1 ◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:48:15.30 ID:qgtMKTRN0<>スレタイ通り、
血のつながった姉妹でありながら、
他人として生活していたある姉妹の物語を、
赤の他人である俺が語ります。

書き溜めがあるので順次投下していきます。
質問は、あれば最後に答えたいと思います。
アドバイスもあればお願いします。

スレを立てた動機や目的も最後に書こうと思います。
どうぞよろしくお願いします。<>他人だけど血の繋がった姉妹の話を赤の他人である俺が語る 1
◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:49:47.94 ID:qgtMKTRN0<> 2011年3月11日、東北地方を大地震が襲い、地震、津波、原発事故と災害が続いた。
我が家と交流のある、とある大学生が当時の福島県の大学に通っていた。
彼女(D子とする)とは遠い親戚のような付き合いで、俺から見て従姉妹のような姪のような存在だった。
彼女は幸いにも地震の直接の被害は受けずにすみ、震災直後から福島市内の避難所に逃れることができた。
しかし、福島市は鉄道も道路も分断されて輸送手段が確立できずにいた。
避難所では13日までは3食の食事が配られたものの、14日には配られる食糧が減ってきた。
原発から100キロ近く距離があるにもかかわらず、近くの川が汚染されたという怪情報すら飛び交った。
とにかく食糧と正しい情報がどこからも入らない状態だった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:50:20.23 ID:qgtMKTRN0<> そして最初の避難所では飲料水が尽き、移動を勧められた。
彼女には車も免許もない。
現地ではガソリンが無くなり、タクシーもいなかった。
彼女はそこにいては持たないと考えた。
心配した俺の家族は、地震の直後から彼女と連絡を取っていた。
そして、彼女は東京の我が家を目指すことになった。
他に行くところも無かった。

家庭の事情から、彼女には家族がいなかった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:50:47.48 ID:qgtMKTRN0<> 鉄道も道路も使えない。外から現地にも入れない。そして何が正しい情報なのかがわからない。
幸いにも電気と電波は通じていた。彼女の頼みの綱は、充電済みの携帯電話と現金のみ。
我が家族を代表し、俺が彼女の脱出をサポートすることになった。
俺は東京にいながら正しい情報を集め、彼女に遠隔で脱出経路を指示することになる。

俺は過去にもこの状況を経験したことがあった。

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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:51:04.55 ID:qgtMKTRN0<> 登場人物

俺:♂。普通の家庭に生まれ育つ。しかし、なぜか普通じゃない家庭の人々と巡りあう。ちょっと乗り鉄。

B子:♀。姉妹の姉。最初に俺と知り合う。お人良し。眩しいほどの善人。

C子:♀。姉妹の妹。家庭に恵まれず、姉に比べて家族観が歪んでいる。

D子:♀。本編とは直接関係ないが、彼女に起きた出来事から俺が姉妹を思い出すことになる。


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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:51:21.47 ID:qgtMKTRN0<> あるときC子から電話がかかってくる。
何故か俺たちの連絡はメールを使わないで電話ばかりだった。
いつもの電話の内容は他愛のない近況報告、愚痴と励ましなどだった。
彼女は主に自分のペースで俺に電話をかけてきていた。
不安が溜まっているという意味だったかもしれない。
間隔は月に1度くらいだったと思う。
俺から電話したことは一度も無かった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:51:43.09 ID:qgtMKTRN0<> その時点で彼女は結婚先に嫁いでおり、その時は東京にいなかった。
俺はいつもの電話だと思って通話を始めたが、その時はちょっと違った。
どうやら彼女は旦那にDVを受けているということだった。

旦那とそれほどうまくいっていないことは聞かされていた。
旦那と、というよりも、旦那の家と、と言った方が正しいかもしれないが。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:51:58.78 ID:qgtMKTRN0<> 彼女は家族というものに悲観的であった。
そのせいか、旦那と結婚するに当たり、結婚しても子どもは産まない、という約束を交わしていた。
その件は旦那の親も了承していたようだった。

