義の味方だって、その感情に代わりはない。同じ人なのだから。
しかし、

アテナ「それはサカキ様の方では? あたくしはまだ、そこまで歳を取っていませんよ」

歳は二十代だ。そのようなことを言われる歳ではない。
サカキ様といえど、デリカシーというものは守って貰わなくてはいけない。
と、ここまで考えて思い出し、そのまま、口に出す。

アテナ「そういえば、サカキ様はお子様がいらっしゃるとお聞きしますが」

サカキ「ん? ああ、シルバーのことか」

サカキ様はスーツの内から一枚の写真を取り出すと渡してくれた。
中に写っているのは、サカキ様と妻と思わしき深紅の様に赤く長い髪の女性。そして、少年だ。
少年の髪は母譲りなのか赤色だ、しかし、目つきはサカキ様のそれと似ていた。

サカキ「まだ、ポケモンバトルは危険だと思っているのだがな、勝手にポケモンを捕まえて来おってな…」

サカキ「しかし、俺の子だ。才能はある、この前なんかレベル差5以上はありそうなポケモンを…」

世界に恐怖で震わせるロケット団のリーダー、サカキ。
そんな、男でも子の話になると形無しであるというか、世のほとんどがそれであると同様に
彼も例外に無く、親馬鹿であった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 13:36:23.02 ID:DmR8EdM0<>
それから、長期に渡り、サカキ様の話は続く。
ロケット団員に対する演説と同じくらい力を込めて話すのはどうかして欲しいが、もはや言うまい。
仮にも彼はロケット団のリーダー。
その畏怖に対して、全力で敬意を払い、聞き流すとしよう。

サカキ様の有り難い人生論から耳を塞ぎ、思い出す。
脳裏に浮かぶのは監視カメラに写った、エリカと したっぱ のバトルだ。

彼は二対一という圧倒的不利な状況をゴルバットの『あやしいひかり』で対等の勝負に持ち込んだ。
ポケモンの技を人に使うのはかなりの覚悟を必要とする、そして、精神を攻撃する技は尚更だ。

それをいとも容易くやってのけた彼に悪の才能が間違いなくあった。
全てを冷静に分析し、瞬時に実行出来る。それが彼の強みだろう。

しかし、相手はエリカだ。それもジム戦用のポケモンではない。
エリカのポケモンは全て本気だった。
だが、それに対して、したっぱは一歩も退くことなく、その上で対等以上に戦って見せた。

始め、監視カメラを見た時は一体も倒せないと思ったが、彼は二匹倒すことに成功している。
その鍵となったのはサンドパンだ。 確かに草タイプとは相性は最悪だ。
しかし、彼のサンドパンはそれ以上に強かった。

ステータスではない、判断能力、空間認識能力、戦況把握能力、直感等々。
全てに置いて、秀でており、ポケモンのそれをはるかに超えていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 13:52:03.33 ID:DmR8EdM0<>
ある日、サカキ様が話してくれたことがある。
何故、伝説のポケモンが人の手に収まらないかと。

サカキ「ポケモンの実力ならば、ジムリーダーレベルもあれば容易く捕まえることが出来る」

サカキ「チャンピオン、四天王レベルであれば、もっと簡単に捕まえることが出来るだろう」

サカキ「しかし、今まで誰も捕まえることが出来ない」

サカキ「ジョウトのマツバは十年以上もホウオウ追っているがそれでも捕まえることが出来ていないと聞く」

サカキ「それはつまる所、ステータス以上のものを彼らが持っているからだ」

サカキ「彼らは非常に頭が良く、他には真似出来ない能力を持っている」

サカキ「単純に言うと、認識能力。把握能力。そして、直感だ」

サカキ「これらは全て優れており、トレーナーに頼らずとも一人で行動を可能とし、」

サカキ「逆にトレーナーの指示を必要とするポケモンは彼らに比べて反応が遅くなる」

サカキ「トレーナーとポケモンが協力して戦う関係は脳と身体が離れているようなものだ」

サカキ「普通にしたら、脳と身体が同じ場所にあるものに適う道理は無いだろうな」

サンドパンの姿を見て、思い出したこの話。
何故、そう思ったのかは分からない。ただ、このサンドパンも伝説と同じなのではないか。
そう感じたのかもしれない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 14:01:50.17 ID:DmR8EdM0<>
事実、したっぱ はアーボックやゴルバット達には手も使い事細かに指示を送るが、
サンドパンに指示を送る動作は滅多にしない。
たまに振り向いて、気付いた様に声をかけるだけだ。
もっとも、この監視カメラは音が拾えないため、実際には指示を出しているかもしれない。

だが、敵のツルや葉の間を縫うように移動し、他のポケモンの手助けしながら、
攻撃を仕掛ける、その姿はレベル以上の働きをしていると言わざる得なかった。

結果として、したっぱの手持ちは全滅となるのだが。
サンドパンは最後の最後まで残っており、一匹で同時に二匹を相手にし、
逃げ場を無くされたところを叩かれたといった感じだ。

それだけでも十分に特別なポケモンと言えるだろう。
どこまで特別なのかは計り知れないが。

サカキ「……というわけだ」

思考が一区切りした所でサカキ様の話も丁度終わったようだ。
親というものは誰しもがこの様になるのだろうか?
ふと、疑問に思ったが自分には縁の遠い話だと、思考を切る。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 14:02:46.94 ID:DmR8EdM0<>中断。
次から したっぱB です。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/28(水) 18:06:54.58 ID:9DbDaEDO<>乙<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/28(水) 21:18:39.40 ID:UdYMJgAO<>これ見て久しぶりにポケモンやったら、本当にすごいゲームだったわ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/28(水) 21:52:05.27 ID:1vtumQAO<>うん、自分はHGが一段落着いたってのもあってFRLGが欲しい
アドバンスだっけ?
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/28(水) 22:15:20.61 ID:UdYMJgAO<>>>244
HGって金と違うのか?機能とか。
俺は緑と銀しか持ってないんだが、FRLGはDSだったような気がする。一応調べてみれば良いんじゃないか?
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/28(水) 22:22:28.65 ID:ynoVuRgo<>GBAだよ<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/28(水) 22:39:17.26 ID:NS3bbOU0<>氷技持ってるポケモンが居ないとワタルが鬼畜になる。

>>244
アドバンスであってる

>>245
ミニゲームが豊富になってる。
出てくるポケモンが変わってる。
トレーナーが賢くなって少し鬼畜になってる。
ワタルと共闘できたり、ライバル関連のイベントが豊富。ドキッ☆隠しイベントであのお方も出るよ!
ワタルさん、人に向けて『はかいこうせん』やめてください。
ワタルさん、機械に向けて『はかいこうせん』を撃ってください。
ワタルさん、Lv.50のカイリューを三匹がかりで倒した直後にLv.49のカイリューやめてください!
ワタルさん、氷タイプの技を持っているポケモン居ないんですから、同じ種類のドラゴンは自重してください!!
ワタルさん、いくら氷タイプが嫌いだからって現実逃避みたいなパーティー構成にしないでください!!!

みたいな感じ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/29(木) 00:15:00.22 ID:OiC8Y.DO<>ワタル戦の時はメガニウムが輝いてたな…正直ごり押すより宿り木とかの方が楽だった<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/29(木) 00:44:45.88 ID:ApGrN0o0<>確かに、今作ワタルさんマジ容赦ないよね。
人に向けて破壊光線とか怪しい光以上でしょ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/29(木) 08:47:00.31 ID:5m8ecJs0<>ヒトに破壊光線は前からあったでしょ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/29(木) 12:33:27.41 ID:WtFnPsSO<>人に向かってあんな大技打つ神経に「この人かなりイカれてらァ!」と惚れてしまった十年前…
そしてリメイクでもぶっ放してくれて謎の感動を味わった二週間前…
チートな強さが健在な事に嬉しく思いつつ早く先に進みたいのに勝てない今現在
ワタルさんまじパネェっす

なぁみんな、どのしたっぱが好きなんだ?
自分はランスに恋してる女したっぱかな…可愛いよあの子<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 18:45:28.86 ID:6V/G1oAO<>>>251
ラジオ塔が占拠されて、無理矢理、進化させる電波が流されたら
世界中がやばい…なんてことを企むんだロケット団!

と、言われてた割に何よりもサカキ様を優先するロケット団一同が
私は大好きです


とりあえず、ミニリュウ育てて、
ワタルさんにドラゴンポケモンで負かすという屈辱を味合わせてくる

少しだけ投下行きます<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 18:47:46.28 ID:6V/G1oAO<>
したっぱB「いけっ、アーボ!」

閃光と共に姿を現すのは相棒のアーボ。

下っ端モブ「絶対に負けるなよ! スリープ!」

そして、相手のボールから出てくるのは嫌らしい目が何処か憎めないスリープ。
互いに一定の距離を開けて、構えを取る。

したっぱB「エスパータイプ…」

言うまでも無いが、毒はエスパーに弱い。
故に戦う前から不利という状況に追いつめられたということになる。

だからといって、負ける訳にもいかない。
このバトルは賭けバトルだった。 賭けているものは互いの夕食。
そして、バトルした場所が目立ったのか、同じロケット団員が集まり、
勝手に回りでどっちが勝つかと賭を始めていた。
そして、始末が悪いのがオッズが自分の方が小さいということだ。

負けて当たり前ではなく、勝って当たり前だと周りから思われている。
そういう意味でもただで負ける訳にはいかない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 18:49:38.83 ID:6V/G1oAO<>
モブA「B頑張れよ!」

モブB「俺たちの金がかかってんだからな!」

好き勝手なことを喋る。
不利なのは分かっているだろうに。
でも、まあ…

したっぱB「負けるつもりはないけどね」

幸い、スリープは攻撃に特化している訳ではない。
そして、スリープは特殊攻撃には高いが、物理攻撃には弱い。
アーボは特殊よりも物理に特化している。

そこを付けば、十分に勝てる見込みはあった。
あったはずなのだが……

アーボ「シャァー…」

スリープ「…………」

現実はスリープの『念力』により阻まれてしまい、近づくことすら出来ていない。
流石、弱点ということもあり攻撃を受ける度に怯んでしまうので、強引に近づくことも出来ない。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 18:51:48.69 ID:6V/G1oAO<>
その後、苦し紛れに『蛇睨み』を指示し、視覚に集中させたところを
ピンポイントに『催眠術』で返され、あっけなくアーボの意識は手放され睡眠。
相手の手際の良さからも、どうやら読まれていたらしい。

アーボ使う奴はみな、同じ行動を取るってことか。

したっぱB「ふんっ、戻れ」

気持ちよさそうに寝息を立てるアーボをボールに戻す。
こうなった以上、アーボでは勝ち目はない。

そして、次に繰り出すポケモンは……

したっぱB「ケーシィ!」

ハナダシティの草むらで捕まえたポケモンだ。
このポケモンなら距離なんて関係無く戦える。

問題があるとすれば、攻撃技を覚えてくれず技マシンに頼るしかないことであり、
ロケット団の下っ端である私が容易く手を出せる代物ではないということだ。
一応、一つだけ技を覚えさせることは出来たが、そのおかげで食費が危うくなり、
この様な低俗な賭けバトルを行っている。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 18:53:36.52 ID:6V/G1oAO<>
下っ端モブ「ケーシィだぁ? 攻撃出来るのかよ!」

低俗な物言いをする男だ。 早く勝負を終わらせたい。
そういうのを抜きにしても、出来るだけ早めに決めたかった。

ケーシィに教え込んだ戦術は一つだけ。
相手に馴れられて、対処されたらおしまいだ。

したっぱB「行きなさい」

声を出す、同時にケーシィは姿を消し、離れた空間に姿を現す。
教え込んだ戦術というのは至って単純だ。

テレポートで攪乱し、隙が出来たら攻撃しろ。

それしか教え込んでない。そもそも、技が少なければ多様な戦術を立てられる訳もない。
しかし、それでも効果はあるようだ。
小刻みに行われるテレポートの連鎖は簡単に捉えることは出来ない。

下っ端モブ「逃げてるだけじゃ、倒せないぜェッ!」

そんなことは分かっている。
相手を倒さなきゃ勝負は決まらないことなんて。

だから、ケーシィ。 相手の攻撃に馴れてきたら、撃ち始めて良いよ。
そうだな。 出来る限り、乱射すると嬉しい。

下っ端モブ「上だ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 18:59:47.79 ID:6V/G1oAO<>
スリープは上を向く、そこには両手を前に出したケーシィの姿。
手の先には黄色い球体。 電気を内包しているのか、その球体から静電気のようなものが発生している。

したっぱB「『チャージビーム』!」

上空から真下に発射される光線。
スリープは身を捻り回避を試みる。

結果、黄色の光線は地面と衝突し、まばゆい光と共に露散する。

だが、完全に回避することは出来なかったようで、右腕を巻き込んだ。

下っ端モブ「スリープ!」

したっぱB「まだですよ!」

再び、テレポート。 次は懐に入り込む。
右腕にダメージを負い、スリープに隙が出来た。
なら、零距離からの『チャージビーム』を決めて、仕留めることが出来るはず。

反撃は無い、そう思い攻撃した。
結果、スリープの鳩尾に光線が突き刺さり、スリープは大きく背後に吹っ飛ぶことになる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 19:03:48.06 ID:6V/G1oAO<>
したっぱB「よしっ!」

物事が予想通りに上手く運ぶというのは
なんと気分の良いものだろうか。

しかし、物事全てが予想通り運ぶ訳ではない。
次に繰り出されたポケモンは自身を絶望の淵に突き落とすには、十分すぎた。

つぶらな瞳と上手い具合にデフォルメされた鼻がチャームポイントの茶色のあいつ。
そう、ディグダであった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 19:04:39.74 ID:6V/G1oAO<>ここから、1、2レスだけ、ながら行きます<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 19:16:45.62 ID:6V/G1oAO<>
空っぽの財布。
ポケモンの食費で無くなり、三日後の給料日まで水のみで過ごさなくてはいけなくなった。

手持ちのポケモンであるケーシィとアーボは美味しそうに
ポケモンフードを頂いている。

せめて、ポケモン達には不自由はさせたくないと見栄を張ってしまったが、
少しくらい苦労を分かち合うべきだったかと後悔している。

別にオツキミ山で、苦労した身だ。
性格的にキザッぽい所があろうと、この程度の不自由には慣れている。
ただ、あの時は二人が居たなぁと、感傷に浸るくらいだ。

したっぱB「はぁ……」

あれから、自分なりに頑張って来たつもりだ。
ハナダシティから配属先が変わり、今はシオンタウンになった。

そして、その配属の理由は重要な任務ということであり、
ハナダシティに援助を求められ、それなりに成績の良い、自分がメンバーの一人に選ばれた。

所謂、チャンスが巡って来たということだ。
少しでも二人に追い付くために努力している。

二人は今はどうしてるだろうか。
ちゃんと、仲良くしているだろうか。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 19:28:54.27 ID:6V/G1oAO<>
アーボ「シャーッ」

ケーシィ「…………」

どうやら食べ終えたようで、容器に入れられたポケモンフードは綺麗に無くなっていた。
二匹の食欲が旺盛なのはある意味で救いだ。
そうでなければ我慢した意味が無い。

二人の頭を撫でてやり、ボールに戻す。

そして、シオンタウンに来てから日課になった、シオンタウン名物のシオンタワーに足を運んだ。

あそこにはズバットが眠っている。

あの後、一時的に一命を取り留めることはできたが、
やはり傷は酷かったらしく、一月後に静かに眠りに着いた。

ロケット団のポケモンとして、望んでも無いだろうに悪事に付き合わせて来た。
せめて、静かに安心して眠らせてやろうと有休を取り、
シオンタウンに埋めに来た。

そして、シオンタウンに来てから、毎日お参りに来ているという訳だ。
ロケット団は忙しい、ずっとここに入れる訳でもない。
ならば、今の内だけでもと。

しかし、シオンタワーに埋めて良かった。
ここならば、自分が居なくても静かに眠ることが出来るだろうし、
誰にも荒らされることもない。

十年後も、定期的にちゃんと来てやるからな。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/29(木) 19:30:09.67 ID:6V/G1oAO<>中断します。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/29(木) 21:18:01.81 ID:2.nKP5Y0<>ズバットォォォォォ!!!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/29(木) 23:32:32.55 ID:bar/QFUo<>こう見るとポケモンバトルって何なんだろうなぁ、と思ってしまう<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/30(金) 02:04:42.22 ID:eOpCPcAO<>ポケモンタワーとシオンタワーに
突っ込まないみんなの優しさに目から汗が

>>254
ロケット団の世界はスポーツとは別なんです…<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/30(金) 17:48:29.16 ID:eOpCPcAO<>よっしゃぁー!
ワタルさん倒したぁーっ!

今宵は宴じゃーっ!!

サンドパン:Lv.49
デンリュウ:Lv.48
ハクリュウ:Lv.52
ニドクイン:Lv.49
ラッタ:Lv.45
バクフーン:Lv.52<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/30(金) 21:22:11.99 ID:Hix/AcSO<>>>266
うをををおめでとう!
EDのロケット団たち可愛かっただろ?
最近あれのために殿堂入りしてるわ…ワタルさんに取っ捕まえられそうになってるけど<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/10/31(土) 16:07:07.18 ID:ki3BxkAO<>>>266
おめでとう!
HGSSはやくやってみたいぜ…

俺は今手元にFRあるからそれやってる。
ここに来てからよけいR団に愛着湧いちゃってAボタン押すのがつらいよ。

これからタワー行ってくる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/31(土) 22:36:55.69 ID:7Isp7AAO<>カスミにおじゃまむしと言われ、傷心中ですが、
私はながら投下を始めたいと思います<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/31(土) 22:53:55.97 ID:7Isp7AAO<>
ポケモンタワーの中は涼しい。
それは冷房が効いているからか、直接光が入って来ないからか、
はたまた、霊的なものなのかは分からない。

しかし、夏も終わりに近付く今であっても、快適だと思う。

いつもの場所に足を運び、軽く手を合わせた。
祈りの言葉を胸の中で呟き、線香を一本立てかける。

花は造花を用いており、それが墓の周りに立てかけるてある。
本当ならば、本物を用意してやりたいとこだが、
腐ること等を考えるとこれがベストな気がしたからだ。

雨風を防ぐ、ポケモンタワー内部では埃を被るだけであり、
長い間、来れない時があっても、作り物とはいえ美しいままに残る。
何も死後にまで、誕生と滅びを体験させらる必要もない。

そして、墓の上に積もった埃を払い、アジトに戻る。
いつも通りの日課。

しかし、この時、少しだけ違った。
それは少年との出会いだ。

赤い少年、レッドとは違う、もっと子どもっぽく熱い奴。
そして、情熱の中に冷静さを持つ少年。

確かに醸し出す雰囲気は少し似ていたかもしれない。
強い奴が出すオーラ、スターになれる奴だけが持てる者。

しかし、二人には確実な違いがある。

これから、出会う少年の方が人間味に溢れていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/31(土) 23:07:09.76 ID:7Isp7AAO<>
出会いは至って簡単なもの、歩いていたら話し掛けられた。
道端でポケモンバトルを挑まれるような感覚で。

××××「なんでロケット団がこんなとこに居る?」

振り向くと、そこには墓の前に座る少年。
髪の毛はツンツンで、服は紫色で長袖のシャツを着込んでいた。
そして、彼の横には壷らしき物を布で包まったのが置いてあった。

したっぱB「…………」

心中察するといったところだ。

そういえば、今の自分は私服であり、ロケット団の制服は着込んでは居ない。
ロケット団といえど、私用では私服を着るのが普通だ。
思考は少年のことから、どうして分かったんだという方向に変わっていった。

××××「後ろのポケット」

自分の考えを察したのか、ポツリと呟いた。
言われた通りに後ろのポケットを触るとポケギアがかけてあった。
そして、ポケギアにははっきりと『R』というマークが取り付けられているのを思い出す。

ロケット団が改良したポケギア。
ポケギアで無くとも、隠す必要の無い場合、
ロケット団製の物には『R』というマークを付けるのが習わしになっている。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/10/31(土) 23:35:37.81 ID:U4BSBwAO<>久しぶりに緑やったらライバルがかわいかった。昔はイライラしてたけどねwwwwwwwww

サカキさんのオーラぱねぇwwwwwwwwwwww<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/10/31(土) 23:40:09.98 ID:7Isp7AAO<>
したっぱB「あなたは?」

ロケット団に立てつこうという奴ならば、痛い目を見て貰わなければいけない。
しかし、予想とは少し異なる流れになる。

グリーン「俺はグリーン、未来のチャンピオンさ」

そこで始めて振り向いた。
目付きは鋭く、不敵な笑みを見せ付けて、
しかし、どこか悲しみのようなものが感じ取れた。

グリーン「ポケモンタワーで悪いことでも起こす気か?」

グリーン「なら、俺が黙っちゃいないぜ?」

グリーンと名乗った少年はボールに手をかけた。
しかし、出会いとは唐突だ。

グリーンの名前はポケモン通ならば、知る者は知る程だ。
ポケモンの権威、オーキド博士の孫。
そして、今、ロケット団で話題に上がっている、
あのレッドよりも勢いのある男。

話題性は十分で、実力も申し分無いと聞く。
レッドはロケット団の注目の男だが、グリーンはカントーで注目の的になっている。

そして、その男が自分にポケモンバトルを挑んで来た。
本来ならば、受けざる得まい状況。
しかし……

したっぱB「やるなら場所を移さないか?」

したっぱB「ここはポケモンタワー、ポケモン達が静かに眠る場所」

したっぱB「分かるだろ、君なら」

グリーン「…………」

グリーンはボールにに掛けた手を戻し、舌打ちをした。

グリーン「ロケット団にそういうこと言われるなんてな」

したっぱB「ごく一部ですよ、そんな低俗な屑は」

まあ、自分もその中に混ざる一人でしょうが。と、続く言葉は苦笑いと共に飲み込んだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/10/31(土) 23:43:53.74 ID:b3KPJNko<>中断します<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/01(日) 05:03:11.17 ID:0asg.KUo<>
場所は移して、シオンシティを少し離れた、『8番道路』。
結局、ポケモンバトルは行うことになった、
半分くらいはグリーンという少年の鬱憤晴らしな気がするが。

ポケモンタワーに居たということはまあ、そういうことだろう。
こちらはご教授を受けるという心境でやらせて頂こう。

どうせ、もう、取られる物もない。財布は空だ。

グリーン「行くぜ」

したっぱB「いつでも」

今回のポケモンバトルは試合形式だ。
互いの公平性を増すために、同時にポケモンを出す。
そして、ボクシングの時に拳を重ねるように一つ、礼儀の様な行為があった。

彼は相手がロケット団だと言うのに、それを行おうとした。
断る理由も無いので、自分をそれに合わせた。

互いにボールを持つ方の腕を前に出し、手首の少し下の部分で交差させる。
腕に衝撃が走ると共に後ろに引き、距離を取る。
十分に距離を取ったところで、タイミングを合わせボールを投げる。

一連の行為はポケモンリーグでも行われており、ジム戦に置いても、たまに行われる行為だ。
まさしく、その光景は『試合』だった。
忘れてしまって、久しい感覚だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/01(日) 05:04:10.53 ID:0asg.KUo<>
グリーン「リザード!」

したっぱB「アーボック!」

火 対 毒。 相性の有利不利はない。
だが、実力差は離れているだろう。

自分も過去にバッチを狙い、チャンピオンを目指したことがある。
そして、その上にある、それぞれのポケモン協会のチャンピオンの王座決定戦。
つまり、地方チャンピオン統一王者、ポケモンマスターを志したことがある。

だが、結果は見ての通りさ。
バッチは一つも無い、一番レベルの低いと言われたタケシにすら適わなかったのさ。
いや、タケシとは戦えていない、そのジムトレーナーにすら適わなかった。

あの時の相棒のバタフリー。今もパソコンに預けたままだ。

グリーン「来ないのか? こっちから、攻めるぜ」

グリーンが腕を上げる、同時にリザードが駆ける。
速い、確かに速いが……アーボックの目はリザードを捕らえている。
ならば、当てることは可能だ。

したっぱB「『蛇睨み』!」

卑怯と言われようが、なんと言われようが実力が上の相手に対しては
状態異常をかけなければ対等になれないのだ。

アーボの光る相貌。 『妖しい光』とは別に直接的だ。
そして、その光に魅せられたリザードは、動きを鈍らせた。

――行けるッ!

確信に似た直感。アーボは既に動いていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/01(日) 05:05:35.20 ID:0asg.KUo<>
グリーン「そんな『影分身』に驚いたか?」

リザードは身体を起こすと同時にアーボの首もとを掴み、地面に押しつけた、。
同時に巻き付けないように尻尾の方も抑えつける。

その戦い方は、倒すというよりも封じるといった物に近い。

したっぱB「そうか……」

アーボをボールに戻した、ボールの中のアーボはまだ戦えると不満そうだが、無視する。
久しく忘れていた、この感覚。
これがポケモンバトルというものだったか。

思考を変える。倒すためじゃなくて、勝つための戦いにと。
相手を瀕死にするのが当たり前の戦いから、試合へと。

したっぱB「いきますよ」

ボールから新たに出すのはケーシィ。
そう、『チャージビーム』しか撃てない、あのケーシィだ。
だが、勝負は捨てない。 倒し切らなくても良いならば、あるいは。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/01(日) 05:06:42.99 ID:0asg.KUo<>
したっぱB「『テレポート』っ!」

ケーシィは姿を消す、そして、リザードの後方に出現。
同時に両手に溜める、電気の塊。

グリーン「ケーシィのテレポートをしてくる場所は死角」

グリーンは合図を送る、おそらく、ケーシィの位置を伝えたのだろう。
ポケモンが戦い、トレーナーがフォローする。 正に理想的な関係だ。

だが、ジムリーダーを倒す程の実力者。
それくらい読んで貰わなきゃ困る。

ケーシィ「…………」

リザードの『切り裂く』。鋭い爪は空を切る。
ケーシィの姿はそこにはない。

この技、名付けるならば、『二重残像拳』だろうか。
それとも、『瞬間移動チャージビーム』だろうか。

今度、上を取るのはケーシィ。 真上からの『チャージビーム』。
前回とは違い、直撃。 リザードを光で包み込んだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/01(日) 05:09:08.94 ID:0asg.KUo<>
したっぱB「よくやった!」

拳を作り、ガッツポーズ。
してやったとグリーンの方を見る。

したっぱB「ん?」

あの直撃を食らったというのに、平然としているグリーンの姿。
攻撃は確かに当たったが、しかし、

ケーシィ「……ッ!」

光線から割り込む様に突き出す爪。
それはケーシィの首を捕らえた。

したっぱB「ケーシィ!」

首を取られたケーシィは攻撃をやめ、首に手をやる。
しかし、ビクともしない。 力の差が有りすぎる。
もはや、技ではない蹴りに対しても微動だにしなかった。

リザード「グルルル……」

うなるような声、同時に発火。
首もとから燃えた火は直ぐに広がり、ケーシィの身体を包み込んだ。
リザードは左手――掴んだ方と逆――を広げ、

リザード「ガウッ!」

握りしめる。

ケーシィ「ッ!!」

爆破。 ケーシィの身体が上空に投げ出された。
後にグリーン語る。あれは『火炎放射』ではない、『火の粉』だと。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/01(日) 05:10:46.13 ID:0asg.KUo<>中断します。
歴代、最高のライバルはグリーン。
金銀で一番燃えたのはレッド戦ではなくて、グリーン戦です。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/01(日) 06:41:41.68 ID:fT8jqgSO<>>>280
乙。
かつてのライバルと戦うってわくわくするよな。チャンピオンの座を争いあった相手だもんな
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2009/11/01(日) 20:36:03.50 ID:EOQRxkAO<>ロケット団解散のほう読んでたら見つけたから読んでみるわ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/04(水) 08:48:45.87 ID:8aweNIDO<>もしかして>>1失踪?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/04(水) 13:56:23.89 ID:qnGinwAO<>え、うそだろ(´;ω;`)!??<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/04(水) 15:01:02.27 ID:ON95TYAO<>嘘だろ承太郎!?



色々あって学校がないので、優雅に睡眠ライフを過ごしながら
現在レポート課題にいそんしんで居ます
おそらく、明日か明後日くらいから再開します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/06(金) 01:37:51.84 ID:sKwAezs0<>まーだーかーなーまーだーかーなー


楽しみで毎日覗いてる自分がいる<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/06(金) 08:44:32.28 ID:InJYTcAO<>
したっぱB「……どうして『火の粉』が爆発するんですか」

グリーン「リザードに聞いてくれ」

グリーンにも分かってないらしい。
出来たんだから仕方ない、そんなとこだろうか。

リザード「……」

当の本人であるリザードは自分に対して『睨みつける』を実行中だ。
ロケット団をやっているからには人の目なんて基本的に気にしないが、
そう敵意のある視線を投げられて気にするなというには自分は些か若すぎる。

したっぱB「……ほら」

なんとか友好を計ろうとし、頭を撫でるべく手を伸ばすが

リザード「ガゥッ」

『噛み付く』の動作で牽制をされ、手を引っ込めざる得なかった。
グリーンは笑って、「飯をくれだってよ」と言っているが、本当なんだろうか。
手首から先が無くなりかけた気がして仕方ない。

したっぱB「さすがに強いですね」

ただでリザードに近付くのは不可能と思ったので、ポケモンフードを取り出しリザードに近付けた。
リザードはそれを警戒するように匂いを嗅ぎ、口に放り込む。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/06(金) 09:06:36.66 ID:InJYTcAO<>
グリーン「俺のことを知ってるのか」

自分がカントーで今一番注目されている新人と分かって言っているのか、それとも違うのか。
どちらにせよ、興味を持たれたようだ。

したっぱB「怒涛の勢いでジム戦を突破し続ける期待の新人トレーナー」

したっぱB「カントーのポケモントレーナーの間では有名な話ですよ」

少し嫌味っぽくなってしまった。
やはり、ジム戦で痛い思いをしている自分にとって、
妥協を知ってそうにないグリーンは羨ましかったんだろうか。

グリーン「そ、そうか……俺も偉くなったもんだな!」

だが、そのままの意味で受けとったグリーンはやけに嬉しそうだ。
どうやら乗りやすい……もとい、乗せやすいタイプのようだ。

したっぱB「その強さに極意とかはあるのですか?」

会話を続かせようと、適当に話を繋ぐべく口に出す。
グリーンは腕を組みしばし顔をしかめると、特別なことはやってはいないと首を振った。

グリーン「一緒に生活をしていたら、気持ちが分かって来るし声が聞こえて来る」

グリーン「特別なことはしてないさ」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/06(金) 09:08:30.44 ID:InJYTcAO<>中断、かきためて来ます<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/06(金) 18:41:01.28 ID:glBh2dAo<>わっふるわっふる<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/06(金) 18:55:02.52 ID:InJYTcAO<>
したっぱB「声ですか?」

グリーン「ん、なにか引っかかるか?」

気持ちというのは喜怒哀楽の感情、声というのは気持ちが分かるということでいいのだろうか。
しかし、出来る奴の当たり前という言葉ほど信じられないものはない。
出来ない奴が出来ないことを当たり前にやってのけるから、出来る奴なのだ。
出来る奴の話を聞く時はその辺りをきちんと理解しなければならない。

リザード「ガウッ」

全てを食べ終わったリザードが自分に見せつけるように右手を前に出した。
その右手の上には手の平に収まる程度の火が燃えさかっている。

グリーン「お礼だってよ」

意味が分からない自分にグリーンが説明してみせた。
最も、何をしてくれるのかは分からないままだが。

リザード「…………」

リザードの右手の炎は徐々に小さくなってゆく、消えていくというよりも、もっと何か抑えつけているような。
そう、収束や圧縮と言った方が正しい。
そして、豆粒程に抑えつけられた炎。

リザード「ガウッ」

おそらく、離れろと言いたいのだろう。
自分は近づけた顔を離し、距離を置いた。

したっぱB「ッ!」

そして、リザードの手の上が爆発した。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/06(金) 18:57:28.55 ID:InJYTcAO<>
抑えつけていた力を緩め、圧縮した炎を解放。
炎は膨張し、瞬く間に空間を支配、燃え広がり、空気中に四散する。

原理で言えば、こんな感じだろうか。
しかし、どうして自分に見せたのだろうか。

グリーン「知りたいって言ったろ?」

これがお礼らしい。自分の技の原理を教えること。
しかし、炎タイプの技を覚えるポケモンがおらず、
そして、これを実戦レベルで使用することは今の自分にはほぼ不可能だろう。

それが分かっていて、リザードは教えたのか、グリーンは黙って見ていたのか。

グリーン「さて、そろそろ行くか」

グリーンは腰を上げて、リザードを呼ぶ。
リザードは炎の付いた尻尾を左右に振って、グリーンの側に歩いていった。

したっぱB「待ちなさい」

財布からカードを取り出し、グリーンに見せる。
ポケモントレーナーのIDカードだ。
ほぼ義務教育と化しているポケモントレーナーの資格証明。
これには個人情報が詰まっており、また、ポイントが刻み込まれている。

また、ポケモンセンターの利用にはこれを見せることが必要であり、
フレンドリーマートではポイントを使って、買い物をすることが可能だった。

そして、ポケモンバトルは基本、この中のポイントを賞金として、相手に渡すのが基本だ。
ポイントの基準は自分の持つポケモンのレベルなどにより、自動的に計算され相手に渡される。

どうでもいいことであるが、初期では合法カツアゲなどの問題が多数発見されたため、
同じトレーナーとのバトルでは暫く間をおかないとポケモンバトルによるポイントの譲渡は出来ない。
また、自動的にポイントを計算されるため、必要以上に渡すことも出来なくなっている。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/06(金) 18:59:27.57 ID:InJYTcAO<>
フレンドリーマートを利用することがあっても、現金支払いも可能であり、
自前で回復施設を用意できるロケット団には基本的には必要の無いものだ。
むしろ、個人情報を隠すために処分をする団員も居る。

自分も昔からの名残で財布の中には入れておいてある程度だった。

ポイントは少しだけ入っていたはずだ。
これがポケモンバトルならば、払っておかないといけない。

しかし、グリーンは笑ってそれを断った。

グリーン「賞金はさっき、こいつが貰ったよ」

そういって、彼はリザードを見る。
どうやら、さっきのポケモンフードが賞金代わりとなってしまっていたようだ。

このカードを自分で使うこともないのだが、グリーンがそう言っている以上無理強いをする必要も無いと判断し、
「そうですか」、と財布にカードをしまい込んだ。

したっぱB「これからどこへ?」

なんとなく聞いた。

グリーン「決めてない、決まるまでここに居るつもりだよ」

グリーンはそう言い残し、手を振ってその場から去っていった。
しかし、彼は自分がロケット団ということを忘れてないだろうか。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/06(金) 19:01:34.25 ID:InJYTcAO<>
それから、度々、グリーンと出会った。
どうやら、ポケモンタワーに足を運ぶ時間帯が被っているようだった。

挨拶をして、雑談を交わしつつ一緒にポケモンタワーを出て、別れるという関係であったが。
この光景は一般のトレーナーとロケット団が一緒に歩いているようには見えなかっただろう。

それから少しして、任務がついに動き出す。
元より任務のためにここに来ており、この時が来るのは分からなかった訳ではない。
むしろ、待ち望んでいたと言ってもいい。

ただ、気になる点が一つだけあった。
任務内容にポケモンタワーが組み込まれていることだ。

したっぱB「
『フジ博士捕獲作戦』。
現在の通称はフジ老人であり、老人と呼ばれているとおり、かなりのご年配のようですね。
また、彼は現在、凍結中である極秘プロジェクト『M2計画』の責任者として多大な貢献をしています。

だが、その後、彼はロケット団から逃亡します。

今回の任務は責任者ということもあり、ロケット団の機密情報を持った彼の口封じ、
同時に彼の能力を買って今回のことを不問にし、比較的に友好的な態度での組織へ戻る説得ですね」

ランス「説得が出来なかった時はどうするの?」

したっぱB「口封じですね」

現在、アジトの会議室でランス様を中心とした精鋭チームを相手に自分は進行役を努めていた。
四幹部の一人が出張っていることから分かるように想像するに今回は大きな任務かもしれない。
というか、自分で言ってて なんであるが『M2計画』とか初めて耳にしたのですが。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/06(金) 19:03:19.33 ID:InJYTcAO<>
また、自分が進行役を務めているのはランス様から勉があるのは貴方しか居ないからやっちゃってくれない?
と、頼まれたからだ。
この精鋭チームは基本的にポケモンバトルにしか脳の無い人たちばかりということだろうか。

みんなが昔にチームを組んでいたAの様に見えてきた。
したっぱと一緒に居ても、結構辛かったのに、これだけのAを相手にすると考えると胃が痛くなる。

元より、したっぱ も勉がある方とは言えないが。
そもそも、二人が無関心であったから、自分が勉強せざる得なくなったのであって……

ランス「んじゃ、作戦内容をみんなに伝えてちょうだい」

したっぱB「分かりました」

余計なことを考えないでおこう。考えるだけ無駄だということだ。

したっぱB「
任務内容はまず、フジ老人の誘拐です。
これは出来る限り、騒ぎを広めたくないので、出来れば3人。多くても5人のチームでの行動が良いかと思います。
また、彼はロケット団の重要人物であるので、出来る限り丁重に扱ってください。

そして、誘拐したフジ老人は一時的にポケモンタワーに監禁します。
アジトまでは距離が長く、位置的にもポケモンタワーは最適です。
また、ポケモンタワーの最上階には人はほとんど来ません。

そして、本拠地に護送するため、フジ老人の身柄は派遣されたカイリューに引き渡すことになっているので、
目立つ身体を少しでも目立たなくするためにもポケモンタワーは最適です。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/06(金) 19:05:44.92 ID:InJYTcAO<>
したっぱB「
一つ注意をしておくことは、フジ老人は重要人物ですが、同時に危険人物でもあります。
彼の持つ情報は組織にとって、あまりに不利なことが多い。
そして、彼は今まで私たちの目から逃げおおせた、したたかさを持っており、
また、今は引退してポケモン遺伝子学の博士として名を広めていますが、
彼はバッチを保有するポケモントレーナーでもありました」

息を吸い、周りを見渡す。
みんな、ここまでの長い話を何一つ言わずにじっと聞いていた。
流石は精鋭ともなると、Aとは違うようだ。なんだか、自分が場違いに思えてくる。
感覚で言うと、東京に来た田舎者といった感じだろうか。

したっぱB「
よって、彼が逃げ出す可能性も高く、重要性、危険性も考慮した上で彼の見張りも多くつけます。
最終的にはここに居る10余名でフジ老人を監視し、万全の体勢で望みたいと思います。

ですが、流石にこの人数で一度に行動するのは目立ちすぎる ので
先に一人ずつ時間をずらしてポケモンタワーの最上階に行き、予め待機しててもらいます。

そして、フジ老人を誘拐したチームがポケモンタワーの最上階に運び、万全の体勢でカイリューを待つ。
というのが今回の任務です」

この真剣みのある、大人数の前で最後まで説明しきったことにより肩の荷が落ちた気分になる。
しかし、まだ、終わった訳ではない。

したっぱB「以上で作戦の全容です。質問のある方は居ますでしょうか?」

ほぼ全員の手が上がる。
精鋭と言えど、ポケモンバトルしか脳の無い馬鹿ばかり。
つまり、A様な奴ばっかりということだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/06(金) 19:06:52.06 ID:InJYTcAO<>中断します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/06(金) 20:34:48.07 ID:1lCKuk.0<>ワタルか・・・俺はラプラス連れてきてれいとうビームでラプラス無双してたな・・・<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/06(金) 20:40:44.95 ID:16DL6ASO<>ランスさん軽いなwwwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/07(土) 11:23:36.40 ID:rxUKekDO<>>>299
確かに
<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/08(日) 09:59:21.40 ID:LuagnYAO<>ながら投下少しだけ<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/08(日) 10:02:47.54 ID:LuagnYAO<>その後、一通りの質疑応答を繰り返した後に打ち切り、メンバーは後日発表ということで終わらせた。
この役を受けた時は深く考えなかったが、
ランス様が自分で進行役を務めなかった理由が理解できた気がした。

その後、ランス様に呼び出されて、部屋に招かれることとなる。
招かれた理由は誘拐チームのリーダーが自分ということを告げるためらしい。

ランス「私はポケモンタワーの最上階でみんなをまとめておきましょう」

ほっといたらどうなるのか分からないですし、と付け加えて。

したっぱB「どうして自分が?」

自分はポケモンを扱う腕はお世辞にもいいとは言えない。
たぶん、あの面子の中では最下層ではないだろうか。

答えは単純なものであった、一番向いてそうだから。

次にメンバーは誰がいいと聞かれたので、
とりあえず、手持ちにドガースとマタドガスが居ない人でお願いしますと言っておいた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/09(月) 11:19:09.62 ID:mKlSWsAO<>すみません、二度寝してしまったようです

vipにポケモンSSが大量発生して嬉しいです。
読めきれないこの幸せ感!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/09(月) 11:21:43.53 ID:mKlSWsAO<>幸せすぎで、脳汁溢れて本文入れ忘れてた。

多分、夜辺りに投下始めます。
あまり期待しないでください。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 13:06:05.56 ID:1jB55pg0<>ロケット団の作る機械はインスパイアとオマージュを合わせた全く新しい新技術で出来ている。
その一つがこのロケット団専用のポケギアだ。

何? 後にポケッチを開発することになるコトブキシティの会社が開発したポケギアと変わりない?
チッチッチッ、あまいな君たちは。

そんな君たちのためにまず、このポケギアの最大の特徴をお教えしよう。
それはポケギアに取り付けられたRという文字ッ!
何の意味も無く取り付けられているように見えるだろうが、そうではない。
実はGPS機能付きなのだ!

更にこのGPSはロケット団専用の電波(のような何か)を使っており、盗聴される危険はほとんどない。
300m程しか効果はないが、任務中にパートナーの位置の確認、そして、驚くべき機能として、
『仲良し設定』に登録された相手は赤色で表示されるのだ!

更になんと、サカキ様の位置情報はペルシアンの顔が表示されるようになっている!
普段はサカキ様の位置は分からないようになっているから、ほとんどの人は知らない機能だ。

他の機能として、Rのボタンを押し込むと小型化する!
これはモンスターボールを参考にした物であるが、ロケット団は一からこれを開発し、新技術を用いてるため、
シルフカンパニー社の特許等には一切、引っかからない!

小型化した物はストラップとして使うのが良かろう、ポケギアに付けると、ん〜〜っ ベリーキュート!
更に新技術として万歩計の機能があり、ロケット団のマスコットキャラクター、
ペルシアンが歩数を教えてくれるという、正に心の癒し! ハート スィート ドリーム!
ちなみにあまり歩いてないとブニャットになったりするので注意が必要だ。

どうでもいいがこの万歩計。手で振るとカウントが0に戻される様にプログラムされている。
どうやって、歩行と手振りを分けているのかは企業秘密だ。 トップシークレット。

他にもポケモントレーナーとして、素晴らしい機能が山ほどある。
語り尽くせないが、

ポケモン転送装置の研究者マサキさんと契約を結び、ポケギアからボックスの中身を確認できる機能。
また、育て屋さんとの契約により、預けたポケモンをライブ放送で確認できる機能。
一日一枚、ペルシアンの写真集が自動で増えていく機能。
喋るニャースの電卓機能。
定期的に重要なメールをその他データと共に『大爆発』で一掃してくれるマタドガス機能。
夜中も安心、ゴルバットの『妖しい光』ライト。ポケモンには無害だが、人間は混乱するぞ!

とまあ、もっと言いたいとこであるが、そろそろ字数制限だ。
だが、これで少しはロケット団の素晴らしさが分かって頂けたかと思う。 君の入団を待っている!<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 13:38:07.51 ID:1jB55pg0<>今回も、この情報通の異名を持つロケット団下っ端がロケット団の素晴らしさについて語ろうと思う。
ロケット団に入団しようかどうか迷ってる貴方、興味を持っている貴方。
是非とも私の話を聞いて頂きたい。

ロケット団も組織の一つだ。勿論、入団すれば給料は支払われる。
また、衣食住の保証はもちろんのこと、税金関連のことは全部、
ロケット団の経理課が担当しているので安心して任せてくれ。

そして、ロケット団というのは危険な仕事が多いため、保険への加入は強制だ。
だが、ロケット団との繋がりを持つ保険機関は半額にしてくれるため安心してくれたまえ。
これを機会に火災保険や自動車保険等々、入って頂いたらどうだろうか?

他にも特典はあり、毎年、ホウエン地方への旅行がある。
ここではアクア団、マグマ団との親交を深めるための親善試合が行われたり、
二つのコースに別れ、マグマ団主催による山のキャンピングツアー、
アクア団主催による海の『波乗り』ウォッチングツアーをそれぞれ楽しめる。

勿論、休日の休みは保証しよう。 ボーナスもある。
ポケモンと共に出勤しても良い、ポケモンを外に出して仕事をしてもいい。

何処でもと言うわけにはいかないが、アジト内にはポケモンバトル用の施設があり、
いつでもポケモンバトルを嗜むことが出来るぞ。
勿論、ポケセンに行かなくても、回復装置は自前で用意してある。
マサキさんとの契約により、アジト内からパソコンでポケモンを取り出すことも可能だ。
なぁに、マサキさんは個人情報は国に対しても秘匿する方だ。安心して欲しい。

また、我が組織には購買部というものがあり、そこには通常のアイテムはもちろんのこと、
インドメタシンやタウリン等の強化剤、入荷数は少ないが、
ルアーボールなど特殊なモンスターボールも配置してある。
ペルシアンのポスターも置いてあるぞ。サカキ様のも勿論だ。

さて、まだ語り尽くせないが、そろそろ打ち切ろうと思う。そうカンペに出てるのでな。
最後に一つだけ、ロケット団に入る当たって一つだけ言っておくことがある。

「夢はいくらでも見れば良いさ。世間の爪弾き者に新しい夢を与えるのがロケット団だ」

では、ごきげんよう!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/09(月) 13:42:07.24 ID:1BS42YSO<>そのロケギア言い値で買おう!<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 13:45:15.23 ID:1jB55pg0<>夜辺りに書きためれてたら、投下しに来ます
夜中の12時過ぎても来なかったら、書きためれなかったと思ってください。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/09(月) 13:55:03.63 ID:mKlSWsAO<>手に入れるにはロケット団への入団が条件となっております。
しかし、ロケット団に入団さえ頂けたら、お金等とは言わず無償で提供させて頂きます。


ロケット団事務課より<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 17:40:31.46 ID:mKlSWsAO<>
それから一週間。自分を含む数名を除き、精鋭のほとんどはポケモンタワーに入っている。
そして、現在、自分は誘拐チームのリーダーとして、みんなを率いている。

誘拐チームは自分を入れて、四人だ。
ドガース、マタドガスを使用するものは居ない。

アーボ、ズバット、またはその進化系の使い手を集めた。
選んだ理由は隠密行動に向いているからだ。

アーボは音も静かに無く動けるし、ズバットは動きが速い。
迅速さと隠密性の両方を考慮した上で最適だと判断。
そして、その条件の中で更に冷静な性格をした人を選んだつもりだ。

最も適度に話しただけであり、確証は薄い訳だが。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 17:42:15.94 ID:mKlSWsAO<>
空を見上げると月が出ていた。満月だ。
満月を見るとオツキミ山を思い出す。
三人でピッピを捕まえていた時期を。

確かに辛い日々だったが、それなりに楽しかった日々を。
だからといって、あの頃が良かったと懐古鳥を鳴かしている訳ではない。

昔に見えなかった、明確な未来への目標 、ヴィジョンが見えていた。
再び、三人一緒になるために。
周りが聞いたら笑ってしまうだろうが、これが今の自分の夢だ。

そして、そのためにも、この任務は決して失敗は出来なかった。
本来、自分の様な人物が頼まれる仕事ではない。
たまたま、自分しかこの任務のリーダーを出来る人物が居なかっただけだ。

だからこそ、このチャンスを逃す訳にはいかなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 17:43:58.69 ID:mKlSWsAO<>
フジ老人は今、ポケモンハウスに居る。
調査したところによると、人間に捨てられたポケモンを飼育し余生を過ごしていると聞いている。
遺伝子学者がポケモンを拾って何をしてるんだか、想像もしたくない。

ロケット団もそういう研究をしているらしいが、深くは考えないようにしている。
少なくともそういうことをするような奴らの最後は禄でもないものと決まっており、自分もまた同様なのだろう。

服は私服だ。夜中に動いてもばれないように、かと言って目立つ衣装も着ていない。
程よく暗闇にとけ込むような服装を選んだつもりだ。

決して走らない、移動は歩きだ。
そして、隠れない。堂々と談笑しながら、自販機で買ったサイコソーダを飲みながら。
そうして、ポケモンハウスの前までやってきた。

そこからは姿を隠す。誰にも見つからない様にだ。
自分が手を挙げると、三人はそれぞれ散っていく。
一人は出口を確保し、もう一人は裏口を、最後の一人はそれぞれをフォロー出来る位置に。

自分は体勢を低くし、窓際に駆ける。
窓の丁度、下に座りこみコンパクトミラーを取り出す。

コンパクトミラーだけ窓から覗かせ、鏡の表面に写った映像で中の様子を伺った。
ここから覗く限りでは部屋の中に居るのは老人が一人、渡された写真よりも些か、やつれているが本人で間違い無いだろう。
椅子に座っており、膝の上にコラッタを乗せて、頭を撫でていた。
その微笑ましい光景はポケモンの生体実験を繰り返してきたという情報とはあまりに違い過ぎた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 17:46:15.84 ID:mKlSWsAO<>
したっぱB「…………」

心の中に一瞬、迷うものが産まれたが首を振って、打ち消した。
今はどうであれ、過去に手を汚した者。
その罪が簡単に取り除かれるものなら、この夜に刑務所なんて要らない。

ロケット団に所属する自分でも嫌悪感を表に出してしまう程のことをしでかした男だ。
生体実験をしてたということはそういうことでしょう? フジ老人……いえ、フジ博士。

したっぱB「行きますか」

意を決する。 窓から離れ、入り口付近に戻る。
入り口を見張っている者とアイコンタクトを取り、私服を脱いだ。
私服の下にはいつものロケット団の制服。

この時のために考えた作戦だ。多少、度胸は要るが必ず上手く行く。
建物の窓付近にゴルバットとズバットを配置させ、他のメンバーも作戦の通り行くと告げ、配置させる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 17:50:40.34 ID:mKlSWsAO<>
息を吸い、長く細く息を吐いた。
ここからが勝負、自分の仕事はただ、前に出ることだけだった。
あとは周りがなんとかしてくれると信じて。
作戦道理、事が進むと祈って。

したっぱB「こんばんわ、フジ老人」

扉を開く。

フジ老人「君は……ッ!」

目を見開き、立ち上がるフジ老人。
膝のコラッタは驚いたようにジャンプし、床に着地した。

したっぱB「お迎えに上がりました。さあ、行きましょう」

丁重な口調で、右手を弧を描きながら腹のところに持ってゆき、頭を下げた。

フジ老人「だ、誰があんなところへ戻るものか!」

したっぱB「そうですか、残念ですね」

腰のモンスターボールに手をかけ、牽制する。
だが、しかし、流石はバッチ所有者。この程度の脅しではなびかない。

フジ老人「もう、放っといてくれ! 私はもう、あんな悪魔の所業に手を貸したくない!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 17:51:52.77 ID:mKlSWsAO<>ここまで書き溜め
こっからながら<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/09(月) 18:09:04.05 ID:mKlSWsAO<>ごめんなさい、やっぱ、中断します
二人のやり取りが予想以上に楽しくて、もっと堪能したい<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/09(月) 21:08:16.79 ID:nBDR3f20<>いいよいいよ、じっくり書いてくれ給えー

それにしてもペルシアンの写真機能付きか・・・ロケギアホシス・・・<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/09(月) 22:10:51.89 ID:N142zW20<>こうやってポケモンのSS読んでるとこれが現実だったらなーと妄想してしまう・・・
今の動物の遺伝子ちょこちょこっと・・・残酷かな・・・<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/10(火) 02:08:11.47 ID:4BUWgoAO<>ここのSSでシルフカンパニー終わるまでシルフは攻略しないことに決めた

先にカツラさんと戦ってくるぜ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/10(火) 07:03:59.18 ID:MmhcA6SO<>何故この組織がこんなにもいとおしいのか…自分でもわからない程にロケット団が好きだ…
入団する勢いで<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/10(火) 08:13:08.34 ID:A0K4AMAO<>方向性が決まったのでながら投下行きます<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/10(火) 08:20:44.80 ID:A0K4AMAO<>
ふむ、悪魔の所業と来たか。大分、堪えてると見える。

したっぱB「その所業の責任者は誰だったのでしょうか?」

フジ老人「あ、あれは命令されただけだ!」

命令されただけ。そんなことは想像つく。
だが、そんなことは分かっててロケット団に入ったはずだ。

したっぱB「あなたは悪党ですよ、どんなに償おうとしても」

一歩、前に進む。
同時にフジ老人の身体がビクッと硬直する。

したっぱB「フジ老人、確かに正義の味方で居るのは楽です」

ですが、と続ける。

したっぱB「悪で居続けることは非常に難しいことです」

フジ老人「な、なら、どうして君はロケット団に居るんだ?」

老人のその疑問に思わず、笑みがこぼれる。
呆れ果ててしまって。

したっぱB「手を汚したからですよ」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/10(火) 08:46:35.10 ID:A0K4AMAO<>
したっぱB「
悪は……悪党は一度、手を汚したらもう正義の味方にはなれないんですよ。
悪党は最後まで悪党で居るしか無いんです。
どんなに辛くてもですね、自分で咲かせた悪の華が散るその日まで」

フジ老人「だが、私にはもう……」

老人は両手を広げた、汚れに塗れた真っ白で皺くちゃなそれを。

したっぱB「
私は別に貴方を非難している訳ではありませんよ。
人生観や哲学は人それぞれ。
ですがね……」

右手を挙げる。

フジ老人「なっ……!」

老人の背後からアーボが飛び出し、腕を封じる。
そのまま、老人は裏口から逃げだそうとしたが、その場で転倒。
天井付近にはズバットが数匹飛び交っており、『超音波』を発していた。

したっぱB「
救われようとするのもいい、償うのもいいです。
ですが、何のケジメも付けず、
全てを捨ててでも守りたいものがある訳でも無く、嫌だから逃げ出す。
それでは駄目でしょう」

指を差す、少し遅れてゴルバットがフジ老人の目の前に降り立つ。
双眸を光らせて。

したっぱB「悪党なら悪党らしく、最後まで自分を顧みずに貫くべきだったんです」

したっぱB「貴方の信念を」

その後、口を塞がれたフジ老人に悲鳴の声は出ない。
ただ、小さく呻く様な声が響くだけだった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 09:05:22.20 ID:A0K4AMAO<>
下っ端「リーダー、連れて行くぞ」

したっぱB「よろしくお願いします」

『怪しい光』により自我を失っているフジ老人はトランクケースに仕舞われ、
速やかに輸送が開始された。

したっぱB「……少し語り過ぎたかな」

最初は囮をするだけのつもりだった。
自分に注意を引かせ、周りから気を反らさせる。
そして、十分に時間を稼いだ後に後ろから襲わせる。

作戦自体は終始滞り無く行われた。

だが、少し予想外だったのがあの問答。
別にあそこまで語るつもりは無かったのだが……

したっぱB「まあ、いいです」

忘れることにした。
四人でポケモンハウスのすぐ側にあるポケモンタワーに堂々と移動をし、中に入り込んだ。

しかし、夜中のポケモンタワーは気味が悪い。
シルフスコープをつけると、ポケモンのお化けと言っても良い存在。
ゴーストポケモン達がそこら中に浮翌遊しているのが分かる。

夜中に近付くにつれ、活発になっていっている気がするのは
やはり、幽霊だからだろうか。

そして、夜という薄暗い空間であっても目立つ、赤色の衣服を着込んだ少年がそこにいた。

したっぱB「レッド……」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 09:06:48.58 ID:A0K4AMAO<>中断します<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 17:58:44.90 ID:9NbNIac0<>今日は書きため出来ない

>>318
考え無しに遺伝子を組み替えるとミュウツーみたいに
たった一つだけの種族として子孫を残すことも出来ずに孤独に…

>>319
シルフカンパニーに入る前にやっておかなきゃいけないことが結構あるので、
ついでに伝説のポケモンを捕まえに行くと良いと思うよ!<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 19:24:32.75 ID:A0K4AMAO<>書き溜めれなかったので、ながら投下行きます<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 20:19:09.05 ID:A0K4AMAO<>
下っ端「やりますか?」

メンバーの一人が問い掛けてきた。

したっぱB「先に行ってください。やり過ごせるかもしれないので」

指を差しレッドと遭遇しないルートを指示する。
ここらには最近、よく足を運んでたので地図は頭の中に出来ていた。

下っ端は分かりました、と礼をして足早にさっていった。

したっぱB「さて……」

レッドの実力は身を持って体験している。
出来れば、奥に進んで欲しくはないとこだが……

グリーン「レッドじゃないか、何か亡くなった……という訳じゃなさそうだな」

奥から現れたのはグリーンだった。
隠れ潜むというのは本当らしく、人払いは行っては居ないようだ。
運よくチームとはすれ違わずに済んだようだが……

これは吉と出るか凶と出るか、
自分には事の成り行きを見守るしかなかった。

グリーン「〜〜〜〜」

レッド「〜〜〜〜」

二人の会話は聞き取り辛く、内容はよく分からない。
様子を見る限り、言い争っているようにも見えるが……

グリーン「っ!」

レッド「っ!」

同時に、腰のボールに手をかける。
奇しくも後のチャンピオン二人によるバトルが自分の目の前で始まった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 20:42:30.64 ID:A0K4AMAO<>
グリーン「行けっ! ピジョンッ!」

レッド「カビゴン、頼んだ」

投げられたボールから出てくるのポケモンきっての巨体を誇るカビゴンと、
美しい翼が特徴のピジョン。

タイプに有利不利は無いはず。

だが、こんな所でバトルを始めるとは良い迷惑だ。
しかし、この二人の組み合わせ、興味が無いはずもなかった。

これはある意味ではカントー新人王座決定戦みたいなものでは無いだろうか?
この場に居合わせたことを光栄に思うべきか、迷惑に思うべきか微妙なラインである。

少なくとも、自分が手を下すことなく時間を稼いでくれるというのだから感謝すべきか。

レッド「室内ではその翼を存分には生かせない! 『のしかかり』で自由を塞いでやれ」

グリーン「ピジョン!」

のしかかろうと立ち上がったカビゴンの腹をピジョンが矢となり飛び出す。
腹を撫でるように旋回すると、天井付近まで上昇し追撃を避ける。

カビゴンの腹に赤い線が浮かび上がる。
それはV字を画いていた。

レッド「『燕返し』っ…… 相変わらず、速いピジョンだ」

レッドはカビゴンをボールに戻す、体力はまだ残っているように見えたが温存するつもりか。
代わりに飛び出たのはピカチュウ。

ピカチュウ「ピカァっ!」

頬には既に電気が貯まっているらしく、静電気がなっている。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 21:00:31.95 ID:A0K4AMAO<>
グリーン「下げろっ!」

レッド「『10万ボルト』っ!」

ピジョンは急下降。
ピカチュウの電気はピジョンの羽を掠め、天井に当たる。
天井に黒いシミの様な物が発生したが、気にする者など居ないだろう。

レッド「休むな、『電気ショック』ッ!」

掠っただけとは言え、弱点。
おそらくレッドはそれを考慮した上て、間髪無くピジョンに電気を畳み掛ける。

しかし、

グリーン「地形は把握するもんだぜ」

超低空を滑空するピジョン。
そこら中に並んだ墓がピカチュウの電気からピジョンを守る。

よく見れば、ピジョンは墓に隠れるように飛んでいた。
いつの間にここまで細かい指示を出したのか、ポケモン自身の判断によるものか。

しかし、罰辺りな奴らだ。
幸い、ピジョンの盾に使われた墓はビクともしてない。
石で作られているだけあって、電気は効果が無いようだ。

レッド「くそっ……『電光石火』だ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

二、三度、ピカチュウは地面を蹴ると、ロケットの様に急加速。
一歩、蹴る度に速度を増すそれはまさに電光石火の名の如し。
黄色の閃光となって、墓の間を縫うように止まることなく駆け抜ける。

そして、ピジョンの前に先回りし、頬に貯めた電気を……

グリーン「ばーか、読めてんだよ」

風が吹き荒れる。
その風にピカチュウの速度は殺され、マイナス方向へと返られる。

ピカチュウ「ピカァッ!」

苦し紛れに放電するが狙いが定まらず、電気はピジョンの遥か上空。
再び、天井にヒットした。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/10(火) 21:24:41.46 ID:A0K4AMAO<>中断します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/11(水) 21:56:25.49 ID:2H6feVs0<>うぉぉぉぉグリーンかっけぇー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/14(土) 22:45:46.38 ID:7yX796AO<>フジ老人の過去とかすっかり忘れてた恥ずかしい///
グレン島も過去の島になっちゃったしなー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/15(日) 16:00:05.05 ID:Jj38LkDO<>>>333
確かに
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/16(月) 08:45:17.90 ID:qraZV2AO<>明日辺りに投下出来れば幸せです
今、初見、四天王で「元気のかけら」が尽きたくらいのやばさ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/16(月) 10:17:59.86 ID:eazbV.SO<>>>335
それはキツいな…
頑張ってとか言わんから、無理しないでくれよ。いのちだいじに。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/16(月) 20:55:55.15 ID:qraZV2AO<>
グリーン「『吹き飛ばし』だよっ!」

ピカチュウの足が地面から離れ、後方の墓へと叩きつけられる。
墓の角は欠け、そのまま、身体は上空に投げられる。

そこに突き刺さる茶色の影。両翼を広げ、その大きな翼で見事に捉えた。

ピカチュウ「ヂャァッ!」

空中で数回転、ピンボールの様に地面に叩きつけられて更に転がる。
これが普通のポケモンバトルならば、ポケモンをボールに戻し、違うポケモ

ンに変えるところだ。

グリーン「そんな命令出してちゃ、先読みされちまうぜ?」

レッド「生憎、俺にはお前みたいにポケモンの声とか聞こえないからな」

グリーンの言葉をレッドは軽く受け流す。

レッド「行けるか?」

だが、戻さない。まだ、戦わせる気なのか。
しかし、レッドそれに呼応するようにピカチュウは飛び起きる。

ピジョンは追い打ちをかけなかった。相手が起きあがるのを待っていたよう

だ。
その証拠に立ち上がったのを確認した今、次の行動を移る。

天井付近まで上昇、そして、急下降。
目標はピカチュウ、羽を畳み肉弾となって、空気を切り開きながら滑空。
この技は確か『空を飛ぶ』だ。

一方、ピカチュウはやはりダメージが大きいようで膝が震えている。
だが、目に光は宿っている。
毛を逆立てて、威嚇するように身体中から放電し、
両手を前に出し、身体全身で迎え討つ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/16(月) 21:04:38.56 ID:qraZV2AO<>
ピカチュウ「ヂュ……ゥッッ!」

ピジョンの固い嘴がピカチュウの黄色い身体に突き刺さる。
同時に発光。目映いばかりの光がポケモンタワーの一階を支配する。

したっぱB「……ッ!」

危なかった。何をしようとしているのか一瞬遅れていたら目をやられていた

グリーン「くっ……」

レッド「よくやった」

倒れ込む二つの音。
ピカチュウとピジョンだ。
満身創痍のピカチュウにピジョンの『空を飛ぶ』に耐えられるはずも無く、
ピジョンもまた、零距離の『10万ボルト』に耐えきれるはずが無かった。

しかし、あのピカチュウ。 なんて無茶をする。
自分の攻撃がいくら当たらないからといって、わざと攻撃を受け、
動きを止めようとか普通の神経じゃない。

したっぱB「……ははっ」

身が震えるのを感じた。
これは畏怖によるものか、また、別の何かなのかは分からない。
ただ、この場に居れることを許した運命に感謝する。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/16(月) 21:06:23.33 ID:qraZV2AO<>
グリーン「タマタマ、行ってこい!」

レッド「イーブイ、頼んだ!」

二人はポケモンを戻し、新たにポケモンを繰り出す。
出したポケモンのイーブイとタマタマは共に進化前。
レベル差の違いはさほど感じられない。
しかし、進化前とは思えない程に互いによく鍛えられている。

タイプに有利不利は無い。
次のバトル、単純にトレーナーとしての腕が物を言うだろう。

グリーン「軽く脅かしてやれ」

グリーンは指を鳴らす、同時にタマタマは四匹で円を描く様に回転。

タマタマ「ターマタマタマタマタマタマタマタマ!!」

そこから高速で発射される無数の弾丸。『タネマシンガン』。
照準は勿論、イーブイ。 秒間六発(目測)以上の種弾が襲いかかる。

レッド「『こらえろ』ッ!」

イーブイ「ブイッ!」

その場で両手(?)両足を半歩開き、体勢を低くして迎える。
種の波は容易くイーブイを飲み込む。イーブイの姿を視覚することは難しい


その後、途絶えることの無い猛攻が降り続ける。
<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/16(月) 21:11:21.94 ID:qraZV2AO<>
レッド「…………」

グリーン「どうしたお前にとって願ってもない展開だろ?」

レッド「そうでもないさ」

『種マシンガン』の威力が徐々に弱まる。
流石に種切れということか。しかし、床には百を超えそうなくらいの種が転がっている。
流石の持久力というところか。
数十年後、この辺りがナッシーの森になっていないことを祈るばかりだ。

レッド「イーブイッ! 『電光石火』!」

グリーン「読めてんだよッ!」

イーブイは種の勢いが衰えると同時に駆け出す。
しかし、見えない壁に阻まれ、最高速のまま衝突し爆ぜた。
光体となって宙を舞い、そのまま消え去る。

グリーン「なにっ!?」

レッド「『リフレクター』は読めてるさ! 『身代わり』だ!」

グリーン「本物は……上ッ!?」

見失ったグリーンは何かに導かれる様に上を見上げる。
垂直落下する茶色の影、イーブイ。
タマタマをめがけて、まだ幼い白い歯を剥き出して、

一撃。

タマタマの一つに確かな重傷を負わせ、イーブイは軽やかに着地する。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/11/16(月) 21:12:12.66 ID:qraZV2AO<>中断します
予告しても不定期更新です<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/23(月) 16:54:54.20 ID:/lY9XoAO<>まだ書きため中かな?
見てるから投げるのだけはやめてくれよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/23(月) 18:30:59.90 ID:QK5NSsAO<>したっぱBとグリーンに惚れたww

今1〜3の島イベント攻略してきた
地道にレベル上げしてシルフカンパニーに備えとくぜ

>>1、焦らないで頑張ってな。応援してる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/24(火) 01:09:20.20 ID:sDK/hKU0<>自分はやっぱりしたっぱが好きだな。
あ、もちろん1番はサカキ様ですwwwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/24(火) 08:24:14.07 ID:/JtuM2SO<>宣伝部員の下っ端くんのおかげでうっかり入団しそうになった
ロケギアすげぇ欲しい<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/25(水) 08:50:58.83 ID:qHbEwEAO<>
グリーン「くっ! 戻れっ!」

くっきりとした歯形を刻まれたタマタマをボールに戻し、
代わりに繰り出すのは赤い忠犬ことガーディ。

グリーン「ガーディ、分かってるな?」

ガーディは頷く代わりに行動で返事する。
室内の温度は急上昇。
ポケモンタワーの涼やかな空気は、一匹のポケモンにより持って行かれた。

猛る炎を体中から吹き出し、それを押さえ込む様に身に纏う。

レッド「強いな」

グリーン「じゃなけりゃ、タイプが被って居るのにパーティーには入れないさ」

レッド「昔からだな、タイプや能力と……」

レッドは帽子を目深に被り直す。

グリーン「それが全てだ」

レッド「強いポケモン……弱いポケモン……いつもに増して勝手だな!」

グリーン「タイプで選んで何が悪い! 強いポケモンを選んで何が悪い!」

レッド「
ポケモンと会話できる能力を持っていながら……
お前はすげぇ奴だよ、だが、いけ好かない!」

グリーン「
好かれて貰おうとは思ってない!
元より俺もお前が気に入らない!」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/25(水) 09:21:55.65 ID:qHbEwEAO<>
グリーン「
俺には最強のポケモン達が居れば、それでいい!
絶対に俺を裏切らないポケモンが居ればな!

俺は二度と裏切らない。だから、俺を裏切らないポケモン達が必要だ!」

レッド「勝手だなっ!」

グリーン「
お前には分からないさ!
興味本意でこの場所に来る奴なんかにはな!」

ガーディ「ガゥッ!」

ガーディが飛び出す、前後両足を精一杯伸ばし地面を蹴る。
コンクリートの床に爪痕を残し、破片を蹴り上げ、
一直線にイーブイを目指す。
無作為に一直線に。

ガーディ「グルルル…っ!」

あの存在感は、『影分身』や『身代わり』といったものではない。
間違いなく、ガーディそのものだ。

レッド「イーブイ、右だ!」

レッドも察したのかイーブイに回避を指示する。

イーブイ「…………」

しかし、イーブイは動かない。
迫り来るガーディを直視したままだ。

もしや、あれは……

したっぱA「震えているのですか?」

レッド「イーブイっ!!」

イーブイ「っ!」

レッドの大褐にイーブイは反応。
直ぐさま回避行動に移る。

しかし、回避した方向は

レッド「い、イーブイ!? そっちはダメだ!」

指示した方向とは反対だった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/25(水) 09:23:04.55 ID:qHbEwEAO<>中断します
卒業研究の中間発表が迫っていたため、
続きが書けないでいました

すみません<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/25(水) 09:32:22.89 ID:TCOxMcAO<>初めて投下に遭遇した!
ウィンディをパーティーに入れてる俺涙目wwwwwwwwww(嬉し泣き的な意味で)

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/25(水) 15:39:44.72 ID:6EJ2Wk20<>あー・・・余計な御世話だと思うが
>>347でしたっぱAになってますが…Bではないでしょうか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/25(水) 23:59:25.97 ID:SZug/MAO<>うおっ、いつの間にかに来てたのか<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/26(木) 20:11:08.48 ID:yAf0ywAO<>やあ、また会ったな、みんな。
覚えているかな、多少丸くなってるけど宣伝部の下っ端だよ。
ロケット団の活動もシルフカンパニー制圧に向けて……おっといけない。
口は災いの元と言うしね、僕が消されかれないから忘れて欲しい。

マタドガスやら、オニゴーリやらを持ち、何の引け目を感じることなく『大爆発』を指示する、
サカキ様の隠し子がお仕置きに来るからね。

さて、冗談はそろそろ置いといて、今回もロケット団の素晴らしさを教えに来た。
今回、紹介するのはロケット団専用のポケモン図鑑。

マサキ博士の情報提供のおかげで見事に再現することが可能になった。
色はダサい昭和のセンスから、クールなダークパープルに変更。
もちろん、Rのマークは健在だ。

さて、外見についてはこれくらいにしておこう。
言い始めたら切りが無いくらいクールだからね。

それに君達が目を輝かせて期待しているのは機能面の話だろ?
今回も素晴らしい機能が備え付けてあるので期待して聞いてくれ。

まずはRマークのボタンについてだ。
今回、残念ながらポケモン図鑑がハイテクすぎるため、ロケット団の技術を持ってしても
縮小する機能を備え付けることは出来なかったんだ。
しかし、安心して欲しい。
その代わりと言ってはなんだが、その機能に優らずとも劣らない素晴らしい機能が取り付けられている。
その機能は名付けて、『ペルシアン鳴き声メドレー』!

ボタンを押すと、いつでも何処でもペルシアンの鳴き声が聞けるという機能だ。
鳴き声の種類は豊富であり、『甘えたい時の鳴き声』や『ご飯をねだる時の鳴き声』、『寂しい時の鳴き声』等など。
また、『怒っている時の鳴き声』や『不機嫌な時な鳴き声』等、コアな方へのサポートもばっちりだ。
これはボタンの押し加減で鳴き声が変化するため、手に入れたら色々と試してみたらいい。

どこら辺がメドレーなんだって?
クックックッ、我がロケット団がその程度の物で満足すると思っているのかな?

誕生日を設定し、その日にボタンを押すと……なんと!
ペルシアンが歌って祝ってくれるじゃないか!
ありとあらゆる鳴き声を合わせた、この技術の結晶!
このためにコガネラジオ局の作曲家を誘拐し……いや、やらせてくれと誘拐されに来てくれた!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/26(木) 20:30:12.46 ID:yAf0ywAO<>全面的なロケット団のサポート!
ポケギアでは再現できない、ポケモン図鑑ならではの鮮明な鳴き声再生機能!
数々の名曲を生み出して来た作曲家!

全てが合わさり、出来た歌は数十曲!
ロケット団に入って頂ければ全て無料でご視聴頂くことができます。

また、祝日はもちろんロケット団結成記念日やサカキ様の誕生日にも、
ペルシアンがその日、専用の曲を歌って知らせてくれる。

では、次の機能に進もう。

ポケモン図鑑では外見、特徴、体形などを教えてくれるのが売りだ。
しかし、君達はこう思ったことは無いかな?

もしも、表示されるポケモンの画像の種類が一枚だけではなく、
多種多様にもっと豊富に自分で選ぶことが出来たならば!

その要望、お答えしようじゃないか!

しかし、ポケモンの種類は数百にも及ぶ、
ロケギアのペルシアンの様に一日一枚ずつ増やすにしても、その労力は多大だ。

そこで私達は考えた。
「みんなのポケモン図鑑の情報を共有したらよくね?」
そこで生まれたのがこの機能!
『ポケモン写真共有システム』だ!

これはみんなも想像しての通り、撮った写真をポケモン図鑑に転送し、
全ての団員のポケモン図鑑に写真を送り込むことが出来るという機能だ。

でも、誰かが悪用して精神的ブラクラとか……
ご安心を! ロケット団は何処で誰が発信したのかすぐに突き止めることが可能です!
その様な悪用をされた方は……死より恐ろしい目に合わせてやろう。
ポケモンマフィア流でな。

また、この機能の派生で、『ポケモン図鑑のデータ共有化』。
『みんなで書き込もう育成理論』、『ポケモン大好き倶楽部による手入れ講座(随時更新)』等といった機能が備え付けられている。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/26(木) 20:50:35.44 ID:yAf0ywAO<>また、ポケモン図鑑には『ピカチュウの懐き度機能』等といった機能があったが、

どれだけポケモンが懐いているのかわかる?
友情、愛情の数値化だぁ?

そういうもんじゃないだろ!
俺達の絆を機械ごときで計れると思うてか!
その様な夢の無い機能は我がロケット団に必要無い!!
全面的に排除させて頂いた!

この他にも色々と説明させて頂きたいことはあるが上記に比べたら、
おまけの様なものなので軽く流させて頂こうか。

まず、『努力値の割合が分かる機能』。
これはポケモンの特徴を正確に捉える、ポケモン図鑑の機能を応用したものであり、
今、ポケモンは何が弱点で何が長所なのか分かる機能だ。

これを参考に弱点を補うもよし、長所を伸ばすのもよし。
君だけの相棒をしっかりと育ててあげてくれ。

他には、『簡単な画像編集ツール』、『常時進化キャンセル』といった、
細かい機能が込められている。

一つ欠点があるとすれば、それはハイテク過ぎるが故の一台辺りのコストの問題だろう。
現在、支給されているのは部隊長クラスの人のみなんだ。
後々の全団員に配るつもりだが、低コスト化が思う様に進んでいない。

まあ、いち早く手に入れたい方は精進してくれ!
以上で今回は終わりだ。

みんな、ロケット団で待ってるぜ!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/11/26(木) 22:31:32.05 ID:EdcBtYSO<>ロケット団開発部の斜め向きな情熱に乾杯、そして宣伝くんのハイパーロケット口車に熱い拍手を送りたい。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/11/27(金) 01:12:16.67 ID:Hi1n2k6o<>サカキちゃんwwwwwwww<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/11/30(月) 19:54:21.73 ID:48Dj3wAO<>現在、『まひなおし』と『どくけし』を買わずにダンジョンに入り、
中盤辺りでパーティーの半分以上が麻痺or毒で突き進むべきか戻るべきかって状況で
また、遅れそうです<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/12/01(火) 09:00:48.01 ID:jXyvHwAO<>
イーブイ「っ!」

行き止まり、三方に囲まれた墓石に残された一方からはガーディが迫る。

ガーディ「グルルルっ」

ガーディの口から漏れる微かに漏れる炎。
それを気付いたのか、レッドの行動は早い。

レッド「『守る』だ!」

逃げ道は無い。
正面から迎え討つしかない。
レッドの取った行動にミスはない。

勢いの付いたガーディを止めるのは至難の技。
得に物理攻撃しか持たないイーブイにとっては。

ならば、耐えて相手の攻撃を凌ぎきり、カウンターのチャンスを得る。

まさしく、セオリー通りの行動では無いだろうか?

……しかし、
グリーンはそれを上回った。

グリーン「『炎の牙』が来るとでも思ったか?」

ガーディは口を開く。
だが、物理攻撃には距離が遠すぎる。
これは……

グリーン「『火炎放射』だよ、馬鹿」

高温の熱風がイーブイを襲い、炎が飲み込んだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/12/01(火) 09:28:14.22 ID:jXyvHwAO<>
レッド「くっ……」

レッドの顔が歪む。
『火炎放射』、確かに強力な攻撃だ。
分かっていたことだが、あの技が使えるとはガーディの力量は相当なもの。

しかし、そこまで悲観的になることだろうか。
イーブイもガーディ程とは言わないが、力量は高い。

それに『守る』を使っていたはずだ。
ならば、ここは反撃のために次の攻撃の指示を出すのがトレーナーでは無いだろうか。

レッド「『こらえろ』……」

呟くように出された指示は守り。
その意図を自分は分からなかったが、すぐに理解することになる。

ガーディ「ゥウ〜〜っ」

炎を吐き尽くしたガーディは体を丸め、前転の要領で回転する。
だが、その回転の勢いは前転などという生易しいものではない。
それは吐いた炎を巻き込み、台風の目となってイーブイを襲う。

あの技は……しかし、あの技にしてはあまりに威力が高すぎる。

グリーン「分かってんじゃないか、『火炎車』だよ」

炎の大車輪。
毛を焦がし、所々煤汚れたイーブイは迫り来るそれを、目を見開き睨みつけるように見据える。

衝突。

前後両足に力を込めて堪えるイーブイと、溢れ出る炎を身に纏い押し切ろうとするガーディ。
両者の激突はイーブイの額が弾かれたことで終わりを告げる。
しかし、ガーディの『火炎車』も勢いも弱まっている。

凌ぎきった。
イーブイに今、反撃をする体力は残っているだろうか。
だが、反撃をするには今しか無い。

グリーン「『炎の牙』」

したっぱB「なんだって?」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/12/01(火) 09:48:17.32 ID:jXyvHwAO<>
ガーディの猛攻は終わらない。
残った回転の勢いを利用した攻撃は相手の胴を捉え、
受けたイーブイはそのまま倒れ動かなくなった。

レッド「お疲れ、よく頑張った」

労いの言葉とともにイーブイはボールに納められる。

したっぱB「…………」

ここまでの攻防を二人は予想していたのだろうか。
終わってみれば、この攻防。
イーブイが逃げ道を誤った、その瞬間から成るべくして成ったといった感じだ。

あの狭い空間では『影分身』や『身代わり』を使ったとしても、
『火炎放射』で空間事、焼き払われてしまう。

かといって、『電光石火』を使おうものなら、
あの炎に自ら飛び込むことになる。

そして、タマタマ戦で体力を消耗したイーブイにそれを乗り越えられるだけの体力は無かったということだろう。

結局、『守る』しかなかったのだ。
そして、一度手放した攻撃の流れを取り戻すのは困難であり、
相手の息切れを待つしか無かった。

そして、あと一歩というところでガーディが上回ったということか。
もし、あの攻防に分岐点があるとすれば、
ガーディが最後に『炎の牙』を出せる余裕があったか否かってところだろう。

一方的に見えて、常にぎりぎり。
一回のミスが命取りだ。

今回はイーブイのミスが表に現れた結果となったが、
もし、ガーディが最後に『炎の牙』を出せなかったら、
手痛い反撃を受けていたところだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2009/12/01(火) 12:27:05.65 ID:jXyvHwAO<>中断します
書き溜めができない<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/12/01(火) 12:28:21.65 ID:jXyvHwAO<>あと書き込めなかった
すみません<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/12/05(土) 23:45:26.68 ID:uOERYEAO<>乙<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2009/12/10(木) 01:08:05.71 ID:vz2.ZoAO<>卒業研究ってことは、1はリアル「理科系の男」なのかね?
卒研がんばれwwwwww<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/12/14(月) 10:21:28.48 ID:cv0QsYAO<>>>364
表では学生であり理科系の男!

だが、その真の姿は……っ!
とうっ!

サカキ様ファンクラブ会員のロケット団下っ端であり、宣伝部所属!


たまに出て来る宣伝部の奴は、自分とは別人の友人なんですが、
俺のパソコンや携帯を使い、鳥を使用して書き込んで来るので困ってます


という訳で生存報告<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/12/16(水) 17:29:53.91 ID:3Jsxp3M0<>友達良いキャラだなww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/12/17(木) 10:32:04.73 ID:TvfTfIAO<>宣伝部は別の奴だったのかwwwwww
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/12/19(土) 07:14:54.62 ID:Xg1vggSO<>なんという新事実wwwwww
卒研頑張ってね<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/12/23(水) 22:28:22.11 ID:LHPAyUAO<>生存報告

二月八日までは満足に投下できそうにないです

現状報告をさせて頂くと、
初代のクチバの前のバタフリーくらい

一般のトレーナーにガチで倒されたのは今も昔もあいつだけだ

きっと、あいつはクチバジムに挑んでるんだけど、
タイプを覆せず、自分の力の限界を自分で決めてしまい、
実力があるのにクチバシティから出ず、燻っている男。

後のツクシである。<>
◆bM68KYkzG.<>sage<>2009/12/24(木) 19:04:20.15 ID:VnZsVxc0<>クリスマスはロケット団により中止計画が行われましたが、
レッドの仕業により、不発に終わりました。

日本の神や仏は少々、寛大すぎると思います。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/12/24(木) 19:05:24.00 ID:VnZsVxc0<>間違えた<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2009/12/25(金) 19:53:42.16 ID:66MGl3M0<>
 く
    り
   す
     ま
      -l-
        ノ
      (
      `(`\
        .\ \-、
         ,ノ
        と_
          `<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/12/28(月) 12:06:22.79 ID:KJhLrN60<>死因はクリスマスか・・・<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2009/12/30(水) 00:47:44.23 ID:7bQEWISO<>ロケット団忘年会の幹事は誰がやるんだろうか<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 06:37:54.12 ID:yteztoAO<>リアルにクリスマスが無かったあげく、
新年明けても病にかかっていました。


忘年会の幹事は場所事に異なるので一概には言えませんが、
サカキ様FCの極秘情報の一部を特別に公開さしあげますと、
サカキ様の参加した忘年会ではアテナ様が幹事をしていました。

ついでに言っておきますとランス様とラムダ様はどうしても外せない用事があるとのことで、忘年会には欠席していました。
サカキ様のお咎めは無しとのことで、おそらく二人はサカキ様の任により席を外したのでは無いかと思われます。

ちなみにサカキ様の隠し子らしき少女が酔っ払ってしまい、オニゴーリを「大爆発」させ、
会場を跡形もなく消滅させてしまう極悪童っぷりを発揮させるという、
ロケット団次期リーダーには相応しい才能と風格を持った隠し芸を見せつけて頂きました。
その後、運良く生き残った幹事達で二次会が最寄のカラオケで行われました。

サカキ様はその二次会には参加せず、その隠し子とアテナ様を連れて王将でラーメンと餃子を堪能した後、
唐翌揚げと餃子、炒飯を購入し、帰宅しました。

赤毛の子は寂しそうにお腹を空かせていたと聞いています。

アポロ? 我がロケット団の四幹部にその様な方は居ませんよ。
我がロケット団にはアテナ様、ランス様、ラムダ様、そして……うわっ、何をする!
2chと同様にパー速も匿名掲示板でスイス銀行並のプライバシー保護のはずじゃ、やめっ!

最近のポリゴンは良いポリゴンだァーッ!!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 06:42:57.86 ID:yteztoAO<>世間のはみ出し者に夢を与える悪の組織、
ポケモンマフィア ロケット団。

今年もよろしくお願いします。



ロケット団に入団すれば、毎年、ペルシアンの年賀状が送られてきます<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 07:27:16.06 ID:yteztoAO<>
サカキ「新年だな……」

見上げた空は灰色で覆われており、まるでそれを切り離したかのように、
ふわりと風に身を任せ、優雅に舞い下りる白の結晶。

数日前ならば、ホワイトクリスマスと特別な呼称と感慨を持つそれも、
今の時期では何の意味も無い。

私は思う。
雪は綺麗だ。
しかし、その美しさは はかなさ がもたらすものであり、
新しい年が始まるという心機一転する時期に置いて、似つかわしく無いものだと。

少女「父上!」

遠くで自分を呼ぶ声がした。
振り向くと、黒のタートルネックにスカート、ニーソックスを着込み、黒マフラーと手袋、長袖の上着を付けた長髪の少女が呼び掛ける様に手を振っており、
その少し後方にはまるで、誰かを追い掛けて来たかのように両手を膝に付き、呼吸を整える赤毛の少年が居た。

二人は自分の実子であり、腹違いの兄妹。
少女の母親は出産の時に亡くしており、自分が育てている。
赤毛の方は母親も健在だが、自分がロケット団のリーダーであることもあるため、
普段は二人にいらぬ危険が及ばぬ様に距離を置いている。
だが、こういう特別な時期だけは顔を見せる様にしていた。

サカキ「なんだ?」

答えると嬉しそうに「こっちに来て!」と、両手を振りながら小走りをする。
赤毛の少年はうんざりした表情を見せると、少女の後を追いかけていった。
どうやら、見せたいものがあるらしい。

サカキ「どれ」

もう歳だろうか。それとも、雪のせいだろうか。
少し重くなった足取りで、二人の後を追う。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 07:53:48.50 ID:yteztoAO<>
少女「おーそーいー!」

サカキ「すまんな」

急かす娘を前に足を早める。
横の赤毛の息子は息も満足に出来ない様で、
今にも雪の上にしゃがみ込みそうな程にぐったりしていた。

何をしていたのかは分からないが、いつも様に娘にこき使われていたのだろう。
笑って息子の頭を撫で、労をねぎらってやる。

少年「へへっ……」

息子は苦笑いで答えてくれた。

少女「これ!」

少しばかり他より高い場所を連れて行かれると、娘は指を差した。
その指の先に目をやると一際大きな雪だるまがそこにあった。
子どもに作れるサイズではない、大人でさえも無理だろう。
恐らくポケモンも使い作ったのだろう。

何故、ここまで大きなものを作る必要があるのか理解しかねるが、子どもの考えることだ。
深い考えなんて無いだろう。

サカキ「凄いじゃないか」

二人の頭を撫でてやる。

少女「えへへっ」
少年「ははっ」

二人は嬉しそうに笑ってくれた。
自分には子どもの考えることなど理解は上手くできない。
しかし、その笑顔は自分の表情も緩ませてしまう。

こういう日も悪くは無い、そう思える自分が居た。

少女「ここからが本番だよ!」

サカキ「ん?」

少女は大きく息を吸うと、右手を空に向け、人差し指と親指を立てた。
そして、大きな声で命令する。

少女「『大爆発』っ!」

その声と共に雪だるまは爆散に、ものの見事に消えうせた。
辺りに飛び散った、破片からははかなさを感じさせ、
たぶん、恐らく、オニゴーリだったものからは哀愁が漂っていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 08:02:19.16 ID:yteztoAO<>
ある日の夜。

サンドパン「ん?」

夜の寝室、時期的に忘年会シーズンのこと。
ほんのした異変が、本当に小さな異変が起きていた。

サンドパン「モンスターボールが開いてるじゃねぇか」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 08:12:10.61 ID:yteztoAO<>
マタドガス「んで、気持ち良く俺達が寝ているにも関わらず」

ゴルバット「起こしたって訳だな! ファッキン針鼠!」

サンドパン「針鼠には異論は無いが、喧嘩なら買うぞ、クラァ」

ベトベトン「落ち着け、双方ともに」

ゴルバット「落ち着いてられると思うてかぁ! この俺様の安眠を妨げた罪は万死に値する!」

アーボック「うっせーてんだよ、いーかげんにしな。第一、あんたじゃ、この糞鼠には勝てんだろうが」

ゴルバット「やってみなきゃ分からん」

マタドガス「アーボックの姐御の言う通りだ」

ゴルバット「なんだとコルァ!」

サンドパン「『メタルクロー』」

ゴルバット「ギャーッ!」

ベトベトン「古参のくせに一番弱いんだからなぁ」

マタドガス「無茶しやがって」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 08:22:28.87 ID:yteztoAO<>
アーボック「んで、私達の起こした理由ってのを聞かせて貰おうじゃないの」

サンドパン「…………」

アーボック「ほら、さっさと言いな」

サンドパン「……俺って、地面タイプじゃない」

ベトベトン「ああ、周知の事実だ」

サンドパン「……氷タイプに弱いじゃん」

マタドガス「あぁ、そうだな」

サンドパン「……寒いじゃん」

アーボック「……んで?」

サンドパン「寒いと寂しさ倍増じゃん」

アーボック「…………」

サンドパン「わかるだろ、この気持ち!」

アーボック「ファーック! その程度のことで私達を起こしたって言うのか! 今、深夜3時だぞ!」

ベトベトン「思わず、抱きしめてやりたくなる解答だ」

マタドガス「『毒々』成分はいつもより多く出しております」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 08:35:20.96 ID:yteztoAO<>
サンドパン「んで、何をしようか」

アーボック「せめて、何か考えてから起こせよ。それだから、育て屋に預けられても『元気いっぱあいのようだ』コメントしか流れないんだよ」

サンドパン「預けられたことねぇよ!」

マタドガス「チェリーボーイは黙ってな」

ベトベトン「戦場の戦いは得意でも、床の上では新兵とはな」

マタドガス「孤高故の強さw」

サンドパン「バラすとおめーら」

アーボック「余裕の無い男って、これだからやーねぇ」

サンドパン「うっせぇ、売婦」

アーボック「ほぅ……眉間辺りにその臭い息を垂れ流す穴を二つほど欲しいのかい? チェリーボーイちゃんよぉ」

サンドパン「恐怖で汚い臭水を垂れ流す穴は一つじゃ物足りないだろう、丁度良い機会だ。いくつか増やしてやるぜぇ」

ベトベトン「まぁまぁ、落ち着け。双方ともに」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 08:38:38.33 ID:yteztoAO<>
ベトベトン「問題はマスターが帰るまで、何をして過ごすかだ」

サンドパン「そういや、マスターいねぇな。どうしたんだ?」

アーボック「下で寝てるよ」

サンドパン「よく分かるな」

アーボック「蛇だから」

サンドパン「?」

ベトベトン「蛇と戦う時は逃げ場はない、覚えておきな」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 08:44:54.97 ID:yteztoAO<>
ベトベトン「人間の世界では今の時期は忘年会ということになっている」

サンドパン「それは?」

ベトベトン「今年の嫌なことは忘れて来年に心機一転して頑張りましょうってことだ」

サンドパン「つまり、何をすれば良いんだ?」

ベトベトン「…………」

マタドガス「俺、知ってるぜ! 笑って過ごして、吹き飛ばすんだ!」

アーボック「えーと、つまり?」

マタドガス「一発芸大会だ!」



その後、彼らは胸に深い傷を負って新年を迎えることになる。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/02(土) 08:46:09.51 ID:yteztoAO<>予想以上に長くなったので遊びはここまで

ただ単に口の悪い奴らってのがやりたかっただけです<> A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !<><>2010/01/02(土) 17:50:19.61 ID:y5uzk8I0<>なんかいろいろ来てたーwwwwww
新年早々病気かww体調管理はしっかりなー

あけましておめでとう!
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/13(水) 04:34:43.54 ID:ObwHAUAO<>生存報告<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/13(水) 04:44:54.93 ID:ObwHAUAO<>ポケモン関係無いけど某赤木スレが面白すぎる<> A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !<><>2010/01/14(木) 20:02:19.55 ID:aLfKYQSO<>>>388
どれ?見に行くわ
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/15(金) 09:07:29.93 ID:/Yn03EAO<>現行だから、完全に晒すのはどうだろうと思うのでヒントを
vipとパー速で現行のSSで赤木スレは一つだけ

咲キャラも出るよ!

個人的に今、一番大好きなSSスレ

ついでに現行をも一つプッシュするならば、貞愛VIP組を支援<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/01/17(日) 18:08:32.42 ID:v0wN36SO<>>>390
サンキュー
サカキさまばんざい<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/23(土) 17:03:10.44 ID:.YR/ioAO<>生存報告<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/26(火) 13:10:58.56 ID:pZr5J6AO<>少し頑張る
ながら<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/26(火) 13:23:21.09 ID:pZr5J6AO<>
したっぱB「………」

二人のバトルのレベルはジムリーダーレベル……
もしかすると、それ以上ではないだろうか?

二人のバトルに魅入られている自分が居て、決して届かない頂きの様な何かを感じた。

才能という言葉では片付けたくはない。
しかし、この歳でこの実力は……努力以上の何か。
まさしく、天才ではないか。

嫉妬はある。妬ましい、羨ましい。
しかし、それ以上に憧れてしまう。

手に届かないのは分かっているのに引き寄せられて、誘惑されて……
まるで、ショーガラス越しのトランペットの様だ。

したっぱB「ん?」

ここで気付く。
携帯に着信が来ていることに。
着信音も振動も切っていたため気づかなかった。

少し熱中しすぎたようだ。

細く長く息を吐いて、胸を撫で下ろす。
先の攻防で年甲斐も無く興奮してしまっていた。

いや、こんなバトルを目の前で見れて、興奮するなという方が無理な注文だろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/01/26(火) 14:00:53.36 ID:pZr5J6AO<>
気付かれぬように携帯を開く。
中に書かれた文字は無事に着いたという報告。

フジ老人の誘拐は無事に成った。
後は時間が経つまで、何も起きないこと願うだけだ。





ごめん、やっぱ眠い<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/01(月) 09:50:38.90 ID:NomVM2AO<>今から頑張る

残党いる?<> パー速のローカルルールが変わりました<><>2010/02/01(月) 23:23:17.03 ID:N8wP2EAO<>残党いるいる!
研究は無事終了かな?<> パー速のローカルルールが変わりました<><>2010/02/02(火) 23:30:31.89 ID:VzXUqsSO<>残党いるぞー!
<> パー速のローカルルールが変わりました<><>2010/02/03(水) 01:30:29.33 ID:RWhTS2SO<>へーいこちらポヤナツングスカ支部残党!
現在地はじゃがいも倉庫!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/05(金) 13:46:43.10 ID:q1cGFgAO<>やった、残党居た
テスト期間中ってことを忘れてて、そっちに必死になってました

次の土日に投下します
早くなることはあっても遅くなることはありません

>>397
まあ、うん、まだ終わってないけどね!

>>398
よっしゃ、明日か明後日辺りに復活祭という名の飲み会やるから出席しろよ!
あー、車で来いよ!酒飲むなよ!

>>399
海外進出までしてたのにロケット団は一枚岩過ぎて、
サカキ様がいなくなっただけで崩壊を……
後継者がアポロの強さじゃなぁ……

サカキ様はもっと、部下を育てるべきだったんだ……
スカウト能力とカリスマ性はトキワジムのジムトレーナーを見れば相当高いのに……

トキワジムのジムトレーナーって、ロケット団関係ないんだぜ?
しかも、シルフ崩壊後にジム営業を再開したとして……

サカキ様すげぇ、あんな短時間であんだけの人材を<> パー速のローカルルールが変わりました<><>2010/02/07(日) 19:05:43.00 ID:Sy/3OQSO<>わくてかしていますが無理はすんなし
ナナシマ倉庫残党<> パー速のローカルルールが変わりました<>sage<>2010/02/07(日) 21:26:28.40 ID:86rzEYAO<>シンオウの湿地で気長に待ってます
<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 21:56:42.92 ID:JExLoz.0<>よし、23時59分59秒くらいを目処に張り始めます<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:17:51.10 ID:JExLoz.0<>
気付かれぬように携帯を開く。
中に書かれた文字は無事に着いたという報告。

フジ老人の誘拐は無事に成った。
後は時間が経つまで、何も起きないこと願うだけだ。

まだ、見ていたいという衝動に駆られるが、自分の立ち位置をはき違えてはいけない。

自分はこのバトルの見届け人ではない。
例え、万に一つの可能性で巡り会えた奇跡の様な偶然であっても。
例え、目の前でミュウが瀕死で眠っていても。
自分には優先すべきことがある。

名残惜しい気持ちはもちろんある。

だが、任務が最優先だ。
我が身はロケット団に忠誠を誓った身。

彼らのポケモンバトルもそろそろ終盤へ入ろうかというところ。
二人がバトルに集中している隙に自分はこの場を離れる必要があった。

振り向かない。二人のポケモンバトルは自分には出来ない。
彼らはポケモンバトルを行った後に握手を交わし、互いの健闘を褒め称え合うのだろうか?
自分にはもう、無理なことだ。

あの日のグリーンとのバトルは楽しかった。
だが、自分はもう戻れない場所まで来てしまっている。

後悔はしない。後悔をしないために自分は前へと歩むしか無い。
例えそれが、どんな道であろうとも。 どんなに汚い仕事であろうとも。
私はロケット団のしたっぱB。 身も心もロケット団の一員だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:18:06.60 ID:JExLoz.0<>
したっぱB「はぁ……はぁ……」

駆け上がる。
事前に渡されていた、シルフスコープが役に立つ。
これのお陰でゴーストポケモンとの無用なバトルを避けることが無くなり、
また、不意打ちをうけることも無くなる。

シルフスコープとは、シルフカンパニー製の商品だ。
シルフカンパニーの技術の結晶と言っても良い製品の一つ。
我がロケット団が誇る開発部の技術を持ってしても、模造出来ない品である。

数にも限りがあるらしく、この任務が終われば、ロケット団に返すこととなっていた。
しかし、それでもロケット団といったところだろう。
今回、参加したメンバーの全員分を用意してあるのだから。

これが無ければと思うと恐ろしい限りだ。
深夜のポケモンタワーはサファリパークの禁止エリア並に危険だからだ。

そして、最上階の一つ下。
おの階段を登れば、無事に辿り着く。
と、いった所で、思わぬ足止めを食うこととなる。

したっぱB「これは……嘘でしょう?」

目の前に現れた巨漢。
被った骨は同化し、強固な兜へと変化。
手にもった骨は石を容易く粉砕する。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:18:17.24 ID:JExLoz.0<>
ガラガラ「グオオオオオオオオオ!」

ガラガラが立ちふさがっていた。

したっぱB「あまり、騒ぎたくないというのに運の悪いことですねぇッ!」

二人に追いつこうと何もしてなかった訳ではない。
頭で考えるよりも先に身体が反応していた。
腰のボールを掴み、手首のスナップのみで投げる。

出したのは二匹。 ケーシィとアーボ。
直感で悟っていた。

一匹だけでは勝てないということを。
ならば、無謀であっても希望のある二匹。

考えるな感じろ。読み取れッ! 先を見ろッ!!

ダブルバトルの難しさを知らない訳ではない。
ポケモンバトルとは高速でバトルを行うため、一瞬で勝負をつくこともあれば、
たった、一度の攻防で立場が一転してしまうこともある。

ポケモンバトルに勝つにはポケモンが強いだけじゃ駄目だ。
ポケモントレーナーの実力も十分に左右する。
じゃなけりゃ、ポケモントレーナーなんて呼ばれずにポケモンブリーダーとみんなが呼ばれている。

そりゃ、あまりに圧倒的なポケモンの実力差があれば倒せないだろうが。
だが、熟練のポケモンがバトルに不慣れなポケモンに負けることもある。
それはポケモントレーナーの実力に置いて他無い。

弱いポケモン、強いポケモンなんて人の勝手。そんなのは驕りに過ぎない。
だから、私が力にならなくてはどうする!<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:18:45.43 ID:JExLoz.0<>
したっぱB「かかって来いよォォォォォッ!!」

分析開始。
実力差の数値化。
ロケット団基準に考えて、大体、レベル15……っ!?

勝てるか?

えぇい、考えるな行動しろ!
全ての思考のベクトルを勝利に向けろッ!!

したっぱB「ケーシィ、『チャージビーム』! 牽制しろッ!」

ケーシィの攻撃技は『チャージビーム』のみ。
相手は地面タイプ。ケーシィで仕留めることはこの時点で不可能と考えて良い。
ならば、軸はアーボで攻めるべきだ。

だが、そのアーボも些か、火力不足。
どうやって、相手に大ダメージを与えればいい。

ケーシィ「……ッ!」

手中にため込んだ電気エネルギーを放射。
いつもは『テレポート』の後に出されるそれは今回、そのまま発射された。

ガラガラ「ッ!!」

ガラガラは身体を引いて、それを間一髪回避する。
もっとも、当たってもダメージは無い訳だが。

ガラガラ「グゥッ!」

ケーシィ「ケッッ!」

ガラガラの眼光により、ケーシィは身体を硬直させる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:18:58.82 ID:JExLoz.0<>
したっぱB「くそッ! 『睨みつける』かッ!!」

相手を竦ませ肉体を硬直させる技。
それはダメージの分散を許さないための物であり、すなわち、防御力を下げる技として効果を発揮する。
(『尻尾を振る』も同等に防御力を下げる技だが、あれは癒し効果によって、
 相手の筋肉を弛緩させ、無防備の身体に攻撃を加えるというものだ。)

そして、身体を硬直させるということは即ち、短時間だが身動きを封じると言うこと。

ガラガラ「グルルルルル……!」

振りかぶる。風を巻き込み、小規模の竜巻が発生するんじゃないかというくらいの迫力があった。
ケーシィは判断がついていない。 指示を出さなくてはいけない!

したっぱB「ケーシィッ! 『テレポート』です!」

ケーシィ「ケケッ!?」

振りかぶる。
放たれた技は『骨ブーメラン』。放物線を画き、ケーシィへと襲いかかる。
そして、ケーシィが居た場所を通り抜けた。

したっぱB「くっ!!」

その骨の軌道はそのまま、我が身へと襲いかかる。
両手を目の前で交差させ、感じるままに尻から重心を落とす。

正に紙一重。

髪の毛を掠め、背後にあった墓石を粉砕する。
あれが当たったらと思うとぞっとする。
血の気が引いていくのが感覚で分かる。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:20:11.87 ID:JExLoz.0<>
したっぱB「アーボ! 大丈夫ですかッ!」

だが、思考と止める訳にはいかない。
唯一の攻撃手段のアーボ。
万が一、攻撃に巻き込まれていたら、勝ち目が無くなる。

必死で辺りを見渡し、アーボを探す。

アーボ「シャーッ!」

無事だったらしく、ガラガラを威嚇することで元気さをアピールしてくれた。
アーボに指示を出し、次にケーシィを確認する。

二匹を指示するということはこれほどまで勝手がものか。
我ながら、やはり無謀ではなかったのではと思う。
しかし、やらねば勝利が見えない。
無謀ではあるが、希望でもあるのだ。

ケーシィ「……」

見つけた。 すぐに指示を飛ばす。
今度は『テレポート』からの『チャージビーム』いつも通りの行動。
だが、いつもとは狙いを変えてみる。

ケーシィ「ケケケケケ……ッ!」

ガラガラ「ッ!?」

いつも死角から放つのだが、今回は真正面。
狙いはダメージではない。

したっぱB「これ以上攻撃をさせる訳にはいかないんでねぇッ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:21:06.86 ID:JExLoz.0<>
ケーシィ「ケェーッ!!」

超至近距離『チャージビーム』。
『チャージビーム』は電気エネルギーによる光線。
即ち、攻撃発生時には莫大な発光を促す。

それを顔に向けて放てば!
例え、ダメージには鳴らなくとも。

ガラガラ「ぐうううううう……ッ!」

数秒だが、視界を失う。 その隙を逃す訳にはいかない!

したっぱB「アーボッ!!」

そして、ケーシィの代わりに死角に回っていたのはアーボ。
視界を失うことにより、やっと、この距離までアーボを安全に近づけさせることが出来た。

アーボ「シャァーッ!!」

大きく口を開き、牙をむき出す。
牙は紫色に変色を果たし、微量だが液体が滴る。

したっぱB「『毒針』ッ!!」

ガラガラの足下を根深く食い込ませる。

ガラガラ「グオオオオオオッ!!」

噛まれたショックか、暴れだし足を大きく振り、アーボを振りほどく。
毒は十分に行き届いたか? だが、まだだ、思考と止めるな。
攻撃できる時はとことん行く。 流れを止めるな!

したっぱB「ケーシィッ!」

『テレポート』! 宙を浮くアーボを空中でキャッチ。
そして、そのまま、一回転。 遠心力を付けガラガラに投げつける。

アーボは目を瞑る。 次の攻撃に備えて。
そろそろ、ガラガラの視界も元に戻る時。

ガラガラ「ぐるるる……。  ……ッ!?」

ガラガラの視界が戻った時、目の前に居たのはアーボ。
既に目を光らせて待ち受けている。

したっぱB「『蛇睨み』……ですッ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/07(日) 23:25:29.16 ID:JExLoz.0<>中断します。

レッドvsグリーンは覚えていない部分も多々あったため、いっそのこと省かせて頂きました。
二人の結果に期待していた方すみません。

代わりに力を入れさせて貰った、変則ダブルバトル。
ちょっとやってみたかったので、やった。 楽しかった。

自分のやってることは毎度ポケモンバトルじゃないなぁと思いますが、今更ですよね。<> パー速のローカルルールが変わりました<>sage<>2010/02/07(日) 23:35:06.87 ID:.mFg9gAO<>すげええええ
いや、このバトル描写大好きだ。たまらん。
<> パー速のローカルルールが変わりました<><>2010/02/08(月) 00:37:23.08 ID:zUK5oUSO<>なんて熱いバトル描写だ、まったく待ってた甲斐があったよフゥーハハハァー<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:36:05.47 ID:qfSFuKc0<>
したっぱB「毒と麻痺……同時に受けてしまっては動けまい!」

ガラガラは前のめりに倒れ込む。
その巨体からは想像できないくらい静かにゆっくりと。

したっぱB「……しかし」

どうして、この様な場所にガラガラがいたのだろうか?
誰かが捨てた? それならば、もっと騒ぎになっていたはず。
いや、一応、噂にはなっていたか?
ポケモンタワーには化け物が現れると。

すると、レッドがここに来たのはさしずめ、その噂ってところだろうか?
となると、危ない。
さっきのバトルは激しいかったから、ポケモンセンターに帰った可能性も多いにあるが、備えはしておかないといけない。
とりあえず、ランス様に報告して……

いや、待て。

違和感。話がすりかわっている。
どうして、ガラガラが……

したっぱB「ガッ……!?」

しまった、やられた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:36:16.80 ID:qfSFuKc0<>
したっぱB「それが正体ですか……」

心臓に捕まれるような息苦しさ。
それもそのはず、胸からはみ出る大きな黒い物体。
把握するにそれは指。それが自分の肉体からはみ出ていた。

首を回し、後ろを見る。
黒い影の様な物体の様な気体。
ギョロリとした大きな目をした、ゴーストがそこにいた。

したっぱB「……くっ」

ケーシィとアーボは戸惑って、その場から動けないでいる。
どうすればいいのか分からないようだ。
それもそのはず、トレーナーである私が人質になっている現状だ。
容易に動かれても少し傷つく。

では、この現状をどう打破すべきだ。
くそっ、頭が回転しない。それ以前に意識がやばい。
こいつは何をしようとしている、何が目的なんだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:36:31.34 ID:qfSFuKc0<>
したっぱB「チィッ……」

ゴーストを睨みつける。
それがいけなかったことを直ぐに思い知ることになる。

ゴースト「…………」

催眠術。
その術中に容易くはまってしまったのだから。

………………

…………

……

目の前に広がる風景。
辺り一面の草原にガラガラとカラカラの親子。

ただ、幸せな光景とは違う。
ガラガラの体は無残な姿になっていて、カラカラはというと、身を真っ赤に染めてガラガラの体を揺すっていた。
そこから、世界は早送りされる。

数日するとガラガラの首から上はなくなっており、カラカラの姿も無い。
少し離れた水場に行くと、湖は赤く染まっており、その端で何かを食するカラカラ。

更に数日。
口周りは赤いままだが、体についた赤色は黒色になっている。
持っていたものは赤い何かであることと、赤色の中から白色が垣間見えることが分かった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:36:58.69 ID:qfSFuKc0<>
更に数日後。
ガラガラの元に戻ってくるカラカラがそこにいた。

既に他のポケモンに持ってかれたのか、あまりに早く白骨化したガラガラの姿がそこにあった。
その中から、何かを漁るカラカラ。しばらくすると一つの骨を取り出した。
丈夫で図太い骨。

そして、カラカラはその骨を使い、ガラガラの骨を砕く。
その砕いた骨を集め、小さな白い山を作りだし、今度は穴を堀り始める。
ある程度の深さまで掘ると、その中に骨を埋めて蓋をする。

ここまでの一連の動作。
私にはこれを見せる意図が分からなかった。
しかし、この後で大体分かる。

その後、間もなくして一人のポケモントレーナーに捕まるカラカラの映像で。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:38:49.15 ID:qfSFuKc0<>
したっぱB「つまり、息子が心配だと? そう言いたいのですか?」

恨みや私怨、そういうのが地縛霊的に発現して、襲いかかるという話は聞いたことがある。
しかし、ゴーストからの思念はそういうのではなく、ただ単純に親心?
無念とはそういうことなのだろうか?

えーと、整理しろ。
ゴースト……いや、ガラガラが自分に何を求めているのか。
しかし、結果のみを考えるとどう転んでも、自分は呪われるか、取り憑かれる運命にあるらしい。

したっぱB「はぁ……」

嘆息。逆に分かってしまったら肩の力が抜けてしまった。
自分の身の危険は少なくとも無い。
相手にとって、自分をそうすることに意味は無いから。

そして、比較的に攻撃的であることから怨念が無い沸けでもないのだろう。
幽霊になっているということは無念であるということだからだ。
やるだけのことをやって亡くなっているならば、覚悟があったならば、この姿になっていない。
不測の事態が起きて命を失ったから、こうして、化けて出ている。

だが、息子の映像を見せたということは……つまり、こういうことだろうか。

息子の無事に育っているかもう一目見たい、ついでに道中で怨念を果たせるなら大万歳。
そのために協力しろと。

まあ、息子への愛が怨念を勝っている辺り流石と関心すべき場所なのか?<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:39:23.38 ID:qfSFuKc0<>
レッド「誰かいるのか!?」

したっぱB「くっ……!」

忘れていた。彼の存在を。
先ほどの騒動を聞かれていたらしい。

だが、レッド一人だ。
グリーンはいない。

そして、手配されているカイリューが来る時間は10分とない。
使い手は時間に忠実らしいから、きっときっちり来るのだろう。
しかし、カイリュー使いとかロケット団に居たっけな?と、今更ながら思うが、今は捨て置く。
時間が無い。

とりあえず、やるべきことはたった一つ。
今すぐにランス様に現状を伝えること。
そして、それを行うための障害を迅速に取り除くこと。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:39:51.15 ID:qfSFuKc0<>
したっぱB「分かった、協力しましょう! だから、私にも協力しなさい!」

空のモンスターボールを取り出す。

したっぱB「
私は任務でいろんな町を行き来します、そして、ポケモントレーナーも大体町に居る。
こんなところに一匹で留まるよりも、私についてきた方が見つかる可能性が高い。
しかし、私はただでそんなことをするほどお人好しじゃありません。
ですので……」

モンスターボールのスイッチを押す。

したっぱB「
私に協力しなさい!
私はポケモントレーナーの多くが集まる場所を知っている!
協力していただければ任務に差し支えのない程度ですが、私は案内してあげます!」

交換条件。
ポケモン相手にこんな約束をするなんて、人から見れば笑われるだろう。
特に今のロケット団ではだ。

笑われたっていい。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:40:46.59 ID:qfSFuKc0<>
実はズバットがゴースになっているのを期待して、何度もここに立ち寄っていた。
しかし、ズバットらしきゴースはいなかったし、現れなかった。

ならば、こう思っても構いませんね?
きちんと成仏したと。
なら、それでいい。

ここまで、自分がポケモンに関心を抱いているとは思わなかったが、気づかせてもらった。
胸を張って言える。

私はポケモントレーナー。
ロケット団のポケモントレーナー。
そこは履き違えてはいない!

ゴーストの上に行くようにボールを放り投げる。
ゴーストは動かない、そして、閃光と共にボールの中に入っていった。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/02/08(月) 18:44:36.20 ID:qfSFuKc0<>中断

直接的な描写をしたがらない俺はどんな描写であっても、規制されないぜ! フゥーハハハァー!!

ガラガラの親子の話はポケスペからの妄想ですが、色々と矛盾が発生してしまい、
あの様な感じに無理矢理路線変更をしました。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/08(月) 19:11:34.90 ID:qHJjV6AO<>ポケスペじゃなかった、タイトル忘れた

携帯に移行したため、適当に設定でも語ります<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/08(月) 19:28:34.34 ID:qHJjV6AO<>ちょっとおかしな部分もあるかもだし、結構適当だけど
まあ、出すことなさそうな設定なので、別に読む必要は無いし、裏話程度に

ロケット団の指揮系列の流れは

サカキ様

四幹部

支部長

それぞれの部署

下っ端達

がイメージになってます。
また、四幹部にはそれぞれ直属の配下がおり、四幹部が任務に出る時は彼らが代役しています。

まあ、四幹部も忙しいため、よく代役を立てることが多く、そのため彼らは副幹部とか呼ばれてたり。

また、サカキ様は優秀過ぎるため、たまに四幹部を飛ばしたり、
自分で四幹部に任せてもいい仕事もやっちゃうので(優秀すぎて四幹部の仕事が遅く感じるため)、
これのせいでみんながサカキ様を頼り切りになってしまい、部下が育たない原因にもなってます。

また、ロケット団は特別な任務も多いため、人事異動が多く、
特別チームもよく結成するため、結構臨機応変に動けます。

指示されたらだけど。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/08(月) 19:46:25.63 ID:qHJjV6AO<>四幹部の実力は一般トレーナーよりは強いが、優秀とは言い難いレベル。
仕事は一応やってのけるが、期待以上の成果は生まない的な。

十分優秀なんですが、サカキ様が望むのは期待以上の仕事を見せてもらうことで、
彼らの実力に満足はしきっていません。

それでも、他にめぼしい人材も居ないため、サカキ様は彼らを育てようと必死になってます。
しかし、彼らはサカキ様を心服しており、
サカキ様に従えば大丈夫と信じきっているため、それほど成果は出ていません。

そして、新プロジェクトとして打ち出されたのが、タマムシで、したっぱの受けたやつ。

サカキ様はそれなりに才能のある人材を見つける来るけど、まだまだ未熟な者達、
それを育てるだけの環境がロケット団には無く、埋もれた人材が多いと判断。

あのプロジェクトの目的はあの時点では、ロケット団全体のレベルの向上ですが、
最終的な目標は新しい幹部の育成。
育成すれば、必ず光輝く者が埋もれていると。

そして、一早く才覚を見せ始めたのがしたっぱであり、
したっぱ を大切に育て始めました。

ちなみにプロジェクト自体はまだまだ、成果を上げてはいません。
目に見えての効果は、もっと時間がかかります。

まあ、元よりロケット団の制度が成績によるものではなく、
上司に推薦された者だけが上に行く仕組みだったので、
埋もれた人材が多くて当然だった訳です。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/08(月) 19:58:30.05 ID:qHJjV6AO<>また、ロケット団の主な資金源は各地にあるカジノからです。
ジョウトやホウエンのカジノも全てロケット団のものです。

ですので、アクア団やマグマ団との繋がりを持っています。
ギンガ団はこの時点ではまだ、ありません。

また、ロケット団は薬なども販売しており、
地下通路で流されている薬の大抵がロケット団製です。
シルフカンパニー製の薬(ショップでよく置かれている)に比べて、コスト面で安いのが売り。
ですが、コスト面を重視しすぎたため、きつい臭い、苦い等の問題により、
ポケモン受けはしませんでした。
開発部のリーダーが五月蝿いので言っておきますが、
効果は十分にあり、ポケモン協会が指定する安全性は十分に保障されているとのこと。

予断ですが、漢方薬、怒り饅頭、ジュース等はマイナー企業によって作られています。

<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/08(月) 20:11:54.19 ID:qHJjV6AO<>他には新しい技術として、ロケット団はN2計画というのを始めています。
何処かで見たことある名前だなと思いましたが、ピカチュウスレだった。
設定、丸パクリします。
鬼畜幼女が出てるくらいだ、今更何も言われまい。

その一環で研究のリーダーであった、フジ博士は古代ポケモンの復元技術の基礎理論を打ち立て、
他のロケット団の研究者の手によって形になりました。

しかし、まだ、完成は至っておらず、実験用のサンプルが必要。
もっと、データが必要。
そのため、オツキミ山に特別チームを結成し、ロケット団を派遣しました。



とまあ、電池やばいのでここまで。
他にもし知りたいことがあればレスしてください。
今後のストーリーに影響の無い程度、ネタバレにならない程度に適当に返信します。

我に設定の事で語れないことはほとんど無い。
たぶん無い、きっと。

決めてないのは理科系の男の回収方法くらいだ。
ずっと放置されてたら、回収諦めたと思ってください。<> パー速のローカルルールが変わりました<>sage<>2010/02/11(木) 02:16:00.22 ID:FzVOl5Io<>おお、復活したのか
設定とかすごい考えられてるんだなぁ

四幹部は一般トレーナーよりは強いレベルってことは、ジムリーダーよりは弱いの?<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/12(金) 21:37:44.82 ID:ot.KSEM0<>>>428
単純にトレーナーとしての技術で言うならば、ジムリーダーとは真面目に戦ったら歯が立たないレベル。
でも、一応、バッチの一つや二つは取れるだけの実力は持ってる。

まあ、ジム戦ではジムリーダーは本気出してないので。
バッジを取れるだけの実力は持っている程度と考えてくれれば。

この世界ではバッチを一つでも持っていれば、十分、友人に自慢出来るレベルです。

また、ポケモントレーナーで食べていこうと思えば、最低でもバッチの三つや四つは軽く取れるだけの腕前が必要。

技術で一概に表すのは難しいけど、格で表すならば、
ジムリーダー≒バッジコンプ>バッジ所有者(4、5個)≧ジムトレーナー≒四幹部≧バッジ所有者(1、2個)>その他

ジムリーダーはみんな、ジム戦でなら、8個バッチを取れるだけの腕前があります。
また、サカキ様はジムリーダーでも飛び抜けており、四天王に十分通用する腕前の持ち主。
チャンピオンとも勝負になるレベル。

そして、ジムトレーナーはバッチ獲得は十分に望める方々。
実際に一個やニ個くらい、持っているジムトレーナーは珍しくないです。
バッチ所有者もジム戦では基本的に本気は出しません。
また、アサエはグレーバッチとブルーバッチ、レインボーバッチの三つを所有してました。

まあ、強いからと言っても、必ず勝てるとは限らないのがポケモンバトルです。

ちなみにロケット団の下っ端は弱いです。
大半が現状でバッジ獲得が絶望的な程度の実力者の集まりだと思って頂ければ。
精鋭チームでさえもバッジ一つ取れるかどうかの実力。

レッドはオツキミ山で腕前だけならジムリーダーに匹敵、またはそれ以上。
ポケモンのレベルがジムリーダーレベルに追いついてないだけ。
現在は更に成長しています。

グリーンはレッドには無い才能持ち。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/12(金) 21:40:34.11 ID:ot.KSEM0<>次の土日のどちらかに透過始めます<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/14(日) 11:56:22.00 ID:5K/vSgAO<>今回の投下分は透過してしまったようですが、
馬鹿じゃなかったら、きっと見えます<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/02/14(日) 21:10:44.04 ID:.HjZ/AAO<>俺は馬鹿だったのか…。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/02/14(日) 22:13:36.08 ID:y5qIycAO<>嘘だろ…俺って母ちゃんから
出来る子って言われてたのに…orz<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/14(日) 23:59:06.24 ID:FuAOMWE0<>
カチッという、捕獲完了の合図を確認すると、すぐにボールを手に取り腰に取り付ける。
出来る限り音を立てないように移動を開始する。

目指すは階段を登った先。 最上階。

したっぱB「早く、ランス様に伝えなければ」

どういう経緯でレッドがここまで来たのかは分からない。
だが、先ほどの騒ぎを耳にして、ここまで来たというならば最上階に足を運ぶのは目に見えている。

ランス様に早く伝えて、時間稼ぎを。
フジ老人を引き渡すため、カイリューが来るまでに。

残り10分、レッド相手に耐えられるだろうか?
オツキミ山のトラウマが蘇る、ゴールデンブリッジのトラウマが蘇る。
頭を振って雑念を取り除く。

やれるかどうかじゃない。 ここまで来たらするかどうかだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/14(日) 23:59:40.00 ID:FuAOMWE0<>
最上階へ続く階段。
音を殺して駆け上る。

不意打ちの状態から、万全とはいかずとも覚悟の出来た状態に。
せめて、体勢を整えている状態には。

したっぱB「ランス……様ッ!」

精鋭チームに囲まれる用に中心に座す、ランス様。
自分の表情を見て、何が言いたいのか察してくれた様だ。

ランス「そうですか、レッドが来ますか」

指示は早い。
階段の入り口を放物線を描くように4人で固める。
対角線上には配置しない、それぐらいの配慮はあった。

ランス「レッドの目的はフジ老人ですかね?」

ランス様はポケットからクシを取り出し、髪の毛を整える。
その仕草は、いちいち腹正しいのは気のせいだろうか。

したっぱB「おそらく違うかと思います。ですが…」

ランス「えぇ、私たちの姿を見れば、戦うことになるでしょうね」

頭を抱えて嘆息。そして、愚痴るように運が悪いと繋げた。
そして、少しして爆発音。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/14(日) 23:59:53.92 ID:FuAOMWE0<>
レッド「お前達、こんなところでも何か悪さを企んでいるのか」

階段の付近に居たロケット団は一蹴されてしまったようだ。
逃げ道はない、耐えるしかない。

しかし、この現状を見て、えーと、残り7分ほど。
耐えきることが出来るだろうか。

黒こげになる団員4名を見る限り、とても苦しいことになりそうなのは間違いないようだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/15(月) 00:01:26.15 ID:i.Za7Uc0<>ふぅ、なんとか間に合ったか。
と言いたいけど、文章量が少なくてすみません。

明日また頑張ります。
次回から、レッドvsロケット団

主人公なんて悪党から見たら毎度、こんな感じです。<> lain.
<>sage<>2010/02/15(月) 22:10:56.37 ID:???<>パー速のローカルルールが変更され、
SS、やる夫系スレはニュー速VIP避難所(クリエイター)【http://ex14.vip2ch.com/news4gep/】へ移行することになりました。
(次スレを立てられるようであれば)移動はこのスレが埋まってからで構いませんので、
上記の件を把握されましたらご返答お願いします。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/16(火) 02:27:09.34 ID:d6hEu6AO<>>>438
返答必要みたいなので。
このスレで良いのかな?

上記の件について、分かりました。
今すぐというわけではないようなので、
埋まり次第移動させて頂きます



あと、昨日はこられなくてすみませんでした。<> lain.
<>sage<>2010/02/18(木) 19:11:10.84 ID:???<>>>439
ここでおkです。ご協力お願いします。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/02/19(金) 18:08:33.54 ID:rnOOp6SO<>したっぱの格好でフィギュアスケートしたらさぞ面白かろうなぁ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/21(日) 13:23:48.70 ID:ST/v06AO<>チラッ<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/21(日) 13:31:00.65 ID:ST/v06AO<>ふう、もう行ったか

一部の板の人には日常茶飯事だろうし、
ここも2chとは別なんだろうけど、リアルタイムで★の人と始めて出会った。

正直、驚きで困惑してしまったのは言うまでもない。
とりあえず、さっさと埋めて制作板に移動しよう。

ピカチュウスレの人、迷子にならなかったら良いなぁ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/02/21(日) 13:38:50.81 ID:ST/v06AO<>>>441
ロケット団にも部というものがあります。
中でもポケモンと一緒に行える競技は人気があり、
ポケモンコンテストの制覇を目標にした部、またはトライアスロン。
愛好会ですが、サファリパーク散策会とかあります。

冬には氷ポケモンと共に舞う、フィギュアスケートとまた部として確立しています。
まあ、成績はよろしくないようで、ロケット団の選手が本戦まで残れず、
その姿をテレビでご覧になることは叶いません。

ですので、是非ロケット団に入団して頂き、
フィギュアスケート部に所属して頂ければ、思う存分にご覧になることができますよ?<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/02/21(日) 14:21:19.46 ID:ST/v06AO<>余談ですが、この世界にはポケモンリーグというものが存在します。
ポケモンリーグというのは一年に一度行われるお祭りのことであり、
全国最大のポケモンの大会のことです。
開催地はセキエイ高原。

カントー、ジョウトからは勿論のこと。ホウエン、シンオウからも優秀なポケモントレーナーが参加します。

全国から参加するだけあり、レベルは非常に高いため、
参加条件があり、バッチを最低一つ持っていることがその条件です。

バッチを持っていなくとも、ポケモン協会公認の別の大会で活躍した方。
カントーで有名所を言うと、ヤマブキシティで行われるシルフトーナメントやタマムシシティで行われる、タマムシトーナメントでしょうか?

まあ、バッチ一つ持って記念参加をするのも良いですが、
大概は一、二回戦で敗退するのを覚悟した方が良いでしょう。

リーグなのに、一、二回戦と言いましたが、
ポケモンリーグには予選トーナメントと第二予選リーグ。
そして、決勝トーナメントという形式をとっています。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/02/21(日) 14:29:01.75 ID:ST/v06AO<>予選を二回も行うため、かなりの日数を必要とし、
大会全体で一ヶ月ほどという力の入れ具合です。

ですが、有名な選手は大体が第一予選は免除されます。
これは前年度で第二予選リーグで上位の選手と、バッジを八つ集めた方に与えられるシード権。

ジムリーダーのほとんどはシード選手。
かくいう、我らがサカキ様はジムリーダー就任した際に、
第一予選トーナメントに初参加し、圧倒的な力を見せつけ、
ポケモンリーグを初参加で制覇するという偉業を成し遂げています。

その戦い方は真正面から打ち破るという、
正統派でシンプル、正に力の差を見せ付ける戦いぶり。

今もサカキ様が最強のジムリーダーの異名を持つのはそういうところから来ています。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/02/21(日) 14:39:25.32 ID:ST/v06AO<>しかし、ポケモンマスターの条件はポケモンリーグの制覇ではありません。
ポケモンマスターは全地方のチャンピオンを倒すこと。

チャンピオンはポケモンリーグには参加しません。
チャンピオンが戦うのは別の場。

四天王を倒した後に得られるチャンピオン戦です。
四天王と戦う条件はその地方のポケモン協会公認のジムバッジを8つ集めること。
または、地方別のポケモン協会公認の特定の大会で優勝することです。
カントー、ジョウトでいうと、セキエイトーナメントが上げられます。
セキエイトーナメントとはカントー二大大会として有名です。もう一つはポケモンリーグです。

セキエイトーナメントの参加条件は各都市で定期的に行われる大会にベスト4に残ることが条件であり、
各都市四人の代表四人が争い、その優勝者は四天王への挑戦権が与えられます。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/02/21(日) 14:48:15.36 ID:ST/v06AO<>ちなみに四天王の選出方法はプロリーグから選ばれています。
プロリーグとは協会からプロのポケモントレーナーであるという公認の免許を頂き、
お金を頂き大会で戦う方々のこと。

また、カントーのプロリーグにはセキエイリーグというのがあります。
そして、セキエイリーグの中でもランクが別れており、
新人達が戦うルーキーランク等々。

良い戦いをする方にはスポンサーが付いたりすることもあるようです。
まあ、プロの方はポケモン協会から戦うだけでもお金をもらえますが。

まあ、ポケモントレーナーならば誰もが憧れる職業です。
そして、その中でもトップレベルの四人が四天王に選ばれます。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/02/21(日) 14:48:35.58 ID:ST/v06AO<>と、ここまで無駄設定<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/01(月) 12:50:41.27 ID:ojUW5gAO<>生存報告
待っている皆さん、前から別の創作に手を付けており、
現在そちらの方が優先になってしまい、こちらの更新が遅れてしまいすみません。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/05(金) 00:57:37.88 ID:y.KK4UAO<>そっか
ま、基本ROM専だがいつまでも待つつもりなので、こっちに気が向いた時に書いてくれると嬉しい
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/05(金) 17:39:03.30 ID:W2Eg6oDO<>ふぇ
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/06(土) 18:52:50.76 ID:dE1GlgSO<>いつまでも待ってるぜー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/08(月) 13:41:50.04 ID:Kv.6DwDO<>待ってるよ
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 15:36:32.96 ID:.w6oVoAO<>不定期ながらで再開します

一応完結までの流れは考えているため、やる気はあります
みんな! オイラに気力を分けてくれ!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 15:53:55.70 ID:.w6oVoAO<>ランス「一人ずつ、タイミングをズラして攻撃をしかけなさい!」

陣形を組んでも意味がない。
結構な人数がここには居るが、一度に攻めることの出来る人数は限られている。

そして、レッドはその一度にかかれる人数を一撃で粉砕できる実力を持っていた。
これはレッドを褒めるべきか、それとも、我がロケット団の実力不足を嘆くべきか。

きっと、その両方なのだろう。

イーッとかキーッとか言う戦闘員張りに吹き飛ぶ同胞達を目の前にし、諦めに似た嘆息を吐いた。
そして、腰のモンスターボールに手をかける。

しかし、いつの間に回復をしたのだろうか、レッドの足元に居るピカチュウを見て思う。

ランス「あなた最後です!」

そろそろ自分の番かと、一歩前に踏み出すと、
ランス様が腕を自分の胸に伸ばし、それを止めた。

ランス「もしもの時に貴方がいなくては困るんですよ」

トレーナーとしての実力はこの中では最底辺の自分をここまで買い被るとはいやはや。
単純にトレーナーとしての実力が一番低いから選ばれたのだろうか。

ランス「貴方は私の補佐なんですから」

したっぱB「部下が居なけりゃ一緒ですよ」

一歩下がり、トランクケースの中から取り出された、
フジ老人を連れて、ポケモンタワーの屋上に移動する。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 16:15:21.76 ID:.w6oVoAO<>屋上に出て、数分くらいが過ぎた後。
爆発音が六回程、鳴り響き、下と繋がる階段から赤い帽子を被った少年が姿を現した。

その右手には変わり果てたランス様の姿。
任務遂行のため、自らを盾にした上司の姿に敬礼を取らざる得なかった。

レッド「気に入らないな」

私の姿を見て、そう吐き捨てる。
最初はランス様を脅しの種に使い、降伏でも呼び掛けるつもりだったのだろう。

しかし、その姿を見て、私の取った行為は敬礼。
説得は無理だと感じたレッドはランス様から手を離し、モンスターボールに手を翳す。

したっぱB「貴方はロケット団を勘違いしている」

自分も腰を落とし、モンスターボールに手をそえる。

レッド「お前が勘違いしているんだよ」

レッドの目にグリーンと戦っていたような、輝きはない。
獲物を見る様な目で私を捉えている。

身体が震えるのを内唇を噛んで耐えた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 16:35:45.62 ID:.w6oVoAO<>
したっぱB「ポケモントレーナーは当然の様にチャンピオンに憧れる……」

私は口を開き声を上げる。

したっぱB「それは当然のことであり、必然」

レッド「何が言いたい?」

言葉を紡ぐ。

したっぱB「しかし、その当たり前のレールから外れた者」

したっぱB「夢を砕かれた時の絶望、希望の無い未来……」

レッド「だから、何が言いたい!」

言葉を紡ぐ、答えへと導くために。

したっぱB「ポケモンマスターの道なんて、チャンピオンなんてのはですね……」

したっぱB「強い者だけが見続けることができる夢なんです!」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 17:02:31.23 ID:.w6oVoAO<>
レッド「そんなのは言い訳だろう!」

気にとめない、続ける。

したっぱB「私達はロケット団に希望を見出だしています!」

したっぱB「弱い者の味方は善? 誰もそんなことは言ってはいません!」

したっぱB「弱い者の味方は悪! 邪道なんです!」

したっぱB「努力した者は報われない! 成果を残した者が報われる!」

したっぱB「それが正しい道! 正しい世界!!」

したっぱB「私達はそんな世界に負けた弱者! そんな私達に新しい希望を与えてくれたのがロケット団!」

したっぱB「貴方達はロケット団は悪だと言います。サカキ様もそれを認めます……」

したっぱB「ならば、私は言いましょう!」

したっぱB「私達にとって悪こそ正義だと!」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 17:14:19.04 ID:.w6oVoAO<>
レッド「馬鹿な!」

レッドは首を振る。

レッド「サカキに良いように利用されているだけじゃないか!」

レッド「ロケット団が何をしたか知らない訳じゃあるまい!」

世界中から悪と言われるだけの悪事は費やしてきた。
ロケット団はそういう組織、理解して入っている。

したっぱB「貴方は正しいですよ……しかし、」

したっぱB「上下関係のある以上、少なからず、利用するされるの関係はどこにでもあります」

したっぱB「ですが……」

ランス様に目を向ける。
その煤汚れた顔はいつもの様にクールに笑ってみせてた。

したっぱB「こんな上司が居る組織、居心地が悪い訳が無いじゃないですか」

レッド「……ちっ!」

レッドが顔を一度、俯ける。
そして、私を見つめ直す。

見せた顔に表情は無い。

レッド「死ぬぞ?」

したっぱB「分かってますよ」

脅しじゃないことは重々承知。

レッド「お前じゃない、ポケモンがだよ」

したっぱB「もう、死にました」

身を持って体験したので。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 17:19:58.96 ID:.w6oVoAO<>
レッド「なん……だって?」

レッドの表情に幼さが戻る。年相応の戸惑いの表情。
そういえば、彼はまだ、14歳前後くらいでしたっけ?

したっぱB「私のズバットはここに眠っていますっ!」

両手からボールを投げ出す。
右手からはアーボ。
左手からはケーシィ。

軽く夜空を見上げ思う。
カイリューは間に合いませんでしたね、と。
仲間達への深い謝罪と共に。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 17:44:28.95 ID:.w6oVoAO<>
両手でサインを送る。
アーボとケーシィそれぞれに。

それぞれ、頷くとすぐに行動に移る。

ケーシィ「ケェェっ!」

ケーシィは両手を前に出し、『チャージビーム』を乱射。
その間を縫うようにアーボがレッドに向かって接近する。

レッド「ピカチュウ!」

レッドの目の前にモンスターボールから出ると同時に発光。
開閉時に出る白い閃光ではなく、黄色い雷光。
それにより、レッドに『チャージビーム』が届く前に掻き消された。

レッド「よくやった、次は『電光石火』だ」

ピカチュウはレッドの肩に着地、そして、姿を消す。
いや、早過ぎて捉えきれないだけか。

アーボ「シャアアア……っ!!」

アーボが何か弾かれた様に宙を舞う。

したっぱB「なっ!?」

辛うじて視界の端に捉えれた黄色の閃光。
それは『チャージビーム』の弾幕をかい潜り、的確にアーボに追い打ちをしかけ、
地に落とすことを許してくれない。

それから、なすすべも無く数十秒後。

その場にあったのは、息を切らせたケーシィ。
地面に押し付けられピクリとも動かないアーボ。
そして、アーボを足蹴にし、両手を前後に伸ばしポーズを取る黄色の閃光。

ピカチュウ「ピカ〜」

余裕の表情を見せ付けるピカチュウだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 17:44:46.44 ID:.w6oVoAO<>中断します<> ◆HQ9AxJIHF.<><>2010/03/09(火) 17:46:20.27 ID:.w6oVoAO<>悪の限りを尽くす秘密結社ロケット団の提供でお送りしました。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/09(火) 18:26:30.43 ID:Z.ULzQAO<>お久しぶりです

こうしてみると主人公がとても恐ろしく見えるなw<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 21:06:27.55 ID:.w6oVoAO<>ながら再開
たぶん、二、三レスで終わります。

こちら側の致命的な二つの設定のミスにより、
それを埋め合わせるため、オリキャラが一人登場します。

元ネタはありません。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 21:20:43.14 ID:.w6oVoAO<>
レッド「まだ、やるか?」

圧倒的な力の差。
それを見せ付けた上での降伏勧告。
実に効果的だ。

しかし、

したっぱB「まだまだ……です」

勝てる見込みが無くとも戦わなくてはならない。
ここで折れることはここまでしてくれた仲間に申し訳ない。

何より、あの時と同じままではあいつらにも会えない。

したっぱB「ケーシィっ!!」

叫ぶ。力の限り。
そして、指を差す。
方角はピカチュウ。

したっぱB「『チャァァァージィッビィィーム』!!」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/09(火) 21:21:43.78 ID:.w6oVoAO<>誤動作で書いたのが二回消えた。
これだから携帯は……

すみません、中断します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/12(金) 19:23:12.65 ID:KbhcMcSO<>わっふるわっふる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/12(金) 22:51:00.30 ID:e4sH5EDO<>わっふるわっふる
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/13(土) 06:33:38.75 ID:iBn7AkAO<>
ケーシィ「ケェェ……っ!」

『チャージビーム』。
撃つ度に体内に余剰分のエネルギーを溜め込み、次の攻撃の威力を上げる技。
それをPPが尽きる程に乱射してやった。

アーボを捨て駒として、使う様な真似はしたくは無かった。
だが、まともに戦って勝てる相手でもない。
いや、まともに戦わずとも勝てない相手。

しかし、分かって戦っている。
分かって負け戦に挑んでいる。

ならば、願うのは一矢報いること。

ケーシィの両手を突き出した線上にはピカチュウを通り抜け、トレーナーであるレッドにまで及ぶ。

ピカチュウ「ピカァ……」

ピカチュウはアーボを線上から蹴り出し、両手を広げ対峙する。
ありがたい、回避するつもりは無いようだ。

ケーシィの溜め込んだエネルギーはその力量を大きく上回る。
両手を翳した先に溜め込まれた球体の電気エネルギーにより、自身をも麻痺させる。

後は放つのみ。

完全に真っ向からのパワー勝負。

したっぱB「ああああああああああっ!!」

発射、


閃光が辺りを照らすと共に


雷鳴が轟いた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/03/13(土) 06:49:54.01 ID:iBn7AkAO<>
したっぱB「ぐっ!」

レッドと自身の中心で放射状に発散されるエネルギー。
衝撃波に似たものとなって、無差別に襲う。

自分は足に力を込めることにより、なんとか耐え切れたが、
力量以上の技を強行したケーシィは逆らえず、1、2mほど背後に転がった。

そして、その衝撃波の震源地では、

ピカチュウ「ピカァ♪」

憎たらしい笑顔でポーズを決めていた。

したっぱB「『雷』……ですか?」

レッド「そうだよ」

あの高速で発されたエネルギーを命中制度の悪い『雷』を当てて相殺しただと言うのか。
ったく、馬鹿げている。

今更ですが。

したっぱB「ケーシィ、大丈夫ですか?」

ケーシィの方を見る。
身体には電気がまだ残っているようで痙攣を起こしており、両手は黒く焦げていた。
どうやら、先程の衝撃よりも撃ちだした時のダメージの方が大きいらしい。

よくやりました、とケーシィとアーボをボールに収める。

レッド「負けを認めてくれないかな?」

再三の降伏勧告をレッドにより突き付けられた。<>
◆HQ9AxJIHF.<><>2010/03/13(土) 06:50:08.44 ID:iBn7AkAO<>中断します。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/14(日) 17:06:26.18 ID:ARVpJgDO<>どうぞ
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/15(月) 22:31:54.19 ID:0c1G76w0<>このスレ読むまではレッド最高!!だったのに
ここまで読んでみるとレッドこえぇって思っちまう<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/16(火) 04:44:52.86 ID:VCR.yMSO<>主人公って端から見るとこんなもんだろ
いやしかし怖いな<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 15:23:36.97 ID:bae4KYAO<>レッドが無双レベルじゃなかったら、ロケット団があまりに可哀相に……

ながらで再開します<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 15:48:52.01 ID:bae4KYAO<>
したっぱB「聞き入れると?」

アーボとケーシィをボールに戻し、代わりにゴーストを取り出す。

レッド「……野生か?」

したっぱB「っ!?」

一目見ただけで、先程捕まえたと見きったようだ。
レッドは腕を組んで、ふむ、と頷く。

レッド「ガラガラの霊が現れると聞いて来てみたけど、既に捕獲済みか」

ああ、こんちくしょう。
やっぱり、違ったんじゃないか。
ロケット団のために来たならば、仲間達も報われたでしょうに、私達はついでですか。
違う目的だと言うのは分かっていましたけど。

レッド「罠に嵌めた様子もない……」

レッドの検分は続く。
思えば、ゴーストは捕まえたばかりにしては大人しい。

レッド「さっきのアーボとケーシィで捕まえたのか……」

そこまで口に出し、腕を解く。
そして、こちらを見据え、笑みを浮かべた。

レッド「爆発オチってのはやめてくれよ?」

敵として認識された。
身を震わせずにはいられない。

レッドの背後で倒れるランス様の気がが沈んでる様な感じがしたが、気のせいだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 16:10:50.02 ID:bae4KYAO<>
????「その勝負、そこまでだ!」

遥か上空から鳴り響く大喝。
見上げると薄茶色の巨体。

書物やテレビでよく見る、そのポケモン。
知らぬ者は居ない、その威厳。
現チャンピオン、ワタルの相棒として有名な……

ドラゴンポケモン。

名はカイリュー。

そして、先程の声の主はその背中に立っていた。

????「ロケット団の四幹部にて、フスベのカイリュー使いとは俺のこと!」

カイリューの背を蹴り、一回転。
そのまま、ここ ポケモンタワーの屋上に片手をついて着地する。

????「偉大なるサカキ様から頂いた名はフォボスと言う」

フォボス様は何食わぬ顔で立ち上がり、レッドを見下す様に構えた。

したっぱB「…………」

始めて見た。
ランス様、アテナ様、ラムダ様と続く、ロケット団四幹部のその一角。

無駄に熱く、忠義に溢れる男だと聞く。
そして、何よりも特徴的なのは連れているポケモンが一匹だということ。
その一匹に注ぎ込んだ情熱は誰よりも熱く、その一匹に限りなら、その扱いは横に出る者は居ないという。

一説によると、ワタルのジムリーダー時代にジム戦を挑み、対等に戦うことができ、
チョウジのジムリーダー、ヤナギ老人にタイプの差を覆し、全力を出させた程だという。

噂とは膨張されるものだが、実力は四幹部で一番強いというのが下っ端の中での評判だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 16:35:59.06 ID:bae4KYAO<>
服装は上下共に赤いジャージ。黄色のラインが左右に一本ずつ引かれていた。
緑色の短髪にロケット団の制服である、黒いベレー帽を被っている。

フォボス「交渉しようじゃないか」

フォボス様はカイリューを威圧する様に背後に回らせる。
しかし、レッドは動かない。
じっと、フォボス様を見つめていた。

フォボス「君は私達に人質が居ることに気付いているかい?」

フォボス様が肘を曲げて手を上げる。
その意味に察し、ゴーストに指示を出す。

ゴーストは的確に動いてくれた。
フジ老人の首に手をかけ、そのまま、宙に浮かす。

流石の苦しみにフジ老人も現状に気が付いたのか、
足を動かし、必死に首に手をかける。

しかし、幽霊ポケモン。
触れることは叶わない。

レッド「フジ老人? 数年前に行方不明になった……どうしてここに……」

顎に手をかけ、暫し、考え込む。

レッド「条件とは?」

そして、交渉に応じる。

フォボス「
 私達の仲間だよ、見逃してくれれば良い。
 彼らはロケット団では優秀なんだ。失うにはあまりの損失だ。

 代わりにフジ老人の身柄は解放しよう」

レッド「……保障はあるのか?」

フォボス「ランスを人質にすればいいさ」

レッド「……分かった」

レッドはその条件で頷き、ロケット団の撤収が始まる。
動けるものは少なく、必要以上に時間はかかったが、
なんとか、ポケモンタワーから出ることができ、安全な場所まで移動するのを確認する。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 16:57:30.38 ID:bae4KYAO<>
フォボス「君は残ってくれ」

後はフォボス様に任せるべきだと思い、邪魔のなるので退散しようとすると呼び止められる。

そして、フォボス様共にフジ老人を連れて、
再び、レッドの居る屋上に向かう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 16:57:46.29 ID:bae4KYAO<>中断

少し補足<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 17:09:10.11 ID:bae4KYAO<>今回出て来たフォボスですが、当然の様にロケット団には存在しません。
ですが一応、原作にモデルなった人物は居ます。

物語の設定上、ロケット団は入団前の名は捨てる上に、
扱っているポケモンも変わっているため原形は無いですけど。

言うならば、フスベのエリートトレーナー。
細かいことは、金銀編で語られると思います。

まあ、その頃にはロケット団から居なくなっ(ry

ちなみに前述した二つの矛盾は

ロケット団のジムリーダー以上のレベルはサカキ様のみなのに、何故かカイリュー使いが居る。
アポロが存在しないので、三人のはずなのに四幹部。

です。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 17:13:08.16 ID:bae4KYAO<>少し再開<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 17:33:15.78 ID:bae4KYAO<>
屋上に着くと律儀に待つ、レッドの姿がそこにあった。
レッドの横にはフシギソウとピカチュウ。
肝心のランス様はフシギソウの蔓により、巻き付けられている。

レッド「さあ、約束だ」

フォボス「分かってるさ」

フォボス様はカイリューを取り出す、私もそれに習いゴーストを出した。

フォボス「いちにのさん、だ」

フォボスが指で三を示すと、レッドは頷く。
ここまでは静かにことが運んだ。
問題はここからだ。

フォボス「いち……」

ゆっくりと静かに秒読みが始まる。

レッド「にの……」

それにレッドが合わせる。
人質交換、高まる緊張感は何故だ。
そんなのは分かっている。

フォボス「「さんっ!!」」レッド

同時に人質を前に突き飛ばす。
そして、すかさず指示をだす。

レッド「『電磁波』っ!!」
フォボス「『神秘の守り』っ!!」

相殺。
ピカチュウから放たれた、鋭い電撃は不思議な光を放つ透明の壁によって弾かれた。

レッド「チィッ! フッシー、『痺れ粉』っ!!」
したっぱB「させません! 『怨み』っ!!」

先程の撤収したロケット団に麻痺をして動けないものが何人もいた。
ピカチュウの仕業かと思ったが、おそらく、フシギソウによるもの含まれているはず。

疲労は溜まっているはずなんだ。
だから、技を放てなくする技を使えばいい。

フシギソウ「ソォォ……」
レッド「チィッ」

狙いは的中。フシギソウから粉は放たれなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 17:56:15.86 ID:bae4KYAO<>
フォボス「カイリュー、『叩き付けろ』!」

カイリューは、その図体のでかい身体で身軽に跳躍してみて、一回転。
反動の付いた尻尾を振りかぶり、急転落下。

その下にはピカチュウ。

この状況に置いてなお、余裕の表情は崩さない。

レッド「『アイアンテール』で打ち払えっ!!」

ピカチュウ「ピカァっ!」

ピカチュウの尻尾が黄から黒へ、硬質化されていく。
そして、立ち向かうように跳躍。

ピカチュウ「ピィカァァ……」

カイリューの縦回転に対し、ピカチュウは横回転。

カイリューの尾を横から叩き付け、軌道を逸らす。
行く先を見失ったカイリューの尾は床に衝突。

コンクリートと出来ていた床にヒビが入り、所々が盛り上がる。

フォボス「逃げようか」

呟く様な声とフォボス様はランス様に向かって駆け出した。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/20(土) 17:56:29.43 ID:bae4KYAO<>中断<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/21(日) 09:42:04.58 ID:dkPVWwDO<>中断
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/22(月) 22:12:02.40 ID:h78GQcDO<>中断
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/24(水) 10:09:48.77 ID:Ofb6rgDO<>中断
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/25(木) 09:39:39.03 ID:e7db/gDO<>age
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/25(木) 15:34:01.64 ID:EunkNcAO<>
フォボス様に行動の早さ。
意見を挟む暇も無い。

したっぱB「逃げるって……くそッ! 『ナイトヘッド』っ!!」

ゴーストに指示を出しフォボス様を援護。
そして、自分はカイリューの背中に飛び乗る。

レッド「させるかぁっ!」

ピカチュウは体勢を低くし、弾ける様に駆け出す。
レッドのピカチュウの最高速度は視覚するのは難しい。

黄色の閃光となって、フォボスの背後から襲いかかる。

フォボス「予測済みだ!」

カイリューが腕を振り上げ、そのまま、コンクリートの床を殴りつける。
その衝撃はカイリューの腕を伝い、背中に乗る自身さえを震わせる。

ヒビ割れた床はそれに耐え切れず、崩壊。
床は瓦礫に変貌し、下の階へと雪崩落ちてゆく。

カイリューは背中の翼で空を飛ぶ。

フォボス「手を出せっ!」

フォボス様の声に従い腕を伸ばす。
差し出した手にフォボス様が捕まる。
それを確認したカイリューは夜空へと羽ばたいた。

フォボス様の腕にはしっかりとランス様が担がれていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/25(木) 15:51:22.68 ID:EunkNcAO<>
フォボス「あのレベルがまだモンスターボールに残っていると思うと恐ろしいな……」

シオンタウンが手に収まる程の距離を取ったところでフォボス様は呟いた。

したっぱB「フォボス様のカイリューならば勝てたのではないですか?」

フォボス様のカイリュー。
決してレッドに力量が劣っているとは思わない。

フォボス「馬鹿言うな、一匹では勝てないよ」

フォボス様は観念した様に両手を上げて降参のポーズをする。
部下の前で上司がすることでは無いと思うが気にしないでおく。
きっと、そういう人なんだろう。

したっぱB「ところでフジ老人はあれでよかったのですか?」

話を切り替える。
フジ老人をあっさりと諦めたことによる疑問を口にした。

フォボス「ランスと精鋭チームを失う方が損失がでかいと判断したのさ」

フォボス「それに……」

と繋げて、フォボス様は続く言葉を飲み込んだ。
代わりに違う言葉が出て来る。

フォボス「お前にはランスの代わりをしてもらう。ランスがこの有様なんでな」

したっぱB「はい?」

唐突の申し出に変な声が出てしまう。
その言葉にフォボス様は笑顔を浮かべ、自分の背中を叩いた。

フォボス「
大丈夫だ、ランスからお前のことは聞いている。
フジ老人をあそこまで連れ出したのはお前なんだろ?」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/25(木) 16:03:35.04 ID:EunkNcAO<>
何が大丈夫なのだろうか。
疑問に残るが自分がランス様の代わりとは。

そもそも、ランス様は生きているし命に別状もない。
今は倒れているが、少し日を置けば回復するだろう。

したっぱB「ランス様の怪我はそれほど重傷とは……」

フォボス「急ぎの用なんだ、計画まで時間がない」

したっぱB「計画?」

フォボス「まあ、詳しいことは着いてから話す」

したっぱB「そういえば、何処に向かっているのでしょうか?」

フォボス「ヤマブキシティだ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/25(木) 16:07:30.09 ID:EunkNcAO<>駆け足で終わらせたポケモンタワー編。
とりあえず、終わらせました。

大分、はしょりました上にトラブルもありましたが、
やっと、次に進めます。


次はサカキ様の話を少し入れて、忘れられたしたっぱA編が始まります。

という訳でこのまま、続けます。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/25(木) 16:25:51.01 ID:EunkNcAO<>
ここ、ヤマブキシティ。
立ち並ぶビル群。

サラリーマン達が今日も汗を流して、道路の上を駆け回り、
ビルの中では、四角いモニターと睨めっこをし、キーボードを弾く音が鳴り響く。

その地下で……悪の組織ロケット団は潜み続ける。
機が来る、その時まで。

サカキ「フジ老人の捕獲は失敗したか」

一際大きい椅子に腰を据える男。
世界一黒いスーツが似合う男、サカキ様。

そして、サカキ様の前で直立し報告を告げるのはフォボスこと自分だ。

フォボス「
ランスは今、医療室で治療に専念させています。
命に別状はありませんし、指示を出すくらいならばできるでしょうが……」

サカキ「現場に出すのは無理か」

フォボス「はい」

サカキ様は腕を組み、嘆息を吐く。

サカキ「現在のそれぞれの計画の進捗状況はどうなっている?」

アテナ「私がお伝えします」

部屋の隅で待機していた、アテナが足を運び自分の横に並ぶ。

アテナ「シルフカンパニー制圧に関連する計画から申しあげます」

アテナは紫色のポケモン図鑑を取り出し、操作する。
そういえば、メモ帳機能やメール機能、データ化した書類の保管とか無駄に機能が充実していたかな。
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/03/25(木) 16:52:03.06 ID:EunkNcAO<>中断します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/26(金) 09:25:45.58 ID:HpoNlADO<>どうぞ
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/27(土) 09:29:03.89 ID:YVio/QDO<>支援
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/28(日) 09:37:34.65 ID:WeS09cDO<>age
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/30(火) 00:50:00.67 ID:q1Aq4H20<>支援<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/03/30(火) 09:13:07.13 ID:ynTkjMDO<>支援!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/30(火) 18:15:28.41 ID:UiXRVxs0<>498〜502全員違うIDなのに4人が最後DO<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/31(水) 04:26:26.26 ID:sHl2CESO<>503もだな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/03/31(水) 09:23:22.53 ID:DSkfZEDO<>そうだな
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 07:30:54.22 ID:YxC2OEAO<>で、エイプリルフールなんだけど別にネタはない


フォボスの無駄設定でも流しておきます。
あんま活躍させたくねぇな、こいつ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 07:42:20.89 ID:YxC2OEAO<>フォボス。
本名、トモヒコ。

元はフスベのエリートトレーナー。
カイリューだけを愛して、カイリューだけに人生を費やしたカイリューフェチ。
それゆえに一匹のカイリューしか持ち歩いて居ない。

カイリューの実力だけならば、ワタルのカイリューと戦えるレベル。
ただし、戦いになるレベルになるだけで負ける。

ちなみにこの人は過去にワタルに挑んでおり、
あまりのカイリューの鍛えられっぷりにワタルがジム戦用のポケモンじゃ相手にならないとワタルがレギュラーで挑んだ。
ただし、手持ちがカイリューの一匹だけとは流石に予想外で結果だけ見ればワタルの圧勝。

その後、ワタルはバッチをトモヒコ(後のフォボス)に渡すつもりだったが、
トモヒコは傷ついたカイリューのためにバッチを受け取らずにジムを飛び出して、
その後、これがバッチへの道のりかと落胆する。

しばらくした後にカイリューに励まされ立ち直り、ワタルは無理だからと次に近いフスベジムへと足を運ぶ。
ジムリーダーのヤナギ老人もカイリューの鍛えられっぷりに本気を出してしまい、相性に逆らえずにまたもや大敗。
それでも、ヤナギ老人はバッチを手にするだけの実力はあると渡そうとするがポケセンへと飛び出した。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 07:55:40.78 ID:YxC2OEAO<>結果、バッチを八つ集められるだけの実力があるのに、僕はもう駄目だ。と、落胆しふて腐れる。

その後、大敗した恥ずかしさフスベに帰れずに、カントーに逃げる様に移動する。
所謂、カイリューと愛の逃避行。

その後、タマムシシティのスロットコーナーで暴れた所をロケット団に拘束され、
サカキ様と出会うことになる。

サカキ様は瞬時に彼の実力を見抜き、彼も自分を認めてくれたサカキ様に恩義を感じる。
また、後にサカキ様の生来のカリスマ性に魅せられた彼は生涯、サカキ様に仕えることを誓う。
サカキ様も彼の実力、忠誠心を信用しており、幹部に就任するのは早かった。
この頃から、四幹部と呼ばれるようになる。

ただし、彼は一人で動くのが得意なため、部下を率いたりするのは苦手。
もとい、カイリューのペースに合わせるので、回りがついていけない。
ポケモンバトルを教えようにも手持ちがカイリューであることを前提に喋るので意味が無い。
幹部としては無能、もはや象徴的な感じ。

ここまで重症とは流石のサカキ様も見抜けなかった。

実力は前述した様にワタルがレギュラーを出す程に強い。
現在、カントーNo.2のドラゴン使い。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 08:08:19.44 ID:YxC2OEAO<>ロケット団崩壊後はサカキ様の居ないロケット団に居ても意味が無いと去ることになる。
彼の忠誠心はロケット団ではなく、あくまでサカキ様一個人のものだった。

それでも、サカキ様が居ればロケット団にいつでも戻る覚悟でいた。

また、フスベシティに帰った彼は四天王ワタルの代わりにジムリーダーになったイブキよりジムバッチを受け取り、
ワタルからの評判を聞いていたイブキはそのまま、ドラゴン使いとしてトモヒコにジムトレーナーにならないかと誘う。
その後、悩んだ後にトモヒコはジムトレーナーになり、今も元気にフスベジムで頑張っています。

彼が今、シードラなどをパーティーに入れ、カイリュー系列を入れないのは、
ロケット団の自分の素性を隠すため、また、カイリューを頼りすぎていた自分と決別するためである。
カイリューの相棒と胸を張って言えるその日まで、ただのカイリューを使役する者としてではなく、
一ポケモントレーナーとしての向上を目指している。

彼はジム戦で本気を出していない訳じゃない。
彼は今、新しい自分を見つけるために足掻きもがいている最中なのだ。

どうか、彼を見かけた時は胸の内でひっそりと応援してやって欲しい。
彼がカイリューと出会う日が再び来ることをそって願ってやって欲しい。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 08:25:38.08 ID:YxC2OEAO<>地味にルビサファからも出演してる人が出て来たりするよ
困った時はカートリッジの壁を乗り越える

キャラはいっぱい登場させるけど、無茶してでもオリキャラは極力無くす主義。

フォボスの無茶はもうしません、許してください……
名前の由来は火星物語という、ポケモンにはまったく関係ありません<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 08:48:29.78 ID:YxC2OEAO<>ルビサファじゃなくて、ダイパだったりするけど気にしない
でも、たぶん、ルビサファからも出てくると思う。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 09:57:23.62 ID:YxC2OEAO<>
カチッ……カチッ……カチッ……

時計の針は刻まれる。
それに合わせる様に私の口も動く。

「45……46……47……」

窓から覗かせる星々はまるで宝石の様だ。
決して、手に届かない宝石の山。
けれど、世界の万人が得ることの出来る、数少ない平等な品物。

その中で月は一際美しく光っていた。

「57……58……59……」

秒読みもクライマックス。
最後だけ、少し息を吸い込み……
されど、声は出来るだけ無感情に、

「ただいま、0時0分。榊がエイプリルフールをお知らせします」

今日は忙しい年度末が終わり、心機一転し新たにスタートを切り直す日。
私も学校でのクラス替えに、期待半分恐さ半分の胸の高鳴りを感じるはずなのですが……

悲しいかな、父上が悪の組織の親玉だと学校にも行けやしない。
一応、教育は受けているけどね。

でも、思わずにはいられない。
普通の子は、どんな日々を送っているのだろうか。

想像を膨らませ楽しんでみるものの、やがて、それは決して手の届かないという事を思い出す。
私にとって、それは月の様だ。

見えるのに、すぐ側にある様に見えるのに届かない。
いつ見ても際立って美しいのに、絶対に届かない。

別に寂しい訳じゃない。
決して、寂しい訳じゃないんだから。
ただ、悔しいだけなんだ。

私だけが、それを持って無い気がして。

悔しいので誰かに悪戯してやろう。
寂しいからじゃないよ、本当だよ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 10:19:38.13 ID:YxC2OEAO<>
椅子代わりに座っていたフカフカのベッドの上で、えいえいおーっと腕を振り上げる。
夜中なので、細々した声で……
でも、力いっぱい腕を振り上げた。

その反動でベッドが少し軋む音がしたが、それは誤差の範囲だろう。
決して、はしゃぎ過ぎたとか、動いたのは腕だけじゃなかったとか、そんな訳じゃない。

ベッドの横に備え付けられた窓からは夜空が見渡せる。
もちろん、星を摘むように取ろうとしても届かない。

星は実はすっごく大きくて、遠く遠くにあることだって知っている。
月も太陽の光を反射してるだけで自身が光っている訳でも無いことを知っている。

馬鹿じゃない。
達観している訳でもない。常識だ。

真実とは得てして、つまらない物であり、
だからこそ、つまらない世の中を少しでも彩るために人は想像するんだと思う。

つまらないならば、自分でおもしろくするしかない。

私はベッドの頭の方に置かれている、小さなテーブルに手をやる。
その上にはベルが置かれている。

私は夜中にも構わずにそれを鳴り響かせた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 10:32:04.16 ID:YxC2OEAO<>
暫くすると駆け足が聞こえてくる。
真夜中だと言うのに、よくもまぁ、付き合ってくれるものだと思う。

そして、部屋の扉がノックさせる。

「お嬢様、入っても良いでしょうか?」

私は「早く」と言って急かした。
すると扉は丁寧に開かれ、スーツを着て、きちんとした物腰をした男が現れた。

「いつもの人じゃないね」

少し不機嫌そうな声を出してやる。

「いつもの方は今、出かけていてね」

姿勢は良くとも口は悪いようだ。
困った様な笑顔を見せる男を睨みつけてやった。

「それで何用でしょうか?」

その視線を意も介さずに平然と口を開いた。
それが気に入らないので、少しからかってやろうと思う。

「貴方は何歳?」

「20歳ですが、それが何か?」

「老け顔」

「…………」

男は引き攣った笑顔を見せてくれた。
それが愉快で私は鼻で笑ってやる。

だって、本当のことだから仕方ないじゃない。

白い髪に窪みのある老けた顔。
20後半と言われても納得が出来る。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 10:45:31.06 ID:YxC2OEAO<>
「貴方、名前は?」

しっかり、それを堪能した後に話を切り替えた。
もう、満足したようなものだが、もう少し話したい気分だった。
決して、寂しい訳じゃないよ。

「したっぱ、です」

「それは名前じゃないでしょ?」

「仲間からも、こう呼ばれているので名前みたいなもんですよ」

「私が聞きたいのはそういうのじゃないの!」

男の余裕のある態度が気に入らない。
やはり、気に入らない人物だ。
もっと、からかってやる。

「本名は捨てたことになってます」

「良いから教えて!」

次は名前で弄ってやるつもりなんだから。
暫く、こんなやり取りを続けていると、彼は降参したかの様に両手を上げた。

「そうよ! それでいい! 私は貴方達の敬愛するサカキ様の愛娘!」

「はい、そうです」

「貴方は私の望むことをする様に命令されているんでしょ!?」

「まったくもって」

「なら、本名を教えなさい!」

指を差して命令してやる。
父の威厳を使うのは気が引けるが、教えてくれない、あいつが悪いのだ。

「……一度しか、言いませんよ」

彼は嘆息を吐くと、ゆっくりと口を動かした。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 11:24:45.55 ID:YxC2OEAO<>
「……案外、普通の名前なのね」

「ラムダ様とかアテナ様と一緒にしないでください」

「あの人達も本名じゃないでしょ」

「えぇ、まあ」

彼は苦笑いに似た表情で頬をかいた。
やはり、今まで会って来た人とは違いだらしない。

体格や顔付きは良いのだから、黙ってりゃそれなりに見えるのだが、彼にはそれが無理だろう。
その証拠に……

「ところで一つよろしいですか」

と、言って指を差した。
方向は私の胸。

なんだろうと、下を向くと、そこにはピンクのパジャマ。
ボタンは半分ほど外れてある。

そう、私は寝る時はボタンを外す。
日々日頃、締め付けられた生活から、
少しでも、ゆとりを持ちたい私はボタンを全部閉めるのを嫌う。
夜ぐらい解放されたいと。

そして、そのはだけたパジャマから発育の無い胸が見え隠れしていた。

「なっ!?」

慌てて胸を閉じる。そして、彼を睨み付けた。

彼に怯む気配も防御力が下がる気配も無かった。
そして、彼は言い放った。

「私、そういうの興味無いんで気にしないで大丈夫ですよ」

そして、とどめ。

「どうせ、明日には忘れてます」

無性にむかついたので枕元に置いていた、モンスターボールを投げつけ、
オニゴーリを取り出しだ。

覚えていては欲しくない。
しかし、まったく興味が無いと言われるのも耐え難い。

そういう複雑ではない単純な子ども心。
その事を恥じるのはそう遠いことではなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 11:54:29.65 ID:YxC2OEAO<>
「くっ……」

『大爆発』は不発に終わる。
いつの間にか出された、アーボックの『蛇睨み』によって封じられた。

「その距離だと自分も巻き込まれますよ?」

彼はそう言って、アーボックをボールに戻す。
自分にもオニゴーリをボールに戻せと言いたいのだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 11:55:24.66 ID:YxC2OEAO<>エイプリル企画だったけど、電池がやばいので中断。
そのまま放置のコンボになると思います。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 12:59:02.24 ID:YxC2OEAO<>電池切れるまででいいか。<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 13:14:59.50 ID:YxC2OEAO<>
私はそれに大人しく従い、ボールに戻した。
すると彼は満足した様に頷いた後に頭を垂れた。

「では、何用でしょうか」

何事も無かったかの様な振る舞い。
それは私に取って嬉しい対応であったはずなのに、何か気に入らないのは何故だろうか。

そう思い、彼の顔を見上げると、リラックスした表情で笑みを浮かべていた。
ああ、そうか。その余裕が気に入らない。

「話し相手になって」

その言葉が自分から出たのは少し不思議だった。
しかし、この違和感は放置することにする。
彼の話を聞いていれば、何か仕返しのきっかけが出来るかもしれないから。

それから、数時間。
彼の話に耳を傾けた。

父上のこと、幹部のこと、仲間のこと……
何より興味を引いたのは外の世界の話。

私はあまり外出をしたことがない。
外出する時も何人も引き連れてだ。
自由時間なんてない、予め決められたルートを通るため。

だから、彼の自由に興味を持った。
彼はロケット団に入ってから自由はほとんど無いと言っていたが、私に比べればそんなことは無いと思う。

その後、「隣の芝は美しく見えるもの」と、彼は言ったが意味は分からなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/01(木) 13:24:59.49 ID:YxC2OEAO<>
彼の話は悔しいが面白い。
もっと聞きたい。もっともっと聞きたかった。
だが、悲しいかな。この肉体はあまりに幼い。
脳も欲望に忠実だが、体もまた欲望に忠実だ。

目を擦ったりと抵抗は試みたが、耐え切れるものじゃなかった。
徐々に深くなる意識はついに途絶えてしまった。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/04/15(木) 20:51:20.57 ID:/XwJbkDO<>
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/04/17(土) 08:28:10.72 ID:kYaeuwAO<>きえた?<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/18(日) 11:31:31.95 ID:2nHMfQAO<>チラッ<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/18(日) 13:39:02.29 ID:2nHMfQAO<>自分は作品を投下する以上、誰かに見て貰ってないと描いてる意味が無いと思う質ですので……
まあ、長文レスやら、励みになる感想やら、無茶振りはしませんが、
乙の一文字でも良いので、餌を与え続けてるくれたら少なくとも勝手に逃亡はしません。

誰か見てくれていることさえ、確認できればということで。


どうでもいいけど、クレしんの映画がすげぇ面白かった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/18(日) 13:40:58.12 ID:2nHMfQAO<>まあ、エイプリルフールネタの後で言うのは流石に無茶振りかw<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:27:41.32 ID:qH.4uxk0<>書きため分、少し投下<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:29:09.52 ID:qH.4uxk0<>気に入らない部分があったため>>494から再開します。<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:29:44.03 ID:qH.4uxk0<>
ロケット団の制服はつくづく、関心させられる。
我がロケット団が誇る開発部が無駄とロマンを求めたそれは、通気性に優れており、また保温性にも優れている。
つまり、夏でも冬でも関係無く快適に着こなすことが可能である。

デザインも拘りがある。
女性用の服装は露出度を控えつつ、且つ、エロスを感じられる服装。
このデザインを決めるためにサカキ様が直々に指揮を取り、一ヶ月の時間をかけて追究した結果だ。
その成果は言わずもがなだろう。
ジョウト地方ではロケット団のあまりのデザインの良さにコスプレまで出ており、写真まで取ってくれる場所があるという。

まあ、そんなことはよりも今褒めるべきことは、雨に濡れてもすぐに乾くということだ。
肌着だけでも十分にその効果は分かる。

ここ、ヤマブキシティの空は黒い。
いつもは太陽を反射するビル群の窓は内部からの光によって輝いている。
降り注ぐ雨は地面とそこに咲いた、色とりどりのパラソルを打ち付けて、独特の音楽を奏でていた。

その地下で今日も悪事を企む我々ロケット団のアジトがある。
ここに来るまで急がせたカイリューはボールの中で休ませ、今回のことを報告するためにサカキ様の居る部屋へと足を運ぶ。

ロケット団の地下アジトは自分は好きになれなかった。
行動派の自分にとって、外が見えないというのはどうも調子が狂う。
内部は綺麗にしてあるため不快という訳ではないが、これは気分の問題だ。
きっと、一生なれることは無いだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:30:18.46 ID:qH.4uxk0<>
白い壁と天井に囲まれつつ、灰色の床に足を付け、先を急いだ。
長い廊下の一番奥にサカキ様の部屋がある。
部屋への扉は両開きの扉であり、木製。デザインも拘りがあり、いかにもっていう感じの豪華さだ。

無駄に豪華なのは、つまらない経緯がある。
サカキ様は普通で良いと言ったのだが、周りがそれを許さなかった。
トップたるもの、周りと違うことをアピールし、特別な存在であることを意識させなければいけない。
そのため、サカキ様の居る空間は特別だと周りに思わせるためだとか。

これはまた拘りのドアノブ(獅子の彫刻付き)に手をかけ、扉を開く。
中にはサカキ様ともう一人、アテナが居た。
二人はサカキ様の執務用の机とは別の応対用のガラスの机、黒いソファーに向かい合うように腰かけている。

アテナ「遅かったね」

アテナは自分を確認すると手を振って答えた。

フォボス「これでも急いだ方だよ」

笑って、肩を竦めてみせた。
サカキ様は「ご苦労」と自分を労ってくれ、ソファーに座る様に促した。
特に断る理由も無いため、私はアテナの横に腰をかけた。

アテナ「で、フジ老人はどうなったんだい?」

横目で自分を見つめ、問いかけた。
相変わらず、正直な人だ。
駆け引き等といったものを好まず、真っ直ぐに聞きたいことを問いかける。

悪い報告をする時くらい、少しは心の準備をさせて欲しいものだが、と心の中で呟いておく。
まあ、自分の責任では無いのだから、そこまで難しく考える必要も無い訳だが。

フォボス「失敗だよ、レッドにしてやられた」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:30:51.53 ID:qH.4uxk0<>
アテナ「また、レッドか」

アテナは嘆息を吐く、サカキ様も同様に眉間に皺を寄せていた。

アテナ「ガキが正義感ぶって……」

彼女がそう悪態を吐きたくなるのもよく分かる。

オツキミ山のポケモン密漁、レインボーブリッジのトレーナースカウト、ロケットゲームコーナー乱入、そして今回のフジ老人誘拐。
ロケット団は過去、何度もレッドによって苦渋をなめさせられてきている。
そして、何よりもそれがガキ一人によってという事実が情けなかった。

アテナ「くそっ、M2計画にフジ老人の協力は必要だってのに!」

フォボス「すまない」

アテナ「いや、あなたを責めるつもりはない。ただ、気に入らないだけさ」

アテナの苛立ちは目に見えて分かる。
握られた拳からは今にも皮膚を破りそうだ。

サカキ「終わったことは仕方ない」

サカキ様は自分の前に置かれたティーカップを口に運ぶ。
その動作は極めて落ち着いたものであり、それにより、アテナは怒りを隠した。

サカキ「それよりもこれからのことだ」

サカキ様は目でアテナに合図を送る。
アテナはソファーの横からバッグを取り出し、中から複数の紙束を取り出した。

これから、私たち三人によって今回集まった目的である、本題が話し合われる。
『シルフカンパニー制圧』。

幾度と無く悪事に手を染めたロケット団。
過去最大の計画への第一歩だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:32:10.19 ID:qH.4uxk0<>
     @          @          @          @          @

彼らは何故、悪事に尽くすのか。
私利私欲のためにやっていると思っていた。

しかし、サカキを軸とした彼らの絆の強さに違和感があるのも確かだった。
彼らは悪いことをしている、それは明白だ。
そして、それを止めることは悪いことであるはずが無い。

レッド「…………」

それでも、迷いが生じているのはなぜか。

ポケモンタワーの屋上、高度が高いが故の特有の風が身を冷やす。
もう一度、カイリューが去った方向を見つめ、この場から離れようと踵を返す。

フジ「んん……」

倒れていたフジ老人が目を覚ましたようだ。
衰弱をしているようで、上半身を起こしたフジ老人の手は震えていた。

レッド「大丈夫ですか?」

少なくとも、この場に居続けていいことはないだろう。
そう考え、手を差し出し移動を促した。

フジ「私は……行かなくてはならない……」

レッド「……?」

どうも様子がおかしい。
体調的なものではない様だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:32:41.03 ID:qH.4uxk0<>
レッド「行くってどこへですか?」

フジ「グレン島……あそこに私の研究の全てがある……」

レッド「研究?」

フジ「破壊しなくては……逃げ続ける訳にもいかない……」

そう言い、頭を抱えて震えるフジ老人。
その様子はまるで何かに許しを請うように見えた。

フジ「君はレッド君と言ったね?」

意識は しっかりと持っているようだ。
その事に安心し、胸を撫で下ろした。

フジ「ありがとう……それで、申し訳ないのだが……」

フジ老人は言葉とは裏腹にしっかりとした目で自分に告げる。

フジ「ポケモンセンターまで連れて行ってはくれないだろうか?」
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/19(月) 12:33:45.26 ID:qH.4uxk0<>中断。 次はしたっぱAに続きます。<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/21(水) 10:30:01.44 ID:ntZMkcAO<>ピカチュウスレが復活してたので頑張りたいと思います
うひゃっほぉい!

ながら書き行きます<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/21(水) 10:39:26.12 ID:ntZMkcAO<>
カントー地方の最南に位置する海に囲まれた町、グレン島。
地理的な意味と活火山を有する、この場所に冬という概念は無く。
年中、快適な気温が包み込むことで有名だ。

植物の色は本土に比べて濃く、果物は甘い。
任務と言う名の左遷でここに来たが、今ではそれなり気に入っていた。

そして、俺は今、年代物の屋敷の窓から海を眺めている。
海を見ていると思い浮かぶ、本土での思い出。

思い出の大半はロケット団に入ってからの話だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/21(水) 11:06:03.95 ID:ntZMkcAO<>
自分がロケット団に入ったきっかけは至って簡単な経緯だ。
学校を中退、その日の食事はその日に稼ぐ日々。

未来の見えない日常に嫌気がする。
そんな自分に手を差し延べてくれたのがロケット団だ。

甘い言葉で誘う手を俺は迷うことなく握りしめた。
この現状から抜け出せるならば、変われるならばと思い。

その後、オツキミ山に配属されることになる。
それからの人生は底辺ながらも楽しいものだった。

本名は知らないが、当時は友と言えた二人。
二人との日々は本当に楽しかった。

だから、あの時は許せなかったが、時も経ち、自分も人の事を言えない立場になった今では、
したっぱとはいつか仲直りをしたいとは思っている。

だが、仲直りをするにも準備が必要だ。
したっぱの成長は著しい。

俺がどれだけ頑張っても太刀打ち出来ず、勝負にさえなかったエリカ相手に戦えている。
いつの間にか引き離されていた距離。
自分が謝るとすれば、したっぱと同じ場に立つ時だろう。

我ながら、回りくどく面倒臭いと思うが仕方ない。
それが自分のけじめだ。

次に合うときこそ、力を合わせられるように。
俺達の間に守り守られる関係は遠の昔に通りこしているはずだ。

そして、そのためにも……

???「Aくん、そろそろ時間だよ」

したっぱA「今日もよろしくお願いします、カツラさん」

今は任務の遂行と腕を磨く事を欠かすことはできない。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/21(水) 11:28:19.14 ID:ntZMkcAO<>
    @        @        @        @

カツラ「今日はこれでしまいにしよう」

したっぱA「ありがとうございました」

グレンジムの特設のバトルフィールド。
火山に作られた此処は熱気に満ちている。

カツラさんは軽く汗を流す程度だよと言っていたが、とんでもない。
服を絞ると雑巾の様に汗が流れ落ちる。
熱に当てられたせいか思考や視界も溶ける様に朧げになる。

そして、そんな条件下において、涼しげな顔で自分をあしらう、白衣のハゲ老人は本当に同じ人なのだろうか?

研究者と聞いており、本人もデスクワーク派で若者には着いて行けないと言っているが嘘だろう。
サングラス越しに自分を見下す、その佇まいは歴戦の猛者そのもの。
その上、炎天下の夏の日を超える、このバトルフィールドの環境下において汗一つかかない。

俺は絶対に認めない。
例え研究者であったとしても、デスクワーク派の一言で片付けることは認めない。

流石は炎ポケモンのスペシャリストと言うべきなのだろう。

カツラ「そんな苦しそうな顔をしてどうした? 若者が情けない」

カツラは腰に手をやり、顔を頭上に向け高らかに声をあげる。

カツラ「熱さは笑って吹き飛ばす、これがグレンジムの極意だよ!」

耳障りな笑い声がバトルフィールドに響き渡った。
いつかぎゃふんと言わせてやると心に誓い、彼を睨みつけた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/21(水) 11:28:47.96 ID:ntZMkcAO<>
中断します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/04/21(水) 22:28:15.37 ID:M.16.UAO<>みてるよ
がんばって<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/22(木) 15:01:14.93 ID:K8xsWKg0<>
いつものポケモンバトルの訓練が終わると、次はカツラさんの研究を手伝うことになる。
と言っても、自分は簡単なことしかやっていないが。

そもそも、難しいことを理解できる頭もないし、勉強をする気もおきない。
ただ、言われたことをこなすだけだ。

カツラさんに言われた様にポケモンを扱い、データを収集する。
自分よりも腕の良い、カツラさんが自分でやればいいとも思うが、一人でデータを収集するには効率が悪いとか。
また、ロケット団とジム経営は別の様でジムトレーナーを使う訳にもいかないらしい。

そのため、ロケット団もジムとは別に、この屋敷の地下に存在している。

そうそう、始めて来た時、カツラさんがロケット団と聞いた時は驚いた。
グレン島の研究所に配属されることは来る途中で知らされていたが、まさか、グレンジムのリーダーとは。
なによりも彼が研究者だった事実が驚きだ。

その事をグレン島のロケット団に聞いたら呆れられたのは何故だろうか。
とにかく、研究の責任者でもあることを考える辺り、研究者としても相当なものなのだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/22(木) 15:02:17.12 ID:K8xsWKg0<>
しかし、研究というのはつまらない。
同じ事を延々と繰り返す。
データを取るには量が必要と言うが、退屈で仕方ない。

自分の毎日の楽しみはカツラさんとのバトルだけ。
それ意外は本当に退屈な毎日だ。

ある日、あまりに暇だったため、グレンジムに挑戦しようと受付まで行ったところ、
カツラさんに連れられて別室行きになったことがある。

その時、お経のような説教を存分に聞き流し、
それがきっかけで毎日バトルに付き合ってくれるようになったが、それはまた別の話。

まあ、退屈なことだが、ロケット団には大切なことらしい。
カツラさんから一応、研究の内容と目的は一通り聞いてある。
例によって、細かい部分はよく分からないかったが……
それを理解してくれたのか、かなり噛み砕いた説明をしてくれた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/22(木) 15:02:58.86 ID:K8xsWKg0<>
プロジェクト名『M2計画』。
それぞれのポケモンの遺伝子を組み替えて、最強の生物兵器を人工的に作るというもの。

現在の研究の成果では現存するポケモンのクローンを作ることは可能。
しかし、生命力に問題があるらしい。つまり、クローン生命体は寿命が極端に短いんだと。
また、研究の成果では本物よりも能力が劣ったり、判断力の低下。
また、感情が希薄になるんだとか。

最後のは新たな生命体ではなく、生物兵器を目的としている訳だから、重要視されてないらしいが。

少しばかり違和感の様な何かが胸の辺りで渦巻くが、自分の関与すべきところではないだろう。
そう思って、胸の奥深くに隠す。

しかし、ここに来てから少しだけ考える。
命の価値はみんな同価値だと誰かは言うが、それだと命の数が増えれば増えるほどに一つ一つの命の価値は下がるのではないのか。

答えはない、これからも一生見つかることはきっとない。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/22(木) 15:04:37.53 ID:K8xsWKg0<>
さて、研究の段階はあと一歩のところまで来ているようで、現在、ポケモン屋敷の中が賑やかだ。
自分が来てくれたおかげで研究が捗ると感謝の言葉を告げてくれるが、実感がない。
自分は言われたことを、同じ事を延々と繰り返すだけで、誰もができることを続けてきただけなのだが。

でも、褒められて悪い気はしないのもまた事実。
だが、退屈なのは変わらない。
できれば、早く終わって欲しかった。

休憩時間、ポケモン屋敷を出て、浜辺に行く。
研究に付き合ってる時は室内で缶詰状態になるため、外の空気が恋しくなる。
そして、そういう時は自然が豊富で風が気持ちいい場所を体が欲するのは必然だろう。

したっぱA「お前たちも窮屈だったよな」

砂浜に着くと、まずボールからポケモン達を取り出した。
閃光と共に姿を表すのは、ピジョット、クロバット。そして、ラッタだ。

カツラさんと訓練をしている内にそれぞれ、最終進化を遂げた。
クロバットに進化したとき、カツラさんが珍しく驚いていたのは今でも覚えている。

したっぱA「ああ、そうだ」

一匹忘れていた。
最近新しく手に入れたポケモンなので、まだ馴染んでいない。
心の中で謝罪しつつ、残りの一匹もボールから出してやる。

光の中から形作るのは、火の馬ポケモン。ポニータ。
カツラさんから頂いたポケモン。
力量はまだ低い、今は鍛えている最中だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/22(木) 15:06:08.52 ID:K8xsWKg0<>今日はここまで。<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/22(木) 15:18:49.80 ID:K8xsWKg0<>グレン島編に入ったので個人用整理。

したっぱの手持ち:サンドパン、ゴルバット、ラッタ、マタドガス、アーボック
したっぱAの手持ち:クロバット、ラッタ、ピジョット、ポニータ
したっぱBの手持ち:ゴースト、アーボ、ケーシィ


したっぱAは基本的にポケモンを育てるのがうまい。パーティーの平均レベルならば、したっぱ よりも強い。
ただし、バトルは下手。バカだから。

また、カツラは研究者としてカウントされてるので戦闘員と数えられていない。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/22(木) 15:51:44.88 ID:k9.aP5Y0<>あと、作中に入れられなかったけど、読まなくてもいい設定を少しばかり。

語りたかったけど、したっぱAがバカだからいけないんです。
話を聞いても理解できないバカだから。


カツラはポケモン遺伝子学で博士号を持っている。
それでいて、ロケット団の幹部。
まあ、戦闘ではなく主に研究の方で活躍しているので四幹部みたいに目立たないため、別扱いになってる。
そもそも、カツラは作戦会議とかには参加しない。そういう仕事はしない。

あと、カツラの学生時代の恩師はフジ老人でタマムシ大学ポケモン遺伝子学の主席卒業。
タマムシ大学は東大みたいなもの。

彼の才覚は学問だけに留まらず、ポケモンバトルの方面にも発揮され、
ポケモン協会からの推薦でジムリーダーに就任する。

本業は研究であるが、ジムリーダーとしての名声を高めてしまったため、
ジムリーダーとしての資質ばかりが評価されてしまうようになる。
そのため、研究方面のスポンサーが付かなく、資金や資材、場所、人材の確保がうまくいかなかった。
そこに手を差し伸べたのがロケット団。

十分な設備を整えた新しい研究所がグレン島で作られ、フジ老人を中心としたチームがそこで研究を行った。
フジ老人が居た頃はカツラはフジ老人の右腕として働き、ジムリーダー業と研究業を両立させていた。
まあ、それでも忙しいことには代わりのないため、クイズで挑戦者をふるい落としたりしてたんだとか。
鍵がかけられる時もあるのはカツラが研究で忙しい時。

フジ老人の去った後はそのまま、カツラが引き継ぐことになる。
その頃からカツラは指示をすることが多くなり、研究を部下に任せっぱなしってのが現状。
まあ、それでも成り立っているのだから、ロケット団のそういう方面の層は本当にぶ厚いぜ!

ちなみにグレン島の研究チームはやけにテンションの高い彼らとは別なのでご了承ください。
唯一、ロケット団の研究チームでおふざけの無い真面目な方々。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/23(金) 12:09:13.05 ID:c4tdTbA0<>
手持ちポケモンを全て解放し、各々が砂浜を駆け回るのを確認。
屋内に居ることも多くなる日々。
久々の新鮮な空気にそれぞれがはしゃいでいる様だ。

自分は少し離れた場所で見守ることにした。
海水を吸ったサラサラな土の上に腰を下ろす。

空を見上げた、青い空に白い雲。
日差しは強く、快晴と呼ばれるものだろう。

海を眺める。
波は穏やかで、太陽の光を綺麗に反射し、輝いてみせていた。

風は調度良い強さで、浜辺特有の海水を含む、少しばかり冷たい空気が気持ちいい。

それは、あまりに静かすぎた。
こんなにも静かすぎたから、時の流れを感じられず、
いつまでも、この時間が続くんじゃないかと思ってしまう。

物事や時の流れというのは何時だって静かに迫って来、気付いた時には、もうすぐそこだ。
嵐の前の静けさというのは波みたいな物で、一度、溜めてから押し流す。

物事は何時だって急にやって来るというが、前兆はなんにだってあるものだ。
そう、毎日があまりにも退屈すぎた。

穏やかでなだらかで、それゆえに流れに身を委ねた。
実際に直前までこないと人なんて警戒なんてしない。
だから、いつだって急なんだ。

研究員「Aさーん!」

今回も。

研究員「早く戻る様にと、カツラ博士が呼んでいます」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/23(金) 12:10:44.95 ID:c4tdTbA0<>
したっぱA「カツラさん!」

所長室と書かれたネームプレートの付いた扉を開く。
部屋の中は壁一杯の本棚。
そして、本棚に入りきらない本が山積みになっており、中央奥になる机の上は紙束に埋もれていた。

カツラさんはこの中に存在している。

したっぱA「いい加減、手伝いか秘書を雇った方が良いんじゃないので?」

いつもの部屋の様子に嘆息を吐く。

カツラ「いざ、探してみるとなるとそうそういい子は見つからないもんだ」

紙束の山からひょっこりと現れる日の出。もとい、ハゲ頭。
ワックスか何かで磨いているのか、いつもに増して輝いている。

本や紙束を崩さない様、気をつけながら部屋の中に歩を勧め、カツラさんに近づく。
しかし、これだけ乱雑に置かれているにも関わらず、すべての資料の位置を把握してるっていうのだから、凄いっちゃ凄い。
これはカツラ流整頓術なのだろうか?

いや、ただ単に横着なだけだろう。

カツラ「よく来てくれたよ」

カツラさんは歯を見せて笑ってみせる。
自分はそれに、「おはようございます」と対応した。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/23(金) 12:11:33.04 ID:c4tdTbA0<>
したっぱA「それで何の用です?」

カツラさんは笑うと本の山から一冊を取り出して、自分の前に放り投げた。
目の前に置かれた本のタイトルは『よく分かるポケモンバトル』。

カツラ「
ポケモンバトル初心者用の本を売ろうと思っているんだが、
どれほどの効果があるか君に試して欲しくてな」

したっぱA「……どういう意味ですか?」

カツラ「君はポケモンに関して知識が疎いから、ついでに勉強をしてみてはと……」

したっぱA「帰ってもよろしいですか?」

カツラ「分かった、分かった。冗談はこれくらいにしておこう」

降参したようにカツラさんが両手を上げて、笑う。
一通り笑い飛ばした後にやっと、本題に入る。

カツラ「サカキ君から召集があってね」

したっぱA「カツラ様から?」

カツラ「近々大きいことを起こすらしいね」

やれやれと言った表情で型を傾げると

カツラ「研究者の私まで召集しないといけない程のね」

と嘆息混じりに繋げた。
そして、最後に「君もだよ」と付け加えるように告げられた。

物語は起承を終えて、転へと向かう。
歴史上、当時を生きるものならば誰もが忘れらることのできない転換点だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/23(金) 12:11:57.26 ID:c4tdTbA0<>中断<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/04/27(火) 09:12:31.37 ID:4WoRN6SO<>応援しとるよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/04/27(火) 17:02:53.39 ID:eeVa1SYo<>支援<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/04/27(火) 21:08:31.93 ID:NT66ccAO<>ずっとみてるよ<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 10:07:54.48 ID:WKMy2BU0<>創作板に早く行った方が良いんだろうなぁ
読者や管理人のためにも処理しないと

>>553-555
ありがとー、書きためてくる
無限ループの人が面白かったのでテンションが地味に上がる<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:28:14.27 ID:WKMy2BU0<>

    @    @    @    @    @


セキチクシティの南。風を切り裂く様に羽ばたく灰色の恐竜。名はプテラ。
過去、絶滅したと言われるポケモン。

その背中に振り落とされる様に必死でしがみついているのが私こと、フジだ。

ポケモンバトルの世界から手を引いて久しい。
すっかりと身体がなまってしまった様でポケモンの背中にしがみつくだけでも重労働。

冷たい風が体力を削っていき、身を叩きつける様に襲う風のせいで息がしづらい。
それでも急がなくてはいけない理由があった。

ポケモンの技、『怪しい光』。私がロケット団に拉致されそうになった時に使われた技。
効果は相手を混乱させる程の幻覚を見せるというもの。

知能が発達した人間がもらえば、高価はポケモンの比じゃない。
一生もののトラウマを背負うか、下手をすれば廃人。
ただ、私の場合は自分の最大級の罪を再認識させるだけで終えてくれた。
私が生きている間にしなくてはいけないことを教えてくれた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:28:50.75 ID:WKMy2BU0<>
私の見た幻覚の内容。

それは私のロケット団で行っていた研究内容だ。

私の研究、ロケット団最大の計画の軸となる部分。『M2計画』。
内容は全ての技を使うことの出来るミュウを軸にし、他多数のポケモンの遺伝子を組み合わせ、
最強の生物兵器を作り、最終的に量産を行うというもの。

始めてそれを聞いた時は確かに心がときめいた。

最強なんて言葉は幻覚に過ぎないだろう。
それでも、最強を求めることに最強という言葉に挑戦をすることにロマンを感じない男はいない。

そして、研究を続けた。
ロケット団での日々は実に充実していたことは事実だ。

最強を誇るということはつまり、負けないということ。
能力値が高いことはもちろんのこと、弱点を無くすということに繋がる。
器用貧乏になってはいけない、全てにおいて正しく最強レベルの力が必要だ。

また、その力を扱うための知能も。
そして、絶対的強者が現れる時は決まって周りも進化し始めることでもある。
つまり、学習し進化し続ける力も必要ということになる。
一度の失敗を二度と繰り返さない程の。

そういう机上の空論を構築していき、イタチごっこの様な計画が始まる。
そして、自分でいうのもなんだが、私は優秀過ぎた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:29:23.21 ID:WKMy2BU0<>
私には机上の空論を実現するだけの力があった。

結論から言うと、あまりに強大な存在を作ってしまうこととなった。
イタチごっこの様に終わらない進化は私達の手の内を越えてしまう。
誰にも制御出来ない生物兵器を作ってしまった。

そして、事もあろうか、計画は第二段階まである。
『M2計画』は第一段階に過ぎない。

気づくのがあまりに遅かった。
もう計画は、区切りということで終着に向かっていた。
生物兵器は形になり、あとは目覚めるだけというところまで来ている。

その後、量産用にコストパフォーマンスの調整が待っている。

その段階になって、始めて私は逃げ出した。
私が居なければ、この生物兵器が目覚めることはない。
今のまま、目覚めさせれば、不完全な生命体として目覚めることになる。

極端に寿命が短いという状態で。
その問題を解決する手段を知るのは私だけだ。

つまり、ロケット団は私が居なくては目覚めさせることができない。
または、目覚めさせたとしても、その生物兵器は短い一生を告げるだけだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:29:53.43 ID:WKMy2BU0<>
その考えは、あまりに楽観的すぎたわけだが。

私の研究の派生に古代ポケモンの復元というのがある。
これは化石等や琥珀の残された遺伝子を、クローン技術を応用し、復元するというもの。
クローン技術は極端に生物の寿命を少なくするという欠点があったが、それを克服した研究者が現れた。

私の生徒だった男、名前はカツラ。
現在、『M2計画』の総指揮を取っているはずだ。

彼がいる限り、『M2計画』はいずれ、完遂されるだろう。
そして、あの研究の続きがあることを気付かれ、それすらも量産された暁には……

想像したくもない。『M2計画』でさえもとんでもない研究成果なのだ。
伝説を含め、全てのポケモンに勝てる可能性を持つ程の能力を持ったポケモン。
それが量産されるだけでも恐ろしいというのに。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:30:41.11 ID:WKMy2BU0<>
だが、それを知りながら、私は動かなかった。
今でも怖い。だが、逃げることは出来ない。
いずれ、思い知ることになる。

近い未来、きっと悲劇は訪れる。

逃げ出した時の私ならきっと、今もまだ逃げている。
しかし、今は未来を見てしまっている。

シオンタウンのあの場所に悲劇が降りかからぬように。
未来を守る、ただそれだけのために。

決して、正義の味方になりたいわけじゃない。
ただ、忘れ物を取りに行くだけだ。

フジ老人「ん?」

見えてきたのはグレン島、沿岸部。
そこにいるのは男性が一人と白衣を纏ったハゲ頭。
特徴的な丸いサングラス。

フジ老人「カツラかっ!!」


    @    @    @    @    @


カツラ「あれは……っ?」

左右に広がる大きな翼。灰色の恐竜。
化石ポケモン、絶滅種のプテラ。

現在、この世にあのポケモンはロケット団が復元した数匹しかいない。
また、ロケット団の人間でないとすれば一人しかいない。

したっぱA「カツラさん? あのポケモンがどうしたんですか?」

カツラ「あれはプテラだよ。そして、背中に乗っているのはフジ博士……!」

したっぱA「フジ博士?」

無知が祟ったようで、A君は現在の状況を理解できていないらしい。
いや、無知だから故に彼は的確に現状を把握したのだろうか。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:31:30.09 ID:WKMy2BU0<>
したっぱA「ようするに排除すればいいんでしょ?」

彼の初動は早い。
気づいた時にはピジョットが彼の横で羽ばたいており、そのまま、プテラに向けて疾空した。

したっぱA「修行の成果を見せてやるよ」


    @    @    @    @    @


フジ老人「早いっ!」

乗っていたプテラの翼をかすめ、背後に回ったかと思うと手の平に収まる程に小さくなる。
そのまま、旋回をし、再度突撃を仕掛ける。

フジ老人「この速度、この老体には辛いなぁっ!」

この肉体がついていかずともいい、プテラの目は正確にピジョットをとらえている。
私はそれを見ればいい。それで、相手の位置が分かる。

フジ老人「落ち着けよ、プテラ」

首元を撫で、プテラの高ぶる感情を中和させる。
この敵を相手に冷静さを失えば勝てはしない。

下手に追いかけたり、手を出したりしても翻弄されるだけ。
それほどにあのピジョットは速い上に旋回が上手い。

なるほど、あれがカツラの部下の実力。
確かに良いものを持っている。

フジ老人「しかし、まだまだ若いなぁっ!」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:32:03.91 ID:WKMy2BU0<>
相手の目標はプテラ、ただ一点。
ならば、追いかけずともいい。

待ち受ける。

そして、とっておきの一撃を叩き込んでくれる。

フジ老人「引きつけろよ、ぎりぎりまで」

相手は旋回するのが疾い。
できる限り引き込まねば、攻撃を回避される可能性が高い。

プテラに指示した攻撃は、絶対に当てなければいけない。
外したら最後と思った方が良い。

ピジョットがプテラに照準を定める。

ーーまだだ。

ピジョットが身体を尖らせて、急加速。

ーーまだまだ。

ピジョットが翼を大きく横に広げる。

ーー今だッ!

したっぱA「『翼で打……っ!?」

フジ老人「『破壊光線』ッ!!」

プテラの体内から発せられる光線。
超凝縮のエネルギー。
ピジョットの胴体を正確に撃ち抜く。

まずは光。次に風。最後に衝撃が身体を襲った。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:32:48.15 ID:WKMy2BU0<>
フジ老人「ふぅっ。なんとか、この老体もこらえてくれたようだな」

身体が飛ばされたかと思った。
これでも、昔はポケモントレーナーとしてもそれなりに名が売れていたものだが、やはり歳には勝てない。

だが、

フジ老人「私の方が歳を取っている分、勝利を近づけたようだなぁ」

カツラ「挑戦をバカにしてはいけないですな、フジ博士」

フジ老人「なっ!?」

熱風が身を襲う。気づいた時にはもう遅い。
次の瞬間には青い空や海は赤によって覆い尽くされる。

下を見ると炎が竜巻状に昇って来ているのがよく分かった。

フジ老人「くっ……狙われたかっ」

『破壊光線』の反動で身動きが取れないところを『炎の渦』により搦め捕られた。
身動きが取れない。

そう思うだろう? カツラ君。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:35:50.17 ID:WKMy2BU0<>
フジ老人「若い頃の私ならきっと、勢いで君に挑戦していただろう」

腰につけているのは四つのボール。
その中の二つからボールを手に取り、開閉スイッチを押す。

フジ老人「生憎、今の私はインテリだなぁっ!」

ボールの中から出てくるのは、渦巻き状の貝を背負う、オムスター。

フジ老人「炎のスペシャリストの君への対策はしてある!」

オムスターは大量の水を一ヶ所に噴出する。
技の名は『ハイドロポンプ』。

『炎の渦』の当たる水はすぐ様に蒸気となる。
しかし、この場はそれで十分。

耐えきれるだけの隙間を作れればいい。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:36:14.48 ID:WKMy2BU0<>
フジ老人「あとは勇気だけだ」

プテラの首を叩く。同時に滑空を始める。
速度は最速。
目標は『炎の渦』に叩きつける水が作ったわずかな隙間。

本来ならば、飛び込むなんて馬鹿のすることだ。

耐え忍ぶしかない。

しかし、ジムリーダー相手に耐え切る自信はない。
ならば、抜け出すしか方法はない。

フジ老人「幸運を祈るっ!」


    @    @    @    @    @


『炎の渦』で捕らえた。
後は煮るなり、焼くなり好きにしろっていうところ。

そうあるはずだ。

しかし、抜け出してきた。
ポケモン、トレーナー共に身を焦がし、炎の檻から抜け出してきた。

カツラ「あっはっはっはっはっ! 衰えてないじゃないですか!」

フジ老人「老いてなお盛んってところかなぁっ!」

カツラ「A君、下がっていなさい。このバトルは私が受け持つ」

私はね、フジ博士。

ポケモントレーナーとして打ち込んだのは、あなたのポケモンバトルに魅せられたことがあるからなんですよ。
もちろん、博士としての方がメインだけどね。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/04/28(水) 16:36:53.17 ID:WKMy2BU0<>中断します。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/04/30(金) 00:29:50.13 ID:pkdQQs.0<>乙

やっぱりしたっぱAもかっこいいな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/04/30(金) 05:32:35.11 ID:CQiPF.AO<>したっぱAいいキャラだ
バカな奴ほどかわいいってやつか

支援<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/05/01(土) 10:16:20.54 ID:3dOK6ESO<>みんなが少しずつ成長しているのがなんだかずっと見ていた身として嬉しいよ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/05/02(日) 20:28:26.30 ID:LikG.cM0<>すみませんが、GW中に続きを投下できるか少し微妙。

代わりといっちゃなんだけど、前に遊びで描いた
ポケモンタワー屋上でのレッドのピカチュウvsしたっぱBのアーボ
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org855412.png.html<>
◆bM68KYkzG.<>sage<>2010/05/02(日) 20:28:57.00 ID:LikG.cM0<>鳥がー<> ◆Te2wWksL0.<>sage<>2010/05/02(日) 21:18:20.79 ID:LikG.cM0<>取りがー<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/02(日) 21:39:59.71 ID:vnpqIYAO<>……鳥がー

携帯から<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/05/04(火) 23:24:09.51 ID:Dy.4NI60<>うおっもたもたしてる間に見逃したorz<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/05(水) 03:22:21.58 ID:8OAOddU0<>pixivに上げといたから、見れる人はどうぞ。
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=10416711

鳥は大丈夫だよな…<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/05/09(日) 17:38:20.21 ID:e59kcNQo<>うまいな<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/10(月) 09:49:50.70 ID:XnKz3gAO<>保守<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:02:25.50 ID:XxbP4e.0<>
先ほど、『炎の渦』を指示したポケモン、ギャロップにそれをやめさせ、迎撃の体制を取る。
空を飛べるポケモンを持たない自分がプテラに対向出来るポケモンは限られてくる。

ギャロップはその数の少ないポケモン。
ポケモン一の跳躍力は空を飛ぶ相手への武器となる。

最も、空中戦において、空を飛べる相手に跳躍で敵わないが。
それでも、持っているというだけで戦いやすさが天と地ほどに違う。

カツラ「さて、どう料理すべきかな」

現在確認できたのはプテラとオムスター、共に絶滅したポケモンだ。
そして、問題なのは両方とも岩タイプのポケモン。
つまり、私が炎タイプの私が苦手とするタイプだ。

しかし……

カツラ「炎のエキスパートと言われた私がなんの対策もしていないと思いますか?」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:03:19.96 ID:XxbP4e.0<>
カツラ「岩をも溶かせ! 大火力ゥゥゥゥッ!!」

ギャロップの口から放たれる『火炎放射』。
空を飛び回るプテラはそれを右へ左へと旋回して回避し続ける。

フジ老人「それは対策というのかなぁ!?」

カツラ「はっはっはっ! 弱点のなんて圧倒的な力を身につけることで克服ですよ!!」

フジ老人「相変わらずの大味だなぁ、君は!」

カツラ「知っているでしょう? あなたに憧れていることを」

フジ老人「私はここまで偏っていたかなぁ?」

プテラの背中からボールが投げられるのを確認。
既にオムスターはボールにしまわれているようで姿は確認できない。

そして、代わりにボールから飛び出すのは茶色の甲羅と二つの大鎌。
またしても絶命種、カブトプス。
まるで神風の様に一直線にこちらに向けて落下する。

カツラ「徹底的にですかぁーっ!?」

フジ老人「非情な大人の味ですよ」

カツラ「あっはっはっ、あなたが老いて慎重にとは面白い!」

相手の方から近づいてくるならば、わざわざギャロップを使う必要はない。
ギャロップを戻し、代わりのポケモンを出す。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:04:03.56 ID:XxbP4e.0<>
カツラ「この歳になっても、ビターは嫌いでねぇ……でも、辛いのは大好物ですよッ!!」

左右から挟むように振りかぶられる大鎌。
重力の味方に付けた一撃はとても重く、迫力もある。
そして、高い衝撃音と共にそれを牙で受け止める赤い猛犬。

流石、ウィンディ。我がパーティーのエース、期待通りの働きだ。

フジ老人「いやはや、もう若い者の勢いにはかなわないのさ。老いて残るのは小賢しい知恵だけだよ」

ウィンディ「ウゥっ!?」

カブトプスの身体から水が噴出し、自身の身体を濡らし、水を纏う。
両手を封じられた状態で強引に前へと駆け出す。

纏った水は激流となり、ウィンディの身体を叩きつける。
この技の名は『アクアジェット』。
火は水に弱い。

怯んだウィンディは一度、体制を立て直すべく背後に大きく跳躍。

フジ老人「カブトプス!」

それを逃すほど、相手はあまくない。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:04:51.90 ID:XxbP4e.0<>
追い討ちをかけるべく、カブトプスは『アクアジェット』の勢いを維持したまま駆け出す。
右の鎌を大きく右に一振り。そのまま、振りかぶり斜めに切り落とす。

あまい。 思わず、笑みが零れる。

私を誰だと思う? グレンジムのリーダー。熱血クイズ親父。
そのカツラのパーティーのエースだぞ?
最強の炎使いの切り札だ。

私のウィンディを他のウィンディと一緒にしないで欲しい。

カツラ「ウィンディ!」

喝を入れる。これだけで十分。
あとはウィンディに任せればいい。

ウィンディ「……ッ!!」

地面を踏み、跳躍した時の勢いを[ピーーー]。
そして、蹴り出す。

フジ老人「なっ!?」

カツラ「私のウィンディは凶暴ですよ」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:05:42.08 ID:XxbP4e.0<>
助走はいらない。
一度、地面を蹴る。それだけでトップスピード。

この急な方向転換と加速にカブトプスは対応出来ない。
そのまま、鎌を振り落とすがそれよりも早く相手の懐へと踏み込む。

この速度、『神速』の名に相応しい。

カツラ「さあ、遠慮はいらないよ」

相手の丁度、鳩尾付近に身体を叩きつける。
神の速度に全体重を乗せた攻撃は防御不十分な身体では耐えきれるはずがなく、カブトプスの身体は大きく後ろに飛んだ。

逃しはしない。今度はこちらが追い討ちをかける番だ。

ウィンディ「グルルルルッ!」

口から炎を吐き出す『火炎放射』。
宙を回るカブトプスを捉える。

カツラ「まだまだぁっ!!」

『火炎放射』で得た、『熱風』を吸い込み相手へと叩きつける。

カブトプス「…………っ!? ……っ!?」

カブトプスから白い煙が噴出する。
その煙の正体は内包した水分だろうか。
ともかく、体内が煮えたぎるような思いをしているに違いない。

カツラ「とどめだよ」

私はカブトプスを指差し、そのまま、親指を下に落とす。
これが合図になる。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:06:48.52 ID:XxbP4e.0<>
ウィンディ「ゥゥ……オオオオオオオッ!!」

咆哮。
同時にウィンディの身体から炎を燃えさかる。

あまりの温度にウィンディの付近の風景は歪んで見え、炎はより勢いを増す。
そして、確認するように土を二、三蹴り。
大きく地面を踏み込む。

ウィンディ「ガァァァアアオオオオオオ!!」

初速からフルマックス。
神の速度をそのままに、炎を弾丸となり風を裂く。
空間を歪ませ、走った後には文字通り草一本残さない。

カブトプス「……!! …………っ!!?」

身の沸騰に悶え苦しむカブトプスに防御しようもなく、空高く弾け飛んだ。
炎をまとい、全身を焦がし、甲羅の破片をまき散らす。

カツラ「『フレアドライブ』!」

あまりに痛々しいその姿を海はやさしく受け止めた。
落下する際に生じた白い煙はしばらく止むことはなく、それが途絶えてからカブトプスを回収された。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:10:44.52 ID:XxbP4e.0<>中断。

熱血クイズ親父の本領発揮。
威力が1/4になるなら、いつもの4倍の攻撃をしたらいいじゃない。 by.カツラ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/11(火) 16:12:21.23 ID:XxbP4e.0<>自分の作品ではNGワードは出さないとおもってたのに、
予想外のところでひっかかってしまった……<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/05/14(金) 18:15:38.36 ID:hXkQhAAO<>ウィンディは必ずパーティに入れるくらい好きなので活躍嬉しい
乙!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/05/17(月) 00:21:20.75 ID:2gfjE6I0<>乙

カツラがかっこよすぎだろ!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/17(月) 08:38:19.88 ID:u21hVAAO<>ながらで投下します<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/17(月) 09:14:21.85 ID:u21hVAAO<>
   @   @   @   @   @

したっぱA「すげぇ……」

フジと言う男。
彼も相当な腕前、それは身を持って実感している。

だから、分かる。カツラのあの攻めの凄さが。

あの老人の戦闘スタイルは、したっぱ……いや、Bだろうか。
おそらく、冷静に戦況を分析し、策を持って対応する頭脳派だ。

そして、あの手のタイプは非常に攻め辛い。
まあ、Bの場合はポケモンが弱いから受けに回れず、
攻めるしかないのだが、それは今はどうでもいい。

とにかく、攻めにくいのだ。
何が待っているのか分からない。
何処に罠が張られているのか分からない。
あの老人レベルになると、正に火中の栗を拾いに行くと同意義だ。

したっぱ ならば、それでも対応できるかもしれないが。
彼は直感で動くタイプ。策を持っていると見せかけて、その全てがその場の思い付きだ。
予め、策を練って挑む、Bとは根本的に違う。
したっぱ なら、襲い来る火の粉を、その場の機転により払うことも出来るかもしれない。

しかし、カツラはどうだ。
持ち前の頭脳と経験によって武装したフジを、乾坤一擲で打ち砕く。
まるで圧倒的力の前では紙屑も同然と鼻で笑うように。

身が震えた。恐怖からか? 違う、感動からだ。
こんな戦い方があるのか、こんな戦い方が許されるのか。

実の所、自分はしたっぱやBに引け目を感じていた。
あんな、戦い方は真似できない。馬鹿だというのも理解していた。

自分に出来るのは攻めだけだ。
攻めて攻めて攻めまくる。
何も考えなくて済むからじゃない、何も考えさせてやらないんだ。

だが、それにも限界があるのは分かっている。
本当の強者には通じないことだって。
そんなのは冷静に対処されたらおしまいだ。

だが、今、カツラがやってみせた。
あれこそが自分の求める姿、あれこそ目標にすべき存在じゃないのか!

したっぱB「師匠ぉぉぉぉ!」

気づけば叫んでいた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/17(月) 09:54:26.43 ID:u21hVAAO<>
   @   @   @   @   @

背後から、聞こえる熱い声援。
良いだろう、君はたった今から私の愛弟子だ。
君の煮えたぎる魂はカツラの炎によって、燃え盛らせてやろう。

Bに向けて、人差し指を立ててやる。
意味は『レッスン1』。
内容はこれからだ。

フジ老人「ははっ、慕われてるなぁ」

フジ博士はプテラの背中から降り、海岸に足を付ける。
同時にプテラはボールへと収められた。

カツラ「今、初めて師匠と呼ばれましたけどね」

わざとらしく肩を竦めて、笑ってやった。

カツラ「紹介しましょう。貴方の弟子の弟子が彼です」

フジ老人「つまり、私は孫の誕生の瞬間に立ち会った訳か」

そう言って、フジ博士は声高らかに笑ってみせた。
それにつられて、私も笑ってみせる。

カツラ「どうですか、お爺ちゃんになった気分は?」

フジ老人「悪くはないなぁ」

そう言って、フジ博士は右肩を左手で抑え、大きく腕を回してみせた。

カツラ「肩叩きでもして欲しいのですか?」

フジ老人「祖父孝行でもさせようと思ってね」

カツラ「ははっ、親孝行はさせてくれませんか」

フジ老人「親不幸者に触れさせる肩はないかなぁ!」

フジ博士の手からボールが地面に落とされる。
そして、地面に落ちたボールから出てくるのはオムスター。

ウィンディの動きは早い。
与えられた獲物に飛び付くように、地面を蹴って駆け出した。

カツラ「お爺ちゃんはそろそろ、隠居して貰いましょうかぁッ!」

フジ老人「不良息子にはお灸を据えてやらないとなぁっ!!」
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/17(月) 10:05:35.92 ID:u21hVAAO<>中断します。

>>586
初見のカツラのウィンディにときめきを感じない人はいない。
カツラと言えば、ギャロップではなくウィンディ。

異論は認めない。

ちなみにグリーンと言えばピジョット。
異論は認める。

>>587
カツラはポケスペの影響か、フジ老人との繋がりのせいか、
きな臭かったり、冷静なイメージがありますが、
自分はこんなイメージw

そもそも、研究職は浪漫の溢れる人の場所という偏見がw<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/05/17(月) 11:34:19.77 ID:qA0TwnI0<>ウィンディとピジョットはかっこいいよなぁロマンを感じる
フジ老人そんなに強いんなら捕まるなよ・・・<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/18(火) 10:31:04.24 ID:D2uKmbQ0<>グリーンは、結構他のトレーナーとポケモンかぶってるから、
なんとなく、初期からずっと居たピジョットが印象強く。
地味にナッシーの印象も強いけど。

>>592
説明するの忘れてたぁ


別に読まなくても良い補足

フジ老人はポケモントレーナーとして引退する時に
パーティーと研究用のポケモン以外の手持ちは全て新人トレーナーに渡すか、
野性でも生きられるポケモンは逃しちゃっています。
また、残った全盛期のパーティーの半分が既に寿命をまっとうし、
残りの半分も歳老いてしまいバトルでは使えない状況。

引退した身で新しくポケモンを育てる気力もなく、最終的に残ったのは、
拾ってきた、トレーナーに捨てられたポケモンだけで、かなり弱いです。コラッタLv.5とか。

また、プテラ等は研究用として、フジ老人が残していたポケモンで、
ロケット団から抜け出した後もそのままの状態になっていました。
いつも持ち歩いていなかったのは、絶滅種であるポケモンを持つのはあまりに目立つため。
そもそも、この世界では現在、絶滅種のポケモンを持つのはロケット団に居る数匹とフジ老人だけ。
なので、パソコンに預けたままずっと放置状態。

それを持ち出して、今、ロケット団に挑んでいます。
ちなみに師弟関係としてはフジ老人の方が上だけど、実績ではカツラの方が遥かに上。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/05/23(日) 13:36:41.04 ID:UYm91gSO<>やだ…パワフルジジイ達に惚れそう…<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/24(月) 17:42:15.50 ID:Qjw/iwAO<>ふぅ……どうして人は戦争をするのだろうか<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/24(月) 17:43:37.28 ID:Qjw/iwAO<>ある男は言いました、戦争は悪だ!
破壊しか産まない最低の行為だと。

命を粗末に扱うなんて、屑以下のすることだと<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/24(月) 17:48:51.26 ID:Qjw/iwAO<>もう一人の男は言いました。
戦争による技術の急発展は歴史が証明している。
戦争は文明の発達に大きく影響を及ぼすため、一概に悪とは言えない。

それに発達しすぎた文明は開拓地が無くなり、
新たな開拓地を作るために破壊して、新たに開拓しなおすんだよ。

そうやって、技術の需要と供給のバランスを整えるのさ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/24(月) 17:50:37.18 ID:Qjw/iwAO<>そこで私は言いました。

善悪は置いといて、とりあえず自分の時代に戦争はして欲しくないよな。

みんな頷いた。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/05/25(火) 15:24:21.66 ID:wmqRN2AO<>えっえっ^o^?<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/25(火) 19:00:23.57 ID:kF0rWwY0<>>>599
ごめん、暇つぶしに書き込んだ
この物語を作ってると、善悪とか正義とかよく考えてしまうので

続きはもうちょっとお待ちください<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/05/26(水) 17:04:56.67 ID:uPAbnYAO<>>>600
そうかww
前に他のとこでも書いてるって言ってたから盛大な誤爆かとwwww

続き待ってる!
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/27(木) 08:44:17.59 ID:PnbfzEAO<>>>601
SSはこのスレだけで、他はニコ動とAAだけだから大丈夫だよ!
何が大丈夫なのかは知らないけど

続き頑張る

一応、ダイパまでの流れがあったりするけど
終わるのかな、これ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/27(木) 08:58:59.68 ID:PnbfzEAO<>俺、この作品を書き終えたら、ポケモンリーグ偏を書くんだ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/05/27(木) 11:48:06.58 ID:LNPdngSO<>あんまり気張らんでね
しかしまぁ読み返すと面白い面白い…<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/27(木) 15:28:34.66 ID:PnbfzEAO<>>>604
逃走とか頑張りすぎで力尽きる心配はしなくても大丈夫よ
このスレ、すっげぇ居心地が良いからw

パー速一好き勝手やる創作者だと思うのに、何ヶ月空いても読者着いて来てくれるし、
身勝手で申し訳ないと思う我が儘も受け入れてくれるしw

思いついたことも片っ端から試させてもらったり、設定を作中で語らずに垂れ流すとかw
創作物としてどうよって感じの行為もしてるしw
そもそも、他の創作に力入れたいから遅れますって言って、受け入れてくれるとかここの住人は人が良すぎるだろw

まあ、だから、続けられたんだけどw
今まで通り、ぼちぼちと時間がある時に書く方針で行きますが、
付き合ってくれる方は創作板のピカチュウスレの合間程度に見る感じで付き合ってください

自分はのら猫なんで餌代はかかるけどねw

んじゃ、久々にながらいきます<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/27(木) 15:37:11.18 ID:PnbfzEAO<>
ウィンディ対オムスター。
火対水、岩。
浪漫も糞も感じられない相性表では自分の方が四倍不利。

大苦戦どころか、絶望的なくらいの敗北を物語っている。

カツラ「にっひっひっ」

なに、うちのウィンディはオムスターの百倍強い。
些細なことだ。
現にカブトプスを真正面から打ち破ったじゃあないか。

カツラ「さあさあさあさあ! 絶対絶命! 敗北必至! この圧倒的なまでの危機をどう覆すんですか!?」

フジ老人「そんなにこの私の老麗なる美技を見たいかなぁ!」

カツラ「えぇ、是非ともご教授願いたいですねぇ!」

フジ老人「泣いちゃうかもしれないよぉ〜!?」

フジ老人は手で素早くサインを出す、それに対しオムスターが小さく頷くのを確認。
さて、次は何をしてくれるのか。

ウィンディは既にオムスターの眼前まで来ていますよ。

フジ老人「今っ!」

オムスター「っ!」

オムスターの口から放たれる、超ど級の水流。
あれは『ハイドロポンプ』か。
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/27(木) 15:46:45.55 ID:PnbfzEAO<>
しかし、ウィンディを捕らえることはできまい。
一歩でトップスピードまで、詰め寄る瞬発力。

そして、鍛えられた反射神経と、戦闘によって鍛えられた勘。
例え、至近距離であったとしても、避けるのはたやすい。

ウィンディは飛び掛かろうとした巨体を直角に進路を変更。
一歩遅れて、ウィンディの軌跡を水流が貫いた。

カツラ「ウィンディっ!」

ウィンディ「グルルルル……」

分かっているといった様子で唸る。
スピードを維持したまま、鋭角に進路を変え、真横からオムスターに飛び掛かる。

ウィンディ「ガフッ!?」

しかし、飛び掛かった先にあったのはオムスターではなく、水だ。
それも、ただの水ではなく、『ハイドロポンプ』の水流。

自ら、飛び込む形になったウィンディは濁流に飲み込まれる様に流され、
赤い巨体は大きく上空に弾かれた。

<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/27(木) 15:56:25.54 ID:PnbfzEAO<>
カツラ「ウィンディ!?……くっ、オムスターはどこだ!」

ウィンディは大丈夫、あれくらいではやられはしない。
今、ウィンディを思うならば、それは労ることじゃない。
もちろん、心配してやることでもない。

今、何が起きたのか?
オムスターはどこにいったか?

それを解明することだ。

フジ老人「よかったなぁ、この場が海岸で」

ウィンディ「ガフッ」

ウィンディは砂浜に叩きつけられた。
しかし、落下によるダメージは少ないようで、すぐに立ち上がり構える。

フジ老人「ここがコンクリートなら、落下だけでも大ダメージだなぁ」

カツラ「地形に助けられましたな」

フジ老人「ん、それは違うなぁ」

フジ老人は両手を左右に広げ、空に向けて高笑いをする。
私はその間もオムスターを探す。

地面に潜ったか、もしかしたら、ボールにしまったか。
辺りを見渡すとすぐに見つかった。
元より隠れてなど居なかった。

オムスターは海の上に浮かぶようにポツンと浮いている。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/05/27(木) 16:16:50.25 ID:PnbfzEAO<>チュウダんをします<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/05/29(土) 10:06:33.22 ID:kK5.kADO<>中断
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/11(金) 09:22:46.20 ID:LLJat6AO<>保守<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/11(金) 17:52:25.67 ID:t7T1jUDO<>中断
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/12(土) 09:18:31.63 ID:BzT.pgDO<>したっぱ「中断」
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/13(日) 08:02:28.35 ID:6rffawDO<>保守
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/06/13(日) 12:52:16.05 ID:Ohvob.AO<>まだかな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/06/15(火) 08:27:40.89 ID:SaTouMSO<>まだかなまだかな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/15(火) 21:53:10.73 ID:yhgbYoDO<>まだかな
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 09:14:44.14 ID:y.ZxSoAO<>カツラさんが張り切りすぎて、自身のヒゲを燃やしてしまったため、
現在、付けヒゲを注文中です

今しばらくお待ちください


リアル事情で遅れます<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 10:04:41.55 ID:y.ZxSoAO<>
30年程、時は遡る。
この頃からポケモンバトルに対する熱は凄まじいものがあり、
第一次黄金期と言われている。

ポケモンリーグが初めて開催されたのも、この時期であり、
全国から腕に覚えのあるポケモントレーナーが続々集結し、
その数は1000を超えたという。

これは当時、参加者を少しでも多く集めようと、
参加に資格や権利は必要無いとした企画者側のミスであり、
過去から現在に至るまで最大規模の大会となった。

開催期間は一ヶ月以上にも及んだと記録に残っている。

当時、シード権といった特別な処置もなく、
プロもアマも入り乱れての最も過酷な大会だったとも言われている。

予選トーナメントでは56ブロックに分けられ、
それぞれのブロック優勝者が第二予選リーグへと足を進める。

更に第二予選リーグでブロック優勝者16人に絞られ、
選りすぐりの16人による、決勝トーナメントが行われる。

その16人の中には現在でも強く影響を与えている人物が多い。

まず、上げられるのは当時、最強のポケモントレーナーとして名を馳せていた氷使い。
現チョウジジムリーダー、ヤナギ。
そして、現四天王のキクコとキクノ。
二人は従姉妹と聞いている。
忘れてはいけないのが当時アマ最強と言われいたオーキド。
プロアマ最強決定戦としてオーキドとヤナギの戦いが全国で期待されていた。

フジは第二予選リーグにて、オーキドに辛くも敗れている。

決勝トーナメント生き残りで最年少のトレーナー。弱冠12歳。
当時、彼の若き才能にどれだけ人物が魅了されたか。

現トキワジムリーダーサカキの名が刻まれている。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 10:23:05.18 ID:y.ZxSoAO<>
決勝トーナメントは言葉に出来ない程に熾烈を極め、素晴らしいかったという。

当時の人達に言わせると、決勝トーナメントは全てが世紀の一戦だったと聞く。
特に準決勝以降は素晴らしいというよりも凄まじいと皆が答えた。

準決勝に残ったのは
プロ最強のヤナギ。
アマ最強のオーキド。
準々決勝でキクノを破った生き残り紅一点のキクコ。

そして、最年少サカキ。

それぞれ、ヤナギとサカキ。
キクコとオーキドで準決勝は行われた。

結果を言うならば、決勝に足を進めたのはオーキドとヤナギだ。

決勝は紙一重と言ったところでオーキドは破れ、名実共に初代チャンピオンの座についたのがヤナギである。

最初にて過去最大のポケモンリーグは以上の結果を持って終結する。
その後、ポケモン熱は更に増し、現在まで至る。

しかし、ここ十年は停滞期と言われている。
一人のカリスマによって、ポケモンバトルは終わったと言われた。

そのカリスマの名はワタル。
初めて名を上がったのは今から丁度十年前。

突如、現れた少年。弱冠12歳。
誰もが彼の勢いに目を奪われた。

そのまま、誰にも彼を止めることは出来ず、
決勝トーナメントでは老いたヤナギとキクコを破り、見事チャンピオンに輝いた。

それからはワタルの一人天下だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 10:33:01.14 ID:y.ZxSoAO<>
これまで、ヤナギやキクコが居たとは言え、常に接戦だ。
ヤナギは幾度もチャンピオンに輝いたものの、何度もチャンピオンを逃している。
第二回ではオーキドが見事リベンジを果たし、チャンピオンになっているし、
キクコもヤナギを上回ったことは少なくない。

サカキは第一回以降しばらく姿を消し、
突如一度だけ復活し、優勝を掻っ攫っている。

また、新しい芽も育ってきており、
シバやキョウと言った存在が決勝トーナメントに名を記している。

最強は依然、ヤナギと言われていたが、
それでも、優勝は分からなかったのだ。
そうした接戦の中でポケモンリーグは行われていた。

しかし、ワタルの登場により、それは崩れ去る。
その後、10年の間、ワタルは無敗だ。

誰一人として、ワタルには敵わない。
ただ一人、頂点に上りつめた帝王。

彼の存在により、ポケモンバトルは時代が止まってしまっていた。
ワタルという名の時代が進む。

それは現在まで続く。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 10:44:24.09 ID:y.ZxSoAO<>
近い未来。
二人の少年がワタルに挑む。

一人の名はグリーン。
現ポケモン学の父、オーキド博士の孫。

彼は実力は元より特別な力を持っており、ポケモンと語ることが出来ると聞く。

もう一人はレッド。
グリーンと同じマサラタウンのトレーナーだ。
彼は特別な力は無い。
ただ才能と実力を持って、全てのトレーナーを薙ぎ払った。

ワタルはほぼ同時期に二人に敗れ、無敗神話はここに途絶える。
それは新しい時代の始まりを告げていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 10:45:27.37 ID:y.ZxSoAO<>以上です。
普通に続きを書けばよかった<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 11:14:08.29 ID:y.ZxSoAO<>
予選トーナメントは58じゃなくて64ブロックじゃないか。
第二予選リーグは4人で16ブロックなんだから。

ちなみにカツラはポケモンリーグ決勝まで足を進めています。
そして、フジ老人は初参加が一番、成績が良いです。

一応、フジ対オーキドは予選リーグのベストバトルでカツラはこの時のフジ老人の戦い方に憧れています。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/16(水) 18:35:23.10 ID:WbBm1sDO<>ロケット団は?
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/16(水) 20:42:01.32 ID:y.ZxSoAO<>ロケット団は最近、急成長した組織だから、歴史は少ないよ。

ロケットゲームコーナーを手に入れてから、急成長を果たした組織。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/17(木) 15:51:26.68 ID:48JsyADO<>支援
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/17(木) 19:40:49.82 ID:AydG87so<>ゲームの方もこれ位掘り下げればよかったのに<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/18(金) 01:39:30.37 ID:GdH8YYAo<>逆に考えるんだ
もしもゲームでもっと掘り下げていたらこのスレはなかったのだと<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/06/18(金) 11:51:51.85 ID:dfQ5jkAO<>ここでのバトル描写見てると、アニメが見たくなるな
初期のリーグ戦あたり見ようかな<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/18(金) 22:22:25.41 ID:C6Af7YAO<>本編では説明されないであろうジムリーダーの存在意義。


ジムリーダーは基本的にみんな強いです。
ジムトレーナーも基本的に一般トレーナーよりも強い。
もし、ジムが暴動を起こしたら警察では止められない程に強いです。

これは警察が弱いとかいう意味ではなく、性質の違いであり、
警察は基本的に事件を解決するためにあります。
そして、ジムが存在する本当の理由は都市の自衛手段のために存在します。
まあ、ジムは都市の持つ武力ではなく公共の組織なので、言うほど物騒ではないと思う。

そもそも、ジムが武力的な意味で動くのは野生のポケモンに対してです。
ポケモンは危険な生物であり、
なんらかの理由で都市に入り込んだ際にジムが動きます。

まあ、数匹程度でしたら警察でも対処できますが、
群れともなると、それ専用の組織じゃないと対処に苦しみますので。

ジムトレーナーは市民を守るという存在に憧れてなる方が多いです。
もちろん、ポケモンバトルが好きだという理由の人もいますが。

あと、ジムは公共の割に結構軽いしね。

これはハナダジムでの話ですが、ジムトレーナーの海パン野郎が
「ちょっとポケモンリーグで優勝してくる」って言うと、
カスミが「無理よ、私が優勝するから」って言うくらい軽いです。

ポケモン協会も結構適当な組織でして、
適当にポケモンやジムに関する理由を書いた資料を提出すれば、大体通ります。
外出し放題です。
流石にサカキ様くらいになると恒例行事として咎められてますが。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/18(金) 22:51:32.01 ID:C6Af7YAO<>>>628
ストーリー重視のポケモンなんて、ポケモンじゃないよ!

