以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2016/08/12(金) 18:42:40.00 ID:+wroT4coO<>この世界、ヴェナトゥーラには魔力(マナ)が満ち、様々な種族で溢れている。
彼らは魔力の恩恵を授かり、時に争い時に手を取り今日まで生きてきた。
ここはそんな世界の一部、エスラ大陸に存在するシノニアム地方、レグノリア王国の王都レグノリア。
木と石造りの街には白亜の城塞が築かれ、未開の地には闇が招く洞窟や遺跡が点在しており、恵みと危険は人に限らず様々な種族へと平等に与えられてきた。
街には多種多様な種族が住んでおり、見回すだけでも、人間、エルフ、ゴブリン、獣人……他にも数え切れないほど多くの種族を見つける事ができる。

―――世界は巡る、今日もまた。
こんな世界を訪れたあなたは、
この世界をどう歩き、そして何を為すのだろうか?


・基本ルール
ファンタジー世界でのなりきりロールスレッドです。
ファンタジー世界の住民となり、他の住民と交流したり冒険したり自由に楽しみましょう。

・スレッドを楽しむための諸注意
-無敵の無双プレイや、相手の行動を確定させるような描写はNGです。皆で仲良く楽しみましょう。

-荒らしはスルー、反応される事が荒らしの目的です。NG登録もオススメです

-スレッド、したらば共に本人証明のためのトリップは必須です。

-キャラクターは何人でも登録可能ですが、使い捨てにはならないように注意して下さい。

・キャラクター
人間、エルフ、ドワーフ
獣人、ゴブリン、ヴァンパイアなど

世界には様々な種族が混在しており、種族間での意識もまた様々なものとなっています。
基本キャラクターは上記の通りですが、上記以外の人種やドラゴン、ワイバーンなど様々なモンスターも生息しています。
また、あくまでファンタジー世界のなりきりという事で、科学を持ち込むキャラクターはご遠慮下さい。

・次スレは>>950を踏んだ方が立てて下さい
立てれない場合は>>980の人がお願いします

したらば
http://jbbs.shitaraba.net/netgame/15600/

wiki
http://www65.atwiki.jp/jynfantasy/pages/1.html<>ここだけ純ファンタジー世界 ◆P7Bs/Son661n<>sage<>2016/08/13(土) 23:29:26.92 ID:5dO2fUE10<> >>40
箒に腰をかけながら、昼間では出せない速度で飛行する。
厚手のローブの代わりに貰ったヴェールを被り直す。
月光を頼りに、ずいぶん遠くまで来てしまった。きょろきょろと辺りを見回すと、畑、荘園というらしいが真下に広がっている。

ふと、うごめく影が見える。こんな時間にも働いているのかと感心するが、どうも様子が違う。
月明かりの中、目を凝らすとリーダー格らしき長身の少女だろうか。盗むと聞こえた。
目の前で盗みが行われている。誰かいないかと周囲を見渡してみるが、こんな時間だ。誰もいない。

どうしようとしばし考え込む。
こうしている間にも野菜はどんどん奪われている。

意を決して。

「もし、そこの様方、夜分遅くにお疲れ様です、ですがドロボーはいただけません」

窘めることにした。
二階ほどの高さから。

(/まだ大丈夫でしたらお願いします) <> ”ミス・ゴブリン” チャオチャウ 
◆EDK/pKvFQk<><>2016/08/14(日) 00:46:24.19 ID:QQdCGk1r0<> (このロールは「したらばロールスレッド>>40」http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/15600/1470047949/40 からスタートしています)

>>2

「んぬ?! どこぞからニンゲンの声が……!!

 ンゴ、ンガンギ、ニンゲ、アゴルル!! 
 
 (やろうどもぉ、どこかにニンゲンがいるぞー!!)」

 チャオチャウが顔に似合わず野太い声でゴブリン語で号令をかけると、
 周囲の妖魔たちが一気に警戒し、周囲を見渡す。

 だが、知能の足りない妖魔たち。彼女も含めて、その声の主が空中にあるとは思ってもいない。

『ヌ゛ギ、ニンゲ、オラポヨ!(ドコにもニンゲン、おらんよ!)』

 ゴブリン達が右往左往するが、姿が見えないため、彼女の方を向く。

「うーん……さては、厄介な術かなんか使ったのかもしれない。
 野郎ども、撤退だコラァ!! 野菜持って帰るよぉぉ!」

 チャオチャウが号令をかけると、見事な統率で両手いっぱい農作物を持ったゴブリンたちが今来た道を去っていこうとしている。
 チャオチャウはしんがりを務め、周囲を警戒し、ゴブリン達を逃走させている……
<>
◆P7Bs/Son661n<>sage<>2016/08/14(日) 16:31:50.30 ID:dPe4h1460<> >>3

マグダレナには彼女達の言っている言葉が聞き取れない。が、右往左往する様子に大体は把握する。自分を探しているのかと。
空中から声をかけたのは礼に欠いていたのかもしれないと少し心が痛む。実際どうなっていたかはさておき。
少女の野太い声に、自分だと名乗り出ることもはばかられ、どうしようかまた悩んでいると、どうやら撤退するらしい。野菜をもって。

「あらあら……」

口元に手を当てて考える。このまま見過ごせば自分は安全だろう。しかし野菜は。
今から人を呼んだところで間に合わない。
ならば自分がするべきことは一つ。

「先ほどは上から失礼しました、しかしです、どうかその野菜達は置いて行ってくださいまし」

しんがりを務める彼女の目線の高さまで箒を下降させ、深々と頭を下げ。

<> ”ミス・ゴブリン” チャオチャウ 
◆EDK/pKvFQk<>saga<>2016/08/15(月) 14:26:18.90 ID:fNGQ+m//0<> >>4

「ぬお!! まさか空から来るとは!
 オマエ、この畑のガーディアンか!」

 チャオチャウは完全に不意を突かれたが、あわてて背中にしょっていた3mミスリルメイス”でかコケシ”を構え、目の前の女をにらみつける。
 相手の声は特徴的な声であり……周囲の妖魔たちが箒にのった女の声が気になり、
 キョロキョロと様子をうかがっている。

「ここはもともと、ホギュレヒギャフヒヒ(褐色の断崖)のナワバリ!
 そこをニンゲンが勝手に農地にし、タネをまいた。
 育ったものを持っていって盗んで、ナニがわるい!」

 凶暴ブタを乗りこなし、チャオチャウは巨大こん棒を女の前につきつける。

「どうしてもおいてけ、と言うのなら……
 ウチを倒していくがいい!
 それがゴブリン族の、オキテ!
 つよいものの、言う事を聞く! よわいもの、それにしたがう!
 ウチの名は、チャオチャウ・ニキギニヒ。ナワバリまとめる、リーダー!」

 ふんふん、と鼻息荒く、野生の掟をつきつける、弱小ゴブリン酋長…… <>
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/15(月) 17:02:26.23 ID:nHyJTBio0<> 「あ、いえ、ただの通りすがりです」

睨み付けてくる少女に思わず否定する。随分大きなメイスに素晴らしい膂力だと感心し。

「まあ、そんな事情があったのですね」

ナワバリと聞いて、こん棒を突き付けられて、あらあらと口元に手を当てる。
ただの畑荒らしとは違うらしい。
どうしたものかと悩む。

「チャオチャウ様ですか、ご丁寧にありがとうございます。
 私、人魚のマグダレナと申します。」
 
相手が堂々と名乗ったのに自分も正体を明かさずにいるのは失礼だろうと、スカートの裾をめくる。

「ゴブリンるーるではそうなのですね
 ですが私のるーるでは、盗みも暴力もいけないと習いました。
 そうですね……何も後ろ暗いことなどなければ、盗みなどなさらずに堂々となさってはいかがでしょう?」

「まずは、対話をです。それがこの地に生きるものの道理だと思うのです。それが無理だと言うのならば私も掟に従いましょう」

箒を強く握り直し。

<> ”ミス・ゴブリン” チャオチャウ 
◆EDK/pKvFQk<>saga<>2016/08/15(月) 17:10:58.79 ID:buiEkC8n0<> >>6

「ニンギョ? ニンギョってあれか、王子様とケッコンして、アワになるやつか!」

 大昔……チャオチャウが変態貴族に飼われていたころ読み聞かされた童話を断片的に思い出し、目をパチクリさせる。
 ゴブリンはたいてい荒野にいるので、なかなか生の人魚を見たことがない
 そういわれれば、マグダレナは長いスカートをしており
 足が見れない……

「……うしろ? が、暗い? が、ナイ? ん? ん? 夜だから暗い。後ろ?
 ……堂々、……堂々! おお、よし、正々堂々殴り合えってコトカー!!」

 だいぶわかりやすくマグダレナが解説してくれたにもかかわらず、
 ゴブリンの知能では理解できなかった模様。
 チャオチャウは「宣戦布告」と受け止めたようだ。

 周囲のゴブリンやコボルトたちは、人魚の声に魅了されたか、
 逃げるのも辞めて野菜を持ったまま呆然と立ち尽くしている
 この戦闘に介入する気はない様だ。

「よっしゃー、どっちが強いか、勝負だコノヤロー!!」

 チャオチャウは乗っていたブタに足蹴を食らわせ、メイスを構える
 チャオチャウを乗せた暴れブタは狂ったように一直線にマグダレナに向かって突進していく!! <>
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/15(月) 22:35:56.95 ID:nHyJTBio0<> >>7

