文香「文学少女は純情だと思っていましたか?」
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/06/22(木) 18:59:58.86 ID:gkofDq5s0


 文学理論の講義のあと、僕は参考文献を求めてキャンパス内の図書館へと向かった。
 当然ながら、頭の中はまだ彼女の事でいっぱいだったけど。
 それでもよく分からない事に腑抜けて未来の僕に迷惑を掛けるわけにはいかない。

 それにしても、本当に綺麗な女性だったな…
 おそらく一個下か同い年だと思うけど、あんなに綺麗で大人びた人は初めて見た。
 後で知り合いに彼女の事を知っているか聞いてみようかな。

 さて、必要な本はこの辺りだったかな……えっと……

「あ……」

 また、彼女を見つけてしまった。
 先程と同じく本を抱え、本棚を眺めて歩く彼女を見つけた。
 たったそれだけの出来事で、僕の鼓動は跳ね上がる。
 これって運命なのか?彼女は運命の女神なのか?

 ……んなわけないだろ、中学生か僕は。

 本に囲まれた彼女は、本当に綺麗だ。
 熱中して本を探している彼女は、とても素敵だ。
 まだ向こうは此方に気付いていない様で、なんとなく邪魔するのは憚れるけれど。
 彼女が文学少女なら、尚更もっと近付きたい。

 お話してみたい。
 あわよくば名前くらいは聞いておきたい。
 更にあわよくば少し本について語りたい。
 更に更にあわよくば仲良くなって……おっと。

 いやでも、恐らく今この本棚の付近にいるという事は同じ講義を受けていた可能性が高い。
 ならば、そこから会話をしてみようと思うのは当然の事なんじゃないか?
 うん、今後課題をこなす時に相談する相手は多い方が良いに越した事はないし。
 名前くらいは聞いておいて損はないだろう。

 あの、と。
 そう話しかけようとした。
 その時だった。



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