>>630
どうして、シゲルはアニメだと
ポケモンリーグといい、ミュウツーの逆襲といい、噛ませになるん?<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/18(金) 22:59:18.90 ID:C6Af7YAO<>そして、ポケモンモノクロの発売を今日知りました。
次の悪の組織が楽しみだぜ!

以上、生存報告です<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/19(土) 09:22:16.33 ID:cdfHwUDO<>支援
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/19(土) 16:52:30.98 ID:cdfHwUDO<>こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/20(日) 10:06:29.58 ID:R6VN9IDO<>保守
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/21(月) 09:56:33.14 ID:2qAmdgAO<>
フジ老人「君は炎タイプのスペシャリスト」

フジ老人は人差し指でカツラを指す。

フジ老人「私のポケモンは水タイプ」

次に自身を親指で示す。
そのまま、小さな老体で目一杯胸を張り、大きく見せるように両手を広げた。

フジ老体「そして、ここは海岸だぁっ!」

海岸にフジ老人の高笑いが響き渡る。
広大な海を背にする老体はあまりに小さく見える。
しかし、それゆえに海の大きさが、偉大さが一層に見栄えた。

フジ老人「
 ポケモン同士のタイプ差は炎対水・岩で、オムスターの攻撃は二倍。
 ウィンディの攻撃は四分の一。
 つまり、私達の間には既に八倍のハンデがある」

フジ老人が親指を立てる、同時に海が唸りをあげる。

フジ老人「
 そして、忘れちゃいけないのがこのフィールド!
 私達の間にはァーっ!」

オムスターを中心に海が盛り上がる。
先程の唸りの正体はあれが原因か。
おそらく、次に来る技は海と言う場を最大限に生かすことの出来る技。

フジ老人「百倍の差があるんだなぁっ!」

海に出来る小さな山。
その頂点に居るのはオムスター。

フジ老人は立てた親指を下に向ける。
同時に山の中心から噴火したかの様に水柱が立ち上り、
ウィンディに襲いかかる。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/21(月) 10:07:41.43 ID:2qAmdgAO<>
カツラ「百倍?」

ははっ、たかが百倍で自身の勝利が揺るがないとでも?
歳で頭がボケましたかね、フジ老人。
勘違いしちゃいけない、計算を間違えていますよ。

カツラ「百倍のハンデで、やっと同等になれたんですよ、フジ博士ェッ!」

フジ老人「あっはっはっ、ほざけぇいっ!」

ウィンディに指示を出す。

回避するなと。
真正面から、受けてたってやれと。

ウィンディは尻尾を振って快諾する。
まさか、回避しろとは言うまいな? と心配してたかのように。

そして、ここから繰り出す技はウィンディの持つ最強の技。
炎タイプの最強の一角に位置する技で向かえ討ってくれる。

カツラ「『大文字』っ!」

フジ老人「『波乗り』だぁっ!」

ウィンディの口から超高密度で特大の炎弾が放たれる。
その赤黒い炎の塊はまるで小規模の太陽だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/21(月) 10:23:29.79 ID:2qAmdgAO<>
カツラ「アーハッハッハッハッ!」

フジ老人「クハハハハハハハッ!」

笑いが止まらない、それは相手も同じ様だ。

放たれた炎弾は水柱に接触。
同時に弾ける。

相手を飲み込む様に五方向に広がる火柱、その大きさといい、正に『大文字』。

炎弾は水柱に接触しても衰えることはなく、逆にその勢いは増していく。
白い煙が立ち上る。

水柱は削られるかの様に炎弾に接触した部分から蒸発してゆく。

止まらない、止めることなど出来るはずがない。
そのまま、炎弾は相手の全てを飲み込み、上空遥か彼方へと飛んで消えた。

カツラ「当たらなければ、どうということはないな」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/21(月) 10:26:06.82 ID:2qAmdgAO<>中断<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/21(月) 16:42:59.80 ID:4o/K96DO<>中断
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/22(火) 06:04:45.94 ID:wUfXAUAO<>別によまなくてもいい話

『ポケモン大好きクラブvol.3』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて。


タケシ。我慢強さに定評のあるニビジムリーダー。
細く鋭い眼光で相手を観察し、岩の様に揺るがない心で耐え忍び、
相手の僅かな隙を突く、積み重ねを主に置いた戦術を得意とする。

しかし、その戦術故に戦いが地味になりがちであり派手さはない。
そのせいか、カントージムリーダーでの人気は一番低い扱いを受けている。
しかし、実力は本物で玄人からは根強い支持があり、
トレーナーにカントーのジムリーダーで強いのは誰かと聞けば、必ず上位に食い込む。

パーティーのエースはイワーク。
でかい図体ながら、決して力押しをする訳ではない。
状況に合わせて的確に技を自己判断によって繰り出すことができ、
また、器用に素早く、身体を使いこなす。
でかいから、鈍重なんて誰が決めた!
素早いだけじゃ、このイワークを翻弄することはできない。
動ける超重量級!

あのイワークを前にした時の恐怖。三日は夢に出るほどだ。


著者、未来のチャンピオン見届け人<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/22(火) 06:26:24.55 ID:wUfXAUAO<>別によまなくてもいい話

『ポケモン大好きクラブvol.4』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて。


おてんば人魚の異名を持つカスミ。
強気な性格で待つことは苦手、攻める時は攻める。
攻められた時は攻めて流れを引き寄せる。
攻めて攻めて攻めまくる。
戦術がハマった時のその爆発力はカントー随一だ。

攻めると言っても、彼女は決して守りが苦手な訳じゃない。
前述したように待つのが苦手なだけだ。
彼女の相手の攻撃をいなして反撃する能力は高い。
また、常に攻めを意識した姿勢は相手に息をつく暇も与えない。

カスミ相手に一度、守りに入ったら、攻めに戻るのは難しい。
カスミの怒涛の攻めにはインターバルは無い。
並のトレーナーじゃ、最後まで攻められ押し切られるのが関の山だ。

そんなカスミのパーティーのエースはスターミー。

『バブル光線』、『スピードスター』と言った、弾幕を張れ、連射性能に優れた技で畳み掛ける。
スターミーの十八番である『自己再生』は主にスタミナ回復に使われる。

それが息をつかせないカスミの怒涛の攻めの源となっている。

スターミーと戦う時にタオルの準備を忘れるなよ?
あのラッシュから逃れる術はそれだけかもしれないからな。


著者、未来のチャンピオン見届け人<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/22(火) 10:57:48.81 ID:wUfXAUAO<>『ポケモン大好きクラブvol.5』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて


戦場帰りのジムリーダー、マチス!
刺激的な男は扱うポケモンも刺激的な電気タイプだ。

彼の長所はなんといっても、戦場で鍛えた情報収集能力。
1対1なんて方が稀な戦場で生き抜いた彼に死角はない。
複数が相手でも瞬時に敵と味方の状況、位置関係を把握し、
また、フィールドに置ける障害物や地形を戦いの場に置いて頭に叩き込む。

その情報から繰り出されるバトルは正に縦横無尽。
フィールドに置ける環境の全てがマチスの味方をする!

なんでもありなら、彼が正しく最強!
ポケモンバトルは所詮スポーツ、本当の戦いが彼にはある!

そんなマチスの相棒は共に戦場を生き抜いたライチュウ。
マチスのライチュウは攻撃は勿論、あらゆる形で電撃を放つ。

モノレールの要領で減速抜きにフィールドを駆け回り、
『電磁波』の応用で固有の結界を作り、索敵を行う。

ライチュウの持つ、電圧『10万ボルト』の応用力は無限大だ!

だが、絶縁体だけは勘弁なっ!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/22(火) 12:44:26.55 ID:wUfXAUAO<>『ポケモン大好きクラブvol.6』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて


このコーナーもこれで四回目。
今回はみんな、お待ちかねのタマムシジムリーダー、エリカだ!
エリカはみんなご存知、草タイプの使い手。
ポケモンにも本人にも華があるが、それはバトルに置いても同様だ。
蝶の様に舞い、蜂の様に刺すを体言した戦術。

並の相手ならば、この流れる様な動きを捕らえる叶わないだろう。
また、その動きは舞踊の様であり、見る者は勿論、対戦相手すらも魅了にする。

我に返った時には勝負は決まっている。
毒、麻痺、睡眠と状態異常にかかり、身動きの取れない状況になっているだろう。

綺麗な花には刺あるように、美しい花にもまた毒がある。
見るだけならまだしも、触れてしまったのだから仕方ないだろう。

そんな、エリカのパートナーはキレイハナ。
最近、発見された新種のポケモンだ。

見た目は可愛いが、その裏には毒がある。
正にエリカの戦術に見事に一致したポケモンだ。

新種故に情報は乏しいが私から言えることは外見に惑わされるなってことだな。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/23(水) 15:51:04.59 ID:A80eREDO<>支援
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/24(木) 23:30:38.78 ID:RjnkwAAO<>『ポケモン大好きクラブvol.7』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて


忍者の末裔で有名なセキチクジムリーダー、キョウ。
400年以上の伝統を持つ毒タイプの使い手だ。

エリカも状態異常のスペシャリストだが、
キョウはその中でも毒に特化しており、その強力さは
エリカの毒の比にならない。

一度、まともに喰らえば致命傷。
掠っただけでも毒は回り、一滴触れただけでも痺れるという。

また、その毒も真正面から当てに来る訳じゃない、
「怪しい光」、「煙幕」、「影分身」と身を隠す技、相手を惑わす技と
どれもが超一流のレベルで扱われる。

また、他のジムリーダーにも言えることだが、
キョウ自身、毒が得意と言うだけであり、苦手がある訳じゃない。
特にキョウの場合は攻守のバランスが良く、
全てにおいて、高レベルだ。

あまり毒ばかりに集中していると、そのまま、押し切られるぞ。
かといって、毒を貰ってもおしまいだけどな!

キョウの相棒はベトベトン。
見かけによらず、小技を得意とし、
隙あらば、どこからでも毒を浴びせることの出来るポケモンだ。

また、体力や防御力が非常に高い。
スタミナなんか化け物レベルだ。
長期戦になればなるほど、その差は歴然と現れ、
相手の体力の集中力が切れたところで、得意の毒で刈り取られる。

だからといって、勝負を焦るなよ。
ベトベトンは液状だ。
そして、耐久力が高い。

つまり、肉を切らせて毒を浴びせるってのが容易に出来ちまう奴でもあるのさ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/25(金) 00:30:37.24 ID:JIz1c.AO<>『ポケモン大好きクラブvol.8』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて


現在、カントーの最強のジムリーダーは二つの説がある。
それは世代によって真っ二つに分かれ、30歳以降の世代は、サカキを上げる。
そして、20代以下の比較的若い世代は、ヤマブキジムリーダー、ナツメをあげる。

ナツメは5歳の時に持ったスプーンが曲がったのをきっかけに覚醒した超能力者と言われる。
事実、ナツメはポケモンバトルの時、相手の行動が分かっているかの様な行動をとる。

それは心を読んだのか、未来を覗いたのか分からない。
もしかしたら、実際には超能力なんてなく、
勘や読みによるものかもしれない。

だが、少なくとも彼女には次に何が起こるのか分かるということは確かだ。

また、それを抜きに彼女は強い。
類い稀なる才能の持ち主でもあり、腕はジムリーダーの中でもトップレベルだ。

彼女に弱点はあるかだって?
少なくとも、私には分からないな。


そんな、ナツメが一番信頼に置いているのはフーディンだ。

フーディンの超能力は強力で相手の動きを封じ、一方的な攻撃を可能にする。

本来、超能力とはかなりの集中力を必要とする。
そのため、エスパータイプのポケモンと戦う時はいかに集中力を乱し、
動き回って、相手の意識を散らすのが常套手段であるが、
ナツメのフーディンには生半可な戦略なんて意味を成さないだろう。

ナツメのフーディンの集中力は他のポケモンと一線を画す、
精神的にもタフネスであり、安易な策では崩すのは難しい。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/25(金) 08:57:49.81 ID:JIz1c.AO<>『ポケモン大好きクラブvol.9』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて


熱血クイズ親父の名を欲しいままにする炎使い、カツラ。
クイズ好きと言われる程、おばあちゃんの知恵袋から、
最先端のポケモン学まで豊富な知識を持っている。
しかし、だからと言って彼は決してインテリなんかじゃない。

熱血を冠するのはクイズに関わるからじゃない。
彼の思想が熱血としか表せないからだ。

相手の戦術を真正面から力任せに打ち砕く姿。
そこに小細工も戦術もない。
あるのは大火力のみだ。

彼の戦いは何時だって、派手で華がある。
そんな彼の戦闘スタイルに誰もが一度は憧れたことがあるはずだ。

そんな炎の熱血親父に相応しい相棒がウィンディだ。
ウィンディの思考はカツラ以上に彼は熱い魂で震えている。

ポケモンリーグでは四天王カンナのラプラスを前に、
足を広げて向かい討つというシーンがあった。

同タイプのポケモン相手だと、小細工無しに火炎放射を浴びせ、
「炎で力比べをしようぜ」と言わんばかりに相手を煽る。

そんな、カツラとウィンディのポケモンリーグでの戦いはいつも、満席だ。
ポケモンバトルの人気だけなら、ワタルを抜く!
彼ら無しでは、もうポケモンリーグは語れない!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/25(金) 09:15:52.51 ID:JIz1c.AO<>『ポケモン大好きクラブvol.10』より抜擢。

カントーのジムリーダーについて


最年少ポケモンリーグ決勝進出者。
この記録は20年間、ワタルが現れるまで肩を並べるものは居なかった。

そして、唯一、彼ならばワタルに勝てるかもしれないと言われる最強のジムリーダー。
トキワジムのサカキ、土タイプの使い手と言われている。

とはいえ、情報は少ない。
大会出場の経歴はポケモンリーグに出場した二回だけだ。

一つは最初のポケモンリーグ、この時、サカキは12歳だ。
そして、三位という戦績を残している。
二回目はそれから10年後。
ジムリーダーになった年にポケモンリーグの優勝を果たしている。

しかし、この時のサカキのエースはペルシアンで得意とされる土タイプじゃない。
また、スピアーもパーティーにいれてあった。

たまに行われるジム戦も本気で戦ったことは無く、
協会規定のポケモンしか使用しない。

そんな、彼について私が語れることは少ない。
しかし、当時のポケモンリーグを知るほとんどの人間が、
20年過ぎた今もなお、彼が最強のジムリーダーと信じているということだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/25(金) 09:18:33.98 ID:JIz1c.AO<>よし、書ききった。

これから、ジムリーダーが出てくる機会が多くなると思いますが、
ストーリーに関係ない設定なので一々説明しません。

なので、各ジムリーダーがどんな感じなのか気になる人だけ読んでください
別に読まなくてもストーリーは楽しめると思います<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/27(日) 21:30:39.13 ID:8FQMcUDO<>中断<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/28(月) 12:41:32.59 ID:aias0cDO<>中断<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/29(火) 05:46:42.15 ID:Er9f.ok0<>
蒸発しきった水の中から砂浜に落ちる、身を焦がしたオムスター。
瀕死に近いダメージを与えた様でピクリとも動かない。
もしかしたら、命を落としているかもしれないな。

ウィンディ「ウオオオオオオオオンッ!!」

勝利を確信したウィンディが雄叫びを上げる。
自分の力を誇示するかのように。

相変わらず、我が強い相棒だ。
ここまで私に似ることはないだろうに

フジ老人「チィッ……やはり、勝機は薄いようだなぁ」

カツラ「全盛期のあなたならば、勝負は分からなかったですよ」

フジ老人「そりゃ、買いかぶりすぎだなぁ……30年前でも、君を上回ることはないさ」

フジ老人はオムスターをボールにしまい、代わりのモンスターボールを手に取った。
中身はプテラだろうか。今のフジ老人にプテラ以上のポケモンはいないはずだ。
あくまで、ロケット団に所属していた時の情報によるとだが。

フジ老人「私はポケモンバトルについてはそれほど、強くはないさ」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/29(火) 05:48:15.12 ID:Er9f.ok0<>
フジ老人「
 どんどん、若者達が追い越していく。
 最初の内は負けてられるかと張り合ったもんさ。
 だが、30年前のあの時点で、既に私は40歳だ」

悲壮な声とは裏腹に表情は至って穏やかに見える。
それは見栄なのか、何か裏があるのか。

フジ老人「
 もう、伸びしろは無かったのさ。
 若者が増えるだけ、私の成績は落ちていく。
 限界に気づいた時、本当の意味で成長がなくなった。
 所詮、私はポケモントレーナーとしては凡人だったってことなんだなぁ」

フジ博士は空を見上げた。
口元は笑っている、微笑といったものではない。

微笑と例えるにはあまりにも、口元が釣り上がりすぎている。
目は私を見下している、まるで勝ち誇ってるかのように。

カツラ「ウィンディっ!」

何かある、感じたと同時に指示を出す。
ウィンディは何も言わず、駆け出す。初速最高速度。『神速』だ。

だが、この距離……届くか!?<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/29(火) 05:49:15.15 ID:Er9f.ok0<>
フジ老人「ククク、相変わらず若いなぁっ!!」

手に握られたボールは開く。
同時に技が発動。

フジ老人とボールから出たポケモンの体が光になって、削られていく。
あの技は……

カツラ「くっ、流石師匠と言ったところ!」

フジ老人「
 実力で劣っていることは認めるが、負けは認められないなぁっ!
 私は極度の負けず嫌いなんだ!!」

ボールの中から取り出されたポケモンはケーシィ。
今、発動している技は『テレポート』。

フジ老人「もう二度と会わないことを祈るよ」

フジ老人が手を上げると同時に光となった体はその場から消え去った。
転送されたのだろう。

問題は何処に転送されたかだ。
そんなの決まっている。 研究所だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/29(火) 05:49:36.27 ID:Er9f.ok0<>
したっぱA「師匠!」

背後から、弟子の声。
私にはやらなくてはいけないことができた。

しかし、ロケット団の召集にも応じる必要がある。
私が呼ばれるということは、それだけ大きいということ。

内容は分かっている。シルフカンパニーについてのことだろう。

カツラ「君は先に本島に行き、連絡を頼む」

ウィンディをボールにしまい、ギャロップを取り出す。
そして、上にまたがる。一刻も早く戻らなければいけない。

したっぱA「えっ? 師匠は飛行タイプのポケモンも水タイプのポケモンも持ってないだろ?」

師匠に対して、この言葉使い。
後で教育する必要があるな。

カツラ「なんとかする! だから、君だけでも先に行っていてくれ!」

それだけを伝えて、横腹を蹴って駆けさせる。
瞬間速度ならばウィンディの方が早いが、持続力を考えるとギャロップの方が早い。

したっぱA「師匠っ!!」

背後から、声が聞こえるが気にしている暇はない。
なぁに、彼ならば一人でもなんとかできるさ。
短い間とはいえ私が鍛えたのだからな。

今、集中すべきは研究の方だ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/29(火) 05:59:09.39 ID:Er9f.ok0<>
    @    @    @    @    @

フジ老人「いやはや、勝てると思ったのだが……流石、私の弟子だなぁ」

ポケモン屋敷の地下にある研究所の一室にて身を隠す。
最初から、テレポートで侵入するつもりだったが、
愛弟子の姿を見た時、衝動が抑えられなくなった。

元より、あそこでカツラを倒すことができれば、この作戦は成功したも同然という意味もあり、
地形といい、相性といい、勝算はあると思いバトルを仕掛けてはみたが、
結果はこの通り、惨敗だ。

いやはや、私もまだまだ若い。

このバトルでカツラはすぐに研究所に引き換えしてくるだろう。
その前になんとか、やることをやらなくてはいけない。

目的は私の研究。『M2計画』の中枢の担うポケモン。
ミュウツー。ミュウを素体にした、現状で最強の遺伝子ポケモン。

どうにかして、ミュウツーをロケット団の手に入らないようにしなくてはいけない。
『M2計画』はミュウツーが居なければ、頓挫してしまう計画だ。

ミュウツーは最強のポケモンだ。だが、本当に怖いのはミュウツーじゃない。
『M2計画』は第一段階だ。だから、『M2計画』の内に終わらせる必要がある。
じゃないと、世界が変わってしまう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/29(火) 06:16:59.89 ID:Er9f.ok0<>
    @    @    @    @    @

ここ、セキチクシティ。
サファリパークで一躍有名になった都市だ。

そのせいか、観光としての性質が強い都市になっており、
至るところにお土産屋が立ち並んでいる。

もし、Aがいたならば、木刀を購入していただろう。

したっぱB「久々ですね、私たちが一緒になるのも」

したっぱ「そうだな」

今、この場にいるのは二人。自分としたっぱBだ。
あれから分かれたまま、連絡を取れなかったが、無事にやっていたようだ。

したっぱB「そろそろ行きましょうか」

したっぱ「そうだな」

交わす言葉は少ない。
今回は任務でこのセキチクシティに来た。
そして、互いにその任務の重要性を理解しているが故に無駄な言葉が出ない。
正直、荷が重すぎる任務だ。

それに、わざわざ言葉を交わす必要も無いだろう。
しばらくの間離れていても、案外、分かるものだ。
互いに何があったのか、どれだけ苦労をしてきたのかくらいは。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/06/29(火) 06:17:43.15 ID:Er9f.ok0<>中断します。 物語は加速していく。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/06/29(火) 11:32:48.63 ID:9GERdgAO<>おもしろい!
したっぱAに木刀wwwwww似合うwwww<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/06/29(火) 15:48:28.53 ID:76h4IsDO<>中断<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/06/30(水) 08:08:35.07 ID:U.m0NwDO<>中断<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/08(木) 21:40:00.35 ID:iFJHhUAO<>
少し時を戻す。
今から三日前、ポケモンタワーの事件から一週間程後の話になる。

特に重要な任務に付くこともなく、訓練を続ける日々。
アテナ様からは「飽きないねぇ」と呆れられたりするが、実戦で一度も役に立ってない。
ロケット団のためと言いながら、いざというときに何も出来ないのが嫌だ。

最初はただ、強くなりたかった。
サカキ様のために、ロケット団のために。
単純な理由だ。

こう言ってはなんだか、今の自分の実力は四幹部を継ぐ実力があると思う。
周りから見れば、十分に貢献出来ているかもしれない。

だが、結果は伴っていない。
他よりも強いだけじゃ意味がない。
行動するだけでは意味がない。

何かのためになるということは、役に立つということ。

そういう意味では自分はまだまだ役立たずの域を出ていない。
まだ、自分が役に立つには実力が不足している。

相手が悪いや状況が悪いは言い訳にもならない。
結果が出なければ、役立たずなのだから。

だから、自分は努力する。
次は必ず、役に立てる様に<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/08(木) 21:54:42.58 ID:iFJHhUAO<>
この日も訓練を続けていた。
最近では訓練相手が捕まらず、一人での訓練が多い。

アテナ様に頼もうかと思うが、あの方は忙しい身で易々と頼めるものじゃない。
そもそも、自分の身分で訓練相手をお願いします等、分不相応にも程がある。

しかし、この日はアテナ様が珍しく、訓練室の中までやって来てくれた。
もしかして、相手をしてくれるのではと思ったが違う様だ。

だが、落胆はしなかった。

「頼みたい仕事がある」

役に立てるチャンスが再び来たのだから。

任務の内容はセキチクジムリーダー、キョウの拉致。
又は、キョウの無力化。

明らかに格上の相手。
達成することは難しいだろう。

しかし、自分ならば出来ると言った組織の期待に報いるために行かなくてはならない。
元より、自分には拒否権はない。

魂はサカキ様に捧げており、肉体はロケット団のために行使する。
自分は全力を注ぐだけだ。

それに一人じゃないらしく、ランス様のところから優秀な人が来ると聞く。
なぁに、決して不可能な任務ではないだろう。

手段を問わなければ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/08(木) 22:22:08.45 ID:iFJHhUAO<>
   @      @     @     @     @

先祖代々より伝わりし400年の歴史。
とはいえ、現代の戦争の無い平和な世の中において忍者の存在価値はほとんど無い。

それゆえに仕事も減って行き、一族の未来は危ぶまれていた。
基本的に存在を隠すことを主流としていたこともあり、
裏の世界からも存在は忘れられていっていた。

ついには表の世界の生活を選ぶ者が次々に出てきた。

我が代では忍者であることを隠すのをやめ、
忍者の技術はポケモンバトルに生かすことにより生きながらえている。

仕方なかった、こうする他に一族を存続させることは出来なかった。

結果としては成功だろう。
世の中の流れに乗った忍者として、生きている。

また、ジムリーダーということは弟子等も増えるということであり、
なんとか滅亡寸前だった一族を立て直すことは出来たと思う。

まあ、スポーツ感覚で学びに来る者が多く、
そもそも、忍ばない忍者とは如何なものかと思ったりと、
明らかに昔と変わり果てた姿ではあるが、
これが時代の流れというものだろう。

現代に必要の無い危険な技も教えたりはしない。
御先祖様達が400年受け継いだ技を自分で潰やす気も無いため、
誰にも教えないという訳でないが、少なくとも極少数の限られた者のみになるだろう。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/08(木) 22:22:36.94 ID:iFJHhUAO<>中断<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/09(金) 08:19:14.08 ID:8M5XxcAO<>俺「VIPにエリカのメイドスレがあると聞いて、パー速から来ました」

俺「dat落ちだと……」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/09(金) 08:37:38.56 ID:8M5XxcAO<>COOLになるんだ、俺。
まだ、慌てる様な時間じゃない。

そもそも、考えてみろ。
エリカにメイド服が似合うと思うか?
いいや、似合わないだろう。

エリカは大和撫子を体言したような方。
和服こそが似合う女性。
ポケモン界、肉じゃが が似合う女性No.1(俺調べ)じゃないか。

きっと、作られた肉じゃがは薄味で素材を生かす味なんだ。
そのことをエリカも自覚していて、醤油も一緒に用意してくれたりするんだよ。

だが、ちょっと待って欲しい。

今、思わず、メイドにこだわってしまったが、
メイドを和風な言い方をすると使用人となるんじゃないか?
エリカにそんな肩書きが似合うだろうか、いいや似合わない。

どっちかというと当主とか女将の方が似合うんじゃないか?
つまり、どちらかと言うならば、俺が使用人になるべきだろう。
つまり、肉じゃがを作るべきは俺であって……

庭の手入れをしている時に繕う様に微笑んでくれたりして、
それを糧に今日も頑張るぞーって、元気を貰うようなのが理想ではないだろうか?

ちょっとタマムシジム行ってくる。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/07/09(金) 09:51:40.14 ID:u.BnKAAO<>ちょwwwwwwww
しかし全文同意<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/12(月) 10:19:06.02 ID:RHHlvEAO<>
???「ちちうえ〜!」

幼い声に目を開く。
見慣れた風景が広がる。

ここは武家屋敷、我が家の自室。
一人で使うには少々広い部屋だ。

当然の様に床は畳であり、部屋の隅には鉢が頃がっており、
壁の一面を大きな箪笥が覆っている。

中身は忍者の小道具や茶器、服、菓子等々……全般的に使っている。
箪笥の反対側には障子があり、外の眩しい光を和紙を通し、
柔らかな光となり、部屋を暖かく包み混んでいる。

また、目の前にかけられた掛け軸には達筆な文字が書かれており、
その下には刀が飾られている。

別に掛け軸をめくれば、隠し部屋といった仕掛けはない。
畳をめくっても、何も無い。

この屋敷は元々、忍者屋敷として作られていない。
そもそも、忍者屋敷として作られたとしても、一歩間違えば我が身が危うくなるような仕掛けなんぞ仕掛けない。

???「ちちうえっ!」

障子が勢いよく左右に割れる。
奥に現れたのは、地面を白い石で敷き詰められた庭。
所々に松が植えられており、庭の中心には池が添えてある。
池の中にはコイキングが泳いでおり、時折、『跳ねる』を使って水面へと顔を出す。

そして、その庭の少し手前。
丁度、縁側に位置する所に小さな女子。
娘のアンズが笑顔で息を切らせていた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/12(月) 10:25:07.33 ID:RHHlvEAO<>中断<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/15(木) 18:55:19.65 ID:x2ERWUAO<>シルフカンパニー早く書きたい<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 19:18:11.22 ID:QNuVnYAO<>現在、続きを書く気が起きないのですが、
少しだべりたいので、だべらせてもらいます<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 19:31:07.97 ID:QNuVnYAO<>いや、まあ自分はロケット団の下っ端をやらせてもらってるんですけどね。
広報課なんだけど。

最近、不穏な空気がすっげぇするのよ。
というか、四幹部の機嫌が頗る悪い訳。
んで、変な噂が流れてて、赤色の少年に四幹部が倒されたとか、
サカキ様がやられたとか、そんな噂が立っているのよ。

もう、バナナとね。アポカドね。
いやはや、有り得ない有り得ない。
自分はこう言っちゃなんだけど、他の下っ端よりも教養あるのよ。
ポケモン250匹言えるし、タイプも分かるし。
グレンジムのクイズなんて余裕よ余裕。

えっ、400匹? そんな増えるなんて有り得ない有り得ない。
どんだけ、新種が増えるってんだw

まあ、そんな話は置いておきね。
サカキ様って言ったらあれよ? 天下のトキワジムのリーダーよ。
トキワジムとか、あんな田舎wwwとか思った奴は表出ろ。
トキワジムと言ったら、最強のジムリーダーで有名なの知らないの?

そもそも、サカキ様はポケモンリーグ優勝者でもあるわけ。
つまり、全国で一番強いポケモントレーナーになったことがあるのよ。

分かる? 君、この意味分かる?
つまり、負けるなんて有り得ない。
まあ、そんな身も蓋も無い噂にあわてふためく時間があるなら、さっさと仕事をしろってこった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 19:44:14.07 ID:QNuVnYAO<>
んで、その話とは別に悩みの種があるんだけどさ。
例の研究者達のこと。

あいつら、最近、迷走に迷走を重ねててさ。
何をトチ狂ったのか、手裏剣にボールをくっつけたり、ヌンチャクにボールをくっつけたり、挙げ句には釣竿にまで付ける始末。

もう、笑うしかないwww

手裏剣で遠くまでボールを投げることが出来るという発想はまだ分かる。
百歩くらい譲ってやろう。

でも、ヌンチャクってwww
ヌンチャクの先端にボールを付けるとかwww

流石にねーよ。

まあ、一応、使わせて貰ったんだけどさ。
いや、決して使ってみたかったとか、ブルース・リーの真似がしたかった訳じゃないよ?
何事も使う前から決め付けるのは良くないと思ってね。

それで、実際に振り回そうとしたんだけど……振れなかった。
というか、あまりの重さに落っことしちゃったのよ。

ズシンって感じじゃなかった。
なんか、ドンッて感じで。
地面にヒビが入ってた。

開発者曰く、重りは格闘家としての正装だと。
実はハンデを背負っていたのだってのがセオリーだと。

いやいや、待て待て……
ロケット団に純粋な格闘家はいない。

ちなみにセキエイ高原から、注文が一つ来てるんだとか。
誰だよ、その筋肉馬鹿は。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 19:58:05.19 ID:QNuVnYAO<>
んで、最後は釣竿。

なんだよ、これ。
糸の先端をボールに変えただけの粗末なものは。

何処の森の川辺りでのんびりと釣りをしている、でかい麦藁帽子を被った少女が思い付きそうな発想だよ。

釣るのか? これでポケモンを釣るのか?

ポケモンって弱らせないと捕まらないよね。
それとも、コイキングでも釣って大漁旗を上げるつもりなの?

開発者に聞いてみたら、チッチッチッて舌を鳴らしながら、人差し指を左右に振るわけ。
正直、うぜぇ。

んで、殴りたい気持ちを抑えつつ、理由を聞いてやるとさ。
この糸で自在に操り、ボールを好きな方向へうんたらかんたら。
スポーツとポケモンを組み合わせた、全く新しい道具とかほざいてるのよ。
ははは、何を言ってやがるんだ。この天才を通り抜けた馬鹿は。

それなら、ビリヤードとポケモンを組み合わせて見るのも面白そうですよねーって言ってやったんだ。
精一杯の皮肉と嘲笑の意味を交えてね。

俺の罵倒にあまりのショックを受けたのか、口をポカンとして開けている訳。
やっと、目を覚ましたかと思って、馬鹿な事を言ってる暇があったら、さっさと仕事に取り掛かれって告げてやった。
驚く程、従順に従ってくれたね。
うんうん、元々はやる気はある奴らなんだ。
ただ、努力の使い道を間違えていただけなのさ。

んで、それから数日後。

ビリヤードのスティックを差し出されました。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 20:07:26.40 ID:QNuVnYAO<>
もう、アホかとね。バカかとね。

あまりの衝撃的な出来事にその場で膝を付き、号泣したよ。
開発者は肩を叩いて励げましてくれたんだ。
仕事を終えた漢みたいな生き生きとした表情で、黙って頷いてくれたよ。

そして、親指を立てるんだ。
私、やりましたよってね。

もう、頼むから黙っててくれ。
そもそも、ビリヤードは卓上でやるスポーツだ。
どうやって投げるよりも、効率良く打ち出すんだよ。

あとビリヤードの棒の名称はスティックじゃなく、キューだ。
素で間違えたよ、馬鹿野郎。

んで、どうせ打ち出すなら、バズーカランチャーでも作って来いって言ったんだよ。

数日後、作って来たよ。まじで。

うちの開発陣を舐めてた。
しかも、これ素で使えそうだよ。
重いけど。

クチバジムから、注文まで来ちゃったし。
なんか、この時ばかりは世界制服を本気で狙える気がしたね。


以上で話は終わりさ
ロケット団も捨てたもんじゃないな<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 20:35:21.84 ID:QNuVnYAO<>
そういえば、余談なんだけどさ。

ボールを撃ち出すバズーカランチャーがさ、クチバジムに売れたって言ったじゃない。
だから、自分が届けに行くことになったのよ。

広報課は暇だからってさ。
まあ、基本的に仕事ないけどさ。
というか、広報課と宣伝課を自分、間違って使ってないか?
そもそも、課じゃなくて部と言うべきか?
まあ、ロケット団は適当だし仕方ないね。

そもそも、どうして、マフィアに宣伝課だか広報課やらがあるんだよ。
何を宣伝するんだよ、商品か? 商品なのか?

なんか、もう企業した方が良いんじゃないか?
ちなみに経理課に言わせると、ロケット団の収入の50くらいがゲームコーナー。
45が商品による売上で、残りは色々。
もう、マフィアである必要ねーじゃねぇか、この組織。
何がしたいんだよ、ロケット団は。

まあ、良いんだけどさ。

んで、クチバジムのお話に戻す。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 20:49:21.07 ID:QNuVnYAO<>
クチバのジムリーダーってさ、警戒心強くてさ。
これは有名な話なんだけど、引きこもってるのよ。
ヒッキーなのよ、軍人ヒッキー。

だから、会ってくれない訳。
つまり、料金も払ってくれない訳。
んで、会いたければスイッチを探せとかなんとか。

なんで、遠路遥々と注文の品を届けに来たのに、こんなゴミ漁りという屈辱を味あわなきゃいけないんだよ。
探すけどね! 探さないと減給になる可能性があるんだよ。
受け取り拒否とか許さないから、ロケット団はマフィア組織。
契約は義理人情よりも重い。
しっかりと果たして貰わないと血が流れることになる。

主に俺の減給という形で。
お客様は神様なんだよ、バッキャローが。

さて、スイッチを探しているとさ、ジムトレーナーが商品に興味を持った訳。
これは何に使う道具かってね。

でも、俺、口下手でさ。上手く説明できないのよ。
だから、実演をしてあげることになったんだ。

やり方は簡単、普通のボール……この頃がっているのでいいか。
特別なボールを使う必要はなく、シルフカンパニー社製のボールに対応しています。
そして、扱いも至って簡単、面倒な動作はいらない。

ここにボールを入れて、狙いを付けて……あの忌ま忌ましい扉でいいか。
後は引き金を引くだけで、この通り。

狙った獲物はこのように木っ端みじんに……えっ?

いやぁ、びっくりした。
爆発オチにもびっくりしたが、何よりもシルフカンパニー社製のボールだけじゃなく、
ビリリダマにも対応しているとは思わなかった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 21:02:23.74 ID:QNuVnYAO<>
まあ、その後、ジムトレーナーからも注文が増えて、
マチスからも、ちゃんとお金を頂くことができた。

今回の営業は大成功と言ったところだろう。
……俺、営業じゃねぇよ。

まあ、それから数日後。

クチバジムから手紙が届いたんだ。
そこにはあれから毎日の様に使わせて貰ってますと、感謝の文章が添えられていたよ。
ついでに、一つ使えなくなってしまったのがあるから、見て欲しいという話も。

ロケット団はアフターサービスもしっかりしています。
三年以内ならば、事故による破損の場合は無償。
事故じゃない場合でも、いつもの半額で対応させて貰います。

そして、追記でこんな要望も書かれてたんだ。

「最近、ボスの扉が強固になりビリリダマの火力では破壊できません。
 よろしければ、マルマイン用のをオーダーすることは出来ませんでしょうか」

この手紙は開発の所に使用者による参考資料として回しておいた。
もちろん、追記の部分は消してから。

数日後、何故か消した部分が綺麗に再現されて、
前回よりもでかいロケットランチャーが作られてたけど。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/07/16(金) 21:02:51.04 ID:QNuVnYAO<>以上<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/07/16(金) 23:43:10.45 ID:KwQSL3Mo<>よーし俺はこのゴローニャを…<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/07/23(金) 09:22:54.61 ID:q0eud2SO<>ドガース詰めよ、ドガース<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/07/28(水) 13:51:12.49 ID:IkMhzsAO<>期待age<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 11:39:18.32 ID:w83yhpA0<>隊長、そろそろ創作板に移住したいです……という訳で今日一日で480KBまで埋め立てる。
流石にこの量になると創作しつつは無理なので雑談します<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 11:46:17.39 ID:w83yhpA0<>最近自分、TRPGというものにハマっていてですね、TRPG。
まあ、自分卓囲む相手なんていないですから、一人でサイコロをころころと……って訳じゃなくて、
やる相手がいないのは事実だけどね……

まあ、ニコ動で適当にADV風にまとめられているのがあるのでそういうのを見ているわけなんですよ。
んで、TRPGの何に惹かれたかって言われると世界観。あの世界観の造り込みはやばい。
まじやばい。おもしろすぎる。呼んでるだけで脳内に数多なるストーリーが解法される。
自分、ああいうの大好きなんですよ。 何度も言いますが、卓を囲む友人がいないんですけどねー!

そもそも、TRPG好きな友達がいない。 やってみたいもんです。
まあ、そんな話も置いといてです。

んで、まあ、何がしたいかというと何がしたいんだろうか。
ロケット団視点すぎて、触れてない場所がいくつかあるだろうから、そっちに触れてみようかしら。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 11:51:09.98 ID:w83yhpA0<>ああ、そうそう良い忘れてたけど、みんな、このスレにいるときはsageてくださいね。
このスレは板違いなので、ちょっと流石に自重させてもらった方がいいかなと。

多分、管理人はスレが生きてることは確認してるだと思うんだよね。
んで、スレを使いきってからでいいから、移動してくださいと言ったもんだから、
自分がこのスレに存在する限り、消すに消せないという状況で、黙認している形なんだと思うんですよ。

それが今まで、少しばかり、心に引っかかっていて。

Q.本心は?

A.このスレを見てくれるような人たちはみんな創作板にいってるだろJK<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:03:37.06 ID:w83yhpA0<>んで、まあ、ポケモンについて語らせてもらいます。

自分はポケモンは初代と金銀、ダイパ、金銀リメイクとプレイをしています。
初代の頃から自然とタイプについては理解していた様でして、物心が付いた時からタイプで攻めてました。

たぶん、初回プレイがヒトカゲだったから、タイプの辛さについて、叩き込まれてたんだろうね。きっと。

しかし、今でも初代の構成には感心させられます。

最初に岩タイプなんですけど、これって御三家の全タイプに影響を与えるんですよね。
そして、次の水タイプも同様に。

多分、タイプの大切さについて、学ばせたかったから、タケシ→カスミの流れが出来たんじゃないかなーと。
んで、次のクチバですが、今までは「効果抜群」or「効果今ひとつ」しか無かった分けで、
新要素の「効果が無かった」が出てくる訳ですよ。

これも理解させるためにあえて、ディグダをあそこに配置したんだろうなぁと。
まあ、そこまで考えてなくて、電気は土に弱いぞ!と言っても、あの時点ではイシツブテしか捕まえることが出来なくて、
さらにオツキミ山にも戻ることが出来ないから、ああいう処置を取ったのかもだけど。

まあ、ゲームって、そこまで詳しく考えるものでもなくて、もっと純粋に遊ぶものなんですけどね。
やっぱ、大人になると目が肥えて、やな感じになります。

非難するつもりは無いですけど、やっぱ、名作と比べちゃいますしね。
まあ、ポケモンに細かいストーリーとか求めてないので、純粋に楽しめてますが。

元々、脳内妄想をするのが好きなタイプですしね。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:09:06.66 ID:w83yhpA0<>んで、このスレを見てくださっているような皆様も簡単な妄想くらいはしたことがあると思うんですよ。
軽いところでいうと、ポケモンの世界に行ってみたいなぁくらいは。

自分くらいの病人になりますと、どういう行動をとって、こことここの接合性を図るためにこうして、
この様にストーリーが進んでいって……
っていう風に組んじゃうんですけどねw

エロ妄想とかももちろんしますよ。

ただ、エロ妄想をするにしても、そこにたどり着くまでが長い訳でして……
シチュエーションって大事だよね!

基本、シチュエーション萌えですよ、自分は。
あと、エロって単語よりも、官能って単語の方が甘美的な感じがするよね、主に性的な意味で。

はい、自重します。

んで、まあ、自分もポケモンの世界の住人になって、あれやこれやと楽しむ訳です。
なぜか最終的にロケット団に入ってますけど。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:12:54.32 ID:w83yhpA0<>
ちなみに自分が一番好きなのはポケスペのイエローです。
そこ、ロリコン言わない。

そんな話も置いておきますが、


ああ、あと夢も見たことがありますね。
皆さん、見たことあります? ゲームや漫画の世界に入るっていう夢。

自分はあんまり無いんですけど、ポケモンの夢は二回見たことがあります。

片方はロケット団に侵入して、捕まる夢。
もう一つはロケット団に入団している夢。

なぜかは知りませんが、ここでもロケット団に関わってますよ。
んで、ロケット団がやけに強いのよ。

おかげでロケット団は弱くないイメージが強い。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:18:53.44 ID:w83yhpA0<>我ながら、ロケット団とは縁が強いねぇ。うんうん。
アカギ様はサカキ様と同じくらいの悪の才能を持っているかと思ったけど、最後の最後で失望した。

もうちょっと、頑張って欲しかったね。
プラチナで少し補完されてたけど。

個人的にはダイパではアカギ様に一度、ディアルガとパルキアは捕まって欲しかった。
んで、それを使ったアカギ様が世界を手中に入れたとか言って、
「まず手始めに君たちを葬ろう!」的なことを言ってさ、戦闘に入るんじゃないかと期待しました。

まさかのボールが破壊されるとか。
アカギ様には失望したよ! プラチナで補完されているからアカギ様だけどね!
プラチナのアカギ様が自分の中で本筋です。

ダイパのアカギ様は最初からいなかったのだよ……<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:27:32.71 ID:w83yhpA0<>ああ、そうそう、夢の詳細だ。

自分があれだけ、トレーナー攻撃やらを平然とするのは別にポケスペだけの影響じゃないんです。
夢の影響も強いんです。

一回目の夢での自分のパーティーは、ピッピとピジョットがいまして……お亡くなりになられました。
ロケット団の下っ端相手に。

んで、ロケット団の下っ端の取った方法が鬼畜なものでして、
まず、ベトベトンの「ヘドロばくだん」でヘドロをモンスターボールに付けて開閉を不能にする。
そこを、ストライクが「いあいぎり」で真っ二つに切るという。

ボールに出ることも叶わずに無抵抗のまま、やられました。

その頃からですね、ポケモンの勝負ややりようによっちゃ、相当残酷な勝負になると思ったのは。
小学生の癖にアニメなんて生ぬるいと感じましたよ。
俺、何様だw

その後、自分はロケット団に復讐するために、ロケット団に潜入をします。
そこで、怪しい研究がされているみたいですが、後ろからストライクの刃を首筋に当てられて降伏しました。

夢でくらいさー、良い思いさせてくれよ……
世界一いらないスイッチと名高い、自爆スイッチを用意してくれよ……<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:35:55.64 ID:w83yhpA0<>ちなみにもう一つの夢ですが、それほど楽しくありませんでした。
レッドにもグリーンにも会いませんでしたし。

なんか、警察の方が来て、包囲されたところまでは覚えています。
どうして、自分の夢はバッドエンドしかないんだよ……
良い思いをさせてくれよ。

そういえば、昨日、東方の夢を見ました。
東方って文字に嫌悪感を示す方がいましたら、このレスだけ読み飛ばしてください。

まあ、それほど深い話をする訳じゃなくて。

簡単に言うと、自室のベッドになぜか、うどんげ が居た。
なので、自分は冷静に今の時刻を確かめたんです。深夜3時。

自分は優しいので「うどんげさん、もう3時ですよー」って揺さぶってあげたら、
一度、寝返りをうってから、一気に起き上がりましたよ。

ワンテンポ遅れてからのその反応、すごくグッドです。

んで、夢は終わった訳ですが……

いや、待て。どうして俺は冷静だったんだ。
冷静なのは良い、もっと夢なら色々とすることがあるだろう。

やらしい手つきで、あんなことやこんなことをするのはともかくとしてだ、
整合性が取れてない世界なんだから、自由に設定を作り替えることが出来る訳で……
こういう時こそ、自分の鍛えられた妄想力を生かす時じゃないのか。

握手くらい出来なかったのか自分は!

まあ、いいんですけどね。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:40:15.50 ID:w83yhpA0<>自分の夢は基本的に良い思いをしないらしいです。
カオスなところで言うと、自分のあそこが勃起したと思ったら、それが止まらなくなって、
天まで届く勢いで伸びたっていうところでしょうか。

んで、なんか知らんけど、伸びすぎて不法入国とかなってさ。
世界的犯罪者ってテレビで報道までされてしまって、
最終的に折り畳むために巨大なハンマーを持ってきた大男が数人出てきて、
自分を固定して、俺のあそこを折って対処するとか良い始めるんだよ。

いや、待って。 ちょっと、待って。 やめて、怖いから。
それ、まじでシャレにならないから。

アッ-!!

と言ったところで起きました。
いや、今思い出してもヒュンッとなるね、股間が。

せめて、サディスティックなお姉さんに出てきてもらいたいもんだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/02(月) 12:42:29.41 ID:w83yhpA0<>思った以上に容量たまらない。流石に数時間では埋まらないか。
時観的に考えて素直に創作に切り替えた方がいい気がしたので、中断。

リアルの事もあるので、そっちの方もしてくる。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/08/02(月) 21:48:30.90 ID:86q9AMAO<>もともと悪役好きでロケット団好きだったけど、このスレみてもっと好きになった
極悪非道な悪の組織だけど、団員一人一人にドラマがあるんだよなぁ…って改めて思った

バトルの描写みてて、
ポケモンって凄い力持ってる、頼りになるけどものすごく恐ろしい存在にもなるなー、とも思った

このスレに出会えて良かった
最後までずっと応援してます!


いつかポケスペ中隊長トリオは出てくるのか気になる<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/08/03(火) 15:31:33.72 ID:feRRngAO<>
創作系のスレはここブクマしてるだけだから、移動しなきゃいけないことすっかり忘れてた!
sage気をつけるわ


自分はここの読んで初めてポケスペ読んだ
本当、ポケモンバトルの見方が変わったよ…
昔やった64のポケモンスタジアム?だっけか?を思い出したりもしたな。
あれもワンパターンといえばそれまでだが、各技の映像が凄く好きだった。
なみのりの格好よさときたら…
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/08/11(水) 04:18:16.69 ID:7hypusAO<>スペでの話になるが、8/1はサカキ様の誕生日だったらしいぞ
ロケット団ではさぞや豪勢にお祝いなさったのでしょうね<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/08/21(土) 23:39:08.40 ID:eGZHxYAO<>おーい^q^<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/22(日) 15:39:31.65 ID:v3xh.oAO<>サカキ様の誕生祭の時にロケット団限定トーナメントに参加してました、
出場者256人の中で見事、ベスト32まで勝ち登りましたが、
「どくどく」と「やどりきのたね」のコンボを貰い、見事に負けました。

その時に受けたダメージが致命的であり、この二十日間ほどは自分のポケモンの看病のため、
このスレに来れませんでした。

みんな、やっちゃ駄目ですよ?

>>697
ロケット団に入団する権利をあげましょう

ポケモンの世界ではポケモンが兵器というのが自分の考え。
銃を持つよりも、ポケモンを持つ方が護身になる素敵な世界。

当初の予定では、したっぱ三人組が中隊長でした
しかし、マチスがロケット団に入ってないと決めた時に
その構想は無くなりました

>>698
技のイメージはポケスペかスタジアムが元になってる場合が多いです
実際のポケモンバトルではゲームシステム的に使えないけど、
SSとかだと、どんな技も使い道があるから、それをかんがえるのが案外楽しいw

「電光石火」はもはや、移動技<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/08/22(日) 15:45:08.27 ID:v3xh.oAO<>>>699
ラムダ様の隠し芸。
ドガースの乱れ自爆により、アジトが一つ吹き飛んだと聞いています。

>>700
真面目な話、この二十日でニコ童祭用の動画の絵を80枚くらい描いてて、
更に身内との合作の話まで出てきて、手を付けられませんでした

皆さん、ごめんなさい<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/08/27(金) 19:38:33.42 ID:O0uvfsAO<>絵80枚ってすげーな
描けない・書けない自分には羨ましい

ラムダかわいいよラムダ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/09/21(火) 22:53:34.88 ID:Wc1312AO<>当分投下はないのかなー(´・ω・`)
BWしながら待ってる<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 08:45:45.33 ID:F1UU/wAO<>ただいま。
色々とありましたが、私は元気です。

夏は動画作成だけで、終わりました

あと、BWでカイリューが骨になってたり、
カラカラやガラガラの骨が展示されていたりで、
ダイパの一世紀くらい先の話かと思いましたが、
シロナが登場することを思い出し、違う
なぁと<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 09:07:32.81 ID:F1UU/wAO<>
アンズ「ちちうえ! みてほしいのじゃ!」

アンズはモンスターボールを取り出すと、畳に投げつける。
ボールが開き、中から放たれた光と共に飛び出したのは、
紫色の体に大きな口、そして、蝙蝠の翼を生やしたポケモン。

ゴルバットだ。

キョウ「おぉ、これはなかなか……」

アンズ「きょう、しんかしたのじゃ!」

彼女は嬉々した表情で、その小さい体で目一杯胸を張ってみせている。
その愛娘の様子に我慢が出来ず、頭を撫でてやる。

それが気持ち良いのか、嬉しいのか、撫でられた手に頭を擦りつけてくる。

キョウ「立派なゴルバットじゃな」

アンズ「うむ!」

大きく頷き、張った胸をドンと叩く。
その様子がまた愛おしく、更に頭を撫でてやるのだった。

アンズはまだ幼い。
しかし、その実力は既にジムトレーナーと戦えるレベルにある。

私も昔は神童と言われ、持て囃されたものであるが、アンズはそれ以上だろう。
決して、これは親バカと言う訳ではなく、客観的に見ての意見だ。
その証拠にこの幼い歳で、ゴルバットに進化させている。

もしかしたら、ワタルレベルかもしれない。
冗談じゃなく、真面目に考えて。

アンズ「ちちうえ〜! 手をどかしてほしいのじゃ!」

流石に撫ですぎたか、必死に手を掴み動きを止めようとしといる。
しかし、その仕草すら可愛らしい。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 09:27:23.85 ID:F1UU/wAO<>
キョウ「すまんすまん」

撫でていた手をどける。
愛娘は、軽く顔を左右に振り、首を解した。
そして、私に指を向け、いつもの一言。

アンズ「さあ、きょうこそ、じんじょーにおなわにつくのじゃ!」

キョウ「ファッファッファッ」

その言葉を聞いた私は下から覗き込む様に笑って見せ、片足を立てる。

キョウ「良いだろう、貴殿の力をこの私に示すが良い」









アンズ「あぁ〜〜〜〜っ!!」

悲痛な叫び声。
愛娘の瞳に写るのは、庭の砂利の横たわり力尽きるゴルバットの姿。

キョウ「ファッファッファッ……まだまだ修業が足りんようじゃな」

そう言って、ゴルバットの相手をして貰ったマタドガスをボールに戻す。
ゴルバットになっといえ、力量差はまだまだ差がある。

マタドガスの回復は必要無さそうだ。

アンズ「おとなげないのじゃ〜!」

涙目で倒れたゴルバットに駆け寄り、一言。

キョウ「お……と……な……」

胸に突き刺さる無垢の言葉。

流石に主力のポケモンを使うのはやり過ぎだったろうか?
かといって、弱いポケモンを出すとそれはそれで、機嫌を損ねられる。
難しい年頃である。
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 10:05:10.10 ID:F1UU/wAO<>
だが、今日は秘密兵器がある。
きっと、娘も満足してくれる取っておきの秘密兵器。

キョウ「さあ、バトルをして疲れたじゃろう」

そう言って背後から、あからさまに袋を取り出し、娘に見せ付ける。
ゴルバットの介抱を続けていた、娘の手が止まり、
先ほどまで、泣き出しそうな表情はコロッと一転し、
興味津々にそれを見つめる。

アンズ「みたらしだんごか? あんにんどーふ? もしかして、あいすくり〜むか!?」

キラキラと輝かせた目は袋に釘付けになり、次々に甘味の名を上げていく。
しかし、真に心苦しいのだが、全て外れている。

アンズ「…………」

いつの間に、足元までやってきたのか、無言で下から見上げて来る愛娘。
つい先ほどまで、心配そうな表情で手厚い介抱を受けていた、ゴルバットは横たえたまま。
娘を取ってしまったことを心の中で一度謝罪をし、忘れることにする。

そして、娘に向き直り、悲痛な(主に私にとって)現実を告げるべく口を開く。

キョウ「全部、袋に入れるもんじゃないだろう」

アンズ「では、なんじゃ?」

キョウ「それは今から見せてやろう」

ファッファッファッと笑い、焦らす様にゆっくりと袋の中に手を入れる。
娘は、その様子を生唾を飲んで見守った。

手が完全に入ったところで、

アンズ「っ!」

一気に取り出す。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 10:15:53.90 ID:F1UU/wAO<>
アンズ「お、お、おぉ〜!」

娘は目を見開き、一歩足を引き、たじろいでみせた。

我が娘ながら、良い反応だ。
ここまで、驚いてくれると用意したかいがあるというもの。

まあ、もっとも……

アンズ「これはなんじゃ、ちちうえ!」

これが何か分かってないのだが。

手にもっているのは、白色の饅頭。

キョウ「これは、『いかりまんじゅう』じゃ」

アンズ「『いかりまんじゅう』!」

復唱し、「おぉー」と再び感嘆の声を上げる。
まあ、もっとも……

アンズ「にて、それはなんじゃ!?」

知らずに驚いている訳だが。
しかし、その仕草が可愛い。


その後、私達は縁側にて饅頭の説明を挟みつつ、それらを堪能する。

庭に横たわるゴルバットを横目にして。

なに、手加減はしてある。
気絶はしているだけで、暫くしたら目を覚ます。

その頃に饅頭が無事である保障はないが。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 10:16:14.39 ID:F1UU/wAO<>中断します<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 12:56:54.42 ID:lntYcRI0<>いかりまんじゅうって白かったっけ?
覚えてない。とりあえず、まあ、自分はロマンを求めてBWの世界でも頑張ってます。

ヒウンジム攻略の時点で現在のパーティーは
ツタージャ♂ Lv.23
マメパト♀ Lv.24
ドッコラー♂ Lv.23

現在、育てようか迷っているポケモンは
シママ、チュリム、チラーミィ、チョロネコ。

ふぅ、また、特定のパーティーに弱い、偏ったパーティーになりそうだぜ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 13:13:48.02 ID:lntYcRI0<>とりあえず、ブラックとホワイトの感想でも。
俺の周りでは結構ポケモンのデザインが変だとか名前がおかしいとか言われてたけど、
思ったよりも、デザインも悪くないし、良いんじゃないかなーと。

そもそも、デザインはブーバーの進化系とかで、慣れたしね。
会社違うけど、ネーミングセンスはドラクエのバギムーチョとか……

それに比べたらまあ……いいんじゃねーの!

とりあえず、ドッコラーはワリンキーポジションになるようで、
マメパトはポッポのポジションなんだろうなぁ。
オニスズメポジションのが居たら、そっち選ぶんだけどねぇ。

しかし、まあ、意外とバランスが良いパーティーの様でして、
この三匹でなんとかやってけてるなぁと。

うちのエースは今のところ、マメパトです。

あと、経験値がレベル差によって変動にするようになっていて、
途中からレベル上げがすっげぇ大変そう。

代わりに弱いポケモンはすぐに追いつけそうだねぇ。
幻想水滸伝1・2のシステムを思い出す。

技を覚えるまで、進化させないのは恒例です。
あと、勝ち抜きしろよ、みんな。

俺、4回ほど、既に負けてるけど。
負けた方々はN、チェレン、ポッド、アロエさん

Nはあれだ……あと一回当てればというところで急所に当たったんだ……

チェレンは毎回、接戦。正直、何度も負けそうになってる。
相手がアイテムを使った回数だけ、自分もアイテム使う。

ポッドは……うん、レベル上げたら勝てるかなと思ったらタイプの壁を超えられなかった……
あんな、モンキー使いたくなかったのに! ビクビクッ

アロエさんは催眠術でやられた。チェレンがどうして木の実をくれたのか、ちゃんと考えるべきだった。
チェレンがデレなんか興味ねぇぜ! って、ジムに入った時点で既に勝敗は決まっていたんだ……<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/27(月) 13:36:42.28 ID:lntYcRI0<>ここから先は一人語りだけど、

ツタージャは最初からいる相棒で、嫉妬深いんだ。
んで、トレーナー好きな子なんだけど、きっと照れやすい性格で、自分からは寄り付こうとしないんだよ。
でも、こっちから寄っていくと逃げ出さないんだよね。撫でても逃げない。そして、微動だにもしない。
照れすぎて、動けないだけ。
んで、そんな子だから、パーティーが増えていくに連れて、自分の居場所がどんどん無くなるとか、
いらない心配をして、ドッコラーにたまに当たったりするんだ。

けど、ドッコラーの方はツタージャを尊敬していて、「ツタージャ兄貴!」って呼んでる。
半分くらい舎弟みたいな感覚で。
んで、単純な子だから、ツタージャに当たられても、照れ隠しとか、そういう接し方を好む人(?)
なんだなって、思い込んでたりする。
おかげで、ツタージャの行動はまったくドッコラーには伝わっていない。
むしろ、ドッコラーからすれば、仲良くなっているとすら思っている。

マメパトは♀なので、流石にツタージャも当たったりせず、かといって仲良くする訳じゃないんだ。
でも、少し危ないところに行こうとしたら、ツタージャが止めに来たりするから、
優しい人なんだなーと思って、悪い印象よりも良い印象の方が強い。

ツタージャは余計な心配事を増やすな!とか、思っているだけなんだけどね。
でも、なんだかんだで周りを見渡せるだけの能力は持っている、ツタージャ。

ドッコラー「女性に優しい……なんて、紳士なんだ! 流石、ツタージャの兄貴! そこに憧れるー!!」
ツタージャ「うっせぇ」

マメパトとドッコラーは、普通に仲良いんだよな。
ただ、マメパトは少しバカなので、会話が一方通行になりがち。

ドッコラー「この前、岩を叩いたら星のかけらっていうのが出てきてさー」
マメパト「そういえば、流れ星に願い事をしたら、叶うんだって」
ドッコラー「そーなのかー。んじゃ、俺、世界一の格闘ポケモンになれるように願おうかな」
マメパト「世界一と言えば、うちのマスターもチャンピオンになりたいって言ってたよねー」
ドッコラー「そうか、よし! もっと強くなって、うちのマスターをチャンピオンにしてやるんだ!
      そうしたら、俺も世界一のパーティーの一員になれる! つまり、俺が世界一の格闘ポケモン!」
マメパト「私は、そうだなぁ。 木の実を食べて、虫をつついて、昼寝できたら幸せかなぁ」
ドッコラー「昼寝は気持ちいいよなぁ、今日とか良い天気で……あれ、眠くなってきたな……」
マメパト「それじゃ、寝ましょうか」
ドッコラー「そうしよう」

ツタージャ「……会話が成り立っている……のか?」

バカというよりも、マイペースだった。
そして、ドッコラーは単純なので、マメパトの会話に振り回されている。
しかし、それに気づいてはいない。

まあ、そんな感じのパーティーです。うちの子達は。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/29(水) 13:21:03.68 ID:Ej8eI.AO<>あれ、スレ立ててから一周年?
あれれ?<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/29(水) 15:08:06.25 ID:Ej8eI.AO<>
アンズ「おいしかった!」

白くなった手を白くなった口で舐めとる。
その様子に頬を吊り上がる。

一通り舐めきった娘は手を洗ってくると残して、
軽快な足音と共に洗面所へと姿を消す。

細く長い息を吐く。
目をつぶって、少しばかり上を向き。

目を開けると同時に心を引き締める。
意識は庭に向ける。

先ほどまで、ゴルバットが倒れていた場所。
そこに一人の男が突っ立っている。
正体を隠す気は無いらしく、ロケット団の制服を身につけている。

服装だけを見るとロケット団の下っ端。
下っ端なら一人くらいやって来たところで、一匹だけで一捻りにできる。
それは相手にも分かることだろう。
時間稼ぎにすら、なりはしない。

だが、

したっぱ「可愛いお子さんですね」

こいつはどうして、こんなに余裕なのだ。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/29(水) 15:33:34.41 ID:Ej8eI.AO<>
したっぱ「まさか、堅物のキョウさんに、こんな一面もあるとは思いませんでした」

笑みを浮かべたまま、世間話をするかの様な感覚で言葉を連ねる。
それが非常に不快に感じ、また、非常に気味が悪い。

キョウ「堅物なのはタケシだろうて、拙者はこれでも新しい風に乗ろうと努力しているのでな」

したっぱ「それは失礼、昔ながらの忍者の家系。てっきり、伝統を重んじる方かと」

ふんっ、と鼻を鳴らして顔を逸らす。
下っ端は「嫌われたかな」と、首を竦めてみせる。

ロケット団に好感を持つ者など、そうはいないだろうて。

キョウ「で、何用よ」

睨みつける。
しかし、この下っ端はたじろぐ所か困った様にはにかむだけで、
身体は自然体のままだった。

いかんな……

心で感じる。
こいつは普通ではない。
少なくとも、それなりの修羅場はくぐって来ているようだ。

キョウ「拙者を前にして余裕だの」

したっぱ「余裕なんて無いですよ。正直、憧れの貴方に出会えて光栄です」

下っ端は半歩程、足を開き、真正面から対峙してくる。
臆すことなく、視線は真っ直ぐに自分を捉える。

したっぱ「貴方と一度、手合わせしてみたかった」

下っ端は告げる。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/29(水) 15:49:35.26 ID:Ej8eI.AO<>
キョウ「ロケット団らしくない」

思わず、口を滑らせる。
その言葉に対し、やはり笑みを浮かべて、

したっぱ「ポケモンマスターを目指したことのある身なら、誰だってジムリーダーには敬意を払いますよ」

キョウ「ほざけ」

ロケット団には余程、相応しくない言葉を吐きやがる。
ここが庭でなければ、唾を吐き捨ててやっている所だ。
だから、

キョウ「貴様らに尊敬なんて似つかわしくない言葉を吐くな」

唾の代わりに言葉を吐き捨てる。

したっぱ「それは違う」

下っ端の表情は引き締まる。

したっぱ「ロケット団は確かに傍から見れば、自由奔放でまとまりの無い集団見えるかもしれないが」

したっぱ「我々がロケット団は一枚岩だ」

なんとなく、分かった。
こいつが何故、一人なのか。
そして、余裕があるのか。

きっと、こいつはロケット団の幹部、もしかしたら、ボスのお気に入りなのだろう。
忠義は十分であり、実力も伴っているに違いない。

だが、それでも、

キョウ「そちらの内部事情など興味ない」

負ける気はしない。

キョウ「来い、稽古を付けてやろう」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/29(水) 15:50:21.61 ID:Ej8eI.AO<>中断<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/09/29(水) 16:50:29.02 ID:AHwwRsAO<>一周年おめ!

アンズ可愛いなぁ…何歳くらいなんだろう

カイリューの骨には自分もびびった
プテラとかのじゃだめだったのか?ドラゴンタイプではないが
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 18:44:20.67 ID:CdvgOMAO<>ちょっとだけ、合作について
ひっそりこっそりと<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 19:11:18.53 ID:CdvgOMAO<>合作して分かったこと。

動画程度なら脚本と作画の方が入れば十分だと思ってたけど、
それじゃ成り立たない場合があるんだねって言うことを知りました。
というか、日本人の譲り合いの精神がどれだけ素晴らしいか学びました。

まあ、うん、何が言いたいかというと、相手を心底信用しないと出来ないんだなぁと。

まあ、今回ニコ童祭の合作を終えた感想を言うと大変でした。
脚本も作画も担当してないのに大変でした。

脚本も作画も自分よりも腕がある方が担当して、自分はその二人のフォローをするといった感じ。
まあ、格好良い言い方をすると監修です。

んで、この合作で何が大変だったかと言うと、
根本を話すと突発企画なんです、これ。

前々からやりたいなぁとか言ってた訳じゃなく、
合作やらね? んじゃ、しようか。っていう。

まあ、今だから言えますが、駄目だろうなぁと思ってたりしてました。
ぶっちゃけ、最初の頃はいつ、合作メンバーから抜けようかと……

メンバーが嫌だからじゃくて理由がきちんとあってですね<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 19:20:06.35 ID:CdvgOMAO<>その理由はと言うと、脚本が二人なんです。
開始時点で。別にサブストーリー担当とかそういう意味ではなく。

短編なのに脚本が二人。
俺と最終的に脚本になった人。

これじゃあ、作品として成り立たないだろうと思いまして。
出来る物も出来やしない。

話が拗れる前に自分が退散した方が良いかなと。
最終的にしませんでしたが。
まあ、作画の人の意見も聞き、そのストーリーなら自分よりも友人の方が良いと判断をして、
友人に好き勝手やらせて、自分はそのフォローに徹する事にしました。

ぶっちゃけ、この時点では暇になるんだろうなぁと思ってました。
作品として破綻しそうだったり、作画の人が困りそうなくらい暴走したら、
ストップをかけてやれば良い程度に思っていたんです。

あの時は<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 19:30:53.96 ID:CdvgOMAO<>んで、まあ、ストーリーのジャンルはギャグでした。
ぶっちゃけ、この時点でかなり不安でしたが。

ギャグなんて、その人のセンスによるものでして、
更に脚本の人のギャグはテンポ等も武器にして、
完成して始めて本来の力を発揮するタイプでして……

脚本の時点で色々と不安でした。
作画の方がギャグが良いと言ったので、まあ、うん……

何度も見直してる内にギャグなんて面白いか分からなくなってくるしね……

内心、不安いっぱいでした。
でも、まあ、面白いのを作ってくれるとは信頼してたので、
そこら辺の心配はありませんでした。

んで、ネタ提供をいくつかした程度で、脚本自体は問題なく作り終えました。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/09/30(木) 19:38:01.21 ID:W2f9EcAO<>ふむ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 19:43:44.53 ID:CdvgOMAO<>
内容は流石と言えるものでした。
もう、自分から見て素晴らしいと思いました。

ギャグで目茶苦茶な事をしでかしつつ、ストーリーとしては伏線を張ってラストにスパッと鮮やかに回収。

ギャグをストーリーとして、ここまでの完成度に仕上げるかと。
ギャグ書きでありながら、物書きとしての技を見せてもらいました。

いや、もう、引いて良かったです。まじで。
二人でてんやわんやと中途半端にやってたら、このクオリティは無かったと思いました。

いや、本当に流石の一言でした。

一つ問題を上げるなら、状況説明がちょっと少ないことくらいです。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 20:07:44.24 ID:CdvgOMAO<>ということで、自分はこれみよがしに適当に理由をでっちあげて、
脚本のネーム化の作業に入りました。

まあ、脚本の方が絵を描いたこと無いのと、
作画の方が漫画などと言った絵を描いたことが無いのと、
それらしい理由はありました。

けど、一番の理由はどこでも良いから、自分を作品に残したかったんですよね。

折角の合作なんだし。
二人に任せると言っても、自分も物書き。
やっぱ、やりたいですよ。脚本とか作画とか。

という訳でネームを書いて、さりげなく自分のテンポや作画を残して、
作画の方に渡しました。

そして、作画の方とネタの説明を交えつつ、すり合わせを行いました。
ここら辺から自分はストレスが溜まって来てまして最終的に仲間に申し訳ないことをしました。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 20:22:50.60 ID:CdvgOMAO<>まあ、申し訳ない事のきっかけはというと、脚本の人が暇になったからと言って、
自分で個人作品を出したいと言い始めた時です。

まあ、今思えば、作画の方に脚本を渡した時点で脚本の方が暇になるのは当たり前な事でして、
待っている間には何をして待っていても構わないんですよねぇ。

でも、その時の自分は合作前から構想し作っていた作品がありまして、
そっちの作品を一旦止めて、合作の方に集中してましたので、
自分だけ個人作品を出すのかよと、イラッとしちゃったんです。

んで、作画の方と脚本のネタ説明も自分がやっていまして、
ネタについての意図とか言及をされると、途中で「俺が考えたんじゃないがな」って言いたくなったり、
(脚本の方には話し合いに参加できない仕方ない事情があったため別に悪くない)
ラフを線画にする作業を頼まれまして、絵が悪くなったら自分のせいじゃね?とか思ったりしまして、
浅ましいことに自分はイライラしてしまいました。

後半くらいになると、お前らはまだマシじゃねーか。
俺なんて、やりたいこと何一つできねーんだぞと言いたくなるくらいの重病。

実際には二つ程、自分の考えたがネタ入れてあります<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 20:44:02.32 ID:CdvgOMAO<>そんなことがありまして、少しプッツンしちゃって、
動画編集を「個人で作品を作る暇があるくらいなら、これやれんだろ?」と言った感じで、
有無を言わせずに威圧かけて脚本の方に全投げしちゃったんです。

まあ、最初からお願いするつもりだったんですが。
もうちょっと手伝う気もあったのですけど、それすらもしなくなったという。

んで、その後に自分の仕事が無くなって、
自分の途中放棄してた作品を仕上げるという外道っぷりを発揮しました。

合作の方は、良い作品です。
脚本と作画の方が力を見せれたかなぁと。

ただ、達成感はありましたが、再生数が伸びても嬉しくないんですよねぇ。
厳密に言うと嬉しくない訳じゃないですが、友人が再生数増えて嬉しくなる感覚という。

ぶっちゃけ、面白いのは自分の力じゃないしねぇ。
二人が居たからこそ面白い作品が出来て、
自分は完成させるために少し手を出しただけです。

んで、そんなポジションなのに最後は全投げと。
オチが酷いな。

という訳で感想は、大変だったなぁと。

まあ、まだ、友人は頑張ってますが、
自分の仕事はほとんど終えてるので。

あと、自分で体験してみて分かりましたが、
第三者ってポジションは結構重要なのねぇ。
自分で言うことじゃないけど。

ということで、誰にも伝わらない謝罪と言いたいことをここに垂れ流して、
次作品でまた、頑張るのだー<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/09/30(木) 20:56:44.92 ID:W2f9EcAO<>ほうほう<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/09/30(木) 21:05:24.72 ID:CdvgOMAO<>フォローを入れておきますが、この文章は自分が勝手に思ったことであり、
良いメンバーに恵まれています

合作で一番作業量が多いのは作画の方でして、
一ヶ月で色付きの絵を線画にするのを手伝ったとはいえ100枚以上を描ききるという化け物っぷり。

でも、流石に限界が来たようでして、
作画の方が作業量多すぎて間に合わないと言った時に、
まず、自分のネタを描かなくて良いよと言ったのですが、
作画の方はそれでも最終的に描いてくれましたし、
脚本の方はそれを聞いて残してくれて良かったと言ったり、
なんだかんだで良い合作メンバーですよ、まったく

ちゃんと作品として、出せて良かった……
良い作品を埋もれさせず出せる所まで持っていけて良かったです<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/01(金) 10:28:22.21 ID:F9yYc.AO<>
したっぱ「ロケット団下っ端対セキチクジムリーダーのキョウ」

下っ端は両手を腰に当てて、ボールを握りしめる。
ゆっくりとした動作で見せ付けるように、

したっぱ「オッズをつけると何倍だ? 99.9対1かな」

ボールを腰から外し、

したっぱ「くっくっくっ、あまりの格の違いに笑いしか出てこないっ!」

愉快そうに笑いながら、両手に持ったボールを手放す。
あれが地面に着いた時がバトル開始の合図……

したっぱ「だからよ」

言葉は切れてない。
笑みも先程までとは違う。
あれは何か企んでいる様な……

したっぱ「姑息で狡くて卑怯な手段も工夫ということで見逃してくれ」

言い切ると同時にボールは蹴り飛ばされた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/01(金) 10:55:47.58 ID:F9yYc.AO<>
キョウ「っ!」

ボールは眼前に迫った。
だが、この程度なら反応できる。

叩き落とすべく、手刀を構え、振り上げる。

したっぱ「そいつぁ、駄目だ」

振り落とすと同時に視界が真っ白に染められる。

キョウ「ぐぅっ!」

目が焼かれた、同時に風を切り裂く音を耳で捉える。
身体が動く。

目を手で覆い、上半身を無理矢理反らせる。
鋭利な何かが鼻先を掠めた。

キョウ「チィッ」

抑える指の隙間から、まだはっきりとしない視界で一つの光を捉えた。
あの目は私を見ている。

思い切り地面を蹴り、回転しなが横に跳躍。
何かが空を切る。

手で地面を掴み、回転の勢いを殺して着地する。
そして、先程まで身体があった場所を見る。

そこには薄い茶色をしており、背中には無数の針。
そして、地面に突き刺さっている、大仰な二本の爪。

キョウ「サンドパンか」

したっぱ「紹介しよう、俺の最強の相棒だ」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/01(金) 11:17:09.22 ID:F9yYc.AO<>
したっぱ「まだまだ、続くぜ」

どうやら、休む暇は無いらしい。
背後から、蝙蝠の翼が風を切り裂く音。

このポケモンは音を聞くだけで何か分かる。

キョウ「あまいわっ!」

地面にボールを叩き付ける。
ボールから出たそれは、瞬時に私を隠す様に包み込む。

    @     @     @     @     @

したっぱ「ベトベトンっ!?」

ゴルバットの『翼で打つ』は柔い、そのボディに弾かれてしまう。
キョウの姿はベトベトンの中に消えた。

したっぱ「…………」

手で指示を出し、二匹には少し距離を取って包囲させる。
セキチクジム、ジムリーダーは攻撃よりも守りを得意とする。

あの完全なまでの守りの型。
迂闊に攻撃はできない、必ず何かある。

したっぱ「…………」

しかし、あまりに動きがない。
だが、迂闊に行動もできない。しかし、だが……

徐々に焦りが身を焦がしてきた。
握る手には嫌な汗が滲んでいる。

不安が過ぎる。
もしかしたら、既にここら脱出した?

それはいけない、それだけは。
作戦に支障が出る。

だが、確認する方法は……

したっぱ「こういうのを、虎穴に入らずんば虎子を得ずって、言うのか?」

指示を出す。二匹は一度だけ頷き、それぞれ別の行動を取る。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/01(金) 11:35:23.45 ID:F9yYc.AO<>
ゴルバットは上空へ、サンドパンは地底へ。
上と下に分かれて、ベトベトンに迫る。

したっぱ「左右や前後で挟むことはサンドイッチと言う、なら上下は?」

ゴルバットは真上に陣取り、サンドパンも恐らく配置に着いただろう。
手を上空に上げ、親指と中指を力強く擦り付ける。
二匹に聞こえる様に

したっぱ「ハンバーガーだっ!!」

思い切り、指を弾く。
それが合図となり、けたたまし音と共にベトベトンは破裂する。

したっぱ「『自爆』っ!?」

身にかかる、ヘドロの破片を振り払い、二匹の様子を確認する。
急降下の勢いを殺せなかった、ゴルバットは直撃を受けたらしく、半身がヘドロに包まれて、地面に倒れている。
他に目立った外傷は無く、命には別状ないだろう。

サンドパンは……確認できない。
そもそも、ベトベトン付近に穴がないため、上手く回避したのだろう。
勘の鋭い奴だ。

キョウの姿は見えない、やはり、逃げられていたか。

とりあえず、ゴルバットを戻すべく、ボールを翳す。

したっぱ「ん?」

そこで違和感に気付く。
ゴルバットの被害はヘドロだけであり、
爆破による火傷などの外傷は一切ない。

そもそも、あれは『自爆』だったのか。

脳が急速に回転する。
ベトベトンは何を覚える?

一つの結論を導き出し、脳内で警鈴が鳴り響く。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/01(金) 11:54:55.33 ID:F9yYc.AO<>
したっぱ「『ヘドロ爆弾』と『小さくなる』か!」

ヘドロの付着した上着を脱ぎ捨てる。
だが、既に遅かったか、目眩が生じ身体の不調を訴える。

キョウ「80点。それに加えて『毒々』よ」

耳元で呟く様に告げられる。
辛うじて動く足を声のする方へ振り上げたが、軽くいなされてしまい、そのまま転倒。

僅かに肌に付着したヘドロが身を蝕んでいるのか、
ヘドロを払う時に使った両腕が動かず、
それ以上の抵抗はできない。

ベトベトンの姿は依然にして分からない。
恐らく、『ヘドロ爆弾』の時に飛散したヘドロのどれかだと思うが、
あまりに範囲が広すぎた。

地面に居る、サンドパンに指示は出せない。

したっぱ「くっ……」

本格的に危なくなってきたらしい。
視界に白みがかかってき、脳が揺り篭の様に揺れる感覚。

キョウ「トレーナーへの攻撃は関心せんが、願わくば挑戦者として来て欲しかったものよ」

薄れゆく意識の中で辛うじて聞き取れた。
ああ、こんな自分に対して、そんな言葉を言ってくれるなんて凄く感謝するよ。
同時に謝罪もしよう。

アンズ「嫌ァーッ!!」

屋敷の中から悲鳴が鳴り響いた。

キョウ「なにっ!?」

したっぱ「サ……ン……!」

最後の力を振り絞って、声を出す。
だが、あまりにか弱く、最後まで続かなかった。

それでも伝わるだろう。

サンドパン「キューッ!!」

そう信じてる。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/01(金) 12:05:54.65 ID:F9yYc.AO<>
キョウ「ぬぅっ!?」

サンドパンはキョウを蹴り飛ばし、自分の腰に取り付けあった、小さいバッグを切り裂く。
中からこぼれ落ちるのは、『傷薬』といったポケモントレーナーの必需品だ。

その中から、注射器を選び、自分の首に突き刺す。
これは確か、『毒消し』だ。

したっぱ「おぅふ……」

なんて良い相棒に自分は恵まれているのだろうか。
こんな賢く、強く、情に厚いポケモンは他にはいない。

ただ、一つ、願わくば、
少しばかり、刺す場所を選んで欲しかった。

首の血管に直接流し込まれる。
ポケモン用ということもあり、効果は覿面だ。

多少、効き過ぎて、別の意味で体調が悪くなるが、毒よりましだ。
許容範囲と納得する。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/01(金) 12:06:48.38 ID:F9yYc.AO<>中断

サンドパン愛してる<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/04(月) 09:00:39.81 ID:gvTELcAO<>
地面に手を付き、身体を起こす。
指先に多少、痺れを感じるが、この短時間では毒を中和しきれなかったのだろう。

『どくどく』を貰って、動けるだけでも儲けものだ。
そう結論付け、許容範囲とする。

だから、サンドパン。
『痺れ薬』を持って、構えなくていい。
あと、首を狙うな。出来れば、腕で。あわよくば、足でお願いする。

キョウ「お主、娘に何をした?」

先程、サンドパンの蹴りを貰ったキョウは、距離を離して構えている。
上手いこと、防御できたのか目立った負傷は無さそうだ。

少なくとも、戦いは継続できる。

キョウに警戒しつつ、目だけを動かし周りの様子を伺う。
四散したヘドロが自分の周りを囲んでいる。

あまり、思わしくない立ち位置か。

庭から縁側に飛び乗り、土足で部屋の中に入り込む。
部屋の中はヘドロが付着していない。
これで『小さくなる』を使った、ベトベトンからの奇襲もある程度防げるだろう。

キョウから舌内が聞こえた気がした。

したっぱ「娘が気にならないか?」

十分に間合いを取った所で交渉を持ちかける。
もとい、脅迫。

キョウ「…………」

眉間のシワが深くなる。
何も言わないところを見ると、話は聞いてくれるらしい。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/04(月) 09:13:15.52 ID:gvTELcAO<>
したっぱ「三つのヒントを教えよう」

いきなり、刺激的な事を言って逆上されても厄介。
ここは、相手に考えさせることによってワンクッションを置く。

回りくどい言い回しも、たまには役に立つ。

キョウに向けて、ゆっくりと指を一本立てる。

したっぱ「一つは、ここへ来たのは私以外にも居たということ」

指を一つ増やす。
刺激しない様に細心の注意を払いながら、キョウに考える時間を与える。

したっぱ「二つ目は、仲間の一人はケーシィを持っている」

尤も、仲間は一人しか居ないが。
更に指を一本。

したっぱ「最後に、貴方を我がロケット団アジトに招待したい」

<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/04(月) 09:13:45.06 ID:gvTELcAO<>中断<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/04(月) 09:26:00.48 ID:gvTELcAO<>10/1は自分の誕生日でした。

エルシャダイを見てて幻視したこと。


オーキド「そんなポケモンで大丈夫か?」
レッド「大丈夫だ、問題ない」

と言って、意気揚々とヒトカゲを持っていき、
タケシとカスミにフルボッコされた後に

ルシフェル「そんなポケモンで大丈夫か?」
レッド「一番良いポケモンを頼む」

と言ってフシギダネを持って行き、タケシとカスミ相手にどや顔をするレッド。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/04(月) 09:38:14.59 ID:gvTELcAO<>ガールフレンド「キャー!あそこに居るのはグリーンさんよ!」
ミニスカート「あの最強のジムリーダーとして名高い、トキワのね!」

グリーン「ふっ」

ガールフレンド「違うわ、それは前ジムリーダーのサカキのことよ」
ミニスカート「えっ、でも……」
ガールフレンド「まあ、チャンピオンに輝いたこともあるから、カントー最強の一角には違いないわね」
ミニスカート「あーそれ、知ってる。確か一時間で陥落したって!」
ガールフレンド「あまりに早過ぎて不名誉すぎたから、伝統入りしてないって噂も……」
ミニスカート「なにそれ格好悪い」
ガールフレンド「うん、格好悪いね」

グリーン「…………」


俺はそんなグリーンが大好きさ!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/04(月) 19:32:07.68 ID:gvTELcAO<>次回予告

シルフカンパニー編、やっとこさ始まります。
一年前からずっと書きたかった……

ロケット団の最後の勇姿をどうかご堪能ください。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 09:02:42.33 ID:F.xfJwAO<>
サカキ「善か悪か、どちらかと問われれば、私達は間違いなく悪だろう」

サカキ「私達は私達の野心や私怨のために戦っている」

サカキ「そこに理想は存在しない、存在するのはエゴだけだ」

サカキ「世の中の道理を逆らい、私達の道理を語ろう」

サカキ「世の中の正義に向けて、私達の悪をばらまこう」

サカキ「そうだな、まずは手始めに私達の悪が世の道理に通じるのか」

サカキ「おてなみ拝見と行こう」



その日、ロケット団による、シルフカンパニー本社の占拠が全国に報じられた。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 09:27:52.35 ID:F.xfJwAO<>
シルフカンパニー本社。食堂。


したっぱ「意外とあっさりだったなぁ」

したっぱB「まあ、奇襲ですし。上手く行けばこんなものでしょう」

攻め込んで、一時間程。
全ての階を征圧し終えた今、自分とBは食堂で飲み物を頂いている。

したっぱB「で、今回のシルフカンパニー占拠について、どう思います?」

したっぱ「どうって?」

したっぱB「何か幹部から話を聞いてませんか?」

したっぱ「いや、特に何もないな」

したっぱB「……なら、良いです」

したっぱ「気になるだろ」

したっぱB「……少し気になっただけですよ」

したっぱB「今回のロケット団の行動は、あまりに強引だなと」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 09:29:06.49 ID:F.xfJwAO<>中断<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 13:40:26.25 ID:F.xfJwAO<>やばい、ゲームよりも創作が楽しい
二次創作をしてる身としては、いろいろとまずい気がする<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 14:01:23.54 ID:F.xfJwAO<>
したっぱ「強引? こんなあっさりと占拠できたじゃないか」

したっぱB「馬鹿はAだけで間に合ってますよ……」

Bは手に持った紙コップを口を付け、一度だけ喉を鳴らす。

したっぱB「もっと、よく考えてよ。こんな注目を浴びる方法なんてロケット団には不要ないんです」
したっぱB「こんな方法で世界に喧嘩を売って、その後、どうするんですか」
したっぱB「そもそも、シルフカンパニー本社を攻めるメリットは?」
したっぱB「技術ですか? 金ですか? どっちもロケット団には十分あるじゃないか」

したっぱB「第一、今までロケット団の方針は裏から世界に侵食し、必要悪として世の中と悪は切り離せないものにすることでしょう?」
したっぱB「それがどうして、征圧になるんですか……」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 14:17:33.53 ID:F.xfJwAO<>
したっぱB「分からない、ロケット団の未来が見えない」

言い切ると、紙コップに残ったコーヒーを口の中に流し込んだ。

したっぱ「サカキ様も考えあってのことだろう。俺達が考えても仕方ないさ」

したっぱB「まあ、私達下っ端が考えたところで何も変わりませんしね」

したっぱ「それに確か、『M2計画』ってのもあるらしいじゃないか」
したっぱ「結構前から準備を進めていると聞いていたが、それが関わってるんじゃないか」

したっぱB「その計画は初耳ですが、今の状況を覆してくれれば良いのですが……」

×××××「まあ、Bの考えいるような逆転の秘策では無いけどな」

カツ丼とお茶をお盆に乗せて、私達の横に座る。
その声、顔に見覚えがある。実際に会うのは久しぶりだ。

したっぱA「辺境の地『グレン島』、地獄の業火にて修業を終え、無事に帰還した」

したっぱ「何、畏まってんだ? 肩の力を抜けよ、馬鹿」

したっぱB「その口上、中学二年辺りが考えそうなセンスですよ。馬鹿」

したっぱA「えっ。何、この反応」<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 14:38:09.38 ID:F.xfJwAO<>
したっぱB「で、『M2計画』について何か知っているのですか?」

したっぱA「ん、ああ。聞いて驚け、なんたって、今まで俺はそれに関わって……」

したっぱ「待て」

あまりに長くなりそうなため、話に割り込む。

したっぱ「お前の武勇伝は後で酒のツマミにしてやるから、今は内容だけ教えてくれ」

したっぱA「お前、きつくなったな」

話を切られたのが不満なのか、俺を睨む様に見る。
まあ、演技だろうが。

したっぱ「お前は陽気になったな」

と、返しておく。
馬鹿は馬鹿なりに頑張って来たようなのは、なんとなくわかった。

したっぱA「まあいいか。とりあえず、『M2計画』について話すぞ」

自分とBの問答を交えつつ、Aは話しを続けた。
要点を抜き出すに、『M2計画』とは最強のポケモンを作るということ。

今はプロトタイプ一体だけだが、その内、量産が始まり、
道徳や倫理に縛られない、自由に操れるポケモンの兵隊を作るということらしい。

なかなか、無茶をする。ロケット団も。
いつものロマンというやつだろうか。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/05(火) 14:41:04.02 ID:F.xfJwAO<>中断<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/10/05(火) 16:50:22.94 ID:K44eccAO<>うおー!
3人が再会した!wktk

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2010/10/20(水) 17:59:45.42 ID:Jti7x2AO<>パー速やっと復活!<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/10/20(水) 18:00:38.07 ID:Jti7x2AO<>久しぶりだったのと復活の嬉しさでsage忘れ…
すまそ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/10/28(木) 14:52:09.53 ID:yZVddL.0<>ごめん、東方創想話で遊んでた。

あっちに直リンするのもなんなんで、詳しくはブログからどうぞ。
ttp://blog.livedoor.jp/kaineko2/archives/51086660.html
ttp://blog.livedoor.jp/kaineko2/archives/51087228.html

11月になったら、また再開すると思います<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/28(木) 14:52:54.56 ID:yZVddL.0<>名前欄忘れるなんてよくあること<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/28(木) 19:03:05.54 ID:BQmxS.AO<>あれ、なんで自然にブログ晒してるんだろう
まあ、うん、いいか<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/10/28(木) 20:53:50.41 ID:qEkBfnoo<>いくつか自分でも読んだ作品があったが・・・
なるほど、全部あなたのだったのか。このスレにも惹かれるわけだ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/10/30(土) 01:35:41.67 ID:mxjmAIAO<>全然ジャンル違うのに不思議なもんだな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/10/30(土) 02:10:51.86 ID:mxjmAIAO<>全然ジャンル違うのに不思議なもんだな<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/10/30(土) 09:07:26.40 ID:/eELlRc0<>>>758
見られていただと……っ
AA関連の人以外で覚えられてるなんて想像もしてなかった!