「あ、結婚できるパターンもあるのですね、その方が素敵です」

人魚に伝わる話では悲恋を通しての人間に近づかない為の戒め話としての役割が大きい。
今この場ではあまり関係ないが。

「あれれー?そうなっちゃいますか?」

宣戦布告とみなされ、自分の言葉が足りなかったのかと悩む。

そういえば、と周囲を見回すが動く気配はない。
一騎打ちを所望なのかと納得する。原因が自分だとは気づかない。

「私、荒事は得意では……」

そう言っている間に、ブタが迫って来る。突進力は凄まじいものだ。ひとたまりもない。
故に慌てて右に避ける。が、勢い余って箒から落ちる。

「いたた……」

攻撃された、と判断したのだろう。
彼女の周囲からゴボゴボと水が湧き出す。

「っ……よけてくださいまし!」

湧き出た水はコブシ大の水の玉となり、ブタ目掛けて飛んでいく。 <> エリーゼ・ベルンシュタイン
◆wHkJ4STnMw<>saga<>2016/08/15(月) 22:52:38.89 ID:GHRZio2w0<> 夜も近い黄昏時。建物の多い王都では地平線に沈む夕日を見るのは難しいが、変わりゆく空の色は逢魔が時の名にふさわしい。
そんな暗くなりつつある中でも、徐々に灯っていく街灯と建物から漏れる明かりのおかげで王都は昼間とも錯覚しかねない。
往来は帰路につく日中に忙しなく働いていた人々と、ようやく活動を開始する夜に勤める者達で騒がしい。
依頼の受注を主とする公共ギルドを兼ねた酒場も、酒の匂いと喧騒に包まれ活気に満ちていた。
その中央、明らかに不穏な空気を纏って睨み合っている人影がなければの話であったが。

「……じゃあなんすか、私じゃ弱っちくてこの依頼は無理だからあんたらに譲れって言うんっすか?」

一方は背丈の小さい少女。とはいえその体躯はくたびれた真っ黒なローブで覆われ、声で判断するよりはないのだが。
片手で射し込む西陽から顔を守り、もう片方の手には一枚の紙。これがトラブルの元になっている依頼書のようだ。

『そういうこった。どれだけ自信があるのかは知らんが、お嬢ちゃんにはちょっと荷が重いと思ってなぁ』

『そうそう、感謝しろよぉ?俺らが代わりに受けてやるって言ってるんだからなぁ!』

もう一方は筋骨隆々な二人組の男。下卑た笑みを貼りつけて、少女と出入口の間に立ち塞がっていた。
腰にさげたククリは過剰なほどの装飾で存在を強調するが、真に熟練した冒険者であれば無用な長物であることは察するに難くないだろう。
少女もそれを分かっているだろうからこそ、ここは譲れないとばかりに仁王立ちをしているのだから。

「そうは言ってもっすね、これは私が先に取ったもので……」

そうして同じような問答を何度繰り返したろうか、双方声に苛立ちを滲ませ始めていた。
周りの客といえば我関せずと素知らぬ振りをするかいらぬヤジを飛ばすかのどちらかで、その辺りからもこの酒場の雰囲気の悪さというものが窺い知れるだろう。
割って入ろうとする者は見受けられず、どちらも譲らじとまさに一瞬即発。店主らしき男がまたか、と言いたげに首を振った。 <> ”ミス・ゴブリン” チャオチャウ 
◆EDK/pKvFQk<>saga<>2016/08/15(月) 22:56:28.82 ID:IW4Tvsgf0<> >>8

「おおっ、おおおお!」

 無慈悲に、無邪気な、一直線の突進――!
 女はあわてて右に避けたが、その周囲に突如、すさまじい量の水が噴き出す。
 さらにその水は弾丸のような速度で、こぶし大の水玉が乗っていた豚に命中する!!

 グモーッ、と豚はのたうち回る。チャオチャウは思いっきり振り落とされる……。

 が、メイスを地面に突き刺し、グルッと一回転して地面に着地する。

「やるな……ニンギョの魔法使いか!」

 メイスが、怪しく光る――
 このミスリルメイスは、チャオチャウはあまり意識していないが、古代魔法文明に作られた建築物の一部であった。
 強力なアンチ魔法の術式がきざまれており、魔法を跳ね返す効果を持っているという。

「容赦しないぞォ……。頭をイッパツぶん殴って、ノシてやるさあ!」

 知能の低いゴブリンの少女、鼻息を鳴らす……
 相手が付近で縄張り争いしているオーガーたちとおんなじくらいの耐久力だと思っているのだろう。
 そこそこの能力者だと思い込み、まったく手加減する気配はない。

「てぇぇぇぇえええい!」

 大げさにメイスを振り回すと……
 マグダレナの脳天めがけて、そのメイスを振り落とす!

 はたして憂いの人魚少女の運命やいかに?! <>
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/15(月) 23:19:19.97 ID:nHyJTBio0<> >>10

「ああ、ブタさん、ごめんなさい……」

意図せず発動する自動攻撃。
申し訳ない気持ちで一杯になるが、今はそうもいってられない。
彼女はこれから自分の頭をぶん殴るらしいのだから。
間違いなく死んでしまう。

振り落とされるメイスに、走馬燈が流れる。ああ、やっと友達もできたのに。

「なじかはしらねどこころわび……」

頭を過ったのは、彼女の里に伝わる歌だ。できることなら彼に聴いてもらいたかった。
これが最後。そう覚悟して口ずさむ。 <> ”ミス・ゴブリン” チャオチャウ 
◆EDK/pKvFQk<>saga<>2016/08/15(月) 23:42:29.78 ID:IW4Tvsgf0<> >>11

『なじかはしらねどこころわび……』

 人魚の少女は観念したように、小さく詩を口ずさむ。
 ”水龍の加護”は依然発動しつづけ、すさまじい量の水が周囲に吹き出し彼女を守ろうとするも、ゴブリン少女のミスリルメイスは、魔法の水を断ち切るかのようにその水流を割っていく――

 絶対――絶命!

 だがその瞬間、人魚少女の目に光るものが……
 それを見た周囲の妖魔たち。手にした野菜を放り投げ、
 なぜか人魚の周りに殺到する!!

「おっ、おいオマエラ、邪魔するなあ!!」

 妖魔――特にゴブリン達は、光り物には目がない。
 人魚の目からこぼれ出た真珠を見ると、矢も楯もたまらず周囲に集まってしまった。
 妖魔に邪魔される形で、チャオチャウは攻撃を止める。

「なっ、どうしたんだオマエラー!」

 さらに、それだけではない。
 その歌に妖魔たちは聞きほれたのか、とろんとした目で人魚の周囲にとどまり、その歌に魅了されている……

「ええい、このアホー!! 野菜拾えコノヤロー!
 ニンギョ、お前、その歌でみんなをなにかしたなー」

 チャオチャウは、やがてあきらめたようにそこにアグラをかく。

「ええい、もーヒキョウモノめ。ナカマを操られちゃウチもどうもできねー」

 チャオチャウは攻撃の意思を放棄すると、自動発動していた"水龍の加護"は解け、水の盾が形状崩壊し、ゴブリン達の頭に降り注いだ。

「ぶぶぶ……」

 皆、ずぶぬれになり、目を覚ましたようにポカンとしている……。 <>
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/16(火) 00:15:32.47 ID:MnR9b+wv0<> >>13

自分の人生もここまで―
そう思うと自然と頬を熱いものがつたう。

「……?」

と、思いきや衝撃が中々振ってこない。
目を開けると、妖魔が零れた涙、真珠の元に集まっている。
なにかそういう習性でもあるのかといぶかしげにおもうが、部下に邪魔されては大将も攻撃できないらしい。
なりふり構わないリーダーだったら今頃自分はひしゃげていただろう。

「むかしのつたえは……」

マグダレナは歌を続ける。
何かしたのか。したらしい。まさか死に際の悪あがきが続けて功を奏すとは。
自分は運が良かったようだ。
しかし卑怯な手ではあることに間違いはないので若干心を痛めながら。

自動発動していた加護が解けると歌を止める。

「あの……大丈夫でしょうか?」

とはいえ結果が、生きていることがまだ実感できない。こちらも半分ぽかんとしながら。


<>
◆de9cC/tUDD9d<>sage saga<>2016/08/16(火) 00:16:51.19 ID:2UBt5GH+o<> >>9
小刻みに黒銀の耳が動いている。何やら先ほどから背後で起きている揉め事は収まるところを知らず、長い堂々巡りを続けているらしい。
当初はよくある揉め事だと流していたが、ちらりと見た限り、どうにも男2人の言い分こそ間違っているように思える。
また、彼らの賤しい声に耳に纏わりつくような不快感を覚えてしまい、やっと酔いが回り良い気分になってきた所だというのに、酒が不味くなりそうだ。
大きく長い溜息をつく。念のため、半眼の瞳で周囲を見回すが止めるどころか唆す者ばかり、どうやら自分で諌めるしかない様子。
場の空気を白けさせる可能性は高いが、まぁ、仕方がないか。
立ち上がる。

「―――なぁ、おい。酒が不味くなるから、さっさと終わらせてくれよ」

言葉ではどちら側につくかは明言せず、ただ、揉め事をおさめるよう勧める。
ただし、行動は別だ。ふわりと少しばかり膨れた毛並みは威嚇の意を示し、半眼の瞳と眉間の皺は不愉快だと言外に告げる。
ややドスのきいた声は、明らかに男たちへと向けられて。これで立場は明言したも同じ、さて問題はそれが少女へ伝わるかだが。
乱闘騒ぎは覚悟の上での動き。やや少女よりの中間に立ち、いざという時は庇えるようにと心構えは忘れずに。

ただ一つ心配なのは、この狐の青年。本日は飲みに来ただけの状態であり、鎧など当然着込んでおらず、武装と呼べるものは腰に下げたダガーナイフ一本のみなのだった。 <> ”ミス・ゴブリン” チャオチャウ 
◆EDK/pKvFQk<>saga<>2016/08/16(火) 00:41:07.25 ID:acQnlha/0<> >>13