彼女はその代りに犬を3匹飼っていた。
ペットショップに行ったときに、仔犬を抱かされたらしい。
そんなことされたら飼うしかないでしょ、と言っていた。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:52:22.56 ID:qgtMKTRN0<> 旦那は結婚まで童貞だったのではないかと思われる。
対してC子は男性経験があった。
一度、なぜか彼女はサービスする気になったらしくてフェラをした。
すると、次から毎回求められるようになった、と言っていた。
それが気に入らないというようなことも言っていた。

子どもを産まない約束だったにも関わらず、旦那の母親は孫を求めるようになったらしい。
その件でも文句を言っていた。

話の背景から、彼女の旦那は地方のそれなりに力のある病院の跡取り息子だったのではないかと思う。
そしてモテない男だったのではないだろうか。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:52:39.09 ID:qgtMKTRN0<> 彼女がなぜ結婚を決意したのかはわからない。
子どもを産みたくないと言い張る彼女。
そして、それでもいい、と彼女を受け入れるほどの何かが旦那の家族にはあったのだろうか。

彼女は旦那の家に囲われているようなものだった。
外に働きに出ることは許されなかった。
お小遣いももらえなかった。
ただし、生活には一切困らなかった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:52:55.06 ID:qgtMKTRN0<> あるとき電話で、外で働けないことから来る退屈やストレスの事を愚痴ってきた。
そのときの俺は、お金をもらわない活動ならいいのじゃないか、と言ってみた。
彼女は行動を起こし、近所の障がい児の施設でボランティアの仕事を見つけてきた。
そのことを報告してきたとき、俺はただ素直に彼女を褒めた。
俺の予想の上を行く行動だったから褒めたのは当然だった。
でも、彼女は泣き始めた。
褒められて嬉しいと言った。
俺は彼女が何故泣くのかわからなかった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:53:15.33 ID:qgtMKTRN0<> 彼女は施設では、かなり仕事ができたようだ。
彼女は東京にいるときは看護師だった。
その経験が生かされていたらしい。
仕事ができるために、元から施設にいた職員にいやがらせも受けていたようだ。
ただそれは、彼女の有能さの証明にしかならなかった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:53:39.14 ID:qgtMKTRN0<> 施設の障がい児は、体は大人なのに心は子どもだったりする。
普通に大人並の性欲がありながら、それを理性で抑えたりしない。
だから、彼女はセクハラを受ける、と言っていた。
胸を触られるとかそういうレベルの話だ。
それが嫌だということではなく、
どうやって回避するんだったかな、看護師時代に勉強したのにな、
と言っていた。
俺はその話を聞いたとき、彼女のプロ意識を見た。
彼女が仕事を持っていて、それに本気で打ち込んでいることが嬉しくもあった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:53:58.02 ID:qgtMKTRN0<> ボランティアでお金はもらっていないのだが、職員との飲み会などがあるのでどうしても出費がある。
そこで飲み会のときは、旦那に頼み込んで小遣いをもらっていた。
しかし旦那には、誰の金で飲んでるんだ、と殴られていたらしい。
飲み会で帰りが遅いことも旦那の不満だったのだと思う。
DVがシャレにならなくなっても、彼女は家を出るなどの行動が起こせないでいた。
彼女には逃げる場所がない。

家庭の事情から、彼女には家族がいなかった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:54:12.23 ID:qgtMKTRN0<> 連絡を受けた俺は、DV対策用の女性用シェルターの存在を彼女に伝えた。
お小遣いをもらっていないので、移動に必要なお金の心配はあった。
しかし彼女は、5百円玉貯金で5千円ほどのお金を持っていた。
買い物に行くたびに少しずつ貯めていたと思われる。
俺は彼女のその行為を賞賛した。