とりあえず、ありがとう!

>>759
VIPのSS(台本書きのような何か)と、SSとでは書き方を結構変えてるつもりだったけど、
地の文でのキャラの語りとか癖出まくってるなぁ、と自分のを見直してて思った

シリアスっぽいのを書くのが好きなんだけど、熱血とかバトルとかの方が性に合ってるんだよなぁ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2010/11/03(水) 22:30:06.41 ID:QoYvoQAO<>たしかに、ここら辺はやけに楽しそうに書いてるなと感じる部分とかは多々感じるなww
筆がのってるんだろうなぁwwとこっちまでwktkしてくるww<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/11(木) 20:03:37.58 ID:uSVmYUAO<>生存報告

どうでもいいけど、この前チャットで釣りしようとした相手にガチ語りしたら、謝られてしまいました
たまには全力で釣られるのも良いもんです<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/11(木) 20:06:37.14 ID:uSVmYUAO<>記憶に残る限りで好きなシーン

・始めて「怪しい光」を描写した時
・カツラvsフジ
・サンドパン全般<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/12(金) 17:06:57.23 ID:gRgxJ2M0<>ちょっと追記。

>>763について
釣り目的の人が冗談半分で来て質問したら、あまりに俺が本気でノリノリで解答をしてしまったため、
途中から普通の議論的な感じなっちゃって、それで話がある程度終結したところで、
最初は釣るつもりでしたって言われてしまうという流れ

最初は2ch素人ぶってる割にやけに面白い質問をするなーと思って、解答してたけど、
上手く乗せられる様な質問だったから、この人、ただの素人じゃねーだろwって、思いながら、
語りが止まらなかったんですよ……

内容は、うん、俺が語っていいものか分からないくらい偉そうなことを言った気がするw
身内チャットだったから少しくらい良いんですよ。きっと。


ああ、うん、ごめん。今、他の創作が楽しすぎて手を付けられてません。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/12(金) 17:25:33.65 ID:gRgxJ2M0<>このスレッド、したっぱ「私たちはロケット団残党だ」の作者は

・ポケットモンスターセピア
・サカキ「お……お、女になってる!?」
・したっぱ「ロケット団解散!?」

の作品の大ファンです。
一年前の作品で覚えている人がどれだけいるやら。
セピアはまだ、現役だったっけ?

分かってる方も多いと思うけど、おまけで出てくるサカキの娘は
『サカキ「お……お、女になってる!?」』で出てくる、鬼畜幼女が元になってます。
本編で扱う予定は一切ありません。

ああ、もちろん、許可は取っていません。2chの名無しと連絡なんて取れませんよ……

ヤムチャが1000人くらいになるのとか懐かしい。あれは未完だったっけな。
あと、vipで一時期流行った、ロックマンXの女体化とか最高です。

ネット上で始めて面白いと思ったSSは『仮面ライダーになりたかった戦闘員』。
もう読んだのはかなり昔の話なので覚えていませんが、あの雰囲気に今も尚、憧れてます。

自分の地の文至上主義はここから来てる、と思う。

過去の作品について語る人ってもっと居てもいいと思う。
意外と普通の小説として見れることも多いVIPのSS。

仮面ライダーは今調べたら、ふたばだったっけど。
保管庫で全部見てたからなぁ、2ch発祥だと思ってた。
ここでふたばの話題は如何なものか?

堂々と、VIPでニコ厨宣言している俺が今更か。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 21:25:57.67 ID:xvi7r2AO<>絶賛、スランプ中

一ヶ月の没ネタ没文章が512kbだよ<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 21:28:16.60 ID:xvi7r2AO<>今、良い文章が書ける気がしないので気晴らし短編

あと、AA書きとしてEVA板に召集を受けてました<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 22:01:35.59 ID:xvi7r2AO<>
全国最大規模の犯罪組織、ロケット団。

自らを悪を肯定し、闇夜に紛れて今日も裏の世界から、
また一つ悪の手が世界に闇に引きずり込む。

そんな組織のボスの一人娘として、存在している。

実際には血は繋がっていない。
戸籍上の手続きもしていない。
それどころか、私という存在は、この世界には認識されてはいない。

私を世界に当て嵌めて名称するなら、『ジョン・ドゥ』。『名無しの権兵衛』。
ポケモン図鑑風に言うならば『ケツバン』だ。

よく分からない?

ならば、もっと、分かりやすく答えよう。
私は『捨て子』。

産まれてすぐに捨てられたらしく、記憶には残っていない。
記憶が末端は、義父は昔から頭を坊主にしていたこと。

この時から、義父は母と別居していたらしく、また、義兄とは年に数回会う程度だった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 22:17:28.09 ID:xvi7r2AO<>
寡黙な義父との二人暮らし。

私は学校には行かず、ただただ義父の帰りを待つ日々を過ごす。
一人きりで、この時はまだ、部屋の中で篭りきりの生活だった。

その方が義父の都合が良いことは子どもながら理解していて、
私と義父に血の繋がりが無いこと、普通の家族関係ではないことは知っていた。

逃げだそうとすれば、逃げ出せたかもしれない。
現に部屋の玄関の扉の鍵はいつも開いていた。
窓からの脱出も可能だ。

それでも、しなかったのは何故だろう。

義父以外に行く宛が無いから、一理ある。
外の世界が怖かったから、かもしれない。

でも、やっぱり、最大の理由は家族だったからだろう。
少なくとも私はそう思っている。
寡黙であっても、私に関心が無い訳じゃないってことは理解できていた。

ああ、そうそう、料理は得意だ。
義父は料理が出来ない。いや、出来るのだが、美味しくない。
だから、私が作る様になって自然と上手くなっていった。

いや、違うかな。

始めて料理を作った、あの日。
失敗して、焦げてしまった卵焼き。
それを義父は咎めもせず、黙々と口に運び完食した。

その後で頭を撫でて貰ったのを覚えている。
感想は一言。

「苦かった」

義父らしい。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 22:39:11.85 ID:xvi7r2AO<>
いつの間にか、料理や掃除は全て私がするようになっていた。
進んで私から行っていた。
義父も、その事には何もいわず、相変わらず会話も少なかったが、
それでも、一言。

「うまかった」

その一言が嬉しくて、自分から行動した。

さて、小さい頃。
尤も、今も小さいが、ロケット団が正式に設立する前の話。

私は義父とばかり一緒に居たが、別に義父としか人間関係が無い訳ではない。
義父には友人が居て、よく部屋に入ってきた。

名前は確か……なんだったけ。
最近は会っていない。

父よりも年上で、確か、博士とか呼ばれていた。
よくして貰った記憶はある。

あまり玩具とは買ってくれない義父とは違い、
彼はよく買ってきてくれた。

注射をされるのは好きじゃ無かったが。
義父が受けなさいと言ったので渋々受けた。

苦い薬も貰って、食事の度に嫌な思いをしたものだが、
それにも徐々に慣れていった。
注射も今では得意だ、刺される的な意味で。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 22:52:59.46 ID:xvi7r2AO<>
時の進みは体感している時は遅く、しかし、振り返ってみると、とても短い。
数年の月日が流れ、ロケット団が結成される。

住居も移り変わり、アジトと呼ばれる場所で暮らすことになった。
大勢の人と同じ場所で過ごすことに恐怖はあったが、みんな私に良くしてくれた。

時々、哀れむ様な目で私を見るものも居たが気にしないことにした。

基本的にみんな、私には優しい。
特にアテナさんとラムダさんには、お世話になりっぱなしだった。

ランスさんと仲良くなるのは、少し先の話だ。

そういえば、みんなと仲良くなりたくて、勝手に厨房に忍び込み料理を振る舞ったことがある。

あまり多く量は作れなかったが、それがとても好評で
次もまた作ってくれと、みんなから頼み込まれた。

あまりに予想外の反応過ぎて戸惑ってしまい、
曖昧な返事を返し、その場から逃げる様に立ち去ってしまった。

私の料理が食堂の人気メニューになるのは、それから数日後のこと。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 23:05:21.99 ID:xvi7r2AO<>
そういえば、アジトに引っ越してから、注射は減った。
苦い薬も少なくなった。

代わりに、実験に付き合うことが多くなった。
変な機器を体に取り付けて……えーと、そうだ、サターン博士の指示通りに行動するという簡単なもの。

実験は基本的に暇なものばかりだったが、
目まで覆うヘルメットを付けた実験は面白かった。

同じ部屋に居るポケモンの視界が私の視界と同調する。
操れる訳では無いが、ある程度、私の意識にしたがってくれた。

第三者から見る私は幼かった。
特に胸の辺りが、きっとまだ成長期。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 23:13:55.19 ID:xvi7r2AO<>
そして、そのまま、今に居たっている。

ポケモンバトルは大得意。
ロケット団の下っ端には負けない。

四幹部にだって、引けを取らない。

なんだって、私のポケモンの師匠はカツラさん。
ジムリーダーとか言う偉いお方。

まあ、私が強いのは私の実力じゃなくて、
ポケモンが強いから、だけどね。

護身用に預けられた義父のペルシアン。
育ちが良いらしく、とても素直な性格で、また、私にもすぐに懐いてくれた。
今では一番好きなポケモン。正直、返したくはない。

まあ、ともあれ、私は今も元気です。
ロケット団にしか、私の居場所も存在も無いけれど。
その唯一の場所がロケット団で良かった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/22(月) 23:14:58.14 ID:xvi7r2AO<>終わり

消化不良気味だけど、
電池が無いので終わり<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/11/23(火) 01:07:32.63 ID:DBGIDv2o<>おつー<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2010/11/24(水) 09:02:30.10 ID:elyu.IAO<>もし、ランプの魔神やらで、なんでも願い事を三つ叶えられるなら

一つ目、二つ目で自分本位な願い事を叶えたなら、
最後の願いは「この出来事を忘れること」です<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 12:04:48.10 ID:l2JcygAO<>1じゃないけど、ロケット団について吐き出す場がないからちょっと間借りするぜ!

BWの元ロケット団員に泣いた
家族大事にしろよ!!

>>1スランプなら無理することないけど、いつでも続き待ってる!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/01(正月) 12:28:33.75 ID:Q/5ckQAO<>新年明けましておめでとうございます

今年も自由気ままにぼちぼちと続けていきます
新年早々、スランプまじきつい。何を書いてもおもしろいのを書ける気がしない<> あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!<>sage<>2011/01/04(火) 21:32:46.47 ID:buLddAAO<>あけおめー
三が日も終わっちゃったな…<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/06(木) 12:20:26.03 ID:y6DGTsAO<>閃いたァーッ! 書くぞォーッ!
やはり、自分はAAでの作品が一番面白いんだなと思います

制作板の文明の始まりスレにてモランバーグの人で投稿してました。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/06(木) 12:38:16.72 ID:y6DGTsAO<>
だが、思う。
世界を敵に回す必要があるのかと。
世界に戦争を仕掛けて勝てると思っているのかと。
考えうる限りのリスクとリターンを照らし合わせ、やはり、双方は見合ってないと思う。

したっぱB「もしかしたら、ロケット団は想像以上に追い詰められているのかもしれませんね」

最近のロケット団は失敗続きだ。
小さな事業は成功してる部分もある。
しかし、大きなところ、大事な場面でミスが目立つ。

お月見山で赤帽子が現れてから、これまでに至るまで。
彼の与えたロケット団の損害は甚大なものとなっていたのかもしれない。
それこそ、組織を維持できぬほどに。

したっぱA「なにか言ったか?」

カツ丼を平らげたAが、満足げに息を吐く。

したっぱB「いえ、馬鹿はいいなと」
したっぱA「馬鹿はいいぜ、知らぬが仏が通用するからな」
したっぱB「自分で言っちゃ駄目でしょう……」

思わず嘆息が出る。
でもまあ、一理あるかもしれない。

したっぱ「それじゃ、行こうか」

私達は兵隊だ。
それ以上でも、それ以下でもない。
考えたところで何かが変わる訳でもなく、ただただ命令に従うのみ。

したっぱB「行きましょう」
したっぱA「よーし、生きて帰るぞぉっ!」

権力を持たないものが選べるのは、誰に従うかくらいなものだ。<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/01/06(木) 13:18:58.11 ID:y6DGTsAO<>
シルフカンパニー本社制圧事件対策本部にて。

急だったためか、部屋の内装に特別な装飾などはなく、
部屋の中心に大きな長方形の机、それにホワイトボードがあるだけだ。

そこに十数名の老若男女様々の者が席に着いている。
名のある顔触ればかりだ。

その一人として、自分も席に着くが、少しばかり居心地が悪い。
その理由として上げられるのは、彼らと私では立場が違うからだろう。

彼らは各地から集められた名だたるジムリーダー。
またはジムトレーナーであり、私は警察の人間だ。

人数の割合も酷いものであり、9対2だ。
もちろん、『2』が警察である。

別に警察は決して無能だから、この数字な訳じゃない。
ただ役割が違うだけである。

私達は人災に対してはエキスパートだ。
人が起こした犯罪を取り締まり、事件を究明し、解決へと導く。

しかし、ジムは天災に対して取り締まっている。
野生のポケモンが暴走すれば、それを止めに入る。
地震が起きれば、直ぐさまに瓦礫を押しのけ、人命救助に力を注ぐ。
波浪や台風やら何やらかんやら、とにかく自然を相手にしてきた連中。

つまり、想定している相手が根本的に違う。
私達はあくまで人を相手にしているのに対し、彼らは自然を相手にする。
また、私達は人を倒すのが目的ではなく、解決するのが目的なのだから。
強力過ぎる武器を持つことは好まれない。

警察とジム、二つの戦力差が開くのは仕方の無いことだろう。
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/06(木) 13:46:31.18 ID:y6DGTsAO<>
今回の会議の目的はロケット団の壊滅を想定している。
だからと言って、この人数差は無いんじゃないかと思う。

しかし、今更言っても、もう遅い。
発言しても、取り上げられる気がしないため、やる気も出て来ない。

ただただ眺めて、行く末を見守ることに徹する。
一応、警察側の責任者として、ここに居るがやれることはない。

せめて、報告用に成り行きを覚えて帰ることにしよう。
私達が活躍出来る戦場はいつだって終わった後だ。

少しやる気が出て来た。主にネガティブな方向に。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/06(木) 13:46:41.98 ID:y6DGTsAO<>中断します<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/07(金) 15:48:49.60 ID:CgKKhEAO<>
まずは出欠の確認。
参加しているジムリーダーはタケシ、カスミ、マチス、エリカの四人のみ。
急とはいえ、召集したにも関わらず、これだけの一大事に参加したのが半分とはどういうことか。

グレン島にいるカツラは、理解は出来る。
トキワシティのジムリーダーはここ数年、音信不通。
そう都合よく連絡も付かなかったのだろう。

しかし、隣のセキチクジムのキョウ。
何よりも、この町のジムリーダーのナツメが来ないとはどういうことか。

一目見ただけで、個性的なメンバーだと分かるが、些か協調性に欠けているのではなかろうか。
後でポケモン協会に、もうちょっとどうにかしろと電報でも打ち込んでおこうか。

ジムトレーナーの参加者は5名。
参加した各ジムリーダーに所属している者と、セキチクジムから来た者だ。

エリカ「あら、キョウさんは?」

私が尋ねるよりも先にセキチクのジムトレーナーの男にエリカが問う。
彼が言うにはキョウは体調が悪くて来られないとのこと。

忍びが病気で寝込むのは少しシュールだと感じる。
もしや、毒でも服用したんじゃないだろうな。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/07(金) 16:11:02.66 ID:CgKKhEAO<>
一通り、社交辞令的な挨拶を終えた後、会議が始まる。
思っていたよりも、会議自体はスムーズに進んだ。

エリカが議長となり、簡潔に情報をまとめあげ、的確に各自に指示を与えていく。
周りの者もエリカを信用しているらしく、たまに質問が飛び交うくらいで、首を縦に振る。
エリカの作戦の穴はマチスが埋めた。
実戦経験の豊富なマチスの発言を参考にし、順次修正を加えつつ、より洗練させていく。

最初はどうなることかと思ったが、なかなか悪くないじゃないか。
私はシルフカンパニー本社の包囲の担当を進言し、突入についての手筈は彼らに任せ、作戦内容を頭に叩き込んでいく。

下手に共同作戦を組むより、突入は戦いの専門家に任せた方が良い。
そういう判断だ。

××××「イエローさん、これで良いんですか?」

今まで黙して、隣に座っていた私の部下が声を潜めて問いかけてきた。

イエロー「こんな所でまで、コードネームで呼ばないで欲しいかな、ハンサム」
ハンサム「では、リーダー。貴方もコードネームで呼ばないでくださいよ……」
イエロー「君の場合はあだ名でしょ?」
ハンサム「……もう良いです」

呆れとも諦めとも取れる表情をとるハンサムに笑いかけてやった。
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/07(金) 16:32:06.53 ID:CgKKhEAO<>
ハンサム「リーダー、良いんですか? こんな役割で」

私の笑みを振り切る様に質問を被せてくる。
見とれてくれても構わんのよ?

ハンサム「見とれませんよ、貴女には絶対に」
イエロー「やっと意思疎通が出来るようになったな、素晴らしい進歩だよ」
ハンサム「私の意思は貴女には伝わりませんけどね」

ハンサムの口から嘆息が漏れる。
最近、部下の対応が冷たくなってきて寂しい限り。
私の直属の部下に成り立ての君はもっと面白かったのに、
何が君をそこまで変えてしまったのだろうか?

ハンサム「
 ポケモンて意思疎通は理解できても、人とはできない。
 だから、貰い手が未だに居ないんですよ」
イエロー「私に貰い手は必要ない。私に相応しい男なら私が貰ってやる」

更に嘆息。
嘆息は幸せを逃すから、やめた方が良いと言ったのに、これだけはどうも直らない。
困ったものだ。

ハンサム「で、良いんですか?」
イエロー「良いとは?」
ハンサム「…………」

三度、嘆息。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/07(金) 16:32:14.29 ID:CgKKhEAO<>中断<> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/11(火) 08:18:11.97 ID:rCsV3IQAO<>今時のよくあるクールなイケメン的、格好よさよりも、
ダサくて泥臭い方が格好良いと感じます<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/01/11(火) 20:00:17.50 ID:bo9dK+u7o<>おっつ<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/01/12(水) 10:09:04.23 ID:VaKA0ufAO<>おつ!<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/12(水) 10:12:08.46 ID:HBfmaE/AO<>この前、仏門の家系の友人と宗教について教えを請うていたら、
いつの間にか相対性文化論の話になっていました。

あれ程に頭を使ったのは久々な気がする<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/12(水) 10:22:07.12 ID:HBfmaE/AO<>「○○は俺の嫁」っていうのは傲慢すぎる。
だから、「俺は○○の婿!」と言うべきだ。

と、主張しました。
友人に「それはおかしい」と一蹴されました。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/12(水) 10:26:28.07 ID:HBfmaE/AO<>この前、友人のSSに駄目出しをしてました。
言ってて、一番思うことは「理解することと実行することは別問題なんだよな」。

自分が出来てないことを言うのは物凄く自己嫌悪。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/12(水) 10:42:01.44 ID:HBfmaE/AO<>漫画の書き方
AAの書き方
SSの書き方
動画の書き方

同じ様に見えて、全くの別物。
こんな当たり前のことに気づくのに1年かかりました。

ちなみにスランプはこれが原因です。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/14(金) 19:42:54.88 ID:Hp+tNdlAO<>地の文フェチ。台本書きでも地の文フェチ。
もう、名前付けなくて良いような気がする。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/24(月) 10:38:20.41 ID:HBGXhrzAO<>パワポケやパワプロで一番つまらないと思うのはオールAの選手だけで出来たチーム。
俺ペナをすると必ずパワーヒッターとアベレージヒッターが着くから困る。
最強よりも癖が強かったり、一芸特化の方が好きです。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/24(月) 10:53:36.09 ID:HBGXhrzAO<>さて、今まで何をしていたかというと、特に何もしていません
一度、自分の作品がつまらないと思うと投げ出したくなる質のようでして、
とりあえず、頭を冷やすついでにpixivで遊んでました

主に東方でニコ動関連の絵
ポケモンからは離れてました

SSも一つ書いたっけな、2時間程度のを
流石に評価は良くは無かった。
オチが悪いのはいつものこと。

うーん、なんか、駄目だ。
相変わらず、しょぼいのしか、書けない<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/24(月) 11:28:07.25 ID:HBGXhrzAO<>大半の人は気付いてると思うけど、
自分の愚痴は聞いて貰った気になることが目的で、
反応は期待してないので適当にスルーしちゃってください

マイナス思考を投げ捨てたら、残るはプラス思考って発想なんで<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/24(月) 11:32:46.89 ID:HBGXhrzAO<>しかし、愚痴れる場所があると楽だわー

表じゃ言えんよ、自分の作品がつまらんなんて。
んじゃ、ここは表じゃないのか、だって?

いやいや、ここはもう人気とか度外視にしてるから、
好きな時に俺が語り、好きな時にみんなが俺の話を聞いたり、
物語を楽しんでくれたら、それで良いとです<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/24(月) 11:51:43.66 ID:HBGXhrzAO<>さて、頑張りますか
前々から言っているように人が居なくなれば、ここは捨てるが、
捨てることになるのも困る<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/24(月) 12:11:19.49 ID:HBGXhrzAO<>
感情の篭ってない目が私を捉える。
表情も崩さず、口は真一文字、無愛想にも程がある。

笑いかけてみるが、通じない。
アイコンタクトを送るが受信拒否。

会議の方はと言うと、私達の間に流れる歪み淀んだ空気とは裏腹に、
憎たらしいくらいに順調で快適に進んでいるようだ。

内容はなんとか聞き取れてはいるが、部下が視線が気になり、いまいち集中しきれない。
彼のリアクションは実に効果的だ。
私の様に可愛い部下に構ってやりたくなる、優し過ぎて、お節介な人間には特に効果抜群だ。

イエロー「分かった分かった、降参だ」

この場で手を挙げる訳にもいかないため、机に着いた手の平を見せることで意を示す。
すると、またもや、無愛想な部下は嘆息をついた。

ハンサム「では、教えてください」

間を置かせてもくれないらしい。
せっかちな男は嫌われるぞ。とは、空気を読んで口に出さないでやった。<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/01/24(月) 12:57:26.10 ID:1rE+Dvag0<>ごめん1レスだけだけど中断します<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/01/26(水) 02:38:28.07 ID:Bz3Z5tnqo<>おつ、久々やな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2011/01/26(水) 08:11:58.37 ID:0dUQ7tiSO<>人いるからな<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/05(土) 22:46:08.81 ID:rntB70YAO<> 久々にきた
人災は警察 天災はジムリって図にしびれた <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/10(木) 15:52:59.84 ID:w+M84G2AO<> これが終われば、楽になる
これが終われば、忙しくなくなる

そう思い続けて二年目です <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/10(木) 16:11:26.15 ID:w+M84G2AO<>
イエロー「ポットに入った紅茶はみんなに配って、お茶会を始めてもらえばいいさ」
ハンサム「はい?」
イエロー「私達はベストドロップ頂くとしようか」
ハンサム「あの?」

理解出来ないといった感じで首を傾げる可愛い部下。
決して、「何を言っているんだ、この人は」と言ったような蔑みはない。
きっとない。

エリカ「以上でよろしいでしょうか、お二人方」

丁度、会議も終わった様で配置決めなど、綺麗にまとめられた紙を手渡される。
そのまま、ハンサムに押し付ける。

ハンサムは手に取った紙に目を通すと、私に視線を寄越す。
特別、変なリアクションをしてないところを見ると、大方予想通りと言ったところだろう。
構わんよ。と、心の中で呟きながら、首を縦に振る。

ハンサム「……はい、分かりました」

声のトーンが低いのはきっと暴れたかったからだろう。
若気の至りってやつだろう。
決して、私に対する猜疑心からではない。
断じてない。たぶん、ない。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/10(木) 17:03:55.01 ID:w+M84G2AO<>
さて、報告書にはなんて書こうか。
そう思案を始めて、ハンサムに人生経験と言って任せちゃおうと結論付けたと同時に

モブ「大変です!」

会議中と書かれた紙の貼られた扉が大きな音を立てて開く。
中から現れたのは汗水垂らして、肩で呼吸をする男性。
軍服を来ている辺り、マチスのジムトレーナーだろうか。

しかし、そんなに慌てて、どうした青年。
生き急ぐなよ。

粗茶でも飲んで落ち着けよ。
っと、これは私の分だったか。

モブ「一人の男がシルフカンパニーに真正面から突入しました!」

コップが落ちる音がした。
二つの意味で使えなくなった作戦書。

仕事が増えた、反比例して時間が減った。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/10(木) 17:04:35.11 ID:w+M84G2AO<> 中断 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/12(土) 22:26:20.47 ID:82ebCtFAO<> おつおつ!
イエローってゲームにも出てくるキャラ?
俺の記憶じゃ麦藁ギャルしか出てこなかったぜ <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/14(月) 00:51:45.75 ID:D9MP1qyR0<> >>812
どうしても出したかった俺が、オリキャラというふりをして、
イエローが捻くれた方向に成人化した姿を想定していて、

俺の脳内でむふふ♪むふふ♪しながら、楽しんでます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/15(火) 22:36:07.67 ID:phz4SWpAO<> >>813
捻くれすぎだwwww
しかしああいうお姉さん、好きだ <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/16(水) 16:32:11.06 ID:MF+j/idAO<>
雨の日も、風の日も、日々を怠らずに鍛えに鍛えた肉体美。
身体中に刻まれた傷は修羅の証。
極限まで鍛え抜いた拳は天を貫き、絶対不動の身体を支えし両足は地を揺るがす。
両の眼が見据える先には見渡す限りの青天が写っている。

限界はない、あるのは果てしない道のりのみ。

相棒のポケモンと鍛えし技、自然と共に生きることで得た心。
揺るがない、その圧倒的な存在。

人は彼を畏怖と敬意を込めて、こう呼ぶ。

『空手王』!!


<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/16(水) 17:03:38.00 ID:MF+j/idAO<>
ここシルフカンパニーの一階、窓口にてモブ下っ端の一人。
見張りの交代の時間が近付いてきて、
今日の夕食は何かなと頭に思い浮かべているときだった。

突如して、轟音と共に入り口を覆うガラス扉が全て砕け散った。

同時に宙を舞うのは外で見張りをしていたはずの下っ端。
錐揉み回転をしながら、壁に突き刺さる。

当然の様にピクリともしない。
また同様にそのフロアで待機していたロケット団の全員が、
それに目を奪われ、動けずにいる。

????「たのもうっ!!」

続いて、腹の底にまで響く程の声が発せられる。
声のする方、扉の役割を果たしてない入り口に顔を向けると、
やけに難いの良い男がそこに居た。

山篭りでもしていたのかと問い詰めたい程にボロボロになった柔道着。
そこから見せる腕はまるで丸太の様だ。

分かりやすく言うとゴーリキーと対等に戦っていても、不思議に思えない外見。
時代錯誤にも程がある。
機械と電子で埋め尽くされ、ポケモンを行使するこの時代に、
あんな男が居てたまるか。

下っ端「だ、誰だてめぇっ!」
????「私の名はタケノリ」

男はボールを手にせず、拳を構えて、我等に対峙する。

タケノリ「それ以上は拳で語ろう!」 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/16(水) 17:05:07.71 ID:MF+j/idAO<> 中断

これでやっと役者が全員揃いました。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/16(水) 17:33:39.39 ID:MF+j/idAO<>
したっぱA「これはこれは……」

轟音がしたと思って、降りて来てみればなんという惨状。
このフロアにて見張りをしていて十数人。
五体満足な者は一人もおらず、誰も彼も不自然な方向に腕やら足やらを折り曲げている。

うめき声をあげて涙を流す彼らはさながら、糸の切れた呪いの人形の様だ。
また、灰色の制服は赤い塗料が塗りたくられ、いつも以上にワイルドな仕上がりになっている。

そのイケてる装飾をしてくれやがったらしい胴着の男がそのフロアで唯一、地に足を付けていた。

震える拳が止められない。

したっぱA「おい、……いっ!?」

声をかけると同時に眼前に迫る赤と白のボール。
身を屈め、紙一重でそれをかわす。

次に感じたの背中に威圧感。
強い閃光が自身の後ろで放たれている。

したっぱA「ファックッ!」

地を蹴り、強引に身をよじる。
先程まで顔のあった場所に突き刺さる、太い杭。
いや、あれは腕か。

そのまま、地面を殴りつけ、コンクリートの床が砕かれ、盛り上がる。

無理な体勢で回避したのが祟ったか、
その震動も重なり、そのまま、転倒する。

したっぱA「チッ!」

体勢を立て直す間もなく、距離を詰める主人に似て体格の良いポケモン、カイリキー。
反応がとてつもなく良い、主人の指示が飛んでいるようには思えない。

自分の意思で動き、状況判断を行っているということか。
厄介極まりない。
が、人相手に戦うことには慣れてないらしい。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/16(水) 18:10:31.86 ID:MF+j/idAO<>
やっぱり中断します <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/17(木) 17:15:17.17 ID:LO5LqejAO<>
体勢を立て直す必要はない。
身体を転がしたまま、ボールに手を伸ばし開閉スイッチを押す。

カイリキー「が……っ!」

光と共に放たれる茶色の矢。
その黄色の嘴はカイリキーの鳩尾を捉える。

したっぱA「よくやったピジョット」
タケノリ「むっ」
したっぱA「不意打ちには不意打ちだぜ、ドウギマン」

中指を立てて、口の端を吊り上げる。

カイリキー「ぐぉぉっ!」

自身の身体に刺さったピジョットの身体を捕らえようと腕を振りかぶる。
カイリキーの鳩尾に嘴が刺さっているピジョットの視界は限定されている。

タイプの差があるとはいえ、あの腕の力。
捕まれば、直ぐさまに翼をへし折られ、戦闘不能にされてしまうだろう。

したっぱA「あめぇなっ!」

足で床を二度叩いて、ピジョットに指示を飛ばす。
内容は『死角注意』。

ピジョット「ピィッ!」

それで理解してくれ、嘴を鳩尾に刺したまま、両翼を大きく広げ、上の二本の腕を弾き返す。
そのまま、錐揉み回転をして、下二本を翼で弾く。

カイリキー「ぐぉおおおおっ!」

回転によってえぐれた血肉がカイリキーの足元にボトリと落ちる。
それに誘われる様にカイリキーの身体もまた沈み、膝を付いた。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/17(木) 17:23:54.93 ID:LO5LqejAO<>
タケノリ「……よくやった」

そう言って、脂汗を流して、腹部を抑えるカイリキーをボールに納める。
ピジョットはというと、顔にベットリと付いた血を拭いもせず、
ドウギマンを睨みつけている。

やる気満々じゃないか。
連戦させてもいいかもしれない。

したっぱB「なんですか!? 何をやったんですか!? 何をしでかしたんですか!?」

背後の階段から姿を現したのは、マイベストパートナーが一人、B。
一階の惨状を見るや、顔を真っ青にして黙り込み、
それから、頭を横に勢いよく振って、両の頬をパンパンと平手で叩く。

そして、俺を睨みつけ、

したっぱB「これは冗談じゃすみませんよ、A!?」
したっぱA「いや、俺のせいじゃないから」

どうやら混乱しているらしい。
<>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/17(木) 17:38:43.88 ID:LO5LqejAO<>
大きく息を吸っては吐く。
それを数回繰り返して、胸を撫で下ろした。

したっぱB「で、なんですか、この状況は?」

どうやら、落ち着きは取り戻したらしい。

したっぱA「知らねーよ」

いつでも対応できる様に意識だけはドウギマンに向けておく。
相手も喋らないが警戒を解いてない、むしろ、強くなっている。

したっぱA「
 俺も来た時には既にこんな状況だったんだよ。
 分かるのは、あいつがやったんじゃねーかってことだけだよ」

したっぱBが歩み寄ってくる。
警戒はしている様でボールには手が添えられている。

したっぱB「時代錯誤なお方ですね」
したっぱA「同感」
したっぱB「友達ですか?」
したっぱA「んな訳あるか」
したっぱB「ならば、同類でしょうか?」
したっぱA「[ピーーー]よ、あいつに生身で突っ込んで投げられて来い」

張り詰めた場の空気が少し緩んだ気がした。
少なくとも、今すぐにバトルに入るノリではない。

したっぱB「で、あなたは……確か、タケノリさんでしたっけ。元ジムリーダーの」
したっぱA「元ジムリーダー?」
したっぱB「
 ええ、そうです。
 数年前までジムリーダーだったのですが、現ジムリーダーのナツメと
 ヤマブキジムリーダーの座をかけた戦いに負けてしまい、
 今はヤマブキシティの端っこでひっそりと道場を開いているとか……」 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/02/17(木) 17:42:50.78 ID:LO5LqejAO<> 中断

ここから先は片方が全滅するまでバトル三昧。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/24(木) 06:02:07.76 ID:My/2WTi1o<> おつ、見てますよー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/24(木) 19:15:59.86 ID:My/2WTi1o<> のくす牧場さんのところは消えてたので、まとめられているところ探してみたらここがありましたよ、と報告
http://mimizun.com/log/2ch/mog2/1255344029/ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/24(木) 19:18:37.26 ID:My/2WTi1o<> と思ったら違った
何をやって(ry
http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/yutori7.2ch.net_news4vip_1255366063/
こっちですね、すいません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/24(木) 20:39:26.21 ID:My/2WTi1o<> と思ったら違った
何をやって(ry
http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/yutori7.2ch.net_news4vip_1255366063/
こっちですね、すいません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/02/24(木) 20:40:59.39 ID:My/2WTi1o<> あるぇー?? <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 09:18:10.46 ID:6jU1F/VAO<> 我が世の春が来たァァァァ
忙しい時期にしか、書かない人です。

久しぶり <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 09:26:52.62 ID:6jU1F/VAO<> 流石に丸々一ヶ月程、別の作品に手を付けてると忘れてしまうな…… <> ◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 09:41:37.86 ID:6jU1F/VAO<> 駄目だ、筆が進まない。
今の創作がつまらんと思うまで、待機が良いのかなぁ <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 09:45:48.40 ID:6jU1F/VAO<> あー、今は東方書いてます。SSで
ルーミアの話。

地の文フェチとしてはいまいちの出来っぽいです。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 09:49:21.08 ID:6jU1F/VAO<> こんな辺境の地て、東方の話とか誰が聞くんだっつーの
そして、相変わらずのフリーダムなスレの使い方。

SS書きの中でも、ここまでフリーダムな奴は俺しかおるまい
もはや、スレタイ関係ないもんな。うん。
なんで、このスレは生き残っているのだろうか <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 09:57:39.07 ID:6jU1F/VAO<> 語る騙るカタルシス。
シスターと言えば、自分が思い浮かべるは誰だろう。
DQのシスターとかが思い浮かぶ俺はシスターに性癖がないらしい。

そういえば、僧侶の人って、今何をしてんだろう。
DQ3で僧侶の絵を書いてた人。

あと、気になるのは……スライムの人だな。
勇者の代わりにスライムが魔王を倒す話のやつ。
あれは凄く面白かったな、うん。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 10:05:33.16 ID:6jU1F/VAO<> そういや、801とかやってる人を腐女子とか言ったりするけどさ。
原作の描写が無いのに百合とかやっても、一緒と思う今日この頃。

だから、私は宣言します。
百合もオカマも書くのは大好きです。
リアルは別です。まぐわいは書きません。
エロは書くのに凄く力が必要なのです。
自分との戦いです。

そもそも、エロを書くってのはですね。
自分が一番エロいと思い、自分が一番好きなシチュを想定して書くんですよ?

拷問ですよ、拷問。

余談ですが自分のオリジナル作品のレズ、オカマの出現確率は100という素晴らしさ <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage<>2011/04/01(金) 15:09:27.92 ID:6jU1F/VAO<> 紛失してたポケモンブラックを発見しました
続きをやろうと思います <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/04/02(土) 10:48:11.96 ID:psi4+kE7o<> よかったのう <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/08(金) 12:27:03.76 ID:hLv3v6rAO<> 手を伸ばせば届くと思っていた。
努力は裏切らないと信じていた。
経験は自信だ、それなりの年数を重ねりゃ自尊心ってもんが生まれる。

そりゃ、ジムリーダー程、強いとは思ってないさ。
でも、いつか辿り着けると思った。
頑張れば、肩を並べることが出来ると信じていたんだ。

でも、世の中にはどうしようも無く強い奴が居て、
いくら頑張っても勝てない奴もいるんだと思い知らされたんだ。

あまり才能という言葉を使うのは好きじゃないが、
天才って奴は確かに存在する。

良いわけに聞こえるかもしれないし、
情けないと思われるかもしれない。

だが、言わせて欲しい。

そう言った奴に限って、実際に本気で頑張った奴は少ない。
自分で言うのもなんだが、頑張って来て諦めた奴に対して、
もっと頑張れと無責任に言うのは酷過ぎるのではないだろうか。

頑張れという言葉を使っていいのは、
同じ道を歩む者か、努力を積んで来た人だけだ。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/08(金) 12:42:05.42 ID:hLv3v6rAO<>
ロケット団は本来、名前を持たぬ集団だが、中には例外もある。
その一つとして上げられるのが俺の存在だ。

名はリョウと言う。
四幹部の下に着く……みんなからは隊長と呼ばれる存在だ。

隊長と言うだけあり、ポケモントレーナーとしての腕はロケット団の中ではそれなりに高いと自負している。
いや、サカキ様と四幹部を除けば、私が一番だろう。
尤も、団栗の背比べみたいなもので、ロケット団の幹部を除いた中での一位など、意味がない。
自尊心を傷つけないためだけの情けない称号だ。

それほどに俺は弱く、才能がない。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/08(金) 12:48:06.33 ID:hLv3v6rAO<>
いつからだろうか。
自分の実力を信じられなくなったのは、後ろ向きな考えで頭が埋め尽くされる様になったのは……

確か、あの時だ。
俺がまだ、フスベシティに居た頃、幼なじみのあいつとポケモンバトルをしていた時の話。
あの時、俺は強いと信じていた。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/08(金) 12:53:49.00 ID:hLv3v6rAO<> 長くなりそうなので中断 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2011/04/08(金) 13:58:18.06 ID:pKHGdx9Ko<> ktkr!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越)<>sage<>2011/04/08(金) 17:35:55.76 ID:94IrKbmAO<> 更新きた!
通学の電車内でのささやかな楽しみ <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/10(日) 20:23:46.39 ID:rOxsMYqAO<> 幼なじみの名はワタル。

あいつは昔から我が儘な奴だった。
それでいて、無茶をする奴だった。
いや、彼にとっては無茶ではなかったのだろう。
俺が奴に着いていけなかった、必死にしがみつき、振り落とされたんだ。

12歳になるまで、ワタルはポケモンの素人だった。
俺は親がポケモントレーナーでバトル馬鹿であったため、
親の監視下の元で10歳の時からポケモンバトルに勤しんでいた。

だから、ワタルがポケモンを手に入れた時、幼なじみの俺がワタルの初めてのバトル相手になったのは必然と言える。
ワタルに自分の知識や技術の基礎を教えたのも俺だ。
ワタルが冒険に出かける時に横に居たのも俺だった。

ワタルは旅が好きだ。
12歳になる年度にポケモンの資格を取ったワタルは、
一ヶ月もしない内に俺を旅に出ようと俺を誘った。

俺はワタルよりも二年、ポケモン歴が長い。
それ故に野生のポケモンの恐さも知っていたし、
野宿の眠れない恐ろしさを知っていた。

12歳の二人で旅なんて無茶苦茶だと、思ったもんだ。
本来、こういう旅は経験者に同行して貰うのが鉄則。

しかし、その恐怖をいくら説明しても聞いてはくれず、挙げ句には、

「なんだ、リョウ。お前、自信ないのか?」

と、からかう訳でもなく、意外そうに見つめられた。
そんな風に聞かれたら、断らない訳にはいかないじゃないか。

まずはチョウジタウンまでの道のり。
そこまで無事に着けてから、その後について改めて考えることを提案した。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/10(日) 20:35:27.10 ID:rOxsMYqAO<> 嫌々ながらも、行ってやると言った時のあいつの笑顔は忘れられない。

これは後日、聞いた話だが、ワタルは家出して旅に出たらしい。
同様に俺も家出している。一枚の手紙をだけを残して。

何故、ワタルが俺を選んだのか。
当時は知り得なかったことだが、今は知り合いに理由を教えて貰っている。

同年代を相手にワタルが負けたのは、後にも先にも俺だけだったらしい。
それ故にワタルは周りから疎まれており、対等に話せるのは当時、俺だけだったとも聞いた。

尤も、旅に出る直前ではワタルと俺の勝率は五分。
俺の二年間をワタルは一ヶ月で埋めてきていた。
俺がワタルに優っいるのは経験だけだ。

当時の俺はそれを認めたくなく、俺の方が上だと無理矢理、信じ続けていた。
だから、ワタルが天才ってことに気付くのが周りよりも遅れたのだ。

俺もワタルの才能を妬む凡人に過ぎなかったってことだ。
ワタルの隣は荷が重すぎた。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/10(日) 20:41:06.49 ID:rOxsMYqAO<> 中断 <> ◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/10(日) 20:51:40.77 ID:rOxsMYqAO<> 努力しても、敵わないと思える人は確かに存在する。
それを才能なんねぇ! 努力が全て、今までの積み重ねが全て、
と言ってのけれるのは、打ちのめされた事のない人か、
そもそも、努力をしたり、競い合いというものを体験したことがない人だろう。

努力の大事さを知っていたり、見る目がある人は、
こいつなら、もっと上を目指せると思った人にしか、努力という言葉を使わないだろう。

才能が全てとも思ってないし、努力が全てとも思ってない。
だが、努力とは才能を磨くものとは思っている。 <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/25(月) 16:46:54.07 ID:kIQd0MAAO<> 私です、東方創想話にて投下してきたけど、
気晴らしで書いた作品の方がポイントが高くて凹んでます。

あー、ウケが狙いてぇ〜

まあ、続くって書いちゃったのがね、ポイント入らない原因なんだろうけどね

三時間で書いたのが評価良いってのが凹みますよ
読者が何を望んでいるのかわかんね <>
◆HQ9AxJIHF.<>sage saga<>2011/04/27(水) 15:37:17.26 ID:phQ4jMvAO<> JOJO好きなら、「( ^ω^)スタンド使いになったようです」を読んで来るのをオススメします。
あれはJOJO好きにしか書けない <>