「まったく、ダイジョーブではナイっ」

 憮然とした顔でゴブリン少女はツーンとしている。

「セイセイドードーといいながら、ぜんぜんセーセードードーじゃなかったっ
 ……でも、仲間を守れなかったのは、ウチがわるいっ
 だから、モヤモヤしてるっ! ぷんぷんっ!」

 チャオチャウもまだ、自分が勝ったのか負けたのか、整理がつかない様子だ。

「でもオマエの魔法……ニンゲンのガーディアンとはちょっと違う
 なんていうか……なんだ? ポカポカっていうのか……」

 またどこかで、目の前の人魚少女が、自分の敵とも思えなくなってしまった。
 それは相手の魔力”人魚の特性”によるチャームの力だけではない、彼女自身の性格によるものだろう。

「まあ、今日のところは引き上げるっ。
 だが……ウチらはナワバリ犯すもの、許さない
 何度でもお野菜を取りにくるぞ……!」

 と……
 遠くで半鐘が鳴りだした。どうやら、本物のこの荘園の衛兵が気づいたようだ。

「おまえらぁぁぁぁぁああ!」

 立ち上がり、大きな声をあげる。
 チャームされていた妖魔たちは、水にぬれたのもあいまり、ハッと目をさます。元に戻ったようだ。

「かえるぞぉぉぉぉぉ!!」

 そういうと、妖魔たちは野菜を手放しつつ、おろおろと歩き出した。
 チャオチャウは全員がこの場を去るのを待ち、帰還する予定だ。
 そのさなかに、声をかけることはできるだろう。 <>
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/16(火) 01:02:35.14 ID:MnR9b+wv0<> 「……貴女はいいリーダーなのですね」

彼女の言葉を受けてマグダレナはそう返す。彼女の部下が少しばかり羨ましいとも思う。

今日のところは引いてくれるらしい。
それに安堵する。次はどうなるのかわからないが。今はそれでいい。

去っていく背中達に言いたいことはたくさんある、あるが

「チャオチャウ様!
 今度はゆっくりお話ししましょう、おいしいお茶を淹れますので!」

それしか浮かばなかった。

さて自分は衛兵ひいては土地の所有者を待たなければ。
ナワバリのこと。話したところで通じるかはわからないが。
それでも。

(/こんなところでしょうか拙いロールにお付き合いいただきありがとうございました!) <> エリーゼ・ベルンシュタイン
◆wHkJ4STnMw<>saga<>2016/08/16(火) 01:47:13.00 ID:WxDvgVZ+0<> >>14
衝突もあわやという寸前、突然割り入った声を向くのはほぼ同時。
そのいかにも不機嫌そうな声色に相対する二人組は、気圧されたかのように一歩後ずさるが引き下がるつもりはないらしい。
その面持ちをよく見れば赤らんでいるのが分かるだろう、どうやら彼らもこの騒ぎの前に酒に興じていたようだ。
不躾に自分達よりも一回り小さい乱入者の青年を眺め回すと、なにを思ったのか小さく鼻で笑った。

『おいおいなんだよ兄さん、そいつに肩入れするってのかぁ?ああん?』

『だったらよぉ、ちょっと表出ようぜぇ?どっちがその依頼にふさわしいかはっきりさせようじゃねえか』

にやにやと見下しながら親指で出入口で指し示す男。人数が同じになったのを見てとるや、最も簡潔で手荒な解決法に走るつもりのよう。
一方で驚きを隠せないのは、背中に庇われることとなった少女だ。
緋色の目を見開いてしばし呆然としていたが、我に返ると慌てて青年の服の裾を引こうとする。

「ちょっあの、ありがたいんっすけど、さすがにそこまで巻き込む訳にはいかないっすよ」

暗に自分だけで大丈夫、との意をこめているのだが人数と体格差を考えれば、客観的にどれだけ自分が不利な状況に見えるのかこの少女は分かっていない。
否、分かっていたとしても無関係な人間を巻き込んでしまうことに抵抗を感じないほど冷めた性分ではないのだが。
フードの下に心配そうな表情を浮かべ、おろおろと相手の出方を窺った。 <> ハードレイン・ピロウズ
◆R14/hMGVIo<>sage saga<>2016/08/16(火) 22:06:23.61 ID:2UBt5GH+o<> >>17
すん、と鼻がヒクつく。声だけでも充分不快だというのに、口臭までもが男たちの嫌らしさを増幅させているように感じられる。
人肌があったのならばきっと、ぞわりと鳥肌が立っていた事だろう。幸か不幸か毛皮は最初から逆立て気味なので、表向きそんな兆候は確認出来ないが。

「おうともさ。さっきから聞いてりゃ、どうにもお前らに苛ついてしょうがない」

『ヒトを舐め腐った態度が特に気に食わん』と、もう一睨みギロリと決め込んで。
売り言葉に買い言葉。ぶっ飛ばしてやらぁと意気込み狐はズカズカと店先に出ようとする。と、

「……なぁに、気にすんなって。俺はアイツらが気に入らないからブン殴りたいってだけだからな。ついでにお嬢ちゃんを助けるってだけさ」

裾を引かれ立ち止まり、答えは簡単。本音としては"ついで"の方がメインだが、遠慮がちな少女にわざわざそれを言うほど野暮ではない。
にっかり笑って、あわよくばぽんぽんと頭に手をやり狐の青年はまた歩き出し、店先へ。
好青年風な受け答えだが、どうにも少女の匂わせた意味は伝わらない。嗅ごうとすれば、この青年からも酒の臭いが漂っている事がわかるだろう。
忘れてはいけない、ここは酒場だ。ご多分に漏れずこの獣人もまた、程度は軽いものの酔っぱらっているのだった。 <> エリーゼ・ベルンシュタイン
◆wHkJ4STnMw<>saga<>2016/08/17(水) 01:01:26.02 ID:sayhdnqn0<> >>18
酒で気が大きくなっているのか、鋭い視線はへらへらと受け流す二人組。
しかし上がっている口角が僅かに引き攣っているのは気のせいではないだろう。
内心の恐れからか、そそくさと先に扉をくぐってしまう。

「いやでも……ってちょっとぉ!?」

少女といえばなおも食い下がろうとするが、颯爽と外へと向かってしまう青年。言葉は軽く頭をなでつけられてかき消えてしまった。
いっそ無理矢理にでも引き止めようかとも考えたが、ふわりと漂う酒の香りに思いとどまった。
少女とて見かけは子供でも長くを生きている、酒を嗜むこともあるがだからこそ、その恐ろしさも知っているつもりなのだ。
下手に刺激してもさらなる面倒事を招きかねない、小さく呟き慌てて後を追った。

「お嬢ちゃんって歳でもないんっすけどねぇ……」

さて外に出てみれば夜の帳は既に落ちきり、しかし魔力による外灯のおかげでそう困ることは少ないだろう。
先に外に出ていた二人組はなにが楽しいのか相変わらず下品な笑みを浮かべ、やや離れて立っている。

『おうおう、尻尾巻いて逃げ出さないたぁ、度胸だけはあるみたいだなぁ?』

『それともそこのお嬢ちゃんにいいとこ見せたいからって張り切ってんのかぁ?後悔するぜぇ!』

不必要に大声で喋る男達とそれを聞きつけたやはりガラの悪そうな通行人。
そこに外へ追ってきた野次馬根性丸出しの客が合わさって、小さな人だかりができつつあった。
そんな中でも緊張した様子はなく、余裕たっぷりに佇んでいる様はいつでもかかってこいとばかりの態度。
それに相対すれば、追ってきたフードの少女が隣に進み出て声をかけるだろう。

「さすがに両方相手させるのは申し訳ないっすからね、あっちの方は任せてほしいっす」

有無を言わせぬ口調。顎をしゃくって二人組の片方を指し示す。
弱者のための義憤を理解していないわけではないが、だからといっておんぶに抱っこも納得がいかないのが本心だ。
少女の自尊心を汲み取ったならば見上げる顔が微かに微笑み、そうでなければ不本意そうに一歩下がるだろう。 <> ハードレイン・ピロウズ
◆R14/hMGVIo<>sage saga<>2016/08/17(水) 20:59:25.78 ID:ucB4nfVIo<> >>19
外へ足を踏み出すと、ひやりと冷気を纏った風が被毛を靡かせる。人肌だったならどれだけ気持ち良かっただろうか、残念ながら感じ取る事はできない。
周囲にできたこじんまりとした野次馬集団を一瞥すると、やや大仰に溜息を吐いて。

無謀な事に、どうやら先手はこちらに譲るつもりらしい。相手の実力を見極められない程の馬鹿とはまったく、救いようのないものだ。
同時に、ずいと並んだ少女の言葉を耳にしてやや無遠慮に数秒、その表情を見つめて、

「……分かった、そっちは任せる。アイツらの言葉が間違いだって証明してやれよ」

ニッ、とギザギザの歯列を見せる。攻撃的にも思えるが、少女からするとお遊び程度の意思しか感じられない程度だろうもの。
すぐさま男たちへ向き直り、今度は彼らへと此方の戦闘体勢が整った事を見せる。
意識を向けてはいないが、野次馬の中には賭事を始める目敏い輩も出ている事だろう。そういった卑賤な観衆に対するパフォーマンスだ、派手に行こうじゃないか。

「―――口ばかり達者な若輩が、一丁前なツラしてんじゃねぇっ!」

観衆おあつらえ向きの大袈裟な動きで、挑発と同時に動く。獣人特有の筋力を活かして、ぐんと距離を縮め、前方へ。
先ずは小手調べといったところか。踏み込んだ足に勢いをのせ、身体の推進力を巧く流して半回転。
背中側にいる男ひとりを狙って蹴り出されたもう片足には勿論、鍛え上げた脚力をふんだんに盛り込んでおく。
上手く当たれば見事大きく吹っ飛ぶ事だろう、それこそ野次馬たちのど真ん中へと。
これで意識を繋ぎ止める事が出来たのならば、まぁ、男の実力を少しばかり認めてやっても良いかもしれない。 <> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/23(火) 22:25:59.42 ID:Xxsj2EKXO<> 「……」

仕事柄、様々な人間関係の渦中に放り込まれる事は多々ある
その中の多くは恨み辛みを抱くだけで、それならばアラビスも慣れてはいた
珍しいのだ、この場合のように復讐の行動を実際に起こすというのは

「……何の、誰の、どう言った仕事?」

身の丈程もある大剣を両手で構えながら
街の裏路地、傾きかけた日の届かぬ周囲を囲む3人の男と低い声で尋ねる
熟達した暗殺者ではない、金で雇われた傭兵崩れ、つまり自分と同じような身分の者達であろう
素早く見渡しそれとなく退路を求める、なかなかに難しそうだ
<>
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/24(水) 23:16:25.75 ID:TqkbznMT0<> >>21

日も傾きかけ、急いで帰路に着こうと近道になるだろうと路地裏へ。
入った先に、人影が。三人、いや四人だろうか。
最初は雑談しているのかと思ったがどうも様子が違う。剣を抜いている。しかも抜いているほうが取り囲まれている。
なぜかはわからないが。一触即発の空気。迷っている暇もない。

「だれか―、暴漢です!」

叫ぶことにした。
とりあえずの空気がぶち壊れることを祈って。


<> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/25(木) 02:18:05.72 ID:KSheyJ2oO<> >>22
びくりとその場の全員が肩を弾ませ声の方向を見やる、正にシンクロと言った具合の挙動
しかし声の主の正体を知るや、3人組はへらへらと緊張感のない笑みを浮かべる

『暴漢ってなひでぇなぁお嬢ちゃん、オジサン達はちょっとこいつと話がしたいだけなんだ』
『…怪我しねぇ内に引っ込みな』

それぞれの手に光る何か
短剣や手斧と言った小型の武器が握られているのだ

『…それともオジサン達と遊んで…グベラっ!?』

傭兵崩れの1人が下卑地味た笑みで歩み寄る途中、体をくの字に曲げて横に跳ぶ
見れば大剣を構えた少年、アラビスが剣腹で横薙ぎに殴打したのだ

『…テメェ!』
『そっちのもこいつの連れか!』

残る2人、迅速に行動を開始する
片方がアラビスへ向かい、瘦せぎすの男が短剣で突き刺さんと構えて女性へと駆け寄る!
<> マグダレナ
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/25(木) 16:42:09.65 ID:RYSXrzvD0<> 返ってきたのは下卑た笑みで、間違いなく少年が襲われている側だと確信する。
一人が歩み寄って来るのに、箒から落ちそうになるくらい後ずさりするが、突然男が吹っ飛ぶ。
見れば少年が、吹き飛ばしたのだ。
思わず拍手したくなるほど鮮やかだったが、残りの二人が動く。

「剣士様!」

少年が心配だが、一人はこちらに向かってくる。
水が音を立てて湧き立ち、マグダレナの前面を取り囲む水の盾を形成する。
衝撃を受けると水に霧散するだろう。

「なぜあの方を襲うのです、あの方があなた方に何をしたというのですか」

まともな回答が返って来るとは思えないが、問わずにはいられない性分らしい。 <> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/25(木) 21:11:10.82 ID:LXNZEW0EO<> >>24
『…魔道士か!』

瘦せぎすの男は即座に横に飛翔、腕を払うような仕草で手に持つ短剣を投擲
水の壁の性質が掴めず、様子見の一手とした模様
対魔法の心得は無くはないらしい

『…コックが牛を憎んで料理するとでも!?』

立て続けに短剣を取り出し構え、細かなステップを刻みながらマグダレナへの接近を試みる
叶えば短剣を振るうのだが、先程の一手で分かるように現時点では見に、守勢に回っている様だ <> マグダレナ
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/25(木) 23:08:45.08 ID:RYSXrzvD0<> >>25
投擲された短剣は、水の盾の前に弾き落とされる。
マナを失った盾は形を失い、ただの水となり地面を濡らす。

「!……そうですか……」

その一言で事情を察する。対話が通じる相手でもないと。
短剣を振るわれるが、盾の自動形成は間に合わない。
防ごうとした右腕から血が滴り落ちる。

「……っ!」

加護は攻撃、と判断したらしい。
濡れた地面から水が浮かび上がり、竜の爪の様な形をとった水の塊が勢いよく男に迫る。

<> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/25(木) 23:32:07.68 ID:LXNZEW0EO<> >>26
『ちっ…!』

自動防衛の魔法に襲われ慌てて後方へと下がる襲撃者
完全回避は不可能だ、水爪に襲われ背中から地面に倒れる形となる
トドメを刺すにも無力化するにも平等に絶好の機会

『グワーーーッ!!』

見ればアラビスも、手斧を持って襲って来た男を大剣の柄で殴り昏倒させているところだ <> マグダレナ
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/25(木) 23:41:35.24 ID:RYSXrzvD0<> >>27
水爪はただの水となり、また地面を濡らす。
とりあえず、近づいて短剣を没収させていただくことにする。