彼女は脱出を決意し、実行する。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:54:26.95 ID:qgtMKTRN0<> 俺は、彼女の家から一番近い女性用シェルターへの経路を調べた。
電車を何度も乗り継がなければならなかった。
電車の遅延などに対応するために、彼女には乗り換えの度に俺に電話をするようにさせた。
俺は時刻表を調べ、乗るべき電車を次々に調べて、その都度伝えるという作戦にした。
この時の俺の経験が、2011年3月に生かされることになる。

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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:54:48.33 ID:qgtMKTRN0<> C子は物心ついた時から家族がいなかった。
彼女は児童養護施設で育った。
赤ん坊のころに児童養護施設に捨てられていたらしい。
そして、家庭を知らずに施設を卒園し、職業として看護師を選んだ。
この辺りの詳しい経緯を俺は知らない。

しかし彼女には家族がいた。
C子の前に姉と名乗る人物が現れたのだ。
それがB子だった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:55:03.24 ID:qgtMKTRN0<> それがどの時期なのか、ここも詳しくはしらない。施設を出る前なのか後なのか。
しかし、現れたB子はC子と血のつながった実の姉だった。

実は施設に捨てらたのはC子だけではなかった。
B子とC子ともう一人を含めて、3きょうだい、3人ともが捨てられていたのだ。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:55:18.45 ID:qgtMKTRN0<> B子はC子よりも大きかったせいか、すぐに貰い手がついた。
そして養母を実の母親と信じて育った。
同様にもう一人の子どもも貰い手がついて施設をかなり初期に出て行った。
一番小さかったC子はその存在を知らなかった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:55:37.15 ID:qgtMKTRN0<> 不自由なく育てられたB子だったが、自分が血のつながった子ではなかったことを知る。
B子は、これどういうこと?と母親に詰め寄った。
母親はこう返した。
「あ、バレた〜?」
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:55:53.65 ID:qgtMKTRN0<> B子の母親は高翌齢となり、介護を必要とするようになった。
B子を引き取った時にすでに高翌齢だったのではないかと思う。
B子は母親を介護し、そして看取った。
B子は生涯の仕事として、介護の仕事を選んだ。

そして、B子の血のつながった家族探しが始まった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:56:18.57 ID:qgtMKTRN0<> 最後まで施設にいたためか、C子が最初に見つかった。
この時のC子の心境は複雑だったと思う。
自分は親も知らず苦労して育ったのに、親元で育ち、親のいない苦労を知らなかった姉を恨むようになった。
しかし、表面上は姉と仲良くしていた。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:56:35.29 ID:qgtMKTRN0<> 施設に捨てられていたもう一人のきょうだいも発見した。
そして姉妹で会いに行った。
しかしもう一人のきょうだいは結婚しており、養父母と新しい家族の方が大事ということだった。
そして、もう会いに来ないで欲しい、とも言った。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:56:48.29 ID:qgtMKTRN0<> 続けてB子は血のつながった親を探そうとする。
そして、捨てられた自分たち3人の上に、更に3人のきょうだいがいることを知る。
しかし、誰一人会うことはできなかった。
個人情報保護の名のもとに、それ以上の追跡ができなくなったのだ。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:57:15.26 ID:qgtMKTRN0<> C子とB子は近所に住むようになり、B子は自分の家にC子を遊びに来させるようになった。
B子は妹がいることがうれしかったのだと思う。
しかしC子は歪んだ家族愛から、姉に復讐をしてやろうと思っていた。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:57:26.69 ID:qgtMKTRN0<> 手始めに、C子は姉の預金通帳を手に入れて、100万程の貯金を無駄に使った。
B子はそれにまったく気付かなかった。

次にC子は姉の男を奪ってやろうと考えた。
<> 1
◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:57:38.90 ID:qgtMKTRN0<> B子はいい女だったが、男運はなかったと思われる。
彼氏はいたが、高翌齢で、いずれは自分の介護をB子にさせようと考えている節があった。
B子はその不満からか、単にさびしかったからか、ある出会い系サイトに入り浸ることになる。
出会いを求めていたのか、単に話し相手が欲しかっただけなのかはわからない。

