宮尾美也「はっぴー・もーめんと!」
1- 20
15: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/06/19(月) 21:17:25.98 ID:Ekk8e1lEO


ふ〜…今日も、充実した1日でしたね〜。
空はとっても綺麗ですし、ちょうちょも見つけられましたから。
もう空は少しずつ茜色に染まってきてますけど。
今日は事務所の生放送番組があるそうで、プロデューサーさんの帰りは遅いらしいですから。

てくてくと、のんびり夕焼けに染まった道を歩きます。
普段とは違う帰り道なのに見覚えがある様な気がするのは、以前通った事があるからでしょうか。
そんな再び味わえる新発見を、もっともっと積み重ねて。
それを今までも、今も、これからも…

そんないつも通りのお散歩をしている時。
甘い時間を更に手に入れようとして。
少し欲張って、もっと初めて見る景色を集めようとして。
曲がり角を曲がった時…

「この道は見覚えが〜…っ!」

バクン、と。
いままでに無いくらい、心臓が跳ね上がりました。
一気に鼓動は早くなり、私に注意を促しています。
この道は…

私が、彼に救われた。
私が、記憶を失った。
私が、倒れこんだ。
あの夜の、道だったのですから。

一気にフラッシュバックするのは、あの夜の出来事。
聴き手なんてどうせいないだろうと、私は叫び続けた事。
そんな私を見つけた、私のプロデューサーと名乗るに運び込まれて、何とか助かった事。
ストーカーに追われて、必死に逃げ回った事。

「あれ?ほら静香ちゃん、やっぱり美也ちゃんだってばー」

追撃を掛ける様に。
道行く女の子の一人が、私に気付きました。
その瞬間、言い様の無い不安と寂しさを覚え。
気づいたら、私は走り出していて…

「だから貴女は何を言ってるのよ…彼女はーー」

周りをシャットアウトする様に、私はひたすら走りました。
まるであの日の様に、逃げて、逃げて、逃げ回って。
少し人通りの多い商店街に出ても、私は走り続けて。
早く、彼と二人だけの世界に、幸せに満たされた世界に戻りたかったのに。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
28Res/24.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice