小説を書きたい
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2:スカイメンソール ◆MorPhoC88A[sage]
2012/03/17(土) 16:48:50.26 ID:UL7z2Mkko
午前二時。夜空を照らす満月が黄金の世界を照らしつける。
身体を吹き抜ける一陣の風が辺り一面のススキ野原を揺らした。
いくほどの刻が流れたのだろう?
流石に不安にはなるものの、待ち合わせの時間より一時間早く来たのは自分だ。
一面のススキ野原に存在する自分が、まるで世界に一人きりかのような孤独を感じさせる。
待ち合わせの時間は本当に合っているのだろうか? 不意に浮かんだ疑問。
それを確かめるべく、キモノの袖にしまってあった四つ折りのA4用紙とケータイ電話を取り出した。
私は四つ折りにされた紙を手早く広げると、中に書いてある文字を見た。
「果タシ状
明日午前二時、ススキ野原ニテ果タシ合イヲサレタシ。」
ふむ、時間は合っているようだ。そしてケータイを開く。メールも着信も来てはいない。
時計はAM2:08を示していた。ススキ野原は広い。
待ち合わせ場所を細かに決めなければ一晩出会えない事も珍しくない。
しかし果たし状にはそれが指定されていないのだから仕方がない。
状とケータイを袖にしまうと、腰につけた脇差しの模擬刀を引き抜いてみた。
模擬刀はステンレス製で錆にくく、そして鉄よりも軽くて持ち運びしやすい。
しかし模擬刀とはいえ、勢いよく振り回せば人を傷つける事は容易いだろう。
人はそれほどまでに脆い存在なのだ。
月の光を反射して黄金に輝く模擬刀をひとしきり眺めると、また鞘に収めた。
「遅い…」


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