そこで一人の男と出会う。
それが、俺である。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:58:22.50 ID:qgtMKTRN0<> 俺はといえば、セフレでもできればいいな、くらいに思っていた。
しかし悪人になりきれないのか、普通に会話も楽しんだ。
中でもB子は話しやすい女だった。

B子は人が良すぎたし、俺の好みでもないので、まったく狙ってはいなかった。
しかし、むしろそれが仲良くなれた理由だったかもしれない。

どうやらB子も、俺のことを信頼できる相手と認識していたと思われる。
これは後に変わった形で俺に知られることになる。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:58:36.50 ID:qgtMKTRN0<> 俺たちはいつもチャットやメッセで話をしていた。
文字だけなので相手の情報はほとんど入ってこない。ただ会話は面白かった。
俺はB子とのコミュニケーションを楽しんでいた。
B子は本当にいいやつだった。
<> 1
◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:58:52.81 ID:qgtMKTRN0<> 当時同じ出会い系サイトで、なぜか俺のことを気に入って近づいてくる女が現れた。
なぜ俺を気に入ったのかはわからなかったが、下半身に従って行動していた俺は深く考えなかった。
モテ期が来た、くらいに思っていたかもしれない。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:59:11.68 ID:qgtMKTRN0<> 俺は当時、引っ越しを考えていたので他人の部屋の間取りが気になっていた。
その女のいう部屋の間取りが、以前に聞いたB子の部屋のとまったく同じだった。
また、デジカメも買いたいと思っていたので、よく人に持っているデジカメの型番を聞いていた。
その女の持つデジカメが、以前に聞いたB子のデジカメと同じ型番だった。

俺の頭は混乱した。
B子は多重人格で、別々の存在として同じ肉体を持ち、両方が別人として俺に接触をしてきたのか、と荒唐無稽なことすら考えた。
しかし、オチはなんてことはなかった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:59:27.03 ID:qgtMKTRN0<> その女はC子だったのだ。
姉であるB子から男を奪おうとして俺に近づいてきたのだ。
そして質問に対しては、姉の部屋の間取りや、姉の持っているデジカメを答えたのだ。
俺はもちろんB子の男ではないし、会ったことすらなかった。
しかし、姉のパソコンを自由に使えるC子は通信記録から、姉がもっとも信頼する男と判断して俺に狙いを定めたのだ。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 19:59:57.09 ID:qgtMKTRN0<> 当初は俺と姉との仲を引き裂くことを目的としていたC子だった。
しかし、俺は姉の男ではなかった。
更に、C子をまったく疑わないB子の天然ボケと、最後までまったく気付かなかった俺の天然ボケに、遂に良心が咎めたのか、真相を告白してきた。
要するにC子も人が良かったのだろう。
ミイラ取りがミイラとなったのか。C子は俺に惚れていたのかもしれない。

真相を知った俺の反応は、
「なあんだ」だった。
以前に想像した荒唐無稽な考えの謎が解決したので単純にうれしかったのだ。

こうして、B子の妹としてのC子と俺の関係が始まった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:00:10.31 ID:qgtMKTRN0<> 普通の家庭に育った俺は、普通の家族観を持っていたと思う。
だから、C子の姉に対する歪んだ家族観が非常に目についた。
しかしその裏で、C子が姉のことを想っていることも知った。
C子はただ単に、家族に対してどうつきあっていいのかわからない感じだった。
遅めの反抗期といった感じだ。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:00:26.80 ID:qgtMKTRN0<> 俺はまずB子の通帳を返すことを提案した。
C子は姉に怒られる、と嫌がったが、俺はB子の性格からして絶対に怒らないという自信があった。
C子は実行した。
中身はしょうがないので正直に話すようにさせた。
B子の反応は、
「○○ちゃんが持ってたの?どこにいったのかと思ってた(笑)」
だった。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:00:53.05 ID:qgtMKTRN0<> C子は俺の前では、B子のことを、お姉ちゃん、と呼んでいた。
または、○○子さん、と本名に、さん付けで読んでいた。
B子は、C子のことを、○○ちゃん、と呼んでいた。

