文香「文学少女は純情だと思っていましたか?」
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39:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 19:18:26.81 ID:zsrGxcaJ0



「こんにちはー」

 ……鷺沢古書店の扉をくぐるも、返事はない。
 従業員の態度としてこれはいいのだろうか?と一瞬考えなくもないが、その従業員が本の虫なのだから仕方のない事か。
 奥へと進めば、いつも通りレジの向こうで彼女は本を読んでいた。
 頬を染めて片手で口元を押さえているが、丁度感動する場面を読んでいるのだろう。

「あ……こんにちは。今も、まだ降っていますか……?」

「うん、まだ降ってる。小雨とは言え嫌になるよ本当」

 此方に気付いた鷺沢さんが、少し疲れた様な表情で手を振ってくれた。
 それでも薄っすらとだが浮かぶ笑顔は、魅力に満ち溢れている。
 きっとそれだけで、この店を訪れた男の心を落とせるだろう。
 彼女の読んでいる本のタイトルを見なければ、に限った話だけれど。




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