過去ログ - 上条「…死体?」土御門「ああ、屋上と体育館裏で見つかった」
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19:戦場の孤狼[sage saga]
2010/06/27(日) 02:01:56.57 ID:keb1pI20

 君は何か、絶対的に信じていたものが壊れた事はあるだろうか。
 ない、とは誰でも言えないはずだ。

 『年とともに信じるという事は薄れていく。
 ならば、信じていくという行為を信じなければいけない』

 これは信じていた誰かの言葉。
 信じなければいけない行為の一つだ、と自分は信じている。
 目的と手段の逆転。それでも構わない、と思う。
 肥大していき制御の効かない手段が、『自分が求めていた目的』に届きさえすれば……。その先は求めない。
 例え、自分が用いた手段が別の目的にはむかっていても。
 そして『自分が求めていた目的』が通過点で、自分を従わせる枷にしているとしても――。
 構わない。そう俺は祈るように『信じ』、行動した。

「……、……」
 
 しかし、失敗した。
 あと少しだった…。
 失敗した原因ははっきりしていた。十中八九、『彼女』いや『彼』だった。
 『彼』。
 そう、彼だ。彼の事を考えると、顔が愉しそうに歪むのが自分でもわかる。
 何度でも血だらけで倒れる彼を見るのは、愉快だ。
 何度でも努力し、戦術を工夫して立ち向かってくる彼を削っていくのは、最高だ。
 何度でも彼の大事なモノを傷つけたのを、彼に思い出させて眺める彼の表情なんて、射精ものだ。
 …本当にたまらない。

「        」

誰かの声が聞こえた。思考に専念した自分の意識を引き戻す。
「もうすぐ到着ですよ。…大丈夫ですか、上条さん」

「――、ああ」

 俺は静かに応答し、車の振動で揺れる窓に顔を向け、外の様子を見る。



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