ここでは、B子、C子、と記しているが、二人の本名は同じ名前である。
児童養護施設に捨てられていたとき、C子の服に、その名前が書いてあったらしい。
しかし、C子の名前なのか、B子の名前なのかがわからない。
C子の着ていた服がB子のお下がりだった場合、B子の名前の可能性もある。
施設の人は、どちらの可能性も否定しないように、二人に同じ名前をつけた。

俺はB子を、基本的にはハンドル名で呼んでいたので不便は無かった。
C子に対しては、同じ名前で妹の方、ということで、小○○(こ○○)と呼んでみることを提案し、そう呼んでいた。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:01:29.06 ID:qgtMKTRN0<> B子の仕事はそれほど稼ぎがいいわけではない。
しかし、妹のために貯金をしようと、別口で通帳を持って積み立てていたほどだった。
さらに、妹のわがままは何でも聞くような状態だったらしい。
仕事上、自動車を持っていたB子だったが、古くなったその車の買い替えよりも、C子にねだられた車を先に買おうと無理をしていた。
自宅の旧式な二層式洗濯機を、つらい冷え性に耐えながら使っている、とC子が教えてくれた。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:01:51.35 ID:qgtMKTRN0<> 俺はそれを聞き、B子に全自動洗濯機を買おう、と提案してみた。
C子も金がなかったので、俺が半分出した。
C子には、洗濯機を置く場所のサイズを測らせた。
俺は家電売り場に行き、サイズに見合う全自動洗濯機を買ってB子の家に送った。
配達される洗濯機の受け取りの時刻はC子に調べさせ、B子がいなくてC子だけが家にいる時間帯を狙った。

帰宅して新しい洗濯機の存在を知ったB子は喜びの舞を踊ったらしい。
C子がそれを実況中継してくれた。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:02:20.49 ID:qgtMKTRN0<> その後しばらくして姉妹とは少し疎遠になる。
たまにメールやメッセで話す程度の仲ではあった。

相変わらず姉に対して壁を作るC子だった。
しかし、どういう態度をとればいいのかわからないだけ、俺はと知っていた。
だから、かなりおせっかいなことをしていた。
メッセを使って姉妹と別々に2窓で会話しているときに、強引に3人での接続にしてみた。
その提案をしたとき、C子は最後まで嫌がっていた。
接続後、俺は発言をしなかった。

最初に発言したのは、B子だった。
「○○ちゃん?」
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:02:32.61 ID:qgtMKTRN0<> その後、姉妹で近況報告をし合っていた。
C子は姉とメッセで会話しながら、裏では俺とだけつながって、
「何を話せばいいのかわからない!」と言っていた。
俺は「話せてるよ。大丈夫」くらいのことを言ったと思う。
C子は姉と仲良くしたいのだ。
ただ、家族を知らないので、どうやって仲良くすればいいのかが解らなかったのだ。
恨むことでしか、姉を家族として受け入れられなかったのだ。

会話が終わったあと、俺はB子に、ありがとう、と言われた。

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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:02:47.91 ID:qgtMKTRN0<> また疎遠になり、メッセもしなくなり、C子からの突然の電話で彼女が結婚したことを知る。
そして話はC子編の冒頭に戻る。

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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:03:05.45 ID:qgtMKTRN0<> C子の脱出は今思えば簡単だった。
時刻通りにやってくる電車に、順に乗せるだけなのだ。
俺は、C子が家に残していく犬たちのことを考えていたが、それは口にしなかった。

俺はC子が電車に慣れていないことを考えて、わかりやすい説明を心がけた。
○○駅で、何分待って、次に△△行きの電車に乗れ、といった感じだった。
電車は致命的な遅延などは一切なく、順調に進んだ。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:03:18.09 ID:qgtMKTRN0<> 距離があったのだが、運賃の関係で各駅停車にしか乗れなかった。
しかし乗り鉄には却って嬉しい状況だった。
そして、丸一日かけてC子はシェルターにたどりついた。

