15: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:03:59.22 ID:eT+S8Zf10
「何って、そりゃあ……」
当たり前のことすぎて、彼は続ける言葉を失った。
柔らかく、ふんわりした雰囲気。
藍子が持っている独特の空気。
さまざまな言葉が当てはまるだろうが、どれも正解で不正解にしかならない。
それには誰も、答えを持ち合わせていないからだ。
「………………」
「……プロデューサーさん、カフェへ行きませんか?」
唐突に藍子は彼を誘う。
意味も目的もないが、口をついて出た言葉だった。
「そうだな、行こうか」
彼も断ることはなかった。
仕事はまだ残っている。というよりまだ何も仕事に手をつけていないが関係ない。
今この場において、彼は藍子の誘いに乗ることが正解だと不思議と理解していた。
仕事を残して彼は藍子とカフェへ向かう。
いや、これも仕事のひとつだろう。自身のアイドルの悩みを取り払うことは。
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