「剣士様!ご無事ですか?」

いまだ血が溢れる右手を抑えながら、少年の方を向く。
<> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/25(木) 23:56:08.64 ID:LXNZEW0EO<> >>28
『…クソ、ツいてねぇ』

仲間2人をのされ、自身も武器を奪われた痩せぎすの男は観念した風に不動

「…お陰様で」
「というより、そっちが平気?」

ふぅと息を吐き大剣を鞘にしまって背負う
武器に似合わず背も低く線も太いとは言えない少年はほぼ無傷だ
同じく向き直り目が合って、滴る真紅に目を細めた
<> マグダレナ
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/26(金) 00:07:30.97 ID:qSDCnuVX0<> >>29
少々居た堪れなさを振り切るように少年の方を向く。
大剣を扱える膂力に関心しながら少年の無事に安堵し。

「あ、平気です、もう全然!!」

慌てながら巻きスカートの裾を破くと右手に巻きつけようとする。
止血のつもりらしい。 <> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/26(金) 00:17:08.00 ID:44QCA8BxO<> >>30
「…一応、簡単な回復魔法なら使えるけど…」

歩み寄る少年、成る程確かに線は細めではあるが筋肉がない訳ではない
がっしりではなく、しっかりとしたしなやかな体つきなのである
もし否定や、拒絶が行われなければ低級の回復魔法を傷口に用いるだろう
止血程度の気休めではあるが、時には気休めは大切だ

//すみません、また次の返信明日になってしまいそうです… <> マグダレナ
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/26(金) 01:14:40.24 ID:qSDCnuVX0<> >>31

「回復魔法も使えるのですか?素晴らしいです!」

目をきらきらと輝かせまじまじと少年を見つめる。
若木の様なしなやかな体に、これからもどんどん強くなるのだろうと感心し。
素直に右腕を差し出すと、みるみる血は止まっていく。

「ありがとうございます、貴方様のおかげで助かりました
 私、人魚のマグダレナと申します。」

破れた裾からヒレが覗けるだろう。
ぺこり、と一礼をし。

//了解です! <> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/26(金) 08:40:25.46 ID:44QCA8BxO<> >>32
「簡単なのだけどね」
「…人魚」

起伏に乏しい表情に、やや変化が走る
人魚を始めて見たのだ、話には知っていたが現物を目にするのはこれが初
ヒレを確認すればそれが虚言ではないと分かる

「そうなんだ、はじめて見た」
「…ディーカトル、アラビス・ディーカトル」
「助けて貰ったのはこっちの気がするけど」

取り敢えずここから離れよう、と騒ぎを聞きつけた憲兵達の接近を遠間に察して表通りへと小走りに駆け出した
アラビス自身、余り憲兵達に対して良い印象を抱く事のできない立場と仕事にいるのだ <> マグダレナ
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/26(金) 22:40:13.48 ID:qSDCnuVX0<> >>33

「アラビス様ですね」

変化の生じた顔にやや照れくさそうに微笑み。
アラビスが小走りに駆け出すのに合わせて箒を進める。
ちらりと気にかかるが、後のことは憲兵に任せたほうがいいだろう。

「私はただ場に居合わせてしまっただけのこと。
 しかしそう言ってくださるのなら有り難いです。
 ふふ、うぃん―うぃんの関係というやつですね」

出血が止まった腕を、振って見せ。

<> アラビス
◆UfwtYZxFT6<>age<>2016/08/26(金) 23:06:29.27 ID:b4IKrf28O<> >>34
「うぃーん?」
「…あぁ、そうだね…」

言葉の意味が最初は理解できずにいたが、ややあって解して苦笑い
ともあれ周囲に人の流れが出来始め、石畳も行き交う人々の靴底に磨り減った物に変わる
表通りに脱出成功、流石にここに来れば先程までの事件からは逃げ切れたも同然だろう

「…改めてありがとう」
「僕はこの向こうの通りの宿を借りてる」
「もし何かあったら助けになるよ」

恩義に対して報いるべきは当然の事
少し頭を下げて社交辞令ではない言葉を告げて、微笑み掛けて別れるのであった

//長引いて来てしまってすみません、この辺で〆にさせて下さい。ありがとうございました、お疲れ様でした <> マグダレナ
◆P7Bs/Son661n<>saga<>2016/08/26(金) 23:20:08.68 ID:qSDCnuVX0<> >>35

「ふふ、何かあったら頼らせていただきます
 私も貴方様のお力に――なれるかはわかりませんがどうぞなんなりと」

左腕を振って別れを見届ける。
去っていったのを確認して、右腕の傷跡をつ、となぞる。
今になって痛みが襲ってくる。が後悔はない。
また一人、いい出会いをした。

//お疲れさまです。ありがとうございました!


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