あとは、シェルターの職員がうまく取り計らってくれた。
C子はしばらくシェルターにかくまわれることになった。
旦那は当然抵抗したが、職員は手慣れた対応をした。
旦那本人にその気がなくてもそれも立派なDVだ、などと話をしたらしい。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:03:30.61 ID:qgtMKTRN0<> 俺は、C子に、東京へ戻って姉の元に身を寄せるように提案した。
二人は戸籍上のつながりが無い。
そこで、B子の養子としてC子を受け入れてはどうかとも提案した。
たぶんB子は戸惑いはしても乗り気だったと思う。
養子の方法は、戸籍にこだわるレズビアンのカップルがよく使う、入籍に代わる手段だった。
血の繋がりを持ちながら戸籍上は他人の姉妹が、本当の家族になるにはそれしか無い、くらいに思っていた。
俺は、C子が子どもを産んで、姉妹で育てればいいじゃないか、とも言った。
<> 1
◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:03:40.95 ID:qgtMKTRN0<> しかしその提案は実現されなかった。
シェルターにいるときに、C子に病気が発覚したのだ。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:03:52.87 ID:qgtMKTRN0<> 結局、旦那の家に帰って治療を受けることになるだろう、と言っていた。
診察した医者は、治ると言ったらしい。
しかし、内科の看護師だったC子は、それが治らない病気だと知っていた。

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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:04:06.31 ID:qgtMKTRN0<> D子の脱出行はC子ほど順調ではなかった。
まず電車が動いていないので、鉄道が使えなかった。
東北自動車道もいかれていて、東京行きのバスは出ていなかった。
タクシーもつかまらなかった。逃げたのか、みんなが乗っていってしまったか。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:04:20.60 ID:qgtMKTRN0<> 俺はツイッターなどを覗きまくって、現地の情報を探した。
有象無象の中から、一つの有益な情報をみつける。
脱出予定の前日から福島市から40キロ南にある福島県郡山市までの長距離バスが復旧しているらしい。
バスのサイトを見て確認し、D子に朝一の便でバスに乗ることを指示する。
<> 1
◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:04:40.59 ID:qgtMKTRN0<> 郡山に移動できれば手はある。
郡山市からリムジンバスで福島空港へ行き、そこから飛行機に乗る計画を立てた。
福島空港からは、本来は大阪行きと北海道行きの便しか無い。
しかしそのときは、震災へ対応するために東京行きの臨時便も出ていた。
それに乗れれば一番いいし、だめでもとにかく福島県を脱出できる。
D子は郡山行きのバスには、行動が早かったおかげか、難なく乗れた。
しかしバスでの移動中に、飛行機の座席が埋まってしまっていたことを知る。
<> 1
◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:04:55.09 ID:qgtMKTRN0<> 俺は再びさまざまなネット上の情報を集める。
脱出当日の午後から、東北新幹線が運行再開する予定であるとの情報を得る。
しかし、栃木県の那須塩原駅から南だけだ。
どうにかして福島県郡山市から、栃木県那須塩原市までの60キロを移動しなくてはならない。
ヒッチハイクなども考えたが、結局簡単にタクシーに乗れた。
福島市に比べれば、郡山市はタクシーがつかまりやすかったらしい。
地方の運転手が、福島なら稼げる、と考えて集まったのかもしれない。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:05:32.94 ID:qgtMKTRN0<> とにかくD子はツキに恵まれていたと思う。
脱出を決意した当日に郡山行の高速バスが復旧し、脱出当日の午後に新幹線が復旧していたことになる。

俺は到着時間を調べ、大宮駅にD子を迎えに行った。
改札口に現れたD子は、避難所でもらった毛布を抱えていた。
しかし、大宮駅にはそんな恰好をしている人は一人もいなかった。

福島県の悲壮感と、埼玉県の能天気とのギャップが、その毛布一枚に表れていた。

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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:05:47.83 ID:qgtMKTRN0<> C子と姉との関係がまだ余り良くなかった頃、C子が言っていた言葉が思い出される。
当時の彼女が見せる、精一杯の家族思いだったと思う。
「私が死んだらお姉ちゃんに伝わるようにしてある」

実際にその話がどうなったのか俺は知らない。 <> 1
◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:10:18.53 ID:qgtMKTRN0<> 物語は以上です。
D子の話は昨年のことですが、
姉妹の話は10年以上前のことになります。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:10:40.78 ID:qgtMKTRN0<> 今年(2012年)の3・11が来たことで姉妹のことを思い出しました。
また、最近になってこの手の掲示板で自分語りをする人の文章を読むようになり、自分も書き込もうと思いました。
これが書き込んだ動機になります。

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2012/04/02(月) 20:21:12.00 ID:qgtMKTRN0<> 目的としては、消息を絶ったC子の行方を知りたかったからです。
載せた情報はボカしてありますし、記憶違いや又聞きによる情報違いもあります。
C子が見つかったとしたら、ほとんど奇跡でしょう。
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◆BgdhAsHAsY<>sisterhood20110311@yahoo.co.jp<>2012/04/02(月) 20:23:29.77 ID:qgtMKTRN0<> 彼女が見つからなかったとしても、
彼女が存在した、ということを一人でも多くの人に知ってもらえたら嬉しいと思いました。

以上です。

読んでくださった皆さん。
ありがとうございました。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2012/04/02(月) 21:21:12.40 ID:9IlUhBVIO<> ちなみにBCDの現在の状況は把握してる?
知ってるなら可能な範囲で教えて? <> 1
◆BgdhAsHAsY<>sage<>2012/04/02(月) 21:34:49.84 ID:Jlcn4zUCP<> >>57
質問ありがとうございます。
C子は上記のとおり消息不明です。連絡先がわかりません。
B子は連絡が取れるので不要です。B子も(が)C子の消息を知りません。
D子は必要無いかと。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2012/04/02(月) 21:42:08.26 ID:kL7C6fcqo<> おつかれさま
シェルターの人がなんか知ってるとかだといいね

今どきはFacebookかな? <> 1
◆BgdhAsHAsY<>sage<>2012/04/02(月) 21:45:45.05 ID:Jlcn4zUCP<> >>59
ありがとうございます。

彼女の新しい姓がわからないのです。
旧姓では探してみましたが、ピンときませんでした。
でも、Facebookはもう少し探してみます。

シェルターは、B子が問い合わせるようですが、たぶん「個人情報の壁」が出てくるでしょう。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2012/04/02(月) 21:51:13.01 ID:kL7C6fcqo<> >>60
住んでるところは知ってたんでしょ?
そこから近くの病院さがせば?
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2012/04/02(月) 22:02:55.09 ID:Jlcn4zUCP<> >>61
住所は知りません。話してくれませんでした。駅に関しても適当にボカされてました。
旦那の勤め先が病院かどうかも分かりません。彼女の話と状況から推測しただけです。

正当な探し方では、詰んだと思っています。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2012/04/02(月) 22:17:03.02 ID:kL7C6fcqo<> >>62
うむ、10年も前だとねぇ
諦めずにがんばってや <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2012/04/02(月) 22:21:08.05 ID:Jlcn4zUCP<> >>63
ありがとうございます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(北海道)<>sage<>2012/04/04(水) 16:37:27.69 ID:u6My2x80o<> 一時期避難してたシェルターには記録残ってないの??
旦那のDVだとそのへんヒアリングはして記録残してそうだけど <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2012/04/04(水) 19:54:02.45 ID:zqyn2p5RP<> >>65
避難していたC子とは家族でもないので、難しいと思いますが、まずはそこに問い合わせることですよね
ありがとうございます。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(北海道)<>sage<>2012/04/04(水) 20:34:16.99 ID:u6My2x80o<> >66
可能ならB子同伴とかさ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2012/04/04(水) 20:35:26.59 ID:zqyn2p5RP<> >>67
B子もC子の「家族」じゃないんです <>